1 :
パオさんの代理 :
03/02/27 09:31 ID:N4HBstYe
2 :
1 :03/02/27 09:34 ID:N4HBstYe
3 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/02/27 12:39 ID:/eiWb45o
1さん乙です。立ってしまったか・・。未完のまま終わるのも一興と思ったが。 朝、バキオーガ全て書いたけど長文エラーとメモリ不足で入らなかった。すみません。 夜か、最悪明日には全て終わりそうです。期待しないで待ってて下さい。 (バキオーガはホント短くしてるんで、わざと)
今一番期待しているスレなのに・・・ パオさんのことを全く考えない意見で申し訳ないが、最後まで続けて欲しい。 そして、トーナメントでも感動させて欲しい。 でも、辛くなったらいつでも逃げ出してね
5 :
マロン名無しさん :03/02/27 19:15 ID:1MuXNHi8
実際,ほとんど毎日書きつづけてるパオさんは凄いと思ふ 実生活に影響がでたり,ネタが思い浮かばなくてつらかったりするんだったら カキコの回数減らしても全然OKだと思います 週一でも、見たい奴は絶対見にくると思うし
6 :
マロン名無しさん :03/02/27 19:25 ID:fS3K/+4H
7 :
前スレ877の続き :03/02/27 20:10 ID:vYSVuFkC
ジャックの下アゴに、勇次郎の右アッパー襲い掛かる。超高速の一撃に、ジャックは反応できない。 アゴを砕かれ、数メートル吹き飛ぶジャック。失神しそうになるのを必死で耐える。しかし。 ジャックの肉体は本来ならばまだ、入院していなければならない体である。臨界点ギリギリの所。 だが、バキを思う兄としての心が、彼をここまで連れてきた。しかし、勇次郎の一撃。それすら砕く。 ドーピングの過剰摂取、骨延長による無理なパワーアップ、そして勇次郎の拳撃のダメージ。 その三重苦が、ジャックに立つ事を許さない。 (オ、俺ハ・・弟ヲ見殺シニシカ、出来ンノカ・・) 目の前の異常な惨劇。勇次郎が楽しそうに、本当に楽しそうな顔で、気絶したバキをいたぶる。 ジャックが叫ぶ。「止メロ、止メテクレ、勇次郎ッッ」 無理矢理に体を動かそうとするジャック。 しかし肉体は、哀しくも1ミリたりとも反応しない。 勇次郎。突きで、蹴りで、何度もバキを吹き飛ばす。わざと加減をする勇次郎。すぐ絶命に至らぬ様に。 長く自分が楽しめる様に。吹き飛ばしては捕まえ、蹴りを。突きを。そしてまた吹き飛ばす。繰り返し。 肉親をいたぶり殺すと言う行為。決して許されぬ禁忌な事柄故、快楽を感じているのか。快楽殺人者。 その言葉がジャックの脳裏を過ぎる。己の喜びの為、他者を全て供物とするのが、この男の強さの源・・。 世間のルールや良識など、この範馬勇次郎には通用しない。世界は全て、自分を楽しませる為存在する。 なぜなら自分は最強だから。地上最強だから。俺を縛るモノは何もなく、俺のわがままは全て通る・・。 そう完全に信じている。疑いもしない。その絶対の自我こそが、この勇次郎という男の強さの源泉・・。 (ダメダ。コンナ男ニ、勝テル訳ガ・・) ジャックは後悔する。勇次郎との闘いを止めなかった事を。 バキが死ぬのは自分の責任だ・・。しかし。勇次郎が正に、トドメを刺さん、としようとするその時。 ジャックの目の前で信じられない光景が広がった。
8 :
7の続き :03/02/27 21:10 ID:vYSVuFkC
「てめえ・・。この範馬勇次郎の前に立つ、と言う事がどういう事かわからんか、小娘ェッッ」 勇次郎とバキの間に、少女が立っている。その少女は両手を大きく広げ、勇次郎の行く手を阻む。 体はガクガクと震えている。瞳からボロボロと涙をこぼしている。しかし、その目はまっすぐ。 勇次郎を見据えて揺るがない。地上最強の生物を前に、少女・・松本梢江が対峙してひるまない。 「ま、間違ってます・・親が実の我が子を殺そうと思うなんて・・絶対に・・間違ってるッッツ」 最初は消え入りそうな声。しかし、最後には決意を込めた声で、大きく勇次郎に訴える。泣きながら。 「バ・・馬鹿、逃ゲルンダ、梢江チャンッッ、ソイツハ女ダカラッテ、手加減スル奴ジャナイッッ」 しかし。勇次郎。ほんの一瞬、沈黙する。彼の脳裏にある女性の姿が浮かぶ。朱沢江珠。バキの母親。
9 :
8の続き :03/02/27 21:14 ID:vYSVuFkC
勇次郎。梢江。お互いを見つめ合う。勇次郎は、殺気で人を睨み殺すか、と思える激しい視線。 しかし、梢江。その目に殺気はない。ただ、バキを思う純粋な愛情。死んでも守る、という犠牲、献身。 勇次郎。ゆっくり口を開く。心なしかその目。殺気が少し削げ落ちたかの様にジャックは思った。 「小娘・・今、てめえの前にいるのは、正真正銘の地上最強だぜ。てめえを殺さないとでも思ったか?」 梢江。震えながら答える。しかし、口調はハッキリと。堂々とすらしていた。 「大した事は無い、地上最強なんて・・。最愛に比べたら・・」 そして勇次郎へニッコリ微笑む梢江。
10 :
9の続き :03/02/27 21:15 ID:vYSVuFkC
ジャック。(馬鹿ナ・・ナンテ事ヲ言ウンダ、梢江チャン・・。殺サレル・・相手ハ勇次郎ダゾ・・) 勇次郎と梢江の間に、沈黙が流れる。しかし。勇次郎の怒号が夜の闇を切り裂く。「ケエエエッッッツ」 その怒号と同時に、勇次郎の凶悪なコブシが唸りを上げる。梢江に向けて、まっすぐに。ブウウウン。 ・・・。ジャックは目を背ける。勇次郎の拳である。女の顔など、トマトの様に簡単に砕いているだろう。 ゆっくり視線を戻すジャック。しかし、そこには。勇次郎と無事な梢江が立っていた。無言のままの2人。 梢江の鼻先寸前、ゼロコンマ数ミリのところで。勇次郎の狂拳がピタリ、と止まっている。究極の寸止め。 ・・そのまましばらく止まったままの時間。だが。勇次郎のコブシがスー、と下がる。そして梢江に聞く。 「小娘・・。名を聞いてやる。なんといいやがる・・」 不意を突かれ一瞬、言葉が出ない梢江。そして。 「こ・・梢江・・。松本、梢江・・」 です、と言える余裕は無かった。だが勇次郎。体の殺気が消える。 そして。クルリ、と梢江とバキに背中を向け歩き出す。ストライダムが待機する、ヘリコプターに向かって。 「フン、バキめ。小娘如きに庇われるとは・・。殺す価値も無いわッッ、一生、俺の足元にも及ばんッツ」 ペッ、とツバを吐き捨てながら叫ぶ勇次郎。しかしジャックはその姿に驚愕する。そして思った。 (馬鹿ナ・・アノ範馬勇次郎ガ・・。譲ッタ?身ヲ引イタ?) ペタン。全ての力が抜け、腰が抜ける梢江。 そしてバキの近くに駆け寄る。バキ君、しっかりしてと泣きながら。勇次郎。その姿をチラリ、と見る。 そして2人に向け、ポツリと言う。ヘリのプロペラにかき消された、勇次郎の言葉。バキはハッキリと聞く。 気を失いながらも、意識の底に響いた勇次郎の言葉。彼は間違いなく、こう言っていた。 「祝福するぜ、2人とも・・。梢江とやら、そしてバキ・・。」
11 :
10の続き :03/02/27 22:02 ID:vYSVuFkC
【エピローグ1 愚地独歩・克巳親子】 「まーたあの2人、やってるよ・・。本当に、あの激闘を闘い抜いた2人かねえ・・」 加藤がやれやれ、といった様子でつぶやく。闘技場決戦より3週間。神心会本部。 「バカ野郎ッ、俺に決まっているだろうがッッツ」 独歩が怒鳴る。克巳は笑って言う。 「いやいや、父さんも強かったでしょうが、なにしろ才能が違いますからねえ・・」 館長室での会話である。末堂が苦笑する。 「ガキの意地の張り合いだな、全く・・」 加藤が末堂に言った。 「神心会100万の頂点の会話かよ・・。弟子が泣くぜ・・」 加藤と末堂の2人は館長室のドアの前にいる。今や、独歩は完全に一線を引いた。 新館長、愚地克己。彼を呼びに来たのである。しかし、当の克巳と独歩は・・。 「俺だッ」「俺ですってッ」 喧嘩の真っ最中である。ちなみに喧嘩の内容は、 ・・若い頃の独歩と今の克巳はどちらが強いか、である。他愛も無い、子供の様な喧嘩。 加藤が気合を入れる。「キリがねえ。思い切って入るぜ」 館長室のドアを叩く。 「館長、加藤、末堂、入りますッ、押忍ッッ」 入室し、十字を独歩と克巳に切る。 独歩は2人を見てアッ、と声を上げ言った。「ああ、そうだったな。今日からか・・」
12 :
11の続き :03/02/27 22:03 ID:vYSVuFkC
・・数日前から、神心会は克巳館長の新体制に入った。克巳の上げる目標はズバリ。 「地上最強の男の輩出」であった。その為に、まず克巳は独歩に相談した。 「父さん・・。この神心会から、範馬勇次郎以上の男を輩出する為に、俺は改革します」 独歩は真剣な克巳の目を見て言う。「もう、おめえの神心会だ。好きにすればいい・・」 克巳の改革。それは神心会の枠にとらわれず、色々な武術、格闘技から技をパクりまくる。 そしてそれを新たな礎にして、最強の武道、「愚地流」を完成させる・・。そしていつか。 範馬一族以上の男をこの「愚地流」から・・。それが克巳の案であった。克巳は独歩に言う。 「ま、その最強の男には、当然俺がなるつもりですがね・・」 その為の第一歩。それが加藤たちが呼びに来た、これから発足する「黒帯研究会」である。 意気揚々と館長室を出る克巳・加藤・末堂。・・独歩は黙って見送り、茶をすする。 (本当にもう、俺の時代じゃ無くなったな・・。そうだ、久しぶりに夏江と旅行でも行くか・・) 道場へと向かう克巳・加藤・末堂。加藤が克巳に問う。「克巳さん・・・じゃなかった、館長」 慣れない為言い直すことが多い。加藤は続ける。 「最初の特別講師って、どんな人だい?」 克巳は笑って答える。「ムエカッチューア、って格闘技の方だ。丁重に、低姿勢でお迎えしろよ」 ・・・そして、克巳。道場に入り、黒帯たちに気合を入れる。 「よーし、稽古、開始ッッツ」
13 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/02/27 22:21 ID:vYSVuFkC
もうすぐ、完全に終わりです。あと、各々のエピソードを書いて終わり。 レスにして残り、5レスから8レスといった所でしょうか。 お付き合いありがとうございます。次回、どんなに遅くとも次々回には終わります。 バキオーガはわざとあっさりさせました。濃いのも考えたけど、やはり板垣先生に申し訳ない。 感慨深いスレになったなあ。1スレで収まらず申し訳ありません。荒しもあったけど、 やっぱこの「あとがき」ですね。すみません。でも、これが書いてて一番楽しいんです。 本編は主人公のカツミンと敵主人公の柳が活躍してくれたんで、結構長持ちしました。 最終回の「あとがき」は長いと思いますが、お許しを。読み飛ばして頂いても結構です。 ・・・スッゴク疲れたこのスレ。何度逃げようと思ったか。でも、逃げなくて良かった。 本当にこの駄文に応援頂きありがとうございます。完結できたのは皆さんのおかげ。 あと、私がスレの独占みたいな感じになってすみません。・・・では、また次回。
14 :
マロン名無しさん :03/02/28 00:06 ID:fyQok8vG
age
>パオさん 本当に、お疲れ様でした。 そして、実に濃厚なバキ世界をありがとうございました。
16 :
マロン名無しさん :03/02/28 13:02 ID:fyQok8vG
age
17 :
マロン名無しさん :03/02/28 14:15 ID:dT8GZxp2
初カキコミ
まあ俺は読んでないからどうでもいいんだけどさ、バオが終わったら このスレ早くもdat落ちか?
19 :
マロン名無しさん :03/02/28 15:50 ID:X5LAOe0P
>パオさん 新作の予定は無いんですか?
20 :
マロン名無しさん :03/02/28 16:02 ID:uUWf4yLP
【エピローグ2 渋川剛気・烈 海王】 渋川は手を合わせている。とある霊園。真新しい墓の前で何十分も。お香の煙が流れる。 不意に、渋川の背中に声が掛かる。 「アンタらしくないな。隙だらけだぞ、シブカワ・・」 渋川は、その聞き覚えのある声に後ろを振り向く。 「おう、来てくれたんかい、烈・・」 仏花を抱えた烈 海王が立っていた。烈は渋川に問い掛ける。 「その墓か。立派だな・・」 渋川。老獪に笑う。「ちいとばかり奮発したよ。まあ、あいつに似合わんがな、墓なんて・・」 その墓。渋川の武友が眠る。最凶死刑囚・柳 龍光の墓である。つい先日出来たばかり。 ・・・ゆっくりかがみ込む烈。それから仏花を生け、静かに手を合わせる。しばらくの沈黙。 「・・・すまんのう」 渋川が烈に言った。烈は拝むのを止め、渋川に向きかえる。 「あいつも喜んでおるよ。お主の様な、・・本物の武人に憧れておったようじゃからのう」 烈は笑って言う。「アンタだって本物だろう。この柳という男も・・才能だけは、私たち以上に」 本物だった。しかし、それを口にせず、再度墓に手を合わせる。渋川。少し寂しそうに言った。 「烈よ・・ワシはコイツを昔、止められなんだ。こんな素晴らしい才能の男をな・・。烈よ、もし」 そこで止まる渋川の言葉。烈は拝み終わり、ゆっくりと立ち上がる。そして渋川の次の言葉を待った。 「もし・・柳が・・武術家の道をまっとうに歩んでおったら・・ワシらは、勝てなんだかもなあ・・」 渋川はそう言って、無念そうに首を振る。しかし、烈。彼らしくない愛嬌のある顔で、ニカッと笑う。 「いや、その時はその時で、やはり私が勝つ・・。シブカワ、アンタは負けるかもしれんがな」 渋川。一瞬ポカンとした顔の後、大きく笑い出す。それに釣られ、烈も笑う。・・・渋川は心底思う。 (柳よ・・暗い裏街道を生きたお主だが・・仏さんになってからくらい、明るく笑っておればエエのう・・)
>>12 >ムエカッチューア
神心会の先行きは暗いなァ(w
22 :
20の続き :03/02/28 16:28 ID:uUWf4yLP
【エピローグ3 花山 薫・柴 千春】 「お、押忍ッッツ、お疲れさんスッッ」病院内に響く気合。暴走族の若者たちの挨拶である。 若者たちは思いも掛けぬ大物の来訪に緊張している。ここは、柴 千春の病室である。 不良たちが十数人、千春を警護する様に病室の前にむらがっている。そこへ現れた一人の大物。 ・・花山 薫である。花山は巨大な手でドアをあける。そこには千春と、富樫、という年配の隊員。 寝巻き姿でベッドに横たわる千春。一瞬呆気にとられるが、すぐに花山に気合の入った挨拶をする。 「押忍ッッツ、こんな格好ですいませんすッツ」 そして起き上がろうとする千春。しかし、花山。 ぬうっ、と大きな右手を前に出し、千春が起きようとするのを制す。低く、しかし優しげな声で言った。 「ケガ人だろうが・・。そのままでいい・・」見舞いの品をポンとベッドの横に置くと、千春に言った。 「バカヤロウが・・。あれほど、死刑囚には手出しすんな、ってらしくねえ忠告したのによ・・」 それを聞き、隊員の富樫は叫ぶ。「で、でも、勝ったんすよ、隊長は、あの化け物に、勝ったんすよッッ」 千春。富樫を殴りつける。「バカヤロウッ、花山さんになんて口の聞き方しやがんだッ。それによ・・」 千春は富樫に笑いかける。「勝ったのは俺じゃねえ・・お前ら、だろうが・・」 その言葉に涙する富樫。 ・・・花山は大きく両手を広げる。そして、ゆっくりと千春と富樫を抱きしめる。そして言った。 「まったくてめえらは・・。不良の鑑だ・・」
23 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/02/28 16:43 ID:uUWf4yLP
明日本当に最終。今日、書きたかったけど、バキのエピローグが上手くまとまんない。 今日中に考えます。あと、新作について。サイコロトーナメントをぼちぼち書いていこうかな、と。 もう毎日更新は無理。3日に一回くらいの頻度で。 前回の出場者に追加で、播磨灘とニコ・ロビン様あたりを入れようかなと。まだ未定ですけどね。 まだバキスレは俺さんの黒帯研究会も終わって無いし、スペックのサイドストーリを書いてくれるという方もいるし。 大丈夫ですよ。きっと。ちなみに、私が書いた克巳のエピローグから、バキスレは俺さんの黒帯研究会に続く。 では、また明日。
パオさんほんと面白いです。柳の最後には泣きそうになりますた
つーか漫画板なんだから漫画で描けや。アホクサ。クソスレ決定だな。
26 :
ふら〜り :03/03/01 00:13 ID:???
パオさん、いつもお疲れ様です! 他の方も言ってますが、 書かれる頻度は減らして下さっても結構ですから。本当に。 ……ですから、これからも頑張って下さいっ。楽しみにしてます♪ 烈の、墓前の笑顔っていうのが何だか、想像しにくいはず なのに、自然に浮かんできました。いいシーンですね〜。 それと……播磨灘、出して頂けるんですかっ? ありがとう ございますううううぅぅぅぅ!
ほんとゴミスレだね。
28 :
マロン名無しさん :03/03/01 06:52 ID:jr03Q65t
いや〜〜〜 面白かった!!
その1から一気に読んじゃったよ。
パオさん&スレ住人の皆さん、ありがとうございました。
>>27 ゴミってのはお前みたいな奴の事だ。死ねや
>28 ぽーちよろ
30 :
マロン名無しさん :03/03/01 08:22 ID:Znyz2Dbd
>克巳のエピローグから、バキスレは俺さんの黒帯研究会に続く。 神心会の先行きは(略)
どうしてこんなクソスレが削除されないの??キモチワルイ!
>>25 >>27 >>32 学校で何があったか知らんが、八つ当たりは良くない。
いじめっ子にその位の勢いで言い返せ。
前スレからずっとねばってるその気力さえあれば・・・できるさ!
>>32 クソがクソを認識出来るワケないじゃん。そっとしといてやれ。
『黒帯研究会編17』 このところ、黒帯研究会はいつも緊急事態だ。 視線を落すと、ジャガッタと稲城が睨み合い、視線を上げると、アメリカ人2人が顔を 真っ赤にして、怒っている。 (悪夢以外のなにものでもない。 第一、目の前で展開されているこの状況は、我が神心会 とは全く関係がないじゃないか) (そうだ・・・、そもそも俺がジャガッタ氏を招聘したのが間違いだったのだ。 その後も稲城氏の言うがまま、道場に逗留を許した。 全ては俺が招いた事だ・・・) (いや、ちょっと待てよ。 そもそもこの集まりは『黒帯研究会』だよな。 つまり、 「黒帯」を研究する集まりだ。 とすると、空手とは関係ないのではないか?) (俺は神心会という空手団体の看板にこだわっていたが、今まで何一つ「黒帯」を研究 していないじゃないか。 一体胴着メーカーはどういうモノがあるのだろう・・・) (そういえば、俺のこの胴着は東海堂のもんだったよな。 神心会は帯は、確か契約メーカー があったが、胴着に関しては特にメーカー指定はなかったはず。 はっ!! 神心会には 100万の門下生がいる。 胴着の卸し自体も神心会で一括すれば・・・。 ウフフ・・・) (いかん、いかん。 金の事など考えてどうする。 問題は『帯』だ。 胴着はひとまず 置いておこう。 俺のこの「黒帯」はどこのメーカーだろう・・・) 克己が自らの「黒帯」をハラリとほどいた。 帯の端に「守礼堂」のタグが付いている。 突然、自分の帯をほどいた克己を見て、道場内にいた者達はあっけに取られている。 (そうだ。 俺は『帯』を研究したかったんだッッ!!)
>>パオ >ちなみに、私が書いた克巳のエピローグから、 >バキスレは俺さんの黒帯研究会に続く。 いや、毎度気を使って頂いて恐縮しとります。 しかし、パオ氏は頑張ったね。 しばらく見ない内に、もうすぐフィナーレみたいだね。 御苦労さまですた。 ” 次 回 作 ”も期待してまっセ。w
『黒帯研究会編18』 現実逃避とは不思議なモノだ。 目の前に展開される悪夢が深刻であれば、深刻であるほど、 妄想は意味不明な方向に展開する。 ちなみに、今回の克己の妄想時間はおよそ1分。 目の前の状況は何一つ変わっていない。 我に返った克己は再び帯を締直した。 (できる事なら、外人とは関わりたくないと思っていたが、そうも言ってられないようだ) 克己は、不安げな目で自分を見つめる黒帯達の存在に気付いた。 緊急事態というのに、突然、館長である克己が帯をほどき始めたら、誰だって不安になる。 稲城とジャガッタが帯を結び終えた克己に言った。 「愚地君、居候の身でこんな事を言うのはおこがましいのだが、私はジャガッタ氏に話がある」 「私もダ。 彼の全身の骨を見たまエ。 そそられタッ!!」 「しかし・・・」 「つまり、そこの2人の大男にはお引き取り願いたいのだよ」 「正論ダ。 帰って頂くよう説得してくれないカ?」 稲城の目は普段より垂れ、ジャガッタの目は更に窪んでいるように見えた。 何とも気味が悪い。 (何を言っているんだ! あなた方だってそもそも神心会には関係ないじゃないか!) 克己の動悸が早くなる。 厄介事には巻き込まれたくないのに、次から次へと厄介事が発生する。 「ヘイ、ミスターカツミ。 まだ俺は適量ではないゼ」 フィルスがポキポキと指を鳴らす。 「フフフ。 私もダ。 ソコに座っているミスター稲城には興味があル」 (2人とも調子に乗りやがってッッ! さっきまで2人で喧嘩して満足してたくせに!) と心の中では叫んでいるのだが、もちろん態度には出さない。 あくまでも低姿勢だ。 克己の全ての行動のベクトルは、低姿勢に向いている。
38 :
マロン名無しさん :03/03/02 13:37 ID:qtfg9x4b
あげとくぜ
39 :
マロン名無しさん :03/03/02 14:03 ID:WmI3taPb
オナニー完遂出来てよかったな>パオ 気持ちよくイケたか?
41 :
22の続き :03/03/02 23:46 ID:jjKBCt0W
【エピローグ4 範馬刃牙・ジャック範馬・松本梢江】 バキとジャックが闘技場の真ん中で対峙している。睨み合いではない。お互いを尊重し合う様な眼差し。しかし真剣な雰囲気。 加藤がつぶやく。「何が親善試合だよ・・。まるっきり真剣勝負じゃねえか・・」克巳がそれに続く。「ああ、本気だな・・」 3日前。バキとジャックは揃って病院を退院した。勇次郎との闘いの2週間後の事である。梢江は嬉しそうに2人を迎えた。 仲良く松本家に向かう3人。しかし、不意にジャックがバキに言った。 「バキ。俺ハソロソロ、カナダニ帰ロウト思ウ・・」 驚くバキと梢江。一瞬、寂しげな沈黙が辺りを包む。しかし、バキ。「兄さんにも・・帰るべき所があるんだね・・」 そう言ってジャックの顔を見る。数秒、見詰め合う兄弟。その光景を梢江は心底美しいと思った。やがて、ジャックが口を開く。 「バキ、梢江チャン・・。世話ニナッタナ。バキ、本当ニ強クナッタナ・・。梢江チャン、コレカラモ弟ヲ宜シク頼ムヨ・・」 涙ぐむ梢江。寂しげなバキ。ジャックは言葉を続ける。「1週間後ニ、出発シタイト思ウ。バキ・・。ヒトツ、頼ミガアル・・」 ・・・そのジャックの「頼み」。それがバキとの別れる前の「親善試合」である。ジャックも超一流のファイターである。 頂点に立つバキの・・。「弟」の力を、もう一度肌で感じ取りたいのであろう。トーナメントの時より強くなった、バキと自分。 2人の格闘士の別れに、これ以上ふさわしいものは無い・・。そうジャックは思ったのだ。そして、バキはこれを受けた。 ジャックはバキに言う。「アリガトウ、バキ・・。本当ニオマエハ、自慢ノ弟ダ・・」
42 :
41の続き :03/03/03 00:43 ID:lT2rN+We
闘技場内に、観客は一人もいない。いるのは関係者だけである。バキ達が、余計な人間を入れたくないと光成に頼んだのだ。 光成。渋川。烈。独歩。克巳。加藤。末堂。花山。本部。オリバ。そして範馬刃牙とジャック範馬。松本梢江。以上13名。 普段、数百名の観客が詰め掛ける地下闘技場。今はたった13名である。しかし、その熱気は超満員の時に負けていない。 バキとジャックの放つ「熱」が闘技場を包んでいるからである。試合開始が近い。オリバが開始を知らせる太鼓のバチを持つ。 「一度これヲ、やってみたかったンデース」 オリバはそう言って太鼓を叩く。しかしオリバの力に太鼓の皮が破れてしまう。 どん。響く太鼓の音。それでも2人はしばらく動かない。対峙が続く。・・・しかし、やがて2人が、同時にゆっくり前に出た。 「行くよ、兄さん・・」 少しずつバキの目に殺気が宿る。ファイターの宿業か。兄とはいえ、自分より強いかも知れぬ相手を 前にして、闘気が押さえられない。そしてそれはジャックも同じである。先程までの、真剣だが優しげな表情は消えている。 間合いが近づく。ジャック。ふっ、と一瞬身を丸くする。そして次の瞬間、一気に体が跳ね上がる。天を衝くアッパーカット。 バキはギリギリそのパンチをかわしている。しかし。ホホに一筋の鮮血。まるでカマイタチの様な傷。その傷が威力を物語る。 「なんてアッパーだ、当たったらどうなんだよ・・」 末堂が絶句する。烈がうめく。 「範馬の血か・・。怪物どもめ・・」
43 :
42の続き :03/03/03 00:45 ID:lT2rN+We
バキ。間合いに深く踏み込む。ボディへジャブの連撃を放つ。ストマック、レバー、ハート。しかしジャックはビクともしない。 「ソンナ程度カ、バキッッ」そう叫ぶと渾身のチョッピングライト、打ち下ろしの右ストレートを放つ。しかし、バキ。 「待ってたぜ、ソイツをな、ジャックッッ」 闘いが始まれば兄でも弟でもない。本気で倒しに行くことこそ礼儀であろう。 兄さん、でなくジャック、という呼び方にこの試合の間だけ変わる。試合中にも関わらず、ジャックはその事が瞬間、嬉しかった。 バキ。ジャックの稲妻の様な右ストレートを捌く。手首を取り、ワキを決める。そのままジャックを丸め込み、首にヒザを決める。 「あ、ありゃあ・・」 独歩がうめく。昔、この闘技場で、バキが鎬昴昇に決め、勝利した技。腕ひしぎ首固め、とでも言おうか。 ジャックの体の上で、バキは兄の腕を決めている。そして叫ぶ。「兄さん、ギブアップしてくれ、折るぞッッ」 しかしジャック。
44 :
43の続き :03/03/03 00:45 ID:lT2rN+We
「コンナ技デ極メラレルト、オマエも思ッチャイマイ・・返スゾ・・」 静かにそう言うと、極められていない左手に力を込める。 体中に血管が浮かぶ。左手が少しずつ伸び上がり、上に乗ったバキごとジャックの体を押し上げる。関節技よりの力任せの脱出。 そしてゆっくり立ち上がるジャック。ジャックの右腕にブラ下がったままのバキ。そのままゆっくりと、右腕を大きく天へ上げる。 「通常、完全に決まった関節技は返せないモノだが・・。なんという筋力だ・・しかも片腕でバキを持ち上げるとは・・」驚く本部。 ジャック。突上げた右腕を、思いきり地面へ叩きつける。勿論、バキにダメージを与える為である。血を吐くバキ。更にジャック。 サッカーボールキックを決める。3発・・5発。そして足を止め、バキに言った。「コンナ程度ナノカ、バキ・・。本気ヲ出セッッ」 ゆっくり立ち上がるバキ。その間、ジャックは何も手出しをせず待っていた。バキの顔付きが変わる。最早、親善試合など無い。 「お、おい・・。バキの野郎・・出しやがった・・」 加藤が叫ぶ。バキの背中に浮かぶ筋肉の貌。鬼の面。範馬の血が全開する。 それを受けてジャック。笑う。「ソウダ・・。オ互イ、全テヲ出シ切ラナイト・・悔イガ残ルナ・・」 そして。ジャックにも変化。 「ア、あれハ、私ノ肉体操作・・」 オリバがジャックの変化を見て叫ぶ。闘技場決戦で見せた、オリバの100%のパワーの開放。 脳内麻薬物質エンドルフィンの大量分泌。血液内アドレナリンの過剰分泌。それらを自らノ意思で、操作することによる肉体変化。 渋川がうめく。「やはり・・2人とも怪物じゃのう・・。これが範馬勇次郎の血か・・。ワシらとは、何かが根本的に違う・・」 バキ。ジャック。お互いの肉体を見てニヤッ、と笑う。・・・100%のぶつかりあいが始まる。
45 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/03 00:53 ID:lT2rN+We
また伸びてしまった。しかも、ジャック対バキを書いてしまった。すみません。 しかし、2スレ目になってから荒らしがヒドいなあ。 ま、多分楽しんでいただいてる人の方が多いと思うんで、気にしてないんですが。 荒らししかレス上げれないヒトってかわいそう。何が楽しいやら。 面白いつまらないは主観だから仕方ない。全ての人が面白いモノなんて誰も書けない。 それは分かってね。では、また次回。
46 :
マロン名無しさん :03/03/03 02:24 ID:9FKW1dFk
う〜〜ん。ワクワクするね。 ご自分のペースでかまわないので、続きよろ
47 :
マロン名無しさん :03/03/03 18:00 ID:dGpEZAVL
age
48 :
C.D :03/03/04 03:39 ID:Q7btCBPP
エピローグ全部見尽くしてしまいたい。でも終わらせたくはなし。 本当に複雑な気分です。ただ応援するのみですね。頑張って良い結末にしてください。 『黒帯研究会編』ついに克己イっちゃいましたw 一体どこに収束していくのか・・・予想つきません。次回も楽しみに待ってます。
容量オーバーで誘導スレも貼れなかったのか・・・ 今発見するまで(((( ;゚Д゚))))ガクガクブルブルだったよ・・・・
(*゚∀゚)アヒャ ついに↑こーなるのか、克巳?(w
51 :
マロン名無しさん :03/03/04 17:02 ID:/bpi410C
あげとく そう言えばさぁ、パオさん。 ずっと前に言ってたと思うけど、漫画喫茶に行って作品を上げようとしたとき、 エラーが出て書き込みができなかったから、漫画喫茶で書いた数百文字が無駄になったって言ってなかった? そう言うときのために、Webメールか何かでも取得しとけば? そしたら、書いた物は保管しておけるし、便利だと思うよ。
52 :
マロン名無しさん :03/03/04 22:33 ID:N2MHTRdb
PC持ってないんだからやり方わからんのでは?
53 :
44の続き :03/03/04 23:34 ID:2pF/6qD9
異形の肉体を持つ怪物2匹。「兄弟」という感傷は既に消えている、いや、同じ遺伝子を持つが故に、 2人とも全力で相手を叩き潰したい、という衝動が胸を突く。一体俺とコイツと、どっちが強いのか。 片や、数々の強敵を撃破し、梢江や母、シコルスキーとの絆により己を高めた弟、範馬刃牙。 片や、人の生命力の極限を越えた修練と肉体の改造により、己を作り上げた兄、ジャック範馬。 そしてお互いが見据える先は一つ。巨凶、地上最強の生物、範馬勇次郎。そこへ辿り着く為に。今は。 愛しい兄弟としてよりも、最強のライバルとして目の前の男を見据える。勇次郎への最大の関門として。 先の最大トーナメント決勝戦。確かにその時は弟、バキが勝った。だが今はお互い、あの時とは違う。 ・・・鬼の貌を背中にした弟が構える。音速拳の構え。克巳。「あれは音速拳じゃねえ、あれは・・」 オリバ。「あれハ私ガ食らっタ・・」渋川。「いきなり鬼を出してから、それをいくかよ、バキ・・」 当代随一のその道の使い手たちがうめく。そう。その構え。バキの最大技、音速剛体術連撃である。 しかし。ジャック範馬は眉一つ動かさない。ゆっくりと背中を向ける。そして数歩歩き、距離を取る。 独歩。「俺なら、あの技を発動させる前に食い止めるがナ。幸い下にゃ、砂が沢山あるしナ・・」 克巳戦で音速拳を破った様に、バキに向けて下の砂を蹴り掛ける、という事であろう。しかしジャック。 バキとの距離を十分に空けた後、ゆっくりかがみ込む。短距離ダッシュのクラウチングスタートの構え。 加藤が叫ぶ。「突っ込む気かよッ、あの鉄球みたいなバキの正拳に向かってッッ」 しかし、渋川。 「流石じゃのう・・。バキもバキ、ジャックもジャックよ・」 ・・・目の前の2人の兄弟の光景。 向かい合っている。飛び出す前のミサイルの様なジャック。迎撃する形になるバキ。・・そしてついに。 ジャックの肉体の血管が、更に破裂寸前まで膨れ上がる。そして弾かれる様にバキへ向けて突進した。
54 :
53の続き :03/03/04 23:57 ID:2pF/6qD9
「は、速え・・」 ジャックのダッシュ。踏み込みの速さは、末堂の想像を遥かに超える。 稲妻の如き速さ。しかし、バキの音速拳のスピードは更にそれを上回る。ジャックを襲う拳。 しかし、バキ。「なッッ」 ジャックの踏み込みの速さに驚愕する。渋川がニヤリ、と笑う。 「バキも流石だが・・。この勝負に限っては、ジャックの方が上じゃのう・・」 音速拳とジャックのダッシュでは拳の方が当然スピードは上である。しかし、バキは誤った。 拳を出すタイミングを、ほんのわずか。いや、タイミングは完璧だったが、それ以上に。 ジャックの踏み込みが鋭かったのである。音速剛体術の威力がMAXになるほんの一瞬。 その一瞬のタイミングがわずかに遅れた。それゆえ、ジャックは受け切った。バキの拳を。 しかし。最高最強のタイミングを外したとはいえ、音速の鉄球である。ジャックのアバラが、 ミシリ、と軋む。バキ。一瞬の驚愕に次弾がゼロコンマ遅れる。(は、早く次の剛体・・) しかし、そのゼロコンマの隙。ジャックは逃さない。くああッ、と大きくアギトを開く。 バキの間合いに大きく踏み込み、拳の間合いを潰す。・・・そして。バキの左上腕部へ。 ガプリッッ、と噛み付く。「きゃああッツ」 梢江が悲鳴を上げる。花山が梢江を気遣い、 肩に手を掛けて言う。「大丈夫だ・・。アンタの惚れた漢は・・そんなヤワじゃねえ・・」 バキ。噛み付いた兄のコメカミへ、思い切った右フックを入れる。離れるジャック。 ペッ、とバキの肉片を闘技場の砂へ吐く。・・そして、対峙。渋川がため息をつきながら言う。 「つくづく、嫌んなるのう・・。あんな攻防をして、2人とも・・。笑っておる・・」 闘技場の真ん中で2人。笑っている。熱っぽく。楽しそうに。
55 :
54の続き :03/03/05 01:21 ID:2FC7z/Um
バキとジャック。お互い、一歩ずつ前に出る。そして。2人同時にニコッ、と笑う。次の瞬間。 お互いの顔面が弾ける。ジャックのチョッピングライトとバキの左アッパーが同時に決まったのだ。 ・・それから。永遠と思える時間を、ただ2人は殴り合う。足を止めて、一歩も引かず。 ストレート、フック、アッパー、スマッシュ。いや、そんな分類できるパンチでは無い。ただ、殴る。 相手の鼻を。コメカミを。目を。顎を。心臓を。鳩尾を。胃を。わき腹を。・・ただただ殴り合う。 技巧も無い。防御もしない。まるで相手と自分のタフさと力を調べあう様に・・ただただ殴り合う。 バキの背中の鬼。ジャックの肉体操作。そんなモノが無意味に思えるほどに・・ただただ殴り合う。 最強の攻撃力と最高の防御力。究極の矛と盾を持った超人2人。その2人が・・ただただ殴り合う。 渋川たちはしばらく声も出ない。目の前の技術の無いただの殴り合いに、目を奪われ続ける。 烈がポツリと言う。「・・泣きたくなるな」 渋川。「ワシらと別の世界で・・勝負しとるわ・・」 独歩。「空手を差し置いて地上最強のド突き合いをしやがって・・」 花山。黙って見守っている。 克巳。「嫌ンなるぜ・・。コイツらみたいなのを超えなければ・・ならねえなんてよ・・」 オリバ。「こんナ息子ニ狙われテ・・勇次郎モ大変だナ・・」 本部、加藤、末堂。息を呑んでいる。 光成。「観客が入っていれば、さぞ盛り上がっていたのにのう・・」 残念そうに闘いを見続ける。 そして、松本梢江。うっとりと目の前の闘いに見惚れている。梢江はあまり闘いが好きではない。 まして、愛する人間とその兄が傷付け合うなんて・・そう思っていた。しかし、目の前の光景は・・。 美しい。今まで見たことが無いほど、美しい。2人の汗が流れ星の様に輝く。血が花の様に紅く咲く。 ・・そして、笑っている。血まみれになり、体中に傷とアザを作りながら。バキとジャックは笑う。 そう。まるで仲の良い兄弟が・・。幼い兄と弟が、無邪気に公園で遊んでいる様に。
56 :
55の続き(最終回) :03/03/05 01:45 ID:2FC7z/Um
バキとジャックの最終決戦より4日後。成田空港。 範馬刃牙と梢江が兄、ジャック範馬を見送りに来ている。空港の一角でたたずむ3人。 「本当ニ世話ニナッタナ。バキ、梢江チャン・・」 ジャックの顔はアザだらけである。 「兄さん、お元気で・・」 バキの顔は傷だらけである。しかし、2人とも目は輝いている。 ・・・先の闘い。お互いの死力を尽くした殴り合い。何百発もの拳の後。お互い、最後の一発。 フラフラになりながらの最後の一発。・・・バキの右ストレート。ジャックの右フック。 ・・その最後の一発で、勝負が決まった。最強の兄弟対決の結果、それは・・。 「ソロソロ行クヨ、バキ・・」 ジャックの乗る旅客機の時間が近づく。寂しそうなバキと梢江。 そのバキへ、ジャックは右手を差し出す。その右手。バキは一瞬見つめた後、力強く握り締める。 ジャックは空いた左手で梢江の右手をつかむ。そして。バキと握手している右手の上に置く。 そっと自分は手を放し、バキと梢江に手をつながせる。ジャックは笑う。優しく、少しだけ寂しそうに。 「・・梢江チャン、バキヲ宜シクナ。バキ。・・次ガ、本当ノ勝負ダ・・」 そう言って歩き出した。 ・・・背中が見えなくなるまで見送るバキと梢江。手をつないだまま。バキは思い出す。幾多の闘い。 母の事。兄の事。そして、友、シコルスキーの事。・・そして、バキはゆっくり梢江に言った。 「梢江ちゃん・・。もう嫌だと思ったのに・・。沢山と思ったのに・・。もうこんなに闘いたい・・」 少女は思う。少年は生きている限り闘い続けるだろう。ならば、自分は。自分のやるべき事は・・。 ・・・・。生きている限り、それを見守り続けよう、と。 【F I N】 執筆 パオ・高2・その他協力者の皆様 スペシャルサンクス このスレを見守ってくださった方、バキスレは俺さま ありがとうございました。(パオ)
57 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/05 01:48 ID:2FC7z/Um
肩の荷が下りた・・。もうこんなのはやれないしやらないが。応援していただきありがとうございました。 また、ネタをつくって現れますんで期待しないで待っててください。サイコロトーナメントもちゃんとやります。 本当に、ありがとうございました。
パオさんとりあえずお疲れさまでしたー!
60 :
ふら〜り :03/03/05 09:30 ID:???
パオさん、お疲れ様でした! 余韻たっぷりな終わり方、本当に お見事です! これから充分お休みになられた後、無理のないペースで 「サイコロトーナメント」お願いします。誰に何と言われようと、 期待して待ってますよっ。 ありがとおおおおぉぉぉぉっ!
アリガトォォォォォォォォォォオオオオッッッ!!!! パオ、ありがとぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおッッ!!!!
63 :
マロン名無しさん :03/03/05 14:44 ID:AufzHeN/
age
64 :
マロン名無しさん :03/03/05 19:28 ID:+OiPeStL
今週のバキ見たけど、バキ死んじゃうの?
ありがとうございます。 そして、これからも頑張ってください。 パオさん。俺はアンタの小説が好きだ
66 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/06 00:23 ID:yCLO6FVv
みなさんありがとう。新作は土曜か遅くとも月曜には書きはじめます。 全く期待せずに待ってて下さい。たまにアゲて頂くと幸いです。
67 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/06 00:33 ID:yCLO6FVv
あと、前スレ722さま、新しくサイト更新していただけると嬉しいな。
ホントはageたいが、荒らしが来るといけないんで泣く泣くsageまつ。 言いたい事はひとつッッ パオさん、アリガトォォォォッッ!! そして、他の執筆者の方や、このスレを応援した者たち。 アリガトォォォォォォッッッッ!!!! そして、戦いはまだ終わらないッッ!! “サイコロトーナメント編”に刮目せよ!!!
-------1950年代・アメリカ合衆国------- 「・・・・・・・以上が、仕事の内容だ。どうかね、引き受けてくれるか?」 「ナカナカ面白イ仕事ダガ、報酬ハイクラカナ?」 「ここにキャッシュで用意した。数えてもらっても構わん。おそらく、あんたが銀行に10回 押し入ってもまだ釣りが来ると思う額だ」 「ナルホド、タイシタ金ダナ。ヨホド奴ガ目障リトイウコトカイ」 「うむ。首尾よく行けば、成功報酬を同額用意する・・・・・・どうだ?」 「ワカッタ。引キウケヨウ」 「ありがとう!これであそこは俺のもんだ!」 「金モイイガ、ナカナカ興奮サセテクレソウダカラナ」 数日後。コロラド州、ホットスプリングス。深夜。 コロラド州随一の繁栄を誇るこの都市は、夜の顔を見せていた。 街のいたるところにネオンサインがけばけばしく輝き、ヘッドライトを煌々と灯したシボレーや ビュイック、リンカーンが排気ガスを盛大にぶちまけながら我が物顔で車道を行き交う。 街路には最近はやりだしたロックンロールがそこかしこで店から漏れ聞こえ、道行く人々は その大半がほろ酔い加減に浸りながら、どこまでも続くかと思われるアメリカの黄金期を全身 で享受していた。
>>69 −と、街路に満ちていた明るく退廃的な空気が、不意にその一角から掻き分けられ、消えていく。
この世に怖いものなど何もない、といいたげに肩をそびやかして街路を練り歩く酔客が見えない
何かに突き飛ばされたように街路の端へより、街頭や店舗の軒先にもたれて今夜のカモを見定めて
いた娼婦たちが、こそこそと視線をあらぬ方へ向け、中にはあからさまに街路に背を向けるものもいる。
いかがわしく、陽気な空気を打ち消して歩いていたのは、たった一人の男だった。
2メートルをこえる長身だが、決してアンバランスさを感じさせない筋肉質の体つきに、僧衣にも似た
漆黒の衣服を纏い、肩の上にはつるりと剃りあげた頭。
その相貌は皺深く、口は剃刀で引いたかのように綺麗な直線であったが、目だけはまるで幼子の
ように無垢に大きく煌いていた。
スペック−本名とも、あだ名とも明らかでないその異相の男は、己が発散する邪気のような禍禍しさ
を十分に自覚しつつ、ホットスプリングスの大通りをゆったりと歩いていた。
その体格にもかかわらず、まるで猫のような足取りで1ブロックばかりを歩いたスペックは、目的地を
見つけたのか、今までよりわずかに早足になり、このあたりでももっともけばけばしく、豪華で、
そしてどこか安っぽいパーへとその歩を向けた。
よくぞ完結させてくれた…偉いッ! 正直、中盤以降はやや冗長なところもあったし それに話が「少年漫画」し過ぎたかもしれなかったけど、 奇をてらい破綻するよりも(現実に、板垣が本来のバキでそうしてしまったように!) あえて正道を選んで、それをきちんとやり遂げたことをほんと評価したい。 死刑囚はちゃんと強くて悪く、オリバやジャックがきちんと活躍をし、 何より主人公バキにやる気と思いやりがあって、いつも全力で闘い続けて… 全てバキ本編では読みたくても読むことの叶わなかったものだ。 それを最後まで味あわせてくれたパオさんに、とにかく感謝。 アリガトォ〜〜ッ!アリガトォ〜〜ッ!サイコーだァ〜〜ッ!アリガトォ〜〜ッッ!! ちなみに、個人的にお気に入りのシーンは スペックが通行人を巻き添えに銃を乱射するところ。最高。 それにシコルの復活と最後も。警官をかばう花山もいい。 あとパオさんじゃないけど、外伝シリーズはどれもステキでした。
>>70 不釣合いな異分子の闖入に、ギクリと時間を止める。
今しがたまで笑い騒いでいた店中の客が視線を釘付けにするのを感じ、店内で演奏していた
ジャズバンドがベニー・グッドマンの名曲をとちるのを聞き流しながら、彼はしわがれた声で硬い
表情のバーテンダーにささやく。
「ビールヲ・・・・・」
「うちには、牧師さんにだす酒はありませんぜ」
バーボンをグラスに注ぐ手を止めたバーテンダーは、客商売にはおよそ相応しくない、ぞんざいな
態度で応じた。
もちろん、スペックが聖職者であると思い込んだためではない。
30数年、それなりに危険な局面を数多く経験した人生経験に裏打ちされる本能が、バーテンダーに
ずっと警告をおくりっぱなしであったためだ。
こいつ、何者なんだ?
バーテンダー、いや、店中の全ての視線が猜疑と警戒に満ち満ちていることを知ってか知らずか、
スペックは顔をカウンターに俯け、肩をゆすりながら、錆付いたモーターを無理やり動かしたような
笑い声を上げた。
「面白イ・・・・私ハ、牧師ニ見エルカネ?」
「でなかったら、何だってんです」
バーテンダーは、胸を張ってスペックを見下ろした。
しかし、彼の内心には、押し殺しても押し殺しても、曰く言いがたい不安が、積乱雲のように沸き起こる。
そう。さながら、撃鉄を起こした銃口に向き合っているかのような不安。
ギロチンの枷にがっちり首を押さえつけられているかのような不安。
まさか、気のせいだ。
バーテンダーは、己の心の翳を懸命に無視しながらさらに言葉を続けた。
>>69-70 あ、割り込んでしまった…?ゴメンナサイ!
また外伝が読めるとは!こちらも期待してます。スペック大好きなんで。
えー、前スレでスペックの外伝を書きたいと申し上げた者です。 パオさんの本編が終了したようですので、次のネタが始まるまでのツナギということで、 これからアップさせていただければ、と思っております。 (このスペック編は、だいたい10〜20レスくらいでまとめられたらなあ、と考えてます) パオさん、本編お疲れ様でした。とても素晴らしかったです。
75 :
ふら〜り :03/03/06 09:53 ID:z6MomgeW
>>74 さん
いい雰囲気ですね〜。続き、期待してます。
私は登場当初(脱獄の回も含めて)、ダントツで五人中一番怖い
と思ったのがスペックでした。第一印象はやはり尾を引くもので、
今でも戦闘能力はともかく、怖さで言えばスペックが一番です。
本編ではあっという間に消え去りましたが、今一度怖いスペックを!
>>74 さん、応援してますよっ。
76 :
722 :03/03/06 10:04 ID:AozTdEI8
すいません。パオさん。 一時テストやらで更新を中断してて、それで一回止まると ダレちゃってここで誰かが煽るまで放っておこうかなぁ・・・と思ってたヘタレです。 完結もしたみたいですし、頑張ります。 それで、ガイアVS柳のとこで720さんが少し補完してましたが 中途半端で繋げれません。どうしましょうか
77 :
722 :03/03/06 10:41 ID:AozTdEI8
速攻でラストまでまとめました。パオさんお疲れ様でした
78 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/06 16:21 ID:K29FBdMn
スペック外伝作者様 >おつかれさま、面白いです。ラストまで楽しませてくださいな。 722様 >ありがとうございます。これは嬉しいものが出来たなあ。ホントにありがたい。 ところでガイアかあ。あれ、あの時は失敗かと思ったんだけど、 次の千春を際立たせたかったんですよね。方法を間違えたけど。うーん。 ちょっと考えます。・・書こうと思ったんですが、軍関係の闘い知らんのだよなあ。
79 :
ふら〜り :03/03/06 16:31 ID:qj1ej4FL
722様、お疲れ様でした。「やって欲しいなあ。ま、誰かが やってくれるだろ」と多くの人が思っていることを、自分から 進んでやる、というのは本当に凄いことだと思います。 ありがとうございましたっ!
>>72 「牧師さんでないんなら、何しに来たんです?」
ここはお前のような人間が来るところじゃないんだ、そう言外に匂わせたつもりだった。
「人ヲ探シテイル・・・・」
だが、そうしたバーテンダーの意図を、まったく意に介さないかのように微笑を浮かべたスペックは、
それだけをバーテンダーに告げた。
見ようによっては穏やかとも言えなくはないその笑みは、しかしバーテンダーのように人生の裏街道を
歩んできたものを怯えさせるには十分なだけの何かが含まれていた。
バーテンダーの心の、危険を知らせるアラームが一際ヴォリュームを挙げる。
「人を?」
どうでもいいような返事を返しながらボトルをカウンターに置いたバーテンダーは、勤めてさりげなく
振舞いながら、カウンター下のスイッチに手を伸ばした。
これを押せば、店の奥にある控え室から、腕利きの用心棒がダースで飛んでくることになっている。
同時に、店員が店の中にいる客を丁重に外へ追い出し、新たな客を一切中に入れぬよう、エントランスを
完全に封鎖してしまう。
つまり、店全体を臨戦体制に置くための警報機、そのスイッチだ。
だが、このスイッチを押してしまえば、店のあがりは一晩分がパアになってしまうため、滅多なことで
押すことは出来ない。
コロラド州警及びホットスプリングス市警が、完全にバーテンダーの雇い主と癒着している現状では、
このスイッチを押すことはないというのが、この店に勤めるものたちの常識だった。
もしも、こいつがただのいかれたレスラーで、単に喧嘩の相手を探しに来ただけだとしたら、
バーテンダーは店を無用な混乱に陥れたとして、あっさり解雇されるだろう。
そして、本来店が計上するはずだった利益と称して、冗談のような金額を生涯毟り取られつづける
ことだろう。
しかし、バーテンダーの手は、スイッチに伸びたまま引っ込もうとはしなかった。
眼前の巨漢から発散されるまがまがしい狂気、今にも爆発しそうなどす黒い何かにすっかり
飲み込まれたバーテンダーは、全身から冷たい汗を噴出しつつ、スペックの次なる言葉を待ちつづけている。
>>80 永遠にも思える数秒間が過ぎたとき、スペックが、例のモーター音を再び唇から漏らした。
「肩・・・・」
「え?」
電撃を受けたかのように身体をわななかせたバーテンダーは、間抜けのようなイントネーションで
尋ね返した。
「肩ニ、力ヲ入レスギダナ。カウンターノ下ニ何カアルト言ッテイルヨウナモノダヨ・・・・・」
「お、お前の知ったことかッッッ!」
今まで経験したことのない、あまりも異様な男の齎すあまりにも異様な空気に、ついにたまりかねた
バーテンダーは、普段の節度をかなぐり捨てて、思わず怒鳴り返してしまった。
それまで、どうにか最初の驚きが薄らぎ、スペックを無視しようと懸命になっていた店の空気が
一瞬にして凍りつく。
バンドの演奏すら、止まってしまったかのようだ。
「オイオイ・・・店ノスタッフガ大声ヲ上ゲチャイケナイネ・・・・・」
そんな狼狽振りがよほどおかしかったのか、スペックは笑いをさらに大きくした。
きゅうううう。
ビニール製品を引き絞るような笑みを満面に浮かべたスペックは、いかにも満足そうな眼差しで
バーテンダーを見やると、不意に手を動かした。
あっと思ったときには、カウンターのボトルが、魔法のような素早さでスペックの手にうつっていた。
ジュースのようなラッパ飲みでボトルをすっからかんにしてしまったスペックは、先ほどよりいくらか
トーンを下げた声音で本題を切り出す。
その表情は、相変わらず嫌な微笑を貼り付けたままだ。
「探シテイルノハ・・・コノ店ノ持主ダ・・・。彼ト、話ヲシタイ」
その虚無にも似た目の色を見て取ったバーテンダーは、スペックが何をしにこの店に来たのか、
本能のレベルで理解した。
そして、ためらうことなく、カウンター下のボタンを力いっぱい押し込む。
82 :
722 :03/03/06 23:40 ID:???
しかし、HP作りも初めてだったし、こういう多数の人に見られることって 緊張しますね。ただコピペしてまとめてる私でさえ、これで大丈夫かなぁって 感じになるのに、1作品を作ったパオさんは凄い。 後は、絵師が来てくれれば完璧ですよね。挿絵みたいなの書いてもらったり・・・ デジカメで漫画のコマ編集してやってみるかな
83 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/07 11:50 ID:jLRUrhZI
722様>実を言うと今までまとめて最初から最後まで読んだ事は一度しかないです。 それも、ドイル編の時。手抜きはしてないし、一生懸命書いたつもりだけど 自信が無くて恐くて読めなかった。シリーズ毎は読んでたけど。確認の為に。 上手く出来たな、と思ったのは空手対決のラストと柳の自害だけ。 素敵なサイト作って頂いたので一度最初から読んでみます・・。
84 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/07 22:40 ID:jLRUrhZI
定期アゲ。俺も柳のサイドストーリーやろうかな。 タイトルは「ヤナギ 〜闇に降り立った天才〜」。
85 :
:03/03/08 12:39 ID:ox7peapQ
>84 パオさんアカギ好きなんだな トーナメントにアカギも入れてみてはどうだろう
86 :
マロン名無しさん :03/03/08 22:58 ID:iyGdTPV9
てか、海原雄山と料理対決やったんだから、 勇次郎とアカギの麻雀対決とかは、パオさん、どう?
おまえらいくらなんでもバオに気ぃ使いすぎだろ
アカギを出すなら涯はどうよ? 奴は光速拳の使い手だし
>>87 いろいろ読みたい人にとっては、パオさんは大切なんだよ。
やっと全部読み終えた。 「中国拳法を嘗めた」 「祝福するぜ」 「武」 などなど、原作と同じ言葉をキモに使ってるあたり、板垣へのリスペクトを感じて(・∀・)イイ!! 言っちゃ悪いが、オリキャラ使用の高2が自らあぼーんしたのも必然かと思われ。
91 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/09 16:14 ID:mGH8uoGO
新作を書く、書くと言ってなかなか書けなくてすいません。もう毎日更新はちょっと無理かも・・。 明日からなんか書きます。期待しないで待っててください。 でも、板垣先生の偉大さがわかった、アレ書いて。パオの駄文でもある程度読めたのは、 板垣先生のキャラメーキングの凄さがあった為。やはり稀有な漫画家と思います。 高2さん、オリキャラ使ったのはちょっと失敗だったかもしれませんが、パオはあなたに感謝してます。 あのスレを最後まで続けられたのは、高2さんが参加してくれ、私を力付けてくれたからです。 本当にありがとう。 私事でレス使ってすいません。明日からネタ書いてきます。
92 :
マロン名無しさん :03/03/09 19:01 ID:3Zm5g5TJ
2ちゃんねる漫画用語辞典に張ってあったサイト読んだよ・・ サイコーだよアンタ・・次の新作も期待するから絶対続けてよ 毎日でなくていいからさ
>>81 「用心棒ヲ呼ンダノカネ?」
2本目のボトル-ワイルド・ターキーだった-を、音もなくカウンターから取り上げたスペックは、
まったく表情を変えずに尋ねた。
「あ・・・ああ、そうだ。これでお前はもうおしまいだぞ。ここから生きて出られると思うなよ」
警報装置のスイッチを押し、もはや後に引けなくなってしまったバーテンダーは、それでもなお
精一杯の虚勢を張ろうとつとめていた。
しかし、彼の内心にある恐怖は、決定的な対策を実行に移した今となっても収まる気配を見せない。
奇妙な脱力感が全身を支配し、決して想像上のものではない汗が全身をびっしょり濡らしている。
スイッチを押した当初、バーテンダーはその恐怖が己の判断にあるのではないかと思った。
もしもこのスペックが、単なる体格のいい神経症患者であった場合、バーテンダーのキャリアは
直ちに終わりを迎え、その後の一生は死ぬまで組織の者に搾られることとなる。
それを恐れて、俺はこんなにもびくついているのではないかと、彼は最初思った。
だが、それは間違いではないのだろうか。
ともすれば遠くへ飛んでいきそうになる意識を懸命に引き戻しつつ、バーテンダーは内心で独語した。
スイッチを押したのは、間違いだったのではないだろうか?
俺のキャリアが台無しになるということではなく、こいつの本性を、スイッチで剥き出しにしてしまいそう
なことが怖いのか・・・・・?
バーテンダーがそこまで思ったとき、不意に店内の照明が明るくなった。
はっと頭上を見上げるバーテンダー。
「オヤオヤ・・・・用心棒ノオ出マシカ・・・・・・」
そっとボトルをカウンターにおいたスペックは、この期に及んでも笑みを絶やさずに、ゆっくりと後ろを
振り返った。
>>93 店の中は、まるでギャングの集会場と銃器の見本市だった。
先ほどまでブースに陣取り、カウンターで談笑していた酔客やホステス達は何時の間にか姿を消し、
それにかわって黒服の店員達が遠巻きにしてこちらを睨みつけている。
無論、その手にはリボルバーやオートマチック、ライフルにショットガン、あろうことかサブマシンガン
まで握られていた。
店員達は半円の陣形でカウンターを包囲し、手にした銃器の狙いをピタリとつけたまま、じりっと歩み寄る。
先ほどまで振りまいていた愛想のよさを完全にかなぐり捨てた店員たちは、さながら能面のような無表情だった。
「大シタオデムカエダ・・・・・コウデナクチャイケナイネェ・・・・・」
自ら引き起こしたとはいえ、30を超える銃口、それが齎す圧倒的な威圧感に打ちのめされ、
カウンターの酒棚にべったりとよりかかり、今にも失禁しそうな脱力感を全身に味わっていた
バーテンダーは、スペックがそう呟くのをはっきりと耳にした。
こ、こいつ・・・・・!
おかしなことだが、バーテンダーは自分の抱いていた予感、この僧衣を纏った大男に対して感じていた
根源的な恐怖が間違いでなかったことに気づき、奇妙な高揚が心の片隅に持ち上がって来たことに気づいた。
こんな時でなければ、たぶん彼は笑い出していただろう。
針が落ちても聞き取れそうな静寂。
ほんのちょっとした何かがきっかけで爆発しそうな空気。
張り詰めて張り詰めて、出口を求めて暴れまわる殺意。
そうした全てを打ち砕いたのは、店員達の背後からおこった笑い声だった。
「ハハハハハ!大しタ糞度胸じゃねぇカ!」
笑い声の主は、ゆったりと店員達の壁を割って出てきた。
「これだけの銃口に睨まれて笑ってられル・・・お前は本物の馬鹿か本物の自信家、そのどっちかだナ!」
95 :
マロン名無しさん :03/03/10 17:12 ID:lph8MKjh
スペック編書いてる人がんがれ 応援してるぞ
96 :
新作 :03/03/11 21:07 ID:ix/qhRsH
異常な興奮が広がっている。東京ドーム地下6階。一般には開放されぬ、真の闘いを見守るもの達の聖域。 収容人数、わずか数百人しか過ぎぬ小さな秘密の闘技場。しかし、いまや観客の熱気が沸点寸前まで達し、 爆発しそうである。その特別席に。2人の老人が座る。一人は2m以上の巨漢。一人は小柄なれど威風十分。 小柄な老人が巨漢に囁く。「いよいよじゃのう、平八・・」巨漢。「わはは、お主も大儀だったな、光成よ」 その2人。一人は地下闘技場主催者、徳川光成。一人は男塾塾長、江田島平八である。刎頚の友である2人。 そして2人ともが、政界財界に顔の聞く日本屈指の実力者である。この2人が協力し合ったからこそ・・。 観客は待ちわびる。「その時」が訪れるのを今か今かと。江田島がニカッ、と笑う。気持ちの良い男の笑み。 そして光成へ言った。「光成。観客が待っておる。早く行ってやれ。ワシが男塾塾長江田島平八であるッッ」 ・・・。マイクを持ち闘技場の真ん中へ立つ光成。深呼吸を一つ。そして。・・ありったけの声で叫んだ。 「ホンモノの、本当の最高の闘いを、見たいかアアッッ」 観客がコブシを天に突き上げ、オオ、と答える。 その答えに満足した顔で涙を流す光成。「ワシもじゃあ、ワシもじゃ、みんなッ、選手、入場オオオッッ」 ・・・そして。いよいよ。各世界から集められた、強豪16名が、続々と入場を始めた。光成が再び叫ぶ。 「無限大トーナメント、開幕じゃああッッッツ」
97 :
96の続き :03/03/11 21:37 ID:ix/qhRsH
観客の絶叫にも似た声援。その光景を見、涙する光成。その肩を江田島平八がぽん、と叩く。 光成が言う。「スマンのう、平八。お主の協力がなけりゃ、こんな大会は開けなかったわい・・」 江田島は莞爾として笑う。「わはは。お前の意気に感じたまでの事よ。そら、一人目の選手が・・」 光成。涙目のまま闘技場を振り向く。狂乱の場内の中、ついに一人目の選手が闘技場に立つ。 そして、2人目、3人目・・。実況の名調子が冴え渡る。 「1000年無敗の伝説が今ここによみがえるッ!!陸奥園明流継承者、陸奥九十九だああッッツ」 「喧嘩日本一の肩書きはダテでは無いッッ!!任侠を体現する漢、超A級喧嘩士、花山薫だああッツ」 「日の下開山、横綱こそ最強の証ッッ!!真の相撲を見せてやる、史上最強力士、播磨灘だああッツ」 「世界最高のレスラーッッ!!プロレスこそ究極進化した総合格闘技だ、カリスマ、グレート巽ッツ」 「達人という呼び名がふさわしいのはこの男だけッッ!!武の体現、渋川剛気先生だああッツ」 「美しいッッ!!クールビューティ、そしてストロングッッ!!地上最女神、ニコ・ロビン様ッッ」
98 :
ふら〜り :03/03/11 21:39 ID:U5sgFdMB
>「ホンモノの、本当の最高の闘いを、見たいかアアッッ」 おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっっ! スペックの人も、続き待ってますよっ!
