1 :
みががまギルー ◆GillufuAjc :
2 :
みががまギルー ◆GillufuAjc :2005/09/06(火) 15:25:13 ID:4YczVBQB
ここはよく魚が出入りしてたスレだな
どうしてるんだあいつは?
>>3 前スレも後半はいなくなってしまった
本は読んでいるのだとは思うのだけれど。
5 :
大人の名無しさん:2005/09/06(火) 19:34:41 ID:N5lFLmDF
真保 裕一/ダイスをころがせ!
上巻読み終わって下巻買ってきた。
『検察側の論告』佐藤亜紀
書評集。今まで読まなかった事がコレほど悔やまれる本も珍しい。
いやぁ、面白かった。
もう、やっぱり日本の話題の小説なんかに気を取られる事無く
翻訳でもかまわない、読むべきものはたくさんあったのだ。
微妙に気になって、しかも未読のものばかり、
またまた、「コレを読まなければ死ねない」リストが長くなってしまった。
7 :
大人の名無しさん:2005/09/15(木) 03:41:34 ID:NPGGybFe
保守
>>7 すみません。
もう、人が少ないから保守を兼ねて途中のも書き込もう。
『モグラびと』ニューヨーク地下生活者たちフェニファー・トス著
渡辺葉約。(訳者はなんと椎名誠の長女)
9 :
大人の名無しさん:2005/09/20(火) 01:35:37 ID:5egpFZus
>>9 おお!そこまだ続いていたんですね!!
と、おもったら2chではない(w
2.3年前読書板だったかなぁ?結構いろんなものが入っているのですよね。
私もブックオフで手に取った、筒井康孝の文庫に中学生らしき数人の
スナップ写真を見つけたことがあります。
再び
>>9 以前住んでいた地域にかなり重なっているのがおかしかったです。
眺めながら、図書館で借りた本に督促状を栞がわりにしたまま返却し
次に言った時にそれを返されたことを思い出しちゃいました。
>>10-11 2chでも同じようなスレがあったのですね。
私も、古本には意味不明の挟みモノをたまに見かけます。
再度の書き込みついでに、私も今読みかけの本を
報告しておきます。
今さらながら、浅田次郎の『プリズンホテル 3 冬』です。
『蒼穹の昴』『鉄道員』や、個人的に好きな『地下鉄に乗って』
と違い、過剰ともいえる演出の人情コメディが炸裂しております。
笑わされつつほろっとするか、作者のあざとさと見るかは
人にもよるでしょう。
でも、これらの作品群に流れているせつなさ・やるせなさ、
人を見る目の温かさが、結構好きだったりします。
>>12 『古本に挟まっていたものを晒せ』一般書籍だったような気がして見にいきましたが
やはりなくなっていました(w
過疎スレですが、遊びにきてくださいね。
『モグラびと ニューヨークの地下生活者』ジェニファー・トス著、読了。
ニューヨークに張り巡らされた地下鉄や使われていない地下の部分に住む5000人とも言われている
地下生活者のルポ。その存在さえも認識されていなかった人たちの話。
東京の路上生活者たちが地下に住居を移していないと誰も言えないはずと
フト思ってしまった。
『古文研究法』小西甚一著読み始める。
形式が学習参考書なので、ちょいと辛い、すぐ眠くなる。
でも、国語を理論として学んでいなかったことに気がついた。
少しずつ読み進めよう。
最近は平均して月に1冊程度しか本を読まないんだけど
読み終わった本はその後子供が読んでる事も多い。
なわけで、どうしても本を選ぶ際に子供に読ませたい本という
選択肢も必然的に入り混じってしまう。
本を選ぶのも疲れる・・・
で、今回買ってきたのは「二十四の瞳」と瀬尾まいこの「幸福な食卓」
そして「幸福な食卓」を読んでみた。
文章が綺麗でスラスラと読める。
登場人物の内面の移り変わる様が温かく、繊細に描かれてる。
全体が柔らかい透明感で包まれているような良い小説だなって思った。
こういう本を読むと、心が洗われるような気がして気恥ずかしいので
本当はこう、もっと娯楽に徹したえげつない小説の方が好きなんだけど。
ミルミルさん過疎スレへようこそ。
自分が読み終わった本を子供が読む・・・
活字中毒はやはり遺伝するのですね
家の子中一で、そろそろ私の本に手を出すかなぁという時期ですが
積極的には勧めていません、勧めると逆らう
今はSFファンタジーに夢中。
私自身小学校4年生から世の中の猥褻さと残虐さをオヤジの書棚で知ったという
経験の持ち主ですので、読むなら読めばと開き直っていますが、亭主は
何気なく本の入れ替えを行っているのでニヤニヤして見ています。
奥に隠した本から子供は手をつけるのを彼は知らない。
ミルミルさんのお子さんはおいくつですか?
