大昔の料理レシピを書きまくるスレ

このエントリーをはてなブックマークに追加
1作ってくれる人募集
80年前の料理レシピ本を発掘したため、そのレシピを徒然なるままに
書きこんでいきたいと思います。
私もこういう昔の料理を知っていると言う方がいらっしゃいましたら
是非書きこんでみてください。
2ぱくぱく名無しさん:03/06/23 17:46
2ゲト
3ぱくぱく名無しさん:03/06/23 17:50
>>1
面白そう。期待。
4ぱくぱく名無しさん:03/06/23 18:05
森へ行って拾ってきたどんぐりをあたためた灰汁でアク抜き。
浜辺へ行って海草を拾ってくるのと、潮溜まりにいる小魚をゲット。
土こねて日干しにした鍋に海水を入れ、石ころで作ったかまどにセット。
木を擦り合わせて火をおこし、干草と小枝を燃やして湯を沸かす。
小魚と海草を茹でて食う。
(ドングリはまだアクが抜けきらないので今日は食べられません)
5作ってくれる人募集:03/06/23 18:07
一番最初は某教授にささげる「牛肉のコロッケー」

牛肉の細切六十匁、馬鈴薯大三個、玉葱、人参、メリケン粉カップ一杯
パン粉合量(?)、塩と胡椒,牛乳一合、卵、ヘツト(?)などを備えます。
 先づ此の料理を致します順序としては、馬鈴薯を茹でる事が先であります。
ジャガ芋を茹でましたなら皮を剥き、擂り鉢でよく潰しておきます。
牛肉は何時ものやうに細かく叩きます、ひき肉ならば其の侭でよろしい。
それで、今度はフライ鍋にヘツト極少量(?)を煮溶し、玉葱のミジン切り
したのと、人参のミジン切りしたのとを入れて油焼きしまして塩と胡椒で
味をつけ、そこへ牛肉を入れて尚よく炒ります。
今度は馬鈴薯を潰したのを加へ、牛乳を静かに加へながら、杓子で練り合わせ
ます、ネトネトになりましたならば、鍋からあけて冷まします。
冷ましたならば、これを適宜の大きさに小判型、もしくは俵型に拵へます。
それに、メリケン粉をまぶしつけ、卵のとき水をつけ、パン粉をよく押さへつけ
ます。
 フライ鍋に八分目ほどヘツト(油?ラード?)を煮立て、よく油の立った時、
準じに入れてフライ致します。
出来たものは皿に盛り、キャベツの線切りしたものと夏みかんの六つ切り一切
くらいにパセリなど配らひ、ウスターソースを添へて食膳に供します。
之がコロッケでは一番手軽で美味しい拵へ方であります。(本当なのか・・?)
コロッケは今の作り方とそんなに変わってないみたいですね。
6作ってくれる人募集:03/06/23 18:12
料理本には和風・洋風・支那風と何百種類と載っておりますので、
リクエスト等あればお気軽に。
7作ってくれる人募集:03/06/23 18:40
バナナケーキ

材料 バナナ十本、メリケン粉カップ五杯、砂糖、塩、鶏卵二個、パン粉、油

拵方 先づバナナの皮を剥きまして、擂り鉢で潰します。
   それにメリケン粉を加へ、砂糖と塩で味をつけ、固目に捏ね合わせます
   捏ねた物は、再びバナナの形に細長く拵へまして鶏卵の溶かしたものを
   上に塗り、パン粉をよくまぶしつけます。
   ストーヴが備えてありますと、天火で焼くのでありますが、ここでは
   フライパンに油少量を煮立て、其中で油焼きと致します。其の侭小深い
   皿に盛り、牛乳などを温めて供します。
8ぱくぱく名無しさん:03/06/23 18:52
ウチに戦時中の婦人倶楽部や主婦の友があるので
あとでレシピを探してみまつ。
9ぱくぱく名無しさん:03/06/23 19:14
>>5-7
異様に量が多いような。
何人前なんだろう?
10ぱくぱく名無しさん:03/06/23 20:40
>>9
昔は大家族だったからなのだろうか?
11ぱくぱく名無しさん:03/06/23 20:50
単位がわからねー
12ぱくぱく名無しさん:03/06/23 22:36
うわ〜超萌え〜。うちにも亡き母が嫁入り道具にしたと思われる分厚いレシピ本が
あったよ〜。私が落書きしたり破いたりしてグチャグチャだったけど。
中学までは確かにあって、そこからドーナツとかホットビスケットとか作った〜。
なんか、和洋中なんでも載ってたような。
古本屋とか行ったときに捜すんだけど、ないんだよね。
ドライカレーがそこからのレシピであっただろうと思うんだけどおいしかったなー。
今で言うキーマカレーみたいなので、レーズン混ぜたご飯にカレーを少しだけ
のせて食べるの。子供には辛かったけどおいしかった!
カレーはカレー汁と書いてあったような気が。(うろおぼえ)
>1さん かなり期待してます!
13ぱくぱく名無しさん:03/06/23 22:44
そういえば魚柄仁之助が
大正時代の野菜料理の本を復刻したレシピ本出してた。
買ったんだけど、ちょっと読んでどっかにしまいこんでしまった・・・

豆腐百珍なんかも古いけど役に立つレシピあるよね。
14ぱくぱく名無しさん:03/06/23 22:45
1さんへ
シンプルなクッキーやケーキのレシピ希望
ママンが昔作ってくれた懐かしい味再現したいっす!
15高句麗 ◆OIZKOUKURI :03/06/23 22:53
  / ,,r'~ ̄`ヽ、ヽ____/  ,,r'~ ̄`ヽ、 \       
 /          .ヽ     /           ヽ    /     __|_       /       / l l      |ヽ
 |           ヽ   /             |   /        |  ヽ\``  /      /         | )
 ヽ           ヽ  /             ./  /へ       |   |    /へ     \     ヽ   _| 
  \           ヽ/            /  /  \_ノ   ノ   V    /   \_ノ   \    つ r'ノ
16作ってくれる人募集:03/06/24 01:01
>>12
今度カレーカキコしますね。
>>14
ケーキと言っても生クリームを使ったものとかは皆無で、薩摩芋のウエーハー
とか馬鈴薯のフライケーキしかないっす・・・なぜか芋類を利用したものが多いです。
大正昭和時代はそれが普通だったのかもしれません。

美味しそうなレシピも沢山あるんですが、慈姑(くわい)のホワイトソース和えとか
トマトのジャム、鮒のエックドボールとか微妙なレシピも沢山あります・・・・
17ぱくぱく名無しさん:03/06/24 22:47
うちに昭和45年の給食レシピ本があるよ。
『魚のポッシェソースタルタル』とか、今はなんかダサいけど
当時はおしゃれだったんだろうなというメニューがある。
18ぱくぱく名無しさん:03/06/24 22:52
うちのおばあちゃんが「だんご」と言ってよく作ってくれるレシピ
がありますが、
小麦粉、片栗粉、砂糖を牛乳で混ぜてちょうどよい感じになったら
それをフライパンでやきます。
そのまんまでもいいし、バターや砂糖などお好みで食べます。
味も見た目もホットケーキにような、ちょっともちもちしてるような、固いような。
でも素朴で私は気に入っています。
19ぱくぱく名無しさん:03/06/24 23:08
>>8
粗食で経済的で健康によさそう、レシピプリーズ
20ぱくぱく名無しさん:03/06/24 23:09
>>4 なんかかわいい 縄文時代のレシピ
21ぱくぱく名無しさん:03/06/25 00:36
ヘットは牛の脂だよん。しかしタイピングがたいへんそ。

縄文弥生式レシピ他にもプリーズ。
22ぱくぱく名無しさん:03/06/25 00:54
私もカレーレシピ激しく希望です。
それからハヤシ(ハイシ?)ライスなんかもあれば…ゴクリ
23ぱくぱく名無しさん:03/06/25 01:09
良スレのヨカンヌ
24ぱくぱく名無しさん:03/06/25 14:26
上野の下町風俗資料館に展示されていた
明治初期頃のカレーのルゥのパッケージ記載のレシピには
「カエルの肉」が使われてたと思う。。。
25ぱくぱく名無しさん:03/06/25 17:35
豚の脂がラードで牛の脂がヘッドだよね?
26ぱくぱく名無しさん:03/06/25 17:38
と思ったら>21で既出ですた スマソ

自分昭和44年刊の料理本持ってます。
「ウニは量り売りの安いウニで結構です」とか。ねえよそんなの。
仕上がり量も「5〜6人前」が基本です。
27ぱくぱく名無しさん:03/06/25 18:26
ヤパリ昔は大家族が基本だったんデツね。
でも海辺でもないのにウニの量り売りなんてあったんだろうか?
死んだじーさま(新潟)は昔はトキをくってたとか言ってたけど
すでに惚けてたし……
ないようで今より食材豊富だったのかもねー。
28ぱくぱく名無しさん:03/06/25 19:24
昭和40年代の料理本があったはず。
確か「鯨肉の一口カツ」や各種おにぎりお茶漬けのレシピもあった。
見つけたらうぷします(今でもときどき読むんだけどね)

また別の本では確か「炒飯を上手に作るには?」という質問があって
いわゆる卵かけご飯を炒めるという手段が載っていました。
これは40年代初期のだったから、写真すら古かった。
29ぱくぱく名無しさん:03/06/25 19:34
NHK今日の料理の別冊で
「今日の料理が伝えてきた昭和のおかず」
という本を買ったんだけど
当時肉より安かった小えび使った煮物などが紹介されていて
なかなか興味深い。
30ぱくぱく名無しさん:03/06/25 19:54
26です。
>28の書き込み見て確認したら
鯨料理が5つも載ってる。

「えのき茸のたらこあえ」
えのき茸は近頃出回って来たものですが
おつゆのみにもよく、こういうあえものにも
なかなかおいしいものです。

だってさ。えのき茸なんて昔からあるのかと思ってたよ。
31ぱくぱく名無しさん:03/06/25 20:24
「えのき茸のたらこあえ」おいしそう!
肴にいいかも。。。。やってみよーっと。
32ぱくぱく名無しさん:03/06/25 21:51
>>16 鮒のエックドボールの作り方を教えてください
33ぱくぱく名無しさん:03/06/25 21:58
大正時代の本、まずは料理名が知りたいです。
34作ってくれる人募集:03/06/26 18:00
南瓜のカレー

材料 南瓜、メリケン粉カップ一杯、玉葱、人参、馬鈴薯、胡椒、塩、油を備へます。
拵方 此のカレーは御飯の温かいのにかけて食べますとライスカレーになりますし、
只此の侭の料理としても食べられます。
殊に、カレー粉の強ひ香と辛味を厭うひとなどには非常に喜ばれ、婦人子供にも
自由に食べられるのが斬新の料理法であります。
先づ南瓜は適宜の大きさに切り、馬鈴薯は生のまま薄く皮を剥いて、人参は
よく洗ひ一寸位に輪切りにして、一度にこれ等の材料を茹でて仕舞ふのであります。
南瓜が柔らかに茹りましたならば、馬鈴薯や人参は多少硬くても構ひません湯から
別々に揚げて仕舞ひます。
それから、南瓜だけ裏漉しにかけて置きます人参と馬鈴薯は、短冊、薄切りにして
玉葱のザク切りにしたのと一緒に置きます、之は後でカレーの寛に煮込むのであり
ます。
右の用意が整ひましたなら、フライパンにヘツトを茶のみ椀一杯ほど煮溶かして、
メリケン粉を加へ、手早く掻き回して狐色に焦がします。
其の時、胡椒大匙山盛り一杯位を入れて尚もかき合わせ、南瓜の裏漉ししたのをも
入れ、杓子かなどにて、フライパンの中で充分練り合せて仕舞ひます。
別鍋に五合程の水を沸騰させ、練り合わせた材料を入れて、塩少々を加へ味付け
します、よく練り合わせた材料が溶けましたなら、前に整へ置きました人参、馬鈴薯
葱共に入れて暫く煮こみ、其の侭御飯にかけて供すか、子丼の如き器に盛りつけて
供すのであります。此の場合、中身に鶏肉でも、豚肉でも細か切りにして一緒に
煮込んでも尚結構であります、斯うした拵ヘ方で、南瓜カレーを作り、中身などは
自由に按配して、嗜好に適するよう致します。(なげええええ!)
まぁカレーが高級食材だったころの代用カレーですね。ちなみに本書のカレー粉の解説は
「カレー粉は、最上品はCB会社製品で、一封度缶詰物で壱円六十銭内外、是も
 偽物多く、缶の蓋が自由に開閉するものは買わぬがよく、一般家庭では共同して
 購入し、分配するが徳用と思ひます」だそうです。
35作ってくれる人募集:03/06/26 18:14
原文のまま書いてるんですが、もし読みにくければアレンジして書きこみます。
次回は鮒のエツクドボウルとサンドイッチなどを書いてみようかと思います。
36ぱくぱく名無しさん:03/06/26 20:57
転載おちかれさまです。原文ママが、味わい深く好きですYO。
37ぱくぱく名無しさん:03/06/26 21:15


6世紀大和朝廷の頃に大陸から入ってきたと言われる日本の古来の「チーズ」

・作り方
牛乳を焦がさないようにひたすら煮詰める 焦がさないように徹底的に煮詰める
具体的には30gの牛乳を7時間煮詰めて4gの蘇が出来る
最初は真っ白だった牛乳も数時間加熱したらだんだん薄く茶色に色づき、煮詰まった頃には
濃いキャラメル色になりねばねばとしている
そのねばねばした状態のものを24×14くらいの木箱に流し込み
冷蔵庫で冷やし固める。固まったところを8等分して出来上がり。

大昔っていうか太古の料理だな
38ぱくぱく名無しさん:03/06/26 21:30
1さん、本の題名と著者教えてください。
39作ってくれる人募集:03/06/26 21:49
>>38
小林 完著
宮内省大膳寮厨司長
秋山 徳蔵 校閲

手軽で美味しい季節和洋支料理三百種

料理レシピのほかに調味料の解説、西洋風の食事に招待されたときの心構えとか
なかなか興味深いです。
40ぱくぱく名無しさん:03/06/26 23:12
おお!
秋山さんかあ。そりゃすごいはず。
うーんその本オクに出したらさぞかし(ry
41ぱくぱく名無しさん:03/06/27 03:45
名スレ
42ぱくぱく名無しさん:03/06/27 04:13
>>39-40
>秋山 徳蔵
昔テレビでドラマをやってた、「天皇の料理番」の人?
43ぱくぱく名無しさん:03/06/27 04:50
俺も何年か前に、けっこーおもしろい本を古本屋で発掘したぞ。

支那料理の拵へ方
主婦之友社 昭和四年

中華の基礎知識、食材、道具、切り方、湯(スープ)などを説明した後、
レシピが並ぶという、今の料理本と大差ないスタイル。図解もたまにあり。
ためしにひとつ
--
▲包子(支那のお饅頭)
材料=メリケン粉五十匁、いすばた二三匁、豚の挽肉、塩、胡椒、砂糖、牛乳等。
料理方=これは、日本の饅頭の皮に、焼売の中身と同じ豚の挽肉を入れて蒸し
あげた、支那のお饅頭であります。支那では、饅頭の皮に麺肥(膨らし粉)を
入れたり、ホップから取った、包種といふ醗酵素を入れますが、これは日頃
から培養せねばなりませんから、家庭用には、一寸不向きであります。それに
西洋のベーキング・パウダーは、水で湿しますと、その効果が少なくなります
から、日本のお饅頭に使ふ、いすばたを代用することにいたしました。まづ
メリケン粉をよく篩ひ、塩を小匙二杯といずばた二三匁を混ぜ込み、牛乳二勺
をすこしづ々滴らして、粉を固く練ります。次に焼売の中身と同じ肉餡を作り、
(九九頁参照)これをほどよく丸めて、肉団子を拵へ、前の皮をちぎつて薄く
伸ばし、綺麗に肉団子を包み込み、濡布巾の上にすべてを並べて蒸龍に入れ、
十分に蒸し上げます。
なほこの中身の材料には、日本の餡を使っても結構ですが、この場合には、
皮に砂糖を入れます。そしてこれは、『豆沙包』といはれます。その他皮に
焼き型をつけるとか、食用染料で模様を描くとかいふやうに、いろ<御工夫
して頂きますと、たいへん結構なお饅頭ができます、
--
変換できない旧漢字や記号以外は、なるべく忠実に写した。すごいのは、
すべての漢字に(当然旧かなづかいで)ルビがふってあることだ。識字率
とか考えてのことだろうなあ…。
44ぱくぱく名無しさん:03/06/27 10:55
教養がないので、単位がわからない〜!古臭い言いまわしも
読んでて疲れて頭に入らない〜!!
もしよろしければ、原文のレシピに加え、単位と言いまわしが難しい
ところは解説してほすぃ…DQNぽくてゴメン…
45ぱくぱく名無しさん:03/06/27 15:01
鮒のエツクドボール

材料 鮒、メリケン粉カップ五杯、鶏卵三個、酒と醤油、砂糖、油、生姜を備へます。
拵方 先づ鮒は鱗を取り、腸を抜いて、塩水で洗ひ、甘露煮の時と同じに酒ばかりで
暫く煮まして、骨が柔らかになりましたなら、鮒だけ取り出して、擂り鉢に移し、
細かくすりつぶします。
其処へ鶏卵の黄身だけを三個分加へ、メリケン粉を入れて、生姜の絞り汁杯
半分ほどと共に捏ね合わせます。
こね合わせたものは饅頭のやうな格好に適宜に拵らへます。
鍋に醤油と砂糖、鮒を煮こんだ酒の残りなどを、加減した汁を煮立て、其の中
で作った饅頭を暫く煮こみます。
よく煮ましたなら火から下ろして、今度はフライパンに油を敷いて、よく立つた
時、煮こんだ鮒饅頭を入れて、上から白身の残したのを被せ、卵が固まりまし
たなら、皿に盛り移して、其のまま食膳に供します。

普通の魚なら美味そうですが、何故に鮒・・・・・
46ぱくぱく名無しさん:03/06/27 15:22
>>44
確かに・・・w
言い回しでよくわからんところをコピペしてくれたら解説するよ。
全部とか言うな。ちなみに1匁(もんめ)=1/1000貫だよ。
って余計わからんか。おおよそ3.75gだ。3匁弱で10gと考えるといいかな。

徳島や奈良、滋賀などの用水の発達した地方では、鮒はもっともポピュラーな魚介だったそうです。
このレシピが書かれた頃は、まだそういった地場の雰囲気が色濃く残っていたのではないでしょうか。
全国的な鮮魚流通網もまだ発達してなさそうだし。
47ぱくぱく名無しさん:03/06/27 16:01
>>44
すみません。原文の雰囲気を味わってもらいたくて。訳します。
一匁=3.75g 一勺=18ml です。なので

材料:
小麦粉約190g、いすばた約10g、豚の挽肉、塩、胡椒、砂糖、牛乳

いすばたというのは分かりませんでした。逆に今はドライイーストが
使えるので、代用することもないとは思います。

小麦粉をふるって、塩小匙2、ドライイースト(多分小匙1程度と
お湯適量)、牛乳180mlを少しずつ入れながら練り上げる。

肉餡は省略しちゃったけど、白菜5〜6枚の白いところををみじんに
して、熱湯につけてよくしぼる。豚挽肉750gと混ぜて塩小2、胡椒、
砂糖小3、醤油大2〜3、胡椒、片栗粉2つかみ、酒などを加えて混
ぜる。さらに「味の素」を少々(というのに時代を感じる)。

この時間が寝かしになるんだろうな。あとは皮につつんで濡れ布巾に
のせてセイロでよく蒸せ、とのこと。当時の「肉まん」なんて知らん
という奥様方のため、かなり丁寧に説明してあるな。
48ぱくぱく名無しさん:03/06/27 20:08
「お代わり飯蔵」に、明治の頃の洋食屋のサンドイッチを
復活させる話があったな。味の決め手はパンで、当時の
みっちりと固いパンを、わずか数ミリの薄さに切って使わないと
当時の味にならない。
そんなパンは現代では手に入らないから、万力(wで食パンを
一晩くらいはさんで潰すというネタだった。
49作ってくれる人募集:03/06/27 20:45
サンドウイツチの作り方

材料 食パン半斤、豚の塩蒸し肉、辛子、人参の葉、胡麻、砂糖、塩などを備えます
拵方 サンドウイツチの拵へ方は色々ありますが先づ普通の家庭で直ぐに出来ますも
のは、卑近の材料を自由に使用し得る方法でなければなりません。
各方面の停車場などで販売致しておりますサンドウイツチは一体原価何程位で
出来ると思います。
高く見積もって十五銭で出来る事請け合ひです、それが我々の口に入るときは五拾銭
となるのでありますから考へて下さい。
一、食パン半斤 八銭也、二人前取れます
一、豚肉細切れ 六銭也、二人前取れます
一、辛子、砂糖 三銭也、二人前取れます
一、塩と胡麻で 三銭也、二人前取れます
一、その他火や油代五銭也
合計金弐拾五銭であります、是で立派なサンドウイツチが二人前出来ます。
先づ豚肉は、細かく叩きまして塩を振り、缶にでも入れて蒸して仕舞ひます。
人参の葉は微塵に刻んで、洗つた胡麻一掴みと共に炒つて、摺鉢に入れて摺り
潰し塩と砂糖で味をつけます。
辛子は灰汁抜き辛子を酢で溶かし、塩を少々混ぜて置きます。
パンは縦に薄く六枚に切り剥がしまして、其の一枚に塩蒸し肉を載せ、1枚の片面
に辛子を塗った方を肉と合わせ、片面には、人参の葉を潰したのを塗りつけ、后
の一枚には片面に薄く辛子を塗つて、人参葉と合せまして、三切を合せたならば、
一度板を載せて、ギユツト押さへつけ、小口の硬いところを切り離してから
縦横六つ位に包丁を入れて、それで折箱にでも詰めるか、パラピン紙にでも包み
まして、お弁当などに致します。
夏季などは間に挟む材料を注意して、腐敗しやすき物は用ひてはなりません。
缶詰の塩漬肉、コーンビーフなどは適当な材料と思ひます。
50作ってくれる人募集:03/06/27 21:03
やけに気合の入った節約精神ですが、このころの時代背景を調べてみました。
この本が発行された当時、金融恐慌が起こったあとで不況のどん底だったみたい
です。本の中でも調味料の価格比較とか、自家製缶詰の作り方とか経済性を追求
した読み物が多く書かれています。まぁ昔も今も主婦は大変だったみたいですね。
51ぱくぱく名無しさん:03/06/27 22:47
これは素晴らしいスレだ!
中華の方ももっときぼん。
52ぱくぱく名無しさん:03/06/27 22:54
>47 いすばた=イスパタ(イーストパウダー)であろうと思います。
今でもまんじゅうとかの膨張剤に使われます。

レシピもだけど紹介文がおもしろいね。
53ぱくぱく名無しさん:03/06/27 22:58
>各方面の停車場などで販売致しておりますサンドウイツチは一体原価何程位で
>出来ると思います。

この一節がステキだ
548:03/06/27 23:31
昭和17年3月1日発行の婦人倶楽部より。
旧仮名遣いのメンドイ部分は直します。

*蝦豆腐
豆腐には血や肉をつくる蛋白質が沢山含まれていますから、魚の乏しい
農山村では魚や肉の代用に頂きましょう。
材料(五人前)
 さくら蝦25g(中匙五杯)、豆腐500g(二丁)、玉子100g(二個、代用として
 片栗粉か葛粉)、大根おろし250g(大匙山盛四、五杯)、葱半本、
 油25g(中匙二杯)。
栄養価(一人分)
 蛋白質12g、脂肪11g、含水炭素4g。カロリー165。
拵え方
 1、豆腐は軽く絞って擂鉢で擂り潰します。これへ蝦と葱を微塵切りにして
   加え、塩茶匙軽く二杯と砂糖大匙一杯で味をつけ、玉子(玉子のない
   場合は片栗粉を茶匙五杯の水で溶いて)を割り込み、よく混ぜ合わせ
   ます。
2、玉子焼き器(またはフライ鍋)を熱して油をひき、これへ前の材料を
   一人分づつ流し込み、弱火で気永に両面を焼きます。これを器にとり
大根おろしを添えて供します。
備考
  大根おろしにはビタミンCの他に、澱粉を消化するヂアスターゼを
  含んでいますから、汁を捨てないようにして下さい。
  
ホントは数字は全部漢字でしたし、グラムも瓦だったのですが読みにくく
なるので変えました。気永はママです。
この頃はまだ食材が手に入ったようですが昭和20年のレシピには
人参、大根の葉の調理法(指導・川島大佐)や燃料を節約しましょう、との
呼びかけなど、大変さが偲ばれる記事になっています。
昭和17年のこの他のレシピには
・鮭入り雑炊 ・炒飯 ・牡蛎御飯 ・目刺しのおろし和え 
・蜆の卯の花汁 ・鮫の酢みそ和え
などがありました。
558:03/06/27 23:36
すごい、と思ったのは「ハンバーグもどき」の材料に
松茸をみじん切り・・・・とあった事。
蓮根・松茸・枝豆を使うそうです。
56支那料理の拵へ方:03/06/27 23:53
各料理のレシピに入る前のところから、おもしろいところを適当に抜粋。
--
スープの取り方=日本料理の煮出汁と同じく、支那料理にも、味の調和に
必ずスープを用ひます。
スープを取るには、鶏かまたは豚の骨を、水から約二時間くらゐ煮出す
のですが、ごく上等にするには、まづ水一升につき、鶏の骨一羽分と、
豚の赤身のところを百匁入れ、はじめは強火で、後は弱火にして、二時間
ほど煮出します。すると、不純物はみな鍋底に沈み、澄んだ、綺麗なスープ
が取れます。なほこの場合に、表面に浮き上る脂肪は、これを半紙で鍋の
片端へ寄せて、掬ひ取らねばなりません。
しかしお惣菜等の場合に、一々かうしたスープを取ることは、なか<困難
でありますから、その場合には、味の素を湯で溶き、その代用とすればよい
のであります。支那でも、近頃は、この味の素を使ふことが盛んになり、
多量のものが輸出されてると聞いてをります。但し、本式の吸物料理等には、
是非ともこのスープを用いねばなりません。
--
上湯とるのにネギとかショウガとか入れんのか?というツッコミどころは
あるが、この時代には既に化調論争が始まっていたというのはおもしろい。
百匁は約400g弱。
57支那料理の拵へ方:03/06/27 23:58
>>52 納得した。俺の解釈もさほど間違ってなかった。あんがと。
58ぱくぱく名無しさん:03/06/28 01:23
戦前の中国料理、とっても興味あるんだけどすごくおもしろーい。>>56
清湯ですね。
59ぱくぱく名無しさん:03/06/28 03:38
>>56
おもしろいねえー!

それにしても
>味の素を湯で溶き
って、ヲイ(´Д⊂ヽ
60支那料理の拵へ方:03/06/28 15:21
はじめ読んだとき、けっこー凝ってるなと思ったんですが、考えてみれば
今みたいにレトルトのあわせ調味料、フリーズドライのスープ、なんとか
の素とかなかったんですから、自分で作るしかないんだと納得しました。
ボチボチうつしていきます。
61レシピでなく申し訳ありません:03/06/30 07:18
読み物を一つ

●家庭料理と仕出し屋料理(前編)
 「家庭料理の完全に出来得ない、婦人は一家の主婦たる価値無し」これは独逸の嫁取り
条件の第一条であります。
アメリカ等においては、完全な教養をなす為に、家庭の子女に、態々料理の実際を習得
せしむる為コックを、家庭教師として雇い入れ、一週間ごとの献立を自ら調理場に立つ
て、拵らへ得るやう、家庭の実際に適当な修養を致させるのであります。
吾々が、海外時報など見ますと、ヤンキー娘は如何にもお転婆で、跳つ返りで、家事
なではさらに顧みないかのごとく思われますが、決してさふではないのであります。
日本のモダンガール(近代娘)などと全然教養の程度が相違致して居るのであります。
総ての点に就いて、「名より実を尊む」、こふした目的に向かつて教養されて居る点は、
遥かに現代の我国蓮ッ葉娘とは選を異に致して居るのであります。故に一般家庭におい
ても、女子の教育は学校教育のみに任せて置かず、各自の家庭に置いて実際に役立つ
教育を施し、理論と実際とあいまつて完全な人間を養成することに努力致して居るので
あります。(後半に続く)

主張はかなりアレですが、ヤンキー娘、近代娘、蓮っ葉娘にセンサーが反応しました。
62ぱくぱく名無しさん:03/06/30 07:27
罠を仕掛ける

イノシシがおちる

焼く

(゚д゚)ウマー
63ぱくぱく名無しさん:03/06/30 07:53
>>62 うちの実家は私が「カレーが食いたい!」と言うと
おもむろにじっちゃまが鉄砲の弾を作り始める
んで、三日後にイノシシかキジのカレーが食えるってわけ

スレ違いスマソ
64ぱくぱく名無しさん:03/07/02 03:18
鉄砲の弾って自分で造るの!?
先込め式のライフル?弾は丸いですか?
65ぱくぱく名無しさん:03/07/02 13:21
ふと思ったんだけど、現代の日本のレシピってほとんどが箇条書きだよね。
昔のは散文体が多いみたいだし、欧米ので箇条書きになって数字が
ついてるの、見たことないな。
66ぱくぱく名無しさん:03/07/02 19:27
読解力の低下であると思ふ
67ぱくぱく名無しさん:03/07/02 19:34
写真とセットで解説するから、箇条書きのほうが書きやすいんじゃない?
68ぱくぱく名無しさん:03/07/02 20:01
昔のレシピで調味料の分量が厳密に書かれてないことに主婦の誇りを感じる
69ぱくぱく名無しさん:03/07/02 20:27
おもしろカレーライス物語に載っている昔のカレーのレシピ

●「西洋料理指南」に載っているカレー
ねぎとしょうがとニンニクのみじん切りをバターで炒め、水を加え、
えびや蛙などを入れて煮る。カレー粉を加えたら、一時間さらに
煮て、塩で味を調え、水溶き小麦粉でとろみをつける。

●「西洋料理通」に載っているカレー
仔牛または鳥の肉と、刻んだねぎとリンゴ、それにカレー粉、小
麦粉を水かスープに入れて煮込み、柚を絞り込む。

なんか不味そうなんだが……
70ぱくぱく名無しさん:03/07/02 23:47
ホームページ作ってください。
71ぱくぱく名無しさん:03/07/03 01:26
>>70
なぜ?

いまのところ、読んで面白がってます。文章自体が味があっていいね。
結構手が込んだレシピ多いね。
これは!と言うのがあれば作ろうと思うけど、大変そう。
72ぱくぱく名無しさん:03/07/08 12:26
石井好子さんの
「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」
を今読んでいるのですが、大昔ではないのですが、
なかなか面白いですね。このスレの住人ならご存知の方多そう。
パリに軍人の姿がまだあった頃で、体重が増える記述に
二貫目も太ったなどとあるので書かれたのは昭和初期頃なのでしょうか?

ワインを「ブドー酒」と呼んだり、
今でこそ知らない人はいないけど当時は珍しかった
ポトフ・チーズフォンデュからちゃんこ等の作り方などが
エッセイ風にまとめてあります。
ブイヤベースを作るにあたってサフランが手に入りにくいが
薬局でめしべおしべの状態で売っているという記述にも
驚かされるし、
当時やはり知る人の殆どいなかった「しゃぶしゃぶ」を説明したり
今何気なく、昔からの和食だと思っていたものが
以外と歴史が短かったんだ、などと、驚きつつ新鮮な気持ちで読めます。

そうそう、おにぎりに梅干をいれる際、種をとって砂糖をちょっと
まぶしておくと味がよくなるそうです。

レシピを書きまくるスレですが、今更ブイヤベースや
しゃぶしゃぶのレシピを書いても仕方がないかなと思い、とりあえず
この辺で。
73ぱくぱく名無しさん:03/07/09 03:23
>>72
いくら何でも戦前ってことはないよ。著者もまだ生きてるし。
っても戦後ちょっと経ったぐらいだろうけど。

葡萄酒は結構20年ぐらい前まで時々そう呼んでたような気がする。
74山崎 渉:03/07/12 16:35

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
75山崎 渉:03/07/15 12:32

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
76作ってくれる人募集:03/07/16 04:18
久々に書きこみます。
「西洋料理の食べ方に就いて」
料理が国際化して参りました以上、我々は各国料理の食卓に対する大体の順序を
知っておく必要があると思ひます。
それは、何時どのような機会に突然どんな食卓に招かれるか判りません、その場合
僅かなことで恥ずかしい思ひをしたり、折角の御馳走を食べ得ずに帰るようなこともあるのであります。
先づ西洋料理の食卓へつきましたなら左の箇条丈心得ておりますならば決して恥をかく
くとも、遠慮致すことも無いのであります。
もし左の箇条に外れた食べ方を致す人がありますならば、それはその人自身が洋食
の食べ方をしらないのでありますから、そんな人は如何にハイカラ振った服装をして
居つても、決して料理に関する教養のある人として見る訳には参りませんから、そん
な人はどんな食べ方を致さうと構つた事ではないのであります。
先づ洋食の献立順序から記述致しますならば、朝昼は極めて簡単に、スープと焼肉
焼魚、パンなどで済ませますが、晩餐の食事はなるべく御馳走を致す事になつて居ります
故、晩餐の献立を標準としております
77作ってくれる人募集:03/07/16 04:42
続き

一 オールドウブル
 之は日本料理におけるツキ出し、支那料理の前菜(チエンツアイ)とでも申すべき
 もので、野菜類肉類何でもよろしい、二三品盛り合わせて、客の選択に任せるも
 のです。
 目的は、先づ前菜に依つて食欲をそそる刺激物であると見てよろしい。
二 スープ
 これは日本の吸い物と同一のもので、鳥獣の骨より採取したもの、或いは野菜を主と
 して煮出したもので、コンソメスープと称し「すまし汁」とボタージュスープと称し
 「にごつた汁」の両仕立て方になつて居ります。
三 フイシユトレー
 之は魚を主とし致して調理し、それに野菜、或は果物などを適宜に調味して盛り
 合わせ、ソースを添へてあります。
四 アントレー
 之は肉類、所謂鳥獣の肉を焼き或は煮込み、蒸し、揚げなどして、それに季節々々
 の野菜を取り合わせて用います。
五 ロースト
 鳥獣肉を蒸し焼きしたものであります。
六 サラド
 之は洋食の献立方から申しますとローストの次に出すべきものとなつて一コース
 を為して居りますが、実際はこのローストと共に多く供せられます。
七 ホツトサラダ
 之は、季節向きの野菜を適宜に調理して、温かいものをもちゆる事になつております。
 極く略式献立にいたしますと、ローストとアントレーなどの副菜物として適宜に盛り
 合はせて居ります。
八 アイスクリーム
 之は夏季などにおいて、食後の清新さをそそるために用ひます。温かいお菓子
 なども出します。
九 フルーツ
 之は季節季節の新鮮な果物を二三種取り合はせて、客の選択に任せます。
十 ケーク
 ボンボンだとか、マシマローだとか其時々自由なお菓子を用います。
十一 ドリンクチイー 之は日本で云う食後のお茶とも申すべきもので、コーヒー
   紅茶、ココアー、緑茶、番茶などを砂糖も用いずにクリームを添へなどして
   出します。時に依りカクテール(混合酒)の強いものを一杯づつ出すこともあります。
78ぱくぱく名無しさん:03/07/16 23:58
ドリンクチイーage
79ぱくぱく名無しさん:03/07/17 00:06
>>73
同意
「葡萄酒」は50〜60代の人ならまだ使う人けっこういる
80ぱくぱく名無しさん:03/07/17 00:19
蜂ブドー酒
81ぱくぱく名無しさん:03/07/17 07:40
マンモスの肉、サル酒
82ぱくぱく名無しさん:03/07/17 17:55
>>79
葡萄酒とワインは別物じゃないの?
赤丸だっけ?ああいう砂糖入りのを言うんじゃないの?
83ぱくぱく名無しさん:03/07/17 19:08
>>82
君はアフォですか?
当時から、砂糖の入ってないのはワインと呼んでたとでも?
84ぱくぱく名無しさん:03/07/17 19:28
>>83
バカですか?
>「葡萄酒」は50〜60代の人ならまだ使う人けっこういる
に対して言ったんですけど。
誰が当時の話したんだよ。
85ぱくぱく名無しさん:03/07/17 19:35
>葡萄酒とワインは別物じゃないの?

アホですね
86ぱくぱく名無しさん:03/07/17 20:05
>>83-85

アホバカの応酬しあってる君らを見てると消防時代を思い出します ノスタルジィ〜
87ぱくぱく名無しさん:03/07/17 22:34
>>85
お前がアホですね。
今ワインのことをぶどう酒と呼ぶヤシは見た事無い。
88ぱくぱく名無しさん:03/07/17 22:41
おまいら釣られやすすぎ。
赤玉ポートワインって名前にワインて入ってるじゃん。
89ぱくぱく名無しさん:03/07/18 06:41
主観でしゃべりたがる女板
90ぱくぱく名無しさん:03/07/18 11:49
でもワインを日本語で訳すとぶどう酒っていう
事実には変わりはないわな
91豆腐百珍より:03/07/18 13:02
ふはふは豆腐

鶏卵ととうふ等分にまぜ よくすり合せ ふはふは烹にする也
胡椒の末ふる
鶏卵のふはふはと風味かわることなし
倹約を行ふ人 専ら用ゆべし
92もぐもぐ名無しさん:03/07/18 13:23
倹約かぁ・・ふはふは豆腐の倹約って卵を倹約するってことかな。
昔は卵の方が高価だったように想像。
今は豆腐の方が高いように思う。時代を感じる最後の一行。
93ぱくぱく名無しさん:03/07/30 23:24
>>87
あなた、見ざる聞かざる言い放題、ですね。
     ∧_∧  ∧_∧
ピュ.ー (  ・3・) (  ^^ ) <これからも僕たちを応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕
  = ◎――――――◎                      山崎渉&ぼるじょあ
95山崎 渉:03/08/15 20:11
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
96ぱくぱく名無しさん:03/08/19 21:38
保守
97ぱくぱく名無しさん:03/09/22 07:07
100くらいまで読んだんだけど、落ちる前にひとまずageとくわ。
98ぱくぱく名無しさん:03/09/24 03:21
>>97
100いってないぽ
99ぱくぱく名無しさん:03/10/22 10:25
久しぶりにこの板に来て、面白いスレハケーン

うちの実家にも昭和30年代の雑誌の付録本とかあったなあ
ケチャップとウースターソースで味付けしたビーフシチューとか・・・
スパゲッティは当然のように、切ったソーセージ入りのケチャップ味ナポリタンでした。
あと、エビチリソースらしきものが「エビのケチャップ炒め」として載ってたっけ。
ケチャップ大人気。
100ぱくぱく名無しさん:03/10/22 11:20
本当にケチャップの味しかしないんじゃねーの、それ?
101ぱくぱく名無しさん:03/10/24 22:28
うちに現存する30年前の婦人雑誌の付録の弁当レシピも
やたらケチャップと、そしてカレー粉が登場してる。
今あまり使わないよね。
102ぱくぱく名無しさん:03/10/25 10:44
このスレ最初から読んでたら、コロッケが食べたくなって作った。
キテレツの歌を思い出しながら・・・
103ぱくぱく名無しさん:03/10/25 23:15
キャベツはどうしたー♪
104ぱくぱく名無しさん:03/10/25 23:30
昔むかしの洋食屋さんは「チャプ屋」と言われてそうですね。
ケチャップで味付けしてあるのが多かった事がその由来だそうです。
ケチャップとウスターソースで作るスパゲッティナポリタンは
今じゃ喫茶店の定番ですね。
105ぱくぱく名無しさん:03/10/26 04:47
昔の食べ物:
生麦、生米、生卵
106ぱくぱく名無しさん:03/10/26 10:57
江戸時代には豆腐ややアサリシジミの振り売りがあったと同様
即席味噌汁の売り歩きもあったそうだ。
味噌と粉かつおを練ったもの・細かく切った豆腐・納豆・みじんの
ネギなどが用意され、訪問販売を受けた客は好みに応じて買う。
家で熱湯をそそげば美味しい味噌汁のできあがり。
107ぱくぱく名無しさん:03/10/26 14:04
昔の婦人雑誌の文章の典雅さに萌えー!
多少回りくどいが料理が美味しそうに聞こえるものね。
捨て奥のえらそうな物言いと比べたら...。
108明治43年、軍隊料理法より:03/11/27 00:40
「薩摩汁」
豚肉ハ普通ニ細ニ、鶏肉ハ骨共ニ切ル可シ人参、大根、油揚ハ短冊形ニ牛蒡ハ
笹ガキトナシ是等ヲ普通ノ味噌汁中ニ入レ充分煮沸シタル後采ノ目切リ甘藷及ビ
五分切リノ葱ヲ入レテ仕立ツルナリ。

「豚汁」
先ツ豚肉ト人参及ビ里芋トヲ茹デコノ汁ニテ普通味噌汁ヲ製シコノ中ニ是等ノ
材料並ビニ葱ヲ入レ煮沸スルナリ野菜多キトキハ味一層美ナリ。
109ぱくぱく名無しさん:03/11/27 00:57
>>92
祖父がよく言ってたけど、昔は卵はすごく高価で
卵一個と鮭一切れが同じくらいの値段だったそうです。
110ぱくぱく名無しさん:03/11/27 01:36
ふーん。ちなみにお幾らぐらい・??
111ぱくぱく名無しさん:03/11/27 01:56
>>82-88
当方30歳ですが、キリスト教の幼稚園に行ってて、子供の頃は、
日曜日に礼拝と日曜学校も行ってたから、ワイン=葡萄酒という
認識があるよ。
聖書の教えとかには葡萄酒が頻出するのです。
ワイン=葡萄酒ってすぐにイメージする人は結構いると思うけど。
112ぱくぱく名無しさん:03/11/27 15:11
111はトットちゃん
113ぱくぱく名無しさん:03/12/12 17:27
>>91ふはふは豆腐って生で食うのか?
114ぱくぱく名無しさん:04/03/05 05:54
まげ
115ぱくぱく名無しさん:04/04/16 10:27
>>1さん、もっとレシピ書き出してください〜
116ぱくぱく名無しさん:04/06/08 23:01
>>29
今更だけど、その本買ったので、記念あげ。
昔は生野菜をあまり食べず、ポテトサラダやマカロニサラダにきゅうりが加わるのは
夏の号だけ、とか、昭和40年代の日本人がいちばんバランスの取れた食事を
取っていたらしいとか、いろいろ興味深かった。

昭和30年代のおやつなんかのレシピもあればよかったなあ。
昔、うちにあった古い料理の本では、誕生パーティーの献立に
ホットケーキを重ねてメレンゲで飾ったケーキが載ってたよ。
オーブンも生クリームも一般的でなかった時代には
これでも特別の日のケーキだったんだろうな・・・
117ぱくぱく名無しさん:04/07/20 06:22
良スレあげ♪
118ぱくぱく名無しさん:04/07/20 07:27
>>82
とりあえず辞書引くクセを身につけろ
>>116
>昭和40年代の日本人がいちばんバランスの取れた食事を取っていたらしい
そっ、そうなんすか。
詳しくキボン
119ぱくぱく名無しさん:04/09/01 13:41
興味深いスレなので続報を待つ
>葡萄酒=ワイン
秋になるとボルドー色が持て囃されるけど、ワインカラーと思わずにいる人もいるのかね
クラシカルに葡萄酒色と表すこともたまに見かけるけど
120ぱくぱく名無しさん:04/09/05 07:03
<昭和40年代の料理: 沢崎梅子『家庭料理 野菜編』 婦人の友社 S41刊より>

その1 (キャベツ)玉子まきスープ煮 5人分
材料:キャベツ(中位の葉20枚) 玉子(5個) スープ(カップ4杯) 塩(小匙2杯)
サラダオイル(小匙2杯、ベーコンを三切れくらい入れるのでもよし)
トマトソース(大匙10杯)

≪キャベツは一葉ずつにはがし、芯のかたいところをそぎ取ってから、大きいまま
ゆでて、しなやかにしておきます。
玉子は黄みが中心になるようにゆで、殻をとり、粉をかるくまぶしてキャベツでつつ
みます。葉と軸の方を交互において、一個を4枚位でぐるぐると包みます。
玉子をつつんだキャベツを鍋にきっちりとならべ、スープまたは水をひたひたに加
え、塩とサラダオイルを少し落として煮ます。20分位中火で煮てから盛りつけます。
盛り方は、玉子ロールを半分に切り、切り口を上にむけて二つそろえてならべ、ス
ープの味をととのえてからキャベツのまわりからしずかにつぎ、パセリのみじん切り
をふりかけます。
時には人参を大き目に切って、一緒に煮込んでそえることもあります。スープを少
なくして、別にトマトソース又はホワイトソースをかけてもよろしいのです。又カレー
ソースで煮込んでもよいでしょう≫

121ぱくぱく名無しさん:04/09/06 13:43
古本屋で大正八年の料理本(昭和40年代に復刊されたもの)見つけた。
服部茂一(?)さんという人の監修。
家庭料理というよりおもてなし料理っぽかったから買わなかったけど、
気になるなぁ。
巻末にメートルと尺貫の換算表が載ってた。
122ぱくぱく名無しさん:04/09/06 14:24
>>121
服部幸応のじい様だろう。服部料理学園長。
服部家は代々供応厨膳の家だという。
123ぱくぱく名無しさん:04/09/16 13:14:16
テレビで料理研究家の城戸崎愛さんが昭和四年のレシピを紹介してたけどこのスレでは新しい部類か
124ぱくぱく名無しさん:04/09/16 15:22:26
赤色エレジー
125ぱくぱく名無しさん:04/09/17 18:11:12
おとこいちろうままよとて・・・♪ かい?
126ぱくぱく名無しさん:04/11/04 13:33:27
江戸時代によく使われていたらしい煎酒(いりざけ)
という調味料を作ってみますた。
酒2カップ、梅干し(甘塩でないもの)2〜3個、削り節5gを
弱火で半量ぐらいに煮詰めて漉すだけ。
いろいろと使い道がありそう。
冷や奴にかけてみたらウマーですた。
127ぱくぱく名無しさん:04/11/04 13:55:27
>>126
贅沢なもんですなー。
塩分15%以上の本物の(塩と梅だけのもの)梅干は今高いぞー。
でもやってみよー。
あんがと。
128ぱくぱく名無しさん:04/11/05 12:16:41
煎り酒で白身の刺身食うとうまいぞ
129ぱくぱく名無しさん:04/11/09 00:07:15
面白いすれだな
しかし大昔は卵もバナナも高級品だと聞くが、金持ちの為のレシピなのかな?
それとも、高級品という話は大戦後の話で、戦前は違ったのかな?
130ぱくぱく名無しさん:04/11/09 00:14:18
あの肉?
131ぱくぱく名無しさん:04/11/09 00:20:55
兎肉の煮込み