99 :
97の続き :03/03/11 22:11 ID:ix/qhRsH
「俺より強い男に会いに来たッッ!!放浪の空手家、ストリートファイターリュウだああッッ!!」 「日本最強のボクサーッッ!!熊を屠った男のコブシが闘技場で炸裂するッッ!!鷹村守だあッッ」 「もはやその男、兵器の域ッッ!!立ち技寝技全て極めた男、エドワード・ガルシアだあッッ!!」 「我々は地上最強ではない、宇宙最強だッッ!!この男が代表でいいのか、ヤムチャだあッッ!!」 「闘技場に降り立った天才ッッ!!その才気は格闘技でも冴え渡る、神域の男、赤木しげるッ!!」 「邪鬼様も桃も必要ない、俺が格の違いを見せてやるッッ!!男塾の名勝負男、羅刹だあッッ!!」 「総理の名は忘れても、この男の名は忘れるなッッ!!元黄金の日本ジュニア、香取石松ッッ!!」 「その技火の如く、その動き水の如しッッ!!静かなる狼と恐れられる男、高槻巌だあッッ!!」 「戦国最強の男が参戦だッッ!!強さだけでなく風流も天下一、かぶき者、前田慶次郎利益ッッ!」 ・・選手15名は闘技場中央に立つ。そしていよいよ、この闘技場の王の登場に熱気は最高潮に達する。 「どこへいっていたんだ、チャンピオンッッ!!俺たちはずっと君を待っていた!!我らの英雄ッッ!! 地下闘技場最強の男、範馬刃牙だああああッッ!!」 ・・観客が一斉に立ち上がり、選手16名を称える。そして。大会委員長の江田島平八がマイクを持つ。 「貴様ら、心ゆくまで正々堂々と闘えいッッ!!ワシが男塾塾長、江田島平八であるッッ!!」 「光成コール」と「江田島」コールが津波の様に響き渡る。・・・。しかし、会場の一角。凶悪の存在が。 「ククク・・。美味そうだ・・。この面子なら、ちったあ俺を楽しませてくれるヤツがいるかもな・・」
100 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/11 22:25 ID:ix/qhRsH
まあ、異論はあると思いますが。このメンバーでボチボチやってきます。 落ちた方々・・剣崎順(強すぎる。マグナム一発じゃ話が作れない) ・北斗の面々(強すぎ) ・バロンゴング(打ち切りマンガはなあ) ・DBのヤムチャ以外の方々(強すぎ) ・ヤワラ(漫画はいいけど実物がブサイク)・ミスターサタン(弱すぎ、タフさは凄いが) ・男塾の羅刹より強い人たち(気だの武器だのが多すぎ) ・無敵看板娘(マイナー過ぎ) その他いっぱい。 なぜこいつを入れたか ・ヤムチャ(強すぎだがなぜか一番弱そうだ。アカギに負けても許されそうな気が) ・ロビン様・アカギ・慶次(ただ単に好きだから) ・リュウ(ゲームだが良い漫画もある。闘技場決戦の時のバキの台詞はこの漫画のパクリ) ま、最強も何もサイコロですがね。強い人間は運も強い、という事で。途中で超豪華ゲストが入る予定。
101 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/11 22:45 ID:ix/qhRsH
すいません、ネタ遅れちゃって。あと私事ですみませんが一つ。 92様のレスを見て、パート5以来久しぶりに「2ちゃんねる漫画用語辞典」を見た。 あそこに前スレ722様に作って頂いたサイトを張って頂いた方、ありがとうございます。 でも、パオはあっちにはいきません。約束だからね。後、私は荒らしなんてやらないよ。 全て私のせいになってるけど。つまらないもの。そんなヒマあればネタ書きます。 ・・すいません、いつもスレ汚しして。 明日は続き書けそうです。対戦表とバキ対花山位書きたいな。では失礼します。
パオさん、出来ればキャラの元の漫画書いてもらえますか? 色んなキャッチコピーにちょっと興味もったんで
103 :
マロン名無しさん :03/03/11 23:28 ID:CgCc/SG5
>>96 〜99
おおっ、まさか前田慶次まで出てくるとは・・・・
このキャスティング最高、期待してます。
なんつーメンツだ。予想もしなかったぜ、まさかホントに赤木とか入ってるとは。 呆れ半分、ワクワク半分で期待しとります。このメンツをどう料理するのか。 今からロビンのクラッチで背骨折られるヤムチャの図とかが浮かんでくるよw
実力的にふつーに考えたら、ヤムチャの圧勝 でも… 貴方の勝つ姿が思い浮かばないっ!
つーか、「地上最強の男」を決める闘技場に女が立つのは許されるのだろうか。 まあ、みっちゃんなら面白ければやるだろうけどな。
107 :
722 :03/03/12 00:19 ID:???
バキスレの567は俺さんの作品二つをアップしました。 更新頻度低くてすいません。 パオさん、新作頑張って下さい。半分近く知らないけど・・・
108 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/12 00:35 ID:2H6o6qHf
左・・出場選手 右・・漫画名 陸奥九十九・・修羅の門 鷹村守・・はじめの一歩 グレート巽・・餓狼伝(小説がモト) ガルシア・・高校鉄拳伝タフ 播磨灘・・ああ播磨灘 ニコ・ロビン様・・ワンピース ヤムチャ・・ドラゴンボール(史上最ヘタレで有名 死刑囚など物の数ではない) 高槻巌・・アームズ 羅刹・・魁 男塾 香取石松・・リングにかけろ 赤木しげる・・アカギ(麻雀漫画の最高峰 福本氏原作 個人的にはカイジより好き) 前田慶次郎利益・・花の慶次(小説は一夢庵風流記 小説は漫画以上の傑作) リュウ・・ストリートファイターリュウ (ゲームのスト2を漫画化した物。ダントツでこの中でマイナー。「鋼」という漫画を 書いた神崎将臣という人の作品 ちなみに本編の「俺は自分からは倒れない」というセリフはこの漫画のパクリ) バキは割愛。リュウとアカギはマイナーだが、他は有名のはずだけど・・。
109 :
マロン名無しさん :03/03/12 00:38 ID:zyVx972b
tinntinn
110 :
722 :03/03/12 00:57 ID:???
誤字脱字などありましたら、ここで連絡お願いします。 修正しますので
111 :
722 :03/03/12 01:02 ID:???
九十九が出るなら、月マガジンつながりでチンミにも出てほしかったなぁ とりあえず私はヤムチャを応援します。お留守ですよ
112 :
マロン名無しさん :03/03/12 02:15 ID:XE2uPw3M
722さん,パオさんサイト閲覧1000人突破おめでとう。
ここでも「足元がお留守」になるヤムチャを期待
114 :
ふら〜り :03/03/12 12:37 ID:JSaV+lLR
リクエストした身ですから、もろちん応援するのは播磨灘です。 が、この凄すぎるメンツを見て、もう一人出て欲しい人が 浮かびました。 ……青田赤道なんかもいたら面白いかなぁ、と。でも、ちょっと 枠外ですかね、彼は。
115 :
マロン名無しさん :03/03/12 15:20 ID:0XhKd198
アカギはどうやって戦うんだ? 闘技場に雀卓はないぞ?w
116 :
マロン名無しさん :03/03/12 15:23 ID:0XhKd198
前田慶治が入るなら、あずみやガッツも入れて欲しい。
アカギは喧嘩もかなり強いよ。 こっちの人数が五人以下なら目をあわさないほうが無難、らしい。
118 :
マロン名無しさん :03/03/12 17:32 ID:0XhKd198
しかし、ほかの顔ぶれから考えると所詮一般人レベル。 それだけにどういった戦いをするのかミモノであるな。 麻雀で鍛えた洞察力と読みで相手の攻撃を予想する、アマナイよろしく な戦いか?
アカギVSヤムチャなら、血をかける、とか言えば ヤムチャへたれてギブするんじゃ
120 :
99の続き :03/03/12 17:47 ID:X6s5PT5j
熱狂する観客たち。その怒号を実況の声が断ち切る。「皆様、この大会にふさわしいゲスト解説者をお呼び致しましたッッ」 「ウオオオッツ、まさかあの男はッッ」 実況席のその男の姿を見て叫ぶ観客たち。 「スゲエ、アンタしか無理だアッツ」 その男。額に大往生、の三文字。大柄な肉体にドジョウひげとべん髪。一見怪しい風体だが、その目には深い知性が光る。 実況が叫ぶ。「中国4000年の知識の体現、伝説の解説王、雷電先生だああっ」 ウオオオ、と盛り上がる観客たち。 確かにこの大会。あらゆる分野から強豪が集結した。その全ての技と戦術を解説仕切る男は、雷電を置いて他にいまい。 ・・。ゆっくりと実況席に近づく雷電。観客たちは選手以上の声援をこの男の背中に贈る。・・しかし。ある男がふらりと。 「おいおい、闘技場にものもらいのおっさんが乱入したぜッツ」 観客が叫ぶ。一見、逞しいルンペンにしか見えぬその男。 だが、その男の正体に観客は気づき始める。「まさかあいつ・・」 「あの地上最・・」 その謎の男がゆっくり口を開く。 「それがし・・本部以蔵と申す・・」観客がざわめき始める。本部は実況席の雷電に厳しい視線を送る。微動だにせぬ雷電。 「雷電さん・・。私は待っていた、こういう機会を・・。立合って頂こう・・。どちらが真の、最強の解説者かッツ!!」 観客のボルテージはついに限界突破する。まさか、この対決も己の目で、いや耳で見極められるとは・・。 雷電と本部以蔵。「伝説の解説王」と「地上最解説」。中国拳法最古の解説術「大往生流」と実戦解説術の雄「本部流」。 勿論、雷電は対決を受けてたつ。「本部どの。貴殿の解説、実に見事。だが、私にキバを剥いた以上、大往生あるのみッツ」 ・・・熱狂の開会式が終わり、いよいよトーナメントの組み合わせが発表される。
121 :
120の続き :03/03/12 18:19 ID:X6s5PT5j
主催者の徳川光成と大会委員長の江田島平八が組み合わせ表を前に大きく笑う。 「全く誰が勝つか、どんな闘いになるか予想もつかんわ」 光成が嬉しそうに笑う。 「わははは、血が騒ぐわ。ワシも参加すれば良かったのう」 江田島が豪快に笑う。 しかし。その2人の前に小坊主が不穏な情報を持って現れた。江田島が聞き返す。 「なに、勇次郎が?」うなずく小坊主。範馬勇次郎。地上最強の生物と呼ばれる男。 その男が・・。狙っている。この大会を。参加選手を。2人の顔付きが厳しく変わる。 「勇次郎・・また、またお前はワシの大願を・・」嘆く光成。先の最大トーナメント。 その時、勇次郎は暴虐の嵐を生み、大会を破綻寸前まで追い込んだ。またしても・・。 江田島。(いざとなればワシが止めるか・・。いや、ワシと奴がぶつかり合えば・・) 結果として大会は無茶苦茶になるだろう。思案する江田島。そして、名案が2つ浮かんだ。 「小坊主。邪鬼をここへ呼べい」 江田島はその情報を持ってきた小坊主に命令する。 ・・ほどなく。男塾の帝王、3号生筆頭、大豪院邪鬼が現れた。江田島は邪鬼に大きく叫ぶ。 「死ねい、貴様ッ!!」いきなりの塾長の言葉である。しかし邪鬼は顔色ひとつ変えない。 「流石は邪鬼よ・・。しかし、場合によっては本当に貴様に死んでもらわねばならん・・」 ・・。江田島はゆっくりと経緯を話す。直立不動のまま聞き入る邪鬼。ゆっくり口を開く。 「・・では、塾長。有事の際には、その範馬勇次郎、という男を止めれば良い訳ですね」 江田島。その答えに満足そうにうなずく。厳しさの中に、邪鬼への気遣いも忘れない。 「気をつけいっっ!!・・ワシと互角の力を持つ男だ・・。武運長久を祈る!!」 押忍、と言って主催者控え室から退出する邪鬼。江田島はその背中に詫びる。すまん、と。 おそらく邪鬼でも勇次郎には及ぶまい。だが邪鬼は逃げる男ではない。責任感の強い男だ。 そして。江田島。対範馬勇次郎の為に、もう一つ、策を大急ぎで用意する。光成に言う。 「光成。いざという時の為に、あの男にコンタクトを取っておいて良かったのう・・」
122 :
121の続き :03/03/12 18:40 ID:X6s5PT5j
トーナメントの組み合わせが発表された。ざわめく観客たち。奮い立つ選手たち。 【Aブロック】 第一試合 範馬刃牙 対 花山 薫 第二試合 前田慶次朗 対 高槻 巌 【Bブロック】 第一試合 陸奥九十九 対 リュウ 第二試合 香取石松 対 鷹村 守 【Cブロック】 第一試合 赤木しげる 対 グレート巽 第ニ試合 ヤムチャ 対 渋川 剛気 【Dブロック】 第一試合 播磨灘 対 ニコ・ロビン様 第二試合 羅刹 対 エドワード・ガルシア いよいよ。試合開始の時が近付く。Aブロック第一試合、範馬刃牙対花山 薫である。
別のスレでグラップラー飲茶を書いてる者ですが、前スレから楽しみに読ませていただいています。 ヤムチャがトーナメントに出るっていうんで、応援カキコ(ヤムチャへ)します。 てか、飢狼伝キャラVSバキキャラってだけで大騒ぎモノなのに、この面子とは・・・すげぃ
124 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/12 18:46 ID:X6s5PT5j
いきなり次で最終回だったら、皆さん怒るであろうか。サイコロの結果だけ書いて。 ちゃんとやりますけどね。組み合わせは最初くらい楽したかったので、自分で決めました。 試合結果はサイコロを振りながら決めます。 誤字脱字構成ミスが多くてすいません。またのんびりと書いていきます。 でもこれトーナメントだけで15試合もあるんだよな・・。出場選手8人にすれば良かった。
125 :
722 :03/03/12 20:10 ID:???
番外をだいたいアップ
126 :
:03/03/12 20:41 ID:TgTfM6VG
ヤムチャVS渋川 もちろんあの名言が聞けるんだろうな(w
ドリアン番外編は素晴らしいな。
>>122 細かい事を言うが、エドガード・C・ガルシアだ。(Cが何かは知らん)
あと、なんでロビンだけ「様」付きなんだ。
もしか、パオはロビンスレの住人?
129 :
出会い系ビジネス他所とは違います :03/03/12 21:40 ID:/rAZ3/Vh
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>>128 個人的に大好きらしい。出来ればひいきはやめて試合を書いてホスィ
>>130 サイコロで決めると言ってるから…
そんなことよりヤムチャだよ。
相手が渋川先生。つまり対シェン戦の再来ということに…
……はっ!?サイコロって事は渋川先生が負ける可能性も!?
132 :
ふら〜り :03/03/12 23:29 ID:t1nmW7W0
今、見てきました。722様お疲れ様です♪
スマン、前スレからの本編より楽しみだ 正直知らないキャラもいるからな 立ち読みで確認しないと
陸奥九十九 対 リュウ> “修羅”と“殺意の波動”の対決か。 ドリームマッチですなー。
136 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/13 07:36 ID:JfXQ5MkH
モーニングを食べながら早朝カキコ。更新は夜7時以降に。 既に1回戦の分8回はサイを振った。 「どうしよう」てのもあり、「やっぱりな」あり・・。丁半で決めてます。 つまり、122に書いてある組み合わせ表で、最初に書いてある方が丁、後が半。 しかしスレタイ意味が既に無いな。初めて見に来た人は訳が分からないだろう。 「死刑囚編」て書いてあるのに何故かアカギや前田慶次が出てるもの。 722様いつもありがとうございます。ところであつかましいお願いなのですが、 「バキ 漫画」で検索したら上のほうにこのサイトが来るように出来ないでしょうか。 すいません、パソはワードエクセルしか出来ないんで素人の質問で・・。また夜に。
137 :
マロン名無しさん :03/03/13 07:56 ID:d/3v2ea9
>>135 んー?あのリュウは「普通の」リュウで、殺意の波動に目覚めてないんじゃ・・・。
138 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/13 07:58 ID:JfXQ5MkH
後ひとつ書き忘れ。キャラの元漫画。興味ある人のために。 リュウ・・ストリートファイターリュウ←これだけはダントツでマイナーなので補足。 下手したら私以外知らないかも。この漫画は昔、「ファミリーコンピュータマガジン」という ゲーム雑誌に連載していた漫画です。一般の書店では絶対に手に入りません。 ブックオフなど大手古本屋へ。100円くらいで手に入ります。神崎将臣氏原作。 マイナーなんで入れようか迷った。最終的に、リュウと烈先生と銀牙が残ったのね。 バキの主役の烈を外すのはツラかったが、バキ勢4人は多すぎ。銀牙はヤムチャと対戦させたかった。 子犬に負けるヤムチャを書きたかったが、サイコロなのでヤムチャが勝つかも知れないし。で、リュウに。 あとロビン様の様付けはあのスレの方々への配慮もあるが、文内では様付けは止めます。では夜に。
139 :
マロン名無しさん :03/03/13 08:19 ID:d/3v2ea9
神崎将臣のスト2漫画なら漏れも読んだけど、別にあの作品にこだわらず ごく普通に誰もが知ってるスト2(系列)のリュウでいいんじゃないの。 しんく〜はどぉけん も使える。
俺はリュウ漫画っていうと 昔ゲーメストで中平正彦が描いてたRYU-FINALかなあ。 あの漫画のリュウは強すぎ。そしていい奴すぎ。ぶっちゃけ大好きなんだが。 ストU好き(漫画のモチーフはVだけど)で、未読の人は是非読んで欲しい。 しかし本編もさながら、超・解説対決が今から楽しみでしょうがないんだが。
141 :
135 :03/03/13 14:51 ID:???
RYU FAINALの前作にあたる ゼロ(全二巻)でとりあえず克服してるし。
142 :
ihi :03/03/13 15:17 ID:TSHnc35n
解説役には驚き役も必要では。 雷電の解説には富樫・虎丸コンビの驚きが不可欠。
ガルシアが出るのか・・・。てことは「もう一人の"鬼(オーガ)"}宮沢鬼龍は出ないかなあ。 勇次郎と「オーガ対決」とかしてくれたらこの上も無く燃えるんだが。
鬼龍より静虎の方が燃えるよ。
146 :
あげ :03/03/13 20:31 ID:???
しかし勝敗をさいころできめるってことはアカギの優勝もアリなわけか。 てかなんでアカギでてんの?w
147 :
122の続き :03/03/13 20:51 ID:JfXQ5MkH
Aブロック第一試合、範馬刃牙対花山薫まであとわずか。場内は興奮を無理矢理押し殺す様な、 異様な静寂に包まれている。観客の少年が場内をグルリと見渡す。(あ、あの人たちは・・) 一際目立つ学ラン姿の男たち。目には日本男児の生き様、色なし恋なし情けあり、の男意気が ランランと輝く。男塾軍団である。その反対側には。スーパースター剣崎順の息子、麟童が。 向こう側。北辰会のドン、松尾象山が姫川勉と座っている。それだけではない。会場の隅には。 あの世界を救ったヒーロー、孫御飯とピッコロが目立たぬ様に観戦している。その他にも。 独歩や烈のバキ勢。キー坊やおとんもいる。正に少年にとっては夢の様な光景であろう。そして。 「え、まさか、あんな人までッッ」 少年は思わず声を上げてしまう。教科書で見た男がそこに。 あの征夷大将軍・徳川家康まで前田慶次の傾き振りを見るために、時空を超えやって来たのだ。 正に夢舞台である。いや、場内にはもっと沢山のヒーローがいるだろう。少年の胸は熱くなる。 ・・・。そしていよいよ。実況が大きく声を上げ、場内の静寂を切り裂く。 「白虎の方角、花山薫選手の入場ですッッ」 爆発する観客。場内に轟く「ハナヤマ」コール。 ゆっくり入場する花山。威風堂々、闘技場の真ン中に立つ。そして。実況がついにあの男の名を。 「青龍の方角、範馬刃牙選手の入場ですッッッ」大歓声の中をチャンピオンが闘いの場へ向かう。 ・・Aブロック第一試合、そして。無限大トーナメント、開始。
148 :
147の続き :03/03/13 21:25 ID:JfXQ5MkH
バキと花山が闘技場の真ん中で向かい合う。トランクス姿のバキと高級なスーツに身を包む花山。 互いに万感の思いを込めた視線で見詰め合う。友情。闘争心。同朋心。複雑に絡み合う感情。やがて。 バキはおもむろに言った。「花山さんと真剣をやり合うのは・・2度目か・・」 無言のままの花山。 バキは続ける。 「俺は・・地下闘技場のチャンピオンとして・・勝たなくちゃいけない・・だから」 ゆっくりと右手を前に出すバキ。 「絶対に・・負けられない・・花山さん、勝たせてもらうッッツ」 花山。バキの右手に自分の右手を近付ける。そのまま握手・・するかに思われた。しかし。花山は。 ガシイッツ。花山の右手が跳ね上がりバキの顔面を鷲掴みにする。「つくづく・・甘えな、てめえ・・」 低い声で語る花山。「戦争だぜ・・これは。俺たちと、外の世界の奴らとのよ・・そんなザマでよ・・」 花山の超握力。グイグイとバキのコメカミを締め上げる。花山のドスの効いた言葉がバキへ響く。 「奴ら、迎え撃てると思ってんのか・・いつから腑抜けちまったバキ・・」 光成がそれをみてあわてる。 「花山のヤツ、開始の前に・・」 しかし江田島は豪快に笑う。「ふはは、よいよい、このまま始めいッッ」 バキが超握力でもがき苦しむ中、太鼓の音が鳴り響く。「始めいッッツ」 観客はこの非常事態に戸惑っている。 しかし。その試合とは思えぬ、異常な始まり方を見て、口元に冷笑を浮かべ見つめる男が一人。 (ククク・・ここにきた甲斐があった・・ニセの怒りニセの言葉ニセの勝負・・うんざりなんだそんなもの・・ そんな戯言じゃまるで埋まらない・・心が満ちない・・死線・・狂気の沙汰ほど・・面白い・・) ・・・。闘技場へ降り立った天才、赤木しげるである。そして、そのアカギにふらり、と近付く男が一人。 太い男である。首も、胸も、腕も、コブシも、吐く息すら太かった。この男と天才アカギが合わさる事で・・。 この大会は、いくつもの大番狂わせを生むことになる。
149 :
マロン名無しさん :03/03/13 21:46 ID:d/3v2ea9
アカギ特有のしゃべり来た━━━━━━━━━━!!!
150 :
147の続き :03/03/13 22:02 ID:JfXQ5MkH
花山の超握力がバキの体力を奪っていく。並みの人間なら既に脳波に異常をきたしているだろう。 いや、握力計で計れない花山のパワーである。頭蓋骨が陥没してもおかしくはない。しかし、バキ。 その状態のまま、逆に攻める。バキのリーチでは花山には届かない。攻めているのは、花山の右腕。 今、自分を追い込んでいるこの右腕のヒジ関節部分を、バキは逆に攻め上げる。バキの左フック連撃。 その強力な打撃が、花山のヒジを襲う。バキがポツリ、と言う。「花山さん、アンタの言う通りだ・・」 バキのコメカミからミシミシと音が響く。「おいおい、まさかバキ緒戦敗退かよッ?」 観客がわめく。 しかしバキは怯まない。ガシガシと花山のヒジに打撃を加える。花山の握力が僅かずつ弱まっていく。 バキ。その機を逃さず、花山の右手首を両手でつかみ、思い切り引き剥がす。そして花山に言った。 「これは戦争だッ、目の前に立つ人間には容赦はしないッッ」 そしてバキの猛反撃が開始された。 圧倒的なスピードの打撃が花山を襲う。上段中段の蹴り、顔面へのチョップブロー、ワイルドパンチ。 花山も大振りのパンチで応戦するが、バキのスピードの前に空を切る。じりじりと後退する花山・・。 ・・太い男がアカギに声を掛ける。その男、松尾象山。クマを屠る空手界伝説の男。神の拳と呼ばれる男。 アカギはバキのラッシュを凝視している。熱い目ではない。全てを見通す様な、高僧の様な眼差し。 そのアカギへ。象山が。「うらやましいぜぇ、こんな大会へ参加出来てよう」 茶目っ気たっぷりの笑み。 更に神の拳が神域の男へ聞く。「何見てんだい、アンタ。試合を楽しんでいる、って風じゃねえよなあ」 アカギ。ゆっくりと象山へ振り向く。隣の姫川がアカギの目を見て驚く。(なんて曇りの無い目だ・・) アカギの噂。姫川も聞き及んでいる。悪魔の様に裏の麻雀界に君臨する若き天才。だが、目の前の男は・・。 アカギ。象山の質問にゆっくりと答える。「エリア・・。格闘技の技は全て・・エリアで区分できる・・」
151 :
150の続き :03/03/13 22:29 ID:JfXQ5MkH
エリア。それは格闘技で言う間合い。無論、麻雀を始めとする勝負事にも間合いは存在する。 しかし。勝負事のそれは技術的な部分と同時に、「流れ」を感じる感性も大事とされる。 そしてアカギはその天才・・。そして彼は今、「技術」としての間合いも極めようとしている。 手技のエリア。足技のエリア。寝技のエリア。投げ技のエリア。彼の天才的な能力が解析する。 その対処法と攻撃法を。目の前の試合を見るだけで・・。その悪魔の様な才で・・。 姫川はうめく。(この少年・・。格闘技の本質をたった一試合見るだけで裸にしてしまった・・) ・・天才の10秒は凡夫の10年に勝る・・。地味ながらこれも神業・・。象山が感心して言う。 「いやあ・・。ワタシはクマや牛と闘ったりしたんだが・・。あの時代にアンタがいれば・・」 アカギ。その言葉に詰まらなそうに視線を試合に戻す。バキが花山をKO寸前まで追い込んでいる。 象山。そのアカギへ一つ質問する。心底楽しそうな少年の微笑みのまま。 「アンタ無茶な事ばかりしてるそうだが・・自分を信じているのかい?それとも捨てているのかい?」 アカギはポツリと答える。「同じ事だろ・・」 姫川。オウムの様に聞き返す。 「同じ??」 「自分の意志に殉ずる時・・自分を信じると同時に捨てている・・同時だ・・分かつ事は出来ない・・」 アカギのその言葉。松尾は感じ入る。そして大きく笑いながら言った。 「なあ、アカギさんよ・・オイラに、アンタの優勝の手伝いをさせてくれねえかい・・?」
152 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/13 22:34 ID:JfXQ5MkH
イヤな予感がする。長くなりそうだ。「死刑囚編」並に。また辛い日々が・・。 しかし、救いは今のところ書いてて楽しいという事か。期待しないで見守ってください。 明日は書けそうです。ではまた。
153 :
722 :03/03/14 00:04 ID:???
>パオさん 私もHP作り初心者なので、どうやれば検索にひっかかるようになるか わからないんです。 誰かわかるかた、教えてくれませんか?
ビッグネームばかりだ━━━(゚∀゚)━━━━ !! バキの闘技場でよくやる足踏み状態です。
なんかアカギえらい強そうだな。 天内チックなキャラになりそうだ。
156 :
マロン名無しさん :03/03/14 12:41 ID:gG8MBHa0
456 :名無し迷彩 :03/03/14 10:13
ライフル弾は初速が音速を超えることで衝撃波が発生し、サプレッサで銃口からの
破裂音がある程度緩和されてもその衝撃波は消せないから(弾丸と一緒に衝撃波の
発生源は移動するからな)ライフルじゃ大して消音効果が無いって事なのだよ。
初速が亜音速までの拳銃弾なら、発砲音のほとんどを吸収してくれるのもある。
MP5のSDシリーズなんかボルトの動作音くらいしか聞こえねぇという話だ。
夜間の作戦が多い特殊部隊とかでは発砲音の抑制よりもマズルフラッシュを隠す
効果のほうが重要視されてるのだよ。
458 :名無し迷彩 :03/03/14 10:53
>MP5のSDシリーズなんかボルトの動作音くらいしか聞こえねぇという話だ。
あれはスピーカーが高音域を再現できないからボルトの音しか聞こえないだけだヴォケ
もしかして落とした動画だけで判断してるだけじゃないだろうな厨房?
http://www.geocities.co.jp/Outdoors-Marine/4547/
157 :
151の続き :03/03/14 12:53 ID:+GPwc6vB
アカギと象山の間の空気が数瞬の間、ピリピリしたものに変わる。しかしアカギ。口元に薄ら笑いを浮かべ言う。 「ククク・・何企んでるんだい?そんな虚仮・・エセの言葉で・・俺が釣れるとでも・・?」象山。豪快に笑う。 「いやあ、バレちまったか。アンタ頭も良いねえ・・いや、助かるんだよ、アンタが勝つと、ウチとしてもな・・」 アカギ。その象山の無邪気な笑いにも一瞬たりとも油断しない。そして象山は、豪快に笑いながら言ってのけた。 「アンタの一回戦の相手・・東洋プロレスのグレート巽。目の上のタンコブなんだよ、北辰会館としちゃあな・・」 象山の隣の姫川が慌てて師の顔を見る。まさか、このアカギを刺客にしようというのか、あのグレート巽の・・。 「どうだい、アカギさんよ・・。ほんの試合前の数分だけだが・・教えさせてもらえねえか、この象山の空手を・・」 アカギ。「ククク・・分かっていた・・。無邪気な笑みの下の、腹黒い本音・・。面白い・・その取引受けよう・・」 象山。ニヤリ、と笑う。アカギは目の前の試合から視線を逸らし、闘技場から退出しようとする。姫川がアカギに問う。 「いいのですか、アカギさん・・。闘技場チャンプの試合を見た後でも、我々は構いませんよ?」 アカギは首を振る。 闘技場内ではたい大歓声の中、バキが花山をサンドバックにしている。バキの超スピードの打撃による一方的な展開。 「もういい、見えた、全て・・。あのバキという男、今は勝っちゃいるが・・その実、焦りという汚泥・・首まで・・」
158 :
157の続き :03/03/14 12:54 ID:+GPwc6vB
そしてアカギは闘技場から背を向け歩き出す。・・やがて。選手たちに与えられた個室に戻るアカギ・姫川・象山。 象山がアカギに言う。「アカギ君、空手の華は華麗な蹴り技だ・・おい、姫川」姫川がアカギの前に立つ。・・そして。 ヒュンッ。風を切る音。姫川の長い足が天を衝いている。・・アカギに向けて超高速の上段廻し蹴りを放ったのだ。 アカギのホホから鮮血がしぶく。その蹴りは顔面ギリギリをカスめ、そのまま頭上を超えた。姫川はアカギに言う。 「見えませんか・・?空手家が本気で蹴りを放てば、素人の目には止まりませんからね・・」 しかし、アカギは言う。 「ククク・・止めるのは分かっていた・・。最初に向かい合った時、アンタは俺との距離を目線で測っていたからな・・」 その言葉に姫川は驚愕する。天才と呼ばれた自分より・・圧倒的に才が上。器が上。いや、それ以上に驚くべきことは。 例え蹴りを止める、と分かっていても、人は必ずその蹴りから逃れようとする筈である。しかし、このアカギは・・。 アカギの最も恐るべき才覚、それは・・。自分の読みに殉ずる事の出来る、揺れない心・・。
159 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/14 12:57 ID:+GPwc6vB
アカギは試合まで出番無し。続きは今日書けそうです。しかし、なんやら収拾つくのかな。 実は、このトーナメントから更に次のシリーズへ続く予定なのだが・・。次は更に滅茶苦茶になるかも。
両者戦闘続行不能になった場合はリザーバー選手が来たりするのでしょうか?
161 :
マロン名無しさん :03/03/14 17:46 ID:VwgTtgxx
とりあえずのアゲ
最初、アカギの名前を見つけたときは流石に正気を疑いたくなったが、 こうして見ると意外とイケそうな雰囲気になってるのが凄い。 流石だな、パオ。
163 :
158の続き :03/03/15 01:03 ID:FAsmbaS3
アカギ・象山・姫川が秘密の空手特訓を始めたその頃。バキ対花山戦は佳境を迎えていた。 バキの超速の連撃が次々と花山にヒットする。花山。その攻撃を全く防御をしない。攻撃のみ。 大振りのパンチがブウン、ブウンとバキを襲う。だが。バキにテレフォンパンチは通用しない。 その攻撃をかわしつつ、アゴ・鼻先・コメカミへカウンターのパンチをバキは叩き込む。 少しづつ。少しづつ。花山の肉体が後ろに下がり始める。ジャブの連打。花山の体力を削る。 「おいおい、嬲り殺しだっ、強すぎるぜ、流石チャンピオンッ」 観客が騒ぐ。バキを称える。 解説の本部がポツリと言った。「決まったの」 加藤がその言葉に反応する。「バキの勝ちだな?」 本部。「ああ、バキのパンチはアゴやコメカミなど、脳の揺れを意識した攻撃ばかりだからな・・」 しかし、もう一人の解説の雷電がそれを即座に否定する。「いや、この勝負まだまだわからん・・」 その言葉に。本部は物凄い形相で雷電を睨みつける。この俺の解説にケチをつける男がいるとは・・。 「何いっ〜、どういう事じゃ、雷電?」 ・・富樫が雷電の言葉に疑問を投げかける。ちなみに。 今回、雷電と本部が解説しやすいようにと、江田島が驚き役として、2人にアシスタントを付けた。 それが雷電に富樫、本部に加藤である。この解説対決は、コンビの阿吽の妙も勝敗に関わるであろう。 雷電は言う。「あの花山殿の目・・あれは世に聞く、死生眼・・」 富樫。「し、死生眼じゃとっっ」 本部。その初めて聞く言葉に驚きを隠せない。この世に自分の知らぬ武道用語があるとは。そして。 目の前のドジョウひげの謎の中国人に恐怖を覚える。本部は内心で後悔する。自信が崩れていく。 (か、勝てるのか・・こんな知識と名調子のバケモノに・・俺の本部流実戦解説は・・)
164 :
163の続き :03/03/15 01:30 ID:FAsmbaS3
死生眼・・ 今なお、忠臣としてして名高い武蔵坊弁慶が、主の源義経を死守せんがために 体中に矢を貫かれようと最後まで倒れず、自らの肉体を盾にした最後は有名であるが、 死に様の「仁王立ち」の際、覚悟と決意を込めた弁慶の目こそが「死生眼」と言われる。 最高の精神性を秘めた目であり、この目で最後を迎えた者は英雄と呼ばれる者が多い。 民明書房刊「武人の生と死をみつめて」より 雷電は言う。「確かに花山殿の攻撃は一つも当たってはおらん・・しかし、バキ殿の目は・・」 本部たちは闘技場のバキと花山を見る。血だらけになりながらも目はランランと燃えている花山。 しかし、バキ。攻め込み、圧倒的に優勢に立っているバキ。その目は明らかに焦りに彩られている。 バキ。ラッシュを続けながら思う。(何で倒れないんだ、花山さんッ) グラリ。花山が揺れる。 バキの上段蹴りが最高のタイミングで決まったのである。必殺のタイミングと言っていい一撃。 しかし花山は倒れない。数十発クリーンヒットさせているバキの方が、一発も当てられない花山に 精神的に押されている。・・この、全く強くなるための鍛錬をしない、防御を知らない漢に。 ・・ついに、バキのラッシュに衰えが見え始める。疲労。ほんのわずか、攻撃のスピードが落ちる。 花山が低い声でバキに言う。「バキ・・性根が入ってねえ。ガキの頃より、弱くなっちまったな・・」 そしてついに。・・花山の大振りのパンチがバキにカスり始めた。
165 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/15 01:34 ID:FAsmbaS3
ダラダラしてるなあ・・。まだ一回戦第一試合なのに。前回でバキ同士の対戦は書き尽くした感がある。 逆にバキ陣営は書きづらいな。明日にはいくらなんでも慶次対高槻、いけると思いますが。 もっとペース上げます。この大会、実は次のシリーズの予選なのに。ま、次やらないかも知れないけど。
ん〜〜、そうかな? 読んでて楽しいし、特にダラダラしてるようには感じないけど。 ただバキvs花山は、読んでて苦労してそうだな、とは何となく思った。
解説勝負がなんだか熱い 負けるな本部
168 :
pih :03/03/15 08:15 ID:vS8YsYzQ
169 :
実力だけならこうだが :03/03/15 08:35 ID:1/vMJ+hN
一回戦 ○範馬刃牙 対 花山 薫 前田慶次朗 対 高槻 巌○ ○陸奥九十九 対 リュウ ○香取石松 対 鷹村 守 赤木しげる 対 グレート巽○ ○ヤムチャ 対 渋川 剛気 播磨灘 対 ニコ・ロビン様○ ○羅刹 対 エドワード・ガルシア 二回戦 範馬刃牙 対 高槻 巌○ ○陸奥九十九 対 香取石松 グレート巽 対 ヤムチャ○ ○ニコ・ロビン様 対 羅刹 準決勝 ○高槻 巌 対 陸奥九十九 ○ヤムチャ 対 ニコ・ロビン様 決勝 高槻 巌 対 ヤムチャ○ 実力なら絶対にヤムチャ優勝のはずだが。勝つ姿が思い浮かばない・・。
正直、ヤムチャが負けるチャンスは渋川戦だけだろうな。後は圧勝しそう。 いつの時点のヤムチャを出すかにもよるけどさ。
171 :
マロン名無しさん :03/03/15 18:01 ID:DsfaYNo7
age
高槻巌にヤムチャが勝てるはずないだろ。 奴は荷電粒子砲や「次元の断裂」すら躱す男だぞ。
173 :
訂正 :03/03/15 22:18 ID:???
「空間の断裂」だった。
174 :
pih :03/03/15 23:03 ID:/d5YU/1o
175 :
164の続き :03/03/15 23:20 ID:3Tz8jHH/
(バカな・・俺が弱くなっただと?) バキは花山の言葉を心の中で必死に否定する。 ・・しかし。思い当たる節は確かにある。13歳くらいの自分は常に「死」と隣り合わせの 鍛え方をしてきた。100人との喧嘩。ボクシングチャンプとの闘い。野生との死闘。・・。 しかし今は。確かに肉体的・技術的には、今の17才の自分のほうが遥かに強いであろう。 だが、あの最大トーナメントを制して以来。自分の中で闘いに対する何かが醒め始めた。 ・・精神的な後退。花山はそれを言っているのだろう。 ブウン。チッ。ブウン。チッ。・・花山の剛打をバキは完全にかわしきれなくなっている。 チッ、とコブシが顔をカスめる。その度に鮮血がシブく。無論、その間にもバキの攻撃は 花山に当たり続ける。しかし、花山曰く「性根のなってない」攻撃では花山は止められない。 「くああッ」バキの体がガクン、一瞬沈む。花山のコブシがバキのアゴ先にかすったのである。 ・・アゴの先端を鋭角的に攻撃されると脳がテコの原理でシェイクされる。動きが止まるバキ。 その隙、花山は逃さない。野球のトルネード投法の様に、思い切り体をひねり、コブシを押し出す。 バキの顔面へ、花山の巨大なコブシが吸い込まれる。ついに、花山の一撃がバキを捕えた。 実況が叫ぶ。「飛んだッッ、バキが数メートル、吹き飛んだぁッ」 血を撒き散らしながら飛ぶバキ。 地面と平行に約7メートル後方へ。ドサッ。地に転がるバキ。花山。倒れたバキにゆっくり近付く。 「け、喧嘩士恐るべしッ、決めてしまうかッ」バキの髪をつかみ、無理矢理立たせる。そして追撃の。 グシャァッツ。2撃目の花山のワイルドパンチが完璧に決まる。ゴロゴロと転げまわるバキ。 花山は言い放つ。「まだやるかい・・?」格下扱い。闘技場のチャンプに対して。バキを睥睨している。 バキ。必死で立ち上がる。「は〜な〜や〜まッッ」 友であり、敵である男に下に見られている。屈辱。 バキは構える。もう、戦力を隠す余裕は無い。・・・バキ、起死回生の音速拳の構えである。
176 :
164の続き :03/03/15 23:47 ID:3Tz8jHH/
音速拳の構え。その構えを見ても、花山の顔色は変わらない。むしろ目に殺気が宿って来る。 最大トーナメントで克巳から食らい、破れた技。しかし花山に動揺は無い。あるのは闘争心のみ。 ボキリ、ボキリとコブシを鳴らす花山。そして悠然と間合いを詰める。「まだやるか・・バキッ?」 グアッ。急に花山が殴り掛かる。バキの手業の間合いへ自分から踏み込む。解説の本部が叫ぶ。 「バカな、音速のコブシに迎撃されるぞ、花山ッ」 驚愕した様子の本部を見て、雷電は首を振る。 (甘い・・。それは解説で無く、感想を口にしているに過ぎぬ。この雷電と解説仕合える相手で無し・・) ・・バキが間合いに踏み込む花山に対して激怒する。「嘗めるなアッ、花山ああっ」 音速拳の発動。 花山の鉄拳より速く、ダースの単位で拳の弾幕が花山に襲い掛かる。一方的に打たれる花山。・・しかし。 花山は笑っている。無数の拳に打たれながら。「克巳の方が・・性根入ってたぜ・・弱くなったな、バキ・・」 まっすぐ。打たれながらまっすぐ。花山は前に進む。血だらけのまま。音速の拳を食らいながらも。そして。 ついに、音速拳の間合いを完全に潰してしまう。数十発分のダメージと引き換えに。この男しか出来ぬ破り方。 バキ。技を破られ完全にうろたえている。花山。バキに言った。「腑抜けてねえおめえと闘りたかったぜ・・」 バキの首根っこをつかみ上げる花山。ギリギリとノドに食い込む超握力。・・そして。花山の終焉の一撃が。 花山の最後のコブシがうなる。グッシャ。顔面に炸裂する。放物線を描きながら舞うバキ。ドサリ。落下。 バキはピクリとも動かない。・・・。審判が叫ぶ。 「勝負ありっっっつ」
あわわわわわわ、もうバキ負けたよ。 めちゃイケの笑わせトーナメントで一回戦で岡村が負けたみたいだ まぁ、花山勝って嬉しいですけど
負けたバキよりも、劣勢の本部の方が気になってしまう。なぜだろう。
179 :
176の続き :03/03/16 00:07 ID:jPaQh0g+
・・・数秒後。バキは短い気絶から覚醒し、その場であぐらをかいている。呆然としながら。 (そうか・・負けたのか・・花山さんに・・) ふと気付くと、花山が自分を見下ろしている。 数秒の間、視線が合うバキと花山。花山がポツリ、と言う。「一勝一敗だ。次が決着だぜ・・」 その言葉にバキは少し救われた気になる。花山は、本当に自分を軽んじてた訳ではない。 今の。腑抜け、キバの錆び付いた自分に怒りを覚えていたのだ。・・ゆっくり立ち上がるバキ。 そして、花山に右手を差し出す。試合前には払いのけられた、その右手。しかし、今度は。 しっかり。力強く。花山は握り返してきた。・・その握手に、観客から暖かい拍手が送られる。 特別席の徳川光成と江田島平八。彼らも観客と同じく暖かい拍手を送る。光成が言った。 「チャンピオンが敗れるとは問題じゃが・・。この敗戦を機に、バキが更に強くなるといいのう」 しかし。その言葉、隣の江田島には聞こえていない。豪放磊落な彼に相応しくない、暗い顔。 光成が心配そうに聞く。「どうした、平八?」 その言葉に江田島はハッ、と我にかえる。 「わはは、昨日の女が余りにも良かったのでなァ、思い出しておったわ」 豪快に笑う江田島。 光成。その言葉、勿論信じていない。江田島は心でつぶやく。(急がねば・・。奴らの侵攻の前に・・)
そういや、この勝敗はサイコロなんだよなぁ・・・ 運で勝敗決めてから、それにそったストーリー作ったのに 違和感ないな。やるねぇ、伊達に2作目じゃないね
「奴ら」って誰だ?もしか死刑囚? でも、それは前作で書き尽くされたような感があるしな……すると誰だろ? ところで、「今度は死刑囚が30人!」ってネタをやりたいと思ってるんだが。 色んな漫画から、死刑囚や無期懲役の極悪囚とか集めて、内容はガチンコ。 でも、強い囚人が30人も集まらない・・・。 とりあえず、最凶死刑囚に、キン肉2世のノーリスペクトは確定してるんだけど、 他にいいのいるかな?
182 :
マロン名無しさん :03/03/16 00:36 ID:HJVQpTCj
>(甘い・・。それは解説で無く、感想を口にしているに過ぎぬ。この雷電と解説仕合える相手で無し・・) バキの試合も面白かったけど それ以上に、こっちが面白い
184 :
179の続き :03/03/16 00:41 ID:jPaQh0g+
実況が興奮しながら叫ぶ。白虎の方角を入場する天下一の傾奇者、前田慶次郎利益の為である。 「か、傾いている、いきなり歌舞いているぞ、前田慶次ッッ、巨大な馬に乗っての入場だァッ」 信じられない程巨大な、黒く美しい馬に乗って威風堂々の入場である。しかも、その慶次の姿。 2メートル以上の朱槍を抱えながら、大柄な肉体の武士がまかり通る。しかも、その鎧甲冑は。 「美しいッッ、なんと美しく気品のある鎧だ、前田選手の長身に一層映えるぞッ」 雷電がうなる。 「むう、あの鎧はもしや・・」 最高のタイミングで合いの手を入れる富樫。雑妙のコンビネーション。 「なにいッ、知っておるのか雷電?」雷電が答える。「前田利家が織田信長より拝領した家宝の鎧・・」 ・・本部。あまりの雷電の知識に驚愕する。自分は所詮、武道の技しか知らぬ。しかし、この男は・・。 歴史。戦術・戦法。言い伝え。伝説の類い。礼法。古今の典礼など、あらゆる分野を網羅している・・。 しかも相方との呼吸も絶妙である。俺は勝てるのか、こんな解説の魔人を相手に・・・。 ・・。前田慶次のあまりにも見事な傾き振りに場内はシン、となる。観戦の徳川家康も満足そうだ。 しかし。慶次の背中のマント。大ふへん者と染め抜かれた文字をみて観客が叫ぶ。「だ、大武遍者、だとッッ」 ・・元々おのれの武勇の自惚れが強い参加選手に、俺こそが武勇の士である、と宣言している様なものだ。 慶次の不遜な態度に騒然とする観客。「慶次、調子に乗るなあッ」 「そこまで言うからには優勝しろよッ」 しかし、慶次は涼しい顔で言ってのけた。 「これは大武遍者と読むんじゃない、大不便者、と読むんだ」 そして豪快に笑う。「この前田慶次の相手になる奴がおらんで不便で不便で仕方ないって事よ、わははははッ」 その豪快なれど涼やかな笑いに、観客は思わず見惚れてしまう。しかし、観客は気付いていない。慶次の下着。 決死の覚悟の白装束である事を。・・この男の豪快さの下には、常日頃から覚悟があるのである。 ・・熱狂の場内。だが。慶次の背後から静かに声を掛ける男。「私なら、あなたの相手に充分と思いますが・・」 慶次が振り向いて男に言った。「・・この時代にも、しのびがいるのか」 その男。慶次の相手、高槻 巌である。
185 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/16 00:45 ID:jPaQh0g+
やっとバキ勢以外書けます。バキキャラは私は前スレで書き尽くしました。 書けないことは無いけど、書いてて詰まらない。慶次達の方が書いてて面白い。 で、サイの結果は半でした。一回戦はもう全て結果決まってます。では、また。
186 :
ihi :03/03/16 07:21 ID:jmlQZUk9
サリン使いの松本知津男は出ますか?
188 :
マロン名無しさん :03/03/16 11:06 ID:ZZUa+MXV
解説対決、雷電強過ぎ。本部ガンバレ。
うぉぉ、解説勝負めっちゃ燃える。
雷電コールと本部コールが響きます
はっきり言って、本来の試合より解説勝負のほうが気になる。 本部がんばれ。
192 :
:03/03/16 16:45 ID:???
あ、高槻って父親の方か、
194 :
マロン名無しさん :03/03/16 19:06 ID:n2yU1UNb
フリーザ一味だろ
バキまけたか。さいころは非情だな・・・・。
>「・・この時代にも、しのびがいるのか」 うわっ、これめちゃめちゃシビれるんだけど・・・ どうにも本部が気になって気になってw
本部の活躍をここまで期待されていることが今まであっただろうか?
198 :
184の続き :03/03/16 23:21 ID:jPaQh0g+
慶次がゆっくりと甲冑を脱ぎ捨てる。ほおお、と観客が驚嘆の声を上げる。余りに雅やかなのである。 真っ青な裃に鶴の絵柄。大柄長身の外見とあいまって、涼やかな、見事な男振りである。 「傾奇者」と呼ばれながらもその動作は美しく礼儀正しい。慶次は当代一級の知識人でもある男だ。 一方。高槻 巌。サラリーマン染みたスーツを着込む。だが、その筋肉の盛り上がりは尋常ではない。 静と動。花と実。粋と堅実。対照的な2人が闘技場の真ん中で相対する。両者とも厳しい表情ではない。 慶次は無邪気な笑みを顔に浮かべている。巌は泰然自若、その名の通り岩の様な不動の構えである。 小坊主が注意を与える。そして・・大きく叫ぶ。「始めいッッッ」 慶次。その合図に、一気に前へ飛び出る。観客が騒ぐ。「ウオオオ、まるで戦場の一騎駆けだあッッツ」 慶次の動きはまるで野生のトラである。その闘方、誰に教わった訳でもない。正にいくさ場での闘い方。 もし、慶次にどう鍛錬すればあなたの様に強くなれるか、と聞けば、笑ってこう答えるであろう。 「フ・・。虎が鍛錬などするかね」と。「生まれつき強いヤツは強いのよ」と。・・・。 ・・・先手必勝。間合いに入ると、いくさ場で鍛えられた戦場のコブシが巌の顔面を捕らえようとする。 だが、巌。その慶次のコブシをスウウ、と避ける。いや、避けた、というよりまるでコブシの風圧により、 肉体が押しのけられた、という感じであろうか。慶次は笑う。「ワハハ、面白いッッ」 更に鉄拳の連打。 しかし。巌はこれもスウウ、と避ける。まるで液体のみの存在になったかの様に。この動きは、まさに水。 雷電は叫ぶ。「ぬうう、あの高槻という男、まさか自然(じねん)一致の法を会得しておるとは・・」
199 :
ふら〜り :03/03/16 23:40 ID:wcYYFgVV
バキ一回戦敗退……本当ぉぉに、サイコロで決めておられ るんですねパオさん。失礼ながら安心しました。 だってほら、播磨灘の相手、お好きだとのことで様付けでしたし。 正直、ちょっとだけ、不安もあったんです。 でもこれで、播磨が勝とうが負けようが安心してこの先も 読み続けていけます。パオさん、これからも期待してますよっ♪ ……あと、スペックの方も。続き待ってますよ〜。
200 :
198の続き :03/03/16 23:50 ID:jPaQh0g+
自然(じねん)一致の法。その肉体を自然と一体化させる事により、自然の地水火風の動きを体現させる、 中国憲法最高の境地の一つである。 (民明書房刊 「自然へ帰れ 青カンのススメ」 より) ・・確かに。巌の技の避け方は人のそれでは無い。まるで水が高きより低きに流るる如き、流水のサバキ。 慶次の剛拳をモノともせず、ゆるゆるした動きで舞う様にかわしていく。・・次第に焦りが見える慶次。 しかしもう一人、ここに焦りを隠せぬ男がいる。解説の本部以蔵である。先ほどより、ことごとく雷電に 知識において上を行かれている。顔中に汗の浮かぶ本部。この男に勝負を挑んだのは間違いだったのか。 いや、まだトーナメントは始まったばかりである。まだまだ逆転のチャンスはいくらでもある、筈だ・・。 闘技場内では。水の如く攻撃をかわし続ける巌。目に見えない空間の断裂攻撃すら、全て避けた男である。 例え超スピードの慶次の剛拳とは言え、当たる訳が無い。ついに、巌が攻撃に転じ始める。シュウウ。風。 その動き、正に風。慶次の間合いに踏み込む動きが、である。そして慶次の間合いに入ると、火に転じる。 コブシを的確に、しかし強烈に急所に叩き込む。その勢い、まさに豪火。巌は完全に自然の動きを体現する。 ・・一方的な展開になる試合。実況が叫ぶ。「ああ〜っと、ここまで実力差があると誰が予想したかあッッ」 慶次も野生の剛拳を振り回すが、巌は水の動きでそれをかわす。そして風で間合いに踏み込み、火で制する。 ・・・。解説席の本部。ここが俺の見せ所とばかり、会心の解説を披露する。 「巌は陰から陽、陽から陰と、常に水の動きで慶次の死角を突き攻撃している。もう慶次は終わりだな・・」 本部は内心ニヤリと笑う。今の解説、長い解説人生のベスト3に入る。リズム・知識・タイミング全て完璧。 勝ち誇った目で雷電の方を見る本部。しかし。雷電は冷たく厳しい声で言い放った。どこか哀しそうな声で。 「本部殿・・。貴殿、何を見ておられる・・。最早、貴殿との勝負これまで・・結果は見えた・・」
何も真実を述べるばかりが解説ではない。 本部の解説は虚をついて実、実をついて虚。 本部がんばれ
202 :
200の続き :03/03/17 00:18 ID:uVbTTMRn
「な、何を言われるか、雷電さんッッ」 叫ぶ本部。一方的に勝負の終結を宣言されたのだ。 絶叫も当然であろう。しかし、雷電。・・・ゆっくり慶次の肉体の一部分を指差して言った。 「あれを見ませい、本部殿・・」 その雷電の指の指す所。それを見て本部は絶望の声を上げる。 「うああ・・」まるで敏感なクリトリスの様にプルプル震える本部。「地上最解説」と呼ばれる 威厳は最早無い。・・雷電の指した先。その場所。慶次の股間である。隆々と盛り上がっている。 観客は口々に叫ぶ。「うおお、なんと見事な一物だあッ」・・慶次の底無しの度胸と生命力の証。 それを見たらこの勝負、軽々と「巌の圧勝」などとは口に出来まい。雷電は静かに本部に言う。 「本部殿・・。うわべだけに惑わされるとは・・。木を見て森を見ずとはこの事。貴殿は・・」 そこで言葉を止め、視線を本部から闘技場へ戻す。だが、雷電の言葉の続き。本部は分かった。 ・・貴殿ではこの雷電の相手にならぬ、と続いたのだろう。本部。絶望でグルグルと景色が回る。 (まだ・・まだ逆転の・・チャンスが・・) だが。この後、本部の口数は・・激減してしまう。 ・・闘技場内。一方的にやられる慶次だが、相変わらず一物は隆々としている。そして、慶次。 「フハハ、面白いなあ。まだまだ世の中にゃあ、面白い男が沢山おるわ」大きく笑う。血まみれで。 ・・そして。慶次は、結んだマゲ止めを外す。反撃を開始するために。長く美しい髪が腰まで垂れた。
203 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/17 00:20 ID:uVbTTMRn
人気ありますなあ、本部・・。解説対決はオマケのつもりだったのだが・・。 ま、いいや。なんだかんだで毎日更新ですなあ。頑張ります。では。
204 :
181 :03/03/17 00:57 ID:???
>>183 >>193 サンクス。
というわけで、早速追加。
『スターオーシャン』より、アナスイとケンゾー
『ARMS』より、コウ・カルナギ
『軍鶏』より、黒川健児
『龍騎13RIDERS』より、浅倉威こと仮面ライダー王蛇
以上、5名。
しかし、良く考えたらノーリスペクトはハンゾウくらいしか使えんな。
フォークとか出してもつまんねーし。
というわけで、現在11名。オリバは別枠を考えてるんで。
ってか、30人はフツーに無理っぽいので、せめて16人は集めたい。
そうすればトーナメントはやれるから。
205 :
訂正 :03/03/17 01:00 ID:???
スターオーシャンってなんだ。 ストーンオーシャンじゃねーか。 眠くて頭が腐ってやがる。鬱だ。
スペック外伝の続きを読みたい・・・
207 :
マロン名無しさん :03/03/17 06:26 ID:BsTACbJY
>>204 幻影旅団は?
ところで黒帯研究会の続きはまだだろうか?おそらくラスト近いと思うけど。
本部ついにクリトリス扱いか。強えな、雷電・・
208 :
ふら〜り :03/03/17 08:58 ID:LXFWzZtN
>>204 「そして船は行く」のキャプテンキッドとか。
209 :
マロン名無しさん :03/03/17 12:20 ID:iRmkeydk
既に死刑囚編じゃ無い。いやバキですら無い。 次スレではスレタイを変えないといけないな。
210 :
マロン名無しさん :03/03/17 12:23 ID:iRmkeydk
次スレもちゃんとやるよね?パオさん。 前スレの時からここを1日2回のぞくの習慣化してる・・ ところで赤木って有名なの?マージャン知らないけど面白い?
>>293 おもろい。麻雀知らなくても駆け引きが楽しめる。
「トーナメントは始まったばかりだ」ってところ、本編と平行して解説トーナメントが
繰り広げられてるのかと勘違いした。
>>211 解説トーナメント。
昔なつかしのアデランスの中野さん
本名不明!天下一武道大会の審判けん実況
キャプテン翼のだれだかわからない実況が解説しあうのか・・これはこれでプチ豪華メンバーだ
214 :
202の続き :03/03/17 22:36 ID:uVbTTMRn
マゲ止めを外した慶次。長い髪がゆるゆると揺れる。静かに目を閉じ、巌の攻撃を待つ慶次。 シュウウ。風を巻きながら突進する巌。いや、己自身が風となっているのだ。しかし。その風に。 ゆらり、と慶次の髪が揺れる。カッ、と目を見開く慶次。「ぬううッ?」 巌が驚愕する。 先程まで全く巌の攻撃に追いつけなかった。だが今は髪の微妙な動きにより、完全に察知している。 死角からの攻撃のはず。だが、それを慶次は風の動きにより先読みする。そしてついに慶次の鉄拳が。 実況が大きく叫ぶ。「あっ〜と、ついに慶次選手のコブシが、高槻選手の顔面に炸裂ッッウウウ」 クライマックスを迎える慶次対巌。・・・しかし、こちら雷電対本部の解説対決も、ヤマ場を迎える。 圧倒的な実力を誇る雷電の前に顔面蒼白の本部。この男にだけは手を出してはいけなかった。 そんな考えを必死で打ち消す本部。その青ざめた顔の本部を見て、雷電が信じられない言葉を放つ。 「本部殿。貴殿の解説力は立派でござる。一般人を10とすれば、貴殿の解説力は60000を超えよう」 しかし、次の一言。その雷電の一言に、本部は全ての自信を奪われ、地獄に落とされてしまう。 「ちなみに拙者の解説力は・・530000でござる・・安心召されい、貴殿に本気は出し申さん・・」 ご、ごじゅうさんまん?53万だと?ハッタリだ、ハッタリに決まっている・・。しかし。本部は思う。 ・・この雷電という男、ここまで自分を圧倒していながら、いまだ底が見えない・・。まさか、本当に? 本部。ゴクリと生つばを飲み込む。このままでは絶対に勝てない。・・・使うしかない、あの技を・・。 我が解説の師匠、解王から伝授された「解王拳」を。・・それも、最低10倍以上の「解王拳」を・・。
215 :
マロン名無しさん :03/03/17 22:42 ID:doW2A4cl
>>214 本戦より、解説対決の方が行数が多い(w
かわいそうな慶次と巌・・・・
217 :
214の続き :03/03/17 23:30 ID:uVbTTMRn
いくさ場で鍛えられた慶次のコブシ。幾多の死線をその肉体で全て越えてきた野獣の拳である。 一発。たかが一発だが、今まで巌が与えてきた数十発のダメージを一撃でチャラにする威力を持つ。 ガクン。ヒザは折れる巌。(こ、こんなバカな、この私が・・) 現代最高の密偵能力を持つ忍者。 その体のみで生体兵器と戦いうる男。しずかなる狼、最強の傭兵。しかしそれすら、甘いというのか。 所詮、文明の利器が跋扈する軟弱な時代に生まれた自分である。男が男であった時代に生まれた慶次とは、 何かが根本的に違うのか・・。例え技量において上でも、「気概」と「覚悟」はそれを凌駕するのか。 「ぐおお・・」 必死で立ち上がり、「水」になろうとする巌。しかし心のうちに生まれた「恐怖」が それを許さない。慶次。野獣の動きで巌に飛び掛る。戦場の組み打ち術。現代で云う寝技・関節技である。 ガシリと巌の腕をつかむ慶次。「ふはははッ、忍び退治はお手のものよッ、俺も甲賀の出だからなあッ」 ・・こんな真剣勝負の最中でも、慶次は楽しそうだ。喧嘩は遊びである。そして、遊びは命懸けが一番面白い。 (負け、か)巌はクスリ、と笑う。いままでこんなに楽しそうに、命のやり取りをする人間を見たことが無い。 慶次。右腕を巻き込み、寝技に持ち込む。そのまま足で挟み込み、思い切り締め上げる。腕ひしぎ十字固め。 慶次。そのまま躊躇無く一気に叩き折る。ビキキッ。場内に気持ち悪い音が響き渡る。慶次は戦場の男である。 極めればただちに折る。剣を抜けばすぐさま斬る。現代の男の様な甘さは無い。命のやり取りが日常だからだ。 慶次と巌は立ち上がる。そして対峙する。慶次。ニカッと笑う。「この時代にも、良いもののふはいるなあ」 巌。その笑いに痺れてしまう。闘えない訳ではない。だが、こんな気持ち良い男の敵でありたくないだけだ。 「前田さん・・私の負けです・・。いやあ・・貴方に、男惚れしてしまいましたよ・・」 そして巌も笑う。 慶次。大きく笑う。「この大会が終わったら・・一献やるかね。良い酒が呑めそうだ・・」 笑ってうなづく巌。 審判。その様子を微笑ましく思いながら、大きく叫ぶ。 「勝負ありッッツ」 ・・前田慶次、ベスト8進出。
218 :
ふら〜り :03/03/17 23:38 ID:Wv+7/Y5e
慶次、涼やかですね……。
結ッッッちゃ〜〜〜〜〜〜〜く!!! 代わりに叫ばせていただきました。 解王拳燃え。
220 :
217の続き :03/03/17 23:49 ID:uVbTTMRn
(以蔵よ・・。解王拳は多用してはならん。その余りの威力にお主のノドが耐えられんのだ・・) ・・解王拳。全身の気をコントロールし、今の自分の解説力の何倍もの力を引き出す技である。 成功すれば解説のリズムも、スピードも演出効果も数倍になる。しかも、自分の忘れていた知識すら 脳の引出しから引っ張り出すことが出来る。正に無敵の解説術と言えよう。しかし。その絶対の力に、 本部自身のノドが耐えられない、というマイナス面がある。本部の師匠の解王の言葉を思い出す。 (以蔵・・。今まで会得した人間は一人しかいないこの技を良く身に付けた・・。だが、以蔵よ) 今まで封印していた解説術。師匠の言葉が頭に響く。(せいぜい10倍までにしておけ、いいな) ・・ノドが潰れるかも知れない。しかし、相手は解説力53万以上の怪物である。自分は6万そこそこ。 今まで、俺は自分の解説は世界一、いや宇宙一とも思っていた。しかし、この雷電という男は・・。 覚悟を決める。解説で負けるくらいなら死んだほうが良い。次の第三試合、陸奥九十九対リュウ。 この試合から使う。解王拳を。雷電の顔を見る。憎らしい程、余裕の表情。最早眼中に無いと言うのか。 本部。心の中で大きく叫ぶ。(ノド、持ってくれよッッ、10倍解王拳だッッツ)
221 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/17 23:57 ID:uVbTTMRn
ま、一回戦は軽めにね。なんとかこのスレ中に収めたいから、最初くらい短くしないと。 解説対決はバカらしいなあ、我ながら。何が解説力530000だ(笑)。 まあ、次の九十九対リュウはちょっと長くします。一回戦で長いのはこれくらいかなあ。 実は、このトーナメントは予選なんです。上手く話が出来ればの話ですが。あと私が逃げなければ。 次スレになっちゃうだろうけど、最終ボスは史上最ラスボスのあのお方の予定。そこまで行けるかなあ。
本部の現実逃避の産み出した妄想じゃないのか?>かいおう拳
いくらなんでも巌ヘタレすぎじゃないでしょうか、押忍。
>>207 基本的に「囚人」という枠でくくりたいので、その点だと奴らは違う。
ってか、あまりにも強すぎだし。
>>208 すんません、どういう漫画だかワカラナイ。
>>213 タイガーマスク読んでないからな…。
それに囚人ってのとは違うような。
参加者に『ハーメルンのバイオリン弾き』のヴォーカル追加。
あと、4名。
おもろい
解王拳を使うと古館伊知郎みたいになるのかな(w
227 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/18 07:40 ID:NGKd+CCH
223>>すまぬ。巌出したはいいがアイツ完璧すぎるんだよな。しかも別に必殺技も無いし。 本当素で強いキャラは書き難い。ま、次からは頑張りまする。 224>>じゃあ、ハンター試験の時のなんとかジョネスとか言うのは? 後、呼び掛け難いのでなんか名前を名乗ってくれるとありがたいっす。 このスレ内だけのコテハンね。 夜更新します。あ、じゃあ俺も次のシリーズで出して欲しいキャラをボチボチ募集します。 次のシリーズは「魔界編」。ラスボスは決定済み。大○○バ○○。分かるよね? 基準としては、このラスボスより弱くて悪い奴。後、範馬勇次郎と鬼龍も出演決定でつ。
228 :
マロン名無しさん :03/03/18 12:16 ID:NGKd+CCH
530000age
229 :
:03/03/18 14:08 ID:???
アカギの狂気プレイが見たいです
530000激ワラ DBからの引用とは・・・
斎藤一キボン
>>224 「死刑囚042」とかは?