中1ですか。
その頃はやはり筒井康隆にはまっていたのを思い出しました。
我が家は高1の双子を筆頭に中1、小5と4人の娘がいます。
そう、みんな女の子です・・・
今はどちらかというと本よりもPCの方が興味あるみたいですけどね。
>奥に隠した本から子供は手をつけるのを彼は知らない。
ええ、俺が使っているPCを子供も使うようになって
隠したいファイルやデータwを奥の方に隠すんですけど・・・
これがしっかり見つかるんですよね。
全く侮れません。
本に関してもやはりギルーさんとこと同じように、子供の為にと思って
買ってきた本よりも、俺が自分で読むために買ってきた本の方を
読んでるみたいです。
まあ、純粋培養するよりも様々な雑菌にまみれて育った方が結局はギルーさんのように
健康になるんでしょうしね。
とにかく今は活字に慣れて欲しいと思ってます。
ギルーさんに勧められた大西巨人の「神聖喜劇」、図書館で借りてきました。
実を言うと、図書館で本を借りるというのは小学校に通っていた時に
学校の図書室で借りて以来です。
なぜ今まで図書館に足が向かなかったのかというと、一つには貸し出し期限という
制約にとらわれて本を読むというのに馴染めないような気がしたからだと思います。
(自分の事に関して「思います」ってのも変ですが)
気に入った本は二度三度と読み返す事が多かったし、その読み返すタイミングも
ある日突然という感じでしたし、つまりは自分の読書ペースで本を読みたかった
からなんでしょうね。
ただ、無料で様々な本を読む事ができるって、考えてみると非常に有り難い事ですね。
あ、みなさんはとっくに理解していた事でしょうけど(笑)
とにかくそういうわけで早速「神聖喜劇」を読み始めました。
このところ、心から本を読みたいと願っていたわけではない上での
読書であったので、どちらかというと軽くて読みやすい本を選ぶ傾向にありましたが
この本はそれらと趣を全く逆にしており、まだ一巻の三分の一程度しか
読んでいませんが、
「こりゃあこころして読まないといけないな」
という期待八割、不安二割の決意を持って読み進めているところです。
また途中経過の報告も兼ねて(保守も兼ねてw)こちらに寄らせてもらいます。
>まあ、純粋培養するよりも様々な雑菌にまみれて育った方が結局はギルーさんのように
健康になるんでしょうしね
う〜
深く考えないようにしておきます(w
それにしても4姉妹ですか、きっとにぎやかなんだろうなぁ、
ウチはかなりシャイな女子が一人ですが、それでもうるさい。
少しでも早く手が離れるように、本ばかり持たせていたので
活字中毒です。
まだひらがなしか読めない頃、車に乗せていて看板などの文字を読む
「んだをする」ってなぁに?「今日読んだ本を報告するスレッド」です。
漢字は文字じゃなくてひらがなだけで意味を聞いてくる。
これを連発した時期があって、閉口しました。
移動中だし聞かれたとしても何を聞いているかがわからん。
神聖喜劇は図書館で借りて後悔した本の一冊(5冊)でした(w
で、時々ヤフオクなどで探したりしています。
読んでしまってからも持っていたい本は珍しいのですが、
買おうと思うとつい他のものを買ってしまう、いつか買うぞ!