兎1匹分を用意します。

水洗いして,まな板の上にのせ,背筋から包丁を入れ,尾まで真半分に切り,
片方を3〜4切れに切り離して,リモン半個,ビンニョ食匙10杯,玉ねぎ1個,
塩食匙1杯,故障茶匙半杯,サルサ,サルソン,ローロ2枚をmぜあわせたあとに
1時間くらい浸しておきます。

鍋にマンテイガを入れてつよびにかけ,その中に兎をいれて色づくまで炒め,
シルをいれ,中火で1時間くらい煮ます。煮汁が少なくなったら,ごく少量の
ソースとビンニョを加えます。

青豆缶詰のふたを開けて小鍋にいれ,マンテイガ食匙1杯を加えて火にかけ,
ざっと煮ます。ピロン・オーロを作り,大皿に兎の肉を盛り,ピロンと青豆をあしらい,
煮汁をかけて温かいうちにすすめます。
132ぱくぱく名無しさん:04/11/09 12:19:46
>>131
フランク王国のレシピでせうか。
現代語に直せば普通のプロバンス料理では
133ぱくぱく名無しさん:04/11/10 04:31:50
>>132
缶詰はナポレオン以後なので、せいぜい200年前のレシピということになります。
134ぱくぱく名無しさん:05/01/11 21:17:44
栃木県護国神社展示資料室 平成十五年十月一日
再現・大正・昭和の味 ―陸軍『軍隊調理法』から―

その四十三 茄子油炒め

               熱 量 三百四十六カロリー
               蛋白質 十七・四九グラム
                          
材料(一人分)

 茄子 :三五十グラム
 味噌 : 六十グラム
 胡麻油:  十グラム
 砂糖 : 十五グラム
 削り節:  八グラム(または煮干粉、四グラム)
 生姜 :  一グラム

準備

1:茄子は二・五センチ位の木口切りとなしおく。
2:生姜は微塵切りとなしおく。
3:味噌は肉挽き器にかけ置く。

調理

 鍋に胡麻油を入れて煮立て、茄子を加えて炒り、
 削り節、生姜、砂糖、味噌を加えて絶えず攪拌し、
 茄子に味の染み込むまで煮る。

備考

 本調理は茄子に水分を多く含むをもって別に水を要せず




135ぱくぱく名無しさん:05/01/11 21:28:18
ttp://www.gokoku.gr.jp/index.html
軍隊調理法ここのHP
にありました。
なすと調味料のみなので試したところ意外に美味かったです。
一食米、二合の計算はすごかった。
前に健康診断で一日3食で米2合で、栄養士に怒られたのに。
兵隊さんはよく動くからダイエット関係なし?
136ぱくぱく名無しさん:05/01/13 02:09:19
凄く面白いスレですね。参加させてください。

江戸時代の豆腐料理をひとつ。

霰豆腐
@豆腐をサラシ等に包んで
2分の1の厚さになるまで押す。
A1,5〜2センチの角切りにし、
目の細かいざるか、こし器に入れて
円を描くように軽くふる。
角がとれてボール状になるまでやる。(約20分)
B190度の高温で揚げる。
C狐色になるまで揚げたら熱いうちに
塩を振って食べる。


他にも何点かあるのでまた今度来ます。
137ぱくぱく名無しさん:05/01/13 16:30:40
昭和30年代の料理本(なんかの雑誌の付録)を実家で発見。
出来上がりは今より多い5,6人分。
読者のアイデア料理が載ってたりしたが、
その読者の「山田トメ」だの「佐藤キヌ」といった名前に時代を感じた。
豆炭こたつの通販の広告も載ってた。

当時まだ珍しかったピザの説明は「お好み焼きのようなもの」
同じく昭和30年代の育児本もあった。
自宅でのお産がそれなりにあった時代のもので「赤ちゃんが未熟児であったら、
早く病院に連れて行きましょう」とあってびびった。
あと離乳食のとこで、「果物はとても高価です。赤ちゃんに果汁を与えるのは不経済です」
とあってまたワロタ。
まだ死ぬ間際でもないとメロンが食えなかった時代のものらしい。

138ぱくぱく名無しさん:05/01/17 13:56:07
栃木県護国神社展示資料室 平成十六年三月二十二
再現・大正・昭和の味 ―陸軍『軍隊調理法』から―

その六十九 牛肉佃煮

                    熱 量 三百十七カロリー
                    蛋白質 二十三・五〇グラム
                          
材料(一人分)

 牛肉、百グラム
 牛蒡、百グラム
 唐辛子、一グラム
 砂糖、十五グラム
醤油、三十五ミリリットル
 食塩、少量

準備

 牛肉は薄き細切りとなし、牛蒡はささがき、または乱切りとなし、水に浸し、
灰汁を抜いておく。

調理

鍋に牛肉を入れて空炒りし、さらに牛蒡を入れて、焦げつかぬ程度に水を差
し、牛蒡の煮えたるとき砂糖、醤油、食塩および唐辛子粉を入れて調味し、と
きどき鍋の底より攪き廻して煮詰めてこれを冷却す。

備考

イ、材料としてはこのほかに干貝、鰹、鯖等の魚貝類、その他季節により、筍、
蕗、昆布の類もよし。
ロ、牛肉の代りに鯨肉等の缶詰肉を用うるも可なり。
ハ、醤油「エキス」(軍用の濃縮醤油)を用うるもよし。

これも米2合分の一人前なので三食ぶんでした。材料の品目の少ない割に
美味しかったです。ここのHPは調理手順が写真付であるのでためしてみるのに
都合がいいです。

139ぱくぱく名無しさん:05/01/17 17:04:56
ttp://www.dii.jda.go.jp/msdf/oominato/27edhp/topix/carry/carry.htm
大昔のということで、海軍カレーも
140ぱくぱく名無しさん:2005/06/18(土) 01:46:27
http://www.rakuten.co.jp/kaigunsan/
海軍カレーもいろいろあるなぁ。
靖国神社でもカレー売ってた。
141ぱくぱく名無しさん:2005/06/18(土) 01:56:06
自衛隊のカレーは美味しいよ
142ぱくぱく名無しさん:2005/09/18(日) 07:42:57 ID:8iWt85pa0
【鎮守】「こんな豪華な料理があったとは」・・
ハイラカな旧海軍料理再現−広島・呉
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1126974453/
143ぱくぱく名無しさん:2005/09/27(火) 16:37:40 ID:3RZAMzn20
>>141
最近、煮込み時間けちってるんであまりうまくないんだなあ…だそうです
144ぱくぱく名無しさん:2005/09/27(火) 18:40:46 ID:KSWuJ1Q1O
少しスレチですが、実家で「きょうの料理」の昭和40年代のを発見したのを
思い出しました。
若かりし頃の和田アキ子が得意料理を披露しており、
炊きたての白飯を丼によそい、納豆と茹でたニラを乗せ
卵黄を真ん中に乗せて、味噌汁をぶっかけて食べる、というもので
「アコ飯(めし)」と命名されてました。

  漢だと思いました。
145ぱくぱく名無しさん:2005/09/27(火) 19:58:56 ID:zfo+kjj10
>>144
それを放送したNHKもかなりのもんだね。
146ぱくぱく名無しさん:2005/10/06(木) 07:44:51 ID:O0YR1Xtr0
日光金谷ホテルで蔵を掃除したら出てきたという創業当時の
レシピ。
それを再現した130周年記念ディナーが食べてみたい。
147ぱくぱく名無しさん:2005/10/14(金) 18:01:18 ID:DCshNjPG0
かなり遅レスになりますが・・・
上のほうに出ていた松茸の話。(ハンバーグに松茸のみじん切りを〜)
現在80歳、大阪出身の祖母の話だと70年位前までは松茸はかなり安いきのこだったとか。
しいたけよりもひんぱんに食べてすき焼きにも山ほど入れていたと言っておりました。
今考えるとうらやましいようなもったいないような・・・
148ぱくぱく名無しさん:2005/10/15(土) 17:01:50 ID:8Rb8Rgof0
>>147
俺も聞いたことがある。
肉が高価なので、間を埋めるために入れてるだけで、余り喜ばれなかったとか。
149軍隊調理法以外の陸軍のカレー@:2006/01/23(月) 21:22:26 ID:bZ/0AwyZ0

 《熱地兵食として》
「麦飯カレー」
材料 獣肉10匁、玉葱3匁、小麦粉3匁、馬鈴薯15匁、人参5匁、
   ラード2匁、カレー粉0.2匁、食塩1匁

準備  1.獣肉は細切にし置く。
    2.人参馬鈴薯は5分角位の賽の目に切り、玉葱は千切りとし置く。
    3.米、麦飯は稍々強目に炊き置く。

調理法 1.鍋にラードを煮立て之に小麦粉を加へ、良く混合しつつ炒りて油粉捏を作り次の煮汁にて延し、
      カレー粉を加へ置く。
    2.鍋に一人当たり約1合2勺の水を入れ、獣肉を入れて煮立て次に人参を加えて煮熟したるとき
      其の煮汁の一部は前記油粉捏を溶き延しに用い、しかる後馬鈴薯を入れ軟かくなりたるとき
      玉葱を投じ之に油粉捏を流し込み、良く混合して後食塩にて調味したるものを飯と共に分配し
      喫食の際飯に掛けて用う。

150軍隊調理法以外の陸軍のカレーA:2006/01/23(月) 21:32:12 ID:bZ/0AwyZ0
《大正十三年》  
ライスカレー     二〇三カロリー   

材 料
  牛肉 一〇匁  玉葱 一〇匁  人参 五匁  
  馬鈴薯 五匁  カレー粉 一分
  小麦粉 三匁  食塩 一匁   ラード二匁  胡椒一分
準備
    イ、牛肉は極く細く刻み置く。
    ロ、人参、馬鈴薯は二、三分角位の賽の目に刻み、玉葱は千切となし置く。
調理
    イ、鍋にラードを煮立て之にカレー粉を加てよく炒り、
      小麦粉を入れ攪拌し油粉捏を作り次の煮汁にて溶き延ばし置く。
    ロ、鍋に一人当一合二勺の水入れ、牛肉を投じて煮立て、次に人参を入れ、
      煮へたるときその煮汁の一部は前の油粉捏の溶き延しに用ひ、
      然る後馬鈴薯を入れ、やゝ軟くなりたるとき、玉葱を投じ、
      之に前の溶き延し置きたる油粉捏を流し込み攪拌して食塩、
      胡椒にて調味したるものを飯にかく。
備考
    イ、飯は強目に炊くべし。又米麦飯可なり。
    ロ、青味を付ける為に少量の青豌豆を用ふるも可なり。
151ぱくぱく名無しさん:2006/05/13(土) 21:33:17 ID:IsaEgaRB0
そういや昔のお菓子のレシピ本だとスポンジケーキは別立て法ばかりで
共立て法は載っていません。
やはり、電気泡だて器がないとつらいからかな?
152ぱくぱく名無しさん:2006/07/25(火) 14:42:24 ID:2eAW0dBF0
age
153ぱくぱく名無しさん:2006/08/09(水) 07:43:36 ID:Z52+b1XbO
あげ
154ぱくぱく名無しさん:2006/08/28(月) 14:29:45 ID:L7RqF5WA0
あげ
155ぱくぱく名無しさん:2006/08/28(月) 15:41:24 ID:NY2KFwMd0
初めてこのスレに来たけど、なかなか面白いね〜
まとめサイトキボン
156ぱくぱく名無しさん:2006/08/28(月) 20:39:22 ID:J3+ues4h0
>>109
うちことの爺ちゃんもうすぐ90歳は、兵隊に行ってはじめて塩鮭を食べて、食べて、食べさせられまくって
塩鮭が大嫌いになったと言ってた。
九州には昔は塩鮭はあなまりなかったそうな。
157ぱくぱく名無しさん:2006/08/29(火) 15:19:27 ID:MEKvpCEYO
良スレハケーソ
>>1さんの家にそんな古本があるなんて羨ましいですね。 そのうちまとめサイト作って下さい。
158ぱくぱく名無しさん:2006/11/14(火) 19:37:55 ID:ZGP+zmNNO
市川ジュン
懐古的洋食事情
159ぱくぱく名無しさん:2006/12/09(土) 14:54:28 ID:v/0BX7nb0
知るを楽しむ選 歴史に好奇心
 − 西洋料理と日本人 − <全4回>
ttp://cgi4.nhk.or.jp/topepg/xmldef/epg.cgi?setup=/shiruraku/shiruraku
ttp://www.nhk.or.jp/shiruraku/200611/thurseday.html
おもしろかったので貼っておきます。再放送です。
160ぱくぱく名無しさん:2006/12/11(月) 23:22:17 ID:8ZNpXdPr0
>>159
どうやら第3回を見たらしい。
161ぱくぱく名無しさん:2007/01/10(水) 01:04:14 ID:V7beG3H1O
ホシュ
162ぱくぱく名無しさん:2007/01/10(水) 01:08:05 ID:0y4DXkGO0
>>156
オマエんとこの爺ちゃんは、どれだけぜいたくに育てられたんだ
163ぱくぱく名無しさん:2007/02/12(月) 07:36:39 ID:FyBKq3K80
またーりした良スレだね。>>1さん乙です。
ウチにも古い料理本あるんだけど、当時の空気が伝わってきて
懐古趣味にはたまらないよ。
何気なく写ってる食器がアデリアだったりするし。レトロ食器満載。
レシピも「ハイカラ」って感じの、言っちゃ悪いけど
ちょっと野暮ったいようなメニューが多いんだけど、
昔ママンやおばあちゃんが作ってくれた料理って
こういうふうだったなーと懐かしくなるよ。


164ぱくぱく名無しさん:2007/02/18(日) 07:40:41 ID:8rZvWfUv0
ほしゅ
165ぱくぱく名無しさん:2007/02/18(日) 12:23:29 ID:/b41HnuIO
そういえば、昭和四十年代の婦人雑誌の付録の料理の本に載ってた「マーブルプリン」のレシピ。

市販のプリンミックスを普通に作り、マーブルチョコレートをトッピングするだけと言う荒技…w
166ぱくぱく名無しさん:2007/02/18(日) 19:21:14 ID:60uzEBCY0
>>165
SUGEEEE!!!そのレシピもっと詳しく知りたいw

そういや昔のお菓子のレシピって、市販品を多用してる気が…
特にドライチェリー(蛍光色に染まってるあれ)

クッキーの飾りにドライチェリー。
デコレーションケーキにドライチェリー。
パウンドケーキにドライチェリー。
蒸しパンにドライチェリー。
全部ドライチェリー味。

私は赤より緑の方が好き。味一緒なんだけど。

167ぱくぱく名無しさん:2007/02/18(日) 20:00:44 ID:Sgzb4DrUO
>>166
確かにドレンチェリーとかアンゼリカ多用w
最近あんまり見ないなー
168ぱくぱく名無しさん:2007/02/18(日) 20:50:24 ID:ZY5haBg60
私、ドレンチェリー好き
昔のパンで
バタクリにドレンチェリーが
トッピングされたパンが好きだった。
スレ違いスマソ

ケーキドーナツのレシピなんだけど
バターと砂糖、玉子をすりまぜるのに
すり鉢使用。
最後には小麦粉まで投入
洗うのイヤダ
169ぱくぱく名無しさん:2007/02/19(月) 17:16:02 ID:5hfgqbay0
あ、そっか「ドレンチェリー」だった。ゴメン
ちなみに昔の料理本見たら「ドレンドチェリー」って
書いてあった。ド、ひとつ多い気が。

ついでに昭和50年の「チェリーケーキ」のレシピでは、
洋酒に浸したドレンチェリー70gを生地に混ぜ込み
型に流し込んで焼く、とありました。
チェリーケーキ?
あと焼き型の記述がフシギ。

「18cm変形蛇の目型の焼き形」で、

今で言うシフォンケーキの型を指すらしい。
暗号?
170ぱくぱく名無しさん:2007/02/21(水) 02:54:19 ID:DsFuF8i00
>>169
たぶん、エンゼル型では?
シフォンケーキって昭和50年の日本ではあまり知られてない気がする
171ぱくぱく名無しさん:2007/02/21(水) 17:16:57 ID:K6KXPLoq0
まだあったのかこのスレ!
参勤交代で江戸に住む備前出身の武士が
江戸では目の玉が飛び出すほど松茸が高い
とても自分のお手当では食べられないと嘆く日記を読んだことがある
少なくとも全国どこででも気軽に食べられるものではなかったようだ
172ぱくぱく名無しさん:2007/02/21(水) 18:32:17 ID:gAsdp3BSO
凄く興味深いスレ
173ぱくぱく名無しさん:2007/02/25(日) 22:28:06 ID:p20F6abNO
>>168今でも山崎パンのスペシャルサンドとかいう70円位のパンだと、生クリームとドレンチェリーのようなのが入ってますね。結構好きです。
174ぱくぱく名無しさん:2007/02/26(月) 09:25:01 ID:QnyrT8kCO
芥川龍之介の芋粥レシピが知りたい
175ぱくぱく名無しさん:2007/02/26(月) 10:06:42 ID:zpwQcnb90
「婦人倶楽部」昭和8年9月号付録
「誰にも簡単に出来る家庭西洋料理全集」より。

〈牛蒡の南京豆バタ焼〉
材料(5人前)新牛蒡4本、南京豆(皮をとったもの)5勺、スープ大匙2杯
西洋芥子小匙1杯、牛乳小匙1杯、トマト中2個
レモン半個、塩、胡椒

拵え方:……延々と書いてあるが要するに「二寸位の長さに切り
更に三分位の厚さにしたゴボウ」をやわらかくゆでてその上に
すりつぶした南京豆を牛乳と味の素でのばしてソースにして
グラタン風に焼く。

「安価な材料と手軽な拵へ方がこの料理の特長です」と
ある割にとっても大変。でも美味しそう。。
肝心の「バタ」がどこにも出てこないのはご愛嬌。

この本は楽しいので少しずつレシピうぷしましょうか。
でも「勺」とか「匁」が単位なのでカンどころがつかみにくい。
広告が入っているためか、やたら「味の素少々」が出てきます。
176ぱくぱく名無しさん:2007/02/27(火) 23:21:39 ID:aKx0ntB/O
なんてほのぼのしたスレなんだ(´Д`)
177ぱくぱく名無しさん:2007/03/01(木) 09:52:49 ID:3A4mkhEMO
「ほうれん草の巣ごもり卵」と言うレシピ。
●ほうれん草を塩を入れた熱湯で茹でる。
●ほど良く茹で上がったら冷水にさらし、あく抜きをする。
●ほうれん草の水気をしぼり 食べやすい大きさに切って 小鉢に盛り付ける。
●ほうれん草の真ん中にくぼみをつけて、玉子を割り入れる。
●蒸し器で5分〜10分 強火で蒸す。
●味の素と醤油をかけて 出来上がり。

レンジが普及してない時代は、こんなに時間がかかったのね…。
今じゃ2〜3分ぐらいで出来るよねw
178ぱくぱく名無しさん:2007/03/01(木) 21:31:08 ID:U2FTaOIt0
>>177
水を差して悪いが、電子レンジ調理は一見同じ料理に仕上がるようだが中身は別物。
火を通しすぎてはいけない物に火を通し過ぎたり、素材本来の味を変化させたり、色々悪さをすることが多い。
いい例が電子レンジで調理した卵の黄身だ。あの色は普通の色か?

効率をあまり重視しすぎると何かが犠牲になる。どこぞの国のようだ。



179178:2007/03/01(木) 21:50:42 ID:U2FTaOIt0
わても参加さしてもらおう

明治26年12月21日の時事新報記事より:
「回嬢揚」(くわいぢゃうあげ)

[回嬢揚とは我家(わがいへ)祖先伝来の割烹法(かつぱうほう)にて何故に此名あるやを知らされども馳走(ちさう)する客毎に奇なり奇なりと称(しやうし)し候こと故御しらせ申上(まをしあげ)候也
●回嬢揚 鰯の腹(はらわた)を抜き牛蒡を宜(よ)きほどに切りて腹中に入れ生干瓢(かんぺう)にて巻き油にて揚げる
買物(かひもの)は
鰯、牛蒡、干瓢]
180ぱくぱく名無しさん:2007/03/02(金) 11:50:22 ID:rRMS/iW+0
>>177
その文章はぜんぜん昔の香りがしない
味気ないしつまらない
181ぱくぱく名無しさん:2007/03/02(金) 17:52:31 ID:4Yhdny2+0
大根飯:
大根を膾(なます)の如くきざみ油揚などを種とし米と共に炊泡の引く頃宜きほどに醤油をさし能くむらしてのち食べる可し(右投書)
182ぱくぱく名無しさん:2007/03/02(金) 17:58:23 ID:4Yhdny2+0
酢味噌あへ:
ワケギの中へ有合の魚肉を入れ味噌を味醂にて溶き酢味噌あへとす
買物は 大根(注:大根飯用)、ワケギ、魚肉見立

以上[『時事新報』明治26年12月22日記事]
183ぱくぱく名無しさん:2007/03/02(金) 19:18:10 ID:6JRPIuhs0
有合って何だろう……ドキドキ

ありあわせ…?かなぁ
184ぱくぱく名無しさん:2007/03/02(金) 23:12:58 ID:pAoixEMmO
これ本当にいいスレでつね☆
185ぱくぱく名無しさん:2007/03/03(土) 19:01:02 ID:zhpUy68N0
かみなり豆腐:
生豆腐を一寸四方厚さ五分位に切り葛粉又は麦粉を薄く附け胡麻油にて
揚げ大根おろしか生姜醤油にて熱き所を用ふ

[『時事新報』明治27年2月11日記事]
186ぱくぱく名無しさん:2007/03/04(日) 17:30:46 ID:Aodzjw+/0
花菜の辛あへ:
花菜をあをり生醤油にて洗ひたるを皿へ並べ美濃紙を敷きアクを取りたる辛を紙の上にのせて二時間計り漬ける

[『時事新報』明治26年11月19日記事]
187ぱくぱく名無しさん:2007/03/05(月) 17:16:40 ID:blhVWnxg0
>>175
バタが出てこないのは
すりつぶした南京豆=南京豆バタ=ピーナツバターってことでは?
「南京豆」「バターじゃなくてバタ」なところが昔の香り。
暮しの手帖の料理本とか見てるといまだに「バタ」なのでなんか萌える。

>>169
うちにある本とたぶん同じだ、それ。

同じシリーズの「ご飯ものとめん料理」より
「もち米の蒸し菓子」
材料 4人分
もち米 カップ1、砂糖大さじ2、ラード大さじ3
アズキあん200g、赤チェリー7コ、緑チェリー9コ
ナツメ4コ、ギンナン(缶詰)8コ、ラード適宜

出ましたおなじみのチェリー。
作り方は丼の内側にラードを塗り、その底にチェリー、ナツメ、
ギンナンを飾りとして貼り付ける。
さらに蒸し上げてラード大さじ2と砂糖を混ぜたもち米を半分詰め、
真ん中にラード大さじ1を混ぜたアズキあんを入れて残りのご飯で
ふたをする。で、15分蒸してからひっくり返し、温かいうちに
いただく。というもの。

これ実家にあったお菓子の本にも確か載ってた。
同じ時期に発行されたと思われるが、当時流行ってた?
188ぱくぱく名無しさん:2007/03/05(月) 17:24:07 ID:blhVWnxg0
この本には他に
リング型に詰めて真ん中にえび入りのホワイトソースを入れた
ピラフにしか見えない「リゾット」
鮭入りのピラフをパイ皮に包んだ「ライスパイ」
などが掲載されています。
和ものと中華ものは割と普通。海南チキンライスとか載ってる。
189ぱくぱく名無しさん:2007/03/05(月) 19:59:48 ID:/RpPm+Oj0
>>188
現代語に換えないで当時の表記のまま記載されたし。
レシピだけではなく雰囲気を求めているのだ。
190ぱくぱく名無しさん:2007/03/05(月) 21:19:47 ID:/RpPm+Oj0
[カレイライス]
 材料ハ牛肉(鶏肉)、人参、玉葱、馬鈴薯、カレイ粉、麦粉、米。
始メ米ヲ洗ヒ置キ、肉、玉葱、人参、馬鈴薯ヲ四角に恰モ賽ノ目ノ如ク細ク切リ、
別ニフライパンニ ヘットヲ敷キ、麦粉ヲ入レ狐色位ニ煎リ、カレイ粉ヲ入レ、
スープニテ薄クトロロノ如ク溶カシ、之ニ前ニ切リ置キシ肉野菜ヲ少シク煎リテ
入レ(馬鈴薯ハ人参、玉葱ノ殆ド煮エタルトキ入ルルベシ)弱火ニ掛ケ、煮込ミ置キ、
先ノ米ヲスープニテ炊キ、之ヲ皿ニ盛リ、前ノ煮込ミシモノニ塩ニテ味ヲツケ、飯ニ
掛ケテ供卓ス。此ノ時漬物類即チチャツネヲ付ケテ出スモノトス

[『海軍割烹術参考書』]
191190:2007/03/05(月) 22:29:30 ID:/RpPm+Oj0
前スレとのダブり すまそ(汗
192ぱくぱく名無しさん:2007/03/05(月) 22:32:34 ID:blhVWnxg0
>189
昭和50年のレシピなので原文普通なんですよ…
材料は原文ママです。

193ぱくぱく名無しさん:2007/03/06(火) 18:30:58 ID:IWAVw2jX0
雀の附焼(スズメノツケヤキ)
雀の羽をむしり取り、藁若しくは新聞紙を燃して毛焼きをなし、庖丁を
入れて背を割りひらき、他所に汚さないやうに臓附などを取り去り、洗はずに
串刺にいたします、すべて鳥類は一度庖丁を入れては洗ふべきものでないゆゑ、
なるだけ注意してよごれぬやうにすべきものであります、さて串刺にしたるを
一度白焼きになし、さらに生醤油につけて焼をなし、胡椒をふりかけて食べる
ものであります、雀は冬期が最とも味よきものであります。

「御手軽料理」明治40年(1907年)
194ぱくぱく名無しさん:2007/03/07(水) 13:28:38 ID:iXZBhIED0
>>193
すごいなw家庭でスズメを捕まえて食ってたのか
195ぱくぱく名無しさん:2007/03/10(土) 20:51:07 ID:2ALZty3V0
庭に生えたふきのとうって感覚で雀捕まえてたのかなw
196ぱくぱく名無しさん:2007/03/14(水) 23:15:40 ID:Gc3HJJea0
牛肉の煎豆腐:
豆腐をゆでて布にてしぼり、また裏濾にして牛肉の細にたたきつぶしたる
と共に、味醂、砂糖、醤油にて煎煮にするのであります。尤も分量は肉40匁に
豆腐1丁ほどの割合で、胡椒、山椒などの香味を添へて出すものであります。

[『御手軽料理』 明治40年刊]
197ぱくぱく名無しさん:2007/03/15(木) 18:16:21 ID:tM4lvBwt0
>>196
肉豆腐のつぶれた感じなのかなあ でもうまそうだ
198ぱくぱく名無しさん:2007/03/15(木) 20:56:19 ID:k7uE7c6a0
豆腐入り牛肉そぼろだべした
199ぱくぱく名無しさん:2007/03/15(木) 23:29:02 ID:hhav9+yf0
だべした?……何をしたんだ
わからんorz
200ぱくぱく名無しさん:2007/03/20(火) 12:46:30 ID:7bHUIII80
「迷宮レストラン」っていう本で、
クレオパトラやファーブル、近藤勇の食べてた
昔の料理を再現してるよ。
レシピも載ってて、なかなかおもしろかった。
201ぱくぱく名無しさん:2007/03/20(火) 22:48:32 ID:AO+AlTMP0
>>193
つまり雀の旬は冬なのねw

皆さん凄いね
どこでこんな古いレシピ見つけるんだか
古本屋?
我が家にあるのはせいぜい1960年代後半のもの
雑誌の付録のレシピカードぽい
高度成長期で海外料理が家庭料理として
本格的に出始めた頃なのかな?
今では珍しくもないけどフレンチやイタリアンや中華に混じって
アフリカ、エスニック料理なんかもちらほらある。
202ぱくぱく名無しさん:2007/03/23(金) 09:19:38 ID:Kla/HO1MO
★こんなカレー、嫌だ!
カレー粉と小麦粉を炒めてルーを作る。
串切り玉ねぎと乱切りジャガイモといちょう切りニンジンを煮る。
お肉の代わりにさつま揚げの角切りを投入。
ウスターソースと塩適宜で味付け。
↑にルーを入れて煮込む。
隠し味に小さじ1の砂糖。


☆昭和四十年代前半のレシピより
『さつまカレー…ξ』
203ぱくぱく名無しさん:2007/03/23(金) 10:19:17 ID:8GHYMmhq0
さつま揚げのカレーは旨い。竹輪でも旨い。
204ぱくぱく名無しさん:2007/04/06(金) 21:21:54 ID:byqJLmdw0
>201
まだ私はレシピうpしてないのですが。

古本屋や古書展によく行くけど、昭和初期の雑誌付録になった料理小冊子
を時々見かけます。昔の料理本は状態が良いものは高いけど、
シミや破れなどを気にしなければ安く買えます。

明治半ばにベストセラーとなった料理小説『食道楽』は岩波文庫に
入ってるから普通の本屋でも入手可となりました。
あと、福沢諭吉がどこかの新聞で連載した料理記事も本になっていた気が。

1960年代後半の料理カードに外国料理があったのは、1964年の
東京オリンピックの影響ではないでしょうか。
『テレビ料理人列伝』という新書で「きょうの料理」の番組の
歴史を解説してるのですが、オリンピックを機に各国の料理を
番組で作ったりしていたそうですので。
205ぱくぱく名無しさん:2007/04/06(金) 23:26:50 ID:muAbid+FO
マンモス殺す
火起こして焼く
(゚д゚)ウマー
206ぱくぱく名無しさん:2007/04/30(月) 19:15:38 ID:/q/J5e3e0
>>205
マンモスの捕まえ方おしえれ
207ぱくぱく名無しさん:2007/05/04(金) 21:32:06 ID:i57CgbEcO
力があれば槍や斧で突くor叩く
力がないならマンモスの行動を観察して、落とし穴を掘る。
208ぱくぱく名無しさん:2007/05/04(金) 22:39:30 ID:Z5nEJbFy0
お昼にNHKでやってたけど、昔のハヤシライスは、バターと小麦粉と醤油だったんだって。
209ぱくぱく名無しさん:2007/05/05(土) 00:48:56 ID:VuXNTcUbO
森さん中が食べてたやつだよね
おいしいのかな?アレ
210ぱくぱく名無しさん:2007/05/05(土) 07:59:37 ID:44Pet2YB0
.
211ぱくぱく名無しさん:2007/05/13(日) 02:59:42 ID:TP11/7bk0
良スレ保守

今度神田の古本祭りに行ってこよう
212ぱくぱく名無しさん:2007/05/16(水) 22:09:55 ID:rn7shEZe0
>211
古本祭りじゃなくても、都内だったら神保町か五反田か高円寺の
古書会館で週末に即売会やってるから行ってみたら?
毎週やってるわけじゃないみたいだけど↓
ttp://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

213ぱくぱく名無しさん:2007/05/16(水) 22:24:58 ID:McdtIXMg0
うん、実家は東京だがいまはべつの地方にいるのだ
でも情報サンクス
214ぱくぱく名無しさん:2007/05/24(木) 00:42:08 ID:4w+h5I0t0
こんなサイトあったんだけど
正直“クリスマスサラダ”があんまりだ…
http://nawomayo.jugem.jp/
215ぱくぱく名無しさん:2007/05/24(木) 21:34:24 ID:rh6baI4q0
>>214
チャレンジャーだねぇー
216ぱくぱく名無しさん:2007/05/26(土) 02:35:09 ID:jb5mXyLC0
>>214
なんかエロくない・・・?
ろうそくがまっすぐだったら違和感ないんだろうけど
バナナのしなり具合がなんとも・・・
考えすぎか?
217ぱくぱく名無しさん:2007/05/26(土) 09:29:18 ID:x7YhuBlE0
みんな同じこと思ってて何も言わないだけだと思うw
218ぱくぱく名無しさん:2007/05/26(土) 19:01:59 ID:P33/yJH40
>>216
てっぺんのサクランボも怪しさを醸し出してるw
219ぱくぱく名無しさん:2007/05/26(土) 19:20:25 ID:dmGIJhPWP
でもきちんと露出してるから俺より(ry
220ぱくぱく名無しさん:2007/06/08(金) 08:50:36 ID:ubup6NG90
>>214
このブログ全部みたけど面白いね

結構これもあんまりだ・・・
http://nawomayo.jugem.jp/?day=20060709
見た目のインパクトがすごいや
221ぱくぱく名無しさん:2007/06/08(金) 09:26:01 ID:rhXtOTDw0
>>220
頭から草が生えてくる面白グッズ思い出した。
でもツナ添えたりしたら意外と美味そう
222ぱくぱく名無しさん:2007/06/08(金) 17:23:05 ID:THpZccCaO
>>220
手を合わせて埋め込んだみたい
グロすぎ
223ぱくぱく名無しさん:2007/06/14(木) 21:17:44 ID:xesu6qeJO
あるいは真っ赤にかぶれた
校門から帰省中がぶわー
224ぱくぱく名無しさん:2007/06/14(木) 21:26:17 ID:J+/EpdbR0
>>223
すごい想像力だな
さすがにそれはないわ……
225ぱくぱく名無しさん:2007/06/14(木) 23:01:05 ID:hRh59Shm0
第1回から録画すればよかった(´;ω;`)総合の再放送はいつになることやら…
http://www.nhk.or.jp/shiruraku/200706/thurseday.html
226ぱくぱく名無しさん:2007/06/29(金) 09:39:29 ID:WajoBU4V0
ttp://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/06/28/16178.html
大昔の料理本が読み放題ですよ
227ぱくぱく名無しさん:2007/10/29(月) 11:53:08 ID:7KKaFuBn0
保守

昔の料理本といえば「中原淳一の幸せな食卓」は面白いよ。今でも購入できるし。
当時の食料事情が分かって興味深い。
昭和24年のクリスマスケーキの欄では、

今年はお砂糖の配給がありましたから、クリスマスにはお菓子をこしらえましよう。
でも砂糖衣を使うほど充分なお砂糖はありませんから、
スポンジケーキの上を本當の花で飾るとしましよう。

と書いてあるから、当時砂糖は貴重品だったんだね。
228ぱくぱく名無しさん:2007/10/30(火) 23:51:57 ID:Mk39PZcQO
初めてこのスレみたけど、いいねぇ。すごい良スレだ。
いずれぜひ携帯からも見れるまとめサイトを作って下さいまし!

昭和40年って和田アキコいくつ位だったんだろう。。
229ぱくぱく名無しさん:2007/10/31(水) 17:04:35 ID:U9XnVq+d0
クリスマスサラダ糞ワロタw
当時はこんなん掲載してよかったのかww
230ぱくぱく名無しさん:2007/11/08(木) 05:32:34 ID:x8qzLTUa0
>>229
なんの話?誤爆?
231ぱくぱく名無しさん:2007/11/08(木) 21:39:13 ID:uiMzqbGL0
232ぱくぱく名無しさん:2008/02/25(月) 02:07:31 ID:uq1chKZM0
みんな古い料理本はどこで見つけてくるの?80年前のとか凄いなあ。
手持ちで一番古い本は25年前のきょうの料理ぐらいだ。
きょうの料理って昔は左から読む作りだったんだね。(今のは右から)
昔の本ってたまに左表紙のがあるのは何故なんだ?欧米化なのかな。
233ぱくぱく名無しさん:2008/02/25(月) 13:51:05 ID:ly9R9LR20
>>232
縦書き 横書き
234ぱくぱく名無しさん:2008/03/05(水) 14:24:36 ID:F/WhRBkT0
だめだ笑いがとまらないっw
クリスマスサラダ今日つくってみようっと
235ぱくぱく名無しさん:2008/03/06(木) 17:11:22 ID:mumbzNhj0
昭和32年主婦の友社発行の「家庭むきの西洋料理250種」

農村でもできる西洋料理として
「キャベツと福神漬けのサラダ」
「味噌マカロニ」
「丸干しのトマトソース漬」
「まぐろカレー」などのチャレンジングなメニューが載ってます。

「スペイン風貝飯」というのはパエリヤのこと、
「トルコ風生食」はタルタルステーキと、
かなり本格的なメニューものっているんですが。
236ぱくぱく名無しさん:2008/03/06(木) 17:27:50 ID:kAjBGmTr0
味噌マカロニがかなり気になるw
237ぱくぱく名無しさん:2008/03/06(木) 19:12:46 ID:mumbzNhj0
あ、レスついてる。
では「味噌マカロニ」の作り方を簡単に記します。

材料は3人前でマカロニ1袋、むきハマグリ200g、玉ねぎ1個、ねぎ1本、しょうが1かけ、
砂糖カップ3分の1、バター大さじ杯、信州味噌カップ2分の1。
・マカロニは茹でて、バターをからめておく。
・ハマグリはマカロニの茹で汁を利用してさっと茹でておく。
・大きな鍋(シナ鍋など)にバターを溶かし、薄切りの玉ねぎを炒め、
 味噌、砂糖、おろししょうがを加え、マカロニを加えて和える。
・これを皿に盛り、さらしねぎを散らす。

深川めしをマカロニでやった、と言う感じでしょうか?
238ぱくぱく名無しさん:2008/03/06(木) 19:15:32 ID:mumbzNhj0
×さらしねぎを散らす。
○ハマグリとさらしねぎを散らす。
239ぱくぱく名無しさん:2008/03/06(木) 19:22:53 ID:kAjBGmTr0
全く西洋料理じゃないw味付けがどう見ても和風w
マカロニとバターを使ってるところが西洋なんだろうか
マカロニと味噌が合うのかどうか、週末にでもちょっと試してみるか
240ぱくぱく名無しさん:2008/03/16(日) 01:22:09 ID:s/flXArU0
[]内はふりがな(ないと分かり辛い所だけ補足しました)
半角スペースは傍点があった所です。旧漢字は現在の漢字を使用しました。
ほんがり、は本の通り。マカロニは長さ七寸五分、20本で25匁のようです。


○豚肉カツレツとマカロニー(佛 コトレツト・ド・ポルク・ア・ラ・ミラネーズ)
これは、豚肉のカツレツに伊太利風に調味したマカロニー(西洋の管饂飩)の煮込みを附け合はせた皿盛りです。
カツレツもマカロニーも冷めては味が劣りますから、温いところを盛り合はせて侑めます。

・材料(五人前)
豚肉肩ロース百匁、牛の脛肉五十匁、玉子一個、塩、胡椒各少量、メリケン粉大匙二杯、バター大匙山盛一杯、
玉葱大一個、蕃茄百五十匁(中位のもの約五六個)、マカロニー十本、パン粉大匙五杯、
レモン(又は柚子)一個、ヘツト適宜、合計一圓五十五銭位、一人前三十一銭。
・下拵
牛の脛肉(牛肉の最下等品、百匁三十銭以下)五十匁を挽肉にして求め、塩と胡椒をふりかけ、
メリケン粉を少々まぶしておきます。
玉葱一個は微塵に刻んでおきます。
蕃茄は、熱湯を注[か]けて薄皮をむき、横二つに切つて種子を出し、果肉を細切[こまぎり]にしておきます。
マカロニーは、塩を少々加へた熱湯に入れて三十分間程茹で、笊に上げて水気を断[き]つて置きます。
 つづく
241ぱくぱく名無しさん:2008/03/16(日) 01:23:05 ID:s/flXArU0
  つづき
・調理
先ずマカロニーの煮込みを作ります。
フライパンにバター大匙山盛り一杯を入れて火にかけ、よく溶けたところへ微塵切りの玉葱を入れ、
よい香[にほひ]の出るまで炒め、その中へ前の牛肉を入れて五分間も炒め、次に細切の蕃茄を加へて
又五分間程煮た後、全部を煮込鍋に移して熱湯三合を加へ、文火で一時間以上とつぷりと煮含め、
これを清潔[きれい]な布巾で濾し、その濾し汁を再び元の鍋に戻し、この中へ茹でたマカロニー、
塩、胡椒を た っ ぷ り と加へて調味し、更に十分以上も煮たらば、バター一つまみと
メリケン粉一つまみをよくまぜ合はせたものを入れてよくまぜ、一煮立てしたらば鍋を下ろします。
蕃茄を加へる料理には、いつも塩、胡椒を充分に加へないと真の味は出ません。又蕃茄は新鮮なものでないと
味が悪い。トマトのない場合には瓶詰のトマト・クリームを用ひます。
次にカツレツを作ります。
豚の肩ロース肉百匁は薄く大きく五切れに切り、爼の上で擂粉木で軽く叩いてから肉の両面に
塩と胡椒をふりかけ、メリケン粉を薄くまぶし、玉子汁をつけ、最後にパン粉を全面にまぶしつけ、
これをヘツトか或は他の脂油を熱した中に入れて充分に火の通るまで ほ ん が りと揚げ、
紙の上にとつて油気を断り、皿に移し、レモンの輪切を添へ、前のマカロニー或は饂飩の煮込を
附け合はせて温いところを侑めます。
カツレツはメリケン粉を厚くつけると、出来上つてから衣が剥げますから、極く少しつける方がよいのです。
242ぱくぱく名無しさん:2008/03/16(日) 12:07:44 ID:w/K3Ji3f0
乙です。
蕃茄はトマトか。
管饂飩て言うのが良いなw
243ぱくぱく名無しさん:2008/04/09(水) 00:33:51 ID:vbo4ew5e0
ほし
244ぱくぱく名無しさん:2008/04/13(日) 17:06:26 ID:8dYckA2DO
(゜Д゜≡゜Д゜)ダレモイナーイ??

