952 :
779:04/03/19 04:30 ID:D894ZXGd
すげー! 深夜なのにこんな白熱したレスの応酬してたんだ!
>>823 >>779で述べているのは、作品の受け止め方について言っているのですよ。
貴方と私のレス内容では「内と外」の捉え方が異なっています。
それゆえ、仮にいま貴方が言うところの「外」を提示出来たとしても、
私から視てそれは貴方が言うところの「内」の変奏でしかありません。
では、私が言うところの「外」=別の視点を見出す方法論とは何か。それは
既に
>>789で書いてます。 作品と対峙し通過した結果生じた己に固有の心の
動きを、既成の秩序一般へ当て嵌め了解したところで帰結とすることに留めず、
その了解に還元出来なかった部分にも光を当て、この体験が己にとって何を
もたらしたかを記述することです。その行為・志向が「押井を既知に収めない」
ということです。ちなみに、なぜ了解に還元出来なかった部分が重要なのか。
それは、そこにこそ個々人に固有の表現衝動の出発点があるからです。
結果としてこう書きましたが、さすがに強要しているわけではありません。
体験への処し方の一つを示唆することで、「私にとっての『イノセンス』」を
書いてくれる人が一人でも多く現れたら面白いな、そのような気持ちで書いた
のです。 味わいたかったことは、
>>876さんが感じた面白さに近いですね。
953 :
790:04/03/19 06:01 ID:qd+vc+Sh
やっぱり今回の作品はB・Dを叩き台にしてる。これはまず確定だな。
>>749無駄なシーンではなく、作品世界の正体を観客に理解させるために必要だったんだ。
B・Dではハナシの折り返し点で亀の背中に乗った友引町を見せる事で
世界は何者かがでっち上げた造り物である事をバラした。
今回の世界模型もB・Dと同様の物、亀の背中に大地を背負った象が乗ってる
例のインド伝承の宇宙観をモチーフにしている。
実際の映像には亀そのものは映ってなかったけど間違いなく象の足元に存在したハズ。
B・Dは「永遠に繰り返される学園祭の前日」からの脱却を試みたものの、
最後辿り着いた現実世界はやはり学園祭の前日で最後にオープニングタイトルが出て
作品が中断される・・という、おおまかにはこういうハナシだった。
イノセンスでもこれと同様の事が言える。
コンビニでバトーは意識を落とされハッキングを解除されるが、
映画ではいつからハッキングされていたのかが描かれていない。
これはつまり、「ハッキングを解除され我に返った」事自体が虚構かもしれないという事だ。
その後の「現実」が現実である保証を喪失させたワケだ。
954 :
田上:04/03/19 06:04 ID:DEFSDV2b
「映画は発明でなければならない。さもなくば映画の模倣に過ぎなくなる」とは押井の言葉であるが、
BDだのパトレイバーだの過去の作品群の体験から何かを抽出してイノセンスを語ろう等と馬鹿な事だ、と言ってる様にも読める。
955 :
790:04/03/19 06:14 ID:qd+vc+Sh
ところでヤクザ事務所乱入だかコンビニでの銃乱射だかのあたりで
1カット空っぽの鳥カゴが出てきたハズ。
これは祭り・・世界模型のシーンの後、
映画後半戦で描かれてた天井から鳥の虚像がぶら下がった巨大ドームで
バトーたちが彷徨するシーンの伏線になっている。
バトーを閉じ込めたキム(夢邪鬼)の仕掛け、
バトーは鳥カゴの中を繰り返し彷徨っていたワケだ。
何時から?
鳥の虚像が化石化するほど昔からか・・
先にも書いた通り、ハッキング解除のシーンでバトーの存在そのものが虚構である疑いが生じたため、
空っぽの鳥カゴ→鳥の入れ物→タマゴの中で虚構のバトー→影としての存在が彷徨っていたという絵が成立する。
空っぽのタマゴ、彷徨う影、化石・・なんだか「天たま」のモチーフも出てきたな。
あの作品で幻の住民たちは幻の魚を追っていた。
バトーは「水中」にダイヴして・・そこで求めていた存在を捕まえる事が出来たかどうかは
観る者の解釈に委ねるといったトコか。
953訂正
>>849無駄なシーンではなく・・・ね。
956 :
790:04/03/19 06:17 ID:qd+vc+Sh
それともうひとつ、鳥カゴといえば「P1」なワケだが、
冒頭、帆場の放った鴉は・・あれも帆場の「人形」だと強引に解釈できないかな?