保守、お気遣いありがとうございます。
進行状況のお知らせ楽しみにお待ちいたします。
途中、作者の膨大な知識がしんどい部分もありますが、後半
盛り上がりますので、どうか乗り越えてください。
『ノラや』内田百
50代板で話題になり、読み返してみたくなりました。
なんであの内田百閧ェこんなに毎日涙に暮れるんだろう
本当にフロ桶の蓋に泣き伏してしまうんだろうかと
不思議になるほど家出した猫を思う様子が面々と続く。
家出したノラの後に来たクルツは、病死最後を看取るのだけれど
その悲しみの対比が印象的。
我が家も前の猫は1年足らずで旅に出てしまい、今は完全家飼いの猫。
家で私作業をしている時も、必ず適当な距離の、でも最も近い場所で
寝ている。夜は蚊帳にもぐりこんでくる。この猫は多分このまま
年を取り看取ることになるんだろうけれど、
一緒にすごした時間の長さを考えると、この猫の不在はきついだろうなぁ、
とつくづく感じてしまった一冊です。
>>22 映画には詳しくなくて、検索してみたらどうも
黒澤明の遺作『まあだだよ』が『ノラよの』内田百閧モデルにしている
そうです。
実は
『ノラよ』の感想、視点を変えるとここに登場する内田百閧ヘ好きではない(w
多分個人的な体験が元になっているのだけれど
父が何でも母にやらせる人だった、動物の世話から近所の人との付き合いも
自分でこうしたいと思うことを母に指図してやらせて、自分がやった気になっている(w
まぁ、明治の気質の人はこんななんだろうとは思うのだけれど、
これを子供たちにもさせる、母が難儀そうにしていると
自分は絶対に手伝わなくて、指図も今までどおりなのに、子供たちに
母へのいたわりを指図する。
「自分は何もしないで!」と思って育った(w
これを思い出しました。
何でもかんでもノラのことを妻にやらせて、大変だろうなぁと思っていたら
奥さんが入院してしまう。直接の原因かどうかは不明だけど、
「だからよ〜」と内心、百關謳カを攻めたくなった(w
>>23 うちの父親は昭和生まれではあるものの、やはり似たような感じでしたよ。
とにかく頑固(見方によっては偏屈)で、とにかく正しいのは自分。
俺もある程度の歳になった時に口論もしたけど、理屈が通じる相手じゃないだけに
議論にもならない。
現在両親と同居中で、俺と父親の他は母親、妹、妻、そして娘4人の
7人の女軍団。
俺が父親と女性陣の間に立つ事はないので、父親も最近は
かなり大人しくなったような。
まあ、封建的な考え方が正義という時代が俺らの前にあった事は確かだし
時代の移り変わりによる歪みを体験できた貴重な世代という事で。
もうちょっとで一巻を読み終わりそうなんですが、今週末は休日なしという
厳しいスケジュール、とりあえず二週間で五巻を読み終える事は
諦めました・・・
あ、それから猫。
うちも猫を飼ってます。
近所に公園があるんですが、そこによく子猫が捨てられていて、それを子供が
うちに連れてきて、というよくある話で飼い始めたんですけどね。
このへんは猫を飼っている家も多くて、そして時々外に出さずに飼っているという
話も時々聞くんですが(家猫というんですか)
我が家で飼い始めた当初は
「外に出られる猫は幸せな猫、出られない猫は不幸な猫」
という感覚があって、我が家の猫は家と外を自由に行き来できるように
飼い始めました。
ただ、最近はその幸不幸の決め付けも正しくないとは思うようになりましたが。
正しい例えかどうかは分かりませんが、先進国に住む人の幸せと未開の地に
住む人の幸せに優劣が付けられないように、環境と幸せとの間にそういった
因果関係は求められないんだろうな、と考えます。
という事からすると、悲しいと思う気持ちにももちろん同じ事が言えるはずで。
TVの画面に映る自然災害や戦争被害による悲しみに満ちた映像。
その悲しみに対して、遠く離れた場所での出来事と受け取るような
鈍感さだけは決して身に付けたくないと思っています。
以上、猫の話でした。
スレタイくらい読めよ
>>24 二週間で読破は、それにもったいない。
膨大な資料が出てくるので、じっくり読むと気になるものも見つかる事もあるし・・
ゆっくりお楽しみください。
現在進行しているのがナボコフの『ベンド・シニスター』
3度目の挑戦、にしても難解。
実験小説風、かつシェークスピア以降のヨーロッパの文学知識に
貧しい事を痛感しております。
>>25 先進国(東京):未開の地(沖縄の離島)という対比をするなら
それを実践してかんじることは、東京に無いものがここにはすべて(良くも悪くも)
あるし、東京にあるものは全て無いと言えます。
それをどう受け入れるか、こちら次第で居づらくもなるし、快適にもなる。