スレ内で何度か、まとめサイトの話が出てますですが、
個人的に読み返し用に作ったやつでよかったら
コソーリ置いていきます。

ttp://mblg.tv/oldrecipe/

いらんかったらすいませんした。
245ぱくぱく名無しさん:2008/04/13(日) 20:37:05 ID:cdbcb+NC0
>>244
いるよ!いるよ!乙です!
246ぱくぱく名無しさん:2008/04/13(日) 23:42:36 ID:rdFrvSTR0
>>244
(`・ω・´)b G.Jです
247ぱくぱく名無しさん:2008/04/14(月) 17:38:31 ID:mFvLrVexO
生まれて初めて2ちゃんで乙&GJもらったよ!
(表示振り分けしましたが、どっか見にくかったら教えてくだされ)
しかし5年で300いかないまったり長寿スレ…
248ぱくぱく名無しさん:2008/04/15(火) 22:05:09 ID:cCOChQRU0
244様、乙であります!
240であります。将来的に必要になりましたらご利用ください!
レシピ出所:昭和六年一月一日発行 婦人倶楽部新年号付録
簡単な西洋料理支那料理
249ぱくぱく名無しさん:2008/04/21(月) 20:30:38 ID:Ru1uc1V+0
俺も投稿してみる
阿川弘之著「食味風々録」に引用されてた「海軍厨業管理教科書」記載の
海軍式肉じゃがの作り方

一:油入れ送気
二:三分後生牛肉入れ
三:七分後砂糖入れ
四:十分後醤油入れ
五:十四分後蒟蒻、馬鈴薯入れ
六:三十一分後玉葱入れ
七:三十四分後終了

備考
一:醤油を早く入れると醤油臭く、味を悪くすることがある。
二:合計三十五分と見積もれば充分である。

他にも明治三十五年発行の「料理の枝折」という本を持っているので
そのうちぼつぼつと投稿しようと思います
250ぱくぱく名無しさん:2008/04/21(月) 20:33:43 ID:0Nji7c3N0
タマネギにあまり火を通さないのか
251ぱくぱく名無しさん:2008/04/22(火) 01:40:50 ID:TB5ZjxaI0
何分後ってのは全部一から数えてってことなんだね。
書き方が簡潔なのもさすが軍隊って感じだねぇ。
252ぱくぱく名無しさん:2008/04/22(火) 17:58:35 ID:a6Ewsntl0
>>249
海軍式肉じゃがは実際に作ったことあるけど、旨かった。
一般に言われてるレシピと違ってジャガイモがほっくりしていて、玉葱の甘みとかが出ていて家族にも好評だった。

>>250
スチーム式の大釜使っていたから余熱で火が通るのかと・・・。
>>251
大所帯の軍艦とかだと時間とかも掛けられないでしょうからねぇ・・


自分も「海軍厨業管理教科書」の復刻版と言うか本を持っていますので、
その内レシピあげておきます。
253ぱくぱく名無しさん:2008/04/27(日) 00:31:28 ID:ykBtztMP0
主婦の友社 家庭向き西洋料理の作り方 昭和12年発行 ¥1.50

今でも通用するスタンダードな料理が載っている。

洋風の結婚披露の献立
 スープ・クリザン(菊のスープ)
 コールド・ラブスター(冷たい海老)
 クイル・スチュー・イン・カスロール(鶉の鍋煮)
 ロースト・チキン・サラダ(鶏の蒸焼)
 スチュードペアス・ウィズ・クリーム(煮梨クリームかけ)
 オレンジ・イン・ジェリ−(オレンジゼリー)
 ウエディング・ケーキ(結婚式の飾り菓子)
 紅茶またはコーヒー
 食卓の作り方と御馳走のすすめ方

 内輪の親しい方のみお招きして、結婚披露のご挨拶を兼ねて、
お茶でも差し上げたいといふ、ごく家庭的な小宴会のつもりで、
献立を作りました。それなら、お料理にしても、冷たいもの二三品と、
後は紅茶にケーキくらいで結構です。お招きを受けた方も、
寛いだ気持ちでお出で下さることと思ひます。
 この献立てで、温めてすすめるのはスープと煮物だけ、
後は初めからテーブルに飾っておき、取り廻しにします。
これは結婚御披露ばかりでなく、クリスマスや誕生日、
その他の家庭宴会に応用して頂きます。材料は全て6人前です。

……とかなり実践的。
254ぱくぱく名無しさん:2008/04/27(日) 02:36:35 ID:SUO+2w860
>>253
他は現代でも見たことあるような献立だけど、スープだけ想像つかない。
透き通ったコンソメの中に、黄色い菊の花びらがふわふわ浮いてる感じ…?
255ぱくぱく名無しさん:2008/04/27(日) 10:11:36 ID:ykBtztMP0
あたり。

スープ・クリザン (菊のスープ)
菊の花を浮かせて、お目出度い意味を表した、きれいで風味のいいスープです。
◆材料=鶏骨五羽分、菊の花の干したもの茶匙二杯、玉葱一個、
人参一本、パセリ少々、他に調味料など。
◆作り方=初めスープをおいしく取ります。鶏骨をぶつ切りにし、
ざっと水洗ひして一升(一・八リットル)の水を加え、
人参や玉葱の粗切りを一緒に入れて、煮立つまでは強火に、
あとは弱火にし、上に浮くあくを取捨てながら、約半分になるまで煮詰めます。
火を止めてから鶏骨を取出し、スープをきれいなネルの布で濾します。
これを再び鍋に戻し、鹽と、胡椒少しと、味の素を少々振り込んで、
よいお加減に味を付けます。中身は干した菊の花に熱湯をかけて水気を絞り、
ばらばらにほぐして少しづつスープ皿に入れ、
熱いスープを上から注込んでおすすめします。
 澄んだきれいなスープに菊の香りが漂って、日本人好みの上品なものです。
256ぱくぱく名無しさん:2008/04/27(日) 12:43:16 ID:yFnyCj2oO
>>244
まとめ作って頂いてありがとうございます!
257ぱくぱく名無しさん:2008/04/27(日) 19:38:50 ID:6oYImVgXO
このスレ初めて見たけどすごいねー
258家庭向き西洋料理の作り方:2008/04/27(日) 22:26:15 ID:ykBtztMP0
ボイルドドレッシング
 一名、ボイルド・マヨネーズ・ドレッシングといふくらい、
このドレッシングは、見たところはマヨネーズと変わりませんが、
油が入らないところが特徴です。脂肪過多の人や,脂肪を摂つてわるい人、
子供、老人、病人などにふさはしいドレッシングです。
 馬鈴薯、マカロニのやうな澱粉質のものには、
さつぱりしたこのドレッシングが合ひます。
◆材料=メリケン粉を大匙一杯、牛乳コップ一杯、バタ大匙4杯、
卵2個、砂糖大匙一杯、塩茶匙一杯、西洋芥子<マスタード>茶匙1杯、
酢(あまり強くないもの)コップ四分の一杯。
◆作り方=まづメリケン粉を牛乳で粒々のできぬやうによく溶いて
バタと合わせ、湯煎にかけます。一方では卵を黄身と白身に分け、
黄身には酢、砂糖、塩、西洋芥子を混ぜ合わせておき、
白身は固く泡立てておきます。
 そして,湯煎の牛乳がどろりと煮返つたなら、用意した黄身を加へ、
絶えずかき混ぜながら、黄身の煮えるまで待ちます。
 火が通ると、マヨネーズのやうになつてきますから、
下ろして泡立てた白身にさつと混ぜ合わせ、充分冷ましてから用ひます。
 これにも、マヨネーズ同様、いろいろな材料や調味料を取合わせる方も
ありますが、これは却て、このままの方が美味しいやうです。
259家庭向き西洋料理の作り方:2008/04/27(日) 22:27:17 ID:ykBtztMP0
**作ってみました**
白身の泡立てたものを混ぜたときは、プンと卵臭く
大丈夫かな、と心配になりましたが、冷めたらよくなりました。

口に入れたときは確かにマヨネーズ!
その後はかなく消えて何も残らない。
もしこの味に名前を付けるとしたら
「黄身酢の淡雪仕立」でしょうか。

澱粉質に合う、という理由がわかりました。
口の中に油の膜が残らないので、生野菜の渋味がカバーできません。
ひと塩して絞ったものなら美味しく食べられると思います。
フランスパンにつけると……止まらない……

塩は少し足し、小さじ一杯強くらいになりました。
卵がL玉だったので薄まったのかもしれません。
260ぱくぱく名無しさん:2008/04/29(火) 10:34:24 ID:Z69GRohf0
>>249のを見て、小林カツ代の肉じゃがレシピに(が)近い感じ。
肉を先に味付けてからじゃがいもを入れるんだよね。
これ美味しいから自分もやっている。
時間なんて気にしないがw

自分が持っているレシピ本なんてせいぜい昭和4〜50年代からだから
まったく足元にも及ばないな。このスレ楽しみにしてます。

261ぱくぱく名無しさん:2008/04/30(水) 01:44:18 ID:b8x9C2TWO
>>249の「送気」っていうのは、ふいごとかで、かまどに風を送って火を強めるってことかな。
陸軍や海軍のレシピは実用的だねー。

>>260
昭和40〜50年代でもすごいよ。高度成長期ってその頃よね、洋食レシピとか多そう。
262ぱくぱく名無しさん:2008/04/30(水) 04:17:40 ID:aJTG2/YsO
マンモスの肉を皮や毛が付いたまま輪切りにして焼いたものをそのまま食卓に
端から口をアングリと開けて被りつき中心に向かって食べ進める
263ぱくぱく名無しさん:2008/04/30(水) 09:05:23 ID:07Xcgtnh0
どんだけ無知なの
264ぱくぱく名無しさん:2008/05/01(木) 01:21:27 ID:EcNkKkHEO
>>263
まったくだよな。いくら何でもマンモスの毛は食えない。
265ぱくぱく名無しさん:2008/05/06(火) 23:16:23 ID:yYlCNkbj0
ポルク・エマンセイ・ウィズ・アップル

豚肉を林檎と一緒に煮込んだもので、たいそうあっさりした料理であります。ご飯のお菜(おかず)には
ちょっと不向きかもしれませんが、パンに添える軽い昼食向きにはお誂え向きでありましょう。

豚肉のロース一人前20匁(70g)
林檎一人前半個
玉葱三分の一個
大蒜(にんにく)一片
バタ、塩、胡椒

林檎を縦二つに割って、心(芯)をとって横二分(6ミリ)厚さに切ります。肉はロースのところを
一人前20匁(70g)当てに、林檎と同じくらいの大きさに切ります。玉葱はみじん切りにし、大蒜も
みじんに刻みます。各々用意ができましたら、まず肉に軽く塩、胡椒してバタで炒めます(色のつかぬくらい)。
林檎も同じくバタで、ちょっと軟らかくにる程度に炒めます。玉葱と大蒜は一緒にして鍋に入れ、バタでやはり
色づかぬ程度にいため、塩、胡椒を軽くします。
こうして全部いため終わりましたら、深鍋に肉、林檎、肉、林檎と交互に並べて重ねて入れ、玉葱と大蒜をいため
てある鍋の中へスープを肉が隠れる程度の量だけ入れ、よくかき混ぜて肉の鍋に注ぎ込み、肉も林檎も軟らかくな
るまで弱火で煮込みます。10分か15分で出来上がります。
主婦之友昭和4年
266ぱくぱく名無しさん:2008/05/08(木) 23:34:00 ID:BoHRIUP40
大正6年発行

スカロップフヰッシュ
淡白なる魚二十匁 玉子一つ 牛乳大匙二杯 麥粉(小麦粉)大匙軽く一杯 
バター小匙一杯半 食鹽(食塩)小匙四分の一 パン粉中匙一杯

拵ヘ方
淡白なる白身の魚を三枚におろし小骨と皮を去り、細かに刺身の半分位に切りて、
パッと薄鹽(薄塩)をふり置くべし。又一方には玉子を割りて丼に入れよく掻き立てし、
小麥粉を加へて交ぜ、牛乳を大匙二杯程入れて尚よく溶き丼中に先の魚を入れ、残りの
食鹽を加へて混ぜ合せ置き、帆立貝又は虫包(虫偏に包むと書く。多分、「貝」であろう)
貝殻、大蛤の殻にバターをしきて其の中に入れパン粉を其上に振りかけ又其上にバターを
少々のせて貝のまゝ天火に入るゝか又は玉子焼き器に入るゝか、苦しくは自在蒸し焼器
(新案特許三五七四六号)にて十五六分間蒸し焼きにしてすゝむべし。
此食物は老人子供又は病人等何れにもよろし。牛乳なき時は、水を入れても妨げなし。
好みによりては、胡椒を少々用ふるもよろし。貝殻のなき時は小さき土鍋を用ひて共まゝ
火にかけ、鍋の上に焙烙又は、鐡葉(たぶんブリキ)をのせ其上に火を載せて上下より
焼くべし。下火は四分の割台を適度とす。

読みにくいかもしれないが、句読点及び文章はそのままにした。
また、漢字が古すぎて使えない物は現在使われている漢字に置き換えた。
267ぱくぱく名無しさん:2008/05/09(金) 14:46:24 ID:VMI3uhnB0
母の料理ノートより
昭和30年前後と思われます。
おせちに必ず入ってました。甘酢はらっきょう酢程度の甘さです。

ハワイ料理 のめのめセーォリ
材料  鮭、玉ねぎ、トマト
作り方 鮭を細かくちぎり、玉ねぎは薄く輪切りに。
    トマトは大きめに切った物を一緒にスにつける。
    少少砂糖を入れる(ビン等につける事)

母は進駐軍のハウスメイドをしており、そこのマダームに
料理を習っていたということです。
マダームはハワイ二世。先日大往生なさいました。アーメン
268ぱくぱく名無しさん:2008/05/09(金) 17:17:35 ID:GIzE7RLO0
大正6年発行
蒸カステーラ
分量10人前 玉子五箇 砂糖八十匁 メリケン粉六十匁 ベーキングパウダー小匙一杯

兜鉢様の器に、玉子五箇を白身も黄身も一所に割りて入れ、砂糖八十匁を加へ、泡立器にて
十分に泡を立て、次にメリケン粉六十匁ベーキングパウダー小匙一杯を加へてよく交ぜ、
毛篩(けふるい)又は裏漉しにかけ、塊のない様にして入れ、練らぬ様に雑つと(ざっと)
混ぜ、蒸籠の中に押箱の底をはずして入れ、濡布巾を敷き、其中に八分目程流し入れ、
沸つた(たぎった)湯気にかけて蒸すなり。凡そ三十分にて蒸し上がるなり。此時蒸籠を
おろし団扇にて煽ぎ冷まして取り出し、冷めて後適宜に切るべし。熱き中にはよく切れぬ
ものなり。尚これに好める香料を入れて蒸すもよろしく、又砂糖を減じ少しの監気を加味
して食パン代りとするもよろし。
269ぱくぱく名無しさん:2008/05/09(金) 17:23:39 ID:68A5IyuJ0
>>268
普通のレシピだけど量が多いな
270ぱくぱく名無しさん:2008/05/09(金) 17:27:55 ID:4SZ2MRgg0
末文の「監」はおそらく鹽(塩)だな
最近活発で面白いな、このスレ
271母の料理ノートより:2008/05/09(金) 18:58:46 ID:VMI3uhnB0
もういっこ、連投スマソ

アメリカ料理 フライチキン
チキンを骨つきのまま大きめに切った物へコショー、塩を適当に振り掛け
肉へもみらせる。
其の物をフラーワを良くつけ
フライパンで焼く低度の油でキツネ色位に焼き揚げた物を、
再びセイロー等で蒸す事。
フライチキン料理につき物の食べる物はコン(トウモロコシのカンヅメ)
グレービを掛けて一緒に食べる(手づかみで食べる事を認める)
油はシラシメ

フラワーはたぶん、メリケン粉、しかしシラシメとは??
また、「焼く程度の油」なのかもしれず、焼くのか揚げるのか
よくワカランが、少量の油で焼いて手づかみで食べてみたところ
非常に美味しゅうございました。

グレービーの作り方は別項にあり、「チキン出しを取り正油、味の素へ
片栗粉を少少入れる」ということです。
272ぱくぱく名無しさん:2008/05/09(金) 19:08:26 ID:68A5IyuJ0
白絞油のことだろ
グレービーが醤油と片栗ってのが和風だのうw
273母の料理ノートより:2008/05/09(金) 19:37:45 ID:VMI3uhnB0
>>272 ありがトン 白絞かあ!
とにかく「油はシラシメ」との注意書き多数。
健康指向だったのでしょうか。
それにしてはやたら「味の素少少」が登場しますw
「味の素(入れ忘れぬよう!)」なんていう表記も。

このうそんこグレービー、妙に美味しい…
274ぱくぱく名無しさん:2008/05/09(金) 23:07:27 ID:GIzE7RLO0
>>270
塩のようでした。「鹽」の字が出なかったもので。今後はこの字でいきます。

大正6年発行
オムレツ、大根雪おろし
分量 十人前 豚肉百匁 玉子大十箇 玉葱小三つ バター大匙二杯 鹽、胡椒各三匁半
牛乳中匙廿杯(一合二勺) メリケン粉中匙二杯

準備
一 玉葱の外側の皮を除きて洗ひ置く。
二 豚の肉を百匁買ひ求めて、一分の厚みに切る
三 切りたる肉は、出刃を平に持ちて、よくたゝきビフテキの時の如く、鹽・胡椒を一面に振りて
  重ね置き、次にフライ鍋にバタかヘツト(ヘット)かラードを、とかしてビフテキと同じ要領
  にて焼き、之を俎(まな板)の上にとり、二三分四方の大きさに切り置く。
拵へ方
先づフライ鍋に、小匙一杯位のラードを熔して、切りたる葱をいため、鹽をパツと振り、葱の稍々火の
通りたる時に、切り置きたる肉を入れて、小匙一杯の砂糖と中匙三杯の醤油にてちよと味をつけ、ほゝ゛
煮えたる頃、中匙平に二杯のメリケン粉を三倍の水にてときたるを入れ、粉の煮えたる時は、直に鍋を
おろして、十箇に分ち置くなり。次に玉子は小なれば二箇、大なれば一箇の割合にてよろし。先づ一人分
づゝ小さき鉢に玉子を割り入れ、よく交ぜて中匙二杯の牛乳と、半匁の鹽と鹽の半分程の胡椒とを入れて
交ぜ、其中に先に分ち置きたる葱と肉との一塊を入れちよと交ぜ、直にフライ鍋に小匙半杯のバタと同量
のラードを入れて、よく煙の立つまで焼きて皆一度に入れ、手早く中の具を鍋の半分より手前の方へかき集め、
焦さぬように焼きて、上面の半熱になりたる頃、箸を向ふ側の玉子の下に入れて、左手ね加勢して、鍋を
手前より向ふに押し出す心持ちにて直ぐ又手前に引くやうに動かし、其はづみにて玉子を手前に半月形に
二つ折りとして、表を出して皿に盛り大根の雪おろしを添へて出すなり。玉子の厚焼と同じく雪おろしには、
ソースをかけて出すなり。これも温き中に食するやうに客にすゝむべし。
275ぱくぱく名無しさん:2008/05/09(金) 23:07:56 ID:GIzE7RLO0
應用一 オムレツの中に入るゝ具は此他に何々を入れてよろしきか。牛肉、雛肉、馬肉、蝦、莢豆、筍、馬鈴薯、
葱、土當歸、松茸、しめじ等よろし。但し莢豆、土當歸、筍等は一度柔に煠で、今の如く下煮をして入れるべし。
具は二種三種一度に入れてよろし。
應用二 何もなき場合は玉子のみにて、一人前二箇とし、白身は泡を立てゝ後、黄身と交ぜ、牛乳の代りには水
又は煮出を入れ、なほ又ソップを入るゝもよろし。鹽と胡椒入てフライ鍋にて焼き、半熱と
なしたる時に、浅草海苔をあぶり、二銭銅貨位に切りて一面に入れ、二つ折とし大根おろしにソースをかけ出して
よろし。
應用三 多人數分造る時は一度に大きく焼きて幾箇にも切りて出してよろし。
276ぱくぱく名無しさん:2008/05/11(日) 22:41:09 ID:pSAcd+Bu0
大正6年発行
ポテトースフレ
馬鈴薯一斤半 牛乳一合 玉子二箇 鹽小匙一杯 砂糖四十匁 バタ少量

拵へ方
馬鈴薯をマッシュになし置き、玉子は黄味と白味に別け、黄味の方に鹽と砂糖を入れて、鉢の中にて十分に
擂りて泡を立て置き、白味を皿にとりて泡を立て置く。面して黄味のほうに牛乳を入れ、又マッシュを入れて
よく交ぜ、最後に白味の泡立てたるを入れて、又十分に掻き交ぜ天パン天火の中の鍋に油をしき、其上に美濃紙
をしき、又其上に油をしきたる中に流し込み、強からぬ火にて、十五分間焼くなり。火加減は下が二分、上が四分
にするがよろし。丁度馬鈴薯入りのカステーラのやうに出来上るなり。玉子多き時は却て脹れざるものと心得べし。
277ぱくぱく名無しさん:2008/05/12(月) 09:09:55 ID:/XLi0LYA0
大根おろしにかけるソースはウスターソースなのだろうか、かなり気になるw
あと、ソップってのはスープのことか?
278ぱくぱく名無しさん:2008/05/12(月) 23:17:13 ID:QifFX3O20
ウスターソースですね。他の記述で書いてありました。原料を見ると、現在のように添加物はなく野菜と果物、スパイスだけのものみたい
です。ソップはスープのようです。

大正6年発行
シチュー
バラ肉一斤 玉葱三つ 馬鈴薯一斤半 人参二本 グリーンピース罐の三分の一 小麥粉七勺 ペパー中匙半杯 鹽七匁 
ウスターソース二勺

準備
野菜を洗ふ。 馬鈴薯は皮を剥き、五分位の厚みに切り水に漬け置く。 人参は二分弱の輪切りにして面を取る。細きは亂切り、又は五分
七分の輪切りにして、面を取るもよし。 玉葱は上皮を除き、先を切り根本は苦きもの故庖丁にて抉るやうにして取り除き、之を洗ひ二分
の輪切りとなすべし。 グリーンピースは罐詰の三分の一だけを取り出し湯にて洗ひ置くべし。 肉は肋骨の部のバラ肉がよろし。大切り
のまゝ求めて七八分の角に切り、鹽一匁と胡椒少々ふり置く。

煮方
フライパンを火にかけ、バタかラードかを中匙に一杯入れて、煙の立ちし時、先の肉を入れていため、狐色になりし頃、其肉のみを別の深鍋に
うつし、湯を一升五合程入れて一時間半ばかり煮るなり。而して之に馬鈴薯を入れ、鹽を吸物加減に入れ、馬鈴薯と人参が殆ど煮えたる頃、玉葱
を最後に入れて、くづれぬやうに煮るなり。そして一方には小麥粉を一人分中匙一杯位のあてにはかりて、フライパンに入れて狐色にいり、其内
に先に肉をいためし時の汁及び水を入れ、火の上にて程よくゆるめてこれを深鍋の方に入れ、玉葱の煮えたる頃、醤油少々とペパーとを入れて味
をつけ温かきうちに出すなり。汁の中にトマトソースかウスターソースを醤油の代りに少々加味する時は、味大によろし。トマトソースなき時は
生のトマトーを切りて入るゝもよろし。
注意 小麥粉の代りにコーンスターチなればなほよし。

盛り方
西洋料理のシチュー皿を用ひ、肉と野菜と汁を程よく盛り、最後にグリーンピースを上より十粒餘り振りまきて出すなり。
グリーンピースは色取りに入るゝなり。されば他に豆の青きものあらば、ちよと鹽煠でになし上に載せてもよろし。又莢
ある豆を粒切りして、鹽煠でになしたるものにてもよろし。
279ぱくぱく名無しさん:2008/05/12(月) 23:17:59 ID:QifFX3O20
應用
一、シチューは日本料理の何に似たるか。のつぺい汁けんちん汁に似たり。
二、シチューの肉は牛肉に限れりや。豚肉も大に柔にてよろし。これを入るゝには田中式の通り肉をいためるとき、微塵に
切りたる玉葱小匙山盛一杯と生姜小匙半に一杯を入れて炒る時は臭気を消し、鶏肉の如く味よきものとなるなり。鶏肉を入
るれば、一層よろし。
三、野菜は此以外何を入れゝか。夕顔・胡瓜・芋・長芋等よろし。

※田中式というは、大正時代に豚肉の調理法を研究し普及に努めた 東京帝国大農学部豚解剖学の田中宏氏が発表されたもの
のようです。興味のある方は、「田中式」「豚肉」でぐぐってみてください。
280ぱくぱく名無しさん:2008/05/13(火) 05:33:11 ID:j5lzkX7nO
シチューにキュウリ!

斬新だな…
281ぱくぱく名無しさん:2008/05/13(火) 09:16:35 ID:kPJ9+r7+0
ttp://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Circle/2248/jinpaga06.html
田中式でぐぐったらこんなページが
脳みそのフライとか斬新だな
282ぱくぱく名無しさん:2008/05/13(火) 17:19:37 ID:4l8+aC650
大正6年発行
ハッシュビーフ
豚肉牛肉各々半斤 玉葱小半箇 パン粉八勺 生姜少々 食鹽二匁 胡椒一匁 玉子小二箇
バタ小匙一杯

準備
玉葱と生姜を洗ふ。 入用の道具を出す。 肉を求めたる時添へ來りし脂肪を鍋にて溶し用ふ。

拵へ方
豚肉と牛肉の挽き肉にしたるものを求め、それに洗ひたる玉葱を卸金にて、其側面より半分程
卸したるを肉の中に入れ、次に生姜を五厘銅貨の丸さ程に皮を剥き、同じく卸金にておろし、
肉の中に入れ、鹽も胡椒も定まりたる程入れ、パン粉は手にて握らるゝ程にしめして入れ、擂鉢
にてざつと擂り、玉子を一箇づゝ割りて入れ、全部皆まざりたる時に、玉子焼鍋にラードかヘット
を溶して十分塗りつけたる内に、先の肉を厚さ六七分位に見計り、手先にて輕く壓すやうにして平
に入れ、尚四角にバタを少しづゝ載せ、上より蓋をして火を載せ、上下より焼くなり。此時火は下
に二分上に八分とすべし。あまり強からぬ火にて中までよく焼き、蓋をとりて見て玉子焼き鍋の、
周圍より肉の離れたるを度として鍋をおろし、焼き中に十切りぐらゐに切り洋皿の眞中に盛り、上に
マッシュポテトーの花の押し出し吸口にて、肉の中央より少し右によつたる上に、花を押し出して、 
ウスタソースを少々材料にかけぬやうに皿にかけて出す。普通商店に販賣するソースがウスタソース
なり。これなき時は酒と砂糖と醤油と程よく甘からに合せ、一煮立ちしたるを用ひてもよし。
老人には最もよろこばるゝ料理なり。日本料理に添へて出す時は、西洋料理は最後に出すべし。
283ぱくぱく名無しさん:2008/05/13(火) 22:20:36 ID:4l8+aC650
大正6年発行
ボイルドチキン
之は主に足の方の肉にて料理す。股部の肉の足爪先を切り離し、第二の関節にて二つに切り、上股の方は
肉多き故に左右を切り取りて形を整へ鍋に入れ材料を被る程充分に熱湯を注ぎ、肉百匁につき一匁の食
鹽を加へて四時間程煮るべし。之は大に時間を要するものなれば、他の料理の暇々を見て気長に煮るを
よしとす。煮上ぐるとき少量の設利酒(セリー酒)を注ぎ少時煮て充分柔に煮上りたる時は、一切りづ
つ皿に盛りてマイナイスソースかサラドドレッシングをかけて出すべし。略しては煮汁にメリケン粉を
とき、とろ〱にしてかけて出すべし。設利酒なき時は用ひざるもよろし。

附 マイナイスソース
之を製するには鶏卵一箇を割りて黄味と白味とに別け白味は用ひず、黄味の方に小匙一杯の芥子を加へて
よく攪拌し、胡椒を小匙三分の一食鹽を小匙一杯入れて味を附け、更に小匙一杯の酢と五勺程のサラド油
とを加へてよく攪拌したるものなり。是はサラド用のソースなり。オレーフ油にてもよろし。オリーブ油
とも云ふ。

附 サラドドレッシング
之を製するには一箇の鶏卵を鉢に割り小匙一杯の芥子と一杯の食鹽とを加へ、よく攪拌しつゝ中匙一杯の
砂糖とオレーフ油少量を加へ更に大匙一杯程のバタを煮溶したるを入れ、次に小匙一杯のメリケン粉を加
へて手早く攪拌し、之に五勺餘の酢を混じソース鍋に移して中火にかけて絶えずかきまわしつゝ十數分間
煮込みて鍋を下して用ふ。之もサラド用のソースなり。
284ぱくぱく名無しさん:2008/05/14(水) 00:21:56 ID:2tuCkPAU0
>>282
ハッシュビーフって、ハッシュドビーフじゃなくてむしろ
ミートローフっぽいね。いきなり挽き肉って書いてあるから
(゚Д゚)?とオモタ。
285ぱくぱく名無しさん:2008/05/14(水) 03:50:10 ID:fLxVN6HH0
マイナイスソースw
my nice かとおもたらマヨネーズ
286ぱくぱく名無しさん:2008/05/14(水) 17:01:28 ID:Wqj90Mqk0
>>284
ハッシュポテトの肉バージョンか?とも思ったのですが、ミートローフに近い感じですよね。

>>285
マイナイスって何だよ・・・と思ってたらマヨネーズですた。作り方自体は現在とそんな変わり
はないみたいですね。当時は気持ち悪がる人が多かったそうです。

287ぱくぱく名無しさん:2008/05/14(水) 17:22:48 ID:Wqj90Mqk0
大正6年発行
ブラマンヂアー
牛乳一合 玉子の白味小二箇 砂糖十匁 コーンフラワー盃一杯(片栗粉にてもよろし)
水盃二杯 檸檬油小匙半杯(入れずともよろし)

拵へ方
先づ牛乳を土鍋又は平鍋に入れ、十五匁内ばの白砂糖を入れて煮立たしむ。次にコーンフラワー又は
片栗粉を十匁程(盃一杯)茶碗に入れ二倍の水にて溶きてどろどろ加減になし置く。面して牛乳の煮立ち
たる時其鍋を下して溶きたるコーンフラワーを其中に少しづつ入れてよく交ぜ、再び鍋を弱火にかけて
十分ねり上げ、ぶつ〱と煮立ち來りし時、また鍋を下して冷えぬ中に玉子の白味を半泡立て簪の耳掻に
一杯程の鹽を入れて充分に泡立て置きたるを、一度に入れて杓子にて手早く充分に交ぜるなり。檸檬
油は最後に二三滴落としてよく交ぜて香をつけ、冷めぬ中に盃又は茶呑茶碗又は菓子型を煮冷しの水に
浸して、露あるまゝ其中に入れて冷し固めて、よく固まりたる時、抜き出すべし。夏は其上に氷を卸し
て載せて出すもよろしかるべく、冬は冷さず温きまゝ茶碗に入れて侑むるもよろしかるべし。之は病人
ならずとも滋養を欲する人には最上の食物なり。黄味を此料理に用ふるには、コーンフラワーを少し多く入れ
て、堅くねりたる中に黄味をよく掻き立てたるを入れ、ちよと又火にかけてねりて後、かたむべし。
黄、白二色出來て美し。黄味の方は、檸檬油を數滴最後に落して固むる時は一層美味なり。

檸檬油はひょっとしてレモンエッセンスとかそういうのかな?
288ぱくぱく名無しさん:2008/05/14(水) 22:39:06 ID:Wqj90Mqk0
大正6年発行
キヤベージ巻(キヤベツ巻とも云ふ)
キヤベージ中形一箇 豚肉百二十匁(牛肉にてもよろし) 馬鈴薯中六箇(又はパン粉五六勺)
玉子一箇 鹽・胡椒少々 バタ中匙山盛一杯 スープ三四合

準備
一、キヤベージ(甘藍)の枯葉を除き、莖の葉附の部分を庖刀にて切り離して、一枚づつ破れぬやうに
剥がしてC水にて洗ひ、熱湯中に入れ鹽を投じて柔に煠で、笊(ざる)に生揚げ(きあげ)にして冷めて後
一枚づつ乾きたる布巾に巻きて破らぬやうにして壓して、葉の中の汁を十分に搾り置くべし。
二、豚肉又は牛肉は挽肉を用ふ。之なき時は俎(まな板)の上にて細に切りて敲き(たたき)置くべし。又
牛肉半々に合はすもよろし。
三、馬鈴薯は煠でて漉しをなし置くべし。

拵へ方
先づ擂肉を擂鉢に入れ、小匙に輕く一杯の鹽と其半分の胡椒とを加へてよく擂り、漉したる馬鈴薯か、又は
パン粉を水にて濕し(うるほし)(多分、潤おしであろう)、堅く搾りたるものを入れ、其中に玉子を一箇割り入れ
充分に擂りて粘氣の出でたるときは、玉子の大きさに丸めて、先に用意し置きたるキヤベージの葉柄の太き部分
はそぎ取りて、俎の上に葉先を向ふにして載せ、手前の葉の元の部分に肉を細長く二寸位の長さにして載せて
一巻き堅く巻きて、兩端を折り込み、全部巻き終りたる時は、其巻き目を下にして鐵鍋(鉄鍋であろう)に竝べて
火にかけ、シユウと音して焦げつきそうになりたる時、中匙一杯のバタをフライ鍋にて溶きて上よりかけ、直に
スープを五六号入れてひた〱となし、中火にかけて二十分煮て鹽と少しの醤油を入れて味をつけ、胡椒を小匙に
一杯ふり入れて風味を添へ、なほ五六分間煮て鍋をおろし、蓋をなし其汁を他の鍋に移して火にかけ、其中に
メリケン粉を五勺程スープ又は水にてどろ〱に溶きて入れ、一煮立ちしたる時、キヤベージ巻の方に一度にかけ、
温き中に二つづつ皿に盛り、汁を程よくかけて出すべし。スープなき時は其代りに白湯を入れて煮て、最後に
調味料味の素にて味をつくべし。夏冬共によき調理法なり。

289ぱくぱく名無しさん:2008/05/15(木) 22:15:29 ID:6lW4Obbe0
大正6年
ピーナツビスケツト
メリケン粉百匁 玉子二箇 燒粉二匁 砂糖四十匁 パタ大匙一杯 水十匁

準備
一、七輪に火を起す。 二、材料を秤る。 三、器具を出す。天火と玉子燒鍋を忘れるべからず

拵へ方
擂鉢に砂糖とバタを入れてよく擂り、玉子一箇づつ入れて十分に擂り、水を入れ次にメリケン粉に
燒粉を入れ、よく篩ひながら擂鉢に入れて、雜とこね、乾きたる板に手粉をふり、其上に取り出し、
上下へ粉をふり〱、ブリキ製の適宜の抜き型にて、形を抜き取るなり。此時粉のねり方堅き時は、
あまりに堅きビスケツトとなるなり、柔なるほどがよろし。次に玉子の白身を先に少々殘し置き、
注ェにて前に抜き取りるたビスケツトの上に一面に之を塗りて潤し、其上に落花生の皮をむき中の
實を一分位に切りたるを其上に振りかけ、其まゝ之をテンパンの上に、五分位づゝ離して列べ、中火
の天火に差し入れて十分間位燒き、程よく燒けたらば取り出し其まゝにして冷まし、テンパンが冷めて
後テンパンの底をちよと叩きて離し取るなり。

應用
天火なき時は何を應用すべきか。
玉子燒鍋の内に列べ上より葢をなし、弱き火にて燒けば、工合よく燒き得るなり。焙烙を二つ上下に
用ふるもよろし。凡て上の火は八分、下の火は二分の火力となすべし。
290ぱくぱく名無しさん:2008/05/16(金) 18:15:18 ID:mflF3rKi0
大正14年発行
ライスカレー
牛肉二十匁 洋人參三分の一 豆中匙一 玉葱小一 カレー粉茶匙一 小麥粉中匙一 鹽

拵へ方
牛肉を三分角切にし、鹽茶匙平一杯を振るなり。フライパンを熱し、肉を其中に入れ、周圍の色
の變ずる迄、いためるなり。カレー粉を入れてまぜ、ミヂン切玉葱の半分を入れていためるなり。
玉葱の軟かになりし時、更に小麥粉を入れていため、熱湯三合の中に入れ、火に掛け
一度煮立たる後、弱火にして三時間煮込むなり。肉小さきを以て一時間半位にてもよし。尚人參
を用ふるならば小なる賽目切になし、共に煮込みてよし。
鍋を下す三十分前に殘りの玉葱を入れるなり。鍋を下す時、鹽加減を試み、又粘氣の足らぬ時は
更に水溶したる粉を少量入れて煮るべし。味と外見上より豆のゆでし物を入るる時は、鍋を下
す間際になすべし。皿に飯七勺分位を盛り、之に體裁よく掛けて出すべし。
291ぱくぱく名無しさん:2008/05/16(金) 22:33:27 ID:mflF3rKi0
明治40年発行
プデングナポリテン
西洋索麵適量 牛乳二合 砂糖二十五匁 鶏卵二個 ワニラ少々(多分ヴァニラ)

製法の手順
鍋に西洋索麵(そうめん)を入れ、ほどよくC水を加へ火に架け、煠で終げて水中に投じ、直ちに
引上げて水氣を斷置き(きりおき)、それより小鍋に戻して牛乳を加へ、尚ほ砂糖を混じて弱火に
架け一と沸鰧せしめてザツトかきまはし、又別器に鶏卵を破り、よく殻片の無きやうに注意を爲し
蛋黄と白蛋とに分け、先づ蛋黄の方をよくかきまはして索麵の中へ混じ、又蛋白の方は四五本の箸
乃至は(または)泡立器にて充分に泡を立て、之も索麵と蛋黄を合せた中へ入れながら、かきまはし
ワニラを混じてパイ皿の中へ流込み、そのまゝテンピの中へ入れ、上火を弱くして十五分間ほど
燒くなり。

西洋索麵って、パスタのことかしら・・・・。
292ぱくぱく名無しさん:2008/05/16(金) 22:44:11 ID:l52eHdo+0
このなんとも微妙な外来語の表記揺れに、
ゲーテ云々の川柳を思い出さずに居られない
293ぱくぱく名無しさん:2008/05/16(金) 23:06:15 ID:mflF3rKi0
昔はプリンのことをプデン、プダンと言ってたそうですからね。聞き英語というか、
そのまま読み英語というか・・・。

明治40年発行
チースボーン
チース四十匁(チーズでしょうきっと) メリケン粉四十匁 砂糖二十匁 鶏卵一個

拵へ方
チースを擦金(おろし金)にてよく擦し、冑鉢の中へ入れメリケン粉を加へよく攪拌し置き、亦(また)
別器に鶏卵を破り、殻片の無きやうに注意を爲し蛋黄と蛋白とに分け、蛋黄の方を砂糖と共にメリケン粉
の中へ加へ、両手にて軟かになるまで錬り、伸板(のしいた)の上部に小許(すこし)のメリケン粉を撒布て
その上部に小許のメリケン粉を撒布てその上部に載せ、伸棒(のしぼう)にもメリケン粉をつけて一分ほど
の厚さに伸し、直ちに庖刀にて巾二分、長さ三寸ほど宛に截り(きり)テンパンの中へバタを塗り、少許〱
間を置ひて其中へ列へ、そのまゝテンピの中へ入れ、蓋を爲して上火を中火、下火を弱くして二十分ほど
燒なり。
294ぱくぱく名無しさん:2008/05/17(土) 16:24:47 ID:rIbYPOB/0
大正14年発行
ビーフスチユー
肋間肉七十五匁 小蕪五箇 人參十切(三分厚の小輪切) 玉葱極小五箇 馬鈴薯三箇 鹽胡椒 
メリケン粉 湯六合

拵へ方
肉を一切五勺宛の角切になし、強く鹽をなす。フライパンを熱したる中に入れ、周圍を焦す。六合
程の湯を入れたる鍋の中、又はスチユーパンに入れ、煮るなり。途中、上面に浮く灰汁を取るべし。
野菜は、肉の沸騰後一時間にして、先づ輪切の胡蘿蔔を入れ、更に一度間位の後、小形の玉葱をその
儘に入れ、尚暫くして小蕪をそのまゝ皮を取りしを入れ、出來上る十五分前に輪切の馬鈴薯を入れ
崩れずして十分に煮ゆるを度とし、鹽加減をなし醤油極少量を入れて色と風味とをよくし胡椒を加へ
水溶したる麥粉を入れ、汁にやゝ粘氣をつけて皿に盛る。
スチユーにダンプリングを加へしものにて、日本料理のスイトンにも似たるものなり。スチユーダンプ
リングスとも云ふ。
ダンプリングス
洋粉一合 ベーキングパウーダー茶匙二 鹽茶匙四分の一 バタ茶匙一 牛乳四勺
麥粉にベーキングパウーダーと鹽とをまぜ篩ひ、バタを入れて指にてもみ、牛乳を加へて輕くまぜる。
蒸籠にバタを敷き、又は濡布巾を敷きたる上にのせ、充分葢を密閉して、十分餘蒸すなり。或はスチユーの
出來し時、匙にて混合物を掬ひ落し、充分葢をなして煮、膨らみたるをスチユーと共に盛るなり。
295ぱくぱく名無しさん:2008/05/17(土) 23:38:37 ID:J+WYJsGe0
大正14年発行
蛤又は淺蜊剥身のチヤウダー
剥身一合五勺 馬鈴薯一合 玉葱一片 鹽茶匙二 胡椒少々 バタ大匙一 温牛乳一合

拵へ方
貝の剥身を洗ひ、鍋に入れ弱火に掛けて煮汁を濾す。玉葱をみぢん切になしバタにていためる。馬鈴薯を洗ひ
皮を剥き四分角切とし、熱湯中にて五分間位煠で、半熟になりたる時、水を切る。深鍋に玉葱を入れ、芋を入れて
細かに切りたる剥身を入れ、鹽、胡椒を振りメリケン粉を振りかく。次に玉葱、芋と云ふ順に入れてこの層を二重
三重に作り、全部入れ終らば湯五勺程を入れて弱火に掛け、十分煮る。温めし牛乳とバタとを熔き洋粉を入れて
いため、之を前に濾し置きし剥身の汁にてゆるめしものを、鍋を下す前に入れ固りの出來ぬやうにまぜ、熱き中に
スープ皿に盛りて出す。
296ぱくぱく名無しさん:2008/05/18(日) 14:43:11 ID:RlEQcRGa0
>>291
まあパスタ自体はただの粉物だし変な味にはならないんだろうが
こういう発想は無かったわ
297ぱくぱく名無しさん:2008/05/18(日) 23:04:55 ID:lbeTwE+d0
大正14年発行
支那料理燒賣
豚挽肉二十匁 葱五分の一本 メリケン粉一合強

拵へ方
豚に極ミヂン切にしたる葱及少量の味の素、鹽、醤油、片栗少量を混す。普通は尚少量の胡麻油
を混ず。メリケン粉の半量を丼に入れ、熱湯を注ぎ團子位になし、殘りの粉を入れて水を加へつ
ゝ手にて自由に扱へる軟かさとなす。板の上に出して十分に捏ねる。五六分の團子大に、ち切り
手の平にて檿し、粉をしきて薄く麺棒にてのばす。前の肉を凡そ八等分し、麺棒にて伸ばしたる
ものにて包み、巾着の口の如く上にて纒め蒸籠中にて七分位蒸す。酢醤油又は醤油少量附けて食
す。上等になすには、椎茸、ピース、筍等を肉に混ず。
298ぱくぱく名無しさん:2008/05/19(月) 17:08:51 ID:rjeBcXiP0
明治40年発行
タピオカゼリー
タピオカ二十匁 牛乳二合 コンフラワー大匙二杯 鶏卵三箇 砂糖二十匁
拵へ方
先づタピオカを一夜一合の牛乳にて浸け置き、翌朝に至り更に一合の牛乳を加へて蛋黄と共に
シチウ鍋に入れ、中火に架け、砂糖を加へてよく沸騰せ、そりよりコンフラワーをC水にて溶き
その中へ加へ木匙にてよくかきまはし、殘分の蛋白をも泡立て加へザツトかきまはして鍋を下し
手早く團扇にて煽ぎ冷却し、ほどよく固らんとする時ゼリー型の中へ注ぎ込み、よく固りたれば
型のまゝ湯の中へ入れ、直ちに取出して皿に脱取るなり。

明治時代でもタピオカってあったんだなあ。相当高価な物だったんだろうか。
299ぱくぱく名無しさん:2008/05/19(月) 23:33:43 ID:rjeBcXiP0
明治40年発行
マカロニセルプリン
マカロニ小束二袋 鶏卵三箇 砂糖三十匁 牛乳二合

拵へ方
このマカロニといふものは俗に西洋索麺と稱するものに似て至る所の西洋食品販賣店にある
ものなれども、若も無き時には日本の索麺(そうめん)を代用するも差支なく、何れにしても
煠て、索麺なればよく水を灌ぎ注けて、油氣を去り、細かに刻み尤も水氣を充分に斷りて置き、
又別鉢の中へ鶏卵一箇宛破込み、殻片の無きやうに注意を爲し砂糖と牛乳を加へよくかきまはし、
マカロニ又は刻みたる索麵を投じ、ワニラを三四滴ほど適し(たらし)、手早くかきまはして
四合入りほどのバイ皿に注ぎ込み、そのまゝ天火の中へ入れ、上火を強く下火を弱くなして
二十分間ほど燒き、皿のまゝ供するなり。

この当時でも西洋食品を扱ってる店がたくさんあったんだろうか。西洋食材が流行ってたんだ
ろうけど。
300ぱくぱく名無しさん:2008/05/20(火) 09:16:37 ID:T4uPm4z60
明治時代にタピオカってマジか
文明開化しすぎだろ
301ぱくぱく名無しさん:2008/05/20(火) 17:50:11 ID:/bZ9wJ/V0
大正14年発行
タピオカカスタード
タピオカ大匙山三杯半 温牛乳二合 卵一ヶ半 砂糖大匙平三杯 鹽茶匙平半分 バタ中匙一

拵へ方
タピオカを一時間水に浸す。水を切り、牛乳を加へ湯煎にかけて凡三十分位、タピオカの透明になる迄
煮る。卵を輕く泡立て、鹽砂糖を加へバタと混ず。バタを引たる型に入れ、弱火の天火にて三十分位乃
至四十分位燒く。

他にもタピオカを使ったレシピがそこそこあるので、高価だったろうけどそんな珍しいものでもなかったのかしら。
302ぱくぱく名無しさん:2008/05/20(火) 22:12:40 ID:/bZ9wJ/V0
大正14年発行
蒲萄の泡
ゼラチン十枚 水七勺 葡萄酒七勺 牛乳七勺 砂糖二十匁 卵白二箇

拵へ方
ゼラチンを細くし分量の水を加へて十分間置く。火にかけて煮、溶けたる時砂糖及牛乳と加へ
一寸煮て葡萄酒を加へ、まぜ乍ら冷す。温度降りて重く感ずるに到り、充分泡立たる卵白を混じ、
豫め冷し置きたるゼリー型に入れて冷し固む

ワインムースかな。当時は相当ハイカラな食べ物だったんでしょう、きっと。

303ぱくぱく名無しさん:2008/05/21(水) 17:54:46 ID:c3PJ8wWl0
明治38年発行
サンドウイッチ(肉挟みパン、西洋辦當(せいようべんこを) )
パン一斤 ハム(臘乾(らかん)と云って豚の股や脛を鹽漬にして燻したもの)又はジャミ大匙三
バタ少々 (ジャミわ果物で拵へた餡のようなものです)

パンを薄切りにして置き、外にハム(又わ牛肉の蒸したものでもよろしい)を極く薄く切り、又
前に薄く切って置たパンの一方にバタを塗って其上に肉を置き、其れから又パンの薄切りを乗
せるのです。つまり、パンとパンの間に、肉を挟んだ物です、辦當にわ大変結搆です、又、肉
の代りにジャミを挟むこともあります。挟み物をジャミ(果物を砂糖で煮た物)にする時にわ
パンにバタを引いてわいけません。

サンドイッチとは何かということをここまで詳しく説明してるということは、全く未知の食べ物
だったんだろうなあ。パンとパンで挟むって発想自体なかったから、詳しく説明しないとピンと
こなかったのかも。ジャムにしても、果物を甘く煮る保存食は珍しかったんだろうね。
辦當は弁当のようです。
304ぱくぱく名無しさん:2008/05/21(水) 18:18:06 ID:jgE/nsIK0
肉挟みパンとか西洋弁当とか、萌えワードが多すぎて困るw
305ぱくぱく名無しさん:2008/05/21(水) 18:39:53 ID:c3PJ8wWl0
これが大正になると、サンドイッチもかなり進化。
大正14年発行
サンドウヰツチ
食パン一斤
鋸(ノコ)を扱ふ氣持にて輕く前後に刃を動かしつゝ、一分位の厚さに切る。ナイフにて庖丁として
よけれど手際よく切りうるなり。二枚づゝ一組に揃へる。内面の一方にバタを塗る。但、ジャミの
分はバタを附せず。

コーンドビーフ五分の一缶 レタス(西洋チサ)一莖
コーンドビーフを刻みフライパンに入れ一寸いためる。レタスは葉を一枚宛、はぎて洗ひ一寸水にて
洗ひ、更に水中に浸す。水を含みてピンとしたる時、布巾にのせて一寸拭き、芥子(砂糖少量混じて
熱湯を入れよく掻き立しもの)を少し塗る。パンの一片にビーフの冷めしを平に置き、レタスを置き
他の一片にて重ねる。

卵二箇
固くゆで、皮を取りて黄白に分つ。卵白を一分角位に刻む。卵黄を潰し砂糖を茶匙三、鹽三分の一、
酢中匙半分、胡椒少量入れて味を整ふ。卵白を混じパンの間に擴げて挟む。又は刻みたる白と潰し
たる黄とを混じ、マイナイスドレツシングにて和へる。

