漫画キャラバトルロワイアル Part16

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1Classical名無しさん
このスレは漫画キャラバトルロワイアルのスレです。
SSの投下も、ここで行ってください 、支援はばいばい猿があるので多めに

前スレ
漫画キャラバトルロワイアル Part15
ttp://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1207572442/
【外部リンク】
漫画キャラバトルロワイアル掲示板(したらば)
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/9318/
まとめサイト
ttp://www32.atwiki.jp/comicroyale
漫画キャラバトルロワイアル毒吐き2
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8882/1200415345/l50

1/4 【アカギ】○赤木しげる/●市川/●平山幸雄/●鷲巣巌
1/2 【覚悟のススメ】○葉隠覚悟/●葉隠散
1/3 【仮面ライダーSPIRITS】 ●本郷猛/●三影英介/○村雨良
1/4 【からくりサーカス】●加藤鳴海/○才賀エレオノール(しろがね)/●才賀勝/●白金(フェイスレス指令)
0/4 【銀魂】 ●坂田銀時/●神楽/●桂小太郎/●志村新八
2/4 【グラップラー刃牙】○愚地独歩/●花山薫/●範馬刃牙/○範馬勇次郎
1/4 【ジョジョの奇妙な冒険 】●吉良吉影/●空条承太郎/○ジョセフ・ジョースター/●DIO
0/4 【スクライド】●カズマ/●シェリス・アジャーニ/●マーティン・ジグマール/●劉鳳
0/4 【ゼロの使い魔】●キュルケ(略)/●タバサ/●平賀才人/●ルイズ(略)
1/4 【ハヤテのごとく】●綾崎ハヤテ/○桂ヒナギク/●三千院ナギ/●マリア
0/3 【HELLSING】●アーカード/●アレクサンド・アンデルセン/●セラス・ヴィクトリア
1/4 【北斗の拳】●アミバ/●ケンシロウ/●ジャギ/○ラオウ
1/4 【武装錬金】●防人衛/○蝶野攻爵/●津村斗貴子/●武藤カズキ
1/4 【漫画版バトルロワイアル】○川田章吾/●桐山和雄/●杉村弘樹/●三村信史
1/4 【名探偵コナン】 ●江戸川コナン/●灰原哀/○服部平次/●毛利小五郎
1/4 【らき☆すた】●泉こなた/●高良みゆき/○柊かがみ/●柊つかさ
計 13人 / 60人
2Classical名無しさん:08/05/07 21:58 ID:mQjvHpLM
【NGについて】
・修正(NG)要望は、名前欄か一行目にはっきりとその旨を記述してください。
・協議となった場面は協議が終わるまで凍結とする。凍結中はその場面を進行させることはできない。
・どんなに長引いても48時間以内に結論を出す。
『投稿した話を取り消す場合は、派生する話が発生する前に』

NG協議の対象となる基準
1.ストーリーの体をなしていない文章。(あまりにも酷い駄文等)
2.原作設定からみて明らかに有り得ない展開で、それがストーリーに大きく影響を与えてしまっている場合。
3.前のストーリーとの間で重大な矛盾が生じてしまっている場合(死んだキャラが普通に登場している等)
4.イベントルールに違反してしまっている場合。
5.荒し目的の投稿。
6.時間の進み方が異常。
7.雑談スレで決められた事柄に違反している(凍結中パートを勝手に動かす等)
8.その他、イベントのバランスを崩してしまう可能性のある内容。

上記の基準を満たしていない訴えは門前払いとします。
例.「このキャラがここで死ぬのは理不尽だ」「この後の展開を俺なりに考えていたのに」など
  ストーリーに関係ない細かい部分の揚げ足取りも×

例.「このキャラがここで死ぬのは理不尽だ」「この後の展開を俺なりに考えていたのに」など
  ストーリーに関係ない細かい部分の揚げ足取りも×

3Classical名無しさん:08/05/07 21:58 ID:mQjvHpLM
・批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。
 ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は
 修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。
・修正要求ではない批判意見などを元にSSを修正するかどうかは書き手の自由です。
・誤字などは本スレで指摘してかまいませんが、内容議論については「問題議論用スレ」で行いましょう。
・「問題議論用スレ」は毒吐きではありません。議論に際しては、冷静に言葉を選んで客観的な意見を述べましょう。
・内容について本スレで議論する人がいたら、「問題議論用スレ」へ誘導しましょう。
・修正議論自体が行われなかった場合において自主的に修正するかどうかは、書き手の判断に委ねられます。
ただし、このような修正を行う際には問題議論用スレに一報することを強く推奨します

・展開予想、ネガティブな感想、主観的な意見は「毒吐きスレ」でお願いします。毒は溜め込まずに発散しましょう。
・議論スレと正式に分離したことで毒吐きでの感想は過激化している恐れがあります。見る必要性もないので、書き手は見ないことを推奨します。
4Classical名無しさん:08/05/07 21:58 ID:mQjvHpLM
・批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。
 ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は
 修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。
・修正要求ではない批判意見などを元にSSを修正するかどうかは書き手の自由です。
・誤字などは本スレで指摘してかまいませんが、内容議論については「問題議論用スレ」で行いましょう。
・「問題議論用スレ」は毒吐きではありません。議論に際しては、冷静に言葉を選んで客観的な意見を述べましょう。
・内容について本スレで議論する人がいたら、「問題議論用スレ」へ誘導しましょう。
・修正議論自体が行われなかった場合において自主的に修正するかどうかは、書き手の判断に委ねられます。
ただし、このような修正を行う際には問題議論用スレに一報することを強く推奨します

・展開予想、ネガティブな感想、主観的な意見は「毒吐きスレ」でお願いします。毒は溜め込まずに発散しましょう。
・議論スレと正式に分離したことで毒吐きでの感想は過激化している恐れがあります。見る必要性もないので、書き手は見ないことを推奨します。
5Classical名無しさん:08/05/07 21:58 ID:mQjvHpLM
【能力制限】

◆禁止
・アーカードの零号開放
・武藤カズキのヴィクター化
・吉良吉影の“第三の爆弾バイツァ・ダスト”
・ギャランドゥ(ジグマールのアルター)の自立行動(可否は議論中?)

◆威力制限
・ゼロ勢の魔法
・空条承太郎、DIOの時止め
・スクライドキャラのアルター(発動は問題なし、支給品のアルター化はNG)
・アーカードの吸血鬼としての能力
・仮面ライダーの戦闘能力
・シルバースキンの防御力
・北斗神拳の経絡秘孔の効果
・激戦の再生力、再生条件

◆やや制限?
・グラップラー刃牙勢、北斗の拳勢、仮面ライダー勢、覚悟のススメ勢の肉体的戦闘力
・ジョジョのスタンド(攻撃力が減少、一般人でも視認や接触が可能)
・からくりサーカス勢の解体能力

◆恐らく問題なし
・銀魂キャラ、戦闘経験キャラなどの、「一般人よりは強い」レベルのキャラの肉体的戦闘力

【支給品について】
・動物、使い魔、自動人形などの自立行動が可能な支給品は禁止です。(自立行動を行わないならば意思持ちでも可)
・麻薬、惚れ薬、石仮面などの人格を改変するおそれのある支給品や水の精霊の指輪、アヌビス神などの人格乗っ取り支給品は禁止です。
・核金によって発現する武装錬金は、原作の持ち主の武装錬金に固定されています。
6Classical名無しさん:08/05/07 21:59 ID:mQjvHpLM
【基本ルール】
 全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
 勝者のみ元の世界に帰ることができる。
 ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
 プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。

【スタート時の持ち物】
 プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
 ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
 また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
 ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
 「地図」「コンパス」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランタン」「ランダムアイテム」
 「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。詳しくは別項参照。
 「地図」 → MAP-Cのあの図と、禁止エリアを判別するための境界線と座標が記されている。
 「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
 「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
 「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。
 「名簿」→全ての参加キャラの名前のみが羅列されている。写真はなし。
 「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
 「ランタン」 → 暗闇を照らすことができる。
 「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが1〜3個入っている。内容はランダム。
7Classical名無しさん:08/05/07 21:59 ID:mQjvHpLM
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
 二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであればしたらばの一時投下スレにうpしてください。
・自信がなかったら先に一時投下スレにうpしてもかまいません。 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない一時投下スレや没スレの作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
   ただしちょっとした誤字などはwikiに収録されてからの修正が認められています。
   その際はかならずしたらばの修正報告スレに修正点を書き込みましょう。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
 作品を撤回するときは自分でトリップをつけて本スレに書き込み、作品をNGにしましょう。
8Classical名無しさん:08/05/07 21:59 ID:mQjvHpLM
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
 ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
 改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
 特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
 ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。
9Classical名無しさん:08/05/07 21:59 ID:mQjvHpLM
書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
 自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
 また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
 あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
 それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、スレには色々な情報があります。
・『展開のための展開』はNG
 キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
 誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
 一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。
 紙に印刷するなど、媒体を変えるのも有効
 携帯からPCに変えるだけでも違います
10Classical名無しさん:08/05/07 21:59 ID:mQjvHpLM
【読み手の心得】
・好きなキャラがピンチになっても騒がない、愚痴らない。
・好きなキャラが死んでも泣かない、絡まない。
・荒らしは透明あぼーん推奨。
・批判意見に対する過度な擁護は、事態を泥沼化させる元です。
 同じ意見に基づいた擁護レスを見つけたら、書き込むのを止めましょう。
・擁護レスに対する噛み付きは、事態を泥沼化させる元です。
 修正要望を満たしていない場合、自分の意見を押し通そうとするのは止めましょう。
・嫌な気分になったら、ドラえもん(クレヨンしんちゃんも可)を見てマターリしてください。
・「空気嫁」は、言っている本人が一番空気を読めていない諸刃の剣。玄人でもお勧めしません。
・「フラグ潰し」はNGワード。2chのリレー小説に完璧なクオリティなんてものは存在しません。
 やり場のない気持ちや怒りをぶつける前に、TVを付けてラジオ体操でもしてみましょう。
 冷たい牛乳を飲んでカルシウムを摂取したり、一旦眠ったりするのも効果的です。
・感想は書き手の心の糧です。指摘は書き手の腕の研ぎ石です。
 丁寧な感想や鋭い指摘は、書き手のモチベーションを上げ、引いては作品の質の向上に繋がります。
・ロワスレの繁栄や良作を望むなら、書き手のモチベーションを下げるような行動は極力慎みましょう。

【議論の時の心得】
・作品の指摘をする場合は相手を煽らないで冷静に気になったところを述べましょう。
・ただし、キャラが被ったりした場合のフォロー&指摘はしてやって下さい。
・議論が紛糾すると、新作や感想があっても投下しづらくなってしまいます。
 意見が纏まらずに議論が長引くようならば、したらばにスレを立ててそちらで話し合って下さい。
・『問題意識の暴走の先にあるものは、自分と相容れない意見を「悪」と決め付け、
  強制的に排除しようとする「狂気」です。気をつけましょう』
・これはリレー小説です、一人で話を進める事だけは止めましょう。
11Classical名無しさん:08/05/07 22:00 ID:mQjvHpLM
【禁止事項】
・一度死亡が確定したキャラの復活
・大勢の参加者の動きを制限し過ぎる行動を取らせる
 程度によっては雑談スレで審議の対象。
・時間軸を遡った話の投下
 例えば話と話の間にキャラの位置等の状態が突然変わっている。
 この矛盾を解決する為に、他人に辻褄合わせとして空白時間の描写を依頼するのは禁止。
 こうした時間軸等の矛盾が発生しないよう初めから注意する。
・話の丸投げ
 後から修正する事を念頭に置き、はじめから適当な話の骨子だけを投下する事等。
 特別な事情があった場合を除き、悪質な場合は審議の後破棄。

【予約に関してのルール】

・したらばの予約スレにてトリップ付で予約を行います
・初トリップでの予約作品の投下の場合は予約必須(5日)
 ただし、予約せずに投下できなら、別に初トリでもかまわない

・予約時間延長(最大3日)を申請する場合はその旨を雑談スレで報告
・申請する権利を持つのは「過去に3作以上の作品が”採用された”」書き手
・修正期間は審議結果の修正要求から最大三日(ただし、議論による反論も可とする)
・予約時にはトリップ必須です。また、トリップは本人確認の唯一の手段となります。トリップが漏れた場合は本人の責任です。
・予約破棄は、必ず予約スレでも行ってください。

【MAP】
http://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/34.html
http://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/330.html (登場人物の位置あり)
12 ◆1qmjaShGfE :08/05/07 22:58 ID:DCm2xBoY
新スレありがとうございます。では引き続き投下いたします
13Classical名無しさん:08/05/07 22:59 ID:m4z4K2wA

14 ◆1qmjaShGfE :08/05/07 22:59 ID:DCm2xBoY
5:劉鳳、ジョセフ、ケンシロウ、コナン、服部、神楽の捜索。勇次郎、エレオノール、川田、ジグマールには警戒



[備考]
※光成がBADANに脅されていると考えています。また、BADAN側にも強化外骨があると推測しています。
※勇次郎の放送を聴きました。
※零の暗雲についての推測を知りました。
※かがみの主催者に対する見解。
@主催者は腕を完璧に再生する程度の医療技術を持っている
A主催者は時を越える"何か"を持っている
B主催者は@・Aの技術を用いてある人物にとって"都合がイイ"状態に仕立てあげている可能性がある
Cだが、人物によっては"どーでもイイ"状態で参戦させられている可能性がある。
※首輪の「ステルス機能」および「制限機能」の麻痺について
かがみがやった手順でやれば、誰でも同じことができます。
ただし、かがみよりも「自己を清める」ことに時間を費やす必要があります。
清め方の程度で、機能の麻痺する時間は増減します。
神社の手水ではなく、他の手段や道具でも同じことが、それ以上のことも可能かもしれません。
※ステルス機能について
漫画版BRで川田が外したような首輪の表面を、承太郎のスタープラチナですら、
解除へのとっかかりが見つからないような表面に 偽装してしまう機能のことです。
ステルス機能によって、首輪の凹凸、ゲームの最中にできた傷などが隠蔽されています。
※S1駅にハヤテのジョセフに対する書置きが残っています



【五人の共通備考】
15 ◆1qmjaShGfE :08/05/07 22:59 ID:DCm2xBoY
※一通りの情報交換は終えています
※神社、寺のどちらかに強化外骨格があるかもしれないと考えています。
※主催者の目的に関する考察
主催者の目的は、
@殺し合いで何らかの「経験」をした魂の収集、
A最強の人間の選発、
の両方が目的。
強化外骨格は魂を一時的に保管しておくために用意された。
強化外骨格が零や霞と同じ作りならば、魂を込めても機能しない。
※五人の首輪に関する考察及び知識
首輪には発信機と盗聴器が取り付けられている。
首輪には、魔法などでも解除できないように仕掛けがなされている 。
首輪にはステルス機能があり、身を清め水を掛ける事で解除可能
※五人の強化外骨格に関する考察。
霊を呼ぶには『場』が必要。
よって神社か寺に強化外骨格が隠されているのではないかと推論
※BADANに関する情報を得ました。
【BADANに関する考察及び知識】
このゲームの主催者はBADANである。
BADANが『暗闇大使』という男を使って、参加者を積極的に殺し合わせるべく動いている可能性が高い。
光成は司会役として脅されている。
BADANの科学は並行世界一ィィィ(失われた右手の復活。時間操作。改造人間。etc)
主催者は脅威の技術を用いてある人物にとって”都合がイイ”状態に仕立てあげている可能性がある
だが、人物によっては”どーでもイイ”状態で参戦させられている可能性がある。
ホログラムでカモフラージュされた雷雲をエリア外にある。放電している。
 1.以上のことから、零は雷雲の向こうにバダンの本拠地があると考えています。
 2.雷雲から放たれている稲妻は迎撃装置の一種だと判断。くぐり抜けるにはかなりのスピードを要すると判断しています。
16Classical名無しさん:08/05/07 22:59 ID:qd.RmViw
  
17Classical名無しさん:08/05/07 23:00 ID:qd.RmViw
     
18 ◆1qmjaShGfE :08/05/07 23:00 ID:DCm2xBoY
※雷雲については、仮面ライダーSPIRITS10巻参照。


【愚地独歩@グラップラー刃牙】
[状態]:体にいくつかの銃創、頭部に小程度のダメージ、左肩に大きな裂傷 左腕を深く抉られている
[装備]:キツめのスーツ、(15本)ベレッタM92(弾丸数0/15)
[道具]:なし
[思考・状況]
基本:闘うことより他の参加者 (女、子供、弱者) を守ることを優先する
1:ジグマールを見付け出し倒す。
2:学校へ行き、アカギと合流。鳴海の事を伝える。
3:劉鳳、ジョセフ、ケンシロウ、コナン、服部、神楽の捜索。勇次郎、エレオノール、川田、ジグマールには警戒。
4:可能なら、光成と会って話をしたい。
5:エレオノールは何だってあそこに居やがんだ? もしかしたら……
[備考]
※パピヨン・勝・こなた・鳴海・覚悟・村雨・ヒナギク・かがみと情報交換をしました。
※刃牙、光成の変貌に疑問を感じています。
※こなたとおおまかな情報交換をしました。
※独歩の支給品にあった携帯電話からアミバの方に着信履歴が残りました。
※BADANの存在を知り、かがみから首輪のステルス機能の事、解除方を知りました。また零の暗雲についての推測も知りました。



【零の考察】
?ホログラムでカモフラージュされた雷雲をエリア外に発見。放電しているのを目撃。
 1.以上のことから、零は雷雲の向こうにバダンの本拠地があると考えています。
 2.雷雲から放たれている稲妻は迎撃装置の一種だと判断。くぐり抜けるにはかなりのスピードを要すると判断しています。
19Classical名無しさん:08/05/07 23:00 ID:Qcu4HffU
          
20 ◆1qmjaShGfE :08/05/07 23:00 ID:DCm2xBoY
※雷雲については、仮面ライダーSPIRITS10巻参照。



【葉隠覚悟@覚悟のススメ】
[状態]:全身に火傷(治療済み) 胸に火傷、腹部に軽い裂傷。頭部他数箇所に砲弾による衝撃のダメージあり
    胴体部分に銃撃によるダメージ(治療済み) 頭部にダメージ、
    両腕の骨にひびあり、(残り戦闘可能時間約40分 注:これは零を纏いその治療を受ける事で延長可能)
[装備]:滝のライダースーツ@仮面ライダーSPIRITS(ヘルメットは破壊、背中部分に亀裂あり)
[道具]:大阪名物ハリセンちょっぷ
[思考]
基本:牙無き人の剣となる。この戦いの首謀者BADANを必ず倒し、彼らの持つ強化外骨格を破壊する。
1:川田を説得する。
2:劉鳳、ジョセフ、ケンシロウ、コナン、服部、神楽の捜索。勇次郎、エレオノール、ジグマールには警戒。
3:斗貴子を牙無き人々の一人と見なし、守る。
4:学校へ戻る。
5:村雨が再び記憶を失い、殺し合いに乗るようならば倒す
【備考】
※パピヨンの詳細名簿からケンシロウ、独歩の情報を得ました。
※こなたの死を知りました。それが川田のせいである事も知っています。
※パピヨンとアカギを全面的に信用しています。
※神社、寺のどちらかに強化外骨格があるかもしれないと考えています。
※かがみから首輪のステルス機能の事、解除方を知りました。また零の暗雲についての推測も知りました。
※主催者の目的に関する考察
主催者の目的は、
@殺し合いで何らかの「経験」をした魂の収集、
A最強の人間の選発、
21 ◆1qmjaShGfE :08/05/07 23:01 ID:DCm2xBoY
の両方が目的。
強化外骨格は魂を一時的に保管しておくために用意された。
強化外骨格が零や霞と同じ作りならば、魂を込めても機能しない。
※2人の首輪に関する考察及び知識
首輪には発信機と盗聴器が取り付けられている。
首2には、魔法などでも解除できないように仕掛けがなされている
※2人の強化外骨格に関する考察。
霊を呼ぶには『場』が必要。
よって神社か寺に強化外骨格が隠されているのではないかと推論
※三村とかがみについて
三村の吹き込んだ留守禄の内容を共有しています。
かがみと三村に対してはニュートラルなら姿勢です。
とにかくトラブルがあって、三村がかがみを恨んでいると事実がある、
とだけ認識しています。
※BADANに関する情報を得ました。
【BADANに関する考察及び知識】
このゲームの主催者はBADANである。
BADANが『暗闇大使』という男を使って、参加者を積極的に殺し合わせるべく動いている可能性が高い。
BADANの科学は並行世界一ィィィ(失われた右手の復活。時間操作。改造人間。etc)
主催者は脅威の技術を用いてある人物にとって”都合がイイ”状態に仕立てあげている可能性がある
だが、人物によっては”どーでもイイ”状態で参戦させられている可能性がある。
ホログラムでカモフラージュされた雷雲をエリア外にある。放電している。
 1.以上のことから、零は雷雲の向こうにバダンの本拠地があると考えています。
 2.雷雲から放たれている稲妻は迎撃装置の一種だと判断。くぐり抜けるにはかなりのスピードを要すると判断しています。
※雷雲については、仮面ライダーSPIRITS10巻参照。

22 ◆1qmjaShGfE :08/05/07 23:01 ID:DCm2xBoY

【桂ヒナギク@ハヤテのごとく!】
[状態] 顔と手に軽い火傷と軽い裂傷。右頬に赤みあり。右肩が外れている、手の平に裂傷、勇次郎平手によるダメージ
[装備] バルキリースカート(核鉄状態)@武装錬金(アーム四本中三本破損) シルバースキン(核鉄状態)@武装錬金
   イングラムM10(9ミリパラベラム弾0/32)ニードルナイフ@北斗の拳454カスール カスタムオート(6/7)@HELLSING 13mm爆裂鉄鋼弾(28発)
[道具]支給品一式、ボウガン@北斗の拳、ボウガンの矢17@北斗の拳
[思考・状況]
基本:BADANを倒す。
1:斗貴子については戸惑い
2:劉鳳、ジョセフ、ケンシロウ、コナン、服部、神楽の捜索。勇次郎、エレオノール、ジグマールには警戒。
3:2が終わった後、学校へ行く。
4:川田を説得する。


[備考]
※参戦時期はサンデーコミックス9巻の最終話からです
※桂ヒナギクのデイパック(不明支給品1〜3品)は【H-4 林】のどこかに落ちています
※核鉄に治癒効果があることは覚悟から聞きました
※バルキリースカートが扱えるようになりました。しかし精密かつ高速な動きは出来ません。
 空中から地上に叩きつける戦い方をするつもりですが、足にかなりの負担がかかります。
※かがみから首輪のステルス機能の事、解除方を知りました。また零の暗雲についての推測も知りました。
※半裸です。下着しか着てませんが一応独歩の上着を羽織ってはいます


【零の考察】
?ホログラムでカモフラージュされた雷雲をエリア外に発見。放電しているのを目撃。
 1.以上のことから、零は雷雲の向こうにバダンの本拠地があると考えています。
23Classical名無しさん:08/05/07 23:01 ID:qd.RmViw
   
24 ◆1qmjaShGfE :08/05/07 23:02 ID:DCm2xBoY
 2.雷雲から放たれている稲妻は迎撃装置の一種だと判断。くぐり抜けるにはかなりのスピードを要すると判断しています。
※雷雲については、仮面ライダーSPIRITS10巻参照。



【服部平次@名探偵コナン】
[状態]:肉体疲労中、精神疲労極大、三村を殺したことから大分立ち直りました。衝撃によるダメージにより活動困難
[装備]:スーパー光線銃@スクライド、携帯電話、核鉄ニアデス・ハピネス@武装練金、クレイジー・ダイヤモンドのDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:支給品一式(食料一食消費)、首輪、「ざわ……ざわ……」とかかれた紙@アカギ(裏面をメモ代わりにしている)、
    色々と記入された名簿、ノート数冊、ノートパソコン@BATTLE ROYALE、バイクCB1000(現地調達品)
    ジャギのショットガン@北斗の拳(弾は装填されていない)、綾崎ハヤテ御用達ママチャリ@ハヤテのごとく(未開封)、
    ギーシュの造花@ゼロの使い魔、
    キュルケの杖、拡声器、 核鉄ソードサムライX@武装錬金、包帯・消毒薬等の治療薬、点滴用セット(十パック)
    病院内ロッカーの鍵(中に千切れた吉良の左手首あり)、才人のデイパック(内容は支給品一式、バヨネット×2@HELLSING、
     紫外線照射装置@ジョジョの奇妙な冒険(残り使用回数一回)未確認)
[思考・状況]
基本:江戸川コナンよりも早く首輪のトリック、事件の謎を解除する。三村や仲間達に恥じることの無い行動をする。
1:こいつら何者やろ?
2:ルイズの最後の願いについてはどうするか。
3:三村をちゃんと埋葬してやりたい
4:範馬勇次郎以外の光成の旧知の人物を探り、情報を得たい。
5:自分自身にバトルロワイアル脱出の能力があると偽り、仲間を集める(一時的に保留)
6:第5回放送時に市役所で劉鳳を待つ。
[備考]
※劉鳳と情報交換を行い、シェリスの名前を知りました。
※劉鳳、コナン、神楽、ジョセフの事は全面的に信用しています。
※自分自身にバトルロワイアル脱出の特殊能力があると偽る策を考えています。
25Classical名無しさん:08/05/07 23:02 ID:m4z4K2wA

26 ◆1qmjaShGfE :08/05/07 23:02 ID:DCm2xBoY
※バトルロワイアル脱出の特殊能力は10人集まらないと発動しません。(現時点での服部設定)
※脱出作戦を行うかどうかは考え中。
※銀髪銀眼の人物が殺し合いに乗った事を知りました。
※コナンと二人で立てた仮説、「光成の他の主催者の可能性」「光成による反抗の呼びかけの可能性」「盗聴器を利用した光成への呼びかけの策」 等について
 は、まだ他の人間に話していません。又、話す機会を慎重にすべきとも考えています。
※スーパーエイジャが、「光を集めてレーザーとして発射する」 事に気づきました。
※三村信史の死ぬ直前の記憶を見ました。
※第四回放送の内容は劉鳳からの又聞きでしか記憶にありません。
※ハヤテとナギは一緒に死んだと推理しています。




[服部平次と劉鳳の共通備考]
※劉鳳、服部の持つ名簿には以下の内容が記載されています。
 名簿に青い丸印が付けられているのは、カズマ・劉鳳・シェリス・桐山・杉村・三村・川田・才人・
 ルイズ・防人・カズキ・斗貴子・タバサ・キュルケ・コナン・服部 ・灰原
 ハヤテ、かがみ、こなた、ナギ、鳴海、エレオノール、ヒナギク、覚悟
 赤い丸印が付けられているのは、ジグマール・DIO・アーカード・散・村雨
 緑色の丸印+青色の丸印が付けられているのは、蝶野
※劉鳳、服部、コナン、神楽は吉良がスタンド使いということを知りました。
※ルイズをF-3の川岸に埋葬しました。折れた軍刀は墓標として刺してあり、キュルケの杖、拡声器は服部が所持しています。
※ルイズの最後の願いについてはまだ話し合っていません。
※アミバの持っていた支給品一式×3 (食料一食消費) は、F−2民家の中にあります。
※アミバの持っていたノートパソコンには、大東亜共和国謹製のOSが組み込まれています。

27 ◆1qmjaShGfE :08/05/07 23:02 ID:DCm2xBoY


【ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:左手骨折、全身重度の打撲、精神疲労大、体力消費極大、深い悲しみ、脇腹にダメージ大
[装備]:マジシャンズレッド(魔術師の赤)のDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:七原秋也のギター@BATTLE ROYALE(紙状態)、支給品一式×2、木刀正宗@ハヤテのごとく
[思考・状況]
基本:BADANとかいうボケ共を一発ぶん殴る。
1:こいつら、何者?
2:マップの端を見に行く。
3:一応赤石も探しとくか……無いと思うけど。
4:第5回放送時に市役所で劉鳳を待つ。



[備考]
※劉鳳と服部の名簿に、追加事項を書き込むときに、今まで丸を付けられた人物を覚えました。
 二人から得た情報は今のところそれくらいです。スーパーエイジャの存在などは聞いていません。
※ハヤテ+零が出合った人間のうち、生き残っている人物及び知り合いの情報を得ました。
 (こなた、パピヨン、ナギ、鳴海、エレオノール、ヒナギク、覚悟)
※二部終了から連れてこられていますが、義手ではありません。
※吉良の名前に何か引っかかっているようです。
※水を使うことで、波紋探知が可能です。
※三村の留守電を聞き逃しました。
※主催者の目的は強者を決めることであり、その中にはイレギュラーもいると考えています。
※少なくともかがみとは別の時代の人間であるということを認識しました。
28 ◆1qmjaShGfE :08/05/07 23:03 ID:DCm2xBoY
※波紋の力を使うことで対象のディスクを頭部を傷つけることなく強制排出することができます。
 ただし、かなりの集中力を要求します。
※マジシャンズ・レッドの火力は使用者の集中力によって比例します。
 鉄を溶かすほどの高温の炎の使用は強い集中力を要します。
 火力センサーは使用可能ですが精神力を大きく消耗します
 また、ジョセフのマジシャンズ・レッドは通常の炎の威力の調節が極端に難しい状態です。
 ただし、対象に直接マジシャンズ・レッドの手を当てて炎を出した場合に限り調節が可能です。
 修練をすれば通常の炎の精度が上がる可能性があります。



※S7駅がかなり脆くなっていることを発見しました。
※ジョセフとハヤテの約束。
 ハヤテはナギと会った後、ジョセフは仲間を募った後、必ず11時30分にS1駅に集合。
 その後、かがみ救出のために神社へ攻め込む。
※絶影をスタンドだと思っています。
※第四回放送は劉鳳からの又聞きでしか記憶にありません。
※以下のBADANに対する考察を服部と劉鳳に伝えました。
※事情は確認していませんが、村雨がどうも殺しをする気が無くなったらしいとは思っています



【ジョジョとハヤテのBADANに関する考察及び知識】
このゲームの主催者はBADANである。
BADANが『暗闇大使』という男を使って、参加者を積極的に殺し合わせるべく動いている可能性が高い。
BADANの科学は並行世界一ィィィ(失われた右手の復活。時間操作。改造人間。etc)
主催者は脅威の技術を用いてある人物にとって"都合がイイ"状態に仕立てあげている可能性がある
29 ◆1qmjaShGfE :08/05/07 23:03 ID:DCm2xBoY
だが、人物によっては"どーでもイイ"状態で参戦させられている可能性がある。
ホログラムでカモフラージュされた雷雲をエリア外にある。放電している。
 1.以上のことから、零は雷雲の向こうにバダンの本拠地があると考えています。
 2.雷雲から放たれている稲妻は迎撃装置の一種だと判断。くぐり抜けるにはかなりのスピードを要すると判断しています。
※雷雲については、仮面ライダーSPIRITS10巻参照。



【才賀エレオノール@からくりサーカス】
[状態]:疲労大 全身に火傷
[装備]:エンゼル御前@武装錬金、あるるかん(白金)@からくりサーカス(頭部半壊、胸部、腹部に大きな損傷、全身にへこみと損傷あり)
[道具]:青汁DX@武装錬金、ピエロの衣装@からくりサーカス、支給品一式、生命の水(アクア・ウィタエ)
[思考・状況]
基本:主催者を倒す。
1:この場に集った者達と協力したいと思う
2:ケンシロウ、エンゼル御前と共に、独歩を救いに向かう。
3:夢で見たギイたちの言葉を信じ、魂を閉じ込める器を破壊する。
4:ナギの遺志を継いで、殺し合いを潰す。
5:一人でも多く救う。
[備考]
※ジグマールと情報交換をしました。
※参戦時期は1巻。才賀勝と出会う前です。
※夢の内容はハッキリと覚えていますが、あまり意識していません。
※エレオノールが着ている服は原作42巻の表紙のものと同じです。
※ギイと鳴海の関係に疑問を感じています。
※フランシーヌの記憶を断片的に取得しています。
※「願いを叶える権利」は嘘だと思っています。
30Classical名無しさん:08/05/07 23:04 ID:qd.RmViw
        
31 ◆1qmjaShGfE :08/05/07 23:04 ID:DCm2xBoY
※制限についての知識を得ましたが、細かいことはどうでもいいと思っています。
※自転車@現実は消防署前に落ちています。
※才賀勝、三千院ナギの血液が溶けた生命の水を飲みました。2人の記憶を取得した可能性があります。
 が、断片的かもしれないし、取得していないかもしれません。
 才賀正二の剣術や分解などの技術は受け継いでいません。
※エンゼル御前は使用者から十メートル以上離れられません。 それ以上離れると核鉄に戻ります。
※川田と情報交換をしました。
32Classical名無しさん:08/05/07 23:05 ID:m4z4K2wA

33 ◆1qmjaShGfE :08/05/07 23:05 ID:DCm2xBoY
以上です。タイトルは「決戦」です
問題点等ございましたら、よろしくご指摘の方お願いいたします
34Classical名無しさん:08/05/07 23:16 ID:yYkzyawY

35Classical名無しさん:08/05/07 23:18 ID:AlgefLBc
投下乙!
なんという超熱血展開。血が滾るほどに燃えますよ!
ラオウの死に方の格好よさは異常。勇次郎は不本意だろうなぁ色々と…まぁあっちで思う存分暴れてくれ
色々とややこしい因縁がまだ残っていますが、彼らのこれからに幸あれ!とだけ
GJでした
36Classical名無しさん:08/05/07 23:20 ID:Qcu4HffU
投下乙!
読み直すのに時間かかりすぎるわw!!
面白い! ラオウの死に様に、覚悟とラオウの対決に、ケンシロウとの原作の対決を重ねるなんて。
しかもキャラが一人一人漏らさず活き活きとしている。
握り飯のシーンとか、零の嫁を語るシーンとか。
ZXと勇次郎の戦いに死んだ連中が助け手に来てくれたシーンで感涙!
あんた、大好きだー!!! 愛している!!!
GJ!!!!
37Classical名無しさん:08/05/07 23:23 ID:yYkzyawY
乙!
最高すぎて熱死するぜ!!
村雨かっこいいし、勇次郎は最後まで勇次郎だし。
猛烈に感動です!!
38Classical名無しさん:08/05/07 23:25 ID:m4z4K2wA
てめーにはなにもいうことはねぇ……とてもGJすぎて何も言えねえ……

乙でした
ラオウが死兆☆見えたってんで勇次郎一人勝ちかと思ったらなんというバトル展開
巨星が二つ同時に落ちるとは・・・覚悟もついに瞬着したし、まさにクライマックスだ

あと疑問なんだが、独歩が持ってたジャッカルと赤石が状態欄にないけど、捨てたんだっけ?
39Classical名無しさん:08/05/07 23:26 ID:l1dRTz8Q
熱い…ッ!熱すぎるッ!
いろいろコメントが思い浮かぶけど、今だに鳥肌が立っててなんと言っていいやら思い浮かばない。
最高に熱い作品でした。
GJ!
40Classical名無しさん:08/05/07 23:32 ID:tj9ZbyrE
投下GJです!!
面白すぎるですよ、これはああ!!
いろいろ言いたいことはあるけど、纏まんねぇぜ!w
劉鳳の一撃が強化外骨格に――の件が、特にお気に入りです!
村雨もラオウもジョセフも勇次郎も覚悟も、他にもみーんな格好よかったです!
ほんっとうに、痺れて憧れました!
41Classical名無しさん:08/05/07 23:38 ID:VTESRMEo
熱いッッ!! これを熱血と呼ばずしてなんと言うか!?

もうGJ過ぎて何も言うことがない。思い浮かばないッッ!! 超乙ッッッ!!!!
42Classical名無しさん:08/05/07 23:38 ID:0HDaAF0E
GJ!!
ついに、ついにこの時がきた……!!
この魂の熱さ、これこそ漫画ロワの真骨頂!!
さあ、これで残るマーダーは川田一人。
決戦の時はもう目の前だ
43Classical名無しさん:08/05/07 23:48 ID:m4z4K2wA
言い換えれば川田包囲網の完成な訳だがw
44Classical名無しさん:08/05/07 23:58 ID:aJnWwPVU
うおおおおおおおお、熱ちぃぃぃぃいぃ!!
最高すぎて死者スレに早速ネタを投下しちまったぜ!!!!
45Classical名無しさん:08/05/08 00:03 ID:Tm6VDGlE
これは熱い!熱すぎる!!
俺はいま漫画ロワの真の姿を見たッッッ!
勇次郎VSラオウから始まり、大乱戦
覚悟とラオウ、勇次郎と村雨
壮絶な戦いを勝ち抜いたのは絆で結ばれた対主催組だったッ!
すげえよ、これは!もはや何も言うことはない
46Classical名無しさん:08/05/08 00:23 ID:g44EHVZM
超GJ!!
今はこれ以外の言葉が思いつかんッ!!!
47Classical名無しさん:08/05/08 00:45 ID:6LhyOKJ6
GJ!!
すげえ、すげえよ……
勇次郎とラオウを撃破できるとは正直思わなかった!!
あとは全員の意志統一、川田の説得もしくは撃破、そして主催との戦いか……

負傷者も多いが、勝てると信じてる
頑張れ!!
48Classical名無しさん:08/05/08 00:48 ID:P0GN2hq6
物凄く熱いよ。あんまり言葉を並べるのは、苦手だから最後に一言。
最高だ。
49Classical名無しさん:08/05/08 01:03 ID:rtPyr1U.
最高の気分だ……こんな作品を読めるなんてよぉ……
50Classical名無しさん:08/05/08 01:16 ID:3ZYgMP3s
GJッッッ
まさか…まさか勇次郎を、それも村雨が倒すなんて……
他にも覚悟の瞬着やら対主催合流やらイベント盛りだくさんでもう…
とにかく最高でしたッ
51Classical名無しさん:08/05/08 01:24 ID:DQte9/86
投下乙でした。
何かもうGJとしか言えません。
何かもう皆生き生きとしていて最高です。

それと投票の結果発表です。
漫画ロワ 作品トーナメント編!!
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9318/1208602309/l100
52Classical名無しさん:08/05/08 01:36 ID:ICR8ooTE
読み応えあった!!!最高でした!GJ!

>>51
集計乙です!
53Classical名無しさん:08/05/08 02:10 ID:i/Im3ofQ
投下乙&GJです!
正しく決戦の名に相応しい熱すぎる作品でした。
色々と感想もありますが纏まらないので一言だけ言わせてもらいます。
最高です!!
54Classical名無しさん:08/05/08 02:15 ID:6rLQ/RRY
熱い……熱すぎた
覚悟・独歩・ヒナギクの死の決意と生の決意…
劉鳳最後の一撃その行方…
強敵を相手に果敢に立ち向かうジョセフと服部…そこに駆けつけるエレオノールや因縁の戦士達…
数々の誤解を引きずりながらも戦中で認め合う友…
ラオウ、その拳王の最期…
暴君の散るその姿…
そして覚悟・村雨のダブルヒーローの跳躍……
今こそあの名言! 「ご都合主義と笑わば笑え!」 だ が そ れ が い い。


ところで一点だけ指摘。かがみのジョセフの呼び名はジョジョのはず。


あともう一点だけ提案を
ラオウ死亡はこの話ですが是非ラオウを殺したカウントは劉鳳ということにしていただきたいッ!
拳王もそれを望んでいますでしょう!
55Classical名無しさん:08/05/08 02:24 ID:A17oWHC2
なんという…なんという決戦!!!
作者殿、支援の方々殿、乙でありましたーーー!!!
56Classical名無しさん:08/05/08 03:06 ID:tITZ5yZU
すいません、質問なのですが
服部のバイク大破したと描写され、その後バイクが出てこないのですが、服部の所持品欄にには残ってます
今どんな状態なんでしょうか?
それと壊れたときクレイジーダイヤモンドで直すのは無理だったのでしょうか?
57Classical名無しさん:08/05/08 03:47 ID:hcdky7lk
面白かった!
正直、勇次郎がんな程度でやられるわけねーと読んだ瞬間思ったが
死人まで含めて仲間の協力を得るなんていう反則技使ったのに
最後の最後が運で助かっただけとは、逆説的に勇次郎の凄さが分かるな。
つーか、これだけの力を使ったら普通村雨も死ぬと思うぞw
スクライドキャラなら死んでる。
58Classical名無しさん:08/05/08 03:48 ID:TeKgsiso
その死に反逆するのがスクライド
59Classical名無しさん:08/05/08 11:44 ID:63y7LyXE
ラストマーダー川田はパッピーとか・・・・・
間接的にこなたVSつかさだな。
60Classical名無しさん:08/05/08 13:03 ID:Y2rQrlu.
ラストマーダーがラストオーダーに見えた。
61Classical名無しさん:08/05/08 15:12 ID:VqJk6yao
GJなんだけど、勇次郎って銀髪かなあ?
62Classical名無しさん:08/05/08 16:45 ID:63y7LyXE
>>61
全ては生命の水の仕業さ。
63Classical名無しさん:08/05/08 17:21 ID:dy1urK52
これでパピヨンが死んだらサンライトハートはほのかの死亡フラグになるな
64Classical名無しさん:08/05/08 18:03 ID:zovQppRM
GJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!11
65Classical名無しさん:08/05/08 20:42 ID:hWDO9jFQ
もしかして……
覚悟と村雨、これがタイマンバトル初勝利じゃね?
66Classical名無しさん:08/05/08 22:13 ID:63y7LyXE
覚悟はルイズの助力と首輪に助けられた感があるが三影には勝ったし
村雨だって正義バカに勝ったじゃないか。
67 ◆1qmjaShGfE :08/05/08 22:58 ID:5hUMbxU2
みなさん、色々感想ご意見ご指摘ありがとうございます
検討した結果、以下の部分を修正しようと思います

1:かがみのジョジョに対する呼び名の部分(wiki掲載時に修正予定)
2:服部のバイクに関する描写
3:独歩の持ち物表記
4:独歩流ではなく愚地流(wiki掲載時に修正予定)
5:ヒナギクさんが小五郎様をお忘れになっていた件(ごめんよごめんよごめんよごめんよ)
6:勇次郎の髪の色(wiki掲載時に修正予定)

以上の点を修正しようと思います
今回は特に修正点が多く、みなさまに多大なご迷惑をおかけした事、心よりお詫び申し上げます
68Classical名無しさん:08/05/08 23:31 ID:Vix6LKt.
すいません、覚悟が独歩を「独歩」と呼んでいましたが
覚悟の呼び方は「愚地殿」じゃありませんでしたか?
69Classical名無しさん:08/05/09 02:10 ID:XeCD6k3.
仲間意識が出た感じでそれは違和感なかったな俺は。
70Classical名無しさん:08/05/09 16:28 ID:8t3vp7tk
後できれば各々の状態表も整理してはもらえないでしょうか?
例えば覚悟が零を装備していなかったり、
服部はコナンが死亡していることを知っているなどです。
手間のかかる作業とは思いますが、何卒お願いいたします。
71Classical名無しさん:08/05/10 05:22 ID:hDBc/Ito
第二回放送終了〜第三回放送までの投票を、日曜の0時から始めたいと考えています。
急がないと漫画ロワが完結してしまいそうなので、前後編に分けずに第一回の時と同じ掲示板方式でやろうかと思います。
ただ投票期間は前回より長く5日間で、だけど次回投票は18日頃からやる予定です。

予定スケジュール
【投票期限】5/11(日)0:00時ー5/15(水)まで
【投票対象】第二回放送終了〜第三回放送まで

投票形式
上位5作まで選出可能(必ず5作選出しないと駄目、という訳では無い。一位のみへの投票なども可)
1位を5P、2位を4P、3位を3P、4位を2P、5位を1pとして計算する

・総合部門(作品名で投票)
・死者部門(キャラ名で投票)
・対決部門(○○VS○○で投票)
・台詞部門(キャラ名「台詞本文」で投票)

必ず、すべての部門に投票する必要はありません。
部門の追加もしくは削減、日程の調整、ぶっちゃけ投票フォーラムの方が良いなど、提案があるのならお願いします。
72投票人 ◆S52NT51/9g :08/05/10 17:43 ID:hDBc/Ito
第二回放送終了〜第三回放送までの投票を、11日の0時から始めます。
今回は前後編に分けず、第一回と同じ方式でしたらばの投票スレで投票をやります。

・予定スケジュール
【投票期限】5/11(日)0:00時ー5/15(木)24:00まで
【投票対象】第二回放送終了〜第三回放送まで

・投票形式
上位5作まで選出可能(必ず5作選出しないと駄目、という訳では無い。一位のみへの投票なども可)
1位を5P、2位を4P、3位を3P、4位を2P、5位を1pとして計算する
したらばの投票スレで投票内容を書き込んでください。

・総合部門(作品名で投票)
・死者部門(キャラ名で投票)
・対決部門(○○VS○○で投票)
・台詞部門(キャラ名「台詞本文」で投票)


ぜひ参加してみてください
73Classical名無しさん:08/05/10 22:38 ID:hDBc/Ito
投票スレを書き忘れました。
漫画ロワ 作品トーナメント編!!
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9318/1208602309/l100
74 ◆1qmjaShGfE :08/05/11 00:42 ID:YF6KI/rI
「決戦」修正部分を一時投下スレに投下しました。お時間あるようでしたらご確認の程よろしくお願いします
75Classical名無しさん:08/05/11 12:36 ID:iadcGtv.
>>74
修正乙です。概ね、良いと思います。
細かい指摘としては、村雨とかがみは劉鳳の仁王立ち往生を確認しているので、
備考欄から『劉鳳への謝罪』と『劉鳳の捜索』を外した方がより適格かと思います。
76Classical名無しさん:08/05/11 12:48 ID:RFeHv.Cs
>>74
修正乙です。同じく概ね大丈夫だと思いますが、かがみ・独歩・ヒナギクの状態表からジョセフ・劉鳳・服部の捜索、勇次郎への警戒の項は消した方がよろしいかと
77死者スレ統計係 ◆03vL3Sy93w :08/05/11 19:19 ID:YSvDMD/6
皆さんこんばんは。死者スレで登場回数をカウントしている死者スレ統計係です。
死者スレで支援組曲用の歌詞を投下したのですが、本スレであるここにも投下していいでしょうか?
もし良かったら投下しようと思います。
78Classical名無しさん:08/05/11 19:38 ID:3tP0lrzA
いいと思いますよ
79死者スレ統計係 ◆03vL3Sy93w :08/05/11 19:43 ID:YSvDMD/6
それでは投下します。
連レスで規制に引っかかる可能性があるので、支援お願いします。
80死者スレ統計係 ◆03vL3Sy93w :08/05/11 19:44 ID:YSvDMD/6
もっと高めて果てなく心の奥まで 自分だけが使える熱血パワーで燃やし尽くして
燃やし尽くして×4
(いくぜ!)
もっと高めて果てなく心の奥まで 自分だけが使える熱血パワーで燃やし尽くして
本能渦巻く最中に始まる闘い今宵だけの命散らすぜ激しく

ある深夜の出来事スギムラに出会った さあ一緒に主催者を倒しに行こう
突然現れたタイガーロイドの襲撃 一人になったときにカクゴが助けてくれたよ
当方に迎撃の 用意あり 覚悟完了

才人くんピンチだよ アーカードとDIOに遭遇
夢の対決実現だ DIO対アーカード

ああ どうしよう助けに来たのは仮面ライダー(一号!一号!)
小五郎の遺志を継ぎ 共に戦うヒナギク

原作最強マーダー桐山 冷酷殺人マシーン桐山
本編マーダー候補桐山 まさかの対主催
原作ファンの願望が 見事に実現
大半の読み手の予想を裏切って 主催に立ち向かう桐山

「鷲巣様の強運発動!!」 「う、嘘だろ…!?」
「支給品からシルバースキンとキングクリムゾンを使用!」
「さらに殺したニセアカギからショットガンを手に入れることにより、最強の装備を身につけることが出来る!」
「偉大なる王であるわしを殺すなど…許さん!!」
81死者スレ統計係 ◆03vL3Sy93w :08/05/11 19:45 ID:YSvDMD/6
今こそ立ち上がれ反逆者(トリーズナー)カズマ
人殺しアミバの代わりに闘え

カズマを守れとアミバに命じたケンシロウ「俺は死神だ」

(休憩中)

あの時は仲間に出来なかったけど 今は二人の女子が仲間だ(←違う)
必ずこの二人を守ってみせる この意志曲げるもんか カズキの誓い

あのアカギは何がしたいのか分からない いきなり襲ったと思ったら手を組まないかと言われる
「狂気の沙汰ほど面白い」とあいつは本気で言っちまう
だからこの男を知るために 俺はアカギの言うとおりにやってみせる

懐かしい人形手に入れこの舞台に立つフェイスレス
かませ犬のジャギを倒し

ジグマール×2 セラス相手に大苦戦したなど今の私には理解できない
ジグマール×2 ギャラン=ドゥの言うとおりにステルスマーダーになると誓ったジグマール
82死者スレ統計係 ◆03vL3Sy93w :08/05/11 19:46 ID:YSvDMD/6
川田達置いて 先走った仮面ライダー 神父にかつも ベルトが壊れて
もう一度変身 すればそれが最期 「それでも俺は仮面ライダーなのだから」
みゆきは逃げられることが出来たのかな 灰原や桂さんと一緒ですか
私も後から必ずついていくよ だから今は生きていて欲しい

嫌いキライDIO 誰がダレガ従うものか
女を殺した奴の いいなりなど一生なりたくねぇ!
知らないさ お前の意思 洗脳させればこっちのものさ
卑怯でも構わない 要は勝てればそれでいいのさ

殺し合いがはじまったときに いきなり絶体絶命
そのときに助けてもらった 花山 花山 喧嘩師!
早朝のときの忘れえぬ記憶 市役所へ向かう途中
本編の優勝候補 勇次郎 勇次郎と戦闘!
結果は惨敗 花山死亡 仇を討つため 打倒勇次郎
私は錬金の戦士 TQN TQN 斗貴子
臓物(ハラワタ)をぶち撒けてやるさ
必ず脱出してやる TQN TQN の誓い
カズキがいれば 無敵なのさ

俺はカズマの遺志受け継いでやる 過去の俺とはおさらばさ
俺の信念見つけたよ だからこの殺し合い潰してやるよ
全てはカズマのために My way 目覚めるよ今 俺は反逆者(トリーズナー)

やり過ごせ最後に笑っちゃうのは私のはず 計画通りだからです←結論
目が覚めたジグマールと対決どうするの 白夜叉と二人で 撃退
83死者スレ統計係 ◆03vL3Sy93w :08/05/11 19:48 ID:YSvDMD/6
劉鳳守るため飛び出してきたが致命傷 せめて最後に死ぬ前に遺言伝えよう
「ルイズの 使い魔でよかった」

散と戦ってから手を組んだ 才人が死んでから何か違和感感じた
ブラボーと桐山戦は見てるだけ 戦いをしたいために俺は散と一時別れる

喫茶店に大集合(8人) 一応情報交換だ
突然駅に謎の光(繁華街には 謎の花火) 結局三手に別れた

ちょっとした喧嘩でマダオ重傷 殺しはキライ 病院目指した神楽
(か↑ぐ↓ら→) 途中でケンシロウに出会う

手当てをしてとりあえず目覚めた 神楽が「ごめんなさい」 許すよ 何とか解決

ひっ×4 逃げる最中に独歩と遭遇 嘘をついたら信じてくれた
とりあえずこの男を利用しようか 今は繁華街へまっしぐら

天への道 阻む者は このラオウ ただ打ち倒すのみ
S-2駅にフェイスレス登場 ナギを守るためカズキ戦う
84死者スレ統計係 ◆03vL3Sy93w :08/05/11 19:48 ID:YSvDMD/6
ハッタリで人集めるよ 西の名探偵 平次
タバサやアミバも賛成だ 劉鳳はんは乗る気なし

三村とジョセフはハッキング かがみんと遭遇 手を組んだ
ジンクスが 発動か!?

散対アーカード 

黒幕のガモン 登場だ(BADAN!)

市川じゃ 今日はこの漫画ロワに来てくれてすまないのう
残念じゃが ワシは歌詞の都合上出番は無しじゃ
またここに来るのを 待っておるぞ
85Classical名無しさん:08/05/11 19:52 ID:YF6KI/rI
86死者スレ統計係 ◆03vL3Sy93w :08/05/11 19:55 ID:YSvDMD/6
投下終了しました。何か問題がある場合は指摘お願いします。
許可をしてくれてありがとうございました。
87 ◆6YD2p5BHYs :08/05/11 20:02 ID:uMlRJ/pg
数分遅れてしまいましたが、これより投下開始します。
 
パピヨンは――蝶人パピヨンは、考える。

タイムマシン仮説……主催者側が「タイムマシン」、あるいは「それに類する力」を持っているという仮説。
呼び出された「時間」が違うとしか考えられない、複数の参加者たちの存在。
知り合い同士の記憶が、噛み合わない。
あるいは、死んだはずの知り合いが参加している。
こういった例はいくつか散見されていて……その現状を説明するための、有力な仮説の1つである。

その一端は、実はパピヨン自身がよく知っている。
誰よりも、知っている。
パピヨンにとって宿命のライバルである武藤カズキとは、最初話が噛み合わなかった。
パピヨンは、「決着をつけよう」、と言った。
武藤カズキは、「決着はもうついた」、と言った。
頭のいいパピヨンには、それだけで大体のことが分かってしまったのだ。
タイムマシン仮説も……そして、「その武藤カズキ」が体験したであろう、「いずれ辿りついていた未来」も。

未来。
こんな殺し合いに呼び出されなければ、「あの武藤カズキ」と共に辿り着いていたはずの未来。
それはきっと――こんな展開だろう。
頭の良いパピヨンには、実際に見てきたかのように分かる。分かってしまう。

  パピヨンはカズキと戦う。カズキもまた、その想いに答えようと槍を手にする。
  パピヨンの望む決着の形は、パピヨンとカズキ、その「どちらかの」死。
  あるいは――「その両方の」死。
  臨死の恍惚では決して足りぬ。ゆえに、この因縁の幕引きは「死」以外の形はありえない。
  そう信じて戦うパピヨン、だが……最後の決着をつけた一手は、まさかの「寸止め」。
  互いに死力を尽くし、体力を使い果たし、核鉄の力も使い果たして……その果ての、「寸止め」。
  勝者は、武藤カズキ。
  そしてパピヨンは、己の希望していなかった形での「敗北」――生き恥を晒し続けることを、受け入れる。
  戦いに至る過程で心動かされる「何か」でもあったのか、パピヨンは、その結末を受け入れる……!
89Classical名無しさん:08/05/11 20:05 ID:3tP0lrzA
 
 
……これがおそらく、最も考えられる展開。
この会場で出会った「あの武藤カズキ」が、「既に決着はついた」と言うなら……。
そして、「あの武藤カズキ」が、パピヨンが「生きていること」自体には全く驚かなかったことから……。
これ以外の決着は、ありえない。

  そして、その決着の先にあるのは――きっと素晴らしい未来なのだろう。
  世界はヴィクターの脅威から解放されたのだろう。
  武藤カズキと津村斗貴子はきっと結ばれるのだろう。
  パピヨンとカズキの因縁は確かな友情へと昇華されるのだろう。
  錬金戦団とホムンクルスの戦いも、何らかの形で決着するのだろう。
  蝶人パピヨンも、おそらく何らかの形で「自分の居場所」を獲得するのだろう。
  もしかしたら、街のアイドルにでもなっているのかもしれない。
  もしかしたら、TVでも噂の国民的存在になっているのかもしれない。
  もしかしたら、大繁盛するハンバーガー屋で1日店長でもやっているのかもしれない。
  もしかしたら、彼が街の上空で指を振るだけで、パピヨンを愛するファンの歓声が上がるのかもしれない。

全ては想像に過ぎない。
けれど、それはきっと素晴らしい未来。
パピヨンが夢にも思わなかった、しかし、心から渇望していたであろう未来。
「誰も名を呼んでくれない」過去を捨て、ようやく手にする「皆が愛を込めて名を呼んでくれる」未来。

  そしてそれは――「今、ここ」にいるパピヨンが、決して辿り着くことのできない未来。

……そうだ。辿り着けないのだ。
「今、ここ」にいる「パピヨン」は、決して「そこ」には辿り着けない。
この先全てが順調に行き、BADANを倒しJUDOを倒し、元居た世界と時間に戻ることができたとしても。
「このパピヨン」は、決して「その未来」には辿り着けない。そこに「だけ」は、辿り着けない。
だって。
既に、「知ってしまった」から。
武藤カズキとパピヨン、その最後の決着の形を、「知ってしまった」から。
最後に必ず「寸止め」で終わる――そう「知って」いて、どうして同じ形の結末が迎えられるだろう?!
 
最後の一撃が必ず「寸止め」であるなら、そこに相討ち狙いの攻撃を重ねれば「勝ってしまう」かもしれない。
あるいは、「寸止め」が来るとの油断から、早い段階でパピヨンが大ダメージを「受けてしまう」かもしれない。
もしくは、カズキが「寸止め」のつもりで出した攻撃に、「余計に1歩踏み込んで」致命傷を喰らうかもしれない。
そして仮に、歴史の通りカズキの「寸止め」で終わったとして、その結末を同じように受け入れられるかどうか。
それが予定調和だと知ってしまったパピヨンに、素直に受け入れることができるのか。

これはまるで……試験でカンニングをしてしまった優等生のようなものだ。
カンニングで100点を取っても、全く嬉しくはない。達成感もない。
かといってわざと間違えてみせても、その空虚感が満たされるわけでもない。
悪意があったわけでもなく、それどころか、見ようと思ってみた「答案」でさえなかったが……それでも。

もう、「あの武藤カズキ」の居る未来には、「このパピヨン」は辿り着けない。
似たような「どこか」には辿り着けるかもしれないが、「あの武藤カズキ」にはもう会えない。
けれど……それでも、構わないはずだった。
あの未来に辿り着けずとも、ここには「このパピヨン」にしか獲得できないものがあったはずだった。
自分の名を、初めて「愛を込めて」呼んでくれた存在。
自分の罪も過去も全て踏まえた上で、それでも真に「愛を込めて」名を呼んでくれた少女。

  とうとう、パピヨンが「愛を込めて」その名を呼んでやることができなかった少女。

失って初めて、気がついた。
その言葉を口にしなくなって、初めて気がついた。
「もっと愛を込めて♪」……それは、何の気もなしに繰り返していた自分の口癖。
そう……パピヨンは、自分の名を呼んで欲しかったのだ。
愛を込めて、呼んで欲しかったのだ。

……ただし彼は、決してその事実を認めないだろう。面と向かって問われても、決して認めないだろう。
認めてしまえば、自分の弱さを露呈することになる。捨てたはずの過去に戻ってしまうことになる。
だからこそ。
彼は、その感情を、こころの叫びを噛み殺し、別の形に換える。
黒く、熱く、静かに焼けつくような憎悪へと換える――!
92Classical名無しさん:08/05/11 20:07 ID:5Cv4UAYs
 
 
         ※      ※      ※

夜明けも近い、空の下。
雨が、静かに降り続けていた。

「武装、錬金」
「……津村の槍か」
「いや――武藤のだ」

パピヨンの呟きに応えて出現した、突撃槍の武装錬金。
短いやり取りが終わるか否かという刹那、それが伸びる。瞬間的に伸びる。
刀身が伸びて川田を襲って……しかし、その攻撃は予想されていたものだった。
瞬時にエンジンを吹かしハンドルを捻り、跨っていたヘルダイバーごと回避する。
雨に濡れた校庭を、濡れたタイヤが滑ってけたたましい音を立てる。

「その武器の特性は、既に知っている」
「だろうな」

淡々と指摘しながら、川田が手にしたのはマイクロウージー。連続して響く発射音。
ライダーマンの力で片手運転・片手撃ちでもその射撃は正確なもの……だったが。
こちらも淡々と答えながら、無防備な姿を晒していたはずのパピヨンの姿が、掻き消える。

「……上ッ!?」
「ご名答♪」

そう、消えたのではなく――心理的死角になりがちな、縦方向の高速移動。
槍を突き出した姿勢から切っ先だけを振り下ろし、棒高跳びの要領で高く高く飛びあがったパピヨン。
ウージーから放たれた弾がその後を追うが、追いつけない。
片手では弾倉交換も叶わず、弾が切れた所で川田は回避運動に入る。ヘルダイバーを走らせる。
意表を突いて頭上を取られた今、何をされるか分かったものではない。だから逃げる――しかし。
パピヨンは空中で特に「何もせず」、そのまま軽やかに着地。その着地点には。
 
「…………ッ!」
「そっちのバイクは確かに脅威だが……『こっち』の方が質量は上だな♪」

嘲るように指を振りながらパピヨンが飛び込んだのは、真っ赤に塗られた大型車――消防車。
大っぴらに校庭に停めてあったのに意識に上らなかったのは、その位置関係ゆえか。
エンジンがかけられ、巨大な鉄の塊がゆっくり動き出す。
いくらヘルダイバーが強力とはいえ、ぶつかればタダでは済むまい。乗っている人間の方がもたない。
だが……。

「……誰が素直に轢かれてやるかッ!」

やはり機動力や小回りの点では、ヘルダイバーの方が遥かに上。
闘牛士のようにヒラリと突撃を避けると、ウージーから持ち替えたライドルを振り下ろす。
もちろん、消防車の鉄のボディに、ではなく……その、大きなタイヤめがけて。
すっぱりと切り裂かれたタイヤは途端にパンクを起こし、濡れた地面を滑り、校舎へと暴走して……。

「ん〜、ここまでは計算通りかな♪」

消防車が校舎に正面衝突する轟音に、パピヨンの場違いに軽い呟きが重なった。

         ※      ※      ※

……雨が降り続ける。
土煙を上げて校舎に半ばめり込んだ格好の消防車は、ピクリとも動かない。
しばらく警戒していた川田は、ウージーの弾倉を交換すると、小さく呟く。

「……校舎の中に入ったか。誘ってるな」
95Classical名無しさん:08/05/11 20:09 ID:w4yHhr/Q
 
 
槍を手にしたその時からこれが狙いだった、ということか。川田はパピヨンの狙いをすぐに見抜く。
校庭のような広い空間では、ヘルダイバーの機動力は最大の効果を発揮する。
さりとて、素直に校舎に向かったのでは、建物に辿り着くまでの間に無防備な姿を晒すことになる。
そこで一旦消防車を確保し、その上で、消防車ごと校舎に飛び込んだのだろう。
おそらくもう、パピヨンは消防車の中には居まい。校舎の中で川田を待ち構えているはずだ。

「ずっと学校に居たってことは、地の利も向こうにあるだろうしな……なるほど、厄介な敵だ」

ハルコンネンの焼夷弾にもう少し余裕があれば、建物ごと焼き討ちにしてやってもいいのだが……
残りの弾数を考えると、この降雨の中では上手く行くかどうか不安だと言わざるを得ない。
となれば……川田自ら、乗り込んでやるしかないか。
覚悟を決めた川田は、ヘルダイバーを押しながら校舎の方へと向かう。
消防車が突っ込んだ場所、ではなく、そこからやや離れた、以前の砲撃で大穴が開いていた場所へと向かう。

「……これは…………泉さん、か」

バイクを押しながら建物に踏み込んだ彼は、そして、職員室の一角で、「それら」を見つけた。
川田章吾の犯した罪。原型すら留めず飛び散った肉片。
川田章吾が愛した少女の……親友のなれの果て。

「こりゃぁ確かに酷いな……だが、謝らないぜ」

川田の「こころ」が、少しだけ疼く。
頭蓋骨に収まっているものとは異なる、「もう1つの脳」。「出来損ないの脳」。
心臓――彼が信じる学説によれば、心臓にも存在する、脳にも似た機能を持つ神経組織ネットワーク。
その「つたない脳」が、僅かに疼くが。

「……いまさら揺れるなよ。もう『答え』は出したんだろう?」

川田は小さく自分に言い聞かせるように呟くと、振り返ることなくそのまま通り過ぎた。
97Classical名無しさん:08/05/11 20:10 ID:YF6KI/rI
 
         ※      ※      ※

「……思ったよりも入ってくるのが遅かったな。バイクごと来たのは予想通りだが」

学校の階段を、バイクが駆け上がってくる音が聞こえてくる。
校舎の3階、廊下の真ん中でパピヨンはそれを待ち受ける。

パピヨンは、考えたのだ。
川田は必ず追ってくる。バイクに不利な地形だろうと、地の利がパピヨンの側にあろうと、必ず追って来る。
理屈ではなく――目の色で、確信が持てた。
だからこそ、パピヨンは校舎に戦場を移した。逃げたのではなく、仕切りなおしを望んだ。
あのまま戦っていても「なんとかなった」可能性は十分にあったが……

「ま、あのスピードで延々と逃げ回られたら、ちとマズかったんでな」

パピヨンには1つの「弱点」がある。その「弱点」を考えると……出来るだけ「ラクに」勝ちたい。
そのためには、あの場は少しだけ都合が悪かった。
エンジン音が響く階段に向き直ったパピヨンは、この階に飛び出した瞬間に相手を刺し貫こうと身構え、
そして、

  背後からの銃撃に、慌てて身を捩った。

「……なっ!?」
「……ちッ。反射神経はいいんだな」

そこに居たのは――そう、ライダーマンのスーツを身に纏った川田。
見れば彼が乗っているのはバイクではなく、ちっぽけなスケートボード。
それが、かなりのスピードで突進してくる。再度のウージーの乱射に、パピヨンは慌ててその場を飛び退く。

(バイクの排気音を囮に、――だと!?)
99Classical名無しさん:08/05/11 20:11 ID:0X071H5I
 
 
ゼクロスとの戦闘経験から、あのバイクが「建物内でも」構わず入ってくるだろうと予想していたパピヨン。
だが、川田の策略はさらにその上を行っていたのだ。
学校という建造物の性質上、階段は一箇所ではない。複数あるのが普通。
無人のバイクの排気音にスケボーのエンジン音を隠し、下の階の廊下を駆け抜け背後を取る――
意表を突かれてしまったパピヨンには、避けきれない。
左の上腕部に1発命中。大したダメージでもないが、無視できる傷でもない。
このまま廊下にいるのは、マズい。
咄嗟にサンライトハートを用いて、手近な壁をブチ抜いて教室に飛びこむ。
こうなってしまった以上、もう一度仕切りなおしたい……だが。

「まあそれも予想の範疇だ。その槍なら壁の1枚や2枚、抜けれるだろうしな」

パピヨンが飛び込んだ教室の前を、スケボーに乗ったままの怪人が速度も落とさず通り過ぎて……
落ち着いた呟きと共に放り込まれたのは、大きな砲弾。
何だ!? と思った時には、もう遅い。
次の瞬間には……その砲弾が、ウージーの連射に打ち抜かれて。

「――!!」

ハルコンネン用の爆裂鉄鋼焼夷弾が暴発し、激しい劫火と振動が巻き起こった。

         ※      ※      ※

川田章吾には――「経験」がある。
政府主催の『プログラム』で、まがりなりにも2回も優勝した経験がある。
彼の一番の強みは、まさにこの経験。
101Classical名無しさん:08/05/11 20:12 ID:YF6KI/rI
102Classical名無しさん:08/05/11 20:12 ID:1dBNx.1k
 
 
その経験は、別に「バトルロワイヤル形式の殺し合い」という状況設定に対するものばかりではない。
例えば……「市街戦の経験」。
彼が参加した1回目の『プログラム』の会場は、封鎖された都市の一区画だった。
そこで12人ものクラスメイトを殺し、倒し、勝ち抜いた彼。
その濃密な体験は、だから生半可な正規軍兵士にも勝るものがある。

「だから……ま、予想は出来るんだな。やりそうなこととか……選びそうな逃走ルートとかな」

スケートボードから飛び降り、強化された身体能力を活かして階段を駆け下りる。
手榴弾のように投げ入れた、ハルコンネン用の爆裂弾。
その爆発と重なるようにして、それとは別種の振動が床に走ったのを川田は見過ごさなかった。

「壁を破れるなら、床も破れる。そりゃ道理だ。……そして逃げるなら、下だ」

3階から、2階へ。爆風と劫火を避けるべく、床をブチ抜いて階下へと逃げたパピヨン。
しかしその移動さえも川田の予想の範疇。僅かに遅れて駆け下りた彼は、そして遠くに小さな呻きを聞く。
戸惑うような悲鳴。彼が「仕掛け」を仕込んでおいた辺りからの声。
仮面の下、ニヤリと口元を歪める。

「何でも準備はしておくもんだな。これでもう1つ俺の方が有利になる」

パピヨンが退路に「するかもしれない」場所の1つに仕組んでおいた、ワイヤートラップ。
ライターに仕込まれたアラミド繊維をこっそり廊下に張り渡しておいただけの、簡易な罠。
どうやら奴は、そこに引っ掛かったらしい。
2回目の『プログラム』終盤において桐山にまんまとやられそうになった、あの一手の応用だ。
104Classical名無しさん:08/05/11 20:13 ID:YF6KI/rI
 
直接的なダメージは、実のところさほど期待していない。
よほど不注意でもない限り、そしてよほどの速度で走って無い限り、大した傷は負っていないはずだ。
それでも――牽制になる。
相手の不安を煽ることができる。疑心暗鬼を招くことができる。
他にも仕掛けがあるのではないか、トラップがあるのではないか、と考えさせることができる。
逃げるルートまで察知され、全ての手の内がバレているのではないか、との不安を誘うことができる。

そして、一旦こういった思考をしてしまったら……
その弱気な発想を理性で否定できたとしても、今後の判断や行動に影響を与えずにはいられない。
どうしても、行動は慎重にならざるを得ない。警戒を強めざるを得ない。
そして過剰な緊張を強いられた精神は疲労し、やがて思考力と反応速度の低下を招く。

川田章吾には、「経験」がある。
2回の『プログラム』を勝ち抜いた「経験」がある。
それらをフルに活用すれば、相手が蝶人パピヨンでも十分な勝機が見出しうる――!

