1 :
Amor vinche ogni cosa :
2007/09/17(月) 23:02:30 ID:ujTahC5P
2 :
名無しの笛の踊り :2007/09/17(月) 23:07:46 ID:rooONUON
2
3 :
名無しの笛の踊り :2007/09/17(月) 23:24:37 ID:70BiLFFd
アルビノーニのop.4&6全集を買ったが(ロカテッリ・トリオ) 曲がつまらん・・・
4 :
名無しの笛の踊り :2007/09/18(火) 04:19:34 ID:g3Tq7PkU
5 :
1 :2007/09/18(火) 11:00:53 ID:B658MeAh
>>4 おお、ありがとうございます。
探しても見つからなかったので。
感謝
6 :
名無しの笛の踊り :2007/09/19(水) 14:36:16 ID:mlAKluIL
>>1 乙です。
即死阻止に話題でも。
ベルダーのスカルラッティ全集、いよいよ発売ですね。
全集になるのを待っていたのでやっと聴けます。
7 :
名無しの笛の踊り :2007/09/21(金) 22:38:41 ID:NQqjOoKp
スカルラッティといえばロスの全集。 買ったはいいがあまだ十一枚しかきいてない。 まあ楽しみがあっていいんだけれど。
8 :
7 :2007/09/22(土) 10:02:23 ID:gCT7Uk9r
ただいま十二枚目を聴いています。
9 :
名無しの笛の踊り :2007/09/22(土) 10:27:31 ID:RwWb6JcT
ロスの全集も持ってますよ。 スカルラッティは奏者の個性が出るので、2つ目の全集が出るのはうれしいのです。
シュタイアーのスカルラッティはDHMの方がいい
hosyu
hosyu
15 :
バロック王子 :2007/10/06(土) 15:58:19 ID:mgn+SEZd
スカルラッティは俺にとっては高杉。 クープランがあるので。 さて、シャンパルティエのお薦めって何かありますか?ジャンル問わず。
Glossaのニケ指揮のBOXがお得なんだが、いまHMVのサイト探したけどみつからん 店頭で見つけたら確保するといいよ、NAXOSのBOXよりは断然こっちがいい
17 :
名無しの笛の踊り :2007/10/06(土) 17:14:49 ID:1TQhIx/R
ドメニコはライヴで聴くもの 1〜2枚あれば俺には十分
鰤のアレッサンドロ・スカルラッティ:カンタータ三枚組ゲットォォォォ! 音源提供:TACTUS様に感謝
鰤、TACTUS音源最近多いよね。 俺はピッチニーニ2枚組みをおいしくいただきました。
ピッチにー二ならZZTのほうがぜんぜん上質 最近ゼブラシリーズから安く出てるす
23 :
名無しの笛の踊り :2007/10/15(月) 20:29:50 ID:a5tdQNWr
>>23 文章のバカっぷりが以前あった古楽好きな香具師集まれ!スレの阿呆とほぼ同じ→同一人物とみた つまり
古楽香具師スレの阿呆=百円君=吉外板荒らし『株主優待』=ブログ主 という図式が成り立つ
恥の上塗りを地でいくような奴だなマジで 板荒らされないように放置しておくのが吉だよ
つーか2ちゃんの空気を外に持ち出すなと。 本人はおもしろいと思ってるのかも知れんが。 数年前はこんな所に来る奴らは、上野の文化会館資料室や石丸電気レコード売り場の近い 東京の連中、知識を自慢したい嫌味な古楽科音大生、ガンバ弾いてる理系崩れのN大生とか かなり限定的な連中だったと思うんだが、それでも一応ある程度は文献で勉強してたり、 何らかの古楽器が弾ける連中が多かったと思うんだが。 最近はアマゾン辺りで簡単に色んなCDが物色できるようになって便利にはなったが、 勉強してない、元の楽譜を知らない、弾けない連中がVIPのノリで暴れ回って詰まらん。 そりゃみんなmixiへ走る罠。
ミクシってなんなのかいまだに知らないし知ろうとも思わないけど 要は相互監視システムなんでしょ日本人の大好きな
>>25 禿同
>>26 mixiも大衆化が加速している(KYもちらほらいる)けど、クラ板のように無法地帯ではまだない
古楽キティ×2が参入しても、プロやセミプロも多いし、まともに相手にされないと思われ
あることないこと脳内妄想空想世界を開陳したいなら、やめとけ
28 :
名無しの笛の踊り :2007/10/18(木) 06:33:36 ID:RIjNRM0L
鰤のコレッリ作品全集を手に入れて聴いているのだが、何気に犬見てたらガンバソナタとかフルートソナタとかが市販されていたのだが、自作の編曲なのでせうか?それともそういう作品もあるのでせうか?
ないない。コレッリは当時のビックネームだったから 勝手に編曲されまくっていた。
どーもです。 早速カートの商品を空にしませり。
マルティン・ガリングのバッハってどうよ
だれ?それ。知らない名前だわ。
34 :
名無しの笛の踊り :2007/10/24(水) 20:35:02 ID:JprsVz37
アンナ・マクダレーナ・バッハの音楽帳(BMG盤)に収録されていた「ロンドー変ロ長調」が気に入って、 「これが好きなのですが、他に何を聴いていけば良いのでしょうか。」 と訊こうと思ったが、 「うるせーカス。大人しくクープラン聴けばいいだろうがアホ。」 と返される事を見越して犬でクープランのクラブサン全集(ボーモン)をポチって今少しずつ聴いているけど、 これはなかなか聴かせますね。 チェンバロ独奏の10枚組なんて未聴に終わりそうだと悪い方に予想してしまっていたけども、これは長い間聴けそう。
35 :
名無しの笛の踊り :2007/10/24(水) 23:50:11 ID:WQwgOUbT
バロックには性欲を抑制する効果があることを発見したのが俺ですよ。
36 :
名無しの笛の踊り :2007/10/25(木) 09:02:32 ID:F/+3OWRt
スカトロラッティのチェンバロ全集、また発売延期か?えぇっ? 鰤のを買っちゃうぞ!いいのか?えぇっ? 合掌
37 :
名無しの笛の踊り :2007/10/27(土) 19:02:22 ID:mG3lHgSl
ところで、Corelliって、コレッリ?コレルリ?コレリ? バロ森ではコレルリと言っているが。
日本語と音韻体系が違うから表記はむずかしいが ko-re-ru-riは明らかに間違い
コレッリでOK LLは促音
月曜日のミュージックプラザ クラシックでもコレルリと言っていた。N●Kはコレルリで統一されているのだろうか? 合掌
あとジョルディ・サバール 犬HKはバロ森でも他の番組でも 頑強なまでにホルディ・〜 なんか政治的思想的な信念でもあるのかね
>>42 | /l、 ???
| (゚_ 。 7 ツンツン
し⊂、 ~ヽ
しf_, )〜
以前日本○○協会のアナウンサーがヘンデルの「みずのうえの音楽」と曲を紹介していた。
45 :
名無しの笛の踊り :2007/10/31(水) 22:45:32 ID:vjqAxoA5
>>44 「みずのうえ」でも、ぺつに問題ありませんけどなにか?
「聖母マリアのバンカ」というアナウンスをラジオで聞き、いくらなんでも「挽歌」はなかろう・・・と憤ったが 「晩課」というカトリック正式の用語と知ったのは十数年後のこと
昔はみずのうえの音楽という表記も見かけたな
師匠の薦めでヴィヴァルディのVln.協奏曲をF.I-1からF.I-100あたりまで読んでみた やべー凄すぎると思ったと同時にこの作曲家の本質は一般受けするものじゃない事も悟った
53 :
名無しの笛の踊り :2007/11/13(火) 03:24:53 ID:FK8vW50n
パッヘルベルのカノンをトランペットで演奏してるのをずいぶん前に聞いて 探してるんですが、見つかりません。 モーリス・アンドレだったような気がするのですが・・・
カナディアン・ブラスも吹いていたかもな
カナディアンブラスのはiTuneで見つけたけど、違いました。 ピッコロ使ってるヤツを探してます。
>>51 100迄しか読んでないなら117番(RV.371)を見て
死ぬほど暗い気分になるといいぞ。
さほど難しい曲でもないから好んで弾いてる。
59 :
名無しの笛の踊り :2007/11/22(木) 00:55:22 ID:4yOEp9MG
>>58 昔、ヤープ・シュレーダーが弾いていたな。同じCDのRV390(F.I-77)はもっとヘビー。
「恋人」も暗く重たい演奏だ。この一枚のCDであやうくウツになるとこだった。
弾いてみると死ぬほど暗くもないが、あのねちっこい演奏にかかると、ウ〜〜〜。
60 :
名無しの笛の踊り :2007/11/22(木) 01:29:02 ID:h5Dq2bbX
>>15 te deum かな
あとはクリスティ全般w。
>>59 RV.371みたいなヴァイオリンの変ロ長調ってのはそれ自体はあんまり響かないけど、
転調してト短調やニ短調とかになると開放弦の関係で途端によく響くようになるね。
ヴィヴァルディの変ロ長調は傑作揃いだと思う。
この曲の鬱さの原因の一つの冒頭の弱音が延々続く部分は、
自筆譜だと"senza cembali"の模様。とにかく暗い。
弦楽協奏曲RV.117(F.XI-37)「フランス風」を独奏協奏曲化したような、
気取った2重付点リズムが印象的なRV.365(F.I-69)もお気に入りだけど、
これはまだ録音がないようだね。
RV.390(F.I-77)はロ短調のシンフォニアRV.168(F.XI-52)の主題を
そのまま使ったヴァイオリン曲で、これはテンポがallegro non moltと
結構速いから難度が高いと思う。
62 :
名無しの笛の踊り :2007/11/23(金) 19:15:01 ID:CDLEdefn
>>61 「ヴィヴァルディの変ロ長調は傑作揃いだ」というのにまったく同感。
偽作のRV373を除くRV359からRV383aの26曲が変ロ長調で書かれてるが、
例の最難曲のRV368をはじめ、比較的によく知られているRV362「狩」、
RV363「ポストホルン」、RV366「カルボネッリ」やRV383a(作品4の1)がある。
「赤毛・・・」でオススメの作品を並べているが、変ロ長調は12曲も入ってる。
この選曲もまったく同感。まだ録音されてないRV365、RV369、RV370は、
難度が高いがお気に入り。とくにRV365はまちがいなく傑作の部類に入る。
63 :
名無しの笛の踊り :2007/11/24(土) 02:57:57 ID:Q/RPn8/D
マニアック過ぎて全く着いていけない。。。
だが一昔前の2chクラ板レベルはこんなだった件。
65 :
名無しの笛の踊り :2007/11/26(月) 22:30:33 ID:ZSAFfER8
>>62 俺は作品12の5の変ロ長調が大好き。
最終楽章は最早ジャズだ。
66 :
名無しの笛の踊り :2007/11/27(火) 01:11:50 ID:38TnRx2V
>>65 ジャズか。ザッザッザッザッと細かく刻み込むリズムにシンコペーションが
するりと入るとことか、第二ヴァイオリンとのかけあいもいいね。
今ならヴィヴァルディスレを立てても即死せずにすむかな
マモー、ミモー、ムモー、メモー、ラモー
71 :
名無しの笛の踊り :2007/12/12(水) 18:55:49 ID:f7FvJUnM
かなり前ですが、ヴィヴァルディの全曲集みたいなゾロながいボックスが売られていたが、持ってる方いますか?
個別に集めた方がいいよ、全曲なんてうそっぱちだし
もし全曲だったら、世界初録音が沢山収録されてるってことだよね。
ヴィヴァルディの全曲なんて、収納場所が大変なことになりそうだな テレマン全集ほどではないだろうが
75 :
〜((バロコ狂い((´;゜;ё;゜;) ◆895VVoilOU :2007/12/14(金) 08:04:52 ID:3ljibPRu
てれまん全集は一生でまへんやろな!! 序曲だらけの半分以上は失うてしもとるし今や人気おまへんし・・・(´゚ω゚`) あたくしはたまらんけど!!!〜((((*;◎;∀;◎;)=3ハァハァ
敢えて言おう、息くさい
全集ものに名演なし という格言があるな
>>77 つスコットロス/D.スカルラッティ・ソナタ全集
再来年はパーセル生誕350周年記念! それに向けて古楽器での17世紀式の演奏法や舞台装置&衣装 のオペラ全集とかピノック当たりに再現してもらいたいところ
パーセルはディドーーとエネアス以外はセミオペラだから、 完全再現すると地のセリフとかけっこうあるぞ? まあ、αの「町人貴族」のようなこれ以上ないすばらしいDVDもあるし、 そのような形でも望みがないとは言い切れないな、出ないかな
「町人貴族」はパーセルじゃないけど、地のセリフがかなり多い 作品を時代奏法や舞台装置&衣装で再現した、といういみね
>>80 いまさらピノックってのもな。
でもディドーとエネアスだけは、今でもピノック盤が1番好きだけどね。
84 :
名無しの笛の踊り :2007/12/20(木) 09:37:42 ID:4X+R+Frc
しかしヘンデルJハイドンFeメンデルスゾーンアルベニスの陰に隠れそうな悪寒 トレッリCHグラウンWFEバッハヴィラ=ロボスマルティヌーよりは取り上げてもらえるだろうがね
↑志村志村ー!バロックじゃない人交じってるー!! …と思ったら、再来年が記念年の人たちか。
>>84 「取り上げてもらう」って誰に?
自分の好みじゃない演奏家に取り上げてもらっても意味ないし。
数より中身でしょ。
>>80 現実的にパーセルならリュート曲やキャッチの全集が出てほしいな。
88 :
名無しの笛の踊り :2007/12/20(木) 18:21:56 ID:bZ3WdZ0D
パーセルのリュート曲というのは初耳だが、たくさんあるの?
クルクルパーセル
私はアンセム全集に期待する
92 :
名無しの笛の踊り :2007/12/21(金) 22:20:57 ID:vAXw01Jg
☆ チン ☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ ___\(\・∀・)< ゼレンカ協会設立まだー? \_/⊂ ⊂_)_ \_______ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/| |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :| | .|/
アンセム全集は一応あるよ。
94 :
名無しの笛の踊り :2007/12/22(土) 13:43:27 ID:XeixXIb9
カトリック信者ならゼレンカを支持しないと
ゼレンカつながりだけどヴァンハルってバロックの香りが漂ってない?
短調の曲の表出力のこといってるの?
今日は聖夜。コレルリのクリスマス協奏曲Op.6-8の名盤について語らんか? ウチはシェパードがいい。ピノックはサッパリした演奏でイマイチ。
>>97 ベルダーの鰤全集とイル・ジャルディーノ・アルモニコしか持ってない。
今後者を聴いてる最中。
>>98 ベルダー盤売り切れで聴けんかったんや、どんな感じなん?
ちなみにシェパード盤はナクソスで聴けるで
100 :
名無しの笛の踊り :2007/12/25(火) 01:45:56 ID:yHGz7Gvz
>>97 ミュンヒンガー/シュトゥットゥガルト室内管弦楽団の出だしの装飾が面白い。
今出てるほかにはやはり録音は悪いがプティット・バンドかなあ。 あと、伏兵というかアレッサンドロ・スタラデッラ・コンソート(DINAMICレーベル)、 これは装飾が独特。 アンサンブル415は当時のローマでの大編成演奏を再現。 ブランデンブルグコンソートはスタンダードで録音もいいから普遍的かな。
タイプミス、アレッサンドロ・ストラデッラ・コンソート、ね。
ホグウッドに録音して欲しかった。
105 :
103 :2007/12/25(火) 16:14:05 ID:LkcY7JfL
>104 そんなCD知ってるよ。 私が言ってるのは、コレッリの合奏協奏曲全曲のことだ。
ヴァイオリンの最低音gの響きを上手に生かした6-8は 神聖な雰囲気がよく出ていてクリスマスに相応しい曲ね。
うん、いいね。
>>106 チェロもヴィオラもト調が一番よう響く調やから
作曲者は厳粛で神聖な聖夜の雰囲気を低弦による低音域の
分厚い響きによって表したかったんやろな。
これをヴァイオリンが高音域で良う響くニ調で書かれとったら
名曲にはならへんかったやろな。コレッリはやっぱ天才やね!
初ノシ やっぱ俺はバッハのブラ3(1)が好きだな〜。 あれは鳥肌モノ
結局誰にも言及してもらえないまま記念年が終わるのですね・・・
>>110 そういやフォーゲルの全集買ったよ。
期待通りで良かった。
ちなみに犬より尼の方が安い。
>>94 ゼレンカはなぜディスマスなんて罪人の名前つけてんだろ?
>>112 ルカ23:40-43によれば、罪を悔い改めイエスから祝福されているから
全くの罪人とみなされいるわけでもなさそう。
ぐぐったらヘルメス同様義賊の守護聖人でもあるらしいよ。
フォーゲルの全集は進行と同時に分売で買ったんだよなぁ ここまで安くなるとは
>>96 バロック時代は短調好きな傾向にあったの?
言い方が悪かったか、「ヴァンハルの短調作品の表出力」が
バロック時代の音楽の複雑な表現を思い起こさせる、って意味で言ったのかな、
と思ったってこと。
>>95 の真意はわからんが。
>>116 国や作曲家個人の趣味もあるから断言はできないと思う。
同じドイツでもバッハ個人に関しては短調好きだったとは思うが、
テレマンはそうは思えないな。
何となく鍵盤奏者兼作曲家は短調を好む傾向があるような気はする。
バッハしかり、フレスコバルディしかり、ラモーしかり。
少なくともバッハとラモーに関してはいかにも苦虫を噛みつぶしたような親父だな。
弦楽器や管楽器は調によって得手不得手がはっきりしているから、
長短とも特定の調が多用される感じだ。
それよりもお前らという奴らは・・・ >■ おすすめ2ちゃんねる 開発中。。。 by FOX ★ >このスレを見ている人はこんなスレも見ています。(ver 0.20) >【駿の】元学習院大生だけど質問ある?【母校】 [大学受験サロン] >■ギャルゲーゆかりの地を旅したら書き込むスレ■壱 [ギャルゲー] >雅楽スレッド [ワールド音楽]
>>118 ラモーの晩年のアクト・ド・バレとかきいてると
苦虫を噛みつぶしたような印象はないけどな、お気楽極楽って感じで
トラジェディ・リリクは結構シリアスだけどね
>>鍵盤奏者兼作曲家は短調を好む それはちゃうと思うよ。ヘンデルは?F.クープランは? B.マルチェロは? 大体、17世紀は短調中心、18世紀は長調中心といえそう。 17世紀はヨーロッパ全土で短調を好む傾向が強かった。 要するに教会旋法時代の名残りやな。 18世紀以降、教養のないブルジョワらは単純で明るい長調の メロディーを主題として好む傾向が強かったんやろね。 短調のメロディーでピカルディー終止なんちゅうのは堅苦しく 感じたんやろな。 あと鍵盤の調律や金管の音階、弦の響きが良い調も長調やし。 もっとわかりやすい例がある。 バロック時代の弦楽ソナタと古典派時代の弦楽カルテットの 短調が主調の曲と長調が主調の曲の緩徐楽章の調性に注目してみ。 バロックでは短調が主調の場合は短調のままやけど古典では6度上 の長調(同主調もあるで)に転調することが多い。 逆に長調が主調の場合はバロックでは6度上の短調への転調が多い が古典では響きが悪い調が近い場合以外は平行短調ではなく下属長調が多い。 テレマンは時代を先取りする人やから長調曲が多かったんやない?
122 :
名無しの笛の踊り :2008/01/04(金) 06:52:49 ID:Z6ECpumX
鍵盤の場合は♭系のほうが弾きやすくなるからでわ?
17世紀は音律のことも考えないとね。 長調ならダブルドミナントでようやく♯の変化記号が出てくるけど 短調の曲ではドミナントでも変化記号が出てくるから、必然的に #系の調性の限界が狭まる。 当時の鍵盤楽器の調律では、Fes、Ces、Ges、Ais、Eis、Hisは 出せなかったはずだから、この前提で、転調をしない場合に使える調性は、 長調の場合As-Dur〜E-Durまでの9つ、短調ではf-moll〜e-mollまでの6つ。 属調・下属調に転調する場合に使える調性は、 長調の場合Es-Dur〜A-Durまでの7つ、短調ではc-moll〜a-mollまでの5つに 限られてしまう。
>>124 17世紀末の曲の主調は長調はEs-durからE-durまでの間、短調はf-moll
からfis-mollまでの間やで?ソナタ形式が出てきた18世紀中期くらいから
E-durでの作曲はされへんようになったけどな。(第二主題を属調のH-durで
書けないため)
17世紀末のコレルリのトリオソナタでは4つの作品どれにもAis音付き
h-mollの曲があるで?プレトリウスやったら一つの作品(12曲)を通しで演奏
できへんやんか。彼はウェルテンペラメント主義者なんや、きっと。
>>当時の鍵盤楽器の調律では
es/dis,gis/asのセパレートキーボードの話?純正ミーントーン?
E-durは転調なしで書かれたんかいな?でもAs-durは見かけへんで?
短調に限ってはfis-mollやf-mollもあるで?なぜかその外側はないけどな。
三度の純正度重視の時代やけど1曲終わるごとの調律替えなんて面倒やから
私はこの時代にすでにミーントーンとピタゴラスを混合したウェルテンペラメント
をコレルリを使うていたんやないかと勝手に想像しとる。
大体オルガン(ポジティヴ)の調律なんて超面倒やん、時間掛かり過ぎ!
調律なんて15分以内に出来るもんやない?
>>124 P.S.
ナクソスでコレルリの「弦楽のためのソナタ集」(パーセルカルテット)
を聴けるで!
残念ながら前提が間違ってるだろ、この時代のOPUSは必ずしも 全曲を一回に演奏することは念頭においていない。
それからパーセルカルテットのなら、シャンドスの4枚組のほうが いいんじゃないの?
>>129 ああ、ナクソスジャパンで売ってるって意味か。
普通はレーベル名で言ったほうがいいよ、そこ以外でも買えるから。
>>127 面白い事実を見つけた。
Otto Gibelius(1666)ではgis/as,dis/es分割で使える調は
C Es/B/F G/D/A/E a c/g/d eやで。
面白いのは純正主義の時代であったはずなのに短調の曲はfとhと
fisを主調で書いたものが大家の曲にいくつかある。
しかし長調の曲では純正を貫いたらしく上で書いた調からはみ出ていない。
短調では多少純正さをごまかせたのかもしれんね。
>>131 勘違いしてるかもしれんが、俺は
>>124 じゃないよ。
それはそうと、例えばfis-moll は、純正主義時代には
かなりきしんだ響きがするので、苦悩の表現など、特殊な表現には好まれてたね。
ルイ=クープランのパヴァーヌなんかそうだ。
ごまかすんじゃなくて、きしみを前提にしていたようだよ。
>>きしみを前提 なるほど。 >>苦悩の表現 マッテゾンは「悩ましげで恋に夢中なさま」とか言っとるね。 どうやら作曲家には純正主義者と非純正主義者がいるみたいね。 たとえばヘンデルは調性にはこだわりがあったと言われるけど 彼は全ての黒鍵を分割してさらにEisキーとHisキーを追加した ポジティヴオルガンやハープシコードを所有していたらしいね。 分割鍵盤がない時は調律替えをして必要な音を出して演奏したらしいね。 このタイプの作曲家はあくまで純正ミーントーンの純正な響き にこだわったみたいで「きしみ」は認めなかったんやろな。 バッハやクープラン一家やラモーなどは分割鍵盤を所有していた という話は聞いたことないので常にCの音を基準にオリジナルの 音律で調律したんやろね。つまり「きしみ」重視派やね! コレルリはどっち派やろか?私はヴァイオリニストやから調に よって異なる響きを楽しんだと想像してます。 通奏低音の鍵盤楽器は音程を正確にとる必要があったから 演奏に必要な音を出す「調律替え」を好む純正派かな?
自分もコレッリは調性により異なる響きを楽しんでいた純正派だと思う。 Op.6-3の第3楽章はヘ短調だけど、全体的に葬送を思わせるこの作品でも とりわけこの楽章は悲痛だし、「きしみ」を前提にしてたんじゃないかな。 それに、弦楽器奏者は概して純正を好む傾向にあるしね。
ヴァイオリン族は開放弦の5度が調弦が旋律の中に居座ってるからね。 調が変わっても(スコルダトゥーラみたいな特殊な調弦でもない限り)、 開放弦の5度は変わらない。 そう考えると、チェロ/ヴィオラの最低音弦Cからヴァイオリンの最高音弦Eまでが すべて完全5度で並ぶことになるので、開放弦に関してはピタゴラス音律の 一部になってることになる。 開放弦を使わない旋律を弾けば、肉声と同じ純正率になるけど、 開放弦を使えばそこだけピタゴラスになる。 じゃ、バッハの無伴奏曲みたいに和音の構成音が旋律の 一部になってるような複雑な重音奏法の曲はどうなんだ? と言われると、実は俺にも良くわからない。 より和音よりで弾こうとするか旋律寄りで弾こうとするかでも 違うと思うし、ヴァイオリンの旋律は複数の調律が混じって つなぎ目が判らないように上手く妥協して弾いていると言うところだろう。 おそらく、バッハの無伴奏曲みたいな極端な重音奏法の曲は 鍵盤から出発した考え方で作曲されているんだろう。
ヴァイオリンが本業のヴィヴァルディは重音は殆ど使わずに 技巧面では速弾きに特化している。 あとヴィヴァルディの最後期の作品は中期のそれとは違って 伴奏にチェンバロを殆ど使わずに、緻密に計算されたバスを除いた 弦楽三部で伴奏されていることが多い。 管楽器とのユニゾンで奏されるシンフォニアの旋律のような、あまり楽器の 特徴のでない旋律はともかく、ヴァイオリンの楽器の構造を反映した複雑なソロは 結局鍵盤の伴奏は不要、というのがヴァイオリニストとしてのヴィヴァルディの 至った結論だと思う。 同じヴァイオリニスト作曲家として、古典派からロマン派のつなぎ目の パガニーニのカプリースなどを見ていても、時代も趣味も違うので 単純な比較はできないが、バッハ的な重音の中に旋律があるような書法は 見られない。もちろん彼はあらゆる超絶技巧を物にした人なので、 ヴァイオリニストとしての趣味がそのような旋律を求めなかったのだろう。 弦楽の音律は鍵盤とはどのみち相容れないから、案外調律は鍵盤奏者に任せて、 奏者が変わる都度違った調律を用いていたんじゃないかな? ヴァイオリン音楽の作曲は鍵盤の音律とは切り離したところにあったように思う。 書いてみたらコレッリには触れてないし、いろいろ理論に穴があるようには思うけど、 こんなところかな?
>>134-136 とても勉強になったで!
長三度重視の時代やから「弦の調弦はミーントーン5度」
というレオポルト・モーツァルトの有名な言葉があてはまる
と思うとるんや。鍵盤でCGDAEの音を出して合奏曲では
コンマス(作曲当時はコレルリなはず)が音を拾い合わせた
かもしれんな。
それにしても作品6の合奏曲はよう工夫がこらされとるな。
ヴァイオリンが良う響く調(D-durとF-dur)と低弦が良う
響く調(g-mollとB-dur)と中性的な響きの調(C-dur)
と暗めな響きの調(c-moll)という弦の特徴を最大限に生かした
理論的な作品群と思うとる。
根音・属音・下属音が開放弦な調とそれ以外の音が開放弦な調
というふうに調選択をしているコレルリの目の付け所がすごい。
さらに1から6までの全作品群を通しての話やけど
音階に開放弦が極端に少ない調は響きが悪いと感じて書かない
ような人やから鍵盤の調律も一曲終わるごとに変えるとしても
gis/asとdis/esの入換え程度かもしれんなあ。ルネサンス的やけどな(笑)
それでも充分f-mollやfis-mollでは唸って哀愁バンバンやで、おそらくな。
シャイトやシュッツがドレスデンでそうやったと今調べて分かったんや。
もっともf-mollの曲で純正な三度の響きというのは貫禄ないしな。
そうなると逆にヘンデルがわけ分からんがな。
短調ではなんで緩徐楽章で転調せんかったんやろな。永遠の謎や。 やっぱ17世紀末の人たちは短調好きやったんやろね。 作品6は18世紀なので転調しとるけどね。 ヴァイオリン本業のコレルリ(ヴィヴァルディも)は謎が多いね! 鍵盤本業の人たちはヴァイオリンの曲でも鍵盤の 音律をそのままあてはめられるけどな。
>>137 f-mollの曲といえばフローベルガーのトンボーもそうだっけか。
たしかにあれが純正三度だと悲哀感がまるでないもんな。
「きしみ」というのはやっぱり重要だよね。
ヴェルレの弾いたルイ=クープランのパヴァーヌをはじめて聴いたときはたまげたもんだ。
>>135-136 弦楽器の方ですか?さすがに鍵盤とは違う視点で勉強になりました。
>>138 Op.6は出版が死後の18世紀に入ってからだっただけで、実際の作曲は
17世紀中に出来てたと思うよ。コンチェルト・グロッソの演奏の記録はあるわけだし。
コレッリは改訂魔だから、「原典」といえるものはさらにさかのぼると思う。
>>あれが純正三度だと悲哀感がまるでない
そうそう、私が言いたかったのはそれ!
ヘンデルのf-mollとフローベルガーのf-mollでは意味が違うんやきっと。
>>17 世紀中に出来てたと思うよ
コンチェルティーノの部分は確かに出来ていたかもしれへんね。
純正主義者か色彩主義者か見分ける必要ありそや。難しいけどな。
のだめ見とったら眠くなった。みんな、おやすみ!
モーツァルトえがったね!
「キラキラ」ヴァロッティやないけどな(笑)
142 :
名無しの笛の踊り :2008/01/06(日) 00:46:42 ID:LMcsDaTj
ヴィヴァルディのモテットって良いですか?
音大出身でもなんでもないので話に全くついていけない…… でも面白いのでこのスレッドは素晴らしい
大雑把すぎるが音律を気にしなければならないのは鍵盤の独奏ぐらいじゃないかしらん 鍵盤の入らない合奏ではほとんど問題にならないしできない
>>144 ちょっと、まって!私も音大出身でもなんでもないよ。
バロックや古典に魅了されオルガン(ポジティヴね☆)や
ハープシコードの演奏&勉強しとるんよ♪
>>143 ヴィヴァルディって私が一番尊敬出来る音楽家なんね。
身寄りのない子供たちを楽しませ勇気付けるために
ひたすら明るく楽しい曲をバンバン作曲したさかい。
単にヴェネチアンやからイタリア語的な高音主体の
弾んだ曲というわけやないんやで(笑)
>>145 あれ、弦楽カルテットはめっちゃ音律気になるってアマの
楽団がよういうで?大抵、ミーントーン調弦か純正5度調弦か
が問題になるらしいけど。
145さんはどっちでっか?
ずいぶん前のことですが、現在の古楽シーンで有名になっているある演奏家と日本の音大の先生が話している場面を見たことがあります。 音大の先生はしきりに音律のことを話題にしていましたが、演奏家のほうはまったく興味がないふうで「時代と曲による。」の一言(歌手に合わせてピッチもかえる。とも)で、見ていた私は苦笑してしまいました。
レオンハルトにしたって自分の調律は曲次第と公言していますし。
調律とかピッチって企業秘密みたいなものやさかいに。
>>147 とても勉強になったで!
私も含めて「アーティストAはA音律や」とかいうて
少しガチガチに固執気味やったかもしれへんな。
そのアーティストAやってある時は別のB音律を使うとった
かもしれへんし。また、若い時はA音律やったけど晩年に
若い時の曲を演奏する機会があったときにはA音律ではなく
C音律なんてこともなかったとは言い切れんなあ。
F.クープランとラモーがその典型や。両方とも若い時はプレトリウス
やったけどクラヴサン曲集第二巻以降はオリジナルのミーントーン
になっとるで。
>>139 ミーントーンとかヘ短調の話が出ているので一言。
嬰ト・変イと変ホ・嬰ニの分割黒鍵や調律替えの場合、
音階から外れた音が短調の場合は1個くらいなら品があって
哀愁が漂うけど(さすがに2個以上は気味悪い)長調の場合は
長三和音の美しさを乱す邪魔者でしかない感じがする。
もしバッハの変ホ長調のオルガン曲が変イ長調の主和音で咆え
ちゃったらズッコケじゃん?荘厳さもあったもんじゃないよね。
だから変ロ短調・嬰ハ短調とか変イ長調・ロ長調が主調の曲はないんだと思う。
>>151 ヘ短調、嬰へ短調が限度っぽいよね、あの時代。
その辺はわきまえていると思うよ。
だからこそ特別な調性だったんだと思う。
嬰へ短調でもウェルテンペラメントが前提のブクステフーデの嬰へ短調前奏曲には
嬰ト短調のパッセージがあるけど、ミーントーンでは出来ない調性を
「ウリ」にしたかったって感じが出てて面白い。
>>151 ジェミニアーニの合奏協奏曲にはロ長調が二曲もあるぞ
>>153 ミーントーン使用前提での話でしょ?文脈的に。
ジェミニアーニはコレッリの弟子だからミーントーン系の音律だろな。 確かに主調選びでロ長調は当時としては非常識だね。
鍵盤とヴァイオリン族の話ばかり出てきてるけど、 撥弦楽器の話が出てこないな。詳しい人いるかい?
>>156 オレ、13コースのバロックリュートと14コースのアーチリュートやってる。
ヴァイスって本当は8コースのリュートの為に作曲したみたいだけど
13コースで弾く人がオレを含めて多い気がする。
やっぱリュートの真髄はヴァイスと老ゴーティエだよな?
撥弦楽器は聴き専だけど、フランスのリュート作品は大好き てっきりガロというかと思ったら渋い選択ですね
>>158 ガロのスペイン風フォリアいいよな。
弾く人に質問。
調の話が出てるけど有名なbwv998って何調で弾いてる?
オレは作曲者の指示通りEs-durだが。
160 :
名無しの笛の踊り :2008/01/09(水) 23:50:48 ID:6UV13Mxx
>>143 >>146 レス、ありがとうございます。
ところで、RV600の詩編のものも「モテット」に含めて良いのでしょうか?
BIONDIのモテットCDに含まれていたのですが。
>>159 ニ短調調弦でEs-durはきついだろ、常識で考えて。
>>161 Es-durは確かにきついけどB-durへの転調の多さから考えるとAs-durよりはまし。
演奏可能な調だよ。
ヴァイスのb-mollとes-mollのトンボーって深みのある響きでいいよね!
久しぶりの投稿や♪
>>160 「子らよ主をたたえよ」はジャンル的にモテットやん?
詳しくアナリーゼしたわけではないんやけどヴィヴァルディと
モーツァルトはメロディーとハーモニーが似通っている部分が
多い気がする。ミサ曲の部分でもな。
>>156 >>163 「カイェタン男爵の死に寄せるトンボー」は傑作!
重う沈んだ響きのベースが葬送にピッタリやね。
普通トンボーってニ短調の近親調やけどこの曲は変ホ短調
やさかい。ヴァイスにとって特別な人やったんやろな。
まあ、こんな変な調でこんなにええ曲を書けるヴァイスは天才
やで。伊達に当時の全宮廷音楽家で最も高給取りとか言われた
だけのことはあるね!
リュートはやらへんけどのロ長調とロ短調の主和音って
極端に押さえにくいらしいで、その辺が調選択を決めるみたいやな。
こういう制約のデカイ楽器ってメロディーやハーモニーを
生み出す上でえらい勉強になると思わへん?
共有弦クラヴィコードやバルブのないラッパとか。
特にクラヴィコードは最高やね!古い16世紀の指使い
をマスターすれば指使いだけでバンバン即興できるさかい。
面白すぎや、奥深すぎや昔の音楽って!スヴェーリンクもバードも天才や!
電子ピアノしかもってない。クラヴィコードほしいなぁ、いくらぐらいするもの?
>>167 ピンからキリまで。
GG-d'''のダブルフレットタイプで安くても100はする(笑)
オラもクラヴィコードほすい!
>>169 C.P.E.バッハ曰く「ビンボー作曲家は迷わずクラヴィコードを買え!」
さかいに鍵盤楽器を学ぶ上で最重要楽器に違いない(笑)
キータッチがオルガンそっくりね!
