吸血大殲 23章 染血の夢

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1ドラキュラ・ヴラド・ツェペシ
このスレは、吸血鬼や狩人、あるいはそれに類する者が闘争を繰り広げる場である。 
無論、闘争だけではなく、名無しの諸君の質問も随時受け付けておる。 
気軽に質問をして欲しい。 
 なお、新規の参加者は下記の『吸血大殲闘争者への手引き』でルールに眼を通した上で、  
テンプレを用いて自己紹介をせよ。 
テンプレは>2を参照するがよい。 
 
■『吸血大殲闘争者への手引き』 
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Orion/4504/vampirkrieg.html  
 
■専用JBBS(闘争の打ち合わせなどはこちら)←旧板 
http://jbbs.shitaraba.com/game/163/vampirkrieg.html

■専用ふぁるがいあBBS(雑談・闘争の打ち合わせなどはこちら)←真板
http://fargaia.hokuto.ac/html/vampbattle/index2.html

以下は、関連リンクである。 
 
■参加者データサイト『吸血大殲 Blood Lust』(左手作成・過去ログも全てこちらにあり) 
http://members.tripod.co.jp/humituki5272/taisen/index.html 
 
■『闘争記録保管所』(緑川淳司作成・各闘争ごとに整理された記録) 
http://members.tripod.co.jp/tajuunin/taisen.html 
  
■吸血大殲本家サイト 
『From dusk till dawn』 
http://www.uranus.dti.ne.jp/~beaker/ 
  
『戦場には熱い風が吹く』 
http://ha7.seikyou.ne.jp/home/hagane/index.html 
 
■前スレ 
吸血大殲 22章 『虚無への供物』
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1019314499/
 
■太陽板の質問スレ 
吸血大殲/陰 其の14〜神羅屋敷地下室 餌の時間〜 
http://www.alfheim.jp/~narikiri/narikiri/test/read.cgi?bbs=TheSun&key=009742840

■吸血大殲専用チャットルーム
http://3nopage.com/~vamp/chatin.html

■感想スレッド(闘争の感想などはここに)
真・吸血大殲感想スレッド
http://fargaia.hokuto.ac/html/test/read.cgi?bbs=vampbattle&key=1019409630
自己紹介用テンプレートである。 
  
出典 : 
名前 : 
年齢 : 
性別 : 
職業 : 
趣味 : 
恋人の有無 : 
好きな異性のタイプ : 
好きな食べ物 : 
最近気になること : 
一番苦手なもの : 
得意な技 : 
一番の決めゼリフ : 
将来の夢 : 
ここの住人として一言 : 
ここの仲間たちに一言 : 
ここの名無しに一言 :
ありがとう 
4以上、自作自演でした。:02/04/28 17:44
自制など利かないっ……!
(ロゼット・クリストファvsアルトルージュ・ブリュンスタッド 3rd Battle)
『吸血姫に祝福を』
>http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1018527916/43
「――ただ、一つだけ言わせて貰うわ。次はコロス」
 
 金色の眼で2人を睨みつけた後、私はプライミッツマーダ―に合図して、
 その場をプライミッツマーダ―とともに立ち去った。



 あの3人にたぎる復讐の念を抑えつつ、自分の止まっていたホテルに引っ込んで、身体の回復を待つ。
 
 3日後、上半身の再構成が終了……
 
 1週間後、全身の再構成がようやく終了した。
 
 でも、肉体の再構成に力を使いすぎて、とてもじゃないけど、力を行使できない。
 日常生活なら何ら滞りなく行えるが戦闘は無理だ。
 
 全身の高まる衝動を抑えながら、ただ力の回復を待つ……



 10日後、それは起こった。
 
 唐突に私の泊まっている部屋のドアが吹き飛ばされた。
 そして、そこに轟然と立っていたのは1人の男だった。
 見ただけでそこらの有像無形と格が違うのが分かる。
 
『始めましてだな。黒の吸血姫、アルトルージュ。いや、魔界の連中を一掃してくれて礼をいうぞ』
 
 男は楽しそうに話を続ける。
 
『だが、魔界の連中を一掃できる力を持つお前は逆にオレたちにも脅威でね。死んでくれないか?』
 
 こんな時に……
 体勢が万全なら、返り討ちも容易なのに……
 歯噛みをしつつ、身体を成長させて、プライミッツマーダ―と共に迎撃体勢を取る。
 長期戦は私の身体が持たない。
 一撃で決着をつける。
 
 男の腕が怪しく光る。
 それが引き金となって、私は男に向かって、駆け出した。
 男との距離が一瞬でゼロになる。
 男の顔が驚愕に染まる。
 
 私の鉤爪が男を半分に寸断したのと男の腕から放たれた光の奔流が私を飲み込んだのはほぼ同時だった……
(ロゼット・クリストファvsアルトルージュ・ブリュンスタッド 3rd Battle)
『吸血姫に祝福を』
>5
 唐突にそのホテルの最上階が光につつまれ、吹き飛んだ。
 ホテルの周囲はたちまち、喧騒に包まれる。
 そんな中でホテルの最上階から吹き飛ばされて、落下していく1人の黒いドレスに身を包んだ少女の姿があった。
 
 少女の身体が後、数秒で地面に激突しようとする間際に黒い影が宙を舞い、少女を抱きかかえた。
 そして、地面へと舞い降りる。
 
 黒い影の姿が少年の姿に戻る。
 疲労した表情のシスターの少女とともに少年は黒いドレスを着た少女を抱えて、足早に立ち去った。
 
 
 
「うっ……」
 
 私はベッドの中で目が覚めた。
 ここは……?
 ベッドから上半身を起こし、辺りを見回す。
 
『あっ、ロゼットさん、あの女の子が眼を覚ましました!』
 
 何処かで見た記憶のある少女が大声をあげて、パタパタを部屋の外へ駆け出していった。
 
 数分後、1人のシスター服の少女が部屋に駆け込んだ来た。
 
「――――!?」
 
 私は言葉を失った。
 何しろ、その少女は散々、殺すと誓っていた件の少女だったのだから……
かなり、特殊な判定で勝敗を決めるわ。
以下の通りね。
<ED分岐条件>
アルトルージュの復讐心ポイントを10とする。
これとは別に、アルトルージュのロゼット・クリストファへの興味ポイントを設ける。
(初期値は0)
最終的にこれらのポイントでEDを決める。
1.GOODEND 復讐ポイント0 興味ポイントが5以上
2.NORMALEND 復讐<興味
3.BADEND 復讐>興味
4.WORSTEND 復讐ポイントが興味の2倍以上
5.ANOTHEREND 復讐=興味
ポイントの増減は以下のとおり。
・邂逅
増減無し
・日常風景1
成功 復讐−1   興味+1
失敗 復讐+1   興味+1
・日常風景2
・成功 復讐−2   興味+2
失敗 復讐+1   興味−1
・日常風景3
成功 復讐−1   興味+1
失敗 復讐+2   興味−1
・イベント1
成功 復讐−2   興味+1
失敗 復讐+1   興味−1
・イベント2
成功 復讐−1   興味+2
失敗 復讐+1   興味−2
・イベント3
成功 復讐−3   興味+2
失敗 復讐+3   興味−3
『吸血姫に祝福を』
〜邂逅〜
 
「目、覚めたみたいね〜。どう?体の調子は?」
 
私は、極力彼女に警戒心を与えないようににこやかに話し掛ける。
 
「怪我がそんなに酷くなくてよかったですね。」
 
アズマリアがニコ、と彼女に微笑みかける。
正確な年はわからないが、恐らくアズとそう離れてはいないはずだ。
 
「あの子が目、覚ましたって?」
 
どたばたという足音とともに、一人の少年−クロノという−が部屋に入ってくる。
 
「っと・・・・目が覚めたとたんいきなりバタバタしちゃってごめんね〜。
 まず、自己紹介しよっか?
 私の名前はロゼット。ロゼット・クリストファ。
 マグダラ修道会・・・ってしってるかな?そこのエクソシストよ。
 んで、こっちが・・・・・。」
「アズマリア・ヘンドリックです。
 あの・・・・ロゼットと同じエクソシストをやってます。」
「クロノだ。」
 
私は、手を差し出しながらにこりと微笑む。
 
「あんたの、名前は?」
『吸血姫に祝福を』
〜邂逅〜
>8 
 こいつらはよくもぬけぬけと……
 全身の血がわきたつのが分かった。
 
 だけと、私の身体はその怒りに応えてはくれなかった。
 先日のアレで身体に力が入らない。
 この身体を維持するのだけで精一杯だ。
 本当なら、このベッドから飛び出して、即座に目の前の少女―ロゼットの頭を握りつぶすのに……
 
 それに……
 
 マグダラ修道会とかいったか。
 その中で暴れたら、どうなるか……
 無論、いつもの私なら歯牙にかける必要もないのだが……
 
 ロゼットが名前を聞いてくる。
 
 ……本当に腹立たしい。
 この前は私の身体を吹き飛ばしておいて!
 
「……あなたなんかに名乗る名前なんてないわ! 1人にしといて!!」
 
 私はロゼットの手を無視して、そのままベッドの中に潜り込んだ。
『吸血姫に祝福を』
〜邂逅〜
>9
 
むっか〜・・・・!可愛くないわね〜〜!!
 
「ちょっと、あんた!助けてもらってその態度はないんじゃない?!」
「ロゼット!!」
 
思わず腕を捲り上げる私を、クロノが制する。
 
「あのさ・・・あんな目にあったばっかりでまともに対応できるわけないだろ?
 もっとこう・・・・・・。」
「むぐぐ・・・・・。」
 
そう言いながら、クロノが彼女に近寄る。

「悪かったね、ロゼットはいつまでたっても子供だからさ・・・・。
 まぁ、悪く思わないでほしいな?」
 
そう言って、彼女の肩に手を触れようとしたクロノの顔がこわばる。
・・・・どうしたんだろ?
そして、結局彼女に触れることなく腕を戻す。
 
気まずい沈黙。
 
「あ・・・お腹すいてませんか?私、何かもらってきますね。」
「ん、よろしく〜!」
「・・・僕らも一旦出直したほうがいいかもね。」
「・・・・そうね。んじゃ、またね?
 次は名前教えてよ〜?」
 
そういいながら、私達は部屋を後にする。
『吸血姫に祝福を』
〜日常風景1〜
>10
 
「は〜・・・・どうして私たちがこんな事・・・・・。」
「仕方ないだろ?こういうのも仕事だよ。」
 
モップで廊下を掃除しながら愚痴る私をクロノが嘆息しながらたしなめる
 
「結局、あの後もあの子名前教えてくれなかったし・・・・・。」
「その事なんだけどさ・・・・・・。」
「ん?」
 
不意に、クロノが掃除の手を止めて私に呟く。
 
「彼女に、関わるのは止めたほうがいいかもしれない。」
「!!何でよ?!」
「・・・・・勘だけど。どうも・・・彼女から・・・・・不穏な感じがね。」
「・・・・・ど〜せ、あんたの思い過ごしでしょ?」
 
私は、鼻で笑い飛ばし掃除に戻る。
 
「ロゼット!僕は君とアズマリアの事を思って!」
「あ〜もう!心配しすぎよ! それに、あの子のどこがそんなに気になるの?」
「それは・・・・・・!わからないけど・・・・・!」
「あ〜うるさいうるさい! 何も聞かない聞こえな〜い!」
 
私は両耳を塞いで大声をあげる。
 
「ロゼット!僕は本当に――!!」
「ど〜せ、あの子に私が付きっきりなのが気に食わないだけでしょ?!」
「なッ・・・・!!なんでだよ!ロゼットじゃあるまいし!」
「ちょっと!私じゃあるまいし、ってどういう意味よ?!」
「そのまんまの意味だけど〜?!」
「むっか〜〜!!クロノ!そこに直りなさい!粛清してやる!!」
 
私は、手にしたモップをクロノに向けて振りかぶる!
 
「あたるわけないだろ!そんなの?!」
 
私と、クロノはお互いのモップを振りかぶりながらチャンバラをはじめる。
そんな私たちの姿を、ドアの隙間から見つめるアズマリアと少女の瞳。
 
「あ〜あ・・・またやってる・・・・・。」
 
アズマリアが呆れたようにくすりと笑う。
 
「ね、二人とも仲がいいでしょ?」
 
そして、隣で同じように見つめる少女に微笑みかけた。
『吸血姫に祝福を』
〜日常風景1〜
>11
 3人は私のことを全く気づいていないようだ。
 まあ、気づいていたら、互いに無事ではすまないだろうが……
 
 
 廊下での喧騒。
 私を吹き飛ばしたロゼットと悪魔―クロノが騒いでいるようだ。
 つくづく気に障る。
 
 そんな中、私の側についていた少女―アズマリアが話し掛けて来た。
 
『ね、二人とも仲がいいでしょ?』 
 
 仲がいい?
 笑わせてくれる。
 人と悪魔の関係は使うもの、使われるもの、喰う者、喰われる者……
 それだけにすぎない。
 
 人のチャンネルを8チャンネルとする。
 ならば、悪魔のチャンネルは10チャンネルとなる。
 
 8チャンネルの常識は10チャンネルでは通じないのだ。
 その逆も又然り……
 
 所詮はこの風景も虚像にしかすぎないのだ。
 
 それにこんな茶番を見せられて、私の怒りは増すばかりだ。
 思うように動かせない身体とは対照的に……
  
 手で顔を覆いながら、私はアズマリアに問い掛ける。
 一瞬だけ、私の眼が金色に変わる。
 
「ふうん、仲がいいの? だから、それが私に何の関係があるの?」
『吸血姫に祝福を』
〜日常風景1〜
>12
 
「関係、ありますよ。」
 
アズマリアは、そんな少女に向けて変わらず微笑み続ける。
 
「実は・・・・クロノは悪魔なんです。あ・・・・怖がらなくても大丈夫だから。」
 
ふぅ、と一息つく。
 
「人間と悪魔。相容れないはずの存在。 それが、こうして一緒にくらしてる。
 そう考えたら、見知らぬ他人同士が仲良くなるのなんて、簡単だと思いませんか?」
 
そして、少女の手をとる
 
「わたしは、あなたと仲良くなりたい。
 あなたと友達になりたい。
 だから―――」
 
そして、手をきゅっと握り締めた。
 
「いつまでも、『あなた』なんて呼び方はしたくないんです。
 だから、教えて欲しいんです。あなたの名前。」
『吸血姫に祝福を』
〜日常風景1〜
>13
「……有史以来、人と人外の交差の歴史は必ず破局をもたらしたわ。ほぼ、間違いなくね」
 
 私はアズマリアの眼を正面から、見据えて答える。
  
「それに、人間同士で常に争っている世の中で何を信じろというの? まさか、先の大戦の惨禍は知らないとは言わせないわ」
 
 ……私の眼が一瞬だけ金色に染まる。
 
「分かる? 同じ種同士でいつも争ってきたヒトが異種族と分かりあえるはずがないのよ」
 
 いけない。
 どうも、自制が効いていないようだ。
 眼の色をすぐに元に戻す。
 
「予言してあげる。廊下の2人に待ち受ける運命は間違いなく、破局よ」
 
 窓から、一陣の風が吹き込む。
 私の自慢の髪の毛が風にうけてサラサラとたなびく。
 そんな中で私は言葉を続けた。
 
「……まあ、いいわ。名前くらいは名乗らないと失礼ね。私の事は『ルージュ』とでも呼べばいいわ」
『吸血姫に祝福を』
〜日常風景1〜
>14
 
「ルージュは、未来を見てきたんですか?」
 
アズマリアは、変わらない笑みを浮かべながら言う。
 
「見て来てないなら、その予言は外れるかもしれませんよね?」
 
一瞬、ふっと寂しげな表情がうかぶ。だが、彼女はすぐに優しく微笑んだ。
 
「確かに、私の両親も・・・・・前の大戦で亡くなりました。
 すごく、簡単なことで人は争い傷つけあいます・・・・・。」
 
同じように、部屋に吹き込む風が艶やかなアズマリアの髪を撫で行く。
 
「けど。争うことしかできないなら。
 なんで、今私達はここにいるんですか?
 なんで、今でも私達はこの大地に生きているんですか?」
 
大きく息を吸う。
 
「・・・それは、ヒトが争うこと以外の何かを知っているから。」
 
そして、満面の笑みを浮かべる。
 
「それに、ロゼットは言ってました。『先の事なんてわからない』って。
 よくなるか、悪くなるかわからないんだったら・・・・・・。
 私達は、良くなるように努力すればいいんです。
 『最後の最後まで足掻くのを止めたくないんです』。私も。」
 
《がっしゃ〜ん!》
 
『しまったぁ!!』
『ロゼット!どうすんだよコレ!』
『知るかぁ!!連帯責任よ!!』
『ひでぇ!』
 
部屋の外の廊下からは、いつもと変わらない二人の声。
『吸血姫に祝福を』
〜日常風景1〜
>15
「……無駄な努力って知ってる? それは一般に徒労って言うんだけど」
 
 この少女はその拙い経験で私を説得しようとでもいうのか?
 
 
 かつて、夜族の頂点とも言える真祖という存在があった。
 そんな彼等がただ1つ持ってしまった間違い……
 
 ――吸血衝動
 
 例えば、彼等が人に執着心を抱いたとしよう。
 すると、その執着心と同時に己の物にしたいという吸血衝動が湧き上がる。
 これは抑えることのできない根源衝動。
 
 血を吸ってしまったその瞬間に、その真祖は破壊と欲望の権化に堕ちる。
 結果的に最も愛しいモノを傷つけることとなるのに……
 
 真祖たちもそれは分かっていた。
 そして、その吸血衝動を抑えようとした。
 
 ――だが、それは無理だった
 
 
 私に言わせれば、彼女の言う努力なんて、まさに徒労以外何者でもない。
 先のことなんて分からない?
 そんなことは分かりきっている。
 少なくとも、私には……
 1000年間、見てきた様々なこと。
 それはもう何も否定できない経験則として、様々なことを教えてくれる。
 
 矢張り、真に相互理解は不可能なのだ。
 ましてや、異種族同士では……
 
 私は窓の外を見やりつつ、アズマリアに告げた。
 
「……あなたがその拙い短い生で何を見てきたかは知らない。でも、世界にはあなたの知らない事象が無数にある」
 
 吹き込んでくる風が少しは私の高ぶる気持ちを抑えてくれる。
 
「……もう、いいわ。下がってくれる? 少し、休ませて」
 
 私はそう告げて、ベッドの中に潜り込んだ。
 
(復讐 10 興味 1)
17フリッツ ◆FRItz.JA :02/04/28 23:30
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1019314499/より
>473 >480 アセルス&カミーラVSフリッツ
 
                          そうだ。
                   俺は夢を観ていた。
 
                      もう観ない夢。
                    昔は観ていた夢。
 
                        兎がいる。
                    白い兎と黒い兎。
 
           兎は卵を産む。理由は知らない。
                   特に不思議も無い。
                     ただ、卵を産む。
 
             いつものようにその卵を潰す。
                         足で潰す。
                       これが日課。
 
        潰す。潰す。潰す。潰す。潰す。潰す。
        す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰
        潰す。潰す。潰す。潰す。潰す。潰す。
        す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰
 
                刻、と小気味良い感触。
 
                 頚の曲がった兎がいる。
      卵を守っていた兎。俺はそれを踏み潰した。
 
         キキキキキキ、ともう一匹の兎が鳴く。
        頤の曲がった兎が首を再び持ち上げる。
 
 
                          翼を開く。
         どこかで昔見た怪物の姿に似ている。
                          美しい命。
          うつせよとよみのことわりをしりぞけ、
       なおいきつづけることのできるそのちから。
 
 
笑う。
笑いが込み上げる。
どこまでも。下らない。笑う。笑え。お前も笑え。
18カミーラ ◆ICarmilA :02/04/28 23:51
『ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise"

第22章
>461, >465, >479, >483の続きです。

相手の精一杯の虚勢がカミーラには微笑ましく思える。突き付けられた
銀の十字架には、どう反応したらいいのだろうか。

確かにかつては賛美歌を聞けば耐え難い頭痛がした。昼間歩き回るのは
大の苦手だった。だが幾度となく死と復活を繰り返しているうちに、い
つしかそうしたものには慣れてしまった。十字架もそうだ。

だからいまさら十字架を突き付けられたところでどうということはない
が、彼女がそんなものを持ち出してきたことの意味は重大だった。つま
り、自分が何者なのかを見抜いているということになるのだから。この
若さで吸血鬼相手のハンターなのだろうか?

とすれば、とカミーラは考える。基本的に反応は二つに一つだ。とぼけ
てはぐらかすか、叩き潰すか。

どちらの手段を取るにしろ、今はもう少し相手の反応を探ったほうが
よいだろう。

「あら、神にお仕えしている方でしたの。まだ小さいのに感心なことで
すわね。少々お待ちを。少しですが、寄付をさせていただけませんか」

カミーラは財布を取り出すふりをしてバッグの口を開けると、右手を突っ
込み、銃のセレクタをフルオートに合わせて引き金に人差し指をかける。
相手の反応しだいでは問答無用で引き金を引くつもりだった。

こんな人ごみの中で銃を乱射すればきっと大騒ぎになるだろうが、彼女
には、それにまぎれて逃げ出す自信はあった。
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
「なんで……? 志貴、このままだと死んじゃうのよ? 
いいから―――さっきのことは許してあげるし、シエルの事も気にしない。
わたし、わたし志貴に無くなってほしくない……! だから―――お願いだからわたしのものになって、志貴……!」
 
本心からの言葉だった、…生まれて初めて何かを欲しいと思った……。
けれども彼はシエルを選んだ…どんな力より、永遠より…人として在ることを選んだ。
 
「……本当に残念。けど、わたしもそろそろ限界みたい。この傷を治すには今すぐにでも故郷の城に戻る
必要があるでしょうね」
「―――だろ。なら、さっさと帰っちまえ」
 
本当に好きだった、理由もわからず気が付いたらその気持ちがそこに在った。
……それは本物の気持ちだったのだろうか、……だからこそ本物だったのかもしれない。
たとえ真祖として壊れた感情だとしても、わたしは嬉しかったから…。
 
「いやな男ね。最後まで憎まれ口をたたくんだから。けど、わたしね」
「志貴の、そういう所が好きだったなあ」
 
そこで意識が覚醒する…夢じゃない…わたしは夢など見れないから…。
 
「未練かな…、わたしは壊れちゃったのかな?」
 
身体の傷はもうない、だけど精神に芽生えた感情は消せない…消したくない。
 
あれから死徒を撃つ訳でもないのに人の世界を歩きまわった、だけど……其処に意味を見出せなかった。
 
ハンバーガーを食べてみた、……ただのパサパサしたパンと肉の塊だった。
映画を見てみた、……志貴と一緒に見た時と違い、面白いとも思わなかった。
何故こんなに違うのだろう……あの時と何が違うのだろう?
>19 
 
答えは簡単だ…隣りに志貴が居ない、何をやっても独りでは意味がない…楽しくない。
周りを見まわしても誰も居ない、気配すらない…当然の事。
 
「だって千年城に入れるのは…わたしだけだもの」
 
千年城は絶対の守りを持つ城だ。
 
「だけど…、何から誰を守るの?」
 
錆びた城壁、無人の回廊、荒れ果てた庭園、動かない空気、張り巡らされた鎖。
そして…わたし。
 
無人の城を歩きまわり庭園に出て天空を仰ぎ見る、そこには……
血のように朱い月がある。
 
堕ちた真祖を狩り城に戻ったに許された僅かな時間、わたしはいつも意味も無く月を見ていた。
あの時と何も変わらない、なのに何故だろう?
 
「今、わたしは何が欲しいのだろう?」
 
冷たい風に髪を弄ばれながら、その髪が昔ほど長くない事に気が付いた。
その理由も、もう一人のブリュンスタッドの存在も。
 
「アルトルージュ…、貴方ならわたしをわかってくれる?」
「貴方ならわたしとずっと一緒に居てくれる?」
 
それは素敵な事のように思えた。
アルトルージュも喜んでくれると思った。
だから千年城を復活させた、アルトルージュを招く為に、守る為に、共に在る為に。
 
廃城が息を吹き返し、……風が流れ出す。
>20
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
「……今、なんて言ったの?」
 
 部下の死徒からの報告に私は間の抜けた声で聞き返した。
 
『はっ、ですから<千年城>が復活を……』
 
「……分かったわ。下がりなさい、少し、私なりに考えることがあるから」
 
 部下を退室させ、目を閉じて考える。
 
 
 ――千年城
 
 今は滅びた真祖の城たちの拠点。
 今、アレを作れるのは私とアルクェイドと朱い月のブリュンスタッド。
 でも、アルクェイドはそんなことをするような奴じゃない。
 第一、千年城を具現化する理由がない。
 今更、滅びた真祖の城を作り出して如何なる意味があるのか。
 
 
 となると……
 
「朱い月か……」
 
 1人そうごちる。
 
 旧世界への回帰を願う朱い月。
 アレしかいない。
 
 一度、滅ぼされた癖に又、亡者が現世に戻ってきたか。
 ならば、引導を渡すのは私とプライミッツマーダ―の役目だろう。
 私にはそれをする役割と義務がある。
 
「――本当なら、リィゾとフィナを連れて行きたいけど、無理ね。あそこは私とアルクェイドしか入れないし……」
 
 本当に面倒で頭が痛い。
 
「まあ、仕方ないわね。行くわよ、プライミッツマーダ―」
 
 私は玉座から立ち上がり、プライミッツマーダ―とともに部屋を出た。
>21
「もう2度と来ることはないと思ったけど……」
 
 轟然と聳え立つ千年城の城門を前にそう呟く。
 何しろ、此処は私自身が欠陥品の烙印を押されてかつて追放を喰らった場所だ。
 個人的な感情から言っても、近づきたくもない。
 こうするだけで忌々しい記憶が蘇ってくる。
 
 
 私が城門に近づくと勝手に城門が開き始めた。
 
「――私が来るのもお見通しって訳ね。いいでしょう、すぐに終わらせて、こんな城、消し去ってやるわ」



 千年城の中はひたすらに空気が重い。
 
 ――ボロボロに傷んだ城壁
 
 ――誰も決して通ることない回廊
  
 作り手の心を露骨に反映しているかのようだ。
 旧世界への回帰を願う朱い月の心象風景はこういうものなのだろうか?
 
 大廊下を通り抜け、城の中庭にたどり着く。
 
 ――荒廃し果てた庭園に『彼女』はいた。

「――朱い月? ……いや、アルクェイド……か」
 
 庭園の中央でアルクェイドはただ何をすることもなく、真円の月を眺めていた。
 アルクェイドは私の方に向き直る。 
 
 
 ――私の妹、白の吸血姫、アルクェイド・ブリュンスタッド
 
 ――私、黒の吸血姫、アルトルージュ・ブリュンスタッド
 

 私達姉妹は数百年の時を経て、今、再び、誕生の地、千年城で対峙することになった。
>22
 
 ――空には真円の月
 
 ――そして、月が見下ろすのは白と黒の吸血姫
 


           ―― Blue Blue Glass Moon ――
   
          ――― Under The Crimson Air ―――
 
 
 
 一陣の風が千年城の中庭は吹きぬけた。
 
 それが合図となって、私の方から静寂を破った。
 
「アルクェイド、一体、どういうつもり、冗談にしては度が越しているわよ?」
 
 私はアルクェイドの真紅の瞳を見つめながら、そう問い掛けた。 
『ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise"

>18
「主、イエスはこんな事をおっしゃってるぜ。  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『汝の敵を愛せよ』ってさ」  
  
そんな事を思わず呟いてしまったくらいに、サイアクだぜ。    
  
余裕を持ってはぐらかす相手の動作に冷や汗が額をつぅーって  
流れていくのをリアルに覚える。    
アニメで言えば、ここで次回に引く、っていう感じのシーン。  
  
この女の手の配置。オレは見慣れてるから良く知ってる。  
コイツ、オレに天国行きの旅賃を寄付してくれるつもりかよ。  
オレなんかの年と比べたら、それこそおつりが来るほどの鉛弾で。  
  
多少、騒ぎになってもしかたねぇ。十字架も通じない程の西欧系の妖怪  
相手には次善の策で望むしかない・  
だからココは・・・。  
  
「もっと詳しい話をさせてよ。神様について・・・静かなところでさ」 
  
オレは必死で笑顔を2秒で作り上げ、アーケードの端、寺のある方角を 
指差すと同時!!  
オレは思いきり女の腕を引っ張ってやった。  
外見上、強引な宗教の勧誘。バランスを崩してバッグを落としたら 
しめたもの。相手だって確実に正体の掴めない奴を蜂の巣にするような 
リスクを犯す理由はないだろう。・・・・多分。  
25カミーラ ◆ICarmilA :02/04/29 00:56
>17 アセルス&カミーラVSフリッツ

床に横たわる男は自分だけの世界に没入してしまったようだ。彼のかたわれの
少女はアセルスの腕の中。すでに勝負はついた。カミーラは自分の身体から
急速に高揚感が失われて行くのを感じた。

戦いが終わったあとはいつもこうだ。召使いと快楽の限りを尽くしたときもそう
だが、その時よりも虚脱感はひどい。

床に醜く崩れ落ちたアセルスの寵姫の姿が、肩を落としたカミーラの目に映った。
その姿はもはやなんの感興も呼び起こさない。生きていたから、さきほどはあれ
ほど美しかったのだ。死んでしまえばただのゴミにすぎない。

そうだ。とカミーラは思った。帰ったら自分もオブジェ作りに挑戦してみよう。材料は
自分のねぐらにはいくらでもある。適当な材料を狩り出してもいいだろう。そこまで
考えを進めたとき、カミーラは唐突にあることに気付いた。


いや、材料ならもうあるではないか。


目の前に、アセルスの腕の中に。


アセルスに言って、腕の中の少女を部屋の片隅の頑丈な椅子に座らせる。アセ
ルスのキスと負傷のために朦朧としている少女は、二人の言いなりだった。手足は
寵姫の身体から生えていたチューブと針金で拘束した。

少女がうっすらと目を開けてカミーラを見た。紫色の瞳がカミーラを捉える。その
瞳に、カミーラは無造作にナイフを突き立てる。少女の口が絶叫の形に開いた。高い
トーンの叫びが部屋をみたす。

確かあのオブジェは、こんな風に目を潰されていたわね、とカミーラはつぶやく。
それとも、やはり刳り取った方がいいかしら。

カミーラは、ナイフに力をこめたあと、少女の眼窩から引き抜く。ナイフを持った手を
振ると、視神経ごとえぐり出された眼球が、床に落ち、粘ついた音を立てた。二つに
切り裂かれた紫の瞳が男を見つめる。

虚ろな眼窩から流れ出した血をカミーラは舐めとった。ひどく甘い。一つになった紫
色の瞳が殺意と脅えとともに自分を見ていることをカミーラは感じる。

次に服を切り裂いてみた。汚れを知らない白い肌と、切り裂かれた黒い服とのコン
トラストが美しい。赤い刻み目を入れてみたらどうだろう、とカミーラは考え、鎖骨
の間にナイフで横に線を引いてみる。

もう2cm長い方がよかっただろうか。脂汗の浮いた肌にカミーラは刻み目を入れ続ける。
少女が身をよじるため、まっすぐに線を入れるのは容易ではない。流れ出した血液が、
白い肌を赤く染める。

そうだ。あのオブジェは顔を青く染め上げられていた。カミーラは流れ出した血を
手に取ると、その手を使って苦痛に喘ぐ少女の滑らかな顔に血を塗りたくり、赤く染め
上げる。

大分よくなってきた。でも、まだ何かが足りない。


いや、足りないのではなく手足が余分なのだろうか。

ナイフで切り落とすのは少し面倒かもしれない。
>23
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
 
「貴方を待っていたの、こうすれば必ず来てくれると思ったわ…」
 
目の前に、待ち望んだ相手がいる。
傍らに控えるのは、プライミッツマーダ―と呼ばれる最強の魔獣、わたしを滅ぼしうる存在だ。
だけど、ここは『千年城』だ恐れる必要は無い。
わたしが恐れるのは拒絶だけだ……。
 
「ここは真祖の城よ、貴方にここに居て欲しいの…いっしょに居て欲しいの」
 
アルトルージュは望んで去った訳ではない筈だから…。
きっと帰ってきてくれる、一緒に居てくれる…。
27カミーラ ◆ICarmilA :02/04/29 01:26
>24 『ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise"

強引に腕を引っ張られた。

そんな動きに出るとは思っていなかったので、反応が一瞬遅れた。引き金に
おいた指を外しそうになる。

「あ、ちょっと」

引っ張られて流れた体勢を強引に立て直す。そろそろ周りの注目を集めてし
まいそうだ。

「お寺、というのはちょっと困りますわね。あそこは夜になるとほとんど人もい
ませんし。どうでしょう、そこの喫茶店では」

カミーラは、ガラス張りの明るい照明で照らし出された喫茶店を左手で指差した。
その店は、アメリカ資本のチェーン店で、店先には星の意匠で飾られた女性を
描いた看板が出ている。時間が時間なのか、客の入りはとても良かった。
28蘭麻みほ:02/04/29 01:34
妖女狩り異聞
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1019314499/506より

みほが向かったのは自宅ではなく、箱根の秘密の別荘でもなく、
大井埠頭のとある町だった。
その町は一見すればありふれた普通の町に見えただろう。
だが住人の目はうつろににごり、八百屋の店先の商品には
びっしりとハエがたかっている。
 
ここは死者の町だった。
この世が死者のものになるまで死者はここに住まう。
 
その町のある建物にみほはいた。
目の前では人質の少女が死者達に数人がかりで犯されている。
だがその光景に、みほが心を動かされることは無い。
死者にとっては全てがまやかしなのだ。
情欲に昂ぶることも無ければ絵画を見て美しいと思うことも無い。
それでもこんなことをするのは、生きている者への嫉妬ゆえだろう。
 
だからいっそ、全て死に絶えればいい。
その願いをかなえるために、みほは生まれた。
そして今はその力がみほにはある。
 
ふと、みほは顔を上げた。
明かに力を持つ者がふたり、近づいてくる。
おそらくは念法使いと「監視者」だろう。
迎えを出すまでもなくやって来たというわけだ。
 
歓迎の準備をするためにみほは立ちあがった。
人質の少女を連れて向かう先はこの町の中央の広場。
その全身からはすさまじい妖気が吹きあがっていた。
29アセルス ◆AseLLUSs :02/04/29 01:39
>17>25 アセルス&カミーラVSフリッツ
 
椅子に縛り付けたモーラに、カミーラは次々と手を加えていく。
顔を自らの血で染め上げられたモーラは、ゾクゾクするほどに美しい。
・・・が、しばらくしてカミーラは思案顔を見せ始めた。
 
どうしたのか、と私はカミーラのしぐさを眺め・・・私は彼女が何をしたいのか悟った。
「・・・ああ、そうか。なるほどね」
呟きながら私は、名刀・月下美人を引き抜く。
「そういう作業なら任せてよ、カミーラ。
 ・・・と、その前に」
 
私は剣を持ったまま、哄笑を続けるフリッツに近づいた。
 
「困るな・・・観客が居眠りしてちゃ」
そう言って・・・被弾した彼の右肩に柄を強く押し当てる。
「この程度でアッチに逃げてもらっては困るんだよ、人間」
手のひらを剣で突き刺す。
「お前は私の城でいっぱい愉しんだんだろう?」
腹に深く剣を突き入れ、出血しないように憑依能力の火炎で傷を焼く。
「今度は・・・私の番なのだからな!」
胸ぐらをつかみ上げ、モーラの前へと投げ捨てる。
「・・・一切目をそらすな。お前にそんな権利はない」
 
そして改めて、モーラのところへ。
 
「ふふ・・・痛い? 痛いよね苦しいよね?」
彼女の手を優しく取りながら、囁く。
「綺麗な手・・・でもこの手で、私の寵姫を殺したんだよね?」
一本一本、彼女の指をへし折る。手首をへし折る。腕を折り、肘を反対に曲げ、腕全体を巻いてみたりする。
「いま君が感じてる苦痛なんて、彼女達に比べたら些細なものだよ。
 ・・・じゃ、仕上げ」
 
そう言って巻いていた腕を引き伸ばし・・・私は月下美人を閃かせた。
 
 
数瞬後には、彼女の腕と足が胴体から斬り落とされ、床に転がっていた。
私は斬った痕をやはり無駄に出血し過ぎないように火炎で焼きながら腕を拾い上げ、
滴る血を舐めた。
 
「ふふ・・・おいしい」
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
>26
 
『ここは真祖の城よ、貴方にここに居て欲しいの…いっしょに居て欲しいの』
 
 アルクェイドの口から漏れたのは、私の全く予想しない言葉だった。
 一瞬、私の思考が空白になる。
 殺し合いなら、致命的な『間』だ。
 
 だけど、アルクェイドはただ呆然と立ち尽くす私に何もしてこなかった。
 そして、それがアルクェイドの言葉の真摯さを裏付けていた。
 
「――アルクェイド、あなた……」
 
 壊れたのね。
 もう、どうしようもないくらいに……
 
 
 極東の地で『混沌』と『蛇』が滅び、その時にアルクェイドを根底からひっくり返す出来事があった。
 確か、直死の魔眼の持ち主との邂逅だっただろうか?
 伝聞での話なので詳しいことは私には分かりかねるが……
 
 
 ……もちろん、私の返事は決まっている。
 たとえ、アルクェイドが心の底からそれを願ったとしても、私にはそれを受け入れる事が出来ない。
 だから、私の口から紡がれた言葉はこれだった。
 
「……笑えない冗談ね。私とあなたは互いにその存在を否定しあうべきはずでしょう? 興味がそがれたわ。
 『最高傑作』のあなたがそういうことを言うなんて。私は茶番に付き合う気は毛頭ないわ。
 『オトモダチ』が欲しいなら、そこらの集落から適当に人でさらって、魅了してしまいなさい。
 ……話はそれだけよね? ならば、私はもう此処にいる理由ないわね」
 
 私はアルクェイドに踵を返して、中庭から立ち去ろうとした……
31フリッツ ◆FRItz.JA :02/04/29 02:06
>25 >29 アセルス&カミーラVSフリッツ
 
最初に空が在った。
 
澄んだそれはやがて淀み分かたれ天と地に。
淀みきり重くなった空の素は終わりを知らず。
地となったのちもどこまでも沈み続けた。
 
そして。
人が生まれた。
 
淀みに淀んだ人。
安定する事を知らずどこまでも流れ続ける。
 
時に血を。
時に骸を。
 
屍血山河。死尸燦々と。
 
そして、人の身が更に分かたれ鬼が生まれる。
 
 
ありとあらゆる悦楽を享受しながらも鬼は嘯く。
欲しい、と。
 
その鬼を生み出したのは人。
それを滅ぼしたのもやはり人である。
 
全てを欲した鬼はついに死をも得る事になる。
 
時は移ろい。
 
 
 
 
 
――――――ここにも、鬼が一人。
『ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise"  
  
>27  
・・・意地でも人だかりに居座るつもりか。  
要するに。自分はどうとでも動ける、オレはそうはいかない、って事を 
よーくわかってるんだろう。  
  
  
決して華美ではない落ち着いた内装の店内は人で溢れていた。 
席にかけたオレ達に近づいてきたウェイトレスの応対は当然相手に  
任せ、注文が終わった後、オレは女に唐突に尋ねた。  
  
「人、襲うのってやめられないのか」  
  
何も、妖怪である事が人にとって害悪だっていうのは間違いだ。  
この女も、食事の為にやむを得ない所だってあるかもしれない。  
だから。  
  
「何か、できることがあったらさ、協力するよ・・・だから、なるべく 
人を襲うのをやめてもらえないか?」  
 
極度の緊張感で口が渇いていく。  
オレは誠実になる事にした。オレなんかが嘘ついて立ち回ってどうにか 
できる相手じゃないって分かったから。自分が悪玉の妖怪を滅ぼす 
妖怪の組織の一員で、ここに来たのはバカンス。貴女を見かけたのは偶然 
で・・・って、全部話した。  
これで、ダメなら、自分へのケジメもつく。  
  
  
言いたい事を全部言った時。 
テーブル上の2つのグラスは氷を残し、空となっていた。  
照れ隠しにカラカラとグラスを2つ鳴らしてみる。  
  
「そんなこんなだけど・・・ダメか?」  
乾いた笑いとともに、オレが話した、ちょっとマヌケな最後通牒。
33フリッツ ◆FRItz.JA :02/04/29 02:29
>25 >29 >31 アセルス&カミーラVSフリッツ
 
遠くで獣の吼える声が聞こえる。
鳴いている。いや、泣いているのか。
俺が、だ。
 
とにかく重い。この身が重い。
焼けるように熱い。吐きそうなほどに虚ろ。
 
奴がモーラを抱いた時点で大体想像がついた。
奴らの手口は良く知っている。
 
モーラ。人に呪われた子。死ねない夜の子。
その小さな身はどのように悶えるか苦しむか悦ぶか。
俺は知らない。
その手足がどのように死を形作るのか彩るのか血を流すのか。
知らない。
その口がどのように泣くか吼えるか嗤うのか。
俺は、知らない。何も知らない。
 
そうだ。――――――笑わない。
 
そこに在るのは誰か。  相棒?
そこに在るのは誰か。  妹?
そこに在るのは何者か。.・・・・・。
 
虚ろな意識、人形の様に叩きつけられる俺。
目の前にあるのは地獄の門扉。黄泉の閂。
 
拙いな、と思う。 何が?
情けない?   .何が?
聞こえない。   .何も。
 
正常な感覚などとうに失った俺の体。
だがそれはじわじわと俺の体を蹂躙する。
 
何も無い。失うモノは俺には何も無い。
 
もう、止めよう。
 
 
―――――――――――――――――――なあ、モーラ。
34美夕 ◆MIYU.g96 :02/04/29 02:33
妖女狩り異聞〜死者の街へ

>28

みほの妖気を追って空間転移を繰り返していた美夕は、大井埠頭にたどり着いていた。
美夕とその背後に付き従う黒衣の従者は、平凡な街並みを行きかう人々を焼き払い、斬り裂きつつ
みほの居場所へと向かっていた。
彼らはもう死んでいる。この街は死者が現世に築いた橋頭堡。
だから、美夕は彼らを殺す、いや、あるべき姿に帰しているのだ。
・・・しかし、案の定ラヴァの動きは鈍い。相手がただの雑魚の死人だからいいようなものの、普段
の彼の技の切れ味とは程遠い戦いぶりに、美夕は密かに眉をしかめる。

『念法・・・か』

と、向こうに清冽な、そして強い『気』の気配が。

「・・・やっぱり来たか・・・くす」
35ウピエル ◆Upielb0Y :02/04/29 02:38
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
ジャッジ・ファイアvsウピエル
前スレ>507 前スレレス番まとめは>509
 
 
俺の放った弾丸は命中こそした物の、どうやらこの程度の掃射では効き目はないらしい。
炎の中からヤツの呼びかけが聞こえる。何者かと尋ねる誰何の声。
嘲るような口調で、芝居がかった抑揚をつけて答える。
 
「俺は・・・魂魄無き虚ろの器。カインの末裔。墓無き亡者。生ける屍。血を求め夜歩く者。
 俺の名はウピエルだ。ジグムンド・ウピエル。本物の吸血鬼の恐ろしさを知らないでかかって来たならその無知を、
 知っててかかって来るなら無謀さを嗤ってやろう!!さぁ、自己紹介の時間は終わりだ!!
 Let's Begin The Killing Time Baby!!派手に殺し合おうぜ死体野郎(モルグピープル)!!」
 
台詞の終る瞬間、当に瞬きをする程の間に炎の向こうへと身を躍らせる。
同時に、三点射(バーストファイア)で二度、銃爪を引く。
ロクに狙いを定めずに撃ったかのように思える6発の弾丸は、
しかし正確にそれぞれ2発ずつジャッジ・ファイアの頭部、心臓部、頚椎へと飛来する!
36カミーラ ◆ICarmilA :02/04/29 02:49
>27, >32 『ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise"  
  
彼女は気付いているだろうか。自分が完全に相手のペースに乗せられて
いることに。たぶん気付いてはいないのだろう、と自分の正体を明かす少
女の姿を眺めながらカミーラは考える。

このわたしに、人を襲うのをやめてくれと頼むというのは、どういう了見から
なのだろう。それが、人間に空気を吸うのをやめろと言っているのと同じこと
だということに、彼女は気付いているのだろうか。

正義感に裏打ちされた愚かさ、ああ、なんと素晴らしいのだろう。それに、
おそらく彼女は本気で協力を申し出ている。

協力。貴族の誇りを持つ者が、手を差し伸べられてどれほど屈辱を感じる
かを彼女は知らないのだろう。獲物を自らの手で狩ることが、彼女の誇りの
源であるのに。

ちょっとした教訓を与えてやろうか、とカミーラは思う。そして、言葉を紡ぎ出す。

「これはあくまで仮の話として聞くのですけど、わたしがその吸血鬼とかいう
ものだったとして、今日わたしが襲うはずだった者の代わりにあなたが犠牲者
になってくださるのかしら?」
37フリッツ ◆FRItz.JA :02/04/29 02:51
>25 >29 >31 >33  アセルス&カミーラVSフリッツ
―――――――――――――――――――なあ、モーラ。
 

『逃げてもらっては困る』――――――――俺が?まさか。
『愉しんだだろう?』――――――――――これからだろ?
『わたしの番なのだからな!』――――――ルール。
『お前にそんな権利は無い』 ――――――だから、ルールだ。
 
根本的な何かが違っている。
何が?
そう。
ルールだ。テメェら化物と俺の約束。
ルールを踏み外したのは、テメェらだ。
 
 「く・・・・・く・・・はははははははははははははははははははは
  ははははははははははははははははははははははははは
  ははははははははははははははははははははははははは
  ははははははははははははははははははははははははは!」
 
ゴロゴロ・・・・・・・・
 
俺の足元まで転がってきたのはモーラの首。
 
 「すぐ終わるよ。モーラ。待っててくれ」
 
優しく抱き上げ、額に接吻する。彼女の涙は枯れていた。
その場に在る者のうち誰が気がついたことだろう?
彼の最愛の妹モーラの首を一閃したのは誰でもない。
彼フリッツの銃撃による物だった。誰が予想しえるか。
 
そのまま彼女の、モーラの身体へ銃撃を加え続ける。
弾層が空になると、そのままボウガンを発射した。
椅子ごと燃え崩れるモーラの体。
美しい不可視の焔は全てを焼く尽くすかに見えた。
 
モーラの命。
守り抜くと決めたモノ。
それは赤く燃えている。
 
今の彼には何も無い。義憤も怨瑳も迸る様な気迫も。
 
優しい笑み。しかしただ剣呑とその目に宿る光だけが、
痛烈な鬼気を周りの全てに感じさせていた。
 
 「来い」 一言。
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
>30
 
「えっ……、なぜ!?」
 
予想外の言葉だった、受け入れてくれると信じていたから。
予想通りの言葉だった、アルトルージュの言葉は真実だから。
 
『真祖』と『死徒』、『白』と『黒』、『最高傑作』と『失敗作』。
 
どれも、相反する物ばかり。
 
それでもアルトルージュはブリュンスタッドだ、わたしと同じ場所に立てる存在だ、
もう他に存在しないたった一人の同族だから…。
 
「まって、話を聞いて!」
 
わたしは死徒を、下僕を、欲してる訳じゃない。
わたしが欲しいのは対等の存在、当たり前の様に笑いかけて、当たり前の様に喧嘩をする…そんな相手。
 
……ただそれだけ。
 
去っていく、アルトルージュを後ろから抱き止めて振り向かせようする。
 
「わたしは貴方を下僕にしたい訳じゃない、だた一緒に居てくれればいいの」
 
アルトルージュの言葉が拒絶だとは思わない、誤解を解けば…話を聞いてもらえれば、
きっと解ってくれる。
 
「髪のことなら別に怒ってないわ、力が欲しいなら分けてあげる」
 
自分でも何を言っているのか解らない、けど何かを言わないとまた独りになってしまうから、
たとえ不様だと思われてもかまわない、だけど……独りは嫌だから。
失う事は辛すぎるから、だから……。
 
「だから、わたしと一緒にいましょう、永遠に」
 
―― だから、この身と共に在れ、永遠に ――
39十六夜京也 ◆ASyuRaC6 :02/04/29 03:04
妖女狩り異聞
 
>28>34
 
「影矢」に導かれ、京也は大井埠頭にたどり着いた。
息がかなり荒い。
体力よりも、「影矢」を作り出す為に念を大きく消耗したのだ。
 
息を整え、周囲を見渡す。
この街が尋常のもので無い事はとっくに気付いていた。
<魔界都市>にもこれだけの場所は少ない。
 
向こうもこちらに気付いているだろうが、
雑魚との戦闘はできるだけ避けたい。
 
辺りに気を配りつつも、妖気の中心へ向かう。
人質もそこに居るはずだ。
 
(<新宿>以来だな。こんなに緊張するのは)
 
闘いが怖いわけではない。
その緊張は、自分以外の命が掛かっているからだった。
 
十六夜京也はそういう青年なのだ。
40ジャッジ・デス:02/04/29 03:16
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ

ジャッジ・ファイアvsウピエル
>35

放たれた銃弾はジャッジ・ファイアの額を貫き、心臓を撃ち抜き、頚椎をもぎとった。
「ウゥゥピィィィエルとか言ィッたかァァァ、そんな豆鉄砲がァァァ効ィィくわきゃねえェェェだろッ!
 俺様の躯をォ壊したきゃァァァ、対戦車砲でも持ォォッてくるこォッたなァァァ!」
人間はもちろん、吸血鬼にとっても致命傷となるはずの傷を負わされているにもかかわらず、
ジャッジ・ファイアの笑いは止まらなかった。
「滅びなァァァ、裁きに刃向かァァァう糞吸ゥゥ血鬼ィィィ!」
そう叫ぶと同時に、稲妻のような素早さでウピエルに飛びかかった。
ファイア自身と同様に燃えあがる三又の槍の狙いは、ウピエルの心臓だ。
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
>30
 今、まさに立ち去ろうとする私は背後から駆け寄ってきたアルクェイドが抱きすくめられた。
 
『わたしは貴方を下僕にしたい訳じゃない、だた一緒に居てくれればいいの』
 
 ――何を言っているの?
 
 ――あなたはそれでも、ブリュンスタッドなの?
 
『髪のことなら別に怒ってないわ、力が欲しいなら分けてあげる』

 ――力なんていらない
 
 ――私はもう十分に力を手に入れた

『だから、わたしと一緒にいましょう、永遠に』
 ―― だから、この身と共に在れ、永遠に ――
 
 
 ――ドクン
 
 ……この囁きを聞いた瞬間に私の中で『何か』が疼いた。
 私の理性がその『何か』をとてつもなく『不味い』モノだと告げている。
 
 咄嗟にプライミッツマーダ―に目配せして合図。
 
『ガァァァ――!』
 
 プライミッツマーダ―は雄たけびと共にアルクェイドに突進。
 直後、鈍い衝撃……
 アルクェイドは私から引き剥がされる形でプライミッツマーダ―の突進によって吹き飛ばされ、
 そのまま派手に壁に激突した。
 
 そして、私の中から湧き上がるの例え様のない嫌悪感。
 私はそれを振り払う為に、ただ瓦礫に埋もれたアルクェイドに言葉の暴力を浴びせる。
 
「いい加減にしなさい。あなた、それでも『最高傑作』なの? 人間にやられて完全に壊れたみたいね」
 
 私の言葉の矢は止まらない。
 
「はっきり言って、不愉快よ。今のあなたはそこらの子供以下ね! 真祖の姫? 名折れもいい所だわ!」
 
 もう、感情の赴くままに私は言葉を投げかける。
 
「800年前、自分の手で同族を皆殺しにしといて今更、寂しい? 寝言は寝て言ってほしいわね!」
 
 そして、完全な決別の言葉を放つ。
 
「私とあなたは絶対に分かり合えないわ!2度と私、アルトルージュ・ブリュンスタッドに干渉しないで! 鬱陶しいだけよ!!!」
 
 ――再び、場を静寂が支配した。 
42カミーラ ◆ICarmilA :02/04/29 03:22
>25 >29 >31 >33 >37 アセルス&カミーラVSフリッツ

アセルスの剣が一閃するたびに、少女の細い手足が切り離されていく。

止血はされているものの、血を失って紙色になった彼女の唇からは
大きく息を吐く音が聞こえて来るだけだった。強靭なダンピールとは
いえ、もう長くはないだろう。

突然、彼女の首が宙を舞った。男が立ち上がり銃を乱射している。首を
吹き飛ばした銃弾が、そのまま彼女の身体に撃ち込まれて行く。

「モーラ、モーラ」と叫ぶ自分に、男は果たして気付いているのだろうか。

首を失い、その前に四肢を失っていた少女の身体は、いまや弾けた肉と
はみ出した臓物に彩られた醜い肉塊に成り果てていた。

男の放ったボウガンが、彼女だった肉塊を燃え上がらせた。

少女の首の、光を失った紫の瞳がこちらを見ている。その表情は苦痛から
の解放を喜んでいるようにも、何かに対して怒っているようにも見えた。

あれが欲しい、とカミーラは思った。手にしたMP9を構えると、一弾倉分
を男に叩き込む。
43蘭麻みほ:02/04/29 03:31
妖女狩り異聞
>34>39
 
広場の中央にみほは立っていた。
腕の中に人質の少女を抱いている。
その衣服は所々破れ陵辱の後が明らかで立っているのもやっとという様子だ。
みほの目が広場の中に入ってくる人影を捉えた。
十六夜京也である。
死者達を残らず狩っている美夕と違い、一直線にここまで来たので
早く着いたようだ。
 
「その娘を放しやがれ!」
 
開口一番に京也は言った。
だがその顔には疲労の色が濃い。
ここにくるまでに相当念を消費したのだろう。
テレビ局で対峙した時ほどの驚異は感じない。
 
だが相手は念法使い、念には念を入れておくべきだろう。
みほはにやりと笑うと少女を放し、京也にむかってその背中をおした。
『ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise"  
>36  
『これはあくまで仮の話として聞くのですけど、わたしがその吸血鬼とかいう
ものだったとして、今日わたしが襲うはずだった者の代わりにあなたが犠牲者
になってくださるのかしら?』  
  
・・・はん。  
オレはトレッキングシューズの踵を鳴らしてその言葉を鼻で笑った。  
  
「オレはさ・・・・・・・ブロングスで生まれて。育って。  
いろんなヤツを見てきたさ。みんな、本気でバカで。オレも、だけどさ」  
  
相手の目をきっと見据えてやる。  
  
「正しい事って、結局、最低限、自分を守る事だって。自分の目の前の 
人を信じて救う事しかないんだって」  
  
・・・そういう意味じゃ、オレもこの女も多分、変わらないんだろうな。 
  
「だから。正義とか、悪とか。そんな事を無視した上で。オレは・・・  
お前を、倒す。いい加減にバックれるのは止めやがれ!!」  
  
テーブルの下で。オレの左手は至近距離でしか役に立ちそうもない  
極小型の銃を握っていた。靴の裏に仕込んでおいたヤツ。  
  
「これは私闘。偽善だって分かってるさ・・・神様御赦しください」  
  
オレは首にかけた十字架を右手で放り投げた。  
夕焼けのような色彩の証明に照らされて朱に染まった銀のクロスは、  
弧を描いて誰かの甘いカフェラッテへと落下した。  
  
オレの向かいのヤツはどうでるのか?  
今のオレの神経はそこ一点に集中している。
45カミーラ ◆ICarmilA :02/04/29 03:57
>36, >44

『ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise"  
  
「確かにあなたのおっしゃることは正しいのでしょうけれど、わたしが
間違っているわけではないことも、」

カミーラは相手の左手の動きに気付いた。小さく溜め息をつく。

「理解はされているのでしょう。その上でどうしても戦う、と」

カミーラはバッグの中のMP9の安全装置を外した。

「いま、ここで。あなたの周りで恋人や友人や家族と楽しい時間を
過ごしている人のうち何人かは、永遠にこの世にお別れすることに
なりますわよ。それでも、いい、と?」

引き金に指をかける。

「それから、切り札は確かに最後まで伏せておくものですけれど、
そんな.22口径の豆鉄砲ではわたしを殺すことも、行動不能にすることも
できませんわ」

カミーラは小さくと息を吐いた。

「こういうのはいかがかしら。あなたは何も見なかった。わたしも
何も知らない。ここを出て、違う方向に別れて歩く。ここで死ぬ何十人もの
人の代わりに、どこの誰かわからない女の人が一人行方不明に
なるだけ。悪い取り引きではないでしょう?」



46アセルス ◆AseLLUSs :02/04/29 04:07
>31>33>37>42 アセルス&カミーラVSフリッツ
 
「・・・は?」
一瞬、思考が停止した。
まだまだ愉しませてもらうつもりだったモーラの首を、あのフリッツが撃ち落とした。
 
奴はその首を抱えながら、ただひたすらに残った彼女の体に銃弾を叩き込む。
そしてボウガンを撃ち込み、火をつけた。
 
「・・・は、ははっ」
私は舐め啜っていた彼女の腕を落とし、静かに微笑むフリッツを見据えた。
 
「―――自分じゃ助けられないから、首だけでも自分のものにするか。なるほどな」
 
口では冷酷そうにしながら、私の中である種の感情が沸き起こってくる。
 
「さぞかし満足なのだろうな、お前は。あとは心中でも図るか?
 ・・・だがな」
 
フリッツに向き直り、剣を構えなおす。
刹那―――カミーラが銃弾を叩き込み、同時に私はフリッツに肉薄、
彼の心臓を串刺しにしていた。
そして・・・
 
「・・・これは私のものだ。返してもらう」
その手からモーラの首をもぎ取る。
 
 
そう、私の中に芽生えていたその感情とは。
 
 
―――独占欲、だった。 
47フリッツ ◆FRItz.JA :02/04/29 04:51
>42 >46 アセルス&カミーラVSフリッツ
 
それは不敵な笑みを浮かべていた。
 
全身に数十発の銃弾を喰らいながら。
でなくとも、既に死んでいるはずだった。
 
銃創からのおびただしい出血。
既に動く事すらかなわない致命的な数々の損傷。
 
だが、まだ笑う。
 
『蒼』の化物が語りかける。
 
    助      自      満      心   返
    け      分      足      中    し
    ら      の      ?      ?    て
    れ      も                   も
    な      の                   ら
    い      ?                   う
    ?                          ?
 
――――――――笑わせてくれやがる。
生まれてからいままで、これほどまで愉快なのは初めてだ。
 
蒼い風が疾る。俺の胸を裂いたのは蒼い化物の剣。
 
細い手がモーラを連れてゆく。ああ、モーラ。
俺は笑った。モーラはここにいる。今更そんな虚ろの器に執着するのか?
くだらねぇ。化物も人間も変わらねえな。・・・・・・ヘヘ
 
モーラはここにいる。
何故気がつかなかったんだ?俺と一緒だったんだ。モーラ!
 
倒れる勢いを利用し、そしてそれを殺し。
急に肉迫するとは思わなかったであろう、『蒼』の間合いに詰め寄る。
 
その朱唇に口付けを。血の糸が二人を結ぶ。陵辱ほどに深い屈辱。
 
ニヤリ、と俺は嗤う。地に臥せる。
だが、最後の詰めは怠らない。掌の中のピンを、最後の力で俺は弾いた。
 
玩具を取られた子供のように頑なに奴が離さないモーラの頭。
その口に押し込まれた炸薬が爆散し、俺は『蒼』もろとも爆発の中に消えた。
 
最期まで、俺は笑う事を止めなかった。
ミア&キャロライン&レフィオ&日下美和vsフラック
>前スレ93

「何様のつもりよ!?」

ピエロ野郎(確かフラックとか名乗ってたっけ)の逃げって行った先に向かい、
私は言葉を叩き付けた。
アイツが吐いた毒ガスの残滓は、私には何の影響も与えていない。
悔しいけど・・・・・・私は目の前の犠牲者と同じ、生ける死体だから。

だけど――――――――何でこの人たちは平気なんだろ?

改めて一緒にいるメンバーを見回してみる。
ゴスロリ、シスター、セーラー服、皆顔をしかめてる程度だ。
そうは見えないけど・・・もしかして慣れてるのかな?
しかし・・・・

「コスプレ会場?」

みんな凄い格好だ。

―――――――――私、格好まともだよね?
ミア&キャロライン&レフィオ&日下美和vsフラック
>前スレ93

「殺しは私が引き受けます。そう言いたい所ですけど・・・」

少女たちは皆、既に目の前の死者たちの方に向かっている。
奇妙な銃を撃ち、剣を振り下ろし、扇子を使って寸断す・・・・・・る?

「ああ、アズマさんの関係者?」

近付いて来る敵を蹴り飛ばし、黒い服を纏った少女に話し掛ける。
以前、生命を冒涜する研究が行われていた場所でであった、自称サラリーマン、
彼とまったく同じ戦闘スタイルをしている。

「こんな小さな女の子にまで・・・あの方は、一体何を考えているんでしょう?」

頭を抱えながら、死者たちを排除。先へと進む。
粉砕した残骸に、小さく十字を切っておいて。
vs???

死者達の相手は結構疲れる。
適当に銃弾ばら撒いてりゃ倒せるけど・・・
無駄弾は極力撃ちたくないしなぁ・・・

「っと!?」

視界の隅で何かが動いた。
この街に、既に生きてる人はいないはず。

「つまり敵って事ね!」

私は反射的に飛び掛り、合掌した形で組んだ両腕をソイツ目掛けて振り下ろした。
51エリ ◆Eri.06RI :02/04/29 12:42
>50
VS???
 
まったく面倒だ。
ゾンビを叩きのめしつつ、撃ち殺しつつ、あたしは歩いていた。
 
「こういうのはPF隊の仕事でしょうが!」
 
ブツクサ言いながらヘビーマシンガンのマガジンを交換する。
 
「ん、今何か・・・」
 
気づいた時に突然の攻撃。
 
「うわっと!!」
 
咄嗟に銃身を盾にして一撃を受け止めた。
 
「チッ! こんな俊敏な動きの奴がいるとはね!!」
 
銃身を払ってバックステップ。 距離をとった。
>51 vsエリ

武器を使うだけじゃなく、話も出来て表面上は腐ってるようにも見えない・・・。

「もしかして、親玉か!?」

いきなりドドンと大ピンチ?
・・・ちぃぃっ!

「とりあえず吹っ飛べアーミー女!」

相手のステップに合わせてこちらも跳んで、

腹部目掛けて鉄拳パンチ!
53レフィオ(M):02/04/29 12:57
ミア&キャロライン&レフィオ&日下美和vsフラック
>前スレ93

「イデタツを知ってるのか?」

どうやら修道女は少女の『保護者』と知り合いらしい。
まぁ、この状況には何の関係もも無い話だが。

「自分の身くらい、自分で守れないといけないしな」

階段を駆け上がりながら、少女は修道女に答えを返す。
二階、三階、四階・・・

「いないな・・・」

あまり広いとはいえないビルだが、たった一人の人物が
潜むには十分な程度の広さはある。

「さて、私たちは一体どうするべきなのだろう?」
54エリ ◆Eri.06RI :02/04/29 13:03
>52
VSミア
 
ステップで距離を取ろうしたのに、ご丁寧に詰めてきたよこいつ。
 
そして正拳突き!? 誰だよゾンビにこんな知能仕込んだ奴は!!
 
「くぅっ!!」
 
左手をベストの中に突っ込んで手斧を抜き、拳に合わせる。刃は向けてない。盾代わりだ。
・・・ぶち抜くよなぁ・・・多分。
 
あたしは腹筋に力を入れた。
55美夕 ◆MIYU.g96 :02/04/29 13:06
妖女狩り異聞

>39 >43

遠目にはただの商店街に見える『死者の町』は、あるべき形に還ろうとしていた。
通りを行く主婦の頭を黒衣と仮面の男の爪が切り落とし、八百屋の店先ごとその主人を炎が飲み込んで
いく。真っ二つに断ち割られて転がっているサラリーマン、その切り口からは一滴の血も流れていない。
凄絶な惨劇、しかしまったく流血がないことがその光景を逆に不気味に見せていた。

「死人の『人間ごっこ』もここまで来ると悪趣味ね」

美夕は唇の片方だけを吊り上げる笑みを浮かべると、薙ぎ払うように炎の帯を振るう。
巻き込まれた親子連れが、激しく燃え上がる。

「きりがないわ・・・ラヴァ!」

主の命に応えて、黒衣の騎士が群衆めがけて路傍の車を突き飛ばす。美夕の炎がその車を穿ち・・・
次の瞬間、大爆発を起こす。燃え広がる炎が、あたりの店に、家に燃え移っていく。

燃え盛る炎を背負いながら、美夕とラヴァの主従は街の中心を目指す。
>54 vsエリ

「斧?」

幸い刃は横に寝かされている。が・・・拳は急に止まれない!

Zunnn!

拳に確かな手応え。だが、まだ直接相手に当たった訳じゃない。
刃の上を拳が滑った。上手く力を流されたみたいだ。
私は拳を軌道修正、更に捻りを加えながら力を込めていく。

手斧の柄が、みしりと歪んだ。
57日下美和(M):02/04/29 13:19
ミア&キャロライン&レフィオ&日下美和vsフラック
>前スレ93

「簡単だ」

返り血ならぬ返りぐちょぐちょに塗れながらも平然とした表情で、
なぜかついて来ている女たちに説明を行う。

「罠のある先に奴がいる」

律儀答えを返しておき、さっさと階段を駆け上がる少女。

そして、最上階―――――

「ほら、こんな風にな」

にやけた顔で、道化師が笑う
58エリ ◆Eri.06RI :02/04/29 13:27
>56
VSミア
 
敵は金属部分を抜くのは無理と判断したのか軌道を変えて柄に当ててきた。
 
コイツ本当にゾンビか!? 頭良過ぎるぞ!!
 
「こなくそ!」
 
あたしは右手のヘビーマシンガンを手放し、腰の裏のトンファーを握った。
そして、
そのまま敵の側頭部にトンファーを走らせた!
>58 vsエリ

ガラン!

アーミー女の手にしたマシンガンが地面に転がった。
自分から武器を手放して何を・・・

「ッ!!!?」

ガツンと頭に衝撃が走る。
――――――倒れながら目にしたのは、トンファーを構えて油断無く
こっちを見つめる相手の姿。

「・・・負けて、たまるかぁぁぁっ!」

人間に戻るまで、私は立ち止まる訳には行かないんだ。
私は地面に右手をついて、逆立ち状態のまま跳び上がり、
相手の顎目掛けて蹴りを飛ばす。

「ロケット発射、てい!」

・・・ロケット云々は別に意味は無い。念のため
60エリ ◆Eri.06RI :02/04/29 13:47
>59
VSミア
 
全く予想外だった。 あの一撃を受けて反撃を仕掛けてくるなんて!
 
