>34 『The redoing saints』
意識が次第に明白になる。
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気がついた時は私は通りの隅に首だけで転がっていた。
少し、向こうに車に運び込まれる少女が見える。
そして、それを心配そうに見守る2人の少年少女……
ああ、そうか、私はやられたのか――
身体があるなら今すぐにでも背後から、あいつらを引き裂きたい。
でも、今の私には何もできない。
ただ、ひたすらにもどかしい。
思考がぐるぐると回転する中で、突然、大きな影が私の前に現れる。
――それは私の半身とも言えるプライミッツマーダ―だった。
私の命令を完了し、戻ってきたようだ。
「プライミッツマーダ―、私をあの2人のところまで咥えて運びなさい」
プライミッツマーダ―にそう命令する。
プライミッツマーダ―は私の髪の毛を咥えて、あの2人のところまで一気に飛んだ。
2人が驚いた表情で私を見つめる。
それはそうだろう。
私を倒したと思っていた矢先に、当の私が首だけとなって現れたのだから――
「見事にやってくれたわね。正直、私、なんて言えばいいか、分からないわ」
今、ここでプライミッツマーダ―に命令すれば目の前の2人はおろか、先ほどの少女も殺すことができるだろう。
でも、それでは私の気がすまない。
「――ただ、一つだけ言わせて貰うわ。次はコロス」
金色の眼で2人を睨みつけた後、私はプライミッツマーダ―に合図して、その場をプライミッツマーダ―とともに立ち去った。
――今の私には時間が必要だ
そう、身体を再生させ、力を取り戻す時間が……
せめて、その間はあの3人をどう引き裂くかを夢想しよう。
そして、それをどう実行するかを……
――ワタシノシコウハステキナジゴクエズノサクガヘトトンダ