         ※      ※      ※
106Classical名無しさん:08/05/11 20:14 ID:YF6KI/rI
107Classical名無しさん:08/05/11 20:15 ID:A8ljqMxI
 
 
……雨が、降り続いていた。
窓の外は刻一刻と明るさを増していき、しかし、その度合いは遅々たるもので。
憂鬱に垂れ込めた雨雲の下、散発的な戦闘が続く。

  歌を、聞かせたかった――バードコールの鳥の歌を、もっと2人で聞いていたかった。

校舎の外壁。川田はライドルを鞭状にし、ターザンのように窓を突き破って教室に突入。
部屋の中には、狙い通りパピヨンの姿。
突入と同時にウージーを向ける彼に、しかし唐突に、白く濃密な霧が吹きつけられる。

  愛を、届けたかった――愛を込めて、あの子の名前も呼んでやりたかった。

消火器。学校なら必ずある備品。窓からの奇襲の可能性も考えていたパピヨンの、現地調達の目潰し。
一瞬怯んだ川田に、空になった消火器を叩き付ける。
本来は武器ではないとはいえ、十分な質量を持った鉄の塊だ。それがホムンクルスの怪力で振り回される。

  想いを、伝えきれなかった――。

咄嗟に腕を上げて身を守る川田。
ライダーマンのスーツは、しかしその衝撃を殺しきれず、骨の折れる音が響いて――
しかし、次の瞬間には、折れ曲がった腕が元に戻っていく。
いつのまにか弾切れのウージーの代わりに握られていたのは、十字槍。パピヨンの顔が苛立ちに歪む。

  時が止まったままの、2人の無様な漢たちの心は。

『激戦』。かつて一度は破ったその武装錬金、しかしニアデスハピネスのない今、それはなかなかの難敵で。
「まとめて吹き飛ばす」ことが出来ない今、再生の途中に割り込むことは困難。
パピヨンは舌打ち1つすると、サンライトハートで壁を破って隣の教室に移動する。またもや仕切りなおす。

こんな展開が、何度繰り返されたことか。
109Classical名無しさん:08/05/11 20:16 ID:YF6KI/rI
 
         ※      ※      ※

それは――頭のいいもの同士であればこその、膠着だった。
似た思考の持ち主同士であればこその、拮抗だった。

相手を絶対に倒す、と強く誓っていても、怒りや憎しみに思考を曇らせることもなく。
一か八かの危険な賭けを良しとせず、多少の手間と時間を惜しまず確実な勝利を目指す。
そんな頭脳派同士の戦いは、さながら詰め将棋のような様相を呈して。

互いに頻繁に仕切りなおしては、新たな策をぶつけあう。
地形の利用。その場で確保した道具の利用。支給品の応用的利用。
少しでも厳しいと感じたら、思い切りよく引く……しかし、完全に逃げてしまうわけではない。
僅かな時間を稼ぎ、攻防をリセットするだけ。
それは相手の不用意な深追いを誘う策であり……そしてお互いに、そんなものに乗るほど愚かではない。
ゆえに、短いスパンでの仕切りなおし、となる。

もちろん双方とも、無為に時間を浪費しているわけではない。
相手の能力の見極め、相手の手札の見極め、作戦傾向の見極め。
次々と入れ替わる攻防、次々と入れ替わる局面の中から、2人は互いの能力を見定めあって……。

やがて、平衡は崩れる時を迎える。

         ※      ※      ※
111Classical名無しさん:08/05/11 20:17 ID:SSMr1QvU
 
112Classical名無しさん:08/05/11 20:17 ID:YF6KI/rI
 
……雨が、降り続いていた。
校庭を、静かに雨粒が叩き続ける。
校舎の方を見上げれば、もう無事な部分の方が少ないくらいの壊れっぷりで――
十何度目かになるガラスの砕ける音と共に、1つの黒い塊が飛び出してきた。

いや……しかし、それは自ら「飛び出した」わけではないようだった。
校庭を2度、3度バウンドしながら転がっていったその塊は、数メートルばかり地面を滑ってようやく止まって。
ガクガクと痙攣しながら立ち上がったその人影の表情は、しかし仮面に隠れてよく見えない。
大きな、黒い蝶を模った、奇妙な仮面。

「ぐっ……!」
「……なるほどな。大体『分かって』きたぜ」

校舎の外に「蹴り出された」パピヨンを追い、悠々と歩み出てきたのはライダーマンスーツの川田。
彼はそして、無精髭の生えた、露出した口元を歪めてみせる。

「アンタは確かに人間じゃねぇ。パワーもスピードも相当なモンだ。
 だけど……体力がねぇ。持久力がねぇ。タフネスがねぇ。
 あの頻繁な『仕切り直し』も、実は小刻みな『休憩』を取らなきゃやってられなかったってことだろ。
 外傷も無いのに吐血してたとこを見ると、肺にでも持病でも抱えていたか?」
「…………ッ」
「ま、俺にとっても都合は良かったわけだが。この『スーツ』の性能、お陰でかなり把握できた。
 これで、お前を殺すことが出来る」
114Classical名無しさん:08/05/11 20:18 ID:YF6KI/rI
115Classical名無しさん:08/05/11 20:18 ID:GVE7RaCk
 
 
持久力の不足により、元々長時間の連続戦闘ができなかったパピヨン。
手に入れて間もないライダーマンスーツの性能を、自分の身体で確かめたかった川田。
2人の利害は一致して、だからあのような際どい均衡が成立したわけだが……
それでも、戦い続ければパピヨンの疲労は蓄積する。
そして、戦い続ければ川田の技量は向上していく。
元々危うい均衡が崩れるのも、当然だった。

「色々試して分かったが、単純に全身体能力が上がってる、ってだけでもないんだな。
 所々、強化の強い所がある……特に、ジャンプ力やキック力は相当なモンになってやがる。
 となると……やっぱ『ああいう戦い方』になるわけか」
「何を……言っているっ!?」
「今の俺が使うべき『技』でもねェんだろうが……こういうことだ」

淡々と、平坦な声で呟いていた川田の身体が、掻き消える。
いや、消えたのではない――心理的死角になりがちな、縦方向への高速移動。
超人的な脚力に加え、竿状に伸ばしたライドルをも使って、棒高跳びの要領で高く高く舞い上がって――
その全ての勢い、全ての位置エネルギー、全ての運動エネルギーを、蹴り足に乗せる。
見よう見真似。跳躍力の不足をライドルで補う創意工夫。
正義を背負った「第一の男」の技を、我執に捕らわれた川田が再現する。思わず叫びが漏れる。

「ライダァァァァァァァッッッッ!」
「ッ!! 武装、れんッ……!」
「キィィィィィィィッッッッッッッックッッッッッッッ!」

咄嗟にパピヨンがサンライトハートを構えなおすが、そんな不十分な姿勢で迎撃も防御も出来るはずがない。
流星の如き飛び蹴り。
その足は轟音と共に、校庭に大きなクレーターを作り出した。

         ※      ※      ※
117Classical名無しさん:08/05/11 20:19 ID:YF6KI/rI
 
パピヨンは――蝶人パピヨンは、考える。

もう、「あの未来」には辿り着けない。
たとえ元の世界・元の時間に帰ることが出来たとしても、「あの武藤カズキ」のいる未来には辿り着けない。
「カンニング」で結末を知ってしまった決闘になど、大した価値は残されていない。
では――パピヨンはいったい、どこを目指して進めば良いのか。

泉こなたは死んだ。
それでも、もう一度彼女と会う方法は、あると言えばある。
死者復活などという不確実な手段に頼らずとも、「泉こなた」と再度会う方法は存在するのだ。
彼女の居る世界に行き、「この会場に泉こなたが呼び出される」よりも「前」の時間に行けばいいだけだ。
パピヨンが元の世界・元の時代に戻れる手段を確保できるのなら、「そういうこと」だって可能になる。
だからここで、「もう一度泉こなたと会う」ことを目標にしてもいい、のだが……。

それでは、意味がないのだ。
パピヨンの名を愛を込めて呼んでくれたのは、「ここに居た」泉こなたただ1人。
パピヨンが愛を込めて名を呼んでやりたいのは、「ここに居た」泉こなたただ1人。
殺し合いのことを知らず、パピヨンのことも知らず、のほほんと日常生活を送っている泉こなたではない。
自己紹介からやり直せば、ひょっとしたら「そのこなた」とも親しい関係を築けるのかもしれないが。

そうして彼の鋭すぎる頭脳が、全ての光溢れる道筋を否定し、拒否し、閉ざしてしまった後……。
彼の目の前には、1つの細く冥い道だけが、残されていた。
それはきっと、愛を諦める道。
誰かに愛を込めて呼んでもらうことを、諦める道。
偶然によって堕ちずに済んだ道。武藤カズキが否定してくれた道。
自らを「同類」と呼んだDIOが目指し、そしてとうとう、そのDIOも完全には成し得なかった道。

……きっかけが、必要だった。
あの、ホムンクルスとなりパピヨンとなり、生まれ変わった日のように、きっかけが必要だった。
そしてパピヨンは――震える手を伸ばす。
部屋いっぱいに広がった、「それ」に手を伸ばす。……絶望と共に。
119Classical名無しさん:08/05/11 20:21 ID:F0PtQ0mg
 
120Classical名無しさん:08/05/11 20:21 ID:YF6KI/rI
 
         ※      ※      ※

……雨が、降り続けていた。

「……ちっ。やっぱ本郷さんのようにはいかねぇか」

雨によってすぐに収まっていく土煙の中、川田章吾は小さく舌打ちをする。
ライダーキックがパピヨンを捕らえんとした、その刹那――僅かに、パピヨンの反応の方が早かったのだ。
彼はこれまでに何度もしてきたように、サンライトハートの石突を伸長。大地を蹴って高速移動して。
校舎の壁に開いていた大穴の1つに、飛び込んでしまっていた。
いい加減飽き始めてきた、十数度目の仕切り直し……しかし、絶好の好機を逃した川田に苛立ちはない。
仮面から覗いた口周りに見える表情は、むしろ、喜びに近い。

「あちらさんの消耗は、相当なモンみてぇだからな……慌てることはねぇっ」

既にパピヨンの「体力の欠如」を見抜いている川田だ。それ以外のことも、色々と気付いている。
例えば……サンライトハートを利用した、あの高速移動。
壁や床さえも軽々と突き破れる、便利な移動手段だが……どうやら、使用者には負担がかかるらしい。
激戦で身体を再生させた時と、同質の疲労。
今のパピヨンには、何よりもキツい「支出」であるはずだ。

「回復手段を持ってるなら、すでに使ってるだろうしな……。
 大体、ライダーキックを放つまで『核鉄状態で』持ってたという時点で、奴は相当追い込まれてやがる」

言うまでもなく、武装錬金も「武器にせずに」持ち歩けば咄嗟には振るえない。1動作余分に必要になる。
ただ、待機状態の核鉄には、僅かながらの回復効果がある。
持っているだけで、傷と疲労が癒される。
逆に言えば――今のパピヨンの身体は、その雀の涙ほどの回復さえも必要としているということだ。
川田は勝利の確信を持って、パピヨンの後を追う。
パピヨンが飛び込んだ壁の穴に、ゆっくりと足を踏み入れる。
122Classical名無しさん:08/05/11 20:22 ID:eTGI/FTA
蝶・支援!!
123Classical名無しさん:08/05/11 20:23 ID:YF6KI/rI
 
瞬間――全身が、総毛立った。

(な……何だっ!?)

外は雨が降り続いている。夜明けは近いが未だ暗い建物の中。
既視感と――そして、違和感。
自分は確かにこの部屋を見たことがある。一度見たことがある。
そしてその時に「あったはず」のものが、無い。
丹念に掃除でもされたかのように……あるいは、「舐め取られた」かのように。
綺麗さっぱり、消滅している。そして。

  「……悪魔のように、黒く」

誰かの呟きが聞こえる。誰かの呻きが聞こえる。
崩壊した職員室の片隅。分かっていても、川田章吾は瞬時に振り返れない。

  「……地獄のように、熱く」

恐怖。そう、川田章吾の身体を金縛りにしているのは、恐怖以外の何物でもない。
唄うような言葉に込められた、熱い想い。ドロドロとした情念。
それが凄まじいプレッシャーとなり、川田章吾をその場に縫い止めている。

  「……接吻のように、甘い」

振り返らなければ。身体を動かさなければ。そうしなければ、自分がやられる。
渾身の力を振り絞り、意志力を振り絞り、川田はギギギと軋むような動きで、声の主の方を振り返る。
そこに――闇が、人の形を成して、存在していた。
ドブ川の濁ったような色をした瞳が、血涙を流しながら、川田のことを見つめていた。

  「……久しぶりだ……。これが、 人 間 の 味 ! 」
125Classical名無しさん:08/05/11 20:24 ID:TbYaPfzI
 
126Classical名無しさん:08/05/11 20:24 ID:YF6KI/rI
127Classical名無しさん:08/05/11 20:24 ID:KQeFUncU
蝶・支援
 
その立ち姿には、先ほどまでの消耗の色はカケラも残っておらず……
むしろ、最初に相対した時よりも活力に満ち溢れていて。
別人のような気配。
消滅した「泉こなたの死体」。
求めていたであろう「回復手段」。
そして、先ほど奴が口にした、「人間の味」発言――!
戦慄と共に、川田はその結論に辿り着く。辿り着いてしまう。

「お、おま、え……! まさか……!」
「ああ、そのまさか、だ。
 何しろ俺は、『人喰いのバケモノ』だからな。
 『泉こなた』は、このパピヨンが『喰った』。血の一滴も残さず、『喰わせて』貰った」
「こ、の……バケモノがッ!!」

化物。
身体能力の高さや特異な能力の存在、などという細部ではない――化物。
ヒトとは異なるモノ。ヒトにはあり得ない精神(こころ)の形。

だが……しかし!
パピヨンにとって泉こなたは、川田章吾にとっての柊つかさのような存在だったのではないのか?!
この殺し合いで出会って知り合って、それでも心を交わした大事な存在だったのではないか?!
それを、こんな――!
川田はそれでも、慌てて武器を手にする。
パピヨンに圧倒されつつも、ここは攻め込まねば生き残れぬ流れと悟る。頭を瞬時に切り替える。

「武装錬――!」
「――遅い」
129Classical名無しさん:08/05/11 20:25 ID:frrT5.Lk
 
130Classical名無しさん:08/05/11 20:25 ID:YF6KI/rI
 
だが……遅い。既にその動揺は致命的な隙を作り出している。
底の知れない今のパピヨンに対し、川田が選んだのは無限の再生力を誇る『激戦』。
その選択自体は間違いではなかったのだろうが……あまりに、遅すぎた。
六角形の金属片が十文字槍へと姿を変えようとしたその瞬間に、一瞬で間を詰められ、蹴り飛ばされる。
はるか遠くに、弾き飛ばされる。
パワー。スピード。瞬発力。その全てが、川田章吾がこれまでに見てきたパピヨンの全てを上回っている。

川田章吾は、知らない。
川田とのこの戦いよりも前から、パピヨンがそれなりに消耗していたことを知らない。
食事を取る間が無かったことを知らない。常人より遥かに多くの食料を要するパピヨンの生態を知らない。
この場で相対したその時には、既にパピヨンがガス欠に近い状態にあったことを知らない。

食人衝動は無くとも、パピヨンはホムンクルス。
不完全ではあっても、パピヨンはホムンクルス。
その本来の「食餌」は「人間」であり――
だから、「人間1人分」の肉と血を喰らった今のパピヨンは、「エネルギーの補充」が完了した状態。
その本気の動きは、今の川田の眼には捕らえきれない。
消耗してヘロヘロになっていたパピヨンの動きに慣れていた川田には、反応しきれない。

ガッ。
パピヨンの左手が、ライダーマンのスーツで唯一露出している肉体――川田の顎を鷲掴みにする。
その隙間から指を滑り込ませ、凄まじい握力で顎と喉を握り潰しにかかる。
片腕で大柄な川田の身体を、軽々と吊るし上げる。川田の両足が、虚しく虚空を掻く。

「確かに俺は『人喰いのバケモノ』だ。
 その気になれば貴様程度、このまま掌から吸い込むようにして喰らうことが出来る。
 ――だが、俺はいささか『グルメ』なタチなようでな」
「…………ッ」
「貴様は、俺が『喰ってやる』に値しないッ!
 貴様には、こなたほどの価値はないッ!
 貴様の肉の一片、血の一滴、魂の一欠けに至るまで、この俺の中には入れてはやらんッ!」
132Classical名無しさん:08/05/11 20:26 ID:YF6KI/rI
133Classical名無しさん:08/05/11 20:26 ID:0SZktP1s
 
 
メキリ。川田の喉下を押さえるパピヨンの手に、力が篭る。
パピヨンは片腕。川田は両腕。
なのに、強化されたはずの腕力で渾身の抵抗をしても、その束縛から逃れることができない。
泡を吹きつつ、川田の口から絶望的な呻きが漏れる。

「こん、なっ……パピ、ヨ……」
「チッチッ♪」

川田の霞む視界の中、パピヨンは悪戯っぽくその指を振ってみせて。
濁った瞳に歪んだ笑みを浮かべ、彼はその名を名乗り上げる。

「今の俺を呼ぶなら、そうだな――『帝王・パピヨン』。
 これからは、帝王と呼べ。
 それも……もっと、『畏怖』を込めて、だ!」

牙のように鋭い歯を剥きだしにし、パピヨンは哂う。
耳下まで口が裂けたかのような凶悪な顔つきで、パピヨンは哂う。

そうして構えたのは、右の手刀。
弓を引き絞るようにそれを脇にひきつけ、力を溜め、
吊るし上げられ逃げられない川田の――に、狙いをつけて、

職員室――かつて川田章吾が泉こなたの命を奪ったその場所に、真っ赤な華が咲いた。

         ※      ※      ※
135Classical名無しさん:08/05/11 20:27 ID:eTGI/FTA
何を隠そう、俺は支援の達人だ
136Classical名無しさん:08/05/11 20:28 ID:gGPA0FfE
 
137Classical名無しさん:08/05/11 20:27 ID:YF6KI/rI
 
……医療の世界で、広く知られた事実がある。

例えば、心臓移植。
何らかの病気で心臓移植を受けた患者には、程度の差はあれ、性格の変容などが見られるという。
ある者は、食べ物の好みが変わり。
ある者は、飲めなかった酒が飲みたくなり。
ある者は、年齢も性別すらも飛び越えて、突飛な性癖に目覚めたりする。

そして、後から調べてみると……それら新たに目覚めた趣味嗜好は。
心臓のドナーが元々持っていた、趣味嗜好や性癖であったりするのだ。

ある研究者の唱える学説によると、心臓にも脳に似た神経細胞ネットワークが存在するのだと言う。
ICNS。「内在性神経神経細胞」と名付けられた、神経組織群。
つまりは心臓はそれ自体が、「小さな脳」であることになる。
それ自体が思考し、選択し、記憶する、「もう1つの脳」であることになる。
いわゆる「こころ」の存在だ。

そして、ここからは川田章吾という少年の持論に過ぎないのだが……
しかしそれほどまでの存在を移植によって入れ替えても、起こる変化はせいぜいがそこまで。
食事の好みだとか性的な好みだとか、瑣末な趣味嗜好の範疇に留まる程度の存在。

そう、思っていたのだが。

かつて愛した最愛の女性、慶子。
彼女の言葉、そして彼女を守れなかった最初の『プログラム』の経験が、彼を変えた。
出来損ないの脳。もう1つの脳。ハート。
合理性の追求ばかりでなく、自らの感情に忠実に。
『整合性の欠如』になど構わず、己の道を行く――
川田章吾は、そういう人間になったのだ。いや、なったはずだったのだ。
139Classical名無しさん:08/05/11 20:28 ID:YF6KI/rI
 
(頭だけじゃなくて、「こころ」でも考えた……。
 その結果が「つかささんが死ぬのは嫌だ」、「つかささんを生き返らせたい」、だったんだが……。
 全く、どこで間違えたんだか……な……)

あの柔かな笑顔。あの柔かな温もり。
自分が愛し、そして、「すき」と言ってくれた少女。
慶子の時と違って、今度はなんとかなるのだ。なんとかなる可能性があったのだ。
だから……だけど……!

  (冷静な状況判断は結構だけど……人の心の痛みを見つめて欲しい、って)
  (誰かが死んだら……悲しんでよ! 泣いて、いいんだよ?)

(……!? ああ……そうか……!)

ああ、そうか。彼は理解する。
「こころ」の記憶に蘇ってきた、彼の愛した女たちの声。その2つの声に、彼は理解してしまう。
彼の過ちは2つ。
1つは、自分のこころ「だけ」に耳を傾けてしまったこと。
他のひとの「こころ」を忘れてしまったこと。
そして、つかさが死んだその時に、泣くことができなかったこと。
真に「こころ」に全てを委ねなければならなかった時に、やせ我慢をしてしまったこと。

だから……この結末も当然なのかもしれない。
これは、当然の罰なのかもしれない。
心臓がゆっくりと、壊れていく。
スローモーションのように、刺し貫かれていく。
もう1つの「つたない脳」が……、ハートが、心が、心臓が、壊されていく。

川田章吾は、そして再度の己の死を、受け入れる。甘んじて罰を、絶望を受け入れる。
ただ、最後に想う。
壊れゆく「こころ」で、最期に想う。
141Classical名無しさん:08/05/11 20:30 ID:eTGI/FTA
支援
142Classical名無しさん:08/05/11 20:30 ID:YF6KI/rI
 
この男は――血の涙を流しつつ「帝王」を名乗ったこの男は、果たして自分の「こころ」で考えただろうか?
ちゃんと、「こころ」の声に耳を傾けることが出来ているのだろうか?
泣くべき時に、ちゃんと泣いていただろうか?

それだけが、最期の僅かな気がかりだった。


【川田章吾@BATTLE ROYALE 死亡】

         ※      ※      ※

……雨が、降り続いていた。

あちこち派手に壊れた、学校の校舎、そのすぐ近く……。
体育館の近くに建つ武道場に、パピヨンの姿があった。

彼の周囲に置かれているのは、数々の道具。
校舎の中から回収してきた、極細繊維の入ったライターやら、バイクやら、荷物やら……。
ありていに言って、勝者であるパピヨンの戦利品の数々。
それらの中から必要なものを探し出すと、パピヨンは無造作に横たえられた死体に向かい合う。

……無精髭を生やした死体。スーツを剥ぎ取られた死体。
胸の中央に大きな風穴を開けられた死体。
川田章吾の、死体。

「……『お清め』ってのは、こんな感じか?」

学校の図書室で見つけた、神道に関する本を参考にして、神棚に向かい合う。
神棚――武道場にはつきものの設備。実に小さな存在。
しかし神棚というものは、宗教上は「小さな神社」である。神が宿るための場である。
しかるべき動作をしかるべき手順で行えば、それなりの「意味」を持たせることが出来る。
144Classical名無しさん:08/05/11 20:31 ID:YF6KI/rI
 
「……っと、そうなると……ふむ……」

お清めの水を死体の首輪にかけ、次に取り出したのは簡単な工具のセット。
川田が生前確保していた、ツールセットだ。
首輪の表面に出現した継ぎ目に、素早くそれらをあてがう。そして。

ほんの僅かな思考錯誤の果てに、首輪はカランッ、と乾いた音を立て、死体の首元から零れ落ちた。

「……予想以上に簡単なものだな……」

条件は、揃っていた。
首輪に関する考察があった。
アカギを介して伝えられた『Dr.伊藤』の情報があった。
簡単な工具があった。
神社の代わりになりうる神棚があった。
実験するための死体があった。
パピヨンの目の前で外された、アカギの首輪の残骸があった。
そして何より――天才たるパピヨンの頭脳と決断力があった。

これだけの条件が揃って、首輪を外せぬわけがない。
それでも念のため、まずは死体で実験してみたわけだが。

これは、いける。パピヨンはニヤリと笑う。
この調子ならば自分の首輪を外すのも容易だろう。
どうやらスタンドに関する能力は首輪によって制御されているようだが、核鉄関係も同じだとするならば。
自らの首輪を外すことが出来れば、もう頑張って『ニアデスハピネスの核鉄』を探す必要もない。
手の内にある『サンライトハート』と『激戦』の核鉄を、『ニアデスハピネス・アナザータイプ』として使用できる。
パピヨンの性格に最も合致した、パピヨンのための武装錬金を作りだせる。
その気になれば、かつて武藤カズキが使ってみせた大技、『ダブル武装錬金』さえも可能になるかもしれない。
146Classical名無しさん:08/05/11 20:32 ID:YF6KI/rI
 
もちろん、この調子で首輪を外せるのなら……自分以外の参加者の首輪を外すことも出来る。
「外してやる」ことが、できる。
今までは他人などどうなってもいい、と思っていたが、泉こなたを『喰って』吹っ切れた今では。

「『帝王』を名乗るには『部下』が必要だからな。
 この帝王パピヨンに忠誠を誓うというなら、外してやってもいいか。
 ま、葉隠覚悟や赤木シゲルあたりは、俺の下についたりしないだろうが……!」

元々、鷲尾たち動物型ホムンクルスを率いていたこともあるパピヨンである。
元々、DIOに同類といわれるほど似通った経緯を辿ってきたパピヨンである。
その気になれば、人々の上に立つことも出来ないわけではない。
持久力の不足、という彼の決定的弱点の存在も考えれば、そこをフォローする「部下」の存在はたぶん必須。

だから、そう……。
首輪を外す技術を持ち、雷雲を突き抜ける手段をも備えた彼の下につく者も、出てくるかもしれない。
目的のためにつまらぬプライドを捨て、パピヨンの命令に従う者も出てくるかもしれない。
いや、それどころか。

(なんなら、あのJUDOとやらを組織から切り離し、トップの首を挿げ替えて……
 BADANとやらを、この帝王パピヨンが丸ごと支配してやるのもいいかもしれないな――!)

それはきっと、愛を諦める道。
愛を込めて名を呼んでもらうことを放棄し、代わりに畏怖の念を込めて名を呼ばれることになる道。
かつてDIOが志し、そして、とうとう歩みきることの出来なかった道。
辿り着けたかもしれない未来に背を背け、パピヨンはそして、静かに冥く哂った。
 

【C-4 学校・武道場 二日目 早朝】

【パピヨン@武装錬金】
[状態]:全身に軽い打撲。左腕に被弾。核鉄の治癒力で回復中。ドブ川の濁ったような瞳。帝王への決意。
[装備]:ライドル@仮面ライダーSPIRITS、マイクロウージー(9ミリパラベラム弾32/32)、予備マガジン2、
    猫草inランドセル@ジョジョの奇妙な冒険、アラミド繊維内蔵ライター@グラップラー刃牙
    サンライトハート(核鉄状態)@武装錬金、激戦(核鉄状態)@武装錬金、
    ヘルダイバー@仮面ライダーSPIRITS
    ハルコンネン(爆裂鉄鋼焼夷弾、残弾1発、劣化ウラン弾、残弾0発)@HELLSING
[道具]:支給品一式、チョココロネ(残り4つ)@らき☆すた、
    地下鉄管理センターの位置がわかる地図、地下鉄システム仕様書
    ルイズの杖、参加者顔写真&詳細プロフィール付き名簿、首輪探知機@BATTLE ROYALE、
    ターボエンジン付きスケボー@名探偵コナン、ライダーマンのヘルメット@仮面ライダーSPIRITS
    デルフリンガー@ゼロの使い魔(紐で縛って抜けないようにしてます)
    首輪(鳴海)、解除済みの首輪の残骸×2(赤木、川田)、ツールセット、不明支給品1(未確認)

[思考・状況]
基本:BADANを打倒し、DIOにも届かなかった「真の帝王」の地位を手にする。
1:この調子で自分の首輪も解除する?
2:「部下」になり「帝王パピヨン」に忠誠を誓うのなら、他の参加者の首輪も「解除してやってもいい」
3:核鉄の謎を解く。
4:二アデスハピネスを手に入れる。
5:赤木、大首領に自分を舐めたことを後悔させる。
149Classical名無しさん:08/05/11 20:33 ID:YF6KI/rI
 
[備考]
※参戦時期はヴィクター戦、カズキに白い核鉄を渡した直後です
※スタンド、矢の存在に興味を持っています。
※詳細名簿を入手しました。DIOの能力については「時を止める能力」と一言記載があるだけのようです。
※こなたの死体を『食べ』ました。
※覚悟、アカギのことを快く思っていません。

※首輪の構造を理解しました。少なくとも、死体(川田)の首輪の分解には成功しました。
 ちょっとした神棚と簡単な工具さえあえれば十分に解除の条件は揃うようです。
 ただし現時点では、生きている参加者の首輪分解も可能なのかは不明です。


※以下の品物はパピヨンが重要と認めなかったため、川田の死体の傍に放置されています。
 支給品一式×3、ジッポーライター、バードコール@BATTLE ROYALE
 文化包丁、救急箱、裁縫道具(針や糸など)、ステンレス製の鍋、ガスコンロ、
 缶詰やレトルトといった食料品、薬局で手に入れた薬(救急箱に入っていない物を補充&予備)
 マイルドセブン(5本消費)、ツールナイフ、つかさのリボン

※川田章吾の死体は、首輪が外されています。
151 ◆6YD2p5BHYs :08/05/11 20:35 ID:uMlRJ/pg

以上、投下完了。支援感謝です。

パピヨン、いわゆる「危険な対主催」化です。
死体の首輪の解除には成功しましたが、自分自身の首輪まですんなり外せるのかどうかはまだ不明です。
首輪と核鉄の関係も、まだ詳細は未定だったと思います。
首輪を外せば本来の機能を発揮する、というのは、現時点ではあくまでパピヨン個人の推測です。
まあ、外せるとするなら、次の登場時にはあっさり首輪のない姿で登場してもいいとおもいますが。

問題点、矛盾点ありましたら指摘お願いします。
特に首輪解除……個人的には大丈夫だろう、と思ってはいますが、反対意見が多いようなら修正も視野に入れています。
152Classical名無しさん:08/05/11 20:38 ID:eTGI/FTA
投下乙
こなたの死体食ってヘルシングのたいちょーとセラスみたいなのを想像したが
こう来たか、コレは他の主催と衝突しそうだ
マーダーも全滅したがさらなる波乱の予感が!
153Classical名無しさん:08/05/11 20:40 ID:wxXae5/U
投下乙です!
パピヨン、まさかのラスボスフラグ!(?)
川田も大変な置き土産をして逝ってくれたものです。
パピヨンと終結した残りの対主催メンバーが激突したら、どうなることやら。
パピヨンの身体能力に凶悪支給品の数々。前途は多難だけど、頑張れ、純正対主催!
154Classical名無しさん:08/05/11 20:43 ID:YvXvJIJs

パピヨンニアデス使うよりも激戦使ったほうが厄介そうだなw
155Classical名無しさん:08/05/11 20:44 ID:uPAFgzEw
なんというか、胸がしめつけられる思いだ
悲しい結末だったなあ、二人ともさ…
156Classical名無しさん:08/05/11 20:50 ID:uPAFgzEw
やべ、感極まりすぎて基本的なことを言い忘れてた。 投下GJ!
157Classical名無しさん:08/05/11 20:56 ID:KQeFUncU
投下乙です
対主催達はパピヨンの変化を知らないから簡単に喰えそうだ
158Classical名無しさん:08/05/11 21:06 ID:MWjyyhvA
投下乙ッ!!
こなたを食ったパピヨン…DIOと同じ道を歩むことになったか…
川田…おつかれさん…

両者の結果にいたるまでの過程がせつない…
いい作品でした
GJ

159Classical名無しさん:08/05/11 21:46 ID:LJ0OIAkc
持久力のないパピヨンと無限の再生力を誇る激戦って反則的な組み合わせじゃね?
まあパッピーの性格上ニアデスハピネスの方が好きそうだけど
160Classical名無しさん:08/05/11 21:56 ID:oKoMeecQ
>>159
むしろ逆。
激戦の再生能力は体力を激しく消費するので、パピヨンじゃすぐガス欠になる。
161Classical名無しさん:08/05/11 22:15 ID:htKJuDcw
 なんという多摩ネットワーク…!
 パピヨン、川田、お互いが、原作からこのロワにやってきてからぞれの流れが共に結実している。
 そして “優勝狙い” が一人もいなくなったにもかかわらず、まるで大団円の匂いがしない!


>>160
 もの凄く単純な言い方をすると、「全ステイタスの最大値を一時的に消費して、HPの現在値を
瞬時に回復させる」  みたいなもんだね。
162Classical名無しさん:08/05/11 22:16 ID:RFeHv.Cs
投下乙…なんというか、漫画ロワで初めて熱血でも鬱でもなく哀しい話を見た気がする…
パピヨンはまた再び世界を焼き払って新しい世界でも作ろうというのか…
あと川田はあの世でらきすた勢にフルボッコにされてこいw
163Classical名無しさん:08/05/11 22:24 ID:eTGI/FTA
パピヨンは未来を知っているからこそ別の道を選ばざるを得なかった
普通の生活を選べず、余命幾ばくもない体でただひっそりと死んでいくしかなかった
彼がホムンクルスになったように。
164Classical名無しさん:08/05/11 22:26 ID:1pelbOlQ
投下乙です。
『決戦』とは違う一つの集大成ですね。
知恵と力の限りを尽くしたバトルを堪能させて貰いました。
二人の因縁は複雑すぎて二人をどちらに勝って欲しいのか自分にも判らないくらいでした。
さて欲しいものを失い決意を決めたパピヨンがこれからどうなることやら気になります。
165Classical名無しさん:08/05/11 23:49 ID:huH5R442
残り一桁か…もう終盤なんだなあ…。
166Classical名無しさん:08/05/12 00:25 ID:C5SeLfis
>>165
残り10人ジャマイカ?
167Classical名無しさん:08/05/12 00:52 ID:NuioqZog
くわーっ! そうきたかーっ!
パピヨンがこなたを喰うのはいずれあるんじゃないかと思ってた
というか、やらないの勿体ないフラグだなと思ってたが……こうきたか
巷では外道外道言われてたけど、俺は川田も好きだったよ
そしてパピこなも大好きだった……これが、ロワの恐ろしさ!

果たして恐るべしラストの敵となってしまうのかパピヨン!
大変、GJでした!!
168Classical名無しさん:08/05/12 01:08 ID:jB984mac
クローン技術を持つパピヨンだから
こなたの一部を持ち帰り絶対に元の世界に戻ってやるって展開を期待していたら
喰ったのか・・・そうか・・・
パピこな好きだったんでせつないぜ
でも、こなたはパピヨンの役に立てて喜んでいると思う

投下乙でした
169Classical名無しさん:08/05/12 12:22 ID:7kJFXOCk
クローンは所詮、遺伝子が同じだけの別人だからな。
何より一から育てないといけないから環境次第で性格は100%変わるし。
別の世界のこなたすら受け入れられないなら、クローンは論外だろう。
170Classical名無しさん:08/05/12 16:09 ID:uqv7XIvA
1/4 【アカギ】○赤木しげる/●市川/●平山幸雄/●鷲巣巌
1/2 【覚悟のススメ】○葉隠覚悟/●葉隠散
1/3 【仮面ライダーSPIRITS】 ●本郷猛/●三影英介/○村雨良
1/4 【からくりサーカス】●加藤鳴海/○才賀エレオノール(しろがね)/●才賀勝/●白金(フェイスレス指令)
0/4 【銀魂】 ●坂田銀時/●神楽/●桂小太郎/●志村新八
1/4 【グラップラー刃牙】○愚地独歩/●花山薫/●範馬刃牙/●範馬勇次郎
1/4 【ジョジョの奇妙な冒険 】●吉良吉影/●空条承太郎/○ジョセフ・ジョースター/●DIO
0/4 【スクライド】●カズマ/●シェリス・アジャーニ/●マーティン・ジグマール/●劉鳳
0/4 【ゼロの使い魔】●キュルケ(略)/●タバサ/●平賀才人/●ルイズ(略)
1/4 【ハヤテのごとく】●綾崎ハヤテ/○桂ヒナギク/●三千院ナギ/●マリア
0/3 【HELLSING】●アーカード/●アレクサンド・アンデルセン/●セラス・ヴィクトリア
0/4 【北斗の拳】●アミバ/●ケンシロウ/●ジャギ/●ラオウ
1/4 【武装錬金】●防人衛/○蝶野攻爵/●津村斗貴子/●武藤カズキ
0/4 【漫画版バトルロワイアル】●川田章吾/●桐山和雄/●杉村弘樹/●三村信史
1/4 【名探偵コナン】 ●江戸川コナン/●灰原哀/○服部平次/●毛利小五郎
1/4 【らき☆すた】●泉こなた/●高良みゆき/○柊かがみ/●柊つかさ
計 10人 / 60人

171Classical名無しさん:08/05/12 17:38 ID:vFRdoI6w
蝶がラスボスとか役者不足にも程があるだろう
172Classical名無しさん:08/05/12 18:07 ID:al93Teeg
>>171
てめぇパピヨンを舐めんじゃねえよ!
173Classical名無しさん:08/05/12 19:58 ID:UrkkE42A
>>169
黙って武装錬金の10巻を読んでみてくれ
パピヨンの技術は卑怯臭いぐらい高度だ
174Classical名無しさん:08/05/12 20:15 ID:vFRdoI6w
>>173 それは作者の頭が悪いの書き下ろし分の補正に過ぎない
175生存者限定:08/05/12 21:11 ID:hgfwjmns
1/4 【アカギ】○赤木しげる
1/2 【覚悟のススメ】○葉隠覚悟
1/3 【仮面ライダーSPIRITS】 ○村雨良
1/4 【からくりサーカス】○才賀エレオノール(しろがね)
1/4 【グラップラー刃牙】○愚地独歩
1/4 【ジョジョの奇妙な冒険 】○ジョセフ・ジョースター
1/4 【ハヤテのごとく】○桂ヒナギク
1/4 【武装錬金】○蝶野攻爵
1/4 【名探偵コナン】○服部平次
1/4 【らき☆すた】○柊かがみ
176Classical名無しさん:08/05/12 21:58 ID:3GQ9hxdc
>>175
綺麗に一人ずつになったなぁ……ちょっと寂しい
177Classical名無しさん:08/05/12 22:37 ID:ggl8/tzc
>>175乙です。
なんか勇次郎とこなたには生き残って欲しかった…

結局バーローは骨折り損だったわけだww
178Classical名無しさん:08/05/13 00:12 ID:T4qv1w6A
まったくな……
まぁ、味方にまわすのはほぼ不可能だったとは言え
179Classical名無しさん:08/05/13 00:26 ID:f3If1pRc
いや、この先の主催との戦いで、
「ああ、もしここに勇次郎が味方としていてくれたら!」
と思うような局面があるかもしれないぞ。
180Classical名無しさん:08/05/13 00:32 ID:.Gs/tQ6E
足止めにはなったから全くの無駄ではあるまい
神楽まで失ったのは痛いが
181Classical名無しさん:08/05/13 12:46 ID:pKkOg0Gw
しかし……これだけの面子でありながらアカギだけだな、
序盤から心ゆるぎなく己であり続けてるの。
みんな迷ったり悩んだりしてんのにこいつだけその手のものが無い
恐ろしや
182Classical名無しさん:08/05/13 14:18 ID:xMBCD0Xw
くく、狂気の沙汰ほど・・・面白い

こんな台詞を吐く人間だからな、今更殺し合い程度で揺らぎもしないw
つか、逆にこの面子の中で鷲巣麻雀に挑戦するような変態がどれだけいるか。
183Classical名無しさん:08/05/13 23:34 ID:RoJ5vo7g
平山
184Classical名無しさん:08/05/15 09:30 ID:96YBqAyk
>>174 Dr.アレクの脳みそのことを忘れないであげてください

このスレの住人になってから元になってる漫画を読むようになったんだけど
書き手の人達の実力に改めて気がつかされました
皆さん凄く読み込まれていますね
文才なくて応援しかできませんが
続き楽しみにしています

185Classical名無しさん:08/05/15 18:56 ID:vwWG9jWQ
スーパー独歩ちゃんが力関係でクロコダインみたいな立ち位置に見える
186Classical名無しさん:08/05/15 23:42 ID:6amEWRlg
つまり後半の解説・驚き役と言いたいのか
187Classical名無しさん:08/05/16 00:29 ID:MHyOPiek
ああw
ありゃまさしく何のためにやって来たんだよ、って感じだったよなw
188Classical名無しさん:08/05/16 03:26 ID:Vx4WAlJE
第三回人気投票の結果発表です。
集計して発表した後、告知を忘れてましたw

漫画ロワ 作品トーナメント編!!
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9318/1208602309/l100
189Classical名無しさん:08/05/18 18:05 ID:IqqDcqkQ
大切なのは他人より自分。自分の精神状態を優勢に保つためにやれる事って何だろう。
私はボランティアをやれるほど優れた人種ではないらしい
190Classical名無しさん:08/05/19 02:09 ID:/AZp3WMw
>>189
誤爆か? お前力抜けよ
191 ◆9igSMi5T1Q :08/05/19 23:34 ID:BJPPu7k6
お久しぶりです。
予約を忘れたまま、連絡せずにいて大変失礼いたしました
その後、滞りなく漫画ロワは進んでいたようですが、本当にご迷惑をおかけしました

今回の連絡は、それとは別件です。
最近になって時間が取れるようになったので、徐々に復帰していこうかと思い過去の作品を修正しようと思っています。
ですが、アクセス制限がかかっているらしく、上手くwikiが編集できません。
また、wiki編集報告スレに書こうと思っても、したらばにも書き込めません。
一体、どうしたら良いでしょうか。よろしくご返答お願いいたします。

なお繰り返しになりますが、予約の無断破棄は大変申し訳ありませんでした。
192Classical名無しさん:08/05/19 23:40 ID:X3Mkd1cc
>>191
許可リストに加えて見ました。

ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9318/1183371890/l50

書き込めるか、確認をお願いします。
193 ◆WXWUmT8KJE :08/05/19 23:51 ID:X3Mkd1cc
っと、トリを忘れていました。
194Classical名無しさん:08/05/19 23:51 ID:BJPPu7k6
>>192
ご対応ありがとうございます。しかしながら

-----
ERROR!!!
ホスト規制中!!
-----

とでました。
195Classical名無しさん:08/05/19 23:51 ID:BJPPu7k6
sage忘れてしまいました
196 ◆WXWUmT8KJE :08/05/20 00:25 ID:FQW6ZKVM
>>194
規制巻き込まれのようですね。
解いてみたので、上記スレに確認書き込みお願いします。
197Classical名無しさん:08/05/20 00:29 ID:DaudtqIk
>>191
同じくwikiにかかっていた規制を解きました。修正出来るか確認願います
198 ◆9igSMi5T1Q :08/05/20 01:28 ID:DzjeoTmc
>>196-197
ありがとうございます。何とか書き込めました。

それと見ない間に随分進みましたね。皆様凄いの一言です。
ついでに全く関係ないですけど、いい加減「偽りの脱出」は状態表から消したらどうでしょう()個人的には黒歴史
199 ◆hqLsjDR84w :08/05/20 03:07 ID:1Og1uJGs
予約期間を延長させてください。
200Classical名無しさん:08/05/20 03:10 ID:40Add6fk
>>199
了解です。執筆頑張ってください。


【告知】
どんな形式でやるか悩みましたが、結局前回と同じ形式で第四回人気投票をやりたいかと思います。
やりかたは前回と同じくしたらばの投票スレで投票をお願いします。

漫画ロワ 作品トーナメント編!!
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9318/1208602309/l100

・予定スケジュール
【投票期限】5/21(水)0:00時ー5/25(日)24:00まで
【投票対象】第三回放送終了〜第四回放送まで

・投票形式
上位5作まで選出可能(必ず5作選出しないと駄目、という訳では無い。一位のみへの投票なども可)
1位を5P、2位を4P、3位を3P、4位を2P、5位を1pとして計算する
このスレで投票内容を書き込んでください。

・総合部門(作品名で投票)
・死者部門(キャラ名で投票)
・対決部門(○○VS○○で投票)
・台詞部門(キャラ名「台詞本文」で投票)

全部5位まで埋める必要は無いので気軽に参加してみてください。
201Classical名無しさん:08/05/20 12:31 ID:J4F.yJfw
>>200
早速投票してきましたぜ!
…これと関係ないんだけど投票のためにwiki見返してたら
俺が死者スレでちょっとボヤいた
「某サイトで身長やウエストなどから推測するとTQNがCカップ」って記述が載ってたんだが…誰が追加したんだww
202Classical名無しさん:08/05/20 13:02 ID:1ubQQZiM
>>200
乙です!
今回も激戦っぽいから楽しみ!

>>201
お前の熱意は伝わった!
だが残念ながら未だ投票開始じゃないけどw
203Classical名無しさん:08/05/20 13:19 ID:J4F.yJfw
>>202
アッー!投票開始期間見落としてたww
明日同じ内容で再投票ということにしようorz
204投票人 ◆S52NT51/9g :08/05/20 22:40 ID:40Add6fk
>>201
それも私だ。
雌豹のポーズを追加した。それも私だ
ついでにサウンドノベルを作った。それも私だ
ついさっきwikiの投票スレの結果に、リンク張ってたら予想以上にめんどい思いをした。
それも私だ。
205Classical名無しさん:08/05/20 23:07 ID:cWK007Rg
GJなんだぜ。個人的にはもっとエロスを盛りいれ(ry
206Classical名無しさん:08/05/20 23:34 ID:40Add6fk
>>205
がちでもうネタが出てこない
今更かがみ全裸伝説書いてもなぁ
コスプレはアニ2ndの方がはじけてるし
俺はお絵かき掲示板でしょうもない小ネタ落とすくらいが限界さ
207Classical名無しさん:08/05/21 00:13 ID:O897PK26
OK,就職活動が終わったら色々やってやろうじゃないの
土曜、か…試験
208 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 01:51 ID:hkt3XqJs
暫くしたら、投下しますね。
209 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:00 ID:hkt3XqJs
さて、投下を開始します。
210乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:01 ID:hkt3XqJs
 バトル・ロワイアルの会場に放送が鳴り響いてから、五分が経過する。
 迫る物体に稲妻を放つ迎撃装置に守られし、バトル・ロワイアルの会場の遥か向こう側に存在するBADANの砦。その一室、薄暗い部屋。
 そこで顔面を伝う冷や汗を拭う余裕すらないほどに、焦りを募らせている男が一人。
 伊藤博士と呼ばれている、BADANの研究者だ。
 ちなみに、バトル・ロワイアルの参加者に嵌められた首輪の構造を発明したのは、彼とその部下達である。
 まあ、それを可能にしたのは、BADANの持つ最先端のさらに上を行く技術なのだが。
 その技術を使いこなし首輪を作り上げたというのは、大いに評価されてしかるべきであろう。

 さて、そんな彼が焦っている理由だ。
 それは、彼の眼前にあるPCのモニターに映るオンライン雀荘サイト。
 彼はそのオンライン雀荘サイトのチャット機能を使い、名も知らぬバトル・ロワイアルの参加者にBADANの内部情報を暴露していた。
 放送前のドサクサに紛れて、だ。
 放送の一分前に、相手は放送が近いことを理由にチャットを中断した。
 伊藤博士は、放送が終わり次第チャットを再開するつもりであった。
 放送直後もBADANの砦内は数刻の間慌しいので、数分ならチャットは可能だと考えたのだ。
 しかし放送後五分が経過するが、相手からの反応はない。

(さすがにこれ以上はまずい……か)

 伊藤博士は一瞬だけ虚空を見据えると、すぐさまPCをシャットダウンさせる。
 彼の休み時間は、本当はあと一時間五十五分――午前二時まであるのだが、チャットを続けることはしない。
 そもそも放送前のドサクサに紛れて、その間だけチャットを行うはずだったのだ。
 なのに放送後五分間オンライン雀荘サイトを開き続けていたのは、放送後も慌しいことに気付いたからだ。
 しかし、その慌しい時間もあと十分ほど。それより時が経てば、慌しい状況はどんどんと終息していく。
 その時が来て、放送後のてんやわんやが落ち着くよりも早くこの部屋から出るべきだ。
 そう判断し、PCをシャットダウンさせたのだ。
211Classical名無しさん:08/05/22 02:01 ID:RrKQo1Vc
      
212乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:02 ID:hkt3XqJs

(さて。休み時間はまだあるが、どうするか)

 先程までチャットに勤しんでいた部屋から、そそくさと退出した伊藤博士。
 これからどうするかを考える。
 へまはしていない筈だが、もしチャットのログを見られれば一巻の終わり。
 自分だけでなく、情報を伝えた参加者もただではすまないだろう。
 そう考えた伊藤博士は、決して怪しまれることのない行動を今から取るべく、脳をフル回転させる。

 もう一度言うが、伊藤博士は首輪の構造を提唱した一流の上を行く研究者だ。
 首輪に組み込まれし、スタンド適正付与装置。そしてエネルギー抑制機能。
 この二つは大首領が、その未知のパワーで作り出した物だ。
 とはいえその二つに加えて、爆薬とそれを起爆させる装置。盗聴器。首輪の場所を認識するためのGPS。
 それら全てを組み込みながら、嵌めていても行動に支障がないほどの軽量化を可能としたのは、紛れもない伊藤博士の頭脳!
 三度目になるが、言わせてもらおう。伊藤博士は、一流の研究者である!
 はたしてその一流の研究者が、暫し思案を巡らせて見出した結論とは――!

(仕事場に戻りたいが、とりあえず休み時間が終わるまで部屋で大人しくしているか……)
213Classical名無しさん:08/05/22 02:02 ID:RrKQo1Vc
          
214乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:02 ID:hkt3XqJs

 自分の部屋で大人しくしている、以上。
 …………天才の導き出した結論が、いつも他人の予想と食い違いとは限らないようである。



 休み時間が終了するより少し前に、伊藤博士は仕事場へと戻る。
 彼の仕事場には、彼と同じ研究者が他に数人いる。
 その中で最も権威があるのが、伊藤博士なのである。
 伊藤博士が戻ってきたのを確認すると、研究者のうちの一人が伊藤博士に一礼、部屋から出て行く。
 そこにいた全ての研究者は伊藤博士に挨拶をすると、再び視線を机の上に戻していた。
 それを見て、伊藤博士は安心する。
 普段から一緒にいる部下達も決して怪しむことない、普段通りの自分を演じることに成功している――と。
 そう考えたからだ。



 少し前、エンリコ・プッチのいる部屋から退出し、私の一部を埋め込んで創世した者達の部屋へと向かった。
 理由などない。ただ、暇を潰すことだけが目的。
 このプログラムが始まった当初ならば、エンリコ・プッチから目を離さぬ為に、この程度の理由で部屋を出て行くなどしなかっただろう。
 だが、奴がこちら側に回ったことは明らかだ。
 事前の情報では、奴は参加者の一人であるDIOに心酔していたらしい。
 それが今では、その心酔の対象があの方へとなり変わっている。
 DIOが死したと告げても何ら変化が無かったのが、その証明となる。
 いや、それだけでは演技の可能性があるが……その可能性は皆無といっていい。
 何故か――演技では出来ぬことを、奴がやってのけたからだ。
 私は先程の放送の少し前、怒りに本来の目的を失念し綾崎ハヤテを殺害しようとした。
 その私を奴――正確には、奴が操るスタンド――が止めたのだ。
 一瞬でも遅ければ、奴のスタンドは綾崎ハヤテとともに消滅。奴自身もフィードバックするダメージにより、塵となっていただろう。
 しかし、奴は綾崎ハヤテを救出した。
 理由を尋ねたら、奴は答えた。本来の目的の為と。
 BADANの、あの方の目的の為に、奴は少し間違えれば命を捨てることになる行為をしたのだ。
215乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:03 ID:hkt3XqJs
 故に、判断した。
 ある程度は、信用してやってもいい――と。
 奴にはそんな素振りは見せんがな。

 暫く経ち、私の――暗闇の子達の部屋から戻ると、少しエンリコ・プッチと言葉を交わし、イヤホンを装着した。
 参加者共の阿鼻叫喚を聞いてやろうと思っての行動だ。
 特に何も考えずに、流れてくる音を耳を澄ましていた。
 するとあまりにも、少し興味深い言葉が聞こえてきた。

『この弱者が優勝しやすい状況……強者が協力しやすい状況……どう考えても強者を選定するのに向かない……』

 私はイヤホンに目を向け、チャンネルを確認する。
 どの参加者の声が聞こえようとどうでもよかった為に気にはしていなかったが、チャンネルは01番にセットされていた。
 01番――記憶を辿れば、その番号の首輪を装着しているのは『赤木しげる』。
 情報によれば、虫けらの分際でわりと頭脳が働くらしい。
 下らないと一蹴しても構わなかったが、することもないので耳を貸すことにした。
 探知機――首輪より送られる電波をキャッチして、首輪の場所を映し出す――を見れば、赤木しげるのいるのは学校。蝶野攻爵と共にいるようだ。
 それにしても、もはや移動をする首輪も十四個のみ。他は機能を停止したらしく、反応はするも微動だにしない。また、幾つかは起爆したらしく、反応すらしない。
 予想よりもハイペースだな。
 そんなことを考えてモニターを操作するも、室内にいるらしく姿は見えない。
 まあ、盗聴器があるから構わんか。
 そう思い、再び耳に意識を集中すると、あまりに意外な言葉が耳を掠めた。
216Classical名無しさん:08/05/22 02:03 ID:RrKQo1Vc
        
217乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:04 ID:hkt3XqJs

『クク……正しくは強者を選定したかったのだろう……主催者以外のBADAN勢がな……。
 実際そうなのだろ? 名も知らない……主催者さん』

 主催者に対しての言葉、だと?
 まさかこの男、盗聴器に気付いているのか?
 探知機やモニターに意識を取られ、その前の会話を聞き流していたことを悔いる。
 これからの会話は、一瞬たりとも聞き逃してなるものか。会話の内容によっては――
 そう思った瞬間だった。
 音がした。例えるなら、空間が歪むような。
 そしてその音には、聞き覚えのある。

 ――まさか。

 ありえない可能性が、脳裏に過る。
 そんな事態は起こらないはず。そう思うも、ついモニターに目を向け、そして驚愕した。
 学校の窓より漏れるあの神々しい黄金色は、そして今しがたイヤホンより伝わった脊髄に電撃が走るかのような刺激的な声は――!
 今すぐに会場に向かいたい衝動に駆られる。
 しかし、それを諦める。
 ただ、忠誠心故に。あそこに光臨なさった、あの方への忠誠心故に!!
 私があの場に向かい赤木しげるを殺害すれば、本来の目的を見失っているのと同じだ。
 綾崎ハヤテの時と何ら変わらない。
 あの方の期待を裏切るわけには、いかん!!

 暫し、あの方と赤木しげるの会話が続く。
 赤木しげるが喋る度、無礼な口調にカチンと来るが、怒りを忠誠心で抑える。
 もとより、あの方は気まぐれなお方。
 今回もただ遊んでおられるのだ。
 それにしても、赤木しげるよ。
 貴様の考察は、ことごとく外れている。見当違いも甚だしい。
 あの方の存在まで気付き、あの方の能力を強大だと判断したところまでは素晴らしい。
 しかし――――あの方が飽いている? そんなワケがない。
218乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:05 ID:hkt3XqJs
 あの方は、大いなる目的の為に動いているのだ。
 それが何故飽くことになろう?
 所詮、虫けらの頭脳などこんなものか。

『誰がこようが……誰が優勝しようが……いや、脱出しようが……お前は構いやしない。
 ただその渇きが……飢えが満たせれば……それでいい……。
 だが、それは無駄だ……JUDO…………!!』

 無駄だと……!
 大首領の行動を無駄と言ったかッ。
 勝手にあの方の目的を履き違えた考察をし、勝手にあの方を愚弄するなどッ!
 さらにはあの方の名を呼び捨てに……ッ!!

『お前は俺と同類だ……』

 ブチィィン。
 何かがキレる音が、『俺』の頭の中で響いた。
 さんざん下らぬことをほざいたと思えば、貴様とあの方が同類だと?
 巫山戯た事をッ!!
 今からそちらに向かって貴様を縊り殺してやりたいが、さすがにそれは自粛する。
 しかし、それは貴様を許したからではないッ!!
 今俺がそこに向かえば、怒りに任せて貴様の近くにいる蝶野攻爵をも手にかけてしまいそうだからだッ!!
 蝶野攻爵はその能力を考慮すれば、ボディになりうる可能性を秘めている。
 故に、殺してはならない。
 あの方の姿を見てしまったのは気になるが、その程度でどうにかなるほど我が組織はぬるくはない。
 しかし、赤木しげる! あの方に嘗めたことをぬかした貴様の命は、無いッ!!!
 イヤホンを抜くと、すぐに向かう。
 全速力で首輪の起爆装置のある部屋へと。
219Classical名無しさん:08/05/22 02:05 ID:RrKQo1Vc
           
220Classical名無しさん:08/05/22 02:07 ID:RrKQo1Vc
                   
221乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:07 ID:hkt3XqJs



 伊藤博士が仕事場に到着してから、さらに数時間が経過した。
 いつもと変わらぬ様子で接してくる部下達に、伊藤博士はすっかり安心しきっていた。
 このまま『普段通り』を演じられると。

 ――故に、次の瞬間、異常なまでに驚くハメになる。

 バァァンッ。
 轟音とともに、伊藤博士の仕事場の扉が宙を舞う。
 扉が蹴破られたということに研究者達が気付いたのは、扉が床に落下して鈍い音を立てたときだった。

「えっ!?」

 驚嘆の声をあげる研究者達。
 それもそのはず、扉を蹴破った男の正体が――――BADANのNO.2と名高い、暗闇大使だったのだから。
 さらに言えば、明らかに抑えきれぬ怒りを顔面に表している状態の。

「伊藤博士、ついてこいッ!」

 驚く研究者達などそこらに転がる石ころのように無視し、伊藤博士の前まで歩んでくる暗闇大使。
 それに対し、伊藤博士はパクパクと飼い慣らされた鯉のように口を動かしていた。
 あまりの驚愕の為に腰を抜かしたのか、床にしりもちをついている。

「来いと言っている!!」
222乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:08 ID:hkt3XqJs

 異常なまでに驚いている伊藤博士を暗闇大使は一瞥すると、伊藤博士の右足を掴んで持ち上げる。
 そしてそのまま伊藤博士を引きずって、暗闇大使は走り出した。
 暗闇大使の表情を一言で言い表すのなら、憤怒という言葉以外に見当たらぬほどに、激昂しているのは明らかであった。
 引きずられていく伊藤博士を見て、そこにいた研究者は皆同じことを考えた。
 ――ああ、伊藤さん、死んだな。
 彼等は、決して伊藤博士をどうでもいいと思っているのではない。むしろ尊敬している。
 しかしそれでも、彼らの瞳に映った暗闇大使の表情を思い出すと、伊藤博士が死ぬヴィジョンが勝手に脳内に浮かんできたのだった。
 それ故に、彼等はどんどん小さくなっていく伊藤博士の姿に、両の手を合わせた。



 まいった。
 何故かは分からないが、バレてしまったようだ。
 いやはや、正直うまくいったと思っていのだが。
 もしかしたら、目撃者がいたのだろうか?
 しかし、その場で殺されるかと思ったが、どこへ連れていかれるのだろう。
 いい加減、引きずられるのも痛い。いや、どちらかといえば熱い。摩擦で。
 名も知らぬバトル・ロワイアルの参加者よ、私のせいで危害が及ぶかもしれない。
 許されるとは思わないが、言わせてくれ。すまない。

 ズガン。

 頭部に衝撃。目の前に光が走ったような錯覚に襲われる。
 やっとこさ冷静になって気付く。
 それまで引きずられていた私は投げられ、その勢いで壁にぶつかったのだ。
 首を捻り、周囲を確認する。
 ここはバトル・ロワイアル開始の際に、哀れな老人――徳川光成が参加者にルール説明を行った部屋だ。
 こんなところに呼び出して一体何をする気なのか……
 まあ、最終的には殺されるのだろうが。
223乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:09 ID:hkt3XqJs

「どういうことだ」

 理由を尋ねる――か。
 そうか。
 BADANに背いた理由を知りたかった為に、あの場で殺さなかったのか。
 しかし、あまりにも意外だ。
 こういう場合、すぐさま息の根を止められるか、極力苦しい思いをさせて殺していくと思っていたのだが。
 考えている間に、暗闇大使はイヤホンを取り出すと、再び口を開く。

「首輪の起爆スイッチは押したし、このイヤホンからは電子音が聞こえていた。
 貴様の説明ではスイッチを押してから三十秒で起爆するはずだが、未だ爆破音が聞こえん。
 さらにどういうことか、何の音も聞こえなくなってしまった」
「……はい?」

 首輪が爆発しない? ……何を言っているんだ?
 私は首輪を嵌めていないぞ?
 そもそも一般人にすぎない私を殺すのに、力を制御する必要も、首輪を爆破させる必要もないと言ったのはそちらだろう。
 意味を尋ねるか? それは怒らせることにしかならないのではないか?
 いや、もはや遅い。既に知られてしまっているんだ。
 尋ねてしまえ。

「すまない。何を言っているのか分からない。一から説明しては、くれないか?」
「虫けらどもが情けなく抗う声を聞こうとイヤホンを取り出し、偶然チャンネル一番目の赤木しげるという――――」



「――――以上だ」
224Classical名無しさん:08/05/22 02:10 ID:RrKQo1Vc
            
225Classical名無しさん:08/05/22 02:10 ID:RrKQo1Vc
              
226乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:12 ID:hkt3XqJs

 ……そういうことか。
 つまり、『私は関係ない』ということか。ひとまず安心だ。
 この部屋につれて来たのは、ここに起爆スイッチがここにあるからという理由か。
 つまり、ここで『ルール説明を行ったのと同じ理由』というわけか。
 しかし爆破音がしない?
 そんなはずがない。
 しかし、イヤホンを借りてみれば、確かに首輪の機能――死亡と同時に、GPSを除く全ての機能がオフになるようにしてある――は停止している。
 ……待て。まさか先程解除方法を教えた参加者では……?
 とりあえず、原因究明にはさらに詳しい説明が必要だ。
 その旨を伝えると、暗闇大使はさらに細かく説明してきた。
 これでもしチャットの相手の可能性があれば、私はどうするべきか――

「赤木しげるの前に、あの方が現れたのだ」
「なに……?」
「室内だったが、衛星カメラから見れば、神々しい金色の光が外漏れていた。確実だ」
「しかし、何故――」

 『何故、首輪を爆破させようとしたのか』
 それは単純に疑問だった。故に、尋ねようとした。
 しかし、その時、邪魔が入った。

「取り込み中すまないが、暗闇大使に大事な話があるのだが」

 声がした方を見れば、暗闇大使の部屋にいる神父がいた。
 名は、エンリコ・プッチ。スタンド使いだ。
 彼の能力が大首領に気に入られたらしく、BADANに忠誠を誓ったためにBADAN内部にいるらしい。
 肝心の彼の能力は知らないが。
 エンリコ・プッチが暗闇大使を連れて行ってしまったために、暫し暇になるも、すぐさま暗闇大使は戻ってきた。
 どうやら話を適当に切り上げてきたようだ。
227Classical名無しさん:08/05/22 02:12 ID:FjJIUmkA

228乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:12 ID:hkt3XqJs

「先程言おうとしていたことの続きを言え」
「あ、ああ。何故、首輪を爆破させようとしたんだ?
 大首領が外に現れたんだろう? 君達はそれを望んでいたのではないのか?」
「そんなことか。あの方が現れたとはいえ、それは実体ではない。
 首輪を爆破させようとしたのは、赤木しげるがあまりにあの方を愚弄するからだ。奴とあの方が同類などと……ッ!」

 暗闇大使の浮かべた怒りの形相に、思わず後ろに下がってしまう。
 今になって、再認識した。
 この男の大首領への忠誠心は――――異常だ。
 しかし、やはり疑問が浮かぶ。
 何故爆破しなかったのか。
 また、何故爆破しなかったはずなのに、首輪の機能が停止しているのか。

「あの方も同意見だったらしい。
 爆破音は聞こえなかったが、最後にイヤホンからあの方の声が聞こえた。
 『黙れ』と、赤木しげるに対して言い放っておられた」

 ちょっと待て。

「まさか、大首領がそう言った直後に、音が聞こえなくなったのではないか?」
「ああ、そうだ。何か分かったか」
「大首領は実体ではないとはいえ、参加者一人くらい殺せたりするか?」
「無論だ」

 ……そりゃあ、爆破音が聞こえないはずだ。
229Classical名無しさん:08/05/22 02:12 ID:RrKQo1Vc
                   
230乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:13 ID:hkt3XqJs

「おそらく首輪が爆破する前に、赤木しげるは死んだのだろう。」
「どういうことだ」
「前も説明したように、嵌めた者が死亡すれば、首輪の機能は停止する。
 だから、首輪が爆発しなかったんだ。首輪の爆発より先に、『大首領が』赤木しげるを殺害したのだから。」
「……クッ、クハッハッハハッ!!」

 私が言い終えてから数秒経って、暗闇大使が笑い出す。
 さも愉快そうに、愉悦の極みと言わんばかりの表情で。

「そうか、あの方直々に手を下したということなのだな?
 そうだな。確かによく考えれば、首輪の反応がなくなったということは、息絶えたって事ではないか!!
 ククッ、クハハッ、ハハハッ、ハハハハハハハハハァーーーーーーッ!!!」

 高笑いしながら「もう戻っていい」とがけ私に言うと、暗闇大使は、自分の部屋に戻っていった。
 またしても、死者が出た。
 それも、大首領がバトル・ロワイアルの会場に現れ、直々に手を下すほどの男が。
 それほどの男が死に、私が生きている。
 BADANに協力することで生きながらえている。
 ……仕事場に戻ろう。

231乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:13 ID:hkt3XqJs

 部屋に戻り、探知機を手に取る。
 見てみれば、やはり首輪番号01――赤木しげる――の反応はあるが、微動だにしない。
 生きていながら、微動だにしないということはありえない。
 虫けらであるならば、それこそ確実だ。
 要するに――奴は死亡し、首輪が機能を停止したということになる。
 やはり、伊藤博士の考えがしっくりくる。

 しかし、何故あの方は赤木しげるの言葉に途中まで耳を貸したのか……――――

 分からない。
 あの方は何を考えておられるのか。
 全てをおっしゃってくれる日は、いずれ訪れるのだろうか。

『クク……正しくは強者を選定したかったのだろう……主催者以外のBADAN勢がな……』

 不意に脳裏を過る赤木しげるの言葉。
 何故あんな戯言を思い出しているのか。
 すぐさま、それを脳内から消し去る。
 虫けらの言葉を気にするなど、私らしくもない。
 しかし、少しだけ気になる。
 BADAN――即ち私と、あの方の目指すところが違うのではないかと。
 もしかしたら赤木しげるの言うように、あの方は強者など――

「――――ッ!?」
232Classical名無しさん:08/05/22 02:13 ID:FjJIUmkA
 
233乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:14 ID:hkt3XqJs

 今、私は何をしていた!?
 あんな、かつて歯牙にもかけたこともない虫けらの言葉に、『流されて』はいなかったか!?
 そんなことはありえない。まさかこの私が虫けらなどに、心を掻き乱されるとは。
 つうと、冷や汗が額を伝ったのを感じた。
 唐突に、一瞬だけ思ってしまった。
 赤木しげるのような男がBADANに対抗できるほどの――仮面ライダーのような――異能を持っていなかったのは、幸運だったかもしれない。
 そう、思ってしまった。

「放送が終わり次第、あの方と話さねばならないな……」

 そうだ。
 放送後、あの方に話を聞こう。
 無闇に詮索する気はないが、赤木しげるの元に現れた理由と、暫く赤木しげるの戯言を聞いていたのに結局は殺害した理由。
 せめてそれくらいは、教えていただきたいものだ。

234乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:15 ID:hkt3XqJs

 仕事場に戻ると、部下達は大いに驚いていた。
 中でも私を慕ってくれている三井君と牧村君には、泣かれてしまった。
 確かに、暗闇大使に連れて行かれたのだ。
 それは、私が生きて帰ってくるとは思わなかったことだろう。
 私だって、あの時は殺されると思っていた。
 仕事に戻ろうとしたが、三井君と牧村君に『体を休めてくれ』と嘆願された。
 命は残っているものの、何か拷問でもやられたとでも思っているのだろう
 あの剣幕の暗闇博士を見ているのだから、仕方がない。
 それでも仕事場に残ろうかとも考えたが、『普段通り』の私を演じねばならないことを思い出し、お言葉に甘えさせてもらうことにした。
 そして今、私は自室に来ている。

 後頭部が疼く。
 目視できないが、手で触ることにより理解する。
 己の身に、何かしらの異変が起こっていることを。
 もう、私はBADANから逃れることは出来ない。
 そんなこと、ずっと前から分かっていたさ。
 今更逃げるなど許されないほどのことをしていた。もはや、逃げる気はない。
 しかし、ずっとBADANに尻尾を振って生き長らえていく気もない。
 自殺も考えた。
 現在――いや、バトル・ロワイアル開催を決定した頃から、BADANの砦内部には殆ど監視カメラも盗聴器もない。それを確認する人員が足りないからだ。
 だから、命を捨てようと思えば、いつだって捨てれた。