あと、北斗の拳のハーン兄弟(強さも手頃)
234 :
220の続き :03/03/18 19:51 ID:NGKd+CCH
一回戦第2試合まで終了し、ほんの少しのインターバルの闘技場内。光成は上機嫌である。 次はいよいよ陸奥九十九とリュウの真の武道家対決である。片や、時代の影に生き、1000年不敗の 伝説を守り続ける陸奥九十九。片や、世界中を旅しながら己を高め続ける放浪の空手家リュウ。 一回戦の中でも屈指の好勝負と言えるであろう。子供の様にはしゃぐ光成。しかし、傍らの江田島。 (ぬう、急がねば・・闇の波動がますます強くなっている・・)脂汗をかいて独り言を言っている。 「平八よ。ワシとの間に隠し事は昔からない筈じゃ。そんな悩みか知らんが、言ってみんか・・」 光成にも悪い予感がある。平八という男は武闘派の様に見えるが、大儀なき闘いは嫌いな男である。 その男が急に、この大会への協力姿勢を示す様になった。勿論、光成との友情もあろうが・・。 何か急いでいる気がする。何かに怯えている気もする。範馬勇次郎と互角の力を持つ男が、である。 「フハハ。ワシが男塾塾長江田島平八であるッッ。男子万事において不動なり、悩みなど無いッッ」 「平八ッツ」光成が声を大きく上げる。江田島と睨み合う。・・そのまましばらく対峙。そして。 「この大会が終わってから話そうと思っていたが・・。この大会にはワシなりの目的があるのだ・・」 江田島。観念して話し出す。「この世界の強者の結集と結束・・。恐ろしい男が人間界を狙っている」 光成。驚きながら江田島に聞く。「狙われている?この世界が?何者じゃ、それの男は・・?」 「その男は人間界や魔界の悪を率いて、いずれこの人間界を襲いだすだろう・・その男の名は・・」 ゴクリ。光成が生唾を飲み込む。江田島が声をひそめて言った。 「魔界の神・・大魔王バーン・・」 ・・・。闘技場ではいよいよ第3試合、陸奥九十九対リュウの決戦が行われようとしていた。
235 :
234の続き :03/03/18 20:35 ID:NGKd+CCH
「青龍の方角より、ストリートファイター・リュウ選手の入場ですッッ」 実況が高らかに宣言する。大歓声の場内。 雷電はリュウの闘い方等の解説をしようとする。しかしその時。「リュウ。世界一ともいわれるストリートファイターだ・・」 本部。雷電の解説よりコンマ数秒早くリュウを解説する。雷電。(速い・・。かなりのスピードだ。しかし、急に何故・・?) その間にも本部の解説は続く。得意技の昇竜拳の事。師匠の剛拳の事。ライバルのケンやガイルの事。宿敵のベガの事・・。 雷電。本部の周りの気を見て驚く。(むう・・気が・・解説気が・・どんどん増大していく・・) 本部の解説力60000。 それが、120000・・180000・・まだまだ増大していく。(どういう事だ?これは・・)雷電に初めて焦りが浮かぶ。 本部は解説を一時中断し、雷電に向かって言う。この勝負で初めての優勢。本部の目は輝いている。 「驚かれましたかな?雷電さん・・確かに私は6万解説パワー。貴方は53万解説パワー。数字で見れば勝ち目は無い、しかし」 雷電。この状況でもまだどこかに余裕がある。底知れない男だ。だが本部。勝利を確信して言い放つ。 「いつもの2倍の言葉の多さで12万解説パワー。いつもの2倍のトークの速さが加わって24万解説パワー、そして・・」 本部。大きく叫ぶ。「いつもの3倍のアドリブを加えれば・・24万×3の・・あなたを上回る、72万解説パワーだッッ」 雷電。その言葉に確信する。(ぬう・・。ゆで物理学から異常な解説力のアップ・・。解王拳か・・。しかも12倍解王拳・・)
やめろ!本部! それ以上解王拳を使ったら死ぬぞッッ!!
やべ・・・ 本部が面白すぎ
238 :
235の続き :03/03/18 21:06 ID:NGKd+CCH
ゆで物理学。【キン肉マン】の作者である【ゆでたまご】氏の高い知性から生み出された、 独自の物理法則。一例として、「軽いモノより重いモノの方が早く地上へ落下する」や、 「地球が逆回転すると時間も逆回転して過去へ戻る」などがある。 (民明書房刊 ゆで物理学・・その驚くべき世界 より) ・・。雷電の脳裏に、上記の様な解説が浮かぶ。恐るべき解説の達人である。まさか。 「自分で自分自身に解説する」とは。世界で雷電だけの境地であろう。だがその達人も、 今は窮地に立っている・・はず。だが、その顔からはいまだ余裕が感じられる。一方の本部。 12倍解王拳による負担で、ノドがしきりに渇く。アゴが外れそうだ。舌が千切れそうに痛い。 それでも解説し続ける本部。ボロボロの状態。その本部の辛そうな顔を見て、雷電が言う。 「もう止めなされい、本部殿・・それ以上解王拳を使えば、貴殿の解説生命は終わりますぞ」 「ふふ、ギブアップですかな、雷電さん・・」 しかし。言葉とは裏腹に不吉な予感が走る。 なぜ・・門外不出の解王拳を・・知っているんだ? 一瞬の静寂の後、雷電の怒声が響く。 「いい加減にせんかッッ、邪拳に頼りおって。本部よ。貴様、解説道をなんと心得るッッ」 雷電の怒りのオーラ。その気がどんどん増幅していく。その様子を見て、本部は驚愕する。 (まさかそんな・・あれは・・あの解説気の増幅は・・解王拳・・)
239 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/18 21:14 ID:NGKd+CCH
さてラスボスも発表したしサクサク行きますよ、トーナメントと頂上解説対決。 でも「魔界編」は次スレだな。気が早いけど。しかし完全なネタ文になった。 死刑囚編の時の、柳の死みたいな真面目なのは多分出てこないぞ。分からないけど。 今回の方が書いてて死刑囚編の時の100倍楽しい。前回は皆様の期待が結構重かったけど、 (いや、嬉しかったんですが)今回は気楽に書いてます。期待しないで見守って下さいね。
240 :
ふら〜り :03/03/18 22:20 ID:0KTC0tM6
本戦が霞みかねない、解説対決の面白さ♪ 前から思ってましたが、パオさんって本当に芸幅広い ですね〜。シリアスもギャグも、読みやすい文章で且つ 面白い。尊敬しますっ。
前作にくらべると、果てしなく下らない。 だが、それがいい。
242 :
マロン名無しさん :03/03/18 23:19 ID:YARsz78Y
元気玉は出るかな?本部必勝祈願。
243 :
マロン名無しさん :03/03/18 23:24 ID:VJ0dzdUL
平八ってだけ見ると鉄拳の三島平八かと思った。
バーンって…オイオイ、そこまでイッちゃうのかよ(笑) なんつーか、『たけし』の魔界編みたいなノリになりそうだな。
245 :
マロン名無しさん :03/03/19 00:07 ID:6JXElBL1
メラゾーマを廻し受けで無効化する独歩とかが見れるんだろうか。
バギクロスでもイオナズンでもパルプンテでも撃って来いやぁ
247 :
マロン名無しさん :03/03/19 12:18 ID:gj+dGN0m
三島平八は塾長がモデルのはず。解王拳age
248 :
マロン名無しさん :03/03/19 12:40 ID:mUbEAX9j
勇次郎vsDIO
249 :
マロン名無しさん :03/03/19 13:31 ID:sjxS4TUE
, '´  ̄ ̄ ` 、
i r-ー-┬-‐、i
| |,,_ _,{|
N| "゚'` {"゚`lリ
>>1 や ら な い か
ト.i ,__''_ !
/i/ l\ ー .イ|、
,.、-  ̄/ | l  ̄ / | |` ┬-、
/ ヽ. / ト-` 、ノ- | l l ヽ.
/ ∨ l |! | `> | i
/ |`二^> l. | | <__,| |
_| |.|-< \ i / ,イ____!/ \
.| {.| ` - 、 ,.---ァ^! | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
__{ ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ____________|
}/ -= ヽ__ - 'ヽ -‐ ,r'゙ l |
__f゙// ̄ ̄ _ -' |_____ ,. -  ̄ \____|
| | -  ̄ / | _ | ̄ ̄ ̄ ̄ / \  ̄|
250 :
マロン名無しさん :03/03/19 13:55 ID:fzSIh5NI
ラスボスがバーンて・・・、なんかついて行けなくなりそうな予感。
魔界編・・・そこまでインフレした世界について行くことができるんだろうか・・・ 本 部 が
いくらなんでも、やりすぎだと思った。
いくらなんでも、やりすぎだと思った。 本 部 が
254 :
238の続き :03/03/19 17:07 ID:5P/vFlAk
「いい加減にせんかッ、邪拳に頼りおって。本部よ。貴様、解説道をなんと心得るッ」 雷電の怒声。そして。 雷電の「解説気」が限りなく増大していく。その圧倒的な気を見て、アイフルのCMの子犬の様に震える本部。 師匠の言葉が頭に響く。(以蔵。今まで会得した人間は一人しかいない、この解王拳を良くぞ身に付けた・・) まさか。まさか奴が自分以外に「解王拳」を身に付けたたった一人の男か。しかも、自分より上の習熟度で・・。 雷電の「解説気」は天井知らずで増大していく。いまや雷電の解説気で、闘技場全てが包み込まれていく様だ。 「くああ・・」本部はウメく。まるで捕獲寸前のアザラシたまちゃんの様に。その本部に会場内から罵声が飛ぶ。 「本部必死だな 氏ね ワラ」「本部ごときは雷電先生の足元にも及びません。エライ人にはそれが分からんとです」 「なぜ出て来たのかと小一時間ほど問いたい(以下 略)」 ウジ虫の様に湧いた酷いインターネットの軍団だ。 死者にムチを打たせたら世界一の軍団であろう。この連中にも大魔王バーンの「闇」が影響しているのだろうか。 更に。雷電の言葉が本部の心をズタズタに切り裂く。「大体今の拙者で解説力300万ほどか・・しかし本部殿」 雷電が本部を蔑んだ目で見る。止めろ、俺をそんな目で見るな。だがその眼差しのまま、容赦なく言葉は続く。 「拙者の師匠も解王さまでござる・・。だが、拙者は解王拳は3ヶ月で極め、1年で解王さまを超えた・・」 さ、3ヶ月だと?バカな、俺が5年掛かってやっと会得した解王拳を・・。雷電の「解説気」が静まっていく。 雷電。もとの解説力53万に戻って言う。「だがこの解王拳、所詮は邪拳。一瞬に全力を使いきってしまう・・」 カッ。雷電は目を見開く。「解説とは、試合最後まで解説仕切ってこそ解説。そんな事もわからんか、バカ者ッ」 「ヒ、ヒイイッッ」 奇声を上げヘタリ込む本部。誰が見ても勝負は付いた。いや、勝負にすらならなかったか。 雷電。怒りが消え、本部を哀れんで見る。「本部殿、解説の道はあきらめませい。貴殿に解説道は過酷過ぎる・・」 ・・・闘技場内。いよいよ、千年不敗の伝説、陸奥九十九の入場である。
255 :
254の続き :03/03/19 17:30 ID:5P/vFlAk
興奮の観客。ついに見れるのか、あの陸奥九十九を、この地下闘技場で・・。この男の伝説は数限りない。 千年不敗の古武術を使う男。全日本異種格闘技大会優勝。史上最年少・最軽量ボクシング世界ヘビー級王者。 そして。世界ヴァーリトゥード大会優勝・・。その男と、世界一のストリートファイターがこの場所で・・。 「白虎の方角より、陸奥九十九選手、入場ッ」 一斉に立ち上がる観客。その熱狂の中を、ついにこの男が。 九十九。空手着の様な道着を纏いゆっくり入場。まるで気負いは無い。しかし、その視線のまっすぐ先には。 リュウ。その視線を受け止める。(この道端の戦士の俺が、世界チャンピオンと闘るとはな・・)拳を見る。 おそらく、戦闘能力は俺よりアイツの方が遥かに上だろう。しかし、このコブシを信じる。この拳に宿る魂を。 師匠から譲り受けた「昇竜拳」を。・・九十九が闘技場内の真ん中に進む。リュウは静かに問い掛ける。 「やっと・・たどり着いたぜ。俺よりずっと強いと言えるヤツにな・・」 九十九。ニッ、と笑って言った。 「そのままでいいのかい、リュウさん・・。人のままじゃ、修羅には勝てないぜ・・」 その言葉に驚くリュウ。 (き・・気付いているのか?俺の奥に眠らせたモノに・・) リュウの奥に眠る、許されざるモノ。殺意の波動。 そして。審判が大きく叫ぶ。 「はじめいッッツッ」
256 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/19 17:34 ID:5P/vFlAk
続きは夜か朝にボチボチと。解説対決はちょっとお休み。本部はちゃんと反撃するんで。 魔界編は不評かな?ま、どのみちトーナメントはまだ10試合以上残ってるんで。 引き続き出して欲しいキャラは募集します。では。また次回。
257 :
マロン名無しさん :03/03/19 17:53 ID:3X0853hw
城石 一(殺し屋1)キボンヌ
258 :
マロン名無しさん :03/03/19 17:59 ID:4PufC585
フェイスレス指令(からくりサーカス)キボンヌ
ああああああ…本部、哀れすぎる… 最大トーナメント準々決勝第一試合を心待ちにしていて 試合が終わってしまった時の克己ファンの心境、今なら良くわかるよ…
260 :
マロン名無しさん :03/03/19 19:19 ID:fzSIh5NI
殺意の波動に目覚めてもリュウってあんまり強くならないけどね。 カプエスじゃ殺意になると総体力が減って逆に弱くなったりw
261 :
ihi :03/03/19 20:09 ID:bPBpcW8L
263 :
夜王 :03/03/19 21:34 ID:???
囚人トーナメントを企画してる者です。 以後はこのコテハンでよろしく。 >233 あ、それは考えたけど、他キャラに比べると見劣りするかなって事で見送りました。 それとハーン兄弟かあ。あれって2人で初めて実力を発揮する連中だからなあ。 >パオさん ジョネスとは随分渋いキャラ持ってくるなあ(笑) でも、こいつが他のメンツに勝ってる姿が思い浮かばない。 パオさんのネタをパクるようで申し訳ないけど、勝敗はコイントスで決めようと思ってるんで。 黒犬騎士団長・ワイアルド(ベルセルク)追加。 それと女囚がひとり欲しかったので、ロベリア・カルリーニ追加(漫画じゃないけど) ただヴォーカルは止めにしたので、現在13名。残り3名。
隆は殺意の波動もいいが「風の拳」も使ってホスィと言ってみるテスト。
今更だが、原作で負けない設定になっているキャラクターの場合 どうするんだろうね。
別に負けても良いんじゃないか? 二次創作なんだし。
267 :
255の続き :03/03/20 06:33 ID:6E0eedeP
実況が解説の雷電・本部に問い掛ける。「この試合の見所はどこでしょう?」 雷電。堂々と応える。 「九十九殿の炎の様な修羅の拳と、リュウ殿の愛しさと切なさと心強さをコブシに乗せた激情の拳・・。 そのぶつかり合いでござるな」 完璧。的確且つ明瞭。流れる様なリズム。ユーモアまで織り交ぜている。 一方の本部。必死に言葉を紡ごうとしているが、言葉はノドに詰まり出て来ない。口から空気が漏れるのみ。 雷電。本部を見、厳しく言い放つ。悪魔の様に笑いながら。何故か口調も少し変わっている。 「本部殿・・。ソロソロ見セテヤロウ。真冬ノ公園ノ寒サニモ勝サル、解説地獄ト言ウモノヲッッツ!!」 「ヒ、ヒイイッッ」 ガタガタ震える本部。しかし隣の冨樫源次は、相棒の雷電の様子を不信に思う。 (どうしたんじゃあ、雷電・・。力の差ははっきりしとる。そんな弱者をいたぶる様なマネを、お前が・・) ・・雷電。少しずつ犯されつつあった。魔界よりの「闇の気」に。 「はじめいッッツッ」 審判の言葉にザワめいていた場内は静寂に包まれる。一瞬たりとも目を放せない。 そんな雰囲気が闘技場真ん中で対峙する2人にある。5秒・・10秒。静かな緊張の時は流れる。しかし。 構えたまま動かなかった2人のうちの一方が、弾丸の様なスピードで飛び出す。一呼吸で間合いが詰まる。 (は、速えッ)驚愕するリュウ。防御の体勢に移ろうとするが、九十九のスピードはリュウのそれを上回る。 次の瞬間、リュウ。「ぐはああッッ」 体がくの字に折れ曲がる。九十九の中段下突き(ボディアッパー)。 強烈にリュウを貫いている。リュウ。必死に迎撃の裏拳を振り回す。だが、既にリュウはその場にはいない。 リュウの死角の右斜め後ろに移動している。神速。そして九十九の右下段蹴りが、リュウの内ももに刺さる。 体勢が崩れるリュウ。更にリュウのガードをかいくぐり、顔面へ正拳が爆発する。鼻血が噴出するリュウ。 (強え・・ここまで差があるのか・・) リュウ。たった三発の九十九の攻撃で、基本性能の差を思い知る。 リュウの心の奥の一番深い場所から声がする。(・・オマエジャ勝テネエ。オレヲ出セ、出シチマエ・・。)
268 :
267の続き :03/03/20 07:00 ID:6E0eedeP
九十九。攻撃の手を休め、リュウに言う。「出しなよ・・そのままじゃ、オレにはとても勝てないぜ」 ・・やはり気付いている、この九十九とか言うヤツは・・。俺の中にいる別人格、殺意の波動を・・。 リュウ。黒い衝動を必死に振り払う。九十九と距離を取り、全身の闘気を練り上げ、手先に集中させる。 「波動拳ッッ」リュウの手から青い火の玉の様なモノが吐き出される。波動。闘気の塊。高速の物体。 しかし。九十九は詰まらなそうに言う。「出さないって言うなら・・引っ張り出すしかないか・・」 九十九を襲う波動拳。しかしそれが命中する瞬間、九十九の姿がフッ、と消える。驚愕のリュウ。 九十九。波動拳を横っ飛びで避け、リュウとの間合いを再び詰める。そして怒涛の連打がリュウを襲う。 九十九の正拳と蹴り。上段・中段・下段と次々にヒットする。防戦一方のリュウ。サンドバッグ状態。 「スゲエ、決まっちまうぜッッ」 観客の悲鳴。確かに九十九の方が有利だろう、と前評判はあった。 しかし、これほど力量差があるとは・・。解説の雷電。「攻撃力、速度、技量。差があり過ぎる・・」 本部。口をパクパク動かすが、声を出せない。こちらの方の解説対決も力量差があり過ぎる。 そしてついに九十九の後ろ回し蹴りが、リュウの側頭部にクリーンヒットする。ゆっくり倒れるリュウ。 「リュウ選手、開始1分足らずでダウ〜ンッッ」 リュウ。倒れながらも心の黒い物を必死で抑える。 九十九はダウンしたリュウに言う。「そろそろ出さないかい・・」 だがリュウ。必死に立ち上がり言う。 「ヘヘ、強いなあ、アンタ・・。だがよ、俺にも取っておきがあるんだよ・・。見せてやるよ、昇竜拳ッ」 九十九。構えた両腕の下からギラリ、と修羅の目が光る。「出さないのかい・・。じゃあ、いくよ・・」
269 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/20 07:04 ID:6E0eedeP
今日中に第三試合は終わらせたいなあ。多分夜には書けます。結局毎日更新だw。
なんかリュウの口調がゲームとかと全然違う…
271 :
マロン名無しさん :03/03/20 11:32 ID:QPsR93de
アシュラマンの参加を熱望。
272 :
マロン名無しさん :03/03/20 11:38 ID:S5j7Q8U4
>>271 ハゲドウ でも直撃世代としてはある程度の重みを持った役回りにして欲しいな
キン肉ストーリーのどこのアシュラを起用するかってのも一考が必要だな
273 :
マロン名無しさん :03/03/20 16:41 ID:/9Erx7F2
タッグトーナメントの時がいいな。強かったし悪だったし。
274 :
268の続き :03/03/20 19:04 ID:6E0eedeP
リュウが呼吸を整える。昇竜拳。しかし、素直に昇竜拳を放ったところで、神速の動きを持つ九十九に通用するだろうか。 リュウは策を閃く。2段構え。波動拳と昇竜拳のコンボ。この2大必殺技の同時攻撃ならいくら九十九でもかわせない、筈。 一瞬不安が過ぎる。この攻撃が通じなければ、自分の持つ技は一切通用しないという事になる。静寂。対峙したままの2人。 解説が静寂に耐え切れず、解説2人聞く。「2人とも動かなくなりなりましたが、これはどういう事でしょう、本部さん?」 本部。ビクリとする。クチビルがプルプル震える。な、何か言わなくちゃ。でももう失敗は許されない。雷電が見てる・・。 本部、やっとの思いで言葉を絞り出す。「ふ、ふしゅるしゅる・・」 意味不明の言葉。一瞬、唖然とする場内。しかし。 「本部、シコル祭りキタ━━(゚∀゚)━━━ !!」 酷いインターネットの連中が騒ぎ立てる。抵抗できないヤツは徹底的に叩く。 正しく鬼畜。静寂から一転して狂乱の場内。シコル祭りの始まりだ。本部はすでに涙目。雷電。泣き濡れる本部に言い放つ。 「愚かな・・。解説どころか試合を妨げる様な発言・・。もはや貴様に解説席に座る資格無し・・。消えうせいッッツ」 「ウヒャアッウワーン」 本部は泣き叫びながら闘技場を逃げ出す。酷いインターネット連中は、本部発狂祭りに雪崩れ込む。 冨樫。雷電に聞く。「おい、ちょっと言い過ぎなんじゃねえか。あのオッサン、泣いてたぜ・・」 雷電はゆっくり言った。 「富樫。解説の道は重き荷物を背負い、高き山を登るが如き厳しく遠い道・・。ここで終わるのならそこまでの男でござる」 冨樫はその言葉に納得する。しかし富樫は見逃していた。・・雷電の顔に、ドス黒い笑みが浮かぶのを。 ・・・。そして、闘技場内の陸奥九十九とリュウ。ついに動き出す。リュウが仕掛けたのである。
275 :
274の続き :03/03/20 19:35 ID:6E0eedeP
「本部祭り」により狂乱の場内でも、この2人の間の空気の緊張感は変わらない。リュウ。体中の闘気を練り上げる。 それを己の掌へ集める。2発分。波動拳と昇竜拳。外したら終わりである。リュウがつぶやく。(いくぜ、俺の相棒・・) カッ。目を見開くリュウ。 「波動拳ッッ」 闘気の塊が九十九を目掛けて飛んでいく。九十九。ニッ、と修羅の笑み。 「同じ手を繰り返すのかい?」 波動拳をギリギリでかわす九十九。・・勝負あったかに思われた。しかし、リュウは。 「喰らえ、昇竜拳ッッ!!」 九十九。リュウの思いも掛けぬ昇竜拳の仕掛けに一瞬の驚愕が走る。「波動拳と・・!?」 リュウ。昇竜拳の必殺の間合いを作り出す為に、波動拳を捨石にした。波動拳の陰に隠れ、自分もダッシュしたのである。 リュウが正しく昇竜になる。全身から溢れ出るオーラ。特に右拳には、禍々しいほど闘気が集中している。地を這う拳が、 そのまま竜巻とともに天へ駆け上がる。狙いは九十九のアゴ先。必殺の間合い。これを喰らえばいくら無敗の男でも・・。 しかし。リュウは見た。ゼロコンマ数秒の間に、九十九が修羅の笑みをニッと浮かべるのを。九十九のアゴまで数センチ。 絶対に避けられないはずの間合い、昇竜拳のスピード。しかし、その一瞬。九十九の神速の動きは更に跳ね上がった。 シュババッ。竜巻を共に天を駆け上がる龍。しかし、驚異的な跳躍を極めた龍は、哀しくも獲物を捕らえる事は無かった。
276 :
275の続き :03/03/20 19:35 ID:6E0eedeP
九十九に修羅の笑み。そのホホは真っ赤に染まり、昇竜拳の威力を物語る。だが、同時にそれは昇竜拳が神速に敗れた証。 リュウ。昇竜拳を放った後は、全てのパワーの放出により一瞬無防備になる。その機を逃す修羅ではない。リュウの着地。 それと同時に一気に間合いを詰める修羅。(終わりか・・) 目を瞑り覚悟するリュウ。何も通用しなかった。何も・・。 リュウの道着を左手でつかみ固定する。そして右手で拳を造り、リュウの胸に密着させる。ゼロの間合い。そして一気に。 全てのパワーを放出する。虎砲。九十九の必殺の一撃。密着したままのコブシから一トン近い衝撃を放つ、かわせない拳。 ・・。リュウの胸がコブシ大に陥没する。血を吐くリュウ。そして・・。闘技場の床に、ゆっくりと身を預ける。ダウン。 審判。その様子を見て、右手を上げようとする。 「し、勝負あ・・」 しかし九十九。その言葉を制して言った。 「・・まだ終わってない」 そして厳しい視線をリュウに向け続ける。構えを取ったままで。リュウ。ピクピクと動き出す。 リュウの顔がドス黒く染まりだす。目が血の様に赤くなる。・・特別席の江田島平八。そのリュウの変化に驚愕する。 (さ・・殺意の波動・・もうこんな影響が・・近いのか、魔界の門が開くのが・・)
277 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/20 19:45 ID:6E0eedeP
戦争だというのにこんな駄文書いてていいのか・・? 数万人の虐殺が始まるというのに。 こんな人気の無いスレ(にんき、でもひとけ、でも可)に時間使ってていいのか・・? アメリカの三権分立も落ちたのう。タカ派大統領に牛耳られて。今日は敗戦記念日だな、 国連のアメリカに対する。本当に鬱だ・・。スレ違いと思いつつも書いた。すみません。 270>> すみません。このリュウは神崎氏のマンガのリュウを参考にしてます。 ゲームのリュウって言ってる事ジジ臭いんで。 ではまた。戦争反対。
本当にスレ違いだからそういうことは書き込むな
280 :
276の続き :03/03/21 04:59 ID:kwKjIkQN
とぼとぼと負け犬の様に闘技場を後にする本部。各選手の控え室の前を通りがかる。 その時、ある選手の控え室から、太い男と女の様に妖しく美しい男が出てくるのが見えた。 松尾象山と姫川勉である。象山は上機嫌だ。「いやあ、いるもんだねえ、天才ってヤツは・・」 姫川。厳しい顔である。圧倒的な才能を見せつられたのだ。象山は言う。「欲しいな、ウチに」 姫川は応える。「どうでしょう。彼は確かに天才ですが、例え館長でも制御出来ぬ男です・・」 象山。無邪気にに言う。「ま、そうさな。しかし巽との闘い、ひょっとしたらひょっとするぜ」 ・・アカギか。俺の様に無様な男もいれば、こんな天才もいやがる・・。本部は涙が止まらない。 象山と姫川が見えなくなる。その場につっ立ったままの本部。最早歩く力も出ないのだ。不意に。 ギィ、とドアが開く。アカギである。本部と視線が合う。「クク、ヒドイ顔だ、負けたのかい?」
281 :
280の続き :03/03/21 04:59 ID:kwKjIkQN
アカギ。いつもの冷笑。本部。その言葉に感情が溢れ出る。「ア・・アンタにゃ分からない・・」 アカギはその本部を黙ってみている。「アンタに・・へこたれる人間の気持ちが分からない・・」 顔が涙でくしゃくしゃになっている。「アンタは・・天才だから・・何でも出来る人だから・・」 本部。遥かに年下のこの男に、全てをブチまける。全てを掛けた解説対決に敗れた事。無様な姿。 「ワシは三流だった・・あの男の足元にも及ばなんだ・・恐いんだ、解説が・・失敗しそうで・・」 アカギ。この男らしからぬ優しい視線で本部を見る。そしてポツリと言う。「決めるなよ・・」 「・・え?」 不意のアカギの言葉。アカギは続ける。「自分が勝てないなんて決めるなよ・・」 本部は叫ぶ。「バカな、相手は圧倒的に格上・・勝てる訳は無い・・また失敗して、傷ついて・・」 「それもいい・・。傷付きは奇跡の素。最初の一歩・・世間で言う所の敗北や失敗の人生もいい・・」 本部はアカギが何を言っているか分からない。このずっと年下の天才は何を言っているんだろう。 「むちゃくちゃ・・。敗北や失敗の人生を繰り返したら・・軽んじられ・・疎まれ・・嫌われ・・ そんなハメにおちいる位なら・・まだ今の方が・・まともと言うか・・」 アカギへ反論する本部。 しかし。その「まとも」と言う言葉。アカギ。まるで世の為りを説く高僧の様に静かに言う。 「知ってる・・?本部さん、それだぜ、そのまともってのが・・アンタを苦しめているモノの正体・・」 言葉の出ない本部。アカギ。「さあ・・もう漕ぎ出そう・・いわゆるまともから放たれた人生に・・」
282 :
マロン名無しさん :03/03/21 05:01 ID:c9nIWyF6
283 :
281の続き :03/03/21 05:22 ID:kwKjIkQN
東京ドーム近くの公園。そこで本部がベンチに座り、タバコを吹かしている。思案顔で。 頭の中では、先程アカギに言われた言葉が鳴り響いている。遥か年下の天才に言われた言葉を。 さあ・・ 漕ぎ出そう・・いわゆる「まとも」から放たれた人生に・・! 無論・・ 気持ちは分かる・・ 誰だって成功したい・・ 分かりやすい意味での成功・・世間的な成功・・! 金や地位 名声・・・ 権力 賞賛・・・ そういうものに憧れる・・ 欲する・・! けどよ・・ ちょっとかえりみれば分かる・・ それは「人生そのもの」じゃない・・! そういうものは全部・・ 飾り・・! 人生の飾りに過ぎない・・ ただ・・ やる事・・。 その熱・・。 行為そのものが・・ 生きるってこと・・! 実ってヤツだ・・・!! 分かるか・・? 成功を目指すな・・ と言ってるんじゃない・・! その成否に囚われ・・ 思いわずらい・・ 止まってしまうこと・・ 熱を失ってしまうこと・・ これがまずい・・ こっちの方が問題だ・・! いいじゃないか・・・! 三流で・・・! 熱い三流なら・・ 上等よ・・!! まるで構わない・・ 構わない話だ・・ だから・・ 恐れるなっ・・・!! 繰り返す・・!! 失敗を恐れるなっ・・・・・!! 本部の中で何か熱いモノがふつふつと湧き上がる。解説の道へ入った時の夢。立ち上がって叫ぶ。コブシを振り上げる。 「俺は、解説王になる男だッッツ!!」 そして闘技場へともう一度歩き出す。もう迷いは無い。失敗も敗北も恐れない。 ・・・本部以蔵、再び戦場へ。
284 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/21 05:25 ID:kwKjIkQN
ダラダラ続く。流石にお客さんへってきたなあ。別にいいけど・・。アカギばっか出てくるな。
285 :
マロン名無しさん :03/03/21 08:36 ID:wRt7uYIz
>>パオさん 書き込みは少ないけどROMはかなりいると思うよ。オレとかもそうだし。
少し進展があれば(例えば、また一試合終わるとか)、感想レスも増えると思われ。 正直、ちょっと読むたびにちょっと感想書くってのもキツイし。 感想のネタが切れるというか…(w
287 :
マロン名無しさん :03/03/21 11:53 ID:xcZETSQZ
>>パオさん 本部の繰り出す福本節が全く違和感なくて笑えたよ 本部の輪郭線が激しく歪んでる様が自然に思い浮かべた
本部って、福本が書いても違和感無いよね。多分
289 :
マロン名無しさん :03/03/21 17:58 ID:VqxBaCxY
パオ氏>>前の作品とは違う意味で楽しみにしてますよ。今回も面白い。 まさかここで福本史上最高の名セリフが出るとは(俺はそう思ってる) 本部ガンバレ ところでパオさんと一尺八寸て同一人物ですか?(゚∀゚)ニヤリ
↑マジかよーーーーーーーーー!!! 武道板で伝説の「ヨーダ」「ゴリラ的直感」などの言葉を残した!!?
レスが少ないといわれ慌ててレスをつけまくるのもイタイ・・・。
292 :
283の続き :03/03/22 06:03 ID:LenJvPDI
闘技場廊下。2人の男が対峙している。1人はギブスをした男。1人は腰まで長い髪の黒服の男である。 ギブスの男は言う。「なるほど。魔界の一番手はあなたと言う事か・・」長身の男が冷笑しながら言う。 「ククク。そして私で最後だ・・。貴様ら人間如き、バーン様の手をわずらわす事もない・・」 長い髪の男。異様なマスクをしている。・・元戸愚呂チームの妖怪、鴉である。そしてもう1人の男。 一回戦で慶次に敗れた高槻 巌である。巌は言う。「はじめていいと言う事かな・・。出会った以上・・」 鴉。見下した様に言う。「ククク。私も1人で貴様らを皆殺しにしないといけないからな。そら・・」 鴉が右手を前に出し、掌を広げる。巌の足元でバンッ、と言う破裂音。下のコンクリートに穴が開く。 「見えなかったろう・・。私は妖気で爆弾を作り出し、支配できる妖怪だ・・。そろそろ殺すぞ・・」 バンバンバンバン。連続した爆発音が響き渡る。だが巌。蜃気楼の様にゆるゆるとした動きで全てかわす。 「なっ・・何故当たらんッ」 驚愕の鴉。「感じるのさ・・。闇の中、白々とした邪悪な殺気をな・・」 巌の陽炎の様な動き。まるで事前に爆弾の位置を察知している様にかわしていく。正に水の動き。そして。 巌の動きが水から疾風に変わる。鴉との間合いを一気に詰める。そして更に巌の動きが変わる。烈火へと。 「ぐああッッツ」鴉の悲鳴。巌の正拳下突きが水月に決まったのである。「貴様・・殺すッッ」鴉が叫ぶ。 マスクを外す。髪の毛が黒から茶色に変わる。妖気が強力になっていく。口から体内に火気物質を集める。 「こおおおッ」 まるで鴉の体全体が強力な火薬庫の様。だが巌。顔色一つ変えない。スーツのポケット。 そこより。あの秘密兵器を取り出す。
293 :
292の続き :03/03/22 06:03 ID:LenJvPDI
そこより黒く、禍禍しい物体を取り出す。・・ジャバウオックの爪である。そして再度間合いを詰める。 鴉が闘技場の廊下を爆発させようとする。しかしそれより一瞬早く踏み込む巌。日本刀の居合の構え。 斬。一閃の剣。シュパッと空気を裂く音。巌の爪が鴉を切り裂いている。血を噴出し倒れる鴉。勝負あり。 鴉。「クク・・。私より強いのは魔界にはゴロゴロいるぞ・・貴様ら人間界の邪悪も結集しつつある・・」 そして動かなくなる。巌は鴉に向け目を閉じる。・・背後から気合のこもった声。「見事である、巌ッ」 江田島平八が立っていた。巌は笑って言う。「お恥ずかしい・・。あなたなら、剛拳一発でしょう・・」 巌は江田島の密偵を命じられ、トーナメント参加者を装い、大会を魔界から監視していたのである。 「スマンのう。本気を出せばお主の優勝だったろうに・・。」「本気でしたよ。あの人は見事でした・・」 江田島。その言葉には答えず言う。「急がねばイカンのう・・。そら、そろそろ三回戦の終わる頃だ・・」 ・・闘技場内では、陸奥九十九とリュウの闘いに決着が付こうとしている。
294 :
292の続き :03/03/22 06:31 ID:LenJvPDI
虎砲。その技により倒れたリュウが起き上がる。「殺意の波動」に染まりながら。 リュウ。先程と目の色が違っている。気配も違う。・・そして急にリュウの前蹴りが飛ぶ。 金的。そこを寸分違わず狙う。下段受けでガードする九十九。更にリュウのニ本指貫手。 正確に九十九の目をエグリにいく。ニッ、と笑いながら紙一重でかわす九十九。 雷電。「ぬう・・。先程からリュウは、決まれば後遺症の残る攻撃ばかり仕掛けている・・」 会場から汚いぞ、と声が飛ぶ。しかし九十九。「それが武道だよ、ゲームじゃないんだ・・」 リュウ。その言葉にニヤリ、と笑う。・・そして殺意の波動が全開になる。動きが変わる。 瞬獄殺。闇の拳が次々と九十九を襲う。ナマス斬り。血を辺りに撒き散らす九十九。だが。 「甘いな・・。あんたは鬼に成り切れていない・・そんなんじゃ、修羅に勝てないぜ・・」 リュウ。その言葉に反応する。確かに今は殺意の波動に染まっているが、その下では。 本来の「真の武道家」を目指すリュウがもがいている。その相克の為、鬼に成りきれない。 ・・リュウの「瞬獄殺」の前に防戦一方に見える九十九。だが。「じゃあ・・いくよ・・」 そう言うと九十九。瞬獄殺の拳を構わず踏み込んでいく。そしてリュウの胸にヒジを叩き込む。 吹き飛ぶリュウ。「陸奥園明流肘技・・蛇破山」九十九のヒジ技。その一閃。リュウはダウン。 リュウの顔から殺意の波動が消える。中途半端な殺意ではこの男に通用しなかった。力量の差。 朦朧とする意識の中、リュウの師匠、剛拳の言葉が彼の脳裏を過ぎる。 (なあ・・リュウよ。拳の理想ってなんだと思う・・? そいつァな、風よ・・風の拳よ・・)
295 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/22 06:38 ID:LenJvPDI
289>> 笑ったよ。個人的に今年一番笑ったレスですよ。その後怒りが込み上げたが。 違います。お客さんに申し訳ない言い方ですが、失礼だあなた。 あとすみません。無理にレスを欲しがる様な事書いて。 でも、誰も見てないんじゃないだろうか、と言う疑問はいつもあります。応援してね。 あと陸奥エン明流、の「エン」の感じが出てこない。国構えに員の字。誰か教えて下さい。では。
ATOKで部首検索して拾ってきました。 ↓ 圓 これだよね。
297 :
296 :03/03/22 06:46 ID:???
って、よく見たらわざわざ部首検索なんかしなくても「えん」で普通に 変換できるな>ATOK
298 :
マロン名無しさん :03/03/22 07:07 ID:TlfWiISE
299 :
マロン名無しさん :03/03/22 14:48 ID:naJCmjAe
あんまり調子に乗られてもキモイもんがあるな
なんかファミコンジャンプみたいなノリになってきたな。
面白ければそれでよし! それが二次創作の唯一のルール! もっと調子に乗って下さい!!
個人的に巌フォローは嬉しい。静かなる狼スレの住人としては。
二次創作にしちゃ凝る部分が偏っていて見苦しい。くさい。 変な格闘リアリティは切り捨てて、もっとパロディ感を前面に押し出してくれ。 1レスで1試合の決着がつくようにしてくれると手軽でありがたい。
>1レスで1試合の決着がつくようにしてくれると手軽でありがたい。 それはかなり寒いと思われ。 面白い話作るにはそこそこのテキスト量が必要。
305 :
マロン名無しさん :03/03/23 04:41 ID:TWqjD6VA
306 :
マロン名無しさん :03/03/23 05:44 ID:FR105uIt
色々とごちゃごちゃ五月蠅いのが増えてるが、パオ氏はプロじゃねーんだぞ? ここは現状ではパオ氏の2次創作を楽しみつつ、参加者は感想・リクエストなんかをマターリ レスするスレッドなんだよ。1スレッド消費しても文句言われない程度には固定参加者 (ROM含めて)もいる。スレを面白くするために敢えて苦言を書く必要性は否定しないが、 非生産的な誹謗しか書かないヤツは、ここはこういうスレなんだと納得して去るか、 自分で面白いモン作ってパオ氏と張ってみりゃ良いじゃねーか。勿論他スレでな。
>>パオ氏 ムカついて思わず言いたい事言っちゃったが、これで余計に荒しを釣っちゃったらスマソ。
308 :
マロン名無しさん :03/03/23 06:18 ID:GBSpuuAr
309 :
マロン名無しさん :03/03/23 09:22 ID:kqlqL4B7
306に同感かな。 毎日楽しみにしてるけど今回のレスでパオさんの書く意欲が無くなるんじゃないかと心配してます。出来れば周りの雑音は気にしないで面白い作品を作っていって欲しい。初めて書き込みしましたが、私と知り合いの何人かはいつも楽しませてもらってますよ。
310 :
マロン名無しさん :03/03/23 10:34 ID:sGwR0wzs
外見はやっぱキモヲタなのかな?
313 :
マロン名無しさん :03/03/23 16:42 ID:+YlAZQ0k
306さんと309さんに同意。 出来れば毎日更新して欲しい。こちらのわがままで申し訳ありませんが。 パオ氏、嫌がらせカキコは2ちゃんねるにつき物です。このスレが人気ある証拠。 気にしないでこれからも楽しませてくださいね
314 :
マロン名無しさん :03/03/23 16:55 ID:Ng1ZVb4q
昨日今日とパオこないからなぁ・・・煽りにやる気うせてやめてしまったのか?
315 :
313 :03/03/23 17:17 ID:+YlAZQ0k
黒帯研究会の人もスペック外伝の人も消えちゃったしな。パオ氏が最後の頼りなのに。 終っちゃうんだろうかこのスレ。今一番好きなスレなのに…あ、夜王さんも期待してますよ。
316 :
マロン名無しさん :03/03/23 18:57 ID:63lW3fIX
ま、もしパオ氏があの程度の煽りで来なくなるようならどっちみち長くは続かないだろう。 続きを楽しみにしてるものとしてはそうでないことを願うだけだな。
会社帰りにネットカフェ寄ってるんで休日は来ないとか。
318 :
夜王 :03/03/23 21:30 ID:???
>>パオさん
お、「風の拳」出て来ましたね。
第三試合もまもなく結着ですか。
あと、巌がちゃんとフォローされてるのが嬉しかった。
鴉より強い狼に萌え。
>>273 デビルリバースかー、そいつは気付かなかったぜーッて事で、
かなり参加させる気マンマンなんですが、こいつ難しいなー。
運まかせのトーナメントにすると、最悪の場合こいつが優勝さらっていくのか。
そんなの書いても明らかに面白くなさそう。
全員踏みつぶされて終わってしまう。
やっぱここは、ちゃんと筋書きを決めて書いた方がいいかな。
あと、パオさんリクエストの解体屋ジョネス、暫定参加決定。
もっともどういう扱いになるかは、フタを開けてのお楽しみ。
これで枠はあとひとつ。
このスレでやるとパオさんの妨げになるかも知れないから、次スレでやろうとか考えてます。
>>94 その豪放に過ぎる笑い声に、スペックは思わずそちらに視線を向けた。
銃器を構えていた店員達の壁を割り、一人の男が無造作に半円の中に入り込んでくるところだった。
身長は店員達より頭一つ分高く-しかし、スペックよりは小柄だったが-、ゆったりとしたタキシードを
無駄なく着こなしたその男は、実に余裕たっぷりの表情でスペックの前まで歩を進めてきた。
ポケットに手を突っ込み、顎を心持ち上向けた男は、笑みを浮かべたままスペックを見下ろす。
「俺はエドワード・フィルス。ここの用心棒をやらせてもらってル」
フィルスはそこで言葉を切る。
だが、スペックは、まるでその言葉の意味がわからないかのように、猫の笑みを口元に浮かべたまま無言だった。
しばしスペックの返事を待っていたフィルスは、ほんのわずかに失望したといいたげに眉を曇らせる。
「オイオイ。こっちは名乗ったんだゼ・・・そっちも名乗るのが礼儀ってものじゃないかネ?それとモ・・・・
私のいっている言葉が分からないのカ?」
だが、スペックは無言のままスツールに腰を落ち着け、フィルスを上目遣いに見上げているだけだった。
さっぱり反応のないスペックを見下ろしていたフィルスは、あからさまにため息をつき、肩をすくめて
うんざりしたような口調で独語した。
「どうやらこいつはただの白痴らしイ・・・・それとも、恐怖で震えているのカ・・・・・どっちにしてモ」
じろりと、フィルスはバーテンダーを睨む。
「こんなことで、お前は我々を呼び出したのかネ?」
蛇に睨まれたかえるのように、全身をギクリと硬直させたバーテンダーは、必死で何かいおうと口をパクパクさせた。
いえ違うんですミスターフィルスこいつはただのチンピラでも頭のおかしいレスラーでもないんですこいつはきっと
この店に禍を齎すためにやってきたんですどうかこいつの反応にだまされないでくださいお願いします
バーテンダーの頭の中で、言葉だけが高速で空回りしてゆく。
>>319 だが、彼が何か一言を辛うじて喉の置くから搾り出す寸前、フィルスを見上げているだけだったスペックが、
ぼそぼそと何かを呟いた。
「・・・・・・・・。・・・・・・・、・・・・・・・?」
「ン?何だっテ?」
よく聞き取れなかったフィルスが、顔をスペックに近づける。
その瞬間。
ぶん、と音がして、スペックの右腕が唸った。
座ったままの体勢から、腰と手だけを動かし、スペックはフィルスの顔面に一撃を叩き込む。
コンマ数秒遅れて、金属を引き裂くようなフィルスの絶叫が店一杯に木霊した。
フィルスの顔面に、スペックの拳がめり込んでいる。バーテンダーは、最初そう思い込んだ。
いや、拳がめり込んでいるのではない。
掌が、かがんだ姿勢のフィルスの顔に張り付いているのだ。
そして、フィルスの顔面から鮮血がぼたぼたしたたり落ち、フィルスはこの世の終わりを目の当たりに
したかのように絶叫しつづけている。
そして、バーテンダーは真っ白になりかけた頭の中で妙なことに気がついた。
・・・あれ?あの男、指が3本しかなかったっけ・・・・・?
フィルスの顔面に張り付いている掌、そこから伸びている指が親指と中指、そして小指だけだったのだ。
・・・いや、違うぞ。あの男の右手には確かに指が5本あった。それはさっきボトルをとられたときに見てる
から間違いないはず・・・・じゃあ、のこりの人差し指と薬指はどこにいったんだ?
バーテンダーは、必死で考えつづけていた。
あるいは、それは彼にとって目の前の事態を受け入れたくないがための現実逃避だったのかもしれない。
そして、バーテンダーの心の奥はその正解を承知していた。
>>320 グニュゥゥウ。
嫌な音を立てて、フィルスの体が持ち上がってゆく。
心を引き裂かれるような絶叫を上げたまま、フィルスはなす術もなくスペックの掌に顔を張り付かせたまま。
-いや、ただ掌が張り付いているのではない。
スペックの人差し指と薬指、それがフィルスの両目に突き刺さっているのだ。
だから2つの指が消えうせたかのように見え、なおかつフィルスはスペックの掌から逃れることが出来ないのだ。
それを心の奥底ではなく、意識の表面で理解したバーテンダーは、全身の力が一挙に抜けるのを感じた。
カウンターの奥にへたり込み、失禁するバーテンダーを横目でみながらスペックは、100キロ近いフィルスの
重量をものともせず、実にさりげない動作で立ち上がり、銃器を構えた店員達-その半数近くはフィルスの手下だ-
に向き直る。
そして、ニヤリと笑って言い放った。
「楽シマセテクレヨ・・・・ボウヤ達・・・・・」
店員の一人が、あまりの酸鼻に絶えかねて、手にしていたレミントンのショットガンを発砲する。
それをきっかけにして発生したなだれのような射撃が、一斉にスペックに襲い掛かった。
だが、スペックはまったく慌てる風もなく、ひょいと2本の指で支えているフィルスの身体を自らの前に
持ち上げる。
9ミリパラベラム、38スペシャル、45ACP、12ゲージバックショットといった、ありとあらゆる銃弾が、スペックではなく
その前に連れ込まれたフィルスの肉体に次々と叩き込まれていった。
地獄のような痛み、それを不意に断ち切るかのように全身に熱い何かを浴びたフィルスは、そのとき自らの
人生の終わりを悟ることとなる。
生涯の最後に思ったことは、目の前の怪人のことではなく、故郷に残してきた一人息子のことだった。
・・・・リチャード・・・パパはここでぼろくずのように死んでいク・・・・・お前は俺のような人間になるナ・・・・。
スペック(・∀・)イイ!! この調子で頑張ってください。
323 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/23 23:55 ID:xVQHoZYe
申し訳ない、心配をお掛けしまして。3連休旅行にいっており、書き込み出来ませんでした。 明日からちゃんと復活いたします。パート4くらいまでは頑張りまする。 夜王様、ご参加楽しみにしております。あと、風の拳ってウロ覚えなんでもしかしたらあなたの 思っているものと違うかもしれません。ご了承のほど。 スペック外伝の方、お疲れ様です。面白い。続き頑張ってください。バキスレは俺さんも帰ってきて。 今日は旅行疲れでちょっと書けませんが、明日から書きます。期待しないで待っててください。
そうだよな。まともな日常生活送ってるなら休日は出かけたりするよな。 引き篭もってるから想像も出来なかったよ・・・
325 :
マロン名無しさん :03/03/24 12:54 ID:ZztO+nho
パオさん復活嬉しいです。part4までとは言わず10位まで頑張って欲しい。 応援してます。スペック外伝の人も頑張ってね。 魔界編、白面キボン。
いや、白面は無茶だろw そもそもバーンより強いし。
>>325 頑張って欲しいのは、俺もそうだけど。
10まで続けるって言うのはさすがに・・・・
328 :
ふら〜り :03/03/24 21:27 ID:Asms9oiW
>スペック外伝 い、痛そう……なのでこの後、店員たちがどうなるのか 楽しみです♪ にしてもフィルス、ですか。う〜む。 >パオさん 私のイメージとしては、「風の拳」は剣心で言うところの 「緋村剣心より強い抜刀斎より強い緋村剣心」な感じです。 殺意の波動を越えた、何か。 リュウは、その拳で修羅を越えられるかっ!? 手に汗握って 待ってます!
329 :
294の続き :03/03/24 22:13 ID:Jaw0c3YK
(なあ・・リュウよ。拳の理想ってなんだと思う・・? そいつァな、風よ・・風の拳よ・・) 脳裏に木霊する師、剛拳の言葉。リュウは今、九十九の陸奥圓明流肘技・蛇破山により、闘技場の 砂にまみれている。後ほんの数秒、そのまま寝ていたらノックアウト負けがコールされるであろう。 ・・幼き頃。リュウとケンが師・剛拳の前で正座をしている。リュウには疑問があった。強さとは何か。 一撃必殺とは何か。拳を極めた先には何があるのか。そして、真の格闘家とはどういう男なのだろうか。 そのリュウの。その疑問に対しての剛拳の言葉が「風」である。答えになっている様な、いない様な。 (一撃必殺ってのは風よ・・。時と共に、人と共に、場所と共に・・。形なく無限に移り行く風だ・・。 リュウ。一撃必殺っていっても、完成は無い。古い一撃必殺は新しい一撃必殺へ受け継がれていく・・) ・・幼き子供の時に聞いた師の言葉、「風の拳」。その時、理解できなかった師の言葉。しかし、今なら。 勝ち負けはともかく、この陸奥九十九という男に・・「風の拳」を放てたのなら・・。近づける気がする。 自分の目指す「真の格闘家」に。体はボロボロだ。力量差もハッキリしている。しかしリュウは立ち上がる。 その立ち上がる姿を見て、場内に「リュウ」コールが響き渡る。そしてニッ、と笑う九十九。 リュウ。右コブシにありったけの闘気を集める。波動拳をそのまま拳に留めた感じ。そして正拳突きの構え。 リュウ。「風の拳・・。見えた様な気がする・・感謝する陸奥・・この一撃が俺の最後、そして全てだ・・」 陸奥。自らは動かない。敢えてその「風の拳」を正面から受け止める気構え。解説の雷電がうなる。 「陸奥殿の唯一の弱点・・。それは相手の全てを受け止めようとしてしまう事でござる。損な闘い方よ・・」 リュウ。正拳の構えのまま、誰にも聞こえぬ小声で独り言を言っている。ひとつひとつ、確かめる様に。 「大地は心・・。木々は体・・。そして風は拳・・。大地は風を呼ぶ・・そしてその風の拳、一撃必殺・・」 カッ。半眼だったリュウの目が見開かれる。そしてリュウ最後の一撃、「風の拳」、発動。
330 :
329の続き :03/03/24 22:51 ID:Jaw0c3YK
風。リュウの拳が一陣の風となる。その風はリュウの生き様全てを載せ、勝利を運ぶ希望の風。 シュルウウ。人よっては竜巻にも見え、そよ風にも見える拳。その「風」が、陸奥の胸に 突き刺さる。そこでピタリ、と止まる拳。だが止まったまま、いまだその拳は風を巻いている。 一瞬世界が止まる。時間にしてほんの1秒ほど。陸奥の胸にリュウの拳が刺さったままである。 かふッ。陸奥の喀血。そこで静寂が破れる。観客の大歓声。「ウオオオ、リュウ大逆転だぁッ」 ・・しかし。陸奥九十九。 「陸奥圓明流・・金剛・・」 グラリ。片方の肉体が崩れる。 九十九ではない。この攻撃に全てを賭けたリュウである。片ヒザをつくリュウ。勝負あり。 金剛。全身の筋肉組織を収斂し、一瞬ハガネの様な肉体強度にせしむる圓明流の「防」の極意。 リュウの全てを賭けた「風の拳」ですら、1000年の業は受け止めた。修羅のなせる技。 リュウ。笑って言う。「強いな・・。陸奥、出来れば教えてくれ・・。アンタの流派の奥義・・」 九十九の気配が変わる。そして今度は九十九が風となる。リュウの真横に飛び、そのまま横転。 そしてリュウの間合いに回転しながら飛び込む。逆さまの状態となり、リュウの真下から九十九の 両足が襲う。リュウの顔面を両足で大きく噛み砕く様に。正に龍のアギト。顔がはさみ砕かれる瞬間。 リュウ。それをスウェーでかわす。・・しかし。スパッ。リュウの頚動脈に鋭利な傷。大量の出血。 「陸奥圓明流奥義・・龍破」 頚動脈の大量出血の正体。カマイタチ。真空の刃がリュウの首を斬った。 リュウ。「俺はもう一度鍛え直してアンタの前に立つ・・真の格闘家になって。また俺と闘ってくれッ」 ニコリ。笑いながらゆっくり倒れるリュウ。うなずく九十九。審判が叫ぶ。 「勝負ありッッッッツ」
331 :
330の続き :03/03/24 23:27 ID:Jaw0c3YK
「強いですな、あの陸奥九十九という男・・」 闘技場の最後列で、目立たぬ様に観戦する2人の影。 江田島平八と高槻 巌である。江田島は答える。「ウム、魔界討伐精鋭部隊の第一候補だろうな・・」 江田島。大きくため息をつく。「本来なら・・。ワシか貴様が魔界へ行かねばならんのだが・・」 江田島は地上の最高指令として動けない。巌もある男を迎え撃つためにまた地上を動けないのである。 「あの男が魔界に寝返るとは・・。巌、片腕であの男に勝てるか・・」 巌は慶次に腕を折られている。 巌。厳しい表情。「難しいですね・・。たとえベストの状態でも互角が精一杯の相手です・・」 江田島。(あの男は人間界最強の一人だろう・・何故バーンなどの手下に・・) 江田島と巌の2人は。 その最強の男の姿を思い浮かべる。・・・世界最高の気法師、朧の姿を。 ・・。約一ヶ月前。朧は江田島の命を受け、魔界に潜入していた。彼の役目は密偵である。しかし。 朧は強過ぎた。人間界では江田島や勇次郎、巌クラスでしか彼の相手にはならなかった。彼は飢えていた。 強者に。闘いに。その「飢え」が、彼をバーンの城へと潜入させた。バーンとの一騎打ちを望んだのである。 元々、彼は「スプリガン」のbPとしてこの世の全ての建造物に潜入する術を身に付けていた。・・程なく。 「バーンの間」へと彼はたどり着く。そこには大魔王バーンと側近のアシュラマン、そして黒いフードを 被った男の3人が居た。朧は静かにバーンに言う。 「人間界の代表として、あなたを殺しに来ました・・」 身構えるアシュラマンと黒フードの男。しかし、バーン。「・・一人でここへ来た褒美として、相手になろう」 玉座から立ち上がるバーン。両手で側近二人を制す。手を出すな、という意味だ。向かい合う朧とバーン。 人間界最強の男と魔界最強の男が見合う。朧。静かな表情の下で、少し心が乱れている。バーンに対してである。 バーン。その姿は幾年も年月を重ねた老人の姿。細い首。背は高いが筋肉はついていない。しかし、その威圧感。 修行を重ねた朧の心が揺れている。そして静かな眼差しの下の圧倒的な魔力。なによりそのカリスマ性。 「さあどうした・・余にお前の力が通ずるか・・試してみぬか。ん?」 ・・その言葉に朧が攻撃に出る。
332 :
331の続き :03/03/24 23:54 ID:Jaw0c3YK
ゆらりと。陽炎の様に。幻影の様に。朧は大魔王バーンとの間合いを詰める。無論バーンは迎撃する。 バーンの指先から無数の火球が乱舞する。イオラ。しかし、バーンクラスのイオラは小型ミサイル並の 威力を持つ。荘厳なバーン城の中心部があっと言う間に穴だらけになる。だが朧。全て攻撃をかわす。 まるで実体が無き如き動き。 「ほう」 バーンは嘆息する。・・こんな動きをする人間がいるとは。 朧。ついにバーンの懐に潜り込む。そしてバーンの左胸に自分の右掌を当てる。「・・あなたの負けです」 掌に「気」を込める。バーンの心臓へ「気」は伝わり、パン、と心臓を破壊する。つまらなそうな顔の朧。 「・・大魔王とはこんな程度ですか」 しかし。心臓を潰されたはずのバーンは倒れない。 「・・??」 バーンは笑う。楽しそうに。「フハハハ。こんな人間がいるとはな。だが余は心臓が3つある。残念だな」 朧。もう一度間合いに入ろうとする。しかし。「いいのかね、足は・・」朧の足元に炎がくすぶっている。 バーンのメラ。それが一気に剛炎となる。驚愕の朧。形勢逆転である。いや、バーンは最初から遊んでいた。 バーンの右手に魔力が集まる。火の鳥を形作る。「誰を相手にしてると思ったのだ?余は大魔王バーンなりッ」 火の鳥がバーンから飛び立ち朧を襲う。「気」をかき集め防御する朧。だが2羽目の火の鳥がバーンの左手に。 朧。(攻撃が速過ぎるッ)・・殺される・・。しかし2羽目の鳥は飛び立たず、バーンは静かに朧に提案した。 「余の部下にならんか・・。このまま殺すのは惜しい・・。余の部下になれば、仙人も夢でないぞ・・」 朧。あまりの器の違いに恐怖し、バーンのカリスマに屈服する。朧はこの提案を受け、地上制圧の一員となる。 江田島。朧裏切りの報告を聞き、決意する。かねてより光成の計画であるこの大会を、戦力集めの場にすると。 ・・・。闘技場内では。第4試合が始まろうとしていた。
333 :
332の続き :03/03/25 00:21 ID:oPB40uz8
大会の第4試合であり、Bブロック第2試合。香取 石松 対 鷹村 守。両者は既に闘技場内。 ボクシング対決、であろう。両者の経歴を見れば。しかし、2人を比べれば既に勝負は付いている。 片や現役2階級制覇の世界チャンピオン。片や伝説的とは言え、中学の世界大会優勝チームの一員。 片や全盛期の20代。片やボクシングを離れ15年以上の30代。圧倒的な体力差。それに加えて、 鷹村は180センチ以上の重量級。石松は160センチ以下である。勝負にすらならない筈である。 鷹村。「俺はクマすら倒す男だぜ。伝説の日本ジュニアか何だか知らねえが、闘えるのかよ?」 闘技場中央で石松を見下す鷹村。しかし。その言葉に石松の闘気がブワッ、と膨れ上がる。 「小僧・・。俺は何を言われても構わねえが・・俺のダチの事を悪く言うと許さねえぜ・・」 その闘気。鷹村は気圧される。虎。歴戦の戦士だけが持つ本物の殺気。鷹村は気を引き締める。 (このオッサン・・ただのオヤジじゃねえ・・。本気でいかねえと勝てねえ・・) そして。 審判が大きく叫ぶ。 「はじめいッツッッ」 ・・・第四試合開始。 その頃、実況席。あの男が帰ってきた。固い表情の雷電と富樫、加藤。その男は静かに言う。 「雷電さん・・。先程は恥ずかしいところをお見せした・・改めて挑戦させて頂きたい・・。」 本部以蔵、復活。雷電。(ムウウ・・。気負いもなければ恐れも見えぬ・・。何があった・・) 本部。静かに解説席に座る。(いい解説が・・。出来そうだ・・。)
334 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/25 00:22 ID:oPB40uz8
今日はちょっと多めに書きました。ゴチャゴチャしててすみません。また頑張ります。
本部復活キタ――!! 朧がちょっとヘタレたのが気になるけど、きっと奴のことだから裏があるんだろう。
>>321 30挺を超える銃器が齎す破壊は、まさしく鋼鉄の豪雨だった。
38スペシャル弾と9ミリパラベラム弾がカウンターの黒檀にコインほどの穴を穿ち、
45ACP弾がスツールのスチールパイプを中ほどからへし折る。
12ゲージのバックショットが酒棚にずらりと並べられた瓶を片端から粉砕し、同じく12ゲージの
ライフルド・スラッグ弾は店の壁に拳が入りそうな大穴を開ける。
7.62ミリ弾や30-06弾も、負けじと襲い掛かった先のあらゆるものに遠慮なくエネルギーをたたき付け、
ほんの数秒前まではさぞや高価であっただろうそれらを容赦なく無価値ながらくたへと変貌せしめる。
ガンパウダーが作り出す雷鳴はその場に居合わせた全ての人間の聴覚を無作法に痛めつけながら
閉鎖的な店の中で無数に盛大に鳴り響き、破壊されたものから噴き出す埃と硝煙が織り成す煙幕は、
あっという間に店の中の視界を狭めていく。
今や大脳ではなく脊髄の命ずるところに従って発砲を続けている男達は、しびれたようになっている意識の
どこかで自分達の勝利を疑いなく信じていた。
これだけの銃弾をくらって、無事な人間がいるはずがない。
「チクショオォォォッ!くたばれくたばれくたばれくたばれェェェェェェッッツ!」
店員の一人が思わず上げた絶叫は、発砲の轟音にかき消されて誰にも聞き取られることがなかった。
だが、その場にいて発砲を続けていた男達は、もし聞き取れていたら、迷わずその叫びに和していたことだろう。
その叫びは、あまりに直情的ではあったが、それゆえに男達の共感を得やすいものでもあったのだ。
>>336 カウンターと、その周囲数メートルに存在していたあらゆる物を粉砕するかのごとき射撃は、30秒ほど続き、
唐突に断ち切られた。
誰かが「撃ち方やめ」の号令をかけたからではない。
もっとも強烈な破壊力を持つ銃器-ショットガンやセミオートマチック・ライフル、それにサブマシンガンを
操っていた男達が、装填していた弾丸を撃ち尽くしてしまったからだった。
店の中から急に轟音が消え去り、代わって痛いほどの静寂があたりをおし包む。
ショットガンなどの長物を握っていた男達は、耳鳴りに顔をしかめながら、あわただしい動作でポケットに
突っ込んでいた弾丸を各々の銃に装填し始めた。
再装填を行いやすい拳銃を操っていた男達は、すばやく弾丸を銃に叩き込み、油断なくカウンターに狙いを
つける。
だが、先ほどまで呆れるほどの鉄量を叩き込まれていたカウンターのあたりは、埃と硝煙がぐちゃぐちゃに
入り乱れて舞い上がり、視界をすっかり遮ってしまっていた。
ほんの数メートル先が、まったく様子をつかめないほどに。
>>337 痛いほどの沈黙。
全ての男が銃に弾丸を装填し終え、カウンターの方に、先ほどまでスペックとフィルスがいたあたりに狙いを
つけたが、今度は誰も発砲しない。
射撃の効果を判定する、というちっぽけな理性が彼等の脳内に再び宿ってきたからだ。
「・・・・・やったか?」
トンプソン・サブマシンガンを構えたフィルスの部下が、誰にともなく呟く。
「当たり前だ」
誰かが不必要に大きな声でその問いかけに答えた。
「あるったけの弾をあのデカブツに叩き込んだんだぞ。どんなバケモンだって生きてるもんか!」
そうだよな。
コルト・ガバメントを構えた店員の一人-ジャクソンという名前だった-は、名前のわからない誰かの反駁に
内心で大きく頷いた。
そうだよな。俺達は、クマやゴリラですらミンチにできそうなほどの弾を叩き込んだんだ。
何発あのハゲに当てたかまではわからねぇけど、絶対に生きてるはずがない。
そう、絶対に、だ。
>>338 そのとき、ジャクソンの脳裏に、なんの脈絡もなくある会話がよみがえってきた。
ジャクソンが、いつもの日課で店に隠匿されていた銃器の手入れを行っていたときの話だった。
『よ、兵隊!精が出るな』
『ああ、ミスター・フィルス。・・・・・まあ、手入れは下っ端の仕事ですからね』
『そりゃあいけねえな。銃ってもんは使う奴がきっちり世話してやんねえといけねえんだぜ』
『まあ、ここにある銃もいってみれば保険みたいなものですからね。ミスター・フィルスがいてくれる間は
たぶん見せびらかす機会もないでしょうよ』
『ふふん、お褒めに預かり光栄至極ってとこかな?』
『いえいえ。・・・・・だけど、これだけの銃器を全部持ち出してぶっ放すとなったらさぞやゴッツイことに
なるでしょうね』
『予備もいれて50挺だからな』
『喰らったら骨も残らないのと違いますか?』
『ふふん・・・そうとばかりは言い切れないがな』
『どうしてです?』
あれ、この会話はいつしたんだっけ。
まだフィルスが精力的に己の仕事をこなしていたころ-なんてこった、今日の開店前の話じゃないか!