蹴りの軌道上に手斧とトンファーをクロスさせてガード!
>60 vsエリ

ぬぬぅ、ガードとはコシャクなぁぁっ!

「ならっ!」

手斧とトンファーが交差している部分に蹴り足を差し込んで引っ掛け、
上半身を倒しながら逆の脚で相手の胴を払う!

「い〜加減倒れろ、この進化型ゾンビ!」

それは私の事だって!?
・・・分かってるわよ、そんな事。
62エリ ◆Eri.06RI :02/04/29 14:08
>61
VSミア
 
「んぐぅ!?」
 
胴に強烈な一撃を食らい、あたしは軽く飛んだ。
だが、膝はつかない。 このぐらいで・・・ついてたまるか!
 
「いい加減ケリつけようかぁ!!」
 
あたしはE・アーマーを拳に装着した。
そして、突撃!
 
一撃必殺の拳で右ストレートを繰り出す!
 
>62 vsエリ

「くっ!?」

スパーク上げて唸る鉄拳。
あんなもの食らったら、ただじゃすまない。
けど―――――

避けられる間合いでもない!

―――――――瞬間。

世界が色を失った。

モノクロームの世界の中、アーミー女がコマ送りのスピードで拳を突き出してくる。
私は水中の中を泳いでる様にゆっくりとしか動かない自分の体にイラつきながら、
しゃがんだ状態で足払い、立ち上がってハイキック、更に背後に廻って腰を掴みジャーマンスープレックス。

音が、聞こえない――――――

64フラック ◆FlackiUE :02/04/29 14:37
>48>49>53>57  vs ミア&キャロライン&レフィオ&日下美和
 
”ふむ。足止めにもなりませぬか” 
 
 最上階――ワンフロアがまるごと空き部屋になっている、だだ広いコンクリートの檻。 
 その中央で、道化師は畏まるように体を曲げた。最高の演技者たちを出迎えるために――  
 
”いよいよ、これは私も奮わねばなりませぬか” 
 
 道化師の面は崩れない。 
 大きく裂けた口は笑いを保ち続け、光のない眼窩はその奥に四人の少女を映す。 
 手にした錫杖はしゃしゃんと澄んだ音を立て、硬質な壁に響いては消えた。 
 
”予定外の舞台とは言え・・・これほどまで楽しめたこと、感謝いたしますぞ” 
 
 言葉が終わりきらぬ内――――いや、喋りつつ、フラックは地を蹴った。 
 その子供に近い小さな体躯が繰り返し繰り返しの加速を経て、弾薬の様に疾る。 
 
 一瞬のうちに数メートルの距離が消えた。 
  
 だが接敵する瞬間、フラックは錫杖を地に突き立て反動で飛び上がる。 
 方向を変えた突進は一時、空へ。虚をつくように弧を描く、道化師の体。 
 今度は壁を打って、少女たちの足下へ体を滑り込ませた。 
 
”さあ、そろそろ幕だ。せいぜい、舞い踊ってくだされ!”  
   
 振り回される錫杖。 
 異様な角度から、間接を無視するように襲いかかる手刀。 
 そして――――フラックは冷気の束を吐き出さんと大きく息を吸った。 
65エリ ◆Eri.06RI :02/04/29 14:38
>63
VSミア
 
何が起きた・・・? なんであたしは倒れてるんだ・・・?
 
足を払われる感覚があって、頭に一撃をもらった感覚があって、後ろから腰をつかまれる感覚があって・・・。
 
そうか、投げられたのか。おそらくはジャーマンスープレックスで。
 
死んではいないみたいだけど、体が言うことを聞かない。
 
終わりかな・・・これは・・・。
66朝霞万里絵(M):02/04/29 16:01
>前スレ524 朝霞万里絵VS浅上藤乃 前スレ(ttp://cocoa.2ch.net/test/read.cgi?bbs=charaneta&key=1019982784)まとめは>525に
 
 夜の闇の向こう側で、藤乃が階段の方に歩いていくのを認めた。
 どうやら、向こうとしてもこのまま逃がすつもりはないらしい。
 いや、それでも万里絵なら逃げようと思えば逃げおおせるだろう。
 素人を出し抜く手段などいくらでもあるのだから。
 
 行動パターンが常識にとらわれないという点において、素人とは恐ろしく予測不可能な存在ではあるが。
 
(階段を下りてこちらに向かってるとしたら、むしろ打って出るのは好ましくないわね)
 
 さいわい、この辺りにはには身を隠すのに適した樹木が多数ある。
 此処で迎え撃つ方が安全に戦えるだろう。
 だが、ただ迎え撃つだけでは心許ない。
 何より、相手はサイキックなのだから。
 
(とは言っても、できる準備なんてたかが知れてるけどね)
 
 藤乃が此処に来るまで、そんなに時間はないだろう。
 その間に、できるだけの事はやっておかなければ。
 とりあえず、かなり伸び放題になっている下草を、適当に数カ所結んで足を引っかけるトラップを作った。
 更に、持ってきていたワイヤーを幾つか足首の高さに、木々の間を縫うように張り巡らせる。
 引っ掛かれば、怪我はしないまでも転倒するだろう。
 そして、それだけで取り押さえるチャンスはくるはずだ。
 
「こんなところかな」
 
 一通りトラップを張り終えて、万里絵は適当な木の陰に身を隠した。
 そろそろ、藤乃が来る頃だ。
 息を潜めて、向こうの動きを待つ。
67浅上藤乃:02/04/29 16:37
>66 朝霞万里絵VS浅上藤乃

外に出ると目の前には夜空が広がっていた。
夜の生ぬるい風が私の髪を撫でて行く。寮の前には草木が広がり、とても居心地の良い
自然が生きている。私もこの自然が好きで、いつも散歩に歩いては自然と戯れている。

だけど、今は違う。
不気味で、底知れない闇の空間。
昼の顔とは別の、夜の草木の顔がそこにはあった。

彼女が外に出ているのは分かっている。

けれど・・・正確な場所が掴めない。

私の能力は相手の場所を知り、そして目視できなければなんの意味も無い。
視る事ができなければ、殺す事も、凶げる事も叶わない。

私は、ゆっくりと歩いていく。
隠れると言ってもここは自然は豊かだけれどジャングルのような場所ではない。
彼女の居場所を特定するのはそう難しい事ではないのだ。
恐らく、彼女が隠れる事のできる場所はそこら辺にある木樹程度の隠れ場所しかない。
この場所は草は多いが木は数えるほどしかない場所。
だから、一つ一つめんどうだけれど確認しながら歩いていけば、彼女の隠れ場所に必ず辿り付く。

一つ目。   いない。

二つ目。   いない。

三つ目。   いない。

私は一つ一つ木を調べる。

いない。

いない。

いない。

少しイライラするけど、この時間が楽しい。
お祭りの前の夜。
クリスマスの夜。
誕生日の前日。

愉しい事を焦らされると、愉しい事はより愉しくなる。
自分を押さえる事により更に高い快感を得るのだ。

愉快になる。
    快感になる。
        悦楽になる。

そして、私は最後の1本の木に到達した。
68浅上藤乃:02/04/29 16:39
>67続き 霞万里絵VS浅上藤乃

「そこに・・・いるのですね?」

流石に姿こそ見えないものの、隠れ場所はこの程度の物しかない。
他に隠れ場所なんて考えられない。少なくとも私の思考の中では。
先入観でもなんでもない。これは私の確信だ。
この場所以外にどこにもない。

「隠れても無駄ですよ・・・」

その木へと歩き出す。

「私ね?あなたに会いたいんです」

ゆっくり。

「だって、私はあなたに会って顔を見なければ・・・」



       ―――貴女を殺す事ができないからっ!

私はできる限りの力でその木に向かって走り出す。

その瞬間。
空が回った。

空が回ったと言う表現はおかしい。正確に言うなら『私が』回ったのだ。
そして、回る空をスローモーションで、その現状が理解できないまま
私は思いっきり背中を地面に叩き付けられ、その場で動けなくなってしまった。
69朝霞万里絵(M):02/04/29 17:28
>67>68 朝霞万里絵VS浅上藤乃
 
(かかった!)
 
 藤乃が通り過ぎた木の枝の上から、心の中で快哉を叫んだ。
 罠を一通り仕掛け終わった後、適当な木に登って身を潜めていたのだ。
 眼下を通り過ぎる藤乃を見ながら、チャンスを待ってひたすら息を殺し続ける。
 
 そして、走り出した瞬間に足を引っかけ、盛大に一回転した藤乃。
 地面に叩きつけられて、まともに動けないようだ。
 今しかチャンスはあるまい。
 
 木の枝から飛び降り、柔らかな下草を踏みしだく音をさせて着地。
 懐からスタンガンを取り出してロックを解除。
 そのまま、倒れてる藤乃が起きない内にと走り出す。
 
「ごめんね、話は後でゆっくり聞くから!」
 
 そのまま、倒れてる藤乃の手首へスタンガンを押し付け、トリガー。
 護身用なのでそれほど高い電圧ではないが、それでも普通の人間なら気絶するくらいはある。
 バチッと、電撃が迸った。
70浅上藤乃:02/04/29 17:46
>69 朝霞万里絵VS浅上藤乃

背中に激痛が走る。
この痛みはとっても久しぶり。もう何ヶ月もご無沙汰をしていた。
私はこんな状況にも関わらず。

そう言えば数ヶ月前もこんな痛みを感じていたんだなぁ・・・。
なんて事を思っていた

何も感じない日々。何をしても、どんな事をされても、何があっても何も感じない。
それは無という存在に近い。
だから、私は人を殺し、自分の存在を確かめる事で悦びを得てたのかもしれない。

『ごめんね、話は後でゆっくり聞くから!』

彼女は私にスタンガンを押し当て電流を流した。
私に電流が流れ、痺れと同時に激痛が体を駆け巡った。

痛い。
だけど、もう疲れた。

彼女の事を凶げる事は出来たけど、私は甘んじて攻撃を受けること望んだ。
71黒岩省吾 ◆sChIjITA :02/04/29 18:25
横島忠夫vs暗黒騎士ガウザー 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」 導入
 
その少年は、追われていた。
 
あるいは、青い制服に身を包んだ集団に。
あるいは、白と黒に彩られた車に。
 
少年は息を切らして走っていた。
どれだけ走っているのだろう。
その心肺気管が、すでに限界を訴えていた。
その目からは、壊れた蛇口のように止め処なく涙があふれてくる。
 
少年は、思った。
 
なぜ、ちょっと覗きをしただけでこうまで追われなくてはいけないのか―――と。
72横島忠夫 ◆YDaTadao :02/04/29 18:26
>71 vs暗黒騎士ガウザー 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」 
  
 息が切れる。 
 足が絡む。 
 目の前は深く暗い靄に覆われ、口内にはにわかに鉄の味が広がる。 
 嵐のように脈打つ鼓動はそれでもなお、急げ急げと少年の体を動かした。 
 
 
 まずは街角。 
  切り立ったビルの谷間を、人混みを掻き分けながら駆け抜ける。 
  小気味よく音を立てる靴が独特の旋律を刻むと、少年はリズムに乗るようにして走り抜けて行った。 
 次は公園。 
  芝生を蹴ってベンチを上りゴミ箱を倒して、少年の足は進む進む。走り続けながら街灯を掴むと、 
  勢いを殺さずに方向転換。背中に青い人影をやり過ごしながら、まだまだ走った。 
 今度は路地裏。 
  ポリ製のゴミバケツを蹴っ飛ばし、金切り声を上げる野良猫をやり過ごし、日の差さない陰を抜ける。 
  淀んだ空気が喉に絡まって酷く咽せたけど、足はアスファルトを踏み飛ばした。 
 
 
 ひたすら、ひたすらに逃げるために。 
 
 
 
「な、なんで、今日は、こんなにしぶといんだ・・・・・・・!」 
 
 
 荒い荒い息は際限なく空気を求めて、何度となく胸を上下させる。 
 それに軽く手を添えながら、少年――横島忠夫――は、辺りに警官の姿がないか軽く視線を彷徨わせた。 
 右の路地! 正面の道! 左とか後ろとかの壁! んで、潜んでる遊具の中・・・気配はない。 
 こんな小さな公園までは、追っ手どもの気は回っていないようだ。 
 
   
 ――――ふぅ。大きく息を一つ。 
 
 
 なんか妙な日だな、やっぱ今日は帰ろうか。 
 仕事場へ、事務所に行く道すがらだったが、横島はそんなことを考え始めていた。 
 霊感がざわめく。こんな日は決まって、ろくな事がないのだから。 
73朝霞万里絵(M):02/04/29 18:36
>70 朝霞万里絵VS浅上藤乃
 
 人が気絶するのに充分と思われる時間がすぎた後、ゆっくりとトリガーから指を離した。
 その顔を見ても、体からの反応を確かめてみてもやはり気絶している。
 気が抜けたのか、ふぅ、と一つ大きなため息を吐いた。
 
「でも、これでやっと第一段階クリアってところよね」
 
 そう、まだやらなければいけない事がある。
 彼女は大量殺人犯だ、今ここで止めないと更なる犠牲者が出てしまう恐れがある。
 だが、どうやら彼女は遺産相続人ではないらしい。
 なら、この力は彼女自身が持っている力ということになる。
 
 つまり、手放す事などできないという事だ。
 
 今までは、相手が遺産相続人なら、遺産を回収して破壊すればそれで事は済んだ。
 だが、既に持っている力を奪い、破壊することなど不可能だ。
 なら、使わないように説得するしか手は……。
 
「あ」
 
 唐突に万里絵は思い出した。
 遼の持つザンヤルマの剣が、秋月由美彦――山本伸一から超能力を根こそぎ奪ってみせたことを。
 アレはカオルクラによって、半ば強制的に引き出された能力だったからかもしれないが……。
 あるいは、剣ならば藤乃の超能力を奪うこともできるのではないか?
 可能性が高いとは言えないが、賭ける価値はあるような気がした。
 
「でも、まずは彼女の話を聞かなきゃね」
 
 そう言いながら、辺りのトラップに使用したワイヤーを回収し、藤乃を後ろ手に縛る。
 更に、制服の裾を適当に数p切り取って目隠しにした。
 見えていなければ大丈夫だと判断したのだが、それが吉と出るか凶と出るか。
 
 とにかく、準備は完了した。
 ナイフを口にくわえて、藤乃に活を入れる。
 くぐもったうめき声と共に目を覚ました藤乃の喉元に、背後からナイフの刃をそうと分かるよう当てて囁く。
 
「妙な真似はしないで。したら殺すわ」
 
 極力、感情を伺わせない声色で話し続ける。
 
「聞きたいことがあるわ。まず、あなたの力のこと、そしてその力をどうするつもりなのか。
 そして……」
  
 微妙に言いよどむ。
 何だか気恥ずかしいことを聞くような気がしたのだ。
 しかし、そんな感情を伺わせるつもりはない。
 声音を変えずに、最後まで言い切った。
 
「何故、笑ってたの? 何故、あたしの手を取ろうとしたの?」
74黒岩省吾 ◆sChIjITA :02/04/29 18:37
vs横島忠夫「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」
>72
 
少年が、公園の外へと一歩を踏み出した時の事だった。
 
黒塗りのリムジンが、その姿を少年の前に現したのだ。
そのリムジンの雄大さが、彼を公園から脱出することを阻む。
 
再び、少年の表情には焦りの色が浮かんだ。
彼の目には、リムジンのドアがゆるやかに開く様が映っていた。
 
リムジンの中で流れていたクラシック音楽が、公園の中を満たす。
その曲―――『交響曲第9番 第2楽章』をバックに、その男は颯爽とリムジンから降り立った。
東京都知事・黒岩省吾。彼はその名前で知られていた。
 
――――この、人間界では。
 
「ふっ・・・・・・」
 
青の背広を翻すと、黒岩は冷笑混じりの視線を彼に向ける。
そして、少年に向けてこう告げた。
 
「逃がすわけには行かんな。君は、女性の敵だ」
75横島忠夫 ◆YDaTadao :02/04/29 18:44
>74 vs暗黒騎士ガウザー 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」 
 
 リムジン。 
 この小さな公園に、これほど不釣り合いなものはない。  
 その大きさも威圧感も、公園という憩いの場から最も懸け離れたところにある。 
 少年は黒塗りの姿を見留た時、そう、強く思った。 
  
 扉が開く。 
 音楽が流れる。 
 この上ないほどの気障な面が横島の前に涌いて出る。 
 揚げ句、 
 
「逃がすわけにはいかんな。君は、女性の敵だ」 
 
 吐く台詞もまた、癪に障る。 
 イライラとした表情を顕わにしながら、少年は声を荒げて応えた。 
 
「・・・で、あんた誰だよ」
76浅上藤乃:02/04/29 19:36
>73 朝霞万里絵VS浅上藤乃

気が付くと目の前は暗闇だった。

目を何かで目隠しされているみたい。
窮屈なのに気が付き、動こうとしたが手がきつくワイヤーで縛られている。
私の能力を封じるためを身動きを取れなくするためだろう。
でも、彼女はどうしてそんな事をしたのだろうか?私は彼女を殺すつもりだったのに。

『妙な真似はしないで。したら殺すわ』

そう言って彼女は私の目の前で呟いた。
何故か、殺すと言われているのに不思議と恐怖は無かった。
人間、窮地に陥ると案外心落ち着く物なのだろうか?
それとも・・・私はまだ彼女に何か求めているのだろうか?

『聞きたいことがあるわ。まず、あなたの力のこと、そしてその力をどうするつもりなのか。
 そして……』

私は彼女の質問に黙って聞き入る。

『何故、笑ってたの? 何故、あたしの手を取ろうとしたの?』


そして―――私はその質問に答えることにした。
姫城玲vsディオ・ブランドー
>前スレ491

「手品かどうかは身をもって試してみるんだね」

嘲笑う吸血鬼に対して一歩も引かず、青年は意地の悪い笑みを浮かべた。

ギュイィィィィィン!!

ワイヤーに取り付けられたモーターが回転し、更に上へと体を引き上げた。
怪物の抜手が空を切る。
青年はふわりとマフラーをなびかせながら、宙返りをして床に着地。

「それに、小細工ってのは結構馬鹿にならないものだったりするんだよ?」

青年の全身を包む冷気が一層鮮烈なものとなった。
噴き出した冷気が螺旋を描いて両腕を伝い、手の中の金属球へと力を与える。

「こんな風にね。・・・魔玉操、天神華」

放たれた金属球が、先ほどの一撃によって零れ落ちた店上や壁の破片を摩擦し、
標的の周囲に高熱の投網を作り上げた。

灼熱の世界が仮面の男を包み込む。
78姫城玲:02/04/29 19:38
・・・やってしまった。
>77は僕だよ。
・・・ふぅ
79浅上藤乃:02/04/29 19:41
>76続き 朝霞万里絵VS浅上藤乃

「私の力は・・・物を曲げる事ができる力なんです」

そう、私の力は見えるものに回転軸を定め、そしてその物を曲げる事ができる力。
この力は6歳くらいの頃まで使えていて、無痛病になると同時にその力は無くなってしまった。
そして、あの数ヶ月前の事件の時に一時的に甦り、殺戮の為に活用した。
だが、式さんとの戦いで私の能力を呼び覚ます切欠になった病気による痛みは無くなり、
私は再び無痛病に戻った。

「万理絵さん・・・痛みを感じないと言う事は・・・どう言う事だかわかりますか?」

彼女は何も答えない。それでも私は続けた。

「痛み感じないと言う事は・・・生きていると言う事も感じない。実感が無いんです。
 だから、何をしても自分の事と思えない。何かをしても。何かをされてもそれは私じゃないんです」

無痛病と言うのは体の病気と共に心の病気でもある。

もし、自分が叩かれても痛みを感じない。だから、自分が叩かれたと思えない。
もし、自分が可愛い動物に触れても触れた感覚が無い。だから、自分が触れたと思えない。
もし、自分が走っていても走ったと言う感覚が無い。だから、自分が走ったとは思えない。

そんな感じでだんだん・・・
今、ここにいるのが浅上藤乃ではなく別の誰かなんじゃないかと思えて来る。
誉められても、悲しいことがあっても、それは浅上藤乃と言う実感の無い物だから。

「だから、私は・・・私自身を感じる為に殺したんですよ」

初めは陵辱をされた復讐のためだった。
だけど、それは本心ではなかった。だって、アサガミフジノという人間は私という実感が無かったから。
だから私が陵辱されたと言う感覚も無い。だけど、もう私の力は目覚めてしまった。
もう歯止めが利かない。
だから私は復讐と言う名目で自分自身を知る為の殺戮を開始したのだ。


―――殺戮が何故自分自身を知る為の方法なのか?


それは痛いから。

人が生きると言う事は、自分が傷つき、そして、誰かを痛ませる事で生きている。
それも私も味わって見たかった。私は病気による腹部の痛みはあるが他人の痛みはわからない。
だから、人を凶げて、苦しむ顔をみて相手の痛みを知る。

私の痛みと、私の痛み。

その2つがあるから自分が生きている実感がある。
だからこの能力を使って人を殺すのだ。


だから――私の能力は―――私が生きている事を知るために使いたかったんです


80浅上藤乃:02/04/29 19:47
>79続き 朝霞万里絵VS浅上藤乃


彼女の表情は目隠しをされて見えない。
彼女が喜んで、悲しんでいるのか、はたまた別の表情をしているのか。

「それからですね、私が笑っていたのはあなたの事を殺す理由ができたから嬉しかったんです。
 私、理由が無いと人を殺せませんから・・・」

苦笑。
本当に無様な理由だろう。

人を殺すのに理由が必要でその理由を無理矢理こじつける事で人を殺す。

これならただの通り魔と変わらないではないか。

「そして・・・最後の質問の答え」

私は満面の笑みで、本当に屈託の無い笑顔で
素直に答えた。

「あなたと・・・あなたと仲直りしたかったから・・・です」
81黒岩省吾 ◆sChIjITA :02/04/29 19:51
vs横島忠夫「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」
>75
 
横島の発した言葉を聞いて、黒岩は拳を握り締めた。
固く握られた拳がわなわなと小刻みに震える。
顔が紅潮し、怒りに歪みそうになる。
 
確かに黒岩は知事になって間もない。
しかし、「知っていますか」で始まる個性的な演説により、彼の名は広く知れわたっていた。
――――――――はずだった。
 
その自負を、今の少年の何気ない一言は打ち砕いたのだ。
 
「俺は――東京都知事、黒岩省吾だ」
 
黒岩は怒りを押さえ切れず、その言葉とともに、横島の方へ足を踏み出す。
 
近づいて、改めて横島の表情を見る。
見るだに、頭の悪そうな顔。
黒岩はその顔に、平手打ちという形で怒りを炸裂させた。
 
「お前のような頭の悪い人間は、この東京には必要ない・・・」
 
頭の悪い、という部分を特に強調して、黒岩は笑みに似た表情を浮かべる。
しかし、その目だけは笑っていなかった。
82横島忠夫 ◆YDaTadao :02/04/29 19:58
>81 vs暗黒騎士ガウザー 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」 
 
 唐突な平手。しかも、それを放ったのは東京都知事を名乗っている。 
 横島には、一体何が起こっているかわからなかった。 

  
 ――――なんで? 
 
 
 都知事なんて雲の上の人間が、俺なんかの所に? 
 しかも頭が悪いとか、必要ないとか。なんか政治家らしくない物言い・・・ 
 
 
「そうか!」 
 
 横島の脳裏に、ある言葉が閃いた。 
 
「ドッキリだな、そうだろ! カメラ、カメラは何処にあるんだ!?」 
 
 険しい表情を浮かべる黒岩知事。 
 だが少年は気付いた様子もなく、必至に公園内へ目線を走らせていた。 
『吸血姫に祝福を』
〜日常風景2〜
>16
 
「ルージュ〜〜、一緒に食事行かない?」
 
私は、ベットから起きる事ができるまで回復した彼女に声をかける。
食事といっても、レストラン等ではなく・・・・・修道会の食堂だが。
一瞬、私のほうを見た彼女は私など見なかったかのようにふいと視線をそらす。
 
「・・・・・・・。」
 
ホント、ムカツク・・・・・・。
えぇい!一発なぐっちゃろか・・・・・・?
 
「殴ろうとか、考えてないだろうね?」
「?!!」
 
いきなり、背後から声をかけられ私は飛び上がる。
振り返ると、そこにいたのはクロノにアズマリアの二人だった。
 
「・・・・・・・なんだ・・・クロノだったの・・・・・。」
「何だとは何さ・・・・・。」
「・・・・・お疲れ様です」
 
ぷ〜と、頬を膨らませながら私は立ち去る彼女を睨み付ける。
 
「・・・・・いいじゃないか。彼女が一人でいいって言うなら、それで。」
「あんた、まだあの子のこと気にしてんの?」
 
彼女の背を、クロノは睨み付ける。
 
「・・・・・・。あの、私が声かけて見ますね?」
 
そういいながらアズマリアがととと、と彼女の前までかけていき・・・・・。
 
《ずべしゃ!》
 
盛大にすっ転んだ。
84黒岩省吾 ◆sChIjITA :02/04/29 20:27
vs横島忠夫「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」
>82
 
「ふっ・・・・・・」
 
下を俯きながらも、黒岩はせせら笑ってみせる。
 
こんなバカに本気で怒るほど無駄な事はない。
落ちつけ・・・黒岩省吾。
 
黒岩は自分に対し、必死にそう言い聞かせる。
 
「どっきり・・・だと?」
 
再び顔を上げる黒岩。
その皮肉げな笑みは、引き攣ってはいるものの、まだ崩れてはいない。
 
「覗きなどという、人として救いがたい行為をした挙句、現実逃避か。おめでたいな」
 
語りながら、東京都知事は大仰に肩を竦める。
 
「貴様のようなヤツに、生きている資格はない・・・」
85横島忠夫 ◆YDaTadao :02/04/29 20:40
>84  vs暗黒騎士ガウザー 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」 
 
「生きている資格?」 
 
 思わず、聞き返す。 
 
「な、何で知事にンな事言われなきゃなんねーんだよ! 本当にあんた、都知事か?」 
 
 微かな記憶を必至に辿っていったが、思い出すのはいつ何処でどんな女性に出会ったか、ばかり。 
 新聞やニュースの知識を引っ張り出そうと試みたが、抜け落ちたかのように出てこない。 
  
 
 ――――――なんか、胡散臭い。 
 
 
 こういう時に限って、霊感というヤツはよく当たる。 
 引きつった笑顔――取り繕うとしていたが失敗している――の”自称”都知事を横島は改めて、睨む。 
 黒岩、そう名乗った男に、異質な霊気を感じ取ったのはその時だった。 
  
「やっぱり嘘じゃねーか!」 
 
 大声で怒鳴りつけながら、少年はじりじりと下がり始める。 
 異質、いや異様な霊気、霊波。それは明らかに人のそれではない。 
 横島の背に、少しだけ冷たいものが伝わった。 
『吸血姫に祝福を』
〜日常風景2〜
>83
 
 ようやく、動ける程度までの身体は回復した。
 とても、戦闘行為などは無理だが……
 せいぜい、普通の人間に毛が生えた程度の身体能力しか今の私にはないだろう。
 身体を再構成させても、『アルトルージュという器』の中の『水』は空っぽに近いのだ。
 時間をかけて、器に『水』即ち、力を満たしていくしかない。
 そんな中で……
 
『ルージュ〜〜、一緒に食事行かない?』
 
 あいつの能天気な声。
 つくづく、私の神経を逆撫でしてくれる。
 無論、私は取り合う気も無い。
 こうやって爆発しそうになる殺意を必死に抑えているというのに、あいつ等とつきあう必要があるのだろうか?
 力が戻れば、3人纏めて引き裂くつもりだというのに……
 
 私はロゼットを無視して、踵を返した。。
 
 ……中庭でも行こう。
 あそこの風は心地よい。
 少し、風に当たればこの衝動も少しは静まるだろう。
 
 私がそう思って、中庭へ向かおうとした時、私の背後で…・・
 
 《ずべしゃ!》
 
 という物音がした。
 振り向いて見ると、アズマリアが派手に転倒していた。
 
 馬鹿?
 一体、こいつは何がしたいのだろうか?
 まあ、いい。
 付き合うだけ、時間の無駄。
 
 私は冷ややかな視線で転倒した彼女を一瞥した後、そのまま中庭に向かおうとした。
87朧 ◆TnOtqhBc :02/04/29 20:44
>vsユージン

青年の反応は見事だったあの攻撃を一撃だけで防ぐとは、あの威力であれほど動き
並みの反応速度ではないおそらくは強化人間か

辺りに散らばるごみで視界が悪くなりユージンの姿が消えたが
朧の感覚はその位置を正確に捕らえていた。
ただの時間稼ぎか それとも次の手を考えたのか

「あなたはなぜ戦っているのですか?」

その質問に答える必要はない しかし なぜか青年に口を開いてしまう

「私は己の修行のためにより強い相手と戦わなくてはならない宿命 
いずれあなたの組織の者たちとも戦うことになるでしょう」

おそらくは次で勝負が決まる私か彼のどちらかが倒れることになるだろう。
朧の気配と姿が不意に消える。まったく見えない動きだ。

「さあ 決着をつけましょう」

どこからともなく声が聞こえる。
88黒岩省吾 ◆sChIjITA :02/04/29 21:11
>85  vs横島忠夫 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」 
 
「ちっ・・・・・・気付かれたか」
 
横島の表情を見て、彼は思わず舌打ちした。
 
そう、黒岩は人間ではない。
『ダークザイド』と呼ばれる、闇の種族。
それが黒岩省吾の正体だった。
 
「だが・・・都知事というのは本当だ、横島忠夫」
 
黒岩は隠していた闘気を解き放ち、横島のほうへじりじりと詰め寄る。
 
「貴様は今でこそ無力だ。だが・・・いずれ俺の野望の妨げとなる」
 
横島が引くと、黒岩が歩を進める。二人の距離が、一定で保たれている。
 
「だから今の内に、この俺の手で処刑してやろうと思ってな」
 
風を切る音を立て、黒岩は横島に向けて指を突きつけた。
 
何を仕出かす気だ!?
その行動に危険を感じ、横島が大きく後ろに下がる。
黒岩はそれを見てにやりと笑い、口を開いた。
 
「知っているか!?
世界で初めての死刑は紀元前578年ローマのグラシナスという小さな村で執行された。
その地は今はナルハと名前を変える。だが、死刑執行の場所には今でも十字架が残っているという!」
89ユージン ◆STiGMaE. :02/04/29 21:17
>87 vs朧


気配どころか姿も消えた。
把握……できない。どうやったか知らないが……

「なら、燻り出す」

先ほど取っておいた空き缶数個。
噴水の水を汲み、“リキッド”を垂らしたそれの口を握り潰したそれを

高く、投げる。


落下してきたと同時。
                       ――――爆発。


リキッドの発熱が空き缶内の水を全て気化。
莫大な水蒸気を抑えきれず、破裂した缶の欠片が散弾となり周囲一帯をずたずたに切り裂く。
同時に膨れ上がる衝撃と熱風が肺を皮膚を破壊し尽くす。
二重のダメージ。
これに怯まない生物など存在するまい。

その隙を――叩く!
90朝霞万里絵(M):02/04/29 21:25
>76>79>80 朝霞万里絵VS浅上藤乃
 
 ――――――――。
 
 過去、遼は遺産を持つ者達の暗黒面と対峙し、そして打ちのめされながら戦い続けてきた。
 その強さを真似できないと思いつつ、むしろ尊敬さえしていた。
 だが、浅上藤乃という少女が、長い間ずっとずっと抱えてきた深い闇。
 そして、その闇がもたらす暴走……。
 これが、藤乃が遺産相続人達と何が違うというのか。
 
 そして、あの気弱そうな幼馴染みの従兄弟はこんな闇を見つめながら戦い続けていたのか。
 だとしたらそれは――――なんて強さだろう。
 こんなに深い闇を見せられて、なおそれをうち払おうとする遼。
 
 自分には、できない。
 
 自分にできる闇の払い方、それはこのナイフを横に引くくらいのモノだ。
 それで、一つの闇は終焉を告げる。
 街を震撼させた連続猟奇殺人犯は消え、彼女の闇もまたそこで終わる。
 
(でも、それじゃ駄目なんだ)
 
 そんなのは強さでも何でもない、ただの逃げだ。
 かつて、殺す事の強さを説いた人がいた。
 万里絵は、そんなモノは強さじゃないとはね除けた。
 そう、万里絵は強くない。
 終わらせる事ができる強さ、それはどうしても立ち向かう強さには敵わない。
 
(だから、あたしの戦いは此処でお終い)
 
 後は、遼に頼るしかあるまい。
 彼女の闇を、力を払えるのは彼のザンヤルマの剣だけだ。
 
(ううん、後もう少しだけはあたしの戦いかな)
 
 最後の笑顔、そして言葉。
 それは、きっと嘘偽りのない本当の感情。
 なら、そんな心があるというのなら――きっと、万里絵にも闇の一端に光を照らすことはできると思う。
 
 藤乃に施していた目隠しと拘束を解いていく。
 拘束が解かれていくにつれて、藤乃の表情が困惑に塗り替えられていく。
 その一部始終を見ながら全ての拘束を解き、今度は真正面から藤乃に手を差し伸べた。
 
「あたしはあなたに何もしてあげられないかもしれない。
 でも、あたしはあなたの力を消すことができる人に心当たりがあるわ」
 
 手は差し伸べられた。
 それを取って立ち上がろうとするか、闇から這い上がろうとするかは彼女次第だ。
 いつか、万里絵と藤乃は互いに笑いあえるかもしれない。
 今は、ただその一歩にすぎなくても……。
 
「もしかしたら、無痛症にも何らかの手があるかもしれない」
 
 こっちは望み薄だと万里絵は思っていた。
 イェマドは守護神のお陰で、医療というモノが必要ない文明だ。
 だが、それでも万里絵は希望を持ちたいと思う。
 
「決めるのはあなた自身よ、藤乃」
 
 微笑を浮かべ、藤乃の表情をまっすぐに見つめる。
>88
 イノヴェルチの誇る策士『人形使いナハツェーラー』は、打倒ヴェドゴニアの為に奇策を建てた。
 ヴェドゴニアの正体はごく普通高校生の伊藤惣太。
 
 そして、ヴェドゴニアは昼には出てこれない。
 ならば昼間、始末すればいい。
 
 まさにッ!
 コロンブスの卵的発想ッ!!
  
 伊藤惣太の下校ルートの途中の公園に多数の手勢を潜り込ませる。
 そして、ナハツェーラーが公園に止めたリムジンの中から指揮する。
 伊藤惣太がやってきたところを……
 
 これが策士ナハツェーラーの策だった。



「遅い……」
 
 公園内に止めたリムジンの中でナハツェーラーはただ待つ。
 だが全く伊藤惣太は来ない。
 ナハツェーラーはいらついていた。
 
 そこに2人の男がやってきて、言い争いを始めた。
 そして、突如1人の精悍な男が薀蓄を語り始めた。
 
「……凡俗めが、つまらぬ知識を披露しよる!」
 
 知識の豊富なナハツェーラーには男の愚昧さは我慢ならなかった。
 ナハツェーラーは反射的に、リムジンの中の備え付けのマイクを取って、叫ぶ。
 
「愚か者が! 世界最初の死刑ははさらに前、紀元前5500年のエジプトで行われている!!
 最早、考古学会ではこれは常識! つまらぬ恥をさらすな、たわけっ!!」
 
 男が眼に見えて、動揺し叫ぶ。
 
『何者! 姿を現せ!!』
 
「ふっ、よかろう。己の愚昧さをあの世で恥じることだな!」
 
 ナハツェーラーは念波で公園の手勢に出てくるように指示しつつ、自身もリムジンのドアを開けた。
 
 ――直後、ナハツェーラーの身体は夕日を浴び、灰になった。



 公園の茂みにて……

「おーい、あそこを通るガキ、伊藤惣太じゃないのか?」

「それなら指示があるだろ?」
 
「そりゃ、そうだ。全くいつまで待たせやがるんだ?」
 
 ナハツェーラーの念波は届いていなかった。
 何故なら、ナハツェーラーのいる公園と目的の伊藤惣太が通る公園は全く別個のものだったのだ……
>21章404,405,420 >前スレ116 アーカードVSファントム

「かくして二人は再会。めでたしめでたし……というわけです」 
 
彫像のように固まったアーカードの前で、ヴァージニアはパチパチと気の無い拍手をして見せた。 
少しの間続けてみるが、反応の無いアーカードにちょっとがっかり。 
 
「……あー、貴方の体を縛ってる呪法、少しだけ緩めますね。聞かなければならない事がありますし」
 
そう言ってアーカードに近づくと、背伸びして彼の額に触れる。 
 
「ひんやりしてますねぇ……、っと」 
 
ゆるゆるとしたアーカードの手の動きをひょいとかわし、そのまま後ろに下がるヴァージニア。 
アーカードの手は魔女を追おうと動くが、足がついて来ない。 
 
「それだけ動けるのなら、喋れるでしょう?」 
 
「……何を、した」 
 
「簡単に説明しますと、超小型の人造霊を憑依させた弾丸を打ち込んだんです。 
 で、そのコが貴方の内側に備えられた呪法……クロムウェルでしたか?
 それを強制起動させているんです……ああ、無駄ですよ?弾丸の中にはもう居ませんから」 
 
自らの銃創を抉り、体内に留まっている弾丸を取り出そうと無様な足掻きをしているアーカードに
魔女は最後の質問を行った。
 
「命令ですから一応、聞いておきます。飼い主を変える気はありますか?」
 
 
―――――押さえきれない嗜虐心が、唇に笑みのカタチをとらせている。 
魔女の背後に立つ人造吸血鬼が、ガチャリと手元の火炎放射器を構えた。 
 
「その気が無いのでしたら、この村に残った最後のゴミとして貴方を処分します」
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
>41
 
全く予想していなかった攻撃に、対抗どころか対応すら出来ずに弾き飛ばされる。
半ば壁に埋もれながら、アルトルージュを見上げるとそこにはた嫌悪感を湛えた瞳があった。
 
だけどこれはアルトルージュの意志じゃない、だってまだ答えを貰っていないもの。
プライミッツマーダ―が暴走しただけに決まっている。
 
―― だから浴びせ掛けれた言葉が理解できなかった ――
 
―― アルトルージュは何を言っているのだろう? ――
 
最高傑作? 確かに真祖は役割を持って生み出される。
  
        わたしの役割それは同族を殺すこと、真祖殺しの真祖。
        
               貴方は自分の同族を殺したかったの、それで誉めれたかったの?
               
               
子供? そうね志貴にも言われたわ。
        
        でも変かな? 志貴と一緒に歩くのは楽しかったわ。
               
               貴方は感情もなく殺すだけの存在でありたいの、それが誇りなの?、
               
 
寂しい? そうよわたしは寂しいわ。
        
        望んで殺したの思うの? やっと殺戮人形としての役目が終ったのに。
               
               貴方にわたしの気持ちがわかるの、自分が独りだって知った時の気持ちが?
 
 
―― アルトルージュは誤解してるんだ、だから違うって言えばきっと、必ず……… ――
 
瓦礫の中でもがきながら、もう一度アルトルージュに手を伸ばした時…。
>93

「私とあなたは絶対に分かり合えないわ!2度と私、アルトルージュ・ブリュンスタッドに干渉しないで! 
鬱陶しいだけよ!!!」
 
静寂と共に何かが終わり、わたしの中で何かが始まった。
 
言葉では理解してもらえないの? いいわ、もっと解りやすい方法で教えて上げる。
絶対に分かり合えない? いいわ、どんなに貴方が愚かでもわたしは貴方を理解して上げるから。
貴方に干渉する? いいわ、わたしは貴方に干渉しない…だた所有するだけだもの。
鬱陶しい? それは貴方よ!!
 
瓦礫の中から立ちあがると、プライミッツマーダ―がわたしとアルトルージュの間に立ちはだかる。
守っているつもり? 余りに無意味、ここは千年城ブリュンスタッドなのだから。
 
『邪魔』
 
ただそう想うだけで、ガイアの怪物はわたし達の間から弾き飛ばされた。
城壁を揺らす衝撃に、地響きのような鈍い音…この程度では無傷だろうけど…それでいい。
半端な出来損ないを大人しくさせるのに時間なんか必要ないもの。
 
「ねえアルトルージュ、わたしは貴方が好きよ」
 
だってこんなに憎いのだもの。
 
「だから下僕なんかにしないわ、手足を毟り取って傍らに置くの」
 
そうだそれがいいわ、そうしたら貴方もわたしが必要よね?
 
「どこからがいい? 貴方も楽しみでしょう?」
 
そうね、先ずは左腕からもぎ取ろう、うんそれがいい、そうしよう。
 
軽く右腕を振り上げ、そのままアルトルージュの左腕めがけて振り下ろす。
 
――場を支配したのは、動と驚愕、そして悲鳴だった。
95黒岩省吾 ◆sChIjITA :02/04/29 22:05
>88 >91  vs横島忠夫 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」
 
――――――唖然。
 
今の黒岩の表情には、その二文字があまりにふさわしかった。
恐らく、横島も同じ表情を浮かべていたはずだ。
突如として現れ、一瞬で灰と化した男は、しばらくその場の時を止めてしまった。
 
風が、2人の間を吹き抜ける。
 
――――――そして、時は動き出す。
黒岩の表情が「唖然」から「怒り」に変化していく。
顔の色が、深い朱へと染まる。
 
「・・・俺が間違うはずはない!」
 
しかし、その怒りをぶつける相手はすでに灰と化している。
黒岩はギリッと奥歯を噛み締めると、改めて横島に指を突きつけた。
 
「この怒りは・・・貴様を倒すことで必ず晴らす!」
 
理不尽な言葉とともに、黒岩は手を自分の眼前にかざした。
 
「・・・ブラックアウトッ!」
 
変身ワードとともに、黒岩の姿が「暗黒騎士ガウザー」へと変化する。
変身を終えると、ガウザーは横島目掛けて右の拳を繰り出す!
96朧 ◆TnOtqhBc :02/04/29 22:11
vs ユージン

爆発が静寂であった公園を揺るがした。
木々に缶の破片が突き刺さり 爆風で近くにあったものがすべて吹き飛ぶ
自分の体が10メートル後方に飛んでいき そこにあった木に激突する。

 まさかあのような手を打つとは 以外だった。
投げた缶に何をしたのかはわからないが おそらくは爆発物だろう
その破片は鋭い刃となりあたり一面のものを切り裂き爆風と熱と衝撃により
動きを止める、姿を消していてもこれで位置を特定することが可能だ。

硬気功を使い破片は防ぐことができたが 動きは止まり位置を特定されてしまった。
おそらく 次の瞬間には間合いをつめて来るはずだ。

(たいしたものですね)

心の中でつぶやく 久しぶりの強敵へのそれは素直な賞賛。

朧は構えを解き自然体になった  
次に出す技のタイミングを誤れば自分がやられることになる。
そして 朧はその準備をしていた。


<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
>94
「ああっ!?」
 
 場に漏れたのは私の悲鳴。
 反射的にアルクェイドの一撃を防ごうとしたもの、結果、私の左手首が綺麗に弾けとんだ。
 
 痛い、いたい、イタイ……
 
 この痛みはどうすればいい?
 この苦しみはどうすればいい?
 この悔しさはどうすればいい?
 
 ……
 
 なんだ、簡単なことじゃない?
 
 何 十 倍 に し て 、 か え し て や れ ば い い
 
 アルクェイドが命乞いするまで……
 そして、そんなアルクェイドをプライミッツマーダ―の餌にする。
 
 ――とても、愉快なことだろう
 
 私は身体を戦闘向けに成長させる。
 同時に左手首も再生させた。
 
 金色の瞳でアルクェイドを睨みつけつつ、告げる。
 
「……あなたこそ、楽しみでしょう? その無駄に頑丈な身体のおかげで、今から散々、苦痛を味わって死ぬことになるんだから……!」
 
 ……私は右手の爪をアルクェイドの右胸目掛けて繰り出した。
 どうせ、アルクェイドは身体を多少、抉られたくらいじゃビクともしないのだ。
 なら、遠慮なく痛めつけてやればいい。
 
 
 そして、私の怒りに呼応するかのように同時に弾き飛ばされたプライミッツマーダ―が、
 アルクェイドの左側面から、唸り声をあげて襲い掛かる。
98浅上藤乃:02/04/29 22:27
>90 朝霞万里絵VS浅上藤乃

私に施しされていた目隠しと拘束を解かれた。
そしてそこには

彼女が差し出した優しい手があった。

『あたしはあなたに何もしてあげられないかもしれない。
 でも、あたしはあなたの力を消すことができる人に心当たりがあるわ』

彼女はそう言った。
私のこの忌々しい力を?

それは夢のような素敵な話、子供の頃から鬼子と迫害され。
そして、この無痛病を作り出す原因となった。
この能力。彼女はその力を無くする希望があるというのだ。

そして。

『もしかしたら、無痛症にも何らかの手があるかもしれない』

それは・・・私にとって良い事なのだろうか?
私はこの無痛病と生きる事で今まで犯してきた自らの罪の代償として
生きて行くつもりだった。それはすなわち
私が普通の人として、本当に普通の女の子として生きていくと言う事だろう。


私は戸惑った。

           ――だけど――


私は思うのだ。

無痛病を抱えて自分が自分で無い虚無感を抱えて生きるよりも、
普通の女の子として生きて、その辛さ、痛みを知り生きることも
罪の償いではないのかと。

そして、私自身が幸せになることも。

『決めるのはあなた自身よ、藤乃』


そして

私は・・・彼女の手を取ることを決意した。
私の過去の罪を新たな形で償うため。そして、
私が幸せになるために。


      先輩・・・・・・これでいいんですよね?


                              END
99ユージン ◆STiGMaE. :02/04/29 22:29
>96


  ――――あまりにも、それは唐突だった。
        なにしろ、朧のもたれていた木が爆発したのだから。


木屑が高熱にさらわれて灰と消える。
揺れる陽炎。鳴る空気。
リキッドがまわりきらなかった枝がばさばさと落ちる。
誰が知ろう。樹液を伝い、リキッドが木を焼いたなど。


  ――朧に霞む熱の果てより
            天使のごとき悪鬼羅刹が
                    万物焼く手を朧に伸ばす――
100横島忠夫 ◆YDaTadao :02/04/29 22:33
>95 vs暗黒騎士ガウザー 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」  
 
 とりあえず、どこから突っ込んで良いかわからない光景がしばし続いた。 
 いきなり灰になる男。 
 それに逆上する、”自称”都知事。 
 揚げ句に叫び声と共に”変身”までかます。 
 
「帰っていいすか?」 
 
 ぼそり、とそんな呟きが漏れるのも必然ではあった。 
 風にまみれて消えていった言葉にいくらかの寂寞を感じつつ、横島はゆっくりと後ずさる。 
 こういう手合いには関わるべきではない、そう間違っても―――経験と勘がはっきりと告げていた。 
 
 
 都知事・・・いや、変身した怪人の拳が繰り出される。  
 
  
 横島忠夫という少年は見かけによらず、数多くの修羅場をくぐってきていた。 
 その修羅場の大半が、理不尽で出鱈目な怪現象や化け物たちとの戦い。 
 恐ろしいほど戦い慣れはしている――――ハズだ。ハズだった、ハズだと思う。  
 
 だから現に繰り出された拳を顔面で受け、公園の乾いた土の上を転がったりする。 
 その軌跡を描くように、涙と血の筋がしっかりと地面に残されていた。 
 
「な、何なんだよ、一体! 不条理だっ! 権力の横暴だっ!」 
 
 とっさに立ち上がり身構えると、左手に文珠を右手に霊波刀「栄光の手」を生み出す。 
 拙いことにここに退路はない。唯一の道は二台のリムジンが押さえていた。 
 一台ならな、と思ってみてもどうにかなるものではない。 
 
 (せめて、突破口を開かないと――――――帰るに帰れん!) 
 
 目は今まで以上に予断なく動く。文珠を握る左手に微かと力がこもった。  
101アーカード ◆ARCARDr. :02/04/29 22:35
>92 アーカードVSファントム
 
 拘束具の姿そのままに拘束されているアーカード。
 確かに、数刻前までは貴族然とした、いつもの姿であったはずなのだが。
 それこそが、クロムウェルによってもたらされた拘束の結果なのか。
 
「私に、この私に従属を求めるというのか?」
 
 だが、満足に動かせないその体の中で、顔だけははっきりと嘲りの表情を浮かべていた。
 相手のあまりに不躾な、愚かな、馬鹿々々しい問いに対して、はっきりと嘲っていた。
 答えなど、たった一つしかあり得ない。
 
 我が主(マイマスター)は唯一人。
 
「断る」
 
 ただ一つ、自由になる顔で殺してやるとばかりに、魔女を睨み付ける。
 体が満足に動くのならば、次瞬に魔女は死んでいたに違いない。
 
 だが、拘束は深く深くアーカードを縛り付けている。
 その身に刻まれた咎を示すかのように。
102朧 ◆TnOtqhBc :02/04/29 22:58
>vsユージン

突然木が爆発する 辺りを照らす炎 一瞬で焼けた木に霞む朧の姿
その姿に襲い掛かる一陣の影 
その手に貫かれるは 朧の影 ユージンも勝利を確信したはずだ。
気配も姿も確かにそこにあった だが   手ごたえは 焼けた木のものだった。

いつの間にか
ユージンの周りに複数の朧が出現していた。
すべての朧が手を伸ばし掌でユージンの胸を突く。

「破」

気の流れを狂わせ相手の体の自由を奪う技だ。
それはユージンの背後から打たれていた。

「あなたの負けです。」


103朝霞万里絵(M):02/04/29 23:02
朝霞万里絵VS浅上藤乃のレス番まとめよ。
 
前スレ(http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1019314499/
>63 >65 >66 >68 >69 >184 >193 >285 >293 >299
>303 >504 >511 >513 >515 >516 >517 >518 >524
 
本スレ
>66 >67 >68 >69 >70 >73 >76 >79 >80 >90 >98
 
それと、感想なんかはこっちで書いてもらえると嬉しいかな。
http://fargaia.hokuto.ac/html/test/read.cgi?bbs=vampbattle&key=1019409630
 
遼、後は任せたからね!
『吸血姫に祝福を』
〜日常風景2〜
>86
 
「いたたた・・・・。」
「だ、だいじょうぶ?!」
 
転んだアズマリアを、クロノが抱き上げる。
・・・・・あンのクソガキ・・・・・。
完全に無視したわね〜・・・・・。
 
「ちょっと!止まんなさい!」
 
私は彼女に駆け寄りながら叫ぶ。
 
「目の前で人が転んでるのにそれを無視するたぁどういう了見よ!?」
『………。』
 
彼女は苛ついた様子で私をにらむと、一言も発することなく通り抜けようとする。
・・・・・むっか〜!かわいくね〜〜!!
私は、彼女の肩をつかむ。
 
「いったい!何が気に食わないのよ?!口で言ってくれなきゃわからないじゃない!」
 
彼女はそんな私の手をぞんざいに振り払う。
・・・・・・・  ブ  チ  ッ  !  !
 
「むきゃ〜!このクソガキ!!」
 
私は、コブシを振り上げ彼女の背後に迫り――――
 
 
脇の下を思いっきりくすぐってやる。
 
「いつもいつもぶす〜っとして!これでも食らえ!笑え〜!!」
 
こちょこちょこちょこちょ・・・・・。
105十六夜京也 ◆ASyuRaC6 :02/04/29 23:08
妖女狩り異聞
 
>43>55
放せ、とはいったものの本当に放してくれるとは思っていなかったらしい。
京也の顔には訝しげな表情が浮かんでいた。
当然罠を疑うが、少女は間違いなく本物のようだ。
 
「おい、大丈夫か。 助けに来たんだぜ?」
 
うつろな表情の少女に声を掛ける。
爆弾が身体に付けられているとか、そういう事もないようだ。
 
敵に背を向けるのは嫌だが、もっと大事な事がある。
衣服の破れ目から覗く肌から目をそらしながら、自分の上着を掛けてやる。
 
少女の安全を確保するために、京也は一旦引くことにした。
 
「ひでえ事しやがるな・・・
 すぐに根性入れ直しに戻ってくるからな。そこで待ってろよ!」
 
周囲に死者がいないのを幸いに、少女を抱きかかえて来た道を引き返し始める。
遠くで爆発音が聞こえたが、とりあえず無視する事にした。
106ユージン ◆STiGMaE. :02/04/29 23:21
>102 vs朧


全身が鉄鎖に絡め取られた――いや、これは電撃。
神経が不可思議にも麻痺し、慣性のまま地面に突っ込む。
土と石の味が、がりがりという食感とともに広がる。
唇にはりついた砂利が気にさわる。


  ――――滑稽な。これから死ぬくせに。
        そんな些細な……ことに。


「……さあ、殺せ」

むしろ、あっさりと――あまりに淡白に言ってのける。
107導入:02/04/29 23:26
アドルフ・ヒトラー vs 横島忠夫&鈴鹿御前
【脱出する者の時間】
 
 
美神除霊事務所。
日本最高のGS、美神令子の取り仕切る除霊事務所。
その一室。
 
所長の美神令子に呼び出され、
GS見習い横島忠夫とアルバイト小山内鈴香こと鈴鹿御前は、所長室に来ていた。
しかし、呼び出した当の本人である美神令子は不在。
 
「もう随分待ったわね・・・」
(ああ、随分待った)
 
「所長、どうしたのかしら」
(このまま、来ないでくれ、せめて後一時間)
 
「おキヌちゃんも里帰り、シロもタマモも別件・・・私たちしか手が空いてないのはわかるけど」
(つまりここには俺と鈴鹿の二人きり・・・)
 
「どうしたものかしらね・・・」
(ふ、ふふふ、ふふふふふ)
 
「鈴鹿〜っ、好きじゃあああああああああ!!!!」
「え・・・きゃあああっ!」
 
いきなり鈴鹿に飛びかかる横島。
嗚呼【ふたりきり】という状況は、ここまで人を狂わせるのか・・・
 
「こら、よこちま!」
 
ぽかっ!
誰かが、その横島の後頭部を叩いた。
といっても、大した力ではない。
 
「はうわあああああ、美神さん、すんません〜、って・・・」
 
叫びながら振り向いた横島の眼前にいたのは、年端もいかない少女だった。
艶やかな髪、整った顔立ち。
後十年もすれば、大層な美人になるだろう少女だ。
だが、それ以上に・・・
 
「この子、美神所長にそっくりだわ・・・」
 
そう、美神令子にそっくりだったのだ。
 
「まさか・・・美神さんの隠し子・・・?」
「それはないと思うけど・・・」
「うわああああ! 相手は誰じゃああ!! あの女はワシのもんなんや〜!!」
 
錯乱する横島と呆然とする鈴鹿。
反応こそ違えど、状況に困惑しているのは同じだ。
その二人の様子を見ていた少女は青筋を立てつつ、怒鳴った。
 
「うるしゃい! かくちごちがうもん! あたちはみかみれいこよ!」
108導入:02/04/29 23:26
>107続き
「「へ?」」
 
その発言にさらに呆然とする二人。
 
「何で、そんな姿に・・・」
(みょ〜にデジャ・ヴを覚えるな・・・気のせいか?)
 
二者二様の思いを抱いていると、鈴鹿が、冷たい目付きで横島を睨んでいた。
 
「で、いつまで私の上に乗っかかってるの?」
「はっ! は、ははははは」
 
ごきっ!
 
「うわ、勘弁してくれ〜出来心やったんや〜!!」
「出来心で押し倒すな!」
 
「とにかくっ! これからどうする? なんで美神さんがこうなったのかを調べて、元に戻さないと」
「あのナイスバディを拝めないというのは、人生の半ばぐらいを無駄にするとしか思えんっ!」
「いいけど、そーいうことは心の中で呟きなさいよ」
「そんなことしてないで、はやく逃げゆの!」
 
じゃれる横島と鈴鹿に怒鳴りつけるみかみれいこ(推定5歳)
青筋を立てているのは、焦りからだけではないような気もするが。
 
「アイツが、来る!」
 
 
『少々、遅かったようだがね』
 
 
声が、響いた。
 
 
何もない空間から染み出すように、一人の青年が姿を現した。
金髪碧眼、すらりと伸びた手足。
造化の神の妙技のごとき、寒気すら覚えるほどの美貌。
 
「その少女の命を渡してもらおう」
 
青年は、手にした銃の狙いをぴたりと「みかみれいこ」に向け、言い放った。
『ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise" 
>44>45

「オレは人の味方。お姉さんが自分の味方なのと同じように・・・。  
例え、オレはアンタを止めれないって分かっていても、銃を撃つのがオレの 
役割なんだ。  
オレは、『ガンチェリー』。妖怪を何人もこの手にかけてきた殺人者・・・。 
化け物だぜ」  
  
どんな顔して、オレは喋っているんだろう。こんな告白をしたのは初めて 
だった。  
---例えば。エッジが吸血鬼だったら・・・オレはアイツに惚れただろうか。 
きっと、惚れたんだろうな。そして、さっきこの女が言ったように体の一つ 
や二つ、簡単にくれてやったに違いない。  
  
---オレが、この女性にできないのは、単に、「この人に惚れてないから」 
なだけで・・・。  
  
「・・・お姉さんに出来る範囲で協力したいって言うのも。出来ないなら 
お姉さんを殺すってのも。人間はみんな大事っていうのも、オレの譲れない 
本心なんだ。エゴ、とも言うけどさ・・・・・・・・・・・・  
・・・・・・・・・・タイムリミット」  
  
誰かが、迷惑そうに握ってるオレの十字架から突然、勢い良く煙が噴出。 
時同じく、ジーンズの裾からオレが転がした数個のフィンガーボール大の 
ミスターW手製小型スモークグレネードからも白いものが上がる。  
  
スクランブルする人、人、人が渦巻く中心で・・・  
  
彼女の眼球目掛け・・・22口径の狭き門からの銀製ホローポイント弾が  
牙を剥き、宙を走った。
『吸血姫に祝福を』
〜日常風景2〜
>104
 うるさい……
 何故、蝿の様にまとわりついてくるのだろうか?
 
 私を引きとめようとするロゼットの手を振り払う。
 なにやら、ガタガタ言っているが無視だ。
 私の殺意をこれ以上、かきたてられても困る。
 
 
 私はスタスタと中庭にと向かう。
 背後から、私に駆け寄ってくる音。
 
 又か……
 一言ぐらい言っておくべきか。
 何なら、魅了して黙らせればいい。
 まだ、殺すに足る力は私に無い。
 
 そう思って、振り向こうとした瞬間、私を襲ったのは……
 
「あはははははは!」
 
 ロゼットの脇くすぐりだった。
 こそばゆい感覚に耐え切れず、私は大声をあげて笑い出す。
 
 私は脱力する全身に鞭打って、ロゼットを突き飛ばす。
 
「一体、何のつもりよ!? 大体、私が1人になりたいとはっきり言ってるのが理解できないの!?」
 
 高鳴る鼓動を抑えつつ、叫ぶ。
 
「と・に・か・く、私に構わないでっ! 鬱陶しいのよ!!」 
『吸血姫に祝福を』
〜日常風景2〜
>110
 
「なんだ、笑えるんじゃない。」
 
私は、服の埃をパンパンと払いながら笑った。
 
「いっつもいっつもぶす〜としてるから、
 笑えないのかと思ったじゃない。」
 
そして、にっと笑ってやる。
 
「ま、今回は私が悪かったわ。無理に誘ってゴメン!
 誰だって、一人になりたいときとかあるもんね。
 ・・・・・・あんな目にあった後だし・・・・・。」
 
ふっと、背を向ける。
 
「けどさ、今度・・・・次はさ。一緒に食べない?
 聞いたら、あんたいつもいつも一人で食事してるみたいじゃない。
 食事ってのは、ただの栄養補給とは違うんだから。
 一人で食べるより、みんなで食べたほうが美味しいよ?消化もよくなるって言うし。
 ウソかホントかしらないけど。」
 
そして、肩越しに振り返る。
 
「んじゃ、また後でね、ルージュ!」
『吸血姫に祝福を』
〜日常風景2〜
>111
 
 3人が立ち去った後で呟く。
 
「ふん、殺される獲物が気安く言ってくれるわね……」
 
 
 中庭に出る。
 日差しが強い。
 
 まあ、私には陽光は一切、関係ないが……
 
 近くのベンチに腰掛けて、目を瞑る。
 そよ風が私の髪をとかす。
 とても心地良かった。
 
 そして、ふと、考える。
 もし、さっきの場面で私の正体を明かしたら、どうなっていたんだろうと?
 それでも、ロゼットは同じセリフをはけるのか?
 
 まあ、どうしようもない空想ではあるのだが……
 
(復讐 8 興味 2)
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
>97
 
両側から襲い来る攻撃、不敵な言葉…でも無駄よ。
 
忘れたのアルトルージュ、ここは真祖の城よ。
真祖にとっては絶対の守りを持つこの場所で闘いを挑んだ愚かさを思い知らせてあげる。
 
アルトルージュとプライミッツマーダ―、より脅威なのは言うまでもない。
また、半分は真祖であるアルトルージュに千年城の守りは効果が薄い筈…なら!!
 
アルトルージュを無視してプライミッツマーダ―の牙を左腕で受け止めながら。
右胸に突きこまれる爪を、力ずくで掴み取る。
 
腕と胸から骨を砕き肉を引き裂く音がする、痛みより灼熱感が襲ってくる。
でも今はそれすらも楽しい。
 
プライミッツマーダ―に結界の力を集中し動きを止め、そのままアルトルージュに叩きつける。
 
「楽しいわアルトルージュ、頑丈な身体に感謝したいわ…いつまでも貴方と楽しめるもの」
 
不意に右腕の感覚がないのに気が付く、腕が引き裂かれ鋭い骨が露出している。
再生の気配がない、これが『ガイアの怪物』の牙の威力なのだ。
 
痛い、痛い、痛い、痛い、楽しい、痛い、嬉しい、痛い、でもかまわない。
 
だって、わたしの左手には肘から千切れたアルトルージュの右腕ある。
もう離さない、これはわたしのモノよ。
 
「ふふっ、次は何処がいい? 右足?それとも左かな?」
 
拘束され動けない、プライミッツマーダ―の傍らでうめくアルトルージュに
ゆっくりと歩み寄りながら問いかける。
114カミーラ ◆ICarmilA :02/04/30 00:10
『ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise" 
>45, >109

少女が語るのを聞きながら、カミーラは僅かに腰を浮かせ、肩から力を抜く。
言葉を語る時間は終わろうとしている。カミーラの敏感な感覚は、その兆候を
とらえていた。

まあいい。最近少し運動不足だったところだ。

突然店内に白煙が広がった。 反射的にカミーラは、テーブルを少女の方に
蹴り飛ばすと、反動を使って床に転がる。発砲音を聞いたような気がしたが、
目立ったダメージは受けていないようだ。

店内は白煙で見通しが利かない。突然の異変に逃げ惑う人々で、店内は混乱
の極みだった。

カミーラはバッグからMP9と弾倉を取り出すと、身体を起こして店内の様子を
窺う。こんな状況ではあの少女はとても撃ってはこれないだろうから、ここは
騒ぎを大きくせず逃げ出した方がいいだろうと判断して、カミーラは店の出口
を目指した。MP9は、目立たぬようバッグの中に隠しておく。この軽くて小さな
銃は容易にそうした取り扱いをすることができた。
115蘭麻みほ:02/04/30 00:23
妖女狩り異聞
>55>105
 
捨て台詞を1つ残し、京也は去った。
勇ましいことだ。
だが彼が再びみほの前に立つことは、二度とない。
手は講じておいた。
それよりも……今はもう一人の相手に集中しなければならない。
 
先ほど聞こえた爆発音とそれに続く火災。
「監視者」美夕がやってきたようだ。
 
彼女には人質は通用しない。
ならばそんなものを抱えているのはこちらの邪魔になるだけだ。
 
いつのまにかみほの周囲を百近い数の死者が取り巻いていた。
これだけの数の死者をけしかけて倒せなければ、その時は彼女自身が
相手をするつもりだった。
 
みほの目がすっと細められる。
その視線の先には白い和服をまとった美夕と、影のように従うラヴァの姿があった。
 
 
 
 
 
 
見知らぬ少年に手を引かれ、みほに捕われていた少女は走りつづけていた。
何故自分がこんな目にあったのかまだ理解できない。
みほの腕に抱かれその目を見たときから、すべては霧がかかったように
現実感を喪失していた。
ただ一つはっきりしている事、それは……
 
「ねえ、何故あの人は私を放したのかしら」
 
答えに詰まった少年を見て、少女は少し落胆する。
私だって歌手なのだ。
いきなり聞かれたからといってわからない筈はないだろうに。
 
「それはね……」
 
でも、まあいいか。
彼はこれから世界で初めて私の歌を聞くのだから。
 
 
 
         私の歌を、あなたに聞かせるためよ。
 
 
 
次の瞬間、清冽な歌声が夜空に響き渡った。
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
>113
 
「――痛っ!?」
 
 プライミッツマーダ―が不意に硬直し、私の右腕もアルクェイドに捻り取られた。
 私の右腕は肘から先が無く、血が勢いよくホースから出る水のように吹き出る。
 
 そんな中で、アルクェイドが告げる。
 
『ふふっ、次は何処がいい? 右足?それとも左かな?』
 
「寝言は寝ていいなさい。誰が、あなた『如き』にくれてやるもんですか!」
 
 右腕を再び、創り直して、再生させる。
 少々、力を使うが仕方ない。
 そもそも、私は持久力でアルクェイドにはかなうべくもないのだ。
 だったらやることは短期決戦。
 それにもう、アルクェイドは右腕は使えない。
 アルクェイドの右腕はプライミッツマーダ―の牙で完全に『殺された』。
 
「アルクェイド、あなたこそ、次はどこを吹き飛ばしてほしいの? 一思いに頭を潰してもいいんだけど?」
 
 私はそう叫んで、アルクェイドに飛び掛る。
 こっちは両腕。
 アルクェイドは左手だけ。
 
 2対1。
 単純計算だ。
 
 右手の爪を、左手の爪を文字通り息をつかせる暇もなく、私はアルクェイドに振るう。
 
 私はいつもアルクェイド・ブリュンスタッドが憎かった。
 未完成品の私がこうやってアルクェイドを刻む。
 それは何事にも替え難い快感……
 千年の生で得たことの無い悦楽……
 楽しい、ただ、ひたすらに……タノシイ……
 
「アハハ、アルクェイド、あなたこそ、辞世の句の準備は出来てる? 私はあなたの苦痛に歪む顔が見たいのよ!」 
 
 そして、私の後方でプライミッツマーダ―がアルクェイドの体勢が崩れるのを今か、今かと待ち構えていた。
『ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise"  
>109>114  
  
「・・・がはっ」  
  
オレの体は一時的にテーブルに押し倒される。  
白濁する視界は正常な思考能力を奪う。冷静に、冷静に・・・  
そうだ!!出口は一つじゃねえ筈だ。  
人は混乱状態じゃ通常の出口に殺到しやがるけどさ。  
  
オレはテーブルを脇へと押しやり、カウンターがある方向を 
思い出す。人の流れにやられないよう、テーブルの下を這って一旦、 
壁にたどり着き、それから壁沿いに出口を追い求めた。  
  
   
こんな所で銃を撃てないは、アイツも同じ筈。  
今のヤツの目的は絶対に、ここからの転進だ。  
・・・あった!!  
  
