一緒に冒険しよう!ライトファンタジーTRPGスレ3

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1テイル ◆6nXELe5RK6
遥か昔……まだ空と海が分かたれていなかった頃、光と闇の熾烈なる戦いがあった。

壮絶な攻防の末、光の眷属は、闇の眷属を世界の最も深き場所へと幽閉した。

こうして、世界は光が支配する事になった。

遥か昔、消し去れなかった闇が眠り続けることを切に願いながら――

――一緒に冒険しよう!ライトファンタジーTRPGスレ3――

まとめウィキ「ぼうけんのしょ〜Light Fantasy@ウィキ」
http://www36.atwiki.jp/lightfantasy/pages/1.html

なな板TRP系スレまとめサイト「千夜万夜 」
PC:http://verger.sakura.ne.jp/
携帯:http://verger.sakura.ne.jp/top/top.htm
千夜万夜代理投稿スレ:http://yy44.60.kg/test/read.cgi/figtree/1161001942/
2テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/04/18(土) 23:26:38 0
前スレ
一緒に冒険しよう!ライトファンタジーTRPGスレ2☆
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1230209454/l50

過去スレ
◆一緒に冒険しよう!ライトファンタジーTRPGスレ!
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1214993854/

避難所(総合避難所を使用)
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1223106569/l50
3テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/04/18(土) 23:29:28 0
ルール
ジャンル: 君と一緒に冒険するTRPG!
コンセプト: 全年齢対象の明るく健全な冒険活劇……のはず!
エロネタ、極度のグロテスク描写や残虐描写、並びにあまりに救いのない鬱展開は自重。
それ以外なら何やってもよし!
期間(目安): 1章あたり1〜2ヶ月の短編を無期限長期連作
長期連作前提なので打ち切りの危機にある連載マンガのような駆け足展開はしないこと。
舞台: よくあるRPG風ファンタジーをベースにしつつ細かい制限を排除した異世界

GM:(なし) NPCは誰が操作してもOK。※1
決定リール・後手キャンセル:(あり) ※2
○日ルール:(なし) レス順もなし。※3
版権・越境:(あり) 異世界出身のキャラもあり。※4
名無し参加:(あり) むしろ参加しる。NPC操作時の注意点は参加者と同じ。
敵役参加:(あり)というか勢力固定はしていません。
避難所の有無:(あり)総合避難所を使用。

※1
このスレではNPCを出すのも操作するのも自由。
これは全員がGM権限を持っているのと同義。
主要NPCを出したり動かしたりする時はGMをやる気持ちで臨んでください。
設定に明らかな矛盾が出たり話の流れが不自然にならないように注意しましょう。
慣れないうちは操作するのは脇役NPCまでにとどめておくのが無難です。

※2
このスレは通常の決定リールより踏み込んだ描写が可能になっています。
うまく使えばリレー小説のようなテンポの良い演出が可能!

許可されていること
?他PCが次の行動をほのめかしていたときにその描写をする
?自然な流れの前の行動からの継続で他PCを描写
?自PCに対して他PCが“かくかくしかじか”と状況などを説明したことにする
?その他、他PCの動向がまず間違いなく確実な時(攻撃されたら避ける、など)
?自PCの主観で他PCが〜〜しそう、〜〜みたいと描写

要は他キャラの意思決定に委ねられる描写をしたりセリフを直接書くのは禁止。
それさえ守れば後手キャンセルがあるので大丈夫。大胆にいってみよう!

※3
基本的にはあまり人を待たずに決定リールを使ってサクサク進めましょう。
でもここぞという時には少し待ってあげましょう。
FOしたPCは放置して自然消滅。
ただし主要ポジションPCはNPC化して可。

※4
脇役NPCにならいくら投入しても構いません。
主要NPCには名前を借りる程度に留めておくのが無難。
PCに使うのは許可。
ただしその場合、出典元と名前と基本設定が同じだけの別人の気分でやるのが重要。
異世界からのキャラの場合は基本何を持ち込んでも構いませんが
話のバランスを崩壊させる程強力なアイテムを持ち込むのは禁止。
4名無しになりきれ:2009/04/18(土) 23:38:26 O
もうええやろ?お母さん悲しんでるで?
なあ、鏡見てみ、キモチワルい顔見えてきたやろ?
トイレ行ってゲロしてきーな
落ち着いた?
ええかげん就職したらどうなん?
5テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/04/21(火) 01:05:00 0
>前スレ349
黒い魔導師がバラグさんを修理してくれるみたい。危険因子とはいってもそこは素直に感謝。わくわく。
黒蜜きなこのワイバーンはどうしてるかな? と思い庭に見に行ってみる。
姿を見るなるすり寄ってきた。助けた恩義を感じているのか。
見殺しにしようとしたのが思い出されて気が引ける。
「勘違いするな! ボクは残酷な女神の使徒……アルちゃんみたいに優しくない。
光の世を脅かすものは何人たりとも許さない」
ガイアとその作り出す光の世に対する絶対的肯定は、母への愛ゆえ。
妖精には父親もなければ先祖もいない。女神ガイアだけが親と言えるたった一つの存在なのだ。
まして自らの魂を分け与えて地上に送りだし、妖精の森という世界の残酷さから隔離された場所に住まわせ
惜しみない愛を注ぎ続けてくれる親に反逆なんてできるはずがない。
優しいだけじゃ神はつとまらない、神が残酷なんて元より分かり切った事。
「なーんてね。昔何やったとしてもこっちに来たからには今日から仲間だよ!
もしかして……そっちの神様は優しいのかな? 闇の前では全てが平等だもんね。
別に人に襲いかからなければ死霊皇帝様万歳でもいいや。思うだけならタダだし!」
こうして見ると、光の幻獣と何ら変わらない。
闇の魔獣といっても、光が世を支配している以上、生命原理に支配された生き物なのか。
穏やかな闇の眷属もいるみたいだし
死霊皇帝も大人しくしといてさえくれれば別にいいような気がしてきた。
ただ死霊皇帝様万歳は許せてもガイア死ねだけは断じて許すわけにはいかない。
たとえどんな恨みがあったとしても、だ。
なんとなく思っていることが分かるのか、不安そうな目でこっちを見ているワイバーン。
悪戯を考える時のようにニヤリと笑う。
「安心しなよ、キミの主人はいつか絶対寝返らせてやるから!」
ハカナちゃんにとってのコーヒーのような何かがあれば一発なんだけど。
手始めに黒蜜きなこシリーズを一式用意してみるか?
そういえばまだアイツの特殊能力について聞いてないやんけ。戻ろう。

「おっ、かっこよくなったじゃ〜ん」
修理が終わったバラグさんをぺたぺた触る。黒い魔導師が仕様解説。
「魔力自動回復するからもう魔力切れの心配は無いぞ。
それと最大の特徴ともいえる魔力破壊能力を搭載した」
それを聞いて冗談っぽく引いてみせる。
「こっちに撃つなよ? 絶対撃つなよ?」
ふざけているが本気である。
神を屠るために開発された兵器、そんな物騒な物を撃たれたら
その神が生みだした魔法生物ともいうべき妖精は一撃で死にかねない。
女神が死んだら……その時はボクも消えてなくなってしまうのだろう。
6リウ ◆wloTUzYWbw :2009/04/21(火) 01:30:08 0
前スレ334
消えていったインペトゥス。
それを見て俺は何も言えなかった。
一歩間違えていれば俺も奴のようにすべてを復讐しようなどと馬鹿な事を考えていただろう。
……馬鹿らしい、俺が倒したいのはもはやただひとり……あの『笑顔がムカつく奴』だけだ。後は襲い掛かってきたり依頼の邪魔をしてこない限りは戦わない。
……それが一番安全だから……な。

前スレ351
無駄にテンションが高いヨウという女性。なんだアレは思わず引いてしまった。
「まぁ、よろしくな」
とりあえず鎧を着たままだが大丈夫だろう。多分。

前スレ338と>>5

「話をまとめると……お前の自己満足か」
全ての話をまとめて俺は呟いた。
馬鹿らしい、アホらしい、ふざけてやがる。

「テメェの偽善正義はどうでもいい。問題はそんな事をしてみろ。人間以外の属性は消える危険性があるだろうが。
テメェは人間以外いきてりゃそれでいいっていう俗に言う人間主義か? あ? ざけるな。んなふざけた結果なんざ俺が否定する、俺が砕く」
「なら、君はどう思う? 魔族の血が混ざっている君からして光も闇も忌み嫌う存在ではないのか?」
そう表情が分からない顔つきで魔導師は言ってきた。
確かにそうかもしれない、光も闇もどっちらの奴らも俺の正体がわかると俺に襲い掛かってきた。
だけどそれは俺が弱いだけだ、今の俺はそんな襲い掛かってきた奴らを消せるだけの力がある。
「……アンタがどう思おうがあんたの勝手だ。だけど俺まで巻き込むな」
そう言い俺は何となくバラグがいるほうを見て、唖然とした。
「……って、なんだその強化姿は・・・…」

そこでバラグのアホみたいな強化姿に唖然とした。というかバージョンアップしすぎだろ。後闇の属性のほうが強くなっている。
「……まぁ、撃っても構わんが全力で反撃するからな」
冗談半分で俺はそう答えた。まぁ、実際撃たれても激痛が走る程度だしな。
7ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/04/21(火) 20:19:38 0
>348>347
その後もガレスは適当に話を聞き流し続ける。
すべて聞き終わったあとまた欠伸をしているとソルがガレスを指差す。
「あと…あいつ」
自分とことかと不思議そうにするガレス。
>「かなり疲れているようなので…ここに置いていっても良いですか?」
「うーん」と唸りながら考えているガレスだが、内心はこれ以上ないチャンスだ。
黒い魔導師本人は構わないと言っているし、ここは残るのも手だろう。
「確かにちょっとダラダラする時間が欲しいぜ。つーわけでそれには俺も賛成!
 だけど、あいつなんてやめてくれよ俺はガレス、かっちょいい名前があるんだからよ」
ソルがこちらに対し異常とも言える警戒心を持っているのを承知したうえで
まだ馴れ馴れしく接するガレス。というよりもはや半分ぐらいからかっているのかもしれない。

>349
>「一先ずこれで質問タイムは終わりだ。
>取り合えずそのゴーレムの修理を始めるよ。
>大丈夫直ぐ終わるからその間ゆっくりと珈琲を飲んで
>ほかの質問でも考えていてくれ。」
その言葉に各自それぞれのヒマを潰しに行動しはじめる。
「ちょい待った、トイレってどこにあんの?」
「ここから粉砕されたホールの向かい側」
その言葉にサンキューと笑っていそいそと席を立とうとするガレス。
そのさいリウに一緒に行くかと笑ってみるが適当にあしらわれる。
「やれやれ……お前は男の友情のなんたるかを知らないねー、
 男の友情はまずトイレでご一緒☆から始まるんだぜ」
良く分からない傍から見ると若干語弊があるような事をいいながら
書斎を出ていく。粉砕されたホールを歩いていくとテイルが外にいるのが目につき、
尿意を我慢しながらも気になってガレスは柱の影に隠れ聞き耳を立てる。

>「勘違いするな! ボクは残酷な女神の使徒……アルちゃんみたいに優しくない。
>光の世を脅かすものは何人たりとも許さない」
その言葉を聞いているガレスは険しく、そして複雑な表情をしている。
ガレスの気配がないのか、それともテイルが自分の世界に入っているのか、
どっちかはわからないがガレスに気付くことなく続けるテイル。
>「なーんてね。昔何やったとしてもこっちに来たからには今日から仲間だよ!
>もしかして……そっちの神様は優しいのかな? 闇の前では全てが平等だもんね。
>別に人に襲いかからなければ死霊皇帝様万歳でもいいや。思うだけならタダだし!」
そうワイバーンに語るテイルに、口の端を上げて笑うガレス。
しかし、心なしかその表情からは切なさが見え隠れしている。
「結局、似たもの同士なんだよな……同じこと言ってらぁ……」
そしてとぼとぼとトイレに向かって歩きだすガレス。
8ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/04/21(火) 20:20:28 0
トイレに入ると便器の上に水晶玉を置いたあと用を足し始めるガレス。
「ってわけで旦那。今ならちょっとぐらい話せるぜ」
だが水晶玉の向こうに映っているバルトールはあまりいい顔をしてない。
それどころか怒りをこらえて震えている。それに対し大丈夫か?といった顔をするガレス。
「おいおい、何が気に入らないんだ旦那、せっかくこうしてちょいと話す機会設けてやったのにさ。」
その言葉にプルプル震えていたバルトールの怒号が飛ぶ
「六武神であるワシに用を足しながら話しかけてきたのはお前が初めてだ!」
「シーッ!!だめじゃないあんまり大声出しちゃ!!!気付かれたらどうすんだよ旦那
 俺様、テイルちゃん達に袋叩きされちまうって。
 まあいいや、タイミング悪かったっつうことでまた後で……」
「おい待て!!テイルちゃんだと!?貴様!!敵なんかとあまり馴れなr」
そこでプツンッと通信を切ってしまい、手を洗いトイレから出ていくガレス。

>5-6
戻ってみるとバラグが完全復活どころかリニューアルを済ませている
「わおっ、すっげぇ流石黒い魔導師、仕事が早いねぇ」
そういって黒い魔導師の肩を軽く小突くガレス。
>「……まぁ、撃っても構わんが全力で反撃するからな」
そういうリウにやれやれと言った感じで肩に手を置く。
「滅多なこと言うなって相棒、お前じゃあ返り討ちだぜ☆」
次の瞬間飛んでくる拳を避けて「落ち着けって」と笑うガレス。
すっかりこのパーティーになじんだのだろうか?
9バラグ ◆o/oHY4BMj6 :2009/04/21(火) 21:56:17 0
黒い魔導師は、テイルとリウの魔力破壊能力に対する反応を見ていった。
「忘れているか解ってないかのどちらかと思うが、魔力破壊能力を持っているのはそいつだけじゃないぞ。
契約上仕方なくだが売ってしまった光のゴーレムにもその能力が搭載されている。
冗談ではなく何時の日かそいつと戦って魔力破壊能力を撃たれるかも知れないよ。本当に。
因みに魔力破壊能力の対処法は、魔に全くの関係がない物を盾にする事、そうすれば防げるから。」
そう言われれば、もう一つのゴーレムがいたのを思い出した。
自分と同じく、神と言われし存在を討つ為に作られた兵器(ゴーレム)。どんな奴なのか気になる。
他に気になる事と共に質問してみた。
「その光のゴーレムは、どんな奴なんだ?俺とそっくりそのまま同じと言うことは無い筈だし。
あと今の六武神について教えてくれ。それとお前に掛かっている呪いとは何だ?」
質問の中には答えたくない事も有っただろうが、質問全てに答えてくれた。
「光のゴーレムがどんな奴かだと?うーん。一言では言えないな。
性格は、お前と反対で熱血。能力は魔法が光属性中心と言う事以外お前と同じ。
姿は、お前の最初の時の姿の魔人型と反対で聖騎士型で全身が輝く白色。
名前はグラム、二つ名は光鉄。
死霊皇帝軍が敵の属性を持ったグラムを買い取った理由は、六武神全員の弱点である光の属性を持っている為
力だけで纏まりのない状態に成っている六武神の纏め役に最適だ見越したからだと。
今の六武神は、静謐のベアトリーチェ、疾風のアルベル、幻妖のリム、光鉄のグラム、この四人は確実だが。
バアルとバルトールがもう直ぐ引退するらしい。
バアルが引退した後は、確かメサイアとか言う奴が入るらしいが詳細は不明。
おまけにバルトールが引退後だれがあとを継ぐのかも不明。
噂では娘が後を継ぐらしいけど本当に引退するの解らん。
あの頑固な性格だと死ぬまで戦場にいようとしかねないけどな。
最後に俺の呪いか……。」
黒い魔導師は、袖を捲り腕を見せた。腕には不気味に鱗と棘が不揃いに生えていた。
「俺の呪いは不老不死と身体の醜化だ。
まあ魔力破壊能力を使えば呪いを消して普通に戻れるんだけどな。
その代わりもう二度と魔法が使えなくなるけど………。」
10乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/04/21(火) 22:15:30 0
前スレ>>349
以前からボロボロのようだったバラグ殿が黒い魔道師に修理されていた。
経典を読んでる間にその修理とやらは終わったようだった。
なんともすごいといっていいやらカッコイイといって言えばいいのかわからなかった。
以前よりは闇の力が濃くなったのが感じられた。
「これは…すごいでござる」
そこには単純に驚いていた。


11??? ◆jH6qejmC7g :2009/04/21(火) 22:30:37 0
>5
ワイバーンに語りかけ、とりあえず館に戻ろうとするテイルの脳裏に声が響いた。
【お待ちください。】
と同時に背後で白光。振り向けば、ワイバーンのいた地点にはドレスをまとった銀髪の女性がいた。
【お待ちください、あなたに一つお願いしたいことがあるのです。】

【私は、あなた達がワイバーンだと思っていた存在です。実際は白龍・・・銀嶺と呼ばれる龍に連なる者。
 私の願いは一つ、彼を・・・インペトゥスを止めてあげてほしいのです。・・・・・・たとえ殺す事になろうとも
 私があなたの仲間の言う事を聞いた理由はほんの些細な事です。私は、あなた達ヒトを憎む事に疲れ果てました。
 我が背たる銀嶺と、生まれ出る事叶わなず散った我が子を奪ったヒトを許す事は出来なかった・・・けれど
 あとどれだけ憎めばいいのでしょう?・・・もはや私は憎しみと怒りの炎を燃やす事もできなくなった。
 なのにあの哀れな子は・・・インペトゥスは憎しみを燃やし続けている。彼の願いは多くのヒトには到底承服できないもの。
 ならばせめて・・・彼を殺してでも止めてほしいのです。】

ゆっくりと歩み寄る彼女の手には白銀の鱗に鎖を通したネックレス。
【あの子は死ぬまで止まりはしないでしょう、それ程に憎しみの根は深い。
 彼のような者を彼自身が生み出す前に・・・どうか、お願いします。
 そして、今際の際に彼の首にこれをかけてやってほしいのです。】
そのネックレスをテイルの首にかける。

【そして、彼に伝言を・・・。
 『私は貴方の傷を癒せなかったが、貴方の存在は私の悲しみをほんの僅かに埋めてくれた』と。
 そしてその時まで首飾りは、貴方を氷雪の災禍から守るでしょう。我が名、《霜壁》の逆鱗の首飾りですから。】

――――――館内。
戻ってきたテイルに黒の魔導師がこともなげに一つの質問に答える。
「そういえばさっき質問していたね。なんであの男に能力を授けたか、か。」

ふむ、と軽く頬杖をついてしばし考えるようなそぶりを見せる。
「そうだな、こちらは外見上中立で向こうにも協力している以上、死霊皇帝からの使いとして来たのなら
 下手に断って関係を悪化させる訳にはいかなかった・・・というのではどうかな?」

「それと、こちらは学者としての理由が二つ。
 一つ、光の下に生まれる筈でありながら闇に浸るあの男はもしかしたら双方を滅ぼしてくれる、
 そんな可能性を考えたから。二つ、凄まじい憎しみと狂気と闇の力が混ざり合いあの男の肉体は変質を遂げつつある。
 その向こう側、人間の枠を遥かに超えた時どういう存在が出来上がるのか・・・知的好奇心がうずいたからさ。」
そこに浮かぶ笑み、それは純粋な知的好奇心という狂気。
それはヒトが内包する危うい可能性を指し示す。

「そうそう、対処方法だったっけ?とても簡単な話だ。
 あの男が敵意を認識できない超長距離から狙撃して殺害すればいい。
 要するに時を止めようとする前に殺せば終わりさ。」
12名無しになりきれ:2009/04/21(火) 22:36:09 0
魔力破壊でも同じ時間操作の魔法を使っても良いけどね
13名無しになりきれ:2009/04/21(火) 23:01:56 0
この世界に夜は来ないのか
14浮橋 儚 ◆HFrHaINso. :2009/04/22(水) 00:21:51 O
いつの間にか、窓の外はすっかり日が落ちていた。
窓から森を眺めていた魔導師が呟くように言う。
「おっと…もうこんな刻限か。
今から暗い森を抜け街まで戻るのは難儀だろう、ここに泊まるか?」
…それに、と含み笑いをして言葉を繋げる。
「宿は特急INNなんだろ?あれは俺が出資した店だから問題はない。
どうせ明日の朝一には小うるさい職人共が押し掛けてくるんだ、その時に荷物も届けさせよう」
…どうやら動向はすっかりお見通しだったようだ。

* * * * *
「…では、わたくしはしばらく二階に篭りますね。
何か用がありましたら、いつでも声を掛けて下さい。ただし大声で。」
様子を見て、一人別行動を取る。二階に上がり奥の扉を抜け、資料室へ。
──ツンと、紙とインク…そして埃が鼻をつく。
かなり広い部屋の中にはたくさんの書架、まるでちょっとした図書館だ。
「んー…蔵書数推定2万冊…、一時間2千冊ならなんとかなりますね、ヨウちゃん?」
『もちろん!おまかせ下さいですよー♪
研究生を15人ほど拉致って来てありまっせ!』
OK、と返事を返し、早速支度に取りかかる。
人体を長距離転送にかけるには、それこそ小さなビル並みの大型装置が必要だが、無生物なら手持ちの小型装置で十分だ。
早速装置を広い床に設置、起動させる。
ド派手な光と共に早速転送されて来たのは、折り畳まれた大量の箱。組み立てれば大きめの段ボール程度の容量だろうか。
順調に次々転送されて来る様子を見ながら、こちらも支度を始める。

「熾天起動…マニピュレーターモード」
背中に展開した6枚の翼が、腕のような形に変貌する。
さながら阿修羅のような姿に、我ながら苦笑を漏らす。戦闘装備に実験的に組み込んだ余計な機能だ、ちなみに戦闘には全く使えない。
自前の腕でキーボードを打ち、6腕を器用に操作して並べられた資料を次々に箱に放り込む。満タンになったらすぐに転送、次に取り掛かる。
一方モニタの向こうではヨウの指揮の元、拉致られた学生が訳もわからないまま必死で、送られてきた本をスキャンしているようだ。うん、順調順調。

スキャンされた内容は全てデータ化され、続々と通信で手元に集計されている。
それ全てに目を通し、まとめ、同時にマニピュレーターを操作しながら時折水筒のコーヒーを飲み…と、常人なら目を回すような作業を平然とこなすこと7時間…
『はぁ、はぁ……終わりました…。
じゃあ始めから一箱ずつ返送しますねー…』
「ご苦労様、終わったら休んで構いませんよ。
データはもう少しでまとめ終わりそうですし」
「…儚さんって、やっぱり軽く人間辞めてません…?
まあいいや…返送は一時間かかりませんから…終わったら寝ますねー…」

──オーストラフの夜は更けてゆく──
15テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/04/22(水) 01:01:38 0
>11
驚いたのなんのって、ワイバーンは銀髪の女性に姿を変えた。
白龍だって!? なんでまた死霊皇帝軍に……と思いきや。

「そんな……ひどい……」
そういうボクだってまだ真性の少女だったころ
龍を倒し闇を払う剣を手に入れた英雄の物語を、族長から目を輝かせて聞かなかったか。
伝説の多くは、妖精、エルフ、セイレーンといった長い時を生きる光の眷属が伝えているもの。
歴史の美しい側面だけを鮮やかに描き出し、都合の悪いものは容赦なく切り捨てる。
だから英雄譚の主人公達はいつだって正義の味方だ。
全ては人間達に自分達と同じように光の世を肯定してほしいがため……。
>【あの子は死ぬまで止まりはしないでしょう、それ程に憎しみの根は深い。
 彼のような者を彼自身が生み出す前に・・・どうか、お願いします。
 そして、今際の際に彼の首にこれをかけてやってほしいのです。】
殺してでも止めてほしい、切なる願いと共に託される、一片の龍鱗。
「信じてくれるんだね……ヒトを守る存在であるボクを。必ず……必ず止める!」
>【そして、彼に伝言を・・・。
 『私は貴方の傷を癒せなかったが、貴方の存在は私の悲しみをほんの僅かに埋めてくれた』と。
 そしてその時まで首飾りは、貴方を氷雪の災禍から守るでしょう。我が名、《霜壁》の逆鱗の首飾りですから。】
「分かったよ。必ず伝える。彼が救われた時に……」
世界から見捨てられた者をどんな結末になったとしても残酷な運命から救う事
それはきっと、世界に愛される事しか知らない者しかできないことであり、義務でもある……。

>6
>「テメェの偽善正義はどうでもいい。問題はそんな事をしてみろ。人間以外の属性は消える危険性があるだろうが。
テメェは人間以外いきてりゃそれでいいっていう俗に言う人間主義か? あ? ざけるな。んなふざけた結果なんざ俺が否定する、俺が砕く」
リウ君の言い分を聞いてはっとした。
当然だけど、ガイアが消えるとボク達が消えるとしたら、死霊皇帝が消えたら闇の眷属も消えるんだ。
例えば、今日目にした総菜買ってた魔族も物置実験のダークエルフ達も全て。
廃墟になったトリウス家の屋敷で、激情に駆られて完全消滅させてやると言い放ったあの時のボクは半分黒い魔導師と一緒だった……。
彼はキレるだろうけど断じて殺すものか。今回も丁重に封印してひきこもっといてもらおうと決意を新たにした。
16テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/04/22(水) 01:14:52 0
>8
>「……まぁ、撃っても構わんが全力で反撃するからな」
ボクほどじゃないにしても魔力破壊能力を怖がってるってことはやっぱり純粋な人間じゃないのは確かだ。
でももう気にならなかった。
なんでだろう、いつの間にか最初会った時のような警戒心が消えている。
>「滅多なこと言うなって相棒、お前じゃあ返り討ちだぜ☆」
>「落ち着けって」
この二人も短い間にすっかり仲良くなっちゃって。

>9
黒い魔導師が光鉄のグラムをはじめとする六武神の情報について教えてくれた。
攻撃防御全て魔法、来ている服もマジックアイテムのボクにとっては難儀な話である。
本気で旅人の服とお鍋のふたでも装備しなければいけないかもしれない。

>11
>「そうだな、こちらは外見上中立で向こうにも協力している以上、死霊皇帝からの使いとして来たのなら
 下手に断って関係を悪化させる訳にはいかなかった・・・というのではどうかな?」
「うんうん。だろうねえ」
>「それと、こちらは学者としての理由が二つ。
 一つ、光の下に生まれる筈でありながら闇に浸るあの男はもしかしたら双方を滅ぼしてくれる、
 そんな可能性を考えたから。二つ、凄まじい憎しみと狂気と闇の力が混ざり合いあの男の肉体は変質を遂げつつある。
 その向こう側、人間の枠を遥かに超えた時どういう存在が出来上がるのか・・・知的好奇心がうずいたからさ。」
「…………」
早い話が人体実験じゃないか。好奇心の対象にするなんて……ひどすぎる!
絵にかいたような狂気の魔導師の笑みを見て
ハカナちゃんが黒い魔導師に師事したいと言っていたのが思い出されて少し心配になった。
彼女も他の全てを差し置いて純粋に知識を追い求める傾向がないでもないような。
大丈夫とは思うけど……こいつみたいになるなよ? 絶対なるなよ?
>「そうそう、対処方法だったっけ?とても簡単な話だ。
 あの男が敵意を認識できない超長距離から狙撃して殺害すればいい。
 要するに時を止めようとする前に殺せば終わりさ。」
……筋は通っているけど実も蓋もなさすぎる。
ほんの少し前までのボクだったらこの方法に何の抵抗もなかっただろうに。
今は、たとえ最終的には殺害することになったとしても
ちゃんと向かい合って憎しみを受け止めてあげたいと思う。
でも下手するとこっちが殺害されるわけで……。

>14
>「…では、わたくしはしばらく二階に篭りますね。
何か用がありましたら、いつでも声を掛けて下さい。ただし大声で。」
ボクの心配をよそに一人いそいそと資料室にこもるハカナちゃん。

ところで、「夜はまくら投げをして親睦を深めよ」とは族長直伝の勇者の冒険マニュアルからの抜粋。
「隙アリ!」とか言いながら、アルちゃんに枕を投げたりしつつ夜は更けていくのであった。
17乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/04/22(水) 20:24:28 0
ハッ、と目を覚ます。どうやら経典を読んでる間にいつの間にか眠ってしまっていたようだった。
先ほどの戦いで力を行使していたからだろう。
「ふぁー眠ってたでござるか」
館の辺りは真っ暗であり、宿に戻るよりここで寝泊りしたほうが良いだろう。
「さて、拙者もまだまだ未熟修行せねば」

中庭だろうか辺りは真っ暗だが、そこには異様な熱気みたいなものが立っていた。
「ふん!ハッ!!」
そこには筋骨隆々な傷だらけの上半身を露にして武術の型を取っていた。
「せいッ!」
拳が、脚が虚空を引き裂く以外はまったく音がしない。
そしてそれを100回繰り返し終わると、大の字になってグースカと寝ていた。
こうして夜は更けていく。
18テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/04/22(水) 23:48:52 0
枕投げをしていると、枕が壁にかけてある時計にあたって落ちた。
時計の裏から一枚紙が一緒に舞い落ちる。
「……写真?」
優しく微笑む真っ直ぐな瞳をした少年魔導師と
彼に親しげに肩を組む長身の凛とした女性竜騎士が写っていた。
昔のロランドと……ノウェ? 伝説では男性として伝えられているけど、すごく綺麗な人。
ドラゴボルグは美人限定と言っていた謎が解けた。もとどおりに写真を時計の裏におさめる。
トンデモ計画のせいで同情するのも忘れていたけど、やっぱり可哀想だな……。
世界のために頑張った少年に対して、あまりに酷い仕打ちだ。
本来ならトリウス家初代当主並みの御褒美をもらってもバチはあたらない。
ガイア様が呪いを解いてさえあげていればこんな事にはならなかったのに。
でも、何かを企んでいる悪い奴だったら逆に、反感を買うような態度はとらないと思うのはボクだけだろうか。
きっと何かのっぴきならない理由があったに違いない……。

その夜、夢を見た。内容はよく覚えていない。
抗うことすら許されない悲しい別離。同質にして真逆、鏡に映したような似姿。
互いに必要としあっていながら否定し合う定め。ただ一つの同じ願いのために、奪い合う宿命。
断片をあえて言葉にすると、こんな感じだった。
19名無しになりきれ:2009/04/23(木) 01:18:22 0
闇の中

「ソフィア・・・あの光の眷属が、あなたを敵視し始めたようだ・・・
眷属達のようにあの姉弟神の魔力を受ける事もできず、
幻獣達のように肉体に強大な霊力を備える事もできず、
ただ物質界の法則に隷従するしかない人間が
長い年月の末に辛うじて手に入れた、ただ一つのわずかな力であるあなたを・・・」

想いだけが静かに流れてゆく

「今、姉弟喧嘩を繰り返す魔力を破壊して平穏な世界を得たとしても
その代償にあなたを失ってしまったら
人間は無力なだけの野の獣として滅びるしかない・・・」

漂うのは無念か諦観か

「これだけ追い求めても、まだ、遠いのだな・・・真のあなたの姿は・・・」

或いは憧れにも似た決意か
20名無しになりきれ:2009/04/24(金) 00:24:43 0
「ふーん・・・どうやら、夢さんがいる世界の『眷属』と『人間』は
どっちも『魔法』を使う事ができるんですね。でも
『眷属』の方が『人間』よりもその力を無意識に簡単に補給できる・・・
何て言うか『眷属』『人間』共に、魔力のいわばバッテリーは持っているけれど、
眷属は、まあ種族で多少違うみたいですが、太陽電池パネル標準装備、
人間の方は、これも例外もあるにしろ、基本的にはせっせとハンドルを回して充電、
って位の差があると捉えられてるみたいですね・・・
ところで、肝心の『魔法』の正体はつかめましたか?裏葉さん」
研究室ではさっきまで資料をスキャンさせられていた学生の一人が
床に寝転がったままデータを眺めてそんな事を言っていた。
「・・・だから、漢字が違いますと何度言(ry」
21浮橋 儚 ◆HFrHaINso. :2009/04/24(金) 01:21:34 O
2Fで資料を漁り始めてから8時間余り…ようやく全ての作業を終え、1Fへと続く階段の踊り場の窓から空を見上げていた。
すでに、わずかだが白み始めている。夜明けまでそうかからないだろう。

一睡もせず、休む事なく作業を続けていた為少し疲労を感じるが全く眠気はない。
脳内では今も、無数の図形や数式が渦を巻きそれどころではない。新しい知識から得られる興奮に少し酔っていた。
解析にはまだ時間がかかるが、既に非常に大きな手応えを感じる。思わずうっとりと溜め息を漏らした。

しばらく経ってふと、朝食の支度をしようと思い立った。屋敷の主へ一晩の宿の礼を込めて…ついでに言うと、とにかく何かをしないと落ち着かない気分だったから。
そっと階段を降り、廊下の奥…厨房へ。…と、思わぬ人影を見つけ立ち止まる。
厨房への扉の前でぼんやり突っ立っていたのは、他ならぬ館の主、黒い魔導師その人だった。
……あれ、様子がおかしい?
なんだかボーッとしている上こちらに気付いている様子もない。
仮面こそ付けてはいたが、黒髪には見事な寝癖がつき服はなんだか乱れていて……どうやら偉大な魔導師様は朝が弱いご様子。

「おはようございます、昨晩はありがとうございました」
「…んゃ…君か、おはよう。
資料は役に立ったかな?」
「ええ、とても。…この世界のからくり、少し読めてきました。
それより、コーヒーを淹れましょうか?それと、せめてものお礼に朝食の支度をさせてもらっても?」
「ああ、それは助かる。好きに使ってくれて構わない」

お湯を沸かしながら食材のチェック。硬めのパンに肉、卵に野菜…いくつか見慣れない種類もあったがとにかく種類は豊富。腕がなる。
…んー…お気に入りのエプロンがないと気が引き締まらない気がする。今度ヨウちゃんに送ってもらおうと小さく決意。
食堂でズルズルとコーヒーをすすり始めた魔導師(半分寝ぼけ)を放置して作業再開。数式に節を付けての鼻歌混じりで包丁を振るう。

──本日のメニュー
温めたパンに色とりどりの野菜と豆をマヨネーズ風ドレッシングで簡単に和えたサラダ、なんとなく肉食顔な人がいるしとベーコンエッグ、せっかくだからと飾り切りした茹で卵とフルーツ…と、もちろんコーヒー。
若干趣が違うけど、喫茶店のモーニング風と相成りました──
22リウ ◆wloTUzYWbw :2009/04/24(金) 02:45:49 0
それから俺達は部屋へと向かった。ただハカナだけは書斎に籠っていたけどな。
あと☆はやめろガレス。気色悪い以外の何物でもない。

>>16
「……はぁ」
黒の魔道師との対話の果ては色々とイラつく事だった。
まぁ、それは別にいいとするけどな。
それにしても……何で枕投げしてるんだテイル。あれかお前は初めてのお泊まりでテンションが高くなっている子供か?

「おい、いい加減に……ぶふ」
さすがに煩かったから止めようとした瞬間。
マクラが俺の顔に直撃した。
「……いい加減に寝ろよな?」
軽く殺意を込めた顔でテイル達を見ることにした俺だった。

その日夢を見た。
燃え上がる家、弾圧する人間達。『ヤメロ』
物言わぬ体になっている両親。『ヤメロヤメロヤメロ』
それを見ながらなんか呟いている神父。『ヤメロヤメロヤメロやメロヤめロヤメロヤメロっ!!』

そして、それを見ているのに何もできないオレ―――。

「っ!!」
ガバリっと起き上った、心臓がアホみたいになり続けている。
無意識に魔力が高まっている……いや、場所が場所だからそこからいつも以上に吸収できる量が多かったのだろう。だからあんな夢を見た。
そう結論付けて俺は窓を見る。
まだ朝ではないが……太陽は昇り始めている。
……寝れるわけもないので寝ている奴らを起こさないように俺は外に出た。

>>21
「……」
途中食堂でなんかカリスマが砕け散っている魔導師がいたがあえて見なかったことにした。
「……鼻歌?」
気になった俺は厨房に顔をのぞかせる。
そこではなんかご機嫌なハカナがいた、普段の彼女と比べるとなんか別人だ。
「よぉ、良ければ手伝おうか?」
ただ見ているのも悪い気がしたので俺はハナカへと尋ねることにした。
23バラグ ◆o/oHY4BMj6 :2009/04/24(金) 17:40:37 0
「………。」
今俺は全く音のしない部屋にいる。この部屋には製作中の魔道具や魔法機械が多々置かれている。
恐らくは研究室か開発室かの類の部屋だろう。
何故こんな所に居るのかと言うと、黒い魔導師に話が有ると言われ、此処に来るように指示されたからだ。
本当に静かだ。静か過ぎる。幾ら真夜中だからといっても音一つ聞こえないのはおかしい。この部屋は防音か?
などと音の事などのどうでもいい事を考えていると、部屋に黒い魔導師が入ってきた。

「いちいち二人きりでないと話せないこととは何だ?」
「話の内容は、お前のの中にいた二つの存在についてだ。
お仲間の前だから言わなかったが、お前の中には闇の人格と光の人格が生まれつつあった。
原因は製作中の暴走。ワイズに因り無理に闇を注ぎ込まれたこと。
その後倒されて半壊状態に成った時に光の力を注ぎ込まれて一時的で無理やりな修復が行われたことだ。
今回の修理によりそれらの出来かけた人格は消去した。だから問題はない。」
「それが伝えたかっただけか?」
「そうだ。もう伝えることは無い。また数時間後会おう。」
「待ってくれ。質問したいことがある。」
この部屋を出て行こうとした黒い魔導師を呼び止めた。
「魔力破壊能力は現状から見て量産できない事が解るがそれは何でだ?」
自分の質問を聞き無言になり此方を見つめる黒い魔導師。
「材料が三つしかこの世界に無いからだよ。」
そういい残して黒い魔導師は部屋を出て行った。

それから数時間その部屋でじっと考え事をしていた。
ゴーレムは眠らない…。
そしてもう直ぐ夜明け頃だと思い部屋を出た。
食堂に誰かいる……数時間前まで重たい雰囲気を持った人には全く見えない黒い魔導師がいた。
厨房で誰かが食事を作っているようだ。
ゴーレムは食べ物を口にしない…。
外に出て夜明けの太陽を見つめた。
24乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/04/24(金) 20:40:09 0
ちゅんちゅん、小鳥の鳴き声で目がパッチリと覚め起き上がる。
と言ってもまだ太陽が昇っている最中だが。
「くしゅん!」
上半身裸で寝ていたため、鼻風邪を引いたようだった。
「またやってしまったか、今度から気をつけるでござる」
>>22
伸びをしていると背後から誰かやってきた。
リウ殿であった。
「おはようでござる」
ニッコリと白い歯を見せながら笑顔を浮かべる。

>>21
体を動かしてしているとどこからかいい臭いがする。
おそらくは朝食の準備をしているのだろう。
「もう時間でござるか…」
上着の僧服を着るとそのまま食堂へと向かう。
25名無しになりきれ:2009/04/25(土) 12:57:46 0
留守番隊、船にて

「・・・・・・」
「おや?元気無いねー」
「・・・・・・」
「あの子達あれでも勇者パーティーなんだから、簡単にやられたりしないよ」
「・・・そうじゃないんだ。
 あいつら、警備員のバーニー(仮)さんの治療方法の事忘れてないか、って」
「ん、んんんん、それなら確かに心配かも。なんてったってスレ移行しちゃったし」
「本来の、奪われた重要試料一山の行方はもっと心配だけど」
「や、そっちなら銀の砂時計以外は現状スルーだからまだ何とかなるかもよ?」
「・・・んなわけあるかっ!」
26テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/04/25(土) 13:12:49 0
>21-22
朝の光に目を開ける。不思議で、とても悲しい夢を見た気がする。
記憶の断片すらすぐに消えてしまい、得体の知れない不安だけが残る。こんなのは初めてだ。
隣でアルちゃんが寝ているのを見てなぜか安心した。
「チャーラーラーラーラッラッラ〜♪」
意味もなくどことなく気の抜けた効果音を耳元でささやいてみる。
出てみると、ハカナちゃんとリウ君が仲良く朝食の用意をしていた。
「ひゅーひゅー」
などとおちょくっていると食卓にはイメージぶち壊れの黒い魔導師が……。
きっと美人の竜騎士さんに叩き起こされてたんだろうなあと浮かびかけたほのぼの想像図を慌てて振りはらう。
こいつもまた世界から見捨てられた可哀想な奴だろう。
でも殺人兵器を送り出して虎視眈々と高みの見物、自分では手を下さないなんて最低の悪人だ。

>25
「へくしっ!」
誰かに噂されてるような気がする。
そういえばここに来た当初の目的は……重要試料の悪用の阻止、明らかに失敗した感が……。
もう一つは……バーニー(仮)さん発狂したままじゃん! なんてこった!
27ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/04/25(土) 21:55:45 0
>11
>「それと、こちらは学者としての理由が二つ。
>一つ、光の下に生まれる筈でありながら闇に浸るあの男はもしかしたら双方を滅ぼしてくれる、
>そんな可能性を考えたから。二つ、凄まじい憎しみと狂気と闇の力が混ざり合いあの男の肉体は変質を遂げつつある。
>その向こう側、人間の枠を遥かに超えた時どういう存在が出来上がるのか・・・知的好奇心がうずいたからさ。」
「おっさんずいぶんと怖いこと言うねぇ。俺は誰もいなくなった世界を旅したいとは思わないぜ」
冗談半分に思っているかのように笑いながら言葉を返すガレス、
だが心の奥底では畏怖と同時に哀れみを感じた、
いったいどれほどの絶望を味わえばここまでの事を考えられるのか……
ガレスは冗談半分に笑い飛ばすぐらいしかなかったのだ。

>「そうそう、対処方法だったっけ?とても簡単な話だ。
>あの男が敵意を認識できない超長距離から狙撃して殺害すればいい。
>要するに時を止めようとする前に殺せば終わりさ。」
その言葉に小さいため息をつくガレス、黒い魔導師ならば
もっと凄い案があるかと思ったが、何のことはない。自分と同じ考えだったからだ
(待て待て……意識外からの攻撃なら何も狙撃だけじゃねえ、要は自分の存在か攻撃を悟られなきゃいけるってわけだ…
 次あったらちょいと殺ってみるか。)
同じ死霊皇帝軍に属するガレスがなぜインペトゥスを殺す方法を考えているのか、
それは最も純粋な本能の部分の呼びかけによるものかもしれないし、
インペトゥスを野放しにしておくと危険とどこかで考えていたのかもしれない。
だがとにかく言えること、それは次インペトゥスに会ったらガレスは、
まるで金を借りた友達に謝るように笑って「悪い」と言いながら彼を殺すということだ。
隣でインペトゥスを殺していいのか葛藤を続けるテイルの想いなど露知らず、
今はただ次会えるのを楽しみにしているガレスだった……

>「…では、わたくしはしばらく二階に篭りますね。
>何か用がありましたら、いつでも声を掛けて下さい。ただし大声で。」
「へいへーい、体壊しちゃ駄目だぜ儚ちゃん、マッサージが必要なら言ってくれ、
 このガレス・フェルナドゥ・アルフォルが全身全霊で揉みほぐしてやるぜっ!」
相変わらずのセクハラ発言をかまして資料室に向かう儚を見送る。
そのあと気が抜けたのか大きい欠伸をして部屋に向かったガレス。

しかし部屋に到着したあとは眠るどころか、
ハイテンションのままテイルとまくら投げを始めるガレス、
「必殺!エターナルフォースブリザードverマクラ!!」
どちらもそれなりの年月は過ごしているというのに、
まるで子供のようにはしゃいでいる。それを見てイライラしているリウに
何やってるんだかといったタケルにソル。
>「……いい加減に寝ろよな?」
「おーっとテイルちゃん、枕投げはしかめっ面の強面ちゃんが許さないってさ。
 大剣に手を掛ける前に寝ちまおうぜ!!」
そういって閃光のようにベッドに滑り込み閃光のように寝息をたてはじめるガレスだった。
28ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/04/25(土) 21:58:29 0
>26
夢の中、籠の中に男がいた。まるでしばりつけるように
冷たく自分を覆う鉄の籠の中の男はただただ外の世界を見つめる。
まるでここが自分の場所だと、ここからは出られないのだといった悟ったような表情で、
陰鬱に空虚な叫びを放ち続ける、「ここから出たい」と、しかし自らの意思で男はここにいる。
その証拠に檻の扉を開く黄金の鍵は彼自身の手の中に
しっかりと握られているのだ。檻の外は光に溢れ。どこまでも青い空が広がり
遙か彼方へと続く広い道があり休むことなく刻まれる時がある。
だが男は何もしない、ただ空虚に叫ぶ

「ここから出たい」

ならばなぜ男は光を拒むように俯いているのだろう。
なぜ男は限りなく広がる空を見上げないのだろう。
男はどこまでも続く道の終わりを望まないのだろう。
男はまた今日も、またこの時も悲哀に満ちた表情を浮かべ、
嘆きと自虐の甘美な薫りに包まれ、外の世界を拒絶するように扉から遠ざかり、
外の世界をぼかすように涙を流し、ただひたすら世界に向かって叫び続ける

「こ こ か ら 出 た い!」
その時、ふと差しこんだ光が映し出した男の顔。
絶望に歪みやつれていたが、確かにその顔は自分……

>「チャーラーラーラーラッラッラ〜♪」
「んがっ……なんだなんだ!?」
ガレスは起き上がる。寝ぼけまなこで横を見るとテイルが丁度扉を開けて出ていくところだった。
のそのそと起き上がり寝ぐせでぐちゃぐちゃの頭をガシガシと掻く。
そして起き上がりったあと、窓を開け自分がどこに居るのか確認するように屋敷から森を見る。
「…嫌な夢、見ちまったぜ……」
浮かない表情をしながら食堂に向かう、途中、廊下に鏡が貼られているのを見て、
足を止める。どうしたのか、それはガレス自身にも分からなかった。
鏡を見るのが恐ろしいのか、映った顔が悪夢の続きに繋がっているように思えて。
「……はははっ!ありゃあ夢だ夢」
だいたい俺は魔族の中で一番自由を愛し自由を満喫する男だぜ、そう何度も心で唱えるガレス。
自然と動かなくなる足を引きずりながら鏡をのぞく、映ったは、
痩せこけ絶望し、呪いの言葉を投げかけ続ける。世界を恐怖する男の……
「!!ッッ」
思わず目をつぶる、動悸が高まり汗が溢れてくる…意を決したように
おそるおそるもう一度目を開けるガレス、映ったのは…・・なんてことはないいつものガレスだ。
汗を流し足が震えていること以外は何の変わりもない。
「……へへっ、なんだよ……驚かせやがって……俺も馬鹿だぜ。
 くだらない悪夢にいちいちムキになっちまってよ……」
自分の安心させるように話しながらガレスは廊下を歩いて行く。

食卓に向かうとすでに朝食が用意され、黒い魔導師やタケルはすでに席についている。
見た悪夢のせいか元気がなく、だまって椅子にかける。
張りつめた余裕のない表情は本当にあのガレスなのかと思うぐらいだ。
テイルが儚とリウをおちょくっているのが目にとまっても一緒になって始める様子もない。
そのまましばらくコーヒーに映った自分の顔を見続けた後、黒い魔導師に質問する。
「なあ魔導師、あんたには俺がどう見える。
 旅人に見えるか遊び人に見えるか、人間かそれとも魔族か……
 自由を愛する男かそれとも縛られ卑屈な男か……なんでもいい、答えてくれないか?」
「さあ?そう聞く君は自分をどう思っているんだ?」
それに対し黒い魔導師はボケーっとした顔をしながら答える。
「……………」
質問を返してくる魔導師にガレスは何も答えられなかった……
29テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/04/25(土) 23:45:29 0
>28
いそいそと席に着く。
「うわあ! 美味しそうだね!」
我ながらすっかり人間っぽくなったものだ。
少し前までは食べるのはMP補充アイテムぐらいで、美味しそう、なんて感覚が分からなかったのに。
「ねえねえ、この野菜はなんていうの?」
>「……………」
アルちゃんから返事が無い。何かに怯えたような顔をしている。
「もしかして……妙な夢見た? ボクと同じ夢みてたりするのかな?
良く覚えてないんだけど……抗えない悲しい宿命……みたいな?」
ボクの疑いの目を感じたのか、慌てて弁解する黒い魔導師。
「言っておくが俺は嫌がらせで悪夢を見せたりしないぞ!」
「ん〜、偶然か。気にしない気にしない、何があっても守ってあげるからね! ……そりゃ!」
にんまり笑ってアルちゃんの口にパンを突っ込む。
全て守るのが無理ならせめて仲間は守り抜いてみせる、一人の犠牲も出さずにこの旅を終わらせる。
それがバラグさんが戻ってきた時からのささやかな決意。

そんなこんなで朝食タイム。さりげなく議題を切り出す。
「魔導師さん、インペトゥス君が持ってきた重要試料なんだけど……残ってるやつ返してくれない?」
魔導師は少し考えてから言った。
「……いいだろう、ただし交換条件がある」
30ソル ◆sBYghzSQ5o :2009/04/26(日) 22:35:26 0
なんやかんやあって夜になった。
ガレスは相変わらず馴れ馴れしいけど、まぁ…良いか。
相手も本気で嫌がる事はしてこないし…。

テイルやガレスが馬鹿みたいなことをして遊んでいる。
全く…少しは寝て疲れを取るとか考えないのかな…
そんなことを思いつつオレは手紙を書いていた。
「ルーチカ、元気ですか。
 魔法学校を出てからもう結構たちますが、
 皆元気です。
 そして新しくオレ達に仲間が出来ました。
 コーヒーに異常な拘りを持つ儚さん
 異国の人って雰囲気丸出しの武さん
 ちょっと冷めてるけど優しいお兄ちゃんのようなリウ
 そして…絶対途中で正体バラしそうなガレス。
 色々と問題はあれど楽しくやっています。
 レオ先生はだんだん可愛そうになってきて、
 メルディ先生は相変わらずわけがわからないし…
 そうそう、メルディ先生は実はすごい人だったんだよ?」

…途中で眠くなってきたので今日はここらでやめ。

朝食の時間になったので、皆で楽しく朝ごはん…
のはずだったけど、ガレスがいつもと違う雰囲気を出していた。
「窒息したらどうするんだよ…それと…
 彼の体は彼自信でちゃんと守れるから。
 余計な心配しなくて大丈夫だよ?」
パンを突っ込むテイルを静かに止める。

>>29
>「……いいだろう、ただし交換条件がある」
交換条件って・・・なんだろう?
「試料は先に返す、条件は――深海の奥深くにあると言われる
 特殊な魔石。それを持ってきて欲しい。
 もちろん、深海に潜るのならそれように対策は取ってやるし、
 ここから遠くまで行けばどこかで交易品として売られているかもしれない」
「その名前は?」
「"ブループラネット"。そのまま青い惑星という意味の青い魔石だ。
 それを使って新しい実験をしたいのだ。」
青い惑星…どこかで聞いたことあるような…
31テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/04/26(日) 23:29:13 0
>30
>「窒息したらどうするんだよ…それと… 彼の体は彼自信でちゃんと守れるから。
 余計な心配しなくて大丈夫だよ?」
「分かってないなあ、それを言っちゃあお終いだよ!」
要は気持ちの問題ナノダ。ボクがアルちゃんに手をつないでもらったのと一緒。
ソル君、アルちゃんに対してやけに冷たいような気がする。
さては……新入りにボクを取られて妬いてる!? そんなワケナーイ☆

ところで黒い魔導師さん、試料先に返すの? 黒いという割に黒さが足りん!
それじゃあ交換条件にならないでしょ〜。ニヤリ。
「条件はもう一つ、というかこっちの方が急を要するんだが……」
世の中そんなに甘くなかった! どんな物騒な要件を突きつけられるんだ!?
「大量の木材を持ってきて欲しいんだ」
至って常識的だった。家を穴があいたままにしておくわけにはいかないだろう。
「家を直すためですね、分かります」
「ああ、ただしただの木材ではいけない。
この家に使っているのは“青葉の楓”。魔風の森でしか育たない魔力を宿す木だ」
「魔風の森……」
名前からして闇の魔物がうようよと闊歩してそうだ。
「持ってきたらドラゴボルグ貸してあげようかな〜どうしよっかな〜」
「行けばいいんでしょ!行けば!」
32浮橋 儚 ◆HFrHaINso. :2009/04/26(日) 23:31:59 O
>>22
夜が明ける頃、少しずつ屋敷に人の気配が満ちてくる。
皆そろそろ起きる頃合いか…。えーと、バラグさんは多分必要ないから7人前で…
>「よぉ、良ければ手伝おうか?」
振り向くと、厨房の入り口にリウの姿。微笑んで会釈する。
「おはようございますリウさん。
お手伝いですか?…そうですね、まずはお皿の用意をお願いします。それから、テーブルを拭いてナプキンを…」
てきぱきと指示を伝える。見ていると、厨房で立ち働く彼の姿は意外と様になっている。
───一瞬、それが半年前に亡くなった父の姿とブレた。
気付かれぬよう軽く頭を振り、はみ出した気持ちを心の底へ押し込む。
…いけない、失念していた。自分には…地球に帰りやるべき事が残っている…。
>>26
>「ひゅーひゅー」
「なっ…テイルさん!
リウさんには朝食の支度を手伝っていただいていただけですからね!?」
…しまった、つい取り乱して…思わず背中を見つめていた事、気付かれなければ良いけど。

リウと共に料理をテーブルに並べ席へ着く。魔導師を見ると…うん、いくぶんかマシになっているようだ。
「いかがでしょうか?こちらの食材を扱うのは初めてなのですけど。
これでもわたくし、コーヒーと料理は…料理人の父に仕込まれたんですよ」

>>29-30
食事中、テイルがサラダをつつきながら尋ねてきた。
>「ねえねえ、この野菜はなんていうの?」
…実は少し気になっていた…。
「えーと…なんでしょう…?地球では見た事のない種類です…。
他の野菜と一緒に厨房にあったもので…良い香りで生でも美味しかったので、サラダに仕立てましたけど、これ野菜…ですよね?」

食事も一段落着いたところで、テイルが魔導師と交渉をはじめた。5杯目のコーヒーを口にしながら耳を傾ける。
ふと、昨晩の記憶にある単語を耳に留め、PCから検索をかけた。確か読み込んだ百科事典に…
「……あった、ブループラネット。深海でごく稀に産出される幻の魔石。
常に蒼く輝き、極めて精度の高い球形をしている。
桁違いの水属性魔力を内包しているが、特筆すべきは触媒なしで莫大な生命力を紡ぎ出せるという点であり(中略)
…常に生命力を放出しているため付近の生命体に強い力を与えてしまい、故に海中のあらゆるモンスターや幻獣などが守護しているとも伝えられる。
……と、なかなか凄い代物のようですね」
『ところで儚さん、これって日本語にするとズバリ蒼星せk』バタンッ!
なんとなく嫌な予感がして反射的に画面を閉じた。
いつの間に起きたんだろうこの助手は…まだ寝てると思ってた…。
33テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/04/27(月) 22:51:35 0
>32
>「いかがでしょうか?こちらの食材を扱うのは初めてなのですけど。
これでもわたくし、コーヒーと料理は…料理人の父に仕込まれたんですよ」
「お父さんかあ……」
いないからよく分かんないけどなんかいいな、と思った。
だからといって断じてうらやましいわけではない。
自分には世界たる母と族長はじめとするやりたい放題の姉達がたくさんいる。

ハカナちゃんの解説を聞いて思う。
「うーん、海底に取りに行くのは大変そうだねえ」
「そっちはそのうちでいいから早く木材調達してくれ。風通しが良すぎて困る」
「……確かに」

その時。表で轟音が聞こえた。
「わ!? 何だ何だ!?」
窓の外には飛空艇が着陸していた。
「えへへっ、遅いから迎えに来ちゃった〜! 
家の前に飛空艇の発着場まであるなんてさすが街の救世主! 
大丈夫とは思ってたけど無事でよかったよ。でもなんで穴開いてるの?」
飛空艇から降りてきて穴を指さしてあっけらかんと尋ねるメルちゃん。
「発着場じゃなくて戦闘の跡! 穴もその時に開いたの」
それを聞いて戦闘の規模を悟ったメルちゃんは血相を変える。
「な、なんだってー!? 話は後で聞くよ! みんな乗って乗って!」
34リウ ◆wloTUzYWbw :2009/04/28(火) 00:29:51 0
以外にもこの早朝に起きている奴が多かった。
タケルとかな、まぁ。らしいと言えばらしいけどな。

>>32
>「おはようございますリウさん。
お手伝いですか?…そうですね、まずはお皿の用意をお願いします。それから、テーブルを拭いてナプキンを…」
「あぁ、その程度なら問題ないさ」
そう言い俺はテーブルを拭いてから皿を用意してナプキン置く。微妙に視線を感じるが完全に無視しておく。

>>26
>「ひゅーひゅー」
そうしているとテイルが顔を出してなぜか囃し立てていた。
あれか、暇なのかお前。
「つまみ食いでもするか?」
と冗談を言っておく。

>>32
>>「なっ…テイルさん!
リウさんには朝食の支度を手伝っていただいていただけですからね!?」
「わかったからそう声を上げるな……まぁ、もうほとんど来てるだろうけどな」
そう言い用意をし終える、そのころには魔導師はさっきより幾分かマシになっている気がした。

>>29
「ねえねえ、この野菜はなんていうの?」
パクパクと食べていたテイルが野菜を一つ見せて訪ねてきたので己の頭の中からそれらしいのを思い出す。
「たしか……キウルバの葉だな。まぁ、葉というかキャベルとかそれに部類されるが一級品の馬が食べてもいる高級品……だった気がするな」
ちなみにそれの類似品の可能性もあるが言わないでおいた。まぁ、魔導師が教えてくれるだろう、きっと。