『人間の体ってやつは、脆いが丈夫なんだよ』
『ハァ・・・・?』
『いいか兵隊。俺が10年前ヨーロッパでナチと殺りあってたころ、奴等に撃ちまくられていたことが
あったと思え。あたりには遮蔽になりそうなものがなーんもない状況で、だ』
『ええ・・・・・』
『そのとき、俺は何を盾にして狂信的なナチの攻撃をかわしたと思う?』
>>339 ジャクソンがそこまで無意識の命ずるままに会話を反芻していたときだった。
流れ弾によってガラスが割れたのか、屋外から少し強い風が店内に吹き込んでくる。
その風は、カウンター周辺に立ち込めていた"煙幕"を吹き飛ばすには十分な強さだった。
少し風に逆らうそぶりを見せていた埃や硝煙が、次の瞬間には風に押し流される。
そして、カウンター周辺の情景がはっきりとジャクソンにも見て取れるようになった。
『戦友の死体さ。俺達は、先に弾をくらって死んでいった戦友の身体を積み上げて防壁代わりにしたんだ』
カウンターのそこにある風景を、男達ははっきりとその眼で確認した。。
声にならないどよめきが、恐怖とわななきが店の中をあっという間に支配する。
『いいか兵隊。人間は弾を喰らったらあっさりと死んでしまう。それだけ脆い生き物だ。だがな、人間の体を
打ち抜いた弾は極端に威力が落ちる。つまり』
スペックは、まだそこに立っていた。
全身をぼろきれのようにささくれ立たせたフィルスを盾にして、その滴り落ちる鮮血を浴びながら。
『手前にとっての盾、と考えたら、他人の体ってのはこれ以上ないくらいの頑丈な代物なのさ』
うーん・・・・・なんか、いつまでたっても話が進まないです・・・。申し訳ない。 といいますか、このスペック外伝、なんだかスレの流れに思いっきり逆らってるような気が いたしますが、いいのかなあ。 パオさんの本編がかなりスケールのでかい話になってるのに、こちらはアメリカの酒場の話。 うーむ・・・。
いいと思いますよ。 スケール云々言う事なく面白いですから。
343 :
夜王 :03/03/25 02:31 ID:???
>パオさん 漫画界最強の一人に挙げられる朧が登場ですか。しかも、敵。 きっと何か思惑があるんだろーと思ってるけど、まんまのヘタレだったら嫌だなあ。 あと、石松は2のバージョンなんですね。こっちの方が凄みがあってイイ。 でも、鷹村はあんまヘタレさせないでやってください。 >スペック外伝さん スケール云々というより、ベクトルがまったく違いますよね。 でも、優劣はつけられないレベルです。 パオさんのがファンタジーなら、こちらはリアル指向。 どっちもいいですよ。これからも頑張ってください。
344 :
マロン名無しさん :03/03/25 02:34 ID:yRGJKfjI
パオ氏にお願い。 台詞のときは改行して欲しい。現状読みにくい・・・
345 :
夜王 :03/03/25 02:47 ID:???
囚人トーナメントの正式タイトルと、参加者が決まったんで発表。 ただ、諸事情により、いつ頃始められるかはまだ未定。 出来れば一月後には始めたいと思ってますが、どうなるか・・・。 とりあえず、期待せずにお待ちください。 タイトルは『黒トーナメント』 参加者は以下の16名。 ドリアン ヘクター・ドイル シコルスキー スペック 柳 (バキ) ハンゾウ(キン肉マン2世) コウ・カルナギ(ARMS) ナルシソ・アナスイ ケンゾー(ジョジョ6部) ヴォーカル(ハーメルンのバイオリン弾き) 黒川健児(軍鶏) デビルリバース(北斗の拳) スタンリー・ゴードン(魁!男塾) 黒犬騎士団長ワイアルド(ベルセルク) ロベリア・カルリーニ(サクラ大戦3) 浅倉威(龍騎13RIDERS) これ以外にも何人か、トーナメントをかき乱す隠し玉が存在。
>>345 ナイス
知らないのばかりだががんばってくれ
コウ・カルナギは遺伝子研究用のサンプルとして捕まっていたのであって犯罪者ではなかったような…。
ジョジョ勢はスタンドとかどうなるんだろう。 あると強すぎるだろうし、無いとただの一般人よりはマシ程度。 いや、ケンゾーの方はまだ何とかなりそうだが ダイバーダウンの無いアナスイなどただの()だぞ。
だがダイバーダウン使ってもデビルリバースやワイアルドみたいな怪獣キャラにに勝てるとは思えない。 むしろ不利なくらいじゃない? 身体強制改造は凶悪だけど。
350 :
マロン名無しさん :03/03/25 13:40 ID:28wiG735
アシュラマンキタ━━(゚∀゚)━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!!
人がいないage
うぁあわーーん。 パオさんが来ないよぉ
353 :
333の続き :03/03/27 00:01 ID:HHmY75HF
鷹村はファイテングポーズを構える。基本的な自分の顔の前にコブシを2つ置き顔面をガードする構えではなく、 ややオープン気味にコブシを広げた攻撃重視の構え。ボクサー。その矜持。武器は己の2つのコブシのみ。 一方、石松。両手をズボンのポケットに突っ込みただその場に立っている。試合はもう始まっているのに、である。 現役バリバリの世界チャンプ、しかも重量級である。どころか軽く目すら瞑っている。石松にジリジリ接近する鷹村。 鷹村。ジリジリとにじみ寄り言う。 「どうした・・元ボクサーだろ?ファイティングポーズ忘れのたか?」 既に射程圏内。但し、リーチの長い鷹村の、である。石松。自然体のままで言う。 「フッ・・。来いよ小僧・・」 プチッ。その言葉に鷹村がキレる。シュバッ。ミサイルの様な右ストレートが発射される。余りの威力に凍りつく会場。 キレた、と言っても鷹村は純粋ボクサーである。その右はスピード、ステップイン、角度すべてにおいて申し分ない。 しかし石松。その右をパーリングで払っている。 「小僧にしちゃあ・・いいストレートだ・・」 だが石松の腕。 パーリングした腕がビリビリと痺れている。ブランク。体重差。現役チャンプのブローを石松は完全に持て余している。 (チ・・体がここまで衰えているとはな・・) そして10代の頃の命懸けの激闘で石松の肉体は既に臨界点である。 鷹村。石松に猛然とダッシュする。華麗且つ俊速のフットワークから近代ボクシングの粋を集めたコンビネーション。 基本の左ジャブをリードパンチにして、石松との距離を常に有利に保つ。リーチは圧倒的に鷹村の方が長い。左ジャブ。 「左を制する者は世界を征す」の言葉通りのセオリーである。石松もパンチを繰り出すが、一発も当たらない。 リーチの差とボクシング技術の差。20年近く前の技術と今ではジャブ一つでも違いが出る。石松の顔が朱に染まり行く。 (強えな・・剣崎や竜を思い出すぜ・・) 石松。パンチの雨に打たれながらも、昔を懐かしく思い出す。しかし。 鷹村はついに決めに掛かる。ジャブからストレート、フック、アッパーとKOに繋がるパンチを多用し始めたのである。
354 :
353の続き :03/03/27 00:44 ID:HHmY75HF
鷹村のリズムがドンドンアップテンポになっていく。ハイスピードの連撃。ボクサーにしか出来ぬ手業の芸術。 石松の肝臓へ左ボディーアッパーが食い込む。石松は辛うじて左アッパーを返す。しかし鷹村には当たらない。 既にステップバックし、そのアッパーを交わした後、再び石松のへ攻撃する。左ジャブで空間を作った後、 打ち下ろし気味の右フックが石松のテンプルに突き刺さる。グラリと揺らめく石松。だがまだ踏ん張り倒れない。 しかし、ガラ空きのストマックへボディストレート。血を吐く石松。石松の顔面のガードが落ちる。鷹村は追撃。 ジョー(顎)へ左フックがすべり込む。石松の首がグキリ、と曲がる。脳が激しく左右に揺れる。・・そして。 完全に石松のガードが落ちる。鷹村。腰を回転させ、右腕をタメる。ほんの少しステップバックして距離を開ける。 観客。その鷹村の姿を見て確信する。涙ながらに鷹村に訴える。 「うわあ、石松を殺さないでくれッッ」 鷹村の最高のパンチ。腰を十分に入れ、体重の全てを乗せた右ストレートが発射された。石松の顔面を完璧に捉える。 しかもインパクトの瞬間。コブシを内側に大きく返す。ドリルの捻り込みの様に。・・コークスクリューである。 ・・。顔面から血を撒き散らし吹き飛ぶ石松。実況が大きく叫ぶ。 「ボクシング対決、鷹村の圧勝かッツ〜」 鷹村。少し不満そうな顔。 (やり過ぎちまった・・。試合前のこのオヤジのトラみたいな殺気のせいで・・) そのまま勝利を確信し、闘技場を後にしようとする鷹村。後味が悪い。一刻も早くここを離れたい。 ・・しかし。 「おい・・試合放棄か・・小僧?」 背後からの声に驚き振り向く鷹村。 「な・・オヤジ、てめえ・・」 鷹村は信じられない。自分のKOパンチを何発も叩き込んだ。手応えも十分。それをこの男はボロボロになりながらも、 しっかりと立ち上がる。目はランランと輝いている。トラの様に。俺との力の差は自分が一番わかっているはずだ・・。 解説席の雷電。この状況に。「石松殿は本物のボクサーでござるな・・。死ぬまでリングで、という事でござろう・・」 しかし。その言葉にあの男が。 「いや・・。違うな・・」 本部。腕組をして静かに雷電の言葉を否定する。 ・・・。頂点解説対決。本部以蔵、反撃開始。
355 :
354の続き :03/03/27 01:14 ID:HHmY75HF
雷電。その言葉に驚愕する。今まで自分の解説に意義を唱えた者はいなかった。それをこの男は・・。雷電。本部に聞く。 「本部殿・・。違うと言うのはどういう事ですかな・・。拙者の解説に不備があったとでも・・?」 本部。フッと笑う。 「分かりませんか、雷電さん・・。ボクサーというだけでは無い。コウハ・・。石松氏は、この国の最後の硬派だからよ・・」 硬派。かつて、この国にはそう呼ばれるべき人間が沢山いた。愚直なまでに己の生き様を貫き通し、愛するものを 守るためならいつでも命を捨てる覚悟のある男たち。しかし、時代の流れと共に絶滅した、ともいわれている。 民明書房刊 「 硬派・・ 一匹狼友の会の全貌 」より ぬう、と雷電は歯噛みをする。この男に何があった。先程まで、この本部は自分に全く手も足も出なかったはず。それが・・。 本部の解説気を見る。 (ぬうう、まさか解説気たった5000だと?) たかが5000の男に何故53万の私が・・。 本部は静かに言った。 「この試合、どちらが勝つにしても、ただではすまんな・・」 その時。雷電に驚愕が走る。 本部の解説気が、今の解説の瞬間だけ一気に高まったのである。その数値、実に30万以上。解王拳を使ったのではない。 その証拠に今の本部は5000である。・・本部は解説の一瞬のみ解説気を上げ、無駄なパワー消費を避けているのである。 その様な芸当は雷電にも出来ない。 (眠れる解説の虎が・・。目を覚ましてしまったか・・。しかし、急に何故だ?) 雷電は本部の目を見る。穏やかで澄み切っている。雷電に勝負を挑んだときの血走った目でも無くば、自身をコナゴナにされた 時の負け犬の目でも無い。穏やかで、深い哀しみに満ちている様な・・。その時。脳裏に稲妻が走る。哀しみ、という言葉に。 (哀しみ?まさか・・。あの解説界究極奥義・・。哀しみを知る者しか会得出来ぬ、あの無想転解を・・身に付けたのか・・?)
356 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/27 01:19 ID:HHmY75HF
すみません最近忙しくて毎日書けなくて・・ちょぼちょぼといきます。 後、セリフの時改行かあ。でも私は空白が怖いのよ。勿体無く思っちゃう。 少し考えます。明日は書けると思います。今週中に一回戦終わりたいなあ。無理かなあ。
無想転解age
358 :
マロン名無しさん :03/03/27 06:55 ID:ceZE0fkd
石松いきなりボコボコにされてるけど、リングにかけろの王道的展開なので心配してませんw でも年齢的に昔のような無茶出来るかどうか心配だったりしますが、ここから例の必殺技が出るか楽しみです
359 :
マロン名無しさん :03/03/27 13:23 ID:0yq0kl3o
ハリケーンボルトage
360 :
355の続き :03/03/27 22:09 ID:cw1kH+zp
ボクサーという名のハンター。そのプライドを著しく傷つけられた鷹村は猛然とダッシュする。 ミドル級の体格ながら軽量級のスピードを持つ鷹村はあっという間に間合いを詰める。 ボディへハンマーの様な左の一撃。返しの右フックが顔面に決まる。しかし石松は倒れない。 「いいパンチだ・・。ガキにしちゃあな・・。だがな、お前のパンチには重さが足りねえ・・」 プチン。再び切れる鷹村。最早ジャブのリードを使わず、必殺級のブローを大振りで振り回す。 「何が黄金の日本ジュニアだ、そんな奴らの時代はとっくに終わってんだよッ、オヤジッツ」 重量級チャンプのパンチである。当たればシリアスプロブレムであろう。しかし、大振り故に。 「隙だらけだぜ、小僧ッ」 小さな体を利し、懐にもぐり込む石松。そして渾身のボディブロー。 鍛え抜かれた鷹村の腹筋を、小さな30オヤジの拳が破壊する。 (な・・なんて重えパンチだ・・) 一瞬動揺が走る鷹村。石松は言い放つ。 「ホンモノの大人を舐めんじゃねえ・・小僧ッツ」 場内は大歓声である。実況が叫ぶ。 「健在だあッ香取石松ッ、ケンカチャンピオン健在だあッツ」 何故だ・・?鷹村の頭に疑問が過ぎる。何故この男は倒れない・・?俺のパンチが軽いだと・・? 石松。「俺をバカにするのは良い・・。だがよ、日本人なら高嶺 竜児と剣崎 順の名は覚えとけ・・」 ・・そうか。この人たちはかって命懸けで闘って来た。この石松という人は、その拳に自分だけでなく、 失った友への思いとその誇りを載せている・・。俺のパンチに重さが足りないとはそういう意味か・・。 へっ。自嘲する鷹村。こんな本物の男に比べて、自分はなんと思い上がっていた・・。立ち上がる鷹村。 「すまねえなオヤジ。いや、石松さん。せっかく偉大なボクサーと闘ってんだ、全力でぶつかるぜ・・」 石松。その鷹村の眼差しを見て思う。 (もう・・俺たちの時代じゃねえか、竜・・。剣崎・・) ズキン。石松の体に激痛が走る。もう自分は長くはあるまい。その前に、鷹村に、そして麟童に・・。 「小僧・・。いや、鷹村。もう付き合ってやれる時間は余り無え・・。見せてやるぜ、俺の魂の火の玉ッ」
361 :
360の続き :03/03/27 22:57 ID:cw1kH+zp
石松。体のありったけの力を使い、日本ジュニア時代のあの必殺技を放つ。空高く舞う様に大きくジャンプする。 数メートル高く舞った後、そのまま地上の鷹村へ突っ込む。全ての勢いと体重、そして誇りをコブシへ乗せる。 「受けてみろ鷹村ッ、ハリケーンボルトッッ!!!!!!」 空中で標的の高村を捉える。右拳を突き出す石松。 ・・だが。石松は現役を余りにも離れ過ぎていた。インパクトの一瞬にかっての拳のスピードは無かった。そこへ。 「うおおおッ!!!!!」 現役チャンピオンボクサーとしての勘と誇り。鷹村の右アッパーがカウンターで石松を襲う。 激突する2つのコブシ。石松の右拳が空中から鷹村を押し潰す。鷹村の右アッパーが石松のボディを迎撃する。相打ち。 「ダ、ダウーーーン!!! 両者相打ちでダブルノックダウンかっッ!!!」 叫ぶ実況。・・しかし。片方が立ち上がる。 石松。ゆっくり立ち上がる。片や鷹村。いまだ砂を舐めたまま。騒ぐ観客。 「うおお、石松の勝ちだあッツ」 だが。石松はフッと笑って言った。 「やるじゃねえか・・。お前なら、六階級制覇も夢じゃねえかもな・・」 グハアッッ。石松、大量の喀血。立ち上がる鷹村。石松。闘技場に背を向け歩き出す。よろよろと今にも倒れそうに。 (この腐った日本にも・・ちゃんと本物は育ってるぜ、なあ竜、剣崎・・) ついに完全に闘技場を離れてしまう石松。 「試合放棄、香取石松、試合放棄負けだぁッ」 ・・しかし。実況のその声を観客の雨の様な拍手がかき消す。 勝者の鷹村に駆け寄る後輩の一歩たち。 「おめでとうございます、鷹村さんッ」 嬉しそうな一歩の声。しかし。 「・・バカ野郎。この勝負、俺の負けだ・・」 意味が分からない一歩。鷹村は石松をまぶしそうに見ながら続ける。 「あの人は・・ケンカチャンピオンだぜ・・その気になりゃあ、いつでも俺のコブシくらい潰せたはずだ・・。だが・・。 あの人は決して俺のコブシを狙おうとはしなかった・・」 ・・そして石松に向けて深々と頭を下げる鷹村。 選手入場口にて。石松はその場に倒れこむ。その石松をしっかりと抱きかかえるたくましい男。石松。その男をみて笑う。 「あんたか。ありがとよ・・」 その大男は涼やかに笑う。惚れ惚れとする男振りのその男。・・前田慶次である。
362 :
360の続き :03/03/27 23:25 ID:cw1kH+zp
「この時代に来て良かった・・。あんたみたいな本物の男、もののふと逢えてな・・」 ・・・トックリを取り出す慶次。 そして猪口に酒を並々と注ぐ。石松に猪口を向けて笑いかける慶次。 「一献やるまいか、石松殿・・」 鷹村。石松の姿が見えなくなった後もしばらくの間、礼の姿勢を崩さなかった。見えなくなった石松の背中に誓う。 (石松さん・・。絶対優勝するぜ・・。偉大な日本ジュニアの後のボクサーとしてな・・) ・・鷹村 守、2回戦進出。 続く第5試合、赤木しげる対グレート巽。実況が解説の雷電と本部に展開の予想を聞く。雷電。自信タップリに言う。 「そうですな・・。確かにアカギは天才でござるが、プロレスの帝王である巽には何をやっても通用は・・」 ・・しかし。 本部は静かに雷電の言葉を遮る。 「いや。アカギさんの才気は我々の想像以上。この試合、奇跡が起きる気がします・・」 ぬうう・・。またこの私の解説に逆らいおって・・。雷電は怒る。しかし、もし本部が本当に究極奥義を会得したのなら。 ・・まずい事に。師匠の解王から聞いた事がある。解説界の究極奥義「無想転解」はカギであると。そう、あの伝説の・・。 解説界最高の伝説のあの・・ 「スーパー解ヤ人」 になる為のカギ・・。まさかこんなクズが「スーパー解ヤ人」に・・。 おそらく今はまだ、本部はこの雷電には及ぶまい。例え究極奥義「無想転解」を身に付けていたとしても。しかし。もしも。 もしも「スーパー解ヤ人」になってしまったとしたら・・。俺を超える?バカな、「スーパー解ヤ人」に成るのは俺だ・・。 こんなクズでは無い。しかし自分は「無想転解」を身に付けていない。自分は哀しみを知らぬからだ。余りにも高い解説力。 それ故、常に解説道のエリートコースを歩んできた。まさか、それがアダになるとは・・。次だ。次の試合で叩き潰す・・。 ・・雷電の苦悩と決意をよそに、第5試合が始まろうとしていた。
363 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/27 23:30 ID:cw1kH+zp
のんびり続く。魔界編のキャラ引き続き募集中。多少無理なキャラでも可。 敵でもなく味方でもOK。どうせ設定に無理があるのは承知の上さ。 でも白面はちょっと無理。上限はバーンとする。では、また。
364 :
マロン名無しさん :03/03/27 23:35 ID:mP7w2IDG
石松meets慶次(・∀・)イイ!! 車田マンセーの漏れだけど、石松破れて、なおも萌える展開ですた。 ところで”朧”って?
次回は注目の試合だなあ。 アカギと巽。2極のカリスマを発揮させつつ、描かねばならない。 トーナメントってやつはやっぱ難しいですよね。 どちらかを立てると、どちらかが少なからずヘタレてしまう。 一歩マンセーの俺としては、鷹村のイメージが原作と違うなーと思いつつ、 2回戦に期待。
ああ、それは俺も思った。 鷹村って、あんな素直な言い方するキャラじゃないよな。
スーパー解ヤ人について、まだ誰も突っ込まないな。 もはやこのぐらいのことで驚いていては、 無限大トーナメントを生き抜いていくことは無理なのだということなのだろうか?
陸奥オタの俺、悶涙。えがった。 鷹村は他の諸氏が仰る通りだけど、石松が限りなく燃えました。 シコルスらヘタレ再生工場のパオ氏にお願いしたい。 魔界編で是非とも☆矢のミーノスとアイアコスに良いメを見させてやってください。 ラダマンディスも出してくれると嬉しい。
加藤鳴海キボン
B・Bだしたってください
371 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/28 14:40 ID:4G2ZEiv0
鷹村はそう言われると思いました。自分でも少し違うかな、と思いつつも 「負けながら偉大な石松」を考えたらあの感じになっちゃった。 2回戦の対陸奥では暴れん坊にちゃんとします。でも石松に勝たせたかった・・ 今日は書けるかはちょっと微妙。 あと、「朧」ってのは気を使う拳法の達人でスプリガンって漫画最強キャラ。 多分江田島や勇次郎より強いっす。ドラゴンボール除いて多分人間界最強の一人。
サイコロで勝敗が決まってるハズなのに、こうして勝ち残った連中を見ると いかにも順当な結果ばかりだな。 やはり、強いキャラにはサイコロの目すら引き付ける何かがあるのだろうか ・・・・と妄想してみる。
373 :
マロン名無しさん :03/03/28 17:48 ID:z+iucEPT
374 :
362の続き :03/03/28 17:48 ID:X4gKykKW
「白虎の方角より、グレート巽選手入場ッ!!!」 実況が高らかに宣言する。その瞬間、世界が180度変わる。 その男がゲートから姿を表す。それだけで。まるで闘技場内の光度が上がった様。その男はさんさんと放射する。 輝き。熱。光。そしてカリスマ性。たった一人のこの男から発せられる「気」。それが会場内数百人を支配する。 ただ闘技場中心へ向け淡々と歩いていく。それだけでもうこの男から目が離せない。そして、中央へ辿り着くと。 右コブシを天に向けてバッ、と突き上げる。ワッ、と騒ぎ立てる観客。全員既に総立ちである。観客は大コール。 「タッツッミ、タッツッミ」 この会場にはそれぞれのファンがいる。九十九のファン、ロビンのファン・・。 だが、その全てを取り込んでしまう程に、その男のカリスマ性は飛び抜けている。解説の雷電は思わずつぶやく。 「な・・なんと見事なカリスマ性よ・・」 しかし。その言葉を聞いて本部。フッ、と笑って言う。 「らしく無いですな、雷電さん・・。それは解説でなく感想に過ぎない。解説者は常に的確・冷静で無くば・・」 雷電らしからぬミスである。心の迷いは解説の迷い、という言葉もある。しかし、そのミスを的確に突くとは・・。 ぬうう。雷電は心でうめく。解説界究極奥義・無想転解。解王から聞いた所によると、哀しみは無を生む、という。 この世で最強の物は無。その無より転じて解説を拾う。・・・いうならば、無想転解とは究極の返し技なのである。 今、この本部というルンペンは自然体から雷電のミスを突き、アドバンテージを取った。やはり、無想転解を・・。 まずい。万が一「スーパー解ヤ人」になる前に潰さねば・・。地上最強・最高の解説者は、この雷電なのだ・・。 ・・・雷電の苦悶の中。もう一人の男の名がコールされる。 「青龍の方角より、赤木しげる選手の入場ですッ!!!」
375 :
374の続き :03/03/28 18:19 ID:X4gKykKW
・・ざわ・・ざわ・・。一転して華やかな雰囲気から重苦しく変わる場内。アカギが姿を現す。ざわ・・ざわ・・。 この男もまた、会場の雰囲気を塗りつぶすカリスマを持っている。・・・ただし。巽を光とすれば、この男は闇。 本質的には両者とも同じではある。巽は華やかな顔の下に猛毒を隠し持つ。アカギは闇のオーラの下にある熱、炎。 ざわざわ・・。観客が口々に言う。 「アカギっての・・。あのプロレス王と闘えるのかよ?」 ざわざわ・・。 観客の多くはこの20才そこそこの天才を知らない。知ってる者も裏麻雀の伝説で、ある。格闘家としてではない。 しかし。すぐその疑問を口にする者は誰もいなくなった。・・・巽とアカギのカリスマが拮抗しているからである。 そして両者が見合う。試合前の審判の注意。・・その時。前代未聞の出来事が。・・・試合前に巽がアカギに・・。 パンッッツ。・・闘技場内に乾いた音が鳴り響く。張り手。巽がアカギのホホを思いっきり張り飛ばしたのである。 ウオオオ、と大騒ぎの観客。 「巽、カッコいい!!!」 「格が違うぞ、巽ィ!!!」 ・・本来責められるべき行為。 しかし巽、という個性がそれを歓声に変える。巽という男は、いつでも自分が中心で無いと気が済まないのである。 先程の入場で、全て自分のトリコにしていたはずの観客を、このアカギというガキがまた塗り変えてしまった。 それが我慢ならなかった。高いプライドが張り手、という形で現れたのである。審判が巽を注意する。しかし、巽。 「ここは子供の遊び場じゃない・・。痛かっただろ、今・・。試合が始まればもっと痛いよ。分かったら帰りな・・」 ウオオオ、と更にスパークする観客。 「タッツッミ、タッツッミ」 先程より大きな巽コールが場内に響く。 観客席の松尾象山。隣の姫川に言う。 「やるねえ、巽って奴ァ・・。でも、アカギはただのガキじゃねえぜ・・」
376 :
375の続き :03/03/28 18:39 ID:X4gKykKW
アカギ。その巽を冷笑する。 「満足かい・・。観客を引き入れて・・いつもそうやって優位に立ってたんだろ・・」 巽の目に殺気。構わずアカギ。「やっぱりね・・。人の目を引く事ばかり考えてきた人間の発想・・。痩せた考え・・」 目が覚める巽。俺はもう、相手がガキと舐めたりしない。何故ならこのガキの薄皮一枚剥いだその下は、魔物だから・・。 ・・・。「始めいッッ!!!」 審判の開始の掛け声。巽。一気に間合いを詰める為にダッシュする。棒立ちのアカギ。 巽はクッ、と体を沈める。アカギの腰をクラッチし、テイクダウンを狙ったのだ。そしてマウントポジションへ決める。 神速の動きの巽。アカギの腰をつかもうとしたその瞬間・・。巽のアゴが跳ね上がっていた。血を吐く巽。驚愕の表情。 ・・巽がクラッチしようとする瞬間、アカギのヒザ蹴りが巽のアゴへ正確に決まったのである。・・しかもアカギは。 ヒザ蹴りを放った瞬間、自らも後ろへ少し飛び、間合いを取っている。勿論、クラッチからの回避のためである。完璧。 完全なる巽のテイクダウン潰し。場内は一瞬沈黙した後、爆発。まさか巽のタックルをアカギが完全に破るとは・・。 松尾象山。「俺も長いこと生きてるが、本物の天才と逢うのは初めてだ・・。まともなら勝つのは巽だが、わからんぜ・・」 解説席の雷電。声も出ない。試合前の予想が完全に覆されたのだ。一方、本部は静かな眼差しで闘技場のアカギを見ている。 ・・解説席の雷電と本部を見つめる影。闘技場の闘いより、解説対決が気に掛かる様だ。・・第三の解説者、であろうか? 「伝説の解説王・雷電と、無想転解を身に付けつつある本部・・。面白い解説対決だわさ・・」
377 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/28 18:57 ID:X4gKykKW
無い時間を無理やりつくってカキコ。何やってんだ私は。一人でも楽しんでいる人がいれば幸いです。 口調で第三の解説者丸わかりだな・・。ところで、ついに来てしまったか。372さんのような疑問。 実は決勝までの全15試合は、もう全てサイにより結果は出ております。試合内容も大体決まってる。 でも・・。実は3回だけどうしても試合を作れなくて振りなおした事が。それにより結果が2試合変わった。 ・・ごめんなさい。苦しんだんですがそれでもしっくりいかなかったので。ヤムチャ対達人じゃないよ。 すいません。残り13試合はちゃんとサイの結果ですので・・。パオ救済ルールって事で・・。お叱りは当然。 頑張って魔界編まではやりますんで2試合だけご容赦を。どれが変わったかは最後に書きます。・・すいません・。
378 :
マロン名無しさん :03/03/28 19:27 ID:+7/ZxfX0
女オリバか。
ルンペンって…w 雷電お前はいつの時代の人間だよw
381 :
マロン名無しさん :03/03/28 22:51 ID:7Sn5xjG/
何がどうあろうと俺は最後まで見届けるよ。頑張れパオ
382 :
夜王 :03/03/28 23:16 ID:???
どうやら、早ければ一ヶ月後にはなんとかなるか・・・? 期待してくれる人が一人でもいるのであれば、なるべく早く書きたいと思ったり。 それから、メンバーが一人変更になった。 それはコウ・カルナギ。 コウ・カルナギは犯罪者じゃねーだろ、という指摘があったのと(やってる事は凶悪犯以外の何者でもないが) メンバーを見ると、パワー系ばかりなので、技術系のキャラと交換。 代わりのメンバーは、『餓狼伝』より藤巻十三に決まりました。 万が一、「え? 藤巻は確かに犯罪者だけど、囚人じゃないだろ?」 と疑問に思った方がいたら、今すぐ小説版を買いに行くべし。最優先事項。 >パオさん そんなに謝らなくてもいいと思うよ。 皆、楽しんでるみたいだし、結果オーライって事で。 実は俺も、貴方の真似をしてコイン・トスで決めようとしたら、 なんとデビル・リバースが優勝してしまうので、急遽取り止めにしたという経緯が。(マジ)
383 :
マロン名無しさん :03/03/28 23:27 ID:I4vknpwV
「無より転じて解説を拾う」 禿しくワラタ。
384 :
マロン名無しさん :03/03/29 00:13 ID:AeVE0MNl
あげ
385 :
マロン名無しさん :03/03/29 00:49 ID:na16bGuA
どっかでリザーブとして安田三四郎(俺の空)の登場キボンヌ で、客席に叔父の安田一平登場→試合後、江田島に資金援助の約束
386 :
マロン名無しさん :03/03/29 01:03 ID:QjbvbLYJ
ゴリラーマンきぼん
てっきりバギ編終わったからこのスレ終了してると思ってたよ。 いや〜今回もおもろいわ。続きがんばってください。
388 :
マロン名無しさん :03/03/29 06:52 ID:Q4ImvpkE
ヒソカかウボーギンお願いします パオさん頑張れ でも解説対決は本部に勝たせてほしい
389 :
マロン名無しさん :03/03/29 18:21 ID:5/cZh8x+
スーパー解ヤ人AGE
390 :
ihi :03/03/29 18:53 ID:DdM7Yo0F
リクエストキャラに、久我重明きぼんぬ。 あと、餓狼オタなもんで、象山と姫川が活躍してくれると嬉しい。
392 :
マロン名無しさん :03/03/30 01:00 ID:ZxW4vAzP
魔界編は個人的に好きな… フェニックスの一輝(聖闘士聖矢) コブラ(コブラ) の活躍が見てみたいです。でもサイコガンは反則か… アカギが巽とどう渡り合うか非常に楽しみです
魔界編に 影技の誰かを、パワーバランス的にはちょうどいいかと
>>340 猛獣ですら生存を許さないであろう一斉射撃、それを"人間の盾"によって凌ぎきったスペックの姿は、
さながら神話に語られる狂戦士のそれだった。
つるりと禿げ上がった頭から丈夫そうなブーツの先まで、フィルスの鮮血にべっとり染め上げられた
スペックは、目を細めて己を取り巻く男達を眺め回す。
「ドウシタ・・・・?俺ハマダ生キテイルゼ、カウボーイ達・・・・・」
男達から返事はない。
しわぶきひとつすら男達は発しないまま、凍りついたようになってスペックを凝視する男達は、
自分達の常識や経験を遥かに遠く置き去りにするこの怪人に、生気を吸い取られたかのようだ。
男達の凝結、恐怖、畏敬。
そうした無言の感情の瀰漫を楽しむように笑顔を浮かべたスペックは、更なる挑発に打って出る。
スペックはくい、と右腕を引き、フィルスの亡骸、その首筋がちょうど顔の正面にくるようにした。
そして、わずかに首を伸ばしたスペックは、くわっと口を開き、鋭くとがった己の犬歯をフィルスの
首筋に打ち込む。
ぶち。ぶちぶちぶちぶち。
強靭な顎の力によって、実にあっさりとフィルスの首筋からごっそり表皮や皮下組織を噛み取った
スペックは、だらだらとその傷口から滴り落ちる鮮血を、喉を鳴らして飲み干した。
その、あまりにも常軌を逸した行動に、思わずジャクソンは悲鳴のような声で叫ぶ。
「や・・・やめねぇかァこの、クソッタレガァァァァァァァァァァァアアアアッッッツ!!!!!!」
その叫びに、スペックはフィルスの首筋から口を離し、わずかに憐憫が混じった嘲笑を以って答えた。
それはきわめて簡潔だったが、ジャクソンの心の導火線に火を放つには十分すぎた。
「ハハハハハ・・・・ヤメナケレバドウスルネ?」
>>394 この野郎。お前は人間じゃねえ。
「〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッツツツツツツ!!!」
腹の底から心を蝕む恐怖。それを一時的に怒りで帳消しにしたジャクソンは、だらりと垂れ下がったままに
なっていた右腕をさっと水平に構えた。
もちろん、その先にはマガジンを交換したばかりのコルト・ガバメント。
やってやる。やってやるぞこの鬼畜め。
ジャクソンは、全ての内的衝動を人差し指に込め、トリガーを力任せに引いた。
普段は軽いと表現できる銃声が、立て続けに再び発生する。
そして、それに釣られたかのように再び男達が銃器を構えなおし、スペックに狙いをつける。
いかに"人間の盾"が良質の抗弾素材であったとしても、やはり限界は存在する。
先ほどまでと同レベルの銃撃がもう一度くわえられた場合、まず間違いなくフィルスの肉体は
その暴力に耐えかねて引きちぎられていたであろう。
そしてそれは、フィルスを盾にしていたスペックにとっても、終わりを意味していたであろう。
スペックの最期を演出する、コルダイトと鉛の集中豪雨が男達によって作り出され・・・・ようとした矢先だった。
>>395 え?
半円の中央部、ちょうどスペックと正対する位置に陣取っていたジャクソンは、一瞬自分の見たものが何で
あるか分からなくなってしまっていた。
彼が見たものを見たままに記すならば、このようになるだろう。
男達の視界から、スペックの姿が、ふいに掻き消えた。
同時に、ありえないほどの速度と角度を持って、つい今しがたまでスペックによって宙吊りとされていたフィルスの
死体が、空中を飛んでいく。
物言わぬフィルスは、くるくると宙を回転しながら、男達がかたちづくる半円、ジャクソンから見てその右端へ舞って
いった。
フィルスの死体は、右端にいた男達数人を巻き添えにしながら、店の壁にたたきつけられる。
いったい何が、そう思いかけた矢先、今度は左端から男達の悲鳴と絶叫、怒号が一挙に沸き起こった。
ほんの一瞬。時間に直せば秒すらも経たないその間隙。
ぐっと腰を落したスペックは、フロアをぬるりと滑るように駆け抜け、あっという間に半円の左端に詰め寄る
ところだった。
左手には、いつの間にか、フロアに転がっていたブランデーの空き瓶を握っている。
その体格からすれば、信じがたいまでのスピードで、男達との距離を半分まで一挙に縮めたスペックは、
握り締めていた空き瓶をそのまま、かしゃ、と握り潰した。
スペックの左手に作り出された無数のガラス片。
彼は、優雅ともいえる仕草で左腕全体をぶん、と一振りし、それを扇状にぶちまけた。
もちろん、そのガラス片が飛んでゆく先には、銃を構えた店員や用心棒が、これ以上はないと思えるほどの
密度で固まっている。
時速100キロをゆうに超える速度でばら撒かれたガラス片は、そのまままっすぐ男達の顔に襲い掛かった。
>>396 「グワァッツ」
「ギャッ」
「アウッ」
眼球や表皮を無慈悲に切り裂かれた数人の男が、銃を捨て、顔をかきむしってのた打ち回る。
そしてスペックは、猫科の猛獣にも似た滑らかさで犠牲者との距離をゼロにし、そのまま彼等の上を飛び越えた。
スペックを抹殺するための半円の堅陣、その外側に飛び出たスペックは、くるりと身を翻して、今度は雷撃のような
鋭さでいまだ健在の中央部、その背後へと突進していった。
人間の注意は、視界が確保されている己の正面にしか向かない。
そのため、誰にも予想し得なかった方法で半円陣を突破したスペックが、背後から禍禍しいまでの一撃を加えたとき、
それに対応できた人間はただの一人として存在しなかった。
空気を切り裂く鋭い音と共に、スペックの両腕が唸ると同時に、少なくとも2人の男が首筋を叩き折られる。
丸太のような脚が鞭のようにしなり、ショットガンを持った男が頭を柘榴のように砕かれる。
くるりくるりとスペックが身体を回転させ、手や足を無造作ともいえる動きで突き出すたび、死神の接吻を受ける男の
数が増えてゆく。
暴風雨のように人命を損ねていきながら、スペックは大声で叫んでいた。
「俺ハマダマダ食イ足リナイゼ、カウボーイ達!
サア、コッチヲ向ケ!
銃ヲ構エナオセ!
俺ヲ楽シマセロ!
撃ッテミロ!男ヲ見セロ!
ハヤク、ハヤク、ハヤク、ハヤク、ハヤク!!!!!!!」
・・・・・デナイト、俺ガ先ニオ前達ヲ皆殺シニシテシマウゾ・・・・・?
398 :
マロン名無しさん :03/03/30 08:43 ID:eSrpPX26
スペックいいですね。 文章好きですよ。
399 :
ふら〜り :03/03/30 19:46 ID:MgWmlA2I
>自分達の常識や経験を遥かに遠く置き去りにするこの怪人 これですよ、これ! これ↑っぷりでは、やはりスペックが 一番だと思ってます、今でも! スペックさん(できれば名前 ぷりぃず)、まだまだ楽しみにしてますよっ! >パオさん アカギ、何だか凄みが凄いですね。決着がどうなるのか……? そして決着といえば、パオさんをして「試合を作れない」と 言わしめた組み合わせははたして? 何だか、それはそれで楽しみに なってきました(発表が)♪ ですからお気になさらず、 これからも頑張って下さいっ。 魔界編……孔雀王とか明王伝レイとか、ぬ〜べ〜とかGS美神とか、 あの辺はどうなります? 強さの程度が測りにくいとは思いますが。
400 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/31 00:33 ID:MkpaK7H4
ごめんなさい。今月は週末旅行だの何だので忙しくて中々書けなかった。 明日は多めに書きます。来週は何とか毎日更新を・・。無理かな。 でも、スペック編書いてくださる方が面白いの書いてくれたんで嬉しいです。 バキスレさん帰ってこないかなあ。では、明日は必ず書きます。
401 :
376の続き :03/03/31 18:18 ID:YCi6CMn1
太く柔軟なプロレスラーの首。その首により、アカギのヒザの威力は極限まで軽減される。しかし。 他に巽はアカギに破壊されたモノがある。プライド。10年以上もトップに君臨してきたレスラーの矜持。 巽。声が低くなる。 「調子ン乗るな・・。昨日今日格闘技を始めたガキが・・。このグレート巽を・・」 アカギ。冷笑して答える。 「ククク・・。経験か・・。くだらねえ・・。ズレた感性しやがって・・」 巽。目がスッと細くなる。白目を剥いている。人が本当に怒った時、怒気は消え、殺気の塊となる。 だがアカギは構わず続ける。 「覚えておくんだ、巽・・。そういう小ざかしい事と無関係のところに・・」
402 :
401の続き :03/03/31 18:19 ID:YCi6CMn1
シン、とする場内。最早この天才から目が離せない。 「真の強者は・・存在する・・・。」 ウオオン、と場内が爆発する。アカギの一言で今までの存在感が入れ替わる。今やアカギの方が役者が上。 ブチン、と巽の頭で何かが切れる。弓を引く様な巽の構え。ブンッ。ヘビー級ボクサー並の迫力のパンチ。 幾多の強豪を屠って来たナックルアローの連打。ブンッ、ブンッと風を切る音。しかしアカギは全てかわす。 何発、十数発放っても当たらぬ巽のコブシ。 (な、なんだ、このガキ、何が見えてやがる・・) ・・アカギの見えているモノ。それはエリア・・。アカギは足を使い、巽のエリアの外へと移動している。 それだけではない。コツコツ、と小さなパンチをカウンターで当てている。観客席。感嘆する松尾象山。 「天才か・・。小さえ攻撃だがあの攻撃、ダメージ目的じゃねえ・・。巽の心にリーチを掛けてやがる・・」 巽の心。迷いが生じる。迷いは不安を呼び、不安は恐怖を引き起こす。そして恐怖はミスを誘発する。 象山の隣の姫川。 「迷彩リーチ、というヤツですか・・アカギの天才は・・心に迷彩を掛けてしまう・・」 場内は巽コールがアカギコールに侵食されていく。焦りの巽。それを冷笑するアカギ。 「ククク・・・」 いつものアカギの笑いである。巽は更に怒りで我を忘れる。しかし、その怒りは恐怖から産まれたモノなのだ。 「くああああッッツ」 巽、渾身の右ストレート。・・しかし、遠い。明らかにアカギの思惑通りの展開。 アカギ。それをかわす。いや、元々手技のエリア外に居たのである。そのストレートですら、読みの内である。 かわされた後。巽の体勢が崩れる。いや、隙が出来た、というべきか。巽の大きなアゴのガードが空いている。 アカギ。その隙を逃さない。パンチを滑り込ませる。大振りで、全ての体重を乗せたパンチ。避けようが無い。 何故なら、アカギはこのパンチを成功させるため数々の布石を打ち、巽の心に「恐怖」という罠を張ったからだ。 得体の知れないアカギという男への恐怖。パンチをかわされる事への恐怖。その恐怖が、巽の動きを一瞬縛る。 ・・完璧に下アゴにヒットするアカギのコブシ。巽の意識外からの刃。崩れ落ちる巽。実況が大きく叫ぶ。 「ダウ〜ンッッ、なんと開始1分20秒、グレート巽ダウンだぁッ〜」
長文ですね。
404 :
402の続き :03/03/31 18:45 ID:YCi6CMn1
・・ざわざわとする場内。予想もしなかった事実。アカギが、あのプロレス王のグレート巽を圧倒している・・。 大番狂わせの予感。無限大トーナメントの一回戦。佳境に差し掛かる。 しかし。騒然の場内とは別の世界の様に、優雅に控え室で読書する美貌の女性。試合が近いと思えない立ち振る舞い。 勿論、地上最女神、と呼ばれるニコ・ロビンである。熱心に本を読み耽るロビン。 ・・しかし、その時、ドアが。 コンコン、とノックされる。どうぞ、とそのノックの主に声を掛けるロビン。・・そこには。花束を持った道化師が。 ロビン。本から目を放しゆっくり言う。この男の道化じみた笑いの下の狂気に反応したのである。その道化師は言う。 「ただのファンだよ◇ゆっくりお話ししたいと思ってね◇」 道化師は持ってきた花束をロビンに騎士の様に捧げる。 しかしロビンはそれを受け取らず、道化師を睨みながら言う。 「・・私にご用?・・どうしたいの?」 道化師。口笛をヒュ、と吹きながら言う。 「魔界の偉〜い人の命令でね・・。この大会を監視に来たんだよ・・」 魔界、という言葉にロビンは反応する。考古学者の知識から、既にロビンは魔界の存在を知っている。しかし何故・・。 道化師。「ま、ボクはその偉い人の考えなんてどうでもいいケドね・・。その偉い人と一緒にいれば楽しそうだから・・」 道化師の股間に禍々しい殺気が集まる。ムクムクと大きくなる道化師自身。ヘソまで反り上がっている。下卑た笑い。 しかしロビン。マユ一つ動かさない。 「ご立派ね・・でも私は忙しいの・・。ご用なら後にして下さらない?」 道化師。笑いながらドアを開け、帰ろうとする。視線はロビンから放さない。そして好色な顔でゆっくり言った。 「ボクの名はヒソカ・・必ずキミとボクはもう一度逢う・・魔界でのデート、楽しみにしてるよ・・キミは特に・・。 美味しそうだ・・殺したくなっちゃうくらいにね・・◇」
405 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/03/31 18:48 ID:YCi6CMn1
長文はある程度仕方ないなあ、私の芸風からすると・・。一気に書かないとなんか書けないのよ。 読み辛かったらまたご意見ください。出来る事なら訂正します。 あと、ヒソカのハートマークとかクラブとかスペードとか出ないよう。基本的な質問で申し訳ありませんが 出し方教えて下さいな。・・上手くいけば深夜にも書けます。(夜2時以降)では。
すげぇなぁ。こういう文書けるのは才能なんだろうな。 俺も昔ノンフィクション物書いてそこそこ好評だったが、 創作するとなれば、勝手が全然違うからなぁ。 >パオ氏 長文はこのスレでは当然じゃないかな。403氏も批判 してるわけじゃないだろうし。 スペック編書いてる方と違って、空白行、改行が ほとんどないので、読み手としては重量感があるん だろうけど。
あの文章量でいちいち改行してたら、偉い事になりそう。 だから、今のままでいい。 >ミスターパオ ヒソカのセクハラぶりが素晴らしいw ロビン負けても、魔界変ではまた出番あるみたいだし、ちと嬉しい。 各記号は、それぞれ「ハート」とか「スペード」って書いて変換すれば普通に出まつよ。 あと、巽はまだ本気じゃあないっすよね? 奴が本当に怒ったときは、「気持ち悪いくらい無表情」になるから。 一応、原作は小説・漫画共にファンなんで、そのあたりはチェック厳しくなってまいます。 >406 既存のキャラで、ifのシチュエーションを描けるのが、二次創作の醍醐味やね。 パオ氏は、そのあたりのキャラの起用法と絡め方がバツグンに上手い。 そこが面白さの秘けつだと思うね。
408 :
404の続き :03/04/01 04:05 ID:NgO5mQ6q
松尾象山がチッ、と舌打ちをする。 「不味いぜえ・・。今のアカギのパンチ・・。巽を起こしちまうかもしれねえ・・」 姫川は意味が分からない。いや、体重の乗せ方、角度、スピードとも完璧な拳だったはず。姫川が嫉妬してしまう程に。 象山。「プロレスラーてのは、ダメージ受けてからの方が恐え・・。特に巽はな・・。アカギとは別の意味で、魔物だぜぇ」 闘技場でうずくまる巽。流石のアカギも、巽相手に寝技は仕掛けられない。寝技こそ経験と技術がモノを言うからである。 審判。巽の様子を見る。目が白じんでいる。勝負ありか。審判が右腕を上げようとしたその時。地獄から響く様な巽の声。 「止めたら、殺す・・」 ボソリ、と言っただけである。しかし審判は。心臓をワシ掴みにされた様な恐怖が走った。 闘技場でなければ失禁していたかも知れない。・・のっそり、と立ち上がる巽。先程までの表情と違う。能面の様な無表情。 象山。 「アカギのチャンス・・。無くなっちまったかも知れねえ・・。奴ァ、アメリカでデビルと恐れられてた男だ・・」 魔物(アカギ)と悪魔(グレート巽)。お互い、人非らざるモノの激突。しかし、同質同士ならば、経験値がモノを言う。 アカギも天才ならば、巽もまた天才である。スケールが違うとは言え。・・アカギのエリア。巽はそれを潰しに掛かる。 ・・巽の戦法が変わる。スッ、と腰を低く落とす。ガードをじっくりと固める。そしてすり足で、前へ前へと近付いていく。 象山。 「ヤベえな・・。あれをプロレスラーにやられると、かなり不味い・・」 アカギ。巽に矢の様なパンチを連打。 しかし鍛え抜かれた巽の肉体である。しかも、ガードを要塞の様に固めている。巽は一切攻撃せず、じっくりと前に出る。 ・・アカギ。雨あられの攻撃を繰り出すも、巽の前進は止められない。いや逆に。攻撃しているアカギの方が退がっている。 ・・ついに。闘技場の塀ギリギリまで追い詰められるアカギ。後ろは行き止まりである。こうなるとエリアは意味をなさない。
409 :
408の続き :03/04/01 04:30 ID:NgO5mQ6q
無表情の巽の顔がほんの一瞬だけニヤリ、とする。この無表情と悪魔の様な笑みが、かつてアメリカを震撼させたのであろう。 「アカギくん、つ〜かまえた」 まるで子供の様な言葉。しかし、その顔は冷徹な無表情のまま。その顔にアカギは思う。 (同類の男・・??・・いや、オレの同類など存在しない・・。オレかこの巽・・。どちらかが仮・・いつわりの無頼・・) ・・そして巽は追い詰めたアカギのボディへアッパーを決める。更に。アカギのリストをつかみ、関節へと移行しようとする。 アカギはそれだけは許せない。いくら天才とは言え、密着した寝技では、巽に太刀打ちは出来ないからである。隠し兵器。 アカギ、ポケットにソッと手を入れる。砂。闘技場の砂、である。麻雀でいう握り込み、であろうか。試合前に仕込んでいた。 巽はアカギの右手首を決め、ヒジを巻き込みながら倒れこもうとする。ワキ固め。決まれば腕を外され、ジ・エンドだろう。 しかし。その腕を巻き込む刹那、左手で思い切り砂を巽の目に投げ掛ける。砂には選手の歯の欠片も混ざっている。驚愕の巽。 ・・これがパンチなどなら巽はいくらでも耐えれたであろう。しかし、目への強打と異物混入。一瞬、巽の力は抜けてしまう。 その隙に関節から脱出するアカギ。観客は騒ぐ。 「砂を隠し持ってただァ?卑怯だぞ、アカギ〜ッ」 しかしアカギ。 悪びれることなく言う。 「砂はここの物だ・・。レスラーが鉄柱を使う様なモンさ・・。ま、隠し財産さ、巽クン・・?」 巽。血液が沸騰しそうな程の怒気。しかし、ある事に気付き、またスッ、と無表情に戻る。・・巽は勝利を確信したのである。 象山は首を振る。 「気付きやがったか・・。あの最初の怒りに我を忘れた巽なら、まだ勝ちの目もあったんだが・・」 ・・今まで巽は、アカギの「得体の知れなさ」と「底知れなさ」に感覚を狂わされていた。しかし、今の攻防で巽は見切る。 即ち、「アカギに俺を倒せる技は無い」。立ち技でもアカギは巽の筋肉のカベを破れない。寝技は相手にすらならない。 唯一注意すべき事は、この魔物に心を狂わされた後のカウンター。それだけである。ならば恐れる事はもはや一つも無い。 巽。アカギに無表情のまま言う。 「お前・・。ただじゃここを出れないよ・・。このグレート巽をコケにしたんだから・・」
410 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/01 04:48 ID:NgO5mQ6q
406様、407様過分なお言葉ありがとうございます。前スレの時より忙しくて、 なかなか毎日更新とはいきませんが、最後まで頑張りますんでこのスレ見捨てないで下さいね。 あと407様、そのハートとか書いて変換は試したんですが出ない・・。古いワードだからかな。 ま、いいや。ヒソカの出番はまだ先なんで。のんびり行きます。明日アカギ対巽は決着予定です。 あと、404のセリフが思いっきり抜けてた。誤字脱字はいつもの事だがこれは意味が通らない。 404の6行目 ロビン様のセリフ ↓これね。すいません。脳内で足して下さい。 ロビン。本から目を放しゆっくり言う。 「・・邪魔しないで」
巽がヘタレとる(;´д`)
412 :
マロン名無しさん :03/04/01 10:43 ID:+/dBOnEo
このスレ毎日見ています。おもしろい! トーナメント、陸奥の名を持つ者が負けるところが想像できない・・・ 魔界編、人間じゃなくてもいいなら 「うしおととら」の「とら」が見てみたいです。
やっぱ、原作で不敗設定を持ってるキャラをどう書くのかが、 今一番の注目。
414 :
マロン名無しさん :03/04/01 18:28 ID:poyS0hvH
巽… お前の背中、煤けてるぜ
416 :
409の続き :03/04/02 05:23 ID:6l/sjjky
再度ガードを固めにじり寄る巽。アカギはパンチやキックを繰り出すが、プロレスラーの肉体の前には通用しない。 体力差。アカギもストリートファイトでは無敗の男ではあるが、所詮素人相手である。職業として肉体を練磨する プロレスラー、しかも頂点にいる巽に対して、もはやアカギの技は全て通用しない。汗がアカギの顔を流れる。 象山。 「終わっちまったな・・」 姫川は無言である。3年、この天才が格闘技に没頭すれば自分も勝てない。 しかし現時点では、やはり巽にも自分にもアカギは勝てないであろう。嫉妬。姫川はアカギの才能に嫉妬している。 ・・目のダメージは復活してきた。巽。ガードから攻撃に転ずる。勿論、最早油断は無い。「油断」という魔物。 それを突く事に関しては、このアカギは天才的である。細心の注意で追い詰める。ジリジリ、と。そして。 再び壁際まで追い詰める。先程、無理矢理寝技に行こうとして「隠し財産」に目をやられた。ならば今度は。 顔面のガードを固めたまま、右足を鞭の様にしならせる。ローキック。アカギの左足にミチリ、と食い込む。激痛。 ・・初めてアカギの表情が苦悶の色に変わる。象山はうなる。 「下段はなあ・・。スネ鍛えねえと、耐えれねえ」 才能だけで絶対に埋まらぬモノ。肉体の耐久力。巽はそこを突く。ローキックの連打。アカギの足は赤く腫上がる。 体勢が崩れる。左足の太ももの裏、その一点を狙い続ける巽。無表情のまま。「作業」を繰り返すマシーンの様に。 ・・ついにアカギ。ガクン、と足が抜ける。そこへ。巽のヒザが顔面へと決まる。試合最初のアカギの一撃の返礼。 しかし威力は段違いである。後ろに吹き飛び、すぐ後ろの壁に引っ掛かる。巽。それでも油断はしない。無表情。 砂。その砂の目潰しを警戒しているのだ。・・しかし逆に言えば、最早巽はそれ以外を警戒していない。
417 :
416の続き :03/04/02 06:03 ID:6l/sjjky
巽。ついに決めに掛かる。アカギは左足を潰され、反撃の術は残されていない。左手を天に上げる巽。 「ウオオオッ巽ィ〜」 「遊びすぎだぜ巽ィッ」 「カッコいい巽さんッ」 ヒートする観客達。 場内は巽コール一色である。周りを見渡す巽。今、会場は全て自分の支配下にある。至福。そして・・。 このアカギという魔物を葬れば、俺は今まで経験した事の無いエクスタシーを感じる事が出来る・・。 アカギ。足を壊され、ガードは甘くなっている。しかし、目は蒼く澄み渡っている。恐怖は微塵も無い。 (大したモンだよ・・) 遠間からマシンガンの様なジャブを放つ巽。最早、防戦一方のアカギ。 顔が赤く染まっていく。リーチは遥かに巽の方が長い。左足を壊され、アカギは懐に入れない。しかし。 このアカギという魔物に油断は禁物である。アカギのエリアの外から、ジワリジワリと嬲り殺しにする。 1%もコイツ逆転のチャンスを与えてはならない。何故なら、この男は人の皮を被った魔物だから・・。 ・・サンドバックの様に打たれ続けるアカギ。十数発喰らっているであろうか。最早巽はジャブで無い。 腰の入った、弓を引く様なナックルアロー。一発アカギに入る度に、観客は歓喜の悲鳴を上げる。 アカギの目から生気が引いていく。臨界点。人である以上、ダメージの許容量がある。それを超えていく。 超一級のハンターである巽。それがわからぬ訳は無い。巽はいまだかつて無い快感を感じている。至福。 アカギ。最後の力を振り絞り、思い切り懐へ踏み込む。ミシリ。左足が悲鳴を上げる。顔面は血だらけだ。 そして渾身の右ストレートを巽の顔面へ放つ。・・しかし。下半身に力の入らない手打ちのパンチである。 スピードも足りない。巽は首をかしげてかわす。アカギの拳は巽の肩を越えてしまう。巽。ニヤリと笑う。 ・・今2人の体勢は、アカギが巽にもたれ掛かっている格好である。しかも、アカギの右腕は巽の肩口。 象山は叫ぶ。 「ここまでかッ。あの体勢は絶好の巽の勝ちパターン・・立ち関節が・・来ちまう・・。」
418 :
417の続き :03/04/02 06:20 ID:6l/sjjky
・・巽。肩口に載ったアカギの腕を取る。リストを決め、そのままくるりと半回転をする。腕を逆に極める。 体勢で言えば、巽とアカギは同じ方向を向いている。巽が前で、両手でアカギの右腕を取っている形。 そして。アカギの腕を一瞬勢いをつけ持ち上げる。そのまま。アカギの右ヒジを。自分の肩に叩きつける。 ・・アームブリーカー。かつて、「インドの狂虎」と呼ばれた悪役レスラーの腕の叩き折った技である。 そして今。・・ベキンッッ。気持ち悪い音と共に、アカギの右腕も有り得ない方向へ折れ曲がった。 シン、とする観客。アカギの右腕はダラリ、と力なく垂れ下がる。しかし巽。異常な快感を覚え笑っている。 駆け巡る脳内物質っ・・! β-エンドルフィン・・! チロシン・・! エンケファリン・・! バリン・・! リジン、ロイシン、イソロイシン・・! かつてない巽の至福・・。獲った、この魔物を・・。・・しかし。 次の瞬間。折れたはずのアカギの右腕がするすると動く。アカギ。いまだ勝負を捨ててはいない。いや既に。 アカギは勝利をこの時確信していた。捨て身。・・アカギは今、わざと巽に腕を折らせたのだ。逆転の為に。 巽。慌てて逃げようとする。 ・・しかし。もう遅かった。アカギの折れたはずの右腕が巻き付いている。 巽の首に。折れたヒジを起点として、ヘビの様に巻き付いている。・・アカギ、渾身のチョークスリーパー。 巽。もがくが完全に決まったチョークは絶対逃げられない。薄れゆく意識の中で思い出す。この技自分も・・。 (俺も使った事がある、この技・・昔、アメリカ地下プロレスで・・俺より強いヤツを倒す為に、捨て身で、腕を犠牲にして・・)
419 :
418の続き :03/04/02 06:40 ID:6l/sjjky
ガクン。巽の意識が途絶える。ゆっくり崩れ落ちる巽。一瞬シンとする場内。審判が思い出した様に大きく叫んだ。 「勝負ありッッ!!」 爆発する場内。大番狂わせが起こったのだ。あのプロレス王を、アカギが破った・・。 熱狂の場内。しかし、アカギはなんの未練も無くそこから歩き出す。松尾象山と姫川 勉の前を通り過ぎようとする。 象山。アカギに満面の笑みで声を掛ける。 「凄かったぜい・・。あの巽をよ・・。ウチにとってもありがてえ・・」 しかしアカギ。その声を無視して通り過ぎようとする。最早象山との「取引」は終わったのだ。しかし、姫川は叫ぶ。 「どうして・・。右腕を折らせて首を極めるなんて・・。そんな、そんな不合理なことを・・」 アカギは応える。 「合理性はあくまであんたらの世界でのルール・・。大抵の人間にはそれが通用するんだろうが・・。残念ながら・・ その縄(合理性)じゃオレは縛れねえよ・・。不合理こそバクチ・・。それがバクチの本質・・。バクチの快感・・。 不合理に身をゆだねてこそ・・。ギャンブル・・」 ・・そう言い残して闘技場を去るアカギ。 呆然と見送る姫川。松尾象山は姫川の肩ポン、と叩く。見抜いているのだ。姫川がアカギの才能に嫉妬している事を。 「姫川よ・・。いるもんだねえ・・。天才、いや化け物が・・。他人を寄せつけない圧倒的な才能の持ち主が・・」 ・・・。赤木しげる、2回戦進出。
420 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/02 06:48 ID:6l/sjjky
客観的に見たら少しキャラの贔屓が過ぎるな。特にアカギ。気を付けよう。 一回戦はサイコロ通りですがね。ま、トーナメントなんで、どうしても負けキャラは ヘタレかねないなあ。失敗か?この企画。はっきり言って前スレの時より難しい。 もっとラクと思ったんですが。アカギ・巽が長かった分、次の試合は短いです。では。
421 :
マロン名無しさん :03/04/02 07:10 ID:1vlCOXNk
_,,...,_
/_~,,..::: ~"'ヽ
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U"U
ちょっと姫川がヘタレ過ぎているような…。 アカギの天才を見せ付けられても「へえ…」といつもの笑顔で受け流すのが姫川だと思う。
423 :
マロン名無しさん :03/04/02 10:00 ID:Kn2l+hmZ
原作だと姫川は 腕折られても 平気で反撃してる 不合理とか言うたまじゃない
驚き役を他に出さなかったのがいけないんじゃないか? 原作を読み込んでるなら、姫川の付き人の加藤といううってつけの人材を思いつくはずなのにな。
加藤(餓狼伝)はバキの同じ名字の奴と違って驚き役じゃないよ。 顎が折れても平気で姫川と会話したりしてる。 漫画版のイメージで書いてるから加藤は出せなかったとしても、 漫画版餓狼伝には若い本部こと梶原という驚き役がいる。 もっとも、自分のところの社長がやられているのにそんな真似はできないだろうけど。 だから象山と姫川にお鉢が回ってきたんだろうか。
426 :
マロン名無しさん :03/04/02 18:23 ID:vhfBggja
バキ関連の板見ていたらここにつきました。バオさんのトーナメントや夜王さんのスペック楽しく見させてもらっています!がんばってください
427 :
bloom :03/04/02 18:26 ID:QEd011l+
428 :
マロン名無しさん :03/04/02 18:55 ID:peDCwsbu
若い頃のアントニオ猪狩が、あまりにもグレート巽に似すぎていると思うのは私だけであろうか?
