1 :
♪架空世界は温暖化♪:
自分で作ったファンタジー小説を投稿するスレです。
上手い下手とか関係無しで、パクりとかも何でもアリ!!!
内容は、どこかにファンタジーが少しでもカスってればOK♪♪
何でもアリな思い通りの世界を、自由に書いてください★☆
パクったりしたら、できたら教えて欲しいけど(^^)
感想は自由だけど、
あんまキツすぎる批判はカンベンしたげてね(^^;)
登場人物のプロフとかも作成してくれたら嬉しいです♪
2 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/08(木) 04:25:43
まあ、完全コピーはわかんないけど、
ちょっとアイデアパクるぐらいなら、アレンジしたら面白くなるかもね☆
3 :
第0幕〜プロフィール〜:2006/06/08(木) 06:46:31
【狼使い】
・ダン=主人公
・ホマンド=屈指の狼使い
・サーシャ&フェリス=ダンと幼馴染でライバル
・まだまだ出てくる予定です・・・
では、逝きます。
4 :
第1幕〜始まりの時〜:2006/06/08(木) 06:47:11
「うわぁ!もうこんな時間だ・・・っ成人式に遅れちまう──」
俺が飛び起きると当りはすっかり明るくなっていた。今日は大事な成人式だ。
俺の村での成人式は15歳から。成人式の意味は、一匹の狼をもらえるということ。
狼ってのは、だいだいこの国に伝わる大型の犬みたいなもの。
あぁ、もののけ姫の山犬みたいなもんだ。
この国はずっと戦争をしてる。狼に乗っかり、野を駆け巡り。
ほかの国に負ければ征服される──。
だから、有能な「狼使い」は、皆に英雄として称えられる。
俺の、父さんがそうだった。
5 :
第1幕〜始まりの時〜:2006/06/08(木) 06:48:03
「はぁ・・・はぁ・・・まずいって──」
俺は必死に脚を動かし、村の集会所まで全速力で自転車で走った。
集会所まであと1`という目印の看板を通り過ぎる頃、見慣れた顔と出会った。
「あ〜!フェルツ!!」
「・・・なんだよ。お前も遅刻かダン?」
フェルツは俺の幼馴染で腐れ縁ともいえる存在。小さい頃からいろんなことで競ってきた。
「やべぇよ。遅れたら。後10分!」
「・・・しゃべる前に足を動かせ。じゃあな」
表情を一切変えずに奴はスピードを上げた。対抗意識が芽生え俺もスピードを上げた。
じゃり道を風のように駆け抜ける。今日から、自転車じゃなくて、
狼に乗れるんだ。そう考えただけで、俺はワクワクした。
集会所には同い年の奴らが大勢集まっていた。
フェルツは一足先に着き、俺も少し遅れて入った。
「・・・さて、みんな揃った様だな」
村の長であり、最高の狼使いであるホマンドさんが椅子から立ち上がった。
スラッと伸びた足に筋肉質な体。端整な顔立ち。みんなの憧れの的だ。
相棒の狼「ルビアン」が黄色い大きな目を細めた。黒と白の縞々の体に
細長い鼻。爪は鋭く光っていた。
「皆の諸君。今日から君達は狼使いとなる。」
俺は一心にホマンドさんを見つめた。
「ただ──狼をもらうということは、彼らを手名づけ、背に乗ることを許してもらう事が必要だ」
横で眠っていたルビアンが太い首を持ち上げホマンドさんに擦り寄った。
ホマンドさんは喉元をさすり微笑んだ。
「・・・諸君の根性と体力があれば。まぁできるな」
俺はゴクリと息を呑んだ。
狼についての説明を聞いた後、俺たちはそれぞれ見合った種類の狼をもらうことになった。
6 :
第1幕〜始まりの時〜:2006/06/08(木) 06:48:40
「着いたぞ、ここだ」
そこは重厚な佇まいでかすかに狼のうめき声が聞こえていた。
鉄格子に分厚い壁。まるで何かをここから出してはいけないと言ったような感じだった。
「2列に分かれろ。そうだ。じゃあまずこっちからだ」
狼使いを極めた人は、その人にあった狼を選別できるといわれている。
ホマンドさんは、その一人だった。
「お前は、、・・・あぁ、フィレス。お前は・・・あいつだ。ブラッディ」
狼には四つの種族が決められていて。、
一つは、フィレス。獰猛な性格という意味。
二つは、ブラッディ。血なまぐさいという意味。
三つは、ミイルド。大人しいという意味。
四つは、ブレベリー。勇敢という意味。
皆は順々に狼のいるケージの番号を渡されていく。
ついに俺の順番になったとき。ホマンドさんは俺を見て言葉を詰まらせた。
「・・・あの?」
俺はおそるおそるたずねた。彼は近くにいた兵士に耳打ちをした。
兵士は少し困惑して俺をチラリと見て頷いた。
そしてこちらを見据えて言った。
「お前は、これだ」
渡された札を見ると。皆の札は黄色ろかったのに。俺の札だけ何故か黒かった。
そしてそこには
NO。1 グレムリン と書いてあった。
俺は兵士の誘導についていった。石でできた階段を下っていく。
皆が自分の狼とゲージ越しに対面している大きな部屋を抜け、厳重にロックされている部屋に入った、
「・・・」
ふと、背中にゾクリとした視線を感じた。カシャ・・・という音とともに首輪をした
大きな白い狼が鉄格子のゲージの奥に座っていた。
左目は真っ赤に染まり右目は黄色い。そして、四本の足としっぽだけが黒い。
7 :
第1幕〜始まりの時〜:2006/06/08(木) 06:49:51
「・・・あの、この狼の種類は?」
近くにいる兵士に聞いた。兵士はニヤリと笑い答えた。
「あぁ、もちろん。ブレベリーだよ。ただ。ブレベリーの中でも滅多にいない種類だがね」
兵士が笑いながら、狼に近づいた。俺は本能的に止め様とした。でも。
「うわぁああああ!」
ガシャン!という音ともに兵士の血が飛び散った。
グレムリンと名づけられたソイツ。信じられない事に、ゲージを破壊して外に出てきた。
兵士の血が辺りにジワリと広がる。白い狼は兵士を踏みつけこちらを見つめた。
すると何かが聞こえてきた。
「───小僧。私になんのようだ・・・」
俺は辺りを見回したが誰もいない。まさか狼がしゃべった──??
グルルル・・・・唸り始めたグレムリン。涎が口から垂れそうなほどに出ている。
俺は恐怖のあまり動けなくなった。ガクガクと足が震える。
「・・・私を捕まえるとは。愚かな奴らだ・・・」
ギリッと牙を食いしばる音がした。大きな尾上下に揺れている。
ソイツはゆっくりと俺の方へ向かってきた。俺は全く動けなかった。
──ヤラレル──
そう思った瞬間。
「そこまでだ」
ホマンドさんの声が聞こえた。
8 :
第1幕〜始まりの時〜:2006/06/08(木) 06:53:56
「さぁ戻れグレムリン・・・」
ホマンドさんと相棒のルビアンが部屋の入り口に立っていた。
{・・・愚かな}
ホマンドさんには狼の声が聞こえていないみたいだった。
だがソイツは賢かった。ルビアンは立派な成熟した狼だった。
グレムリンはよく見るとまだ幼い狼だった。
ホマンドさんへの憎悪の牙をむいた後、大人しくゲージに戻っていった。
俺は急死に一生を得た。
「・・・おい坊や?どうだった?」
「・・・な、何がです??俺を、殺す気だったんですか?」
ガシャンと頑丈な鍵を掛けなおした後で、ホマンドさんは俺を見下ろしていった。
「何を言っている──?これしきの修羅場、くぐり抜けないなら戦争は無理だ」
冷笑を浮かべ、ホマンドさんはグレムリンを見つめて言った。
「こいつはまだ可愛いほう・・・世の中にはもっと凶暴な種族がいる」
しかもこいつはまだ子供だ。と付け足して。
俺は汗をぬぐった。俺とルビアンさんが外に出ると、皆はそれぞれの狼を首輪と足輪をして
家に帰っていっていた。中にはフェルツの姿もあった。
なんとフェルツはもう首輪だけで連れて帰っていた。
俺が見てみると、ホマンドさんは俺の肩に手をポンと乗っけて言った。
「まぁ、もう少し訓練が必要だな。君とグレムリンは」
俺は握りこぶしを作り、覚悟を決めた。
あいつに乗って。世界一の狼使いになる。 〜第一幕・終了〜
9 :
第2幕〜鍛錬所〜:2006/06/08(木) 06:55:20
「ふわぁ・・・ねむ・・・」
俺はグッと背伸びをした。未だに昨日の出来事が頭から離れなかった。
赤い眼をした白い狼、ホマンドさん、いろんなことがありすぎて、なかなか全てを整理できなかった。
とりあえず俺はグレムリンのいる鍛錬所へ向かった。鍛錬所は狼と人でいっぱいだった。
「あれ、サーシャ?」
「ダン、狼はどうしたの?」
サーシャは俺の幼馴染でフィレスとも顔見知りだ。
鍛錬所の入り口で黒い狼と一緒に順番を待っていた。
「まぁ、その──昨日、連れて帰れなくて、今日引き取りにきたんだ」
「ふーん?そうなんだ」
クスリと笑いサーシャは狼を撫でた。多分種族はミイルドだろう。
「なんて名前?その狼」
「この子はロビッツ。母親は有名な狼だったらしいの、なんでも凄い生まれの血統だとか」
「・・・へぇ」
サーシャはロビッツのふさふさした胸の毛を柔らかく撫でた。
徐々に列が進んでいく。俺は狼と鍛錬する為に来た訳ではないので列を離れた。
裏口から部屋に入り石の階段をくだりすっかり物音ひとつしない大部屋を抜け例の部屋についた。
10 :
第2幕〜鍛錬所〜:2006/06/08(木) 06:56:23
「・・・グレムリン?」
入り口から覗いて見ると、彼は寝ていた。
昨日聞こえた声は本当にコイツか──?寝息を立てるグレムリンはまるで子供だった。
鼻を撫でようと指を突っ込む。
するとまた何かが聞こえてきた。
{やめろ・・・!まだ子供だぞ・・・}
{うるさいぞ。こいつは世の中に100頭しかいないと言われる珍種だ}
{しかし──}
{しかも、コイツの父親はあのアトラスが乗っていた「スプラッシュ」だぞ?高く売れるぜ・・・}
{そ、そうだな・・・}
何だこれ──もしかして、グレムリンが見ている夢??
「・・・フシュッ!」
「うわ!」
声が聞こえなくなったと思ったらグレムリンはいきなり起きた。
そしてこちらを睨み牙をむき出した。怯えと怒りを含んだ眼だった。
・・・こいつ、密漁されたのか──?
11 :
第2幕〜鍛錬所〜:2006/06/08(木) 06:57:32
ふと気がつくと兵士が後ろに立っていた。
「少年。今日から合宿ということは知っているな?」
「あ、はい。一応」
俺は持ってきたバッグを見せた。兵士は、そろそろ時間だ。と言いゲージを移動させた。
まだ首輪だけで移動できない自分に腹が立った。
ガヤガヤとした人ごみの中には俺と同じでまだ
狼をゲージから出せてない人もいたので少し安心した。
一人の兵士が台に上り大きな声で叫んだ。
「よし。今日から一週間の鍛錬合宿だ。鍛錬場所は迷いの森」
迷いの森と聞いて皆はざめきたった。俺も緊張した。
だって、迷いの森といえば、聖なる獣コルスがいるところ──
「・・・落ち着け。迷いの森といえど我らにはホマンド様がついている」
兵士はそう言うと懐から紙みたいなものを取り出し読み上げた。
「この合宿の目標は。自分の狼と慣れること。従って自分勝手な行動は慎み、
入ってはならないというところには入らない。特にコルスが一番多くいる第2エリアには絶対だ」
「・・・さらに。この合宿での成績優秀者は後にわが国の精鋭部隊の一員となってもらう」
皆が一斉にざわめいた。国の精鋭部隊の一員になれるということは一番の名誉だからだ。
兵士が紙を折りたたみ誘導を始めた。
俺もグレムリンのゲージをガラガラと押す。コイツと一週間。
──不安と期待が入り混じった。 〜第2幕・終了〜
12 :
第3幕〜迷いの森にて〜:2006/06/08(木) 17:15:34
ザワザワと森の葉がこすれる音がする。高さ20メートルを越す大木ばかりの深い森。
あまりの広さゆえに旅人は皆迷ってしまうと言われている。
方位磁石なんぞ効きはしないし、夜になると木の高さから地上には星の光も入ってこない。
生徒50人兵士20人ホマンドさんという総勢71人で俺たちは迷いの森の入り口にいた。
歩くたびにジャリジャリという音がして頭上では鳥のバタバタという羽ばたく音がする。
また、あちこちで湧き水が流れ出ている。人が近寄らない場所だからこそ。
──穢れなき森なんだ。
俺たちは初めての迷いの森に大興奮だった。だって聞いたとおりの場所だったんだ。
地面には小さなヘビとカエルが混ざったようなトーブリと呼ばれる生き物や
木の上にはリスザルの親戚みたいな変な生き物ばかり。
俺たちの興奮する声をさえぎる様に先頭のホマンドさんが言った。
「聖なる獣コルスは夜行性だ。昼間はまるで隠れるようにコソコソと生きている。だから
君らが心配する必要はない。ただ。夜にこの森には入るなよ。─食われるぞ」
ホマンドさんが薄ら笑うと周りにいた兵士達はフンと鼻で笑い地面から生えている草を踏み潰した。
「さぁ、着いたぞ。今日はここに泊まる。本格的な演習は明日からだ」
兵士が指差す方向には大きな建物があった。以外にも綺麗なもんで、毎年使っている鍛錬所らしかった。
しかし、建物の周りはバリケードが張り巡らされ物々しい雰囲気だった。
コルスに引っ掻かれた跡や、破壊されて修復した跡も見られる。
俺は背中がゾクゾクするのを感じた。
13 :
第3幕〜迷いの森にて〜:2006/06/08(木) 17:36:56
「じゃあなダン〜」
「おぅ!明日な」
横で話していた奴と離れ決められた部屋に入る。
ガチャリとドアを開くと、なんと相部屋はサーシャとフィレスだった。
俺が部屋に入りベッドに自分のカバンを放り投げた後、サーシャは持ってきたバッグをバサバサとひっくり返した。
「ダンじゃない。幼馴染3人なんて運がいいわね」
「・・・・・・嫌な奴にあったもんだ」
「フィレス相変わらず口が悪いぞ、・・・とにかく、一週間よろしくな!」
「まぁまぁ喧嘩は村に帰ったらいくらでもできるわ。それより2人共話があるの」
サーシャは真剣な面持ちでしゃべり始めた。
「この森に・・・伝説があるのをしってる?」
俺が、「伝説!?」と聞き返すとサーシャは満足そうに笑って続けた。
「えぇ──なんでも今から2百年前に・・・ある狼使いがこの森にお宝を隠したんだって」
「・・・ロバート・エクスピリアムの話か?」
フィレスが口を挟むとまたもサーシャは嬉しそうに頷いた。
「そう!・・・聞くところによると。彼は狼の潜在能力を引き出す道具をこの森のどこかに埋めたらしいの」
俺は何のことかわからなかった。──狼の潜在能力を引き出す道具??