>>32
>「いかがでしょうか?こちらの食材を扱うのは初めてなのですけど。
これでもわたくし、コーヒーと料理は…料理人の父に仕込まれたんですよ」
「父親……か。残念ながら家族は俺が十歳になるかならないかの時に分かれたからな。傭兵仲間の連中が家族そのものだな」
笑いながら俺はベーコンエッグを口に褒ばる。
別段普通の味だがそれが父親の味だと納得をしハカナに対して笑顔でこたえる。
「あぁ、美味しいな。お前の父親はずいぶん料理が得意だったようだな」

それからハカナの説明を聞いてブループラネットストーンなる者を聞く。
「海底か……まぁ、一応空気はあるんだよな?」
無かったら帰ろう、そのままの意味で

>>31
>「ああ、ただしただの木材ではいけない。
この家に使っているのは“青葉の楓”。魔風の森でしか育たない魔力を宿す木だ」
「魔風の森……たしか不用意に入ったら最後、生きて帰ることは困難と言われている探索ギルドも入ることを全力で拒む俗に言う『魔窟』か」
ちなみに俺も入ったことがない、流石に死にたくないしな。
「あぁ、人の手があまり入ってないから魔力を宿す木が生息できるからな」
「……なるほどな」
それはまた道理だな、と納得をしてハカナのコーヒーとは別に用意したココアを飲み干す。
……悪いか? ココア好きで。

>>33
しばらくすると飛行艇が飛んできた。
近所迷惑にもほどがあるだろアレ。
>「な、なんだってー!? 話は後で聞くよ! みんな乗って乗って!」
「ちなみに原因は主に一名にある、とだけはいっておくぞ」
ポソリと聞こえないように呟いて俺は飛行艇に乗ろうとする。
35名無しになりきれ:2009/04/28(火) 03:39:14 O
朝を迎えると、早速職人達が森を抜けてぞろぞろと集まってきた。

「おはようございます旦那〜、生きてますか〜っと。
言われた通り、客人の荷物持って来ましたよ〜
あらら、相変わらず寝ぼけてるんですか?」

「お客人さん達もどうも。私○○商会のペラペラお立ち寄りの際は是非とも御贔屓にベラベラ…」

「ひゃー…こりゃすげぇ、どでかい魔導砲でもぶちこまれたんですかい?」

「いや、この屋敷には対魔力結界がびっしり張ってあるって話だぜ?
それより旦那、うちの倉庫で預かってる例のメープル材、もうほとんど残ってないですぜ?」

「だなー、とりあえずの補修はすぐに始めるられるが、本格的な工事は材料が揃ってからでねぇと。
そうだ!せっかくなんで新しい図面引いて来たんですがどうでしょ!?」

「ああっ!てめぇ何先に出してやがる!?
前に採用されたんだからもういいだろ、引っ込んでろ!
そんな落書きより、うちの最新式はどうですかい?これなら中でゴーレム動かしても…」

「旦那っ、せっかくこんなでかい搬入口できたんですからあの装置入れてみませんか!?」

なんとも騒がしい朝である。
36テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/04/28(火) 23:00:49 0
>34
リウ君が飛空艇に入っていく。
今回初めてのハカナちゃんとアルちゃんに仕様解説。
「これがボク達の移動手段だっ! 謎の技術により通信設備キッチン果ては冷暖房完備!
しかも専属料理人付き! これはもう乗るっきゃない!」

>35
「荷物ありがとう〜!」
職人さん達から荷物を受け取って飛空艇に積み込む。
もし黒い魔導師がいなくなったらこの職人さん達商売あがったりになって困るんだろうな……。
表が職人さん達で賑わう中、庭に回る。
霜壁ちゃんは、昨日の事が夢だったみたいにワイバーンの姿に戻っていた。
きっと御主人が憎しみから解放されるその時までワイバーンの姿でいるつもりなんだろう。
連れて入ると、レオ君が盛大にずっこけた。
「おい! 何いきなりワイバーン連れ込んでんだ!」
「ワイバーンじゃない、白龍なんだ」
そう言って、託された鱗の首飾りを見せる。
メルちゃんがこっちを眺めまわしながら呟いた。
「なーんか雰囲気変わったね」
「ああ、バラグさんのこと? 魔導師さんが改良してくれたんだ」
「そうじゃなくて……キミ」
「え!? 昨日の今日だよ」
「うん。なんとなく思っただけ!」

【第七章開始】
37バラグ(代理):2009/04/28(火) 23:14:42 0
館の中が騒がしくなってきた。中に入り食堂に向かうと皆が集まって食事をしていた。
そして相変わらず黒い魔導師は、仮面の上から珈琲を飲み……仮面の上から食事をしている。
仮面に押し当てられた食べ物は、闇に吸い込まれるかの様に仮面の中へと消えていった。
本当に一体どうなっているのだろうか?それに其処までして人に見せたくない素顔とは一体…。

「あっああ、その通りだ。それはキウルバの葉だ。」
等と言って、それらしき野菜を避けて食事をする黒い魔導師。
今この場に来たばかりの俺には、何の話かは解らないが、かなり怪しい行動をしている事は解る。

食事が終わるのを見計って先程から何の話をしていたのか黒い魔導師に聞いた。
皆が話していた内容は、黒い魔導師からの依頼の事だったようだ。
如何やらこれからとある森に行き其処にしかない木を採って来なくてはいけないらしい。
その報酬にインペトゥスが奪った重要資料などを返してもらえるようだ。
そしてあることを思い出す。

「一つ聞きたいことがある。インペトゥスが発狂させた人がいるんだが、治療法を教えてくれ。」
「魔力破壊能力を使えばいい。発狂程度の魔を消すのならば低出力の発動で十分だ。
低出力発動ならばお前に掛かる負担も少ないし、能力を受ける側も数週間魔法が使えなくなるだけだ。」
俺の質問の答えは即答でした。もしかしたらこの先魔力破壊能力はかなり役に立つかも知れないな。

それとあえて考えないことにしていたが、ブループラネットの事は余り乗る気にはなれない。
何故ならそれは、ブループラネットが海の中にあるからだ。
水中可動用ゴーレムやフレッシュゴーレムと言った特殊なゴーレムを除けば水中で行動が可能なゴーレムは皆無。
特殊なゴーレムを除き、俺を含め全てのゴーレムは水に弱く、無理に水中に潜ろうものなら体を壊し機能停止してしまう。
といってもある程度の防水処理を施されていれば一時間ほどならば水の中に入っても大丈夫だし、雨に濡れても問題はない。

外でとても大きな音がした。何か大きな物が落ちたような音だ。
外に出ると飛空艇が着陸していた。如何やらメルディの仕業のようだ。
取り合えずもう出発のようだ。飛空艇に近づこうとした時に黒い魔導師に呼び止められた。
「まて、これを持って行け。」
「これって…何だこれ?この黒い玉は?」
「それこそ俺が開発した最高の非魔道破壊兵器『ウラニウム爆弾』だ!!!」
「そんな危ない物持って行けるかーーーーーー!」
黒い魔導師に渡された黒い玉ことウラニウム爆弾を返した。しかしまだ何か渡してくる…。
「ならばこの『無限ライトニングハイパーレーザービーム剣』を―――」
「いらん!」
「ならば超連射式大砲『ガトリング砲』―――」
「断る!」
「だったら『ラグナ――…」
「もういいって………。」

もういい加減に黒い魔導師の冗談?を無視して飛空艇に乗り込もうとした時だった。
「バラグ……まだ思い出さないのか?」
初めて俺の名前を呼んだ。俺の事を今まで『お前』としか呼ばなかったのに。
しかし黒い魔導師の言う事は意味が解らない。
「お前は何を言っているんだ。」
「そうか…ならいい。何でもない。」
「???」
そしてやっと飛空艇に乗り込んだ。
38乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/04/28(火) 23:57:56 0
とりあえず食卓に向かうと全員が揃っていた。実に清々しい朝だ。
リウ殿は顔色が悪かったように見えたが元の顔色になっていた。
さっそく食べようとすると、テイル殿が議題を切り出す。
>「魔導師さん、インペトゥス君が持ってきた重要試料なんだけど……残ってるやつ返してくれない?」
そして少し黙ると、返事として交換条件を出してくる。
その交換条件とは、深海にの奥深くにあるブルーなんたらという日本語名青い惑星魔石を持って来いとのことだった。
「青い惑星…でござるか大層綺麗な石なんでござろうな」
と言ってる矢先にもう一つの条件も付け加えてくる。
大量の木材しかも魔力を宿す奴を持って来いという。
まぁ壊したのは我々なので当然といえば当然かもしれないが。
なんだかんだで平らげたが、中々うまかった。リウ殿と儚殿が作ったらしいので彼らに感謝だ。
「最後にこーひぃーとやらを……苦い」
黒い液体を飲んでみたがなぜか苦い。これより味噌汁が飲みたいと心の底から思った。

そして外の方から大きな音が突然聞こえ、変な音が聞こえると静かになる。
どうやら飛行艇がやってきたらしい。
>「な、なんだってー!? 話は後で聞くよ! みんな乗って乗って!」
ぎゅる〜という腹から嫌な音がする。
「まずい腹が……」
大急ぎで飛行艇内のトイレを目指した。


39テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/04/29(水) 14:49:57 0
飛空挺は自動操縦で運行中。
メルちゃんとレオ君にかくかくしかじかと今回の経緯を報告する。
まずは黒い魔導師のトンデモ計画から。

「なるほど……他の人も呪いをかけられてたんだね……」
「他の人もって……ティア様も!?」
「うん、本人もかかってることにすら気づいてなかった。
二代も後になって牙をむいた恐ろしい呪い……。
もしかしたら僕がああなってるかもしれなかったんだ」
「もしかして弟くんのこと!?」
「そう。ナイトメアは普通は人間にしか発生しない。
でもおばあちゃんはガイア様を少しもうらんでないと思う。
全部死霊皇帝ごときの呪いにかかった自分のせいだって言ってる……」
そう、それがボク達光の眷属なのだ。でも人間は違う。
目的のためなら仲間であるはずの光の眷属を手にかける。
時には世界たる神にすら容赦なく刃を向ける。
まるで光の眷属であって光の眷属じゃないような……。

続いて、インペトゥス君との騒動とその相棒の話。
「うっ……う……うわああああああん!」
いきなりメルちゃんが涙を盛大に流しながら泣き出した。
レオ君が慌ててバケツを二つ持ってくる。
「水浸しになるだろ! 勘弁してくれ!」
「だって……可哀想だよお……。僕だってもしアルがそんな理由で殺されたら……
1週間ぐらい死霊皇帝軍入って釘バット持って暴れようかなっと思うよ!」
「1週間!?」
と、言いつつもすごく納得。
むしろ人間以外の光の眷属が1週間も死霊皇帝軍に入ったら余程のことだ。

泣いていたかとおもうと
魔風の森に木材調達にいくと言ったとたん、今度はやけに嬉しそうになった。
「木材調達僕も一緒に行っていい?」
「いいけど……なんか企んでるの?」
「べつに〜♪」
それにしてもこのメルちゃんノリノリである。
40 ◆6nXELe5RK6 :2009/04/29(水) 14:52:13 0
――――魔風の森
森の中を風が吹き抜けていく。
一帯を覆う魔力のせいで一年中木が枯れることの無い、緑生い茂る森。
葉が枯れて散る事が無い、彼はそれが気に入っていた。
永遠と不死の原理の闇の世界になったら葉が散ることなんてなくなるのだろう。
それでいて時々、世界が闇に覆われたらこの緑も見れなくなるのかと切なくなるのだった。
彼の名は疾風のアルベル。六武神の一人である。
と、フロントガラスの手前に置いた連絡用の水晶に通信が入る。
彼は六武神っぽい威厳のある顔を作って応じるのだった。
「ベアトリーチェか。何の用……あぁああああああああああ!!」
前方不注意によって「疾風怒濤」とか「長ネギ」とか書かれたなんとも言いようがないデコトラが木に衝突。
無数にある凹み跡がまた一つ増えた。威厳も何もあったものではない。
が、水晶に映し出された静謐のベアトリーチェはもう慣れっこなのか驚かない。
〈またか……。まあいい。バルトールが送り込んだ密偵から情報が入った。
黒い魔導師……あれはとんでもない食わせ物だな〉
黒い魔導師の計画を聞くうちに、その名の通り身を切り裂く風刃のような険しい顔になる。
「……今すぐ消すべきだ!」
〈何、今消さずとも利用できる間は生かしておけばいい〉
「…………」
古参の六武神には逆らえないのか、口をつぐむアルベル。
ナイトメアでもエルフ、その上先代勇者の孫とあっては死霊皇帝軍内の風当たりは相当なもの。
やっとの思いで手に入れた六武神の地位をクビになるわけにはいかないのだろう。
〈それと例の独立工作班と名乗ってる奴だが……やはりきっかけは復讐だそうだ〉
かねてから危険を感じ、裏切る素振りを見せたら抹殺という指令を出してもいた相手である。
が、何を思ったのか、どことなくしんみりとした様子。
「……そうか。特にやらせる事はないのだろう? こっちに回してくれ」
〈まさか……同情しているのではあるまいな?〉
「な!? 言っておくが俺に妹はいないぞ!」
そう言ってしまってからしまったという顔をして慌てて通信を切るのだった。
そして、隠れ里の住人達にあろうことかこんな事を言ってしまうのである。
「新しい守衛が来る! 至急歓迎会の準備だ!」
41浮橋 儚 ◆HFrHaINso. :2009/04/29(水) 23:32:24 O
冷たく湿った風が頬を撫でる。
飛行艇のデッキから視界いっぱいに広がる空、その下半分は分厚い雲に覆われている。
高度を下げて眼下の雲を抜ければ、そこはもう魔風の森だ。

一帯が魔力に覆われたその土地では、木々は決して枯れる事なく生い茂り、その間を絶える事なく風が吹いているという。
おそらく大気に渦巻く魔力が、生物や気象にまで影響を及ぼしているのだろう。…この空模様もそのためか。
四季を通し変わる事のない不自然な自然…それに囲まれ生きる人々は、そこに何を見い出すのだろう。…とひとりごちる。

一行が黒い魔導師の依頼を受けて旅立ってからすで3日。
最初こそ物珍しさに興奮を覚えたものだが、そろそろのんびりとした空の旅にも飽きてきた所だ。快適だが、地球人としてはこの速度は少々度し難い。
3日の間、飛行艇の機関室に入り浸ったり操縦桿を奪ってみたり、そんな事ばかりしていた気がする。
あとは…料理の手伝いか。世話になっている身上としては、何か仕事をしなければ落ち着かなかった為自ら申し出たのだ。
……実家である喫茶店のウエイトレス衣装は若干浮いていたが、あえてスルー。
ヨウにエプロンだけ頼んだら一式届いたのだから仕方ない。…それに、この服は好きだし。

とにかく、なんだかんだとドタバタしていた空の旅もまもなく終わり。
まるごとコピーしてきた魔導師の研究資料も、レオとメルディの協力もあって綺麗にまとまっている。
(レオさんとは意外と話が合った。趣味が似ていた為だろうか。
格闘を主体とした魔法戦闘という分野はとても興味深かった)

先程から徐々に、雲のただ中に向けて高度が下がっている。おそらく目的地は近いだろう。…果たして無事着地出来るかが若干不安ではあるけど。
魔導師の話では、魔風の森には林業で生計を立てている村があるという話だったが…。

『ところで儚さん、さっきからそんな場所で何してるんですか?』
「魔法の実験です。不用意に爆発とか発火とかしたら困りますから。
わたくしには正直な話、ああいう感覚重視の学問は分かり辛いので、プログラム化して熾天で具現化出来ないかと思いまして」
42ディスト ◆2l1/Dgk7EY :2009/04/30(木) 01:20:34 O
厚い雲の上から鉄塊が降ってきた。一見すればそう見えた
が、よくよく見るとその塊は船のように見える
あれだけの鉄塊を浮かすとは大したものだ

「ふむ。行ってみるか」
街を離れて結構な時間修行を積んだ。(道に迷ったとも言う)
そろそろ人に会いたくなっていた頃だ
そして、あの浮く船にも興味がある
あれにはきっと、強いヤツがいるハズだ

どこに降りるつもりかは知らないが、見失いはしないだろう
43ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/04/30(木) 18:57:39 0
>29
>「もしかして……妙な夢見た? ボクと同じ夢みてたりするのかな?
>良く覚えてないんだけど……抗えない悲しい宿命……みたいな?」
テイルの僕と同じというところに眉を動かしテイルの方を見るガレス。
「どうだろうな…妙な夢……というよりは悪夢だったぜ……まあ、夢だけどな」
そう答えるガレスには明らかに元気がなかったが、不安にさせてはいけないと
テイルには微笑みかける。しかし返ってその辛そうな笑顔が痛々しい。
>「ん〜、偶然か。気にしない気にしない、何があっても守ってあげるからね! ……そりゃ!」
「むぐっ!……ふぁがふぁが」
いきなりパンを突っ込まれ苦しそうに口をもがもがさせる。
そんな様子を見ていたのかソルがテイルを止めて、ガレスはパンを口からひっこ抜く。
>「窒息したらどうするんだよ…それと… 彼の体は彼自信でちゃんと守れるから。
>余計な心配しなくて大丈夫だよ?」
>「分かってないなあ、それを言っちゃあお終いだよ!」
「オーケーオーケー、んじゃ俺もテイルちゃん達守るからよ
 何かあったら俺のこと守ってくれよな?」
そんなテイルとソルのやりとりを見て、悪夢を振り払うかのように笑みを浮かべ、
いつもと同じように元気にふるまうガレス。
あの夢が気にならないといったらウソになる。
だがいつまでも考えこんでいるわけにもいかないとガレスは思ったのだった。

>31
>「ああ、ただしただの木材ではいけない。
>この家に使っているのは“青葉の楓”。魔風の森でしか育たない魔力を宿す木だ」
「へえ、あんた魔風の森の木使ってんかぁ、結構面倒臭いことやってんだな」

>33
そうしていると表で轟音が聞こえる。
「なんだなんだ!?」
席から転げ落ちてあたふたしながら耳に手を当てるガレス。
初めてきいたような爆音に心底驚いたのだろう。
腰でも抜けたのか腰を抑えながら外に出ると巨大な飛行船が眼前にあった。
「すげぇなこりゃあ……こんなものまで持ってるのかよ!」
このオーストラフに来るときこそ商人が乗る飛行船に密航したが、
そもそもどこに向うも自分の足を信じて旅をしてきたガレスにとってはそもそも巡り合うことのないものである。
>「な、なんだってー!? 話は後で聞くよ! みんな乗って乗って!」
その言葉に足早に乗り込んでいくリウとはうって変わって
足を進めようとしないガレス、そんなガレスを見ていたのかテイルが解説する。
>「これがボク達の移動手段だっ! 謎の技術により通信設備キッチン果ては冷暖房完備!
>しかも専属料理人付き! これはもう乗るっきゃない!」
「謎の技術…!?」
専属料理人でも冷暖房でもなく謎の技術に惹かれたガレスがまるで
何かに連れてかれるように飛行船の中に入っていった。

その後荷物の搬入などを済ませて一息ついているとテイルが
ワイバーンを船内に連れ込んでいたのを見て思い出したかのようにアッと叫ぶガレス。
「そういやすっかり忘れてたぜワイバーン」
>「おい! 何いきなりワイバーン連れ込んでんだ!」
「まあまあいいじゃない。堅苦しいことばっか言ってるとハゲちゃうぜ!」
見知らぬレオにいきなり失礼な態度を取るガレス、気に障ったのかガレスを睨みつけるレオ
「髪はまだフサフサだ!そしてお前はだれだ!」
「俺の名前はガレス・フェルナドゥ・アルフォル!テイルちゃんにスカウトされた流離いの旅人だ!」
ガレスの自己紹介に頭を抱えているレオ。そんなレオの肩を叩いてガレスは続ける。
「ま、しばらく厄介になるから飯一人分ちゃんと追加しておいてくれよな!あと部屋は好きなの使わせてもらうぜ?」
そしてさっそくどこの部屋を自分の寝床にしようかと歩いて行った。
44ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/04/30(木) 18:58:29 0
>41
風を切って進む飛行船の中の誰も眼をやらないような
奥の部屋の方の窓から水晶玉の怪しい輝きが見える。
「御苦労だったなガレス、お前の咄嗟の機転で黒い魔導師の奴が何をたくらんでいるか分かった。」
水晶玉に映し出されるのは獄炎のバルトール。
そのバルトールが話す相手はいま正に勇者たちと動向を共にしているガレスだ。
ソファーに寝っころがりながらバルトールが映る水晶玉を欠伸をしながら見ている。
六武神の古参に対してここまで無礼な態度を取れるのはガレスだけだろう。
「しかし、旦那も良く分かったなぁ黒い魔導師があやしいって…
 そうでなきゃ俺に黒い魔導師を探し出してつけろなんて言わねえもんな」
だがバルトールは一回鼻で笑った後邪悪な笑みを浮かべる。
「怪しい?ワシには最初からあいつがこちらに協力する気などないと分かっておった。
 ワシはあいつとは幾度となくぶつかり合ったのだぞ?そんな男が死霊皇帝様に忠誠を誓うなどありえん
 もっとも、忠誠があろうとなかろうと、光の眷属であったものなど。せいぜい使い捨てるが関の山よ!」
残虐なことを言うバルトールだがガレスはそれを黙って聞いている。
それも当たり前、バルトールの考えこそが魔族の本質。
決してぶれず、決して揺らぐことがなく、ただひたすら闇の眷属達と死霊皇帝のためだけに
己が全てを捧げるバルトールこそ、最も理想的な魔族なのだ。

「そんで、黒い魔導師はどうするんだ?消しちまうのか?」
ガレスの質問にバルトールはしばし考え込んだあと口を開く。
「いや、奴はまだ使える、いや、奴にはまだやってもらうことがある。」
「やってもらうこと?」
バルトールの意味深な言葉が気になったガレスが無意識に訪ねる。
「そうだ、魔力を破壊するための物質には三つ目がある、興味はないか?その三つ目に……」
そういって邪悪に笑うバルトールにガレスは畏怖の念を一瞬覚えた。
魔族の本質がそういうものだと分かっていても、恐れずにはいられなかった。
「ま、まあいいや、とにかくこれで俺に与えられた任務は終わりだ、そうだろ?
 あとはまた好きにやらせてもらうぜ。」
そういって水晶玉に映る映像を切ろうとしたとき、バルトールが呟く
「勇者の後をついていっているようだな……」
「……ああ!だけど別に構いやしないだろ旦那。俺は好きでここに居る!」
ここで切ってしまえばよかった。好きすると一方的に言って切っておけば。
だがなぜだろうか。ガレスは水晶玉を切ることができなかった…バルトールの反応を待ってしまったのだ。
「悪いなどと言ってはおらん。好きにしろ。お前の好きにな……フッフッフ」
「旦那、そりゃあどういう意味……」
そういってバルトールは笑うとガレスがみなまで言う前に通信を切った。
なぜだろうか。気持ち悪い感じがする。自分の知らないところで、
何か得体のしれないものが動いているような……そんなまとわりつくような不安と悪感が走る。
「なんだってんだ……」
そういって瞼を閉じる。閉じた先に見えたのはこの前と同じ光景。
鉄格子の籠の中で叫ぶ男が一人、手には鍵……だが一つだけ違った。
それは……鉄格子の男の前にフッと現れた光。
「近づくな!!それ以上ッ!!」
拒絶する男にそっと近づいていく光、優しく暖かい感覚……

そして目を覚ましソファーから起きるガレス。
「俺は……寝ていたのか……」
そこまでいって、さっきまで見ていたのが夢だということに気がつく。
「…………あの光は一体……」
45テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/04/30(木) 23:40:13 0
>41 >44
【空の旅1日目】
ハカナちゃんの助手のヨウちゃんに新しい遊びを教えてもらった。
アルちゃんの反応が楽しみであちこちの扉を開けて回る。
>「…………あの光は一体……」
「みーつけた!」
くるりと回って、昔族長が使った装備品の一つらしいロリータファッションを見せる。
ちなみに、これを見たレオ君は盛大にずっこけるのみならずスライディングまで披露してくれた。
「コスプレっていうんだって! わあ、綺麗な水晶玉!」
ソファの上に置いてあった水晶玉を手に取って見ると、慌ててとりあげられてしまった。

意外とレオくんとハカナちゃんが意気投合したり
全く意外ではなくメルちゃんとヨウちゃんがパソコンの画面を隔てて意気投合したりしていた。
ソル君がいつもの調子に戻ってきたみたい。
メルちゃんいわく、「ちょっと脅しすぎたかな〜」だそうだ。
どうやら「天使だとバレたら闇の眷属に袋叩きになるお☆」とレオ君と二人で脅しまくったらしい。
ちなみに、そう言うメルちゃんは人間の振りをするのは朝飯前なはずなのに
いっつもエルフ丸出しだったりする。
もちろん彼女は夜の恒例行事枕投げにノリノリで乱入。
長年の導師生活の修学旅行の引率で培った腕前を披露してくれた。

【空の旅2日目】
思うことあってメルちゃんに、ノダメ様へ通信をつないでもらう。
ルーチカちゃんが見た夢について聞いてもらうためだ。
彼女には怖い経験を思い出させるようで悪いけど、それ以上に知りたかった。
インペトゥス君があそこまで世界を憎むようになった経緯を全て。
ほどなくして、ナイトメアの少女の姿という答えが返ってきた。
「兄弟そろって!? 確率的にあり得ない……」
そう言いかけて、ぽんっと手を打つメルちゃん。
「いや、双子ならあり得るかも」

【空の旅3日目】
目的地が見えてきた。
もっとおどろおどろしい場所を想像していたが
絶え間なく吹き抜ける風が緑の木々をゆらす神秘的とも言える光景が広がっている。
「あれ? 意外と綺麗かも……」
「でも花見も紅葉狩りもできないのはつまんないかな〜」
なんて言いながら高度を下げていく。と思いきやすごい揺れ。
「あ、乱気流に巻き込まれた。どうにかしてくれ、魔法使いズ!」
「ラジャ!」
メルちゃんと甲板に出て気流操作。
「風よ鎮まれ〜〜!」
とか言いながらメルちゃんが長ネギを振りまわして祈祷しているのはあえて突っ込まない。
調度よく少し拓けた場所になんとか着陸できそうだが
もし下に誰かいたら異様な光景に見える事は間違いないだろう。
46鴉 ◆QfWWEz6wno :2009/05/01(金) 03:26:54 O
あの大会の後、俺は新しい仕事として、城の近くにある魔族の村にて用心棒の真似事をすることになった。
俺は性にあわねぇとアイツに言ったが、「まぁ、とりあえずやってみろって」と丸め込まれた
旦那にも抗議したが「じゃあ灰になるか」とか言われとなりゃ、向き不向き関係なくやらざる終えないだろ

とかなんとか愚痴をこぼしながら数日、まんざらでもないかなんて思い始めていた
初めは邪険に見られたり、怖がられたりとギクシャクしていたが、話せばそれなりに分かる連中で…
そんな中、旦那から情報が入った。
近い内にあのクソ妖精共がこっちに来るそうだ
だが、目的はこちらに害を与えるのではなく、アイツの副業の客として来るそうだ
もちろん、そこらへんの取引等も俺の仕事の内に入っているわけだ
危険因子が近くまで来てるなら潰したほうが利口じゃないかと思うが、そこは言うべきではないだろう。

とりあえず、アイツらが来る前にある程度ブツを用意して置き万全の準備を整えておいた
後は金のやり取りを済ませばいいだけ…まぁもっとも、スンナリ終わるとはおもわねぇと思うがな

空から飛行艇が降りてくるのを確認し、俺は、飛行艇が降りる場所へと急いだ。
無事に着陸し、搭乗員が降りる瞬間
「ビジネス目的なら手にある得物全部その場に置きな、そうじゃねぇのなら俺に殺される前に逃げるんだな」
銃を構えながらそう言い放つ。
「悪いな、最近は強盗紛いな真似をする『自称勇者』とか『光のなんたら』とかがいるからコレぐらいの用心しねぇと安心出来ねぇんだよ
 もちろん、魔法の類を使った時点でマトモな取引なんて出来ないと思えよ」
47 ◆6nXELe5RK6 :2009/05/01(金) 20:14:34 0
「アル、メルが来てるよ。いかなくていいの?」
楓の木の枝に腰掛けアルベルに話しかける女性。
正確には女性の姿をした風の精霊シルフィードだ。
彼女の隣に座っているアルベルは
死霊皇帝軍の誰にも見せることが無い優しげでそれでいて切なげな顔をしている。
「いいんだ。会ったらメルに辛い思いをさせるだけ。
どっちにしろ光の下にいるのは許されない身だ。もう後戻りはできない。
こうなるのは生まれるずっと前からの定め……」
「そう。……あの人はあなたの目的を達するのに十分な人材?」
「どうだろう。もう少し見極めてみるよ」
遠くを見つめるアルベルの心中を、シルフィードは言い当てた。
「……1000年の平和のために
この世界とすら無関係な1人を犠牲にしていいのかなって思ってるんでしょ」
「ああ、なにやってんだろうなって時々思うんだ。
それが嫌で光を捨てたのに……その過程で結局光の世と同じことをしなきゃいけないのかって」
シルフィードはきっぱりと言い切る。
「違うわ。あなたが目指す闇の世は
何一つ確かな物がない偽りと矛盾に満ちた光の世とは違う。
誰も死ぬ事も無く誰も虐げられない真の平穏。究極の平等な世界……」
「お前は本来光に属する精霊なのにな……つき合わせてゴメン」
「弱気にならないで! アルのしてることは正しいから。
達成したらメルもティア様もきっと分かってくれるよ」
笑いかけたかと思うと、すぐに心配そうな顔をするシルフィード。
「でもアイツに任せて大丈夫かな……」
「この森では人を殺すなと怖い顔してガンとばしといたから大丈夫だと」
「でもあいつガラ悪そうだし銃でもつきつけかねないでしょ。
それでご一行にも血気さかんなのがいたら
乱闘騒ぎになってうっかりバーンとやっちゃって心優しいメルが流れ弾に……」
どことなく楽しそうに縁起でもない事を言うシルフィードに対して
アルベルは見る見るうちに顔面蒼白になるのだった。
「憑依だ! 今すぐいくぞ!」
「りょーうかい♪」
アルベルに重なるように姿を消すシルフィード。
そして一陣の風が吹き抜けたかと思うとその場には誰もいなくなっていた。
48テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/05/01(金) 23:41:40 0
>42 >46
無事着陸したと思ったら
まるで来るのが分かっていたかのようなある意味手厚い歓迎を受けた。
なんか通りすがりっぽい人がいるけどそれどころではない。
>「ビジネス目的なら手にある得物全部その場に置きな、そうじゃねぇのなら俺に殺される前に逃げるんだな」
どう見ても強盗です。本当にありがとうございました。
「そっ、そんなゴムタイヤ!」
とか言いながら長ネギを置くメルちゃん。
もちろん長ネギは魔力剣なので置いた瞬間に消えるわけだが。
「ってあれ? キミはいつぞやの地球人……?」
よく見ると向こうの方には木材がすでに準備万端整えて積み上げられている。
これがヨウちゃんが教えてくれた“ツンデレ”か。
黒い魔導師が連絡入れといてくれたのかな。何にしろ手際が良くて感心感心。
「久しぶり〜! こんな所で会うなんて奇遇だねー! 
そんな接客じゃあ普通のお客さん逃げちゃうよ!」
>「悪いな、最近は強盗紛いな真似をする『自称勇者』とか『光のなんたら』とかがいるからコレぐらいの用心しねぇと安心出来ねぇんだよ
 もちろん、魔法の類を使った時点でマトモな取引なんて出来ないと思えよ」
「なんだって!?」
珍走団が勇者を名乗ってる事は普通に有り得るけど
光の眷属が善良な木材販売業者に強盗に入るなんてありえない!
コソ泥ぐらいなら悪ノリした勢いでするかもしれないけど。
どっちにしろとっつかまえてこらしめなければならない。
そんなのが一部いるだけで全国の真面目な勇者達が迷惑するのだ。
待てよ、この森って一般には一度入ったら生きて出られない魔窟って言われてるはず。
強盗犯、只者じゃない! もしや光の勇者を騙った死霊皇帝軍じゃないか!?
「……よければそいつらどんな奴か教えて! とっちめてやらなきゃ!」
49インペトゥス ◆jH6qejmC7g :2009/05/01(金) 23:54:00 0
空を飛び立つ飛空船・・・それをオレはオーストラフの街の一角で見上げていた。
<お〜い、旦那ァ。ご注文の品、完成しましたぜー。>

その声に呼ばれて、オレはガレージへと向かう。
その中にあったのは鋼鉄のボディの二輪の車・・・?だ。
「悪いな、急に無理を頼んで。」
<いーや、滅相も無ぇ。折角腕があるんだ、振るわないのは勿体無いんでね。
 こいつは町内最速記録モンだぜ。そして当然手も抜いちゃいないから安心してくれ。>

元より、相棒がいなくなった以上ここの絶海都市から抜け出す事は容易じゃない。
ということで、この街の技術力を生かして何か足を用意できないかと頼んでみたところ・・・
ちょうど飛空船のシステム等に興味を持って研究していた技術者らが数人わらわらと集まって
あっという間にくみ上げてしまったのだ。

<ついでにその座席の横にうちの試作品の特殊な魔導銃を突っ込んであるから試して見てくれや。>
それにつられて引っこ抜いてみると、どうやら銃口が二連装式で、リロードはポンプアクション式らしい。
「弾はどうするんだ?」
<魔力吸入式でさ。ついでにつけた自動ツールで様々な弾丸が精製できるって寸法で。>

代金として某学園からぱちってきた試料と、色をつけて特殊な鉱石も渡す。
座席に跨ってエンジンに火を入れた所にちょうど伝書の鳥がやってきた。
「次は魔風の森・・・か。」

連中の飛空船とバッティング等しないように魔導バイクが飛ぶ。
その行き先には・・・・・・疾風の六武神がいる。
50浮橋 儚 ◆HFrHaINso. :2009/05/02(土) 00:14:04 O
>>45
着陸体勢に入り雲に突入した途端、乱気流に機体は大きく揺れる。
慌てて作業を中断し、甲板の縁に掴まり様子を見ていると、テイルとメルがやって来て魔法で乱気流を鎮めにかかった。
『あっあれはネギ踊り!? まさか葱神様信仰はこの世界にまで…』
よく分からない事を呟くヨウを無視して、ひとまず着陸の準備を手伝う。
着地点のナビゲートをし、着陸の瞬間に必要な逆噴射を調整し……多少ふらつきはしたが、無事着陸出来たらしい。
それに合わせて、他のメンバーもぞろぞろと顔を出し始めた。やはり皆久しぶりの土を踏みたいのだろうか。
買い付けにそこまで人手は必要ないし残ろうとも思ったが、見聞を広めるには良い機会だろうと思い直し、入り口の前に立った。

>>46
扉が開き、地上へと降りた途端
>「ビジネス目的なら手にある得物全部その場に置きな、そうじゃねぇのなら俺に殺される前に逃げるんだな」
いきなり手洗い歓迎を受けた。強盗紛いはどっちだ。

「これはまた…取引相手に対しずいぶんな出迎えですね?
あなたは目には目をという言葉はご存知ないのですか?武器を向けられたのなら、こちらも相応の対応を取らざるをえないのですけど」
『あちゃー…儚さんってああ見えて、売られた喧嘩は10倍返しする人なんですよね…』
…地球人…?とにかく、ああいう手合いには武装の必要すらない。とりあえず無力化して、話はそれからだ。
テイルが会話に持ち込もうとしているのをいい事に、真っ向から睨みつつ、拳を固めジリジリと距離を詰める。

その時、目の前の男の背後から新たな気配が近づいてきた。
51乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/05/02(土) 03:51:14 0
>>41
飛行艇に乗ってから早三日、座禅や鍛錬をしていたのだがたまには何か役に立つことをしたいを思い、飛行艇の中を掃除することに決めた。
まずは通路からひたすら雑巾掛けを始めた。
ソル殿やテイル殿は驚いているような顔で見ていた。
その甲斐があったのか前よりも通路がピカピカに見えた。
掃除をすることは己を洗い流すことだ、 ふと本当の父のように慕っていた和尚の言葉を思い出す。
そういえば、住んでいた寺院をよく雑巾掛けしていた。
「一休和尚……」
思わずその名を漏らしてしまう。本当によく可愛がられていたあの頃が昨日のように感じられた。

なんて回顧しているうちに目的地に着いたようだった。

>>46
早速降りてみようと様子を伺うといきなり、
>「ビジネス目的なら手にある得物全部その場に置きな、そうじゃねぇのなら俺に殺される前に逃げるんだな」
どうやら追い剥ぎのようだったがテイル殿が話し合いに持ち込もうとするが儚殿は臨戦態勢になっていた。
「どうするべきでござるか……」
相手の様子によってはいつでも攻撃を塞げるように霊符を準備、さらに様子を伺う。
52ソル ◆sBYghzSQ5o :2009/05/02(土) 08:20:56 0
なんだかコスプレ大会になってきている気がする。
地球人から見ればオレらの格好も十分コスプレだと思うんだけどな…
そんなことを言う自分は「戦隊」とやらのジャケットを着てみた。
赤、青、黄、緑、黒、白、金、銀、紫、桃…色、多すぎだろ。
とりあえず黄色の背中に「3」とかかれたのを着る。
「意外と動きやすい…かも」

そしてテイルはテイルでガレスのいる部屋に突入し、
色々と物色し始めた。
…しかしテイル、いくらなんでも気づかなすぎる。
「とりあえず…今どう思ってるかなんてわからないけど、
 皆を悲しませるような事…するなよ」

>>46
>「ビジネス目的なら手にある得物全部その場に置きな、そうじゃねぇのなら俺に殺される前に逃げるんだな
「ある人は言いました…『術に頼るか雑魚どもが!』と。
 そしてこちらが魔法を使うものなら 魔 法 で 仕 返 し してきました。
 つまりは…卑怯!
 そっちが銃持っておきながらこっちのものはその場に置けって言うのは認めません。
 あぁ、その人はこうも言ってました。『男に後退の二文字はねぇ!』とも…」
長々とどうでもいい話をして時間を稼ぎつつ、いつ相手が仕掛けてきても良いように構える。
53ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/05/02(土) 14:47:53 0
>45>52
>「みーつけた!」
「うおわぁ!!お、驚かすなよテイルちゃん……」
いきなり扉が勢いよく開けられたことにびっくりして飛び起きたガレス。
テイルだとしってホッ胸をなでおろす。
落ち着いてきたところでテイルの着ている服が変わっていることに気付く。
そのテイルをじろじろと下から上へとみていくガレス。
「ふむふむ……なぁるほどねぇ。愛しい俺に見せに来たってわけか。
 そういう可愛いとこは嫌いじゃないぜ。」
ポンポンッとテイルの頭を優しく叩くガレス。
>「コスプレっていうんだって! わあ、綺麗な水晶玉!」
「へえコスプレねぇ……ってたんま!それは俺の大事なもんだから触っちゃダメ。
 はいはいボッシュートしちゃいますよ〜」
そういってテイルから水晶玉を取り上げ自分のポーチに収める。
そしてテイルを手を掴むと部屋から出て外の景色でも見に行こうと提案する。
扉を開けると「戦隊」と書かれた謎のジャケットを着ているソルに会う。
>「とりあえず…今どう思ってるかなんてわからないけど、
>皆を悲しませるような事…するなよ」
すでにガレスの正体を見破ったのかそう答えるソルに、
焦るわけでもなくガレスは少しだけ考えたあと笑って耳元で呟く。
「…置いてくれてる事には感謝するぜ。お前は良いやつだ」
そしてガレスはいつもどおりの風体でテイルを引っ張っていった………

その後は特に事件もなくゆるやかな旅を一行は続ける。
ソルもあれから特に何も言っては来ないし、ガレス本人もいつもと変わりない。
クルーのだいたいとも面識を深めた。メルとは気が合ったし、
レオには会うたびにテイルと一緒にいたずらをしたりからかったりして、
相手にすると厄介な奴のベスト5にランクインした。ふとつぶやく
「悪くない面子だぜ」
夜は恒例の枕投げをし、好きな時間に寝て好きな時間に起きる。
バルトールからの通信もあれ以降はなく、夢も見ない…至って平穏な旅。
飛行船の甲板で寝転がり風を感じながらガレスが呟く。
「……こんなのも悪くねえな」

そして三日目、いつもの通り甲板に出ていると目的地が見えてくる。
自分を通り抜ける心地よい風を感じて欠伸を一回。
しかし、その心地よい風も高度が下がるにつれて乱気流とも言えるものになる。
テイルとメルが甲板に出てきているのを見てガレスは叫ぶ
「お二人さん出てきちゃ危ないぜ!」
自分は平気な顔でこの乱気流の中甲板に立っているが
おそらくテイルとメルには危ないと思ったのだろう相当慌てている。
>「風よ鎮まれ〜〜!」
だがメルが長ネギを振り回して祈祷しているのを見て感心する。
「さすが伊達にここまで冒険してきてないってわけか」
安心し甲板に胡坐をかき着陸をのんびり待つことにしたガレス。
54ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/05/02(土) 14:49:25 0
>46>50
その後着陸し、地上への扉が開く。空の旅はひとまず終わり。
これからは魔導師に頼まれた依頼を達成しにいかなくてはいけないということだ。
皆の後ろにつきガレスも飛行船から地上に降り立つ。
すると早速飛行船の存在に気づいたのか男が一人立っていた。
「おおっと早速出迎えか!いやぁ気を使わせて悪いねぇ」
両手を広げながら笑って近づこうとするが銃を突き付けられ固まる。
>「ビジネス目的なら手にある得物全部その場に置きな、そうじゃねぇのなら俺に殺される前に逃げるんだな」
その言葉に凄まじく困るガレス、そもそも自分の得物など持っていないのだから。
強いていうならばこの四肢が得物だ。
>「これはまた…取引相手に対しずいぶんな出迎えですね?
>あなたは目には目をという言葉はご存知ないのですか?武器を向けられたのなら、こちらも相応の対応を取らざるをえないのですけど」
儚が煽ったことに対しあちゃ〜と言った様子で手を顔に置く。
向こうの感じからすると儚の言葉は逆効果、事務的に処理されこちらを攻撃してくる可能性が高い。
見れば周りの人たちも得物を置くどころか警戒し戦闘態勢を取り始める。
空気が殺気だっていくのを感じ仕方ねえと構えるガレス。

しかし、その時突風が吹いたかと思うと銃を構える男の後ろに、
シルフィードを纏った男が現れる。その姿を見て構えていたガレスがふと構えをやめ、
目の前にいる人物を信じられないように呟く。
「六武神……こんなとこまで絡んできてるのかよ」
55テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/05/02(土) 15:43:12 0
>48 >50-52 >54
みんなが臨戦態勢に入り、一触即発の空気が流れる……。
その時! 一陣の風と共に現れた人物が銃を取り上げた。
>「六武神……こんなとこまで絡んできてるのかよ」
「言っただろ? この森で刃傷沙汰は禁止だ! メープルアメでもなめて落ち着くんだ!」
現れたのは赤銅色の髪のエルフのナイトメア。
怖い顔してほのぼのしたことを言ったのは多分気のせいだろう。
「疾風のアルベル……なんで!?」
死霊皇帝軍六武神にしてまぎれもないメルちゃんの弟くん。
ボクが反応に困っている一瞬の間に、この前と同じように駆け寄ろうとするメルちゃん。
この前と同じように腕を一閃して突風を放つ弟くん。
しかしあさっての方向に放って狐につままれたような顔をする。
メルちゃんの水の精霊アクエリアの幻術にかかったようだ!
「お姉ちゃんを甘く見るな! I☆LOVE☆YOU!!」
「ぎゃあああああああああ!!」
物凄い勢いで飛び掛って抱きつくメルちゃんと、あまりの勢いに押し倒される弟くん。
「会いたかったよ〜アル! 
可愛いアルがお局や幼女にいじめられてるのかと思うと耐えられないよ!
僕たちが根に持たないのは知ってるでしょ? 意地張ってないで帰っておいで!」
「よ、幼女じゃない、妖魔だ!」
そのまま取っ組み合いをはじめて地面をごろごろ転がる二人。
ナイトメアの力を持ってすれば押しのけるのは簡単なはずなんだけど、その気がないようだ。
嫌よ嫌よも好きのうちとはこのことか。
「離せ! 六武神の沽券にかかわる!」
「なんだっけ。湿布のアルベル? 魔法学校の売店で販売したらウケるかも!」
「湿布じゃなくて疾風!! 頼むから販売しないで!」
「じゃあ六武神やってていいから魔法学校で非常勤講師しよう、そうしよう!」
「アホか! 魔法学校の正体ぐらい知ってるぞ!」
……この姉弟、一見似てないけどすごく似てるようにも見える。
隣では、いつの間にかそれぞれの主人から分離した
メルちゃんの美少年精霊と弟くんの美女精霊が手を取り合ってくるくる回ってる。
「姉ちゃん久しぶり!」
「元気でやってる?」
ああ、なんたるカオス。
56リウ ◆wloTUzYWbw :2009/05/02(土) 19:26:17 0
>>46
いきなり脅されるとはな、もしかしなくてもインペトゥスよりも話ができない相手か?
が、コイツが言うのももっともかもしれない。
そう判断し武器を抜こうとしたメンツを何とか収めたりする、特に……

>>50
>「これはまた…取引相手に対しずいぶんな出迎えですね?
あなたは目には目をという言葉はご存知ないのですか?武器を向けられたのなら、こちらも相応の対応を取らざるをえないのですけど」
「問答無用で攻撃してくる奴もいる、動きを止める目的ならこういう脅し文句は効果的だろ?」
そういいとりあえず落ち着かせることにした。主に『コーヒー豆』を渡して。軽く侮辱してるかもしれないな、これ。
……あれ? 俺こんな役割だっけ?

>>52
>「ある人は言いました…『術に頼るか雑魚どもが!』と。
 そしてこちらが魔法を使うものなら 魔 法 で 仕 返 し してきました。
 つまりは…卑怯!
 そっちが銃持っておきながらこっちのものはその場に置けって言うのは認めません。
 あぁ、その人はこうも言ってました。『男に後退の二文字はねぇ!』とも…」
「ソル、そいつ相手には『卑怯? ソイツだから仕方がない』と誰もが諦める道だ。あとアイテムを使うと秘奥儀をかます人だな」
とりあえずソルの言葉を繋げる。ひとまずこいつが本当に『店員』かどうかまだ分からないしな。

>>55
そんな事をしていると一人の敵が来る、それは…六武神。
まさかコイツがいるなんて、と思っていたら。
>「お姉ちゃんを甘く見るな! I☆LOVE☆YOU!!」
>「ぎゃあああああああああ!!」
メルが突撃してアルベルを押し倒していた。なんだアリャ。
間違いなく六武神の一人が一瞬で台無しになったぞ。主にプライドが。
「どの世界でも姉妹がいる家族は兄弟は苦労する宿命か」
なんか呟いていた気がついたら。
とりあえずいつでも抜けるようにしていた魔導銃をホルスターから引き抜き逆手に持つ。
コイツは簡単にいえば『戦う意思がない』と見せるためだ。こういうのはこちらは常に下手に出たほうがいいからな。
57ディスト ◆2l1/Dgk7EY :2009/05/02(土) 23:34:33 O
飛行船を見失わずに、追ってきたのは良いものの
そこにあったのは素晴らしき(?)世紀末な空間だった訳で。
銃器を抜き放って一触即発な雰囲気かと思いきや、乱入に継ぐ乱入で
話が進まなさそうなことになっているではないか

>>52
>「ある人は言いました…『術に頼るか雑魚どもが!』と。
そしてこちらが魔法を使うものなら 魔 法 で 仕 返 し してきました。
つまりは…卑怯!
そっちが銃持っておきながらこっちのものはその場に置けって言うのは認めません。
あぁ、その人はこうも言ってました。『男に後退の二文字はねぇ!』とも…」

聞き憶えのある言葉を聞いてピン!と閃く
ここは小粋なジョークでさり気なく会話に入っていって
やはりさり気なく、この森からおさらばさせてもらおう
「今は悪魔が微笑む時代なんだよぉ!!
ってか?」
カラカラと笑いながら船に近づいていく
個人的にはナギッ!!とかジョイヤー!!とか言おうかとも悩んだのだが。
「そんな顔すんな。俺はディスト・セルマーって剣客だ
そこの船は商船か?なら俺もついでに運んでくれよ
道に迷っちまってさ」
言ってから思う。これじゃ事態を余計に混乱させているだけなのだ
58浮橋 儚 ◆HFrHaINso. :2009/05/03(日) 00:45:05 O
銃を構えた男の背後から現れた新たな人物…テイルはアルベルと呼んでいた…突然奇声を上げてアルベルに飛び付くメルさん、いつの間にか出現しじゃれ合う精霊達、そしてさらに現れた、見たところ全く関係なさそうなディストという男…。
状況はまさにカオスだった。銃を構えていた男も呆気にとられている様子だ。
とりあえず…

>>56
>「問答無用で攻撃してくる奴もいる、動きを止める目的ならこういう脅し文句は効果的だろ?」
そう言いながらコーヒー豆を差し出すリウ。
状況は混乱しているが、まず相手にすべきはリウ…もとい、この阿呆だ。
にこやかに振り返りつつ、腕を取る。
「言い分はごもっともですけど…人にそのような振る舞いは────ッ」
身長差を利用し、有無を言わせず体勢を崩す。
一瞬の後、膝を付き背後から腕を固められ、首をやんわりと絞められているリウの姿があった。
「───どうかと思いますよ?」
もちろん豆は引ったくってある。その姿勢を維持したまま、リウの耳元で諭す。

やがて、リウに絡めた腕を離しながら、ひとまず最初の物騒な男に声を掛け仕切り直す。アルベルはなんかすごい事になってるからスルー。
「えーと、とりあえずあなたは材木業者の方ですか?
わたくし達はオーストラフから材木の買い付けに来た者ですが…連絡は行っているようですね。
業者と客が争う理由はありません、ひとまず話し合いましょうか」

>>57
ついでに…と言っては失礼か、新たな闖入者にも会釈。
「商船ではありませんが…今は似たようなものです」
そしてテイルの方へ視線を向ける。旅のナビゲーターであるテイルの方が、こういった役回りに向いているだろう。
59乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/05/03(日) 02:09:55 0
>>52
>「ある人は言いました…『術に頼るか雑魚どもが!』と。
 そしてこちらが魔法を使うものなら 魔 法 で 仕 返 し してきました。
 つまりは…卑怯!
 そっちが銃持っておきながらこっちのものはその場に置けって言うのは認めません。
 あぁ、その人はこうも言ってました。『男に後退の二文字はねぇ!』とも…」

すごい事を言う人物が居るものだと感心していたが、実際その通りだと思った。
相手の様子を見る限りでは話し合いが通用するとは限らないからだ。

>>55
男の背後から突然誰かが現れる。テイル殿が驚いてる様子で、
>「疾風のアルベル……なんで!?」
テイル殿が知っているという事は顔見知りか?と見ていると
物凄い勢いで彼に抱きつき、一緒に倒れる。
話を聞いている限り、兄弟あるいは家族の関係らしい。
しかもそれに付き添う精霊もそうらしい…
「ははは……」
笑うしかなかった。
>>57
このなんとも言えない状況の中に話しかけてくる者が現れる。
ディストと名乗った彼に話しかける。
「拙者はただの同行者でござる…テイル殿に聞いてみないことには…」
テイル殿に話を振る。さすがに一人旅ではないので意見を聞いてみる。
60テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/05/03(日) 23:21:20 0
>56-59
メルちゃんとアルベル君は楽しそうだからもう少しそっとしといてあげよう。
通りすがりっぽい人が話しかけてきた。
>「そんな顔すんな。俺はディスト・セルマーって剣客だ
そこの船は商船か?なら俺もついでに運んでくれよ
道に迷っちまってさ」
>「商船ではありませんが…今は似たようなものです」
>「拙者はただの同行者でござる…テイル殿に聞いてみないことには…」
二人の視線がこっちに集まる。

勇者の冒険マニュアル
・来るものは拒まず。
・困っている人をみかけたら助けるといい感じで話が進むよ!