おおむね楽しんではいるのですが、
本を入手するのはなかな不便があります、手にとって見ること
が出来ないと他人の評価のみで購入する事になります(w
「神聖喜劇」第一巻読み終えました。
それにしても長いプロローグというか(起承転結の)「起」でした。
文章の回りくどさも半端じゃないですしね。
でもそれだけに当時の時代背景や部隊のある様子がしっかりと心の中に
植え付けられた感じです。
俺はまだまだ仕事の忙しさが落ちつきそうに無いので
時間を掛けて読み進めるしかなさそうです。
本来は時間を掛けて読むよりも、2度3度と読み返す中で少しづつ
何かを拾っていくというスタイルだったんですが。
とにかく、この作品とはじっくりと時間を掛けて付き合ってみるつもりです。
>>29 考えなしに、忙しくなるシーズンのしょっぱなに勧めてしまいましたね。
すみません。
ただね、読んだ後に少しだけ変わったなと思えた本なんです。
それだけの価値はあると思います。
どうぞ、ゆっくり読んでください。
小説とは一気に読むものである
・・・と、誰かが言ってたな 誰だっけか
『馬賊天鬼将軍伝』朽木寒三著終了。日清日露戦争から大陸に夢を求めた日本人の
物語。小説ではないけれど(ノンフィクション)コレこそ一気に読むべきものなのに
数ヶ月かかってしまった。
懲りずに
続編に突入。
>>30 すみませんなんてとんでもない。
本に出会うきっかけって、ありそうでいてなかなか無いものですし
本を勧めてもらうのって本当にありがたいです。
「神聖喜劇」
第2巻に突入しまして、やはりちょっとした時間の合間を見つけて
少しづつ読み進めています。
本を続きから読む時、前回そこまで読み終えた時に心や頭の中に
醸造されていた何かを再び呼び覚ます為に、しおりから1ページほど前に
戻って読み始めるので、365歩のマーチよろしくなかなか前に進まなかったり
してますけど。
「神聖喜劇」は20年あまり前に読んだ。
大半は忘れたが、「帝国主義」や「国家と革命」を読んでいないと理解しづらい箇所があったと記憶する。
カウツキーや貝原益軒、田能村竹田他、知の巨人ならではの引用も多様に出来する。
小説ならぬ「大説」と感じた。
しかし、傲慢な自分自身に対する嘲笑の書でもある。
エリートたる筆者の自虐もあらわれる。
知の巨人は「偉大なる凡人」にはかなわない。
死すべき自分は死ぬ場所を得ることができないのだ。
>>34 >知の巨人は「偉大なる凡人」にはかなわない。
題名『神聖喜劇』の由来を一行で言い当てて居られますね。
作者の膨大な知識に追いつける読者は、特に若い人たちには難しいかと思いますし
限定されるとは思いますが、
「偉大なる凡人」の真の価値と、常に自分がそうあり続けたいという
作者の意図を感じ取る事においては、読者を限定しないと思います。
あと、私は逆に『帝国主義』や『国家と革命』を読みきれていなくても
これらの中にある普遍性を理解する事が出来るという印象が残っています。
そう云う意味でも、大きな小説だと感じております。
普段はどんなものを読んでいらっしゃるのでしょうか、
面白いものがありましたら、是非書き込んでください。
>>35 それでは先週読んだ本を。
「日本美術の二〇世紀」(山下裕二著 晶文社)
書店で見かけて買ったのだけれど、初版だった。
2年間売れ残っていたようだ。
二〇世紀になってから「発見」された日本美術について、一般向けに書いたもの。
例えば「一九七〇年の伊藤若沖」では、辻惟雄氏の「奇想の系譜=江戸のアバンギャルド」という
書籍に触れながら、若沖の絵の面白さについて語る。
「一九一〇年の写楽」では、1910年にユリウス・クルトが写楽=斉藤十郎兵衛説を提出。
紆余曲折はありつつも、現在、浮世絵研究家の中ではこの説がほぼ定説になっていると
明らかにし、2000年に出版された「実証 写楽は北斎である」をトンデモ本と切り刻んでみせた。
この本は田中英道氏の著作だが、氏は「新しい歴史教科書をつくる会」の元会長だった。
「新しい歴史教科書」についても
「天平文化は17世紀イタリアの大彫刻家ドナテルロやミケランジェロに匹敵するほどである」
「鎌倉美術は17世紀ヨーロッパのバロック美術にも匹敵する表現力をもっている」
などという評価をしていることを指摘している。
「森の文化史」(只木良也 講談社学術文庫)
森林の炭素の備蓄倉庫としての役割、エコシステムについて等科学的な説明を平易に行う。
森林が環境に与える役割を解説しつつ、その役割を求めるためには人間が手を加えてやる
必要があるとも。
1981年に講談社現代新書として出版されたものを加筆、修正して昨年出版。