サージン
鰯の鑛詰を出し、バタを塗りたるパンの上に置き、ナイフにて押し擴げて上よりパン片を被ふなり。
トマトサージンも同様に用ふ。

胡瓜
丸のまゝ水中に浸し置き、皮を去りて五厘位の厚さに切り、鹽パラツト振りてバタを塗りたるパン
に挟む。

306ぱくぱく名無しさん:2008/05/21(水) 18:40:13 ID:c3PJ8wWl0
ハム
豫め水に浸しおきしハムを鍋に入れ、小切(一斤位)三十分位大切(十斤以上)四五時靜かにゆで、其儘
冷し置きて出す(略式)。水氣を拭ひ、薄く庖丁してカラシを塗り、パンに挟む。又、庖丁したる生ハム
をフライパン中にて燒きてもよろし。


ゆで又は蒸したるをドレツシングにて和へて挟むか、又玉菜などと混ぜて同様になしてもよし。海老も
ゆで一寸酢に浸し、玉菜をまぜマイナイスにて和へて用ふ。

ピーナツト
落花生をいり、細かに刻み蜜にてしめして挟むか、又は摺りて鹽及少量の砂糖水にて少し濕を興へて挟む。
又は干柿、干蒲萄を刻みて落花生の刻みたるとまぜ、蜜にて濕すか、一寸ゼリーにて粘を付して挟めば殊更よし。

ビート
赤蕪を洗ひ、皮のまゝ充分軟かになる迄ゆで、皮を剥きて一分位の輪切となし甘酢に浸し置きしを挟む。

ソーセージ
極めて薄く輪切となし、場合によりては細かに刻みて其儘か又は一寸溶芥子をあしらひて挟む。

挽肉
豚又は牛肉の挽肉をみぢん葱と共にてため、鹽胡椒にて味付す。みぢん切パセリを混ずるか、
又はなほゆでたる馬鈴薯の細切少量を混じて挟む。

鶏肉
蒸燒せしものゝ薄切、或はゆでたるものに野菜を合せてサラドドレツシングにて和へたる物
等挟む。

レタス
一枚一枚葉をはがし、よく洗ひて水浸し置きものに、溶芥子をぬり肉の相手として挟むか又は
マイナイスソースを塗りて挟む。

牡蠣
レタスの上に茶匙一のマイナイスソースを塗り、其上に牡蠣のフライを二列に交互に挟みて後
一ヶ宛挟まり居るやうに三角形に庖丁す。

コンビーフ、サーディン、ピーナツ(干柿ってのもすごい)、ビーツまでも挟むすごい進化。
この頃は、周知された食べ物になったんでしょう。
他に、りんごジャミを挟むってのもありました。
307ぱくぱく名無しさん:2008/05/21(水) 18:44:49 ID:c3PJ8wWl0
生ハムまでもこの時代にあったのにはびっくりです。
308ぱくぱく名無しさん:2008/05/21(水) 18:52:26 ID:jgE/nsIK0
大正Sugeeeeee!!!
牡蠣フライはコッペにサンドしたいかも。
309ぱくぱく名無しさん:2008/05/21(水) 19:07:46 ID:WX7LGHkS0
玉菜って何かと思ったらキャベツか
サーディンもあるしすごいな
でも、こんな本読める人も少なかっただろうから、一部の人しか作らなかったんだろうなあ
310ぱくぱく名無しさん:2008/05/21(水) 20:19:39 ID:uoSy+VWQ0
明治だと、まだハムやジャムにまで補足説明が入るんだな
311ぱくぱく名無しさん:2008/05/21(水) 22:10:52 ID:c3PJ8wWl0
明治38年発行
オレンジパイ(みかん饅頭)
玉蜀黍粉(コンスターチー)大匙一杯半 玉子黄味二つ、白味二つ 鹽小匙一杯 砂糖大匙二杯 湯一合 
夏蜜柑の汁大匙一杯 ベーキングパウダー(ふくらがし粉)大匙半分

このオレンジパイと云ふのは、どろ〱とした汁を皮に包んだ饅頭のよをなものです。
先づ、どろ〱した汁を拵へるにわ、黄味を能く溶き、コンスターチー(きび粉)を入れ、鹽と砂糖とを入れて混ぜ、鍋に
入れ湯を注ぎ五分間交ぜながら煮て少し冷し、夏蜜柑の汁を入れ又、混ぜをいて別に白味を泡立て置き、白味三分一丈
を(殘った二つ分わ、あとで遣うのです)前の鍋の中え入れて、混ぜ一寸煮て置くなり。
今度わ皮を拵へる爲に、別にメリケン粉、鹽、バタ、ベーキングパウダーとに水を見計らって入れて、捏ねてから棒で
薄く(二分位)伸し、大さわ此伸した品を入れる器より少し大きい程に伸し(伸すときわ、捏ねた粉の所々にバタを少し宛
入れて、二ツに折返して伸すのです。つまりバタをよく混るためです)縁わ器の形に切取り、若し伸す時にバタを入れぬ
時わ器に一寸引いてストーブで燒くのです。此燒皮が出來たら皮の中え前に拵へて置いた、どろ〱の餡の様な物を入れて
而して三分の二つ許殘してある泡立た白味に黄味、コンスターチーと鹽と砂糖と夏蜜柑とを混ぜて、餡の様なものを拵へ
て其れで葢の様に上え一体に掛け、又もストーブの中に入れて燒くのです。又、前り様にパイの皮を燒かずに唯、粉を伸
した儘、器に入れて直にどろ〱の汁と鹽と砂糖を入れて、其上に白味を一体に注ぎかぶせて(泡ですから上にかぶさります)
ストーブで燒いてもよろしい。下の皮わ柔かで味もよろしい。
こころづけ 客に勸める時わそれを、主婦の前に置き主婦わパイを切って皿に盛るのです。

パイなんて知るよしもないから、饅頭に例えたのでしょうね。今で言う、オレンジクラフティに
近いものかと。白味を一体にかけて焼くというのは、ファンショネットに近いものでしょうか。
カスタード生地の上にメレンゲをのせて焼くスタイルですね。パイ生地は錬り込みパイに近いと
思われます。オレンジなんてあっても高価すぎて夏蜜柑で代用したのでしょうかね。
312ぱくぱく名無しさん:2008/05/21(水) 23:10:37 ID:c3PJ8wWl0
■ちょっと休憩 脱線■
こういう古い本の中には、いろいろなオマケが付いてたりします。本に挟んであった紙きれなのですが、
「帝国在郷軍人會會歌」 楽譜付きです(簡単な)。

♪1 帝国二千有余年 神聖比なき皇國の 世界に負へる大使命 果すは誰の任務ぞや
♪2 朝日輝く旗風に 迷妄の雲拂ひ去り 正義の利剣人類を 救ひ匡すはいつの日ぞ
♪3 郷に入りては忠良の 民とし勵み事あらば 出でて皇國に捧ぐべき われらが此身この命
♪4 つとむる業は異なれど 思ひは一ついつとても 皇國を護る赤誠は 吾等が胸に燃ゆるなり
♪5 あゝいくそたび天皇(すめらぎ)の 降したまへる敕語の(みおしへの) 聖旨かしこみ束の間も
   心ゆるめず鍛へばや
♪5 忠勇義烈の血を享けし 日本男子(ヤマトオノコ)の輝ける譽たうみいざやいざ 雄雄しく共に
   進まばや

超怖いんだけどこの歌・・・・。戦時中の歌でしょうか。こんなもの配ってまで愚かな戦争続けてたって
ことでしょうかね。要するに、日本男児ならば、国のため、天皇陛下のために命を捨てろってことなんでしょう。
これ見たとき、ぞっとしました。
313ぱくぱく名無しさん:2008/05/21(水) 23:13:07 ID:c3PJ8wWl0
オマケって言うのは、持ち主本人も忘れてたらしく本の中に挟んでいたままで、たまたま私が
見つけたって意味のオマケです。
314ぱくぱく名無しさん:2008/05/22(木) 09:37:39 ID:BVEXIPCO0
>>312
まさに今の某近隣の国々を髣髴とさせる歌詞だね。
315ぱくぱく名無しさん:2008/05/22(木) 09:43:50 ID:YfjCI18v0
すげえな、こんな料理スレにまで政治色が持ち込まれて、しかも他国バッシングまでなされるのか
316ぱくぱく名無しさん:2008/05/22(木) 15:44:46 ID:8zSiuD5X0
明治38年発行
アイリッシ スチウ(餡かけのスチウ)
牛肉一斤 玉葱、馬鈴薯、大根、胡蘿蔔(にんじん)何れも(どれも)見計い 鹽少し 胡椒少し
メリケン粉少し

酢を入た水で肉を洗い、筋を横に見て五六部角に厚さわ一分五厘位に切り外に蔬菜類(やさいるい)
を同じ大きさに切って、最初に蔬菜を少し鍋え入れて、其上に肉を一列ならべて置き、又、蔬菜を
其の上にならべ、又肉を置き、又蔬菜を置いて鹽を見計いに入れて味を附け(間〱に胡椒や鹽を極少
し宛振り入れてもよろしい)胡椒を少し振掛てから、水が蔬菜の上に漸〱(やっとやっと)かぶさる位
に入れて(澤山要れ様に)とろ火で二時間以上も其儘煮て、折々鍋の柄を持ってゆすふせり、(決して
攪交ぜてわいけません)其れから鍋を下して、メリケン粉を溶いて入れ、一寸煮て汁をどろ〱にする
とよろしい。
317ぱくぱく名無しさん:2008/05/22(木) 17:53:49 ID:8zSiuD5X0
明治38年発行
オックステイルスウプ(牛の尾の骨の汁)
牛の尾の骨と足の骨一本 牛肉半斤から一斤

これわ誠に徳用な汁です。味も惡いことわありません。先づ、牛の尾の骨
一本と、足の骨一本とを鋸か斧で二三寸に切り碎き、これにスウプ用の下等
の肉半斤か一斤を足して鍋に入れ、水わ見計いで入れ、四五時間煮た後に
濾して用いるのです。味の附け方わ鹽胡椒でよろしい。是だけあれば、凡
三十人前出來ます。西洋人(外人)わ多人數の客の際わ、時〱此スウプを用い
るもので、タネ(材料)が下等でも決して粗末な料理でわありません。

こころづけ
スウプを出すにはスウプ皿と申して、肉や蔬菜等を盛る物よりも少し深めの皿を
用います。是に入れて出し、別に「クラッカー(曹達ビスケツト)」と云ふのを添
へて出すか、又わパンの薄切を添へて出すものですから、スウプの中え小さく
破割って入れ食る事もあり又、次の西洋うどんと云ふのを入れて出すこともあります。


そこでこの西洋うどん(ヌードルとも云ふ)の拵へ方わ、玉子一つを白黄味とも能く交ぜ、
メリケン粉を篩にかけて入れ、程よい堅さに捏て、板の上にのせ麵棒で一分位の厚さに延
ばし、其儘三時間計り風にあて置いた後、巾一寸二三分に切り、其れをいくつも重ねて置いて
細く切り、スウプを沸騰せて其中えぱら〱と振りながら少し入れ(此時ぱら〱と振って
入れないと團子の様にかたまります)ザツと煮立せた後、スウプと一緒に盛って出します。
ですが、澤山に盛らぬのがよいのです。

スープ皿から説明してますね。汁物はお椀という概念があるので説明したのでしょうか。
スープの出し方にも注意書きしてあり、この当時はスープですら珍しいものだったのでしょう。
318ぱくぱく名無しさん:2008/05/22(木) 22:35:42 ID:8zSiuD5X0
明治38年発行
サラド(蔬菜(やさい)の酢の物のたぐい)
玉子三つ 牛乳一合 酢五勺少し餘 胡椒少し 砂糖大匙山に三杯 鹽小匙二杯 バタ大匙三杯

玉子の黄味だけを能くかきまわして、これに牛乳、砂糖、胡椒、鹽、バタを入れて能く
混ぜ其れから別に玉子三つの白身で泡を立て(泡立機械又わ肉叉で風の吹き通す處(ところ)で
暫く攪き立てると白味は皆泡になる者です)かき廻しながら前の品に入れ別に酢を土鍋に入れて
沸騰せたのを混ぜながら(沸湯でもよし)、拵へて置いた品の中に入れ、後に又、土鍋に火を
掛け燒付かない様に絶へず攪き廻しながら、ぼた〱する位の度合で火から下し、土鍋の儘で水に
入れて冷し又、別に馬鈴薯の皮をむき黒芽の所を去り暫時水に浸け置いて後、鹽を少し加へた
水で湯煮をして薄く細かに切り、之に生の萵茞(チサ)、栗、胡桃、林檎か赤大根などの薄切か
細切にしたもの二種三種を見計って混ぜ鉢に盛って前に拵へたぽた〱したる汁を懸けて食べる
のです。來客の時客の數だけ赤大根を花の形に切って、上に並べ飾って主婦の前に出すことも
あります。
こころづけ
饗應(ごちそを)の時、サラドわ大皿の儘、主婦の前に出すものですから、主婦わ先づこれを大匙
(テーブルスプン)と肉叉(フオーク)とで皆の皿に取分け、給仕人に運ばせるのを法とします。

野菜と言えば漬物か煮付けだった当時の人たちにとっては、生で食べドレッシングをかけるという
のは、これだけ説明しないとわからなかったのでしょう。
卵白を涼しい場所で泡立てるのは、冷蔵庫がない時代の知恵でしょうか。冷えた卵白のほうが
泡立ちががいいですし。栗や胡桃の入ったサラダは現在でもありますね。赤大根は、現在ではとても
珍しい野菜となりました。興味のある方は「赤大根」でぐぐってみてください。
給仕の仕方まで書くのは、当時は膳に各自一人分ずつ運んでいたスタイルだったからでしょうか。
今でこそ普通ですが、当時は1つの皿から皆で取り分けるというスタイルはなかなか受け入れられな
かったそうです。
319ぱくぱく名無しさん:2008/05/23(金) 01:37:46 ID:Wdi+AgPa0
>>300,301
昔のレシピにタピオカとかがよく出くるのは、昔の日本が台湾とかの南方に
も植民地を領有してたせいで、そこの食材や食生活にもなじみがあったから。

子供の頃、うちの近所に住んでいた兵隊経験のあるじいちゃんなんかも、南方
に駐留してたとかで、その時に持ち帰った謎のトロピカルフルーツを庭でずっ
と栽培してたよ。
(一度貰った事があるけど、めっちゃ濃厚で甘かった記憶がある)
320ぱくぱく名無しさん:2008/05/23(金) 17:07:28 ID:So31ZBSS0
明治38年発行
プッジング(食後の口直し物)
牛乳一合、又わコンデンスミルク大匙山一杯 水一合 片栗粉小匙三杯(堅いのを好な人わ
匙四杯) 白砂糖(牛乳の時わ大匙山一杯、コンデンスミルクの時は小匙山一杯)
前に入れるの後に入れるのと云ふことわありません。皆一度に能く混合せて鍋に入れ、火に
掛けて攪混ぜながら煮て、かたまった時に皿に入れるのですが、ジャミなどを入れたい時わ
出來て皿に取る時皿底に一體に(いったいに)ジャミを引いて其上に取ります。暖いのを好な
人わ、ストーブの中に其儘入れて置て食る際に出せばよろしい。又、皿に取分る時わ
大匙で下のジャミ迄すくい取るのです。

プディングというより、葛餅を片栗で代用したようなモチモチペタペタのものかしら。
321ぱくぱく名無しさん:2008/05/23(金) 19:49:52 ID:1obPxZ2Q0
>>309 うちのじーちゃん玉菜って今でも言ってるwww
322ぱくぱく名無しさん:2008/05/23(金) 20:17:09 ID:KltBo27e0
>>309
>>321
沖縄でキャベツ炒めをタマナーチャンプルーっていうのも、
100%の琉球言葉というより玉菜=タマナーだったんだね
323ぱくぱく名無しさん:2008/05/23(金) 22:39:23 ID:So31ZBSS0
大正14年発行
カルフオルニアフイズ(飲料)一人前
ぶどう汁(見計) 砂糖大匙一 炭酸水(見計) 檸檬一切 水(見計) 葡萄酒大匙一
これらを混ぜ、飲料とす。

今で言う、グレープフィズ大正風??自分で味を見ながら、好みの濃度にしてたっぽい。
324ぱくぱく名無しさん:2008/05/23(金) 23:06:57 ID:So31ZBSS0
大正14年発行
ウイスターソース(西洋醤油)
カレー粉茶匙一 胡椒茶匙一 砂糖茶匙一 唐辛子二本 胡蘿蔔(人参らしい)二分輪切一
玉葱四分の一 肉桂(今で言うシナモン。ニッキではないっぽい)一寸 生姜五分角位 
パセリ、月桂樹葉、丁子(クローブ)少量 水一合 醤油一合 酢一合二勺

唐辛子、胡蘿蔔、玉葱、生姜、肉桂を刻み他の藥味を加へ、水を入れて中火に掛く。底に
つかぬ様攪拌しつゝ材料の軟かになり水氣の略無くなる迄煮詰む。砂糖及醤油を入れ、
五分間煮沸す。酢を加へ、一度煮て火より下す。汁と共に材料も漉し得る丈裏漉に掛く。

手作り日本風ウスターソースでしょうか。熟成させてませんし、イギリスのウスターシャー
ソースのようにアンチョビやニンニク、他にも多種スパイスは使ってませんし、日本のウスター
のように果物も使っていないので、リーアンドペリンと日本のウスターの中間のような、かなり
あっさりした物だったのかな?と思われます。きっと、多種のスパイスの役目をカレー粉に
頼ったのだと思われます。
325ぱくぱく名無しさん:2008/05/25(日) 00:15:54 ID:Sd/Zz+bD0
明治38年発行
チッケンカットレッツ(鳥の天ぷら)
鶏肉 玉子 鹽少し パン粉

鶏肉を厚さ二分位、巾二寸長さ三寸位に切り、庖丁の裏で切らない様に敲き次に玉子
を能く溶き、鹽を少し足して置き其中に肉を入れて直にパン粉の中に入れ両面え粉を
付けラード(豚脂)を沸騰せて(餘り沸騰せると品物が黒くなる故パン粉の小片でも入れ
て加減を見るべし)其中に入れ、両面狐色になるのを程あいとして揚げて、皿の上に
西洋紙を敷きその上に並べて、西洋紙に上油を吸い取らしてから皿に盛り、並のソース
をかけて出すのです。

肉に塩を振るのではなくて玉子に塩を混ぜて、小麦粉は付けずに玉子にくぐらせていたようです。
326ぱくぱく名無しさん:2008/05/25(日) 23:26:54 ID:Sd/Zz+bD0
大正6年発行
チキンフーカデン附伏屋の月
玉子五箇 鶏肉二百匁 メリケン粉又はパン粉中匙三四杯 鹽小匙三杯 胡椒小匙一杯 生玉子二箇

準備
玉子を水より鍋に入れて黄身の偏らぬやうに硬煠でになし皮を剥き前後を切り置く。
鶏肉を細かに切りてよく敲きて(叩くであろう)後擂鉢に入れて十分に擂り、鹽と胡椒にて
味をつけて又よく擂り十分擂れたる時玉子の白身を一箇づゝ入れてよく擂り置くべし。

拵へ方
よく擂りたる肉を、布巾を擴げたる(広げであろう)上にとり五箇の玉子を芯にして一巻き
する程に平に擴げて四隅を注意して直角にするやうに肉を置き、手前より巻きて天パンに充分
バタをしきたる上に載せて、肉の上にも所々に少々バタを置き、鹽をパツと振りて天火の中
に挿入して三十分間程して肉を檢すべし。バタも熔けて肉に色澤つき指先にて壓して硬くなり
たる時はテンパンを取り出し、其まゝ少時冷して後、小口より五分位の厚さに切りて一切づゝ
皿に盛りて出すべし。味も體裁も最上等に出來るなり。附合にはパセリ或は青味をつくべし。
應用
フーカデンは他に何肉にて製し得べきか。
鶏肉の代りに牛肉にてもよろしく豚肉と牛肉と半々に交ぜたるにてもよろし。
魚肉にては如何に。
魚肉にても造り得るなり。魚肉には搾りたる豆腐を魚肉の二分の一程入るゝもよろし。最安價にて
しかも滋養豊富に體裁もよきは、伏屋の月なり。之は鰯の骨を抜き皮を取りてよく肉を擂りぬき
搾豆腐を入れて尚よく擂り、鹽、砂糖、味淋(味醂であろう)にて味をつけて、煠玉子を芯に巻き
天パンにて載せて燒きて同じく輪切にして出すべし。

玉子を巻いたミートローフのようなもののようです。
327ぱくぱく名無しさん:2008/05/26(月) 00:02:00 ID:qv3Uoenc0
昭和になるとやや進化。
昭和12年発行
味つけした挽肉の中に、茹玉子や豆をはさんで蒲鉾形につくつて蒸した美しい西洋
蒲鉾で、味は腸詰に似て結構です。

挽肉(鶏でも豚でもよろしい)八十匁 茹玉子二個 玉葱小一個 生玉子一個 豆少々
砂糖、鹽、醤油、味の素、パン粉、生姜少々

玉葱を微塵切りとし、挽肉と混ぜ擂鉢に入れて砂糖大匙一杯半、鹽小匙一杯、味の素小匙半杯、
パン粉大匙三杯、玉子、生姜の搾り汁少々を加へてよく擂り、終つて豆を入れよく混ぜます。
蒲鉾板を洗つて拭き、味つけした挽肉を二三分厚みに擴げ、茹玉子を縦二つに切りとして肉の
眞中に黄身を下にして並べ、殘りの挽肉をその上からこんもりと蒲鉾形に塗りつけ、ご飯蒸し
か蒸籠に入れて十五分位蒸します。蒲鉾を取出し、フライ鍋に大匙一杯のバタ或は牛脂を溶かし
蒲鉾の表面だけをじゆつと燒いて焦目をつけます。次に蒲鉾を板からはがし、三分位の厚みに切り
サラド菜を敷いた洋皿にとり野菜サラドなどを附合せとしてすゝめます。これはサンドウヰッチに
はさんでもよく又、芥子をそへて麥酒(ビールであろう)のつまみものに應用しても必ず珍しがられ
るお料理になります。

この時代でもまだ珍しい料理だったっぽい。昭和に入ると、味の素が欠かせない調味料であったらしく
どの料理にもほとんど、味の素が入っている。
328ぱくぱく名無しさん:2008/05/26(月) 00:25:32 ID:qv3Uoenc0
味の素が欠かせないらしき記述。
昭和6年発行
味の素は大變便利な調味料で凡ゆる料理に用ひて居りますが、特に西洋料理には
至極便利で即席の場合はスープを採る世話もなく一流コツクの技俠と孌らぬ美味な
洋食が出來るので御座います。特に玉子料理や野菜料理及びスープの味付けに用ひ
て風味とその味あひは味の素の眞價はが偉大であることが分ります。只今東京の
各西洋料理店やその他の一般家庭に於ては殆んど味の素を使用せぬ家は御座いません。

ここまで言い切るとは・・・・料理書でここまで力説ですから、大事も大事、絶対
必要な調味料であったようです。
329ぱくぱく名無しさん:2008/05/26(月) 09:14:13 ID:W7FUO0520
最後の一文がすごいね
出たばかりの頃は画期的だったんだろうなあ
330ぱくぱく名無しさん:2008/05/26(月) 17:55:20 ID:qv3Uoenc0
昭和6年発行
コキイュドクルマエビグラセ
車海老大五匹 バタ大匙三杯 茹で馬鈴薯三十目 玉子黄身二箇 
松露大五箇(トリユツフのかわり(トリュフでしょう) ベシヤメルソース五勺位
魚のヴルウテ三勺 鹽少々

先づ帆立貝の内縁へ馬鈴薯を漉して此の中に玉子の黄味と鹽及びヴルウテを加へてよく
混ぜて絞り出し次に車海老を鹽茹でにして皮を取り薄く切りベシシヤメルソースにてよく
交ぜて其の上に置き又其の上に松露を細く切りて天火にて七八分位燒きて用ふ。

ベシヤメルソース
牛乳一合 上等バタ大匙一杯半 メリケン粉大匙一杯半 味の素小匙一杯
胡椒少々 鹽少々 肉原汁五勺
先づソース鍋にバタを入れ火にかけ良く溶かしメリケン粉を加へ手早く掻きまぜ
火より下し牛乳少々宛加へ又、肉原汁を加へ又火にかけ又火より下し牛乳及肉原汁
を全部入れ能く交ぜ合せ光澤の出るようにねり鹽と胡椒を加へ最後に味の素を加へて
味付し此れを一度布巾にて漉して用ふ。

今作ったらこれ、原価いくらだろう・・・。ヴルウテは何なのか不明。
現在はブイヨンなどは入れずに(入れる場合もありますが)作ってホワイトソースとして
ますが、当時はまだブイヨンを入れて作る昔通りのやり方だったようです。
相当なハイカラ料理のようで、沸國式西洋料理という但し書してあります。
331ぱくぱく名無しさん:2008/05/26(月) 22:42:22 ID:qv3Uoenc0
大正14年発行
支那料理煮餃子(チユチヤヲツ)
豚肉三十匁 生姜茶匙一 葱一本 漬菜三十匁 醤油中匙一 鹽茶匙四分の一 水中匙一杯半
胡麻油茶匙一

豚肉は細かに刻み、更に敲きて挽肉の如くなす。漬菜はゆで、水に取り細かに刻みて水氣を絞る。
前記の材料及び調味品はすべて混じ充分に混ぜ合す。生姜、葱は極微塵とす。別に次の如くして皮
を作る。
メリケン粉三十匁 水中匙四 鹽茶匙平四分の一
水と鹽を混ず。メリケン粉を丼の類に入れ中央に穴をあけてメリケン粉の土手を作る。穴の中に鹽
水を入れ漸次粉を混じゆく。かくして水分をよくまぜたるものを粉を敷たる板の上に出してよくこね、
二十箇に千切る。其一つ一つを丸く三厘厚み位にのばす。初の材料をのばしたるものの中に入れ、
編み笠風に包み合せ目をしつかりとつける。熱湯中にて二三同差水をしつゝゆで十分位にしてあげる。
温かきを酢醤油又はウスターソース、醤油等つけて食す。

餃子は、昭和に入ってからだと思ってたのですが(ペリメニというロシアの餃子に似たものは昭和15年の
婦人之友にレシピ掲載されています)大正ですでに入ってたんですね。
ですが普通の人々が餃子を食べるようになったのは昭和30年代からだそうです。30年代の人がはじめて食べた
感想は「味がしつこい!」が圧倒的だったそです。
332ぱくぱく名無しさん:2008/05/26(月) 23:00:13 ID:qv3Uoenc0
昭和初期ならではの荒業イタリア料理。
イタリー風のうどん
魚(何でもよい)五切 玉子三箇 茹うどん 玉葱 トマト
フライ鍋にバタを溶かし微塵切の玉葱を炒め、次に賽目に切ったトマト、うどんの順に炒めて
トマトから味の出たところで鹽、胡椒、味の素で味を調えます。別に魚は一人前十匁ほどの
切身のように薄く二つに切って鹽胡椒し、玉子は一人半箇宛の割でほぐし切身を玉子に浸して
熱したフライ鍋に入れ魚に火が通ったら殘りの玉子を一面に浸して、裏も返してよく燒きます。
深目の器に炒めたうどんを小高く盛り。魚入りの玉子を上にのせて、熱いうちに好みのソースを
かけて召上ってください。鯖とか鰯のようにくせのある魚でしたら。初めに夏蜜柑の汁を振掛け
てから使いますと臭みも消えてお味もよくなります。
主婦之友 昭和16年発行

いくら何でも強引すぎ・・・。トマトソースもどきうどんバージョン・・・・?
でも、一般のごくごく普通の人であれば、パスタなんて知らないし手に入れるのも
困難だったからでしょうか。パスタは明治ですでにあったようですが。(上のどこか
にウプしてるはず)それにしても、これはイタリアンに対する冒涜としか・・・笑
333ぱくぱく名無しさん:2008/05/27(火) 01:01:30 ID:obd899Je0
イタリアンうどんてwwwww

戦前はほんとカオスで楽しいな
334ぱくぱく名無しさん:2008/05/27(火) 04:37:32 ID:Ltf6t1C10
>>330
ヴルウテ→veloute 〔仏〕なめらかな、ビロードのような
でググってみたら、なんか出た。

ttp://shouit.jp/a_la_carte/2_fonds_et_sauces_2.htm
●ソース・ヴルーテ sauce veloute またはヴルーテ※1 veloute

魚のホワイトソースのようです。
335ぱくぱく名無しさん:2008/05/27(火) 09:06:56 ID:FbUC6w280
うどんうまいぜ?
336ぱくぱく名無しさん:2008/05/27(火) 22:41:31 ID:duDdQWIC0
昭和初期の荒業料理2
うどんかん
氷瓊脂一本(寒天) C水三合 ザラメ砂糖百匁 みかん絞汁二箇 茹うどん

氷瓊脂を半日ほどC水に浸け、固く水氣を絞って鍋の中にちぎり入れ、C水を加へて
強火にかけ煮込み、充分に溶かした後、みかん汁、砂糖を加へよく交ぜます。
茹うどんを加へ、うどんが熱くなる頃、深皿に流し涼しい場所で冷やします。
みかん色の氷瓊脂の中に白いうどんが見えてきれいです。

きれい云々より、その発想は一体どこから・・・・。

昭和17年発行主婦之友
337ぱくぱく名無しさん:2008/05/28(水) 02:11:45 ID:5meordzK0
昭和17年かぁ…
そろそろ甘味品が欠乏し始めて、そういう謎な食い物が生まれたのかもね
338ぱくぱく名無しさん:2008/05/28(水) 04:08:59 ID:qMF2LuiNO
うどん入れないで只のミカン寒天でいいじゃないかなんて言えない
339ぱくぱく名無しさん:2008/05/28(水) 23:35:40 ID:ES9JavJC0
大正15年発行
ボイルドライス
米二五〇瓦(瓦でグラムらしい) 水五竕(竕でデシリットルらしい) 鹽二瓦 玉子六十瓦
牛乳二竕

米を軟らかき飯に炊き鹽にて味付し、牛乳を加へて再び煮込み、玉子の泡立てたるを
上よりかけて半熟として皿に盛りて供す。

ちょっと想像がつかない。ミルク粥に、半熟スフレ・・・?
340ぱくぱく名無しさん:2008/05/29(木) 00:02:01 ID:ES9JavJC0
玉子を使わぬマヨネーズ
小麦粉、もしくは生大豆粉や食用粉(一体何の粉だ)でとろっとした糊を作って冷まし、塩を入れ
酢一に油十の割合に加えてよく掻き混ぜる。溶き芥子を入れるとなおよい。玉子も油も使わぬ方法は
馬鈴薯か甘藷を煮て突きつぶし、塩、胡椒を振掛け酢でどろっと伸ばす。
昭和20年発行 主婦之友

五人家族で配給されたお魚がたった一切。どうにも工夫の余地がないと匙を投げる前に調味料に活用する
ことを考えてみましょう。
潰し魚のソース
魚少々、沢庵、大根菜など。魚は蒸して潰し、みじんに刻んだ材料と一緒に代用マヨネーズに混ぜ込む。
トマトソース
トマト、大根菜(菜なら何でもよい)、にら(なくてもよい)、調味料はごく少量ずつ
小麦粉で糊を作り少しの油、塩胡椒、醤油などで味を調えたところへ野菜類を全部刻み込む。
昭和19年発行 主婦之友

もう涙出てきます。
341ぱくぱく名無しさん:2008/05/29(木) 22:45:39 ID:WbFljydI0
昭和6年発行
イタリヤンソース
月掛葉(月桂樹でしょう)五枚 洋茸又は松茸少々 鹽、胡椒 玉葱中一箇 生レモン半箇
褐色肉原汁一合 コツク用白葡萄酒大匙五杯 メリケン粉大匙一杯 オレーブ油大匙二杯 味の素少々

先づソース鍋にオレーブ油を入れて火にかけこの中に玉葱を細少切として入れ、色の付かぬ
位に炒り次に松茸、マシルーム(洋茸はマッシュルームのことらしい)を刻み込み、又一寸
炒り鹽と胡椒にて味を付けメリケン粉を加へ又炒り次に白葡萄酒を少しづゝ入れて交合せ
次に肉原汁を少々づゝ加へて全部入れ此中へ月掛葉を入れて良く交ぜ、乍ら弱火で煮て最後に
葉を取り出しレモンの汁を搾り込み次に味の素を加へて味付けして用います。
カツレツに多く用ふべし又メリケン粉を加へず作りたる物はボイルドビーフ、ローストビーフ、
又はロースチキン等にかけるべし。

イタリヤンと言うからには、トマトを使ってほしいのは我侭か。
この当時はまだ松茸は高価なものではなかったらしく、松茸レシピも多く惜しげもなく使うレシピ
が多くある。生レモンと指定してあるということは、乾燥レモンでもあったのだろうか。
342ぱくぱく名無しさん:2008/05/30(金) 11:54:40 ID:bMBbFGzF0
>松茸
地方によってはタダでいくらでも取れるのに味気ないから
すき焼きや弁当の増量剤にするしかなかったほどだしねえ
343ぱくぱく名無しさん:2008/05/30(金) 22:13:25 ID:ItIfvuUL0
婦人倶楽部昭和8年発行 
支那揚げパン(炸千會魚)
サンドウヰッチが西洋ではパン料理の代表的なものですが、これはパンを用ひた支那料理の
王座を占めるものです。
食パンを厚さ二分横一寸、縦一寸五六分に切つて三十五切、蝦の摺身七十匁
鮃又は鰈の肉を薄くパンと同形ぐらゐに切つて三十五切 ハム又は燒き豚の霰切大匙十杯
長葱の微塵切大匙五杯 片栗粉 鹽 砂糖 ラード又は胡麻油或は大豆油 パセリ少々

蝦の摺肉に葱と鹽小匙一杯半と砂糖大匙一杯ほどをよく捏り混ぜます。パンの一切づつの
片面に蝦肉をヘラか匙で平に塗りつけ、その上に魚肉を押しつけ、片栗粉を濃く水で溶かし
たものを塗りつけ、更にその上にハムの霰切をふりつけます。そこで鍋に揚油をタツプリと
煮立て、調えた材料を静かに入れて狐色に揚げ、油をきつて皿に鵜體裁よく盛り重ねパセリ
の枝を飾ります。

ほんとにパンを使った中華の王座なんてあるのか・・・?中華で食パン使うの初めて見たんだ
けど、勘違い料理なのか、何かをパンで代用したのか・・・。
344ぱくぱく名無しさん:2008/05/30(金) 22:26:46 ID:OvjojUqK0
炸蝦多士が近いか?
345ぱくぱく名無しさん:2008/05/30(金) 23:48:55 ID:npize0S+0
エビのすり身が乗ったトーストだよね。パンを細かくして丸めれば
鹿の子揚げ。あれ大好きだー(*´Д`) ……つか中華で食パン使うのって
これくらいなんじゃないの?王座とかいっても大臣も庶民もおるまいよ。
私が知らんだけかもしれないが。
346ぱくぱく名無しさん:2008/05/31(土) 18:27:55 ID:GMbaEwt40
長崎の「ハトシ」だね。
香港のハートーチも同じ感じ。

ところで私が持ってる「カレー料理全集」(昭和廿五年発行)では
サンドイッチは「パンの博多押し」と説明されています。
この小冊子はヱスビーが発行しているもので
めくるめく昔カレー料理のオンパレード!
ぼちぼちアップします。大昔でなくて恐縮ですが……
347ぱくぱく名無しさん:2008/05/31(土) 23:37:47 ID:3rEiFw++0
>>345
それが、食パンを使ったレシピがあと3つあるんですわ・・・。

明治38年発行
コロッケー(刻み肉入りの天ぷら)
牛肉半斤(スープがらでよし) 馬鈴薯大三つ 胡椒少し 鹽少し 玉葱一つ

肉のスープを拵え置き馬鈴薯の皮をむき捨て、二十分計り水に浸て置てから鹽を少し加えた水で
茹で、後に湯を捨てて水氣を去る爲め、一寸からいりをして丼に入れてつぶし薯の三分の一だけの
肉を鹽湯で茹でて切るか又わ機械に懸けて細かにして置く。別に細かにした玉葱と胡椒とを見計って
入れ味を見て好きな形に握り(大抵長さ一寸五分丸身七八分位の棒に握るのです)パン粉の中に入れて
次に玉子の溶いた中え入れまたパン粉の中え入れてラード(豚油)で揚げるのです。

現在は小麦粉→卵→パン粉ですが、この頃はパン粉を二回つけて厚めの衣だったみたいです。
348ぱくぱく名無しさん:2008/05/31(土) 23:53:45 ID:3rEiFw++0
明治38年発行
肉のスープ(肉の吸い物) 上のコロッケーで使われているもの

肉の吸い物を拵らえるには、あたりまえわ肉類を用いますが、鳥や牛、羊等の肉が第一で
味も美いのですけれど魚、貝類、蔬菜でも甘い物が出來ます。ですが、製法わ大きな差わ 
ありませんから玆でわ肉の吸い物を書きましよを。
水を見計らって鍋に入れてから、肉を(大切のままでもよし、又わ薄く大きく切ってもよし)
入れ、初めわとろ火で追々に火の力を増し、二三時間煮て(油が餘に澤山浮いた時わ、匙で折々
すくい取り)好かろをと思う頃に肉をすくい出して、あとえ鹽と胡椒を少し入れて味を付ければ
よろしいのです。もし濁らない汁が宜いならば鹽を入れた後に濾せばよろしい。それからすぐに
胡椒を入れるかどちらでもよろしい。
349ぱくぱく名無しさん:2008/06/01(日) 21:58:43 ID:B3mBouph0
明治38年発行
ワップルー
メリケン粉三合五勺 玉子三つ ベーキングパウーダー小匙四杯 牛乳一合五勺 砂糖三十五匁

たねを皆まぜて、かたまりのない様にして置き、燒き型にバタを引いて、其中え注込んで燒くのです。
(丁度、玉子燒をするように)ジャミ入りわ、燒いた皮を二つ折りにしてジャミを入れて
柏餅の様に包んで燒くのです。

二つ折りタイプのようですが、現在のようにバターが入らない生地なので、あっさりした
パンケーキのような味だったのかも。最初から全部混ぜてるし、食感はポソポソしてたんじゃ
ないかと。
350ぱくぱく名無しさん:2008/06/02(月) 23:15:58 ID:Cjm5rTDg0
明治38年発行
ヂエリー類は、皆どろ〱゛して、梅露の様なものでして其の儘なめてもよし又パンになどに
つけても美味しいです。

レモンマーマーレード(橙の砂糖煮の汁)
橙、砂糖いずれも同じ量目 

橙の上皮を成丈け薄くむき(白い皮が出ない程に)その皮を極細かに切り鍋に水を入れて
一時間計り沸騰せてから煮汁をしぼって置いて上皮を剥いた橙の皮を皆むいて、中の實(身)
を出し一袋宛背の方を切開いて、肉刀(ないふ のルビ有)の背で中の實を掻出して次の仕事
にかかるのです。偖て(さて)、實を取ったあとの袋と種子とを皆集めて鍋に入れ水一合五勺
入れて五分間沸騰せて(種子が沈んだり燒付いたりしてな様に時々交ぜて)後に布で漉し(汁
が煮つまった時わ元の一合五勺になる様に水と足し)此中え前に茹た皮と砂糖とを入れて、
絶えず交ぜて沸騰せながら彼れ是れ四十分間煮るとどろ〱゛した汁が出來ますから、熱い内に
壜に入れ堅く葢をして置くと、味の變る(変わる)事がありませんから、何時でも食べられます。

ゼリーとジャムの境界線が曖昧だったのでしょうか。ゼラチンを使ったもののレシピも同じ項目
で紹介されています。ゼラチンレシピもそのうちウプします。
レモン=橙だったのか、レモンの代用なのか、まだ日本にレモンがなかったのか。どちらにしても
どろどろした甘いものは珍しかったらしい。梅露をぐぐると、梅干しか出てこないのですが、昔の
梅露(ばいろ)はどろどろしてたのでしょうか。マーマレードの作り方も、現在とは異なっています。
351ぱくぱく名無しさん:2008/06/03(火) 23:09:46 ID:z+dF+iZk0
明治38年発行
オレンジヂエリー(柚子又わ蜜柑の砂糖煮の汁)
ジェラチン(酒膠寒天(さらしにかわかんてん)の様な物で、西洋でわ日本で寒天を使う時にこれを
使います)半ヲンス(四匁) 水三勺 柚子一つ ザラメ砂糖大匙四杯

ジェラチンを三勺の水に浸して、柚子か蜜柑類を一つ、汁を絞り此の汁をジェラチンを浸した水と其れ
から又水を足して一合五勺にしてザラメ砂糖と柚子の皮を少し入れてジェラチンの溶けるまで煮て後に
布で漉しブリキ製の菓子の型に流し入れて冷してから食べるのです。また型から抜くときわ少し熱い湯
に、型を一寸入れて容易に抜けるものです。

オレンジなど珍しくて、本だけの中の物だったのかあっても高価だったのか、柚子で話を進めている。
レモン汁(本ではレモンつゆ)でもよいとしてあるので、レモンは比較的手に入っていたのかもしれな
い。オンスの単位ということは、イギリスから入った製法だろうか。
352ぱくぱく名無しさん:2008/06/03(火) 23:16:18 ID:z+dF+iZk0
明治38年発行
オレンジヂェリー(別の拵へ方)
クエン酸小匙一杯 ヂェラチン(前に話した)四ヲンス(三十二匁) ザラメ砂糖大匙四杯
玉子の殻一個、白身一つ レモン汁數滴

沸騰せた湯で、クエン酸を溶きジェラチンを浸した水と合せて一合五勺にして砂糖を入れ、玉子の
殻を細かにしたのと(これは光澤(つや)をつけるためです)また、白身を泡立てたのとを入れて
交ぜ、沸騰せてから布漉にしてレモン汁を四五滴交ぜて型に流し込み冷えてから食べるのです。
353ぱくぱく名無しさん:2008/06/04(水) 09:41:20 ID:QrEVUzb40
酒じゃなくて晒か?
ザラメを使うのは精製度の違いを気にしてかな
354ぱくぱく名無しさん:2008/06/04(水) 16:36:35 ID:r7OB3PYK0
>>353
酒膠で、さらしにかわのルビです。
355ぱくぱく名無しさん:2008/06/04(水) 16:54:12 ID:r7OB3PYK0
明治40年発行
赤茄子ジャミ
裏漉したる赤茄子(トマトー)五合 C水一合 ザラメ砂糖五合

これに用ゆるには赤茄子よりも黄色のものを擇び、水にてよく洗ひ茎を截去り(きりさり)
縦に四つ截に為し、そのまゝ水と共にシチウ鍋に入れ、暫時く煮込みて軟かになりたれば
鍋を下しそれより毛篩にて裏漉にかけ再び鍋を戻し砂糖を加へて二時間ほど煮込み
飯杓子亦は木匙にて絶ずかきまはして、どろ〱に煮るなり。

明治の頃は、まだトマトを食べる人は少なく生で食べるのが主だったそうです。この当時は
金持ちの食べ物だったみたいです。ジャムにするのも、よくある食べ方だったらしい。
トマトのジャムねえ・・・。
ジャムは、どのレシピを見てもザラメを使っています。
356ぱくぱく名無しさん:2008/06/04(水) 23:20:44 ID:r7OB3PYK0
明治40年発行
レモンアイスクリーム
牛乳二合 鶏卵三個 砂糖三十匁 レモン油(エッセンスであろう)三四滴 氷五斤 鹽五合

先づ小鍋の中へ牛乳を入れ鶏卵を破込み、よく殻片の無きやうに注意を為し、砂糖を加へて充分
によくかきまはして、全く鶏卵のほぐれたる時、大鍋によく湯を沸かしてなべのまゝその中へ加れ
絶ず木匙にてかきまはしながらどろ〱と湯煎にかけ、それより鍋を下して手早く團扇にて煽ぎ冷却
し、レモン油を滴してアイスクリームの器械の鑵筒の中へ入れ直ちに桶の中へ入れてその周圍に氷
を砕き込み鹽を注けて鑵筒を廻轉(かいてん)初め大略十五分ほども絶ず廻轉すればほどよく凍る
なり、若し亦凍らざる時にわ亦も廻轉して凍するなり。
アイスクリームの器械の備なきときには、大なる茶筒を用ひて為すべし、尤も桶は常のものにて差
支なし。

生クリームではなく牛乳なので、かなりあっさりしたアイスクリンに近いものでしょうか。卵黄だけで
なく卵白も使ってますので、濃厚な味ではなかったようです。上流階級では、クリームというものを使い、
さらに美味しいものが出来上がると書いてあります。金持ちは、生クリームを使い、現在のアイスクリーム
に近いものを食べていたようです。

この器械というのは、中が二重になっていて、外側に氷を入れ、内側にアイスクリームを入れ、ハンドルで
クルクル回すものだったようです。
ない場合は、大きな桶の中に小さな茶筒を入れ、隙間に氷を入れて手動で茶筒をクルクル回していた
んですね。
357ぱくぱく名無しさん:2008/06/05(木) 09:19:29 ID:a/cBsGM30
どんびえだな
358ぱくぱく名無しさん:2008/06/05(木) 11:40:37 ID:KFtc8Q/S0
そのまんまどんびえだねw
というかこのころ普通にクリームは存在してたのよね
このころのアイスクリームを盛るガラス容器がうちに残ってる。
今のよりもお洒落。
359ぱくぱく名無しさん:2008/06/05(木) 23:10:23 ID:ZPXA6ENo0
明治40年発行
マデレン
砂糖一斤 鶏卵一個 メリケン粉百匁 バタ半斤 干果物適量

鉢の中へ砂糖とメリケン粉とを入れ、よくかきまはして鶏卵を破込み、殻片の無きやうに
注意を為し、かきまはしながらバタを加へ摺木にてよく捏ね、尚ほよく練り終げて干葡萄
或はその他の果物及び檸檬の砂糖(たぶんレモンピール)を細かに刻み込み直ちにそれを
マデレンの型の中へ詰め、そのまゝテンピの中へ入れ、上火を強く下火を弱くなして二十
分間ほど燒くなり。燒けたれば型より脱出し、ほどよく菓子皿に盛出すなり。
マデレンの型は西洋食器販賣店にあり、介殻の如き形状を為せるブリキ製のものなり。