カウンター奥の従業員用出入り口から体をすべりだすと、  
そこは徐々に夜の帳が下り始めていた。当然、周囲は野次馬だらけだよ。  
  
常用の出入り口付近は特に人が多くて、女が逃げても良くわからねえ!  
オレは必死になって目を凝らす。  
  
・・・シルバーバレル、どうすればいいんだ!  
  
著名なリボルバーを模ったキーホルダーにしか見えない物をオレは  
ぎゅっと握り締めた。
118美夕 ◆MIYU.g96 :02/04/30 00:51
妖女狩り異聞

>105 >115

広場にはたくさんの死者の群れ。その真中に、女王然として立つ蘭麻みほ。
そして、爆炎を背負いやって来た『監視者』。

この世を死で埋め尽くさんとする美しい妖女と、闇と光の均衡を守る美しい吸血姫が対峙する。

みほが手を差し上げると、死者たちは美夕に殺到した。
この世の生者への怨嗟と羨望に満ちたうめき声を上げて襲いくる死者の群れ。この美しい夜族の
姫を蹂躙し、引き裂き、自分たちの仲間に加えてしまおうと。
しかし、その白い指先から噴き上がる炎が彼らを舐め尽くす。熱い、熱い、熱い・・・・。

美夕の『炎』は、この世ならぬ者を闇に帰す力。生ける屍である彼らにとってはまさに覿面の威
力であった。次々に炎に飲まれ、折り重なるように倒れていく死者たち。
炎を逃れた者は、黒衣の従者の振るう爪に五体を寸断されて地面に転がる。

みほの表情が怒りと憎悪に歪む。それを見て、嘲るように、誘うように美夕が微笑む。

「そんなに生きてる人が憎いのかしら・・・あなたたち」
119カミーラ ◆ICarmilA :02/04/30 00:56
『ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise"  
>114, >117

「やはり逃げるべきなのでしょうね」

白煙の吹き出す店の出口から出ると、カミーラはつぶやいた。何事かと
店の周りに集まってきた人だかりの中に、好みの美人を見付ける。背の
高い、中性的な容姿だ。

今夜はあれにしよう。

カミーラは視線を合わせると精神を集中する。相手の表情に軽い恍惚感
が浮かぶのを確認して、さりげなく肩に手を触れる。

相手が身体を震わせるのがカミーラの手に伝わってきた。耳元に口を寄せ、
ささやくように、ついて来なさい、と言う。

耳元にかかったカミーラの息に刺激されて、相手は熱い吐息を洩らした。

ますます集まって来る野次馬から離れ、魅了の犠牲者と連れ立って歩き
ながら、カミーラはどこで食事をしようかと考えていた。

やはり、あの人気のない寺院が良いだろうか。
120十六夜京也 ◆ASyuRaC6 :02/04/30 01:18
妖女狩り異聞
 
>115>118
京也は不自然な姿勢のまま、硬直していた。
両手で耳をふさぎ、膝は少女のみぞおちに入っている。
 
「あ、危ねえ・・・」
 
少女の喉の動きに、いやなものを感じて制止しようとしたが間に合わなかったのだ。
思念の力を霊的エネルギーにまで高める念法―――
それがもたらす霊感とでもいうべきものが、京也の命をかろうじて救ったのだ。
 
「すまねえ。後でちゃんと謝るから、今は勘弁してくれよな」
 
少女を手近な建物に運び込み、床に横たえる。
その後、阿修羅で少女の周りに円を描いた。
これで、死者達もしばらくは手を出せない筈だ。
 
「すまねえな。後で世界一の医者の所に連れてってやるからな!
 ・・・性格はわりいけど」
 
だが、おそらく蘭麻みほを倒さねば少女の支配は解けないだろう。
早く取って返さねばならない。
 
そして何より、さっきから近づいてくる爆音と二つの強い気配。
あれが美夕達で、蘭麻みほもこの少女と同じ技が使えるなら・・・・・・
あの二人とはいえ無事にはすまないだろう。
 
「ったく、なんであいつらの心配までしなくちゃなんねえんだよ」
 
ぼやきつつも、一直線に先程の場所へ向かう。
意見が合わないとはいえ、一度かかわった相手を見殺しにするわけにもいかない。
 
「それに、デートも途中だったしな」
 
念が消耗し、身体はかなりつらいのだが
京也は、新たに闘志を燃やしつつ走り続けた。
121エンハウンス:02/04/30 01:41
>20章271>21章227 死徒27祖による『聖域』襲撃  エピローグ
 
 ブラックバレルの銃弾が間違いなくヘルパートの肉を抉る。
 埋め込まれていく銃弾は、間違いなく神殺しの力で奴を致死させた。
 それは、もはや何処に当たったとか何故とかいう理屈ではない。
 
 奴は奴だったが故にブラックバレルに倒れたのだ。
 地面を転がる奴の瞳に、既に生の輝きは存在していない。
 一瞬で、銃弾が食い込んだ一瞬でその命の全てを奪い尽くしていた。
 
 その死体にはもう興味をなくしたかのように、コルゴンの方を振り向く。
 エンハウンスの視界には、去りゆくコルゴンの背中が見えた。
 
 その背中に銃口を向けて引き金を引くことは簡単だ。
 奴がただの人間であったとしても、44口径クラスの銃である聖葬砲典は容易にトドメを刺すことができる。
 もっとも、当たり所にもよるだろうが。
 
 だが、それをせずに一瞥をくれただけで、エンハウンスは逆方向の森の中へと走り出した。
 まだ、この森の中には他の27祖もいるに違いない。
 なら、此処で無駄な力を使うのは得策ではないだろう。
 
「立ち塞がるなら、容赦はせんがな」
 
 酷薄な笑みを浮かべながら、木々の間へと消えていった。
 
 
続く……?
122蘭麻みほ ◆MihO/zhw :02/04/30 01:54
妖女狩り異聞
>118>120
 
「あなたにはわからないわ。
 死者が生者に抱く思いは」
 
美夕の兆発に、みほはそう応じる。
そう、美夕には決してわかることはないだろう。
 
なぜなら彼女には感じることができる。
沈む夕日の美しさを。
そよぐ風の心地よさを。
よりいっそうの憎悪をこめて、みほは美夕を見つめた。
 
気付けばその場に立つのはみほと美夕、そしてラヴァの三者のみとなっていた。
やはりこうなったか、とみほは思う。
かくなる上はこの手で決着をつける。
それは己の能力に磐石の自信を持つがゆえの決断だった。
 
彼女の死の歌からは何人も逃れられない。
この二人にも京也の後を追わせてやろう。
 
みほの顔が上向き、胸が膨らんだ。
一声発せば生あるもの全てに等しく死をもたらす歌声が
秒速320メートルで美夕に迫る。
みほの顔は自信に満ちた笑みを浮かべていた。
123エンハウンス:02/04/30 02:03
死徒27祖による『聖域』襲撃、レス番まとめだ。
 
第12章 >90>91>113>118>168>177>198>327>366 (>359>367>442 エンハウンスVSコルゴン 乱入戦)
第13章>479>480>481>482
第14章>707 
第15章>144 
第16章>262>347
第18章>6>398>409>429
第20章>271 
第21章>227
第23章>121
 
あまりに長期に渡っているのでレス番まとめの意味がないとは思うがな。
その内に、まとめたファイルが何処かに上がるはずだ。
124フリッツ ◆FRItz.JA :02/04/30 02:09
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1019314499/
前スレ>291より
 
いつもの狩りだ。そう俺は狩りに来ていた。
だがこいつは何だ?
先客がいらしているようだぜ? と連れのヴェドゴニアに話し掛ける。
見れば見るほど凄惨で、最高だ。
 
曳光が夜闇を切る。
棒立ちの人影が瞬時に血飛沫に変わる。
塵となり崩れ落ちる。
炎の舌にねぶられ蛋白分を吸い尽くされる。
引き裂かれる引き裂かれる。
 
キメラヴァンプとも違う化物どもが好き勝手に暴れてやがる。
 
アモ飛ぶ血が跳ぶ人が飛ぶ。ってか。
くく、いいぜ、最高じゃねェか!
 
――――――――罪の裁き?
 
上等だぜ。
テメェは神か?人か?化物か?
この俺に盾突きやがる。となりゃ黙っちゃられねぇよなァ。
 
ヴェドゴニアを足蹴にしてハマーから降ろすと、
俺は銃を手に取りハマーを疾走させる。
 
轢き殺してやるぜ化物ども!!
125十六夜京也 ◆ASyuRaC6 :02/04/30 02:13
妖女狩り異聞
 
>120>122
ぜえぜと息が上がる。
それでも、何とか間に合ったようだ。
 
そこには奇妙な静寂があった。
 
歌い手が一人、観客は二人。京也を含めてもたった三人。
それでも、歌い手の顔は喜びに輝いていた。
 
 
     死者の邪悪な喜びに。
 
 
みほが息を吸い込むのが見て取れた。
間違いない。あの歌を歌う気だ。
おそらくは先程の少女の何倍、何十倍もの力を持つ歌だろう。
 
まだ遠い。
京也にはみほの歌を邪魔する事はできない。
苦しい息の中、必死に叫び声を上げた。
 
「美夕―――!!」
 
この名は本名だろうか? だが、京也は他にその少女を呼ぶ名を知らない。
 
「そいつの武器は<歌>だ! 聞くな―――!!」
126美夕 ◆MIYU.g96 :02/04/30 02:25
妖女狩り異聞

>122 >125

京也の叫びが美夕の耳に届く。戻ってきたのだ、彼は。

    ――自分を利用し、嘲ったわたしを助けるために。

しかし「歌」があの妖女の切り札とは・・・。それさえわかってしまえば、手はある。
何十年もの長きにわたって、何度となく痛い目を見ながらひたすらに魔を狩り続けてきた美夕の
経験の中に、その手の妖力を行使する相手への策はあった。

「・・・はぁぁっ、炎よ!!」

美夕は両手を広げ、持てるすべての力を放つ。みほをぐるりと囲むように炎の壁が噴き上がる。
凄まじい高温により発生した激しい空気の対流は、みほの歌声をかき消し意味のない不協和音に
変えていく。そして、その輻射熱はみほの喉を、鼻を灼く。

「くうっ、今よ!」

炎の壁を維持するだけで精いっぱいの美夕は、ラヴァに檄を飛ばすが、ラヴァはがっくりと膝を
ついた。念の一撃で消耗していたラヴァは、死者の群れとの戦いで力を使い果たしていたのだ。

『・・・十六夜念法、か・・・』

頼みの綱は、もはや一人しかいない。
そう、一人だけ。どうしようもなく甘ちゃんで、でもだからこそとても強い男。
美夕とて、彼がいなければとうにあの『死の歌』の前に倒れていたに違いない――

「お願い、京也くん・・・・・っ!!」

美夕は叫んだ。心から、全てを彼に託すために。
127ジャッジ・デス:02/04/30 02:39
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
 
ジャッジ・モーティスvsフリッツ
>124

フリッツの操るハマーは怪物たちの一体、牛か馬の頭蓋骨を思わせる頭部をもつ異形の存在めがけて突進する。
異形はハマーの方向を振り向いたが、避けるにはもう遅い。
ハマーの車体に、ハンドルを握るフリッツの手に、衝撃が伝わった。
フリッツは自らの戦果を確認しようと、車体後部の窓ごしに後方を振りかえろうとした。
その時、右側の窓に外から手がかけられた。
鋭い鈎爪をもつ、茶色く萎びた手だ。
さらに、窓の向こうから馬の頭蓋骨が現れる。
この怪物は、ハマーに跳ね飛ばされるかわりに車体右側面にしがみついていたのだ。
「突然ッ、乱暴ゥゥなお人でェすねェェェ!」 
頭蓋骨から甲高い声が漏れ出した。
「執行妨害はァァァ重罪でェェェすよォォォ?
 判決ゥゥゥはァ死刑ですッ!」
そう叫ぶと怪物は窓に上半身をねじ込み、フリッツに掴みかかった。
全てを腐敗させるジャッジ・モーティスの手が、フリッツに向かって伸ばされた。
128十六夜京也 ◆ASyuRaC6 :02/04/30 02:50
妖女狩り異聞
 
>125>126
炎の壁が京也の顔をも赤く照らした。
熱い、とは感じない。
むしろ、もっと純粋な力がわき上がるような暖かさを感じる。
 
美夕の叫びが聞こえる
 
―――お願い、京也くん・・・・・っ!
 
耳ではなく、心に届く叫び。
その願いが、再び京也の念を高める。
 
「まかせとけっ。これ以上、誰も死なさねえぜ!」
 
一気に走り込み、炎の壁を突き抜ける。
炎が京也の身を焦がす事はなかった。
それどころか、全身に張り巡らせた念がいっそう高まった感覚がある。
 
「受けろ、十六夜念法―――!!」
 
阿修羅が炎の壁を巻き込み、京也の姿を朱く輝く龍のように見せる。
重なった想いが浄化の炎となって、死者の街を吹き抜けた。
 
そして、死の歌を紡ぐ偉大なる歌手は・・・一閃の光と共に袈裟懸けに斬り伏せられていた。
129横島忠夫 ◆YDaTadao :02/04/30 02:57
>107 >108 
 vs アドルフ・ヒトラー 
 【脱出する者の時間】
 
「・・・は?」 
 
 事態をゆっくり噛み砕いてみる。 
 ええと、まず美神さんに酷似した子供が居た。 
 鈴鹿を押し倒そうとしたら、その子に止められた。 
 惜しかった。 
 
 ・・・って、違う違う、そこじゃない! 
 いきなり出てきた美形がみかみれいこに銃を突き付けて、渡せとかほざいてるとこだ!  
 よくはわからんが、いきなりピンチ!? 
 しかも鉄砲! 銃刀法違反! 
 
「だ、でっ! じ、人工幽霊!」 
『はい、わかっています』 
 
 美神令子除霊事務所に取り憑いた「渋鯖人工幽霊一号」――事務所の支配者は、
 俺の呻きにも似た言葉にも律儀に、かつ的確に応えた。 
 
 前置きもなく、闖入者を霊波の光が包む! 
 あらかじめ仕掛けられた「侵入者撃退トラップ」の一つが発動したようだ。 
 霊圧、霊力、共に並みのレベルを遙かに凌駕している。霊感のない常人でさえ気絶する、ハズ。  
 とにかく、なんかは知らんがこれで――――――! 
  
「鈴鹿ッ! 美神さん! 逃げるぞっ!」 
 
 答えを待つ隙すら与えず、俺は美神さん・・・らしき子供を小脇に抱え、鈴鹿の手を引いて走り出した。 
 部屋を飛び出るとすかさず、天井の仕掛けを作動させて、一目散に階下に逃げる!  
 
 ガレージ、そこに行けば「コブラ」がある!
130フリッツ ◆FRItz.JA :02/04/30 03:06
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ

ジャッジ・モーティスvsフリッツ
>127
 
ドォン! 小気味良い反動。
まずは一発。この程度じゃあ・・・・・・・・・・やっぱ死なないよな。
 
向いた右の窓に牛や馬に似た頭蓋骨が覗いている。
 
『乱暴ゥゥ!』『死刑ですッ!』
 
ったく、イカす野郎。コイツ、最高だ。最高に狂ってやがる。
 
頭の中を何かが駆け巡る感触。この昂揚感がたまらない。
 
鋭い鉤爪が窓ガラスをぶち破り俺に掴みかかる。
させるかよ!
 
即座にドアを開いてそのまま車から飛び出す俺。
爆破装置を作動させる前にハマーは建物の壁にぶち当たり大破した。
遅れて爆発。
 
分厚い戦闘服の中には手榴弾、カービンの弾装、
爆薬、あとは役立たずがいくつか。
これだけでは心許無いが。
 
―――――――いいぜ、来いよ化物。
 
白黒つけようじゃねえか。
正義?悪?・・・・・・・・・・・関係ねぇな。
狩人はどちらか。断罪者はどちらか。強いのはどちらか。
 
俺の全てを使ってテメェに挑む。テメェも全てを賭けて来い。
この拳で。この脚で。この銃で。この魂で。
 
損はさせない。満足させてやる。だから、俺にも愉しませてくれ。
 
ニヤつく頬を擦りながら、俺は担いだカービンを叩き起こすかのように弾装を装填した。
131鈴鹿御前 ◆Y4SUZUKA :02/04/30 03:33
アドルフ・ヒトラー vs 横島忠夫 & 鈴鹿御前
【脱出する者の時間】
 
>107 >108 >129
 
私は、ハッキリ言って混乱していた。
 
美神さんに呼ばれて行ってみれば、人を呼びだした当人はどこにもいなくて。
いきなり、横島くんに押し倒されそうになって。
それを止めたのが、美神さんそっくりの子供で。
しかも、その子の名乗った名前が「みかみれいこ」で。
 
その上、、なんの前触れもなく現れた金髪碧眼の青年が、その「みかみれいこ」に銃を突きつけて。
 
 
そんな思考の袋小路から私を連れだしたのは、横島くんの行動だった。
 
「だ、で、人工幽霊!」
 
彼の声に反応して、人工幽霊の作動させた侵入者撃退トラップが発する霊波の光が、謎の青年を包む。
その隙に、謎の子供―――仮に「美神さん」と呼んでおこう―――を抱えた横島くんが、私の手を引いて走り出す。
そのまま一目散に廊下へ飛び出すと、次の仕掛けが作動する。
天井から降りてきた看板が、廊下を塞いでしまうのだ。
そこに描かれているのは廊下の風景そのものであり、慌てて追ってきた闖入者は、正面から看板に激突する、という寸法だ。
 
しかし、聞こえてくるハズの激突音は、いつになっても聞こえてこなかった。
これはつまり、侵入者が看板のトラップに気づいたコトを意味する。
だが、この罠の本当の恐ろしさは、この後にこそあるのだ。
看板の仕掛けを見破り、立ち止まった者には、もれなくカナダライのプレゼントが待っている。
これを予測するコトは、まず不可能。
―――恥を忍んで言えば、実は私も、何かの拍子で引っかかった。
 
あの美形青年とて、例外ではなかったらしい。
階上から「くわ〜ん」という小気味いい音が聞こえてきた頃には、私たちは1階のガレージにあるコブラに飛び乗っていた。
アドルフ・ヒトラー vs 横島忠夫&鈴鹿御前
【脱出する者の時間】
 
>129>131
 
少年の叫びと共に、眩い光がアドルフを包んだ。
 
「くっ・・・これは・・・ッ!」
 
光が目を灼き、身体をも灼く。
霊波の光はあくまで『人間』の属性しか持たないアドルフにさえもダメージを与えるに充分な力を持っていた。
 
だが、それだけだ。
獣性細胞を宿した肉体は、速やかにダメージを回復する。
 
「目眩まし・・・その間に逃走か。いい判断ではある」
 
悠然と呟く。
そして、部屋からゆっくりと出る。
焦る様子など微塵も見せない。まさに王者・・・否、覇者の風格。
 
「・・・で、これが罠か?」
 
部屋に出たアドルフは、呆れたような声を出した。
廊下を描いた書き割り。
焦って部屋を飛び出すような愚か者には有効だろうが、そうでなければあまりにも間抜けすぎる罠。
 
「・・・くだらんな」
 
溜息と共に、手をかざす。
空間を支配するアドルフにとって、このようなものは無意味。
手が、書き割りの中に潜っていく・・・その瞬間・・・
 
 
くわぁぁん、と小気味よい音が響いた。
 
 
・・・アドルフの頭に、天井から降ってきたカナダライが激突していた。
  
「・・・ふぅ」
 
溜息を一つ。
確かに驚きはしたが、大したダメージがあるわけではない。
 
「しかし、こんなものが続くと少々面倒だな・・・」
 
呟き、手をすっと振る。
その軌跡が黒い帯となり、ぱくりと開く。
 
空間の扉。
その繋がった先は・・・ガレージのコブラの前。
 
扉を越え、コブラに乗り込んだ三人に声をかける。
 
「さて、と。逃げられると思ったかね?」
>65 vsエリ

・・・アレ?

何で私は倒れてるんだ?
えっと、ん?
身体が動かない?
隣には同じ様子で強化型アーミーゾンビが倒れてる。

・・・なんか微妙に人間っぽい奴だったな・・・
ああ、
もう、
どうでもいいか・・・
諦めちゃダメだって分かってるけど、
カラダ、動かないし
意識も、ホラ遠くな・・・・・・って・・・・・・


暗転。
Broken Doll vs Stupid Zombie ...vs Eccentric Butler『血塗れの遁走曲?』
>前スレ508

空を飛ぶ。
それは人類の夢。
私は今、空を飛んでいる。


  爆  破  落  ち

「さっきまでのシリアスは・・・何処?」

真の敵は銀髪のヘンタイだった。
シリアスの敵、常識の敵、そして―――――

私の敵。

身体の自由が利かない。
意識も消える寸前だ。
心地よい、しかしかなり不快な、
例えて言うなら幸福な悪夢。


―――――結局、何がどう言うことだったんだろ―――――


『さあ?』

空耳が、聞こえた気がした。
135名無し死徒:02/04/30 14:47
名無し大殲

月がとっても青い夜。
一本の旗を抱えた吸血鬼が廃ビルの中に入っていく。

「全ては―――――我らの姫君のために」

邪魔者は、排除する。

Fight!
136名無し夜刀の神:02/04/30 14:49
>135
「全ては・・・菊璃様のために! ひぃいやっはァァァァ!」

ホストのような面構えの男。
スーツを振り乱し、二本の刀で死徒に斬りかかる。
137名無し吸血鬼:02/04/30 14:50
名無し大殲 
>135 死徒

「はっ! 楽しい楽しい夜族の時間ってか?」 
 
(サブマシンガンを乱射)  
 
「オヒメサマの夢でも見ながら、くたばれ」
138名無し死徒:02/04/30 14:55
>136
(突然斬りかかられ、鮮血が飛沫を上げる)

「下賎な!」

(くるりと旗がはためき相手を巻き取らんとする)

>137

「貴様にこの美しい夜は似合わん!」

(サブマシンガンの弾で半身を削られながらにやりと笑う)

「我が姫へ従え!」

(魅了の魔眼で見つめる)
139名無し夜刀の神:02/04/30 14:59
>138
「戦旗術かよ・・・ウゼェ」

旗に刀を巻き取らせて逃げる。

「ん〜、この血の匂いがたまらねぇなあ。
 だが・・・それに硝煙の匂いが混じるのはマイナスだ!」

>137に向けて跳躍し、頭上から一太刀に切り捨てようとする。
140名無し吸血鬼:02/04/30 15:00
>138 死徒 
「くっ、俺は無敵の吸血鬼様なんだぞ!?」 
 
(銃撃を続けながらも、ぐらりと揺れる) 
 
「そ、そんなもんに……!」 
 
(魅了されつつある) 
 
>139 夜刀の神 
「く、はっ!」 
 
(サブマシンガンでとっさに受け止める) 
 
「てめぇ、ふざっけんじゃねぇぞ!」 
 
(魅了から脱出するが、サブマシンガンを喪失) 
 
(代わりに拳で殴りかかる!)
141名無し夜刀の神:02/04/30 15:03
>140
吸血鬼の拳が腹に刺さる。

「く・・・ハッ。いいパンチしてんじゃねえか!」

お返しとばかりに貫手を腹に突き刺し、臓腑を穿って抉り倒す。
142名無しグール:02/04/30 15:04
>140
「あーばらー・・・」
 
(何か言いながら>140に食らいつく)
143名無し死徒:02/04/30 15:05
>139

「ただの戦旗術だと思うな!」

(布が伸びて分裂し、四肢目掛けて絡み付く)

>140

「その程度で無敵とは笑わせてくれる!」
144名無し吸血鬼:02/04/30 15:06
>141 夜刀の神 
「がぁ、痛え。てめぇ、クソっ!」 
 
(血が零れる腹を押さえながら、サブマシンガンの残骸を投げ付ける) 
 
(それに隠れつつ、抜き手を繰り返し突き出す) 
 
>142 グール 
「邪魔するんじゃねぇ!」 
 
(噛み付かれたまま、腹を膝で蹴り飛ばす)
145名無し夜刀の神:02/04/30 15:09
>143
「ああ? ・・・てめえ、生意気なんだよ!」

旗に絡め取られて引きずられながらも、死徒の首目掛け、
すさまじい腕力で刀を振るう。

>144
腹を抉られるに任せる。
吹き出る腸が蛇のようにのたうつ。
146名無しグール:02/04/30 15:10
>144
(噛み付く力と蹴りの力の相互作用で、グールの頭部が胴体から離れる)
 
グール・活動停止。
 
(首は吸血鬼に噛み付いたまま)
147名無し死徒:02/04/30 15:13
>145

「グ・・・。やられは・・・せん!」

(旗から手を離し、再生能力を駆使して刀を筋肉で挟み込みながら・・・)

「・・・・・・・・・潰す!」

(相手の頭を掴み、力を込める!)
148名無し吸血鬼:02/04/30 15:13
>143 死徒 
「ひははははは!」 
 
(転がるコンクリート片を掴むと、吸血鬼の力で投擲) 
 
>145 夜刀の神 
(腸に左腕を絡みつかれる) 
 
>146 グール 
「ひゃははは! いい感じじゃねぇか!」 
 
(食い付かれた所ごと頭をむしり取ると、地面に叩き付けて砕く)
149名無し夜刀の神:02/04/30 15:17
>147
「ひゃははははははは!」

馬鹿にしたように高笑う夜刀の神。

「頭潰されたぐらいじゃ死なねえよ、オレは!」

口だけが残った頭がひたすら笑い続ける。
そして、落ちていた刀を拾い、旋回。
回転による刀の時間差攻撃。一撃目をよければ二撃目が当たる。
狙うは心臓。
150名無しパラサイト:02/04/30 15:20
―――目標を選別。
>146
屍肉は食用に適していない。

>149
最も手近な対象い攻撃。
(頭部が割れ、2本の刃付き触手となり打ち掛かる)
151名無し死徒:02/04/30 15:22
>148

「ぐおっ!!」

(コンクリート片が頭に命中)

>149

(二刀による時間差攻撃で心臓を貫かれる!)

「カハッ!」

(倒れながら、地面の転がっていた旗に手を伸ばし――――)

名無し死徒 is dead
152名無し夜刀の神:02/04/30 15:22
>150
「あ? なんでこの気味悪いのは? 胸糞ワリイ」

死徒への攻撃が阻止される。
触手に一本腕をもっていかれながら、噛み付こうとする。
153名無し吸血鬼:02/04/30 15:25
>151 死徒 
「はっ、くたばりやがった!」 
 
>152 夜刀の神 
「残るはオメーだけだな、ああ?」 
 
(急速に接近、無事な右腕を打ち込む)
154名無しパラサイト:02/04/30 15:28
>152
目標の戦闘能力を大きく奪ったものの、鋭利な牙により肩部に損傷。
継続的な流血を回避する為、より早い目標の殲滅を。

(目標の首筋に刃を突き刺す)
155名無し夜刀の神:02/04/30 15:30
>154
首を落とされたところを――

>153
腕が心臓を貫通する。

「き・・・菊璃様・・・万歳・・・」

爆発するように灰となって――――消えた。
 
 
                     名無し夜刀の神 DEAD
156名無し吸血鬼:02/04/30 15:34
>155 夜刀の神 
(灰を軽く払うと、右手を再び抜き手に構えた)  
 
>154 パラサイト 
「ひゃは、ひははははははは!」 
 
(腕を薙ぐように振る) 
157名無しパラサイト:02/04/30 15:36
>155
目標殲滅。出血量は許容範囲内。
(肩に食い付いたままの頭部を引っぺがす)

>156
(ガードした触手が切り落とされる。切断面から出血)
出血量増大。
このままでは行動に支障が生じるのも時間の問題。
目標殲滅後、速やかに再生を。
(無事な方の刃を袈裟切りに振り下ろす)
158名無し吸血鬼:02/04/30 15:38
>157 パラサイト 
(とっさに身をよじるが、腕が切り落とされる) 
 
「あ、ああ、あ……ッ!」 
 
(飛び散る鮮血が辺りを真っ赤に染める) 
 
「て、てめぇ!」 
 
(残った足で蹴り上げる)
159名無しパラサイト:02/04/30 15:42
>158
(蹴りを両腕でガード。右腕粉砕骨折)
反撃。今度こそは確実に急所を。
(振り下ろした刃を心臓目掛けて突き上げる)
160名無し吸血鬼:02/04/30 15:43
>159 パラサイト 
「ぐがああああああああああ」 
 
(心臓を貫かれ、血溜まりとなって弾けた) 
 
  
名無し吸血鬼 殲滅
161名無しパラサイト:02/04/30 15:46
>160
第2目標も殲滅。
速やかに切断されたパーツの回収に移る。

(切断された触手を無事な方の触手で拾い上げる)
162名無し死徒:02/04/30 15:50
>161

(そのとき流れていた血で体力を回復した死徒がむくりと起き上がる)

「真の夜族があれ位でやられるものか!」

(旗の先から鋭い穂先が飛び出し、後ろから標的を串刺しにする!)
163名無しパラサイト:02/04/30 15:53
>162
(背後から心臓を刺し貫かれる)

……出血多量……行動……不の……う……

【名無しパラサイト 死亡】
164名無し死徒:02/04/30 15:57
>163

「・・・我が姫君への至誠に勝るもの無し!」

(意気揚揚と外へと出て行く)

「ッ!!!!!!!」

(朝日を浴びて灰に)

名無し死徒、今度こそ本当に死亡。
165エンブリオ ◆KYO.Bs/E :02/04/30 15:58
レス番まとめ
 
適当に>134-164あたりを読め。

以上。
166名無しパラサイト:02/04/30 16:00
名無し大殲

>135 >136 >137 >138 >139 >140 >141 >142 >143 >144 >145
>146 >147 >148 >149 >150 >151 >152 >153 >154 >155 >156
>157 >158 >159 >160 >161 >162 >163 >164

結果:全員死亡。
167黒岩省吾 ◆sChIjITA :02/04/30 20:45
>100 vs横島忠夫「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」
 
ガウザーの拳を食らいながらも、横島は立ち上がってみせた。
 
「ふっ・・・、思ったよりはしぶとい相手か」
 
冷笑混じりにそういうと、暗黒騎士は砂を蹴る音を立て、地面を踏んだ。
そうして一歩間合いを詰めると、相手の状況を確認する。
 
横島の右手には、霊力で作られたらしい刀が産まれていた。
一方の左手は、強く握りしめられている。
何かを隠し持っている、ということか。
 
何を企んでいるかは知らないが、一瞬で倒されれば意味のないこと。
そして、暗黒騎士の名を冠する彼には、それを成すだけの実力があった。
 
――――欠陥だらけの知識を自慢するくせに。
 
ガウザーは、背負った刀を走らせるように抜き放つ。
刃の部分を上に向け、正確に横島の心臓目掛け切っ先を突きつけた。
刀身が夕日を照り返し、鮮やかな朱を見せる。
 
「はぁっ!」
 
掛け声とともに、流星のような突きが心臓へと吸い込まれて行く。
168横島忠夫 ◆YDaTadao :02/04/30 21:01
>167 vs暗黒騎士ガウザー 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」  
 
 
 ――――来たッ! 
 
   
 細い夕日に照らされた一閃、的確に心臓を、急所を狙う一撃が――――!  
 
(こんなん、喰らったら死んでまうわっ!)  
 
 ギリギリまで迫った死の刃を横島は、常軌を逸した反射神経だけで回避する。 
 着たきりのジージャンが裂け、覗いた黄色いシャツが夕日に燃えた。 
 
 
   
「し、真剣!? やっぱり殺す気なのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!」 
 
 
 ぶわっと、涙を散らしながらも少年は予断なく身構える。 
 霊波の剣を前に突きだし、左をやや下げた。切っ先を自称都知事の怪人に向けて、距離を取るように。 
 無論、心得があっての構えなどではないが―――――― 
 
「来るのか、来るのか、ええ、オイ!?」 
 
 ゆらゆらと切っ先が震え、攻撃の呼吸を悟らせない。 
 視線は決して定まらず、そのタイミングをずらし続ける。  
 怯えつつ逃げ道を探しているだけが、何故かそれっぽくなっていた。 
 
「き、来たら、た、ただじゃすまさんぞぉ!」 
 
 言いつつ、じりじりと摺り足で体をずらす。少しでも少しでも怪人から逃げるために・・・ 
169黒岩省吾 ◆sChIjITA :02/04/30 21:37
>168 vs横島忠夫「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」
 
――――――太刀筋が読めない。
少年の腰は退け、目には涙さえ浮かべているというのに・・・
彼は必殺の一撃をかわしてのけた。
 
そして、その霊波刀の切っ先は的確にガウザーの急所を指していく。
 
ただの偶然だろうか、それとも・・・才能はあるということか。
どちらにせよ、今の内に潰しておくのは正解だったようだ。
 
「当然、殺すつもりだとも。東京を、いや、この国を支配する妨げになる相手はな」
 
警戒だけは怠らず、しかし、確実に横島との間合いを詰めるガウザー。
 
「さあ、どうした?ただじゃ済まさないんじゃなかったのか?」
 
暗黒騎士は横島に対し、刃を隔てて問い掛ける。
その口調にはどこか挑発的な響きがあった。
少年の発言がハッタリということだけは、半ば見抜かれていた。
警戒を解いていないのは、単なる用心に過ぎない。
 
「来ないようならば・・・こちらから行こう!」
 
ガウザーは言うが早いか間合いを詰め、横島の頭上に刃を浴びせ掛ける。
空気が裂かれる音が横島の耳に響いた。
>167>169
くっ・・・変身し忘れていた・・・。
171エリ ◆Eri.06RI :02/04/30 22:03
>133
VSミア
エピローグ
 
「エリちゃん! エリちゃん! しっかりしてください!」
 
「ん・・・フィオ?」
  
相棒に体を揺り動かされ、あたしは意識を取り戻した。
どうやらあの後意識を失ったらしい。・・・ちょっと待て。あいつは?
 
「フィオ、あたしの他にも何か倒れてなかった?」
 
「え? 見てませんけど?」
 
痛む体を起こし、辺りを見回すがあいつは居なかった。
 
「逃げたのか・・・止めを刺さずに?」
 
「よくわかりませんけど、ともかく作戦は終了です。帰りましょう」
 
釈然としないが、まあいい。
 
「ああ。んじゃ、帰ろうか・・・」
 
痛む体を引きずり、あたしは歩き出した。
 
「また会ったら、今度こそ・・・」
172横島忠夫 ◆YDaTadao :02/04/30 22:10
>169 >170 vs暗黒騎士ガウザー 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」  
 
 
「躊躇とか迷いとか、せめて警戒するとかしろぉ!」  
 
 風を切る唐竹の太刀筋を、右手の霊波刀が受け止めた・・・・・・が。 
 
「な、の、がぁ!」 
 
 元々の腕力が違いすぎる。衝撃を殺しきれず、あっさり振り抜かれた。 
 刃の先端が肩口を、胸を、腹を切り裂いて血しぶきを散らせる。 
 ジージャンにシャツ、一張羅が朱に濡れ、破られ、台無しになった。 
 それを気にする余裕など、泣き叫ぶ少年にはなかったろうが・・・  
 
「痛だだだだだだだだだだだだだだ!」 
 
 涙を吹き出しながら、血の流れる傷口を左手で押さえる。 
 痛みとショックと恐怖と・・・まぁ、そこら色々なものが混じり合って片膝を地に着かせた。  
 
(死ぬ! 死んでしまう! いやだ、死ぬのはイヤだっ!) 
 
 ぐるぐるぐるぐる、頭の中が回る。 
 
(せめて、せめて綺麗なねーちゃんの胸の中で死にたい! ああ、でもっ! やっぱ!) 
 
 胸元とか尻とか太股とか、色んな光景がフラッシュバックした。 
  
(ヤらずに死ねるかぁ!) 
 
 結局、そこに行き着く。 
 
「絶対、死んでなんてやらねぇ! 帰りを待ってる娘だって・・・いるかもしんねーんだからっ!」 
 
 露骨な見栄と共に横島は左手の文珠に霊気を送った。 
 意識で描いた文字が霊波を伝わって、文珠に刻まれる。 
 「模」――――存在そのものを模写する、文珠。 
 
「ブラックアウト!」 
 
 叫びと共に横島の姿は目の前に怪人――暗黒騎士ガウザーになる。 
 
「さぁ、これで五分と五分じゃあ!」  
>172 vs横島忠夫「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」
 
「はあ?」
 
思わず、ガウザーは間の抜けた声をあげる。
何を仕出かしたのか、横島の姿は自分と寸分違わぬ鎧武者と化していた。
軽く頭を振って、気を取り直す。
 
「ふん・・・姿だけ真似したところで、俺に叶うはずがない」
 
そうとも、俺が必死になって身につけて来た剣術・・・そして、知識。
それがそう簡単に真似できるはずがない。
できるはずが・・・ないんだ。
 
脳裏に付きまとう嫌な予感を振り払うために、ガウザーは必死に自分に言い聞かせる。
 
暗黒騎士は、剣を全力で握り締める。
掌に痛みが走るのも意に介さず、目障りな偽物を処分すべく、滅多やたらに切りかかる。
 
幾筋もの銀光が、まがい物を断つべく迫る。
『ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise"  
>117>119  
  
今日のこの日ほど、オレは自分が女でガキだった事を疎ましく思った事は 
ないかもしれない。  
  
店内の喧騒。群がる野次馬。緊急自動車のサイレン。  
飛び交う異国の言語。  
背の低いガイジンのオレには、状況把握ってヤツが何一つできる環境には 
なかった。  
  
・・・Shit.   
  
しかたねえ。 
オレは賢そうに見える適当な兄ちゃんに英語でなんとか聞いてみる。  
あんな美人のガイジンの女。一目見ただけで印象に残るハズ。  
  
・・・。  
  
あームカツク!!  
言語の壁に何枚のぶち当たる内。オレの言葉は次第に素丸出しになった。 
   
『テメエが腐ったアレでよろしくしてぇとか思う様な外人の女が何処  
行ったかって聞いてやってんだよ!!』  
  
・・・なぜか、通じたじゃん。  
  
怯えた顔で兄ちゃんが指差す方角を振り返ると、そこには  
軽い酩酊にあるような足取りをした女と連れ立って北へと歩くヤツがいた。  
「シルバーバレル、お願い」  
  
オレの手には気高く輝く銃身。  
西部劇でお馴染みのコルトS.A.A・・・の妖怪が現れた。  
普段、キーホルダーサイズのこの銃がオレの意思によって真の姿を現したんだ。   
  
妖銃の妖力が体に降り注ぎ、超人的な力がオレの体に満ち溢れる。  
一旦、銃をリュックに仕舞い。  
だんっ!! 灰色の床を蹴り上げ、二人に接近しながら懸命に叫ぶ。  
  
「Freeze!!」
『吸血姫に祝福を』
〜日常風景3〜
>112
 
「ふぅ〜・・・・。ベトベトするな〜なんか。」
 
部屋でぼーっとしているうちに寝入ってしまった私は、
部屋に差し込む西日でようやく目を覚ました。
日当たりのよい窓辺で寝ていたせいで、目が覚めた時私の体は汗だくになっていた。
そのため、汗っぽい体を流す為に皆より一足早くシャワー室に行くことにした。
 
「??」
 
シャワー室の前まで来て、私は中に誰かがいるのに気がついた。
音から察するに・・・・一人だけのようだが・・・・・。
 
「ま、いっか・・・・。」
 
きぃと、扉を開ける。
中にいたのは・・・・10歳ぐらいの女の子。
・・・・・・アズマリア・・・・じゃない、あれはルージュか。
彼女は私に気がついていないようだ。
 
《きゅぴ〜ん》
 
私の顔に浮かぶいたずらっぽい笑み。
 
「(ふっふっふ・・・・・。)」
 
そろりそろりと彼女の背後に近づき・・・・。
 
「だ〜れだ!!」
 
いきなり彼女の目を覆ってやる!
>173 vs暗黒騎士ガウザー 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」  

「く、くくくくく・・・」 
 
 唐竹、袈裟、逆袈裟、薙ぎに切上。 
 連撃! 、 連撃! 、 連撃! 
 横島忠夫という少年には、到底見切ることのかなわない太刀が幾度となく翻った。 
 
 が、暗黒騎士ガウザーにとって、それは結局自分の技。 
 癖も、パターンも、威力も、全部手に取るようにわかる。 
 力も技も知識も写し取る文珠「模」――ダメージも共有することを除けば、最高の武器だ。 
 
  
 ――――そして、横島はその事を誰よりも理解していた。  
 
 
「わはははははははははははははははっ!」  
 
 たまらず、笑いが零れた。 
 斬撃をかわし逸らし弾く。冷静さを失った太刀など”暗黒騎士ガウザー”に通じやしない。 
 攻撃を殺しながら、少年はゆっくりと意識を深いところに潜行させていく。  
 
(へぇ、こいつ・・・) 
 
 ニヤリ。 
 先程まであれほど慌てていた表情が、この上ないほどいやらしい笑みに染まった。 
 
「知っているか! な。ずいぶん必至になって調べてるじゃねーか」 
 
 ガウザーの手が鈍る。 
  
「けっ、蘊蓄の自転車操業が! 都知事が聞いて呆れるぜっ!」 
 
 語気を強めた言葉と共に、剣に力を込めて逆風に切り上げる。 
 足下から真っ直ぐ頭へと伸びる剣筋は、ガウザーの剣を跳ね上げた。 
 返す刀でその鍔口を狙って、銀光を引く一閃を見舞う。 
 渾身にも近い一撃が入れば、騎士の太刀と言えどへし折れる可能性があった。  
 
  
 ――――何しろ、余裕がない。 
 最初に喰らった拳は口の中をにわかに切っていたし、 
 肩口から胸元、腹にかける傷は出血の割に浅いようだがじわじわと痛んだ。 
  
(この傷じゃ、逃げ切るのも一苦労だな・・・) 
 
 苦い笑いが唇を微かに歪める。 
 酷く様になっていなかったが、それでも二人の暗黒騎士は剣を交錯させた。 
 殺す者と殺される者、それを決するために鉄火を散らしながら――――――   
『吸血姫に祝福を』
>175
 
「少しはまともな気分転換になるわね……」
 
 シャワーを浴びながら、ごちる。
 
 此処は異端狩り組織、マグダラの支部。
 いうなれば、私は敵の口の中にいるようなものだ。
 正直に言って、気は張り詰めっぱなしだ。
 
 それに例の3人がしつこいくらいに絡んでくるのも頭痛の1つだった。
 この世の何処に、殺したい相手に絡まれて、いい気分でいられる奴がいるだろうか?
 
 
 まあ、でもこうやってシャワーを浴びて、身体の穢れを流している時は多少は気が休まる。
 中庭で風を浴びている時と同じく、私が多少は安心出来る数少ない時間だ。
 
 だが、この後、私は此処では安息の時間がないということを実感することになる。
 そもそも、シャワールームだからと言って、気を抜いたのが間違いだった。
 
『だ〜れだ!!』
 
 そんな声とともに私の視界が真っ暗になる。
 
「ひゃっ!?」
 
 私はとっさのことで変な声をあげてしまう。
 と、同時に反射的に右腕を後方に振りぬいた。
178横島忠夫 ◆YDaTadao :02/04/30 23:34
>132  vs アドルフ・ヒトラー 
     【脱出する者の時間】
  
 鍵鍵鍵・・・よし、これでいい!
 あ、あれ? そうだ、クラッチ! 
 確かこうやって・・・おし、かかった。 
 
 ドドドドドドドドドドドドドドドド!!!  
 
 コブラのエンジンが轟音を吐き出す。並々ならぬパワーがあるこいつなら、 
 一気にここから逃げられるはずだ――――この際、免許がどうこう言うことは聞かないように。 
 
 せめて、時間が欲しかった。 
 体勢を立て直すというか、事態を飲み込む時間が。 
 子供の美神さんとか、ムカツク気障男とか、肝心の美神さんは何処に行ったんだとか・・・  
 わからないことがあまりにも多すぎた。戦うにもあまりにも不意すぎた。  
 
 だから逃げる。 
 文句あっか。 
 
   
 飛び乗った俺がエンジンを始動させると同時に、鈴鹿と美神さんも座席に着いた。 
 アクセルを吹かすとホイールが高速で回転を初めて――――  
 
 
   
 ――――ガン。 
 
 
 
 何かほざいてる気障をはねた。 
 
「ちょ、ちょっと今の!」 
「気にするな! 忘れろ! 忘れてくれなきゃイヤだっ!」 
 
 コブラは猛烈な勢いでガレージを飛び出した。 
 ハンドルにしがみつきながら、俺は決死の思いで怪物を操る。 
 向かうは――――とりあえず! 
 
「ホテル!」 
「え?」 
 
 鈴鹿が何か言ったが気にしない! 妙にうきうきしながら、俺はシフトレバーを押し込んだ。 
179ジャッジ・デス:02/04/30 23:41
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
  
ジャッジ・モーティスvsフリッツ
>130
乗り手を失ったハマーはコンクリートの壁に激突し、数秒後には爆炎に包まれた。
近くの地面に倒れ伏していたジャッジ・モーティスが、起き上がる。
「なァァァんとも派手にィィ罪を重ねるお方ァァァだッ!
 しかしィィ、貴方を裁ァくことができるとはァァ誠にィィ幸運ですッ!」
モーティスはそう言いながら、フリッツの方へと一歩ずつ歩み寄る。
「貴方のようなァァ罪深きおォォ方をォォォ、死によォォッて救済するこォとはァァ、
 我らジャッジにィとォッて最大の喜びィィィ!」
一歩一歩、距離を詰めながらその両手を前にかざした。
「さあァァァ、罪をォォ償うのですッ!」
ジャッジ・モーティスは、フリッツめがけて一直線に躍りかかった。
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
>116
 
左腕は使えない、手数で対抗するのは無理だ…けど対抗する必要も無い。
 
だって言葉とは裏腹に、あんなにアルトルージュは喜んでくれている。
今まで不機嫌そうだったのがウソのようにタノシソウ……。
 
これは殺し合いじゃあないもの、これは二人だけの舞踏会。
  
―― 
  
この城は、赤い血と朱い月に彩られた二人だけの舞台。
白と黒のドレスを血の色に染め上げた二人で踊るの。
 
   少しでも長く、
    
           少しでも楽しく、
        
                    少しでも早く、  
              
                           少しでも強く踊るの。
 
そうすればアルトルージュはもっと喜んでくれる、楽しんでくれる。
アルトルージュはわたしを好いてくれているんだ、だからあんなに嬉しそう。
もっと楽しませて上げないと……わたしが嫌われちゃう。
 
―― まってて、すぐにもっと ヨ ク してあげる ――
 
彼女がわたしの胸を切り裂けば、わたしは彼女の脇腹を削り取る。
お互いに踊る様に、お互いを削り合う。
 
―― ねえ、もっと ワ タ シ の事を好きになって ――
 
わたしが壊れて逝くのが嬉しいの。
   アルトルージュがわたしを好きになってくれた証拠だから。
 
        アルトルージュ壊れて逝くのが嬉しいの。
            わたしがアルトルージュを好きだと言う証拠だから。
             
―― いつまでも踊りましょう、 ア イ してるわ貴方のことを ―― 
 
なのに…不意にわたしの身体が崩れた。
彼女の爪がわたしの足の付け根を壊したのだ。
アルトルージュは離れていく、笑いながら離れていく。
 
「まって!! まだ終わりじゃない、まだ踊れるから」
 
―― ワ タ シ は モ ッ ト 貴 方 を オ カ シ タ イ ――
181カミーラ ◆ICarmilA :02/04/30 23:49
『ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise"  

>119, >174

背後から英語で制止の声がかかる。声からしてあの少女だろう。

無視しても良いのだが、背後から行きなり撃たれたのではたまらない。
カミーラは向き直ると、バッグから取り出した銃の引き金を引く。

乾いた音を立てて弾丸が銃口を飛び出し、その場にたまたま居合わせた
不運な何人かの身体を貫く。ある者は隣を歩いていた女性の顔に血と脳漿を
まき散らし、ある者は心臓を撃ち抜かれ、ある者は大動脈に致命的な損傷を
受けて瞬時に絶命する。

通りは一瞬にしてパニックになった。その場から離れたい、その一心で人々は
逃げ惑い、たちまち周囲は無人になる。

そして、向こうからかけてくる少女に向かい、カミーラは微笑むと、かたわらの
女性の頭に、まだ熱をもっている銃口を押し付けた。

「なんとも古典的なセリフですが、動くとこの方の命はありませんわよ」
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
>180
 
 アルクェイドの体勢が崩れた。
  
 ――今だ!
  
 私は後ろに跳躍した。
 それが合図となって、プライミッツマーダ―が結界を突き破って、アルクェイドに突進する。
  
 私の爪でアルクェイドに致命打を与える事は出来ない。
 だけど、プライミッツマーダ―ならアルクェイドを『殺す』ことができる。
 又、私の全力を使った『空想具現化』ならアルクェイドに勝負の帰趨を決する打撃を与えることが可能だろう。
  
 ……私の目に映るのは狂笑を浮かべるアルクェイド。
 アルクェイドの目にも、合わせ鏡のように私の狂気の姿が映っていることだろう。
  
 私はアルクェイドを壊し、侵し、犯すのがとても楽しい。
 だって、アイツさえいなくなれば、私が唯一の存在になれるから。
 誰も私を不完全と軽蔑する者がいなくなるから。
 
 だからこそ、アルクェイド・ブリュンスタッド。
 
 ア  ナ  タ  ハ  イ  ラ  ナ  イ
 
 消えて頂戴。
 
 エ  イ  エ  ン  ニ
 
 ソ  ノ  ソ  ン  ザ  イ  ソ  ノ  モ  ノ  ヲ
 
 ――私が消してあげる
 
 プライミッツマーダ―がアルクェイドに突進するのを見計らって、目を瞑る。
 そして、空想具現化のイメージを練り始める。
 最強の真祖をも一撃で屠るはずの最大級のイメージ……
 それは……
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
>182
 
アルトルージュの代わりに『ガイアの怪物』がわたしの前に進み出て来る。
 
―― お前なんかいらない、わたしとアルトルージュの邪魔をしないで!! ――
 
だけどプライミッツマーダ―は止まらない、まだ死ぬ訳にはいかない。
わたしは、まだ踊れるもの、まだアルトルージュを楽しませてあげられるもの……。
 
だけど絶対の死をもたらす牙が迫ってくる。
コレは半端な手段では防げない、コイツの相手をしていたらアルトルージュの相手をしてあげられない。
コイツは簡単には死なない、殺した端から黄泉帰ってくるから。
 
―― なら単純だ、殺し続けよう…黄泉帰って来るより先に何度でも ――
 
それには犠牲が必要だ…けどそれぐらいは当然。
それでアルトルージュの相手をしてあげられるなら……。
 
わたしの咽に向かって襲いかかってくる死の顎、そこに向かって鋭く尖った骨が露出した右腕を
捻りむ。
上顎から脳髄を掻き回す様に貫く。
そして、プライミッツマーダ―の脳天から脳髄にまみれたわたしの右腕が生えてきた。
 
―― コレでもまだ死なない ――
 
プライミッツマーダ―の牙はそれでも止まらず、わたしの右肩に食らい付いてくる。
ミチミチを肉の裂ける音がする、ゴリゴリと筋が千切れる音がする……。
 
だけどそれだけ……、それ以上は動けない脳髄を破壊されてはそれ以上の思考ができないから。
自分で自分の右肩を引き千切る
 
「あああああああああぐッッッッッ!!!」
 
ただ痛いだけだ、嬉しくない、けど…これで誰も邪魔はできない。
 
「ねえ、アルトルージュわたしはまだ踊れるよ…貴方もでしょ……」
 
でも、その時わたしの目には……
『吸血姫に祝福を』
〜日常風景3〜
>177
 
「はぶぅ?!」
 
私のボディに決まる彼女の裏拳!
当たり所がよかったというか、彼女に格闘技の経験でもあったのかわからないが、
私の体はそのまま背後の壁へと叩きつけられる。
 
「い・・・・いたたたたた・・・・・・。
 私よ、わたし・・・・・・。」
 
後頭部をさすりつつ私は立ち上がる。
 
「いや、ナイスね〜今の一撃・・・・・・。
 なんか、格闘技とかでもやってたの?」
 
私は頭をさすりながら尋ねた。あ、こぶになってる。
しかし・・・・。
わたしは前々から疑問に思っていることを口にしてみた。
 
「あんた・・・・・なんでいつもそんなにピリピリしてんの?」
 
彼女は、ここに保護されて以来ずっとこんな様子なのだ。
何か、落ち着かないというか。
特に、私やクロノ、アズマリアがいるところでは特に・・・・・・。
 
「あのさ・・・・・・私、ルージュの気に入らないことしたかな?
 いつもさ・・・なんかピリピリしてるから・・・・・。」
 
彼女の顔を覗き込む。
 
「もし、あるなら教えて?私もできるだけ注意するから!」
185蘭麻みほ ◆MihO/zhw :02/04/30 23:59
妖女狩り
>126>128
 
「そいつの武器は<歌>だ! 聞くな―――!!」
 
その叫びにみほの身体が一瞬膠着した。
 
一体どうやって逃れたというのか、あの歌声から。
否、迷ってはならない。
この距離で歌声を聞かずに済む手段などあるはずもない。
 
だが驚愕がみほから奪った一瞬、この三人を前にして、それは致命的な隙だった。
 
ままよと張り上げた歌声を美夕の炎がかき消す。
魔を狩りつづけた美夕の経験を、みほは侮るべきではなかったのだ。
同時に炎はみほを縛る檻となる。
 
反射的に顔の前にかざした両腕の間から炎を割って殺到する京也の姿が見え、
次の瞬間には、みほはなすすべなく京也の破邪の一刀をその身に受けていた。
 
炎で咽喉を焼かれ、念に邪悪な生命を浄化されつつ、それでも
ありったけの呪詛をこめてみほは口を開いた。
 
「おのれ……だが……私が死んでも…“私たち”は滅びん。
 この世界がある限りな……」
 
その言葉が最後。
かつて蘭麻みほだったものは美夕の炎に骨まで焼き尽くされ、
一握りの灰となって消えた。
186十六夜京也 ◆ASyuRaC6 :02/05/01 00:03
妖女狩り異聞
 
>128>185
京也は一刀を振るった姿勢のままでいたが、
ふっと笑みを浮かべた。
 
「安心しな。この世界がある限り、おれみたいにあきらめの悪い奴もいなくならねえさ」
 
それが最後の力だった。
念は先程の一撃で使い果たした。体力の限界など、とうの昔に越えている。
 
ものもいわずに、京也は倒れ込んだ。
阿修羅が乾いた音をたてて転がる。今はただの木刀に等しい。
 
さて、どうやって帰るかな。
そんなのんきな事を考えながら、京也は自らの意識を手放した。
187アセルス ◆AseLLUSs :02/05/01 00:11
>47 アセルス&カミーラVSフリッツ
 
モーラの首を抱えてフリッツから離れようとしたそのとき。
 
「・・・!?」
完全にとどめを刺したはずのそのフリッツが突然肉薄、
あろうことか・・・私の唇を奪った。
 
それでも甘いと感じてしまう奴の血の味が舌の上を暴れる。
即座に突き飛ばそうとするが、そうするまでもなく奴は倒れ伏せる。
 
「く・・・死に損ないめが」
倒れたまま笑い続けるフリッツを見下ろし、唇を拭う。
 
刹那。
 
 
モーラの首が、爆ぜた。
 
 
 
・・・気がついたときには、私は部屋の壁に叩きつけられ、
腕には既に首はなく、
背中は壁に叩きつけられて痛み、
なにより、
 
―――私の腕、顔、胸が、焼け爛れていた。
 
無論こんなもの、じきに再生する。
が・・・
 
「・・・っ! この、人間・・・が!」
膨れ上がる感情に任せたまま、立ち上がり叫ぶ。
「私の城を襲い、寵姫たちを殺しただけでも万死に値するというのに・・・この上私にこんな傷を!
 人間が、ただの人間風情が!」
 
そうしたところで、怒りは収まらない。
だが、その怒りをぶつけるべき相手は既に亡く、
私はただ、叫ぶしかなかった・・・
188美夕 ◆MIYU.g96 :02/05/01 00:14
妖女狩り異聞

終章〜美夕の側

>128 >185 >186

地上を死に覆わんとした妖女は、十六夜念法と破邪の炎に討たれ、闇へと帰った。

「・・・・・・」

念を使い切り気を失った京也を、複雑な表情で見下ろす美夕。
この真っ直ぐな少年への罪悪感か、使命を終えたことへの安堵か、それとも、また違う想いか。
美夕は、彼の手に『阿修羅』を握らせ、ようやく立ち上がった黒衣の従者がその体を抱え上げる。
そのまま、"監視者"主従は空気のゆらめきの中に溶けていった。

十六夜京也が次に目を覚ましたのは、自室の床の上だった――。

次の日。
TVのニュースを賑わせたのは、人気タレント蘭麻みほが大井町で交通事故死、という事件だった。

そのニュースに違和感を感じた京也は、ふっと意識を集中する。・・・思い出した。

「あれは事故死なんかじゃねぇ、俺と・・・誰だっけ・・・」

『美夕』だ。そう、あの炎を操る少女。

南風高校に登校した京也、そこにあの少女の姿はない。いや、そんな少女がいたことを覚えている
者すらなかった。

――そして、どこかの闇の中、黒衣の騎士を従えて踊る白い着物の少女。

「ばいばい、京也くん。でも、この世とあの世の天秤の均衡を崩そうとする者がある限り・・・
 わたしたちは、きっとまためぐり会うよ。だから・・・」
189鈴鹿御前 ◆Y4SUZUKA :02/05/01 00:37
アドルフ・ヒトラー vs 横島忠夫 & 鈴鹿御前
【脱出する者の時間】

>132 >178

ガレージに飛び込んだ私たちがそれぞれ座席に着き、コブラのエンジンに火が入る。
その瞬間───あの謎の青年が、またも何の前触れもなく現れた。

「さて、と。逃げられると思ったかね?」

威厳と余裕に満ちたその台詞は、しかし「ガン」という音と強い衝撃に遮られた。
何の躊躇もなく車を走らせた横島くんが、彼を何の遠慮会釈もなく撥ねたのだ。

「ちょ、ちょっと今の!」
「気にするな! 忘れろ! 忘れてくれなきゃイヤだっ!」

いや、イヤだと言われても困るのだが……
いかにいきなり何の罪もない(だろう、多分)子供を殺そうとした男とはいえ、いきなり撥ねるのはどうかと思った。

そんな私の思惑などどこ吹く風で、コブラはガレージを勢いよく飛び出す。
どこへ向かうのかと尋ねた私は、横島くんの答えに一瞬唖然とした。───ホテル?
まあ、このまま家に帰るワケにもいかないのは確かだが。

妙に道慣れた様子の横島くんの運転で、コブラが裏通りのホテルに着いた時。
その車体はそこら中傷だらけ、ボディの何カ所かには派手な凹みがついていた。
これは、後で大目玉だろうな……無事に帰れればの話だが。
190十六夜京也 ◆ASyuRaC6 :02/05/01 00:37
妖女狩り異聞
 
終章 〜十六夜京也

>188
「・・・ああ、またな」
 
誰に聞かせるでもなく、そんな台詞が口を付いた。
夕日が昼と夜との移ろいを教えてくれる、そんな時間。
逢魔ヶ時とはよく言ったものだ。
 
あの娘は、太陽よりも月の似合う娘だったかもしれない。
それでも、今も同じ空の下にいることは間違いない。
 
「そん時はデートのやり直しだな」
 
「!? どなたとデートしたんですか、京也さん!?」
 
「え? あ・・・いや、その・・・」
 
まあ、とりあえず世界は平穏だ。
この平和こそが、きっとあの娘の望みでもあるのだろう。
 
その想いは―――忘れられる事はなく、京也の胸にも息づいていた。
 
 
                  〜Fin〜
『ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise"  
>174>181  
  
銃口からばら撒かれたパラベラム弾が人々の体を次々となぎ倒していく 
光景。・・・言葉はわからなくても、よく分かる。  
いとおしい大事な人の名前を叫ぶ声、自分の不運を罵る声。  
  
ただの日常のワンシーンが繰り広げられて、穏やかな日々を過ごす筈 
だった人たちが、どうしてこんな風に倒れなくちゃいけないんだ・・・ 
  
----赦せねぇ。  
  
けど。  
  
オレは先程使用した25口径の小拳銃を地面に落とした。  
銃は何故か赤い物がこびりついてる。  
それは、オレの血。こんなにいっぱいの人を救えなかった自分の握った手 
から流れでた血液。  
  
・・・どんな時でも、希望は一ミリでも残っている。  
オレは、それに、賭ける。  
  
「動くと命はねえ、かよ・・・  
・・・はっ そんな爺レベルな事言われたら、古すぎて時間が止まって動けねえ」  
『吸血姫に祝福を』
〜日常風景3〜
>184
 どかっ!と鈍い音がして、背後の何者かが吹き飛ぶ。
 不味い!
 もし、殺しでもしたら面倒なことになる。
 私は内心あせりながら、振り向く。
 そこにいたには……
 
 ――アイツだった
 
 ギリッと歯軋りをする。
 どうして、こいつは、いつもいつも……
 
 幸運と不運というか、アイツはたいしたことなかったみたいだった。
 不安定な体勢で打撃の威力が相当に殺がれたようだ。
 
 アイツは相変わらずヘラヘラしながら、話し掛けてくる。
 
『あんた・・・・・なんでいつもそんなにピリピリしてんの?』
 
『あのさ・・・・・・私、ルージュの気に入らないことしたかな? いつもさ・・・なんかピリピリしてるから・・・・・』
 
『もし、あるなら教えて?私もできるだけ注意するから!』
>192
 気に入らない?
 そんなレベルじゃないわ。
 
 私は、あなたを殺したい。
 四肢を捻じ切って、内臓を抉って、苦痛で狂いそうになるあなたをなお地獄の責め苦を与えたいのよ。
 
「……どうしても、知りたいの? 気に入らないのよ、何もかもが」
 
 まだ、本当の事をいう訳にはいかない。
 でも、私のこの気持ちは欠片でも伝えておきたい。
 そうでないと、私が自分の殺意で私自身を焼きそうだから……
 
「散々、好き勝手に悪魔を殺しといて、あなたたちはなんとも思わないの? 殺される身にもなった事がある?」
 
 なるべく、私の真意を隠しながら、告げるのには苦労する。
 ああ、もう、じれったい!
 身体さえまともならッ!!
 