20年前にも読んでいたことに気づいたのは、読み終わる直前だった。
少し情けなくなった。
>>36 若冲の再評価は70年だったのですね。
若中展を見逃して、悔しい思いをしたのは数年前です。図録だけ入手して
更に悔しさをかみ締めました。その図録も今では値上がりしていますが
手放す気にはならない。
鎌倉美術というと運慶の彫刻を思い出すけれど、バロック美術とは
何を指すのでしょうか、というか、何故、天平文化をルネッサンスと比較して、鎌倉
文化をバロックと比較するのかが気になります。
日本の文化に誇りをもつのが、その教科書の主旨だったような気がするのですが
日本文化の評価をヨーロッパ文化と比較して表現することが、本末転倒でおかしい。
なんだか気になる本です。
自分の本棚にある本でも、一度読んだのか、読もうと思って読まずに置いたままだったのか
はたまた読んだ記憶があるのに、内容が全く思い出せないなどがずいぶんあります。
何故か、面白くなくて悔しい思いをしたものは手放しても覚えている・・
もしかして、意外と執念深いたちなのだろうか?(w
二度楽しめるのは、良い事だと思うことにしております。
『馬賊天鬼将軍伝・続』朽木寒三著終了
蒙古解放の夢が野末に霧散したいきさつを中心に書かれていました。
小日向白郎の物語はこの後に続いていということが
最後になって納得できました。
『馬賊戦記』先に読んじゃったので、少々戸惑ってしまった・・
『可愛い女』チェーホフ
共に暮らす男性の生活スタイルや心情がそっくりそのまま自分のスタイルに
なってしまう女性の物語。
チェーホフは多分どれもそうなんだろうと思うけれど、
明確な表現をしないというか、読者に判断をまかせる部分が大きくて
読み手によって解釈が違うというのが特徴。
中高校生の頃読んだ時はその解釈ができなくて、全く面白くなかったのに
今読むと含む部分の多さ、寡黙さ、が魅力的に感じる。
ここの元スレ主の魚好きさんが
チェーホフをいくつか読み始めて、だんだん2ch内のレスが減り寡黙になって
とうとう完全に黙ってしまったのは、もしかしてチェーホフに何か
深く得る部分があったのだろうか、などと夢想してしまった。
もしも、これを魚好きさんが見ることがあったとしてもコメントはもらえないだろうなぁ(w
「神聖喜劇」第二巻を読み終えた。
ふぅ。
主人公の東堂二等兵が、自身の積極的な参戦志願についての客観的推察、推論を行う下り。
「私はこの無名の戦争に死すべきである」という虚無主義、「『危険に瀕しつつ生きる』
事への願望」実現の為の手段にしようとする個我主義、「死ぬか死なないかを
突き止める為」にという運命論者的立場、あるいは「『人間としての偸安と怯懦と卑屈と』
に対する拒絶ならびに排斥」という日本的・儒教倫理的「武夫の道」の倫理規範、更には
ニイチェにおける克己的倫理等などが自らの精神の中で「甚だ不審な複合体」を形成しているのでは
ないか、と。
それでも自業自得ではなく、非業非命でもないただの犬死を望むその主人公の心模様が
なんとも理解し切れず、釈然としないものをずるずると引き摺りながら読み進めた。
うーん・・・
>>40 生命体として一番活力のある時期に向き合わされた死という言葉では
収まりきれない重い葛藤がありますよね。
それが、巻が進むにつれ微妙に変化してゆきます。
それにしても、この本には著者が渾身の力を込めて書いたという
迫力が伝わってくる。
心を据えて読まされてしまう作品だよね。
そういう意味でも読み甲斐がある。
それにしても、第二巻はスムーズに読み進められるところと
とにかく読むのに時間が掛かるところと、見事に交互にやってきた。
独り言がしたくなるのも、そんな第二巻を読み終えてホッとしている
からなのだろうなぁ・・・
大西巨人と高村薫を同列に並べるのも変なんだけど
この二人は読み終わるまでに微熱状態というか、一種の緊張感に取り付かれるという
共通点があります。快不快を問われれば快感に近いんだけど、とにかく落ち着かないんだよね。
『近代日本の批評T』柄谷行人をよみはじめたら、これは大正以降の日本の
思想の流なんだけど、その前の時代を確認したくなり、夏目漱石の『草枕』
をよみはじめました。
今日、現場で「第五部 雑草の章」を読んでいると
「・・・たしか何事かが起こっとるごたぁるばい。」
やっと来たー!って感じw
続きは家でゆっくりしながら読もうと、とりあえずそこで読むのを止めて
帰ってきた。
さて、そろそろ続きを読まなきゃ。
落ち着かない、かぁ。
んー、時間潰しに読む本じゃないし、俺も読む時は「よし、読むか!」って
気合入れて読んでるかなw