ごくたまにそれが裏目に出て一杯食わされるパターンもあるらしいがその時はその時なのだ。
随分長い間放浪したような格好をしているし本当に道に迷ったのだろう。
「商人じゃあないんだけど今回は依頼で木材買いに来たんだ。一緒に行こう!」
でも今回は最近勇者を名乗った強盗が出てるって話があるから念の為に。
「大した意味はないんだけどこれ踏んで!」
恒例のドキドキ魔族……もとい、ドキドキ死霊皇帝軍裁判開廷である。
(魔族だからって死霊皇帝軍とは限らないのだ)
ディストくんの足元に
死霊皇帝→【ヒゲはえたうさんくさいこぎたないおっさんの絵】の巻物を広げる。
61バラグ(代理):2009/05/04(月) 18:46:10 0
飛空艇に乗り込んでから思い出したが、目的地はどこか聞いていなかった。
仲間に目的地は何処だと質問をぶつけてみた所、目的の場所は『魔風の森』だという。
黒い魔導師が俺を改良する時に頭の中に入れてくれた『情報』によると、
その森の近くに“倒すべき敵”の本拠地があり六武神の一人疾風のアルベルがいる。
一見するととても問題がありそうだがそう大きな事は起こらないだろう。
己の本拠地の周りで暴れられたら困るだろうから一々手を出してきたりはしないだろう。

空の旅は順調で何事もなく目的地に到着した。
船を降りて周りを見渡すと大きな木々が目に入り、それ以外はこれといった物はない。
当然だが何処を如何見渡しても城などという物はない。何故なら城は地下にあるのだから。
死霊皇帝の城は、この辺りの地下深くにあると『情報』にある。
そしてその城は死霊皇帝軍の証明の証がなければ入れない。

周りを見渡して色々と考えてた時に一人の男があわられた。
その男は、この世界の一般人は詳細を全く知らないだろう武器を持って話しかけてくる。
その者の名は鴉。以前に会った事のある男だ。
確か『情報』に因るとバルトールの部下として死霊皇帝軍は登録しているとのこと。
鴉の行動のせいで皆が戦闘体勢に入りかけたが『情報』通りの人物が現れたお陰で何も起きずに済んだ。

姉弟仲良く?取っ組み合いをするアルベルとメルディ……六武神処か死霊皇帝軍らしくない男だ。
この姿の“疾風”を見たら他の六武神達は如何反応するのだろうか?バルトールが激怒するのは目に見えてるがな。

そして現れた関係のない男ディスト。見た感じただの野次馬だろう。
ディストを見たテイルは何時もの感じで話しかけている、そのうち一緒に旅する事になるだろう。

それにしてもやはり何故か鴉やガレスの事を言う気には成れない。
黒い魔導師の言葉道理ならば前俺の意思を揺るがしていた者はなくなった筈、なのに何故?
もしやあれは嘘だったのか?…いや確かに無くなった、あれは嘘ではない。
じゃあこれは?意思ではない別の何か、己の根本にかかわる何か。それが関わっている。
今度また黒い魔導師に会ったらこの事を言おう。これが何か黒い魔導師ならば直ぐに解るだろうから。
62ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/05/04(月) 19:21:39 0
>58
地面を転がり回っているアルベルをみて構えを解くガレス。
(こういう奴を入れるってことは旦那もずいぶんと変わったもんだぜ)
しかしその顔はじゃれ合っている二人をみて微笑んでいるものではなく、
六武神の近況を知って半ば呆れている顔だった。
だがこれで不要な戦闘は避けられたということだ。
安心するともう一人知らない人間がいることに気付く。

>「そんな顔すんな。俺はディスト・セルマーって剣客だ
>そこの船は商船か?なら俺もついでに運んでくれよ
>道に迷っちまってさ」
こんなところに迷い込む。随分と珍しい、もとい作為的なものガレスは感じたが、
別に向こうがどんな気だろうがガレスには関係ない、いつもどおりに接するだけだ。
「いいぜいいぜ。じゃんじゃん乗ってくれよ。旅は人数多い方が楽しい、なあテイルちゃん?」
テイルを見る。テイルならば断ることはない、そう思ってのことだった。

>60
>「商人じゃあないんだけど今回は依頼で木材買いに来たんだ。一緒に行こう!」
そして巻物を広げ魔族、もとい、死霊皇帝軍裁判を始めるテイル。
「なるほどねぇ。魔族だからって悪いやつとは限らないもんなぁ」
魔族から死霊皇帝軍に直したことに気付いてガレスはテイルに笑いかける。
そして自分が死霊皇帝軍なのを棚に上げてディストに近づいて肩に手を置く。
「ささ、思う存分このむかつくおっさんの顔を踏みつけるといいぜ!」
63浮橋 儚 ◆HFrHaINso. :2009/05/05(火) 01:06:07 O
>>60
テイルが踏み絵を示している。…どこかで見た光景…ああ、ガレスも受けていたのか、と納得。
モニタ越しに小汚ない絵を覗き込むヨウが不満そうに声を上げる。
『テイルちゃん、これってホントに死霊皇帝の肖像なの?
皇帝って言うならこんな画力もない肖像描かせるかなー?ってゆーかあたしの美的感覚がこれを許せないし!
儚さんっ、もし死霊皇帝がホントにこんなおっさんだったら、お約束とか無視してサックリ殺っちゃって下さい!カッコ悪いボスとか邪道ですからっ!』
…密かに、この世界をゲームやトレカ化したいって言ってたっけ…だからビジュアル的に許せないのろう。…多分。
とりあえず、変な誤解を与えないようディストへ補足。
「実はわたくし達、光の勇者として旅をしていますので…すみません、ご協力頂けますか?」
『むしろ踏み抜いちゃって! あたしの理想郷におっさんはいらないからっ』


さて、このあと材木を積んでしまえば当然重くなり、帰路は3日ではきかないだろう。
だからこの辺りで一旦水や食糧の補給もしなければならない。
付近に村があるのなら、買い付けにあわせて交渉すべきだろうか。
64乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/05/05(火) 01:50:12 0
>>60
>「大した意味はないんだけどこれ踏んで!」
取り出したのは小汚い踏み絵だった。
「またやるでござるか…」
ガレス殿の時と同様やっぱりやるらしい。
「通過儀礼みたいなものでござるよ…力を抜いてやって欲しいでござる」
とりあえず笑って雰囲気を和ませることにした。
内心、異教徒の踏み絵強要を見ている様でなにか違和感を感じていたのは事実だが。

65鴉 ◆DTuJIV5vgY :2009/05/05(火) 02:41:29 O
相変わらずあの妖精の姿は見えないが、あの調子は変わってないらしいな
他の連中はときたら、なんか白衣を着込んだ教授?っぽい姉ちゃんは殴りかかる勢いで近づいているわ、あのガキは俺のこと卑怯者呼ばわりするわ
「…ったく、こっちの事情も知らないくせに」
とその時、颯爽と現れたアルベルが銃を取り上げ、頭を冷やせと言ってきた。
「おいおい、人間相手の時は俺に任せるんじゃなかったのか?
 それにな、カルト教団騒ぎの次の日だぜ?警戒して何が悪いんだよ
 村の連中だって、みんなビビって隠れたしな」
とアイツに文句を垂れてみるが、アイツはアイツで取り込み中のようで、聞いてるのか聞いていないのかわからない

そんな中、仕切り直して教授が商談を持ちかける
途中、変なバカは出たがそこはバカどうしでなんかやっててくれ
「悪いが言ってることがさっぱりわからねぇな
 連絡?おいおい先生ぇよぉ何勘違いしてんだ?
 おたくらは、アポもなしにそのデカブツで乗り込んで来たんだぜ?
 悪いがコイツは他のとこに回すブツだ」
もちろん、これはぼったくるための嘘だ。
この木材はこいつら用にしたものだ。
じゃれあいながらも、こっちに視線を送るあいつに、煙草を加え『問題ナシ』と伝える。
「だが、あんたらがそんなにコレを売ってほしいんなら、別に売ってやってもいいが…
 当然、値は上げさせてもらうぜ
 勿論、ただ値を上げただけじゃつまんねぇだろうからオマケぐらいつけるぜ」
相手の表情を伺いながら、話を進めるが…やはり、明確な金額表示が必要になるだろう
「これぐらいなら大体一本100万G前後が普通だが…もし今買いたいなら一本150万ここにあるの全部買うなら…シメて1500万Gになるな」
と馬鹿みたいな値段を叩きつけ、連中が唖然とするする前に畳み掛ける
「の…所を、日用必需品、食料、水を1ヶ月分つけてお値段なんとプライスダウン!998万Gでどうだぁ!」
66ディスト ◆2l1/Dgk7EY :2009/05/05(火) 17:23:36 O
>>58-65

>「商人じゃあないんだけど今回は依頼で木材買いに来たんだ。一緒に行こう!」

リーダー格らしきヤツは俺の無礼な頼みを快く引き受けてくれる
いいヤツじゃないか
>「大した意味はないんだけどこれ踏んで!」
と思ったらいきなりそんな事を頼んできやがった
この顔に特に見覚えはないのだが………
「なぁ―――」
>「ささ、思う存分このむかつくおっさんの顔を踏みつけるといいぜ!」
「いや―――」
>「通過儀礼みたいなものでござるよ…力を抜いてやって欲しいでござる」
「しかし―――」
>「実はわたくし達、光の勇者として旅をしていますので…すみません、ご協力頂けますか?」
「だからって………」
なぁ?
人の顔を踏んづけるなんてなかなか出来ないだろうに
しかしこのチャンスを逃すとここから逃れられるかアヤシくなっちまう
「そんな事をしているから、こんな不毛な戦いが続くんだ」
と、ぶつくさ言ってる最中にガラの悪いヤツが
こう言ってきやがった
(中略)
>「の…所を、日用必需品、食料、水を1ヶ月分つけてお値段なんとプライスダウン!998万Gでどうだぁ!」
かっちーん
なんだコイツは?解ってない
意図はしてなかったが、巻物を踏みつけてぼったくり男へと詰め寄る
「一本150?えらく高級だな。え、兄弟?
高々材木なんざ100にしたってまだ高いっての
木材の間に白い薬でも詰めてるのか?」
ニヤニヤ笑いながらまだまだ話す
剣客という職業柄、おクスリ捌いたり人をバラしたり系の
ヤバい仕事には精通している。その経験からするとコイツは雇われだ
「兄さん、物の解らない雇われバイヤーにゃ用はないんだ。販売係出しな
ホンモノのプロってのはふっかけない、付加価値なんざつけない、値引きしない
おわかり?」
マトモな商売ってのはそういうもんだ。特に商品に自信のあるトコはな
ふっかけると最終的には販売元の不利益になる。そういうもんだ
…………と言っているのを聞いた事がある
とにかく、コイツのやっていることは誇りを汚す行為
許されない行為だ。
まぁ、『物を知らないのはお前。コレが適正価格だ』と言われれば
オレが恥ずかしい思いをする訳なんだがな

はやりニヤニヤしながら言い終わり、またしても気付く
突然出てきてバイヤーに文句をつける
一体どんな武芸者なんだ、俺?
67テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/05/05(火) 20:14:05 0
>65-66
>「おいおい、人間相手の時は俺に任せるんじゃなかったのか?
 それにな、カルト教団騒ぎの次の日だぜ?警戒して何が悪いんだよ
 村の連中だって、みんなビビって隠れたしな」
メルアル姉弟は相変わらず取っ組み合いを続けていた。
「カルト!? 可愛いアルから強盗するなんて許せない!
銃つきつけるまでしなきゃいけないって……余程怖い思いしたんでしょ!
僕達がやっつけてやる! なんてったって勇者だもん!」
「アホか! 光の勇者が六武神助けてどうすんだ!」
「副業なんだから六武神関係ないじゃん!
それに全部知ってるんだよ? 魔法学校の情報網はすごいんだから!
見捨てられた人達をかくまってるんでしょ? 優しい弟を持って誇りに思うよ!」
「魔法学校!? ギャグ専門組織だと思ってノーマークだった!」
「殺人禁止」とか言う上に見捨てられた人をかくまうとは……
死霊皇帝軍内で相当いじめられてそうなのは想像に難くない。
一方のディスト君はうさんくさいおっさんの絵を踏むのに気が進まない様子。
>「そんな事をしているから、こんな不毛な戦いが続くんだ」
「……いきなり変な事頼んでごめん、忘れて」
アルベルくんを見てると悪い事をしてるような気がしてきた。今度から他の方法を考えよう。
巻物をしまい、代わりに飛空挺内で見つけた観光にぴったりのコンパクト魔導カメラを取り出す。
メルアルの微笑ましい光景を残しておこう。
「二人ともこっち向いて〜はいチーズ!」
「そこの妖精! 撮るんじゃないうわなにするやめ!」
パシャッ。いい写真が撮れた。メルちゃんが見に来て嬉しそうに言う。
「よーし。たくさん印刷して飛空挺からばらまこう!」
「返せ! 返してくださいお願いします!」
「やーだよ♪ 来年の魔法学校の教科書に載せるよ!
激写!疾風のアルベル(下側)→【取っ組み合う二人の写真】って!」
「俺は六武神だぞ! 偉いんだぞ!」
アルベルくん涙目。そろそろ可哀想になってきた。

>「の…所を、日用必需品、食料、水を1ヶ月分つけてお値段なんとプライスダウン!998万Gでどうだぁ!」
お使いに来る時にもらった相場額より遥かに高い金額。俗に言うぼったくりである。
食ってかかろうとしたその時。会ったばかりのディスト君が交渉をはじめてくれた。
>「兄さん、物の解らない雇われバイヤーにゃ用はないんだ。販売係出しな
ホンモノのプロってのはふっかけない、付加価値なんざつけない、値引きしない
おわかり?」
続いて出てくる販売係。眼前で繰り広げられるメルアル姉弟の美しい姉弟愛。
「うぅ……もうタダでいいから木材持ってさっさと帰ってくれ……」
「やだよ! アルをいじめるカルト集団放置して帰れないよ!」
ディスト君の説とは裏腹に販売係がめっちゃ値引きしてるが、二人を見て名案がひらめいた。
それにこのままだとメルちゃんが帰りそうにないし。
「それじゃあ……カルトをとっつかまえたら代金減額でどうだっ!」
68ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/05/05(火) 23:19:39 0
>65
>「これぐらいなら大体一本100万G前後が普通だが…もし今買いたいなら一本150万ここにあるの全部買うなら…シメて1500万Gになるな」
面倒だから交渉事は他の頭の良い人間に任せようとしていたガレスだが、
これには流石に黙っていられなかったのかムッとした表情で鴉に大股で近づく。
「おいっ!そんなふざけた値段、俺だってボッたくりって分かるぜ!!
 余所者だからってそりゃあないんじゃないの?」
と、息巻くガレス。流石にあまり小事には拘らないといえど相当お怒りのようだ。
だが、次の鴉の言葉を聞いてその怒りの表情も収まる。
>「の…所を、日用必需品、食料、水を1ヶ月分つけてお値段なんとプライスダウン!998万Gでどうだぁ!」
「やっすぅぅ〜い!!502万Gもまけてくれるの!?あんた良いやつじゃねえか!
 よっしゃ買った!んでテイルちゃんいまどのくらい持ってるの?」
こういう人は真っ先に色んな商売にひっかかるので注意が必要だ。
幸いなことに、早速新入り認定してしまっているディストが鴉に食ってかかる。

>66
>「兄さん、物の解らない雇われバイヤーにゃ用はないんだ。販売係出しな
>ホンモノのプロってのはふっかけない、付加価値なんざつけない、値引きしない
>おわかり?」
その言葉に顔を赤くしながらオホンッと一回咳き込み。
テイルやリウなどの方を向き冷静な口調で語り始める。
「あー……そうそう、プロってのはそういうもんだ。俺も根なし草のプロであるわけだから。
 もちろんこの男は怪しいって思ってたぜっ!!ほらほら販売係出しちゃいな!」
根なし草のプロなどろくでもない張り合いをしながら、さっきとは打って変わって鴉に強く出るガレス。
その後もテイルがカルト教団を捕まえたら代金減額という提案を持ちかけている横で、
リウやソルにさっきのは芝居だと苦しい弁明を続ける。
「つかあんた!そんなあくどい商売して親が泣いちまってるぜ?」
とうとう鴉に対して情で訴えかけるという何ともボキャブラリーのない行動に出始める。
69乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/05/06(水) 01:34:45 0
>>65-66
>「そんな事をしているから、こんな不毛な戦いが続くんだ」
「…そうかもしれんでござる」
思わずポロリと心で思っていたことを呟いてしまう。
>「おいおい、人間相手の時は俺に任せるんじゃなかったのか?
 それにな、カルト教団騒ぎの次の日だぜ?警戒して何が悪いんだよ
 村の連中だって、みんなビビって隠れたしな」
カルト教団?そんな騒ぎがあったのか…と本気で信じかけたが
次の言葉でそれはがらりと変わる。
>「だが、あんたらがそんなにコレを売ってほしいんなら、別に売ってやってもいいが…
 当然、値は上げさせてもらうぜ
 勿論、ただ値を上げただけじゃつまんねぇだろうからオマケぐらいつけるぜ」
>「これぐらいなら大体一本100万G前後が普通だが…もし今買いたいなら一本150万ここにあるの全部買うなら…シメて1500万Gになるな」
と馬鹿みたいな値段を叩きつけ、連中が唖然とするする前に畳み掛ける
「の…所を、日用必需品、食料、水を1ヶ月分つけてお値段なんとプライスダウン!998万Gでどうだぁ!」
900…た、高い高すぎるこれは明らかにおかしいと思った時、
ディスト殿が異議ありと反論する。
>「一本150?えらく高級だな。え、兄弟?
高々材木なんざ100にしたってまだ高いっての
木材の間に白い薬でも詰めてるのか?」
>「兄さん、物の解らない雇われバイヤーにゃ用はないんだ。販売係出しな
ホンモノのプロってのはふっかけない、付加価値なんざつけない、値引きしない
おわかり?」
まるで本物の商人だと思うほどの指摘と交渉術だったため感心した。
70鴉 ◆DTuJIV5vgY :2009/05/06(水) 02:58:14 0
>「やっすぅぅ〜い!!502万Gもまけてくれるの!?あんた良いやつじゃねえか!
> よっしゃ買った!んでテイルちゃんいまどのくらい持ってるの?」
この言葉を聞いた瞬間、俺は六割方決まったと思った。
これは通販の黄金パターンだ。初めにちょいと高めの金額を提示し、「高い」と思わせてから
「オマケ」を付け、一気に値下げをする。そんで最後にオーディエンスからの「安い」の一言
だが、まぁこれは正規の値段であるからこそ上手く行くのであって…

降りしきる罵詈雑言、スルーしたバカが思いっきり食いついてきやがった。
なんだその満足げなその顔、確かに原価率10%以下の暴利暴利だが…
「…フーッ」
バカの顔に思いっきり煙を吹きかけ、空を仰ぐ
とにかく今は頭を冷やしたい、このまま激情に身を任せたり、このバカに調子づかせてしまうと
『事故』が起こりかねない。

「とりあえず…ちょっとその話は待て…今はこのバカを黙らせたい」
妖精の提案は一時保留だ…まずは、この感情とこの木偶の坊を黙らせたい。
そう思った俺は、徐にナイフを取り出す。
>「おい!おちつけ」
何を勘違いしたかというか、語気に若干殺気がこもっているのだからしょうがない。
アイツが止めに入ろうとするのを掌で静止し
「だから、まかせろっつってんだろうが!…大丈夫だ…こんな場所でやるほどバカじゃねぇよ」
>「…じゃあ、それはなんだよ」
「それは今から分かる…ホラよ」
と、俺はナイフの柄を目の前のでくの坊に向け、ナイフを渡した
「ほぼ新品と言ってもいい…材質はおそらく鉄あたりだろうな、皹もないし、
 それなりの強度はある…確認したら返せ」
返却されたナイフを手に、材木へ近寄る
「さて…こいつをコレに振り下ろしたらどうなるだろうな…斬鉄剣レベルなら真っ二つ
 まぁそこそこの奴でも大なり小なりの傷はつくだろうな…こんなナイフでもな…」
そう言って、俺は躊躇い無くナイフを材木へ振り下ろした。
次の瞬間、周りの奴は耳を疑い、その後、目を疑うだろう。

振り下ろしたナイフは儚げな金属音を上げ、材木に傷をつけることなく真っ二つに折れたのだ。
「青葉の楓がただ魔力が篭った高級材木だと思ったのか?
 こいつの最大の売りはこの頑丈さだ!切り出してから半年から1年は鉄をも凌ぐ強度を持ち
 腐食にも強い、一年を過ぎても頑丈さは徐々に弱まっていくだけで、
 杉や檜並みの強度まで落ちるまでにはおおよそ10年掛かる
 コイツを家具に使えば、孫の代まで使える嫁入り道具にもなるし、家に使えば、地震に怯える生活からしばらく解放される
 軍艦やそういう軍事目的で使えば、しばらくは無敵の戦艦が作れる
 まぁ切り出しと加工にゃちょっとした技術が必要になるが、そこは腕の立つ職人でも雇うんだな
 それに加えて、こいつは一番質のいい芯の部分だ。所謂極上…例えりゃビンティージ物のロマネコンティってなとこか
 さて…ここまで聞いて、これに一本100万G価値は無いとでもいうかい?」
以上の内容は受け売りだが、一通り説明をし終え、材木に腰をかける。
「それに…だ。
 俺は始めに言ったはずだ。コレは買い手がついているってな
 それでも欲しいなら値を上げると…仮にあんたらに売ったとした場合、俺はその買い手に頭下げて
 違約金やらなにやらとがっぽり持っていかれるわけだ。ちなみに値引いた502万Gは
 いろいろあったが、あんたらに銃を向けた慰謝料として譲歩した結果がそれだ
 あと、俺のやり方が素人のやり方だといったな…これは1分間に三億稼いだある男のやり方さ
 まぁソイツの場合、もっと愛想がよくて、話術も達者だがな…知った口聞くんじゃねぇよ」
71鴉 ◆DTuJIV5vgY :2009/05/06(水) 03:10:08 0
「よし、余計な邪魔が入ったがコレの価値は十分理解していただけたと思う
 テイル、てめぇの提案は飲む、出来高引きで最大五割は約束してやるよ」
材木から腰を上げ、あいつの元へ歩きながらそう答える。
「しかしだ…下手したらあんたらの評判がガクっと下がる可能性がある
 なぁ…昨日来た過激派カルトの名前ってなんだったっけな?」
>「だからカルトじゃなくて、ガイア星教団だって」
「確か刃のとかなんたら言ってたしなぁ過激な言動の割には弱いしエグい真似しかしねぇしな」
アレ?なんだこの空気、なんか不味いこと言ったか?
72テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/05/06(水) 13:21:19 0
>70
ナイフを取り出す鴉さんを見て
滅多に教師には見えないメルちゃんが久々に教師風を吹かせ始めた。
「なんなのこの不良部下! 六武神って偉いんでしょ? 言って聞かせなよ!」
「それが……言っても聞かないし怖い顔しても効き目ないし……
この人が来てから売り上げは急増したんだけど別に利益あげたいわけでもないし……」
上からはいいようにあしらわれ下からは突き上げられる中間管理職の悲哀全開である。
「僕が言ってあげる!」
「頼む! やめてくれ!」
導師メルディのミラクル説教タイム開始かと思われたその時。ナイフが真っ二つに折れた。
「わあ!」
目をキラキラさせながら賞賛の拍手をおくるメルちゃん。もちろんボクも一緒に拍手。

>71
>「よし、余計な邪魔が入ったがコレの価値は十分理解していただけたと思う
 テイル、てめぇの提案は飲む、出来高引きで最大五割は約束してやるよ」
メルちゃんの顔がぱっと輝く。
「半額にしてくれるって! おばあちゃんに通信して振り込んでもらうよ!」
「僕僕サギですね、分かります! でもティア様そんなにお金持なの?」
アルベルくんがその疑問に答える。
「あの人昔からいかがわしい占い屋やって大儲けしてるからな。
すぐそこによろずやエイトゥレルブがあるから引き出せるぞ」

>「しかしだ…下手したらあんたらの評判がガクっと下がる可能性がある
 なぁ…昨日来た過激派カルトの名前ってなんだったっけな?」
>「だからカルトじゃなくて、ガイア星教団だって」
>「確か刃のとかなんたら言ってたしなぁ過激な言動の割には弱いしエグい真似しかしねぇしな」
その言葉を聞いて一瞬なんともいえない空気が流れる。
が、すぐにガイア星教団は滅茶苦茶強い武装集団のはずと思いなおす。というかそう思いたい。
「あ。ああ、多分大丈夫。どうせ勝手に名乗ってるだけの集団でしょ」
「そ、そうそう! 捕まえたら魔法学校に連行してVIPルームに放り込んでもいいし!」
ちなみに、メルちゃんの言うVIPルームとは魔法学校のどこかに存在するという
どんな悪人でも1週間も入っていれば
愛と勇気と正義の使者となって出てくるという恐怖の部屋のことだ。
73バラグ(代理):2009/05/07(木) 02:50:48 0
飛空艇に乗り込んでから思い出したが、目的地はどこか聞いていなかった。
仲間に目的地は何処だと質問をぶつけてみた所、目的の場所は『魔風の森』だという。
黒い魔導師が俺を改良する時に頭の中に入れてくれた『情報』によると、
その森の近くに“倒すべき敵”の本拠地があり六武神の一人疾風のアルベルがいる。
一見するととても問題がありそうだがそう大きな事は起こらないだろう。
己の本拠地の周りで暴れられたら困るだろうから一々手を出してきたりはしないだろう。

空の旅は順調で何事もなく目的地に到着した。
船を降りて周りを見渡すと大きな木々が目に入り、それ以外はこれといった物はない。
当然だが何処を如何見渡しても城などという物はない。何故なら城は地下にあるのだから。
死霊皇帝の城は、この辺りの地下深くにあると『情報』にある。
そしてその城は死霊皇帝軍の証明の証がなければ入れない。

周りを見渡して色々と考えてた時に一人の男があわられた。
その男は、この世界の一般人は詳細を全く知らないだろう武器を持って話しかけてくる。
その者の名は鴉。以前に会った事のある男だ。
確か『情報』に因るとバルトールの部下として死霊皇帝軍は登録しているとのこと。
鴉の行動のせいで皆が戦闘体勢に入りかけたが『情報』通りの人物が現れたお陰で何も起きずに済んだ。

姉弟仲良く?取っ組み合いをするアルベルとメルディ……六武神処か死霊皇帝軍らしくない男だ。
この姿の“疾風”を見たら他の六武神達は如何反応するのだろうか?バルトールが激怒するのは目に見えてるがな。

そして現れた関係のない男ディスト。見た感じただの野次馬だろう。
ディストを見たテイルは何時もの感じで話しかけている、そのうち一緒に旅する事になるだろう。

それにしてもやはり何故か鴉やガレスの事を言う気には成れない。
黒い魔導師の言葉道理ならば前俺の意思を揺るがしていた者はなくなった筈、なのに何故?
もしやあれは嘘だったのか?…いや確かに無くなった、あれは嘘ではない。
じゃあこれは?意思ではない別の何か、己の根本にかかわる何か。それが関わっている。
今度また黒い魔導師に会ったらこの事を言おう。これが何か黒い魔導師ならば直ぐに解るだろうから。
74リウ ◆wloTUzYWbw :2009/05/07(木) 17:36:57 0
>>58
>「―――どうかと思いますよ?」
と、いいながら首を絞めてくるハカナ。
別にいいが誰か武器を抜くことを耐えた俺を褒めてくれ。

「というか、豆はキチンと回収するんだな」

そこまで好きなのかコーヒー。
とは言わないでおいた。


「……どこのセールスマンだアレ」

とりあえず目の前の鴉って奴は何がしたいのかわからなかった。

>>67
……アルベル。
いつか平穏ある世界に行くんだ。俺はそれを見ても誰にも言わないからな。

>「それじゃあ……カルトをとっつかまえたら代金減額でどうだっ!」
「微妙に割に合わない気がするのは俺だけか、それ」
ヘタすりゃ木々を吹き飛ばしての大乱闘に発展するかもしれんぞ、それ。

>>68
>「あー……そうそう、プロってのはそういうもんだ。俺も根なし草のプロであるわけだから。
 もちろんこの男は怪しいって思ってたぜっ!!ほらほら販売係出しちゃいな!」
「お前、絶対宝くじを十枚買ってそのうちの一枚が五等に当たっても大喜びする奴だろ」
呆れながら俺は必死に弁明を続けるガレスに呟いた。

>>72
>「あ。ああ、多分大丈夫。どうせ勝手に名乗ってるだけの集団でしょ」
「……あるいはそれの部隊の一つか。もしかしたら数倍に膨れて復讐に来るかもしれないな」
出来れば否定したいところだがな。
そしてメル。VIPルームってのがどんなところか分からんがあえて言う『危険』としか聞こえんぞ。
75乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/05/07(木) 20:57:14 0
>>71-72
>「確か刃のとかなんたら言ってたしなぁ過激な言動の割には弱いしエグい真似しかしねぇしな」
>「あ。ああ、多分大丈夫。どうせ勝手に名乗ってるだけの集団でしょ」
カルト教団とやらの意味がわからないのでテイル殿に聞いてみるとどうやら
一般人を拉致したり血生臭い儀式をする危ない宗教団体らしい。
「そんな事をする集団なんて到底許せん!!今すぐ叩き潰しにいくでござる!」
完全にスイッチが入ってしまったようである。
76テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/05/08(金) 23:03:22 0
>74
>「……あるいはそれの部隊の一つか。もしかしたら数倍に膨れて復讐に来るかもしれないな」
数倍に膨れて復讐、の言葉にメルちゃんが血相を変える。
「アル、昨日来たそいつらどうしたの?」
「大して強くもなかったから大根振りまわして平和的にお帰り戴いた」
姉が長ネギなら弟が大根か。などと感心している場合ではない。
なにしろ相手はまともな理屈が通用しないカルトだ。
大根で追い払われた屈辱をはらすために大軍団で攻め込んでくる可能性が否定できない!
「去り際に“今日のところはこの辺にしといてやる!覚えとけー!”とか叫んでたなあ。
もう来ないとは思うけど」
「いやいや、それ絶対来るよ!」

>75
>「そんな事をする集団なんて到底許せん!!今すぐ叩き潰しにいくでござる!」
「こっちから出向くよりもここで番しといたほうがいいような気がする!」
77テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/05/10(日) 00:01:24 0
「……昨日のって偵察部隊じゃない?」
「その可能性は否定できないな」
アルベル君の話を聞けば聞くほどカルトが報復にくる可能性が限りなく100%に近づいてきたため
闇の眷族達をかくまっている村につながってるらしい道で番をすることになった。
しばらくすると、そいつらは案の定現れた。
それは魔導車の集団、しかも無駄に美化された先代勇者のアホ貴族の肖像が描かれた魔導車だ!
一番豪華な車から、顔にけばけばしいメイクをして仰々しい服を着たおっさんが出てきた。
よく見るといつぞやのアホ貴族の子孫、トリウス家の当主である。
当主は魔導マイク片手に声を張り上げた。
「フハハハハハ! 我が名ははガイア星教団八重歯のエルトリウス派隊長
ミカワケン・イチ・トリウス!」
すかさずぼうけんのしょ第三章のページを開いてみんなに解説する。
「トリウス家とはアホな先代勇者ハーメル・エル・トリウスを初代として始まった
アスランディア王国を牛耳る勢力を持つ大貴族! 当主の趣味はカラオケだ!」
そこで解説を引き継ぐトリウス家当主。
「この度死霊皇帝軍の仕業により屋敷が大量虐殺の憂き目にあった!
一念発起した私は闇の勢力を殲滅することを誓いガイア星教団に入団。
有り余る財力を駆使して速攻で新たな派閥を立ち上げたのだ!
勇者御一行がこんなところにいるとは! 共に闇の軍勢を殲滅しようぞ!」
「とてつもなくやだよ!」
即答である。光の眷属としてはあるまじき発言だろうが嫌なものは仕方が無い。
次々と乗り付ける魔導車の荷台に所狭しと乗せられた団員達が降りてくる。
全員水鉄砲と、ニンニクの張り付いた変な剣を持っている。
「うわ、弱そう!」
「心配無用! 金に物を言わせた人海戦術の粋をお見せしよう!
目にやきつけよ、我が美しき変身シーン! 魔導アーマーSACHIKO展開!」
当主の仰々しい服が眩い光を放ち、別に見たくもない刺激的な変身シーンが展開される!
その過程で木があっさりと何本かなぎ倒される!
変身シーンが終わったとき、目の前には電飾に彩られた巨大な台座のようなものがそびえたっていた!
その上に立っている当主は、大袈裟な動作で魔導レコーダーのスイッチを押した!
「ミュージックスタート!【さそり座の漢】!」
「それ鎧じゃなくて舞台装置だから! ってか堂々と録音流すか普通!?」
「だって歌ってたらしゃべれないんだもん!
説明しよう! 魔導アーマーSACHIKOとは
装備した者の呪歌の効果を何十倍にも何百倍にも増幅する恐るべき魔導兵器である!」
レコーダーから大音量で呪歌が流れ始めると、弱そうな団員達がノリノリで突撃してきた!
「バーサク効果の呪歌!?」
「フハハハハ! この先に魔族の村があることは昨日の偵察部隊がつきとめてくれた!
汚物は消毒だー!」
当主の三流悪役然とした哄笑が響き渡る! それに対し、颯爽と大根と長ネギを構える姉弟。
「貴様らに潰されてたまるか! 必ず守り抜く! 魔剣大根ブレード召喚!」
「良く言った! 僕は君の味方だ! 出でよ、聖剣長ネギソード!」
一人一人はとてつもないザコだが呪歌のおかげで後先考えずに突っ込んでくる上にとにかく数が多い!
こいつはヤバイ、早くなんとかしないと大変な事になる!
78バラグ(代理):2009/05/10(日) 21:55:11 0
なんやかんやでぼったくり料金は、条件を満たす事で半額になって払う事が出来るようだ。
と言っても半額でもまだぼったくりなのだが…言ったら話がややこしくなりそうだから黙っておこう。
料金半額のためのその条件とは、人を殺さずにカルト集団を倒し村を守る事だと。
そして現れたカルト集団は…トリウス家の当主。
爆発球を受け怪我を負い倒れるトリウス家の当主の姿、過去に犯した罪が浮かび上がる。
しかし馬鹿馬鹿しく元気な姿を見て少し安心した。

バーサク状態の団員達が切りかかってきたが
特に構える事無く攻撃を受け止めると鉄同士が激しくぶつかる音が鳴り響いた。
鉄で出来た俺の体には傷一つ付いていない。
鉄を叩いた衝撃で痺れて動けない状態の団員達を気絶する程度の力で蹴り飛ばした。
蹴り飛ばされた団員達は、此方に向かって来る他の団員達へと衝突して気絶した。
79ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/05/10(日) 22:16:18 0
>70-77
>「お前、絶対宝くじを十枚買ってそのうちの一枚が五等に当たっても大喜びする奴だろ」
「わかってねぇな。富くじってのは夢を買うものなのよ。
 五等だろうが四等だろうが「当たった」ことに変わりはないぜ!」
論点がずれていることにも気付かず持論を展開しリウに対向している間に、
鴉とテイルの交渉は進み、どうやら最近ここいらを荒らし回っている
ガイア教団という奴らを倒すことになったらしい。
>「あ。ああ、多分大丈夫。どうせ勝手に名乗ってるだけの集団でしょ」
「いやでも、ガイア教団ってどっかで聞いたことがあったような……」
思い当たる節があるのか考えこむガレス。だが途中で面倒臭くなったのか
「まあいっか」で済ませてしまう。

>「……昨日のって偵察部隊じゃない?」
>「その可能性は否定できないな」
「そういう奴らほど後で人海戦術丸出しで来るもんだよな」
カルト集団の再襲撃が現実味を帯び始めたことによって、
テイル達は村につながっている道で歩哨のようなことをすることとなった。
もちろんガレスもそこに居たが草むらで寝っころがっているところからすると
やる気というのは皆無らしい。しかしそうも言ってられなくなった。
魔導車が集団でやってくる、どれもこれも変な肖像が描かれた
悪趣味としかいいようのない趣をしている。
そしてその悪趣味な魔導車からまた悪趣味な男が出てくる。
>「フハハハハハ! 我が名ははガイア星教団八重歯のエルトリウス派隊長
>ミカワケン・イチ・トリウス!」
音声拡張機器を口にあて声を張り上げはじめる男。
そのうるささに思わず顔をしかめ耳栓をするガレス。
>「この度死霊皇帝軍の仕業により屋敷が大量虐殺の憂き目にあった!
>一念発起した私は闇の勢力を殲滅することを誓いガイア星教団に入団。
>有り余る財力を駆使して速攻で新たな派閥を立ち上げたのだ!
>勇者御一行がこんなところにいるとは! 共に闇の軍勢を殲滅しようぞ!」
そして魔導車から武装された団員が隊列をなして降りてくる。
最も武装といってもニンニクの張り付いた剣など意味不明な武装だが、
交戦意識は明らかだ、ガレスも起き上がり首や手首を回し戦闘の準備をし始める。
>「心配無用! 金に物を言わせた人海戦術の粋をお見せしよう!
>目にやきつけよ、我が美しき変身シーン! 魔導アーマーSACHIKO展開!」
「ガイア教団ってこんな意味不明なイロモノ集団だったっけかなぁ……」
謎のあちこち光る台座に乗り、大げさな動作でレコーダーのスイッチを押す
トリウスを見て?マークを浮かべるガレス。こちらに向かってきている団員を目の前にして随分と余裕である。
>「バーサク効果の呪歌!?」
>フハハハハ! この先に魔族の村があることは昨日の偵察部隊がつきとめてくれた!
>汚物は消毒だー!」
80ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/05/10(日) 22:18:27 0
>78
バラグの活躍によってあっという間に向かってきた団員達は後列とぶつかり気絶する。
その隙にひるんだ後列にガレスは突っ込んでいき次々に拳や蹴りを叩きこむ。
いつも御世辞にも強そうとは言えないガレスだが、その動きはそこいらの腕に覚えがあるといった者を遥かに凌いでいる。
また手加減しているとはいえ人間より圧倒的に身体能力が高い魔族の拳。
叩きこまれた団員達は有無を言わさず地面に倒れこんでいく。
そして素早くトリウスへと足を進める。トリウスは相当恐怖しているのか後ずさりしながら叫ぶ。
「わ、私はかの勇者の子孫であるトリウス家の当主であるぞ!その私を…」
それに対しうんうんと相槌を打ちながらも更に近づくガレス。
「でもこっちもあれ、頼みごとされてるから仕方ないんだよね。
 まあ殺しはしないしちょっと気絶させてそこらに放置するだけだ。
 この機会に一回この村を襲うのを考えなおしてくれないかね?
 魔族も悪いやつばっかりじゃないぜ?」
だがその時、ふいに自分の脇腹に何かが当たったことに気付く。
手を触れてみるとぬるりとした血の感触が伝わり…顔を向けてみると
先ほど倒したはずの団員が自分の脇腹に深く剣を突き刺してることが分かる。
「チッ!ずいぶんとタフじゃねえかよ!」
そういって思い切り団員の顔に再度拳を叩きこむ。吹き飛び地面に倒れる団員。
だが、すぐに団員は起き上がり剣を構える、それもその団員だけではない。
先ほど倒れたほぼすべての団員が黙ったままぬっと起き上がり剣を構える。
いずれの者の目も正気を持っているとは思えない。
「……どうなってんだ?あの呪歌のせいか!?くそ早く止めねえと」
だがガレスはそれ以上トリウスには近づけなかった。先ほどくらった不意打ち気味の傷にもよるが、
なによりも先ほどの素人の剣技から一転、まるで何年も研鑽を積んだかのような
団員達の剣の前に避けるがいっぱいいっぱい、またまるで一つの意思の元で統一されたかのような
団員達の動きにより上手い具合に誘導され、トリウスとの距離が離れていく。
「テイルちゃん!いや誰でもいいや!とにかくあのオッサンのあの舞台壊さないとこいつら止まらないぜ!」
そういうガレスは傷に手を当ててかなり苦しそうだ。出血も激しい。
動きもだんだんと鈍り剣による切創があちこちにできている。
魔族のガレスにとってはこの程度の傷ならさほど痛手には本来ならないのだが……
剣につけられていたニンニクが効いているのだろうか!?
81乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/05/10(日) 23:42:14 0
>>76-77
>「こっちから出向くよりもここで番しといたほうがいいような気がする!」
「し、しかし…」
その時、変な集団が車に乗ってゾロゾロとやってくる
そしてその中からへんな格好をした男変な機械を持ってが出てくる。
>「フハハハハハ! 我が名ははガイア星教団八重歯のエルトリウス派隊長
ミカワケン・イチ・トリウス!」
大きな声で自分の名前を名乗り、こちらに話しかけてくる
>「この度死霊皇帝軍の仕業により屋敷が大量虐殺の憂き目にあった!
一念発起した私は闇の勢力を殲滅することを誓いガイア星教団に入団。
有り余る財力を駆使して速攻で新たな派閥を立ち上げたのだ!
勇者御一行がこんなところにいるとは! 共に闇の軍勢を殲滅しようぞ!」
>「とてつもなくやだよ!」
「拙者も同感でござる」
なにやら胡散臭い上に危ない臭いがする連中と一緒に戦うのは嫌だった。
車の中から変わった剣と鎧そして、水を含んだ鉄砲らしきものを携えていた。
>「心配無用! 金に物を言わせた人海戦術の粋をお見せしよう!
目にやきつけよ、我が美しき変身シーン! 魔導アーマーSACHIKO展開!」
そして男は大げさな格好でスイッチらしきものを押すとどこからか悪趣味な曲が聞こえる
流れ始めると同時に弱弱しい団員達が突撃してくるではないか。
どうやらこの曲は強制的に戦意高揚をさせる曲らしい。
狙いは背後の村のようだった。錫杖を構えると一喝する。
「罪もない者達に刃を向けるなど拙者が許さん!!!」

82乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/05/11(月) 00:18:33 0
>>78-80
斬りかかって来た連中はバラグ殿の鉄の堅さとその影響で気絶した所を殴り飛ばして
向かってくる他の連中の方に殴り飛ばした団員を向ける。
そしてその隙にガレス殿が突っ込んでいく。
乗じて自分も錫杖や拳である程度手加減した上で殴り飛ばし、突いたりして前に強引に進んでいく。
その速さは尋常じゃなく、それを流れに入った彼を止めることは出来ない。
「うぉぉぉ!」
だがすぐに気づく倒してもすぐ団員が立ち上がることを
「くっ、なかなかしぶといな…」
周りに寄ってきた団員達を旋風脚で薙ぎ払うとガレス殿が大声で
>「テイルちゃん!いや誰でもいいや!とにかくあのオッサンのあの舞台壊さないとこいつら止まらないぜ!」
「了解でござる!!」
錫杖の関節を分かれさせ、鞭状にして辺りにいる団員達を吹き飛ばし間合いを開け立ち上がった団員を踏み台にして
次々に団員を踏み台にしてトリウスの舞台を目指す。
「もう少しで…そこでござる!」
最後に踏み台にした団員から大ジャンプして下降すると同時に、錫杖を振り上げて一撃で叩き壊す。
83テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/05/11(月) 00:52:30 0
>78
「キミのせいじゃないさ。当主さんを止めてあげよう!」
当主さんがオバカなノリでよかったとつくづく思う。本人は大まじめなんだろうけど。

>80-82
>「罪もない者達に刃を向けるなど拙者が許さん!!!」
おかしくて仕方がないという風に笑い飛ばす当主さん。
「罪がないだと!? フハハハハハハ!!
ここに来る以前に散々悪行を重ねたに決まっておるだろう!笑い過ぎて片腹痛いわあ!!」
「そうかもしれないけどっ! 大事なのはこれからだよ! この村の人達はもう悪い事しないと思う!」
希望的観測だけど、散々こき使われた揚句用無しになって見捨てられそうになったところを
アルベルくんみたいな人に助けてもらえたら殺伐とした事する気もなくなりそうと思うから。

バラグさんとアルちゃんが団員達を次々と蹴散らしていく。
アルベル君がニンニクを悪霊退散のノリで目の前に突き出されて反応に困っていたりした。
「えーと……ニンニク普通に食べるし。行くぞメル!」「おう!」
「「くらえ! 姉弟攻撃!」」
メルアル姉弟が息の合ったコンビネーションで野菜魔力剣を一閃、何人かの団員が吹っ飛ばされる。
「【スネア】!」
ボクはというと、地面を隆起させる魔法で団員達を片っ端からすっ転ばせていく。
が、七転び八置きどころか70回でも80回でも何食わぬ顔で起き上がってくる。
この当主、見た目に反して相当ヤバイ。
>「テイルちゃん!いや誰でもいいや!とにかくあのオッサンのあの舞台壊さないとこいつら止まらないぜ!」
そう言うアルちゃんは血まみれになっている。
「ひどい……」
向こうでは六武神で強いはずのメルアルの弟もなぜかヘタレてる。
メルちゃんはわりと平気そうなのになんでだろう。
「しっかりして! 僕より丈夫なはずでしょ!?」
「あの剣……普通じゃない!」
まさかニンニク張りついた変な剣が見かけに反して凶悪なものなのか!?
本気で早く止めなきゃ危険だ!
「一撃で止めてやる! メルちゃん、雷撃の上位魔法やるから強化お願い!」
「任せといて!」
二人がかりで大規模雷撃魔法の詠唱を始める。
>「もう少しで…そこでござる!」
その間にタケルくんが大ジャンプして錫杖を振りおろす! だがしかしっ!
「トリウス流剣術……燕返しッ!」
当主のマイクの柄の部分から魔力剣が伸びて受け止めていた! 
そしてなぜか背景に薔薇が散る!
「残念だったな……これはただのマイクではない。魔法剣マイクソード!
トリウス家に伝わる家宝……む?」
当主の解説中に詠唱が完成した雷撃魔法を放つ!
「「これで終わりだ!【サンダーストーム】!!」」
降り注ぐ無数の雷撃が台座を撃ち抜き、辺りは煙幕に包まれる。
「やったか!?」
晴れてきた煙幕の中から現れたのは……ほぼ無傷な台座と不敵な笑みを浮かべる当主だった。
「魔導アーマーSACHIKOの防御力を舐めてもらっては困る……。
生粋の光の眷属が二人そろって私に刃向かってくるとは面白い!」
「うそ……」
そして台座は轟音をじわじわと前進し始めた!
「……それ動くんかい!」
なんとかツッコミを入れたものの
廊下の向こうからひたりひたりと幽霊が迫ってくるようなある意味ものすごい恐怖だ!
84リウ ◆wloTUzYWbw :2009/05/11(月) 01:18:49 0
>77
>「心配無用! 金に物を言わせた人海戦術の粋をお見せしよう!
目にやきつけよ、我が美しき変身シーン! 魔導アーマーSACHIKO展開!」
なんか変な音とともに変身した、正直言ってない。
というかこんな密集している場所で人海戦術を選ぶとは……文字通りの馬鹿という事だろう。
「……こっちには一騎当千が何人もいるってのに……分かって挑んでるのか?」
どうやら俺の呟きは聞こえていたらしい。
「はははは、何人倒れようとも何れは貴様らに光の裁きを下せれるから問題はないっ!!」
……OK、どうやらこいつは馬鹿を超越した馬鹿だつたようだ。
「……頭がいてぇ……」
目の前のわけわからん集団に対して軽い怒りを超越した何かを俺は感じていた。
というかなんだありゃ、あんな魔導兵器があるなんて聞いたことも見たことも無いっての。
ただまぁ……潰したほうがいいよな、うん。

「……我は身にまとう……以下省略」
鎧を身にまとい、しばらく考えたあと。
俺は一つの思い付きを考えた。

「………お前らに忠告する、死にたくなかったら今すぐ消えろ」
当然返答はふざけるなとかでしかない。
が、そんなことはどうでもいい。むしろそうやってくれたほうが効果がある。
「そうか、なら……『恐怖するんだな』
ビキっ、そんな音と共にマントが翼のように広がる、マスクに血涙のような模様が浮かび上がる、大剣の刀身に血のような模様が現れた。
声が勝手に響く、それは魔力の解放による一種の現象だ。特に慌てることじゃない。
『どうした、怖いか? だが刃を抜いて俺たちに襲い掛かってきた時点でお前達の運命はほとんど決まっていた……。
だが、俺も鬼じゃない……選べよ』
大剣を抜き地面に突き刺す。
それだけで大地は砕け周囲を罅だらけの地へと変える。
『ここで俺に斬られるか……土下座して武器を捨てて逃げかえるか……好きなほうをな』
ヒュンっと大剣を軽々しく抜き肩にかける。
まぁ、この程度の脅して逃げる奴等とは思ってもいない。襲い掛かってくるなら骨の三本は覚悟してもらう事になるけどな。
血のように赤く染まったマスクの目の部分から、俺はただそいつらを見下ろすだけだった。
85名無しになりきれ:2009/05/11(月) 22:56:00 0
雨が降り出した。
86テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/05/11(月) 23:12:40 0
>84
>『ここで俺に斬られるか……土下座して武器を捨てて逃げかえるか……好きなほうをな』
なんかリウ君がものすごい迫力になっている。この気配は……上位魔族のもの!?
そして周囲の団員達数十人に変化が現れる。
「ひぃいいいいいいい!!」
「ごめんなさいもうしません命だけはお助けを!」
集団催眠にかかっていたような団員達が一転
米つきバッタのように土下座したかと思うと一目散に逃げて行った!
無理もない、ボクでも圧倒されるぐらいだもん。
「貴様、上位魔族か……! 我が呪歌を破るとはなかなかやるな!
貴様に敬意を表して……SACHIKO第二形態!」
当主の声に合わせて変形していく魔導アーマーSACHIKO!
変形が終わった時、背の部分には天使の羽が展開されていた!
おっさんの背に天使の羽があっても綺麗でも何でもなくむさくるしいだけである。
「そして……【さそり座の漢サンババージョン】!!」
だが、当主が大袈裟な動作でレコーダーを切り替えると
呪歌はサンバのリズムになりさらなる盛り上がりを見せる!

>85
雨が降り出したことで、無いとは思いつつSACHIKO故障を期待してしまう。
「ぎゃあああああああああ!!」
当主の絶叫が響き渡る。が、当主の次の言葉で絶望のどん底に突き落とされた。
「我が美しきメイクが崩れるではないか!」
「絶望だ……絶望だ……」
なす術もなく呟いていた時、アルベル君が後ろから声をかけてきた。
「半魔を仲間に入れるとは……さすがメルの友達。優秀な勇者の導き手だ」
「半魔!?」
驚くと同時にやっぱりそうだったんだ、と納得する自分がいた。
「ちょっとこいつ借りていくから!」
そして、アルベル君はなぜかアルちゃんをどこかに引っ張っていく。
87 ◆6nXELe5RK6 :2009/05/11(月) 23:13:59 0
アルベルはガレスを激戦地から少し離れた木陰まで引っ張っていき
ヒーリングをかけながら言った。
「一応エルフだからヒーリング使えるんだ〜。キミは閃光のガレスだろ?
六武神辞退してくれて感謝してるぞ! そのおかげでこっちに回ってきたんだ」
そして意を決したようにガレスに迫る。
「キミを見込んで頼みがある!
六武神候補なら知ってるよな? 決戦の時に備え湖に封印されているアレだよアレ!
闇の力を持つ者二人がかりじゃないと呼び出せないんだよな〜」
もちろんそんなものを訳分からん台座を壊すためなんていう
しょうもない用途で出したら良くて大目玉、悪くてどうなるか分からない。
だがこんなのんきな事を言っている。
「大丈夫だって!
責任は俺が取るし終わったらすぐ元通りに収めて証拠隠滅すればバレないかな〜なんて」
それにしてもこのアルベル、必死である。
「頼む! 村の奴らの信頼を裏切るわけにはいかないんだ!!」
88鴉 ◆DTuJIV5vgY :2009/05/12(火) 04:00:53 O
遂に現れたカルトもといガイア星教団
まるでゾンビのように襲いかかってくるキチガイ共を皆と同じように捌いている中、俺はある疑問を抱いた
「確かに狂信的なカルトみてぇだが…よっと…ちょっと馬鹿すぎなんじゃないか?」
確かに昨日の奴らよりは驚異的ではあるが…何か雰囲気が違う。
その瞬間、俺の背中に悪寒が走った。
皆が戦っている中、俺は1人、村へ急いだ。

初めはアイツか俺の聞き違いかと思ってはいたが、そうじゃなかった
あの連中、いや、正確にはあのキチガイ貴族だが、村を襲う理由は完全に私怨でしかなく、そこに大義名分やなんやらがなかったからだ。
昨日の連中の第一声はこうだった。
「女神の啓示により、この神聖な森を汚す卑しき魔物達を浄火する」
結局は両者共々、あの村が気に入らないという内容だが、問題はそこじゃなくて、誰が命じたか…ということになる。
後は言わなくてもわかるだろう…つまりは
「あのアホは囮だってことかよ」
89ディスト ◆2l1/Dgk7EY :2009/05/12(火) 16:29:24 O

ぼったくり曰わく「邪魔」を俺がし終わった後で、マヌケ共がわんさかやって来やがった
せんだいユーシャの末裔とかなんとか言ってるのが頭であるらしい
「………」
ぼったくりバイヤーが折ったナイフの刃で遊びながら周りを見渡す
俺だってそこそこ腕に覚えはあるが、数が多過ぎるし質は悪すぎる
剣なんざ抜く必要性はないだろう。つーか、ない。抜きたくない
オマケに戦う気もない

「よし」
決めた。こうしよう
俺はナイフの刃を持ったまま
雨に大して気をとめず、ザコにはまして気をとめず
自称勇者一向のリーダー格のガキに近寄る
「で、俺はどうすれば良い?」
よし、これはマトモだな。いきなり縁もゆかりもない奴らの
肩入れして剣を抜くのもおかしな話だからな
90テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/05/12(火) 23:24:37 0
>89
半ば絶望しつつも、防衛線を突破しようとするイロモノ軍団を【スネア】であしらいつつ
相手の分析を試みる。
逃げ出した団員が捨てて行った武器を広い観察すると、魔力を感じる。
単にニンニクが貼りついた剣と見せかけて対闇の眷属用の加工がしてあるみたい。
そして恐るべき魔導兵器SACHIKO。
見た目はアホだが常軌を逸した呪歌強化力といい防御力といい非常に高度な技術が使われている。
背中に天使の羽というデザインが何か引っかかる……。
結論。得体の知れない恐ろしい予感がするが、対処方法は結局わからない。
>「で、俺はどうすれば良い?」
軍師タイプのパーティーリーダーなら
常に作戦「めいれいさせろ」で的確な指示を出すんだろうがあいにくボクはそうではない。
「この先に死霊皇帝軍の偉い人のアルベル君が闇の眷属をかくまってる村があって
今はその村をつぶそうとする奴らから守るべく防衛戦をやっているのだ!
そしてこのパーティーの基本作戦は“いろいろやろうぜ”だ!」
「いろいろやろうぜ」とは個人の自主性に任せるという名の戦略も何もない野放し。
ぼーっとしようがお鍋のふたを天にかかげようが野放し。このパーティーの基本作戦である。
「一つだけ言うとしたら……当主さんに加勢だけはしないでくれると嬉しい!」
踏み絵を拒否したぐらいだから大丈夫だと思うけど念のために付け加えておいた。
91鴉 ◆DTuJIV5vgY :2009/05/13(水) 03:07:19 O
村へと戻る道中、俺の頭の中はグチャグチャになっていた
一歩足を進める度に最悪の結末が頭の中で浮かび上がり、その度に悪寒が増す。
脂汗なのか、降り出した雨なのかわからないが、気持ち悪い、息苦しい

「ハァ…ハァ…ハァ…」
全身ずぶ濡れになりながら村へとたどり着いた。
あいつらが来た時に皆は家の中へと隠れていたはずなので、静かなのは当然なのだが
「…杞憂なのか……ッ!!!」
安堵の声を上げようとした瞬間、物陰から矢が飛んできた。
幸い住んでの所で避けることが出来たが
「………クソッカスが!!!なんでこんな勘が当たるんだよ」
気配を感じた頃には既に周りを囲まれてしまい逃げることは不可能になっていた。
十字架に似たマークの入った重騎士達が古今東西の武器を構える
考えなくても分かる…強い
>「無駄な抵抗はよすのだな。異端者」
隊長格の赤兜が話しかけてきた
>「安心しろ…村人はまだ無事だ…我々の飛行艇の中で大人しくしているよ」
「…どうするつもりだ」
>「…神決裁判を受けてもらう…まぁ、結果は変わらないがな

  この森ごと焼き殺しても良かったが、そうなると我々の印象が悪くなりかねん
  まぁあの俗物貴族を切り捨てればいい話だが…この雨だからな、この話は無駄か」
赤兜の言葉を聞き、俺の中で何かが切れた音がした…悪い「事故」ったかも知れない。
「つまりは体よく皆殺しにするってことだろ…フーン
 あんたらの神様は随分馬鹿な女だと思ってはいたが、ここまで馬鹿だったとはな
 話しゃ分かるってのに浄だ不浄だと線分けして…いざ喧嘩となりゃ自分じゃやらずに他人の手を借りる
 結果10にもならないガキ共が死に物狂いで戦っている最中、あんな馬鹿貴族みてぇなクズがのうのうと生きてる
 金や信仰が欲しけりゃでっち上げて、でっち上げて、でっち上げて…あんたらみたいなカルト集団を作ってみたり
 挙げ句の果てが…この世界に関係ない俺を死霊皇帝ごと殺そうとしたんだからなぁ!!
 なぁ…どうせ異端者も死刑なんだろ…

 なら、事故ってことでここで殺した方が都合がいいだろ?」
俺は殺気満々でそんな妄言を赤兜共に吐き付けた
92乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/05/13(水) 21:13:58 0
>>83
振り落とすだがしかし、
>「トリウス流剣術……燕返しッ!」
その一撃は受け止められ届かずにいた。
「なに!?」
トリウスが自慢げに語り始め、万事窮すかと思われた先に
>「「これで終わりだ!【サンダーストーム】!!」」
雷撃が当たり、回りは静まり返るが…
>「魔導アーマーSACHIKOの防御力を舐めてもらっては困る……。
生粋の光の眷属が二人そろって私に刃向かってくるとは面白い!」
なんと台座が移動しているのだ
「なんと…」
なんとかせねばと思っていたとき、リウ殿がすさまじい気配を出す。
>『ここで俺に斬られるか……土下座して武器を捨てて逃げかえるか……好きなほうをな』
この恐怖によりどうやら狂化の効果が打ち消したようで団員達が逃げ始めた。
正直自分も動けずにいた。
だが、次の瞬間その狂化の歌がさらに強化され始めた
「くっ、どうすれば…」
偶然なのか雨が降り始めて、そして歌を流す機械が停止する。
「やったでござる!」
喜んでみたが何か違和感がする。
本格的に村を全滅にさせるなら我々を足止めにし、その隙に村に攻め込むという手段を以前戦った妖魔が使っていたとの経験が頭に浮かび上がった。
しかし、相手はカルト教団のためそのような事を思いつくのかという疑問があったが
なぜか村のほうが気になった。
「テイル殿、村のほうが気になるでござるよ様子を見てくるでござる」
向く方向を反対にし、猛ダッシュで村の中を目指す。
93名無しになりきれ:2009/05/14(木) 01:12:39 0
種族も様々な村人達が、最低限を残して衣服をはがれ後ろ手(か相当する何か)に縛られ
飛行艇の船底にある倉庫に押し込められていた。
見張りの騎士はほんの数人だが、彼らが掲げる杖からはまばゆい輝きが放たれ、
全身にその輝きを浴びると村人達からは力が奪われていくようだ。
・・・まるで闇の瘴気を浴びた光の眷属のように。

その倉庫の一角には、材木加工場で捕えられた村人だけが集められていた。
見張りの騎士が、輝く杖をかざして命じる。
「今からお前等を加工場に連れて行く。残っている原木を全て材木に加工しろ」
もちろんでき上がった材木は飛行艇で運び出し、売りさばいて儲けるつもりだ。
どんな組織にも必ず存在する、大義の陰で私腹を肥やす幹部ってやつである。

「・・・姉神はタルタロス様と違って偏執的潔癖ってのが定評だけど」
「ああ・・・そんな姉神の狂信集団の中にも、いるんだな、こういう奴」
「用が済んだら結局俺達も始末されるけどな」
「そもそも今までここで暮らせた事が夢みたいなもんだ、仕方ないさ」

そんなひそかな囁きが交わされた後、彼らは縄と光で引き立てられていった。
94ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/05/14(木) 20:38:09 0
>82-86
>「トリウス流剣術……燕返しッ!」
「変な小細工ばっかり使いやがって……大道芸かってんだよ」
ガレスの言葉にはいつものような余裕がない。
とうとう傷を抑えて片膝をついてしまう。よほど苦しいのか?
(おかしいぜ、力が入らねぇ…転神しちまうか?いや!ここでそんなことするわけにはいかねぇ…)
タケルの攻撃も防がれ、テイルの魔法を効かない。
そして団員は相変わらず何かに取りつかれたかのように殺意を剥き出しにしている。
ギャグ集団だと侮ったせいもあったかもしれないが確実にこちらは劣勢に追い込まれていた。
だがその時リウの大剣を地面に突き刺し隆起させ砕き、睨みつける
>『ここで俺に斬られるか……土下座して武器を捨てて逃げかえるか……好きなほうをな』
「ダメだぜ、こいつら完全に操られちまってて言葉なんて通じ……!?」
だが団員達に変化が表れ、さっきまでとは一転逃げ散っていく。
ガレスは驚く。さっきまで骨の一本、しまいには殺すまで、
動きをやめないような協力な術にかかっていた連中がいくら迫力があるといってもリウの一喝で正気に戻ったのだろう。
>「貴様、上位魔族か……! 我が呪歌を破るとはなかなかやるな!
>貴様に敬意を表して……SACHIKO第二形態!」
その時、ガレスは木の上に乗りこちらを眺めている男に気がつく。
しかし確かめる時間もなく男はすぐさま村の方へと木を伝っていってしまった。
だが確かに見えた。あの男の顔……こちらを見て不敵に笑っているあの表情……
そこで気付く、さきほどまで呪歌を真に放っていたのがこいつだということに。
おそらくトリウスは本人すら分かっていないただの道化。
(だとしたら今頃村は……ちくしょう見抜けなかっただなんて!)