171 :
名無しの笛の踊り :2008/01/12(土) 03:10:58 ID:36R/N8RF
>164 あんさん、なにあほなこというてはりまんのん。RV600はモテットやおまへんで。 どこにレチタティーヴォが出てくるいわはりますのや。もすこし勉強してから かいておくれやっしゃ。
チェンバロは自作すれば60万ぐらいに抑えられるらしいよ。 日曜大工に自信あればの話しだけど。
>>172 おれは一流の工房の職人に頼む。良質のキータッチを身に付けて良き音色を
耳にしみ込ませたいからね。
>>170 CPEバッハはクラヴィコードの音にヴィブラートをかける奏法(ベーブング)
を好んでいたようだね。構造が単純なクラヴィコードだからこそできる
独特な奏法。
彼にとってはクラヴィコードは決してチェンバロやフォルテピアノの
代用の安物楽器ではなくて、鍵盤の大家ならではの価値観と美意識を持って、
いっぱしの楽器として接していたんだろうな。
鍵盤のC.P.E.、笛のテレマン、ヴァイオリンのヴィヴァルディの
3人にはホント頭が下がる(あえてバッハやヘンデルは外した)。
そういう俺はヴァイオリン以外はあんまり詳しいわけでも無いけれどもね。
>>175 おれ、尊敬する人かなりいるんだけど。
笛のクヴァンツ・ボワモルティエ、オトテール、ヴァイオリンの
コレッリ・ルクレール、鍵盤のF.クープラン、デュフリ、ガンバ
のマレ・シンプソンetc
>>176 クヴァンツは俺も思い入れがあるな。少し笛をかじっていた頃に
Fl.協奏曲 QV.5:182「ポツダム」や2Fl.&BCトリオ QV.2:242、
あと作品5の2Fl.デュオなんかのスコアやパート譜を入手した物だ。
特にQV.2:242の録音はあれば是非聞いてみたいな。
クヴァンツというと、C.P.E.に比べて古めかしいイメージがあるそうだが、
とんでもない。彼もまたC.P.E.と並んでバロックの臨界として重要な
作曲家だと思う。
クアヴィーア奏法下巻とフルート奏法試論を読み比べると、
特に不協和音の扱いでC.P.E.とクヴァンツが異なった立場を取って
いるのも興味深い。
あと、彼の自伝を読んだが、文筆家の才能もあったテレマンと比べると
文章自体は平凡だが、当時の歴史背景なんかを知るにはいろいろ
興味深い点が多かったな。
QV.2:242→QV.2:42だな。変ロ長調の作品だ。 BärenreiterのBA6824(ISBN/ISMN:M-006-48295-5)だな。
そういやあ、バルトルド・クイケンはクヴァンツの フルート奏法試論を原書で読んで勉強したから、ドイツ語もそれで勉強したため、 ドイツ人に「君のドイツ語はなんでそんなに古めかしいんだ?」って いわれたそうだな。
>>175 そういえば、ヘンデルの専門楽器って何だっけ?
ヘンデルは鍵盤でしょ。オットボーニ枢機卿の命でD.スカルラッティと競演して、 チェンバロでは同等(意見分かれる)、オルガンではヘンデル優勢勝ちの判定があった。
>>181 そのわりには他の作曲家に比べてパクリが多いのはなんでだ?
鍵盤楽器の才能と流用の多さに何の関係がある?
>>流用の多さ それ、盗作じゃん。
当時は別に盗作なんて概念なかったからな。今の価値観で考えちゃいかんよ。 大バッハだって流用くらいしてるんだぜ、コレッリとかアルビノーニとかレグレンツィとか。 もちろん編曲物とは別にね。 ヘンデルはもともと芸術家としてと同じくらい劇場興行主の側面も強いから、 流用を締め切りに間に合わせる合理的手段と考えていたフシがある。 テレマンのターフェルムジークの予約者の一人だが、流用目的だったようだし。 ヘンデルの音楽のすごさはその劇感覚の鋭さにあるから、 流用が多くても別に減じられるものではないと個人的には思う。
バロック作品の転調について考えてみた。
古典派のソナタ形式の作品は主に、第一主題が長調なら5度上の属調の
長調に転調するし、短調なら短3度上の平行長調に転調するね。
バロック作品なら、第一トッティが長調なら、上記の他に
長6度上の平行短調に転調したり、短調作品でそのまま5度上の属調の短調に
転調することもある。
こうやってみると、バロックは短調を好んでるみたいだし、
>>121 氏あたりと被るところもあるから、これはこれでいい。
ところで、いきなり4度上の下属調に転調する作品って、
なぜか殆ど無くないか?自分の知る限りだと、ヴィヴァルディの
作品には(あれだけ沢山の作品があってわずか)3つほどあったけど、
どれもあからさまに後期の作品だった。
・RV.243"Senza cantin"ニ短調→ト短調
・RV.327ト短調→ハ短調
・RV.307ト長調→ハ長調
もっと変な転調の例として、増4度上の短調に転調しているのまであった。
・RV.350変ホ長調→イ短調
4度転調なんていうのは、曲の切れ目に属調から主調に戻してくるくらいの
使い方が一般化してしまって、5度転調とは違って主流にはなれなかった訳だけど、
どうしてそうなってしまったんだろうな。
譜面を見ていて誤記に気が付いたから若干訂正だ。 ・RV.350→RV.250。RV.350だとイ長調の作品になってしまうな。 第二トゥッティもCに#が付いていたから、Aは属音、つまり イ短調じゃなくてニ短調に転調していることになる。 (・RV.350変ホ長調→イ短調) を ・RV.250変ホ長調→ニ短調 に訂正だ。 要するに、短二度転調(平行短調の属調のさらに属調)だな。 四度転調系ではないが、非常に特徴的な転調には変わりはないと思う。
そのヴィヴァルディの後期の作品って1730年代やん? ウィーンで古典派的な曲を書いた最初の人やね(笑) そやから下属調への転調をしたんやろね。 これらの3曲は特にモーツァルト的やし。 ヴィヴァルディは常に時代のニーズをキャッチして作曲 しとったさかいに人間音楽史や! 1730年代は音楽史上劇的な変化があった時代やね! ラモーの和声論の本に影響された作曲家たちが近親調や 属調など調に対しての新しい感覚を次第に身に付け、 現代的な記譜法を使用するようになったというのが一つ、 戦争ばかりしとって宮さまの懐がしんどなってきてらっぱ奏者が どんどんリストラされて彼らのギルドが消滅したことによる 演奏技術継承の断絶、シロウトさんでも角笛を演奏できるという ストップ奏法の考案、市民の為の歌劇場経営の活発化、 カストラート人気の低迷、成金に雇われた音楽家による 分かりやすいメロによる曲の流行etc... 誰か修正たのんま〜す♪
17世紀末は機能和声の考えはないけど音程を数えることや長調 や短調の概念はあった。 しかし、ハ長調とイ短調が平行調関係とは思わなかったようやで。 17世紀末のソナタは「主要三和音対副三和音」と思うんやけど? 主要三和音と副三和音の音の響きの対比を楽しんだんやね、きっと! 長調での六度上の音を基準にした短調で緩徐楽章を始めるということは 言い換えると「今までは主要三和音が主役やったけどこれからは 副三和音が主役やで!」というようなものとも言えるね! 一方、短調が主調ではそうはいかんかったみたい。 六度上の音を基準にした長調では原調と使用和音が異なるため 響きの対比にならない。 かというて三度上の音を基準とした長調は増音程和音なので不可能。 結局転調はできへんってわけ。 18世紀に入って徐々に主要三和音対副三和音という考えから抜け出して 六度上の音を基準にした長調への転調や四度上の短調への転調、同主長調 などが現れたんやね。 長調偏重主義の1730年代以降は特にソナタ形式の第一楽章第一主題が 短調の場合、機能和声的思考をもとに平行調という考え方が出来てきて 第二主題が平行長調なんね。
191 :
名無しの笛の踊り :2008/01/14(月) 21:52:59 ID:/1uoYHSb
ヴィヴァルディの後期ヴァイオリンコンチェルトって、四季のころとは ずいぶん趣きの違うものなんですか?
>>191 詳しく観察すると結構新時代の要素がいろいろみえるよ♪
>>191 人によっては、これが同じヴィヴァルディかと思うくらい違ってるかも知れないな。
四季の頃には急速楽章はごく短いソロを5つから6つのトウッティで分断して、
テンポ自体もかなり速い、内容的に深くはないのだけれども軽快な音楽で、
これが多くの人のヴィヴァルディのイメージだろうと思う。
転調は主にリトロネッロ部分で行われ、ソロ内部では複雑な転調はしてないよね。
ソロの伴奏も、通奏低音が中心で、いかにも多忙なヴィヴァルディらしく、
悪く言えば手抜きだけれども、それでも簡単な伴奏なりに充実して響く
伴奏が選ばれている感じだ。
後期の作品は、まず目立つのは、急速楽章のテンポが極端に遅くなった点。
Allegro non moltなんてのはヴィヴァルディの中期からよく見られるけど、
それよりも更に遅いAllegro ma pocoやAndante moltといった、
(恐らくわずか70BPM程度の)遅い楽章が1楽章の急速楽章に取って代わった。
教会ソナタの緩徐楽章が復活したとも考えられるね。
事実、トゥッティにはロングトーンの掛留音を多用するスタイルが
よく見られて、トリオソナタの影響が顕著な作品もある。
トゥッティも数がずっと減って4つの物が多くなり、こんなに少ない
トゥッティでは転調を十分に行えないので、ソロ内に複雑な転調を
持ち込むようになって、その結果、ソロが極端に長くなっている。
遅いテンポの影響は、ソロを構成する音価によく現れていて、 ソロの主体が3連16分音符になり、技巧的なフレーズは 更に細かい32分音符のフレーズになっている。 伴奏も、通奏低音のみやユニゾンの伴奏はあんまり聞かれなくなり、 ソロに併せて不協和音の予備と解決がびっしり書き込まれた、 バスを除いた3声部の伴奏が好んで使われるようになっている。 中期の軽快なヴィヴァルディと比べると(短調であってもね)、 人間の負の感情を反映したようなどろどろした音楽になっているけど、 ある意味人間そのものを表現しているような素晴らしい音楽になっている。 中間楽章は、中期までと比べると重厚なトゥッティを多用しているけど、 ソロのわかりやすい綺麗なヴェネチアの舟歌は最後まで健在だった。 終楽章は、1楽章と同じような傾向だがいくぶん軽い感じにできているね。 カルミニョーラの、後期ヴァイオリン協奏曲集に納められている曲は その典型。 他には、RV.367(F.I-I)などは後期作品の特徴がすべて詰まっていて もし楽譜が入手できれば詳細に観察してみると非常に面白いと思う。
195 :
名無しの笛の踊り :2008/01/15(火) 00:10:16 ID:7pihtgYo
>>192-194 レス、ありがとうございます。
カルミニョーラの、後期ヴァイオリン協奏曲集のCDに興味があるのですが、
これは一作目の方から聴いた方がよいでしょうか?
やはり一作目の方が粒ぞろいな曲がそろっているのかなあと思ったりも
したのですが。
笛はかじらないほうがいい
197 :
名無しの笛の踊り :2008/01/15(火) 02:06:06 ID:gCSsLyC9
>>189 ウィーンに伝わっているヴィヴァルディの楽譜は1728年にカール6世に献呈された
手書きの『チェートラ』の12曲と、
どれも筆写譜のヴァイオリン協奏曲が3曲と手書きの弦楽合奏曲RV113だけだ。
だが、『チェートラ』はヴェネツィアで書いているし、残りの4曲もウィーンで
書いたという確証はない。たとえRV113の特に第3楽章の構造ががややソナタ
形式を思わせるにしてもだ。それに残りの作品のどこが古典派的なのか?
>>197 転調の仕方やメロディーがギャラントなんじゃね?
三和音の第三音を中心とした和声的旋律は17・8世紀の普遍的特徴やね♪ 特にヘンデルやコレッリ、ヴィヴァルディ、モーツァルト。 美しい旋律やけど凡人が書くと古臭さく野暮ったなる。 ヘタすると幼稚に聴こえるさかいにムズかし〜! 主に今ではJ-POPのサビの部分で使われとるね え
ヴィヴァルディの話が出て最近気になったことは当時のオケでの指揮法。 ヴィヴァルディは現代でいうところのコンマスなんやろか? 通奏低音の鍵盤やリュートは別の二流音楽家が担当したのかが超気になる。 バッハ・ヘンデル・クープラン・ラモー(ハイドン・モーツァルトも入れるね) のように見るからに鍵盤専門の人たちはピノックみたいに絶対鍵盤弾きながら 指揮したんやろなあ。 微妙なのは笛が専門の人たちや。ボワモルティエ・クヴァンツ・オトテール は笛吹きながら指揮したんやろか???そんな光景現代の古楽楽団でも見た ことない。(私だけか 笑) さらに微妙なのはテレマン。彼は鍵盤が専門で笛も得意やというだけの話で オケの時は鍵盤&指揮やったんかなあ? もっと不思議なのはマレやフォルクレ。ガンバを膝に挟みつつ弾きながら の指揮というのは想像しがたいんやけどなあ...。 究極の謎はリュリ!!「王は踊る」を見た人はわかるけど巨大な指揮棒で 床を叩きながら指揮していたね! こういう指揮棒系の作曲家の専門楽器って何やろ??? 指揮専門の人員って19世紀以降のはずなんやけどなあ...! まだまだ勉強不足ですわp
>ガンバを膝に挟みつつ弾きながらの指揮というのは想像しがたいんやけどなあ...。 つサヴァール つモンテヴェルディ 指揮というのは必ずしも指揮台で腕を振る事を意味しない
ですね。今の大編成オーケストラとは違って、指揮専門が必要なのは フランスのトラジェディ・リリクとかくらいだったんじゃないかな。 それにバッハもヴァイオリンでの弾き振りもけっこうしていたらしいよ。 鍵盤奏者としては当然だけど、ヴァイオリンの腕も相当なものだったそうだし。
203 :
名無しの笛の踊り :2008/01/17(木) 10:07:49 ID:8n5vAAf5
カルミニョーラの「四季」(SONY)は新しいエディションを使用していると いうことですが、それまでの楽譜とかなり変わっているのでしょうか?
>>トラジェディ・リリクぐらい まさにリュリの指揮法だね。大編成すぎて目配りとかアゴや手 を振ったりするジェスチャーだけじゃ細かな指示ができない からね。さらにグランモテなんかは合唱もはいるから指揮専任 がいないと演奏不可能になっちゃう。
バイオリンが指揮るときには立つか高い椅子に腰掛けていました みんなはその弓の動きで演奏していました
コンマスのソロ対リピエーノの合奏に適した指揮法だね。
>>205-206 ふと思ったけど、
コンチェルト・グロッソってそこから生まれたのかも・・・
>>207 コレッリとかヴィヴァルディの場合の
合奏協奏曲って作曲者兼ヴァイオリニストがコンマスで
弟子達か部下の宮廷音楽師がリピエノを弾いたんだろうね。
鍵盤は副楽長が弾いたのかも、と想像してみた。
例えばリュリとかって、王が臨席の場合にはオケじゃなくて王の方を向いて指揮したんじゃない? とすれば専門の指揮者を置いても、それほど詳細な指示が出来たとは思えないけど。 その代わりに杖突きまくったのかもしれないがw
そのケースは想定されるね、杖で致命傷になるくらいの傷をつけるくらいだものね。 自分の足元さえよく見てなかったのかも知れない。 件の致命傷を負ったのはテ・デウムの指揮中ということだから、 間違いなく王は臨席していただろうし。
>>212 サンキューです、ホントだ。
しかしここまで尖らせる必要ある(笑)
実質的にはコンマスが裏指揮者に違いないようですね。
しかし、当時は指揮も命がけだということだね(笑)
指揮棒で指揮なんてやっぱ単なる飾りとしか思えないなあ。
>>187 教会ソナタと室内ソナタではまず曲構成が違うよね。
典型的なパーセルの三声の室内ソナタの場合は舞曲形式で組曲だから
複数の曲を組み合わせての演奏という事だね。つまり一曲でも独立して
演奏する事が可能な訳だけど教会ソナタの場合は緩徐楽章の終わりが
半終止になるから一曲一曲を独立させての演奏は不可能と考えられるね。
>>217 パーセルノソナタは典型的な初期イタリアソナタで、組曲とは違う。
マリーニやファリーナあたりのソナタと同じ構造なだけ。
教会ソナタと室内ソナタという区分けのできる以前のもの。
また、後半はフリギア終止のことを指してのことだと思うけど、
調性に慣れた耳にはそう聞こえるかもしれないが
旋法の変格終止なだけでフリギア終止は半終止ではない。
>>218 コレッリのソナタも初期イタリアソナタですか?
またAdagioはフリジア終止ですか?
>教会ソナタと室内ソナタという区分けのできる以前のもの が初期イタリアソナタというなら、違うでしょ。 >またAdagioはフリジア終止ですか? これは意味不明、どういう意味?
222 :
名無しの笛の踊り :2008/01/21(月) 22:21:45 ID:51RRnyzx
>>221 感謝、感激、雨、霰!!!
RV693『セーヌは祝う』の第二幕の序曲だね。リコルディのスコアーでは手に入らないんだ。
校訂しているローマ・サピエンツァ大学のマリオ・ボロニャー二氏(バロック・フルート奏者)
にも大感謝!!とにかくHPの
ttp://www.baroquemusic.itに行ってごらん 。
扱っている作曲家の多いこと!すごいよ。
ヴィヴァルディはほかにも、第一幕の序曲とRV682のカンタータハ長調
『今行くよ、愛しい瞳の君』も公開されている。
223 :
名無しの笛の踊り :2008/01/21(月) 22:34:00 ID:51RRnyzx
>>222 もとい!第一幕と第二幕を逆に書いてしまったぞ。
>>222 そこは、以前からよく行っていたWerner Icking Music Archive
ttp://icking-music-archive.org/のリンクに 、最近になって
追加されているのに気が付いたよ。
ヴィヴァルディの次の世代の女流フルート奏者Anna Bon di Veneziaの
作品や、ロカテッリが多大な影響を受けてOP.2を捧げたヴィルトゥオーゾ、
Antoine Mahautの作品があるあたり、流石バロックフルートのプロのサイト
って感じだね。
あと、ストラデッラの作品の多さは驚き。
226 :
名無しの笛の踊り :2008/01/21(月) 23:51:17 ID:51RRnyzx
うわ、これは知らなかった。横から感謝。 フルート作品だと、クラインクネヒトあたりも追加してくれないかなあ。
>>221 ありがとう!
imslpが閉鎖された今、ビンボー音楽家にとっては貴重な資料だよ。
>>218 Arcangelo Corelliと緩徐楽章の話が出ているので一言。
彼はOp.1から6とTrumpet concertoを書いて
いるが作品番号が進むにつれて書法が変化していて面白い。
Op.1のsonataではすべての作品とは言えないがOp.1-3は
緩徐楽章の冒頭の部分だけがVI調のphrygian cadence
になっていてその後は完全終止で終わる緩徐楽章になっている。
しかし、番号が進むに連れて書法が変わりOp1-6では冒頭と最後
の両方にphrygianを用いている。Op.2からようやく広く知られて
いるタイプの冒頭のphrygianがない末尾のみとのものなっている。
ChamberはChurchとちがって舞曲なのでslow momentがphrygian
cadenceということはないがAdagioだけのような速度表示のみの抽象曲
になっている場合はVI調で始まりphrygian cadenceで終わる事が
多いようである。もちろん例外もあるが。
Op.6ではminorでもSDへの転調やVI調への転調を試みている。
ヴァンハルのシンフォニーも面白い。金管でクラリーノ音域を頻繁に利用したり
リコーダーとアーチリュートの使用や緩行楽章でphrygian cadenceを使ったり
緩-急-緩-急のバロックソナタを使ったり、時にはソナタ形式の第二主題欠如
など言えばキリないが彼の全体的に短調の曲が多めで(ピカルディーの三度も)
当時では時代遅れな書法だったはずなんだけど欧州はおろか米国大陸でも
人気だったらしい。
いずれにしろフリジア終止やピカルディーの三度は バロック音楽の有名な特徴やね!
>>222 リンクさんくすです。
最初にアルビノーニのコンチェルトのスコア見てみたんだけど、
どういうわけかトレッリの作品。。。これってどゆこと?
>>231 詳しく。トレッリの作品はあんまり詳しくないんだが、どの作品だった?
確かに件の曲のヴィオラを欠いた構成はアルビノーニらしくはないけど、
かなり初期の作品のようだし。
233 :
名無しの笛の踊り :2008/01/26(土) 22:42:36 ID:q4t07HyS
トレッリのOP.8はアムステルダムのロジェが出版した物で、 この出版社の版には、作曲者の関与しないところで出版したり、 他の作曲者の名前を騙って出版する、所謂海賊版のような物が散見される。 トレッリのOP.8は、1709年に遺作として出版されており、 トレッリ自身が出版に関与したかは定かではない。 ナポリのコンセルヴァトーリオで発見されたという例のマニュスクリプトに アルビノーニの名前があったのならそれは大発見だと思うのだが、 そのような研究は聞いたことがないな。 もっとも、ヴィヴァルディのOP.13が偽作であることが長年アマチュアには 伝わってこなかったように、最新の研究成果が一般に認識されていない だけの可能性もある。 トレッリに関する研究は、モーツアルト研究家のF.Gieglingによる物が 詳しいが、残念ながら俺は不勉強につき読んでいない。 F.Gieglingはこの作品の存在をどのように解釈しており、サイト管理者の M.Bolognani氏がどのような理由でアルビノーニの作品としたかが知りたいところ。 PDFの中身にも堂々とアルビノーニの作品と書かれているので、 管理者の履歴を考えても初歩的な誤植とは考えにくいしな。
235 :
名無しの笛の踊り :2008/01/27(日) 15:01:28 ID:zOIpOxfM
>>234 なるほど、トレッリのop.8は遺作としてロジェが出版したものですか。
確かにそれは怪しい。。。
でも、(自分は聴き専門なので全く個人の感想なのだが、)
例のop.8-2のイ短調がアルビノーニかトレッリかと訊かれれば、
迷いなくトレッリと答えてしまうなぁ。
2つのヴァイオリンが長々とソロを掛け合うところとか、転調の仕方とか
いかにもトレッリの趣だし。
アルビノーニのアレグロの場合、トゥッティの主題が重要で、主題の調性も安定していて、
ソロはどちらかというと添え物で、あぁこの人はオペラのアリアが得意なんだろうなーみたいな
印象が最初期の作品2の段階でもうするんだけど、
一方、件のイ短調のような短くて歌えない主題、長いソロ、トゥッティの終わりでの転調、
あらゆる要素がアルビノーニ「らしからぬ」感じ。
トレッリかその周辺の作品と捉えたほうが収まり良いような気がする。
236 :
名無しの笛の踊り :2008/01/27(日) 15:30:33 ID:thKOSjKn
バロックでピアノ曲でおすすめのもの(弾く価値のあるもの)はありますで しょうか。 バッハ以外でお願いします。
>>236 >弾く価値のあるもの)はありますでしょうか
あなたの演奏者としての価値はスカルラッティやヘンデルの鍵盤作品の上を行ってると?
すごい自信だな。
238 :
名無しの笛の踊り :2008/01/27(日) 16:10:18 ID:2ozM8ZJr
というよりも、バッハが偉大すぎるので・・・ ヘンデルよりもバッハの方が音楽的にはすごいものを残している と思います(音楽にある程度造詣が深い方にはすぐわかると思いますが)。 スカルラッティはあまり聴いていないので、何とも言えません。 ところでコレッリってあんまり鍵盤作品は残していないのでしょうか。
>ヘンデルよりもバッハの方が音楽的にはすごいものを残している >と思います(音楽にある程度造詣が深い方にはすぐわかると思いますが)。 釣り? そんなに盛り上げようとしないでいいんじゃないの?
コレッリには鍵盤作品はないような…。鰤作品全集に入ってないから。
>>238 コレッリは鍵盤曲は一曲も残してない。だいいち彼はヴァイオリニストだし。
>ところでコレッリってあんまり鍵盤作品は残していないのでしょうか。 ハイハイ釣り確定。 以後スルーで。
釣り認定とか昔の2chみたいでワラタ
244 :
238 :2008/01/27(日) 23:16:02 ID:2ozM8ZJr
釣りとかいうよりも、コレッりに外れは少ないと話があったので 聞いてみただけです。 ヘンデルは人気のわりには大した作曲家では無いと思う(バッハと比べてね)
変なのが湧いてるな。 ヘンデルの本領は劇音楽でバッハと比べるのは無意味。 古楽好きなヲタは優劣を気にせずに それぞれの個性を楽しんでるよ。
246 :
名無しの笛の踊り :2008/01/28(月) 01:03:02 ID:BiBzOU+C
最近クラシックに惹かれてバロックが気に入りました。が、『趣味はバロック鑑賞で、特にバッハが好きです』と言うと、宗教じみた人と取られることはあるんでしょうか?あるいはキリスト教徒の人に『仲間だ』と思われたりするんでしょうか?
バロックには宗教音楽しかないとでも? そもそも誰に対して自己アピールするのか知らないけど 音楽愛好家でない人はバロックどころか、バッハですら知らないよ。
(゚Д゚)バッハ知らない人いるの!?
横からスマン。 ちょいとバロック音楽について調べ物をしてるド素人のオイラがひとこと。 バッハは名前だけ知ってた。 音楽室に肖像画があったけど、大勢いる作曲家のひとり、の程度にしか 認識してなかった。もちろんどんな曲を作っていたとか、後の時代に 与えた影響とか全然知らなかった。 だから釣りで、 「バッハは18世紀の作曲家で『モルダウ』で有名な『わが祖国』の 作者で、大変な鉄道マニアで、仕事中でも弟子を駅に行かせて どのような列車があったか詳細に報告させていたほどの熱の 入れようだったらしいよ。 ある冬の日に酒を飲んで夜遅く帰宅したら奥さんに めちゃくちゃ怒られて家から閉め出されて風邪をひいてしまって、 それが元で死んでしまったんだよ。」 なんてからかわれたらそのまま信じきってしまってたと思フ。
>>249 オッフェンバックならまだしもバッハの時代に鉄道とか(笑)
ところでバロックの演奏会ではなぜ鍵盤の調律に六分法
をよく使うの?音律不明な場合やジャンル違いの曲を通し
演奏する時に単なる妥協対策として使うのかね?
>>250 1/6ミーントーンはJ.S.バッハに嫌らわれていたらしいよ。
252 :
名無しの笛の踊り :2008/01/28(月) 22:59:56 ID:RAwj2gAq
お邪魔しても良いですか?? パーセルの歌曲集のお薦めを教えてください。 日本語歌詞対訳が付いているとありがたいです。(あればでいいです) 宜しくお願いします m(_ _)m
>>252 歌曲といってもいろいろあるけど、どういう形態のが聴きたいのかな?
オードとかウェルカムソングとか、世俗歌曲とか、キャッチとかいろいろある。
まあ、世俗歌曲を仮定すると、ハイペリオンから出てる
通奏低音伴奏のソロ歌曲3枚組とか演奏が出色だよ。
歌詞は残念ながら輸入盤なので対訳はないけど…
たしかにこの時代の英語って、難しいよね。
せめて現代英語との対訳があれば、とか思ってしまう。
>>253 の言ってるのはこれだね、なぜか「宗教」独唱曲と誤訳されてるけど。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1912551 そういえば持っているな、とすごく久しぶりに聴いたけどすごいな、パーセル。
わずか数分の作品ばかりだというのに、喜怒哀楽があり、それぞれに個性がある。
夜中に聴いたせいか、楽しい歌ではうきうきし、
悲しい歌では、本当に胸を突かれる思いがした。
古語とはいえ英語だから歌詞が耳から入ってくるのも大きいのかもしれない。
イタリア語やフランス語も勉強すればモンテヴェルディやリュリを聴いて
今まで以上に心動かされるかも、と思ったら40の手習いをしたくなった。
パーセルの場合、キャッチが好き。
252です。皆様のレスに感謝します。 主に世俗歌曲です。書くのを忘れてすみません。 そのSweeter Than Rosesという曲に興味がありまして。 基本的に自分が所持しているガーディナー&ピノックの諸録音に 含まれていないものが欲しかったので、助かりました^^ お薦め盤をいろいろ聴いてみて、最終的にはキングの全集に手をつけようと思います。 ところで、「キャッチ」というのは初めて聞いたんですが、どういうモノなんでしょうか?
Sweeter Than Roses(薔薇の花よりかぐわしく) 「パーセルと同時代の歌曲集」 というタイトルのCDを持っています。 21曲中14曲(薔薇の花よりかぐわしくを含む)がパーセルの歌曲。 ソプラノはキャサリン・ボットという人。 オワゾリールから出ていたけど今は廃盤か?
>>258 キャッチとは酒場で歌う三〜四声の輪唱曲のこと。
ロンドン市民のみならず上流階級にも大人気だったらしい。
大塚愛等が歌うキャッチーとは無関係(笑)
>>259 それ、欲しいですね。
>>260 キャッチーだからキャッチなんですかね?
こちらもチェックしてみます^^
KYで恐縮ですが、ロシア人のバロック作曲家っているのでしょうか?
>>262 いないに近い。
古典派時代のボルトニャンスキーじゃだめ?
ボーモンがロシアのクラブサン作品集出してたような気がする まあいずれにせよ、名の知れた存在はないに等しいけど
>>264 ボーモンの公式サイト教えて君になっていい?
水戸ボーモン
>>262 仏・伊・独・英の音楽が中心的に取り上げられるよね。
ロシアのハープシコード曲集は知らないけどマイナーな国では
スウェーデンのルーマンとポルトガルのセイシャスとスペインの
ソレル、アルベーロってとこかな。
ルーマンはヘンデルに、それ以外はスカルラッティの影響が強いらしい。
ロシアは17世紀末にピーター大帝が西欧文化を積極的に取り入れた
はずからきっとイタリアへ音楽留学もさせて宮廷音楽を作らせ
たりカストラートも呼んだはずなんだけどなぜか著名音楽家がいない。
ロシアへ渡ったイタリア人作曲家も聞いたことない(笑)
テレマンの「食卓の音楽」の注文がロシアからきていたことだけは確か。
なぜか冷やかしっぽくて妙にウケるだけど(笑)
せめてキャサリン女帝以降の宮廷音楽家はいたのだろうか?ちょっと気になる。
どうでもいいけど、ピョートル大帝とかエカテリーナ2世とか じゃないと妙にすわり心地わるいな、語感が。 一応ピョートル大帝以前にも、アレクセイエフ帝時代には グトーフスキーという音楽家がいて、とてもオペラとは呼べないが 音楽を含む劇を書いてるらしい(現存せず)。 独自のジャンルで学校劇というのがあるが、ディミトリイという 音楽家が名を残しているらしい。 ピョートル大帝は軍楽隊を好んだらしいので、このスレ的に 有名な音楽家がいないのはある意味必然かと。芸術音楽はあまり興味なかったらしい。 スウェーデンとの戦争で120名もの音楽家を捕虜にして、自由に使ったというから 音楽好きだったのはそうなんだろうけど、こちらも軍楽隊だね。 むしろ、芸術音楽を積極的にとりいれたのはエカテリーナ2世。 アウグスト2世時代のポーランドとは相互交流がかなりあったので、 ポーランドにいた有名音楽家は、「貸与」というかたちで結構頻繁に演奏していたようだ。 また、カストラートではなく、女性歌手を用いていたらしい。 イタリア人旅行者がこの件について驚きをもって書き残している。 ロシア宮廷に直接雇われていた音楽家は、本当に無名で… ジョバンニ・ヴェローカイ、ルイジ・マドニス、ドメニコ・ダッローニョ等が 作品を出版したらしいけど聴いたことがない。 エカテリーナ帝以降は、急速にロシア人音楽家が増えたらしいよ。 ボーモンのCDは聴いてないけど、多分時代的にもこのあたりだと思う。
>>267 ロマン、セイシャス、ソレルあたりは、出身国はマイナーかも知れんが、
音楽自体はわりと有名になってきてるんじゃない?
ロマンなスウェーデンのレーベルが自国の音楽家だからか昔から力入れて
録音してたからね、80年代後半から90年代前半でもかなりいろいろ聴けたよ。
セイシャスなんかも、独特の憂愁があって、ファンは多いと思われる。
そういえば、ナクソスでソレルのソナタ全集が完結したね、めでたい。
ううん、勉強になりました。 ピョートル大帝時代にはトランペットチューンとか残しているのかなあ。 芸術音楽に興味がないとは言うのは来賓に王権を誇示するために 王の12人のヴァイオリンとかオーボエ隊とか金管楽器奏者を雇って ファンファーレぐらいの演奏しかしなかったということかなあ。 >>ナクソスでソレルのソナタ全集が完結した 抜けているとこあるけどねw 意外にロシア独自のパラライカ風リュートとかが宮廷で人気で ヴァイスやガロのような大物が活躍していたとか(笑) 芸術音楽に興味の無い大帝でもリュートとかには興味を示した んじゃないか?と釣ってみる(笑)
ポーランドの宮廷がイタリア人音楽家を呼んだりしてたし、 ロシアもそんな感じじゃないかな
>>270 ピョートル大帝はフランスを模して宮廷を整備したから、
王の12人のヴァイオリンとかオーボエ隊とか金管楽器奏者とかってのは
整備した可能性はあるね。どうなんだろ?
ロシア人の上流階級はフランス語を使うという習慣は、このピョートル大帝の
西洋化以来の習慣だから、それほど影響力あった改革だし。
あ、ごめん、ロシア人の上流階級はフランス語を使うというのは帝政時代ね。
>>270 じゃあ釣られてみる(笑)。
リュートも含めて芸術音楽全般に興味なかったようだ。
だからこそ、エカテリーナ帝時代になって急速にポーランド宮廷からの
音楽家「貸与」が目立つんだと思われる。
パラライカ風リュートというか、バラライカ自体は実はこの時代には
現在のかたちでは存在していない、比較的新しい楽器。
もとになったドムラというリュート属楽器はあるけど、これはモンゴル経由なので
西洋音楽のレパートリーはちょっと考えられない。
アレクセイエフ帝も、初めは楽器禁止令だすほどだったし、
社会の西洋化はたしかにピョートル大帝だろうけど、
音楽の面での西洋化はエカテリーナ2世と考えて間違いないようだよ。
あと、王の12人のヴァイオリンとかオーボエ隊とか金管楽器奏者に関して、 上述の対スェーデン戦争以降、軍楽隊はなお強化されたようだ。 捕虜だけでなく、楽器も強奪(?)したようで、馬車54台だったそうだ。 捕虜はトランペット奏者、オーボエ奏者、フルート奏者、シンバル奏者、というから ピョートル大帝の軍楽隊はフランスでいえばグラン・エキュリ同等のもの、といえるかな。 王の12人のヴァイオリンに相当するものはなかったようだ。
>意外にロシア独自のパラライカ風リュートとかが宮廷で人気で >ヴァイスやガロのような大物が活躍していたとか あ、この点、自分が受け取り違いしてたかな? ドムラ独自のレパートリーを好んでいた可能性、というなら否定できない。 西洋音楽という意味でのくくりでなく、そういう意味なのかな?
みんなありがとう!!また勉強になったぞ。 17世紀の楽器禁止令にはマジでビビった。実にナメた奴だな! アレクセイエフってのは相当なひねくれ者だね(笑) それは町の居酒屋や旅籠でもポピュラー系音楽禁止ってこと? サイテーな帝だね! ピヨートル大帝は軍楽にヴァイオリンは必要ないと感じたのかなあ。 アレクセイに引き続きこいつも残念なヤツだね! ヤツはただ戦のときにバンバンどでかい音を出して敵を威嚇する ための手段として軍楽隊を整備したとしか思えないんだけど(超笑) こんなヤツの軍楽隊には「大帝の12人のティンパニ」とかあったんじゃね? と釣ってみる(笑) それにしても音楽の西洋化はエカテリナ女帝以降とは! やはりロシアの近代化は芸術面でも遅れをとっていたのだなあ。 >意外にロシア独自のパラライカ風リュートとかが宮廷で人気で >ヴァイスやガロのような大物が活躍していたとか リュートのようなロシアの伝統楽器で伝統音楽の作曲家が宮廷で 活躍してたのかなあという意味で質問したんだけどいろいろ話を 聞いているうちにピョートル大帝ってのは音楽に興味のないかわいそうな やつだと分かったので... 若き日にイギリスかどこかで造船職人の 弟子入りしてた時に仕事仲間と居酒屋へ行って歌ったりギター弾いたり しなかったのだろうかこいつは??経験あれば職務の合間に弾き語りする ってこともあるだろうに...
ところで ブラジルの教会に17世紀後期製の大オルガンがあるのを見ると ブラジルにもバロック音楽作曲家がいたんだろうね。 やはりイタリア・イベリア半島の模倣が中心だろうか?