何かを問い掛けられているような、試されているような感覚はあるし
でもその「何か」が壮大であるので上手く掴みきれず、落ち着かないと
いう事になるのかなぁ。
この本、読み終えたらちょっと時間を置いてもう一度読み直してみようと
思っているので、その頃にはもうちょっと気の利いたレスができると思うけど。
>>45 落ち着かないの正体は良くわからないのだけれど
自分の一部分が捕らわれている感じ、かな・・
昔「微熱少年」って言うキャッチコピーがあったけど、
リアルの生活が地に付かない、異次元に気持ちを持っていかれたような感じ。(w
第三巻読み終えました。
第三巻はかなり読みやすくて、しかもストーリー自体も変化し始めたので
小説として読める部分が多かったかな。
では引き続き第四巻を・・・
>>46 本を読みたいという欲求をこれほど満たしてくれる本というのも
なかなか無いと思う。
満漢全席を何日も掛けてたべているような感じw
夏目漱石『夢十夜』
悲しい夢や寂しい夢が美しい文章で書かれている。
夢十夜が終わり次の『文鳥』に移る。
千代、千代と鳴く文鳥が可愛らしく、文鳥を飼うのも良いなぁと
思い始めたあたりで、餌をやり忘れて死なせてしまう。
飼い始めるあたりでも、面倒はそのうち家人がみるだろうとおもい、
死んでしまった時も、家人に当る様子に興ざめして、その後の『永日小品』を
読まずに本を置いてしまった・・・
もうちょっとで4巻読み終わる保守
>>49 お疲れ様>保守
4.5巻は楽しめますよねw
夏目漱石『草枕』
漢文調の大変美しい文体。
日露戦争を挟んで時代が大きく変化しはじめた時の
雰囲気を表現しているのだろう。
「神聖喜劇」第四巻読み終えた。
ギルーさんも言ってる通り、面白くてスムーズに読めた巻だった。
上の方で名無しさんが「これは小説ではなく・・・」というような事を
言っていたけど、同感。
これは小説じゃない!w
まあ、今まで読んだ小説と、スタイルがあまりにも違うので
そう感じるんだろうけど。
戦争の中で自分の居所についての東条二等兵の心の中の葛藤が
ようやく自分なりに理解できるようになってきた。
遅っ。
×東条
○東堂
結局、休日だった今日一日を使って第五巻を読み終えました。
所感は後でまた。
って、この作品を読み切れているのかどうか全く自信が無いので
およそ見当外れなものになる可能性大ですが。
54 :
† ◆SKULLqR12M :2005/11/29(火) 23:11:59 ID:itNQWwQz
えー、「神聖喜劇」を読み終えて。
まだ頭の中がまとまっていないので、思いついた事を順不同で
書かせてください。
メモ代わりに。
場所は対馬の軍隊内務班、期間にすれば四ヶ月ほどの間に起きた出来事を
追って書かれた文学作品。
出来事と言っても、ショッキングな、あるいはセンセーショナルな事件が
起きるわけでもない。
大きな事件といってもせいぜい銃剣のすり替え事件程度。
そんな中で人物が緻密な描写で描かれ、思想が果てしない奥行きをもって
広がる。
物語の底流に絶えず流れるのは社会主義的平等主義の精神。
作品内では、膨大な、異常とも思えるほどの様々な引用が行われる。
それは超人的な記憶力を誇る主人公「私」東堂二等兵の記憶の反芻として
出現する。
潔癖であり、完璧主義の超人である「私」を、前半で嫌というほど
頭に中に叩き込まれる。
そんな特殊な形式で書かれた作品ではあるものの、実験的とは感じる事無く
作者の執念のこもった迫力に追い立てられる様に読み進んでしまう。
あー、ヨッパで記憶、考えがまとまらないので続きはまた明日にでも。
イザベラ・バード『ロッキー山脈踏破行』
開拓時代がやっとひと段落し始めた頃の未開のロッキー山脈を
旅した物語。
北風の唸る音を聞きながら夜中に読んだので
雪深い山小屋の描写が妙にリアルで、楽しめた。
気温で言えば、全く寒いとはいえないのだけれど(w
さすがに年の暮れで、あちこち拾い読みしているのだけれど
なかなか最後まで集中できない、が、
イザベラ・バードの冒険物語は一気に読めた。
58 :
大人の名無しさん:2005/12/14(水) 23:50:42 ID:skbzr67S
境 弘明
未明の海戦
ヨーゼフ・ロート著『蜘蛛の巣』
作者はウクライナ生まれのユダヤ系、ナチスが断頭する直前のベルリンの
様子がリアルタイムで書かれている。
貧富の差が極端に大きくなっていたベルリンで何者でもないことに
絶えられない、何者かであることにしか誇りを感じる事のできない人たちが
ファシズムに絡め取られていく。
何のイデオロギーも持たない時に、リアリズムに徹しきれない脆弱さの
危険性を感じた。
『チョコレート・アンダーグラウンド』アレックス・シアラー著