429 :
419の続き :03/04/02 20:27 ID:P0VdGlSm
第5試合。ヤムチャ対渋川剛気戦まであとわずか。ざわざわとした場内。その一角での2人組の会話。 「ねえ、ピッコロさん。大丈夫かな・・ヤムチャさん。やっぱりボクかピッコロさんが出た方が・・」 「御飯。ヤムチャを軽く見るな。アイツは最初から地球を守り抜いた、数少ない男だ・・」 孫 御飯とピッコロである。・・しかし観客たち。次の試合のプログラムを見て一斉に席を立ち始める。 「ヤムチャと達人?どう考えても達人圧勝だろ・・。よ〜し、今のうちにトイレタイムだっ!!」 「ボクもッ!」 「私もッ!」 「俺大きい方ッ!」 ・・あっという間に観客の3分の1が消える。 白々した雰囲気の会場。いつの間にかヤムチャは入場している。我先にとトイレに駆け込む観客たち。 これはマズイ。何とか俺に注目を・・。ヤムチャは閃く。そうだ、小粋なアメリカンジョークを・・。 「鼻くその秘密を、そっとはなくそう」 ・・シーンとする観客。急に闘技場へモノが投げ込まれる。 「死ねヘタレッ」 「ギャグのセンスも無えのかクズッ」 「そんなだから宇宙人に女を寝取られるんだッ」 ・・・暴動寸前の観客たち。早くもヘタレワールドが炸裂。光成は心から思う。呼ぶんじゃ無かった、と。 実況。必死に盛り上げようとしている。 「解説の雷電さん、本部さん。この試合は全く読めませんね〜」 本部は断言する。 「渋川さんの勝ちです」 雷電。 「当たり前でござる」 実況は慌てふためく。 「あ、あの、でもヤムチャ選手は出場者ナンバー1のパワーの持ち主で・・」 既に声が震えている実況。 雷電。「確かに、ヤムチャのパワーは凄い。・・しかし、それ以上に彼のヘタレっぷりは神の領域でござる。 下手を打てば、とっとこハム太郎にも負けかねぬ負の力を持ってござる」 本部は大きくうなづく。初めて2人の意見が合う。いや、2人というよりも全人類の共通認識であろうか。 いつのまにか達人・渋川剛気も入場している。全く緊張感の無い弛緩しきった空気。その分トイレは満員だ。 審判が仕方なく声を上げる。 「はじめ」
折角良い作品見せてもらってこう言うのもアレだが グレート巽がヘタれたのが残念でならない・・・ アカギという異才だからこそこういう展開なのは 仕方ないと思うんだけど、せめて闘士と戦って散って欲しかった。 巻き返しは無いかねえ・・・
431 :
マロン名無しさん :03/04/02 21:00 ID:rk5LLuhx
重箱の隅つつくようなレスはやめよう プロじゃないんだから… 本家バキに比べればよっぽどパオ氏の方が不条理が少ない
432 :
429の続き :03/04/02 21:08 ID:P0VdGlSm
ヤムチャ。猛然とラッシュする。観客ども、舐めやがって・・。その気持ちがヤムチャを走らせる。 「狼牙風風拳ッ!!」 ヤムチャの突きが渋川を次々と襲う。観客には手先が見えないほどの速さ。 しかし、達人・渋川剛気はゆるゆる、のらりくらりとかわす。焦るヤムチャ。リズムが狂っていく。 そこへ渋川の足払いがシュッ、と決まる。つんのめるヤムチャ。そこを渋川はトン、と突き押す。 コケるヤムチャ。ヤムチャ、照れ笑い。渋川は満面の笑みでお馴染みの台詞を言い放つ。 「ほっほっほ。パワーは凄いが、足元がお留守じゃのう」 ・・観客は大爆発。渋川に拍手を送る。 「ナイス達人、その台詞だけ聞きたかった!よし、見所は終わった、食堂で焼きそばだッ!!」 「ボクもッ!」 「私もッ!」 「俺カツ丼大盛り!」 ・・あっという間に観客の3分の1が消える。 寒々とする観客席。観客は最早3分の1程度。しかも次の播磨灘対ニコ・ロビン様の話題で持ちきりだ。 ヤムチャはブチキレる。バカにしやがって、バカにしやがって・・。・・俺はヘタレじゃないやい。 ついに。禁じ手のあの技の構えに入る。もう、観客の事など知った事ではない。そう、かめはめ波である。 「か・・め・・は・・め・・」 気を思い切り貯め、突き出そうとするヤムチャ。・・しかし、その時。 渋川が突っ込んでくる。信じられない踏み込みで。ヤムチャが「波」という寸前。渋川が右手を突き出す。 ・・合気。相手のパワーを吸収し、自分の力を上乗せして跳ね返す達人・渋川剛気の奥義。見事に炸裂。 「ふげえッ!」 トラックに轢かれた犬の様に吹き飛ぶヤムチャ。闘技場の壁を突き破り、地下6階から 地上へ吹き飛んでいく。まるで打ち上げ花火の様に。何故か敬礼する観客たち。ポツリ、と誰かが言った。 「ヤムチャは・・風になっちまった・・」 審判が小声でつぶやく。 「しょうぶあり」
sage
>>431 430だけど重箱の隅つついてるように見えた?
パオ氏のSS大好きだよ。すごく応援してる。
だから素直な感想言ったんだけど、駄目かな?
俺は巽が好き。アカギも好きだけど。
だからああ書いた。ちょっと書き方が悪かったかもしれないけど。
435 :
432の続き :03/04/02 21:09 ID:P0VdGlSm
孫御飯とピッコロは真っ赤な顔。御飯はピッコロに聞く。「ヤムチャさんて・・何か役に立ったっけ・・?」 ピッコロ。「いや・・。サイバイマンが自爆するのを身をもって教えてくれたり・・悟空に薬届けたり・・」 御飯はつぶやく。 「戦闘で役に立った事は・・無いんだね・・」 ピッコロ。力なく言う。 「帰るか・・」 御飯とピッコロは帰っていく。自分たちの世界へ。・・ヤムチャ、という人は「いなかった」事にして。 ・・しかし。このヤムチャの底知れぬ実力に身震いする者が2人。 「ダメだ。我らの及ぶところでない・・」 最凶死刑囚の柳 龍光とシコルスキーである。 ・・そして。場内が一気に明るくなる。実況が叫ぶ。 「白虎の方角より、ニコ・ロビン選手の入場ですッ!!」
436 :
432の続き :03/04/02 21:53 ID:P0VdGlSm
その瞬間より、闘技場は時間も空間も「美」に支配される。 まるで神自ら設計した様な完璧なプロポーション。湖の様に、深く澄んだ瞳。 観客は生まれて初めて知る。「美」という言葉の本当の意味を。目の前の女性。 地上最女神、ニコ・ロビンによって。陶然とする観客。心地良い静寂。・・しかし。 「ロビン様キタ━━━━(*゚∀゚*)━━━━!!!」 「ロビン様、ロビン様、ロビン様あッ!!」 「★.。.. .☆:*.゚ /ヽァ/ヽァ(*´Д`*)/ヽァ/ヽァ ゚.*:☆. ..。.★.。.:*・゚ ゚・*・」 ・・・来ちゃったよ、この人たち・・・。闘技場内の一般観客たちは一斉に白い目を向ける。 しかし、その一団の萌えは止まらない。今、観客の心は一つになる。100円やるから死んでくれ。 ロビン、チラリとその一団を見る。お愛想ではない。自分の名を呼んだ方を向いただけである。 興味の無い昆虫を見る様な目を向けるロビン。・・しかし。 「ロビン様コッチミタ━━━━(*゚∀゚*)━━━━!!!」 「/ヽァ/ヽァ(*´Д`*)/ヽァ/ヽァ 」 ・・留まる事を知らない萌え祭り。その一団の余りに無法な萌えっぷりに、ついに江田島ブチキレる。 その一団に向け、千歩氣功拳の構えを取る江田島平八。必死に止めようとする高槻 巌。・・その時。 ズン。ズン。大地を雄雄しく踏みしめる様な快音が響き渡る。その余りの迫力にシン、とする場内。 ・・四股踏みである。日の下開山、横綱・播磨灘、堂々の闘技場入り。
437 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/02 22:02 ID:P0VdGlSm
意見はいろいろ戴いた方が嬉しいです。 文面を見れば、それが期待と好意で書かれているのか、悪意と荒らしで書かれているかは すぐ分かりますからね。厳しいご意見もありがたいです。 でも、トーナメントは難しいですなあ。一回戦はとりあえずサイ通りなのですが、 前スレより簡単だと思ったらとんでもない。コッチの方が全然難しい。トホホ。 ところで今回。ヤムチャは書き尽くされてると思うので、返って難しいですな。 それからロビンの応援団ですが、パオの創作です。もし似た人達がいたらゴメンなさい。
ヤムチャ藁た。骨の髄までヤムっちゃってたな。 しかし、最凶死刑囚…あれだけ苦労して物語作っといて ギャグ要因にするのな。まぁ、別人なんだけど(w
要員だ。
440 :
:03/04/02 23:15 ID:???
ピッコロって顔、赤くなるのか・・・?
441 :
ふら〜り :03/04/02 23:22 ID:uVLECzFa
播磨の必殺技、「観客を操る」が出たっっ! 萌え云々を抜きにしても、応援団の数は圧倒的に少ない だろうけど、でも、頑張れええぇぇっ! ……ヤムチャには爆笑しました。さすが也、ヤムチャ。 こうでなくては、ヤムチャ。
ヤムチャキタ━━━━(*゚∀゚*)━━━━!!
操気弾撃つ間もなく逝ってしまわれた(w
てか個人的にアカギ大好きだからアカギの試合には燃えますた!
>>412 俺もとらキボンヌ
あと魔界編なだけにヴァンパイアハンターのキャラとかどうっすか!?
>>440 時々赤くなる場面がアニメでも漫画でもあったと思う。
ロビンの応援団は非常に良く似た人達を少年漫画板で見かけた記憶が…。
444 :
夜王 :03/04/03 01:14 ID:???
>>426 あの〜・・・、スペック外伝書いてるのは、俺じゃないよ?
ってか、寝る前にここ覗いて、びっくりした。
俺は、囚人だらけのトーナメントを企画してる者です。
スペック書いてる人は、別人なのであしからず。
445 :
夜王 :03/04/03 01:28 ID:???
感想。 ヤムチャのヤムチャたるヤムチャっぷりは、俺の拙い想像を圧倒的に凌駕してました。 正直、こんなに面白い試合になるとは思ってなかった。 前回の、巽vsアカギが屈指の名バトルだっただけになおさら。 さあ、次はある意味、一番期待してた試合です。 別にロビン萌えではないけど、どういう展開になるのかが凄く楽しみ。
とらは、うしおがいてこそ魅力が最大限に発揮されるのだがな。 もし単騎で出すとしたら、うしおに出逢う以前の凶悪なとらを希望。
447 :
マロン名無しさん :03/04/03 03:06 ID:56AqFTlE
426です。夜王さんすみません。勘違いしてました。でも囚人だらけのトーナメントも 楽しみです。がんばってください。
448 :
マロン名無しさん :03/04/03 11:13 ID:BkEMV+q6
ヘタレヤムチャをこよなく愛するage
>>パオ ゼンブヨンダ オモシオロカターヨ 本部可愛そうだけど。
450 :
436の続き :03/04/03 20:30 ID:8NYx4cH7
達人の合気により、「風」になったヤムチャ。吹き飛ばされ、ゆっくりと落下する。気絶したまま。 ドサッ。どこかの公園へ不時着するヤムチャ。体の下には、ダンボールで作られた民家らしきモノが 下敷きになっている。そのダンボールハウスの入り口とおぼしき所には、マジックでこう書かれている。 【MOTOBE HOUSE】と。気がついたヤムチャ。涙を浮かべながら思う。 (乞食の家なんてどうでもいい・・。ちきしょう、また負けた・・。ベジータにまたいじめられる・・) また。ベジータがブルマとプレイ中、ブルマが喘いでいる声をベッドの横で正座して聞かされる・・。 ちくしょう、ベジータめ、渋川とかいうジジイめ・・。一人で地団太を踏むヤムチャ。その場面を。 一匹の子犬が見ている。蔑んだ様な目で。ヤムチャ。ゆっくり立ち上がりその犬と闘う事を決める。 「お前までバカにするかぁッ」 大人気なく思い切り蹴りをいれようとするヤムチャ。しかしその犬。 信じられないスピードでスッ、と避ける。な、舐めやがって、どいつもこいつも・・。 「操気弾!!」 ・・ヤムチャ 対 謎の子犬の激闘は続く。しばらくして、その公園を中心に、噂が広まりつつあった。 「おい、ドラゴンボール戦士が闘ってるぜ!!」 「何ぃ、悟空?ベジータ?それともピッコロか?」 人波がその公園へ詰め掛ける。しかし。 「なんだ、ヤムチャか・・」 「忙しいのに、見に来て損した」 蜘蛛の子を散らす様に散会するギャラリー。しかしヤムチャは子犬との真剣勝負でそれに気付かない。 操気弾の玉が空中から地中からその子犬を襲う。だが、その子犬はヒラリと全てかわす。恐るべき子犬。 焦るヤムチャ。そして急に、その子犬が足元に突っ込んでくる。犬にけつまづき、コケるヤムチャ。 そして子犬は遠くに走り去る。最後にワンワン吠えて。呆然とするヤムチャ。俺・・子犬に負けた・・。 ・・その子犬の名。銀牙、という熊犬。奥羽山脈に居座る「赤カブト」というクマを退治に行く途中だ。 そして最後、銀牙が吠えたワンワンという言葉の意味。人の言葉に訳すとこうなる。 「あなたパワーは凄いですが、足元はお留守ですね」 ・・そして地下闘技場。播磨灘 対 ニコ・ロビン戦、スタート。
451 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/03 20:37 ID:8NYx4cH7
今日は時間がなくて・・。1レスですみません。ヤムチャは「魔界編」で また出て来ます。人間界側の助っ人として。明日はもっと書きます。すみません。
まだ底があったのかヤムチャ・・・ しっかし、果てしなく頼りにならなさそうだなw>ヤムチャ魔界編登場
ヤ ム チ ャ 最 高
…哀れな…。
ただの犬かと思ってたら銀牙だったのね・・・ うまい。
456 :
マロン名無しさん :03/04/04 06:16 ID:qV6Ubc8A
他のキャラが負けると「○○ヘタレ過ぎ」とか言われるのに、ヤムチャは誰もそう言わない。 なぜだろう。なぜかしら。
ヤムチャ=ヘ(ry
つーか、「銀牙」は名前じゃないっしょ。 奴の名前は、単純に「銀」だ。
459 :
450の続き :03/04/04 21:19 ID:M2WYlo1y
横綱・播磨灘の四股の音が場内に響き渡る。その迫力に先程までキタキタ言っていた連中も声が出ない。 よく見ると播磨灘は、おかしな仮面をかぶったまま四股を踏んでいる。トーテムポールの様な仮面。 その仮面より、ベー、と舌が伸びる。ロビンへ向かってである。それを見て、あの一団がまた騒ぎ出す。 「ロビン様に何をシタ━━━!!」 「ロビン様/ヽァ(*´Д`*)/ヽァ 」 再びスパークするキ○ガイ博覧会。 播磨。仮面をはずす。そしてその一団の方をギロリ、と睨む。 ・・腰を抜かし座り込む萌え集団。 そして。ゆっくり播磨は腰を沈める。仕切りの形。この会場でロビンを相手に、相撲をしようとしている。 ロビンも迎撃態勢を取っている。腕を静かに胸の前でクロスしている。もう、勝負は始まっているのだ。 ・・先ほどのヘタレイリュージョンとは違う、異常な緊張感。審判が大きく叫ぶ。 「始めいッッ!!」 その声と同時に弾丸の様に飛び出す播磨。一気に潰す気であろうか。ロビンは叫ぶ。 「四輪咲きッ!!」 ニュッ。播磨の足元に麗しい手が二本現れる。播磨の足をすくいに掛かる。しかし、相手は横綱である。 つかまれた足をモノともせず突進する。はじかれる2本の腕。ロビンは顔をしかめる。 「痛ッッツ・・」 ロビンの分身である手足がダメージを食らえば、そのまま主人のロビンに跳ね返るのだ。播磨が近づく。 播磨の張り手がロビンを襲う。その時。四輪咲きの残りの2本の腕がロビンの足元に生え、大きく後ろへ ロビンを飛ばす。間一髪で張り手をかわしたロビン。しかし、播磨の追撃は止まらない。更に突進する。 横っ飛びで避けるロビン。あの女神が砂にまみれてゴロゴロと。播磨。ロビンを指差し、厳しく言い放つ。 「ちょろちょろと逃げ回りおって・・。土俵で寝るなッッ!!」 ・・見下ろす播磨。見上げるロビン。 お互い厳しい視線のまま対峙する。・・一方、その頃。 キーコ・・キーコ・・。ひゅううう。寂しく響くブランコと風の音。負け犬がブランコをこいでいる。 俺・・ジジイどころか・・子犬にも負けた・・。その男。「宇宙ヘタレランキング・20年連続一位」、 ・・我らがヤムチャである。
460 :
マロン名無しさん :03/04/04 21:22 ID:GTzrHMdq
蔵馬を想うと身体が熱く震えて、好きって気持ちがもう心から溢れ出しそうなくらいに胸がキュウゥゥっと締め付けられてときめいて・・ホント、ジッとしてられず、どうしようもなくなります(//▽//)あまりにも愛し過ぎて、涙がでてくることもあり。
461 :
459の続き :03/04/04 21:41 ID:M2WYlo1y
俺・・。宇宙最強のZ戦士の栄光を・・汚しちまった・・。涙がポロポロこぼれるヤムチャ。 別にヤムチャとZ戦士の栄光は全く関係ない。ヤムチャはある意味、非戦闘員である。しかし。 彼は悩んでいる。もう元の世界に帰れない。ただでさえ、最近みんなの俺を見る目がおかしい。 昔からの家来のプーアルは最近、「ヤムチャさん」と俺を呼ぶ。前は「ヤムチャ様」だったのに。 呼び捨てになる日も近いだろう。ちくしょう。この大会、優勝出来たら俺はきっと変われたのに。 ・・ベジータのいつものパシリの「パン買って来い」 にこう言い返してやるつもりだった。 「買ってくるけど、お金だけはベジータさんが出して下さいね」 と。しかしそれも夢のまた夢。 ・・泣いているうちに、少し尿意をもよおしたヤムチャ。公園のトイレで用を足す。その時。 ヤムチャの右肩に、カマドウマが止まった。別名、便所コウロギ。追い払おうとするヤムチャ。 しかしカマドウマはピョン、と飛び跳ね、今度はクビに止まる。更に追い払おうとするヤムチャ。 しかし今度は腹に止まりヤムチャから離れない。・・プチン。ヤムチャの中で何かが弾けた。 「おのれぇッ!!虫けらがぁッ!!貴様まで俺をヘタレと笑うかぁッ!!」 ヤムチャは怒る。 ・・そして、全力でこの敵を倒すことを決意する。渋川、子犬(銀牙)と負け続けてきた以上、 せめてコイツにだけは・・必ず勝って見せる。見ててくれ悟空、ブルマ、武天老師さま・・。 ・・ヤムチャ3番勝負ファイナル。ヤムチャ VS カマドウマ、スタート。
462 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/04 21:49 ID:M2WYlo1y
カマドウマなんて虫じゃないか、漫画のキャラじゃないじゃん! ・・と、言う方。 「コータローまかりとおる」の柔道編を呼んで下さい。コータローチームの一員でつ。 取り合えず、ヤムチャを出したのは、この激闘の解説をする方を出したいからです。 で、ヤムチャはこれが終わると魔界編まで出番はありません。あいからず。では、また。
463 :
マロン名無しさん :03/04/04 21:50 ID:0TzZnVST
ヤムチャ=春巻
464 :
bloom :03/04/04 21:54 ID:jdLp8itD
465 :
ふら〜り :03/04/04 21:55 ID:NfbWo3jV
「仮面」と「叱りつけ」が来ました〜♪ さすがはパオさんっ。 あとは勝ち台詞(罵倒)が出るか否か? 手に汗握って 待ってます! ヤムチャ、いくところまでいってるというか……でも「武天 老師さま」の「さま」にちょっと感動。礼儀正しい。可愛い。
>・・ベジータのいつものパシリの「パン買って来い」 にこう言い返してやるつもりだった。 >「買ってくるけど、お金だけはベジータさんが出して下さいね」 と。 目標 低!!
467 :
マロン名無しさん :03/04/04 23:58 ID:xeioU5+a
ロビン対播磨は分からんが、ヤムチャ対カマドウマはカマドウマ有利だな。戦力的に。
初めて見たんだけど ヤムチャ主人公かと思ったw
3:7でカマドウマ、だな。
470 :
461の続き :03/04/05 07:20 ID:9UCMS0l7
ヤムチャの殺気に反応したのか、トイレの外へぴょんぴょん逃げ出すカマドウマ。 必死で追い掛け踏み潰そうとするヤムチャ。しかしカマドウマはその小さい体で 逃げ回る。狼牙風風拳や操気弾も当たらない。カマドウマ圧倒的有利。 (1人で何やってんのヤムチャ・・)(ついに狂ったかヘタレ・・) 道行く人々。 目を合わせようとせず足早に去っていく。カマドウマが小さ過ぎ見えないのだ。 焦るヤムチャ。 (強え・・いっその事かめはめ波で公園ごと吹き飛ばすか・・) カマドウマに勝てなければ、べジータにも勝てまい。かめはめ波の構えを取るヤムチャ。 その時。ぴょん、とヤムチャの鼻に跳び付くカマドウマ。 「ぬああッ!!」 カマドウマを潰そうと自分の顔にパンチを叩き込むヤムチャ。ぴょん。逃げるカマドウマ。 誤爆。鼻血が噴水の様に。フラフラのヤムチャ。その様子をある一団がジッ、と見ていた。 「ヤムチャ・・。自分で自分を殴っているよ・・」 一団のリーダーらしき男。突然叫ぶ。 「そ・・そうか・・!!俺たちはとんでもない勘違いをしていたんじゃないか・・!!」 1999年が何事も無く過ぎ去り、マガジン編集部をクビになったガイキチ集団・MMRである。 「何ぃ・・どういう事だ、キバヤシッ!!」 リーダーのキバヤシ。慄然とした顔で答える。 「あのヤムチャは・・。ヘタレじゃ無かったんだ・・。真性のマゾだったんだよッ!!」 ・・恐るべき推理力。流石は人類滅亡を10回以上も予言し、その全てを外してきた男である。 成る程。あの芸術的なヘタレはわざとだったのか。ヘタレる事で快感を感じていたのか・・。 シャブ中の様な想像力は衰えを知らない。 ・・広い日本にはこの漫画で未来に絶望し、 自らの命を絶った少年もいるかも知れない。究極のヤリ逃げ漫画の主人公であろう。 ヤムチャ。ふらふらになり、足元がおぼつか無い。その時。足元の小石にけつまづく。ツルッ。 コケるヤムチャ。後ろにひっくり返り、後頭部を強く打つ。失神するヤムチャ。 もしカマドウマが話せたら、きっとこう言うであろう。 「パワーは凄いが、足元がお留守ですね」 ○カマドウマ(2分17秒 KO)ヤムチャ× ・・ヤムチャ三番勝負、全試合完全敗北。
471 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/05 07:30 ID:9UCMS0l7
モーニング1レスカキコ。すみません。ヤムチャはまた負けました。今回は相手が悪いかった。 達人、銀牙にカマドウマだもの。でも、魔界編では助っ人としてカッコ良く勝つ予定。 「ダイの大冒険」でラーハルトの再登場シーンみたいな感じ。複数の敵を瞬殺する予定。 あと、キバヤシも魔界編で助っ人として登場します。・・しかし魔界編まで行けるんかいな。 夜王さんすみません、前スレと変わらず進行遅くて・・。 夜に播磨ロビンの続き書きます。
>>397 「そろそろ、時間だな」
店の前に止めたクライスラー、その助手席に深々と腰をおろした男が、腕時計を見ながら呟いた。
その呟きを耳に留めた運転席の男は、これもまた呟くように答える。
「うむ。だが、今回もいつもどおりじゃないかな」
「いつもどおり、か。・・・・・だろうな」
助手席の男は頭をめぐらせ、サイドウィンドウ越しに店の入り口に視線を向ける。
クライスラーの男達は、今ごろ店の中で遺憾なく侵入者を痛めつけているであろうフィルスの部下で、
万一騒ぎが大きくなったときのバックアップ要員だった。
彼等の役割は、フィルスが活動しているあいだ店の周囲に不審者が寄り付かないようにするための
見張りと、ボスに姿をくらます必要が万一生じた場合にそなえての待機である。
第2次世界大戦が終わってからフィルスの下であれこれと危険な仕事をこなし、ときには連邦捜査局や
商売敵のマフィアがぶっ放す銃弾の下をかいくぐりながら自慢のクライスラーを縦横に走り回らせてきた
彼等ではあったが、このホットスプリングスで働くようになってからは、そうした荒仕事をこなす機会も
めっきり減ってしまった。
>>472 それは、この街がたった一人の首領―すなわち、フィルスの雇い主のもと、厳格に統治されているからであり、
無法に見えてもそれなりのれっきとした秩序に支配されているからでもあった。
しかし、今夜は、その滅多にないフィルスの荒仕事が久方ぶりに行われている。
フィルスの仕事振りを間近に見てよく知っている彼等は、この仕事が成功裏に終わることになんら疑問を
抱いてはいなかった。
おそらく、その侵入者-聴いた話では、2メートル近い禿頭の大男だということだが、そいつの運命は
フィルスに手足の骨をへし折られるか、銃弾を打ち込まれるかのどちらかであろう。
たぶん、クライスラーの男達は一仕事終えたフィルスをねぐらまで送り届けるか、あるいはその侵入者が
不幸にして死んでしまった場合、そいつをどこか人里はなれたところまで担ぎ込むだけであろう。
そうした理由で、緊急呼集に応じて一応配置にはついたものの、どこか緊張感がかけた姿勢になっていた
クライスラーの男達は、あらかじめフィルスから告げられていた予定の時間が来るまで、ただそこにいて
何かが起こるのを待っていた。
予定時刻の1分前。
店のドアがわずかに開き、太い腕がにゅっと店内から突き出した。
474 :
i :03/04/05 15:15 ID:YhD+X0wv
475 :
マロン名無しさん :03/04/05 18:25 ID:JwJ8Pim0
supekku yamucha age
476 :
470の続き :03/04/06 00:17 ID:0Wn4wVVr
カマドウマがヤムチャに格の違いを見せ付けたその頃、播磨灘対ニコ・ロビン戦は佳境を迎える。 ロビンを厳しい目で見据える播磨。ロビンは立ち上がって言う。 「反省しても許さない・・六輪咲きッ」 播磨の背中から二本、両足に二本、右と左の上腕から二本、ロビンの腕が生える。 「クラッチッ!!」 背中の腕が首を締める。残りの腕がそれぞれ足関節と腕関節を決める。・・5ヶ所複合サブミッション。 ギリギりと締め上げるロビン。しかし、播磨の怪力に極まり切らない。どころか、少しずつ押し返される。 「かあああッ!!」 ・・播磨の気合が響く。そのまま力を一気に開放する。はじけ飛ぶロビンの六本の腕。 「きゃッ!!」 ・・激痛がロビンを襲う。分身の手に与えられたダメージがそのままロビンに跳ね返る。 ズシンズシンと近づく播磨。鬼神の表情である。ロビンの首をつかむ。体を片手でヒョイ、と持ち上げる。 そのままブンッと思い切り観客席に投げつける播磨。ロビンはホームランボールの様に吹き飛んでいく。 このまま観客席に突っ込めば、そのまま失神し負けてしまうだろう。ロビンは叫ぶ。 「二輪咲きッ!!」 ニュッ、と闘技場の柵から腕が生える。そして吹き飛ぶロビンをキャッチする。だが衝撃で腕に痛みが走る。 ・・柵につかまり呼吸を整えるロビン。高いIQが必死で播磨攻略法を検索しようとするが、何も浮かばない。 播磨。闘技場の隅のロビンを一喝する。「小細工ばかり使いおって・・。ニセ・ロビンとでも名を変えいッ!!」
477 :
476の続き :03/04/06 00:31 ID:0Wn4wVVr
・・。格の違い。播磨圧倒的に強し。実況が解説2人に聞く。 このまま・・。決まってしまうのでしょうか?」 雷電。「相撲は最強の格闘技の一つでござる。残念だがロビン殿のパワーでは・・。播磨殿は難攻不落でござる」 本部。「いや、ロビンには特殊能力と高い知性があります。まだまだ分かりません」 ・・2つに割れる意見。 この2人の解説タイプ。播磨とロビンの闘いにそれぞれ似ている。雷電は圧倒的な解説力でまっすぐ攻める播磨型。 対して本部。あらゆる技を駆使し、返し技「無想転解」を中心に勝機を見出す特殊攻撃系。つまりロビン型。 お互いがお互いのタイプの選手を応援しているのだ。火花を散らす雷電と本部。一気に2人の解説気がスパークする。 雷電。「相撲とは、古事記の昔より・・」 本部。「地上最女神、それはこの世で最も美しい・・」 お互い、一歩も譲らぬウンチク合戦。しかも、その情報量、トークのスピード共にどんどん早くなっていく。 雷電。「ろせらやッンエヒ!!」 本部。「スウハ・ルーボンダ!!」 ・・2人とも気が狂ったのではない。 余りにその解説が速すぎ、奇声を発している様にしか聞こえないのだ。最早2人だけの世界。究極の解説死闘。 実況が静かに言った。 「お前らジャマだからとっとと帰れ」 ・・雷電と本部の勝負は闘技場外へともつれ込む。 その様子を観客席隅から見ていた謎の解説者。ため息をつく。「あいつら一体・・。アタシから何を学んだんだわさ」 その謎の解説者の正体。解王・ビスケット・クルーガーである。ビスケは仕方なく解説役を引き受けた。 ・・闘技場内。ロビンは追い詰められる。播磨の張り手が襲う。必死でかわすロビン。一発食らえば終わりであろう。 シュッ。張り手が顔をかすめる。グニャリ。一瞬、脳震盪を起こすロビン。ロビンは諦めの表情。 (この人は無理よ・・。おっきいもの・・)
478 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/06 00:34 ID:0Wn4wVVr
ま、ネタにも出来不出来がありますし、長いのやってると盛り上がりっぱなしって訳にはいきませんな。 一生懸命やってますが。のんびりやります。あと、スペック作者様いつもありがとうございます。 お互い頑張りましょう。では。
479 :
マロン名無しさん :03/04/06 01:03 ID:GbixElTq
>ビスケット・クルーガー 誰ですか。 元ネタきぼん
480 :
マロン名無しさん :03/04/06 01:04 ID:tHpdW4Z6
482 :
マロン名無しさん :03/04/06 01:21 ID:/Ve5e9la
「口調で第三の解説者丸わかり」と言われて以来、 ずっとキン骨マンだと思っていた・・・・。
実況の人が一瞬だけだがバキの眼鏡の人じゃあなく、 たけしの実況の人のようなビジョンが浮かんだ・・・のは気のせいか
ビスケが本部、雷電の解説師匠なのか。すげぇ。
ビスケはどっちの姿なんだろうか。
いまさらながらスクライドの誰かでないかな〜 と言ってみるテスト
487 :
477の続き :03/04/06 10:12 ID:RDnVP0mJ
場内。播磨の余りの強さに粛として声も出ない。ロビン様私設応援団の方々は泣きそうな顔である。 心の底からロビンの事が好きなのであろう。立派である。ま、ロビンは彼らの事が嫌いであろうが。 しかし。ごく2.3人だけ。新しく解説者になったロリ美少女に、場違いな声援を飛ばす者が。 「ビスケちゃま━━━!!」 「ビスケ様/ヽァ(*´Д`*)/ヽァ 」 ・・光成の目がギラリと光る。 これ以上大会を荒らされては堪らない。近くの黒服に指示する光成。強制連行されるビスケ萌えたち。 「別室」で焼きゴテを押される。ペリカという通貨が支配する地下で、一生強制労働させられるのだ。 その中にあの伊藤カイジがいた。 「貴様ら・・貴様ら・・貴様ら・・それでも人間か・・・!!」 ・・解説のビスケ。「このままではロビンは何も通用しないわさ。アタシより人気あるバツだわさ」 ロビンに間違ったライバル心を燃やすビスケ。実況は思う。普通の解説者はいなかったのかよ・・。 場内。播磨が無理矢理にロビンを引き起こす。余りの力に抵抗出来ないロビン。 「ん・・ハァ・・」 思わず漏れる女神の吐息。観客は色々と総立ちである。ビスケ。 「そこまでして人気取りたいか・・」 実況はビスケに突っ込まず叫ぶ。 「播磨、ロビンを無理矢理に上手投げだァ〜!!」 マネキンの様に叩きつけられるロビン。ハナハナの能力も間に合わない。全身を痛打し気が遠くなる。 転がった所へ。播磨の巨大な足が迫る。ロビンのすぐ上で四股を踏み、踏み潰そうとしている。 食らえば死ぬ。朦朧とする意識で必死に転がり避けるロビン。なんと播磨。「ふあ〜あ」 あくびをする。 ダメ、勝てない。試合放棄が頭をかすめる。その時ロビンの頭に浮かぶ。・・・麦わら海賊団の顔。 ルフィ、ゾロ、ナミ、ウソップ、チョッパー達の顔。 (そうね・・。まだ終わった訳じゃない)
488 :
487の続き :03/04/06 11:13 ID:RDnVP0mJ
距離。とにかくこの大男と距離を取らないと。痛む体にムチ打ち、必死で走るロビン。 その時、チラリと余計な事を考える。剣士さんの強さ、船長さんのたくましさがあれば・・。 この状況で笑みのこぼれるロビン。以前なら・・。「仲間」の事をこんな大変な時に思う事は 無かった。いや、「仲間」、という概念すら無かった。ずっと一人だったから。 ロビン。最後の賭けに出る。狙いは播磨の首、そして天井の鉄骨。・・チャンスは一度きり。 10メートル程距離を取り、振り返るロビン。播磨が睨んでいる。敵に背中を見せおって、と。 自分の強さに対する絶対の自身。逆を言えばそれが播磨に付け入る唯一の隙。構えるロビン。 タイミングを計る。イライラした顔の播磨。一瞬腰を落とし、仕切りの構えから襲い掛かる。 ついに決めに掛かる気である。ロビンは目を閉じ、静かに言う。 「・・三十輪咲き」 ニュ。播磨の足元から4本の腕が伸びる。播磨はこれでは止められないだろう。一瞬でいい。 一瞬、動きが止まれば・・。ほんの少しスピードが鈍る播磨。ロビンまであと3メートル程。 播磨の足元にある4本の腕が吹き飛ばされる。あとロビンまで2メートル。しかしその時。 天井のライトを止める鉄骨から。ブラ下がったロビンの腕が20本以上数珠つなぎになり、 播磨を背後から襲う。生けるロープのようにグルグルと首に巻きつく腕たち。死角からの攻撃。 チョークスリーパーは細い腕の方が決まり易い。首に巻き込み易く、敵は脱出しにくいからだ。 ・・鬼神・播磨灘とは言え人の子である。頚動脈を極め続けられれば絶息してしまう。 この試合、初めて苦悶の表情を浮かべる播磨。・・しかし、そのかいな力は。奥の手さえも。 「ぬがああっ!!」 吠える播磨。ロビンの20数本の腕をたった2本の腕ではぎ取ってしまう。 力無く砂へ落ちるロビンの腕たち。播磨の突っ張りがロビンを襲う。その巨大な掌がロビンに迫る。 死ぬ。ロビンが死ぬ。観客は皆そう思った。張り手の風圧にロビンの髪の毛が後ろへ流れる。
489 :
488の続き :03/04/06 11:35 ID:RDnVP0mJ
・・しかし、その時。ピタリ、と播磨の張り手が止まる。ロビンの鼻先5ミリの距離である。 播磨の背中から細い2本の腕が伸びている。・・その腕の親指は播磨の頚動脈を押さえている。 静かに優しく。決して播磨に悟られぬ様に。2段構え。吹き飛ばされた20数本の腕の首締めは、 この2本の腕の静かな攻撃を隠す為のフェイクだったのだ。 ・・仁王立ちのまま失神する播磨。 「勝負ありっッ!!」 審判が大きく叫ぶ。しかし、ロビン。疲れきった顔でポツリと言う。 「ひどい事するわ・・」 ・・ニコ・ロビン、2回戦進出。 「あの女、勝ちやがったわさ・・」 解説のビスケのつぶやきを無視し、盛り上がる変態たち。 「ロビン様カッタ━━━!!」 「ロビン様/ヽァ(*´Д`*)/ヽァ 」 ・・しかし。危険な男が1人。 熱い目でロビンを見ている。魔界の幹部の一人、ヒソカである。ヒソカは舌なめずりをして言う。 「最高に具合が良さそうだね・・ボクの欲情を全部・・満たしてくれそうだ・・闘い以外でもね」 そして。ヒソカはロビン萌え集団にカードを投げる。 「ロビン様カッタ━━・・ぎゃあッ!!」 萌え集団の一人の眉間に突き刺さるカード。ハートの4。ヒソカは斬っていく。その集団全て。 ロビンはボク一人のオモチャだよ・・。そう言っているように。あっと言う間に全滅する萌え集団。 ・・江田島。小坊主から報告を受ける。「何ぃ、魔界の敵に観客がやられただと!!」 怒る江田島。 そのコブシでコンクリートの壁に穴が空く。 「くそったれが・・。やられたのは誰じゃあッ!!」 出陣の準備をする江田島。この手でド外道を地獄に送ってやる。小坊主がその質問に答えた。 「はあ、この試合前ロビン様ロビン様言ってた人たちで・・」 江田島。急激に怒りが覚めていく。 江田島。「ま、別にいっか・・」 ・・そしてヒソカは闇に消えた。
490 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/06 11:45 ID:RDnVP0mJ
ふらーりさんに悪いなあ。播磨負けて。この試合はサイの目通りです。ヤオ(振り直し)は 2回戦と準決勝で一回ずつ。すみません。・・しかし絶対にこのスレ内では終わらないな、 トーナメント。夜王さんごめんなさい。まあ、決勝までやらず急に途中をトバして魔界編、 というのも出来ますが。やれるとこまでやります。 ・・夜書けたら書きます。
∩
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パオさん(;´Д`)ハァハァ集団に容赦ねぇ まぁ見ててスッキリするけどw
ヘルシングのアンデルセン神父とか、ダメだろうか>魔界編登場
呼び戻しとか見たかったな>播磨灘 あ、でもそれやっちゃうと、ロビン死んじまうのかw
498 :
ふら〜り :03/04/06 21:07 ID:NAn6h/10
はぅ、負けてしまったか播磨……しかし賽の目とあらば
致し方のないこと。充分、強さも魅せてくれましたしね。
>>497 私は、散々罵った後で「女にしとくのは惜しい」みたいなセリフが
聞きたかったなぁ……。
気を取り直して、リュウがいるのならということで魔界編
にリクエスト。天獅子悦也先生のコミックゲーメスト掲載諸作品
から、山崎竜二はどうでしょう? 秘伝書とかオロチとか、一応
それっぽい要素を持ってはおりますが。
>スペックさん
スペックのみならず、場の匂いが漂ってきそうな文章が好きです。
ハードボイルドっぽい……でもスペック自身は全然そんなキャラ
じゃないところが、何とも。
499 :
:03/04/06 21:13 ID:???
>飛燕やらせろ ダンボールハウス 気付かねーって(笑
さりげなく、カイジがビスケ萌えだった事については誰もツッコまないのか
501 :
マロン名無しさん :03/04/07 01:22 ID:lHpLE2fP
このスレは相変わらず好調だけど、俺たちでドカベン死刑囚編をつくろうぜの方は終わったな・・
503 :
マロン名無しさん :03/04/07 20:38 ID:tvaJ9Mnx
パオには毎日かきこんで欲しいなあ。忙しいのは分かるけど。 期待してスレを開くと更新していないことが多い。
504 :
マロン名無しさん :03/04/07 21:32 ID:kcI44BSd
>>503 ォィォィ
パオさんはプロじゃないんだから。自分の都合を人に押し付けない。
505 :
マロン名無しさん :03/04/07 21:36 ID:RddM4yQJ
プロでも普通、毎日更新はしない。
正直パオさんは新聞に毎日小説書いてる人よりハードだと思うよ。 週刊誌の漫画家の比じゃない。
人間てそこまで出来るんですね。 何がパオさんをそうさせるのか。
508 :
マロン名無しさん :03/04/08 03:12 ID:zbf+aJwh
509 :
マロン名無しさん :03/04/08 05:06 ID:ml7JIk/Z
511 :
489の続き :03/04/08 21:49 ID:3dP2P9Gk
一回戦ファイナル、羅刹 対 エドガード・C・ガルシア。ガルシアは既に登場している。取り巻きの科学者たち。 体はそれほど大きいという訳ではない。しかし、アメリカ軍部により造られたその肉体は一切の虚飾を削り取り、 戦闘の為に創造された兵器である。最新・最高の設備とトレーニングによる究極の戦士。それがガルシアである。 それに対して男塾は。最新の理論的なトレーニングなど関係無い。あるのは狂気じみたシゴキによる練磨。 最高の設備や環境など必要無い。超絶なる敢闘精神は科学さえ超えると信じている。・・それが男塾魂である。 江田島平八。本来、公平でなければ為らない大会委員長だが、やはり教え子の闘いである。どうしても気に掛かる。 羅刹の闘い振りが。相手は戦闘マシンである。分は悪いだろう。しかし。その磨かれた「男」が最後に奇跡を起こす。 そう江田島は信じている。羅刹は必ず勝つ。そして日本男児の生き様を必ず見せてくれる、と。 ・・しかし。 入場前の通路にて。羅刹はある男と対峙をしていた。男は羅刹を前にしても余裕に満ち、不敵な笑みを浮かべている。 「ククク・・美味そうな匂いだ・・。バーンのじじいはこの大会にまだ手を出すんじゃねえと言っていたが・・。 我慢出来ねえよ・・。喰うぜッ!!」 構えを取る羅刹。しかし本能的に感じ取る。強い。俺より、遥かに・・。 ゆらりとノーガードで接近する男。その男。地上最強の生物と呼ばれる。魔界から破格の客分待遇を受けている男。 巨凶・範馬勇次郎である。人間界においての魔王軍を任されているが、本人は好き勝手に動いているだけである。 ある意味、バーンですら制御出来ぬ男。・・その鬼が、羅刹に近づいて来る。羅刹を「喰らう」為に。 その鬼へ、野太い声が制止を掛ける。 「待ていッ、勇次郎とやら・・貴様の相手はこの俺がしてやろう・・」 勇次郎がその声の主に振り向く。羅刹が背筋を伸ばし、「押忍ッ」と気合の篭もった声でその男に礼を尽くす。 「羅刹・・。貴様はこれより男塾代表として戦地へ赴かねばならん・・。ここは俺に任せ、全力で勝利をあげいッ!!」
大豪院邪気先輩!
513 :
マロン名無しさん :03/04/08 22:07 ID:QWnzHANU
勇次郎が率いる魔王軍・・・なんかものすげーもんを想像しちまったゾw
514 :
511の続き :03/04/08 22:13 ID:3dP2P9Gk
勇次郎は挑発的な笑いを向ける。その野太い声の男は勇次郎をまっすぐ見据える。大きい男だ。勇次郎より2回り程。 「江田島のオヤジの秘蔵っ子が出て来たか・・。だが一人で俺を相手にするとは、図に乗りすぎじゃねえか・・?」 勇次郎を前にしてもその巨漢は怯えを微塵も見せない。羅刹に指示を出す巨漢。 「行けぃ羅刹、男塾に敗北は無い!!」 一瞬羅刹は躊躇する。勇次郎の強さを本能的に察知しているのだ。しかし。この巨漢に対して自分は絶対服従である。 押忍、と一言発し闘技場に向かう羅刹。勇次郎は笑う。 「おいおい、仲良く2人掛かりで来ればいいじゃねえか・・」 その巨漢はその言葉を聞き、低く勇次郎に言う。殺気を秘めた声で。 「誰に向かってモノを言っている・・俺の名は大豪院 邪鬼・・。3号生筆頭・・男塾の帝王と呼ばれた男よ・・!!」 「白虎の方角より、羅刹選手の入場ですッ!!」 ウオオッ。観客が興奮の声を上げる。男塾応援団が塾旗を上げ、羅刹を 迎え入れる。1回戦ファイナルにふさわしい一戦であろう。科学VS根性。近代格闘技VS暗殺拳。観客の期待は高まる。 闘技場中央で睨み合うガルシアと羅刹。冷徹なガルシア。殺気を放つ羅刹。ガルシアは言う。無表情で、感情の無い声で。 「最強の男は常にアメリカにいる・・。日本人の古臭い精神主義では、ステイツ最強の私に勝つ事など出来やしない・・」 羅刹。そのガルシアの言葉に更に殺気が強くなる。日本を、そして男塾をバカにされたのだ。羅刹はガルシアに言い放つ。 「教えてやるぜガルシア・・。俺たち日本人が、そして男塾が・・。古臭え精神主義をなぜいつまでも捨てねえかをな・・」 目が無気味に光るガルシア。審判が2人を開始線に戻す。男塾塾生たちの声援が更に大きくなる。・・審判が時を告げる。 「はじめいッッ!!」 ・・一回戦ファイナル。羅刹 対 エドガード・C・ガルシア、開始。
515 :
514の続き :03/04/08 23:08 ID:3dP2P9Gk
ガルシアと羅刹。審判の「はじめ」の声で構えを取る。ガルシアは総合格闘技系のオープンスタイルの構えである。 顔面をガードし、やや腰を低く落とす。何時でも寝技に引き込める隙の少ない構え。立ち技寝技共に、柔軟に対応出来る。 一方の羅刹構えは攻撃重視であるが、奇妙なのはその手の形である。コブシを握った状態から、人差し指・小指・親指を まっすぐ伸ばている。鬼の様な形である。実況は解説のビスケに聞く。 「ビスケさん、羅刹選手のあの指の形は・・?」 「ビスケでいいわさ。どうしてもっつうならビスケちゃまって呼んで」 ・・場違いなファンが「ビスケちゃま〜」と 声援を送る。ビスケは手を振り声援に応える。ツバを吐く解説。ケッ。このなんちゃってロリの正体知ってるのかよ・・。 急に真顔になるビスケ。 「・・あれは兜指愧破だわさ。極限まで指を鍛え上げ、鋼鉄の様に強靭に鋭く磨き上げる・・」 解説。「とうしきは、ですか?」 ビスケ。「そう。極めた兜指愧破は、この世にある全てのモノを貫くと言われるわさ・・」 更にビスケの解説は続く。 「・・しかしガルシアにも恐ろしいパンチ力があるわさ。一瞬でも隙を見せた方の負けだわさ」 ・・解王ビスケの予測通り。闘技場の2人は構えたまま動かない。いや、動けないのだ。・・お互い隙の探り合っている。 ・・30秒。・・1分。・・3分。・・静止したまま動かない2人。最初こそ凄まじい緊張感に何も言えなかった観客だが、 次第にざわつき始める観客。野次も飛び始める。しかし2人は相変わらず固まった様に動かない。解説がこの状況に耐え切れず ビスケに聞く。 「この試合、どちらが有利と考えますか?」 ビスケ。少し考えた後に断言する。 「ガルシアだわさ」 言葉を選びながら解説するビスケ。 「羅刹の方が一撃の破壊力は上。でも、総合力でガルシアの方がずっと上を行くわさ」 ・・相変わらず動かない2人。その時。つまらねえぞ、と言いながら一人の観客がビールビンを投げる。場内に投げ込まれるビン。 2人のちょうど真ん中当たりにビンが舞う。カッ。2人が動く。観客には2人の動きは速すぎ見えない。次に観客が気付いた時。
516 :
515の続き :03/04/08 23:29 ID:3dP2P9Gk
・・ガルシアの右ストレートと羅刹の兜指愧破が衝突している。真正面から。いや。2人の拳の間には観客の投げたビールビンが。 ビンがピシリ、と割れる。次の瞬間コナゴナになるビールビン。そして2人はまた拳を引き睨み合う。・・実況がビスケに聞く。 「また均衡状態が続くんでしょうか?」 ビスケは首を振る。 「そろそろ試合が動くわさ・・。どちらかが確実に仕掛ける・・」 ・・ビスケの予測通り。羅刹が猛然とラッシュを掛ける。兜指愧破の連撃。2本の腕がまるで槍の様にガルシアを襲う。しかも。 羅刹の攻撃は顔・心臓・水月など、喰らえば下手をすれば大惨事になる箇所ばかりである。悲鳴を上げる観客。しかしビスケは言う。 「闘いとは本来こういう残酷なものだわさ・・。お互いのキバと爪で相手の首を切り裂きにいく。それが真剣勝負だわさ・・」 実況。その言葉に感心する。このロリ婆は意外と頼りになる。さっきまでの謎の中国人とホームレスオヤジとはえらい違いだ・・。 ちなみにこの実況は大会資料にて、ビスケの本当の年齢(57歳)を知っている。そして、その下にある恐るべき正体さえも・・。 ・・場内。羅刹がガルシアを追い詰めている。兜指愧破はガルシアの肉体を削り取り、ガルシアは既に血まみれである。防戦一方。 だが。全てこの状況はガルシアの読み通りである。ガードを固め羅刹に決定打を与えない。ガルシアは待っている。ハンターの様に。 この男に隙が出来るのを。 (お前は勘違いしている・・。人体を壊すのにはそんな大振りの拳は必要無い。それを実証しよう・・) 羅刹は兜指愧破を繰り返す。観客からは一見羅刹圧倒的に有利に見えるだろう。しかし羅刹は焦っている。ガルシアにダメージは無い。 斬っているのは全て皮のみである。焦りが羅刹を攻撃一辺倒に走らせ、顔面のガードを甘くする。ガルシアはそれを見逃さない。 (小さく、速く、鋭く・・。脳を揺らせば人体は耐えれない・・) ガルシアのショートアッパーが羅刹に決まる。地味で小さい攻撃。 しかし、その分完璧なタイミングとスピード。羅刹のアゴの先端をかすめる。カクン・・。羅刹のヒザが、羅刹の意思とは無関係に折れた。
518 :
515の続き :03/04/08 23:33 ID:3dP2P9Gk
ネタ職人の端くれとして、皆さんが喜んでくれる(と思う)うちは頑張って書いてきます。 ま、スレにも職人にも寿命はあると思いますんで、目に見えてレベルが落ちてきたら それは止めますが。まだもう少し書けそうです。毎日は流石に無理ですが。 ところで、男塾。難しい漢字多すぎ。「きょうけ」って羅刹の流派、出ねえよ、ワードで。
519 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/08 23:35 ID:3dP2P9Gk
パオでした。ところで全く関係無いアドレス張りは止めてね。どうせ次スレに突入するけどさ。 でも、皆さんのレスは本当に励みになります。ボチボチ書くんで見捨てないでね。 ではまた。失礼します。
520 :
マロン名無しさん :03/04/09 13:45 ID:QeLcALp3
ageとこう
521 :
マロン名無しさん :03/04/09 18:50 ID:0L5VC8sq
人少なくなってきたなこのスレ。パオ休み過ぎだ。サボるなクズが
>>521 素直じゃないのう。
こんなのばっかじゃないんで気にしないで下さい。パオさん。
523 :
マロン名無しさん :03/04/09 20:36 ID:VMfjV+EA
最初の頃からここまで面白い文を書き続けてるのは、はっきり言って凄いと思う。言うだけなら誰でも出来るが、実際に継続するには文才と熱意が有ってこそ。 パオさん煽りに負けずにがんがって! 羅刹には何とか男塾魂で踏ん張って欲しいし、大豪院邪鬼対勇次郎も非常に気になる…
524 :
ふら〜り :03/04/09 20:37 ID:634QlgyM
まともな解説者に恵まれない実況さんも楽しい。
525 :
マロン名無しさん :03/04/09 22:31 ID:WF5fvANN
でもやっぱり毎日読みたい。ま、ファンのわがままれす。521じゃないですよ私。 まあ、仕事とかも忙しいと思うんでパオさんゆっくりやって下さい
526 :
マロン名無しさん :03/04/09 23:37 ID:cvbWxO6q
楽しませるものと楽しむもの この差は意外とでかい。 受け取る側はよき受け手になりたいものです。
527 :
マロン名無しさん :03/04/10 00:17 ID:NH1zJZ15
解説勝負はドローですか。 2人の魔界編での再登場を期待
528 :
516の続き :03/04/10 09:58 ID:mNUCsFKD
「開始より4分17秒、羅刹選手ダウ〜ンッ!!」 実況が大きく叫ぶ。その声は廊下まで響き渡った。 勇次郎はクスクスと笑っている。対する邪鬼は厳しい顔。 「いいのかい、子分が苦戦してるみたいだぜ・・」 邪鬼。「羅刹の事は心配しておらん・・。ヤツはどんな逆境でも自らの力で道を開く男。それが男塾魂よ・・」 邪鬼は感じている。この男が自分より強い事を。しかし邪鬼に怯えはない。恐怖を責任感が凌駕しているのだ。 「いくぞ勇次郎とやら!!」 邪鬼が攻撃に転ずる。勇次郎は冷笑している。2人の間合いは10メートル程。 邪鬼が体を捻転させ一気に開放する。勇次郎。それを見て顔が引き締まる。飛び道具、か?その考えが過ぎる。 「大豪院流奥義 真空殲風衝!!」 風。巨大なカマイタチが勇次郎を襲う。体を大きく丸めガードする勇次郎。 滅多にある事ではない。彼が完全防御体勢を取る事など。しかし、目の前の風の塊はそれ程の威力を秘めていた。 ・・勇次郎の肉体がカマイタチでズタズタになる。後ろのコンクリートの壁は大きく穿たれている。しかし。 勇次郎は体前面をガードする両腕の向こうで笑っていた。 「江田島のオヤジ・・面白えのを育てたもんだ・・」 効いていないだと・・? 打ち損ねた・・? いや、殲風衝の威力に申し分無い。その証拠に後ろの壁は砕けている。 この男・・。邪鬼の顔に冷や汗が流れる。まさか、気功闘法を使っているのか・・?そんな疑問が頭をかすめる。 ・・気功闘法とは。人が体内に持つ「気」というエネルギーを利用し、体を硬質化、又は気を攻撃に利用する闘法。 中国拳法の奥義とされている闘法。だが今勇次郎は、気功に必要とされる「気の練り」をしてなかったはず・・。 「どうした・・。もうこれでネタ切れかい・・?」 笑うオーガ。楽しんでいる。邪鬼の闘いを心から。 (塾長クラス・・?) ふとそんな考えが邪鬼に浮かぶ。以前、大豪院邪鬼は塾長・江田島平八に挑み、惨敗した。 そして江田島の底知れぬ戦闘能力に恐怖した。 ・・その時と同じ恐怖と圧迫感が今。目の前の男から感じられる。 「ぬううっ!!」 2発目の殲風衝を放つ邪鬼。だがやはり勇次郎の肉体の表面を削るだけである。邪鬼は確信する。 (こ・・この男やはり・・ごく自然な状態で気功闘法での硬質化が出来ている・・。呼吸法無しで・・!!)
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532 :
528の続き :03/04/10 10:39 ID:mNUCsFKD
驚愕の邪鬼。そんな人間がこの世にいるのか。普通に気功闘法の防御の極みである「堅砦体功」を 身に纏っている。邪鬼は確信する。俺はこの男には勝てない、と。しかしそれがどうだと言うのか。 勝てない闘いに挑み、奇跡を起す事こそが男塾魂であろう。・・決してこの男を闘技場へ入れさせない。 ・・勇次郎はゆっくりと邪鬼に向かい歩き出す。殲風衝を連打する邪鬼。だがそれを全てかわす勇次郎。 殲風衝は強力だが、攻撃の際に予備動作が出てしまう。そんな技をいつまでも食らう勇次郎ではない。 鼻先まで迫る勇次郎。邪鬼。自らの鉄拳で殴り掛かろうとする。・・しかし。 「ぐはあッツ!!」 次の瞬間、邪鬼は空中を舞う。血を吐き散らしながら。勇次郎のカウンターが邪鬼のアゴを襲ったのだ。 御殿手。琉球の秘伝武術。正中線の一切ブレぬ歩法により生み出される、隙の無い構えとカウンター。 ・・舞いながら邪鬼は今の攻撃を冷静に解析する。直接攻撃は返される。殲風衝は通じない。ならば・・。 地ベタを這う邪鬼。見下ろす勇次郎。 「もう終わりって事は無えよなあ・・。男塾筆頭さんがよゥ」 立ち上がる邪鬼。 「貴様は確かに強い・・。だが江田島平八には遠く及ばぬ・・。男としてな・・。」 勇次郎の血管がピクリ、とする。地上最強の生物と呼ばれる強大な自我。それが今の言葉に反応する。 「小賢しいわッガキがッ!!」 邪鬼を蹴り飛ばす勇次郎。ゴロゴロ転がる邪鬼。・・距離が出来る。 この距離ならば、あの技を・・。 「貴様を先に行かせる訳にいかん・・。たとえ刺し違えてもな・・」 邪鬼がマントを翻す。そしてそのマントから数百の折り鶴が羽ばたく。死天王が夜なべをして折った鶴だ。 「見せてやろう、大豪院流奥義、風舞央乱鶴を!!」 邪鬼の繰り出す殲風衝の突風に操られ、鶴が飛ぶ。 まるで意思を持つ様に勇次郎に襲い掛かる数百の鶴。 「ケッ、つまらねえマジックショーだな、おい!!」 ・・しかし。その次の瞬間、勇次郎の肉体から鮮血が飛び散る。折り鶴の羽に鋭い刃が仕込まれているのだ。 切り刻む。鶴達は狂った様に舞い勇次郎を切り刻む。一羽一羽の威力は殲風衝より小さい。しかし数百の鶴である。 邪鬼は勇次郎に言い放つ。 「貴様はここで死ぬのだ・・。心配するな、俺も地獄に付き合ってやる・・」
533 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/10 10:44 ID:mNUCsFKD
毎日は無理ですが2日に一回ペースは崩さずに書いていきたいと思います。 解説対決はもう少し続いてから魔界で決着です。ではまた。
パオさん乙です。 一応ここはバキスレですので勇次郎はちゃんとした役回りを。 てか、勇次郎の負けるとこは見たくないな。
心配しなくとも、勇次郎は普通に勝つだろう。
536 :
532の続き :03/04/10 18:26 ID:iXxITuhs
凶器の鶴が勇次郎を刻む。邪鬼に突進しようとする勇次郎を鶴が阻み、更に切り刻む。生命を得ているかの如き鶴。 この勝負中、初めて劣勢の勇次郎。しかし。 「ケッ、こいつら先に打ち落とさないといけねえかよ・・!!」 ・・数百の鶴を神速の突き蹴りで打ち落としていく勇次郎。最早、鶴の変幻自在の動きすら勇次郎に通じない。 笑う勇次郎。 「下らねえ・・。四方の敵を一度に倒しゃあ、人類60億相手にしたって負けねえんだぜ・・」 ・・鶴は半分以上落された。鶴を操りながらも、その間隙を縫い殲風衝を放つ邪鬼。だが勇次郎はそれもかわす。 勇次郎は殲風衝で壁に開いた穴を見て言う。 「公共施設を壊しちゃイケナイな・・。お仕置きが必要だ・・」 ・・遂に最後の一羽も足元に落ちる。勇次郎、御殿手の歩法で邪鬼に近付く。 「下らねえ奥義だったな・・」 邪鬼を嘲笑する勇次郎。お互いの間合いが狭まる。・・手を伸ばせば届く距離まで。邪鬼。勇次郎に言い放つ。 「愚か者が・・。奥義・風舞央乱鶴の真髄はここからよ・・。喰らえぃッ!!」 邪鬼の手刀が勇次郎を襲う。 勇次郎。余裕の表情でその邪鬼の手刀のカウンターを取ろうとする。御殿手は隙を生じぬ返し技の最高峰である。 ・・しかし。勇次郎は気付く。自分のカウンターの速度の微妙な鈍りに。勇次郎のカウンターより速く、邪鬼が。 「ぬう・・こ、小僧・・貴様・・!」 勇次郎の胸に邪鬼の手刀が刺さっている。だが勇次郎のカウンターは 邪鬼に届いていない。この一撃勝負は邪鬼の勝ちである。・・絶対防御の御殿手が邪鬼の奥義に敗れたのである。 その秘密。たった一羽の鶴が勇次郎の肩の裏に突き刺さっている。その鶴だけ他よりずっと小さく、口ばしにも 刃が付いている。その鶴を見て顔色が変わる勇次郎。邪鬼は言う。 「気付いたか勇次郎・・その鶴は肩の神経節を貫き、わずかに攻撃速度を鈍らせたのだ・・さあ共に地獄へ行くぞ・・」 邪鬼の怒涛の攻撃が勇次郎を襲う。手刀・コブシ・蹴り。超ヘビー級の攻撃の前に勇次郎敗北・・に見えた。しかし。 勇次郎は喜んでいる。邪鬼の予想外の強さに。 「まさか・・。江田島のオヤジ以外でコイツを出せるとはな・・」 背中に浮かぶ禍々しい異形の筋肉。 ・・・勇次郎、ついにフルパワー。
537 :
536の続き :03/04/10 18:59 ID:iXxITuhs
(ぬうう・・これは・・) 勇次郎の肉体を叩きながらも驚いている。その感触が明らかに変わったからだ。 即ち、背中の鬼の発動前と後。先程までは確実にダメージを与えていた。だが今は叩けば叩く程、勇次郎が・・。 (回復している?) 邪鬼にそんな疑念が沸く。まさかそんなはずはありえない。もう少しで倒せるはず・・。 邪鬼の手刀が勇次郎の顔面を襲う。しかし。その時邪鬼はフッと風を感じた。そしてその瞬間、吹き飛んでいた。 (な・・!?) 見えなかった、全く。今、何をされたのだ? ・・廊下を転げる邪鬼。勇次郎は近付く。 必死で立ち上がる邪鬼。 ・・勝てない。しかしせめてこの男に一矢報いねば・・。邪鬼は勇次郎に飛び掛る。 しかし。また見えない拳が邪鬼を襲う。倒れそうになる邪鬼。だが今度は勇次郎がそれを許さない。勇次郎の連撃。 邪鬼が右に倒れようとすれば右から、左に倒れようとすれば左から。壁に邪鬼を貼り付け、決して寝かせない。 マリオネット状態。 ・・次第に邪鬼の目から生気が失せていく。ガードの腕が下がり、意識が保てなくなっている。 勇次郎の腕が風を巻き起こす度に、邪鬼の体と生命が削られていく。 ・・そして遂に。ピクリ、ともしなくなる。 勇次郎。 「ケッ・・。ガキにしちゃあ上出来だが、まだ食い足りねえ・・」 ドシン。邪鬼の巨体が廊下に沈む。 勇次郎は闘技場を睨み、ガルシア対羅刹の試合に乱入しようと歩き出す。しかし。足元の邪鬼がそれを征して言う。 「どこに行こうとする、勇次郎・・。まだ俺は終わってはおらんぞ・・」 邪鬼の肉体がブルブルと震えている。 壁に持たれながら必死で立ち上がる。勇次郎。ゆっくり邪鬼へ振り返る。 「まだ闘らせてくれるか・・。感謝!」 大きく腕を天に衝く。背中の鬼が哭く。竜巻の様に体を大きくねじる。そしてそのままパワーを邪鬼にまっすぐ開放。 バズーカ砲の様な勇次郎の「ブンなぐり」である。フッと勇次郎の腕が消える。次の瞬間、邪鬼の胸に突き刺っている。
538 :
537の続き :03/04/10 19:17 ID:iXxITuhs
クハッッ!!大量に血を吐く邪鬼。・・しかしそれでも邪鬼は倒れない。そしてピクリともしない。勇次郎はつぶやく。 「見事なモンだな・・。男塾魂ってヤツは・・。不肖の息子に見習わせたいくらいだぜ・・」 邪鬼は立ったまま。 絶命していた。しかしそれでも倒れない。見事な男振りである。 ・・その頃。一回戦第一試合で早々と敗退したバキは。 ・・とっとと家に帰り、蛸江と新しい技(体位)の開発にいそしんでいた。 ・・一方。闘技場のガルシア対羅刹。なんとかダウンから羅刹は立ち上がったものの、一方的に試合は展開されている。 羅刹の攻撃は完全にガルシアに見切られている。その大振りの兜指愧破の間隙を縫い、ガルシアの攻撃は次々と命中する。 解説のビスケ。 「駄目だわさ。羅刹は一撃に頼り過ぎ攻撃が単調になっている・・。あれではガルシアの餌食だわさ・・」 実況はビスケを信頼し始めていた。解説が的を得ている。ただ一つ、ある問題点を除けば・・。その時。観客席より歓声が。 地上最女神、ニコ・ロビンが次の対戦相手を見に来たのである。ロビン狂信者達はヒソカの活躍により駆除されたとは言え、 人気bPのロビンである。一斉にサインを求める観客。ロビンはハナハナの能力を使い、一気に全員分サインを書き上げる。 それを見たビスケ。 「ケッ・・。また人気取りだわさ・・。計算高いオンナだわさ。氏ね、頼むから死んでくれッ!!」 その声がマイクを通じ会場内に響き渡る。一斉に実況席を見る観客。実況は冷や汗。隣のロリ婆を見てつくづく思った。 (駄目だやっぱりコイツ・・。ファミ通のクロスレビュー並に信用出来ねえ・・。何が解王だよ・・)
539 :
538の続き :03/04/10 19:57 ID:iXxITuhs
ガルシアの攻撃は全て合理的且つ、効率的である。細かいカウンターにより羅刹の動きが鈍ってきている。チャンス。 ガルシアの目が光る。蛇の様に捕らえどころが無く、ハヤブサの様に速く鋭い動き。タックル。羅刹の迎撃を切り抜け、 そのまま寝技に移行する。寝技なればガルシアに敵はいない。あっという間にテイクダウンし、マウントポジションへ。 ・・馬乗りになったまま羅刹を見下ろすガルシア。そして無防備の顔面へコブシが振り落とされる。 羅刹の顔面が血だらけになっていく。ガルシアが感情無く言う。 「試合放棄した方がいい。お前の勝ち目は無い・・」 羅刹。血だらけで笑う。 「機械に分からないだろうが・・。男塾の辞書に死はあっても敗北は無い・・。」 顔面パンチがマウントポジションから次々と。ガルシアは淡々と羅刹を破壊しながら言う。 「狂ってるな・・。」 羅刹。 「ああ、狂気を極めるのが男塾よ・・」 ガルシアの戦闘頭脳は冷静に計算している。このまま殴り続けても 100%自分の勝ちだろう。だがコブシを痛める恐れがある。それにこの男は決してギブアップしないだろう。死ぬまで。
540 :
bloom :03/04/10 20:00 ID:mDMItGfx
541 :
538の続き :03/04/10 20:05 ID:iXxITuhs
自分はこの試合優勝を課されている。高々一回戦でダメージを受ける訳には行かない。最も効率的な勝ち方、それは・・。 ・・あれだな。ガルシアの狙いが変わる。わざと羅刹との間に隙間を開ける。羅刹はその隙間から寝技を脱出しようとする。 ・・無論、ガルシアの罠である。羅刹は寝技は得意ではない。一瞬背を向けた瞬間、ガルシアの腕が羅刹の首に食い込む。 「残念だが・・。精神主義ではアメリカには適わない・・」 耳元で囁くガルシア。必死でもがく羅刹。・・しかし。 ガキリッ・・。気持ち悪い音が羅刹の首から響く。一瞬で白目になる羅刹。ダランとした羅刹を投げ捨て、ガルシアは。 ゆっくり立ち上がる。チョークスリーパーからの首折り。一瞬、シン、とする場内。・・審判が右手を上げようとする。 勝負あり、と声を発しようとする。 ・・しかし、その時。会場内をゆるがす大鐘音が。男の魂の歌。・・男塾塾歌である。 日本男児の生き様は 色なし恋なし情けあり 男の道をひたすらに歩みて明日を魁ん 嗚呼男塾 男意気 己の道を魁よ 日本男児の魂は 熱く激しく暖かく 男の夢をひたすらに目指して明日を魁ん 嗚呼男塾 男意気 己の夢を魁よ 「立ってくれぃ、羅刹先輩ッ!!」 虎丸の悲痛な叫び。桃も伊達も富樫も死天王も、必死で声を上げている。 ガルシアは呆れて言う。 「下らない・・。彼は今生死の境にいる・・。もう立ち上がらない・・」 しかし。その時。 羅刹の目がカッと見開かれ、生気が戻る。ゆっくりと立ち上がる羅刹。驚愕の表情のガルシア。チョークは完璧だったはず・・。 ・・そしてもう一人。闘技場通路にて。男の魂の歌により、蘇生した者が一人。・・男塾総代、大豪院邪鬼である。
542 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/10 20:09 ID:iXxITuhs
今日は多めに書きました。明日多分書けないと思うんで。しかし男塾の面々の奥義の 漢字は出ないよ。中々。あと最近訳の分からないアドレス張り多いなあ。ホント。 こんな人気の無いスレでやるより他でやった方が良いですよ。ではまた。
>パオ ageるとアホが寄ってくるから、 sageて書いたほうがいいのではないでしょうか?