マドレーヌですね。明治にすでにあったのには驚きです。現在のようにフワッとしたものではなく
生地の絞まった固めのものだったようです。
360ぱくぱく名無しさん:2008/06/06(金) 11:07:23 ID:9XteXwYH0
>>356の頃の牛乳って今で言うノンホモ牛乳かな
361ぱくぱく名無しさん:2008/06/06(金) 21:51:10 ID:4n6IS3Cn0
>>360
ノンホモですね。時間がたつとクリーム状の脂肪分が上にたまってくるあれです。それを
シャカシャカと振って使っていたそうです。
が、まだ食品に対する法律もなく、肉も野菜も牛乳も偽装し放題の無法地帯。牛乳などは
水を入れまくって薄めた粗悪品も多かったそうです。食通でもない限り、本来の牛乳の味
など知らない人がほとんどの時代ですから、偽装が多かったそうです。
362ぱくぱく名無しさん:2008/06/06(金) 22:18:07 ID:4n6IS3Cn0
大正15年発行
ハンブルグステーキ
牛肉四百瓦(グラム) 玉葱百五十瓦 鶏卵五十瓦 食パン百瓦 パセリー十瓦 バタ三十瓦 鹽四瓦
胡椒少々 トマトーソース二竕(デシリットル) 

牛肉は細かく挽き、玉葱、パセリーは微塵切になし食パンは濕して(湿らせるの意であろう)搾り、細かく
ちぎり置く。挽肉の中に玉葱、パセリー、鶏卵、食パン、鹽、胡椒を入れよく混ぜて丸く平たくなし置く。
フライパンにバタを敷きて熱し、形を調へたる肉を入れ、肉汁の浸み出さぬ前に裏かへして裏面も同様に
燒き肉汁を充分に内部に含ませ両面に燒色のつきたる時皿に盛る。
トマトーソース
バタ十五瓦(グラム) メリケン粉十瓦 トマトーピユウレー一竕 スープストツク適量
ソースパンにバタを溶かしメリケン粉を加へやゝ色附くまでいため、更にトマトーピユウレー
を加へ、いためたるものをスープストツクにて徐々に伸ばし鹽、胡椒にて味を附ける。

ハンブルグステーキに、トマトーソースを掛ける。

現在のような合挽きではなく、ビーフ100%のハンバーグです。焼き方からして、今
のように、ボリュームある厚さではなくファーストフードのハンバーガーパテのような
薄いハンバーグだったようです。食パンは牛乳ではなく、水で湿らせていたようです。
パセリを入れたり、トマトソースをかけたり、なかなか本格的です。
363ぱくぱく名無しさん:2008/06/06(金) 23:34:03 ID:9DPVe4F90
>>355
「食道楽」にも記述があったはず
作り置きしておくと色々と応用が利いて便利だったらしい

「現代民話考」にある話で、明治末年に田舎の寺に赴任してきたハイカラな和尚さんがトマトを育てて
十字に切れ込みを入れてお湯を注いでくるくると皮を剥き、うまそうに食うのを地元民が見て
「今度の和尚さんは気違いナスを食うだよ」と驚愕したとか
364ぱくぱく名無しさん:2008/06/07(土) 22:55:36 ID:ALabospp0
>>363
食道楽の中にあると聞いたことがあるので書いてみました。しかし、どう応用したのか想像が
つきません。

トマトはまだ観賞用の域から抜けられず、食べる人はごく一部だったらしいので、食べるという
感覚がない人たちにしてみれば、驚愕だったのでしょうね。今のトマトよりも酸味が強く青くさく、
なじみのない味でなかなか市民権が得られない野菜だったようです。
365ぱくぱく名無しさん:2008/06/07(土) 23:27:46 ID:ALabospp0
明治40年発行
シュークリーム
牛乳一合 メリケン粉四十匁 バタ大匙一杯 ベーキングボーダ茶匙一杯 鶏卵五個

先づシチウ鍋の中へ牛乳とバタを入れ火に架け、よくかきまはして沸騰たる時之をおろし
メリケン粉とベーキングボーダを篩い込み飯杓子の両端を截り去り殆ど木箆(きへら)の
如くに拵へ、それにてよくかきまはし、鶏卵を一個づゝ破り込み再びよくかきまはして
どろ〱になし置き、テンパンの中へバタを塗り手早く金匙にて掬ひ取り、その中へ少許く
間を離して十六個滴しそのまゝテンピの中へ入れ蓋をを為して上火を強く下火を中火にして
二十分間ほど燒き、焼終りたれば取り出し一個づゝ取りてそのふくれ上りたるをナイフにて
截開きその空間へクリームを入れそのまゝ蓋を為したるものなり。
クリーム
牛乳一合 砂糖二十匁 鶏卵二個 コンスターチ茶匙一杯 レモン油三四滴
小鍋に鶏卵と牛乳を入れ、よくかきまはして砂糖を加へ更によくかきまはしてそのまゝ大鍋に
湯を入れ中火に架け、よく沸騰するを待ちて小鍋のまゝその中へ入れ、木箆にて
かきまはしながら湯煎に為し、ほどよくどろ〱になりたる時別器にコンスターチを入れ、C水を
猪口に一杯ほど加へ手早く箸にてかきまはしてその中へ加へ、更に五分間ほどかきまはして湯煎
に為し鍋を下して冷却かゝりたる時レモン油を滴しよく冷して用ゆ。

シュー生地は、火から下ろしてから卵を入れるのではなくそのまま火にかけながら入れていたようです。
これは失敗が多かったと思われます。それを補うためにベーキングパウダーを入れていたのでしょうか。
現在は入れませんね。
クリームは全卵ですので、あっさりしていたようです。現在はまず卵と砂糖を合わせ湯煎にかけて、粉類を
合わせ別に温めた牛乳を少しずつ加える製法ですが、これは最後にコーンスターチを入れてますので
かなりダマになりやすかったと思われます。最後は直火で火を入れていないので、粉っぽさが残ったクリーム
のようです。
366ぱくぱく名無しさん:2008/06/08(日) 11:42:54 ID:RosZh1NC0
明治時代、氷をどうやって作っていたの?
今の価値にしてどのくらいのものだったんだろう
367ぱくぱく名無しさん:2008/06/08(日) 22:58:13 ID:9pCegTHX0
>>366
ここに、おおまかなことが書いてありました。

スイーツ図鑑  清少納言も愛した、高貴なる一品は、明治になると庶民の味に。
ttp://www.keikyu.co.jp/webnagisa/05_08/sweets.html
368ぱくぱく名無しさん:2008/06/08(日) 23:05:37 ID:9pCegTHX0
こちらも参考になります。

氷業資料余話 
ttp://www.manabook.jp/minagawasigeo-02.htm

ニチレイ 日本と世界の氷の話
ttp://www.manabook.jp/minagawasigeo-02.htm
369ぱくぱく名無しさん:2008/06/08(日) 23:45:22 ID:9pCegTHX0
明治38年発行
タング(牛の舌湯煮)
牛酪(バタ)小匙一 芥子大匙一 鹽小匙一 酢少し

牛の舌をC水で洗い、其の肉を其儘蓋のある陶器の中え入れて、それから鹽、胡椒を入れて
蓋をして大鍋に入れ中の蓋物にかぶさらぬ位に水をはって強火で湯煎にするのです。蒸す時間わ
新しい肉なら三四時間かかりますが、三日位經ちましたものならば二時間位で風味がよくなります。

別法
これわ水を入れた拵へ方です。順序わ前の通りで違いありませんが肉を入れた蓋つきの陶器に水を八分目
位注いで湯煮するとまた味が違ってきます。

別法
今度わ野菜を入れる拵へ方です。手續わ矢張前の通りにして、肉と一緒に胡蘿蔔(にんじん)、馬鈴薯、大根
等を一分五厘位の厚さに切り、葱わ一寸位にして入れるのですが水は少しも加へず蒸し煮にするのもよろしく、
火わ強方がよいのです。時間わ前と同様でよろしい。

コールドタンのようです。当時は牛の舌など不気味すぎて食べる人はほとんどいなかったとか。
370ぱくぱく名無しさん:2008/06/09(月) 21:47:53 ID:4lFeGMfL0
明治38年発行
ボイルドミート

牛肉五斤 パン粉一斤の五分の一 玉葱一つ 胡椒少し 鹽少し

牛肉を細かにしたものとパン粉とを玉葱の細かに切ったものに、鹽と胡椒とを入れ、皆
混合せて少し平たい玉の形、大きさ一寸位にしてブリキ製の焼箱にラード(油豚)又わ
バタを引いて此内えならべて入れて水五六勺入れ、ストーブで燒くのです。西洋竈の事で
蒸焼にする時に使う道具ですが、テンピでもよろしい。

>>362の大正時代よりもシンプルです。ソースも記述されていません。フライパンではなく、まだ
この頃は天火で焼いていたようです。
卵はなくてもよくこねれば大丈夫ですが、パン粉が入ってないので固めのハンバーグですね。
大正になると、作り方も名前も進化。
371ぱくぱく名無しさん:2008/06/09(月) 21:53:55 ID:5nszsudk0
ん?パン粉は入ってるじゃない?
372ぱくぱく名無しさん:2008/06/10(火) 11:16:33 ID:sMNrurIN0
>>370
その頃の家庭用の天火ってどんなものだったんだろう
金属製の箱みたいなもので七輪の上に載せて使っていたんだろうか
373ぱくぱく名無しさん:2008/06/10(火) 11:17:46 ID:sMNrurIN0
こんなのがヤフオクに出てた
http://page4.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/d72789585
374ぱくぱく名無しさん:2008/06/10(火) 17:35:09 ID:2aehA/c30
>>371
別のことしながら書いてたもので間違えた。スマソ

>>372
明治大正は、七輪の上に置くタイプのものが一般的だったそうです。
図を見てみると、七輪の上に、四角い箱のような(見た目はオーブン)を置きます。
箱の下面には、穴があって(穴の上には網か何かで覆っている感じ)そこから、火の気が
上がると書いてあります。中は二段に区切られていて、そこに焼くものを置くみたいです。
さらに、天井部分はフタになっていて、そこを開けると一段へこんでいて、そこにも炭を
入れられるようになっていて、これが上火の役割をするようです。

>>370の和名は、刻み肉の炙りもの となっています。
375ぱくぱく名無しさん:2008/06/10(火) 22:23:31 ID:2aehA/c30
大正14年発行
エツグマツフイン
麥粉二合 ベーキングパウーダー茶匙四杯 鹽茶匙半分 砂糖大匙二杯 牛乳一合 卵一個

粉類を全部合せて二度篩し、よく泡立たる卵を入れ牛乳及ときたるバタを入れて(分量明記が
ないので、様子を見ながらということか。当時は小麦粉の質も安定しておらず、その時々の小麦粉
の質によって量を判断していたらしい)輕くまぜバタを塗りたる天パンの中にビスケツトの如く
ならぶるか、或はバタを塗りたるマツフイン型に七分目位入れ強火の天火中にて燒くなり。これも
混ずる物により種類頗る多し。

現在のマフィンと大きな差はないようです。イーストではなくBPですので手軽にできたのだと思われ
ます。現在は牛乳ではなく水を使うことが多く、表面にコーンミールが付いているものが一般的です。
また、現在は水分の配合がやや多め。
376ぱくぱく名無しさん:2008/06/11(水) 22:23:38 ID:VIi0ydci0
明治38年発行
トースト
平たい鍋に湯を煮騰せて玉子を割って、形を損わさない様に静に入れ、三四分間湯煮にして
別にパンを厚さ三分位に切りて、狐色に色付く位に燒き、皿に入れて其燒パンの上に玉子を
損ない様に注意て、載るのです。これわ鹽氣も甘味もありませんから食用バタを付けて食べ
るのです。

ポーチドエッグのせトースト?湯に酢が入ってないので、卵が分散して大変だったのでは。
当時はバターはなじみがなく卵をのせていたのか、これが基本の食べ方だったのか。
卵をのせた後に、バターを落として食べていたのでしょうか。
377ぱくぱく名無しさん:2008/06/11(水) 22:44:54 ID:VIi0ydci0
明治30年発行
會食の心得
食堂に入り、食卓(テーブル)の所に腰を掛たら勝手に左向いたり右向いたりチヨコ〱してわいけません。
スウプわ必ず匙で飲むのです。匙わヘラで糊を練る様に持って向をにむけてすくうのです。パンわ皿の上で
手でちぎるものです。肉刀(ナイフ)で切たり肉叉(フォークのことっぽい)で刺したりするものでわあり
ません。クラッカーも同じことです。肉叉で物をさしたらば、肉叉の背中を外にして口に運ぶものです。つ
まり肉叉わ手の形をしたもので、其の手の平を見せない様にするのです。魚を出す時に、正式ならば魚用肉
刀を使うのですけれど若し魚肉用肉刀が出してありません時わパンを巾五分長さ一寸位に切り、パンで棒の様な
物を拵へ、其で魚を押えて肉叉で身をむしって食べるのです。これわ魚の香が肉刀に付くといけませんからです。
一人の方計りに話しをしかけてわいけません。また人の食べるのをチヨコ〱見たり眺めて居てわいけません。
食卓掛けを汚したり、食物を落したりして食卓の下を汚す様なそそっかしいことのない様に氣をつけなければなり
ません。

スープは味噌汁のように器に口を付けてすすってはいけないとか、パンをフォークに刺して食べたり、隣の人にばかり
話かけないようにとか、基本的なことを言っています。当時は、すすったりフォークに何でもかんでも刺して食べる人
が多かったのでしょう。
378ぱくぱく名無しさん:2008/06/11(水) 23:02:31 ID:VIi0ydci0
続き
食べる時わ舌音をさせたり、物を吸う音を立る様なことのない様に、せなければいけません。この様な事わ
平常ご飯を食べる時でも氣を付けて頂きたい。つまり西洋料理でも日本の料理でも皆同じことです。人に依ります
と實に聞苦しい程ペチア〱させる人があります。皿や鉢などに匙や肉叉でがち〱音をさせない様になさい。人が
食物を口に入れて居るのに、挨拶したり又わ話し掛けてわいけません。若し氣が付かないで其の様な事をした時
失令禮致しましたと挨拶するのが法であります。若し又、自分が食物を口に入れて居る時に人から話しかけられた
時にわ、静に早く食べてから後に答えるものです。
給仕人を呼ぶのに大聲をせぬように氣を付けなさい、可成的(なるたけ)目と顔で知らせる様にするものです。
そして食事がすんで其家の主婦が席を立つのを合圖として皆席を離れるのです。食物わ皿の上で骨や其の外食る
ことの出來ないところを去って食べ、口に入れてからまた皿に戻す様なことのない様に注意が肝要です。桜の實など
の様に其の儘口に入れて種がある様なものわ其の種を口から匙に受けて皿の側に寄せて置ものです。

当時の日本人は、相当マナーが悪かったのだろうか(普段の食事でも)。
379ぱくぱく名無しさん:2008/06/11(水) 23:32:01 ID:chWGwGH90
クチャラーは今も健在。
380ぱくぱく名無しさん:2008/06/11(水) 23:36:42 ID:VIi0ydci0
続き
酒のコップが付いて居ても飲むことが倦ならばコップをふせて置くのです、これわ酒を飲ない印となるのです。
肉類わ左の手の肉叉で堅く押え、右の手の肉刀で一ト口だけに切って肉叉で刺して食べるものです。決して肉刀
で口に運ぶ様なことをしてわいけません。
給仕人が食品を持ち廻る時わ、自分の左脇から鉢を出す者ですから左手に受けて自分の皿に入れるか、またわ其の
儘持たせて置て取る物です。自分の肉叉や匙を用ゆるものでわありません。失禮に當ります。
蔬菜類(やさいるい)わ、たいてい肉叉で食べるものですが、餘り細い物わ匙を用いても差支わありません。食べて終った
ら肉刀や肉叉等を正しく皿の上に揃え置くか、又×形にして置くものです。珈琲や茶わ、茶碗を取り上げて吸うのですが、
音を立てゝわなりません。匙わ添てあるものですが、これわ掻き立てり加減を試す為です。
自分に運ばれた品を、遠退して他人え譲るものでわありません。却って失禮に當ります。
食品の良悪だの病氣の話しなどするものでわありません。
議論や人の風説(うわさ)などの話しをしたり、又食事の終らないうちに、煙草等を吸ってはいけません。人が何か過ちを
しても可及的(なるたけ)氣が付かない様な顔をして其の外の人にも知らさない様にするものです。

昔々、もフォークがない頃はナイフに肉を刺して食べていたそうですが(イタリアでフォークが作られるまでは)、
同じ事をする人がやはりいたのでしょうね。
珈琲スプーンで、スープのように一杯ずつ飲む人もいたのでしょうね。
381ぱくぱく名無しさん:2008/06/12(木) 10:11:36 ID:Dko138uu0
個人差に吸収される程度の疑問点はあるけど正しい知識ですね。
この筆者は海外経験があるんでしょうか。
ちなみに、筆者の名前は記されてませんか?
382ぱくぱく名無しさん:2008/06/12(木) 21:49:43 ID:1FkYcThP0
>>381
メリー・ウィルソンという人です。それを和訳にしてあるみたいです。
383ぱくぱく名無しさん:2008/06/12(木) 21:57:57 ID:6525Ud3B0
原書は海外版ってことか?
だとしたら、その国でもそれくらい書いておかないと駄目なマナーのレベルだったのかな
384ぱくぱく名無しさん:2008/06/12(木) 22:01:35 ID:1FkYcThP0
大正14年発行
冷し飲料
林檎皮水
食用又は料理用に供したる林檎の皮を瀬戸引鍋に入れ、五倍の水を加へて火に掛く。沸騰後、五分後位
にして火より下し皮を除く。淡き甘味を附しほのかに食紅を加へ好みによりては酸味を添ふる為極少量
の酒石酸を加へ冷して飲料に供す。コツプにつぎたる時極少量のセリ酒(シェリー酒か?)又は酒を加
ふれば更によし。

何だろう、これは。リンゴサワー??
385ぱくぱく名無しさん:2008/06/12(木) 22:02:25 ID:1FkYcThP0
>>383
日本人向けに、外国の人が書いたものみたいです。
386ぱくぱく名無しさん:2008/06/12(木) 22:12:43 ID:1FkYcThP0
さらに謎の飲み物
大正14年発行
香煎水
コツプに茶匙山一杯の麥こがし(麦こがし??小麦粉を焦がしたもの??それとも麦か)を入れ、砂糖茶匙二杯位加へよくまぜる。
冷水を注ぎ氷片一二ケを浮す。レモンエキス二三滴を落し直ちに飲料に供す。

麦だとしたら、取り出すだろうし煮立たせないと麦茶にもならないしなあ。
水を入れるということはやっぱり小麦粉?最初は噂に聞く砂糖入り麦茶かと思ったが、そうでもないっぽいし。
387ぱくぱく名無しさん:2008/06/12(木) 22:32:16 ID:mT88xa8Z0
>>386
調べてみたら、こんな記事が出てきた
ttp://www.daily-tohoku.co.jp/kikaku/tyouki_kikaku/ajiwai/2003/ajiwai_8-1.htm

炒った大麦の粉かぁ・・・代用コーヒーみたいなものかな?
388ぱくぱく名無しさん:2008/06/12(木) 22:45:55 ID:6525Ud3B0
ああ、麦焦がしな。どろり濃厚って感じにして飲んだな。
韓国にもある。
389ぱくぱく名無しさん:2008/06/12(木) 23:08:19 ID:U0ycE7HD0
麦こがしって、いわゆるはったい粉だっけ。

砂糖入れて少量の湯で練って食うのが一般的だが。
近頃流行のマクロビとやらでマフィンやらパウンドケーキなんかにも入れてるなw
390ぱくぱく名無しさん:2008/06/13(金) 22:53:57 ID:KO1SD3HY0
大正14年発行
支那料理 炒肉片(チヤオローピエン)
豚肉五十匁、五分巾一寸長の短冊切とす。筍十匁煠で細く刻む。三葉十匁、五分位に包丁す。豚を五勺の油中にて
いり掬ひ上ぐ。更に鍋に肉を入れ醤油三勺を入れ、他の材料を入れスープ五勺入れ、少量の味の素、鹽茶匙一、
灰汁引片栗粉茶匙二、酒中匙一半を入れ攪拌して皿に盛る。

この頃すでに、化学調味料があったんですね。昭和に入ってからだと思ってました。大正時代のレシピの中で、味の素を
使うレシピは少なく、このレシピくらいです。
391ぱくぱく名無しさん:2008/06/13(金) 22:58:07 ID:KO1SD3HY0
大正14年発行
松茸芥子漬
松茸五十個の石付を去り濃き鹽水中にて洗ひ笟に揚ぐ。麹一升五合、芥子五合及醤油の
合せたるに漬け込む。一二ヶ月にして食し得。

いかに松茸が安価でありふれた食材だったかってことでしょう。今ならこんな勿体無い
調理法しないですからね。しかも50個って。
392ぱくぱく名無しさん:2008/06/14(土) 00:16:17 ID:0emJ8sjt0
うちの親の世代(昭和30年代)でも、
松茸は貰いすぎて食いきれなくて佃煮にしてた、っていってたもんなー
393ぱくぱく名無しさん:2008/06/14(土) 22:52:55 ID:bJYnmDN10
大正15年発行
野菜スウプ
人参八十瓦 大根八十瓦 菠薐草八十瓦 玉葱八十瓦 キヤベツ八十瓦 水二竕 出し昆布五瓦
鹽四瓦 胡椒少々

各材料をよく洗ひ適當に切る。材料全部を鍋に入れ水を加とろ火にて約半量になるまで煮出したる後
汁を濾しとり再び鍋に入れて鹽胡椒にて味附をなす。スウプの實としてマカロニー或はグリンピースを
用ふるもよし。

昆布でダシを取っているので、和風スープというか澄まし汁に近いものか。
とろ火でじっくり火を入れて本格的なスープの取り方です。マカロニ入れたら
おいしそうです。昔の野菜は味も濃くいいダシが取れたという話を聞いたことがあり
ます。だから肉など入れなくてもいいダシが取れて十分おいしかったのでしょう。
今だと物足りないでしょうね。コンソメでも入れないと。
394ぱくぱく名無しさん:2008/06/15(日) 21:08:38 ID:ByfqklEb0
明治40年発行
コンフラワーゼリー
牛乳一合 砂糖二十匁 鹽少許 ゼリーテン二枚半 コンフラワー大匙一杯 レモン油一二滴

シチウ鍋の中へ牛乳と砂糖を入れ、鹽とコンフラワーとゼリーテンを加へ弱火に架け、よくかきまはして
木匙にてかきまはし、暫時く煮込みてどろ〱になりたれば鍋を下しレモン油を加へて手早く團扇にて煽ぎ
冷却しほどよく固まらんとする時ゼリー型の中へ注ぎ入れ硬く固りたれば一寸湯の中へ入れ直ちに脱出して
皿に盛出すなり。

コンフラワーをゼリーにするって間違ってると思う・・・。
395ぱくぱく名無しさん:2008/06/16(月) 09:33:59 ID:tgLqhlK/0
でもコンフラワーはハーブ茶になるし
風味がすきな人にはおいしいかも
396ぱくぱく名無しさん:2008/06/16(月) 10:28:22 ID:h3C+FnMO0
コーンフラワーってトウモロコシ粉のことか?
397ぱくぱく名無しさん:2008/06/16(月) 21:42:16 ID:oVmT3B3C0
>>396
そうです。ザラザラしてるコーンフラワーとなめらかなゼリーの組み合わせはいかがなものかと。
395さんが言う通り、好きな人にはいいかもですね。風味が強く感じるでしょうし。
398ぱくぱく名無しさん:2008/06/16(月) 22:01:22 ID:oVmT3B3C0
大正6年発行
オイスタースープ
剥牡蠣一合五勺 牛乳五勺(牛乳を好まぬ人は水にてもよろし) 鹽胡椒少量 卵の黄身一個

拵へ方
第一に剥牡蠣は汁を濾すなり。即ち丼鉢の上に笊を載せ、笊の中に布巾を敷き、其中に牡蠣を皆揚げて丼鉢に溜り
たる汁を取るなり。この汁は風味あり且つ滋養を含み味もよきものなれば捨てぬがよろし。第二に牡蠣は桶に入れて
水にて十分C潔に洗ひて汁を切りて後鍋に入れ其中に先にとり置きたる丼鉢の汁を入れ、牛乳を入れ直に火にかけて
五分間煮るなり。第三には煮えたる牡蠣を皿にとり、あとの汁を布巾にて濾して再び鍋に戻し鹽胡椒を少々入れて
薄味をつけ火よりおろす際に玉子の黄身をよく交ぜたるを入るゝなり。黄身を入れて後は長く煮るべからず。
而して皿に盛りたる牡蠣大なる時は適且に切りて皿又は椀に盛りて其上にに汁をかけて出すべし。燒きたる食パンを
小さく切りたるものとパセリーを少々盛り合すもよし。

シンプルな牡蠣のスープ。牛乳に慣れない人も多かった時代。水で作っても牡蠣のダシが取れてるしおいしいかも。
食パンはクルトンの代わりでしょうか。黄身が固まらないようにした濃厚そうなスープでおいしそう。
399ぱくぱく名無しさん:2008/06/16(月) 22:19:57 ID:BH4G9uSr0
ええええええ
コンフラワーとコーンフラワーは別物でしょ
コンフラワーはエキナセアじゃないの?
400ぱくぱく名無しさん:2008/06/17(火) 21:36:35 ID:p/FbT5E90
>>399
当時はコンフラワーと書いたりコーンフラワーと書いたり、曖昧だったみたいです。
唐黍の粉と説明してあるので、エキナセアではないと思います。
401ぱくぱく名無しさん:2008/06/17(火) 21:56:08 ID:p/FbT5E90
明治40年発行
セイゴローヤル
牛乳二合 セイゴ二十五匁 砂糖三十匁 鶏卵三個 コンスタチ大匙輕一杯 レモン油三四滴

セイゴを水洗して水氣を斷り一合の牛乳にて一夜漬け置き、翌朝更に一合の牛乳を加へてシチウ鍋に入れ、火に架け
砂糖を加へてよくかきまはし、それより鶏卵を破り込み手早くかきまはしてコンスタチを少許の水にて溶かしこれも其中へ
加へて亦もかきまはしてどろ〱に為し、ほどよく煮たるを俟ちて鍋を下し、手早く團扇にて煽ぎ冷却し、ほどよく固まらん
とする時ゼリー型の中へ注ぎ込みそのまゝよく固りたれば型のまゝ湯の中へ入れ直ちに取出して皿に盛出すべし。

セイゴってスズキの幼魚だよね・・・?想像したくない味・・・・。
402ぱくぱく名無しさん:2008/06/17(火) 23:45:49 ID:vNw3BDcH0
>400
それは訳者が間違えたんでは?
403ぱくぱく名無しさん:2008/06/17(火) 23:53:18 ID:vNw3BDcH0
魚じゃないでしょう…
セイゴ・パーム
サゴヤシではないでしょうか?
404ぱくぱく名無しさん:2008/06/18(水) 22:29:39 ID:cias2N/80
>>402
よくわかりませんが、間違えたのかもしれませんね。エキナセアなんて、この当時の人は
わかる人も少なかったでしょうし。

>>403
それなら納得。この時代にサゴヤシなんて、滅多に手に入ることもなかったでしょうね。
405ぱくぱく名無しさん:2008/06/18(水) 23:06:57 ID:cias2N/80
明治38年発行
ミートロール(刻肉丸型の天ぷら)
牛肉一斤 玉葱1つ 鹽少し
肉を細かに切るか、又わ機械で細かにしてから敲いて(たたいて)辛味を好く人わ胡椒なり芥子なりを入れ、
玉葱を細かに切って肉に交ぜ、鹽少し加へて味を付け、饅頭の様に平たくして、鍋にラード(豚油)を沸騰せ
置いて、其中え入れて揚るのですが、油が飛びはねることがありますから、鍋に蓋をする方がよろしい、之
れわ蔬菜(やさい)と付け合せて皿に盛ります。

ミートボールでしょうか。シンプルなものみたいです。現在では、卵を入れたり片栗粉を入れたりしていますが、
今のものより固めのミートボールみたいです。真ん丸ではなくて、小さなハンバーグを揚げたものという形だった
ようです。
406ぱくぱく名無しさん:2008/06/19(木) 15:40:59 ID:M28iKdzW0
大正二年に連載された鈴木三重吉の”桑の実”という小説に出て来る
ーこの玉子はどうして肴の身の中で固まらせるんです?
と言う台詞だけをたよりになんの料理だか探していますがやはり無理ですかねー

407ぱくぱく名無しさん:2008/06/19(木) 15:44:11 ID:BH9wD7Jh0
昨日ランチで頂いた、おからが美味しかったので自作しました。
が、まったく食感も味もちがいます。
元々料理に自信がないのでググッったレシピ通りに作ったのに…。
モサモサしてて無味です。何を足せばいいんだろう。

848 名前:可愛い奥様[] 投稿日:2007/12/10(月) 17:21:32 ID:DlfowNf40
>>846-847
ありがとうございます。
薄口の醤油つかったんですけどね…。
「もしかしたら、おからを買ったお米屋さんに古いの掴まされた?」
なんて疑ってしまったw (茶色っぽかったもんで、つい)
もう少し汁気足してみます。 アリガトン

850 名前:可愛い奥様[] 投稿日:2007/12/10(月) 17:27:27 ID:5NdxwGHP0
お米屋さんでおから売ってるの?

852 名前:可愛い奥様[] 投稿日:2007/12/10(月) 17:38:30 ID:hVOhjf5q0
もしかして、米ぬか?w

860 名前:845[] 投稿日:2007/12/10(月) 17:55:27 ID:DlfowNf40

.. ...: :: ::: :::::
   ∧_∧ ..:: ::
   /彡ミヽ;)−、 ::
  /::/:ヽ、ヽ、:i.::
  / :/:: ヽ ヽ| ::
 ̄(_ノ ̄ ̄ ̄ヽ_ノ ̄

米ぬかでした…。
35歳、メシマズ歴4年。逝ってきます。
ついでながらこれがその料理です成仏してください南無 http://hobby11.2ch.net/test/read.cgi/stationery/1175430045/
408ぱくぱく名無しさん:2008/06/23(月) 22:55:44 ID:pgKVDuHi0
明治38年発行
ボイルドキャベージ(甘藍(たまな)の煮物)
甘藍 ハム(臘乾(らかん)と云うて豚の股や脛を鹽漬にして燻したもの)又わ生豚肉

ハムならば二三時間茹で、油が浮いた時、甘藍を(小さいのわ二つ切り大きいのわ四つ
切りにして)其中に入れ、三十分煮て皿に取り其儘で出すか、又わソウスを掛けて出すのです。
もしまた生の豚肉ならば鹽を少し煮て、クリームと云うものを掛けて出します。乳酪と云って
牛乳を暖めて暫く置くと上に皮が張ります。其れを製したもので洋品店にあります。

今で言うと何でしょうか。
当時のハムですが、イギリスの文献によると、相当な塩分だったようです(当時、添加物も何もなかった
のだから当然ですが)。塩と砂糖、硝石をすり込んで干し(塩は毎日9日間すり込み、その後干す)、スモーク
ハウスで燻す。が、田舎では塩水にに漬けたものや塩をすり込んだものを、天井に干してハムにしている家庭が
ほとんどだったらしい。どちらにしても、ホコリが付かないようにガーゼに包んで干し、乾いたら食していたそうな。
茹でるか焼くかして食べるのが普通で、茹でた場合はその残り汁でさらに野菜を茹でて塩味ボイル野菜にしていた
そうなので、相当の塩分だったらしい。
409ぱくぱく名無しさん:2008/06/24(火) 00:20:47 ID:2ciUJKJn0
根菜が入ってればポトフだけどな
この料理に似たようなのも普通によくやるわ
410ぱくぱく名無しさん:2008/06/29(日) 13:12:15 ID:NS083vzZ0
ウォー!ガウワオ・・・ヤアアアアア!キェェェェ!!!
411ぱくぱく名無しさん:2008/07/05(土) 11:32:00 ID:S2H843vJ0
age
412ぱくぱく名無しさん:2008/07/06(日) 22:33:30 ID:JZNv0LUa0
大正15年発行
野菜スープ

人参八十瓦 大根八十瓦 菠薐草(ホウレン草)八十瓦 玉葱八十瓦 キアベツ八十瓦 水一立
出し昆布五瓦 鹽四瓦 胡椒少々

各材料をよく洗ひ適當に切る。
材料全部を鍋に入れ水を加え、とろ火にて氣長く煮たる後汁を濾しとり、再び鍋に入れて鹽、胡椒
にて味をなす。スープの實としてマカロニー或はグリンピースを用ふるもよし。

ブイヨンや肉は何も入っておらず、昆布ダシで、和風のスープでしょうか。
作ってみたのですが、物足りない印象です。昔は野菜の味が濃かったので、野菜のエキスだけで十分
に美味しかったのかもしれません。醤油を入れてやっと美味しいかなという具合。しかし、肉の旨みが
ないとここまで物足りないのかと、びっくりした次第。

413ぱくぱく名無しさん:2008/07/11(金) 23:05:38 ID:thI5e9tp0
明治38年発行
スチームミート(肉の湯煎)

牛肉一斤 鹽見計い

冬は屠してから三日位經つた肉、夏わ當日屠たものを酢を交ぜた水(水四合に酢大匙一杯半の割)で洗い
湯むしにするため一斤の肉を二つ切りにして、蓋のついた陶器の中に入れ、鹽少し加えて蓋をして、それ
から鍋に水を入れて、其水の入れてある鍋の中え前の蓋物を入れ(仕方は茶碗むしの様にするのです。
つまり肉が入れてある蓋物を煮る様なわけです)鍋にも蓋をして火にかけ、二時間以上五時間位で蒸すの
です。又、鍋の湯がどん〱煮え立つと煮詰まってきますから、水を加減してお差しなさい。
414ぱくぱく名無しさん:2008/07/22(火) 21:23:17 ID:z6OBRQpEO
保守

面白いねこのスレ。
良スレだ。
415ぱくぱく名無しさん:2008/08/15(金) 09:19:19 ID:u+yYBgr0O
保守
416ぱくぱく名無しさん:2008/08/26(火) 21:12:15 ID:kIPsrlKvO
保守
417ぱくぱく名無しさん:2008/09/01(月) 05:57:28 ID:HaK4YsvrO
まとめサイトから来た
面白いね、ここ

保守
418ぱくぱく名無しさん:2008/09/10(水) 01:04:08 ID:8mHniqUrO
保守
419ぱくぱく名無しさん:2008/09/19(金) 18:31:45 ID:xq20WEsQO
保守
420ぱくぱく名無しさん:2008/09/23(火) 13:25:58 ID:Fj7rfJf30
活動再開

明治38年発行
フヰっシボール(魚と薯との合燒)

焼肴か蒸肴 馬鈴薯 鹽 胡椒 バタ

是は一切の焼肴でも殘った時にする便利な料理法です。
さて、有合わせの焼肴を細かにし、馬鈴薯の皮をむいて茹でてつぶしたものと一緒にして、
鹽と胡椒とで味を付け、平たい丸形にしてバタで燒くか(金網に載てしちりんで)又わ貝の中に
(貝杓子に使う貝)ラードかバタを引いてから入れ、貝を金網に乗せて蒸し焼きにする。
之わ貝の儘、皿に盛ってクリームソースを掛けて出します。

クリームソース(餡、ころも)
バタ大匙三杯 メリケン粉大匙二杯 牛乳二合(コンデンスミルクなら大匙二杯と水を入れ
二合に溶き) 鹽少し 胡椒少し
バタを火で溶きメリケン粉を少しづゝ入て混ぜ、又、牛乳を混ぜながらどろ〱になる迄に煮て
鹽、胡椒を入れてソース鉢に取ります。玉葱を細かに切り藥味として入れることもあります。
又、玉子の茹た黄身を潰して入れても宜しい。

魚のコロッケでしょうか。貝杓子というのは、帆立貝などに柄を付けたおたまみたいです。
明治にコンデンスミルクがあったんですね。
421ぱくぱく名無しさん:2008/09/23(火) 23:15:57 ID:Fj7rfJf30
大正15年発行
スタッフドマッシュルーム
松茸四百匁 鹽二瓦 胡椒少々
挽肉二百瓦 鹽一瓦 胡椒少々
食パン百瓦 玉葱百瓦 グリンピース三十瓦 バタ十五瓦 鶏卵五十瓦 パン粉少々

トマトソース
バタ十五瓦 メリケン粉十瓦 トマトピウレ一竕 スウプストック適量 鹽胡椒

松茸の笠をこわさぬ庸にく洗ひ軸を笠のところより一糎殘して切り鹽胡椒する。
食パンは硬き部分を去り水につれ、よく水のしみこみたる時かたくしぼり細かく千切り置く。
玉葱は皮をはぎ、おろしおく。挽肉に鹽胡椒をなしその中に食パン、玉葱、きざみたる松茸の軸を
混ぜていため少し冷めたる時鶏卵を加へてまぜ松茸の笠の内側につめ、上をならしグリンピースを
ぱら〱とのせその上にパン粉及バタをのせて天火にて十分位燒く。
燒けたる時、適宜に切り皿に入れトマトソースをかけて供す。トマトソースはソースパンにバタをとかし、
メリケン粉を加へやゝ色附くまでいため、更にトマトピウレーを加へいためたるものをスウプストックにて
徐々に伸ばし、鹽胡椒にて味を附ける。

参考
じゃが芋を煠で裏漉になしバタにていため、牛乳少量にて伸ばしたるものを袋に入れ、松茸のまはりに
しぼり出して飾りにつれるもよし、又皿にこの芋を二筋程しぼり出してそばに松茸をのせるもよし。

キノコの挽肉詰め焼きといったところでしょうか。現代ならば椎茸を使うでしょうね。
トマトソースまでかけて、なかなか美味しそうです。
マッシュルームが手に入りにくい事情があったのでしょうが、松茸で堂々と代用するとはいかに松茸が
ありふれた安価な素材であったのかわかります。マッシュポテトまでも添えて、当時は相当なハイカラ高級
料理だったのでしょう。
422ぱくぱく名無しさん:2008/09/24(水) 03:26:12 ID:GvHUvhGW0
>>420
再開乙です。

なんとなく、北海道の「いももち」なる料理に似ていますが、
片栗粉は入れないみたいですね・・・。
ttp://www.potato-koubou.com/recipe-imomoti/

あるいはポテトパンケーキの一種でしょうか?
423ぱくぱく名無しさん:2008/09/24(水) 09:10:38 ID:aEWpcNwX0
>>420
バカリャウのコロッケみたいだな
424ぱくぱく名無しさん:2008/09/24(水) 23:00:50 ID:JMTjvGao0
昭和五年発行
西洋饂飩(うどん)の蒸し焼き(佛マカロニー・オー・グラタン)

西洋饂飩(マカロニー)二十五匁(二十本) バタ大匙一杯 メリケン粉大匙一杯 牛乳一合
鹽小匙一杯 パン粉中匙一杯 胡椒小匙半杯 

マカロニーは長いまゝで鹽を加へた熱湯に投じ、中火の加減で約三十分間程茹で、軟かになつたならば
布巾を敷いた笊に上げて充分に水氣を斷り長さ八分位に切つておきます。マカロニーを茹でる時に火力
が弱いと下に沈んで鍋底に燒き着きますから火は是非中火の加減で熱湯はたつぷりにして茹でます。
マカロニーの性質により二十分位で軟かになるものもありますが、イタリアンマカロニーは質が硬いから
三十分位は茹でないと軟かになりません。何れかといへばマカロニーは少し茹で過ぎるくらゐが味があり
ますが茹で過ぎると縦に裂けたり横に切れたりしますから加減が面倒です。
次にフライパンにバタ大匙半杯を溶かし、その中に茹でたマカロニーを入れて程よく炒りつけ皿にとつて
おきます。
バタ大匙一杯を鍋に入れて火にかけ、よく溶けた時にメリケン粉大匙一杯を加へ、杓子でよく掻きまぜ
牛乳一合、鹽、胡椒を入れ滑かになったのを見計ひ、これにマカロニーを交ぜ合はせパイ皿に少量のバタを
塗つた中にあけて平らにならし、あつさりとパン粉をふりかけ五六個所に豌豆大のバタをのせ
それを天火に入れて燒き上面にうつすらと焦げ目のついたのを度としてテイブルに供します。

昔のマカロニは、茹でるのに30分もかかってたんですね。裂ける切れるという所からして
品質も良くなかったのでしょう。しかも長いままで、茹でてから適当に切っていたようです。
チーズもなし、玉葱も具材もなしですがどうやらこれが基本だったようです。

>>422
>>423
パンケーキのような、バカリャウのような・・・。その中間?ポルトガルの影響も
受けてきた日本ですから、パステイス・デ・バカリャウからヒントを得たのか、
もともと似たようなものが日本とポルトガルで発祥したのか・・・。実際、ポルトガル
料理は日本人の口に合うものが多いので、発想も似ているのかもしれませんが。
425ぱくぱく名無しさん:2008/09/25(木) 10:56:52 ID:sVOWKX6w0
昔のマカロニ、凄いね。茹で時間30分、茹でてから切る・・・
今売ってるパスタからは想像もつかないわ。驚愕!
426ぱくぱく名無しさん:2008/09/25(木) 22:56:20 ID:O5g2vi/a0
大正15年発行
ハツトケーキ

メリケン粉八十瓦 燒粉ニ、五匁 牛乳一竕 バタ四十瓦 玉子一個 砂糖蜜0.五竕 砂糖八十瓦

メリケン粉と燒粉とを粉篩に入れて三四回篩ひおく。擂鉢に玉子を割り込み其上に砂糖を篩ひながら
加へ擂木にて充分に摺り混ぜ牛乳を加へてよく混ぜ、篩ひ置きたるメリケン粉とを更に篩ひながら入れて
輕く掻き混ぜどろ〱の程度とす。ハツトケーキパンに火をかけてバタを引き金杓子に掬ひて適當の大きさ
に擴げて燒く。温き内に盛りて砂糖蜜を添へて供す。

燒粉とはベーキングパウダーでしょうか。泡立て器が一般的ではなかったのか、すり鉢を使っています。
現在のように泡立てないので、パンケーキに近い出来だったのかもしれません。砂糖と水を煮詰めたものを
かけていたようです。

>>425
何で西洋うどんなのだろう?と思っていましたが、今のように元から短くしてあるマカロニではなく長いま
まで、個々でカットして使うものだったんですね。だから「うどん」なんだーと妙に納得してしまいました。
427ぱくぱく名無しさん:2008/09/26(金) 00:20:28 ID:yMjjisgK0
>>426
そのころからHotは「ハット」と発音してたんですねえ・・・。

「燒粉」をぐぐってたら、このスレがヒットしましたw
どうやら、>>289 (ピーナツビスケット)らしい。

たぶん燒粉=ベーキングパウダーなのでしょう。かなり直訳w

そういえば、砂糖と水を煮詰めたものというと、カラメルシロップでしょうか。
428ぱくぱく名無しさん:2008/09/26(金) 21:09:37 ID:4BEVROjr0
>>425
そう思ってググって見たら
イタリア語のマッケローニは主に穴のあいた棒状のものを指し、普通茹でる際に適当な長さに折って用いる。
だって。

茹で時間に付いては、アメリカでは長時間茹でるのが一般的だったようで、その影響かも。

429ぱくぱく名無しさん:2008/09/26(金) 22:53:55 ID:DL4aYGMu0
大正14年発行
マシマロー

ゼラチン四枚 水一合 砂糖大匙四 水飴大匙半分 卵白一ケ 食紅少々 香料少々
浮粉

鍋に砂糖と水とを入れて中火に掛けて煮立たる時、水飴を入れ一寸煮る。ゼラチンを水に浸し
軟かになりたる時、水より揚げて先の砂糖水へ加へ交ぜつゝ煮、ゼラチンの溶けたる時、
鍋を下す。卵白を十分泡立て、ゼラチンの液を少しづゝ入れながらよく泡立器を廻しつゝ混ず。
次第に重くなりたる時に止め香料を落す。浮粉は豫め炒りて適當の器に入れ、四分位厚みに為し
置き、それに角形又は丸形の穴を作り置く。マシマロー液を穴の中に注ぎ入れ、静かに放冷し
固りたる時粉を佛ひて用ふ。

現代の作り方とはそこまで大差はないですが、大雑把な作り方です。香料を入れた
後、氷水である程度冷却しつつトロリとさせる工程がないので(氷なんて買える家庭は少なかった
でしょうし)ポソポソしたものが出来て失敗も多かったのかも。
上流階級の奥様お嬢様が作るおやつだったのでしょうね。

>>427
溶かして少し煮詰める程度だったようで、カラメルというよりは
近いようです。

>>428
そうかもしれませんね。外国はテクスチュアに鈍感で野菜などクッタ
クタになるまで煮てたそうですから。フランスでさえも野菜をクッタクタ
に煮尽くしていたそうで、初めて日本でテクスチュアを知ったフランス人
シェフが、歯ごたえ歯ざわりを大切にしたテクスチュアを本国に持ち帰った
そうですら。それからフレンチも、大幅に変わったという話を聞いたことが
あります。
430ぱくぱく名無しさん:2008/09/26(金) 22:55:37 ID:DL4aYGMu0
失礼。
カラメルというよりは→カラメルというよりはシロップというほうが
431ぱくぱく名無しさん:2008/09/28(日) 22:36:30 ID:5dXAHWaH0
明治40年発行
アップルパイ
メリケン粉六十匁 ケンネ三十匁 牛乳五勺 鶏卵一個 バタ大匙一杯 林檎適量 砂糖適量