サーシャは俺の顔を見て察知したのか道具の説明を始めた。
「大昔・・・・・・この世には4人の狼使いが居たと言われていたの。彼らはそれぞれ脅威的な力を持っていた。
元々のセンスもあったみたいだけど・・・狼にそれぞれ道具を装備してたらしいの。
豪と速と柔と裂の装備をね・・・合う狼の種族は分かってないんだけど・・・きっと今いる4つの種族の先祖だったと思うの」
サーシャが一息つくとフィレスがまた口を挟んだ。
「──で、2百年前にロバートが埋めたお宝を探しに行くってか?」
「そうよ」
サーシャは眼を輝かせ答えた。
俺の働きの遅い脳でもサーシャのいう事が危険過ぎるということは分かった。
フィレツは大きなため息をついた。
14 :
第3幕〜迷いの森にて〜:2006/06/08(木) 17:40:38
×フィレツ
×フェリス
○フェルツです
間違えた・・・orz
15 :
第3幕〜迷いの森にて〜:2006/06/08(木) 18:18:40
「無理。にきまってんだろ」
フェルツの冷たい声がやけに部屋に響いた。
「・・夜はここから出れない。それに明日以降は早朝から夕方までみっちり演習だ。
遊びに行く暇なんてねぇぞ。しかも広大なこの森のどこに埋めたかなんて分かるわけ─」
「大丈夫!!!」
サーシャはいきり立ってひっくり返したバッグの中身から何かを持ってきた。
「じゃ〜ん」
最初はただのボロボロの紙、にしか見えなかったけど。サーシャは水を持ってきて
それにぶっかけた。するとみるみるうちに地図らしきものが浮き出てきた。
俺とフェルツが唖然としていると彼女は頬を高揚して言った。
「これ、家の納屋にあったの。最初はただの紙切れだから捨てようと思ったんだけど
・・・何故か気になっちゃって。それにあきらかに地図っぽい形してるでしょ?」
俺はサーシャの天才的な勘に脱帽した。もしそれが俺の家にあったら完璧に処分しているところだった。
「で、この合宿に持ってきたんだけど。さっき偶然にバッグから落ちたの。そして、湧き水に漬かっちゃって。
びちゃびちゃでどうしようかと思ってたら──」
「それが浮き出てきたって訳か」
ツンツン頭の黒髪が怪訝そうに呟いた。ツンツン頭こと─フェルツの嫉妬とも取れる態度に俺は吹き出した。
俺は横になっているせいで二人の頭しか見えない。眼を細めて胸の高鳴りを押さえつけた。
ブロンドっぽい巻き毛のサーシャの頭が動いたと思ったら、いきなり彼女は立ち上がった。
「・・・これでもだめ?」
すっかり乾いて地図ではなくただの紙切れに成り果てたそれをひらひらさせながら彼女は小悪魔みたいに微笑んだ。
「・・チッ・・・どうするよ?ダン」
低い声に呼ばれて。俺はガバッと起きて2人の方を向いた。
「地図は解決したな。後はコルスだけだ」
サーシャは瞳を輝かせ、フェルツはあきらめたように外を眺めた。
16 :
第3幕〜迷いの森にて〜:2006/06/08(木) 18:41:19
その夜。俺たちは手分けしてコルスの弱点を探した。
合宿所には幸いにも生物に関する本や辞書がたんまりと整理してあった。
サーシャが分厚い研究所らしきものに手を伸ばし、フェルツがやる気なそうに薄っぺらい
「クモ科3足動物・ルーヴァム」という本を斜め読みしている頃。
俺は狼収容所に走っていっていた。まだ狼に慣れてない初日は別々に生活する。
ガウガウとかグルルとかいろんな泣き声の後に一匹やけに大人しい奴がいた。
案の定、グレムリンだった。赤い瞳をうっすらと開けてこちらを見ている。
「・・・よう、元気か──」
鉄格子越しに手を伸ばすと、ガチンという音ともに牙が指をかすった。
血がにじむ。全く心を開く様子はない。俺は意を決して近づいた。
「・・・なぁ、コルスの弱点って何か知ってるか??」
ジッと赤い瞳を見つめる。すると、かすかにグレムリンが笑ったように見えた。
{・・・一角獣、人食いコルスの事かぃ・・・}
また、あの声だ。間違いない。俺にはコイツの心の声が聞こえる──
{・・・コルスの好物は人の血・・・人を見つけると躊躇なく長い角で突く・・・
奴には弱点はない・・・迷いの森での最強の獣だ・・・必ず殺される・・}
それを聞いて俺は落胆した。やっぱり、フェルツの言うように無理なのかな。
しかし、その後に続くグレムリンの言葉に俺は驚いた。
{・・・ただし・・・奴らが恐れているものがある・・・それは我ら狼だ・・・}
「──なんでって?!」
俺が鉄格子を握るとグレムリンは毛を逆立て唸った。慌てて指を離す。
{奴らは最強といえども所詮一角獣・・・我ら狼族のように世界の中でも恐れられる種族にとっては
なんら怖くない相手である・・・・・・だが、この森に住む一角のボスだけには・・・気をつけないとな・・・}
俺はそれを聞いて急いで仲間の元へ戻った。
17 :
第3幕〜迷いの森にて〜:2006/06/08(木) 18:51:58
「やっぱりね・・・不思議だったのよ。何故ここが合宿場所だったのか」
「つまり襲われても狼がいれば助かる・・・からか」
青い瞳のフェルツが苛立つように言った。サーシャは今にも飛び出して行きそうな様子だ。
「そういうことだ。でも──これで分かった。兵士もホマンドさんも、
きっと道具を探しに毎年ここに来てるんだ。危険という理由で、俺たちを夜出さずに、
狼引き連れて、探しに行ってるに違いない」
外を見ると、すっかり夕方になって、光がなくなりかけていた。
遠くで大きな鳥がバサバサと飛び立った。
「どっちにしろ、今の俺たちでは狼を扱えない。明日からが勝負だ」
俺が真剣に言った後に、サーシャは不思議そうに俺の顔を覗き込んだ。
「でも、なんであんたは狼の声が聞こえるの?」
「─確かに。俺には聞こえないが」
ツンツン頭は眉を寄せて考えていた。俺もふと考えた、確かに。
何故だろう───?
俺たち3人の思考を遮るようにアナウンスが響いた。
「諸君。もう十分休んだな?では夕食だ──1階の食堂に来てくれたまえ」
18 :
第3幕〜迷いの森にて〜:2006/06/08(木) 19:21:11
長ーいテーブルにはたんまりと夕食が盛ってあった。俺はガツガツと手当たり次第に食い荒らした。
「・・・ちょっとダン。もう少し綺麗に食べなさいよ・・・」
隣のサーシャが不機嫌そうに耳打ちしてくる。俺はモゴモゴと言いながら反論した。
「なんでだよ、明日から演習だぞ。しっかり食わないと、夜にヤラレルゼ?」
俺の意味深な言葉に驚いた彼女はゆっくり、そうね。と呟き目の前のサラダを食べ始めた。
俺はすっかりたいらげ腹も膨れたので部屋に戻った。
この一週間中で、果たして誰にも見つからずに、道具を手に入れれるのか?
考えただけで、胸がワクワクした。俺が上機嫌なのを見て隣で横になって本を読んでいたフェルツは
寝返りため息をついた。サーシャは俺と同じで上機嫌に鼻歌を歌いながら風呂に入っていた。
窓を見るとすっかり外は真っ暗だった、本当に光一つない暗い森。
俺は一心に外を見つめた。グレムリンを・・・相棒にできたら。
──全てが可能になる気がした。
翌日。俺は誰かに揺さぶられて起きた。眼をゆるりと開けるとサーシャの顔が近くにあり
飛び起きる。ヒョイとベッドから降りた彼女は笑って言った。
「もう朝7時だよ。演習は8時半から、先にフェルツと食堂行って食べてるから。早くね!」
横で立っていた長身のフェルツは無言で部屋から出て行った。ちゃんとセットされているツンツン頭に
俺は唖然とした。寝癖がひどく直りきらないまま部屋を出て食堂に行く。
服を整えながら走っていると、どこからか人の囁く声がして立ち止まった。
「・・・昨日。兵士が一人殺されたんだって?」
「ぁ・・・あぁ、例のコルスにな。ホマンドさんが駆けつけてくれなかったら全員死んでたぜ」
「・・・まだ神具が見つからないのか?」
「地図がないからな・・・しょうがないよ。ったく・・・誰が盗んだんだ」
俺は冷や汗をかいて急いでその場を去った。
盗んだ?どういうことだ──?
19 :
第3幕〜迷いの森にて〜:2006/06/08(木) 19:40:58
「そんなはずないわ!!」
サーシャの大きな声に思わず俺は彼女の口を手で塞いだ。
「けど・・・本当に言ってんだぜ。兵士達が・・・」
「私の両親が盗んだっての・・・!?そんな訳──」
興奮気味のサーシャの頭をフェルツが本で軽くたたいた。
「・・・お前ら。今から演習だぞ、兵士がいなかったからいいものを・・・少しは頭を冷やせ」
「ご、ごめん・・・」
大勢人が集まり始め、続々と狼の入ったゲージが運ばれくる。2人が自分たちの狼を迎えに行ったので、
俺も赤目を探した。
「居た居た・・・昨日といい今日といい・・やけに大人しいな。グレムリン」
彼はずっと寝ていた。まるで体力を保存するかのように。
演習は、狼に触れ、話しかけることから始まり、
一日目の目標は、自分の狼を首輪だけで自由に連れて回れる事だった。
これは正直難しいと思った。ミイルドのような大人しい種族なら容易いのだろうが。。
あの凶暴なグレムリンを首輪だけで連れて回るなんて。
俺は恐る恐るグレムリンをゲージから出した。まだ足輪も首輪も口輪も付いていたのでグレムリンは
何もできない状態だ。それからそっと首の辺りに触ると。
一瞬彼の体中の毛が逆立ったが、なんとそれからは大人しすぎるくらい大人しかった。
20 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/08(木) 19:46:33
やめろ、つまらない。自分のブログでやりなさい!
21 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/08(木) 19:59:09
かわいそ
賞に何度も落ちだから、こんなとこにのせるなんてなあ
まじめに書いて送りな。プロになって50作発表しないと、《本物の一人前の作家》としてはこの世界では認めない。あなたは50作書き送りましたか?してないならやりなさい。それからのせなよ。努力が足りないね!
22 :
第3幕〜迷いの森にて〜:2006/06/08(木) 20:13:11
>>20 具体的にどこらへんがつまらないのでしょうか?酷評お願いしますm(_)m
>>21 賞?私はこれが初めて書く物語なんですが・・・でもずっと練ってきた物語なんです。プロなんてそんな大それた事目指してません。
ただ
>>1にファンタジ−要素が少しでもあればいいって書いてあったので・・・興味でつい・・・すいません。まだまだ努力します。。
24 :
第3幕〜迷いの森にて〜:2006/06/08(木) 20:26:36
やる気ないんじゃないんです・・どうやって説明すればいいか分からなかったんです。
PCにも余り慣れてないので打ちミスとかもいっぱいしました・・・
出だしが一番難しかったんです。やっぱり小説は一番最初でだいたい決まるんですかね、、
書きたい事がいっぱいありすぎてまとまらないんです。
この物語の筋はどうでしょうか?文章力ないのは分かってます。
ただ筋だけは少し思い入れがあります。酷評お願いします
典型的な小中学生の小説だと思う。
書きたい気持ちがあるのは結構だが、まずはもっと本を読みなさい。
多くの作品に触れることで、自分の文章のどこが駄目なのか見えてくるはずだ。
26 :
♪架空世界は温暖化♪:2006/06/08(木) 20:59:01
>>20、
>>21、
>>23、
いやいや、あなたの方こそ
>>1を読みなさい。
ここは、下手でもかまわないところです。
そして、頼まれもしないのに強い批判はいけません。
ここは小説作成塾ではないのですよ(笑)
ここは、
「好き勝手に書く」というシンプルな暇つぶしをするところです。
気持ちは分かりますが、
頼むから普通に常識的にしててください。
お願いします。
27 :
♪架空世界は温暖化♪:2006/06/08(木) 21:04:26
>>24 色々叩かれたので捕捉しておきます☆
いくらなんでも、普通の中学生よりは上のレベルですよ。
プロとしてはわかりませんが、十分にしっかりしてます。
文章も上手ですよ。
小説家からしてはそんなことないけど、
完全な初心者からすればだいぶ語彙も豊富で上手だと思います。
ここは好き勝手に書いていくことを目的としているので、
頼んでもいないのにケチをつけてくる変態は無視してください。
本当に教えて欲しいときだけ、頼んでみたらいいでしょう。
書けばそれでOK。
技術はどーでもいい。
それがこのスレッド。
狼使いは昔の自分を見ているようで、
馬鹿だと思う反面、応援してやる気持ちにもなるが
>>1が気にくわないスレだ。
暇つぶしの落書きならチラシの裏にでも書いてろクズ。
下手でも構わないとする主体は誰なのだろうか。
はともかく、上手い下手以前に面白くするのが困難。
書き出しの時点で読者との共通認識が少ないファンタジーを
スレに書き込める程度の文字数で収めようとしてもそりゃあ無理だ。
上手く見せれば無茶な設定も面白くできるが
設定を無理くり書き入れてもたわ言になっちまうことのほうが多いし。
ちょっと変な現実世界くらいがせいぜいだろ。
30 :
狼使い:2006/06/08(木) 21:35:38
>>25 小中学生ですか・・・私一応高1なんですが・・・まだまだ幼いという事ですか・・・
意見ありがとうございます。星新一の本とかならいっぱい読みました。
それでファンタジーの世界に引き込まれたんです(^^)もっと本読みます!
>>1さん
私は本気でこの作品を書いてます。酷評してくれる方は嬉しいので・・・別にいいです。
心配ありがとうございます。
31 :
狼使い:2006/06/08(木) 21:44:19
とりあえずもっともっと練ります。序盤の失敗を気にしないぐらいのストーリーにしたいです。
ではノシ
>>24 >この物語の筋はどうでしょうか?文章力ないのは分かってます。
>ただ筋だけは少し思い入れがあります。酷評お願いします
筋らしい筋が見えないなんだけど。
どういうストーリーなのか短くまとめてみたら?
>>31 構成がしっかりしていないことが問題。
各場面とも思いつきで書いているから、説明も描写も不足している感じ。
まず、各場面ごとのプロットを作って、どの場面に誰が出てきて、何を説明
するのかを考えたほうがいい。それができないなら書くだけ無駄だと思う。
高一だとすればセンスは感じられないから、作家の道はあきらめたほうがいいぞ。
>>31 基本的なことでいくつか。
>>4の「もののけ姫の山犬みたいなもん」はよくない。
もののけ姫を見たことがない人を突き放してる。
ここは借り物で横着せずに自分の言葉を。
>>5では「自転車」「1`」「10分」が気になる。
ファンタジー世界ならもっとそれっぽい表現を使うべき。
現実世界で自転車の登場は19世紀。しかも当時はむちゃくちゃ高価。
通常、ファンタジー世界はその技術レベルに達していないとするのが一般的。
達しているならいるで、
そうした科学技術に対する狼の優位性を考えなければいけない。
そういうことをちゃんと考えるともっと世界に説得力が出てくるはず。
そういやファンタジーでいつも困るのが時間と単位なんだよなー。
ついつい「○○秒」「○○メートル」は使いたくなる。
俺がもっぱら書いてるのは別に中世風じゃあないんだが
メートルとか「じゃあこの世界にはメルカトルが居たんだな?」
ってことになるし、それはいかん。
秒にしても時間単位系の元を突き詰めると使うのはどうかと思う。
本当に困るわ。
36 :
♪架空世界は温暖化♪:2006/06/09(金) 05:11:09
>>28 気に食わない、ならば読むな。
これで解決でしょ、出すぎた真似をして荒らすな。
>>30 狼使いさん、そうですか、凄いですね☆
応援してるので頑張ってください☆☆
37 :
狼使い:2006/06/09(金) 06:39:01
>>33 なるほど・・・確かに思いつきでいろいろ付け加えたのもあります。
壮大な物語にしたくて変なものいろいろ付けちゃうんですよね。
センスがない・・・ですか、悔しい・・・orz
でもあきらめられないのでセンスがあるな、と思う本を教えていただきたいです。読みます。
>>34 う・・・自分でも「これは無理か?」って思ったところばかりです・・・
やはり見る人は見るんですね・・・
わかりやすいです、ファンタジーが好きな人が
周りにあまりいないので酷評ありがたいです、
優位性・・そんなことも考えたことなかったです。
キャラにもっと思い入れがいるんですね。すごい難しいな・・・
38 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/10(土) 12:49:13
世界が終焉を迎える日
少年は海の中にたっていた
水が体を癒し
太陽が傷をふさいでいく
貴方が言葉を紡いだら
心はゆるやかに律動する
悪魔がクスリと微笑むと
僕の頭は白濁する
2人しかいない別の世界で
もう一度貴方と会えたら
スミレの花を一輪だけ
そっと貴方に渡そう
風に乗って会いに行こう
さわやかな青い海の中
世界が終焉を迎える日
ボクとキミが再開する日
39 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/10(土) 13:00:30
キミは笑った
「可笑しいね」
ボクは言った
「あんたこそ」
腐った町で一人だけ
貴方はボクの光だった
硬い無機質な塊が
ボクと貴方を引き裂く音
聞きたくないよ
そんな声は
生命の光が消えかかる
「ごめんね」
とポツリと言った
「ありがとう」
と呟いた
そんな戯言は聞きたくないよ
聞きたいのはひとつだけ
ボクを求めるキミの言葉
柔らかな日差しの中で
ボクらは引き裂かれた
許さない 殺してやる 全員 許さない
憎悪と悲しみがこみあげる
散々泣いてキミの身体に倒れこむ
冷たくなったその身体にそっと触れて
白くなったその顔にそっと唇を落とす
キミの細い指にボクの指をからませる
別れを告げる激しい雨にボクは空を見上げた
眼から流れる水と降ってくる雨は混じり
ボクは地面を踏みつけた
神様なんているわけないよ
それでもボクは生きていく
貴方が残した 光を求めて
40 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/10(土) 13:41:31
きみは天才だあ!