 されど、それは『逃げ』だ。
 己の罪を償うことを放棄し、死後の世界へと旅立つ。それは、『逃げ』にすぎない。
235Classical名無しさん:08/05/22 02:15 ID:RrKQo1Vc
             
236乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:15 ID:hkt3XqJs

 その思いが私を引き止める。
 今回のあまりに無慈悲なプログラム――バトル・ロワイアルの話を聞いた時、踏ん切りがついた。
 私は支給品の配布を担当していた構成員の部屋に潜り込み、支給されるデイパックに本来支給するべきでない道具を幾つか紛れ込ませた。
 そして本来の支給品を、見せしめの少女の支給品ということにして、デイパックに纏めた。
 その時には自らに首輪を嵌め、『エニグマ』というスタンドを使用した。
 それが終わったら首輪は着脱し、取り外した首輪は自室の棚に隠してある。『エニグマ』は、元の場所に放置しておいた。
 監視や盗聴を確認する人員が少ないと知らねば、とても出来ないことだと思う。
 わざわざ危険な橋を渡ったのは、償いの為。無論、これで私の罪がチャラになるとは、思っていない。
 そもそも紛れ込ませた道具に参加者が気付こうと、ここに参加者が辿り着こうと、もし参加者が大首領を打倒しようと。
 それは、結局はその参加者の功績。私の手柄ではない。
 私の罪は償いきれる物ではないし、BADANが消えてしまえば私はどうなるか分からない。

 再び後頭部に触れる。
 奇妙な感触が指に伝わる。穴のような物が空いていて、そこを取り囲むように蠢く肉。血とも膿とも似つかぬ液体が、指に付着する。
 一体何をされたのか――分からない。恐らくは、私が理解出来る範疇を超えているのだろう。
 BADANにいない限り、私の命は長くない。


 だが――――貴様に屈辱を味わわせるくらいはしてみせるぞ、暗闇大使。
237Classical名無しさん:08/05/22 02:16 ID:RrKQo1Vc
            
238乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:16 ID:hkt3XqJs


 暗闇大使、貴様が嵌めている首輪。
 貴様はかつて嵌めた首輪を指差して、私に尋ねたな。
 「この首輪には、起爆装置と制限装置はついていないのだな?」と。
 そして、私はこう答えた。
 「ああ、制限装置はついておらん。そして、起爆装置……ああ、ついていない」と。
 私は全く嘘をついていない。
 ただ、貴様が勝手に判断しただけなんだ。
 両方とも『付』いていないものだ、と。
 私は確かに制限装置は、『付』いていないと言った。その通りだからだ。
 しかし、起爆装置に関しては違う。

 ――『点』いていないと言ったんだ。

 それを貴様が勝手に、両方とも『付』いていないものと判断した。
 私は嘘を言っていない。
 起爆装置の電源が、『点』いていない。そういう意味を込めたが、貴様が勝手に勘違いしたんだ。

 その首輪は作るのに苦労した。
 スタンド適正付与装置、エネルギー抑制装置、起爆装置、盗聴器、GPS。
 その全てが、中に詰め込まれているのだ。
 あの大きさでギリギリだった。
 とはいえ火薬を限界まで詰めれば、吸血鬼やしろがねという異常な再生力と耐久力を持つ存在も、エネルギー抑制装置の働きもあり死に至らしめる事が出来る。
 それだけ貴様等BADANの技術力は凄まじいものだった。

 ところで、貴様の首輪には、エネルギー抑制装置も盗聴器もGPSも付いていない。
 付いているのは、スタンド適正付与装置。そして、電源の『点』いていない起爆装置。
 エネルギー抑制装置、盗聴器、GPS。その三つが抜ければ、当然その分スペースも空くものだ。
 その空いたスペースに限界まで詰め込んだ火薬が炸裂すれば、エネルギー抑制装置が作動していないとはいえ、いくら貴様でも結構なダメージを負うんじゃあないか?
239乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:17 ID:hkt3XqJs

 私は願っている。
 チャット相手へと伝えた情報が、私の紛れ込ませた支給品が、BADANに反旗を翻す意思を持った者の元に渡ると。
 その時だ。
 偉大な信念を持つ参加者が集い、ここに到着した時。
 暗闇大使と相対し、戦闘が始まった時。
 そして暗闇大使の首輪に攻撃――偶然だろうと、流れ弾だろうと、構わない――がヒットすれば、起爆装置が点いていなくとも、首輪内部の爆薬がその衝撃により起爆する。
 それでも暗闇大使の命はあるだろうが……、目前には反旗を翻した参加者がいる。
 彼等により、暗闇大使の命はすぐさま砕かれることだろう。

 しかしこの考えは、あまりにも希望的に見すぎている。
 そもそも、この場所にBADANに反旗を翻す意思を持った参加者が到達できるかも分からないのだ。
 私の流した情報と支給品があるとはいえ、そううまくいく確率は……それこそ微々たるものだ。
 その時は、暗闇大使。私が貴様の首輪に衝撃を加える。
 私が反抗するなど考えてもいないだろう貴様の首輪に触れる機会は、絶対にある。
 時が経てば貴様は再生するだろうが、吸血鬼すら殺すその首輪の爆発は、確実に貴様に与えるはずだ。
 たとえすぐさま私を殺そうと、永遠に心に残り続ける屈辱をな。

 覚悟はいいか、暗闇大使。

 ――――いや、ただ人間であることから逃げた男、ガモンよ。
240Classical名無しさん:08/05/22 02:17 ID:RrKQo1Vc
                   
241Classical名無しさん:08/05/22 02:17 ID:FjJIUmkA
  
242乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:17 ID:hkt3XqJs



【マップ外/BADANの砦内の自室 二日目/早朝】
【暗闇大使@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]健康
[装備]エニグマのDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]不明
[思考・状況]
基本:大首領の命令のままに。
1:放送が終わったら、大首領と話す。ただし、無闇に詮索する気はない。
[備考]
※首輪をつけてます。
※ガモン大佐がつけている首輪には、エネルギー抑制装置、盗聴器、GPSが付けられていません。
※しかし起爆装置は点けられていませんが、付いてはいます。
※その為にスタンドDISCが使えます。
※プッチに大して少し不信感を抱いていたが、現在はある程度信用している。
※赤木しげるは、大首領により殺害されたと思い込んでいます。



【マップ外/BADANの砦内の自室 二日目/早朝】
【伊藤博士@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]後頭部に異変、少し興奮気味
[装備]無し
[道具]無し
[思考・状況]
1:『普段通り』を演じる。
[備考]
※首輪をしていません。
※解除された首輪が、自室の棚に隠してあります。
※赤木しげるは、大首領により殺害されたものと判断しました。
243Classical名無しさん:08/05/22 02:18 ID:RrKQo1Vc
               
244乱 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:19 ID:hkt3XqJs


【首輪について】
※エネルギー抑制装置 = 身体能力、異能力を弱体化させる装置。
 スタンド適正付与装置 = 嵌めた者を強制的に、全てのスタンドDISCに対する『適性』が存在する状態にする装置。
 起爆装置 = 爆薬を爆発させる装置。マップ外や禁止エリアに入った場合三十秒以内に安全地域に戻らねば、作動。また作動スイッチを押されれば、十秒ほどで作動。
 盗聴器 = 振動を計測。その振幅を変調・音声として出力させる。
 GPS = 上空の衛星に信号を送り、それを受信機で受け取ることで、現在位置を知るシステム

※上記の五つの装置に加え、爆薬が内蔵されています。
※能力制限装置は、制限する能力と制限の度合いを選択可能です。
※現在参加者に嵌められている首輪は、強者と弱者の格差をなくすように働いています。
※その為に弱者には軽い制限、強者には重い制限がかけられています。
※首輪が解除、或いは装着している者が死亡した場合、首輪はGPSを除く全機能を停止します。



【起爆装置作動スイッチについて】
※スイッチを押せば、十秒ほどで起爆装置が作動します。
※最初に徳川光成がルールの説明を行った部屋にあります。取り外し不可。あの場でルール説明を行ったのは、その為。



【イヤホンについて】
※チャンネルを合わせれば、その番号の首輪内の盗聴器が捉えた音が流れます。
※チャンネル01なら赤木しげる、チャンネル18なら愚地独歩と、チャンネルは名簿順です。



【探知機について】
※GPSより送られた信号を元に、首輪を装着した者の居場所を映し出します。
※空条承太郎に支給された探知機と原理は変わりません。しかし、索敵範囲がマップ全体です。
245AWAKEN−目醒め ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:20 ID:hkt3XqJs

 何やら暗闇大使がやたらと怒りに身を震わせながら部屋を飛び出していったが、そんなことは私の興味の範疇から大きく外れている。
 はっきり言ってしまえばバトル・ロワイアル自体、心の底からどうでもいい。
 世界征服? 大首領のボディの選定? 強化外骨格? BADAN症候群? 挙句の果てには、貴様等が神に愛されし者? 下らない。
 BADANだか知らんが、貴様等は所詮下らない事を目的にしている――藁の家に住まう者にすぎない。
 身の程を知れ。深遠なる『天国』を目的とする、私とDIOの砦に踏み込んで来るんじゃあない。
 まあ、DIOを蘇らせてくれたことと、空条承太郎の記憶を見せてくれたことには、ほんの少し思うことはある。
 それはただ、『天国』の『引力』がそういう『運命』を引き寄せただけだが、一応の感謝くらいはしておこう。
 さて、何より今は気にすべきことが、他にある。

 ――即ち、『生まれたもの』。



 ――――――――時は遡る。



 私はスタンド『リンプ・ビズキット』の能力を行使し、彼の骨を蘇らせた。
 ホワイトスネイクが持ち帰った彼の骨を手に入れて、それこそ一分も経たぬうちに。
 一切の躊躇なく。
 私のスタンドパワーを全て注ぎ込むくらいの勢いで。
 明らかに愚行。期を伺うべきだったのは、自明。
 だが、とても――待てなかった。
 二十年以上待ち、やっと手に入れた機会。
 彼が蘇ったことを知りながら、話しかけられず。死神13を使用するも、邪魔が入り。
 結果、再び私の元からいなくなってしまった彼。
 その彼の意思を、『天国へ行く方法』を目の前にして、耐えられるワケがない。
 ああ、反省はしている。しかし、後悔など一片もない。
 そんなこと、しても仕方がない。何より、している暇がない。
 すべきことが他にある。
246Classical名無しさん:08/05/22 02:20 ID:RrKQo1Vc
          
247AWAKEN−目醒め ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:20 ID:hkt3XqJs

 ――即ち、蘇りしDIOの骨の観察。当初は、追うことを目的としていたが。

 私は、DIOの骨に全てのスタンドパワーを注ぎ込もうとした。
 しかし、それは叶わなかった。
 何故か――本当に一瞬だけ能力を使用した途端、骨が動き出したのだ。
 蘇らせた私にも、コントロール不可。
 明らかに何かの『意思』を感じた。
 だがBADANの連中にバレては困る、すぐに止めるべき。そのように判断するも、出来なかった。
 私の右掌に載せておいた彼の骨は移動する際、私の掌を皮も肉も、さらには骨をも貫いて行ったのだ。
 痛みに悶え、地に膝を付けている間に、骨は部屋から出て行ってしまった。
 追わねばならない。そう判断し、私は部屋を飛び出した。
 その時には、掌の痛みなど脳内から消えていた気がする。
 部屋を出たと同時に周囲を確認。背後にはホワイトスネイクを発現させ、死角を限りなく無にする。
 リンプ・ビズキットのDISCを挿し込んでいた為、骨の位置は分かる。無論、コントロールは不可能だが。
 ホワイトスネイクを待機させ、骨の元へ駆け寄ろうとした瞬間。
 あの男の記憶を介し読み上げた彼の著が、脳裏を過った。
 人間――正しくは、魂――が、不用意に近付くのはまずい!
 足を止めて、ホワイトスネイクを向かわせようとして、背後のホワイトスネイクの視界にある物が映った。
 ――部屋に戻ろうとする暗闇大使の影。
 ここまで来て怪しまれては困る。先程ある程度の信用を得たというのに。しぶしぶ部屋に戻った。
 リンプ・ビズキットのDISCがある限り、彼の骨の居場所は分かる。そう自分に言い聞かせて。
 部屋に戻り、暗闇大使と言葉を交えるも、意識は動き続ける彼の骨の方。
 適当に相槌を打っていたのだが、四度目の相槌の際に気付く。

 ――骨の動きは、止めるべきでない。まして捕らえるなど、もってのほかだ。
248Classical名無しさん:08/05/22 02:21 ID:RrKQo1Vc
                
249AWAKEN−目醒め ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:21 ID:hkt3XqJs

 骨が動く。それは、つまり間違いないということの裏付け。
 彼の『天国へ行く方法』が、確実に存在すると言うことだ。
 追跡はするべき――リンプ・ビズキットを挿入した私には骨の場所が分かるので、それも後で構わない――だが、放っておくべきだ。
 彼の骨が一体『何をしたいのか』……それは骨に任せるのだ。
 私は、ただそれを観察――これもまた居場所が分かるので、骨の『したいこと』が終わってから見に行っても構わない。本当は見たいが――する。
 そして、あのバトル・ロワイアル開始前に見た空条承太郎の記憶と合わせ、真実を突き止めるッ!!
 彼の骨の事は気になるが、今はとりあえずまるで何事も無かったかのように、『忠誠を誓った組織が行っている一大イベントの終わりが近づいてきた』風を演じねばならない。
 先程まで、執拗に一切興味の湧かない話題を振ってきた暗闇大使は、イヤホンを装着しながら衛星カメラが捉えた映像が映し出せるモニターを眺めている。
 では、私の方もイヤホンを付けるとしよう。ジョセフ・ジョースターの首輪ナンバーは……名簿順だから、24か。
 チャンネルをジョセフ・ジョースターに合わせようとした瞬間だった。

「シィィッ!!!」

 歯を噛み締めているのかギリという音を鳴らしながら、立ち上がる暗闇大使。
 一瞬で扉の方へ移動すると、扉を力任せに引き千切って、出て行った。
 顔に怒りを浮かび上がらせながら。
 綾崎ハヤテにさんざん拳を浴びせられた挙句、大首領とやらへの忠誠心のせいでトドメをさせずに戻ってきた時のように。
 しかし、何がそこまで暗闇大使を激昂させたのか。
 モニターの方へ視線を向けると、映っていたのは学校。しかし、そこに人は映っていない。
 と、なると、内部にいるのか。
 どうでもいいが、暗闇大使が怒っているのは愉快だ。
 暗闇大使を怒らせた輩は誰だ。暗闇大使はイヤホンを持って行ってしまったが、一瞬だけ見た記憶によれば、チャンネルは01にセットされていた。
 01番……赤木しげるか。
250AWAKEN−目醒め ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:21 ID:hkt3XqJs
 なるほど。一度も赤木しげるにチャンネルをセットしたことはないが、BADANの情報ではあえて暗闇大使を挑発したりしそうな奴ではある。
 しかし暗闇大使は挑発なんかされても、『この場に来ることすら出来ぬ羽虫が、戯言をぬかしている』とか言って嘲笑いそうな下衆だ。
 ならば、一体何を――?
 好奇心が刺激され、チャンネルを赤木しげるに合わせようとした瞬間、電話が鳴り響いた。

 ――今にして思えば、あの電話が暗闇大使のいない時に来たのにも、『運命』を感じる。

 電話を取ると、やはりかけてきたのは正真正銘人間のBADAN構成員。
 そもそも怪人同士は、何やらテレパシーのようなもので意思の疎通ができるので、電話など設置する必要はない。
 しかし、非怪人のBADANの構成員や私はテレパシーなど使えるわけがない――スタンドを介しての会話は可能だが――。
 だからと言って、緊急時に通信不可と言うのも困るので、一応一つの部屋に一つと各構成員に一つずつ携帯電話が支給されている。
 もちろん私も渡されている。使ったことは、使用可能か確認したとき以外に無いのだが。
 何にせよ、電話の向こうの構成員が、さっきからやたら暗闇大使の名を呼び続けている。
 彼の報告など気に留める価値はないだろうが、伝言くらいは頼まれてもいい。

『あああ〜、暗闇大使様、暗闇大使様ァァ〜〜』
「何だか知らんが落ち着け、私はエンリコ・プッチだ。現在、暗闇大使は外しゅ」
『う、うああああああああああああ!?』

 唐突に奇声を浴びせられる。
 その声には、明らかに『怯え』や『恐怖』が含まれていた。
 何が起こったのか。そもそも彼はどこにいるのか。

「……どうした」
『…………』

 返事はない。というより、呼吸音を除けば無音。何らかの異変が生じたのだろうか?
 電話を切っても構わないのだが、あちらの携帯からここに電話をかけたという証拠が残る。
 そしたらば、『BADANの為に行動している』ように、今まで私が演じていたのが無意味となってしまう。
 故に、尋ねる。
251Classical名無しさん:08/05/22 02:21 ID:FjJIUmkA
   
252Classical名無しさん:08/05/22 02:23 ID:RrKQo1Vc
         
253AWAKEN−目醒め ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:23 ID:hkt3XqJs

「お前は誰だ? そして、どこにいるんだ?」

 その質問から数刻が経った時、やっと電話の向こうから声が聞こえた。

『うね、うね、うね、うねうね、うねうね、うねうねうねうねうねうねうねうねうね』

 明らかに奇妙。
 もしや別人に成り代わったのではないかという仮説が浮かんだが、声は確かにさっきの構成員と同じだった。

『うねうねうね、日なた、ぼっこ、うね、気持ちいい、うね、太陽、光
 レロ、レロ、レロレロ、レロレロレロレレレレレレレレレレロ、レロレロ、レロレロ
 光は、レロ、あったかい…………、元気で……、みんな集まって、あったかい…………レロ』

 最後の『レロ』の直後に、パァァンと何かが爆ぜる音が耳を刺激した。
 思わず耳を離してしまい、次に受話器に耳をあてがうと、ただザーッという壊れたテレビに電源を入れたときのような音しか聞こえなかった。
 気になるのは、彼の言っていた――――太陽。
 確かに、もうそろそろ太陽が昇ってもおかしくはない頃合だ。
 しかしその時私がいた部屋からは、実際に太陽が昇っているのか判別不可。ここからは外が見えない。
 モニターの向こうは未だ夜だが、そちらの太陽と月は作り物。こちら側とは、別のものだ。
 私のいるBADANの砦で光が入ってくるであろう場所は、私の知る限りたった四つだけ。
 さらに朝日となれば、東側からしか光は入るまい。
 その点を考慮すれば、いま構成員が電話をかけてきた場所は一つに絞れる。
254AWAKEN−目醒め ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:24 ID:hkt3XqJs

 ――そしてその場所は、ちょうど骨の存在を感じる場所。

 『太陽』、『光』。
 私の見た空条承太郎の記憶を思い出す。
 必要なのは、『三十六人の罪人の魂』。
 自らを神に愛されていると主張するBADANの構成員、及び怪人共は、罪人と言って差し支えない。
 そこには、三十六人を遥かに上回る数の怪人と見回りに向かった一人の構成員。
 つまりは――――
 私は全てを理解した。
 いま感じている彼の骨の気配は、蘇った骨のものではない! 新しく『生まれたもの』となっているッ!!
 既に『生まれたもの』になっているのなら、いち早く私はそれを手に入れればならないッ!!!



 ――――――――ここで、時は最初に至る。



 暗闇大使は思った通りの場所にいた。
 構成員からの電話が来て、通話中に奇声をあげだした。疑問に思うものの、気付けば電話は切れていた。
 誰か他の構成員に向かわせるべきかもしれないが、例によって暇な人材がいないだろう、だから私が向かってもいいか?
 先程助ける理由もない綾崎ハヤテを助け、『BADANの為ならば、命を喪うかもしれない行動もする』かのように演じた。
 その上での発言だった。
 尋ねると、まるでそんなことは気にする価値もないという様子で許可した。
 綾崎ハヤテの件があったとはいえ、ここまですんなり了承を得られるとは。
 あそこまで暗闇大使から平常心を奪ったことを感謝するぞ、赤木しげる。
 まあ、あれだけ暗闇大使を怒らせれば、首輪を爆破されるかもしれんがな。
255Classical名無しさん:08/05/22 02:25 ID:FjJIUmkA

256Classical名無しさん:08/05/22 02:25 ID:RrKQo1Vc
            
257AWAKEN−目醒め ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:25 ID:hkt3XqJs



 ◇ ◇ ◇



 『生まれたもの』の気配のする方向へと辿り着いた。
 そこは、やはり唯一現在外から光が漏れてくるであろう場所だった。

 ――再生怪人収容所NO.4

 全部で五つあるという再生怪人とやらの収容所の内の一つ。
 怪人を収容しているのにもかかわらず、監視カメラも盗聴器も設置されていない。
 それをチェックする人員がいないからだ。
 だから六時間に一回だけ、人間の構成員が異変が無いかを確認しに来るのだ。
 おそらく、ちょうど今回その当番だったのが、先程の電話の男だろう。
 収容所には、一部屋につき五十ほどの怪人がいるらしい。
 三十六に至るには、あまりに十分すぎる。
 扉を開ければ、周囲はくすんだ緑色。
 よく見れば、それは枯れた植物。
 何か違和感を感じる。あんな植物があっただろうか?
 かなり広い部屋――怪人共が五十人も収容されているのだから当然か――なのに、内部はほぼ全面が植物。
 湿気が強く、そこはまるで熱帯雨林のようだ。
 ガチッ。
 木に触れないように歩いていたのに、足元に異変を感じる。
 同時に響いた音から、何かを踏んだと判断する。
 足をあげるとやはりというべきか何というべきか、それまで右足を置いていた場所に見るも無残なまでに潰された携帯電話が落ちていた。

 ――もしや、これは先程電話をかけてきた構成員の……
258Classical名無しさん:08/05/22 02:26 ID:RrKQo1Vc
          
259AWAKEN−目醒め ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:26 ID:hkt3XqJs

 そう思い、携帯電話の残骸を拾い上げようとする。
 しゃがんで視線を下げ、枯れた植物に近づいた。
 触れることはしないが、まじまじと見据える。

 ――植物の幹の細い部分に、BADAN構成員であることを示す証明カードが紐で括りつけられていた。

 BADANの構成員は、このようにして首にカードを吊るしているな……そうだ。
 違和感の正体は、これか。つまり、そういうことなんだな。

 ――周囲に生える木は、全てが全て人や動物のような形をしている。

 罪人の魂を、このようにして『回収』したというワケか。
 それにしても、一体何が生まれたのか。
 どんな物なのだろう?
 周りの異形共を見る限り、植物か? 動物か? はたまた人間か?
 おどろおどろしいのか? 高貴なのか? 美しいのか?
 巨大なのか? 小さいのか? 小さいとしたら、どの程度?
 小石程度? 掌程度? はたまたハードカバーの書籍程度?

 カラン、カラン、カラン。
260AWAKEN−目醒め ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:27 ID:hkt3XqJs

 考え事をしていれば、それまで私以外に何一つとして動くものが見当たらなかったのに、唐突に何かが転がる音。
 すぐさま、ホワイトスネイクを発現。
 ホワイトスネイクに背後への警戒を任せ、音のした方向へと視線を向ける。
 そこにあったのは――彼の骨。
 ……あれが、求めるものなのか? 何一つ見た目に変化は無い。
 いや、見た目で判断するのは愚人のする事だ。
 光のほうへと転がっていく骨――いや、アレは既に――『生まれたもの』を手に入れる!
 骨を追いかける為に一気に足を踏み出そうとして、やめる。
 思い出せ。空条承太郎の記憶を、DIOの著を。
 そうだ。私は近づくべきでない。
 しかし、手に入れねばならない。ならばどうする?
 そんなものは簡単だ。

「『ホワイトスネイク』ッ!!」

 スタンドを向かわせればいいんじゃあないかッ。
 不用意かもしれないが空白の部分が無い以上、木に触れてでも近付いて手に入れる。
 こちらからは死角となる場所に『生まれたもの』は転がっていったが、ホワイトスネイクには視力があるタイプのスタンドッ。
 手に入れるのは、あまりにも容や――

「なにィィィィィィイイイイイイ!?」
261Classical名無しさん:08/05/22 02:27 ID:jZaCW7tU

262AWAKEN−目醒め ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:27 ID:hkt3XqJs

 ホワイトスネイクが距離を詰めれば詰めるほど、私の体に植物が生えてくる!?
 いや、周りに転がる異形を見る限り、体が植物化しているのか!!
 ホワイトスネイクを止める。ゆっくりと、だが確実に私の元へと戻す。
 一瞬、最も大きい木の影にホワイトスネイクがすっぽりと納まった瞬間、植物が一気に消滅した。
 しかしその後、光の届く私の元へと戻ったときには、またしても私の体は植物化していた。
 とはいえ、少し前に『生まれたもの』に一番近づいたときよりはだいぶマシだ。
 木の影に入った瞬間に、植物化が解除された。
 そして、あの電話。電話の向こうの構成員の言葉。『日なたぼっこ』、『光』、『太陽』……ならば。
 脳内に浮かぶ仮説。迷わずホワイトスネイクを解除して、駆ける。
 体が植物化していく。気にせず走り、目標――先程ホワイトスネイクが通った最も大きい影――へ到着。足を止める。

「ハァ……ハァ……、やはり……かッ!」

 植物になりかけていた体は、肉へと戻っている。
 やはり、やはり光がない場所では、植物化は解除されるッ!
 この要領で、『生まれたもの』へと辿り着いてみせる。『生まれたもの』は、私が手に入れるッ。
 決意し、ホワイトスネイクを発現。2、3、5、7、11、13……
 木の影は大人が二人入るのには小さい。だが、スタンドが光を受けても植物化することは確定している。
 なので無理につめて、影に体を押し込んでいく。
 呼気を整えるまでは、とりあえず植物化を解除させておくべきだ。

 がしィィィ。

「ッ!?」

 何か得体の知れないものが体に触れ、思わず飛び上がりそうになる。
 しかし、こらえる。飛び上がれば植物化が進行する。
 影からはみ出ないように首を捻って、体に触れたものを確認しよう。
 ゆっくり、ゆっくりだ。焦りは禁物。素数だ、再び素数を数えて落ち着くんだ。
 17、19、23、26……いや29。クッ、二桁の時点で間違えるとは……ッ。あまりに焦っている。
 31、37、41、43、47、53、59、……61か、67、71、73、79……――――
263Classical名無しさん:08/05/22 02:27 ID:jZaCW7tU


264Classical名無しさん:08/05/22 02:27 ID:RrKQo1Vc
               
265AWAKEN−目醒め ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:27 ID:hkt3XqJs

「これはァーーーーッ!?」

 触れたものを確認した瞬間、叫んでしまう。
 焦りは禁物と思っていたが、もはや気にする余裕などない。
 素数を数える余裕すらない。どこまで数えたかも、もはや忘却の彼方だ。
 そうだ、そこにあったのは――――何だ?
 植物の実のような物の中に、それはある。
 それは、覆う実の表皮は透けていて中身が見える。
 その実の中を見てみれば、いるのは人間の赤ん坊? いや、そう見えるだけか?
 思えば、ここの影が最も大きいということはだ。
 つまり、『全ての植物の根が、ここに集っている』のでは?
 ここに集い、『魂』を『回収』し、この実――そして、その中身――を形成したんじゃあないかッ!?

 つまり――――『骨=罠』ッ!!

 この実の中のモノこそ、『生まれたもの』ッ!

 しかし、これはあくまで仮説。
 これで確定だとするには弱すぎ……なかった。
 私は見た。
 ピクリ、と。本当に少しだけ、実の中身が動いたところを。
 そして、実の中身に、『星形のアザ』があるのを。
 いま確信した。これこそが、私とDIOが求めていたものだったのだ。



 ◇ ◇ ◇
266Classical名無しさん:08/05/22 02:28 ID:FjJIUmkA
   
267AWAKEN−目醒め ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:28 ID:hkt3XqJs



 あの部屋から出る時は苦労した。植物化を意に介さず、走って光が入り込む部屋から脱出せねばならなかったからだ。
 とはいえ、今の私はこれまでの人生で最高にハイというヤツだ。
 ハイになった精神はホワイトスネイクに今まで以上のエネルギーを与え、そのホワイトスネイクが一気に私を引きずり出した。
 太陽の光の当たらない場所に来れば、僅か十分ほどで植物化は解除されていった。
 それでもほんのすこしだけ残っているが、目立たないし行動にも支障は無い。
 さて、やっと部屋の近くまで戻ってきたのだが……
 『生まれたもの』をどうするか、それが問題だ。
 まだ、『動かない』。
 空条承太郎の記憶により、私は『生まれたもの』を『支配』する方法を知っている。
 しかしそれは、まず『生まれたもの』が動かないことには使えない。
 そして、もうすぐ放送だ。
 放送の時には部屋にいろ――そう命じられている。
 とはいえ、『生まれたもの』を持っていくわけにはいかない。
 どこかに隠すしかない。
 どこに隠す――フン、隠せる場所なんて最初から一つしかない。
 そこの扉を開け、中に入る。

 ――私と暗闇大使のいる部屋の近くにあるトイレのロッカー。

 そもそも暗闇大使を含む怪人達は、用を足すことをしない。
 なのに、BADANの砦内にトイレが設置されているのは、電話と同じく構成員と私のためだ。
 つまり、トイレには怪人共は来ない!
 そして構成員共は、わざわざ意地の悪いことで有名な暗闇大使の部屋の近くのトイレを使用しない。
 要するに、私と暗闇大使のいる部屋の近くのトイレは、私しか使用しないのだッ!
 掃除の為に清掃員がやってくるが、それは十二時間に一回だけ。そして三時間前に、掃除は完了している。
 それでも近くを通った構成員が本当に焦っている状態なら、ここのトイレを使用するかもしれない。だがッ、ロッカーは見るわけがないッ!
 そこほど優秀なものを隠すスペースがあるだろうか。いや、ないッ!
 だから、ここを選ばせてもらおうッ!!
268Classical名無しさん:08/05/22 02:29 ID:RrKQo1Vc
             
269Classical名無しさん:08/05/22 02:29 ID:jZaCW7tU
 
270AWAKEN−目醒め ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:29 ID:hkt3XqJs



 嗚呼、DIO。
 今更だが、『運命』を感じるよ。
 本当は、この下らないバトル・ロワイアルが始まったときから知ってたのだが。
 改めて、感じずにはいられない。
 バトル・ロワイアルの会場には、嘘の太陽と月が浮かんでいるようだ。
 その証拠に、夜に生きる君は見ただろう?
 『バトル・ロワイアルが始まった日』も『その次の日』も、全く変わらぬ同じ形状の月――欠けた箇所のない満月――が浮かんでいるのを。
 その事実が、そこに浮かぶ月が虚構だという事を如実に裏付けていることが分かると思う。
 そして私のいるところには、贋者でない本物の月と太陽が回っている。。
 クッ、あまりにうまく行き過ぎている。
 『運命』を『引力』を感じずには、いられない。
 次の次だ。
 次の次に月が天に昇った時、その姿を目視することは難しい。同時に、もっと明るいものが空に存在するからだ。


 そう、二日後は――――『新月』。




「待たせてすまない。
 放送が終わってから話すが……尋常でない事態が起こっていたものでな……」

 プッチが、ガモンのいる部屋の扉を開けた瞬間だった。
 プッチの瞳にガモンと、放送の原稿を渡されている老人――徳川光成が映った瞬間。
 本当に同時。コンマ一秒としてズレもなく、その瞬間。
 トイレのロッカーの中で、彼が回収した緑色の球体の表面に――ぴきっ。
 一筋のヒビが走った。
 まだ誰も、その事には気付かない。
271AWAKEN−目醒め ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:29 ID:hkt3XqJs



【マップ外/BADANの砦内の自室 二日目/早朝(放送直前)】
【エンリコ・プッチ@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]骨を蘇らせた際に右掌に怪我、微植物化、強い決意
[装備]リンプ・ビズキットのDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]死神13のDISC@ジョジョの奇妙な冒険、BADANより支給された携帯電話
[思考・状況]
基本:天国に行く。
1:放送が終わり、頃合を見計らって、トイレの『生まれたもの』を確認しにいく。
2:『生まれたもの』が動き出せば、承太郎の記憶より知った『支配』する方法をためす。
3:1と2の為に、暗闇大使を遠ざける。とりあえず再生怪人収容所NO.4のことを話し、何とかしてそこに行かせる。
4:暗闇大使に首輪を起爆されるのは、避けねばならない。なんとかして解除を。
5:ジョセフ・ジョースターよ、私を押し上げてくれ。
[備考]
※首輪をつけています。
※空条承太郎の記憶DISCは、既に確認した後です。
※暗闇大使とプッチの部屋の近くのトイレのロッカーに、『生まれたもの』を隠しました。



【再生怪人収容所について】
※BADANの砦内に、NO.1からNO,5まで五つ存在します。
※収容所一つにつき、内部には再生怪人と呼ばれるモノ達が五十体ほど収容されています。
※監視カメラや盗聴器の類は一切設置されておらず、六時間に一回人間のBADAN構成員が異変が無いかチェックに行きます。
※収容所NO.4内にいた再生怪人と構成員の魂は、『回収』されました。
※一体どのようなモノが、再生怪人と呼ばれているのかは、後続の書き手さん達にお任せします。
272Classical名無しさん:08/05/22 02:30 ID:RrKQo1Vc
 
273Classical名無しさん:08/05/22 02:30 ID:FjJIUmkA
   
274 ◆hqLsjDR84w :08/05/22 02:31 ID:hkt3XqJs
投下完了です。
誤字、脱字、その他アレ? と思う点ありましたら、指摘してください。
深夜にもかかわらず、多数の支援感激です。本当にありがとうございます。
275Classical名無しさん:08/05/22 02:32 ID:RrKQo1Vc
投下乙!
プッチが実にノリノリ!!
このままスタンドが進化を果たすのか!!
ガモンが道化に見えてしょうがないw  アカギは生きとるw
実に決戦前が感じられる話でした。
再生怪人さいこーーーー!!!
GJ!
276Classical名無しさん:08/05/22 02:39 ID:FjJIUmkA
投下乙!
神父が、すごく神父らしい!w
あれに目覚めるのだろうか!?
ガモンの首輪と勘違いには笑ったwwなんという道化www
伊藤博士も、原作じゃあまり出てないのになんだかかっこいい!
何より、再生怪人がきになるー!!
GJ!!!
277Classical名無しさん:08/05/22 02:47 ID:jZaCW7tU
投下乙です
うおお! 盛り上がってきたー!!
再生怪人、暗闇の子、ガモンと伊藤博士の勘違い、ガモンの首輪、そして誕生したあれに新月!
クライマックスが近そうだ!
夜中にいいもの見せていただきました、GJ!
278Classical名無しさん:08/05/22 13:08 ID:pi/eC9Ig
投下乙です!
なんか、暗闇大使の小物臭が異常ww 完璧に伊藤博士とプッチ神父に出し抜かれてるww

誤字の指摘では、
>>234で、暗闇大使が暗闇博士になっている部分がありましたよ。

また、プッチ神父の言っていた魂の件ですが、再生怪人は魂がない、獣性と暴力のみを宿した殺戮マシーンではありませんでしたっけ?
例外は、銀の髑髏を用いて復活させた者(仮面ライダーSPIRITSの○○大使)のみで。
279Classical名無しさん:08/05/22 19:13 ID:2DkSoX72
正直、暗闇のキャラそのものが崩壊してません? こういったかたちの忠誠の仕方を
するようには思えないです、プッチが大物で暗闇が小物の理由がサッパリ解りません
、まぁこういう意見は荒らし扱いでスルーされちゃうのでしょうが
280Classical名無しさん:08/05/22 19:26 ID:kXb4Wk.6
荒らしかどうかはともかく、具体的な意見ではないよね。
作中の内容を元にキッチリ説明してくれないと。
極端な話、ライスピ読んでない人にも分かるように説明するぐらいの気持ちでいかないと無理
281Classical名無しさん:08/05/22 19:46 ID:/R4sFnqc
ライダーの悪役なんて基本小物だろ
282Classical名無しさん:08/05/22 19:57 ID:peU.Ecsw
>>279
最後の一行つけた時点で駄目だろ
自分の意見がスルーされると思うなら最初から書き込むなよ
283Classical名無しさん:08/05/22 20:15 ID:uneHTSNA
原作で髑髏を使って○○大使を復活させたシーンの暗闇は程よい小物っぷりだったなあ
284Classical名無しさん:08/05/22 20:21 ID:2DkSoX72
ガモンへの嫌がらせ(真意はまだ謎)はともかく(今回の行動とは関係ないし)暗闇は
大首領が侮辱されたムキーなんてキャラじゃないでしょ絶対に、せいぜい「大首領が
興味をもたれた人間か?」 程度じゃないましてや人間ごときの前であんなに取り
乱さないだろ。プッチが原作どおり+大物感たっぷりなのに比べて、キャラを壊して
小物にする理由が解らない、正直ジョジョは好きだけど、ライスピは読んでないか
漫画喫茶で一回斜め読みで読みました程度の理解しかしていないと思う
285Classical名無しさん:08/05/22 20:38 ID:kXb4Wk.6
ライスピが小物だからOK
286Classical名無しさん:08/05/23 01:21 ID:w/bsepJE
所詮ジョジョに比べたらライスピなんてこの程度の扱いが関の山だろ
ライスピ厨はほんとウザイな
287Classical名無しさん:08/05/23 03:55 ID:8yXfqJug
質問

JUDOはどの位万能なのでしょうか
見落としや気づかないことはあり得るのですか
288Classical名無しさん:08/05/23 07:01 ID:U46sSPIY
>>287
仮面ライダーの機能は再現できても成長した仮面ライダーや中身の技は再現できない
しかもZXに半分負ける
火柱キックで押し戻される
知らない内に作られていたエネルギーキューブで村雨ボディからはがされる
以上を総合して考えるに何でも分かる訳ではないっぽい
しかも油断っぷりは某慢心王に近いかもしれない
幽閉されてた上に知らない要素持ち出されたなら仕方ないとも取れるけど
289Classical名無しさん:08/05/23 13:22 ID:ewWknhGw
>>286
他作品を持ち出して個別に卑下するのはどうかなと思いますが。
それも、傲慢でしかないのでは?
290Classical名無しさん:08/05/23 15:23 ID:NmR1llQg
作品の信者のたわ言なんか真に受けてたら誰も殺せない
291Classical名無しさん:08/05/23 15:49 ID:qGjd7fGk
>>288に続けると、
ZXキックの打ち合いでは、ZXが加速をつけてシンクロした状態でのZXキックを、ただ足を持ち上げた状態で打ち破る。
しかもこの時、ZXのボディが反動で半壊している。技はともかく、力そのものは凄い。
その後、ZXの新必殺キックで押し戻され、「自分が仮面ライダーの進化を再現できない」と指摘されたときは苛立ち、
ZXを叩き伏せたが、立ち上がってきたZXに、自分でも再現できない力=進化という可能性に恐怖を抱く。
……が、初めて抱いた恐怖ですら「面白い」と言ってのけ、「そんな恐怖では乗り越える気にもならない」と放言。
心に慢心や油断はあっても、やはり屈強。弱点は完璧=進化を望めないことか?
ちなみに、再現できなかった進化は
新1号、新2号、後期スカイ。ストロンガーのチャージアプも。


暗闇大使に関しては……ライスピ本編でも小物化が進行しているように思える。四国と中国の作戦が失敗した時なんか特に。
登場した頃は、その不気味さから大物だと思っていたのに……
292Classical名無しさん:08/05/23 19:28 ID:ISKH1piU
特撮厨に触れるなっちゅーに!
293 ◆hqLsjDR84w :08/05/23 20:52 ID:dJqBHaDs
>>278
指摘サンクスです。
印刷して添削したのに、誤字がまだありましたか。ああ、甘かった……


そして、

>再生怪人は魂がない、獣性と暴力のみを宿した殺戮マシーン

しまったorz
その巻の地獄大使への対応を見ながら、書いたのにな……
修正版は用意しましたので、仮投下スレのほうに落としてもよいでしょうか?
294Classical名無しさん:08/05/23 21:39 ID:poOVZ4yM
>>293修正乙です
仮投下スレに投下するのでよろしいかと思います
295Classical名無しさん:08/05/23 22:01 ID:vzQh.AME
光成が放送用の原稿を渡されているのが気になるな。
BADANに反抗するためヒントを交えて演説してなかったけ?
296Classical名無しさん:08/05/23 22:16 ID:G/8XxlS2
あれは光成の粋なアドリブって事になってなかったっけ?
297 ◆9igSMi5T1Q :08/05/23 22:48 ID:vWUQONkU
赤木投下します。
298Classical名無しさん:08/05/23 22:49 ID:Ya.W8jV.
         
299束の間の休息:08/05/23 22:49 ID:vWUQONkU
 数分前まで神社にいた男は、近くの禁止エリアに向かっている。
 今は神社に留まるべきではない。
 JUDOとの邂逅はそれなりに興味深かったが、長居は禁物なのだ。
 手に入れた煙草を蒸かしながら、ぽつぽつと歩いていく。
 着いたら、軽く休憩するのも悪くない。
 赤木とて、ただの人間なのだから疲れたときぐらい一睡もする。

 歩きながら、不意に空を見やる。
(いい加減なものだな……)
 降ったり止んだり、天も忙しい。
 神を自称する男に付き合わされて重労働だ。
 オレンジから深い藍色に変わるグラデーション。
 空にはもう、不規則に並ぶ星座たちは見当たらず、朝になった事を伺わせる。
 とはいえ、天の下にいる男は、そんな事など微塵も考えない。ただ空を仰ぎ見るだけ。

「……クックックッ」
 案の定、星空になど興味もないと言った表情で赤木は哂う。
 対主催の情報は揃いつつある。JUDOに出会えたことも大きかった。
 歩きついでに、これらの情報を整理してみよう。

300Classical名無しさん:08/05/23 22:50 ID:Ya.W8jV.
       
301Classical名無しさん:08/05/23 22:50 ID:vWUQONkU
(まず、ジグマールの存在)
 人間ワープ、いわゆる瞬間移動の持ち主。マーティン・ジグマール。
 主催者に恐れられ、その能力を大幅に制限された男。しかし、こいつは奇妙なのだ。
(合理の鎖で言えば、ジグマールは不要。呼ぶ必要など皆無)
 アジトに進入される恐れがあるから制限。
 これほど異常な話はあるまい。最初から呼ぶな、の一言で済む。
 仮にBADANの目的がジグマール打倒だとしても不自然。
 JUDOの態度と合致しないし、BADANはジグマール一人ぐらい、どうとでも出来る組織だ。
 呼んだ上で、能力を制限し殺し合わせる。理に合わない支離滅裂。
 ジグマールを始末するための舞台としてバトルロワイアルを開催したとかでは、全く説明できない。
 だが、この不合理こそBADANの本質。

 数時間前の赤木なら、ここから『ジグマールを呼んだ理由』を推定しただろう。
 能力を無理矢理制限してでも、『ジグマールを呼ばざる得なかった理由』を考えただろう。
 例えば、最初からバトルロワイアルの参加者は決まっていて、それに合わせて運営方法を考えねばならなかったなど。
 他にも色々理由は作れるだろうが、ともかくもジグマールが参加し、そこに理屈があるのなら、必ず正当な理由があるはず。
 しかし……
「ないな、そんなもの」
赤木はその可能性を否定した。理由は、BADANが理屈で動く組織ではないから。

302Classical名無しさん:08/05/23 22:51 ID:Ya.W8jV.
          
303Classical名無しさん:08/05/23 22:51 ID:vWUQONkU
 ジグマールのことだけでない。他にも様々なフラグがBADANのちぐはぐさを示している。
 先ほどJUDOに外された首輪もそうだ。
 もちろん、JUDOが外したことは無視していい。
 あれは理屈を超えている行動だが、あいつの存在はイレギュラー。BADANの合理性を考慮する物差しにはなりえない。
 しかし、あれを無視しても首輪の存在は不合理極まりない。

 赤木は今、禁止エリアに到着した。
 一通り周りをぶらついてみて、体が爆発しないことを確認する。
 首輪に爆弾があるのだから、当たり前の話と思うだろう。
 しかし、実はそうではない。全くもって異常な事態だ。
 それは首輪の機能、能力制限と爆破を考えれば分かる。
 そもそも合理で縛れば、この二つが同居することなどあり得ない。
 まして、人体の最も目立つ位置にこれら二つを付けるなどもっての外。
 BADANが合理的に考える組織なら、能力制限と爆破は別の物で実現しただろうし、目立たない所に隠すべきだ。
 別々に設置した場合、仮に参加者が片方の機能を解除したとしても、もう片方が残る。彼らの安全性はそれだけ高くなる。
 にもかかわらず、BADANは能力制限と爆破、スタンド適正付与などをたった一つの器具で実現しようとしている。
 あれだけの技術力があれば、インプラント器具の一つも作れただろうに。
 それをせずに、目立つ位置にあるたった一つの器具で全ての機能を実現したのは無理がある。
 実際、赤木の知らない話ではあるがインプラント器具は存在する。
 DIOやアーカードに取り付けられているし、心臓ペースメーカーなどもその一つだ。
 一部の機能をインプラントにして実現してしまえば、伊藤が言った首輪のサイズ問題も解決される。

304Classical名無しさん:08/05/23 22:53 ID:vWUQONkU
──スタンド適正の付与、エネルギー抑制機能、この二つをあのサイズに詰め込むのに、どれだけ苦労したと思ってるんだ。

 馬鹿か。最初から分けろよ。なぜそうしなかった。
 もちろん、本当に馬鹿だから分けなかったのでないことぐらい、赤木にも分かる。
 伊藤が首輪一つに様々な機能を詰め込んだのは、詰め込まざるを得なかったのではなく、そうすることにより別の目的を達するためだ。

 そう、この目的こそBADANの実態を知る上で重要なフラグの一つだ。


「他にも、Dr.伊藤とのチャット……」
 こなたの説明でチャットは理解した。
 赤木の世界には存在しなかった通信ではあるが、水道やガスのようなインフラの一つを利用していることはわかった。
 とすれば、準備することも容易ではなかったろう。いや、仮に容易に準備できるものであったとしても必然性がない。
 例えば、この町並みを赤木が住んでいた世界のそれにしてしまえば、チャット機能など準備する必要はない。
 そうすれば、BADANは赤木とDr.伊藤のチャットを阻止することが出来たはずだ。
 内外を繋げる通信を切っておくことぐらい、誰にだって分かる常識的思考。そんな常識がBADANには欠けている。

「挙げていけば切りがない……クックックッ」


 他にも仲介人である光成の存在。
 彼も不自然極まりない。彼はバトルロワイアルの情報を知りすぎている。
 BADANが自分たちの存在を隠し、仲介役に光成を使ったのならばトコトンまで隠し切るべき。
 にもかかわらず、光成は重要なな情報を持っていた。

305Classical名無しさん:08/05/23 22:53 ID:Ya.W8jV.
         
306Classical名無しさん:08/05/23 22:54 ID:zVaXMYbc
307Classical名無しさん:08/05/23 22:54 ID:vWUQONkU
──それでも駄目なら……まぁ『神に祈る』しかないかの

 Dr.伊藤の台詞と合致するこの言葉。光成に知らせる必要はなかったはずだ。
 もちろん、この情報一つで、参加者たちが有利になる可能性は低い。
 だが、僅かな危険でも、不要な情報を与えてまで犯す必要はない。

 そう。
 理由を挙げれば切りがないほどに、BADANは不合理な組織である。
 そしてその理由も、ほぼ明らかになってきた。
 恐らくBADANは大規模すぎる組織のために、様々な立場の者が集まってしまったのだろう。
 バトルロワイアルを開催する立場、否定する立場、どうでもよい立場。
 Dr.伊藤は否定する者だ。そして、BADANではないが光成も否定する者と繋がっている。
 JUDOはどうでもよい立場。
 それぞれの立場が、それなりに力を有するために組織として合理的な行動が取れない。

 首輪一つ取っても、技術部が
『技術的なことは我々に任せろ』
と言ってしまえば、他は口出し出来なくなるのだろう。
 そして、その技術部の統括者が伊藤ならば、Dr(博士)というハンドルネームとも整合性がとれる上、首輪が不合理な事にも納得がいく。
 技術者である立場を使い、伊藤が首輪をこんな形にしたのだ。
 それにチャット機能を街に取り付けたのも伊藤だ。
 奴が12時前後にチャットで参加者と通信していたのは、もちろん休憩のためじゃない。
 最初から計画していたことのはずだ。
 街にチャット機能を敷設し、参加者たちが来るのを回線の向こうで今か今かと待ち構えていたのだろう。
 バトルロワイアル開催側の人間にバレないよう気を配りながらモニターを見つめている伊藤の姿が眼に浮かぶようだ。

308Classical名無しさん:08/05/23 22:54 ID:vWUQONkU
「そう……バトルロワイアル転覆のために、必要な人材はBADAN側にもいる……しかし…………」


 赤木しげるは歩き続け、禁止エリアの奥まで進んでいく。
 首輪を付けている者は決して入ることも見ることも叶わない領域。
 同時に、神社まですぐに戻れる領域でもある。

「……しかし、今はまだ時期ではない……」
 対主催勢力の首輪を外し、一斉にアジトを捜索すれば伊藤派の人間にも会えるだろう。
 しかし性急過ぎる行動は、かえって対主催を不利にする。
 赤木の首輪が外れたことを知り、霊的防御について知見を得た対主催派はこぞって首輪を外そうとするだろう。
 そして、一気呵成に乗り込むに違いない。
 けれど、それは大きな誤りなのだ。
 そう、先に気づかなければならない。BADANの本質、不合理さに。
 それがなければ、先に進むことは出来ない。

 BADANは肥大化した組織のために、不合理な行動をとるようになった。
 だからこそ、首輪やチャット、ジグマールなどの理屈に合わない物が残る。
 だが、これだけでは正解の半分である。
「BADANがなぜ、これほど不合理な行動をとっていても組織として成立するのか……」
 考えてみれば、BADANの行動は常識的な人間なら、簡単に否定できるものである。
 一言で言えばBADANは馬鹿なのだが、それにも拘らず巨大な力を持ったのには訳がある。
 その訳こそが、BADANの本当の怖さなのだ。
「それが分からないうちは、手を出すべきではない……それに……今は仲間たちとも合流できない」

309Classical名無しさん:08/05/23 22:55 ID:vWUQONkU
 BADANの本当の怖さはともかくとして、赤木には首輪を外す技術がある。
 本来的にいえば、対主催を志す仲間たちと合流し、首輪を外してやる事が必要だろう。
 しかし、今はそれも出来ない。
 JUDOが行動をとったがために、恐らくBADAN内部でもそれなりの動きがあるだろう。
 彼の性格を知る者なら、赤木の首輪が外れた事も看破するかもしれない。
 そんな中、神社付近で、一度にたくさんの者たちが首輪上死んでしまえばどうなるか。
 BADANは間違いなく、首輪解除の可能性を疑う。
 そうなってしまえば、不利になるのはこちら側だ。

 おまけに流れという物もある。
 恐らく、首輪が外れれば、対主催側の人間はほとんどこう考えるだろう。『今の時運は我々に向いている』と。
 しかし、運など無い。
 赤木はギャンブルを嗜む人間ではあるが、あまり運を信じていない。
 どちらかと言うと、偽赤木のような確率信仰の方がよっぽど信じられる。
 しかし、とは言っても運を否定してはいない。
 運は物理的には存在しないが、心理的には存在する。
 運のいい人間と、悪い人間を集めてサイを振らせても、結果は同じ。
 しかし、変わるのは気構えだ。
 運が向いていると思う人間は、それだけで積極的になれる。
 積極性がよい事かどうかは別として、運が向いていない人間と向いてる人間とでは、とる行動が変わる。
 対主催の前に首輪が外れた人間が現れれば、彼らは自分たちに運が向いたと思うだろう。
 そして、考察も程ほどに攻め込むに違いない。それでは不味いのだ。
 そのような軽率な行動では、バトルロワイアルは転覆しない。

310Classical名無しさん:08/05/23 22:56 ID:Ya.W8jV.
                  
311Classical名無しさん:08/05/23 22:56 ID:vWUQONkU
「いずれ……パピヨンを通じて神社の情報が漏れる……お清めの謎が解ける」
 いや、パピヨンでなくとも他の参加者。霊的防御を突破したといわれる謎の参加者もいる。
 そいつらを通じて神社に対主催派が続々と集まってくる。
「そうなれば、BADAN側も何らかの行動を起こすに違いない……機はそれから……」
 無論、そうなった時にはいち早く神社に戻る必要がある。
 だが、それまでは神社にいる必要がない。すぐに戻れる場所にさえいれば問題なし。
 それまでに、赤木は赤木でやるべき事をやっておく。
 第一に睡眠。
 第二に考察。
 既に24時間以上起きっぱなしの体では、何をやっても上手く出来ない。
 そして、考察。
 概ね想像は付いているが、それでもBADANの実態について検討する必要がある。


 赤木しげるは、あたりを見渡して一箇所の寝床を見つける。そして、そのまま横になる。
 時刻は放送間際。
 放送で情報を手に入れたら、すぐさま眠る。
 そんな気配を漂わせたまま、彼は横になって動かない。
312Classical名無しさん:08/05/23 22:57 ID:vWUQONkU
【場所不明 放送直前】
【赤木しげる@アカギ】
[状態]:脇腹に裂傷、眠気、首輪がありません。
[装備]:基本支給品、ヴィルマの投げナイフ@からくりサーカス(残り9本)、マイルドセブンワン1箱
[道具]:傷薬、包帯、消毒用アルコール(学校の保健室内で手に入れたもの)
 始祖の祈祷書@ゼロの使い魔(水に濡れふやけてます)、水のルビー@ゼロの使い魔
工具一式、医療具一式、沖田のバズーカ@銀魂(弾切れ)
[思考・状況]
基本:対主催・ゲーム転覆を成功させることを最優先
1:放送を聴いて、少し休む。
2:大首領との再会。バトルロワイアルに引きずり込む。
3:対主催を全員説得できるような、脱出や主催者、首輪について考察する。対主催は神社に集まると想定しているので、睡眠後、神社に移動する。
4:強敵を打ち破る策を考えておく
5:覚悟に斗貴子を死に追いやった事を隠し、欺く。
[一時的備考]
※赤木が寝ている場所は、後続の書き手さんに任せます。(アスファルトの上とか、家の中とか)
※赤木のいる場所は神社から近い禁止エリアです。

313Classical名無しさん:08/05/23 22:57 ID:vWUQONkU
[備考]
※マーティン・ジグマール、葉隠覚悟と情報交換しました。
※エレオノールとジグマールはもう仲間に引き込むのは無理だと思っています。
※光成を、自分達同様に呼び出されたものであると認識しています。
※参加者をここに集めた方法は、JUDOの能力であると思っています。
※参加者の中に、主催者の天敵がいると思っています(その天敵が死亡している可能性も考慮しています)
 そして、マーティン・ジグマールの『人間ワープ』は主催者にとって、重要であると認識しました。
※主催者のアジトは200メートル以内の雷雲によって遮られていると考察しています
※ジグマールは『人間ワープ』、衝撃波以外に能力持っていると考えています
※斗貴子は、主催者側の用意したジョーカーであると認識しています
※三千院ナギは疫病神だと考えています、また彼女の動向に興味があります。
※川田、ヒナギク、つかさの3人を半ツキの状態にあると考えています。
※ナギ、ケンシロウと大まかな情報交換をし、鳴海、DIO、キュルケの死を知りました。
※こなたのこれまでの経緯を、かなり詳しく聞きだしました。こなたに大きなツキがあると見ていますが、それでも彼女は死にました
※『Dr.伊藤』の正体は主催側の人間だろうと推測しています。


『Dr伊藤』とのチャットによりわかった事
1:首輪は霊的に守護されている
2:首輪の霊的守護さえ外せれば、後は鋭い金属を継ぎ目に押し込む程度で爆発無しに外せる
3:既にその霊的守護を外した者が居る。そいつが首輪を外したかは不明だが、おそらく外してはいない
4:監視カメラは存在せず。首輪についた盗聴器のみでこちらを監視。その監視体制も万全ではない
5:敵には判断能力と機転に乏しい戦闘員が多い
6:地図外に城? がある
7:城には雷雲を突破しなければならず、そのためには時速600キロ以上の速度が必要

※大首領との接触により、大首領とBADANとの間のズレを認識。
※BADANという組織はあまり合理的に動かないと認識。
314Classical名無しさん:08/05/23 23:02 ID:vWUQONkU
終了です。
315Classical名無しさん:08/05/23 23:02 ID:oe50acEE
316Classical名無しさん:08/05/23 23:11 ID:YBNl7VWs
投下乙。
BADANいいかげんww主催に持ってくるには都合のいい組織ですね。
禁止エリアで寝るとか、1人だけ首輪外れたからってフリーダム過ぎるw確かに安全だけど。
アカギは益々扱いが難しくなってきましたが、この話によってかなり書きやすくなったと思います。
317Classical名無しさん:08/05/23 23:17 ID:zUACfD7Y
otu
318Classical名無しさん:08/05/23 23:24 ID:bB3hXvKM
投下お疲れ様です。誤字指摘します。
>>299
朝になった事を×伺わせる。
○窺わせる
319Classical名無しさん:08/05/23 23:36 ID:Ya.W8jV.
投下乙です!
アカギww
禁止エリアで寝るとか、対主催者の流れとか、実にアカギらしいw
バダンはいい加減な組織ですねw 原作からしてw
GJ!
320 ◆hqLsjDR84w :08/05/24 00:03 ID:UdXGILFE
投下乙です。
馬鹿か。最初から分けろよ。で笑ってしまったw そりゃ、そうだw
大首領降臨によるBADAN内の混乱や、BADANが組織として統率がアレなのを予想するとは……
しかし、禁止エリアで休憩とはw その発想はなかったw


さて、『乱』『AWAKEN−目醒め』の修正版の方を仮投下スレに落としてまいりました。
確認の方、お願いします。
321Classical名無しさん:08/05/24 01:01 ID:oIIYoOss
投下乙&修正乙です

アカギ、なんというフリーダムw 禁止エリアで寝るのかよww
考察もお見事。バダンの体質を明らかにしてしまうとは。

修正の方も、コマンドロイドは『記憶の浄化』以外は施されていないはずですから、
あれで大丈夫だと思います。
322投票人 ◆S52NT51/9g :08/05/24 04:58 ID:aIxDrvG2
投下乙です
だってアカギだしとしか言いようが無いフリーダム
こいつは一般人なのに何をやっても違和感の無い凄みがある


それと「二つの零、二つの魂」に続き、投票総合部門1位作品のサウンドノベル化をやっています。
「美徳の不幸」「Drastic Soul」はあらかた完成しましたんでうpします。
まぁ、SSと同じでいじりたいところは、なかなかなくならないので完成したって言えるのは遠いのですが……
「二人の女、二人の愛」は、ほとんど作ってないので期待しないでください。

ttp://galgerowamap.hp.infoseek.co.jp/mangarowa.zip


DIO様とカズマさんが全然自重してなくて正直やりすぎた感が否めないんですが
たぶんかまいませんよね? あの二人ですし
323Classical名無しさん:08/05/24 15:43 ID:5rBkzTg.
>>322
GJ!!! 聞かせて頂きましたが、非常にイイものでした! 特に原作のシーンを使う演出がなんとも!
自重していない2人ですが、まぁあの2人ですし、むしろ調度いいぐらいだと思いますよww
324Classical名無しさん:08/05/24 18:06 ID:e0nzNw8Y
ueueue
325Classical名無しさん:08/05/24 18:15 ID:S4Tg6S2w
shitashitashita
326Classical名無しさん:08/05/24 18:44 ID:WpMduCs6
hidarimigi
327Classical名無しさん:08/05/24 18:59 ID:8WkgHPU2
maeushiro
328 ◆14m5Do64HQ :08/05/24 20:37 ID:vAhNqVj2
投下&修正乙です!

>>314
アカギw相変わらずフリーダムwww
禁止エリアでタバコ吸うとは予想できませんでしたw
BADANへの考察も冷静でアカギらしいですね。

>>320
修正内容に問題はないと思います。
お疲れ様です。

>>322
GJです!!
楽しませてもらいました!自分の作品がこんな風にしてもらえて感動です!
あと投票関係ではいつもお疲れ様です。


それと自分の予約分ですが、申し訳ありませんが予約延長を申請します。
329Classical名無しさん:08/05/24 21:29 ID:MugrRBMg
>>322
うおお! GJです!!
こいつはスゲェ!
カズマさんとDIO様が自重しない? 自重しないことが、原作再現なのですw
『世界』発現とラッシュ時に入る三部ゲーverDIO様の声、クライマックスで『Drastic my soul』。両演出がとくに素敵でした!

>>328
把握です。がんばってくださいね
330Classical名無しさん:08/05/25 22:38 ID:UceNfOlY
一日レスも無いのは寂しいな……

とりあえずwktk
331Classical名無しさん:08/05/26 01:42 ID:KyTc0262
投票結果発表です
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9318/1208602309/l100
皆さん参加して頂きありがとうございました。
332Classical名無しさん:08/05/26 15:06 ID:B6w8iFwc
 
333Classical名無しさん:08/05/26 16:19 ID:Ii2Jo/4c
乙です

画像入ってるのが良いですね>サウンドノベル
全投票分作って欲しいぐらいです
334Classical名無しさん:08/05/26 16:19 ID:Ii2Jo/4c
すいませんageました
335Classical名無しさん:08/05/27 02:59 ID:rwaTmw9U
乙です.
素晴らしいの一言です!
唯一つ,小さなことなんですが,「アカギは運を信じていない」ってのは,どうなんでしょう?
私は運を信じてないので,この説明は私的にはしっくり来るんですが,
アカギは,例えば鷲巣の運を計算に入れて行動しているように見えますし,
運の存在を信じてる,ないし感じてるように原作からは読み取れたのですが…
小さなことですが,気になったので.
336 ◆14m5Do64HQ :08/05/27 21:26 ID:txKDu/jk
>>331
GJです!
投票は此方もいつもわくわくさせてもらって本当に楽しいですw
サウンドノベル……本当にGJでした!!

それでは延長していた、覚悟、村雨、かがみ、ヒナギク、独歩、服部、ジョセフ。エレオノールを投下します。
337Classical名無しさん:08/05/27 21:26 ID:Cn5TwYzQ
当方に支援の用意あり!
338Classical名無しさん:08/05/27 21:27 ID:6yqxBkhs
 
339Classical名無しさん:08/05/27 21:27 ID:fpesgK2k

どのくらいの時が流れただろうか。
そう思える程にあまりにも多くの出来事が起こり、過去の事として消えていった。
縦横一kmで定められた計六十四のエリアで構成され、この殺し合いのために用意された戦場。
そんな殺し合いの舞台の中で一つ、他のどの場所よりも大きな動きが存在した場所がある。
それは計九人の参加者が演出した、まさに死闘ともいうべき闘い。
傷つきゆく肉体を投げ出し、噴出する血を身体に纏いながら繰り成された乱戦。
一言ではとても表す事は出来ない程熾烈に、命を削りながら彼らは闘ってみせた。
己の仲間を、信念を、大切なものを守り通すために。
そして、その決戦で力尽きし者は若干二名のみ。
意外にもその二名とはこの世の化け物と称するに相応しい範馬勇次郎とラオウ。
決して、彼らが弱いはずもなく、この殺し合いに集められた参加者の中では間違いなく最上の類に入るだろう。
だが、彼らは負けた。
彼らがあまりにも予想外な敗北を喫した要因は一体何だったのだろうか。
いや、最後までいう必要はないかもしれない。
この殺し合いで行われた闘いの中でも最上級ともいえた乱戦――『決戦』をしかとその眼で目撃した貴方になら。


「勝った……、俺は……勝った……!」

天に翳した腕を一向に下げず、先程勇次郎を倒した男――仮面ライダーZXこと村雨良が唸る。
ラオウ、そして勇次郎との熾烈極まる連戦を経て、ZXの疲労と負傷はかなり大きい。
その事実を指し示すかのようにZXは無意識的に左膝を地に着かせる。
周囲に誰かがざわめく声が聞こえたが、ZXは核鉄で促進された自己治癒力をフルに酷使し、再び立ち上がる。
身体中傷だらけで満身創痍というに相応しいZXの状況。
しかし、ZXはそんな自分の状況など何処吹く風といった様子で、喜びに震えていた。
ZXが喜びに震える理由。
それもまた、今更説明する事でもないだろう。
そう。今現在、最強最悪の敵ともいえた勇次郎を倒した事を、ZXはまるで幼少の時代に遡った様に喜んでいた。
341Classical名無しさん:08/05/27 21:30 ID:Cn5TwYzQ
支援
男ならば、強大な敵に打ち勝てた時、思わず嬉しさに身を任せながら大声を上げ、歓喜に身を焦がす事も可笑しくはないだろう。
実際、ZXにも多少はそんな思いもある。
だが、ZXが喜びを噛み締めている本当の理由は別のところにあった。
勇次郎を倒した事もなく、自分が生き残る事が出来た事よりももっと重要な理由が。

(やっと……やっと守るコトが出来た。この俺が、こんな俺が……!)

今まで目の前で為すすべもなく大切な存在を奪われる事しか出来なかったZX。
それどころか、記憶を求め他の参加者を傷つけ、平賀才人をも殺してしまっている。
許される存在ではない自分が初めて守るべきものを守り通す事が出来た事に、ZXはどうにも喜びを隠せない。
もう一度、力の限り大声を上げ、この喜びを身体全身で感じていたいと思うほどに。
そんな時、拳を握り締めながら、ふとZXは後ろを振り返った。
ZXが振り返った先には、彼に絶え間ない歓声や拍手を送ってくれる7人の男女が映る。
言うまでもなく大切な仲間達――柊かがみ、葉隠覚悟、桂ヒナギク、愚地独歩の四人。
また、残念ながら未だ完全には打ち解けていないが共に闘った者達――ジョセフ・ジョースター、服部平次、才賀エレオノールの三人。
程度の違いはあれど、彼ら全員はZXの勝利を称えていた。
勇次郎相手に一歩も引かず、危なげながらも勝利を収めたZXの労をどうして称えない事が出来ようか?
恐らく、それは難しい相談だと思う。

(あの時、確かに散とハヤテ、そして仮面ライダー……本郷猛の声が聞こえたが……)

ふと、ZXは先程、自分が聞いた声の主達――葉隠散、綾崎ハヤテ、本郷猛の三人の事を思う。
ZXがこの殺し合いの中で、そして殺し合いが開催される前に出会い、彼に多大な影響を及ぼした三人。
343Classical名無しさん:08/05/27 21:30 ID:6yqxBkhs
 
344Classical名無しさん:08/05/27 21:31 ID:qLVYyJ1Q
支援
決して忘れる事は出来ない交流を交わした三人の声が聞こえた事をZXは不思議に考える。
常識的に考えれば、既に死者の身である三人の声がZXに聞こえる筈はない。
だが、それもつかの間、ZXは直ぐに原因を追究する事をやめた。

(そうだ。あいつらは俺の中に生きている……それだけで充分だ……!)

握りしめた拳を下ろし、ZVは食い入るようにそれを見つめる。
歴戦の勇士であり、誇り高き戦士でもある彼らから声を――力を貰った事実は確かだ。
ならば、もうそれだけでいいではないか。
彼らはいつまでも自分を見守ってくれているという事実。
その事実がわかっただけで、込み上げてくる嬉しさにZXは震える。
徐に変身を解き、ZXの姿から村雨良の姿に戻り、村雨はある表情を浮かべながら依然、己の握り拳に視線を送り続ける。
それは揺ぎ無い決意を持つ、立派な戦士のものであった。


「やるじゃねぇか、村雨! あの勇次郎相手に勝つとはよ……」
「村雨さん……お疲れ様!!」
「見事な戦ぶり! 私は貴方と共に、戦を行えたコトを真に光栄に思う!」
『うむ! 見事だ、良よ!』

そして変身を解き、村雨良の姿に戻ったZXに賛辞の言葉を送る三人と一つの鎧。
愚地独歩、桂ヒナギク、葉隠覚悟が浮かべる表情は喜びそのもの。
強化外骨格『零』が発する声からは歓喜の色が見える。
村雨はそんな仲間達がなにか、眩しい存在に見えるような錯覚を起こす。

「へっ! 赤虫野郎が……まぁまぁってトコだな」
「おいおい、ジョセフ。そんな態度はないやろ。
まぁあんたには色々ききとーコトあるけど……今はええわ。
ほんまに……おつかれさん!」
346Classical名無しさん:08/05/27 21:34 ID:6yqxBkhs
  
347Classical名無しさん:08/05/27 21:34 ID:Cn5TwYzQ
全力前支援
348Classical名無しさん:08/05/27 21:35 ID:qLVYyJ1Q
支援
349 ◆14m5Do64HQ :08/05/27 21:36 ID:txKDu/jk
投下途中ですが伝えたい事があります。
どうやら自分のPCの調子が悪く、投下に無駄に時間が掛かりそうです。
なので今から残りを一時投下に落としますのでどなたか本スレに転載してくれないでしょうか?
申し訳ありませんがどうかお願いします。
350Classical名無しさん:08/05/27 21:40 ID:qLVYyJ1Q
な……なんだ(ry

愛を込めて待っているぞ。
351 ◆14m5Do64HQ :08/05/27 22:17 ID:txKDu/jk
一時投下に投下しました。
それではどなたかお願いします。
こちらのトラブルで長時間かかってしまい本当にもうしわけありませんでした。
352 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:42 ID:LeGlD0Tg
また、先程の三人と一つの鎧程に、素直に喜びを見せないが、賛辞の言葉を送る二人組みもその場に居た。
それは偶然、この場で居合わせたジョセフ・ジョースターと服部平次の二人。
そんな二人の態度に村雨は無言で応え、僅かな安堵感を覚える。
彼らが自分に抱いていた印象は最悪なものと予想出来、拒絶される事も可笑しくないと考えていたからだ。
村雨にかがみを無理やり誘拐された覚えを持つジョセフ、そして信頼すべき仲間――劉鳳から平賀才人を殺した男と聞かされていた服部。
実際、彼ら二人はそれぞれ直接的に、間接的に村雨の事を知っており、ハッキリいって印象は良くなかった。
だが、それでも村雨の行為を認めないわけにもいかず、二人は賛辞の言葉を送る。
そう。あれ程までにも闘い抜いた村雨に対し、そんな態度を取れる程、二人は非情でもないから。

(……ん?)