乙。 巡回してるSS系スレの中では一番楽しみにしてるんで、無理しすぎて放棄したりしないよう 自分のペースでがんばって下さい。
545 :
マロン名無しさん :03/04/10 21:36 ID:s8OiaimJ
大鐘音(・∀・)キター
546 :
sage :03/04/10 21:39 ID:s8OiaimJ
↑ごめん。あげちゃった(・ω・)
547 :
マロン名無しさん :03/04/10 22:31 ID:a79iiRkb
ファミ通のクロスレビュー並に信用出来ねえ・・>>笑った。確かにそりゃ信用できん。 あとパオって確か前スレでパそこんないからageといてくれっていってなかったけ?
(塾長クラス・・?)という台詞、もしかして兎の(園長クラス・・?)から取りました?
バキの心証台無しだなw
550 :
541の続き :03/04/11 07:42 ID:vYiPwOBf
勇次郎とガルシアは、闘技場と闘技場外の通路という異なる2つの場所にて、全く同じセリフを吐いていた。 「バカな、立ち上がれるはずが・・!!」 勇次郎とガルシア。手応えは十分だった。しかし目の前には男が立つ。 勇次郎。必殺の鬼の「ブンなぐり」。 ガルシア。完全に呼吸を断絶した「チョークスリーパー」。それを喰らって。 絶命、もしくはその寸前だったはず。しかし目の前の男・・。邪鬼と羅刹は雄雄しく立ち上がっている。目を輝かせ。 羅刹。「貴様には信じられぬか・・。言ったろう、狂気を極めるのが男塾魂・・。機械に魂の意味など分からぬ・・」 邪鬼。「ここは通さんと言ったはずだ・・。貴様は俺より遥かに強い。だが、やはり江田島平八には遠く及ばぬ!!」 勇次郎は笑う。よくぞここまで鍛え上げた・・。背中に「鬼」が再臨する。しかし邪鬼。奇妙な呼吸を繰り返している。 規則的な呼吸法。勇次郎の「鬼」に対抗する為に、「氣」を練っている。気功闘法。全ての生命エネルギーをこの闘いに。 恐らく、それでも勇次郎には及ぶまい。だがそれでいい。自分の命じられた役割はこの男の足止めである。その責任を。 男塾三号生筆頭 大豪院邪鬼の名において果たす。例えこの場で命が枯れようとも。それほどまでに男塾総代の名は・・。 江田島の命は・・彼にとって重いのである。 ・・体に「氣」が充実する。体が鋼鉄の様に堅くなる。邪鬼は叫ぶ。 「いくぞッ勇次郎、最後の勝負だ!!」 ・・勇次郎。両腕を大きく広げた本気の構えにて迎え撃つ。 ・・ガルシアはその羅刹の姿を見て一瞬だけ動揺した。しかしすぐに冷静さを取り戻す。瀕死から蘇生出来たとは言え、 圧倒的に自分の方が優勢である。確実にダメージさえ与えて行けば自分に負けは無い。・・また繰り返すだけだ。作業を。 しかし。羅刹はフラフラながらも勝負を捨ててはいない。目は試合前よりも輝いている。ガルシアに冷静に言い放つ。 「見事な強さよ・・。しかしこの勝負はオレがもらう・・。受けてみよッ、最大奥義・兜指愧破 土錘龍ッ!!」
551 :
550の続き :03/04/11 08:08 ID:vYiPwOBf
羅刹は周りの砂を大きく回りに撒き払う。砂埃が辺りを覆う。そして両の兜指愧破を重ね合わせ、闘技場の砂へダイブする。 まるでドリルの様に砂の中を突き進む羅刹。ガルシアと観客は声を上げる。羅刹が地中に消えてしまったのだ。 ・・。2人の男が強敵を前に、死を覚悟し闘っているその時。バキは蛸の上にまたがり情け無い声を上げていた。 ・・・。肉体のダメージは限界をとうに超えている。しかも、相手はフルパワーの勇次郎である。勝ち目は無い。だが邪鬼は殴る。 「氣」の力によりほんの少しだけ肉体の強度は跳ね上がっている。その為勇次郎の打撃にもほんの少しの間だけ耐えられる。 だがいずれ。「氣」の力が尽きたとき。その時が俺の本当の最後であろう。だがそれまで。少しでもこの男にダメージを・・。 気功闘法の「堅砦体功」が勇次郎のダメージを軽減する。とは言え勇次郎の打撃である。邪鬼の命は確実に磨り減っている。 しかし邪鬼は殴る。勇次郎と真正面から殴り合う。あの背中に「鬼」を現出した勇次郎とである。闘技場の廊下に音が響く。 シュッシュッ。風を切る音。ガズッ、ドゴッ。肉体を壊し合う音。邪鬼は取り憑かれたかの様な形相。対して勇次郎は笑う。 この殴り合いを楽しんでいるかの様に。余裕。底知れない力。一瞬だけ互角であったこの攻防も、邪鬼の「氣」の減少に伴い、 形勢が傾いていく。邪鬼が押され始めているのだ。しかし邪鬼は殴り合うのを止めない。最早、意識すら飛んでいるのに・・。
552 :
551の続き :03/04/11 08:16 ID:vYiPwOBf
地中を進む羅刹。しかし、一瞬彼の脳裏にある嫌な予感が走る。 (邪鬼様・・?) 羅刹が忠誠を誓った将、大豪院邪鬼。 彼の身に何かが起こっている。絶望的な何かが。羅刹は三号生の中でも最も邪鬼に心服している男。その強さと器に。しかし今は。 己より強い男と死闘中。羅刹は誓う。一撃必殺。この一発の兜指愧破で全てを終わらせ、邪鬼を救援に向かう。 ・・。ガルシアは生まれて始めての恐怖を感じている。視界は砂埃で奪われた。目の前の敵は消失している。気配すら感じない。 ・・羅刹は暗殺拳の使い手である。気配を断つ事など造作も無い。焦りのガルシア。今、コンピューターは完全に狂わされた。 ビクン。一瞬、ガルシアの体が硬直する。背後。急に殺気が膨らむ。しかし。既にその時。兜指愧破が背中に突き刺さっていた。 背中から大量の出血。羅刹の指が確実に背中の急所を捕らえる。ガルシアは直感する。負けた、と。羅刹は静かに言う。 「魂・・。貴様に魂があったら俺は負けていた・・。」 ガルシア。フッと笑う。魂か。そんなモノがこの俺を・・。 「日本人の精神主義とやらもバカに出来ないな・・。必ずまたお前の前に立つ。魂を取り戻し・・機械でなくガルシアという人間として・・」 ゆっくりと倒れるガルシア。審判が大きく叫ぶ。 「勝負ありッッ!!」
553 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/11 08:19 ID:vYiPwOBf
とりあえず朝から書いた。ガルシアは本当はもっと粘るはずでしたが、余りにも一回戦が長いんで・・。 カットしました。夜王さんにも悪いし。やっと2回戦かよ。まだ半分だ。では。
554 :
マロン名無しさん :03/04/11 12:26 ID:urjMZpe7
>>パオ お疲れ様です。 一回戦は楽しませてもらいました。 引き続き、頑張ってください。
555 :
i :03/04/11 18:55 ID:PDYDnHqz
556 :
552の続き :03/04/11 20:07 ID:7M3oLUI8
「氣」が・・。ついに・・。尽きるか・・。大豪院 邪鬼の最後の思考である。それ以降 邪鬼にもう意識は無い。朦朧としたまま、本能のみで体が動いている。しかしそれすらも 「鬼」の攻撃力は蹂躙する。邪鬼の命と男塾総代の誇り。強大な力の前に削り取られていく。 ついに全く動かなくなる邪鬼。しかし仁王立ちのままである。勇次郎の背中の鬼が哭く。 「2回コイツを使うのはお前が初めてだ・・。あの世で自慢せいッ!!」 勇次郎は叫ぶ。 ブンなぐりが邪鬼を捕らえる。その瞬間、邪鬼の最後の「氣」も尽きる。しかし最後の最後、 その「氣」により絶命は逃れた。木偶人形の様に意識の無い邪鬼。立ち去ろうとする勇次郎。 ゆっくり歩き出す勇次郎。後ろで邪鬼の倒れる音がする。・・その時。ガシッ、と勇次郎の 足首を何かがつかむ。・・邪鬼である。生死の境にいながらもなお責任を果たそうとする。 ・・男塾魂。勇次郎はこの男には珍しく心より感嘆する。 「邪鬼とやら、見事だぜ・・」 邪鬼が男を見せたその頃。 ・・バキは蛸江に上から責められ、騎乗位でイカされていた。 闘技場では。一回戦最後の勝者・羅刹はそのまま闘技場へ残っていた。無論、羅刹は邪鬼の 救援に行きたいが、邪鬼がまかせろ、と言った以上ここを動くわけにはいかない。 これからセレモニーがあるのだ。次々集まってくる一回戦の勝者たち。ロビン、アカギ、花山、 九十九、慶次、渋川、鷹村、そしてそこへいた羅刹。8戦士の揃い踏みに観客は大声援を送る。 しかし。最後に招かれざる客が現れる。 ・・無論、地上最強の生物・範馬 勇次郎である。
557 :
マロン名無しさん :03/04/11 20:13 ID:v3bp1Tq9
558 :
556の続き :03/04/11 20:35 ID:7M3oLUI8
「地上最強の8人、ここに揃い踏みだぁッ〜」 実況が叫ぶ。横一線に並んだ戦士たち。 鷹村は大きなアクションで声援に応えている。前田 慶次は艶やかな裃を纏い、涼やかな笑み。 しかし他の選手に表情の変化は余り無い。まだ闘いは始まったばかりなのだ。・・しかし。 「俺を招待せずに地上最強たぁ、吹き上がり過ぎじゃねえのか・・」 どよめく観客。 男の出現に場内の華やかな雰囲気は殺伐としたものになる。最初に反応したのは羅刹である。 「貴様ッ・・邪鬼様はどうしたッ!!」 笑って応えるその男、巨凶・範馬勇次郎。 「まあ、ガキにしちゃ頑張ったが・・。死んだかもしれねえな・・」 飛び掛ろうとする羅刹。 しかし今死闘が終わったばかりである。体が上手く動いてくれない。 ・・勇次郎の強さを知る男。 花山 薫と渋川 剛気は動けない。慶次・九十九は泰然としているが、最早臨戦態勢は出来ている。 鷹村。目付きが既に変わっている。ロビンが言った。 「ここはあなたが来る所じゃないわ・・」 静かな口調ながら敵意を帯びている。アカギ。その澄んだ瞳に怯えはない。 ・・勇次郎は笑う。 「良い匂いだ・・。喰うぜ!!」 ロビンは目を閉じハナハナの能力を発動させようとする。 九十九たちも迎撃態勢を取る。・・闘技場の端から走り出す勇次郎。しかしその時。彼を阻む者が。 解説席から、である。 「選手にケガはさせられないわさ・・。アタシが相手になるわさ!!」 無論本心ではない。ロビンへの間違ったライバル心からの行為である。大ビスケちゃまコールが湧く。 ・・しかし、相手は勇次郎である。 「退けぃッ、小娘がぁッ!!」 ・・吹き飛ぶビスケ。 (つ、強いわさ・・。このままでは殺されるわさ・・。まさかここで正体を出すハメになるとは・・) ビスケの体がムクムクと変化していく。会場のロリのから悲鳴が沸き上がる。 ・・真・ビスケ、発動。
559 :
558の続き :03/04/11 21:15 ID:7M3oLUI8
「ビ、ビスケちゃまが〜」 会場内では首吊りをしようとする人間が続出している。目の前の事態。 あの可愛らしいビスケが。3メートル近い筋肉ダルマに変化していく。流石の勇次郎も棒立ちである。 「この姿を見せる時には一発殴らせてあげているの・・。大抵・・。殺しちゃうから・・」 次の瞬間。 ビスケの巨大な鉄拳が勇次郎の顔面にメリ込む。 ・・そしてそのまま2階席まで吹き飛ぶ勇次郎。 場内ア然としている。ビスケ萌えの方々は手首にナイフを当てている。子供は泣き出し大人はチビる。 勇次郎をはるかに超える化け物(見た目)。ビスケは後悔している。正体を見せた事に。 この会場の全員あの世に送らねば・・。そんな事をビスケが思った時。 「死にたいらしいな、てめえッ」 何時の間にか闘技場に勇次郎が戻っている。背中に「鬼」を浮かべて。まさか、全力で打ったのに・・。 勇次郎が疾風になりビスケを襲う。迎撃するビスケ。しかし勇次郎の動きは速過ぎ、攻撃が当たらない。 ・・化け物ビスケをオーガ勇次郎がいたぶり続ける。 (こ、殺される・・) そうビスケが思った時。 パンッ、パンッと破裂音が場内に響き渡る。麻酔銃。光成狙撃部隊である。・・しかし。勇次郎はかわす。 「何度も同じ手が通ずるかッ!!」 ・・勇次郎。狙撃手の殺気を読み、全て銃弾をかわす。戦場が常宿の 勇次郎である。最大トーナメントの時の油断は無い。ギロリと狙撃手の方を睨む。狙撃手も命が惜しい。 その場に座り込んでしまった。もう、俺に飛び道具は通用しねえ・・。そう思った時。背中に痛みが走る。 「ま、まさかッ、俺が全く狙撃に気付かなかっただとッ?」
560 :
559の続き :03/04/11 21:21 ID:7M3oLUI8
・・強力な麻酔弾が体にメリ込んでいる。 ・・まさか。殺気も意も感じなかった。撃とうとする「意」が あれば俺はそれを察知し、銃弾を避ける事が出来る。しかし今の狙撃は全く「意」を感じなかった。 無の境地の狙撃。そんな神技を出来る狙撃手なんて・・。勇次郎の意識が遠のいていく。麻酔が効き始めたのだ。 倒れる勇次郎。その刹那。勇次郎は見た。特別席。徳川 光成の隣で、M−16狙撃用ライフルを構えている東洋人。 (江田島のオヤジが・・。あの男まで用意していたとは・・。やられたぜ・・) ・・そして意識が無くなる。 ・・特別席の光成。ホウ、と一呼吸つく。とりあえず勇次郎に、そして魔界の者にこの大会を邪魔されるのは 防ぐ事が出来た。・・しかし、と隣の男を見る。まさか警戒している勇次郎を狙撃出来る男がいるとは・・。 勿論この男の噂は知っている。ある意味勇次郎よりビッグネームである。世界最強のテロリストにしてスナイパー。 しかし噂以上の腕・・。感激の余り思わず右手を差し出し、握手を求める光成。だがその男は微動だにしない。 「す、すまん。利き腕である右腕は誰にも預けないんじゃったか・・」 その無口な男に光成は圧倒されている。 小坊主が光成に、勇次郎の状況を報告しようと入室する。・・しかし。その無口な男が小坊主を吹き飛ばす。 「俺の後ろに立つなッ!」 ・・そして静かにM−16を収納し、その場を去ろうとする男。去り際に光成に言う。 「報酬はスイス銀行の口座に振り込んでくれ・・」 ・・そしてそのスナイパーは闘技場を後にした。
561 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/11 21:27 ID:7M3oLUI8
2回戦は解説対決をチラリと書く以外はトーナメントをまっすぐ書きます。 終わんないな、中々・・。勇次郎はしばらく出ません。でもコイツより強いの ゴロゴロいるしな。海原雄山とかも出したいし。皆さんのリクエストもあるし。 大変だ。もうバキ出番無いし。柳とシコルは出すつもりですが。では。
562 :
ふら〜り :03/04/11 22:03 ID:njleHYBO
凄い。名前を出さないところも凄い。確かに、勇次郎より ビッグネーム……。 本人は勇次郎同様、「超能力ギリギリ」なヒトですけど、 明確な「超能力者」に勝った実績があり、核兵器をねじ伏せた こともあり。ヤムチャと違い、「凄み」で勇次郎に負けてない って気がします。 そんな彼を持ってきて、見事描ききったパオさんも、凄いっ♪
かっこええのぉ・・・ゴル○。 ビスケはちょっとへたれすぎかと思ったけど。
選手以外も史上最強のメンツだな。 色んな意味で。
565 :
マロン名無しさん :03/04/11 23:21 ID:WWQfiV27
〇ルゴの方が勇次郎より強いよな絶対。でも無敵キャラだからもう出ないのかな。 魔界編でまた見たいな。
小坊主ぶっ飛ばすときは「ゴ〇ゴチョーップ!」って言って欲しかった(嘘
567 :
夜王 :03/04/12 00:45 ID:???
お久しぶりっす、ミスターパオ。 今しがた、たまった書き込みを一通り読んでたら、 パオさんが、なんか俺の事をエラく気にしてるみたいで、なんか心苦しくなってしまった。 あらためて言うが、パオさん、俺の事は一向に気にしないでください。 このスレ住人も、まだ形にすらなってない俺のネタなんかより、 貴方の作品を1000倍楽しみにしてるはずだから。 だから、他人の事は気にせず、好きなようにやってください。 恐らく、他の住人も、同じ事を考えてるはずです。 あと、私のネタについてだけど、実はどうしようか迷ってる。 というのも、ここに来て、もうひとつ書きたいネタが出来てしまったから。 今のトコ、囚人トーナメントより、そちらの方を書きたい思いが強い。 囚人トーナメントもいつかはやりたいが、それまでにはこのスレないっぽいし。 だから、囚人トーナメント実現は限り無く、低くなりました。 もしわずかでも期待してくれた方がいたらすみません。 その代わり、もうひとつのネタは、近日中に発表します。
ゴルゴキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!! 報酬は後払い=光成とゴルゴはある程度親しい仲であり、かつ緊急の依頼であったと解釈。 うーむ、深読みできるとこもなかなか面白くて素晴らしいですね。 あと、邪鬼が気になるなぁ。やっぱとどめ刺されたのか。 ビスケどん(;´Д`)ハァハァ
>>568 と、書いたもののあまり親しそうな描写ではなかったことに気づく。
この場合、緊急の依頼、かつ光成の依頼がマジで心から懇願したものだったと推測。
勇次郎の動きを察知し、スナイパーを雇ったまでは良かったが、
心配になった光成は急いでゴルゴを探させる。
大会開始直前、ゴルゴとの接触に成功し、自ら土下座する勢いで懇願した、みたいな感じ?
570 :
560の続き :03/04/12 09:56 ID:BzfW7Mae
範馬勇次郎と真・ビスケという巨大竜巻が去った闘技場。・・そして8戦士は2回戦の準備のため順々に退場していく。 最後の退場選手はニコ・ロビンである。なんとなくチラリと観客席を見るロビン。・・すると。その方向から絶叫が。 「ロビン様コッチミタ━━━(*゚∀゚*)━━━!!!」 「/ヽァ/ヽァ(*´Д`*)/ヽァ/ヽァ 」 ・・謎の一団、復活。 江田島 平八と高槻 巌はそれを見る。巌が江田島に言った。 「良かったですな。全滅はまぬがれた様です・・」 ・・ロビン様ハアハア親衛隊は先程、魔界の使者であるヒソカの痛快な活躍により、何人も病院に運ばれたのである。 しかし江田島。厳しい表情である。そして急に叫ぶ。 「まだ生き残りがいたかぁッッ━━━━━━ !!!!!」 千歩氣功拳、その一団に豪快に炸裂。エボラウイルス軍団、全滅。思わず一般客はスタンディングオベーションだ。 常識派の巌は思わず江田島に言う。 「ア、アンタ一体何を・・」 江田島は妙にスッキリした顔で巌に言う。 「人間界の平和を守る為には仕方が無かったのだ、巌・・」 そう言いつつ口元が緩む江田島 平八。そして思う。 (そんな小さな事はどうでも良いが・・。勇次郎がここに来たという事は・・。邪鬼・・。おそらく貴様は・・。) ・・その時。大豪院 邪鬼の肉体は王 大人とブラック・ジャックの活躍により、一命だけは取り留めていた。 2回戦第一試合。花山 薫 対 前田慶次の試合前。闘技場の真ん中にてマイクを握る可愛らしいお嬢さんがいた。しかし。 観客はシン、と静まり返っている。先程見てしまったのだ。この美少女の本当の姿を・・。その美少女は観客に叫ぶ。 「みんなのアイドル、ビスケちゃまだわさッ〜♪♪」 観客は無反応。しかし心の底でこう思っている。化け物が・・。 ビスケは続ける。 「さっきみんな幻覚を見たと思うわさ、アタシの変な姿♪ でも忘れた方が良いわさ♪ でないと・・」 急に声が低く太く変わる。 「FUCK YOU・・。ブチ殺すぞ・・。ゴミめら・・」 ・・凍りつく観客。 ・・そしていよいよ2回戦第一試合が始まる。
571 :
570の続き :03/04/12 10:29 ID:BzfW7Mae
実況席に戻るビスケ。実況はビビっている。明らかに先程までと態度が違う。まるでトラの檻に入れられたウサギの様。 実況。「あ、あのジュース飲みます?タバコは・・」 ビスケ。「清く正しい美少女はタバコなんて吸わないわさ〜」 何が美少女だよ、と一瞬思う実況。しかしそれを悟られたら消される・・。なんでまともな解説を頼まねえ、光成・・。 しかし実況はプロだ。自分の職務をまっとうする為、頑張る。 「青龍の方角より、花山 薫選手の入場ですッ!!」 ・・花山 薫、堂々たる入場。しかし花山は運が悪い。なんせ勇次郎と真・ビスケの直後である。観客の反応は薄かった。 威圧感と恐怖感は両者のほうがずっと上である。 ・・まだ観客は凍り付いているのだ。しかし。その男の入場により。 パッと光が射した様な錯覚。観客の恐怖は次第に溶け始める。その男の華やかさにより。巨大な馬と道化の小男を従えて。 傾き者・前田慶次朗利益、登場。観客は慶次とその馬の見事さに見惚れる。 「あんな馬見た事ねえ。なんて馬だ・・?」 小男は「幸若」を歌い、踊りながらその観客の問いに応える。ちなみに小男の名は捨丸。慶次の従者の忍びである。 「この鹿毛と申すは あかいちょっかい皮袴 茨がくれの鉄冑 鶏のとっさか立烏帽子 前田慶次の馬にてそうろう!!!!」 場内の歓声は一段と強まる。 ・・なんて見事な傾奇振りだ。男とはこうありたいものだ。そう思わせる入場である。 ・・ついに。闘技場真ん中で見合う花山と慶次。小坊主が両者に試合の注意を与えようとする。 「凶器以外の・・」 しかし。慶次は涼やかに笑いながら、小坊主の説明を制する。 「ああ、もういいよ。坊主は下がってな」 花山。厳しい視線で慶次を睨みながら小坊主に言う。 「とっくに始まってんだよ・・」 慌てて退場する小坊主。 ・・審判の「始め」の掛け声よりも先に。両雄の闘いは始まっていたのである。
572 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/12 10:42 ID:BzfW7Mae
最近頑張って多めに書いています。前のスレの時と違って書いてて結構楽しいから。 お客さんは前スレより減ったと思うけど・・。花山・慶次は短くなる予定。進行速めねば。 あとゴル○についてはレスbP21の最後の行で匂わせてます。こんなこと書くのは無粋かな。 夜王さん申し訳無いです。多分気を使って頂いてると思う。同じスレにトーナメントが 2つあると読む人が混乱すると・・。ごめんなさい。 後、本当に勝手なお願いですが、パオは漫画喫茶でカキコしてるので、スレが立てられないです。 なんでこんなにスレ立て厳しくなったんだろう?前は簡単に立てれたのに。結構名スレ立ててますよ私。 適当なタイミングでどなたか立てていただけると幸いです。まだ大丈夫かな。 ではまた。
ROMが何人いるか分かりませんが、少なくとも一人は毎日楽しみに読ませてもらってます。 がんばって下さい。 現在約300kか。いつごろ立てればいいかね
>>572 >あとゴル○についてはレスbP21の最後の行で匂わせてます
気付いてましたぜ、パオさん(ニヤリ
トーナメント最大のヘビー級対決だな。
576 :
マロン名無しさん :03/04/12 17:26 ID:5DsQsqEv
>>575 真・ビスケの方がデカいけどな。
斉藤 一登場キボン。そしてあっという間にやられて欲しい。
某スレでアホがウザイので。
577 :
マロン名無しさん :03/04/12 21:36 ID:sp0BclHv
パオさん、初めて書きますがいつも楽しみにしてますよ〜 いい感じでめちゃくちゃやってくれてて 読んでて楽しいです。 慶次も花山も大好きなキャラなので期待してますよ!
パオさん、初めて書きますがいつも楽しみにしてますよ〜 いい感じでめちゃくちゃやってくれてて 読んでて楽しいです。 慶次も花山も大好きなキャラなので期待してますよ〜!
580 :
ふら〜り :03/04/12 22:33 ID:pKUWO9PA
夜王さん、(パオさんもですが)プロじゃないんですからご無理 なさらず。お気になさらず。 で。新企画って、また登場キャラを募集するものですか? 私も 参加できるといいなぁ……結局「囚人」は知識及ばずでしたし。 うぅ無念。
581 :
マロン名無しさん :03/04/13 00:47 ID:/3xW/rFl
前スレから楽しみにしてます。バキ以外ではジャンプ系のキャラが多いね。 ジョジョキャラ出してくだはい
582 :
571の続き :03/04/13 10:45 ID:6W3hgDxj
涼やかな笑みを浮かべた慶次と、殺気の塊の様な花山。闘技場中央での対峙。試合が始まっても動かない。・・時が流れる。 慶次はニヤリ、と笑う。花山の顔を見て全てを理解したのである。お互いの思いの一致を。そして自分の後ろ50センチ程の 辺りの足元の砂地に、足で一線を引く。花山もそれに倣い、自分のすぐ後ろに線を引く。そして慶次を向き直る。了解の印。 慶次。「やるかね・・そろそろ」 花山は無言でうなずく。そしてスーツの上着を怪力で引き千切る。背中には花山家の魂。 ・・・「侠客立ち」の刺青である。しかも刃物でズタズタに切り裂かれ、銃弾がメリ込んでいる。20歳にも満たぬこの男の 修羅の道を歩いた証。観客はタメ息をつく。それに応えて慶次。自らも上半身裸になる。刺青こそ無いが、花山以上の刀傷。 お互い傷だらけ。生死の境を生き抜いてきた証の肉体である。慶次は笑う。 「お互いヒドく醜い体だなぁ・・だがそこがいい」 ・・観客は2人の男に見惚れてしまう。現代社会からすれば非常識な2人である。だが目の前のさわやかさはどうだろう。 命賭けの闘いにあってなお涼やかな男振りの慶次。そして。おそらく今この場で死んだとしても、何一つ悔い無いであろう花山。 観客の男たちは思う。こんな男達の様に生きられれば、と。観客の女達は思う。こんな男に巡り会うことが出来ればな、と。 数瞬、見詰め合う慶次と花山。初めて会う2人だが、何故か万感の思いが湧き上がる。・・ホンモノの男同士は出会った瞬間に 分かり合えるのだろうか。花山。深呼吸をひとつし短く言う。 「行くぜ・・」 慶次。 「ああ・・。いっせ〜の〜!!」
583 :
582の続き :03/04/13 10:46 ID:6W3hgDxj
慶次の闘技場に見合わぬ掛け声。そして。 「せっ!!」 ・・その掛け声と同時に、お互いのコブシがお互いの顔にメリ込む。 その後の2人。ただメチャクチャに殴り合う。お互い一歩も、いや一ミリも引かぬ叩き合い。体は確かに殴られた瞬間、後ろに ブレる事もある。しかしそのままその場を動かない。お互いの後ろの一線。デッドライン。いわば譲れない誇りの一線である。 殴り合う前の無言の了解。 『この線より後ろへ行った人間はその場で負けだ・・』 ・・しかしどんなダメージを受けても。 おそらくこの2人は退がらない。死んでも。・・慶次も花山もそういう男である。下らない意地に命を掛けられるから男なのだ。 もしこの線より退がる事があるとすれば、それは自ら・・。 ・・顔が真っ赤に染まっていく。肉体にダメージが刻まれていく。2メートル近い屈強な大男が全く無防備で殴り合っている。 顔面。腹。胸。アゴ。お互いの両のコブシだけで殴る。ただ殴る。単純に殴り合う。子供の喧嘩の様に。ただ肉体を叩く音が響く。 技術も駆け引きも無い。・・そんなモノとは一番遠いところにいる2人である。頼れるのはコブシと肉体、そして意地と誇りだけ。 しかし何故かそんな低レベルのはずの攻防が美しい。いや、攻防と言う言葉には語弊がある。2人は全く防御をしないからである。 ・・原始的な感動に包まれる場内。殴り合いが始まって5分。お互い血まみれだ。 「スゲえ・・」 観客の一人がポツリと言う。 それきり観客は誰もしゃべれない。どんな素晴らしいコンビネーションよりも、目の前の殴り合いが尊く感じられるのだ。 慶次は殴り合いながらも涼やかに笑っている。血だるまのまま。なんと無愛想な花山までも笑っている。心底、幸福そうな顔で。 解説のビスケは言う。 「あれはまさしく・・拳語り、だわさ・・」
584 :
583の続き :03/04/13 11:27 ID:6W3hgDxj
実況は目の前の闘いにしばらく目を奪われてしまっていた。しかしビスケの一言でハッと我に帰る。 「こ、コブシガタリとはどんな意味でしょうか・・?」 実況の問いに、ビスケは少し興奮気味に応える。 「文字通りの意味だわさ・・。自分のコブシで相手に語っているんだわさ。信念、生き様、意地、誇り・・。 どんな立派な言葉より解かり合えるわさ。その拳一発一発で・・。お互いを信頼してないと出来ないわさ・・」 実況は思う。コイツ、解説だけはちゃんと出来るんだよな・・。ビスケは実況の視線を無視して興奮している。 「たぎる・・。血がたぎるわさ〜 アタシも男に生まれたかったわさ〜ッ」 コブシを握り締めるビスケ。 その時。実況は余計な一言を言ってしまう。 「ハハッ、さっきのビスケさんなら十分拳語りを出来るでしょう?」 ギロリ。ビスケの目が花山以上の殺気に満ちる。 ・・しまった。殺される・・。実況は激しく後悔する。そして。 「グガアギャアッ!!」 ・・絶叫が場内を包む。実況が耳を押さえてのたうち回る。ポトリ。床に何かが落ちる。 ・・血まみれの耳である。涙目の実況にビスケは言う。 「次に同じ事言ったら・・。首がモゲるわさ・・」
585 :
584の続き :03/04/13 11:28 ID:6W3hgDxj
実況席の微笑ましい光景をよそに、慶次と花山のド突き合いは続く。・・10分・・15分。ついに20分経過。 「バケモノどもが・・」 観客席の独歩はつぶやく。「全力」のド突き合いである。正に怪物2匹。しかしついに。 ・・お互いの拳撃の威力、スピード、手数全てが鈍り出す。限界。肉体と体力と精神の限界。フラフラの怪物たち。 「お互い見っとも無いくらいボロボロだなぁ・・」 慶次は笑う。花山は笑って言う。「そろそろ・・最後か・・」 そして。 ・・最後の鉄拳が互いに決まる。・・慶次の顔面に花山の凶器のコブシ。花山の腹に慶次の獣のコブシ。 ・・お互いを貫き合ったまましばらくピクリとも動かない。しかし花山。慶次の顔面からコブシを引き、もう一撃を。 振りかぶる花山。慶次は棒立ちのまま動かない。慶次の顔へ花山のコブシが突き進む。 「ぬあああッ!!」 花山の気合が場内に響く。観客は叫ぶ。 「ダメだ、慶次動けねえッ、花山の勝ちだぁッ!!」 ・・しかし慶次。 子供の様な笑顔で言う。 「楽しかったなぁ・・。花山殿・・」 その慶次の言葉を聞き、一瞬フッと花山は笑う。 そして花山のコブシは。慶次の顔面の直前で止まる。花山は言う。 「アンタの・・勝ちだ・・」 そしてゆっくりと。 前のめりに倒れ込む花山 薫。限界を超え意識が途絶えたのだ。 ・・しかし前田 慶次。花山を優しく受け止める。 慶次は言う。 「アンタ程のもののふは・・。戦国の世にもなかなかいない・・。倒れるのはアンタらしくないよ・・」 その言葉。無意識の花山に届いたのか。花山しっかりと立っている。 ・・まさに、侠客立ち。・・そして審判が叫ぶ。 「勝負ありッツッッ!!」
586 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/13 11:32 ID:6W3hgDxj
あッ、「○○の続き」が一番ずつズレてる・・。鬱。長文エラーで2つに分けると たまに忘れたりズレたりします。すみません。 しかしこのトーナメント始める前は「ネタ3割・シリアス7割」のつもりだったのに。 今は逆だな・・。魔界編は解説対決以上のヘンな対決がいくつかあります。(予定) 全く期待せず待って下さい。では。
実況さん、生きて決勝まで解説を続けることが出来るのか? 実況のリザーバー投入キボン。
588 :
夜王 :03/04/13 11:59 ID:???
ミスターパオ、朝からお疲れ。 いや〜、花山vs慶次、堪能しました。 短いけど、俺の中ではベストバウトかも。 技術戦も好きだけど、こういう単純なのも好きなんで。 で、実はもうひとつのネタもトーナメントなんです・・・ 今までの地下闘技場の常識を覆すトーナメント。 発表は次スレにて行おうと思ってます。 でも、何度も言いますが、パオさんは一切気を使わんでください。 どうか、思う存分マイペースで書き綴っていただきたい。 >ふら〜りさん 実は、もうメンバは決定してます。総参加数、16名。 しかも、戦いの性質上、下手したら死人が出るかも。 それと思ったんですが、「囚人」ってネタとしては最高なんですが、 いざメンツを集めてみると、なんか微妙な連中ばっかりです・・・ 所詮、一級の格闘家や戦士には及ばない人種って事ですかね。
589 :
マロン名無しさん :03/04/13 12:19 ID:6gFTcRKY
解説さんのリザーバーにゴリラーマンきぼんぬ
590 :
マロン名無しさん :03/04/13 15:04 ID:wGFDjE9x
慶次も花山も男らしくて爽やかだなあ。それに比べバキは・・。 夜王さん次スレ楽しみにしてます。パオさんもずっと頑張って下さい。
パオさん、 修行をしなくても強い二人の戦い、堪能しました
>>588 今のうちにワードかメモ帳に書き始められては?
漏れはここじゃないところで文章を書いてますが
先に書きためておいて手直ししつつ載せていく方が楽だしいい文章になると思いますので。
593 :
マロン名無しさん :03/04/14 01:31 ID:39jl6TKA
今日はこないのかな
594 :
マロン名無しさん :03/04/14 01:45 ID:QxDC2mPF
誰も
>>589 のゴリラーマンに突っ込まないんだな(w
ゴリラーマンはもっとも解説から遠いキャラだろ。
596 :
マロン名無しさん :03/04/14 08:01 ID:jQiIu2Ye
パオってなにげに文章上手いな。すこし詰め過ぎなところがあるけど。 「地上最強の男 竜」を出して下さい
じゃ俺が書くね。 お前ラタンの後ろよ
>>596 「悪はさった!」イイ(w
で、宮本武蔵とブルース・リーが大魔王からの刺客?
でも、どんな奴でも0.2秒で倒す竜が出ると
対戦相手に見せ場が無いという…
599 :
マロン名無しさん :03/04/14 15:40 ID:zlq4m8O2
>>598 いるじゃないか。瞬殺されてこそ光る漢が。
600 :
マロン名無しさん :03/04/14 18:37 ID:BrsyDzDY
ヤムチャ!w でも竜が相手だと本当に殺されそう…(グシャグシャにされて)
601 :
585の続き :03/04/14 19:02 ID:jQiIu2Ye
「待っててくれたのかい・・」 数十秒間だけ花山は立ったまま失神していた。そしてその間、慶次は。 ずっと待っていた。花山が目覚めるのを。 ・・慶次自身も、花山の強力な打撃を何十発も喰らっている。 本当はすぐに休むべきだろう。だが彼はそこにいた。激闘の後と思えない、ニコやかな、涼やかな笑顔で。 「ああ・・花山殿の男振りがあまり見事なので、つい見惚れてしまってね」 ・・そして大きく笑う慶次。 花山。なんとこの男も一緒に笑っている。勿論、慶次の様に子供っぽく大きく笑う訳ではない。しかし。 確かに笑っている。少し照れた様に見えながら、無邪気に。 ・・笑い終わり、お互いを見詰める。 ボロボロの肉体。血まみれの顔。しかしそれが何故か嬉しくて仕方ない。花山は側近の若頭に言う。 「おい・・酒だ」 若頭がワイルドターキーのビンを花山に渡す。グイッ、と半分ほど飲み干す花山。 そして半分残ったビンを慶次に渡す。ニヤッ、と笑いそれを受け取る慶次。そして美味そうに飲み干す。 「フゥ。舶来の酒は初めてだが・・。美味いなぁ・・」 ・・時代を超えた固めの盃。誓いの酒。 闘技場真ん中の酒盛り。その光景を誰も非難するものはいない。男とはこんなに早く解り合えるのか・・。 花山。酒を飲み干した慶次を見届け、背を向ける。・・目の前に砂に書いた線が見える。花山は一瞬笑う。 ・・そしてその線をまたぎ、そのまま闘技場を去る。観客は立ち上がり、花山の背中に万雷の拍手を送る。 お互いに掛ける言葉は少なかった。しかしどれほど語り合ったのだろう。 ・・言葉より通じ合うモノで。
602 :
601の続き :03/04/14 19:02 ID:jQiIu2Ye
花山が去る姿を見届けた後、慶次も愛馬・松風にまたがり闘技場を去ろうとする。慶次を大歓声が包む。 「カッコよかったぞッ、慶次ッ」 「このまま絶対優勝だぁッ」 「よっ、天下一の傾奇者!!」 ・・そして闘技場を後にし、通路に入る。そこに。花山と共に心を通じ合えた友、香取石松が迎えに来た。 「やあ石松殿、わざわざ来てくれてありがとう」 涼やかな笑いを浮かべ、松風から降りようとする慶次。 しかし。馬から下りた瞬間足元がフラつき、倒れそうになる。石松はその小さな体で慶次の巨体を支える。 「もっと楽な闘い方も出来るだろうに・・ムチャだな・・」 石松は笑う。自分とどこか似たこの男に。 「フフ、確かにムチャかもな・・。だがそこがいい」 慶次も笑う。そして石松にゆっくり言う。 「この時代の男は最早、男でないと聞いていたが・・。どんな時代にも・・本物の男はいるもんだなぁ。 石松殿、花山殿、高槻殿・・。この時代に来て本当に良かった・・」 微笑む石松。慶次は続ける。 「以前花山殿を破り、最大とぉなめんととやらで優勝したというバキ殿・・。彼とも会いたかったな・・」 ・・その時。範馬刃牙は蛸江に乳首を責められ、恥ずかしい声を上げていた。
603 :
602の続き :03/04/14 19:43 ID:jQiIu2Ye
興奮と感動を呼んだ前田 慶次 対 花山 薫の激闘。その激闘と同刻。とある公園でも激闘が始まっていた。 闘技場のある東京ドームを離れる事数キロ。そこで睨み合い、奇声を上げる怪しい風体の2人。そう。 我らが本部 以蔵と、「地上最強の解説者」雷電である。最早2人の超人の解説は格闘技だけに留まらない。 雷電の目が光る。カードをめくる。 「よし、ブラックマジシャンを引いたぞ、テーマは犬の交尾だ、本部!」 「犬の交尾・・。春先のサカリの時期によく見られる光景。急に水を掛けるとオス犬はびっくりして・・」 ぬうう。雷電は唸る。・・デキる。雷電のターンが終了する。本部のターンである。手元のカードをめくる。 「ククク・・終わりだ雷電・・。オシリスの天空竜を引いちまったよ・・。となるとテーマは難しいぜ・・」 雷電は叫ぶ。 「ぬうう・・まさか。オシリスの天空竜と言う事は・・テーマは援助交際かッ!!」 しかし流石は最強解説者・雷電である。この難しいテーマでもすらすらと解説をしていく。 「援助交際・・。ただの売春の意味・・。バブル期の相場は16才で5万程だったが最近は2万以下に下落・・。 しかしある漫画家が8万と言う暴挙に出てしまい・・」 ・・その時、雷電の解説を阻み、本部が叫ぶ。 「反則だッ!! 雷電さん、オフィシャルルールではしまぶーは禁じ手のはず・・」 ・・しかし雷電は笑う。 「甘えた事を・・。我々のデュエルを素人ルールでやろうとは・・。それこそデュエリストとして失格でござる」 一般人は怯えている。解説速度が速過ぎ、謎の中国人とホームレスが叫び合っている様にしか見えないのである。 達人同士の闘いは凡人の理解を遥かに超えているのだ。 ・・しかし、この闘いをじっとを見守る謎の男。 「中々やりおるわ・・。豚やサルの分際で・・。ところで中川、バカに車を持たせるなッ!!」
604 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/14 19:52 ID:jQiIu2Ye
竜ですか。インターネットで見ただけだけど、凄いねあれ。キリスト教信者の方怒らなかったかな。 しかし地球を完全なる水平面で叩き割る男ですぜ。ムリ。ていうかバーンより強いでしょ。 しかも余りメジャーじゃないのでちょっと厳しいかなぁ。斉藤一は出したいです。分からないけど。 では、また明日かあさって更新します。
雄山キタぁ…!!
606 :
マロン名無しさん :03/04/15 00:55 ID:Q2CXTZ0k
魔王軍の特殊部隊かなんかで「葉隠瞬殺無音部隊」希望です。
608 :
マロン名無しさん :03/04/15 13:22 ID:jM4tXq6x
ところでバーンラスボスならダイたちは出るのかな?
609 :
マロン名無しさん :03/04/15 16:34 ID:vHYuWJsG
ポップだしてくれぇ。
610 :
マロン名無しさん :03/04/15 17:03 ID:iJJch2Pe
面白いけどもうスレタイの意味がないな・・。パート3もこのスレタイでいくの? 死刑囚はどうなるの?でも周りが強すぎて柳やシコルがさらにへたれそうだな
611 :
マロン名無しさん :03/04/15 18:10 ID:vHYuWJsG
作った結果がこれだからいいんじゃないの。
612 :
:03/04/15 19:18 ID:???
出して欲しい人 「ムジナ」の観世音 「ガンツ」の千手観音星人 マイナーだけど・・・
613 :
マロン名無しさん :03/04/15 20:25 ID:gc6o9c65
グリード様かグルトニー様を・・・
614 :
マロン名無しさん :03/04/15 20:45 ID:V/USkt+Q
サザンアイズのベナレスをキボン。 死なないけどな。
>>610 ドラクエみたいなもんだよ。
あれだって、1以外はタイトルと内容の関係、特にないだろ?
616 :
ふら〜り :03/04/15 22:11 ID:NbYbhOL5
>>615 わぁ凄くいい例え。他にもいろいろありますよね、そういうの。
何だか、変えたくなくなった……と言うより変えないで欲しい、
と思えてきました。記念碑的というか、パオさんにとっても
原点なわけですし。「死刑囚編をつくろう」という思いが
あってこその現在なわけですし。
617 :
i :03/04/16 08:02 ID:2/xZZNxG
浦安鉄筋家族の仁のママを出して。
ていうか、花園垣というのはどうだ
619 :
603の続き :03/04/16 11:05 ID:ifuKXcbc
雷電は目の前の男を凝視する。 ・・バカな。何故これほどまでにこの乞食に苦戦をする・・。 確かにこのヒッピーは無想転解を身に付けた。しかし、解説力自体は圧倒的に私が上のはず・・。 ハッとして周りを見渡す雷電。そして思わず叫ぶ。 「しまった! ここは、この場所は・・。」 不敵に笑う本部。 「ククク、やっと気付きましたかな・・。ここは公園・・。私の住みか・・。」 そう。ここは本部のダンボールハウスがある公園であった。本部 以蔵のホームグラウンドである。 雷電はうめく。 「グ・・。貴殿、三国志の孔明並の策士だな・・。まさか、地形効果とはッ!!」 地形効果。本部は解説力の上回る雷電に対し、周りの環境全てを味方につけ互角に闘っていたのである。 本部。 「雷電さん・・。解説力では圧倒的に上回るあなたが、何故私と互角にしか闘えないのか・・」 そして本部は雷電の胸元を指差す。 ・・そこには。「民明書房」と書かれた書物が懐に隠されていた。 「それでしょうな。己の技量以外に頼ろうとする性根が・・。解説を腐らせる・・。最早救い難いッ!」 本部の目がギラリと光る。解説気が一気に膨れ上がる。 ・・無想転解と解王拳の複合コンボである。 一気に決めるつもりの本部。 ・・しかし雷電。口元に笑みが浮かぶ。これまでと違う邪悪な魔界の笑み。 「バカが・・。拙者が本気とでも思っていたのか? 今まではせいぜい50%の解説力ござる・・。だが」 ・・雷電の肉体が変化していく。体が2回りほど大きくなる。ドジョウヒゲがウナギヒゲにパワーアップ。 額の「大往生」の文字が「大解説」に変わる。目付きが禍々しい。 ・・そして。異常な解説気の爆発。 「バ・・バカな・・こんな・・。」 本部の絶望の声。雷電は笑う。口調も今までとは違い荒々しい。 「クハハハ・・。見たか本部殿・・。 これがお待ちかねの・・100%雷電でござる!!」 思わずその場に座り込む本部。ダメだ、勝てねぇ・・。地形効果だの無想転解だの・・。所詮通じない。 解説気そのものがケタ外れ過ぎる・・。正しく超兄貴形態のスーパー雷電である。雷電の目が怪しく光る。
620 :
619の続き :03/04/16 11:32 ID:ifuKXcbc
そして。一瞬で公園内のあらゆるモノを解説する。ペットボトル、ブランコ、リストラサラリーマン・・。 本部は防戦一方である。そしてハッと気付く。この邪悪な解説気は・・。まさか・・。本部は雷電に叫ぶ。 「雷電さん、まさかアンタ・・。魔界に魂を売ったのかッ!!」 雷電は笑って本部に答える。 「そう・・。拙者は偉大なるバーン様に忠誠を誓い、強大な解説力を手に入れた・・。解王ビスケ以上のなッ」 まさか。雷電はとっくに解王・ビスケ師匠を超えているはず・・。そう思う本部にある予測が過ぎる。まさか。 「まさか、雷電さん・・。あのウワサを信じているのか。ビスケ師匠には真の姿が隠されていると云う・・。」 しかし雷電、その言葉には答えず、公園内を次々と解説していく。犬のフン、公園デビュー、放置自転車・・。 圧倒的なトークの速さ。情報量。解説テクニック。・・どれをとっても本部は適わない。だがその時本部の目に。 (あ、あれは・・。私の・・。ダンボールハウス・・か?) 本部の愛する一軒家、ダンボールハウスの残骸。 そう。達人・渋川剛気にヘタレが吹き飛ばされた時に潰れたスクラップである。・・本部の気配が変わっていく。 「ゆ・・許さんぞ・・よくも・・。よくも・・!!」 ブチン。頭の中で何かが切れる。目が黒から緑に変わる。 髪の色が金色に変わっていく。・・そして黄金の解説気に包まれる本部。その変わり果てた姿に驚愕の雷電。 明らかに自分と互角か、それ以上の解説力。思わず叫ぶ雷電。 「な・・何者だ・・」 本部は答える。 「とっくにご存知なんだろ・・。オレは貴様を倒すために公園暮らしをして来た・・。穏やかな心を持ちながら 理不尽な怒りによって目覚めた・・。スーパー解ヤ人 モトベイゾーだッッツ!!」 スパークするスーパー解ヤ人イゾーの黄金解説気と、超雷電の暗黒解説気。このまま一気に決着か、と思われた。 しかし。意外な人物によりこの頂上解説決戦は中断される。 ・・角刈り、まゆ毛つながり、サンダル履きの名物警官。一部で「老害」と言われる主人公の職務質問である。
621 :
620の続き :03/04/16 11:58 ID:ifuKXcbc
とぼとぼと歩く本部と雷電。2人ともとっくに普通の姿に戻っている。祭りの後の寂しさ。 ・・近所の主婦に通報され職務質問。名物警官に連行され、開放された後である。 考えてみれば当たり前だ。謎の中国人と突如キンパツになった乞食が奇声を上げていたのだ。 しかし不思議な場所だった。モデル並の婦人警官がいる。無造作に高級車が置いてある。 角刈りの警官は競馬を見ながら職務質問。なにより今時、「派出所」である。「交番」でなく。 ・・ともかく終わったかに見えた解説対決。2人は何も話さず歩いている。とぼとぼ。とぼとぼ。 その時。突如偉そうな声が。 「わはは、ブタとサルめが。この決着は魔界でつけぃッ!!」 振り返る2人。そこには。あの、「地上最傲慢生物」にして魔界の重鎮、海原雄山の姿がある。 魔界では「バーンより偉そうな男」として恐れられ、嫌われている。雄山いつも一人ぼっち。 ・・一瞬呆然とする本部と雷電。ハッとして雷電は言う。 「しかし雄山殿、我々はもう・・」 「私がやるといったら絶対やるのだッ! それともこの雄山の言葉が信用出来んのか、愚民がッ!!」 ・・信用出来るも何も急にしゃしゃり出て・・。一瞬思う2人。しかしそれを言わさぬ雄山の迫力。 雄山は笑う。 「わはは。では魔界側の雷電は私が連れて行く。魔界の五珍の塔、で決着をつけぃッ」 五珍の塔。本部の頭に浮かぶ解説。聞いた事がある。魔界には戦闘だけでは突破できない塔があると。 そこでは、料理対決など様々な対決があると。そして最上階には魔界の宝が眠ると・・。 雄山。上機嫌で車を出す。勿論雷電も一緒である。雄山の高級車は次々と人を跳ね飛ばし進んでいく。 「わはは。見ろ中川ッ!! 人がゴミの様だ・・」 ・・残された本部。ポツリとつぶやく。 「決着は・・。魔界、か・・」 ・・そして本部は歩き出す。闘技場へ向かって。
622 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/16 12:05 ID:ifuKXcbc
まあ、スレタイはもうここまで来たらこのままでいいですね。結構愛着あるし。 でもはじめてここへきた人は驚くな。バキかと思ったらアカギやロビンがいて・・。 まぁいいですか。後、登場キャラ希望書いてくれてありがとうございます。 でもあんまりマイナーなのはちょっと・・。出来るだけみんながわかるキャラの方が、ね。 あと、メジャーでもバーンより余り強すぎるのはダメ。あと個人的で申し訳ありませんが、 知らないのは書けない。あと大嫌いな3馬鹿とパクリ四天王は書かないです。すみません。
623 :
マロン名無しさん :03/04/16 13:33 ID:9nhw6Zpp
「3馬鹿…俺のことか…おれのことかぁぁぁぁぁ!!!!!!」
624 :
マロン名無しさん :03/04/16 21:10 ID:IyNKx1j3
本部。 決着をつけにいくはずなのに後姿がさびしいな
625 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/16 23:35 ID:ifuKXcbc
今日明日はちょっと書くの厳しいかも。ごめんなさい。
まあ、パオさん以外にもバキを書く人はちゃんといますし。
627 :
ふら〜り :03/04/17 00:11 ID:LMzGb12Y
>>626 ですね。職人の方々、読者は楽しみに待ってますよっ♪
628 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/17 00:18 ID:PKDbNXb5
次スレではバキスレは俺さん帰って来ないかなぁ。 あの人の文のファンなんだ・・。スペックの方も続き書いて欲しいなぁ。 勿論、夜王さんも期待してますよん。 今日はちょっと書くテンションが上がらない。ゴメンね。
ついについについに! スーパー解ヤ人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!! オチ最高。 今日は氏んだっていい。 パオさん、この上なく感謝!
まさか破壊された本部ハウスが、 スーパー解ヤ人覚醒への伏線だったといったい誰が気づけただろうか…… このヤムチャの目を持ってしても気づけなかったぜ・・・
631 :
マロン名無しさん :03/04/17 14:35 ID:fSM/I3ow
スーパー解ヤ人もそうだけど料理対決も楽しみだ。しかし魔界って・・。
632 :
マロン名無しさん :03/04/17 14:47 ID:eKNxLzsO
インフレはジャンプ漫画の王道。 このままパロディーを突っ走ってください。
633 :
マロン名無しさん :03/04/17 15:16 ID:8XtErcK3
634 :
マロン名無しさん :03/04/17 21:34 ID:QMeGKp62
今日はやっぱり来ないのかな。楽しみにしてるのにな
636 :
マロン名無しさん :03/04/18 08:47 ID:pKyEkhh+
料理対決ならジャンを出して欲しい。
637 :
621の続き :03/04/18 15:34 ID:b4w0pYh4
二回戦第2試合陸奥 九十九 対 鷹村 守の試合の時が近付く。実況席。実況はタオルで耳を押さえている。 ビスケは前の試合の興奮から、時々「真・ビスケ」の顔が浮かび上がる。その度に恐怖する実況。そこに。 「ビ、ビスケ師匠ッ。お久し振りです・・。ですが、そこは私の席ですぞッ!!」 ・・本部 以蔵、参上。 しかしビスケ。その場を動こうとしない。 「何しにきただわさ。もう、アンタは用無しだわさ・・」 冷たくあしらうビスケ。実況は祈る様な目で本部を見る。まだ凶暴ロリ婆より、ヘタレルンペンの方が・・。 本部。自信一杯にビスケに言う。 「私はスーパー解ヤ人になりました・・。もう貴方や雷電より上だッ!」 そう言うと本部の髪が逆立ち金髪になる。黄金の解説気に包まれる。 ・・スーパー解ヤ人・モトベイゾー降臨。 本部の目がギロリと光る。次の試合の見所や、選手のデータ、得意技などが奔流の様に本部の口から溢れ出る。 1秒間に100ワード以上の単語。膨大な言葉が噛む事無く、見事な舌滑で繰り広げられる。圧倒的な解説力。 しかしビスケ。冷静に言い放つ。 「恐ろしい解説力だわさ。しかし致命的な弱点があるわさ・・」 本部は叫ぶ。 「バカなッ。この圧倒的なトークに死角等は存在しないッ!!」 ビスケはゆっくり首を振る。 「確かに完璧・・。トークの速さ、解説テクニック、知識、どれも全て・・。しかし完璧過ぎるわさ・・」 「師匠も老いましたか・・。完璧過ぎて何が悪いと・・」 老いましたか、その言葉はビスケに禁句である。 真・ビスケパンチが豪快に決まる。闘技場の隅まで吹き飛ぶ本部。顔がぐちゃぐちゃに潰れる。おもらしの実況。 ビスケは屍となった本部に言う。 「ならば教えてやる・・。アンタの解説は独りよがりなんだよっ!!」 その言葉が腐った死体となった本部の頭に響く。ま、まさか、そんな事が・・。ビスケはさらに続ける。 「聞く人在ってこそ解説・・。お前のは、トークが速過ぎて何言ってるのか・・。ワケ分からねえんだよッ!」 ガーン。ショックを受ける本部。まさか完璧なはずのスーパー解ヤ人に・・。そんな意外な弱点があったとは・・。 実況はビスケと本部の師弟を見て思う。 (真性のバカか・・。コイツら・・)
638 :
637の続き :03/04/18 16:01 ID:b4w0pYh4
目の前で小僧が心配そうに俺を見てやがる。しかし信じられねえな、この泣き虫小僧だった男が今や・・。 日本チャンプになって、世界が見える所まで来るとはなぁ。・・ま、全てこの偉大なる先輩様のお陰だが。 青木と木村がその横で俺を見てやがる。小僧・・。幕の内一歩と同じ視線で俺を見やがる。ケッ。辛気臭え。 俺を誰だと思ってやがる。天下の鷹村 守様だぜ・・。小物如きが俺を心配だなんて100万年早えんだよ。 ジジイがゆっくりと俺に言う。 「そろそろじゃ・・。準備は良いか、鷹村?」 ジジイも厳しい顔だ。 ジジイ・・。まさか俺が負けるとでも思ってるのか?俺はクマですら屠った男だぜ・・。俺はジジイに言った。 「当たり前だ。それよりあの準備は出来ているのかよ?」 俺は余裕綽々に答える。そして気合を入れる。 「うおしゃぁッ、軽くKOしてくるゼッ」 そして俺は。準備、してきた例の入場コスチュームに着替える。 いつも通りだ。・・いつも通りこのスーパースターを観客は熱狂で迎え、数分後のKOシーンに酔い痴れる。 そう。いつも通りのはず。 ・・しかし。ジジイ。青木。木村。板垣。・・そして一歩。いつもとは違う。 ・・俺にも分かっている。今までブライアン・ホークをはじめ、俺の前にいるボクサーはみんなブチ倒してきた。 だが今日はボクシングでは無い。相手もボクサーでは無い。古臭い武術を使う、チビが相手だ。・・だが。 強い。ありゃぁ強えわ・・。ビデオを見た時、恐怖が走りやがった。・・人を殺す為の武術。人殺しの技。 ケンカもボクシングも無敗の俺が、今まで経験したことの無い闘い・・。しかもあの陸奥 九十九とか言うヤロウは。 元、ヘビー級ボクシングチャンピオンでもありやがる・・。強さの底が見えねぇ・・。だが。俺は小物どもを見る。 こいつらの前では常に俺は強くないといけねぇ。常に小物のこいつらを引っ張ってやらなくちゃいけねぇ・・。 スターも辛えな。そう思っている所へ、ついに・・。来やがった。さて、行ってくるか・・。 「青龍の方角より、鷹村 守選手の入場ですッ!!」
639 :
638の続き :03/04/18 16:20 ID:b4w0pYh4
「うおおッ、鷹村サイコーだぜッ!!」 観客は鷹村の入場コスチュームにド肝を抜かれる。 クマ。鷹村は自分が屠ったクマの皮の部分をはく製にして、それをガウンの様に被って入場する。 拍手で迎える観客。特別席の光成が笑う。 「生まれついてのスターじゃのう、あやつ・・」 闘技場の真ん中でクマのコスチュームを脱ぎ捨てる鷹村。見事にシェイプアップされた肉体。 ビスケの口から思わずヨダレが垂れる。実況へささやく。 「好みだわさ・・。お持ち帰りOK?」 勿論実況は命懸けでその言葉をシカトする。ちなみに先程の生ゴミ・・。本部 以蔵は処理されている。 観客の声援に、お得意の筋肉パフォーマンスで応える鷹村。青木が呆れる。 「余裕だな、鷹村さん・・」 しかしその下に隠した決死の覚悟。一歩は気付いている。 (鷹村さん、負けないで・・) 一歩は戦闘能力で、明らかに鷹村の方が不利な事に気付いている。勿論、当の鷹村も分かっているだろう。 ・・そして。ついにあの男の名前が実況に叫ばれる。1000年間不敗の武術を使う、伝説の男の名を。 「朱雀の方角より、陸奥 九十九選手の入場ですッ!!」 ・・その男は静かに入場する。しかし。 ただそこを歩くだけで最早、目を離す事が出来ない。ツバを呑み込む鷹村。・・そしてある事に気付く。 同じ事を気付いた観客も騒ぎ出す。陸奥の両手。素拳ではない。そこには・・。 「お、おいッ、陸奥のヤロウ・・。グローブをはめてやがるぜ・・。ボクシング決戦だぁッ!!」
640 :
638の続き :03/04/18 16:25 ID:b4w0pYh4
昨日はゴメンなさい。なるべく毎日書くつもりですがなかなか・・。 ところで、「ファミコンジャンプ」というゲームのレビューを ネットでたまたま見ていたら、こう書いてありました。(このゲーム素晴らしくクソゲーらしい) 「違う世界の、違う設定のキャラクターを同じフィールドに閉じ込めるなんてしょせんムリ」 ・・確かに。ま、そうは言っても始めたモノは最後まで続けます。この駄文に整合性なんて言葉はありません。
641 :
マロン名無しさん :03/04/18 20:18 ID:2GWw5fLE
過疎化防止アゲ
642 :
マロン名無しさん :03/04/18 23:14 ID:4N0ZNmRc
確かにファミコンジャンプっぽいな、このスレ
ファミコンジャンプはクソゲー・・・ ならスパロボと言い換えた方がいいのかな? あれも、一部に熱烈なアンチがいるけど、少なくとも世間的には大ヒット作だし。
赤カブト出してくんねーかなぁ…。 魔界の力を得て更に強くなった赤カブトが人間達を襲おうとした時に 奥羽の連中が「こいつは我らの敵、人間達には任せられぬ」と言って戦うとか。
645 :
マロン名無しさん :03/04/19 10:33 ID:5t4z14Wt
葉隠覚悟は出ないのか? 散様でもいいがな。
「惑星を継ぐ者」のバラダット=ナイブスは出てくれないかなあ・・。
「地上最強の男・竜」の雷音 竜は出てくれないかなあ‥。
知らないキャラは出せないだろうし、知ってるキャラでも出しにくいキャラもいるだろうよ。 出せるキャラは放っといても出るわけで、あまり出せ出せ言うのはやめとけ。
649 :
マロン名無しさん :03/04/19 15:41 ID:8oWUxY5y
九十九VS鷹村 ボクシング対決にしたことで面白くなりそう。 相手の土俵に上がるところが九十九らしくてイイ!!