イノセンスまだ一回しか観てないからアレだけど
もっとよく観れば他の押井作品から作品解析の糸口が見つかるかも知れない...。
957 :
田上:04/03/19 06:43 ID:DEFSDV2b
>>838 向かってくる電車や微笑みかける赤ちゃんを価値あるイデーとしていた100年前の人々の態度が哲学的でないと言えるだろうか。
物語映画が始まる以前から価値や美徳を白と黒の映像に記録しようと没頭していた映画人達はやはり哲学的だったのではないか。
そうしてこの世に現れては摩滅し燃えたフィルム達はやはり哲学映画だったのではないか。
また、虚無的に言語の楼閣を築くことは哲学ではないのでは。
958 :
田上:04/03/19 06:49 ID:DEFSDV2b
空の鳥籠は殺された検査部長のボートハウスだよ。
部長さん、魂としてどっか行っちゃったんだって判る。
んで鳥籠の鳥はエトロフの空で沢山飛んでたじゃん?
エトロフは魂の國なんだろうね。素子の魂も死んだ人形の魂もエトロフの空を飛んでいるんだろう。
僕はそんな理解の仕方をしましたよ。790の人
新生児の微笑というのはチンパンジーの赤ちゃんにもみられますよ。
960 :
田上:04/03/19 06:51 ID:DEFSDV2b
961 :
790:04/03/19 07:15 ID:7Zs4HyCR
>>958 素子は魚でしょ。
だからバトーをわざわざ潜水させたワケだし。
前作冒頭でも素子初出のシーンでは「あら、そう」の声とともに
「水槽」から登場させてたし。
962 :
田上:04/03/19 07:18 ID:DEFSDV2b
963 :
790:04/03/19 07:27 ID:7Zs4HyCR
前作での鳥は人形使いだった。
で、鳥と魚の婚姻、人形使いと素子の融合?
若しくは素子の処女懐胎?を描いたハナシだった。
一瞬だけ見える天使・・「ガブリエル」の受胎告知がモチーフ。
うろ憶えだけどガブリエルは原作にも出てきたハズ。
人形使い=鳥と仮定すればイノセンスの鳥の化石、
あれに対する意味的妄想を膨らます余地がまた増えると。
>>948 うんうん、何回見てもほほえましくていいシーンだよね。
バトーもニッっていつもの笑い方してくれるしさ。
965 :
790:04/03/19 07:33 ID:7Zs4HyCR
>>962 素子=魚
バトー=犬
人形使い=鳥
と、前作のはキッチリ役割分担されてたハズだよ。
ハナシ逸れるけど「P2」では
しのぶ=魚
後藤=犬、荒川=犬、松井=もちろん犬w
柘植=鳥だった。
ラストしのぶは柘植と共にヘリで空へ・・
後藤、それを地上から見上げてるという構図だった。
966 :
名無シネマ@上映中:04/03/19 07:34 ID:PklDXP1Z
鳥は死や彼岸や天使の象徴。
魚は無意識の象徴。
押井が明文化してどこかでそう言ってるんだから、押井はその意識で
鳥や魚を描いていると考えていいんじゃないかな?
鳥と魚の結婚だと、単なる動物戯画になるし、押井の場合、男は犬、
女は女のまま寓意化は無しだと思うが
967 :
田上:04/03/19 07:43 ID:DEFSDV2b
うんうん。
で、イノセンスでも人形使いと融合した素子は未だに海の底の魚なわけ?違うでしょう?
>>965
968 :
790:04/03/19 07:44 ID:7Zs4HyCR
>>966 女を魚にアテる事が多いね。
「天たま」でも女の子を水に飛び込ませたりオシッコさせたり。
・・水面に映る自分と対峙する絵は「GHOST・・」でも使われてたな。
帆場、柘植、人形使い等の神的存在は鳥。
帆場は鴉と同一視できるし、謡いの歌詞に「神天下りて・・」とある通り。
969 :
田上:04/03/19 07:48 ID:DEFSDV2b
イノセンスに於いて素子を素子足らしめるのは素子という概念でしょ?