感動した!
41 :
詩人:2006/06/10(土) 19:03:42
詩で小説&物語を作ってみました。ちなみに
>>38-39の奴は私が書きました。
僕がどれだけ嫌がろうと
季節は変わる
つんざくような夏の暑さに
やんわりとした冬の寒さ
春の涼しい風は頬をかすめ
記憶を撫でて風化させる
貴方を失った日の記憶さえも
町の人の
囁く言葉と好奇心の眼
僕の心は動じない
だって、あの日から
全ての事がとまっているんだから
秋はどんぐりを捕まえて
力いっぱい空へ投げた
2人は
あまりに若かった
何もかもが若かった
淡い恋心に全てを託し
激しい渦を巻く世界へと
飛び込んだ
2人で飛び込んだのに
何故貴方だけが行ったのか
何故僕だけが残ったのか
その理由を探すために
僕は存在してるんだ
貴方を無くしたその日のために
僕の旅は終わらない
>>37 読ませてもらいました。
熱意は伝わってきます。
文は普通に自然な感じです。ただ、構成・表現・演出はまだまだかな、と。
ファンタジーにとらわれず、
色々な国内外の作家の本を読み参考にしたらよいかと思います。
そして、いきなり大作ではなく短篇からはじめたらどうでしょうか?
あと、面倒くさがらずにプロットも書きましょう。
頭の中では整理できていないトコが分かるはず。
あと、ファンタジーはディテールが大事です。
我々の現実世界にないものにリアリティを持たせるのは大変な事です。
今回の話はプロットで止めて、
自分に力を付けてから改めて取り掛かっても遅くはないように思います。
43 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/10(土) 22:20:40
>>42 感動しました!!!
>>41さんとは別人です。
思い切り初心者なんですが、
良かったら「プロット」と「ディテール」の意味を教えてもらえませんか??
ん? Yahooからアク禁でもされてるのか?
>>43 プロットというのは構成のこと。
冒頭シーンからラストシーンまで、どういう順番で描いていくのかを
予め決めておきます。そうすると、各場面ごとに何が必要なのかが
はっきりするので無駄な文章が少なくなります。
ディテールというのは細部のこと。
ファンタジーの場合は、着ているものや、食べ物、科学技術のレベル
輸送の方法、情報伝達の方法、建物の構造、庶民の生活、こういった
細かい部分を積み重ねていかないと、どういう世界なのかが読者に
伝わらないということです。
46 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/10(土) 23:34:04
>>45 ありがとうございます!!!
短編から書いてみようかな。
このスレっ!みんなっ!!感動っ!!!しまくってるねっ!!!!!!
みんなも何も一人しかいないんだけど
49 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/11(日) 01:21:55
いや、最低でも3人はいるっぽいっすよ
すまん、全部ぶっちゃけオラの自演と言ってみるテスト
自サイト作ったり同人やって反響みながらってのも今の時代ならできるのかもね
51 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/11(日) 03:32:59
52 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/11(日) 03:53:10
ていうか作品投稿系のスレは鯖の負担になるだけだからローカルルールで禁止されているんだけどね
53 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/11(日) 04:14:48
ええやん
54 :
平清火:2006/06/11(日) 12:23:43
わたし、平清火です。えっと、わたしもファンタジー書いていいんですか?
55 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/11(日) 13:03:58
>>54 全然いいですよ☆
好きなときに、好きなだけ書いてください!!!
56 :
狼使い:2006/06/11(日) 13:06:03
・・・練り直した作品の一部を切り取ったのですが・・・どうでしょうか?
今にも消えそうなろうそくが規則的に並んでいるレンガでできた薄暗い長い廊下を抜けると、そこはうめき声と悲鳴しか聞こえない
地獄のような場所だった。
たくさんの四角い部屋の中で泣く子供をあやす母親や、助けてくれと叫ぶ男など
そこには人間を捨てた者たちが居た。否──捨てさせられた者たちが。
壁からつながれている長く太い鎖の先には少年がいた。
暗い部屋にはボロボロのベッドと今にも壊れそうな小さな丸い机があり、
少年は部屋の中央でうなだれていた。もはや彼の眼には生気は灯っていなかった。
なげだされた足と手には無数の切り傷があった。
みたところ15歳ぐらいだろうか。端整な顔立ちの少年はまるで人形のようだった。
時が止まったかのようにピクリとも動かなかった少年がふいに立ち上がった。そして唯一かすかな光が差し込む鉄格子に手を伸ばし言った。
「・・・・・・誰だ?」
少年の視線の先には。歩くたびにカツンという無機質な音を立てる布のフードをかぶった人が立っていた。
「貴方が・・・・トム?」
「・・・」
人は鉄格子の前に立ち、ゆっくりとフードを脱いだ。フードの下には少年と同じくらいの年の少女がいた。
少女は肩にかけていたカバンから何かを取り出した。複雑に鉄がからみあっている細長いもの。
「今すぐにここから出します。・・・貴方はこんなところにいるお方ではない」
少年の部屋の鉄格子には厳重にロックされた何個もの鍵がかかっていた。
少女はすばやくそれらをはずしていった。壁に掛けられたろうそくの炎がそれを非難するように燃え盛った。
ガチャリ。と最後の鍵が開く。
そのとき少年は生まれて初めて自由と言うもの手に入れた。
少年の手首と足首についていた重たい鎖も少女は解いた、フッと身体が軽くなる。
「あんた・・・何者だ?」
「・・・話は後です、トム。追ってが来る前にここから脱出しなくては─」
少女は少年の手をとり、走り出した。
57 :
狼使い:2006/06/11(日) 13:11:51
【説明】
世界はウルフハンドよってに支配されていた。
ウルフハンドとは巨大な黒い狼を操り
人を襲う半分人間半分狼の半狼のことである。ウルフハンドにはいろいろな集団があり、それぞれの世界地域ごとに門番がいて
逆らう人間を容赦なく殺す。多大な作物や奴隷を毎年ウルフハンドに収めなければ町ごとに10人ずつ処刑されていく。
そんな横暴に長年従ってきた人間は世界地域ごとにお互い協力してウルフハンドを倒そうという
ことになる。そこで一番大きな主要国であるフォーカス国では、大昔に一度だけあったウルフハンドと人間との大戦争を教訓とし、
その時に活躍した一族をもう一度終結させようという事になる。
フォーカス国の王はまず最初に、戦争の時にリーダーとして白い狼を操った一族の末裔が収容されているという牢獄に使いを送った。
あれ・・・またなんか話が大きくなりそう・・・orz
>>56-57 まあマシになってきたと思う。
ただなんというか…書きたいのはわかるけど、それをどうしたい?
書くこと自体が楽しくて、それを暇つぶし的にやるというなら
文章レベルがどうとか野暮なことは言わない。
それは自分の机にでも秘めておけ、チラシの裏にでも書いてろと言うだけだ。
小説家になりたいとか、他人に読んでもらいたいと思うならば、まだ足りないな。
掲示板に書き込んで批評をもらう段階ではないという気がする。
「段落の最初は一文字分空ける」とかは内容以前、基本の話。
小説を書く際の約束事はいちいち書いていくと意外に多いので、
そこは自分で調べる方がいい。例えば↓などが参考になる。
http://members.jcom.home.ne.jp/w3c/MediaMix/writing/002story.html 手元にある国語の教科書も隅から隅までよく読んでみなさいな。
59 :
狼使い:2006/06/11(日) 14:11:37
>>58 サイト読みました・・・当てはまるものがちらほら・・・
勉強になりましたm(_)m
マシになってきましたか・・・良かったです。暇つぶしじゃありません。
ただいろんな所で小説を応募してますが私は文芸部でもありませんし
特に小説に関して勉強しているわけではないので自信がありません。
だから暖めてきたストーリーを評価してもらいたかったんのです。
サイトに行くと小説でいかに構成が大事なのかが分かりました。
特に無理に英語を使わないというところが痛かったです。
いろいろあるんですね。。こういうサイトに行った事なかったんでありがとうございます。
奥の深い世界ですね・・・
>>59 謙虚な気持ちで臨めばある程度までは伸びるよ。
もし上を目指すというなら、まずは大作を封印して、小粒なものから始めた方がいい。
とにかくちゃんと起承転結をつけて最初から最後まで書くことだ。
書ききれば自信になるよ。それに、
完結していない作品に対して評価を下すのは難しいもので、
それだと内容に関して的確なアドバイスなんてものは期待できないから。
もうひとつ参考サイト。
http://shinkigensha.co.jp/download/game_drama/ ここの創作支援プログラムは印刷して使うものだが、駆け出しにはいい練習になると思う。
大事なのは、爆発力だよ。
爆発力を最大にする構成を。
62 :
狼使い:2006/06/11(日) 23:12:58
夕方。その少年は小さなブランコに乗っていた。キーコキーコという静かな音が公園内に響く。
彼の今にも沈みそうな夕日を眺める瞳はどこまでも清んでいた。ふと、転がってきたボールが少年の足に当る。
少年は手を伸ばしボールを掴むと手を振りながら合図をする子供たちの方へ投げた。ボールが綺麗な放物線を描き、主の下へ
戻っていったのを見届けると、少年は公園を後にした。取り残されたブランコは寂しげに揺れていた。
「…ただいま」
「あっ!兄ちゃんお帰り!」
2人はお世辞にもいいとは言えない古いアパートに住んでいた。小さな身体が飛び跳ね少年の胸へ飛び込む。
少年は気だるそうに暖かい身体を引き離すと制服のネクタイをゆるめクローゼットに放り入れた。
そしておもむろに古い電話に手を伸ばすとどこかへ電話をした。
それを小さな瞳はジッと見つめていた。
「もしもし。あの──今月の電気料金が…その、足りないんですけど」
それから一呼吸して。小さな瞳にも聞こえるほどの大音量で電話の相手は少年をののしった。
「なんだと!?また余計なもんに使ったんだろ!?知るか!俺はそこまでお人よしじゃないんだよ──お前らでなんとかしろ!」
だみ声は散々わめいた後勢いよく電話を切った。少年の顔は苦々しかった。
跳ねた髪がピョンと跳ね少年の腕を柔らかく掴んだ。
「……大丈夫?兄ちゃん」
「……当たり前だろ。つまらないことを聞くな──」
悲しげな瞳に少年は苛立ちバッと腕を引き剥がした。2人には親がいなかった。
63 :
狼使い:2006/06/11(日) 23:15:00
翌日少年は切り裂くような冬の寒さに身を晒しながら
朝早くから自転車をこいでいた。目的は早朝での新聞配達。
まだ近所の住民が深い眠りについているとき、少年は息を切らしていた。
最後の家に新聞を投函し、いつもの単調な作業が終わり、少年が引き返そうと
ペダルに足を掛けたとき。一人の老人が青いベンチに座っていた。
柔らかそうなニットに身を包んだ老人はかすかに少年を流し見た後。一言呟いた。
「……可哀想に」
その老人が白く長い髭を撫でたとき。少年はたとえようのない感情に囚われた。
まるで言いたいことが喉で詰まったかのように何も発する事ができなかった。
その日から老人は毎日同じ時間にベンチに座っていた。まるで少年を待つかのように。
2人はどんどん親しくなった。少年は老人の話す言葉一つ一つに耳を傾け熱心に聴いた。
ある日、いつものように新聞配達を終えた少年は青いベンチに向かった。老人はいなかった。
そこには気持ちよさそうに眠る一匹の白猫しかいなかった。しかしその猫も大きなあくびをすると
ゆったりと去っていった。少年は必死に老人を探した。老人はどこにもいなかった。彼はまるで身体の一部を失ったかのような
喪失感を味わった。しかし少年の瞳には映っていた。朝靄の中にはっきりと浮かぶ眩しいまでの光が。
短編書いてみました!!
どうでしょうか。。。
これではだめだ。
ひとつひとつがばらばらで、話として繋がってない。
作者の脳内イメージだけで書いてる。
そしてそのイメージを読者が鋭敏に理解するという前提でできてる。
基本的に、作者がちゃんと言葉を尽くしてくれないと読者は理解できない。
62は全部要らない。63に繋がる要素がほとんどないから。
貧乏を表現するだけなら身なりや自転車から言及すれば済む。
その分、老人の描写を増やすべきだ。
少年が感銘を受けたのはどんな言葉か、どんな仕草か、
今のままだと、そういうのがまるで伝わってこない。
老人と出会ったことで、また、老人がいなくなったことで、
その前後で少年がどう変わったのか、
ということを意識して書かないといけないと思う。
それができていないからラストが唐突すぎる。
朝の光が暗示するものが読者に伝わらない。
なので表現のひとつひとつはマシに見えても、
借り物の言葉をつぎはぎしただけという印象を受ける。
書きたい気持ちはわかったから、
「小説の書き方」で検索するなりして、しばらくは書き方を学びなさい。
ここに書き込むのはもう少し力を付けてからにした方がいい。
65 :
狼使い:2006/06/12(月) 06:59:42
わかりますた…評価ありがとございます!!!