南米には作曲家がいたよ イベリア半島が宗主国だからその流れだが
バードやスウェーリンクのようなヴァージナリストの曲の ファンタジアとリチェルカーレって指使いだけで結構簡単に 弾けちゃうんだね。古い指使いって合理的なんだね。
鍵盤の調律法について考えている。ミーントーンとキルンベルガーは 途中までは同じということを改めて考えさせられた。 よくハ音とト音との間の唸りの回数が何回かといった質問 をいろいろなところで見かけるが実際に計算すると端数が出てしまい 覚えづらい。だから昔の人は何点何回といった数を覚えるではなくて ハ音とホ音との間のト・ニ・イの三音を定めるためにまずハ音から上に 純正なホ音をとる。そして仮にハ音から下にヘ・変ロを純正にとり、 次にホから上にロ・嬰ヘと純正にとった後、仮にとった変ロと嬰ヘの 間に同じ唸りに挟まれるようにニ音をとり、定まったニ音とハ音との間に 同じ唸りに挟まれるようにト音を定める。そしてニ音とホ音との間に 同じ唸りに挟まれるようにイ音を最終決定する。 こうしてミーントーンとキルンベルガーで共通なミーントーン5度が 完成する。あとはト音から下に変ホ、上にロ、ニ音から下に変ロ、 上に嬰ヘ、イ音から下にヘ、上に嬰ハ、ホ音から上に嬰トを純正長3度 に取り直して完成。 なお、キルンベルガーなら最初にとった仮音程は本決定となり、 嬰ヘから上向きに嬰ハ・嬰トを、変ロから下向きに変ホを純正に とって完成。キルンベルガーのほうが簡単というのはあら不思議!! 細かい唸りの回数を知らなくても純正にとりたい音程をはっきりさせ てとちょっとした工夫をすればチューニングメータは必要ないようだ。
282 :
名無しの笛の踊り :2008/02/04(月) 00:38:27 ID:TqP4C/XS
ああバロック依存症になってしまた早くCD届け仕事生きたくないバロックで癒されたいけど朝六時には起きれない早く早くCD届け
>>282 ロマン派の音楽って個人のナルシズムが強くて聞いているとウンザリ
させられるよね。これでもかっていうぐらい演奏家もヴィブラート
をかけまくるし。技巧を見せつける向きも多いし。
>>281 広い意味で18世紀までの音楽は曲のみならず調律システムまでが
「あるものとあるものが溶け合う」と「あるものとあるものとの比較」、
「あるものとあるものが同じ響き(もしくは唸り)」を楽しむという
事に厳格であるということに気づかされた。
具体的には「曲を協和音程ではじめて協和音程で終わる」とか
「長三度音程の響きの溶け合い」とか「主題Aと主題Bとの比較対照」、
「提示部と再現部の比較」とか「急速楽章と緩徐楽章の使用和音の比較」、
「リトルネロ形式や合奏協奏形式でのソロ対合奏の比較」、
「ヴァイオリン曲においてのニ長調とヘ長調の三度の響きの比較対比(コレルリ)」、
「キルンベルガー律において変ロ長調の主和音とニ長調の主和音の響き
が同一であることに注目した向きの楽曲配置(ガルッピ)などいろいろ
考えさせられた。
チューニングメーターって音楽の本質が分かっていない いい加減な人向けじゃない? 調律に時間かけられないほど込み合ったプログラムを立てる ってのもおかしな話。音楽に対してのいい加減さの表れではないか? 作曲家と音律は切り離せない。もっとも寛容な作曲家ならば別だか。 そういう人にはチューニングメータが壊れたらどうすんの?って聞いてみたい。 機械の目盛りをにらめっこして1セントの違いを気にしたってしょうがない。 音楽は機械が聞いたり判断するものではなく人間の耳が聴いて楽しむものだから。 そんな訳で調律は人間の耳に頼るべきだと思う。そこに機械が入る余地はないはず。
で、ピッチが悪くて使えないって事になるわけかw
>>286 ピッチはリコーダーであわせればいい。機械なんかいらネ。
携帯性に優れるチューニングマシンよりあえてかさばるリコーダーを持参しろと?
リコーダーがいやなら音叉でいいじゃん。
リコーダーも気温や湿度などでピッチがわずかに変化するからね そういう意味でも音叉のほうがいいと思う
では調律に必要な道具は音叉のみで後は和声の常識を活用するということで。
言い忘れたが音叉と人間の耳だけで平均律は調律可能かな? ミーントーンやキルンベルガーのような不等分律が限界のような... 詳しい人頼む。
ていうか、俺の行った演奏会では
>>281 みたいなやりかたかどうかはしらんが、
音叉だけ使ってあとは相対的にチューニングしてたぞ
モダンの人ならともかく、古楽でチューナーつかってる人なんているのか?
ああ、おれも付け加え モダンの人ならともかくってのは、勿論バカにしてのことじゃなく平均率のこと
>>相対的にチューニング 弦楽のためのソナタなら音叉なしでも281の方法でもできる。 ピッチは管楽器が加わった時に初めて問題になる、というのは誇張か。
それは極端だな、ある程度の目安は必要じゃない? ヴェネツィアとヴェルサイユとドレスデンだと基準がそれぞれ全然違うんだし
スマン、ちょっと大げさだったな 郷に入りては郷に従えでその地域の音叉に合わせるのがベストか
パーセルのおかげでオペラ好きになりそう。
英語の勉強になるしわかりやすい内容でいいよね。
ところでスレ違いだが ロンドンでは1810年代になっても金管楽器の音程を正確にとるために オペラやシンフォニーではミーントーンに調律されたチェンバロを 使っていたとある書物に書かれていたけどどういう意味なのだろうか?
>>301 狩猟ホルンやトランペットは1820年代のバルブシステム開発まで
クラリーノ奏法やストップ奏法などを採っていたが音程が定まり
にくく、外れた音程をごまかすために喇叭が鳴っているときだけ
鍵盤やリュートで和音をつけたんじゃない?
304 :
名無しの笛の踊り :2008/02/11(月) 17:52:16 ID:4Eh/0bth
10年以上前からウィザードリィのBGMがずっと気になってて、バロックだったとやっと気づいた。間違ってないよね?
パーセルの作品の真贋は今のところどこまで判明しているんだろう? この時代で偽作かどうか追及しなくてもいいんじゃないかとたしなめられそうだが…
チェンバロみたいなチューニングのずれやすい楽器でミーントーンだのを 議論する意味ってあるんだろうか?ヴァイオリンだって昔の楽器はガット弦だ、 弾いてればどんどん開放弦の音がずれてくる。 昔の調律法は、演奏の現場に即した理論というよりは、この調はこういう風に 響くはずという前提の元で作曲するための作曲理論の一部にすぎなかったんじゃ ないだろうか。 レオポルトのヴァイオリンの弦を鍵盤の狭い5度に合わせる調律でも、 彼は当時の哲学を勉強した人だから演奏や作曲にも科学的な根拠を 求めたのかもしれないけど、彼の時代のチェンバロは調律に関しては 実にお粗末だったし、調律が安定するがっしりした構造のシュタインやヴァルターの フォルテピアノが出てきた時、息子のアマデウスは皮肉にも平均律的な性格の ヴァロッティを選んでしまったようだし。 調律って難しいな。
>>306 いろいろ考察ご苦労だが、一言。
実際チェンバロに触ってみてごらん。クラヴィコードでもいい。
>平均律的な性格のヴァロッティ
えーと・・・ヴァロッティはじめウェルテンペラメントがミーントーンから見て
数値的には平均律にやや近い、ということをもって、「平均律的性格」と呼んでいるならば
全くウェルテンペラメントの意義を誤解しているというほかないね。
ミーントーンから離れつつ、ハーモニーは守る、決して平均律のような破壊的妥協はしない。
これがウェルテンペラメントの存在意義だからね。
ウェルテンペラメント=平均率って誤解は多いよな バッハの意図したウェルテンペラメントも決して「平均率」ではないのに、 件の曲集は「平均率クラヴィーア曲集」と訳される始末
おれも昔はだまされてた。 気づいた時には怒りで身体が震えたね。
オレは平均律=調性崩壊と考えている。金太郎飴な音律は印象派の曲とかに合う。 とにかく調性音楽は長三度が命!!この音程で長調か短調が決まるんでしょ? ピタゴラス三度が我慢出来る長三度音程の限界じゃね?主和音がそれ以上 濁っていたり外れた音が長調で2個以上、短調で3個以上あるとキモイし メロがぼけてわけわかめ。 純正ミーントーンならばH、As、Des、Ges、cis、gis、es、bは使えねーのさ。 もっとも、ショパンは弾きやすくて大好きだったみたいだけどね。 作曲で飯食っているヤツにとって哲学だの科学だの関係ねーし! なんか考えてるヒマねーんだよねえ...。 大事なのは「響き」が心地良いかどうかとだと思う。
>>306 確かに昔のアマチュアレベルの演奏だと、全くチューニングのあってない
アヒルの合唱レベルだったことは想像に難くないけど、今日古楽をやってる
人間が何も昔のアマチュアの合奏レベルまで再現する必要はないわけで。
同様に作曲家も音響レベルまでアマチュアの合奏を想定して作曲してた
わけじゃない。それは偉大な笛吹の作曲家テレマンですらそうだったろう。
ウェルテンペラメントの中でも割と特徴の出にくいヴァロッティと
平均律の差を並の人間が聞き分けられるかの問題は別として、
完全5度を持つウェルテンペラメントってのは、平均律と比べて
チューニングがしやすく、頻繁に調律する必要のある昔の楽器と
当時のプロの演奏の現場に即した音律だと思うんだけどな。
あとヴァイオリンの音律と鍵盤の音律を混同するのも危険だな。 L.モーツァルトは確かにヴァイオリンの4弦の間隔を鍵盤の音に合わせて 狭くしておくといいとは述べているし、そうすることでアンサンブルが 緊密にはなるだろうけど、ヴァイオリンはそもそも音律の固定された 楽器じゃない。 鍵盤もヴァイオリンも嗜んだ作曲家は合奏曲でも鍵盤の調のイメージで 作曲した可能性はあるが、ヴァイオリニスト作曲家はヴァイオリン独自の 調のイメージで作曲したんだろうと思う。
313 :
名無しの笛の踊り :2008/02/18(月) 23:39:50 ID:jIeTewQ6
リコルディ社が96年に出した「四季」の批判校訂版って、評価されているのでしょうか?(研究に対して)
314 :
名無しの笛の踊り :2008/02/20(水) 12:00:41 ID:im3bF8LU
ヴィヴァルディ協奏曲ハ長調RV558が大好きな人はいますか? 好きになったキッカケは、 フックト・オン・クラシックス3に収録されている。 「フックト・オン・ヴィヴァルディ」 陽気なハ長調の特徴が良く出てる元気な曲です。
317 :
1111111111111 :2008/02/23(土) 03:31:02 ID:JmBAji9d
俺バロック以降の個人主義的傾向になってオナニー化していく音楽 が大嫌いなんだよな 全体主義と溶け合うバロックはネ申 バッハは俺にとって最早結婚したいくらいの相手です.
バロック=バッハ てがんがえはとち狂っているといえよう
>>260-270 辺りでロシアの話でてるが
西洋の音楽と社会D後期バロックU ドイツ音楽の興隆
ジョージ・J.ビューロー編
音楽之友社
モスクワp220〜
サンクト・ペテルブルクp231〜
に書いてある。
テスト
「金管には純正ミーントーンが一番よく合う」という事実
や音律関係書物に基づき以下の説を立てました。
1.19世紀初期までの管弦楽では弁のない金管への配慮で
鍵盤や弦の調弦は純正ミーントーン方式を強いられた。
2.鍵盤独奏では金管とは無縁なので改良ミーントーンや
ウェルテンパードが可能になる。ある程度調号の多い
調子の歪んだ響きも「良き趣味」という扱いを受けた。
具体的にはハ長調だけが純正ミーントーンで響く改良
ミーントーンが18世紀中期のフランスでメジャーで、
モーツァルトはヴァロッティでありベートーヴェンは
キルンベルガーであった。
参考文献
平島達司著「ゼロ・ビートの再発見」ショパンや野村満博著
「チェンバロの保守」その他音律関係書物
http://www.shonanfujisawa.com/~mozart/mozart26.html
322 :
名無しの笛の踊り :2008/02/23(土) 22:33:56 ID:1mqxE9QQ
ヴィヴァルディって言いにくい! ビバルディでええやん!
>>321 金管にはF管とかC管とかいろいろあるし、交響曲などでは
楽章ごとに持ち替えたりしてるけど、鍵盤楽器も調律しなおした、ということ?
例えばD管を使う場合はレの音を基準に調律したのかな?
後ややこしいのは短調の場合で複数調ののホルンを使ってる場合など
ハイドンの39番やモーツァルトの25番はト短調だけど、それぞれ2本ずつの
G管とB♭管を使ってる。G管ではB♭が出せないからだけど。
こういう場合どういう調律したんだろう?
それこそ頓挫したホグウッドのハイドン全集みたいに「鍵盤楽器は使用しなかった」
ってことなのかな?
余談だけど、ハイドンの39番やモーツァルトの25番で
4本ホルン使ってるのは音量増幅が目的じゃなく、
上述のような理由からなんだけど(実際4本同時使用はほとんどない)、
ある評論家が「ホルンを4本も指定したモーツァルトの激情云々」言ってたのには
素で噴き出したw 自由自在に音を出せる現代楽器の基準で
考えるからそうなるのかもしれんね
324 :
名無しの笛の踊り :2008/02/24(日) 10:58:49 ID:qfzqx/SD
テスト
>>D管を使う場合はレの音を基準に調律した いや、そこまではこだわらなかだろう。 嬰ニ音が出てくる時は変ホ鍵から調律替えして、 変イ音が出てくる時は嬰ト鍵を調律替えする程度だと思う。 また、楽章ごとには調律替えする必要ないよう作曲されている。 楽章ごとの調選択は音階の音をそのまま生かさないと 純正ミーントーンの鍵盤を使って金管の音取りが出来ない から第一楽章の調と第二楽章の調は近親調がほとんど。 ちなみに緩徐楽章は穏やかさを出すために下属調が多い。 響きの良い長調主義の時代だから短調はおまけ扱いな感じだね。 鍵盤の調律替えも上にあげたように伝統的な一音が大半だったから 変イ長調が主調になることはなかったのだろう。 まれにあったとしても鍵盤とホルンは出てこない事が多い。 変ニ音がネックになるから。モーツァルトのシンフォニーが典型だね。
金管楽器には純正ミーントーンがよく合う。 ↓ 鍵盤の調律替えは「変ホ-嬰ニ」と「嬰ト-変イ」のパターンが伝統的 ↓ 長調の変ホ、変ロ、ヘ、ハ、ト、ニ、イ、ホと短調のハ、ト、ニ、イ、ホ が純正に弾ける。 ↓ ホルンの替え管も変ホ、変ロ、ヘ、ハ、ト、ニ、イ、ホの8種類となる。 ↓ しかし、ソナタ形式上、主調をホ長調にすると第二主題がロ長調になるので ホ長調は主調にあまりされない。 ↓ 弦が良く響き、トランペットとティンパニが使える調が最も多く、 調律替えを要する調は少ない。正に順番はニ、ハ、ト、ヘ、変ロ、変ホ、イ。 短調も同様順番はニ、ハ、ト、ホ、イの順になってる。 金管がない部分では変ホ長調から変ト長調への転調を行うという 技巧を凝らす例やヘ短調が主調でホルンを使っても変ニを出さずに 主題を作ったりして変イ管が存在しなくても見事な曲に仕上げて いる例もあるので奥が深い。ハイドンの疾風怒涛期の作品は芸術的。
連投スマン トランペットがニ管が多かったのは弦の響きが良い ニ長調からきていてト管では管の長さが適当でなくて 良い倍音列が得られないとか重量的な負担の問題だと思う。 ハ管が次に多いのはニ管から長さが近いからで、 ホ管が作られなかったのは弦の響きとホ調を第一主題 に設定する需要の少なさが原因か。 ホルンは巻き管なのでトランペットほど重量的負担が ないためか替え管が何種も作られたのだろう。 それでも牧歌的要素が強いホルンはF管メインだね。
ハイドンの46番ではロ長調というとんでもない調性だからH管使ってるね 当時の楽器購入記録と作曲時期とを照らし合わせると、この曲のために わざわざH管を作らせたらしい、というのが研究者の見解 そこまでハイドンを駆り立てたのはなんだったんだろう? あと、ハイドンは疾風怒濤期だけじゃなく面白いんだってば! モーツァルトより絶対面白い。様式の範疇で色々工夫するからこそ面白い。 モーツァルトは、某Y氏の言葉を借りれば、盛りソバを頼んで てんぷらソバを出してくるみたいなところがある ハイドンは、ソバの産地やめんつゆのダシなどで勝負するタイプ
そうするとカレーをたのんでう◎こを盛ってくるのはベートー便だな
331 :
名無しの笛の踊り :2008/02/25(月) 01:09:00 ID:DjSxu0cQ
>>322 私のように前歯の出てる人間にはビバルディよりヴィヴァルディの方が言い易いぞ
一回一回前歯にかぶせるように唇閉じるのは手間なんだ
orz
>>330 まあそのたとえは下品すぎるが、そうかもしれんね
ベトの功罪の罪の部分は、あまりにも個性を主張しすぎの点だと思う
ベト以降の音楽はどうも苦手だ
333 :
名無しの笛の踊り :2008/02/25(月) 01:22:25 ID:gOzgaAyC
ざるそば頼んだのに激辛トムヤムクンラーメン餃子入りを無理やりに持ってきて 「俺様の絶対の自信作だ!四の五の言わずに食え!」と口の中にねじ込むのがベートーヴェン
ワラタ、まさにそんな感じだわ
>>329 エステルハージ家では楽団を仕切れただけではなく
かなり余裕があったからソバの産地や麺つゆのだしを
いろいろ工夫出来たんだろうね。
ハイドンはある意味マニアックで面白い。
研究すればモーツァルトとは一味違った面白さがありそう。
モーツァルトがもしロ長調のシンフォニーを書いたとしたら
ホルンは入れないで書くかE管ホルンで嬰ホを出さずに第二主題
を書くかもしれないね。もっともロ長調を書く動機自体不明(笑)
ベト7
金管という点で見ると、ハイドンの70番の終楽章とか面白いよね もともとニ長調の曲が終楽章はニ短調で、その部分はファの音は 金管に吹かせないようにうまく作って、コーダでニ長調に転調すると 主題を吹かせている 主部はpp主体でコーダで高らかに主題を奏するという作りとうまくマッチしてる ハイドンって、長調の曲で、終楽章短調の曲って結構あるのは面白いね モーツァルトとかベートーヴェンとかでそんな曲あったっけ?
>>モーツァルトとかベートーヴェンとかでそんな曲あったっけ? 二人とも確かめてみたけどシンフォニーではないと思う。 >>金管に吹かせないようにうまく作って いかにも実験好きのハイドンらしい工夫の仕方だね。 エステルハージの管弦楽団を音楽実験に使ってるって感じ。 やっぱハイドンって面白い人だね。 327の訂正 もしかしたらホ管は一般的ではないかもしれない。少なくとも モーツァルトはホ管をシンフォニーで使っていない。 変ホ、変ロ、ヘ管、ハ管、ト管、ニ管、イ管の7種みたい。 ハイドンの12・29・44番が気になる。ホ管もロ管同様 わざわざ作らせたのだろうか? すっかりこのスレって「古典派音楽総合スレッド」になってる(笑)
まあ、ピリオド楽器演奏も広い意味でこのスレの範疇だから(テンプレにも書いてあるし)、 ピリオド楽器特有の問題扱う分には問題ないと思うよ ホ管が一般的かどうかは、ヴァンハルがホ短調の交響曲書いてるから、 スコアが参照できればわかるんだけどね… 古典は以降、シャープ系短調の作品はオーケストラ物に限れば 激減したという話を聞いたことがあるんだが、ひょっとしてそのあたり 関係あるかもしれないね
連書きごめん、補足 なんでヴァンハルのを参照すればある程度分かるかと思ったかと言うと、 たった1曲のためにロ管作らせたりするエステルハージ家に仕えた ハイドンではあまり参考にならないけど、 ある程度普遍的に演奏可能性を考えたであろうヴァンハルの 楽器選択はかなり参考になると思ったから
長調偏愛主義時代の18世紀後半でも321のリンクで あげたような数多くの調性が使われているのは興味深い。 クラウスのシンフォニーなんかVB140では嬰ハ短調が主調に なってる。葬送交響曲ハ短調 VB148なんか一瞬 RPGのBGMかと思った(笑) 二曲ともカッコいいよね!! ドリア調のイメージがないせいか交響曲イ短調は意外にも少ない。 穏やかにイ短調の主題で書き始めて第二主題でハ長調に 転調した時にトランペットとティンパニを使って一気に 盛り上げるなんてのが書けそうだけど少々ロマン派的かなあ。
>>339 >>340 ヴァンハルは西洋文化圏全てで知られていた大家だからね。
十分に参考になると思うよ。
ハイドンはロ管を持っていたのならロ短調も書いて見ればよかったのにね。
直前にも書いたけどイ短調でも一曲実験で書いてみればよかったのにね。
イ短調は管を特注しなくてもイ管とハ管があれば問題ない訳だし。
それとも一曲書くには時間とコストがかかるから祝典にも葬送にも
当てはまりにくい調では書く気にならなかったのかな?
バロックでもロ長調があったような。なんだっけな? ホルン的にはクルークがあれば特に問題なく演奏できるけど、 やはり木管陣にとってのやりにくさ、変な調性感を期待したんだろうね。 それよりホルンと木管のピッチあわせるだけで死にそうw
ジェミニアーニの合奏曲ぐらいしか思いつかないよ
>>341 >第二主題でハ長調に転調した時にトランペットとティンパニを
>使って一気に盛り上げる
これはロマン派のやりかただろうね。古典派の様式的には
第一主題を三和音的な主題でフォルテで始めて、
第二主題はたおやかになだらかな旋律線の主題を奏する、というのが
教科書的なソナタ書法だから。
>>345 やはりロマン派的書法ですか。主調がイ短調やロ短調だと
第一主題では穏やかな旋律線をピアノで奏で、第二主題で
トランペットやティンパニを使って三和音主体の跳躍的旋律
をフォルテで奏でさせる。こうやって第一主題と第二主題の
調の特徴をふんだんに生かす。
確かに古典派の様式と正反対かも。こういった特徴を持つ曲の
需要は18世紀にはなかったのだろうね。
追伸だが面白いことに気づいた。 イ短調のシンフォニーを書いてしまうと第二主題は ハ長調になるのでトランペット&ティンパニが使えるが そこでしか活躍の場がないことに気づいた。 なぜならソナタ形式の性質上、再現部は二つの主題の融和 が重要だから第一がイ短調で第二はイ短調かイ長調に しないとまずい。第二がハ長調じゃだめだかららっぱ &太鼓が使えないんだよね...。 緩徐楽章の場合は教科書的にヘ長調で書き始めると らっぱ&太鼓が使えない。ハ長調で書き始めてもそも そもこの楽章にらっぱ&太鼓は合わないから入れるのが 難しそうだし...。イ長調で始めても当然使えないし...。 舞曲楽章でもその性質上らっぱ&太鼓は似合わない。 終楽章ではソナタかロンドのどちらかをとるわけだけど どちらともハ長調で終わってはならないからやっぱり...。 勝手な想像だけど結局イ短調で交響曲を書くことになると トランペット&ティンパニの活躍の場が極端に限定されて しまうことに気づいたのだった。
そもそも緩徐楽章での管楽器の使用自体新しい書法だからね。 1760年代初期頃までは、例えば第1楽章が緩徐楽章、つまり 緩徐楽章だけどメインという場合を除いて、弦楽器のみで演奏するのが習慣だった。 木管楽器でさえ使われだしたのはそれ以降だから、金管&ティンパニなんてとんでもない。
>>緩徐楽章での管楽器の使用自体新しい書法 ズバリ!!ハイドンの初期が典型か。 なんかこの楽章だけ弦楽カルテットっぽいよね♪ やっぱソナタ形式の管弦をイ短調で書き始めると かなり奇異になることは間違いなさそう。 ここまで来てまた一つ気づいたが当時の管弦は弦が メインで管はそれに色づけする脇役ではないかと思った。 ということは弦が良く響く調を中心に管が製作されたり 作曲されたりしたと言えそう。以前鍵盤の調律云々を 言い過ぎたが管弦では鍵盤のことは一番最後に考えるもの なのかもしれない。 ニ長調は弦が最もよく響く調だからトランペットとフルートは それに合わせてニ管で作られたと考えると歴史的にも辻褄が合う。 オーボエがハ管なのはフルートと少し違った響きにしたい と考えたからなのだろうか?(ここはあいまいだけどね) 弦の響きの都合と楽式上の都合でホルンは変ホ・変ロ・ヘ・ハ・ ト・ニ・イ管が作られた可能性が高い。開放弦が極端に少ない 変イ長調やロ長調で書き始めてもしょうがないからね。 (この理由は後で書くよ) 短調はグリコについてくるおまけのようなものであくまでも 古典派の時代は長調で書き始めることが定石だったのだろう...。
急速楽章の第2主題に限ると、1820年代あたりでも 金管&ティンパニを使用する交響曲は珍しいような気がする。 定番の木管はともかく。 初期マンハイムの交響曲でも急速楽章の第2主題になって初めて 木管が旋律楽器的に使用されるね。 教科書的に言えば第2主題は歌謡的性格と規定されるから当然なんだが。 ロ長調とえばマティアス・モンの弦合奏のみのシンフォニアにあったような。
>>第2主題は歌謡的性格 ズバリ!木管は歌謡的旋律を吹くのにピッタリだからね。 第2主題は歌謡的性格で書くのが定石だからこの時代は 短調でシンフォニーを書くならニ・ハで書くべきだと 思ったのだろうね。これらの調なら急速楽章と終楽章両方で 長調のニ・ハと同じ頻度で喇叭&太鼓が使える。 もっともニ短調とハ短調は葬送曲だろうから故人を弔うよう に派手すぎない使い方をしなとね。 急速楽章をイ短調で書き始めると第二主題がハ長調なの に喇叭&太鼓が使えないのはなんだかもどかしい(笑) ただ分からないのは木管は緩徐楽章に入れても大丈夫なはず なんだけどなぜか導入が遅いんだよね...。 それとなんで緩徐楽章では1760年代初期までは弦しか 使われなかったのかが少し分かったような気が...。 この頃まではまだ管弦の楽章構成がバロックソナタの慣例 に基づいていたと言えそう。バロックソナタは急速楽章が 長調なら緩徐楽章は平行短調というのが一般的だね。 この場合、角笛は使えないね。実際、B.マルチェロや サンマルティーニのオペラのシンフォニアでそうなってる。 二種類4つの角笛で短調の旋律を吹くなんて芸当はかなり 後のことだし。
>>マティアス・ゲオルク・モン シンフォニーに初めて第二主題の導入を試みた重要な 人物らしいけど作品は入手出来ず殆ど存じ上げませんでした。 そのロ長調の拡大版弦楽カルテットみたいなシンフォニーを 是非聞いてみたくなりました。
実際、ハイドンの初期シンフォニーでは、教会ソナタの残照のようなものがある。 緩−急−メヌエット(いわば緩)−急 という構成の作品が、60年代頃までは結構多い。 疾風怒濤期でいえば49番なんかもその構成だけど。 コジェルフのソナタでも緩−急−緩−急 の構成のソナタとかあるしね。
あと、緩徐楽章で弦楽器のみなのは別の理由もあると思う。
>>348 でも書いたけど、緩−急−メヌエット(いわば緩)−急
という構成のシンフォニーの場合、冒頭の緩徐楽章では
60年代以前でも管楽器は使用している。多分これはメイン楽章だからだと思う。
当時の管弦楽法の教科書では管楽器はまだ「添え物」扱いだから
(金管とティンパニにいたっては騒音扱い)、
一息つく緩徐楽章では耳を休める、という意味があったんだと推測する。
70年代ごろには皆の耳も慣れてきたので、緩徐楽章でも
管楽器が使われ出したんじゃないかな。
状況証拠としては、ハイドンでも最初期のシンフォニーでは緩徐楽章には
管楽器を使っていない(上述の例外除く)。60年代初期頃にまず木管も併用するようになり、
それからホルンに限って追加で使用するようになる、という段階を踏んでいる。
>>初期マンハイムの交響曲でも急速楽章の第2主題になって 初めて木管が旋律楽器的に使用される 初期マンハイム学派以前(推定1740年前後)は木管は オーボエだけでヴァイオリンに重ねて音量を増強したり旋律を 吹いたりしたよね。 >>緩徐楽章では耳の一休み 納得です。曲の進行に軽くブレーキをかけて速度を 落とすような...。そのために遅い拍子で調子は下属調 に変えるのね。改めてナットク♪ 後期バロックオペラのシンフォニアでの急-緩-急形式も 全くこれと同じね。 ソナタ形式といえ古典派の楽章構造といえ本当に芸術的ね★
349の管弦&合唱VS鍵盤の調律の続き 19世紀中期までの管弦(&合唱)は純正な音程を作りながら 演奏し鍵盤だけは純正ミーントーンを取っていた可能性が高い。 でなきゃマーラーが「鍵盤がミーントーンで調律されなくなった ことは音楽界の最大の損失だ」と言わなかっただろうね。 そして管弦と合唱は全て作音楽器(人)である事に気づいた。 フレットがない弦と歌手は当たり前で金管もストップ奏法とか ベンディング奏法などで、音程を微調節できる。木管はあまり 知らないがやはり微調節できるらしい。しかし鍵盤だけは純正 な音程をとりたくても物理的に無理だね。純正律が実用に耐え ないのはルネサンス時代に証明済みだから仕方なく純正ミーン トーンという妥協的音律を使うことになった。 つまり鍵盤だけが狭い五度で演奏している事になる。 弦も鍵盤の音程に合わせて狭い五度にチューニングするが いざ演奏すると異名異音を厳密に区別しながら四・五度も 純正な音程に取っている。鍵盤の音程のズレにみんなが 合わせてくれないから鍵盤奏者の方が気遣って狭い五度を 目立たせないように演奏するようにしているらしい。 管弦(&合唱)の中で鍵盤は脇役だから当然か(笑) ということは鍵盤の調律も管弦&合唱の中では常に 純正ミーントーンでないとKYになるから異名異音を 厳密に区別して調律することが大原則といえそう。
管弦で中核をなす弦の調によって響きが変わる事について調べてみた。 どうらや弦の調性感とは開放弦の音と押さえて作られる 音との違いが「明暗」という形で表れるらしい。この 明暗の数と並びは調によって異なり調性格という形で表れるらしい。 明と暗のどちらかが必ずないと良き趣味とは言えないらしい。 するとまず使えない調の限界が分かる。しばしば話題に登ってくる ロ長調と変イ長調、変ロ短調のことでこれらは音階に開放弦が 一個しか含まれず、五度と共鳴しないため響きが乏しく不可。 嬰ハ短調は旋律下降音階の時、イとホが開放弦になり五度の響きを作れる が使用頻度が極めて稀なためか、緩徐楽章のみに許された模様。 ヘ短調は旋律上行音階のみでトとニが開放弦になり厳しそうだが フラット系であり、より純正な調へ転調する傾向にあるためか 周知の通り認められいる。 主要三和音の五度が全て開放弦で最も明るい響きのニ長調、 副三和音の五度が全て開放弦で三度音が明るく響く情緒的なヘ長調、 主要三和音と副三和音両方が同じような響きをもつハ長調、 ロ短調のように最も明るく響くニ長調と共通の和音を持つ短調、 低弦と弦の最低音gの響きが厳かで美しいト短調、運指がラクで ト短調のように低音域での響きが良いト長調、厳粛な響きのニ短調、 葬送的な暗くこもった響きのハ短調、ヘ短調、嬰ヘ短調...。 というように挙げればキリないげどね。バロック中期以降 18世紀末までの様々な様式の弦を含む曲の主調がこういった 基準で決まったという事を発見した。
358 :
名無しの笛の踊り :2008/02/27(水) 22:16:01 ID:USykU2lj
>>356 考察ご苦労だが、「純正ミーントーン」などというものはない。
誤解を招くだけ。
ミーントーンでOK
>>358 一口にミーントーンといっても様々な改良形があるから
厳密にするためにオリジナルのアロン方式を指していったんだけど...。
純正長3度が8個に若干狭い5度が11個にウルフ5度が1個の
中全音律のことでスコアに変イとか嬰ホが出てきたらハ音以外の
音を基準にして調律替えしないと調子外れになる有名な音律のことさ♪
360 :
名無しの笛の踊り :2008/02/27(水) 23:15:11 ID:USykU2lj
>>359 改良系の総称はウェルテンペラメントでいい。
純正をオリジナルの意味で使ったようだが
知らない人には純正律と誤解されるだけ。
ミーントーンで通じる。
>>356 かなり管楽器に誤解があるみたいなので一言。
ベンディング奏法とまではいかなくても微調節なんてあたりまえにやるよ。
部活の吹奏楽のレベルでさえ、「決まった指使いで決まった音が出ると思うな」
って何度も何度も言われる。金管も木管もね。
現代の精密機械のような楽器でさえそうなんだから、当時の楽器ではもっと
不安定で、奏者の音感が重要だっただろうと思う。
モダンフルートとトラヴェルソを吹き比べてそう思った。
それに、そうじゃないと、例えば幻想交響曲の第5楽章での木管楽器の
ポルタメントとか演奏不可能でしょ。
>>362 ご示唆ありがとう!
鍵盤しか知らずにここまできちゃったものだから...(笑)
弦や管は実際に扱う友達からの知識だったんだよね...。
トラヴェルソでヘ短調が主調の曲を見たことがないんだけど
トラヴェルソやオーボエでも吹きづらい調ってあるの?
>>363 トラヴェルソはシャープ系が吹きやすくてフラット系は吹きにくい。
あと、吹きにくい音がちらほらある。
ヘンデルのソナタOp.1-1bは、ヴァイオリンソナタが原曲だというけれど、
トラヴェルソで吹くとそうだと実感できる。第1楽章後半の「F’’’」の吹きにくいこと。
編曲としてはダメダメだよ。モダンフルートで吹く分には気付かないけど。
オーボエはわからない。
>>364 感謝です。管もかなり難しい作音楽器なんだね、驚きだよ。
っていうことは常に微調整しながら異名異音の区別や
純正な音程で吹いているの?
弦は鍵盤に合わせたミーントーン調弦でないとホ線のホ音に イ線の短三度上のハの音を純正に取りながらイ線のハの音に ニ線のト音を純正に取るとそのト音がト線のト音と協和しない。 開放弦が重要な17〜18世紀の音楽でピタゴラス調弦は 合わないってことの証明になってるね。 まさにモーツァルトの親父さんの言うとおりだね。
トラヴェルソは異名異音で指使いからして違う、やはり時代かね。 あとトリオソナタなどで三度が出てくるとき、和音の第2音だったりするところは 当然低めに吹くよ、コレはモダンでも同じ、部活動などでも純正和音は叩き込まれる。 というか、コレが出来るかどうかが合奏の本当の実力だったりする。 管楽器はなまじ指使いがあるから、音感ない人が吹くとかなり悲惨なことになる。
異名異音ってのも変な言い方だな、コピペしちゃったけど。 まあ、普通異名同音といわれる例の奴ね、F♯とG♭とかの。 違う音なんだから同音と言いたくないのは分かるけど、 「異名異音」ってあたりまえじゃん、とか突っ込みたくなったw
管って思ったよりアナログで繊細なものだということに いまさらながら思い知らされた(笑)かなりの音感と訓練が 必要だな。その点鍵盤は最初に調律しちゃえばあとは 音感とか関係ないか...。もちろん狭い五度を気にして 演奏する必要はありそうだけど。合奏って難しいネ!
その点鍵盤独奏はオリジナルの調律とか言ってオケからすれば ぶっ飛んだこと言ってるわけだ。でもお咎めはなしだからね。 やりたい放題で★ 勝手にミーントーンとピタゴラスをブレンドして独自の音律を 作って今も演奏してる。多分、バロック時代もそうしだだろう。 例えばホ長調なんか超低い導音になるがこれが逆に鍵盤のホ長調 の特徴になっている。もし合奏の時のように正確に嬰ニにして しまうと実に味気なくルネサンス時代の鍵盤曲みたいな純正的 響きになってしまう。これではホ長調ではないと思う。 鍵盤独奏ではホの導音は嬰ニではなくやや変ホに近くズレ た方がホ長調であると認識させられるんだよね。 音律が分かっている作曲家なら指示に従うが分からない時は 上に書いたようにブレンドしてマッチするまで試すんだ。
テレマンの「食卓の音楽」やヘンデルの「メサイア」が 発表されたころ、マンハイムのモンやシュターミツは ソナタ形式を考案して第二主題を創意工夫していたね。 彼らからすればテレマンらの音楽は時代遅れに感じただろ な。「ああ、じいさんの新曲か...」って演歌と同じ扱い(笑)
>>371 美空ひばりの歌は世代を超えたから「ああ、じいさんの新曲か...」
なんて冷めた目では決して見なかったと思うよ。
楽天ブックスで注文した、 ヴィヴァルディ協奏曲集CDがやっとコンビニに届いた! さて、今から受け取りに行こっと。 イル・ジャルディーノ・アルモニコの演奏は、どんな感じなのか楽しみ楽しみ!