チョコレートを始め、一切の甘いものが健康のため禁止されてしまった社会に
反旗を翻す子供達の物語。
チョコレートではなく、タバコだったらもう少し屈折して面白いだろうなぁと
つい思ってしまった。
タバコは他者への迷惑という問題もあるけれど、それさえ気を配れば
個人の嗜好にとやかく口出しされる不快感は
同じなんだけどな・・・
『雀の手帖』幸田文
何で幸田文ばかり読んでしまうのだろうと思ったら
あとがきを見て
祖父祖母の語り口と同じだということに思い当たりました。
それにつけても日々の暮らしががさつになっていると反省させられます。
明日から3週間くらい留守にします。途中で書き込めるかどうかが不明。
通りすがりの方がおられたら、どうか保守御願い致します。
『夜と霧』
小学生の時に読んだ印象が衝撃的で(という記憶のみで)手をつけられずにいて
でも、再読して深く感銘を受けた。
「読まずには死ねないシリーズ」に必携の一冊。
尊厳とは何かについて深く考えさせられた。
ギルーさん
こんなところにいらしたのですね。
以前京都のスレでお話した者です。最近はHN消してます。
最近読んでる本は「西遊記」(大人向けなので漢文みたいで難しい)
でも、面白い。
>>63 お久しぶりです・・・ってどなたでしょう(w
京都スレは楽しかったです。17日まで京都で遊んでいました。
近鉄百貨店の古書市で、欲しい本を数冊発見しましたが、良いものには
きっ〜ちり良い値段がついていて・・・(w
手が出ませんでした。京都の古書店、侮りがたし。
過疎スレで保守に苦労しています。もし良かったら遊びに来てください。
少しずつ読み進めている本『夜の果てへの旅』セリーヌ。
三月書房で購入しました。
売ろうと思って整理し始めたらはまってしまった本。
アイザック・ディネーセン『ピサへの道』
ストーリーテイラーだけあって、引き込まれる。
それにしても、読んだ記憶が全く消えうせている。
『永遠のファシズム』ウンベルト・エーコ
枢機卿とのやり取りの手紙「他人が登場するとき」より引用
『人間が不器用な偶然の過ちによって地上に現れ、死ぬ運命にあるばかりか、その認識を持つことを余儀なくされ、そのためにあらゆる動物の中で最も不完全なものであると。
このとき人間は、死を待つ勇気を得るため、必ずや宗教的動物になるはずです。そして、模範的なイメージや説明とモデルを人間にもたらすことのできる物語を作ろうと心から願うでしょう。そして
想像することのできるイメージ−なにか輝くもの、恐ろしいもの、感傷的に心慰める者−のなかで、
定めの時に到達することによって、キリストのモデルを、普遍的な愛を、敵への赦しを、他人を救うために生贄に捧げられた生命を思い描く宗教的・道徳的・詩的な力を持つようになるのです。
もしも私が遥かなる銀河からやってきた旅人なら(中略)この哀れで不名誉な種は、多くの過ちを犯しはしたが、全ては「真実」であると望み、信じることに成功したという事実のみによってあがなわれる、と判断することでしょう。』
宗教の必然性(キリスト教限定でなく)を語っている場面・・・
本当に自分が理解できているかどうか自信がないけれど・・・
とりあえず、売ることを目的に購入したけれど
売るのを止めることにする。
倉橋由美子『大人のための残酷童話』
有名な童話や昔話・神話の倉橋由美子バージョン。
愛は自己満足に過ぎないというスタンスをベースに冷徹に小気味良く調理している。
「ローワンと魔法の地図」 ← これはダレン・シャンよりも子どもにおすすめ
「わが子を愛するのはたやすいことではない」 ← 搾取し、弱者の犠牲の上に成立してきた歴史について考えてみたいと思っているのでその一環
10万円ではじめる株式投資入門!「株はこうして買いなさい」
2000年発行なので、さすがに内容が古かったかも。
魚好きはやはりここにもいなかったか。(・人・)ナモナモ
>>70 相変わらず、良い読書をされているようですよ。
箱酒さんもなにか読んだ本を書いていってください。
『反体制の芸術』板崎乙郎著中公新書
反体制の芸術というとプロパガンダとしてのアートを思い浮かべるけれど、
「表現の能力は現代美術にあっては技法の練習に依存するのではなく、
精神的な体験が深いか浅いか、繊細か粗雑かにかかっている。
現代美術は、もはや技法の問題ではなく、精神的な体験について論ぜられるべき
問題なのである」と言う立場に立って書かれている。
そして個人の精神的な体験は反体制としてしか存在し得ないという結論に
導かれる。
73 :
大人の名無しさん:2006/03/15(水) 21:52:50 ID:84BR54WB
age