自分でも最後を急いで締まった気がしたんです。
そうですね…貴方の言うことはなんて論理的なんでしょうか…orz
…では修行の旅に出てきます。ちょっとはマシになってきますノシ
66 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/12(月) 21:34:12
次の瞬間、少年は崖から飛んだ──。
「見ろよ、この星空──」
「うわぁ……」
2人は夜空を見上げていた。生い茂った森の中で、唯一空が見える場所を探して。
足が棒になるほど歩いて、喉が焼け付けそうなほどの飢えにも耐えて。
やっと見つけた彼らだけの場所──。
そこは、ふかふかした草が一面に生え、心地よい風が吹き抜ける場所だった。
ゆっくりと地面に横たわり少年は指を指して言った。
「あれが、一番輝いてる」
その星は真っ赤に輝く星だった。少年はその星が隠れるように手を掲げ、握りつぶした。
少女はそれを見た後、首を横に振った。
「……違う。一番輝いてるのは──ここからじゃ見えない星」
少年は上体を起こすと、少女を睨み付けて言った。
「ずいぶん奇麗事言うんだな……見えなきゃ何も意味はないんだよ!!」
さらに、勢いよく拳で地面を叩き、唸るように少年は叫んだ。
「誰も気づかない!認めない!それで一番綺麗だと──!?ふざけるな……っ」
少年は言葉を詰まらせ、代わりにギュッと握り拳に力を込めた。
少女はそんな少年を横でジッと見つめていた。彼女の美しい瞳には涙を流す少年が映っていた。
静かな夜に、少年の嗚咽を漏らす声だけが響いた。2人が思いを寄せる夜空は何も言わなかった。
ただ──2人を見守っていた。しばらくして、少女は口を開いた。
「ねぇ、でも私思うんだ──」
彼女はそっと少年の手の甲に自分の手を重ねた。
「貴方はきっと、どこまでもいけるよ」
ふいに、少女は少年の方へ近寄り。2人はそっと口付けた。
67 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/12(月) 21:35:21
ただ、彼女の状況は、良くなかった。服がかろうじて細い木に引っかかり、すぐにでも崖から落ちて
いきそうだった。少年は必死に腕伸ばし、声を荒げ叫んだ。
「アリス──掴まれ!!早く……!」
彼女は朦朧とした意識で少年を見上げた。少年の姿を見て。
幸せそうに微笑んで言った。
「……私がいなくても、貴方はもう大丈夫」
少年は「くそっ!」と叫ぶとさらに身体を伸ばした。
精一杯伸ばした少年の指が少女の手を掴んだ。そして少年が一気に引き上げようと力を込めた瞬間。
少女は少年の手をゆっくり握ると、柔らかく包み込み呟いた。
「──さようなら」
彼女はフワリと自ら手を離した。
少年は何もできずに少女が谷底に消えるのを見つめていた。
「…嘘、だろ」
――――てうざいな。
ぼうせん、リーダいらないね
文章が状況の説明に終始してる
形容詞にたよりすぎてる
アリスって名前出したら少女はつかわなくていいかと
せりふもこぎれいすぎて切迫感がつたわってこない
この文章で長編かこうとするとおそかれはやかれ語彙がつきて息切れしてしまいます
見た、言った、つぶやいた、叫んだが多すぎ、なくてもおk
ラノベ以外で自分の好きな作家、もしくは御大がどう会話とアクションを処理してるか観察するといいとおもう
70 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/18(日) 04:12:58
完全な初心者なんですけど、
いきなり長編は100%つまずきますかね??
>>70 プロット書いてから執筆すれば大丈夫だろ。
高村薫みたいに長編しか書けないのもいれば、
芥川龍之介みたいについに長編を書けず首つった人もいる
新人賞は短編より長編の方が数が多い
自分の表現したいものが短編向きなのか長編向きなのかで決めるべきでは?
できるかできないかはやってみなけりゃわからないんだし
それとも絶対無理だからやめれってアオリの書き込みがあったら君は書くことをやめるのかい?
ここに来るのは初めて何ですが、自作をアップしても宜しいですか?
誰もいないし踊ろうと何しようといんじゃね?
75 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/21(水) 04:51:54
でわ
まず最初に誤っておきます。すいません携帯からしか書け無いため、携帯からになります。
設定としては中世ヨーロッパぐらいの世界観で、ただし癒やしの呪文、と言うか、技がある。という感じです。非人間族は話が長くなれば書く予定です。細かいことはそのつど補足、又は小説中で書きます。
物としては長いです。章分けにして、一章づつでアップします。
一章目は会話中心の短い物ですが、次からは、段落分けをして長い物を書きます。《?》《!》等は不要かとも思いますが解り安くするために使う事にしました。
批評にはその都度、回答、訂正をするつもりですが、あんまりキツい事を言わないでやってください。
では駄文ではありますが、書かせていただきます。
77 :
入隊:2006/06/21(水) 07:06:12
「で、お前たちは何ができるんだ?」
煤けた高い天井、使い込まれた机と椅子、地味な色合いではあるが質のいい緞帳。一見して地方領主の館と解るその部屋にいるのは、鎧を着た二人の男と、上質な服を身に付けた美男子だ。
「ぼ、僕は…」
二人の内の小さい方が、言葉を発し用とするも大きい方ーあくまでも見比べればという事であり、さほど大きい訳ではないーが身振りで言葉を遮った。
「俺たちは、剣を使える、それに二人で戦う事に慣れている。剣を見て解ったと思いますが俺は左利きで、こいつは右利きです。」とお互いの剣を差した。なる程確かに男の剣は、右に、もう一人は左に挿されていた。
「それは、つまり、お互いの不利な方向を補える、という事だな。」
「アイ、そうです、それに僕達は弱い癒やしの技を使える。」
小さい男が嬉しそうな顔んかをしながら話した。「といっても、傷口を腐らなくしたり、一時的に痛みを和らげる程度ですが…でも戦場では役に立つ、そうでしょう?」
美男子は頷く事で同意を示した。
「では、馬はどうだ?えーっと、キーン?」
「キンリーです、キーンは兄でして。」
小さい男は、大きい男を差しながら言った。
78 :
入隊:2006/06/21(水) 07:07:53
「馬は乗れますし、世話も出来ます、ただ乗ったまま剣で戦う事は出来ませんし、気性の争い馬も無理です。」
「では弓は?」
キーンは得意げな表情を顔に浮かべ、答えた。
「弓は得意です、二人とも。弓は馬上でも使えます。」
「よし、ではゆくゆくはラカップの軽騎兵隊に入ってもらう事になると思うが、とりあえずプロビアルの歩兵隊に入ってもらう、入隊者は一度必ず歩兵隊に入る事になっているからな。」
美男子は立ち上がると、両腕を広げた。
「では、ようこそ、トルツ隊へ!細かい事はラッズに聞いて貰おう、彼は貯蔵庫にいるはずだ。そこで給料と馬、鎧、剣、その他もろもろの金に関する事について話合ってくれ。」
79 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/21(水) 07:15:51
二人が去った後、美男子ー傭兵団の長である、トルストーは壁に掛けられた緞帳に声をかけた。「どう思った?メニング。」
緞帳が内側から持ち上げられ、五十絡みの大男が現れた。トルストも一般的な男よりも、頭二つ分は大きいのだが、更に頭一つ分は大きいだろうか。
頭には白い物が混ざり始めているものの、顎の綺麗に刈り揃えられた髭には見られない。がっしりとした体つきといい、遠目からでは遥かに若く見えるだろう。
「そうですな、実際に戦う所を見なければ解りませんが…手と身振りから判断する限りは、それなりに使えるようです。」「まあ、剣に関しては訓練次第でなんともなる、問題は…」
「馬、ですか。それだけは何とも、歩き方で解る事には限度があるので。言葉に嘘は無い用に感じましたが。」
「では、問題は給金だな、納得するかどうか?」
80 :
入隊:2006/06/21(水) 07:18:03
《この隊では最初の三ヶ月は半分の給金しか与えられない、それは行軍に必要な物資を揃える為に当てられる。
また馬が行軍に耐えないと判断されればーもしくは、馬を連れていなければー更に給金から天引きされ、隊の資金で馬が買い与えられる。それがこの隊の、猪、と呼ばれるゆえんである早い行軍を可能にしていた。》
メニングの目が遠くを見つめた、その目はトルストの後ろの窓の外に注がれている。
「どうやら、その問題は解決したようです。」
>>76 もうUPしなくていいや。
レベルはわかったから。
つまらなくてすいません。徐々にましになって行くと思いますが。
色々ありまして、書くのが久しぶりなので…
>>76 地方領主の館の表現が陳腐。美男子を連呼されても興醒め。
他はまずまずかな。そこそこ雰囲気はあると思います。
>>83 ありがとうございます。次の話も、そろそろ仕上がりますので、またUPさせていただきます。
情景描写には気をつけたいと思います。
>>82 つまらないというよりも破綻してるな。
>「それは、つまり、お互いの不利な方向を補える、という事だな。」
集団戦闘で右利きと左利きで不利な方向なんてないだろ。
こんな馬鹿なこと書いたら笑われるぞ。
それよりも中世だと歩兵の主力は槍だ。
歩兵なら剣ではなく槍を使わせられる。長い槍を抱えて突進するだけだ。
騎兵なら槍や剣が使えないと話にもならん。
これだけで物語として破綻している。
これ以上書いても無駄だから、続編はチラシの裏にでも書いたほうがいい。
>>82 >一見して地方領主の館と解るその
中から見てもわかんねだろ。
建物の外側から描写しないと。
>鎧を着た二人の男と、上質な服を身に付けた美男子だ。
鎧って鉄でできてんだろ?
戦闘中でもないのに鉄の塊を着て面接に行く馬鹿はおらん。
つーか、こいつらは普段から鎧もって歩いてるのか?
どこに住んでなにやってる奴らなのよ?
>「では、問題は給金だな、納得するかどうか?」
面接に来てるのに、給料の話をしないでどうすんの?
こんなボロボロの世界観なら書くだけ無駄だ。
お疲れさん。
解りました。修行して出直します。
槍と剣については、俺をむしろ劇中で説明さえあればなんとかなると思う。
つーか、ファンタジーはウソをどれだけリアルに語れるか、なんだからさ。
完成して推敲が終わったものならともかく、
思いつきだけの、書きかけの小説を投稿するのは無謀。
非常に不評につき、更に短編を一つ。
91 :
ゴキブリ:2006/06/22(木) 17:42:34
(よしここからなら!)
ピエールはタンスの裏にわずかな隙間を見つけ出した。
三日前にキッチンの下の通路から外にでた時に、毛の薄く大きな猿。つまり人間のに発見され巣に逃げ込んでから目にする初めての外だった。
「それにしても暮らしにくい世の中に鳴ったものだ。」
ピエールが一人で呟くのも無理は無い。
発見されてからというもの、唯一の出入り口だったキッチンの下を、いい匂い(そう、思わず近づきたくなるほどの。)のする、粘着質の板に塞がれ。必死に他の出入り口を探す事になったのだ。
更に、ここ数ヶ月で、近所に住む仲間が三匹犠牲になっていた。ジョックはその板に、マイクは人間の持つ高速で噴射される、死の雨にやられ。キースに至っては、黒い箱に入った小さな玉を食べ、その家族までもが全滅していた。
そう言えば、二軒隣の家では、人間共の最終兵器、死の霧で幾つかのダニの一家と何匹かの仲間が死んだ事をネズミのジーンが言っていた気もする。
そのジーンの旦那だって、ピンクの団子を食べて死んだ。
(まあ、それでも腹はすくのだ。)
記憶通りならここから出て左に餌場があるはずだ。
しかしジーンがタンスの影から出ると、甲高い悲鳴が聞こえた。
「ごっ、ゴキブリ!!」
(しまった出る前に外を確認すれば。)
後悔先に立たずだ。人間の雄には、我々を気にしない奴もいるのだが、雌は全力で攻撃してくる。
しかしピエールとて、伊達に今まで生きてきた訳では無い。雌は我々を嫌っているゆえに、近づけば逃げて行く。
(この際足元まで近づいて、その隙に。)
ピエールはとっさに雌の足元に滑り込んだ。
雌の足が上がる、しかし予想に反して、悲鳴は聞こえて来なかった。
次の瞬間ピエールは激痛と共に、意識を失った。どうやら脳への一撃は避けられたようだ。
薄れ行く意識の中、雌の声が聞こえた。
「いやっ!踏んじゃった、汚〜い。でもやっと片付けたわ、しぶといゴキブリ!」
>>91 ゴキブリ主観で『キッチン』という言葉は変。
話がありきたり。ただゴキブリ主観にしただけの話。ユーモアが足りない。
93 :
狼使い:2006/06/23(金) 19:49:32
「待て・・・待ってくれ!俺はこの国の役人だぞ・・・殺したらお前らは犯罪人に──」
狂おしいまでの失望感が私を襲った。見上げた空はこんなにも青いのに、何故この世界はこんなにも汚いのだろう。
薄汚い額にコツンと銃口を当てる。
「だからなに?」
「ケイト」
私の名前を呼ぶ声がして、声の発する方向を向くと、煉瓦でできている路地の壁に黒いスーツ姿の男がもたれ掛かっていた。
彼の名前はシェパード・ウィリアム。私のパートナーだ。彼はスボンのポケットに突っ込んでいた手を出し、掛けていた黒いサングラスを静かに取った。
そして人形のように地面に転がっている男の死体を革靴で踏みつけて言った。
「お前、さっき一瞬でもコイツに同情したのか?」
青く冷たい瞳が鋭く光る。私が答えないでいると、ウィリアムは死体を踏みつけていた足を下ろし、私の方へ歩み寄った。
「答えろ、ケイト」
ウィリアムは私の胸倉を強く掴んだ。少し呼吸が苦しくなる。そして首筋に硬い金属があてがわれた。
瞬時にそれが彼の愛用ナイフだと気がついた。
「私を殺す気・・・?」
「・・・」
辺りの空気がピンと張り詰める。何か一言でもしゃべれば、全てが壊れてしまう気がした。
2人とも、じっと押し黙ってにらみ合う。だがその沈黙はすぐに破られた。
「ケイト!ウィリアム!そんなところでいちゃついてないで早く次の任務!!!」
どこかから明るい声がして、ウィリアムは私からサッと離れると、ナイフをクルリと回し、腰につけている銀色の鞘にカチリと収めた。
「・・・まぁいいさ。俺はお前を殺しはしない・・・何があってもな」
おもむろに首筋に指を伸ばすと、かすかに血がにじんでいた。思わず、嫌悪感に手が震える。
私はゆっくりと銃口をスーツ姿に向けた。
「・・・あんまり調子に乗るな・・・殺しはしないじゃなくて、殺せないんだろ?」
次の瞬間、大きな銃声が辺り一面に鳴り響いた。驚いた鳥は一斉に飛び立ち、煉瓦の壁からはパラパラと粉のようなものが舞い落ちる。凍てついた男の頬からは血が滲み出ていた。
ウィリアムは頬をそっと撫でると、静かに微笑んだ。
「・・・これでおあいこだな?ケイト」
94 :
狼使い:2006/06/23(金) 19:51:42
私は大きな窓の枠に座っていた。雲ひとつない空を見上げると、一匹の鷹が上空を旋回していた。
大きな翼を広げ、広い空を自由に飛んでいる。
「・・・・・・」
「さて」
ガタンという音ともに、若い金髪の男がイスに座った。私は空から目線を部屋の中へと移した。
部屋の中には四角い机と3つのミニソファが置いてある。ここは世界各地にある私たちのアジトの一箇所だ。
お金は余る程あるわけじゃないから廃墟を買い取った。だから未だに蜘蛛の巣なんかも残ってるし、ちょっと汚い。
男は咥えていた煙草を取り灰皿に押し付けた。指にはめているシルバーリングが鈍く光る。
「次のターゲットなんだが・・・・・・」
「ユウヤ、さっきの役人に家族いたの?」
私の突然の問いに、ユウヤことスズキ・ユウヤは真夏に幽霊でも見たような顔をした。
「あぁ・・・確か。子供と2人じゃないかな?奥さんとは2年前に離婚したとか」
苦々しかった。家庭がいるターゲットを殺すのは、やっぱりまだ気が引ける。
自分に人の心が残っているなんて思わないけど。
「それがどうしかした?」
「・・・・・・なんでもない」
それから一呼吸おいて、ソファに座っていた長身はコーヒーを一口飲み「ユウヤ。続きを頼む」と言った。
「・・・次のターゲットは政治家のダン・フィリップだ」
「ダンって・・・あのきちがいじいさんか?」
ウィリアムは出鼻を挫かれたようで、くぐもった声を発した。
「あぁ、なんでも奴が最近不穏な動きをしているらしい、ジョージア州にある研究所で生物ウイルスの開発を研究してるんだとよ」
ユウヤはどこかから地図を持ってきて一点を指差した。
そこは世界有数の工業地帯で、確かに怪しい実験も隠し通すことはできそうだった。
私は窓枠から降り、ソファに座った。
「今月の20日に、奴がここを訪問するらしい。目下の理由は町の視察らしいが、本当は
95 :
狼使い:2006/06/23(金) 19:57:34
「今月の20日に、奴がここを訪問するらしい。目下の理由は町の視察らしいが、本当は秘密の研究所への訪問に違いない」
私は嫌な予感がした。わざわざ訪問するってことは、何か目的があるに違いない。
大きな事件が起きなければいいが──・・・
「で、そいつを殺せってか・・・上の奴らものん気なもんだ」
話を聞き終えた黒髪は自慢のナイフを磨き始めた。銀色の刃物が鋭く光っている。
「あのじーさん、噂では相当やばい奴らと仲がいいらしいからな。
前に奴をとっ捕まえようとした殺し屋は、返り討ちにあって腎臓売られたってよ」
ユウヤは胸元から取り出した煙草が湿っていたのか、火がなかなかつかずにいた。
苛立った私が新しい煙草をなげると、弾けたように「サンキュ」と笑った。
おもむろにソファから立ち上がり、空を自由に飛び回っていた鷹をジッと見る。鷹の
首に何かがついている。目をこらすと、それは小型の探査機だった。
私は腰につけている銃に手を伸ばし、ゆっくりと照準を合わせた。引き金を静かに引く。
次の瞬間には、けたたましい爆音がして、空中に羽と血が散らばった。背後で誰かがピュウと口笛を鳴らした。
「ねぇ、どうやらもう始まってるみたいよ」
私は地面に落ちた鳥の残骸をみながら、ソファに座っている2人の男に目配せした。
ユウヤは薄っすら笑うと指にゴツイ金属製のリングを嵌めた。彼はその腕だけで何百人
もの人を血の海に沈めてきた武術の達人。私は玄関に銃をかまえて言った。
「命乞い合戦が」
次の瞬間、ドアが吹き飛んだ。
>>93-95 前回よりは少しマシになったかな。
冒頭のセリフの前に情景描写を入れたほうがいいよ。
それと、状況描写とセリフのつながり(順番)が悪いので全般的にわかり難い。
セリフが唐突に出てくるので、もうちょっと整理したほうがいい。
場面転換した直後は、状況→人物→セリフ、というのが基本。
その場面に出てくる全員の描写が終わるまでは、この順番を守ったほうがいい。
例えば、このくだり
>私は大きな窓の枠に座っていた。雲ひとつない空を見上げると、一匹の鷹が上空を旋回していた。
>大きな翼を広げ、広い空を自由に飛んでいる。
> 「・・・・・・」
> 「さて」
>ガタンという音ともに、若い金髪の男がイスに座った。私は空から目線を部屋の中へと移した。
>部屋の中には四角い机と3つのミニソファが置いてある。ここは世界各地にある私たちのアジトの一箇所だ。
蜘蛛の巣が垂れ下がっている天井。ペンキが剥がれ落ちた壁。
廃墟を買い取ったというアジトは薄汚れていた。
だから私は窓枠に座って外を眺めている。
雲ひとつない空。一匹の鷹が上空を旋回していた。大きな翼を広げ、広い空を自由に飛んでいる。
ガタンという音がした。相棒のユウヤが椅子に座っていた。
「さて、次のターゲットだが……」
このほうが分かりやすいし、描写を加えれば雰囲気も出やすいはず。
それと、一人称で主人公視点なんだから、主人公が名前を知っている人物は
最初から名前で登場しないとおかしい。
98 :
狼使い:2006/06/23(金) 21:45:24
ご指摘ありがとうございます!!