>>371 テレマンはハンブルク時代にはすでに最新モードのカンタータになってるし
(バッハなどよりはるかに早い)、晩年にはディベルティメントなども書いて、
当然ソナタ形式にも近づいている。ターフェルムジークは当時の音楽の集大成、
というだけで、本人は決して流行に疎かったわけではない。侮るべからず。
あと、ヘンデルのオラトリオの代表曲を「メサイア」にするのは誤解を生むだけだと思う。 ヘンデルの天才が発揮されるのは物語の演劇性を最大限に発揮させる劇場センスだと 思うんだけど、新約聖書の抜粋の「メサイア」ではそれが十全にに発揮されていない。 壮大なスペクタクルの「サウル」や、これ以上無いというくらい劇的シチュエーションの 「イェフタ」、あるいは内面的表現の極限を追求した「テオドーラ」などを代表作に挙げる べきだし、それらを聴かずに「メサイア」だけ、悪くすれば「アレルヤコーラス」だけを聴いて ヘンデルを聴いた、もう十分だ、というような風潮は我慢ならない。
376 :
名無しの笛の踊り :2008/02/29(金) 17:00:29 ID:5GyaHzi7
言いたいことは分かるがメサイアは新約だけじゃなくて旧約のテクストも入ってるというかそっちの方が多い
くだらねー駄作のメサイア聴いて満足してるやつがいたっていいじゃねか
378 :
名無しの笛の踊り :2008/02/29(金) 18:29:43 ID:/X1pYIGr
>>376 は、「言いたいことは分かる」というわりには
>>375 へのレスとしては
とんちんかんやね。
誤解を生もうがなんだろうが、ヘンデルの代表作が『メサイア』なのは
動かんと思うねオレは。
「アレルヤコーラス」の途中部分はコレッリの四声のフーガ のパクリだね。ヘンデルは他にもコレッリからかなりパクッ っているところを見るとかなり当時コレッリの曲はメジャー だったんだな。
380 :
名無しの笛の踊り :2008/02/29(金) 19:19:02 ID:5GyaHzi7
>>378 ?
新約、旧約と劇場センスはそんなに関係ないと思うけど。一応訂正入れただけで
代表作云々というか、メサイアだけがあまりにメジャーになりすぎたよね。
>>379 イギリスではコレッリとその弟子たちが大人気で
ソロコンチェルトよりコンチェルトグロッソがメジャーだったくらいだから
ファンサービスかもしれんね、その部分
>>381 なるほど!ファンサービスかあ...。ナットクです♪
ジェミニアーニとかロカテッリのことね。
全線で第三ポジションまでしかとらなくてよいような 合理的な演奏ができるコレッリの曲は紳士的だね。
なにこの、アルモニコの演奏は! そんな乱暴に弾かなくてもええがな!w 曲によっては(RV558とか)、ええ感じやったけど全体的には強弱つけすぎ! いきなり大音量鳴ったりびっくりしたわ!w
>>384 そう言われると逆に聞きたくなりますな♪
386 :
名無しの笛の踊り :2008/03/01(土) 00:31:32 ID:WpigoXFS
>>384 もはや手垢にまみれて古臭いスタイルだな。
388 :
名無しの笛の踊り :2008/03/02(日) 18:55:16 ID:eH+RoVu0
前々から頻繁に資生堂のCMで流れているBGMは、 ヴィヴァルディのフルート協奏曲「夜」RV439だそうだね。 曲調がフルート協奏曲「海の嵐」に似て激しいよね。 「夜」なのに・・・
>>375 「メサイア」は現代まで演奏されて続けてきた代表曲なので
「メサイア」を通じて一言。
第1部は序曲からイエス誕生までの間にホ長調からハ長調へ
と順々に調号が減ってゆく。イエス誕生の曲を清らかな雰囲気に
したかったからだというのは想像に容易い。
平島達司著「ゼロビートの再発見」ショパン社によると1981年に
日本オラトリオ連盟が鍵盤で異名異音を区別して調律したというが
これは曲想的に誤りであると考える。
ハ長調が純正である事を考えると改良ミーントーンであったはず。
これはオペラでも言える事で1部ごとに鍵盤は調律替えするだろうか?
1部内でも変系も嬰系の調も出てくるので改良ミーントーンに違いない。
オペラ本場のイタリアでは一段鍵盤がメインなので二段鍵盤で調律を変える
という芸当はなく合奏用と叙唱用の二台のみガルッピやピッチンニ、
サリエリの作品などが典型か。モーツァルトでも同じか。
390 :
名無しの笛の踊り :2008/03/02(日) 20:18:30 ID:2Cn4oRve
>>388 夜の恐怖を描いた曲だから。
まんなかでは幽霊も登場
391 :
名無しの笛の踊り :2008/03/02(日) 20:23:19 ID:eH+RoVu0
>>390 なるほど!
それでか!納得。
その曲も収録されているCDが届くのが楽しみだー
個人的にバッハの代表作といったら何だと思いますか?
>>392 bwv578、bwv244、bwv232、bwv1080
代表作というとロ短調だろうな。 好きな曲はBWV106、BWV198、BWV768、クラヴィア練習曲第3巻あたりだけど。
室内楽がすきだからブランデンブルグ協奏曲かな
大作じゃないモテトゥスのほうが深いものがあって好き
>>398 ナイスボケw怒りが和らいだよ
名演ぞろいだから、持ってない人は買っても損ないよ、むちゃくちゃ安いし
>>400 別物。それはフランスハルモニアムンディ(HMF)。
>>396 はドイツのハルモニアムンディ(DHM)。
紛らわしいけど別レーベルだよ。
{;;;;;;ゝ T辷iフ i f'辷jァ !i;;;;; HMFとDHMは関連会社 ヾ;;;ハ ノ .::!lリ;;r゙ `Z;i 〈.,_..,. ノ;;;;;;;;> そんなふうに考えていた時期が ,;ぇハ、 、_,.ー-、_',. ,f゙: Y;;f 俺にもありました
木管の調によっての響きの違いを研究しようと思うのですが 中学時代に使っていたリコーダー(F管アルトのバロック式運指) でも大丈夫ですか?
404 :
名無しの笛の踊り :2008/03/07(金) 01:15:15 ID:ARGCqlF7
>>403 まあまあ違いもわかるけどやはりプラ管ではそれほどバラつきは大きくない
ああいうのはやはり現代に作られたものだから
どの音も極力均等に鳴るように調整(人によっては改悪ともいう)されてるからね
俺の乏しい経験から言うとオリジナルに近い楽器ほど調の違いが大きく出てると思う
シックハルトがすべての調を網羅した24のソナタを書いてるけど
これをプラ管で吹くのとオリジナルのレプリカの木管で吹くのでは
調による表情の変化の度合いが桁外れに違って面白かった
HMF箱もだけど、
>>396 のも相当やばいな・・・
かぶってるCD探すのも馬鹿らしくなるよ。
>>404 サンキューです。その素晴らしいそうなレプリカが欲しくなりました。
どのメーカーもしくは工房が有名で安心できますか?
>>363 ヘ短調じゃなくて変ホ短調ならキルンベルガーのトラヴェルソと通奏低音の
ためのソナタがあるけど、変ホ短調はあるの知ってるけど
ヘ短調は知らないって意味だったらごめん
408 :
〜((((;';ё;`;) ◆895VVoilOU :2008/03/08(土) 07:35:08 ID:EkRUmkRI
ビイバアの旋律てごっつ泣けるやん!!! なんか知らんけど?
「ばくさんのかばん」の、 ぼっくっは、ビィ〜バァ〜♪ なんたってぇ、ビィ〜バァ〜♪ ってヤツか? 泣けるかぁ〜?
三十年戦争真っ只中を生きた作曲家は精神性のレベルが違う
精神性=リヒヲタ(笑)
8日夜に放映していた「オーケストラ・モーツァルト演奏会」 ブランデンブルク協奏曲の6番にツボった! こんなにはまったのは、10年ほど前にやはりテレビで視た「コンバッティメント・コンソート・アムステルダム」以来。 彼ら、一体何者なんだ?
414 :
〜((((;';ё;`;) ◆895VVoilOU :2008/03/10(月) 07:47:03 ID:J/YnV6eR
ブ協は4番がよろしおすな!!ヽ( ;◎;З;◎;,)ノ フラウト超気持ちいいいいいいいいい なんか知らんけど?
BSで放映していた「オーケストラ・モーツァルト演奏会」俺も観たけど ブランデンブルク協奏曲に独立した指揮者はいらないなと思った。 5番の2楽章なんてアバド椅子に腰掛けてボーッと聴いてたし。 6番はさすがに指揮者は立てなかったね。 協奏曲とはいっても室内楽の枠だねこの曲は。 バロック時代、以前の曲は、鍵盤ないしファーストヴァイオリンがリードするのが正当だと思うし。 ヴァイオリンのソロはカルミニョーラのようだったけど、この人モダン楽器もやるんだね。 ペトリは美しく歳をとってるなあ。キー付きのリコーダーなんてはじめて見ましたどすえ。
416 :
名無しの笛の踊り :2008/03/10(月) 12:28:35 ID:dbSuckWG
むしろバロックの協奏曲で室内楽の枠に入らない曲がどれだけあるの?
>416 ヘンデルの水上、花火くらい?
>416 ・・・ リピエーノの人数を増やせば指揮者を立ててもいいかなぐらいかな? 「オーケストラ・モーツァルト」はリピエーノが2名づつだったので指揮者は浮いた感じだた。
ちなみに、この「ブランデンブルク全曲」はyoutubeで視れる、という噂。 やっぱり、どんな楽器で演奏しているか、はそれほど問題ではなく、 様式感、それと演奏に際しての良心(作品の尊厳を傷つけない気持)が大事。 となると、聴いて「良いな」と思えるのは古楽器派の人たちの演奏であることが多いんですが… あと余談ですが、ヴィブラートのかけられているコンティヌオは、もう、耳が受付けないっす。
とにかくテンポが速かったよ。緩叙楽章すらも。 だから管楽器は息もつかずに真っ赤な顔でしかもノーミスで吹ききっていた。 フルートは木製のモダン楽器のようだが、ほとんどトラヴェルソのような発音をしていた。 通奏低音以外は起立しての演奏だったのでリズムに乗った体の動かしすぎが気になった。 少人数とはいえ全員でそれをやると少々目障りだな。逆に指揮者のアクションはひかえめだった。 こういう時のチェンバロやガンバというのはどんなのを選ぶのだろうか。。。 折衷楽器みたいのがあるのかな?。
ガンバはよく知らないけど、チェンバロには「モダンチェンバロ」ってのがあるよ プーランクの田園コンセールとかで使うような奴
バロックは古楽器でやらないとだめね。 モダン楽器でやると現代的に聞こえる。
>>422 現代的に聞こえるのなら、それはそれでいいんじゃないの?
というか、古楽器による演奏って、最も現代的な演奏なんででしょ。 当時の演奏とは全くの別物だってどこかでみたよ。
でもわざわざ当時の楽器をつかってまで演奏してるみたいだから、 当時の奏法を意識しているのはたしかだよ。
そやな 僕の知り合いの今年450歳のじいさんが 「むかしとちょっとちがう」って言うとった
18世紀初頭のドレスデンのオーケストラは現代の古楽界の事情では 管楽器奏者、特にオーボエとファゴットが少なすぎて再現できないだろうけど、 クヴァンツやグラウン、ベンダ、そしてドレスデンのオーケストラに 作品を提供したヴィヴァルディの作品を一度でいいから当時の編成で聞きたいよな。 ヴァイオリンとオーボエが同数で、舞台の正面にファゴットがずらりと並んだ編成なんて、 現代オーケストラの響きになれた人間にはかなり凄まじい異形の響きなんだろうな。
>>426 へぇー。その人、鎖国の最中にヨーロッパへ行ったんだぁ〜。
それとも、向こうの人?
>>426 ヴァージナル曲なんかも今と17世紀では違うのかい?
当時と同じかどうかにこだわるのは 胸くそ悪い「音楽史」の連中
「音楽史」って人を指す単語じゃないよ?
>>凄まじい異形の響き ヘンデルの「王宮の花火の音楽」の18世紀中期の演奏は オーボエが24本、バスーンが12本、ホルン9本、トランペット が9本、ティンパニが3台だったらしいよ。 初演の際には、これがさらに増加されて100本の管楽器が吹き まくったみたい。現代のポピュラー系の野外ライヴよりどでかい 爆音が出ていたんだろうね。恐ろしいね(@_@)
>>432 ピノックやニケがその版で録音してたよな
ひょっとしたら他にもあるかもだが
>>430 えー(・_・)、でも当時はどんな感じだったか気にならない?謎
>>433 情報サンクスです(^。^)ウチも探してみますね★
でも花火は打ち上げ失敗で火事になったんだっけ? 演奏どころじゃなくなったんじゃない?
>>432 古楽器の音量からしたら
野外イベントで100本は「必要な数」なのでわ
>>436 でも金管の音量は今と変わらないんじゃ?
どうだろう、振動効率とか関係あるんじゃないの? 素材との関係もあるし。
金管も今より小さいよ。 マウスピースの作り、楽器の作りから考えても。 木管ほど差はないし、出そうと思えば出るけどね。 少なくとも大きい音を出すように作ってはないな。
440 :
名無しの笛の踊り :2008/03/13(木) 23:41:00 ID:XFKReuw6
バロック音楽は室内での演奏多いわけだからあまり音量は追求しなかったんじゃないのかな。 音量よりも音色だからね。トラヴェルソとフルートがわかり易い例だよ。
それより、きちんと音程取れる金管を100人も集められたのか?
管楽器100人て、考えただけでも恐ろしいなw >音程
トランペットについては今日では考えられないほどの技量があったようだけどな 市民階級の台頭と王侯貴族の没落で後援となるパトロンがいなくなって ギルドが大打撃を受けて急速に技術が低下したらしい で、結果として古典派のトランペットパートはなんじゃそりゃというおもちゃみたいなものになった
>>トラヴェルソとフルートがわかり易い例 トラヴェルソもフルートも同じなんですけど...
文脈で素直に考えればトラヴェルソとモダンフルートって意味だろ、意地悪な奴だなw
>>444 トラヴェルソもフルートと同じ音量が出せて、同じ音色で奏でられると言いたいわけですね?
>>445 トラヴェルソも当時は野外楽器からの新入りでリコーダー
よりは大きな音量が出るとされていたら確認したまで。
>>446 そこまで言ってないんですけど。
Niquetの王宮の花火の音楽は、金管楽器の自然倍音列を修正しない演奏だね。 具体的には、ホルンのハンドストップやトランペットのトーンホールを使っていない。 明らかにオケと音が合っていないけど、それを力業で吹ききっている。
>>448 えー(@_@)聞いて見たなったよん(゚o゚)
それってすごくない?ギルド並やね★歴史に忠実な響きかも♪
ホルンでストップ奏法をやり始めたのは30年代のマンハイム
楽派やもんな。トランペットのトーンホールはいつできたかは
しらんけどね 謎
>>448 >>449 ヴァンハルの交響曲第63番イ短調Bryan a1
これ、面白いね。1760年代にA管・C管・E管の三種の
ホルンを使用しているから。ヴァンハルにはこれ以外
にも短調の交響曲が結構あるから面白そう。
ヴァンハルの曲もっと聴きたい。
>>448 思いっきりはずれてる感じ? それとも注意して聴かなくては素人では分からない程度ですか?
思いっきりはずれているなら買いたい・・・
今日BSでアバドのルツェルン・フェスティヴァル・オーケストラやってるけど、
先週のオーケストラ・モーツァルトのメンバーはここの楽団員なんやね。
2ちゃんでは嫌われてるアバドだけど、やはりバトン・テクニックはうまいね。
サンプルで聴いてみた。 いいね。特にホルンはこうであってほしい。 この録音用に管楽器を作ったようだね。 買う買う。
今日、バロックコレクションというCDを聴いた。 当時の様々な作曲家の有名な小品を集めたアルバムなんだが、 妹が突然、「作曲家が違ってもみんな同じに聴こえる」と言い出した。 同じ時代の音楽、同じジャンル、同じ楽器の演奏なのだから 初めの内は同じに聴こえてもしかたないなと納得してしまった。 そこで考えたんだが、バッハやヘンデル、ヴィヴァルディー、テレマンなど偉大な作曲家の音楽の違いを簡潔に説明したいときに どうすれば相手にわかりやすく伝えられるのだろうか?
バッハ:旋律線が絡みつくようなエロさ ヘンデル:野外でヤるような開放的なエロさ ヴィヴァルディ:来るもの拒まずのラテン的エロさ テレマン:見てるよりヤってるほうが気持ちいい本来のエロさ
>>454 パーセル:古風なエロさ
クープラン:優雅で繊細なエロさ
リュリ:ゲイ丸出しのエロさ
ラモー:大胆で斬新なエロさ
>>455 モンテヴェルディ:激しいエロさ
コレッリ:整ったエロさ
ストラデッラ:狂気のエロさ
タルティーニ:ミステリアスなエロさ
自分が疎い音楽はみんな同じように聴こえるもんだ。それだけのこと。 例えば、ハワイアン、ジャズ、演歌、ジェーポップ・・・ 違いを言葉で表したところで評論家ごっこでしかない。 音楽は体感するものさ。
ところが耳っていうのは主として聴き慣れたものを快と感じる厄介な性質がある。 惰性のカラを破るためには言葉の力を借りなきゃいけない時もあるんだよ。 ちょっとした一言のコンセプトで突然目の前が拡がることもあるからね。
459 :
名無しの笛の踊り :2008/03/17(月) 02:18:50 ID:v07sR8wx
横浜バロック室内合奏団って、どうおもう?
古楽の歌唱や演奏ってノン・ヴィブラートで声や楽器 が本来持つ美しさを生かした歌唱・演奏法というけど ヴィブラートってなんでかけるようになったんだろ?
古楽でも完全にノン・ヴィブラートだったわけじゃないよ 例えばトラヴェルソの奏法でフラットマンという、指を使ったヴィブラートがある 鍵盤楽器でも、クラヴィコードは、モダンピアノさえ不可能なヴィブラート奏法が可能 モダン奏法みたいにのべつまくなしに垂れ流すんじゃなくて、ここぞ、ってところの 重要な装飾だった、というほうが事実に近い モダンのヴィブラート垂れ流しは、オケなどが大編成化していく過程で 音程を一致させるのが難しくなったからごまかしのためという側面も強い ロマン派でも、たとえばヨアヒムの著作では「ヴィブラートはここぞというときだけ使え」 と書かれている
クラヴィコードにベーブングがあったのを忘れてたw 確かにあれはヴィブラートに違いないな。 バロック時代にはヴィブラートはここぞという時のみに 使う重要な装飾だったんだね。 オケの大編成化と関係があったんだね。
ベーブングは繊細な揺らぎだろ 一緒にすな
あれ、独:ベーブング、伊:ヴィブラートって音楽辞典にあるよ?
まあ、古楽のヴィブラート全体にいえることだね>繊細な揺らぎ モダンの下品なヴィブラートと一緒くたにしたくない気持ちは分かる
詳しく知らないけど、管楽器を完璧なノンヴィブラートで吹くことって可能なの? 人の声だって本来的にヴィブラートはついてるし、構造上ノンヴィブラートは無理があるような。
>>466 どういう事?
声って本来的にヴィブラートって付いてるのか?
声帯なり、振動帯が一定で有れば出来るんじゃないの?
その完璧って言う所が引っかかるけど。
音程が全く揺れる事無くって意味?
音は空気の振動だからヴィブラートとかいう屁理屈ならともかく、 一定の音程に保つことは当然可能だよ
単純に「普通に歌えばヴィブラートがつくから、同じように普通に吹けばヴィブラートがつくのかなな〜」と思っただけ。 ノリントンが以前「管楽器はヴィブラートがあるので、管がリードする個所は弦も若干ヴィブラートをつける云々」と言ってたので。
その「普通に歌えば」というのも、現代の音楽がヴィブラートに囲まれてるから 無意識的につけて歌ってるだけの話。管楽器もね。先入観をなくせ。 俺はトラヴェルソ吹きだしてからモダンフルート吹くときも 意識しないとヴィブラートできなくなってしまったぞw 「まっすぐな音で吹くんですね」と言われて気がついた。
あ、でもリード楽器はどうなのかわかんないや、構造的にノンヴィブラート難しいのかな? 少なくともフルートでは「普通に吹いて」ヴィブラートになるかどうかは、 その奏者の普段のレパートリー次第だということは俺が実例ね。 「まっすぐな音で吹くんですね」と言われたのは、本当に久しぶりに モダンフルートでルーセルの室内楽の合奏したときの話。
あ、そうそう。、ある有名なオーボエ奏者も人の声とオーボエの共通点でヴィブラートの話をしてた。 なるほど、フルートだとまた違うのか。勉強になりました
>>465 下品なヴィブラートとは音程をごまかすためのもので
音程をやや外れ気味にかけるものを言うんだよね。
上品なヴィブラートは決して音程を外れない範囲でかけるらしいね。
>>472 ノリントンがどういう意味で言ったのか真意は分からないが
オーボエもクラもホルンでも、ヴィヴラートはかけないとかからないよ。
声でも同じだと思うけどな。
潜在的にヴィブラートをかけることによって
遠くに響かそうとする感覚があるって言うんなら分かるけど。
そういやーなんかどっかの有名なオーボエ奏者が日本に来た時言ってたな。
ある隔離された民族が、声で遠くの仲間と意思疎通するときにヴィブッてた。
だから、ヴィブラートは自然な事だって。
トラヴェルソってビブラートかけないって聞いたけど、 かけるのが難しいからかけないんじゃないの? モダンフルートしか吹いたこと無いからわからないけどトラヴェルソって反応が敏感そうなイメージだから ビブラートかけると逆に不安定になりそうな気がするんだけど。
476 :
名無しの笛の踊り :2008/03/19(水) 00:00:34 ID:miwIXs8N
>>475 ブリュッヘンのトラヴェルソを聴いてごらん
尺八のようだよ
鍵盤音律関係総まとめその1 ルネサンス時代、鍵盤曲でも他の合奏・合唱同様、なるべく純正な 音程をとることが流行った。そのため必要な音を調律替え によって出現させるアロン式ミーントーン調律を基本とした。 しかし、使える調性(当時は旋法)は少なく、嬰種長調は調号が 三つまで、変種長調及び短調は調号が二つまでという具合である。 (実際には副三和音のピカルディの三度化が考慮されたので嬰種 長調は調号が一つまでであった。) 代表的な作曲家はスヴェーリンク、バード、ガブリエリ、カベソン等である。 バロック時代になると調律替えをしなくてよいピタゴラス五度を 挿入した改良型ミーントーンが多く用いられ、若干狼音は緩和されたが、 調性感が芽生え、和声進行V7→Iの和声的解決感が重視され、 変イ長調・ロ長調・変ロ短調は主和音の響きが悪く 和声的解決感が得られないために主調からは避けられた。 嬰ハ短調は属七和音の響きが極端に悪いためにこれも 主調としては相応しくないとされ、避けられた。 代表的作曲家は大バッハ、大クープラン、ヘンデル、ラモー、 D.スカルラッティ、パーセル等である。
鍵盤音律関係総まとめその2 古典派時代になるとロココ的な形式美等の観点からか、 ソナタ形式におけるオルガンポイントの役割が重視され、 本来不協和音であったはずの属七和音も美しく響かせる事が 求められ、嬰種短調は主調として避けられる事となった。 また、ホ長調を第一主題に設定すると第二主題がロ長調に なるので基本的に避けられた。 したがって実験的例外を除いて当時の鍵盤曲はやや変種に 傾斜しているとも解釈できる。 代表的作曲家はガルッピ、リヒター、ハイドン、モーツァルトである。 訂正及び反論を求む!
477及び478の追加 また、ヘ短調を第一主題に設定するとソナタ形式の決まり よって第二主題が変イ長調になるのでこれも避けられることが多かった。 <<主調選択の時代による変遷図>> ルネサンス時代 Major Bb F C G Minor g d a (大きく変種に傾斜しているのが特徴) バロック時代 Major Eb Bb F C G D A E Minor f c g d a e b f# (偶然にも旋法式記譜法で調号が三つまでの調に限られている) 古典派時代 Major Eb Bb F C G D A Minor c g d a (またしても偶然に現代式記譜法で調号が三つまでの調に限ら れている。ひょっとして意図的か??!初見演奏のし易さとか??!)
480 :
名無しの笛の踊り :2008/03/19(水) 12:42:54 ID:Zzafi6Ax
改良型ミーントーン ↓ 幾種類もの改良型ミーントーン(これらを総称してウェル・テンペラメントと呼ぶ)
>>475 ヴィブラートは腹筋でかけるから、楽器自体の構造は関係ないよ
保守
483 :
名無しの笛の踊り :2008/03/23(日) 22:26:49 ID:wvoGEF/T
ゲーベル指揮の、パッヘルベル・テレマン・ドレスデン協奏曲の3CDの 廉価版が3月31日に再発(?)されるみたいですね。
484 :
名無しの笛の踊り :2008/03/24(月) 00:34:02 ID:c9d/qmbp
これを書き込む今までクラシックの2chあるなんて知らなかった。 今、ヴィヴァルディのスレでもあるかなと思い探していたが目が痛くなってきたので明日にでもまた。 この一年、ヴィヴァルディ以外の曲まったく聴いてなかったが来週、スペインに行くので一週間ほど前からロドリーゴの「ある貴紳のための幻想曲」をしばしば聴いている。 このレコード(CDではない)にはヴィヴァルディの”ギター”協奏曲二長調(ギター=イエペス)がカップリングされいるがまったく違和感がない。不思議だ。 このギターの二長調、すごい。このような曲を書くなんてどういう人間だったのだろう? タイムマシーンがあったなら是非、拝謁したい。 ところでヴィヴァルディとモーツアルト、、駆け抜ける光と影が織りなすあたり案外、人間的にも似ているところがあったりして、、などと妄想することある。 それから巷ではバッハは高く評価されているのにヴィアルディはなんで過小評価されているんだ。俺が偏屈な天の邪鬼のせいか?
そうか?ヴィアルディなんて十分メジャーじゃん オペラの全曲盤だって2桁でてるんだし、宗教作品の録音も多い A・スカルラッティのほうがよっぽど過小評価だ オペラ全曲盤が1つしかないというのは異常としかいいようがない
>>484 ヴィヴァルディでスペインと来たら「La Follia」聴くべきじゃね?
過小評価はされていないと思うが、 ヴィヴァヲタというのは見かけないな。
>>484-487 残念なことにヴィヴァルディって600曲の変奏曲を
書いただけだ、とよくやじられるんだよね。天才なのにね...。
モーツァルトと曲風が似ていると以前このスレでいったら
気のせいといわれたけど旋律や和声で共通点がありそう。
ドイツやウィーン宮廷との関連が深かったのかもしれないね。
A.スカルラッティはオペラ作曲家として重要な人物だと
音楽史でしつこいほど言われる割にはその肝心なオペラを
聞きたくても出回ってないから聞けないだよねえ、もどかしいよ。
489 :
名無しの笛の踊り :2008/03/24(月) 11:40:20 ID:zNFCWX9x
ヴィヴァルディやモーツァルトって、音が突然小さくなったり大きくなったり するから、聞きづらくて仕方がない。
>>489 二人とも強弱法を使っているからね。
マンハイム楽派との関連を調べてみようかな。
マンハイム楽派が史上初めてクレッシェンドを使ったというが、 バロック時代にはグラデーションはなじまなかったんだろうな 基本的にコントラストの美学みたいだし
バロック音楽、器楽の多くは響きの明と暗の対比を良き 趣味とするBGMであったに違いない。声楽や歌劇などは もちろん聞かせる音楽であっただろうが。 18世紀初期のマンハイム楽派はソナタ形式や強弱法など いわゆる「聞かせる音楽」を創ろうと試みたのだろうな。
>>492 「聞かせる」というのは大衆にという意味?
確かに、A・スカルラッティのカンタータなんてすごく高踏的で、
アカデミアという選ばれた文芸エリートたちのサークルでしか
演奏できない(理解されない)類の音楽かもしれないな、とは思う。
エマヌエル・バッハのベルリン時代とハンブルク時代の作風の変化なんか
その如実な例じゃないかな。本人も「大衆向けみは砂糖を多く入れるべし」
みたいなこと言っていたらしいし。
ヴィヴァルディの後期作品には、PPからPを経過してfまで連続的に 音を大きくしていくような指示が見られる作品があるよ。 RV.142のコンチェルトリピエーノの例は有名だが、 他にもカルミニョーラの弾いていたRV.211の1楽章やRV.273の終楽章も 他の曲では見られないくらいに綿密に、fとpがびっしり書き込まれている。 変ホ長調のダブルコンチェルトRV.515も 第一ソロ冒頭にロングトーンにpからfに変化させるような指示がある。 あと後期のヴィヴァルディはppからいきなり破裂音のようなfに変わるような、 劇的な強弱法を好んでいたみたいだね。 後期のヴァイオリン協奏曲の終楽章トゥッティには、ppで同主短調のフレーズが 延々続いた後、破裂するようにもとの主題が再帰してくるパターンがよくある。 1730年だか31年だかのプラハ旅行中のRV.282に既にこの語法がある。
サンマルティーニは交響曲の創始者らしいけど 1730年代といえばバッハやヘンデル・ヴィヴァルディ のバロック黄金期。彼は時代の最先端を切っていたんだね。
>>496 同時にJ.S.バッハとクレーブスは時代遅れの象徴
J.B.サンマルティーニのシンフォニアが、後に交響曲とよばれるものの 萌芽かどうかについては、専門家の間では異議もあるよ。 具体的には、所謂「4声のコンチェルト」や、ナポリ派のオペラ序曲と 違う点を見出すことが極めて難しいところね。 一昔前までは「シンフォニア」という呼称だけで「交響曲の創始者」と 早合点したみたいだけど。
一昔前は、シンフォニアにメヌエットをつけて管楽器に重要な役割を 与えたのはアルビノーニと考えられていたこともあったみたいで、 ダルムシュタットで発見された何曲かのマニュスクリプトがその証拠と みなされていたみたいだね。 80年代にトールバットが偽作として全否定しちゃったけど。 結局あれは誰の作品だったんだろうな。
500 :
名無しの笛の踊り :2008/03/26(水) 23:20:15 ID:WrhhH3b4
>>484 探していたが目が痛くなってきた・・・【編集】のメニューから
「このページの検索」をクリックして、ダイアログボックスに
キーワードを書き込めば目なんか痛くならないよ。
それと、RV93はギター協奏曲じゃなくて、「2つのヴァイオリンと
リュートのための協奏曲」だ。といっても伴奏部に弦楽を含まない。
それをジェぺスかだれかが近代風にオーケストラをつけた。
曲想の新しさやみずみずしさをさらに印象付けることになったが、
まったく違和感がないところにヴィヴァルディの天才を感じる。
Buen viaje!
アルビノーニのソナタ形式でメヌエットつきシンフォニア(トラック4〜7)
ttp://www.jpc.de/jpcng/classic/detail/-/hnum/4175816 むしろこれはテレマンの印象を受けるな。
ちなみにアルビノーニのダルムシュタットシンフォニアというのは、
トールバットの分類番号でいうところの、
No. 1 Mi. 1 C-Dur
No. 2 Mi. 5 D-Dur
No. 3 Mi. 17 G-Dur
No. 4 Mi. 6 D-Dur
No. 5 Mi. 7 D-Dur
No. 6 Mi. 13 F-Dur(上記の曲)
ソナタ形式の創始者c.p.e.バッハやマンハイム楽派の シュターミツ、カンナビヒ、モンに関しては古典派研究 に欠かせない人物だよね。 G.A.ベンダの6曲の鍵盤ソナタを聴いたけど第二主題が 出てこないし短調の作品が多かった。ハイドンより約10歳 先輩なのにだいぶ曲風が違うのは以外だった。 あと主調が短調の曲でも主題から転調する時は属短調でした。 古風ですよね。 あとはリヒターとガルッピの鍵盤協奏曲も研究しなければ。 J.デュフリはc.p.e.バッハから影響を受けたのかも気になる...。
デュフリはD.スカルラッティの影響も感じる 本人が楽譜収集家で、スカルラッティの楽譜をかなり所有していたらしい 3拍子の速い曲にはとくにスカルラッティの影を感じる
か、カンナビヒ...!!マニアックだなw モンにいたっては全くご存知ない。 ナスソスやシャンドスとかでCD出てる? ガルッピって大曲ばかり書いたイメージが あるんだけど鍵盤系も書いたんだな。 音律の話だけどバロック・古典派のピリ演奏のオペラや オラトリオでチェンバロが二台あるのをよく見るんだけど これって調律が違うのかな? 一台目がGis-Disで二台目がAs-Esってな感じで。 一台目奏者が指揮中の場合は二台目奏者が演奏して 二台目奏者が演奏中の場合は一台目は指揮するみたいな。 イタリアオペラでは間違いなく一段鍵盤を二台でホ長調 やヘ短調を弾いたはずだから調律を変えるか、でなきゃ 快適不等分律を二台かのどちらだったんだろう...。
モンはCPOで、シンフォニア集と協奏曲集がそれぞれでてるよ。 ガルッピの鍵盤ソナタは結構色々なレーベルから出てる。 Stradivariusレーベルから出てるBonizzoniの演奏が結構いい。 Rivo Altoレーベルでまとまった録音があるけど、俺は第3集しか持ってない。 今は入手できないんじゃないかな? 鍵盤コンチェルト全集はDynamicレーベルから出てるけど、 資料としてしか聴けない…演奏がもう少しよければいいんだが。これからに期待。
>>506 オペラやオラトリオでのチェンバロ二台は、オケとセッコでそれぞれ
役割分担していて、調律の問題というよりそう、役割分担だと思うよ。
鍵盤系指揮者は主にセッコ担当のチェンバロにつくことが多いみたいだ。
レチタティーヴォがそれだけ重要だと言うことじゃないかな?
セッコ担当のほうが概してテオルボやチェロも格上奏者だし。
まあ、調律にこだわるのもいいんだけど、
>>506 氏はそこに固執しすぎのきらいがあると思う。
例えばヘンデルは、ファウスティーナ・ボルディーニのためのアリアには
声質を活かすためにホ長調かイ長調のアリアを書くことが多かったけど、
そのホ長調のアリアのためにわざわざ調律を変えるひまは無かったと思うし、
レチタティーヴォもホ長調からあまり遠隔にならないわけだから、
セッコとオケの両方のチェンバロがウェルテンペラメントだったと考えるほうが
自然なような気がするよ。独奏とかアンサンブルならまた話は違うんだろうけど。
>>509 GJ!!神決定!!
スッキリしました!!うすうす気づいてはいたけど
実は幕間の調律替えとかあり?なんて考えてました(笑)
20年以上前にオラトリオ連盟が「メサイア」を公演
した時のチェンバロの厳密なミーントーン調律の記事が印象深くて...。
音律研究第一人者の故平島先生の「ゼロビートの再発見」
は必見です。ケレタートの理論書も楽しいですよ(おせっかいネ)
声楽では現代のJ-POP女性ヴォーカルみたいに最良の声域って
ものを考慮してたんですねネ。考えればあったりめだけどね。
チェンバロだけの曲はウェルテンペラメントってのと
チェンバロと他の楽器とのアンサンブルや管弦楽では
(協奏曲も)ミーントーンってのはなんとなく理解出来る。
オペラは生のピリ演奏を見たことがないから分からなかった
んだよね、管弦の演奏風景までは。
ジャック・デュフリもいいがプラッティはどうだろう?
個人的にはプラッティは、バロック後期のイタリアで一番才能があったと思ってる 鍵盤ソナタは誰よりも重要だと思うし、室内楽もかなりの重厚さを感じる Op.3のフルートソナタばかり有名だけど、どれを聴いてもはずれなし、と断言できる
でもオペラの鍵盤がウェルテンペラメントだった としたらラモー・リュリ・ヘンデル・グルック・ モーツァルトと主要レーベルのメジャーピリ系演奏 のCDを入手して比較研究してみよっと! そうそう、モンテヴェルディっていう巨匠を忘れてた! やつの「オルフェオ」をまず聴いてみよう!
>>495 >PPからPを経過してfまで連続的に
>音を大きくしていくような指示が見られる作品があるよ。
それはつまり一般で言うマンハイム風の強弱法ってことだよね?
ラモー・ヘンデル・グルックあたりは遠隔調結構使うから多分 ウェルテンペラメントだとおもうが、リュリはどうなんだろう? モンテヴェルディあたりはミーントーンで、わざと「きしみ」を 利用してそうな印象もある。
ラモーはクラヴサン曲集でも平気で遠隔調に移調するけど、 彼自身が提唱?した「修正した中全音律」との関係はどうなんだろう? 別の調律で演奏したのかな?