そんな時、村雨は視界の片隅に一人の少女を見つけた。
腰の高さまで伸びた紫色の長い髪をし、無残にも片腕を失くしてしまった少女。
最初の出会いは最悪で、いくら謝っても許してもらえなくても可笑しくはない。
だが、そんな自分を許し、いつも自分が失われそう時に傍に居てくれた大切な存在。
柊かがみが村雨の方をジッと見つめているのを、村雨は確かに確認した。


(うぅぅ、なんで……なんで何も言えないのよ、私は……)

自分の周りが次々と村雨に賛辞を送っている中、かがみは未だ一言も口に出していなかった。
それは一体何故か。
勿論、かがみが村雨を心配していなかったわけもなく、それどころかこの場に居る中で誰よりも心配していただろう。
必死に村雨の勝利を祈りつづけたかがみ。
そのため、ボロボロになりながらも勝利を収め、村雨が無事であった事に対しかがみの喜びは最高潮まで昇りつめたともいえる。
353 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:43 ID:LeGlD0Tg
しかし、かがみは一向に村雨に掛けるべき言葉が見つけられなかった。

(だって……直ぐには思いつかないじゃない……)

『お疲れ様!』、『身体は大丈夫?』、『カッコよかったよ!』。
村雨にぶつけたい言葉は幾らでもある。
だが、何かが足りない。
それだけでは村雨にこの膨れ上がる想いを伝えきれない。
かがみにはどうしても、そんな安っぽい言葉では満足できない。
もっと、もっと的確に村雨に伝わる言葉が必要――そんなコトをかがみは考え続けていた。

「ほらかがみ、ボサッとしてないで行って来なさいよ」
「え!? ちょ!ちょっとヒナギク!!」

そんな時、かがみはふいに強烈な力で背中を押される。
その犯人は妖しげな笑みを見せるかがみの友人――ヒナギク。
ヒナギクが浮かべる表情にはかがみを気遣う気持ち、そして何か面白がるような気持ちが半分ずつ居合わせているような気がかがみにはしてならなかった。
ヒナギクの謀略により、かがみはよろめきながらも他の皆より前に立つ事になる。
そして、体勢がようやく安定したかがみはキッとヒナギクの方を振り返った。
其処には少し憎たらし笑顔を浮かべながら、右の手でピースサインを送るヒナギクの姿が映る。

(もう、ヒナギクったら……でも、ありがとね……)

ヒナギクの意図をなんとなく理解し、かがみは心の中で彼女に対しお礼の言葉を送る。
何故なら、ヒナギクは自分に対し文字通り背中を押してくれたとかがみは思ったから。
そう。二重の意味で背中を押してくれたヒナギクにかがみは少し、控えめな笑顔で返す。
そして、かがみは急速に顔を回し、真っ直ぐ前を見据えた。
かがみの視界に入ったものは、彼女が急に振り向いた事で少し驚いたような表情を見せる村雨。
自分よりも年上の癖に何故だか年下のような――弟のような印象を漂わせる村雨にかがみは少し可笑しさを覚える。
そして、かがみは一歩ずつ村雨の方へ進み、数歩を歩み終わったところで――全力で走り出した。
354 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:43 ID:LeGlD0Tg
「ッ! かがみ!?」


ふいに村雨の方へ飛び込むように駆け出し、地を蹴り飛ばしたかがみ。
村雨は先程よりも大きな驚きを見せながら、自分に飛び込んでくるかがみをなんとか受け止めた。
かがみの両肩に手を置きながら、彼女を地に優しく立たせ、村雨は視線を合わせる。
受け止める事が間に合わず、もしかすればかがみの身体は地面に叩きつけられたかもしれない。
そのためかがみに対し何故、こんな事をしたのか村雨は問いかけようと口を開きかける。
しかし村雨の口が開くよりも先に動くものがあった。


「村雨さん……村雨さん、村雨さん……!」


動いたものはかがみの片腕。
必死に村雨の胸に当たる衣服を握り締め、かがみが何度も何度も村雨の名前を繰り返す。
やがて、地面に落ちる煌く雫。
それはかがみの溢れ出る感情が具現化したもの。
そう。かがみの両目から零れ落ちた涙が地面をほんの少しだけ濡らし始める。
何故か村雨は只、無言で見つめ続ける事しか出来ない
自分の胸に顔を押し付け、泣き出したかがみを。

(もう泣かないって決めたのに……でも、それでも……!)

どうしようもなく涙が止まらない自分をかがみは心の中で恨む。
ヒナギク程運動神経も良くなく、何も力は持っていない自分はせめて涙は見せずに、自分が出来る事を頑張ろう。
355 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:44 ID:LeGlD0Tg
数時間前、そう決意したのに今の自分はこんなにも涙を流し、決意が全く意味をなしていない。
だが、かがみは今だけはどうしても涙を流す事を我慢できなかった。
何故なら、かがみには絶対に村雨に伝えたい事があるから。
かがみの意志に応えるかのように、自然と村雨の衣服を握る彼女の手に更に力が掛かる。
村雨に自分の想いを知ってもらうために、かがみは彼の顔を見上げた。


「ありがとう……無事でいてくれて……本当にありがとう、村雨さん……」


かがみが震えながら呟いた言葉。
それは村雨の勝利を称えるものではなく、自分の寂しさを訴えるものではない。
只、ひとえに村雨の身を案じた言葉をかがみは涙でボロボロになった顔で口にする。
今まで自分のせいで、自分が何も出来なかったせいで多くの仲間を失くして来たかがみ。
そんなかがみは何よりも先ず、村雨が朽ち果てなかった事に安堵し、その反動で涙が止まらなかった。
今もかがみは肩で呼吸するかのように、両肩を震わせ喜びの涙を流し続ける。

(村雨さん……あったかい……)

そう。かがみに悩むべき事など何も無かった。
情熱的な言葉も要らない。
只、こうして感じるだけで良かったから。
生きてくれた村雨の身体の暖かさを感じるだけで――良かった。
たったそれだけで――かがみは満足出来た。
村雨の無事をその小さな身体で一身に感じ取る事で。
今の自分の姿を見れば、はしたない女だとか、軽々しい女だと評する人も中にはいるかもしれない。
けど、それでも別に構いはしない。
356 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:44 ID:LeGlD0Tg
今感じている喜びを――村雨の暖かさを決して手放したくはなかったから。


「かがみ……」

かがみの予想外の言葉、そして彼女の涙の意味をおぼろげながらに理解した村雨。
一巡の間を置き、やがて村雨は意を決したかのように村雨は力を込めた。
両腕をかがみの背中へ回し、彼女の身体を自分の方に寄せるようにひっしりと抱きしめる。
強化改造を受けた腕でかがみの背中を折らないように加減し、だがそれでいてありったけの想いをその腕に注ぐ。
初めて守り通せた存在――柊かがみを村雨は彼女と同じよう身体全身で感じ取る。

『――ん!』
『む――、か――』

周囲からは何か冷やかしのような声が村雨とかがみには聞こえた。
だが、彼らはそれらの声を無視し、互いに身を預けながらその場に立ち尽くす。
まるで二人だけ、時の流れが止まった世界に迷い込んだ住人のように。

「なぁ……ジョセフはん、村雨はんのコトやけど……。
どうやらもう、俺らがとやかく言うコトはなさそうと思わんか?」
「ああ、イマイチ何があったかよくわかんねーが……そうみたいだな」
357Classical名無しさん:08/05/28 00:45 ID:ehVGojC.
代理投下できなかった分、支援はするぜ
358 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:45 ID:LeGlD0Tg
服部とジョセフが互いに肩透かしを食らったような表情で村雨とかがみを見つめる。
だが、その表情には落胆の色などない。
彼ら二人の表情に映るもの。
それは敵だと思っていた人間が実は心強い味方であったという事実に対する安堵感。
驚きが混じるといえども、其処には確かな『喜び』があった。


「ハァー……熱々だなぁ、あいつら。けど、凄かったなぁ、あの村雨ってヤツ!
カズキンと同じくらい強ぇーや!
よかったなぁ、エレノン! あいつらと仲間になれて!」

そんな時、口を開くものが一つ。
それは武装錬金によって生まれ、変てこな羽を生やした不細工な自動人形――エンゼル御前。
先程、目撃した村雨の闘いを彼が知る中で最強の男――武藤カズキと同じようだと評する。
そして御前は嬉しそうに飛び跳ねながら、自分の仮初の主に話を振る。
そう。その人物こそ、御前を肩に乗せた銀髪の女性。
才賀エレオノールという名前を授かった一人の“しろがね”(人形破壊者)であり――

「ええ、そうですね……御前……」

どこか寂しげな表情を浮かべた女性であった。
自分から村雨とかがみを含める他の七人から距離感を取っている感じを漂わせる。
エレオノールの瞳に、何か迷いのような感情がある事に御前は気づけてはいない。

◇  ◆  ◇

「オーケー、オーケー! そういうコトだったか……それなら納得だぜ」
「じゃあ、村雨さんを信じてくれる、ジョジョ!?」
「信じるもクソもないぜ、かがみ〜ん。
あいつがもう、殺し合いに乗るようなヤツじゃねぇコトがわかったからな。
359 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:46 ID:LeGlD0Tg
それにそんなコトしたら、僕ちゃんあの怖いお姉さんに殺されちゃうぜ〜」

様々な商店が立ち並ぶ繁華街。
彼ら七人は傷ついた身体を癒すために、取り敢えず休憩できる場所へ移動する事に決めた。
そのため、距離的に近かった事もあり、繁華街をうろついてた八人は偶然ホテルを見つける事が出来た。
エリアD-8にあったホテルに較べれば小さいが、それでも繁華街に建設してあるだけあって規模はかなり大きい。
直ぐにホテルに入り、二階の団体様用の部屋に入り、八人はその場で一時休憩を行い始めた。
負傷が大きい村雨と覚悟は周りからベッドに寝る事を進められ、ジョセフは我先にベッドに横になり、他の者はその場で適当に場所を取っている。
そして、かがみがジョセフに今までの経緯を話し、村雨の誤解を解いていたという事だ。

「だ・れ・が怖いお姉さんですって〜〜〜!」
「Oh! これがいわゆるなんとかの逆鱗に触れちまったぜ!ってヤツだな!!
服部〜〜〜Help me〜〜〜〜〜〜」
「ハァ? いやいやいや俺に振んなや! って姉ちゃん、核鉄はアカン! それはシャレにならへんって!!」
「ち!ちょっとあんた達、静かに……」
「わはははは、いいぞ。もっとやれや」

かがみの必死の説明、そして先程のかがみの行動を見て、ジョセフは彼を信用した。
そう。今は小さな寝息を立てながら、身体を休めている内の一人、村雨の事を。
だが、そう思いや否やジョセフはヒナギクをからかい、あまつさえ服部までも巻き込む。
また、今のヒナギクは独歩が持っていた制服――かがみが通っていた学校の制服を着ているので、決して半裸ではない。
直ぐ傍では村雨と覚悟が寝ているためにかがみがその場を仲裁しようと立ち回り、独歩が面白半分に煽る。
また、数十分前に激闘を潜り抜けてきたとは思えない程、彼らの表情は明るい。
計り知れない程の緊張状態から開放された事により、無意識的に彼らはリラックスしているのだろう。
360 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:46 ID:LeGlD0Tg
「ちょっと! これって確か伊澄さんの家の木刀じゃない!」
「あ〜? まぁ俺は別に使わねーから、くれてやってもいいぜ〜」
「そう、じゃあ有難くもらっておくわ。どうもありがとう!」

そして、彼らは互いの支給品を見せあい、交換していた。
様々な人間をこの場に集めた事から主催者であるBADANの組織は強大であり、その戦力も大きいと予想できる。
そのために、互いに使い慣れそうな武器やその場の状況に適した装備を交換しておこうという話になっていたからだ。
この殺し合いに呼ばれる前に確かに持っていた正宗をジョセフから譲り受けたヒナギク。
木刀を手に取り、ヒナギクは純粋に喜びを見せる。

「全く子供みてぇに喜ぶヤツだなー。
もっと、俺のようにクールにいこうぜ、クールによー……って!おい、おっさん!これ赤石じゃねぇか!!
頼む!これは俺に譲ってくれ〜〜〜」
「あぁん? まぁ俺も使わねぇから、いいぜ」
「お!サンキュー! 恩にきるぜ! もう返せって言っても遅せぇからな!
ぜってぇに返さねぇぜ〜〜〜〜〜〜」
「ジョセフはん……全然説得力ないで……」

そんなヒナギクをからかうジョセフだが、独歩が持っていたエイジャの赤石を見て、直ぐに態度を変える。
少し眼を離せばコロコロと表情や言動を変えるジョセフ・ジョースター。
この殺し合いの場でも、彼の個性は健在である事も言うまでもない。

「けど……三村がそんなコトになったなんて……」

だが、そんな時、ふとかがみが思いつめたように口を開く。
先程、村雨と自分の事をジョセフに話した時、かがみは同時に彼の話を少しながら聞いた。
そして、ジョセフは真っ先にかがみに話した。
361 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:49 ID:LeGlD0Tg
以前、一緒に行動していた仲間――三村信二が抱いてしまった誤解、そして最期の事を。
一度衝突した事もあったがその事が誤解と判り、ヒナギクの表情も暗くなり始める。

「あいつに何も出来なかった俺は本当に情けねぇぜ……。
だがな、かがみ。俺達にはシンジに謝るよりも先にやるコトがある。
なぁ、そうだろう? てめぇはそれをやり遂げるって決めたんだよなぁ?」

ジョセフが先程とは打って変わって、真剣な表情で言葉を漏らす。
そこに浮かんでいる表情は誇り高きジョスター家の正統な血族のもの。
只の陽気な遊び人としてではなく、波紋の戦士、ジョセフ・ジョースターとしての顔が浮かぶ。
その頼りがいのあるジョセフの表情にかがみはなにか懐かしさのようなものを覚えた。
そして、ジョセフは視線を動かし、問いかける。
彼が口にした名前を持つ男――三村と深い因縁を持つ男に対して。

「ああ……勿論や。
今更、俺が何をゆーても、言い逃れはできん。俺がやった罪は消されへん。
俺が三村信二を殺してしもうた事実は……!
せやったら……許されるなら……やるしかないやろ。
俺は三村の分までこのけったいな殺し合いの謎を解決したる……絶対にや、絶対にやってやるで!」

そう。その人物こそ服部平次。
以前、焦りのあまり判断を誤らせ、三村の命を奪ってしまった男。
そして、真実を知り、一時はかがみや三村のように我を見失い、暴走してしまった男が口を開く。
だが、服部は誓った。
身を挺して自分を助けてくれた劉鳳とジョセフと共にこの殺し合いを潰す。
この世界で知り合い、今は散ってしまった仲間達――タバサ、キャプテン・ブラボー、アミバの意思を、信念を無駄にしないためにも。
362Classical名無しさん:08/05/28 00:49 ID:lB2KWWSM
363 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:49 ID:LeGlD0Tg
だから服部は進み続ける事を諦めない。
服部が浮かべる表情はジョセフとは違う。
だが、その表情は大きな意思を感じさせる程の様子を漂わせる。
そんな服部を見てジョセフは満足げに頷き、ほんの少し遅れながらもかがみも大きく頷く。

「おうおう、でけぇコト言ってくれるじゃねぇかぁ。
まぁ、俺らが居るから大船に乗ったつもり構わねぇぜ!
けどよ、それよりも俺には気になるコトがあってな……」

ジョセフやかがみと同じように頷いた独歩とヒナギクの内、独歩が口を開く。
独歩が向ける視線の先には服部の顔がある。
だが、その視線は除々に動き、対象がずれ始めていく。
364Classical名無しさん:08/05/28 00:50 ID:WuQ16YJQ
 
365Classical名無しさん:08/05/28 00:50 ID:iPy8p1AE
 
366Classical名無しさん:08/05/28 00:50 ID:SURpjZgA
 
367 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:50 ID:LeGlD0Tg
「ああ、私にも是非知りたい事がある」
「俺にもだ……」
「か、覚悟君! それに村雨さんも身体、大丈夫なの!?」

そんな時、今まで眠っていた覚悟と村雨がムクリと起き上がる。
幾ら強靭な肉体を持っていようと、先程の激戦で多くの傷を負った二人。
二人の身体を心配し、逸早くヒナギクが慌てながら声を掛ける。

「未だ完全とはいえないが、会話と歩行が可能なくらいには回復した。それに零が今でも治療を行ってくれている。
問題はない」
「俺もそのくらいは大丈夫だ。ハヤテの核鉄もあるからな」
「あー……そうね……貴方達の体力を忘れてたわ……」

覚悟には強化外骨格『零』、村雨にはハヤテから託された核鉄の治癒力がある。
更に元々人並みはずれた身体を持っている覚悟と村雨の二人。
ベッドからそれなりに回復した身体を起こし、二人は揃って無骨な表情を浮かべ、口を開く。
そして二人が向ける視線の先はやがて独歩のそれと一点で交わった。
彼らの視線の先を、ヒナギク、かがみ、ジョセフ、服部の四人が追いかける。
そう。計八つとなった視線の向かう先には――

「わかりました、全てをお話します……。
私が行ってきたコト……私が犯した罪を……」

彼らから距離を置くように、部屋の片隅で正座をした銀髪の女性。
其処には自分を突き刺すように降り注ぐ視線に負けぬように、必死に頭を上げながら口を開く才賀エレオノールの姿があった。

◇  ◆  ◇

「――以上です……」

ホテルの一室でエレオノールの言葉が彼女の話の終わりを告げる。
数分間――いや、数十分間程かもしれない。
368Classical名無しさん:08/05/28 00:50 ID:ehVGojC.
支援のC!
369Classical名無しさん:08/05/28 00:50 ID:SURpjZgA
  
370 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:51 ID:LeGlD0Tg
エレオノールが時々、言葉を詰まらせながらも全てを話し終えた。
しかし、エレオノールの話が終わったというのに誰一人として口を開く者は居ない。
最初にエレオノールに対し視線を向けた独歩ですらもだ。
エレオノール以外の者は口を固く一文字に閉じ、言葉を出そうとしない。
その現状にエレオノールは寂しさを覚えるも、何故かそれが当然とも思え始めた。

(きっと、呆気に取られているんですね……。
私がやったコト……私がやってしまったコトを……)

エレオノールがこの殺し合いで行った事。
何度もこの殺し合いに対する方針を変更し、二人の少女――キュルケと三千院ナギを殺害し、度重なる交戦を行った。
特に、たった今エレオノールを睨みつけている独歩とは計三回も闘い、深い因縁がある。
たとえ、ケンシロウに救われたといえども独歩が易々と許してくれるはずもない。
そう。そんな事はエレオノールにはわかりきっていた。
自分がこの場に居るべきではない。
この素晴らしき絆で結ばれた彼らの輪に入るべきではない存在。
血の海にドップリと沈み、鮮血で染まりきった自分は間違いなく不協和音になる。
先程、互いに抱き合い、無事を喜び合った村雨とかがみを繋ぐよう絆は自分には誰とも結べない。
しかし、もし万が一自分が彼らの輪に入り、共に闘う事が出来れば。
371Classical名無しさん:08/05/28 00:51 ID:WuQ16YJQ
  
372Classical名無しさん:08/05/28 00:51 ID:iPy8p1AE
   
373Classical名無しさん:08/05/28 00:51 ID:WuQ16YJQ
   
374Classical名無しさん:08/05/28 00:51 ID:lB2KWWSM
 
375 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:51 ID:LeGlD0Tg
そう考えるだけでエレオノールは嬉しさで涙が流せそうな心地さえもしてくる。

(けど、そんなコトは所詮、夢物語……彼らが私を信用する可能性は殆どない……
私が今までやってきたコトを考えれば不自然ではありません……)

しかし、それは難しいだろう。
以前、ケンシロウに助けてもらい、仲間として闘う事を許して貰えた事は奇跡に近かった。
先程、エレオノールはケンシロウとの交流、そして彼の最期まで独歩達に対し詳細に説明したが、彼女の話を彼らが信用しているかはわからない。
以前、独歩はエレオノールに何度も虚偽をつかれ、奇襲を受けていたからだ。
恐らく、独歩は自分の事は仲間に伝えているとエレオノールは確信し、実際彼は彼女を危険人物として伝え終えている。
もしかすれば自分の話は嘘で、ケンシロウを殺した犯人だと思われているかもしれない。
依然続く沈黙の中で、自分が置かれた現実――自分がしでかした事を今一度、一人見つめ直すエレオノール。
そこから湧き上がる感情には、後悔の二文字しかない。
376Classical名無しさん:08/05/28 00:51 ID:SURpjZgA
   
377Classical名無しさん:08/05/28 00:51 ID:SURpjZgA
       
378Classical名無しさん:08/05/28 00:51 ID:SmqlOpyw
379 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:52 ID:LeGlD0Tg
(やはり私には……高すぎた林檎だったようですね…………)

許して貰えない事は元々、無理だと思っていた。
しかし、その事でエレオノールに彼らを責める事は出来ない、出来るわけがない。
何故だが、気を緩めれば今にも涙が溢れ出そうな感情にエレオノールは襲われる。
その感情を必死に抑え、エレオノールは立ち上がろうとする。
もう二度と、彼らに迷惑は掛けずに自分ひとりでこの殺し合いを潰すために。
そんな時だ。
エレオノールに両耳に聞き慣れた、何かが開いていくような音が聞こえ――


「おい!お前ら!! エレノンのコトを無視すんじゃねぇー!!
エレノンはなぁ……エレノンはなぁ……もう、あの時のエレノンじゃねぇんだぞッ!!」


エレオノールに対し仲間と言ってくれた不細工な自動人形。
エレオノールは武装連金を発動していないのに、何故かエンゼル御前が彼女の目の前で叫びながら飛んでいた。


「御前、落ち着いて――」
「確かにエレノンはナギリンを殺しちゃったさ……ケンがエレノンはキュルケっていう人も殺したって言ってた……。
けど……それでも……」

御前を落ち着かせようとエレオノールは彼に手を伸ばす。
しかし、御前はエレオノールの手を器用に逃げ、言葉を続ける。
御前のいきなりな登場に少し驚いた表情を浮かべている独歩を始めとした、七人は只耳を傾け続ける。。
380Classical名無しさん:08/05/28 00:52 ID:WuQ16YJQ
 
381 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:52 ID:LeGlD0Tg

「エレノンは変わったんだ! 今ではもう、絶対にエレノンはあんなコトはしない!
エレノンはケンに救われて、ナギリンのためにもたたかう……いや、生きる決心をしたんだ!
俺はエレノンを信じる! 信じられないわけがない……あんなにいい笑顔をしたエレノンが二度と人殺しはしないコトを!!
だから――」

御前は知っている。
自分を人形と思い込み、悲しみに暮れながらケンシロウと闘ったエレオノールの気持ちを。
当時はナギを殺したエレオノールに反抗心を抱いていたが、御前は次第にエレオノールに心を開き、遂には仲間として認めた。
それはきっと、ナギが最期までエレオノールを救うために闘った事も関係していたかもしれない。
しかし、やはり御前の心を動かした決定的な要因はエレオノールの心だろう。
一度仮死状態となり、キュルケ、ナギ、ギイ、そして才賀勝との一時の交流を経て変わった彼女の心。

「エレノンを信じてくれ、皆!
エレノンを信じて、死んじゃったあいつらの気持ちを無駄にしないためにも……エレノンを一人の仲間として認めて欲しいんだ!!」

両の拳を固く握り締め、独歩達を懸命に睨みつける御前。
震えながらも、御前が浮かべるその表情には意思の強さが垣間見える。
何故なら、御前には引き下がるわけにはいかないから。
自分が一人の人間であると気づく事が出来たエレオノール。
自分が一緒に闘う事は勿論だが、彼女に孤独な闘いはさせたくはない。
382 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:53 ID:LeGlD0Tg
そのため、御前は出来るだけ力強く独歩達に懇願する。

「御前、いい加減に……」

理由はわからないが、強制発動したエンゼル御前をエレオノールは武装解除しようとする。
勿論、御前の発言が気に食わなかったわけでもなく、寧ろエレオノールは嬉しかった。
こんな自分のために必死になってくれる御前の言葉がまるで癒しを与えてくれるように。
だが、御前の話はあくまでも此方側の都合だけの話。
自分を弁護してくれる事に嬉しいと感じるのは当然だが、それでは都合が良すぎる。
そう。今更、自分がこれから人殺しをしないと言っても、それを信じてくれるのは彼ら次第なのだから。
エレオノールが武装解除をしかけた時、一人の人物が立ち上がり、彼女の前へ歩み立った。

「あなたは……」

眼をカッと見開き、驚いたように目の前の人物を見上げるエレオノール。
その人物はエレオノールが知っている人物にとても馴染み深い人物――

「エレオノールさんだっけ? ちょっと質問させて貰ってもいいかしら……?」

そう。桂ヒナギクがエレオノールを見下ろすよう立っていた。
383 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:53 ID:LeGlD0Tg
「はい、どうぞ……」
「あなたはもう人は殺さないって言ってるけど、それ本当?
本気でそう誓える?」
「なっ! てめぇー! 俺がさっきから言ってる――」

エレオノールに問いかけるヒナギク。
その内容はエレオノールの真意を尋ねるもの。
だが、未だエレオノールを疑っているらしいヒナギクに、御前は憤りを感じられずにはいられない。
御前は両腕を振り回し、大声を上げながらヒナギクに抗議の意を示す。


「あんたは黙ってなさい!! 私はエレオノールさんに聞いてるの!
そう……私はエレオノールさんの言葉が知りたいのよッ!!」


だが、女子高生と思えない程の迫力を伴ったヒナギクの大声が御前に降り注ぐ。
ヒナギクのあまりの勢いに驚き、御前は泣きべそをかきながらエレオノールの肩にすごすごと降り立つ。
そんな御前からは直ぐに眼を離し、ヒナギクはエレオノールをキッと見つめる。
横目で御前を心配そうに眺めていたエレオノールはヒナギクの視線に気づき、直ぐに真剣な表情を浮かべ始める。

「はい、私は……もう二度と、この手を血に染めさせません。
あの主催者達との闘い以外では……」
「そう……なるほどね……」

互いに言葉を交わすエレオノールとヒナギク。
二人が浮かべる表情には一片の笑みなどない。
只、相手の真意を探る――いや、理解するために互いの視線を交差させる。
384Classical名無しさん:08/05/28 00:53 ID:lB2KWWSM
 
385Classical名無しさん:08/05/28 00:53 ID:iPy8p1AE
 
386Classical名無しさん:08/05/28 00:53 ID:WuQ16YJQ
 
387 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:54 ID:LeGlD0Tg
やがて、ヒナギクが再び口を開く。

「絶対に誓える?」
「絶対です!」
「本当に?」
「もう迷いはありません!」
「本当の本当に!?」
「ええ、絶対に絶対に!」
「最期に聞くけど、本当に間違いはないわね!?」
「はい! 間違いなど……もう、ありません! あってはいけないのです!」
「だったら――」

短い言葉で何度も何度も問いかけるヒナギク。
対して、エレオノールは一度も嫌な顔はせずに、肯定し続ける。
まるでヒナギクの連続した質問を既に聞いていたように、流暢に答えながら。
やがて、ヒナギクが再び口を開く。


「私は貴方を仲間として認めるわ。
ううん、私だけじゃない、皆も認めてくれる……共にBADANを倒すために闘うコトを、背中を預けるコトを」


視線を逸らさず、真っ直ぐエレオノールを射抜くように言葉を吐き出すヒナギク。
ヒナギクが言った言葉はエレオノールを受け入れる内容を含むもの。
生前、ナギが扱っていたというエンゼル御前はどう考えても、エレオノールに脅されているようには見えなかった。
388Classical名無しさん:08/05/28 00:54 ID:WuQ16YJQ
389 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:54 ID:LeGlD0Tg
更に、先程の闘いではエレオノールは自らの身を守るために、最小限の攻撃しかしなかったとい事実。
それらの事を考え、ヒナギクは道を選んだ。
それはエレオールを信じるという名の道。
エレオノールはヒナギクの言葉に驚いた様子を見せながら、食い入るように彼女を見つめる。
周りを見渡せば他の六人も、独歩ですらも頷き、エレオノールの次の行動を待っているかのような表情を浮かべている。

「お前ら、わかってくれたか……ぐす……」

エレオノールの肩の上で御前が喜びのあまり、涙を流す。
その御前の様子を見て、エレオノールはまるで彼が自分の感情を代弁してくれたように見えた。
実際、エレオノールも御前と同じように涙を流す程の嬉しさが込み上げてきたから。
けど、エレオノールはなかなか言葉を返そうとはしない。
いや、厳密に言うとどうしても口を開く事が出来なかった。

(けど私は……未だ彼らに何も償いを終えていない……私がこのまま彼らの輪に入るなんて……そんな都合の良いコトが……)

当然、心の奥底では今すぐにでも言葉を返し、共に闘いたいという気持ちはあるが、このままではいけないと小さな感情が邪魔をする。
相反した考えに基づく矛盾した感情にエレオノールは苦しむ。
そんなエレオノールの様子を見て、再び動くものが一つ。
そう、言うまでもなく、それは――
390Classical名無しさん:08/05/28 00:54 ID:SURpjZgA
 
391 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:55 ID:LeGlD0Tg
「どうしたのよ、エレオノールさん!
あなたがしたコト……ナギやキュルケって人を殺したコトは決して許されないと思うわ……!
けど! だからといって貴方は何もしても意味がないわけじゃない!
寧ろ、貴方は行動しなきゃいけないの!
いつまでも自分の失敗に囚われるくらいなら……そんな余裕があるなら……次に自分に何が出来るかを探しなさい!
エレオノールさん、貴方ナギ達のためにも頑張るんでしょう?
だったら今……エレオノールさんがやるコトは一つよ!」

ヒナギクが拳を握り締めながら、豪語する。
この殺し合いに呼ばれる前は高い所が苦手な事を除けば特に欠点はなく、大抵の事はやり遂げる事は出来たヒナギク。
だが、この殺し合いで自分の無力さを嫌という程知り、挫折しかけた事は何度もあった。
しかし、その度にヒナギクは助けられ、此処まで生き残る事が出来たといえる。
そう。いつもヒナギクを助けてくれたもの。

(ナギ……これで良いのよね?
私は……私はこれが正しいと信じる……貴方の望みが、私の行動が、一つに繋がるコトを……!)

それをエレオノールに教えるため――与えるためにヒナギクは、今は亡きナギの事を心の名中で思う。
独歩の話ではエレオノールを救うために、闘ったらしいナギ。
普段のナギの様子を考えれば、とても想像しにくい。
だが、それゆえにナギにはどうしてもエレオノールを止めたかった理由があったとヒナギクは信じた、いや確信できた。
だから、ヒナギクはこの言葉をエレオノールに送る事が出来る。
そして、ヒナギクからエレオノールに向かって――彼女の右腕が差し出された。


「私の手を握りなさい! そして、力一杯私を信じて!
貴方はこんなところで終わるわけにはいかないんでしょう?
だったら……一緒にBADANと闘うために! 貴方を一人の仲間として認める私を……私達を信じなさい!
そうよ、貴方は信じてもいい……信じるコトから始めるのよ、エレオノールさんッ!!」


ヒナギクがありったけの大声で叫ぶ。
392Classical名無しさん:08/05/28 00:55 ID:iPy8p1AE
  
393 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:55 ID:LeGlD0Tg
ヒナギクがエレオノールに伝えたかったもの。
それは信頼すべき仲間の存在。
貴方は一人じゃない、私達が居る
只、それだけを言葉に、右腕に乗せ、ヒナギクは叫んだ。
そして、その言葉がエレオノールのしっかりと届く。
以前、ナギが必死にエレオノールに対し言葉を届けたように。

「ありがとうございます、ヒナギクさん……本当に……。
私は……私は――」

あの時のナギの言葉だけでは止める事は出来なかったエレオノールの意思。
自分を人形と思い込み、鳴海のために殺人を行う事が人間になれると思い込んでいたあの時。
恐らく、あの時のエレオノールにはヒナギクの言葉は届かないかもしれない
だが、エレオールはもう、あの時の彼女とは違う。

「貴方達の力になりたい……私は自分の役をようやく見つけるコトが出来ました……。
信じたい……許されるのなら……私は自分の役目を、貴方達を信じたい……。
だから――」

自分の舞台を、自分が命を賭ける舞台をエレオノールは知り、たった今、確信した。
たとえ、血塗られた身体でも自分には役目がある。
演じきらなれければならない役がある。
ヒナギクを、依然彼女の意思に同意するかのように自分に視線を送ってくれる彼らを信じる事。
そう。そのためにエレオノールは涙を堪えながら、口を開く事が出来る。
394Classical名無しさん:08/05/28 00:55 ID:ehVGojC.
 
395Classical名無しさん:08/05/28 00:56 ID:WuQ16YJQ
396 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:56 ID:LeGlD0Tg
喜びの涙を堪えながら――


「私を貴方達の舞台へ上がるコトを許してください……貴方達を信じるコトを許してください……。
貴方達と共に、全てに決着をつけるために!
私を救ってくれた人達の想いに応えるためにも……命を賭けるコトをお許しください!
私は……才賀エレオノールは……闘います! たとえ、この命が燃え尽きようともッ!!」


手を伸ばし、エレオノールはヒナギクの手を掴み、ヒナギクは彼女の手を握り返す。
ヒナギクが浮かべる表情は真剣なものから次第に――笑顔へ移り変わる。
それは、以前フランシーヌの記憶を垣間見た時に知った、井戸の中の赤子が浮かべた笑顔のように優しいもの。
そんなヒナギクの笑顔につられ、エレオノールも表情を崩す。
その笑顔は白金という錬金術師が我を見失うほど、追い求めたもの――
エレオノールが知らない未来に、加藤鳴海や才賀勝が惹かれていったもの――
そして、心優しき者だけが見せる事が出来るもの――


――そう。そこには『いい笑顔』があった。

◇  ◆  ◇
397 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:57 ID:LeGlD0Tg
「よっしゃあ! こんな感じでいいだろ!!」
「ああ、上出来や……ジョセフはん……」

エリアE-2でジョセフと服部が両手を土に汚しながら、何かの作業を終える。
また、今この場にはジョセフと服部の二人しか居ない。
先程、繁華街のホテルで情報交換をし終わり、今の所危険人物は川田章吾という男、只一人という事を彼ら二人は知った。
そのため、二人はある事を行うために一時仲間達と別行動を取っていた。
そう。時間があれば是非やりたかった事を。

「安らかに眠れよな、シンジ……お前と一緒に居るのはなかなか楽しかったぜ……」
「…………本当にすまんかった……三村……」

ポンポンと不自然に盛り上がった土を叩くジョセフ、そして俯きながら口を開く服部。
その土の下に居るもの。それは三村信二の遺体。
ちゃんと埋葬をしたいと思っていた二人はそのために別行動を取っていたというわけだ。
徐に立ち上がる二人。
その表情には、両眼には最早迷いのようなものは見えない。
そして、二人は次の目的地を目指すために互いに顔を合わせる。

「さて、お次は……あの劉鳳の野郎の死に様とやらを拝みにでも行くか」
「今でも信じられんけど……それしかないやろな」

村雨とかがみの話により、劉鳳の死を知った二人。
長い間共に行動していた服部は当然だが、ジョセフも大きな衝撃を受けた。
誰よりも己の正義を、力を信じていた劉鳳。
村雨とかがみを疑うわけではないが二人にとって劉鳳の死はとても信じられず、かつ受け入れにくいものだった。
そのため、二人は立ち尽くしたまま死んだという劉鳳の姿を人目、己の眼で確認し、三村と同じように埋葬しようと考えた。
398Classical名無しさん:08/05/28 00:57 ID:PTZ6MXac
こっそり応援
399 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:57 ID:LeGlD0Tg
劉鳳もまた、掛け替えのない仲間だから。
先程、出来た六人の仲間と同じように。

「しかし、エイジャの赤石が本当にあるとはな……BADANって野郎共も侮れねぇぜ……」
「ああ、敵さんは強大や。
俺らも気張らなぁあかん……かがみの姉ちゃんも折角核鉄を交換してくれたコトやしな……」

先程、ジョセフと服部は彼らと情報を交換すると共にお互いの持ち物を確認した。
波紋使いであるジョセフにとって一振りの木刀――正宗は特に使用する機会がないので、元の世界で使用した事のあるヒナギクに。
独歩が持っていたエイジャの赤石はジョセフにとってとても馴染み深いものであり、独歩も特に拘りはなかったので彼が受け取った。
また、危険人物が少なくなったといえども、三村と劉鳳の死体を埋葬するのにあまり長い時間を掛けるのは好ましくない。
よって、波紋戦士としての修行を終えた、超人的な身体能力を誇るジョセフの走力に服部は出来るだけ合わせた方が時間を短縮出来るのは当然な事。
足場が悪いため、自転車ではあまり良い手段とはいえない。
そのために、飛行するだけで黒死の蝶を精製する――疲労を伴う二アデスハピネスよりも、かがみの持つモーターギアの方が、都合が良かった。付け加えて、かがみは村雨の運転するクルーザーに乗せて貰う予定であったから。

「ん? そういえば、ジョセフはん。あの独歩っていうおっさんになんか汚らしいディスクもろてたな。
あれ、確かめてみたんか?」
「おいおいおいおい〜! 勘弁してくれよ〜〜〜、あの変なディスクを入れるのは結構シンドイコトはおめぇも知ってるだろ?
既に鳥公の分も入れてるんだしよ〜〜〜、てなわけで未だやってねぇぜ」
「んーまぁ、確かに気持ちいいもんやないけどなぁ……ほな、なんで譲ってくれるように頼んだんや?」
「それだ、その指摘は鋭い! このジョセフ・ジョースターは服部、おめーのその良く働く脳みそに敬意を表するぜ!
実は俺にもわかんねーんだよなー、何故かこのがこの俺を呼んだような気が……あ! 僕ちゃん、ちょっと危ない人に見える?
見えないよなぁ? 服部〜〜〜〜〜」
400Classical名無しさん:08/05/28 00:58 ID:SmqlOpyw
401Classical名無しさん:08/05/28 00:58 ID:PTZ6MXac
   
402 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:58 ID:LeGlD0Tg
「だー!気色悪い声だすなや! まぁよーわからんけど……いつかは試してみた方がいいんちゃうか?」
「そうだな……オーケー、オーケー! 肝にめいじておくぜ!」

また、ジョセフは独歩から一枚のディスクを譲り受けていた。
しかし、何故貰ったのかという服部の質問に要領を得ない返事を行うジョセフ。
服部も特にそれ以上追及せずに、妥当な提案を行い、ジョセフは意外にも素直に了承する。


「ほな……武装錬金」
「準備はいいみてぇだな……そんじゃあいくぜ、服部?」
「ああ……いこか、ジョセフはん」

やがて服部が武装錬金を発動させ、チャクラムのような金属の輪――モーターギアを両足首に装着。
地上走破に適したスカイウォーカーモードを発動させ、前方へ視線を送る。
服部が、ジョセフが向ける視線は神社の方角だけに向いている。
彼らにはもう迷いはない。
403Classical名無しさん:08/05/28 00:58 ID:iPy8p1AE
 
404Classical名無しさん:08/05/28 00:59 ID:PTZ6MXac

 
405 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 00:59 ID:LeGlD0Tg
「そうだ。言い忘れてたコトがあったぜ、服部」
「なんや?」
「俺のコトはジョセフじゃなくて、ジョジョと呼んでくれ。
皆、そういう風に呼ぶからな」
「……わかった。じゃあ行くで、ジョジョ!」
「おうよ! 遅れるじゃねぇぞ!!」

互いに走り出すジョセフと服部。
ジョセフは走りやすいように先程、服部に見せたディスクをズボンのポケットに戻す。
ほのかな朝日がジョセフの持つディスクを照らし、鮮やかな輝きを齎す。
そう。ジョセフが独歩から譲り受けたディスクが――
何故だか自分の手元に置いておきたいとジョセフが感じたディスクが――
どんなものにも換えられない、大いなる遺産をもいうべきものが詰まったディスクが――


――空条承太郎の記憶DISCがジョセフの手に握られながら、星の煌きのような輝きを放っていた。


【E-2 西部/2日目 早朝】
406Classical名無しさん:08/05/28 00:59 ID:JCyDIGnI
  
407Classical名無しさん:08/05/28 00:59 ID:WuQ16YJQ
408 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:00 ID:LeGlD0Tg
【服部平次@名探偵コナン】
[状態]:肉体疲労中(ニアデスハピネス換算で一発分のみ)、精神疲労大、三村を殺したことから大分立ち直りました。
[装備]:スーパー光線銃@スクライド、携帯電話、モーターギア(スカイウォーカーモード)@武装練金、クレイジー・ダイヤモンドのDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:支給品一式×2(食料一食消費)、首輪、「ざわ……ざわ……」とかかれた紙@アカギ(裏面をメモ代わりにしている)、
    色々と記入された名簿、ノート数冊、ノートパソコン@BATTLE ROYALE
    ジャギのショットガン@北斗の拳(弾は装填されていない)、綾崎ハヤテ御用達ママチャリ@ハヤテのごとく(未開封)、
    ギーシュの造花@ゼロの使い魔、
    キュルケの杖、拡声器、 ソードサムライX(核鉄状態)@武装錬金、包帯・消毒薬等の治療薬、点滴用セット(十パック)
    病院内ロッカーの鍵(中に千切れた吉良の左手首あり)、バヨネット×2@HELLSING、
     紫外線照射装置@ジョジョの奇妙な冒険(残り使用回数一回)
[思考・状況]
基本:首輪のトリック、事件の謎を解除する。三村や仲間達に恥じることの無い行動をする。
1:ジョセフと共に劉鳳の遺体を埋葬するために、神社へ向かう
2:ルイズの最後の願いについてはどうするか。
3:範馬勇次郎以外の光成の旧知の人物を探り、情報を得たい。
4:1が終わり繁華街のホテル(E-2中心部)で再集合
[備考]
※劉鳳、コナン、神楽、ジョセフの事は全面的に信用しています。
※コナンと二人で立てた仮説、「光成の他の主催者の可能性」「光成による反抗の呼びかけの可能性」「盗聴器を利用した光成への  呼びかけの策」 等については、まだ他の人間に話していません。又、話す機会を慎重にすべきとも考えています。
※スーパーエイジャが、「光を集めてレーザーとして発射する」 事に気づきました。
※三村信史の死ぬ直前の記憶を見ました。
※第四回放送の内容は劉鳳からの又聞きでしか記憶にありません。
※ルイズをF-3の川岸に埋葬しました。折れた軍刀は墓標として刺してあり、キュルケの杖、拡声器は服部が所持しています。
※ルイズの最後の願いについてはまだ話し合っていません。
409Classical名無しさん:08/05/28 01:00 ID:JCyDIGnI
 
410 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:00 ID:LeGlD0Tg
※アミバの持っていた支給品一式×3 (食料一食消費) は、F−2民家の中にあります。
※アミバの持っていたノートパソコンには、大東亜共和国謹製のOSが組み込まれています。
※ジョセフとの相互理解を深め、より信頼しあえる関係になりました

【ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:左手骨折、全身重度の打撲、精神疲労大、体力消費大、深い悲しみ、脇腹にダメージ大
[装備]:マジシャンズレッド(魔術師の赤)のDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:七原秋也のギターをばらしたて出来た弦@BATTLE ROYALE、支給品一式×2、空条承太郎の記憶DISC@ジョジョの奇妙な冒険 、スーパーエイジャ@ジョジョの奇妙な冒険
[思考・状況]
基本:BADANとかいうボケ共を一発ぶん殴る。
1:服部と共に劉鳳の遺体を埋葬するために、神社へ向かう
2:マップの端を見に行く。
3:1が終わり次第繁華街のホテル(E-2中心部)で再集合
4:気が向いたらこのディスクでも確かめてみるか……けど、なんでこれが気になったんだ?
411Classical名無しさん:08/05/28 01:00 ID:JCyDIGnI
   
412 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:01 ID:LeGlD0Tg
[備考]
※二部終了から連れてこられていますが、義手ではありません。
※吉良の名前に何か引っかかっているようです。
※水を使うことで、波紋探知が可能です。
※三村の留守電を聞き逃しました。
※主催者の目的は強者を決めることであり、その中にはイレギュラーもいると考えています。
※少なくともかがみとは別の時代の人間であるということを認識しました。
※波紋の力を使うことで対象のディスクを頭部を傷つけることなく強制排出することができます。
 ただし、かなりの集中力を要求します。
※マジシャンズ・レッドの火力は使用者の集中力によって比例します。
 鉄を溶かすほどの高温の炎の使用は強い集中力を要します。
 火力センサーは使用可能ですが精神力を大きく消耗します
 また、ジョセフのマジシャンズ・レッドは通常の炎の威力の調節が極端に難しい状態です。
 ただし、対象に直接マジシャンズ・レッドの手を当てて炎を出した場合に限り調節が可能です。
 修練をすれば通常の炎の精度が上がる可能性があります。
※S7駅がかなり脆くなっていることを発見しました。
※第四回放送は劉鳳からの又聞きでしか記憶にありません。
※服部との相互理解を深め、より信頼しあえる関係になりました
※服部の時のような誤解による失敗を二度とすまいと考えています

[共通備考]
※ 覚悟、村雨、かがみ、ヒナギク、独歩、エレオノールと情報交換をし、友好関係を結んでいます。
また、アカギとパピヨンは協力者、川田は危険人物と認識しています。
413Classical名無しさん:08/05/28 01:01 ID:WuQ16YJQ


414Classical名無しさん:08/05/28 01:01 ID:JCyDIGnI
    
415 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:02 ID:LeGlD0Tg
※以下の事を考察しています。
このゲームの主催者はBADANである。
BADANが『暗闇大使』という男を使って、参加者を積極的に殺し合わせるべく動いている可能性が高い。
BADANの科学は並行世界一ィィィ(失われた右手の復活。時間操作。改造人間。etc)
主催者は脅威の技術を用いてある人物にとって"都合がイイ"状態に仕立てあげている可能性がある
だが、人物によっては"どーでもイイ"状態で参戦させられている可能性がある。
ホログラムでカモフラージュされた雷雲をエリア外にある。放電している。
 1.以上のことから、零は雷雲の向こうにバダンの本拠地があると考えています。
 2.雷雲から放たれている稲妻は迎撃装置の一種だと判断。くぐり抜けるにはかなりのスピードを要すると判断しています。
※雷雲については、仮面ライダーSPIRITS10巻参照。
416Classical名無しさん:08/05/28 01:02 ID:JCyDIGnI
     
417 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:03 ID:LeGlD0Tg
「では、我々も行くとしよう」
「ええ、わかったわ」

時間は少し遡る。
服部とジョセフと別れた後、覚悟がそう口を開き、答えを返すのはヒナギク。
そして、村雨とかがみ、エレオノールの三人も同意を示すかのように頷く。
服部とジョセフにやりたい事があったように彼らにもどうしてもやっておきたい事があったからだ。

「もし、川田君がパピヨンさんとアカギさん、津村さんを襲ってたら……一刻も早く止めないとね」
「ああ、その通りだ」
「恐らく、あの川田という男は学校の方へ向かったハズ……急ぎましょう」

覚悟の知り合いで、協力者でもあるパピヨンとアカギ、津村斗貴子との合流。
そして、エレオノールが数時間前に接触した川田を止める事。
なんとしてでも行わなければならない二つの目的。
そのために彼らはパピヨンとアカギ、斗貴子が今もなお待っていると思われる学校。
其処へ向かう事を決めていた。

「乗れ、かがみ。エレオノール、あんたも乗ってくれ」
「うん!」
「わ! わかりました!」

ホテルの直ぐ前の歩道に停めて置いたクルーザーへ向かう村雨。
村雨のその言葉にかがみは短く、それでいて元気良く答え、直ぐに彼の後を追う。
だが、かがみとは対照的にエレオノールは意外そうな返事を返す。
418 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:03 ID:LeGlD0Tg
少し言葉を詰まらせながらも、あるるかんの鞄を持ち、そそくさと村雨とかがみの後を追うエレオノール。
そんな不審な動きをするエレオノールに対し、村雨は訝しげな表情を浮かべた。

「何か変なコトを言ったか?」
「いえ、違います! 実は私は徒歩を命じられると思っていましたので。
声を掛けてもらえて……ちょっと驚いただけです」
「む…………そうか」
「いやいや、ちよーっと待った!『そうか』って軽く済ませるんじゃないわよ!
というかエレオノールさん……もしかして天然ボケ?」
「天然ボケ……ですか……? かがみさん、それは一体どのようなコトを?」
「かがみ、俺にもよくわからん」
「あー……はいはい……もう、わかったわ。よーく、わかったわ……」

心底不思議そうな表情を浮かべる村雨とエレオノールの二人。
予想以上の反応を見せてくれる二人に対し、かがみはがっくりと肩を落とし、何かを諦めたような様子でクルーザーへ向かうのを再開する。
『この天然ボケコンビが……』、とボソッと呟き、歩を進めるかがみの背中にはなんともいえない様子が垣間見えた。
かがみの言葉の意味を良く理解できなかったが、ともかくクルーザーの元へ向かおうとするエレオノール。
そんな時、村雨が口を開いた。

「エレオノール、覚えているな。
俺は綾崎ハヤテという男……いや、仲間から三千院ナギを守るように頼まれたコトを。
そして、俺がお前と同じように……罪もない人間を殺した事も……」
「はい。勿論です…………」

村雨の鋭く研ぎ澄まされたような眼光がエレオノールに突き刺すように射抜く。
先程、ホテルでの一件の後、情報交換をし、エレオノールは村雨の事を大体聞き知っている。
村雨が綾崎ハヤテと共にラオウと闘い、彼の遺言――三千院ナギの保護をしかと心に留めた事を。
エレオノールとヒナギクが握手をした時、村雨は只、無言での光景を見つめていた。
419Classical名無しさん:08/05/28 01:04 ID:JCyDIGnI
      
420 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:04 ID:LeGlD0Tg
その後、今に至るまでエレオノールと村雨は一対一で言葉を交わした事はない
そのため、エレオノールは村雨が自分をどう思っているのかが気掛かりだった。
次第にエレオノールに緊張が走り、彼女は村雨の次の言葉に全神経を集中させる。

「俺もお前と同じように悩んだ……本当にあいつらを一緒に闘っていいのかを。
何度も何度も血を浴びてきた俺が、本当に……」

エレオノールに話すというよりも、自分自身に言い聞かせるように呟く村雨。
無骨な顔立ちをしている村雨が浮かべる表情。
そこに怒りという感情はなかった。
只、自分自身の罪をもう一度心に焼き留めるために。
エレオノールに言葉をぶつけるために。
村雨は口を開く事をやめようとはしない。

「だが、あいつらはそんな俺を受け入れた……信じてくれた……。
俺に言葉を投げ掛けてくれたんだ…………」

そんな時、村雨がチラリとある方向に眼をやる。
村雨の視界に映る人影、それはクルーザーの後部座席に陣取ったかがみの姿。
いつも自分の傍に居てくれた年端もいかない少女。
だが、村雨は直ぐに視線をエレオノールの方へ向きなおす。
421Classical名無しさん:08/05/28 01:04 ID:JCyDIGnI
           
422 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:04 ID:LeGlD0Tg
「だから、俺もお前を信じる。
あいつらが俺を信じてくれたように……お前のコトを信じる。
今のお前をつくったもの……お前のするべきコトを見つけたもの……お前が手に入れた『記憶』を俺は信じるコトが出来る」


村雨はそう言って、直ぐに背を向け、クルーザーの元へ歩き出す。
一人残されたエレオノールはその場に立ち尽くしている。
直ぐにその場で、村雨の背中に向かってお辞儀をする。
そんなエレオノールが浮かべる表情。
やはりそれもまた――


「ありがとう……ありがとうございます……村雨さん…………」


涙に塗れた『いい笑顔』だったに違いない。



「ふふ、騒がしいわね。
そういえば覚悟くん……私達はどうするのよ?」

微笑を浮かばせながらヒナギクは隣に居る覚悟に問う。
クルーザーが幾ら大型のバイクといえども、三人以上乗るのは困難に思える。
更に覚悟は強化外骨格『零』を纏っており、重量的にも問題があるかもしれない。
423Classical名無しさん:08/05/28 01:04 ID:PTZ6MXac
 
424Classical名無しさん:08/05/28 01:05 ID:JCyDIGnI
        
425 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:05 ID:LeGlD0Tg
そのため、学校へ向かうための自分達の移動手段について覚悟に相談していた。
生憎、ヒナギクには良い移動手段が浮かばなかったからだ

「安心してくれ、ヒナギクさん」
『うむ、問題はない!』

だが、ヒナギクの意図に反して、覚悟と零はあっさりと答える。
覚悟と零の共に自信に満ちた声を聞いて、ヒナギクの懸念も吹っ飛ぶ。
覚悟も零も嘘をつく性格ではないので、彼らの言葉は信用できるからだ。
一体、二人はどういう案を思いついたのだろう。
そんな事を考えながら、ヒナギクは覚悟と零の次の言葉を待つ。

「――え?」

その時だ。
ヒナギクは、何故だか急に自分の身体が浮き上がるような感覚を覚えた。
ヒナギクにそんな感覚を覚えさせた要因。
それは――

「な!ななななななな、何するのよ!!」
「すまない、ヒナギクさん。少しの間、我慢してくれ」
『ははは! 覚悟よ、少し手荒だったようだ。精進するのだな』
「了解だ、零。しかしあまり暴れないでくれ、ヒナギクさん。
落ちたら、擦り傷を負ってしまうかもしれない。」
「そ!そうじゃなくて!!」

覚悟がいきなりヒナギクを抱きかかえ――所謂、お姫様抱っこの形で彼女を持ち上げていたからだ。
真っ赤な顔でじたばたと覚悟の腕の中で暴れるヒナギク。
幾ら、仲が良いといえども、いきなりこんなコトをされてはヒナギクがたじろぐのも可笑しくない。
だが、覚悟もヒナギクが地へ落ちないように彼女の身体にかける手の力を強める。
426Classical名無しさん:08/05/28 01:05 ID:SmqlOpyw
427Classical名無しさん:08/05/28 01:06 ID:JCyDIGnI
          
428Classical名無しさん:08/05/28 01:06 ID:PTZ6MXac
   
429 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:06 ID:LeGlD0Tg
零を纏っているといえども、覚悟の感触を尚更感じる事になったヒナギクの胸の鼓動は一層速いものとなった。
しかし、覚悟は直ぐに視線をヒナギクから離したせいで、ヒナギクの動揺に特に気がついた様子は見せない。

(待っていてくれ、パピヨン殿、アカギ殿、津村さん……。
川田、お前がもし彼らを傷つけるようなコトをしたならば……友といえども、もう見逃すコトはできん!)

此処から遥か遠い、目的地学校で待つ仲間達。
そして其処に向かったと思われる川田へ覚悟は決意を打ち立てる。
既に戦友・零との再会の瞬着は完了済み。
己を一振りの剣として守るべき仲間の存在は覚悟に計り知れない力を与えてくれる。
ならば、覚悟に立ち止まる事など有り得ない。
覚悟の心中に浮かぶ、彼の生き様を指し示した言葉。

――覚悟完了

その言葉を噛み締め、覚悟はヒナギクを抱えたまま、腰を落として構える。
一方、未だに覚悟の意図がわからないヒナギクは只、混乱するのみ。
やがて、再びヒナギクは自分の身体が――いや、今度は前方へ引っ張られるような感覚を覚えた。
430 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:07 ID:LeGlD0Tg
「しっかりと掴まっていてくれ、ヒナギクさん。
それと、舌を噛まないように注意を」
「え!え、ええええええ!?」
『よし、ゆけ! 覚悟よ!!』

ヒナギクを抱え、覚悟が地面を滑空するように突き進む。
その速度はいうなればとても人の走力で出せる筈もなく、尋常なもの。
ヒナギクの身体を襲った圧倒的な速度の正体。
それは零の背中部分を始めとする各所に取り付けられた推進装置によるものだった。
零の持つ無数の推進装置で生み出される速度の最高値は約、秒速270mであり、時速になおせば972kmとなる。
単純計算では最高時時速700kmを誇るクルーザーの速度を優に上回るが、ヒナギクを抱えている事もあり、覚悟が最高時速まで速度を引き上げる事はないだろう。
だが、それでも覚悟が現在出している速度があまりにも速いものであるという事に変わりはない。
抱きかかえられたまま、そんな異常な速度で移動を余儀なくされたヒナギクは――

「と!止めてえええええええええええええええええ!!」

案の定、大声で絶叫しながら覚悟の腕にしっかりとしがみついていた。
いつもの気高き態度など微塵も見せずに、歳相応な少女のような焦りを見せながら。
只、ヒナギクは喚いていた。
そりぁあ、もう清々するくらいに。



【D-3 北東部/2日目 早朝】
431 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:08 ID:LeGlD0Tg
【葉隠覚悟@覚悟のススメ】
[状態]:全身に火傷(治療済み) 胸に火傷、腹部に軽い裂傷。頭部他数箇所に砲弾による衝撃のダメージあり
    胴体部分に銃撃によるダメージ(治療済み) 頭部にダメージ、
    両腕の骨にひびあり、零の推進剤により高速移動中
[装備]:強化外骨格『零』@覚悟のススメ
[道具]:大阪名物ハリセンちょっぷ 滝のライダースーツ@仮面ライダーSPIRITS(ヘルメットは破壊、背中部分に亀裂あり)
[思考]
基本:牙無き人の剣となる。この戦いの首謀者BADANを必ず倒し、彼らの持つ強化外骨格を破壊する。
1:川田を説得する。
2:斗貴子を牙無き人々の一人と見なし、守る。
3:ヒナギク、村雨、かがみ、エレオノールと共に学校へ向かい、パピヨン、アカギ、斗貴子と合流。
4:3が終わり次第、繁華街のホテル(E-2中心部)で再集合
5:村雨が再び記憶を失い、殺し合いに乗るようならば倒す
【備考】
※こなたの死を知りました。それが川田のせいである事も知っています。
※パピヨンとアカギを全面的に信用しています。
※ラオウを倒した男が劉鳳だと知りました
※零と一体になる事に迷いはありません

【零についての備考】
※零の探知範囲は制限により数百メートルです。
※零はパピヨンを危険人物と認識しました。
※零は解体のため、首輪を解析したいと考えています。
※零は村雨の体を調べ、その構成が、極めて高位の霊魂ならば、強化外骨格同様受け入れられる構造になっていると知ります

432Classical名無しさん:08/05/28 01:08 ID:JCyDIGnI
  
433 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:08 ID:LeGlD0Tg
【桂ヒナギク@ハヤテのごとく!】
[状態] 顔と手に軽い火傷と軽い裂傷。右頬に赤みあり。右肩が外れている、手の平に裂傷、勇次郎平手によるダメージ 、覚悟に抱きかかえられている
[装備] バルキリースカート(核鉄状態)@武装錬金(アーム四本中三本破損) 木刀正宗@ハヤテのごとく
イングラムM10(9ミリパラベラム弾0/32)454カスール カスタムオート(6/7)@HELLSING 13mm爆裂鉄鋼弾(28発) 陵桜学園高等部のセーラー服@らきすた
[道具]支給品一式、ボウガン@北斗の拳、ボウガンの矢17@北斗の拳
[思考・状況]
基本:BADANを倒す。
1:斗貴子については戸惑い
2:覚悟、村雨、かがみ、エレオノールと共に学校へ向かい、パピヨン、アカギ、斗貴子と合流。
3:2が終わり次第、繁華街のホテル(E-2中心部)で再集合
4:川田を説得する。
5:と、止めて……
[備考]
※参戦時期はサンデーコミックス9巻の最終話からです
※桂ヒナギクのデイパック(不明支給品1〜3品)は【H-4 林】のどこかに落ちています
※核鉄に治癒効果があることは覚悟から聞きました
※バルキリースカートが扱えるようになりました。しかし精密かつ高速な動きは出来ません。
 空中から地上に叩きつける戦い方をするつもりですが、足にかなりの負担がかかります。
※エレオノールと和解しました
※独歩が持っていた陵桜学園高等部のセーラー服@らきすたを着ています

[共通備考]
※服部、ジョセフ、エレオノールと情報交換をし、友好関係を取っています。
434Classical名無しさん:08/05/28 01:08 ID:JCyDIGnI
 
435 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:09 ID:LeGlD0Tg
「おーおーおー……あいつらも行ったみたいだな。
じゃあ、お前らも気をつけろよ」
「ああ、わかった、独歩」

爆走してしいく覚悟とヒナギクを見送り、独歩がクルーザーに跨った村雨に声を掛ける。
移動手段も特になく、五人も行けば充分だと思ったので独歩は学校へ向かわない事にした。
戦力的にも村雨、覚悟、エレオノールの三人が居るので川田と戦闘になっても遅れを取る事はまずないだろうからだ。

(それに……俺よりもこいつらの方が適任だろうからな……)

確かに独歩もパピヨンとアカギの事は気になる。
だが、それよりも川田と先程の五人の因縁は海のように深いのもまた事実。
そのために、独歩は彼らにケリをつける役目を譲った。

「愚地独歩……貴方には本当に申し訳ないコトをしました……。
ナギのコトは勿論、貴方とは何度も闘い……それどころかケンの助けにもなれずに……」
「へっ……もう、そのコトは言うな。さっさと村雨達の手伝いでもしてこい」
「はい、わかりました……」

かがみの後に腰掛けるエレオノールが深く頭を下げ、独歩が碌に視線も合わさずに言葉を返す。
どう考えても愛想が良いといえない独歩の返答に思わずエレオノールは更に頭を項垂れる。
覚悟、ヒナギク、川田の三人に深い因縁があるように、独歩とエレオノールの間にも深い因縁が根付いている。
一度目は独歩が才賀勝と共に居る時に行った騙まし討ち。
二度目はマーティン・ジグマールと共に芝居をして行った奇襲。
436Classical名無しさん:08/05/28 01:09 ID:JCyDIGnI
           
437Classical名無しさん:08/05/28 01:10 ID:PTZ6MXac
  
438 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:12 ID:LeGlD0Tg
三度目は二度目の奇襲の後、あるるかんを手に入れたエレオノールによって不覚にも気絶させられた事。
自分を一番恨んでいても可笑しくない独歩への謝罪の気持ちでエレオノールの表情は暗い。
そんなエレオノールを尻目に独歩は背中を向け、村雨達と顔を合わせようとしない。
益々、元気を失くし、今にも涙がこぼれそうになるエレオノール。
しかし、エレオノールの顔から涙がこぼれる事はなかった。

(そうだ、このくらい……当然な報いです。
だから今は……証明してみせます。私の言葉が偽りではないコトを……私の意思を!)

決意を新たにエレオノールは顔を上げる。
その表情に何かを諦めるような意思は見えない、見えるわけもない。
自分を信じてくれた人、救ってくれた人に報いるために自分の役目を演じる。
その使命に全てを賭ける決意。
それがエレオノールに力を分け与えてくれるから。

「……行くぞ」

エレオールの様子を少し心配そうに見やる村雨だが、意を決したかのようにクルーザーのアクセルグリップに掛けた手に力を込める。
クルーザーがゆっくりと動き出し、独歩との距離が少しずつ開いていく。
だが、そんな時、クルーザーのエンジンの排気音に紛れながら独歩が小さく呟いた。
とても小さな声であるため、本当に届いたのかはわからないが。
自分の傍を過ぎ行く村雨達に――いや、エレオノールに対して。

「――頑張れや」

独歩は背中を向けながら、短い言葉を送る。
それは彼なりの優しさだったのかもしれない。

439 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:12 ID:LeGlD0Tg
【E-2 南西部/2日目 早朝】
【村雨良@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]全身に無数の打撲、頬に軽い腫れ 全身に更なる重度の打撲傷を負う 核鉄の治癒力により回復中
[装備]十字手裏剣(0/2)、衝撃集中爆弾 (0/2) 、マイクロチェーン(2/2) 核鉄(ピーキーガリバー)@武装錬金
[道具]地図、時計、コンパス、 女装服
    音響手榴弾・催涙手榴弾・黄燐手榴弾、
[思考]
基本:BADANを潰す!
1:ハヤテの遺志を継ぎ、BADANに反抗する参加者を守る
2:ヒナギク、覚悟、かがみ、エレオノールと共に学校へ向かい、パピヨン、アカギ、斗貴子と合流。
3:2が終わった後、繁華街のホテル(E-2中心部)で再集合。
4:かがみを守る
[備考]
※傷は全て現在進行形で再生中です
※参戦時期は原作4巻からです。
※村雨静(幽体)はいません。
※連続でシンクロができない状態です。
※再生時間はいつも(原作4巻)の倍程度時間がかかります。
※D-1、D-2の境界付近に列車が地上と地下に出入りするトンネルがあるのを確認しました。
※記憶を取り戻しました
※独歩、覚悟と情報交換をしました。
※光成がBADANに脅されていると考えています。また、BADAN側にも強化外骨があると推測しています。
※勇次郎の放送を聴きました。
※エレオノールから改心に至る事情を聞きました
※ラオウ、勇次郎との戦闘を経て戦闘技術が劇的に向上しました
※神社で立ったまま微笑んで死ぬ死体(劉鳳)を見ました。
※ジョセフと和解しました。
※怒り等感情に任せて行動しないよう自制する事を覚えました
440Classical名無しさん:08/05/28 01:13 ID:JCyDIGnI
    
441 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:14 ID:LeGlD0Tg
【柊かがみ@らき☆すた】
[状態]:全身に強度の打撲、左腕欠損(止血済み)、休息により(?)それなりに回復 、核鉄の治癒力により回復中
[装備]:巫女服
[道具]:二アデスハピネス (核鉄状態)@武装錬金 ニードルナイフ@北斗の拳
[思考・状況]
基本:BADANを倒す
1:みんな元気になれっ……もちろん自分も
2:村雨と行動を共にする
3:神社の中にある、もう一つの社殿が気になる。
4:川田を止める

[備考]
※光成がBADANに脅されていると考えています。また、BADAN側にも強化外骨があると推測しています。
※勇次郎の放送を聴きました。
※零の暗雲についての推測を知りました。
※かがみの主催者に対する見解。
@主催者は腕を完璧に再生する程度の医療技術を持っている
A主催者は時を越える"何か"を持っている
B主催者は@・Aの技術を用いてある人物にとって"都合がイイ"状態に仕立てあげている可能性がある
Cだが、人物によっては"どーでもイイ"状態で参戦させられている可能性がある。
※首輪の「ステルス機能」および「制限機能」の麻痺について
かがみがやった手順でやれば、誰でも同じことができます。
ただし、かがみよりも「自己を清める」ことに時間を費やす必要があります。
清め方の程度で、機能の麻痺する時間は増減します。
神社の手水ではなく、他の手段や道具でも同じことが、それ以上のことも可能かもしれません。
※ステルス機能について
漫画版BRで川田が外したような首輪の表面を、承太郎のスタープラチナですら、
解除へのとっかかりが見つからないような表面に 偽装してしまう機能のことです。
ステルス機能によって、首輪の凹凸、ゲームの最中にできた傷などが隠蔽されています。
※S1駅にハヤテのジョセフに対する書置きが残っています
※神社で立ったまま微笑んで死ぬ死体(劉鳳)を見ました
※村雨との協力を申し出てくれた服部に感謝しています
442Classical名無しさん:08/05/28 01:14 ID:JCyDIGnI
 
443 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:14 ID:LeGlD0Tg
【才賀エレオノール@からくりサーカス】
[状態]:疲労大 全身に火傷 、核鉄の治癒力により回復中。
[装備]:エンゼル御前(核鉄状態)@武装錬金、あるるかん(白金)@からくりサーカス(頭部半壊、胸部、腹部に大きな損傷、全身にへこみと損傷あり)
[道具]:青汁DX@武装錬金、ピエロの衣装@からくりサーカス、支給品一式、生命の水(アクア・ウィタエ)
[思考・状況]
基本:自分を助けてくれた者、信じてくれた者のためになんとしてでも主催者を倒す。
1:仲間達と共に行動する。
2:夢で見たギイたちの言葉を信じ、魂を閉じ込める器を破壊する。
3:ナギの遺志を継いで、殺し合いを潰す。
4:一人でも多く救う。
[備考]
※ジグマール、村雨達(村雨、かがみ、覚悟、ヒナギク、独歩、服部、ジョセフ)と情報交換をしました。
※参戦時期は1巻。才賀勝と出会う前です。
※夢の内容はハッキリと覚えていますが、あまり意識していません。
※エレオノールが着ている服は原作42巻の表紙のものと同じです。
※ギイと鳴海の関係に疑問を感じています。
※フランシーヌの記憶を断片的に取得しています。
※「願いを叶える権利」は嘘だと思っています。
※制限についての知識を得ましたが、細かいことはどうでもいいと思っています。
※自転車@現実は消防署前に落ちています。
※才賀勝、三千院ナギの血液が溶けた生命の水を飲みました。2人の記憶を取得した可能性があります。
 が、断片的かもしれないし、取得していないかもしれません。
 才賀正二の剣術や分解などの技術は受け継いでいません。
※エンゼル御前は使用者から十メートル以上離れられません。 それ以上離れると核鉄に戻ります。
※独歩の言葉が聞こえたかは不明です。
※BADANによって加工された核鉄は本来の核鉄の特性と若干異なる可能性があります(エンゼル御前が勝手に発動するなど)
444Classical名無しさん:08/05/28 01:14 ID:JCyDIGnI
  
445 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:15 ID:LeGlD0Tg
ホテルの前で、一人取り残された愚地独歩。
特にやる事もないのでもう一度身体を休める事もいいかもしれない。
だが、勇次郎とラオウとの戦闘は主に村雨と覚悟が行ったため、独歩が負った負傷はそれ程のものではなかった。
試しに全身を動かし、自分の身体の調子を確かめる独歩。
左腕、左肩の負傷は大きいが特に活動に支障はない。
休める内に休んでおくのも大切な事だと思うが、どうにも時間が勿体無いと独歩は思い始める。
何か出来る事は、暇つぶしになるような事はないか。
そんな事を独歩は考え始めるが――

「そうだ。そういえばヒナギクの嬢ちゃんが言ってたな……」

何か妙案を思いつき、独歩はそそくさと己のデイバックを漁る。
直ぐに名簿を取り出し、メモ帳として用意されたと思われる一枚の白紙を破り取り、支給された鉛筆で文字を書き始める。
『ちょっと宝探しに行って来るわ、その内戻る』。
と、独歩は極めて簡潔に用件を書いた紙を持って、ホテルのエントランスに入り、受付口のテーブルに置く。
一応、紙が飛ばされないようにジャッカルを錘として。
ジャッカルは不死王・アーカードのために作られた専用銃であり、殺傷性能は極めて高い。
かがみやヒナギクのような女子校生は勿論の事、服部にも仕える代物ではない。
使えそうな村雨、覚悟、ジョセフ、エレオノールの四人の装備は充分であったため、独歩が持っていた。
しかし、独歩はそんなジャッカルをあっけなくホテルへ放置し、直ぐにエントランスから出ようとする。

「……と、こいつらもいらねぇな」

と思いきや、独歩は他の支給品――ベレッタM92、仕込み傘、棍棒、麻雀セットをドア近くのソファに適当に放置した。
数多くの支給品を手放した独歩。
446Classical名無しさん:08/05/28 01:16 ID:JCyDIGnI
            
447 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:16 ID:LeGlD0Tg
だが、不思議と彼の表情には全くそれを惜しむような顔は見られない。
何故なら、独歩がこれから行う事――『宝探し』には不必要なものだから。

「確かH-4だったなぁ。ちぃーっと距離があるが……まぁいい暇つぶしになるだろうよ」

独歩が行おうとしている事。
それは先程の休憩の時、ヒナギクがふと思いだしたように、自分の最初の支給品を忘れてきたという話に関係している。
アレクサンド・アンデルセンから逃げる時にH-4の森林地帯にデイバックを落としてしまったヒナギク。
そう。独歩はそのデイバックを探しに行こうとしていた。
もしや、とてつもなく良い支給品が入っている可能性もあるため、回収する事に越した事はないからだ。
そして、日々鍛錬を積んだお陰で培われた独歩の身体能力は常人を遥かに越えるといっても、銃などを持ち歩いては速度が遅くなるのも当然。
そのために、身体を軽くするためにも独歩はジャッカルなどを放置を決めた。
ホテルから出た独歩は素早く地図とコンパスを取り出し、自分の行くべき方向を確認する。

「へっ……やっぱり、俺には銃なんて似合わねぇなぁ……」

一度は使い慣れていない銃さえも使って、闘う事を決意した独歩。
独歩は大人といえるほど充分な歳は取っているが、人格者という程素晴らしい人物とはいい難い。
相手に勝つためなら、たとえ騙まし討ちを使う事になっても一切のためらいは持たない。
だが、それでも独歩は銃を使う事に抵抗があったのかもしれない。
銃を一切手放した事で不思議と心が軽くなっていくような感覚が独歩を襲う。

(ケンシロウ……てめぇが守りたかったものは全部俺が引き継いでやるぜ。
だから、そこで見とけ……)

早すぎた死を迎えたケンシロウに独歩は思いを飛ばす。
顔を上げればどこまでも広がっていそうな青空が広がっている。
顔を撫でる様な風の心地よさに少し眼を細めながら、独歩はあるものを取り出す。
それは六角形の形をした金属片――核鉄。
448Classical名無しさん:08/05/28 01:16 ID:SURpjZgA
 
449Classical名無しさん:08/05/28 01:16 ID:JCyDIGnI
     
450 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:17 ID:LeGlD0Tg
「武装錬金」


初めて武装錬金を発動させる独歩。
核鉄が分解し、BADANの技術によって固定された武装錬金が形を成していく。
山吹色の輝きを放つ太陽の槍ではない。
銀色の煌きを放つ六本の処刑鎌でもない。
漆黒の闇を齎す黒死の蝶々でもないもの。

(力を借りるぜ……嫌でも貸してもらうけどなぁ!)