途中で雨が降り、装置も壊れるかと思ったがどうやら防水加工も十分のようだ。
ここまで頑丈なのもおそらくこいつを倒すことに時間をムダな時間を費やさせるため。
とにかくみんなにそれを告げなければ、そう思い口を開いたとたん、アルベルに腕を引かれる。
>「ちょっとこいつ借りていくから!」
「お、おいお前ちょっと待てって……どこに行くつもりなんだ?」
疾風の名の通り風を切るかのようにあっという間に激戦地から離れた木陰に落ち着く。
もっともガレスが魔族だから遠慮なくこれほどのスピードを出せたのかもしれないが……
そしてアルベルは腹を抱えているガレスにヒーリングをかける。
>「一応エルフだからヒーリング使えるんだ〜。キミは閃光のガレスだろ?
>六武神辞退してくれて感謝してるぞ! そのおかげでこっちに回ってきたんだ」
その言葉にフッと一回鼻で笑った後、眼を逸らして答える。
「感謝される覚えなんてねえよ。性に合わなかっただけだ……
 しかし、なんでお前六武神なんかになったんだよ。エルフってだけで風当たり強いんじゃないの?」
六武神は光の眷属を最も殺してきた者達、六武神になるということは
つまり光を滅ぼすためだけに生きるということ。死霊皇帝軍の中では確かに畏敬の対象となる存在。
そんな六武神にエルフでしかもこんなおめでたい奴がなったなどガレスには信じられなかった。
だがアルベルはガレスの疑問には答えずに意を決したように頼みこんでくる。
95ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/05/14(木) 20:38:57 0
>「キミを見込んで頼みがある!
>六武神候補なら知ってるよな? 決戦の時に備え湖に封印されているアレだよアレ!
>闇の力を持つ者二人がかりじゃないと呼び出せないんだよな〜」
アルベルの頼みに何も答えずに黙りこむガレス。
それはつまりアルベルの言葉に対して「断る」と言っていた。
>「大丈夫だって!
>責任は俺が取るし終わったらすぐ元通りに収めて証拠隠滅すればバレないかな〜なんて」
しつこいアルベルに「ふう」とため息をつき諭すように語り始めるガレス。
「責任取るなんて簡単に言うもんじゃねえぜ。
 それにバレないだろバレるだのは関係ねえよ。
 何かに頼るまえに自分で成し遂げろ。男だろお前は……」
そしてゆっくり起き上がり傷がふさがっていることを確かめたあと
村の方向に歩きだす、猶予はないことはガレスが一番分かっていた。
>「頼む! 村の奴らの信頼を裏切るわけにはいかないんだ!!」
だが、後ろから聞こえるアルベルの叫びに足を止める。
「………分かったよ。、だけどその決戦兵器使ってあいつら倒すのと
 村を守ることとは全くの別問題かもしれないぜ?それでもいいのかい?」
ガレスの問いかけにうなずくアルベル。意志の変わらぬアルベルにガレスはとうとう折れ、
仕方なくガレスはアルベルと決戦兵器を封印されている場所へと急ぐことにした。
96テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/05/15(金) 00:21:50 0
>92
>「テイル殿、村のほうが気になるでござるよ様子を見てくるでござる」
猛ダッシュで去っていくタケル君。はて、どういうことだろうか。
程なくして、上空から一際風が吹きつける。
見上げると、ボク達の飛空艇が低空飛行で来ていた。
滞空すると、デッキになんと魔導マイクを持ったレオ君が出てきた!
「加勢に来たぞお前ら! オレの歌を聞けええええええええ!!」
ノリノリで叫ぶと、当主さんに負けず劣らずの大音声で歌い始めた!
【詠唱:平和讃頌】
少し前に聞いた事のある歌だが、しばらく分からなかった。
なぜなら超絶音痴だったからだ! だがメルちゃんの顔がぱっと輝く。
「レオ君は昔呪歌をやりかけて挫折した事があるんだ! 音痴だけど声の大きさだけはピカイチだ!」
「と、いうことは……」
レオ君の歌が当主さんの歌を打ち消した! 純粋なる音量の勝利である!
突撃してきていた団員達の動きが我に返ったように止まる。
そして当主さんが魔導アーマーを解き、がっくりと膝をつく。
「なんという魂のこもった素晴らしい歌だ! 私は……間違っていたのだな……」
「えぇええええええええ!? なにこの流れ!!」
歌っていた本人のレオ君も驚いている。
そういえば初代当主もこの歌で感動してたな。血は争えない物だ。
ツッコミどころ満載だが当主さんに付き合って感動シーンを演出することにした。
「いいんだよ、分かれば! さあ顔をあげて!」
「……勇者よ、こんな私を許してくれるのか?」
その時、レオ君が空気を読まずに魔導マイクで話しかけてきた。
「感動シーン中悪いんだがさっき仰々しくてでっかい飛空艇が飛んでくるのが見えたぞ」
「仰仰しくてでっかい飛空艇……」
その瞬間、タケル君が村の方が気になると言っていた理由が分かった。
「ヤバイ! 今すぐ発進して」
当主放置して飛空艇のデッキに飛び乗ってレオ君に迫る。
「どうしたんだ……?」
「いいから早く!!」
辺りを確認するために少し上昇した時。湖から轟音を立てながら何かが出てきた。
それは、額に「衆智神」と書いたゴスロリ美少女型巨大魔導兵器だった!
「「変なの出た―――――ッ!」」
97ディスト ◆2l1/Dgk7EY :2009/05/15(金) 00:27:43 O
>>90 >>92
>「一つだけ言うとしたら……当主さんに加勢だけはしないでくれると嬉しい!」
「そうかい。俺もガキ泣かす趣味はないんでな
ここはお兄さんも自称勇者のパーティーを手伝ってやろう」
おどけて笑っていると男が近付いてきた
>「テイル殿、村のほうが気になるでござるゆえ、様子を見てくるでござる」
一瞬の黙考の後、俺はニマリと笑う。別に楽しい訳じゃないけど
「俺も行こうかね。元々予定外の戦力な俺は
ここで抜けちまっても困らないだろ?」
我ながらナイスアイデアじゃないか
それに実を言うと錯乱した奴ら相手に剣は抜きたくないんだよな
なら様子見をしたらいいじゃないか。という結論さ
98バラグ ◇YNudSAn/js:2009/05/15(金) 19:17:41 0
俺の攻撃に続きガレスと武が突撃したが。
バーサク状態によりほぼ無敵状態のになっている団員達の攻撃でガレスは傷を負い。
思ったよりも強いトリウスの当主により武の攻撃は受け流された。
結構苦戦しているこの状態でテイルが魔法を発動させて
団員達のバーサク状態の原因である魔導アーマーに無数の雷を降り注がせた。
これで魔導アーマーが壊れて終わりだと思ったが敵の防御力は思った以上に高くてそう簡単に終わりそうにない。
と思ったがリウの脅しと雨が降ることにより、敵の攻撃は弱まった。

鴉とガレスとアルベルが戦闘中にもかかわらずに何処かに行った。
ガレスとアルベルは、泉に行ったが何かする気なのだろうか?
この二人の事も気になるのだが俺が一番気になったのは、鴉だ。
何か騙された事に気づいた様な顔をして急いで村へと向かっていったが……そうか!!

急いで村へと走りあっというまに村に着いた。
其処では鴉が重騎士たちに囲まれていた。
>「安心しろ…村人はまだ無事だ…我々の飛行艇の中で大人しくしているよ」
>「…どうするつもりだ」
>「…神決裁判を受けてもらう…まぁ、結果は変わらないがな」
鴉を助けようとしたが会話を聞いてそれをやめて村人を助けに行く事にした。
鴉だったら一人でも大丈夫だろうし直ぐに仲間が来るだろう。
気付かれずにその場から立ち去って奴等の飛行艇を探した。
探すのには、そう時間は掛からなかった。何せ飛行艇は、でかいからな。如何しても目立つ。

飛行艇の外にいる見張りは全部で十人ほど。堂々と行くのは無理か、だったら【インビジブル】。
透明化魔法を見破る力を持つ者がいるかもしれないので闇と光の魔力での二重掛けにした。
そのお陰か敵に見つからずにいとも易く飛行艇に進入できた。
後は村人を見つけるだけだ。闇か光の力が発せられている場所がないか感覚を研ぎ澄ませた。
船底に幾つもの闇の力が感じられ、それを抑える光の力も感じられた。
村人は、船底にいる。急いで船底に向かった。

船底では、殆どの村人が腕を縛り上げられ光で力を抑えられて座らせられているが
一部の村人は木材の加工をさせられていた。
村人を助けるべく見張りの騎士達の背後に気付かれない様に近づいて急所を叩いて気絶させていった。
騎士全員を気絶させた後透明化の魔法を解いた。
「助けに来ました。皆さんもう安心してください。」
そう言って村人の不安を和らげた後縄を解いた。
99バラグ ◇YNudSAn/js:2009/05/15(金) 19:18:36 0
大勢をつれて狭い通路を通って脱出する事は危険すぎて出来ない。
だから壁に穴を開けて脱出する事にした。
胸の装甲を開いて中から短い魔砲(魔道大砲)を出して壁に向けて圧縮した高圧の魔力を放って壁に大穴を開けた。
大きな衝撃と音が響き渡り船底に開いた大穴に外の見張りが集まった。
その見張りの騎士たちに向かってもう一発圧縮した魔力を撃ち放った。
十数人の騎士達は、いっぺんに吹き飛んで行って気絶した。

「向こうにもう一つの飛行艇がある。レオと言う男がいる飛行艇だ。其処に非難してくれ。」
村人達を飛行艇から降ろして俺達の飛行艇に非難するように誘導した。
そして飛行艇から残りの騎士たちがぞろぞろと出てきた。
騎士が全員飛行艇から出てきたのを確認した後、胸の魔砲を飛行艇に向けて最大出直で撃った。
圧縮された魔力が胸から黒い一線となって放たれて敵の飛行艇を貫いた。
とても低いが大きい音が巨大な穴が開いた飛行艇から鳴り響いて爆発した。
飛行艇は、木端微塵になって火柱になり爆発音が響いた。

「た、隊長ーーーーーーーーーーーー!!!」
燃え上がる飛行艇を見て騎士達は、大声を上げて村へと走って行った。
村に増援が行くが村人は助けた。やることはやった。休ませてもらうよ。
魔力が切れて全身に力が入らなくなってうつぶせに倒れた。
雨のせいで泥と化した地面に倒れて金属音と泥のいやな音がなった。

魔砲砲撃は、もっとも安全で威力が高い攻撃だが魔力の消費が激しい。
今後出来れば余り使わないようにしよう……。
100 ◆6nXELe5RK6 :2009/05/15(金) 23:37:18 0
>95
「ときどき、何も考えずに光の下で笑ってられたらどんなにいいだろうって思う……」
ゴスロリ美少女ロボット出現の轟音のなか、アルベルが呟いた言葉はまず聞こえないだろう。
どうやって呼び出したのかは話に関係ないので省略するが幻妖のリムの考える事。
ろくでもないことは間違いない。
とにかくある意味禁断の兵器は封印を解かれその姿を現したのだ!
「サンキュー、恩に着るぜ!」
ガレスに向けた笑みは、一瞬、春の風のように見えたかもしれない。
そして何のためらいもなく禁断の兵器に飛び乗った!
さすが変態導師の弟、ゴスロリ美少女ロボットに乗るぐらいなんともないぜ!
101テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/05/16(土) 00:24:01 0
>99
>「た、隊長ーーーーーーーーーーーー!!!」
仰々しい飛空艇が爆破炎上。騎士達が大慌てで村に駆け込んでいく。
デッキで魔導マイクを持って声を張り上げる。
「弱い者いじめは我が母の望む事ではありません! 今すぐやめるのです!」
「あなた様は……ガイア様の娘子……」
騎士たちが一斉にこっちに注目する。
ガイアと名がついているなら妖精は特別な存在なはずと思ったけどビンゴだった。
「しかし……闇の眷属を野放しにすると後々大変な事になります!
あなた様もよく分かっておいででしょう!」
「あんな楽しいいじられキャラ……じゃなくていい人が村長だったら大丈夫です!」
「あなた様はご存知ないのですか?
奴は穢れた死霊皇帝の申し子……いかがわしい事を企んでいるに決まっているでありましょう!」
ダメだこりゃ。口で言っても分かってくれないようだ。ならば……
「とう!」
飛空艇から飛び降りざまに隊長の顔に蹴りを叩きこみ宣戦布告!
「ガイアの意思、力づくで叩き込んでやる!」
102テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/05/16(土) 23:10:52 0
「き、き、貴様! 母に代わって躾けなおしてやる!」
激高する隊長に、怜悧な声がかけられる。
「その必要は無い」
声がした方向には、木の上で不敵な笑みを浮かべる男がいた。
瞳に宿るは、闇の眷属の煮えたぎるような殺気とは違う、凍てつくような“浄化”の意思!
「ガイアの娘が死霊皇帝軍に手を貸すなど言語道断!
もはや更生の見込みは無い。闇に堕ちた妖精など……異端者共々皆殺しだ!」
「だっだがしかしそれはちょっと……」
隊長の静止は無視し、男は真ん中で色が切り替わった二色の水晶のような球体を取り出した。
「出でよ、我が友バロン!!」
一瞬辺りが眩い光に包まれたかと思うと、非常識に巨大な獣が現れていた。
それは、聖なる森の守護者として伝説に名を連ねる光の幻獣。
きらめく鏡の小片を全身にまとう獅子!
「貴様は故郷を奪われた者の気持ちなんて分からないだろうな。
よせと言ったのに闇の眷属などを信じたせいでアイツは……。
死霊皇帝も闇の眷属も……奴らに味方する奴も許さない……!」
大怪獣召喚だけでは飽き足らず、木から飛び降り歌い始める。
怖ろしいほど透き通った、ぞっとするほどに美しく冷たい声が響き渡る。
楽器演奏がなくともそれだけで完成した戦慄の旋律!
【詠唱:ベルセルク】
隊員達の瞳に一斉に狂気が宿る!
とてつもなくヤバイと思いつつある事が気になった。
セイレーンならともかく、人間には本格的な呪歌は楽器演奏なしでは使えないはず。
……これは一体?
103乱堂武 ◆QKQr.EQA.g :2009/05/17(日) 03:47:50 0
>>96-97
>「俺も行こうかね。元々予定外の戦力な俺は
ここで抜けちまっても困らないだろ?」
ディスト殿も付いてくると言うので実力も見れるかもしれないので
「構わんでござるよ、ついてくるでござる」
さらに速度を上げて村に入る。

>>98-99
村に入ると早速視界に入ってきたのは重騎士に囲まれた鴉殿だった。
ここは助けるべきだろうか…だが村のほうも気になる…
と悩んでいる矢先にいきなりどこからか爆発音が聞こえる。
「な、なんでござるか!?」
その方向に向いて見ると飛行艇らしきものが燃えていた。もちろん我々が乗ってきたものではないのはわかっていたため、別の誰かの物と思われる。
>「た、隊長ーーーーーーーーーーーー!!!」
騎士たちが爆破されたことで村に駆け込んでくる。
そしてそこでテイル殿を発見する。
>「弱い者いじめは我が母の望む事ではありません! 今すぐやめるのです!」
>「あなた様は……ガイア様の娘子……」
これで争いをやめてくれればと思ったがやはり相手は自分を特別だと思っている狂信者
そう簡単には納得しなかった。しかしテイル殿は諦めずに説得するも無駄だった。
するとテイル殿は飛行艇から飛び降り、隊長らしき者に蹴りを叩き込む
>「ガイアの意思、力づくで叩き込んでやる!」
するとどこからか強烈な気配を感じ、見やる。
>「ガイアの娘が死霊皇帝軍に手を貸すなど言語道断!
もはや更生の見込みは無い。闇に堕ちた妖精など……異端者共々皆殺しだ!」
男は制止する隊長らしき騎士を無視して巨大な獣を呼び出す。
恐らくは相当の実力を持っていると見抜いた。
>「貴様は故郷を奪われた者の気持ちなんて分からないだろうな。
よせと言ったのに闇の眷属などを信じたせいでアイツは……。
死霊皇帝も闇の眷属も……奴らに味方する奴も許さない……!」
歌を歌い始めると先ほどのように隊員たちの様子がおかしくなっていた。
どうも例の狂化したらしい。
キツイ戦いにまたなりそうだが、ここで諦めるわけにはいかない。
>「貴様は故郷を奪われた者の気持ちなんて分からないだろうな。
よせと言ったのに闇の眷属などを信じたせいでアイツは……。
死霊皇帝も闇の眷属も……奴らに味方する奴も許さない……!」
「ならばその思いを他の者にさせるというのか!?断じてさせん!」
複雑な印を結び、再び戦友を呼び出す。
「来たれ我が戦友ガルダよ!弱者を守るんだ!」
空からガルダが現れ、錫杖を構える。

104名無しになりきれ:2009/05/17(日) 14:25:45 0
木端微塵の飛行艇の側に倒れたゴーレムに製材作業のリーダー格だった村人が近付いた。
「ゴーレムさん、あんたは・・・皇帝軍の?
・・・すまない、ありがとう・・・軍から棄てられた我々のために・・・」
ゴーレムは動かない。
「おーい、来てくれ!」
避難を始めていた村人の中から、名を呼ばれた二人だろう、駈けてくる。
村全体が普段から組織立っての行動に慣れている感じだ。
「我々を解放して下さった旦那が魔力切れの様子だ。すまんが少し力を貸してくれ」
「了解。だが今の我々では、起き上がるまでは無理だ」
「が、助けてもらってこのままにはできない。できるだけやってみる」
二人の魔族はゴーレムに魔力を注ぎ始めた。
105テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/05/18(月) 20:14:14 0
>103
タケル君がガルダを呼び出し迎え撃つ。
「【コントロールプラント】!」
このぐらいの人数ならなんとか捕まえられるはずだ。植物操作で、隊員たちを縛りにかかる。
――現れたな悪しき魔女め! 聖地を奪還する!!
ゴスロリロボットに突進していく巨大獅子。
数百年前まで、ここは闇の魔力に覆われた魔境ではなく、幻獣が守る聖地だったそうだ。
そして、真の勇者を決戦の地へ導く使命を持つ一族が住んでいたとも伝えられる。
人間と同じ姿をしながら、歌を魔法に変える特殊な力を持つ希少種族。
その力を危惧した死霊皇帝軍の凶刃にかかり絶滅したとされているが……。全てが繋がった。
「みんな気をつけて……ただの呪歌じゃない!」
「よく気付いたな……その通り。俺はレーヴァティルの生き残りだよ!
あの日……ふざけた口調の魔女が全てを滅茶苦茶にした……! 調度あんな姿だ!」
そう言って指差すはゴスロリロボット! 幻妖のリム、またお前が元凶か!
悪い事に狂戦士化の歌は、歌うのをやめてもしばらく効果が持続するようだ。
彼はさらに別の種類の歌を歌い始めた。
【詠唱:クレイジーツリー】
木の操作権を奪われ、せっかく捕まえていた隊員の縛めが解かれる! 
その上木々がモンスター化してこっちに襲い掛かってきた! なんてことだ!
106 ◆6nXELe5RK6 :2009/05/18(月) 20:16:55 0
「……というわけで村人をお願い!」
「分かったけど……どこにいくんだ?」
レオに村人をかくまうように頼み、デッキの縁にむかって駆け出すメルディ。
「アイ☆キャン☆フラーイ!」
ゴスロリロボとすれ違いざまに、自殺志願者の常套句を叫びながら飛空艇から飛び降りる!
ただしアホでも魔法学校の導師、落下制御はかけているので安心して頂きたい。

アルベルは困っていた。本当に困っていた。
「ちょ! そっちじゃない!」
あらぬ方向に歩き始めるゴスロリロボ。それもそのはず。
デコトラも木にぶつける人にロボットの操縦がまともにできるはずがない!
「うわーだめだー!」
その時、上から振ってきて操縦席の前に張り付いてドンドン叩くナマモノが!
どう見ても触角エルフです。本当にありがとうございました。
「開けてー開けてー!」
「ぎゃあああああああああ!!」
ダメと言ったらずっと張り付いていることは目に見えている。
当然ダメというわけにもいかず、助手席(?)に収まるメルディ。
光の勇者のお付きが死霊皇帝軍の決戦兵器に乗りこんでしまったというあるまじき事態である。
しかも乗り込むなり棒付きアメをなめながらくつろぎはじめた。
さりげなくスピーカーを「オン」なんてことをやっていたりするが
アルベルは棒付きアメを取り上げる事に必死で気付かない。
『ンなもん食べてたら危ないだろ! アメなら後でやるから! ってか何しに来た!?』
『乗ってみたかった……じゃなくて可愛いアルを応援しにきたんだよ! 当然じゃん!』
『ただでさえ操縦方法が分かんないんだ! 邪魔だけはするなよ』
『操縦桿なんて飾りです! 偉い人にはそれが分からんのです!』
姉弟漫才大公開な天敵の姿をした巨大ロボットに、元守護幻獣は当然キレた!
――バカどもがッ!! ふざけるなあッ!!
噛みつきそうな勢いで飛びかかる!
107ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/05/19(火) 00:39:58 0
>100
出撃するロボットを忌まわしいものでも眺めるような
嫌悪感の目付きで見ているガレス、先ほどの拒否した反応といい
過去に何かあったのか……
>「サンキュー、恩に着るぜ!」
「……ああ…後悔はするなよ……」
ガレスはそのまま出撃する巨大ロボの中に乗っているアルベルに向けて
親指を立てて意味深な言葉を放ち見送り、急いで自分も村に向かって全速力で奔る。

>99-100
村の方の爆発を見て自然と更にスピードが上がるガレス。
到着してみるとさっき爆発したのがガイア教団の飛空艇であったことに
一息つきながら村に入る。村人が避難したことは入ってすぐに分かり
これで後の憂いはあのガイア教団だけということになる。
>「その必要は無い」
さっきの木の上の男を見た瞬間、ガレスが固まる。
足を止め木の上の男を見つめる。苦悩の表情を浮かべながら…
>「よく気付いたな……その通り。俺はレーヴァティルの生き残りだよ!
>あの日……ふざけた口調の魔女が全てを滅茶苦茶にした……! 調度あんな姿だ!」
男が放ったレーヴァティル……その言葉を聞いた瞬間ガレスの額からは冷や汗が流れ、
憎しみのこもった呪歌を歌い続ける木の上の男に向かって呟く…
「……まさか!?…お前は…!?」
その時巨大な何かと何かがぶつかったような重い音が鳴り響く。
>『ただでさえ操縦方法が分かんないんだ! 邪魔だけはするなよ』
スピーカーから流れる声の方向を見てみると、
そこには守護幻獣にやられている巨大ロボの姿が、
ぐらつきおぼつかない足運びをしている、このままではやられる!
ガレスは考えるより先に巨大ロボの元へと走っていった、木々を足場にそのまま
巨大ロボの上へと飛び乗り操縦席の前に顔を出す。
「おいもしかして操縦方法が分からねぇのか?」
その言葉にがくがくと首をふるアルベル、そんなアルベルをみて意を決したかのように叫ぶ
「なら早くハッチを開けろ!!俺も乗ってやる!」
そして操縦席に飛び込むガレス、操縦席を変わってもらいアルベルを自分の膝の上に乗せる。
『操縦方法が分かるのかガレス!』
『……まあ見てなって!!』
そういうと向かってくる幻獣を見事な動きで避ける巨大ロボ。
動きからすると過去に操縦したことがある…?
『凄い凄い!アルなんかより全然頼りになる!』
『な、なんだよただ飴舐めてるだけのくせに!!』
しかし褒められたことに嬉しがりもせず、また姉弟の漫才に対して
つっこみも入れることなくただ黙って目の前の幻獣に集中しているガレス。
そんな様子を見ていたアルベルだったがふとした疑問が浮かび問いかける。
『そういえば何でガレスはこの操縦の仕方を知っているんだ?』
『………聞きたいか?』
うなずく二人に一回溜息をつくとスピーカーをオフにする。
そして、少し考えたあと疑問の答えの前にガレスはアルベルに問いかける。

「答える前に聞かせちゃくれないかね。なんで六武神になった?」
それに対し重い沈黙が流れる……答えようとしないアルベルに再度、ガレスが訪ねる。
「なんで六武神になった?姉と敵対してまでなんでお前さんは六武神になったんだ?
 さっき言ってたな…光の下で笑えたら…ってよ。なんでだ?」
「六武神になって……死霊皇帝軍を変えたかった。争いをなくして新しい平和の形を……」
そこまでアルベルが言ったとき、ガレスは鼻で笑った。それに対しメルが怒る。
「なに笑ってるの!?立派じゃん!」
「ああ、確かに理想形だ。全員が仲良く暮らすってのはこれ以上ない理想だぜ。
 ……そうか、そのために六武神にね…んじゃ俺の番だ…答えてやるぜ」
そしてガレスが語り始めたのは20年……いや30年以上前のこの森の話し…
108ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/05/19(火) 00:41:24 0
今じゃあ魔風の森なんて言われちゃいるが……
昔はそうじゃなかった。そう、ここにはレーヴァティルという種族が住んでたんだ。
30年前までは……上空にいくにつれて激しくなる風と、森の奥という環境が彼らを守っていた。
彼らには凄まじい力があった。そう、それこそ魔族と匹敵するかのような強力な力。
しかし彼らは居たって静かに、そして緩やかな風に揺られて幸せな生活を送っていた…あの日までは。
彼らの力を恐れた魔族が、村を襲ったんだ。阿鼻叫喚の叫びとともに次々に人は倒れていき、
家は壊され、森は完全に魔族の支配下となった…そしてその時この村を襲った魔族、
それはあのグリムメルヘェン、そう六武神である幻妖のリム。なんで知ってるか?
俺もその場に居たんだ…そう……こ い つ に 乗 っ て

「………そんな………嘘だろ……」
「だってガレス君あんなにいつもテイルとあんなに楽しそうにしてるのに…そんなことするわけないよ!」
驚くアルベルとメルはガレスを見つめる……だが
ガレスの悲しげな表情が真実だと告げていた。
「…嘘じゃねえ、当時、俺とリムがレーヴァティルを滅ぼした……
 事前に俺が村に旅人を装って入りこんで調査してたから
 簡単に村の奴らを潰すことができた……その時厄介になってた家の
 小さな子供……そいつが今、下で魔族に殺意を向けている男だ……」
アルベルは怒りを露わにしながらガレスに掴みかかる。
「じゃ、じゃあ今乗っているこいつは!?」
「…そうさ、あの作戦のあと、リムと一緒に俺が封じた……
 昔に村を潰した怪物を使ってこの村を守る……つくづく因果だぜ……
 あの時……あの子供を逃がすべきじゃなかったかもしれねえ」
次の瞬間アルベルの拳がガレスの顔に叩きこまれる。
そして同時に幻獣の突進をもろに食らい巨大ロボはぐらつき地面へと倒れる。
「なんだよ!!じゃあなんで今こうしてお前は!!」
どこに怒りの感情を向ければいいか分からずに悔しそうにしているアルベルに
ガレスはそのままその後をいきさつを続ける。
「ほどなくして俺の六武神昇格が決まることになった。最も、俺は辞退したがな、
 俺はあの後、死霊皇帝軍、そして自分に疑問を覚えて旅に出た…
 長い長い旅……そんで長い間空席だったら末席にお前が座ることになったってわけさ……」
109乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/05/20(水) 22:33:16 0
>>105
>「【コントロールプラント】!」
テイル殿の魔法で植物が隊員たちを縛り、拘束する
ガルダが咆哮し、語りかけてくる
【あれが敵か、準備はいいかタケル】
「いつでもおーけーでござる」
突撃しようとしたその時、
>「みんな気をつけて……ただの呪歌じゃない!」
なにやら警告をしてくれているようだが、木の上の男がしゃべり始めるが途中から感情があ溢れ始める。
>「よく気付いたな……その通り。俺はレーヴァティルの生き残りだよ!
あの日……ふざけた口調の魔女が全てを滅茶苦茶にした……! 調度あんな姿だ!」
そして男が指を刺したのは変な格好をした女の巨人だった。
向いている隙に木の上の男が歌い始める。
すると木が捕らえていたはずの隊員たちを離してしまった上に木々がモンスター化してしまった。
「し、しまったでござる!」
【この程度で我らを阻めると思うな】
ガルダは炎弾をモンスター化した木に向かって集中砲火で数を着実に減らしていく
それと同時にガルダから飛び降り、隊員達の所へ再び錫杖を構えて突撃していった。

110 ◆6nXELe5RK6 :2009/05/21(木) 01:24:01 0
>108
「飼い主に収めてもらう! ……メル。こっちは頼む!」
「任せといて!」
シルフィードをまとい去るアルベルを見送り、メルディはガレスに語りかける。
「ゴメン、痛かったでしょ。正直びっくりしたけどさ……人生いろいろあるよ。
あのね、道具はどんな使い方をするかなの! たとえばこんな使い方だってできる!」
メルディはスピーカーに向かって叫んだ。
『そこの幻獣! 止まりなさい! 話は署で聞きましょう!
さもないとぬっこぬこにしますよー! ハゲフラーッシュ!!』
言ってる事は意味不明だがなんか技が出た。
頭部が一瞬ありえない変形をして凄まじい光を発することにより
相手が「うおっまぶし!」となるという実に分かりやすい技である。
「早く立て直して立て直して! ……なるほど、やっぱり技名を叫ぶと技がでるのね」
そう、乗り込むなりスピーカーをオンにしていた理由はこれだったのだ!
オーシア魔法学校のアバウトな情報網恐るべし。
「それで今はうちのご一行にスパイとして送り込まれてるわけですね、分かります!」
犯人はお前だ!的にびしっと指差してあっけらかんと笑う。
「それって死霊皇帝軍やめるチャンスじゃない?
だって抜けられなくて籍を置いてるとしか思えないんだもん。思い切って辞めよう!
裏切り者暗殺部隊が来たらみんなでぶっとばしてあげる!
勇者はいいよ〜。堅苦しい組織のしがらみもないし嫌な事をやらされもしない。
やりたい事だけしながら旅して……人に喜んでもらってお礼までもらえたりして!
安心しなよ、死霊皇帝殺そうなんて思ってないからさ!」
111テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/05/22(金) 00:16:23 0
>109
まずは呪歌をとめなければ! 【サイレンス】の詠唱をはじめる。
途中で植物が巻きついてきたがそのまま続ける。
人間とは根本的に身体構造が違うから絞め殺されることはまず無い。
「……ッ!?」
と思いきや、力が抜けていくような感覚に襲われる。
「……気付いたか? 魔力を吸い尽くされて死ね!!」
意識を失いそうになったその時。
体中に巻きついていた蔓が風の刃に切断され、木端微塵になって散る。
思った通り、アルベル君が風のように現れた。
シルフィードの精霊魔法で空気の流れに干渉する。
「呪歌は封じた……もうやめろ!」
呪歌を封じた証拠に、木のモンスター化が止まる。
そして最初にモンスター化した木はそしてガルダによって次々と数を減らしていっている。
しかし、レーヴァティルの青年は何かを決意したような薄い笑みを浮かべていた。
「現占有者のおでましか。死霊皇帝の申し子め!
復讐しようなんて思ってなかったよ……アイツが死ぬまでは!」
声にあわせて周囲でバチバチと魔力がはじけはじめた。
レーヴァティル最大の特徴は声自体に宿る魔力。
言葉の全てが魔力の刃となって襲いかかってくる!
「アイツは誰よりも綺麗な心をもっていたばっかりに……けがらわしい闇の眷属に殺された!! 
無駄話はそろそろ終わりだ……」
木の枝のような棒を取り出す。剣の柄のようにも見えるそれを天に掲げ、高らかに謳いあげる。
「巫女の護り手セシルの名において封印を解き放つ! 汝が名は“破滅の枝”レーヴァテイン!!」
柄から現れるは揺らめく炎のような巨大な刀身!
こんなところで振りまわしたらどうなるかは目に見えている。
アルベル君が思わず叫ぶ。
「バカ……! お前も死ぬぞ!!」
「俺はリチアが死んだ時……5年前に死んだんだ……!
使命を果たせなかった一族の最後の務めだ……焼き払って全員葬ってやる!」
112鴉 ◆DTuJIV5vgY :2009/05/23(土) 13:37:30 O
「自分の怠慢を棚にあげて何くだらねぇこと言ってんだよ!」
火柱を手にしている男を目の前にして俺はそう言った。
「そういう奴と心中なんざ…俺は嫌だね」
113ソル ◆sBYghzSQ5o :2009/05/24(日) 22:20:15 0
黙って様子を伺っているうちに
どんどん事態は悪化していった。
えっと…とりあえず。
「わがまま言ってんじゃねぇよ、カス」
レーヴァティンとやらを出してきた睨み付ける。
「…と言って欲しいとしか思えないね、その発言」
うーんと…とりあえず…その…全力で止める!
「使命を果たせなかったから皆殺しとかアホ?
 あのね…そんなの一族の務めでもなんでもない。
 ただのわがままだよ。…させない」

杖を構え、羽を出し、地面から足を放す。
そして、杖をあらゆる方向に振り回し、魔方陣を展開していく。
「封印を解放されたなら、もう一度封印するまで!
 【シールマジック】!」
封印魔法なんて始めてだから、成功するかわからないけど、
こんなところで死ぬなんてお断りだ!
114テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/05/24(日) 23:40:17 0
>112-113
「黙れ!」
レーヴァテインを一閃、火炎球が周囲に放たれる!
「と、とりあえず落ち着け! 落ち着いて餅つけ!」
「自分まで死ぬことないじゃないか!」
呪歌の効力が切れた隊長とか他の隊員が大慌てでなだめはじめた。
>「封印を解放されたなら、もう一度封印するまで! 【シールマジック】!」
ソル君の封印魔法であっけなく引っ込む火柱。
「あ……」
周囲がほっとすると同時になんとなく気まずい雰囲気が流れる。
「おのれ! 天使までも闇の眷属の味方を……!!」
もはや木の枝振りまわしてるようにしか見えない。
元から可哀想だが別の意味でも可哀想になってきた。
いたたまれなくなった結果の首つりを阻止する必要があるだろう。
「カルトでもガイア星教団でしょ!? 
ガイアって生命の神様なの。早まっちゃいけない!」
「その通りよん、早まっちゃダ・メ。危ないオモチャは没・収♪」
この場にいるはずの無い者の声が聞こえてきた。
後ろの空間が歪み、現れたのはそもそもの元凶、幻妖のリム!
いともたやすくレーヴァテインを取り上げる。
「アルベルちゃ〜ん、自宅警備ぐらいしか能がないんだからちゃんとやらなきゃあ」
「何しに来た? 窓際族」
「そんなに怒らないでぇ、綺麗な顔が台無し。
楽しいお祭を盛り上げにきたのぉ♪ 新しい魔法の実験を兼ねて、ね」
「貴様は……ッ!!」
憎悪の視線を向け剣を抜き放とうとするセシルの耳元で囁く。
「聖地を取り戻したいんでしょ? 力を貸してア・ゲ・ル♪」
そして高らかに呪文を唱え始める。
「運命の糸の導くままに、踊り狂え、哀れな人形たち!
我に捧げよ、絶望の歓喜、血の饗宴!【傀儡舞踏会(マーダーマリオネット)】!」
次の瞬間、セシルは完全に術にかかり、何の感情も宿さない目をしていた。
それだけではなく隊長はじめとする他の隊員達もそうなっている!
「ふ〜ん、やっぱ妄信集団はかかりやすいのねぇ。
そ・れ・に・憎しみに支配された心は最高! それほど支配しやすいものはないの♪
リムの可愛い人形達、まずは〜無力な村人達を始末して!
勇者どもが邪魔してくるだろうからそれも始末♪」
言われるままに村を出て行く一団。
「ふざけるな! 俺が気に入らないなら俺だけ殺せばすむだろう!」
「とんでもない、超タイプだしぃ、大好きよん。
だから大事なものをメチャメチャに壊して泣かせてみたくなるの♪
それは冗談としてぇ、お人よしな勇者どもを楽しく始末するチャンスじゃない!」
悔しいけど乗るしかない。急いで団員達のあとを追う。
115 ◆6nXELe5RK6 :2009/05/24(日) 23:41:30 0
――魔女! 今日こそ貴様を亡き者に……
「アンタは邪魔だから引っ込んどいてね〜」
リムはセシルから掠め取ったモンスターボールに、バロンを収めた。そして振り向く。
「行かなくていいの? アルベルちゃん。
早く行って人形達を片づけなきゃ! さもなきゃ村人が全滅しちゃうよぉ!」
アルベルはバンダナをはずして脚に巻きながら不敵な笑みを浮かべた。
「方法はもう一つある……力ずくで貴様の術を止めることだ!
その間ぐらいは癪だがお人よしの勇者どもがもちこたえてくれるだろうさ!」
そしてナイトメアとしての力を解き放った!
角が伸び、赤銅色の髪が腰まで伸びる。手が変形し鋭利な刃物のような爪が現れる!
「異形体もス・テ・キ♪ 本気でリムと遊んでくれるなんてカンゲキ。
はりきっていっちゃうよ〜ん」
リムは妖艶な笑みを浮かべ、漆黒の翼を広げた。
静まり返った村にて、疾風と幻妖が激突する!!
116乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/05/25(月) 01:39:35 0
「そのような悲劇があったな…だがそれを認めたら善良な者まで否定することになる」
不動明王剣を構えると、炎が刀身に宿り始める
そしてそれから口調がガラリと変わる。
「だからと言ってそれはその行為を許すわけにはいかねぇんだよ」
瞳の色は真っ赤になり、全身は不動明王剣同様黄金色に燃え上がる
ガルダが驚愕の表情を浮かべる
【まさかあの巨大な炎の刀身を受け止める気か!?】
「受け止めるんじゃねぇ救うんだアイツも絶対に死なせねぇ」
不動明王剣を上空に突き上げると炎が天に向かいどこまでも伸び始める。
【やはり魂の波動からして只者ではないとは思ったがまさか…】
「いくぜ!」
振り下ろそうとしたその時、火柱が消える
「はっ?」
ポカンとしていた。

117ディスト ◆2l1/Dgk7EY :2009/05/25(月) 02:15:17 O
>>112 >>114

やれやれ、コイツはエラく面倒くさいこった
やっぱ乱闘じゃ剣客の出番はねーか
けど、このままじゃ俺は口だけの兄ちゃんになっちまう
なんかそれでも良いような気がしてきた…………
独りでいじけて剣を抜かずにうろちょろしていると、ヒスった若い奴の声がしている
ちょろっとそっちに行ったらその兄ちゃんはデカそうな火柱を持ってる
「あれ、壊してーなぁ、心おきなく震撃使いてーなぁ………
って、そんな場合じゃねーかな」
俺の悪い癖だ
見たところあの火柱、デカいし魔力も相当詰まってやがる
あれ、震撃が通るかな?
いやぁ、多分剣が当たる前に融けちまうな
>「自分の怠慢を棚にあげて何くだらねぇこと言ってんだよ!」
「言葉が通じる相手かよ」
そう呟いてデカい剣の兄ちゃんに詰め寄っていく
「感情論ってのは善悪じゃない。言うなら幼稚な仕返しだ
そこに理屈や理性はないよな?」
そしていきなり妖しげなヤツが火柱を奪った(?)上、変な術を残していきやがった
カチンときた
ここにきてようやくスラリと剣を抜き、ガチンコやってる二匹に怒鳴る
「村ごとふっ飛ばす気かよ!?ちったぁ加減しろや!!
それと火柱を潰したババァ、責任とって俺と闘え」
118インペトゥス ◆jH6qejmC7g :2009/05/25(月) 12:52:21 0
その頃・・・村の入り口に一台の魔導バイクが到着していた。
乗っているのは二人。声からしても男と女だ。
当然一方はオレ、もう一人は・・・道中で拾ったんだが。

「村に着いたっぽいのはいいが・・・なんじゃこりゃ?」
呆けた様子の騎士っぽいのが無数に転がってやがる。
その様子を見て後ろに乗せてた女が大声をあげる。

『これは・・・トリウス卿?!いったいあなたがなぜこの地におられるのですか?!』
と、滅茶苦茶ケバい危なそうなのといきなり話はじめやがった。
《遅かったですなオラージュ卿・・・、あなたの向かった後に新たな神託があったのですよ。
 そして、この任務には【あの方】もおいでだ。聖地は我らが手に・・・ごほぉっ!》
『こうしてはいられません!村の奥に向かいますよ!!』
いや・・・おい、お前が放り出したらそいつ首の角度がやば・・・まぁ、いいや。

こうして俺らは村の奥へ向かってまたバイクで向かったのはいいが・・・。

――――――――――――――――――――――――

村の奥は更に混迷していた。
なんで馬鹿デカい六武神型ゴーレムとかいるんだよ・・・・・・。
それに何故勇者達が村の味方してるんだ・・・・・・?本気で頭痛がしてきた。
まぁいいとりあえず片端から蹴散らしてみるか。
そう思って後部座席の女に声をかける。

「おい。」
『ん?』
「ちょっと降りろ。」ぽいっと降ろして急発進ってな。

「時よ、道を開けろ!」
静止時間を発動、一気にまわりの連中を抜いて虚ろな顔をしている隊長に向けて
バイクの前輪を掲げてウィリー状態にする。
「時よ、再び刻め!」
傍から見たらいきなり現れたとしか思えないタイミングで隊長を思いっきりバイクの前輪ではねあげる。

前輪を戻して、光の勇者の連中を見て声をかける。
「・・・で?どうなってんのか誰か教えてくれないか?なんでお前らが味方しているのかとか色々。」
119鴉 ◆DTuJIV5vgY :2009/05/25(月) 16:09:02 O
「…なぁ、殺っちまってもいいよな。こいつ」
変身したアルベルに俺はそう訪ねる。
だが、あいつは沈黙で答えた
「充分わかってるよ。ここでコイツとやりあってる場合じゃないのは…でもよ
 あんた負けるぜ…あんたに無くて、あの女にある物のせいでな
 まぁ、助太刀する理由はまだあるがな
 俺はな…ガキの頃から『理不尽』って奴に散々振り回されてきた。今もそうしてこんなとこに居るが…
 今、目の前にそれを思う存分振り回してきた奴がいるってだけで、気が狂いそうなぐらい頭に登ってんだよ」
>「たかが人間の分際で何寝ぼけたこといってんの?馬鹿みたい」
「その人間に今からテメェは苦労するんだよ」
>「ついてこれるか?来れるなら来てみろ」
「俺の名前を忘れたか?あんたが風なら俺は鳥だ!乗ってやるさ」
120ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/05/26(火) 22:34:33 0
>110
>「飼い主に収めてもらう! ……メル。こっちは頼む!」
シルフィードをまとい操縦席から去っていくアルベル。
ガレスとは眼も合わせようとはしない。またガレスも俯き黙っている。
そんなガレスを見ていたメルディが口を開く。
>「ゴメン、痛かったでしょ。正直びっくりしたけどさ……人生いろいろあるよ。
>あのね、道具はどんな使い方をするかなの! たとえばこんな使い方だってできる!」
スピーカーのスイッチを入れるメルディを止めようと手を伸ばしかける。
>『そこの幻獣! 止まりなさい! 話は署で聞きましょう!
>さもないとぬっこぬこにしますよー! ハゲフラーッシュ!!』
そして頭部が変形し強烈な光を発しバロンをひるませる。
>「早く立て直して立て直して! ……なるほど、やっぱり技名を叫ぶと技がでるのね」
メルディの言葉にハッとしてロボットの体勢を起こすガレス。
そして光に目がくらんでもなお向かってくるバロンを両手で抑えつける。
>「それで今はうちのご一行にスパイとして送り込まれてるわけですね、分かります!」
「………さあな、まあそうなっちまうかもしれないけどよ」
メルディの言葉にはっきりとした返答はしないガレス。
それというのもガレス本人は少なくともここに居る理由はスパイではない。
だが確かにこのまま勇者たちの中に居続けたらバルトールなどから
スパイ目的で命令が下るのは時間の問題だろう……
>「それって死霊皇帝軍やめるチャンスじゃない?
>だって抜けられなくて籍を置いてるとしか思えないんだもん。思い切って辞めよう!
>裏切り者暗殺部隊が来たらみんなでぶっとばしてあげる!
>勇者はいいよ〜。堅苦しい組織のしがらみもないし嫌な事をやらされもしない。
>やりたい事だけしながら旅して……人に喜んでもらってお礼までもらえたりして!
>安心しなよ、死霊皇帝殺そうなんて思ってないからさ!」
だがメルディの言葉にガレスは複雑な表情を浮かべただ黙っているだけだった。
121 ◆6nXELe5RK6 :2009/05/26(火) 23:30:24 0
>119
リムが腕を軽く振ると、手の中に豪奢な装飾がほどこされた漆黒の傘が現れた。
「キャハハハハ! 人間の理屈が正しいとでも思ってんの?
物質界の法則を支配するつもりで支配された揚句
大いなる存在を忘れ自ら破滅へ突き進む……地球人類の鏡ねぇ。
因果律を超えた魔の力、思い知れ!」
深淵より生まれた奈落の寵児の、歌うように紡がれる凶悪呪文が戦いの始まりを告げた!
「降り注げ破壊の凶星!【メテオストライク】!」
空の彼方より無数の隕石が飛来する!
「いくぞ、シルフィード!」
上空で舞う烈風の刃が、隕石を粉砕する! 力の余波で辺りに暴風が吹き荒れ始める。
「キャ〜! スカートめくれちゃう♪」
これはウソだ! リムのワンピースはいかなる暴風が吹こうとも
不思議な力によって絶対に中が見えることはないのである!
「興味ない!」
リムの背後に風になって瞬間移動、鋭い爪で刺し貫く! 
だがリムの姿は幻のように消えた。
「残念、ハズレ♪」
リムは傘を開き脚をぶらぶらさせながら後ろの木の枝に座っていた。
「……勘違いするな、お約束に乗ってやっただけだ」
>117
>「村ごとふっ飛ばす気かよ!?ちったぁ加減しろや!!
それと火柱を潰したババァ、責任とって俺と闘え」
「早く逃げろ! 今の見てただろ!?」
リムを煽るディストをすごい剣幕で怒鳴りつけるアルベル。
「そんなに怒らなくてもぉ。リムと遊んでくれる人間の坊やなんて滅多にいないしぃ。
アルベルちゃんとは今度二人っきりで遊んでアゲル♪」
その声がしたのは、ディストの後ろ。そこにもリムが立っていた。
さらに鴉の前にも現れ、勝手にことわざを教授する。
「この世界のことわざ一つ教えてアゲル、リムが通れば道理引っ込む!」
気付けばそこらへんじゅうリムだらけになっていた。
一人でも怖いのにある意味ものすごい恐怖である。
「「「本物はど〜れだ♪」」」
122テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/05/26(火) 23:58:19 0
>116
なんだか一瞬タケル君が別の人に見えた。
>「はっ?」
いや、やっぱりタケル君だ。
「ほら行くよ!」
急いで団員達を追いかけていく。

>118
いつものように植物操作で団員達を縛りにかかっていると
目の前にいきなり二輪車が現れて交通事故が勃発した!
隊長っぽい人がはねとばされてばたんきゅーする。
「わーーーーー! 大丈夫!?」
幸いカルトみたいなのはしぶといと相場が決まっているのであった。
意外と大したことないっぽいのでまた暴れださないように縛っておく。

「おおっ、キミはインペたん! 君の相棒は元気にしてるよ。
そのバイクかっこいいねえ!」
とりあえず呼び方に親しみを込めてみた。
>「・・・で?どうなってんのか誰か教えてくれないか?なんでお前らが味方しているのかとか色々。」
「死霊皇帝軍に見捨てられた人の村だから味方しても問題ナッシング!
アルベル君が木材売ってるのは知ってるでしょ?
買いに来たらガイアを名乗るカルトが荒らしまわって困ってるらしいってのを聞いて
そんなのにのさばられたらボク達としても困るから捕まえる事にしたら
あれよあれよという間にこうなったんだ! 
と、いうわけで今回は敵対してない。さあ一緒に村人を守ろう!」
123乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/05/27(水) 20:35:39 0
>>122
途中で意識がサッと切り替わると目の前にテイル殿がいた。
>「ほら行くよ!」
「りょ、了解でござる」
なんだか自分でもわからない状態だったが、とりあえず追いかける。

襲い掛かってくる団員達を錫杖でぶっ飛ばしながら、前へと進む。
が、いきなり隊長を引いて凄まじい勢いで二輪車で突っ込んでくる。
そしてそれがこの前戦った男ではないか。
今は非常事態ゆえに、戦っている余裕は本当ならないに等しいが。
>「・・・で?どうなってんのか誰か教えてくれないか?なんでお前らが味方しているのかとか色々。」
本心としては彼と今は戦いたくないためダメ元で言ってみる。
「説明は後でござるよ!とりあえず今は手を貸して欲しいでござる嫌ならせめて手を出さないで欲しいでござるよ」
124ディスト ◆2l1/Dgk7EY :2009/05/27(水) 20:46:37 O
>>121

>「「「本物はど〜れだ♪」」」
幼い見た目と裏腹な、圧倒的と言えるその実力を見て俺はニヤリと笑う
「あんたは強そうだ。少しばかり遊んで貰おうか?」
相手にとって不足無し!つーか、まともにやるとキツいな
「まずは小手調べ」
いつぞや拾った折れたナイフの刃に力を込める
リィィーーン
金属が高速で微細動して心地良い音を奏でる。これが震撃の特徴だ
それを無造作にヒョイと投げつける。これだけたくさんいれば、どれかには当たるだろ
さっき見たみたいにかわされても当たった家なり木なりは砕けるだろうから
魅せ技としては問題ない。………弱点さえ見破られなければ
あちらこちらに見える色んな物を微細動させて投げまくれば何とかなるだろ
近づいてきたら切ったらいいだけだし。むしろ近づいてくれたら御の字だ
もし、途中で迎撃されたら困る。恐らく刃が散弾の四方八方に飛び散ってしまう
メチャクチャ危ない
125 ◆6nXELe5RK6 :2009/05/27(水) 23:13:57 0
>120
「ごめん……純血の魔族が光の勇者なんて無理だよね」
光の眷属が死霊皇帝軍に入るのがどんなにとんでもないことかメルディはよく知っていた。
その逆も同じと思いいたる。
「じゃあ同行者ってことで!
大丈夫。少少情報流されるぐらいどうってことないもんね〜。
こっちも魔法学校から出所不明の怪しい情報が相当流れてくるからおあいこ!
出て行けなんて言うはずないじゃん。貴重なまくら投げ要員なんだもん」

やがて突然引っ込む幻獣。
「行こうガレス君!」
メルディはロボットから飛び降りた。

>104
村人A・Bがバラグに魔力をそそいでいるところリムに操られた隊員達がわらわらと迫ってくる。
村人A「ヤバイ!」
村人B「うわーだめだー!」
村人A・B絶体絶命かと思われたその時!
触角つけて長ネギ持ったエルフが躍り出た!
「僕が相手だ!」
村人A「幻覚見えてきた……変なエルフが見えるぞ」
村人B「エルフが助けてくれるわけないだろう。でも俺も見える……」
村人A「どことなくアルベルさんに似てる……」
村人B「そうそう、緑色の目で野菜振りまわしてるところが……って噂の姉君!?」
126ソル ◆sBYghzSQ5o :2009/05/28(木) 09:01:30 O
>>121>>124
リムがいくつもの分身を作りはじめた。
そこにディストさんの攻撃が次々に分身を消していく。

「うっし、オレも行くよ!…光よ!【サンシャイン】!」
杖を空に突き上げ、杖の先から
眩しすぎるほどの光を放つ。
「影の無い奴が偽物!後は…お願い!」
ずっと光を出していないといけないのでなんとも他力本願な技である。
127 ◆6nXELe5RK6 :2009/05/28(木) 23:42:35 0
当然村人を避難させた飛空艇にも隊員達がむらがってきた。
入り口の前に立ちはだかる一人の漢。その名はレオ・テンペスト!
「ここは通さん!!」
拳を繰り出すと、ありえない衝撃派が走り隊員達が吹き飛ばされる!
その手に装備しているのは、壮麗なガントレット。
もはや存在を忘れられかけていると思われる格闘大会(第五章)の景品
拳型宝具フィスト・オブ・キング、初お目見えだ!
128名無しになりきれ:2009/05/30(土) 18:11:20 0
超人バトル:
セシル(いろいろ無力化されほぼ用済み)
リム(幻覚で分身山ほど作成・狂信隊員を支配して村人攻撃中)
アルベル(異貌発動・シルフィード連れて対リム戦中)
鴉(対リムでアルベルと共闘中)
ディスト(リムの分身減らし中)
ソル(リムの幻覚識別用に照明中)
ガレス(ロボット操縦席・メルディに勧誘され中)

地上:
乱堂武(狂信隊員片付け中)
テイル(狂信隊員片付け中)
インペトゥス(事態把握中)

敵機残骸付近:
狂信隊員(リムが支配して攻撃中)
村人A・B(バラグ充電中)
バラグ(行動不能だが↑でいつでも解除可能)
メルディ(触角長ネギで応戦中)

飛空艇入口:
狂信隊員(リムが支配して攻撃中)
レオ(フィスト・オブ・キング装備で応戦中)
避難した村人(船内待機)

その他:
トリウス卿(ほぼ行動不能)
オラージュ卿(バイクから放り出された)

こんなもんか
129鴉 ◆DTuJIV5vgY :2009/05/31(日) 22:48:54 O
「んなこと知るかよ!魔法だろうが、神だろうが、奇跡だろうが、てめぇらの手の届くとこになきゃ
無いのと一緒なんだよ!!
 大いなる存在だ?そんなもん、自分の力で人生を進められない奴が頼る相手だろ」
降り注ぐ隕石を目の前にし、俺はそうリムに返した。
まるで、世界終焉の序章のような光景を目の当たりにして、そこからどうにかするか考えれるほど俺はそこまでポジティブじゃない
ならば、せめて言葉ぐらいはと思って言ったはいいが、地球人類としての発言だったろうか
いや、考えるだけ無駄か
まだ生きるんだからな
アルベルが隕石を斬った瞬間、俺は本能的にあいつの背後に引っ付いて動いた。
カーレースでよくあるスリップストリームを利用したつもりだが、果たして効果はあるのだろうか
まぁ、問題はそこじゃなく、ここからの戦い方だ。
真っ正面からやっても返り討ちに合うだけだ。
それならば、俺は暗殺者らしいやり方でやるだけだ。
誰かの影に隠れながら、一瞬の隙に付け込むだけ
そう思った矢先、先にアルベルが仕掛けたが、相手のほうが一枚上手のようだ

「あんた、因果応報って言葉知ってっか」
ワラワラと現れた分身の1人にそう言い返し、俺は気配を消して、姿を消した。
正確には、分身らの死角から死角へ移ってるだけだが、この分身の有りようによっては効果抜群だし、酷く間抜けな踊りをしているようにも見えるだろう。
他の奴らが仕掛けている最中、俺はそうしながら、リムの気配を探していた
だが、それも徒労に終わる。
小僧が光を翳し、真贋を判別させたからだ
幸運にも、俺はその影付きの背後に居た
もちろん、即殴りかかった。
その瞬間である。
>「馬鹿!俺だ」
アルベルの声に、俺の動きは止まった
>「これで1人目♪」
その声を聞いた瞬間、俺は何かで殴り飛ばされた。
>「疑り深い人って簡単に壊せるからつまんなぁい」

頭のどこかで、そう考えていたのかも知れない
『味方の姿まで変えて、混乱させているのかも知れない』
それが、あの一瞬動きを止まらせた原因だ。
「我ながらまたまだ甘いな…たったそれぽっちのことでヘマするとは」

首を抑えながら立ち上がってみせた時、明らかにリムの表情が凍ったのが分かった
「殺ったつもりだろうが、リサーチ不足だな
 生憎、俺はその程度で死ねないぐらい頑丈でな
 まぁ頑丈なだけじゃねぇんだがな」
130 ◆6nXELe5RK6 :2009/06/01(月) 00:51:04 0
リムが鴉を傘のフルスイングで殴り飛ばした一瞬の隙に、ディストの放った震撃のナイフが飛んでくる。
「おっとお!」
ワンタッチで傘を開いて防御する。もちろんこの傘、ただのゴスロリ傘ではない。
閉じて武器、開いて盾となる攻防一体の凶悪魔導具“オベリスク”。
強大な魔力を持つゆえに接近戦向きではない妖魔でも
普通の人間なら軽く殺せる殺傷力を持ち、銃弾なら軽く弾き返す防御力を誇る。
震撃のナイフも難なくはじき返した……ように見えた。
だが当たった場所に穴があいていた。
「あーあ、修理しなきゃ〜」

>「殺ったつもりだろうが、リサーチ不足だな
 生憎、俺はその程度で死ねないぐらい頑丈でな
 まぁ頑丈なだけじゃねぇんだがな」
「あらぁ? 魔法は一切使えないんじゃないっけ? まーいっか。
そっちの天使のボウヤはリサーチ済みよ!」
怪訝な表情はすぐに消え、次を仕掛け始める。
「深淵の底より来たれ、暗黒の幽鬼!【コール・アンデッド】!」
これぞ死霊皇帝軍の常套手段。
辺りから実体、非実体入り混じる様々なアンデッドが湧き始めた。
「良く来たわねん。最初のターゲットは天使サマよ〜ん!」
地面から湧いてきたスケルトンがソルに切りかかる!