今の私の技量で「狼使い」を書ききるのは無謀だと気づきました。
だから全く違うストーリーを書いてみたんです!マシになりましたか〜良かった。。
確かに言われてみればそうですね・・・次の話から気をつけたいです。
違う人が投稿した作品も見るのは勉強になりますね!
皆さん上手いです・・・まだまだ精進します・・・ノシ
99 :
狼使い:2006/06/23(金) 21:48:30
あ、ここでいう違う人ってのは
>>76=80の人のことです
100 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/23(金) 22:26:23
100GET!!
888 :阿部敦良 :03/02/25 11:37
それにしても、無名草子さんたちとは、さぞやすごい作家先生の匿名書き込みなんでしょうね。
作家なんて才能が全てだから、津井ついみたいに、いくら努力したって駄目なものは駄目ですよ。
私なんか、早々に見切りをつけて趣味の世界で細々ですから。
小説現代ショートショート・コンテスト優秀賞受賞 阿部敦良
101 :
狼使い:2006/06/24(土) 08:10:41
「・・・やろう、どこ行きやがった!!!」
散乱銃を持ったひげ男が唸るように床を蹴りつけた。ガッと床が勢いよくへこむ。
部屋の視界はドアが吹き飛んだせいでほこりや木の断片が舞っていて、驚くほど悪かった。
「・・・ボス、たぶん奴らまだこんなかに居ますよ」
我体のいい男の隣には、ハット帽を被っている痩せた男が立っていた。
やつれた男は不器用な手つきでガシャンと銃を鳴らした。それを合図に、周りにいた大勢の男が銃を鳴らした。
「そんなこたぁ分かってるよ!!たがこの煙じゃあ何も見えんじゃないか!!」
大男はさらにハット帽を非難するように肘でこついた。よろけたハット帽は、ゆっくりと辺りを見渡して微笑んだ。
「・・・大丈夫ですよ。見えないならおびき出せばいい」
男はそういうと噛んでいたガムを素早く床に吐き捨てた。十分に噛まれたガムは、唾液を含み床にベッタリと張り付いた。
「おい!!!」
大男は何をしている、と今度はハット帽の胸倉をつかみ殴ろうとした。
しかし、ハット帽が指差す方向を見て、獲物を見つけた肉食獣のような目つきで大男は笑った。
「・・・なんだ・・・おでましじゃねぇかい」
モヤモヤとした白い煙の中から男が現れた。その男は、黒い髪に黒いスーツだったので煙の中ではいっそう目立った。
「・・・汚したら綺麗にする・・・小さい頃習わなかったのか??」
黒髪の男は皮手袋を手に嵌めながら内心怒っているように見えた。大男は薄ら笑うとおおげさに散乱銃をかまえた。
「・・・動くなよ、どうせ死ぬんだ。名前ぐらい聞いておこうか。俺の名前はスミス。お前の名前は?」
「・・・・・・シェパード・ウィリアム」
皮手袋を嵌め終えた男は腰に手を伸ばした。そしてギンと言う音ともに鋭利なナイフを大男に向けた。
102 :
狼使い:2006/06/24(土) 08:13:10
大男は早く撃ちたいとばかりに、顎を突き出し怒鳴った。
「そのちっこいのがお前の武器か??いまどきナイフか!こりゃ笑いもんだな!」
隣に立っていたハット帽が声を上げて笑うと、周りにいた大勢の男たちも一斉に笑い出した。
だが次の瞬間、大男の太い首からはと血が吹き出ていた。周りのハット帽や仲間が一斉にどよめく。
大男は悶える暇もないままその場で倒れた。いつの間にか黒髪は大男の後ろに回りこんでいた。
黒髪は返り血によって唇に付いた血をペロリと舐めて言った。
「・・・よくしゃべる奴ほど弱いんだよな・・・」
男たちがそれぞれ引き金を引こうとしたその瞬間、空気を切り裂く音がした。
それから5秒後には、ハット帽の周りには誰一人して立っていなかった。一人一人が的確に動脈を切られていた。
「あ・・・あぁ・・・」
言葉にならない声を漏らしながら、ハット帽は狂ったように銃を乱射した。
ドドドドという爆音が響き渡る。天井や床には穴が開き、蜂の巣状態になっていく。
ぶら下がっていた蜘蛛の巣さえも撃ち抜かれて床に落ちた。
やがて部屋は銃から立ち上る白煙で何も見えなくなり、男は安心したように薄ら笑った。
しかし、ふいに背中に何かに当たった。
103 :
狼使い:2006/06/24(土) 08:14:55
ハット帽は背後からナイフを首筋に当てられていた。こめかみに冷や汗が浮き出る。
背後の長身の男は笑っているようだった。
「お前の依頼主はダン・フィリップか?・・・ちゃんと答えたら殺さずに逃がしてやる・・・」
それを聞いて、やつれた男は必死に叫んだ。
「ああそうだよ!お前らが見つかり次第すぐに殺せってな!研究に邪魔な奴らは全部殺す気だよ、あのじーさんは!!」
「・・・研究ってなんだ・・・?」
「詳しいことは、わからねぇが・・・人を軍事兵器にするウイルスを作りたがってたな・・・」
背後の長身が押し黙っていることに不安になった男は、抑揚のない声で「なぁ・・・話したんだから、逃がしてくれるんだろ?」と言った。
黒髪はナイフを首に押し付ける力を強めた。ハット帽の身体が緊張する。
「最後にもう一つ。お前は奴らのなかでどのくらいの位置に居る?」
ハット帽は弱弱しく呟いた。
「下っ端の下っ端だよ・・・・・・あんたら、ダンさんに逆らったら命がいくつあっても足りねーぜ・・・」
「分かった」
次の瞬間、痩せた男の腹部にはナイフが突き刺さっていた。
ズ・・・と引き抜かれ、男はその場に倒れこんだ。朦朧とした意識の中で、
男を見下す青い瞳に向かって、ひねり出すような声で呟いた。
「ッ・・・何で・・・」
「・・・掃除しない奴は怒られるんだよ」
そういって長身の男はポケットからサングラスを出して、静かにかけた。
104 :
狼使い:2006/06/24(土) 08:21:38
アジトの裏では、赤いオープンカーに乗って私とユウヤが待っていた。
私たちは暇つぶしにチェスをしていた。私がそろそろと騎士を進めて「・・・チェックメイト」と言うと、
ユウヤは「あー!!!」と叫んだ。
「はい、今度昼食おごってね、ユウヤ」
「分かったよ。俺は約束を守る男だからな」
そんな会話でユウヤが私の信用を得ようと頑張っている時、ウィリアムが裏口から出てきた。
「お!ずいぶん早かったなウィリアム!」
ユウヤは手を振って居場所を知らせた。
「相手が雑魚すぎる、まぁ奴らが下っ端でよかったよ。あんなのが上の階の奴らだったら、張り合いがなさすぎるからな」
いかにも、つまらないといったウィリアムがオープンカーのドアを開ける。
座っていたケイトは気を利かせて奥の方へ寄った。
「まぁ、次に来る奴はもうちょっとは張り合いがあるんじゃない?ダンさんは執拗な性格でも有名だから」
私がそう言うとウィリアムは凛々しい眉をちょっと寄せて苦虫を潰したような表情で言った。
「奴のしつこさはゴキブリ並だよ」
105 :
狼使い:2006/06/24(土) 08:37:57
ユウヤは鍵を回してエンジンを掛けた。排気量の多い車特有の、バルルンという音がして、
車はゆるやかに路地を出た。今日も空は快晴だった。
「心配しなくても、次はなかなかスリリングなはずだよ」
「どこに行くんだ?」
私は身を乗り出して金髪に聞いた。
「ジョージア州にある、ダンが泊まっているホテルさ。無駄に我体のいい奴らがきっとウジョウジョいるぜ」
それを聞いてウィリアムの瞳が光った気がした。
「人間じゃないかもな、そいつは」
「どういうこと?」
私は隣の黒髪に迫った。運転しているユウヤも興味津々で前をチョロチョロしている
若葉マークのついた車にクラクションを鳴らした。
「奴が研究しているのは生物兵器だ。もし研究が成功しているなら・・・俺たちは人間じゃない、化け者と戦うことになる」
ウィリアムは先ほど使ったナイフを綺麗に拭きながら黙々と言った。
私は身体が疼くのを感じた。ホテルについたら、きっと何かが起きるだろう。
「・・・化け物か・・・」
ユウヤが一気にペダルを踏み込むと、赤い車は凄まじいスピードで駆けて行った。
基本的なこと。
・若葉マークは外国にはありません。
・隠密行動をとるような暗殺者が赤いオープンカー、しかも4ドア。目立ちすぎます。
・アメリカといえど猛禽類は都市部では目立ちます。カラスでいいのでは?
107 :
狼使い:2006/06/27(火) 20:28:04
「ダンさん!!ジョージア州の環境問題をどうやっても解決するおつもりですか!!」
「・・・そのことについては、後日」
パシャパシャと降りしきるフラッシュの中。ダン・フィリップがカメラマン達の間をすり抜けるようにして、
会場を後にした。ダンの周りについているのは身長190程度の大男ばかりだったが、
ウィリアムのいったような、生物兵器には見えにない。
さらに杖をコツコツとつきながら歩くダンは、ごく普通の老人だった。
私は変装のためにかけたメガネをわざと触りながら耳につけたイヤホンを抑えた。
騒がしい中、低い男の声がはっきりと聞こえた。
「こちらウィリアム。ダンはホテルのエレベーターに入った。護衛は4人、他にも部屋にたくさん居るだろうが」
「・・・了解」
私はかついでいた偽のカメラをバッグにしまうと人が溢れている会見場を出て、ホテルの女子トイレへ入った。
辺りを見渡すと天井の隅っこに監視カメラがついている。
しかし、作動を確認する赤いランプは消えていた。
とっくの大昔にユウヤがコンピュウターをいじりホテルのセキュリティーシステムの侵入に成功していた。
私は持っていたバッグから服を取り出すと、清掃員の姿に変装した。
そして便座の上に立ち、精一杯に手を伸ばす。すると、いとも簡単に天井がパカリと開いた。
その中へバッグを放り込むと、何事もなかったかのようにトイレから出た。
「・・・ウィリアム、ダンの部屋は?」
「・・・808号室だが──普通のエレベーターは使うなよ。職員用の食事を運ぶところから行け」
「分かってる」
私はキャップを被り直すと廊下に置いてあった清掃道具をガラガラと押し始めた。
すれ違う客にとびきりのスマイルを振りまきながら、客は使えないエレベーターの前に立った。
あらかじめコピーしておいた職員証をカードキーに通しすんなりと中に入ると8階を押す。
エレベーターが静かに上へと上りだした。
胸に潜ましておいた銃を確認する。
「任務は穏便に、かつ美しく終わらせるべきだ」
ふと、そんな言葉が頭をよぎった。殺し屋一家だった私の家族は、全員
殺しは美しいものだと考えていた。そんな事を考えているうちに、エレベーターは
あっという間に8階についた。
108 :
狼使い:2006/06/27(火) 21:04:11
ガン、と扉が開いた瞬間。そこには人が立っていた。
私と同じ格好をした若い男だった。しかし、なんだか様子が変だ。
表情が暗いし、気分も悪そうだった。私はその男を気にしながらも、
8階のフロアへ降り立った。
男を乗せたエレベーターは静かに下へと降りていった。
何か胸騒ぎがしたが、今はそれよりもダンを殺す事が最優先だった。
「・・・ケイト、奴の部屋は合図すればいつでも開けられるからな」
左のイヤホンからユウトの声がした。私はガラガラと掃除道具を動かすと808号室のインターホンを押した。
「・・・何のようだ?」
インターホンに出たのは、ダンではない、護衛の男らしき人物だった。
「掃除をしにきたんですが──」
「・・・今はいい、後にしてくれ」
図太い男の声はそこでプツリと切れた。私はため息をつくと「開けて」と呟いた。
スルリと愛銃を取り出しガシャンとならすと、目の前の重厚なドアがカチリと音を立てた。
ユウヤがロックを外したらしい。
109 :
狼使い:2006/06/27(火) 21:05:31
私は音もなく内部へ侵入し、様子を伺った。なにやら話し込んでいる。
「・・・しかしダンさんは何を考えているかわからんな」
「あぁ、人間を怪物にして、世界政治を司るなんて・・・はっきりいって頭おかしいぜ」
私は耳を疑った。ウィリアムが言っていた事は、本当だった。
さらに、次の瞬間、私は全身の毛が逆立つのを感じた。
「さっきの男に挿入したのが、実験第一号なんだろ?制御できなかったらどうするつもりだ??」
「知らんな。制御するつもりはないんじゃないか・・・・・・?」
「だとしたらアイツが怪物になったらこのホテル・・・いや、町は全滅だぞ・・・」
「そうだな・・・俺たちも早く逃げようぜ」
私は天井に向けて銃を撃った。ガンガンと頭の血管がぶち切れそうだった。
「どういうことだお前ら──」
「・・・掃除屋が銃を持つとは・・・何者だお前?」
4人の護衛はニヤニヤしながら私を取り囲んだ。私は事態の重さを一刻も早く仲間に知らせなければいけなかった。
指に銃の反動止めを装着する。私がこの世界で生き残れたのは、驚異的な速さでの連射と絶対に的を外さない命中率があったから。
一人がいきなりゴツイ腕をかざし、私をめがけて襲い掛かってきた。
私は避けると勢いのあまりむき出しになった後頭部を銃で強打した。
男は白目をむいて倒れ込んだ。脳震盪を起こしたらしい。
周りに立っている3人に私は尋ねた。
「ダンはどこにいる!?」
すると真ん中に立っていた長髪の男が微笑んでいった。
「研究所さ・・・どこにあるかは僕らにはわからない・・・本当だよ」
残りの2人が一斉に銃を撃った。私が瞬時に銃を盾にして防ぐと、背後に回りこんでいた男が私の後頭部に銃を当てた。
鋭い銃撃を間一髪でかわすとかすかに頬から血が垂れた。
私は仕返し、とばかりに銃を撃った2人の足を打ち抜いた。
彼らはうめき声をあげて倒れた。
「へぇ、強いんだお前」
長髪は嬉しそうに笑い銃をかまえた。コイツは骨が折れると思った私は、イヤホンに向かって呟いた。
『ホテル内にて生物兵器が侵入した。直ちにダンと生物兵器の捜索を頼む』
つーか、ターゲットがホテルに入るのが分かってるなら、
あらかじめ清掃員、もしくは宿泊客としてホテルで待ち伏せしてた方が自然では?