素子は肉体のあるキャラクタでは無いよね。
それは亡くなった人の肉体が無くてもその人という概念が存続するのと似た現象でさ。
つまり死者の国に素子は満ちているという事なんじゃないのかな。
僕はそう思う。
970 :
790:04/03/19 07:49 ID:7Zs4HyCR
>>967 魚でしょ、でないと再会シーンの前に
わざわざバトーの潜水シーン組んだ意図が見えなくなる。
>>966の言の通り魚や水は無意識とか深層とかの意で、
他の映像作家も多用してる。
971 :
田上:04/03/19 07:52 ID:DEFSDV2b
はいはい、^^)>970
972 :
790:04/03/19 08:00 ID:7Zs4HyCR
象の背中のドルズハウス=エトロフ=友引町と見れば
バトーの在る場所こそ常に広大な深層・・素子そのものに浮かぶ島だと観ることができる。
素子の「いつもそばに・・」発言もそこで効いてくる。
だからそういう意味では
>>969の所感の通りだな。
973 :
名無シネマ@上映中:04/03/19 08:11 ID:PklDXP1Z
いや、死者の国は好きな女の魂で満たされるような心温まる場所ではなく
暗く寂しい根の国で、夫が死んだ妻を追って邂逅をやっと果たす辛い場所なのではないか。
オルフェウスの冥界下降と、ネット融合による遍在論が2重に重なっている
物語構造だから、「統一した物語の見方」をだすのは、そもそも難しいのではないかなあ
インターネットが無かった頃は、みんなフツーにもっと本読んでたんだよなぁ。
古典は読まなかったけど。これ観てまた刺激を受けたよ。
例えば多木浩二の「眼の隠喩」にある人形の家や王の寝台の考察とか、宮川淳の
「鏡・空間・イマージュ」の鏡について書かれた文章とか、シンポジウムの
記録の「仮面考」とか、映画観た後に読むともっと楽しめるんじゃないか?
975 :
790:04/03/19 08:27 ID:xacVtKjn
>>973 そういや諸星あたるは夢邪鬼がせっかく用意した女で満たされた世界に飽き足らず、
自ら滅びのラッパ鳴らして世界を破壊しちゃったなw
あれも登場人物全部人形という凄まじい映画だったけど。
976 :
名無シネマ@上映中:04/03/19 09:22 ID:gc1pcqAm
>>880 そうかな?
俺は海外で受けると思うけど。
前作よりよっぽど分かり易いし、映像も綺麗だし。
アキラを超えた、エスニック調の圧倒的な映像美は
海外の人にも分かり易いはず。
977 :
田上:04/03/19 09:32 ID:DEFSDV2b
つまりエトロフは死者の国ではないんだと?
>>973
>>977 バトーは素子を連れ戻しに択捉に行ったわけじゃないからなあ。
鳥が盛大に飛んでいて押井的に死をイメージする場所であるのは確か。
>>708画像 で、俺の脳に見えたもの
上
金髪の女(人形使いは入った2501型?
下
オールバックの男(バトー?)
てことで、このハダリは素子視線?
>>866 バカは"全て"人間だが
人間は"全て"バカではない・・・
要するに、算数が出来ない子供に三角関数の使い方(利便性)を説いても無駄だろう・・・って事。
さあ週末ですよ金曜日ですよ一週間がんがって働きましたよ。
仕事終わったら新宿オールナイト行くよ(*゚∀゚)=3ハァハァ
>>979 続き。
OPの人形の目に映ってるシーンって、
前作の素子(大人ギタイ)の瞳に写った
最後の記憶かも。
声は聞こえないけど、壊れた自分に話し掛け続けるバトーの姿
隣に寝ている人形使い
どうでしょうか?
俺は「人間以上」っつうSF好きなんだけど。
まだ人間じゃない
ベムでつか。
>>912 映画と、くいもんが違うってところで、終わってるな。
パンとワインだけで、生きてろや。
ロクス・ソルス社製タイプ2052ハダリ
2501と関連ないの?
まだ人間じゃない=子供
です。12歳以下は人間でないので処分対象なの。
カオスとしての子供は人間じゃないってセリフあったなあ、と。
こっちはディック。
人間以上ってのは、人間を超えた超能力者集団の集まりだったけど。
集団が一つの人格を持ってる。ネット上の人形遣い+素子+その他色々に近いかもしれない。
スタージョンだったか?ただ、割と話は能天気。
989 :
850:04/03/19 10:53 ID:4o0tqeFa
OPの人形がキスするようなシーン、あれ、上のはホンモノの人間だね。
>>987 2052をひっくり返すと2502
イノセンスのイ(=1)を引くと2501になる。
つまり純粋なネット上の無垢なる存在としての素子=人形遣いの正反対の存在がハダリと言うわけ。
>>989 あのシーン、一作目で素子がダイビングしてたときに
水面に映った自分と重なっていくシーンと同じでしょう。
世界の中心で愛を叫んだけものってどんな話なん?
あらすじキボンヌ。
まちがっても片山某のを書くなよ。
993 :
名無シネマ@上映中:04/03/19 11:06 ID:2Mrh8RAL
994 :
名無シネマ@上映中:04/03/19 11:06 ID:gz/KtPd7
↑粘着
すげえ亀レスにびびりました。
試写2回+8回見たけど、色々取りこぼしてて
自分のバカさ加減に呆れます。
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。