「大体、あなたたちは悪魔を見ただけで、殺そうとするでしょう? 『何もしてない悪魔』には迷惑極まりないわ!」
 
 無論、この悪魔とは私のことだ。
 ……思い出しただけでも、腸が煮え繰り返る。
 
「ああ、そういえば、あなたはクロノとかいう悪魔を連れていたわね。クロノだけは特別扱い? どうしようもない矛盾じゃない? 馬鹿にしてない、それって? クロノも悪魔よ、だったら、殺すべき対象でしょう?」
 
 そして、一言。
 
「要は気に食わないのよ。あなたたちのそんな偽善的な所がねっ!」
194蘭麻みほ ◆MihO/zhw :02/05/01 00:42
美夕&十六夜京也VS蘭麻みほ 妖女狩り異聞まとめ
 
前スレ
(まとめはhttp://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1019314499/506
>427>428>430>432>437>442>445>450>456>460>463>472
>478>481>482>484>485>486>499>502

本スレ
>28>34>39>43>55>105>115>118>120>122>125>126>128
>185>186>188>190

感想はこちらにお願いするわね。
http://fargaia.hokuto.ac/html/test/read.cgi?bbs=vampbattle&key=1019409630
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
>183
 
 ――イメージ
 
 ――朱い灼熱の大地
 
 まだ、足りない。
 こんなものじゃ、アイツは滅ばない。
 もっと、強く、もっと、深く……
 あいつを倒すには全力での一点集中の高密度の必殺の空想具現化でないと……
 
 プライミッツマーダ―の唸り声とアルクェイドの何やら呟く声が聞こえる。
 
 だが、気にしている暇はない。
 ただ、私はイメージを練る為に深く深く集中をする。
 
 不意に周囲の物音が消えた。
 そして、私の脳裏に鮮やかなあるイメージが浮かび上がってくる。
 
 ――白い、ただひたすらに白い灼熱の塊
 
 ――地球の内部でたえず蠢く白い灼熱
 
 ……出来た!
 私はカッと眼を開いて、叫ぶ。
 
「これで最後よ。跡形もなくその身体を消し去ってあげるわ!」
 
 私の叫びと同時にアルクェイドの足元の大地が歪む。
 そして、一気に『白い』マグマが吹き上げた。
 
 ……地球の中枢部に蠢くマグマ
 それは火山の爆発などでひょっこり地球上に姿を表すマグマとは訳が違う。
 ソレは温度にして、6000度。
 太陽の表面温度にも匹敵する。
 
 私の最大の殺意の具現がアルクェイドの足元から、吹き上がる!
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
>195
 
その時、足元にが白い光が溢れ出る。
 
それは痛みすらなくわたしの足首を焼き尽くし、更に身体を駆け上がろうとしていた。
 
痛みもなく、恐怖もない……ただこれで終る訳にはいかないの。
 
アルトルージュを残してまだイクわけにはいかないもの。
アルトルージュも一緒に連れてイってあげないと意味がないの
 
だから反射的に目の前の白い灼熱に、白い魔獣を叩きつけた。
 
マグマが爆発的に弾け……視界が奪われる。
同時に衝撃に全身を叩かれ不様に吹き飛ばされる……。
 
「アルトルージュ……どこ?」
 
―― 待ってていま行くから…いま コ ロ シ てあげるから ――
  
周りを見まわしても何処にも見えない。
 
何故? わたしを独りにしないで!!
197カミーラ ◆ICarmilA :02/05/01 00:59
>47, >187 アセルス&カミーラVSフリッツ
 
アセルスの負った傷は速やかに回復した、ただ一ヶ所を除いて。

首筋に残ったその傷は、遠目には少しもわからない。近付いても
小さなしみのようにしか見えないわずかな傷だ。

だが、カミーラにはその傷があの男の妄執の痕跡のような気がして
仕方がない。月の暗い夜、アセルスの首に舌を這わせるたびに
以前はなかったその傷が、あの夜の男のことを思い出させる。

誰よりも愛するものを守れなかったがゆえに、それを壊さざるを得なかった
男のことを。

男が最後に示したものは、意地の悪い独占欲だったのかもしれない。
手に入れられないのならば自らの手で壊してしまえ。確かにあの時、わたしは
あの男に嫉妬していた。

あの男は、妹に銃弾を撃ち込んでいる間、性交など児戯に思えるような快楽を
感じていたに違いない。愛するものを、自らの手で粉々に打ち砕き、破壊し
つくすことより素晴らしいことはないと言いたげな狂った目をした男。

自分は、あれほどの執念を示すことはできないだろうとカミーラは思った。

ああ、だからわたしには作れないのだ、とカミーラは思う。召し使いを何体も
使って試してみたが、あの夜見たオブジェを再現することはどうしてもできな
かった。

執着、妄執、自分には徹底的にそれが欠けている。そのことをあの男は
わたしに思い知らせてくれた。たとえアセルスを自らの手でくびり殺しても、
わたしはそれほどの快感を得ることはできないだろう。

なるほど、傷こそ負わせられなかったが、わたしも当分あの男のことを
忘れられそうにない、とカミーラは思った。

(END)
198フリッツ ◆FRItz.JA :02/05/01 01:09
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
 
ジャッジ・モーティスvsフリッツ
 
>179
 
じりじりと歩み寄る怪物。
力を抜いたように不敵に身構える狩人。
 
距離はまだある。得体の知れない怪物であっても
この距離ならば攻める事も退く事も容易い。
 
俺を相手にした時点でソイツがテメェの運の尽き。
最期に立つのはテメェか、俺か。
簡単すぎるほどにわかりきった答えだ。化物さんよ。
ルールだ。
テメェが一度鉤爪を振るうたびに俺は十発弾をぶち込む。
テメェが死のうが死ぬまいが俺の勝ちは揺るがない。
俺は狩人だ。テメェは・・・・・・・獲物。
 
カービンを構え引き金を引く。
何十人をも殺せるだけの銃弾が怪物の身体に突き刺さる。
しかし、引き裂かれたのは怪物の肉ではなく
つい先ほどまで銃弾を吐き出し続けた狩人のその得物自身であった。
 
くっ・・・・・・・・・・そぉがっ!
 
奴の鉤爪が触れたとたん、ライフルの鋼は自負荷に耐えきれずに裂ける。
恐るべきはあの怪物の怪力。
 
タフだ。いい感じにタフだぜテメェ。
弾を喰らっても喚きも吼えもしない。
鳴くことすらない。
狩人としてこんなに良い獲物はない。
何せ、殺しても死なない。
いつもの狩りの相手よりも長く楽しめる。
得体の知れない力。
得体の知れない肉体。
得体の知れない化物め。
 
いいだろ。分かり合おうぜお互いに。
もちろん俺は覚悟完了だ。テメェはその10倍の覚悟でかかって来い。
使えるすべての智謀をめぐらせ、使える全ての武器を使い力を使い。
持ちうる全ての俺。テメェに見せ付ける。これが俺だ。
テメェを知りたい。教えろ。爪を振るえ。牙を突き立てろ。
何ができる?何がしたい?どこから来てこれからどこへ向かうのか。
どうなる?何になる?
 
最期の問いだけなら俺にも解る。――――――――死体。
それがテメェのなれの果て。
 
背を向け駆け出す俺。追う奴へむけ手榴弾を投擲。
足止めさえできれば良い。俺は夜陰に紛れ奴を討つ。
それが、狩人だ。
アドルフ・ヒトラー vs 横島忠夫 & 鈴鹿御前
【脱出する者の時間】
>178>189

「さて、と・・・落ち着いたところで、事情を聞こうか」
 
裏通りのホテルの一室。
そこに入り、落ち着いたところで、横島は切り出した。
 
「じじょう?」
 
小首を傾げる「みかみれいこ」
本当に、何のことかわからない、と言った風情だ。
 
「そう、なんであなたが狙われるのか、そして、あなたが誰なのか・・・よ」
 
横島の言葉に続けて、鈴鹿。
何しろわかっているのはこの「みかみれいこ」の命を狙って、気障な男が現れた、と言うだけなのだ。
たったこれだけの乏しい情報では、身動きも取れない。
 
「だから、あたちはみかみれいこなのよ!」
 
その言葉に、顔を見合わせる二人。
確かに似ている。
だが、美神令子は無論、こんな子供ではない。
困惑する二人に、否、横島に「みかみれいこ」は声をかけた。
 
「よこちま!」
「は、はいぃっ!」
>199続き
・・・条件反射、というのは恐ろしいものである。
「みかみれいこ」の声にすら、ものの見事に反応するのだから。
 
「絵本読め!」
「は?」
「だから、絵本読め」
 
ぴき。
横島の堪忍袋の緒が、あっさりと切れた。
・・・ちなみに自分より弱い相手には切れやすい堪忍袋の緒である。

「コンくそガキャー!!状況をわかっていやがりますか〜〜!!」
 
ぐわわ〜っと、ドアップになって迫る横島。
それを見て、ちょっと泣きそうになる「みかみ」
 
「横島くん、子供相手じゃない、押さえて押さえて」
 
さすがに「みかみ」を庇う鈴鹿。
 
「ガキには、シツケちゅーもんが必要なんじゃ〜〜!!」
 
なおも横島は止まらない。
まるでブレーキの壊れた機関車のように、叫び続ける。
 
「ふぇ・・・」
 
今にも泣き出しそうな「みかみ」
それを宥める鈴鹿。
 
なんというか・・・家族の光景だった。
『吸血姫に祝福を』
〜日常風景3〜
>193
 
「そっか。」
 
私は、小さくため息をついた。
 
「そうね・・・・あんたは知らないんだっけ。」
 
私は、シャワーの栓を捻りながら呟く。
 
「悪魔・・・・か。好き勝手に殺してる、か。難しいわね〜・・・・そういう事言われると。
 都合が悪ければ殺して、よければ生かしてる。
 いいかげんよ、実際。殺される側の都合なんて考えちゃいない。」
 
はぅ・・・・。
シャワーが、汗を流していく。
 
「もともとね。クロノは殺されたって文句は言えないのよ。
 『爵位剥奪者』、『折れた尖角(ホーン)』、『罪人クロノ』・・・・・呼び名は色々あるけどね。
 そこら辺の悪魔なんか目じゃないくらい強い力を秘めた悪魔。
 それが、クロノ。」
 
しばしの沈黙。
 
「あいつは、私との契約で力を封じられてる。
 そのおかげで・・・・マグダラも『しぶしぶ』了解してるのよ。
 まぁ、私の恩師の助言もあるんだけど。
 上から指令があれば、背後から撃たれても文句は言えないわね・・・・・・。」
 
きゅっと、シャワーの栓を締める。
 
「偽善でもかまわない。私は・・・・『あいつの元』に駆けて行くだけ。」
 
私は、彼女に聞かせるというよりは、自分自身に言い聞かせるように呟く。
ふっと、私は彼女に微笑みを返す。
 
「あんたが私のこと、嫌いなのは分かったわ。
 でも、さんくす!
 あんたの感じてること、初めて聞かせてもらった。
 溜め込んで溜め込んで・・・・・何も言わないでいるなんて、辛いだけでしょ?」
 
そして、彼女に背を向ける。
 
「そうそう!」
 
ドアノブに手をかけながら、肩越しに彼女へ振り返る。
 
「あんたが私の事嫌いでも、私はあんたの事、嫌いじゃないから!」
 
ドアの裏に、彼女の姿が消える。
202ウピエル ◆Upielb0Y :02/05/01 01:25
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
ジャッジ・ファイアvsウピエル
>40
 
恐ろしく速い、電光のような突き。
ジャッジ・ファイアの一撃は、常人にはそう見えただろう。
だが、当然の如く俺は常人では無い。
秒速1kmに迫るライフル弾ですら視認可能な動体視力の前には止まっているも同然だ。
燃え上がる二又の穂先が眼前に迫る。
 
「遅ぇよナード(間抜け)野郎!」
 
その台詞だけを残して俺の姿はヤツの眼前から完全に消える。
0.1秒に30m近い移動。亜音速に近い異常加速で跳躍、そのまま壁を蹴ってジャッジ・ファイアの背後へと着地する。
 
「ハァッハッハッハァァ!!どこ見ていやがる!!俺はここだ!!」
 
そのまま、相手が振り向くよりも先に発砲。
コイツの肉体が頑丈なのは良く判っている。ならば、無意味に叩き込んでも意味は無い。
故に、マガジンの残りの弾丸全てを左肘に集中砲火する。
14発の5.56×45ホロウ・ポイントが腕の一箇所に着弾すれば・・・いくらコイツが頑丈でも左腕が千切れ飛ぶ!
203ジャッジ・デス:02/05/01 01:42
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
  
ジャッジ・モーティスvsフリッツ
>198
 
閃光が夜闇を照らし出し、一瞬遅れて爆発音が響きわたった。
この爆発は、ジャッジ・モーティスの戦闘力にはなんら影響がなかった。
上半身を覆う黒革のジャケットの一部が破れ、剥き出された茶色い皮膚は
ずたずたに切り裂かれているが、怪物は気にした様子もない。
モーティスは、彼に背を向けて駆けるフリッツの姿を眼球のない空虚な目で追う。
「裁きの時ィィィを引き延ォォばそうとするとはァァァ、嘆かわしいィィィ!
 逃ィィげたところォで、死はァァ平等におォォとずれますッ!」
嘲笑の響きがこもった耳障りな声で叫ぶと長い尾を地面に引きずりながら、
ジャッジ・モーティスはフリッツを追って走り出した。
彼らの裁きに逆らう者は、優先的に滅ぼさなければならない。
204フリッツ ◆FRItz.JA :02/05/01 01:47
アセルス&カミーラVSフリッツ
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1019314499/より
>295>297>301>308>313>318>323>387>392>398>403>407>409>411
>441>448>457>464>473>480

現スレッドより
>17>25>29>31>33>37>42>46>47>187>197

纏め
http://isweb41.infoseek.co.jp/diary/haarmann/egasira250.html
 
最期まで付き合ってくれるあの奴らにゃ感謝してもしきれない。
礼を言っとくぜ。
『吸血姫に祝福を』
〜日常風景3〜
>201
 
『都合が悪ければ殺して、よければ生かしてる。いいかげんよ、実際。殺される側の都合なんて考えちゃいない』
 
 ふん、分かっているのね。
 それだけでも、少しマシじゃない。
 
『――上から指令があれば、背後から撃たれても文句は言えないわね……』
 
 安心して。
 その前に私があなたを殺すから。
 
『――溜め込んで溜め込んで……何も言わないでいるなんて、辛いだけでしょ?』
 
 言えるなら、言っている。
 けど、私が真実を告げるのはあなたの最後の時。
 
『あんたが私の事嫌いでも、私はあんたの事、嫌いじゃないから!』
 
 ……
 
 ――何故、そこでそういうことをいえるの?
 
 私はあなたを殺した程に拒絶している。
 それに、さっきの問答でもこれ以上無い拒絶の意思を示した。
 十二分な悪意を篭めて……
 
 それなのに……
 分からない……
 人間って分からない……
 いや、正確にはロゼット・クリストファという少女が分からなくなった。
 
 まあ、いいか。
 どの道、殺すだけだ。
 いちいち、アイツの言葉を気にかけていても仕方ない。
 
 私はそう結論付けて、シャワールームを後にした。
 
(復讐 7 興味 3)
206フリッツ ◆FRItz.JA :02/05/01 02:05
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
  
ジャッジ・モーティスvsフリッツ
>203
 
足止め程度の牽制ではあったが。
まさか奴・・・・・・・・・・・・・・・・・・びくともしねェようだな。
 
いい。ゾクゾクするこの感じ。頭の芯から熱くなる。
狩りとは、殺し殺される間柄。この雰囲気に呑まれる者は皆殺される。
狩人ならば皆この雰囲気を愉しめる。
 
―――いや、病み付きだ。
 
怪物は素早い。今にもすぐその背後に迫り、この狩人の首を刈るだろう。
主力武器を失い、背を向け駆け出す狩人は誰がどう見ようと不利極まる。
元から不利だ。人間と怪物。その戦力差はあまりにも大きすぎる。
 
だが、狩人は狩人である事を辞めない。
狩る者としての立場を揺らがせる事は無い。
自らを強者と称しておきながらおぼつか無い足取りで歩み、
そして自らのその様に気づかなかった者達。
全て狩ってきた。
油断が死を招く事をこの狩人は知っている。
そして、自らの油断すらも利用できるのだ。勝者という者は。
狩人たる由縁。
 
足元に転がる死体から奪ったのはMP5。
一発一発の威力に劣るその銃を、狩人はこう使う。
 
迫る怪物に向け特攻。頭部への限りなく0距離に近い射撃を狙うのだ。
 
無謀すぎる、あまりに相手の力を見くびりすぎた
その戦い方は油断によるのか。いやこれも計算のうちか。
狩人の目に宿る光は嬉々としている一点のみ。
そこから推し量る事は難しかった。
 
だが狩人は恐らく覚悟の上での事だろう。
その選択が大きな苦痛を伴う物だということに。
207鈴鹿御前 ◆Y4SUZUKA :02/05/01 02:12
アドルフ・ヒトラー vs 横島忠夫 & 鈴鹿御前
【脱出する者の時間】
 
>199 >200
 
ホテルの一室に入り、女の子に事情を訊こうとする私たち。
だが、彼女は自分が「みかみれいこ」だと主張するばかりで、まるで要領を得ない。
 
その直後の、「みかみれいこ」の「絵本読め」発言で、あっさり忍耐袋の緒を切らしてしまった横島くん。
ものすごい形相で彼女に迫る。
弱い相手には急に居丈高になるあたりは、初めて会った時から変わっていないようだ。
 
「みかみ」が泣きそうになったのを見て、間に入って取りなそうとする私。
だが、横島くんの暴走は止まらない。
その様子は、さながらTVで見たスペインの猛牛のようだ。
すると、さしずめ私はマタドールといったところか。
そんな愚にもつかないコトを考えながらも、私は「みかみ」に言った。
 
「横島くんは、あなたを助けてくれたんでしょ? 命の恩人に、あんな言い方しちゃダメ。
 ちゃんと謝って、それからもう一回お願いしよう? ね、私も一緒に頼んであげるから。
 横島くんも、それでいいでしょ?」
 
それを聞いた「みかみ」。
かなりの間迷っていたが、結局頭を下げてこう言った。
 
「ごめんなさい。絵本、読んでくれる?」
 
その顔が微妙に赤く見えたのは、私の気のせいだろうか。
横島くんも、「始めっからそうやって素直に頼めば…」などとぼやきながらも、結局絵本を読んでやることにしたらしい。
並んでベッドにうつ伏せになって、仲良く絵本を読んでいる。
その姿はまるで本物の親子みたいで、とても微笑ましい。
 
そうこうしているうちに、夜は更けていく。
二人はいつの間にか寝入ってしまったらしい。
その姿を見て、やっぱり親子みたいね、などと思いつつ、毛布を掛けてやる。
私も隣のベッドに入って、眠りにつくことにした。
208ジャッジ・デス:02/05/01 02:14
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
 
ジャッジ・ファイアvsウピエル
>202
 
必殺の突きをかわされて体勢の崩れたジャッジ・ファイアに、14発の銃弾が襲いかかった。
着弾よりも爆発のそれに近い音をたてて、ジャッジ・ファイアの左腕が肘から弾け飛ぶ。
「くそォォォッたれェェ!ちょこまかとォォォ、ハエみてえェェェな野郎だなァァァ!」
一段と狂乱の度を深めた声が、炎の中からあがった。
「そォォォれにしてもォォォ、面白いモノッ、持ってんじゃねえェェェか?
 流ァァしのロッカァァァかい?」
残った右腕で槍を構えながら、怒りと笑いの混ざった声でファイアは喋り続けた。
「ニイィィィちゃん、一曲ゥゥゥ聞かせェェてくれよッ・・・後ろのォ奴にもなァァァ!」
ジャッジ・ファイアがそう叫ぶと同時に、ウピエルの両脚をなにかが掴んだ。
炎に覆われた、死者の腕。
ジャッジ・ファイアによって焼き殺されて横たわっていたはずの死体が動き、ウピエルの脚にしがみついたのだ。
「メインはてめえェェの悲鳴ィィィ!伴奏はッ俺様の炎だァァ!」
ジャッジ・ファイアの槍から、炎が噴き出した。
209横島忠夫 ◆YDaTadao :02/05/01 02:31
>207   vs アドルフ・ヒトラー 
     【脱出する者の時間】  
 
 ――――とても、悪い気がした。 
 ――――泣き出しそうな「みかみ」さんに。
 
 そんな場合じゃないのはよくわかってるけど、絵本ぐらい読んでやっても良いか。 
 鈴鹿に背を押される「美神」さんを見て、俺はちょっとだけ、そんな気になった。 
 
  
 んで、気付くと夢の中とかにいるわけで。 
 あ、あああ、ああああああ! 
 す、鈴鹿とホテル! コブ付だけど鈴鹿とホテルって美味しいシチュエーションなのに! 
 なんで、何で俺は何にもして―――――― 

『バカなこと考えてるんじゃない!』 
 
 ガキッ! 鈍い音。 
 ふと触れば、後頭部にハイヒールが突き刺さっていた。これは・・・? 

「へ・・・あ、あれ、美神・・・さん?」 
 
 振り返った先、そこには美神さんが引きつった表情で仁王立ちしていた。 
 
「どうして、美神さんが俺の夢の中に?」 
『見ての通りよ。頭ん中まで子供になっちゃったから、こうして直接魂で話しに来たの』 
 
 はて? どっかで聞いたことがあるような・・・って、あ。 
 
「魂で――あ、あぁ! 思い出した、あのバイパーの時と!」 
『あんた、今頃気付いたの?』 
 
 半ばあきれ顔の美神さん。あんな古い話し、誰が覚えてるっちゅーんじゃ! 
 
『まあいいわ。敵――あの気障ヤローね、は私を殺しに来たの。
 時間移動能力者は邪魔だと言ってね』 
  
 この上ないほど、苦々しい表情になる美神さん。 
 殺しに来た。その言葉に、心を握られたような痛みを感じた。 
 
『時間遡航能力。あいつ、私の時間を引き戻して完全に消滅させようとした!』 
「そんな・・・そんなことを!?」 
 
 消される寸前、美神さんは精霊石を使って逃れたという。 
 すっかり子供にされた後ではあったけど・・・  
 数億の高い目つぶしで逃げおおせたのは良いが、 
 体が幼くなってしまって、事務所までたどり着くのが精一杯だったそうだ。
210横島忠夫 ◆YDaTadao :02/05/01 02:34
>209 続き 
 
『横島クン、気をつけて。あいつは強敵よ・・・あの時以上にね』 
「わかってます。でも、ヤツを倒さなきゃ、美神さんは元に戻らないんでしょ?」 
 
 そうだ、俺もあの時とは違う。 
 後ろで細々と小さなギャグをかますしかできなかった、あの時とは! 
 俺には戦う手段がある。 
 技術も経験もある。 
 戦う理由も、心強い味方も・・・・・・  
 
「やります、絶対に!」 
『期待してるわ』 
 
 すっと、美神さんの姿が幽鬼のように薄くなる。 
 ああ、消える。本当に昔と一緒だ。 
  
『それと・・・また、絵本読んでくれてアリガト・・・』 
  
 そんな言葉を残して、美神さんの幻影は消えた。 
 いや、俺が夢から覚めたんだ。 
 薄暗いホテルの一室、傍らに眠る美神さんと隣のベットに横たわる鈴鹿。 
 眠る前と同じ、深刻な話が嘘みたいに平和で穏やかな夜の光景・・・ 
 
 
 事態は思っていたよりもずっと複雑怪奇で、取り留めもなくて。 
 時間遡航に空間転移、敵は考え得る限り最悪のヤツで。 
 それでも絶対に、倒さなくちゃならなくて。 
  
 掌に文珠を取り出す。 
 一つ二つ、四つ五つ、七つ八つ――――――全部で八個。 
 これが俺の命綱、ヤツを倒す力。 
 
「いいさ、やったる。やるしかないんだ・・・!」 
 
 静かな寝息を立てる二人の顔を見ると、俺も再び横になった。 
 ともかく、子供の美神さんにも媚びておいて損はない。 
 いつかと同じ感想を抱きながら、ゆっくりと―――――――― 
211ウピエル ◆Upielb0Y :02/05/01 02:58
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
ジャッジ・ファイアvsウピエル
>208
 
ジャッジ・ファイアの左腕が炎を撒き散らし弾け飛ぶ。
 
「!ビンゴゥ!」
 
突然足を掴まれる。
クソッタレ!
ジャッジ・ファイア本人に気を取られてゾンビに裏をかかれるとは度し難い失策だ。
 
「Shit!DamnYou!!」
 
ギターを一閃。ネック先端の銃剣が燃え上がるゾンビの両手首を切り落し、頭部を串刺。
そのまま、ゾンビの頭部に突き立てたギターを支点に宙返りを打ち、僅かの差でジャッジ・ファイアの炎を回避する。
足首に多少の火傷を負っているが戦闘に支障が出る程度では無い。
空中で壁を蹴り再加速。再び着地した時には既に弾倉を交換し終えていた。
 
「俺の歌が聞きたいのか?なら聞かせてやるよ・・・テメェの悲鳴と銃声の伴奏付きでなァ!!」
 
そう叫ぶと、ヤツがこっちを捉える前に再び跳躍。
ギターを狂おしく掻き鳴らし始める。殺戮と闘争のメロディ。狂気と殺意のリズム。悪意と鮮血のビート!!
 
戦闘に拠る高揚が俺を駆り立てる。
殺意と闘志が俺をハイにする。痛みと怒りが俺を最高にエキサイトさせる。
セックスもスピードもドラッグも殺し愛のもたらす死の快楽に較べればカスのような物だ。
俺の口から歌が漏れる。
その光景を目にして居なければ、いや、たとえこの光景を見ていたとしても、
激しく闘争し目まぐるしく駆け跳ねながら歌っているとは信じられないだろう。
圧倒的な声量と歌唱力。かつて世界中のメタルフリークたちを虜にし、未だに信奉者を生み出す魔性の歌声。
殺戮と暴力を叫ぶ荒荒しい歌声が夜の静寂を突き破る。
 
「♪It's given to it by the throat of the game, it sticks, is bitten, it's torn away, eats, it can be killed
 hunting dogs! ! A hunter's night begins! A bloody hunter's night begins!!」
 
狂ったようなハイテンポの演奏と歌唱に合わせるように、銃声のリズムが重なる。
再び三点射(バースト)で三斉射。9発の弾丸が、今度は脚を狙う!
212ジャッジ・デス:02/05/01 02:58
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
  
ジャッジ・モーティスvsフリッツ
>206

フリッツを追って建物の中に駆け込んだジャッジ・モーティスを待ちうけていたものは、短機関銃の銃口だった。
モーティスの頭部に押し付けられた銃口から数十発の銃弾が撃ち出され、その頭部を砕き骨片に変えていく。
「くあァァァァ!」
怪物は、この夜初めて意味をなさない叫びをあげた。
怒号とも悲鳴ともつかない、この世のものではない声だ。
ジャッジ・モーティスは、骨ばった手で襲撃者を突き飛ばした。
フリッツの体は通路の奥まで飛ばされ、仰向けに倒れこむ。
「なァァんと罪深ァいッ!貴方にィィは処刑の前にッ、別の罰ゥゥが必要ですッ!」
馬の頭蓋骨に似たその頭部の左半分を失いながらも、ジャッジ・モーティスは生きていた。
上顎の半分近くがなくなっているにもかかわらず、その甲高い声は止まらない。
「鞭打ゥゥゥち刑はァァいかァァがですッ?」
ジャッジ・モーティスの尾が伸びる。
怪物の体内から、骨の蛇が逆さに這いだすかのような光景だった。
モーティスは自らの尾を握りしめると、その手を降り挙げ、降り降ろした。
何度も、何度も。
アドルフ・ヒトラー vs 横島忠夫 & 鈴鹿御前
【脱出する者の時間】
>207>209>210
 
ガン――――鈍い音とともに身体が宙を舞った。
 
はねられた、と認識するまでには時間がかかった。
認識する頃には堅いコンクリートの床に転がっていたが。
 
「ク、クククク。面白い」
 
含み笑いを漏らしながら、呟く。
目的のためには手段を選ばない。今までにいないタイプの相手だ。
流石は「あの」美神令子の弟子。
 
身体を起こす。
左腕がグチャグチャにひしゃげているが、一瞬、ボコリ、と腕が波打ったかと思うと、元通りに戻る。
獣性細胞の王たるアドルフにとっては、この程度傷のうちにも入らない。
 
ゆっくりと、コブラの走っていった方を見る。
場末の繁華街・・・そのようなところにコブラで行けば、いやがおうにも目立つだろうに。
 
「・・・少々抜けているようだな」
 
そう言い放ち、悠然と歩き出した。
 
 
コブラの足取りは、大した労もなく辿ることが出来た。
あれだけ目立つ外車だ、当然と言えば当然。
 
そして辿り着いた先は、裏通りのホテル。
 
「ここか・・・ふむ」
 
トン、と地面を蹴る。
アドルフの身体がふわりと宙に浮き、そのままゆっくりと上昇していく。
 
そうして窓を一つずつ見ていき・・・ついに見つけた。
宙に浮いたまま、窓の向こうの獲物達に宣告する。
 
「さて、隠れん坊の時間は終わりだ」
214フリッツ ◆FRItz.JA :02/05/01 03:26
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
  
ジャッジ・モーティスvsフリッツ
>212
 
うグゥ!(舐め切っていたな)
『罰ゥゥが必要ですッ!』(そうかい・・・・好きにしてくれ)
 
意識が遠くなる。
睡眠薬を30粒飲もうと50粒飲もうとこれほどまでに
見えない深淵へ引き込まれるようなこの感覚。
 
吐き気がする。しこたま血を吐いた俺を
容赦なく追いたて責めるのは奴の尾の骨だったのか。
 
よく解らない
見えない
肉が裂け
鞭が
骨にまで
食い込む音が
聞こえる
 
ははは・・・・・・・お楽しみだな。
 
負けてられるか?この俺が?俺はテメェらを狩って来た。
これまで。そしてこれからも。
テメェらの好き勝手にさせてられるほど俺は我慢強くも太っ腹でもねえ!
 
テメェは俺が狩る。そういうゲームなんだよ。諦めるのはテメェだ。
 
奴に銃を向ける。しかしすぐにそれは叩き落される。
 
 ブ チ ッ 。
手首がへしゃげたのが見るまでもなく判った。
 
苦痛に悶える俺を休むことなくまた裁き続ける奴。
 
切れた。何かはわからない、俺の中の何かが。
 
うずくまった情けない姿勢のまま俺が取り出したのは閃光手榴弾。
そのままピンを抜く。
 
約5秒ののち、まるで焼きつくような光が全てを襲った。
215玄奘三蔵 ◆GOWESTrM :02/05/01 11:02
〜玄奘三蔵法師VSアンデルセン神父・導入〜

――――ローマ近郊・カトリック系孤児院 フェルディナンドルークス院――――


麗らかな日差しが差し込む穏やかな午後。
庭で子供達と戯れるアンデルセンの元を口ひげを蓄えた老神父が訪れた。
アンデルセンは、彼が来た意図を察知した。
――――おそらくは、異端を相手にできるということだろう。
アンデルセンは、子供に悟られぬように獰猛な笑顔を浮かべる。
「私はこの方とお話があるので皆さんは先に部屋に戻って下さいね………。
……………で、今日は何の御用ですか?」
子供達に呼びかけ、周りに誰もいなくなるのを確認してから老神父に向き返る。

「『桃源郷』を知っているかね、アンデルセン?」
「ああ、人間と『妖怪』とか言う化物共(フリークス)が共存しているおぞましい“楽園”のことですか」
「最近は妖怪達が狂暴化して人間を襲っているらしいが………」
「結構では有りませんか、仏教徒共が大勢死んだことでしょう」
「いやいや………話によれば仏教の高位僧である『三蔵法師』が三人のお供と共に彼方此方の妖怪たちを
倒して回っているらしい…戦果は相当な物だぞ」
「はは………そのような連中などは我々から見れば児戯にも等しい………
カトリックは!法皇庁は!キリスト教は!そして『我々』は!!連中とは違い、誕生した時より苦難と闘争の歴史を刻んできたのですから!!」
アンデルセンは己の信仰する宗教に対しての絶対の自信と誇りに溢れる言葉を言い放つ。
「…で、私は?桃源郷の事など奴らに任せておけば良いではないですか?」
「………桃源郷で吸血鬼が確認された」
「!!―――――ほう…すると?」

「それも生来からの存在ではない…『最後の大隊』絡みのようだ」

「ほう」
アンデルセンは喜びに満ちた笑顔を浮かべる。ヘルシングを相手にする『過去の亡霊』。『狂気の軍集団』。『第三帝国 最後の敗残兵』。
何よりここで、奴らの目論見の一つを叩き潰す事は『最高のタイミングで横合いから思いきり殴りつける』ことに他ならない…!
「もはや、奴らをのさばらせるワケには行かない…たとえ地球上の何処であろうとも、だ」
「―――――もし、その『三蔵法師』と衝突した際は?」
「我々は唯一絶対の神の地上代行者だ――――――異教徒どもの挑戦を引く訳にはいかん」
アンデルセンは破顔する。殺気すら伺える喜びに満ち溢れた笑顔を作る。
そして、聖書の一節を早口に唱え、天にいまし我らが主に感謝する。
――――――異教徒と化物を一度に狩れる機会を与えてくれたことに。

「――――――――Amen!!」

216玄奘三蔵 ◆GOWESTrM :02/05/01 11:03
(導入2)

――――西方・天竺国 吠登城・研究施設――――

「――――――で、『アレ』は一体何なの?」
白衣を纏った知的な女性が傍らの咥えタバコの男に問いただす。
男の机には、不似合いな可愛らしいウサギのぬいぐるみが置かれている――――

「何って……ああ、そういえば説明はしてなかったよね」
「だから、私は説明を求めているのよ」
「まぁいいけどさ………。平たく言えば、妖怪ベースの『吸血鬼』だよ…『アレ』は」
「『吸血鬼』?!そんな御伽話みたいな………」
「御伽話なんかじゃないよ………そう、出所も確かな、確固たる『技術』の産物だよ。
もっとも――――――僕らの『常識』の枠内には無い『技術』なんだけどね」
「『方術と化学の融合』…………!」
「まあ、そんな所だね―――『彼ら』は、執念と狂気を持って、膨大な血を代償にして『答え』にたどり着いた――――
………ボクは、『彼ら』にちょっと『手を貸した』だけ。で、その見返りに…と言うわけさ」
「――――で、そんな事をして…いったい何になるわけ?」
女性は男の答えが一向に要領を得ないので語調を強める。
「あははは。―――だって、『楽しい』じゃない?」
あっけに取られる女性――黄博士――に男――イ尓健一――は続ける。
「―――――――それに…『ゲーム』は楽しくないと、ねえ?」

―――――――この男もまた、狂気に浸っているのかもしれない。


――――――大陸・桃源郷 某所の洋館――――――

最後の銃声が響き渡る。
紅孩児配下の妖怪たちの断末魔。
三蔵達は、近隣の村に被害を及ぼしていた妖怪が根城としていたこの洋館を急襲し、全てを打ち倒した。
三蔵曰く、「どうせ遅かれ早かれ俺達に向かってくるのならば、『敵を倒すなら早いほど良い』というものだ」とのこと。
妖怪たちの中には少々歯ごたえの有る奴もいたが、百戦錬磨の彼らにかかれば一溜まりも無く。
洋館の中にいるのは、今や勝者である彼ら四人だけであった。

「俺は調べたい事が有る―――――お前ら、先に外に出ていろ」
開口一番、三蔵は悟空たちに命じた。
「ああ、いいけど――――何かあるのかよ?」
「ま、三蔵様も人に見られたくねえ事の一つや二つ………」
「――――――うるせえ」
踵を返し、再び洋館の奥に戻る三蔵。

――――――どうしても腑に落ちない事があった。
――――――やたらと、頑丈で、飛びぬけた力量を持っていた妖怪。
――――――眉間に撃ちこんだにも関わらず、滅ばなかった。
――――――ようやく悟浄が、首を切り飛ばしたその途端に炎に包まれて焼失した。
――――――アレは、一体なんだったのか?

疑問は尽きない。その答えが見つかるわけではないだろうが、もう一度痕跡を確認しない事には
どうにも収まりがつかない。
「クッ……………」
訳の分からない苛立ちを殺すかのように、懐からマルボロ赤ソフトを取りだし吸い始める。
館内を改めて見返すと、破壊の痕跡があちらこちらに伺えた。穴だらけの壁や床板…。
「――――――まったく、我ながらよくやる物だ…」
苦笑い。だが、すぐにかき消える。気が付かない訳が無いほどの濃い気配――――!
「―――――居るのは分かっている」

『影』が笑った。
217玄奘三蔵 ◆GOWESTrM :02/05/01 11:03
(導入3)

次の瞬間、館内は音を立て侵入者を拒むかのように全ての入り口を閉ざした。
「――――何で扉が勝手に閉まってんだよ、オイ!?」
「僕に言われても分かりませんよ!」
「とにかく中に入んねえと――――――――熱っ!…何だよコレ!?」
悟空は扉に掛けた手を引っ込めながら悪態をつく。。
「――――――――どうやら、僕達は罠に掛かったようですね」

「――――――なるほど、“結界”か…貴様、何者だ」
三蔵は対峙している『影』に問いただす。
濃密な殺気、瞬く間に結界を仕掛ける腕…只者ではない。

『影』は、両手に持った銃剣を十字の形に構えなおす。

「――――――我らは神の代理人 神罰の地上代行者
我らが使命は我が神に逆らう愚者を その肉の最後の一片までも絶滅すること―――――」

「 Amen 」

――――――『影』の名はアレクサンドル・アンデルセン。


「なるほど…“『聖堂騎士』アンデルセン”………か」
三蔵はタバコを捨て、踏み消す。『公共のマナー』など知った事か。
「ほう…私を知っているのか?『唐亜玄奘三蔵法師』殿が?」
アンデルセンは周囲の景色を歪めるほどの殺気を隠そうともせず、三蔵に近づく。
「――――ああ、名前だけはな。曰く『殺し屋』、曰く『銃剣』、曰く『首斬判事』、曰く『天使の塵』…。
よくもまあ、これほどの二つ名で呼ばれる物だ」
呆れたような口調で言うが、三蔵の目には射殺すような殺気が込められている。
「貴様とて、人のことは言えまい…『妖怪虐殺者』」
距離が近づくに連れ、更に濃度を増す互いの殺気。
「静と動」。二人の殺気を形容するなら、これ以外にはありえないだろう。
「―――折角の獲物も、貴様らに狩られてしまった…。だが。まだ、対象は残っている」
「――――――フン………美味い物はゆっくりと、味わって、食べる…ということか」
三蔵ははっきりと結界の意味を確信した。
―――――――二人の影が交差する。そして。
218アンデルセン(M):02/05/01 11:19
>217 玄奘三蔵法師vsアンデルセン神父(M)

 口の端を思い切り歪め、アンデルセンは笑みを深める。
 仮にも僧衣を纏う者にあるまじき、それは猛悪極まりない微笑であった。

「外にいるメインディッシュ共よりも先ずは前菜という訳だ。味わって食べねばな」

 心底愉しそうに言う、その雷瞬の後。
 両手の銃剣は鬼速の突きへと変じて三蔵に迫る。
219玄奘三蔵 ◆GOWESTrM :02/05/01 11:29
>218 玄奘三蔵vsアンデルセン神父
 
そして、闘争の火蓋は切って落とされた。
 
アンデルセンの得意とするは銃剣による白兵戦闘。
片や、こちらが得意とするのは昇霊銃による中遠距離射撃。
 
全く持って噛み合わない。

だが、そんな数瞬の思考も許されることは無く、断罪者の牙が襲い掛かる。
 
「くっ…………」
どうにか、紙一重で避けた…と思いきや、胸当てが横に寸断されている。
もし、まともに食らっていたら、さながらダルマ落としのように胸から上が泣き別れだ。
 
「分が悪い………いや、悪すぎる………!」
すぐさま近くの柱の陰に飛び込み、間合いを離す。
同時に銃を抜き、いつでも撃てるように気息を整える。

(さあ………どう出る、アレクサンドル・アンデルセン!)
220アンデルセン(M):02/05/01 11:50
>219 玄奘三蔵vsアンデルセン神父(M)

 柱の陰に身を潜めた三蔵を、アンデルセンは鼻先で笑い飛ばす。

「隠れん坊のつもりか。
腐れ夜族とつるんでいる分際で僧侶を名乗る邪教徒など、所詮はこんなモノだな。話にならん」

 両手を大きく広げた。聖なる両の剣を、鳥の羽の如く展開させる。
 床を踏みしだく足音も高く、ゆっくりと前進を開始した。
 
「父と子と聖霊の御名にかけ、我は悪しき全ての種子(たね)を追い祓わん。――Amen」
 
 朗々と聖句を詠じつつ。
221玄奘三蔵 ◆GOWESTrM :02/05/01 11:58
>220 玄奘三蔵vsアンデルセン神父
 
『父と子と聖霊の御名にかけ、我は悪しき全ての種子(たね)を追い祓わん。――Amen』
近づいてくる気配とともに、聖句を唱える声。
 
―――――――――『無一物』。
「祖に逢えば祖を殺せ 仏に逢えば仏を殺せ」…何物にも捕らわれず、只あるがままに己を生きるという事。
俺が、師匠である光明三蔵から教わった唯一つの教え。

だが、「己を生きる」とは自分を自分たらしめる「何か」にこだわって生きることではないのか?
矛盾だ。『何物にも捕らわれない』というなら、生きる事すらも捨ててしまうことになる。

ならばこそ、俺は「己を生きる」ために俺の行く手を阻む全てを殺し続けよう。

これこそが、俺の…玄奘三蔵の称える『無一物』に他ならない。

―――――――誰の為でもない………俺が俺で在り続けるために。

(―――――――――覚悟を決めろ)
俺は、柱の陰から飛び出し、胴体・眉間・肝臓と狙いをつけて引き金を引く。
俺の行く手を遮ろうとする、この男を『殺す』ために。
>176 vs横島忠夫「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」
 
鈍い金属音と共に、暗黒騎士の剣は次々と弾かれていく。
その状況が、ガウザーに焦燥の念を抱かせる。
 
『知っているか! な。ずいぶん必死になって調べてるじゃねーか』 
 
横島の言葉が暗黒騎士の耳を打った。
その瞬間、視界が真っ白になる。
 
『けっ、蘊蓄の自転車操業が! 都知事が聞いて呆れるぜっ!』 
 
 
「ぱりん」と何かが割れたような音が、頭の中で響いたような気がした。
足から地面の感覚が失われ、底のない奈落へと落ちて行く感覚。
 
ガウザー・・・黒岩省吾は、人間界に来てから懸命に勉強してきた。
そうして身につけた知識だけが、彼の自身を支えていた。
 
その舞台裏を見抜かれる事。
それは彼にとっての最大の屈辱だった。
 
意識が飛んだ一瞬に、弾かれた鍔口へと刃が走り来る。
咄嗟に剣を手元に引き、受け止める。
刃と刃がぶつかり合い、空気が唸り―――そして、本物の剣が無様に宙を舞った。
223アンデルセン(M):02/05/01 12:20
>221 玄奘三蔵vsアンデルセン神父(M)

 仰け反った。
 至近距離で銃撃を受けたのだ。当然である。
 続く結果として、床に倒れ伏す。これもまた人間なら当たり前であろう。
 そうはならなかった。
 
 命中しなかった訳でも、防弾チョッキを着込んでいる訳でもない。
 僧衣の胸と腹に刻まれた弾痕からは、何より額に開いた傷口からは血が滴り落ちている。
 それなのに、眉間の傷はフィルムの逆回転を見るかの様に塞がりつつあった。
 
 再生者(リジェネーター)たるアンデルセンにとっては、これしきの負傷程、特に評する事も無い。
 後方へ反っていた上半身が戻った。

「そんな玩具で、この俺がどうにかできるとでも思っているのか」

 嘲る様に言うと、アンデルセンの両手から銃剣が掻き消えた。
 正確には投じたのだ。迸る二条の光芒は、闇を貫いて三蔵へと迫る。
姫城玲vsディオ・ブランドー
>77
 
炎が網を形作り、ディオの身を包み込んだ。
吸血鬼の肉体が、深紅の業火に飲まれていく。
 
―――しかし。
 
人の形を保ったまま、炎は青年のほうへと歩き出した。
確かにディオの肉体は火炎に焼かれている。
ただ、その再生能力が炎よりも早く傷を塞いでいくのだ。
 
「FUUUUUU!!」
 
獣のような唸り声をあげて、吸血鬼は燃え盛る自分の上着を引き裂く。
炎の塊と化した服を玲に投げつけ、同時に間合いを詰める。
 
紅い布の後ろから、上段のまわし蹴りを放つ。
225玄奘三蔵 ◆GOWESTrM :02/05/01 12:37
>223 玄奘三蔵vsアンデルセン神父
 
三発とも、寸分違わず、致命点に命中する。
上半身を仰け反らすアンデルセン。

もはや、生きてはいまい――――――その筈だった。
しかし、何かが違う。

アンデルセンは、ただ仰け反っただけだった。
上半身を起こすと、眉間に打ち込まれた銃弾は肉の盛り上がりに押し出され、乾いた音と共に床に落ちた。

『そんな玩具で、この俺がどうにかできるとでも思っているのか』

「再生能力――――――――!?」
さすがに、そんな特異体質と殺りあった経験は無い。
いや、これは特異体質とはいえない………もはや、武装と同じ戦闘手段の域にまで高められた技術だ。

そんな、俺の驚きを余所に、アンデルセンは両手の銃剣をこちらに向けて放つ。
とっさに横に飛び直撃は避けたが、背中と肩を掠めていった…。
かすり傷だろうが………まったく「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」というか。
 
とにかく、手持ちの武器で奴に致命傷を与えられるのは『魔戒天浄』のみ。
…………ただ一度のチャンスを狙うよりほか無いのならば、そのための布石を敷かねばなるまい。

まだ、俺は恐怖していない。
まだ、俺は戦意を失っていない。
まだ、俺は奴への殺気を消してはいない―――――!
>222 vs暗黒騎士ガウザー 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」  
 
 太刀がくるくると銀の軌跡を描きながら、宙を飛ぶ。 
 それはトスと小さな音を立て、地面に突き刺さった。 
  
(よっしゃ、揺さぶり大成功!) 
 
 文珠の力で頭の中を除いた横島に、
 ”自称”都知事の怪人をコケにするなんて造作もなかった。 
 おあつらえ向きに、隙だらけの心を持つ暗黒騎士の足下を崩すなど―― 
 がらんどうのガウザーが立ち尽くすのを見て、少年は素早く行動に移る。 
 
「わはははははははは! 付け焼き刃しかねーなんて、俺にも劣るぜ!」 
 
 トドメの一言。 
 それを捨て台詞に少年は、急いで踵を返した。一直線に公園の外を目指して。 
   
 ――――同じハズの格好、同じハズの姿。 
 
 だが、それでも横島の足下には微かに血の痕跡が残る。 
 既に負っていた傷は、どうにもならない代物だった。 
 文珠で治すのも良いが、それでは手持ちが残り一個になる。 
  
(それで死んじまったら、意味ねーし) 
 
 傷の痛みを噛み締めながら、横島は必至に策を練る。 
 包囲網を軽々と飛び越えると、暗黒騎士はより深まる帳を駆けた。 
 リムジンを飛び越え、通りを切り抜け――――細い、とても細い路地裏へ。 
 
 鼻につく匂いと夕闇に紛れる薄暗さ。
 どちらをとっても、決して良い戦場ではなかった。 
>226 vs横島忠夫「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」
 
舌打ちを1つ。
地に刺さった剣を抜くと、ガウザーは自分と同じ姿の敵を追う。
 
殺す。必ず殺す。
俺をコケにしてくれた恨みは・・・死をもって償ってもらおう。
暗黒騎士からは風のように殺意が吹き出し、公園の木々を揺らす。
 
横島は自らを狭い路地へと追い込んでいた。
ここなら剣を振るえないとでも考えたか。
小癪な。
 
「横島、ここが貴様の墓場となる」
 
剣の鋭い先端を、横島のほうへと向けながら駆けていく。
充分に体重の乗った突き。
暗黒騎士は疾風となり、横島を貫こうとする。
 
228アンデルセン(M):02/05/01 13:12
>225 玄奘三蔵vsアンデルセン神父(M)

 衣服の何処に隠し持っているのか、両の袖口から新たな銃剣が滑り出た。
 目の前に掲げ、刃と刃を擦り合わせる。耳障りな金属音も心地良げに呟く様に言う。

「剣に殺さる彼ら生者(いけるもの)の地に畏怖(おそれ)をおこしたれば穴に下れる者とともに恥辱(はじ)を蒙(かうむ)るなり」

 『エゼキエル書』第三十二章二十五節を引用したのも束の間、アンデルセンは床を蹴った。
 黒い剣風は、闇を巻いて三蔵へと疾る。
>227 vs暗黒騎士ガウザー 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」  
 
 まず、少年には理由があった。 
 相手の真意を知る、それでなければ逃げるか戦うかなんて決められない。 
 結果は言うまでもない。GS横島忠夫の抹殺、それがこの都知事の目的だった。 
  
 ――――つまり、逃げても無駄。 
 
 
 次に思考はどうやって切り抜けるか、に収束していった。 
 ただ普通に倒しても、囲まれている上に都知事が相手では、ただでは済まない。 
 突破して、出来るなら人目のつかないところでケリを付ける必要があった。 
 
 ――――幸い、そこまでは上手くいった。 
 
 
 最後にどう倒すか。 
 それは――――――出来の悪い賭に乗るしか、道はなかった。  
 
  
「墓場? けっ、出来るものならしてみやがれっ!」 
 
 考え得る限り、最大の一撃が迫る。 
 ガウザーの力を以てしても、避けられるかどうかは微妙。 
 いや、そもそも防ぐことさえも難しい、決死の刺突が繰り出された。 
 淡い閃きが夕闇に包まれた路地に、微かな光を差す。 
 その光に照らされる横島の顔は、ただただ一点、その切っ先を睨んでいた。 
 
(避けも防ぎも・・・・・・なら!) 
 
 剣閃は―――――― 一筋の風となって、横島を貫いた。 
230姫城玲:02/05/01 13:41
姫城玲vsディオ・ブランドー
>420

投げつけられた上着の炎は、しかし青年の纏った冷気に絡め取られて
すぐさまその勢いを失った。

――――だからと言って、視界が塞がれた事には変わりはないが。

青年の身体に衝撃が走る。

「かはっ!」

肋を二、三本、持っていかれただろうか。
鋭く鈍い、ある意味矛盾した痛み。

だが、

「流石にタダでやられてあげるほど、僕もお人好しではないんでね」

吹き飛ばされながらもワイヤーを操り、相手の首に引っ掛けた。
モーターが回転する。

「どうだい、首を吊る気分ってのは!」
>229 vs横島忠夫「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」
 
ガウザーの剣が、横島の腹部に埋まる。
肉を抉り骨を断つ感触。
勢い余って少年の体は、背後の壁へと縫い止められる。
 
仕留めた!
暗黒騎士は仮面の奥で、深く片頬を持ち上げた。
この馬鹿とも、これでお別れだ。
 
「御免!」
 
一声上げて、暗黒騎士は剣を引き抜かんとする―――
232横島忠夫 ◆YDaTadao :02/05/01 13:57
>231 vs暗黒騎士ガウザー 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」  
 
 深々と腹を抉る刃。 
 それを握り締めると、横島は最後の賭に出た。 
 
「ご、ごべんでずぶが、ぐぞやろう!」 
 
 口からは止めどなく血が溢れる。 
 その姿は既に「暗黒騎士ガウザー」ではなく、高校生「横島忠夫」に戻っていた。 
 断続的な痛みと出血の喪失感が、少年の命を速やかに奪っていく。 
 それでもなお、少年は踏み止まる。 
  
(ここで死んだら――――次は、美神さん達がっ!) 
 
 それだけは、絶対に許せなかったから。 
 
 ギッ、奥歯を噛む。 
 何とかして繋ぐ意識の中、横島は最後のカードを切った。   
 最後のカード・・・・・・文珠が、左手の中で連続して起動する。 
 
 ――――「鉄」が、横島の体を鉄の塊に変えた。 
 ――――「雷」が、落雷を起こしその鉄を撃った。 
 
 数万ボルトの電圧が鉄の塊を伝わり、ガウザーの剣にまで至る。 
 手を離す一瞬が間に合わない。電光は光の疾さを以て、都知事を抱く。 
 肉体を容易く焼き払う”神鳴り”が暗黒騎士を貫いた。   
 
 ・・・ただ、足下の泥濘がそれを阻むとも知らずに・・・ 
233朧 ◆TnOtqhBc :02/05/01 14:10
106vsユージン


<エピローグ>


再び公園内は静かになった。
先ほどの戦いがまるで嘘のようである、朧は倒れたユージンを見た おそらくしばらくの間 指一本
動かすことはできないだろう。

「……さあ、殺せ」

むしろ、あっさりと――あまりに淡白に言ってのける しかし この青年はまだ強くなる見込みがある
それ故に殺さなかったのだ。

「しばらく動かないほうがいいですよ、気の流れを狂わせましたから。」

彼は意外そうだったが もともと殺すつもりはなかった。ただ 戦いの中で何か迷いのようなものが彼には感じられた、
それが何であるのかまで はわからないが。

「迷っているのであれば もっと鍛えなさい 鍛えれば鍛えるほど人は強くなるのですから
できることならば 今度は一人の人間と戦いたいものです 殺人機械ではない自分の意思を持つあなたとね。」

そう言い背中を向けて離れる、あの青年が今後どのような道を歩むのかはわからない。
殺人機械のまま生きるのか それとも 自分の意思でその運命に立ち向かうのか 

ただ一つ言えることがある。将来の強敵がまた一人増えたと言うことだ。

そう思いながら朧の口元は自然に笑っていた、修行が続くかぎりその戦いから逃れることはできない。
それが自分の選んだ道なのだから。

朧の姿は深夜の公園に消えた まるで幻であったかのように。
空には月が輝いていた。 


 
>232 vs横島忠夫 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」
 
「!?」
 
稲光が、鉄と化した横島を通してガウザーを打つ。
衝撃が全身に疾り、脳髄が砕けるような痛みを送りこむ。
目の前が暗転し、意識が弾け飛ぶ・・・寸前。
 
その雷は止まる。
 
荒い息を吐きながら、暗黒騎士は俯く。
足元にあった、水溜りが目に映る。
その水に電流が散らされ、致命傷には至らなかったということか・・・。
 
「お前は必ず・・・この俺の手で仕留める」
 
鉄塊となった横島に、そう告げる。
 
「だが、今の覚悟に免じて、今日は見逃してやろう・・・」
 
それに、俺も消耗が大きいしな・・・。
そういうと、ガウザーは背を向けて路地から立ち去った。
 
 
――――まもなく、救急車が倒れた横島の元へと駆けつけた。
235ジャッジ・デス:02/05/01 14:35
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
 
ジャッジ・ファイアvsウピエル
>211

ウピエルの斉射は、ジャッジ・ファイアの右膝を粉砕する筈だった。
しかし射撃の瞬間、彼の脚は僅かによろめいていた。
先程、燃えあがりつつ動く死体によって負わされた両脚の火傷が、無理な跳躍によって裂けてしまったのだ。
その結果、狙いの逸れた銃弾はジャッジ・ファイアの大腿、膝、脛に分散して着弾した。
九発の銃弾のうち七発が動く標的の右脚に命中したのだから、恐るべき精度の射撃といっていいだろう。
だが、これはウピエルの望んだ成果には、ウピエルなら難なくやってのける成果には、到底及ばない。
ジャッジ・ファイアは、その脚に銃撃による損傷が存在することなど思わせもしない俊敏な動きで、
ウピエルとの間合いを詰める。
「いいィィィ声してェェんじゃねえかァァァ!命乞ォォいの声はッ、もォォッといいィィィんだァァろうなあ!」
怪物はあざけりの叫びを浴びせながら、三又の槍で突きかかる。
「正義のォォォ!炎でェェ!燃えろォォ!死ィィねッ!」
燃え上がる槍と、ギターの先端の銃剣が交差した。
銃剣は炎の中の頭蓋骨を切り裂き、槍は吸血鬼の左肩を貫いた。
ウピエルの左腕が地面に落ちる。
焼かれた傷口から、血は流れなかった。
236黒岩省吾 ◆sChIjITA :02/05/01 14:36
>234 vs横島忠夫「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」 黒岩側エピローグ
 
半円となった夕陽が、空を鮮やかな朱に染めている。
今は、夕方と夜との境界線。
 
その空の下に、黒岩省吾は1人立っていた。
 
少しずつ、しかし確実に日は地平線に飲みこまれて行く。
黒岩は、それを歩道橋の上で静かに見つめていた。
 
やがて、黒岩は口を開く。
 
「横島・・・手強い奴。そして・・・」
 
「なんて馬鹿なんだ!」

そう夕陽に訴えると、彼は静かに立ち去っていった。

237ユージン ◆STiGMaE. :02/05/01 14:43
>233






                                           ――――月が、翳る。










                                           空が白み、黒が霞み、
                                        体の痺れも消えて失せる。


                                              「任務――失敗」



              彼方。遠い瀬。月の端。刃。黒。稜線の影。踊る噴水。雲。そして空。



                                                 身を起こす。


                                                 帰ろうと思う。
                                          帰る場所などないけど。

                                        帰りたい場所が、あるんだ。





                                         少年の足取りは覚束無く。
                                               ただ真っ直ぐに。


                                          
238横島忠夫 ◆YDaTadao :02/05/01 14:54
>236 vs暗黒騎士ガウザー 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」  
    エピローグ 
  
 鉄の呪縛から解かれた時、少年は崩れ落ちた。 
 腹から胸から、止めどなく血が溢れる。口から漏れる血は喉の奥に絡み、息を詰めた。 
 腹の中はぐちゃぐちゃで、息が胸を動かす度に鈍痛を脊髄に叩き込む。 
 肩の傷も酷く熱を持って、左腕を冷たい泥濘から逃げられなくしていた。 
 青の装束は余す所無く紫と赤に染め上げられ、原型を失っている。 
  
 ――――命が、尽きようとしていた。 
  
(ははは・・・ちと、無理しすぎたか) 
 
 体が動かない。 
 意識が切れかかる。 
 全身がただ一色、熱に染められ、思考を痛みと脱力に塗りつぶす。 
 
(・・・死ぬ、かな?) 
 
 少年の脳裏に様々なことが過ぎる。 
 死ぬことに、思いの外後悔はなかった。 
 ただ、悔いがある。たっぷりと、たっぷりと悔いがあった。 
 
 倒しきれなかった暗黒騎士の事、都知事が美神たちに向かうだろう事、 
 ルシオラの事、美神の事、事務所のみんなの事・・・・・・止めもなく溢れて、消えた。 
 
(死に、たくねぇ・・・よぉ・・・) 
 
 涙がこぼれた。 
 悔しくて、情けなくて、辛くて。 
 混濁して閉ざされていく意識の中――――少年は最期の一瞬まで、強く強く拳を握り締めていた。 
 
 
 だから目覚めた時、自分が病院にいると知って酷く目を白黒させるのだった。 
 
 
 
 最後に・・・ 
 何とかたどり着いた事務所には大勢の税務署職員がいて。 
 なんか、脱税とかなんとか言っていて。それがたぶん、都知事の差し金で。 
 美神の怒りの矛先が少年、横島忠夫に向かっていた事も記しておこう。 
 
「都知事・・・絶対に、殺す 必ず殺す!」 
 
 腹いせのアッパーに殴り飛ばされながら、横島は気障男の顔を脳裏に刻み込んだのだった。 
239Boogiepop:02/05/01 14:57
ユージンvs朧戦のまとめだ。

http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1019314499/529
が前スレの分だ。

現スレ分
>87>96>99>102>106>233>237

さて、彼はこれからどうするのかな・・・?
240Boogiepop:02/05/01 15:02
・・・訂正だ。

http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1019314499/529
が前スレの分だ。

現スレ分
>87>89>96>99>102>106>233>237
241ジャッジ・デス:02/05/01 15:06
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
  
ジャッジ・モーティスvsフリッツ
>214
 
骨の鞭は、フリッツの皮膚を剥ぎ、肉を裂き、骨を軋ませる。
ジャッジ・モーティスは目の前の罪人に、腐敗による速やかな死を与えるつもりはなかった。
全身の皮膚を剥ぎ取ってから少しずつ四肢を腐らせていく、これこそが執行に抵抗する大罪人に
ふさわしい処刑方と考えていたのだ。
だが、モーティスは目の前の男の生命力と闘争心、そして狩猟者の本能を見くびっていた。
突然の閃光が、世界を白く塗りつぶした。
モーティスの腐りただれ果てた肉体の中に潜む、狂える悪霊の視覚さえも奪われた。
  
モーティスが視覚を回復させた時には、そこにフリッツの姿はなかった。
「学ァァァばぬお方でェェすねェェ!死から逃ァァれることはァ、不可能だァというのにィィィ!」
ジャッジ・モーティスは追跡を始めた。
彼らダーク・ジャッジは、生命の匂いを嗅ぎつけることができる。
どこに隠れようとも、たちまち発見されることだろう。
242黒岩省吾 ◆sChIjITA :02/05/01 15:09
横島忠夫vs暗黒騎士ガウザー 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」 
レス番まとめだ。
 
>71>72>74>75>81>82>84>85>88>91>95>100>167>168>169
>170>172>173>176>222>226>227>229>231>232>234>236>238
 
感想があったら、こちらにお願いしよう。
 
http://fargaia.hokuto.ac/html/test/read.cgi?bbs=vampbattle&key=1019409630
>171 vsエリ

えぴろ〜ぐ

「まあ、こうして生きてられるってのもありがたい事なんだけどね・・・」

ぽっかぽかの日差しを浴びて、私はぼんやり空を見上げる。
ちょっと前までは廃墟同然だったこの街も、だいぶ復興してきたようだ。

・・・何故、自分が助かったのは良く覚えていない。
まあ、誰かが助けてくれたんだろう。
仮面をつけたお節介な奴とか。

「・・・しっかし、妙に人間臭い奴だったなぁ、あのアーミー女」

もしかしたら、人間だったりして。

「まさか・・・ね」

それは、カミサマだけが知ってること・・・なのかもしれない。
前スレ>521 vsラルフ

ゆっくりと、ゆっくりと馬車はロゼットの視界を埋めていく。
僅かにだが、縮まる速度も速まっていっているような気がする。
それは車の速度が速くなっていってるのか、それとも馬車が減速しているのか……。
(――――後者だ)
直感でロゼットはそう判断する。
だが、それならおかしい。
なぜ、減速など――――

「――――DAM!! 馬は!? あの牧師はどこ!?」

気付いたときには、馬車はロゼットの視界を埋め尽くしていた。
次瞬、何かがひしゃげ、何かが砕ける音。
猛スピードで馬車に突っ込んだ車は、そのままフロントバンパーをへこませ、
ロゼットにもの凄い衝撃とその反動を叩き付けた。

ハンドルが腹に食い込み、口の奧から鉄の味をした何かが溢れてくる。
痛みのあまり、涙で視界がゼロになるが、ロゼットは止まらない。

「まだよ。この程度じゃ……私は止まれないわ!!!」

同時、アクセルを限界まで踏みこむ。
エンジンの回転数が爆発的に跳ね上がり、レッドゾーンをぶっちぎる。
タイヤが、道路を無理矢理噛み込み、数秒の空回りのあと、一気に爆進。
馬車を押し返すように、進み始めた。

余計な粗大ゴミを押し進めながら、ロゼットが操る車は驚異的な速さでラルフと距離を詰めていく。

もう、なんだって良い。
とにかく追いつこう。
それから後のことは、それから考えれば良いのだから。
エリvsミア
まとめよ。

>50>51>52>54>56>58>59>60>61>62>63>65>133>171>243
vsロゼット・クリストファ
>244

「・・・中々頑張りましたな。では、これはご褒美です」

男は馬を広場に乗り捨てた後、右腕に長銃を<言影化>。
少女の駆る車のタイヤ目掛けて銃弾を送りんだ。
そして目の前にある建物の扉を押し開け、中へと進入する。

騒がしい外界とは裏腹に、そこは静寂が全てを支配していた。
ステンドグラス越しの光が、やわらかく差し込んでいる。
その祭壇の中央に一人佇み、男は少女の到来を待つ。

ウェストミンスター大聖堂。

そこが――――――――彼が望んだ決着の地。
>246

「――――Holly Shit!! 」

それが最後の記憶。
よく考えれば、当たり前。
鉄砲でタイヤを狙うなんて、当たり前。

タイヤが破裂して、制御を失って、
でも、車はまだまだ元気で、
猛スピードで暴走して、
なんか大きな広場に出て、
真っ白な壁が私の視界を覆い尽くして、
急に辺りは真っ暗になりました。

でも、ロゼット=クリストファは止まれない。
ラルフ・グルトに追いつくまでは止まれない。

悔しさよりも、悲しさが、
怒りよりも、哀れみが、

でも、結局私は怒ってた。
ラルフ・グルトという我が侭太郎に怒ってた。
248???:02/05/01 17:03
>247

ラルフがその存在に気づけたのは、足音でだ。

鏡のように透き通る床に、カツンカツンと音が響く。
わざとらしい。そしてキザったらしい足音。

足音は急に止まる。
ラルフの背後、キリストの十字架の下で、足音は止んだ。
そして、紡ぎ出される言葉。

「ふむ……いや、なんというか……残念ながら、私達も無能にはなりきれなくてな」
濃いブラウンのスーツ。
「こう、変なとこで勘が利いてしまうんだ」
銀色に輝く白髪。
「君……いや、君『達』が何者かは判らない」
そして口には……葉巻。
「だから、私が言えることはただ一つ」

「――――投降したまえ」

同時、『警部』はポケットに突っ込んでいた右手を振り上げ、軽く指を鳴らした。
それが合図だったかのように、大聖堂は情報の渦で吹き荒れる。
文字、
文字、
文字、
一面文字。
文字の嵐は形を纏い、完全に<言像化>される。

「此処に君達が来ることが、なぜか分かってしまった。
 まったく……この街に、私の<限界>という文字は存在せんのかね?」

スコットランドヤード。倫敦警視庁。
今、ラルフ・グルトの眼前……いや、周囲には、総員100をくだらない警察官が、
手に手に散弾銃や、拳銃、果てはクロスボウまで構え……ラルフに狙いをつけていた。
100の銃口が、1つの標的を狙っていた……。

この事象は<奇跡>と言えるだろう。
もちろん、ヤードにとっての奇跡である。イカサマが無かったとは……断言できない。
だが、奇跡ということに関しては間違い無いだろう。
なぜなら、ラルフが此処に来ることなど、彼等知る術は無いのだから。
>248

身体が痛い。
だけど……止まれない。
この程度で止まったら……!!