後、台詞が記号的すぎるのと、心情・情景・人物の描写が不足しすぎ。
ダンがどんな人物なのか?世間からどう見られているのか?
取り囲む報道陣の規模と狙いは?
もう少し考えた方がいい。
あと『私』という一人称はやめるべき。このストーリーにはそぐわない。
つーか、前に書いた短篇は手を入れないの?
そっちの方を完璧に仕上げる過程の方が力がつくと思うよ。
シナプスというか、粗筋みたいな感じだね
こういう筋書きの話をどう演出したらもっと目立てるか考えてみるといいと思う
>>109 だいたい分かったから、次を張りたければ自分でブログ借りるか
アリの穴とかでやってくれ。
113 :
狼使い:2006/06/30(金) 07:03:09
はい・・・また短編修行の旅に逝ってきます・・・(´・ω・`)
評価ありがとうございますた。
108,109のアクションシーンを十通りくらい作ってどうやったら目立つか練習するといい
あと、ラノベ以外のエンタメ小説をしっかり読め。
福井でも宮部でもキングでもいい。読めば得るものは沢山あるはず。
116 :
名無し物書き@推敲中?:2006/07/10(月) 07:47:44
あげ
117 :
名無し物書き@推敲中?:2006/07/13(木) 07:15:42
実在する人物の名前、どこまで使っていいんですかね?
公人とかなら大丈夫??
118 :
暇人A:2006/07/13(木) 14:12:04
部分的な戦闘描写についてのコメントを頂きたく思い、投稿させて頂きます。
分かりにくいとは思いますが、この部分だけでも良いので感想を…。
語録
俺=主人公。あることをキッカケにリバースから逃亡。追われてます。
リバース=人界更生機関と呼ばれる主人公の属していた組織。多分悪?
清掃員=組織の不法脱退をした構成員を文字通り掃除するスイーパー。
旧支配者=クトゥルフ神話における昔の神々です。現在はリバースと抗争中…?
119 :
暇人A:2006/07/13(木) 14:14:05
土手に植林された桜の木陰、夜の闇の中でさらに暗いその場所に立つ人影があった。
いつものように俺は夜中の散歩という名の巡回作業を行っていたら、たまたまその人影を見付
けちまったわけで。
何でこう、新月の夜にばかり現れるのかね。
「ぁー。そこの影に佇んでる御方、リバースの清掃員で宜しいかな? 宜しいなら」
ボトムジーンズの、後付けで作った片尻を覆うポケットから俺の唯一の武器を取り出す。
丁寧に折り畳まれた銀紙に似ている物質に、鮫肌が貼り付けられたグリップが付いたままのそ
れを撫でるようにゆっくり広げた瞬間、あら不思議。
刀長68、2pの新刀によく似た形状を持つ日本刀となる。
旧支配者と呼ばれる合成生物やら悪魔やらと似た化け物に本来は使用する武具。
特にこれといった名前は無いが、何となく使い勝手が良いもんで幻剣と呼んでる。
折り畳めるし折れないしな。まぁ、それは置いておいて。
「どちらかがここで倒れなきゃならないってことになるんだが」
元々、この類の武器は人体と人界(通常世界ってこと)への影響は皆無。
そこに存在すること自体視認出来ないから、霊感の無い人にとっての幽霊みたいなもんだ。
けどな。
生憎、俺を含めるリバースの構成員達は皆人間じゃないんでね。
120 :
暇人A:2006/07/13(木) 14:15:59
「無駄話をするつもりは、無い」
ぼそっと呟くような返事が聞こえたかと思うと、清掃員は一気に間合いを詰めてきた。
何も俺だって無駄話がしたいってわけじゃなくてだな。
ただ、
「確認しないまま、普通の人を殺して後悔するのは御免なだけだ」
そう言うなり俺は体に力を入れてふわりと右下の平坦な河川敷へと跳躍をする。
一秒にも満たない間隔で、闇に紛れ易くする為の清掃員特有の制服が俺が先ほどまで居た地点
に飛び込んできた。視線を送って相手の姿を目に焼き付ける。
黒にほとんど近い深紅の掛け物。相手を蹴り殺すことすら容易にする継ぎ目の無い黒ブーツ。
目だけを残して顔を覆っている黒布。掛け物から一瞬覗いた白い腕。
そう言えば、あの掛け物の中の衣服は私服の野郎も居れば、キリっとYシャツを着ている清掃員
も居るって話だ。
まぁ、んなの今はどうでも良いことだよな。
「ッ…」
軽くあしらわれたことに苛立ったのか、すぐに奴も自分の獲物を出してきた。
出血と痛みを増加させる為の突起が付いた刃物。
180度の範囲で見たところ六つの突起が出ているそれは、熊手をかなり凶悪な形にさせたような
感じ。避けにくいだろうなぁ、とか俺は思う。
「もちっと瞬発力付けなきゃいかんぞ?」
正直な感想を良いながら構えを正す。正眼の構えじゃ全方位からの攻撃に対応仕切れない。
だから俺はほとんどオリジナルの構えを作ったわけだが、それがまた。
「ふざけるな…ッ!!」
ふざけてるように清掃員には見えたらしい。
先ほどよりも更に速い清掃員の踏み込み。それと同時に左上から繰り出される凶器。
平坦な河川敷と傾斜のある河川敷の二段階で構成されているのが幸いして、俺は着地点の平坦
な河川敷に踏みとどまることが出来た。
凶器を幻剣で受けながら。
「ふざけては、ないぞ。ただなぁ冷静になって、もっと余裕のある戦いをし――」
聞く耳持たぬとばかりに、俺の言葉を遮って隠れていた左手からもう一つの凶器を清掃員は取
り出して、一息で俺に突き立てようとした。
121 :
暇人A:2006/07/13(木) 14:16:57
日本刀は熊手もどきにがっちり固定されていて持ったまま避けるのは無理。
故に、そのまま手を離して腹部への一閃を後ろに飛び退くことで避ける。
「っふ、…っと…」
小気味良い風切り音を聞く余裕はもう無い。俺の上着である愛用のトレンチコートを裂いた凶
器は熊手とは対象的な360度に拡がる輪っかみたいな武具。確か中国のえらい美人な姫が使って
た武器だなぁ。俺の視線を意識することも無く、偽熊手に絡んだ幻剣を清掃員は打ち捨てる。
一歩ずつ間合いを詰めてくる清掃員の俺を見る目は、徒手空拳の獲物を相手にする余裕と愉悦
。そして高慢さに溢れていた。
それならば、俺はその心の緩みを突くだけのこと。
両足の裏に力を込めて跳躍の準備をする。
「なっ?」
刹那、清掃員が構えを一時的に解いたその懐に一陣の風の如く飛び入る。
間髪入れずに両肩の関節、腕の大元を動かす部分を曲げた両手の人差し指と中指で突き通して
破壊する。
痛みを感じさせる暇など与えない。
「悪い、余裕無いから本気出すわ」
俺の呟きに耳を貸さない清掃員が、自身のだらける寸前の腕を俺の背へと突き立てようとした。
その手に握られているのは二つの凶器。
だが、それらが俺の背を貫くことはない。
容易く清掃員の両肩から引き抜いた両手で裏拳のようにして二の腕を弾いた。
清掃員の懐に体を入れたまま、遊んでいた右膝を思い切り清掃員の下腹部へ突き出して飛ばす。
その隙に清掃員によって打ち捨てられていた幻剣を拾い、土手へ続く傾斜のある河川敷に叩き
つけられている清掃員へとゆっくり歩み寄っていった。
>>118-121 書いている方が分かり難いと感じているようなら、読む側はもっと分からないと
思ってください。分かり難くなっている原因は、複数のことを同時に説明しよう
としていることにあります。
格闘シーンでは、格闘そのものに集中して下さい。
(それでも格闘シーンというのは難しいものなんです)
その他の設定や武器の特性などについては、別の場所で説明するように
されたほうがよいと思います。
そうでなければ、個々のアクションを止めて、その都度解説を入れるなど
の工夫が必要です。
あと、清掃員という表現をすると、読み手は無意識に清掃業者を想像します。
その効果を狙っているのでなければ別の表現にしたほうが無難です。
123 :
名無し物書き@推敲中?:2006/07/13(木) 20:53:27
124 :
名無し物書き@推敲中?:2006/07/16(日) 00:43:10
最初は現実世界で、だんだんファンタジーに染まっていくってのもアリですか??
十二国記か?
まあ何でもいいんじゃん?投下がないと進まないスレだから…
みんなすげぇな〜
俺どこに書き込んでも叩かれまくってるんだよね。
こんなの叩かれてなんぼだろ?叩かれて、直しての繰り返し…誉められる人なんかあんまりいない…ちょっと誉められてじゃあ続きをって言った瞬間に他の人に叩かれるのが大半。
まあエロパロ板ならGJ連発してくれるけどね。別に誉められたくて書いてる訳じゃないでしょ?
128 :
名無し物書き@推敲中?:2006/07/24(月) 13:16:15
こんにちは。ライトノベルや児童文学以外のファンタジー専門の文芸賞を、どなたかご存知ですか?
130 :
名無し物書き@推敲中?:2006/07/29(土) 14:06:00
131 :
名無し物書き@推敲中?:2006/07/29(土) 16:48:20
ファンタジーって架空戦争ものってことかな。
架空階級社会ってことだよな。世界観を楽しむ人も多い。
ファンタジー購読者は、しがらみのあるまじめな人が多いんじゃないかな。
登場人物も各世代バランスよいほうがいいね。狼使いさんはバランスがいい。
俺とか、1対1の戦いってのは、其の時点で買われないんじゃないかな。
132 :
名無し物書き@推敲中?:2006/07/29(土) 17:45:54
おまえは、レトリックからやり直せ
133 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/02(水) 20:33:39
ここレベル高いなぁ
134 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/02(水) 21:19:51
>>127 俺ずっと前ラノベ書いてたけどボロクソ言われたなw
今見るとたしかに酷い文章だったよ。
やっぱ叩かれてナンボだよな。
135 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/03(木) 11:39:02
確かに中学生のころとか高校生の頃とか書いたの見てたら
文章がカスすぎて自分で笑った。
スレの人からも
「お前は少し落ち着け。」
とばかり言われてたな。
136 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/03(木) 17:54:05
だれか書き込みしろよ。小説投稿よろしく
137 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/03(木) 17:55:58
働け無職残飯
138 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/15(火) 08:14:13
質問です。
実在する芸能人がモデルになったキャラがいるんですけど、
キャラの名前を、その芸能人の本名にしちゃってるんですけど、これ問題ですかね?
漢字は違うんですけど、ヤバイっすよね・・・
139 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/15(火) 09:11:07
叩かれるのにビビってます。
初心者なので・・・・ああ怖い・・・
こんな私はへタレっ子ですよね
法的にマズイかどうか以前に
作家としてのセンスを疑われると思う
人名のひとつやふたつ、すぐに捻り出せるだろ?
>>138 辞書を使おう。
もしくは友達とかの名前混ぜるとか…
142 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/16(水) 06:43:36
>>140 その名前がどーしてもゆずれないって感じ!!
けっきょく法的にまずいの?
だったらもう変えるしかないか・・・・
143 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/16(水) 06:57:40
144 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/16(水) 07:43:40
888 :阿部敦良 :03/02/25 11:37
それにしても、無名草子さんたちとは、さぞやすごい作家先生の匿名書き込みなんでしょうね。
作家なんて才能が全てだから、津井ついみたいに、いくら努力したって駄目なものは駄目ですよ。
私なんか、早々に見切りをつけて趣味の世界で細々ですから。
小説現代ショートショート・コンテスト優秀賞受賞 阿部敦良
風が強い。
休む暇なく押し寄せる砂粒から身も守るためにリューはフードを目深に被った。
見渡す限り黄色の大地。草ひとつ生えていない。
荒廃。
砂漠化は爆発的な速度で進んでいると聞く。
まるでこの国の行く末のようだな、と砂粒で視界が閉ざされた世界を見ながらリューは思った。しかし頭の中はすぐに本格的な砂嵐になる前に帰らなければという思考に切り替わる。
リューは三日に一度は、かつてはオアシスと呼ばれたこの場所に来ている。目的は首都からやってくる商人との交易、旅人からの情報収集、戦争で疲弊した難民の救済だった。それは孤立したこの地域が外界と連絡を持つ数少ない手段のひとつであった。
しかしここ数年はもっぱら力尽きたそれらの死体あさりに従事している。
水を求めてここにやってきた彼らの絶望、力尽きる前に何を思ったのだろうか。そんな死体を辱めたくないとリューはいつだって思う。
仕方がない、こっちだって生きるのに必死なんだ。
みじめな気持ちをそうやって誤魔化してきた。
憩いの地として青と緑が輝いていた面影などない。一面の砂、砂、砂。ここ一帯の地下水脈が枯渇してきているらしい。
自分の集落だっていつこうなるかわかったもんじゃあない。リューは砂に足を取られながら考える。もう戻ろう。目に砂がはいらないように俯く。心はずっと俯いているさ、なんてどうでもいいことを考えながら。
いつになったらこんなみじめな思いをしないで済む?
いつになったら故郷に帰れる?
いつになったら戦争は終わる?
いつになったら……
一瞬、視界に黄色以外の何かが写る。死体だろう。ほぼ間違いなく。
もうここはオアシスではない。しかし砂漠の地図を書き換える余力なんてこの国には、この国の民には残ってないらしい。
「さて、今日もみじめなお仕事のおでましか」
自嘲気味にリューは呟いた。
146 :
145:2006/08/16(水) 09:43:27
はじめて小説っぽいものを書きなぐってみたのですが
どうもずっと文とにらめっこしてるとわけわからんくなってきました。
なんでもいいので第三者のリアクションがほしい・・・
>>146 1レスだけだと判断できないな。
2、3気になるところはあるけれどまあまあ読みやすい。
>>146 状況がシビアな割には登場人物が感傷的
現代の先進国で生活してきた人間に見える
149 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/23(水) 13:28:19
完結してないのですが一部、どうですか?