先づケンネの筋を去り、板の上部に取りなるべく細かに刻み、パイ皿の中に入れて
両手にてよく揉み、充分に軟かになりたれば一つに丸め置き、それよりメリケン粉
をもパイ皿の中へ篩ひ込み、別器に鶏卵を破り、蛋黄の方をメリケン粉の中へ入れ
バタと牛乳をおい〱に加へて両手にてよく揉み混ぜ、充分に混りたれば一ツに丸め
その軟かさ加減はケンネと同一軟かさにメリケン粉を捏ね丸めて、ケンネの大きさ
よりやゝ二倍ほどの大きさに丸め、それをの伸板の上部に少許くメリケン粉を撒布
けて載せ、亦伸棒にもメリケン粉をつけてほどよく叩き伸し、更に二ツに折り重ね
ても亦も叩き伸し、その毎度にメリケン粉を撒布ながら伸すこと十五、六回にして
直ちにパイ皿の中へ敷き擴げ、皿のふちの部分にて截り去り、屑を再びよく伸し置
き、それよりその中へ入れる林檎の手順に係るなり。林檎はよく皮を剥き縦に四ツ
割に為しナイフの先にてほどよく芯をえぐり去り、再び縦に薄く截り一列に並べ、
その上部に砂糖を撒布け、亦林檎を並べては砂糖を撒布れ、斯くすること敷層も為
たれば、伸し置きたるパイの皮を取り、パイ皿の蓋となる大きさに截り、殘分の蛋白
をパイ皿のふちの部分に塗りつけ、蓋を為しなお截り去りたる屑あれば、よく伸し
擴げて蓋の上部に蛋白をつけて添へ、種々の形に拵へ四、五の小孔をあけ直ちに蛋白
を一面に塗り、そのまゝテンピの中へ入れ蓋をなし、上火を強く下火を弱くして
三十分燒くなり。

生地はパートブリゼに近いものでしょうか。ケンネを入れるあたり、何だかイギリスの
パイに近いような気がします。練り込みで、卵が入っているので、サクサクとして噛むと
はらりとするような生地ではなく、タルトに近いものだったのかも。
林檎も炒めてシナモンと砂糖・・・ではなく、生のまま砂糖ですので、アメリカ・イギリス
系みたいです。当時はボウルなどはなく、皿の中で混ぜたり捏ねたりが多かったそうです。
牛の上質の脂、ケンネはイギリスのクリスマスプディングや、その他のお菓子にも
使われている通り、クセのない味。あっさりとしたまさにホームメイドの味だったのかも。
432ぱくぱく名無しさん:2008/10/05(日) 19:00:09 ID:rPmHCumoO
保守
433ぱくぱく名無しさん:2008/10/21(火) 21:52:24 ID:98qVfaBQO
保守
434ぱくぱく名無しさん:2008/10/21(火) 22:49:37 ID:eMa1euAC0
明治38年発行
ヲムレット(肉入り卵燒き)
玉子2つ 牛乳大匙一杯 胡椒少し

先づ、玉子の白身を肉叉か泡立機械で充分掻立てをいて、別に黄身の方に食鹽、牛乳、胡椒を入れて
混ぜて初めに拵えた玉子の白身の泡立てたのを掻廻しながら入れて、其からバタを引いたフライ鍋え注ぎ
蓋をして燒くのです。燒けたらば丁度柏餅の様に中から二つに折合せて皿に取るのです。また玉葱を細か
に切り食鹽で味を付け脂でいためて、これを包んで燒いてもよろしいのです。燒け鹽梅は先づ、半熟の少し
よけいに燒けたのと思えばよろしい。

ふわふわのスフレタイプのオムレツでしょうか。
泡立て機械というのは、今の普通の泡立て器で、当時は持っている人は少なく、ほとんどの人がフォークや
箸を数本紐でしばった物で泡立てていたらしく、作業も大変だったと思います。
日本語名が肉入り卵焼きとなっていますが、レシピに肉は出てきません。元々、肉(たぶんミンチかハムか)
を入れて焼くものという意味なのか、レシピミスなのかわかりませんが。たぶん、玉葱を入れる場合と同じく
炒めて塩をしたものを包む・・・というレシピだと思います。
435ぱくぱく名無しさん:2008/10/22(水) 21:34:20 ID:F49MeryS0
スフレタイプとはまたハイカラな
436ぱくぱく名無しさん:2008/11/18(火) 20:34:14 ID:zC7EyfP4O
保守
437ぱくぱく名無しさん:2008/11/18(火) 21:47:42 ID:6w6d0mpV0
大正6年発行
キング
これは、黄身二箇分に、鹽と砂糖を極く少量入れ、葛か片栗を黄身一箇分位、黄身の濃さにソップ
(スープですね)か、煮出しか亦は水か牛乳にて溶きて入れ、よく掻き交ぜて、フライ鍋にバタを
塗り、煙の立ちたる時に流し込み、半熟になりし頃、白身を泡立てたるを二つ分饀に入れ、直に
オムレツの時の如く手前に二つに折りて、白身を包み、温き中に適宜に切りて三杯酢にて出す。

名前も不思議だけれど、何でしょうこれは。黄身を牛乳やスープで溶いたものを半熟にして、
メレンゲを入れて包んで焼いて、三杯酢で食べる。
中がふわふわのメレンゲで、外側が黄身。そのまま食べるか何かソースをかけたり簡単に
ケチャップで食べたほうが、現代ではしっくりきそうですね。
438ぱくぱく名無しさん:2008/11/20(木) 22:36:38 ID:dyr19Ii80
大正15年発行
スヰートポテト
甘藷二百瓦位のもの五個 バタ二十瓦 砂糖百瓦 卵黄一個 鹽二瓦 牛乳一竕

甘藷を洗ひ天火にて皮を焦がさぬやう丸燒きとす。中央より縦二つに切り皮を破らぬ
やうに中身を取出し裏漉にかけ之を滑かにして鉢に入れ、溶かしたるバタ砂糖鹽牛乳
を同時に加へてよく混ぜ、皮に中高に詰めナイフにて滑かになし、上に卵黄を塗りつけ
天火にて燒く。

現在の平均的なスイートポテトと比べ、卵黄が入っていないので(表面の艶出しのみに使ってい
ます)、今ほどコクはなかったようです。また、生クリではなく牛乳で、量を多くして生
クリを使ったときのように柔らかくできるようにしてあるみたいですが、やはりコクと
クリーミーさは今ほどではなかった様子。今ではさつまいもを蒸してから使うことが多い
ですが、焼いてますね。現在のレシピでは、火にかけながらバター、砂糖と合わせる場合と
火にかけずに熱いうちに混ぜ合わせる場合とあります。作り方自体は現代と変わりはない
ようです。このレシピ通りで作っても充分美味しいと思う。
439ぱくぱく名無しさん:2008/11/21(金) 21:51:14 ID:wfwMNUYm0
大正6年発行
桃のコンポントー(コンポートでしょう)

天津桃四個 林檎若きもの二個 梨一個 山葵 酢 砂糖二三十匁 

天津桃とて中まで眞紅なる桃を四個買ひ求め、よく洗ひて皮を剥き卸金にて卸して
布巾にとり、輕く汁を搾りて其汁は捨てずに置き、肉の方を丼鉢に入れて、山葵を
少々摺りおろして入れ置き、次に林檎も梨も洗ひて皮を剥き、四つ割りにして蕊を
除きて鹽水に入れて灰汁を抜き、直に引き上げて之を八つ割りとなし、小口より五厘
位の厚さに切りて丼鉢に入れ、上より砂糖を二三十匁振りてよく交ぜて、其中に桃の
卸したる肉を入れて和へるなり。味最も美にして上戸にもスばるゝ料理なり。小さき
手鹽皿か猪口に少しづゝ盛りて出すべし。夏の馳走としては此上もなきものなり。酢
の不足したる時は食酢にても果酢にても少々加味すべし。
次に搾りたる汁には同量の砂糖を入れて、煮詰め置く時はヂェリーとなるなり。冷水
に落して呑む時は最上のC涼飲料となるなり。

大正の頃は、天津桃しか出回っていなかったらしい。昔話の絵本でよく見る先がツンと
尖った桃ですね。バーミヤンのマークもそうですね。糖度が低く、果肉も硬いので、
すぐにすたれたそうです。硬いので摺り卸していたのでしょう。
当時としては珍しい果物だったのでしょうね。林檎も高級品で、多分、今のように糖度
は高くなかったのではないかと思います。梨はそこそこ流通していたらしいですが、
今ほど糖度は高くなかったでしょう。桃だけでは糖度が足りず、梨と林檎を入れて、
それでも糖度が足りず砂糖を大量(だいたい860グラム)に入れています。糖度を
補う意味と、砂糖を大量に使うことよって贅沢さも出すためだったのかもしれません
が。珍しいけれど甘くもない硬い桃を使うための苦心のレシピなのか。
桃の香りを堪能するレシピであれば、砂糖を大量に使えばいいわけで。それとも桃だけ
では芸がないと思ったのでしょうか。よく熟すと甘味も出る桃らしいですが、そういった
研究も未熟だったのでしょうね。
440ぱくぱく名無しさん:2008/11/22(土) 21:59:40 ID:z+Nrroww0
昭和7年発行
玉蜀黍と挽肉の熱帯料理

玉蜀黍五本 挽肉八十匁 玉葱二箇 簹椒粉(たうがらしこ) 食パン五枚 鹽 味の素 バタ

挽肉には細切肉で結構です。それと玉葱と一緒に肉挽器にかけ、フライ鍋でいためてから煮鍋
に移しひた〱くらゐお湯を注して煮ます。玉蜀黍はあまり實りきらぬ指先で潰れるくらゐのが
い〱のです。それを匙か指先で鍋の中にこき落し、混ぜ合せて煮込み、汁に粘りが出てきたと
ころへ好みに簹椒粉と鹽、味の素を加へ、底からよくかき廻します。パンは三分厚みくらゐに
切り、兩面を燒き一方にバタを塗つて玉蜀黍を載せて出します。

名前にブッときました。熱帯とはどこの国のことなのでしょうか。さすがに昭和初期になると
味の素が出てきます(このスレのどこかでこの事は書いたと思いますが)。個人的に見て、昭和
初期のレシピが一番面白いですね。時々このような不思議なレシピがあり、マカロニの不思議
料理やロシアやトルコと名の付く料理もあります。見た目が豪華なものが多い傾向があり、
レシピを紹介してる面々も、イギリス○○軍○○夫人とか、○○教授○○夫人とか、○○ドクトル
(ドクターでしょう)○○夫人、中には政治家の夫人や千疋屋の名も連ねています。料理研究家なんて
いない時代ですからね。昭和初期、こういうものを作れる人は上流階級の人たちだけだったでしょう
し、時代を感じます。
441ぱくぱく名無しさん:2008/11/23(日) 12:52:16 ID:RmmNHTyQO
>>440
http://nawomayo.jugem.jp/
ずっと前に既出のサイトだけどこれと同じ料理をハケーン(・∀・)
もしかして同じ料理本なのかな?
442ぱくぱく名無しさん:2008/11/23(日) 17:36:36 ID:kBcJRWueO
ここのスレの料理を一度は作って見たいけど 挑戦出来ない・・・。
だれか作ってみた人いる?
443ぱくぱく名無しさん:2008/11/23(日) 21:56:45 ID:To88FgPo0
>>441
同じですね。再現された方いたんですね。

>>442
いくつか再現しました。やはり、レシピ見て美味しそうだなあと思うものは美味しいです。
まずそう・・・と思うものはまずいですね。
444ぱくぱく名無しさん:2008/11/23(日) 22:49:15 ID:To88FgPo0
昭和レシピは再現されておられる方もいますし、やはり明治大正のレシピのほうが、楽しめるかもしれませんね。
ということで
大正6年発行
フロティングアイランド

牛乳二合 卵二個 砂糖大匙二杯 レモン亦はヴァニラ小匙一杯 鹽少々

先づ卵を黄味と白味に別つべし。亦別々に砂糖を大匙に輕く一杯づつ入れて赫々よく交ぜて
泡を立て置き、白味の方にのみ香料を入れて交ぜ置く。次に牛乳を平き鍋に入れて中火にかけ
て煮立ちたる時。白味を泡立てたるほ大匙にて玉子の如き形になるやうに掬ひ入れて湯氣を
通し、一度杓子にて裏返して湯氣にあてゝ直に皿に取るなり。此時あまり長く煮れば白味は
堅く小くなりて不味くなる故注意すべし。次に白味を煮たる牛乳は一度火よりおろして冷え
ぬ中に泡立てたる黄味を少しづゝ入れてよく交ぜ、再び火にかけて固らぬ中におろし、鹽を少し
加へて小丼に盛り先に取りたる白味を其の中に浮かせるべし。
注意 黄味には砂糖を交ぜざれば如何程掻き立つるも泡立たぬものなり。

作り方を見る限り、ウフ・ア・ラ・ネージュではないでしょうか。
アングレーズソースの上に牛乳で茹でたフレンチメレンゲ。こんな昔からあったの
にはびっくり。リヨンの一流レストラン「ポール・ボキューズ」のスペシャリテデザー
トです。材料はそこまで現代と差はありませんが、作り方が雑で洗練されてません。
当たり前ですが・・・。今では、当然アングレーズの中にバニラやお酒が入ります。
確かに卵黄と砂糖では、マヨネーズ状にはなりますがそれ以上は泡立ちません。卵白
ではフワフワに泡立つのだから卵黄もそうなるまで泡立てるのだろうと思う人もいる
と予測したのか、卵黄は泡立たないことを注意書きしています。

445ぱくぱく名無しさん:2008/11/24(月) 22:03:59 ID:PdyaVgC80
明治38年発行
チっケンポっトパイ(鶏肉(にわとり)の煮物と菱形のパイ)
鶏一羽の半分 水三合 メリケン粉三合 ペーキングパウーダー(膨がし粉)小匙三つ 鹽小匙二つ
ラード(豚脂)大匙一つ半 牛乳少し

鳥を骨の儘切り、水を入れた鍋の中え入れ、三四時間煮て、皮も身も柔かになッたときに、鹽を加
え、別にメリケン粉を篩にかけ、ベーキングパウーダー(ふくらがし粉)を混ぜ、ラード(豚脂)を
入れて捏ね、板の上に粉を振撒て其の上に乗せて麺棒で厚さ二分位に伸ばし、長さ一寸五分位の
菱形に切り(これをダンプリングと云います)鳥を入れてある鍋え此ダンプリングを入れ、胡椒
少し入れてから牛乳でメリケン粉を溶き、どろ〱にして同じ鍋に入れて煮るのです。これで出來
上ッたのです。この料理わ食卓に出すときわ、深い鉢に盛ります。盛る時わ鳥を眞中に置て、周
圍に此ダンプリングを置きます。
粉を溶くのにわ牛乳でなく、水でもよろしい、亦、牛乳で粉を溶く時わ前のものの中に鹽を入れて
わいけません。なぜならば牛乳がかたのりますからです、鹽わ食べる前に入れる方がよろしい。

パイというより、洋風すいとんですね。今ではダンプリングの中にベーコンなどを入れたりして
バリエーションも多いですね。しかしラードは入りません。昔は小麦粉の質も悪く、安定してい
なかったので、ラードでカバーしていたのかもしれません。現在では玉葱や人参、色々な野菜が
入りますが、これはいたってシンプル。とろみを付けてありますが、現代では付けないレシピが
多い様子。材料そのものに大きな差はありませんが、今ではローリエを入れるのが普通。
カナダやイギリスの子どもが大好きなメニューだそうで、この時代で洋食と言えばフランスや
アメリカではなく、イギリス料理が主だったようです。
446ぱくぱく名無しさん:2008/11/25(火) 22:23:18 ID:2YvTm2dT0
明治38年発行
フヰっシサラダ(魚のサラダ)

萵苣 馬鈴薯 魚類 酢

先づ、柔かな萵苣(ちさ のルビ。チシャでしょう)を細かに切ったものと、
馬鈴薯の皮を剥き芽を取り、ざッと湯に通して薄く切ったものとを用意して置き
鯛、鯖など好みのものを湯蒸にして其蒸魚が出來たら細かにむしり(骨のない様
に氣を付けること)用意しておいた馬鈴薯と一緒にして鹽で味を付けた後、一番
先に用意して置た萵苣を下に敷て其上え出來た品を乗せ、汁を掛けるのです。
この掛け汁の拵え方わ、玉子の黄身二つ程と、芥子大匙一杯、白砂糖大匙二杯、鹽
小匙一杯を皆混ぜ合せて酢一合二三勺で溶き、土鍋に入れて交ぜながら一寸火に
掛けて(湯煎でもよろしい)出來たものを用います。
此品も正式な饗應の時にわ、給仕人に持廻らせるか、又わ、主婦の前に出して次え
〱と廻すのです。しかし大人數の來客にわ、一人付けとして出してもよろしい。

レタスとジャガイモ、魚のサラダです。白身魚、青魚どっちでもいいというアバウト
なメニューです。白身のほうが美味しそうな気もします。このソースは、何でしょう。
材料はマヨネーズっぽいので、それに近いものかもしれません。
447ぱくぱく名無しさん:2008/11/27(木) 22:07:08 ID:z839a22H0
大正14年発行
ボイルドコーヒー

挽割珈琲五勺 卵殻三個分

珈琲沸器又は鍋に珈琲を入れ、卵殻を砕きたる物、及水大匙二を加へて混ず。
熱湯三合を加へて火に掛け、三分間煮て温度の下らぬ温かき場所に十分位置く。
大匙一の水を注ぎ器を揺り動かし濾して用ふ。角砂糖及温牛乳を添へて侑む。

料理ではないのですが、何故コーヒーに卵の殻が必要なのかなあと、不思議に思った
レシピです。コーヒーの質が悪かったのか、濃いコーヒーが普通だったのか、10分
かけて抽出しています。
448ぱくぱく名無しさん:2008/11/28(金) 21:48:10 ID:YRZMkbKj0
大正14年発行
魚のチャウダー

鱈百匁(アカウ、コチ等にてもよし) 馬鈴薯一合(四分の賽目切にしたるもの)
葱一片 ハムニ十匁 鹽茶匙ニ 胡椒少々 バタ中匙ニ 牛乳一合

魚の骨あらば、五勺の水を加へ二十分位煮て、ストツクを取り置く。ハムを細かく賽目
切になし、フライパンに入れて燒き、葱のみぢん切を入れて炒む。次に馬鈴薯を加へていため、
鍋に入れ熱湯を加へて五分間煮、先のストツクを加へ小さく切りたる魚を入れ蓋をなして、
十分間弱火にて煮、牛乳を加へ鹽胡椒にて味を付け、バタを入れ洋粉の水溶したるを入れて
煮るなり。

ハム、葱、じゃが芋のシンプルな魚のスープのようです。玉葱ではなくて、葱なので魚臭さを
なくすためかも。ポワソンではなく単純に骨でストックを取っているので、現代ではコクやうま味
が足りなく感じるかもしれませんね。今でしたらコンソメか、インスタントのポワソンを入れ
るところでしょう。アカウが何なのかわかりませんでした。日本でアカウオと呼ばれるものが
アコウダイ、アラスカメヌケ(本州北部以北分布)があるので、もしかしたらアコウダイかなあ?
洋粉というのは小麦粉のことでしょうか。とろみを付けるためのようなので。
449ぱくぱく名無しさん:2008/11/30(日) 22:13:21 ID:v4U5qCaR0
明治40年発行
ストロベリーショートケーキ

スポンジケーキ
メリケン粉百匁 ベーキングパウーダー茶匙一杯 鶏卵五個 砂糖四十五匁
牛乳五勺 バタ大匙一杯 レモン油三四滴

苺二斤 砂糖二合

鶏卵を一個づゝ破り、殻片のなきやうに注意を為し、蛋黄と蛋白とに分け、蛋
黄の方を擂鉢の中へ移し、バタと砂糖とを加へてよく摺り、それより牛乳を摺
混ぜ、レモン油を滴し、蛋白を泡立て加へメリケン粉とベーキングパウーダー
を篩ひ込み、杓子にてよく攪拌しどろどろと為し燒箱(スポンジケーキを燒く
に用ゆる金属製の箱)の中へよくバタを塗り、その中へ紙を敷き注ぎ込み、直ち
にテンピの中へ入れ、蓋を為して上火を強く下火を中火に為して三十分ほど燒き
燒き終りたれば取出し紙を持ちて取出し、よく冷却するなり。

横面より包丁を入れて薄く二枚に截り放ち、その下部の一枚に潰したる苺を平に
載せ、その上部に一枚を重ね、殘分の苺をばその上に塗付けるなり、亦この潰苺
を拵へるには、苺を水にて洗ひ、水氣を拭ひて蒂を去り、小鉢の中に入れ、二合
の砂糖を加へて木の匙にてよく潰したるものなり。

今とは違って、ベーキングパウダーの力でスポンジを膨らませていたようです。
小麦粉も卵も品質が悪かったり、品質が安定していないことも理由だと思います
が、牛乳が約90cc生地の中に入っています。生地を柔らかくする為でしょう。
生クリームはあっても高価か、なかなか手に入らないものだったのでしょうね。
苺を砂糖ですり潰しただけのものを挟んでいます。
デコケーキはないのかと見てみると、アイシングが主だったようです。現在では
卵白と粉砂糖、レモン汁を練るものが一般的ですが、この時代では砂糖と水を煮詰
めてから泡立てた卵白を、グツグツに煮立った砂糖水の中へ入れて冷まして使って
いたようです。これをケーキに塗っていたんですね。
450ぱくぱく名無しさん:2008/12/02(火) 22:57:44 ID:8fT1sDCz0
明治40年発行
どら燒

花見砂糖百匁 鶏卵一個 C水四合 メリケン粉百匁 並味噌茶呑茶碗に一杯

冑鉢に砂糖を入れ、鶏卵を破りよく殻片の無きやうに注意を為し、直ちによく
かきまはし、全く蛋黄のほぐれたる頃、C水の一合を加へ両手にてよく混ぜ、それ
よりメリケン粉を篩ひ込み、味噌を毛篩にて裏漉に為し、中へ投れ、直ちに手にて
よく捏ね、更にC水三合を加へどろ〱に溶るめ、燒板を中火の上部に架け、よく煮
返したる胡麻油を引き、板の熱くなるを俟ち、金匙にて溶液を掬ひ取り、その上部
に五十銭の銀貨ほどに滴し、上部に小孔のプツ〱と生りたる時、金箆(かねべら)にて
裏返しを為し、手早く竹箆にて潰し餡を載せ、二ツ重ねに為し指頭にて力を入れなが
らグイと壓して燒くなり。尤も餡を重ねる時には重ねる燒皮に少しく溶液をつけなが
ら載せるなり。

花見砂糖というのは、今の三温糖みたいです。それに近いものかもしれませんが。
ドラ生地に、味噌が入ってますね。現在は入れていません。並味噌の並とは何なのか
よくわかりません。普通の味噌ということなのか、当時は特殊な分類があったのか。
現在では生地にベーキングパウダー等入っていますが、これには入っていないので、
今のようにふっくらと柔らかな生地ではなかったようです。餡についは別項で上等餡、
鹽餡、潰し餡、小倉餡、白餡、味噌餡、飴餡など紹介されているので、お好きな餡を
ということなのでししょう。
451ぱくぱく名無しさん:2008/12/02(火) 23:00:41 ID:8fT1sDCz0
ところで
>>446
のフヰっシサラダ(魚のサラダ) の謎のソースですが、先日、ムッシュの本を読んでおり
ましたら、何となく似た物がありました。もちろん、材料は多少の違いはありますし製法
もムッシュレシピのほうが洗練されまくっているのですが、おや?と思いましたので。
ボイルドドレッシングソースというもので、ホワイトソースに近いものを作った後、酢、砂糖、
塩コショウで煮て、火から下したら卵黄とサラダ油を加えるというソースです。ムッシュ
曰く、このドレッシングソースは、現在ではほとんどみられなくなったものであるが、とっておきの
ソースであり、ムッシュご自身はマカロニサラダに和えるソースとして紹介しています。
ひょっとしたら、このソースの親戚かもしれません。
注:ムッシュ=帝国ホテル料理長の後、料理顧問になられ2005年に死去された村上信夫シェフ。
452ぱくぱく名無しさん:2008/12/02(火) 23:36:24 ID:qWeNFfaW0
帝国陸軍とか帝国海軍レシピ本が手元にあるけど(両方とも絶版)
需要あるかな?
453ぱくぱく名無しさん:2008/12/03(水) 14:26:47 ID:lso+LRkO0
>>452
気になる!よかったらupしておくれ。
カレーとか載ってるのかな?
海軍はなんとなく料理してそうだが(船に厨房はあるだろうし)陸軍が想像付かないな。
いつも缶詰とか行動食を食べている訳じゃないんだな。
454ぱくぱく名無しさん:2008/12/03(水) 22:13:59 ID:vDvVKeWD0
大正14年発行
ワツフル

バタ大匙一 砂糖大匙六 卵四個 ベーキングパウーダー茶匙一 
メリケン粉大匙七 水五勺 林檎二個

林檎を縦四割にし更に三分位に切り、少量の水を入れてゆで裏漉し
同量の砂糖を入れて火に掛け煮てジャミを作る。(皮の色薄き時は食紅少量
用ふべし) バタを稍温めて溶き、砂糖をよく混ず。水を入れてよく混ず。
洋粉とベーキングの篩に掛しもの、及泡立たる卵を入れて輕く混ず。ワツフル
型を温め油を塗り、材料を流しふわりと燒き型に接する方、やゝ狐色になりし
時、金串にて返し一方も一寸炙りジャミを初めに上面になりし方に挟みて二つ
に折る。

ベルギーリエージュタイプやベルギーブリュッセルタイプではなく、2つ折に
するアメリカンタイプのようです。型の図を見ても、やや長めの楕円形です。
林檎のプレザーブに近いものをはさんでいます。現在の配合より、卵が多く
粉は少なめです。バターもかなり少なく、パンケーキの近い味かも。

>>452
もしかして、軍隊調理法(軍隊調理法 陸軍)と、海の男の艦隊料理でしょうか?
確かにレシピ自体は大正ですが、所詮復刻だしなあ・・・ここで出すのはNGかなあ
と遠慮してましたが、需要があるのなら出しまくりますが。
455ぱくぱく名無しさん:2008/12/03(水) 23:23:07 ID:o5ec/PdY0
ここはあなたたの独演会なのですね
出してよいものもあなたが選ぶと

失礼しました
456ぱくぱく名無しさん:2008/12/04(木) 21:38:56 ID:l3hcW4YZ0
だって大昔のレシピとあるでしょう?基本的に、復刻され現代になって発行されたもの
はダメなのかなと思っていましたから。大正、明治(場合によっては昭和初期)のその
時代に発行された書物によるレシピでなければ意味がないかもしれないと。だって
昭和後半に発行されたものであれば、持っている人だってそれなりにいるはず
ですし、探せば手に入る物で、決して珍しい物・なかなか手に入らない物ではありま
せんから。レシピは昔のものであっても、昭和後半になってから発行されたものを
果たして出していいのかなと思っていただけです。
457ぱくぱく名無しさん:2008/12/04(木) 21:56:01 ID:l3hcW4YZ0
明治38年発行
魚の天ぷら(フライ)

魚 玉子 メリケン粉 パン粉

大魚ならば常の様に切身にして小さいのわ其の儘、水で能く洗い、膓を捨てて
水氣を布でよくふき取りメリケン粉を一體につけて置て、玉子を能く溶て交た
中に浸し其からパン粉を一體につけて(パンを粉にしたもの洋品店に賣ッて居
升)フライ鍋の中にラードを沸騰せ(片方だけ揚る積りで餘り澤山に入れぬが
よし)其中に入れて表と裏を揚げ、皿に入れてから胡椒とソース(西洋の醤油
です)とをかけるのです。ですが、油の沸騰加減によツて色の黒くなる事が
ありますから、餘りに沸騰し過ぎるのは惡るいのです。沸騰加減を見るらわ
最初にパンの小さい片を入れて色合を見るとわかります。油が沸騰ましたと
きわ、煮た音がたゝぬ様になるものです。

作り方自体は変化がありませんが、魚に塩コショウで下味は付けていません。
揚げた後にコショウを振ってソース(ウスターでしょう、きっと)となっています。
油をたっぷりではなく、少なめで片面だけが油に漬かる程度のようです。
盛り付け図では、フライのまわりにユズがあしらってあります。今ならレモン
かもしれません。やはりパン粉はまだ珍しく、洋品店で買っていたんですね。
458ぱくぱく名無しさん:2008/12/05(金) 23:15:47 ID:OHqD89x00
明治40年発行
ダウナツ

メリケン粉百匁 ベーキングポウダー茶匙にニ杯 バタ大匙一杯 鶏卵三個 牛乳五勺
ヘツト五十匁 砂糖大匙四杯

鉢の中へメリケン粉とベーキングポウダーを篩ひ込み、鶏卵を破り込みよく殻片の無き
やうに注意を為し、砂糖を加へて手早くかきまはしそれより牛乳を加へてほどよく捏ね
混ぜ、餅ほどの軟かさになし、それより伸板の上部に少しくメリケン粉を撒布かけ、その
上部に載せ、伸棒にも少しくメリケン粉をつけ、直ちに二分ほどの厚さに伸し、蛇の目
状に壓しぬき、フライ鍋に五十匁のヘツトを入れ、中火に架け、よく沸騰するを俟ちて
その中へ投れ、狐色になるまで揚げ、揚がりたる方より西洋紙の上部に上げ、油氣を脱
りて皿に盛り、手早く棒砂糖を擦金にておろし、ほどよくその上部に撒布て供す。

ドーナツですね。現代とそこまで材料の差はありませんが、小麦粉、牛乳に対し卵が多め
です。昔は玉子も大きさが不揃いだったこともあるでしょうし、Sサイズくらいだったの
かもしれません。作り方も 今より乱暴ですね。ダマができたり固めの生地になったりし
た事と思います。これは牛脂で揚げているので、相当高温で揚げていたのではないかと思
います。棒砂糖って何だ?と 思いましたが、ザラメを棒状にしたものらしいです。
わざわざ、すりおろして かけていたんですね。
459ぱくぱく名無しさん:2008/12/06(土) 22:21:22 ID:FSwNijVQ0
明治40年発行
マーフン

鶏卵二個 砂糖大匙三杯 カレンヅ十匁 食パン半斤 牛乳少許 ヘツト五十匁

鉢の中へ鶏卵を一個づゝ破り、よく殻片の無きやうに注意を為し、砂糖を加へて
よくかき混ぜ、それよりカレンヅをC水に浸け軟かにして軸を除き、水氣を拭ひ
置き亦食パンの周圍の硬き部分を截除き軟かなる部分をなるべく細かに刻み、カ
レンヅと共に溶きたる鶏卵の中へ混ぜ、牛乳を加へほどよく軟かに為し圖の
如き形状拵へそれよりヘツトにて狐色に揚げるなり。

図の如き形状の図は、長い円柱形です。太さは書いてないのですが、揚げて
火を通すので、せいぜい3〜4センチ程度ではないかと思います。が、これ
何なんだろう。カレンツ(干しぶどうのつもりだったのか、正真正銘カレンツ
だったのか)と刻んだ食パンを、砂糖と卵を溶いたものの中に入れてヘットで
揚げる。現代でこれに近い菓子はあるのでしょうか。この当時は冷蔵庫
もなく、このような生地を冷蔵庫で固めることなくして揚げるので、失敗が多い
かと思います。カレンツを水で戻して軸を取り・・・とあり、今のように実だけ
干した物ではなく、そのまま軸付きで干して売ってたんでしょうかね。
460ぱくぱく名無しさん:2008/12/07(日) 02:29:59 ID:0tSyCAeP0
>>459
よくわかりませんが、名前と材料から、マフィンを連想したのですがw
461ぱくぱく名無しさん:2008/12/07(日) 22:04:55 ID:Q3AkBdDm0
大正6年発行
牡蠣オムレツ

牡蠣五勺 玉子大一個 鹽小匙平に三分の一 胡椒少々牡蠣を煮炙りたる汁大匙一
バタ小匙平に一杯

むきたる牡蠣五勺を水洗ひして笊に揚げ、能く水をきりて後、丼に入れ小匙平に
二分の一の鹽を振りて牡蠣に鹽氣をつけ置き、次にフライ鍋に小匙半分のバタを
入れて煮とかし、煙の出たる時其中に鹽を振りたる牡蠣を水ながら入れて一煮立
ちさせ半熟と為し、亦元の小丼に入れ置くなり。次に玉子は殻の入らぬやう、小
丼に割り入れ、よく掻き廻して、小匙に平に六分の一の鹽と鹽の半分程の胡椒を
入れてなほよく交ぜて、小丼の中の牡蠣の煮汁大匙一杯と牡蠣を入れて交ぜ置く
なり。次にはフライ鍋に小匙平に半分のバタを入れよく溶けたる處に玉子を入れ
て中の牡蠣を中央より手前の方に箸にて掻きよせ、玉子の上面の半熟になりし頃
柏餅のやうに二つ折り白ソースをかけて出すべし。

白ソース
バタ小匙ニ メリケン粉中匙一 スープ一勺 牛乳七勺 鹽胡椒
鍋にバタを入れて火にかけ、溶けたる處にメリケン粉を入れていため、次にスー
プ三勺を徐々に入れて掻き混ぜ、鹽と胡椒にて程よく味をつけ、最後に牛乳を入れ
て粒々のある時は一度裏漉しにかけて漉し尚よく練りて冬は温かき中にかけて出し
夏は冷えて後用ふ。其他白ソースは煠でたる野菜魚肉、蒸したる魚肉等に用ふスー
プの代りに牛乳のみ一合入るゝもよろし。此時はバタは小匙半杯にてよろし。
462ぱくぱく名無しさん:2008/12/07(日) 22:06:56 ID:Q3AkBdDm0
牡蠣のオムレツホワイトソースですね。牡蠣の汁も卵の中に入っていますし、
けっこう手の込んだものです。ホワイトソースは、現代ではスープは入れないで
作るので、後述の牛乳のみのソースが現代風でしょうか。ですが、スープを入れて
も美味しいと思います。しかし、ダマができたら漉してしまえとか、なかなか乱暴
です。小麦粉臭い糊みたいなソースになるでしょう。しかし、これも西洋料理が
珍しかった大正ならではのことでしょう。

>>460
私も、名前からしてマフィンかなと思ったのですが、揚げてますからどうかなあ
と思いまして。この頃すでに天火で焼く菓子が多くあるので・・・。揚げるマフィ
ンってあるのでしょうか。しかし、なんとなくマフィンに近い味だったかもしれま
せんね。でも食パン使ってるしなあ、何なんだろう。
463ぱくぱく名無しさん:2008/12/08(月) 22:47:25 ID:VCDkYzy40
大正6年発行
スマダードビーフ

牛肉(股肉を大きく五寸四方厚さ三分)一切り半斤のものニ切り パン粉コップ二杯(二合)
バタ大匙二杯 鹽胡椒適宜 牛乳一合 玉葱一個

準備
肉を俎の上に平に載せて空瓶にて敲きて穴のあかぬやう注意して二分か二分五厘位に薄く
壙げ薄く鹽胡椒をふり置く。
拵へ方
規定のパン粉を水に浸し固く搾りて鉢に入れ、其中に玉葱を卸金にて卸し込み、鹽と胡椒
にて味を付け、バタと牛乳を一合内端に入れて見計らひ、ぽろ〱せぬ程よく濕り氣つきた
る位にして能く交ぜ、敲きたる肉の上に載せ、巻き壽司の様に巻き其上を麻糸にてとけぬ
やうに結び、ラードをよく擦りつけ置く。一方には鐡鍋にバタとラードを赫々中匙一杯程
入れて火にかけ、よく溶けたる中に巻きたる肉を入れて燒くなり。時々、廻しつゝ燒きて
鳶色になりたる時湯をニ合程注し蓋をして三四十分程煮るなり。若し焦げつきそうになり
たる時は、少しづつ度々湯を入るゝもよろし。出來上りたる時は、肉を取り出し殘りたる
鍋の汁にメリケン粉を少々溶き入れ鹽胡椒にて味をつけてソースを作るなり。而して一人
前二切り程盛りソースをかけて出すべし。ソースは別器に盛りて出し各ゝとり廻しとする
もよろし。

最初読んだ時は、マスタードと見間違いました。スマタードって何でしょうね。薄くした肉
に玉葱とパン粉、牛乳などを混ぜたものを巻き、焼いてから蒸し煮にしています。ソースと
なっているのはグレイビーですね。元々は肉汁と小麦粉・塩コショウのシンプルなもので
まさにこのレシピという感じです。おもてなし料理なのでしょうか、手順としては手間がか
かっています。たこ糸ではなく麻糸なところが、時代を感じます。レシピからして、イギリ
ス系の感じですね。
464ぱくぱく名無しさん:2008/12/09(火) 21:39:52 ID:c/BO3M7R0
大正14年発行
ポテトーチヤウダー

馬鈴薯大三個 玉葱大半個 ハム十五匁 パセリ一枚 湯ニ合五勺 牛乳一合
メリケン粉大匙平ニと半 バタ大匙平ニ(別に茶匙山三) 鹽茶匙平三 胡椒

馬鈴薯は皮を剥き二分角切とす。玉葱はみじん切とす。ハムは一分角切とす。パセリ
はみじん切とす。茶匙ニのバタにて馬鈴薯を半煮にいためる。玉葱及ハムを
いためる。鍋に馬鈴薯、玉葱、ハムを入れ分量の湯を入れ煮立たる時灰汁を去り
火力を弱めて馬鈴薯の軟かになる迄煮る。別に大匙ニのバタを溶き、メリケン粉
を色づかぬ様にいため、牛乳にて次第にのばしたるものを鍋に加へ、鹽胡椒にて
味付しみぢんパセリを加へ温かきを出す。

今であれば人参やセロリ、色んな野菜が入るところでしょう。この時代のレシピは
やはりシンプルなものが多いです。現代ではコンソメか何かが入るのでしょうが、
この時代のハムは塩が強く(上のどこかで説明してるはず)現代のハムとは全く違う
ので、十分ダシが取れたのでしょうね。パセリ一枚ってどういうことだろうと思った
のですが、こういう野菜は珍しく「一枝」とか「一房」とかそういう数え方がなかっ
たか定着してなかったのではないかと思います。
465ぱくぱく名無しさん:2008/12/09(火) 22:56:54 ID:G3s8PL0GO
復刻なら復刻版とか書いておけば良いんじゃない?
それなら区別出来るし、もうすこし色んなレシピが集まりそう。
466ぱくぱく名無しさん:2008/12/10(水) 22:04:23 ID:4Th8mCUg0
>>465
枠が作られてたので、ルール違反かなーと考えてたのですが、そのルールだと
手持ちのレシピをもっと出せますし、他の方も色んなレシピを紹介してくれるでしょうね。
そもそも大昔の定義が曖昧になってますからねえ。私としては明治大正、せいぜい
昭和ヒトケタか第二次世界大戦開戦前(昭和であれば相当面白いレシピ)じゃないと
クレーム来るんじゃないかと思っていました。実際、昭和初期のレシピだと、>>441さん
が紹介してくれたように、検索すれば出てくるレシピがいくつもあるので、あーやっぱり
ダメだーって思い込んでいました。区別すればいいだけのことですよね。
467ぱくぱく名無しさん:2008/12/10(水) 22:35:25 ID:4Th8mCUg0
大正15年発行
鶏巻

鶏肉二百瓦 豆腐皮二十五瓦(五枚) 鶏卵五十瓦 椎茸十五瓦 木茸十瓦
酒0.三竕 醤油0.七竕 胡麻油0.二竕 湯三竕

鶏肉を細かく叩きて醤油0.一竕を掛け置く。豆腐皮を水につけ半分に切り置く。
椎茸はよく洗ひ繊切となし煠で置く。木茸を洗つて蹔時湯に浸し繊切となし置く。
鶏肉を分けて豆腐皮にて巻き込み、よくほぐしたる鶏卵の中に入れて周圍によく
付け、油を煮立たせたる中に入れて両面共充分に炒りつけ、醤油及酒、湯を入れ
椎茸、木茸を加へ文火にして三十分間煮て熱き内に食す。

豆腐皮とは、湯葉のことみたいです。鶏肉を湯葉で包み、卵をくぐらせて油で焼いて
(たぶん少し多めの油でしょうね)醤油と酒で味付け、茸類を入れて弱火で煮るという
料理のようです。支那料理の項目ですので、日本の湯葉のように頼りない柔らかな物
ではなく、中国の固めの湯葉だから肉を包めるのでしょう。それにしても30分も煮る
なんて・・・と思うのですが、300ccを蒸発させるのに必要だったのでしょうか。
それにしても、焼く時点で鶏肉に火は通るでしょうし、果たして300ccも入れる
必要があったのか。
468ぱくぱく名無しさん:2008/12/11(木) 02:10:53 ID:1NRgkYa6O
>>466

いつも貼ってる方ですか?
色々なレシピ見れて楽しいです、ありがとうございます。
10年〜数年前のレシピじゃ流石に文句言われそうだけど昭和30年とかは平気そうだと思いますよ。
その時はスレ住人で相談して○○時代からとか決めればよろしいかと。

個人的には江戸時代のレシピも見てみたい・・・。
469ぱくぱく名無しさん:2008/12/11(木) 21:26:55 ID:MGmiBRCG0
>>468
昭和30年でも平気なんですかねー。30年あたりのだと、きょうの料理とか
主婦の友とか、古本屋などたくさん置いてますし高くないですし。ただ、面白い
なーと思うものはたくさんありました。奇妙キテレツなのは昭和ヒトケタから戦前
に集中してます。

江戸時代のレシピは一冊だけ持っています。しかし、これは江戸時代に作られていた
そのもののレシピではなく、現代の材料や作り方に置き換えたりしてあるものです。
つまり可能な限りの再現料理と言いますか。厳密には江戸時代のものとは言えないので
これも反則かしら。
一部ですが、こちらのサイトでレシピが紹介されています。
ttp://www.asahi-net.or.jp/~uk5t-shr/
470ぱくぱく名無しさん:2008/12/11(木) 21:50:41 ID:MGmiBRCG0
明治40年発行
イケレーシアンテー

砂糖四十匁 クリーム四合 メリケン粉七十五匁 バタ三十匁 鶏卵十個

これ先づ鶏卵を破り、よく殻片の無きやうに注意を為し、手早く五六本の
箸にてよくかきまはし、全く蛋黄のほぐれたる時メリケン粉を加へ、又も
かきまははて尚ほバタを加へ今度は擂木にてかきまはしながらよく煉り
全く煉終りたれば少しづゝちぎり取り、梅干ほどの大きさに丸め、矢張
テンピの中にて二十分間ほどよくふくれ上がりたるを度として取出し、
手早くその横側をナイフにて截り、拵へ置けるクリームを詰め、元の如く
その截口を合せ菓子皿に盛出すなり。このクリームを拵へるには小鍋に
クリームと砂糖を入れ、弱き火に架け、絶へずかきまはしてほどよく煮た
る時少量のメリケン粉を加へ、又も煮込みて用ゆるなり。

イケレーが何なのかわかりません。シューではないようですし(シュークリー
ムのレシピは他に存在しています)、ビスケットに近いものでしょうか。しかし、
このレシピで膨らむのでしょうか。クリームも泡立てるのではなく、ガナッシュ
のように生クリームを温めています。小麦粉でポテポテの状態にしています。
フランス語で、生クリームはクレーム・シャンティーなので、たぶんフランスから
のレシピではないでしょうか。
他に、シャンティーの中にコーヒーを加えるものや、チョコレートを加えるものが
あります。
471ぱくぱく名無しさん:2008/12/11(木) 22:19:26 ID:EW97SHQEO
聖誕祭が近づいて参りましたね。
各ご家庭で素敵なクリスマスサラダをこしらえませう。
こしらえましたらば記念撮影をいたしませうね。
そしてきっと此処でご披露なさいまし。
472ぱくぱく名無しさん:2008/12/15(月) 22:27:35 ID:cT0zKELn0
大正15年
ハツシライス

牛肉二百瓦 玉葱百瓦 メリケン粉六瓦 バタ十瓦 鹽 胡椒 ストツク八竕

ライスカレーの方法と同様にて只カレー粉を用ひず。

同じ本の中にあるライスカレーレシピ。上のどこかに(多分>>290前後あたり)に大正
14年のレシピがありますが、こちらはスープが入っておらず、ジャガイモも入って
いません。

ライスカレー
牛肉二百瓦 玉葱百瓦 グリーンピース七十五瓦(四分の一鑵) 馬鈴薯百瓦
バタ十瓦 カレー粉ニ瓦 メリケン粉六瓦 鹽四瓦 牛乳ニ竕 スープ八竕 鶏卵三百瓦
胡椒

スープを取り置く。スープは牛肉二百瓦を細かく切り、ニ立の水に浸し置く。水と共に文火
にかけ、煮立ちて滓の浮びたる時手早く杓子にて取り除き、後に人参八十瓦、玉葱八十瓦、
甘藍の葉一枚をニ三切になし置くものを入れて畧半量になるまで煮詰め鹽胡椒にして味を付ける。
煮詰りたる時火より鍋を卸し牛肉及び野菜を濾し取る。

人参・馬鈴薯を適宜に刻み鹽煠でにす。牛肉を適宜に切り鹽胡椒をふりおく。玉葱は細かく切り
置く。
バタを溶かし牛肉を色付くまでいためて別器に取り、後へ玉葱を入れてよくいためる。次に
メリケン粉及カレー粉を加へて充分いため、色の付きたる時スープを徐々に入れて延ばし、牛肉
人参、馬鈴薯を暫く煮込みたる後牛乳、鹽を加へて適度の味を付ける。暖かき飯を皿に盛り汁を
かけ卵を一個づゝ割り入れて供す。
473ぱくぱく名無しさん:2008/12/15(月) 22:28:46 ID:cT0zKELn0
このハツシライスは要するに肉を炒めて玉葱を入れて、スープを入れて煮込むという手順のようです。
ハヤシライスかなと思ったのですが、トマトが入っていません。別物でしょうか。
中に入るものも、肉と玉葱だけです。入れるスープが手間がかかっていますので、コンソメスープを
ベースにしたとろみを付けたものだったようです。
カレーですが、以前に紹介したものより、かなり本格的です。牛乳まで入っています。
スープが入っているので、前に紹介したものよりはるかに高級なレシピですね。グリーン
ピースが入るのは共通しています。カレー=グリーンピースが入る時代だったのでしょうか。
四分の一鑵の分量があるので、缶詰のグリンピースが出回っていたようです。わざわざ、
ジャガイモ等は別茹でにしていたんですね。この頃から、カレーに生卵のレシピがあった
んですねえ。確か、カレーに生卵は大阪発祥の説が有力らしいのですが、これは東京で発信
されたレシピです。大阪は明治15年以前からカレーに生卵だったのでしょうか。
474ぱくぱく名無しさん:2008/12/16(火) 13:55:54 ID:P+pU0obr0
>>473
たぶんハヤシライス、あるいはその原型でしょう。