517 :
名無しの笛の踊り :2008/03/27(木) 23:28:00 ID:YJfQTEnt
ラモは最初ウェルテンペラメントで晩年は平均律主義者 それを根拠に後期の作品を平均律で弾く奴も居る。(例:オリヴィエ・ボモン)
でもラモの鍵盤作品って皇太子妃を除けば、結構キャリア初期のものだよね
>>515 調面白い(笑)
オペラ・オラトリオ・カンタータの発達がウェルテンペラメント
誕生を促したとか?M.プレトリウス辺りもちょっと洗い出してみる。
確かにモンテヴェルディの場合、シャープ系短調の妙に低い導音
が聴けそうな気がするね。
リュリって専門楽器なんだったんだろ??謎 指揮杖か(笑)
ラモーはクラヴサン曲集第1巻はミーントーンでそのあとは
彼独自のミーントーンらしいよ。
でもラモーって平均律使ってたんだ!?いろんな説あるね。
平均律にチェンバロを調律してもすぐに狂っちゃうから
時間かけて調律する意味なくね??
520 :
名無しの笛の踊り :2008/03/28(金) 00:05:07 ID:YJfQTEnt
エマヌエル・バッハの手紙に 「バッハ家はアンチ・ラモです。私の父もそうでした」という一説がある これはバッハ家がアンチ平均律の立場である論拠の一つと考えられている。 実際、弟子筋のキルンベルガー音律をエマヌエルが推挙していた事実とも符合する。
ヘンデルはミーントーンじゃないのか? それように黒鍵が二つに割れた鍵盤を作らせたと何かで読んだぞ。
>>520 貴重な情報サンクス!!
ラモーがラモーの中全音律を使っていたのは若き日の
ことで1730年代には平均律に切り替わっていたという
ことかなあ...???
しかしラモーが平均律だったなんてショックだ!!
カストルやダルタニュスが平均律なんて毒に冒されて...。あんまりだよ。
こうなったら冷静になって自分の目で文献を確かめてみるゾ!
>>521 おっしゃる通り。
分割鍵盤のポジティヴオルガンとハープシコードを
所有していたそうです。全黒鍵に加えて嬰ホ鍵も分割してた
ようです。
参考文献「ゼロビートの再発見-技術篇」ショパン
面白いのはヘンデルの鍵盤組曲集を見てみると嬰変記号
ともに4個までの調におさえられている。
つまり嬰ホ鍵があるからといっても嬰ヘ短調はあっても
嬰ヘ長調の組曲はない。なぜなら嬰ヘ長調では転調した時に
響きのきしみが発生するからだと思う。彼は「きしみ嫌い」
だったとしか思えない。あくまでミーントーンにこだわる
主義者だからヘ短調の組曲も純正長三度のヘ-変イ-ハの和音、
嬰種短調の低い導音ではなく正しい音程の導音を理想とした
のだろうね。
>>522 1730年代ってことは無いと思う。なぜなら、イポリートとアリシ
第2幕でのエンハーモニク転調を利用した運命の3女神の第2の三重唱は、
あきらかに平均率では「恐怖感を与えるために使用した」というラモの意図は出ない。
言葉では言い表せない効果だからクリスティの演奏で聴いてみてくれ。
異名同音が、厳密に言えば同じ音じゃないからこその効果の一番顕著な例だ。
少なくともこのときのラモは平均率は念頭に無かったと断言していい。
>>523 W.クリスティ指揮のイポリートとアリシですね。
同時にW.クリスティのクラヴサン曲集にも興味が
出ましたので犬ってみる。
525 :
516 :2008/03/28(金) 21:50:57 ID:zBH20HCx
遠隔調に移調←× 遠隔調に転調←○
エマヌエル・バッハの名付け親テレマンは、1750年代にグラウン(たぶん兄のほう) と伊・仏のオペラの優劣を論争してるよね(書簡で)。 イタリア音楽を賛美してラモーを激しく攻撃するグラウンに対し、 テレマンはラモーを擁護。 このテレマンも音律に関してはアンチ・ラモーなのかな? あとラモーは「和声論」(1722)のあとに、修正した中全音律を Nouveau systeme de musique theorique(「音楽理論の新体系」) (1726刊・パリ)で提唱しているので、 イッポリトとアリシ(初演1733)の頃はまだ平均律支持者ってことはない ように思えますね。
527 :
名無しの笛の踊り :2008/03/29(土) 11:23:12 ID:bXFlr9y9
>>518 言い忘れてた。
作曲者が晩年に自分の曲を弾いてる場面を想定し、
初期のもまとめて平均律で弾いてみますた、というのがボモンの言い分
CD一枚まるまる平均律。レーベルはADDAだったかな
個人的には、あまり美しい響きとは思えなかった。
水戸ボーモン
>>527 事情はわかるけどハープシコードを平均律で弾く大物
アーティストってのも珍しいね。ある意味貴重な音源かも。
フレスコバルディやフローベルガーも平均律っていう説が
あるみたいだからこういった作曲家の曲も平均律で弾いて
もらいたいね。資料程度に聴きてみたい。
530 :
名無しの笛の踊り :2008/03/29(土) 12:01:32 ID:bXFlr9y9
>フレスコバルディやフローベルガーも平均律っていう説が それはない。 オルガンがそもそもミーントーン
>>526 テレマンがフランス擁護するのはなんかわかるな。
パリ訪問でじかにフランス音楽に触れた後の1746年のマタイ受難曲では
レチタティーヴォがフランス風のレシの模倣になっていてすごく面白い。
フランスのオペラにそれだけ感銘をうけたんだろうね。
まあ、生硬な感じは否めないんだけどね、それもご愛嬌。
>>527 ああ、そういう意味でしたか。
ADDAのラモー全集は全3枚だよね。響きはともかく、演奏センス自体は
ルセの全集より好きなんだけどな。
533 :
名無しの笛の踊り :2008/03/30(日) 02:00:14 ID:hKDlf9Rd
>>484 です。
この時代、ギターなんかありませんよね。「ギター」には” ”のマークで囲んだのですが、、、「目が痛かったので〜」(笑)
「巷ではバッハは高く〜」、、、私の住む文化後進国、札幌でのコンサートはヴィヴァルディは「四季」のみ。稀に「調和の幻想」の一部分。
自身は強いて云うなら「和声と創意〜」が一番好きかな。ヴェネチアの街そのものという感じがするので。でも聴くのは第7番以降のみ。例の「四季」、この協奏曲集に入れるには非常に違和感を覚える。
ヴィヴァルディ、何を考えていたのかわからない。そもそも彼としては異質の曲に思えるし、、。
それから私、いわゆる”通”ではないので演奏家はだれでもいいです、、、しらけさせてごめんなさいね。
534 :
名無しの笛の踊り :2008/03/30(日) 05:27:08 ID:l5RU7lZK
>>533 バロックギターの存在も知らんのか
ルネッサンスギターだってあるというのに
ウクレレはルネッサンスギターの子孫です。 以上、暮らしの一口メモ
>>534 あるけど、アンサンブルにギターが入るっていうのはあまり見当たらないような・・・・
ギターを含む室内楽ってボッケリーニまで知らない。
あら、バロックギターは通奏低音の定番なのよ
>>536 は楽器が指定されてという意味でね。
通奏低音は、ギターであってもなくてもいいわけで。
>>534 ルネッサンスギターってビウエラのこと?
ビウエラはギターの一種ではあるけど、別の楽器だよ
>>530 リナルド・アレッサンドリーニが弾いていた
フレスコバルディの「音楽の花束」が
ミーントーンのオルガンでしたね。
名盤だ。
>>542 俺はあれでフレスコバルデイにはまたった
544 :
名無しの笛の踊り :2008/03/30(日) 22:35:42 ID:gqPQI5yM
フレスコバルディといえば レオンハルトがオルガンとチェンバロで弾きわけたカプリッチョ第一巻も名盤。 バリバリのミーントーン。 私はあれではまりました。
俺がはじめてミーントーンを耳にしたのそれだ すごいカルチャーショックだった
でもレオンハルトは、やっぱりレオンハルト調律なんだろうね
ルイ=クープランのパヴァーヌのレオンハルトの演奏は、 そんなに「きしみ」がないんだよね、まあ古い録音だしヴェルレみたいな バリバリのミーントーンじゃなくて、マイルドにしてるんでしょ ヴェルレのルイ=クープラン聴いたときもたまげた
548 :
名無しの笛の踊り :2008/03/30(日) 22:43:51 ID:gqPQI5yM
>>546 78年のフレスコバルディはミーントーン
まあ聴いてみて
>>547 原型ミーントーンの響きはミステリアスで好きだ。
ブランディーヌ・ヴェルレのルイ=クープラン全集
持ってるんだね。今は入手困難なんだよね...。
ウチはボプ・アスペレンでいきます。
550 :
名無しの笛の踊り :2008/03/31(月) 14:26:39 ID:Sm07zg8s
>>549 ヴェルレは変だよ。ちゃんと時代考察しているのか疑わしい。
17世紀後半のパリで1/4コンマミーントーンは時代遅れでしょ。
ラモーのゾロアストル
音律の話でいつも思うんだけどミーントーンや キルンベルガーって割と簡単な調律だけどモーツァルトが 使ってたヴァロッティって調律ちょっと難しくないかい? なぜって純正な五度や三度がないから全て唸りを数えて調律 しなきゃなんないから。 モーツァルトはどうしてこんなややこしい調律を好んだのか よく分からない。五度圏でいうと11個のミーントーン五度 のうち五個をピタゴラス五度に置き換えてハ長調のみをオリ ジナルミーントーンと同じように響かせる方式の方がずっと 実用的で調性格もよりはっきりしていていいと思う。 当時の奏者はヴァロッティにしろジルバーマンの1/6に しろいちいち全音程で唸りを数えてやっていたのだろうか?
あたいがよく使う変形ミーントーン ミーントーン五度 F-C-G-D-A-E-B 純正長三度 C-E、G-B、F-A 純正五度 B-F#-C#-G#、F-Bb-Eb
独自の音律を自在に操るレオンハルト最強。 彼こそバロックを極めたる物なり。
レオンハルトはバッハだ!
今朝のバロックの森の松田輝雄さん、時間ぎりぎりだったのか 最後のほうで喋るスピード加速して不自然なんだけど、もしかして生なの?
ルセはクープランだ!
は?
ベルダーはスカルラッティだ!
>>557 当然収録だと思うけど、ほぼ一発録りで細かく編集したり録り直したりはしないだろうから
生みたいなものなんじゃないかな
中期までの古典派のヴァイオリンソナタってヴァイオリン
助奏付き鍵盤ソナタだよね。バロックまでのヴァイオリン
がメインで鍵盤が通奏低音だったのとは逆だね。
>>559 古楽界の第一人者ルセをご存知ないのかな?
558は555を受けてクリストフ・ルセの場合はF.クープランの
クラブサン曲全集盤が最も輝いている、という意味で
いったのだろう。それともヘンデルの歌劇セルセでの指揮ぶり
の方が輝いているかな?
ルセを知らないわけはないだろうw ただ、俺は559ではないが、ルセのクープランはどうもしっくりこない。 遊び心がなくて厳格過ぎると言うか…。 そういった意味では彼はフランスものは17世紀のほうが向いているのではないだろうか。 彼の指揮したリュリのペルセーとローランはすばらしい。 おそらくクープランは、フランソワよりルイの方が相性いいんじゃないかな。
あ、18世紀ものでも、ロワイエはすばらしかったな、ルセ。 繊細さより劇場的ドラマ性のほうが性に合っている、と言いなおすべきか。
>>563 ルセはフランソワもダングルベールも太い音のハープシコード
が好みなんだね。フランソワはボーモンの方が遊び心あっていい。
もっとも調律法はボルグステーデの方が時代考察的にいいけどね。
ニケ盤のペルセしか聴いた事なかったからルセ盤と聴き比べて
みるのもいいかな。それとルセのロワイエはイケてんだね。
実は今デュフリ全集を探している。古典派音楽が大流行していた
西洋でフランスだけは独自の道を歩んでいたから興味深い。
バルバトルの名盤なんかもないだろうか?
水戸ボーモン
>>565 デュフリの全集は定義が難しいんだよな。
第3巻は、ヴァイオリン助奏付の6曲が含まれている。
それも全て含んでの全集なら、今は入手困難かもしれないが、
ACCORDレーベルのガイヤール盤(ちなみにヴァイオリンは寺神戸亮!)
しかないんじゃないかな。
上述のヴァイオリン助奏付の6曲をのぞいた形では、
PIERRE VERANYレーベルの3枚分売のブロス盤は演奏もいい。
バルバトルは色々聴いたけど、ヂュッチュラーは弾き散らかしてる感じでダメ、
メイヤーソンはフォルテピアノだけど、未出版曲も含めて面白い。ただ
やっぱりクラヴサンのほうが面白いから、総合的にはブロスがいいと思う。
バルバトルではクラヴサン曲集もおもしろいけど、コンセールが断然オススメ。
PIERRE VERANYレーベルからでてる奴ね。
クラヴサン、2ヴァイオリン、2ホルン(!)、通奏低音とい編成。
実はここでもブロスがクラヴサン担当してる。
がめん、タイプミス ×ヂュッチュラー ○デュッチュラー
あ、あとニケのペルセーは序幕を省略してるのが致命的なんだよな。 だから、ルセの演奏は聴いたほうがいいよ。
>>567-569 いろいろありがとう。
デュフリの助奏付きソナタは是非聴いてみたいので検討します。
そうなんだよね、ニケ盤のペルセは序幕がないんだよね...。
ルセ盤が興味深いです。
ナポリ楽派の影響を受ける前の叙唱なし歌劇は17世紀の
典型的なトラジェリリックだね!
でも、トラジェディ・リリクのレシは、モンテヴェルディ的レチタティーヴォと 結構親近性あると思うよ。実際、第2作法をフランス語にうまくノるようにしたのが レシだから、ナポリ派よりは皮肉なことに勃興期のイタリアオペラに 理念的には近かったりする。
ブロスのバルバトルは2枚あって、普通のクラヴサン曲集第1巻と、 未出版曲を集めた1枚があるから、クラヴサン曲集第1巻が 目的の場合は注意したほうがいいよ。
>>567 >バルバトルではクラヴサン曲集もおもしろいけど、コンセールが断然オススメ。
>PIERRE VERANYレーベルからでてる奴ね。
>クラヴサン、2ヴァイオリン、2ホルン(!)、通奏低音とい編成。
>実はここでもブロスがクラヴサン担当してる。
そう、そのCDをこの前ディスクユニオンで掘り出して驚いたよ。
しかもモーツァルトの棚から出てきたしw
編成も変わっているけど、聴いていて素直にいい曲。
クラヴサン曲集でも思ったけど、バルバトルは作曲家として才能ありますね。
イタリアではバロック時代の早くからソナタと 呼ばれる楽章制による曲の区分をして音量が大きい楽器 によって演奏される室内楽が流行したことも見逃せない。 逆にフランスではソナタが作曲されたのはF.クープラン のトリオソナタなどが始まりで隣国よりも遅めであると いう点も興味深い。それまではヴィオールやリコーダー、 時にはリュートによる組曲ばかりでイタリア音楽からの 遅れが著しい国の一つに感じた。 そしてイタリア音楽の特徴は旋律がはっきりしていて使用 音域が高めであるのに対してフランス音楽はその逆でボソボソ と低音域で絡みつくような旋律が多いような気がする。 これは各言語の特徴と関係しているのだろうか? 要するに18世紀の西洋音楽界にイタリアとフランス の二大流派のようなものを感じています。
>イタリア音楽からの遅れが著しい ものすごく違和感がある。進化論は芸術の敵だと思う。 フランス風の組曲形式は、フランスではバレが好まれたから 発展しただけで、ソナタと優劣を争うものではないはずだ。 フランスのリュート楽派を真剣に聴いたことがある? シャンボニエールに与えた影響の大きさに驚くし、 また、独自の魅力に満ちている。すごく繊細な音楽だから メリハリのきいたイタリア音楽が好みの方とは相容れないのかもしれないが。 また、楽器にしても進化という考え方は私はどうしても受け入れられない。 ドラを叩くようなモダンピアノが繊細な表現が可能なフォルテピアノの「進化」とは どうしても思えない。 チェンバロの進化系がピアノではないし、ヴィオール属の進化系がヴァイオリン属でもない。 あくまで全然別種の楽器だ。 そして、フランスでは、「古い」楽器が好まれたのは、繊細な表現が可能だからだろう。 たとえば、サント=コロンブのヴィオール二重奏をチェロ二重奏でやってごらん。 ブチコワシだから。
フランスのリュート楽派の代表って18世紀ではドニ・ゴーティエですか? 佐藤豊彦の老ゴーティエは知っていますがドニに関してはナクソス で聴けないし犬・尼・塔等の主要を当たってみましたがない(>_<) 海外を当たるしかないのか...。
フランスのリュート楽派の全盛期はむしろ16、17世紀だけど、 18世紀だと、ド・ヴィゼーの晩年くらいじゃないのかな。 そもそもドニ・ゴーティエもバリバリ17世紀の人だし…。
そういえば、最近入手可能なフランス・リュート楽派のディスクって少ないんだね。 むかし、AUVIDISのころのASTREEからは色々出ていたけど、今は廃盤っぽいね。 実際に聴けないんじゃ、「古臭い」という先入観しかもてないのも仕方ないのかも。
リスレヴァントのLa Belle Homicidieがおすすめじゃ
×Homicidie ○Homicide
そうなんです。574では無礼はたらいてしまいましたが ドニの録音は以前から興味ありました(ヴァイスとの聴き比べのため) が入手が困難なんです。ヴィセといえばテオルボのソロ が素敵だよね。低音が渋くていい感じだった。サロンだけでなく 寝室などのプライベートルームでの演奏にもマッチしてたよ。 ドニも似たような向きなのかな?何せタブすら入手不可能だから...。 ダウランド、ヴァイス、バッハだけがリュート音楽じゃないって レコード会社や出版社に言いたくなったよ。
脱線スマン。 今、映画「マリー・アントワネット」見てたら中頃でクラヴサン を弾くマリーアントワネットの横にいる黒人音楽教師がサン=ジョルジュ であることに気づいた!!小さな感動です。 「黒いモーツァルト」の異名をとる彼のヴァイオリン協奏曲は 素晴らしいとしか言いようがない。私のお気に入り作曲家の一人です。
サン=ジョルジュはデュフリ、ゴセックと並んでロココ期 の代表的作曲家だな。 スウェーデンのモーツァルトはクラウスでロンドンの モーツァルトはトマス・リンリjrだったっけか。
サン=ジョルジュのヴァイオリンコンチェルトって 初期マンハイムに似ていて弦5/4/2/2/1の他はObとHrが それぞれ2管編成でD-durとC-durの時はFlとTp&Pkが加わる。 シンフォニーでも同じパターンだね。 典型的なギャラントで短調作品がとても少ないが緩徐楽章 では結構使っている。 モーツァルトとの決定的な違いは教科書的すぎるところで、 (だがそれがいい)この辺は一度聞いてみるとわかるだろう。 もう一つはモーツァルトよりか年配のせいか書法が古い点。 Vnソロの部分では管がパッタリ黙ってしまう。 それに緩徐楽章でも弦のみのシンフォニアって感じ。 つまり管は弦合奏の色付け的な要素が強いってわけ。 たまに出てくるオーボエ(フルートも時も)の旋律もまた美しい。 今度は彼の弦楽カルテットを聴いてみたいところ。
コンチェルトの書法としてはモーツァルトが異色なだけだしなあ。 ソロ部分でオケが極端に薄くなるのはモーツァルトの同時代者でさえ普通。 デュセックの鍵盤コンチェルトとかも。 どっちがいいかは一概には言えないと思う。 当時の人が期待していたのはデュセックのような書法だったわけだし。
>>当時の人が期待していたのはデュセックのような書法 面白い!勉強になりました、モーツァルトは天才奇才ですね。 そこで、教科書的な短い鍵盤ソナタしか作曲したことが ない私ですが教科書的交響曲を書いてみようと思います。 まず、鍵盤譜表で書き起こそうか総譜で書き起こそうか 迷ってます。当時の作曲法はどちらだったのでしょうか? 鍵盤に向かって鍵盤譜表から書き起こす場合は数字付き バスパートを最初に決めてその後に旋律パートを書く。 それからオーケストレーションとして総譜で数字付きバス の内声部を第二ヴァイオリンかヴィオラへ割り振り、 最後に管&太鼓で色付けする部分を決める、という作業 を想像していますがいきなり総譜に書く人もいたのかが 気になります。
>ソロ部分でオケが極端に薄くなるのはモーツァルトの同時代者でさえ普通。 >デュセックの鍵盤コンチェルトとかも。 イタリアやフランスの作品はその傾向あるね。あのパガニーニもそうだな。 19世紀後半のヴュータンのVnコンでもそう。それ聴いた直後 ブラームスのVnコン聴くと交響曲みたいに聴こえる。 オケは添え物でソロを堪能したい趣味なんだろうね。 ドイツ語圏はその逆の好みのようだ。オペラでもオケが充実、 というより、うるさいのがドイツ人が書くオペラ。 ヨメッリもそのスタイルで書いたオペラは、本国イタリアでは 「ドイツ風」と言われ不評だったとか。ドイツ語圏以外では 声楽・ソロ優位が根強いね。 デュセックはパリ、ペテルブルク、ロンドンと幅広く各地で活躍した人 だから欧州標準=パリ風なのかもね。この人のソナタはかなり進歩的作風だな。
>オケは添え物でソロを堪能したい趣味 そう言えばショパンのPコンもそうだな。個人的に興味ない作曲家だが、 オケパートの貧弱さは、オケ書法の未熟さによるものではなく ドイツ語圏との趣味の違いという把握も可能かもしれない。 彼が強く影響されたのはパリの寵児カルクブレンナーだったわけだし。 スレ違い失礼。
>>590 違う話になっちゃうけど、
ショパンはバロック好きからすると
かなり親しみやすい作曲家な気がする。
コンチェルト・グロッソの末裔でもある協奏交響曲が パリ中心に古典期に流行したのは、協奏曲=ソロ優位 という慣習が古典期のフランス等では普通で、その間隙を埋める 「ソロ協奏曲と交響曲の中間形態」が必要だったからかもしれない。
>>592 その仮説は面白い。パリとともに協奏交響曲が結構消費されていたロンドンも、
どちらかと言うとソロコンチェルトよりもコンチェルト・グロッソのほうが人気だったわけだし。
なんらかの関連性はあるのかもしれないね。
>>587 ベルリン時代のエマヌエル・バッハのシンフォニアはもしかしたら
直接スコアに書いていたのかもしれない。というのは、
エマヌエル自身によるシンフォニアの鍵盤編曲が残っているが、
それはシンフォニア自体の作曲時期より後だから。
下書き的に鍵盤スコアを書いていたなら、ほぼ同時に鍵盤用編曲も
完成していてもおかしくないんじゃないかな、という視点。
まあ、エマヌエル自身のハンブルク時代のシンフォニアと比較しても
ベルリン時代のシンフォニアは平易な書法だからかもしれないが。
>>589 ヨメッリの「見捨てられたアリミーダ」ですか、確かにアレは少しうるさいねw
面白いのは、モーツァルトは台本はケチョンケチョンにけなしてるが、
音楽は評価してる点だよね、やっぱりドイツ趣味だということなんだろう。
デュセック
>この人のソナタはかなり進歩的作風だな
そうそう、それなのにコンチェルトではああいう書法なわけで、
決して単なる保守趣味とは断じれない要素なんだよね。
モーツァルトが天才・鬼才というよりは、地域的な趣味の違いというだけの気がする。
ドイツのオペラやコンチェルトがシンフォニックということが、
ドイツ音楽の優位性を示す要素のように言われてきたけど、
全体的に音楽を聴けるようになった現在、そういう詭弁は通用しないと思う。
596 :
589 :2008/04/12(土) 07:16:48 ID:iSgiIKhm
>>595 「見捨てられたアルミーダ」はモーツァルトもナポリで観てますね(1770)。
「よく書けたオペラで気に入った」と言ってますが、この小僧は
発言がすでに大物気取りw
>モーツァルトが天才・鬼才というよりは、地域的な趣味の違いというだけ
>シンフォニックということが、
>ドイツ音楽の優位性を示す要素のように言われてきたけど、
>全体的に音楽を聴けるようになった現在、そういう詭弁は通用しない
激しく賛同です。
ドゥセック、ドゥシーク、ゴセックの3人は紛らわしい。
ふたりなのでわ?
モーツァルトの友人でドゥセックとかいうのいなかったっけ。
まぁ、親子ほど年の離れたお友達だけどね。やっぱりこの若造は尊大だよ。 ドゥシークはモーツァルトの4歳年下のボヘミアのピアニスト。 František Xaver Dušek。Jan Ladislav Dušík。François-Joseph Gossec。
601 :
名無しの笛の踊り :2008/04/12(土) 23:30:28 ID:4R0qR4Nn
ゲーベルの、パッヘルベル・テレマン・ドレスデンの3枚のCDがやっと到着した。 やっぱ最高でした、至福〜っ!!!!
>>601 何だろうと思ってHMVで検索かけたらそんなモノが出てましたか。
カノンとジーグとか、新録音……じゃないですよね?
# こーいう「おいしいトコ取り」みたいなディスクに
# 大好きな「ラ・フォリア」が入ってないのはちょっと切ない。
>>602 新録音じゃないですよ〜。
私は初心者なので、古い音源の再発でも、初めて聞くものが多いのです。
今日、犬で買うた、ルセのクラヴサン曲集のCD届いたで。 調律データ見たら第一巻がミーントーン、第二巻からが ラモー音律、1741年の「王太子妃」からが平均律やって。 ラモーはミーントーンから始めて最終的には平均律に 行き着いてしまった点でナイトハルトと酷似している、 と言うたらドツかれますね(^^ゞ ルセさんはもう少しゆったり目に弾いて欲しかったですよん。
ラモと言えば、上のほうでボーモンの調律が平均率といっていたが、間違いだぞ 平均率を使っているのは、1741年のコンセールからの編曲した5曲だけ。 第1巻はミーントーン、クラブサン曲集はラモ音律、 新クラヴサン曲集はダランベール=ルソー音律、 優雅なインドの国々の組曲と王太子妃はミーントーン。 おそらく、CD第2巻の最後だけ読んで全体が平均率を使ってると誤解したものと思われる。 もう一度確認してみてください。 ボーモンの名誉のために訂正させていただきます。 ボーモンのラモは名演だと思うよ。
水戸ボーモン
ダランベール=ルソー音律といえば、
ブロスの弾いたデュフリもこの音律でしたね。
平均率とは違うけど、時々クセがある響きがするね。
>>527 氏が美しいと思えなかったと言うのは、平均率というよりは
ダランベール=ルソー音律のクセが合わなかったんでしょう。
608 :
名無しの笛の踊り :2008/04/15(火) 05:11:46 ID:5hplp/hv
>>605 そうでしたか。失礼しました
>全体が平均率を使ってると
国内盤の一枚物の解説ではそう書いてあったんですよ。
>>608 おそらくその国内盤解説書いた人が読み落とししたんでしょうね
オリジナルライナーには上述の通り書いてありました
>>605 サンクスです!ああ、ビックリしました。どう考えても
ボーモンさんが全曲集を平均律で通すなんて腑に落ちへん
感じやったんで...。ダランベール=ルソー音律はScalaに
入ってへんかったけどハ長調のみがミーントーンで調号が
増えるにしたがって濁るっていうのに近い方法かなあ。
>>605 付け加えますがラモー音律って言うまでもなく
フォーゲル案ですよね。
>>612 ありがとう!!
嬰系と変系で2パターンあるんね。ちなみに私は平島案が好きです。
ダランベール=ルソー音律ってシュニットガーとヴァロッティ
の中間のような音律やね。私も似たような音律を使うています♪
こうして見るとフランスって長三度をドイツやイタリアより
重視していたような気がしますがなんでやろか...?
ちょいとイギリスかじった。 ボイスの交響曲はどことなくヘンデルを感じさせる。 ヘンデルの影響はめっちゃ大きく、イギリスの多くの作曲家に とって憧れの対象やったんやな。 トマス・リンリの息子のオーボエ助奏付き鍵盤ソナタええ感じ。
ボイスにしてもアーンにしても、声楽作品のほうが出来がいいと思うけど 録音すくないよね、で、確かにヘンデルの影響は感じる
そうそう、今日も音律の話で一言ね。 1840年代に英ブローウッド社が自社工場製のピアノに 史上初めて平均律を導入した、と音楽史にあるけど疑問に思う。 平均律は大量生産に向かん調律法ではないやろか? 低いオクターヴをやや低めに、高いオクターヴをやや高めに 調整し、全ての音程で唸りを数えて合わせるさかい。 平均律よりはるかに簡便で実用的なキルンベルガー律と 古楽勃興当時に平均律と混同したのではないかと思った。
1840年代ならもう「トリスタンとイゾルデ」の10数年前まで来てるからねえ。 そろそろ平均律が標準装備でも不思議はないけどね。 ワーグナーの頭の中で不等分率が鳴ってたらあの和声は出てこないと思う。 この時代のピアノが個人で調律するものだったのか、すでに専門の調律師に任せてたのか、 て事にもよるかな。
デュフリが話題に出てたので全曲聴きなおしてみた 第1巻第2巻と第3巻第4巻ではかなり語法が違うね、 俺は第1巻第2巻の方好きだけど、個性は後者の方が出てる気はする それにしても、デュフリは晩年、資産運用だけで暮らしたそうだけど、 だから新作作る必要が無くなって出さなくなったらしい、もったいない 芸術家は金もつとダメだね
お前のために生きてるわけではない
外出時のお供に、CD1枚分のチャコーナ、パッサカリアをセレクトしていたら、 ほかの人なら、どんな曲を選ぶのか、意見を聴いてみたくなった。 チェンバロやリュートの独奏曲などにもいい曲は結構あるが、 音量の変化が大きいと外では聴きにくいので、 室内楽編成で聴ける作品に絞ってみた。 取りあえず、私が選んだのはこんな感じ。 何となく有名どころを揃えただけで、能がないような気もする。 コレッリ : チャコーナ 〜 室内ソナタ集作品2(1685) マリーニ : パッサカリア 〜 種々のソナタ集作品22(1655) ファルコニエロ : パッサカリア 〜 カンツォーナ集第1巻(1650) ファルコニエロ : チャコーナ 〜 カンツォーナ集第1巻(1650) H.パーセル : グラウンド Z731(c1678) H.パーセル : シャコンヌ Z730(c1678) ビーバー : チャコーナ 〜 食卓の音楽(1680) エルレバッハ : チャコーナ 〜 6つのソナタ集(1694) G.ムファット : パッサカリア 〜 調和の捧げ物(1682) ルクレール : シャコンヌ 〜 易しい音楽の慰み第1集作品6(1736) ルクレール : シャコンヌ 〜 易しい音楽の慰み第2集作品8(1737) A.フォルクレ : シャコンヌ 〜 ヴィオール曲集第1巻(1747) これぞという曲がほかにあったら、ぜひ教えてほしいです。
礒山のバロック音楽名曲鑑賞辞典を参考にするがよろし
選曲が微妙
マレの「アルシオーヌ」のラストのシャコンヌは必聴もの ただしトラジェディ・リリク全体のシメとして聞いた場合の感動は 単品で聴いたときの比ではないから、できるだけ全曲盤でどうぞ
ベートーヴェンの第9でいうとアダージョを飛ばす厨臭さだよな。
言い忘れてた、トラジェディ・リリクはリュリ以来の伝統として かならず作品中にパッサカーユかシャコンヌを入れるからそれ目当てでいろいろ聴いてみな リュリのアルミードのパッサカーユは、古楽運動が盛んになる前から 管弦楽作品として単独で取り上げられたり、またダングルベールが 鍵盤編曲してたり、伝説級の作品だよ ヘレヴェッヘの全曲盤が出てるから聴いてみるといいよ
横槍スマン。 18世紀セレナードやディヴェルティメントは宴席の場での 軽妙なBGMとあるけどそれだったらシンフォニーや弦楽 カルテット、助奏ソナタの目的はなんだろ?これらは宴席の 場では演奏されなかったのかな?
シンフォニアは祝祭のための機会音楽 弦楽四重奏や助奏ソナタは家庭で実際に自分たちで演奏して楽しむ音楽
ついでに言うと、当時の貴族の子女は、女性が鍵盤楽器、 男子が弦楽器をやることが多かった。 楽器以外にも武術や乗馬などやることが多かった男子のことを考慮し、 助奏ソナタの弦楽器パートはそれほど練習しなくてもよいように書かれている。 とくに圧倒的に男子がやることが多かったチェロは、負担を減らすために 鍵盤楽器のバスパートのユニゾンにされることが常態化した。 演奏会というものが確立していく過程で、弦楽器もそれぞれそれなりに 弾きでのある難易度になっていく。 そのときの需要に応えただけでなので、たとえばハイドンのピアノトリオが 芸術的価値が低いなんていうのはナンセンス。
>>627 >>628 ありがとう。すっきりしたよ。
ということはバロック時代でも同じでトリオソナタの
チェロはなんでバスラインをなぞっているだけなのかなあ、
単純だなあ、ってよく思ったものだよ。謎が解けた。
ちなみに私はハイドンのピアノトリオ好きですよ。
ハイドンのピアノトリオの芸術的価値が低いと考えたのは
ロマン派の音楽家たちでしょうね。
630 :
名無しの笛の踊り :2008/04/22(火) 06:43:06 ID:a4rnNF/E
>>629 ちょっと待て
> ということはバロック時代でも同じでトリオソナタの
> チェロはなんでバスラインをなぞっているだけなのかなあ、
> 単純だなあ、ってよく思ったものだよ。謎が解けた。
バロックについてはちょっと誤解してるぞ
通奏低音って知ってる?
あれは貴族の都合から生まれたものではない
通奏低音と一口にいっても 演奏楽器は多種多様だね
>>630 一般的にいうバスラインと旋律との対比を重視する
スタイルの音楽だからチェロがバスラインをなぞったとか?
ピアノトリオのそれはフランスのコンセールスタイル
と関係あるの?
協奏ソナタ形式を勉強中です。 教科書的な協奏曲を紹介して下さい。 ちなみにモーツァルトの場合、ピアノコンチェルト8番や ヴァイオリンコンチェルト1番ぐらいしか入手できてません。
>>632 チェロやガンバでバスラインを強調するのは、チェンバロの低音域の音量的な問題。
宮廷なんかだとやはりチェロやガンバの補強は必要だっただろうけど、
家庭での狭い空間では鍵盤のみで十分だったようだ。
もともと助奏ソナタも、トリオソナタの成れの果てというところがあるから。
J.S.バッハやボワモルティエ、モンドンヴィルあたりのオブリガートチェンバロと
ソロのためのソナタは、まさにトリオソナタの片方の旋律楽器を鍵盤の右手で
奏するスタイルだったわけだけど、対位法的書法が時代とともに廃れていって、
それにともなって鍵盤の独立色の強い助奏ソナタに変質していった。
ピアノトリオも起源的には助奏ソナタの一種なわけだけど(F.X.リヒターとかJ.C.バッハとか)、
ヴァイオリン助奏ソナタに低音の補強をつけた感じだったらしい。
だからハイドンあたりまでのピアノトリオは、ヴァイオリンソナタ(助奏ソナタとしての)として
演奏する習慣もあったし、それに応えるためにもそうした書法で書かれていた。
オブリガートという言葉が 「助奏」と訳されたために いろんなふうにとらえてるのね
でもバロック期のオブリガートチェンバロと独奏楽器のためのソナタと 古典期の鍵盤とオブリガート楽器のためのソナタでは明らかに意味が違うよ エマヌエル・バッハのオブリガートチェンバロと独奏楽器のための作品群が ちょうど過渡期的で、トリオソナタ的書法の作品もあれば、 3度音程を中心とした古典派的な書法の作品もあり、あるいは 部分によって両方の要素を持っていたりで面白いよね クリスティアンになると、完全に鍵盤とオブリガート楽器のためのソナタの書法だ
モンドンヴィルっちゅう方のヴァイオリンソナタ作品4を 今日大学の図書館で借りてきましたよん★ 1730年代のせいかロココ的書法でええ感じ!なんとなく リュリとクープランを混ぜたような印象を受けたで♪ でも強弱法が付け加えられているのでマンハイムの影響も あったのかもしれんな(^.^) ローカルネタでスマン。 大阪の住之江は古楽科のある相愛やリコーダーその他 ピリオド系の管・弦・鍵盤(ポジティヴオルガンも)の 工房がいくつかあってちょっとした古楽のメッカやな。 ええ地元に恵まれましたわ 笑
モンドンヴィルのOp.4は、ハーモニクス奏法を徹底追求した作品で L.モーツァルトがハーモニクスを出来るだけ使うな、と言っているのと対照的だね。 Op.3が件のオブリガートチェンバロとヴァイオリンのための作品集だし、 Op.5は、鍵盤と声楽のための「クラヴサン曲集」っていう珍品だし、 売れっ子にしてはかなり実験的作風の人だよね。 グラン・モテも面白いし、人気あったのはなんとなくわかるけど。 ただ、オペラは台本がイマイチなのか、2つ聴いたけどピンとこなかった。
鍵盤の通奏低音を弦楽器で補強するのはドイツ語圏の人間のやり方じゃないか? フランス語圏はよく知らないが、イタリア語圏はチェロやヴィオローネで バスラインをなぞることは、ソロソナタの場合やったりやらなかったりしたようだし、 撥弦楽器のみで通奏低音を弾いたり、チェロやガンバの重音奏法でバスを弾いたり、 そもそも和声を伴わずに単一のバスラインをただそのままチェロで弾いたりとか、 いろんなパターンがあったみたいだな。 C.P.E.は、最後の2つは伴奏が立派すぎると2重奏に、伴奏が貧弱だと 内声を失ってしょぼい音楽になると言う理由で批判的だが。 これは時々イタリア人の楽譜に実際に指示されていて、叙情的なアリア全体に チェンバロ無しの指示があったりしたみたいだけど、そんな表現には C.P.E.は懐疑的だったみたいだな。 彼はやっぱり、チェンバロの伴奏があってはじめて、あらゆる音楽的表現が 完璧になされるという立場をとっていた様子。 あとは、鍵盤に重複する楽器も、ソロが弦なら弦、ソロが管なら ファゴットとか、結構変化があったみたいだな。
オーボエ五重奏を拡大したものが初期のシンフォニア であると解釈していますが勘違いでしょうか? ところでなぜフルートは1770年代になるまで交響曲 ではあまり用いられなかったのでしょうか? 緩徐楽章での持ち替えなどといってこの時期までは 積極的に使用してこなかった感じを受けました。 管弦書法の問題かそれとも木管はオーボエだけで十分 だったからなのでしょうか?