それは服部平次が一番上手く扱えると思われる独歩に、使ってくれるように頼んだ武装錬金。
それは自分を王と錯覚し、反逆の拳にその身を打ち砕かれた男が使っていた武装錬金。
それは反逆の志を受け継いだ、かっての外道が己の誇りにしていた武装錬金。
それは揺ぎ無い正義を翳し、最期までその正義を失わなかった男の武装錬金。
それは自分の死よりも自分自身の喪失を恐れ、綱渡りの人生を渡ってきた男が使っていた
武装錬金。


「さて……行こうか。何が出てくるか……楽しみだぜ」

ヒナギクから譲ってもらった武装錬金・シルバースキンを全身に纏い、独歩が口を開く。
シルバースキンは己の格闘術を用い、相手に打撃を与える武装錬金。
これほどまでにも独歩向きの支給品は他にもないだろう。
そして独歩は自分の目的を再確認する。
未だ知らないヒナギクの支給品。
――もしかすれば取るに足らないものが入っているかもしれない。
――もしかすれば主催者達の居場所を記した地図のようなものが入っているかもしれない
――そして、もしかすれば勇気ある伊藤博士が密かに入れた秘密兵器というべき支給品が入っているかもしれない。
テンガロンハットを被り、独歩が一陣の風となり、地を駆ける。
この殺し合いを潰す――揺ぎ無い意思を胸に抱きながら。
451Classical名無しさん:08/05/28 01:17 ID:JCyDIGnI
        
452Classical名無しさん:08/05/28 01:17 ID:SURpjZgA
  
453 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:18 ID:LeGlD0Tg
【E-2 南東部/2日目 早朝】

【愚地独歩@グラップラー刃牙】
[状態]:体にいくつかの銃創、頭部に小程度のダメージ、左肩に大きな裂傷 左腕を深く抉られている
[装備]:キツめのスーツ、(15本)、シルバースキン@武装錬金
[道具]:基本支給品一式×2、首輪×2 、懐中電灯@現地調達、包帯と湿布@現地調達    
[思考・状況]
基本:闘うことより他の参加者 (女、子供、弱者) を守ることを優先する
1:H-4でヒナギクの支給品を探す(時間は未定)
2:可能なら、光成と会って話をしたい。
3:適当な時に繁華街のホテル(E-2中心部)へ戻る

[備考]
※パピヨン・勝・こなた・鳴海・覚悟・村雨・ヒナギク・かがみと情報交換をしました。
※刃牙、光成の変貌に疑問を感じています。
※独歩の支給品にあった携帯電話からアミバの方に着信履歴が残りました。
※BADANの存在を知り、かがみから首輪のステルス機能の事、解除方を知りました。また零の暗雲についての推測も知りました。
※愚地流奥義にしたいと思っている技を会得しました(意を消した拳、これを拳のみならず他の空手技にも用いる事が出来る)
※繁華街のホテル(E-2中心部)内に ジャッカル@HELLSING(残弾数1)、神楽の仕込み傘(強化型)@銀魂、ベレッタM92(弾丸数0/15)、ハート様気絶用棍棒@北斗の拳
鷲巣麻雀セット@アカギ、置手紙が放置されています。


【村雨、かがみ、覚悟、ヒナギク、独歩、エレオノール、服部、ジョセフ、八人の共通備考】
※一通りの情報交換は終えています
※神社、寺のどちらかに強化外骨格があるかもしれないと考えています。
※主催者の目的に関する考察
454 ◇14m5Do64HQ氏の代理投下:08/05/28 01:18 ID:LeGlD0Tg
主催者の目的は、
@殺し合いで何らかの「経験」をした魂の収集、
A最強の人間の選発、
の両方が目的。
強化外骨格は魂を一時的に保管しておくために用意された。
強化外骨格が零や霞と同じ作りならば、魂を込めても機能しない。
※五人の首輪に関する考察及び知識
首輪には発信機と盗聴器が取り付けられている。
首輪には、魔法などでも解除できないように仕掛けがなされている 。
首輪にはステルス機能があり、身を清め水を掛ける事で解除可能
※五人の強化外骨格に関する考察。
霊を呼ぶには『場』が必要。
よって神社か寺に強化外骨格が隠されているのではないかと推論
※BADANに関する情報を得ました。
【BADANに関する考察及び知識】
このゲームの主催者はBADANである。
BADANが『暗闇大使』という男を使って、参加者を積極的に殺し合わせるべく動いている可能性が高い。
光成は司会役として脅されている。
BADANの科学は並行世界一ィィィ(失われた右手の復活。時間操作。改造人間。etc)
主催者は脅威の技術を用いてある人物にとって”都合がイイ”状態に仕立てあげている可能性がある
だが、人物によっては”どーでもイイ”状態で参戦させられている可能性がある。
ホログラムでカモフラージュされた雷雲をエリア外にある。放電している。
 1.以上のことから、零は雷雲の向こうにバダンの本拠地があると考えています。
 2.雷雲から放たれている稲妻は迎撃装置の一種だと判断。くぐり抜けるにはかなりのスピードを要すると判断しています。
※雷雲については、仮面ライダーSPIRITS10巻参照。
455Classical名無しさん:08/05/28 01:19 ID:JCyDIGnI
    
456Classical名無しさん:08/05/28 01:20 ID:LeGlD0Tg
代理投下終了

投下乙!
対主催メンバーのほのぼのとしたやり取り、楽しみました。
独歩ちゃんの覚悟完了、ヒナギクの決意、打ち解けるエレオノールと見所が一杯。
今後のラストバトルが楽しみなる一話でした!
GJ!
457Classical名無しさん:08/05/28 01:24 ID:JCyDIGnI
投下と代理投下、両氏乙です。
ほう、こうバラけましたか。
ジョセフ・服部、ヒナ・覚悟、独歩、村雨・かがみ・エレ……全部のパート続きかきてええw
御前が実にいいキャラだ。

それにしてもこんな多人数を捌けるってのは、すごいなあ。
458Classical名無しさん:08/05/28 18:27 ID:cJYgs22Y
投下&代理投下乙
生存者の6割が集まる学校の行方が気になります
指摘なんですが決戦に集まったのは10人ではないでしょうか?
それと三村の名前が間違っています
459Classical名無しさん:08/05/28 18:44 ID:SURpjZgA
投下&代理投下乙!
悪鬼や修羅を駆逐しようやく光を垣間見た一話でした!
村雨やエレオノール、お前達みたいにこう易々と修正効くような舞台はそうそうないぞw
支給品の分配も申し分なし、特に承太郎のDiscの行方に期待○!
あとは…この期に及んでちゃっかりフラグ立ててる連中とか別に羨ましくないんだからね!
460Classical名無しさん:08/05/28 20:56 ID:PQ7MrBVE
やべぇ、独歩ちゃんにシルバースキンなんて
ハードボイルドすぎて脳汁出そうな絵面だ…GJ!
461Classical名無しさん:08/05/28 21:19 ID:cF0lCchg
投下&代理投下乙です

もの凄い今更な指摘なのですが
御前様は早坂桜花と意識を共有しているので
彼ではなく彼女のはず
ということで
かがみ、ヒナギク、エレ、御前の女の子キャラの強さと優しさに泣ける
1人でも多く生き残って欲しいぜ
462 ◆14m5Do64HQ :08/05/28 22:33 ID:8sD1vtMw
感想どうもありがとうございます。

>>456
代理投下本当にありがとうございました!
お疲れさまです。

>>458
ご指摘あちがとうございます。
wikiに収録され次第修正しますね。

>>461
あ、うっかりしてました……どうもありがとうございます。
此方もwikiに収録され次第修正します。
463 ◆DO.TxVZRzg :08/05/29 01:50 ID:ry5HERg.
お久しぶりです。前回投下後、トリップが漏れてしまいましたので、旧トリップで失礼いたします。
投下お疲れ様です。
そろそろ、首輪が全員外れるかと思いきや、まだまだ色々とありそうな展開で嬉しく思っています。
それに、皆色んなところにバラけましたね……とりあえず、放送が楽しみです。


一点連絡というか、質問なのですが、
ここの地図はどうやって作っているのでしょうか?
近く開催される新ロワのために、同じような地図を使いたいと考えているので、出来れば教えていただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
464勉強男 ◆drwetRDQqY :08/05/29 11:01 ID:yCefNJ3A
乙!
 
4月からまとめ読み始めてようやく本スレに追いついた。
完結に間に合ってよかった。
ここからは俺も漫画ロワの支援に参加するぜ(≧▽≦)ゞ
465Classical名無しさん:08/05/29 11:06 ID:v9OYJehQ
>>464
おお久しぶり!
元気だったか?
466勉強男 ◆drwetRDQqY :08/05/29 11:23 ID:yCefNJ3A
>>465
完結に近い他ロワで別トリで書き手してました。
時間があればその内こっちでも書く予定だよ(^_-)☆
467Classical名無しさん:08/05/29 12:40 ID:rqezf5cY
>>466
懐かしすぎるwww
まだ居たのかwwwwwwww
ジャンロワ全盛期の頃だったから5年くらい前か?
まだロワスレに居たのかw
なんか、久しぶりに同窓生に会った感覚だよww
昔は嫌いだったけど、同窓会で会うと嫌いじゃないっていう感覚だwww
468Classical名無しさん:08/05/29 12:56 ID:v9OYJehQ
そうだな、あれから色々あったしな
今となっては親しみすら感じるよ
469Classical名無しさん:08/05/29 16:48 ID:/A4QHzf6
・・・凄い自演を見た気がする。
470Classical名無しさん:08/05/29 21:05 ID:OnChid96
漫画ロワ、消滅のお知らせ
471Classical名無しさん:08/05/29 23:24 ID:9QzBTUCM
>>210-271
の『乱』と『AWAKEN』は、wikiに保存しない作品なのか?
472Classical名無しさん:08/05/30 20:38 ID:WJPiOZxM
君たちはよく「テラワロス」とかいうが、本当に「テラ」なのか?
大体「テラ」って何のことか分かって言ってるのか。
「寺」の事じゃないぞ。
テラ(tera)とは、10の12乗。
分かりやすく言えば一兆だぞ一兆。
とうふ一丁とは訳が違う。
例えば、一回の笑いが3秒と計算すると、実際に「テラ」倍「ワロス」するには、
分に直すと50000000000分、
時間に直すと833333333.33333333333333333333333時間、
日に直すと34722222.222222222222222222222221日
年に直すと95129.375951293759512937595129372年だ。
本当にそんなに笑い続けることが出来る人間がいたら見てみたい。
絶対に見れねーけどな。
いいか、おまえら。
いくら2ちゃんねるとはいえ、そんなできもしないことを書くな。
言葉はもっと厳選してつかえ。
せいぜい「5倍ワロス」くらいにしとけ。
わかったか。
そんな嘘ばっかりついていると、いつか泥棒さんになっちゃうわよ。
473Classical名無しさん:08/05/30 20:52 ID:u1fRQ8Nc
なんか痛い奴が沸いてるなあ
474Classical名無しさん:08/05/30 22:15 ID:3RDFeCTA
>>472
いったいどんな誤爆だ?力抜けよ
475Classical名無しさん:08/05/31 12:50 ID:XH8hqOPw
>>472
テラワロスw
476Classical名無しさん:08/05/31 13:07 ID:PrpZRa7U
大地的な意味でのテラなのさ
477Classical名無しさん:08/05/31 13:16 ID:a2jj6xNY
テラフォーミングのテラだろjk
478Classical名無しさん:08/05/31 18:43 ID:NmjCQLsM
 トキワ荘のテラさん的なテラだよ。
 ひどいやつらだ。
479Classical名無しさん:08/05/31 18:46 ID:8Ao/d4HI
テラさんはいい人だよなぁ、俺も金貸して欲しい
480Classical名無しさん:08/05/31 18:51 ID:PrpZRa7U
なんだこの流れwww
481Classical名無しさん:08/05/31 19:27 ID:5ylGtDCs
よいけいきのなみがきておる
のテラじゃないのか
482Classical名無しさん:08/05/31 19:56 ID:TyjnrE9U
                / ⌒ヽ
                /      \
              ,.-‐''⌒ヽ   ,.=、  ヽー、
              ,〃/∠彡ニ\ (.fゃ)  |  j
            /       ミ彡三ヘ`=´   | |
         /       ミ彡三∧    j ./
           ト ャ''"    ミ彡三∧.   //
        」i _;''_,    ミ彡'ニミヘ、 〃
          リ ´ ̄     リ´ f'`ij }/「i|
         ヽ-         '´/ソ'川||
         ヽ一       「彡'川ll.|||
          T   _   / ´ j||.川||
           ` ̄了、     i! 川.川|
              _」. \    | j| 川|ト、
        _/ ̄  \  \   '_/./川 `
        ̄       `    ̄  ´
       ネゴトワ・ネティエ[Negtva Netie]
       (ルーマニア.1935〜54)
483Classical名無しさん:08/05/31 19:59 ID:OEI3ogKY
地球(テラ)へ……
のテラだろう……って、これは>>477と被ってるか
484Classical名無しさん:08/06/01 23:05 ID:ik5n1/w.
流れをブチ斬ってちょっと質問

原作では木刀正宗は所有者の身体能力アップさせるとかで、ヒナギクがハヤテと互角に戦ったりしてたけど、
このロワの中ではどれくらいの戦力になるんだろうか?

ライスピでいうならライダーマンクラス? それともSPIRIT部隊ぐらいかな?
485Classical名無しさん:08/06/01 23:08 ID:7AKCfjGU
>>484
まあ、SPIRIT部隊クラスが妥当じゃない?
ライダーマンまでいくといき過ぎ。
弱い弱い言われているけど、さすがにそこまでいくと萎える。
486Classical名無しさん:08/06/01 23:40 ID:ik5n1/w.
>>485
Thx
となると雑魚戦闘員ならともかく、怪人はキツイか
ライダーマンクラスはドッポやエレノン(装備込み)あたりで考えた方が良いかな
487Classical名無しさん:08/06/01 23:45 ID:zaSao3os
正直、強さ番付はやり辛くなるだけなんだ。
逆転とかもパロロワの楽しみなんだし、誰が誰を倒しても問題はないと思うぜ。
488Classical名無しさん:08/06/02 13:08 ID:QUZu3Bac
ライダーマンヘルメットまだ残ってるんだっけ?
キャラ的にもう独歩しか使う奴いないと思うが、使ったとしたらシルバースキンとあいまってヤバいことになりそうだ
489Classical名無しさん:08/06/02 21:57 ID:EOGTEPsE
>>488
パピヨンが川田から剥いで持ってるね。
アレって常人が付けても身体能力が強化されるようだけど、本物のライダーマンほどにはならないよね?
となると、おおよそ正宗みたいなモノと考えていいのかな。
それなら服部が持っても面白いかも。
ヤツの頭脳でライダーマンメット+モーターギアというのもヤバそうだし。
490Classical名無しさん:08/06/02 22:14 ID:Yqvoa9uU
もうかなり過ぎた事になるが
ライダーマンメットは鳴海に着て欲しいという気持ちがある
491Classical名無しさん:08/06/03 13:46 ID:UruVob4s
パッツンパッツンの黒スーツを着て妙なヘルメットを被って、
両腕がドリルと剣になってるガチムチの変態兄貴ですね、分かります
492463 ◆DO.TxVZRzg :08/06/03 23:13 ID:DGT4FnAE
お久しぶりです。463の内容を催促するようで申し訳ありませんが、
こちらの地図の仕組みについて教えてはいただけないでしょうか。
一応、私も色々と調べ
ttp://interface.eyecon.ro/demos/drag.html
のように、物を移動する事ぐらいは理解できるようになりました。
しかし、ここで使われているシステムだと、移動した位置を保存する必要が出てくるようです。
恐らく、死亡者/生存者表示の切り替えや、スタンスの切り替えは調べれば何とかなると思うのですが、
位置情報やスタンス、リンク先などの保存のやり方がわからないので、ご教授いただければと思います。

大変申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。
493Classical名無しさん:08/06/04 01:52 ID:cWK007Rg
クロスオーバーがロワの醍醐味、なので
シルバースキン+ライダーマンメット+モーターギア+木刀正宗
みたいなフル装備が一回見てみたいw
これなら零やゼクロスにも劣ってないと思うんだ
494 ◆1qmjaShGfE :08/06/04 13:44 ID:rHjcNcdI
>>492
現在地図を管理している者です。
少し込み入った話になりそうですので、チャットの方でお話する時間を取るのが良いかと思うのですがいかがでしょうか?
夜10:00以降でしたらこちらはいつでも大丈夫ですので、もしよろしければ都合の合う日時の指定をお願いします

http://chat2.whocares.jp/chat/cr.jsp?rn=CCBR  (トリップキーを入れれば鳥が入る仕様になっております)
495 ◆DO.TxVZRzg :08/06/04 20:34 ID:SjdoU.gQ
>>494
お忙しい中、お返事ありがとうございます。
ですが、本日22時のチャットには間に合いそうにありません。
24時頃でしたらば、なんとか間に合わせる事が出来ると思っております。
こちらから質問させていただいているのに、大変申し訳ありません。
496 ◆1qmjaShGfE :08/06/04 20:39 ID:rHjcNcdI
>>495
24:00了解しました。ご期待に添えない部分あると思いますが、どうぞよろしくお願いします
497 ◆1qmjaShGfE :08/06/04 22:07 ID:rHjcNcdI
一時投下スレに第五回放送案投下しました。禁止区域は文中に仮にですが記入してあります
その事も含めまして、ご意見、ご指摘等よろしくお願いいたします
498Classical名無しさん:08/06/04 22:26 ID:tcamDveg
仮投下乙。感想は後に取っておくとして、気になったところを。
プッチがガモンに対して敬語になったのはどういった理由からでしょうか?
499Classical名無しさん:08/06/04 22:32 ID:IPYLh1YQ
投下乙です。
特に問題はないかと。
感想は本投下時に。
500Classical名無しさん:08/06/04 22:39 ID:oQRx/ZzY
投下乙。
文句なし問題無し。
強いて言うなら、美形さんをフルネームで呼んでやってください。
501Classical名無しさん:08/06/04 22:47 ID:iH0W8uw.
仮投下乙です。
ひとつ気になったのは、赤木が首輪を解除した時間と川田が死亡した時間とでは、赤木が首輪を解除した時間の方が早いので、赤木の名前の方が先に呼ばれるのではないでしょうか?
502Classical名無しさん:08/06/04 22:57 ID:oQRx/ZzY
>>501
毒吐きに書いたけど、アカギの死亡が確認がとれたのは、
川田が死んでからかも知れんし、そこの所は正直どっちでもいいのでは。
正直微妙だ。
503Classical名無しさん:08/06/04 23:21 ID:oQRx/ZzY
放送案も来た事だし、そろそろ
>>340->>454
【信じるということ/GET WILD 】
をwikiに乗せてもいいんじゃないか?

え?なぜ俺がやらないかって?出来ないんですよorzヤクンタテナクテスマン
504 ◆1qmjaShGfE :08/06/05 22:45 ID:JjumwX4A
みなさんご指摘ありがとうございます
指摘のあった二点、プッチ神父が敬語を使っている点、ジグマールだけがフルネームで無い点を修正しました
赤木死亡に関しては、BADAN側で死亡確認が取れたのが236話であったためこの順番という形でしたので、このままにしようかと思います

特に問題無ければ、本スレ投下しますが……禁止区域はあのままで構わないでしょうか?
さりげなく工場地帯進入禁止、独歩の移動先、決戦会場進入禁止&繁華街の半分と地下鉄がほぼ使用不可となるようにしてあるのですが……
505Classical名無しさん:08/06/05 22:50 ID:F/mZslag
修正乙です。
禁止区域はあのままで、本スレに投下して構わないと思います。
506Classical名無しさん:08/06/05 22:56 ID:/kdv822A
独歩さんはそんな事されても平気さ!!
本スレ投下期待。
507Classical名無しさん:08/06/06 00:30 ID:9FUkQknE
う〜ん、人がいないな…
508Classical名無しさん:08/06/06 00:43 ID:zIuaNff6
修正乙です。
細かいことですが赤木の名前がカタカナになっているのでひらがなに直したほうが良いと思います。
509第五回放送 ◆1qmjaShGfE :08/06/06 01:01 ID:EPJ3AhuY
では、第五回放送投下します
510第五回放送 ◆1qmjaShGfE :08/06/06 01:02 ID:EPJ3AhuY
真っ黒なスーツに身を纏う精悍な顔つきの青年。
出先から全ての予定をキャンセルしてまで駆けつけた彼はひどく不機嫌だった。
「事情の説明も無しでいきなり召集ってなどういう了見だよ」
会議室の最前列に座り不満を述べる。
すぐ隣に座っていた天然パーマ気味の中年の男は彼の仕草を見て苦笑する。
「それほどの事態だという事です。それがわかってるからこうして来てくれたのでしょう」
見た目より若さを感じさせる声。
会議室に居るのは彼等二人と、モニターの前に立つ白衣を身に付けた少年の三人だけだ。
「早速だけど説明に入らせてもらうよ。まずは佐久間からよろしく」
少年の言葉に、佐久間と呼ばれた中年に見える男は頷いた。
「ここ一年の間に世界中で起きた行方不明事件、この内数パーセントがBADANによるものであると本部は断定しました」
大きな音を立て、黒スーツの男が席を立つ。
「ちょ、ちょっと待てよ。BADANはとっくに……」
白衣の少年がモニターの電源を入れると画面に数字と文字の羅列が映る。
少年の説明によると、痕跡を残さぬ行方不明事件が数件発生しているとの事。
それだけならばさして気にも留めない所だが、一点注目すべき点を見つけたのだ。
目撃証言の中に『まるで魔方陣か何かに吸い込まれるように消えていった』という記述があったのだ。
かつてBADANが駆使した移動手段に同様のものがある。
これはBADANならではの高度な科学力が無くては為しえない技術であり、これをきっかけに調査を進めた所、以上の結論に達したのだ。
黒スーツの男、滝和也は衝撃を隠せず呆然と立ちすくむ。
「……何かの間違いだろ。BADANに居た技術者の生き残りの仕業とか……」
少年は苦しそうに眉をひそめる。
「ある程度の組織力に裏づけされた研究機関が無いとあの技術の再現は不可能だよ」
佐久間が言葉を続ける。
「世界中の研究機関を調べました。技術主任が言う規模での研究機関設立が可能な組織全てもです。
 結果は全てシロ。そんな研究施設はこの地球上に存在しないというのが我々の結論です」
白衣の少年、スピリッツ技術顧問ビクトル・ハーリンのお墨付きである。
511第五回放送 ◆1qmjaShGfE :08/06/06 01:02 ID:EPJ3AhuY
調査機関は現在地球上で最も強い影響力を持つと言われるスピリッツ機関。
滝も認めざるを得ない。
かつて10人の仮面ライダーがその命と引き換えに倒した組織、BADANが蘇ったのだと。
滝の苦悩が理解出来るのか、殊更に事務口調を続けるビクトル。
「大首領は封印時でもこちら側に影響力を及ぼす事が出来る。その力で誰か、そうだねやはりガモンと見るのが妥当かな。
 彼を復活させ異空間を根拠地に力を蓄えている。これがボクの出した結論だ。佐久間の裏づけもとってある」
ビクトルは遺伝子工学を専門とするが、彼の人類にはありえぬ高度な知能が導き出した結論は、全ての分野において重要な指標たる。
だから佐久間は時折重要な判断を彼に尋ねるようにしているのだ。
乱暴に机を殴りつける滝。
「ふざけんな! あいつ等がどんな思いで連中を叩き潰したと思ってんだ!
 それがものの三年で復活しただと!? そんな話どうやって信じろってんだ!」
ビクトルは震える手で書類を握り締める。
「……ボクが、好き好んでこんな事言ってるとでも……思っているのか……」

三年前、十人の仮面ライダーの犠牲の元、大首領の再封印は成し遂げられた。
しかし戦いの傷跡は随所に残り、各地の治安は乱れに乱れていた。
唯一残った組織立った戦闘集団スピリッツは、決断を迫られる。
設立時の目的に従い解散するか、それ以外の道を選ぶか。
最高責任者である佐久間の決断は早かった。
組織内の反対意見を纏め上げ、偉大な業績を背景に世界規模の警察機構を設立。各地の復興に尽力すると決めたのだ。
後に佐久間は当時の苦労をこう語っている。
「一番苦労した事? 決まってます、滝さんを説得する事ですよ。本気で殺されかねない勢いでしたから……」

世界各地から集められる情報を元に、ビクトルが分析を開始する。
滝は各地に散ったスピリッツの猛者を集め、有事に備える。
佐久間はこれらを統括しながら情報の秘匿に努める。
それぞれが役割を果たす中、滝は忙しいスケジュールの合間を縫い友人へ電話をかけた。
512第五回放送 ◆1qmjaShGfE :08/06/06 01:03 ID:EPJ3AhuY
「よう戦友、元気か」
『滝! ええ元気よ。たまにはこっちにも顔出しなさいよ』
「色々とあってな。そっちの生活はいい加減慣れたか?」
『はぁ……母親がこんなに大変なんて思わなかったわよ』
「おいおい、早速愚痴かよ」
『そんなんじゃないわよ! それにこの子の顔見てるだけで疲れも愚痴も全部吹っ飛んでくれるんだから』
「そいつは良かった。大きくなってんだろうなぁ、顔見るのが楽しみだ」
『もちろんよ、だから休暇が取れ次第遊びに来なさい。きっとびっくりするわよ』
「ああ、その時は連絡する、じゃな」
ほんの一分前後の会話。
たったそれだけで、こんなにも勇気が沸いてくる。
全てを賭けて守り抜いてみせる。
かつて友がそうしたように。

電話を切ると、アンリはエプロン姿のまま小走りにベッドルームに向かう。
ピンクや白のレースを基調とした少女趣味全開のその部屋の中心にベビーベットが置かれていた。
アンリが覗き込むと、嬉しそうに笑いながら手を伸ばしてくる。
持ちうる愛おしさの全てを込めて抱き上げる。
「滝おじちゃんが遊びに来てくれるって、良かったでちゅね〜」
アンリの手の中で赤子は顔をくしゃくしゃにして両手を振る。
「そっか〜、嬉しいでちゅね〜。いっぱい遊んでもらいましょうね〜」
一緒になってアンリもはしゃいでいたのだが、キッチンから何やら物音が聞こえてくる。
「ん? ……きゃああ!! お湯かけっぱなし!」
慌てて赤子をベッドに寝かせると、キッチンに駆け込む。
案の定キッチンは吹き零れたお湯で水浸しになっていた。
大きく首を落とすアンリ。
「またやっちゃった……つくづく私って家事に向いてないのよね……」
513Classical名無しさん:08/06/06 01:03 ID:Lxi6244g
    
514第五回放送 ◆1qmjaShGfE :08/06/06 01:03 ID:EPJ3AhuY
しかし落ち込んでいるのも僅かの間。
すぐに気を取り直して雑巾を握る。
「フン、お母さんはこれぐらいじゃ負けたりしませんからね」
そこには三年前より更に逞しくなった母の姿があった。



ビクトルの分析により、BADANの一時拠点の位置が南米の「デビルズテーブル」にあると判明。
直後日本にて街が丸々一つ消えるという事件が発生。街の行き先はそこにあるとスピリッツ側は判断。
滝率いるスピリッツ突入部隊が編成された。
515Classical名無しさん:08/06/06 01:04 ID:Lxi6244g
       
516Classical名無しさん:08/06/06 01:04 ID:9FUkQknE
シエン
517第五回放送 ◆1qmjaShGfE :08/06/06 01:09 ID:EPJ3AhuY
それでは午前6時、5回目の定時放送じゃ。


まずは禁止エリアの発表じゃ。
午前7時からB-3
午前9時からE-2
午前11時からH-4


続いて、この6時間で死んでいった者たちの発表じゃ。


泉こなた
津村斗貴子
神楽
ケンシロウ
マーティン・ジグマール
劉鳳
江戸川コナン
ラオウ
範馬勇次郎
川田章吾
赤木しげる


以上十一人。


お、面白くなるのはここからじゃよ。
今更だとは思うが、各人定められたルールは覚えておろうの。24時間以内に誰も死ななんだら全ては終わりじゃぞ。
ルールを忘れてたなんて事のないよう、スムーズな進行を期待するぞ。
518第五回放送 ◆1qmjaShGfE :08/06/06 01:09 ID:EPJ3AhuY
状況が煮詰まってきている。
積極的に殺しを行う人間が居なくなった今、残る彼等への強制力は、
「24時間以内に一人も死者が出ない場合は全員の首輪が爆発する」というルールだ。
今回はこの事に言及するよう光成はガモンから言いつかっていた。
放送を終え、不安そうに振り返る光成にガモンは不機嫌そうに眉をひそめるだけだ。
その隣のプッチ神父はというと、何か心配事でもあるのか冷静な彼にしては珍しく挙動に落ち着きがない。
放送が終わるなり、プッチはガモンに報告を済ませる。
「先ほど怪人収容所にて怪人の暴走があった」
「何?」
「被害拡大を避ける為独断で処置をしておいたが……いらぬ世話だったか?」
「被害程度は?」
「怪人収容所NO4区画、五十体が全滅、又戦闘員が一人犠牲になっている」
「大きいな……原因は?」
「保存カプセルに残っていた記録によれば、戦闘員が何らかの目的でカプセルを開いた事が原因らしい」
ガモンの視線が鋭くなる。
「……裏切りか?」
「私もそう思い他戦闘員達にも事情聴取を行ったが、どうやら被害に遭った戦闘員の不注意であったようだ。詳細は報告書にて提出する準備があるが……」
改造人間を多用する怪人組織幹部の例に漏れず、ガモンもこの手のヒューマンエラーが大嫌いである。
しかしコマンドロイドや怪人に管理、監視作業を任せる事も出来ず、自然とそれらは拉致してきた人間に任せる事になる。
「対策としては、通路各所に監視カメラの設置を行うのが良いと思うのだがどうだろうか?」
「それを管理する人間が居ないのだろう」
「いや、ダミーカメラならば管理する人間もいらず戦闘員監視の役目を果たせる」
それが本業ではないとはいえ、収容所勤めの長いプッチは効率的な管理ノウハウをある程度知識として持っていたのだ。
「その上で巡視の際はコマンドロイド一体を引き連れる事を義務づければ、戦闘員の動向をチャックするも容易だ」
プッチの言葉にガモンは少し驚いた顔をした後、数度頷いてその対策を取り入れる事にした。
控えめにそう提案するプッチの態度は、ガモンの心証を害するものではなかった。
なのでガモンはこの優秀な男に、一つ相談をしてみる事にした。
519Classical名無しさん:08/06/06 01:10 ID:9FUkQknE
 
520第五回放送 ◆1qmjaShGfE :08/06/06 01:10 ID:EPJ3AhuY
「あの二人が倒されるのは予想外だった。残り人数も少ない事だし、ここで選別をしてしまうのはどうだ?」
つい先ほど倒された優勝最有力候補の二人を指しているのだろう。
強者として認められそうなのは、葉隠覚悟と村雨良の二人に絞られてきている。
他の者では生き残ったとしても、大首領の器としては不十分だろう。
プッチは静かにガモンの言葉を否定する。
「最後の最後でこちらの恣意を入れるのであれば、それは最初から誰か一人を選んでも同じ事……になる」
「しかしここからは時間がかかるだろう?」
「かければよい、例え何かの手違いで首輪を外す事があろうともこの空間から逃げられはしないのだから。
 むしろ誰も殺意を持たぬこの追い詰められた状況こそが、第二の『プログラム』と言っても過言では無い」
横で二人の話を聞いていた光成は苦々しげにプッチを見やる。
「……悪趣味じゃの」
そんな光成をプッチは無視する。
「誰か一人を生贄に二十四時間の猶予を得る。ここまで生死苦楽を共にした仲間同士がそれをどうやって決めるか。
 話し合い? 強い者が勝つ? 皆一様に首を吹き飛ばして死ぬ? どれでも好きに選べばいい。
 私達はその葛藤の中から生まれ出る、真なる意味での強者をこそ必要としているのだから。その為のルールだろう?」

プッチには時間が必要だ。
新月は二日後、それまでにこのプログラムが終了し、事後処理まで終えられたら最後に必要な場所へと逃げ出す隙が無くなってしまう。
もちろんそれまでに首輪を解除する必要がある。それもこのプログラム中、最もサザンクロスが騒々しいこの時間でなくば難しいだろう。
ここは異世界、しかしそれでも神の国への道は閉ざされてはいないらしい。
その証拠はついさっきのあの出来事。
首輪には霊的な防御を用いているという知識はある。
そしてその防御を突破した手段を持つ者が、プログラムの参加者に居るらしい。
何としてでもその者と接触し、この首輪を外す。
そして予想されるBADANの追撃を振り切り、最後の場所、北緯28度24分、西経80度36分へと辿り着かなければならない。
最高の展開は、ガモンに知られる事無く首輪解除を成し遂げ、
参加者達がこの城へと押し寄せ、その対応に苦慮している間にこの城を抜け出す。
521Classical名無しさん:08/06/06 01:11 ID:9FUkQknE
  
522第五回放送 ◆1qmjaShGfE :08/06/06 01:12 ID:EPJ3AhuY
しかしこれは高望みがすぎる。この城を覆う雷雲を突破する能力は彼等には無いだろうから。
焦りは禁物だ。だからといって無為に時間を費やすのも愚の骨頂。

「……もし良ければ参加者達の殺し合いを促進すべく私が手を回すが……策はある」
「ほう、言ってみろ」

現在の参加者構成から、次の24時間までの生贄とされそうな人物、最も精神の不安定なエレオノールを堕とす。
彼女は自分の身を犠牲にするも厭わぬと言ってはいるが、プッチの持つとある情報を渡す事で彼女は堕とし得る。
彼等が信頼する仲間であるパピヨンが、彼等が決して許さないだろう理由で津村斗貴子を殺害している事実。
この時の会話を録音したデータを聞かせれば、エレオノールは慣れぬ正義への義務感から暴走する。
幸い彼らは別行動をしてくれている。後々になって揉め出す前に布石を打っておくというのだ。
プッチの策をガモンは了承する。
彼の策がうまくいけば、強固な精神を誇る彼等の間に疑心暗鬼の芽を残す事が出来る。
それは恐怖による人心のコントロールを考えているガモンにとって、有益なテストケースとなり得るであろう。

こうしてプッチ神父にプログラム会場への移動許可が降りた。
この機会に首輪解除の手段を手に入れ、参加者達のサザンクロス襲撃に知恵を貸す。
当然リスクはあるが、全ては彼の計算通りであった。
523第五回放送 ◆1qmjaShGfE :08/06/06 01:13 ID:EPJ3AhuY



プッチ、光成と別れ玉座に戻るガモン。
暗闇大使として蘇り、世界征服に挑むも志半ばにして倒れた。
そんな未熟な自分を再び拾い上げてくれた大首領には返しきれぬ恩がある。
今回ガモンは世界征服よりも大首領復活を優先しているのはその為だ。
今は自らの持つ全ての力を大首領復活に注ぎ込む。
その後に予定している世界征服だが、ガモンはさほど心配はしていなかった。
前回の戦いで人間も怪人との戦いに慣れたようだが、それでも仮面ライダーの失われた世界なぞ赤子の手を捻るようなものだ。
もちろんあの頃の戦力は望むべくもないが、ガモンの持つ怪人復活能力を用いて既に300体の怪人を再生している。
コマンドロイドの製造も順調だ。負ける要素は何一つ無い。
何かと生意気な態度が鼻に付いたタイガーロイドは改造が半ばの状態から呼び出し、プログラムに参加させる事で溜飲は降ろした。
大首領の気まぐれにより既に倒したはずの仮面ライダー一号と仮面ライダーゼクロスを呼び出す事になったが、
仮面ライダー一号も同様にプログラムにより消去する事に成功した。
忌々しいゼクロスは健在のようだが、一号ですらこうして簡単に倒す事が出来たのだ。
今更奴がどう足掻こうと何時でも殺しうる。
「仮面ライダーが居ないだけで、こうも簡単に事が運ぶようになるとはな」
このプログラムの進行において幾つか癇に障る事はあったにせよ、概ねガモンの思惑通りに進んでいた。
開始早々タイガーロイドが倒されたと聞いた時は、余りの愉快さに声を上げて笑ったものだ。
仮面ライダー一号がラオウという男に倒されたという報告は、最高の酒の肴となった。
津村という女がガモンの誘いを真に受けて人を殺して回った時なぞ、映像装置を用意しなかった事を本気で悔いたものだ。
プッチという使える部下も見つけた。奴の持つスタンドの知識と技術はBADANの技術を更なる高みへと引き上げてくれるだろう。
赤木という虫ケラにあそこまでの怒りを感じたのも、今までが余りに好調すぎたせいであろう。
「大首領も退屈されているのだろう。しばしお待ちあれ、計画は完璧でございます故……」
一々些事を確認するまでもない。
そう思い、ガモンは赤木の件を大首領に問いただすのは止める事にした。
524Classical名無しさん:08/06/06 01:13 ID:Lxi6244g
           
525Classical名無しさん:08/06/06 01:14 ID:9FUkQknE
    
526 ◆1qmjaShGfE :08/06/06 01:16 ID:EPJ3AhuY
以上です、支援ありがとうございました!
予約は6/7(土) 0:00 開始が良いかなと思うのですが、いかがでしょうか
527Classical名無しさん:08/06/06 01:17 ID:Lxi6244g
>>526
投下乙!
アンリをはらませるとは、このほのぼのスキーめww
予約解禁日もそれでもんだいないかと。
GJ!
528Classical名無しさん:08/06/06 01:19 ID:9FUkQknE
投下乙!!

いかにも終盤の終盤っぽい放送の内容でした。
アカギが結構なキーマンになる予兆もありますな。

予約開始はそれでよいかと。
529Classical名無しさん:08/06/08 03:40 ID:wjp78WFo

530Classical名無しさん:08/06/08 22:22 ID:UvoMmOI2
ほぼ一日書き込み無いのは寂しいな……
531Classical名無しさん:08/06/09 01:07 ID:rdFU.E7U
たしかに
532Classical名無しさん:08/06/09 01:53 ID:Pl37kFNI
ネタがないしな
533Classical名無しさん:08/06/09 22:40 ID:E/7xTN4.
今生きているキャラ全員の年齢を知りたいです。
534Classical名無しさん:08/06/09 22:49 ID:HzirTHDo
桂ヒナギク 16歳。ひな祭り生まれ
535Classical名無しさん:08/06/09 23:00 ID:LcmmII/2
ホムンクルス=パピヨン
設定年齢19歳 蟹座のAB型ッ!!!

変t……
――蝶変態だっ!!!
536Classical名無しさん:08/06/10 00:04 ID:8qD8wJFk
アカギ……赤木しげる……19歳
未成年なのに煙草吸ったり、酒を飲んだりします…!

アカギは誕生日がわからんから、
20か19か解らん。
(でも雀荘での出来事が、中学一年の十二歳だったから、
多分19のはず)
537Classical名無しさん:08/06/10 00:22 ID:5XeS.LP6
>>536
雀荘みどりは13の時
538Classical名無しさん:08/06/10 00:29 ID:z9lx7FUQ
柊かがみと服部平次ともに高2だから16か17?
539Classical名無しさん:08/06/10 00:35 ID:8qD8wJFk
>>537
勘違いしてた、スマン

今生き残っているので10代じゃないのは、
独歩ちゃんだけ?(エレはちょっと違うかなと)
540Classical名無しさん:08/06/10 00:54 ID:sEPNgaag
>>539
謝れ! 心は恋する10代なしろがねに謝れ!
541Classical名無しさん:08/06/10 01:18 ID:vUxOlUyY
>>534
まてヒナギクの参戦はヒナ祭り前だから15だ
542Classical名無しさん:08/06/10 01:19 ID:vUxOlUyY
と思ったら9巻最終話はもう3月3日だった
正直スマンカッタ
543Classical名無しさん:08/06/10 06:29 ID:KbBSwOn2
>>535
蝶野攻爵が人間をやめたのが19の時
だから設定年齢は永遠の19歳
参戦時期はそこから誕生日を跨いでるけどね
544Classical名無しさん:08/06/10 11:12 ID:j3BWOTOg
ということはDIO様は永遠の…何歳?
545Classical名無しさん:08/06/10 12:26 ID:H0IIEn2s
マリアさんじゅうななさい
劉鳳は17歳
カズマは生年月日を本人も覚えていないが、公式設定では16歳
546Classical名無しさん:08/06/10 16:21 ID:8qD8wJFk
今までまとめ(生きている奴のみ)

17歳
ヒナギク&かがみ&平次

18歳?
エレオノール

19歳
アカギ、ジョジョ、パピヨン

独歩ちゃんと覚悟と村雨の年齢の詳細希望
547Classical名無しさん:08/06/10 18:04 ID:2YzcMRiU
独歩は55歳、村雨は特撮版では26歳だったような気がする。
548Classical名無しさん:08/06/10 20:47 ID:sImV69ig
村雨は数年前、大学生の時にBADANに改造されたらしい。
推定年齢は20代前半から半ばかな。
覚悟は高校一年生だから……もしかして、ヒナギクより年下?
549Classical名無しさん:08/06/10 20:55 ID:TOJrhxRY
一年だっけ
550Classical名無しさん:08/06/10 21:06 ID:vUxOlUyY
一巻の学生証は第2学年って書かれてるな
551Classical名無しさん:08/06/10 21:12 ID:ogiKI40s
精神年齢高杉なヤツが大杉てワロタwww
552Classical名無しさん:08/06/10 21:58 ID:8qD8wJFk
まとめその2(>>546はヒナギクが間違っていたとかは気にしない)

・16歳
 ヒナギク
・17歳
 かがみ平次
・18歳?
 エレオノール
・19歳
 アカギ、ジョジョ、パピヨン
・26歳?
 村雨
・55歳
 独歩ちゃん
・高校生?(15〜16歳)
 覚悟
553Classical名無しさん:08/06/10 22:17 ID:qcv7dG8Y
>>552
エレが18歳ってのは、どーなんだ?
554Classical名無しさん:08/06/10 22:26 ID:KbBSwOn2
>>552
エレはしろがねの加齢を人間並みに換算して、パピはホム化した19歳の時点で加齢をストップして、か?
555Classical名無しさん:08/06/10 23:04 ID:qcv7dG8Y
>>552
平次は高校二年生
556Classical名無しさん:08/06/10 23:07 ID:wQN1e3ks
548だが……
1年じゃなかったか、不覚orz
最近読んでいなかったから、すっかり勘違いしてしまったぜ
557Classical名無しさん:08/06/11 00:38 ID:5zBHMDWs
エレは100歳近かった気がするが
558Classical名無しさん:08/06/11 01:24 ID:N496GXdA
 
559Classical名無しさん:08/06/11 01:25 ID:N496GXdA
    
560Classical名無しさん:08/06/11 15:27 ID:YmOIyEQ6
エレオノールはちょうど90歳。
0歳のときにしろがね化したから、しろがね年齢だと90÷5=18歳。
リシャールやナオタの態度を見るに、社会的には18歳という事にしていた模様。
そして心は高校生くらいの恋する乙女。
561 ◆05fuEvC33. :08/06/11 17:17 ID:tEajl.4.
投下します。
562鬼酔酒 ◆05fuEvC33. :08/06/11 17:19 ID:tEajl.4.
先程からの風に舞い散る1枚の黒い布が、先を急ぐ俺の脚に絡まる。
向かい風に逆らうのも、少し億劫に感じていた為か容易く脚が止まった。
見覚えがあるなと手に取って見ると、案の定それは勇次郎の着ていた服だった。
勇次郎の奴とは散々宿縁を結んできたが、まさか着てる服にまで縁が有るとはぞっとしない話だ。
勇次郎は身体が石化して服だけを残して砕け散った。
エレオノールの話によると、何処かでしろがねとやらになった為にああいう最期になったらしい。
前から人間離れした奴だと思っていたが、そこまで本格的に止めていたとはな。
何にしてもこの薄汚れた布切れは、奴の遺品になる訳だ。
夥しい量の染み込んだ血が乾いて、不快な感触を示している。
一体どれだけの返り血を浴びたんだこいつ?
俺はそれを持ったまま、近くのコンビニに入る。
無論店員なんて居ないもんだから、堂々とお目当ての缶ビール2本を失敬して店を出た。
 
ジャングルジムとブランコと砂場しかない、小さな公園。
そこの砂場に黒衣を埋めて……その上に、缶ビールを突き立てると。
何の真似かって? 墓だよ、供え物も兼ねてな。
酒位いけるだろ? ビールが舌に合うかは、知ったこっちゃねぇが。
あの世で文句言うんじゃねぇぞオーガ。おめぇみたいなのが墓を作って貰えるだけ有り難く思えや。
 
どうせお前さんみたいな大馬鹿野郎、死んで哀しんでくれる物好きも居ないんだろ?
最期の戦いの時だってそうだ。
入れ替わり立ち代りで戦って、お前を倒したら皆諸手を挙げて万々歳だ。
惜しむ奴はおろか、もう省みる奴も居ねぇ。
それを不当だとは、言えねぇわな。
こんな事をやってる俺も、おめぇをぶっ殺すのに躍起になってた。
もし墓から這い出て来たら、ぶん殴ってあの世に戻してやる。
なんせおめぇは俺が知ってるだけで勝、神楽、コナンと殺してる。
本当にろくでもない野郎だよ、お前さんは。
ま、周りの全てを敵に回したなんておめぇにとっちゃ普段と変わらねぇよな。
 
563鬼酔酒 ◆05fuEvC33. :08/06/11 17:20 ID:tEajl.4.
 
殺し合いの中で俺がここまで戦ってこれたのは、言ってみれば同じ立場の人間が他に居たからだ。
俺よりずっと若い奴等が、殺し合いという状況に負けねぇって踏ん張ってるから
俺も自分を支えて来れた。
お前さんの生き方じゃ周囲を支えになんて無理な話、何時でも力付くで押し通るだ。
これはキツイぜ。俺がお前さんと同じ力を持っていても、同じ生き方はとても出来ねぇ。
義も道理も無く暴れまわって、息子にまで恨まれる始末だからな。
 
俺は手に持った缶ビールのプルトップを開ける。
それにしても思い出すほど、どうしょうもない野郎だ。
我が事ながら、一体何でこいつの墓前で杯を傾けるんだ?
哀しんでやる道理も、哀れんでやる気持ちも無い。
こいつは最初から最後まで、ただただ自分の為に暴れまわっただけなんだからな。
きっと悔いの1つも残してねぇぜ、筋金入りに嫌な野郎だからよ。
……………………そうさ、こいつは最後まで自分の暴力(ちから)のみ信じ頼む
忌々しい勇次郎でしかなかった。
こいつは悪鬼(オーガ)である事を、巨凶である事を、地上最強の生物である事を
範馬勇次郎である事を、最後の最後まで裏切らなかった。
だからこいつは別れの杯だ。
1人の武術家が、たった1人で戦い抜いた馬鹿に手向ける1杯だ。他意は無ぇよ。
 
缶の中のビールを、一度に飲み干す。
「……ッ〜〜〜ンめェな〜〜〜オイ」
もしあの世から俺を見ていたら、勇次郎はどんな反応するんだろうな?
下らないと嘲笑うか?
腑抜けたと怒るか?
案外素直に喜ぶか? いや、それは無いな。
最近流行のツン何とかみてぇに、頬を赤らめて…………もっと無いな。
 
『それでは午前6時、5回目の定時放送じゃ。』
ご老公の声が鳴り響いた。
 
564鬼酔酒 ◆05fuEvC33. :08/06/11 17:22 ID:tEajl.4.
 
 
 
残りは俺を含めて9人か。
これで殺し合いに乗った奴は0になった計算だが、油断は出来ねぇ。
首輪と24時間ルールが有る限り、人間どう転ぶかは分からないからな。
特にパピヨンは危うく思える。
あいつはきっと『他人を疑う』のには長けて頭も切れるが、多分『他人を信じて頼る』のは不得手な感じだ。
まあ、そっちは学校に向かった連中に任せるしか無いか。
俺の方は急いで、ヒナギクの嬢ちゃんの支給品を探しに行かなきゃならなくなった。
今居るE-2と、ついでに探し物の有るH-4が禁止エリアになるからな。
主催者の連中は、完全に俺の行動を読んでやがる。
そういやH-4って、口に出して言っちまってたか? 確か盗聴されてるんだったな。
俺は空き缶を墓前に置いて、急いでホテルへ戻った。
 
ホテルの受付口のテーブルに戻り、置手紙を書き換える。
ここには戻れないから、『宝探し』の後は学校にでも行くか。
パピヨンの事も気になるしな。
 
『ちょっと宝探しに行って来るわ、済んだら学校に行く』
 
そして置いて行くつもりだったジャッカルと傘とベレッタと棍棒を、デイパックに仕舞う。
置手紙の錘には麻雀セットを使った。
ホテルには戻らないんだから、やっぱり武器を置いては行けないわな。
もう忘れ物も無いみたいだし、今度こそ出発とするか。
 
ホテルを出て、向かい風を進む。
先刻墓をたてた公園の前に差し掛かった。
なんとなく視線が向き、また足が遅まりそうになる。
出し抜けに向かい風は止んだ。
565鬼酔酒 ◆05fuEvC33. :08/06/11 17:22 ID:tEajl.4.
……未練を残さず、さっさと行けってか?
言われるまでも無ぇんだよ。
大体俺も、オーガも湿っぽいお別れなんて柄じゃないだろ。
今更、掛ける言葉も思い付かないしな。
 
…………へっ、下らねぇ。
さっきから俺は何を考えてる?
死人と、それも勇次郎の奴とお喋りか?
たかが缶ビール1本で、幾らなんでもそれは酔い過ぎだろ。
勇次郎の墓には目もくれず、俺は先を急いだ。
きっと未練が有るのは酒の方だ。中途半端に飲んじまったからな。
そういや何時ぞやに、覚悟とヒナギクとで一緒に生き残ったら酒を飲む約束をしてたな。
いや、あの2人は握り飯だったか? まあ、どっちでもいいや。
さっさと決着付けて、あいつらと飲むとしよう。
さぞ美味い酒が飲めそうだ。

【E-2 南東部/2日目 朝】
 
【愚地独歩@グラップラー刃牙】
[状態]:体にいくつかの銃創、頭部に小程度のダメージ、左肩に大きな裂傷 左腕を深く抉られている
[装備]:キツめのスーツ、シルバースキン@武装錬金
[道具]:基本支給品一式×2、首輪×2、ジャッカル@HELLSING(残弾数1)、神楽の仕込み傘(強化型)@銀魂
ベレッタM92(弾丸数0/15)、ハート様気絶用棍棒@北斗の拳、懐中電灯@現地調達、包帯と湿布@現地調達    
[思考・状況]
基本:闘うことより他の参加者 (女、子供、弱者) を守ることを優先する
1:H-4でヒナギクの支給品を探す(時間は未定)
2:可能なら、光成と会って話をしたい。
3:適当な時に学校へ行く
566鬼酔酒 ◆05fuEvC33. :08/06/11 17:24 ID:tEajl.4.

[備考]
※パピヨン・勝・こなた・鳴海・覚悟・村雨・ヒナギク・かがみと情報交換をしました。
※刃牙、光成の変貌に疑問を感じています。
※独歩の支給品にあった携帯電話からアミバの方に着信履歴が残りました。
※BADANの存在を知り、かがみから首輪のステルス機能の事、解除方を知りました。また零の暗雲についての推測も知りました。
※愚地流奥義にしたいと思っている技を会得しました(意を消した拳、これを拳のみならず他の空手技にも用いる事が出来る)
※繁華街のホテル(E-2中心部)内に鷲巣麻雀セット@アカギ、置手紙が放置されています。

【村雨、かがみ、覚悟、ヒナギク、独歩、エレオノール、服部、ジョセフ、八人の共通備考】
※一通りの情報交換は終えています
※神社、寺のどちらかに強化外骨格があるかもしれないと考えています。
※主催者の目的に関する考察
主催者の目的は、
@殺し合いで何らかの「経験」をした魂の収集、
A最強の人間の選発、
の両方が目的。
強化外骨格は魂を一時的に保管しておくために用意された。
強化外骨格が零や霞と同じ作りならば、魂を込めても機能しない。
※五人の首輪に関する考察及び知識
首輪には発信機と盗聴器が取り付けられている。
首輪には、魔法などでも解除できないように仕掛けがなされている 。
首輪にはステルス機能があり、身を清め水を掛ける事で解除可能
※五人の強化外骨格に関する考察。
霊を呼ぶには『場』が必要。
よって神社か寺に強化外骨格が隠されているのではないかと推論
※BADANに関する情報を得ました。
567鬼酔酒 ◆05fuEvC33. :08/06/11 17:24 ID:tEajl.4.
【BADANに関する考察及び知識】
このゲームの主催者はBADANである。
BADANが『暗闇大使』という男を使って、参加者を積極的に殺し合わせるべく動いている可能性が高い。
光成は司会役として脅されている。
BADANの科学は並行世界一ィィィ(失われた右手の復活。時間操作。改造人間。etc)
主催者は脅威の技術を用いてある人物にとって”都合がイイ”状態に仕立てあげている可能性がある
だが、人物によっては”どーでもイイ”状態で参戦させられている可能性がある。
ホログラムでカモフラージュされた雷雲をエリア外にある。放電している。
 1.以上のことから、零は雷雲の向こうにバダンの本拠地があると考えています。
 2.雷雲から放たれている稲妻は迎撃装置の一種だと判断。くぐり抜けるにはかなりのスピードを要すると判断しています。
※雷雲については、仮面ライダーSPIRITS10巻参照。
568 ◆05fuEvC33. :08/06/11 17:26 ID:tEajl.4.
投下完了しました。
指摘点等があれば、よろしくお願いします。
569Classical名無しさん:08/06/11 19:22 ID:5uavUZUs
投下乙!
独歩ちゃんが渋い……
勇次郎を弔うというか、なんというか。
こういう檄渋シーンを書けるあたり、尊敬します。
GJ!
570Classical名無しさん:08/06/11 20:58 ID:PBTXZev2
投下乙です!
独歩かっこいいなあ……なんていうか、渋い。
勇次郎へのなんとも言えぬ思いが素敵でした。
GJです!
571Classical名無しさん:08/06/11 21:59 ID:aOIAZQPU
投下乙
独歩ちゃん渋いねぇ、オタクまったく渋いぜ
敵対していた勇次郎を弔うシーン、自然と浮かんできそうだ
572 ◆d4asqdtPw2 :08/06/11 22:07 ID:ftF6Ef76
投下乙!
今となっては貴重な渋キャラの魅力を、「これでもか」というくらい堪能させていただきました。
ここまで自然にドッピオの心中を再現できるなんて素晴らしいです。
あと、パピヨンの危険性に気付かせて学校に向かわせたのはGJ!

すいません、延長させてください。
573Classical名無しさん:08/06/11 22:35 ID:2Fwf8e/c
投下乙です!
狂宴が終焉に近づく中で見せる、独歩の人間味溢れる心情を
見事に書き表している素晴らしい作品だと思います
本当にGJでした!!

>>572
>ドッピオ
一瞬、とうおるるるるの人が浮かんじゃったじゃないかwww
投下お待ちしてます!
574Classical名無しさん:08/06/11 22:35 ID:EOmgCJVU
投下乙です!
独歩さんというと、ここ最近はセクシーばかりが話題に上がっていたが、
この渋さもまた彼の魅力だと、再認識させてくれる作品でした。

>>572
了解です。じっくり作品を練り上げてください
575Classical名無しさん:08/06/13 22:17 ID:XAki46KM
二日書き込みが無いのは流石に寂しい…
576Classical名無しさん:08/06/13 22:42 ID:2/3MbFbI
投下されればきっと書き込みも増えるはず!
577Classical名無しさん:08/06/13 22:44 ID:XAki46KM
>>576
IDがFBI

そしてその前の2/3は、次の予約のキャラは三人、
つまり3人のうちの誰か一人が死ぬ予兆ではないか…?
578Classical名無しさん:08/06/13 22:56 ID:2efiz2W6
その着眼点に恐れ入った
579Classical名無しさん:08/06/13 23:25 ID:XAki46KM
>>578
お前のIDの『efiz2』は、
雌豹のポーズをしている女性のように見える…

あの三人の中で雌豹ポーズをしたのは桂ヒナギクただ一人!!
つまりこの二人(>>576>>578)のIDは桂ヒナギクの死を表わすものだったんだー!!
580Classical名無しさん:08/06/13 23:37 ID:snmHUjpM
な、なんだってぇーーーーーッ!?
581Classical名無しさん:08/06/14 00:28 ID:xDWTasrA
つまり大首領が恐怖の大王だったという事か……!
582Classical名無しさん:08/06/14 00:33 ID:mqiNdxgc
な、なんだってぇーーーーーーーーーーー!?
俺のIDまで弄くられるとは完全に想定外ww
583 ◆d4asqdtPw2 :08/06/14 19:56 ID:QMdNUMaI
完成したんですが、1つ質問が……。
ケンシロウ死亡SSの中で、ケンシロウの死体の位置は明記されていなかったはずです。
で、wikiの「現在位置」を見ると、ケンシロウの死体がA-3にあることになっています。
おそらくこれは「場所不明」というのが表示できないので、適当な禁止エリアに表示したものだと思います。
この死体を勝手にC-2にあったことにしてもよろしいでしょうか?
584Classical名無しさん:08/06/14 20:07 ID:yYbvW1c6
>>583
私は一向に構わん!!

それよりも私の渇きを癒せ!!
585Classical名無しさん:08/06/14 20:16 ID:yYbvW1c6
>>583
と、言う事で、折角だから俺は現在地を編集してきたぜ。

一応ケンシロウ死亡SSのを一通り見て、
美形は、一番近い禁止エリアに送った(ワープさせた)
という意味でもおかしくは無いと思われる(美形も限界だったし)
586Classical名無しさん:08/06/14 20:39 ID:ZspIPwx6
>>583
構わないと思いますよ。

>>585
乙!
587 ◆d4asqdtPw2 :08/06/14 20:47 ID:QMdNUMaI
>>585>>586
大丈夫みたいですね。答えていただいてありがとうございます。
本当はもっと早く訊いておくべきでしたね。すいません。
>>585
ありがとうございます。

それじゃあ投下します。
「ユリア……」
それは油断だったのだろうか。
格下の相手だと、慢心してしまったのだろうか。
もしそうなのだとしたら、俺は……。

……いや、そうではない。
『そんな事は許されない』はずだ。
『負けた人間』が『そんなことを考えてはいけない』のだ。
その考えこそが、その『負けたのは油断のせいだ』と考えること自体が彼への侮辱なのだから。

負けたのは、単に彼が強かったから。
彼がこの俺を、1800年にも及ぶ歴史を倒し得る力を持っていたからだ。
それを油断や慢心などという言葉で片付けるのは、あまりにも無礼だ。

ただ気がかりなのは、彼女の事。
彼女は無事なのか……。
あの2人から逃げる事はできるのだろうか……。
もはや、俺にしてやれる事は何もない。

結局、俺は守ってやる事はできなかった。
彼女を活かしてやることが出来なかった……。
誓った、はずなのに。
北斗に、歴史に、誓ったはずなのに……このザマか。

ならば……この拳は……何のために……。


鳴り響いたのは、電子音。
彼の終わりを告げる甲高い波長。
あがく事を止め、目を瞑ってその刻を待つ。
一瞬の静寂。
それは本当に刹那であったが、全てのものが動きを止め、無音というハーモニーを奇跡的に創生した。
589Classical名無しさん:08/06/14 20:50 ID:yYbvW1c6
支援
1つの終わりを見守るように。
血に塗れた、永き歴史の終わりを見守るように、自然が『空虚』で彼を包み込んだ。

轟音と、爆炎と、ほんの少しの苦痛。
あぁ、こんなものか。
俺の前で死に逝くものは皆、この世のものとは思えない奇声を発して死ぬ。
死に値するほどの痛みとは、それほどの苦痛なのだろう。
だから、この痛みの軽さには少し戸惑った。

そうか……これで済むのか。
文句は言わないさ。痛くないならそれでいい。
痛くないから、思考は正常に働く。
奇声も発することなく、穏やかに脳を回転させられる。
問題はと言えば、『考える事がない』という事だ。

走馬灯も見えないとはな。
どうしようか迷い、取り合えず目の前に上がった爆炎を見つめる。
その炎を元に、空っぽだった脳に浮かび上がってきたのは……。
文字通り『炎の記憶』。


          首輪が爆発し、彼の頭と胴体が分かれるまで、1秒あるかないか。
          これはその0と1の狭間に、彼の脳が行き着いた『答え』である。


その記憶の中で、俺は怒っていた。
炎を前にして、ただひたすらに。
『彼女』が天へと昇っていくのを見ながら、確かに怒り狂っていた。

そういえば、俺はこの時も救えなかったのだ。
全く……情けない。
591Classical名無しさん:08/06/14 20:52 ID:yYbvW1c6
    

なぜ『彼女』が死ななくてはならなかったのか……!
明るい、太陽のような少女であった。
ここに燃えている紅い柱よりも遥かに熱く、それでいて輝いていた。
そんな『彼女』を、キュルケを殺したあの女を許す事はできない。
この時、俺はそんな事を考えていた。
何の罪もないキュルケを殺したから悪だ。
己の内に沸きあがる怒りを、ただ信じて疑わない俺がいる。

だが、今にして思えばそれも仕方のないこと。
この時点では、俺はエレオノールの苦しみを何1つ知らないのだから……。

やめだ。
轟々と唸る熱を前に、ただ立ち尽くす。
エレオノールに対する恨みは今はやめにしよう。
今は天に昇っていくキュルケを見守ろう。
この怒りの感情はその邪魔になるから、やめにしよう。
炎はすぐ消えてしまうから。

そう、この炎は彼女を弔うために俺が……。

……。

……違う。
いや、違わない。違わないのだが……違う。
『彼女を弔うための炎』。それはその通りだ。
だが、この怒りの感情。その発生源が違う。

キュルケを殺したあいつが憎い。
確かにそうなのだが、このときの俺の怒りは『それ』に対してだけの怒りだったか?
俺の心の怒りは、純粋に『エレオノールへの怒り』だけで構成されていたのか?

違う。

キュルケが死んで、その後『何か』を思い出して、それによってエレオノールの他の『誰か』に何らかの怒りを抱いた。
そうだ。『何か』があったのだ。
俺に『許せない』と思わせる何かが。

あの時、俺はキュルケの仇を取ると誓い……その後……。
……そうだ。台所へ向かったのだ。
そこで火種となるライターを見つけた。
そして、リビングで彼女の杖を回収した。
この杖は、彼女の家族の元へ返したいと……。
私が死んでしまった今では、それも叶わぬ事になってしまったのだが……。

そのときだ……!
その杖をしまうときだ。
そのとき、俺のディパックには何があった?!

『何か』があったのだ!

『思い出さなくてはならない何か』が!

そう……これは必要な記憶だ!
免れられぬ死を前に、俺の脳が俺の人生より選び出した最も重要な記憶。
大切な、何よりも大切な記憶だ。
思い出せ! そこには何があった?

杖をしまい、『何か』を見つけ、怒りを感じた。

その矛先は、エレオノールとそして……。

思い出した。主催者だ。
594Classical名無しさん:08/06/14 20:54 ID:Rj9jFLsE
 
595Classical名無しさん:08/06/14 20:54 ID:Rj9jFLsE
  
596Classical名無しさん:08/06/14 20:54 ID:yYbvW1c6
        
597Classical名無しさん:08/06/14 20:54 ID:ZspIPwx6
支援のススメ!

俺は主催者に怒りを感じたのだ。この悪夢の元凶に。
エレオノール以上に、怒りを感じたのだ。

なぜなら……彼らがふざけた物を支給したから……。
必死に戦う者たちを馬鹿にしたような物を支給したから。

そうか、そうだった!

全て思い出した。

あの時そこにあったのは……。


……希望の鍵だ!