「ハツシライス」は、ハヤシライスの語源であるという説もあります。
Wikipediaによると、原型となった「ハッシュドビーフ・ウィズ・ライス」では
ケチャップを使わなかったらしいですし。
475ぱくぱく名無しさん:2008/12/16(火) 22:51:02 ID:+h7ATJzP0
大正15年発行
グラタン カリフラワーオーグラタン

カリフラワー五百瓦 ストツク三竕 ベシヤメルソース一.五竕 鹽胡椒パセリー

カリフラワーを鹽水にニ三十分漬けてC水にて洗ひ水氣をよく切り、ストツクで煮て
柔かにする。固いベシヤメルソースを作り、鹽加減して後にクリームを加へたもので
和へグラタン皿に盛る。チーズ又はパン粉をふり天火に入れて燒く。

珍しくフレンチのレシピです。当時はカリフラワーなんて相当知名度が低かったので
はないでしょうか。わざわざストックで茹でてます。

ストツクですが、別記でありました。要約すると、適当な量の水で適当な量の肉を入れ
(鳥、牛、羊が第一とあります)初めは弱火で徐々に強火にして2〜3時間煮て肉を取り
出し塩胡椒すべしとあります。

さて、ベシャメルですが、別記では、ソースパンにバタを溶かしメリケン粉を加へて焦げ
ぬやうにいため牛乳を徐々に加へてのばし鹽胡椒にて味をつける。
とあります。これといった分量表記がありません。

時代は戻って明治時代に紹介されたソースのレシピでは
鍋にメリケン粉小匙山三杯と牛乳一合を少しづゝ入れながら捏り、鹽小匙三分の一とバタ
小匙一とを加へて攪混ぜながら煮ればそれで出來たのです、が、又、パーセリと云う
「せり」の類を細かにして混ぜてもよろしい。とあります。

作り方自体は(小麦粉を炒めてバターを入れ・・・という手順)大正のものがやはり現代に近
いですね。明治時代のように粉を炒めずに牛乳を入れたりしたら粉臭くなります。

何でカリフラワーなんだと思っていたら、昔のフランス家庭料理本にありました。
フランスの昔からある家庭料理で、大抵の本に載っています。内容もほぼ同じです。多分、
こういう本を見て、紹介されたのではないかと思います。
476ぱくぱく名無しさん:2008/12/16(火) 23:00:45 ID:+h7ATJzP0
>>474
原型ではトマトは使っていなかったんですね。イギリス料理の何かをアレンジして
ハヤシライスになったのでしょうかねえ。スープで煮てとろみを付けるという料理が
イギリスには多く(当時のレシピで)、明治大正の時代では、イギリス料理が西洋料理
の代名詞みたいですから。憶測でしかありませんが。
477ぱくぱく名無しさん:2008/12/17(水) 01:45:06 ID:VmYdF6s8O
母が昔一度だけ作ったことがあるハヤシライスは炒めた牛肉と玉葱をスープで煮込んだものでトマトは入ってなかった。
確か昭和40年頃発行の婦人之友社の料理本のレシピ。
478ぱくぱく名無しさん:2008/12/17(水) 22:17:01 ID:smG9pPU10
参考までに
昭和12年発行 

ハヤシライス
お馴染みのハヤシライスですが、とても美味しいもので何處でも手輕に出來ます。
材料
トマト中三個 玉葱大ニ個 牛肉五十匁 メリケン粉 バタ 豆 鹽 胡椒
拵へ方
トマトは熱湯をかけて皮をむき、なり口を切り捨てて擂鉢の中で潰し、裏漉にかけて
汁を取つておきます。玉葱は皮をむいて両端を切り落とし二つに切つて更に一分位の
厚さに切ります。牛肉は食べよい大きさに切つて、鹽胡椒をふりかけておきます。
フライ鍋を火にかけてバタ大匙一杯を煮溶かし、玉葱を入れて炒め、次に肉を入れて
一緒に炒め、鹽胡椒を少しふつて味をつけ、前のトマトの汁を入れて弱火で二三十分
煮込み、材料に火が通りましたらメリケン粉大匙三杯を篩にかけて入れ、粉の粒々が
ないやうにとろりと煮上げ、豆をパラ〱とふつて深皿に盛り、御飯に添へて出します。

参考までにですが、こちらはうんと時代は進んで昭和12年のハヤシライスです。
名前もハツシではなくなっています。お馴染みと銘打ってますが、お馴染みだったはずは
ないと思います。トマトが庶民に普及し出したのは、昭和38年頃からだそうで、それ
までは一般の人の口に入るこしはなかったそう。ですから、>>477さんのように、トマト
が入らないハヤシライスが40年頃は一般的だったのだと思います。実際に普及するのは
もっと後ですから。トマトを食べたことがあるのは、お金持ちの一部の時代。
ただ、昭和初期でもトマトを使ったハヤシライスがあったことは事実のようです。これも
グリンピースが入っています。彩り的にもお約束だったのでしょうか。わざわざ小麦粉を
ふるいにかけているのには、ちょっと驚きました。
ハヤシライスは林さん説などありますが、この方がトマトをレシピに加えたのでしょうか。
479ぱくぱく名無しさん:2008/12/20(土) 21:54:34 ID:+TsZs6jP0
さらに参考までに
昭和5年発行
牛肉入の御飯(ハヤシライス)
牛肉、玉葱、蕃茄(トマトのルビ)、豌豆をバタで炒めてからスープで煮込んだものを
御飯の上にドロリとかけたものです。洋食品店に「ハヤシ・ライスの素」といふのを賣
つてゐますが肉や玉葱が軟かに煮えた頃ふり込んで加へるとドロ〱になりますから、そ
れを温い御飯にかけると至極手輕に出來ます。

牛肉五十匁 玉葱中ニ個 牛酪大匙一杯 蕃茄中ニ個 豌豆大匙山盛三杯 メリケン粉
大匙山盛一杯 鹽大匙一杯 胡椒大匙一杯 

牛肉はバラ肉(肋肉のこと)の薄切りを求め、二分角位に細かに切り塩と胡椒をふりかけて
おきます。玉葱は縦に二つに切り、更に横に小口から細く刻んでおきます。蕃茄は皮を剥き
小さく切っておきます。豌豆は鑵より取り出し笊に入れたまゝ熱湯をくぐらせて水氣を
斷つておきます。フライパンに牛酪を大匙半杯を入れて火にかけ、よく溶けたら牛肉を入れ
て肉が白くなつて汁の出るまで炒め、更に牛酪大匙半杯を入れて玉葱を加へ、ほんのりと狐
色になつてよい香の出て來るまで炒め、是に蕃茄を加へて五分程炒めてスチユー鍋に移し
熱湯をヒタ〱位(凡そ二合、スープならば一層味がよく出來ます)を注して強火にかけ、沸立
つたらば鹽と胡椒で味を調へ、火を少しずつ弱くして四十分程煮込み、再び味を見てから火
より下しておきます。

温い御飯に色どりに豌豆を掻きまぜてタンバールに輕く詰め、西洋皿の眞中にぽんと抜き
出し、其の上から肉の煮込んだものをドロリと盛りかけ、紅生姜を微塵に刻んでふりかけ、
御飯の側には三杯酢漬の小粒の辣薤(らっきょうらしい)か薄切りの蕃茄か又は~漬などを
添へます。
蕃茄のない季節には壜詰(びんづめ)のトマトソースを少し煮詰めて加へるか又はトマトケチ
ヤツプ大匙二杯を加へればよいのです。
鍋を火より下す前に赤胡椒(パフリカといふ)を少し加へると味を引き立てます。これも洋食
品店にあのます。
松茸のある季節には短冊に切つたのを牛酪で炒めて加へると風味がよくなります。
牛酪のない場合にはサラダオイルを用ひても差し支へはありません。
480ぱくぱく名無しさん:2008/12/20(土) 22:04:01 ID:+TsZs6jP0
もう少しさかのぼって、昭和5年のレシピです。
すでに名前はハヤシライスで、トマトが入っています。牛酪はバターのことです。
この当時ですでにインスタントハヤシがあったようですが、粉末みたいですね。
そんなにポピュラーなものではなかったと思います。洋食品店の物が買えるのは
相当のお金持ちでしょうし。
ここでも豌豆(グリーンピース)がしっかり入っています。しかも缶詰です。
グリーンピースは缶詰が普通だったのか、金持ち用レシピなのか。
タンバールってもしかして、昔の洋食なんかで使っていたご飯の型でしょうか。添えるものは
カレーと似た感じですね。パプリカを入れるという応用もあるようです。ハヤシに赤ピーマン。
現在では不自然な感じですが、彩りはよかったのでしょう。そして松茸が入るバージョンも。
今ではとんでもないことですが、当時はありふれた食材。気軽に使えてたのでしょう。今なら
マッシュルームを使うところですね。
481ぱくぱく名無しさん:2008/12/21(日) 21:57:17 ID:lTdAMVu90
大正14年発行
フルーツゼリー

ゼラチン 十枚 牛乳一合五勺 水ニ勺 砂糖三十匁 ヴアニラ茶匙一 卵黄ニ個
バナゝ半本 いちぢく一個 桃一個

ゼラチンを細くし、分量の水を加へて十分間置く。文火にかけて煮溶けたる時、砂糖
及牛乳を加へて煮る。卵黄のよくときたる中へゼラチンを少量宛加へ、乍らまぜる。
ヴアニラを加へ大ゼリー型に全量の四分の一を入れ、薄切のバナゝを一面に入れ、又
液を四分の一流し輪切のいちぢくを入れ、又液をいれて賽の目の桃を入れて冷す。

ゼラチンを細かくするとありますが、どういう形態の物だったのでしょうか。水分量
に対し、ゼラチンがかなり多めです(ゼラチンがどれくらいの大きさだったのかはわかり
ませんが)。固めのブリンブリンのゼリーが好まれていたのか(実際、10年前のゼリーよ
り今のゼリーのほうがトロトロの柔らかめになっています)、今のような冷蔵庫もなく
氷で冷し固めるにはこれだけのゼラチンが必要だったこともあるのでしょう。
牛乳、卵黄と入れてややカスタード風味のゼリーだったようです。当時はバナナなんて
超高級品ですから、このレシピで作れるのは裕福な家庭でしょうね。
482ぱくぱく名無しさん:2008/12/23(火) 01:16:44 ID:glbb4NjK0
>>481
「十枚」とありますし、板状ではないでしょうか?

Wikipediaによると、「調理用の素材として販売されているゼラチンは
薄い板状もしくは粉状のものが一般的」とあります。

また、ttp://www.aibis-info.co.jp/qa1.htm には
「ヨーロッパで製菓・料理用に使用されているゼラチンのタイプは、
板タイプが主流です。 」とあります。

というか、ゼラチンと膠が同じ成分で、精製度が違うだけだったとは・・・。


ちなみに、この当時、台湾はすでに日本領だったので、
バナナは一般的だったようです。
(バナナの叩き売りは大正時代に始まったとか・・・)
483ぱくぱく名無しさん:2008/12/23(火) 22:09:02 ID:8ov2xcyW0
うーん、どうなんでしょうねえ。明治大正の頃は、小作人がほとんどですから、
バナナはおろか、日々の食事にも困ってましたからね。一般的でも買える人は
ごく一部だったのかもしれませんね。そもそも小作人ならバナナの存在すら知ら
なかったでしょう。
484ぱくぱく名無しさん:2008/12/23(火) 22:28:32 ID:8ov2xcyW0
明治40年発行
カツプカスター

砂糖三十匁 牛乳二合 鶏卵三個 レモン油六滴

フライ鍋の中へ少許の砂糖を入れ、C水を少許を加へて火に架け、狐色になるまで
よく煎付け、直ちに火より下し、ブリキ製のカツプニ三個ほど列べ、一々その中へ
バタを塗りて煎付けたる砂糖を少々づゝ滴し置き、亦シチウ鍋に牛乳を入れて手早く
鶏卵を破り込み、よくかきまはして砂糖とレモン油を滴し、亦もよくかきまはして
右の中へ八分目ほど注ぎ込み、それよりテンパンの中へC水を入れてその中へ列べ、
そのまゝテンピの中へ入れ蓋を為して上下共に火加減を強く為し、四十分間ほど蒸燒
にして取出しよく冷却して脱取り、ほどよく皿に盛りて供す。

クレームブリュレかしらと思っていたら、カスタードプディングのようです。
作り方そのものは、大きな変化はありませんが濾してないので舌触りは悪く
白身と黄身が混ざっていない部分もあったことと思います。
次の項にカスタープツチングというのがあるのですが、こちらは牛乳とバター
少しを煮溶かし、卵と砂糖を入れてパイ皿で焼くレシピです。こちらは蒸し焼き
ではありません。今のカスタードプディングは、前者のほうが近いですね。
485ぱくぱく名無しさん:2008/12/26(金) 22:42:44 ID:TtBO/jzW0
明治45年発行
ホンデー

食卓に出す丈けの卵を採り、其の三分の一の重さのチースを採り、又バタを卵の
目方の六分の一だけ採る。ソース鍋に卵をよく割り入れ、チースを挽いて加へ
又バタも加へる。鍋を火にかけ而して混合物が柔らかくクリームの様になる迄
煮る。其れからチースの量に依て、鹽を加へ胡椒を澤山加へる。出來たら皿に
盛りて食卓に出す。

チーズフォンデュのことでしょう。かなり珍しい料理だったのでは。特にチーズの
種類の指定はありません。が、本書の中に出てくるチーズの名前はパーメザン
(パルメザンでしょうね)、アメリカンチースです。アメリカンチースとは、プロ
セスチーズのことでしょうか。別項ではカッテージチーズの製法があります。が、
ここではパルメザンのことではないかと思います。チーズを絡ませて食べる
食材を用意せよという指示はなく、ただ、溶かしたチーズを食卓に、との説明。
翻訳する側も意味がわからなくてこうなったのか、日本人独自の解釈でこうなった
のか、わかりませんがパンや他の食材を絡めて食べるという説明はありません。
現在では、色々なチーズを取り合わせ、白ワインで風味を付けていて、卵が入る
レシピはありません。
486ぱくぱく名無しさん:2008/12/27(土) 21:44:54 ID:k4qQjwwF0
明治45年発行
リソツト

米を軟らかになる迄煮る、然し碎れる程になすべからず。米が煮へたら湯を切り、
而して乾かす。米がまだ火の上にある間にパーメザンチースかスウヰスチースの
砕した粉を加へ、チースが軟らかになる迄輕く共に混ぜ煮、其れから食卓に出す
熱き皿の中に入れ、而して上にはマカロニーソースをかけて被ふ。

マカロニーソース
ソース鍋にバタをテーブル匙に一杯半入れ、小さな玉葱を一個刻んだものとニンニク
の小枝を半分加へ、皆褐色になる迄煮る。其れからマカロニーを煠でた水をテーブル
匙に三杯と牛肉を搾りて採つたものを茶匙に一杯加へる。又水に漬け置いたマシロム
(菌)を三四個加へ、而して五分間煮る。

リゾットですね。米をこんな食べ方にするなんて、驚いたことでしょう。現在よりも
かなり大雑把です。今では米を炒めてワインを入れ、ブイヨン等で煮てチーズを入れ
ます。このレシピでは、まず米を煮て水を切って乾かして、火に戻してチーズを入れ、
ソースをかけています。スウヰスチースとは、スイスチーズ?だとすれば有名どころ
のエメンタールでしょうか。相当な上流階級の人間の口にしか入らないものだったの
ではないでしょうか。
487ぱくぱく名無しさん:2008/12/31(水) 19:31:27 ID:YlUNmzOs0
488ぱくぱく名無しさん:2009/01/04(日) 23:36:05 ID:VzB1J95q0
大正8年発行
ポーク、サイダ、ロースト(豚肉のサイダ煮)

シヤンペン酒と云ひまして、佛蘭にて盛に愛飲されます沸騰酒が有ります。是れ
を使つて、普通の豚肉又はハムを調理する事が有りまして、票題の料理も其の一
種でムいますが(ございますが)、シヤンペン酒は高價なもので、家庭向では有り
ませんから、ここではサイダを代用致します。豚肉百匁を天パンに載せ、鹽と胡椒
を振り、サイダ少量を入れて熱した天火に入れて五十分蒸燒となし、此の間に時々
轉倒(こんごう)してサイダを度々注け、取り出して薄く截つて器に盛り煮汁(グービー)
を注けて茹馬鈴薯又は馬鈴薯コロツケツト等を附合せて侑めます。

豚肉のシャンパン蒸しでしょうか。シャンパンは手に入りにくいので、サイダーで代用
しています。シャンパンを使った場合のような独特の風味と香りはなかったことでしょう。
別項を見ますと、茹馬鈴薯とはこふき芋を作った後にバターを加えさらに振り、パセリを
散らした物です。コロツケツトは、茹でたじゃが芋を裏ごした後に、バター、卵黄、パセ
リを入れてさらに火にかけ、現在のカニコロッケやクリームコロッケのような形にして
ラードで揚げたものです。煮汁のグービーとはグレイビーのことでしょう。現在でも似た
ようなフランス家庭料理がありますが、豚肉を焼いた後にシャンパンを入れ、さっとアル
コール分を飛ばし、シャンパンの風味が存分に残るレシピが主流です。
489ぱくぱく名無しさん:2009/01/07(水) 22:46:41 ID:1WKmpB5z0
大正8年発行
マカロニー、ア、ラ、イタリヤン(伊太利風管饂飩)

マカロニーとは西洋饂飩と云ふて居りまして、パイプの様なもので長さ七、八寸
有ります。普通一人前にして五、六本使用します。五人分の料理を拵へると致し
ますれば、先ずマカロニー二十五本指先にて五分位に截り熱湯に少量の鹽を加へ
て此の中に投じ三、四十分煠で軟かになし、笊に上げて水氣を切ります。
大匙一杯の牛酪を煮溶かして大匙一杯の細截り玉葱をいため、マカロニーを入れ
適量のトマトソースを加へ、鹽胡椒にて味を調へ御鍋の下し際に卸したチース少量
を投れ温かき所を供します。
トマトソース(赤茄子注汁)
鍋の中に牛酪大匙一杯を入れ、大匙一杯のメリケン粉を混ぜて御飯杓子にて掻廻し
煮立てゝ、壜詰のトマトニ合入一本とスウプ一合、茶匙一杯の砂糖、鹽少々、胡椒
少々を入れ弱火にて氣長に煮ますと上面に牛酪の油が浮きますから、此れを掬ひ取
りてどろ〱に煮詰めて篩能にて濾したもので御座います。

以前にもマカロニ料理を紹介しましたが、ここでも茹でる時間が異常に長いですね。
やはり、長い状態のマカロニを切って使っています。現在のトマトソースのように、
セロリや(セロリは当時もあったようです。西洋独活(せいよううど)としての料理が紹介され
ています。ですが、ここでは使われていません)、にんにく、玉葱は入っていません。
瓶詰めのトマトピューレか、水煮で作っていたようです(どちらかは不明ですが、水煮
でしょうかね)。ワインも入っていませんし、あっさりと、トマトの味だけのソースの
ようです。意外とこの時代、パスタのレシピが少ないです。以前のプデングナポリテン
位でしょうか。
490ぱくぱく名無しさん:2009/01/08(木) 22:54:58 ID:Pw7WjAd00
↑のセロリは西洋独活ではなく、西洋三葉でした。訂正です。
西洋独活とは、アスパラガスです。

明治45年発行
ベール、スカロープ

犢(子牛でしょう)の肉を細かに刻む。ベーキング皿の中に犢の肉と麪麭粉(ぱんこ)
とを交互に層に入れ、肉には鹽胡椒を振りかけ、麪麭粉には牛酪(バタ)をかける。
ミルクをコツプに壹杯(1杯)と牛酪をテーブル匙壹杯とにてホワイトソースを作り
前の肉と麪麭粉にて充たした上に注ぎかける。其の上に又麪麭粉を振りかけ、而し
て褐色になる迄爐の中に入れ置く。麪麭粉の代りに米を用ふるを得、而して此の時
にホワイトソースの代りにトマトソースを用ふること得るなり。

子牛ミンチとパン粉の重ね焼きといったところでしょうか。米を使う
場合はトマトソースでとの指示があります。ホワイトソースは別項でバター、小麦粉
(本書の中では麵粉。うどん粉となっています)、牛乳、鹽・胡椒です。作り方も
現在と大きな変わりがありません。
491ぱくぱく名無しさん:2009/01/10(土) 22:55:27 ID:9p9EC9GG0
大正14年発行
ソーダビスケツト
メリケン粉一合 ベーキングパウーダー茶匙平二 鹽茶匙四分の一 バタ中匙平一、五
牛乳又ハ水四勺

天板を温め天板にはバタを引きて用意す。小麥粉に燒粉(ベーキングパウーダー)及鹽を
加へて二度篩に掛く。小麥粉にバタを入れ、粉をまぶしつつ手にてもみ、全體に混ず。牛
乳を一度に入れて、極輕く少しも粘氣を出さぬ様に手早く混ぜる。用意せし天パンの中に匙
にて掬ひ、こんもりと六個位に分ちて、間をあけて並ぶ(膨れる故)。又は麺棒にて四分位
の厚さに輕くのばし、鑵の蓋等にて丸く抜きて天パンに入る。直ちに熱したる天火中に入れ
強火にて十分燒く。表面ゴンガリと中は極サツクリと燒けためがよし。バタを付けパン代り
に用ふ。

スコーンと、アメリカンビスケット(ケンタッキービスケット)の中間でしょう。どちらか
と言うと、ケンタッキーのビスケットに近いです。
他に、小麦粉の半量を玄米粉にしたものや、高粱粉黍蜀(中国語でトウモロコシらしい)の
挽き割りを使ったものが別バージョンとしてあります。
492ぱくぱく名無しさん:2009/01/11(日) 22:35:08 ID:VtgU41nM0
明治40年発行

フライドタテレツ
メリケン粉一斤 バタ一斤 莓(いちご)の實一斤 砂糖一斤

鉢にメリケン粉とバタを入れ、共によく煉り混ぜて少しく堅き時には少量のC水を
混じ、煉終りたれば伸板の上部にメリケン粉をふりかけてその上面に取り、伸棒に
バタを塗りて五厘ほどの厚さに伸し、ほどよくパイ皿の中へ指頭にて押付は、尚ほ
その中へ拵へ置ける莓クリームを詰め、殘分の伸したる皮にて蓋を為し、そのまゝ
テンピの中へ入れ、上火を強く下火を弱くして二十五分乃至三十分ほど燒くなり。
又このクリームの拵方は、莓を水中に投じ、直ちに引上げて水氣を斲り、蔕をもぎ
去つて鍋に入れ、砂糖を加へて弱き火に架け杓子にて絶へずかきまはしながら一時間
ほど煮込み、どろ〱に煮へたれば鍋を下し用ゆ。
このタテレツは大豆を入ずしてそのゝクリームを入れ燒くなり。

タテレツとは何でしょう。タルトでしょうか。卵もバターも使っていませんが、固めの
甘くないビスケット生地といったところですかね。しかし、この相当固いであろう生地
をパイのように蓋をして焼いています(パイは別に存在しています)。苺クリームは 
クリームというより、ジャムですね。
別項にタルトレツトの作り方がありまして、生地を焼く時に大豆を乗せて焼いて取り出
すとあります。今はパイ専用の重石や大豆で代用しているので、その代用の大豆でしょう。
ですから、多少膨らんでも構わないタルト?何故、名前がタテレツに変化してるのかは
わかりませんが。他にラリータテレツという、米を使ったライス入りカスタードもどき
のフィリングが入るものや、アマンドタテレツというアーモンドを刻んだものを入れる
ものもあります。タテレツとタルトレツトの違いは何かと言うと、タテレツは生地にバター
と小麦粉で生地を作りますが、タルトレツトはメリケン粉と水だけで作っています。
タテレツの方がまだ、現代のタルトに近いかもしれません。水と小麦粉だけの生地は
さぞ味気のないパサパサのものだったでしょう。
493ぱくぱく名無しさん:2009/01/13(火) 22:30:57 ID:dUSK6+0J0
明治40年発行
ライスケーキ

炊茶碗一杯 C水同量 牛乳一合 砂糖四十匁 鶏卵二個 レモン油五滴

シチウ鍋に炊とC水を加れ、中火に架け、なるべく軟かに煮込み殆ど粥ほどの加減にして
牛乳を加へ、直ちにかきまはして鍋を下し、亦も牛乳を加へながらかきまはし、鶏卵を破込
で砂糖を加へ沙羅にくかきまはしてレモン油を滴し混ぜ、それよりパイ皿の中へ注ぎ入れ、
そのまゝテンピの中へ入れ、上火を強く下火を中火の加減にて四十分間ほど燒き、燒終りた
れば取出し、よく冷却して適宜の大きさに截るなり。

ライスプディングではないかなと思います。現在のライスプディングは、米、砂糖、牛乳で
煮ているだけのものですが、これは卵が入って焼いていますので、カスタードプリンに近く
御飯入りの、まさにライスプディングです。元々こちらが正統派で現在のような即席プディ
ングに変化したのか、両方の作り方が存在していてこちらが廃れたのかはわかりませんが
プディングという名前からして、こちらの製法がピンとくるものがありますね。
494ぱくぱく名無しさん:2009/01/14(水) 12:57:13 ID:Oy7vFBrmO
淡々とレシピだけが続いてる…
今初めて見たけど応援してまする
495ぱくぱく名無しさん:2009/01/14(水) 22:06:44 ID:ZttiMSfn0
大正8年発行

ヂヤーマンキヤベーヂ(獨逸式玉菜煮込)

小玉菜の固い芯を抉り抜き、縦に八つ割りとなし、水を充分に加へて火に架けます。
丸のまゝなら三十分もゆでると軟かになります。ゆで上げて水氣を斷り、御鍋に取つ
て水少々を加へ、小玉菜一個に付き牛酪大匙一杯、砂糖大匙一杯、砂糖大匙一杯、酢
三勺、肉豆蔲(ナツチツグ)少々、細切玉葱少々を加へ、好く煮込んでから鹽を入れ
味加減を試みて温かい所を御皿に盛り、御匙にて戴きます。

珍しくドイツ料理らしきものです。肉豆蔲とは、ナツメグですね。味は、ザワークラウ
トっぽい感じです。現在ではワインビネガーを使うところでしょう。
手持ちのドイツ料理の本を調べてみると、似たものがありました。玉葱とキャベツを炒めて
塩コショウした後、砂糖、ブイヨン、ビネガーで少し煮るものです。ナツメグを入れる場合
もあれば、ないレシピもあります。これは好みでしょう。バージョンとしては、ソーセージ
やベーコンを切った物を入れたり、芽キャベツを使ったものもあります。
わざわざ、スプーンで食べるとの指示があります。

>>494
ありがとう!
496ぱくぱく名無しさん:2009/01/15(木) 22:04:58 ID:OWQV28pS0
大正8年発行
スタッフドキユーカンバー(肉詰胡瓜)

大きな胡瓜を選んで皮を剥き、縦に二つ割となし、匙にて種を掬ひ取り、舟型にして
ざつと鹽茹でと致します。牛肉百二十匁を包丁の齒にて叩き(挽肉を使つても宜う御座
います)細かにして、擂鉢に入れて擦りながら、玉葱の細截り大匙一杯、鹽大匙に擦拂
一杯、胡椒少々、肉豆蔲少々を下して、好く混合し此の中に麺麭粉(パン粉)十匁を牛乳
亦は水に浸けて軟かにふやかして、輕く搾つてパセリーの細截少々と共に加へ、是れを
胡瓜に詰め(胡瓜に豫め鹽と胡椒を振って置きます)天パンに並べて、牛肉の上には麺麭
粉を振り所々に牛酪を載せて、天火に入れて二十分間蒸燒きにして、御皿に盛つてトマト
ソースを注けて供します。天火に入れて蒸燒きする様に説明致しましたが、必ずしも左様
にしなければならぬと云ふものでは御座いません。天火を使はない時には、麺麭粉を振ら
ずに蒸籠に入れて蒸しても宜しう御座います。

今であれば、茄子やシイタケなどを使うほうがピンときますね。キュウリで肉詰めをする
レシピは現在はあまりないですね。ひょっとしてズッキーニが元々のレシピだったのかしら
とも思いますが、キッパリとキューカンバーとなっています。現代では、キュウリでは水っ
ぽくて美味しいと感じる人は少ないかもしれませんね。トマトソースは>>489の通りです。
なかなか手が込んでいますし、キュウリではなく茄子などで作ると美味しそう。天パンで
あれば焦げ目は付くでしょうが(蒸し焼きと書いてありますが、当時の天火の作りからして
オーブンですから。上のどこかで説明していると思います。)、蒸籠で蒸すとかなりべしょべ
しょとした仕上がりになったのでは。
497ぱくぱく名無しさん:2009/01/19(月) 22:31:44 ID:5wWIAe6g0
明治40年発行
アカロンガト

アマンド一斤 砂糖二斤 鶏卵三個

先づアマンドをなるべく細かに刻み、直ちに鉢に移し、砂糖を加へ置きそれより別器に
鶏卵を一個宛破り、よく殻片のなきやうに注意を為し蛋黄と蛋白とを分け、蛋黄を去り
手早く五六本の箸及至は泡立器にて充分に泡を立て、砂糖の中へ混ぜ尚ほよくかきまはし
全く混じりたれば中火の上部に燒鍋を架け、ラードを塗りてその上部に匙にて二銭銅貨の
大さほどに滴し、ほどよく両面を燒くなり。亦ラードを塗りたるテンパンの中へ滴し、
ほどよく天火にて燒くも可なり。

アカロンと書いてありますが、マカロンのようです。写植間違いなのか、アカロンと発音
していたのか。現在とそこまで大差はありませんが、この説明だけではアーモンドプード
ルにはならず、粒々アーモンドになった場合も数多くあったことでしょう。現在のように
表面はサックリ、中はしっとりのマカロンには程遠いものだったようです。中にクリーム
を挟むというわけでもなく、味としてはイギリス版マカロンに近いのでは。テリー神川氏
著の、赤毛のアンお料理ブックでは(アンの時代の料理を再現しています。アンの時代は
日本では明治の頃ですね)、小麦粉が入っていますが、スプーンで掬って160度位で焼
いています。
現在では、温度は二段階に分けて焼いていますので、焦げ目は付かず、洗練された感じで
す。また、アンのレシピではココナッツが入っているのですが、刻んだアーモンドやくる
みを入れてもよいとのことなので、このレシピはイギリス経由の可能性がありますね。
498ぱくぱく名無しさん:2009/01/21(水) 21:41:59 ID:N9CbjIV+0
大正15年発行

基本料理の實習及應用
外米(内地米と異なる點のみを記す)
外米一升 水一升五合乃至一升五合五勺

イ 外米を洗ひて一夜水に浸しおきて炊く。
ロ 水分を多く吸収するを以て稍内地米よりも炊く時間を長く、亦蒸す時間も長く
すべし。
ハ この分量にて炊く時は沸騰後蓋をすこし開きてよし。
ニ 比較的大なる釜にて分量少く炊く場合には、水の分量を一升四合乃至一升四合
五勺にして蓋を取らずして炊くべし。
ホ 外米の下觸りをよくするには、一升につきニ勺の葛粉を水にて溶き、沸騰を始め
たる釜の中にまぜ、直ちに火力を減じて炊くべし。
(稻垣博士の説によれば、外米の舌觸惡きは内地米に比し澱粉膜の厚きため煮熟の際
膜破れず、従て澱粉の糊状となりしものが周圍に出ざるためなれば、炊く時他の糊粉
を附着せしむれば内地米と同様になるなり)
ヘ 内地米を混じて炊く場合には其割合に従て水の分量を加減すべし。

外米の炊き方の注意をしています。タイ米も普通にあった時代です。現在より保存状態も
流通事情も悪いので、かなり質も悪いものだったことでしょう。現在では、いつくかの炊き
方があるようで、ふっくらと炊く場合は水に数時間浸け、多めの水加減で炊く場合と、茹で
てお湯を捨て蒸す場合といくつかあるようです。そういえば、米不足となった時、タイ米を
おいしく炊くために、葛粉を入れるとよいという情報もあったそうです。まさに、これですね。
ここに出てくる稻垣博士という方は、農大教授で米の権威であった方のようです。ここで述べ
られている説は、要するにタイ米は糊化しにくいからねばりがない。だから葛粉でねばりをタイ米
に付着させたらよい。ということのようです。また、内地米の炊き方もあるのですが、ここでは
博士考案による水加減器を使うと失敗がないという説明があります。説明を見ると、現在の炊飯器
に付いている水加減目盛りが付いた計量カップのようなものです。稻垣乙丙でぐぐりますと、この方
の情報がいくつか出てきます。食糧問題など提言しておられたようです。
499ぱくぱく名無しさん:2009/01/22(木) 22:03:11 ID:xXeBF9ho0
明治38年発行
パンケーク

玉子一つ 牛乳五勺 メリケン粉五勺 鹽小匙一

先づ玉子一つ割ツて牛乳を入れて、能く混ぜメリケン粉を篩いに懸けたものを少し
づゝ入れながら、其度に匙にて能く捏り、塊がない様にして、それからフライ鍋
でラード(製した豚油)を熔かし其中え入れて、燒いた後に鍋の柄を持ツて上下に
振って(上の方を下に下の方を上に)、又、燒き冬ならばザラメ砂糖を一體に振り
かけて小口から巻いて暖い皿に入れ(皿を湯にて入れ暖める)柚子の薄切を付けて
出します。又、夏ならばザラメ砂糖の代りにジャミを塗ツて巻いてもよろしい。

生地は甘くなく、ジャムや砂糖を巻くものです。生地の配合からしてクレープみたい
ですが、イギリスでパンケーキはクレープを指します。日本で言うイギリスのパンケーキは
クランペット(イーストを使う)ですね。ですから、これはイギリス版クレープという
ことになります(著者がイギリス人です)。しかし、説明がいまいち不十分ですし
(薄焼き玉子の様にとかいう説明があればいいのですが)分厚く焼いて失敗した人も
多かったのでは。パシャパシャの生地で分厚く・・・では、生焼けでしょうし。
片面焼きで、フライパンを振って生地をはがしていたようです。
500ぱくぱく名無しさん:2009/01/27(火) 21:41:09 ID:zlAlvDRX0
明治45年発行

デボンシャイアークリーム其の一
ミルクを鍋に壹杯、冷めたき所に二十四時間程置く、夏なれば十二時間程置く。
其れから火にかけ烈しく煮立てないで沸騰點になる迄、ソロソロと煮る。其れを
再び六時間か十二時間冷めたき所に置き、其れからクリームを取る。此れはシツカリ
して特別に甘き味があるなり。

デボンシャイアークリーム其のニ
新らしいミルクを火にかけ、而して沸騰點になる迄ソロソロと沸かす。三十分程火の上
に置き、其れから冷たき所に移し、六時間計り其のまゝになし置く。又はクリームが皆
出來る迄其の儘になし置く。
デボンシャイアークリームは濃く凝結するなり。而して果物、マツシユ等の上に用ふる。
此れは數時間保存なし置くことを得、而して特別に佳味のものなり。

これは、クロテッドクリームだと思います。デボンシャー地方で作られた物はデボンシャー
クリームと呼ばれていて、クロテッドよりもやや固く黄色が強いそうです(林望氏の著書に
よると)。現在とは違って、生乳が普通だったので手作りも可能だったのでしょう。現在の
製造法とほぼ変わりがありません。現在では、ミルクではなく生クリーム(ただし、ジャー
ジー種の生クリーム)からクロテッド(デボンシャー)クリームを作っています。クロテッド
といえばスコーンとセットですが、使い方としてフルーツや潰したポテトやカボチャに添えて
いたようです。イギリスでは、この当時でもすでにスコーンとクロテッドとジャムが
セットになっていたのでしょうが、そこまで伝わらなかったのか、単独で伝わってきて
しまったのか。最近まで(ここ10年か15年か)クロテッドは日本では知られていません
でしたが、この時代にすでにクロテッドがあったようです。
501ぱくぱく名無しさん:2009/01/27(火) 22:01:48 ID:zlAlvDRX0
では、明治のスコーンはどうだったのでしょうか。

明治38年発行
スコン

メリケン粉壹合 ベーキングパウーダー小匙一杯 鹽小匙半分 牛乳若干

粉を篩いベーキングパウーダーと鹽を加へ、牛乳かコンデンスミルクの溶いたもの
で(牛乳ニ合ならコンデンスミルクわ大匙で二杯、あとわ水を入れニ合にする)
程能く捏ね、板に載せ粉を振掛け麺棒で厚さ四分位に徑五寸位に伸ばして、其上に
牛乳を刷毛で引き、六つに切り(図では、円形のものを、ホールケーキを切るように)
燒板の上にラードを引き、其上に列らべて熱いストーブに入れて、二十分燒くのです。
若しも両面燒けない時わストーブの中に入れてある燒板の端の方の、火の弱いところえ
置いて、燒くとよろしい。而してストーブから出して、暖かい内に又牛乳を刷毛で引いて
皿の上に列べて置けば上皮が柔かで居るものです。又是はパンの代りにする事が出來ま
す。若しも菓子の様に甘いものを拵えたい時、鹽を少しにしてザラメ砂糖を大匙四杯入れ
ると甘く出來て菓子の代になります。

ここでも、クロテッドは出てきません。パンの代用か、パン菓子として単独で存在していた
ようです。現在では、生地の中に砂糖、バター、卵、牛乳(表面に塗るものとは別に)が入
ります。今とは違って、固くボソボソしたものでしょうね。
平成元年に発行された、イギリス菓子の本を見るとスコーンの章で「残念ながらクロテッド
クリームは日本では手に入らない」と書いてあります。平成になった時でも認知度は低く、
実際にイギリスに行ったことがある人くらいしか知らない存在だったようです。
502ぱくぱく名無しさん:2009/01/28(水) 01:58:26 ID:y69lZL2m0
ほほう。
503ぱくぱく名無しさん:2009/01/28(水) 23:58:55 ID:IZmPT8gyO
タイ米の炊き方まで載ってたりするんですね。
初めて知った。
504ぱくぱく名無しさん:2009/01/29(木) 22:55:16 ID:+Ez4QUa20
明治45年発行
チョウチョウ

トマトを二升五合程小さく切る 大きなキャベツをニ個 玉葱十五個 胡瓜二十五本

此等を共に混ぜ、鹽を間にして層に詰め、十二時間程其の儘になし置き、而して鹽水を取り去り
酢と水を加へ、又十二時間程其の儘になし置く。酢を濾し去り、其れを薠菜の挽いたもの一合
五勺と芥子の種を六十匁とセルリの種を壹オンスと胡瓜の挽き砕したものをコツプに半杯と、肉桂
をコツプに半杯と砂糖を四百八十匁とを共に、酢を三升五合混ぜて數分間煮たものを充分に注ぎ加へ
る。此れを全く冷めたくなる迄、其の儘になし、其れからサラドオイルをコツプに一杯と芥子の粉を
六十匁とを加へる。此等を共によく混ぜ、而して瓶の中に入れる。

ピクルス(原文ではピツクルス)の章にあったのですが、トマト、キャベツ、タマネギ、キュウリの一括
漬けピクルスでしょうか。名前も現在の何に当たるのかピンときません。現在のピクルスではオイル漬けには
しませんし野菜のオイル浸けという保存食でしょうか。
そのまま食べていたのか、何かの付けあわせにしたのか、味付けの一つとして使われていたのか定かではありま
せん。キューカンバーピツクルス(今でいうピクルスですね)の作り方では、オイル漬けにはしておらず、ほぼ
現在と作り方は変わっていません。多分、ピクルスとマリネの定義が曖昧だったのかなと思います。
505ぱくぱく名無しさん:2009/01/29(木) 23:07:02 ID:+Ez4QUa20
薠菜とはワサビのルビが入っています。
セロリの種というのは、野生種のスモールエイジという種類のセロリシードのようです。
セロリシード、芥子、シナモン(肉桂)と当時としてはかなり手に入る範囲を駆使したス
パイスです。庶民であれば、「????」のレシピだったことでしょう。
506ぱくぱく名無しさん:2009/02/09(月) 22:15:29 ID:1UV3rDPO0
大正8年発行
カレードビーフ(牛肉カレー煮)

ライスカレーの一種で有りまして、最も家庭向きのもので御座ゐます。先ず脂身の牛肉
一斤を、四分位の厚さに截り、大匙一杯の牛酪を煮溶かして其中に入れて手早くいため、
牛肉は取り出して置きます。後の牛酪には玉葱一個の細截りと、メリケン粉大匙二杯、
カレー粉茶匙に輕く一杯を入れ、火に架けて攪拌し、スープ又は水二合を徐々に加へ
林檎一個の四分の一を極薄く切つて投れ、少量の鹽を加へて味加減をなし、御鍋の蓋を
して弱火にて三十分程煮ますと煮汁はどろ〱に煮詰り、林檎は溶け込んで形は見えなく
なります。御皿に温い御飯を盛り、其の上に以前の牛肉を載せ、煮汁は篩能にて濾して
どろ〱と注けて侑めます。

具は肉だけなので、家庭向きの簡単カレーなのでしょうか。このレシピには林檎が入って
います。煮汁はわざわざ濾して玉葱を潰しています。当時のレシピとしては、玉葱と牛肉
だけで、他の材料を揃える必要がないので家庭向きと銘打ったのでしょう。それでも、
華族や財閥の家でければこんな料理はとても無理だったでしょうね。
507ぱくぱく名無しさん:2009/02/11(水) 22:25:24 ID:NZaOWrJH0
明治38年発行
マツシドポテート(馬鈴薯のきんとん)

馬鈴薯 鹽 バタ又わ牛乳 薄荷の葉少し

馬鈴薯の皮と芽の所を去り、鹽を小匙一杯と薄荷の葉を少し入れ、水七八勺位いで
茹でてから湯を捨て、薄荷の葉を取捨てて茹でた馬鈴薯を肉叉で潰しバタ又わ、牛乳
を少し入れて交ぜて皿に取ります。又、此茹た馬鈴薯を薄く切つてラード(豚油)で狐
色にいためて、肉の付合せにするのも宜しい。又、薄荷の葉を入れるのわ薯の味を好
くするためで西洋人わ、たいてい入れます。

付け合せやメインにもなるマッシュポテトです。現代では、他に卵黄を入れたりして
濃厚でまろやかにしたりします。驚いたのは、薄荷(ミント)を混ぜ合わせるのではなく
ジャガイモと一緒に茹でて、ミントは取り去ってしまうこと。この時代にミントを手に
入れるのは相当な金持ちだけでしょう。乾燥だったのか生だったのかわかりません。
当時、日本にもハッカがあったのですが(江戸時代から)、大変に高価なもので庶民は
知ることもなかったのでは。
508ぱくぱく名無しさん:2009/02/12(木) 21:59:47 ID:7OeAJHmx0
大正8年発行
ウヰンゾーリッフレー

是れは蠶豆で拵へます御菓子で御座います。先づ新蠶豆の皮を剥き、軟かに鹽茹でにして
裏漉に架けたもの二合程を取り、砂糖三十匁を混ます。御鍋に牛酪大匙一杯を煮溶かして
メリケン粉大匙一杯を入れ杓子にて攪廻して牛乳五勺を徐々に加へ、御鍋を下ろして蠶豆
を混ぜ、ヴアネラエツセンス香料を茶匙に一杯入れ、玉子の白蛋三個を泡立てゝ、ふはり
と混ぜ(ふわりと でしょう)燒皿に入れて天火に入れて十分間位燒きます。

蠶豆はソラマメと読みます。何でしょうか。ソラマメのスフレもどきでしょうか。
緑色で綺麗なスフレもどきかと思われます。また、薩摩芋を蒸し焼きにして、中身を取って
薩摩芋を容器にして詰めて焼いてもよいと注意書きがあります。
509ぱくぱく名無しさん:2009/02/13(金) 22:22:09 ID:ReVcKnp40
明治40年発行
麥羊羹

炒麥粉一升 砂糖七百五十目 C水一升 寒瓊脂五本

これは寒瓊脂を水中にてよく洗ひ、水氣を斷りて細かにちぎり、C水を加へて
火に架け、よく煮溶けたる時砂糖を加へ、よくかきまはして毛篩にて濾し、それより
鍋に戻して炒麥粉を加へ、火加減を弱くして再び火に架け、杓子にてかきまはしな
がら一二回沸騰せしめて鍋を下し團扇にて煽ぎ、塗箱亦は流箱の中へ流し、暫時
冷却して取出し適宜の大きさに截るなり。

炒麥粉はむぎこがしのルビ。はったい粉ですね。寒瓊脂は寒天です。はったい粉の水羊羹
というわけですが、果たして大麦を粉にしたものをそのまま砂糖と寒天で固めて美味しいのかは
疑問です。しかし、昔から饅頭などに使われてきた素材ですからこれも有りのレシピなの
でしょうか。
510ぱくぱく名無しさん:2009/02/13(金) 23:07:54 ID:uKla/rEQ0
面白いスレですね
昔のことが分かって楽しいです
いつもありがとうございます
511ぱくぱく名無しさん:2009/02/18(水) 23:07:35 ID:NBUizQgT0
明治45年発行
ボン(特別なる南洋の料理)

白い碾割玉蜀黍を六合篩ひ、鹽を茶匙に壹杯加へ、指にて容易くもみ砕すことの出來る
位の混合物を作る為、水を充分に加へる。軟かな捏り粉になし、而して端が八分で中央
の少し厚い長方形の型に入れる。此れを鍋の上に型から出してバツと打ち付け、而して
少し厭す。此の菓子は指の印付き居るをよしとす。鍋は熱くし、而して前に玉蜀黍を篩
つた糠を振りかける。而して爐の中に入れて二十分燒く。

