【電機】大手電機の「モノ作りの外部化」が加速、深まる空洞化リスク [09/09/01]
ソニーなどの国内電機メーカーで製造工程の外部委託や海外合弁が加速している。
コスト削減を狙って台湾や中国の企業と協業し、生産を海外に移すことで収益の改善を図っている。
「モノ作りの外部化」は高コスト体質の是正にはつながるものの、
一方で先端技術を含んだ生産工程の海外流出は国内の製造技術や雇用の危機を招き、
技術立国日本の足元を脅かすことになるのではないかとの懸念も出ている。
(中略
<先端の液晶・半導体生産も中国・台湾へ>
シャープは8月31日、中国国営の「中国電子信息産業集団(CEC)」などと、
中国・南京市において第8世代の液晶パネルを生産する合弁事業について協議を進めると発表した。
4月の経営方針説明会で、投資負担の重い液晶パネルの前半工程を生産を海外展開する方針を表明しており、今回はそれを具体化した。
4月の説明会で片山幹雄社長は
「最先端の産業であっても日本からの輸出はもはや困難な状態だと認識して、従来のオペレーションを見直していきたい」と語っていた。
線をより鮮明にした形だ。
<先端技術流出で危機感も>
前年度に軒並み大幅な赤字を計上した大手電機各社は、今年度の業績回復に向け固定費削減に懸命で、
生産委託や合弁検討の動きは、その取り組みの一環といえる。
電機各社の一連の動きについて、いちよし経済研究所の張谷幸一・主任研究員は、
「共通しているのは『脱製造業』。各社の事業は別々だが、選択と集中の中で、
自社で抱え込んで生産するメリットのないところは、売却したり、やめたりし始めている」と指摘する。
ソース:Reuters
http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPJAPAN-11290920090901 ●製造業派遣撤廃で製造業海外逃亡 最低時給一律アップで膨大な中小工場死亡