この記憶は俺が思っていた通り、重要だったらしい。
希望はずっと我が手の中にあったのか。
そして、今もこの中に。

……あった。『コレ』だ。
あの時は『主催者が嫌味のために用意したアイテム』だと思っていた。
しかし、これは紛れも無く脱出の鍵となるもの。

なぜ、もっと早く思い出さなかった!

本当なら、目覚めたエレオノールから夢の話を聞いた時点で。
『器』に込められた『魂』を解放しなくてはならないと知った時点で。
思い出すべきだったんだ。
599Classical名無しさん:08/06/14 20:55 ID:yYbvW1c6
倍支援だ…

なぜ、なぜ思い出さなかった!

……その理由なら分かっている。
考えたくなかったのだ。
この記憶は、俺がエレオノールを憎んでいた時のもの。
決意を固めた彼女を前にして、そんな記憶を甦らせたくはなかったのだ。

全く、甘いな、俺は。
こんな大切な鍵を託されながら、最期の最期まで気付かなかった。
それどころか、こんな場所で死んでしまったら、誰もこれに気付く事はない。
とことん、情けない。
すまない、戦士たちよ。
エレオノールよ。


          死を悟ったその刹那に、常人ではあり得ないほど脳を働かせ……。
          その結果、彼が導き出した答えは『諦め』だった。


仕方がない。
俺が死ぬまで、あと何秒残されている?
ここがどこかも分からないのに、その僅かな時間で何が出来る?
出来るわけが……。

「で、諦めるのか? 天下のケンシロウ様はよォ……」


          声が聞こえた。
          強く、一直線に大地を駆け抜けるような声が。
601Classical名無しさん:08/06/14 20:56 ID:yYbvW1c6
支援


お前は……。

「ちょっと情けないのではないか?」

カズマ……いや、似ているけど違う。
お前はまさか……。

「俺はこんなやつに一度殺されたのか?」

お前……何しに来た?
こんな俺を笑いに来たのか?

「随分と冷たいなぁ、オイ?」

……すまない。
少し、絶望的な状況にあるのでな。

「まぁいいさ。冷やかしに来たようなもんだからな」

冷やかし、か。
そうだろう。
この情けない様を見れば誰だって笑いたくもなるだろうな。

「まぁ正確には、自慢しに来たんだ」

自慢だと? 貴様に誇れるようなものがあるとでも?
それは是非とも訊いてみたいものだ。

「あぁ。あるな。とびっきりの自慢だ」
603Classical名無しさん:08/06/14 20:57 ID:yUAXOXRI
 
604Classical名無しさん:08/06/14 20:57 ID:Rj9jFLsE
   
605Classical名無しさん:08/06/14 20:57 ID:yYbvW1c6
                        

……変わったな。お前は。
以前と比べて随分と大きく見えるぞ。

「そいつは嬉しいな。
 ……あいつと一緒にいれば嫌でも変わるさ」

……カズマか。

「カズマだ」

そうだな。あいつからは生きる活力を感じた。
溢れ出さんほどの魂を感じた。
まさか、貴様をこうも変えるほどだとは思わなかったが。

「俺が一番驚いているんだがな」

だろうな……。
……それで、自慢と言うのは?

「あぁそうだった、そうだった。お前がガラにもなく挫けてるんで、自慢してやりたくなったんだ」

……。

「俺は諦めなかったぞ」

……。

「最期まで」

……だから、俺も諦めるな、と?
そうしたいのは山々なんだがな。

「そこまでは言ってないんだけどな」

だが、この状況でどうしろと?
流石にお手上げなんだが。

「知らんな」

なんだと?

「お前に分からんことが、俺に分かるはずないだろう」

偉そうに……。
確かにその通りだがな。
カズマならどうするんだろうな?

「結局、俺がカズマに教えてもらった事だって、そんなに多くはないぜ?」

あの後、すぐにカズマは死んだらしいからな。
そんなに長い間一緒にいたわけではないだろう。
それでもお前を変えたのは……。

「……今度は俺がお前に送ってやる。たった一言だ。よく聞け」

……。


「四の五の言わずに立ち上がれッ!!」


……ッ!!
608Classical名無しさん:08/06/14 20:58 ID:yYbvW1c6
      
609Classical名無しさん:08/06/14 20:58 ID:yUAXOXRI
  

「一言に纏めるとこういう事だ。それじゃあな。俺は先に帰るぞ。
 ……酒でも用意して待っててやる」

……なるほど。
あいつらしい。
そして、『貴様らしい』よ。

「だから、あと一踏ん張り、出来るよな?」

愚問だ!
そのための北斗真剣!
そのために積み重ねた歴史!

……まさか貴様らに教えられるとはな。
礼を言う。ありがとう。

そうであった!
出来るとか! 出来ないとかは! 余裕のある奴の科白だ!

俺はそんな状況にはない。もっと絶望的さ。
だが、こんな状況だからこそ……やるしかない!
俺がやらなきゃ、みんな死ぬ。エレオノールも。

もう一度、立ち上がれ!

エレオノールに、彼女の両手に……。

愛を取り戻せ!


意識を取り戻したときには首輪の爆発が、ケンシロウの首の肉を抉っていた。
611Classical名無しさん:08/06/14 20:59 ID:ZspIPwx6
支援ー。
612Classical名無しさん:08/06/14 20:59 ID:yYbvW1c6
 
もう助からない。それは決定事項。
辛うじて繋がっている神経を伝って、脳から肉体に命令を送る。
たった一つの言葉を。
何度も何度も送り続ける。

走れ! 走れ! 走れ!

例え頭を失っても、この命令が届かなくなっても。
朽ち果てるその瞬間まで、走り続けろ!


          刹那が終わる。
          首輪から電子音が発せられてからキッカリ1秒。
          その0と1との狭間で彼が出した答えは……見ての通り。


爆発によって首が完全に破壊され、頭が地面に転がる。
そこで彼の思考は完全に停止した。

しかし肉体は止まらない。
脳から発せられた命令を忠実に守り、首のない肉体が走り続ける。
走って走って、肉体が停止するまで走って。
それでも稼げた距離は数メートル。
倒れながら右手を伸ばす。
その手には一枚の紙が握られていた。
コレを、もっと、もっと遠くに。

ゴキリという鈍い音と共に、右肩の関節、右肘の関節が外れた。
これで数センチは稼げただろう。

ドサリと地面に倒れ伏す。
614Classical名無しさん:08/06/14 21:00 ID:yUAXOXRI
   

俺に出来るのはここまでだ。
あとは……頼んだ。


そして数時間後。放送直前まで時間は進む。
彼の死体の横に立つ人物がいた。
「ケンシロウか……」
まさかこの男が脱落するとは。
禁止エリアにて死亡……彼にしては間抜けすぎる。
誰かに嵌められたか……あるいはあの男。可能性は低いが。
「これは……?」
死体の親指と人差し指に挟まれた紙を見る。
死後硬直でなかなか動かない指をこじ開け、紙を手に取った。
そこに書かれていた文字は……。
「なるほど。これが……!」

銀色の髪が朝日を反射して、鋭く輝く。
世紀末の戦士の残した希望は、静かに受け継がれた。


◆     ◆     ◆


「ちょぉっとおおおおおおおおお! スススストォップゥゥゥゥゥッッッッ!!!」
え? 何コレ? どういう状態?
激しい揺れと向かい風に思考を邪魔されながらも、私は必死に状況を把握しようと努めた。

えっと、まず、覚悟くんに抱え上げられたのよね……。
うわ、お姫様抱っこじゃないコレ! 嬉し……じゃなくて恥ずかし!

それで『何でいきなり……?』とか思ってたら、いきなり覚悟くんが走り出して……。
616Classical名無しさん:08/06/14 21:00 ID:yYbvW1c6
  
617Classical名無しさん:08/06/14 21:01 ID:yYbvW1c6
   
って何この速度! おかしいってコレ! この速度と揺れはおかしいって!

なんとか状況を把握する事に成功した私だったが、ここで更なる問題が……。
「うぇっぷ……!」
ヤバイ、吐きそうになってきた……。
先ほどの戦闘で倒れるまで疲労した体に、この揺れは余りにもつらい。

えっと……あっちに空があるのね。だから、私は上を向いているのよ、うん。
つまり、このまま吐いたら……覚悟くんの顔に、私のゲロが以下省略ってわけね!
なるほどなるほど……ってそれだけは駄目! 絶ッ対に駄目よ、桂ヒナギク!
そんなことしたら……完全に嫌われるわ!

と! に! か! く! この状況を打開しなければ、桂ヒナギクに明日はない!

「ど……どまっで……かく、ご……うぇっぷ」
「すまない! もう少し大きな声で言って貰えるか?」
聞こえないのは風圧のせいよ! アンタの足がアホみたいに速いせいよ!
減速すれば済むことでしょうが!
もう本当にやばい……私の声は覚悟くんには届かないみたいだし……あぁもう仕方ない!

「ぶ、ぞう……れ、んぎ……ん」
握り締めた六角形が砕けて、私の太腿にて再構成。
処刑鎌の武装錬金、バルキリースカート。
今となっては、こいつは私にとって最も使い慣れた武器となった。

「ヒナギクさん?! 何を?!」
驚く覚悟くんを無視して、4本の鎌を地面に突き刺す。
そしてそれらを足の代わりにして、カエルのように空高くジャンプ。
これでなんとか覚悟くんの腕から脱出することには成功したわ!

「おぅっぷ……!」
やばい、急浮上したら吐き気が臨界点に……。
619Classical名無しさん:08/06/14 21:02 ID:yYbvW1c6
        
このままじゃフライング嘔吐を披露してしまうわ!
着地してから、どこかに隠れて吐こうと思ったけど……これじゃあ間に合わないわね。
(それならば!)
辺りを見渡し、電柱の位置を確認する。


(……いける!)
近くの電柱にバルキリースカートを刺し、すぐに跳躍。
次の電柱へ。更に跳躍。
電柱から電柱をバルキリースカートで飛び移りながら空を翔る。
それはラオウとの戦いで、本郷が木々の合間をこの戦法で移動したときと同じくらいのスピードだった。

(バルキリースカートが……軽い?! まさか……)
その秘密は彼女が持っている木刀にある。
この木刀には、持つ者の潜在能力を引き出す力がある。
それの効果で、ヒナギクの身体能力は綾崎ハヤテと同じレベルまで引き上げられていた。
だが、それだけではない。
彼女の剣士としての能力は、元々常人のそれを遥かに凌駕する。
さらに、彼女とバルキリースカートとの相性が良かったことが大きい。

『覚悟よ! これは……』
「早い……そして正確な動き!」
覚悟の目から見ても相当なスピード。
4本の鎌のその動きは、本来の持ち主である津村斗貴子が扱うそれと比べても大差ない。

シュタ……シュタ……と少女は朝の空を駆けて行く。
電柱から電柱へ、時にはビルの壁面へ。
「これなら……よしっ!」
ヒナギクの眼光が鋭く尖る。
その視線が貫くのは、ヒナギクが最初に飛び立った電柱。
この電柱からスタートした彼女は、数十個に及ぶ電柱ツアーを経て、またここに戻ってきた。
始まりの電柱を破壊するために。
621Classical名無しさん:08/06/14 21:03 ID:yUAXOXRI
     
622Classical名無しさん:08/06/14 21:03 ID:yYbvW1c6
      
623Classical名無しさん:08/06/14 21:04 ID:yUAXOXRI
      
624Classical名無しさん:08/06/14 21:04 ID:yYbvW1c6
 

「ハラワタをッ!」
空気が張り詰める。
その中を、カマイタチが突進する。

空を裂いて突き進む。それはまさに……

「ブチ撒けろォッ!!!!」

疾風の如く!

少女はスピードを落とすことなく電柱へと突き進み、すれ違った。
もちろん、ただすれ違っただけではない。
交差するその一瞬で、確実に斬撃を与えていた。
着地予定地は目標の電柱のあった場所より1メートルほど過ぎたあたり。

「見事だ」
ちょうどそこには葉隠覚悟が立っていた。
黒い装甲に身を包んで、少女を笑顔で迎える。
跳んできたヒナギクを覚悟が受け止めるのと同時に、切り裂かれた電柱が音を立てて崩れ落ちた。

「ちょ……ちょっと覚悟くん?!」
着地するつもりだったのに。
まさか抱きとめられるとは思っていなかった。
ヒナギクの顔が見る見るうちに真っ赤に染まる。

「綺麗な切り口。なるほど、これがバルキリースカートの本来の使い方」
「う、うん。なんか必死でやったら出来たみたいね」
照れながらもヒナギクは満面の笑みで答える。
この武器を使いこなせたことが余程嬉しかったのだろう。
626Classical名無しさん:08/06/14 21:04 ID:yYbvW1c6
  

「それで、なんでいきなり飛び出したのだ?」
「それはもう吐きそうで吐きそうで…………あ……」
「……え?」

空気が凍った。笑顔も凍った。
覚悟の背に緊張が走る……。
恐る恐る胸元のヒナギクを見やると……。

「うぅっぷっ!」
もう遅い。思い出してしまった。
せっかく収まったはずの彼女の吐き気は、再び臨界点まで引き戻された。

「ちょっと待つんだヒナギクさん!」
焦りからか、密着状態から免れたい一身か。
覚悟がヒナギクを持ち上げた。ちょうど「高い高い」のポーズ。
急に持ち上げられたものだから、ヒナギクの吐き気はさらに加速する。
「ぼほぉぅ!」

「しまった!」
『何をしてるのだ覚悟よ! それでは……』
自らの過ちに気付いたのは、零の激高する声が聞こえるのとほぼ同時。
この姿勢はまずい。
覚悟の頭上にヒナギクの顔がある。
つまり、「上から降り注ぐ」形になってしまった。

『早く彼女をどかすのだ覚悟よ!』
「だめだ……もう遅い。遅いのだ、零」
『何?!』
覚悟が全てを悟ったような目で頭上の爆弾を見上げる。

「うぷ……ぷ、ぷ」
628Classical名無しさん:08/06/14 21:05 ID:yUAXOXRI
       
629Classical名無しさん:08/06/14 21:05 ID:yYbvW1c6
モンジャストーム支援
630Classical名無しさん:08/06/14 21:06 ID:ZspIPwx6
 
フグのように頬を膨らませ、もはや決壊は時間の問題。
彼女をどかそうと思っても、動かした瞬間に爆発する。
この状態を人は「万策尽きた」と言う。

「当方に、迎撃の用意……無し!」
『何を言うか! お主が我らを身に纏ってる以上、実際にアレに直撃するのは我らなのだぞ!』

「致し方ない。後で一度装着を解除でもすれば、汚れは自動的に落ちるではないか」
『そういう問題ではない!
 それに……下手をするとお主、何かに目覚めてしまうやも知れんぞ!』
世の中には「そういうコト」で非常に悦んでしまう人も存在するのは事実。
覚悟に限ってそんな事は無いとは思うが、この極限状態ではもはや何が起こってもおかしくはない。
万が一にでもそうなったら、いろんな意味で「最悪の事態」だろう。

しかし、覚悟はヒナギクを抱えたまま微動だにしない。
起こり得る全てを受け入れるというつもりで、曇り無き瞳をもって彼女を見つめる。
「覚悟、完了」
『待て、待つのだ! 私の覚悟は未完了だ! 覚悟落ち着いて話し合おうぞ! 覚悟!!!!』

「う……ぷ、お、お……」
彼女は限界など、とうに過ぎ去っているわけで。
そして、運命の刻がやってくる。

「うげ……ぇ……」
『か……覚悟……覚悟ォォォォォ!!』

降り注ぐ、絶望。
零の叫びもむなしく『ソレ』は彼らを包み込んでいった。
632Classical名無しさん:08/06/14 21:07 ID:yYbvW1c6
   
633Classical名無しさん:08/06/14 21:07 ID:yUAXOXRI
        

「……ぅヴォォォオオオオォォォォオオオオウゥゥオオオオオ…………!!!!」
『うおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!! お……のれ、かくごぉぉぉぉぉぉぉッ!!』

無残。余りにも無残な光景。
惨劇の真っ只中で、覚悟だけが1人冷静に事を見つめていた。
「……これは酷い」


◆     ◆     ◆


(最悪だ……絶対に嫌われた……)
沈んだ気持ちのまま、新しい服に袖を通す。
普段であれば、買ったばかりの服を着るときというのは例外なく心が弾むものだ。
だが、そのあるはずのない例外が……今回だ。

「なにやってんだろ私……川田くんだって探さなきゃいけないのに……」
本当ならば一刻も早く川田章吾を探し出しに行かなくてはならない。
だが、放送も近いと言うことで、覚悟は動き回るべきでないと告げた。
そこで、ヒナギクの汚れた服の代わりを探しに近くの店へと駆け込んだわけである。
だが、『放送が近いから』というのは覚悟の方便だろう。
覚悟が服が汚れたヒナギクを気遣ってここに連れてきたのは明らかだ。
自分のせいで足止めを食らってるという事実も、彼女の心を締め付けた。

(私が覚悟くんの隣に立つ事が、彼の足枷になっている……)
覚悟の隣に自分が立ったところで、何の役に立ったのだろうか。
自分が何を成したのだろうか。
彼にとって自分はどんな存在なのだろうか。
考えれば、考えるほど……。
635Classical名無しさん:08/06/14 21:08 ID:yYbvW1c6
         
636Classical名無しさん:08/06/14 21:08 ID:yUAXOXRI
         

「とにかく……謝らなきゃ」
つかさに誓ったのだ。
川田を説得すると。殴ってでもアイツの馬鹿を止めてやると。
今できることは、ウジウジ悩むことなんかじゃあない。
とにかく前に進むことだ。
だけど……それは分かっているのだけど。

急いで服を着ると、覚悟の待つ部屋の扉を勢いよく開ける。
間を置かずに口を開いた。
「あの、本当にゴメン。覚悟くん、零」
「本当にすまなかった」
重なる、謝罪。
深く頭を下げた姿勢。その同じ姿勢のまま、2人は数秒間無言で停止する。
覚悟は返事を待っている。ヒナギクはなぜ謝られているかが分からず、戸惑っている。

「え? なんで覚悟くんが……」
「ヒナギクさんのことも考えずに、1人勝手に走り出した私の責任だ。
 つらい思いをさせてしまった。本当にすまない」
『覚悟に注意の1つもしなかった我らも同罪であろう。すまなかったな』
確かに問題の発端は覚悟にあった。
川田の発見を急ぐ余り、ヒナギクに自分のペースに合わせる事を強制してしまった。
常人があの姿勢、あの速度で動かされたら、耐えられないに決まってる。
ましてやヒナギクは1時間前まで、倒れるほど疲労していた身だ。
そのことを省みての覚悟の謝罪であったが、その事実はヒナギクの心をさらに締め付ける。

「……そうなんだ」
やはりそうなのか。
自分が覚悟の隣に立ち続ける限り、覚悟は自分に合わせなくてはならない。
走る時だって、足の遅い自分のために立ち止まる。
敵に襲われれば、自分を庇いながら戦う。
638Classical名無しさん:08/06/14 21:09 ID:yYbvW1c6


 
639Classical名無しさん:08/06/14 21:09 ID:yUAXOXRI
           
640Classical名無しさん:08/06/14 21:09 ID:ZspIPwx6
 

「だったら、私がいなければ覚悟くんは自由に……」
「違う。 それは……」
覚悟の反論はヒナギクに届くことはなかった。
彼の声を遮ったのは、老人の声。
彼らに絶望を告げる第5回放送である。

『それでは午前6時、5回目の定時放送じゃ』
流石に5回ともなれば慣れたのであろう。
話すのを即座に中止し、紙とペンを即座に取り出す。

『まずは禁止エリアの発表じゃ』
老人の擦れた声が禁止エリアを淡々と紡ぐ。
覚悟がしっかりとメモを取るのに対して、ヒナギクはどこか上の空で、その手の動きはぎこちない。
川田が呼ばれるとしたら、もし呼ばれたら……自分のせいだ。

『泉こなた』
最初に呼ばれたのは、川田が殺した人物。つかさの友人。
川田が殺した。バラバラに砕いた。

『津村斗貴子』
覚悟の筆が一瞬止まる。
アカギとパピヨンを信頼しきっていた彼からしてみれば、川田が殺したとしか考えられない。
恐らく彼女も、川田が殺した。

「…………そっか……」
覚悟に聞こえないほどの小さい声。
何も聞こえない。
覚悟から聞いた話より推測すれば、斗貴子を殺したのは川田だろう。
あいつは、もう戻れないところまで来ているんだ。
642Classical名無しさん:08/06/14 21:09 ID:yYbvW1c6
            

つかさを甦らせたい。
その思いは純粋な愛情だったのだろう。

それが、どこかで歪んだのか?
彼が、どこかで壊れたのか?
そんなことはない。そんなことはないのだろう。
ならば……かれが狂ってはいないのだとしたら……。

『川田章吾』
一瞬だけ心臓が跳ねた。痛くなるほど。
だが、それだけだった。
その一瞬を過ぎると、ヒナギクの心臓は平常を保っていた。
怖いほど落ち着いている。
本当ならば、声を上げて泣くべき状況だ。
だが、もういい。
もうどうでもいい。

『赤木シゲル。
 以上十一人』
そんな事、桂ヒナギクにはどうでもいいんだ。
泣いたって、想ったって駄目なんだ。
許されないんだ。

だってそうでしょ?


「川田は……そうか……」
おそらく、川田が学校を再襲撃したのだろう。
津村斗貴子と赤木しげるを殺したのも川田。
そして自身もその戦闘で死亡。
そう考えるのが最も自然だ。
644Classical名無しさん:08/06/14 21:11 ID:yYbvW1c6
     

「そっか。川田くんも死んじゃったのか……」
間に合わなかったという悔しさよりも、2人の心を支配しているのは脱力感。
全ての危機が去ったわけではないが、殺し合いに乗った人物はいなくなった。
となれば、学校へ急ぐ理由もないだろう。

「ヒナギクさん。さっきの話だが……」
だが覚悟には、解決しなくてはならない問題があった。
放送の直前にヒナギクが言った事。
彼女は、『自分が覚悟の邪魔をしている』と思い込んでいる。

「あぁ、あれはもういいの」
「ヒナギクさん?」
あまりの変貌に覚悟が困惑する。
さっきまで、あんなに気にしていたのに。
川田の死に動揺しているのだろうか。

「もう……いいから」
今はそっとしておこう。

何分が経過しただろうか。
おそらく、それほど時間はたっていない。
ヒナギクが店のドアを開け、外に出て行く。
おそらくは外の空気でも吸いたいのだろう。

覚悟も外へ出て、何も言わずに追いかけるが、すぐに立ち止まる。
目の前のヒナギクも同じように立ち止まっていた。
道路に誰かが立っているの確認したからだ。

2人の前に現れた人物は……。
「なんで……」
男が口に人差し指を当て、『黙れ』のジェスチャーを取る。
646Classical名無しさん:08/06/14 21:12 ID:yYbvW1c6

 
覚悟とヒナギクがその意味を理解するのに1秒も時間も要さなかった。

男は首輪をしていない。
つまり、主催は『この男が死んでいる』と思っている。

「覚悟くん、店内に戻りましょう」
「あぁ……パピヨン殿は村雨殿たちに任せよう」
どこかぎこちない会話を交わす2人の背中を追いかけ、赤木しげるも店内へと入っていった。


◆     ◆     ◆


紙の上を鉛筆が踊る。
紙面は既に大量の文字で真っ黒になっていた。
『津村さんを殺したのは川田で間違いないのだな?』
『あぁ。アンタが学校を離れてからのことだ』
書かれている事と言えば、学校で分かれた後にお互いが経験したこと。
それと、他の参加者の情報。
ちなみに、津村斗貴子をパピヨンと共に死に追いやった事実は、こうして偽って伝えている。

『その大首領があなたの首輪をはずしたわけね?』
『あぁ。やつはこの殺し合いに参戦したがっている』
中でも2人を驚かせたのが、この殺し合いの主催者、大首領とアカギの遭遇。
それは、覚悟たちの考察やエレオノールが夢で見た内容を裏付けるものとなった。
神社でアカギが見た強化外骨格に大首領を降ろす。
それがこの殺し合いの開催理由。

『これを見て欲しい』
アカギが取り出したのは、ケンシロウの死体が持っていたエニグマの紙。
そこに書かれていたのは『般若心境』の文字。
648Classical名無しさん:08/06/14 21:13 ID:yYbvW1c6
                  
649Classical名無しさん:08/06/14 21:14 ID:yYbvW1c6
 
 
 

『この殺し合いのシステムの中枢に、霊が絡んでいるのは間違いない。
 そしてBADAN内部にこの殺し合いを止めようとしている人物がいるのも事実』
その人物とはDr.伊藤。アカギがチャットした相手のことだ。
さらに前々回の放送での徳川光成の台詞。
そしてさらに、『般若心境』、つまり念仏というキーワード。
明らかに少ない説明文。これでは何が入っているのか分からない。
まるで、何かを隠しているようだ。
それらを総合すると、答えは1つ。

『おそらく、強化外骨格の霊を成仏させるために、その者が用意したアイテムであろう』
このアイテムは希望の鍵。
ケンシロウが命を賭けて託そうとしたものだ。

『やはりそうか』
アカギはしばらくの間、他の参加者に接触するつもりはなかった。
だが、このアイテムを発見する事で状況が変わる。
明らかに『裏切り者』が混入したアイテムだ。
だが、アカギには肝心の強化外骨格についての知識がない。
詳しいものを探しているところに、運よく葉隠覚悟を発見したわけだ。

『開けてみるか?』
『あぁ……零を別の部屋へ避難させるから待っていてくれ』
もし、空けた瞬間に効果が発動するものなら零が成仏してしまう。
だが、その可能性は低い。
もしそうなら『開けた瞬間に効果が発動する』と書いてあるはずなのだから。
それでも零を避難させたのは万一を考えてのことである。

『開けるぞ』
戻ってきた覚悟を確認し、ゆっくりと紙を開くと、中から出てきたのは2枚の紙。
『紙の中に紙?』
『こっちは、手紙のようだ』
651Classical名無しさん:08/06/14 21:15 ID:yYbvW1c6
    
 
そこに書かれていたのは神社に眠る強化外骨格についての説明。
その強化外骨格が大首領の為につくられたこと。
その中に死んだ参加者の魂が閉じ込められている事。
大首領がその魂たちを支配して首輪の制限などを行っている事。
他にも、この『プログラム』のシステムの深いところまでの説明が記されていた。
手紙の最後は「どうかこの手紙が正しき心を持つものの手に渡らん事を」の1文で締められている。

『これを書いたのはおそらく、このプログラムに関わる技術に明るいものだ』
首輪のシステムや原理まで書いているあたり、ただの1構成員と言うわけではないだろう。
『Dr.伊藤か』
『おそらくな。支給された人物がなかなかこのアイテムを開けないから、チャットで俺たちに接触してきたのだろう』
『もう1つの紙は?』
『これは……』
もう1つの方はエニグマの紙。
そして、そこに書いてあったのは「成仏鉄球」の文字。
『説明によると……この鉄球の内部には経文が封印されている。
 その力で、強化外骨格内部の霊すらも成仏させる光線を出すらしい』
『決まりだ。これが、この殺し合いを破壊する鍵』
成仏鉄球とは、堀江罪子が戦術鬼として操られたときに使用したアイテムである。
散の部下、智久によって開発されたもの。
その効果は凄まじく、一撃で零の内に眠る3千の怨霊を成仏させてしまった。

『強化外骨格の霊を成仏させれば、つかさやナギたちも解放されるのよね?』
『あぁ、間違いない。強化外骨格を破壊すれば、大首領の復活も阻止できるはずだ』
そしてこの首輪も効力を無くす。
このアイテムを使うだけ。それだけでこの殺し合いは終了する。
絶望を振りまいた殺し合いが、今にも終わろうとしている。

『なら、今すぐ神社へ行って、つかさたちを解放しなきゃ』
『あぁ……だが……』
希望に満ちた顔のヒナギクに対して、覚悟の顔は浮かない。
殺し合いが終わる。ずっと望んできたことのはずだ。
653Classical名無しさん:08/06/14 21:16 ID:yYbvW1c6
    

『だが、本当にそれでいいのか?』
頬に手を添えてニヤリと笑う。
アカギは覚悟の迷いを読み取っていた。
彼も同じような事を感じていたのだから。

『どういうこと?』
『この殺し合いを終わらせたところで、大首領は死ぬわけじゃない。
 アイツなら、何度でもこの殺し合いをやり直す事ができる』
アカギの記した文字は、覚悟の心の声そのものであった。
死んでいった仲間を、今すぐに解放したい。
だが、それでは何も解決しない。
大首領が生きている限り、悲劇は永遠に繰り返される。
違う誰かが自分達と同じように苦しむ。
もしかしたら、また再び自分達が殺し合いに参加させられるかもしれない。

『俺たちが脱出したら、このアイテムを混入した人物は間違いなく殺される。
 これが大首領を殺す最初で最後のチャンス』
アカギの目が狂気満ちる。
覚悟とアカギ、2人は同じ意見を持っている。
しかしその意思はまったく別のものだ。
覚悟は悲劇を繰り返させまいとしているのだが、アカギはただ単に大首領を引き摺り下ろしたいだけ。
この狂気の沙汰を存分に楽しみたいだけだ。

『大首領を復活させるってこと? だったらつかさたちはどうなるのよ?』
『おそらくは大丈夫だ。強化外骨格は複数の魂を収納できるからな』
頭の中に直接響く声。
ヒナギクの質問に答えたのは、覚悟に連れて来られた零だ。
この紙を開かない限り、成仏鉄球は発動しない。よって零を避難させる必要もない。
そして今は強化外骨格が相手だ。彼の知識が必要になってくる。
655Classical名無しさん:08/06/14 21:17 ID:yYbvW1c6
 

『大首領を復活させ、この鉄球で纏めて全員成仏できるか?』
『可能だ。だが、ある程度大首領を弱らせる必要があるかもしれんがな』
答えを聞いたアカギがニヤリと笑う。
どうやら、大首領を殺す術は整ってきている。
あとは、流れ……!
最も最適な流れで大首領戦に持ち込むこと……!

『大首領に吸収されたりしないんでしょうね?』
『魂を吸収する力があるなら、初めから強化外骨格には頼らん。
 逆に、彼らの魂が大首領の邪魔をしてくれるかもしれん』
強化外骨格とは怨念を力に変えるもの。
零のように3千もの霊が同じ怨念を抱く事など稀だ。
今回の参加者にしてみれば、その怨念はバラバラでとてもじゃないが統一などできない。
そして大首領に喜んで従うものなど誰1人としていない。
ならば、『彼ら』が存在する事で、大首領の力を弱めてくれる可能性がある。

(死者の魂が大首領に反逆する、か。……なるほど……!)
その時アカギに電流走る。
エレオノールの夢の話を信じるならば、死者の思念同士が強化外骨格の中でやりとりしている可能性は高い。

彼女の夢の中で、死者同士が会話をしていたらしいからな。
つまり、強化外骨格内で参加者の魂が連携を取る事も可能……!
『こちらの意思を強化外骨格の内部に伝える事ができれば、死者に『こちらに都合のいいタイミング』で大首領を弱らせて貰う事も可能か?』
『……なるほど。それは可能だ。しかし、強化外骨格内部と交信する手段など……』

『俺に考えがある。葉隠。他の生存者についてもう少し詳しく教えてくれないか?』
『了解した』

(……戦うのね……)
大首領と戦う。BADANと戦う。
この殺し合いを破壊する上で、避けては通れない道だ。
いつかはそうなるのだと思っていた。
そしてその主戦力となるのが葉隠覚悟だ。
もう、彼は自分の隣にはいない。
彼は、人類全てのの牙なのだから。
「……つかさ。ゴメンね……」
アカギと話し合う覚悟を見ながら、ヒナギクは1人、『決意』を固めるのだった。


◆     ◆     ◆


覚悟たちと別れたアカギは、再び禁止エリアを歩いていた。
「なるほど。ククク……」
確かに大首領は強い。
首輪の制限が無くなったとしても、生存者全員で袋叩きにしても……。
勝てない。絶対に。
だが、奴を込める強化外骨格。これがキーポイントだ。
「魂を込める器……!」
そこにあるのは大首領だけではない。
この殺し合いで脱落した多数の魂がいる。
もしそいつらが大首領の魂を攻撃できれば……。
強化外骨格の内外から奴を、大首領を攻撃すれば……。

「勝てる……!」

しかし、ここで問題が発生する。
大首領は降りてくるのか? ということだ。
我々がそのような作戦を練っている事は大首領にもお見通しのはず。
そして、大首領はこの殺し合いを何度でもやり直す力を持っている。
殺し合いなどしなくても、時が来れば村雨良の体に降りる事もできる。
今、危険を冒してでも強化外骨格に降りる理由など……。
658Classical名無しさん:08/06/14 21:19 ID:yYbvW1c6
        
659Classical名無しさん:08/06/14 21:19 ID:ZspIPwx6

「ある……! あるんだ、アイツには……!」
前にも言った通り、大首領は『飽いている』。
戦場に降りたいと彼が望んでいる。
これは奴が待ちに待った『戦い』だ。
奴が舞う事のできる『戦場』だ。
これが奴がこの戦場に舞い降りる理由の1つ。
そしてさらにもう1つ。これが重要だ。

「奴は俺に惚れている……!」
奴に接触した最大の理由……。
自分に興味を持たせる事……!
こいつなら……こいつとなら、綺麗に舞えると思わせる事。
俺の体なら、味わった事のない興奮を体験できる……!

「俺に会いたいんだろ……?
 俺の体が欲しいんだろ……? なぁ?」
蝶人パピヨンより、仮面ライダーより、オーガより、不死王より、拳王より、しろがねより、スタンド使いより……!
俺を欲している。全世界の誰より……俺だ。
だから奴は降りてくる。
物的証拠はなにもない。
だが、確信している。
大首領は俺の体に降りてくる……!
この『プログラム』が、俺に出会える最初で最後のチャンスだから。

それは、俺の死を意味するのだが……構わない。
それならそれでいい。
戦って死のうなんて望みは、初めから持ち合わせちゃあいない……!
あっさり死ぬくらいでちょうどいい……!
ちょうどいいんだ……!
661Classical名無しさん:08/06/14 21:20 ID:yYbvW1c6
     
662Classical名無しさん:08/06/14 21:21 ID:yYbvW1c6
          
663Classical名無しさん:08/06/14 21:21 ID:78Bv0Pus


「だが、まだ早い……!」
まだだ。
他の参加者の首輪も外れていない。
今はその時じゃない。
ならば、今できる事をやらなくては。

「強化外骨格の中にコンタクトをとる……!」
内部から大首領を攻撃するに当たって、最も重要な事。
それは『強化外骨格に眠る死者たちに今回の作戦を伝える』事。
大首領を成仏させるために、奴を弱らせる必要があるということだ。

そして、強化外骨格の中にそれを伝える方法……それは……。
「簡単だ……死ねばいい……!」
至極簡単な答え。
死者になって強化外骨格に入ればいいのだ。
そして『大首領が強化外骨格に入ってきたら奴を攻撃しろ』と伝えればよい。

(だが、それを行うのは俺じゃない)
アカギには強化外骨格を纏うという役割がある。
それに、他の参加者からの信頼がない。
強化外骨格内の死者に伝えても、信じてもらえるかどうか……!
そこで葉隠覚悟に他の参加者の情報を尋ね、適任者を探した。
で、選んだのが『コイツ』だ。

選んだ理由としては、まず、こいつは他の参加者からの信頼が厚い。
こいつが言うのであればあれば、強化外骨格内部の死者たちも信じるはずだ。

2つ目の理由。この作戦を即座に理解し、自分が死ぬことの重要性を感じ取る事ができる。
『コイツ』には『自分が死ぬことが、この作戦には不可欠だ』と判断する力がある。
665Classical名無しさん:08/06/14 21:22 ID:yYbvW1c6
                             

3つ目。首輪を外したら戦力外である。
葉隠覚悟や村雨良など、大首領やBADANと戦う上での戦力はどうしても残しておきたい。
だが、首輪を外してスタンド適正がなくなってしまったら、『コイツ』は糞の役にも立たない……!

4つ目。『コイツ』は人を殺している。
誰かを殺しておいて、『自分は死にたくない』。そんな理屈が通るなんて思ってはいないはず……!
その殺人に、少しでも責任を感じているなら喜んで死ぬ……!

だから『コイツ』が適任だ……!
俺の次の行動方針は『コイツ』に作戦の内容を伝え……そして。
自殺させること。

お前ならやるよな?

なぁ?
667Classical名無しさん:08/06/14 21:23 ID:yYbvW1c6
            
668Classical名無しさん:08/06/14 21:23 ID:78Bv0Pus



服部平次……!




【C-2 南東部 2日目 朝】

【赤木しげる@アカギ】
[状態]:脇腹に裂傷、首輪がありません。
[装備]:基本支給品、ヴィルマの投げナイフ@からくりサーカス(残り9本)、マイルドセブンワン1箱
[道具]:傷薬、包帯、消毒用アルコール(学校の保健室内で手に入れたもの)
 始祖の祈祷書@ゼロの使い魔(水に濡れふやけてます)、水のルビー@ゼロの使い魔
工具一式、医療具一式、沖田のバズーカ@銀魂(弾切れ)、成仏鉄球@覚悟のススメ 、伊藤博士からの手紙
[思考・状況]
基本:対主催・大首領の肉体となる。
1:神社へ行き、服部平次に作戦を伝えて、自殺するように薦める。
2:大首領との再会。バトルロワイアルに引きずり込む。
3:対主催を全員説得できるような、脱出や主催者、首輪について考察する。
4:強敵を打ち破る策を考えておく
5:覚悟に斗貴子を死に追いやった事を隠し、欺く。

[備考]
※マーティン・ジグマール、葉隠覚悟と情報交換しました。
※エレオノールとジグマールはもう仲間に引き込むのは無理だと思っています。
※光成を、自分達同様に呼び出されたものであると認識しています。
※参加者をここに集めた方法は、JUDOの能力であると思っています。
※参加者の中に、主催者の天敵がいると思っています(その天敵が死亡している可能性も考慮しています)
 そして、マーティン・ジグマールの『人間ワープ』は主催者にとって、重要であると認識しました。
※主催者のアジトは200メートル以内の雷雲によって遮られていると考察しています
※ジグマールは『人間ワープ』、衝撃波以外に能力持っていると考えています
670Classical名無しさん:08/06/14 21:24 ID:yYbvW1c6
                     
※斗貴子は、主催者側の用意したジョーカーであると認識しています
※三千院ナギは疫病神だと考えています、また彼女の動向に興味があります。
※川田、ヒナギク、つかさの3人を半ツキの状態にあると考えています。
※ナギ、ケンシロウと大まかな情報交換をし、鳴海、DIO、キュルケの死を知りました。
※こなたのこれまでの経緯を、かなり詳しく聞きだしました。こなたに大きなツキがあると見ていますが、それでも彼女は死にました
※『Dr.伊藤』の正体は主催側の人間だろうと推測しています。
※葉隠覚悟、桂ヒナギクと情報交換をしました。


『Dr伊藤』とのチャットによりわかった事
1:首輪は霊的に守護されている
2:首輪の霊的守護さえ外せれば、後は鋭い金属を継ぎ目に押し込む程度で爆発無しに外せる
3:既にその霊的守護を外した者が居る。そいつが首輪を外したかは不明だが、おそらく外してはいない
4:監視カメラは存在せず。首輪についた盗聴器のみでこちらを監視。その監視体制も万全ではない
5:敵には判断能力と機転に乏しい戦闘員が多い
6:地図外に城? がある
7:城には雷雲を突破しなければならず、そのためには時速600キロ以上の速度が必要


※大首領との接触により、大首領とBADANとの間のズレを認識。
※BADANという組織はあまり合理的に動かないと認識。

『大首領を殺す作戦』
・大首領を強化外骨格の中に降ろしてから、成仏鉄球で成仏させる。
・そのためには大首領を弱らせる必要がある。
・強化外骨格内部の死者ならば、大首領を内側から攻撃できる可能性が高い。


◆     ◆     ◆
672Classical名無しさん:08/06/14 21:25 ID:yYbvW1c6
      


アカギと分かれた後、覚悟とヒナギクは再び学校へ歩き出そうとしていた。
「もしかしたら、川田も生きているかもしれん……急ごう!」
アカギという前例がいる以上、放送で呼ばれたからと言って死んでいると決定したわけじゃない。
川田がまだ生きている可能性は僅かながら残されている。

だが、ヒナギクの顔は浮かない。
覚悟にもそれは分かっている。
川田はおそらく死んでいる。
パピヨンと和解して、川田だけ首輪を外した。
状況的に考えても、あり得ない。
そんな事……あるわけない。

「ごめん、覚悟くん……私を置いて、先に行ってくれないかしら?」

「……そんなことできるわけがないだろう」
「覚悟くん、私ね……」
覚悟が歩み寄ろうとすると、ヒナギクが後ずさる。
一定の距離を保ったまま、彼女が言葉を続ける。

「……なんでこんな事になっちゃったのか、私なりに考えてみたんだ」
こんな事、とはつかさが死んだ事。そして川田が人を殺し、ヒナギクと再会することなく死んでしまったこと。

「川田くんは歪んでも壊れてもいなかった。
 うぅん……むしろ『正常』だったんだと思う。
 だからこそ、『正常』だったからこそ……人を殺した」
事実、川田の愛情は一貫していた。
優勝する事、その事だけを考え、冷徹に優勝に向けて走り続けた。
だからこそ、弱者ながらにここまで奮闘できたのだろう。
674Classical名無しさん:08/06/14 21:26 ID:yYbvW1c6
       
675Classical名無しさん:08/06/14 21:26 ID:yUAXOXRI
           

もし彼が狂ったとして、それができたのか?
否。絶対に不可能。
彼が最初から最期まで『正常』であるが故に。彼は人を殺し続け、殺人者として死んだ。
『愛した』から殺した。
単純且つ明快。

「私もそう」
その声は冷たく、突き放すような音であった。
だが、ナイフのように尖ったものではない。
優しく、静かに、葉隠覚悟を遠くへ押しのけるような、そんな声だった。

「私のこの気持ちも、邪魔なんだなって気がついた」
バルキリースカートを使いこなした。身体能力が高まった。
だけど、覚悟や村雨、独歩の足元にも及ばない。
波紋を使わないジョセフに勝てるか否か。
これでは一般人に毛が生えた程度であろう。

「『私達の間違い』は『愛した事』
 この殺し合いが終わったら、私たちは2度と会えないのに……そんな相手を『愛した事』」
弱者なのは重々承知だ。
それでも戦わなくてはならないのだ。
足手まといの自分が戦うのなら、せめて彼の足を引っ張るのは止そう。
彼の足枷になるのが何よりつらいから。

「だから……ここでは、『誰かを愛する事』は間違いだから」
涙が伝う。
この液体と一緒に、この想いも流してしまおう。
もう二度と、思い出さないように。

「もう、忘れるね」
「ヒナギクさん!」
覚悟がヒナギクの肩をグイと掴む。
彼女に何か言わなくてはならないのに……言葉が紡げない。

「さわらないで!」
窓ガラスがピリピリと鳴いた気がした。
覚悟の手を振り払った彼女は酷く小さく見えた。

「……! ヒナ、ギク……さん?」
「……ごめん。ごめんね覚悟くん」

「間違えた……『葉隠君』」
「……っ!」
彼女が、遠ざかる。
信じられないほど速いスピードで、遠ざかる。
もう、この腕の届く距離には……彼女はいない。


「私は、あなたの事が……好きでした」

「でも、もう私はあなたを愛さない」


涙に濡れた、その笑顔は、エレオノールが見せた笑顔とはまるで違う。
つかさが見せた笑顔とはまるで違う。
悲しい、笑顔だった。
覚悟が吐き出そうとした全ての反論を……飲み込ませるような。

冷たい笑顔だった。
678Classical名無しさん:08/06/14 21:27 ID:78Bv0Pus

679Classical名無しさん:08/06/14 21:28 ID:yYbvW1c6
支援


「だから……私を置いて、先に行って……おねがい葉隠君」

「ヒナギクさん…………了解した」
『覚悟よ!』
「何も言うな! 零よ……」
彼女が自分の隣にいられないのならば、こちらからかけてやる言葉などない。
彼女は彼女なりに戦っていて。自分は自分の戦いがある。
今大事なのは、生き残ってBADANを潰す事だ。
自分の横に彼女がいる事がその妨げになるなら、それは彼女にとって一番辛いこと。
それに、この戦いが終われば、二度と交わらない運命ならば……忘れた方が幸せだ。
この想いを抱いたまま別の世界で生きていくのは、あまりにも辛すぎる。

「それでは先に学校へ行っている。……お気をつけて」
静かに告げると、覚悟は学校へと全速力で走り抜けて行った。
後に残されたのは少年の残した乾いた風と、1人の少女。

「つかさぁ……やっぱり、無理、だった、んだよ……
 こんな、ところで……誰か、を、好きに、なる、なんて……」
自分と彼じゃあ違いすぎる。
力も意思も、住んでいる世界も。
初めから、彼を愛する資格など、存在してはいなかったのだろう。

「忘れなきゃ……わす、れ、な、きゃ…………」
立っていられない。
店の壁に寄りかかると、もう足の力は入らなくなった。

「う……うぁ……」
そのままズルズルと下がり、ついには地べたに寝転がる。
服が汚れる、髪が汚れる。
だけどそんな事はどうでもいい。
681Classical名無しさん:08/06/14 21:28 ID:yYbvW1c6
              
今は、もう全てがどうでもいい。

「うあああああぁぁぁぁぁぁっ!!」
泣き叫ぶ少女の声は、彼には届いただろうか。
それだって、もはや、どうだっていいことなのだけれど。

4人で笑いあった時間は永遠に帰っては来ないのだから。


【C-3 南部 2日目 朝】

【葉隠覚悟@覚悟のススメ】
[状態]:全身に火傷(治療済み) 胸に火傷、腹部に軽い裂傷。頭部他数箇所に砲弾による衝撃のダメージあり
    胴体部分に銃撃によるダメージ(治療済み) 頭部にダメージ、
    両腕の骨にひびあり、零の推進剤により高速移動中
[装備]:強化外骨格『零』@覚悟のススメ
[道具]:大阪名物ハリセンちょっぷ 滝のライダースーツ@仮面ライダーSPIRITS(ヘルメットは破壊、背中部分に亀裂あり)
[思考]
基本:牙無き人の剣となる。この戦いの首謀者BADANを必ず倒し、大首領を殺す。
1:学校で川田の死体を確認して、パピヨンたちと合流する。
2:1が終わり次第、繁華街のホテル(E-2中心部)で再集合
3:村雨が再び記憶を失い、殺し合いに乗るようならば倒す
【備考】
※こなたの死を知りました。それが川田のせいである事も知っています。
※パピヨンとアカギを全面的に信用しています。
※ラオウを倒した男が劉鳳だと知りました
※零と一体になる事に迷いはありません
※服部、ジョセフ、エレオノールと情報交換をし、友好関係を取っています。
※アカギと情報交換をしました。
683Classical名無しさん:08/06/14 21:29 ID:ZspIPwx6
 
684Classical名無しさん:08/06/14 21:29 ID:yUAXOXRI
            


【零についての備考】
※零の探知範囲は制限により数百メートルです。
※零はパピヨンを危険人物と認識しました。
※零は解体のため、首輪を解析したいと考えています。
※零は村雨の体を調べ、その構成が、極めて高位の霊魂ならば、強化外骨格同様受け入れられる構造になっていると知ります

『大首領を殺す作戦』
・大首領を強化外骨格の中に降ろしてから、成仏鉄球で成仏させる。
・そのためには大首領を弱らせる必要がある。
・強化外骨格内部の死者ならば、大首領を内側から攻撃できる可能性が高い。
686Classical名無しさん:08/06/14 21:29 ID:78Bv0Pus

687Classical名無しさん:08/06/14 21:30 ID:yYbvW1c6
      
688Classical名無しさん:08/06/14 21:30 ID:QMdNUMaI




【D-3 中央部 2日目 朝】

【桂ヒナギク@ハヤテのごとく!】
[状態] 顔と手に軽い火傷と軽い裂傷。右頬に赤みあり。右肩が外れている、手の平に裂傷、勇次郎平手によるダメージ 、核鉄の治癒力により回復中
[装備] バルキリースカート(核鉄状態)@武装錬金(アーム四本中三本破損) 木刀正宗@ハヤテのごとく
イングラムM10(9ミリパラベラム弾0/32)454カスール カスタムオート(6/7)@HELLSING 13mm爆裂鉄鋼弾(28発) 陵桜学園高等部のセーラー服@らきすた
[道具]支給品一式、ボウガン@北斗の拳、ボウガンの矢17@北斗の拳
[思考・状況]
基本:BADANを倒す。
1:しばらく泣く
2:学校へ向かい、覚悟、村雨、かがみ、エレオノール、パピヨン、アカギ、斗貴子と合流。
3:2が終わり次第、繁華街のホテル(E-2中心部)で再集合

[備考]
※参戦時期はサンデーコミックス9巻の最終話からです
※桂ヒナギクのデイパック(不明支給品1〜3品)は【H-4 林】のどこかに落ちています
※核鉄に治癒効果があることは覚悟から聞きました
※バルキリースカートを使いこなしました。バルキリースカート本来の戦い方ができるようになりました。
※エレオノールと和解しました
※服は現地調達したものに着替えました
※服部、ジョセフ、エレオノールと情報交換をし、友好関係を取っています。
※アカギと情報交換をしました。
689 ◆d4asqdtPw2 :08/06/14 21:31 ID:QMdNUMaI
以上投下終了です。支援ありがとうございました。
ケンシロウの回想および『般若心境』については◆wivGPSoRoEさんの「炎の記憶」参照です。
690Classical名無しさん:08/06/14 21:36 ID:yUAXOXRI
投下乙!
盛り上がってまいりました!
ケンシロウとアミバの会話、そして握る希望!
赤木の鬼思考、覚悟&ヒナギク&零のほのぼのと失恋。
見所がたくさんでした。赤木ラスボスフラグも最高!
平次が死神に魅入られた!!
GJ!!
691Classical名無しさん:08/06/14 21:39 ID:yYbvW1c6
投下心から乙。

もうなんだろ……色々ありすぎて…
アカギ…お前って奴は…
ヒナギク…

あ、なんか目から汗が…
とりあえずGJ
692Classical名無しさん:08/06/14 21:41 ID:ZspIPwx6
投下乙です!
ケンシロウ……!こんな健闘を最期の最期でやっていたとは!!アミバとの出会いも良かったです!
ちょwヒナギクwww何故最近の君はこんなにギャグが多いんだwww
覚悟や零の反応も面白いですw特に零の突っ込みがグッドwww
アカギやっぱり偽って覚悟とヒナギクに接触したか……ケンシロウが残した鍵から出来たJUDOに対する作戦が完成!
に今後が気になります……ってアカギ、お前はやっぱりずれてるぜ……自殺させるとは!
最期のヒナギクと覚悟の別れには思わず目頭が熱くなりました……ヒナギクの心理描写に引き込まれました!

と、ちょっと読みにくい感想で申し訳ないです。
GJでした!!
693Classical名無しさん:08/06/14 21:43 ID:Rj9jFLsE
投下乙
ケンシロウ……最期の最期でお前もまた熱い奴だったよ……
そしてとうとう死神が本格始動しやがったw
694Classical名無しさん:08/06/14 22:17 ID:lQrqCOmU
投下乙です。
ついに大首領との戦いに向けての包囲網が整ってきた感じですね。
ケンシロウの独白はいつもの落ち着いたケンとは又違った雰囲気を
感じました。アミバもよくやったw

アカギ・・・相変らずマイペースだな。他の面子が自殺は認めないと思うぞ
まぁ秘密裏にやるんだろうけどw

誤字あったので指摘しておきます。

そのための北斗真剣!→北斗神拳

最後に改めてGJでした。
695Classical名無しさん:08/06/14 22:22 ID:Poxn6jDs
投下乙です!
ケンシロウ……最後の最後まで、あんなに熱い男だったとは……!
ヒナギクの悲しい決意も、胸にじんわりと来ました。
カズマさんやキュルケがいたら、「諦めるということに反逆しろ!」「世界を超えたラブロマンス……燃えるじゃない!」
とか言って励ましそうなんですがねぇ……

最後に……死神、色々と自重しろwww
大首領は寧ろ、お前と直接対面したいと思うんだぜw
ああ……『合体したい』の項目に、新たな伝説が……。
そして! 服部逃げてええええええええええええ!!!
696Classical名無しさん:08/06/14 22:45 ID:xwafpaGA
投下乙!
クライマックスに向けて、でも全員一致で対主催に向かうかどうかわからない
そんな流れにwktk!

ところで、別にどうでもいいかもっていうくらいの違和感なんですけど
ケンシロウだったら自分で秘孔を突いて死んだ後も前進するくらいならできそうかなって思いました
697Classical名無しさん:08/06/14 22:53 ID:Poxn6jDs
>>696
ケンシロウの思考とアミバとの会話、あれは現実時間にして1秒未満のことなんだぜ?
正確には、首輪のカウントダウン終了から起爆までの間だったかな。
だから、秘孔を突く暇も無かったのさ。

それと、すっかり忘れていた誤字の指摘。
北斗神拳が北斗“真剣”
になっている箇所がありました。
698Classical名無しさん:08/06/14 23:18 ID:2t2UayK6
投下乙。
なんというか……あの、ほのぼの4人組がとうとう完全にバラバラになっちゃったなぁ……。
パピヨンとタイマンで対峙することになりそうな覚悟、大丈夫だろうか。
いや零がいるか。それより残されたヒナギクが心配か。
ケンシロウの最期の意地にも震えたし……なによりアカギ。お前ってやつは……!
GJ!
699Classical名無しさん:08/06/14 23:32 ID:TePXVJDk
投下乙
ヒナギクの断末魔(ゲロ)が酷すぎ ワロタwww
アカギと大首領のラブラブっぷりに嫉妬
もう、おまえら結婚しろ
700Classical名無しさん:08/06/15 00:14 ID:a59cDzYo
投下乙!
ヒナギクのゲロ話でギャグに走るかと思いきやとんだ鬱話だったぜ!(だがそれがいい!)
アミバがこんなにいいヤツだと思う日がくるとは…
それにしてもアカギの台詞がいちいちエロいしアッー!に見えた俺は死んだ方が良いと思った
701Classical名無しさん:08/06/15 04:45 ID:YpFyObVA
遅ればせながら投下乙
ヒナギクは雌豹からゲロインかw
だがシリアスになってきたな
そしてアカギが黒くwアカギラスボス化か!?
702Classical名無しさん:08/06/15 10:27 ID:JQxWarZ.
乙です、最終決戦は内側に期待してしまう出来でした、期待しています
703Classical名無しさん:08/06/15 15:20 ID:NoCsTahk
投下乙でした。
ヒナギクがネタキャラと見せかけ、最後はシリアスな別れ話がつらい。
そしてケンシロウが今際の際に託した最終兵器成仏鉄球。
それとアカギの相変わらずの狂気のラスボスフラグ。
この後がすごい楽しみです。GJ

質問なんですが、状態表だとバルスカはアームが三本破損となっているのに
今回の描写を見る限り四本使える状態だと感じます
今どんな状態になっているのでしょうか?
704 ◆d4asqdtPw2 :08/06/15 22:12 ID:dDR4sUno
すいません返答が遅れました。
>>694>>697
指摘ありがとうございます。wikiで修正します。
>>696
指摘ありがとうございます。確かにケンシロウなら可能ですね。
今回は>>697が説明していただいたように、技を撃つのは時間が無くてできなかったということで。
>>703
指摘ありがとうございます。
ヒナギクが発動した時点でバルスカの足は修復が完了しています。
状態票の記述が間違っていましたすいません。
705Classical名無しさん:08/06/16 05:33 ID:rBjMx1KI
>>689
遅れたけどGJ!!
最後に死んだ奴らの魂が大首領と戦う展開が見れそうで楽しみ
花山薫、鳴海をもう一度カモーン
706Classical名無しさん:08/06/16 17:36 ID:r7LPE37.
死亡したキャラの魂が大活躍ってどこのスパロワだよって思ったけど
熱い展開なので無問題。
 
大首領とアカギを比べたら遥かにアカギの方が格が上なのが気になるな。
マジでラスボスフラグが立ったか?
707 ◆WXWUmT8KJE :08/06/18 20:20 ID:FDvORk6s
リアルの事情で、明日の執筆が無理のため延長をお願いします
708Classical名無しさん:08/06/18 22:49 ID:HtV.nVU6
投下乙
「そういうコト」で非常に悦んでしまう人=俺の事
709Classical名無しさん:08/06/19 00:07 ID:XUAI696o
>>706
ここで「お前なんかに惚れてねーし自惚れんなw」と大首領が反逆する展開に
なれば無問題。
710Classical名無しさん:08/06/19 01:51 ID:Nn2u2ojU
>>707
なんか大変そうなパートですが、期待して投下待ってます。
>>708
ちょっと署まで来てもらおうかw
711Classical名無しさん:08/06/19 12:34 ID:UGiRScmw
>>709
これはひどいツンデレw
712Classical名無しさん:08/06/19 14:39 ID:3SBPxWBs
こんな神スレがあったのか・・・
もうクライマックスだから参加できないな・・・
書き手さん応援してるぜ!
713Classical名無しさん:08/06/19 21:54 ID:KkAJ6g6c
>>712
よければ完結してるアニロワ1stなどもどうぞ
714Classical名無しさん:08/06/19 22:43 ID:bJhW9ulc
よその宣伝すんなボケ
715Classical名無しさん:08/06/20 00:05 ID:g1IjDuYs
>>714
同じパロロワじゃないか。
一々目くじら立てるなよ。
それとも注意するふりをした新手の荒らしか?
そうじゃないなら少し黙っとけ
716Classical名無しさん:08/06/20 00:08 ID:6AkeuE4A
漫画ロワとアニメロワには何の関係もない
ここで宣伝するのはどう考えてもスレ違い
それを指摘しただけなのに荒らし扱い?
お前の方が荒らしだろ
717Classical名無しさん:08/06/20 00:10 ID:LYTmdOsk
>>715
他ロワの話は本スレでしない方がいいってのは、結構前からパロロワ全体で言われている事なんだ。
確かに上で注意した人は言い方は悪いけれども、言ってることは彼の方が正解。
718Classical名無しさん:08/06/20 00:40 ID:QZEbXO6g
>>716
いちいち絡むなよ。
>>713の行為が良いとは言わないが
スルーすればすぐに終わったことなのに、いちいちお前がかまって(しかも煽り口調で)
それに対する返信にもまたかまって・・・。
もう少しスルースキル身に着けろよ。
ゆとりだからとかいう弁解はやめろよ。
俺から見ればどっちも荒らしだ。
719Classical名無しさん:08/06/20 00:48 ID:djnnYh8w
>>718 こそプロの煽り屋 そこにシビれる、憧れる
720Classical名無しさん:08/06/20 02:57 ID:pfhF08fs
他ロワの宣伝云々は新参なのでよく判らんが
いきなり暴言飛ばしだす奴は荒らしでFA
721Classical名無しさん:08/06/20 12:29 ID:qFGKY.Nk
そんなことより続きを楽しみにしようぜ!
722Classical名無しさん:08/06/20 15:00 ID:1I4ZMPrc
>>721
が一番正しいな
書き手さんがんばってくれ!
723Classical名無しさん:08/06/20 21:53 ID:gkO/oO1U
今日一日まるごと一気に読んだ
止まらなかったすごい勢いで読んだ
全執筆者に乙!応援しかできんがこれからの展開も楽しみにしてる
724Classical名無しさん:08/06/20 23:53 ID:6AkeuE4A
>>720
本スレで他ロワの宣伝をするのはあまり好まれないのですわ

今度から気をつけないと、プチ殺しますわよ


こうですか分かりません
725Classical名無しさん:08/06/20 23:58 ID:AeLEKJns
そんなくだらない事はスルーしていいから。

アーオレニモウチョットマシナブンサイガアレバアノフタリヲヨヤクシタインダケドナー
726Classical名無しさん:08/06/21 00:31 ID:51N57isc
>>725
you!やっちゃいなYo!
男は度胸だってイイ男が言ってた
727Classical名無しさん:08/06/21 00:32 ID:1TEtXkrY
>>726
携帯電話みたいなIDだな
728Classical名無しさん:08/06/21 00:34 ID:0PJrUxYo
>>724
そうですね、そのくらいギャグにしとけば
誰も真に受けないので宜しいかと思います。
729Classical名無しさん:08/06/21 01:33 ID:ZDlnE9XY
>>724
真性だったか・・・。
お前、もうこのスレ来なくていいよ。いても百害あって一利なしだ。
730Classical名無しさん:08/06/21 01:45 ID:K.wZL0c.
ネタをネタと(ry
731Classical名無しさん:08/06/21 03:27 ID:cWK007Rg
>>723
wikiの「書き手紹介」にコメント投稿マジオススメ。
あと専用したらばの死者スレなら誰でも気軽にSS投下できるよ!
732 ◆WXWUmT8KJE :08/06/21 14:45 ID:O8QGrJVU
仮投下終了しました。
意見をお待ちしています。
733Classical名無しさん:08/06/21 15:30 ID:4Pjdr8W2
仮投下乙です
一点誤字の指摘を

 村雨が視線を移動させると、殺気をぶつけてくる剣に気づく。
 それもしょうがない。彼は怒る資格がある。パピヨンは無言で彼に近寄った。

 村雨が視線を移動させると、殺気をぶつけてくる剣に気づく。
 それもしょうがない。彼は怒る資格がある。村雨は無言で彼に近寄った。
734Classical名無しさん:08/06/21 15:48 ID:Oz29jrvo
投下乙です
自分から指摘はありません。感想は本投下の時に
735Classical名無しさん:08/06/21 16:04 ID:51N57isc
投下超乙
凄いことになってきたな。クライマックスまでもう少しか…
736Classical名無しさん:08/06/21 17:09 ID:jAzSJs4Q
仮投下乙です。誤字の指摘では、
「そうだな。こなたは俺はこなたに対して、好意を抱いていた。認めてやる……」

「そうだな。俺はこなたに対して、好意を抱いていた。認めてやる……」
ではないでしょうか?
737Classical名無しさん:08/06/21 18:47 ID:B2qvQScA
ドクターバタフライじゃなくてドクトルバタフライですよ。
738Classical名無しさん:08/06/21 19:33 ID:4uQVoysE
アカギすげーなwwww設定的には一番平凡なのにwwwwwww
739 ◆1qmjaShGfE :08/06/21 20:17 ID:cKDHKuEA
服部、ジョセフ投下します
740神社にて ◆1qmjaShGfE :08/06/21 20:18 ID:cKDHKuEA
朝日に照らし出された街並みは鮮やかな色彩を取り戻す。
窓ガラスから照り返される陽光はまだ弱い輝きながらも、暗闇に慣れた目に黄色く映る。
眩しさに目を細めながら、服部、ジョジョの二人は神社へと向かっていた。
もうじき放送が始る。
足に付けたモーターギアの操作感覚を確かめながら、服部は懸案事項に想いを馳せる。
集まった情報から、既に能動的に殺人を行う者は一人のみと知れた。
主催者の意図を考えるにこれは歓迎出来ない状態のはず。
ならば第二放送でルールを追加してきたように、ここでも更なるルールの追加を行う可能性が高い。
時間を確認するとジョジョに言って足を止める。

『それでは午前6時、5回目の定時放送じゃ……』



服部が危惧していたルールの追加は無かった。
だが次の放送までにまともな死者が出なければ、主催者達は間違いなくルールの追加を行う。
殺し合いに乗っている最後の一人も遂に堕ちたからだ。
現状のルールでは決着までに最大で192時間もかかってしまう。
尤も生贄を捧げながら、そんな長時間の時間稼ぎが出来るとも思っていないが。
となれば、タイムリミットは六時間。
たった一人でも生贄が必要になった瞬間、この集団は瓦解すると服部は考えていた。
仲間同士で生贄の人選を巡って殺し合いが始る。
もちろんその可能性も無くはないが、おそらくは全員で自滅覚悟の突貫をすべしとなる。
そうさせない為にクリアすべき問題点は一つ。
首輪の解除だ。
これさえ外せれば時間制限は消える。
繁華街に戻ったら、試しに首輪をバラしてみるしかない。
741神社にて ◆1qmjaShGfE :08/06/21 20:18 ID:cKDHKuEA

やるべき事ははっきりしたので、死亡者と禁止区域を記入し終えると神社へと歩を進める。
並んで走るジョジョが何か言いたそうにこちらを見ているが、服部は無視する。
その話題は今はしたくないし考えたくも無い。この目で確かめるまでは。
この世が無情な事は良く知っている。
あれほどの勇気を示した彼女が、最後にと託した願いが死を持って報われた事を思えばそんな幸運は万に一つもありえないだろう。
それでも願わずには居られない。あの男を守る為に散っていった命達の為にも。



整った顔立ちながら目の周りと口元から伺える強固な意志。
鍛えぬかれた筋肉はしかし醜く盛り上がる事をせず、何層にも重ね凝縮された鋼のような鋭さを持つ。
随所にある黒ずんだ染みからは勇気と献身が伺える。
規律を旨とする制服を身に纏う、青と白の美しい彫像。
服部とジョジョの二人は、どちらからともなく黙祷を捧げる。
「埋めるで」
それだけ言うと静かに林の中に入っていく服部。
ジョジョも慌てて後を追う。
一切の感情を現さぬ服部の様子が痛々しく、何度か声をかけようとするが都度思いとどまる。
言葉一つで感情を操れるというのなら、誰も苦労はしないのだ。



出会った時には既に事切れていた。だから伝え聞いた話のみを元にその人物像を想像するしか無い。
にも関わらず、伝えてくれる人物に問題があったせいか、やはりどんな人間か予想しずらい。
それでも彼が勇敢で心優しい人間であったと服部は断言出来る。
死に方は生き方を現す。危険に晒された男を身を呈して庇うなんて真似が出来る人間が、そうでないはずがない、と服部は思うのだ。
742Classical名無しさん:08/06/21 20:19 ID:1TEtXkrY
支援
743神社にて ◆1qmjaShGfE :08/06/21 20:19 ID:cKDHKuEA

まずは意思疎通からして困難だった。
状況が状況だ、すぐに信用を得られるとも思っていなかったが、まさか食べ物で釣れるとも思っていなかった。
バイクのスピードを嫌いじゃないと言ってくれた青髪の少女、劉鳳を庇って死んだ少年の知人である少女は、
吸血鬼との戦いにおいて自分の体で銃弾を受け止めるという離れ業をやってのけ、少年同様劉鳳の命を守った。

話には聞いていたが、出会ったのはほんの数分。落ち着いて話す暇も無かったが、その人となりはすぐにわかった。
まさか敵を前に仲間同士でケンカしてるとは思わなかった。劉鳳がもう一人増えた気分だ。
彼はタバサを救う為、みんなを守るために一人残って吸血鬼との戦いに身を投じた。
彼の最後がどうだったのかはわからないが、勇敢に戦って逝っただろう事だけは容易に想像出来た。

とにかく暑苦しい男だった。
何処からとも無く現れたかと思えば、あの劉鳳を力づくで止めてみせる。
冷静なのか短気なのかよくわからない。見た目通りの筋肉男かと思えば、静かに物を考える事も出来る。
手足の自由を奪われ、喉を砕かれながらも彼は最後まで冷静さを失わず、見事な機転で服部達に危険を知らせこの世を去った。

平静でなかったとはいえ、こんな場所で誤解されかねない言い方を平然とする。
自分の身を省みるなど考えた事も無いと言わんばかりに、彼我の戦力差も意に介さず戦いたがる。
すぐに怒る、やたら怒鳴る、何時でもケンカ腰、人の話なんて半分も聞いちゃいない。
善悪の判断基準が明快で、それに従って何処までも突き抜けて省みる事も無い。
服部の世界に来たら間違いなくただの無法者扱いだろうその男は、
それだけではなく、気落ちしていた服部を慰めるべく声をかけ、救えない命を前に涙する心優しい男でもあった。

平賀才人が、タバサが、ブラボーが、アミバが、その命と引き換えに守った劉鳳は、
最後に果たすべき役割、敵を倒すという彼にしか出来ない役目を果たして散っていった。

744神社にて ◆1qmjaShGfE :08/06/21 20:19 ID:cKDHKuEA
では吉良吉影や三村信史を殺してまで生き残った自分の役目は一体何なのだろう。


「ジョジョ、ちょっと寄り道するで」
劉鳳を埋め終えると、服部はそんな言葉を口にした。
口調から落ち込んだ様子は感じられない。この僅かの時間で自ら立て直したようだ。
だがジョジョは服部の手が埋葬作業の時に汚れたままで、土を払いもしていない事からまだ動揺が尾を引いていると見ていた。
「OK」
林の中、社へと至る石畳を一通りその目に収め、戦闘跡を一つ一つ確認する。
都度服部はその戦闘跡から得られる情報、二人の戦闘能力の推理を披露した。
ジョジョはその洞察の深さに感心しながらも、これが彼なりの精神を安定させる術だと思い、
時折茶々を入れながらも言う事一つ一つに頷き、あるいは反論して会話を続ける。
二人はいつしか劉鳳の一撃と思しき損壊の跡が見られる社の前まで来ていた。
「こっちや」
中にまで被害は及んでいると思われる。そんな言葉と共に服部は社の中へと入っていく。
そこで不意に二人を奇妙な違和感が襲う。
息苦しさを覚え、それ故か社内部の大気が重く二人にのしかかってくるような錯覚に陥る。
歩を進めるにつれ、まるで海の底へと沈み込んでいくかのように大気は圧力を増し、二人の行動を阻害する。
先を行く服部はそれでも足を止めない。
頼りなげなその背中を見ていたジョジョは、神を信じ断崖から身を投げる殉教者の姿を彼に見た。
これまでと肩に手を乗せる。
「服部、お前調子悪いんだろうが。無理すんじゃねえ」
既に深海の底へと辿り着いているにも関わらずジョジョの言葉は力強い。
対する服部は、半死半生の体でそれすらおっくうであると言わんばかりに、弱々しく答えた。
「……せ、せや……な、ちょい、キツイ……わ」