>>640 エマヌエルはあくまで自分の専門である鍵盤による
スルーバスのリアライズの必要性を説いたのね。
>>640 エマヌエルはあくまで自分の専門である鍵盤による
スルーバスのリアライズの必要性を説いたのね。
あ、ダブリスマン
>>640 フランス語圏では、鍵盤による通奏低音とは別に、
普段バスラインを補強しているガンバが独立声部を奏することが結構ある。
それでも「トリオソナタ」とか「○○ソナタ」という言い方は変えていないんだよね。
だから、「トリオソナタ」なのに4声書法になったり、ソロソナタなのにトリオ書法になったり。
ガンバの音楽が高度に発達していたフランスならではのことじゃないかと推測するんだけど。
>>641 それは違うと思うよ。初期シンフォニアは、イタリア風序曲や
いわゆる「4声のコンチェルト」から派生した物と考えるほうが自然。
楽器の問題は、当時の宮廷オケの標準編成が弦とオーボエ、ホルンだったから、
作曲家もそのフォーマットで作曲しただけという印象がある。
フルートはオーボエ奏者が兼ねていたことが多かったんだけど、
やはり兼業だけに作曲家に独立パートを書きたい、
と思わせる技量は不足してたんじゃないかな。
芸術至上主義の印象があるベートーヴェンでさえ、彼の第1交響曲のフルートパートは
かなり不自然。高音域のG以上の音を使わないために、
旋律なのに音を「間引き」してる部分もある。
モーツァルトもフルートにいい印象を持っていなかったようだけど、
オーボエに比べていい奏者がなかなかいなかったんだろう
例えばハイドンが60,70年代にフルートの入ったシンフォニーを書いたのも、
エステルハーザにフルート奏者を雇っていた時期とぴったり一致する。
名手がいない限り、普遍的な編成としてフルートは使いにくかったんだろう。
>>オーボエに比べていい奏者がなかなかいなかった 1730年代ならフリードリヒ大王など大勢のトラヴェルソ の名手がいたのにね。これの時期以降はクラシカルフルート の時代になってるのね...。
1730年代はまだコンチェルトが主流だから一人名手がいればいいんだろうが、 シンフォニアは管は2本一組だからね、なおさらだろう
>>648 王侯貴族の嗜みだったとよくいわれる割には名手がいなかった
点が興味深いです。
ちなみに当時の基本的な弦の編成は5/4/2/2/1で
通低はバスーン&ハープシコードだったんですね。
通奏低音でファゴットが使われるのはオーボエが使用されている場合 だから必然的に古典派期(このときのオケの標準編成にはオーボエが含まれているから) はファゴットは使われるんだよね、管楽器だからというわけではない 例えばソロ楽器がフルートの場合はガンバが多かったようだ(チェロだと音が太すぎとかで)
あと、古典期には低音弦楽器を愛好する王侯貴族が多くなったような印象もある
エステルハージ伯もそうだけど、プロシアのフリードリヒ=ヴィルヘルム2世とか。 フルートはむしろバロック末期ごろから家庭音楽の花形になった印象がある。
>>650 オーボエと対の関係ですねっ。同じ葦笛繋がりで。
リコーダーの音量は小さくてか細いからガンバなんですね!
>>651 そのわりにはチェロコンチェルトを書かなかったモーツァルト
には興味深いです。名チェリストと親しくなかったからかな?
>>フルートはむしろバロック末期ごろから家庭音楽の花形
徐々にリコーダーにとってかわったのですね。
17世紀ごろから作曲家が幼少時から習得することが常識
とされていた楽器は大体、
ヴァイオリン・ハープシコード・フルートの3つですね。
いまでも英才教育を受ける子女にも似たような風潮がありますね。
これって西洋音楽の三種の神器で極めて重要ですね。
654 :
名無しの笛の踊り :2008/04/25(金) 02:01:28 ID:tyuxs+tT
>>641 名手不足という事情もあったのだろうが、もっと大きな理由としては
フラウト・トラヴェルソ(バロック・フルート)の音量不足があったんじゃないかな
2本のユニゾンですらtuttiでは音が埋もれちゃったりするし
>>650 > 通奏低音でファゴットが使われるのはオーボエが使用されている場合
その書き方だとオーボエがいる時しかファゴットが使われなかったみたいな印象だな
弦楽器のみの編成で通奏低音にファゴットが使われる例もあるよ
まあたしかにオーボエだったらファゴットの音色がなじみやすいけどね
>>653 > リコーダーの音量は小さくてか細いからガンバなんですね!
リコーダーだから低音は必ずガンバってわけじゃない
チェロもファゴットも普通に使っている
ていうよりその場にあった楽器、その場にいた奏者によっていくらでも変わったはず
もっともリコーダーも宮廷とかで貴族が演奏することが多い楽器だったので
同じく貴族のたしなみとしてよく演奏されていたガンバと組み合わせることは多かっただろう
リュート、ギター、マンドリン、ハープも通奏低音楽器
ご示唆いただき感謝します。勉強になりました★
トラヴェルソの音は意外に小さいんですね(゚o゚)
J.B.レイエのフルートソナタの演奏を管楽科の人に
聴かせてもらおうっと♪
多鍵のクラシカルヴァージョンでは当然音量はあったのですね?
>>オーボエがいる時しかファゴットが使われなかった
そういえば弦楽のみのシンフォニアでは使ってましたね。
>>リコーダーだから低音は必ずガンバってわけじゃない
リコーダーJPの通奏低音の解説欄の先入観が...(笑)
リコーダーとバスーンの組み合わせを聴いてみたくなりました。
>>655 ギターやマンドリンはハープシコードやオルガンより
メジャーに使用されたのでしょうね。
しかしハープって音程悪いし扱いづらいからマイナー
だったんじゃないでしょうか?
ハープはダヴィデの竪琴やリラのように古代の楽器
のイメージがやたら強いのもので...。
>ハープはダヴィデの竪琴やリラのように古代の楽器 そんなことはない、スペインではかなりメジャーな楽器だったから (例えばカベソンのObras De Musica は、鍵盤、ビウエラ、もしくはハープのための、 となっている)イタリアでもスペイン支配化のナポリなどでは ハープはかなりメジャーな楽器で、例えばトラバーチの 鍵盤用作品集はハープでの演奏も念頭に置かれていた 結局は地域差はあるんだとは思うけど、普通に使われていたと思うよ
あと、シンフォニアとフラウト・トラヴェルソの関係だけど、 フリードリヒ大王が現役笛奏者だったころにベルリン宮廷用に書かれた フリーデマン・バッハやハッセのシンフォニアは オーボエじゃなくて2本のフルートなんだよね 純粋に音量だけの問題とも思えないんだけど
>>657 南欧ではわりとメジャーやったんのね。
ああ、そういえばセイシャシュの肖像画にリラが映ってたっけ。
飾りと思っとったで(笑)
>>658 うーん、複雑なのですね。
オペラの序曲とかではリュリ以来木管はオーボエが伝統的に
使われてきた点も見過ごせないですね。
今日、ゼミでバロックと古典の境目の話になって
サンマルティーニや!とかモルターやとかクヴァンツや!
とか白熱しとったで(笑)
そこでうちが1680年代生まれの人たちはバロックを頑固に
通していて1740年代になっても古典派の書法になっていない
のはなぜか?っていうたら「若者の曲に興味がなかっただけや」
って先生に言われた(笑)ホンマかいな???と思うたけどね♪
書き忘れたケド、クラヴィコードってドイツ語圏でしか 使われなかった印象あるけどオルガニストは自宅練習用に 足鍵盤付きのをその他の国でも持っていたらしいね。
ベルリン用のフリーデマン・バッハやハッセのシンフォニアが オーボエの代わりにトラヴェルソ使ってるのは、 フルート好きの王のための一種のへつらいで 芸術的観点からじゃないと思うんだが
あと、トラヴェルソというと、ラモー後期はオーボエより トラヴェルソが目立つ印象があるけど、どうだろう?
663 :
名無しの笛の踊り :2008/04/26(土) 00:52:37 ID:VCOlEDQh
>ベルリン用のフリーデマン・バッハやハッセのシンフォニアが 後者は知らんが、前者ってあったっけ???
664 :
名無しの笛の踊り :2008/04/26(土) 01:06:34 ID:icKeNQoJ
トラヴェルソは音量が小さいっていうけど、実際のところどうなんだ? オーボエよりは小さいっていうのはわかるんだけど、リコーダーよりも大きいって言うのは納得できない。
>>663 ファルク番号でいうと65のニ短調のシンフォニア、プレリュードとフーガという表記もされる
まさしくフリードリヒ大王の誕生日のための作品
トラヴェルソの件やけど 音量が小さいからモーツァルトの初期のシンフォニーでは オーボエの持ち替えという形で緩徐楽章のみで用いられた んやね。 バロックオーボエってリコーダーみたいに一部がダブルホール になっとるけどこれは半音階対策やね。そこで思うたんやけど もともとクロスフィンガリングはめんどいさかいになぜ全部の穴を ダブルにせんかったんやろか?アホな質問ゴメンね♪
調律や異名同音にこだわりのあるアナタらしくも無い質問ですね トラヴェルソは異名同音でフィンガリングが違ったりするし、 より厳密な音程を確保するためだろうと思う それから、モーツァルトの初期シンフォニーの中には 2フルート、2(または4)ホルンという編成の曲もある 例えば21番とか。何事も過度な単純化はよろしくないかと。
668 :
名無しの笛の踊り :2008/04/26(土) 20:35:41 ID:WTwT63Em
クープランのクラヴサン全集買うなら、 ポーモンとブリリアントのヤツ、どっちがオススメでしょうか?
水戸ボーモン
670 :
名無しの笛の踊り :2008/04/26(土) 21:47:17 ID:WTwT63Em
>>669 ありがとうございます。
さっそくポーモンを注文しました。
672 :
名無しの笛の踊り :2008/04/26(土) 23:16:19 ID:WTwT63Em
>>671 ありがとうございます。
さっそくボーモンを注文しました。
取り合えずクープランというなら鰤のボルグステーデのほうが それでクープラン(・∀・)イイ!!と思ったらルセなりボーモンなりに万札だしても遅くはない とマジレス
>>667 木管は目下勉強中なもので(^^ゞ
半音下げるのにはクロスフィンガリングを
用いて半音上げるのにはダブルホールを使わんと
困難な音程ってのがあるんやったん?
gisとas、cとhisでは指使いがちゃうもんね☆
>>673 ルセ盤ってまだ売ってるかい?手薄やない?
ボルグさんのはバリバリなミーントーンでそれなりに
楽しめたよ。嬰ヘ短調のパントマイムなんか最初の
出だしの嬰ホ音がとても滑稽やったで♪
導音の低さが調性感を醸し出しとる典型例ね!
個人的にはボーモンさんのは素敵で文句なしでした。
>>何事も過度な単純化はよろしくない 確かにおっしゃる通りかも(>_<) 先週、モーツァルトの32番を聴いとったらトランペット& ティンパニが入っとってビビンチョ!G-durなのになんで やねんと思うてスコア見たらホルンがト管とニ管の各二管で トランペットがハ管でティンパニがトとニやった。 やっぱモーツァルト、手ごわいわ!
676 :
668 :2008/04/27(日) 13:04:10 ID:Fo55VbNl
>>673 ,674
ご意見ありがとうございます。
とりあえず、ボーモンを注文してしまったので、
これをじっくり楽しみたいと思います。
ルセやボルグステーデもそのうち買うつもりです。
677 :
名無しの笛の踊り :2008/04/27(日) 13:28:32 ID:W2ETFeYN
私はノエル・スピットを愛聴している
>>ボーモンを注文してしまったので ボーモンの廉価盤やろ?ええもん買うたやんか♪ 愛聴しなされ(^。^)私は雅やかでええ感じやと思うで。
なんかルセは立派な演奏だけど聴いていて疲れるんだよな 愛聴するのはどうしてもボーモンになる
ところでシンフォニーってオペラの序曲が発展したもの っていうのが定説みたいやけどハイドンの初期の作品 では緩-急-緩-急の教会ソナタ形式も結構あるね。 とくにイ長調に目立つ。こういったものは教会ソナタの 管弦楽ヴァージョンって捉えるのもあり? もっとも、トレッリなどのトランペット協奏曲は 常に教会ソナタ形式やけどね。
もちろん教会ソナタの影響と考えていいんじゃない? ただイ長調に目立つかどうかは疑問だけど。調性はあまり関係ないと思う。 上のほうでも書いたけど、ハイドンの初期シンフォニー、50、60年代のころは 緩徐楽章は基本的に弦のみでの書法だった。 その例外が、第1楽章に緩徐楽章が来る場合、つまりメインの場合だった。 だから、調性によって決まるものではなくて、緩徐楽章で管を聴かせたい場合に こういう構成をとったと考えられる。 だから後年、緩徐楽章でも管を普通に使うようになってからは、 こういう構成はほとんどなくなるのだろう。
50、60年代というと広すぎるな、50〜60年代初頭に訂正
>>682 サンキューですっ!!
ハイドンのシンフォニーは勉強になります(^.^)
一曲一曲、異なった着想で書いていて奥が深い。
おそばいえばめんゆつとだしを毎回相違工夫してるみたいやね♪
>>緩徐楽章で管を聴かせたい場合
ナットクです★
以前、おっしゃっていたように70年代になって
緩徐楽章にも木管、ホルンというように徐々に
管を挿入するようになってからは教会ソナタ形式
の構成は確かにパッタリと消えてました。
それと、今、イ長調以外にも発見しました!
ニコラウス・エステルハージシンフォニアと
シンフォニア・フィンランディアの録音で聴いてます♪
>一曲一曲、異なった着想で書いていて奥が深い これは本当にそう思う、まさしく職人芸 聴衆が注意深くないと同じように聞えるが、全然違う。 まあ、自分も昔は同じような曲に聞こえてたけど…一度ハマると ピアノソナタも弦楽四重奏もピアノトリオもシンフォニーも、 よくこれだけ一曲一曲工夫してるなと、聴いていてその着想が楽しくなる 一曲ごとにまったく別個の個性があることのほうが価値があるようにいわれるが、 様式の範囲内でのこうした職人芸はもっと評価されるべきだ 自分がモーツァルトよりハイドンが好きなのはこうしたところ
>>様式の範囲内でのこうした職人芸 モーツァルトのように淡々と仕事をこなした作曲家 とは何かが違う。好奇心旺盛でスキがないといったらいいのか。 いい忘れていたけどハイドンもモーツァルトも70年代から徐々に バスーンを通奏低音楽器ではなくて独立パートとして扱い始めて いるけどこの時期になると低音の独立パートが流行したのかな? そしてフルートも徐々に定席になっているね。 そして90年代になると全ての作品でトランペットとティンパニ が使われている点も興味深い。モーツァルトの32番みたいね。
ウィーンのシンフォニーのオケ編成を考えると、つくづくラモーってすごいよな クラリネットを含む近代的フル編成になったのはダルダニュス改訂版からだから、 44年…しかもファゴットも当然独立パートだったし なんかベルリオーズを経て近代フランスの色彩豊かなオーケストラ作品の ルーツはこんなに古くからあったんだな、と
晩年に平均律を使用していたりクラリネットやバスーンを オケにいち早く導入していたラモーはフランス最大の作曲家 やね。
マルコム・ビルソンという鍵盤奏者のモーツァルト ピアノソナタ全集は繰り返し演奏の時、変化をつけているから楽しい。 それに変形ミーントーンなのでヴァロッティよりも響き 自体が愉快で結構楽しめた。
>ラモーはフランス最大の作曲家 日本語がこわれているますわ
>>690 フランスクラシック音楽界の巨匠っていう意味でしょ?
まったく、KYな人だ!
> フランスクラシック音楽界の巨匠 19世紀以降ならともかく...
ダジャンクールは確かにいいよね この人も「オルドル」って言葉使ってるから、 それだけでもクープランの影響の大きさが偲ばれる ニケが珍しくクラヴサンとオルガンの独奏でそれぞれ1枚づつ入れてるけど、 そういやあ、クラヴサンのほうは続編出すっていってたのに全然でないね あるいは自分が見落としてるだけで出てたりする? ただ、ニケのクラヴサンはなんだか剛直で雰囲気には乏しかったから、 Pechefskyの録音も探してみます しかし、もろF.クープラン直系のダンドリューにまとまった録音が出ないね パパスの録音も続編が出る気配ないし…
ハイドンは器楽作品もいいけど、晩年のラスト6曲のミサがクるよね その年にエステルハージ家で雇っていた管楽器奏者の 種類と数にあわせて書いたけど、それを逆手に取るように個性に変えている つくづく創意工夫の職人だなと思う
>>691 そこのブログの人はモダン楽器を念頭に置いてるみたいだね
統計は単純にホルンの数だけで、短調の時の違う管のホルンの組み合わせは
あまり意味を見出していないみたいだから…
せっかくまとめたのに、その視点がないのは残念ですね
どうしてそういう点に意味があるかはこのスレの上のほうでも議論されていますが
まあ、ピリオド楽器特有の面白さなんでしょうね
どうしてもモダン楽器が念頭にある人は、数だけに目が行くから、
プロの評論家でも
>>323 の余談のようなことを大真面目で発言したりするのは残念
ピリオド楽器と演奏の達人にハイドンも入れるぞ。
>>694 確かにダンドリューのオルガンやクラブサン曲の録音をもっと
積極的にしてもらいたい。個人的にはボーモンやマロンあたりかな。
>>696 冗談はさておき、
ヴァンハルはイ短調のシンフォニーでホルンをA,C,Eと
三種類6管使っている。ヴァンハルもハイドンに負けず
劣らずかなりの実験家だ。ロンドン・モーツァルト・
プレイヤーズにもっと録音してもらいたいところ。
こんな風にピリオド楽器でのピリオド奏法って本当に楽しいとオレも思う。
>>697 ボーモンにはダンドリューの選集1枚があったけど、それはすばらしかった
ボーモンが全集録音してくれたらうれしいんだけどな
ダカン全集とかシャンボニエールの出版作品全集とか、意外なところを攻めてくるから
まったく希望ナシではないとこれまた希望的観測
ヴァンハルはまったく同意。この時期に短調交響曲を量産しているというだけでも異色
体系的に聴けるようになったらハイドンに劣らず楽しい体験になりそうだ
さて、 ジャケ・ド・ラ・ゲール(エリザベス・ファー、ナクソス)を聴きながら寝るとすっか。 低音を生かしたリュート的な語法で癒されるなあ...。
>>698 ボーモンってロシアのクラヴサン曲とかマイナー系から攻めてくるから興味深い。
確かにダンドリューの件に関しては希望が持てるね。ボーモンに外れはないし。
結局、ヴァンハルやクラウスを見ると古典派が長調偏愛時代と言い切れなくなるね。
日本の音楽教育が古典派=モーツァルトっていう固定した風潮がまずいな。
ヴァンハル、クラウス、コジェルフあたりかな、古典派で短調を結構使ったのは
>>329-334 あたりの喩えって結構的を射ていると思うんだけど、
モーツァルトが古典の典型っていうのは明らかに誤解を招くと思うんだよね
モーツァルトは前衛音楽だっていうのはこの時代の音楽を多く聴くと思う
様式の範囲を超えたことも結構平気でやってくるし、ちょっと特殊例過ぎる気がするよ
水戸ボーモン
ボーモンの話題が出るたびに無意味なムダレスが付くのは2chらしいといえばらしいけど なんとかならないものかなあ
704 :
名無しの笛の踊り :2008/04/30(水) 03:21:40 ID:cmyG2bQ3
大阪府の枚方市民です。ウチの中央図書館には小学館のバッハ全集全16巻が無造作に置いてあり、2週間いくらでも借りることができます。 他の人からの予約がない場合、電話をすれば続けて借りられるので、結果的にずーと我が家にあります。 他の市町村からも地域の図書館を通じたら借りることができると思いますよ。もちろんすべて無料で。
705 :
名無しの笛の踊り :2008/04/30(水) 03:56:55 ID:cmyG2bQ3
↑全15巻の間違いでした。 でもなぜか蔵書検索では、「バッハ全集 第15巻別冊;全収録曲総索引」としか出てこない。 たしかに160枚ほどCDをパソコンに仕込んだんだが。
>>701 初期ではリヒターも結構冒頭楽章第一主題に短調を使っているね。
異論もあったいいけどモーツァルトはシンフォニーに限らず
ほとんどの楽曲で緩徐楽章の主調に下属調を使っている。
しかしハイドンやヴァンハル、J.シュターミッツは必ずしも
そうとは限らず同主調も多く、平行調もあったりする。
フランス系では同主調ものが多く、イタリア系では下属調・
平行調が多い、そんな気がしてきた。まだ調査中だが。
フランスでは舞踏が盛んだったため緩徐楽章で同主調を
使ったのだろうか?
ルー、クープラン、ダジャンクール、クレランボー、
ラモー、ボワモルティエ、ゴセック、サン・ジョルジュ
などを見ても他章での転調は常に同主調。
イタリアではマリーニ、レグレンツィ、コレッリ、
サンマルティーニ、ボッケリーニ、ピッチンニなど
古い時代からあたってみたら古い時代ほど平行調転調が
多く新しい時代ほど下属調転調が多かった。
モーツァルトは初期から下属調転調が基本みたいだから
かなり斬新な発想の人物だったのかもね。
コジェルフ、研究不足だからあたってみる。
>>706 ハイドンは緩徐楽章に属調を好んでるように思う
同主調や平行調の時は第1楽章が長調のときだよね
リヒターはたしかにシンフォニアとかピアノトリオとか弦楽四重奏とか、
古典派的曲目書いてるけど、マンハイム楽派のなかでは
かなり書法が古めかしい印象がある、対位法的な書法も多いし
短調が多めなのもバロック的な名残のような気がする
フランスはたしかにその着眼は面白いね
組曲という概念のほうが強かったと言うことなのかもしれない
>>対位法的な書法 モーツァルトが対位法的書法や短調を主調にすることに 興味を持ったのは1782年にバロック音楽愛好家である ヴァンスヴィーテン男爵と知り合ってからのことだという。 それ以降、ト短調のフーガを書いたりしてそれまでよりも 若干対位法的書法になっていて短調曲も僅かに多くなっている。 そもそもト短調のフーガk401や幻想曲ニ短調k397は明らかにバッハっぽい。 ピアノソナタ18番はこの時代お得意のニ長調だけど少し 対位法的に書かれていて難易度が高い。
組曲の緩徐楽章について ヴァイスのリュート組曲(ソナタという事もある)聴いていたら ト長調組曲でガボット-アレグロの次ぎは舞曲名がなく 抽象的にアダージョとなっていてホ短調だった。 この時期のドイツは緩徐楽章では平行調転調が多かったのかも。 もっとも組曲だから同主調転調ばかりともいえないみたい。 だが、フランスでは今のところ同主調転調しかお目にかかっていない。 そういえばフランスの楽曲でヘ長調、特に変ロ長調が主調の って少なくない?同主調転調とどうも関係しているような気が...。 クープラン、ラモー...、調べると面白い。
ヴァイスの組曲、ソナタと呼称されるのも故なきことじゃないと思うよ 舞曲の特性より、拍子とリズムを借りただけの抽象作品に聞こえる 同じリュートでもフランスリュート楽派とはそこが一番違う、まあ時代も違うからなあ フランスでは確かに変ロ長調はすくないね いわゆるイタリア派のルベル、ルクレールあたりは結構使ってるけど、 これもイタリア式の転調と関係あるのかもしれない 声楽作品でも、たとえばド・ラランドのグラン・モテもほとんど同主調どまりだね
>>ルクレール イタリア様式を取り入れたヴァイオリン奏者だね。 ヴァイオリンソナタやフルートソナタで変ロ長調がいくつかあった。 >>フランスリュート楽派とはそこが一番違う やっぱりフランスは舞踏の国だね。 >>フランスでは確かに変ロ長調はすくない そして変ホ長調にいたってはないに近い。 ド・ラランドはイタリア留学経験ゼロだね。 典型的なフランス風の楽曲を書いた一人だと思っている。 早速、リュリのグランモテを調べてみる。
>>712 そういえば、シャルパンティエがヘ長調を
「荒れ狂った響き」とかいうてたような気が。
変ロ長調は「壮麗」って評価ええんやけどな!
リュリのグラン・モテ「ディエス・イレ」と「テ・デウム」 を聴く限りではやはり緩徐楽章への転調は同主調しかなかった。 舞踏と転調についての関係を知るために浜中康子氏の教本とDVDを 買ってバロック舞踏を本格研究することにした。 踊れても楽しそう(相手がいるか?というツッコミはナシよ 笑)。 冗談はさておき、 興味深い内容だから「フランス古典舞曲における緩徐楽章転調 についての考察」ってタイトルで卒論書こうかな。
714の訂正 「テ・デウム」はハ長調だけど緩徐楽章にはイ短調もあった、失礼。 緩徐楽章は二つあって第二楽章はイ短調で第五楽章がハ短調だ。
ヴァイオリンの発祥がイタリアということで気が付いたんだけど、 イタリアはヴァイオリン属の特徴を生かした曲が多く、 フランスではオトテール等木管の開発が盛んだったせいか 木管の特徴を生かした曲が多いと思った。 名弦奏者はイタリア、名木管奏者はフランスだったんだね。 だからラモーのオペラでは時代を先取りして管が充実したオケを編成 したのだろうな。
>>716 フランスはヴィオールやリュートも忘れちゃいかんけどね
それはともかく、フランスでの管楽器の充実は
やっぱりエキュリの管楽器隊の充実もあると思う
「24のヴァイオリン」は有名だし、他の国でも模倣とかあるけど、
エキュリに対抗できるほどの充実は他国ではなかなかなかったようだ
王宮ではオトテール一族、エキュリではフィリドール一族
確かに管が充実する下地には十分だ
>>717 あっ、メシ食いながらリュートや天才ガロを忘れたと思ったよ(笑)
管楽器の開発を一族が世襲で取り組んでいたのもこの時代の特徴だな。
しかしなぜ、イタリア人はソナタにこだわったのだろ?
余談だが童謡「クラリネットこわしちゃった」はフランスの曲なんだってね。
ちょっと感激した。
>>718 ソナタといっても、室内ソナタは実質舞踏組曲だよ?名前だけで判断しちゃいかん
で、結局教会ソナタスタイルが主流になったのは、
イタリアの場合、コレンテもサラバンダも急速だから、
フランスのクーラントやサラバンドのように緩急の「緩」が乏しかったからだと思う
アレマンダぐらいでしょ?ゆっくりなのは
管が発達したフランスでもう一言。 フランス音楽ではミュゼットっていう袋の形をした 持続低音が特徴の笛も重要な楽器かも。 前にも書かかれているけどフランス人は低音が好きだよね。 鍵盤譜表で両手パートともヘ音記号の曲がかなりある。 指使いもイタリア様式みたいに伴奏でバンバンと八分音符や 十六分音符で刻む縦の動きより両手がゆっくりと絡みつく 旋律を好むよね。もしかしてこれがリュート的な語法なのかな? スティルブリセだっけ?F.クープランが典型的か。 低い声でボゾボゾと喋るイメージのフランス語と関係あるんだろうな。 イタリア様式はこの逆で両手ともト音記号でg3やa3の音を好んでだすね。 歯切れがよくてイタリア語に似ているといえば似ている。 上に書いたことはイタリア様式とフランス様式の特徴の理解に何か 役立つだろうか。
スティルブリセはリュートの影響だよ そのほかにも、プレリュード・ノン・メジュレもリュートの語法 日本の雅楽の「音取」っていうのも調弦の様式化だけど ノン・メジュレのプレリュードなんかも、調弦の様式化なんだろうね。
>>719 スマン。
確かに室内ソナタはAllemanda - Graveとなっていた。
イタリア人も18世紀初期まではソナタに舞踏的要素を
組込んでいたというわけか。
>>721 フランス様式を身に付けるにはどうやらリュートとフランス語と舞踏の
知識が必要不可欠だな。それと、「17世紀式指使いをマスターすれば
指使いだけで自然に即興出来る」って言われたことを思い出した。
鍵盤楽器は奥が深い。
古典派音楽に長調の曲が多いのは金管の演奏技術低下が直接の原因と 結論付けるにいたった。12倍音までしか吹けないならドミソの音だけ に限って吹いてティンパニと一緒に補助的なパッセージを演奏したほう がカッコいいから。ホルンにはストップ奏法があるけど音程調節は 長二度が限界でそれ以上は音質・音量が悪化するみたいだね。
それは日本人にありがちなシンフォニーの神聖視のしすぎでは? 独奏曲も室内楽も長調は多くなっているし、 宗教作品では結構短調も重視されていたぞ?
そういえば古典派期でもフランスはなぜか短調が多いな ショーベルト、エーデルマン、イヤサント・ジャダン… 単なる趣味の変遷じゃないの?やっぱり
>ショーベルト、エーデルマン、イヤサント・ジャダン そういえばその3人はみんな短命だな、偶然だろうけど
>>日本人にありがちなシンフォニーの神聖視のしすぎ
確かに俺は宗教作品以外はシンフォニーを基準に考えていた)汗
助奏ソナタとかは少人数でシンフォニーの雰囲気を少しでも
味わえるようにという意味で作曲されたものと解釈していた。
>>独奏曲も室内楽も長調は多くなっているし
その点はもちろん気づいていたさ。
>>宗教作品では結構短調も重視されていた
そうだね、モーツァルトは60年代でもキリエとか教会のため
に書いた作品だけは短調だ。教会=短調っていう考えがあった
からそれに対抗して世俗は長調を多く書いたとか?
http://www.geocities.jp/pianistkibun/gakusya/hima/2.html を見て欲しい。82年以前はたったの8曲しか短調曲を書いていない。
そのうち4曲が宗教曲。
ハイドンもエステルハージ家の楽長になって宗教作品の責任者になってから
短調作品が増えたな、宗教作品だけでなく、世俗作品でも
いわゆる「疾風怒濤期」ね
明らかに教会音楽の書法からの影響だと言われているけど
教会=短調っていうのは、短調の多かったバロック時代の保守的な書法が残っていて、
その結果短調作品が増えるってことなんだろうけどな
まあ、独墺系はそれでいいとしよう、
>>726 の問題の説明には不足なんだよ
フランスは古典期でも本当に短調が多い
例えばそこに例を出した3人は教会音楽とは縁が薄い
フランスに短調が多かった理由は何だと思う?
>>疾風怒濤期 何気に神聖視(笑)?しているシンフォニーからみた視点だと、 26番ニ短調「嘆き」や49番ヘ短調の「受難」が典型か。 >>フランスに短調が多かった理由 変ロ長調の楽曲が少ない事と関係あるのかな? それともバレが盛んだったこととの関係? あるいはブフォン論争の名残りで長調曲が多かったイタリアと対抗したから、とか?
色々考えてみたけど、単なる需要と供給の関係だけじゃないかな
>>730 氏は、理由がほしいタイプみたいだけど、
教会に対抗して世俗は長調を多くとか、長調曲が多かったイタリアと対抗したからとか、
そういったいわば作曲家の芸術家気質っていうのはこの時代はなだ無かったと思うんだ
本当にいろいろな機会に大量の作品を書かなきゃいけなかったのが
大半の作曲家だったわけだから、自分の書きたい音楽より、
確実にニーズに応える音楽を優先させると思う
疾風怒濤期のハイドンは、たとえ長調の曲でも、かなり複雑な書法を好んで
使っていたけれど、結局70年代中盤以降は平明さに戻っていった
いろいろな説はあるけど、芸術家意識が強いなら、こうしたロマン的視点からいえば
「先祖がえり」はありえないわけで(実際、70年代中盤以降はスランプとか
いう学者が過去にはいた、笑えない話)、
やっぱりエステルハージ伯の趣味に合わせた、と考えるほうが自然かな、と
たとえば、バロック後期から古典派初期に活躍したタルティーニとか 例に出すのは都合がいいかなと思うんだけど、 彼のVn.協奏曲で、短調が圧倒的に多いのは、創作第1期と言われる 21-35年。その後、40年代の第2期、50年代の第3期と進むにしたがって 長調が増える。これは個人だから、比較しやすいと思うんだけど、 やっぱり一般的な趣味の変遷と軌をいつにしている フランスで古典期に短調が多いのも、まあロマン的視点かもしれないけど、 社会の動乱期だから、聴衆がそういうものを求めていたのかもしれない
シンフォニー神聖視ってのは多分オペラを日常的には楽しめない日本だからかな 向こうでは市民の娯楽はなんといってもオペラだったしね、当時は特に
>>確実にニーズに応える音楽を優先 ライプツィヒ時代のバッハが毎週教会の為にカンタータを 書かなきゃいけなかったのと同じ事ね。 作曲家の思想とかっていう考え方はベト以降の考え方であって 演奏されもしないで作曲が優先されることはありえないってことね。 >>社会の動乱期 これこそ疾風怒濤の原因ね。 >>オペラを日常的には楽しめない日本 まったく同感。 特にバロックオペラやオケから振り付けや舞台装置に至る 全てがピリオド系のモーツァルトのオペラの公演なんて皆無に等しい。 ロンドンやハレ、ヴェニスでもない限りはそういうオペラ を生で見ることが出来ないってわけか...。 DVDで我慢します。オケの演奏風景(特に指揮法)はなかなか見れないけどね...。
オペラで思い出した。 シンフォニーの起源はオペラの序曲でありオケの起源は オペラの伴奏だよね?それに、 市民の最大の娯楽ってことはシンフォニーよりオペラの方が ヨーロッパでは神聖視されていたのかな? 最近ではニケ指揮のリュリの「ペルセ」っていうバリバリの トラジェディ・リリックを観て、スコラーズ・バロックの パーセルの「妖精の女王」を聴いた。フランス音楽を研究 してるくせにパーセルの方が分かりやすくて親しみを感じてしまった。 パーセルはブロウやロウズみたいにエリザベス朝の影響がとても強い けどリュリの影響もあるから見過ごせない。 てなわけで最近、密かにパーセルにもはまってる。
>>バロック後期から古典派初期に活躍 タルティーニやヴェラチーニ辺りって時代的に微妙で面白いよね。 彼らの晩年の作品は確かに長調ばっか。 面白い事にどういうわけか同年代のロカテッリはあてにならないけどな。
連投スマン なんでモーツァルトにホ調の曲が少ないのか、これに関する小話。 同世代のヴィオッティを見たらホ長調のコンチェルトが 何曲もあったしホ短調ものもあった。イ短調なんてレア物も...。 推測だが多分、鍵盤奏者とヴァイオリン奏者では音の響きの イメージが異なりこれが直接の原因ではないかと思った。 ヴァイオリンではホ調はE線がオープンで弾きやすいが 鍵盤ではホ調の場合は属和音がロ長調主和音だからではないだろうか。 オルガンポイントを綺麗に響かせることが難しいのは想像に容易い。
>>735 パーセルもリュリの影響、というかフランスの影響は大きいね
彼のヴァースアンセムなんかは、時々フランス風序曲の影響がある
付点リズムなんかもあるし、声楽ソロの節回しも、
どこかフランスのエールを英語に合うようにアレンジした感じがある、
イタリア風のアリアを英語風にアレンジするんじゃなくて、ね
器楽作品でトリオソナタも、パーセルの場合、通奏低音部の
ヴィオラ・ダ・ガンバが、和声部の低音から時々独立するのも
フランスでよくあるパターンだ
ソナタを書いていても、フランス風のソナタを再移植した感じがある
>>737 いやいやいや、それは前提がちょっとな
モーツァルトはヴァイオリンもヴィオラも名手だったから
>>735 神聖視とはちょっとちがうけど、オペラで成功して初めて一人前、
みたいな風潮はあった(除:宗教作品作曲家)
ジャッケ・ド・ラ・ゲールが他の女性作曲家より一目置かれていたのも
彼女はトラジェディ・リリクを含む大規模作品も書いてるからだし
>>モーツァルトはヴァイオリンもヴィオラも名手
その割にはクラリネットコンチェルト以外にイ調を主調にした
楽曲が少ないね。不思議だよ。ヴァイオリンの名手ならイ調も好むはずなのに。
バルサンティはコンチェルト・グロッソではト長調とホ長調、
リコーダソナタではフラット系に限って書いている。
ヴェラチーニの初期のコンチェルトものでは5番までは
変ロ長調とヘ長調を交互にして書いている。
ボンポルティなんかは変ロ長調とヘ長調マニアだ。
彼らはコレッリのコンチェルトグロッソなみに調選択が面白いと感じた。
作曲家の意図が隠されているはずだと思っている。
>>740 カンタータ等の声楽分野はいい作品多いよね。
「ウリッセのまどろみ」とかね。オペラものも入手したいところ。
>>741 まあ、ヴァイオリンうまかったけど、ザルツブルクでもウィーンでも、
他の奏者との兼ね合いでヴィオラ弾くケースが多かったからね
ただ、ウィーンでヴィオラを含む室内楽が彼には多いのは、
自分も参加するためらしい
弦楽五重奏も、ピアノ四重奏も、ケーゲルシュタット・トリオも、
当時としては全て珍しい編成だからね
リコーダーはF管だから、フラット系が演奏しやすいんだよ (ちなみにトラヴェルソはD管し、高いFがやたら出しにくいのでシャープ系が演奏しやすい) ボンポルティもヴェラチーニも風変わりな作品書くよね ヴェラチーニの「アカデミック・ソナタ」なんて、アカデミックというより前衛だ 管弦楽作品にしても、すこし常軌を逸したところがある それに比べるとボンポルティはあまり奇矯にならずに個性を発揮してる珍しい例だと思うんだ
ヴェラチーニって実際に変人系だったんだっけ? ソナタ・アカデミカ、なんだか凄いよね。あれ全曲録音ないのかな
>>自分も参加するためらしい
なんとなくアットホームな錯覚を覚えた(笑)
彼の場合、他のヴィオラ奏者と常にユニゾンではなくて
ソロ部分があってカデンツァで芸を披露しそうな曲を書いたとか。
>>743 オーボエはC管だからシャープ系もフラット系も演奏しやす
そうだよね。それがオケで積極的に使われた理由の一つかな?