「ユキ、早く来いよ」
「待って…ちょっと、ここ滑る─」
俺は彼女の細い腕を掴むと、力任せに引っ張った。
すると、思ったよりも簡単に、ユキの体は俺の胸にすっぽりと収まった。
「軽いな、お前」
「…そんなことないよ」
そう呟くと彼女は俺の腕の間からスルリと逃げた。
やれやれ、とばかりにこめかみを掻いていると、遠くの方で銃声が鳴り響いているのに気が付いた。
急いで生い茂る木の中で、一番上りやすそうな奴によじ登り、銃声の方向を見る。すると、白い煙が上がっている場所があった。
その場所に何があるか、という事を脳が認識した瞬間。ポタリと、一筋の冷水が俺の心に落ちたような、感覚がした。
「──俺の村が…!」
一目散に木から飛び降りると、俺は一直線に駆け出していた。
「何…カズヤ!?どうしたの!」
「村が…!母さんが危ないっ!!」
道から飛び出る木の根っこを蹴飛ばしながら、大げさに騒ぎ立てる鳥を罵声しながら、俺はひたすらけもの道を下った。
「嘘だよっ…だってここ最近は──隣の国は戦争を仕掛けてこなかったじゃない!!」
森の葉っぱがザワザワと擦れて、森中に彼女の声が反響している気がした。
地面にたまりに溜まった落ち葉も、俺達の足を反撃して、小枝はその鋭い先端で俺の腕を傷つけ、頭上から照りつける太陽のせいで、
背中や額にはジンワリと汗の粒が浮き出る。
「…2年前から休戦してるハズだもん!!それに…今村には女と子どもしかいないし、そんなの──反則だよ!絶対、嘘なんだから!!」
背後でわめくユキに、俺は今まで動かしていた足をゆっくりと止めた。同時に彼女の声も止まる。
「…ユキ…俺だって嘘だと思いたいよ…」
彼女を黙らそうとひねり出した声は、自分でも驚くほど小さかった。
だいぶ走ったせいで、俺は次の言葉を言うために、かなり時間がかかった。
「でも、あの煙はどう見たって銃とか、戦車とか、そういうものから出る奴だ……だから、急がないと…」
「カズヤ……」
俺はもう、流れ落ちる汗を拭かなかった。
150 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/23(水) 13:32:16
「なぁ、すごい綺麗な泉があるの、知ってっか?」
それは、唯一の光だった。
俺の村と、隣の国は、2年前に大きな戦争をした。
原因は、隣の国の産業の発達。森林産業が発達したせいで、機械や人が増えてきて、今まで使っていた森では追いつかなくなったらしい。
それで、資材がたくさんある俺達の村の私有地である巨大な森林を莫大なお金で譲って欲しい。って交渉してきた。
だけど、村長だった俺の父さんは、その交渉を受け入れなかった。理由は、森が破壊されるのは嫌だったから。俺は、妥当な判断だと思った。
その森は、人が触れてはいけない、昔から動物たちの楽園だし、何よりも朝の薄い霧の中でさえずる小鳥の声が、俺は大好きだったから。
ハンモックで寝ていると、いつのまにか動物が集まってくる。そんな場所がその森だった。
しかし、隣の国は、どうしても受け入れない父さんに腹を立て、当たり前といわんばかりに腕力で潰しに掛かった。
戦争は長期化、巨大化して、村の男はほとんど戦地へ。
もちろん父さんも駆りだされて、そのまま、あっけなく戦死した。俺は何故父さんが死んだのが、ずっと信じられなかった。
戦争は一旦休止したけど、結局あの森の半分は奪われて、これじゃあまるで犬死にじゃないか、と。
俺は、小さい頃に可愛がっていた犬のチビが鉱山のトロッコに轢かれて死んでから、意味のない死は大嫌いだった。
ほんとに、大嫌いだった。
そうして、父さんが死んで、村も壊滅状態に陥った頃から、1年ほど経ったある日。俺は森でユキと出会った。
彼女は、大木の根の部分に座り込んで、空ろな瞳で泣いていた。
当時は、俺が質問しても、彼女は何一つ答えてくれなかった。唯一答えてくれたのは、「ユキ」という名前だけ。
意味はここのような熱帯の地域では見られない、寒い地域にだけ降る白い粒のことを「雪」というらしいが、
それのように穢れない白い子に育てばいい、ということだった。
とてもいい名前だと思った。
それから彼女は俺と同じ村、同じ家で暮らして、2年の月日が流れた。
あいかわらず彼女の生まれたところとか、親とか、わからなかったけど、壊れていく森とは正反対に、ユキは笑顔を見せるようになっていた。
151 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/23(水) 13:33:42
「もっと早く走れユキ!!」
「も…無理だよ…!」
ついてこれないユキの手首をがっちりと掴んで、流れていく森の木々を見ながら、ただがむしゃらに走っていたら、ようやく森の入り口まで来た。
しばらく息を整えていると、村の方から銃声と怒声が鳴り響いているのがハッキリと聞こえた。
「…ここからは…静かに行こう…」
太陽に焼きつけられた砂をじっくりと踏みしめ、絶え間ない銃声に気を配りながら、俺は村から少し外れた家に行った。
そこには従兄弟のタクがいるはずだった。家を取り囲む木の陰に隠れて、様子を伺っても、人の気配は感じられない。
家の周りだけ、妙に静かだった。
「…タク…?」
そろそろと家の入り口から顔をのぞかす。すると腹から血を流したタクが家の中央に倒れこんでいた。
「タクさん──どうしたの…!?」
「しっ!!」
俺は左右に視線を走らせると、涙目のユキの口元を素早く手で覆った。
そしてタクの方へ近寄ると静かに手を添えて、タクの表情を見た。
俺の顔を見たタクは、心底安心した顔をした。
「カ……カズヤか…?」
「そうだよ…どうしたんだこの傷…隣の国の兵士か?」
「…あぁ…ひどいもんだぜ…村に行くのを止めようとしたら問答無用に射撃するんだぜ奴ら。本当に人間なのかどうか──ゲホッ」
タクは苦しそうに咳き込むと、口から少量の血が出ていた。
「しゃべるなよ。この傷なら…まだ助かる」
そんな保障はどこにもなかったが、俺は少しでもタクを安心させたかった。
すると、タクは目を薄めてかすかに微笑んだ。
「そうだな──助かる、よな…なんか眠い…しばらく…寝るわ…カズヤ…お母さんに…よろしく…」
俺は何かを叫ぼうとするユキの口を力づくで押さえ込み、目の前の光景から逃げるように自分の目を閉じた。
そうして、タクは、静かに眠った。寝息も立てないくらい──静かに。
152 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/23(水) 13:38:12
「おかしい──銃声がしないぞ…」
「ほんと…だ」
俺とユキはしばらく呆然としていたが、やがてタクの家の中である異変に気が付いていた。
先ほどまで鳴り響いた銃声が、全くといっていいほどしないのだ。
「…私、外の様子みてくる。…カズヤは、裏の窓から出て」
そう呟くとユキは俺が止める暇もないままフラフラと入り口から出ていった。
「裏の窓──??」
俺は彼女に言われたとおり、窓から外へ出て、近くの木の上のよじ登りそっと表の様子を伺った。
すると、数人の兵士がユキを取り押さえて居た。思わず動きそうになる足を踏ん張る。
「…つくづく馬鹿なガキだ。おい、こいつは連れて行くぞ、他に誰かいないか、家の中を調べろ」
一人の兵士がそう言うと、ユキは後ろ手に手首を縄でくくられ、隊列の後ろに連れて行かれた。
そのとき、チラリと、ユキが俺を見て微笑んだ気がした。近くに居た兵士が、上官のような男に、
「こいつは殺さないのですか?」
と聞くと、その男は冷たい表情で言い放った。
「コイツはまだ若いからな。それに顔も体もいいだろ。我が国の、肉体労働で飢えてる男相手の、体の商売にはうってつけだ」
それを聞いた兵士は、汚い表情で笑うと、ユキを突き飛ばし、隊列に並ばせた。
ほどなくして家から出てきた兵士が、「家の中には死体が一体だけで、他には誰もいませんでした!」
と報告すると、兵隊は一斉に一列に並び、行進を始めた。
「…おい、まさか。全部知ってて…」
兵隊が外に隠れていたのも、裏には誰もいないのも、全部知ってて、
俺を助けるためにわざと自分が囮になったのか…??
「ユキ──」
俺は、あまりの事にしばらくその場から一歩も動けなかった。
「馬鹿じゃないのか…俺の方が捕まれば、お前は助かったのに…何考えてるんだ…っ」
隊列が、米粒のような小ささになった頃、俺は急いで木から飛び降り村の方へ向かった。
村は、しんとしていて、炎が燃え盛る音だけしていた。
誰一人として生きている者はいなかった。
家畜も全部殺されて、村人だって全員。もほや村からは、生気の匂いが全くしなくなっていた。
死体を確認して回るも、知っている顔は皆、目を見開いて倒れていた。
153 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/23(水) 13:39:22
「母さん!起きろよ!おい!母さん!」
俺はひたすら母さんの体をゆすった。
先ほどのタクのことで、たまりに溜まっていた涙が、濁流のように流れ出し、ボタボタと地面を濡らした。
「何で!くそ…なんであいつらが死なないで、母さんが──」
俺は、暴れ狂う感情をコントロールできずに、ただただ泣いていた。
「男の子は、泣いたらだめよ」
「何で?悲しいときも、泣いたらダメなの?」
流れていく意識と共に、俺がまだ小さい頃に、母さんと交わした会話を思い出していた。母さんは少し戸惑った後、こう答えた。
「そうよ。誰かを守るには、自分が強くならないといけないの、お父さんだって、一度も泣いたことないのよ?」
「そうなんだ〜」
小さい頃の俺には、あまりよく理解できなかったが、母さんは父さんの話をすると嬉しそうに微笑んだのは覚えてる。
「そんなもの嘘だったじゃないか…全部、嘘だ──」
父さんは、誰一人として守れなかった。村の人々はもちろん、俺や母さんでさえも。そして、俺も誰一人として守れなかった。
154 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/23(水) 13:42:15
泣きつかれて、空を見上げると、いつのまにか太陽は沈み、かわりに空はオレンジ色に染まってきていた。
照りつける日の代わりに、ポツポツと大粒の雨が降ってきた。急いで木の下に移動するも、強い雨は充分に俺の体を濡らした。
徐々に暗くなっていく気分に飲み込まれないように、焼け落ちた村に残っていたスコップを持ってくると、30個ほどの穴を掘った。
ザクザクと、硬い地面に金属を付き立て、えぐる。やがて全て掘り終わると、それぞれの死体を穴に埋める。
そして、最後に上から土をかぶせると、俺はその場にへたり込んだ。
「ほんとに…あいつら人間じゃないな…」
降りしきる雨の中、すっかり力の入らなくなった手を握った。ふと、このままでは風邪を引くと思い、また木の下に移動する。
穴掘りに疲れていた俺の心は、あっという間に白い意識の中に吸い込まれていった。
155 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/23(水) 13:43:01
目を覚ましたら辺りは夜明け前で、村には虫の鳴く音だけがしていた。
ガンガンと響く頭を抑え、俺は必死で何かを思い出そうとした。
何よりも大事な何か。
「──ユキ!!」
そう叫ぶと、俺はふらつく体を奮い立たせ、村の中を駆けずり回った。
燃え落ちた家の残骸から、残っている、
ありったけの金と食べ物をかき集め、一目散に町へ向かった。
「許さない…許さない!!」
またあふれ出てきた水をぬぐいながら、俺は夜中走り続け、町に着くころには、すっかり夜が明けていた。
泣いて涙の筋ができている顔を見る人々の好奇心の目に苛つきながら、
少ないお金を握り締め、俺は刃物屋に向かった。
「いらっしゃい……」
「…これで買える、ありったけの剣下さい」
店の中では裕福そうなおじいさんが一人でイスに座って本を読んでいた。
俺は顔を覗き込もうとするおじいさんを避けながら、金を指し出した。
彼はそれを見ると、困ったような、渋い顔をして剣を選び始め、ほどなくして5本程の短い短剣を差し出した。
「いや、ほんとは4本しか買えないんだけどね。いいよ、持ってっても」
それは、短い剣だったが、人を殺すには充分な刃渡りだった。
俺は、自然と表情が綻んでいた。これで、ユキを助けれる。
「じゃあね」
「ハイ!ありがとうございました」
俺は急いでそれらを腰にぶらさげると、店を飛び出た。
そうして、また一直線に走っていった。
─奴らは許さない。
──俺から大切なものを奪う奴は許さない。絶対に。
ユキは、俺が助ける。
156 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/23(水) 19:57:15
>>149-155 何かありがちなストーリーだな……。
あと、宮崎吾郎監督の「ゲド戦記」のように、こじんまりに悪い意味でまとまっているような印象を受ける。
もっとファンタジーなんだから、広がりが欲しいというのは俺の我がままだろうか?
酷評したが、読みやすいし、成長性を感じるので、がんがって欲しい。
その日の村の様子はいつもとは違う緊迫した状況だった。
羊かいは山頂えと向かうはずなのに羊達をせっせと小屋え押し込めている。
世間ばなしに花を咲かせているおばさん達の笑い声も聞えはしない。
皆何かに追われるように、家畜や農具をしまいドアにカギをかけ家の中に閉じこもってしまった。
風が空気を切る音が村じゅうに響きわる。
嵐のような風が吹けば直ぐにでも倒れてしまいそうなボロ小屋。その小屋の壁に空いた、たくさんの小さな穴から細く淡い光が椅子に座る男の体に当たる、土とわらとホコリの臭いがフワリと彼の顔を霞め男は椅子から立ち上がりゆっくりとその光が指す穴の中を覗きこんだ。
「魔女狩り…か」
男はポツリと呟いた。
この男の名はガイガル
獲物を仕留める剣と疲れを癒すお気に入りの椅子以外なにもないボロ小屋に住む若い狩人だ。
「テンペストめ、こんな田舎まで魔女を探しに来るなんて」
よほど魔女の存在が恐ろしいのだろう。しかし奴らが探して要るのは魔女そのものではなく、魔女の素質を持った若い女だ。きっとこの村に素質を持った女がいることを奴らは感じたに違いない。
「きた…!」
突然、村が暗闇に包まれ物凄い衝撃がズガズガとボロ小屋を振動させる。
「頼むから崩れるんじゃないぞ」
ガイガルはガタガタと揺れる柱をそっと手でなぞりながら奴らが降りてくる姿を捕えようと必死に目をこじあけた。
――
振動がおさまった。
振動がおさまると同時に、巨大な円盤の船が中に舞い耳が痛くなるような音を立てて村の教会の真上に止まる。
そして円盤の中央から光の筒が、スルリと音もなく地面にくっついた。
「スコースコー」
細い管に空気を送る音がきこえる。
テンペストが光の筒から顔を出す瞬間をガイガルは小屋に空いた穴の中からしっかりと見つめていた。
158 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/23(水) 23:39:08
>>157 残念だが、お前さんの表現力は稚拙だ。
読んでいて、光景が浮んでこないのが致命的だ。
お前さんはリア厨なんじゃね?
でも、ファンタジーを表現しようとするその意気込みは買うぞ。
もっと多くの本を読め!
お前さんの頭なら、きっと今以上の表現力を身に付けられるはずだ!
>>158 頭に浮かんでくる映像を一生懸命文章にしようとしても中々それにあう表現が出てこない、じぶんは本当に勉強がたりないんだな。評価ありがとう
160 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/24(木) 15:16:46
>>156 ありがちですか、やっぱりなぁ・・・
でも読みやすいといっていただけて嬉しいです!
ありがとうございますた(・∀・)
161 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/24(木) 21:37:12
誰か投稿して、晒してちょ!
俺様が酷評してやる!
162 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/25(金) 00:58:44
ロウファンタジーでもいいの?
それとも、いわゆる「剣と魔法の世界」が舞台じゃないとダメ?