倒れ込むのように、車から這い出て、聖堂の扉を探す。
(――――あった)
でも、遠い。
5m程離れている。
普段なら、1秒と掛からない。
でも、今の私には……。

ロゼットは、それでも必死で歩いた。

彼が此処を選んだのなら、此処が決着の舞台だ。
此処に辿り着けば、終われる。
邪魔は赦さない――――!!
わたしが吸血鬼になってから、数年経ちました。
「弓塚さつき」の未来の可能性、それがわたし。
既にここにいる「弓塚さつき」とは別人だよ。

わたしは死徒27祖、前にも言ったけど吸血鬼なんだ。
吸血鬼っていっても、無闇に人を殺したりはしないよ。
あまり、そういうのは好きじゃないからね(苦笑
……けどね、もしわたしの邪魔になるようなことがあったら、容赦しないから。
カテゴリーは勿論Cだよ。

わたしの生きる目的、それは「遠野志貴」をわたしのものにすること。
だって、志貴くんの為にわたしは今まで生き延びてきたんだから。
もし、志貴くんがわたしを拒絶するようなことがあったら――――
……ふふ、あはは―――待っててね、志貴くん。


出典 : 月姫
名前 : 弓塚さつき(死徒27祖)
年齢 : 二十歳前後(外見は十七歳のまま)
性別 : 女
職業 : 死徒27祖
趣味 : 買い物
恋人の有無 : 志貴くんが待っててくれてるから、無し
好きな異性のタイプ : 志貴くん
好きな食べ物 : 甘いもの、健康な人の血液
最近気になること : 志貴くんは、本当にわたしのものになってくれるの?
一番苦手なもの : 拒絶、かな
得意な技 : 固有結界【枯渇庭園】
一番の決めゼリフ : 「逃げれば? いまなら見逃してあげるわよ」
将来の夢 : 志貴くんと『同じ』になること
ここの住人として一言 : お手柔らかに、宜しくお願いします
ここの仲間たちに一言 : 邪魔をするなら、容赦はしないよ
ここの名無しに一言 : 楽しめる闘争をみせられるように頑張るね
251導入:02/05/01 22:32
『人と、人の上に立つモノ』
 
トリスタン郊外の工場でケースSAが発生。魔族の等級は不明。
殲滅に当たった戦術魔法士は返り討ちにされた。
そして、この男が投入されることになった。
>251
 じゃり……と、モールドに包まれた脚が地面を踏みしめる。
 巨大な機械の塊――スタッフを構えながら、ろくに物音も立てずに薄暗い
 構内を歩いていた。
 
「さてと……お客さんはどこにいるのかね」
 
 呑気なことを呟きながらも、その歩みからは微塵も油断も見られない。
 時折、物陰から周囲を伺いつつも、彼は危なげなく、その先に待つであろう敵を求め――
 彼は、進んでいた。
 
 ――――と。
 正面。距離にして数メートルの場所に、何かが見えた。
 一見、人間のようにも見える。だが――水晶のようなもので出来たそれは、人間とはいわない。
 
「……あれか」
 
 ぺろり、と唇を舐める。同時に……手にした金属の塊を操作。じゃこ……と言う音と共に、
 基礎級魔法一回分の魔力を活性化。
 
「さてと――行くか……!」
 
 小さく呟いて――彼は、叫ぶ。
 
「顕!」
 
 瞬間――物理法則を書き換え、魔法が現実世界に顕現する。
 衝撃波を封入した不可視の砲弾――<アサルト>が、その奇妙な人型に向けて撃ち出された。
253エンペラー:02/05/01 23:02
>252
それは不可視の砲弾の直撃を受けたにもかかわらず、全く意に介さなかった。
 
音を立てず地面から浮遊。 そしてレイオットに目を向ける。
 
「私は全ての生物の長・・・。自然界の頂点に立つ者」
 
「私の名は、エンペラー」
 
エンペラーの周りに握り拳程度の大きさの水晶のようなもの――『ビット』が守るように飛行し始めた。
 
そしてエンペラーがレイオットに向けた手に従い、4つのビットがレイオットに襲い掛かった。
>253 vsエンペラー
 
「――エンペラー?」
 
 相手が名乗ったその名を、転がすように口の中で呟いた。ゆっくりと浮かぶその人型……
 エンペラーを視界に入れつつ、耐性を低く取る。と言うか、これは――
 
「……魔族じゃ、ない?」
 
 疑問というよりも、確信に近い思いで呻く。正面にあるこれは……少なくとも、
 自分の全く知らない生き物だ。しかし。彼の取るべき行動は変わらない。
 それがなんであったとしても――闘い、倒す。それだけだ。
 
「ふっ――――」
 
 鋭く息を吐き出し……走る。
 正面からは、エンペラーと似たような質感を持つ、拳大の小さな球が4つ。
 投げられたボールのようにただ直進するそれを難なく避けると、
 
「はっ! どうした、的はこっちだぞ!?」
 
 一声。同時に、手にしたスタッフを操作。無音詠唱――
 
「イグジストッ!」
 
 撃発音声。瞬間、スタッフの先端から3時限的な厚みを極限まで殺された、
 真紅の力場平面が射出される。撃ち出された魔力の刃は、エンペラーと名乗る
 それを両断すべく、音もなくその肉体に吸い込まれていく。
『吸血姫に祝福を』
〜イベント1・『買出し』〜
>205
 
「〜〜〜〜♪」
 
私は、鼻歌混じりで車を運転している。
隣にはクロノ。後ろの席にはアズマリアと・・・・・仏頂面のルージュ。
私は、買出しついでにルージュを街に誘ってみたのだ。
いつもいつも修道会にいたのでは息が詰まるだろうと思った為である。
 
例のごとく、嫌がる彼女を・・・・・。
『くすぐり攻撃』で沈黙させて車へと乗ってもらった。
(クロノに言わせれば、『拉致』らしいが)
 
「ん〜・・・・買い出しそのものはすぐ終わるのよね・・・・・・。
 どう?どっか行きたいトコ、ある?
 夕方までに戻れば文句言われないでしょ。」
 
私は、仏頂面のルージュに問い掛ける。
ま、これで少し気分転換になればいいんだけど・・・・・・。
256エンペラー:02/05/01 23:33
>254
VSレイオット・スタインバーグ
 
魔力の刃がエンペラーを両断すべく、肉体を通り抜けた。
だがエンペラーの肉体は両断されるどころか傷一つついていない。
 
再び手を掲げ、レイオットに向けてビットを繰り出す。
今度は4つのビットを時間差をつけて放った。
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
>196
 
 白いマグマが盛大に吹き上がる。
 アルクェイドを消し去ったであろう白い灼熱は、次第に勢いを弱め、中庭の中央にに飛散した。
 私はそれをただ、無言で見つめる。
 
 終わった……
 全身から、力が抜けていくのが分かる。
 さっきの具現化で力の大半を使い果たした。
 あとはアルクェイドとの格闘戦で負った傷を再生するともう、しばらくは何もできないだろう。
 
 けど、とても、愉快。
 だって、私がついに唯一の存在になれたのだから……
 自然と私の口から笑い声が漏れる。
 
「アハ、アハハハハハハ……」
 
 ああ、なんて気持ちいいのだろう。
 これで私は劣等感に悩まされることも無い。
 
「アハハハハハハハ!」
 
 私はただ、狂ったように笑いつづける。
 だが、私の笑みは唐突に止まる。
 庭の隅にあってはならないものを見たからだ。
 
「なんで……、なんで、まだ生きてるのよ!?」
 
 私の口から漏れたのは疑問の言葉。
 だけど、その言葉とは裏腹に私は直感で全てを理解した。
 
 プライミッツマーダ―はさっきのアレで完全に終わったということ。
 そして、私とアルクェイドはまだ何も終わっていないということ。
>257
「……いいわ、だったら、完全に死ぬまで、何度でも殺してあげる!」
 
 傷の再生に残った力を使う。
 これで、もう私に残された『力』はない。
 身体を破壊されれば、私は完全に滅びる。
 
 ……カマワナイ。
 だって、アイツがいることが私には我慢できない。
 
 ――ダッタラ、ドッチガキエレバイイ!
 
 片手・片足でよろよろと近づいてくるアルクェイドに跳躍。
 右手の鉤爪を勢いに任せ、振り下ろす。
 
 ――キエテ、ワタシノメノマエカラエイエンニ!
259カミーラ ◆ICarmilA :02/05/01 23:41
>181, >191
『ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise"  

少女が投げ落とした銃が、舗装された地面に当たって乾いた音を立てた。

カミーラは少女の顔を見据えて笑う。目の光を見れば彼女が諦めてなど
いないことはわかる。どんな逆境にも希望を失うことのない者だけが宿す
ことのできる光。

実にいい目をしている。わたしが次の行動に出たら、彼女はどんな顔を
するだろうか。カミーラはそれを試したくてたまらなくなった。魅了した女性の
頭につきつけていた銃を脇腹に押しつける。

くぐもった音が無人のアーケードに響いた。腹を撃たれた女性が目を見開いた
まま崩れ落ちる。服が血で赤く染め上げられる。苦悶の呻き声が、女性の口から
漏れ出した。

少女に銃を向けてカミーラは言った。

「軍隊において負傷者は戦死者よりも厄介な問題を生じる。負傷者は後送し
手当てをすれば助かるかもしれないが、そのために多くの人手を必要とし、
正面兵力の減少を招くことになる。故に、対人地雷は兵員の殺傷ではなく
負傷を目的として開発される」

機械的に言ったあと、カミーラは付け加えた。

「腹部の大きな血管は外しておきましたから、あなたがわたしと戦うのをやめて
すぐにこの方を病院に連れていけば、この方は助かるかもしれませんわ。
あくまでも戦うというなら、多分この方は助からないでしょうが、それでも戦わ
れますか。ここでお別れするなら、わたくしは後ろを振り返らずに去りますが、
どうなさいます?」
260横島忠夫 ◆YDaTadao :02/05/01 23:58
>213 vs アドルフ・ヒトラー
    【脱出する者の時間】
 
 
「さて、隠れん坊の時間は終わりだ」  
 
 ぞく――――首の後ろが逆立つ。背筋には冷や汗が伝って、心をこの上ないほどに波立たせた。 
 それは、再び横になってすぐのこと。緊迫感と恐怖を感じとった霊感に、俺は叩き起こされた。 
 重い、肩にのし掛かるような感覚を引きずりつつ、俺は首を悪寒の方に向ける。 
 
 そこには、撥ね飛ばしたはずの男が浮かんでいた。 
 
  
 ――――は? 人が浮いてる? これは本気で化け物ですか!? 
 
 
 聞いていたとは言え、目の当たりにするとさすがにビビる。 
 自然と体は掌に文珠を出し、強く握り締めていた。戦いの果ての、馴れ? だろうか。  
 ま、なんでもいい。逃げるにしろ何にしろ、こいつは使わざるを得ないだろうから。
 傍らの美神さんを起こさないよう抱き上げ、なおかつ男から視線を外さずにベットから起きると、 
 軽く身構える。金髪を夜の風に靡かせるそいつは、そんな様を悠然と見守っていた。 
 
 ――――ふん、準備が整うまでは手を出すつもりは無いってか? 
 ――――人をバカにして! 今にその余裕、絶対後悔させてやるからな・・・! 
 
 
 
 と、もう一つのベットに目を向ける。 
 タイミングよく起きられた俺と違い、鈴鹿はまだベットの中で寝息を立てていた。 
 男から極力目を離さないようにしつつ、ゆっくりと鈴鹿の所まで下がる。 
 
 鈴鹿はよく、眠ってた。 
 カーチェイスに子守、疲れない方がおかしいか・・・思いつつ、俺はじっと顔を見つめる。  
 その陶磁の人形のような、白い肌に月明かりが差した。
 白い中の微かな朱、それがなんとなく、喉にごくりと音を立てさせる。 
   
「おーい、鈴鹿。敵だぞー、起きろー・・・」 
 
 極々、小さい声で囁く。 
 一秒、二秒、三秒・・・よし、起きない! 
 
「・・・な、なら、仕方ないよな! ここは一発、王子様のキスで目覚めさせるしか――――」  
 
 言いつつ、俺は瞳を閉じる鈴鹿に顔を近づけた。 
 赤く小さな唇へ目掛け、まっすぐに俺は、俺は―――――もろたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!  
>256 vsエンペラー
 
「何っ!?」
 
 防いだのでもなく。復元したのでもなく。何事もなかったかのように、ただすり抜ける。
 そんな異様な光景を目の当たりにして彼の動きが、ほんの刹那だけ――止まった。
 と――そこに。
 
「――ちっ!」
 
 視界にはいるのは、先ほどの球体だ。ほとんど反射行動のように、まずひとつ目を回避。
 次いで、ふたつ目。空いている左腕を繰り出し、襲いかかるそれを弾く。
 軌道を逸らされた球体は、そのままあさったの方向へと飛んだ。腕には……鉄球を
 ぶつけられたような鈍い痛み。
 
 そして、さらにみっつ目とよっつ目が、微妙な時間差をおいてこちらへと迫る。
 スタッフを振り上げ、一声。
 
「――顕ッ!」
 
 撃発音声。ほぼ同時に、遮蔽呪文<デフィレイド>発動。球体は、展開した力場平面に隔てられ、
 乾いた音を立ててはじき飛ばされる。
 
「……しかし、どうする?」
 
 攻撃は防いだものの。こちらの攻撃が通用しないのであれば、倒しようがない。
 一体、どうすれば……?
 
 その時だった。球体を繰り出すエンペラーの、ちょうど心臓に当たる部分に、何か……ある。
 それを視認した瞬間。レイオットは腰から拳銃を抜き放つと、かっきり3発。
 その何かに向かい、銃弾を叩き込んでいた。
ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise"  
>191>259  

セミオートで発射された銃弾が、人質の女性の腹部を切り裂いた。  
女が軽く引き金を引いただけ。ただそれだけで、女性はびくびくと痙攣し 
苦悶の声をあげる。  
  
・・・なんで?  
だって・・・その人は食事で、人質。  
オレの追撃を避けたいなら人質を盾にしてオレをぶち抜けばいいじゃねえか。  
「・・・。その女性を解放して。  
そうしたらさ、絶対、オレはそのガンを拾って撃ったりはしない。  
これでいいんだろ!早く、手当てを・・その女の手当てをさせてくれ」 
    
オレはそう、吸血鬼に懇願した。  
  
勿論!オレはさ、ロハで終わるなんてこれっぽっちも思ってない。  
でもさ・・・  
どんなに理不尽でも、相手が約束と言うんだから信じるしかない。  
それが、正しい道だよな、神様?
263不破 雷也 ◆ayRAiYAw :02/05/02 00:14
ン・ダグバ・ゼバvs不破雷也
【白き炎と猛き雷】
 
「こりゃ、酷いね……」
 
 ブライオーの導きのもと、邪怨衆を追っておれ――不破雷也はある街に来ていた。
 否、街だった場所に、だ。
 既に、人の姿はなく、あるのは黒こげに炭化した死骸だけ。
 一体何をどうすれば、こんなことが出来る?
 これだけの規模の街を、焼き尽くす……邪怨衆でいえば、外法衆並みの力だ。
 そんなヤツが、居る……
 恐れとともに浮かび上がるこの感情は……何だ?
 
 こつり。
 
 靴音が、静寂の支配する廃墟に響いた。
 
 見れば、向こうからこちらに歩いてくる人影。
 街の生き残りだろうか?
 
 違う。
 
 この禍々しいばかりの気配。
 こんなものを漂わせるヤツが、まともな人間であるものか。
 油断なく、その人影に向き直る。
264カミーラ ◆ICarmilA :02/05/02 00:32
ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise"  
>259, >262

少女は想像した通りのいい表情を見せてくれた。餌を駄目にしてしまったのは
残念だが、今日はここらで満足しておくべきだろう。

「それでは、その方のことをよろしく」

言い残すときびすを返してカミーラはその場を立ち去る。悠然と背中を晒して。


<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
>257 >258
 
笑い声が聞こえる、本当に嬉しそうな、楽しそうな、心の底からの笑い声が……。 
 
アルトルージュ、そこに居たの?
まってて、すぐに行くから、もっと楽しみましょう、もっと犯しあいましょう。

足の再生もまたずにアルトルージュに近づこうとして、視界が反転した……。
不様にも転んだのだ…アルトルージュが待ってるに。
私の為に何度でも綺麗になってくれるのに、わたしは腕を食いちぎられ、足を焼き尽くされ
まともに歩くことも出来ない。
情けない…アルトルージュはあんなに綺麗なままなのに……。
 
その時衝撃と共にわたしの胸から腕が生えていた。
地面を向いていた視界が無理やり空に向けれられる。
 
「アハハハハハハハ!」
 
わたしを後ろから串刺しにしながら狂ったように笑い続ける……。
怒っているのだろうか? それとも?
 
無理やり首を捻じ曲げ、アルトルージュの表情に目を向けると…、
よかった喜んでいる、快楽に愉悦に、わたしの身体に酔ってくれている。
 
「わたしの中は気持ちいい? …だったらわたしも楽しんでいいよね?」
 
声にならない声で呟いた後…胸を貫くアルトルージュの腕を握りつぶした。
支えを失って再び地面に転がる…目の前に細くて白い足首が見えた…握りつぶした。
 
アルトルージュが何かを言っている、けど…もうよく聞こえない。
でもきっと喜んでいてくれる筈だ、楽しんでいてくれる筈だ…もっと楽しませて上げないと。
 
もう一方の足に爪を立て引き裂きながら、引き倒しアルトルージュに圧し掛かる。
間近に顔をつき合わせ、アルトルージュの表情がよく見える…うん、嬉しそうだ。
 
「ねえ、わたしは貴方が好きよ、本当に好きよ…だからわたしのモノになって」
 
―― もうこれ以上耐えられない、これ以上我慢できない、わたしも貴方を楽しみたい ――
 
さっきアルトルージュがやった様に、胸に手を突き入れ・・・心臓を直接弄る。
 
     中 は ア タ タ カ イ 、 鼓 動 が コ コ チ ヨ イ 
 
アルトルージュがわたしを身体を掻き毟りながら叫んでいる…よく聞こえない……。
 
けど、分かるこれ以上無いほど理解できる、…気持ち良いのだ、快楽を我慢できないんだ。
わたしも我慢できない、これ以上耐えられない…だから彼女の心臓を握りつぶした。
 
アルトの身体が痙攣するように引きつり…少女に戻る。
 
「ねえ、楽しいでしょ?だから一緒に居よう」
>263
ン・ダグバ・ゼバvs不破雷也
【白き炎と猛き雷】
 
(・・・どうという事は無い。いつも通りだ)
 
街が燃え上がる。
人々が死の恐怖に怯え、絶叫する。
 
炎上する街。
その中で一際高いビルに一人の男が佇んでいる。
黒い服と黒い帽子に身を包み、口元は白いマフラーで覆われてその表情は伺えない。
 
―――いつも通りだ。
 
ぱちり、と算盤のような器具を叩く。
視線の先に居る、白い服の青年がまた一人を人を殺した。
白い青年の名は「ン・ダグバ・ゼバ」。
人を狩り、それを娯楽とする種族の中において最強の座に君臨する者。
そして、それを見下ろし殺害数を数える者。
それが自分だ。
プレイヤーと、審判。
ただ、それだけだ。
 
見れば、また新しい標的を見つけたようだ。
こちらからでは死角になって見えないが、ダグバの顔に笑みが浮かぶ様子がハッキリと想像出来る。
恐らくは、相手に力を感じたのだろう。
一方的な虐殺しか出来ないダグバを楽しませる、それほどの力を。
ダグバはその純粋な喜びを顔に表し―――駆ける。
貫手の形に構えた手を相手に叩き込むために。
267?? ◆Amber97g :02/05/02 00:48
《『殺人貴』 vs 遠野秋葉(反転)&弓塚さつき(死徒27祖Ver)導入1》
 
 ――5年前
 
「……痛いよ、志貴くん」
  
 わたしはぜいぜいと、呼吸を乱して、吐血する。
 
「……痛くて、寒くて、すごく不安なの。ほんとは、今すぐにでも志貴くんに助けてほしい」
 
 ―――けど、今夜はまだダメなんだ 
 
「―――待っててね、すぐに一人前の吸血鬼になって、志貴くんに会いに行くから!」

『な―――待てよ、弓塚!』
 
 志貴くんの静止の声が聞こえる。
 でも、振り返らない。
 
 ――生粋の殺人鬼の志貴くんの側に立つ資格はまだ、わたしにはないから
 
 
 
 ――3年前
 
「兄さん! どうしても行くんですか!?」
 
 私は半狂乱になりつつ、玄関から出て行こうとする兄さんに叫ぶ。
 
『すまない、秋葉。もう、決めたことなんだ』
 
 兄さんはこちらを振り向かずに答える。
 
「――兄さん!」
 
 色々、言いたいことがあるのに、何もいえない。
 
『アルクェイドには俺が必要なんだ。――秋葉、俺のことはもう死んだモノと思ってくれ』
 
 兄さんはそう告げて玄関から出て行った。
 
 最後まで兄さんを引きとめることが出来なかった……
 ただ、その事実に呆然と立ちすくむ。
 
 ――気づけば、私の髪は真紅に染まっていた
268不破 雷也 ◆ayRAiYAw :02/05/02 00:52
>266
ン・ダグバ・ゼバvs不破雷也
【白き炎と猛き雷】
 
 ゆっくりと近付いてきていた男が、こちらを認識し――駆け出した。
 人の身では到底不可能な速度。
 
 駆けてくる男の顔に、紛れもない『喜び』が浮かんでいるのが、見えた。
 それを確認すると同時に叩き込まれてくる貫手。
 
 その人外の速度に対しても、厳しい修練を積んだ雷也の身体は反応した。
 右掌と左掌で、貫手を挟み込むようにして迎え撃つ。
 その速度も尋常なものではない。
 
 ――――姫護闘術『破刃掌』
 その名の通り、掌で挟み込むことで『刃』を破る技。
269遠野秋葉 ◆La2AKIHA :02/05/02 00:53
《『殺人貴』 vs 遠野秋葉(反転)&弓塚さつき(死徒27祖Ver)導入1》
 
 ――5年前
 
「……痛いよ、志貴くん」
  
 わたしはぜいぜいと、呼吸を乱して、吐血する。
 
「……痛くて、寒くて、すごく不安なの。ほんとは、今すぐにでも志貴くんに助けてほしい」
 
 ―――けど、今夜はまだダメなんだ 
 
「―――待っててね、すぐに一人前の吸血鬼になって、志貴くんに会いに行くから!」

『な―――待てよ、弓塚!』
 
 志貴くんの静止の声が聞こえる。
 でも、振り返らない。
 
 ――生粋の殺人鬼の志貴くんの側に立つ資格はまだ、わたしにはないから
 
 
 
 ――3年前
 
「兄さん! どうしても行くんですか!?」
 
 私は半狂乱になりつつ、玄関から出て行こうとする兄さんに叫ぶ。
 
『すまない、秋葉。もう、決めたことなんだ』
 
 兄さんはこちらを振り向かずに答える。
 
「――兄さん!」
 
 色々、言いたいことがあるのに、何もいえない。
 
『アルクェイドには俺が必要なんだ。――秋葉、俺のことはもう死んだモノと思ってくれ』
 
 兄さんはそう告げて玄関から出て行った。
 
 最後まで兄さんを引きとめることが出来なかった……
 ただ、その事実に呆然と立ちすくむ。
 
 ――気づけば、私の髪は真紅に染まっていた
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
>265
 
 ズブリと生暖かい肉の感触……
 
 私の右手はアルクェイドの胸を貫いていた。
 今度こそ、おしまい。
 ずっと前から続いてきた馬鹿馬鹿しい茶番劇も……
 
 
 ……グシャと何がつぶれる音
 
 私の右手をアルクェイドが握りつぶしていた。
 
 アルクェイドの身体がバランスを失い、糸の切れた人形のように倒れる。
 私はそれを、つぶれた自分の右手とともに無感動に視ていた……
 
 ――なんで、死なないの、アルクェイド?
 
 ――何故、私の思い通りに死んでくれないの?
 
 私の口から漏れる呪詛……
 それとはお構い無しに……
 
 
 ……グシャリ
 
 今度は私の右足首がアルクェイドに握りつぶされた。
 
 ――痛い
 
 ――どうして、私がこんな目にあうの?
 
 アルクェイドが私の左足に爪を突き立て引き裂く。
 まるで紙くずのように私の左足は引き裂かれ……
 私の身体も数秒前のアルクェイドと同じようにバランスを失って、地面へと倒れる。
 そんな私にアルクェイドが馬乗りになる。
>270
『ねえ、わたしは貴方が好きよ、本当に好きよ…だからわたしのモノになって』
 
 ――誰があなたのモノになるの?
 
 ――私?
 
 ――あはははは、最悪の冗談ね
 
 ――こんなに出来の悪い冗談は聞いたことがないわ
 
 ズブリと私の左胸にアルクェイドの手が入っていく。
 そして、アルクェイドの手が私の心臓にかかる。
 
 ――何よ
 
 ――そんなに私を殺したいの? モノにしたいの?
 
 ――冗談! あなたとは……!
 
 私はもう満足に動かない左手でアルクェイドの身体を掻き毟る。
 でも……
 
          グ  シ  ャ  リ
 
 私の心臓はもう、それは呆気ないくらいに潰された。
 これまでにない脱力感……
 私の身体が縮んでいく……
 
『ねえ、楽しいでしょ?だから一緒に居よう』
 
 ――全然
 
 ――私はあなたと一緒にいても少しも楽しくないわ
 
 ――寧ろ、これ以上ない悪寒と苦痛だけね、感じるのは
 
 ――いいわ、好きなだけ『アルトルージュ・ブリュンスタッド』を壊しなさい
 
 ――でも、私はあなたのモノにならないわ
 
 金色の眼でアルクェイドを睨みながら、私は声にならない声でそう呟いた。
《殺人貴vs遠野秋葉(反転)&弓塚さつき(死徒27祖Ver)導入2》
>269
 ――1年前
 
『弓塚さつきさん、ですわね?』
 
 路地裏でいつもの食事を済ませた後、唐突に後ろから声をかけられた。
 驚いて振り向くと、そこには真紅の髪をした女性がいた。
 
 あれ?
 この人は確か――

『ああ、ご心配なく。弓塚さんをどうこうしようという訳ではありませんから――』
  
 その人は妖艶な笑みを浮かべて、話を切り出した。
 
『一応、以前にお会いしたことがあるはずですけど。遠野秋葉と申します』
 
 ああ、やっぱり……
 でも、志貴くんの妹さんが何でわたしの前に?
 
『――兄さんの足取りを追っていくと、いつもあなたの影が見え隠れするんです』
 
 ――?
 話の意図が掴めない。
 秋葉さんは何を言いたいのだろう?
 
『――兄さんに手を出す泥棒猫は許せませんけど。――どうしようもありませんの。弓塚さん、私と一緒に――」



 この時から、志貴くんを追い求めて秋葉さんと一緒に世界中を駆け巡ることになった。
273鈴鹿御前 ◆Y4SUZUKA :02/05/02 00:57
アドルフ・ヒトラー vs 横島忠夫 & 鈴鹿御前
【脱出する者の時間】
 
>213 >260
 
夜。
私は、夢も見ないほど深い眠りについていた。
 
窓の外に現れた、あまりに異様な気配にも気づかないくらいに。
 
いきなりのカーチェイス、慣れない子守り。
それらが、思いの外私の活力を奪い去っていたらしい。
もしも、私が一人でいる時に襲われていたのなら、おそらく私が目を覚ますコトは二度となかっただろう。
でも、今の私は一人じゃない。
 
「おーい、鈴鹿。敵だぞー、起きろー…」
 
耳元で、声が聞こえたような気がした。でも、まだ眠い。
もう少し寝かせて…そう思った、その時。
 
───私の勘が、最大限の危険信号を鳴らした。
 
朦朧としていた意識が、一瞬で覚醒する。
慌てて布団をはねのけた私の目の前にあったもの。
それは───何だかものすごい形相で迫ってくる、横島くんの顔だった。
 
「きゃああああっ!」
 
悲鳴を上げながらも、反射的に伸びた拳は───横島くんの顎を、見事に撃ち抜いていた。
 
得体の知れない悪寒を感じたのは、次の瞬間だった。
吹き飛ぶ横島くんに一瞥をくれる間もなく、反射的に、愛刀大通連を抜き放つ。
その柄を握る手は、既に冷や汗にまみれていた。
 
窓の外に浮かんでいたのは───コブラに撥ね飛ばされたハズの、あの男だった。
相変わらず風格と威厳に満ちたその姿には、あれほど派手に撥ねられたにも関わらず、傷ひとつない。
 
───これは、尋常な相手じゃない。
 
横島くん───正確には、彼の抱えている女の子───を庇うように、その前に立つ。
敵の目的は彼女だ、なんとしても守らねば。
不思議と、自然にそう思えた。
274遠野秋葉 ◆La2AKIHA :02/05/02 01:00
>272 《『殺人貴』 vs 遠野秋葉(反転)&弓塚さつき(死徒27祖Ver)導入3》
 
 ――現在、シンガポールのとあるホテルにて
 
「ようやく、見つけましたわ」
 
 顧客リストから、兄さんの名前を見つけて、私は会心の笑みを浮かべる。
 
「弓塚さん、遂にこの時がやってきましたわ。覚悟はよろしいですか?」
 
 弓塚さんがコクリとうなずく。
 
「――しかし、どうせ、兄さんのこと。又、小賢しく、逃げられては意味がありませんわね」
 
 私は予め、『用意していたモノ』を弓塚さんに渡す。
 
「弓塚さん、これで互いに連絡を取りましょう。――兄さんを逃がす訳には行きませんから。ああ、それと……」
 
 私は『あること』を弓塚さんに告げる。
 弓塚さんは私の言葉を聞いた後、ホテルの――
 
 
 
「ご苦労様ですわ。これで手駒も十分ですわね。時間が立てば立つほど……。じゃあ、兄さんの所に向かいましょうか」
 
 私と弓塚さんは兄さんのいる23階へと向かった。
  
 血が騒ぐ。
 狂おしいほどに……
 もうすぐに、兄さんの肉も血も全て私のものになるのだ……
 私はかつてないほど、高揚していた。
>268
ン・ダグバ・ゼバvs不破雷也
【白き炎と猛き雷】
 
―――ほう。
 
思わず感嘆の声が漏れる。
見たところただのリントと何の変わりも無いが……奴に気に入られただけのことはある。
 
だが、まだこれからだ。
 
両の掌で挟まれ、砕ける筈の貫手は未だ健在だ。
むしろ奴の顔には薄い笑みすら浮かんでいるだろう。
あの程度ではダメージにもならない。
 
次の瞬間、弾けたように相手のリントが吹き飛ぶ。
 
―――膝か。
 
凄まじい速度の膝蹴りが相手を吹き飛ばしたのだ。
リントの体は壁に激突し、瓦礫の向こうへと消え去る。
 
―――あれでは、もう生きていまい。
 
少々、拍子抜けな感じは否めないが。
所詮はリント。仕方あるまい。
嘆息し、再び算盤のような器具に指をかけ―――
《殺人貴vs遠野秋葉(反転)&弓塚さつき(死徒27祖Ver)導入3》
>274

 ――現在、シンガポールのとあるホテルにて
 
『ようやく、見つけましたわ』

 秋葉さんが会心の笑みを浮かべる。それはここに志貴くんが泊まっているということ。

『弓塚さん、遂にこの時がやってきましたわ。覚悟はよろしいですか?』

 わたしは首を縦に振る。このときの為に、今まで生き延びてきたのだから。

『――しかし、どうせ、兄さんのこと。又、小賢しく、逃げられては意味がありませんわね』
 
 秋葉さんの手には『あるモノ』が握られていた。

『弓塚さん、これで互いに連絡を取りましょう。――兄さんを逃がす訳には行きませんから。ああ、それと……』

 秋葉さんの口から予想もしなかった言葉が出る。
 その言葉に驚きつつもわたしは、言われた通りに、ホテルへ――



『ご苦労様ですわ。これで手駒も十分ですわね。時間が立てば立つほど……。じゃあ、兄さんの所に向かいましょうか』

 秋葉さんと共に志貴くんの元へと向かう。目指すは23階、移動する時間が待ち遠しい。

 もうすぐ、志貴くんに会えるんだ。
 会って最初に言う台詞は決まっている。
 そうしたら、わたしのモノになってくれるよね、同じになってくれるよね。
 ねえ、志貴くん、そうでしょう……?
 もしも、もしもそうならなかった時には―――――――
 それはそれで、もの凄く楽しいことになるだろう………
277『殺人貴』 ◆KILLER7E :02/05/02 01:11
>276 《『殺人貴』 vs 遠野秋葉(反転)&弓塚さつき(死徒27祖Ver)導入4》

―――――夢。
        夢を、
        見ていた。

        それは、遠い夏の日。

                  みーん、みんみん
   じーわじわじわ
             みーんみんみん

        耳の穴から入り込んで、
        頭のなかを埋めつくして、
        内側から突きやぶそうな、

        蝉の声

         蝉の こえ

           セミの こえ

             せみ の こえ―――――


見慣れた、カラダが、変貌、する。
人のカタチから、異形、へと。
それは既に―――――ヒトではなかった。

        ドクン!

ソレを見た瞬間、心臓が、鼓動が、脈拍が、血流が悲鳴を上げる。

   逃げろ   /殺せ    /守らなきゃ。
   にげろ   /ころせ   /そう決めたんだから。
   ニゲロ   /コロセ   /ぼく自身が。
   ニゲロ!  /コロセ!  /やっと見つけた、
   ニゲロ!!/コロセ!!/大切な家族を―――



気付いたら、異形の前に立ち塞がっていた。
背後の女の子を庇うように。
…どうやら『血』よりも『心』が、ぼくのカラダの主導権を握ったらしい。
でも、ぼくはあまりに無力すぎて。
そしてソレはあまりに凶悪すぎて。

―――――ぞぶり、と

        ぼくの胸に埋め込まれる、ソイツの腕。
        イタかった。
        でも、それ以上に。
        冷たかった。
        ツメタイ違和感が、
        ぼくのカラダに浸透して………。



        ―――また、守れなかった。
                ごめんね、あ き ―――――
278『殺人貴』 ◆KILLER7E :02/05/02 01:12
>277
―――――静かに、ゆっくりと意識が覚醒する。
そう、この夢を見た後は、決まって目覚めが重かった。
まるで一度身体が死んで、黄泉の国から舞い戻って来るかのように。
…どうやら部屋のベッドで寝転んで呆としているいる内に眠ってしまっていたらしい。

   ドクッドクッドクッドクッドクッドクッ…

だけど今の状態は、いつもとは違っていた。
鼓動が激しく高鳴っている。
まるで全力疾走を続けた直後のように。
いや、この状態は―――考えたくないが、『血』が覚醒しているとしか思えない。
だって、この背骨に沿って纏わりついている悪寒といったら―――――

―――――まさか!
       『何か』が来ているのか?

即座にベッドから起き上がり、意識を集中する。
それは、何代にも渡って受け継がれ、研ぎ澄まされて来た『血』。
『魔』を狩る為に。人間のままで。

その時、気付いてしまった。
いや、気付くのが遅すぎた。

―――――アルクェイドが居ない?
普段は出来る限り抑えて、表面に出てこないようにしている『七夜』という退魔の『血筋』。
だが、一旦ソレを呼び起せば真っ先に反応する『真祖』という桁違いな存在。
それが―――――全く感じられない………。
なんて迂闊。
本来ならば起きて直ぐにでも確認すべき事なのに―――

   アルクェイドは基本的に気紛れだ。
   興味を惹くコトがあれば、直ぐに飛び付く。
   その辺りが『猫の様だ』と評される所以でもある。

昼間に何かを見付けて、改めて確認しに行った、という線も考えられる。
そんなコトはどうでも良い。今大事なのは、この場にアルクェイドが居ない、という事実。
ギリッ、と歯噛み一つ。
それだけで思考を切り替える。
ここに居ないだけで、必ず無事な姿でひょっこり帰って来る筈。
ならば遠野志貴が考えなければならないのは、目前に迫った『魔』への対処―――――



再び感覚を研ぎ澄ます。
―――――来ている、間違いなく。

   ドクン…、ドクン、ドク、ドク、ドクドクドク………、ドクン!

…これが、さっきの夢を見た理由?
『魔』の気配は二つ。
一つは多分、上級の死徒クラス。

   もう一つは――――――――――
279『殺人貴』 ◆KILLER7E :02/05/02 01:13
>278
―――――それは、二つの記憶。
どちらも朧気にしか覚えてはいないけれど。
それでも、この胸に。この脳髄に。
二度とは消えない程の強烈な印象を残している。


――――― 一つは、白と赤。
        真夏の強すぎる陽射しに真っ白に融けて行く思考。
        自分の胸から溢れ出す、生命の源、赤い噴水。

――――― 今一つ、黒と赤。
        暗い、暝い、何処までも昏い森のベールの中。
        踊り続ける、赤いカーテン。


何故その二つの記憶を思い出したのか?
それは。余りにも―――――似ていたから。
今この部屋に近付いて来る二つ目の気配が。

遠い幼い日に、他の全ては忘れてもイメージだけは深く刻み付けた『赤』に。
この『直死の魔眼』の顕現する原因にもなったであろう、少年の日に刻み付けられた胸の傷から溢れ出す『赤』に―――――

そう、ソレは全身に真っ赤な『気』を纏わり付かせているかのようだった。

鼓動が激しい。
今にも胸を突き破らんばかりに内側から叩きつけている。

         早く。
         早く。
         早く。
        はやく。
        はやく。
        ハヤク。

     ソイツ ヲ 殺セ !

『血』は、そう命令しているかのよう―――――



―――――落ち着け、遠野志貴。
一つでも凶悪な『魔』が、二つ揃って来ているんだ。
このまま飛び出しても無駄死にするだけだろう。
だから―――――待つんだ、このまま。

間違いなく二つの『魔』は、ここを目指している。
ならば俺に出来る事は、待ち伏せ。
この部屋に飛び込んで来た瞬間、その歪んだ生命を絶つ。
それが最善の策だろう。

思考を纏めると、俺はドアの脇の空間に移動する。
そして、隠形。
身体の動きを止め、呼吸を極限まで減らし、鼓動さえも抑える。

     かつん、かつん、かつん………

近付いて来る靴音。
ほら、もう部屋の直ぐ外に―――――
280フリッツ ◆FRItz.JA :02/05/02 01:13
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
 
ジャッジ・モーティスvsフリッツ
>241
 
狩人は一時うまく逃げ果せるつもりであった。
が、またもこの怪物の力を見くびっていたといっていいだろう。
怪物はなおも狩人を追う。見えぬはずのその身体を。
糸で引き寄せられたかのように。
 
そうかい。こりゃ運命って奴だな?
運命の赤い糸。俺とテメェを結ぶのは。
殺し殺され互いに殺しあう、美味しい関係だ。
 
くくくく・・・・・・・・・・・・・
ズタズタの身体を引きずりながら、しかし笑みが漏れる。
 
そこにあるのはただの生きた人の肉の塊。かたや腐りきった骨肉の塊。
ただそれだけでしかないはずの物が何故ここまで美しいのか。
 
そう。闘争者というものはかくも美しい物だ。
とくに相手を殺し、または相手に殺される前の一瞬が。
 
美というものは世の真理である。美しくある事は強さだ。
美しくある事は正義であり、美しくある事は何よりも優先されえる事。
 
                          その極地にこの両者はある。

             世界の全ての縮図、それを彼らは描き出していた。
 
                      知っているのか?狩人よ、断罪人よ?
 
         .                .      知っているのかい?
 
・・・・・・・・・・もっとも彼らが知りえるはずも無い
 
殺す。コイツにはできるだけ派手な死を与えてやる。断罪人?
俺を裁くか・・・・・・・・身の程を知れ化物!
 
炎。血。黒煙。死体。
炎。炎。血。黒煙。死体。血。炎。血。黒煙。炎。血。黒煙。炎。血。黒煙。
死。
その間隙を縫い駆け抜ける黒い影。猟犬の息遣い。
 
断罪人は見た。狩人はそこに佇んでいた。ずっとそこにいたかのように。
またも全力で特攻する。その砕けた右腕に縛り付けられているのは手榴弾。
 
               咆             哮
アドルフ・ヒトラー vs 横島忠夫 & 鈴鹿御前
【脱出する者の時間】
 
>260>273
 
目覚めた獲物達を見て、微笑む。
 
獲物は「みかみれいこ」に加え、バンダナの少年と制服姿の少女。
少年は手に何かを握りしめ、少女はどこからともなく出した日本刀を構えている。
 
――――そうでなくては。抵抗もないようでは、興ざめだ。
 
まあ、少年の方は少女に殴り飛ばされて吹き飛んでいるが。
 
窓に手をかざすと、窓ガラスは粉々に砕けた。
ガラスの砕片が、月明かりを反射してきらきらと輝く。
 
「さて、その少女を私に渡す気はないかね? そうすれば、キミたちの命は取らない」
 
部屋に足を踏み入れ、悠然と微笑みながら、問いかける。
 
「ああ、もし「Nein」と云うのであれば――容赦はしない」
 
ぴり、と空気が張りつめる。
282遠野秋葉 ◆La2AKIHA :02/05/02 01:21
>537 《『殺人貴』 vs 遠野秋葉(反転)&弓塚さつき(死徒27祖Ver)》

 それは、ずっと、昔の記憶……
 いつものように、庭で3人で遊んでいた時……
 
 1人が唐突に形相を変え、私にその狂爪を振るった。
 
 その瞬間はまるでフィルムのコマ送りのようだった。
 私の前に黒い影が立ちはだかり……
 
 ――飛び散る鮮血
 
 私は絶叫し、願った。
 
 ―――と
 
 そして、その瞬間から、遠野秋葉は遠野志貴という存在を軸に生きることになったのだ。
 
 
 
 ドクン、ドクン、ドクン……
 
 私の中の兄さんの命の鼓動が疼く。
 そして、ソレは兄さんの部屋に近づくごとに高まっていく。
 同時に、私自身の兄さんへの殺意も上昇していく。
 
 
 ……私、遠野秋葉は遠野に流れる血のせいで本来ならとうの昔に正気を失っていても、おかしくなかった。
 でも、私はまだ、この様に理性がある。
 
 ――兄さん、遠野志貴への執着。
 
 それが蜘蛛の糸となって、私の理性を繋ぎとめていた。
 でも、それも此処までだろう。
 兄さんを取り込んだらどうなるか、私にも分からない。
 逆に私が兄さんに殺されることもあるだろう。
 どのみち、『遠野秋葉』は今日で終わりを告げる。
 後のことなんかどうでもいい。
283遠野秋葉 ◆La2AKIHA :02/05/02 01:22
>282

 チーンとエレベータのベルが鳴り、兄さんのいる23階へと着いた。
 エレベーターから出ると同時にエレベーターを略奪する。
 
 ……数秒後、エレベーターのあった所はただの黒い空洞になった。
 
 兄さん、決して逃がさない……
 
 
 コツコツコツと私と弓塚さんの靴音が無機質に廊下に響く。
 私の鼓動が早くなっていく。
 
 そして、兄さんの部屋の前にたどり着いた。
 
   ド ク ン
 
 胸の中の鼓動が一際、大きく高鳴る。
 もう、兄さんは目の前だ。
 
 長かった……
 結局、10年……
 実に、遠野秋葉という存在の半分を遠野志貴に費やしてきたのだ。
 これで、私も……
 
 私はドアノブに手をかけ、そして、ドアを開けた。
 かちゃっと音がして、何の抵抗もなく、ドアが開いていく……
《『殺人貴』 vs 遠野秋葉(反転)&弓塚さつき(死徒27祖Ver)》
>283

わたしと志貴くん。
わたしの一番大切な思い出は、中学二年の冬休みのときのこと。

壊れかけた体育倉庫に閉じ込められたわたしを、志貴くんは助けてくれた。

その時に言った言葉だって、はっきりと覚えてる。

『早く家に帰って、お雑煮でも食べたら』

お雑煮を食べれば、身体が温まるよ……
何気ない、そういう意味合いの言葉。

今も、わたしの身体は冷えきって……まるで、壊死しそうなくらい。

ねえ、志貴くんの血を飲ませて。
ねえ、志貴くんの血を啜らせて。

甘い、すっごく甘い……きっと甘いであろうそれを口にする。

そうしたらきっと、身体がすっごく温まるから。
そうしたらきっと、心がとっても満たされるから。

なんて、――――なんて
………心が、躍るんだろう。

志貴くんを迎えに行く、その為だけに生きてきたんだから。
その後は二人で楽しく愉快に、無限とも言える刻を過ごそう。

ピンチの時には、助けてね―――――

―――チーン
思考が、中断される。
エレベーターを降りると同時に、秋葉さんがエレベーターを略奪する。

志貴くんを決して逃がさない為に……


だんだんと、志貴くんの部屋に近づいて行く。
心が昂ぶっていくのがはっきりと分かる。

……今、目の前にドアがある。
これが開くだけで、待ちに待った志貴くんが……
そう思うと、笑わずにはいられない―――

五年間なんて、これからの時間に比べれば短いもの。

そして秋葉さんがノブに手をかけ、ゆっくりと扉を開いた―――
>101 アーカードvsファントム

「……そうですか。飼い犬は飼い犬、ということですね」 
 
魔女の口調は事務的ではあるが、その表情の端々には邪な歪みが存在していた。 
 
「本当に、残念ですよ」 
 
わずかに一歩だけ、動く。
場所を空けた魔女の背後から、炎の塊がアーカードに向けて伸びた。 
ゲル状の高速燃焼剤を吹き付け、相手の体表面を灼き尽くす―――火炎放射器である。 
一瞬で命を断ち斬る力こそ持たないが、
炎の持つ属性、すなわち破壊と浄化は吸血鬼に対しても一定の効果が見込める。 
人間が食らえば火傷よりも窒息で命を失う武器だが、相手は因果律を無視した耐久力を持つ吸血鬼。
灰になるまで念入りに焼く必要がある。 
 
断続的に火炎放射器の引き金を引く人造吸血鬼。  
その背後から人間松明と化したアーカードを眺め、魔女は呟く。 
 
「まともな吸血鬼ならば周辺に与える被害が怖くて使えない武器ですが、 
 どうせ全部燃やすつもりの村ですし、貴方だって動けはしないんです。 
 ……クラシックに白木の杭を用意してきても良かったんですが、ね」
 
炎の中で、わずかにアーカードが身動ぎした。
緩むはずの無い拘束服が一部千切れ、ゆっくりと腕が持ち上がる。  
 
本来不可能な筈の行為を可能としたのは、滅びを前にした故の集中力か? 
それとも、主との繋がりを嘲弄する魔女への憤怒か? 
 
だが、抵抗はそこまでだ。
再生しつつある拘束服を見て、魔女はそれを確信した。
振り切れるようなら、彼のような魔物がヘルシングに属する理由など存在しないのだから。 
皮膚が溶け、眼球が煮え立ち、もはや表情を読むことも出来ない顔に魔女は微笑みかける。 
 
「灰は灰に、塵は塵にお帰りなさい」 
286不破 雷也 ◆ayRAiYAw :02/05/02 01:26
>275
ン・ダグバ・ゼバvs不破雷也
【白き炎と猛き雷】
 
 破刃掌が、効かない。
 強靱すぎる相手の肉体を破壊するには、威力が弱すぎたのだ。
 
 転瞬。
 人外の膂力と速度で叩き込まれた膝が、雷也の身体を吹き飛ばした。
 
 後ろにあった壁に激突、立ちのぼった土煙に雷也の姿が呑み込まれる。
 しかし、すぐにむくりと影が起きあがる。
 
「さすがに無茶だったか……しかし、やってくれるね。半分は『跳んだ』とはいえ、この威力か」
 
 無論、影は不破雷也。
 その言を聞くに、あの速度の膝蹴りに合わせて、自らも後ろに跳んだということか。
 恐るべき反射神経と身体能力。
 
「このまま、もうちょっと続けたいけど……そうも言ってられないかな」
 
 雷也の顔に浮かぶのは紛れもない『喜び』
 先程、男が浮かべていたものと同じ『喜び』の表情だ。
 
「人外には、人外――――」
 
 唇の端から流れる血を指ですくい取り、左の掌に呪符を描く。
 その掌を前に向け、高らかに呪言を唱える。
 
「九天応元雷声天尊!! 不破雷也の名において命ずる!! 来い!! 隠行より出でよ!! 舞雷翁(ブライオー)!!」
 
 雷也の背後に巨大な影が現れる。
 姫護の守護神にして、不破雷也を親とする妖獣ブライオー。
 
「着鎧!!」
 
 雷也の声に応じ、ブライオーがその身体を開き、雷也を包み込む。
 妖獣の力に、人の頭脳を加える。
 それが、妖獣武装!
287アイン ◆Elen1cxc :02/05/02 01:31
アイン側導入
 
 郊外に建てられた、割と豪華な一軒家。
 月は既に、その冷厳なる姿を天に晒している。
 
 古風な暖炉の備えつけられた居間に、中年の男女がテーブルをはさんで
ティーカップを片手に談笑している。
 と、そこにパジャマ姿の少女が一人現れた。
 両親にお休みの挨拶でもしているのであろうか?
 
 それは、何処の家庭にも有り触れた、当り前過ぎる程の幸せな風景。
 当り前過ぎて、終わる事など考えられない時間。
 
 しかし終焉の鐘は、いつだって突然に鳴る。
 
 ガラスの割れる音。
 室内に突然現れた、四人目の人影。
 それは、顔の左半分を道化師の仮面で隠した少女。
 その右手には、無骨な輝きを放つ拳銃が一丁握られている。
 
 銃声は二発響いた。
 
 中年の男は、頭と胸に風穴を開け、一言も発することなく倒れる。
 
 一瞬の間
 
「  」
 再び二発の銃声。
 
 中年の女性は、口を悲鳴の形にしたまま、やはり一言も発することなく倒れた。
 
 後一人。
 襲撃者である仮面の少女――アイン――は、最後の標的、
自分とそれほど年が離れていないであろう少女へと目を向ける。
 その少女は、愛らしい顔を涙と鼻水で歪め、
恐怖で腰が抜けたのかしゃがみこんだ姿勢のまま、逃げ出そうともがいている。
 しかし逃がすわけにはいかない。今回の指令では、この少女も標的の一人なのだ。
 
 今回アインに下された指令は、インフェルノについて嗅ぎ回っていた男の抹殺。
 ならびに、見せしめの意味をこめて、その一家を皆殺しにせよというものであった。
 
 一切の淀みなく、コルトパイソンの銃口を少女へと向けるアイン。
「ひっ――」
 声に成らない悲鳴を上げた少女の背中が、サイドテーブルにぶつかり
けたたましい音とともに、乗っていたものを床にばらまいた。
 そのバラ撒かれた品の中に、あるものを見付けた時、
アインは、この仮面を用意したマスターの趣向を理解した。
 なんとも、サイス・マスターらしい趣向だ。
 アインは、自分の顔の左半分を覆っている道化師のマスクを左手で軽くなぞる。
 
 アインの視線の先には、サーカスのチケットが三枚あった。
 
「いや、死にたく――」
 三度、二発の銃声が響いた。
 
「任務完了」
 
 全く感情の感じられない声で、アインは呟いた。
288ウピエル ◆Upielb0Y :02/05/02 01:31
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
ジャッジ・ファイアvsウピエル
>235
 
灼熱の激痛が肩を貫く。
左腕が激しく痛む感覚が駆け抜けた後、喪失感に襲われる。
左腕が丸ごと千切られている。しかも、傷口が焼かれ再生は効かない。
痛みと怒りが脳髄を掻き回し、吐き気を催すような快感と苦痛に悶える。
 
「ハァハッァッハハハハァァァァッハハハハハハハハ!!!」
 
狂ったような哄笑。否、完全に狂った哄笑を叫び、残った右手でスクリーミングバンシーを握る。
軽くサイドステップ。バレェ選手のようにスピンしながら脇をすり抜け右背面に踏み込む。
 
「The door of the bottom of the hell opens and Hunters appear! !
 Cut off a devil's chain completely, and set the gabriel hounds of the hell free to the field!!」
 
片腕を失ってなお、その口からは歌声が流れ出す。
足首の火傷のせいで先ほどまでの常軌を逸したスピードこそ無いものの、ジャッジ・ファイアと戦うことは不可能では無い。
痛みは戦闘の高揚が洗い流し、快楽にとって代わる。
哄笑と歌声の混じった狂ったメロディに合わせるかのように。
ネック先端の銃剣で足を狙い突きかかる。同時に銃爪を引く。
フルオートで放たれた銃弾が銃剣の穂先と共にジャッジ・ファイアの左脚に襲いかかった!
289アセルス ◆AseLLUSs :02/05/02 01:32
>287 アセルスVSアイン
 
・・・その夜も私は、彼女に逢いに行った。
少しずつあの少女は、私を受け入れ始めている。だんだんと、私の顔を見るのが楽しみになってきていることが分かる。
まだ人間としての生を、今の生活を棄てることには躊躇いがあるようだが・・・時間の問題だ。
もうじき彼女も、私の寵姫に・・・ふふっ。
 
私は彼女のいる家へと転移し、
いつものように彼女の両親に気取られぬよう彼女の部屋へと赴こうとした。
―――が、その日は、その必要はなかった。
 
血臭が、居間のほうに立ち込めているのがはっきりと分かる。
そして彼女の部屋には全く人の気配がない。
 
ほぼ確信と言える予感を持って居間へ向かえば・・・やはりそこには彼女の両親と、他ならぬ彼女自身の死体、
そして―――半分だけの道化師の仮面をつけた一人の少女がいた。
 
事情なんてわかるわけもなく、ほとんど無意識に私はその仮面の少女に話し掛けていた。
 
「・・・君は、誰? これはどういうことなの?」
ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise"   
>262>264  
Epilogue(For Prologue?)

------------------------轟音。   
オレの愛用の銃。  
妖銃シルバーバレルの銃口が硝煙の雄たけびを木魂させた。  
  
この口径で対戦車ライフルも真っ青な威力を誇る銃弾は  
吸血鬼の横をすり抜け、地面に着弾。アスファルトに巨大な亀裂を生じ 
せしめた。  
  
・・・これでよかったんだよな。  
  
オレは吸血鬼が視界から消えるまで見送ると、背中のシルバーバレルに  
話し掛けた。  
あんなのを生かしておいて、プラスになることなんか絶対無い。  
でも、背中を見せた相手にどうして撃てる?  
ましてや、身勝手でも約束を守った相手に。   
  
・・・でも勿論、「今度」はねえ。絶対に。 
    
そう決意し、オレは早速ジーンズの裾を破って止血体を作り、  
女性の応急手当に入った。あいつが言うとおり助からない出血じゃなかった。
彼女が安静を保てる体位を確保させた時。  
独特の響きをもつサイレンが聞こえてきた。  
  
そろそろこの国の警察も来る頃みたいだな。  
こんな所でパクられたらお先真っ暗だ。   
  
女性を無言で消防隊員に押し付けると、オレは全速力でその場を逃れた。 
オレの日本での本当の危機は、実はここから始まるのかもしれない(汗、了。
291アーカード ◆ARCARDr. :02/05/02 01:40
>285 アーカードVSファントム
 
 燃える、燃える、燃えて、焼けて灼けていく。
 炎が、アーカードの全身を余すことなく燃やし尽くそうとする。
 ただの炎に、普段ならあっという間に振り払えるはずの炎に、しかし拘束されているアーカードは為す術がない。
 
「脳に……取り憑いているのだったな」
 
 だが、その炎にさしたる苦鳴も上げずにアーカードは呟いた。
 全身は沸騰して火ぶくれを起こし、酷いところは炭化すらしている。
 普通の生物なら、否、普通の吸血鬼でさえ既に致命傷だ。
 だが、そんな惨状の中で、それが何かの冗談であるかのように、なおもアーカードの腕は持ち上がっていく。
 
 ゆっくりと持ち上げられた腕が……自身の頭に掛かった。
 鼻から上が、その大きな手のひらに隠れている。
 その下から覗く口だけが、ニタリと大きく歪んだ。
 
「覚えておけ、私は不死の王(ノーライフキング)、アーカードだ」
 
 頭に掛かった腕に力がこもる。
 その下から、耳障りな音が聞こえてきた。
 指が、頭蓋にヒビを入れる音、肉が、指に引きちぎられる音、血が噴き出す音。
 
 ミシ、メリ、グシャ、ベキ、ブシッ、ゴリッ、ミヂッ、ブヂッ――
 
 
         バ    キ    ャ
 
 
 一際高い音をさせて、頭蓋の破片と焼け焦げた皮膚と脳漿と頭髪と大量の血液がぶちまけられた。
 地面に、グロテスクな幾何学模様がアートされる。
 同時に、その体が力無く地面に音を立てて倒れ伏した。
 
 気が触れて自殺したようにしか見えなかった。
292アイン ◆Elen1cxc :02/05/02 01:46
>289 vsアセルス
 
『見られた!』
 
 不意に掛けられた声に、僅かに動揺が走る。
 事前の情報では、今日は来客の予定は無いはず。
 いや、そんなことを今言っても仕方が無い。
 まだ、ファントムの存在を公にするわけにはいかない。
 
 今、殺らなければ、私は死ぬ。
 
 弾の切れたパイソンをホルスターに戻すと、肩口に吊るした鞘からナイフを引き抜く。
 
 声をかけてきたのは、蒼色の髪の毛を短く揃えた、ボーイッシュな感じのする美少女だった。
 さっき殺した少女の友人だろうか?
 いや、今そんなことを考える必要はない。
 
 今必要なのは、目撃者の口を封じる事だ。
 
 私はナイフを構えると、少女の喉目掛けて一直線に突き出した。
>286
ン・ダグバ・ゼバvs不破雷也
【白き炎と猛き雷】
 
算盤を弾きかけていた指を止める。
 
―――生きていたか。
 
それは幸運であり、そして、不運だ。
見ずに済んだ。
聞かずに済んだ。
出会わずに済んだ。
そして―――絶対の恐怖を味わうことは無かった。
 
「ハ、アハハハハハハハハハハ!!!」
 
姿を変えたリントを見ても、奴は少しも驚いてはいない。
むしろ、それを見てより歓喜を強くしている。
 
そして、
空気が、いや、空間が。
                    
 
 
―――歪む。
 
歪みの中から、白い光を纏って歩み出る影。
知らず知らずのうちに、自分の足元に震えが来ている。
 
―――化け物め。
 
胸中で毒づく。
それはどちらに向けての言葉だろうか?
そんな物は知ったことではない。
今は、向き合った化け物の闘いを見届けるのみ。
294ビリー・龍:02/05/02 01:58
いつのまにやら300kBてことで、中間まとめ。

>103 朝霞万里絵 VS 浅上藤乃
>123 死徒27祖による『聖域』襲撃
>166 名無し大殲
>194 美夕 & 十六夜京也 VS 蘭麻みほ 妖女狩り異聞
>204 アセルス & カミーラ VS フリッツ
>240 ユージン vs 朧戦
>242 横島忠夫 vs 暗黒騎士ガウザー 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」
>245 エリ vs ミア
295不破 雷也 ◆ayRAiYAw :02/05/02 02:00
>293
ン・ダグバ・ゼバvs不破雷也
【白き炎と猛き雷】
 
 男の身体が、変容する。
 白い鎧を纏ったかのような、その姿。
 
 ブライオーと合身してなお、恐怖を覚える。
 目の前の存在は、それほどのものだ。
 
 だが。
 恐怖と同じ程度に、歓喜が身体を駆け抜ける。
 これほどの存在と闘うことの出来る悦び。
 
 まともな神経ではないのかも知れない。
 あるいはそれは、狂気なのかも知れない。
 
 だが、それが何だ?
 
 今、二人は対峙している。そう、ただ闘うためだけに。
 なれば、ただ一心に。
 
 ブライオーが、駆けた。
 風よりも速く。
 
 瞬時に間合いを詰め、その勢いを殺すことなく宙に跳ぶ。
 そして、振り下ろすかのような蹴りが襲いかかる。
296カミーラ ◆ICarmilA :02/05/02 02:05
『ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise"

のレス番のまとめですわ。

吸血大殲 22章 虚無への供物
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1019314499/

>461, >465, >479, >483

吸血大殲 23章 染血の夢
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1019982784/

>18, >24, >27, >32, >36, >44, >45, >109, >114, >117, >119,
>174, >181, >191, >259, >262, >264, >290

いくつか訂正を。

わたくしの使っていた銃ですが、本当はHK MP7です。HK MP9という銃は
たしか存在していないはずです。

それから、ガンチェリーさんは>290で手にシルバーバレルを持って
いますので、「背中の」ではなく、

「『右手の』シルバーバレルに話しかけた」

が正しいです。以上訂正いたします。
297アセルス ◆AseLLUSs :02/05/02 02:09
>292 アセルスVSアイン
 
―――その一瞬、私は紙一重でその少女の一撃をかわした。
この状況で、私がただの人間だったならおそらく喉元を刺し貫かれていたのだろうが。
 
態勢を立てなおしながら、反射的に私は剣に手をかける。
家中の人間がみんな殺され、見知らぬ人物が一人・・・しかも突然現れた私を殺そうとした。
 
―――暗殺者。
俄かには信じられないが、目の前の少女の風貌、身のこなしから
それ以外に考えられない。
 
その少女が私に向き直る。
最初に見たときと同じ無表情で。
そこから殺気は一切感じ取れずに、だが私を―――目撃者である私を消そうとして。
 
 
だが・・・そんな彼女は、美しかった。
無駄の一切ない、機能美に優れた姿。
そう、彼女の持つナイフのように。
 
私は彼女の相手をすることに決めた。
無論、ここで死ぬつもりもなかったし・・・それに、
 
 
彼女が、欲しくなった。
 
 
腰の剣に手をかけたまま、私は彼女の出方を探る。
下手に、傷つけるわけにはいかない。
298ジャッジ・デス:02/05/02 02:11
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
 
ジャッジ・モーティスvsフリッツ
>280

大気を震わせる雄叫びをあげると、フリッツはジャッジ・モーティスに突進した。
しかし、傷つき血を流した体では遅すぎた。
相手が不死の怪物ではなく、普通の人間だったとしてもたやすく捌ける動きだった。
ジャッジ・モーティスは突き出された右拳を易々と受け止める。
「臨終(モーティス)を迎えェェェさせはしィィませんよォォ! 苦しみぬゥいてェェェ、自らの犯ァァした罪をッ悔い改めェェるまではねェェェ!」
モーティスに掴まれたフリッツの右腕が、萎びていく。
皮膚が生気を失って変色し、腐った筋肉が露出する。
「腐ァァりなさいッ!法の名ァァァにおいてェェェ!」
ジャッジ・モーティスはもう一方の手を、フリッツに向かって伸ばした。
左腕も腐らせるために。
 
   
ジャッジ・ファイアvsウピエル
>288

ジャッジ・ファイアの左脚を銃弾が次々に撃ち抜き、煌く銃剣が仕上げを行った。
「うおォォォォ!」
突然片足を失った炎の怪物は、バランスを失い転倒する。
「嬉ェェしい、嬉ェェしい、嬉ェェしいぜェェェ!」
無様に倒れこんだかにみえたジャッジ・ファイアは、予備動作もなく槍を投げつけた。
燃える三又の槍が、ウピエルの腹部に突き刺さる。
「てめェェを殺ォォせて嬉しいぜッ!」
黒い頭蓋骨が狂った笑顔の表情をとったかのように見えたのは、炎の見せた幻だろうか。
ジャッジ・ファイアは片腕片足にもかかわらず、バランスをとって立ち上がった。
「お別れのォォォ曲とォ、なァァりましたァァァ!」
>295
ン・ダグバ・ゼバvs不破雷也
【白き炎と猛き雷】

 
そして、二人が交錯する。
 

飛び蹴りを側頭部に受けつつ、奴は前へと踏み出す。
痛みを感じないかのように―――いや、痛みは感じている。
ただ、それが即座に体を駆け巡る歓喜に変換されるだけだ。
 
―――狂っている。
 
蹴りが吹きぬけた後、もう一方の足がダグバを捉える。
ぐらり、と多少身を揺らすがそれだけだ。
再び歩み寄る。
 
―――コイツラハ、クルッテイル。
 
何故そう感じるのか。
見えないのか?
奴らは、仮面の向こうで嬉しそうに笑みを浮かべている。
聞こえないのか?
奴らは、自分の身に降りかかる痛みに喜びを感じ、笑い声を上げている。
 
互いに、拳の射程圏内に入る。
二人は拳を繰り出す。蹴りを繰り出す。
楽しそうに、楽しそうに、自分の命を削りながら戦う。
 
舞い散る血の飛沫と肉のひしゃげる音。
目を背けたくなるような、凄惨な光景だ。
だが、当事者たちは実に楽しそうに、命を削り合っているではないか。
そこには言葉に出来ない何かが、確かに存在していた。
300フリッツ ◆FRItz.JA :02/05/02 02:36
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
 
ジャッジ・モーティスvsフリッツ
>298
 
決死の特攻。だが、容易く狩人の腕はつかまれる。
ぐちぐちぐち・・・・・・・・・・・・・・腕の腐りゆく音とはこんな音なのか。
 
苦しみぬき自らの犯した罪を悔い改めよ、と怪物は言う。
 
――――テメェ言う事になんざ殺されたって従うかよ・・・・・・絶対にな!
 
狩人の顔がゆがむ。だが、苦痛に顔をゆがめたのではない。
 
笑っているのだ。
 
ニタニタとその薄ら寒さを感じさせる笑みを止めない。
止めない。何故止めない?
 
狩人はゆっくりとその掴まれた腕を引く。さすがにこれには苦痛に顔をゆがめる。
ぶちぶち・・・・・・・・腐った根元から腕が千切れる。
 
状況をいまだ消化し切れていない断罪人に笑いかける。
と、驚くほどの速さで千切れた右手首、それに手榴弾を巻きつけるための鋼線を振った。
 
鋼線が断罪人の、怪物の身体に巻きつく。その鋼線には数珠のように手榴弾が巻きつけられていた。
 
これほどまでの数。その重さを億尾にも見せずに狩人はこれまで戦っていたのだ。
 
そして、その後には自らの腕を犠牲にしてまで相手に挑む。
 
これが狩人だ。わかるかぃ?化物。
勝つと解っている戦いにゃあなんとしてでも勝つ。それが狩人なんだよ。
・・・・・・・・・・・勘違いすんなよ? これはハンティングだ。一方的な、な。
 
俺と、テメェ。テメェと俺。------どうだ?愉しいだろ!!
 