調号が3個までならOKだったっけ?
>>ボンポルティもヴェラチーニ
やっぱ二人とも個性派なんだな。面白い。研究し甲斐ある。
弦も管も鍵盤も響きがよくて明るい音が出る調を選んで書くという
のが当時の常識だっていうことは最近わかったんだけど
この二人を知っていろんなタイプがいるんだなと思った。
>>744 ソナタ・アカデミカの全曲盤はhyperion からロカテッリ・トリオの演奏で出てる(3枚組)
CD1枚ならともかく、こういう3枚組聴いてるとやっぱ変わってるな、と思うよ
鍵盤担当のポール・ニコルソンって、聖職者になったので音楽活動から引退したらしい
ロカテッリ・トリオは珍しいレパートリー録音してくれていたから残念
>>745 カデンツァとか、そういう目立つことより、合奏が純粋に好きだったみたいだけどね
上に上げた例を実際に聴いてみればわかるけど、ソロ的というより、
アンサンブルのなかで重要な役割を果していたりする
自分も楽器演奏するからわかるけど、合奏して、ソロとして目立つより
そういう重要な部分を演奏することのほうが楽しいしね
ただ、自分の周りはプロが多かったから、自然と書く曲の難易度も高くなったんだよね
「実際に演奏するための」音楽として存在していた当時の室内楽作品で、
モーツァルトの作品が難解な曲書いたのは、そういう事情があったみたいだ
モーツァルトのホ長調のピアノ三重奏はなんとも異様な雰囲気だな。
あとはモーツァルトのホ調と言えば、Il Don Giovanniより、
主人公が殺めた騎士長の石像が動き出す場面、O statua gentillissimaも
そうだな。
>>744 ソナタ・アカデーミケは意外にもヴァイオリン初学者によく弾かれる曲が
二曲ほど入ってる。特にOp. 2/8はコンチェルトソナタと称して有名なはず。
個人的に好きなのは1番と、なんといってもパッサガッロとチャッコーナ付きの
12番か。
ヴェラチーニと言えば、ハイニヒェンとの口論で激高して劇場の窓から飛び出して
そのまま一生びっこを引いていた話が有名だけど、やっぱりこの人は
変人のイメージが強いな。
ヴェラチーニやハイニヒェンら、ドレスデンの作曲家の オケものって、なんだか独特の風味があるよね 低音がゴリゴリ動いて、妙に朗々とした高音部 ドレスデン特有の低音の分厚いオケ編成と関係あるんだろうな
>>746 サンクスです。ロカテッリ・トリオ、渋谷は塔にも犬にも無かったorz
>>748 ほうほうほう(、とガッティで8番聴きつつ)なるほど、これならあっしでもトライする価値はあるかな・・・
サマになるかは別として。
やはり12番がハイライトですかね。
1曲目パッサガッロ、終曲がチャコーナだけど全体が半音進行を基調にした変奏曲みたい。
チャコーナの躁鬱の激しさがこの人のキャラを表してるっぽいですね。
それにしても、ヴェラチーニ、タルティーニ、ロカテッリとかコンサートを全曲ヴィルトゥオーゾでまとめるような
猛者なバロック・ヴァイオリニストは現れないもんですかね。そんなプログラム頭痛くなりそうだけどw
751 :
名無しの笛の踊り :2008/05/03(土) 23:34:36 ID:y7PSOce0
ガッティ自身のヴェラチーニ(ARCANA)の長大な解説読んだ奴居る? なんか短編小説ぽいんだが・・・
ガッティのヴェラチーニは持ってないけど、それも小説なんだ コレッリのOp.3のライナーも短編小説というか、架空の対話だったよw
あれ、面倒臭くてちゃんと読んだことは無いんだけど、例えばガリレオの「天文対話」とかみたいな、 ああいうルネサンス〜バロックの対話篇(もとはプラトンか)の形式を下敷きにしてるのかな、と思った。 演奏もそうだけど、かなりの「浸り系」な方なのかなと。 ただかなりの博識を前提にしてるようなので馬鹿に出来ません。
>かなりの博識を前提 それがガッティの演奏にも出てる気はするね 奇をてらうことの多いイタリア系ピリオド奏者のなかで 彼は数少ないコレッリを演奏できるイタリア人だと思う
その博識がちゃんとファンタジーに変換されてるのは偉いね。 アーティストによっては知識が音楽の邪魔になる人もいるんだろうけど、 彼は知識が想像力の源になるタイプなのかな。
756 :
名無しの笛の踊り :2008/05/04(日) 00:28:17 ID:JyVeXnmC
ガッティ作の長大な対話篇だが 彼にとっては音盤よりそっちが本命じゃないかと疑っている
まあそっちが本命だとしても、演奏がよければ問題ない 小説分CDが高いわけでもないし
758 :
名無しの笛の踊り :2008/05/04(日) 00:36:40 ID:JyVeXnmC
あの文章が欧州ではどう評価されているのだろうか気になる所 ところでキアラ・バンキーニも素晴らしいコレッリ弾きだと思う
バンキーニは最近新譜でないね、どうしてるんだろ コレッリ、イタリアの団体でアレッサンドロ・ストラデッラ・コンソートのOp.6が バークシャーで昔安かったから買ったんだけど掘り出し物だった フランドル系やイギリス系の整った演奏とちがう、 シャープさを保ちながらのバランスの良さは、自分では想像できなかったものだった
ヴァイオリニストなだけに、衒学趣味があるのです(うわ、叩かないで) バンキーニもいいね。ソロ・ソナタ。個人的には両者共演のコンチェルト・グロッソが愛聴盤です。
>>760 アンサンブル415の奴ですね、あれもいいですね、趣味がいい
当時のローマの大編成演奏の再現と言う点でも面白いです
バンキーニはこんどタルティーニを出す
>>748 調性格の勉強はオペラが一番分かりやすくて楽しいよね。
作曲家の調に対する考えがはっきり分かるジャンルじゃない?
モーツァルトのオペラでのイ短調は寂しい時でハ短調は悲痛な感じ
のシーンの時に使われるよね。もっとも、ほとんどが長調だけど。
ハ長調は愉快なシーンに多いしニ長調はめでたいときに多い。
ト長調やヘ長調は穏やかに語りかける時が多かった。
変ロ長調は何か生き生きとしたシーンに多くて変ホ長調は
ちょっとまじめな場面、イ長調は賑やかで騒々しい場面に使われていた。
以上、アルバのアスカニオとフィガロとドン・ジョヴァンニから。
>>764 古典派のホ調は確かに怪奇現象っぽい表現に適しているといえそう。
オペラでホ調モノを見かけたらどういうシナリオか注意して観よう!
以前、オペラでの鍵盤の調律法っていう話が出たけど、
オケとセッコの二台ともウェル・テンペラメントあるいは
調律替えしないミーントーンでないと調性格が出てこない
という現象の裏づけにもなったね。
>>747 なるほど、モーツァルトは合奏好きだったんだ。
ヴィオラや第一ヴァイオリンのパートってとても
難しいって友達がいってた。でもハーモニーを充実
させる大切な役割を果たしている重要なパートなんだってね。
>>710 フランソワ・クープランの変ロ長調のクラヴサン曲って
どれも名曲だな。バッハが編曲してるのもあったような。
768 :
名無しの笛の踊り :2008/05/05(月) 19:33:38 ID:rvhTDrY+
>>767 第2巻の第6オルドル、いい曲多いよね。
あと、クープランで思い出すのは、ロ短調が多い。
ロ短調というと、第8オルドルだけど、 オルドル単位で言うと最高傑作の一つじゃないかと思う
>>770 大いに同感。
上で挙げた通り、情緒豊かでいいよね。「ガヴォット」や
「モラン嬢」もいい感じ。
ボーモン盤もいいけどカミングス盤も素敵じゃない?
水戸ボーモン
ロ短調繋がりで... J.S.バッハのロ短調もどれも名曲だな。というか力作だ。 管弦楽組曲第2番、ミサ曲、快適に調律されたクラヴィーア曲集の 前奏曲&フーガ、ヴァイオリンソナタ第1番... どれも印象深くないか? 作曲家がロ短調を書くときにはただ上司から頼まれて書いた わけじゃなく明らかに個人的な強い思い入れを感じる。 マッテゾンは「奇異で憂鬱」とヤジったけどクープランやバッハの ロ短調には情熱を感じた。 彼らのオペラやカンタータに出てくるロ短調曲を分析して真相を探る とするか。
音律の話が出ているから一言。 作曲家の好きなフレーズやその時代のお決まりのフレーズに 注目するといいかも。多くの場合、そういった部分は純正に 響かせようとするもんじゃないでしょうか?
ちょっとちがうな、純正はハモらせてなんぼ。 フレーズを単純に美しく聴かせるだけならピタゴラス。 だけどそれは理想で、使用可能な調性の数なんかの関係で いろいろ調律が工夫された、ってそういう既知の認識の上でみんな話してるよ。
>>775 声楽出身なもので。お話を聞く限りでは使用できない調
っていうのがあるんですね。合唱ではタテの協和には慣れて
いますがヨコの線は結構難しいです。
G.トレッリの"Tu lo sai"を練習していてこのスレに興味を持ちました。
>>使用可能な調性の数 中全音律の不等分律では長三度は音名的に減四度になると 不快だが短三度は音名的に増二度になっていても 不快に感じず、陰鬱な雰囲気が漂い、使い方によっては歓迎される。 和声的解決感を出すために主和音が不快に感じない調か、 主題からの転調後の調の主和音が不快に感じない調は使える。 ただし、減六度を含む三和音は響きが悪すぎて使えない。 下属和音としては使い方を工夫すれば大丈夫。 要するに転調前後の調の関係が清→清、清→濁、濁→清ならOKで 濁→濁はボツってことさ。
主題の近親調転調時の前後の調の主和音の関係 清→清 ハ長調、ト長調、ニ長調、イ長調、ヘ長調、変ロ長調、変ホ長調 イ短調、ホ短調、ロ短調、嬰ヘ短調、ニ短調、ト短調、ハ短調 清→濁、 ホ長調 濁→清 ヘ短調 *主題の転調とは長調の場合は属調が殆どで 短調の場合は平行長調のみならず属短調も多い(18世紀初期まで)。
こうしてみるとホ長調とヘ短調は特別な調ということが分かる。 ヘ短調の場合、平行長調の変イ長調に転調できないが 属短調のハ短調にはできるからOK。バッハやヘンデルのフーガ が典型か。モーツァルトのオルガンのための葬送曲 2曲がヘ短調だけどこれもフーガでハ短調の応答すぐ来て、 変イ長調の応答は最後の方にならないと出てこないね。 しかし、キルンベルガー律を好んだハイドンと弟子のベトは ヘ短調ものが割とあるし変イ長調ものもあるね。 ヘ短調ものでは古典派ソナタ形式の鉄則?に従って平行長調に 転調してるね。
声楽出身の人にはそもそもミーントーンの説明がいると思う
ミーントーンというのは、できるだけ多くの長三度を純正で鳴らすという調律
ただし、遠隔調になれば「うなり」が多くなりすぎて使えなくなる
それを改善するために工夫されたのがさまざまなウェルテンペラメント(≠平均率)
こういう点を説明しないでいきなり
>>777-779 ではキツいんじゃないかな
>>780 鋭い指摘と776氏への補足説明に感謝する。
声楽関係者はミーントーンのように調号の多い調に
見られる「うなり」の現象に疎いのを忘れていた。
音程を臨機応変に操れる声楽や弦とホルンはオケ&合唱で
頼もしい存在だな。
今日、プロオケ(モダンヴァイオリン)の純正律に関する意識を授業で
聞いてきたけどがっかりした。なぜかって旋律を美しくとか
言ってばかりでピタゴラス音律とごっちゃになってたから。
弦がんばれ!っていいたくなった一日だった。
>>777-779 のまとめ
楽曲の主調に使える調とは和声的解決感の観点から、
主題の転調前か後のどちらか一方の主和音が不快に
感じることのない調が原則。その調は778を参照。
>>781 776氏も純正とピタゴラスがごっちゃになってるフシはあるね
まあ、モダンの世界では、調律を意識するのは、ハモらせるときに必要な
純正ぐらいだからなあ、あとは旋律の時にピタゴラスを意識するかどうかだけど、
プロでさえその程度の認識とはなんだか寂しい話ではあるね
>>782 少なくともモーツァルト等の時代は純正な響きと旋律の
伝道者が多かったと思う。もっともオケや合唱の人達は
分からないけど現代よりはマシかも。
実は最近、J.S.バッハとベートーヴェン好きになった。
それは781に書いた理論のヒントがJ.S.バッハの前奏曲と
フーガヘ短調bwv534やベートヴェンのピアノソナタの作品群と
ヴァイオリンソナタの分析から得られたからだ。
785 :
名無しの笛の踊り :2008/05/09(金) 16:17:42 ID:oy4s8flB
CPEバッハがキルンベルガーを推奨して以来、 ウィーンを中心にキルンベルガーが標準化されたのが定説だね。 ハイドンもベートーヴェンもキルンベルガーを学んだ。
ミーントーンではだめだといわれる調でかかれたベートーベンのピアノソナタを、 敢えてミーントーンで調律したピアノで弾いた録音を聞いてみたい。 どこかにない?
>>787 さがしているけどねーんだよね...。
19番や20番は違和感なさそうだけど三大ソナタは
やばくて面白そう。
>>784 でもDes-durやb-mollでは書いていない。
キルンベルガー律がよく全ての調で書けると言われるけど
実際に作曲する際にはいくつかの配慮が必要だった。
この音律の特徴はDes-durのトニックとドミナントが
ピタゴリアン3rdになってる点。
近親調のトニックに全てピタゴリアン3rdを含む調は
和声的な曲が書きづらかったからDes-durやb-mollは
展開部や第二楽章に限ったのでは。
続き ミーントーン音律でも考え方は一緒で近親調のトニック全てが 濁っている場合は声部の分離の悪いからこんな調では書く気が しなかったんだよ、きっと。778ある16の調だな。 それにバロックではミーントーン系の音律が幅を利かせて いてポリフォニックな曲が多かったことだし。
791 :
名無しの笛の踊り :2008/05/10(土) 12:41:06 ID:+kxdV4p/
ミーントーン系って? ウェルテンペラメントと書いたほうが誤解が少ないと思うよ
>>791 どっちも同じじゃね?その理屈ではアロン律・ピタゴラス律
・純正律・平均律以外の不等分律はすべてウェルペンペラ
メントになるぞ。
古楽の演奏会でもミーントーンって言ってもオリジナル
だけじゃないことがマジで多いんだよな...
ちなみに、
バロックの演奏会では1/6ミーントーンなんてのが近頃の流行らしい。
僅かに広い長三度を持つ長三和音を多く取る音律なんだけど、
難しくて出来ないんだよな...これが。ヴァロッティもね。
だから純正五度・ミーントーン五度・純正長三度の組み合わだけで
作れる音律が楽なんだよ。ミーントーンとかキルンベルガーとか。
ショパンはキルンベルガー第1だったっけ? ニ調が極端に少ないよね。
>>793 その通り。彼はミーントーン主義者ではない。
ステージにピアノを三台も並べて演奏したのは
ピアノメーカーがスポンサーになっていたので
曲ごとに弾き分けるようにしていたというだけの話。
ショパンに限らず、ロマン派のヴィルトゥオーゾピアニスト=コンポーザーは 遠隔調を好んだけど、これは譜面ヅラとは裏腹に、黒鍵が多いほうが すばやい入り組んだパッセージは弾きやすいからなんだよね ミーントーン主義者なわけはないと思う
796 :
名無しの笛の踊り :2008/05/13(火) 00:05:03 ID:jnjff7/V
鍵盤が2段あるチェンバロって、下の鍵盤を弾くと、上の鍵盤も自動的に動いているように見えるけど、 上の鍵盤を単品で弾くことも出来るんだよね? あれは音の大きさとかで使い分けてるんだろうか。イマイチ仕組みが分かりません(´・ω・`)ショボ゙ーン
一般的に言うと、今のチェンバロは同じ高さの音(8フィート)に2本の弦が張ってあり、 上下独立して弾くことができます。構造上の都合で、上鍵盤は演奏者に近いところを 引っ掻くので(フロント)ちょっと堅い音。下鍵盤は奥の方をはじくので(バック) 柔らかめの音質。 上鍵盤を押し込むと、下鍵盤の先についた棒が上鍵盤の下を突き上げる仕組みになって いて、二段の鍵盤が連動して動きます。この状態でも、上鍵盤を独立で弾くことも可能。
798 :
名無しの笛の踊り :2008/05/13(火) 00:44:45 ID:jnjff7/V
>>797 音の大きさじゃなく、質の問題だったんですね。長年の疑問が解決しました。サンクスです。
私は以前は二段鍵盤に憧れてたけど今はイタリアンの ジュスティ(1693年モデル、音域GG-d'''、バック8')一筋だ。 なぜならシンプルでムダがないから、といったら個人の 好みの問題になりそうだが二段鍵盤の上の段の鍵盤やバフ やカップラは年に一度使うか使わないかっていろんなマスターで言ってたし。 フレンチタイプは低音域が得意で和声的な曲に向いているが イタリアンは高音域が得意で旋律的な曲に向いていると思う。 それにイタリアンはナポリ楽派やヴェネチア楽派のみならず、 バッハやフローベルガーもカバーできる。特にロンドン楽派 のパーセルとは相性がいい。ヴェルサイユ楽派向けじゃない 点で汎用型とはいえないが、汎用型があるとしたら日本で大人気 のフレミッシュのルッカース系じゃないかな。
800 :
名無しの笛の踊り :2008/05/13(火) 15:32:08 ID:R0beMmvL
800
J.L.ドゥセックのソナタは主題Iから主題IIへの転調が 複雑で面白い。属調(短調は平行調)転調には変わりないが、 Keyboard Sonata No.18 Eb majorはEs-g-b-Bと複雑で 経過句に凝っている。ハイドンの様式美を発展させた感じがした。
>>799 ルッカースはバッハをやるには音域が足りないよね。
キャラ的には汎用型のイメージだけど。
803 :
名無しの笛の踊り :2008/05/14(水) 00:24:24 ID:HHfCf3Wr
巷で流行しているのは ルッカースのグランラヴァルマンのコピーなんじゃないの? アンタイやエガーの愛器もそうでそ?
そこで出てくるドゥルケンですよ レオンハルト マンセーw
それを言うなら レオンハルト マンセー! スコヴロネック マンセー! でないとw 最近ホットなのはアンソニー・サイディー?
ところで、古典派の頃って長調は完全で短調は不完全なんて 考えは本当にあったのだろうか?長調の曲が異常に多いのは 事実だけど。
調性じゃなくて旋法の話になるんだけど、ルネサンスのころは 短三度は不完全というかあまり望ましくなくて、だからムジカフィクタで 長三度で終止するケースが多かったと聞いたことがある。 バロック期でも、短調の曲が長三度で終止するのは、長調への転調じゃなくて ムジカフィクタの名残で、フリギア終止などとともに旋法の残照があったということらしい。 古典派期はわからないけど、一応。
>>ムジカフィクタで長三度で終止 まさに属調転調の原点だな。リュリの曲なんかは途中でも 旋律の切れ目毎にピカルディーの三度を使うよな。 長調でI V I II# Vの時のII#の借用和音の部分のルーツか。
リュリのテゼ(スタッブス盤)を聞いているがトラジェディ・リリック ものってアリアとセッコが分かれていないからなんか聴きづらい。 私はアリアとセッコが分かれているナポリ楽派以降のオペラが好き。
レシはフランス語の語感に沿っているだけで、たしかにイタリアのセッコよりは旋律的だが、 それでもエールと比べるとやっぱり全然違うよ、聴き慣れの問題だと思う ちなみに自分はフランス様式のほうが好き
アッコンパニャートを基調としたグルックとの違いが 分からんのだよ)汗 例 グルック「オルフェオとエウリディーチェ」と 「アルチェステ」
その二つはウィーン版とパリ版があるけど、基本的には成り立ち的には イタリアのセリアの改革オペラだから、初めからトラジェディ・リリクを意識して 書かれたアルミード(まさにリュリの同名作品と同じキノーの台本)とか、 トーリードのイフィジェニーとはまた微妙に違うんだよ 同じグルックのアルミードを聴けばその二つとの違いはある程度分かるんじゃないかな >アッコンパニャートとレシの違い レシには、めんどくさいことに、拍子のあるものと、イタリアのレチタティーヴォのように 拍節がないものがあり、まあ確かに前者とエールとの区別は最初は難しいかもしれない
>>813 ありがとう!
紹介してくれた作品と聴き比べてよく勉強するよ。
スコアがあれば勉強が捗るんだけどなあ...
話変わるけど、ここの管理人さん、すごいね!
http://www1.ttcn.ne.jp/~ebisu-studio/ 冷静に考えてみれば「よく調律されたクラヴィーア曲集」の
表紙にある渦巻き模様の解釈とかヴェルクマイスター第3
とか考えすぎかもしれませんね。
時代的に様々な音律が混在していたこの時代、
「誰でも知っている共通言語たるミーントーン音律でも
書き方次第で全ての調が弾ける」とバッハは考えた方が
自然という管理人さんのお考えは納得できるとは思いませんか?
皆さんのご意見、待ってます!
詳細解説です。
果たしてバッハの「長三度は可能な限り広くとってよい」は
減四度の耐えがたい響き(427セント)も容認という意味でしょうか...
しかし減六度のGis-Esは強烈でこれも使いようと考えたのでしょうか?
f-mollのトニックである増二度のF-Gisは協和的な短三和音
としては狂いすぎですが短三和音は陰鬱さが特徴のひとつですから
269セントの短三度はその特徴を強く表現していることになる、
と考えたのか...????
私自身、一巻の前奏曲変ロ短調を弾きましたがダークで恐ろしい
響き(呪われそう、マジで!)になったので止めました(笑)
一通り読んでみて、バッハのとは違う別のことをふと考えた。 キルンベルガー律はミーントーンと違って、転調を頭で意識しないといけないということ、 機能和声の誕生と不可分に結びついているということで。 ハイドンやモーツァルトの動機労作は、耳で聞いているだけで十分追いかけられる。 単純なつくりといいうよりは、聴き手が一回で聴いてわかるように 職人的努力をした跡がうかがえるし、彼らのソナタ形式楽章の展開部は聴いていて楽しい。 体感的に理解できる音楽と言うことが出来ると思う。 ベトの動機労作は、何度か繰り返し聴くとか、ひどい場合には楽譜を分析してみて 隠されている要素に気付くというケースが結構ある。 これは意識的に頭で理解する必要がある音楽ともいえる。 これは、「頭で意識する」という調律の必要性ともシンクロしているように思える。 キルンベルガー律の普及と機能和声の誕生と、作曲家側の芸術家意識の誕生が なんだか結びついているように思えてきた。
817 :
名無しの笛の踊り :2008/05/16(金) 13:02:28 ID:in+zgShy
リュリやラモーの歌劇の歌詞と対訳が載ってるサイトって無くなっちゃんたんですか?
>>817 ルソーのなんとかとか言うサイトだっけ?
>>転調を頭で意識しないといけない ベトの曲は複雑すぎて1回聴いたんじゃ理解に苦しむ点があるよね。 スコアを見ると芸術性に気づくというのには同感。 これがロマン派の始まりなのかな? でもバッハの曲も頭で意識する必要あるよといったらダメっすか?
言われて気がついたがルソーと音楽無くなってるね。
ミーントーンでも濁った響きを演奏次第で上手に隠すことが 出来れば平均律曲集だって怖いものなしの気がしてきた。 和音のアルペジオのばらし方、装飾の入れ方、アクセントのつけ方、 テンポの揺らぎetc 演奏法を研究してみようっと。 主和音が濁っていたって和音をアルペジオ化すれば(笑) バロックは元々楽譜にないものを奏者が補う事を前提にして いるのだからOKかもな。
自分でいうのもなんだけど、 音律、音律って香水やメイクにやたらこだわってるのと なんか同じ気がしてきた(^^ゞ
アッコルドーネ@王子ホール よかたぜ!!
>>819 バッハとベトでは頭の使い方が違う気がする。
バッハは技法の追究、ベトは衒学のための衒学っていう感じで
それにバッハの語法は、バロック時代の共通言語による部分も大きいので、
ベトみたいに「俺の曲を聴け!」みたいな押し付けがましさはないようにに感じる。
俺は笛吹きで、鍵盤はインベンションとシンフォニアくらいがせいぜいなので トラヴェルソで吹いた印象でいうと、バッハの作品って、 例えばささげ物のなかのトリオソナタとか、クロスフィンガリングの オンパレードで厄介極まりないが、音楽の内容が圧倒的だから、 なんだか、奥義を会得する修行をしているような充実感がある。 対してテレマンの例えばターフェルムジーク第2集のニ短調カルテット、 吹く前は結構難しそうだな、と思ってたんだが、実際はそんなことはないんだよね。 難しい指使いは慎重に避けて、楽器がよくなるように計算しつくされ、 それでいて技巧的なパッセージで演奏効果バツグンにできている。 これってすごいことだと思うんだよ。 芸術的内容の追究に努力を惜しまないことと、 演奏者の愉悦のための努力を惜しまないこと、これはどちらも等しく職人芸だと思う。 ベト以降のロマン的価値観では前者ばかり評価されるが、 これはベトくらいの頃から演奏会で一般人も音楽を聴けるようになって、 実際には演奏しないで聴くことだけで音楽にかかわる人が増えたからかもしれない。 同じ聴くだけなら、難解な音楽を聴いているほうが充実感があるのかもしれないな、と。
オケのチェンバロの奴がリアライゼーションを自力でしたがるのはいいんだが、 どうも彼の趣味が悪くて、無気力なロングトーンをしゃらしゃら弾いているだけで、 正直周りのものがみんな困ってる・・・こういう経験ってないか? この際はっきりとみんなで言ってやるべきか。フルボッコにならない程度に。
リュリ「テゼ」のCD買ったから日本語訳をプリントしようとしたら 「ルソーと音楽」のサイトが無くなってるorz
>>793-4 何が本当なんだか分からなくなって北よ。
キルンベルガーでもミーントーンでもいいから、
何かソースあるの?
>>827 アドレスわかるならアーカイヴっちゃえば?
>>826 そりゃあ、かなり趣味わるいな。セッコじゃあるまいし。
その時代の装飾のお決まり文句を勉強して工夫しないとな。
言いづらいなら飲み会のときにでも「ところで、キミにとって
スルーベースってスルーって感じ??」って笑いながら聞く。
その後の反応で彼の音楽に対する入れ込み様がわかるんじゃない?
やる気がないのか、本当にヴォキャが無いのかがさ。
後者だったら救いようがあるね。
音楽を一言でいうと18世紀までは言語であったが 19世紀以降は魔術に変わった。
てか芸術全般が排泄行為に成り下がったんだろ
音楽が世間話のように演奏する各自が共通の考えと 旋律や和声パターンを持っていた阿吽の呼吸的な 調和度の高い芸術的な18世紀の音楽が好きだ。 世間話で出会い頭に暗い話題や奇異難解な主張を すると反感を買うのと同じで暗黙の了解があって、 曲の始めから開放弦のほとんど使えない調や響きの 悪い三和音、弾きづらいパッセージは避けられた。 しかし展開部では調号の多い調や複雑なパッセージは 入れてよいのである。盛り上がるから。実に会話的だ。 ある音か和音が掻き鳴らされたら次に弾くべき音の方向性は 大体決まっていた18世紀。悪い意味では独自性に欠ける音楽 といえるがこれも一つの芸術と私は思っている。 18世紀のクラウスは数多くの風変わりな曲を書いたが、 決まりきった表現が常識の時代においてなぜ短調でばかり 書けたのか?ヴァンハルもコジェルフも同様である。 こうして勉強しているとヴァンハルたちは興味深い。 しかし、19世紀以降は魔術的でショスタコヴィッチの ヴァイオリン協奏曲嬰ハ短調やウォルトンの変ロ短調は 明らかに異様であるといえる。むしろ、こんな扱いづらい 変わった調をよく初めから使って上手く料理できたなと 関心する。音楽的価値観が呪術的で征服的であったからか。 理解こそ出来ないが彼らも天才であると思う。
>>832 ありがとうございます
保存できるものはローカルに保存してみます
>>835 クラウスは印象的な作品に短調が多いけど
(例えばハ短調シンフォニアとか、葬送カンタータとか)、
そこまで言うほど短調が多いわけではないよ。
大規模なソナタを含む全13曲のクラヴィア作品の内で短調なのは
1分程度のコラール前奏曲2曲とメヌエット1曲だけ。
ヴァイオリンソナタにも短調は一曲もない。
弦楽四重奏曲だけは多少短調の比率が高くて、
全10曲のうち3曲が短調だけど。
フランスの古典派のイヤサント・ジャダンの全12曲のピアノ・ソナタの
うちの半数が短調というほうがよっぽど異常だ。
ショーベルトにしても、エーデルマンにしても、
ヴァンハル、コジェルフらよりも短調比率は圧倒的に多いのに、
古典派期に短調で多く作曲した作曲家と言えばウィーンで活躍した
作曲家しか例に挙がらない。クラウスはドイツ生まれだからか?
こんなところにも独墺偏重史観の影響が出ているのかもしれない。
ただ、音楽を世間話に喩えるのはセンスいいね。
フランスに短調が多いのも、この動乱の時期の世間話としては
自然なのかもしれない。
フランスの特殊性は、革命後の王政廃止とも関係あるんじゃないかと思う メユールの交響曲の、ベートーヴェンのそれの通俗性を先取りしたようなところは、 あきらかに知的聴衆層ではなく、大衆が聴衆になったことと関係あるんだと思う それは、ゴセックの声楽作品、たとえばレクイエムとか、オペラとかでもそうだよね 反面、自分で演奏するための音楽である、鍵盤作品や室内楽は、 あまりにもナイーヴで、本当にさわると壊れてしまいそうなくらいだ ゴセックも弦楽四重奏とかは繊細な音楽でびっくりする 自分で演奏する層を対象にするか、あまり訓練されていない聴衆を相手にするかで 音楽の作風を変えているんだよね こういう芸術至上主義の対極にあるような実用主義は、 ロマン的視点では理解できないから、あえて無視されているのかもしれない
839 :
名無しの笛の踊り :2008/05/20(火) 11:51:28 ID:OzZSks7y
中世・ルネッサンス・スレから来ました。 J.C.Vodnansky(1572-1622)のこと、どなたかご存知でしょうか? 「天よ、露を滴らせよ」 っていう美しい曲が知られています。 wikiでも見付かりません。 よろしくお願いします。
840 :
名無しの笛の踊り :2008/05/20(火) 15:05:53 ID:QI1uX8/2
>>835 ミシェル・コレットのように作曲家たるものが典型に徹すると
嘲笑の対象になってしまうんだよね...。貴族の遊びならともかく。
843 :
839 :2008/05/20(火) 20:32:46 ID:OzZSks7y
>>842 さん、タンクスです。そういう手がありましたね。これからは試してみます。
とはいえ、この人、そんなに音楽家としては活発ではなかったようですね。
中世ルネサンススレにも書き込んだのですが… グリエルムス作曲のパッサカスティーリアのCDはありますか?? 知ってる方いましたらお願いしますm(__)m
カスティリアの踊りじゃなくてカスティリアのバスだった、ごめん カスティリアの低旋律バスってことかな?
親切で回答してあげてるけど、そのマルチ君、あっちで答えもらったから こっちにお礼言いにはこないと思うよ だからマルチはスルーするべきなんだよ
849 :
844 :2008/05/23(金) 13:12:00 ID:cmxWXbPI
どうもすみません。 必死になってましたorz 以後気をつけます。 そして貴重な情報ありがとうございます。
古典期のコンチェルトではソロが活躍中は他の弦奏者は スピッカートやが良く出てくるがこれはコンマスがボウ イングを指示できないからこういった単純なボウイングに なるだろうか。
あとロングトーンもね
そういう意図よりは、単純にソロを目立つような伴奏にしたいということじゃないかね 伴奏部の音量とか小さくして、音形も単純にして
⊂ \ /⊃ \\/⌒ヽ// (( \( ^ω^) ))←Vln.Solo /| ヘ //( ヽノ \\ ⊂/ ノ>ノ \⊃ レレ スイスーイ Vln.1mo.;タッタッタッタッ、タッタッタッタッ、タッタッタッタッ、タッタッタッタッ... Vln.2nd.;タッタッタッタッ、タッタッタッタッ、タッタッタッタッ、タッタッタッタッ... Alto Vla;タッタッタッタッ、タッタッタッタッ、タッタッタッタッ、タッタッタッタッ...
>>852 サンクス!確かに伴奏部の音量もpになってることが多いな。
他のパートを黙らせる訳にはいかないからね。
演奏&作曲練習&鑑賞&研究をここまでしてきて古典派の音楽は
私にとっては合理的であり統一性のような何かを感じる。
バロックよりもオーディエンスのために聞かせる曲を書く
ということからソナタ形式やロンド形式などが発達したから
即興性は薄れたけど曲全体が沢山の部品の集合体で出来ている
と感じた。家電で例えれば冷蔵庫は○芝製で洗濯機は○立製、
テレビは○ニー製みたいな(^^ゞ要するに数十の伴奏や旋律の
パターンの寄り集めでこの音楽は成り立っているような気が
するんだよね。ああ、こんなこと言ったらモーツァルトに怒られますね(゚o゚)
決して批判をしている訳ではないよ。勉強してかなりディープ
な部分がわかった。18世紀の音楽が言葉みたいとかね。
むしろ愛好してこの分野を極めようとしているヤツですからね§^。^§
でもバロックはパーツの寄せ集めという感じがしない。
とても即興性を強く感じるしそれでいて複雑でマネが難しいよ。
そうか!古典派がパーツの寄せ集め=言葉でバロックは即興性=一発芸???
ちょっと質問いいですか? 古典派のヴァイオリンの弓はタルティーニが開発した長めのものですか?