「ウフフ、怖い? 気にすることはないわぁ、あなたの御先祖様もそうだった」
131名無しになりきれ:2009/06/01(月) 02:21:21 0
「負傷者は奥へ」「軽傷の者は手当を手伝え」「動ける者は入り口の後を固めろ」
村人達は、軍上がりのせいか、やけに手際良く船内に避難した。
レオ「外は光ってるからそのままそこにいろ!大丈夫!
これ、近接戦闘武器なのに遠距離広範囲攻撃できる便利アイテムだから!」

迫ってくる隊員を、絶妙な手加減で吹き飛ばす。
(ふ、こちらは教師、手加減の見切りには自信があるぜ!)
とはいえ、リムの術にかかった隊員は次々にやって来る。
(宝具だけあって戦力差は余裕!キリは無いけどルーチンワークも教師のつとめ!)
トレーニングのように淡々と衝撃波を繰り出す。
飛空艇の周囲に、半円状に気絶者の山、というか土手が築かれつつあった。
132ソル ◆sBYghzSQ5o :2009/06/02(火) 13:00:27 O
>>130
リムの放った大量のスケルトンがオレに襲い掛かる。
うわっキモッ!
なんとか攻撃をよけるも、ほかのスケルトンがオレを捕まえる。
「放せっ…ての!」
体から光を発し、スケルトンを怯ませ、脱出に成功する。

「…何だか知らないけど、先祖のこととか、興味無いから。」
リムを睨み付け、羽をしまい杖を構える。
「もうめんどいから全部吹っ飛べ!」
先程まで出していた光を分身とスケルトンめがけて放つ。
133テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/06/03(水) 00:23:39 0
今頃村では想像を絶する戦いが繰り広げられている事だろう。
風に乗って紙(>128)が飛んできた。
“リムから今北インペトゥスちゃんへ♪” と書いてある。
リムのやつ、戦いつつ隊員達を操りつつも
広域に超感覚知覚を展開してすべてお見通しなのか。
「だってさ!」
紙をインペトゥス君の背中にぺたっと貼る。
そんなしょうもない事をしていると、アンデッドが湧いてくる光景が目に飛び込んできた。
ぐるぐる巻きにした隊長に襲いかかっている!
「【エネルギーボルト】!」
初級魔法にあっけなく崩れ去るアンデッド。
彼らを突き動かすのは生者への嫉妬だけ。光の眷属や人間には見境なく襲いかかる。
闇の眷属は死霊皇帝の加護を受けた存在だから襲わないと思うけど……
インペトゥス君にも普通に襲いかかっていた。
エネルギーボルトをもう一発放つ。
なるほど、ナイトメアでもベースが人間だから襲われることもあり得るのね。
「気をつけて、幻妖のリムはノリと勢いだけだからキミにも何するか分かんないよ!」

>131
程なくして、次から次へと来ていた隊員達もほぼ打ち止め。
レオの格闘技能とフィストオブキングのすさまじき相乗効果である。
しかし構えを解いたのもつかの間、どこからともなくアンデッドが出現し始めた。
そんな中現れる隊員の最後の一人。レーヴァティルの生き残りセシル!
さらに悪い事に、憎しみに支配された心が呼びあったのか
非実体のアンデッドが吸い寄せられるように憑依した!
レオの表情に今までにない緊張が走る。“こいつはまずい!”格闘家の勘がそう告げていた。
134ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/06/04(木) 18:04:42 0
>>125
>「ごめん……純血の魔族が光の勇者なんて無理だよね」
そんなメルディの言葉に辛そうに顔を逸らすガレス。
「そうだな……俺はどんなに取り繕ったって魔族だ。まあ……ここいらが…」
そこまで話して言葉を止めるガレス。ただ一言「潮時」と言えば諦めも付く。
そう、全ての諦めが……しかし、メルディから来たのは予想外の言葉だった。
>「じゃあ同行者ってことで!
>大丈夫。少少情報流されるぐらいどうってことないもんね〜。
>こっちも魔法学校から出所不明の怪しい情報が相当流れてくるからおあいこ!
>出て行けなんて言うはずないじゃん。貴重なまくら投げ要員なんだもん」
そのメルディの言葉に言っていることが信じられなかったのか呆然とする。
そして何かがふっきれたのかメルディに微笑む。
「んじゃ……これからもとりあえずよろしく頼むぜメルディ」

>「行こうガレス君!」
幻獣が引っ込んだことによってメルディが飛び降りる。
少しの間ガレスはコクピットを見ていたが、決心したように何かをボタンを押す。
すると画面がショートし火花が上がる。自己崩壊させるボタンを押したのだ。
「おうよ!!ちゃっちゃと片付けるぜ!!」
そしてメルディにならいガレスはロボットから飛び降りる。
向う先は決まっている。戦いの場………仲間の元=I

>133
レオの格闘家の勘は当たった。セシルの体に次々に大量の実態を持たぬアンデット
が吸い込まれていく、限界などないかのようにただセシルは負の塊を吸いこみ続け。
そしてセシルの絶望と憎しみは憑依したアンデットの創造以上の力を発揮した。
もはや生者とは言えないほどに禍々しく染まったセシル。
身体からは非実態のアンデット達が溢れかえり、苦しみと恨みがつまったようなうめき声が響く。
『殺す……殺してやる……』
もはや正気すら失ったセシルはアンデットを剣に纏わせ斬撃を一発、レオに放つ。
危険≠サう思い距離を取ろうとした時にはすでに遅かった。
剣先がレオに触れた瞬間、生気をすべてを吸い取られるような暗き力が襲ってくる。
「ぐっ…・…しまった………」
まるで魂を取られたかのような損失感に身体が動かせない。
『憎い…憎いぞ……殺してやる!』
そしてレオにセシルの剣が振り下ろされようとしたときだった。
一つの閃光が奔りセシルの剣に衝撃を与えセシルは思わず後ずさる。
「ヒーローってのは遅れてくるもんだぜ!なあレオ?」
「お前は……」
レオが顔を上げたとき、レオの前に立った人物…それはガレスだった。
ガレスは立ち上がろうとするレオの前に手を出し静止する。
「休んでろよ。後は俺に任せな……こいつは俺が止めなくちゃいけねぇんだ」
そしてセシルの方に向きなおり語りかける。
「セシル、俺を覚えてるか………?」
だがセシルはガレスを見つけると一層殺意を露わにし向かってくる。
『…魔族め、殺してやる……殺してやるぞぉぉぉおおお!!』
哀れとも言えるセシルの様子を見てガレスは静かに構えを取った。
「悪ぃな、あやまっても許されねぇのは分かってるさ。
 だからこそ、そんな道に進んじまうのは止めてやらなくちゃいけねぇんだ!」
135インペトゥス&エメロ ◆jH6qejmC7g :2009/06/04(木) 22:26:48 0
(インペトゥス視点)
>122
戦闘中にもかかわらず能天気なフェアリーにどことなく気が抜ける空気を感じていたが
そこにさっき拾ったぼろぼろ女がつっかけた。ボロボロの外套を脱ぎ捨てると
中から現れたのは銀の鎧をまとった金髪の女騎士といった出で立ち。
右手には大の男でも両手で持たなきゃいけないような、背丈を超える大剣を持ち
左手には女神と二本の剣、竜胆を描いた円盾を持っている。
「誰がカルトですか誰がっ!!我々ガイア星教団は女神ガイアの教えを広め
 また我がアルトリウス派は女神の信徒達を守る刃として活動しているというのに・・・」

深呼吸・・・

「そも、街によっては神殿すらあるというのにそんな扱いですかっ!!
 あぁ、いくら女神の娘たるフェアリーの方の言い草とは言えなんたるぞんざい・・・うぅ・・・。」

この女、アルトリウス派だと・・・・・・。厄介なのを乗せてきちまった。
まぁこいつ自身は仇でもなんでもない、ほっとくか。
「しかしそうも言ってられません。元々私がこの村の人々を説得する使命を授かっていたのに
 この戦は本意ではありません。村の方々を守るため、助太刀します!!
 《鋼の暴風》エメルディア・オラージュ、推して参る!行くぞ騎士団員、稽古をつけてやろう!」

とか言いながら片手で大剣振り回してるぞこいつ・・・。どんなばかげた筋肉してやがる!
とりあえず横でちょっと呆然としてる妖精に声だけかけとくか。
なんか飛んできた(>128)紙切れにざっと目を通してからだが、
【あー・・・あいつ含め雑魚はこっちで受け持ってやるから美味しい大物は全部もってけ。
 ぶっちゃけこっちは実力主義、死者に語る口もないからやるだけやっていいと思うぞ。】

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
バイクで戦闘地帯に乗り込んでみたらこりゃひでぇ・・・。
片手で大剣振り回す以外にこの女、なんか特殊な技を使ってるな。
剣圧に魔力をこめてぶっとばしてるのか。
「鬼神の居りて乱るる心、されば人 かくも小さな者なり!乱命割殺打! 」

一括と共に振り回した剣の向こうでスケルトンやらゾンビやらが舞い上がる。
ガイア星教団の操られた兵士もまざってるが、そっちは少なくとも行動不能にしているだけらしい。

「む!危険ですよ!こちらには近づかないほうが・・・・・・」
【どうにかできずに来る訳ねぇだろ、とっととこいつらを潰す。そっちこそ危険を感じたら離れるんだな!】
「冗談、誇り高きオラージュ家に退路はない!ここはひとつ戦果比べと参りますか?!」
【上等!女だてらに加減はしねぇ、吠え面かかせてやる!】

―魔鋼の鎖と黒い爆炎 ―鋼の刀身と不可視の衝撃
二人が舞う場は一瞬にして阿鼻叫喚の領域、正に≪暴風圏≫と化した。
136テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/06/05(金) 01:26:21 0
>135
堂々たる重装備に身を固めたうら若き乙女が出てきた。
>「そも、街によっては神殿すらあるというのにそんな扱いですかっ!!
 あぁ、いくら女神の娘たるフェアリーの方の言い草とは言えなんたるぞんざい・・・うぅ・・・。」
「ゴメン……ガイア星教団にもいろいろあるのね」
組織が大きすぎてもはや統制がとれていないってことか。
でも人間のガイア信仰集団ってなんかノリが違うんだよなー。
堅苦しいというかなんというか。
>【あー・・・あいつ含め雑魚はこっちで受け持ってやるから美味しい大物は全部もってけ。
 ぶっちゃけこっちは実力主義、死者に語る口もないからやるだけやっていいと思うぞ。】
怪力美少女と共に奥に向かうインペトゥス君。

>132
ソルの広範囲攻撃に崩れ去るスケルトンの群れ。
「興味ないの? 残念、とってもステキな人だったのに〜」
>134
その時、轟音が響き渡る。ゴスロリロボットが爆破解体したのだった。
137乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/06/06(土) 01:11:13 0
飛んできた紙(>128)を見て、
「飛行艇の方が心配でごさるなぁ少し言ってくるでござる!」
遮ってくる隊員たちを錫杖で殴り飛ばしながら、飛行艇の方に向かう。

>>131
「どりゃー!!」
どごぞの無双乱舞なりに大暴れしながら飛行艇付近に辿り着く
「レオ殿大丈夫でござるか!?助太刀致す!」
と大声を発して近づくが、周囲に倒れた隊員たちが山のように重なっていた
「すごいでござるなぁ……」
呆然としつつ、錫杖で近づいてくる隊員たちの排除を開始した。
138テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/06/06(土) 01:22:14 0
>147
>「飛行艇の方が心配でごさるなぁ少し言ってくるでござる!」
「じゃあボクは村の加勢にいくね!」
アンデッドやら狂信隊員はインペトゥス君達とガイア星教団の怪力娘が蹴散らしてくれるみたい。
とにかく発生源を止めなきゃ!

――村
「無茶しやがって……」
爆破解体するゴスロリロボを見て思わず微笑むアルベル。
リムはアンデッド達を周囲に傅かせて余裕綽々である。
「もう古いしまあいいかぁ。お祭りはあれぐらいの演出がなきゃあ。
それよりあっちでとっても面白いことが起こってるわぁ!」
「どんなことだ?」
アルベルはアンデッド軍団を吹き飛ばしてリムに急接近する。
そのタイミングを見計らったように。
「こんなこと♪」
リムに応え、非実体のアンデッド達が鴉にとりつこうとする!
アルベルは救いを求めるように一瞬ソルの方を見るが
悪い事にすでに羽をしまっているのだった。
リムが先祖の話を持ち出したのは羽をしまわせる策略か、真相は本人のみぞ知る……。
139 ◆6nXELe5RK6 :2009/06/08(月) 23:47:32 0
>137
タケルが隊員を次々と気絶させている近くで対峙するセシルとガレス。
セシルには無数のアンデッドが憑依している。
退魔僧であるタケルにはが一目で危険性がわかるだろう。
そこにレオが来て制する。
「しばらくサシで勝負させてやろう。 手出しはどうしてもヤバくなったら……な?」
詳しい事情は分からなくてもガレスの様子を見て感じ取るものがあったのだ。
『目障りだ、消えろ!』
セシルの呪詛の声に応え、タケルとレオのほうに大量のアンデッドが押し寄せる!
>134
そしてガレスに剣の切っ先を向ける。
>「悪ぃな、あやまっても許されねぇのは分かってるさ。
 だからこそ、そんな道に進んじまうのは止めてやらなくちゃいけねぇんだ!」
『戯言を!!』
凄まじい負のエネルギーに、足元から同心円状に草木が枯れていく。
枯れるそばからアンデッド化していく草がガレスの四肢に絡みつき動きを封じようとする。
その隙を狙って切りかかる!
140鴉 ◆DTuJIV5vgY :2009/06/10(水) 13:48:49 O
爆発に呆気をとられてしまい。俺はその隙を突かれ、あの女が放った何かによってその場に伏した。

しかし、しばらくすると俺はゆっくりと立ち上がる。
だが、それは俺ではない。両目は血に染まり、顔は憤怒に歪んで、まるで鬼や悪魔の類にも見えなくはない。
「コ……テ…ル……コロシテヤル!」
まるで獣のようにそう吠えると、リムに向かって走り始める
141名無しになりきれ:2009/06/12(金) 23:35:38 0
「んー、なんか暇だし、更新しとこっかなっ」
リムは柄物のノートを取り出すと、ごてごて飾りのついたペンを走らせた。
目前のアルベルと走り寄る鴉には気付いてないのか気にしてないのか。

超人バトル:
リム(優雅にメモ書き中♪)
アルベル(異貌+シルフィードで対リム戦中)
鴉(対リム戦中:アンデッドをぶつけられ、反撃ターン)
ディスト(リムの傘に穴開けた;;)
ソル(リムの分身とスケルトン吹っ飛ばし中)

飛空艇入口付近:
セシル(アンデッドいっぱい憑けて暴れ中)
ガレス(アンデッド憑きセシルとサシ対決中)
レオ(アンデッドの怨念に触れてちょっとお休み中)
乱堂武(セシルvsガレス戦見守り中)
テイル(セシルvsガレス戦見守り中)
インペトゥス(狂信隊員掃除とアンデッド掃除中)
オラージュ卿エメルディア(インペたんと仲良く、狂信隊員とアンデッド掃除中)

その他:
避難した村人(飛空艇内待機)
トリウス卿(ほぼ行動不能)
142名無しになりきれ:2009/06/13(土) 00:07:15 0
一方、リムのメモには書かれなかった敵機残骸付近では。

「もう大丈夫、困った人達はみんな大人しくなったよー」
気絶させた隊員達の前でメルディが触角を揺らしながら意味不明なポーズをとっていた。
「助かりました・・・あの、あなたはもしかしてアルベルさんの?」
「えっヤダ分かっちゃうのー、嬉しいなぁ・・・うん、姉のメルディです。よろしくね☆
うちのアルベル、ちゃんとみんなの役に立ってる?悪い事してない?」
長ネギをくねくねさせるメルディに複雑な視線を交わす村人A・B。

「・・・。ところでこちらのゴーレムさんは、お仲間ですよね?
助けて頂いた事で魔力を切らしてしまったんで、何とかしたいが
見ての通り今の我々では付与する力もあまり出せなくて」
二人とも、本来ならそこらへんからテキトーに魔力を吸収できる魔族。
青葉の楓が茂る森のすぐ近くという好環境にも関わらず力が出せないのは、
最初に拘束された際に受けたダメージが相当ひどかったという事だ。
「ありがとう・・・そんなに辛いのに、魔力を分けてくれてたんだね・・・」
メルディはいきなり涙目になるとパンフレットを取り出した。
-----
▽故障かな?と思ったら
Q. 敵とあたって動かなくなりました
A. 故障していません。自動回復機能がついていますが、回復期間はランダムで決まります。
ただし、回復期間が2日以上かかることはありません。三日目にも正常動作しなければ、
姉崎サービスセンターに着払いで送付してください。
Q. 見るからに電池切れなのに動きつづけるんですが?
A. 仕様です。バッテリーの容量は小さいですが、微弱ながら自動発電機能がついています。
-----
「・・・だって。大丈夫だよ!だから二人とも、飛空艇の仲間に合流して休んでてっ!」
「「・・・。それは《巻 誠一郎 取扱説明書》だっ!」」
再び元気よく語りかけるメルディに、村人A・Bの突っ込みが虚しく響いた。
143テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/06/13(土) 00:07:51 0
>140 >141
幻妖のリムはノートに何か書いていた。
しめたとばかりにリムにウォルオーウィスプを飛ばす。
その時何を思ったかリムの後ろから鴉さんが突進してきた。
「来るな!」
ウィルオーウィスプを慌てて引っ込める。その隙にリムはさっと避けて道を開ける。
するとなぜかそのままの勢いでボクにパンチが炸裂した!
ものすごい力で殴り飛ばされて宙を舞う。
力を吸い取られるような感覚。飛ばされた勢いのままに木の枝に突っ込んだ。
「……なんで?」
「いい所にきた、さすがテイルちゃん!
てっきり愛しいガレスちゃんの応援に行ったかと勘違いしちゃったぁ。
ちょっと鴉ちゃんにアンデッド達をけしかけたらあんなになっちゃった。
今のあの子にはリムとテイルちゃんの区別はつかないわぁ。リム達ってそっくりだもの」
木の枝から脱出しながらリムをにらみつける。
「どこが!?」
リムは問いには答えず、転移する時のようにかき消えた。
でも鴉さんをどうにかするのが先だ。人間には害の無い対アンデッド専用の魔法をかける。
「【ホーリーライト】!」
これで正気に戻ってくれるはず……だった。
が、アンデッドが消えないどころか分離すらしてくれない。
「あの子ねえ、有利な魔法は効かなくて不利な魔法はよく効くらしいの。
追い出すのは至難の業だけどひと思いに殺しちゃえば簡単♪」
どこからかリムの声だけが聞こえてくる。
「ふざけるな! どう見てもガイアの人間と同じなんだ。殺せるわけないだろう!」
「いいこと教えてあげる。地球人類はあなたの敵……星に仇なす反逆者。
地球は人間のせいで滅亡へ突き進んでいるの。
自分の星にすらそうなんだから……後は分かるよねぇ?」
「そんな自殺行為をするわけがない!」
「それをしちゃうのが地球人類なの♪ 
最も危険な存在よ。あなた達にとっても……リム達にとっても」
144メルディ(NPC) ◆6nXELe5RK6 :2009/06/13(土) 00:27:21 0
>142
狂信隊員は片づけたものの、すぐにアンデッドが湧き始めて大変な事に。
が、メルディはのんきなものだった。
「安心して。闇の眷属は襲わないから。誰かに取りつかない限り大して怖くないよ」
そして不意に接近してくる暴風圏。
インペトゥスとエメロがアンデッド達をすごい勢いで蹴散らしている。
エメロは装備からガイア星教団だと分かった。
犬猿の仲のはずなのに仲良く共闘してるのにしばし呆然とする。
二人の暴れっぷりを見るとはなしに見ていると、さらに信じられない物を見つけてしまった。
フリルのついた服を着たアンデッドが出てきた。
他と違うのは服装だけではない。まるで周囲の修羅場に慌てているようだ。
メルディを見つけると必死に何かを訴え始めたが暴風にかきけされて聞こえない。
その事に気付いたのか、ホワイトボードに必死で何か書きはじめた。
【助けてください!】
そう書いたホワイトボードを見せた拍子に風に足をとられて転ぶフリルのアンデッド。
「分かった!」
と言ったもののガイア星教団の硬派な宗派の場合アンデッドを助けるなんざけしからんという可能性がある。
メルディはエメロに気付かれないようにこっそりと暴風圏に突入した。
145乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/06/13(土) 02:32:02 0
>>139
隊員達を飛行艇に近づけないように排除していると、近くに数多くの悲しみや憎しみの念を感じる。
ガレス殿と戦っている者からそれが大量に憑依されていた。
「な、あれほど憑依されているとは…今すぐ祓わなければ」
と、その時レオ殿が止める。
>「しばらくサシで勝負させてやろう。 手出しはどうしてもヤバくなったら……な?」
「勝負には手を出す気は毛頭無いでござるが、あれでは憑かれている側もも憑いている側も…」
言っている事はわからんでもないが、あのままでは大変な事になることを言い出そうとしたその時
>『目障りだ、消えろ!』
その呪詛の声と共にアンデットが押し寄せる。その数に驚きつつも抱いた感情はそれだけだ。
「すごい数でござるが…拙者ら退魔僧には造作もない!」
数珠を腕に巻きつけアンデット達に拳を一気に突きつける。
「成仏せい!!!」
その瞬間、光と衝撃波が発生しアンデットたちが一気に吹き飛ばされ倒れる。そして肉体が塵に変わる。
「まだまだいるでござるなぁ…しょうがないレオ殿…?」
どうやらアンデットの怨念に触れて倒れてしまったらしい。
「六根清浄ッ!」
数珠を向けて呪文を唱えるとレオ殿から怨念を取り払う。


146名無しになりきれ:2009/06/15(月) 20:44:39 O
人がいない
147名無しになりきれ:2009/06/15(月) 22:30:17 0
まあキャラの多くがナイトメアとかエルフとか妖精とかゴーレムとか天使とかアンデッドとか
広義の人外だからな・・・
148メルディ(NPC) ◆6nXELe5RK6 :2009/06/15(月) 22:34:41 0
「ぐぎゃああああああ!! みなさん、すごい風です!」
暴風圏に突入したメルディは、台風の時に現場に出てリポートする気象予報士のような状態になっていた。
ただし触角付きカチューシャは不思議な力によって外れないので安心して頂きたい。
当然エメロに気づかれた。
「そこのエルフ! 何をしているのですか!?」
「ちょ、ちょっと自然災害の体験を!」
両手を広げてフリルのアンデッドを隠そうと無駄な努力をする。
「危ないですよ! 後ろ!」
すぐさまずんばらりしようとするエメロ。
大人しいアンデッドなんていないことになっているのだから当然の反応である。
「出番だアクエリア!!」
メルディはアクエリアの霧の幻術を発動。
はたから見ると薄いもやがかかっただけだがエメロビジョンではそうではない。
「いやぁあああああああ!! アフロが率いる裸踊りの集団が!!」
訳の分からない事を叫びながら錯乱し始めた!
お堅い神官相手に見せる幻としてははっちゃけすぎた内容だったようだ。
メルディは予想以上の効きに戸惑いつつもフリルのアンデッドの救出にかかる。
「あの……あの方大丈夫なんでしょうか」
「うーん、ちょっとずっこけさせるだけのつもりだったんだけど……」
149名無しになりきれ:2009/06/15(月) 22:41:30 O
>>147
まぁ、人間の血が多いのがほとんどだけどな
純粋な人間は日本人ばっかなのも事実だが
皆が皆特殊能力使えなくてもいいのにな。
便上しなくてもいいのに



今の章はトンデモ展開の後
広範囲の戦闘になって事態を把握しづらく
各キャラの状況説明されてもどう行動していいかわからないって感じじゃないか

今何したらいいかわかんないし
何が起こってるのかわからないし
各コテの行動が(戦闘場所、呼吸両方の意味で)バラバラで物語がどう進んでるのかさっぱり

まぁ要するにこれ以上大魔法やら厨能力インフレ起こしても戦闘終わりそうにないならこれからの話に繋げられないんじゃ
150レオ(NPC) ◆6nXELe5RK6 :2009/06/15(月) 23:51:06 0
>145
>「六根清浄ッ!」
「ふう、助かった……」
意識を取り戻すレオ。なにやら気絶している間に名案を思いついたようだ。
「そうだ! セレネストリングスドーピングでレクイエムを広域放送すれば……」
超音痴なくせに自ら歌う気満々だ! 
こいつはまずい、早くなんとかしないと大変な事になる!
が、止める間もなくテイルを探しに猛ダッシュで走って行った。
151テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/06/15(月) 23:56:59 0
「そいつに耳を貸すな!」
アルベル君が鴉さんを羽交い締めにしながら叫ぶ。
「お前はセレネ持ってたよな。仲間に呪歌歌える奴はいるか?」
「いない……いや、一応メルちゃんが!」
ルーチカちゃんがメルちゃんから石ころ帽子の歌を習ったって言ってたっけ。
「こいつは抑えとく! 早く行ってレクイエムを歌ってもらうんだ!
音量増幅の魔法かけて!」
「分かった!」

メルちゃんは確かこの近くの飛空艇の残骸らしきもののあたりで長ネギ振りまわしてた。
村を出て少しした時、向こうからレオ君が来た。
「テイル! セレネストリングスを!」
「こっちも調度そう思ってたんだよ! 今からメルちゃん呼びに行くの!」
「いや、この際音量で勝負だ! オレが歌う!」
「無理無理! さすがに音痴だと星に還れないから!」
押し問答の末、なんとかレオ君は引き下がりメルちゃんのところに行くことに。
そこでボクは驚くべき光景を目にした!
152リム(NPC) ◆6nXELe5RK6 :2009/06/15(月) 23:57:52 0
テイルが去って行ったあと。
「ん〜。やっぱ簡単に乗せられやしないか」
そう言ったのはリムだった。いつの間にか姿を現して木の枝に座っていた。
そしてアルベルの方を見て笑いだす。
「キャハハハハ! アルベルちゃんったら!
いくらセレネストリングス使ったって触角エルフや筋肉導師のレクイエムでどうにかなるわけないじゃない!」
「リム!」
悔しそうにリムを睨むアルベル。
傷つけないように鴉を取り押さえるのに精一杯でで手が出せないのだ。
「で・も・結果オーライよ。お祭りはもうすぐ終わりのようねえ。
まさかレーヴァティルの巫女が出てくるなんて……とんだ手違いだわぁ」
153テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/06/18(木) 00:00:29 0
>151
「メルちゃん、今すぐレクイエムを……! その子誰?」
メルちゃんがフリルのたくさんついた服を着た金髪ロングの女の子を保護していた。
お互い顔をまじまじと見て同時に叫ぶ。
「「ああーーーーー!!」」
横ではメルちゃんとレオ君が顔を見合わせて何事かと驚いている。
「アバドンちゃん! どうしたの!?」
「テイルさん達と別れた後すぐに死霊皇帝軍につかまりました。
その後は覚えていなくて気付いたらここにいました」
何気にすごいことを朗らかに言った。
「そ、そうなんだ……」
ボクは必至で止めたがどうしてもというから別れたら案の定……。
でも洗脳されてなくて良かった! 本当に良かった!
154名無しになりきれ:2009/06/18(木) 23:33:32 0
メルディはいつのまにか着用した安っぽいビニールのレインコートをバタバタ言わせながら
マイクを持ってリポートの続きを始めた。

「えー、暴風圏は只今わずかに勢力を弱めながら、ここ、村の広場跡に来ています・・・
ここには困った人達が使っていた飛行艇の残骸もあり、
暴風に巻き上げられたら更なる大惨事を引き起こしそうですよっ?」
「なお、確認してないけど村人A・Bはぼくたちの飛空艇に収容できた模様です。
飛空艇は今は、広場跡の敵機残骸とは反対の端っこに停まっていますが
迫り来る暴風圏にもびくともしていませんっ!流石よくわかんない伝説アイテム!」
「そして、雑魚アンデッドの群れが暴風圏に吸い込まれていくのに合わせるように
アンデッド憑きセシルさんとガレスさんの戦場もこちらに向かいつつあり、
ついでにアルベルは暴れる鴉さんに引きずられるかっこうで
見物のリムさんとリムさんを追うディストさんソルさんを引き連れ先程広場に到着、
元々この辺で張ってたレオさん、乱堂武さんに
ついさっき感動の再開を果たしたテイルさんとアバドンさんも加え、
みんな成行きでこの広場に集まりつつあるようです!
因みにバラグさんはまだ動かないのですが、重いので暴風圏の影響も受けません。大丈夫!」

飛空艇の謎通信機に多少の魔法を付与してメルディのリポートを見ていたティアは呟いた。
「・・・ちょっと強引じゃのう」
155テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/06/19(金) 00:42:08 0
>154
なりゆきで全員が集結しつつある中。
「いきなりだけど頼みがある! レクイエムを歌って!」
セレネストリングスを取り出してアバドンちゃんに行った。
「すみません、レクイエムは知りません。でも愛の歌なら……」
愛の歌とは強回復の効果を持つ歌である。
つまりアンデッドの浄化と怪我の治療が一気にできる!
もちろん詠唱者は効果範囲外にできるから大丈夫。
「……それだ!!」
呪歌【愛の歌】。
殺伐とした空間に響く歌声にオレはついつい顔を顰める。
死ぬほどぬるい歌だ・・・・・・。けれど効果は十全だ、アンデッドどもの動きが鈍くなっている。
一部浄化されてる奴もいるようだ。

>「いやぁあああああああ!!」
あっ。あいつ錯乱しやがって・・・暴風圏が解除されちまう。
いずれにしても今が一気に片付ける好機だ。
「無闇やたらと鎖を振り回してるだけじゃねぇんだよッッ!!」

暴風圏内に広がる鎖、それはただ打ち据える為だけではない。
あやとりのように近くの木々を中継に、それは罠になる。
右手を引いて、肘や肩にまでかけた鎖を引く!
すると、暴風圏はたちまちに鎖の牢獄に姿を変える。
ざっと見て60〜80体のアンデッド、それに近い数の隊員に絡みつき動きを拘束する!

「さぁ、1VS100以上での腕相撲だ。・・・ナイトメアの本気をなめるなよ!」
ぎりぎりと軋む鎖に、べき、と指の骨の折れる音がする。
が、痛みに解する暇はない。無理やり拳として握りこんで拘束を強める。
この隙にアンデッドどもを始末してくれれば・・・
157テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/06/20(土) 13:31:21 0
>156
「チャンスだよ!」
音量増大の魔法で支援しながらアバドンちゃんを応援する。
やがてセレネストリングスが共鳴を始めた。
するとある風景が幻出する。
穏やかに流れる日々。平和に暮らす人々。戯れる動物達。
木々が刻んだ遥か古の記憶……。
「あ……ああ!」
アバドンちゃんが頭を抱えて崩れるように座り込んだ。
「アバドンちゃん!?」
「違う……私の名前はリチア……レーヴァティルの巫女!」
「まさか、キミが……!?」
レーヴァティルの巫女は5年前に死んだらしい。
アバドンちゃんは5年前にアンデッドになってその前の記憶がないと言っていた。
そして声に宿る不思議な力が何よりの証拠。
記憶を取り戻したアバドンちゃん改めリチアちゃんを、リムが邪悪な笑みを浮かべて挑発する。
「思い出したようね、あなたの力はその程度じゃないはずよ!
呪いの歌を歌ってみなさい! 受けて立つわぁ!
憎いでしょお? 一族のみんなを、母親を殺したリムが!」
さらに、魔法でレーヴァティルの一族壊滅の日の映像を見せるリム。
「リム……貴様という奴は! 見るな!」
慌ててリチアちゃんの目をふさごうとするが、彼女はそれをやんわりと払いのけた。
「いいの。私は大丈夫」

まだ幼い少年と少女と、美しい女性。
――行きなさい! セシル君、どうかリチアを連れて逃げて!――
手を取り合って逃げる二人に向けた、最後の言葉。
――何があっても忘れないで。私たちは闇を封じ光の勇者を導く一族。
声に宿る力は世界のみんなを守るために与えられたもの。
決して誰かを不幸にするために使ってはいけない――
かくして、女性……先代の巫女はたった一人で奈落の寵児に対峙する。
勝てるはずはないと分かっていながら。

「お母さん……」
リチアちゃんは暫し呆然としていたが、やがて真っ直ぐにリムを見据えていった。
「可哀想な人……あなたの手には乗らない! セシル! どうか目を覚まして!」
少しの迷いもないように、高らかにうたい始めた。
それはレーヴァティルの巫女だけに伝えられる生命の賛歌!
【呪歌:Melodies Of Life】
神々しいほどの生命の魔力が光のプリズムとなって広がる。
それに触れたアンデッド達が片っ端から浄化されていく!
158名無しになりきれ:2009/06/21(日) 01:32:23 0
Melodies Of Lifeを汚さないでくれよマジで・・・
159乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/06/21(日) 03:02:00 0
>>150>>154
レオ殿の後を追いかけると自然と皆が集まっているように見えた。
ただその光景を呆然と見ていた
「すごいでござるなぁ…」
160ガレス ◆kPx3irLDOc :2009/06/22(月) 02:13:52 0
>139
>『戯言を!!』
「おいおい、オレにしちゃあまともなこと言ったのにそりゃあないぜ!」
アンデット化し伸びてきた草木に四肢の自由を奪われながらも
おどけた表情でセシルにしゃべりかける。
『貴様ぁ!!』
剣を振り下ろすセシル。だがレオ達に大口叩いた手前、
そうやすやすとやられるわけにもいかないガレス。
草木が絡まっている腕や足を引っ張ったりして斬激を利用し草木や蔦を切っていく。
『クッ!小癪な真似を!!』
「小手先と速さが取り柄なもんでね!」
体の自由を取り戻したガレス、反撃するならば今しかない。
だが何を考えたのか後方に回転飛びをしながらガレスは距離をとった。
ガレスの行動をセシルは理解できずガレスを睨みつけながら問いかける。
『貴様……何をたくらんでいる!?』
「なぁセシル。お前それでいいのか?
 アンデットに憑依されて、自分自身すら分からなくなっちまって…
 お前のその憎しみはお前のもんですらないんだぜ!?」
『黙れ!!黙れ!!憎い……魔族すべてが……』
そしてまた剣を構え突進してくるセシル。そんなセシルにガレスが叫ぶ。
「いい加減に目を覚ませって言ってんだよ!!」
戦いは熾烈さを増し空気を裂き地を砕くような斬激が繰り返されていく。
切創が増えていく中決して反撃はせずに戦いの舞台を後ろ後ろに移そうと後退していく。
まるで何かを待っているように。

>157
『追いつめたぞ……魔族!』
テイル達の近くでガレスとセシルの戦いはガレスの負けで終わりを告げようとしていた。
ガレスは片膝をつき切創だらけで夥しい血が地面へとしみ込んでいる。
逃げようにもすでにアンデット化した草木達がガレスを囲みこんでいる。
「はぁ…はぁ………セシ…ル」
片膝をつき言葉を交わすこともできないほどダメージを負っているガレス。
そんなガレスの顔前にセシルの剣先が伸びる。
『何を企んでいたかは知らないが……貴様の負けだ魔族!!』
その時、うつむくガレスの顔の口端がニヤリッと上がるのをセシルは見逃さなかった。
『何を笑っている』
「…セシル。オレはずっと後悔してた……お前たちの村を滅ぼしたことを、
 許されるなんざ思ってねぇ、だが許されようと許されまいと…お前だけは絶対に助けてやる!」
そして次の瞬間、アンデット化した草木達はまるで憑き物が祓われるかのように崩れ落ちていく。
『貴様!!これを待って!!だが連絡もなしになぜ!?』
「勇者だったら…あいつ等だったら…平和を真に願うやつらだったら…犠牲を出さない方法で戦う。
 だから強力な呪歌を使うってオレは思った、いや、あいつ等ならそうすると信じてたんだよ!!
 だからオレは、ここまでお前を引っ張ってきたのさ……」
『貴様っ!謀ったな!!?』
「ああ、測ったさ……あいつ等の勇者としての資質と……オレのあいつ等への信頼をなぁ!!」
危険、アンデットに取りつかれているセシルはそう判断したのか、
ガレスを睨みつけながらその場を離れようとする、だがガレスはセシルに向かっていく。
「逃がしはしねぇぇえええええええ!!」
『……この…魔族がぁぁぁあああ!』
逆上したセシルは剣をガレスの胸に突き刺す。血反吐を吐くガレス。
だがガレスは剣を抜くどころか逆に押し込みセシルの両腕をつかむ。
ほんの少し…ほんの少しだけガレスの覚悟がセシルを上回る。
『ば、馬鹿な……こんなことが……』
「捕まえ……たぜ……」
そして神々しい光がガレスとセシルを覆う。
「ほら……お前が…本来持ってた…光だぜ、目は……覚めたかよ……」
セシルに憑依していたアンデットが抜け落ち浄化されていく。
しかし対するガレスも同じように力が抜け出ていく……それも当り前、ガレスは大元は魔族なのだ。
いくら上級魔族でもこれほど弱っていては呪歌の影響力は生死にかかわる。
「ちょっと……無理しちまったぜ……」
161名無しになりきれ:2009/06/23(火) 23:57:51 0
「っ!」
光の奔流の中、リムが笑顔の下でほんのわずか顔色を変える。
(んもう、リム、アンデッドじゃないのにぃ・・・死霊の皆様と遊び過ぎたかしら)
掲げた傘の、ディストによって開けられた穴が、ゆっくりとほころびを広げていく。
(あらあ、思ったよりヤな呪歌だったのぉ・・・って、あれえ?)
その視線が、深手を負って倒れかかるガレスを捉える。
「ああん。こーんな光っちゃあ、幻影出しても見えないしぃ、帰ろ・・・っかな☆」
ガレスのこぼした大量の血によっていくぶん“酔った”リムは、無造作に広場に背を向けた。
足元に、モンスターボールが転がり落ちた。
162テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/06/24(水) 00:56:30 0
>160-161
>「ちょっと……無理しちまったぜ……」
「バカ……ちょっとどころじゃない!」
アルちゃんに駆け寄ろうとすると、メルちゃんが腕をつかんで止める。
「君には癒せない……ってか逆効果かも。ガレス君、上位魔族だから」
そう言われてみればいつもはしない魔族の気配を感じる。気配を消せないほど消耗してる。
アルベル君がすぐに駆け寄って処置を始めた。
「ボクだとダメなんだ……」
なんだか怒りが込み上げてきた。
といっても正体を隠してた事に対してじゃない。いや、ある意味そうだ。
「本当は強いんでしょ!? なんでこんなになっても人間の振りしてたの!」

去っていくリムに問いかける。
「リム! 一体何を知ってる!? 何を企んでる!?」
「フフ、真実は自分の手でつかむものよん。レジナちゃんに聞いてもきっと答えは一緒」
後ろ姿は徐々に薄くなり消えた。意味深な言葉を残して。
――テイル、あなたはいずれ強くなる。リムに似てるから。
でも覚えておきなさい、光が強くなればなるほど、闇も濃くなる……――

「正体を現さなかったのは……きっとセシルに気を使ってくれたんだと思います」
リチアちゃんが複雑な表情でアルちゃんを見つめていた。
詳しい事は分からないけどきっとアルちゃんはレーヴァティル滅亡に関わっていたのだ。
垣間見たセシルとの対決を思い返してみれば間違いない。
「ごめんね……昔何があったとしても今はボクの仲間」
リチアちゃんは無言でうなずき、セシルのほうに歩み寄る。
「リチア……なのか?」
セシルはリチアちゃんがためらうのを構わず彼女を抱きしめる。
「あの……私、冷たいですよね?」
「何も言うな! いつか必ず……元に戻してやるから!」

「ご迷惑をおかけしました。どうか見逃してやってください」
アルベル君に頭を下げるリチアちゃん。そんな彼女を見ていると胸が痛む。
「ああ、目を離さないでやってくれ。危なっかしくて仕方がない」
アルベル君もそう思っているのだろう。努めて軽く答えているようだ。
「……もう来ないから安心しろ。行こう、リチア」
セシルはモンスターボールを拾い、リチアちゃんの手を取って呪文の詠唱を始めた。
【リターンホーム】
神官の転移魔法の類だろうか、やがて二人の姿はかき消えた。
163テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/06/27(土) 13:15:24 0
もぞもぞと意識を取り戻す隊員達。
すっかり存在を忘れられかけていた隊長が来て号令を出す。
「撤収だ!こんな物騒な場所にはもう二度と来ん!」
隊員の一人が説明的なセリフで現状を説明する。
「飛空挺爆破された上に転移魔法持ってる高位神官のセシルは先に帰ってしまいました!
しかも謎のアンデッド連れて!」
「何!?」
そこに、これまた存在を忘れられかけていたトリウス家当主が無駄に高笑いをしながら現れた。
「フハハハハ! 心優しい私が車に乗せてやらないこともないぞ!」
「仕方が無い、乗ってやるとしよう!」
こうして、二派閥にわたるお騒がせ集団はアホ貴族の肖像付の魔導車軍団に乗って去っていった。

「ガレス君どう……?」
メルちゃんが心配そうにアルベル君に尋ねる。
「まずいな……」
と、アルベル君が何かに気付いたようにインペトゥス君のほうを見る。
「そういえば……闇の高位神官だよな!? 死霊皇帝軍のよしみで助けてやってくれ!」
「お願い! ボクの仲間でも魔族だからいいよね!?」
「貴重な枕投げ要員なの!」
ボクとメルちゃんも畳み掛けるようにお願いする。
さらにわらわらと飛空挺から出てきた村人達も加勢する!
「あなたは今日来るといってた新しい護衛か」
「我々のためにここまでしてくれたんだ……頼む!」
164ガレス♯アガレス:2009/06/29(月) 21:41:10 0
>162
>「バカ……ちょっとどころじゃない!」
「テイル!?……頼む、来ないでくれ」
駆け寄ってこようとするテイルにガレスは拒絶の言葉を投げかけ顔をそむける。
>「君には癒せない……ってか逆効果かも。ガレス君、上位魔族だから」
そのメルディの言葉を俯き黙って聞いているガレス。
魔族だということが一番知られたくないテイルに知られてしまった。
ガイアの子といえるテイル、そんなテイルはおそらく勇者の中では最も魔族に嫌悪感をあらわにするはずだ。
もう一緒に旅を続けることはできないだろう。
それに体の方も重傷だった。剣に貫かれた胸からは出血が止まらず。
呪歌のせいで自然治癒力も低下してしまっているのか呼吸さえままなっていない。
だが治療を受けているガレスはアルベルを退けて立ち上がる。
「おい、おとなしくしてないと本当に死ぬぞ!」
その言葉通りガレスは足元がおぼつかずにすぐに座り込む。
そんなガレスを見かねてかテイルがガレスに叫ぶ。
>「本当は強いんでしょ!? なんでこんなになっても人間の振りしてたの!」
強い口調でガレスに問いかけるテイル。その言葉には憤りが感じられる。
しかしガレスはその問いかけに対する答えを言うわけでもなく俯いている。

>「正体を現さなかったのは……きっとセシルに気を使ってくれたんだと思います」
「………そんなんじゃねえさ……」
その時、ガレスが顔を上げリチアと目を合わせる。
複雑そうに自分を見つめているリチア、目を逸らしたい罪悪感を感じながらも
ガレスはリチアを、そしてセシルを見つめる。
「……オレは………」
しかし、言いかけたところでテイルがガレスを言葉をさえぎる。
>「ごめんね……昔何があったとしても今はボクの仲間」
黙ってうなずくリチア。だがこの時、一番驚いていたのはガレスだった。
テイル達をだまし続けていた自分をまだ仲間と言ってくれるなど、考えてもみなかったのだ。

その後再会を喜び合うリチアとセシル。
そんな二人を見ていて不思議と罪悪感はもうわかない。
転移魔法を使って消えていく二人、
しかしそれを見送った後ガレスは事切れたように地面に伏せる

>163
>「ガレス君どう……?」
心配そうにメルが尋ねるがガレスから反応はない。
>「まずいな……」
確かにアルベルの言うとおり、本来魔族が持っている強力な再生能力も
先ほどの呪歌でうまく機能できてない以上、このまま弱っていき死に至るのは目に見えていた。
現にガレスは先ほどより衰弱し意識が混濁し始めている。
>「そういえば……闇の高位神官だよな!? 死霊皇帝軍のよしみで助けてやってくれ!」
>「お願い! ボクの仲間でも魔族だからいいよね!?」
>「貴重な枕投げ要員なの!」
いつの間にか村人たちもガレスを救ってくれるようにインペトゥスに頼み始めた。
しかし、インペトゥスでも治せないとなれば、もはやガレスには死が待つのみだ。
165名無しになりきれ:2009/06/29(月) 21:49:42 0
ちょwww
アガレス乙
166 ◆kPx3irLDOc :2009/06/29(月) 22:28:13 0
テスト
167名無しになりきれ:2009/06/29(月) 22:32:22 0
ずーっと規制されてる人はどこのプロバイダなんだろう
解除されるめどは立っているのかな
あと、鳥で苦労しているキャラハンがいるみたいだけど、その辺も規制と何か関係あるんだろうか
カワイソス
168名無しになりきれ:2009/06/29(月) 22:33:02 0
すみません誤爆しました
吊ってきます
169名無しになりきれ:2009/06/29(月) 22:40:33 0
なりすましらめぇぇぇw
170名無しになりきれ:2009/06/30(火) 02:12:51 0
皆の視線が、張り巡らせた鎖を解き終えたばかりのインペトゥスに集まる。

「・・・」
村人の一人が、さりげなく庇われたインペトゥスの手に視線を落とすと、
半ば瓦礫と化した広場脇の建物に向かい、何かを持って戻って来た。
「“楓”の力、少しだが使ってくれ」
戸惑う隙を与えず手を取ると、樹液を発酵させた酒を浸した布を指に巻き、端材を当てて固定した。
「その修復速度じゃ関係ないかもしれないが、少しは楽になる筈だ」
171インペトゥス ◆SZNZdzEn9P02 :2009/06/30(火) 19:19:33 0
>163>164>170
甘い、ものすげぇ甘い。砂糖の島にコーヒーを一滴垂らすような甘さだと本気で思う。
本来の敵にの命を乞うなど、本当に甘い連中だ。
村人によって固定された右手の材木を左手で引っぺがす。
「この力が必要なのは俺じゃない・・・そうだろ?」

バイクに歩み寄って、自前の短剣を二本取り出す。いつしかソルに放ったのと同じ短剣だ。
それを持って、横たわるガレスのそばへ寄る。そして、ややぞんざいに足で仰向けに転がす。
目の焦点も合っていないであろうガレスを前に、やや嗜虐的な笑みを浮かべる。
「聞こえてるか聞こえてないかは知らねぇが・・・ちまちま回復するのは手間だ。
 一気にやるから鼻血噴くぐらいは覚悟しとけよ。」

そう言うと、自分の両の掌をそれぞれ短剣で貫く。一瞬で鋼の刃は血に塗れることになる。
それを互いに人差し指と中指で柄を掴んで引き抜いてから、ガレスの頭のやや上と踵より少し下の地面に刺す。
そこでようやく周りの連中にも声をかける。
「この二本の短剣を直径にした円状の範囲内に入るなよ。入ったら命の保障はないからな。
 それと、できるだけオレの聖印や姿を直視しないことだ。そっちは正気の保障がねぇ。」

そう言ってからガレスの右手側に片膝をつく。傷だらけの胸の上にはさっきもらった布をかけておく。
そして、ガレスの腹の上で血まみれの両手を強く叩き合わせる。二度。
「 Ja ja #a$УL 汝が信徒より願い奉る
 来たれ我崇めし者 7姉妹を照らす光 無名なる者
 今ここに贄集いしに 今一度の奇跡をもたらし給え 」

打ち合わせた両手から滴る血はガレスの腹の上で複雑な紋様を描く。
そして、短剣で囲まれた範囲内に微風が吹き始め、揺れる草木が段々と灰色に崩れだす。
オレは集中を切らさぬままに手を軽く握って合わせ、器を形作る。

「 呼び覚ますは生の鼓動 贄より命を吸い上げん
  風よ 鳴れ 集い 混ざり 混沌を為せ
  混沌より雫を生み 我らが朋輩の泉に 流転を崩す一滴を
  風よ 鳴れ 我が手に為りし 聖杯を傾げよ Sane・anima 」
合わさった掌から、雀の涙ほどの金色一滴がガレスの体に描かれた紋様へ落ちる。
それは紋様の上で弾け、ガレスの体を薄く覆う。その中で、ガレスの傷は目覚しい速度で塞がってゆく。

「げほっ、がはっ・・・・・・はっ・・・・・・後は、栄養でもつけてやればどうにかなんだろ。
 もう入っても大丈夫だぜ。」
ガレスの様子を見届けてから、喉の奥の血を吐き出して仰向けに寝転がる。
久しぶりに本気でやったから疲れた・・・・・・な。
172名無しになりきれ:2009/07/01(水) 03:33:23 0
ガレスの様子を確かめ保温だ気道確保だと動き出す一方、
その傍らの傷付いたナイトメアには、圧倒されてか近寄る人もいない中。

(彼に救われたのは今だけの事じゃない。もはや知らない者も多いが、
そもそもの始まりからこの村は彼に恩があってな・・・
何にせよ、感謝する。砂糖の島でもコーヒーでも、喉を通りそうなものがあれば言ってくれ
・・・因みに、口移しコントは苦手だwww)

寝転がったナイトメアの視界の外から、声だけが伝わってきた。
173テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/07/03(金) 23:51:06 0
>171
初めて見た闇の神官の回復術。インペトゥス君は自分が血を流してまで治してくれた。
幾度となく死線を張った相手。でも次に敵としてあったらまともに戦える自信がない。
「ありがとう!」
族長にバレたら激怒だろうなあ……。敵を助けてと敵に懇願するとは何事かと。

こうして木材のお使いから始まった大騒動はなんとか一件落着。
「そういえばエメロちゃんは何しに来たの?」
「この地にある洞窟の奥に忘れられた地に至る回廊があるという伝説がありまして、その調査に来ました」
「なんだそんなことか。勝手に調査してくれて構わないが」
アルベル君からあっさり承諾が出た。
「いいんですか!? だって……」
「言っておくがいつ入っても何もなかったぞー」

別れ際にメルちゃんがアルベル君に通信機を投げ渡す。
「アル、また何か困ったらいつでも呼んで!」
「アホか! 呼ぶわけないだろ。今日の事は忘れろ」
と言いつつも大事そうにしまうアルベルくんであった。
174テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/07/04(土) 00:23:06 0
――第八章開始――
3日後、黒い魔導師に無事木材を届けて依頼達成。
次はどこに行こうかと思っているとすぐに通信が入った。アルベル君からである。
「何々? 分かった! 僕と話したくなったんでしょ!」
「いくらなんでも早速すぎるだろ!」
メルちゃんは喜び、後ろでレオ君がずっこける。
『メル、あの時の神官が洞窟に入ってったっきり出てこない。
ガイア星教団の神官を探しにいったら六武神的にダメじゃん?
気になって仕方ないから探しに行ってくれとか言ってないぞ。ただ知らせただけだ』
どう見ても依頼です。本当にありがとうございました。
レオ君がすかさずツッコミを入れる。
「お前は六武神以前に死霊皇帝軍的にダメだから!」
アルベル君が余裕たっぷりに言い返す。
『じゃあそっちは死霊皇帝軍を仲間に入れてしまったあたり光の勇者的にダメだな』
「そ、それは!」
何も言い返せなくなるレオ君。
そうなのだ、あろうことかボク達は死霊皇帝軍を仲間に入れてしまったのだ!

レオ君から特性ランチを受け取る。
「あいつに持ってってやれ。念のため言っておくが口移しコントは厳禁!」
「分かってるよ。妖精と魔族だからダメージ入っちゃったら困るもん」
「そういう問題じゃない!」
レオ君のツッコミを聞きながらアルちゃんの部屋に向かう。
「意外とそういう問題なのかもな〜。アルちゃん起きたかな」
光と闇は傷つけあう定め。妖精はガイアから産み落とされる光の世の防衛機構。
光の眷族や人間にとっては悪戯好きな生命の守護者でも、
闇の眷属にとっては多くの同胞を情け容赦なく刈ってきた冷酷な化け物。
調度光の側から見た妖魔と同じように……。

目を覚ましたアルちゃんににっこり笑いかける。
「いいよ、何も言わなくていい。
初めて会ったときから君はボクを怖がったり嫌ったりしなかった。それでいい」
175 ◆6nXELe5RK6 :2009/07/04(土) 00:41:40 0
メルディは甲板に出てあさっての方向に宣伝した。
「避難所はここだよ!」
つ【http://www1.atchs.jp/lightfantasy/
「……一体何を言ってるんだ!?」
レオのツッコミが虚しく響いた。
176名無しになりきれ:2009/07/04(土) 01:55:22 0
「(ヒソヒソ)我等が疾風様は姉君の前だと六武神キャラ崩壊に拍車がかかるのお」
「(ヒソヒソ)だがそこが可愛・・・」
「っ!(ギロ)」
「いえ何でもありません村長!我等一般村人小隊、命に従い速やかに出動します!」
広場から洞窟への経路に沿って配置に付きセリフを確認する村人達。

広場入り口:
「ここは村の広場です。東に行くと魔風の森、西に行くと湖です」
「わん、わん!」

広場北端、目立たない細い道の手前:
「この先には天然の洞窟があるだけだよ」
「洞窟に行くのかい。物好きもいたもんだ」

細い道が崖に突き当たり曲がっている角:
「そういえば光の神官の姿をした女がこの先の洞窟に行ったきり戻らない。
悪い事を企んでるんじゃないだろうな」

「「「「「準備よし!」」」」」
177乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/07/04(土) 22:46:30 0
「なんだかぼーっとしてたらあっという間だったでござる」
一人でポツリと呟く
178金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/07/04(土) 23:32:57 0
麗らかな昼の空。
見上げるばかりの上空に流れ星が空を走った事にどれだけの者が気付いただろうか?

気付いた者の中で、特に目のいい者は見えただろう。
その流れ星が火の玉だった事に。
その火の玉の中に、サーフボードに乗ったような人影が見える。
気がついた者の中で、特に耳のいい者は聞こえただろう。
「ぎゃああああ!!!磨り減るううぅ!!!」
「プワプワ様!根性です!」
しわがれた老人の叫び声と、まだ幼さの残る女の声に。

しかし、その場に居ずとも、見ずとも、聞かずとも、気がついたものがいる。
力在りし者は感じただろう。
異界からの異物ではない。
己に近くはあるが、どこか決定的に違う存在がこの世界に侵入してきた事に・・・


かくして真昼の流れ星は空を切り裂きぐんぐんと高度を落とす。
そしてそれは目的地近くなり、速度を落とした飛空挺の甲板に突き刺さる!
大気を震わせる轟音と爆発は飛空挺を大きく揺らす。
爆炎が風により吹き飛んだ後、甲板のど真ん中に大きな穴が開いていた。

振動収まらぬ飛空挺の甲板の穴の底で何かが動く。
穴からのっそりと現われたのはメタルゴーレムと見間違わんばかりの全身鎧の戦士だった。
「プワプワ様、無事にガイアに着きましたね!」
巨大な鎧からもれでる声はあまりに不相応な幼さを残す女の声だった。
「あまり無事というわけではないが・・・まめ殿。どうも目的地ではないような・・・」
その声に応えたのは、なんと戦士の持つ盾だった。
正確に言えば、盾に浮き彫りにされたハゲマッチョの老人の上半身である。
ひりひりとすったように赤みがかった老人のレリーフはヒリヒリとする全身を気遣いながら応える。
「目的地?」
プアプアの言葉にきょとんとして聞きなおすが、その問いに対する応えは帰ってこない。
口ごもって目をそらす。
そんな様子に首をかしげながらも、周囲に漸く気付いたように、ヘルメットの除き窓の赤い光が甲板の人々に向く。

「あ、ガイアの皆さん、始めまして。金山まめと申します。
そしてこちらはバトルフェアリーのプアプア様です。」
周囲の反応をすべて無視しながら盾を掲げて一礼。
それとは別に、右腕が小刻みに震え始める。
右腕の振動は速さを増し、その手に持たれる水魔の太刀の刀身が歪み始める。
刀身は水銀、即ち液体でできており、今の噴出圧力ではその振動に耐えられなくなっているのだ。
「では早速ですが、ご挨拶です。漣・飛沫の舞!どうぞ!」
楽しげに振動する腕をそのまま横薙ぎに振るう。
これだけの動作だが、その動きの激しさに水銀の刀身は振動と遠心力に耐えられず飛び散るのだ。
飛び散った刀身は無数の銀の針と化し、甲板の人々に襲い掛かる!
179名無しになりきれ:2009/07/04(土) 23:56:21 0
「確かに、あっという間だったなあ・・・ってオレの場合は
どう見ても途中気絶してたからですその節はありがとうございましたっ」
一瞬照れ笑いを浮かべながらも真摯にタケルに一礼するレオ。
その時、甲板に爆音が響き渡った。
「何だ!?行こう!」
レオはタケルに言うと駆け出した。
180乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/07/05(日) 03:45:27 0
>>179
>「確かに、あっという間だったなあ・・・ってオレの場合は
どう見ても途中気絶してたからですその節はありがとうございましたっ」
レオが礼を述べていると豪快に笑い飛ばす
「ハッハッハ、気にすることは無いでござるよレオ殿。仲間を助けるのは当然のこと」
とその時、爆発するような音が外から降ってきた
>「何だ!?行こう!」
「待って欲しいでござるよ!」
レオの後を追いかけるのであった

>>178
甲板に辿りつくとそこにはデカイ穴があった
「な、なにがあったでござるか?」
そして穴の中からバラグに似た鎧のようなものを身に着けたなにかがいた
「バラグ殿のようなごぅれむとやらか?」
相手もなにやらごちゃごちゃといってる。
だがその疑問もすぐに消える。
>「あ、ガイアの皆さん、始めまして。金山まめと申します。
そしてこちらはバトルフェアリーのプアプア様です。」
その声を聞いて驚きを禁じえない
「お、女子!?」
次にそんな事を気にしていられなくなる事態となる。
>「では早速ですが、ご挨拶です。漣・飛沫の舞!どうぞ!」
「いきなりなにをしでかすと思えば危ないでござる!」
高速で印を結び、こちら側にいる全ての人間を囲う結界を張ると同時に錫杖を構え、お札を取り出す。
181名無しになりきれ:2009/07/05(日) 23:10:40 0
突如襲いかかる銀の針。
「きゃーっ10円玉がアマルガムになっちゃう!
やっ、そんな事より長ネギのメルカプタンがっ!!」
意味不明な事を口走るとメルディは慌てて飛び退いた。
(バトルフェアリー?伝承で戦いの星に棲むとされている妖精?
・・・そういえばさっきナチュラルに「ガイアの皆さん」とか言ってた!
って事は、まめちゃんは天然超パワーを誇る女戦士にして根っからの戦闘民族!ひゅう)
タケルの結界に守られながら、メルディはさりげなく遠慮なく、
何かあれば口だけは出せる位置まで後退した。
182金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/07/05(日) 23:36:25 0
>180
甲板の人々に飛来する水銀の針は、目的を果たす事はなかった。
結界により進行を遮られ、針は幕に変わり不可視の壁にへばりついた後、ゆっくりと落ちていく。
その様子を確認すると同時にヘルメットの隙間の赤い光がぎょろりと動き武を捕らえた。
「あなたですね?素晴らしい防壁術です!
プアプア様!見ましたか?盾としては滾りますよね!」
己の攻撃が尽く遮られたにも拘らず、その声には落胆の色はない。
それどころか、楽しげである。
「い、いや・・・まめ殿?なんというか、あれは贄では・・・」
「判ります!贄とか今は言いません!
プアプア様の盾としての滾りを優先させますとも!」
口篭るプアプアの意図など考えもせず、まめは水魔の太刀をしまいタワーシールドを前面に構える。
そして・・・

「さあ、どちらの防御力が強いか勝負です!
行きますよ!プアプア様&まめの合体技!プレストレイン!」
そう叫ぶと武に向かって突進を始めた。
合体技などといっているが何のこともない。
単なる盾を掲げ出との突進である。
ドッドッドッド!と足音を響かせて突き進み、武に迫り結界へとぶち当たる!