 
・・・・・・・・・駆け出す狩人の背で、怪物の全身をくまなく爆炎が覆った。
301不破 雷也 ◆ayRAiYAw :02/05/02 02:38
>299
ン・ダグバ・ゼバvs不破雷也
【白き炎と猛き雷】
 
 拳と拳、蹴りと蹴り、そして――――命と命の交錯。
 ――――どれぐらいの時間、こうやっているのだろう。
 一分、十分、それとも一時間? 既に、時間など意味を為さない。
 あるのはただ、如何にして拳を振るうか。如何にして、蹴りを放つか。
 そして――――如何にして相手を壊すか。
 それだけだ。
 
 何度目かの交錯。
 その交錯の瞬間。
 ブライオーの拳が、空を切った、かに見えた。
 しかし、それは巧妙なフェイント。
 
 空を切ったはずの拳を開き、後頭部を鷲掴む。
 そして、頭をこちらに引き込む。
 と、同時に、膝蹴りを顔面に目掛けて叩き込む。
>301
ン・ダグバ・ゼバvs不破雷也
【白き炎と猛き雷】
 
 
――――――――。
 
言葉は、無い。
確実に相手の身体を破壊する攻撃の応酬。
それをただただ見つめるしかない。
長く、短い、時が流れる。
 
そして、変化は訪れた。
見逃してしまいそうな一瞬―――相手の拳が外れた。
ダグバはその隙を見逃さず、懐に出来た空白に潜り込もうとする。
 
だが、吹き抜けた拳が後頭部を掴み、膝が叩き込まれる。
大きく後ろに仰け反る。
相手はそれを好機と見て一気に畳みかけようとするが―――
 
          胸に、ダグバの掌が触れていた。 
 
掌を中心に炎が相手の身体から吹き上がる。
奴が最強である所以の一つ。
それがこの力。
 
―――まだ、続くな。
 
それはもう、確信に近い。
これほどの重傷を負っても奴は立ち上がってくる。間違いない。
もうどうなろうと関係無い。
審判は、ただその行方を見守るのみ。
303導入 その一:02/05/02 02:54
御神苗優vs八頭大 導入
 
 
 赤茶けた地面の連なり。果てしが無いという言葉も馬鹿馬鹿しくなる程の、それは大地の歴史だ。
 その地母神をここまで抉り抜いたのは、たった一筋の川の流れなのだった。
 億単位の星霜を味方につけて。
 
 アメリカはアリゾナ州に鎮座する、神の渓谷グランドキャニオン。
 常人だったら畏敬の念の一つでも払うだろう。
 生憎、おれの仕事はいつもと変わらない。
 このおれ――世界最高位のトレジャーハンターの一人、八頭大(やがしら・だい)にとっては。

 切っ掛けというやつは、全くどこに転がってるか判ったもんじゃない。
 プラハの某大学図書館で古文書と格闘していたおれは、ひょんな事から北米ネイティブ・アメリカン
の部族に伝わる古記録を見つけた。
 その時探していたフリードリヒ四世の遺物に関する調査なんぞ、奇麗に吹っ飛んじまったね。
変身し忘れか・・・迂闊だな。
305導入 その二:02/05/02 02:56
>303 御神苗優vs八頭大(M) 導入

 グランドキャニオン、それは生きているのだという。
 比喩じゃなく、直接的な意味でだ。
 北米大陸の誕生と共に生じた“生命”は、おれたちの想像もつかない形で確かに存在している――
と、ここまではまあ与太話の範疇だ。
 問題なのは、その“谷の生命”ともいうべき代物が引き起こす現象だ。
 記録では十九世紀末期、“谷の生命”である脈打つ半球体が持ち出された際、あろうことか
グランドキャニオンそれ自体が“生命”を求めて大移動したのだとされている。
 この辺り、記述が曖昧で顛末が詳らかじゃないんだが。
 ともあれ、宝捜し屋の魂をどよめかすには十分過ぎる話というもんさ。
  
 同居人のゆきにこのネタを勘付かれなかったのは、正に僥倖といっていい。
 あの女、おれと同じく高校生の癖に、頭(ペテン)も腕も実に油断ならないからな。
 おまけに「オカ」と聞いたら「オカネ」と決め付けかねない金銭亡者ときた。世も末だ。
 
 てな訳で、おれは黒い戦闘服に身を包み、馴染んだ銃器を手に岩壁の間を歩き回っている。
 今回の件に関しては、妙な情報を耳にしたのが些か気がかりなのだが。
 世界的巨大企業アーカム財団、その尖兵にして古代遺産の守護者を気取る特殊工作員『スプリガン』
が動いてるてえんだから、参る。
 どこで話を聞きつけたやら。トレジャーハンターの一番の商売敵だからな。
 あいつらに関しちゃ、このおれでさえ煮え湯を飲まされた経験も多い。
 ま、あちらさんに地団駄踏ませてやった数の方が、ちいとばかり上だが。
 
 今回は――さて?
306御神苗優 ◆OminaeNo :02/05/02 02:59
御神苗優vs八頭大
 
導入
 
赤い大地。切り立つ崖。
そして、黒々と口をあける洞窟。
俺はその前で、焚き火を眺めていた。
 
ここはアメリカ、ネヴァダ州、グランドキャニオン。
そこに伝わるネイティブの伝承、通称”谷の洞窟”。
それが発見されたのだった。他に先駆け、いち早く洞窟を確保したアーカムは、
調査と研究のため、チームを編成した。
俺は、そのチームの護衛のために借り出されたって寸法だ。
 
『たく、人使いが荒いのが困りもんだよなぁ』
 
チームスタッフの一人が、笑いながら俺に暖かい珈琲の入ったマグを渡してくれた。
それを啜りながら、俺は思った。
(静か過ぎる・・・・・・こういう時は、なんかしら、来るんだよな・・・・・・)
それが、杞憂に終わることを、俺は祈ったんだが。
やっぱり、運命の神様は、俺のことが嫌いなんだな。
よりによって、芳乃並に厄介な、アイツが来るとは、
夢にも思わなかったんだ・・・・・・・
307ジャッジ・デス:02/05/02 03:02
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
  
ジャッジ・モーティスvsフリッツ
>300

両脚は失われた。
上半身と下半身は、右脇腹の肉と皮でかろうじて繋がっている。
胸は大きくえぐり取られ、胸骨もほとんど残っていない。
両腕も消し飛んだ。
爆炎が消え煙のなかから現れたものは、ジャッジ・モーティスの残骸だった。
  
動かなくなった躯から、一筋の煙が立ち昇る。
煙は馬の頭蓋骨を思わせる形、ジャッジ・モーティスの顔の形に変化した。
「こォォれで終わァァりと思ォッては、いィィけませんよォォォ?」
モーティスの甲高い声が響く。
「必ァァず戻り、貴方をッ、貴方の家ァァ族をッ、友ゥゥ人をッ、全ての生命をォォ裁いてあげますッ!」
怒りに震える声で叫ぶと、ジャッジ・モーティスの邪悪な霊体は夜の闇の中へと飛び去っていった。
308不破 雷也 ◆ayRAiYAw :02/05/02 03:14
>302
ン・ダグバ・ゼバvs不破雷也
【白き炎と猛き雷】
 
 膝蹴りのあと、追撃の一撃を放とうとする。
 しかし、出来なかった。
 
 不意にブライオーの胸部が炎を発する。
 可燃物など無いはずであるのに、だ。
 
 炎の強さに、仰け反り、倒れ伏すブライオー。
 手で胸をかきむしり、必死に炎を消す。
 
(そうか、これが街をこんなにした能力か……なら、触れた箇所だけではないんだろうが……)
 
 炎に炙られながらも、冷静に思考する。
 しかし、その冷静さとは裏腹に、身に纏う闘気は膨れあがる。
 その闘気に答えるように、ぐるるるる…とブライオーが低く唸りながら、立ち上がる。
 
(どちらにせよ、そう長くは持たない、か)
 
 妖獣武装の欠点。それは妖獣と親とが完全に密着するために皮膚呼吸が出来なくなること。
 皮膚呼吸の限界を迎えると、武装は解け、妖獣は再び隠行に還る。
 それまでに、決着をつけなければならない。
 
 であるならば。
 次に放つべきは、必殺。
 
 闘気を漲らせたまま、ブライオーは再び間合いを詰める。
 必殺の一撃を放つべき時を狙って。
309八頭大(M):02/05/02 03:17
>306 御神苗優vs八頭大

 崖の上の物陰に身を潜め、洞窟付近を窺う。
 どうやらアーカムに先を越されたらしい。連中、のうのうとキャンプを始めてやがる。
 無駄な殺生はやらないが、少々追い散らすくらいはせんといかんか。
 おれは舌打ちして、焚き火の辺りを観察した。
 どうやら戦闘要員は、コーヒーを飲んでる男一人のようだ。
 歳はまだ若い。おれとそう変わらんだろう。
 待て待て。
 あの顔、見覚えがあるぞ。
 確かITHA(世界宝捜しハンター協会)のブラックリストで――。
 思わず口をついて出た。
 
「……『スプリガン』の代名詞、御神苗優か。こら、えらいのが来たもんだ」

 ITHAには所属していないが、おれと並んで世界に六人といないGGG(トリプル・ジー)ランクに
非公式認定されているハンター・染井芳乃から、いやってほど話は聞いてる。
 どうでもいいが、惚れてるな、ありゃ。
 
 愛用のH&K・G11サブマシンガンを構える。
 目標は『スプリガン』の眉間――じゃなくて、手にしたコーヒーカップだ。
 取り敢えずはご挨拶といこう。
 不意討ち闇討ち騙まし討ち、あらゆる泥水をひっかぶってここまで来たおれにしちゃあ、珍しい。
 ま、たまにはこういうのもいいだろ。
 ――向うもとっくに気付いてるかもしれんが。
 
 炸裂音が一つ、谷間の引き裂いた。
310横島忠夫 ◆YDaTadao :02/05/02 03:29
>281 vs アドルフ・ヒトラー
    【脱出する者の時間】
 
 な、なんで? 
 鈴鹿に殴り飛ばされながら、俺は必至にその原因を探っていた。 
 あの状況下、多少の事は何をしたって許されるべきじゃ―――――― 
 
 どさ。 
 落着。 
 それでも美神さんを抱いたままだったのは、我ながら愕きだった。 
 ただ、ちいとばかし事態は拙くなりつつある。 
  
「ああ、もし「Nein」と云うのであれば――容赦はしない」
 
 落下の衝撃と男の台詞で、美神さんが目を覚ました。 
 幼い少女は事態が飲み込めずに、キョロキョロと辺りを見渡す。 
 
 そして、一瞬の間。 
 
「ぶぎゃ――――――――――――――――――――!!」 
 
 雷のような大声で、泣き始めた! 
 
「すんませんすんませんすんませんすんませんすんませんすんませんすんません!」 
 
 抱きかかえたまま、必至に謝る俺。 
 だがそれで泣きやむはずもなく、鳴き声はますます高くなるばかり。 
 ええい、どないせいっちゅうんじゃあ! 
 
 俺に子供が宥められるわけもなく、右手の美神さんを抱えたまま左手に文珠を出す。 
 見れば鈴鹿が大通連を構えて、男と対峙している。ならしばらくは保―――― 
 
「びぎゃ――――――――――――――――――――!!」 
「泣き止むとか大人しくするとかして、協力しようって気はさらさらないんすか!!」 
 
 こ、こっちが泣きてぇよ、チクショォ――――――――――――――――!! 
 ぽとり、と文珠が左手から落ちた。それを蹴飛ばしていたとして、何が悪い。 
 いや、はっきり言ってもう泣いていた。   
 
「何が『Nein』じゃ! こっちはそれどころじゃないんだよぉ!」 
311御神苗優 ◆OminaeNo :02/05/02 03:31
御神苗優vs八頭大
>309 
 
俺がのんびりと珈琲を啜っていたときだった。
一発の銃声が鳴り響いた。
そして次の瞬間、俺の手にしていたマグが宙を舞い。
俺の頭に中身を降り注いだ。
 
「ゔあ゙ぢゃー!!」 
 
絶叫して立ち上がる。敵襲?
頭に水筒の水をかけつつ、チームの面々に隠れさせると、
愛用のアサルトライフル、H&K G3を手に取る。
・・・・・・おそらく、今の銃声は挨拶代わりってことか。
俺は今撃たれた方角に向けて火の付いた枝をお返しに投げ込む。
そして、すぐさま移動した。相手の人数が知れない以上、
無闇矢鱈に動きたくねぇ。さて、どうするかな・・・・・・
>308
ン・ダグバ・ゼバvs不破雷也
【白き炎と猛き雷】
 
がくん、と大きく後ろに仰け反っていた体が起きる。
口からは血が滴り、純白の仮面と体を赤く染め上げる。
 
―――笑っているのだろうな、奴は。
 
声は聞こえない。表情も見えない。
だが、体は震えている。
この上ない歓喜で!狂喜で!!
 
血を垂らしながら、奴はゆっくりと仮面の顔を上げる。
何か、構えのような物を取っている相手に対して、ダグバは相手を見もせず天を仰ぐのみ。
 
―――次、か?
 
風が吹き、白いマフラーが風にたなびく。
ビルの上を吹きぬけた風は、対峙する二人の間も吹き抜ける。
 
 
風が止むのを合図にしたかのように、二人は同時に地を蹴った。
313フリッツ ◆FRItz.JA :02/05/02 03:37
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
 
ジャッジ・モーティスvsフリッツ
>307
 
断罪人は去った。
夜闇の中に染みこむように消えてゆく奴の声。
 
 やっと、終わった
 
あの怪物が彼にもたらしたのは。
 
 罰の苦さではない
 
 恐怖でもない
 
 ではなんだったのか
 
腐りきり千切れた腕から迸るように血が吹き出てくる。
死は時間の問題だった。このままでは。
 
 そう、死である
 
万人に平等な死を与えるのが彼らダーク・ジャッジの務め。
その職務は狩人に対しても平等に果たされようとしていた。
 
だが、狩人は死なない。いや、死ねない。
世の全てを狩り尽さん、と。      世の全てを裁かんと。
狩人は。                        断罪人は。
 
明日も殺し続けるだろう。自らに課せられた責務のために。
またうちよりいずる闘争本能のためか。それは断言できない。
 
――――――ただ一つ、言えることがある。
この狩人と、この断罪人は同じだった、ということだ。
殺し尽くす。ただそれだけのために在る。
 
狩人は夜陰に紛れ消えた。
もしこののちも生きていたとしたら、また狩りを続けるのだろう。
ならばきっとまた会う時が来る。断罪人と。
 
罪を重ね続ける限り               殺しを続ける限り
その手からは逃れられない。     いつか狩られる時が来る。
 
それはそう遠くは無かった。
314不破 雷也 ◆ayRAiYAw :02/05/02 03:45
>312
ン・ダグバ・ゼバvs不破雷也
【白き炎と猛き雷】
 
 ゆっくりと、間合いを詰める。
 相手はこちらの方を見ようともせず、天を仰いでいる。
 それでも、わかる。
 ヤツが、こちらを注視しているのが。
 
 ただ『視る』だけが見ることではなく。
 ただ『聴く』だけが聞くことではない。
 
 キィィィィィィィィィィィィィィィィィン――――
 ゆっくりと近付くブライオーから、音が聞こえてくる。
 小さな、甲高い音だ。
 
 風が吹く。
 そして、唐突に止んだ。
 
 二つの影が、疾駆する。
 二つの影が、交錯する。
 
 ブライオーは、渾身の力を込めた蹴りを放つ。
 無論、ただの蹴りではない。
 
 『波動』を乗せたその蹴りは、通常時に数倍する威力を持って敵を打ち倒す。
 そう、それこそが、不破雷也の切り札――――波動衝『龍渦』
315八頭大(M):02/05/02 03:48
>311 御神苗優vs八頭大 

 燃える木切れが飛んで来た。
 正確な位置は流石に判らない様だが、それだけにあぶり出しにでたか。
 光源をそこらに出されると、こっちの動きも丸判りだわな。
 いいぜ、乗ってやるよ。
 笑みを浮かべて呟く。多分、我ながら獰猛な面をしてるんだろう。
 
「隠れてこそこそってな、性分じゃねえ」
 
 おれは物陰からダッシュしざまに、G11の引き金を引いた。
 三点連射(バースト)の銃弾が、焚き火の辺り目掛けて叩き込まれる。
316鈴鹿御前 ◆Y4SUZUKA :02/05/02 03:55
アドルフ・ヒトラー vs 横島忠夫 & 鈴鹿御前
【脱出する者の時間】
 
>281 >310
 
青年が手をかざした途端、触れてもいないのに窓ガラスが粉々に割れ飛んだ。
破片を踏み越え、悠然と部屋の中に踏み込んでくる。
その姿は、敵だと分かっていてもあまりに幻想的で、美しかった。
 
後ろでは、あの女の子がものすごい声で泣き出している。
横島くんが必死で宥めているようだが、泣き止む様子は一向にない。
だがその声も、もはや私の耳にはほとんど届いていなかった。
目の前の男は、間違いなく強敵だ。それも、今までに出会ったコトがないほどの。
余分な情報に気を配る余裕は、もはやない。
 
青年が言った。
 
「ああ、もし「Nein」と云うのであれば――容赦はしない」
 
容赦はしない? それはこちらの台詞だ。
先手必勝とばかりに、私は男に撃ち掛かっていった。
瞬時に間合いを詰めての3連撃。
袈裟懸け、切り上げ、そして喉への突き。
317御神苗優 ◆OminaeNo :02/05/02 04:00
御神苗優vs八頭大
>315 
 
俺は奴の出方を見る。
すると、岩陰から人影が一つ出てきた。
それは焚き火目掛けて銃弾を叩き込みながら走っている。
その時、飛び散る焚き火に照らされる奴の顔を見た。
 
「・・・・・・げぇ。八頭・・・・・・大?ったく、なんであんな野郎が来るんだよ」 
 
そう、俺は奴の顔を知ってる。八頭大。凄腕のトレジャーハンター。
こいつや芳乃に、アーカムは何度、煮え湯を飲まされたことか・・・・・・
 
とりあえずは戦闘力奪っちまえばいい。
相手は生身の人間なんだしな。
そう思った俺は、奴の肩口目掛けてセミオートで7.62mmをぶっ放した。
>314
ン・ダグバ・ゼバvs不破雷也
【白き炎と猛き雷】
 
蹴りを正面から受ける。
何故、避けないのか。
そんな事は分かりきっている。
 
奴は感じていたいだけなのだ。
痛みを。
そして、そこから得られる悦びを。
 
よろけながら、血を吐きながらも、その目は奴を捉えている。
 
目で、追えなかった。
 
今までの攻撃をすべて凌駕する、ただただ単純に速く、強い拳。
真っ直ぐに突き出された腕が、相手の体を貫く。
 
―――終わり、か。
 
一息し、再び算盤に手を伸ばす。
だが、まだ緊迫した空気は続いている―――まさか!?
アドルフ・ヒトラー vs 横島忠夫 & 鈴鹿御前
【脱出する者の時間】
 
>310>316
 
最大の獲物である「みかみれいこ」は完全に幼児となってしまったようだ。
その証拠に、今や泣き喚くのみ。
 
バンダナの少年もその「みかみ」を宥めすかすので精一杯らしい。
 
だが、少女は違った。
手にした日本刀をしっかりと構え、こちらを見据えている。
その構えには隙がない。
かなりの手練れだ。
 
次の瞬間、少女が一足にこちらに踏み込んできた。
そしてそのまま三連撃。
 
袈裟懸けの一撃を、左手を犠牲にして逸らす。
切り上げてくる一撃を、僅かに後ろに下がることで、浅手にとどめる。
そして、喉への一撃は・・・
 
すっと、少女の腹部に向けて、右掌を向ける。
そこから、喉に突き込まれたはずの、日本刀の切っ先が少女に向かって伸びた。
 
「空間の扉を操る私に、敵うはずがあるまい?」
 
腹部から、鮮血をしたたらせる少女に向かって、事も無げに言い放った。
320八頭大(M):02/05/02 04:23
>317 御神苗優vs八頭大 

 左肩に着弾した。
 衝撃が全身を揺する。
 くはッ、いい腕してやがる。流石、S級『スプリガン』の名は伊達じゃねえな。
 体勢は崩れたが、それでもおれは走りながら射撃を続けた。
 全身に吹き付けたBPL――防弾塗料のお陰で、被弾の衝撃はせいぜい中学生の放る硬球程度まで
抑えられる。
 同一箇所に三度以上命中すればオシャカだが、これは欠点とはいえまい。
 ITHA装備課の傑作品だ。安くない寄付金をボッタくられてんだ、ちったぁ役に立ってもらわにゃあ。
 
 ほいじゃ、お返しだぜ。
 左手で腰から換えの弾倉抜きつつ、おれは御神苗の腹部に向け、残り全弾をぶち込んだ。
321玄奘三蔵 ◆GOWESTrM :02/05/02 12:28
>228 玄奘三蔵VSアンデルセン

『剣に殺さる彼ら生者(いけるもの)の地に畏怖(おそれ)をおこしたれば穴に下れる者とともに恥辱(はじ)を蒙(かうむ)るなり…』
声が聞こえる。金属音。足音。

―――――――――そして、殺意。
見れば、アンデルセンはいつの間にか銃剣を構えなおしこちらに疾駆してきていた。

「………まったく、分が悪すぎるだろうが」
ひとつため息をつくと、最小限の重心移動と足さばきでアンデルセンの右側面に回りこむ。
同時に、足を引っ掛け、転ばせる。
おまけに両膝に一発ずつ打ち込んで、そのまま走り出す。
 
(……………時間を稼がないと魔戒天浄は使えねえ……とにかく、接近せずに奴を止められる方法が無いものか………)

周りを見回すが、目に飛び込むのは穴だらけの壁や床。
しかし、そのとき幾つもの関連の無い事象が一つに結びついた。

「これなら…上手くいくかも知れんな」
322アンデルセン(M):02/05/02 12:47
>321 玄奘三蔵vsアンデルセン神父(M)

 無様に転倒した体勢から身を起こす。
 起こしきれない。唸り声のみ立ち上った。
 両膝に撃ち込まれた銃弾は、アンデルセンの膝蓋骨を砕いていたのである。
 裂傷などと違い、骨折の類は再生により時間がかかる。
 四肢を床につき、肉食獣じみた姿勢を取るのがやっとだった。
 その間、三蔵の姿は部屋の闇に消えている。気配と共に。

「本格的に隠れん坊か。……小賢しい真似を」

 地の底から染み出す様な声で呟き、アンデルセンは銃剣を握り直した。
323玄奘三蔵 ◆GOWESTrM :02/05/02 12:56
>322 玄奘三蔵vsアンデルセン

一階の小さな部屋に隠れた俺は、先ほどのアイデアを実行に移す

――――昇霊銃用の弾をいくつか取り出し、床に据える。
銃底を振り上げ、水晶の弾頭に打ちつける。力を入れすぎて砕け散ってしまわないように加減して。
カツンッ!と甲高い音。気づかれてしまっても構わない。
見ると、上手い具合に水晶全体にヒビが走っているが形は保ったまま。
何度か作業を繰り返し、10発程を確保する。
猛獣用の銃弾の中には、着弾すると標的内で弾頭が砕ける「ブラックライノ」―――完全破砕弾がある。
それを、水晶弾頭で再現しているのだ。

―――――これなら、多少の再生能力があってもかなりのダメージを与えられる。

弾を込めなおし、袈裟の上を腰で縛り、準備を整える。
――――――さあ、狩りの時間だ。
324アンデルセン(M):02/05/02 13:19
>323 玄奘三蔵vsアンデルセン神父(M)

 むくり、と今度は完全に立ち上がった。
 再生はまだ完全とはいえないが、歩行に支障は無い。
 一分一秒でも早く異教異端の徒を滅殺せねばならない。贅沢は言っていられない。
 
「主の剣、地のこの極(はて)よりかの極までを滅ぼす。――Amen」

 『エレミア記』第十二章十二節を引き、狂信の徒は堂々たる足取りで無人の館を往く。

 一階に降りた。
 廊下の向うから、物の砕ける音が連続して響く。
 音のしたその先、小部屋の前に立ち、アンデルセンは一気にドアを蹴りつけた。
 細かな木切れと化し、ドアは破砕される。
 廊下の薄明かりを背にし、邪悪な笑いを含んだ声が宣言した。
 
「念仏とやらでも唱えろ、ブッダの走狗(いぬ)」
325玄奘三蔵 ◆GOWESTrM :02/05/02 13:26
>324 玄奘三蔵VSアンデルセン

『念仏とやらでも唱えろ、ブッダの走狗(いぬ)』
ドアが蹴り砕かれ、アンデルセンが姿をあらわす。

「フン…………………貴様のためにか」
挑発の意思を込めて返答する。
 
「それに――――――――まだここで死ぬと決まったわけでもないだろう、お互いにな」
銃を構え、いつでも撃てるようにする。

もう一つの「仕込み」………気付かれてなるものか。

326アンデルセン(M):02/05/02 13:42
>325 玄奘三蔵vsアンデルセン神父(M)

「俺のため? 俺のためだと? ふざけろ」

 アンデルセンは、心底厭わしそうに頬を歪める。

「貴様等ゴミ虫共の下劣な教えなど、耳が腐るだけだ。反吐が出る」

 血走った双眸が三蔵を睨めつけた。

「それに死ぬのは貴様と決まっている。神罰の地上代行者たる我等が決定する事だ、それは。
貴様等を殲滅した後、つまらん事を企んだ連中も塵一つ残さず鏖(みなごろし)にしてくれる。
安心して殺されろ、異教徒」
327玄奘三蔵 ◆GOWESTrM :02/05/02 13:57
>326 玄奘三蔵 対 アンデルセン

『それに死ぬのは貴様と決まっている。神罰の地上代行者たる我等が決定する事だ、それは。
貴様等を殲滅した後、つまらん事を企んだ連中も塵一つ残さず鏖(みなごろし)にしてくれる。
安心して殺されろ、異教徒』
 
まったく………笑わせてくれる。
神罰の地上代行者?
そんなに神に近づきたければ死んでしまえばいい。死ねば誰でも仏(ホトケ)になれる。
それに、この俺の命は貴様のものではない、俺の物だ。
誰かに俺の生殺与奪を左右させる?まっぴら御免だ。

…それにまだわかっていないようだな………。
「――――――俺の行く手を阻む全ては俺の敵だ」

「敵は殺せ、殺られる前に殺れ………だ」

下らねえ…下らねえよ…コイツも、コイツに足止め食らってる俺自身も。

―――――こんな所で終わったら、師匠………光明三蔵に顔向けできねえだろうが。

328アンデルセン(M):02/05/02 14:19
>327 玄奘三蔵vsアンデルセン神父(M)

「クハハ、それはそうだ。全くその通りだ」

 神に全てを委ねた殺戮者は、大きく嘲笑した。

「だが、我等が神の御教えはそれ程甘くはないぞ。
殺すだけでは済まさん。
貴様等の魂が救われていいなど、聖書に一字一句たりとて書いてはおらんのだからな。
異教徒と悪魔が馴れ合う糞溜めの如き国、ありとあらゆる者もモノも斬って刻んでくびって千切って
滅ぼし尽くす。
それこそが十三課(イスカリオテ)の、法皇庁(ヴァチカン)の、いいや、主に仕える者の本懐」

 再び銃剣を十字の形に組み、呼気と共に聖なる一言を吐き出す。

「――Amen」
『吸血姫に祝福を』
>255 〜イベント1・『買出し』〜
 
「……………」
 
 どうして、私が此処にいるのだろう?
 何故、こいつらと一緒に出かけなければならないのだろう?
 今すぐにでもシートをぶち抜いて、アイツの身体を貫きたくてたまらない。
 でも、それができないのがひたすらにもどかしい。
 
 イライラする気分を外の風景を見ることでどうにか落ち着かせる。
 そんな中で……
 
『――どう? どっか行きたいトコ、ある? 夕方までに戻れば文句言われないでしょ』
 
 プツン!
 
「あなたたちのいない所だったら、どこでもいいわ!」
 
 私はアイツに反射的に怒鳴りつけていた。
『吸血姫に祝福を』
〜イベント1・『買出し』〜
>329
 
「おっけ〜!んじゃ、そこら辺の公園でもいこっか?」
 
どなりつける彼女の声を聞き流し、私は答える。
よ〜するに、『静かなところでのんびりしたい』ってことでしょう。
 
「んじゃ、さ。そこら辺の公園で適当にやっててよ。
 私と・・・・・・アズで買い物済ますから。
 クロノ、ルージュのこと任せたわよ?」
「何で僕が?!」
「別にいーじゃない。んじゃ、任せたわよ〜。」
 
私は、公園の前に車を止めクロノとルージュを降ろす。
 
「んじゃ、一時間ぐらいしたら迎えにくるからさ。
 ゆっくりしてて!」
 
私はそう言い残し、車を発進させた。
 
================================
・・・・僕、クロノはロゼットの車を見送ると、ルージュへと向き直る。
 
「さて・・・・こういうことだ。
 まぁ、ゆっくりしようよ。」
 
正直、僕はこの子が・・・・・気になってしょうがない。
ロゼットはまったく気にしていないが、
この子をロゼット、アズマリアのそばに置いてもいいものか・・・・・・。
 
「・・・・・適当にゆっくりするといい。
 僕もそうさせてもらう。」
vsロゼット・クリストファ
>248

「――――――――――――ふむ。これはこれは」

突如現れた警官隊を前にして、男は両手を上げながら一歩ずつ足を進めていく。
あせりも、迷いも、表には出さず、静止の声も片手で制して
中央の竪穴から伸びる二本の鎖の前へ辿り着くと、片方の鎖を掴んで上にある鐘を見上げ

「お出迎え、有難うございますな」

近くにある機械の塊に指を滑らせた。


世界が、揺らいだ。


聖堂の鐘が時ならぬ時を告げる。
魔物達の声を伴って。
その音に合わせ、警官たちも咆哮を上げはじめた。
一人、また一人と、ただ絶叫を奏でるだけの楽器と化していく警官たち。
嵐のような音の洪水の中―――――


>249

扉が、開かれた。
332キース・ロイヤル(M):02/05/02 18:02
魔術士オーフェン・無謀編 「誰もお前は呼んでねえ!」番外編、
執事キース・残虐編 「つまりは、私がこうして檻の中に居るのは何かの手違いでは無いかと――」
 
>134

劇場全体が凄まじい音を立てて崩れ、瓦礫の山と化し、
辺りの人々がその残骸を唖然とした表情で見つめる。
時間にしてみればそれほど長くはなかったろうが―――
 
その場に居る者達にとって、その静寂した一瞬は、それはとても長い間にも思えた。
むしろ、誰かが声を発するのを待っているようにも見受けられる。
大勢のギャラリー、たった今宙を舞い終え、ごすっと鈍い音を立てて地面に着地した女性、
スプラッタになってしまった人形のような残骸を晒す少女、
―――それと、喜びに打ち震える執事。
 
「見て頂けましたかジョミー様・・・私は見事に務めを果たしましたぞ・・・
・・・ですが!ああ!この喜びを伝える相手は最早この世におりません!皮肉なものです・・・」
 
しばしの沈黙。
 
「では、仕事も終えましたので、私はこれで」
『待たんかぁぁいっっ!!』
 
立ち去ろうとする執事の肩を、起き上がった女性ががしっと掴む。
 
「おや、お早い復活で」
『そうじゃなくて!』
「ふむ、でしたら九死に一生スペシャル」
『それも違ぁうっ!いい!?演出かなんか知らないけど、これは立派な、犯、罪っ!!
私だってこれでも警官・・・だったんだからねっ!』
「ほう、これはこれは。では、今、周りにいる方々は貴女のお仲間で?」
『周り・・・?』
333キース・ロイヤル(M):02/05/02 18:03
執事キース・残虐編 「二分割・・・二分割ですと・・・!?ああ・・・!なんて凄惨な事を・・・!!」

>332・続き

ウゥーーー。がちゃがちゃがちゃ。ちゃきっ。
 
『えと・・・・・・』
 
何時の間にやら、警官隊が周りを包囲していた。
立ち並ぶ盾の内側より、拡声器を持った男が一歩前へと踏み出でる。
隊長か、でなければ交渉人といったところだろうか。
 
『お前達は既に包囲されているっ!!』
 
お決まりの台詞を拡声器で増幅し、怒鳴る。
 
『今更言い逃れは出来んぞっ!!お前達の凶行は既に幾人かに目撃されているっ!!
おとなしく投降しろっ!さもなくば撃つぞっ!上から許可は出ているっ!!』
 
「さて、どうしましょうか」
『あ・ん・た・はぁぁぁぁっっ!!』
 
執事の襟元を持ってがくがくと揺さぶる女性。
だが、結局なんの解決にもなりそうも無いので、止める事にした。
―――最も、解決できる方法があるならとっととそれを試していたであろうが。
 
「まぁ、ともかく。頑張ってくださいませ。私はこれで帰りますので」
『帰るって・・・』
「とおっ」
 
掛け声とともに、軽い跳躍。一見意味の無い行動に見えたが―――
――宙に浮いた執事の身体を、一陣の風とともにさらっていく者があった。
 
カラス。
 
くあーーーーっ。ばさささささーーーっ。
 
『おい・・・・』
 
残された女性の呟きは他所に、執事はただ、華麗に空を舞っていくのみであった。
ただし、その身に、『災厄』が降りかかろうとしていることなど、知る由も無かったが。
334???:02/05/02 18:40
>331vsラルフ

優秀なるヤードが、
親愛なる部下が、
最強なる魔物が、

「何事なんだ、これは――――!?」

周囲を必死で見回しながら、男は叫ぶ。
彼にしてはかなりの狼狽振りだ。

だが、狼狽するだけのことが現に起こっている。
無数の警官は、白目をむき、口から泡を吹いて、ひたすら絶叫。
波のように、その怪奇現象は広がっていく。

全滅。彼は直感で絶望を感じ取った。

「馬鹿な! 罠などはれるはずが……無い!!」

だが、実際にことは起こっている。
このままでは本当に全滅だ。

(――――良い気になるなよ、小僧……)

同時、扉は開け放たれた。
もし、それが30秒遅かったのなら。
ラルフ・グルトは<神>を見れたかもしれない。

だが、扉の先には神などよりも遙かに崇高な存在が立っている。
神よりも脆く、神よりも気高き存在が……。
>335

絶叫、
ロゼットには、それが詩に聞こえた。

足を引きずりながら、
息を荒げながら、ロゼットは歩いた。

気付いたら10m程先に、あのゴミ溜め野郎がいた。
いつの間にか、聖堂に入っていたらしい。
気が付かなかった。
上等。

重い身体を必死で奮い立たせ、ロゼットは叫ぶ。
言いたかった。これを叫びたかった。

「もう……あなたを救おうなんて思ってあげないから!!」

涙が浮かぶ。
悲しい。
こんな悪人にも、
情けを掛けてしまう私が憎い。
だけど……それももう、終わり。

躊躇などしない。
これは……闘い。

「――――ケリをつけるわよ。ラルフ・グルト……」

静かな、静かな声でそう言った。
この絶叫の中で、聞こえたかどうか分からない。
でも――――これで、充分なはずだ。
vsロゼット・クリストファ
>334

「何か、ですか? ただの副次的な効果ですな」

警官隊の中で唯一叫び声をあげていないその男の問いかけに、銃師はそう答えを返した。
右手に散弾銃、左手に短機関銃を<言像化>させながら。

「此処は『架空都市――倫敦――』。全てが文字によって表される街ですぞ?」

>335

入ってきた少女を一瞥し、視線を男の方へと戻す。

「この街において、全ての情報は等価値ですからな。ですから、九つの章扉の向こうまで届かせる為の情報として
『声』を利用した、と。ただそれだけの話です」

サングラスに隠れ、銃師の表情は良く分からない。

「何故そんな事をするのかは――――まあ、どうでもいい事ですな。今となっては特に」

そして、銃を少女に向ける。

「――――始めましょうか、ロゼットさん」

右手の散弾銃だけを。
左手の短機関銃は――――――

スーツ姿の男と、その周りにいる警官たちに向けて既に放たれていた。

ばら撒かれた銃弾が警官たちを次々に<焚滅>させ、血と硝煙と物が燃える臭いを撒き散らし
灰と焼け焦げた痕跡だけをその場に残す。

呆気に取られている少女にも、銃弾が忍び寄り――――――

「よそ見している間はありませんぞ?」
337???:02/05/02 21:10
>336 vsラルフ

戦慄。
牧師の言い方に、一つ思い当たる節がある。

文字
情報
九つの章扉

「まさか貴様――――落とす気か……!?」

同時、胸に鈍い反動。
銃弾だ。
そう気付いたとき、警部は通算13発の銃弾を受けて死んだ。
7回目の体験だった。

(ロゼット……あの小娘か……?)
>337vsラルフ

ついに……ついに、銃弾は放たれた。
死に行く警官隊。
ロゼット修道騎士の叫ぶ。
そして、一辺の妥協も許さずに跳ぶ銃弾。

ロゼットは走った。
身体の痛みも、脇腹を貫く銃弾も関係無い。
あの男のもと行く。ただそれだけ。

ロゼットは吠えた。
無意識のうちに、銃弾を受けた傷を言影化。
折れた肋骨の痛みも、軽い脳しんとうも、
滅っしていく警官隊も、都合の悪いものは全て言影化。
目の前にいる男以外の全てを言影化。

それは、人間の足ではあり得ない神速だったかもしれない。
もの凄い俊足でロゼットは駆ける。
339不破 雷也 ◆9RU1L8FE :02/05/02 21:56
>318
ン・ダグバ・ゼバvs不破雷也
【白き炎と猛き雷】
 
 龍渦をまともに受けてなお、立つ。
 今までになかったほどの強敵。
 
 既に彼の身体を包む、純白のプロテクターは、ひしゃげ、歪み、血にまみれている。
 だが、発する気は衰えるどころか、強く強く。
 
 そして、今までで最も早く、最も強い拳が、ブライオーの強固な装甲を貫いた。
 口蓋から、関節から、傷口から、夥しい血が流れ出す。
 
 たった一撃。それがブライオーの身体機能をほとんど破壊し尽くした。
 ばしゃり、と血と共に雷也が吐き出され、ブライオーは隠行に還る。
 
 着鎧していたとは言え、雷也もかなりの手傷を負っている。
 四肢こそ無事ではあるが、出血・内出血は数えきれない。
 
「……凄いね。龍渦を真っ正面から受けてるのに、そんな一撃を放てるなんて……」
 
 雷也の口から漏れるのは、素直な賞賛の言葉。
 
「でも、まだ終わりじゃあ、ないよね」
 
 にこり、と無邪気な笑みを浮かべて言う。
 雷也の気が、波動が膨れあがる。
 
(龍渦でも倒せない相手……さて、どうするか)
 
 雷也の技の中で、最大の破壊力を持つ龍渦でさえ、相手を倒すには至らなかった。
 残された手札は、もはや、無い。
 
(いや、一つだけ……零距離からの波動衝の連撃ならば、どうだ?)
 
 速射性に優れた、腕で放つ波動衝『虎吼』であれば、零距離で炸裂させることも可能だろう。
 だが、そこまで近づくことは、可能か?
 あれほどの相手に無傷で接触など、不可能だ。
 そう――――無傷では。
 
(桜花、しかないか……)
 
 桜花――――姫護闘術において、捨て身技を意味する言葉。
 腕一本、否、命を賭けてであれば……
 
「さて、行くよ」
 
 いっそ、穏やかとも言える笑みを浮かべながら、雷也は地を蹴った。
>339
ン・ダグバ・ゼバvs不破雷也
【白き炎と猛き雷】
 
算盤に伸ばした手が凍りついたように動かない。
 
――――まだ、戦い続けるか。
 
双方、既に傷と吐血で血塗れ。
足元もおぼつかない。
立っているだけでも不思議だというのに、彼等の身を焼く歓喜は戦いを止める事を許さない。
 
―――フッ。
 
マフラー越しに薄い笑いが漏れる。
いいだろう。
見せてみろ、お前たちの最高の瞬間を。
 
結果がどうであろうと、構いはしない。
 
互いに引き寄せあうように、地上の二つの影が近づいてゆく。
そして――――
341不破 雷也 ◆ayRAiYAw :02/05/02 22:48
>340
ン・ダグバ・ゼバvs不破雷也
【白き炎と猛き雷】
 
 波動衝『虎吼』が、炸裂した。
 しかし、一撃では彼を倒すことは、出来ない。
 連撃を打ち込むしか……
 
 だが、それよりも速く。
 彼の拳が、迫る。
 速度、威力共に、先程の一撃をも越えたそれを、生身の雷也が躱せるはずもなく。
 
 拳は雷也の胸板を貫いた。
 
「か、はっ……」
 
 口から、血を噴く。
 急速に、瞳から光が失われていく。
 
 こうして。
 姫護最強の男、不破雷也は、死んだ。
>341
ン・ダグバ・ゼバvs不破雷也
【白き炎と猛き雷】
 
 
奴の一撃が相手の胸を貫き、命を奪う。
 
『アハハハハハハハ!!』
 
血塗れの腕もそのままに、勝者として生き残った奴の笑い声が響く。
だが、勝利はあくまで副次物でしかない。
奴にとって重視するべきことはどれだけ楽しめたか、という事だ。
 
笑い声しか聞こえない筈の街で―――
 
ぱちり、と算盤を弾く音が響いた。
『吸血姫に祝福を』
>255 〜イベント1・『買出し』〜
 
 ロゼットは公園で私を降ろし、車で走り去っていった。
 私は、悪魔―クロノと2人きりになる。
 
 ――此処でコイツを殺してしまおうか?
 
 ふと、そんな考えが頭をよぎる。
 
 ……ぶんぶんと頭をふってそんな考えを振り払う。
 駄目だ。
 まだ、力も戻っていないし、そんな軽率なことはできない。
 それに、コイツを殺しただけでは何も変わらない。
 
『・・・・・適当にゆっくりするといい。僕もそうさせてもらう』
 
 クロノがそう私に告げる。
 
「ええ、言われなくても、好きにさせてもらうわ!」
 
 私はクロノに背を向け、ズカズカと公園の奥の方へ向かった。



 公園の奥の広場では子供達が野球をした遊んでいた。
 それなりに微笑ましい光景だ。
 辺りのベンチに適当に腰を降ろし、日光を浴びながら、野球を見物する。
 
 ふう、久々に気が休まる。
 ここ最近、気を張り詰めっぱなしでどうにも落ち着かなかった。
 やっと、1人になれたのだ。
 しばらくは此処でのんびりしていよう。



 10分ほど、ぼーっとして野球を見物しているとボールが私の足元に転がってきた。
 ……少年達が私に手を挙げて合図している。
 
 ああ、なるほど、これを少年たちに投げ返してやればいいのか。
 私はボールを拾い、少年たちへ投げる。
 
 ボールはグングンと空高く伸び上がりつつ、少年たちの頭上を越え、広場を通り抜けて、向こうの森へと突っ込んだ。
 
「あっちゃあ〜」
 
 ……なんて、間抜けなのだろう。
 力加減も考えないなんて……
 
 ――少年達の眼差しが私に突き刺さる。
 
 ――何か凄く『痛い』
 
 私は苦笑しながら、ボールを探す為に広場の向こうの森へと向かった。
 少年達もパタパタと森へと駆けて行く……
>263>266>268>275>286>293>295>299>301>302>308>312>314
>318>339>340>341>342

・・・今回は、趣向を少し変えてダグバを見下ろす私の視点となっている。
ゲゲルの相手となってくれたことには、感謝しよう。
345『殺人貴』 ◆KILLER7E :02/05/02 23:24
>283 >284 《『殺人貴』 vs 遠野秋葉(反転)&弓塚さつき(死徒27祖Ver)》

                              コッ… コッ… コッ…

近付いて来る靴音。
発生源は、先ほど感知した通り二つ。

                    コツ、コツ、コツ、コツ……

次第に高まる『人外』の気配。
跳ね上がりそうになる鼓動を無理矢理抑える。

          カツン、カツン、カツン、カツン………

音から判断するに。
靴音の主は二つとも女の形態。
だが、油断はしない。相手は―――『魔』なのだから。


カツッ!


―――――コイツ等は何モノだ?
漲る殺気を隠そうともせず。
身に纏う人外の『気』もそのままに。
全くの無防備さで、ここまで来るとは…。

考えられるパターンは二つ。
『自己』に、よっぽどの自信があるか。
或いは、闘い慣れていないズブの素人か―――――


   カチャ、とノブの捻られる音。
        音も無く開かれる、部屋のドア。


―――――なんて、迂闊さ。
室内を確認するコトさえせずに、一人目が踏み込んで来る!
決まりだ、コイツ等は全然『闘い』というモノを知らない。
知らなさ過ぎる。
ならば―――遠野志貴のやる事は、ただ一つ。
この二つの愚かモノに、己の罵迦さ加減を悔いる間もなく、
その歪んだ生命を器ごと無に帰すのみ。

遠野志貴が居るのは、内開きのドアの蝶番(ちょうつがい)側。
つまり、侵入者からは完全な死角となっている。
その、ドアを隔てた真横を―――ぞわり、とした『気配』が通り過ぎる。
―――暴れるな、俺の心臓。
直ぐだ、もう一瞬後には、イヤでも活躍させてやる。


作戦は単純。
いくら素人とは言え、ある程度以上の能力を持っている『魔』を
二つ同時に相手にするには、分が悪い。

ならば、各個撃破。
346『殺人貴』 ◆KILLER7E :02/05/02 23:26
>345
タイミングを計る。
一つ目の『魔』が、ドアを通り過ぎて室内に侵入。
もう一つが、部屋に入り掛ける―――――

   ガン!
        バン!!

それは遠野志貴がドアを蹴る音。
そして、ドアが悲鳴を上げて閉じられる音。

だが俺は、そんなコトは無視して。
ドアを蹴り上げると同時に、軸足を支点に身体を反転。
部屋の中に孤立した『魔』を滅すべく、その『死線』を、『死点』を―――――


     その瞬間、時間が凍った。


―――――赤。
        赤い、髪。
        纏わり憑く、
               赤い鬼気。

なんて無様。
今まで幾度となく死徒以外の『魔』にだって対峙して来たって言うのに。
その、燃えるような、焼けるような鮮烈な『赤』に魅了されたかの如く。
遠野志貴は、闘争の場に於いて、その動きを停めてしまっていた。

だけど、理由はそれだけじゃない。
何故って…。
ドアの閉じる音に驚いて振り返った、その顔は。

   その顔は!

忘れられない。
忘れる事なんて出来ない。
それは遠野志貴のココロの一番深い所に、今でも刻み付けられている存在。

―――守りたかった。
     守れなかった。

     ずっと、一緒に居たかった。
     別れは、唐突に訪れてしまった。

     幸せにしてあげたかった。
     いつも怒らせてばかりだった。

     そう、最後まで哀しませてばかりだった―――――

幼い日の、何処か人のご機嫌を伺っている様な、気弱そうな表情。
数年後に再会した時の、『当主』としての凛とした強気な顔。

―――――そして、今。

遠野の屋敷を出て数年、綺麗な女性の姿で目の前に居る、『魔』。
それは、見間違う筈も無く―――――

「―――――秋、葉…? なんで、こんなトコロに………」
347アイン ◆Elen1cxc :02/05/02 23:33
>297 vsアセルス
 
『素人じゃないわね』
 
 喉を狙った必殺の一撃を、紙一重でかわした身の熟し。
 さらに、腰に下げた剣。
 なにより、血に塗れたこの部屋にありながら、平然としているその態度。
 
『大分場馴れしている。一体、何者なの?』
 
 予想外の相手、想定外の武装に、自分が動揺しているのが解る。
 
「―――くっ」
 
 ナイフを逆手に握り直すと同時に、心も切り替える。
 迷わない、戸惑わない、躊躇わない。
 ただ―――殺す。それが私の生きている理由。
 
 そう、私は放たれた銃弾。
 
 素早く相手の左脇目掛けて飛び込む。
 しかし、それはフェイント。
 ナイフの間合いに入り込む直前、素早く右に跳び、
同時にナイフをしたから切り上げる。
『吸血姫に祝福を』
〜イベント1・『買出し』〜
>343
 
「いてッ!?」
 
森林浴を楽しんでいた僕の頭に走る激痛。
何だ?!何が起こった?!
 
慌ててあたりを見回せば、そこに転がるベースボ−ルのボール。
 
なるほど。誰かが遊んで飛ばしすぎた・・・・のか。
僕はボールを拾い上げ、飛んできた方向へ歩き出す。
きっと、ボールを捜しているだろうから・・・・・。
 
《がさ》
 
「っと、ボールかい?」
 
僕は木陰から出てきた影に微笑み返そうとして・・・・・沈黙した。
ルージュ・・・・・・。
どうやら、彼女も同じようだ。
気まずい、沈黙。
 
『あ、それ俺のボール!』
 
後ろからついてきた少年が、僕の手のボールを見て喜ぶ。
 
「あ、コレ、君のか。はい、無くさないようにね。」
『サンキュー!』
 
僕は、ボールを彼に手渡す。
そのまま、彼の友達であろう数人と駆け出していく彼。
再び訪れる気まずい沈黙。
 
「・・・・・・・・。
 そろそろ時間か。目立つところに戻ったほうがいいね。
 いこう?」
 
僕は、それだけルージュに伝えるとすたすたと歩き出した。
『吸血姫に祝福を』
>348 〜イベント1・『買出し』〜
 
 森の中を私は駆ける。
 確か、ここらに……
 
 そこにガサリと茂みを掻き分ける音。
 ……?
 
 私は物音がした方を見る。
 
「………」
 
 そこにはクロノがいた。
 そして、クロノの右手にはボールが……
 
 コイツは私のごくわずかな平穏な時間さえもこうやって最悪な時間に塗りつぶすのか。
 私を馬鹿にするにも程がある。
 
 …
 
 ……
 
 ………
 
 沈黙。
 そして、それを破ったのは少年たち。
 彼等はボールを受け取った後、再び広場へと駆けて行った。
 
 …
 
 ……
 
 ………

『――そろそろ時間か。目立つところに戻ったほうがいいね。いこう?』
 
 クロノはそう言って、スタスタと公園の入り口へ歩き出していった。
 私はその背中を殺意を篭めた視線で睨みつけた……
 
(復讐 8 興味 2)
350アセルス ◆AseLLUSs :02/05/03 00:20
>347 アセルスVSアイン
 
目の前の少女が私の右脇に飛び込んでくる。
私はそれを受けようとし・・・瞬間、彼女は横に―――私の左側へと跳んでいた。
 
フェイント、そう思う間も無く反射的にバックステップ、
同時に彼女のナイフが私の左脇を、そして視界を掠める。
 
・・・脇腹にわずかな痛みが走る。避けきれずに切り裂かれてしまったようだ。
傷口から、蒼い血が滲み出す。
 
(・・・やれやれ、私としたことが少々油断したかな。
 だけどこれで私が人間じゃないことがわかったはず。彼女、どう思うかな・・・)
間合いを離しながらそんなことを思う。
 
剣は未だ鞘に収めたまま、再び彼女と対峙する。
出来れば傷つけたくない。綺麗なまま、私のものにしたい。
 
(だけど、そう都合よくはいかないのだろうな・・・)
351横島忠夫 ◆YDaTadao :02/05/03 00:25
>319 vs アドルフ・ヒトラー
   【脱出する者の時間】
 
「な、泣き止んでください、美神さあん! 今はそれどころじゃ、それどころじゃ・・・」 
 
 首をイヤイヤと振りながら、幼い少女は泣き続ける。 
 くぅ〜、どうしてこの人は子供になっても人の言う事を気かないんだぁ! 
 こんな事をしている間にも、あの金髪気障男が鈴鹿を――――  
 
 その時。
 俺の目に飛び込んできたのは、腹を抉られて血を滴らせる鈴鹿の姿。 
 刺突の型で繰り出された大通連が、どういう訳かブレザーを貫いていた。 
  
「鈴鹿ッ!」 
 
 たまらず、大声を張り上げていた。 
 その名前を呼ばなけりゃ、ならない気がして。 
 と、胸に抱いたままの美神さんがしゃっくりをして、俺の方をきょとん、と見た。 
 俺の声に驚いたらしい。すっかり泣くのも忘れて、胸にすがりついていた。 
 
 ――――怖がらせちまったかな? 
 ――――でも! すんません、美神さん。今はそっちの方が都合が良い! 
 
 固い床とくすんだカーペットを蹴って、狭い部屋の中を俺は走った。 
  
「てめぇ、鈴鹿に何をしやがるっ!」 
  
 そして、怒りと焦燥を乗せて、ありったけの声で叫んだ。 
 鈴鹿の背中に陣取って。
  
「よこちま・・・」 
「なんすか、なんすかその目はっ! こっちだって必至にやっとるンじゃあ!」 
 
 子供の癖に、この上ないほど白い目を向ける美神さん。 
 なんだか射抜くような視線を受けながら、俺は左手の文珠に意識を傾けた。 
 
 一個。 
 刻む文字は「幸」。上手く行けば、鈴鹿は幸運の加護を得られるはず。  
 気休めになるかどうかはわからないけど、俺はそれを鈴鹿に向かって投げる。 
 
 ――――どんどんどん。 
 
「あ”!?」 
 
 ドアを叩く音に俺は、つい手元が狂った。 
 「幸」の文珠は狙いを逸れて、あの気障男の顔面に・・・って、何で!? 
 しかも、何でドアを叩きますか!? 
 恐る恐るそちらを見ると、青い顔をした従業員と目が合った。 
 
 美神さんの泣き声と、怒鳴り声。 
 大立ち回りをする鈴鹿と、窓を破ってきた気障男。 
 そりゃ駆け付けもするし、見たら逃げもしますわな、うん。 
 
「って、拙い――――――――――――!」 
352エンペラー:02/05/03 00:33
>261
VSレイオット・スタインバーグ
 
レイオットからの銃弾を自らの心臓というべきコアに受け、エンペラーはのけぞった。
だが、この程度なら致命傷には至らない。
 
すぐに体勢を立て直し、弾かれたビットを戻しながらレイオットの側面に回りこむように高速で移動する。
 
移動しながらビットを右手に集め、鋭い剣に変えた。そのまま右半身を前に出してコアをカバーするように突撃。
レイオットに斬りかかった!
353アイン ◆Elen1cxc :02/05/03 00:52
>350 vsアセルス
 
「えっ!!」
 
 自分が作った傷を視認した瞬間、思わず声が漏れた。
 
―――蒼い……血
 
 イレギュラーの連続が、強い混乱を引き起こす。
 混乱は焦燥を呼び、焦燥は恐怖へと姿を変える。
 
 恐怖が、心を蝕む。そして、蝕まれた心は、自らの内へ内へと逃げていく。
 それは、一種の幼児退行なのかもしれない。
 でも、私が退行出来る限界。今の私の原典。
 そこにあるのは、たった一つの言葉。
 
『殺せ、アイン――』
「解りました」
 
 サイス・マスターから施された殺人訓練。
 それが、私にある全て。
 
――――私は、殺すために生かされている。
 
 前二回の攻撃から、彼女相手に狙い清ました一撃は不可能と判断。
 ならば――
 息もつかせぬ連撃。
 追い込む先には、倒れたサイドテーブル。
 それで倒れれば、一気に止め。
354八千草飛鳥(M):02/05/03 00:58
八千草飛鳥(M)vsモンスターハンター・シヴァ(M)導入

霜柱が黒土を持ち上げはじめる月――1月から、全東京都民は二ヶ月の間に
12人を食い殺した食人通り魔の影に恐怖していた。

犠牲者は文字通り骨までしゃぶり尽くされ、その頭蓋骨も肋骨も腰骨も、何日間も
貪欲な犬に舐められつづけたかのように一片の血も肉も無く、白磁のごとき
つやを保っていたのである。

犠牲者の年齢は二十二才から八十五歳まで様々、職業もOL、学生、商店主など
一貫性が無く、その残虐性、変態性から見て人肉嗜好症の狂人の仕業と発表
されたが、犯人は杳として知れなかった。

ある夜――月光が降り注ぐ公園の中で、連続食人事件の犯人――
齢十八にして五十七人を殺した殺人狂にして古代の荒ぶる神を食らい、
その力を自身の身に取り込んだ男、八千草飛鳥は今夜も首尾よくしとめた獲物
に舌鼓を打っていた。

ぽっかりと開いた腹腔から未だ湯気の立つ肝臓を取り出し、口に運ぼうとした
その時、彼は地上に降りた天使、いや、悪魔としか思えぬ美貌を公園の入り口
に向けた。

公園に現れた闖入者――全身に無数の傷を負った身の丈2メートルを超す大男
を見とめた飛鳥は、まるで顔見知りにまずいところを見られたかのように頭を
掻いた。

「まずいところを見られちゃいましたねえ、すみませんが見逃してくれませんか?」

355シヴァ(M):02/05/03 01:03
>354 シヴァVS八千草飛鳥 
体を緋に染める男を目の前にしながら、彼は動じた様子は見せずに腰の鞘に
収めた変形刀、カタールの取っ手を掴んでいた 

「生ゴミは、きちんと回収日に出さんといかんぞ。」
横薙ぎにカタールで前の男に斬り付けた
356ウピエル ◆Upielb0Y :02/05/03 01:14
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
ジャッジ・ファイアvsウピエル
>298
 
腹が抉られ、灼熱の炎が腸を焼く。
魔だ致命傷には遠い。だが、想像を絶する苦痛に思わず呻き声が漏れそうになる。
だが、しかし。
脳内にはその痛みをも忘れさせる興奮と怒りが狂熱となって荒れ狂う。
歯を食いしばり嘔吐感を堪え、血臭のする荒い息を吐き出す。
 
「ォオオオオオオオオオォォォォォォォ!!!!!!」
 
獣じみた怒りの咆哮をあげ、脇腹を引き千切るように無理矢理二又の槍を引き抜く。
最早戦法も何も無い。
ただ壊し合い、先にくたばった方が負け。
実にシンプルなルールだ。
傷を負った足、千切れかけた腹を引きずりながらも無理矢理跳躍。
一気にジャッジ・ファイアの左脇へと踏み込むと、
怒りと殺意を込め、腋下の肋骨に沿うように銃剣を突き込み、同時に発砲する。
マガジンの残りを全て叩き込み、胸郭をズタボロにするために。
瞬間的にその神速を取り戻したかのような突きがジャッジ・ファイアを襲う!
357アセルス ◆AseLLUSs :02/05/03 01:23
>353 アセルスVSアイン
 
彼女の顔に、さすがに強い動揺が走った・・・が、
数瞬のうちに、再び暗殺者の表情に戻る。
 
「はは・・・身も心も殺人機械、か」
その様子を見て、私は思わず声に出して言ってしまう。
―――全く、もったいない。こんなに綺麗なのに。
 
彼女は再びナイフを構えると、今度は息もつかせぬほどの連撃を仕掛けてきた。
だがフェイントでない分、かえって避けやすい。
 
―――それだけに、頭の隅に疑念が走った。
まさかこんな攻撃で私を仕留められるとは思ってないはず。
何か、策が・・・?
 
彼女の攻撃に、私は押され続ける。後ろへ、後ろへ。
 
・・・まさか。
彼女は部屋の構造を熟知しているはず、対して私はそれを知らない。
―――後ろに、何か!?
 
「っ!?」
 
その何か―――サイドテーブルに、足を取られる。
彼女がナイフを振り上げるのが見え・・・瞬間、私は剣を鞘ごと抜き払い、
後ろに倒れこみながら彼女の足を殴りつけていた。
358鈴鹿御前 ◆Y4SUZUKA :02/05/03 01:24
アドルフ・ヒトラー vs 横島忠夫 & 鈴鹿御前
【脱出する者の時間】
 
>319 >351
 
袈裟懸けに斬りつけた最初の一刀は、左手を盾にして逸らされる。
その反動を生かし、切り上げた二刀目は、男が僅かに下がったコトで、浅手を負わせるに留まった。
だが、その崩れた姿勢では、次の突きは躱せまい!
必殺の刀勢を乗せた刺突が、青年の喉を襲う。
 
しかし大通連の切っ先は、目標の目の前で唐突に見えなくなった。
まるで、目に見えない何かに吸い込まれたかのように。
一体、どこに?そう思った、次の瞬間。
───腹部に、灼熱感が走った。
 
「か……はっ!」
 
見ると、私の左脇腹へと向けられた青年の掌から、刀身が生えている。
ひどく見覚えのある、大通連の刀身。
その切っ先は、完全に貫通して背中から突き出している。
 
「空間の扉を操る私に、敵うはずがあるまい?」
 
金髪の青年の声が、冷たく響く。
空間の───扉?
そんなモノを操るような相手に、本当に対抗できるのか?
血といっしょに、体から闘志が流れ落ちていく気がする。
 
その時だった。
 
「鈴鹿ッ!」
 
後ろで、横島くんの声がした。ひどく心配そうな調子を込めた声。
あの女の子も、いつの間にか泣き止んでいるようだ。
そうだ、今の私は一人じゃない。
守らなければならない人がいる。頼りになる、仲間がいる。
 
「てめぇ、鈴鹿に何をしやがるっ!」
 
硬い床を蹴る足音が響いた後。
その声は、私の真後ろから聞こえてきた。どうやら、私の陰に隠れているらしい。
 
───それはいいんだけど、台詞と行動がまるで合ってないわよ…
 
気を取り直して、前方に意識を集中する。
後ろから、青年に向かって粒状のモノが飛んだ。横島くんが、援護のために文殊を投げたのだろう。
アレに気を取られている、その隙に───!
 
左手をベッドに伸ばし、シーツをはぎ取ると、それを青年に向かって投げつける。
同時に、再び間合いを詰めて斬りかかる。
胴めがけての左からの横薙ぎ、そして右からの切り上げの連続攻撃。
 
空間の扉、とか言ったか。
見える攻撃なら、確かにねじ曲げられるだろう。だが、見えなければどうだ?
>352 vsエンペラー
 
「――効いた!?」
 
 声を上げつつ、レイオットは後方に跳躍。
 銃弾を受け仰け反る異形――エンペラーから視線は逸らさずに、素早く銃を構え直す。
 胸部中央にある何か――コアに向かい、さらに3発発砲。だが――それはことごとく回避。
 
「はっ――速いなっ!」
 
 そんな歓声に近い声を上げる。
 エンペラーは手元に球体――ビットを引き戻すと、それを以て瞬時に剣を構成した。
 そして――右半身を盾のように構えると、先ほどのそれに匹敵する速度で、こちらへと迫る。
 
 僅か一呼吸の間にその距離が詰められ、構成したばかりの剣を一閃。
 それを、半ば身体を投げ出すようにして回避。だが……

 じゃ――――という音を立てて、モールドの装甲に一筋の傷が刻み込まれる。
 幸いにしてさほど深い傷ではないが……少なくとも、モールドの装甲による防御は期待出来ない。
 残り拘束度は8。それに引き替え、相手は殆ど無傷だ。
 
「なるほど、これは――楽しくなってきたな」
 
 にやりと口元を浮かべつつ、新たな呪文を無音詠唱。即座にそれを、目の前の敵に向かい叩き付ける。
 
「イグジストッ!」
 
 <アサルト>発動。再び不可視の砲弾が撃ち出される。だが、その対象はエンペラーではない。
 瞬間。音を立てて、天井付近に備え付けてあった数々の器物が、音を立てて粉砕された。
 支えを失ったそれらは、重力に従い――その真下にいるエンペラーに向けて、次々に落下を始めていた。
360アイン ◆Elen1cxc :02/05/03 01:44
>357 vsアセルス
 
『仕留めた!』
 
 しかしそう感じた瞬間、同時に油断も生まれた。
 踏み込んだ足に感じる衝撃。
 あ―っと思う間もなく、私の身体は宙に浮いていた。
 
 倒した蒼い髪の少女に飛び込むように倒れる。
 
 衝撃。
 そして、広がる視界。
 
 ―――なんて、不様。
 
 仮面が外れ、素顔を晒してしまう。
 攻撃するか仮面に手を伸ばすか、刹那、迷った。
361ジャッジ・デス:02/05/03 01:53
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
 
ジャッジ・ファイアvsウピエル
>356

ジャッジ・ファイアの胸部を銃剣がえぐり、銃弾が貫く。
左胸についていた、「FIRE」の文字が刻まれた鋼鉄製のプレートがちぎれ飛ぶ。
燃える薪を思わせる肋骨が、周囲に飛び散る。
ウピエルのさらなる突きが襲いかかり、その銃剣はジャッジ・ファイアの躯を貫き通した。
「調子に乗ォォッてんじゃねえェェェ、こォの罪人がァァァァ!」
炎の中から怒声があがり蛇の鎌首のような速さと動きで、燃える鈎爪がウピエルの手首を掴む。
ウピエルのギターが燃えあがる異臭と、彼自身の肉が焦げるおぞましい臭気が混じりあった。
ジャッジ・ファイアは、自らの全身を包む炎にウピエルを引きずり込もうとした。
「俺様のォォォ業火(ファイア)でェェ!清ォォめてやるぜェェェ!」
362エンペラー(M):02/05/03 01:54
>359
VSレイオット・スタインバーグ
 
レイオットに斬りかかり、エンペラーは再び間合いを取った。

『イグジストッ!』
 
レイオットが叫んだ次の瞬間。
 
ガシャン! ドガン! ガン!
 