>>855 そう思っていいんじゃない。
タルティーニの音響学へのこだわりは相当なもので
論文も結構だしてるね。
それまでヴァイオリンの最高音は竿の付け根
(第三ポジのd''')までだったのを一気に指板の端
(第五ポジのa''')まで広げたのも彼だね。
859 :
名無しの笛の踊り :2008/05/26(月) 04:07:37 ID:9mydlTzr
日本ではヴィヴァルディというと「四季」しかない作曲家のようにいわれるが、 ヴァイオリンの巨匠であり、オペラの作曲家であったことがあまり語られない。 タルティーニもまだよく知られていないようだ。パガニーニから遡って、イタ リアにおけるヴァイオリン奏法の流れにもっと関心がもたれていいと思う。
>>852 ヴァイオリンといえば真っ先にタルティーニを思い浮かべる。
次に製作者のストラディヴァリウスってな感じで。
タルティーニはまさにヴァイオリンのための曲を書いた
ヴァイオリン一筋の作曲家だな。チェロ協奏曲なんてものあるけど
ヴァイオリンの動きに凝っているところから見るとやはり
ヴァイオリンを極めた人物といえる。「悪魔のトリル」は有名だね。
それ以外にもいい曲いっぱいある。後期のコンチェルトにはムダがない。
友達の話では次にヴィオッティが重要らしい。現在の反り弓の開発者に
アドヴァイスを与えたそうだね。モダンヴァイオリン専攻の子は
オケの試験で彼のコンチェルト28番を必ずやるそうだ。
その友達の話では次にヴィヴァルディ、コレッリの順らしい。
作曲家に優先順位を付けること自体くだらん事だがこれが
ロマン派の考えにどっぷりと浸かっているモダン系の学科の
基本方針らしいよ。
>>859 少なくともこのスレではそんな認識の人はいないよ
宗教作品全集も持ってるし、出てるオペラのCDは全部持ってる
このスレの住人だったらそれがデフォルトだと思う
まあ、好きか嫌いかでいうとあまり好みの作曲家ではないけど…個人的には
フランス物が好きだから、その辺はしょうがない
ただ、タルティーニは好きだなあ
タルティーニはヴィバルディを嫌悪してたようだけど、
確かに彼のコンチェルトは風味が違うね
結局、タルティーニは面白い。ヴァイオリンの書法を学ぶ上で 多いに勉強になる。ヴィヴァルディとは時代が違うからそれは それでいいと思っている。 歌劇「フィガロの結婚」K.492のピリオド系DVDを探しています。 (ちなみにCDはミヒャエル・ハラース盤がいいと思う)
フィガロのピリオド楽器演奏のDVDなら、ガーディナーとヤコプスがあるな
あ、日本語字幕いらないって前提だけど、有名曲だし大丈夫だよね?
>>864 サンクス!!
ガーディナーなら安心さ。
タルティーニは面白いよね、あの時代にあれだけ妖艶な作品かけたのはすごい というか、初期と中期と後期で全然作風が違うから、3人分楽しめる感じw
>>860 ヴィオッティのコンチェルトで圧倒的に有名なのは22番だけど、
28番にはどういう要素があって試験に使われるのかな?
タルティーニって言えば鰤から出たトリオ&ソロ3枚組良いねえ。 トリオ2枚は以前タクトゥスから出てたものみたいだけどソロは新録かな?
>>868 訂正、22の間違いスマン。
ヴィオッティはフランス宮廷で働いていたことがある人なんだね。
>>867 タルティーニは時代の移り変わりに応じて作風を変えた人物だね。
前期は本当にバロック風だけど後期は古典派様式だ。
オペラと調性の研究をしているのだが詠唱の調性は単に歌手の
声域に合わせただけっていうこともあるのかな、って考えている。
ちなみに研究中の作品はフィガロなんだが。
>>869 Op.6もタクトゥスから出てたよ。俺が持ってるから間違いない。
なんでこれだけライセンス表記ないのか謎だけど。
そして最近出たタルティーニといえば、コンチェルト全集のVol.14がまたよかったね。
D28、D78あたりは有名曲なのもなるほど、という存在感だし、
かといって他の曲も劣っているわけではない。宝の山だね。
>>871 オペラの場合、想定した歌手にあわせるのはなにもレチタティーヴォだけじゃなく、
アリアもある程度そういう場合もあった。なぜなら、歌手を変えて再演の場合、
差し替え用のアリアを書き下ろすのは当時常識的慣行だったから。
アリアの場合は調持性も大事にしたけど、一方では例えば
>>509 のように
歌手の見せ場となるアリアでは、その歌手の声が最も映える様に工夫した。
おかげでヘンデルのオペラやオラトリオは版の問題が非常にややこしい。
モーツァルトだってヘンデルほどじゃないけど同じだよ。
歌詞内容と調持性を重視していても、ある特定の歌手しか歌えないような
音域使っていたら、やっぱり差し替え対象だった。
>>872 トリオソナタやヴァイオリンソナタならブリからでている
ラ・マニフィカ・コムニタ盤もいいね。
875 :
名無しの笛の踊り :2008/05/27(火) 12:54:58 ID:PFxcJHcH
>>873 ありがとう!また、一つ勉強になった。
いくら調性感、調性感と作曲者が騒いでも歌手が歌いづらかったら
意味ないものね。人気歌手の声域を知る事はとても重要なんだな。
それにヘンデルの時代は内容よりも歌手の歌の技巧にばかり
目を向けるきらいがあったね。モーツァルトよりヘンデルが
歌手の声域にかなりこだわって書いたのもうなずける。
それでも
>>748 氏のおっしゃるようにホ長調は異様な調という
認識をもって書かれたしヘンデルの「メサイヤ」などは
調性感に芸術的なまでにこだわりまくっているから面白い。
もっとも私が調性感とか楽器の調による響きの違いとか
言い始めた原因のもととなる作品なんだがね。
揚がちゃったp ホ長調ネタで一つ。 ヴァイオリン上がりの作曲家にはこの調は比較的多い。 タルティーニにしろヴィオッティなど。 しかし、鍵盤上がりの作曲家には少ない。 鍵盤ではホ長調はナンセンスなんだな。
スマン、質問いいですか? ルイエやテレマンのリコーダーソナタ吹きたくて全音孔が シングルホールっての買おうかと思っている。レトロだから(笑) そこで思ったんだけど、 二鍵オーボエの場合、Cキー・Esキーとそれら音孔がなく、 なおかつ第3・4孔がシングルホールだったとしたら... 出ない音が沢山出てきて演奏不能になっちゃいますかね? それともフラットはクロスフィンガリング、シャープは サミングの原則でカバー可能ですか?
>>877 なんとか可能。全単孔のリコーダーですらフォークフィンガーと半穴で
半音階を制覇できるんだから成せばなる。
ただ、フォークフィンガーは音が篭るし半穴は音程がフラつきやすい
んだけどな。大体、Esキーがないとなるとe♭'を半穴で出すのは困難に
近い。もっとも、Esキーが開発されたのはそれを克服するためだから。
それにしてもキーなし全単穴のオーボエなんてチャルメラかよ おい(笑)
ウチが所属するアマのピリオケ(大阪在住)では オーボエ=チャルメラ、ホルン=角笛 トランペットorクラリーノ=喇叭、ティンパニ=太鼓 フルート=笛、ファゴット=バスーン ヴァイオリン=弦 ヴィオラ=アルト チェロ=低弦 コントラバス=(ダブル)ベース チェンバロ=鍵盤ってニックネームで呼んどる。 なるべく日本語で呼びたいみたい♪
ピリオケにティンパニ
ティンパニとラッパなんてリュリのトラジェディ・リリクをはじめ いくつも使用例があるじゃないか、なにかおかしいか?
有名どころだとヘンデルの王宮の花火の音楽HWV351にもバッハの管弦楽組曲BWV1068/1069にも ヴィヴァルディのロレンツォの祝日のアムステルダム版RV562aにもティンパニ入ってるぜ
テレマンの組曲の結構な数にも思いっきりティンパニ入ってるな。
>>881 リュリの頃の太鼓(ティンパニ)って喇叭(トランペット)の
輪郭を作る役目をよう果たしとっていて全体的に基音が多く、
他楽器を邪魔しないようになっとったケド、モダンになると
音の余韻が長なって、ハーモニーの中の楽器として使える
よう、それに応じて撥も軟らかなったみたいね。それに、
ベートーヴェンの初期ころまでのティンパニはポンポンって
割と軽い響きやない?
そもそもバロック期には、ラッパのある曲には譜面になくても ティンパニを入れて演奏するのが慣習だった。 当時のティンパニ奏者は、即興に長けていたんだよ。 逆に言えば、だからわざわざ譜面に起こすことも少なかった。 当時の作曲家はそれほどヒマじゃなかったからね。 通奏低音のリアリゼーションをびっしりと書き起こす作曲家はほとんどいなかったのと同じ。
886 :
名無しの笛の踊り :2008/05/28(水) 21:41:02 ID:UsORsNDB
>>885 ティンパニの即興なんて知らんかった!オドロキやねん(@_@)
古典期の総譜見とるとようクラリーノパートはあっても
ティンパニパートがないものが結構あるケド、これってティンパニ
なしやのうて即興できるスゴ腕じいちゃんがおったさかいに
わざわざ若モンの時みたいに書かへんでもえがったちゅう意味で?
887 :
名無しの笛の踊り :2008/05/28(水) 21:58:42 ID:8plrQlzH
ファゴットも、オブリガードの場合だけ譜面に書いてあったりする。 だから、通奏低音やオーケストラの低音補強でのファゴットは演奏者が自ら 補う必要があった。 当時はそれが常識だったわけなんだよね。 例えばモーツァルトの交響曲なんかも、ティンパニやファゴットパートが無い曲が 多くあるが、それはこれらのバロックからの演奏習慣が適応されていたからです。
888 :
880 :2008/05/28(水) 22:01:37 ID:CMLFDowU
ピリオケにティンパニ があっていいねと言おうとしたのに(涙目。。
>>886 そうですよ、
>>887 氏もいってるけど。
ハイドンなんかにもティンパニパートが欠けている物は多くあるけど、
トランペットがある曲では間違いなく即興で対処していた。
後年は記譜するようになったから、やはりそうしたウデをもった
ティンパニ奏者が減っていったのかもしれませんね。
バロック時代のスゴ腕奏者は、ラッパ奏者だけじゃなかったんですよね。
>>887 >>889 おおきにです!
つまりバロックから古典になるにつれて即興技量が落ちたような気が
するねん。総譜のパートが沢山になったのはその証拠かな?
それと、Bassoパートはヨハン・シュターミッツあたりから
チェンバロを使わない指揮者も出てきたみたいやね。
エマヌエル・バッハはそれを快しとしなかったみたいやケド。
891 :
名無しの笛の踊り :2008/05/29(木) 22:27:11 ID:8fhqGmuh
>>858 タルティーニのずっと前に、ヴィヴァルディが1712年のRV212でf'''に、
3年後に改作したRV212aではa''''にまで達している。ヴィヴァルディは
楽派を形成しなかったので、ロマン派、古典派とヴァイオリンの楽派の
流れを遡るとつい見落としてしまいがちだ。
892 :
名無しの笛の踊り :2008/05/29(木) 22:40:55 ID:8fhqGmuh
えせ方言使う奴がいて気持ち悪い
>>891 a'''は恐らくヘンデルのオペラ「時と勝利の悟り」の序曲
のアルティッシモでの出現が歴史的に一番早いのではないだろうか。
この演奏をコレッリも依頼されていたんだけど「単なる技巧の
ひけらかしの為だけに指板の先まで使うなんてナンセンス」と
批判して演奏を拒んだたらしいよ。
要するにコレッリは第三ポジまでしか使わない主義だったから
第五なんてとんでもなかったんだろうな。
ところでポジの移動が考案されたのっていつ頃だろうか? レグレンツィやマリーニの時代かな?それとも、モンテヴェルディの時代かな?
>>894 確かに出てくるね、器楽作品以外でこんなことするとはさすがヘンデル
それはさておき、コレッリがこの作品の演奏を拒んだ理由にはもう一説あって、
この序曲がフランス様式だから自分には分からない、といったと言う逸話もあるけど
それは信じがたいんだよね、コレッリのOp.6にはフランス風序曲を想起させる
要素を持つものもあるし、フランス様式を知らなかったわけではないと思うんだ
イタリアの、ましてバロック期において突出して整った音楽を書いたコレッリだ、
ひけらかしみたいなハイポジションは弾きたくなかったというのが真相だろうね
>>896 コレッリはあくまでも完璧な音楽を目指して何度も作品を
改定したお人だからね。フランス様式の序曲で変ロ長調
だからこれもまた面白い。
この時期のローマは法王様によってオペラの上演を禁止
されていたんだね。だから「時と勝利の悟り」はオラトリオ
なんだな本当は。
ヴァイゼのシンフォニーとピアノソナタを聴いた。 シンフォニーはベトと同世代人でもかなり時代遅れ な書法だがピアノソナタはベト程斬新ではないが、 既になんとなく民族的な曲の印象を受けた。
899 :
名無しの笛の踊り :2008/05/31(土) 04:11:53 ID:L6FphhcW
>>895 モンテヴェルディのヴェスプロ(1610年)で既にd³が出てくる。
ちょっとぐぐったらウッチェリーニに6ポジが出てくるようなことが書いてあった。
6ってことはg³?ほんまかいな。
>>900 どうやら初期バロックでもしばしばハイポジが使われていたようだね。
17世紀初期のアマティ製バロックヴァイオリンのコピーを工房で
見せてもらったら指板先端がa'''だった。第7ポジなんて私もちょっと
無茶だと思う。16世紀半ばのヴァイオリンの原型完成期にもすでに
ポジの考えはあったんだろうか?まさかポジ移動なしのg-b''なんてね。
自己レスだが、 16世紀ではポジなしだったかもしれない。なぜかというと当時の 声楽や鍵盤音楽は殆ど全て最高音はa''だからね。 18世紀末にヴァイオリンの改良がフランスであったけど その時に最高音はa'''からc''''になっている。弓を改良した 恐らく一族の功績だろう。サン=ジョルジュのコンチェルト C-durのソロパートでc''''が出ている。
903 :
名無しの笛の踊り :2008/05/31(土) 13:07:14 ID:L6FphhcW
>>902 c''''はロカテッリがすでに、1733年に出版した作品3『ヴァイオリンの技法』
第22番のカプリッチョで達している。指板の長いモダン・ヴァイオリンでも
ここまでくると限界と言ってよい。d''''が最高音だが。
>>903 ロカテッリのOp.3は聴いている側でもキンキンするよね。
あそこまでいくとやりすぎだと思うんだが。
コレッリが「ひけらかし」とは言わなかったというのはそうだろうけど、
彼の「いびつな真珠」というにはあまりにも均整の取れた作品から推測すると、
やっぱりハイポジションは彼の美学と相容れはしなかったんだとは思う。
他人がやる分にまで干渉はしなかったけど、
自分では絶対にやりたくなかったんだろう。
905 :
名無しの笛の踊り :2008/05/31(土) 14:11:50 ID:WczJ1V7a
バロックヴァイオリンは今と違って指板の型は規格化されていないから 長いものもあったかもしれない。ただ1ついえることは当時はヴァイオリン はソプラノ声域を担当すると考えられていたので、人間の声が出ない高い音 は無意味だと思っていた作曲家は少なくないかもしれない。
>>900 ウッチェリーニのソナタ全集聴きなおしたけど、6ポジはなかった
別の作品に出てくるのかな
それにしても、ヘンデルといいモンテヴェルディといい、
声楽作品でハイポジ使うってのはなにか意味があるのかな
確かに当時は器楽作品は声楽の代替みたいなところもあったから、
声楽作品でのヴァイオリンのほうが楽器としての独自の扱いをしたのかも
>>906 そのサイトには「作品5(1649)」と書いてあった。けど、なんか微妙なサイトなんでね・・・
でウッチェリーニのソナタ全集?出てたの知りませんでした。おせーてくんろー
>>907 Op.4とOp.5の全曲のCDは、マンゼの弾いたやつがあるよ
HMFで、番号は HMU 907196
いや、自分も流し聴きしてたんでなんか自信なくなってきたよ…
g'''に意識を集中してたから、別の音だったのかも
そういえば6ポジ使っているからといっても最高音とは限らないんだよね
というか、「全集」とは書いていないな、ゴメン
あー、カンチガイしてた、マンゼが全集出してたのはパンドルフィだったか ウッチェリーニは全集でもなんでもないや、Op.4とOp.5の全曲ってのもちがう ということは、収録されていないOp.5の中に6ポジつかう曲があるんだろうな
並の発想で行けば最高音でしょう。 A線でc'''を取らないと不可能な運指、とかは無いと思う。少なくともこの時代。
誰でも編集可能なwikipediaをソースとして提示するというのはどうかと思いますが
>>913 wikiって編集可能なのね!オドロキだよ。
振り回されたちゃったんだね、私。
オーセンティック四重奏団の演奏、特にリックルは自然で凛とした 演奏で好きです。フェスカのカルテット嬰ヘ短調もいい。 この団体にはもっと活躍してもらいたいところ。
オーセンティック四重奏団の演奏ならズメシュカルもぜひに かなりの重量級の曲目です ハンガリーのピリオド楽器カルテットの先輩、フェステティーチカルテットの ハイドン全集、完成目前なのに足踏みしてますね、まあ旧録があるから フェステティーチの録音という意味では全集は完成してるともいえるんだけど…
917 :
スレ違い :2008/06/02(月) 14:44:26 ID:/CLY533H
>>916 festetics Q.はハイドン以外なら持ってるんだが
アルカナは主宰者が他界しちゃったけどまだアルカナ?
リュートって古典派になってもハーゲンっていう人が リュートソナタを書いていたんだね。ヴァイスが最後の 巨匠かと思っていた。
>>917 うまいこといったつもりなのカナ?
いや、晩年は、連名のエディションということになってたけど(娘さん?)、
あとはロシア四重奏曲集と単品のOp.42で2枚組で収まるから
なんとか最後までやって欲しいね
>>921 リュートといえばガロも忘れちゃいかんぜよ
つ ピッチニーニ というか、ダウランドはルネサンスでは?
リュートといえば老ゴーティエですよ あと、リュート、テオルボ、ギターのマルチタレント・ヴィセも好きですね 彼のギター曲はすばらしい
>>924 老ゴーティエはクラヴサン楽派に多大な影響を与えた人物ですものね。
ドニも結構いいよね。
ヴィセのテオルボ曲ってしみるよね(笑)まさにバロック時代の癒し系だよ。
最近、 二鍵式オーボエ、四鍵式バスーン、一鍵式フルート、二鍵式クラリネット、 もうそれでいいと思った。あまり難しいことは考えたくない。 私は鍵機構が気に入らないイタリアンな気質なのだ(笑) でも17世紀の偉大な匠たちが素晴らしい音が出るように考案して 下さったものにケチをつけるのもどうかと思えるようになった。 ところで四鍵バースンの運指はエライ厄介だね。 鍵は変イ・変ロ・ヘ・ニの四つで親指も頻繁に使用する。 この時代、管で親指を使用する楽器はこの楽器ぐらいだね。っていうか 弦も太鼓も鍵盤も18世紀初期までは殆ど親指を使用しなかったんだよね。
927 :
名無しの笛の踊り :2008/06/03(火) 18:56:11 ID:NNJXB285
>>927 いや、だからそもそもwikipediaなんて2chと同じで、だれでも編集できるので
ウソとホントのない交ぜだからソースとしては不適格なんだよ
それは外国版でもおんなじ
ヴァイス(バート盤)のリュート曲集第9巻が出たね。
ヴァイスって大型リュートだからか、フランス楽派の繊細さと比較して まるで別の楽器みたいに聞こえるね 進化しすぎて滅びの道を歩んだような気がする いや、ヴァイスの音楽は好きだけど、 楽器としてのリュートのことね
933 :
名無しの笛の踊り :2008/06/03(火) 23:22:53 ID:QP+blVW1
>>932 佐藤氏の同年東京でのコンサート行きました。「不実な女」の初稿は11コースで、今日はそっちを弾くよって言ってた。
ところできょう、エレーヌ・シュミット聴いて来たんだけど、えらく聴きづらかった。
弓が滑って、和音が「すかへろっ」としか鳴らないの。
で易しいところだけ弓圧をかけて耳を刺すような音でゴリゴリ弾くんだよ。
弓圧は演奏スタイルなんだとしても、「すかへろっ」はなんであんなになるんだろ?
聴いた人いる?
左指もうまく動いていなかったしね。 体調万全でなかった様子。楽器的にもむずかしい天気だし。 音についてはホールが金属的な音質なのでなんともいえない。 アンコール曲(は何?)のような選曲でもよかたと思う。 ワシは同情派。 あと、客席に朝バロの人いたね。
F.クープランのクラヴサン曲集第一巻第五オルドルの ロジヴィエールとパッヘルベルの第36組曲イ長調は似ているね。 それにクープランのダジャンクールはクープランのパクリと 思われる部分が多すぎ。
短調のソナタ形式の事を色々調べたんだけど次のことが分かった。 18世紀全体のソナタやコンチェルトの冒頭楽章が長調の場合、 緩徐楽章は初期は属調か同主短調が多くて後期になるにつれて 下属調が多くなっている。 下属調が多い件について私の友達(○マハのピアノ教師)は モーツァルトがモデルになったといっている。 彼の父はヴァイオリン奏者でヴァイオリンの開放弦ト・ニ・イを 冒頭楽章の主調として緩徐楽章はその下属調ハ・ト・ニになって 弾きやすいから、と言っていた。私は彼には悪いがこの説は どうも腑に落ちないので不支持をとる。なぜかというと冒頭 からハ長調やヘ長調でも沢山書いているからだ。 私の説としては長調偏愛の時代だから緩徐楽章に平行短調を 使うわけにはいかないから単にまだ使っていない下属調を 使っただけだと思う。ではなぜ初期は属調が多かったかと いうとまだ断定出来ないのことだがソナタ形式の副次主題 の不完全さと関係があるような気がする。詳しい方助言求む。
転調の教科書では、属調は緊張、下属調は弛緩とあるけど、 まあそんな感じなんじゃない?単調は使うわけには行かなかったとか そんな大それた理由じゃなくて。 ハイドンのシンフォニーの緩徐楽章の管楽器の使用について 上のほうでも書いたけど、それと同じように、冒頭楽章以外での 緩徐楽章っていうのは休憩というか耳休め的な意味があるから、 リラックスできる下属調を使うことが多かったってだけでは?
そのお考えはモーツァルト・ベートーヴェン・ケルビーニなど ドイツ・イタリア系の作曲家にはピッタリ当てはまります。 しかしハイドンの中期ごろまでの作品の緩徐楽章には属調が多い。 これはなぜだろう?それにフランスものは同主調ばかり。 エデルマンにしろホナウアーにしろ...。 下属調は耳休めという考えは必ずしも当てはまらないね。 水さすわけではないが。
それは時代的・地域的な好みの差を反映してるだけだと思うよ 下属調は耳休めというのも、古典期の話でモーツァルトの話が出たからで 同主調を使うのと、属調を使うのと、根っこは同じような気がするんだよね 耳休めどころか、より注意深く聴かなきゃいけない、みたいな それは、作品全体の長さにも関係があると思う 15,6分程度なら聴き手の緊張は持続するってことじゃない? ハイドンの初期は確かに属調への好みが見られるけど、 演奏時間的にもこの範囲だし フランスは本当独特だからよくわかんない そもそも長調の偏愛された古典期だっていうのにやたら短調が多いし 上のほうでフランスバロック期の転調が同主調が多いことを 指摘されていた方がいるけど、それが古典期でもフランスの規範になっていたのかも
>>939 うーん。演奏時間との関連ですか...面白い。
確かに70年代ぐらいから次第に20分を超す曲が多くなるね。
この時代からの曲は属調転調よりも下属調転調が確かに多い。
同主短調はおっしゃる通り緊張感というか興味を惹くものがある。
「おっ、何だ、何だ?どうなるんだろう。」みたいな感じで。
冒頭楽章が長い曲の場合、緩徐楽章が属調では冒頭楽章の
展開部とかがスリリングな書法で巧妙でないと少ししつこく
感じるかもしれないね。「またさっきの調か。」って。
だって長調曲の副主題は属調ってのか定石だからね。
ひょっとすると演奏時間は関係なく聞かせ上手で充実した
展開部だったら緩徐で属調が選択出来るのかもしれない。
その例としてモーツァルトの初期で20番ニ長調とか。
フランスは以前でも話題になったようにバレの国だから 伝統的に緩徐楽章では同主調が基本だったんだよ、きっと。 現にそうとしか思えない部分も多い。 時代は遡るがクラヴサン音楽の始祖のシャンボニエール のクラヴサン組曲ニ短調で既にジグがニ長調になってる。 弟子のルイ・クープラン以降ではその傾向は顕著ですよ。 組曲ハ長調でアルマンド・クーラントがハ長調ならば サラバンドはハ短調、そしてジグでハ長調に戻る、って な感じかな。さらに、響きの悪い調は使わない時代だから 変ロ長調の組曲は変ロ短調を出したくないから書かれな かったんだろね。
942 :
名無しの笛の踊り :2008/06/05(木) 10:33:58 ID:c/UGSRMr
>>941 では管弦楽組曲変ロ長調というのがあったらえせだというのですね?
profilレーベルから出ているコホウトのリュートコンチェルトいいね。 ディヴェルティメントも書いていることから18世紀後半 にも関わらずかなり需要はあったみたいね。どこの宮廷で 仕えていたんだろ?プロフが見つからないから謎多いんだよね... 書法はさすがにハーゲン同様古典派だけどね。 もっともこの人の世代でリュート曲は打ち止めみたい。
>>941 ルイ・クープランがクラヴサン曲に使った調性は
C G D A E F a e (fis) d g c fです。
中全音律を用いて組曲を同主調転調の観点から作曲されたことが伺えます。
革命期になっちゃうけど、プレイエルが1791年頃パリで出版した 交響曲第14番は変ロ長調だったのを思い出した。 中学生の頃ラ・プティット・バンドが演奏したこの曲が猛烈に好きだった…
ラ・プティット・バンドのプレイエルって、生演奏? 録音ありましたっけ?
率直にハイドンは何の目的で鍵盤ソナタを書いたのでしょうか? 宮廷での余興のためでしょうか?それとも単なるシンフォニーや カルテットを書く前段階でしょうか?未発表の作品はその傾向が ありますね。
>>947 ハイドンの鍵盤楽器の弟子のための簡単な作品(特エステルハージに雇われる前の時代)や
出版目的の作品(Op.30など)や、ハイドン自身が弾くためのやや難易度の高い作品、
イギリス訪問時のソナタのように特定の名手(テレーゼ・ヤンセン・バルトロッツィ)
のためにかかれたものなどさまざま。
ただ、ハイドンのピアノソナタは完全に鍵盤楽器の語法であり、
シンフォニーやカルテットの下書きだったりすることはあまり考えられない、という点は
共通して言える。
こういう発想ってやっぱり、ピアノソナタよりシンフォニーを格上に見たいという
日本の保守的評論主義の影響なんだろうか。
ハイドンのピアノソナタは注意深く弾いたり聴いたりすればわかるけど、
どれも一つ一つ工夫されていて、どちらかと言うと定型にそった
モーツァルトのソナタよりも面白いくらいだよ。
あと、ハイドンは本当に楽器編成によって語法を適切に変えている。 カルテットはどう編曲してもシンフォニーにはならないし、したところで 面白みは出ないようになっている。ピアノソナタもそう。 カルテットにしたところでつまらない作品になってしまうだろう。 ある程度編成には融通性を持たせていたこの時代にしては 本当に珍しいことだと思う。
>>948 サンクス!!
特定の名手のために書かれる事もあったんですね。
>>ピアノソナタは完全に鍵盤楽器の語法
管弦楽的語法の作品はなくて初めから鍵盤ソナタ
として書かれたんですね。
>>日本の保守的評論主義の影響
というか単に当時の作曲手順が良くわからないから
シンフォニー等の下書きは鍵盤譜でして生活の足し
にせざるを得ない時に出版したのかと思っていたんだよ。
>>950 >シンフォニー等の下書きは鍵盤譜でして生活の足し
にせざるを得ない時に出版した
いやいや、これ自体シンフォニー神聖視の表れじゃない?
取りようによってはシンフォニー以外の作曲はすべて
不本意ながらのもの、って言っているようにもとれるよ(笑)
>>949 ハイドンってただモンじゃないね!
編曲すると曲風が変わったり駄作になっちゃうなんて!
18世紀にしては珍しく本当にデリケートなんだね。
シンフォニーによってのみ完全なる音楽的表現が出来て
室内楽はその縮小版とどこかで誤解していたがこれで
はっきりしたよ。これこそ日本的誤解だねw
だいたいシンフォニー神聖視の起源はなんなんだろ(笑) ロマン派的音楽の日本人評論家の影響を知らず知らずに 受けていたなんて!ヤバイですわ。19世紀など滅多に 聴かないのに、妙な感じ(笑)
そういえば、編曲の数少ない例は、ピアノトリオHob.]X-26の第2楽章を 交響曲第102番の第2楽章に援用した例があるけど、かなり書き直しされてるから 比べてみると面白いんじゃないかな。 ちなみにハイドンが交響曲でミュート付きトランペットを使ったのはこの楽章が初めて。 いかに楽器編成に気を配っていたかわかると思う。
>>954 その比較は面白そうだね。管弦と鍵盤の書法の違いの勉強になるな。
ミュート付きトランペットとかザロモンセットはそれまでの
シンフォニーとかなり違う要素があるね。はっきり言って近代的だ。
大体、バロック上がりの私にとってこのセットは謎だらけなのだ。
だって、全曲管が六種類フル使用(クラリネットすら入る曲も)で
しかも変ロ長調とかト長調でトランペット&ティンパニにはビックリだよ!
まさに驚愕(笑)トーンホール付きトランペットを使ったのかな?
それとも変ロ管やト管をわざわざ特注したのかな?
スコアがないからよく分からないんだよね...
ト管のトランペットなんて長くてめっちゃ重たそう...(笑)
このスレって音大の卒論ゼミみたいね どうでもいい感想でした ごめんなさい
そろそろ次スレのこと考えないといけませんね
テンプレはいまどおりでいいでしょうかね?うまくいってるとは思いますが
あとはどのあたりで立てるかですが、
>>980 を超えたスレは一日放置で落ちるので
>>980 を取った人ということでいいでしょうか?
>>958 賛成!
imslpの復活の7/1が待ち遠しい。
960 :
名無しの笛の踊り :2008/06/06(金) 23:27:36 ID:TGRmxLPk
芸術劇場みてんじゃねーぞw
961 :
名無しの笛の踊り :2008/06/07(土) 00:58:24 ID:P6rxYV/z
磯山先生推薦のゲドロンのエール・ド・クールを聴いた。 明らかなルネサンスの土壌からのバロックの萌芽が感じられる佳品。 未聴の方は是非。特にモンテヴェルディがドラマティックすぎて苦手 という人にはいいかもしれない。
磯山センセ、大昔NHKでバロックの講座やってましたな ロンドン・バロックの模範演奏付きで
エール・ド・クール大好きです!秋の夜長には毎年本当に愛聴しています。 ゲドロンというとSYNPHONIAレーベルのヤツでしょうか、あれいいですよね。 ムリニエなんかも好きですが、ゲドロンはとても洗練されていて、 エール・ド・クール芸術の極致という気がします。 アルファレーベルから出ているムリニエ、ゲドロン、ボセセの3枚組が 一番この時期の作品を味わい深く演奏しているかもしれません。 エール・ド・クールだけ収録されているわけではないですけどね。
964 :
名無しの笛の踊り :2008/06/07(土) 02:01:55 ID:dUGbcHMM
高本が罵倒しに来そうな悪寒w
966 :
名無しの笛の踊り :2008/06/07(土) 17:44:43 ID:P6rxYV/z
大バッハといえば管弦楽組曲第5番ト短調BWV1070(偽作)
967 :
名無しの笛の踊り :2008/06/07(土) 17:59:00 ID:nzQPdWhl
>>967 よもや忘れてはおるまいか?
偽作の代表はbvw565、これなり。
ナチュラルトランペットは管に穴をあけて一部音を変えてたと思うんだが… もしくは管の一部をトロンボーンみたいにスライドにしたりね。
たった、今気づいたことなんだが、大バッハの ブランデンブルク協奏曲第3番緩徐楽章って たった二個のフリジア終止の和音が書かれているだけ なんだね。完全に奏者の即興性に任せる形をとっている けど当時の本人の楽団はどう演奏したんだろうね。
どう考えてもバッハが即興演奏したんじゃないの?
>>971 では永遠の謎ってわけだな。
古楽楽団によって色々違いがあるわけだが
どの盤がいいかね?私はBCJがお気に入り。
>>972 つまり現代の古楽演奏家の考えすぎということかね??
BCJで思い出したが鈴木雅明氏の鍵盤独奏曲はとてもいいね。 調律もヴェルクマイスターや六分法ではなくてウナリが かなり出る改良された四分法で、時代考察バッチリな演奏だよ。
20日にブリからボルクステーデ氏のヘンデルの ハープシコード組曲集が出るね!
>>973 >つまり現代の古楽演奏家の考えすぎということかね??
バッハが楽譜についてどのような態度であったかを吟味すればわかることです
>>976 わからんなあ...
ナクソスのBCJのカンタータ第34集消えてる...!
なんでや?bwv1があったのに...ショック!
BCJのカンタータ、ナクソスからは出てないでしょ、BISじゃないの?
>>975 1733年の曲集が含まれてるのがいいね!
マンゼ&エガーの演奏会(6月11日@トッパンホール)に行ってきました。 構成はバッハ、コレッリ、パンドルフィ、ビーバー。 パンドルフィ&ビーバーは予想通りの迫力ある演奏で拍手喝采だったが、 個人的に驚きだったのはコレッリ(作品5−7)で、 まるでキ○○イのように弾きまくるその姿にポカーンという状態でした。 バッハはかなり普通の演奏だったので バッハよりも寧ろコレッリをもっと弾いてもらいたかった。 既成概念をぶち壊したすごい夜でした。
>>978 ナクソスでBISレーベルのBCJのカンタータ第34集が
視聴できないらしいよ。
>>979 最新の研究成果を反映させた録音って出ているかな?
ヘンデルって海賊版撲滅キャンペーンのためにこの
曲集を出したらしいがよく意味がわからんのだ。
ハープシコード曲集を出版した経緯に詳しい人頼む。
>>980 が次スレ立てってことだったんだけど書き逃げかな?
>>982 あなた前もレーベルと販売サイトとごっちゃにしてたでしょ、
パーセルカルテットのコレッリのトリオソナタのCDで。
こういう場合はややこしいのでレーベル名とごっちゃにしないで欲しい。
試聴なら海外の通販サイトでBISに限らずできるところはあるんじゃないかな。
1733年曲集に関してはとくに成立がややこしいらしい。
出版譜と自筆譜でかなりの異同があり、そうした点が
>>979 のような
最近の出版でのやっとの反映に繋がっているらしい。
>>982 ヘンデルの場合、Op.1などでもそうだったんだけど、
要するに間違いだらけの手稿譜が出回ってしまっていて、
自分の音楽が間違って演奏されるのに我慢できないから、
自分でレファレンスとなる楽譜を出版した、という意味でしょう。
クープランがクラヴサン曲集第1巻の前文で同じようなこと書いているので、
当時の人気作曲家としては自作品を守るために出版する、というのはあったんでしょ。
海賊版というのは、なにも出版譜の違法コピーとは限らないわけですよ。
なにより当時は一般には手稿譜での流通が主だったわけだから。
>>980 を超えるとdat落ちしやすくなる緊急事態ですので、
スレ立てやってみます。
ヘンデルのチェンバロ曲集って、組曲だけじゃなくいろいろ聴きたいな いまある全集は演奏があまりにもひどすぎる
そもそも1733年曲集でさえマトモに全曲録音少ないしね… かといって手稿譜を網羅しようとしたら、大変だろうな、収拾するの 件の全集が「全集」かどうかというのも非常に議論の余地があるし
ナクソスのBISレーベルのバッハカンタータ視聴の件 会社と連絡をとってみましたところ近日中に再表示 をするそうです。
イーよな 数百年後の人、バッハの生演奏が聴けて・・・ この意味わかる? わかんネーだろーな
>>992 イーよな 5次元世界の人、バッハの生演奏が聴けて・・・
埋めとか必要?
>>992 タイムマシンが発明されてるだろう、ってことか?
未来へ行きすぎると、時間の矢が反転して逆行カノンが順行で聞こえてしまう
>>995 宇宙の終焉は宇宙誕生ビッグバン直前への回帰。
すなわち宇宙は膨張から収縮を始める。それと同調する時間の退行により
宇宙終焉から誕生まで時間の逆行。言っておくが宇宙だけの終焉はありえない、
時間と宇宙は同一だ。簡単に言えばビデオの逆再生状態。つまり君もバッハも
百数十億年後、もう一度死から再生し母親の胎内へと回帰する事となる。
考えられない事だが、その時点ではありとあらゆる事象が逆行しているのだから
当事者には何の違和感も無い、当然逆行カノンも順行カノン。
鏡像カノンはどうなるの?
ume
999
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