「ちょ・・・無理無理無理無理・・・!潰れ・・りゅ・・・」
悲惨なのは盾であるプアプアだった。
不可視の結界の壁に張り付き変形した顔で押し付けられている。
「やりますね!でもプアプア様の力はこんなものじゃありませんよ!」
結界により行進が止められると、まめは更に力を加える。
悲惨を通り越して凄惨な状態になっているプアプアの事など知りもしないで。

***ベキ!***
大きな音が響き、まめの踏ん張っていた足元の床が砕け散る。
それと同時に結界にも大きな亀裂が走る。

直後、結界は砕け散りまめの行進は再会される。
スピードこそはそれほど速くないが、巨大な盾はもはや壁といっていいだろう。
武の視界一杯に広がる壁は力技で結界をぶち破り押し潰さんと迫るのであった。
183テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/07/06(月) 00:09:56 0
>178-181
ものすごい爆音と衝撃。
「うわっと!!」
はずみでアルちゃんのほうに倒れかかる。
うっかり禁止事項をおかしたらどうしてくれるんだ。
「ちょっと見てくるね」

>「あ、ガイアの皆さん、始めまして。金山まめと申します。
そしてこちらはバトルフェアリーのプアプア様です。」
「それがフェアリー!?」
いくらなんでもハゲマッチョ爺さんの盾がフェアリーなんて誰が信じるだろうか。
>「では早速ですが、ご挨拶です。漣・飛沫の舞!どうぞ!」
>「いきなりなにをしでかすと思えば危ないでござる!」
憤然とするタケルくんとは対照的に、まめちゃんはどこか楽しそう。
(外見ゴーレムだが声が女の子なのでとりあえずちゃん付けとしておく)
まるでボクが誰かの顔に落書きをするときのようなノリではないか。

>182
>「さあ、どちらの防御力が強いか勝負です!
行きますよ!プアプア様&まめの合体技!プレストレイン!」
「そう来たか!」
盾のハゲマッチョ爺さんが可哀想な事になっているが力づくで突っ切ってくるに違いない。
結界と押し合っている間に呪文を唱える。
「【芸術的なストーンサーヴァント】!!」
額に“だう゛ぃで”と書いて葉っぱ一枚を装備した無駄に芸術的な動く石像を3体制作。
案の定、結界は決壊した!(ダジャレじゃないよ)
「だう゛ぃで1号2号3号! 行けえええええ!!」
だう゛ぃで1号〜3号がまめちゃんに突撃する!
以前の格闘大会(第五章)のときにこれを使ったらアリーナ姫が一目散に逃げた。
まめちゃんの中身が声の通りなら同様の効果があるはず! きっと、多分。
184エメルディアの回想 ◆SZNZdzEn9P02 :2009/07/08(水) 18:42:18 0
二週間前―――ガイア星教団、王都ファティマ支教団執務室

空に薄く空がかかる白昼、豪奢な執務室の中央
床に敷かれた豪華な緋の絨毯にエメルディア=オラージュ卿は傅いていた。

その向こう、黒檀の執務机に据付けられた椅子に男は座っていた。
一流の職人が丹精込めて織り上げた紫のローブがはちきれんばかりの筋肉。
頭は禿頭、浅黒い肌に鼈甲の黒眼鏡が載っている。
男は重い口を開き、野太い声で言った。

【よくぞ参った、"鋼の暴風”オラージュ卿。】
「はっ。して、此度の任務とは如何なるものでしょうか。」
【うむ、聖下にガイア神よりの信託が下った。その任務をお前に任せよう。】
「はっ、身に余る光栄に御座います。」
「それでこそ星堂騎士に名を連ねる者よ。今回赴いてもらうのは、なんと人々が死霊皇帝に与するなんともけしからん村だ。
 実態はかの六武神が支配しているのだという噂もあるがな。」
「なんという・・・。」
【しかし、神は慈悲深い。かの地を開放するのだが・・・今回はそれだけでは民の声が納得すまい。
 そこでだ!かの地の名産であるところの楓を供出させるのだ。それによって光に協力する目的に目覚めたと言い訳もたつ!】
「しかし、勝手に回収してもよろしいのですか?」
【何を言うか!彼らが供出するのは神!そして神の声を聞く我ら神殿がそれを代理して受け取るのだ!】
「ははーっ、目から鱗が落ちて御座います。では、早速行ってまいります!」
【うむ、では行けい!そして、私のもt・・・げふんげふん。神の元へ楓を持ち帰るのだ!】
185エメルディア ◆SZNZdzEn9P02 :2009/07/08(水) 19:04:20 0
>174の二日前、深夜。村内洞窟奥地

私は、村長の許可を得てこの洞窟を探索していた。
>183の会話の後、神官長から告げられたもうひとつの任務を果たす為だ。
>【あの村にはある秘密が存在している。村の洞窟を調べて××××と接触するのだ、そして―――】

今私がいるのは洞窟の奥、がらんとしたやたらと天井の高い一室だ。
非常に暗く、盾に光明の呪文をかけていなければ一寸先も見えない状況だろう。
そして、見渡す限り岩の壁で見当たる物もない。
これならば彼らが何もないと考えてもおかしくない。
「――というところだが、甘いな。・・・・・・そこだッ!」

がん、と大剣を抜き打ちに壁の一点に叩きつけるとそこががらがらと崩れ落ちる。
その向こうから、目も眩まんばかりの光が溢れ出す。
「よし・・・・・・行くか。」

そうして、私は光の中へ進んでいった。 
186金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/07/08(水) 22:39:38 0
「やりました!さすがプアプア様です!」
武の結界を力づくで破り、突き進むまめ。
壁の如き盾を前面に押し出しての突進だったが、スピードがそれ程なかったためあっさりと躱されてしまった。
しかし追撃するわけでもなく喜びの声を上げるのは、既に武を倒す事が目的ではなく、結界を破る事が目的となっていたからだ。
大喜びするまめとは対照的に、無理やり結界に押し当てられたプアプアはぐったりとして返事はない。
半ば押し潰されるような状態だったので無理はないだろう。

しかしそこは金属生命体のバトルフェアリー。
新たなる敵を察知し、目を覚ますが、警告の声を上げることはできなかった。
警告よりも驚きが勝っていたのだから。
そしてそれはまめも同じだった。
「む、新手ですか・・・!ああっ・・・!?」
テイルによって作り出された芸術的なストーンサーヴァントの三体を見るや否や驚きの声と共にまめの動きが止まる。

戦いの星マアズの住人はすべからく女戦士である。
さぞかし男性に免疫がなかろうと思われるかもしれないがさに非ず!
マアズにも男はいるのだ。
正確には住人ではないが・・・最も身近な場所に。
そう、ガイアの妖精は幼女であるが、マアズの妖精はマッチョマン(半裸)なのである。

「だ、ダビデ様!マアズから応援に来てくれたのですか?
しかも今年の春夏物の新作の正装で!!」
驚きの声と共にまめの口から発せられる衝撃事実!
だう゛ぃではどうやらまめの目にはバトルフェアリーに見えたらしい。
もしかしたら遥か昔にガイアに訪れたダビデがモデルだったのかもしれない。
そして何よりも、葉っぱ一枚というのはバトルフェアリーにとっては最新モードの【正装】だという事だ!
故に芸術的ストーンサーヴァンとは信仰の対象となっても引く事はありえないのだ。

テイルの狙いは外れ、まめは逃げ出すどころか大喜びで両手を挙げる。
だう゛ぃで1号2号3号の突撃をまともに食らうのだった。
・・・が・・・。
「担当でもないのに・・・まめは感激です!」
三位一体の体当たり攻撃もまめにとっては感動の再会シーンでしかない。
懐にぶちあたる三体の芸術的ストーンサーバントをまとめてハグをする。
ギュ〜〜〜〜〜(ビキビシバキ・・・)〜〜〜〜!

「ああ・・ああ!ダビデ様が壊れたああああ!?どどど、どうしよう・・・わーん!!」
恐るべきハグはだう゛ぃで1号2号3号をまとめて粉砕してしまた。
それに一番驚いたのはまめ自身である。
半泣きの声でだう゛ぃで1号2号3号の破片を拾い集めくっつけようとするが、粉々になるばかり。
もはや戦いどころではなく、破片を抱えて蹲るのであった。
187テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/07/09(木) 00:44:57 0
>186
>「担当でもないのに・・・まめは感激です!」
作戦失敗! 逃げるどころか喜んでる! 
でもあまりの喜びようにいい事をしたような気分になってしまう。担当とは何のことだろう。
>「ああ・・ああ!ダビデ様が壊れたああああ!?どどど、どうしよう・・・わーん!!」
3体のダビデ像がまとめて粉砕された。エメロちゃんもびっくりの恐るべき怪力。
万策尽きたかと思われたが、まめちゃんは破片を拾い集めるという不思議な行動をしている。
「えっと、石像が壊れたのを悲しんでる……?」
そこでメルちゃんの解説が入る。
「伝承に出てくる戦いの星の妖精はマッチョの姿をしているらしい!
故郷にいる似た妖精と間違えたんじゃないかな、多分……」
まめちゃんがあまりにも落ち込んでいるオーラを出しているので
もう一体芸術的なストーンサーヴァントを作って慰める。
「ほら、また作れるから大丈夫だよ! 抱きつくと壊れちゃうけど!」
まさに異文化コミュニケーション。これに比べたら地球人の方がよっぽど感覚が近いぞ。
188乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/07/09(木) 23:03:08 0
>>182>>186
なんとか水銀の針の攻撃を防ぎ切ると、目らしき場所から
赤い光がぎょろりとこちらを見る。
>>「あなたですね?素晴らしい防壁術です!
プアプア様!見ましたか?盾としては滾りますよね!」
>>「い、いや・・・まめ殿?なんというか、あれは贄では・・・」
「判ります!贄とか今は言いません!
プアプア様の盾としての滾りを優先させますとも!」
「なにを言ってるでござるか?」
なにを言っているかは理解は出来ないものの、様子を見る。
>>「さあ、どちらの防御力が強いか勝負です!
行きますよ!プアプア様&まめの合体技!プレストレイン!」
盾掲げ、結界に突っ込んでくる。
「力だけでこの結界は…」
この結界は力だけでぶち破れるものではない、よほどの力を持つ妖怪以外はどんな事をしても三日は破ることは出来ない。
だが…次第にそれは徐々に亀裂が走っていく。
「バッ、馬鹿な!?」
その馬鹿力に驚愕しているとあっという間に結界が破れる
そしてその歩みを再びこちらに向かい始める。
「くっ……ならば…」
錫杖を構え、相手の出方を見るべくその場に留まるが、
テイル殿がストーンサーヴァント三体を召喚し、援護に来てくれたようだった。
だが彼女は訳のわからないことを興奮したように言い始め、
>「だ、ダビデ様!マアズから応援に来てくれたのですか?
しかも今年の春夏物の新作の正装で!!」
挙句の果てに石像を抱きしめてしまった。
しかし、その馬鹿力に耐えられなかったようで砕けてしまった。
>「ああ・・ああ!ダビデ様が壊れたああああ!?どどど、どうしよう・・・わーん!!」
泣き出してしまう始末だった。
なぜかその時点で戦う気が萎えてしまう。
それを不憫に思ったのか、テイル殿はもう一体の石像を作って慰め始めた。
「これで収まってくれるといいでござるが……」
足に札を付けて神行法をいつでも発動できるようにしながら、再び様子を見る。



189金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/07/09(木) 23:23:22 0
>187>189
既に小砂利と化した芸術的ストーンサーヴァントを抱えて泣くまめにテイルから救いの手が差し伸べられた。
もう一体の芸術的なストーンサーヴァントを作って見せ声をかけたのだ。
「・・・ふえ?」
見せられて暫く自体がつかめない様子でほうけるまめに、プアプアの解説が入る。
「まめ殿、どうやらこのダビデはガイアのフェアリーによって作られた傀儡だったようですな。」
「・・・えええ!?」
「わしもみまごうばかりの見事な出来。まめ殿が判らぬのも無理はない。
それに・・・」
ちらりと武のほうに視線をやりながらあえてそれ以上は言いはしなかった。
武の結界を破ったのはまめの力のみではなかったことを。

結界に押し当てられ、生命の危険を感じたプアプアはマアズの星凛魔法を使ったのだ。
小さな傷を入れるのが精一杯だったが、堤防も蟻の穴から崩れるという例え通り。
が、それでもまめだけの力でなかった事を、今ショックを受けている状態に言うのははばかられたのだ。

プアプアはそっと武に目配せをし、小さく頭を下げる。
「まめ殿、こういった形でも一つの戦いですぞ。」
諭すようにまめに語ると、力なく蹲っていたまめは立ち上がる。
「ハイ、わかっています。
これは私の負けですね!そちらの方も、いい戦いでした!」
先ほどまで泣いていたのが嘘のように爽やかに負けを宣言し、武のほうにも一礼する。

意外と思われるかもしれないが、勝ち負けはあっさり認めてしまうのも戦闘民族なのだ。
何しろマアズでは戦闘が日常茶飯事。
戦えばどんな形であれ決着はつく。
戦闘民族とは負けない民族ではなく、戦いが大好きで負けても勝っても直ぐに立ち上がりまた戦える民族なのだから。

「ガイアの妖精さん、偽者とはいえダビデ様を見れて嬉しかったです!
ありがとうございます!」
テイルにお礼を言い、嬉しさのあまり抱きつこうとする巨大甲冑!
逃げるんだ、テイル!まめはそんなに素早くない!
害意の無い歓びの抱擁であっても、それを喰らえば全身粉砕骨折の上圧死か上半身と下半身の泣き別れは避けられないぞ!

190ガレス ◆BzGhd8qjHk :2009/07/10(金) 02:03:17 0
>174
ガレスは目を覚ます。いったいどれほど眠っていたのだろうか……
記憶はセシル達を見送ったところで途切れている。
今いる場所がどこなのかもわからない。しかし、
確かなことは傍にはテイルがいるということ。
そんなテイルから顔を逸らすガレス。騙していたのだ、向き合う資格さえない。
「………オレは…」
>「いいよ、何も言わなくていい。
>初めて会ったときから君はボクを怖がったり嫌ったりしなかった。それでいい」
その言葉に思わずテイルの方を見るガレス。
そこには恐怖を浮かべる顔も侮蔑や憎しみの表情もない。
ただいつものようににっこり笑ってガレスを見つめるテイルがいた。
「テイル…」
その時、ものすごい爆音と衝撃がこの部屋にまでとどろいてくる。
>「うわっと!!」
「いぐッッ!?」
テイルが倒れ掛かりあまりの胸の激痛に悶絶するガレス。
どうやらまだまだ全快には時間がかかりそうだ。
>「ちょっと見てくるね」
ヒ―ヒ―言っているガレスを見て少し笑いながらテイルは
さっきの衝撃と爆音の正体を確かめに部屋を出て行った。
ダレもいなくなった部屋でガレスは天井を見つめる。
「魔族が居ていい勇者のパーティーか………なんつうか、
 本当にどこまでいってもお人よしだなお前たちは……」
191バラグ ◆o/oHY4BMj6 :2009/07/10(金) 19:05:52 0
避難所に書き込めないのでここに書きます

すみません。
しばらくこれなくなりました
書き込もうとしたらパソコンが壊れていることに気づいて…
大体長くて一ヶ月位これません
192テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/07/10(金) 23:57:52 0
>189
>「ガイアの妖精さん、偽者とはいえダビデ様を見れて嬉しかったです!
ありがとうございます!」
「どういたしまして。抱きついちゃらめぇえええええ!!」
一目散に艇内に駆け込む。
まともに相手できるのは仲間の暴走をぴたりと止めてきたバラグさんしかいない!
体格的や防御力的な意味でも。
「バラグさん! 起きて!」
寝ている(?)バラグさんをゆする。

>191
いつの間にか隣に来ていたメルちゃんが怪しげなパンフレットを取り出して言った。
「ゆすっても無理なものは無理です。まだ充電中です。回復期間はランダムです」(>142)
「マジで!? 収拾つかないじゃん!」
2〜3日大混乱必至フラグが立ってしまった。
193名無しになりきれ:2009/07/11(土) 00:57:44 O
機関長:こちら機関室、先程の衝撃で出力低下中!
艦長:なんだと?もう少しのところで…!なんとか持たせろ!
機関長:無茶言うなー!

飛空艇は大きく揺れながら高度を落としていく
194名無しになりきれ:2009/07/11(土) 09:44:02 0
甲板に向かう途中、機関部の直上あたりに来たところで、
レオは船の見た夢を見せられていた。あるいは、船と一緒に夢を見ていた。
“機関長:こちら機関室、先程の衝撃で出力低下中!”

「んなわけあるかーっ!
お前はもう、セレネストリングスで起動し謎のパワーで勝手に動く
伝説アイテムの飛空艇なんだぞっ」

とはいえ、異常があるのは確かなようだ。魔風の森が眼下に近い。
(この位なら、改めて制御与え直せば行けそうだな。
テイル呼んでセレネストリングス弾かせよう)

そのテイルが「らめぇえええええ!!」と怪しく叫びながら走り回っている事を
レオはまだ知らない。
195乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/07/12(日) 16:45:35 0
>>189
しばらく動向を伺っていると盾に描いてある筋肉質な老人がこちらを見て頭を下げているではないか
「幻覚でござるか?」
口ではそう言うも頭では九十九神のようにしゃべる物が存在する事を冷静に理解していたが
しゃべる程の力を持つには最低云十年経たないと無理だが
>>「まめ殿、こういった形でも一つの戦いですぞ。」
>>「ハイ、わかっています。
これは私の負けですね!そちらの方も、いい戦いでした!」
と爽やかな負け宣言をしてきた。
だが、自分にも僅かにも慢心していたことや修行不足に改めて気づいた。
いろんな意味を含めて未熟な部分を指摘されてしまった。
これは実戦であればこちら側の負けであり死んでいただろう。
「いやこっちの負けでござるよ…僅かなとはいえ慢心があったのは事実結界に頼りすぎた
だがそのお陰でまだまだ修行が足りないことや信仰心や法術が未熟なことに気づけたでござる
ありがとう」
逆に笑顔で礼を述べた。

そしてまめと名乗った彼女?は先ほどの石像を作ったテイル殿に抱きつこうとしてたが
あの馬鹿力だ抱きしめられたら確実に死ぬだろう。
テイル殿は叫びながら艇内に駆け込む。
さすがに見かねたので、
「力の加減は出来ないのでござるか?力を入れたままでは……」
その時、飛行艇は大きく揺れ始めた
「な、なんでござるか?」




196テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/07/12(日) 22:54:25 0
>195
「うわあ! 大揺れだ」
そんな訳でまめちゃんが仲間に加わり(?)空の旅は続く。

>190
「そうそうアルちゃん、インペトゥス君が助けてくれたんだよ。結構いい奴だよね!」
といっても敵として会ったら容赦なく襲いかかってくるのは分かってはいるんだけど。
バキャッ! 向こうの方から何かが破壊されたような音がシリアス会話突入を阻止する!
「ドアをもぐなー!」

>193-194
そして数日後、魔風の森近くまでやってきた。まだ混乱は収まっていなかった。
「らめぇえええええ!!」
そこにレオ君が呼びに来た。
「テイル、高度が下がってる。魔風の森の影響かな」
飛空石がはめてある部屋に入ってセレネストリングスをひく。
「前はこんなことなかったよ。魔力の流れが微妙に変わってるのかも……」
197金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/07/13(月) 00:10:01 0
>195
大きく腕を広げ抱きつこうとしたのだが、テイルは一目散に船内に駆け込んでしまった。
ぽつんと取り残されたまめの手が虚しく中を掴んだ。
>「力の加減は出来ないのでござるか?力を入れたままでは……」
「え?確かにこれを着たままでは加減は難しいですけど、そんなに力は入れていないですよ?」
武の言葉にきょとんと返すまめ。
一般常識の差異というのは自覚する事すら難しい。

そんな会話をしていると、飛空挺が大きく揺れ始める。
「わ・わ・わ・・・地震ですか?それとも近くで鬼神でも戦っていますか?」
倒れないように何とかバランスを取りながら辺りを見回したとき、まめは気付いた。
自分が【飛空挺】に乗っている事に。
否、正確には自分が地面でない場所に立っていることに。
「えええ??空?浮いている???すごーい!!」
そう、マアズには空を飛ぶという術はあっても、技術は存在しない。
プアプアがガイアの技術で〜と解説をするのだが、既に揺れすら気にならなくなっているまめの耳に入るはずもない。
それほどに空を飛ぶ物体という物はまめにとっては衝撃的だったのだ。

成層圏から出現しておいて何を言うと思われるかもしれないが、あれはあくまで落ちていただけ。
空飛ぶ乗り物とは別問題なのだ。

感動仕切りのまめだったが、実はそんなことしているような身分ではないのだ。
あくまで目的があってガイアにきたのであって、すっかり忘れているまめにプアプアの怒声が響いた。
「まめ殿!いい加減にしなされ!何しにガイアにきたとお思いか!」
「はっ!そうでした!
贄となるツワモノに出会わないといけないのに!」
そう、まめは成人の儀式のためにツワモノと戦いに来たのだ。
すっかり忘れて観光気分になっていた事を戒められ、慌ててキョロキョロと辺りを見回す。
といっても、ツワモノは身近にいる。
武をぎょろりと見つめるのだが・・・
「まめ殿。今回の儀式は通常に伝えられているものとは違います。
目的地があり、贄とはそこで出会うと定められているのです。」
そういわれてまめは少し残念そうに武から目をそらす。

戦闘民族であるまめにとって敵味方の概念は少ない。
敵となる理由や目的など存在せず、戦うこと自体が理由であり目的なのだから。
そういった意味では、武との戦いを止められたのは残念だったのだ。
「それは知りませんでした。でも場所が定められているのなら探す手間が省けてよかったです!」
あくまで前向きに応えるまめとは対照的に、武は気付いただろう。
プアプアの瞳の奥に。
嘘をついている目ではないが、全てを話しているわけでもない、と。
「目的の地へ降りる予定でしたが、空を走る船に途中で引っかかってしまいましたのでな。
どうやら目的地は同じようなのでワシも今まで黙っておったのです。」
そういうプアプアの視線は魔風の森の一点へと注がれていた。

そう、その場所こそが件の洞窟の場所なのだ。
198名無しになりきれ:2009/07/13(月) 02:14:45 0
機関室をテイルに任せ、レオは甲板へ向かう・・・途中、
破壊の跡も生々しい扉を見かけため息をついた。
(またか・・・)
捨て身のギャグや行き過ぎたコントによる破壊の類なら翌日には元通りという
友引高校並みの再生力を持つ伝説アイテムの飛空艇だが、
甲板の損傷は規模がかなり大きく、その上
「らめぇえええええ!!」「ドアをもぐなー!」で
日々新たな破壊箇所が生まれているので再生が追い付いていない。
(発生源を何とかしないとなあ・・・)
格闘家の勘と教師の本能がそう告げている・・・が、
レオはまず、大工道具を持って甲板の再生を助けるための修復作業の方にとりかかった。
(着いたら楓材を買っておくべきだろうか・・・?)
199金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/07/15(水) 23:23:12 0
>190
メキョ!
ベッドで横になっていたガレスの耳に不穏な破壊音が響いた。
音源であるドアに目を向けると、もぎ取られたノブがドアの向こう側に引き込まれるところだった。
ぽっかりと明いた穴に不意に光る赤い光。
赤い光とガレスの目が合った瞬間、それは引っ込みドアの隅に四本の棘が生える。
棘・・・否、それは指だった。
バキバキバキと破壊音を響かせながらドアがもがれていく。

これこそがこの数日レオを悩ませていた破壊源。

ドア自体がもぎ取られ、風通しの良くなった入り口から巨大な鎧が入ってくる。
「はじめまして。数日前からお世話になっている金山まめと申します。
あなたがアルさんですね?」
無遠慮な進入とは裏腹に、丁重な言葉と一礼でガレスに言葉をかけるまめ。
しかし、やることはやはり無遠慮だった。
挨拶もそこそこに、巨大なタワーシールドをガレスに突きつける。

「プアプア様、どうでしょうか?」
その言葉と共に、タワーシールドのレリーフだったハゲマッチョの老人の目が見開かれる。
まじまじとガレスを見つめ・・・
「ふむ・・・何故これほどの傷を負ったかが不思議なくらいですな。
傷つけられた、というより、わざわざ傷ついたように見受けられます。
これほどの戦士ならばまめ殿でも成功する可能性があるやも知れませんぞ。」
ガレスにとっては意味不明だろう。
突然現われた鎧が盾となにやら話しているのだから。

「よかった!テイルさんに聞きました。
アルさんはとても強いけど、傷ついているって。
戦いの女神の徒としては捨て置けません。」
プアプアの言葉を受け、明るい口調で説明を始めるまめ。
「もう直ぐ目的地に着くのでお別れですが、今までのお礼をしようと来ました。
初めてですが、プアプア様も助けてくれますので大丈夫だと思います。
一生懸命やりますので動かないでくださいね?」
そういうと、腰につけた水魔の太刀を握り、刀身を搾り出す。
チーーーーという耳障りの音は、刀身が小さく震えていると気付くだろう。

訳のわからぬガレスを前に、まめの腕はゆっくりと動き出す。
それと共に耳障りな音が消えうせる。
後ろ下方に伸ばされた腕は直上に振り上げられ、刀身は音も無く天井に吸い込まれていく。
そして一本の線を引きながらゆっくりと前方へと移動していく。

このあたりでガレスが気付いただろう。
音も無く吸い込まれたのではない、と。
音が追いつかないスピードでこの剣は振るわれている。
しかし二人の感覚が時間を引き伸ばし、スローモーションのように感じているのだ、と。
そう、まるで事故にあう直前、全てがゆっくりと見えるように。

やがて刀身は天井から離れ、ガレスに向かって下降していく。
そのまま胸を通過し、ベッドに線を付けていく。
200金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/07/15(水) 23:23:20 0
***ボッ***
ガレスを真っ二つに切り終えた直後、感覚は戻り後から音が追いついてきた。
ガタン、と音を立て、真っ二つになったベッドが崩れる。
天井と床には線のような切り傷が残っている。
が、ガレスの身体は切られていなかった。
正確に言えばくっついたのだ。
「上手くいきました!漣・復息の太刀でした。
もうあなたの傷は治っているはずです。」
ある一定レベルを超えた戦士の細胞は固有の振動を持つ。
この太刀は振動の共鳴作用を利用して傷を癒し体力の回復を促す効果がある。
光の眷属も闇の眷族も関係ない。
強き闘う者の為の回復術なのだ。
まだ成人していないまめには過ぎた技だが、プアプアのサポートとガレスの強さが成功に導いた。

ガレスの傷は癒えたのだが、室内はザックリ切り取られレオの頭痛の種は増すだろう。
だがそんな事はどこ吹く風。
まめはガレスの回復を大いに喜んでいた。
「強い戦士も手負いでは力を発揮できませんからね!
テイルさんたちも喜ぶでしょう。
これで縁があれば全力のあなたと戦えますよね!」
無邪気に声を上げるまめであった。
201テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/07/16(木) 00:13:24 0
>197
まめちゃんの故郷マアズとは、驚くべき事に、唯一神がおさめる対立軸が存在しない世界だそうだ。
よってさぞかし平和かと思いきやところがどっこい、住人全員が戦闘民族らしい。
何が悲しゅうて日常的に戦闘を繰り広げなければいけないのか。
なぜに成人するのにわざわざツワモノを倒さにゃならのだ。
「意味と趣旨が分からん……」
機関室で一人で呟いた。

>198
レオ君がせっせと機体修復をして回っている。
「マアズとやらのノリだが格闘家の勘でちょっとは分かる気がするぞ。
だからって破壊はもう勘弁!」

>199-200
「そろそろ到着だけど……えぇえええええええ!?」
アルちゃんの部屋のドアが無くなっていた。慌てて駆け込むとベッドが真っ二つになってるし。
乱入して暴れまわったんじゃないか!?
「何があったーーーーー!」
見たところ怪我はないようだけど。
>「強い戦士も手負いでは力を発揮できませんからね!
テイルさんたちも喜ぶでしょう。
これで縁があれば全力のあなたと戦えますよね!」
「シャレにならない事を言わない! アルちゃん困るでしょ!」
といってもこの一行の事情もガイアの事情も知らないから仕方ないのだが。
一番の問題はこの部屋の惨状を見たらレオ君がキレる事が間違いないことだ!
202名無しになりきれ:2009/07/17(金) 00:39:15 0
甲板の瓦礫を片付け、使えそうな破片は形を整え、補修できそうなところは補修し・・・
しばらくの後、当面できる作業を終えてレオが厨房へ向かおうとした、ところ。
途中の通路には、何故か引きちぎられ変形したドアが放り出されており、
そのため丸見えの室内は、構成部材がありえない箇所で切断されており、
中央にはお伽話のミズノコウジ・アスカもかくやという甲冑姿が武器防具完備で仁王立ち。

・・・・・・。

レオはそのまま厨房に向かうと、一本の包丁を持って戻ってきた。
203名無しになりきれ:2009/07/17(金) 01:20:23 0

 「あああーーーっ!アルちゃんっ!アルちゃんっ!
  ・・・どうしようアルちゃんがっっっっっぅわあああああん!!!」
 「・・・ん・・・あ・・・ちょ、ちょっと待てテイルそんなに掴むな餅つけ」
 「・・・え?・・・い、生きてるよおっ?よかったぁうわあああん」
 (な、何でこいつは俺に抱きついて泣いてるんだ?・・・まあ、いっか(幸))
 (うわあああ・・・はっ、アタシ一体何を・・・(赤面赤面赤面))


とかいう感じの古典的お約束な展開を一瞬想像しかけた部屋の奥の光景・・・は無視して、
レオは甲冑に包丁をつきつける。

「皆の安全とオーシア魔法学校の資産保全のため、船体が射程に入る位置での太刀の使用を禁じる。
また、世界の破壊を防ぐため、愛と真実の悪を
・・・じゃなくて、これを完全にマスターするまで船から降ろさない」

つきつけた−−因みに、柄の方をだ−−包丁を受け取らせると、
おもむろに取り出したのは、完熟の里芋一山。
「そのナマクラ包丁で、堅い皮の下は素敵にねばねばな里芋をキレイに剥く」
更に、ボウルと大量の生卵。
「こうやって賞味期限ぎりぎりの卵を片手に一個ずつ持って、黄味を傷つけずカラを入れず白身をこぼさず確実に割る。
もちろん養鶏場のケージ飼いの卵だから薄皮の割に殻が薄いぞ」

ここぞという時の課題強制は世界を超えて共通の教師の特殊能力。逃げられない!
204乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/07/18(土) 02:11:02 0
>>197
>>「え?確かにこれを着たままでは加減は難しいですけど、そんなに力は入れていないですよ?」
着ている?ということは中に人が?いると言う事か
「信じられないでござるなぁそれにしては暑かったり苦しかったりしないでござるか?」
とりあえず気になったので質問をする。

このままでは飛行艇が下降を続けるならおそらく墜落は免れないだろう。
「もしもの場合はガルダに全員乗せることも考えなければござらんな…」
と考えこんでいると
間近から視線を感じる。まめ殿のようだが、しかし
>>「まめ殿。今回の儀式は通常に伝えられているものとは違います。
目的地があり、贄とはそこで出会うと定められているのです。」
>>「はっ!そうでした!
贄となるツワモノに出会わないといけないのに!」
筋肉質の老人が怒声を上げていた。そしてこちらをぎょろりと見るまめ殿
>>「まめ殿。今回の儀式は通常に伝えられているものとは違います。
目的地があり、贄とはそこで出会うと定められているのです。」
といわれ、目をそらすまめ殿に首を傾げる。
「…?なんなんだっでござるか?」
だが、マッチョな老人からは不自然な感じがした。
嘘は付いてはいないようだ。しかしまめ殿と違いなにかを隠してるような…そんな瞳をしていたからだ。
とりあえず警戒はしておいた方がいいかもしれない。
>「目的の地へ降りる予定でしたが、空を走る船に途中で引っかかってしまいましたのでな。
どうやら目的地は同じようなのでワシも今まで黙っておったのです。」
「そうでござったか、災難でござるなお互いに…」
まめ殿が振ってきた空をなんとなく見る。
205名無しになりきれ:2009/07/18(土) 19:20:05 0
当番村人「飛空艇、高度を下げ続けながら森上空を通過!そのままの進入角で広場に着陸する模様です!」
206金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/07/18(土) 23:38:49 0
>204
>「信じられないでござるなぁそれにしては暑かったり苦しかったりしないでござるか?」
「暑くは無いですけど、重いし感覚が鈍くなります。でも大事な儀式の正装なので平気です!」
武の質問に元気一杯に応えるまめ。
高度を落としていく飛空挺の甲板で武とまめの会話は続いていった。

>201>203
>「シャレにならない事を言わない! アルちゃん困るでしょ!」
「???」
テイルの驚きにまめは首を傾げる。
それもそのはず、戦いこそが我が誉な戦闘民族にテイルの驚きを理解するというのはは無理らしからぬ事。
そしてその危惧も理解できなかったが、直ぐに現実のものとなる。

>「皆の安全とオーシア魔法学校の資産保全のため、船体が射程に入る位置での太刀の使用を禁じる。
>また、世界の破壊を防ぐため、愛と真実の悪を
>・・・じゃなくて、これを完全にマスターするまで船から降ろさない」
「ひ、ひえ〜〜!?魚雷先生??」
包丁を受け取らせたレオに故郷の教師の姿を垣間見て思わず悲鳴を上げる。
有無を言わさぬ教師の課題強制は世界を超えた共通の特殊能力。
アもウも無く突きつけられた課題をするしかないのだ!

巨大な甲冑の手に比べ里芋はあまりにも小さい。
「あ・・・あわわわ・・・!」
そっと包丁を入れ立つもりだが、雑なうえ勢いもつきすぎぬめりに包丁はすっぽ抜ける。
慌ててジタバタするが里芋は潰れ包丁は空を切りながらガレスの眉間へ飛んでいく!
このままだと重症だった胸の傷を治したはいいが、脳天に包丁を突きつけてしまう!

「さ、里芋は後にして、先に卵を・・・ひゃあああ!!!」
里芋の皮むきは危険と思い、卵を手に取るが割る以前に握り潰してしまう始末。
「きゃあ!ネバネバヌルヌルウウウ!
うぅ・・・、まさかこれは課題にかこつけたローション地獄セクハラ攻撃???」
**ガキン!!**
室内に響く鈍い金属の激突音。
潰した卵と里芋でヌルヌルになりながら叫ぶまめの後頭部にタワーシールドの角がめり込んだ。
「まったく、女子校育ちは耳年間じゃから。レオ殿、すみませんな。」
流石に見るに見かねたプアプアが突っ込みを入れたのだ。
そして厳しく叱責の声を上げる。

「まめ殿!いらん知識ばかり身につけて!
これは微細な力加減を身につける高度な訓練ですぞ!?
そんなレオ殿の気持ちも知らずにセクハラなどと!」
「ハッ!そうだったのですか!
でもプアプア様。こちらに来て殆ど絶食状態で力が上手くでません!」
そんな泣き言も勿論プアプアに通じるはずも無く、皮むきと卵割りに悪戦苦闘が続く。

ここでまめの口から絶食と出たが、食物的な絶食という意味ではない。
植物や妖精であるテイルが光合成で「食事」をするように、戦闘民族たるまめは戦いで「食事」をするのだ。
戦いこそ至福であり、生命活動なのだから。
飛空挺内で戦闘をしないのは【空腹こそ最高の調味料】とプアプアに言われ、目的地まで戦闘をしていない。

しかしそのお陰で余分な力が入らずにすみ、徐々に皮むきや卵割が出来るようになるのだが・・・
綺麗に剥き、卵を割れるようになるまでは到着までかかりそうであった。
まめの悪戦苦闘はまだまだ続く。
207ガレス ◆BzGhd8qjHk :2009/07/19(日) 16:45:17 0
>196>199
体も動かせずに寝ていると、何か破壊音のような音が響く。
嫌な予感がして音がした方を向いて見る、すると丁度ドアノブが向こう側へと引き込まれるところだった。
そしてその穴から除く赤い光が覗き、ガレスが目が合った瞬間、
棘のようなものがドアから出てきたと思ったら酷い音を立てながらドアをもぎ取っていく。
しかしすぐにそれが巨大な手の指だということに気が付く。
「な、なんだぁー!?」
いきなりの自体に逃げる時間も与えられないままドアは完全に破壊され、
巨大な鎧が金属音を立てながら入ってくる。
>「はじめまして。数日前からお世話になっている金山まめと申します。
>あなたがアルさんですね?」
丁寧な言葉で挨拶する金山まめを見てガレスは思考をめぐらす。
なぜ自分の名前を知っているのか、そしてなぜ自己紹介などするのか。
だが一つとして知り合い、だとか仲間、という考えは浮かばなかった。
「オ、オレをどうするつもりだ…?」
まめは問うガレスを無視して巨大な盾を突き付ける。そして今度は一人言を始めた。
>「プアプア様、どうでしょうか?」
すると盾のレリーフだった老人の眼が見開かれまるで品定めをするかのように
まじまじとガレスを見つめ始める。さっきのはこのレリーフにしゃべりかけていたのだ。
>「ふむ・・・何故これほどの傷を負ったかが不思議なくらいですな。
>傷つけられた、というより、わざわざ傷ついたように見受けられます。
>これほどの戦士ならばまめ殿でも成功する可能性があるやも知れませんぞ。」
「……成功?ま、まさかオレの体とか乗っ取ったりしてあんなことこんなことするわけじゃないよな?」
もかしかしたら目の前の奴は寄生生物で今は鎧に取りついているのかもしれないという
想像が働いてしまったガレスは恐怖で身震いする。逃げたくても体の傷で思うように動けない。

>「よかった!テイルさんに聞きました。
>アルさんはとても強いけど、傷ついているって。
>戦いの女神の徒としては捨て置けません。」
「テイル!?テイルの知り合いなのか?」
テイルの名前が出てきて少しばかしまめへの警戒が解けるガレス。
変な奴を仲間にしたがるのは自分やバラグからも分かっていたため、
ここでようやく新しい仲間という考えが浮かび始める。
>「もう直ぐ目的地に着くのでお別れですが、今までのお礼をしようと来ました。
>初めてですが、プアプア様も助けてくれますので大丈夫だと思います。
>一生懸命やりますので動かないでくださいね?」
明るい口調で話すまめを見てようやくすべての警戒が解ける。
「なんだよもうお別れか?もっと早く来てくれりゃあよかったのによ。
 それにお礼って言われてもなぁ、オレなんもしてねぇし」
208ガレス ◆BzGhd8qjHk :2009/07/19(日) 16:45:58 0
笑って会話をしていたガレスだったがまめが腰につけた太刀を握るのを見て表情が凍りつく。
微振動を起こす刀身が驚くほど静かな空間を作りだし、ゆっくりと天上へと吸い込まれ、
そして自らに向かって落ち、そしてベッドごとガレスの胸を貫通する。
即死、そう思われたがどういうことかガレスは死んではいなかった。
>「上手くいきました!漣・復息の太刀でした。
>もうあなたの傷は治っているはずです。」
まめの言うとおり、ガレスの体の傷は痕を残してはいるものの完全に回復していた。
もっとも室内はあちこち切り取られベッドは真っ二つ。
とてもじゃないが部屋とはいえないものになっている。
>「強い戦士も手負いでは力を発揮できませんからね!
>テイルさんたちも喜ぶでしょう。
>これで縁があれば全力のあなたと戦えますよね!」
>「シャレにならない事を言わない! アルちゃん困るでしょ!」
無邪気に声を上げているまめをしかりつけるテイル。
もっとも、当人のガレスはさっきのことですでに気絶していた。

>206
「う……う〜ん……オレは一体どうなって……」
目を開けた瞬間、今度は包丁がガレスの眉間へと飛んでいく。
「ひいぃいいい!こ、殺されるぅぅぅううううう!?」
何とか顔を横にして包丁を回避することはできたが、
身の危険を感じたガレスは叫びながら一目散に部屋から出ていった。
209テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/07/19(日) 23:16:02 0
>202-203 >206-208
気絶しているアルちゃんをがくがくゆする。
まめちゃんがついにレオ君に課題強制されたようだ。
>「う……う〜ん……オレは一体どうなって……」
>「ひいぃいいい!こ、殺されるぅぅぅううううう!?」
包丁が飛んできてアルちゃんはすたこらさっさと逃走した。
「待って! 文化が違うだけでまめちゃんいい子なんだよ! きっと不慮の事故だよ!」
追いかけに出ていく前にプアプアさんに疑問を投げかける。
「プアプアさん、ローション地獄セクハラ攻撃とはどんな意味ですか?」
「知らんでよろしい!!」
シールドの角で攻撃こそされなかったもののすごい剣幕で一喝された。
マアズには門外不出の文化がいろいろあるようだ。

「あれ?」
追いかけていった先にいたメルちゃんが目をぱちくりする。
「走り回ってるってことは……元気になったんだね!」
「……そっか! 元気になったんだ!」

>205
広場に着陸態勢に入る。
「まめちゃん、行き先一緒なら一緒に行かない?」
まめちゃんが来てからの数日間大騒ぎだったけどおかげで退屈しなかったしここでお別れというのは勿体ない気がする。
それに不思議世界マアズのことをもっといろいろ知ってみたいし
絶対脱ごうとしない鎧の中身も気になって仕方がないのだ。
210名無しになりきれ:2009/07/21(火) 01:56:03 0
まめの手つきを横目で確認し、時折飛翔するナマクラ包丁を躱しながら、
ガレスが逃げ出した後のベッドや壁や天井の切断面に
掌底を叩き込んでズレを直してから適当な板やロープで固定、と、
レオが部屋の修復、というか船の自己修復の補助作業を一通り終えた頃、
やれやれ、とでも言いたげな振動と共に、飛空艇は広場に着陸した。
(今日は里芋団子とスクランブルエッグだな・・・さて、下ごしらえの具合はどうかな?)
211乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/07/21(火) 20:39:48 0
>>206
>>「暑くは無いですけど、重いし感覚が鈍くなります。でも大事な儀式の正装なので平気です!」
「そうでござるか、その儀式とやら成功するといいでござるなぁ」
自分に枷を付けているのか別の意図があるのかは置いといて、どうやら儀式とやらの正装らしいことは理解した。
その儀式とはなにかは気になったが、首を突っ込みすぎるのも相手の気分を悪くさせる事もあるので聞かなかった

とりあえず、なんだかんだで無事着陸には成功したようで
何処かの広場に止まっていた。
212金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/07/22(水) 00:06:55 0
>210
レオがやってきたとき、目の前には一枚の皿とボウル。
さらには綺麗に剥かれたサトイモが一つ。
ボウルには殻一つ混じっていない黄身が透明な白身にたゆたっている。
そして・・・
「レオ先生!やりました!遂に出来ましたよ!」
レオの顔を見るなりガバッと覆いかぶさる様に巨大な甲冑が抱きついた。
しかしレオは潰されること無く抱き疲れている。
そう、サトイモの皮剥きと卵割の成果が出ているのだ。
唯一つ・・・甲冑は全身ヌルヌルドロドロであることを除けば。

正に万兵死して将有。
まめの後ろには死屍累々と潰れた里芋と卵が大量に積まれているのだ。
それぞれたった一つの成功に辿り着く為にどれほどの苦闘があったかは推して知るべし。

>209
着陸態勢に入り、身体のヌルヌルを取ったまめが甲板に出てくる。
そこでテイルから同行の申し出を受ける。
「ありがとうございます。でも儀式は一人で行かなくちゃならないんです。
次ぎ会う時は大人になっていると思いますから、その時は存分に・・・!
それでは、また!」
テイルの申し出を丁重に断り、まめはそのまま甲板から飛び降りた。

着陸態勢に入っているとはいえ、それなりの高度はあった。
が、そもそも成層圏から落っこちてきたまめにとっては階段を降る程度の高さ。
土煙と共に広場の隅に落ちると、出迎えの人々の驚きも気にもせずに手を振って一直線に北へと向かう。
プアプアの指し示す通りに一直線に。


巨大な甲冑が広場北端から続く細い道を拡張していく。
迷うことも振り返ることもない。
そして到着した洞窟の入り口。
まめは感慨深そうに口を開く。
「いよいよですね、プアプア様!うふふふ・・・ステキな人だと嬉しいです!」
少々上気した様な口調。
ここ暫く戦いを封印していたため、漸くの解禁に興奮気味なのだ。
「ここから先、修羅に入りますぞ!立派な大人になってくだされ!」
「ハイ!」
元気よく応えてまめは洞窟へと入っていく。
甲冑の隙間から湯気を立たせながら。

喰らい洞窟の中、赤い光点がガシャリガシャリと音を鳴らしながら奥へと進んでいく。
213テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/07/22(水) 20:44:59 0
>211-212
「そっか。いってらっしゃーい! がんばって強敵倒すんだよ!」

まめちゃんを見送って着陸してから降りる。
「さて、今回の任務はエメロちゃんの捜索……ん?」
そこであることに思い至る。
「まさかエメロちゃんが生贄……!? 大変だー! 速攻追跡を開始する!」

>176
出迎えらしき村人は唖然としていたが、すぐに気を取り直してセリフを言い始めた。

広場入り口:
「こ、ここは村の広場です! 東に行くと魔風の森、西に行くと湖です」
「わん、わん!」

広場北端、拡張された道の手前:
「この先には天然の洞窟があるだけだよ」
「お前達も洞窟に行くのかい。物好きがたくさんいたもんだ」

洞窟の前:
「そういえば全身甲冑姿がこの洞窟に突っ込んでいった
悪い事を企んでるんじゃないだろうな」
村人たちはアドリブに強かった!

「お勤め御苦労さまです!」
洞窟の前の村人に一礼して洞窟に入っていく。
214名無しになりきれ:2009/07/24(金) 01:12:00 0
(なかなか上達が速い・・・)
ブリッジの姿勢で甲冑にホールドされながら、レオは優しく声をかけた。
「よろしい、合格だ。いってらっしゃい、まめ君」

まめが去った後。
「ピュリフィケーション:範囲拡大!」
全身にまぶされた液状の炭水化物とタンパク質と共に、残された失敗作の液状かつリサイクル不能部分を真水に変える。
(ふう。1ゾロ振るかと思った・・・)
魔法より格闘または料理の方が数段得意なレオである。
(じゃ、予定通り里芋団子とスクランブルエッグと・・・この成功品は特別に煮しめと錦卵かな)

材料を厨房に運び調理を8割方済ませ、
甲板とガレスの部屋とその他の損傷箇所の現状を確認してから、
心なしかぐったりとした様子でレオは村へと向かった。

「すいませーん、ちょっと材木とメープルシロップ分けてもらえませんかー」
215名無しになりきれ:2009/07/24(金) 23:53:10 0
ファファファファファファ
216名無しになりきれ:2009/07/26(日) 18:29:45 0
ソソソソソソ
217??? ◆SZNZdzEn9P02 :2009/07/26(日) 19:48:10 0
白い空間 

四方の壁も床も天上も純白に覆われた部屋の中心点。
そこに人影がひとつ、椅子に座している。
ソレの周囲を輪舞するのは長方形の鏡面。
表面には多種多様な映像が流れている。

「どうやらひさしぶりの・・・・・・もとい、私が起動してからの最初のお客様のようですね。」
《例のシステムは起動可能状態で待機済みです。》
「ありがとう、ソルテ。では・・・・・・ゲストをお迎えに行きましょう。きっちりかっちり測りましょう。
彼らはゲストたるに値する資質を持つものか。この都に脚を踏み入れる資格を有するのか。」
《もしも資格がないならば?》
「知れた事。天に向かうが愚者ならば、焼き落とすのが定め。」

輪舞の中央に固定された鏡面には>213の光景が映し出されている。
人影は、その部屋の外へと脚を踏み出した。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
天の回廊 最下部

テイル達より一足早く光のあふれる空間に突入したまめが見たのは途轍もない光景だった。
その部屋は中に入って尚も光に溢れ、その部屋の大きさを測りしる事が出来ない。
何より、まめの眼前の巨大な純白の柱の存在感が周囲すべてを圧倒している。

柱の周りには透明な素材でできた直方体が幾本も幾本も刺さっており、それが螺旋階段を形成している。
天上が莫大な光の光源となっているため、階段の先は視認することができない状態となっている。
もしかなり登っていったところで脚を滑らせたら・・・・・・真っ赤なトマトジュースになってしまうだろう。
ともかくも、螺旋階段は遥か先まで続いているようだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
テイル達が見たのはまめにとって強引に突破・破壊された鍾乳洞の洞窟だった。
狭い道は甲冑と強力によって破砕されたのは一目瞭然である。

ちなみに通路には【順路→】と書かれた板が打ち付けられ。
杭とロープが張ってあるあたり、観光資源にするつもりだったことが察せられる。
218テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/07/26(日) 23:02:34 0
>217
【ウィルオーウォスプ】を松明代わりに洞窟内を進む。
観光地化計画に敬意を表し観光ガイド風。
「皆さん、見てください。天然の鍾乳洞が広がっています!
自然の造形美……と言いたいところですがまめちゃんによって拡張されています!」
まめちゃんが通ったルートは丸分かりなので見失う事は無い。
当然ファファファと笑う木など出てこず、観光ガイド風の解説はすぐにネタ切れ。
「それでは熊が出ないように合唱しましょう!
ドーはドーナツーのドー、レーはレモンのレー、ミーはみーんなーのーミー
ファーはファイトのファー、ソーは青い空ー」
そこまで歌った時上から不気味な音が聞こえてきた! ゴゴゴゴゴ……!
歌の微量な振動が引き金となって天井から大量のつらら状の鍾乳石が落ちてくる!
「うおああああ!! まめちゃんが通った時にとっくに落ちてるはずでは!?」
【それは累積ダメージってやつです。避けるor粉砕しながら突破せよ!】
219金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/07/26(日) 23:20:20 0
>217
「・・・・!」
天の回廊最下部に足を踏み入れたまめは言葉を失っていた。
光に溢れ、壁すらもはっきりしないその広さに!
そして眼前にそそり立つ圧倒的な純白な柱に!

柱に近づくと、透明な直方体が幾本も刺さっており、螺旋階段を成している事が判る。
「・・・これが・・・?」
部屋に入ってどれだけの時間が経っただろうか。
ここに着て漸く・・・まめの口から搾り出された言葉だった。
「いかれますかな?まめ殿。」
「勿論です!」
圧倒的な巨大な柱。
その頂は光の為に全くわからない。
しかしプアプアの言葉に応えるまめの声は少し上ずっていた。

それは迷いではない。
ある種の恍惚・・・。

水魔の太刀を手に取ると、眼前に掲げ刀身を織り成す。
「地走りの陣!」
気勢と共に水銀の刀身は霧散した。
液体で出来た刀身に超振動を与える事により文字通り霧散させたのだ。
鎧の隙間から湯気を上げ、銀色の霧を纏いまめは螺旋階段を上っていく。

「それにしてもプアプア様、ガイアの人たちは不便な暮らしをしているのですね。」
階段を上りながら飛空挺での事を思い出しまめが言う。
が、プアプアの答えは返ってこない。
しかしそんな事お構いなしにまめの言葉は続く。
わざわざ光とか闇とか区別つけないと戦えない事が戦闘民族であるまめには奇異に映ったのだ。
戦い自体を目的とするマアズの民の価値観では相容れないものであるが・・・
「ガイアの者達全てではなく、眷属はそれぞれが神に連なっておりますからな・・・
しかし、人間という種族はその楔に囚われておりませんじゃ。」
ここで漸くプアプアが応える。
「そうなんですか!じゃあ人間の人たちは私たちのように何も囚われる事無く戦いが出来るのですね!」
その応えにまめが嬉しそうに反応した。
螺旋を登る足取りも軽くなり、その速度を上げていく。

「・・・人間だけ・・・いいや、変革は既に顕れているようですがの・・・。」
浮かれたまめの耳には、間を置いてからのプアプアの小さな呟きは届かなかった。
220乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/07/26(日) 23:21:30 0
>>213
まめ殿を見送ると同時に降りる。
テイル殿も降りるが、突然
>「さて、今回の任務はエメロちゃんの捜索……ん?」
>「まさかエメロちゃんが生贄……!? 大変だー! 速攻追跡を開始する!」
とまめ殿を追跡するといい始めた
「ちょっと待って……行っちゃったでござるよ」
まめ殿をダッシュで追い始めたので慌てその後を追う。

221??? ◆SZNZdzEn9P02 :2009/07/29(水) 21:54:54 0
>218-220
まめが階段を登りだしてからいったいどれだけの時間が経ったのだろうか。
日の光とは異なる人工と思しき光の照らす回廊はまめの時間感覚を破壊するのには十分だった。
何度となくこの続く階段にうんざいりしていたまめの所に、ある音が響く。

それは、まめが待ち望んでいた【御馳走】の響き!
鋼と鋼が打ち合い、刃と刃が交差しする剣戟の音楽!
しかもこの音が、まめの食指を蠢かせるに足る極上の戦いの音がする!

階段を駆け上がり見た光景は、柱の頂点である円形の舞台で二人の女戦士が刃を交えるものだった。
かたや、無表情に青く輝く剣を持ち。背中には青い光を纏う鉛の翼が生えている。
かたや、必死の形相で、左手に盾を右手に大剣を握り締める。
・・・・・・と、戦いに期待を膨らませるまめの存在に気づいたのか女騎士が振り返る。

当然、翼を持つ戦士がそれを見逃すはずもない。
まめの方を振り向いた女騎士の腹部から青い光が突き出される。
「後方に警戒を向けるのは当然としても、振り向いたのは失策ですね。これにて逆殺です。」
倒れかけた女騎士の背中に青い光が十字に切りつけ、蹴り飛ばす。
吹き飛ばされた騎士の手から大剣と盾が離れ、まめの手の届かぬ距離から階下へ向けて落ちてゆく。
女騎士自身は柱の縁ぎりぎりにうつ伏せに転がっているが・・・間違いなく重傷といえる。
炎で焼かれたように腹部の傷が焦げている為に血が噴き出ないのが幸いだろう。

「・・・・・・・さて、新たなゲストのようですし。毎度とはいえ仕切りなおしましょう。」
そう、翼を持つ戦士は呟くと青い光を抑えて柄だけとなったものを腰のベルトに嵌め込む。
まめの背を向けて2、3歩程度歩いてから振り返り慇懃に頭を下げる。
「この門の先にあるは、天使達の住まいし都エリュシオン。資質も資格もなき者は通すわけには参りません。
 さぁ、用件を伺いましょう。それが能わぬものならばお引取り願いましょう。それでも押し通るというのなら・・・
 蒼炎の裁きを以って退けましょう。」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
テイル達が鍾乳石を交わし、純白の柱の間に辿り着くと・・・
>217のような光景が広がっている。
そんなテイル達の耳に、ふと風切り音が聞こえる。

〜〜〜〜ダン!と、テイルのすぐ目の前に大剣が落ちてきた。更にその柄に盾が引っかかる。
はて、その大剣と、盾の印章には見覚えがある気がする。さて、これはどこで見たのだろう・・・・・・
222金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/07/29(水) 23:54:46 0
>221
「プアプア様、登りきれない天国への階段を上るのと、一思いに地獄に落ちるのはどちらがいいのでしょうか・・・。」
上れども上れども先の見えぬ階段にまめの口からこんな言葉も出てしまう。
こんな愚痴が出てしまってもプアプアからの叱責の言葉はない。
口ではなんといおうと、まめに纏わりつく銀の霧が保たれているからだ。
この霧、地走りの陣は霧を周囲に広げる事により感覚を広げる効果がある。
例え死角からの攻撃を受けようとも、霧の範囲内に入った時点でそれを察知する事ができるだの。
即ち、陣が保たれている以上、まめの集中力は失われていない事を表す。

それからどれほどの時間が経ったのかは判らない。
が、永劫に続くと思われた普遍は唐突に終わりを告げる。
それは鋼の打ち合い。
それは剣戟の音楽。
それは戦いの気配!
重くなりかけた足取りも軽く一気に駆け上った時、その戦いは終幕を迎えた。

まめの出現に振り向いた女騎士が背後から青い光に貫かれたのだ。
大剣と盾が階段から落ちていく。
女騎士は蹴り飛ばされ柱の縁に転がる。
その気配から凄まじい戦いが繰り広げられていたのだろうが、あっけない幕切れだった。

その様子を無言で見つめるまめに、背中に青き光をまとう鉛の翼を持つ女戦士が頭を下げながら言葉をかける。
用件を、と。
資質と資格無き者が押し通るというならば、蒼炎の裁きを以って退けよう、と。

女戦士の言葉にまめは・・・その巨大な鎧はブルブルっと震える。
湯気は煙のように立ち上り、赤い眼光は黄色く変色を始める。
もはや本能のレベルで抑えきれない衝動を無理やり抑えたのはまめの生来の気質なのだろう。
ぎこちなく礼を返し、搾り出すように返答をした。
「是非もなし!金山まめです!」
返答はこれだけだった。
もはや問答無用の域だが、戦闘民族たるまめにしては名乗れただけでも上出来だった。

ズシン、ズシンと重い足音を響かせながら間合いを詰める。
それと共に周囲に漂う銀の霧は吸い込まれるように柄に収束し、刀身を形成。
渾身の一撃を繰り出した。
それなりに早くはあるが、一閃と言うには届かぬ振り。
しかしその一撃は恐ろしく重い。
剣で受けるのならば刀身圧力を弱め女戦士の刀身をすり抜け、また圧力を強めて身を切り裂くだろう。
退いて避けるのならば刀身を延ばし間合いの外からでも斬撃を届かせるだろう。
こんな器用な事ができるようになったのも、レオの里芋剥きと卵割の成果だった。
223テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/07/30(木) 00:22:43 0
>220‐221
「いない人は手をあげて! みんないるね!?」
幸い鍾乳石で戦闘不能になる人はいなかった。異論は認めない!