天井から降ってきた瓦礫がエンペラーを生き埋めにした。
 
だがこれでもエンペラーにとってはダメージにはならない。
コアはキッチリと守られている。しかし動きは止められた。
 
エンペラーは右腕をレイオットに向け、短く一言。
「行け」
と言った。
 
周りを浮遊していたビットが一箇所に集合、ひとつの塊になった。
 
3メートルをゆうに超え、両手で大きなチェーンソーを構えた巨大な人型に。
 
人型は素早く接近し、レイオットにチェーンソーを振り下ろした!
アドルフ・ヒトラー vs 横島忠夫 & 鈴鹿御前
【脱出する者の時間】
 
>351>358
 
バンダナの少年が、少女の背後に隠れながらなにやら喚いている。
と、少年の手から何か、粒状のものが飛来する。
それが何か、判別する暇はない。とりあえずは『扉』を開き、身体に当てることなく素通りさせる。
 
「か弱い少女の背に隠れながらとは、情けなくはないのか、少年?」
 
揶揄するように、声をかける。
 
そこへ、少女がベッドのシーツを投げつけて来た。
咄嗟のことに反応が遅れる。
 
シーツで視界を奪われたところへ斬撃。
さしものアドルフも知覚出来ない攻撃を逸らすことは不可能だ。
 
為す術もなく、切り裂かれる。
 
左からの一撃が胴を薙ぎ、返す刃が右胴を逆袈裟に切り裂く。
 
「ぐ、はぁっ」
 
白いシーツが、鮮血で紅く染まる。
 
だが、逆袈裟に走った刃を、既に再生の終わった左手で握りしめる。
そして、そのまま刃ごと少女の身体をこちらに引く。
 
「今のは、痛かったよ。だが、この程度では・・・駄目だな」
 
少女の耳元で囁きながら、その白い首筋に噛みつこうとする。
364アセルス ◆AseLLUSs :02/05/03 02:19
>360 アセルスVSアイン
 
私に重なるように、少女が倒れこんでくる。
衝撃で、彼女の仮面が外れた。
 
さらけ出される彼女の素顔・・・予想通りの、いや予想以上の美しさ。
 
外れてしまったその仮面に、私はさっと手を伸ばし掴み取り、
同時に片腕を彼女の背中にまわした。
・・・彼女を抱くような形で。
 
「ふふっ・・・綺麗だね、君の顔は。
 こんな仮面は必要ないよ。君は素顔のほうがずっと美しい。
 ―――私の寵姫に相応しいくらい」
 
そう言って私は仮面を持ったまま、彼女を抱きしめた。
彼女はナイフを振り下ろすことも出来ず、事実上なすがままでいる。
 
私はその彼女のしなやかな体を感じ取りながら、
そっと、唇を彼女の唇に重ねた―――
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
>270 >271
 
帰ってきたのは言葉にもならない否定のイメージ……
 
―― ウソだ、信じない ――
 
アルトルージュはわたしとずっと一緒にいるんだ……
 
―― 楽しい筈だ、楽しいって言ってよ ――
 
あんなに喜んでたじゃない、嬉しそうだったのに……
 
―― 壊したく無いの、一緒に居て欲しいの ――
 
わたしは貴方のモノになってあげる、どんな事でもしてあげるから……
 
「だから貴方はわたしのモノよ!!」
 
 
     ワ タ シ の 中 で 何 か が ズ レ た 
 
 
わたしの爪がアルトルージュの細い首にかかる。
 
―― わたしは何をやっているんだろう? ――
 
関係無いわ、楽しいから、こうすると気持ち良いもの。
ゆっくりとわたしの指がアルトルージュの首に沈みこむ。
 
―― 違う!! わたしは一緒に居たいだけよ!! ――
 
いいじゃない、一度壊した方が取りこみ易いのだから。
奪われた力を取り戻すの、逃げ出した下僕を取り戻すの…だたそれだけ。
 
―― 何故? アルトルージュはわたしの死徒じゃないのに ――
 
かまわないわ、どのみちコレは出来損ないよ。
本来の用途には向かないわ、だったらせめて有効に利用しないとね。
 
―― 貴方は誰? ワタシはいつからコワレテタ? ――
 
貴方はわたし、わたしは貴方、コレも貴方が望んだ事、コレは貴方も望んだ事。
 
  
          『そして、この身が必要とする事だ』 
           
           
―― アナタはダレなの? アルトルージュをドウするの? ――
   
この身は『朱い月』なり、お前とこの者に正当な所有者である。
       
          『そして、お前の役割はもう終った』
  
不遜にも、この身を睨みつけていた出来損ないの首を爪で切り裂き引き千切る。
同時に失われていた腕と黄金の髪が蘇えり風に吹かれて広がった。
>365 

「アルトルージュ・ブリュンスタッド…お前は役に立った誉めてやろう」
 
無言で金色の瞳を湛えたその顔は、この身から見ても美しいと感じる。
この顔が絶望に染まればなお美しいだろう。
王座への回廊を歩みながら、語りかける…この者が果たした役目の重要さを。

アレが完全に堕ちるまで、今暫くの時間がかかる、だた愛する者が傍に在ればその時は早まる。
真祖とは自然の延長故に、感情は無くだた世界と共に美しく在ればいい。
だが、感情を持てば世界から外れ……いずれ堕ちる。
感情は強ければ強い程良い、愛と絶望は感情の中で特に強く…お互いに共存し反発するものだ。
 
「故にお前に存在には意義ある…この身の役に立ったことを誇るがいい」
 
この者が居なければ、この身の復活はさらに長い時間が必要だった筈だ。
それはこの身にとって危険な事である。
 
「この身に『時』は常に味方する…が無駄な時を過ごす訳にはいかぬ」
 
王座に腰掛け、アルトルージュを弄ぶ……まともな反応を返せないコレを多少不満に感じる。
もう自力で蘇生する事は無理か…千年城の力で辛うじて存在しているがいずれ滅びるだろう。 
 
「だが…お前には役に立ってもらう、アレを完全に堕とす最良の手段としてな」
 
唇を噛み切り、アルトルージュに口移しで血を飲ませる。
失われた身体が時間を巻き戻すように復元する、同時に『呪』を身体に織り込む。
再生した肢体は傷ひとつ無く、生まれたばかりの完全性を保っていた。
 
「身体は動くまい、その身体はこの身の一部だ、だが…餓えと渇きは感じよう?」
 
アルトルージュを抱きしめる、お互いに貪りあえるように、お互いに堕としあえるように。
……そしてこの身の意識は再び闇に落ちていく、だが全ての準備は整った。
 
「お前がそれに耐え切れなくなった時、全てが終り全てが始まる…」
 
玉座への扉は再び閉ざされ。
外壁から伸びる鎖の全てが玉座へと収束し…この身とこの者に絶対の拘束を与えた。
  
「そして、その時こそ愛してやろう…永遠にな」
 
世界を古き『真世界』に戻すその時まで………
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
>365 >366
 
 私の声が伝わったのか、アルクェイドが激しく動揺する。
 
 ……そう、それでいいの。
 あなたに一切の救いは認めない。
 逃避から来る自己満足にせよ……
 
 ――私、アルトルージュ・ブリュンスタッドはアルクェイド・ブリュンスタッドに如何なる救いも認めない。
 
 アルクェイドの爪が私の首にかかる。
 
 さあ、早く私を殺しなさい。
 そして、永遠の孤独の中で苦しむといいわ。
 
 アルクェイドの顔が邪悪な笑みに染まっていく。
 
 ふん、反転衝動に飲まれたのね。
 いいわ、この首を引きちぎり、さっさと破壊して、私を殺しなさい。
 正気に返った後、どうせ、死ぬほど後悔するんだから。
 ああ、その時のアルクェイドを想像するとゾクゾクする。
 その時のアルクェイドを見れないのが残念だけど。
 
 ――?
 
 アルクェイドの表情が邪悪な笑みから、今度は理性的な超越した表情に変わった。
 
 
 そんな、まさか……
 
 もう、これはアルクェイドじゃない……?
 
 ――朱―い―――月―!?
 
 
 私がそれに気づいた瞬間、私の首は勢いよく引きちぎられた。
 でも、その後、朱い月は私の頭を砕くようなことはしなかった。
 ただ、私の眼を見据えて語りかける。
 
『アルトルージュ・ブリュンスタッド…お前は役に立った誉めてやろう』
 
 ……なんてこと。
 これだけはあってはいけない結末。
 私の、アルクェイドの秘める最大にして最悪の可能性が目覚めてしまった。
 
 でも、もう私は無力。
 対抗できる手札は一枚もない。
 プライミッツマーダ―も私自身の身体さえも私にはない……
 
 首だけとなった私はただ、朱い月を睨みつけることしか出来なかった……
 
『故にお前に存在には意義ある…この身の役に立ったことを誇るがいい』
 
 もう、私はアルクェイドを堕とさせるための役割でしかないのか……
 朱い月の考えがはっきり分かる……
 けれど、私は何もできない。
 私に深い絶望感が襲い来る。
 
 ただ、それを気取られまいと私は朱い月を見据える。
>367
『この身に時は常に味方する…が無駄な時を過ごす訳にはいかぬ』 
『身体は動くまい、その身体はこの身の一部だ、だが…餓えと渇きは感じよう?』

 朱い月が唇を噛み切り、私に口移しで血を与える。
 フィルムの巻き戻しの様に私の身体が再構成されていく。
 けれど、再構成された私の身体は主の私の言う事を聞いてくれなかった。
 それに、この狂おしいまでの渇き……
 
 ――ゴクリ
 
 ――喉が、喉が渇く
 
 アルクェイドの身体が私を抱きしめる。
 
 ああ、なんて綺麗な首筋……
 あれに、牙を突き立てれたらどれだけ楽しいだろう?
 
『お前がそれに耐え切れなくなった時、全てが終り全てが始まる…』
 
 朱い月の声が響く。
 玉座の私とアルクェイドの身体を鎖がみるみるうちに拘束していく。
 
 ハッとそれで私は正気を取り戻す。
 駄目だ、私がアルクェイドの首筋に牙を突きたてた時、全てが終わる。
 絶望的なまでの渇きを必死に抑える。
 一瞬でも気を抜くとすぐにでもアレに牙を……

 ああ……
 
『そして、その時こそ愛してやろう…永遠にな』
 
 赤い月の気配が霧散して、アルクェイドの眼に光が戻っていく……
 でも、状況は何も変わらない……
 もう、破滅へのカウントダウンは避けられない……
 
 ……せめて、私にできることはアルクェイドを堕ちる時を引き伸ばすことのみ。
 
 ああ……
 リィゾ、フィナ……
 みんな……
 本当にごめんなさい……
<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
>367 >368
 
酷く―――寒い。
 
けれど、それはいつもの事だ。
 
千の縛鎖――――わたしの咎、わたしの罪
 
償いにならないわたしの贖罪、なんて無意味。
 
―― ああ、わたしはここで独りで生きながらに腐るべきだった……。
  
なのに、絶対の孤独と静寂が支配するこの牢獄に、鎖の軋む音が木霊する。
絶望的な渇きに喘ぐ声がする。
 
―― な ぜ ? ――
 
アルトルージュがわたしを抱きしめ、苦しみ喜びながら悶えている。
 
―― こ れ は ナ ニ ? ――
 
目の前に白く細い首筋……なんて綺麗、だから……。 
 
わたしは貴方を殺したい。
―― 違う、一緒に居たいだけ…… ――
 
わたしは貴方を犯したい。
―― 違う違う!、わたしはアルトルージュを好きなの、それだけ……
 
わたしは貴方を壊したい。
―― 違う違う違う!!、わたしはわかって欲しかった、独りが嫌だっただけ…… ――
 
 
       『だが、それすらもあの男の代わりに過ぎない』
 
 
―― 違 う 、わ た し は ・ ・ ・ ・ ――
 
 
     『お前にあの者は救えない、あの者もお前を理解しない』
 
 
―― わ た し は ・ ・ ・ ――
 
わたしは、アルトルージュを支配したい。
そうすれば理解してくれる、一緒に居られる、好きなときに犯せる、好きなときに壊せる、
わたしを理解させられる、…ずっと永遠に。
 
―― わ た し は 、た だ ・ ・ ・ ――
 
アルトルージュが近づいて来るのが解る。
何を欲しがっているのか解る、それはきっとわたしと同じモノ。
 
―― わたしは、アルトルージュが欲しい ――
 
だからアルトルージュ、もう我慢しなくいいの。
 
――― ごめんね、わたしも…もう我慢でないから ――
>369

――――星が近い。
 
この城から見る空は高く浅く、限りなく澄んでいた。
 
終り…それがこの身の存在理由である。
 
だが、世界は終わらずにここに在る。
この星の生物の力が、この身を凌駕する強靭さを誇ったが故に。
 
唯一にして絶対の協力者『時』…だが今はもう一人の協力者がここに在る。
 
「では行くとしよう、世界の全てが我等の敵だ」
 
無言で従う黒い影…それはかつて、アルトルージュ・ブリュンスタッドと呼ばれていた存在だ。
いまその名を呼ばれる事は無い。
 
朱い月に従う人形に名前など必要ないのだから…
 
 
          ―― 『朱い月』  E N D ――

<アルクェイドvsアルトルージュ&プライミッツマーダ―>
……のレス番纏めね。
ハッピーエンド?
何、それ、食べ物?
 
>19 >20 >21 >22 >23 >26 >30 >41 >93 >94
>97 >113>116>180>182>183>195>196>257>258
>265>270>271>365>366>367>368>369>370
372横島忠夫 ◆YDaTadao :02/05/03 02:47
>363 vs アドルフ・ヒトラー
   【脱出する者の時間】
  
 文珠がすり抜けた!? あ、それはそれで助かるんだけど。 
 いやっ、やっぱ狡い汚い卑怯! あんなのとどうやって戦えばいいってんだぁ! 
 
「か弱い少女の背に隠れながらとは、情けなくはないのか、少年?」  
 
 しかもそんな事を抜かすかよ、おい!  
 その上、いきなり刀を振り回す鬼姫捕まえて、か弱いと来たか。 
 
 ――だいたい、鈴鹿と俺じゃ比較にならんだろうが。 
 ――どんなに足掻いたって、俺じゃ足手まといにならないで居るのが精一杯。 
 ――情けなくても、今はそれしか出来ねーじゃねーか! 
  
「くそっ」 
 
 口の中で、小さく小さく舌を打つ。 
 落ちきる前に俺は文珠に意識を飛ばし、それを回収しようと左手をかざした。 
 窓からこぼれ落ちそうになっていた珠が、霊力に乗って俺の手目掛けて飛んでくる。 
 
 一方、鈴鹿はシーツを目隠しにして男を切り捨てていた。 
 大通連の剣閃が白い布地を裁つ。銀光を散らし翻る切っ先はさらに一太刀、白と赤の像を斬った。 
 さすがにあそこまで切り裂かれたら、ただじゃ済まねーだろ。 
 現に見る間に朱に染まるシーツを目の当たりにして、俺は微かに息を吐いた。 
 
 やれやれ、さすがにこれで終わるだろ。ちょっとあっけなかった気もすっけど・・・ 
 
 だが。 
 切り落とされた左手が、大通連を握る。 
 引かれて、鈴鹿の体が男に寄る。 
 その首筋に男の唇が迫る。 
 
 何で生きているんだとか、どうればいいとか、胸の中で息を呑む美神さんとか、 
 一瞬、全部忘れた。 
  
「てめぇ! 何をしてやがるっ!」 
 
 肺の中の空気をいっぺんに吐き出して、怒鳴っていた。訳もわからずに。 
 興奮する頭の中、グルグルと回る意識。でも、俺の体は的確に攻撃の手段を積み上げていく。 
 
 引き戻している最中の文珠に霊波を送る。空中で文珠は文字を書き換え、力を顕した。 
 「槍」、高密度の霊力が槍のような力場を形成して急速に戻ってくる。 
 投げた時に比べればずっと遅いが、死角になる背中からの一撃!  
 黄金に煌めく刃が、その背を食い破らんと宙を馳せる―――――― 
  
 そして、にわかに喧噪の増した場末のホテルに轟音が鳴り響いた。 
373鈴鹿御前 ◆Y4SUZUKA :02/05/03 03:33
アドルフ・ヒトラー vs 横島忠夫 & 鈴鹿御前
【脱出する者の時間】
 
>363 >372
 
私の刃は、今度こそ青年を的確に捉えていた。
確かな手応え。白いシーツが、瞬く間に紅に染まる。
 
だが。
振り抜いた刀が、男の左手に掴まれた。
───左手!? バカな、さっき切断したハズなのに……
驚く私を、青年は刃ごと引き寄せた。
その唇が、私の首筋に迫ってくる。まさか、血を吸う気か……!?
必死に引き剥がそうとするが、体に力が入らない。
見ると、さっき受けた傷からの出血が、思いの外激しい。
このままじゃ、やられる───!
 
そう思った、その時。一筋の閃光が走った。
眩いばかりの黄金の煌めきを発するのは、青年の後ろに忽然と現れた、霊力の槍。
───チャンスだ!
渾身の力を込め、青年の手を振り解くと、そのまま槍の方に向かって、その体を蹴り剥がす。
霊波の先端が男の体に達した瞬間、周囲の喧噪を一掃するほどの轟音が、辺りを包み込んだ。
アドルフ・ヒトラー vs 横島忠夫 & 鈴鹿御前
【脱出する者の時間】
 
>372>373
 
少女の首筋に、牙を埋めようとした時、渾身の力を持って蹴り剥がされる。
渾身の、と言っても傷ついた身体では、せいぜいたたらを踏ませるのがやっと。
 
すぐに体勢を立て直し・・・
と、考えた瞬間、背中に鋭い痛みが走る。
 
「霊波の・・・槍だと?」
 
それを認識したのも束の間、『槍』は眩い光を放ちながら爆発した。
身体の内部と外部、双方からの爆圧が、アドルフの身体を爆散させる。
 
いや、させようとした、その一瞬。
 
「まだ、甘い」
 
この状況にあってなお、ニヤリと笑いながら、アドルフは呟いた。
呟きと同時に、あろうことか、時間が巻き戻った。
 
爆発が収束し、もとの霊波の槍の形状を取り、後方へと飛ぶ。
アドルフ自身は、先程彼を蹴り剥がした少女のところへ戻っていく。
 
ちょうど、少女がアドルフを蹴り剥がす一瞬前まで、時間が巻き戻った。
 
「時間と空間を支配する存在なのだよ、私は」
 
言葉を紡ぎながら、蹴り剥がしに来る少女を『扉』を使って自らの背後に送り、そのまま、トン、と背を押す。
彼女の目の前には、金色に輝く霊波の槍。
 
(さて、どう動くかな?)
>230 姫城玲vsディオ・ブランドー
 
「UREYYYYYこの程度のよわっちい紐でこのディオが縊り殺せるか―――ッ!!」
 
振り子のような姿で天井にぶら下がりながらも、ディオは深く深く笑ってみせる。
哄笑しながら、自らの喉元に手刀を振るう。
 
「ごりっ」
 
そんな音が響き、ワイヤーがちぎれる。
喉には穴が開き、そこから鮮血が飛沫となって流れ出す。
しかし、その穴はまるで吸いこまれるように消えていく。
 
「愚か者がァ!カメを砕くように頭蓋骨を陥没してくれるッ!」
 
ディオは暴風のように間合いを詰めると、頭部目掛けて拳を連打する。
圧倒的なるその膂力は、拳を本来よりも遥かに巨大に見せた。

vsロゼット・クリストファ
>337

「ご明察の通り、落とします。天界を、この地に」

既に焦げ痕しか残っていないそれに対してそう呟き、銃師は改めて視線を少女に戻した。

>338

鬼気迫る表情で突進してくる少女。
銃師は微笑みながら引き鉄を引く。

腕を、足を、肩を、脾腹を、頬を、髪を――――――


―――――心臓を。


「――――――AMEN!」
>376 vsラルフ

腕に一発。――――言影化。
足に一発。――――言影化。
肩に、脾腹に。――言影化。

なぜ、走る?
なぜ、駆ける?

声が聞こえる。

――――人間のお嬢さん、汝は何を望む?
(何も、)
――――何も望まぬのか?
(否、)
――――では、何を望む?


     「あなたからは……何も望みはしないわッ!!」





――良くぞ吠えた。
  
(それは、あそこで泣いている牧師さんに言うことね)
……。

沈黙。そして死。
十を超える銃弾をその身に受け、
ロゼット=クリストファ、
此処に死す。
>377






だが、文字での死が如何なるものか。

文字などで、
情報などで、
銃弾などで、

誇り高き魂は滅しはせぬ。

ラルフ・グルトの背後に、一枚の羽が舞い降りた。
光り輝くその羽は、
静かに、静かに、警部の亡骸が存在せし焦げ痕に舞い降りた。
vsロゼット・クリストファ
>337

「結局の所、誰も救ってなどくれないのですよ」

役目が終わり弾の切れた二本の銃を<言影化>しておいて
目の前で倒れ、一握の灰と化した少女を見下ろす銃師。
サングラスの下に隠した表情は、相変わらず判然としない。

世界を揺るがせるその鐘は、最後の一打を残すのみ。
空に穿たれた大穴からは、大量の『文字』は流出してきている。

「そろそろ終わりですか・・・。あっけないものですなあ」

天井を見上げ、そう言葉を漏らした後、扉へ向かい足を進める銃師。

だが、

背後で立ち上った眩い光に引き止められ、彼はその場で振り返った。

「――――――――ほう?」
>379 vsラルフ

彼女と彼の違いは何か?
考える。
ロゼット=クリストファは考える。

――――多分、私には救いの『希望』があって、ラルフ牧師には無かったのよ。
    私は……もしかしたら、全てが元通りになるかもしれない。
    でも、あの人は………。

光に包まれ、
気付いたら、
牧師の背後に立っていた。
地面には焦げた痕が。

奇跡。神が私の味方をした。
ラルフ・グルトは……また、神に微笑んでもらえなかったのだ。
哀れな人……。

でも、奇跡なんかに頼らずとも――――引き金は引ける!!

迷える子羊に安寧を――――
狼の牙にひとときの急速を―
そして悪魔に―――――――
                                    ――――死の鉄槌を


(違う! 私は……人が、全ての生あるものが安心して眠れるために――――)
「――――引き金を引くのよぉッ!!」


            ゴ ス ペ ル


福音弾。
神の祝福に満ちた殺戮兵器。
神の力が、神を崇める鐘を……滅する。

片目をつぶり、
       銃口を天に向け、
               引き金を絞る。

誰かを救うためにでは無く。
誰かを滅するためにでも無く。
私は――――ラルフ・グルトの成すこと全てを、邪魔したかった。

聖なる呻き声を上げながら、銃口か神鳴るら力が発せられた。
vsロゼット・クリストファ
>380

破局を告げるはずの鐘が、悲鳴を上げて打ち砕かれた。
目の前には、先ほど死んだはずの少女が一人。


神を崇める為の聖堂の中で、
背教者を罰する為、
『架空都市――倫敦――』という物語の中に、
一人の聖職者の元へと、


奇跡が、舞い降りた。


「・・・・・・認めるわけには参りませんな」

人が、奇跡に屈服するなどあってはならない。
だから銃師は再び長銃を手にする。

「この舞台を整えた貴方。私は貴方を否定する」

それは少女の背後に在る何かに向けて放った言葉。

そして、

静寂を取り戻した聖堂の中に、一発の銃声が響き渡った。
>362 vsエンペラー
 
「まったく……次から次へと!」
 
 <ハード・フレア>カスタムに弾丸を込め直しながら、呻く。いきなり新たな人型へと変じ
 た球体は3メートルほどの巨体へと膨張し、チェーンソーを振り上げつつこちらへと肉
 薄する。乾いた金属音と共にシリンダを戻し、そのまま腰のホルスタへ。そのまま身を
 捻り、回避行動――――
 
 振り下ろされる凶器。3メートル近い巨体から繰り出されるその一撃は、甲高い音を立
 てながら、地面に深々と傷を穿つ。そして――
 
 からん……と乾いた音を立てて、金属片が跳ねた。モールドの肩部装甲の一部。
 
「ちっ……!」
 
 身を翻しつつ、舌打ちをひとつ。だが、まだ大丈夫だ。モールドの内側に刻印された一
 次封印拘束図版――そう呼ばれる呪素回路には、微塵の損傷も見られない。
 ふと、胸部を見下ろす。残る拘束度は残り……6。そして眼前にある敵は2体。足止め
 には成功したが、状況はただひたすらに、悪い。
 
 跳ねるように距離を取りつつ、レイオットはさらに無音詠唱。基礎級呪文一回分の魔力
 が、脳内に魔力回路として構成される。その意味を意識の中で読みとりつつ、レイオッ
 トは独りごちた。
 
(時間は掛けられない。一撃で、仕留める……!)
 
 視界の中央に、チェーンソーを持った人型を収める。感覚がどこかシャープになってい
 くのを感じながら、彼は静かに、言葉を紡ぎ出した。

「我・法を破り・理を越え・破壊の意志を示す者なり――」
 
 補助呪文詠唱開始――
#名無し大殲――――導入 
 
 月明かりが照らす、枯れ果てた平野。そこに一人の男が立っていた。 
 夜族、その末席に名を連ねる名も無き吸血鬼――――――通称「名無し吸血鬼」 
 
「さぁて、吸血鬼様の時間だぜ! 出て来いよ、クソ化け物ども!」 
  
 
 
 ――――――――――――――――――「名無し大殲」 スタート 
”名無し大殲” 
 
>383 
・・・リア殲滅のために来てみたけど、ここっていったいどこ!? 
 
あの〜? 
385名無し吸血樹:02/05/03 22:05
「名無し大殲」
 
>383
>384
(枝がザワザワと揺れている)
 
(蔦を首元に伸ばす)
386名無しグール一号:02/05/03 22:06
”名無し大殲”   

>384
クワッ!!
 
(いきなり背後から食らいつく)
387御神苗優 ◆OminaeNo :02/05/03 22:07
御神苗優vs八頭大
>320
 
「なに!?」 
 
俺は目を見張った。俺の撃った弾は確実に奴にヒットしたはずなのに・・・・・・
バランスを崩しただけだってのか?奴もA・Mスーツかなんか着てるってのか? 
 
だが、そんな疑問は次の瞬間、俺の頭から抜けた。
俺の腹に鉛弾がぶち当たったからだ。
スーツを着てるとはいえ、何発も食らうと結構な衝撃だ。
痛みに思わずうなり声が出る。
 
「痛ぇじゃねぇかよ、この遺跡荒らし!!」 
 
俺は岩陰から岩陰に隠れながら、奴を遺跡に近づけぬよう弾幕を張る。
空になったマガジンを投げ捨てると、腰から換えを抜く。
(あと残りは一つか。大事にいかねぇとヤバいな・・・・・・)
#名無し大殲 
 
>384 霊士 
「はっ、何言ってるんだ、てめぇ?」 
 
(答えることもなく、サブマシンガンを掃射) 
 
>385 樹 
「があっ! な、なんだ、こいつ!?」 
 
(蔦で首を締め上げられる) 
(そのまま、マシンガンで木を撃つ)
389名無し吸血樹:02/05/03 22:10
「名無し大殲」
 
>388
(そのまま蔦を突き刺そうとしている)
 
(マシンガンが当たった所から、赤い樹液が吹き出始めた)
”名無し大殲”   


>385 >386 
 
きゃっ! なに、これぇ!? 
 
(手の中にエネルギー剣を生成) 
 
たぁっ! 
 
(蔓を切り、背後に向かってキック) 
 (地面に伏せながら)
 
 やあ。僕はニフルハイムから来たグールーだよ。
ティルトとかいうブーカ(猫妖精)が余計なことをしてくれたおかげで、
あそこにも春が来てしまった。で、暗くて薄ら寒いところを探すうちに、
こんなところに来てしまったわけさ。
”名無し大殲”   

>388 
 
んも〜、いきなり撃つなんて・・・ 
 
(そのまま吸血樹を盾に) 
 『名無し大殲』
 
 (地面に伏せたまま)
 
 え、なんで戦わないのかって?
ははは、このままじっと隠れていれば、勝手に死人が出るだろ?
で、僕は楽々とその血をいただけるってわけさ。(いい笑顔)
394名無しグール一号:02/05/03 22:14
>390
キシャー!!
 
(キックを食らい、腹の肉が吹き飛ぶ)
(しかし、動きは止まらず牙が迫る)
>389 樹 
「が、くそっ! 離しやがれ・・・」 
 
(ギシギシと音を立てて、首が締め付けられる) 
(力無くぶら下がる体に蔦がいくつも突き刺さった) 
 
(それでもなお、マシンガンを木に向かって撃ち続ける) 
 
>391 グール 
「がっ、はっ・・・だから何だよ、クソ化け物がッ!」 
 
(マシンガンの銃口を向けて、トリガー)
396名無し吸血樹:02/05/03 22:14
>390
(蔦が切れたので、解放される)
 
>391
(そちらには枝が伸び始めた)
 
>392
(盾にされている)
<名無し大殲> 
 
(そのゾンビはあまりにも腐っていた)
 
(歩くたびに肉がこそげ落ちる)
 
(戦いの場についた瞬間) 
 
(全ての肉がこそげ落ち、骨はガランと砕けて地に落ちた)
 
<名無しゾンビ〜(1)・死亡>
 『名無し大殲』
 
 (やっぱり伏せたままで)
 
 みんなしっかりやってくれよ〜…。(小声)
”名無し大殲”   

>394
や〜、こないで〜。 
 
(エネルギー剣で斬りつけながら) 

>396
 …って、植物かい!?
ここは戦術的後方前進するよ。カサカサカサ。(ほふく後退)
 
>397
 血が無いのかい? 消えな。
401名無しグール一号:02/05/03 22:20
>399
(切られて体の横半分がなくなる)
 
(よろよろと倒れこむように噛み付き)
 …いちばん美味しそうなのは、ミサバ・キコさん(仮名)だね。
植物がんばれ〜。(ほふく後退)
403名無し吸血樹:02/05/03 22:23
>399
(葉が手裏剣のように飛んでいく)
 
>400
(同じく葉を飛ばす)
”名無し大殲”   

>401 >403 
・・・や、やだぁ、いたい、よぉ・・・ 
 
(名無し霊士、死亡) 
>395
 痛い痛い痛い…!
血がっ、血がっ、勿体無い!(ちまみれ)
 
 植物が間に入るようにダッシュだ!
ミサバ・キコさんの血をいただくまで粘ってやる!
406名無しクルースニク:02/05/03 22:27
「コイツは――結構な場所だな」
 ランドローバーから降りるなり、肩を竦めて青年は呟いた。
 血臭棚引く修羅の巷を嘲弄して、白の青年は満月の元へと歩み出る。
 
 脳が軋む。
 理性が哭く。
 ―――殺せ。
 殺せ。あのクズ共を殺し尽くせ。殺せ。殺せ殺せ殺せ――
 解ってる。ああ――解ってるよ。
 
 修道院と教会からの依頼が無くとも、見付ければ殺すつもりだった。
 白の皮膜の宿命が彼を逃さない。血管を走り巡る血液が、怨嗟のように叫び続ける。
 
 ――殺せ、と。
 
 そう――これは素晴らしい僥倖だ。大量のクズ共を一気にゲヘナに叩き込める。
 この機会を神に感謝しよう。
 血流を巡るのは――殺意。純粋で、真直ぐで、どこまでも澄んだ意思。
 くすり、と口元で笑って、彼は大仰に叫んだ。 
「さあ――初めまして、だな。吸血鬼のクソ諸君!」
 カソック内側へと走った手が、雷光の勢いで振り戻される。
>ALL
 轟音――視界を覆う閃光。適当に放たれたグレネードが、その場の全てに宣戦布告する。
「遊ぼうじゃないか。君等が灰に還るまで!」
 単発式のランチャーを投げ捨て、白い殲滅者は笑った。
(一匹の蝙蝠、戦いの場に)
(空中で一人の見目麗しき男性となり、地に降り立つ)
 
・・・やれやれ、騒がしいことだ。
夜の住人たる誇りも持たぬ似非吸血鬼たちが・・・
 
粛清せねば・・・面倒なことだが。
まずは(>395)そこの貴様から―――黙れ。
(剣を抜き放ち、無造作に斬りつける)
>403
 いたたたた…!
やめろ〜! 君の相手は名無し吸血鬼(その1)だお!
 
>404
 やった、血液補充チャンス! 死体にダイビング!
409名無しグール一号:02/05/03 22:29
>404
(がつがつと霊士の死体を食べている)
 
>406
(ふと振り向くとそこにクルースニクが)
(半身だけの体をゆらゆらさせながら襲いかかる)
410名無し吸血樹:02/05/03 22:29
>406
(グ レ ネ ー ド に 燃 や さ れ ま し た)
 
                      【吸血樹焼失】
>404
 が ぶ り 。
ち ゅ う ち ゅ う ち ゅ う 。
412名無し死徒:02/05/03 22:30
我等が死徒の姫君のために!
 
「ここにいるバカモノどもを打ち倒し…、黒の姫様に、
 ご報告を急がねばなるまい…」
 
>406クル―スニク
突然のグレネードが報告の為に急ごうとする我の目を焼く…。
>403 樹 
(マシンガンで蔦を千切る) 
 
「ひゃ、ひゃは、ひゃははははは。やってくれるじゃねぇか」 
 
 
(血を撒き散らしながら、マシンガンを撃ちつつ接近) 
 
 
>407 吸血鬼 
「ぎ、ぎゃ、は」 
 
(剣をまともに受けて、切り裂かれる) 
 
「あ、ああ、ああああああああ!!」  
 
(そのまま血の塊が弾けるようになって、潰えた) 
 
 
                 ――――名無し吸血鬼(その1) 死亡
>409
 目 が 合 っ た 。
 
 …どらぁ! この爪でくたばりなぁ! (がしっ)
 
415名無しクルースニク:02/05/03 22:33
>409
「いいねえ……クハハハッ! 楽しもう、この宴を!」
 聖別されたスイッチナイフのブレードを起こす。
 擦り上げるように、迎撃――。
>407名無しその1
ふむ、まずは一つ・・・か。
(そこへ>406のグレネードが降り注ぐ)
(外套を翻しながら回避)
ふん・・・最近の兵器とやらは無粋で困るな。
>415
 これまた大チャンス!
この隙にミサバ・キコさんを持って逃げよう!
よっこらしょ。
 
 …けっこう重いな。(汗)
>415 
(・・・「重い」ってゆーなぁ・・・) 
419八頭大(M):02/05/03 22:37
>387 御神苗優vs八頭大 
 
 被弾した奴が平気な顔して撃ち返してきても、おれはさほど驚かなかった。
 オリハルコンを腐る程使った御神苗優のA・Mスーツっていやあ、業界では有名だからな。
 おれも何とかあの技術はパクれんかと方々に金を使ったが、結局駄目だった。
 ふむ、あいつを斃せば現物が手に入る訳か。こら面白い。

 身を伏せて銃撃をやり過ごす。
 頭髪の真上を鉛弾が飛び越していく。その熱さまではBPLでも殺せない。
 弾倉を換えてからG11を脇に置き、戦闘服の胸から手榴弾を二個、取り外した。
 ただの、じゃあない。ITHAの装備課がGクラス以上の会員に限り販売している特製だ。
 両手に一個ずつ持ったそのプルリングを咥え、セフティ・ピンを抜く。
 セフティ・レバーから指を離して正確に四秒後、怒鳴り返した。

「人類の文化遺産を保護しておまんま喰って、何が悪いてんだこの野郎!」 

 崖下に投じて、頭を抱える。
 威力は米軍正式採用の品より三倍だ。二つだから六倍の火力って訳だな。
 わざと空中で爆破させるよう計ったタイミング通り、衝撃と轟音が谷間を震撼させた。
420名無し死徒:02/05/03 22:37
「目がァ!目がぁ!」
咄嗟に全身が焼け爛れ、悶絶しつつも復元呪詛
ゆっくりと見えるようになる。
 
>414グールー
爪を振り上げる姿を見て、物陰から近づく…。
421名無しグール一号:02/05/03 22:37
>414
(爪がグールの腹を引き裂く)
 
>415
(よたつきながらクルースニクのナイフに肩の辺りを抉られ、血が相手の顔に)
(血を間欠泉のように噴き出しつつ、クルースニクを押し倒すように倒れる)
 
<名無しグール一号・死亡>
>417名無しグールー
(その前に立ちはだかる)
(剣は鞘に収まっている)
・・・下衆が。なにをやってるんだ?
423名無しクルースニク:02/05/03 22:39
 さあ、どうする?
 連中はバケモノだ。人じゃない。神に逆らう愚者だ。
 殺す。殺し尽くす。
 自然、口には笑みが浮かんだ。
 カソック内側へと手を滑り込ませる。
>412
「どこ行くんだよぉ……クハハハハハハハハハッ!」
 振り向きざま、抜き出したP-90で掃射。
 シルヴァジャケットの小口径弾が、豪雨となって降り注ぐ。
>416
「無粋? 黙りなよ骨董品。これが人の力だ。貴様らを殺し尽くす――なッ!」
 ステップを踏み変え、一気にナイフを振るう。
>418
 よたよたよた、ふぅふぅ…。
待っててね。僕が君の血を全部、一人で飲んであげるからね♪
>422
 …あれ?
 
 ……。
 
 …半分こということで、どう?
426名無しクルースニク:02/05/03 22:41
>421
「ハァ――」
 血を拭う。
「ク――ハハハハハッ!」
 次だ――次をッ!
427トバルカイン:02/05/03 22:45
南米はジャブロー、ミレニアム本拠「豹の巣」――――
そこで二人の男が、ある任を任されて歩いている。

「兄ちゃんよーで俺たちなにやるのよ」
「聞いて驚くなよヤン。あのHELLSING本部、そこへの襲撃だ」
「へーそいつぁ最高に勃起モンだなぁ」

舌なめずりしながら歩いていくヤン。
ルークも冷静な顔をして、その実狂気に内面は踊っている。


その前に、立ちはだかる男。

「あ? なんスかトバルカインのおっさん」

「気に入らんのだよ」

トバルカインは葉巻から紫煙をのぼらせながら言う。

「貴様らのような低俗な、下級な下等な吸血鬼に。
 そんな重大な任務などこなせるはずがないだろう?
 ここはこの私がいってやろうというんだ。雑魚はとっとと自分の部屋に帰っていたまえ」

>422名無しグールー
・・・ヤメだ。
うつけ者の相手はやってられん。
( 無 視 )
 
>423名無しクルースニク
(再び剣を抜き、ナイフを受け止める)
骨董品・・・?
ふん、随分と舐められたものだな!
(鋭く突きを放つ)
429名無し死徒:02/05/03 22:45
>412クルースニク
復元呪詛で回復しつつある体だが、機敏な動作が得きるはずも無く、
小口径の豪雨にさらされ、両足がもげる。
「ぐはぁあ?!」
 
手で這いずりながら屍を超えて逃げようとするも…。
体は崩れ、滅び去る…。
<銃弾により、名無し死徒死亡>
430エンペラー(M):02/05/03 22:48
>382
VSレイオット・スタインバーグ
 
レイオットは辛くも巨大な人型――ダミーストレングスの一撃をかわした。

それを見たエンペラーはダミーストレングスを解除。元のビットに戻し再結合。
今度は目のない首だけの龍――ダミータワーへと姿を変えた。
 
ダミータワーはその大きな口を開け、レイオットをモールドごと噛み砕かんと襲い掛かった!
>428
 そ、それじゃ、そういうことで…。カサカサカサ。
 
 (…潰し愛だ! マンモスラッキー!!)
>427

「ク……クハハハハハ!!」
 
何がおかしいのか、ルークが弾けたように笑う。
 
「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!」
 
ヤンの笑いがそれに呼応する。
二人の笑いが収まった後、ヤンの持っていた銃がトバルカインに向けられる。
 
「おっさん、寝言は寝ていいなァッ!!!」
 
叫びと共に放たれた二発の弾丸がトバルカインに襲い掛かる!!
433名無しクルースニク:02/05/03 22:55
>428
「そうさ。テメエ等はもうこの世界から退場するべきだぜ」
 肩を掠める鋭過ぎる一撃。
 ――バカ力め。
「……ちなみに――こんなのもあるんだけどな」
 カソックから閃く右手。
 抜き出された、ソウドオフショットガン。
 ゴシックに過ぎる服を掴み、
「――Amen」
 トリガーを――
434御神苗優 ◆OminaeNo :02/05/03 22:56
御神苗優vs八頭大
>419 
 
宙を何かが飛んでいる。
俺がそれを手榴弾だと認識するのと、岩陰から離れたのはほぼ同時だった。
 
・・・・・・空中で爆発するようにタイミング取ったのか・・・・・・ 
爆風に押され、俺は地面をゴロゴロと転がりながら感心していた。
戦闘慣れしてやがる・・・・・・これじゃあ、A級工作員でも太刀打ちできねぇだろう。
俺は岩にぶち当たって止まると、すぐさま体勢を立て直す。
 
「手前らのやってんのは、保護じゃなくて荒らしっていうんだよ!!文化遺産を売り暴く保護がどこにあるってんだ!!」 
 
俺は奴に怒鳴り返すと、腰から焼夷手榴弾を取り出し、ピンを引き抜く。
そして投擲された方角へとオーバースローで投げ返した。
火の雨でも食らいやがれってんだ。
435導入:02/05/03 22:58
紅丸VSリロイ・シュヴァルツァー 「YOUNGMEN」
序章

「何だぁ? こりゃ」

紅丸はその光景を見て、思わずそんな言葉を漏らしていた。
累々と散らばる屍体と、鼻を突く血臭。
正に、そこは地獄絵図、血の池の海の如くだった。
その凄惨なる光景のただ中に、佇む男が一人。
全身を返り血で染め上げ、片手にはもはや使い物にならないであろう
血と油で汚れた剣を下げている。
よく目を凝らすと、男の服装は全身が、黒づくめであった。


紅丸は、つい昨日、とある街で仕事を承った。
内容は、街の商業組合からの依頼で、
近頃街道にたむろし、通行人や貨物車を襲って自らの糧としてしまう、
<闇の種族>の掃討であった。
その被害額は相当な物で、このままでは街全体の経済に重大な支障が出るという。
丁度路銀が尽きかけていたこともあり、紅丸は二つ返事で
その仕事を快諾した。
そしてその日の内に仕事を片付ける為、彼は現場である街道を目指して
自前のバイクを走らせていた。

問題の街道を暫く疾走したところで、
紅丸は鼻をくすぐるかすかな匂いに気がついた。
紛れもなく、血臭である。

「ははぁん、やっこさんども、ちょうどエサの時間だな」
誰にともなく呟きながら、紅丸はバイクを路肩に止め、
匂いの根源へと歩を進めていった。

そして目にした景色が、これである。
既に仕事の目的であった<闇の種族>は、一人の男によって
全滅させられていたのだ。
場に横たわる化物の数は、ざっと数えても10は越えている。
その全てを、この男は一人であっさりと殲滅してのけたのだ。
 
「俺が手を下すまでもなかった、ってか。ありがとよ、兄ちゃん」
あくまで軽い口調で紅丸は男へと近寄り、声をかける。

しかし次の瞬間、紅丸は素早く男との間合いを離していた。
一筋の閃光が走り、紅丸の鼻先を薄く薙いだのである。

黒づくめの男は剣を振り抜いた姿勢のまま、紅丸を凝視している。
その深い混沌の如く黒く沈んだ瞳は、明らかに飢えた殺意を示していた。

「おいおい兄ちゃん、まだ殺したりねえってえのか?」
心底呆れた表情で、肩をコキコキと鳴らしながら、紅丸は問うた。
彼の瞳にもまた、凶暴な光が宿り始めていた。
「まあいいか。俺も拍子抜けしてた所だし。ちょうどいい、相手になってやるよ」
片手を差し出し、指をクイクイと折り曲げ、誘いのポーズを取る。
 
「来な!」
その声とともに、黒づくめの男――リロイは大地を力強く蹴り、飛び出していった。
 
FIGHT!
436トバルカイン:02/05/03 23:01
>432 vsバレンタイン兄弟

「だから下種だというのだよ」

懐からとりだしたトランプが閃くと、弾丸はその紙切れに叩き落されてしまう。

「まったくもって下種だ。
 だが、そんな下種でもHELLSING襲撃の肩ならしぐらいにはなるだろう」

トバルカインの手から、袖から、裾から、ありとあらゆる死角から。
とめどなく溢れるカードの海が辺りの視界を奪っていく。

そして一閃。
一瞬の閃光がトランプごと兄弟を両断せんと衝撃波を放つ。
>433名無しクルースニク
むっ!?
(轟音、腹に裂傷。
だが再生を始める)
・・・なかなか、味な真似をしてくれるではないか。
(間合いを離す)
ふむ、ならば・・・こういうのはどうかな?
(その身が狼に変わっていく)
(一気にクルースニクに肉薄、食らいつかんとする)
>435 オレとどっかのゴロツキ 

相手が獲物かどうか図りかねるので、まずは様子見と上着を脱いで
視界を覆うように投げつけ、懐に飛び込もうとリロイの足元へ踏み込む
>433、>437
 うわぁ、僕じゃ絶対勝てないよ…。(汗)
 
 …さて、この辺でいいかな。キコさんお待たせ♪
が ぶ り 。 ち ゅ う ち ゅ う ち ゅ う 。 
440紅丸:02/05/03 23:04
>438はオレなオレ
441名無しクルースニク:02/05/03 23:07
>437
 肩口に、牙が――
 ――く――ハハハッ――ハァ―――!
「そうだ――畜生が本性のお前達は――」
 引き離すのに合わせて、ブチブチと?げて行く肉――あぁ、痛いなぁ――
 蹴り離し、間合いを取る。
 
 連中は、自分を殺そうとしている。俺は――連中を殺す為にここに居る。
 身を焼くようなこの感覚。視界を紅く染めていく血が、紅く赤く紅く紅く赤紅赤――
 最高の――愉悦!
 
 口元を歪ませると、青年はむしろ吸血鬼へと肉薄する。
 恐れは皆無。
 殺意を漲らせた白い風は、一散に標的へと走り寄る。
442名無し吸血姫:02/05/03 23:11
名無し大殲
 
>439
「下品ね、あなた・・・ 消えなさい」
真っ赤に塗られた爪を煌めかせつつ、手刀が振り下ろされる。
443名無し屍生人:02/05/03 23:12
>442
血ィィ!あったけぇェェ血ィィィ!
ヴェェロヴェェロ舐めたァァい!!
(掴みかかる)
>436 VSトバルカイン
 
「ヒヤァハッハッハハハハ!!」
 
耳障りな奇声を上げてヤンが跳躍。
すんでの所でトランプの刃を回避する。
 
滞空したまま、ヤンはデタラメな狙いで発砲。
それに対応しようとするトバルカイン。
だが、その後ろから声が聞こえる。
 
「―――私の事を忘れるな」
 
何時の間にか背後に回っていたルーク。
これで、挟み撃ちの格好となる。
闇雲に撒き散らされる弾丸と、正確な射撃の挟撃。
兄弟ならではのコンビネーション、といった所だろうか。
>441名無しクルースニク
(蹴り飛ばされる)
(再び人型に戻る)
(殺気をみなぎらせつつも)
クク・・・貴様に私をこき下ろす権利などない!
死を持って―――贖え。

(剣を構え、迎撃姿勢)
446名無し吸血姫:02/05/03 23:14
名無し大殲
 
>443
「何よ!? もうちょっと顔をなんとかしてから来なさい!」
襲いかかってくる勢いを利用して巴投げ。
>442
 ぎゃふっ。
 
 …血が出てる、死ぬのか? 僕は死ぬのか…!?
 
>443
 そうでもなかったぁ、神ありき! 名無し屍生人がんばれ〜!
>438
紅丸VSリロイ・シュヴァルツァー

様子見とばかりに投げ放たれた紅丸のジャケットを、
リロイはあっさりと片腕で振り払う。
だが、大きく広げられたジャケットは、一瞬ではあるが
リロイの視界を奪う事に成功していた。
その隙を突いて、紅丸は一挙にリロイの懐へと身を躍らせる。

あっけないな、と紅丸は思った。
これでどてっ腹に強打の何発かでも打ち込めば、
こいつはあっさりと昏倒するだろう。
もう少し骨があると思ったけどな―――
考えつつ、拳を引いて、突き出すべく力を溜めた。

だが次の瞬間、紅丸の視界に移った物は、黒い円形の、
何かだった。
 
数メートルほど吹き飛ばされ、滴る鼻血を押さえてやっと、
自分が顔面に膝蹴りを食らったのだと判明する。
確かに視界は奪われていたし、自分のステップも見極めは
困難だったはず。
 
リロイはまさしく、本能的な感覚で、相手の位置を悟ったのだ。
 
「なるほどね、こりゃ面白くなりそうだな」
純粋な愉しみの感情を込めて、紅丸は呟いた。
449名無しクルースニク:02/05/03 23:20
>442
 五指に聖水の小瓶を四つ。
 敵は無数。味方は無く――天には無表情な月一人。
「今度はオヒサメサマかよ――ハハッ! さあ――まだまだまだまだなんだろぉ!? 一杯楽しく遊ぼうぜ!」
 脳内に、殺意の残滓が蟠る。
 殺意が拡大する。理性はエラー。エラー。エラー。エラーエラーエラー。
 
 青年は、己の存在意義を神に問うた。
 得た結論は、単純にして明快。それでいて、深淵。
 ――終わらせる為。
 この、馬鹿げた連中の存在を、悉く終わらせる――!
 
 天に振り上げられる聖水の瓶がアーチを描き――
「ヤハウェよ――汝の名において――」
 口元を歪ませ、
「――裁きをッ!」
 投擲されたナイフが、直列した瓶を一気に叩き割った。
 
 降るは、聖浄の流水。
 
>445
 常軌を逸した剣の技量。――成る程――バケモノだ。
 恐れはない。
 ヒットの確認もなく、彼はナイフをその肩口へと――
「――クハハハハッ! 痛ぇか!? ハハハハッ!
 聖句彫り込んで聖別したフォールディングだ! 悶えて死ねよハハハハハッ!?」
 当たっていようが――まだ――終わるまい。
450名無し屍生人:02/05/03 23:20
>446
食事ィの邪魔ァァするんかァァァ〜〜!?
(叩き付けられた勢いで、全身の骨がバラバラになる)
(が、気にも留めずに跳ね起きて、腕を振り回す)
451トバルカイン:02/05/03 23:21
>444

両面からの連撃。
前から、後ろから、弾丸がトバルカインの身体を抉る。
全身に無数の穴を穿たれ、ぼろぼろの紙屑のようになったトバルカインは――

――そのとおり、ただの紙屑だった。

哄笑は、ヤンの後ろから。
なんとトバルカインは天井に立っているではないか。
はははははははははははははははははははははははははは
その笑い声よりも遥かに速く、二枚のトランプが破壊の尾を引きながら
ヤンの背中に喰らいつく。
>430 vsエンペラー
 
「――イタカ・エームス・サティード・セイブ・ソード・オーファ……!」
 
 構えたスタッフの端に浮かび上がるのは真紅の魔法陣。その向こう側には、人型から別
の形態――いわば目のない龍のような何かに転じたそれが、その顎を広げつつこちらに迫
る。人間など軽く噛み砕けるだろう巨大な口腔を見つめつつも、彼の顔に刻まれた表情は
変わらない。
 
「腹でも減ったのか? なら丁度いい……これでも喰ってろ! 顕っ!!」
 
 <コンプレックス・アサルト>発動――同時に、胸元に残る拘束端子が3つ弾け飛んだ。
残り拘束度数3。撃ち出された<コンプレックス・アサルト>は、即座に「龍」の口腔内に
侵入。そして――――
 
「ブレイク!」
 
 レイオットの声が、鋭く空間に突き刺さった。同時に、<コンプレックス・アサルト>が
炸裂。いくつもの<アサルト>となって内部に次々と突き刺さる。瞬く間に、「龍」の内部
に無数の衝撃波が撒き散らされる。
453八頭大(M):02/05/03 23:23
>434 御神苗優vs八頭大 

 放物線を描いて飛んで来た小型の物体に、おれは目を剥いた。
 あの型、焼夷手榴弾か!
 
 次の瞬間、夜の黒は紅い焔で埋め尽くされた。
 
 吹っ飛ばされた。
 うお、髪が燃える。身体中、あっちこっち灼けてやがる。当たり前だが熱いぞ畜生!
 この戦闘服には、ある程度の防火機構もついてるからいいようなものの、加減てえものを知らねえ
のか、あの田吾作。
 おまけに荒らしだと。
 
「うううるせえ。大英博物館を見ろ。並んでるのは盗掘品ばかりだろうが!」
 
 怒鳴ってはみたが、痛い所を突かれた訳だ。
 確かに、八頭家が暴いてきた世界の秘宝は数知れん。おれで四十五代目だからな。
 まあ、いいじゃんかよ。
 
 転がり回ってある程度の火を消したが、大体周りも燃えてんだ。意味が無い。
 ここは――行くしかないか。
 転がりざま、崖の際に到達する。今度は、自分の身を投げた。
 割りになだらかな崖の傾斜を滑り降り、というか転がり降りながら、腰だめにしたG11を盛大に
撃ち鳴らす。
 換装した弾は全て炸裂弾だ。威力は手榴弾の約半分――460ウェザビー・マグナム弾の三倍ときた。
 それでもA・Mスーツの装甲は破れないだろうが、中の人間様にゃあ効くぜ。
454名無し吸血姫:02/05/03 23:24
>449
「熱っ! お肌に傷が残ったらどうしてくれるのよ!」
聖水に肌を灼かれて、苦しんでいる。
 
>450
「え? キャァッ!!」
隙が出来ていたのでまともに喰らった。
大きく吹っ飛ばされる。
455紅丸:02/05/03 23:25
オレとチンピラやくざ 
>448 
鼻に指をあてると軟骨が折れていないか確認し、鼻血をふんと出す 
「よかった〜、折れてないぜ」 

言いながらも間合いを取りながらバイクの方へ向かわんと後ずさりする
 (ここでキコさんを捨てれば脱出できそうだ…)
 
 (どうする、どうする、どうする!)
 
 …やっぱり捨てたくない! よいしょ、カサカサカサ。
>449名無しクルースニク
(ナイフが肩口を貫く)
ぐぅぅぅぅぅぅっっ!!
(傷口がみるみる焼け爛れていく)
貴様・・・っ!!
(顔は徐々に凶悪になっていく)
(クルースニクを真っ二つにせんと、剣を大きく振りかぶる)
458名無し屍生人:02/05/03 23:31
>454
はははァ、飛んだぁ、飛んだァァァ〜〜!!
(興味を失う)
(殴り飛ばした際に、屍生人の左腕は完全に壊れた)

>456
オメェェのォ血ィィ、飲ませろォォォ〜!
(ぎこちない動きで掴みかかる)
459名無しクルースニク:02/05/03 23:33
>454
 ――泣いてる――のか、なぁ。
 あぁ、悪かった。女の子にする事じゃあ――
 ……待てよ。
「泣くなよ――ヒトじゃないんだから――よぉッ!」
 言って、青年はポーチからグレネードを取り外す。
 さあ――ここが貴様等の帰還不能限界点だ。
 ――ハァ――ハハハハハハッ!
「戦うのか――お姫様? 戦うんだろぉ? ――なら、死ぬんだよぉッ!」
 投擲――タイミングを見計らって、5.7ピルトルで連射。
 着弾すれば――誘爆だ。
 
>457
「ク……ハハハハッ!」
 無意味にゴシックな服を手繰り寄せ、青年は吸血鬼の眼前へと顔を寄せた。
 キスする寸前のその位置で――青年は、微笑んで、
「――ハハハハッ! 早く諦めろよ吸血鬼ッ!」
 
 ブツブツと、理性が異物へと変換される。
 精神の奥底で渦を撒く殺意が、熱を持って全身へと這い上がる。
 
 青年の全身が、燐火を伴い始めていた。
「――お前等はファンタジーの中で語られてれば充分なんだよ――クハハハハッ!」
 
 吸血鬼を掴んだそのまま――一際高い笑い声と共に、白い影が巨大な火球へと変じた。
 無慈悲に下界を睥睨する月下、巨大な火柱が天と地を結ぶ――
>451 VSトバルカイン
 
ざむ、と悲惨な音を立ててヤンの背をトランプが抉る。
常人ならば即死してもおかしくは無い傷だ。
だが彼等は吸血鬼。
この程度の傷はすぐに―――
 
「……あ゛? な、治らねぇ!?」
 
再生能力が阻害されている。
どうやら、あのトランプに何か仕掛けがあったらしい。
 
「―――馬鹿め、油断したな」
 
ルークが冷徹に言い放つ。
 
「殺す! ブッ殺し尽くしてやる!! こぉのトランプ野郎ぁぁぁっ!!」
 
全くそれが耳に入っていないヤンは激昂し、人外のスピードで駆け出す。
壁を蹴り、床を蹴り、ランダムな動きで接近。
チ、と小さく舌打ちしてルークも駆け出す。
乱反射する二つの影がトバルカインへと迫る。
腕をふりかざし、その体を引き裂く為に。
>458
 わぁ、来たぁ! こうなったらキコさんをポイ、どさっ。
 
 …そ、そのキコさんのほうが美味しいぞ!
まだ残ってるぞ!
>455
紅丸VSリロイ・シュヴァルツァー

紅丸は一旦距離をとり、じりじりとバイクの方へと後退し始めた。
 
だが、一旦牙を剥かれた相手を逃すほど、リロイの精神は
寛容には出来ていない。
まさしく一陣の黒き風となって、リロイは紅丸へと一気に間合いを詰める。

殺意そのものを具現化したかの如く、見るものを錯覚させる拳が、
紅丸の心臓を目がけて繰り出される。
463名無し吸血姫:02/05/03 23:39
>459
「何よ、そういうのって最低だと思わないの?」
痛みをこらえて、グレネードを回避するが―――
 
「あははっ。そんなトロい攻撃に・・・ええっ!?」
誘爆した炎をまともに浴びる。
>459名無しクルースニク
(とっさに避けようとする)
(が、肩口の傷が動きを鈍くし、火球はやすやすと避けられるほどの大きさではなく―――!)
 
ぐ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ っ っ ・ ・ ・ ! ! !
 
(焼失)
465名無し屍生人:02/05/03 23:41
>461
(投げつけられた死体から吸血。だが…)

こおォォんなんじャァァァ〜〜、足りねぇェェ〜〜〜〜!!!
オメェェの血ィもォォォォ、よこせよおォォ〜〜〜!!
(死体を投げつけた後、掴みかかる)
466エンペラー(M):02/05/03 23:42
>452
VSレイオット・スタインバーグ
 
ダミータワーはレイオットの攻撃を受けて崩壊、再びビットに戻った。
 
この間にエンペラーは体を抑えていた瓦礫を破壊。浮き上がった。
 
そしてビットを再び剣状に変えて突撃。 狙いは首だ。
467御神苗優 ◆OminaeNo :02/05/03 23:44
御神苗優vs八頭大
>453 
 
「ぐぁ・・・・・・!!」
 
思わず声がもれる。腰だめに盛大に銃弾をばら撒く奴の弾が体にぶち当たる。
・・・・・・ちょっと待てよ、サブマシンガンでなんでこんな衝撃がくるんだ? 

「あそこは昔からそうだろうが!!だからアーカムが居るんだよ!!」 
  
俺は毒づきながら弾の雨から逃れるために岩陰に伏せる。
だが、奴の銃弾はその岩をも砕く勢いだ。俺は口から垂れる血を拭うと、
俺も反撃に転じる。そっちが量で来るなら、こっちは質で返してやる。
俺は奴の肩口に向かって引鉄を引く。
どんな頑丈なダムだって、蟻の穴一つで崩壊するんだ、奴のスーツだって同じはず!! 
 
>465
 ああ〜、血ぃ吸ってるところを後ろから殴ろうと思ったのに!
ここで戦ったら>459、>463に殺される!
 
 …全速で戦略的後方前進!
469紅丸:02/05/03 23:45
オレとテキ屋
>462 

胸部の痛み、骨のきしみをこらえ相手の右拳が繰り出された直後に
その手首を両手でつかみ、前方に引き寄せて右側に回り込み
自分の左手をリロイの目を覆うように当てて、その瞬間一瞬だけ変身し
倍増した膂力を持って後ろへ力を込めて右手をつかんだまま足払いをかけ、
地面に思い切り叩きつけた
「だしゃあッ!」
ただし、後頭部が地面に当たらぬようにしたのだが 
470名無しクルースニク:02/05/03 23:47
>464
 ……あぁ――
「逝った――か」
 人の姿に変じた青年が、ポツリと呟いた。
 神よ――感謝します。私はまだ生を繋いでいますから――
 何を思って連中がヒトを喰らうのか――知らない。興味はない。
 やる事は――
「次――だ」
 全身の裂傷が、精神に激痛を刻み込む。
 死ぬのなら――死ぬ前に、やる事が、ある。
>463
「最低?――ハハッ!? 俺の耳がイカレたか? 生きてるなら――始めよう、お姫様」
 美しい姫君は吸血鬼。――ハァ――ハハハハッ!
 そんな最後も一興か?
 終わるつもりは――まだ、ない。
471トバルカイン:02/05/03 23:48
>460 vsバレンタイン兄弟

「は、来るかね? 私の元に」

ヤンの血飛沫を舐めとりながら、トバルカインは天井を走り出す。

「気でも違ったのかねえ。まったくおめでたいもんだねえバレンタイン兄弟」

両手の十指、挟むは八枚のカード。
一枚ですら彼らを塵に返す事のできるトランプ。
徹底的に、塵も残さず、完膚なきまでに微塵にする意の表明。


上下転換。一瞬で十回の攻防。


背を向け合って止まる三者。
ニヤ、とトバルカインが笑うと、ヤンの片腕がごとりと床に落ち、ルークの胸が斜めに割れる。

「勝負あったかねえ? 無論、私の勝ちで」

――だが、その言葉が早計だと、トバルカインは振り返った瞬間気づいた。
激痛に腹を押さえると、半分ほどごっそりと抉れている。

「なァあ・・・貴様等ぁっ!」
472名無し吸血姫:02/05/03 23:51
>470
服はボロボロだが、炎のダメージはさほどでも無いようだ。
聖水に受けた火傷の方が痛むらしい。
 
「あんたは王子様って顔じゃないわね。
 いいわ。引き裂いて血だけはもらってあげるから覚悟しなさい!」
 
一気に飛びかかり、直前で身を翻す。
黒い刃のように、長い髪の毛が襲いかかる!
473名無しクルースニク:02/05/03 23:59
>468
「あ――――ハハッ、何だよ、どこ――行くんだよ――と、まあ、いいや。お客様だ」
>472
 どういう仕組みだ――伸びて来た頭髪は、艶やかで――危険。脇腹に一撃。――痛いな。痛い――痛いイタイイタイ。
「そうか。――フラれたか、俺は? シスターにも怖いって言われるからな。けどな――振られ男の逆ギレってのも怖いぜ?」
 一際高く跳躍して、青年は声高に叫んだ。
 両手をクロスさせながらカソックへと手を走らせる。
「賛うべき御名の元に、ジャッジメントだ――クズども!」
 抜き出される手には、P-90とMP-7――月光と重なる青年が、凄惨に嘲う。
 弾頭聖別された小口径の大量弾薬が、金の薬莢のアーチを描かせ、地上を洗礼する。
474名無し屍生人:02/05/03 23:59
>468
逃ィィげるなァよォォ〜!!血ィィ吸わせろォォ〜〜〜!!
(追いかけようとするが、バラバラになった足の骨格が耐えきれず、その場に倒れてもがく)
>471
 
「「ハハハハハハハハハ!!!」」
 
示し合わせたかのようなタイミングでの笑いのコーラス。
高揚感と狂気の入り混じったそれが、白熱する戦場を演出する。
 
「HEY! ちったぁ目が覚めたか三下ァ!!」
 
腕を失い、背に傷を負いながらも楽しげに語りかけるヤン。
 
「この辺りで、我々の優劣をハッキリさせようじゃないか!!」
 
ライフルにも似た銃を両手に構え、呼びかけるルーク。
 
そして―――銃撃の嵐が始まった。
銃の限界を無視し、ヤンが片手でマシンガンの如き連射を放つ。
ルークも人間では考えもつかないような速度でトリガー、トリガー、トリガー。
驚くべきことに、それらは暴れ馬のように跳ね回る銃身を抑えつけ、正確に照準されている。
 
二人の放った無数の弾丸がトバルカインに向かって殺到する。
切れ間の無い銃撃音と立ち込める硝煙が空間を満たしてゆく―――。
次スレよ。
名無し大殲以外の人は速やかに移行して。

吸血大殲 24 血と硝煙の十字路
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1020438117/
>469
狙い済まされた一撃を、紅丸は甘んじて受けた。
リロイを捕らえるには、多少のダメージは覚悟の上、との判断しての事だ。
そのまま手首を掴み、一気に足払いをかける。

リロイの身体は美しい半円を描きながら回転し、
地面にしたたかに打ち付けられた。
肺に溜まった空気を搾り出され、悶絶する。
だが、それでもリロイの動きを完全に止めるまでは至らない。

地面を這いずるように伸ばされた左手が、無造作に紅丸の足首を掴んだ。
そこに凄まじい膂力がかけられ、紅丸を地面に引きずり倒そうとする。
478名無し吸血姫:02/05/04 00:08
>473
「やあああっ!!」
聖別された弾丸が、少女の姿をした魔の肉をえぐり取る。
 
「あんた・・・最低よ・・・
 地獄で待っててあげるから、さっさと来なさいっ・・・」
その言葉と共に身体中が灰と化し、少女の姿はかき消えた。
 
(名無し吸血姫消滅)
 
(ただし、名無しクルースニクの脇腹の傷が腐り始めた)
>473、>474
 追跡者無し、いけるっ!
お姫様の血はすっっっごく欲しいけど無理は禁物。
このまま逐電!
 
 …ミサバ・キコさん、美味しい血をありがとう。
愛してるよキコさん。またよろしくねキコさん。
 
 (名無しグールーinニフルハイム:脱出)
480紅丸:02/05/04 00:09
>435 >438 >448 >455 >462 >469 >477 今の所のレス番まとめな
481八頭大(M):02/05/04 00:13
>467 御神苗優vs八頭大

 思わず呻いた。
 三歳の頃に初めて喰らって以来、お馴染みの感覚だ。
 銃撃による熱い激痛――左肩を撃ち抜かれたのだ。
 BPLが防げるのは三発目まで。そのご利益が切れたらしい。
 もっとも、知ってか知らずか、そこを集中的に狙い得た奴の腕を称えるべきか。
 
 やってくれるじゃねえか、あの野郎。只じゃ済まさねえ。
 感嘆混じりの憤怒を押し殺し、地面に滑り付いたおれは、奴の放つ火線をくぐって手近の岩陰へ
飛び込んだ。
 地面にG11を置き、更に開いた傷口に胸ポケットから抜いた応急スプレーを吹きかける。
 ぐお、染みる。が、血は止まった。
 流石ITHA装備課の逸品だ。頼りになるねえ。
 痛みを堪えて叫ぶ。
 
「偉そうな口たたくんじゃねえ。結局は、おれがおれがで仕切りたいだけだろうが!」
>427 >432 >436 >444 >451 >460 >471 >475
  
ルーク「途中経過だ。我々の闘争は次のスレに続くぞ」
483トバルカイン:02/05/04 00:15
>475 vsバレンタイン兄弟

「こォォの若ァあァか僧があぁぁあぁ!」

取り出だしたるトランプの山、山、山。

「なあああ」

音速を上回る速度を持つ弾丸を、

「めェえェェェ」

それすら超越する速度で弾き落とし、

「るゥうぅ」

・・・やがて、その動きが弾速すら上回る――

「なあAAAAAAAAあああ!!」

その刹那で、トランプがバレンタイン兄弟めがけて迸る。
宙を焔ばしらせた数条は、しかしあるものはあらぬ場所へ、またあるものは
兄弟の速度の前に後方へと流れるばかり。

ニイ、と笑みを浮かべる兄弟。
だが、それはトバルカインと同時だった。

流れすぎたトランプが、空中で急に角度を変え、ルークとヤンの後ろから舞い戻る。
同時、トバルカインが新たに放ったトランプが強襲。
硝煙を挟み撃つ衝撃波が切り裂いて、回廊をずたずたに切り裂いていく。
484八頭大(M):02/05/04 00:16
おれと御神苗との闘争だ。一旦纏めとくぜ。
 
御神苗優vs八頭大(途中経過)
 
>303 >305 >306 >309 >311 >315 >317 >320 >387 >419 
>434 >453 >467 >481 
 
続きは次スレだ。
485名無しクルースニク:02/05/04 00:18
>478
(イイ加減――しぶといな、オレは)
「最低――か? ク――ハハ――そうか――……あぁ、綺麗だったよ、アンタ」
 呟くような、囁くような、姫の声。
 ――……ハッ。
 
 闇の姫の滅びを見届けて、不意に気付いた。脇腹の腐敗のスピードが速い――
「――余計な置き土産だな。――そんなに早速の再開がお望みかよ。嬉しい――ね」
 けど、と呟いて、彼は黒塗りのナイフを取り出した。
 ――ちょっとだけ――待ってくれよ、お姫様。
 ざ、と脇腹に食い込む黒刃。激痛。肉が離れる、臓腑が漏れ掛ける。
 臓腑近くまで抉り取って、治療術で止血。――ダメ――だな。血が――足りないか。
 自嘲気味に笑って、青年は視線を錯綜させる。
「さあ――次だ――――」
 
 不死身じゃ――ない。
 殺せる。奴らは――殺せる。例え不死身だろうが、全てを焼いてでも殺し尽くしてやる。
ルーク「>482の訂正をしておく」
 
>427 >432 >436 >444 >451 >460 >471 >475 >483
487アンデルセン(M):02/05/04 00:19
(いきなりドアを蹴り開けて出現)
(投じた銃剣で、壁にレス番を刺し止める)
 
玄奘三蔵法師vsアンデルセン神父(途中経過)
 
導入
>215 >216 >217
 
闘争
>218 >219 >220 >221 >223 >225 >228 >321 >322 >323 
>324 >325 >326 >327 >328 >
 
行け、さっさと次スレに行け。
俺が貴様等への殺意をおさえられているうちにだ。
488名無し屍生人:02/05/04 00:32
>485
(血が流れ落ちているのを見とがめ、這いつくばって接近。地面に零れた血をすする)

お前のォ血ィィィ〜、うまい血ィィ〜〜、飲ませろォよおォォ〜〜!!
(そのまま足首を掴み、引き倒そうとする)
489名無しクルースニク:02/05/04 00:39
>488
「ちょいと――待ってくれよ。あの子に殺されるのはともかく、よ――」
 苦笑い。力が入らない――だから、何だ。
 崩れかかるその状態で、MP−7のマズルを後頭部に向ける。残弾は――何発だっけ。
 まあ良いや。殺す。殺そう。早く。今すぐ――
 ガチン、と。戦場で聞くには最悪の音。
 即ち――弾切れ。
 ――姫様――アンタ、せっかちだよ。
 
 苦笑いを浮かべる青年の姿が、青い燐光を帯び出した。
 ――クルースニクの化身は、即ち。
490ビリー・龍:02/05/04 00:39
本章のインデックス。

>103 朝霞万里絵 VS 浅上藤乃
>123 死徒27祖による『聖域』襲撃
>166 名無し大殲
>194 美夕 & 十六夜京也 VS 蘭麻みほ 妖女狩り異聞
>204 アセルス & カミーラ VS フリッツ
>240 ユージン vs 朧戦
>242 横島忠夫 vs 暗黒騎士ガウザー 「セクハラと薀蓄の華麗なる死闘」
>245 エリ vs ミア
>296 『ガンチェリー』 vs カミーラ "Strangers in Paradise"
>344 ン・ダグバ・ゼバ vs 不破雷也 【白き炎と猛き雷】
>371 アルクェイド vs アルトルージュ&プライミッツマーダ―

以下、中間まとめ
>480 紅丸 VS リロイ・シュヴァルツァー 「YOUNGMEN」
>486 トバルカイン VS バレンタイン兄弟
>484 御神苗優 vs 八頭大
>487 玄奘三蔵法師 vs アンデルセン神父


次スレ。
吸血大殲 24 血と硝煙の十字路
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1020438117/
491名無し銃使徒:02/05/04 00:42
>488
そこまでだな、第3次感染者。 
 
(真っ青な聖銃を手に) 
 
死ね。 
492名無し屍生人:02/05/04 00:44
>489
血ィィィィ〜〜〜!!!うまァァそうなァァァァ〜〜、血ィィィィィ〜〜〜!!!
ジュルジュルゥゥゥ、吸いてえぇェェェ〜〜〜!!!