650 :
:03/04/19 16:32 ID:hThyT+d5
2回戦は見たかった組み合わせばかりでたのしみだ がんばってくださいね、パオ氏
651 :
マロン名無しさん :03/04/19 18:45 ID:OSolizpp
勇次郎はやっぱり塾長と決着つけてほしい。 前スレの勇次郎対塾長よかったから。
>>647 ってか、「竜は無理」ってパオ本人が言ってるワケだが
653 :
647 :03/04/19 23:24 ID:???
>652 あちゃ〜ごめんなさい。 よく読んでませんでした。 スレ汚し誠に申し訳ない。 これからはちゃんと読みます。 >648 貴方のいう事はもっともです。 軽率にレスしてしまい、何とも後悔しております。 >パオ様 お許し下さい。これからも期待しております。
654 :
山崎渉 :03/04/19 23:34 ID:???
∧_∧ ( ^^ )< ぬるぽ(^^)
655 :
夜王 :03/04/19 23:55 ID:???
ミスターパオ、毎度お疲れ 今日はちょっと、魔界編へのリクエストを集計してみた。 参考までに、ということで。 斉藤一(るろ剣) 城石一(殺し屋1) フェイスレス、加藤鳴海(からくりサーカス) 冥界三巨頭、一輝(星矢) B.B(B.B) 安田三四郎、安田一平(俺の空) ゴリラーマン(ゴリラーマン) ウボーギン(ハンター) 久我重明(餓狼伝説、獅子の門) コブラ(コブラ) 「影技」の誰か 孔雀王 明王伝レイ ぬ〜べ〜 GS美神 とら(うしおととら・要望強し) 「ヴァンパイアハンター」のキャラ アンデルセン(ヘルシング) 山崎竜二(KOF) ジョジョキャラ ポップ(ダイ大) グリード、グルトニー(ソドブレ) ベナレス(サザンアイズ) 仁ママ、花園垣(浦安) ・・・・・・君ら、無茶言い過ぎ(笑) まあ、斉藤一とアンデルセンは、私がやるトーナメントのメンバーに入ってるんで、 もし興味がある人は、期待しないで待っててください。
656 :
夜王 :03/04/19 23:57 ID:???
久我さんの登場作品は、餓狼伝説じゃあねーし。 壊滅的なミスしちまったな、鬱。
ところで、パオ氏に感化されて まだ使われて無いキャラで話を一本作ろうかなと思ったんだけど・・・ 流れ止めちゃ悪いか?
658 :
639の続き :03/04/20 11:33 ID:XYe8poS6
鷹村の目に、グローブ姿で入場する九十九の姿が飛び込んでくる。ほんの一瞬だけ呆気にとられた後、 怒髪天を衝く怒りが湧き上がる。 (舐めやがってクソ野郎・・。ボクシングでも俺に勝てるってか・・) 木村と青木は、その鷹村の表情を見てハッとする。 「た、鷹村さん、キれちまった・・。あの時の・・」 あのブライアン・ホークの時の世界タイトルマッチ。その時のホークの、無法な振る舞いに対して見せた 表情にそっくりなのである。 ・・殺気。怒気。鷹村の体中から発散されている。 勿論、九十九が世界ヘビー級チャンプだった事は知っている。しかし、ボクシングひとつに命を掛けてきた 鷹村に取って、九十九の存在は許せないのだ。 ・・こいつは舐めてやがる。俺と・・、ボクシングを。 ・・ついに闘技場真ん中で見合う戦士2人。怒りを発散させる鷹と、いまだ底知れぬ殺気を内在させる修羅。 鷹が修羅に問い掛ける。出来るだけ冷静を装い。しかし、審判の試合前の注意など耳に入っていない。 「おい、なんだその格好は・・。アンタ、ボクサーじゃないんだろ・・。グローブはずや、コラッ!!」 しかし、最後は感情の爆発を止められず怒鳴り声になったしまった。陸奥はニィ、と笑って答える。 「ボクシングをやる気は無いよ・・。この格好で園明流をやるだけだ・・。それに、鷹村さん・・」 陸奥はそこで言葉を止め、まっすぐ鷹村を見る。殺気の無い目。しかし何故か鷹村はその目に気圧される。 「俺がグローブを外すとしたら・・。アンタが外した後だけだ・・」 ブチン。鷹村の最後の理性がキレる。 九十九に飛び掛ろうとする鷹村。それを鷹村の気配を察し、いつでも動ける状態にいた一歩たちが抑える。 「もうすぐです、もうすぐですから、鷹村さんッ!!」 一歩のその言葉になんとか冷静を取り戻す鷹村。 ・・両者が開始位置まで戻る。そして審判が叫ぶ。 「始めいッッッ!!」 ・・弾丸の如く、勢い良く鷹村が飛び出した。
659 :
658の続き :03/04/20 12:10 ID:XYe8poS6
闘技場の端から端まで約10メートル程。その距離を鷹村は一気に詰める。超攻撃的な鷹村のボクシング。 一気に九十九に襲い掛かる。ストマック、レバー、ハート、テンプル、ジョー・・。腰より上のボクシングの 有効打撃部位。更にその中でも急所と言われる所へ、鷹村の重量級のワイルドパンチが鋭角に滑り込む。 ワイルド、と言っても世界チャンプの鷹村である。全ての動きが理に叶っている。しかも、攻撃した後も、 次の攻撃までの体のブレが極端に少ない。ボクサーという人種程、人体をコブシで壊す事に掛けてプロはいない。 しかもその男は鷹村。現在のボクシング界で、リカルド・マルチネスと並ぶパウンド・フォー・パウンドである。 一気に決着・・かに見えた。しかし、解説のビスケが言う。 「効いてないわさ・・陸奥、笑ってるわさ・・」 鷹村の猛攻を受け修羅が笑う。修羅はかわす。鷹村の芸術品の様なコンビネーションを、その「見切り」にて。 勿論、九十九とて全ての攻撃をかわせる訳ではない。しかし、核となるパンチ。例えば、ワンツーの「ツー」の部分。 ジャブストレートの「ストレート」だけは確実にかわしている。 ・・現代ボクシングが修羅の歴史に凌駕されている。 解説のビスケ。 「やはりボクシングでも・・。ヘビー級の怪物を破った陸奥が相手では・・鷹村も厳しいわさ・・」 しかし鷹村は殴り続ける。鴨川翁から授けられたボクシング技術。それしか自分には無い。それ以外必要も無い。 ・・しかし、どんな連打にも「呼吸の間」が存在する。人間に無呼吸運動の限界がある以上、一瞬止まる時が存在する。 九十九。その「間」を逃さない。フッ、と目の前の九十九が消える錯覚に捕らわれる鷹村。それ程の超スピードの動き。 九十九は気が付くと自分の左60度にいた。今まで真正面で自分が殴っていたのに、である。その間ゼロコンマ2秒ほど。 背中に寒気が走る鷹村。来る。攻撃が。かわさなきゃ・・。 九十九の殺気が増す。 「行くよ、鷹村さん・・」 次の瞬間。鷹村のくわえていたマウスピースが、闘技場の砂にまみれる。小柄な九十九から放たれるヘビー級のパンチ。 ・・九十九のコブシが鷹村の脇腹(レバー)に突き刺さっている。実況が血だらけの耳をタオルで抑えながら叫ぶ。 「ダ、ダウ〜ンッ!! 鷹村選手、陸奥選手の右フックでダウ〜ンッ!!」
660 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/20 12:19 ID:XYe8poS6
昨日書けなくてゴメンなさい。なるべく毎日書く様に致しますが、これがなかなか・・。
夜王様、リクエストまとめありがとうございます。いくつかは魔界編で出るかなぁ。
セイントは一輝たちではありませんが、一人出します。
>>657 様、全然OKですよ。むしろ嬉しいです。宜しくお願い致します。他の人が書いてるネタと
分かる様にしてくれれば本当にウエルカムです。例えば、657の続き、とかね。
ではのんびり続けていきます。また。
拳で語ってくれな展開キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
出る聖闘士はユニコーン邪武なヨカーン。
663 :
マロン名無しさん :03/04/20 18:29 ID:1DaUsrpV
>>662 ヘタレじゃないか。もっと強いのだよ。多分
664 :
マロン名無しさん :03/04/20 20:11 ID:wHXpApL4
>>663 暗黒聖闘士とか
魔界医師の登場を激しく希望
>663 じゃあアルデバランだきっと!
デス様かアフロあたりと見たが、どうか?
>>657 良いと思う。
てか、俺もやりたいんだけどヘタレだし(苦笑
良いと思う、のまえに「俺も」が抜けてたよ、ゴメン。
670 :
657 :03/04/20 23:40 ID:???
それじゃ書いてみまつ。 ヘタレ故、そのまま帰ってこなかったときは 逃げたとでも思っておいてください。
671 :
659の続き :03/04/21 00:41 ID:bsrunih8
一歩や鴨川会長が、青ざめた目で闘技場の鷹村を見る。信じられない光景。あの日本最強のボクサーの鷹村が、 たった一発のレバーブローで片ひざを付いている。しかし九十九は眼下にある鷹村を攻撃しようとはしない。 すぐ前に頭部がある。蹴りを叩き込めば即、勝負を決する事が出来る間合いである。しかし九十九はそれをしない。 あくまで、ボクシングで。相手の土俵で勝つ。いや、陸奥園明流の拳技で、拳技のみで勝つ、との強い意志。 ビスケはうなる。 「肉体のダメージはともかく・・。このダウンは重いわさ・・。精神的なダメージが・・。」 ビスケは見抜く。鷹村の精神的な動揺を。即ち、今の攻防は手業の応酬だけでも九十九の方が上、と言う証明である。 鷹村の多彩なコンビネーションをかわし切り、信じられないスピードで死角に回り、一撃でダウンを奪ったのだから。 ・・ク、クソ野郎・・。 鷹村は九十九を見る。構えている。鷹村が立ち上がってくると確信しているのだ。 九十九のファイティングポーズの下半身。ベタ足である。なんであんなんで・・。あんなスピードを出しやがる・・。 審判が鷹村をチラリと見る。鷹村。バッ、と立ち上がり、両手を大きく天へ広げる。観客と九十九へのアピール。 効いてないぞ、と言っている様に。確かに肉体のダメージはそれ程でもないだろう。しかし。・・心は揺れている。 鷹村は吼える。 「上等じゃねえか、この野郎ッッ!!」 ・・認められねぇ。俺はコイツを絶対に認めねぇ・・。 他の格闘技やってるヤツがボクシングの頂点に立っているなんて。・・しかし。今度は九十九の方から攻めに出る。 ベタ足、ややオープン気味の構え。ボクシングのセオリーに反するそれが鷹村を追い詰める。・・速い。正に神速。 鷹村の顔面へ九十九のパンチが襲う。鷹村はそれをスウェーでかわす。技術でかわしたのではない。かわせたのだ。 鷹村の身長が九十九より15センチ近く高い為、リーチの分届かず、なんとかかわせた。それだけである。逆に。 スウェーの後、鷹村は九十九へボディアッパーを放つ。後ろに後ずさりながらのパンチ故、威力はそれほど無い。
672 :
671の続き :03/04/21 01:08 ID:bsrunih8
しかし九十九の攻撃に合わせたパンチである。これは通常かわせない。鷹村の優位性、リーチの差を生かした攻撃。 しかも九十九は鷹村の顔面攻撃に気がいっているはず。精神的なフェイントもある。 ・・しかし。陸奥九十九。 一瞬、鷹村は修羅がニィ、と笑うのを見た。そしてその後。 ・・ボディアッパーは空を切っていた。 一秒にも満たぬ攻防。お互いがお互いのブローを避け合った濃密な一瞬。両者今の攻防でダメージは無い。観客が騒ぐ。 「鷹村、終わってねえッ!!互角だぁッ」 ・・しかし解説のビスケは首を振る。 「終わった、わさ・・」 素人目には互角だったかもしれない。しかし。格付けは終わった。そうビスケは言っているのだ。やはり・・。 「鷹村 守の土俵でも・・。陸奥 九十九の牙城は崩せないわさ・・」 1000年不敗の修羅の血。その奥深さと恐さ。 自らも一級の戦士であるビスケは、解説の際、「自分がコイツと闘ったらどうか」という視点で見る事が出来る。 そのビスケの結論。鷹村とは闘えても、九十九と命のやり取りはしたくない。アタシはまだ殺されたくないから・・。 九十九の体が一瞬大きく目の前に迫る。九十九が鷹村の懐に踏み込んだのだ。迎撃のチョッピング・ライトを放つ鷹村。 しかしその強烈な一打を九十九はかわさない。九十九の顔が弾ける。しかし。その次の瞬間、九十九の右アッパーが。 鷹村のアゴに滑り込む。ほんの少し浮き上がる鷹村。しかしそれで九十九の動きは終わらない。九十九の右グローブの下。 彼の頭が食い込んでいる。右グローブを頭で思い切り押し上げる。その上にある鷹村のアゴが彼の体ごと持ち上がる。 数十センチ浮き上がる鷹村の体。 ・・ビスケの頭にその技名が浮かび上がる。 ・・陸奥園明流拳技・富嶽。 浮き上がった相手の体に、もう片方の腕でアゴへアッパーを入れればこの技は完成である。そしてそのまま試合は終わる。 九十九の左腕が鷹村のアゴを狙う。しかもこの瞬間、鷹村の意識は既に無い。しかしその代わりに。鷹村の「野生」がついに。 「ぐあああッッ!!」 意識の無い鷹村の咆哮。空中で右ストレートを放つ。陸奥のアッパーを押し退ける。そして。 「ぐうぅ・・」 うめく九十九。 ・・全体重を乗せた右ストレートが、真下の九十九の顔面に突き刺さっていた。
673 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/21 01:24 ID:bsrunih8
登場セイント、正解の方がお一人いますなぁ。ま、それはおいおい。 ところで鷹村の事書いてて思い出した。半年ほど前の事。乗った電車での一幕。 目の前には2人の女子高生。別に聞き耳立ててた訳じゃないけど、彼女たちの会話が 聞こえてきた。その話を聞いててブチ切れそうになった。 少女A(ブス) 「アニメのRAVE、終わっちゃったねぇ。あんな良いアニメ終わらせるなんて・・」 少女B(美人) 「その内、RAVE2が放送されるよ。だって少年マガジンの看板マンガだもん」 ・・マガジンの看板は「はじめの一歩」だろうがぁ!! マジで2人に説教してやりたかった。 好みの問題では無い。「一歩」と「RAVE」では漫画としてのクオリティが違い過ぎる。 パクリ云々の前に。それこそブリトニー・スピアーズと家ダニを比べる様なモノだ。 RAVEファンの方(もしいたら)ゴメンなさい。唐突に思い出したんで。 ・・ではまた。
>>パオさん RAVEは漫画ではありません。その馬鹿女どもは漫画という単語の意味を勘違いしているのだと思われます。
エアマスターから 坂本ジュリエッタかジョンス・リーの参戦キボン
面白いです 俺的には軍鶏のリョウ参戦キボン 乱入でもいいっす
>675 馬鹿!エアマスターから参戦させるなら ス ナ イ パ ー に決まっておろうが!
678 :
672の続き :03/04/21 10:39 ID:bsrunih8
九十九の「富嶽」によって意識を奪われた鷹村。その代わりに彼の「野生」が目覚める。ついに反撃の一矢が放たれる。 空中からの打ち下ろしの右により、一瞬動きが止まる九十九。地上へ落ちる鷹村。しかし、一瞬かがみこんだ後、すぐ跳ね上る。 アゴのダメージは大きい。しかし鷹村の野性と、ボクサーの本能が闘いを辞めるのを拒否する。 ・・いや。鷹村の動きが。 「リズムが速くなってるわさ・・。意識が無いからこそ、無駄な動きを省き、人を壊す為の最も効果的なブローを連打してる・・」 左ジャブでガードをこじ開け、距離を図る。空いた隙間から右ストレートが滑り込む。一瞬、顔面へガードが上げる九十九。 フッと体を沈める鷹村。ヒザのバネを生かし、レバーへスマッシュ気味の左フックが突き刺さる。ボクシングの理に叶った攻撃。 顔面へ左ジャブ2発 → 右ストレート → 左ボディフック。最初の頃より洗練された動き。パンチの振りはあくまでコンパクトに。 しかし的確で、「速さ」に重点を置いたコンビネーションである。無意識の本能がそうさせている。九十九の神速を捕らえる為に。 鴨川会長が、鷹村の動きを見て嘆息する。鷹村のジム入門直後の事を思い出したのだ。 (あ、あれはワシが最初に教えた・・) 解説のビスケ。 「左を制する者は・・。世界を制す、だわさ」 確かに。鷹村の攻撃は左ジャブから始まっている。基本。 ボクシングの全ての基本。左ジャブのリードパンチ。鷹村は鴨川会長から教わった基本を忠実に、闘技場で再現している。 九十九。ガードを固めたまま攻撃しようとしない。血まみれの修羅。しかしその奥に光る双眸は死んでいない。鷹村は畳み掛ける。 左ジャブ・ストマック → 右フック・テンプル → 左ストレート・レバー→ 右ショートアッパー・チン(下アゴ)。閃光の四連打。 全て足を使い、立ち位置を変えながら。最後のショートアッパーで小柄な九十九の体が少し浮く。 ・・先程の九十九の富嶽の様に。 「ぐがああぁッ!!」 咆哮の鷹村。そしてまるで背負い投げの様に、思い切り左腕を後ろから回転させる。ワイルドパンチ。 軽量の九十九は顔面ガードを弾き飛ばされ、そのまま数メートル吹き飛ばされる。 転がされ、砂にまみれる九十九。総立ちの観客。
679 :
678の続き :03/04/21 11:01 ID:bsrunih8
・・しかし。 「そんなんじゃぁ・・。俺には勝てないぜ、鷹村さん・・」 スッと立ち上がる九十九。修羅は笑っている。 大騒ぎの観客。ヤツは不死身なのか・・。無意識の鷹村。しかしわずかに九十九の声に反応している。・・解説のビスケは冷静に言う。 「陸奥園明流・浮身(ふしん)、だわさ。陸奥は鷹村のパンチの力に逆らわず、自分も力の方向に合わせ、後ろに飛んだわさ・・」 その解説を聞き、沸き上がる観客。 「凄え、あの攻撃が効いてねぇのかよッ」 いや。攻撃全てを殺すのは九十九にも出来ない。 決定的なダメージを受けないだけである。九十九の小さな体には確実にダメージが蓄積されていく。しかし。相手の全てを受け切る。 それが九十九の闘いなのである。九十九は鷹村にいう。 「意識に無い・・。鷹村 守と闘ってても、意味は無いよ・・」 九十九はそう言うとまっすぐダッシュする。勿論、鷹村のカウンター気味のストレートが九十九を捕らえる。顔面から血を噴く九十九。 しかし九十九は動きを止めず、鷹村のガードの上から側頭部に左フックをかぶせる。 ・・ダメージを狙ったモノでは無い。 ・・鷹村の目にヒカリが戻る。覚醒。意識を取り戻させる為に、九十九はカウンターを受けてまで、威力の無いフックを打ったのである。 目覚めた鷹村。一瞬、自分の身に何が起こったか分からない。しかし目の前に敵がいる。血まみれで笑う修羅が。 (舐めやがって・・) 鷹村は怒りで我を忘れそうになる。しかしすぐに、自分を取り戻す。朧気ながら、意識の無かった先程の攻防が頭に残っている。基本。 いつもの相手ではない。基本。自分が積み上げてきたモノ。その全てをブツけない限り、この相手には勝てない・・。鷹村は鴨川会長を見る。 (アリガトよ・・。アンタのお陰でこんな怪物と闘りあえるぜ・・) そして構える。いつもの攻撃的なモノでなく、顔面ガードを固めた 初心者がジムで一番最初に教わる、基本的なファイティング・ポーズ。 ・・九十九はその構えと目のヒカリを見てニッ、と笑う。 ビスケは思う。 (つくづく損な闘い方しか出来ないわさ、陸奥九十九・・。しかしそこがいいわさ。あの子になら・・。あげてもいいかな・・)
680 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/21 11:03 ID:bsrunih8
長くなるなぁ。どんどん。まだ2回戦なのに。リザーバーを考えているので、 このスレ内に終わるのは無理。ま、いいか。
681 :
マロン名無しさん :03/04/21 12:40 ID:536YVK8x
後藤(寄生獣)の登場を希望します。
682 :
マロン名無しさん :03/04/21 13:10 ID:lcmhvknq
ビスケがちょっとヘタレてませんか?いくらなんでも念能力者のビスケが九十九と 戦って負けるとは考えられん。 念能力者>>念の使えない達人 なのは天空闘技場の キルアで証明済みだしよ。
683 :
マロン名無しさん :03/04/21 15:21 ID:s7pfy+b5
>>682 いろいろ出すといろいろな問題が出てきますよね。ま、マタ〜リ楽しみましょう。
>>677 バーチャファイターを忘れるなよ。
…正直言うと、俺もジョンス・リー希望。
685 :
マロン名無しさん :03/04/21 22:47 ID:s7pfy+b5
藤原佐為を復活させて下さい。
686 :
バニー :03/04/21 23:19 ID:VN7w8Utu
九十九いいですね。鷹村も強いね。 正直九十九の負ける姿は見たくないし、勇次郎にもタイマンで勝てる思ってるので… 最近このスレにスカーリはまってます。ありがとうパオさん!!
漏れは別に負けてもいいと思ってるけど>九十九
むしろ、パオがどういう風に「九十九の敗北」を描くか、そっちの方が楽しみだったり。
>>685 どこに使うンだよw
>エアマスター
パオ、読んでるのかな、これ?
もし読んでないなら、すっげー面白いのでお薦めだが。
今回のトーナメント5人しか分かる人いなけど、かなり楽しく読まして もらってます。 〜〜は負けてほしくないとかの意見多いけど、それは言いっこなしにし ましょう。
689 :
ふら〜り :03/04/22 07:56 ID:HnXLxdDl
>>687 >パオがどういう風に「九十九の敗北」を描くか、
>そっちの方が楽しみだったり
私も私も。原作ではあり得ないものが見られることこそ、
二次創作の醍醐味というもの。それがパオさんほどの
書き手さんなら、期待も高まるというものです♪
>>688 私も、詳しく解るのは六人だけです。でも楽しいですよねっ。
690 :
679の続き :03/04/22 15:53 ID:KM4si4Z7
ビスケは闘技場の九十九をポッーと紅潮した顔で見ている。そこへ投げ槍になった実況がすかさずツッコむ。 「ビスケさん陸奥選手のトリコになったみたいですね・・ババァのくせに」 ビスケの腕がゆっくり動く。 実況の頭の後ろを捕らえ、そのまま解説席の机に思い切り叩きつける。鼻骨陥没。噴水の様な流血。 耳に次ぎ、鼻まで奪われた実況。 (ダメだ・・。このビスケを解説から下ろさないと・・殺される・・) 次の瞬間。実況は解説席から飛び出す。 ・・ビスケは解説と実況の2役をこの試合こなす事になる。 覚醒した鷹村。ガードを固めジリジリと陸奥に詰め寄る。先程までの無意識の鷹村とは違う。覚悟の眼差し。 人としての意思と、それでいて野生の力を秘めた目。九十九は鷹村の潜在能力の全てを引き出したのである。 鷹村の構え。野生と最新のボクシング科学高いレベルでの融合。 ・・それを見て九十九は思う。 (ヘヘッ・・我ながらバカだなぁ・・。だが俺の名は陸奥九十九・・。神にケンカを・・売っているッ!!) 猛然とダッシュする九十九。まっすぐ。鷹村の間合いに踏み込む。なんのギミックも無い。鷹村の目が光る。 鷹村のミサイルの様な右ストレートが発射される。これまでで最高のスピードと鋭さ、タイミング。 九十九は神速でそれをかわそうとする。・・しかし、かわしきれずホホに血が流れる。それだけではない。 鷹村の強烈なパンチは一瞬、九十九の首をゴキリと左に回転させる。意識のほんの少しの隙間が出来る。 鷹村。返しの左フック。いや、そのまま全体重を乗せて倒れこむ形である。ジョルト・フック。 ボクシングの中でも最高の必殺性を持つパンチ。 「ぐはあぁッ!!」 九十九が血を吐き、倒れる。 解説アンド実況のビスケ。 「これは・・まずいわさ・・。先程のダウンとは・・。ダメージが違う・・」
691 :
690の続き :03/04/22 16:07 ID:KM4si4Z7
棒の様に倒れる九十九。肩で息をし、それを見る鷹村。 (ざまあみやがれ・・。ずっとそのままでいろ・・) しかし九十九。口元に笑みが浮かぶ。 「甘い・・。甘いなぁ、鷹村さん・・。俺を倒したいのなら・・」 話しながらゆっくり立ち上がる九十九。 「倒れた時・・頭を殴り潰す位の事しなきゃあ・・。ダメだ・・」 鷹村。立ち上がってきた九十九に、かすかな恐怖を覚えながら短く答える。 「俺ぁ・・。ボクサーだ・・」 今までと九十九の気配が違う。 「今のダウンのお陰で・・。俺の中のモノが・・。起きちまったよ・・」 ゾクリ。その言葉と九十九の気配に戦慄を覚える鷹村。今までと同じ笑顔。だが全く異なる気配で笑う九十九。 「覚悟した方がいい、鷹村さん・・。ここからのアンタの相手は・・。人じゃないぜ・・」 修羅。九十九の中の修羅が目覚める。鷹村。原始的な「死」への恐怖を感じながらも、ボクサーとしての誇りと 「鷹村 守」としての矜持がそれを認めない。それに今、確実に俺の方が優勢なはずだ・・。 鷹村。フットワークを使い九十九を追い詰めようとする。九十九はその動きを邪魔しない。まるで不用意に。 鷹村を間合いに入れる。 ・・しかしリーチの差がある。手業の間合いではあるが、鷹村だけの間合いである。 セコンドの鴨川会長が叫ぶ。 「そうじゃ、それで良い、リーチ差を生かしてアウト・ボクシングで闘え!!」 だがその言葉に。鷹村の負けん気が反応してしまう。 (インファイトだと勝てねぇと思ってるのか、ジジイ!!) 更に一歩間合いに踏み込む。完全にお互いの手が届き合う間合いである。鷹村の野生が心のうちで叫んでいる。 (逃げずにこのガキに打ち勝たなけりゃあ・・。意味ねえんだよッ!!)
692 :
マロン名無しさん :03/04/22 16:09 ID:MF1lJToP
693 :
691の続き :03/04/22 16:32 ID:KM4si4Z7
鷹村は打つ。自分が練習してきた全てのパンチを。コンビネーションを。目の前の修羅に向けて。 九十九は受ける。目の前の男の全ての攻撃と誇りを。鷹村がボクシングで勝たなければ意味の無い様に、 九十九も全ての攻撃を受けきり勝たなければ意味が無いのだ。 ・・他人が見れば詰まらない意地。 しかし、彼らの姿は語る。確かに、勝利よりも大切な物が勝負の中には存在すると。 鷹村の連打が止まる。ついに、全てを受け切られたのである。 「てめえ・・。本当に人間じゃねえな・・」 ニィ、と笑う九十九。 「いくよ、鷹村さん・・」 攻撃に転ずる九十九。懐に飛び込む。そして。 右コブシを鷹村の胸にピタリ、とつける。そしてそのままパワーを全て開放して突き出す。動きの止まる鷹村。 ズルリ、と全身の力の抜ける鷹村。 ・・その胸に、グローブ状のアザが浮かんでいる。 ・・「虎砲」である。 コブシをそえた状態から、一瞬一点にパワーを集中し、突き出す技。 ・・鷹村は喀血する。ダウン・・いや。 しっかりと。鷹村は踏み止まる。ギリギリでダウンを拒否する。体はガクガクと震えている。しかし立っている。 ビスケ。 「虎砲という技は元々、素手で放つ前提の技・・。グローブの分だけ威力が減殺されたわさ・・」 しかし鷹村が立っているのはそれだけではない。鷹村の後ろにいる者達の目。一歩の、木村達の、そして鴨川の・・。 (倒れられねぇ・・。あいつらの目の前で・・。無様は出来ねぇ・・。負ける訳にいかねぇ・・) その必死の思い。 それが鷹村を立たせている。鴨川会長は泣きながら叫ぶ。 「もうええ、鷹村、もう止めるんじゃあッッ!!」 だが鷹村。その声を無視し、最後の一撃に望みを掛ける。右コブシをタメる。 ・・コークスクリューブローの為に。 「ぬあああッ!!」 コークスクリューが九十九へ向けて発射される。鷹村の全てを掛けた一撃。まっすぐ勝利へ。 ・・しかし。このコークスクリューブローすら。九十九は正面から受け止め、更に鷹村の右腕を破壊してしまった。
694 :
693の続き :03/04/22 16:59 ID:KM4si4Z7
鷹村のコークスクリューがまっすぐ九十九を襲う。対して九十九。その右にかぶせる様に、外から左フックを放つ。 ビスケ。 (クロスカウンター?いや無理だわさ・・。距離が届かないわさ・・いや、まさかこれは・・!!) 次の瞬間。鷹村のコークスクリューが九十九の左肩の上に乗っている。しかし、九十九の左フックも届いていない。 形としては、鷹村の右腕を九十九の肩と左腕が押さえ込んでいる様。 ・・かわされた。鷹村の全てを賭けた一撃が。 だが。それだけではなかった。 ・・鷹村がアブラ汗を流す。次の瞬間。右ヒジを押さえて苦しみ出す。鷹村は叫ぶ。 「てめえ・・何をしやがった!!」 九十九は応える。 「陸奥圓明流・・獅子吼(ししこう)・・」 (あれは左フックでは無いわさ・・。鷹村の右ヒジを首を支点に極め、折ったんだわさ・・鷹村のパンチを利用して・・) ビスケは驚愕する。そして同時に確信する。この勝負は終わった。ボクサーの鷹村が、右腕を失ったのだから・・。 しかし鷹村は笑う。 「左が残ってりゃあ・・。おまえを殴り殺すくらい訳ねえよ・・」 ・・目の光は衰えない。 九十九も笑う。 「最後までいっていいんだね・・。鷹村さん・・」 会場全体が凍りつく。鷹村が殺される・・。 「上等だぁッ、この野郎!!」 鷹村は左腕だけでファイティングポーズを構える。今まで以上の殺気が放たれる。 会場はざわめく。本当に殺されるまで、闘うつもりか、鷹村・・。その時。闘技場内にフワリ、と異物が舞い落ちる。 タオル。真っ白いタオルが九十九と鷹村の間に。後ろを振り返る鷹村。そこには。 ・・恩師・鴨川会長が立っていた。 「もういい・・。終わりじゃ、鷹村・・。アンタもそれでいいじゃろう、陸奥・・」
695 :
694の続き :03/04/22 17:21 ID:KM4si4Z7
そして鴨川会長はゆっくり闘技場内へ歩を進める。乱入。勿論、これは重大な反則である。審判が叫ぶ。 「勝負ありッッ!!」 ざわめく観客。複雑な思いである。安堵と、もっと見てみたいという欲望と。 鷹村は鴨川会長のむなぐらを思わずつかんでしまう。 「どういうつもりだ、ジジイッ!!」 鴨川は鷹村の顔を殴りつける。鷹村。鴨川の顔を思わず見る。殴られたからでない。涙を浮かべていたからだ。 「ワシは・・。こんなところでお前を終らせる為に・・。ボクシングを教えた訳じゃないわいッ!!」 その気骨ある老人の涙に、鷹村の怒りは引いていく。ケッと一言いうと、九十九の方を見、彼を指差して言う。 「この次だ・・。この次、改めてブチのめしてやる・・。それまで、誰にも負けんじゃねえぞ・・」 その言葉に九十九は微笑む。試合中の不敵な笑みではない。殺気の消えた、18才の青年らしい微笑である。 鷹村。九十九に背を向け、闘技場を去る。観客の声援に応えながら、まるで勝者の様に雄々しく、誇り高く。 それを見守る陸奥 九十九。準決勝、進出。 ・・しばらくして。観客席に実況が帰ってきた。ビスケは不機嫌に聞く。 「帰ったと思ったわさ・・」 しかし実況はそれを無視し、マイクに向かって大きく叫ぶ。 「解説の交代をお知らせしますッ!!」 ギロリと実況を見るビスケ。そうか、光成に相談にいってやがったか・・。実況の声が更に大きくなる。 「新しい実況は・・。テキサスブロンコ、テリーマンさんですッ!!」 ・・湧き上がる場内。 テリー、テリーの大コールの中、テリーマンが入場し、実況席につこうとする。しかし。ビスケが立ちはだかる。 「ここはアタシの指定席だわさ。どうしてもここへ座りたいのなら・・。力づくでアタシをどけるわさっ!!」 ・・無限大トーナメント番外編。ビスケット・クルーガー 対 テリーマン、開始。
696 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/22 17:27 ID:KM4si4Z7
エアマスターは読んでないので読んで見ます。出来ればどの出版社から出ているか 教えていただけるとありがたいです。 サイは無理。でも、島耕作あたりは魔界編で敵として出そうかと思ってます。 ま、なんとかみなさんの好きなキャラを出来るだけ出したいと思ってますが、難しいですな〜。 ビスケヘタレ、という意見が出たので一戦させてみようかな、と。番外編なので短いですが。 まぁ、念対決はヒソカ対ロビンでやろうかな、と。 しかし長いなぁ、これ。ま、いいか・・。
>>696 エアマスターはヤングアニマル連載
出版社は白泉社
ベルセルクやふたりエッチの置いてある所らへんにあると思うよ
中古屋にはあんまりないと思う
最近アニメ化したから結構たくさんある
698 :
マロン名無しさん :03/04/22 20:59 ID:PV2Ca/Gz
ラオウやケンシロウはムリかな。でもやっぱりジャンプ勢が多くなるね。
699 :
マロン名無しさん :03/04/22 21:41 ID:aseUciLK
面白えよ、このスレ。 どこがバキなんだか分からんが
700 :
_ :03/04/22 21:42 ID:???
702 :
695の続き :03/04/23 00:41 ID:7aCkCTcp
闘技場で番外のビスケ 対 テリーマンが始まろうとしていた時。ビスケに実況席を追い出された本部 以蔵は。 ある男の控え室にいた。その男。雷電に圧倒的な実力差を見せられた本部が、もう一度闘志を取り戻すきっかけに なる言葉を与えてくれた男である。本部はこの男に惚れ込んでしまったのだ。この、自分よりずっと年下の男に。 「全く・・。あなたという人は・・。本当にその腕で闘うつもりですか・・。あの、達人・渋川 剛気と・・」 本部は呆れている。勝てる訳はない。一回戦で、この男・・赤木 しげるは片腕を失っている。勝利と引き換えに。 対して渋川は無傷である。相手に恵まれていた、というのもあるが、その技量がヘタレに指一本触れさせなかった。 本部は言う。 「無理です、止めましょう・・。幸い今、特別試合とやらで棄権の申し込みの時間はあります・・」 しかしアカギ。無言のまま、静かに本部の目を見つめ返す。その目。透き通っている。恐怖のカケラも無い。 一瞬言葉に詰まる本部。何故、もうすぐ命すら危ない闘いを前にしてこんな目が出来る・・。本部はアカギに問う。 「恐くないのですか・・あの達人をその腕で・・。例え万全でも勝てない、いや死ぬかもしれない相手ですぞ・・」 アカギ。微笑すら称えている。試合の時の狂気を微塵も感じさせない、穏やかな顔。きれいな瞳。本部は確信する。 俺たちとは違う。この男は・・。アカギは、「死」を常に隣に置き、それでいてまっすぐそれを受け入れている・・。 天外者。揺れない心。天才。神域の男。 ・・そんな言葉がいくつも頭に浮かぶ。しかし、それでも。それでも・・。 「アカギさん・・ヤボな念押しで気が引けるが・・あなた本当にかけらも・・ただの1%も・・恐くないのかい・・?」 アカギ。その本部の言葉に始めて反応する。ククク、と笑った後ゆっくり口を開く。そして意外な言葉が彼の口から。 「本部・・。1、どころか・・。3、はあるだろうよ・・!」 その言葉に本部の思考は一瞬停止する。 「え・・」
703 :
702の続き :03/04/23 00:48 ID:7aCkCTcp
本部は必死に言葉を探す。アカギでも恐怖は感じている。ならば、棄権を受け入れてくれるかも知れない。この男を・・。 稀代の天才を、自らの恩人を・・。無駄負けはさせられない。まして、不具の身や、最悪「死」、など・・。 「ならば、アカギさんッ!」 ・・棄権をして下さい・・ しかし。その言葉を、アカギの言葉が途中でさえぎる。 「仕方の無い・・3、なんだ・・」 アカギはその「3%」の意味が分かっている。そう、これが「死」の味・・。 生きている以上・・。どうしても「死」の恐怖から、100%は逃れられない・・。例えアカギの様な男でも・・。 そして。アカギは本部に語静かに語り始める。自らの死生観。その天才の深奥を。
704 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/23 00:50 ID:7aCkCTcp
マンキが深夜1時までだった・・。(今0時50分)中途半端でゴメンなさい。
705 :
マロン名無しさん :03/04/23 01:33 ID:ngGIC/5g
今日も面白かったです。 堪能させて頂きました。 毎日ありがとさんです。
パオさんのプロ意識の高さには脱帽しますわ
707 :
マロン名無しさん :03/04/23 12:57 ID:3DdtNX1b
秘拳伝キラの八神流の兄貴も出しておくれ。
708 :
マロン名無しさん :03/04/23 13:23 ID:/lQH6Dvd
そういえばこの無限大トーナメントを全部まとめた場所はないの? このスレが落ちたらもう見れないの?
709 :
マロン名無しさん :03/04/23 17:15 ID:7aCkCTcp
>>708 確かに前スレではサイトをつくってくれた方がいましたね。
面倒だと思うけど、誰かやってくれないかなあ。
710 :
i :03/04/23 18:18 ID:sRUO7NWk
パオ様お願いですから九十九とオーガの真剣勝負を書いてください。決着がつくまで。
711 :
マロン名無しさん :03/04/23 20:08 ID:veTAaQ6q
スペック編面白い…
712 :
bloom :03/04/23 20:11 ID:/pTF8MXD
age
714 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/25 01:12 ID:z7wPq+WQ
人大杉多過ぎ・・。私はマンキで書き込みしてるのでこれはツラい。 今日書きたかったけど、マンキが2時までなので少し無理だな。明日には直るかな。 直らないと厳しいな。 ところで九十九対勇次郎は魔界編終わったら番外で書きますね。6月くらいになるかも。 明日は人大杉直ります様に。書けなくてすみません。
715 :
マロン名無しさん :03/04/25 20:38 ID:Hn8q6KnP
>>714 やっぱ、辛いですか。
んでも、ギコナビとか。。。確か、解凍するだけで使える2chブラウザってあったと思いますけど。
そう言うのを使えば、マンキツからでも書き込みできるんじゃないでしょうかね。
どうなんでしょ。
716 :
一尺八寸 尽 :03/04/26 15:35 ID:BFATCXDY
パオちゃん来たぜ 人大杉で読めないけどググって キャッシュで書き込んどく 取り敢えず花山薫×坂本ジュリエッタ希望
717 :
一尺八寸尽 :03/04/26 15:36 ID:BFATCXDY
あと
>>707 でも出てるけど
キラの兄貴も出してくれ
懐かし漫画でスレ建てる程好きだ
信者多いな、このスレ。
719 :
マロン名無しさん :03/04/26 16:43 ID:LiWrwqFA
武道板のパオと一尺八寸のやり取り(喧嘩?)を見た。 仲良いのか悪いのか分からんな。。。とりあえず一尺八寸は暴れないでね。 ここは貴方のスレではないから。あ、返事レスは要りません。 しかし人大杉直らないとこのスレ終わるのかな。楽しみにしてるのに。
あれは喧嘩じゃないでしょ 一尺八寸ってひそかに前スレにも板よね
721 :
続き :03/04/26 18:37 ID:N1fB5QCj
「本部・・。俺たちは人間の前・・なんだったかな・・?」 アカギの思いも掛けぬ質問。本部は絶句する。 その質問の意図が分からないのだ。それに、今はそんな話をしている場合ではない。もうすぐ。ほんの数分後。 アカギ 対 渋川戦が始まってしまう。アカギは片腕のまま、一回戦不戦勝で無傷の達人と闘わねばならないのだ。 「アカギさん、今はそんな事・・」 しかし本部は目の前のアカギの姿を見、次の言葉が止まってしまう。 余りにも静かなのだ。死ぬかもしれない闘いの前に。そしてアカギは語り出す。世の成りを知る高僧の様に。 命はつながっている・・随分前から・・。俺はそんな考えを持つようになった・・人間としての俺が滅んだら 土くれになって その後何千年か経ってまた何かに再生される・・。海に溶けた微生物か・・魚か・・鳥か・・。 だから俺はいつ死んだって構わない・・。命は永遠また再生されるんだからな・・。ただ一つ問題なのは・・。 人間としての俺がくたばった時 この俺の「俺」だという気持ち 意識が吹っ飛ぶ・・。そこが問題だ・・。 つまり平たく言やあ・・死ぬことは恐くない いつでも死ねる 俺が恐れるのは俺が俺でなくなること・・。 それだけはご免だ そこだけは譲れない・・。 わかるか本部・・? 俺は・・例え勝つにしろ 負けるにしろ 赤木しげるとして勝ち・・負けたいのだ・・・・。 死ぬかも知れないって事は百も承知・・。しかしそれでも・・。俺には闘うしかない・・残念ながらな・・。 本部。アカギの言葉に「棄権」などと言う言葉を出した自分を恥じる。アカギ程の男の覚悟を、自分の様な 解説屋風情が動かせる訳はないのだ。そう理解すると、本部の口から彼自身も思わぬ言葉が飛び出した。 「アカギさん・・。あなたのセコンドにつかせて下さい・・。あの達人を倒すところを、間近で見せて下さい!!」
722 :
721の続き :03/04/26 19:05 ID:N1fB5QCj
控え室のアカギと本部のやり取りを他所に。闘技場ではビスケとテリーマンの「解説者争奪バトル」が始まっていた。 実況が叫ぶ。 「僕たちは待っていた、テキサスブロンコ・テリーマン!!あなたの解説を聞かせて欲しいッ!!」 実況は完全にテリーマンの味方である。 ・・このままではビスケに殺されかねないのだ。テリー贔屓の実況が続く。 テリーは目の前の可愛らしいお嬢さんに困惑する。この女の子と闘うのかよ・・。しかし次の瞬間。ビスケが叫ぶ。 「相手が超人なら最初から全力でいくわさ・・」 目の前の美少女の肉体が数倍に膨らんでいく。目を疑うテリー。 (バ、バッファローマン?) 仲間の筋肉超人の姿と重なる。いまや190cmのテリーより遥かにデカくなっている。 「一発で・・決めるわさ・・」 真・ビスケパンチが豪快に決まる。吹き飛ぶテリーマン。実況が泣きながら叫ぶ。 「た、立ってくれテリー、君は化物に負ける男じゃないッ!!」 血だらけで立ち上がるテリー。襲い掛かるビスケ。 「止めだわさ〜ッ!!」 追撃のビスケパンチが飛ぶ。しかし。テリーの左ジャブがカウンターで突き刺さる。 その一撃を口火に。テリーのジャブがマシンガンの様に決まり出す。実況は今度は嬉し泣きで叫ぶ。防戦一方のビスケ。 「テリーがいったッ〜!!テリー、テリーッ!!」 最早祈りに近い声の実況。勿論、ビスケも反撃する。殴り合い。 スピードのテリーと重さのビスケ。全く五分のド突き合い。 ・・しかし。そのうちビスケがはたと気付く。 (なんでアタシがこんな殴り合いをしなきゃいけないわさ・・。そうだ、いい事考えた) ビスケはテリーから離れる。 急に殴り合いを止めたビスケに戸惑う観客。しかし誰もビスケに何も言えない。仕返しが恐いのだ。 ・・そして。 ビスケはつかつかと実況席に近付く。思わず目が合う実況とビスケ。底知れない恐怖が実況を包む。微笑むビスケ。 一人の観客が思わずつぶやく。 「ギャラクティカ・マグナムだ・・」 ・・場外まで突き破って飛んでいく実況。 ・・実況・真島×ロ、絶命。ここからはビスケとテリーの2人が、解説と実況を勤めていく事になる。めでたしめでたし。 ・・そして。二回戦第3試合、赤木しげる 対 渋川剛気がいよいよ始まる。
723 :
722の続き :03/04/26 20:00 ID:N1fB5QCj
最初に入場したアカギ。淡々としたまま、しかし視線はまっすぐに、闘技場の真ん中を目指す。 しかし観客はアカギを見て騒ぐ。 「腕折れたままだろ・・。ブラブラしてるぜ、大丈夫かよ・・」 その横には本部 以蔵がついている。無言で渋川の登場を待つ2人。実況 兼 解説のビスケが叫ぶ。 「白虎の方角より、達人・渋川剛気の入場だわさッ〜!!」 大歓声で迎える観客。観客の中には、 渋川こそ本命と見る者も沢山いる。その極めた技術。そしてこのトーナメント、何より組み合わせが モノを言う。一回戦を勝ち抜いた選手は誰が優勝してもおかしくないが、渋川は運に恵まれている。 一回戦は不戦勝、そして二回戦は片腕の相手である。ちなみに、「ヤムチャ」という選手がいた事は。 会場全員一致の暗黙の了解で、「いなかった」事にされている。 ・・余裕の表情で歩き進む渋川。 ・・ついに闘技場真ん中で見合うアカギと渋川。アカギの横の本部を見る渋川。渋川は笑って言う。 「本部ぇ。お主、そっちについたかい。柔術も解説も人間関係もハンパじゃのう」 本部は応える。 「私は・・あなたより、アカギさんの方が上だと思っているだけです・・」 ホウ、と笑う渋川。 渋川はアカギを見る。本部は解説という職業柄、人を見る目は確か。その男にここまで言わせるとは・・。 渋川。アカギの目を見て驚愕する。 (なんと綺麗な目・・。 ・・無欲?無欲だというのか?) 無欲。アカギの目は75年生き、様々な人間を見てきた渋川さえ始めて見る完全な「無欲」。まさか。 人間である以上、完全に欲を消す事など出来ない筈。「死」と「生」を超えでもしない限り・・。
724 :
723の続き :03/04/26 20:01 ID:N1fB5QCj
しかし。一回戦の闘い振り。20歳そこそこにして数々の闇勝負の伝説。この瞳を見た今なら信じられる。 アカギの透明な天才性。死すら超えた無欲の前に、グレート巽や闇社会の怪物たちは敗れた・・。 (気を引き締めていかねばならんのぅ) アカギは「欲」を完全に消せる。と、いう事は即ち・・。 「始めいッッツ!!」 審判が試合開始の合図を告げる。アカギ。ユラリ、と渋川に近付く。 フッ。一瞬、アカギの右足が消える。次の瞬間。渋川の鳩尾に、アカギのつま先が突き刺さっている。 浅い。しかし、確かにオープニング・ヒットはアカギである。観客はざわめく。まさか。あのアカギが。 絶対防御を誇る渋川に、いとも簡単に前蹴りを喰らわせた・・。渋川ははぎしりをする。 (やはりこの小僧・・。「欲」だけでなく・・。「意」すら消すことが出来おるわ・・)
725 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/26 20:09 ID:N1fB5QCj
いつ戻るんでしょうね、人大杉。しかしこの「人大杉」ってセンス無いな。 普通に人多過ぎでいいじゃないか。ねぇ。早く戻らないかな。前の文が見えないし、 (省略されました・・全てを読むにはここを押してください) ←この後も見えない。 困ったものだ。 ところで一尺氏いらっしゃい。荒らさなければ歓迎します。あなたの武道知識は尊敬してる。 だからおとなしくね。他の皆様もいるんだから。 ・・ところで武道といえば。 魔界編が終わった後、武道板か格闘技板で「古今無双トーナメント」というのを考えてます。 現代のヒュードルやサップに、伝説の武道家格闘家の塩田剛三氏や大山倍達、李書文などでを加え 16人位でトーナメントを考えております。お楽しみに・・。
726 :
マロン名無しさん :03/04/26 21:41 ID:3Q+Y8b26
バオ復帰age
727 :
兎 ◆.K8Y183VMw :03/04/27 10:28 ID:Uumzr8Nh
足跡ペタペタ記念age
728 :
724の続き :03/04/27 11:23 ID:lvTr8ByF
場内はシン、としている。あの絶対防御を誇る達人・渋川剛気が、片腕の若者の猛攻に手も足も出ない。 メッタ打ち。右ストレートで、左右の蹴りで、折れた左腕のスイングで。サンドバックの様に叩かれる渋川。 渋川。体を丸め、ダメージを最小限に抑えながら、アカギの攻撃のリズムを読んでいる。 ・・しかし。 (・・まさか・・全く読めん・・) アカギの攻撃はある時には風の様に速く、ある時は雷の様に強く。 まるで自然そのものの動き。観客席の高槻 巌。その動きに驚愕する。自分が何十年の修練を重ねてようやく。 身に付けた自然の動き。風雷の軌道。人間の理解を超えている。誰が風や雷の動きを察知出来ようか・・。 防戦一方の渋川。アカギに急に問う。 「恐ろしいのう、アカギ・・。何故そんな動きがその若さで出来る?」 「木の葉が舞えば木の葉に 雪が降ったら白狐にでも化けるまで・・。まあ、忍法みたいなもんさ、渋川さん・・」 渋川。ニカッと笑う。 「アカギさん、降参してくれんかのう・・。アンタをここで・・。潰したくは無い・・」 アカギはその言葉に応える。 「無意味ってのがいい・・。無意味に死んだり不具になったり、てのがね・・」
729 :
728の続き :03/04/27 11:24 ID:lvTr8ByF
「残念じゃのう」 一言そう言うと渋川。猛然とダッシュする。狙いは折れた左腕。肩から先は自由にならぬ腕。 「汚いってのは無しじゃ・・。武道はエゲツない物・・。確かにアンタの動きはワシにも読めん。だが残念じゃの」 グレート巽に折られた左腕。その手首を取る渋川。一瞬で決め、そのまま小手返しで放り投げる。空中を舞うアカギ。 地面に叩きつけられる瞬間。渋川のカカトがノド元を襲う。アカギ。それをかわさず渋川の顔面へ蹴りを出す。 相殺。アカギのダメージは軽減される。渋川は言う。 「形勢逆転、残念じゃの。アンタは勝てん。その腕じゃな」 倒れたアカギに追撃の蹴りを喰らわす渋川。渋川にブーイングが起こる。 「真剣勝負とはこういうもんじゃ」 意に介さない渋川。汚くても勝つ。全てを注ぎ込んで勝つ。百戦練磨の渋川。敗者には何も残らない事を知っている。 必死で立とうとするアカギ。その肉体へ何度も蹴りを入れる渋川。全て急所。アゴ、目、折れた腕・・。確かに汚い。 だが渋川の攻撃は理に叶っている。弱点を攻めるのは当然のセオリー。スポーツで無い。今のこれは殺し合いなのだ。 (アカギよ・・。確かに器と才能は、ワシより遥かにお前が上かも知らん。しかしワシを今倒す事は出来ぬ・・。 ワシを倒すという事は武道の持つ合理性の否定じゃ・・。そんなことは神にも不可能・・!!)
730 :
729の続き :03/04/27 11:46 ID:lvTr8ByF
渋川の猛攻を耐え切り、立ち上がるアカギ。しかし渋川。それを待っていたかの様に再度左腕をつかむ。 攻撃目標が動けばそれにぴたりとついていく。まるでレーダー付誘導ミサイル・・。アカギは後ろに下がる。 そして一呼吸置いた後、まっすぐ前へ出る。しかし渋川。 (今度は気配が見えるぞい、アカギ・・) 本能的な恐怖。さしものアカギとは言え、生きている以上、死への恐怖を100%消す事は出来ない。3%。 3%は本能の奥に残っている。無論、いつもはそれは奥へ封じてある。しかし今、達人によりこじ空けられた。 その3%を察知した渋川。アカギの前に出た後の右ストレートをかわさない。 「こいつじゃぁッ!!」 そう叫ぶと渋川。アカギの拳に自らの掌を合わす。そのまま後ろへ吹き飛ばされるアカギ。 ・・合気、である。 解説のビスケ。 「合気・・。アカギのパワーを少しだけ自分の力を上乗せして跳ね返したわさ・・」 更にテリーマンの解説が続く。 「アカギのパワーがそれほど大きく無いのが、逆に助かったな・・」 渋川は3メートル先に飛んだアカギに言う。優しく静かに、ゆっくりと。しかし内容は痛烈な辞退勧告である。 「もう止めいアカギさん・・お主はここで終わらせるには惜しい男じゃ・・。その腕でワシ相手に良くやった・・」 しかしアカギの目。死んではいない。全ては現実の中にある。アカギ甚大なダメージを受けつつも残している。 リアルの中で勝とうとする意志・・。
731 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/27 11:49 ID:lvTr8ByF
早く直れ、人大杉。長文書くと全文見れない方がいると思うので、今回は1レスを かなりカットして短めに書いた。どうでしょう? ところで後どの位なんだろう、このスレの容量。どうやって調べるんですか?
732 :
マロン名無しさん :03/04/27 13:48 ID:e4P5Y5rD
協力age 頑張れよ。
733 :
age :03/04/27 13:55 ID:4vdhchs9
今380kbです。 調べ方はわかりません
>>731 専用ブラウザ使えば簡単に見れる。
見たくなったら聞けば答えてもらえるかと。
パオ氏の要望によりage ってか専用ブラウザ使おうよ>パオ
736 :
730の続き :03/04/28 18:58 ID:o/sKtXvN
「ククク・・ジジイ・・。だったらアンタが試合放棄をしろよ・・」 アカギ。全身ボロボロの状態。 しかし、その肉体でなおも渋川を挑発する。左腕は使用不能である。呼吸は乱れている。 ・・いや。 あと一撃。渋川の攻撃がアカギの肉体に痛烈にクリーンヒットすれば、そこで勝負は終わるであろう。 アカギは例えほんの少しでも。呼吸を整え、体力を回復せねばならない。しかし、相手は百戦練磨の渋川。 その回復の間、与えない。 「ほうりゃあッ!!」 足払い。空中を回転するアカギ。渋川の追撃。 回転するアカギの目に、渋川の右二本貫手が襲う。体を捻らせ避けるアカギ。しかし渋川。わき腹へ蹴り。 ・・血を吐き転がるアカギ。投げも、蹴りもそれ自体はさほど威力は無い。しかし確実に体力を削っている。 「じわじわ確実に攻め潰す気か・・」 アカギのセコンドの本部。タオルを握り締める。例え恨まれても。 アカギの身がこれ以上危ないのなら、俺はタオルを投げ試合を止める。 ・・この天才を死なせはしない。 しかし。解説のテリー。目の前の瀕死ながら立ち上がったアカギを見て叫ぶ。 「ノ、ノーガードだと?」 アカギ。両手のガードを下げたまま棒立ちになる。微笑を浮かべて。悪魔の様に妖しく。神の様に神々しく。 「挑発しているわさッ〜!!アカギ、瀕死のまま、渋川に攻めて来いと挑発してるわさッ」 興奮のビスケ。 ・・闘技場はずれで試合を見ている松尾 象山と姫川 勉。姫川が聞く。 「反撃が・・あるのでしょうか?」 「ねえさ」 簡潔に答える象山。言葉は続く。 「だが、あのじいさん攻められねえぜ・・」 闘技場の渋川。無防備で笑うアカギに対して手を出さない。お互いすくみ合った状態。象山は言う。 「百戦練磨ってのが案外墓穴掘っちまうんだ・・。じいさんだって頭では分かっている。ただの棒立ちだと。 だがよ・・。もし、万が一アカギに策があって反撃されたら・・。そう考えちまうともう動けねぇ・・。 今圧倒的に有利だからな、じいさんは・・。何より恐いのは一発逆転・・。ならば。この状態を維持する。 そう考えちまう・・。一発入れたら終わりのあの棒立ちに、精神的に気圧されてるって気づかずにな・・」
737 :
736の続き :03/04/28 19:29 ID:o/sKtXvN
象山の言葉に姫川はタメ息をつく。・・命懸けのブラフ。外したら死ぬ採算の合わぬハッタリ。 ・・しかし。 その愚かしい行為が。あの達人をも精神的に圧倒している。自分の身を削らずして、どうして人が騙せよう・・。 渋川。 「何考えとるか知らんが、挑発にゃ乗らんよ・・万が一にも負ける可能性を創りとぅ無いからの・・」 静かに笑う渋川。彼にしてみれば当然である。ダメージの差は絶対である。ここで一気に決めなくても、ゆっくり 仕留めれば良い。百戦練磨ゆえの結論。 ・・だがアカギ。静かに呼吸を整え、ほんの少し体力を回復させている。 「じいさんは最善の策だ、と思っている様だが・・。アカギの気迫に疑惑を植えられ・・。疑惑は妄想を生み・・。 妄想は恐怖を呼んだ・・。今の勝負は・・アカギの勝ちだな・・」 ・・象山はゆっくりと言葉を吐いた。 考えてみればこれは神技的プレー とにもかくにもこの最悪の窮地を脱してしまったのだ・・ただの棒立ちで・・!! ・・ほんの数秒の読み合い。しかしこの最大のチャンスを渋川は逃した。 ・・ファイティングポーズを取るアカギ。 ビスケは感嘆する。(これが赤木しげる・・。虚を実と言い張るために・・ためらい無く身を削り、血を流す・・) 「渋川さん・・あんた、凡夫だ・・」 ・・シュシュッ。アカギのワンツー(ジャブストレート)が渋川を襲う。 鼻血が噴出す渋川。 (バ、バカな・・。「意」が読めん上に・・今までの攻撃よりずっと速いじゃと・・) ついさっき地獄の淵から帰ってきたアカギ・・そこで・・悪魔と取引をしてきた様・・!! 地獄の淵の砂は魔法の砂・・。それに触れてくると強運と破滅がひっくり返る・・コインの裏と表のように・・。
738 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/04/28 19:32 ID:o/sKtXvN
ごめん。2ちゃん専用ブラウザの前にパソコン持ってない。735様ご協力感謝。 2日に一回更新は守っていくつもりなので、ご理解を・・。
739 :
マロン名無しさん :03/04/28 20:15 ID:hvQTx2D4
漫画喫茶のPCに専用ブラウザをDLするのはまずいのかな、やっぱり。
740 :
マロン名無しさん :03/04/28 22:13 ID:3yQRo7kM
俺は、入れたけどな。。。 漫画喫茶のPCに・・・ 別に怒られたりしなかったけどね。 解凍して、実行ファイル動かすだけなんだから、問題ないでしょ。 って思ってる。
ああいうところのマシンは初期設定があって
電源入れなおすとその初期設定に戻るような仕組みになってますよとか言ってみる。
>>740 いや、ウィルスも似たようなもんやろw
渋川vsアカギ、両方のキャラがいいというのもあって 面白いなぁ。
ちょっとアカギに肩入れしすぎだけどね。 ひとりだけ元の世界のカリスマ性を保持している。 サイコロの結果なら仕方ないけど。
744 :
マロン名無しさん :03/04/29 17:01 ID:2zpbFyWJ
あげ
745 :
マロン名無しさん :03/04/29 17:29 ID:OVd+h6PT
アカギならなにをやっても許せるのです
746 :
マロン名無しさん :03/04/30 01:25 ID:z+MqqT6A
無限大トーナメント外伝 〜ヤムチャの系譜〜(1) あらゆる漫画のキャラクターたちが強さを競い合う「無限大トーナメント」。 その二回戦、渋川とアカギの対決が行われている頃、一人の青年が公園でハトにえさをやっていた。 たくましい体格をしているが、どことなく覇気がが感じられず、本来なら凄みのある頬の古傷も なぜかマヌケな印象を与える。彼の名はヤムチャ。一回戦で渋川に無様な敗北を喫した男だ。 本来ならその実力は大会出場者のなかでもトップクラスである。しかし「足元がお留守」の言葉に 代表されるほど隙が大きく、また彼自身の人生において大きな戦いには何故か勝てないというジンクスが またしても発動してしまった。それだけならまだいい。相手は合気の達人渋川剛毅。相性が悪かっただけだ。 しかしその後、立て続けに犬、そして虫にまで負けてしまった。その事実が彼のZ戦士としての自尊心をを完全に 破壊してしまった。冷静に考えれば、敗北のショックで気持ちが空回りしているときはどんな達人でもその力の 何分の一も出せない。かつて柳龍光がはるか格下の本部以蔵に敗れたことからも明らかである。 しかし、当人はそんなことには気がつかない。ただただ己の無様さに打ちひしがれるのみである。 (もう元の世界には帰れないな・・・。)ヤムチャはひとりごちた。元よりもはやドラゴン世界に彼の居場所なぞ 残っていないのであるが、この上さらし者になどされたくもない。 (死のうかな・・・。)そう思った時であった。なにやら騒がしい音がする。ふと顔を上げると、小学生位の子供が 二人、三人組の不良にからまれていた。
747 :
マロン名無しさん :03/04/30 01:26 ID:z+MqqT6A
無限大トーナメント外伝 〜ヤムチャの系譜〜(2) 「おいボウズ、ちょっとお兄ちゃんたちにお金を貸してくれないかなあ?」 「い、嫌だ!」 背の高いほうの少年が震えながら答えた。その背中の影では一回り小さな子供が半ベソになっている。兄弟だろうか。 「へえ、んじゃあちょっと痛い目に遭ってもらおうかなあ?」 言うが早いか一人の不良が兄の方を思い切り蹴り飛ばした。 「う、うえっ・・・!」「に、兄ちゃん!」 腹を押さえて転げ回る少年。あわてて弟がかけよった。 「弟クンのほうはどうかな?お金を貸してくれるなら蹴ったりしないぜ?」 今にも泣き出しそうな弟の前ににじりよって凄む。 「や、やめろよ!そいつには手を出すな!」 うずくまりながら兄が叫ぶ。必死に立ち上がろうとするが腹の痛みで起き上がることもできない。 「う、うえ、ひっく・・・」 恐怖のあまり弟は泣き出してしまった。苛立たしげな顔をする不良。そこへ後ろの仲間たちが声をかける。 「どうせそのガキたいした金は持ってねえんじゃねえ?」 「そうだな・・でもうっとーしいから取り合えずボコっとくか?」 そして今にも弟の方を蹴り飛ばそうとしたその時、 「やめとけよ」 ヤムチャがそこに立っていた。
748 :
マロン名無しさん :03/04/30 02:13 ID:z+MqqT6A
無限大トーナメント外伝 〜ヤムチャの系譜〜(3) 「なんだ、ヤムチャか。」 不良たちの第一声はこれであった。表情にも全く緊張感がない。 (バカにされている。こんなチンピラにまで・・・。)屈辱に体を震わせるヤムチャ。その周りを不良たちが取り囲む。 「まさか正義の味方でも気取ろうってんじゃないよな?」 「俺知ってるぜ。こいつ今やってる大会の一回戦で70越したジジイに負けたんだってよ」 「それだけじゃないぜ。その後犬や虫にまで喧嘩売ってしかも負けたらしい」 「うわっだっせ!こいつ本当にヘタレだよな。Z戦士なんて実はウソじゃねえの?」 嘲笑う不良たち。既に彼の無様な噂はかなり広まっているらしい。 (ち、ちくしょう・・ガキどもがバカにしやがって・・) 「や、やかましい!小さな子供に暴力を振るおうとするクズどもめ!オレが成敗してやる!」 身構えるヤムチャ。しかし不良達は目をキョトンとさせ、そして大爆笑した。 「ぶはははは!『成敗してやる』だってよ!」 「こいつが言うとすげーマヌケなセリフだなオイ!」 「わ、笑い次ぬ〜、助けて〜!」 「な、何がおかしい!」 顔を真っ赤にして叫ぶヤムチャ。(こ、こいつら・・オレのことなんか怖くもないのか・・) 再びワナワナと震える彼の前に、一人の不良が出て言った。 「アンタの『実力』はわかってるつもりだぜ?でもなんか負ける気しないんだよ。逆に聞くけどさ、 ヤムチャサン。あんた俺たちに勝てると思うの?犬や虫にさえ負けたのに?」 「うっ・・・」
749 :
マロン名無しさん :03/04/30 02:13 ID:z+MqqT6A
無限大トーナメント外伝 〜ヤムチャの系譜〜(4) ヤムチャは言葉に詰まった。そうだ。オレは犬や虫にすら負けた男。圧倒的に実力に差がある目の前の チンピラにさえ勝てるかどうか。いや、勝てない気がする。目の前にありありと敗北の光景が浮かぶ。 『足元がお留守なんじゃねーの?ぎゃはははは!』 (だ、駄目だ。考えれば考えるほど負ける気がしてきた。) 「う、ううう・・ そのヤムチャの心を見透かしたかのように不良が言った。 「逃げ出したいなら今のうちだぜ?これ以上恥ぃかきたかねえだろ?」 逃げる?そうだ逃げればいい。ここでまた無様な負け様を晒したくない。もともと俺には関係ないことだ・・ そう思い顔をあげたとき、視界にあの兄弟が飛び込んできた。 「はっ・・!」 二人とも、祈るような、すがるような目で彼を見つめていた。その目は信じていた。彼が助けてくれることを。 信じていた。彼の本当の力を。その純粋な瞳が、ヤムチャの魂を深く揺さぶった。 (お、俺は何を考えていたんだ!目の前で小さな子が助けを求めてるのに逃げるだと?俺はいつから他人のことより 自分の面子を気にするような男になっていたんだ!?そんな性根じゃじゃだれにも勝てないわけだぜ・・情けねえ) 「あ、何ブツブツ言ってんだ?ほれ、さっさと逃げなよ」 その言葉にヤムチャは力をこめて言い返した。 「逃げねえよ」「あ?」 自分の耳を疑う不良たち。まさか向かってくるとは。 何よりもこのヘタレの代名詞のような男がこんなにも意思の込められた目をするとは。 「ようし・・なら望み通りぶっ飛ばしてやるぜ・・!おい、やっちまえ!」 その次の瞬間、地面に転がっていたのは三人の不良達であった。 「足元がお留守だぜ、餓鬼ども」
750 :
マロン名無しさん :03/04/30 02:37 ID:z+MqqT6A
無限大トーナメント外伝 〜ヤムチャの系譜〜(5) そうだ。これだったんだ。ヤムチャは今、なぜ自分は無様な敗北を繰り返してきたのかを悟った。 常にみかけのみを気にし、相手を見くびり、うわついた気持ちで戦いに臨んできた。それが自分の敗因。 だが、さっきはそんなことは考えなかった。ただ、あの兄弟を助けたい。たとえ自分が不良たちに破れ、 さらに無様な姿を晒そうとも、助けを求める子供の前から逃げ出したくない。生まれて初めてともいえるほど、 真摯な、そして謙虚な気持ちになった。その結果。Z戦士としての本来の力を発揮したヤムチャの前に、 チンピラ達がかなうはずもなかった。 「あ、ありがとうございますっ」 兄弟がかけよってきた。弟の方はまた涙を浮かべている。今度は感動しているようだ。 「ヤムチャさん、おれ、この恩は一生忘れません!」 「いや、礼を言うのは俺のほうさ」 「えっ?」 「君達のおかげで、大切な何かを取り戻せた気がするよ。キミ、名前は?」 「お、おれ、片桐貴人っていいます。そんでコイツが秀人。」 そういって貴人は秀人をヤムチャの前に押し出す。恥ずかしそうに俯いていた弟だが、突然顔を上げて言った。 「ぼ、ぼく、武道やります!そんできっとヤムチャさんみたいに強くなりたいです!」 「お、おれも!ヤムチャさんみたいな立派な武道家になるよ!」 「ああ、頑張れ。キミたちなら、きっと、なれるよ!」 「「うん!」」 ・・・その後、Jr格闘技界にその圧倒的な実力から「ヤムチャ」のあだ名で呼ばれる選手が出現するが、 それはまだ先の話であった。
751 :
マロン名無しさん :03/04/30 02:37 ID:z+MqqT6A
駄文スマソ。
…ヤム兄弟…。warata。
753 :
マロン名無しさん :03/04/30 17:51 ID:p7DS/ZUY
・゚・(ノД`)・゚・イイハナシダー
754 :
マロン名無しさん :03/04/30 18:31 ID:CLOlkc+l
外伝乙。これってパオ?文体違うから別人かな?