「あれ? なんだろう」
壁が崩されたような場所に入ると、光のあふれる空間が広がっていた。
はるか上空まで螺旋階段が続いている。
「天に至る道……エメロちゃんが言ってたの、本当だったんだ。
と、いうことは今頃歓迎パーティーを受けているに違いない!」

「ソル君、キミの仲間に会えるかもよ!」

「アルちゃん、一緒に行こうね! 最悪死霊皇帝軍裁判すればなんとかなるよ!」
死霊皇帝軍裁判とは死霊皇帝とルビが振ってあるだけのただのうさんくさいオッサンの絵を踏む行為である。

と、大剣が落ちて来て地面に刺さった。
「危な! これは……! 誰かからのプレゼントなのか!?」
剣を持ってひっこぬく。弾みで後ろに転ぶ。
「天空の剣と天空の盾を手に入れた!」
装備してみたいが重量オーバーで装備できない。
「誰か持つ?」
みんなが微妙な面持ちをしているのはなぜだろう。
224??? ◆SZNZdzEn9P02 :2009/07/30(木) 21:17:50 0
>222-223
>「是非もなし!金山まめです!」
「ただ闘争を望むのみ・・・ですか。」
返答になってはいないんがあるいみ返答と言えなくもない一言と共にまめはずんずんと間合いを詰める。
蒼剣の女戦士はそれに対して退くことも進むこともせず、腰のバックルからバイクのハンドルに似た柄を外し
ヴン、という音ともに蒼い光の刀身を生み出すのみ。

そして振り下ろされる一撃。剛という音と共に落ちるのは雷撃のごとく、落ちてくる。
対する女戦士は、まめの右腕側へほんのわずかに水銀の刃を見切って踏み込んだ!
右逆手にかまえた刀身で、水銀の刃を受け止める構え・・・が
女剣士が柄に付属するレバーを引いた直後、水銀の刀身を蒼い光の刀身がすり抜ける!

「ただただ愚直な一撃、見事に作り上げましたが・・・それだけでは門を越えられはしない!」
横薙ぎの一閃がまめの胸部を襲う。先ほどの一撃から考えて、刃は鎧を抜けてまめの体を焼くだろう。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
全く疑問を持たないテイルに一同は若干の呆れと、
大剣の持ち主の行く末に思いを馳せて通夜のように沈痛な面持ちとなる。

そして、テイル一行は階段の行く末を見るのだが・・・・・・
尋常ではなく長い。本当に長い。長い。長い。長い。
実は別に登る手段があるんじゃないかと考えてしまいかねないほど長い。
正にこれ事態がひとつの試練を形成しているようだ。
225金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/07/30(木) 23:56:34 0
>224
刀身圧力操作で水銀の刀身は蒼い光の刀身をすり抜ける。
しかし女戦士も横薙ぎの一閃をまめの胸部に繰り出した。

女戦士の攻撃に反応は出来た。
が、その速さ故にまめに許された回避行動は半歩だった。
半歩下がったところで蒼い光の刀身は巨大な鎧の胸部を捉える。
先行と共に胸部を切り裂き、その内部へと刀身は進む。

鎧の旨を捉え切り裂き払いきるまでの数瞬。
女戦士は刀身越しに、柄越しに、腕越しに感じただろう。
固い岩盤を切り裂いた直後、数メートルの濁流に焼けた刃を入れたかのような感触に。
事実、切り裂いている最中はジュシュウ!という派手な蒸発音が響く。
そして引き抜いた青い光の刃はその光量を減らしていた。

一方まめは斬撃を受けた後、漸く二歩下がる事が出来た。
体制を保ちつつも、切り裂かれた胸部に手を当てている。
その切り口からは大量の煙と共に、銀色の液体が溢れ出る。
「素晴らしい一撃です!今まで我慢していた飢えが!渇きが!満たされます!」
歓喜の声を上げ盾を床に突き刺し、胸元に当てる。
その恐るべき圧力により鎧は歪み、切り口を塞いでいったのだ。

傷口が完全に塞がり流れ出る銀色の液体が止まると、まめは無造作に水魔の太刀を振るう。
散らばる無数の水銀の針。
しかしそれは牽制でしかない。
「質問があります!その門を越えたところにはあなた以上のツワモノがいるのですか?」
弾むような声と共にタワーシールドの背面に拳撃を叩き込んだ。
超絶パワーで殴られたタワーシールドは動く壁となって女戦士に迫のだ。

其は風圧の壁。
其は鋼鉄の壁。
其は背後からの衝撃と空気の壁に当たり歪んだプアプアのアップ!

女戦士の周囲には水銀の針が飛び牽制をし、正面からは壁の如きタワーシールドが迫る。
そして地面を蹴り、まめの巨体が飛んだ。
「質問の続きです!あなたの力はまだありますか?あるのなら見せてください!」
宙を舞い振りかぶりながら質問をぶつけるまめ。
全身鎧であってもはっきりとわかる。
苛烈な攻防であっても・・・否、苛烈な攻防の中だからこそ、その満ち足りた表情が!

返事を聞く気があるのかどうか?
振りかぶらなくとも1.5トンの質量だけで十分攻城槌なのだ。
多段攻撃を繰り出すのまめは本当に楽しそうだった。
226テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/07/31(金) 00:10:47 0
>224
「え、エメロちゃんの!?」
通夜のような表情で頷く一同。
「…………」
慌ててはいけない。こんな時こそ冷静になるのだ。階段は延々と続いている。
まめちゃんがあの重い鎧を着て上がっていったとは考えにくい。
「ズバリ階段はカモフラージュで自動昇降装置があると見た!」

>ソル君
「シーフ技能で一帯を探索だ!」

だがしかし。
「……見つからないとな。上がるっきゃないか」
先の見えない階段を見上げ場に微妙な空気が流れる。
「タケルくん、誰かが足を滑らせた時のためにガルダをいつでも出せるようにしといてね」
しばらく行ったころ。
「みんなー、大丈夫? ……は!」
後ろを振り返ると“この飛行能力標準装備め!”という視線をひしひし感じる!
227ソル ◆sBYghzSQ5o :2009/08/01(土) 01:22:49 0
>>223
>「いない人は手をあげて! みんないるね!?」
今までこゆいキャラ集合で出てきて良いものか迷ったけど、
存在感アピール!手をまっすぐ上げた。…あれ?
>「ソル君、キミの仲間に会えるかもよ!」
「仲間…か。」
はっきり言って実感がない。ここ最近で色々ありすぎて、
まだ自分がすごい人の1人だって事が理解できない。
でも、会ってみたい気はする。
「何言ってんだよ。仲間ならもういるだろ?こんなに沢山。」

>「誰か持つ?」
テイルがなにやらすごい装備品を持ってきた。
装備できる人、いるの…?
「ちょっと貸して…あ。」
見た目とは裏腹に、なぜか軽かった。自分はこんなに怪力だったのか…?
それとも、自分の能力がそうさせるのか…?
とりあえず、貰っておこうか。

>>226
「自動昇降装置…んなもんあるわけないじゃん。一応探してみるけど…」
あたりにトラップか何かが無いか調べつつ、階段を上る。
「んー、なんもない。階段自体に何か魔力のようなものは感じるけど…」
今自分のパーティメンバーを見渡す。えっと・・・
「テイル。人を乗せたりとかできるかな?」
そして返事をほとんど聞かないまま近くの人一人を掴んで飛ぶ。
「飛んであがった方が早いかな。先に上行ってるよ。
 もし運べないようだったらまた戻ってくるからその時に任せてね!」
一番上に何があるかを、彼はまだ知らなかった。
228テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/01(土) 17:00:33 0
>227
>「何言ってんだよ。仲間ならもういるだろ?こんなに沢山。」
「……そうだね! 何があってもキミはボク達の仲間」
万が一“「なんとか様の子孫が1000年の時を超えてご帰還だー!」「次期族長万歳!」”
とかいう騒ぎになっても断じて渡すものか。

>「ちょっと貸して…あ。」
「すごい!」
魔法使い/シーフのソル君がそんなに怪力だとは思えない。
場の魔力による補正がかかってるのかな。

>「飛んであがった方が早いかな。先に上行ってるよ。
 もし運べないようだったらまた戻ってくるからその時に任せてね!」
なんとアルちゃんを軽々と持ち上げて飛んで行った。
タケルくん達は始めて見たんじゃないだろうか。純白に輝く翼。
その身に宿す力に戸惑っていた頃の面影はもうない。
「まめちゃん相手に一人は危ないよ〜」

「【レビテーション】」
残りの人に浮遊の魔法をかける。
「軽くしといたからみんなをガルダに乗せて来て!」
タケルくんにそう言って、自分も飛んでソル君の後を追う。
229名無しになりきれ:2009/08/01(土) 21:10:14 0
一方。
暴風圏からの復興に忙しそうな村で、レオが応対に出てきたアルベルに「かくかくしかじか」の呪文を唱え終え
メープルシロップ入りのお茶を振舞われているところに、一般村人小隊が帰還した。

「お話中失礼します!全身甲冑と先日の勇者一行、全ポイントを通過。洞窟に入って行きました!」
「ご苦労。復興作業に戻ってくれ・・・あれ、なんか顔色悪いけど、どうした?」
アルベルが、報告を終えた小隊長−−魔族だ−−に尋ねる。
「全身甲冑が通過してから洞窟内が更に眩しくなって、外にいてもちょっと・・・すみません」
ある種の光は、魔族にとっては瘴気に等しい。
「わかった。少し休むといい」
アルベルは小隊を下がらせた。

(まずいな・・・)
数秒の沈黙の後、アルベルは別の村人を喚んだ。
「ヴォズ!一行を追い後に付け。村に悪影響を及ぼす事態があれば即座にコマンドワードで魔法陣発動」
「・・・了解」
現れて、感情に乏しい声で短く答えたのは、宙に浮き向こうが透けて見える人の形のガスだった。
ガスはすぐに人の形を解き、霧のように流れ出して行く。

魔法陣は、洞窟内の通路をどこかへ強制転移させるもの。
発動すれば今の洞窟は土砂で完全に埋まり、一行が戻ってくる場所はここではないどこかとなる。
エメロが乗り込んだ直後に洞窟基部を調べたアルベルが、危険を予測して設置した。
(彼女が戻るのを待って発動させるつもりだったんだが・・・)
アルベルは、いつのまにかすっかり眠りこんでいるレオに視線を戻した。
(回復加速、上手く効いてるな・・・魔法陣が発動したら一行の回収を頼みます・・・)
230名無しになりきれ:2009/08/01(土) 21:17:36 0
名前: ヴォズ
職業: NPC
種族: 魔法生物(試作品)
容姿特徴: ガス状。外見は任意に変更可だが透けている。
性格特徴: 任務に忠実
技能/魔法: 空気の入り込める場所ならどこでも移動可能。
     あらゆる物質・物理力・魔力を透過し、他者とは会話を除き相互干渉不能。
装備/所持品: 持てない
キャラ解説:単体では憑依能力だけを持ち剣も魔法もすり抜ける、干渉不能の亡霊
     ・・・に似せた魔法生物の試作品。憑依はもちろん移動と会話以外の能力は基本的に無い。
     パーティーを監視し、必要なら魔法陣を発動させるのが任務。
231名無しになりきれ:2009/08/01(土) 21:29:59 0
ああだこうだと言いながら長い階段を上って行く一行の背後に、
下からの風に吹かれたかのようにガス状の何かが流れ着き、
細部をやや省略した人の形に変形すると階段を上り始めた。

隠れている訳ではないが存在感にも乏しいようだ。
232乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/02(日) 00:39:49 0
>>223
>>「いない人は手をあげて! みんないるね!?」
とりあえずみんな無事なことをアピールして大声を出す。
「テイル殿ー!!みんな無事でござる」
>>「あれ? なんだろう」
テイル殿の言った方向を向くと光る空間があり、凄まじく高い螺旋階段があった。
「これは…すごいでござるないろんな意味で…」
そんな事を言ってると上から大きな剣と盾が振ってきた。
テイル殿が持ち上げたかかなり重そうだ。
>>「誰か持つ?」
不動明王剣を持っている時点でこれ以上は持てないので辞退せざるを得なかった。
>>226
>>「タケルくん、誰かが足を滑らせた時のためにガルダをいつでも出せるようにしといてね」
「了解でござるよ」
とりあえず印を結ぶ準備をしておきながら気づく。
テイル殿が飛んでいることに気づいた。
でもいろいろな魔法を使っていたので空を飛ぶ魔法を知っていてもおかしくはなかった。
「別に気にすることでもござらんか…」
だが純白の翼は美しいを思ったのは自分だけだろうか?
>>228
>>「【レビテーション】」
>>「軽くしといたからみんなをガルダに乗せて来て!」
そういわれ、高速で印を結ぶ。
「来たれ!ガルダよ」
雄叫びと共に何処からともなくガルダが現れる。
【タケルよどうした?】
「仲間と私を背中に乗せてテイル殿を追いかけて欲しいできるか?」
【実に容易い御用だ】
皆を乗せると飛び上がる合図として胴体を二回叩く。
再び雄叫びを上げ、飛び上がると同時にテイル殿ソル殿の後を追い始める。

233名無しになりきれ:2009/08/02(日) 15:13:45 0
「飛行形態の妖精1、天使1、騎獣1を確認。追跡続行」
ヴォズは更に変形するとガルダの後を追って上へと向かった。
234テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/04(火) 23:29:44 0
>233
「誰か何か言った?」
後ろを振り向くも、首を振る一同。
そのさらに後ろでガス状のお化けみたいなものが不自然なポーズで停止していた。
「だるまさんが転んだじゃなーい!」
「……バレた?」
「しゃべったらバレるよ!」
魔法生物みたいだが、お世辞にも害を加えてくることはなさそうである。
死霊皇帝軍にいたら即刻役立たず認定されそうだ。
「もしかして……アルベル君の村人?」
決まり悪そうに頷くガス状生物。
「おいで、一緒に行こう」

>221 >224-225
最上部から剣戟の音が聞こえてくる。
片方は全身甲冑、言うまでも無くまめちゃん。
もう片方は青く光る金属の翼をもつ女戦士? あるいは人型魔導兵器のようにも見える。
「あれが儀式の相手……?」
すぐにそんなことを気にしていられなくなった。
円形の舞台の縁にエメロちゃんが倒れているのが目に飛び込んでくる。
「大変! みんな来て!」
回復術を持っている面々を呼びよせる。
235??? ◆SZNZdzEn9P02 :2009/08/05(水) 22:51:41 0
>225-234
テイル達が見ている前で、二人の決着が迫っていた。
>「質問があります!その門を越えたところにはあなた以上のツワモノがいるのですか?」
「私にはそれに答える権限はありません。まして、資格のない者には。」
蒼く輝く剣をぐるぐると回転させるその動きでまめの放つ水銀の槍が触れた端から気化してゆく。

さらに猛烈な勢いで迫る盾、それに対して彼女が行ったのは・・・
背中の鉛色の翼を広げ、軽く跳躍し盾を踏み台に更に高く飛翔した!
>「質問の続きです!あなたの力はまだありますか?あるのなら見せてください!」
空中で二人の視線が交錯する。それに対して、天使は翼からも蒼光を発しさらに飛ぶ!

「・・・・・・私はこの地の門番。故に、あなたのように闘争などに興味はない。」
その声と共に、まめを背中側から押すように蹴りだす!
同時に、円形の広場は形を歪め巨大な穴を開ける。
歪んだ床に押されるように、エメロは階段に落ちる。
プアプアと呼ばれる盾は当然穴へ落下。
まめも恐らく穴の中をピンボールのように落下していくことになるだろう。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・・・・・・ちなみに、ソルは気づいていたが黙っていた。
柱にエレベーターらしき昇降装置は確かにあったのだ。
だが、扉に罠があるかはわからなかったので保留していただけだ。
だから、この柱の最上部に穴があいたのも特に不思議ではないのだ。
236テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/06(木) 00:27:11 0
>235
>「・・・・・・私はこの地の門番。故に、あなたのように闘争などに興味はない。」
いきなり広場の真ん中に穴が開いてエメロちゃんが落ちて行った。
間一髪で浮遊の魔法をかける。
「【レビテーション】(×3)!! 」
まめちゃんと、危うく忘れそうになったけどマアズの同族のプアプアさんにも。
これで下まで落ちたとしても死ぬ事はないだろう。
「3人の回収をお願い!」
ガルダを駆るタケル君に声をかけ、女戦士に向き直る。
女戦士は何を思ったか仰仰しい動作と共にいかにも定型文のようなセリフを言い始めた。
「この門の先にあるは、天使達の住まいし都エリュシオン。資質も資格もなき者は通すわけには参りません。
 さぁ、用件を伺いましょう。それが能わぬものならばお引取り願いましょう。それでも押し通るというのなら・・・
 蒼炎の裁きを以って退けましょう。」
門なんてどこにあるんだろう、と一瞬思ったが、今はそれどころではない。
「何がソーメンの裁きだ! あの3人死ぬところだったよ!
大根振りまわすとか他の追い払い方があるでしょ!」
「用件は?」
糠に釘とはこのことだ。ロッドを構え臨戦態勢に入る。
「天使の住まう地に至り族長に物騒な番人ひっこめろと物申す!」
237金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/06(木) 23:18:48 0
それは噴火のように。
全ての者が円形の広間に開いた巨大な穴一杯から噴出するかのように感じられただろう。
とぐろを巻き噴出して立ち上る闘気!
しかしそこにあったのは一つの甲冑。
ていよくあしらわれピンボールのように穴へと落下したはずのまめが宙に浮いていた。
「おおおおお!剛化剣乱!」
振りかぶる水魔の太刀の刀身は数十メートルに達しており、それが今まで無い迅さの一閃が繰り出された。
刀身はまごう事無く女戦士に振り下ろされる。
そのあまりに長大な刀身、そしてあまりの速さに空は裂け、真空の刃が広間全体に荒れ狂う!

「この程度では何時までも儀式をはじめられません!必ず戻ってきますからね!」
広間全体を襲う暴風雨を撒き散らした後、まめはそのまま再度落下していく。
レビテーション効果でゆっくりではあるが、飛行する術がない以上、一閃を残して落ちていくのみだった。

#####################################

多重攻撃を見事にかわされ、背中を押すように蹴り飛ばされる。
自重も相まってそれ以上のことも出来ずに落ちていく。
しかし着地すべき床は変形し、大きく穴を開けている。

本来着地すべき床を凄まじい勢いで通過したまめに、救いの手が差し伸べられる。
>「【レビテーション】(×3)!! 」
落下速度が落ちたところでまめが叫ぶ。
「プアプア様!」
「え!ちょ・・・それは・・・!」
ただ一言叫んだまめの言葉にプアプアがその意図を正確に理解し、言葉を発しようとするが既に遅かった。
ゆっくりと落下しながらまめはプアプアに向かって水魔の太刀を突き出したのだ。

次の瞬間、水魔の太刀から勢いよく水銀が噴出される。
どこまでも伸びる水銀の刀身はプアプアを捉えた。
そう、先行落下するタワーシールドを足場に、水魔の太刀の噴出反動で飛翔しようというのだ。

狙い違わす刀身はプアプアを捉え、その落下速度をプラスしていく。
「だ〜〜〜〜!!」
プアプアの悲鳴がドップラー効果を響かせながら小さくなっていく。
反面まめはプアプアを踏み台にして飛び上がるのだ。
闘気を漲らせながら、穴に落とし落ち誇っているであろう女戦士に渾身の一撃を叩き込む為に!

#######################################

こうしてまめは一瞬だけ広間に戻り、懇親の「剛化剣乱」を叩き込み、再度穴を落下して言ったのだった。
238名無しになりきれ:2009/08/07(金) 02:04:04 0
>>234「おいで、一緒に行こう」

「付いて行く。任務だから」
ヴォズは柱の最上部で再び人の形になった。

>>235「・・・・・・私はこの地の門番。故に、あなたのように闘争などに興味はない。」
>>236「天使の住まう地に至り族長に物騒な番人ひっこめろと物申す!」

「門番・・・鉛・・・闘争に興味なし・・・天使の住まう地・・・要確認・・・」
半ば唱えるように口にするヴォズ。アルベルに聞かせるつもりなのかもしれない。

>>237「おおおおお!剛化剣乱!」

弾け飛んだ水銀とその水銀が生んだ真空刃はヴォズにも襲いかかり・・・当然、すり抜けた。
「甲冑・・・水銀・・・環境残留懸念・・・」
239乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/07(金) 04:10:02 0
>>236
>>「3人の回収をお願い!」
「了解でござるよ、ガルダよ!」
【承知ぃ!】
雄叫びと同時に凄まじい速さでターンを振り返り
その途中でなにかにぶつかった気がするが今は無視する。
まめ殿が降下していくのに追いつこうとしたそのとき、
>>237
急にまめ殿上昇し、ガルダの横を通り過ぎる。
「まめ…ど…の?」
と呆けた声が出てしまったのもつかの間、
【タケルよ、再び落ちてくるぞ!】
「りょ…了解でござるよ!!」
落ちてくるポイントにガルダが合わせると、呼吸を整えると目がカッと開く
それとタイミングを合わせるように落ちてくるのを完璧にキャッチする。
「ッ!!………ハァハァ、お姫様をキャッチするのも命懸けでござるな…」
腰がズキズキしながらも立っていられるのが奇跡だが。
240??? ◆SZNZdzEn9P02 :2009/08/07(金) 19:51:03 0
>236-239
理解しがたい者が現れた。光の眷属であるはずなのに・・・・・・この言動はなんだろう。
>「天使の住まう地に至り族長に物騒な番人ひっこめろと物申す!」
「それは、今の目的でしょう。アナタ達は何の為に旅をし、この地に訪れているのか。それを私は聞いているのです。
それに・・・・・・無闇な侵入者の命の心配など、する意味もない。」

そう答えた途端、穴の中から再びまめが飛び出す。
>「おおおおお!剛化剣乱!」
巨大な水銀の刀身を振りかざすまめに対して、天使は無表情のままつまらなそうに蒼く輝く翼でその身を包む。
そして衝突!蒼い繭はその圧力に押されるように、側面の壁へ鞠のように跳ねてゆく。
水銀は蒼炎に阻まれ、天使の体へは届かない。そして彼女は中空で繭を解き姿を現す。
「それで・・・・・・勇者を名乗るあなた達は何の為にこの地まで訪れたのですか?」

さきほどのまめの一撃もまるで何事もなかったかのような顔でそう再び聞くのであった。
241テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/08(土) 00:10:03 0
>240
>「それは、今の目的でしょう。アナタ達は何の為に旅をし、この地に訪れているのか。それを私は聞いているのです。
それに・・・・・・無闇な侵入者の命の心配など、する意味もない。」
「そんなの天使じゃない! ま……」
危うく魔族といいかけて言葉に詰まる。
「とにかく! 我らは星に仕える生命の守護者たる妖精族。
この度は人間界に行って光の勇者を集めよと女王の命を受け死霊皇帝を……」
あれ? 何か変だ。そもそもここに来たのが死霊皇帝軍幹部の依頼だったような。
最終的には対立しなきゃいけないのは分かってるけど……
……まめちゃんが無茶をしてくれた。
>「おおおおお!剛化剣乱!」
「【エアリアルウォール】!!
下を覗き込む。何とかキャッチできたようだ。
>「ッ!!………ハァハァ、お姫様をキャッチするのも命懸けでござるな…」
「タケルくんGJ!」
天使の姉ちゃんは相変わらず涼しい顔である。
>「それで・・・・・・勇者を名乗るあなた達は何の為にこの地まで訪れたのですか?」
「今の騒動スルーかい!」
この手の相手にいちいち突っ込んでも虚しくなるだけだ。
でもせっかくだから通してもらわない手は無い。
まさか死霊皇帝軍幹部におつかいを頼まれて人探しに来ましたーなんて言わない。
「近頃はびこってきた暴虐の限りを尽くす輩を大人しくさせて世界に平和を取り戻すため!
天使の皆さん、共に世界を救いましょう!」
これならアルちゃんとも全く対立しないし死霊皇帝をぶっ倒すという風にもとれる。
我ながらナイスだ!
242??? ◆SZNZdzEn9P02 :2009/08/08(土) 20:43:05 0
>241
>「そんなの天使じゃない!
「・・・一つ、重大な勘違いを訂正しておきましょう。私は天使ではありません。翼の色が白ではなく鉛色。
 私は天使の模造品(イミテーション)。模造天使、位階ソロネ、蒼炎式、刀の模造天使。
 製造番号Throne-F-00100029、それが私を示すモノ。」

>「近頃はびこってきた暴虐の限りを尽くす輩を大人しくさせて世界に平和を取り戻すため!
天使の皆さん、共に世界を救いましょう!」
その決意を聞き、模造天使の口がわずかに弧を描く。
それを見たテイル達は無表情からの唐突な変化に、動くはずのない人形が微笑んだような違和感を感じてしまう。
「・・・・・・いいでしょう。門、および都市の代行管理者たる私が許可します。貴女方をエリュシオンへと招待しましょう。
 そちらの怪我をした方々も連れて来てくださっても構いません。医療施設へまず案内しましょう。」
模造天使が両手を開くのに合わせるかのように、彼女の背後の壁が開く。
そして軽い鳴動と共に、テイル達の立つ柱から透明な階段がその門へと続く。

門の前に翼を開いて降り立つと、逆行の中で彼女がテイル達に肩越しに振り向く。口元に浮かぶのは歪な微笑。
「世界を救うのが望みだと言うのならば。ここが、貴女達の旅の終焉の地です。」
そう言って、彼女は一足先に光の中へ歩き出す。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
エリュシオンの中はとてもこれが街の風景とは思えない程色感が統一されている。
純白の床、壁、建物。天からは太陽とは少し違う人工的な光が降り注ぎ眩いばかりだ。
また、とても街とは思えない原因の一つが、幾本も空中を走る円筒だろう。
その中を大きな何かが泳いでいる。

「・・・まずは医療施設へ案内しましょう。こちらです。」
彼女が案内したのは円筒と自分達のあるく道を繋ぐ地点。
メインの円筒から分かれた別の円筒の口がこちらを向いて開いている。
・・・彼女が近くに立つ箱を操作すると・・・これはなんだろうか?
一言で言えば真っ白で巨大なエイのような生物が円筒を泳いできたのだ。
そも、この円筒の中に水はない。空中を泳ぐように現れたのだ。
「・・・コレに乗って向かいます。みなさん全員乗ってもまだ余裕がありますから大丈夫ですよ。」
243テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/08(土) 22:53:09 0
>242
言われてみれば確かに天使ではない。精巧に人に似せた魔導兵器だ。
天使はすごい技術をもっているようだ。

>「世界を救うのが望みだと言うのならば。ここが、貴女達の旅の終焉の地です。」
「それって……」
恐ろしいことが待っていそうな気がする。本当についていっていいのだろか。
が、重傷を負って気絶しているエメロちゃんを見て気を取り直す。
今は治療してもらうのが先決だ。機嫌を損ねてはいけない。

伝説に語り継がれ、数々の絵画のモチーフともなった天空都市。
その実態は、そのうちのどれとも異質なものだった。
どっちかというとガイアの古代文明都市よりは少し聞きかじった地球の最先端都市にまだ近そうだ。
清廉で美しい白一色の世界。それでいて無機質な冷たさも感じる。
この街の人達は木を植えたりしないのか。
というか人をみかけない。天使は用も無く出歩かないのだろうか。

>「・・・コレに乗って向かいます。みなさん全員乗ってもまだ余裕がありますから大丈夫ですよ。」
今度は空飛ぶ魚がキター!
「おとぎ話のリューグー城に行ったりしないよね!?」
恐る恐る乗ってみる。
244金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/09(日) 01:37:48 0
>239
レビテーション効果でゆっくりとだか確実に落下しながら、まめは憮然としていた。
落ちていく事に、ではない。
女戦士は強かった。
まめをあしらう程に。
まともに戦ったとしても勝てはしなかっただろう。
だが、戦闘民族たるまめにとって強敵との出会いは無上の喜びである。
例えそれが己の敗北に直結したとしても、だ。

しかしまめは憮然としている。

それは、女戦士から感じるところが何も無かったからだ。
剣撃からも、その体捌きからも。
激情・闘志・冷徹・策謀・暴虐・死力・愉悦・歓喜・苦痛・苦悩・・・・
凡そ戦いから生まれる全ての感情が女戦士から感じられない。
戦闘能力は高くとも戦う者としてのものが致命的に欠けているのだ。
まるで時計が時を刻むが如くただ機械的に作業を繰り返している・・・
そんな女戦士にまめは憮然としていたのだ。

そんな中、突如として落下が止まり衝撃が走る。
驚いて見回すと、なんと武がまめを抱きとめている!
「・・・・???」
この行動はまめにとって全くの理解不能。
レビテーション効果があるとはいえ、まめの重量は人間が受け止められるものではない。
共に戦っているわけでもなく、落下するまめを受け止める理由が一つもないのだから。
その衝撃は声にならない絶叫を上げさせるほどであった。

「・・・・どどどど、どうして???ですか・・・」
暫しの間を置き漸く搾り出した言葉と共に、ヘルメットの隙間からもれる光点は黄色から赤へと戻っていた。


>242
結局そのまま武と共に広間に戻ったが、もはやまめが女戦士に立ち向かう事は無かった。
毒気を抜かれたかのように女戦士との戦闘意欲が消え去っていたのだから。
それほど武のとった行動はまめにとって大きな衝撃を与えていたのだ。

ドサクサに紛れてテイル一行という事で一緒に門を潜り、大人しく巨大なエイに乗り込むのであった。
245乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/09(日) 02:39:03 0
>>240-241
>>「タケルくんGJ!」
受け止めた直後にテイル殿がそう言ってることに気づいていなかった。
そこは受け止めているのに必死だったからだ。
そろそろ限界だったとは口が裂けても言えなかったがとりあえずゆっくりと降ろす。
>>244
>>「・・・・どどどど、どうして???ですか・・・」
動揺したような声でまめ殿はなぜ助けたのかと問う。
彼としては少し困った、確かにテイル殿に言われたからもある。
だが、それ以前に人としていや己の信念に基づいて助けたいと思ったのも事実だ。
これを説明するべきかと思ったがここは簡単にまとめておくことにした。
「誰であろうと死ぬのを見たくなかったからでござるよ」
胸を張って笑いながら答えた。

>>242
>>「世界を救うのが望みだと言うのならば。ここが、貴女達の旅の終焉の地です。」
この言葉の意味になぜか気になったが、その真意を窺い知れない。
とりあえず門をくぐるとそこは見たことない光景ばかりでしばし呆然としていた。

が、巨大エイが来たことに気づくいろんな国を回っているが未だに此処までの大きさは見たことが無い。
「天然物だったらすごいでござるなぁ」
苦笑しながらエイに乗り込む

246名無しになりきれ:2009/08/11(火) 00:34:29 0
「エリュシオン・・・全体に白光・・・光源不明・・・」
降り注ぐ光を受けて人型の白い霧のようにしか見えなくなったヴォズは、
円筒の入り口でためらうかのように動きを止めた。
が、すぐにほぼ球形の姿となると円筒に入り、一行の後についた。
247Throne ◆SZNZdzEn9P02 :2009/08/11(火) 19:33:34 0
>243-246
しばらく巨大エイに乗ってふわふわと町並みを横目に進んでゆくが・・・・・・
どういうことか、街路にも他のエイの上にも他の天使も模造天使も見当たらない。
>「天然物だったらすごいでござるなぁ」と感心する武にソロネ(仮にこう呼ぶ)は振り向く
「コレらも全て作り物ですよ。天然に存在するモノではありません。」
>「おとぎ話のリューグー城に行ったりしないよね!?」
「・・・・・・既に古来の人間達が言う死後の世界とした、天国には来ているのですけどね。」

やがて、再びエイが浮上した先にいくつものパーテーションで区切られた空間が現れた。
各スペースの中には、楕円形の不思議な素材でできたカプセルがある。中にはソファが入っている。
「さて、怪我をした方は一人一つこの中に入ってください。軽症の方なら2、3分でしょう。
 そこの騎士の人は1時間は見てもらわないとダメですね。」

「そこの騎士の人以外の傷が癒えたらある場所へ貴女達をご案内しましょう。
 そこが貴女たちの旅の終わりです。」
248テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/12(水) 00:12:54 0
>244-245
ある程度の重さまでならレビテーションで重力相殺して宙に浮く程になるんだけどまめちゃん級の重さだときつかったか。
>「・・・・どどどど、どうして???ですか・・・」
>「誰であろうと死ぬのを見たくなかったからでござるよ」
「それにもう友達じゃん! 儀式の邪魔してゴメン。この際だから紛れて一緒に行こう!」

>246
「光、強いけど、平気?」
オニオンがガス状魔法生物を気遣っている。
「って……いつの間にしゃべれるようになったんだ!」
同郷の魔法生物同士の親近感のなせる業か。
「この子、訳あって光属性になってるけどキミと同じ出身なの。仲良くしてやって」

>247
>「・・・・・・既に古来の人間達が言う死後の世界とした、天国には来ているのですけどね。」
何かがおかしい。
たとえ人間の間でも常識になっているガイア信仰のもとでは死後の世界なんてないはず。
永遠の輪廻こそがその真髄だ。あるいは古来には別の信仰があったのか。

>「さて、怪我をした方は一人一つこの中に入ってください。軽症の方なら2、3分でしょう。
 そこの騎士の人は1時間は見てもらわないとダメですね。」
ホイホイ入れて大丈夫かと言う気もするが事態は一刻を争う。
急いでエメロちゃんを入れる。

>「そこの騎士の人以外の傷が癒えたらある場所へ貴女達をご案内しましょう。
 そこが貴女たちの旅の終わりです。」
旅の終わり連呼すんなおい!
打ち切り最終回になって魔法学校校長が新・光の勇者の伝説を出版する時に困るだろ!
とは言わないでおく。
とりあえずとある場所に行ってその時に考えよう。
249金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/12(水) 22:10:24 0
>245>248
>「誰であろうと死ぬのを見たくなかったからでござるよ」
>「それにもう友達じゃん! 儀式の邪魔してゴメン。この際だから紛れて一緒に行こう!」
武とテイルの応えはまめを嘗てないほどの混乱の極地へと叩き込んだ。
無条件に死ぬところが見たくない。
友達だからの一言に全てを内包させるその言葉。
どちらもマアズには無い概念なのだ。
マアズにあるのは敵か味方。
そして戦いの上での相手への敬意。
今まで積み上げてきた価値観が足元から崩れていくような落下感に襲われていた。

「あ・・・いえ、儀式はこの鎧が壊されてからがスタートなので・・・。
あの人は強いですけど、戦士じゃないからたぶん儀式はできない・・・と。」
違う・・・出すべき言葉はもっと違うはず、なんと言えばいいかわからずこんな台詞しかでてこない。

>247
治療カプセルを前にしたが、傷ついていない為に丁重に辞退。
だが、ここでのやり取りは頭が真っ白でよく覚えていない。
並べられる意味深な言葉も全く頭に入ってはいなかった。
両手両足が一緒に出てしまうほど動揺しているまめの2Mを越す巨躯な鎧は妙に小さく見えるだろう。

今はもはやなすがまま、流れに身を任せるのであった。
250テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/13(木) 01:07:31 0
>249
>「あ・・・いえ、儀式はこの鎧が壊されてからがスタートなので・・・。
あの人は強いですけど、戦士じゃないからたぶん儀式はできない・・・と。」
つまり……儀式を見届ければまめちゃんの中身が見れるってことだ!
絶世の美少女だったらどうしよう。わくわく。
しかしあれだけバリバリ戦ってたのに戦士じゃないとはどういうことだ。

待ち時間中、まめちゃんは両手両足を一緒に出してうろうろしている。
落ち着かせようと話しかける。
「大丈夫。悪いようにはならないから。
儀式はもしできなかったら一緒にくればそのうちできるから安心して!
なんか知らないけど行く先々で出てくる敵がいるんだ。
見た目細いくせに怪力だわ大魔法使うわ怪我してもすぐ修復するわ強いのなんのって。
儀式の相手にとって不足なしの実力を保証する!」
論点があらぬ方向へ。敵の実力保証してどうするんだ自分。
「それからビジュアル面でも申し分ない!
やっぱり儀式というからには見た目も良くないとね!」
我ながらなんでこんなに楽しそうに話してるんだ。
こんな感じで一方的に他愛のない話をしながら待ち時間は過ぎていく。
251乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/13(木) 02:04:16 0
>247
>>「コレらも全て作り物ですよ。天然に存在するモノではありません。」
ふと口にしたことの答えを返されて、納得した。
うん?でも人工だとしても此処まで大きいものを自然な動きで見せると言う事は
すごいことなのでは?と思ったのは自分だけだろうか。

>>「さて、怪我をした方は一人一つこの中に入ってください。軽症の方なら2、3分でしょう。
 そこの騎士の人は1時間は見てもらわないとダメですね。」
腰は痛かったが、怪我というほどではなかったので結局見送ると座れる場所に座る。

>>「そこの騎士の人以外の傷が癒えたらある場所へ貴女達をご案内しましょう。
 そこが貴女たちの旅の終わりです。」
この言葉の意味がいまいちわからなかった。
自分の中で有力だったのは此処で死ぬという意味なのかとも考えたが、治療する必要など当然ない。
この言葉が何を意味するのか…

>248
>>「それにもう友達じゃん! 儀式の邪魔してゴメン。この際だから紛れて一緒に行こう!」
「テイル殿言うとおりでござるよ、別に問題がないのなら一緒に行こう」

>>249
>>「あ・・・いえ、儀式はこの鎧が壊されてからがスタートなので・・・。
あの人は強いですけど、戦士じゃないからたぶん儀式はできない・・・と。」
あの激闘が試練じゃないことに驚いていた。
鎧が壊れてから始まる試練とは一体……

252Throne ◆SZNZdzEn9P02 :2009/08/13(木) 22:02:02 0
>248-251
しばらくして、巨大エイはある奥まった区画に辿り着いた。
周囲には、入るような建物もない一本道。そこを先導するように彼女は歩く。
いくつもの厳重な隔壁を、事も無げに開けてゆく。

「あぁ、ところで皆さんに一つ謝っておくべき事があります。」
まるで、ちょっと家の鍵を忘れてきたというほど軽い調子で彼女はそう言った。
しかも話しながらも足を止める様子はない。
「先ほど、情報若干隠蔽していたので教えておこうと思いますが・・・・・・。
 この都市に現在、天使と呼べる者は一人もおりません。また、私のような模造天使もまた他にはおりません。
 エリュシオンを管理しているのは、私とここの仮想情報体【ソルテ】の二体です。」
そう言うと、急に空中にぺらぺらとした四角形の枠のようなモノが現れた。
その枠の中には横線が3本、これで顔を表しているようだ。
【という訳で、ご紹介に預かりましたソルテと申します。】
にゅっ、と線が弧を描いて笑顔を作る。そして浮いたまま同様に一行を先導する。

・・・・・・やがて、いくつかの曲がり角や分かれ道を経て一番奥の厳重にロックされた扉に辿り着いた。
「都市管理者権限でゲートロック解除。」
【了解、ロック解除。随伴者を警戒対象から除外。】

一向が眼にしたのは、広くとても殺風景な白い部屋。
一番奥の壁には、ややこちらにせり出すように巨大な世界地図が映し出されいくつか光点が動いている。
そのパネルの手前には、いくつものスイッチが並んだ鍵盤のような物が存在している。
中でも、一番中央のスイッチは半球形で大きく真っ赤な色をしている。
そこに立ちふさがるようにソロネは振り返る。
「・・・・・・さぁ、ここが旅の終わりです。世界を救いたいというのなら、そこの赤いスイッチを押すといいでしょう。」


――――そして、地上に生きる全ての生命を代償に魔は滅び世界は救われます――――

鉛の翼持つ天使はその両手を広げ、残酷な宣告を下した。
253テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/14(金) 00:18:04 0
>252
怪我人が元気になって出てきた。エメロちゃんが不思議そうに辺りを見回す。
「ここは……!? 私は何を……?」
「天空都市だよ! どさくさに紛れてボクの一行ってことにしてるから安心して!」

>「この都市に現在、天使と呼べる者は一人もおりません。また、私のような模造天使もまた他にはおりません。
 エリュシオンを管理しているのは、私とここの仮想情報体【ソルテ】の二体です。」
通りで誰も見かけないはずだ。
「えー!? じゃあどこに移住したの?」
>【という訳で、ご紹介に預かりましたソルテと申します。】
なんかぺらぺらのパソコンの画面部分みたいなのが出てきた。

>「・・・・・・さぁ、ここが旅の終わりです。世界を救いたいというのなら、そこの赤いスイッチを押すといいでしょう。」
この人はもしかして真面目な顔をしておちょくってるのか。
クイズ大会の回答ボタンみたいなスイッチ一つで世界を救えたら苦労せんわ! 
そんな便利なものがあるならなんでさっさと自分で押さないのだ。
>「そして、地上に生きる全ての生命を代償に魔は滅び世界は救われます」
「わあ、すごーい! ……って誰が押すかあああああああ!!」
もしちゃぶ台があったら激しくひっくり返しているところである。
「救われるんじゃなくて終わるじゃん! 誰もいない世界にしてどうすんの!」
本当だったらスイッチ一つで世界を終わらせられる最も危険な勢力が出現したことになるが、押したければとっくに押しているはずである。
もはやからかっているとしか思えない。
「……お世話になりました。帰らせて頂きます」
それだけ言うと、くるりと向きを変える。
「みんな、帰るよ!」
254名無しになりきれ:2009/08/14(金) 02:19:17 0
>248
>「光、強いけど、平気?」

テイルの肩の上で突然喋り始めたオニオンを少しの間見ていたヴォズは、
オニオンの目の前に浮かぶとそっくり同じ形に変形し、しゅる、と、オニオンを通り抜けてみせた。
「この白光も透過する。問題ない。私は物と同じ。属性は無い」
当然エイも透過するので乗る事はできないから、自力で移動し易いように球形になっていたのである。

>252
(天使代行、玉座、運命・・・全ての生命と魔を滅する装置・・・)
ヴォズは唱える。情報を自らに刻み込むように。しかし声にはせずに。
(ここでは、届かない・・・)
255 ◆6nXELe5RK6 :2009/08/14(金) 17:07:40 0
オニオン「ちゃんとエメロちゃん回収してから帰るんだお」
テイル「さっき出てこなかったっけ」
オニオン「素でボケてるんじゃないお。1時間かかるから置いてきたにゃ」
テイル「そうかー気のせいかハハハ」
256名無しになりきれ:2009/08/16(日) 15:26:38 0
オニオン「仕方ない、テイルのボケはヴォズを見間違えた事にしといてやるお」

ヴォズ「あ・・・私はエイから後は人型になってない筈なんだが(ヒソヒソ)」
オニオン「NPCなんだからそのくらい柔軟に対応するのにゃ(ヒソヒソ)」
ヴォズ「そ、そういうものか(ヒソヒソ)」

しゅる。
ヴォズは半透明のエメロもどきに変形した。

オニオン「ほーほー。これならテイルが間違えるのも仕方ないにゃ」
ヴォズ「・・・要らぬ混乱を招く前に違う姿を指定してくれるとありがたい」
257バラグ ◆o/oHY4BMj6 :2009/08/16(日) 18:50:51 0
気がつくと皆は居らず一人飛行艇の中。
飛行艇から降りて情報収集したところ皆は、洞窟に行ったらしい。
今から行っても恐らく皆が巻き込まれている筈である、騒動に間に合うかどうか解らないが
此処で何もせずに居ても、如何にも成らないから皆の所に行ってみる事にした。

洞窟をしばらく歩くと…。
「この先か……。」
皆が入って行った(らしい)洞窟のその先に見たのは。
特殊な魔道装置によって光が耐えない眩しい螺旋階段があった。
一瞬上の方から音がしたような気がしたが、
気のせいかも知れないので、のんびりと階段を上っていった。

「…。」
頂上には、激しい戦いの跡と巨大な扉がある。
闇の力丸出しの自分に反応したのか辺りの光が一層強まった。
しかしそんな物は、闇の申し子といえど無生物のゴーレムであるが為に俺には効果はない。
それよりも問題がある、それは目の前の扉だ。
恐らく腕力だけでは、開かないだろう。
だからと言って魔法でぶち破るのは…気が引けるが………。
それしか手段がない…か。

闇の塊による爆発でエリュシオンへの扉は、勢いよく抉じ開けられた。
その勢いで凄まじい爆音と衝撃波が響き渡った。
扉の周りには、闇の魔力の欠片の黒い煙が立ち込めていた。
その中から黒い重鎧姿のゴーレムが現れ、彼は適当に奥へと歩み始めた。
258Throne ◆SZNZdzEn9P02 :2009/08/16(日) 20:14:20 0
>「……お世話になりました。帰らせて頂きます」
「・・・世界を救うつもりはないのですか?勇者となるのでしょう?」
背を向けたテイルへとやや挑発的な一言がかけられる。

「この装置が発動すれば、確かに人の多くは死滅するでしょうが・・・
 これによって闇の眷属を一掃し、新たにガイアが世界を創世することができるのですよ?
 もし装置が発動したとしても、この都市内なら創世完了まで生きられるかはともかくとして
 少なくとも即座に死ぬことはないでしょう。食料も医療設備もありますし。」
ただし、定員は数十人といったところですが。とソロネは付け加える

「ちなみに私が押さないのは、その権限がないからです。万が一押そうとすれば私が分解してしまうので。
 ガイアはもう限界が近い。ヒトは無秩序に大地を割って森を切り開く。闇はまだ尚広がり続けているのですよ?」
まるで子供が駄々をこねる理由が分からないとでもいいたげな様子だ。

「たとえ死んだとしてもガイアは再び生み出す事ができるでしょう。
 まして貴女方フェアリーは、まさにそのままの存在で再生されるでしょうに。」

その時、僅かに都市に振動が響く。遠くで何かが爆発したようだ。
「・・・・・・まずいですね、メディカルエリアに入られると厄介です。ソルテ、自動迎撃システムを。」
【既に稼動していますが、進入してきた黒いゴーレムにはろくろく通じてないです。】
「・・・・・・やれやれ。すみませんが、ひとまず私は侵入者の迎撃に向かわせていただきますね。」
そう述べて彼女は扉を開けて廊下へと走り出す。
259金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/16(日) 23:20:41 0
>250>251>252>253>258
テイルと武がまめに気を使い優しい言葉をかけるのだが、その優しさはまめの同様を更に加速させていくものでしかなかった。
戦力でもなく、敵でもないのに何故にこうも気を使えるのか?
カルチャーギャップに対応しきれぬまま言葉も少なくなっていく。

しかし、Throneの衝撃的な言葉に冷静さを取り戻していく事になる。
全ての生命と引き換えに闇を打ち滅ぼす力。
まめはその力を知っていたのだから。

その力を前にしたテイルの答えはまめの想定外のものだった。
いや、ある意味マアズの民と同じ答えだったのだが、光と闇の対極に別れ戦いを繰り広げる光の眷属としては想定できなかったのだ。

新たなる侵入者を察知し、廊下へと走り出したThroneを見送ったあと、まめは不思議そうに尋ねる。
「テイルさんは光の眷属、なのでしょう?
闇を滅ぼす為に戦っているのにどうして使わないのですか?」
首をかしげながら言葉を続ける。
「この装置みたいなのはマアズにもいくつかあります。
ノアのリセットボタンと言うのですけれど・・・。
私たちマアズの民は戦うことが至高なので戦う相手がいなくなる装置を使うような者はいないのですけど・・・
光の眷属なら当然のように使うのだと思っていました。
私の認識が間違っていましたか?それとも・・・テイルさんが特別なのですか?」
まじまじとテイルを見る。

今までガイアの眷属も死霊皇帝の眷属もどちらも不自由な種族と思っていた。
決められた敵と強制的に戦わされている、と。
自由に敵を選べられない、と。
しかしテイルの行動はその規定から完全に外れているように思えたのだ。
そういった意味ではテイルにマアズの民に近いものを感じるし、眷属の括りに捕らわれない人間に重なるものを見出した。
先ほどの武もだが、まめの浅い認識と常識は大きく崩れていた。

そして更に付け加える。
「このまま帰っていいのですか?
テイルさんがこの装置を使わないことは判りましたけど、他の人がここに来た時・・・困りませんか?」
光の眷属としてあるまじき行動をとったのテイルが特別な存在だとしたら、テイル以外の光の眷族が着たらどうなるのだろうか?
装置を使わないのならば、他の者にも使わせない・・・即ち装置の破壊をしないのか、と尋ねるのだった。
260乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/17(月) 01:21:50 0
>>252
>「・・・・・・さぁ、ここが旅の終わりです。世界を救いたいというのなら、そこの赤いスイッチを押すといいでしょう。」
そんな便利なものがあるのか…と思った矢先―――――
>そして、地上に生きる全ての生命を代償に魔は滅び世界は救われます
この言葉に愕然としたそしてそれとは別の感情が爆発した。
そして彼に眠っている者と同調し、吐き出す。
「ふざけるな!何も罪もない人達を犠牲にしてでも得た物など言語同断!!」
ぴしゃりと言ってのける。
>>253
>>「みんな、帰るよ!」
「了解でござるよ、こんなところから一刻も早くおさらばでござるよ」
颯爽と帰る準備をして方向を変えると
>>258
>>「・・・世界を救うつもりはないのですか?勇者となるのでしょう?」
なにが勇者だ、破壊者、殺戮者の間違いだろう。
>「この装置が発動すれば、確かに人の多くは死滅するでしょうが・・・
 これによって闇の眷属を一掃し、新たにガイアが世界を創世することができるのですよ?
 もし装置が発動したとしても、この都市内なら創世完了まで生きられるかはともかくとして
 少なくとも即座に死ぬことはないでしょう。食料も医療設備もありますし。」
だからと言ってそんな事は絶対に許されない。
自分達だけ生き残ってでも闇を倒したいとは思っていないそれではただの狂信者以外の何者でもない。
>ガイアはもう限界が近い。ヒトは無秩序に大地を割って森を切り開く。闇はまだ尚広がり続けているのですよ?」
「確かにそんな人もいるでござる…だが森を作るために木を埋める者もいるでござるそんな人間ばかりではないでござるよ!」
そうきっぱりと断言する。
>「たとえ死んだとしてもガイアは再び生み出す事ができるでしょう。
「そういう問題ではないでござるよ!命をなんだと思って…」
やはり内なる炎がさらに燃え上がると同時にその先を言おうとしているその時
突然揺れると
>「・・・・・・やれやれ。すみませんが、ひとまず私は侵入者の迎撃に向かわせていただきますね。」
向かっていったしまった。そしてある決心をする
「こんな危険な装置使われては取り返しがつかないでござる…だから」
不動明王が覚醒し雰囲気が変わる
「破壊する!!」
装置の場所まで駆け抜ける。
261テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/17(月) 15:47:38 0
>258-260
>「・・・世界を救うつもりはないのですか?勇者となるのでしょう?」
「構ってちゃんの相手してる暇はないの!」
>「ちなみに私が押さないのは、その権限がないからです。万が一押そうとすれば私が分解してしまうので。
 ガイアはもう限界が近い。ヒトは無秩序に大地を割って森を切り開く。闇はまだ尚広がり続けているのですよ?」
はたと足を止める。
>「この装置みたいなのはマアズにもいくつかあります。
ノアのリセットボタンと言うのですけれど・・・。
私たちマアズの民は戦うことが至高なので戦う相手がいなくなる装置を使うような者はいないのですけど・・・
光の眷属なら当然のように使うのだと思っていました」
Throneとまめちゃんの言葉に、世界を滅ぼす装置が冗談ではないと認識せざるを得なかった。
「あはは……なんでそんな物騒なものを作っちゃうの?」
>「光の眷属なら当然のように使うのだと思っていました。
私の認識が間違っていましたか?それとも・・・テイルさんが特別なのですか?」
族長だったら押すだろうか。
あの人のことだ。死霊皇帝の眷属だけを滅ぼす便利なものだったら迷わず押すだろう。
でも全ての生命が同時に死に絶えると知ったら……きっと押さない。いや、押すはずはない。
「それは……違うよ。普段は闇と戦う力を与えられた種族を光の眷属と呼ぶ。
でも本当は全ての生命がガイアの眷属なんだ。ガイアが創りだしたあるがままを良しとしない人間すらも。
守るべきものを犠牲にして闇を滅ぼしても何の意味も無い!」
>「たとえ死んだとしてもガイアは再び生み出す事ができるでしょう。
 まして貴女方フェアリーは、まさにそのままの存在で再生されるでしょうに。」
「でもそこにはボク達の知ってる人たちはいない。
世界を救っても誰にも語り継いでもらえないなんてやだね!」
>「このまま帰っていいのですか?
テイルさんがこの装置を使わないことは判りましたけど、他の人がここに来た時・・・困りませんか?」
遠くで爆発音が聞こえ、黒いゴーレムを迎撃すると言って出ていくThrone。
それを見てニヤリとする。バラグさんナイスタイミング!
「分かってる。このチャンスを逃す手はないでしょ!」
>「破壊する!!」
同じ事を考えたようで、タケル君がすでに装置に駆け寄っていた。
その武器に魔力付与する。
「思いっきりやって!【エンチャントウェポン】!」
262Throne ◆SZNZdzEn9P02 :2009/08/17(月) 23:06:54 0
>259-261>257
無造作に歩むバラグの目の前に鉛色の翼で羽ばたきながら女が現れた。
「今日は本当に来客の多い日のようですが・・・・・・無法な侵入者までは許可した覚えはありません。」
そう言って蒼い光の太刀を構える。
「・・・・・・さぁ、裁きを怖れるのであらば今すぐ来た道を引き返しなさい。」

一方その頃、救済装置を破壊せんとしていたテイル達は・・・・・・
今すぐにでも装置を破壊しようとする武の眼前に小さな枠が浮かぶ。
【これを本当に破壊するおつもりですか?勇者を名乗る方々。
 私もまたコレが何の思惑で作られたのかすら存じませんが・・・・・・
 しかし、これを破壊するというのなら・・・・・・破壊した後はすぐに此処から立ち去る事です。】
ちなみに、防衛システムもあるのですが・・・作動させても貴方達ならあっという間に壊滅してしまいますので。
そう、付け加えた。

【破壊したらすぐに逃げる事です、根幹となるシステムが破壊されたのならこの都市は崩壊を開始しますから。
 システムの破壊は無知な、あるいは悪意を持った者の占拠を意味するので都市は自壊を開始します。】


263金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/17(月) 23:20:25 0
>260>261
ドクン・・・ドクン・・・

平静を取り戻したまめの鼓動が大きく跳ね上がる。
不動明王の覚醒した武の雰囲気に当てられ、血が疼くのだ。
思考や理性ではない。
本能のレベルでそれは脈動する。

>「破壊する!!」
>「思いっきりやって!【エンチャントウェポン】!」
駆け抜ける武にテイルの付与魔術がかけられ、強さが増した瞬間、それははじけた。
もはやソルテの言葉は耳に入らない。
いや、入っていても止められはしなかっただろう。
例え都市の崩壊が始まろうとも、防衛システムが作動しようとも。

まめは小さなクレーターを残してその場から消えた。
今までの重鈍な動きからは想像もつかない速さで・・・
全力で地面を蹴り、武と装置の間に割って入ったのだ。

「おおおおおおお!!!押し通ってください!」
突如として武の前に現れたまめは水魔の太刀を一閃させる。
それは試しも何も無い本気の剛剣!
バイザーから覗き見る光点が蒼く変色し、甲冑の隙間から湯気を噴出させながら繰り出される。
駆け抜ける猛を両断せんとする上段からの一撃が!
264乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/18(火) 00:39:24 0
>261-263
>「思いっきりやって!【エンチャントウェポン】!」
構えた不動明王剣にすでに反応していた憤怒の炎の他に力が宿ることを感じた。
「力がみなぎって来たぜ!ありがとな!」
テイル殿に礼を述べ、不動明王剣を振り上げようとするが、突然装置の近くにあるものが光る。
>【これを本当に破壊するおつもりですか?勇者を名乗る方々。
 私もまたコレが何の思惑で作られたのかすら存じませんが・・・・・・
 しかし、これを破壊するというのなら・・・・・・破壊した後はすぐに此処から立ち去る事です。】
>【破壊したらすぐに逃げる事です、根幹となるシステムが破壊されたのならこの都市は崩壊を開始しますから。
 システムの破壊は無知な、あるいは悪意を持った者の占拠を意味するので都市は自壊を開始します。】
「親切のつもりか、負け惜しみのつもりかは知らねぇが…ぶっ潰すまでだ!!」
不動剣を再び構えようとした時、突然目の前にまめが現れる。
>「おおおおおおお!!!押し通ってください!」
上段から一撃が降ってくるが、
「押し通るぜ!なにがなんでもな!!いくぜ!」
髪が炎のように燃え上がり、目の色が完全に変わる。
そして不動明王剣の炎がさらに勢いを増し、
「憤怒明王斬!」
振り下ろすと天まで突き破る火柱が斬撃と共に装置に凄まじい速度で向かう。
上から降ってくる一撃とぶつかり合い、押したり押されたりの攻防が続く。
しかし、勢いは止められず押し返し火柱が装置に当たり大爆発を起こす。




265金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/18(火) 07:04:49 0
>264
憤怒の火柱はまめもろとも銀の水剣を突き破り、装置に当たり大爆発を起こした。
巻き起こる爆炎の中から巨大な腕がテイルの側にまで飛び散る。
それは腕。
水魔の太刀を握り締めたままの腕鎧が大きな音と共に降って来た。
そのほかにもそこら中に転がる鎧の一部。

爆炎の中にその残りは立っていた。
胸から上が完全に吹き飛んだまめの鎧はゆっくりと片膝をついた。
大きく開いた穴から滝のように流れ出る水銀。
そして、その中から小さな影が這い出てくる。

それは小柄な少女だった。
ショートカットの黒髪に赤いハチマキ。
幼い顔立ち。
一見人間の少女と変らぬようだが、唯一つ。額についた四つの銀色のホクロが人間でない事を思わせる。
四肢に取り付けられた細い鎖。
はじめて見る鎧の中身だが、それこそが金山まめ本人だと直ぐにわかるだろう。
なぜならば身にまとう体操服の胸には大きく「2-A 金山まめ」と書かれたゼッケンが縫いつけられているのだから。