(身体にしがみつき、脇腹の傷口に噛みつく)
(屍生人には、燐光に気付くほどの知性は残ってはいない)
493名無し屍生人:02/05/04 00:45
>491
(名無しクルースニクに噛みつくのに夢中で、気付いていない)
494名無しクルースニク:02/05/04 00:50
>488>491
(……テメエ――よお)
「死ね――よ、クズ……野郎――」
 光が、収束する。
 
 猛り狂う雄牛が、燐光を突き破って出現した。
 叫び。精神にまで達する響きが、周囲の全てを揺るがす。
 「青年」の理性は消し飛び、そこに存在するのは、「魔」を討ち祓う絶対意思。
 漆黒の荒野を、燐光纏いし異形の雄牛が駆け抜ける――
 
 標的は――行く手の全て。
レイオットvsエンペラー
『人と、人の上に立つモノ』
途中経過。
 
>252 >251 >253 >254 >256 >261 >352 >359 >362 
>430 >452 >466
496鈴鹿御前 ◆Y4SUZUKA :02/05/04 00:54
アドルフ・ヒトラー vs 横島忠夫 & 鈴鹿御前 【脱出する者の時間】
レス番、中間まとめね。

【導入】
>107 >108

【本編】
>129 >131 >132 >178 >189 >199 >200 >207
>209 >210 >213 >260 >273 >281 >310 >316
>319 >351 >358 >363 >372 >373 >374

続きはこちらで。
吸血大殲 24 血と硝煙の十字路
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1020438117/
497名無し銃使徒:02/05/04 00:54
>493.494 
……なっ、何ィ!! 
 
(雄牛の突進を強化した身体能力で何とか避ける) 
 
くっ、化け物がァ! 
 
(名無しクルースニクに聖銃発射) 
(45口径の銀の銃弾が迫る) 
498名無しゾンビSS兵:02/05/04 00:56
迷彩カバーに覆われたヘルメットを被り、迷彩スモックを纏った一人の男が現れた。
右手にStg44突撃銃を、左手にスコップを握り締めている。
彼は生きた人間ではない。
いかなる経緯によるものか、この世に不完全な形で蘇った死者だった。
「ジィィィク、ハァァァァイルッ!」
(>493に銃撃)
499名無しクルースニク:02/05/04 01:00
>497
 着弾――燐光の奥の皮膚へと、銀弾が減り込み――
 雄牛が、振り向く。
 塗り込められた意識の奥、青年は、
 ――敵と――違――
 直接使用された銀弾は、表皮を抉りつつも、致命傷には至らない。
(――撃た、れた)
 「青年」は、
 ――敵。――ヤツは――あの男は男は敵敵男敵敵敵――
 吼えて、雄牛は一散に突撃する。
 敵は――即ち、魔であるのだから。
500名無し屍生人:02/05/04 01:02
>494
血ィィィ〜〜〜!!!
(雄牛の出現の際に、跳ね飛ばされる)

>498
(そこに、名無しSS兵の銃撃が直撃、頭部を粉砕される)

【名無し屍生人 死亡、再起不能】
501名無し死人侍:02/05/04 01:05
 我、死した後も殺しを窘むるか。
これも、常の行いの賜物よの。
 
 では神仏の慈悲に感謝して、
供儀を捧げるとしようか…!
 
 (名無し死人侍:参戦)
502名無し銃使徒:02/05/04 01:05
>499 
はッ、化け牛が! 
今度は闘牛ごっこか。 
 
(更に聖銃を構えつつ) 
 
オーレ! か? 
 
(2発、3発と眉間に銃弾を撃ち込む) 
503ウピエル ◆Upielb0Y :02/05/04 01:05
ジャッジ・デス一行vsヴェトゴニアキャラクターズ
ジャッジ・ファイアvsウピエル
>361
 
腕を掴まれ、ジャッジ・ファイアの体へと引きずり込まれる。地獄の劫火の中へとご招待、ってヤツだ。
おもしれェ・・・焼け死ぬ前にぶち殺してやる!!
貴様がバラバラになって燃え尽きるのが先か、俺の心臓が消し炭になるのが先か、
ただ互いを破壊するだけの、どっちが先に致命傷に達するかと言うだけの野蛮極まる殺し合いだ。
イイぜ!イイぜイイぜイイぜイイぜ!!!シンプルで、無様で、最高の殺し合いだ!!
 
怒り、殺意、興奮、苦痛、憎悪、歓喜、脳髄の中に渦巻く混沌とした感情の全てを肉体に託す。
引きずり込まれる動きに合わせ、身を焼かれることを気にせずに突進、そのまま相手を蹴倒す。
手首を掴んだジャッジ・ファイアの腕を蹴りで折り剥がし、
燃えあがるスクリーミング・バンシーのギター部分をハンマーのように振るって叩きつける。
ヤツの頭部をスイカやメロンの様に叩き潰し、そのままもう使い物にならなくなった得物を放り投げる。
 
「ハハハハハハ、ヒャァァッハッハッハハハハハハハァハァッハッハッハァァァ!!!!」
 
絶叫のような哄笑を、狂笑の如き咆哮をあげ、満身創痍の肉体を奮い起こす。
痛覚はそれを上回る興奮に取って代わっている。自らを傷つける事に最早躊躇いは無い。
炎に焼かれることを厭わず、燃える肉体に貫手を突き込む。
腕を千切り、足をもぎ、頚椎を裂き、胸郭を貫き、筋肉を抉り骨を掴み出す。
指が焼け掌は炭化し手首から肘までが焼け爛れて行く。
そして、噛みつく。顔面が焼けることを気にも留めずに食らい付く。
口腔内が、咽喉が焼け爛れ、牙を突き立てるたびに上がる火の粉が気管を焼く。
 
「Go to Hell!!YEEEEEEEEAAAAAAAAAAAAAHHHHHHHHHHH!!!!!」
 
焼けた喉から、闘争の狂気と歓喜に満ちた叫びを上げる。
両腕も使えなくなればただ踏みつける。燃える身体の細部に至るま蹂躪し踏み潰して行く。
全身は見る影も無く焼け爛れ、服に火が移り俺自身も燃え上がっている。
炎に包まれ、俺はただ死と殺戮の興奮に酔っていた。
504名無しSSゾンビ兵:02/05/04 01:09
>500
敵兵一名を射殺した、と彼は考えた。
「ハァァァイル、ヒトラァァァァ!」
突撃銃を新たな目標、巨大な雄牛に向ける。
(>499を狙う)
505名無しクルースニク:02/05/04 01:12
>502
 銀の弾頭は、強度自体は通常のFMJ弾に劣る。
 眉間に着弾。腕は正確。
 1――2――3――
 雄牛の起動が、逸れた。横滑りに燐光が収束し、
「ち――」
 青年は、銃口を向ける男と向き合う。
「化け牛――だけ、聞こえたぞコラ」
 懐を探って、掴み出したのはアンダーカバー用のグロック。
 FMJ弾だが――人間は、死ぬ。
 ――ヒトじゃ――ないのか、コイツは。
 鈍る意識の中で、マズルを突き付け返した。
506名無しマンドラゴラ:02/05/04 01:12
 (埋まっています)
(こっそりと>506 にロープをくくりつけて>510 辺りにトラップとして設置してみる)
508名無し死人侍:02/05/04 01:16
>504
 ふん、どう!(後ろから唐竹割り)
 
509名無し死人僧兵:02/05/04 01:17
>501
「ナ無阿ミ陀仏南無ア弥ダ仏南無あミィ陀ぶツゥゥゥゥ!」
(目前に現れ薙刀で一閃)
そしてスライド現象を巻き起こしつつ──
511名無しマンドラゴラ:02/05/04 01:18
>510
 ぎ ゃ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ ! !
──逃げ遅れてカナギリ声をモロに聞いて死亡。
513名無し銃使徒:02/05/04 01:21
>505 
(雄牛から人間に変わるのを見て) 
 
ほう、クルースニク、人と吸血鬼の混血か。 
面白い、サンプルを回収させてもらうか。 
 
(グロックを突きつけられ) 
 
は、撃ってみるか。 
いいぞ、やってみろ。 
 
(メール欄参照) 
514名無しクルースニク:02/05/04 01:22
>504
 雄牛のサイズが縮小――幸いか、弾丸は鎖骨を掠めただけだ。
「……クハ――ハハハハハハッ! いるじゃないか――バケモノが、まだッ!」
 聊かハイになった頭で、青年はSS服の兵士を振り返る。
「ヒトラー? 面白過ぎるよ、アンタッ!」
 左手に振り出したグロックで、ポイント・トリガー。
515名無し死人侍:02/05/04 01:22
>509
 ぐおおっ!!(左手消失)
 
 …どこの腐れ坊主か貴様。(大刀を投げつけ、小刀を抜く)
516名無しクルースニク:02/05/04 01:27
>513
「……敵かよ――ハハッ――良いぜ。けど、まあ――」
 静かにトリガーに触れる。
「サンプル――ね。悪ィが、混血じゃ――ねえんだよ。俺らは」
 避けるか? 高クラスの防弾チョッキでも着ているか?
 ――知った事か。
 バケモノ扱いは、正直――ウンザリだ。
「白の皮膜の断罪者――人間なんだよ――俺等はよッ!」
 無造作に、フルオートに変えた弾丸を男に掃射。
 マガジン内の弾丸は、瞬時にゼロへ――
 
(メール欄、確認です)
517名無し地虫の群れ:02/05/04 01:30
>500
 コリコリコリコリコリコリコリコリ。
518名無し地虫の群れ:02/05/04 01:32
>512
 コリコリコリコリコリコリコリコリ。
519名無しゾンビSS兵:02/05/04 01:33
(>508に斬りつけられ、右腕が落ちる)
「アァァァハトゥン!」
(>508をスコップで殴りつける)
(>514の銃弾は致命傷にいたらず)
520名無し銃使徒:02/05/04 01:36
>516 
人間、か、成る程な。 
だが、遅いな! 
 
(フルオートの銃弾を、銃弾で弾き落とす) 
(ただし、避けきれなかった数発が着弾) 
 
く、まだ作戦は続行中だ。 
そっちは弾切れか? 
 
(マガジンを再装填) 
 
(ゆっくりとポイント) 
521名無し死人僧兵:02/05/04 01:37
>515
「グおオォぉぉェぇァァッッ!往ぅぅゥゥゥじょウせエぇぇェッ!」
(刀が体に突き刺さるが、かまわず薙刀を脳天へ振り下ろす)
522名無し死人侍:02/05/04 01:40
>519
 むうっ…!

 …効かぬわ、たわけ。けええええええええっ! (小刀で籠手切り)
523名無しクルースニク:02/05/04 01:44
>520
「……ハ――弾ァ――落としやがったかよ。人間止めてんのはアンタだな」
 再装填の時間はない。あの男より早く撃てる自信はない。
 撃てる自身はない――が。
 男がマガジンをリロードする。やけにゆっくりと、脳はその光景を見て、
(人間に殺されるってのも――バカらしい)
 男の腕が上がる。意識は言う事を聞きやしない。
「――ク――ハハハハハハッ!」
 ちらつく燐光。変化のプロセスを半ば無視して、青年はその身を大火球へと変じた。
 濁った大気と大地を焼き払いつつ、ポイントしようとする男の方向へと火球は直進する――
 
 進行方向は、男の更に背後へと向いているようにも――映った。
524名無し死人侍:02/05/04 01:45
>521
 ごがっ。(脳天から鼻まで斬れる)
 
 …ぐぐぐ、がはっ。(倒れる)
 
 (名無し死人侍:破壊)
525名無し地虫の群れ:02/05/04 01:46
>524
 コリコリコリコリコリコリコリコリ。
526名無しゾンビSS兵:02/05/04 01:50
>522
「ヤボォォル、ヘルゥコマンダァァァ!」
小刀に斬りつけられ負傷しつつ、飛び退く。
そして、棒状のグレネードを足元に転がす。
「アァイン、ツヴァァァイ、ドラァァイ、フィィィア・・・」
>522 >521のいる辺りで爆発!
527名無し銃使徒:02/05/04 01:53
>523 
人間を止める? 
違うな、我々は人間を「更に上位の存在」へと 
進めるのだ。 
この身体はその為の布石でしかない。 
 
お喋りが過ぎるな、では、・・・ 
 
(相手が大火球へと変化するのを見て) 
 
何!? くぅッ!! 
 
(火球に銃弾を撃ち込むが・・・) 
(そのまま避けきることも出来ず・・・・・・) 
 
 
【名無し銃使徒の身体は、焼失した】 
528名無し地虫の群れ:02/05/04 01:53
 コリコリコリコリコリコリコリコリ>526 爆 発 四 散 。
529名無し死人僧兵:02/05/04 02:02
>526
「ぐゴぉォォォぁァァッッ!ぶっッッ敵ぃィィふゥく滅うぅぅゥゥゥ………」
(気付いて薙刀を投げつけるが、本人は爆砕)

(名無し死人僧兵:破壊)
530名無しクルースニク:02/05/04 02:03
>527
 再び人の姿を取り戻して、限界に近い精神の疲弊に気付いた。
 場所は、最初に降りたランドローバーの前。
 耳にちらついた、男の声。
 ――上位存在? ヒトその物を? ……未だ食物連鎖の輪すら解脱できない種が、か。
「驕ってんだな――随分」
 男はどうなったのだろう。――気にしない事にした。
 まだ――いるのだから。
531名無しクルースニク:02/05/04 02:04
 殺す。――殺す殺す殺す殺す殺スコロスコロコロコ――
 遠く戦場の音を聞きながら、ランドローバーにもたれかかって首を上げる。
「ハハ――全く――」
 全く――忌々しいほどに――綺麗な満月だ。
 空はコレだけ澄み切っているというのに、この大地の穢れはなんだ。この汚れ様はどうした?
 連中が専横する世界なんて、死んでも目に入れたくはない。
 
「――――ハァ――ハァ、ハハッ、ハァ――」
 荒い深呼吸を繰り返す。
 傷は浅い。体が熱い。脳髄が白熱する。意識は殺せ殺せと哭き叫ぶ。
 
 ――殺せる。
 殺せる。まだ――まだ、殺せる。
「ハハ――ハァ、全く――どいつもこいつも――ハァ、ハハハハッ!」
 
 バケモノは足掻く。どうやら――どいつもこいつも、大人しく運命を受け入れるつもりはないと来た。
 月が近い。死人の肌を思わせる月。
 弱く青白い光は、この下らないクズの宴を照らすのには充分。
「ハハハ―――ハハハハッ!」 
 ランドローバーから漆黒のケースを無造作に引っ張り出して、即座に行動に移る。
 ガンケースを土埃に塗れさせて、ケースを開いて引っ張り出したのはRT20――アンチマテリアルライフル。
 20oの大口径だが、初速は充分に音速を突き破る。
 サイト調整済みのライフルを抱え、青年は戦場にマズルを向けてその場に伏せる。
 
 血が鼓つ。殺せ引き裂け破滅させろ――その通り。連中に存在価値は皆無。
「如何なる時も人を愛し、憎しみを抱かず――」
 
 吸血鬼というモノは頑丈だ。
 傷は勝手に治る。人間の体なんてのは、連中にとっては紙クズ同然。
「如何なる苦しみの時も」
 
 ――だが。
 
 陽極酸化処理済みのチューブをマズルに装着。多少の位置は誤魔化せる筈だ。
 ボルトオープン。後退させ、ボルトハンドルを押し下げる。
 
 ――クズに生きる資格など無い。
 人の歴史が――暗黒を塗り潰す光の歴史が、それを証明している。
 
「如何なる悲しみの時も」
 
 20mm弾を装填。聖別した弾丸をシルヴァジャケットした大口径弾は、吸血鬼だろうが人間だろうが――
 形状の合致する実包と薬室が擦れ合い、唱和する。弾丸の奏でる、心地好い狂気の斉唱。
 マガジンから浮いた初弾を咥え込んだボルトが、静かにチェンバーへと押し遣る。
 カチン、と音を立てて、薬室の奥で殺意が固定された。
 殺意の閉鎖。
 準備は整った。
 
「如何なる時も隣人を愛せ」
 トリガーに指を掛ける。
 この位置なら、計算も必要ない。角度は調整する。風はない。
 
「――だが、貴様等は人じゃない」
 三日月を思わせる歪んだ唇が、嘲笑と共に聖句を吐き出した。
「Amen――死ねよクズ共」
 ――地獄に堕ちろ。
 
>526へと、トリガーが――絞られる。
 
 火球めいたマズルフラッシュが、闇に咲いた。
532吾妻玲二 ◆REIJI2xI :02/05/04 02:14
アーカードvsファントム レス番纏め

>92>101>285>291
533名無しゾンビSS兵:02/05/04 02:23
(>529の薙刀が胸に突き立っている)
彼は思い出していた。
ポーランドとフランスにおける、輝かしい勝利。
ロシアの果てしない平原、泥の海、極寒の地獄。
突進してくる無数のロシア兵と、Tー34戦車。
ノルマンディーの空を埋め尽くす、連合国軍の戦闘機。
アルデンヌの森を震わせる砲声。
炎に包まれるグロス・ベルリン・・・そして、総統の死。
「マァァァイン・フュゥゥゥラァァァァ!」
彼は絶叫した。>531の銃弾で全身を砕かれ、引き裂かれながら。
倒れる寸前、左手に握ったパンツァー・ファーストが>531めがけて放たれた。
(名無しSSゾンビ兵:消滅)
534名無しクルースニク:02/05/04 02:46
>533
「――ハハ――」
 飛来する弾頭が、やけにゆっくりと見えた。パンツァーファウスト。
 ライフルから手を離す。
 弾頭が迫る――その場を転がった。耳元で鳴る、死神の鎌。
 弾頭が飛来。
 変化は間に合わない。人の身では耐え切れ――な
 
 閃光――
 
 ランドローバーを直撃したパンツァーファウストが、爆炎を撒いて周囲の全てと四散した。
 黒煙を吹き上げるランドローバー。舞い散る破片。
 思い出したように再度の爆発。
 
 全てを喰らう炎の残骸の中――
「く――ハハハ――」
 青年は、
「まだ――バケモノは――居るの――かい――」
 炎の残滓を全身に纏った白の審問者は、静かに空を見上げた。
 
 三十八万四千四百キロの彼方で、月は変わる事なく下界を睥睨する。
 やけに――月が近い。
 血臭の大地に身を横たえ、瞼を閉じた。
 傷が痛む。実際に焼かれた。
 ……あのお姫様――地獄とか言ってたよな。
 苦笑して、もう一度――寒々しいほど無関心な月を。
 
 ――このまま終わるか――それとも――
 
 とりあえずは――宴の終幕を――
 ヘカテーに見下ろされながら、意識をゆっくりと手放した。
 
(名無しクルースニク:退場)
名無し大殲、みなさん乙枯れ様です〜
レス番はまとめて熾きましたので、安心して寝て管さ〜い。


>383 >384 >385 >386 >388 >389 >390 >391 >392 >393 >394 >395 >396 >397 >398 >399 >400

>401 >402 >403 >404 >405 >406 >407 >408 >409 >410 >411 >412 >413 >414 >415 >416 >417

>418 >420 >421 >422 >423 >424 >425 >426 >428 >429 >431 >433 >437 >439 >441 >442 >443

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>504 >505 >506 >507 >508 >509 >510 >511 >512 >513 >514 >515 >516 >517 >518 >519 >520

>521 >522 >523 >524 >525 >526 >527 >528 >529 >530 >531 >533 >534
>332 >333 
壊れ魔女VS脳腐れゾンビ・・・そして、不思議執事 『血塗れの遁走曲』
エピローグ? ヴァージニア・13の場合。

くあーーっ。
と、一声鳴いた鳥が、飛び上がった銀髪の執事をかっさらって行く。

先ほどの怪鳥ではない。
なんと、通常サイズのカラス。それもたったの一羽だ。

恐らくは魔女の箒のような物なのだろう。それ自体に魔力はこもっていないが、
術者が『空を飛ぶ』と言う行為に意味を与える為の触媒として作用し、
術者に思い込みを持たせ、更には世界そのものをも欺く。

―――いや、この男の行動に意味など無いのか。ただ、したいからそうする。
それだけの為に世界の法則を捻じ曲げ、『その場のノリ』とやらに従って行動する。

そうだとしたら、なんと言う茶番だったのだろう。なんと恐ろしい相手なのだろう。
それではこの銀髪の執事はまるで――――

……そこまで思考してV13は――霊体として残留するV13の残骸は、軽い苦笑の感情を表層に浮かべた。

もうこの身は長くない。いや、とっくに滅んでいる。
ほんの少しだけ世界をごまかし、現世に干渉する手段を保っているに過ぎない。
ならば、分析も理解ももはや必要ではない。ただ、行動あるのみ。

V13はその身を一陣の風と化すと、宙を舞う銀髪の執事に追いつき、取り憑いた。

<< キ ャ ア ア ア ァ ァ ァ ッ ! ! >>
V13が執事に憑くと同時に彼女の悲鳴が辺り一帯に響き渡った。
否。そうではない。
V13の存在そのものが『悲鳴』と言うカタチに変換され、分解されていっているのだ。

V13は――V13の残骸は視たのだ。
彼の――執事のような男の『内側』を。

あえてその世界を言語化するならば真夏の初詣。また例えるなら昼間のハロウィン。
そしてあるいは死者の誕生日にも例えることが出来るかもしれない。

そう言った『在りえなくも無い微妙な違和感』を数千倍に濃縮したかのような
精神の波を受け、V13の魂は強風に煽られた砂の城のごとく解体されていった。

最後の最後、消え去るその瞬間、V13は
―――地獄に堕ちるのと、跡形もなく消え去っちゃうのはどっちが良かったかな?
と、考えると、単なる空気の振動へと変換されてしまい、世界からいなくなった。

(ヴァージニア13 完全消滅)
姫城玲vsディオ・ブランドー 途中経過を貼ってくれるッ!!
 
>77(>78)>224>230>375
23章ラルフ・グルトvsロゼット=クリストファ途中経過
>244>246>247>248>249>331>334>335>336>337>338>376>377>378>379>380>381
539『殺人貴』 ◆KILLER7E :02/05/04 14:39
《『殺人貴』 vs 遠野秋葉(反転)&弓塚さつき(死徒27祖Ver)》

このスレに於ける記録だ。

【導入篇】
>269 >272 >274 >276 >277 >278 >279

【本篇】
>282 >283 >284 >345 >346


―――――そして闘いは、次の舞台へと…

【吸血大殲 24 血と硝煙の十字路】
ttp://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1020438117/9
可憐な少女のごとき容貌が口を大きく開いて叫ぶ。
 
「さあ!ファイトクラブだ!素敵な麗舞をしようぜ!!」
541名無し吸血鬼:02/05/04 14:42
>540 ギルバルス 
 
(貧相な男が両手にアサルトライフルを構え、立っていた) 
 
「ひゃははははは。だったらてめぇが舞い踊りなっ」 
 
(両手のライフルを一斉掃射)
542ふぉるて(M):02/05/04 14:44
>540
半ズボンとハイソックス、セーラーの少年が空中から現れる。
 
「そんな野望、このぼくがたたき壊してやる!」
 
(野望って何とか聞かないよーに)
>541名無し吸血鬼
 
眼帯をつけた“それ”は華麗にステップをとり、アサルトライフルの射撃を避ける。
 
「ボーズ、殴り合いを教えてやるぜ」
 
銃弾が何発も掠り、命中する弾もあったが意に介せず接近する。
544浅上藤乃:02/05/04 14:46
(なんで私こんな場にいるんだろ?)

一瞬そんな疑問も浮かんだけれど、あまり深く考えない事にした。
・・・いろいろな都合で

「とりあえず、片っ端から潰すわよ!!」

私は軽い足取りで戦場へと向かった
>542ふぉるて
 
「野望?トマトジュースが飲みたいぜ!」
 
少年に答えつつ、アサルトライフルの乱射をかいくぐる。
546名無し吸血鬼:02/05/04 14:48
>543 ギルバルス 
 
「な、なんだ。どうして効かねーんだ」 
 
(続けて掃射を続けるが、一向に効果なし) 
 
「く、来るな、来ないでくれぇ!」 
 
(逃げ腰になりながら、弾切れになってもトリガーを引き続ける)
547ふぉるて(M):02/05/04 14:49
>545
「とまとじゅーす!? む。とまとを食べるなんて・・・」
 
(ブルブル・・・ふぉるてはトマトが嫌いなようです)
 
「とりあえず、野望はたたき壊すべし!」
 
(掌から、プラズマ流を発射・・・深く考えるのはやめにしたようです)
>546名無し吸血鬼
 
血飛沫が上がる銃弾はけして効いていない訳では無い、
黒貴族であるギルバルスには銃では物足りない、それだけだ。
 
「どうしたよ、気合が足りてないぜ?
 こういう時は笑ってファックサインかましてみろ、ボーヤ」
 
そう言いながら名無し吸血鬼の片手を毟り取る。
 
>547ふぉるて
 
「好き嫌いが多いと、立派なオトナになれねーぞ、ショタ!
 ……ってぇ!?
 痛てぇ!!見た目どおりじゃなさそうだな!」
 
プラズマ流を背に受け、お気に入りのマントが焼け落ちる。
華奢な体が表にさらされ、無惨な火傷を背に刻む…。
 
「くらえっ!」

拳に重力波を集中させ、それを相手にぶつける
その相手とは

「一番弱そうだものね」

銃を持っている青年を思いっきり殴り飛ばした
550名無し吸血鬼:02/05/04 14:56
>548 ギルバルス 
 
「が、がああああああああ!」 
 
(引きちぎられて、悲鳴を漏らす) 
(苦痛に耐えきれず、狂ったように腕を振り回すが・・・) 
 
>549 チェルシー 
 
「ぎ、がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 
 
(拳に撃ち抜かれ、血の塊になって爆ぜた) 
 
 
                             名無し吸血鬼:死亡
551ふぉるて(M):02/05/04 14:56
>548
「ショタって言うな!」
 
地上に降りて、超スピードで肉迫、殴りつける。
 
「ぼくは『堕ちた天使として作られたお人形』だ!」
(威張って言う事じゃありませんが)
552『フェイク』(M):02/05/04 14:56
(ここは何処だ)
(そしてこの僕は誰だ!?)

 わからない、わからなくってもいいじゃないか。

「ああ、やっぱり――人殺しは気持ち良いなあ」

(ナイフを持って>549に突撃)
ふらり、と男が現れる。 
片手には、赤い刀身の剣が一振り。 
 
「いいねェ、いい空気だァ。 
いい匂いだァ。 
たまらないねェ。あァ、実にたまらないよォ。」 
 
あてどもなく彷徨う。 
犠牲者を捜すため。 
「ふむ・・・化け物ばかりですな」

(>555を狙撃)

「魔物は、狩らせていただきます」
まずは一人目ね。

青年の撃破を確認し、次の相手を探す。
回りを見渡すとどうやら戦闘中の少年と男性がいる。

これで行けば漁夫の利を狙えるかも
私は急いでその場から離れ次の相手の場所へ向かう。

「悪いけど・・・2人共、共倒れになってもらうから!」
<殴り愛、今この瞬間で殺し愛を楽しむ僕等>
 
>550名無し吸血鬼
「へん、物足りねぇ…ヨワッチィなフェイクが…」
そう吐き捨てて少年の方に上半身裸で向かい合う。
 
>549にはまだ構ってやれない。
 
>551ふぉるて
 
「どうしたショタ少年?パンチの重みが足りないぜ?
 (しくった・・・、結構いいパンチもってるじゃねーか・・・)」
地上に降りた『堕ちた天使として作られたおにんぎょう』のパンチをボディに喰らいつつ、
そう嘯く。
「パンチってのはこうやるんだよ!!」
お返しに左フックを少年の顎に返す
557ふぉるて(M):02/05/04 15:05
>555
「傍観するな、おばさん!」
 
叫びながら、プラズマ流を発射。
 
>556
「ふん、顔色が悪いよ・・・がっ!」
 
左フックをもろに喰らう・・・が微動だにしない。
 
「こんなものでは、超高性能すーぱーあんどろいどのぼくは何ともないぞ!」
 
お返しとばかりに、金的に蹴りをたたきこむ。
>544 
ふと、こんな場所には似つかわしくない少女の姿を見かける。 
口の端を歪ませ、ふらり、と近づく。 
 
「なァ、アンタァ、かわいいねェ。 
実にいいねェ。最高だねェ。 
どんな声で鳴いてくれるンだァ。 
なァ、どんな声を上げてくれるンだァ」 
 
剣先を上げ、ゆっくりと構える。
そして、戦闘中の2人の元へ向かう瞬間

銃声

私は瞬時に重力の結界を作り、銃弾の軌道を変えた。
だけどもう少し気が付くのが遅ければアウトだっただろう。
かなりの冷や汗ものだ。

「っ・・・・あぶないわね!」

予定変更。
今私を狙撃しようとした奴を必ず見つけて殴ってやる!
そして、私の足は狙撃者の元へと向かっていた。
>557ふぉるて
 
アンドロイドの外装は硬かった。
「硬いねぇ、根性が入ってると思ってや…ゲフ…」
思いっきりうずくまる。
小声でブツブツと唸っている…。
少年の金的狙いの蹴りをモロに喰らってしまったからだ。
 
唸り声の中身は…呪文を詠唱しつつ…。
「いざ来たれ爆炎の…」
>559

「ふむ・・・弾かれましたか。では・・・」

(>567を狙撃)
562ジャッジ・フィアー:02/05/04 15:13
突然、一人の大柄な人物が現れた。
黒いマント、黒革のジャケット、コウモリの翼を型どった飾りが左右に突き出した兜。
「罪深ァァァき者どもォォォ、わァァしが裁ァいてくれようぞォォォ!」
563ふぉるて(M):02/05/04 15:13
>560 ギルバルス
「ふん、無様だね・・・てぇえい!」
 
うずくまったギルバルスに拳を振り下ろす。
(まだ呪文の詠唱には気付いていない)
564『フェイク』(M):02/05/04 15:14

―――――ドン!

(>549に向かう途中、近寄ってきた>558にぶつかる)

「邪魔をしないでくれよ……殺さなくちゃいけなくなるだろう?」

(>558に切りかかる)
>557
少年のプラズマ弾をひらりとジャンプし
紙一重でかわして逆方向へと走っていく

「あんたの相手は後よ後!」

こんな子供に構ってる暇は無い。
私は狙撃者の場所へと向かっていった

>554
「見付けたわよ!」

狙撃者と思われる男を見付けた。
もう許さないんだから!不意打ちなんて卑怯よ!
・・・私もしようとしてたけどね。
そんな都合の悪い記憶はどっかにいってしまった。

「とりあえず!あんたにはその罪を償ってもらうわよ!」
566リセット:02/05/04 15:15
>562
さて・・・誰から”取り消し”てやろうかしら。

(>568>569あたりを大爆発を起こす弾丸で撃つ)
>544はァ、>555だァ・・・ 
>563ふぉるて
拳を右手で押さえ込みつつ、
残った左腕でボディ目掛けてファイアーボールの術を解放。
 
「燃えてるか?」
 
>562ジャッジ・フィアー
まだ構ってやれん、急いできな。
569リセット:02/05/04 15:18
(>566の最初の指定は無視して)
>561
私は飛びあがり狙撃者に強力な重力波を浴びせる。
重力と言うのは以外に強力で体重50sの人間でも10倍の重力で
500sの負担がかかる。
通常の人間ならば絶えられない負荷がかかるわけだ。

「食らいなさい!ジオ・インパクト!!」

強力な重力波は狙撃者へと放たれた
>561 
少女に斬りかかろうとした瞬間、何かの気配を感じる。 
 
「何ィ、チィィ!」 
 
咄嗟に防御の為の法陣を展開、銃弾を弾く。 
 
「どこの何奴だァ、お楽しみを邪魔するヤツはァ、 
殺すゥ、殺す殺す殺すゥゥゥ!!!」 
 
銃撃のあった辺りへと飛ぶように駈ける。 
>570

「残念ですが―――――」

(肩から右腕は千切れ飛ぶ)

「フェイクですな」

(右腕は義腕)
(左腕に短機関銃を出現させ、乱射)

「地獄が、貴女を待ってるそうですぞ?」
573ジャッジ・フィアー:02/05/04 15:23
>566
「そのォォォような貧弱な技ァァで、正義のッ執行者は倒せェェェぬぞ!」
(リセットに一直線に飛び掛る)
>568
「お前のォォ裁きは後回しだァァァ!」
>566リセット
術を開放しようとした矢先、大爆発を受け、片手がもげ落ち、
残った手も中指が残っているだけのありさまとなる。
 
「中指一本残ってればファックサインができるじゃねーか、上等!」
 
全身大火傷を負いつつ…哄笑をあげる。
>558

と、相手の撃破を確認する前に変な奴が現れる。

だれ?

でもこの場にいるんだから敵よね。
剣も振りかざして危ないし!

私は剣をかわし、此方との戦闘を優先することにした。
576リセット:02/05/04 15:27
>574
「へえ・・・それで?」

続けて射撃。射撃。射撃。
(次のギルバルスのレスの前後にも攻撃が及ぶ)
577ふぉるて(M):02/05/04 15:27
>568
「しまった!」
 
無防備な腹部に火球が・・・
  
「え・・・?」
 
>566の攻撃で、後方に吹っ飛ばされる。
 
>574
「なんだかよくわかんないけど・・・」
 
身体を起こしながら、掌からプラズマ流を発射。

「逝ってしまえぇぇぇ!!」
578グレイ・フォックス:02/05/04 15:31
『西神中央駅西神南駅伊川谷駅学園都市駅総合運動公園駅名谷駅
 妙法寺駅板宿駅長田駅長田(長田神社前)駅上沢駅湊川公園駅
 神戸電鉄線大倉山駅県庁前駅三宮駅新神戸駅北神急行谷上駅・・・・』
 
『スネークはどこだ・・・・・・・・・我が闘猛ソリッド・スネーク!!』
 
全身を蒼い強化骨格で包んだサイボーグ忍者。
 
立。
 
彼には何も無い。死してなお蠢き彷徨う不死盲目の者。
ただあるのは、自らを殺しそして闘猛であった
ソリッド・スネークとの再戦のみ。
 
手近な>573を観るや否や、その強化骨格を駆使した異常な素早さで
手にした刀を喉元へ突き立てるべく疾走する。
 
『ススススス・・・・・オオオオォ・・・・スネーク!』
 
その瞳は虚ろにしてなお橙の炎に燃え続ける。そこに、何が見えるのか。
正気を失った彼を理解しえる者はいない。
<殴り愛、宇宙/今、この瞬間で殺し愛を楽しむ僕等>
>576リセット
 
「はーっはっは…最高だぜ、ねぇちゃん!」
眼帯が千切れ飛び黄色く濁ったもう片方の目が露わになる。
それでもまだ笑いながら爆風に吹き飛ばされる。
 
>577ふぉるて
プラズマ流をもろに喰らい、上半身と下半身が泣き別れになる。
 
“隻眼の”ギルバルス…死亡?
580ジャッジ・フィアー:02/05/04 15:32
>576 リセット
「こォォォれでェ、罪をッつゥゥぐなうがいいィィィ!」
鎖の先についた、鋼鉄製の巨大なワナがリセットに襲い掛かる。
581リセット:02/05/04 15:34
>573
「あら・・・やられてたのね。気づかなかった・・わ」

ごとり、拳銃が落ちる。
 

                  <リセット退場>
>575 
都合良く、狙撃者の方へ向かうと、いたのは先程の少女。 
ぞくり、と背筋に快感が走る。 
 
「あァ、アンタァ、やっぱり俺が刻まなくっちゃなァ。 
俺が抉らなきゃなァ。 
そうだよォ。俺が殺らなくっちゃなァァァ!!!」 
 
狙撃者には目もくれず、少女にさらなる斬撃を加える。 
>571>572
「あら?いっちゃった・・・」

私に斬りかかろうとしていた男は狙撃された方へと向かう
助かったのだろうか?
私はどうやら悪運だけは強いみたい。

と思ったが
違う

――激痛

後ろから銃を乱射され致命傷までは行かずとも、怪我をしてしまった。
出血がかなり激しくこの場では血が止まりそうも無い。
そこのままでは出血多量で即あの世行きだ。

「かなりヤバイかな・・・? だけど!」

そのまま死ぬわけにはいかない。力を振り絞り狙撃者に向かって
思いっきり重力のこもったパンチをお見舞いした
584『フェイク』(M):02/05/04 15:37
(>558に切りかかろうとした瞬間)

目の前を横切る銃弾、そして銃声。

「――――ヒッ」

驚きのあまり引っ込めた手にはナイフ。
それは、そのまま心臓に

                グサリ

「ぼ、ぼぼぼぼくは、僕は僕は僕は………」

―――――いやだ、まだ死にたくな…

                  【フェイク死亡】
585ジャッジ・フィアー:02/05/04 15:38
>581 リセットを倒したフィアーは、次に裁きを下すべき相手を捜し求める。
「おぬゥゥしも死刑じゃあァァァ!裁きをォォォ受けいィィィィ!」
>578に鉄のワナを投げつける。
586謎の男(銃神):02/05/04 15:39
――――気が付いたら此処にいた。
さっきまで天使狩りをしてたと思ったんだが……
 
「…何でこんな所に居るんだ?」
 
しかも手には黒い銃身。
周りでは無数の戦闘音。
 
……どうすりゃいいんだ?
>575 
「あんた・・・向こうに行くんじゃなかったの?」

最悪
これを最悪と言わずなんて言うんだろう?
上手くサシで勝負できたと思ったら今度はさっきの男が此方に戻ってきた。

「だめ・・・かな?」

出血は酷いし・・・目もかすんできた。

でも、

「悪いけどしぶとさは誰にも負けない自身、あるのよね。」

私はおぼろげな足取りで相手の剣を再びかわした

[残り3ターン]
>583

「くっ!!」

(重力の歪みに囚われ、避ける事も敵わず弾け飛ぶ)

(死亡確認!)
589ふぉるて(M):02/05/04 15:42
>582>587
「・・・か弱いおばさんを狙うなっ!」
 
いいながら、疾走。
そのスピードのままラインドウェルに殴りかかる。
 
(>579のメール欄には気付いていない)
590グレイ・フォックス:02/05/04 15:44
>576>579
爆発がその蒼い痩身を包む。
 
その塵煙の中に立つ影。
 
『オオオオオヲヲヲヲロロロロ・・・・・・・・』
 
前身から火花を散らしなおも立つ。
仮面の一つ目が細く締まる。
 
 
>585『ギャアアアアアア!』
その鋼鉄の牙顎に左の腕を食いちぎられる。
が、
刹那に消えるその強化骨格。
 
そこに残るは跡形も無く捻じ曲げられた鋼の牙顎。
 
『・・・・・・・・遅いぃ・・・』
 
>585ジャッジ・フィアーの背後に
瞬時に高速移動した青い影の右拳が振るわれた。
 
構える刀。振るうはその一身。
――――――――――我、一刀に賭ける修羅なり。
591謎の男(銃神):02/05/04 15:45
>587 
ふと見ると人が倒れていた。
まだ若い……女か!?
 
俺は急いでその女の所に駆け寄る。
 
「おい!大丈夫か!?」
 
銃痕……急所ではないが出血が酷い。
 
俺は手持ちの布で包帯を作り巻き付ける。
気休め程度だろうが大分ましのはずだ。
>589
「誰がおばさんよ・・・」

さっきの少年が助けに来てくれたみたいだ。

私のほうもまだ、文句を言い返せるだけ元気があるみたい。
だけどいつまで持つか・・・

はぁ・・・もうそろそろヤバイかな?

私は薄れる意識のなか自分の不甲斐なさに苦笑した

[残り2ターン]
>587 
まだ少女の目には絶望が浮かんでいない。 
いい。たまらない。ぞくぞくする。 
そうだ、その目が絶望に彩られたとき、 
 
それはどれほど美しいだろう。 
 
「いいねェ。その目。抉り取って持って帰りたいほどだなァ。 
さァ、もっといい声で鳴いてくれよォ。 
その綺麗な肌が血に塗れたときィ、もっとクる声で鳴いてくれよォォ」 
 
胸に描かれた逆五芒星型のタトゥーから、 
障気弾を打ち出す。 
これをくらえば暫くは身動きがとれなくなる。 
 
 
(>589には気付かない) 
>591
気が付くと目の前には誰もいなかった。

傷のあった場所には手当ての後があり、止血もされている。
気が付いたら天国・・・と言うわけではなさそうだ。
だれがやってくれたのかは知らないけれど、次にあったらお礼しなくちゃ。

回りからはまだ戦闘の音が聞こえる。
まだ戦闘は続いているようだ。

「とりあえず・・・生きて帰らなきゃね」

私は立ちあがり再び戦闘の場へと歩き出した

[ターン制限解除]
595ジャッジ・フィアー:02/05/04 15:52
>590 グレイ・フォックス
「うぬれェェェ、正義のォォ執行に歯ァァ向かうかァァァァ!」
半ば体を両断された状態で、両腕を背後に回しフォックスの腕を掴む。
そして兜に覆われた頭部が真後ろを向き、面頬が左右に開いた。
「見ィィよッ!これこそッ恐怖じゃあァァァ!」
兜の中から、牙と鈎爪をもった無数の触手が襲いかかる。
596ふぉるて(M):02/05/04 15:55
>593
「させるかぁっ!」
 
右拳が音速を超え、衝撃波と共に叩き込まれる!
 
「この正義のすーぱーあんどろいど・ふぉるてがいる限り、好きにはさせないぞ!」 
 
>592
「・・・いや、ぼくより年上だし。それはともかく、大丈夫か?血がどくどく出てるけど」
597グレイ・フォックス:02/05/04 16:00
>595 ジャッジ・フィアー
『ぐぎゃアァ?!』
 
その頭その兜その面頬が開き開き何度も牙を
頭に突き立てる突き立てる・・・・・・・・・・・・
 
『オオオオヲロロオオロロ・・・・・・・・・・・・・』
 
押さえつけられた体制のまま、身体を地面に何度も打ち付ける。
 
ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!
    ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!
ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!
    ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!
ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!
 
そのまま自らの骨格を破壊してしまうほどの異常な速度射角膂力で打ち付ける。
 
しゅう・・・・・・・・・・
 
その一つ目の光が失われる。
 
その恐怖断罪者に、敵う事はなかった。
その腕が刀(ブレード)を振るい自らの首を切り落とす。
 
ジャッジの首元でブレードの刃は、止まった。
 
【グレイ・フォックス 死亡】
598謎の男(銃神):02/05/04 16:02
>593 
女の手当を終えた直後、後方から何かが放たれた。
 
「チッ、早速お出ましか!」
 
俺は女を抱え横っ飛びに回避する。
そして、少し離れた場所(>594の所)に女を置くと
攻撃を仕掛けた男に向かっていく。
 
慎重に狙いを定め……引き金を引く。
黒い銃身から放たれたすべてのジンに相剋する弾丸が男に向かって疾る!
>594 >596 
目の前の少女にとどめを刺そうとしたとき、 
凄まじい衝撃が身体を襲う。 
そこには、少女と見まごうばかりの愛らしい顔立ちの少年。 
 
「アンドロイドォ? ほォ、ガキィ、人のお楽しみの時間をォ、 
邪魔してくれるのかァ。 
阻害してくれるのかァ。 
阻止してくれるのかァァ! 
テメェからァ、先に刻むぜェ」 
 
振り上げた剣を、少年に向かってうち下ろす。 
 
(そこに>598 の銃撃が) 
600ジャッジ・フィアー:02/05/04 16:07
>597
(一身上の都合により撤退)
>593>596>598
「もどったわよ」

私の辿り付いた先はさっきまで戦闘していた場所だった
まだ戦闘が続いていると言う事はさほど時間が経っていないと言う事だろう

さっきの少年と一人の男性がいた。
この2人が助けてくれたのだろう。

「・・・・ありがとね」

なんだか照れくさくて面と向かって話せないけれど、小声で感謝の言葉を
2人に投げかけた。

「さて・・・それじゃさっきのリベンジと行きましょうか!」
602ふぉるて(M):02/05/04 16:12
>599
「ああ!貴様の野望は、ぼくが止めてみせる!」
(野望って何かは、だから聞くな)
 
「ふん!遅いぞ・・・」
 
残像を残して、ラインドウェルの背後に回り込む。
そしてそのまま、背後から金的を蹴り飛ばす!
 
>601
「ゆっくり寝てればいいものを」
 
ちらりと目をやるだけ。
>602 
残像を残して、背後に気配。 
そして、衝撃。 
 
「グゥ・・・・・・!?」 
 
余りのことに蹲ると、頭上を弾丸が素通りする。(>598) 
先程の少女も(>601 )、この場に戻ってくる。 
 
「ヘェ、ヘヘヘェ、たまらないねェ。 
・・・この礼はァ、倍にしてェ、十倍百倍にしてェ、 
返してもらうぜェ。 
返させてもらうぜェ。 
返却してもらうぜェ」 
 
振り下ろした剣先から、地獄よりの陰火。 
少女と少年、二人に向かって疾る。 
604ふぉるて(M):02/05/04 16:28
>603
「できるものなら、やってみろ!」
 
右掌からプラズマ流を放射、
ラインドウェルの剣から飛び出した炎を相殺する。
 
「こっちは、おまけだっ!」
 
左掌から同様にプラズマ流。
大気さえも灼きながら、ラインドウェルに迫る!
>603
さっきの男の振り降ろされた剣先から炎が巻きあがる
そして、私の元へ炎が襲いかかる。
食らったら一たまりも無いけれど・・・。

「用は炎を潰せばいいのよ」

強力な重力を炎にかける事により炎の勢いは弱まり、そして・・・

「悪いわね。炎使いとの戦闘は馴れてるのよ」

炎は跡形物無く消えてしまった。
606謎の男(銃神):02/05/04 16:35
>603 
男が不意に姿勢を崩す。
そして銃弾は虚空へと飛び去っていく。
 
――――仕留め損なった!?
 
男の前には少年の姿。
どうやら少年の攻撃のせいで男は姿勢を崩したようだ……間が悪い。
 
さっきの女も男の所に戻ってきている。
 
これで3対1……男は自分の前方にいる2人に攻撃を仕掛ける。
離れているこっちは後回しにするつもりだろう。
 
それはこっちも好都合だ。
 
俺は静かに場所を移動する。
他の二人と射線が重ならない場所……あった。
 
そこで俺は再び銃を構える。
 
まだだ……タイミングを計って……
『吸血姫に祝福を』
〜イベント2・『動き出す歯車』〜
>31
 更に、通りの喧騒が激しくなる。
 響く銃声。
 悪魔の絶叫。
 
 ああ、どうやら、エクソシストたちが到着したようだ。
 後は悪魔たちが処理された後、ドサクサに紛れて帰ればいい。
 
 などと私が考えていると、私の周囲が暗くなった。
 
「………?」
 
 不審に思って、上を見上げるとそこには醜悪な悪魔が一匹、下衆な笑みを浮かべて、壁に張り付いていた。
 
「くっ……!」
 
 悪魔が私の頭上から襲い掛かってくる。
 迎撃しようと構えた瞬間……
>607は誤爆!
忘れなさい!

          |      
          |  .。oO(……祭るのですか)  
        (-_-)   
        (∩∩)────────
      /
    /
610両儀 式 ◆qiRyouGI :02/05/04 16:48
 何故私はここにいるのだろうか。
 いつここに来たのか、何故ここにいるのか、私には全くわからなかった。

 ああ、だが、そんな事はどうでもいい。
 多分、この雰囲気に私は惹かれてきたのだろう。
 この場所が私を呼んだのだろう。

 なら、やる事は一つだけ。
 
 私は手に持った刀をすらりと引き抜くと、慎重に狙いをつけている男(>606)
に向けて駆け出した。
611名無しクルースニク:02/05/04 16:49
>ALL
 気配――だった。
 ――敵。
 虚ろな頭で、彼は想った。
 敵――だ。敵の気配。複数。敵。滅ぼすべきモノ。ソレは悪であり神の敵であり、
即ち、彼にとっては許し難いモノ。
 
 ――コロ――セ。
 
 殺せ、と意識の端が叫ぶ。
 焼き払え、と一族の血脈が哭く。
 殺し尽くせ。全ては敵だ――
 
 立っている場所に興味はなかった。今まで何をしていたのかにも興味はなかった。
 ただ――わかっている事が、
「……ク――ハハハハハハハハッ!」
 額を抑えて哄笑を上げ、何もかもが虚ろに見える頭で、彼は戦場へと歩み出した。
 ショルダーホルスターから吊ったリボルバーを確認。抜き放ちつつ、スピードローダーで全弾装填。
トランクを開いて、フォアグリップを握りながらMP5Kを引っ張り出す。
 
 首から提げられた異端審問の十字がチェーンと擦れ合って、ちり、と鳴った。
 ――ああ――何をすれば良いのか、理解る――
 
 脳髄と血に命じられるままに、青年はSMGの掃射をその場の全てに挨拶と返した。
 聖別された9oパラベラムが、周囲を薙ぎ払う――
>604 >605 
陰火は、いとも容易く捌かれる。 
 
「上等だァ。最高だァ。絶頂だァ。 
二人纏めてェ、並べてェ、刻むぜェェェ!」 
 
少年の撃ちだしたプラズマの奔流は、 
身をかわして回避。 
炎を消した少女を邪眼で捕捉。 
 
「そんな程度でェ、俺にィ、向かってくるかァ?」 
 
足首を掴むと、少年の方向に向かって投げつける。 
 
「さァ、これでェ、纏めて殺り易くなったなァ」 
 
613ふぉるて(M):02/05/04 16:57
>612
「かわした!? 思ったよりも速いっ!」
「って・・・うわ!」
 
ラインドウェルに投げられたチェルシーをキャッチ。
というか、そのままバランスを崩して倒れる。
 
「重いっ! どきなよ、おばさん!」
 
>611
そこへ銃弾が迫る。
思わずチェルシーをかばってしまう。
  
「うわうわうわ・・・いたたた」

だが、9mmパラ程度では大したダメージもない。
 
「邪魔を、するなぁ!!」
 
叫び声が超音波となり、クルースニクに向かう!
>612

      ガシッ


空にかわして炎を消した瞬間、男に足を掴まれた。

離そうと必死にもがくが男の怪力がそうはさせない。
力には男にも負けないと自信はあったが今回でその自信も消えうせた。

『そんな程度でェ、俺にィ、向かってくるかァ?』

そして、私は力任せに少年のところへフルスイングで投げつけられ
私は宙を舞い、少年の元へと落とされた。
私は地面に叩き付けられたが怪我は対した事は無い・・・。
なんだか無償に腹が立って来た。投げ付けるにしてもっとやり方があると思うのだけれど・・・

「もう許さないんだから・・・」

重力波を拳に収束。
Gを自分の出来うる限り拳に集め相手に叩き付ける!

いくらあの男でもこれを食らえば一溜まりもないはず。

「女の怨みは怖いわよ・・・その身で思い知りなさい!!」

そして、私は男に飛びかかり拳をぶつけた
615名無しクルースニク:02/05/04 17:00
>612
 一際強い、「魔」の気配。
 剃刀の様な気配を纏った男。
 ――敵。敵――なのだろう。敵だ。敵。殺せ。早く。殺せ。
 弾切れしたMP5を>604>605手近な連中に投げ付け、男へとリボルバーのマズルを向ける。
 
 脳髄が叫ぶ。
 早く、この、トリガー――――を!
「ハッ――――ハハハハハハ――ッ!」
 意識の絶頂の中で、5発の13.5ミリ大口径弾が男へと絞り切られた。
>609
 ヂ、と意識にノイズ。理性が掻き回される。
 
 魔――?
 この――少女、は――敵――
 (……――チガ――う)
「は――ハハハハッ!」
 もっと強い気配が――ここには満ちているから。
 少女の脇を、青年は駆け抜けた。
616名無しゾンビ〜:02/05/04 17:00
>611
よろよろとその場に出没。
 
青年に食らいつこうとした瞬間。
 
青年の銃弾がゾンビを焼き、ゾンビは活動を停止した。
 
(名無しゾンビ〜死亡)
617謎の男(銃神):02/05/04 17:01
>610 >611 
――――あと少し、あと少し。
 
そんな時、後ろから草をかき分ける音が響いた。
咄嗟に俺は後ろを振り向く。
 
…・女?
顔立ちは中性、良く解らない。
多分女だろう。
 
その女が物騒な光を放つ剣を持ってこっちにやってくる。
……しかも信じられない速さで。
 
銃を向ける間もなく間合いを詰められる。
 
――――間に合わない!?
 
白刃が翻り……同時に辺りを銃声が包み込んだ。
618名無しクルースニク:02/05/04 17:07
>613
 空気が、震えた。
 ――アブナイ。コレ――ハ――
 脊椎反射。羽毛のように跳ねた青年の脇で、大きく床が弾け跳ぶ。
「は――ハハハハッ!」
 男だけじゃない――違うじゃないか。
 コイツは敵だ。殺すべき――クズだ。殺せ。今すぐ! 殺せ! 殺せ! 殺せ殺せ殺せコロセー―!
「クハァ―――ハ、ハハハハハハハハハハァ―――ッ!」
 理性が瓦解する。殺意が全身に巡る。
 口の端に笑みを浮かべて、青年は少年に視線を向け、
「――死――ね」
 右手に閃くスイッチナイフと共に、白い風は一散に突撃する。
 憎悪が、剃刀の男を視界から逸らしたまま。

          |      
          |  .。oO(……それでは)  
        (-_-)   
        (∩∩)────────
      /
    /
                      【カペルテータ・フェルナンデス、退場】
620両儀 式 ◆qiRyouGI :02/05/04 17:14
>617

    白刃の閃き

                                     響く銃声

            そして、一瞬の空白――――――。

 次の瞬間、私の刀は男の肩を浅く切り裂き、男の銃弾は私の胸に穴を穿っていた。

 またあの闇に落ちるのか……。

 私は、自分の意識が、二年前までとても身近に感じていた、あの闇に向かって、
急速に堕ちていくのを感じていた。

 だが、不思議と嫌悪感は無い。
 それは、今この死に逝く瞬間が、私が生きていたという事を
一番実感できる時間だったからかもしれなかった。

(死亡)
>613 >614 
突然現れた青年(>611)の銃撃に少年は気を取られている。 
抱き留められた少女は、その意志の強そうな顔を 
怒りと屈辱に紅く染めている。 
 
ぞくり。 
 
そう、その表情。 
 
その貌を血の朱で更に美しく染め上げたい。 
 
「ヘヘヘヘヘェ、そう、それだよォ、その顔だよォ。 
ああァ、たまらないねェ。実にたまらないねェ。 
それだけでイッちまいそうだァァ!」 
 
少女の拳が、周りの風景と共にひずむ。 
重力の制御。 
そこに収束されていく。 
 
そして、拳撃。 
 
衝撃に大きく後ずさったまま、剣先より陰火を 
立て続けに二発。 
少女に疾らせる。
622ふぉるて(M):02/05/04 17:18
>618
「え・・・?」
 
超音波を、躱された。
 
「うわー、嘘だ出鱈目反則だ〜〜!!」
 
わめきながら、体勢を整えようとするが、
先ほどチェルシーを受け止めた時に軽くバランサーが歪んだらしい。
・・・コンマ数秒にも満たない隙。しかし、致命的な隙。
 
とん――
 
ひどく軽い音と共に、スイッチナイフが胸に突き立つ。
 
「あ、あああ・・・」
 
何処か艶めかしい響きすらある声を絞り出しながら、地に倒れる。
 
>621
薄れ行く意識の中に、チェルシーの奮戦が映った。
そして、ラインドウェルの放った炎も。
 
残った力を振り絞り、プラズマ流を撃ち出す。
炎の一つをそれで相殺。
 
「手間のかかる・・・」
 
ぽつりと呟いて、かくり、と頭を地面に落とす。
 
そこにあるのは、胸を裂かれた少年の人形だけ。
 
 
(ふぉるて死亡)
623名無しクルースニク:02/05/04 17:28
>622
 ドクン――と。
 心が、鳴いた。
 殺すべきだった? ――この、少年を?
 崩れ落ちた躯から、一瞬の閃光。女を焼こうとする炎を打ち消す雷撃。
 ――考え――ルナ。
 やる事が――まだ――生者が――悪の根源が――まだ、生きている。
 亡骸とも思えない亡骸を見下ろして、青年は額を覆って俯いた。
 
 ――あ――
 
 意識が――染まる。
 
 ああ――――
 
 悲しい。
 この美しい世界を蹂躙しようとするゴミの存在が、憎い。
 紅く――意識の奥から迫る憎悪が、視界すら紅に染め上げる。感情と理性が、急速に磨耗する。
624名無しクルースニク:02/05/04 17:30
>614
 青年は、そのまま男と交戦する女へと駆けた。
 ヤツが近い。ヤツを――
 
 ヤツは――生きている。魔が――まだ、存在している―――――!
 ダメだ。ダメだ。ダメだダメだ。ダメダメダメだ―――!
 殺さないと。――早く! 今、すぐ――!
 あの力は――人間じゃないから――早く――今すぐ、
 
 壊せ。カケラも残さず――コワセ。
 
 意識を巡らせたブレードが、螺旋の軌道で跳ね回る。身体能力自体はヒトの非ではない。
 化け物を殺す為の――バケモノ。違う――俺は、人間――
 殺す事こそが世界との接点。
 化け物を殺し尽くすのは、一族のサダメ。
 
 ああ――神様。
 この、哀れな魂達を救い給え。
 俺は――貴方が、このクズ共の哀れな脳味噌を哀れまれる事を祈ります。
625謎の男(銃神):02/05/04 17:34
>620 
「……チッ」
俺は気まずげに舌打ちの音を立てる。
 
側には女の死体。
天使は腐るほど殺したが人は殆ど無い。
……イヤな感じだ。
 
別の方を向こうとして俺は痛みに顔をしかめた。
傷口――――傷は浅いが腕をやられた。
これでは満足に撃てるのは1、2発……
 
今度は仕留める。
 
俺は>621の男に再び銃を向ける。
バカ笑いを上げる男……不快だ、黙ってろ!!
 
そう念じながら、そいつに向かって俺は黒い銃身の引き金を引いた。
その幽体は、何時の間にか空中に居た。
右手を後ろに振りかぶり、ちょっとした岩くらいの大きさがある氷球を作り出し。
「ていっ」
てきとうっぽいかけ声とともに、>621剣を持った半裸の青年と、>614白い衣装をまとった金髪の女性との間に、
その氷球を投げた。
と、そのとき。

>624
「あ。」
ちょうど氷球の軌道に、白衣の青年が走り込んで来た。

「…ま、いっか」
呟いた言葉は、たぶん誰にも聞かれずに、虚空へと消えた。
627ねこアルク ◆ICNeko.Q :02/05/04 17:36
斬、
斬、
斬、
斬、
斬、

取りあえず、暇だから爪で切り裂いてみた。
壁を切り裂いてみた。

豆腐のように脆い壁は、呆気なく死んだ。

私は思う。
私は感じる。

――――なんて貧弱。

    「貧弱、貧弱ゥッ!!」


アルクェイド win

628謎の男(銃神):02/05/04 17:44
>627 
変なのが居た。
なんつーか……とにかく変な生き物だ。
 
何故か壁と戦っている。
 
……しょうがないので一発撃ってみた。
 
――――肩から血が噴き出す。
浅かった傷が黒い銃身の反動で大きく開いたようだ。
もう引き金を引けるかどうかも怪しい。
 
………ま、いいか。後はどうにでもなれ。
そう思いつつ俺は目を閉じた。
 
(謎の男リタイア)
629ガロン ◆GALON/hc :02/05/04 17:44
>627 ねこアルク
「・・・・・・壁を切り裂いた程度で、勝利という、お前の御目出度さには呆れるよ・・・・・・」
 
一つ嘆息をつくと、彼はその場を後にした。
 
                          ガロン 不戦敗
630名無しクルースニク:02/05/04 17:47
>626
 がづ。
 
 疾走を止めたのは、目にも鮮やかな蒼の氷塊。額から流れ落ちる血が、視界を阻害する。
「は―――ハハッ!」 
 ボディアーマークラスの防弾・対刃性能付きのカソックを翻し、青年はヒップホルスターから
グロックM17を抜き放つ。
 無造作に氷塊の方向へと――トリガーを限界まで引いた。
 
 ここには敵しかいない。
>627 
 ――何――だ。
 今、のは。……は――あぁ、そうか―――――敵、か。
 全く。ハハ――なんて、異質な場所だ。猫、が。は―――ハハハハハッ!?
 いや、と心の中で首を振る。
 獣は純粋故に罪も無く――なれば、滅ぼすべきは、「魔」。
 
 早く。早く。早く早く――死ね!
 
 ――女と男へと、疾走を再開する――
>621>622

目の前には炎が2つ


私は屈み、拳に力をこめ重力を再び収縮させる。
重力の渦が拳を中心に円を描き、力が拳に集中させられる。

私は目測で力の溜まり具合を確かめる。

20・・・

30・・・

40・・・%

能力者には能力を使える限界値があり、それを超えるとその戦闘では能力を使えなくなってしまう

その限界が  私にも近づいてきた。

「力を使えるのはこれが最後。一発勝負ね」

すると後ろからプラズマ流が発射され炎の一つが消される。
おそらくこれはあの少年の力だろう。あの少年にはまた貸しを作ってしまった。
炎が一つだけならば、炎と共に男への攻撃も可能だ。
いつか貸しを返さなければならないと考え、再び力の収束に集中する。

70・・・

80・・・

90・・・%

「いくわよ!!」

あとはこの力をあの男にぶつけるだけ。
そうすれば良い結果にしろ悪い結果にしろ・・・決着はつく。
だけど、私は死ぬつもりは無い、なぜならば

「待ってる人がいるからね・・・!」

力が拳に満たされるのを確認するとそれを相手にぶつける
これはただの重力の塊じゃない。私の怒りも篭ってるんだから!

ジ オ ・ イ ン パ ク ト !

632名無しクルースニク
>
 まだ――生きてるのか。
 ――な、に。
 ぎち、と。ぎちぎちぎち――――と。体が軋み始めた。
 ふと気付くのは、降臨する重力塊。
 巻き込まれ、余波が左腕をあっさりとブチ砕き、全身は地へと伏せ、
 ――まだ、だ。
 
 生きているのが間違いだ。
 この連中が生きていては、ダメだ。
 殺さないと、ダメだ。
 今すぐ死ななければ、ダメなんだ。
 
「ハ――――クハハハハハッ! ――ああ――クハハッ! 死ぬな――死んじまうな、コレじゃあよ――」
 笑って、血を吐いて、喉の奥に激痛――妙だ。痛みが、無い。
 ハハ――どうした。足は――どうしてだ、歩け。奴等はまだ残っている。殺せ。殺し尽くせ。
 全てが朧になっていく。視界の全ても。傷みも。世界も。
 
 ――死ぬ。
 
 世界が紅い。
 いや――紅いのは、俺の意識。
 ――成る程。何て単純な理屈だ。俺は死ぬ。
 連中の力が俺を上回ったから。実に明快。
 ただ――死ぬのは、俺だけじゃない。
 
 主よ――感謝します。我を今まで御導きくださった事を。
 そして主よ。いつの日か、全ての愚者へ完全な裁きを。
 
 手放しかける意識の中、青年は唇を薄く歪ませた。
 ベルトに吊ったポーチから引き摺り出した三つのハンドグレネード。内包されるC4は、優に半径100メートル
を完全殲滅する。炎を潰した女。炎を繰る男。
 コレだけの御膳立てまでしたんだ――――纏めて死ねるだろ!?
 自嘲と憎悪と歓喜を交えた笑みを浮かべてピンをそっと握り、
「――さあ、一緒に逝こうぜ。唱えろよ――AmenAmenAmenってな―――ク――クハハハハッ!――」
 転瞬。
「生還者は無し―――く―――ハハハハハハッ! 枢機卿! 任務――完了だ――!」
 膨れ上がる閃光。耳を劈く爆音――それは、青年の半径十数メートルの影と音を等しく覆い尽くしていた。