745Classical名無しさん:08/06/21 20:20 ID:1TEtXkrY
 
746神社にて ◆1qmjaShGfE :08/06/21 20:20 ID:cKDHKuEA

社を出た所で二人は、デイバックの中から飲料を取り出して飲む。それでようやく人心地ついたのか大きく深呼吸をした。
「疲れてるんやな、戻ったら一眠りしよか」
「……ああ、そうしようぜ。お前顔真っ青だぞ。それと手についた泥ぐらい払え」
「この期に及んで血色良い顔しとったら、死んだ奴等に申し訳無いて」
「馬鹿野朗、そういう事じゃ……」
「まあ調子悪いんは確かやしな、無駄な事しとらんとさっさと引き上げようや」
力無さげにそう呟く服部の後を追い、ジョジョは半ば呆れた顔で社を後にした。



「服部さん、実はお願いがあるんだけど」
服部に声をかけて来たのは柊かがみだった。
「何や?」
ちらと横を見ると、ジョジョはからかったヒナギクにどやされてる真っ最中。
あれじゃ話も出来んわな、と肩をすくめる。
「ちょっと待ってて」
かがみはデイバックの端を足で押さえ、チャックを器用に右手だけで引っ張り開ける。
覗き込んで探した後、中から取り出したのはメモ帳とえんぴつ。
かがみがその二つをテーブルに置くと、服部は何も言わずにメモ帳の上端を手で押さえる。
その行為の意味に一瞬で気付いたかがみは微笑を浮かべる。
服部のおかげで片腕でもメモ帳がずれる事無く文字が書けるようになったかがみは、筆談を開始する。
『神社に行くんだったら、社を調べて欲しいのよ……』
強化外骨格に関する自分達の推理を説明し、それが神社等にあるかもしれない事。
そして服部が欲して止まなかった情報、首輪解除のとっかかりとなる儀式についてだ。

小躍りしたくなるのを堪えるのに服部は必死であった。
747神社にて ◆1qmjaShGfE :08/06/21 20:20 ID:cKDHKuEA
BADAN本拠の位置、連中の目的、首輪解除の手段は知れた。後は奴等の戦力を把握出来れば策は立てられる。
いや既にそれすら必要無いかもしれない。
服部はBADANに対して幾つかの推論を立てていた。
この殺し合い企画をBADANはまだ開催し慣れていない事。
要所要所で企画管理の甘さが見られる。確かに技術は高度であるようだが、それを運用する人に問題があるようだ。
おそらく今手にしている情報以外にも、連中の戦力の手がかりがあるはず。
学校に居るパピヨン、津村、赤木と合流した後、全員で情報交換をし、今後の対策を考える。
そして時間の許す限りの休息を取り、戦闘に備える。
戦闘、殺し合いは不可避だ。ここで逃げる手段を見つけたとして、彼等を逮捕し得る組織を呼び込めねば同じことの繰り返しとなる。
首謀者、基幹を為す技術者、既に構築済みのシステム、全て消滅させなければ意味は無いだろう。
もちろんこれは最悪の場合だ。
次元を超える技術。これが何に拠っているかが全ての鍵になる。
これを押さえる事さえ出来れば、後は単純に戦力の多寡が問題となるだけ。

かがみが文章を最後まで書き終わるまでの間に、そこまで考えた服部はふと思考を止める。
最後にかがみが書いた文、そこに込められた彼女の想いを受け取るのに必要だと感じたからだ。
『ジョジョの事、お願いね』
三村信史の仲間であったと聞いている。
そんな彼女が三村を殺した服部にこれを頼む、おそらく余人には理解しえぬ複雑な想いがあるだろう。
せめても服部に出来る事は、そう言ってくれる彼女の信頼に応える事だけだと思った。



『柊かがみに社の中を調べるよう頼まれてる。理由は彼女の書いたこのメモ帳を読め』
『上から見られてるかもしれへん、林を出たら俺に合わせろ。建物の中に入るまでは筆談も最小限にや』

『これで確定や、柊かがみの読み通りこの先に何かがある。体の不調はその何かを守るためのもの』
748Classical名無しさん:08/06/21 20:21 ID:1TEtXkrY
     
749神社にて ◆1qmjaShGfE :08/06/21 20:21 ID:cKDHKuEA
『だがこれじゃ確認しようが無いぜ』
『限界まで行ってみる。社の構造を推測するにこの先十数メートルの場所が一番臭い』
『俺はいいがお前はキツイだろ』
『こんだけキツければ俺の体調も悪くなるやろし、外に戻ってもすぐには回復せえへんやろ。それは社から引き返した理由になる』
『何?』
『戦闘状況を把握する為にここに居る俺達、せやけど俺の体調が悪なって急遽戻って休む事にした。理由としては筋が通ってるやろ』
『その為にわざわざ本当に体調が悪くなるまで、無理をするってのか?』
『ここに何かがあると俺達は気付いてるかもしれん。気付いて無いかもしれん。連中はどう判断するやろな』
『奴等の迷いを呼ぶんや。確定判断なんぞさせてやらん』

『筆談に使ったメモは全部さっき劉鳳埋めた所の側に埋めてくで。穴は空けてあるしあそこなら上から作業を見られへん』
『劉鳳の死を目の当たりにして動揺している俺は、冷静さを取り戻す為に推理を披露して社に入り、
 精神的にもまいっていた為、仕掛けの影響を大きく受け体調を崩す。咄嗟に考えたにしては悪く無いストーリーや思うで』



ジョジョは服部の行動を演技だと信じてくれたようだ。
落ち込んでるのも演技、疲れているのも演技、そう見せているというのも演技。
今は亡き江戸川コナンは服部を信頼に足る人物であると評していた。
それは服部も同じである。
能力を、意思の強さを、正義への信念を、心から信頼していた。
江戸川コナン、工藤新一の死は服部の胸に巨大な空洞を作り上げた。
それはきっとどんなものを持ってしても埋める事は出来ない、あれほどの男が二人と居るはずが無いのだから。
ふとした事で度々襲い来る喪失感、これを必死に耐える時、服部は決まって一人の女性の顔を思い浮かべる。
何故それが幼馴染の遠山和葉なのか。
理由は自分でも良くわからなかった。
750Classical名無しさん:08/06/21 20:21 ID:o8HnTy1c
 
751Classical名無しさん:08/06/21 20:22 ID:o8HnTy1c
   
752Classical名無しさん:08/06/21 20:22 ID:1TEtXkrY
           
753Classical名無しさん:08/06/21 20:23 ID:o8HnTy1c
  
754神社にて ◆1qmjaShGfE :08/06/21 20:24 ID:cKDHKuEA

【D-1 神社/2日目 朝】
【服部平次@名探偵コナン】
[状態]:肉体疲労中(ニアデスハピネス換算で一発分のみ)、精神疲労大、三村を殺したことから大分立ち直りました。
[装備]:スーパー光線銃@スクライド、携帯電話、モーターギア(スカイウォーカーモード)@武装練金、
クレイジー・ダイヤモンドのDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:支給品一式×2(食料一食消費)、首輪、「ざわ……ざわ……」とかかれた紙@アカギ(裏面をメモ代わりにしている)、
色々と記入された名簿、ノート数冊、ノートパソコン@BATTLE ROYALE ジャギのショットガン@北斗の拳(弾は装填されていない)、
綾崎ハヤテ御用達ママチャリ@ハヤテのごとく(未開封)、 ギーシュの造花@ゼロの使い魔、キュルケの杖、拡声器、
ソードサムライX(核鉄状態)@武装錬金、包帯・消毒薬等の治療薬、点滴用セット(十パック) 病院内ロッカーの鍵(中に千切れた吉良の左手首あり)、
バヨネット×2@HELLSING、 紫外線照射装置@ジョジョの奇妙な冒険(残り使用回数一回)
[思考・状況]
基本:首輪のトリック、事件の謎を解除する。三村や仲間達に恥じることの無い行動をする。
1:繁華街のホテル(E-2中心部)で再集合
2:範馬勇次郎以外の光成の旧知の人物を探り、情報を得たい。
3:全員が集合し次第情報の整理と休息を行いたい
[備考]
※劉鳳、コナン、神楽、ジョセフの事は全面的に信用しています。
※コナンと二人で立てた仮説、「光成の他の主催者の可能性」「光成による反抗の呼びかけの可能性」
「盗聴器を利用した光成への  呼びかけの策」 等については、まだ他の人間に話していません。又、話す機会を慎重にすべきとも考えています。
※スーパーエイジャが、「光を集めてレーザーとして発射する」 事に気づきました。
※三村信史の死ぬ直前の記憶を見ました。
※第四回放送の内容は劉鳳からの又聞きでしか記憶にありません。
※ルイズをF-3の川岸に埋葬しました。折れた軍刀は墓標として刺してあり、キュルケの杖、拡声器は服部が所持しています。
755Classical名無しさん:08/06/21 20:24 ID:o8HnTy1c
    
756神社にて ◆1qmjaShGfE :08/06/21 20:24 ID:cKDHKuEA
※アミバの持っていた支給品一式×3 (食料一食消費) は、F−2民家の中にあります。
※アミバの持っていたノートパソコンには、大東亜共和国謹製のOSが組み込まれています。
※ジョセフとの相互理解を深め、より信頼しあえる関係になりました
※かがみから儀式のやり方を聞き、首輪のステルス解除のやり方を知りました
※社の奥に何かがある、そしてそれを守る為に近づくと体が重くなる装置がある事を知りました




【ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:左手骨折、全身重度の打撲、精神疲労大、体力消費大、深い悲しみ、脇腹にダメージ大、核鉄の治癒力により回復中
[装備]:マジシャンズレッド(魔術師の赤)のDISC@ジョジョの奇妙な冒険 、ソードサムライX(核鉄状態)@武装錬金
[道具]:七原秋也のギターをばらしたて出来た弦@BATTLE ROYALE、支給品一式×2、空条承太郎の記憶DISC@ジョジョの奇妙な冒険 、スーパーエイジャ@ジョジョの奇妙な冒険
[思考・状況]
基本:BADANとかいうボケ共を一発ぶん殴る。
1:繁華街のホテル(E-2中心部)で再集合
2:マップの端を見に行く。
3:気が向いたらこのディスクでも確かめてみるか……けど、なんでこれが気になったんだ?

[備考]
※二部終了から連れてこられていますが、義手ではありません。
※吉良の名前に何か引っかかっているようです。
※水を使うことで、波紋探知が可能です。
※三村の留守電を聞き逃しました。
※主催者の目的は強者を決めることであり、その中にはイレギュラーもいると考えています。
※少なくともかがみとは別の時代の人間であるということを認識しました。
※波紋の力を使うことで対象のディスクを頭部を傷つけることなく強制排出することができます。
757神社にて ◆1qmjaShGfE :08/06/21 20:25 ID:cKDHKuEA
 ただし、かなりの集中力を要求します。
※マジシャンズ・レッドの火力は使用者の集中力によって比例します。
 鉄を溶かすほどの高温の炎の使用は強い集中力を要します。
 火力センサーは使用可能ですが精神力を大きく消耗します
 また、ジョセフのマジシャンズ・レッドは通常の炎の威力の調節が極端に難しい状態です。
 ただし、対象に直接マジシャンズ・レッドの手を当てて炎を出した場合に限り調節が可能です。
 修練をすれば通常の炎の精度が上がる可能性があります。
※S7駅がかなり脆くなっていることを発見しました。
※第四回放送は劉鳳からの又聞きでしか記憶にありません。
※服部との相互理解を深め、より信頼しあえる関係になりました
※服部の時のような誤解による失敗を二度とすまいと考えています
※服部から儀式のやり方を聞き、首輪のステルス解除のやり方を知りました
※社の奥に何かがある、そしてそれを守る為に近づくと体が重くなる装置がある事を知りました


[共通備考]
※ 覚悟、村雨、かがみ、ヒナギク、独歩、エレオノールと情報交換をし、友好関係を結んでいます。
また、アカギとパピヨンは協力者、川田は危険人物と認識しています。



※以下の事を考察しています。
このゲームの主催者はBADANである。
BADANが『暗闇大使』という男を使って、参加者を積極的に殺し合わせるべく動いている可能性が高い。
BADANの科学は並行世界一ィィィ(失われた右手の復活。時間操作。改造人間。etc)
主催者は脅威の技術を用いてある人物にとって"都合がイイ"状態に仕立てあげている可能性がある
だが、人物によっては"どーでもイイ"状態で参戦させられている可能性がある。
758神社にて ◆1qmjaShGfE :08/06/21 20:25 ID:cKDHKuEA
ホログラムでカモフラージュされた雷雲をエリア外にある。放電している。
 1.以上のことから、零は雷雲の向こうにバダンの本拠地があると考えています。
 2.雷雲から放たれている稲妻は迎撃装置の一種だと判断。くぐり抜けるにはかなりのスピードを要すると判断しています。
※雷雲については、仮面ライダーSPIRITS10巻参照。
759 ◆1qmjaShGfE :08/06/21 20:26 ID:cKDHKuEA
以上です、支援ありがとうございました
760Classical名無しさん:08/06/21 20:35 ID:o8HnTy1c
投下GJです!
今まで出会った仲間達を思い返す服部の描写が、素敵です。
しかし、ジョセフと服部ってなーんか『似たタイプ』な気がするなあ。今回の『演技』といいw
社の奥には、一体何があるのだろう。気になるうううう。
761Classical名無しさん:08/06/21 21:43 ID:UeUcnoMQ
投下GJです!
罪や想いを背負って、強がってでも前に進む服部……お前は漢だッッ
だから死神の魔手から逃げてー!!

そして仮投下乙です。
自分の感想としては、パピヨンがバダンの本拠地に乗り込み、伊藤博士の場所まで行くのが早すぎると思います。時間的にも時期的にも。
バダンの戦力の質も数も未把握の状態で、パピヨンが単騎突入をするのはあまり考えられません。
そして、伊藤博士の所に真先に着くには、事前に本拠地の内部構造を把握していない限り無理だと思います。
個人的な指摘は以上です。ご参考になれば幸いです。

>>760
社の奥にあるのは強化外骨格『凄』じゃないのか?
762Classical名無しさん:08/06/21 23:10 ID:H6OpXelE
投下乙です!
服部の頭脳を生かした作戦が凄い……アカギに立てられた死亡フラグもなんのそのって感じだ!
ジョジョもすっかりいいコンビでいいですね〜。
タバサ、才人、アミバ、ブラボー、劉鳳を思い、前に突き進み決意の描写もグッド!
GJ!!


仮投下乙です!
確かにパピヨン侵入が少しあっさり気味かなと思いますが特に問題はないかと思います。
763 ◆WXWUmT8KJE :08/06/21 23:34 ID:O8QGrJVU
投下乙です。
今までの出来事を振り返る二人の心理描写が気に入りました。
死んだ人の想いを背負う決意を持つ彼らを、もっと好きになれました。
GJ!


仮投下分の指摘感謝。
誤字脱字の直し、指摘部分に対応して今日の一時に投下したいと思います。
それでは。
764Classical名無しさん:08/06/22 00:00 ID:AhiGfxyM
っていうか新月の日まで後1日でよくないか?
ロワ終了までどう考えてもあと2日はかからないぞ。
765 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 00:55 ID:uC0.tfw.
それでは、投下を開始します。
766襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 00:55 ID:uC0.tfw.

 青から赤に変わる信号を潜り抜けて、ライトを光らせて走る影が一つ。
 白い車体に大型の巨躯を持つバイク、クルーザーは人を三人乗せているのにもかかわらず、風のような速さを持って道路を駆け続けていた。
 操る者の腕もある。クルーザーを駆るものは、元の持ち主、神敬介と同じ称号『仮面ライダー』を持つ男、仮面ライダーZXこと村雨良。
 彼の腕を持ってクルーザーを手足のように扱っていた。
 もっとも同乗者に気を使って、速度を落としているのだが。
「あの、急いでいるのでしたら、私に気を使わなくても……」
 後ろから声がかかり、キョトンとした状態で村雨は後ろを振り返る。
 視界に入るのは、すらっとしたスレンダーな肢体に、銀髪銀目の女性。
 整った美貌が人形のような印象を持つが、意思を持った瞳が『人間』であることを主張していた。
 まるで功を焦っているかのような彼女の声に村雨はフッと微笑んで答える。
「君に気を使っていなくても、かがみには気を使わないとな」
「……そういえば、そうでした。思慮が足りずに、申し訳ありません」
「き、気にする必要ないわよ。ね、ねえ村雨さん」
「ああ、そうだ。エレオノール、君が気にする必要はない」
 いまだに村雨の運転に慣れない、髪を二つに結い、巫女服で未成熟な肢体を包む少女、柊かがみが村雨に声をかける。
 もっとも、エレオノールを気遣ってのことだ。
 かがみは、一時期自棄になり、ジョセフや三村という男に迷惑をかけたという。
 かがみは負い目を感じているエレオノールにある程度共感しているのだろう。
 その気持ち、村雨も理解している。村雨は、かがみよりもエレオノールに近い。
 なぜなら、村雨は記憶のため、エレオノールは人間となるため、人を殺しているのだ。
 ゆえにこの場にエレオノールを責める者など、誰もいなかった。
 罪を背負った三人。
 その三人が同行することになったのは、神の悪戯か。


『それでは午前6時、5回目の定時放送じゃ』
767Classical名無しさん:08/06/22 00:56 ID:3saUenM2
当方に支援の用意あり!
768襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 00:56 ID:uC0.tfw.
 定時に現れる放送を前に、村雨はバイクを止めて二人に視線を送った。
 エレオノールとかがみの二人は無言で視線を送り返す。
 一旦バイクを止め、地図と名簿と筆記用具を取り出し、怒りに満ちた視線を天へと向ける。
 三人は死んでいった被害者たちを聞き逃さないと、しっかりと両足で大地を踏む。
『泉こなた』
 呼ばれた瞬間、かがみに肩がビクッと震える。覚悟していたとはいえ、かがみの中でこなたの喪失感が軽くなることはない。
 肩を震わせながら、かがみは気丈にも耐えた。
 この殺し合いで、何度も彼女の心を壊さんと攻め入った残酷な真実と戦い抜いた証だ。
 その様子に、村雨は安堵する。
『ケンシロウ』
 今度はエレオノールが沈む。村雨も彼の人柄を独歩に聞いただけだが、覚悟に負けないくらい勇敢な戦士。
 そして、エレオノールは彼に救われたと聞いている。
 村雨の気遣う視線に気づき、彼女は強い光を持った瞳で視線を返す。
 とりあえずは、信用しよう。村雨はそう決めて、次の名前を待った。
『劉鳳』
 村雨の眉が、ピクリと動く。記憶を失い、暴走する村雨を止めようとした正義感の強かった青年。
 神社で見た彼の死体を思い出す。もう、自分は彼に詫びて、殴られることもない。
 そのことが無性に悲しかった。
『ラオウ
範馬勇次郎』
 強敵だった。ラオウはハヤテを殺した相手だが、どこか尊敬できる敵であった。
 そして、範馬勇次郎。今でも勝てたことが不思議な相手。
 散や本郷、ハヤテの力を借りなければ、勝つことはなかっただろう。
『川田章吾
赤木シゲル
以上十一人』
 呼ばれた名前に三人は丸くする。先ほど呼ばれた津村斗貴子を含め、向かっていた学校の目的の人物のうち、パピヨンを除いて死亡したのだ。
769襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 00:57 ID:uC0.tfw.
 どういうことか、疑問を持つ。
 川田が襲来して赤木、津村斗貴子が死に、パピヨンが迎撃した、という流れが自然であるのだろう。
 しかし、三人は不安に包まれた。
 聞こえてくる禁止エリアを書き込み、まとめるように村雨が二人を見回す。
「とりあえず、学校へ行ってパピヨンに会おう」
「でないと、判断しようがないもんね……」
 かがみの同意を耳に、村雨はクルーザーにまたがって二人に乗るように促す。
 再びクルーザーを風と化すが、不安が黒い墨汁の染みのように村雨に広がっていく。
 肌に感じる風の温度が、冷たくなっていく感覚を村雨は覚えた。



「着いた……」
 村雨が呟いて、クルーザーを校門の前でアイドリングを続ける。
 舞い上がる土埃。吹き荒れる風に、硝煙の臭いが混ざっていた。
 校舎には焼け焦げたあとが痛々しく残っている。グラウンドにも、激戦の跡が見てとれた。
 ここで、戦いがあったのは確かだ。
 川田と、それ以外の人物の戦いだろうか? 答えを求めるため、村雨はバイクを降りる。
 目線で二人に隠れているよう指示するが、二人は首を横に振った。
 とっくに覚悟ができているというのだろう。罪悪感を抱えているエレオノールはともかく、かがみの態度に村雨は驚く。
「かがみ……」
「ごめんなさい、村雨さん。ここでこなたは死んだの。だから……ここでだけは退けない。
死んだこなたに、生きている私は大丈夫だって示したいの。
それに、ここに残っているパピヨンさんって人はこなたと仲良くしてくれたって聞いた。
夢でこなたがパピヨンさんに迷惑をかけてばっかりだったことを悔いていた。私は、パピヨンさんを信じたい」
770Classical名無しさん:08/06/22 00:57 ID:Fwe2wlXM
支援ー。
771襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 00:57 ID:uC0.tfw.
 村雨は目を丸くする。かがみはしっかりとした意思を持って、立っていた。
 今の彼女を止めるには、気絶させるくらいしか手はないだろう。なるべく、危険な道は行かせたくないが。
「問題ありません。村雨さん。二人は後ろに下がってください。このしろがねが盾となって二人をお守りします」
「「駄目に決まっている(でしょ)!!」」
 エレオノールの提案を二人は同時却下する。
 仲間を盾にするなど、とんでもない提案を受理する二人ではない。
 全力で否定されて、エレオノールがシュンとする。あまりの落ち込みぶりに村雨はかがみと顔をあわせた。
 何かしら、役目を与えたほうがエレオノールのためになるかもしれない。
 村雨は再度、エレオノールへと視線を動かす。
「ならエレオノール、君は最後尾、殿を頼む。背後から敵に教われないように。
いつ、バダンの連中が追っ手を差し向けてくるか、分からないしな」
「はい! 私にお任せください。背後の敵はいかなるものだろうとこのエレオノールとあるるかん。
そして…………」
 武装錬金とエレオノールが呟いた瞬間、エンゼル御前が姿を見せる。
 トゥ、と勇ましく格好をつける御前の姿が、微笑ましく思わずかがみと笑顔を交わす。
「呼んだか? エレノン」
「ええ、私たちが役に立つ日が来ました」
「よっしゃ、俺も力を貸すぜ。お前らも大船に乗った気分で、安心しろよ!」
 小さな胸をポンとたたいて、むせる御前を尻目に、村雨が最前線に立って進む。
 ちょうど、戦闘力の皆無なかがみをはさむ陣形だ。慎重に足を進める三人と+1を前に、校舎より人影が現れる。
 陽光に姿をさらした男は、ぴっちりした黒いスーツに、蝶マスクをつけた男、パピヨンであった。
 首を見つめると、彼を拘束していたはずの首輪がない。
「パッ…………ピー?」
 御前が疑問をぶつける。それもそうだ。村雨の肌が粟立つ。
 かがみが不安げに村雨の袖をつかんだ。エレオノールがいつの間にか、村雨と肩を並べて警戒をしている。
772Classical名無しさん:08/06/22 00:58 ID:jRQX4Qvs
773Classical名無しさん:08/06/22 00:58 ID:3saUenM2
支援
774Classical名無しさん:08/06/22 00:58 ID:kl94NB/2
 
775襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 00:58 ID:uC0.tfw.
 その三人と+1を前に、パピヨンは笑った。

「なぁんだい? 御前」

 ニタァ……と、粘りつくような闇と共に、パピヨンが笑顔を作る。
 まるで、黒い太陽のような、笑顔を。



『以上十一人』
 天より振ってくる忌まわしい老人の声を聞き流しながら、パピヨンは偽装の解けた自らの首輪に工具を差し込んだ。
 ピン、と軽い音を立てて、パピヨンを縛っていた首輪が飛んでいく。
 もはや効力を失った首輪をパピヨンは醒めた目つきで見下ろし、デイバックを手に武道館を後にする。
 今の自分に必要な首輪は、いや爆薬の無効化された元首輪は一つで充分だ。
 分解し終えた後爆薬を無効化するのは簡単だった。
 それほど、首輪の爆薬は単純な構造だった。これはワザとだ。
 スタンド制御装置、そして分解して分かったが、もう一つの装置と比べて、首輪についている爆薬はごく単純な構造だ。
 首輪の外観を空けて、爆薬と起爆装置が一体化しているブロック部品の電源をオフにするだけでいい。
 これで、GPS、起爆装置、盗聴器、生存感知装置の機能が停止する。しかし、他の装置は電源以外のエネルギーを得ているらしく、起動中だ。
 簡単すぎる爆発の無効化。各制御装置と比べて、あまりにも稚拙な技術。
 パピヨンはバダンの裏切り者が相当な地位を持つ科学者であると推察する。
(とはいえ、俺がすることは変わらないな。まあ、伊藤博士だっけか? この技術力を持つなら、いい部下になれそうだ)
 パピヨンは鼻を鳴らして、神棚に背を向ける。手に持った黒い核鉄が熱い。
 肉の塊となった川田が視界に入るが、パピヨンは何もないように通り過ぎた。

 ―― 人としての俺はおいてきたかい?

(ああ、おいてきたさ。もはや俺の名を呼ぶ男との決着など、色褪せた。未来が分かりきってしまったからな。
もう、俺の名を『愛を込めて』呼んでくれる者など、いなくなった)
776勉強男 ◆drwetRDQqY :08/06/22 00:59 ID:AhiGfxyM
私怨
777襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 00:59 ID:uC0.tfw.
 まっすぐ歩くパピヨンの視線にブレはない。
 この言葉、昔はよく聞こえてきたはずだった。武藤カズキと出会い、聞こえることが少なくなった声のはずだった。
 こなたが傍にいてくれたときは、聞こえなかった声。今は、クリアに聞こえてくる。
 そう、蝶野攻爵の声が。

 ―― そうか、安心したよ。さあ、行こう。


 ―― 帝王パピヨン


 脆弱なお前にいわれるまでもない。自然に、パピヨンの口がそう形作られる。
 いつの間にか、靴棚の並ぶ校舎の出口までパピヨンは来ていた。
 来客が来たようだ。迷わず、彼はそのまま進む。
 未来の自分の部下たちの下へ。



「お前……本当にパッピーか?」
「何を言っている。御前」
 パピヨンは御前に応えるように、腰に手を当てて、胸を張っている。
 キラーンと蝶マスクが陽光を反射し、御前の目に光が入って、思わず瞼を閉じた。
 長身に痩躯。身に包んでいるのは、本人曰く『舞踏会にも駆けつけられる一張羅』、周りから見ると『変態としか思えない』ぴっちりした黒スーツ。
 前分けの髪に、蝶マスクをつけた青年。目の前にいる男は、どこからどう見ても御前の知るパピヨンのはずだ。
 なのに、御前は目の前のパピヨンに違和感を感じていた。
778Classical名無しさん:08/06/22 00:59 ID:jRQX4Qvs
          
779Classical名無しさん:08/06/22 01:00 ID:jRQX4Qvs
     
780Classical名無しさん:08/06/22 01:00 ID:kl94NB/2
  
781襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:00 ID:uC0.tfw.
 いや、違う。どこか懐かしい感覚を、パピヨンから感じているのだ。
「ほう、村雨良……キサマがここに来たということは、意趣返しか?」
「違う! 俺はバダンに対して戦うと決めた。お前と協力をしたいんだ」
 村雨の声にパピヨンはほう、と興味深そうに視線を向けてきた。
 ねっとりと絡みつくような視線。御前は村雨をパピヨンは疑っているのかと思ったが、それにしては様子がおかしい。
 警戒している態度ではない。むしろ、余裕を持ってパピヨンは村雨を視線を動かしている。
 何かが、おかしい。御前の第六感が告げるが、何がおかしいのか違和感の正体をつかめない。
「協力か。存分にしてもらうさ」
 パピヨンの言葉に、村雨の表情が晴れる。パピヨンがあっさりと村雨を受けれると考えていなかったからだろう。
 パピヨンと村雨は交戦した記憶しかない。疑い深いパピヨンが受けれるはずはなかったのだ。幸運だと思うのだろう。
 それが、もう一つの疑惑。
 御前はなぜ、パピヨンが受け入れるのか疑問を持つ。
 あの、疑り深く、カズキ以外を信用しないパピヨンがだ。
「お、おい。パッピー、いいのか?」
「何を言っているんだ、御前? 俺が素直に協力するのがいけないのか?」
「いや、そういっているわけじゃねーけど……」
「……すまない。パピヨン、助かる。首輪も解除できるようだしな」
 疑問を浮かべる御前を尻目に、村雨が握手を求めて手を差し出そうとする。
 それを見つめるパピヨンの目が、かつて見たドクトルバタフライの目と重なった。
 御前の背筋に怖気が走る。思わず、御前は握ろうとするパピヨンの手に体当たりをして弾いた。
「何をする?」
 パピヨンの呟きに同意するように、御前に三対の瞳が突き刺さる。
 それでも、御前は毅然とした態度を崩さず、仲間であるはずの、今では唯一の知り合いとなったパピヨンを、睨みつけた。
「……パッピー。一つ聞かせてくれ……」
 搾り出すように、御前は告げる。これだけは確認しなくてはいけない。 
782襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:01 ID:uC0.tfw.
 パピヨンの瞳を御前は必死に射抜き、口を動かした。
「放送で流れた、ツムリンを殺したの、お前か?」
「いいや、奴は川田に殺されたぞ」
 あらかじめ赤木と打ち合わせをしていた台詞を、パピヨンが言っただけだと御前は気づかない。
 それでも、決定的にパピヨンと道が別れたことを、悟ってしまった。
「……そうか……ところで、なんでお前…………」
 御前は口にしたくなかった。唯一の知り合いであり、あの銀成市の愉快な仲間を失いたくなかったからだ。
 もう、誰一人として、御前の知る知人はいなくなったのに。

「何で、戦った後なのに傷が癒えているんだ? まるで人を食ったホムンクルスみたいに……」

 涙をたたえた御前がパピヨンに告げる。
 パピヨンはニヤァと腐ったドブ川よりも濁った瞳を、向けていた。


 御前の推理には穴がある。
 核鉄を二つ保有していたゆえ、傷が癒えたということにしてもよかった。
 激戦を持っているため、傷が再生したということにしてもよかった。
 パピヨンはそれのどれも選ばない。
 帝王は揺らがない。慌てない。
 そして、

「ああ、俺は食ったぞ。泉こなただった物を」

 帝王は隠れはしない。
783Classical名無しさん:08/06/22 01:01 ID:jRQX4Qvs
    
784Classical名無しさん:08/06/22 01:01 ID:kl94NB/2
   
785Classical名無しさん:08/06/22 01:01 ID:O25LP2Cs
  
786襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:02 ID:uC0.tfw.
 こなたを食った事実だけは、己が帝王への道を示したそれだけは、隠すことが帝王のプライドが許さなかった。


 パピヨンの言葉を受け、かがみたちを庇うように村雨が前に出る。
 意気消沈している御前を後方へ下げて、鷹のように鋭い村雨の視線がパピヨンを射抜いた。
「……それは、やむを得なくか?」
「確かに、やむを得なかったかもな」
「どういう意味よ! こなたを食べたなんて! あ、あいつは、あんたのことを……」
 かがみの言葉を受けて、パピヨンは目を細めた。
 視線は村雨たちに向いていない。天を仰いだ姿勢のまま、パピヨンは呟く。
「そうだな。俺はこなたに対して、好意を抱いていた。認めてやる……」
 パピヨンの瞳に、人の光が、悲しみの色が浮かぶ。
 それも刹那の間。すぐにいつものパピヨンへと戻る。
「だからこそだ。だからこそ、こなたを食うのは意味があった」
「どういう意味だ!」
 村雨は鋭い声で問うが、そよ風のようにパピヨンに流される。
 ゆらりと、幽鬼のごとくパピヨンが村雨たちに視線を向けなおす。
 一瞬だが、パピヨンの周囲の空間が歪んだような錯覚に村雨は捉われた。

「この俺の、帝王への道に愛はいらない。村雨、俺と手を組め。
覚悟や赤木……ああ、赤木なら生きているぞ。放送で呼ばれていたがな。あいつらは俺に従わない。
だが、こなたを、俺を殺そうとしたお前なら違うだろう? 首輪を外してやる。俺の下につけ。バダンを乗っ取るぞ」

 手を差し伸べるパピヨン。
 まるで、地下ですれ違ったDIOと似たような空気をまとう彼に、村雨は声を失っていた。
「カズキンとの! カズキンとの決着はまだ着けれるんだろ!? パッピー!」
787Classical名無しさん:08/06/22 01:02 ID:3saUenM2
支援
788襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:02 ID:uC0.tfw.
「……そんな物、ここに来た時点で、決着を着けた武藤を見て価値を失った。
未来の分かる決着など、武藤と馴れ合う自分が想像できる未来など、意味などない」
 僅かな執着を持つパピヨンの声色。それは明らかな決別の宣言だ。
 御前の大粒の涙が零れ落ち、地面で爆ぜた。その瞬間、

「あるるかぁん!!」

 飛び出した銀色の影が、白装束の人形を引きつれて宙を舞う。
 パピヨンがいる地点に、あるるかんの右腕の刃、聖ジョージの剣を打ち込む。
 しかし、すでにその場にパピヨンはいなかった。
「俺と殺り合うのか? エレオノール」
「御前は私の仲間です。仲間を悲しませる相手を……私は討つ!」
 言葉とは裏腹に、予想していたような口調のパピヨンが五メートルほど後方に着地する。
 エレオノールは御前を庇うように、あるるかんを構えた。


「まあ、殺してもいいだろう。俺の部下にするには貧弱すぎるからな」
「くっ!」
 エレオノールは舌打ちをしながら、あるるかんを操る。
 あるるかんが繰り糸によって回し蹴りを放つが、パピヨンは跳躍であっさりと避ける。
 あるるかんを無視してパピヨンが拳を放つ。制限が解けた一撃は、ケンシロウや変身時の村雨にも迫っていた。
 辛うじて避け、エレオノールはあるるかんと共に逃げるが、パピヨンは追ってこない。
「余裕のつもりですか?」
「つもりじゃない。余裕なんだよ」
 ギリッ、とエレオノールは歯を食いしばる。もともとパピヨンは戦闘能力を持っている。
789Classical名無しさん:08/06/22 01:03 ID:jRQX4Qvs
  
790襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:03 ID:uC0.tfw.
 その上、制限が解けているのだ。自分が勝てる道理などない。
 それでも、御前は自分の仲間でいてくれた。信じてくれた。
 彼女を泣かすなど、許せるはずがない。
 エレオノールがあるるかんの糸を操る。
 パピヨンが右手に、核鉄を構える。

「LES ARTS MARTIAUX!(レ ザア マシオウ) 炎の……」
「武装……」

 二人の声が重なろうとしたとき、間に割って入った影が躍る。
 村雨良のもう一つの姿、仮面ライダーZX。
 彼は二人の間に割って入り、無言で激突を止めた。


「引いてください。村雨さん。申し訳ありませんが、彼を許すのは……」
「エレオノール、かがみを頼む」
「え?」
「今のあいつは俺とやりあう気だ。戦いになれば、かがみを人質に捕られるのが一番厄介だ。頼む」
 エレオノールは迷い、一度ZXに頭を下げて、かがみの元へと引く。
 その様子を確認し、安堵したZXはパピヨンと対峙した。
「さっきの返事を聞かせてもらおうか?」
「パピヨン……お前に何があったか分からない。だが、今のお前は……空っぽだ」
 パピヨンの眉がピクリと動く。
 彼が見せる、初めての人間らしい反応にZXは期待を抱いた。
「記憶を求めていたころの、俺に似ている。支配を求めている、お前はな。それで、空っぽが埋まるわけがない」
791Classical名無しさん:08/06/22 01:03 ID:3saUenM2
支援ッッッ
792Classical名無しさん:08/06/22 01:04 ID:kl94NB/2
  
793襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:04 ID:uC0.tfw.
「くだらない。お前も武藤や覚悟のような『偽善者』というわけか。俺を襲ったころと随分変わったもんだな」
 皮肉を言われるが、ZXは揺らがない。
 正義という名の下に、ZXもまた確固たる想いを刻んできたからだ。
「まあ、未来の部下に見せてやるか。俺の新たな力を。
本気を出せよ、村雨。でないと、死の恍惚をお前が味わうことになるからな」
 パピヨンは右手に黒い核鉄を、左手に通常の核鉄を握り締めて、眼前にかざす。
 ゆっくりと彼の口が動いた。

「ダブル武装錬金」

 光が周囲を包み、パピヨンが蝶人へと進化を果たした。


 光が晴れた先には、背中より黒い蝶の羽を生やし空に浮かぶパピヨンがいた。
 いや、背中だけではない。ふくらはぎより、もう一組の蝶の羽が生えている。
 計四つの蝶の羽をまといながら、パピヨンはZXを見下ろした。
「どうだ、ニアデスハピネスのダブル武装錬金は? 蝶華麗だろう」
「待てよ、パッピー! ダブル武装錬金って、核鉄はなんか影響を……」
「ふん。首輪のせいさ。闘争本能誤読装置……バダンの研究陣は無駄に能力が高いらしいな。
だから、こういったダブル武装錬金も可能だ。武装解除」
 脚のニアデスハピネスを解除、パピヨンは首輪を核鉄に巻きつける。
 何をするのか、疑問を持つZXたちを前にして、パピヨンは厳かに告げる。
「武装錬金……サンライトハート」
 黒い核鉄は展開、同時に武藤カズキの武装錬金サンライトハート+へと姿を変えた。
 柄の部分に首輪が巻かれている。
794Classical名無しさん:08/06/22 01:04 ID:jRQX4Qvs
    
795襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:05 ID:uC0.tfw.
「爆薬を無効化した首輪なら、武藤と俺のダブル武装錬金も可能だ。
制限が働いて、武装錬金自体の能力は下がるが、複数の特性を活かせるのはメリットだ。
行くぞ、村雨。死なない程度に殺してやる。屈服するんだな」
 パピヨンのいうとおり、シリアルナンバーごとに核鉄を察知、変化させていたのが『闘争心誤読装置』である。
 核鉄にいじられた形跡はない。なら、その誤作動は首輪がつかさどる。すなわち、技術を応用すれば、現状のパピヨンのように戦力となる。
「くそっ!」
 サンライトハートの穂先が伸び、ZXへと迫る。
 ZXの跳躍により、サンライトハートは地面を抉るだけだ。
「跳んだ先には、っと」
 ZXの周囲に黒い蝶が二匹舞う。蝶が破裂、爆発の花が宙に咲く。
 同時に、ZXの姿がフッと、掻き消える。
「ほう」
「前回の戦い方から見るに、お前は策を二重にも三重にも持つ相手だからな!」
 パピヨンの後ろの地面の土が盛り上がり、ZXが跳び出る。
 降りかかる土砂を鬱陶しげに振り払いながらも、パピヨンは余裕を見せていた。
「なるほど、ますます価値が上がる男だ」
「言うな! ゼクロスパンチ!!」
 ZXの鉄板をも砕く正拳がパピヨンに迫る。
 山吹色の光がZXの視界に入ると同時に、パピヨンはZXと逆方向に加速。数十メートルほどの距離が開いていた。
「制限されているが、制限の解けた俺……つまり人型ホムンクルスと遜色ない怪力を発揮している。
元のスペックが楽しみだ。俺の元で働く、お前がな」
 パピヨンの甘言を聞き捨て、突撃しようとしたZXの前に、犬並みの大きさの黒死蝶が迫る。
 爆発の効果範囲ギリギリで避ければいいと判断し、ZXはパピヨンに向かい続ける。
 しかし、黒死蝶は効果範囲外にZXがいるのにもかかわらず、爆発を起こす。
 なぜそこで爆破をするのか? ZXは疑問を持つが、答えは右肩に熱と痛みを持って返ってきた。
「ぐっ!」
「あっちぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
796Classical名無しさん:08/06/22 01:05 ID:jRQX4Qvs
        
797Classical名無しさん:08/06/22 01:05 ID:kl94NB/2
   
798Classical名無しさん:08/06/22 01:05 ID:O25LP2Cs
 
799襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:05 ID:uC0.tfw.
 ZXの右肩に突き刺さる、反りの入った剣。
 剣が喋ることの驚きよりも、パピヨンに一手先を行かれた悔しさのほうが勝った。
 パピヨンは黒死蝶の中に剣を隠し、爆発と同時にこちらに突き刺さるように仕掛けたのだ。
「久々の出番がこれかよ!? って、あんた誰?」
 ZXはうるさい剣、デルフブリンガーを無視して、サンライトハートを持って突撃するパピヨンを睨みつける。
 だが、迎撃が間に合わない。胸にサンライトハートの刃先が刺さり、校舎に昆虫の標本のごとく縫い付けられた。
 いつかの戦いと同じ結末。ただし宿る感情は違う。
「チェックメイトだな。村雨良」
 第一ラウンドは、パピヨンの勝利だった。


 青ざめた顔で戦いの決着を見届けたかがみの前で、デルフリンガーがパピヨンへ言い放つ。
「お、おい! パピヨンっての。やりすぎだ!」
「…………これで満足か?」
 ZXがパピヨンの瞳をまっすぐ射抜き、問いかけてきた。
 パピヨンが嫌った光だ。嫌悪に任せて引きちぎろうかと考える。
 ―― 以前の、パピヨンなら
「ああ、満足には程遠いな」
「村雨さん!」
「今、私が行きます。かがみさんは避難を!」
「動くなよ」
 ZXを心配するかがみの周囲に、四匹の黒死蝶が舞い踊る。
 エレオノールとかがみを囲む蝶をパピヨンはZXに見せ付け、ニヤニヤと笑う。
「俺に協力をしろ。でなければ、あの二人を殺す。もちろん、あの二人にはニアデスハピネスの粉末を飲んでもらう。
俺の目的を達成する前に裏切られては困るしな」
800Classical名無しさん:08/06/22 01:05 ID:3saUenM2
 
801襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:06 ID:uC0.tfw.
 かがみとエレオノールの周辺を蝶を遊ばせ、パピヨンの唇が描く。
 さあ、どうする?と。
「おでれーた……お前さん、相当の悪党だったんだな」
「……いや、違う。名も知らない剣」
「……一応、デルフブリンガーっていう、由緒正しい名前があるんだ。頑丈なお兄さんよ」
「そうか。デルフリンガー、俺も悪党だった……」
 ZXは胸のサンライトハートの刃先を掴み、押し返そうとする。
 もっとも、制限の解けたパピヨンが相手では力で勝るのも難しいが。
「俺は平賀才人という少年を、殺した」
「お前さんが相棒を!!?」
 デルフの言葉を受け、ZXは仮面の下でどこか安堵した表情を浮かべた。
 劉鳳は死んでしまったが、才人の死を悲しみ、自分を糾弾する資格があるものがいる。
 才人の死を、悲しんでくれるものがいる。
「記憶を求めて、俺は少年を殺した。だから、俺は奴を悪党だと切って捨てることができない」
 少しだけ、サンライトハートを押し返す。
 僅かな距離をずらしただけ。それでも、偉大な第一歩だ。
「パピヨン、空っぽを埋めたお前に、俺たちの協力をしてもらうぞ!」
「ハッ、お前と俺は違う。俺は帝王。お前は地を這う虫けらだ。それに、人質の存在を忘れたか?」
 パピヨンが言い放つと同時に、ZXの額の中央のOシグナルが輝く。
 瞳の光と共に、サンライトハートの刃先を握る両手に力が入った。

「クルーザー!! うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 無人のバイクがグラウンドを駆ける。白い巨体が黒死蝶をかがみたちを庇うように遮り、爆発に揺れていた。
 目を見開くパピヨンを尻目に、ZXは一気にサンライトハートを引き抜く。
802Classical名無しさん:08/06/22 01:06 ID:O25LP2Cs
   
803襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:06 ID:uC0.tfw.
 地面と叩きつけて、着地。息も荒くZXは正面を睨みつけると、余裕を持ってたたずむパピヨンがいた。


「なるほど。そのバイクも無線での通信が可能か。ヘルダイバーだけだと思ったがな」
「ヘルダイバーだと?」
「まあ、いいさ」
 パピヨンはデイバックよりマスクを取り出し、ZXに見せ付けるように両手で頭部に運ぶ。
 その様子を、かがみが、エレオノールが、何よりZXが驚愕に満ちた眼で見つめていた。
「このマスクで周波数を合わせれば、ヘルダイバーとの通信が可能になる。
そして、通信が可能なバイクはヘルダイバーのみ、と考えていたんだがな。しかし、もはやどうでもいい」
 ZXの赤い仮面と似たマスク、ライダーマンヘルメットに視線が集中する。
 本郷の、村雨の正義の証。称号『仮面ライダー』。

「ヘ・ン・シ・ン」

 呟きが消えると同時に、パピヨンの頭部へとヘルメットが収まる。
 と、同時に黒い強化スーツが身にまとわれ、赤い胸部アーマーが装着された。
 青いヘルメットに触角が二本生え、赤い複眼を持つ仮面。
 ZXと同じく仮面ライダー四号の名を持つライダーマンの力をパピヨンは得る。
「何で……あんたが仮面ライダーに…………?」
「なかなか素敵だな。『仮面ライダー』とは。なら」
 かがみの疑問を前に、パピヨンはチッチッチ、と指を振る。

「今の俺は仮面ライダー・パピ♪ヨン♪ もっと恐怖をこめて」

 どろりとした、淀んだ空気の中、パピヨンが告げた。
804Classical名無しさん:08/06/22 01:07 ID:kl94NB/2
     
805Classical名無しさん:08/06/22 01:07 ID:3saUenM2
蝶・支援!
806Classical名無しさん:08/06/22 01:07 ID:jRQX4Qvs
 
807Classical名無しさん:08/06/22 01:07 ID:Fwe2wlXM
支援
808襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:08 ID:uC0.tfw.
 ライダーマンヘルメットの額中央に存在するOシグナルが輝くと同時に、漆黒のバイク、ヘルダイバーが現れる。
「さあ、次はバイク戦といくか。あそこに突入するのに、バイクをうまく扱えません、じゃあ話にならないしな」
 パピヨンの挑発に、ZXは応えるようにクルーザーにまたがる。
 バイクでの戦いは、仮面ライダーとして譲れなかった。
 ZXが肩に突き刺さったデルフリンガーを地面に落としたとき、それが合図となって同時にエンジンを吹かして、互いに一気に駆け抜ける。
 学校を後にした、黒と白の風が交差をして、遠のいていった。
 かがみとエレオノールを巻き込まないように。


「え……と……」
「なあ、嬢ちゃんたち。俺に……あいつ。村雨とか呼ばれていた奴のこと、教えてくれないか?
なんで、相棒が死なないといけなかったのかな」
 デルフリンガーの沈んだ声がかがみたちに届く。
 かがみはエレオノールと目を合わせて、頷いた。
 そっと、残った手でデルフリンガーの刀身を撫でながら、かがみは呟く。
 今までの出来事を。村雨の経歴を。
 そして、今戦わねばならない相手を。



 クルーザーの排気音が唸ると同時に、前輪を上げてウィリー状のままヘルダイバーへと迫る。
 鉄槌のごとく振り下ろされた前輪を、ヘルダイバーは潜り抜けて、クルーザーはコンクリートを粉々に砕いた。
 クルーザーの持ち主、ZXは余裕で回避するパピヨンを歯噛みしながら睨みつける。
 視線を受けたパピヨンはピューッと、口笛を吹いた。
 パピヨンはそのまま勢いを増すヘルダイバーで雑居ビルの壁を走る。その後をクルーザーは追いかける。
809Classical名無しさん:08/06/22 01:08 ID:O25LP2Cs
  
810Classical名無しさん:08/06/22 01:08 ID:kl94NB/2
   
811襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:09 ID:uC0.tfw.
 ヘルダイバーがビルの壁の端に達して、宙へと舞う。そこに、雷鳴のごとくバイクの排気音が響いた。
 刹那、ヘルダイバーにクルーザーが迫る。白い巨体で吹き飛ばすつもりなのだ。
 単純にして強い。
 シンプルな攻撃に、ヘルダイバーが捉えられた。
「武装錬金」
 パピヨンが呟くと同時に、ニアデスハピネスのアナザータイプが背中に蝶の羽を形作られる。
 空を飛ぶときと同じ要領でヘルダイバーの車体を方向転換、正面から激突するために、前方へヘルダイバーを走らせる。
 車体と車体がぶつかり合い、互いに仮面ライダーの相棒を勤めた馬力を競い合わせる。
 数瞬の拮抗、互いにすれ違い、前輪を地面を噛ませ、後輪を滑らせる。
 二度目の対峙。
 エンジンのアイドリングが無人の街に響く中、黒と白のバイクをそれぞれ抑えて、互いに隙を探り出す。
 数秒にも永遠にも感じる対峙の時。
 風が、砂埃が舞う。パピヨンの背後の遥か向こうの地平線に暗雲が雷を伴っているのを見えた。
 ここは……
「気がついたか。ここは奴らの居城が見える地点だ」
 パピヨンの声に、ZXは無言。構わず、パピヨンは続けた。

「俺は手に入れる。奴らの力を、組織力を。愛などいらない。俺に必要なのは、渇きを癒す『畏怖』だけだ!!」

 ぐにゃりと、パピヨンの周囲が歪んだ錯覚をZXは受ける。
 一際大きく、クルーザーの排気音を鳴らした。
「いくぞ……パピヨン」
「フン。いいだろう。受けてやる」
 ブオン!!と熱風と共に、二つのバイクのエグゾーダスノイズが重なる。
812Classical名無しさん:08/06/22 01:09 ID:jRQX4Qvs
    
813Classical名無しさん:08/06/22 01:09 ID:O25LP2Cs
当方に支援の用意あり!
814襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:09 ID:uC0.tfw.
 宙に黒と白のバイクが舞い上がった。

「クルーザーアタック!!」

 かつて、クルーザーを駆った男と同じ言葉をZXは言い放つ。
 昔の自分の愛車に乗る、帝王を宣言する蝶へと向かって。



「……そう……かい…………」
 すべてを教えられたデルフリンガーはグランドの中央で沈黙している。
 その重苦しい声色に、かがみはどう声をかけていいか分からなかった。
「あいつさ……無茶してさ。ガンダールヴだっていっても元は子供だったんだぜ。
ご主人様のために無茶をする奴だけど……けど、死んでいい奴じゃなかった……」
「分かっているわよ! みんな……死んでいい人は……そりゃ、勇次郎やアーカードみたいに酷い人たちもいたけど、いなかったんだから」
「デルフリンガーさん、かがみさん……」
 エレオノールが何かを言いたげに口を開閉させるが、結局は言葉を紡ぐことはなかった。
 村雨の庇護をしたいのだろうが、エレオノール自身も人を殺しているため、負い目を感じて何もいえないのだ。
 すでにパピヨンを伴ってZXが駆けてから、三十分は経った。
(村雨さん、大丈夫かな?)
 かがみは不安げに校門を見つめるが、バイクの轍が二つ視界に入るだけ。
 再びデルフリンガーに視線を戻そうとするかがみの耳朶を、バイクのエンジン音が打つ。
 すぐに校門から出て道路を確認すると、傷だらけの村雨がクルーザーにまたがりながら現れた。
「……おかえりなさい」
「ただいま」
815Classical名無しさん:08/06/22 01:09 ID:/nvsHX.E
816Classical名無しさん:08/06/22 01:10 ID:kl94NB/2
    
817Classical名無しさん:08/06/22 01:10 ID:O25LP2Cs
 
818襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:10 ID:uC0.tfw.
 それ以外、かがみにはかける言葉が思い浮かばなかった。


「よく戻ってまいりました。パピヨンは……?」
「すまん、取り逃がした」
「パッピー……」
 村雨はポン、と御前の頭部を叩いた。落ち込んでいる彼女の姿は痛ましい。
「おい……」
 村雨が視線を移動させると、殺気をぶつけてくる剣に気づく。
 それもしょうがない。彼には怒る資格がある。村雨は無言で彼に近寄った。
「……お前が、俺の相棒を殺したんだってな」
「ああ」
 庇護しようとするかがみとエレオノールを左手で制して、村雨は姿勢を低くして視線の位置を落とす。
 デルフリンガーの目がどの位置にあるのか分からないが、目と目を合わせるために姿勢を低くしたのだ。
「……お前がどういう状態かは、あの嬢ちゃんたちから聞いた。でも、俺はお前さんを許せねえ」
「そうか」
 覚悟はしていた。デルフリンガーの怒りを。
 もともとはジョセフや劉鳳がもつべきだった怒りだ。甘んじて受ける。
「デルフリンガー。俺をお前が殺しても構わない」
 村雨の声に、かがみが驚きの表情を浮かべる。エレオノールは厳しい目つきで村雨を射抜いた。
 そんな中、村雨の決意は揺らいでいない。
「だが、俺を殺すのはせめて、バダンを倒してからにしてくれ。俺に……昔の俺がやった罪を購えるとは思っていない。
俺はまだ戦わなければならないからな」
「知るかよ、そんなこと」
「おめ……いい加減にしろよ!!」
819Classical名無しさん:08/06/22 01:11 ID:kl94NB/2
       
820襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:11 ID:uC0.tfw.
 デルフリンガーの態度に、御前が耐え切れず絡みつく。エレオノールに止められているが、それでももがくのをやめない。
 村雨は御前に感謝をしつつも、デルフリンガーの断罪の視線から逃げない。
「おめーは俺の相棒を殺した。俺は絶対許さねえ。だから……」
 デルフリンガーの声が一旦止まる。怒りに真っ赤な御前を無視して、時は流れる。

「だから、お前、俺を使いやがれ! 戦い続けやがれ! あきらめることは絶対認めないからな!
相棒を、貴族の嬢ちゃんを巻き込んだクソヤローを、本当にお前が潰すのか見極めてやる!!」

 デルフリンガーの言葉に、周囲が言葉をなくす。
 フッと、村雨は微笑んで、デルフリンガーを引き抜いた。
「……バダンを潰すまで、よろしく頼む」
「絶対、お前だけは『相棒』って呼ばねえからな!」
 フッ……と微笑んだ村雨は立ち上がろうとして、ガクッと崩れた。
 間一髪、エレオノールが肩を貸し、村雨を見つめる。
「勇次郎にパピヨン、連戦が堪えたでしょう。一旦手当てをしに、校内へ入ります。かがみさん、手伝ってください」
 かがみが頷き、三人と+2は校舎へと向かった。



(村雨くんが学校に向かっている……)
 白い壁に囲まれた、ディスクと資料整理棚という簡素な研究室の一角で、首輪管理用の画面を除いている中年の男。
 固太りにメガネをかけた、白衣の彼の名は、バダンの研究者伊藤博士であった。
(盗聴器とガモン大佐の様子から察するに、彼は記憶を取り戻している。これはチャンスだ。
彼に首輪の解除法を教えれば、バダンに反撃の狼煙を上げれる)
 伊藤博士のメガネのフレームが光る。もっとも、そんなことをすればバダンに自分の裏切りがばれてしまう。
 伊藤博士は自分が監視されていることを知っている。自分の命はないのだろう。
(だから、なんだ?)
821Classical名無しさん:08/06/22 01:11 ID:O25LP2Cs
シ・エ・ン♪ もっと愛を込めて!!
822Classical名無しさん:08/06/22 01:11 ID:jRQX4Qvs
 
823Classical名無しさん:08/06/22 01:11 ID:/nvsHX.E
824襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:12 ID:uC0.tfw.
 このバトルロワイヤルにおいて、すでに五十人もの人間が死んだ。
 さらに、今回のバトルロワイヤルを円滑に進めるため、罪もない人々が犠牲になっている。
 なのに、自分だけ命を危険に晒さないのは彼らに申し訳ない。
 『首輪の解除法を記入したマニュアル』をメールに添付して、送信にカーソルを合わせる。宛先は、バトルロワイヤル会場に放置されているパソコンすべて。
 これを押すと同時に、自分を殺しに刺客が現れるのだろう。前回はコンピューター室にいる人間が殺し合いに乗っているかどうか、判断できないためチャットを通しての解説だった。
 今回は、自分が知る青年に戻った、よく知る人物がいる。
 伊藤博士は目を瞑り、深い深いため息を吐いた。
 やがて、意を決し、指をマウスに押し込む。カチリ、と普段は気にしない、小さな音が大きく聞こえた。


(届いてくれ、希望よ)
 そう遠くない未来に、自分の叛意はバダンに伝わる。僅かな余命、伊藤博士はソファにもたれて待ち続けた。
 数分後、警報機が鳴る。
「馬鹿な……私が送ってから、まだ十分も経っていないのに…………」
 伊藤博士はバダンの見せる対応の早さに歯噛みする。これでは、首輪の情報が渡ったことを知り、巻かれているうちに爆破されるかもしれない。
 絶望が伊藤博士を襲う中、アナウンスが響いた。
『侵入者あり! 侵入者あり! 直ちに迎撃を開始せよ!!』
 侵入者、の部分に伊藤博士は疑問を持った。これは自分のことではない。
 だとすれば、誰が?
 疑問が駆け巡る中、壁が爆砕した。
「げほ、げほ!」
「バダン研究員だな」
「き、きみは……ライダー…………マン?」
 伊藤博士の目の前で、ヘルダイバーにまたがる青年がチッチッチと指を振る。
 後ろから襲い掛かる蜘蛛男の周囲に黒色の粉末が舞い、爆破する。
825Classical名無しさん:08/06/22 01:12 ID:jRQX4Qvs
    
826Classical名無しさん:08/06/22 01:12 ID:3saUenM2
支援する

支援しない
827襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:12 ID:uC0.tfw.
 襲い掛かる粉塵に咳き込む伊藤の前で、見せ付けるように青年がライダーマンヘルメットを取った。

「帝王・パピヨン、もっと畏怖をこめて♪」

 村雨を部下にすることを一旦諦め、バダンを手に入れるために伊藤博士……いや、研究者を確保しに来たパピヨンが告げる。
 今回の突入は、あくまでもバダンの戦力の把握と研究者。突入したときに最初に得た研究室の情報から、ここまでヘルダイバーで一直線へと迫ってきたのだ。
 村雨たちに優位に立つには、目の前の男は必要だ。同時に、バダンの戦力を確認するのもいいと感じたのだ。
 『蝶人』パピヨンなら、そんな策は無謀だと切り捨てただろう。だが、今は『帝王』パピヨンだ。
 敵本拠地に侵入できるのに、行わないのは『帝王』が通る道ではない。おまけに、仮面ライダーなる力もある。いざという時は退けばいい。
 パピヨンの支配を止めるものなど、ありはしない。
 こうして、伊藤博士は、初めて悪意に満ちた仮面ライダーを見ることとなった。



【マップ外/サザンクロス内部 二日目 朝】


【パピヨン@武装錬金】
[状態]:全身に軽い打撲。左腕に被弾。核鉄の治癒力で回復中。ドブ川の濁ったような瞳。帝王への決意。首輪が解除されました。
[装備]:ライドル@仮面ライダーSPIRITS、マイクロウージー(9ミリパラベラム弾32/32)、予備マガジン2、
    猫草inランドセル@ジョジョの奇妙な冒険、アラミド繊維内蔵ライター@グラップラー刃牙
    サンライトハート(核鉄状態&首輪@パピヨンが巻かれている)@武装錬金
    ニアデスハピネス・アナザータイプ=核鉄(激戦)@武装錬金、ヘルダイバー@仮面ライダーSPIRITS
    ハルコンネン(爆裂鉄鋼焼夷弾、残弾1発、劣化ウラン弾、残弾0発)@HELLSING、ライダーマンのヘルメット@仮面ライダーSPIRITS
[道具]:支給品一式、チョココロネ(残り4つ)@らき☆すた、
    地下鉄管理センターの位置がわかる地図、地下鉄システム仕様書
    ルイズの杖、参加者顔写真&詳細プロフィール付き名簿、首輪探知機@BATTLE ROYALE、
    ターボエンジン付きスケボー@名探偵コナン
    首輪(鳴海)、解除済みの首輪の残骸×2(赤木、川田)、ツールセット、不明支給品1(未確認)
828Classical名無しさん:08/06/22 01:12 ID:O25LP2Cs
  
829Classical名無しさん:08/06/22 01:13 ID:3saUenM2

830Classical名無しさん:08/06/22 01:13 ID:jRQX4Qvs
  
831Classical名無しさん:08/06/22 01:13 ID:kl94NB/2
     
832襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:13 ID:uC0.tfw.
[思考・状況]
基本:BADANを打倒し、DIOにも届かなかった「真の帝王」の地位を手にする。
1:バダン研究員を確保。バダンを掌握する。
2:「部下」になり「帝王パピヨン」に忠誠を誓うのなら、他の参加者の首輪も「解除してやってもいい」
3:赤木、大首領に自分を舐めたことを後悔させる。
[備考]
※参戦時期はヴィクター戦、カズキに白い核鉄を渡した直後です
※スタンド、矢の存在に興味を持っています。
※詳細名簿を入手しました。DIOの能力については「時を止める能力」と一言記載があるだけのようです。
※こなたの死体を『食べ』ました。
※覚悟、アカギのことを快く思っていません。

※首輪の構造を理解しました。少なくとも、死体(川田)の首輪の分解には成功しました。
 ちょっとした神棚と簡単な工具さえあえれば十分に解除の条件は揃うようです。
 首輪の外装を外し、電源をオフにすれば外せます。しかし、制限装置、闘争心誤読装置は沈黙しません。
 スタンド適正付与装置はどうなるか、不明です。少なくとも、首にまかない限りはスタンドは使えません。
 また、首輪がなければ核鉄は武装錬金世界出身者以外の闘争心には反応しません。


【伊藤博士@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]後頭部に異変、少し興奮気味
[装備]無し
[道具]無し
[思考・状況]
1:バダンに反抗する覚悟を決めた。
2:突然のパピヨン登場に混乱
833襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:14 ID:uC0.tfw.
[備考]
※首輪をしていません。
※解除された首輪が、自室の棚に隠してあります。
※赤木しげるは、大首領により殺害されたものと判断しました。


【首輪について】
※エネルギー抑制装置 = 身体能力、異能力を弱体化させる装置。電源でなく、生体エネルギーにより作動。
 スタンド適正付与装置 = 嵌めた者を強制的に、全てのスタンドDISCに対する『適性』が存在する状態にする装置。電源でなく、生体エネルギーにより作動。
 起爆装置 = 爆薬を爆発させる装置。マップ外や禁止エリアに入った場合三十秒以内に安全地域に戻らねば、作動。また作動スイッチを押されれば、十秒ほどで作動。
 盗聴器 = 振動を計測。その振幅を変調・音声として出力させる。
 GPS = 上空の衛星に信号を送り、それを受信機で受け取ることで、現在位置を知るシステム
 闘争心誤読装置 = 核鉄を誤起動させる装置。ただし、これがないと武装錬金世界出身の人物でないと、核鉄を発動できない。なお、機能は
              ・闘争本能を読み違いさせているのは核鉄のみ。
              ・シリアルナンバーごとに核鉄を誤読させている。
           である。電源でなく、生体エネルギーにより作動。
 生存感知装置 = 生存を感知する装置。

※上記の七つの装置に加え、爆薬が内蔵されています。
※能力制限装置は、制限する能力と制限の度合いを選択可能です。
※現在参加者に嵌められている首輪は、強者と弱者の格差をなくすように働いています。
※その為に弱者には軽い制限、強者には重い制限がかけられています。
※首輪が解除、或いは装着している者が死亡した場合、首輪はGPSを除く全機能を停止します。
 ただし、爆弾のスイッチをオフにした場合は、GPS、起爆装置、盗聴器、生存感知装置の機能停止します(ガモンの首輪はその原理を利用)。

【起爆装置作動スイッチについて】
※スイッチを押せば、十秒ほどで起爆装置が作動します。
※最初に徳川光成がルールの説明を行った部屋にあります。取り外し不可。あの場でルール説明を行ったのは、その為。
834襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:14 ID:uC0.tfw.
【イヤホンについて】
※チャンネルを合わせれば、その番号の首輪内の盗聴器が捉えた音が流れます。
※チャンネル01なら赤木しげる、チャンネル18なら愚地独歩と、チャンネルは名簿順です。

【探知機について】
※GPSより送られた信号を元に、首輪を装着した者の居場所を映し出します。
※空条承太郎に支給された探知機と原理は変わりません。しかし、索敵範囲がマップ全体です。






 コンピューター室に、彼らが来たのは理由がある。
 川田という青年を埋葬するためだ。戦場となった場所に、彼の死体があるのでは、と推理したのだ。
 村雨の怪我を治療してからの方がいい、と主張するかがみとエレオノールを押しのけ、核鉄で回復するからと村雨は言った。
 室内の半分が焦げて、窓に近い方のパソコンが吹き飛んでいるのが分かった。
 酷い有様だ、と思った彼らの視界に、起動していたパソコンが入る。
 パピヨンと赤木が、伊藤博士と接触しようとしてつけたままのパソコンだ。
 そこに、メールが届いたことを告げる電子音が響いた。
「これは……?」
「『Dr.伊藤』より、親愛なる村雨くんへ……?」
 希望の紙は戦士に届く。興奮した様子で、三人はメールを開いた。


「首輪の解……もが」
835Classical名無しさん:08/06/22 01:14 ID:O25LP2Cs
 
836Classical名無しさん:08/06/22 01:15 ID:kl94NB/2
      
837襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:15 ID:uC0.tfw.
 うっかりもらそうとするデルフリンガーを黙らせ、三人と御前は顔を合わせる。
 伊藤博士という人物がもたらした、首輪の構造図と、その解除方法が示された資料。
 かがみがペンを取り出し、紙に文字を躍らせる。
『信用できる?』
 村雨はその文字を確認し、黙考。数十秒を費やした後、答えを書き出す。
『大丈夫だ。俺の父さんの親友、海堂博士の研究仲間だった。この人は信用できる』
『……なら、首輪を解除しましょう』
『でも、失敗したら……』
 かがみの弱気な態度に、エレオノールは元気付けるように胸をたたく。
『任せてください。私が最初に実験台になって、安全かどうか確かめますから』
『ちょ! エレノン!!』
『御前、村雨さん、かがみさん、この中では一番信用できない私だからこそ、意味があるのです』
『どういうことだ?』
『首輪の反応が消えたら、バダンの連中も警戒をします。
ですが、あなた方の信用が薄いと推察されやすい私と小芝居をして、私が殺されたことにするのです』
『なるほど!! エレノンすげー!』
 御前がぽん、と手をたたいてエレオノールを褒め称える。
 エレオノールは紙に文字を躍らせる。
『さあ、準備ができ次第、行いましょう』
 テキパキと行動するエレオノールに感心しながら、村雨は視線を落とす。
 エレオノールの文字は……意外と汚かった。
「どうでもいいけど、こういうとき俺は何もできないよな……」
 そりゃ剣にはペンを使う手も、口もないしな、と村雨は内心突っ込んだ。
 口にするとデルフリンガーがうるさいだけなので、黙っていたが。


 学校の見取り図より、武道館に辿り着いた彼らを迎えたのは川田の死体だった。
838襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:16 ID:uC0.tfw.
 口元を押さえるかがみに少しはなれるようにいい、片付ける。
 かがみはその場にある妹の遺品を見つけ、同時に医療具など放置されていた道具を拾っている。
 校庭に簡易な墓を作り、黙祷をささげた。川田章吾、彼の判断は褒められたものではない。
 その上、パピヨンの思考すら曲げるきっかけになった。
 村雨は間に合わなかったことを謝りながらも、決して本郷を裏切るような真似だけはしないと、墓前に誓う。
 踵を返し、武道館へ足を踏み入れた村雨を、かがみを人質に捕った『真似』をするエレオノールが視界に入る。
「支給品をすべて渡せ! 村雨良!」
「裏切るのか、エレオノール」
「私はやはり生き残る! 人間となれたのだから!! そのために、支給品をよこせ。かがみの命が惜しければな!」
「分かった、支給品を引き渡す。かがみと交換だ」
「いいだろう!」
 エレオノールと村雨は互いに頷いて、近寄る。
 お互いの距離が詰まったとき、村雨がエレオノールの腕を掴んで、地面に派手な音を出しながら、されどダメージが残らないように投げ飛ばす。
「不用意に近づいたのが運の尽きだ」
「こ、殺せ」
「いわれなくても、今殺してやる。さすがに、二度の裏切りは許せない」
 そういいつつ、エレオノールの隣で神棚と共に清めの手順をとるかがみに視線を向ける。
 ステルスが解けたのを確認して、継ぎ目に工具を当てた。外装が外れたと同時に、爆薬と思わしきブロック部品の電源をオフにする。
 この間、十分弱。カラン、と落ちた首輪を見つめて、三人は何も考えられず、ほうけたように首輪を見つめる。
 同時に、空に浮いていた御前も核鉄となって、落ちた。


 校門にクルーザーを押して歩く村雨の周囲に、首輪をベルトのように巻いている御前が目に入る。
 当初、声こそ出すのをこらえたものの、核鉄を発動できない状態にエレオノールは不安そうな目をしていた。
 パピヨンが行っていた行為を思い出し、核鉄に首輪を巻くと、発動できた。
 再び御前が姿を見せたときのエレオノールの喜びは、傍から見て微笑ましい。
839Classical名無しさん:08/06/22 01:16 ID:/nvsHX.E
840Classical名無しさん:08/06/22 01:17 ID:kl94NB/2
  
841Classical名無しさん:08/06/22 01:17 ID:jRQX4Qvs
    
842襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:18 ID:uC0.tfw.
「かがみ、みんなと合流をするぞ」
「うん、ここにはもう用はないしね」
 つかさのリボンをかがみはギュッと握りながら呟いた。
『そして、みんなの首輪の解除を』
『ええ、私だけが自由とは、申し訳ありませんし』
 そう、村雨たちの首輪はまだはまっている。理由は、バダンに首輪解除が可能になったことを知らせないため。
 合流した際に、みんなの首輪を外す。そして、目指すはバダンの本拠地。
(待っていろよ。パピヨン。俺が必ず、お前が間違っていることを証明してみせる!)
 村雨はバイクを加速させて、突き進む。
 反撃の狼煙は、今上がった。

 
【C-4 学校・校門 二日目 朝】

【村雨良@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]全身に無数の打撲、頬に軽い腫れ 全身に更なる重度の打撲傷を負う 胸に貫通痕 核鉄の治癒力により回復中
[装備]十字手裏剣(0/2)、衝撃集中爆弾 (0/2) 、マイクロチェーン(2/2) 核鉄(ピーキーガリバー)@武装錬金
    デルフリンガー@ゼロの使い魔。工具
[道具]地図、時計、コンパス、 女装服
    音響手榴弾・催涙手榴弾・黄燐手榴弾 支給品一式×3、ジッポーライター、バードコール@BATTLE ROYALE
    文化包丁、救急箱、裁縫道具(針や糸など)、ステンレス製の鍋、ガスコンロ、
    缶詰やレトルトといった食料品、薬局で手に入れた薬(救急箱に入っていない物を補充&予備)
    マイルドセブン(5本消費)、ツールナイフ  
843Classical名無しさん:08/06/22 01:18 ID:jRQX4Qvs
          
844Classical名無しさん:08/06/22 01:18 ID:O25LP2Cs
  
845襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:18 ID:uC0.tfw.
[思考]
基本:BADANを潰す!
1:ハヤテの遺志を継ぎ、BADANに反抗する参加者を守る
2:繁華街のホテル(E-2中心部)で再集合。
3:パピヨンを止める。
4:仲間の首輪を外す。
5:かがみを守る
[備考]
※傷は全て現在進行形で再生中です
※参戦時期は原作4巻からです。
※村雨静(幽体)はいません。
※連続でシンクロができない状態です。
※再生時間はいつも(原作4巻)の倍程度時間がかかります。
※D-1、D-2の境界付近に列車が地上と地下に出入りするトンネルがあるのを確認しました。
※記憶を取り戻しました
※光成がBADANに脅されていると考えています。また、BADAN側にも強化外骨があると推測しています。
※勇次郎の放送を聴きました。
※エレオノールから改心に至る事情を聞きました
※ラオウ、勇次郎との戦闘を経て戦闘技術が劇的に向上しました
※神社で立ったまま微笑んで死ぬ死体(劉鳳)を見ました。
※ジョセフと和解しました。
※怒り等感情に任せて行動しないよう自制する事を覚えました

※首輪の構造、そして解除法を得ました。
846Classical名無しさん:08/06/22 01:18 ID:kl94NB/2
 
847Classical名無しさん:08/06/22 01:19 ID:O25LP2Cs
 
848Classical名無しさん:08/06/22 01:19 ID:3saUenM2
支援!!
849襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:19 ID:uC0.tfw.
※ちょっとした神棚と簡単な工具さえあえれば十分に解除の条件は揃うようです。
 首輪の外装を外し、電源をオフにすれば外せます。しかし、制限装置、闘争心誤読装置は沈黙しません。
 スタンド適正付与装置はどうなるか、不明です。少なくとも、首にまかない限りはスタンドは使えません。
 また、首輪がなければ核鉄は武装錬金世界出身者以外の闘争心には反応しません。

※川田章吾の死体は、埋葬されました。



【柊かがみ@らき☆すた】
[状態]:全身に強度の打撲、左腕欠損(止血済み)、休息により(?)それなりに回復 、核鉄の治癒力により回復中
[装備]:巫女服
[道具]:二アデスハピネス (核鉄状態)@武装錬金 ニードルナイフ@北斗の拳 つかさのリボン
[思考・状況]
基本:BADANを倒す
1:みんな元気になれっ……もちろん自分も
2:村雨と行動を共にする
3:神社の中にある、もう一つの社殿が気になる。
4:仲間の首輪を外す。
[備考]
※光成がBADANに脅されていると考えています。また、BADAN側にも強化外骨があると推測しています。
※勇次郎の放送を聴きました。
※零の暗雲についての推測を知りました。
850襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:20 ID:uC0.tfw.
※かがみの主催者に対する見解。
@主催者は腕を完璧に再生する程度の医療技術を持っている
A主催者は時を越える"何か"を持っている
B主催者は@・Aの技術を用いてある人物にとって"都合がイイ"状態に仕立てあげている可能性がある
Cだが、人物によっては"どーでもイイ"状態で参戦させられている可能性がある。
※首輪の「ステルス機能」および「制限機能」の麻痺について
かがみがやった手順でやれば、誰でも同じことができます。
ただし、かがみよりも「自己を清める」ことに時間を費やす必要があります。
清め方の程度で、機能の麻痺する時間は増減します。
神社の手水ではなく、他の手段や道具でも同じことが、それ以上のことも可能かもしれません。
※ステルス機能について
漫画版BRで川田が外したような首輪の表面を、承太郎のスタープラチナですら、
解除へのとっかかりが見つからないような表面に 偽装してしまう機能のことです。
ステルス機能によって、首輪の凹凸、ゲームの最中にできた傷などが隠蔽されています。
※S1駅にハヤテのジョセフに対する書置きが残っています
※神社で立ったまま微笑んで死ぬ死体(劉鳳)を見ました
※村雨との協力を申し出てくれた服部に感謝しています

※首輪の構造、そして解除法を得ました。
※ちょっとした神棚と簡単な工具さえあえれば十分に解除の条件は揃うようです。
 首輪の外装を外し、電源をオフにすれば外せます。しかし、制限装置、闘争心誤読装置は沈黙しません。
 スタンド適正付与装置はどうなるか、不明です。少なくとも、首にまかない限りはスタンドは使えません。
 また、首輪がなければ核鉄は武装錬金世界出身者以外の闘争心には反応しません。

851Classical名無しさん:08/06/22 01:20 ID:jRQX4Qvs
        
852襲来!蝶男の帝王舞 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:21 ID:uC0.tfw.