「素晴らしい一撃でした!まめはこれほどの至福を感じた事ありません!」
鎧から這い出て出た一言は歓喜に溢れた言葉。
鎖を外すとまめは一気にテイルの元へと移動していた。
否、水魔の太刀を握ったまま飛び散った腕鎧の元へ。
テイルに会釈しながら水魔の太刀を剥ぎ取ると、高く掲げて叫ぶ。
「プアプア様!お喜びください!強き戦士の下、儀式は今始まります!」

天の回廊入り口。
柱の穴から落ち、地面に突き刺さったままのタワーシールドからプワプワが消えた。
儀式開始の合図と共に盾から水魔の太刀に召喚されたのだ。
水魔の太刀の鍔に浮き上がったプアプアが叫ぶ!
「水魔の太刀を抜刀せしは汝金山まめ!汝金山まめは何を望む!」
「私は何も求めません!ただあなたを一振りするのみです!それで何が斬れようともそれはただ戦いの真理です!」
「左様!ならば汝ただ無心に無上の戦いをすべし!」
水魔の太刀となったバトルフェアリープアプアとまめの儀式開始のやり取りに悟る事ができるだろう。
今まで着込んでいた鎧はまめにとって重りでしかなかった事を。
巨大な鎧を水銀で満たし、動きと感覚を封じると共に冷却効果をになっていた事を。

青い瞳高温の炎を思い起こさせる。
周囲の大気を歪ませるが如き体温で、握る水魔の太刀の刀身は今までと比べられないほど薄く、鋭くなっていた。

「本当は、なんとなく予感があったんです。初めて会った時から・・・!」
それはまるで愛の告白。
戦闘民族たるまめにとってはそれは同義であるかもしれない。
愛しそうに上気した青い瞳で武を見つめる顔に間違えそうになるが、針のような鋭い闘気がそうは思わせない。

「さあ、闘いましょう!全てを出し尽くして!」
装置を破壊され崩壊を始める都市の中、それをまったく意にかえさぬ残像のまめが囁く。
都市の崩壊であろうと世界の終末であろうと止まりはしない。
残像を残し一気に間合いを詰めたまめが繰り出すのは無数の剣閃!
極限まで鋭く薄くなった刃が可能にした斬撃の乱舞。
全方向から走る灼熱の刃の群れが武を襲う!
「乱舞!四千獄斬!!」
266金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/18(火) 07:06:12 0
名前: 金山 まめ
職業: 戦士
種族: 異星人
性別: 女
年齢: 14
身長/体重:132cm/37kg
容姿特徴: ショートカット・童顔・額に四つの銀色の点(複眼)
性格特徴: 生真面目、でも戦闘民族
      思考が単純で騙されやすい。
技能/魔法: あらゆるものを力で押し通す超パワー。
装備: 赤いハチマキ・体操服
所持品: 真・水魔の太刀
       刀身が柄から吹き出る水銀でできているウォーターカッター。
       柄を握る力によって伸縮・硬柔自在の不思議な大刃。
       鍔にはバトルフェアリープアプアがついている。
キャラ解説:「人を分類するのに強いと弱い以外に何か必要ですか?」な戦闘民族。
      夜空に赤く瞬く惑星マアズから降って来た戦士。
      マアズはガイアとは異なり、戦いの女神の統べる星。
      そこの住人はすべからく女戦士である。
      ガイアの住人とは身体の構造が違うようで、天然超パワーを誇る。
      戦闘体温・戦闘時に瞳の色と共に体温が上がりそれに比例して運動能力、戦闘力も上がる。
          赤(常温36度)→黄色(50度)→青(100度)
267バラグ ◆o/oHY4BMj6 :2009/08/18(火) 20:31:01 0
適当に歩いていると目の前に鉛色の翼を持った女が現れた。
その姿はまるで天使のようなのだが…。
>「今日は本当に来客の多い日のようですが・・・・・・無法な侵入者までは許可した覚えはありません。」
現れて早々そう言うと光の剣を構えるて来た。
>「・・・・・・さぁ、裁きを怖れるのであらば今すぐ来た道を引き返しなさい。」
自分も同じ様な物だから解るが相手は、何者かに作られた天使の模造品。
今この模造天使が自分に対峙しているのは、作った者そうする様に仕組んだからだろう。
だから幾ら説得しようとも聞かないはず。
仕方ない…力ずくで通るしかないな。

大盾と大槍を召喚して右手に盾左手に槍を取って構えた。
「【エンチャントダーク】」
模造天使の持つ武器は、“情報”の中にある物と同じだとすれば、
その刃は魔力でできているために物理的な防御が効かない。
だから盾と槍に闇の力を加えた。
戦いの準備が整ったため攻撃を仕掛けようとした時。

「なんだ?」
地面が揺れはじめ建物が次々と崩壊し始めていった。
恐らくは、テイルたちの仕業だろうが…
本当に……一体何をしたんだ?
答えてくれるか如何か解らんが模造天使に聞いてみるか。
「模造天使、一体何が起きているんだ?
因みに都市の崩壊は見てわかるからな。」
268Throne ◆SZNZdzEn9P02 :2009/08/18(火) 23:08:25 0
武の一撃が、装置を完全に破壊する。
凄まじい爆風がその破片すらも塵に返してゆく・・・・・・

そして、覚醒するまめの声をさえぎるように警報が鳴り響きだす!
更に少しずつ足元が、都市全体が鳴動を起こす。
いつの間にか天井から差し込む光は赤、明るくなっては暗くなり視界が判然としない。
【どうやらここで、この都市も終わりのようですね・・・・・・では、盛り上がっているようですが
 お早めにこの都市から脱出する事を、おすす、め、しま、す・・・・・・】
空中の窓枠がゆがみ、消失する。残ったのは儀式へと情熱煮え滾るまめだ。
おそらく彼女が脱出の最大の障害になるのだろう。


一方、バラグ達・・・。
>「模造天使、一体何が起きているんだ?因みに都市の崩壊は見てわかるからな。」
鳴動が始まった途端、ソロネはその鳴動が錯覚でないと確認すると光の刃を収めてしまう。
「何が起きたかは分からずとも、何が起こるかは明白でしょう。
 この都市は、自壊を開始しました。・・・・・・もはや、この街を探る意味もないでしょう。
 巻き込まれない内に脱出する事をおすすめしますよ。」
終始表情を動かさず、淡々とバラグに告げると言ったセリフとは裏腹に
自身は街の奥へ向けて歩みだした。
269テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/19(水) 00:42:09 0
>263-264
タケル君雰囲気が違う。前に一度見たのは気のせいじゃなかったんだ。
そこにまめちゃんが突撃する。
「あ、二人同時は危ない……」
>「憤怒明王斬!」
大爆発が巻き起こる。
爆発がおさまると、バラバラになった鎧がそこらに転がっている。
「のわああああああああ!! まめちゃん! まめちゃーん!」
絶叫していると、何とも分かりやすいまめちゃんの本体が出てきた。

>「プアプア様!お喜びください!強き戦士の下、儀式は今始まります!」
「はい?」
なんでタケルくん相手に? というか何が悲しゅうて今始める!?
>「本当は、なんとなく予感があったんです。初めて会った時から・・・!」
「いやいやいや! 告白はTPOをわきまえよう!」

>268
>【どうやらここで、この都市も終わりのようですね・・・・・・では、盛り上がっているようですが
 お早めにこの都市から脱出する事を、おすす、め、しま、す・・・・・・】
「こらー! 消えたらいかーん!」
この状況をどう収拾しろというのだ。
270乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/19(水) 02:30:11 0
>265
大爆発が収まり、剣を降ろそうとしたその時
炎の中に誰かが突っ立っていた。
どうやら女らしい。誰だ?と訝しげに見る。
顔立ちからあと何年かすればいい女になると不動明王センサーが反応していた。
強い女ならば尚更いい注意しとくが武の好みのタイプではない。
体操服に金山まめと書いてあることからさっきの攻撃をしてきた奴だと思い出す。
>「素晴らしい一撃でした!まめはこれほどの至福を感じた事ありません!」
「そいつはどうもだがお前もなかなかのもんだ」
>「プアプア様!お喜びください!強き戦士の下、儀式は今始まります!」
>「水魔の太刀を抜刀せしは汝金山まめ!汝金山まめは何を望む!」
「私は何も求めません!ただあなたを一振りするのみです!それで何が斬れようともそれはただ戦いの真理です!」
「左様!ならば汝ただ無心に無上の戦いをすべし!」
なんだか訳分からん事言ってるなぁ〜と思いつつ見てると
突然、愛の告白してきやがった。
>「本当は、なんとなく予感があったんです。初めて会った時から・・・!」
そして同時に闘気を漲らせながらこっちを見ていた。
「あっ?強い女は好きだが…いきなり過ぎねぇか?」
半分ポカンとしていたが、自然と体は構えていた。
>「さあ、闘いましょう!全てを出し尽くして!」
>「乱舞!四千獄斬!!」
といきなり攻撃してくる。
全方向から灼熱の刃がこちらに迫ってくる。
「ずいぶんな求愛行動だなぁ、おい。だけど…状況を考えな!」
四神守護結界を何倍以上にした強度の結界+憤怒の炎を織り交ぜた炎の壁(ファイアーウォール)を発動して防ぐ
さすがに覚醒したとはいえ状況は分かっていたため、無駄だろうが説得してみる。
「そしたら何回でも戦ってやるからよ」
これで止まってくれる事を期待しながら、剣を構える。
>268
>【どうやらここで、この都市も終わりのようですね・・・・・・では、盛り上がっているようですが
 お早めにこの都市から脱出する事を、おすす、め、しま、す・・・・・・】
おもわず呟く。
「馬鹿野朗が…こんな物無くても人は変わっていけるんだよ…」
一息置いて、
「俺はそう信じている…」
言い切ると揺れが来ていることを感じる。
「さて…こっからどうするかね」
>>269
>「いやいやいや! 告白はTPOをわきまえよう!」
「まったくその通りだよなハハハ!」
笑って同意する。
271金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/19(水) 22:57:18 0
>270
ガガガガガガ!!
四神守護結界と憤怒の炎を織り交ぜた炎の壁に斬撃が突き刺さるが、ひとつとしてその壁を切り裂けるものは無かった。
まめへの説得とテイルとの談笑を壁の向こうから見つめる六つの瞳。
大きく揺れ始めた都市に気付きもしていないかのような視線は説得の無駄さを語っている。
いや、それどころか、宥めようとする武の行動を侮辱として受け止め、その認識を打ち壊す決意を光らせていた。

都市の鳴動とは別に耳障りな無数の音が武の周囲に響き始める。
炎の壁に当たった水銀の刃はそのまま張り付き震え、音を出しているのだ。
「武殿!鎧を脱いだまめ殿を侮ってはなりません!
まだ成人していないとはいえまめ殿はマアズでも術をパワーやスピードよりも術を扱うのに長けた種族。
都市の崩壊以上の脅威として倒しにかからねば、あなたの体験した事のない力であなたを屠りますぞ!」
耳障りな音を引き裂くかのように叫んだのはまめの手にも垂れた水魔の太刀。
否、プアプアであった。
そしてその言葉は何一つ間違っていない事を肌で感じるだろう。

無数の耳障りな音が一つに重なっていく。
「ミ エ タ !!」
それが完全に一つになったとき、まめが恐るべき速さで突進する。
その姿は幼い少女だが、纏う闘気は・・・その本質は・・・正でも邪でも光でも闇でもない。
地水火風のあらゆる属性にも当たらない。魔力でも聖なる力でも妖気でもない。
いうなれば何の意図もない純粋な破壊の権化!
目ではなく、心眼で見ればもはや少女の姿とは似ても似つかぬ化物の姿として捉えられるだろう。

その身体のサイズからは信じられぬ力の塊が繰り出す技を・・・武は知っていた。
強さも方向もバラバラまちまちの振動を与えての斬撃。
いかな敵でも鎧を砕き肉を削ぎ骨を削る。が、普通は剣が耐えられないために使えないディストの震撃剣。
その振動により通常の剣では使えぬ技も、液体の刀身とすることで繰り出すことが可能となっているのだ。
名前は違えどここに同一の技が繰り出される。

張り付いた水銀の刃が防壁に一定の周波数を与える。
そして同一の周波数を刃にも持たせる事により、防壁と刃は同質化する!
「漣!流走り!!」
繰り出した突きは防壁と一体化し、そしてそのまま何の抵抗も無く突き抜ける。

凄まじき速さで武を貫かんとする銀の刃は振動をそのままに突き進む。
僅かでも触れれば凄まじき衝撃が体内を駆け抜けるだろう。
272乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/20(木) 22:20:44 0
>>271
やはり返事は返ってこない。
「………話を聞く気は無いと言う事だと受け取るぞ?…残念だ」
本当に残念な顔をするが、口元が自然と笑っているように見えた。
そうしている内に周囲で耳障りな音が聞こえ始める。
>「武殿!鎧を脱いだまめ殿を侮ってはなりません!
まだ成人していないとはいえまめ殿はマアズでも術をパワーやスピードよりも術を扱うのに長けた種族。
都市の崩壊以上の脅威として倒しにかからねば、あなたの体験した事のない力であなたを屠りますぞ!」
肌で感じているのでプアプアが言ってることは本当なのだろう。疑うつもりなどこれっぽっちもないが。
「別に舐めてるつもりはないけどな……ほう…それじゃ神やら第六天魔王を超える力を見せてもらおうじゃないか」
心眼を開き、まめを見据える。
> 「ミ エ タ !!」
恐ろしい速度で突進してくる、そしてあることが気になった。
「なんだこの闘気は……」
あらゆる物にも当てはまらないその気迫、ただ破壊するだけの化け物…
「おもしれぇ…わくわくしてきた」
恐れを抱くどころかむしろ興奮させるほどの闘気…ぞくぞくさせる。

尋常じゃない力の塊が繰り出されようとしていた。どこかで見たことがある技だ。
障壁の異変に気づき、その一撃が壁をすり抜ける。
>「漣!流走り!!」
凄まじい速さの銀刃が振動したまま突っ込んでくる。
このままでは突っ立っていれば喰らってしまうことだろう。
だが、余裕の表情は崩さない。いつの間にか足には何十枚もお札が貼ってあるのが見えたはず。
パワーで敵わなければ単純に速さを極限まで上げて避け、それ以上の攻撃をすればいいのだから
「確かに強い女は好きだ…だけどな…」
一瞬、視界から消え気がつくとまめの隣にいた。
神行法を発動させたのであった。しかも詠唱もなしで。
片手に憤怒の炎が上がりそれが羂索(投げ縄のようなもの)が現れ、
それがひとりでに動き出し、瞬く間に縛り上げると同時に背後に周り手刀を振り下ろそうとする
気絶させようとする。
「命を粗末にする奴は大嫌いなんだよ」
物凄い勢いで振り下ろし、その衝撃で膝を床に落としそうだった。


273金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/20(木) 23:16:38 0
>272
強力な結界をもすり抜けるという相手の意表をつく必殺の一撃。
それは僅かでもかすれば致命の一打を与えられるものだった。

結界の無力会という意表性。
速度、パワー、技の凶悪さ。
どれをとっても必殺の名に相応しい一閃であったが、武は表情を崩さすに余裕にそれを躱した。
まめが認識した時には既に武の姿はそこになく、まめの横に現われ羂索がまめを亀甲縛りに縛り上げる。
そして振り下ろされる手刀。
「ギャンッ!!!」
まめの絶叫が崩壊しつつある室内に響く。

本来ならば正確にまめの首を捉え声もあげさせずに気絶させられただろう。
だが、その速度によりまめのつぶらな瞳は完全に見失っていたが、額の銀の複眼が捉えていた。
だからこそ反応できたのだ。
縛られた状態ながらも僅かに打点をずらして気絶を免れた。
そして反撃までもしていたのだ。

しかし、僅かに打点をずらした事は的確な打撃をずらし、激痛と大ダメージを被る事になる。
強靭な肉体を誇るまめが声を上げてしまうのも無理はなかった。
それに加えて反撃。
それは正に『震撃』そのものだった。
己の身体を剣とし、手刀を喰らう瞬間に超振動を以って打ち返したのだ。

首筋に打ち込んだ手刀は同時に『震撃』を喰らう事となる。
武の手に強さも方向もバラバラまちまちの振動が関節や腱、筋肉を破壊しながら駆け上っていく!
液体の刀身だからこそ震えたその闘法を己の肉体で行ったのだ。
未成熟なまめの肉体にどれだけのダメージを与えたかは想像に難くない。
手刀による激痛と肉体で震撃を行ったダメージは深刻なものとなった。

この一瞬の攻防の衝撃に崩壊しつつある都市の床は耐え切れなかった。
瞬時に二人の足者が大きく陥没し、そして崩れ崩落していく。
亀甲縛りの状態で落ちていくまめだったが、これだけでは終わらない。
まっさか様に落ちていく中、突如として頭だけを武のほうへ起こす。
その瞳には敗北の色はなく、身に纏う破壊のオーラはいささかも衰えていない。
むしろ闘いに陶酔し、悦楽すら感じさせる表情で・・・

「ヴァ!!!!!!!!」
凄まじい大音声。
それは単純に大きく吸った空気を吐き出した音だった。
だが、ただ吐き出したといっても恐るべき肺活量によりもはや射出されたといってもいいような吐息。
その屈折率から吐き出された息は3mほどの圧縮空気の弾となって武に発射されたのだ。

亀甲縛りからの脱出や落下からの脱出など、全てをかなぐり捨てたまめの最後の一撃だった。
その後は最早成す術もなく、今度こそまっさかさまに落ちていく。
274Throne ◆SZNZdzEn9P02 :2009/08/21(金) 20:46:48 0
>269-273
段々と崩壊を始めていた都市は、とくにまめ達の戦うエリアの被害がひどいものとなっていた。
天井や、床があちこち崩壊を始めている。
そんな中、まっさかさまに空中を落ちてゆくまめの首に急制動がかかる。
本人が生きていればそのショックはどうでもいいとでも言わんばかりに襟首を無造作に掴まれたのだ。
「・・・・・・私は早く退避しなさいと、言ったはずなのですが?
 挙句味方同士で戦うなど自殺願望でもあるのですか?」

左右に展開された蒼い光を放つ翼が、崩落してきた瓦礫をことごとく蒸発させ
ゆっくりとテイル達のいる場所に戻ってくる。
そこで襟首を掴んだままのまめを軽く放り出す。
「・・・・・・侵入者はあなた方の知り合いのようですので、現状を伝えて退避するようお知らせしました。
 ・・・・・・で、やはりあなた方は破壊を選びましたね。それ自体を別に糾弾するつもりもありません。」

自分の居場所が崩壊を始めているのに顔には何の表情も浮かばない。
ただ淡々と述べると、自分の懐からひとつの球体を取り出した。赤と白の半球がくっつき、ボタンがついている。
それをソルに向けて放って渡す。
「これは、かつて天使達が作った天使専用の装備です。・・・・・・いずれ戦いは避けられないでしょうからお使いなさい。
 それにしても、私も起動して百数十年で始めて天使を見ましたね。
 ・・・・・・ご安心なさい、天使は絶滅したという記録はないのですからどこかにはいるでしょう。」

そして最後にテイルの顔をじっと見つめる。顔には感情は浮かんでいないが、目はどこか責めているような光を帯びている。
「崩壊は必然故、咎めるつもりはありませんが・・・・・・
 貴 女 に 本 当 に 世 界 は 救 え ま す か ?」

「アナタは、光の眷属。ガイアの娘でありながらガイアと対立する眷属である魔族まで連れている。
 誰も彼も救おうと救う対象に加えるのなら、最終的に誰を倒し誰を救うのかも定まらなくなる。
 自分はどうやって、誰を救うために世界を救うのか。考えてみることです。」

そう言うと、一行に背を向けて先ほどの部屋へと歩き出す。
「都市の崩壊はできるだけ、下に被害がいかないよう自爆消滅する形にするようにしますので
 出来るだけ早く退避することをオススメします。下手をすれば消滅に巻き込まれて死んでしまいますよ。」
275テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/21(金) 23:43:35 0
>270-272
>「都市の崩壊以上の脅威として倒しにかからねば、あなたの体験した事のない力であなたを屠りますぞ!」
「ちょっと、屠るって……!! どどどどうしよう……」
まめちゃんは化け物のオーラになってるしタケル君はすごそうな技を使ってるし
二人のあまりの迫力に圧倒されて隅に追いやられて固まっていた。

>273-274
激しい攻防の末まめちゃんがまっさかさまに落ちていく。
タケルくんはまめちゃんの攻撃により結果的に戻ってきたけど……
まめちゃんが落ちた穴に駆け寄ろうとして落ちてくる瓦礫に行く手を阻まれる。
Throneがまめちゃんを救出してくれた。
「あ……ありがとうございます」

>「・・・・・・侵入者はあなた方の知り合いのようですので、現状を伝えて退避するようお知らせしました。
 ・・・・・・で、やはりあなた方は破壊を選びましたね。それ自体を別に糾弾するつもりもありません。」
「やはりって……こうなる事を予期してたの?」

>「崩壊は必然故、咎めるつもりはありませんが・・・・・・
 貴 女 に 本 当 に 世 界 は 救 え ま す か ?」
「…………」
暫しの沈黙の末、質問には答えず、逆に聞き返す。
「必然か……あなたはずっとこの時を待ってた。そうでしょ?」

>「アナタは、光の眷属。ガイアの娘でありながらガイアと対立する眷属である魔族まで連れている。
 誰も彼も救おうと救う対象に加えるのなら、最終的に誰を倒し誰を救うのかも定まらなくなる。
 自分はどうやって、誰を救うために世界を救うのか。考えてみることです。」
「あなたの言う事は正しい! でも違うよ! あなたは自由になったんだから! 
もうそんな無表情で正しいことばっかり言わなくていい!
誰にも縛られなくていいんだよ!!」
たとえ創られた物だって感情があっていいじゃないか。
終始与えられた役割のことばっかり考えてなくたっていいじゃないか……。
>「都市の崩壊はできるだけ、下に被害がいかないよう自爆消滅する形にするようにしますので
 出来るだけ早く退避することをオススメします。下手をすれば消滅に巻き込まれて死んでしまいますよ。」
「待って、どこ行くの? せっかく解放されたんだから一緒に行こうよ!」

Throneが隣の部屋に姿を消すと同時に、答えが思わぬところから帰ってきた。
「言っても無駄です。あの者はこの子……オニオンちゃんのようにはいかない……」
いつの間にThroneから受け取ったのか、まめちゃんを抱いている何者かがいた。
ただ一つ分かる事は、純白の翼を持つ紛れもない天使だった。
「あれ?」
そういえばいつも体のどこかに乗っているオニオンがいない。
「オニオン……? 誰に化けてるの?」
276乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/22(土) 01:09:49 0
>>273
気絶させるには十分な力と場所を直撃させたはずだった。
だが、一筋縄では行かずそのポイントを避けられてしまう。
次の瞬間、尋常ではない痛みが駆け上がる。
どうやら捨て身で『震撃』を放ってきたようだった。
二の腕まで振動が迫って来ているのは痛みが伴ってくるのでわかっていた。
「かぁぁぁぁぁぁ渇!」
体内の気を柔から剛に変え、片腕から迫る振動を「剛の気」で強引に押さえ込む。
そして押さえ込まれた振動は沈静化していったものの、しばらく片手は使い物にならないだろう。
そんなつかの間戦闘の影響で脆かった足場が崩れる。
「くそ……ガルダを呼ぶしかねぇか…」
もちろん、二人とも助けるつもりで呼ぼうとしたとき、
>「ヴァ!!!!!!!!」
亀甲縛りで縛られていても破壊オーラ全開のまめが凄まじい大音声を張り上げ、吐き出した空気が弾になって迫ってくる。
「そこまでして戦いたいか!?」
その声には悲しみと怒りが含まれていたそして目が完全に怒りに染まり上がる
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
圧縮空気弾を持っていた不動明王剣で断ち切ると即座ににまめを助けようとする。
「死なせねぇ、絶対に死なせねぇぞ!」
>>274
届かない、落ちるところを見ているしか出来ないのかと思ったそのとき
>「・・・・・・私は早く退避しなさいと、言ったはずなのですが?
 挙句味方同士で戦うなど自殺願望でもあるのですか?」
先ほどの天使がまめを掴んで現れたではないか。
>「・・・・・・侵入者はあなた方の知り合いのようですので、現状を伝えて退避するようお知らせしました。
 ・・・・・・で、やはりあなた方は破壊を選びましたね。それ自体を別に糾弾するつもりもありません。」
「けっ、なんか含みがある発言だな」
軽口を叩く。まぁなんにせよまめが死ななくて良かったと心底安心する。

>>「都市の崩壊はできるだけ、下に被害がいかないよう自爆消滅する形にするようにしますので
 出来るだけ早く退避することをオススメします。下手をすれば消滅に巻き込まれて死んでしまいますよ。」
「くそ……いそがねぇとヤベェぞ、ガルダ!」
ガルダを呼び、飛べない仲間を乗せて先に下へと下り始めた。



277テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/22(土) 01:31:27 0
>276
>「くそ……いそがねぇとヤベェぞ、ガルダ!」
「分かった。先に行って! 必ずバラグさんとエメロちゃんと一緒に脱出するから!」
ボクとソル君はエメロちゃんの救出に行き、飛べない組はタケル君と先に脱出してもらうことにした。
謎の人物もそれを理解したようで、まめちゃんをタケル君組へ渡した後、ボク達についてくるように促す。
「急いで! こっちです!」
278バラグ ◆o/oHY4BMj6 :2009/08/22(土) 19:17:24 0
>「何が起きたかは分からずとも、何が起こるかは明白でしょう。
 この都市は、自壊を開始しました。・・・・・・もはや、この街を探る意味もないでしょう。
 巻き込まれない内に脱出する事をおすすめしますよ。」
案の定何が起きているかは、教えてくれなかったが。
模造天使の言った“自壊”というキーワードで何が起きたか大体予想できた。
自壊と言うのだから恐らくこの都市は意思を持っていて
何かを守るために若しくは何かが破壊された為に自壊を始めたのだろう。

だが今はそんな事はどうでもいい。
今一番の問題は、皆が何処にいるのかだ。
しかしこんな状況で探し回っても危険に巻き込まれるだけで皆が見つかる保証がない。
皆の居場所を知っているだろう模造天使に付いて行っても皆のいる場所に辿りつけれる保証がない。
動くに動けない。まるで山の中で遭難したみたいだ。
となれば如何すれば良いのか決まったも当然だがな。
自分は、此処で皆が来るのを待った。

幾分経つと遠くから飛んでくる者が見えた。
それは、ガルダだった。
背中には、武と…誰だか解らんが女の子が乗っている。
近くに来たところで止まってもらい他の皆が何処にいるのか聞いた。
エメロという女騎士が治療されている所に向かってると教えてもらい。
礼を言った後、其処に向かって全力で走って行った。

武から聞いた場所に付くと其処にはまだ皆の姿がなかった。
取り合えず治療施設の建物の中に入ってみた。
この建物はまだ崩壊の影響を受けていないようだ、傷一つ見当たらない。
カプセル状の物を見つけ近づいてみるとその中の一つに女がいるのを見つけた。
…が自分には如何すればいいのか解らないため皆が来るのを待つ事にした。
279金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/22(土) 23:31:46 0
>274>276
まっさか様に落ちていきながらも武が圧縮空気を捌いた事を感じる。
それと共にトドメの一撃が繰り出されるであろうと予想し、破壊のオーラを消し去った。
気絶したわけではない。
体内にオーラを溜めて追撃の瞬間に亀甲縛りをしている羂索を力づくで引きちぎり、戦いを続ける準備をしていたのだ。

しかし、研ぎ澄まされたまめの感覚はまたもやありえぬことを感じ取ってしまう。
>「死なせねぇ、絶対に死なせねぇぞ!」
それは悲しみと怒りの入り混じる感情と言葉。

マアズでも敵の命を救う事はある。
しかしそれはあくまで決着がついてから。
次回のより激しい期待をして、のことだ。
マアズでは敵に敬意を表するのは当然の事だが、それは今の武のモノとは全く異質なもの。
完全にまめの認識外のものなのだ。

決着を見ず、今の状態でのその言葉、その感情にまめの心は大きく揺さぶられた。
Throneとの戦いの後の無条件での受け入れた時と同じように。
戦いの衝動により追いやられていたその感情が、武の言葉が呼び水となって再び蘇ってきたのだ。

そうなると最早まめに先ほどまでの集中力を保つ事は出来なくなっていた。
体内に圧縮し練りこんだ破壊のオーラは漏れ出るように四散し、力が抜けていく。
直後、首に大きな衝撃が走り、身体が上昇していく。
> 挙句味方同士で戦うなど自殺願望でもあるのですか?」
Throneの言葉に、行動に、まめは何も抵抗しなかった。
本来ならば『戦いの邪魔を!』と一気に羂索を引きちぎり攻撃をしただろう。
が、そんな力も今はでてこない。

その後、テイルとThroneのやり取りの間もただ黙って聞いていた。
武に抱かれ、ガルダに乗って下降。
少なくとも片腕は完全に破壊したはずだ。
しかも今のまめの体温は100度を越える。
にも拘らず、武から感じる感情はどこまでも優しかった。

脱出の最中である事も、都市が崩壊しつつある事も、全てがまめの関心を引くことが出来ない。
ただ一点、ガイアの民の・・・武の行動、心情があまりに理解不能で動揺していた。
しかし一番まめを動揺させていたのは、その動揺する自身の心の中に何かを感じ取っている事だった。
あるはずのない何かが自分の中にある・・・いや、生まれつつある。
その感覚がまめを混乱の極地に陥れ、本能ともいえる闘争心すらも薄れさせていたのだ。
「判らない・・・判らない・・・!あなたたちガイアの民は何故?
まだ決着はついていなかったというのに、どうして・・・」
言葉が出てこない。
まめ自身、どうして・・・の後に続くものがなんなのかわかっていないのだ。

効果を続けるガルダの上にいるのは、最早破壊の権化ではなく、ただ理解不能なものに直面しうろたえる一人の小さな少女でしかなかった、
280テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/23(日) 00:33:38 0
「でもそっちは行き止まり……え!?」
謎の人物が手を触れるだけで壁に通れるぐらいの穴が開き道が開けていく。
「あなたは一体……?」
「私は都市管理システムに仕込まれたバグ。
天使ソルテ=スターライト……が都市崩壊直前に起動するように設定したささやかな反逆プログラムです。
この体には先程勝手に乗り移ってしまいました。
だって最後までぺらぺらの枠とか悲しいじゃないですか」
「そういえばソルテって先代勇者と同じ名前だよね!? それにスターライトって……」
「ゆっくり話している時間は無いので急いでついて来てください。
あなた達が聞きたいであろうことはテレパシーで直接送り込みますから」
それきり何も言わず、飛びながらいくつもの壁を突っ切りつつ黙々とついていく。
だが耳で聞くよりもずっとクリアーに情報が入ってきた。

Throneも言ったように、天使は絶滅したわけではありません。
先代の戦いの後、人間という特異な種を巡って他の光の眷属達と袂を分かった。
私達天使は、際限なく増え続ける人間はやがてガイアの脅威になる、闇の眷属もろとも滅ぼすべきだと考えたのです。
もちろん他の光の眷属がそれを許すはずがありませんでした。
彼らにとって、人間もまたガイアの眷属なのですから。
その結果、追放されたというべきか出奔したというべきか……
とにかく天使達は他の光の眷属達と袂を分かち、ガイアを出て行くことになりました。
現在彼らが住まうのは文字通り遥か天空。
満ち欠けを繰り返しながらガイアの周りを巡る衛星……ルナ。
その時にガイアに残していった物が、全ての生命と引き換えに魔を滅ぼすスイッチだったのです。
遠くないうちに自分達の考えが正しいと理解される日が来るだろうと考えて。
その管理システムを創ったのが、システムの名にもなっていた他でもない私です。

「ちょっと待って! あなたはソル君の御先祖様なんでしょ!?」
オニオンの体を借りた先代勇者ソルテは無言でうなずいた。
「人間と生きる事を選んだあなたがどうして……!?」
ソルテの声が、どこか自嘲的な響きをおびる。
「模範的天使であることも自らの信念を貫くこともできなかった半端者だからです。
人間を滅ぼすなんてとんでもないと思った。反対もした。
しかし私は悲しいほどに天使でした……最後は一族を敵に回す事はできなかった……。
人間を知ったつもりでいる自分が間違っているのかとすら思いました。
だからいつか訪れた人が破壊してくれるのを願ってこのプログラムを混入させました。
それが私にできた精一杯の反抗……」

>278
話している間に、治療施設に行きついた。
カプセルの前でバラグさんが待っていてくれた。
「来てくれたんだね、ありがとう!」

ソルテさんがエメロちゃんをカプセルから取り出す。
「意識は戻っていませんが傷は大体治っているでしょう」
エメロちゃんを受け取る。
そしてソルテさんが壁に触れると、光り輝く門が現れた。
「この門をくぐれば地上です。
来た時とは別の場所に出るかもしれませんが許してくださいね」
一呼吸おいてこっちをひたと見据えて言う。
「Throneはああ言いましたが……私はあなた達を信じています。どうかご無事で」
そしてソル君に歩み寄り、両腕で抱きしめる。
「ソル……会えて良かった……」
その姿は眩い光と共に消え、一瞬後……いつもの猫の姿のオニオンがソル君の肩に乗っていた。
281乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/23(日) 02:21:17 0
>「分かった。先に行って! 必ずバラグさんとエメロちゃんと一緒に脱出するから!」
「わかったぜ、きっとだぞ!」
大声で返事を返し、距離が進むにつれ姿が見えなくなっていった

負傷した片腕、そして抱えているまめに手当てをする。
片腕は早くて二、三日長くて一週間法術で治療してれば治るだろう
まめに関しては相当な無茶をしたようだが、手当てが早かったため一命は取り留めたようだ。
しばらく移動して、バラグの姿が確認したので
止まれとの合図も含め、止まった。
とりあえず聞かれたことに答えられることを答えると礼を述べて行ってしまった。
向かうその背後で、
「必ず帰って来いよ!」
そして再び飛び立ち、出口に向かう。
もうそろそろで出口を抜けると言う所で
>「判らない・・・判らない・・・!あなたたちガイアの民は何故?
まだ決着はついていなかったというのに、どうして・・・」
ここで、覚醒していた不動明王が下がり元の武に戻って
「そんなの決まってるにござるよ、簡単に命を捨ててはいけないでござる
それこそ、生きていればいくらでも決着は付けられるでござるよ
だから敗れたって生きていればそれで勝ちでござるよ」
ニコニコ笑いながら、残った片手で頭を撫でる。
まるで泣く子供をあやすように

282Throne ◆SZNZdzEn9P02 :2009/08/23(日) 19:14:51 0
>275-281
彼らは脱出した。都市の機能の大半は自壊の影響でずたぼろとなっているが
辛うじて残ったカメラが彼らの脱出の様子を捉えていた。
もう、都市の自壊を止める努力をする必要もない。
やがて、暴走した炉心のエネルギーがこの都市のすべてを消滅へ向かわせるだろう。

「あぁ・・・・・・これでもう本当に、やることがない。」
相対するのは唯一の相棒。といっても枠の姿だが。
【余計な手出しでしたか?】
「別にどうということはありません。彼らがたどり着くなら知る情報ですし。」
【貴女も脱出できるのですよ。この都市自体が役をもう果たさない。】
「私はこの都市の管理人。この都市を離れて私の存在理由などどこにもありません。」

外で轟音が響く。おそらく崩落した瓦礫が外の扉を塞いだのだろう。
「それにしても、稼動してより120年7ヶ月と228日・・・ずいぶん長い間働いたものですね。
 その果てに得た休暇はあと数十分ですか。」
【・・・・・・恒例の時間つぶしでもしますか?】

二人の間に100かける100かける100の直方体が現れる。
「3次元チェス、これまでの戦績は互角でしたね。」
【えぇ、互いの優劣の為の一局と参りましょう。私が先攻ということで。】


―――やがて、脱出したテイル達がもう安全と振り返った直後。
その姿を隠し続けた天空都市は、一瞬の閃光と共にその姿を虚空へと消し去った・・・・・・。
283名無しになりきれ:2009/08/23(日) 22:41:42 0
>274「都市の崩壊はできるだけ、下に被害がいかないよう自爆消滅する形にするようにしますので
(都市、自壊を開始。白光、消滅・・・警告灯点灯、危険度、低・・・持続時間、不明)
不定形に戻ったヴォズは、確認した情報の代わりに
「誰か“亀甲縛り”に突っ込めよ・・・」
とだけ声に出すと、エメロの収容された部屋に向かった。

>280「この門をくぐれば地上です。来た時とは別の場所に出るかもしれませんが許してくださいね」
(天使1、妖精1、ゴーレム1、女騎士を確保し転移ゲートより脱出の見込み・・・転移先不明・・・)
そして、即座にその新しく開いた門ではなく、元々来た道を辿り最初に登った円柱に向かう。
(元全身甲冑他は飛行獣にて帰還・・・)
ガルダの後方から洞窟基部に降下しながら、都市に入って以降得た情報を順番に唱え始めた。

やがて、薄暗い洞窟基部に一瞬だけ上空から漏れた閃光が瞬き、消えた。
「光源、消滅」
最後にそれだけ唱え、ヴォズはアルベルの元へ向かった。
284テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/25(火) 00:10:52 0
>282
「行こう!」
光のトンネルの中を歩いていく。
出口の門から出て振り返った直後、全てが跡形もなく消え去った。

「嘘みたいだったね……」
慣れ親しんだ大地の感触。髪をゆらすそよ風。
ここがどこなのかはまだ分からないがただ一つ確かなのは、地上に帰ってきたことだ。
天空都市にいたのに少しの間だけなのにひどく懐かしい。
上を見上げると丸い形のルナが光っていた。今日の事は彼らに多分筒抜けだろう。
「ソル君……これでみんな目を覚ましてくれるよ。きっと」
285金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/25(火) 22:24:04 0
>281
まめの頭を撫でる武は即座にその異変に気付いただろう。
もともとの体温も異常に高いのだが、それどころではなく上昇し続けているのだ。
しかもそれは単純な熱ではなく、何か別の力を感じるかのような発熱だった。
「う・・・うあああああ・・・・!」
武の傍らで悶え苦しむまめの悲鳴が響く。
その姿に、プアプアが静かに呟いた。
「まめ殿、お別れですな・・・。」

「あああああああああああああ・・・・・・!」
最早絶叫となったまめの悲鳴とともに、水魔の太刀は静かに崩れ去る。
役目を終えたかのように静かに・・・・。

苦しげに顔を上げるまめの顔に変化が訪れた。
額の四つの銀の複眼が移動しているのだ。
二つずつ分かれて左右に広がっていく。
同時に背中では体操服を破らんといわんばかりにもこもこと何かが脈動し、まめ自身が白く輝きだした。

その光は激しさを増し、周囲をホワイトアウトさせる。
何も見えず感じぬ空間を作り出した光の中、亀甲縛りしていた羂索がはじけ飛び、武にぶつかった。
そして、光が収まった後・・・
穏やかな表情でまめが立っていた。

しかしそのまめは先ほどまでとは全く違う姿。
移動した複眼はまめの顔の両横に新たなるしかし同じ顔を二つ作っていた。
そして光の中で何があったのか、体操服の袖が増え、腕も三対六本となっていた。
「・・・・あ!武さん!やりました!まめは大人になりました!」
三面六臂となった己の姿を確認し、大喜びで武に抱きつくまめ。

マアズの住人は生まれた時はあらゆる種族が変らず人間体型で生まれる。
そして成人の儀式を通し、大人の身体へと変態するのだ。
まめはゼッケンに書かれた通り、2−A(阿修羅)の姿になったと説明を付け加えた。
子供の時にはおしゃぶり代わりに武器とバトルフェアリーが与えられる。
成人の儀式が成功したと同時に役割を終え、崩れ去るのだ、と。

武はまめの変化が姿だけでなく、その強さも二周りほど強くなったことを抱きつかれながらも肌で感じるだろう。

喜びをかみしめた後、まめはそっと崩れたプアプアだった鍔を胸に当てると、それが当然のように身体に同化する。
強さだけでなく、プアプアの持っていた知識も身につるのだ。
これでまめは完全にマアズで言うところの大人となったのだ。
「大人になって漸く判りました。
何故ガイアで、何故あの洞窟で、そして何故あなたたちとであったのか。
マアズでは決して学びえぬあなた達の心を学ぶためだったのですね・・・
そして・・・ガイアで起こっている変革を確認する為・・・!」
三つの顔の六つの瞳を閉じ、感慨深く呟いた。
遠くの何かを感じ、交信しているかのように・・・。
286テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/27(木) 23:32:09 0
>285
「あ……」
空に金色の光が見えた。良く見ると、翼をはためかせる神鳥ガルダ。
見ているだけで勇気がわいてくるというこの鳥だが、この時ほどそう思った事は無い。
「意外と近くだったんだね!」
夜空に舞う神鳥を追って駆け出した。
287インペトゥス ◆SZNZdzEn9P02 :2009/08/28(金) 21:38:33 0
一方その頃・・・・・・

暗闇の中に、その男は片膝をついて佇んでいた。
両手を組み、瞳を閉じてただ祈りの言葉を紡いでいる。
ぴちゃん、ぴちゃん、ぴちゃん・・・と、水の滴る音が祈りに合わせるように響く。

「      。」
と、祈りが終わりを告げる。閉じていた瞳を開くが、周囲は一切の光のない闇ばかり。
頭をもたげて頭上を見れば、明り取り窓から紅い満月が覗いている。
不思議なことに月が見えているのにその光は、室内にまでは届かない。

紅い月を眺めるのに飽きたのか、男は立ち上がり月に背を向けて歩き出す。
一歩一歩を刻む度に、ぴちゃん、ぴちゃんと水音が跳ねる。
ある地点で歩みを止めると、男は両手を掲げて正面の闇を押した。
木材の軋む音を立てて観音開きの闇が開くと、その向こうは一面の草原だった。

更に数歩男が歩みを進めると、中身を晒すのを拒むように扉は自ずから閉ざされた。
そこは、町から少し離れた小高い丘にある教会だった。
眼下の草原の向こうには、小さな町が夜の闇に沈んでいる。
わずかに聞こえる歌はきっと酒場の酔っ払い達のものだろう。

男は、そばに停めてあったバイクから一枚の紙を取り出し両手で広げる。
それは赤い×印がいくつも書き込まれた世界地図。
「〜〜〜ッたく。次はまたずいぶん遠い場所だな。面倒な事ばっかりやらせやがって。」
そうぼやくと、バイクに跨り男は空中を駆けて走り去っていった。

残されたのは、【建物の壁面と同じように】赤黒く染まった
彼の踏みしめていた草が、風に靡いて揺れるばかりだった。
288乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/29(土) 00:22:59 0
>>285
頭を撫でていると彼女の体温が急上昇していただがそれが単なる熱ではなくなにか暖かな…そんな感じの懐かしいような力を感じた。
>「う・・・うあああああ・・・・!」
「だいじょうぶでござるか!?」
突然苦しみだしたので心配したのだが、
>「まめ殿、お別れですな・・・。」
「あああああああああああああ・・・・・・!」
プアプア殿と持っていたまめ殿が持っていた武器が消え、変化を始めた。
まるで進化するように感じられた。彼女を縛っていた羂索が弾け、光が包み始めた。
そしてその光景を呆然と見ていた。いや、なにかを呼び起こされようとしていたが――――
>「・・・・あ!武さん!やりました!まめは大人になりました!」
はっと意識が戻ってくるとまめ殿が阿修羅のような体になっており、うれしさのあまりか抱きついてきた。
その力強さが体の中からにじみ出ていたが、頭の中では別の事があった。
「……さっきのはなんでござるか……」
ぽつりと誰にも聞こえないほどの声で言う。そしてすぐに気を取り直すと目をまめ殿に向ける。

>「大人になって漸く判りました。
何故ガイアで、何故あの洞窟で、そして何故あなたたちとであったのか。
マアズでは決して学びえぬあなた達の心を学ぶためだったのですね・・・
そして・・・ガイアで起こっている変革を確認する為・・・!」
どこかに祈るように目を瞑ったまめ殿を差し置いて、なぜか改めて思った。
自分は何者なのだろう空から降ってきて温厚なサトリの父とやさしい山姥の母に拾われたらしい自分。
本当は……どこからやってきたのだろう…
あの光を見てから突然思うようになったが、かぶりを振る。
「過去なんてどうでもいいじゃないか、今を姿勢正して精一杯悔いの無いように生きていけば」
>286
地上が見えてきたところでこっちに向かって走ってくる。
検討ついていた、テイル殿達だ。
【お前の仲間が見えてきたぞもうすぐで降りられる場所だ】
「ああご苦労だったなガルダよ、おーい!!」
大声を上げて手を振るとテイル殿達も返してくれていたようだった。
そしてゆっくりと地表に降りていき、完全に着地を確認し降りる。

289テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/29(土) 23:17:16 0
>288
>「ああご苦労だったなガルダよ、おーい!!」
タケル君が気づいて来てくれた。
「みんな無事だよ!」
まめちゃんの腕が6本になっていた。しかも側面に顔が出来ている!
「すごい……かっこいいや!」
なんとマアズの民は成人すると姿が変わるそうだ。
「大人になれたんだね。おめでとう! プアプアさんは?」

「……消えた?」
向こうではフェアリーはマアズの民が大人になるまでお供するための存在らしい。
やっぱりガイアとは随分違う。
「な、……その方は一体……」
背後から驚いたような声が聞こえた。
バラグさんに抱かれていたエメロちゃんが目を覚まして唖然としている。
肩に手を置いて笑いかけた。
「ボクの新しい友達。キミが気絶してる間に色々あったんだよ〜、後で教えてあげる!」
290金山 まめ ◆METAL/QKd6 :2009/08/29(土) 23:42:37 0
地上に降り立ち、テイルたちと合流する武とまめ。
まめの大人になった姿に驚いてはいるが、すんなりと受け入れるテイルにまめの三つの顔に笑顔を与える。
>「大人になれたんだね。おめでとう! プアプアさんは?」
「プアプア様は私の中に・・・。」
そっと胸を当て応える。

その後エメロも目を覚まし、大団円となるところでまめがテイルに歩み寄る。
そっとテイルに頬に両手を沿え正面を向かせる。

そして残る四本の腕で両手両足を持ち抱えあげ、頭上に逆さまに持ち上げたままジャンプ。
「阿修羅バスター!」
叫びと共に股割き・背骨折・頭突きの複合技を・・・
と言うのは既視感。

実際には亜修羅バスターは炸裂せずに頬に手を添え相対し、真剣な眼差しで見つめる。
「テイルさん。本来星人の儀式はガイアでは行われません。」
そう口を開いた正面のまめの顔の右側の顔は遥か上空を見上げている。
それは本来儀式が行われるはずだった場所。
「今回ガイアで行われたのは、マアズや本来の場所では学びえぬ心を学ぶ為。
そして・・・ガイアで起こっている変革を見極める為だったのです。」
そう、まめが飛空挺に落ちたのも決して偶然ではなかった。
ガイアの、テイル達一行に接触することも既に決められていたことだったのだ。

「本来光りと闇は相容れぬ間柄。
しかしその中にあって、人間はその枷にとらわれていない。
その意味を・・・あなたは気付いていなくとも知っています。
あなたの身に起こっている変革はやがてガイア全体に広がり、今回の光りと闇の戦いの結末を今までとは違った形とするでしょう。
光も闇も打ち破れなかった限界を破れる力をあなたは得られるでしょうから・・・!
あなたは誰も救う必要もなく、誰も犠牲にしなくてもいい。そんな道を選べるのですから。」
それだけ言うとそっとまめはテイルを離れる。

そして一行から一人離れたところで、六つの腕がそれぞれ呪印を組み、三つの口が別々の詠唱を始める。
それは一人で行う複合魔法。
呪文の形成と共ににわかに上空には黒雲が立ち込める。
「皆さん、短い間ですがお世話になりました。
武さん、あなたの心、ありがたく頂戴しました。
成人し、目的を果たした以上ガイアの戦いには不可侵。
しかし個人としてあなたたちに戦いの女神に祝福あれと祈っています。
では、マアズに還ります。
ガイアでの戦いが終わった後、ぜひともマアズに来てください。
全力を以って歓迎いたしますので!
では!黒雲塊移光雷!!」
それと共に落ちる轟雷がまめを直撃する。

凄まじい轟音と光の去った後、まめの姿はなく地面に残った焦げと足跡がそこにまめがいたことを。
そしてまめがマアズに帰還したことを表していた・・・。
291テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/31(月) 00:04:25 0
>290
>「阿修羅バスター!」
「阿修羅バスターらめぇええええ!!」
……気のせいか。ガクブル。

>「テイルさん。本来成人の儀式はガイアでは行われません。」
>「今回ガイアで行われたのは、マアズや本来の場所では学びえぬ心を学ぶ為。
そして・・・ガイアで起こっている変革を見極める為だったのです。」
「変革……?」

>「光も闇も打ち破れなかった限界を破れる力をあなたは得られるでしょうから・・・!
あなたは誰も救う必要もなく、誰も犠牲にしなくてもいい。そんな道を選べるのですから。」
意味は良く分からない。
それでもただ一つ確かなのは、まめちゃんが疑うべくもない確信に満ちた目をしていること。
「まめちゃん……ボク達のもとに来てくれてありがとう」

>「皆さん、短い間ですがお世話になりました。 武さん、あなたの心、ありがたく頂戴しました。
成人し、目的を果たした以上ガイアの戦いには不可侵。
しかし個人としてあなたたちに戦いの女神に祝福あれと祈っています。
では、マアズに還ります。 ガイアでの戦いが終わった後、ぜひともマアズに来てください。
全力を以って歓迎いたしますので! では!黒雲塊移光雷!!」
「うん、行く! 絶対行くよ!」

こうして、異星からの来訪者は来た時と同じように突然去って行った。
焦げ跡を見ながら、慌てて付けたすのだった。
「……でも全力で歓迎は勘弁!」

「やれやれ、これでやっと静かになる」
「またまた、本当は寂しいくせに〜」
その声に後ろを振り向くと、レオ君をメルちゃんがからかっていた。
「ウォズさんから聞いたよ。いろいろあったんだね〜」
「うん、本当に……」
ルナとマアズを交互に見ながら、二人が持って来てくれた飛空艇に乗り込むのだった。
292乱堂武 ◆hfVPYZmGRI :2009/08/31(月) 02:23:58 0
>>290
>「皆さん、短い間ですがお世話になりました。
武さん、あなたの心、ありがたく頂戴しました。
成人し、目的を果たした以上ガイアの戦いには不可侵。
しかし個人としてあなたたちに戦いの女神に祝福あれと祈っています。
では、マアズに還ります。
ガイアでの戦いが終わった後、ぜひともマアズに来てください。
全力を以って歓迎いたしますので!
では!黒雲塊移光雷!!」
「拙者は何もしてないでござるよ…それよりも体を大事にして欲しいでござるよ
もちろんでいくでござるよ、達者で!」
雷撃と瞬く間に消えてしまう。そして天高く手を振る。

手を振り終わり、振り返ると丁度飛行艇が来ていた。
「とりあえず、完治はいつかわからないでござるが足手まといにはならないようにはするでござるよ」
吊るした片腕をチラリと見て、中に入るのであった。


293バラグ ◆o/oHY4BMj6 :2009/08/31(月) 18:09:18 0
エメロを抱きかかえて門を潜ると、その先には森が広がっていた。
此処が何処なのだろうか考えようとした時、空を舞うガルダか目に入った。
>「意外と近くだったんだね!」
テイルの言う通り近くにいるようだ。
此方に気づいた武が降りてきた。
エメロが目を覚ましたので降ろした。
そして誰だか解らん女の子が何処かへと行った。

飛行艇に入ると通信器具が光っているのが見えた。
恐らく誰かからか通信が入っているのだろう、
通信機のボタンを押して通信回線を開いた。
するとモニターにでかく黒い魔導師が映った。

「なんのようだ?」
そう聞くが通信状況が悪いのかそれとも言葉を選んでいるのか
数十秒間が開いてから黒い魔導師は口を開いた。
「依頼がある。ガイヤ星教団が最近手に入れた“血の魔石”を奪取してほしい。
血の魔石は、昔から血生臭い儀式や戦争に関わってきた危険な魔石だ。
人間の牛耳る宗教団体が持つような物ではない。
何かが起きる前に奪ってきてくれ。
私の為ではなく…正義のために。」
294テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/08/31(月) 22:33:20 0
――第9章開始――
>293
成り行きで一緒に飛空艇に乗ったエメロちゃんと話していた。
「でさ、天空都市に行ったわけ!」
「私が気を失っている間にそのような事が……」
「そこにあったのは世界を滅ぼすスイッチ!」
「なんと……! 早急に報告しなければ!」

通信が入ったらしく、バラグさんから呼ばれる。
「ちょっと待っててね」

戻ってきて、純粋な親切を装ってエメロちゃんに言う。
「ついでだから教団まで送って行ってあげるよ。
何なら今回のことを代わりに報告しようか?」
「しかし……」
「いいのいいの! だってここで降ろしたらまた道に迷っちゃうでしょ」
本当の目的を伏せているのは気が引けるが、信仰深い彼女のこと。
本当の事を言ったら暴れ始めて阿鼻叫喚の事態になりかねない。
「メルちゃーん、出しちゃってー!」
「それではガイア星教団に向かって発進!」
エメロちゃんに選択の間を与えず、飛空艇は一路ガイア星教団に向かって飛び始めた。
「かたじけない。お言葉に甘えさせていただきます」

>292
エメロちゃんがタケル君の腕に回復魔法をかけながら言う。
「タケル……といいましたか。私ではこの程度が限界です。
せめてものお礼に教団に着いたら回復術に長けた者に完治してもらえるように手配しましょう」
295ソル ◆sBYghzSQ5o :2009/09/02(水) 17:50:46 0
天空都市・・・オレの想像していたものとは、違ったみたいだ。
すべての人間の命と引き換えに、魔は滅びる。
・・・テイルはそれを否定したけど、それでよかったのかな・・・?
もう、何が正しいかもよくわからない。
だんだんとすごい方向に向かっていっているオレ達。
これからどうなるんだろうか。
「やっぱり仲間・・・ここにもいなかったな」
「まぁ、気にしてねぇよ」

次の目的は、血の魔石とやらを奪還せよとのこと。
もはや、最初の目的から離れてないかな・・・。
「っというか!せっかく都市に来たのになんもお土産貰ってこなかったし!
 今回何のために行ったんだよ!もう・・・!」
自分も人のことは言えないか。

この飛空挺に乗り始めてから、かなりの日がたってる。
学校を抜け出して、戻ってきて、大会があって。
それがもうかなり昔の事に思えてきた。
でも、これだけ旅を続けているのに見つからないものもあって・・・。
「どこにいるのかな・・・ぃちゃん。」
先祖なので知らない人も同然だが、同族を見つけたことによって、思い出してしまった。
小さいころの事なので忘れかけているけど、オレには兄がいた。
気がつけば、家から居なくなっていて・・・今回、天使に会えると聞いて、
少し期待してしまった。もう一度、会いたい・・・
>「それではガイア星教団に向かって発進!」
とりあえず、今はガイア星教団のことに集中しよう。
「はっしーん!」
いつもどおり、元気に笑ってみた。
296名無しになりきれ:2009/09/03(木) 17:52:52 O
297テイル ◆6nXELe5RK6 :2009/09/04(金) 00:25:52 0
>「っというか!せっかく都市に来たのになんもお土産貰ってこなかったし!
 今回何のために行ったんだよ!もう・・・!」
「お土産ならもらったじゃーん」
赤と白の半球にボタンがくっついた物体のことである。
お土産と言えば……もちろん教団に持って行くお土産の青葉の楓は準備万端です。
貢物とか賄賂とか言ってはいけない。
行き先は王都ファティマ。エメロちゃんが所属するアルトリウス派の支教団がある地だ。
298バラグ ◆o/oHY4BMj6 :2009/09/04(金) 23:38:35 0
移動する事数日。
エメロの所属するアルトリウス派の支教団があり血の魔石という物騒な物が隠されている所
王都ファティマが見えてきた。
ある程度王都に近づくと通信が入った。相手は王都防衛の魔導師からだ。
何しに来たのかと質問されたのでガイヤ星教団の者に頼まれて
その人を此処に送りに来たと言い、証拠としてエメロを通信機の前に連れてきた。
エメロは、教団員の証拠である紋章を提示し魔導師はそれを確認して入国の許可を貰った。
飛行艇を指定された所に止めて船を降りた。
その後教団の場所をエメロに案内してもらった。
299テイル ◆6nXELe5RK6
――王都ファティマ
道中で井戸端会議のおばちゃんの会話が耳に入る。
「物騒な世の中になったもんだねえ」
「うちの街にあるのもアルトリウス派だろ? 恐ろしや恐ろしや」
「神官さん、あんたんとこは大丈夫なんかねえ」
いきなり通りすがりのこっちに振ってきた。エメロちゃんが応じる。
「私ですか? 何の事でしょう?」
「知らんのかい!? 新聞よまにゃあいけんよ」
おばちゃんはどこからともなく新聞を取り出した。そして社会面の緊急特集を示す。
なんとここ最近各地でアルトリウス派の教会が襲撃されているそうだ。
「事件の特徴がほぼ同じ事から同一犯
あるいは同一の集団に属するものの仕業と思われる……って、考えるまでもないよなあ」
「考えるまでもなく闇の軍勢の仕業ですね。罪なき人々になんたる狼藉!」
と、エメロちゃん。
世界各地で同時多発的に犯行が出来るほど巨大な悪の組織なんて一つしか考えられない。
「となると……この街の支部もいつ狙われるか分かりません。急ぎましょう!」
エメロちゃんに促され支部に急ぐ。