南洋とは、一部のミクロネシアのことでしょうか。(ぐぐってください)
簡単なとうもろこしパンと思われます。
よく似たレシピがローラ・インガルスの大草原の小さな家の料理の本の中に
あります。コーンミールと塩、ラードで作ったもので、作り方もほぼ同じで
ローラの父さんは「母さんの手形つきのパンなら何にも付けなくてもおいしいよ」
との描写があります。ローラが「母さん」に作ってもらったのはおそらく明治初期。
それから時間が経過していますが(30年くらい)、非常によく似ています。
独自に南洋とアメリカ開拓地で別々に生まれたものなのかどうかわかりませんが、
とうもろこしの粉を使うレシピでとても似ているのには興味をそそられます。
また、ローラの時代には「母さんは白いとうもろこし粉を好んでいた」そうで、
「白い碾割玉蜀黍を」という初頭のくだりには共通点がありますね。
512ぱくぱく名無しさん:2009/02/19(木) 22:26:55 ID:9JfraOKq0
大正8年発行
フヒツシユタンバール(蒲鉾牛乳煮)

平目の肉五十匁の皮を取り去り、包丁にて叩くか、又は肉挽機械に掛けて細かにして擂鉢に
投れ、擦りながら白ソースを大匙に一杯と牛乳四勺、鹽、胡椒少々を混ぜ、裏漉を通し、
細截のパセリーを混ぜ、適度の大きさに丸めて一旦茹でゝ水氣を斷り白ソースの沸騰たところ
に入れて、一寸煮て侑めます。

白ソース(ホワイトソース)が大きくわけて二種類の記述があります。1つはコロッケやカツレツで用いる
「つなぎ」に使う堅いソース(堅白ソースとあります)。鍋に牛酪(バターです)大匙二杯を入れ、
コンスターチ(又はメリケン粉六勺)を入れ御杓子で攪拌し牛乳を徐々に加へ、鹽胡椒で味を附け
用ふ。とあります。
もう1つはベシャメルソース(白注汁)。
鍋に牛酪(バターです)を煮立てゝ小さな玉葱一個の薄截、人参一本の四分の一の薄截、パセリーの
大きいまゝのものを入れていため、此の中にメリケン粉大匙山一杯、牛乳一合、スープ五勺、鹽胡椒
を入れてどろ〱に煮て味を試みて拭布にて濾して用ひます。
とあります。図を見ると、布巾に入れて雑巾を絞るようにして濾しています。
他にも、チキンスープと牛乳で伸ばすものもあります。

このレシピでは、たぶん堅白ソースでしょうか。カマボコとは言い得て妙な表現で
す。今で言うと、魚のムースに近いのでは。
513ぱくぱく名無しさん:2009/02/23(月) 22:26:07 ID:dexlogO40
明治40年発行
太閤燒

砂糖百匁 玉子七個 味醂猪口一杯 メリケン粉百匁

玉子を破り、よく殻片の無きやうに注意を為し蛋黄と蛋白と分け、それより蛋黄の
中へ砂糖を入れ手にてよく揉み混ぜ、殘分の蛋白は箸にてかきまはしながら泡立て
その中へ混ぜ、直ちにメリケン粉を篩ひ込み手早く箸にて混ぜ合せ、それよりテン
パン(西洋料理用に使ふ輕便ストーブの中へ入れる燒鍋)煮返したる胡麻油を引き
どろどろの溶液を箸の先につけ、手早くその上部に圖の如く(図のごとく です。
ひょうたん型の絵です)瓢形に小さくいくつも滴し、そのまゝテンピの中へ入れ上
火をつよくし一寸燒き終げるなり。

太閤の名でひょうたん型ですから、もちろん秀吉にあやかったものでしょう。
現在では、二重焼や大判焼と言われるものが太閤焼となっています。当時ではこれが
太閤焼だったようで、二重焼と呼ばれる小豆餡が入ったものとは別物です。
生地は、みりんが入っており、現在では見られないレシピです。作り方を見ると
別立て法のスポンジに近いもの。たぶん、ボウロに近い触感だったのでは。現在と違い
バターなどの油脂成分がゼロですから、パサパサで固めだったと思われます。
時代の流れとともに、餡を入れたり進化したのでしょうか。
514ぱくぱく名無しさん:2009/02/24(火) 22:21:32 ID:6GEuMC+z0
明治40年発行
開化まんぢう

砂糖百匁 鶏卵一個 メリケン粉百匁 C水五勺

冑鉢に砂糖を入れ、鶏卵を破り、よく殻片の無きやうに注意を為しよくかきまはして全く
蛋黄のほぐれたる時メリケン粉を篩ひ込み、C水を加へてほどよく捏ねながら一ツに丸め
前より煮置きたる栗子(くり のルビ)を白餡に混ぜ、捏ねたる材料を少許づゝ掌にて擴げ
ながら白餡を竹箆にて掬ひ包み、丸型に拵へ、それよりテンパンの中へ煮返したる胡麻油
を引き、その上部に少許づゝ間をあけて列べ、溶きたる鶏卵の蛋黄を小刷毛亦は筆にて上部
より塗りテンピにて燒き終げるなり。

開化まんじゅうとあります。文明開化の開化でしょうか。どこが開化なのかはわかりません。
ありがちな記念という名目で作られたものなのかもしれません。
515ぱくぱく名無しさん:2009/02/24(火) 22:55:50 ID:6GEuMC+z0
では、↑で使う白餡の製法。

茅豆(いんげんまめ のルビ)五合 砂糖百六十匁 重炭酸ソーダ少許

多量のC水と共に鍋に投れ、一と沸騰せしめて少しく皮に皺の生りたる時、重炭酸ソーダ
を投じ手早く杓子にて攪拌し、桶の中へあけ、C水を加へて両手にてよく皮を揉み去り
再び鍋に移し、三四回ほどC水を替へては煠で、軟かになりたれば毛篩の裏に少許宛載せ
掌にて擦るやうに為して裏漉を為し、堅く水氣を搾りて鍋に加れ、砂糖を加へ火に架けよく
焦げつかふやうに杓子にて煉終げ、全く煉終りたれば鍋をおろし板の上部に擦りつけるが
如くに移取り、熱氣を抜き冷却して用ふ。
この白餡を拵へるには決して茅豆には限らず、もとは大角豆を用ひたりしが、近來(ちかごろ
のルビ)その原料の少なきが故に、白小豆亦は鶉茅豆(うずらいんげん のルビ)など以て代用
と為す。されどその分量はいづれも茅豆に同じ。

作り方自体は現代とは大きな違いは見られません。
しかし、豆が微妙に違うようです。現在では、白花豆と呼ばれる白い豆が白餡とされていますが
(白インゲンとは別物で、種は同じ)ここでは、大角豆こそが白餡としてふさわしいが、今では作って
いる所が少なく手に入りにくいので、白小豆(多分、白花豆でしょう)か鶉インゲン(うずら豆で
しょう)を使ってもよしとあります。

大角豆でぐぐりますと、インゲンの種であるが白花豆とは別の物のようです。大角豆よりも白花豆の
ほうが上品な味だったので現代で主流になったのか、大角豆が手に入らないから白花豆を使っていたら
それが主流になったのかはわかりませんが、わざわざ大角豆と記述しているところをみると白花豆を
代用としていたらそれが主流になってしまった可能性が高いようです。
516ぱくぱく名無しさん:2009/02/25(水) 22:22:06 ID:oaRzfTgL0
明治40年発行
君が代まんぢう

メリケン粉百匁 砂糖百匁 ベーキングポーダー三匁 C水一合 鶏卵一個

冑鉢に砂糖を入れ、鶏卵を破よく破氣の無きやうに注意を為し手早くかきまはして、メリケン粉
を篩ひ込み、尚ほベーキングポーダーを加へ、よくかきまはしながらC水を注て、ほどよく捏ね
終げて一ツに丸め置き、それよりテンパンの中へ煮返したる胡麻油を引き、混ぜたる材料を少許
づゝちぎり取り、掌の上部にて擴げ手早く竹箆にて並餡を掬ひ込み、丸型に拵へ、それより圖の
如き形状に菜箸にて形を壓し恰も菊の花戕に造り、テンパンに煮返したる胡麻油を引き、その上
部に列べ亦鶏卵の蛋白を小刷毛亦は筆にてその上部に塗り、ほどよくテンピの中にて燒くなり。

君が代の名の通り、皇室の菊の御紋をかたどった菓子のようです。中には餡が入っています。並餡
と上等餡というのがあり、製法がやや違います。上等餡は小豆を茹でた後、何度も水を変えて徹底的
にアクを抜き、濾して裏ごしして、こしあんにしています。現在の高級和菓子に使われる餡の製法です。
並餡になると、茹でる時に馬鈴薯の皮をむいたものと一緒に茹で、水を加えつつ煮ます。上等餡のように
何度も水を変え、徹底的にアクを取る工程は省かれています。馬鈴薯は除いて、後は上等餡と同じ工程
です。
馬鈴薯によって、アクがある程度除かれるのかはわかりませんが、クイック餡というところでしょうか。
ベーキングポーダーについても、パウダーとポーダーに何か違いかあるのかは不明です。ぐぐってみたところ
ベーキングポーダーの名で流通しているものもあり、全く同じというわけではないのでポーダーの名を使って
いるのか、昔ながらの表記なのかは不明です。

しかし、明治の時代でも天皇家といえば神も同様。畏れ多い菓子だったのかもしれません。
517ぱくぱく名無しさん:2009/02/26(木) 22:31:12 ID:XMzOPPLr0
大正6年発行
木耳羹

寒天二本 水三合 砂糖八十匁 鹽少々 木耳七匁 挽茶三錢 十六寸晒餡一合(白隱元を煮る
時は豆二合を煮てせんをとる)

寒天を洗ひて水に二三時間浸し置く。木耳を水にて洗ひ柔になる迄浸し醤油と砂糖にて甘からに
味をつけて後水にて洗ひ堅く搾り置く。十六寸(又白隱元豆)を柔に煮てせんをとる。晒餡を用
ふる時は水を少しづつ注して程よく濕し置く。
寒天を堅く搾り鍋に入れて手にて細くちぎりて定の水を入れ蓋をせずに火にかけて煮溶すべし。
此際餘りに交ずるべからず。是れ色を惡しつくし又つなぎを弱むる故なり。寒天の全く溶けたる
時に砂糖を入れて煮溶し裏漉しにかくべし。裏漉したる寒天は再び鍋に戻して餡を入れてよく煉
り、程よく煮詰りたる時鍋を下して少し冷やし、後挽茶を水にて粒なきやうとろ〱に解きて少し
づゝ餡の方に入れて手早く交ぜ、其中に厚さ一寸餘になるやうに流し込み充分冷して後取り出し
て適宜に切りて出すべし。其切り口には木耳、木目の如く現はれて美しく又食しては齒ごたへあ
りていと面白し。口取りの盛り合せとす。

十六寸豆をぐぐると、おたふく豆のことで品質がよく高価であるが、栽培量が減ったため白いんげ
んで代用されていることが多いとのこと。>>515で紹介した通り、白いんげんは代用として多く使わ
れていたもので、それが主流になってしまったようですね。
寒天を煮る時は混ぜすぎると色が悪くなるとの注意。現代とは品質が違うからでしょうか。
挽茶とは抹茶のことで、どうやら水羊羹のようです。抹茶色を付け(白餡ですから、仕上がりは
薄緑色だったでしょう)キクラゲを醤油と砂糖で甘辛く煮たものを入れ木目のようにしていたみたい
ですね。中国系の菓子のような感じもしますが、日本に元々あったのか不明です。
口取りとなっていますから、茶会に出される菓子だったか、おせち料理などハレの日に出されて
いたもののようです。
しかし、白餡水羊羹(抹茶入り)に甘く煮込んだキクラゲ。当時では大変贅沢だったものでしょうが
味の想像ができません。
518ぱくぱく名無しさん:2009/02/27(金) 17:53:46 ID:ttWJI5j80
乙 いつも楽しく読ませてもらってます
・・・でもお菓子にきくらげ?!・・・よく考えたら中華に入ってるような
黒いのじゃなくてきっと白きくらげだよね、うん。
・・・でも砂糖と醤油で煮るって事は黒い方って考えも捨てきれないかも?
昔の料理はびっくりするような食材の使い方があって、楽しいですね。
519ぱくぱく名無しさん:2009/02/27(金) 22:49:19 ID:j+lAnp/80
明治40年発行
ポテトカプカスター

中位なる馬鈴薯七個 砂糖二十匁 鶏卵二個 バタ大匙一杯 レモン油二三滴

馬鈴薯の皮を剥き、C水と共にシチウ鍋に入れ中火に架け、三十分間ほど煠で、ほどよく
軟かになりたれば水を去り、直ちに毛篩にて裏漉にかけ、砂糖と鶏卵の蛋黄及びバタとレモ
ン油を滴し、手早くかきまはしてテンパンの中へバタを引き、その中へ入れそのまゝテンピ
の中に入れて蓋を為し、上火を強く下火を中火の加減に為し、三十分間ほど燒き、燒き終り
たれば取出ししよく冷却して適宜の大きさに截り、ほどよく皿に盛り、その上にカスターソース
を灌ぎ注けて供す。

カスターソース
牛乳二合 鶏卵三個 砂糖二十匁 鹽少許 レモン油二三滴 コンフラワー茶匙二杯
小鍋の中へ牛乳を入れ鶏卵を破り込み、よく殻片のなきやうに注意を為し砂糖を加へてよく
かきまはし全く鶏卵のほぐれたる時大鍋に湯を沸かし、小鍋のまゝその中へ入れ絶ず木匙
にてかきまはしながら十五分間ほど湯煎にかけほどよくどろ〱になりたれば鍋を下し手早く
團扇にて煽ぎ冷却して用ゆ。

馬鈴薯を裏漉しにして、卵黄と砂糖、卵、バター、レモンエッセンスを混ぜて焼いたものみた
いです。ここで牛乳か生クリームが入れば、スイートポテトの馬鈴薯バージョンです。
カスタードソース(今で言うアングレーズソース)は、現代とは製法の違いがあります。大雑把
な作り方なので、失敗も多かったのでは。現代では、まず砂糖と卵黄を湯煎で混ぜて牛乳を入れた
後、直火で熱してから氷水で急速に冷します。使用するのは卵黄のみです。この作り方からすると、
卵白も入って薄めの味のようです。ダマも多く、白身のベロリとした触感もあったのでは。卵の品
質が悪かったのかコーンスターチを入れています。気長に湯煎で仕上げていますが、これでコーン
スターチず入ってますから、粉っぽいソースだったのでは。

>>518
どうなんでしょう。白キクラゲは今でも中国では珍重されていますし、当時では尚のこと日本では高価
であったことでしょう。どちらにしても醤油で黒くなりますし・・・・。
520ぱくぱく名無しさん:2009/03/02(月) 22:12:05 ID:JUsmKw4W0
大正6年発行
コーンスターチプツチング

玉子小二個の白身 水一合 砂糖十五匁 コーンスターチ十二匁(片栗粉にてもよし)
ヴアニラ小匙半杯

鍋にコーンスターチ(黍粉)か片栗粉と白砂糖とを入れてよく交ぜ、一合程の湯を入れ
てくよ掻き合せ、火にかけてよくねり、堅き葛ねりの如きものとなし、ぷつぷつと煮立ち
たる時に白身の稍ゝ泡の立ちたる中に大豆位の鹽を入れて、よく泡を立てたる白身を入れ
て手早くかき交ぜて、菓子型か多くの盃の中に程よく入れて冷やして固らせ置き、次に
牛乳一合を鍋に入れてとろ火にて煮立て、其中に黄身に十匁の砂糖を入れてよく泡立てた
るものを入れ、又コーンスターチ中匙一杯を三四倍の水にて溶きたるを入れヴアニラ或は
檸檬油を入れて玉子の固まらぬ程度に弱火にかけて、ねりたるソースをよく冷まして先き
に冷し置きたるコーンスターチプツチングを皿に盛りたる上にかけて出すなり。

コーンスターチで作った葛粉もどきと、泡立てた卵白(品質が悪かったのでしょう。塩を
入れて泡立てています。塩で泡立てると、固く泡立ちます)を合わせ、冷やし固めた卵白を
淡雪寒もどきにしています。そこに、卵黄で作ったアングレーズソースに近いものを
かけています。寒天ではなく、コーンスターチなので、もちもちした感じでしょうか。
病人食によいと紹介されています。葛っぽいコーンスターチに、卵とくれば当時としては
大変に贅沢なものだったでしょう。この時代では、華族であっても卵を食べるのは月に一度
か二度だったそうです。寒天みたいに固くはなく、とろんとしてもちっとした仕上がりで
噛まなくてもツルリと咽を通るので病人には食べやすいものだったのかもしれません。
しかし、こんなものを食べられる病人は限られた華族だけだったでしょうね。
521ぱくぱく名無しさん:2009/03/04(水) 22:36:18 ID:ZwrumRlF0
明治40年発行
かくし山葵

白玉粉百匁 C水少許 砂糖百五十匁 食料粉少許 おろし山葵少許 おろし山の芋少許

冑鉢に白玉粉を入れ、C水を加へてよく捏ね、それよりも一ツに為して蒸籠にて蒸し、直ら
に木鉢を濡らせてその中へ入れ、手先に布巾を巻き、そのまゝ水中に浸してよく捏ち、ほど
よく軟かになりたる時、銅鍋に移し弱火に架け砂糖を少許宛加へては杓子にて捏ね、それ
より軟かに為し煉滅りたればほどよく粉を加へて求肥と為し、そのまゝよく冷却置き、
それより山葵を水にて洗て、水氣を拭ひて庖丁にてえぼ〱(イボイボでしょうね)をこそげ
去り、色を現したる時乾きたる擦金にておろし、少許のおろしたる山の芋と砂糖を加へて
よく煉り混ぜ、求肥を少許宛ちぎとりて掌の上部に載せ、指頭にて擴げ、少許宛竹箆にて
山葵を掬ひ入れ、そのまゝ丸るくくるみて乾きたる砂糖にて糝すなり。

青く着色した求肥(現在とは製法が違います)に、山葵と砂糖と山の芋(自然薯でしょうね)
を合わせたものを餡にして包んで、砂糖をまぶしています。ねばりが強い自然薯で、包みや
すくして、山葵をマイルドにしたのでしょう。味としては、ピリッとするものの甘くてモチモチ
した餡で・・・・というところでしょうか。今で言う塩を使った菓子に近い感覚だったのかも
しれません。現代にある山葵アイスとか、そういう感覚でしょうね。現在では、白玉に山葵を練
り込んだものはありますが、餡に使っているものはないようです。明治の新感覚お菓子だったのかも。
522ぱくぱく名無しさん:2009/03/09(月) 22:17:45 ID:P3GadDUZ0
大正14年発行
開化丼

白米一合五勺 豚肉二十匁 玉葱一個 卵二個

玉葱を洗ひ縦に二分し更に小口切にして薄く半月状になす。豚肉は薄く普通切とす。鍋に豚油を
入れ、玉葱を入れていため、水極少量入れて一寸煮、砂糖茶匙二、醤油中匙一を加へて煮、やゝ
煮えたる時豚を入れて煮る。鍋(餘り大ならぬもの、又はフライパン)に一人分丈入れて平に擴げ
八方汁ニ勺を入れる。
八方汁は味醂一勺、醤油一勺、煮出汁三勺を火に掛けて、一寸煮、煮立てば火を弱め、卵一ケの
よく解きたるを金杓子様の物にて一面に、平均に流す。蓋をなし一寸火を強め、卵の煮えたる時
温めし丼茶碗にを入れ置きたる上に、汁と共に辷らしてをおおふ様にし蓋をなして出す。

豚肉を使うところが開化なのでしょうか。わざわざ豚肉と玉葱に下味を付けて煮たものを、八方
汁(丼ツユと卵ですね)に入れています。親子丼のレシピでは、鶏肉を煮汁に入れてざっと煮て、
三葉と松茸(今ではありえませんが、当時はありふれた食材の松茸を丼に使うのはよくあります)
を入れて卵でとじ、柚子か粉山椒ををかける、とあります。作り方は現在と変わりません。
扱い慣れない豚だったために、別にして下味を付けてから、卵丼ツユと合わせていたのか
品質の悪さのために肉の質が落ちてにおいもひどかった為の策なのか。
ぐぐってみますと、Wikipediaに開化丼や丼物で説明がありました。開化丼は関西では豚が使われ
関東では牛が使われたとあります。このレシピは東京発信でちょっと辻褄が合いませんね。
もしかしたら当事は豚であろうと牛であろうと、開化丼であり店によって違っていたというだけ
かもしれませんね。
523ぱくぱく名無しさん:2009/03/17(火) 22:02:04 ID:3vKjLJQ50
明治45年
ハムブルグステッキ

生の肉一ポンドを奇麗に刻み出來得る丈け繊維を取り去り、此れに加ふるに玉葱の汁を
テーブル匙に半杯
鹽茶匙半杯 胡椒茶匙四分の一 肉豆蔲の砕したもの 卵壹個

此れを小さな球に形付け、而して平らにし麺粉を振りかけバタの中にていためる。熱き皿
の上に此れを載せ、メッテルデホテルバタをかけるか、又はソース鍋に、前に用ひたバタ
に麺粉をテーブル匙壹杯加へて濃い褐色のソースを作りてかける。此れを褐色になし置き
其れからソロソロと少量のスープストックを加へる。鹽胡椒レモン液にて味付け、ウォー
タークレスにて飾る。此のステッキは腿肉の尖端の方の片か又は腰の部の肉から作ること
を得。
病身者には、上等の肉を用ひて作る。只鹽胡椒にて味付け、充分熱が得られる丈炙く。此
れを出す他の方法はイングリッシュマフィン(英吉利の輕燒煎餅)の形に作り而して上の側
に凹を作り燒くか煮てベーキング皿に載せ、而してメッテルデバタをかけ壹ツ壹ツの凹の
中に卵を壹個落し入れる。此れを卵の白身が固まる迄、爐の中に入れる。出來たらば取り
出し卵の黄身の中央に胡椒を一寸置き、而して非常に熱くして直ちに出す。

ハンブルグステーキ(ハンバーグ)でしょう。肉豆蔲はナツメグです。玉ねぎではなく、
玉ねぎの汁を使っています。麺粉はメリケン粉。丸く固めて、小麦粉を付けてバター
で焼いていたようです。メッテルデホテルバターは不明なのですが、当時の高級ホテル
のバターでしょうか。今でも○○ホテルバターなどありますし。高級なバターで食べるか、
とろみのついたスープストック(レモンが入るのでやや酸味もあったことでしょう)を
かけて食べるとあります。ウォータークレスは、クレソンのことで、クレソンを添え
たみたいですね。病人用になると、塩コショウだけで味付けして焼いただけの物か、
マフィンのように形を作り窪みを付けて焼くか煮るかした後に、高級バターをかけて
卵を落としてオーブン焼きとあります。
真ん中をくぼませるなどで、形としてはこちらのほうが現代に近いですね。どちらも
今のように柔らかく肉汁が出るようなものではなかったでしょう。固くビーフパテに
近いようです。
524ぱくぱく名無しさん:2009/03/22(日) 19:55:44 ID:+GZinU+ZO
【靴ニュース】原始人が履いていた!? 地球最古の『靴』がアフリカで発見される!【画像あり】
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/shoes/1236867689/
525ぱくぱく名無しさん:2009/03/25(水) 03:36:44 ID:zU/s9uc20
>>463
亀ですが、スマダ−ドはsmotheredのことだと思います。
グレイビーなどをたっぷりからめた状態を指す言葉です。
526ぱくぱく名無しさん:2009/04/05(日) 17:30:10 ID:rTekmAnC0
なんで左から書いてるの?
527ぱくぱく名無しさん:2009/04/06(月) 02:00:16 ID:Yw2NmYN+O
雑煮の出汁は鮎でとる
528ぱくぱく名無しさん:2009/04/07(火) 12:52:26 ID:WJQiYKDB0
開化まんぢう(・∀・)
ブコフで30年前のお菓子本見つけて古っ! と思ったけど20年前でもまだ平成で、
明治って本当に遠くなったんだなと…。
529ぱくぱく名無しさん:2009/04/10(金) 22:16:06 ID:g73pmsBU0
大正10年発行
ポークソーセーヂ(豚肉腸詰)

豚の腸を使ひますもので、腸は肉屋にて鹽漬けとして居ります。非常に惡臭の強いものです
から、好く〱水にて洗つて使ふので御座います。先づ豚の腸を綺麗に洗つて水氣を斷り、豚の
挽肉百匁を擂鉢にて好く摺り、玉葱半個を卸して汁を搾つて入れ(セーヂを入れゝば一層宜しい)
鹽(普通の味よりは餘計に利かせて)と胡椒にて味を附け、漏斗の先に腸をたぐり上げ、腸の先は
糸にて結んで置きます。それより挽肉を漏斗に入れ、押し出して腸に一杯に詰め(空氣が入りますと
肉は入りませんから小さな穴を所々にあけて置きます)所々を糸にてくびり、天パンには牛酪少々を
引いて並べ更らに鹽胡椒を振り、天火に入れて蒸燒きとなし、くびつた所より截り、御皿に盛つて
裏漉馬鈴薯を附け、温い所を侑めます。腸には挽肉を詰める時小さな穴を開けますが天パンに並べ
てから更らに尚ほ極く細い先の尖った金串の様なものにて穴をあけ、燒いて居る中に、破裂する事
のない様に致します。

スモークするものではなく、オーブンで焼く簡単なソーセージです。今ではニンニクや、ねばりを付ける
ための卵白、ナツメグやブラックペッパー、他のハーブなど使う場合もありますが、玉葱とセージだけです。
ハンドメイドでは搾り出し袋を使うことが今では多いですが、当時は漏斗(Yの字型のやつですね)に入れて
上から押して肉を入れていたようです。当時はセージといえば薬にも使われる貴重品。今は、腸を詰めた後に
適度な長さでひねりますが、糸を使用しています。現代のようにソーセージ用に処理された腸ではなかったから
かもしれません。それにしても、相当に珍しいものだったようです。庶民の人がソーセージを食べるようになった
のは戦後。戦後すぐは物がありませんから、人々に普及したのは昭和30年前あたり。戦前の昭和初期でも、存在
していましたがごくごく一部の人のみが食するもので、庶民は肉屋で見かけても食べ物とは思わず、飾りと思って
いたそうです。このレシピで作っても十分美味しいと思われます。
530ぱくぱく名無しさん:2009/04/11(土) 12:06:03 ID:IgpGCi410
>>523
「メッテルデ」本当にそう?
メルテッドホテルバタの誤植じゃないのかな
531ぱくぱく名無しさん:2009/04/11(土) 22:02:20 ID:yUhbxwBl0
>>530
メッテルデとなっています。
誤植なのか、当時の表記(外国語発音)が曖昧だったのか。実際にレシピを見ていても
よくよく考えないと、何の勘違い単語がわからないことがよくあります。
532ぱくぱく名無しさん:2009/04/15(水) 21:26:12 ID:Txj9LbL40
大正10年発行
ハムライス(ハム御飯)

鑵に入つて居るスライドハム(薄切り)を取り出してざつと熱湯を注け、三分位の四角に
截り、大匙一杯の牛酪(バタ)の沸騰た(にたった のルビ)所に入れ、鹽胡椒を振つていため
普通に炊いた御飯を茶碗に五杯入れ、大匙五杯の豆を投れ好く混合して、茶碗の型に
輕く詰め御皿にあげます。形を崩さぬ様に注意を拂ふのは勿論です。生のハムを茹でゝ
用ゆれば一層宜しいのですが、鑵詰の方が簡単に出來ます。

ハムをバターと塩コショウで炒めた後に、ご飯とグリンピースを混ぜ合わせた混ぜ御飯
のようです。缶詰のハムですから塩気も強かったのでしょう。生のハムというのも、い
わゆる塩漬けのハムで(上に「らかん」という名前で出したことがあるので読めばわかり
ますが)、塩抜きをしなければ使えないものですが、味としては生のハムのほうが上だった
ようです。今であればケチャップとかトマトソースで味付けするところですし、混ぜ御飯
風ではなく、すべて炒めるでしょう。ハムの塩気だけで充分だったのかもしれませんが、
現代では物足りない味かもしれませんね。
533ぱくぱく名無しさん:2009/05/14(木) 21:17:09 ID:2zBFsNqX0
明治45年発行
ハートフォードエレクションケーキ

次の品々を用意すべし。
麺粉五百四十匁 砂糖三百匁 バタ二百七十匁 肉豆蔲三匁五分 シトロンの薄片にしたる
もの六十匁 ハナニクヅキ半オンス ブランデー酒とシエリー酒の混合酒コツプに壹杯
乾葡萄二百四十匁 卵四個

晝か午後壹、貮時頃に此の菓子を作るなり。バタと砂糖をクリーム様にし、而して微温のミルク
を六合加へ酵を一合五勺加へる。麺粉を加へ此の混合物をよく打ち、厚いタオルにて鍋を蓋ひ
醗酵さする様に温かき所に是を置く。夜になって此れが非常に輕くなつたらば、砂糖、藥味、
卵を加へ而して第二の醗酵をさせる為、温かな所に鍋に置く。翌朝早く果物、酒、シトロンの
皮の挽いたもの、薔薇の水を茶匙に半杯等を加へる。此れをバタの塗つてある紙の敷てある鍋
の中にあけ入れ壹時間程其のまゝになし置く。此の分量にて七ツの塊を作り、爐にて壹時間よ
り壹時間半程燒くべし。
少量の湯の中にソーダを茶匙に半杯溶かして鍋の中に混合物を入れる時に混ぜ入れる時は
非常によきものを作らるゝなり。

パン菓子に近いもので、ドライフルーツと肉豆蔲(ナツメグ)のフルーツケーキのようです。
昼か午後一時から作り始めて、出来上がりは翌日の昼か昼前のようですから、丸一日かかる
手のかかるもの。酵とはイーストのことで、昔はイーストの質も悪かったのでこんなに時間
がかかったのでしょう。さらにソーダ(ベーキングソーダでしょう)も加えるとさらに良しと
ありますから、イーストだけでなくベーキングソーダの力も借りてふっくらさせていたようです。
レモンも滅多にない貴重品、ローズウォーターとなればもっと貴重品。高級ホテルや高級レストラン
のシェフが作るようなケーキだったのだと思われます。
ハートフォードエレクションとは何だろうと思っていたら、平野顕子さんのエッセイ「留学主婦の
アメリカンケーキ」の中に出ていました。イギリスのケーキかしらと思っていたら、アメリカのよう
です。イギリスの移民がアメリカに伝えたのか、元からアメリカのケーキなのかはわかりませんが。
534ぱくぱく名無しさん:2009/05/29(金) 08:58:24 ID:4EFH2JPZ0
>>523 >>530
恐らく、フランス語のMaitre de hotel(メートル・ド・テル)バターを
英語読みした時に訳者が間違えたものと思われます。
ステーキとかにのっている、エシャロット風味のハーブバターのことかと
思います。
535ぱくぱく名無しさん:2009/05/29(金) 21:27:37 ID:7yt/3xLw0
ここに出てくる料理って今ではありふれたものもたくさんあるけど、
昔の人たちの西洋料理への憧れもあるのか、仰々しい料理法がかえって
美味しそうに見える。
しかし明治の世から随分ハイカラな料理があったんだな。
一般庶民の間に普及するにはその後かなりの時間がかかっただろうけど。
536ぱくぱく名無しさん:2009/05/30(土) 21:32:03 ID:Des/Cqug0
大正8年発行

スカロップドカリフラワー(花甘藍と燒麺麭 はなキャベージとやきぱんのルビ)

花甘藍一個の外側の葉を取り去り、三十分間程水に浸け、大きな鍋に充分に水を入れ、鹽少量を
加へて火に架け、沸騰た所に花甘藍を伏せて入れ、一旦沸騰致しましたら、火を弱くして元の
形を崩さぬ様に軟かに茹でます。是を取り出して水氣を斷り適當の大きさに花を分け
致します。それより食麺麭の周圍の固き部分を切り捨て柔かき所を、薄く截つて燒いたもの四片を
別々の御皿に盛り、其の上に花甘藍を載せます。揚鍋に牛酪大匙一杯を入れて煮溶かし
攪拌してメリケン粉大匙一杯半を加へ牛乳一合五勺を徐々に混ぜ、一旦煮立たてゝお鍋を下ろし玉子
の黄蛋三個、肉豆蔲(ナツメグ)の下したるもの少々、玉葱の下したるもの大匙一杯を混ぜ
好く攪拌して鹽胡椒にて味を附け、花甘藍の上より注けて侑めます。

耳を取ったパンの上に、茹でたカリフラワーをのせて、ホワイトソースに近い物の中に黄身と
ナツメグやすりおろした玉葱を混ぜたものをかけるようです。カリフラワーなんて見た事もない
人も多かったと思います。少し現代風に手直しすれば、流行のレシピブログでも通用しそうです。

>>534
なるほど!納得してすっきりしました。

>>535
一部の華族皇族が食べていたのでしょうが、西洋料理に憧れ再現したいという
料理人の心意気を感じます。
537ぱくぱく名無しさん:2009/08/06(木) 18:43:35 ID:NOQIZ0QP0
どれも文体のせいかそうでないのか
とても手間隙がかかった美味しい作り方に見える
538ぱくぱく名無しさん:2009/10/22(木) 00:50:21 ID:iGIFAdly0
539ぱくぱく名無しさん:2009/11/06(金) 19:08:49 ID:WFm2DbJAO
『軍隊調理法』は既出かな?

その九十一 のっぺい汁
 熱 量 二百二十四カロリー
 蛋白質 十三・九六グラム
材料(一人分)
 里芋、七十グラム
 大根、百グラム
 人参、四十グラム
 干瓢、八グラム
 生揚げ、五十グラム
 削り節、八グラム(または煮干粉 四グラム)
 澱粉(片栗粉でよい)、八グラム
 醤油、三十ミリリットル

準備
イ、里芋は腐れを除き木口切りとなし、大根は銀杏切り、人参は乱切り、生揚
  げは一・五センチ位の賽の目に切り置く。
ロ、干瓢は水に浸して洗い、一・五センチ位の長さに切り置く。

調理
鍋に約三百五十ミリリットルの水と削り節を入れて大根、人参、里芋、干瓢、
生揚げを入れ、野菜の軟らかくなりたるとき醤油を入れ、煮上がりたれば文火
となし、澱粉を水溶きして攪拌しつつ入れる。

備考
イ、材料は根菜類を主として、これに椎茸、生麩、生揚げ、油揚げ、木くらげ
  の類を使用するも魚肉類は用いざるものとす。
ロ、調理の特色は澱粉をもって汁をどろどろとなしたる多汁性副食物にして、
  温食料理の一種なり。
540ぱくぱく名無しさん:2010/01/23(土) 03:09:06 ID:NOVJfeoC0
ケータイで料理レシピ
超便利
ttp://www.youtube.com/watch?v=1yIp8HEnT5s&feature=channel
541ぱくぱく名無しさん:2010/04/21(水) 21:39:58 ID:0K7s8TQi0
保守
542ぱくぱく名無しさん:2010/06/30(水) 17:20:02 ID:d7q2oM6p0
t
543ぱくぱく名無しさん:2010/07/14(水) 20:07:57 ID:TD6XlRxy0
>>4

縄文人がゲットとかセットとかいう言葉使うなよw
544ぱくぱく名無しさん:2010/10/12(火) 00:35:47 ID:Rgvjr0Bi0
豆腐百珍に載ってる豆腐麺が手軽なんで何度か作ってたんだが
こんな単純な料理にもいちおうコツがあるみたいだ
そんなわけで俺が美味しいと思った作り方を紹介する

材料
・木綿豆腐 そうめん 青菜(なんでもいい) ごま油 醤油

豆腐は重しをして水切りしておく
青菜をみじん切りし、そうめんは固めにゆで、水でしめてザルに上げておく。
鍋にごま油をしき、青菜を入れ炒め、水気が出たら豆腐を崩しながら炒めあわせ
醤油で濃く味付けし、軽く水気が飛ぶまで炒める
最後に水を切ったそうめんを入れ炒め合わせる
※一度冷めたほうが味が馴染んで美味しい
※必ず青菜を炒めてから豆腐を入れる事


分かった事はこの料理は青菜と醤油とゴマ油のうまみを豆腐に吸わせ、
さらに豆腐から出てくる水分もプラスして素麺にも吸わせるところがミソなんだ
最初に豆腐を入れてしまうと表面が油にコーティングされてしまって
いまいち味が染み込まないし水分も出ないので
かえって肝心の豆腐が水っぽくなってしまって美味しくない。
あと素麺は茹でてから直接入れちゃうと固まってしまってどうにも食感がよくない。
545ぱくぱく名無しさん:2011/05/31(火) 21:42:14.07 ID:YKVBM4tOP
大正10年発行

和蘭陀三津葉煮込(セロリー煮込)

和蘭陀三津葉の根を揃へて葉を截り落として一時間許り水に浸けて、綺麗に洗つて外側の皮を
剥きて根のほうは尖る様に截り、茹でる時好く火が通るやうに十文字に包丁目を入れて
鹽煠(塩茹で)になし、水に取つて搾つて御鍋に、人参と玉葱を薄く切つて入れ、其の上に
揃へて載せてスウプを和蘭陀三津葉の中程迄加へ、鹽、胡椒を入れて御鍋の蓋をして
餘り強くない火にて、ごとりごとり煮ますと、人参と玉葱よりは甘い汁が出で、スウプ
に移り更にスウプと共に和蘭陀三津葉に吸はれて、美味しく煮へます。
是れを御皿に盛けて煮汁を注けて侑めます。

当時は相当珍しい野菜だったのでは。
独特の苦味とクセが難点だったのか、セロリ料理はすべて水に浸してから使っています。
図解がしてあったのですが、セロリは長いまま、葉だけを落として十文字に切り込みを入れて
水に浸けてしぼる。鍋に人参とタマネギの薄切りを敷いて、その上にセロリをのせて
スープと塩コショウを入れてコトコト煮込む、ということなのでしょう。

セロリは長いままなので、ナイフで切りつつスープと頂くスタイルでしょうか。

肉が入らない香味野菜スープなので、コクはないけどさっぱりとした味でしょうね。
ベーコンを入れたらもっと美味しそうです。
546ぱくぱく名無しさん:2011/06/06(月) 22:32:39.43 ID:ZGaJ1Y29P
明治45年発行
クザリナクリイム

次の品を用意すべし。
クリイムを三合
ゼラチンを一箱の四分の一
砂糖をコツプに四分の三程
アマンドの晒したものをコツプに四分の一杯
バニラを茶匙に一杯
薔薇の水を茶匙に半杯
シエリー酒をコツプに四杯

クリイムの入って居る丼ほ氷の上に置きシツカリした泡にホイツプなし、ソロソロと
砂糖を加へ、其れからゼラチンを加へる(此のゼラチンは始めにコツプに四分の一の水
の中に、一時間程漬け置きて其れからコツプに一杯の湯にて溶かしたるものなり)
絶へず攪き廻し置く。バニラを薔薇の水とを加へ、美しき緑色になす。
此れが固まり始めた時にシエリー酒を加へ最後にアマンドを刻みて加へる。
クリイムが充分シツカリになつた時に圓形のペイパアボクース(紙にて作りたる
箱型ものもの)の中に入れ、上に少量の色の付けて居る砂糖を振りかける。
此れを食卓に出す前に一時間以上氷の上にて載せて置くなり。

「アーモンドムースのシブーストでしょうか。ローズウォーターからして東欧の予感もします。
第二クリイムと記してあるくらいなので、当時としては最高かつ贅沢なものだったのでしょう。。

547氏名秘匿:2012/08/13(月) 21:23:59.75 ID:zf7rkyjp0
大阪府三島郡島本町の小学校や中学校は、暴力イジメ学校や。
島本町の学校でいじめ・暴力・脅迫・恐喝などを受け続けて、
心も身体も壊されて廃人同様になってしもうた僕が言うんやから、
まちがいないで。精神病院へ行っても、ちっとも良うならへん。
教師も校長も、暴力やいじめがあっても見て見ぬフリ。
そればかりか、イジメに加担する教師もおった。
 誰かがイジメを苦にして自殺しても、「本校にイジメは
なかった」と言うて逃げるんやろうなあ。
 僕をイジメた生徒や教師の名前をここで書きたいけど、
そんなことしたら殺されて、天王山に埋められるかもしれ
へん。それで誰にも発見されへんかったら、永久に行方不明のままや。
島本町の学校の関係者は、僕を捜し出して口封じをするな。
548ぱくぱく名無しさん:2012/09/24(月) 22:43:30.02 ID:D5v+erv20
4年以上前の書き込みにドン亀レスもいいところだが、ちょっと気になったんで
>>267にある「ハワイ料理 のめのめセーォリ」って、すげー名前だなと思ったんだが、
材料や作り方を見ていてふと思った。これ「ロミロミサーモン」の事じゃね?と
語感も何となく似てるしな
549ぱくぱく名無しさん:2014/02/09(日) 18:34:06.18 ID:rNspGv5H0
上げとくよ
550ぱくぱく名無しさん:2014/02/09(日) 20:04:59.22 ID:xr6IRriDO
>>545
セロリ好きだから食べてみたいな
昔はオランダ三葉っていわれてたんだ
当時の扱い方興味深いね
551ぱくぱく名無しさん:2014/03/12(水) 22:38:32.00 ID:MimFYZMe0
昭和6年発行
ストロウ、ベリー、アイス、クリーム
(何故か、いちいち「、」が入っている。

いちご百目 牛乳二合 白砂糖大匙廿杯 玉子黄身三個 洋紅少量
ズェラチン一枚の三分の一 鹽

先づ鍋に生のイチゴと鹽及水を加へ能く洗ひ又清水にて洗ひ鍋に入れ水一合と
砂糖大匙廿杯加へ文火にてイチゴの軟らかくなるまで煮て、一度裏漉にして漉し
能く冷し置、砂糖及牛乳を加へ、小時煮て玉子の黄身を入れ又一寸煮て手早く
漉し冷して前のイチゴと共に混ぜ合せ此をフリザアに入れ前の如く固めて用ふ。

廿杯は20杯。とても甘いもののようです。
塩で洗うというのも面白い。
まずはイチゴジャムを作り、ゼラチンと玉子、牛乳でカスタードを作って
イチゴジャムに混ぜてフリーザー(昭和5年で冷凍庫とは!)に入れる。
イチゴカスタード冷菓ってとこでしょうか。

この「洋紅」は、ひらがなで「こちにいる」とあります。
こんな時代から、コチニールが使われていたとは驚きです。
今、コチニールのアレルギーなど問題になっていますが、こんな昔から
使われていたとは。
552ぱくぱく名無しさん:2014/05/16(金) 16:35:21.23 ID:veho6E6F0
動画添附禁止 裁判 キンピラ 詐称 ハウスアメリカ

動画添附禁止 裁判 キンピラ 詐称 ハウスアメリカ

動画添附禁止 裁判 キンピラ 詐称 ハウスアメリカ
553ぱくぱく名無しさん:2014/05/17(土) 08:29:22.79 ID:1q8fJpLe0
洋物はこえーな
554ぱくぱく名無しさん:2014/10/29(水) 21:01:07.55 ID:7T+lUBSG0
>>18
蒸したり焼いたバナナとか、焼いた芋類入れても美味い挽き肉追加でも
555ぱくぱく名無しさん:2014/10/30(木) 00:16:44.97 ID:OJ/DhVjG0
    外国人に生活保護は当然ニダ  ;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;     掛け金無しで年金も寄こせ!ニダ
                        vymyvwymyvymyvy、
     日本に住んでやるニダ   MVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、  駅前の土地をよこすニダ
                   Λ_ヘ^−^Λ_ヘ^−^Λ_ヘ^Λ_ヘ
    謝罪しろニダ       ヘ__Λ ヘ__Λ ヘ__Λ ヘ__Λ 
   賠償しろニダ __,.ヘ /ヽ_ /ヽ__,.ヘ /ヽ__,.ヘ _,.ヘ ,.ヘ ウリはパチンコ屋をするニダ
    /\___/ヽ   /\___ /\___/ヽ _/ヽ /\___/ヽ
   /''''''   '''''':::::::\/''''''   '''/''''''   '''''':::::::\   /''''''   '''''':::::::\ ニダニダ  警察は韓国人に弱いニダ
  . |  \丶,  、/、 ...:| \,    .|  \,   、/ 、.:|、/ |  \,    、/、.:|
  |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|   ,,ノ(、_, )|   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|_, )|   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|  レイプし放題ニダ 
.   |   `-=ニ=- ' .:::::::|   `-=ニ= |   `-=ニ=- ' .:::::::|ニ=|   `-=ニ=- ' .:::::::|
   \  `ニニ´  .:::::/\  `ニニ \  `ニニ´  .:::::/ニ´ \  `ニニ´  .:::::/ メディアは全部押さえてるニダ
  /`ー‐--‐‐―´\ /`ー‐-  /`ー‐--‐‐―´\-‐‐ /`ー‐--‐‐―´\
                  日本人は奴隷ニダ ウェーッハッハッハッハ!!     税金なんて当然払わないニダ
                   
    チョッパリ!韓日友好ニダ!  はやく参政権よこすニダ!!  ウリの為にパチンコ一生してろニダ!

 在日帰化議員大勢いるニダ 民主、維新、公明、共産は韓国の為に働いてくれるニダ 自民にもいるニダ
 
     警察・裁判官・弁護士・教師・医者・役人・芸能人 あらゆる機関に在日&帰化人沢山いるニダ!!    

ウェーッハッハッハッハ!!ウェーッハッハッハッハ!!ウェーッハッハッハッハ!!ウェーッハッハッハッハ!!ウェーッハッハッハッハ!!
556ぱくぱく名無しさん:2014/12/11(木) 02:48:14.89 ID:jCicYSMg0
江戸時代の料理書に「酒しほ」という調味料が
頻出するんだが、なんなのかよく分からん

ttp://ci.nii.ac.jp/els/110001171505.pdf?id=ART0001430500&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1418232090&cp=
に拠ると只の料理酒のことらしいんだが
ソースとして心許ないので皆の意見を聞きたい
557ぱくぱく名無しさん:2014/12/11(木) 04:21:25.37 ID:Jl6IWmr9O
>>556
酒塩だろ塩を混ぜた酒を煮切る(煮切った酒に塩を混ぜる、でもいい)
塩じゃなくて梅干しだと煎り酒
558ぱくぱく名無しさん
>>557
つまり、煮切った料理酒みたいなもんか