【才賀エレオノール@からくりサーカス】
[状態]:疲労小 全身に火傷(ほぼ完治)。首輪が解除されました。
[装備]:エンゼル御前(展開中&首輪@エレオノールが巻かれている)@武装錬金、あるるかん(白金)@からくりサーカス(頭部半壊、胸部、腹部に大きな損傷、全身にへこみと損傷あり)
[道具]:青汁DX@武装錬金、ピエロの衣装@からくりサーカス、支給品一式、生命の水(アクア・ウィタエ)
[思考・状況]
基本:自分を助けてくれた者、信じてくれた者のためになんとしてでも主催者を倒す。
1:仲間達と共に行動する。
2:夢で見たギイたちの言葉を信じ、魂を閉じ込める器を破壊する。
3:ナギの遺志を継いで、殺し合いを潰す。
4:一人でも多く救う。
5:仲間の首輪を外す。
[備考]
※ジグマール、村雨達(村雨、かがみ、覚悟、ヒナギク、独歩、服部、ジョセフ)と情報交換をしました。
※参戦時期は1巻。才賀勝と出会う前です。
※夢の内容はハッキリと覚えていますが、あまり意識していません。
※エレオノールが着ている服は原作42巻の表紙のものと同じです。
※ギイと鳴海の関係に疑問を感じています。
※フランシーヌの記憶を断片的に取得しています。
※「願いを叶える権利」は嘘だと思っています。
※制限についての知識を得ましたが、細かいことはどうでもいいと思っています。
※自転車@現実は消防署前に落ちています。
※才賀勝、三千院ナギの血液が溶けた生命の水を飲みました。2人の記憶をある程度取得しました。
 才賀正二の剣術や分解などの技術は受け継いでいません。
※エンゼル御前は使用者から十メートル以上離れられません。 それ以上離れると核鉄に戻ります。
※独歩の言葉が聞こえたかは不明です。

※首輪の構造、そして解除法を得ました。
※ちょっとした神棚と簡単な工具さえあえれば十分に解除の条件は揃うようです。
 首輪の外装を外し、電源をオフにすれば外せます。しかし、制限装置、闘争心誤読装置は沈黙しません。
 スタンド適正付与装置はどうなるか、不明です。少なくとも、首にまかない限りはスタンドは使えません。
 また、首輪がなければ核鉄は武装錬金世界出身者以外の闘争心には反応しません。
853Classical名無しさん:08/06/22 01:21 ID:kl94NB/2
   
854Classical名無しさん:08/06/22 01:22 ID:jRQX4Qvs
                 
855Classical名無しさん:08/06/22 01:22 ID:3saUenM2
何を隠そう、俺は支援の達人だ!
856 ◆WXWUmT8KJE :08/06/22 01:23 ID:uC0.tfw.
投下終了。
それでは、何かありましたら指摘お願いします。

857Classical名無しさん:08/06/22 01:24 ID:3saUenM2
投下乙
やっぱパッピーと対主催チームは衝突したか
はたしてパッピーは浄化できるのか!
アカギもラスボス化がささやかれているけど「帝王」の彼も申し分ないかもなあ
それにしてもでるふりんがーって誰?そんなやついたっけw
858Classical名無しさん:08/06/22 01:27 ID:Fwe2wlXM
投下乙!
帝王パピヨンが絶好調すぎる……伊藤博士の元へ辿り着くとはw
村雨との戦いも良かったです。
エレの首輪も外れていよいよクライマックスが近づいてきた感じがしますね。
859Classical名無しさん:08/06/22 01:28 ID:jRQX4Qvs
投下GJです!
いち早く到着のパピヨン! 逃げも考慮している辺り、『あの帝王』を思わせるッ!
ZX、かがみ、エレも解除完了! 久々登場のデルフも男前!
伊藤博士も、原作じゃたいして出てないのになんだか素敵です!
ここにきてZXの負傷がやばいけど、頑張ってくれ、仮面ライダー!
さあ、どうなるッ!?
860859:08/06/22 01:34 ID:jRQX4Qvs
違う。首輪解除したのは、エレだけでした。
……よく読めっての、自分。
861Classical名無しさん:08/06/22 01:34 ID:kl94NB/2
投下乙です。

帝王パピヨンが活き活きしてる!
とはいえ内心、部下になる奴いないだろ、と思ってたら……まさかの一足飛びのバダン突入で部下確保!?w
これは荒業だw 伊藤博士の決断も、パピヨンの乱心を知った他の面々の反応も気になるところ。
しかし村雨は贖罪の道を着実に歩んでるな……。GJでした!
862Classical名無しさん:08/06/22 11:57 ID:hqWS.bas
投下乙です!
帝王改め、『仮面ライダー』パピヨン、絶好蝶!
このまま帝王の道を突き進むのか、村雨たちが彼の空虚を埋められるのか、パピヨンの明日はどっちだ!?
そして……デルフリンガーはいらない子。そう思っていた時期が、俺にもありました。
まさか、村雨とデルフが協力し合うとは! こういう展開は大好きだ! しかも、村雨は武器の扱いも手馴れているし、使い手にも問題なし!
863 ◆eT3IWL5qHE :08/06/22 23:27 ID:Fwe2wlXM
こんばんは、恥ずかしい話ですがまた鳥バレしてしまいました……orz
なので今から認証用に別鳥で書き込みますね。
どうもすみません……。
864 ◆14m5Do64HQ :08/06/22 23:28 ID:Fwe2wlXM
って間違えましたーorz
865 ◆Qi1eK.TiFc :08/06/22 23:29 ID:Fwe2wlXM
これが新鳥です……orz
お騒がせしました……。
866Classical名無しさん:08/06/22 23:48 ID:AcgZyd8Y
>>856
投下乙。
ついにプログラムが崩壊したといっていいのではないでしょうか!
パッピーは完全にマーダーって訳じゃないから、どう転ぶか全く予想がつかないです。
デルフがこんなにいいやつだとは思わなかったw

>>865
酉5つ目っすかwフェイスレス越えおめでとうw
867Classical名無しさん:08/06/23 20:46 ID:tKqOZVBM
やっぱりカズキの核鉄で武装錬金したら
サンライトイエローの蝶かな?
868Classical名無しさん:08/06/24 20:18 ID:26lFGJWc
スレの流れには直接関係ないんだが、この歌の歌詞が
あまりに対主催(特にZX)にしっくりきたんでカキコ

運命の日 魂VS魂
ttp://jp.youtube.com/watch?v=GShyg1e2pxk
元はDBの悟飯が覚醒した時流れた曲です。


スレ違いで気分悪くされた方いたらすいません。

869Classical名無しさん:08/06/25 01:09 ID:fKMuynBI
>>868
これはセルゲームで悟飯がプッツンした時に流れた曲だな。
自分もこの曲は好きだがまた懐かしいものをw
870 ◆c7qzxSVMQs :08/06/27 23:41 ID:VmELvY/M
私事で申し訳ないのですが、1日程延長させていただきます。
871Classical名無しさん:08/06/28 00:17 ID:N0rZngIA
>>870
了解です、頑張ってください!
872Classical名無しさん:08/06/28 00:32 ID:i4.vPGz6
>>870いつまでも待ってる!無理はしないでくだしあ
873Classical名無しさん:08/06/28 00:43 ID:Dh6WDV2A
>>870
了解しました。お待ちしております。
874Classical名無しさん:08/06/28 00:54 ID:N6hSrYT2
>>870
期待してます。頑張ってください!



すいません。期限まで暫くありますが、自分も延長させてください。
話自体は短いと思うのですが……
875 ◆10IWuMmVVw :08/06/28 00:55 ID:N6hSrYT2
トリップ忘れてましたorz
876 ◆hqLsjDR84w :08/06/28 00:55 ID:N6hSrYT2
トリップ間違えました。
877 ◆hqLsjDR84w :08/06/28 01:09 ID:N6hSrYT2
何度も書き込んで申し訳ないのですが、少し質問を。

wikiの支給品一覧の、『EXP-14LIE高高度実験機』、『ZXのメモリーキューブ』、『仗助の服』。
アンデルセン死亡話に登場した上記三つの支給品の頁全てに、『アレクサンド・アンデルセンに支給された』と書かれています。
しかし、アンデルセンは登場話で、支給品『核鉄XLIV』を使用しております。
支給品は最大でも三つまでのはずなのでおかしいのでは……と思ってしまいますが、彼の登場した二つ目の話で『毛利小五郎のデイパックを拾った』とあります。
おそらくは『EXP-14LIE高高度実験機』、『ZXのメモリーキューブ』、『仗助の服』のうち一つは、小五郎の支給品であったのでしょう。
そう考えるのが、自然です。

ここからが質問なのですが、『どれとどれがアンデルセンの支給品で、どれが小五郎の支給品なのか』を、いま予約中の話で勝手に決めてしまって問題ないでしょうか?
878Classical名無しさん:08/06/28 01:27 ID:N0rZngIA
明言されていないようですから、問題ないと思われます。頑張ってください。
というか、言われるまでそのことに気付きませんでしたね。
879 ◆c7qzxSVMQs :08/06/29 20:30 ID:fN7xAWd6
お待たせしました。今から投下します
880Classical名無しさん:08/06/29 20:31 ID:/9joLBMI
――サザンクロス研究室

「パピ、ヨン……!」

現在、バトルロワイアルの場において最も危険な参加者であるパピヨンの予想外の登場に、伊藤博士は言葉を無くす。
村雨の存在ばかりに頭が行き、ヘルダイバーというサザンクロスに突入出来うる道具と首輪という枷を外したパピヨンがこのような行動を取る可能性を失念していた。
いや、仮にその事からここに来るという可能性を考慮していても、今までのパピヨンの行動パターンから考えて、敵地に単身で乗り込むという手を取る筈が無いと心のどこかで否定していたのだろう。

 「さっきも言っただろう?もっと畏怖を込めろ」

 人差し指を左右に2,3度動かしながら、パピヨンは伊藤博士を見据える
 敵地に単身で飛び込んで来たというのに、パピヨンは笑みを浮かべ、その不敵な態度を崩す気配はない。
 マスク越しからでも感じられるドブ川の濁ったような目から発せられる視線に伊藤博士は言いようの無い恐怖を感じた。まるで蛇に睨まれた蛙の様に、上手く体を動かすことができない。

「伊藤博士!」

 研究員の一人が伊藤博士の名を叫ぶのと、パピヨンの侵入した穴から3体のコマンドロイドが、パピヨン目掛けて攻撃を仕掛けるために飛び出したのは同時だった。
 拳を固め、飛び掛るコマンドロイド達を、パピヨンは振り向きもせずに二アデスパピネスで迎撃、爆破した。
爆撃が直撃した事により四散したコマンドロイド達の残骸を気にも留めず、パピヨンは伊藤博士に向けて歪な笑顔を浮かべる。

 「そうか、貴様が伊藤か」

伊藤、アカギから伝えられたBADAN側の内通者の名。
名前の前にDrと付けていた事とチャットの会話からして科学者の類である事は誰でも予想がつく。
BADAN研究員の確保、できうるならば伊藤なる人物の確保を目論んでいたパピヨンに取ってそれは願っても無い幸運だった。
 それに対して伊藤博士は自分の名が告げられた事とパピヨンの浮かべた歪な笑顔を見て本能的に身の危険を感じる。
 と、その時、首輪管理用の画面から電子音が鳴った。
 伊藤博士とパピヨンの視線が自然とディスプレイへと目を移すと、NO.10――エレオノール――の首輪の反応が消える最中だった。
 仲間割れをしたのか首輪の解除に成功したのか、生憎と二人にはそれについて考察する時間は与えられなかった
 廊下から複数の足音が響いてくる、パピヨンはその足音を察知するやいなや首輪を外した黒い核鉄を左手に、サーベル状にしたライドルを右手に構える。

「ダブル武装錬金」

 左手に持った核鉄が展開しへふくらはぎの部分に新たな蝶の羽を形成する。
 敵の戦力は未知数、黒色火薬自体が武装錬金の二アデスパピネスは、それを用いて爆発させる事からその能力は有限であり、
使い果たすと丸々三日は使えなくなる以上、火薬総量を増やす為新たな二アデスパピネスを展開した。
そして研究室の入り口と、自分の破壊した壁から現れた異形達を見やり、口角を吊り上げた

 「来い、貴様等BADANとやらの力がどのような物か確かめさせてもらう」

 その言葉が戦いの合図だった。

――サザンクロス司令室
 
 「侵入者1名! カメラに写った映像はライダーマン、現在までの盗聴の結果から、対象は数十分程前に首輪の反応が途絶えた蝶野攻爵!」
 「現在地は研究室! 追撃に向かった蜘蛛男の生体信号途絶えました!」
 「全兵士に告ぐ! 襲撃者は現在研究室にいる、各員総力を挙げて抹殺せよ!」
 「先行していたコマンドロイド3体生体信号途絶!」

 警報と通信が飛び交う中、暗闇大使は忌々しげにその顔を歪めている。
 虫けらの一人が首輪を解除し、あろうことか単身でこのサザンクロスへと殴りこんで来たのである。
883Classical名無しさん:08/06/29 20:33 ID:/9joLBMI
一人で乗り込んでくるとは余程の馬鹿か自信家か。どちらにせよその行為は彼の敬愛するBADANを嘗めきった、神に唾するも等しい行為だった。

「帝王を自称する虫けら風情がよくもやってくれるものだな……!」

 暗闇大使の中で激情の渦が巻き起こり、怒りのあまり握り締めたその手からは血が滲み出ている。
 現在、No.1のコマンドロイドとNo.5に収容している再生怪人を目覚めさせ追撃に当たらせているが、
制限の外れたホムンクルスの身体能力に仮面ライダーの力、そして二つの武装錬金の能力が上乗せしたパピヨンを相手にするのは力不足だった。

『こ、こちら第五分隊! 怪人部隊及びコマンドロイド部隊ほぼ壊滅!目標は我々構成員を捕食し……! あ、ああ……来るな、来るなぁぁぁぁ! うわああああああああああああああああ!!!』
『なんだ、BADANの精兵とやらはこの程度か笑わせる』

通信機越しの構成員の断末魔は、ボシュウゥゥゥという音と共に掻き消え、代わりに聞こえたのはパピヨンの嘲笑。
リアルタイムで仲間の捕食の瞬間を聞いた構成員達の顔が青くなり、BADANを侮辱された事で暗闇大使の顔が怒りによって赤く染まる。
虫けら一人を相手に此方の被害は甚大、これ以上無様は姿を大首領に見せる訳にはいかない。暗闇大使自らが出向こうとしたその時だった。

「エンリコ・プッチ、パピヨンと接触!」

プッチに首輪を表す光点が研究所へと到着していた。
……余談ではあるが、伊藤博士が首輪の解除方法を送信したのとほぼ同時期にパピヨンの襲撃が起こった事により司令室は混乱、
襲撃者の操作に全力を注ぐこととなり、結果、幸運にも伊藤博士の反逆行為は今現在誰一人として気づく者はいなかった。
885Classical名無しさん:08/06/29 20:35 ID:/9joLBMI
886Classical名無しさん:08/06/29 20:35 ID:JfdQLRho
887Classical名無しさん:08/06/29 20:35 ID:JfdQLRho
――サザンクロス・プッチの部屋

エレオノール達がパピヨンのいる学校へと向かった事により策はならず、一旦自室に戻ってから、
生まれた者を確認しに行こうとした正にその時、パピヨンの襲撃が始まった。
突然鳴り響く警報にただならぬ物を感じたプッチは、近くを通りがかった構成員に何が起こったのかを尋ねた。

「参加者の一人がサザンクロス内に侵入した模様です」

それだけを告げて走り出す構成員、対するプッチはその事に内心狂喜し、改めて、今自分に運が向いているのだと確信した。
首輪を付けた参加者が入ってくる事はできないこのサザンクロスに突入してきたという事は、その侵入者は自分の首にもかかっている忌々しい首輪の解除方法を知っているということだ。

(どうやら『引力』依然として私に向けて来ているようだな……!)

生かす必要はない、侵入者の記憶DISCだけを取り出して始末し、後でそのDISCの読み込み解除法を探せばいい。
今自分がすべき事は『侵入者の抹殺』そして『侵入者の記憶DISC』の回収、両方やらなければならないと言えど、ホワイトスネイクの力を使えばそうそう辛いものでもない。
そう結論付けたプッチは侵入者の捜索を開始する。

『侵入者1名! カメラに写った映像はライダーマン、現在までの盗聴の結果から、対象は数十分程前に首輪の反応が途絶えた蝶野攻爵!』
『全兵士に告ぐ! 襲撃者は現在研究室にいる、各員総力を挙げて抹殺せよ!』

場所は研究室、侵入者はパピヨン。あのパピヨンという参加者の性格から単身でここに乗り込むような真似はしないとふんでいたので少々以外ではあったが、それはこの際気にしないでおく。
ここから研究室は少しばかり距離がある、パピヨンがBADANの兵士に殺されていない事を祈り、プッチは駆ける。
889Classical名無しさん:08/06/29 20:35 ID:JfdQLRho
890Classical名無しさん:08/06/29 20:35 ID:/9joLBMI
が、どうやらそれは杞憂だったようだ。研究室行くにつれ大きくなっていく爆音と断末魔、この二つが聞こえているという事はまだ戦いは続いているという事である。
研究室が見えてきた、後数メートル、そこでプッチは思わず足を止めた。
火薬と血の匂いが鼻につく、研究室から流れる血で廊下は赤く染まり、誰かの断末魔が聞こえる、そこはまさに地獄絵図。
入り口の近くで震えていた研究員がプッチに気づいた。

「た、助……」

全てを言い終える前にホワイトスネイクの拳が伸び、研究員の頭からDISCを取り出した。DISCを取り出された研究員はそのまま昏倒する。
プッチは研究員の記憶DISCを頭に差し込む。
飛び掛った複数の怪人が周囲に展開した黒死の蝶による爆撃の直撃を受けて吹き飛ばされる。
爆煙の中から飛び出したコマンドロイド数体がライドルにより続けざまに両断される。
銃を乱射する構成員を意にも介さずその手で掴み捕食する。
ある者は爆散し、ある者は両断され、ある者は捕食される。
まさにそこはパピヨンの独壇場であった。あるのは一方的な虐殺、ホムンクルスにライダーの力と武装錬金があるだけでここまで出来るのかと戦慄する。
だがそれでもまだ勝機は残っている。ホワイトスネイクの能力には実際の戦闘力という物は関係ないのだから。

あっけない、それがパピヨンの感想だった。
制限下であれば苦戦はしただろうが、今の自分にとっては弱すぎる相手。
尤もそれは接近戦や中距離戦が主体の怪人やコマンドロイドが半径50mの射程を誇るニアデスパピネスに対応しづらく、
ライダーの戦闘能力が現在のパピヨンに上乗せされているからでもあるのだが。
これならばBADANの掌握も苦にはならないかもしれない、とパピヨンは考えるが、やはり一人で相手をするには数が多い。
892Classical名無しさん:08/06/29 20:36 ID:/9joLBMI
二アデスパピネス、そして時折捕食をして回復はしていたが体力の消耗も馬鹿にはならない。そろそろ退きどきかとパピヨンは思案する。
逃げ出した伊藤博士以外の研究者には目もくれず、どさくさに逃げようとした伊藤博士だけは、逃がさないようにデスクの下に蹴りこんでおいた。当初の目的は達成されたのだ。

「さて、俺と一緒に来てもらうぞ、伊藤博士」

恐る恐るデスクから這い出てきた伊藤博士を、二アデスパピネスを黒い核鉄へろ戻したパピヨンが見下ろしながら告げる。
その視線に肩を一瞬震わせながら、伊藤博士はキッ、とパピヨンを見据える。

「わ、私に何の用があるというんだね」
「お前には利用価値がある。だから俺と共に会場へと来てもらう。あらかじめ言っておくが貴様に拒否権などない、
断ったところで貴様の腕か足の骨をへし折って無理やりにでも連れて行くからな」
「残念ダガ、ソレハ許可デキナイ」

突然研究室の入り口から聞こえたその声に、パピヨンが振り向く。
そこにいたのは2m程の、全身に縞模様と奇妙なマークのある人型をした何かだった。

「貴様、スタンドか?」
「答エル必要ハナイ、オ前ハココデ終ワルノダカラナ」

いぶかしむパピヨンを相手に目の前の人型、ホワイトスネイクが構えを取る。
と、その瞬間、ホワイトスネイクの首元に黒い粉が舞い、爆煙を上げた。
何が起こったのか理解する暇も無く、首から上が泣き別れとなったホワイトスネイクは消滅し、廊下から、ごとりと何かが落下する音が聞こえた。

「残念、終わったのはお前の方だったな」

ホワイトスネイクの姿を確認した時、気づかれぬよう物陰伝いに、パピヨンは二アデスパピネスをホワイトスネイクへと向かわせていたのだった。
894Classical名無しさん:08/06/29 20:38 ID:JfdQLRho
895Classical名無しさん:08/06/29 20:38 ID:JfdQLRho
896Classical名無しさん:08/06/29 20:38 ID:/9joLBMI
897Classical名無しさん:08/06/29 20:38 ID:JfdQLRho
消滅したホワイトスネイクのいた場所に向け嘲笑を浮かべると、パピヨンは伊藤博士へと視線を戻す。

「さあ、一緒に来てもらうぞ?」

伊藤博士博士はおとなしく従った
伊藤博士をライドルロープで自分としっかり括りつけ、ヘルダイバーを発進させる。
追っ手の声が段々と遠くなっていくに連れ、自分自身の口角が釣りあがっていくのがパピヨンには理解できた。その顔は愉悦に浸っていた。
ヘルダイバーはサザンクロスを抜け雷雲を抜け、バトルロワイアルの会場が見えてきた。そこでパピヨンは数人の人影に気づく。
会場まで後、数mの地点、目の前の人物達と話のできる距離でパピヨンはヘルダイバーを停止させた。

「全員、いや、一人を除いて揃っているようだな。村雨から場所を聞いたか」

そこにいたのは、愚地独歩、エレオノール、桂ヒナギク、ジョセフ・ジョースター、葉隠覚悟、服部平治、柊かがみ、村雨良の姿だった。

「何を言っている? これで全員だ。それより、その人は何だ?」

村雨の言葉にパピヨンは眉を顰める。村雨の発言から察すると赤木しげるが死亡しているという事になる。
まさか、JUDOとやらに呼び出されたあの時点で直々に手を下されたとでもいうのだろうか、パピヨンの頭に一つの疑念が沸く。

「ふん、こいつはBADANの研究員だ。貴様等に取引を持ち掛けに来た。」
「取引? あなたとの取引に乗る様な者はここにはいません」

敵意のこもった目でパピヨンを睨みつけるエレオノール。そのエレオノールを見てパピヨンは違和感を覚えた。
何かがおかしい、漠然とした物ではあるが確かに感じる違和感。
上から下までエレオノールの体を観察しながら不敵に言い放つ。
899Classical名無しさん:08/06/29 20:38 ID:JfdQLRho
900Classical名無しさん:08/06/29 20:38 ID:JfdQLRho
901Classical名無しさん:08/06/29 20:39 ID:/9joLBMI
その時その違和感の存在に気づいた。

「首輪の解除方法を知っている人間でも、か?」
「されども我等悪鬼に従うは良しとしない!パピヨン殿、考え直してはくれぬのか?」

覚悟がパピヨンの取引を拒絶する。他の者も何も反応しない事から同じ意見なのだろう。
ライドルロープを解き、未だ状況が理解できていないのか戸惑っている伊藤博士を降ろす。
首輪の解除という取引は却下されたが、今のパピヨンにとってはそれはどうでもいい事であった。それよりも大事な事があるのだから。

「そうか、なら」

パピヨンが身構え、ある一人の人物に狙いをつける。
その手にはライドルが握られ、対する村雨達もただならぬ気配を感じたのか身構える。

「貴様等から死ね、武装錬金」

二つのニアデスパピネスを展開し、パピヨンが駆ける、周囲に連続して爆発を起こし、村雨たちの視界を遮る。
二アデスパピネスの狙いは爆殺ではなく目くらまし、本当の狙いは。

「ぐうっ!」
「捕まえたぞ」

ライドルロープがエレオノールを捕らえ、両腕と胴体をまとめてぐるぐる巻きにして拘束する。
そしてパピヨンは村雨達が反応するより早く、エレオノールごと禁止エリアに飛び込んだ。そして……。

「禁止エリアに抵触しています。後――」

けたたましい警報音と共に、エレオノールの首輪から禁止エリアに入った際の警告音が鳴り響いた。
903Classical名無しさん:08/06/29 20:40 ID:JfdQLRho
904Classical名無しさん:08/06/29 20:40 ID:JfdQLRho
 
905Classical名無しさん:08/06/29 20:40 ID:/9joLBMI
パピヨンの感じた違和感が明らかな矛盾へと変わった。
これと似たような攻撃を一度経験しているパピヨンならばわかる。つまりこれは――。
エレオノールや村雨達が何かをいっているがそんなのはどうでもいい。どうせ偽者なのだから。

「成る程、時を止めるスタンドだっている。このようなスタンドがいても当然か」

矛盾を自覚したからか、パピヨンの周囲の風景が変わっていく
世界が歪みだした。急速に意識が覚醒していく。

「パピ・ヨン!」

現実へと帰還した帝王が吼える。
そこはサザンクロスの研究室だった。

何が起こったのか、伊藤博士には理解ができなかった。
何者かの声が聞こえたと感じた瞬間に、急にパピヨンが仰向けに倒れた。

「無事カ? 伊藤博士」

その声に振り向くと、そこにいたのは奇妙な人型。
いや、伊藤博士はその姿を見た事があった。

「君は、プッチ神父の……」
「ほわいとすねいくダ」

プッチ神父のスタンド。伊藤博士は各世界から支給品を持ってくる段階でその姿を確かに見ていた。
907Classical名無しさん:08/06/29 20:42 ID:JfdQLRho
      
マスクをかぶった頭部から見える瞳がプッチ神父を覗き込んでいる。

「これは一体……」
「コレハ私ノすたんどノ能力ダ。今カラ、コノ男ヲ始末スル。ココハ危険ダカラアナタモ避難シテイルトイイ」

その言葉と共に部屋がどろどろと溶けていくのを伊藤博士は見た。
部屋ごとパピヨンを溶かそうというのだろうか。
ごくり、と伊藤博士は唾を飲む。再生し性能は低下しているとはいえ、BADANの怪人の大群やコマンドロイド達を軽くあしらったパピヨンを始末する。
パピヨンを昏倒させたことから実際可能なのだろう。しかし、もしこの力が村雨達に向けられたら。伊藤博士の頬を冷たい汗が流れた。

(制限か、やはりこの力は体力の消耗が激しいな)

研究室の扉の前でプッチは肩で息をする。
ホワイトスネイクの相手を眠らせ、幻覚を見せている間周囲の空間ごと対象を溶かし、DISCを手に入れる能力は予想以上に体力の消費が大きかった。
だがこの能力が決まれば勝利は決まりだ。この能力を破る方法は『幻覚の中で矛盾を見つけ』かつ『外部からの刺激を受ける』事がなければ目覚めない。
一度破られた事はあるが、そのような偶然がそう何度も起こるわけがない。そう思っていた。

「パピ・ヨン!」

プッチはわが目を疑った。今目の前でパピヨンが目を覚ましたのだ。
909Classical名無しさん:08/06/29 20:43 ID:/9joLBMI
910Classical名無しさん:08/06/29 20:43 ID:JfdQLRho
          
幻覚の中で矛盾点を見つけたのだろうか、だが、外部からの刺激は一切与えていない。そこでプッチは一つの結論に辿り着いた。

(……これも制限の一つだという事か)

このバトルロワイアルにおいて、ザ・ワールドやスタープラチナの時止め、キングクリムゾンの時間を吹き飛ばす能力などは目に見えた制限を受けている。
ご多分にもれず、ホワイトスネイクの能力も制限を受け、幻覚から抜け出す方法に『外部からの刺激を受ける』という過程が無くなってしまったのだろう。
歯噛みしながらホワイトスネイクの能力を解除する。

「どこから幻覚にかかっていたのか。お前が構えた時、いや声が聞こえた時かな?どちらにしろ参加者の現状は把握しておくべきだったな」

パピヨンの気づいた矛盾点。それはエレオノールの首輪だった。
研究室に突入してから、パピヨンは首輪管理用の画面からエレオノールの首輪が消えたのを確かに見ていた。つまりエレオノールは死亡したか首輪を外したという事になる。
だが幻覚のエレオノールは生きており、しかも首輪をしていた。
御前を使う為にあえて付けている可能性もあった、だからこそパピヨンはエレオールを禁止エリアまで連れ込んだのだった。
結果はエレオノールの首輪が作動するというありえない現象が起き、矛盾を確信したパピヨンの意識は覚醒した。

「俺が意識を取り戻しているのに幻覚を使わないという事は体力の消耗が激しいのか、一度かかった相手にはかからないのか……。
まあいい、これで貴様の能力は割れた。早々にお前を倒し、そこの男を連れて退散させてもらおうか」

口では余裕のようでも、パピヨン自身の消耗は激しい。第2、第3の部隊が次々と投入されるのは流石に厳しいものがあるのだ。
早々に目の前のスタンドを倒すためにパピヨンは考えを巡らせる。
対するプッチも目の前の化け物をどう対処するかを考える。
虎の子の幻覚攻撃が破られたとはいえまだまだ手段はある。
『これで貴様の能力は割れた』、パピヨンはそう言ったがホワイトスネイクの能力は幻覚を見せる能力だけではない。
いまだ勝機はあるにしてもこちらが動く前にあの爆撃を食らえば命は無い。
互いが互いにどのように動くかを構築し始める。

こうして第一Rは終わり、第2Rが始まりを告げる。

【マップ外/サザンクロス内部研究室 二日目 昼】
913Classical名無しさん:08/06/29 20:44 ID:/9joLBMI
【パピヨン@武装錬金】
[状態]:全身に軽い打撲。左腕に被弾。疲労(中)。ドブ川の濁ったような瞳。帝王への決意。首輪が解除されました。
[装備]:ライドル@仮面ライダーSPIRITS、マイクロウージー(9ミリパラベラム弾32/32)、予備マガジン2、
    猫草inランドセル@ジョジョの奇妙な冒険、アラミド繊維内蔵ライター@グラップラー刃牙
    サンライトハート(核鉄状態&首輪@パピヨンが巻かれている)@武装錬金
    ニアデスハピネス・アナザータイプ=核鉄(激戦)@武装錬金、ヘルダイバー@仮面ライダーSPIRITS
    ハルコンネン(爆裂鉄鋼焼夷弾、残弾1発、劣化ウラン弾、残弾0発)@HELLSING、ライダーマンのヘルメット@仮面ライダーSPIRITS
[道具]:支給品一式、チョココロネ(残り4つ)@らき☆すた、
    地下鉄管理センターの位置がわかる地図、地下鉄システム仕様書
    ルイズの杖、参加者顔写真&詳細プロフィール付き名簿、首輪探知機@BATTLE ROYALE、
    ターボエンジン付きスケボー@名探偵コナン
    首輪(鳴海)、解除済みの首輪の残骸×2(赤木、川田)、ツールセット、不明支給品1(未確認)
[思考・状況]
基本:BADANを打倒し、DIOにも届かなかった「真の帝王」の地位を手にする。
1:目の前のスタンドを倒し、伊藤博士を確保。一時退散。
2:「部下」になり「帝王パピヨン」に忠誠を誓うのなら、他の参加者の首輪も「解除してやってもいい」
3:赤木、大首領に自分を舐めたことを後悔させる。
[備考]
※参戦時期はヴィクター戦、カズキに白い核鉄を渡した直後です
※スタンド、矢の存在に興味を持っています。
※詳細名簿を入手しました。DIOの能力については「時を止める能力」と一言記載があるだけのようです。
※こなたの死体を『食べ』ました。
※覚悟、アカギのことを快く思っていません。

※首輪の構造を理解しました。少なくとも、死体(川田)の首輪の分解には成功しました。
 ちょっとした神棚と簡単な工具さえあえれば十分に解除の条件は揃うようです。
 首輪の外装を外し、電源をオフにすれば外せます。しかし、制限装置、闘争心誤読装置は沈黙しません。
 スタンド適正付与装置はどうなるか、不明です。少なくとも、首にまかない限りはスタンドは使えません。
 また、首輪がなければ核鉄は武装錬金世界出身者以外の闘争心には反応しません。
【エンリコ・プッチ@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]骨を蘇らせた際に右掌に怪我、微植物化、強い決意
[装備]リンプ・ビズキットのDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]死神13のDISC@ジョジョの奇妙な冒険、BADANより支給された携帯電話
[思考・状況]
基本:天国に行く。
1:パピヨンを始末し、記憶DISCを手に入れる。
2:トイレの『生まれたもの』を確認しにいきたい。
3:『生まれたもの』が動き出せば、承太郎の記憶より知った『支配』する方法をためす。
4:2と3の為に、暗闇大使を遠ざける。
5:暗闇大使に首輪を起爆されるのは、避けねばならない。なんとかして解除を。
6:ジョセフ・ジョースターよ、私を押し上げてくれ。
[備考]
※首輪をつけています。
※空条承太郎の記憶DISCは、既に確認した後です。
※暗闇大使とプッチの部屋の近くのトイレのロッカーに、『生まれたもの』を隠しました。

【伊藤博士@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]後頭部に異変、少し興奮気味
[装備]無し
[道具]無し
[思考・状況]
1:バダンに反抗する覚悟を決めた。
2:現在の状況に混乱
[備考]
※首輪をしていません。
※解除された首輪が、自室の棚に隠してあります。
※赤木しげるは、大首領により殺害されたものと判断しました。

――サザンクロス司令室

「ホワイトスネイクがパピヨンと戦闘を開始したようです」
「被害状況は?」
「はっ、No.1のコマンドロイドとNo.5の再生怪人は全滅、また構成員の3分の1が殺害されました」

あまりの被害の多さに暗闇の顔が苦いものに変わる。
失態だった。よもやここまで被害を出すとは暗闇自身も思ってみなかったのだ。
暗闇は決心する。これ以上の被害を出すようでは自らの沽券に関わると。
暗闇大使が腰を上げた。

「プッチばかりには任せておけん、私が出向く。ここは任せるぞ」

構成員の返事を聞く事なく、暗闇大使が司令室を出た。
暗闇大使が出たのを確認すると、構成員達は人知れず溜息を着いた。

「虫けらが如きがいい気になりすぎたな」

こめかみに青筋を浮かべた暗闇大使の表情が残虐な笑みを浮かべる。
BADANに唾する愚か者に自らの手で制裁を加えるために。
その目は怒りにより赤く血走り、その両手は固く握られている。
帝王パピヨン、その眼前に立ちはだかる二つの障壁はあまりにも大きい。
918Classical名無しさん:08/06/29 20:47 ID:/9joLBMI
【マップ外/サザンクロス内廊下 二日目 昼】
【暗闇大使@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]健康・激しい怒り
[装備]エニグマのDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]不明
[思考・状況]
基本:大首領の命令のままに。
1:パピヨンを自らの手で殺害する。
[備考]
※首輪をつけてます。
※ガモン大佐がつけている首輪には、エネルギー抑制装置、盗聴器、GPSが付けられていません。
※しかし起爆装置は点けられていませんが、付いてはいます。
※その為にスタンドDISCが使えます。
※プッチに大して少し不信感を抱いていたが、現在はある程度信用している。
※赤木しげるは、大首領により殺害されたと思い込んでいます。

[共通備考]
※No.1のコマンドロイド部隊と、No.5の再生怪人部隊が全滅し、BADAN構成員の3分の1が死亡しました。
920 ◆c7qzxSVMQs :08/06/29 20:49 ID:fN7xAWd6
以上で投下終了します。支援ありがとうございました。
問題点などありましたらよろしくお願いします。
921 ◆c7qzxSVMQs :08/06/29 20:53 ID:fN7xAWd6
すみません、プッチ神父の状態表に
疲労(大)
と、備考欄に
※ホワイトスネイクの幻覚攻撃が制限により体力が大きく消耗し、『外部からの刺激』がなくとも矛盾点を見つければ幻覚から目が覚めます。

を付け忘れてました。申し訳ありません。
922Classical名無しさん:08/06/29 20:54 ID:/9joLBMI
投下乙!
帝王ライダーパピヨン、絶好調!
再生怪人が弱いのはお約束w
プッチとのバトルも迫力があっていい! 幻影なれしているし、制限も受けているからパピヨンなら何とかしそうだわw
GJ!
923Classical名無しさん:08/06/29 21:23 ID:Lu116nEk
投下乙です!
ここにきてまさかのパピヨン無双w やはり雑魚達はやられるためにある!w
てかライダーヘルメット被ったパピヨンが未だに想像できませんw
果たしてパピヨンは伊藤博士をどう使おうというのか…? プッチ神父の野望の行き着く先は…?
次回も見逃せません

あと、うちのロワじゃよくあることなんですが、ニアデス「ハ」ピネスであり、「パ」ピネスではないです。あしからず
924Classical名無しさん:08/06/29 22:02 ID:KqH3QpE2
投下乙!
パピヨンの爽快な活躍が良かったです!瞬殺された蜘蛛男が哀れw
ホワイトスネイクVSパピヨンの闘い……幻覚を見破る作戦もこれまたグッド!
思わず今後の展開が気になりますね。特にプッチがどう出るのだろうか……?
GJでした!!
925Classical名無しさん:08/06/29 22:11 ID:Qy2h1IsM
投下GJです!
お、おもしれええええ!!
神父とパッピー……どうなるか。
幻覚は使えるけれど制限が厳しい。むう、どうなるかなー。
926Classical名無しさん:08/06/29 22:23 ID:6PcrZxlc
投下乙です!
なんて素敵なパピヨン無双! そこに痺れる憧れるゥ!
確かに、制限解除+ダブル武装錬金+ライーダマンヘルメットなら、こうもなりましょう。
プッチ、ガモンと敵の大幹部も本格的に動き始め、これからの展開が非常に気になる引きでした。
GJ!

あと、誤字の指摘ですが、
・襲撃者の操作に全力を注ぐこととなり、
→襲撃者の捜査に全力を注ぐこととなり、
・(どうやら『引力』依然として私に向けて来ているようだな……!)
→(どうやら『引力』は依然として私に向けて来ているようだな……!)
・少々以外ではあったが、
→少々意外ではあったが、
・マスクをかぶった頭部から見える瞳がプッチ神父を覗き込んでいる。
→マスクを被った頭部から見える瞳が伊藤博士を覗き込んでいる。

以上の点が誤字、脱字だと思われます。違ったらごめんなさい。
927 ◆c7qzxSVMQs :08/06/29 23:04 ID:fN7xAWd6
うう、今回も間違いが…。掲載時に直させていただきます。
928Classical名無しさん:08/06/30 02:09 ID:JRL8tKmU
プッチ神父ってキングクリムゾンしってましたっけ?
929Classical名無しさん:08/06/30 08:09 ID:/l61QhN2
原作では知らなくても、ロワの準備にスタンドDISCの抜き取りをしてた時に知ったのかもね
930Classical名無しさん:08/06/30 09:36 ID:nJIYSkWc
>>928
スタンドDISCはプッチ神父が調達したものだから、知っていてもおかしくないと思う。
931Classical名無しさん:08/06/30 19:23 ID:oK6Iqr8U
ただボスからキングクリムゾンをプッチが抜けるはずが無い、インフレ五部のラスボスだし
932Classical名無しさん:08/06/30 20:28 ID:w7Gr7KXY
俺の側に近寄るなー!以後ならいけるんじゃね?
933Classical名無しさん:08/06/30 20:58 ID:85MNhVuk
BADAN怪人がフルボッコ→神父が抜き取る
という身も蓋も無い事を言ってみる
934Classical名無しさん:08/06/30 22:39 ID:z.RbsX3A
>>931
んな事言ったら支給品にキンクリのディスクが無くなっちまうぞw
935Classical名無しさん:08/06/30 22:44 ID:lpZc77Y6
例えば『10秒後にボスの半径数キロに催眠ガスが撒かれる』って未来をエピタフで見たところで、キンクリじゃあどうしようもなくね?
BADAN側からしたら、チャンスは無限にあるんだからなんとかなるでしょ。
936Classical名無しさん:08/06/30 22:48 ID:ZmAje17.
慎重すぎて後手後手にまわった末、最後は涙目になって負けるのが僕らのボスだろ。
937 ◆hqLsjDR84w :08/07/01 21:19 ID:ispBZ8gQ
投下します
938ふしぎなおくりもの ◆hqLsjDR84w :08/07/01 21:20 ID:ispBZ8gQ
 さてさて、今回はランダムアイテムについての話をしよう。
 まずはランダムアイテムとはいったい何なのか、それについての説明かな。
 集められたバトルロワイアルの参加者達は、徳川光成にルールを説明された後に、バトルロワイアルの会場のあらゆる地点に飛ばされた。
 飛ばされる瞬間、参加者の足元に大首領の力による魔方陣が出現したのだが、それに気付くものはいなかった。
 ほぼ全ての参加者が、葉隠覚悟の宣戦布告に目を取られていたためなのだが、覚悟自身もそれを知ることはないだろう。
 参加者が飛ばされた場所の付近に、デイパックが置いてあったのだ。
 なに? 気付いた時には、デイパックを所持していた者達がいる?
 ああ、知っているさ。志村新八とマリアの二人だろう? なに、彼等の勘違いさ。
 彼等は、自らデイパックを背負ったのだ。気付かぬうちにね。
 『いきなりの展開に困惑し、本人の気付かぬうちにデイパックを肩にかけていた』として、何か不自然な点があるだろうか?
 彼女とて、十六歳と十七歳――片方がそうは見えぬかもしれないが、BADANの情報によればこれで正しいのだ――の少年少女。何ら違和感など、ないだろう。
 さて、本題に戻ろうか。
 デイパックの中身は、地図、コンパス、筆記用具、水と食料、名簿時計、ランタン――そして今回の御話のメイン、ランダムアイテム。
 ランダムアイテム、何が支給されているかは分からない。それは武器である場合もあれば食物だったり、時には何の役にも立たなそうなものである場合もある。
 例えば、戦闘機。例えば、強化外骨格。例えば、錬金術の結晶。例えば、銃器。etcetc……
 そんなものが参加者一人につき、一つから三つ支給されているのだ。
 ……いや、一種から三種と言うべきだな。

 ――参加者に配られたランダムアイテムの中に、幾つか伊藤博士の紛れ込ませた物が存在する。

 それが何なのかを考えていこうと思う。
 さっき『今回はランダムアイテムについての話』と言ったが、スマン。ありゃあ間違っていた。
 『今回は伊藤博士が紛れ込ませたアイテムについての話』って言った方が、正しかったな。
 そのために、まずは誰のデイパックにどのアイテムが入っていたかを纏めてみよう。
 ……と言いたいのだが、問題がある。
939Classical名無しさん:08/07/01 21:20 ID:jZ38XTxo
 
940Classical名無しさん:08/07/01 21:20 ID:jZ38XTxo
  
941ふしぎなおくりもの ◆hqLsjDR84w :08/07/01 21:20 ID:ispBZ8gQ
 勘のいい方ならば気付いただろうが、誰に支給されたのか分かっていないアイテムが存在するのだ。
 そういうのが幾つかあるのだが……そうだな。アレら辺りが、最初に説明するのに適してるかな。


 まずは、『ZXのメモリーキューブ』『EXP-14LIE高高度実験機』『東方仗助の服』の三種が、一体誰に支給されたかを明かしていくとしよう。
 これらの内二つはアレクサンド・アンデルセンが使用したもので、もう一つはアンデルセンのデイパックから本郷猛が発見したものだ。
 ならば、三つともアンデルセンのアイテムなのではないか?
 そう言いたいかもしれないが、違うんだ。全てがアンデルセンに支給されたアイテムなんてことは、絶対にありえない。
 何故ならば、アンデルセンは現在話している三種以外に『核鉄XLIV』を支給されているのだから。
 アイテムを四種も支給されているなんておかしい? 運がよくても三種までしか支給されないんじゃないのか?
 言いたいことは分かる。まあ、アンデルセンの行動を思い返してみてくれ。
 アンデルセンは毛利小五郎を殺害後、小五郎のデイパックを回収した。
 生前に小五郎はアイテムを二つ出していたが、まだ一つ残っていたのかもしれない。いや、残っていたのだ。そうでなければ、おかしいのだ。
 さて、ならば、先ほどの三つのうちどれが小五郎のアイテムであったのだろう。
 彼の行動を思い出すんだ。
 アンデルセンの襲撃を受けた彼は焦っていた、切羽詰っていたんだ。『人体模型』でさえも、盾として使用するほどに。
 焦りながらも彼は心臓が止まる寸前まで、ただ同行していた桂ヒナギクを逃すことだけを考えていたのだ。
 そんな彼が『EXP-14LIE高高度実験機』を持っていたなら、『東方仗助の服』を持っていたなら、それらが封印された紙を開いたのではなかろうか?
 『EXP-14LIE高高度実験機』なんかに潰されれば、アンデルセンでも一たまりもない。外れても、足止めにはなる。
 ヒナギクが近くにいればかなり危険だが、ヒナギクが小五郎とアンデルセンから結構離れた時まで、小五郎の息はあった。
 『東方仗助の服』はダメージは与えられずとも、一瞬だけでも目晦ましにはなっただろう。
 しかし、開かなかった。
 何故か――理由は至極簡単。持っていなかったからだ。
942ふしぎなおくりもの ◆hqLsjDR84w :08/07/01 21:21 ID:ispBZ8gQ
 持っていたのは、『ZXのメモリーキューブ』と書かれた紙。
 小五郎は支給品を確認していた。していなければ、咄嗟に『人体模型』で殴ることなんか出来ない。
 そもそも確認していなかったならば、『電磁ナイフ付き拳銃』を携えていたこと自体がおかしい。
 当然、『ZXのメモリーキューブ』の存在も知っていた。
 しかし彼は、メモリーキューブという名からそれをUSBの類と判断した。
 故に、彼がそれが封印された紙を開くことはなかった。
 尤も、開いたところで生き長らえることが出来たとは思えないがね。
 纏めよう。
 『ZXのメモリーキューブ』――毛利小五郎に支給された。
 『EXP-14LIE高高度実験機』、『東方仗助の服』――アレクサンド・アンデルセンに支給された。


 次だ。
 『綾崎ハヤテのママチャリ』、『携帯電話』、『ノートパソコン』の三種。
 これらは市川を殺害したアミバが、市川のデイパックを回収。それから少し経って、アミバがアイテムを確認した際に出てきたものだ。
 全ての参加者が、少なくとも一つはアイテムを支給されている。
 したがって、『三つのうち二つがアミバのアイテムでもう一つが市川のアイテム』、或いは『一つがアミバのアイテムでもう二つが市川のアイテム』――と、推測できる。
 また、才賀勝のアイテムである『携帯電話』――当然ながら、アミバに支給されたものとは別のものだ――に、アミバの電話番号が登録されている。
 という訳で、『携帯電話』はアミバのアイテムであったことが分かる。
 さて、ここからだが……残念ながら、もうどっちがどちらのアイテムであるか考察する材料は無い。
 だから、結論だけをさっさと言ってしまうとしよう。
 『携帯電話』、『ノートパソコン』――アミバに支給された。
 『綾崎ハヤテのママチャリ』――市川に支給された。
943ふしぎなおくりもの ◆hqLsjDR84w :08/07/01 21:22 ID:ispBZ8gQ


 さあ、次にいこう。
 他にもまだ、誰に支給されたのか分からないアイテムはある。
 どうしようか……うーむ、残りは一気に説明した方が楽みたいだな。そうするか。
 『ヘルダイバー』、『ライダーマンヘルメット』、『キリマンジャロの雪解け水』、そして『■■■』。
 え? 『■■■』とは、どういうことかって?
 ああ、『■■■』っていうのは――――分からないんだ。
 それが一体何なのか、BADANがどの世界から調達したのか、一切が不明。
 何でかって? 紙が開かれる前――いいや、違うな。
 付属された説明すら読まれる前に、紙ごと燃えてしまったんだ。
 第五放送と第六放送の間に、川田章吾が才賀エレオーノルにハルコンネンをぶっ放しただろう? その時だ。
 ならばエレオノールが持っていたのか? いいや、違う。
 それを持っていたのは、エレオノールの付近に転がっていた死体――マーティン・ジグマール。
 ジグマールは『■■■』が何なのかも知らず温存していたらしいが、生憎死ぬ直前まで戦闘していたケンシロウは、中身を確認する隙を与えなかった。
 そのためにジグマールは『■■■』が何なのかを知らぬまま、戦闘終了直後に川田に両断された。
 そして中身を誰も知らぬまま、紙から出ることなく灰となった。
 さて、上記の四つのアイテム。それらは、そもそも誰に支給されたのか。それを知ることから始めよう。
 『ヘルダイバー』と『ライダーマンヘルメット』は、ジグマールが川田に渡した。
 『キリマンジャロの雪解け水』は、ジグマールが飲み干した。
 『■■■』は、ジグマールが最期まで持っていた。
 ということは、全てジグマールのアイテムか? いいや、ノゥ。絶対にノゥ。
 まず、四種支給されることがありえない。何より、ジグマールの支給品は『破壊の杖』と『ティーガー(P)駆逐戦車』の二つだ。
 他には無かったし、その二つもデイパックごとセラス・ヴィクトリアの戦闘で塵となった。
 ならば、誰のものか?
 この四つはいろいろな参加者の手を転々としたため、説明がややこしいと思う。
 そこは、覚悟していただきたい。では、解説を開始しよう。
944Classical名無しさん:08/07/01 21:22 ID:YuQ/9d/Q

945ふしぎなおくりもの ◆hqLsjDR84w :08/07/01 21:23 ID:ispBZ8gQ

 ジャギが白金に殺害され、道具を奪われる。その時点でジャギのデイパックには、未だ開かれていないエニグマの紙が二つあった。
 その後、白金は武藤カズキと戦闘し共に逝去。ジャギの所持していたものを仕舞いこんであった白金のデイパックは、その場に放置される。
 白金のデイパックは、その場にいた三千院ナギと駆けつけた空条承太郎と綾崎ハヤテが回収する。
 ナギの脱臼していた右腕を承太郎が治療し、その痛みでナギは意識を落とした。
 気絶したナギをハヤテが背負った。その際にハヤテは、持ちやすいように白金のデイパックの中身をナギのデイパックに纏めた。
 元々ナギのデイパックには未開封のエニグマの紙が一枚あったので、この時点ではナギのデイパックには、未開封のエニグマの紙が三枚あった。
 暫くしてナギが目覚め、三人が喫茶店に到着。
 休息の間もなく範間刃牙の襲撃を受け、この戦闘で承太郎と刃牙は死亡。ハヤテはその場から走り去り、疲労しきったナギもゆっくりとハヤテを追った。
 喫茶店には、四人のデイパックが残された。この時点で、ナギのデイパックには未開封のエニグマの紙が三枚、承太郎のデイパックには一枚入っていた。
 フラリフラリと足を前後させていたナギは、喫茶店から少し離れた場所で加藤鳴海と愚地独歩に保護される。
 彼等は喫茶店へと戻り、周囲に散らばった道具を回収。そして、移動を開始した。
 この時点で、ナギのデイパックは鳴海に渡り、承太郎のデイパックは独歩に渡った。
 数刻後、泉こなたと合流。そしてDIOの居場所を知り移動、邂逅、人質、分断、衝突、追跡、再戦、決着。
 鳴海はDIOに勝利。また蝶野攻爵と合流するも、操られていたシェリス・アジャーニは救えず、鳴海自身も死んでいった。
 そして、鳴海の所持品――承太郎のアイテムを含む――は、独歩の手へ。
 この時点で、独歩はエニグマの紙を四枚持っていることになる。内訳は、ジャギのものが二枚、ナギのものが一枚、承太郎のものが一枚、である。
 またしても暫くが経過。独歩達三人は、蝶野と離別することになる。
 その後、エレオノールとジグマール――先ほどの『誰に支給されたのか分からないアイテム』を一時期四つ持っていた男である――が、独歩達に急襲。
946Classical名無しさん:08/07/01 21:23 ID:VfJxzf1g
支援
947Classical名無しさん:08/07/01 21:23 ID:jZ38XTxo
   
948ふしぎなおくりもの ◆hqLsjDR84w :08/07/01 21:24 ID:ispBZ8gQ
 独歩はこなたとナギを逃がすことに成功するが、デイパック――勿論、四枚のエニグマの紙を含む――をジグマールに奪われる。
 いろいろあった――その際に、『キリマンジャロの雪解け水』をジグマールは飲み干した――が、その場ではジグマールは逃走。
 追いかけた独歩を撒き、川田と同盟を締結。その折に『ヘルダイバー』と『ライダーマン変身セット』は、川田の手に。
 そして、次に出会ったケンシロウにジグマールは勝負を挑み、勝利。すぐさま川田により殺害され、『■■■』は灰に。

 というワケだ。
 要するに、『ヘルダイバー』『ライダーマンヘルメット』『キリマンジャロの雪解け水』『■■■』のうち、二つがジャギ、一つがナギ、一つが承太郎のものなのだ。
 ここまで色々な参加者の元を転々とするとは、分からないものである。
 特に『ヘルダイバー』と『ライダーマンヘルメット』なんかは、川田からさらに蝶野へと所持者が変わったのだ。なんとも、不思議なものだ。
 どれとどれがジャギの支給品で、どれが承太郎支給品で、どれがナギの支給品なのか。
 さて、考えてみよう。
 ――と言いたいが、これまた考察する材料は無い。
 だから、まず答えを言ってから、解説の方をさせていただこう。
 『■■■』――空条承太郎に支給された。
 『ヘルダイバー』――三千院ナギに支給された。
 『キリマンジャロの雪解け水』、『ライダーマンヘルメット』――ジャギに支給された。
 承太郎に支給された『■■■』。彼は説明書を読んだが、取り出すことなく息絶えた。
 そして鳴海も独歩も、そしてジグマールまでもが、中身を確認することはないまま紙ごと灰となってしまった。
 分かるのは、『少なくとも、承太郎には必要なかった』ということだけ。
 中身を知るのは、アイテムの分配担当のBADAN構成員だけであろう。
 三千院ナギに支給された『ヘルダイバー』。
 かなりの性能を誇るバイクなのだが、ナギが使用することはなかった。高性能な足となり得るのに、だ。
 何故か――説明書に書かれた一文。
 『最高時速600km。核融合エンジンを搭載している』
 ただの小学生ならばともかくとして、ナギは工学に関する知識をそれなりに持っている。
 そんな少女が、核融合エンジンなど信じるわけがない。
949Classical名無しさん:08/07/01 21:24 ID:jZ38XTxo
    
950ふしぎなおくりもの ◆hqLsjDR84w :08/07/01 21:25 ID:ispBZ8gQ
 しかしバトルロワイアルの過程で様々な不可思議を体感し、じょじょにナギは『そんなものがあっても、おかしくはない』と思うようになった。
 だがそれでも――いや、だからこそ、か。
 だからこそ、『核融合エンジン』などという危険物を出すなんてことは出来なかったのだ。
 そして、ジャギに支給された『キリマンジャロの雪解け水』。
 これの説明書を読んだのは、ジャギと白金の二人だが……
 『キリマンジャロの雪解け水』は、ジャギは温存したまま死に行ってしまい、機械のボディを持つ白金はそれを必要としなかった。
 そして、もう一つジャギに支給された『ライダーマンヘルメット』。
 実を言えば、ジャギはこれの名前しか読んでいない。
 説明書は読まなかったのだ。
 既にヘルメットを被っていたジャギは、『ヘルメット』と見ただけで、必要ないと判断した。
 ……使用していれば、死ななかったかもしれないのに。運が無い男である。
 一方、白金は説明書を一応読んでいた。
 しかし、これまた機械のボディを持つ白金には必要なかった。
 筋力をはじめとする運動機能が大幅に強化される、科学の結晶も、白金には意味が無かったのだ。


 さて、これで、誰に何が支給されたかは分かった。
 何個支給されたのかも、一体何が支給されたのかも分からないのが、一人分だけある。
 それはまだ明かされていないので、それ抜きで誰のデイパックにどのアイテムが入っていたかを纏めてみよう。


 01赤木しげる:道化のマスク、グリモルディ、核鉄LV。計三種。
 02市川:綾崎ハヤテのママチャリ、以上。一種だけ。
 03平山幸雄:ジャギのショットガン、i-pod、泉こなたのスクール水着。計三種。
 04鷲巣巌:核鉄C、キング・クリムゾンのDISC。計二種。
 05葉隠覚悟:ライダースーツ、以上。一種だけ。
 06葉隠散:クルーザー、法皇の緑のDISC、黄金体験のDISC。計三種。
 07本郷猛:捕獲網、ロードローラー、ボウガン。計三種。
 08三影英介:ハルコンネン、以上。一種だけ。
 09村雨良:強化外骨格「霞」、原チャリ。計二種。
951ふしぎなおくりもの ◆hqLsjDR84w :08/07/01 21:25 ID:ispBZ8gQ
 10加藤鳴海:核鉄LII、グリース缶、AB型の輸血パック。計三種。
 11才賀エレオノール:青汁DX、二十本の投げナイフ、ピエロの衣装とメイクセット。計三種。
 12才賀勝:オリンピア、携帯電話。計二種。
 13白金:ジャック・オー・ランターン、以上。一種だけ。
 14坂田銀時:白銀のあるるかん、蝶ネクタイ型変声機、隠者の紫のDISC。計三種。
 15神楽:拡声器、木刀正宗。計二種。
 16桂小太郎:ライドル、時計型麻酔銃、スタングレネード×三。計三種。
 17志村新八:美那子の手、陵桜学園高等部のセーラー服、ハリセン。計三種。
 18愚地独歩:逆十字号、白金のあるるかん、黒王号。計三種。
 19花山薫:USSR AK74、煙草一ケース。計二種。
 20範馬刃牙:核鉄XXIII、強化外骨格「零」。計二種。
 21範馬勇次郎:日本刀、自転車、四個の打ち上げ花火。計三種。
 22吉良吉影:バズーカ、アラミド繊維内蔵ライター、法儀礼済みボールベアリングのクレイモア地雷。計三種。
 23空条承太郎:首輪探知機、『■■■』。計二種。
 24ジョセフ・ジョースター:トランプ銃、ハイパーヨーヨーが二つ、江頭2:50のタイツ。計三種。
 25DIO:デルフリンガー、ダーツの矢が三本。計二種。
 26カズマ:核鉄LXI、仕込み傘、ギーシュの造花。計三種。
 27シェリス・アジャーニ:血の入った金属バケツ、吸血鬼ヌケサクの入った棺、ハート様気絶用棍棒。計三種。
 28マーティン・ジグマール:破壊の杖、ティーガー(P)駆逐戦車。計二種。
 29劉鳳:空条承太郎の記憶DISC、4色ボールペン。計二種。
 30キュルケ:タバサの杖、ジャッカル。計二種。
 31タバサ:ただのナイフ、ネクロノミコン、液体窒素。計三種。
 32平賀才人:紫外線照射装置、ジェラルミン盾、参加者の自己紹介が録音されたボイスレコーダー。計三種。
 33ルイズ:軍刀、以上。一種だけ。
 34綾崎ハヤテ:454カスールカスタムオート、13mm爆裂鉄鋼弾×三十五。計二種。
 35桂ヒナギク:何がどれだけ入っていたのか、共に不明。
 36三千院ナギ:核鉄XXII、スパイスガールのDISC、ヘルダイバー。計三種。
 37マリア:鎖鎌、犯人追跡メガネと発信器×三。計二種。
 38アーカード:竜の羽衣。一種だけ。
952ふしぎなおくりもの ◆hqLsjDR84w :08/07/01 21:26 ID:ispBZ8gQ
 39アレクサンド・アンデルセン:核鉄XLIV、EXP-14LIE高高度実験機、東方仗助の服。計三種。
 40セラス・ヴィクトリア:DVDプレーヤー、たこ、スティッキィ・フィンガーズのDISC。計三種。
 41アミバ:ノートパソコン、携帯電話。計二種。
 42ケンシロウ:成仏鉄球、生命の水、鳴海の鉢巻。計三種。
 43ジャギ:ベレッタM92F、キリマンジャロの雪解け水、ライダーマンヘルメット。計三種。
 44ラオウ:コカコーラ、キュルケの杖。計二種。
 45防人衛:シルバースキン形コート、木刀、スタングレネード×六。計三種。
 46蝶野攻爵:週刊少年ジャンプ、んまい棒、綾崎ハヤテの女装服。計三種。
 47津村斗貴子:水のルビー、始祖の祈祷書、キック力増強シューズ。計三種。
 48武藤カズキ:音響手榴弾、催涙手榴弾、黄燐手榴弾。計三種。
 49川田章吾:チョココロネ、マイクロウージー、ジッポーライター。計三種。
 50桐山和雄:レミントン M31RS、バヨネット。計二種。
 51杉村弘樹:超光戦士シャンゼリオンのDVDBOX、以上。一種だけ。
 52三村信史:クレイジー・ダイヤモンドのDISC、七原秋也のギター。計二種。
 53江戸川コナン:鷲巣麻雀セット、スーパーエイジャ、ヌンチャク。計三種。
 54灰原哀:参加者顔写真と詳細プロフィール付き名簿、ルイズの杖。計二種。
 55服部平次:「ざわ……ざわ……」とかかれた紙、モッツァレラチーズとトマトのサラダ、スーパー光線銃。計三種。
 56毛利小五郎:電磁ナイフ付き拳銃、人体模型、ZXのメモリーキューブ。計三種。
 57泉こなた:猫草、フレイム・ボール、ニードルナイフ。計三種。
 58高良みゆき:イングラムM10サブマシンガン、以上。一種だけ。
 59柊かがみ:核鉄XII、魔術師の赤のDISC、フェイファーツェリザガ。計三種。
 60柊つかさ:ホーリーの制服、バードコール、ターボエンジン付きスケボー。計三種。
 そして、シエスタに支給される予定だったアイテム――ということになっている――が、オー・ロンサム・ミーのDISC、生命の水の二種。


 シエスタのアイテムというものがあるが、実際には違う。シエスタのアイテムなど存在しない。するわけがない。
 徳川光成がルールを説明した際、気まぐれでシエスタの首輪を爆発させたように見えるが、そんなことはない。
953Classical名無しさん