z
756 :
おつ :03/04/30 23:27 ID:CTgbgwOs
おつ ついでにあげ
757 :
マロン名無しさん :03/05/01 00:52 ID:Vm1dbiBL
ってか、オチにワロタよ。そうキタか。
759 :
マロン名無しさん :03/05/01 09:16 ID:i/oHTPze
でもこの外伝の設定だと魔界編でヘタレられなくなるよな? まあ、サイドストーリーにするかアナザーストーリーにするかは パオの判断だろうけど。
760 :
マロン名無しさん :03/05/01 14:37 ID:BQ64eSmz
パオさん人大杉直ったみたいだよ。早く戻ってくるべし。
761 :
737の続き :03/05/01 16:49 ID:DmyawsK5
力任せのフルスイングの右フック。渋川は一瞬意識が飛散する。アカギの攻撃は素人のそれである。 しかし、この天才は「意」を完全に消し、渋川の「理」の外からの攻撃を仕掛けてくる。理。ことわり。 渋川が60年以上もかけて紡いできた「武道」という理、概念を超えた所からの攻撃・・。 (か〜ごめ、か〜ごめ) 渋川を包む感覚。恐怖と敗北感。かって2人の男から味わった事がある。 一人はジャック・ハンマー。 ・・明日を捨て、今日の強さを求める死と生の境に生きる怪物。 もう一人は・・。柳 龍光。 ・・自らの肉体を兵器と変えた死神。人を滅する事にかけての天才。 渋川の体にアカギの突き蹴りが次々と決まる。小さな肉体に刻まれるダメージと恐怖。・・そして。 (おいおい・・試合中じゃぞ) 渋川の眼前に、門。かつてジャックとの闘いの前に見た、危険への門。 (勝てない、ちゅうことかの・・) 次第に薄れていく渋川の意識。それに反し大きくなる観客の声援。 「凄え・・アカギ、片腕で勝っちまうぜッ」 観客が興奮する。本部のタオルを握る手が震える。 (もういいか・・。ワシも連戦する様なトシじゃないしの・・) 自分から意識を閉じ様とする渋川。 ・・その時。渋川の脳裏に響く声。 (もうお休みかいの・・。情けないのう、渋川はん・・) (師匠・・?) ・・その声。渋川の師、御興芝 喜平。御興芝老は言う。 (闘いなはれ、渋川はん・・) (しかし師匠、私の前には門が・・) 渋川は師へ応える。 ・・アカギは容赦無く打撃を叩き込んでいる。 (渋川はん・・ワシら武道家じゃ・・。立合いの前には逃げる事も出来る。しかし始まってしまったら。 最後まで闘わねばならん・・。大丈夫じゃアンタなら。目の前にある門は・・開ける為にあるんじゃからの・・) 渋川。アカギの猛攻の合間に、両腕を前に出し、何かを押し開けるジェスチャー。意味の分からない本部は叫ぶ。 「アカギさん、今だッ!! 渋川さんはスキだらけですッ」 ・・しかしアカギ。渋川に別の気配を感じている。 沸騰点。渋川の変容を。そして感じている。この勝負のクライマックス、これからの苦戦を・・。
762 :
マロン名無しさん :03/05/01 17:16 ID:1UCdqpbb
763 :
761の続き :03/05/01 17:29 ID:DmyawsK5
ノーガード。今度はアカギではない。渋川である。 「アンタのお陰で・・。懐かしい人に逢えたよ・・」 笑う渋川。アカギは動かない。 「ジジイ・・。なんか見違えたぜ・・。若返がえっちまったみたいだ・・」 アカギは笑う。「ククク・・」 渋川も笑う。「ホーホッホ・・」 ・・試合中、顔を見合わせ笑う2人。 そしてアカギ。解説席のビスケとテリーマン、そしてセコンドの本部や観客に向け、ゆっくりと宣言する。 「俺がこれからの攻防・・。じいさんの後塵を拝する様なら・・この勝負から降りる・・」 大騒ぎの観客。 「アカギ、最後まで闘えよッ!」 「怖くなったのか、アカギッ!!」 罵声を浴びせる観客。アカギは言う。 「なんにもわかっちゃいねぇな・・。俺たちが今、取り合ってるのはダメージじゃない・・プライドなんだよ・・」 その一言にシンとする観客。数秒の幕間。凍る時間。しかし渋川の気合が凪を断つ。 「行くぞ、小僧ッ!!」 猛然と前へ出る渋川。「意」の無いアカギのコブシが迎撃する。渋川。構わずまっすぐ前に出る。炸裂するコブシ。 (かわせないのなら・・。かわさず攻撃するまでじゃぁッ!!) ・・体が熱い。数十年ぶりだろうか。こんな。 ダメージ計算も防御も関係無くガムシャラに攻撃するのは。ワシもまだまだ若い。まだ75。青春真っ盛りじゃ・・。 そんな事を思いながらアカギの手首を取る。空中でアゴを取る。そのまま地面に叩きつける。受身が間に合うアカギ。 倒れたアカギ。そのまま渋川を寝技に取り込もうとする。先程のグレート巽戦。その時の再現を。折れた左腕が。 渋川のクビへ巻き付こうとする。しかし渋川。瞬間的に後ろに飛び退く。 (さっきまでのジジイなら・・) アカギの脳裏に浮かぶ。先程までの動揺していた渋川なら、これで仕留められたはず。しかし。「門」を開けた渋川は。 何かが確実に先程までと違う。「心」に迷彩を掛けることが出来ない。元々技術的には、渋川の方が圧倒的に上である。 ・・「門」。危険への門を越えた時。本来の渋川の力が目覚めていた。恐怖から解脱した・・。
764 :
763の続き :03/05/01 17:31 ID:DmyawsK5
アカギ。事実を確信する。 (俺は・・勝てない・・。 ・・流れは変わったのだ・・) 渋川は果敢に前へ出る。 「捨て身」。若き頃の、保身を考えない闘い振りが戻ってきている。同じ捨て身ならば。技術が上の渋川の方が・・。 ジリジリと力の差通りに圧倒されるアカギ。サンドバック状態。 このまま終わりと思われたこの試合。 ・・しかし。 アカギの執念じみた才気が・・。奇跡を起こす・・!!
765 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/05/01 17:37 ID:DmyawsK5
やっと人大杉直ったか。もうこんな事がありません様に。 後、外伝かいてくれた方ありがとう。楽しかった。 ヤムチャは魔界編では圧倒的な強さで、複数の敵を一気に倒す最強の助っ人になる(予定)。 イメージ的には「ダイの大冒険」でヒュンケルとヒムを助けにきたラーハルトみたいな感じ。 次回、渋川アカギ決着。サクサクいかないとなあ。せめてこのスレ中に2回戦は終わらせねば。
766 :
マロン名無しさん :03/05/01 18:55 ID:EsbWse0h
パオさん降臨、あげ
767 :
名無しさん@Linuxザウルス :03/05/01 21:01 ID:Yrwh8z1r
やべ ザウルスじゃ読めない 改行位置と画面サイズが合ってない
768 :
764の続き :03/05/02 11:10 ID:ZRAjlQuD
渋川が決めに掛かる。折れた左腕の手首を極め、そのままアカギを組み伏せる。渋川の眼前にアカギの背中。 「終わりじゃ、楽しかったのぅ・・」 そう言いながら中指一本拳を造る渋川。拳の真ん中から飛び出た中指は 突起の様に鋭い。 「延髄、頂きいィッ!!」 気合と共に首裏に叩き込む渋川。グルン。白目を剥くアカギ。 解説のテリー。 「終わった、か・・」 ゆっくりと闘技場に倒れ込むアカギ。やや放心状態の渋川。 (天才、か・・。恐ろしく、そしてキレイな才能じゃ・・。まるで・・星々の光が連なった・・天の川の様な・・) 本部が泣きながら闘技場へ飛び込もうとする。審判が右腕を上げようとする。勝負あり、その宣言を出す為に。 その時。アカギがゆっくりと立ち上がる。いや。まるで気配が無い。実体を「モノ」として感じられない。いや。 ・・生命活動すら。感じられない。まるで幽鬼の様。渋川は戦慄と共に口を開く。 「ぬしゃあ・・まだ・・」 シュッ・・。風が渋川の前で吹いた。 「え・・」 唖然とする渋川。気が付くと目の前が紅く染まっている。 渋川の額。おデコの辺りがザックリと裂けている。シュッ。また風が吹く。次は右上腕がバックリ斬れている。 (に、日本刀・・?) 刀で斬られた様な傷。しかしまったく気配も感じない。 ・・先ほどまでのアカギ。 「欲」も「意」も消し去っていた。しかし今はそれどころか。眼前にいるはずのアカギの実体すらボヤけて見える。 まるで蜃気楼の様・・。ダラン。アカギはなんの生気も無く立っている。手の形は平手。 (手刀、か・・?) まさかその指で切り裂いたというのか、このワシを・・。なんの予兆も無く・・。解説席の2人が驚愕して叫ぶ。 テリー。「まさかアカギは・・。天才を超えたのか・・」 ビスケ。「アカギは・・神の領域に入ったわさ・・」 闇社会で「神域の男」と呼ばれた赤木しげる。その男は異名通り、天才も達人の領域も超え、「神域」へと入った。 特別席の江田島 平八と高槻 巌。アブラ汗を流して闘技場のアカギを見る。 「無の境地・・実体を殺している・・」 その巌の言葉に江田島もうなずく。 「恐ろしいのう、あの若さで・・あの【朧】と同じ域に辿り着くとは・・」
769 :
768の続き :03/05/02 11:49 ID:ZRAjlQuD
微笑を浮かべながら風を生むアカギ。その風が舞うたび、渋川の体が刻まれていく。 ・・成す術無し、の渋川。 (何が合気じゃ・・何が達人じゃ・・何が武の体現じゃ・・このガキは・・ワシの60年掛けて辿り着いた世界を・・ あっさりと超えおった・・この試合だけで・・。 根本的に・・ワシらと何かが違う・・) こりゃあ、アカンわ。モノが違い過ぎる。 ・・純度の高い才能の前では、数十年の歴史など消し飛んでしまうのか。 (だがアカギよ。ワシにも意地があるでのう) 渋川は覚悟する。相打ち。自分も滅するが、アカギも準決勝には 進ませない。 ・・しかし。「無」そのものの今のアカギにワシの攻撃が通ずるのか・・。 「ええぃ、ままよッ」 猛ダッシュ。特攻する渋川。 ・・アカギ。最後の風を生む。今度は平手ではない。人差し指を大きく前に突き出す。 渋川の右目をエグりにいったのだ。 ・・完璧なタイミング。渋川の脳裏に「死」が浮かぶ。見えない貫手である。 しかし鋭敏になった感覚がそう教える。0.1秒後にお前は死ぬと。アカギに殺されてしまうと。 ・・だが。 ズルリ。選手の汗と血を吸い込んだ闘技場の砂に、足を取られる渋川。アカギの「無」の貫手は渋川のコメカミを斬り、 その後、空を切る。 ・・最高の境地に立ったアカギでさえも。「天運」いや、「天の意思」を操る事は出来ない。 アカギは思う。 (指一本分・・隣だったか・・) アカギの「無」が消えていく。気配が戻ってきている。 今、完全に実体は渋川の目の前にある。アカギ。少し笑う。 (天が・・ジジイに勝て、と言ったか。俺でなく・・) 呆然としている渋川に背を向けるアカギ。そしてゆっくり出口へ歩き出す。 ・・本部がその背中に向け問い掛ける。 「あの・・アカギさん・・どちらへ・・?」 アカギ。本部の方へは振り返らず応える。 「言ったろ・・。俺がもし渋川さんの後塵を拝することがあれば・・。この勝負を降りるって・・」 本部は叫ぶ。 「バ、バカなッ、負けてない、完全に勝っていましたよ、アカギさんッ!!」 アカギ。その本部の疑問に答えない。 その代わり。ゆっくり振り返って笑う。始めて見るアカギの。少年らしい笑み。そして本部へ向けてこう言った。
770 :
769の続き :03/05/02 12:04 ID:ZRAjlQuD
「世話ばかりかけちまったな・・」 世話になったのは自分の方・・。本部は何故かその言葉を出す事が出来ない。 最強最高の男、勇退す・・。審判が宣言する。 「勝負ありッッ!!」 闘技場に一人残された渋川は思う。 (完全に負けておったわ・・しかしこれで良かったのかも知れん。ヤツ深海魚じゃ・・。通常の魚の我々と・・。 同じ深さにいては・・いかん生き物じゃ・・) ・・達人・渋川 剛気、準決勝進出。 ・・そして。いよいよ2回戦ファイナル。 「地上最女神」ニコ・ロビン 対 「男塾の名勝負男」羅刹の試合が始まる。 ビスケが大きく叫ぶ。 「白虎の方角より、羅刹選手の入場だわさッ〜!!」 一斉に湧き上がる男塾応援団。 「羅刹先輩、頼みますッ」 実況席から戻った富樫が叫ぶ。 「一発カマしたって下さいッ」 虎丸がわめく。 私情入りマクリのビスケ。マイクの前で叫ぶ。 「行くわさ羅刹ッ!! 出来れば殺して勝つだわさッ!!」 人気者のロビンへの間違ったライバル心全開。だが既に観客全員ビスケの正体を知っている。最早ビスケにファンはいない。 ・・そしてビスケ。嫌々そうにマイクにつぶやく。 「朱雀の方角から腐れ女、ニコ・なんたら入場だわさ。ケッ」 不満そうなビスケのコールとは裏腹に、羅刹以上の声援で迎えられるニコ・ロビン。 ・・しかしその時。恐れていた事が。 ヒソカと江田島 平八の天誅により滅したはずのあの一団が。復活していたのである。
771 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/05/02 12:12 ID:ZRAjlQuD
長かった達人アカギも終わりです。客観的に見てアカギ贔屓し過ぎだな。 アカギ漫画のキャラの中で一番好きなんで。オレもアカギ位麻雀強ければなー。 アカギカッコ良い。「アカギ」は勿論、「天」でもアカギが主役ですからね。実際。 一度未読の方読んで下さい。麻雀知らなくても面白いよ。 あと、「エアマスター」読みました。正直6巻くらいまではつまらなかったけど、 それ以降メチャクチャ面白いね。絵も迫力。これでもう少し女の子が可愛いけりゃなあ。 ではまた次回。ロビン羅刹は短いと思います。割合ですが。
772 :
マロン名無しさん :03/05/02 16:11 ID:LuuNxCva
人少ないなこのスレ。パオ一人孤軍奮闘か。 エアマスターは面白いよ。俺もジュリエッタ参加希望
773 :
マロン名無しさん :03/05/02 20:29 ID:RfJEOVW+
774 :
マロン名無しさん :03/05/02 20:36 ID:f8zWyMqg
775 :
マロン名無しさん :03/05/02 22:55 ID:LuuNxCva
アカギカッコ良かった━━━(゚∀゚)━━━(゚∀゚)━━━!! でも、アカギが巽と闘って折ったのは左腕じゃなくて右の方だよ。 アカギ再登場希望
776 :
ふら〜り :03/05/02 22:58 ID:vXmXqRU1
人大杉が治ったので戻って来ました。 外伝、不良たちが何だか面白かったです。ヤムチャの実力は 理解している、しかし負ける気はしない……何だか、現実の 我々の思いを代弁してくれたような気がします。 でも、最後はしっかり感動させてもらいました♪ 本戦の方は、本部が何だか、いい意味で「子分」してる気が しました。強さの印象は皆無でも、ヘタレには見えないというか。 次は、ロビン対羅刹ですか……う〜む。播磨を破ってくれた以上、 ロビンには負けて欲しくないですが、しかし羅刹とでは個人的に 馴染みっぷりが違いすぎる(というかロビンは全然知らない)です し……どっちを応援したものか?
魔界編がどういうモノになるのかは、予想も出来ないが、 ラストのある1シーンだけは、容易に思い浮かぶな。 敗北直後でズタボロになったバーンを、一撃のもとにブチ殺す勇次郎。コレ。
778 :
770の続き :03/05/03 10:54 ID:+UDAiJYm
「ロビン様キタ━━━━(*゚∀゚*)━━━━!!!」 「ロビン様、ロビン様、ロビン様あッ!!」 「★.。.. .☆:*.゚ /ヽァ/ヽァ(*´Д`*)/ヽァ/ヽァ ゚.*:☆. ..。.★.。.:*・゚ ゚・*・」 不死身か、こいつら・・。2度の殺戮から黄泉返ったゾンビの様な軍団。江田島は歯噛みする。 巌が横でいさめる。 「あきらめましょう・・。彼らは放置するしかなさそうです・・」 江田島は悔しそうに首を振る。考えてみれば大した萌え集団である。あの人類最強の一角の、 江田島 平八に敗北感を与えるのだから。 ・・ビリーバーとはかくもおそろしいものである。 闘技場真ん中で見合う羅刹とロビン。 「女とはいえ・・この場に立つ以上、容赦はせんッ」 妖艶な微笑のロビン。 「あら、気が合うわね。私も男だからといって容赦はしないわ・・」 ・・一旦闘技場端へ離れる2人。やがて大きく審判が叫ぶ。 「始めいッッ!!」 ゆっくりと間合いを詰め、兜指愧破を構える羅刹。ほんの数センチ、前へ出るだけのロビン。 「行くぞッッ!!」 一気に間合いを詰める羅刹。全てを貫く兜指愧破。右の指剣がうなる。 ・・しかし。 「4輪咲きッ!!」 ・・ロビンが叫ぶ。まだロビンまでの間合いは2m。 その時。にゅにゅ、と羅刹の右腕のヒジ辺りにロビンの2本の腕が咲く。同時。羅刹の足元にも。 2本の腕が生え、羅刹の足首をつかみ、一瞬彼の動きを止める。そして右ヒジから生えた2本の腕。 素早く兜指愧破の攻撃のための指・・。小指と人差し指を極める。 ・・フッ、と微笑むロビン。 「そんなモノ向けないで・・危ないモノは・・早くなんとかしないとね・・クラッチッ!!」 羅刹の小指と人差し指が、ロビンの掛け声と共にありえない逆の方向へ曲がる。 ・・ビキィッ。 捻られ・・そして折れた。右の兜指愧破、破壊。 ・・シン、とする男塾応援団。しかし羅刹。 顔色すら変えない。折れ、後ろへ反り返った右手の2本の指を、無理矢理に元へ戻して言う。 「さすがあの播磨灘を破った地上最強の女よ・・。しかしこの程度で男塾魂は折れはせん・・。」 ・・両手の兜指愧破を合わせる羅刹。そのまま闘技場の砂へダイブする羅刹。虎丸が叫ぶ。 「ああっ、あれは羅刹先輩の必殺奥義・土錐竜じゃあッ!!」
779 :
778の続き :03/05/03 11:29 ID:+UDAiJYm
完全に砂へ隠れた羅刹の姿。しかしロビン。全く慌てていない。もうこの技は、控え室のモニターで見た。 確かに恐ろしい技だ。どこから攻撃が来るか分からない。そして気付いた時には、必殺の兜指愧破が。 敵の体を貫いている。だが死角をつけば、だ。微笑むロビン。 ・・でも残念ね。私に死角は無いの・・。 「三十輪咲きッ!!」 闘技場の砂から30本の腕が生える。ロビンを囲む様に、守るように咲く腕たち。 解説のテリーがうなる。 「なるほど、あれならどこから羅刹が来ても反応出来る・・鉄壁の布陣だ」 ビスケはブツブツ言いながら、ワラで出来た人形に釘を刺している。 ・・誰の呪い人形であろうか。 ・・20秒・・30秒・・1分。羅刹は現れない。ざわめく観客たち。しかしロビンは防御陣の真ん中で 悠然と待っている。・・いくら超人揃いの男塾でも人間である。息が続くのは限界があるのだ。そして。 「クオオオッ!!」 ロビンの背後から現れた羅刹。背中に兜指愧破を放とうとする。 ・・だが。 ロビン。「残念ね」 既に羅刹の足首には数本の腕が絡んでいる。腕はロビンの感覚と直結している。 分身の腕が触れただけで状況が判るのだ。目の前へ大きくジャンプするロビン。勿論、背後の羅刹との 距離を取るためである。 「播磨灘さんほど・・苦労しなかったようね」 分身の腕が羅刹の左足に。 足首へ。ヒザへ。襲い掛かる。 「・・クラッチッ!!」 そして羅刹の左足首と左ヒザが折れる。 悲鳴を上げる男塾応援団。 「もういい、試合放棄じゃあッ! 桃、俺が飛び込んで止めて来るッ!!」 富樫が闘技場へ飛び込もうとする。しかし。その肩を男塾一号生筆頭・剣 桃太郎が引き止める。桃が言う。 「止めろ富樫・・。羅刹先輩の目を見ろ。先輩は勝負をあきらめていない。獲物を狙うハンターの目だ・・」 右の兜指愧破を破壊され、左足はもう動かない。それでも羅刹の魂は揺るがない。この勝負必ず勝つと・・。 チラリ、と懐に隠したドスを見る。意を決しロビンを見る。俺は男塾の代表だ。死んでも負けられん・・。
780 :
779の続き :03/05/03 11:50 ID:+UDAiJYm
ロビンは羅刹を見て言う。 「もう勝ち目は無いわ・・。棄権しないと、どうなるか分からないわよ・・」 羅刹。 「笑わせるな・・。男塾の辞書に死はあっても敗北は無い。最後の勝負だ、ニコ・ロビンッ!!」 地中へ再度飛び込む羅刹。 ・・羅刹の最大奥義、土錐竜。最後の発動。最後の賭けであろう。だがロビン。 「何度やっても同じ・・30輪咲きッ!!」 再度ロビンの周りに敷かれる鉄壁の布陣。観客は思う。 駄目だ・・。何をやってもこの布陣には通じない・・。 ・・その時。ズザッ。地中から。羅刹の右腕が。 不意打ち。しかし悲しいがこれも通じない。羅刹の右腕の周りにロビンの腕たちが群がる。 ・・しかし。 (こ・・これは・・?) 地中から出ている羅刹の右腕。そしてその周りの砂にジンワリ血がにじんでいる。 (右腕・・だけ?) 右腕の付け根より先。その先が無い。一瞬、思考の止まるロビン。その時、背後から声。 「やっと・・完璧な貴様にスキが出来たな・・」 驚愕し振り返るロビン。そこには。仁王立ちした羅刹の姿。 「貴様の負けだ、ニコ・ロビンッ!!」 完全に不意を衝かれたロビン。左手の兜指愧破がロビンの背中を襲う。 ・・死ぬ・・ ロビンは思わず目を瞑る。しかし。羅刹の兜指愧破は。ロビンの柔肌に触れるか触れないかの所で。 ピタリ、と止まっている。 「・・優しいのね」 微笑むロビン。美しい。一瞬、闘いを忘れそうになる羅刹。 しかし厳しく言い放つ。 「男塾塾歌にもある。日本男児の魂は強く激しく暖かく、とな。だが勝負を続けるなら・・」 目に殺気を込める羅刹。ロビンは羅刹の姿を見る。腰のベルトにはまったドスは血まみれである。 ・・そして。 羅刹の右腕。上腕より先が無くなっている。思わず問い掛けるロビン。 「私のスキを作る為に・・右腕を切ったの?」 羅刹は涼やかに笑う。 「腕一本・・。勝利の為なら惜しくは無い・・」 その言葉にニッコリ笑うロビン。 審判に言う。 「参りました。お手上げ」 審判。その言葉を受け大きく叫ぶ。 「勝負ありッッ!!」
781 :
780の続き :03/05/03 12:32 ID:+UDAiJYm
富樫が右腕切断し、ダラダラと血を流す羅刹に向かって叫ぶ。 「羅刹先輩、大丈夫ですかぁッ!!」 羅刹。男塾応援団へ向かって言う。 「気にするな、カスリ傷だ・・」 観客はおおきくどよめく。 腕一本無くしてカスリ傷とは・・。恐るべし、男塾魂・・。 ロビンは羅刹へ言う。女神の微笑を沿えて。 「完敗ね・・でも、あなたになら・・負けてもいいわ・・」 羅刹。無骨な顔のまま。しかし優しく言う。 「その言葉、そのまま貴様へ返そう。俺も貴様になら負けても・・いや、殺されても悔いは無かった」 そしてゆっくり闘技場を去る羅刹。勝利者は右腕を失い、左足をひきずっている。一方、敗者は無傷。 しかし完全敗北である。それでもロビンは清清しい。勝負には、勝ち負けよりずっと大切なモノがある・・。 勝負の余韻に少し浸るロビン。 ・・その時。羅刹の背中へ罵倒の言葉を浴びせる一団が。 「ロビン様マケタ━━━━!!! 羅刹のバカ━━━━!!!」 「ロビン様をヨクモ━━━━!!!」 「男塾シネ━━━!!!」 ・・ロビンはその一団を睨む。 「応援は嬉しいけど・・。マナー位は考えることね・・16輪咲きッ!!」 ニュニュ。一団へ向けロビンの腕が生える。萌え集団を襲うロビンの腕。ロビンは叫ぶ。 「クラッチッ!!」 ロビンの関節技により萌え集団、全滅。 ・・しかし何故か。その表情は幸福そうである。彼らの最後の言葉は。 「★.。.. .☆:*.゚ /ヽァ/ヽァ(*´Д`*)/ヽァ/ヽァ ゚.*:☆. ..。.★.。.:*・゚ ゚・*・ ロビン様、幸せです〜」 駄目だ・・救えねえ・・。
782 :
781の続き :03/05/03 12:46 ID:+UDAiJYm
一方。治療室に運ばれた羅刹。その場に倒れ込む。王 大人が彼を見て言う。 「これはもう・・無理だ・・」 羅刹。「お、俺は・・出る、次も・・」 その時。背後のドアからある男が現れた。死天王の将、影慶である。 「羅刹、お前は良くやった・・。後は俺が闘う。休め・・。」 羅刹は怒鳴る。 「余計な心配だッ!!」 だが影慶。わざと冷たく言い放つ。 「その体で、次の渋川に勝てるのか・・? 男塾の恥をさらすだけだ・・」 しばらく見詰め合う2人。やがて羅刹が言う。 「頼んだぞ・・」 ・・静かにうなずく影慶。 そしてゆっくり右腕の切断面を触る影慶。この右腕を無駄にはしない・・。しかし影慶。ある事に気付く。 「あ」 次の瞬間、泡を吹く羅刹。影慶照れ笑い。触っちゃった、毒手で傷口を・・。のたうちまわる羅刹。慌てる王 大人。 羅刹、重傷から瀕死の重体に大幅なレベルアップ。そそくさと医療室を出る影慶。 「ま、任せておけぃ、羅刹ッ」 王 大人。影慶の背中を見て思う。 (男塾・・。肉体と魂は素晴らしいが・・頭が・・) 「ベスト4だわさ〜!!」 ビスケが叫ぶ。 「青竜の方角から、陸奥 九十九ッ、玄武の方角から、前田 慶次郎ッ」 九十九と慶次が入場する。ビスケは更に叫ぶ。 「白虎の方角から、渋川 剛気ッ。堂々準決勝進出の3人だわさッ!!」 大きな歓声の場内。だが一部観客は騒ぐ。 ・・羅刹は、羅刹はどうしたんだ? ビスケは少しだけ申し訳無さそうに言う。 「残念ながら羅刹はドクターストップだわさ・・。しかし、その代わり、男塾死天王の将、影慶が参加だわさッ〜!!」 一気に盛り上がる観客。だが。疑問に思う事がある。途中参加の影慶がずっと有利なんじゃないか・・? だがビスケ。 その疑問を予見していたかの様に言葉を続ける。 「影慶選手は途中参加の為・・。特別試合をしてもらうわさッ!!」 場内の興奮、最高潮。 ・・誰だ?誰と闘うんだ? ビスケの次の言葉を待つ観客たち。ビスケは満を持して大きく叫ぶ。 「地上最強の毒手対決。影慶 対 柳 龍光、だわさッ〜!!」 ・・一気に盛り下がる観客。柳って・・かませかよ・・。
783 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/05/03 12:48 ID:+UDAiJYm
疲れた。影慶のリサーバー対決の2試合まで書きたかったけど、次回へ。 ふら〜りさん、お帰りなさい。もう来ないかと心配しておりました。 777様、半分当たり。最後の一撃は勇次郎じゃなく他のキャラを考えております。 そこまで行けるかな。 ではまた。
784 :
マロン名無しさん :03/05/03 16:09 ID:u2b4l0OP
バオさん「エアマスター」を読んだんでしたら ぜひ、尾形を! 尾形小路を出してください! 魔界編の敵でもいいんでぜひ!
785 :
マロン名無しさん :03/05/03 16:41 ID:vPIgN+ge
柳か… 負けるんだろなぁ。勝ったら渋川とだし新鮮味に欠けるし。
786 :
マロン名無しさん :03/05/03 17:33 ID:S70ERfUa
柳…本人は物凄く真剣だけどすべて空周りしてグダグダになっていくへタレな展開を演じる実際の柳か、パオさんオリジナルの柳か気になる所。へタレな展開は笑えそうだけど(お
787 :
マロン名無しさん :03/05/03 18:45 ID:h+Eei5+p
エアっつーと牧と場気が互角(しかもやや牧優位)でやりあうネット小説があったがあれはなんか納得いかんかった 両方好きなんだがそれだけに違和感バリバリ
>>789 すんません、アレ書いたの俺です。
今後の参考にしたいんで、問題点があったら指摘してください。
パロディのつもりで書いてますが、エア色が出せなくて悩んでます。
ってか、スレ違いでスマソ。
パオさん、同じ(と言っては失礼かも知れないけど)SS書きとして応援してます。
791 :
マロン名無しさん :03/05/04 00:17 ID:/gzo8QZD
正直パオにはエアマスターはだしてほしくない。エア好きなだけに。漫画喫茶で一度読んだだけでヨクサル節が理解できるとは思えないから。
792 :
782の続き :03/05/04 10:24 ID:eq2gO0QR
朱雀の方角からゆっくりと入場する柳 龍光。影慶一人を残し、九十九たちは闘技場から姿を消す。 同時に、観客席の半分ほど姿を消す。ある者はトイレに。ある者は売店に。寒々とする闘技場内。 観客の一人が吐き捨てる。 「影慶とヘタレ龍光じゃ勝負になるかよ・・」 しかし柳。 ただ一人やる気マンマンである。影慶を倒す事が出来ればこのトーナメントへ参加できるからだ。 「ククク・・影慶とやら。生意気に毒手を使うらしいが・・プロの殺法家の恐ろしさ教えてやる・・」 寒い。哀しいほど寒い柳のMCが虚しく響き渡る。ビスケは悩む。どう盛り上げりゃいいんだよ・・。 「か、解説のテリーさん・・。柳は殺気立ってますが、この試合はどんな感じになると思うわさ?」 テリー、一言。 「ヤムチャがべジータにケンカ売る様な感じです」 ・・解説、試合前に終了。 ・・しかし。この無謀な試合にたった一人だけ注目している男が。闘技場の端の、選手入場口に。 かつて、(何故か)柳 龍光に敗れた準決勝進出者、達人・渋川 剛気その人である。渋川は祈る。 (柳ぃ。頼むから勝ってくれ。そしてワシと準決勝で決着じゃ・・生き恥なんじゃ、お主に負けたのは) 柳。影慶をなおも挑発する。 「試合放棄なら今の内だ・・。お前と私では、格が違いすぎる・・」 一層寒々とする闘技場内。最早、ゴールドクロスが凍結する絶対零度並に寒い。感覚的にだが。 でも一部の観客はその言葉に納得する。但し格下はおめえの方だよ・・。 そして。審判が大きく叫ぶ。 「始めいッッ!!」 バカッ!! ・・影慶の裏拳、炸裂。 「勝負ありッッ!!」
793 :
792の続き :03/05/04 11:10 ID:eq2gO0QR
どうしよう・・。慌てるビスケ。無限大トーナメント最大のピンチ。試合時間、0.2秒。暴動寸前の観客たち。 闘技場内へ次々とモノが投げ込まれる。罵声が乱れ飛ぶ。 ・・何故か、「ヤムチャ、ヤムチャ」の大合唱。 ・・闘技場中央で血を吐きながら、ピクピク震える柳 龍光。 ・・立てない。しかし懲りずに影慶へ話し掛ける。 「見事だ・・実力では遥かに上の私をよく倒した。達人同士の闘いは一瞬。開始直後しかお前の勝ち目は無かった・・」 勿論、影慶は柳のシャブ中の様な世迷言など聞いていない。 ・・運営係の小坊主に運ばれていく柳。 小坊主は思う。確か生ゴミは水曜回収だったな・・。 ・・大混乱の闘技場の中、一人呆然とする達人・渋川 剛気。 なんでワシこんなのに負けたんだろう。そうだ。確かあの日。 ・・持病のイボ痔が酷くてまともに歩けなかったっけ。 闘技場のピンチは続く。爆発寸前の観客。どうすんだ光成・・。特別席の徳川 光成の方を見るビスケ。光成と目が合う。 光成。右手の親指をグイと天へ突き出す。 ・・任せておけぃ。柳は前座じゃ。ちゃんと特別な相手を用意しておる・・。 だが混乱のビスケはそのアイコンタクトが分からない。 ・・誘われてる。光成、アタシを愛人にしようとしてるわさ・・。 ・・そんな中。実況席に連絡役の小坊主からメモが届く。テリーとビスケはそのメモに目を通す。 ・・この相手なら。 ビスケは叫ぶ。 「今の試合はただのアトラクションだわさッ〜。次の相手が本物の影慶の相手だわさッ〜」 ・・そして。白虎の入り口に巨大な鋼鉄製のコンテナが現れる。どよめく観客。なんだ。何があの中に入ってる・・? ただならぬ気配に身構える影慶。 ・・そしてコンテナのフタが開く。まるで地獄のカマが開いた様。暗いコンテナの奥。 紅く黒く不気味に輝く2つの目。 ・・人間では無い? 影慶の背中に冷たい汗が流れる。急に。コンテナから巨大なモノ。 飛び出してくる。・・速い。急襲。そして影慶の胸に爪痕が。血。うめく影慶。 「グ・・なんと巨大な・・クマ・・」 ビスケは叫ぶ。 「影慶の特別試合の真の相手ッ、地上最強の狂熊(きょうゆう)・・。赤カブトだわさッッ!!」
794 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/05/04 11:22 ID:eq2gO0QR
難しいですなぁ。エアマスター出して欲しい人、出して欲しくない人。 ・・考えます。 確かにこのスレ一部のキャラは原作のイメージを無視してる。ビスケとか。ま、わざとなんですが。 790さんのサイト、見たいなぁ。同じSS職人として(ていうかSSしか出来ない)勉強になりそう。 柳は最初から試合内容決めてました。「死刑囚編つくろうぜ」と「無限大トーナメント」は、 一切つながりは無いです。バキもう出ないし。でも前スレの短編、勇次郎 対 塾長は多少関係あるかも。 そろそろ次スレ移行を考えないといけない時期かな。準決勝開始から次スレは区切りが良い様な。
パオさん…赤カブトをリクエストした者としては嬉しいんですが…。 赤カブトは隻眼なんですが…。
796 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/05/04 11:32 ID:eq2gO0QR
>>795 様
えッ・・。隻眼って他のクマじゃなかったです? 今からマンキで銀牙読むつもりだったんですが・・。
間違いだらけですな、私。アカギの折れた腕間違えたり・・。すみません。以後気をつけます。
赤カブトは柳と違い強いんで、許してください・・。
赤カブトは右目をゴへーに撃たれた時に、脳に弾が残ったせいで、異常成長した・・という重大な伏線がありまつ。 最終決戦のときなんて、10メートルくらいあったような。
798 :
マロン名無しさん :03/05/04 16:14 ID:ljb/VoEs
もしかしたらバーンのペットとして赤カブト出てきそうな予感してたんだが、ここでキタ━━━━(゚∀゚)━━!!!!
赤カブトキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!! 銀牙は15年ほど前に読んで以来見てないので記憶が曖昧だが、こいつの迫力だけは覚えてる。 楽しみだ。勇次郎が倒した北極グマよりはるかに強そう。
800 :
マロン名無しさん :03/05/04 16:37 ID:ZAoNXehc
801 :
マロン名無しさん :03/05/04 18:48 ID:19aG6m1u
俺も一緒に赤カブトキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!! このクマ異常に強いぞ。影慶が勝つんだろうが納得させる闘いにして欲しいでつ。 でもパオ氏のリクエストにちゃんと答えようとする姿勢には好感。 しかし。。哀れなり、柳。。一行かよ、試合。。
802 :
マロン名無しさん :03/05/04 19:13 ID:0aLU1M1M
毒手使う間もないのかよ・・柳・・
803 :
マロン名無しさん :03/05/04 20:02 ID:b5z2OD5X
誰も、柳はもっとつええよと言わない所に 柳の真骨頂がある。
804 :
マロン名無しさん :03/05/04 20:51 ID:qxOgqX/n
せめて毒手で葬ってやれよ・・影慶・・
805 :
790 :03/05/04 20:59 ID:???
ども、パオさん。いつも面白い文、楽しませてもらってます。 正確に言うと、私自身のサイトではありません。 バキサイトの中のオーガ、と呼ばれる「だったらイケるぜ!」というサイトです。 私は、そこの小ネタ掲示板で、細々とSSを書かせてもらっている、常連の一人に過ぎません。 「是非、読んでみてください」とはとても言えない内容ですが、よろしければそちらで。 参考にはならないと思いますけど(苦笑) …と、スレ違いの話はここまでにして、感想。 まさか、ここで赤カブトとは! ぶっちゃけ、勇次郎でも無傷では勝てない相手。 毒手を上手く使わないと影慶に勝ち目はなさそう…。 ところで、これもサイコロだったりしたらどうしよう。 可能性として、赤カブト優勝、なんて事になったら。
と、いうことは公園でヤムチャを倒して山に向かった銀なのだが、 肝心の赤カブトは留守だったりするんだ でも、影武者説も捨てがたいかも
807 :
793の続き :03/05/05 11:44 ID:OkcxAP4J
観客たちがその巨大なクマを目の前にして恐れおののく。 「デケぇ・・。ゾウみたいだ、あのクマ・・」 赤カブト。その巨躯は通常のクマの域を超える。190cmほどもある影慶がまるで小さく見える。虎丸が叫ぶ。 「あんなバケモノクマと闘わせるなんてやり過ぎじゃぁッ〜!」 腕組をしながら厳しい表情の桃と伊達。 そのクマはただ大きい、というだけではない。その双眸はギラギラと殺気に満ちている。・・しかし。何かが。 (変、だわさ) ビスケの脳裏に嫌な予感がする。 (あれは・・あのクマは・・赤カブトじゃないわさ・・) 目の前の巨大熊。確かに伝え聞く程の巨躯と殺気である。・・しかし。目の前のクマの両目の殺気。 ・・両目? (赤カブトは・・隻眼のクマだったはずだわさ・・) 特別席の光成を見るビスケ。いつもと同じに見える光成。 しかし。江田島も巌も既にいない特別席で。・・光成に邪悪な意思が近づく。否。光成の黒い情欲が引き付けたのだ。 ・・ギィ。特別席のある貴賓室のドアが空く。小坊主? 一瞬そう思い、気にせず試合に集中しようとする光成。 「ククク・・。闘え・・血を流せ・・。面白いのぅ、強者たちがワシを楽しませる為に殺し合うのは・・」 様子のおかしい光成。 ・・魔界。闘い好きな光成の魂は魔界へと近付いている。 ・・魔界の門が開きつつある為に。 不意にその光成へ後ろから声が掛かる。 「ホ〜ホッホホッホ。あのクマは・・赤カブトではありませんね・・?」 振り返る光成。 「誰じゃ貴様ッ!!」 その謎の男に怒鳴る光成。 ・・その男。黒づくめのスーツを着ている。 ネクタイもしている。耳は大きな福耳。 ・・その男が笑う。 「これは突然失礼しました。私、こういう者です・・」 名刺を差し出す謎の男。親しげな笑みを浮かべる。 ・・怪しい。心の全てを見透かす様な目。決してその目は笑わない。 「何者じゃ、お主はッ!!」 恐怖から声を上げる光成。その男は大きく笑って応える。 ・・寒気のする光成。 「ホ〜ホッホホッホ。私はただのセールスマンですよ。 ・・ただし。魔界の、ですが」 ・・魔界? 光成は名刺を見る。 その名刺にはこう書かれていた。 【ココロのスキマお埋めします 喪黒 福蔵】 ・・と。
808 :
807の続き :03/05/05 12:16 ID:OkcxAP4J
目の前の巨大クマ。その死の壁を前にしても影慶は微動だにしない。しかし既にダメージは受けている。胸元。 巨大な爪痕。傷はそれほど深くは無い。しかし。 (この力・・。正面から闘うのは・・得策ではない・・) 大きく横っ飛びする影慶。 ・・狙いは赤カブトの背後。影慶は毒手だけでは無い。体術も超一流である。 先程かませを一撃で葬った様に。あっという間に背後を取る影慶。アクセルを全開にし間合いを一気に詰める。 渾身の蹴りを見舞う影慶。しかし。 (こ、この弾力は・・) 野生の肉体。その筋肉と皮膚の強さ。 その防御力は、超人の域の影慶の攻撃力すら大きく上回っていた。 (一撃で倒せぬなら、何度でも・・) その時。 (・・ッ!!) 信じられない速度で振り返る赤カブト。そして爪の一撃。吹き飛ぶ影慶。 ピンポン玉の様に闘技場の柵に激突する。バラバラになる柵。 「ああッ影慶先輩ッ!!」 叫ぶ富樫。 ・・影慶。ゆっくりと柵の残骸の中から立ち上がる。そして腕の包帯を外す影慶。 ・・毒手、開放。 「渋川戦まで隠しておきたかったが・・そうも言っておられん様だ。受けてみよ畜生・・この毒手をなッ!!」 ・・ウソである。渋川戦まで隠しておきたかったが、という部分。さっき羅刹を毒殺しちゃった後(死んでないが) 慌てて包帯を巻いたのである。影慶という男、強いだけでない。男の愛嬌も持っているのである。 特別席。光成と謎の男、喪黒 福蔵が向かい合っている。 「魔界のセールスマンが、なんの用じゃッ!!」 叫ぶ光成を無視し、逆に質問する喪黒。 「あれは影武者・・そして本物の赤カブトをアナタは持ってますね・・」 何者じゃコイツ・・。恐怖の光成。 そして喪黒は急に先程の光成の質問に答える。 「それになんの用、とはご挨拶ですね・・。私を呼んだのはアナタ・・アナタのココロのスキマです・・」
809 :
マロン名無しさん :03/05/05 12:21 ID:idupW9sq
早くドーン!!ってやってほしい!
810 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/05/05 12:24 ID:OkcxAP4J
いろいろ考えた末、闘技場クマは影武者クマにした。本物も後で登場。本物はムチャクチャ強いですよ。 偽者も結構強いが。しかもまた新キャラ登場。 ・・我ながら収拾つくのか心配だ。 ・・あと、ご親切な方にお願いします。影慶 対 ニセ赤カブトが終わったら、次スレを立てて下さいです。 多少余裕を持って次スレ移行した方が、と思います。初めてパート3見た人はワケわからないと思うし。 ちょっとパート2を浮かしておく為にはレスの余裕があった方が・・。 勝手言って申し訳ありません。 特別試合が終わったらまた「お願い後書き」をします。 ・・明日か明後日かなぁ。 サーバーが大変なときにごめんなさい。その分頑張りますんで。 ・・では失礼します。
原作に出て来た、赤カブトの影武者は、確か牙鬼とかいったな。 ただ、ヤツは影武者らしく、しっかり隻眼だったけれど。
この無限大トーナメントSS何処かでまとめてないの?
813 :
マロン名無しさん :03/05/05 14:12 ID:XXWb8bwx
マダラということで…。(影武者ではないが)
ケサガケかな? マダラだと毛並みに特徴がありすぎるし、モサは片手、牙鬼も隻眼だし。
覚悟のススメも出してくれ。
笑うセールスマンまできたか。。しかも重要きゃらっぽい。。 面白いけどほんとにまとまるんだろうか。最後までお願いなパオ。
817 :
ふら〜り :03/05/05 21:10 ID:rA+Qgz/G
羅刹とロビン、どっちを応援すべきか? と悩んでたら両者 退場。しかも結構播磨のことを言ってくれてた。試合結果は サイコロとしても、後者についてはパオさん、お心遣い感謝です♪ で、喪黒ですか……相変わらず予測のつかない、出場者外 登場人物。時々、試合本編以上にハラハラしてしまい ます(解説対決とかヤムチャとか)。 これからも期待、特大! で読ませて貰います〜。 ……それにしても柳には爆笑しました。容赦ないですね♪
このまま落ちたら見れなくなるのが惜しい
>>814 ケサガケ・・・赤カブト軍屈指の強者、という設定だったのに、モリ熊の噛ませになったアレか。
しかも、その直後にモリ熊は赤カブトの噛ませに・・・。
820 :
808の続き :03/05/06 06:36 ID:+94IrAPo
魔界のセールスマン、喪黒 福蔵。その男の異常な雰囲気に呑まれる徳川 光成。喪黒は不気味に微笑んで言う。 「アナタは嫉妬していますね、江田島平八に・・」 うろたえる光成。 「バカな、奴とワシは親友・・」 「ホ〜ホッホホッホ。嘘はいけません。アナタは嫉妬と劣等感を持っている。江田島の強さとカリスマに・・」 グウゥ・・。喪黒の言葉に言葉の詰まる光成。確かにワシは昔から、平八に・・。何をしても勝てない・・。 ワシは先祖代々の財産と地位で大きな顔をしているが、金が無くなれば・・。誰がワシみたいな貧相な男を・・。 相手にするのか・・。それに比べてヤツは、平八は・・。勇次郎並みの強さと圧倒的な漢らしさ・・。 喪黒の言葉に、光成のココロのスキマが大きく広がっていく。・・ゆっくり光成の前に人差し指を突き出す喪黒。 「そしてアナタは恐れている・・。ただでさえ小さい自分が・・これ以上醜く年老いるのを・・。どうですか? 魔界へ魂を売れば・・アナタのお望みを全てかなえましょう・・欲しくないですか? 若く強く美しい肉体が・・」 悪魔の様な喪黒の囁き。・・光成は思う。どんなに金があっても買えない物。若さと寿命。子供の頃から欲しい物。 強さと美しさ。 ・・スマン平八。この望みがかなうなら、ワシは、悪魔にも、大魔王にも・・。 「魂を売れば・・。かなうのか、その願いが・・。」 「大魔王様の超魔力に不可能はありません、ほっほっほ」 無言の光成。 ・・しかし喪黒は微笑む。 「ココロはお決まりのようですね・・・」 ・・うなずく光成。 喪黒の突き出された指先。一瞬大きく光る。 ドーーーーーン!! 叫ぶ光成。 「ウヒャアアアッ!!」
821 :
820の続き :03/05/06 06:37 ID:+94IrAPo
・・倒れこむ光成。一瞬気を失う。やがて。ゆっくり立ち上がる。 「こ、これは・・」 光成は驚く。 今出した自分の声に。透き通った声。頭に手をやる。・・髪が生えている。手足はほっそりと長く、肌は美しい。 何より全身に弾けそうな躍動感と瑞々しい生命力を感じる。 ・・若返った? ・・ワシの姿が変わったのか? 「ほっほっほ。どうぞ、この手鏡を」 喪黒の鏡をひったくる光成。 「どうです?ご感想は・・」 ・・女? 鏡に映った光成は若い、10代の女性の顔。 ・・かなり、いやとびきりのプリティフェイスである。 自分の胸を触る光成。股間も確かめる。 ・・いや、男だ。背は160cmほどだが、胸は平らである。そして。 股間にも少し小さめの一物が生えている。 ・・それにしても。光成はタメ息をつく。自分の姿に。美しい、と。 「ほっほっほ。容姿は気に入った様ですね。・・強さも相当ですよ。空手をベースに、魔力で肉体強化してます」 光成。その言葉を聞き、シュッと廻し蹴りをしてみる。・・一流の格闘家を見続けてきた光成も驚嘆の、見事な蹴り。 ・・その容姿。その強さ。感動で涙を流す光成。喪黒が言う。 「念じれば光成の姿に戻る事も可能です」 その言葉。不安を感じながらも試してみる光成。 ・・肉体が醜く老いる。倦怠感。 イヤだ、こんな体は・・。 もう一度強く念じ、美しい体に戻る光成。 ・・ダメだ、この体を知ってしまったら・・。ワシは・・。 喪黒がゆっくり言う。 「・・アナタが大魔王様の手先になるなら、その体をプレゼントしましょう。しかし・・」 光成は焦る。もし断れば、この体を手放すのか・・。 「なる、手先でも何でもッ、大魔王様に忠誠を誓うッ!!」 喪黒は笑う。 「ならばアナタは今から・・人間界の権力者・徳川 光成にして魔界の一員・・栗見 由奈です・・」
822 :
821の続き :03/05/06 06:58 ID:+94IrAPo
光成の姿に戻り、自宅へ電話を掛ける光成。 「ほっほっほ。準備は出来てます。すぐで結構」 「ワシじゃ。地下コンテナの【レッド・デビル】を出せ。すぐに迎えが来るようじゃ・・」 既に謎のトレーラーが入り口にいる、という事を電話で聞く光成。全て計画通り、という事か・・。 それでいい。ワシは由奈の肉体を手放せん。 ・・スマン、光成・・。 喪黒は部屋を出て行く。 「では、またいずれ。ホ〜ホッホホッホ・・」 ・・光成邸。トレーラーの横にいる2人の男。一人は世界最強の氣法師、朧。もう一人は日本刀の男。 全身に包帯をグルグル巻いている。その男が言う。 「用意がいいな・・。祭りが近いって事か」 朧がその男に言う。 「あなたには感慨深いでしょう・・。かって失敗した天下取り・・」 「まあな。だがいつまでもバーンのジジイの下にいる気は無ぇ。アンタもそうだろ、勇次郎さんよ?」 包帯の男と朧。そこへ、地上最強の生物、範馬 勇次郎が現れる。 ・・睨み合う3人の強者たち。 「まあ、ここでお互い削りあっても仕方無え。失礼するぜ・・」 包帯の男に朧が問う。 「どこへ行くんです?」 包帯の男が応える。 「闘技場とやら。挨拶にな。この無限刃で・・」 ・・残された勇次郎と朧。勇次郎の殺気が膨らむ。しかし朧。 「薬、でしょう。今は止めましょう」 見抜きやがったか。今の俺は大量の麻酔薬で動きがニブっている事に・・。 朧は歩き出しながら言う。 「いずれ・・。あなたとも決着を付けねばなりません。地上を壊滅した後に。そして、大魔王とも・・」 一人残された勇次郎。大きく、楽しそうに笑う。 ・・もうすぐだ。もうすぐ始まるぜ。祭りが派手によ・・。
823 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/05/06 07:04 ID:+94IrAPo
次回でこのスレ内の無限大トーナメントは終わりです。 パート3はレスナンバー150位までトーナメントで、以後魔界編へ。お楽しみに。 あ、次回終わったらどなたかスレ立てお願いします。マンキでは立てられないみたいなんで。 迷惑掛けて申し訳ありません。メモリの余裕があれば次スレ用テンプレつくります。 余裕あるかな? ・・では。
825 :
i :03/05/06 20:10 ID:JSE2R0D9
志士雄対石川五ェ門(ルパン三世)がみたいです。
826 :
ふら〜り :03/05/06 20:31 ID:Rnw4CT71
剣キャラなら、コンプコミックスの「ストライダー飛竜」の 飛竜が、とてつもない速さと鋭さで印象的。武器もちはもちろん、 手刀でも人間をブッた斬るわ、対人追尾弾をフットワークで かわすわで、そりゃあもう……激古な上に、どマイナーですけど。 もしご存知なら、出して頂きたいところです。
ジグマールになるかと思ってたのだが、よりにもよって由奈かよw なんつーか、ツッコミ所ありすぎて笑った。 しかし、朧・志々雄・勇次郎の三人が対峙してるシーンは凄い。 正直言って、魔界編にはあんま期待してなかったんだが、ちょっと楽しみになってきた。 でも、その前にトーナメントに全力投球していただきたい。 優勝決まらないで、途中でグダグダになるという、ジャンプ展開だけはカンベン。
828 :
マロン名無しさん :03/05/06 23:41 ID:gemyRQgv
次のヘタレキャラは誰だろう。
829 :
822の続き :03/05/07 10:58 ID:poIemwez
「ウオォッッ 影慶先輩、ついに必殺の毒手を開放じゃあ」 「憎いですぜ、ワシらハラハラさせて逆転なんてッ」 男塾の驚き係の富樫と虎丸がわめく。だが桃と伊達、そして死天王の卍丸とセンクウは厳しい表情のまま。 ・・闘技場の影慶。ゆっくりと構えながら間合いを取る。カッ。目を見開き踏み込む影慶。赤カブトも迎撃の爪。 その爪をかわし、懐深く飛び込む影慶。右腕の毒手がうなる。日本刀の居合の様に。赤カブトの胸から一直線に。 ・・しかし。 (き・・斬れぬ、だと) 影慶の毒手。赤カブトの皮膚に傷ひとつ付けていない。野生の鎧。 クマの皮膚は人間のそれではない。一瞬の恐怖を覚える影慶。 ・・そして赤カブトの返しの爪が襲う。 ゴロゴロと転げる影慶。血だらけ。一撃一撃の重さ・鋭さが人間のそれとは違う。影慶の超人的なサバキでも、だ。 ・・しかしビスケ。今の一撃で確信する。目の前のクマ。おそらく、ケサガケか。 ・・もし赤カブトの一撃なら。 いくら影慶とはいえ、あれほどまともに喰らえば戦闘不能になっているはずである。どうしてだわさ、光成・・。 影慶。血まみれになりながらも闘志は衰えない。まともな一撃では通じない。 ・・ならば。 「セエエイッ!!」 闘技場の柵を蹴り、反動で飛ぶ影慶。更にグルグルと縦回転している。反動と回転力を利用し、手刀の切断力を増す。 不意を衝かれた赤カブト。ザクリ。今度は影慶の毒手が、赤カブトの肩の辺りを裂いている。動きの止まる赤カブト。 ・・やったか? しかし。次の瞬間。赤カブトは大きく咆哮し、狂った様に影慶に襲い掛かる。 ・・バカな・・?? 野生の肉体。その皮膚には多くの細菌が棲みついている。毒手とはいえ、人間対象の技である。野生の免疫性。その力。 影慶は甘く見ていた。 ・・いや、彼の想像を大きく上回っていた。 ・・すまぬ羅刹。俺には・・勝てない・・。 赤カブトの爪。ナマス斬りになっていく影慶の肉体。獲物狩りに興奮したのか、赤カブトは猛々しく吼える。その瞬間。 影慶の脳裏に浮かぶ。 ・・あるぞ、たった一つ。このバケモノを倒す術が・・。
830 :
829の続き :03/05/07 11:31 ID:poIemwez
チャンスは一撃。その一撃を外せば最早、勝ち目は無い。影慶の集中力が鋭敏になっていく。 ガードはガチガチに固めている。この爪のラッシュ。これを耐え切らねば。爪では俺を仕留められぬ。 そうこのクマが判断した時が唯一のチャンス・・。 ・・闘技場の砂が影慶の血で染まっていく。 シン、とする闘技場。虐殺。公開処刑。そんな言葉が浮かぶ観客。 ・・だが。ギラギラとした影慶の目。 何かをこの男は起こす・・。そんな根拠の無い確信が観客にはある。その時。大きくアギトを広げる赤カブト。 爪では無理か。ならばこの牙はどうだ・・。そう言っているかの様に吼え、噛みかかる赤カブト。 ・・カッ。 影慶の目が見開く。 「待っていたぞ、この瞬間をッ!!」 右腕がうなる。毒手の手刀。まっすぐ。 赤カブトの口へ向かう。赤カブトの牙に切り裂かれる腕。しかし影慶。構わず毒手を口内へ突っ込む。ノドまで。 「確かに肉体自体は完璧だろう・・しかし、体の中はどうかな・・?」 赤カブト。・・次第に動きが止まる。 目から生気が失せていく。 ・・ゆっくりと後方へ倒れる巨山。ドサリ。そのまま動かない。 ・・審判が叫ぶ。 「勝負ありッッ!!」 ・・大爆発の場内。影慶、鮮烈なるデビュー。しかし興奮の観客の中、ビスケだけが。 冷静に動かなくなった赤カブトを検分している。 ・・やはり、偽者。どうなっている? ただの間違いか・・? 特別席の光成の方を見るビスケ。 ・・誰だ、あれは!?・・見知らぬ若い女がいる。しかしすぐ後。その姿。 徳川 光成に変わる。見間違いか・・? いや違う。さっきは確かに・・。ビスケの胸を過ぎるイヤな予感。 (何かが・・とてつもない何かが動き出そうとしているわさ・・いや既に・・始まってしまっているのか・・?) ・・その時。光成がレッド・デビルと呼ぶ本物の赤カブト。魔界の神・大魔王バーンに献上されようとしていた。 次スレ【俺達で「バキ死刑囚編」をつくろうぜ 3】のトーナメント準決勝と決勝・・。そして「魔界編」へと続く。
831 :
次スレテンプレ参考 :03/05/07 11:55 ID:poIemwez
832 :
__ :03/05/07 12:02 ID:???
833 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/05/07 12:07 ID:poIemwez
テンプレイマイチ。うーん。まあ、少し余裕を持って移動というのが一番いいかな、と。
すみませんどなたか立てて頂けると幸いっす。マンキでは立てられなくて・・。
立ててくれた後、ここに誘導レス張ってくれると嬉しいっす。色々わがまますみません。
>>824 様 ご親切にありがとうございます。
>>825 様 ゴエモンかあ。うーん。考えます。
>>827 様 期待してなかったけど面白かった、が一番です。でも由奈はラストに絡む重要キャラ。
ふら〜り様>> いつもありがとうございます。でもごめんなさい、これ知らない・・。
>>828 様 ヘタレなど、この駄文に存在しません。
柳だって ヤムチャだって アメンボだってみんなみんな生きているのです。友達なんです。
ではパート3でお会いできることを祈りつつ・・。パート2を読んで頂きありがとうございました。
834 :
パート3の1 :03/05/07 15:14 ID:fMC1Zvos
新スレつくりました。これからも期待してます。 でも初めて立てるスレなので、誘導レスの貼り付けが分かりません。 どなたかに貼っていただければと思います。
テンプレについてひとつだけ。 先が読めないのが、パオ氏の作品の醍醐味なのに、現在勝ち残ってるヤツを書いてしまってもいいのかなあ。 1や2の頃から読んでる者はいいけど、中には3を見て初めて存在を知る新規読者だっているんだし。 まあ、もう立っちゃったので、今更言っても仕方ないけどね。
保守
うっわ。一週間放置か。
↑ 釣り?
hoshu
843 :
マロン名無しさん :03/05/26 01:15 ID:ReqHSCXd
慶次の助っ人で助右衛門でないかな〜 影武者の島左近や甲斐の六郎とか
844 :
山崎渉 :03/05/28 10:10 ID:???
∧_∧ ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。 =〔~∪ ̄ ̄〕 = ◎――◎ 山崎渉
保守アゲ
hoshu
847 :
マロン名無しさん :03/06/06 12:44 ID:RXGmWW0P
新スレ保守
保守
hushu
保全さげ
hoshu
こんな糞スレ始めてみた。 200まで呼んだけど寒すぎ。
>>114 同意
話は変わるけど、携帯ゲーム機"プレイステーションポータブル(PSP)
このPSPは、新規格UMD(ユニバーサルメディアディスク)というディスクを利用しており、そのサイズは直径6cmととても小さい(CDの半分程度)。 容量は1.8GBとなっている。
画面は4.5インチのTFT液晶で、480px x 272px(16:9)。MPEG4の再生やポリゴンも表示可能。外部端子として、USB2.0とメモリースティックコネクタが用意されているという。
この際、スク・エニもGBAからPSPに乗り換えたらどうでしょう。スク・エニの場合、PSPの方が実力を出しやすいような気がするんですが。
任天堂が携帯ゲーム機で圧倒的なシェアをもってるなら、スク・エニがそれを崩してみるのもおもしろいですし。かつて、PS人気の引き金となったFF7のように。
いきなりへんな事書いてすまそ……
GBAと比較してみてどうですかね?(シェアの事は抜きで)
hoshu
保守
__∧_∧_ |( ^^ )| <寝るぽ(^^) |\⌒⌒⌒\ \ |⌒⌒⌒~| 山崎渉 ~ ̄ ̄ ̄ ̄
保守
859 :
マロン名無しさん :03/07/20 11:17 ID:f0JBJDyF
保守
保守
ほしゅ
(^^)