『ケーテ・コルビッツ死・愛・共苦』ドイツ人版画家
第一次大戦で志願した長男が戦死、戦争で死ぬことはどんな戦争であれ
無駄死にであるという認識に達することこそ、死者への真の誠実である。
その後、ナチスのファシズムに徹底して戦った人。
これは、靖国参拝に対するアンチテーゼでもあると思う。
というか、戦死を美化する行為そのものへのNOである。
高尚なスレですね。
比較的最近読んだ本では、加賀乙彦「宣告(上・下)」(新潮文庫)
重いです。拘置所でキリスト教に帰依した死刑囚の話です。
最も最近読んだ本が、藤原正彦「この国のけじめ」(文藝春秋)というのは
触れないで下さい(笑)
>>77 ようこそです。これに懲りずにたびたび書き込んでください。
高宗ではないです、はい。
で、停滞気味だった『新リア王』上巻終了。
下巻は動きがありそうなので、期待しています。
79 :
大人の名無しさん:2006/05/16(火) 01:55:16 ID:C/WcUwT8
落ちそうなんであげとくわ
昨日、話題の「黒い太陽」読了
風俗業界の内幕暴露っつう点では確かに面白く読めたけど、小説としては紋切り型で陳腐
いかにも「続編が出ますよ!お楽しみに!」って感じのエンディングに萎えた
>>79 保守ありがとうございます。
『新リア王』終了。
終戦後、貧困の駆逐を目指した保守の政治の到達した地点と
仏教の無常観が徹底したリアリズムで描かれている。
きちんと読めたのかどうか、不安になるけれど、
ふぅ〜面白かった。
しまった、『新リア王』高村薫著でした。
82 :
79:2006/05/17(水) 01:35:42 ID:NjsFOhRg
俺も『新リア王』発刊直後に読んだお
眩暈がするほど濃厚で面白かった
特に、救いようの無いラストが次作(三部作最終)の予告編として効果的
いよいよ合田刑事も登場しそうだしね
ああ、後何年待てばいいんだろう
>>82 『新リア王』なんと発売していたのを知らなかったのですよ。
もう、晴子の次は永遠に出ないと諦めていて、あわてて読んだ次第です。
サイトを見ると
晴子の時にまだ構想はなくて、保守政治と仏教については
このために準備したそうな・・・
どうか、合田刑事とスニーカーが違和感無い内に・・
85 :
大人の名無しさん:2006/05/28(日) 22:22:00 ID:uzOw1nPu
森絵都「永遠の出口」(集英社文庫)
学生時代を回想する形式なんだが、いまの30代にとっては
懐かしく感じられる一冊。
「永遠の出口」俺も単行本発売時に読んだお
何と言ってもこのタイトルが秀逸だわな
胸に沁みるものがあった
85さんは森絵都さんのブレイク作品「カラフル」読みました?
87 :
大人の名無しさん:2006/05/29(月) 00:31:13 ID:4rPijG/A
>>86 85です。
うおーっ、読んでる方がおられましたか!!
わたしも「カラフル」読みましたよ。
ちょっとファンタジーな感じもありましたが
中学校のときの雰囲気がしっかりと伝わってくる
名作だと思っています。
88 :
大人の名無しさん:2006/05/29(月) 00:34:38 ID:dXCA3x9C
今更ながら「蒲田行進曲」読みました。
映画を観なおしてから読んだんですが、銀ちゃんにしびれっぱなし!!
映画もよかったけど、本当に原作まだの人は是非読んでみてください。
書き込みがあるのは嬉しいものです。
佐藤亜紀『鏡の影』
「とびっきりの器量のいい鱒の一匹をよそわせ、絹のシュミーズでも脱がせるようにそっときめ細かな皮を剥ぎ取った」
「狼もたじろぎかねない色魔の食欲をもって、たらしこまれた生娘のように次々と皿に
飛び込んでくる鱒を片付けていった」
などと、凝った表現が満載で、楽しく読めました。
が、読み手の私がキリスト教文化の素養に乏しいため、作者の意図した引用の
面白さの半分も理解できていないと思われます。
『とっても不幸な幸運』畠中恵
『とっても不幸な幸運』と、書かれた缶を開ける度に何かが起こる。
読み進むにつれ、本と舞台になる新宿のバーの雰囲気に馴染んできた。
休日向きの本。心がゆっくり休めた。
91 :
大人の名無しさん:2006/07/17(月) 01:35:28 ID:ajvPXijX
神様からひとこと
『善の研究』西田幾多郎
93 :
大人の名無しさん:2006/08/20(日) 21:40:47 ID:VDLXQV5K
奥田英朗 さうすばうんど
94 :
hage:2006/08/23(水) 00:08:00 ID:RqpUrSvB
ここセンスいいな!
「邪魅の雫」京極夏彦
いまいち
96 :
大人の名無しさん:
魚好きは死んだのか?