163 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/25(金) 09:34:15
164 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/25(金) 11:01:27
>>162 ただ、評価は何であっても、手厳しいので宜しく
165 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/26(土) 18:20:44
さてと
阿蘇が狂ったところで
セキュリティ
>>149-155 突っ込みどころが何箇所もある。
1:ただの村がなぜ自国政府を介さずに直接隣国と山林の売買交渉や戦争をするのか。
2:森林産業→「林業」でOK。
3:村の私有地→「私有」は個人所有を表すので、「村の共有財産」もしくは「入会地」等の表現を使うべき。
4:資材がたくさんある→「資材」は製材後の材木を指すので「森林資源が豊富な」等の表現を使うべき。
5:なぜユキは自分が捕まればカズヤが助かることを知っているのか。
6:仲間もいないのに剣を何本も買ってどうするのか。
仲間を増やす予定でも、金は残しといたほうがいい。食料も寝床も情報もタダじゃない。
1〜4は単なる知識不足。
もしも5は何か伏線があり、6はカズヤの未熟さを表現しているのなら面白いと思う。
そうでないなら本を読んだりいろいろな経験をしたりして見聞を広めたほうが良さそうだ。
文章に流れがあるところはとても良いと思う。
>>157 光景が浮かばないというほどでもないけれども
「羊飼い」「魔女狩り」等の中世的要素と円盤のSF的要素がミスマッチすぎる。
後に続く文章で独自の世界観を表現できるならいいんだが…
あと、文章能力が低すぎる。
文法は作文の書き方のマニュアルでも読んで直してほしい。
読書をしているうちに文章の流れの作り方や的確な表現は身についてくるので、
興味のある分野でいいから読書量を増やすといいと思う。
国語辞典を拾い読みするのも勉強になるよ。
偉そうなことを書いて申し訳ないけれど2人とも頑張って。
167 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/28(月) 00:19:16
なんとも無い日常が過ぎ去ってゆく中
とても長い時間の中
それは風のように疾走した。
何処までも、何処までも行こうと僕は言った。
闇は答えた。
美しさを纏った闇はこう言った。
強さを持ちえた闇はこう言った。
―――アナタは、光。
なんとも無い日常が過ぎ去ってゆく中
とても長い時間の中
それは、光のように疾走した。
光の輪舞
光が弾ける
コンマ一秒、先ほど首があった所を真紅の閃きが穿孔する。
羽のような軽さを想わせる速度に、絶対の重量を想わざるをえない破壊力。
血塗れた輝きを放つ大鎌。目の前の少女には似つかわしくない武具。
その奇妙な景色に、少年は美しいとさえ感じた。
しかし思考する時間も与えぬ、とばかりに二発目の豪撃。
瞬く間に二撃、一度振るわれた紅翼が攻撃準備も無しに襲い来る。
紙一重、少年は苦しくもそれをかわした。しかし。
斬撃の反動を利用した、少女の回し蹴りがわき腹で弾けた―――
168 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/28(月) 00:20:30
今年の冬は異常だと言われる。
冬は寒いものだ。そこは理解してやろう。しかし…
異常なほど寒いのだ。
それも少しどころの騒ぎではない。二月に入って急に悪化したわけでもないが、昨日は氷点下七度、ということだ。
例年に比べ十度ほど下がっています。非常に寒いので気をつけて外出するようにしてください。
と、どこかの天気予報士が喋っていたが…なるほど、あんたの考え方少しは理解してやろう。
それにしても寒いな。ああ、寒い。凍りつきそうだ、俺が?いや、表現としては世界が、だな。
みてみろ、雪が降らないにしろ真っ白な視界を、……真っ白な…?
一瞬、何が何だかわからなくなる。
確かに真っ白だった。雪は、無いのに。
いつの間にか俺は日常に戻る。
何が、見えたんだろう…
日は傾き始め、寒さも際立ってくる。
と、自然に俺の体も前に傾き始める。
猫背の俺が歩いていく。
休日に暇だからといって出かけるべきではなかった。
そう思いながら。
何故そんなことが判るかも解らない、という不自然で奇怪極まりない解釈のもとの考えだが。
そんなとき、ふと気付いた。
真っ白な世界で。
ずっと真っ白なキミがいたんだ。
169 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/28(月) 00:21:25
まだプロローグなんだけど、どう?(´・ω・`)
プロローグってのはとかくポエトリィになりやすい
そのほうが雰囲気が伝わるんじゃないか、とか
抽象的にすることでイメージ先行にできるんじゃないか、とか
そういったいくつかの理由によってね
詩的で感傷的で、独白的なプロローグそれ自体は問題ない
しかしそれが本編と関わらないとすれば、これほど情けない出だしはない
ところで、
>>167と
>>168は同じ作品?
171 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/28(月) 10:59:10
はい、そうです(^_^)
172 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/28(月) 13:22:16
173 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/28(月) 13:28:58
(´・ω・`)なにそれ?
>>173 富士見書房の「ドラゴンマガジン」で一回目の竜皇杯を取った作品だ。
アニメ化もされた。パシフィカとかシャノンとか、お前知らんか?
富士見ファンタジア文庫で売っているから。ブックオフで探してみるといい。
175 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/28(月) 15:07:10
>>167 最初は透明感があっていいと思ったが、なんとなく読んでいて入り込めない感じだった。
キミって言われても、きみがどんなのか、描写ももっとあっていいかと。
最後の余韻を残す所も微妙。でもこれからまだまだ伸びる予感がする。
頑張って
176 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/28(月) 20:42:00
>>175 はい、とても参考になりました。ありがとうございますo(^-^)o また頑張って書いてみます
177 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/29(火) 11:40:59
アフィリエイトの宣伝はやめてね
179 :
夢みるこ ◆L3dPScc3M2 :2006/08/30(水) 00:15:01
誕生編・第一章〜放たれし者〜
アグリーノ歴637年
色々あって魔王の封印が解かれ、はや8年が経とうとしていた。
勇者マイクのもたらした平和に浸りきっていた大陸ルシカの人々は魔王に為す術もなく屈することとなった。
さらに魔王はといえば、もう封印されたくないわけで、大規模な勇者狩りをしたわけで。
そんなこんなで魔王に抗おうとする人はいなくなったんだけど…。
そんなの私………、納得いかない!
こうして私の旅ははじまりかけました。
「何回言ったら分かるんだ!」
そう怒鳴ったのは二人暮らしで親代わりのお兄ちゃん。
「勇者はふつう男がなるものだ!女が勇者なんざ誰も相手にしてくれない、何度言えばわかるんだよこれで5回目だぞ!
それに何よりお前が勇者になって旅に出たらお兄ちゃん…」
いつもこんな調子、やんなっちゃうなあ。こうしてる間にも魔王の脅威が広がってるのに…誰かがやらなくちゃいけないことなのに…
その10日後、兄は流行り病にかかって亡くなっしまった。
「お兄ちゃん、いってくるね!」
こうして私の旅がはじまった
181 :
夢みるこ ◆L3dPScc3M2 :2006/08/30(水) 00:28:07
続きみたいひといますかー?
かわいいから許す
家をでて気づいたんだけど私装備がなにもないの、そんなにお金もないから武器も買えない…。
どうしようもなくなったから街の占い師様のところへ行ったの、どうすればいいですかってね。勇者になりたがってたのに呆れちゃうよね、ふふふ
「…ならば勇者の塚にいくがいい、お主が本当に勇者の資質があれば、誰も抜くことのできない勇者の剣ぬけるはずであろう」
でてきたしわくちゃのおばあちゃんはそう言うと、有り金の三分の二を奪って店の奥へと行ってしまったわ
結論からゆうと抜けたわ。
塚まで三日もかかってね、さらにここから魔王の居城までは十日もかかるんだって、やだなあ剣も重いし。
その日の夜になりかけたころ、丁度民家をみつけたので休ませてもらうことにしました。でもこの家ただの民家じゃなかったの
近くで見るとひどく古い家だった。今にも壊れそうなほど。
私がスミマセーンとドアをノックすると、軋む音をだしながらドアは前に倒れてしまった。
「あーっ!」家の人は叫びながら近づいてきた。どーしよ泊めてもらえないかも!と思ってる私に
「そ、その剣は勇者の…。」
「そうですけど、今夜泊めてもらえませんか?」
「僕は賢者ジョンソン、魔王を倒そうとする勇者が現れるのを信じてずっと魔法を研究してたんだ!」
「ご飯とかはホント大丈夫です、泊めてくれるだけでいいんで!」
二人とも必死だったわ
色々あって翌朝。ジョンソンを仲間に加え出発しようとすると
「待って、僕テレポートが使えるんだ!そうしようよ」
「でもそれって知らない場所にもいけるの?」
「実は、魔王の居城に行ったことがあるんだ…」
どうやら魔王の居城は先々代国王の避暑用の城で、ジョンソンはそのとき招かれて行ったことがあるんだって!
「じゃあ僕が玉座の後ろにテレポートするから、背もたれを一気に貫いて!」
うなずいた私をみると………ブゥゥン………魔法陣が発動すると景色が変わった、当たりが石壁に囲まれた広い部屋、目の前の玉座…。私は思いっきり剣をつきさした!
「ぎゃあああ!!」そう叫ぶと魔王は力尽きた
187 :
夢みるこ ◆L3dPScc3M2 :2006/08/30(水) 01:23:14
おしまい
188 :
夢みるこ ◆L3dPScc3M2 :2006/08/30(水) 01:46:35
あのどうですかあ…
まあ、いまはむつかしいことは考えずに、書きたいように書けばいいと思う。
なんか久しぶりに心があったかくなった…気がする。
191 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/30(水) 08:10:37
あっけなww
192 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/30(水) 08:11:53
小説、と言われると陳腐かもしれないが、どうなのかなぁ。
>>188 ファンタジー風小咄として読む分には面白かった。
一人称を上手に活用している。
魔王を倒すところにもう少しヒネリがほしい。
あと、「結論からゆうと」は「結論から言うと」にしておくれ。
194 :
夢みるこ ◆L3dPScc3M2 :2006/08/30(水) 10:26:51
>>189-193 コメントありがとうございます(>_<)
誤字脱字がひどくスミマセン、「結」は見直す余地ありですね
195 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/30(水) 10:58:25
奥さん、ほうら、目の前に好きなオチンチンがあるよ。
仁王立ちする男優の股間にすかさず真弓サンは飛びつきます。
口からオチンチンを出したり入れたり。チュパチュパとキスしたかと思えば、
男根の裏スジをツツーと舌先で舐めあげます。
ジュボジュボと口でくわえたかと思えば、ペロペロと舌全体を使って舐めまわします。気持ち良さそうだぜい〜。
じゃ奥さん、僕の上に乗っかってくれる?^^結合部分がはっきり見える体位 です。
パンパンパン。上下に動く音が響き渡ります。
それからバックの体位へ移行。「もっと激しくついて〜」。^^
その声にまたもやこたえると、奥さんはまたまた昇天。そして最後に、奥さんの好きな正常位 でフィニッシュ。
196 :
夢みるこ ◆L3dPScc3M2 :2006/08/31(木) 00:47:55
今日も痛快爽快ファンタジーいっちゃうよ!全5レスだよっ
父さんが殺されるのを、僕はただ柱の陰から見ているだけでした。
5人の男たちがいて、その中の一人が父さんを刺しました。
間もなく力尽きた父さんをみた男たちは、笑いながら剣を引き抜き、しばらくの談笑の後に帰って行きました。
すると後ろから小さな音が聞こえてきます、ひどくかすれた寂しい音です。
振り向けば母さんがいて、声にならないような声で「大丈夫でしたか」と訪ねてきたのですが、僕の答えを待たずしてぎゅうと肩を抱きよせました。そうされた僕は、答えるのを忘れてしまい、思い出したように悲しくなりました。
抱きしめながら母さんは言います。「あなたの父は立派な魔王でした、その血を受け継ぐ貴方はさらに立派な魔王となることでしょう。尽力しなさい、魔族が虐げらるることのないよう、魔族の益々の繁栄を」
母の言葉はすんなり受け入れることができました、二度とこんな悲しい思いをしたくなかったから。
私が魔王としてすべき尽力を考え始めてから三日が経とうとしていた。その間、行く当てもないからと父の居城に居続けたのが間違いだったのだろう。
その日の陽が昇りきった頃に王軍の残党狩りがやってきた。隊列の中の一人が、大人しく出てこい、そうすれば…などと喚きだしたので、しばらく窓から見ていると、魔族の何人かが隊列を襲った。五人六人と次々と殺し、十人目あたりになった時槍に突かれて死んでしまった。
王軍はさらに十数の魔族を狩り終えると帰っていった。
私は、ふと父のことを思い出していた
次の日、またいつ来るかもわからぬ人間の脅威にそなえ、私は魔王としての尽力を尽くすことにした。
大広間にて、残る魔族へ、繁栄の宣誓をしたのだ。
「私にとって、これ以上そなたたちを失うことは辛すぎる。失うその要因たるは人間の脅威である、従ってその脅威に晒されることのないよう、これより人間に対して従順であれ。
これは王としてそなたたちを護らんがための決断である」
言い終わると何の応えもなしに大広間からは次々と姿が消えていった。
振り向けば、母は酷く悲しい顔していた。
僕は、立派な王にはなれませんか
202 :
夢みるこ ◆L3dPScc3M2 :2006/08/31(木) 01:03:53
おしまい
途中だと思うけど、もう寝るので
1.地の文がですます調から〜だ〜である調に変わっている。統一されたし。
2.> 魔族が虐げらるることのないよう、魔族の益々の繁栄を
「益々の繁栄」ってのは「今も栄えてるけど、もっと栄える」というイミになる。
魔王が殺されるようでは魔族は繁栄してないんじゃないかな。
あ、終わってら。
うん全体的にはけっこう面白いよ。
205 :
夢みるこ ◆L3dPScc3M2 :2006/08/31(木) 01:13:51
>>203 コメントありがとうございます(>_<)
語尾の調子に関しては、主人公の意識が変わったことと最後の文を目立たせたかったからなんですが
読んでて違和感をもたれるようでは展開に無理がありましたね
益々〜に関しましては知りませんでしたありがとうございます
再興あたりが相応しいでしょうか
>>202 前回、書きたいように、って言ったんだけど、やっぱり欲がでてきちゃうね。
宣言はもっと重厚さと威厳を感じさせる言葉づかいがいいと思うし、おなじ言葉がつづくのも気になる。
意地のわるい読み手ではあるけど、期待の裏返しということでご了解ください。
前回に比べるとインパクトが薄いなぁ。顔も出ないうちに
ラスボスが殺られて、ちょwwwおまwwwってなったんだが。
てか夢みるこのスペックが気になる。新参のコテなの?
208 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/31(木) 09:16:32
勝手なことを言わせてもらえば
夢みるこ ◆L3dPScc3M2 は才能はあるのに努力が全然足りてないか
本当は上手いのに下手なフリして書き込んでるかのどっちかだと思う
210 :
夢みるこ ◆L3dPScc3M2 :2006/09/01(金) 01:04:12
シリアス感動ファンタジーいっくよー!全三レス!
211 :
夢みるこ ◆L3dPScc3M2 :2006/09/01(金) 01:06:43
城の中とは思えないほどに荒れた広間、その中央には二つのボロ布(きれ)が見える。片方のボロ布はもう片方よりも一回り大きい。
小さなボロ布が言う「これで最後だ魔王!その技のあまりの力ゆえ、術者をも果てさせるという禁断の剣…。
いまこの剣をもって、我が身果てようとも…貴様を倒す!」
すかさず大きなボロ布が言う「来るがいい、貴様の最後…見届けてやろう」
そして、一閃。
剣は砕け散り、勇者は崩れるように倒れ力尽きた。そして魔王は…
「あれ…生きてる…、生きてる!あれなんで!?え、すげーうれしいんだけど↑↑↑絶対勝てないと思ってたのに(笑)よかったー」
魔王の鎧が天文学的な確率の奇跡を起こしたのだろう。
そうして魔王はすごいニコニコしなが城を後にした。
その後の魔王の行動は早かった。
居城を、勇者との闘いで荒れた西の都から東の都へ遷すと政策を開始。
今後勇者のような反逆者が現れぬよう人間の不満を解消するよう努めた。
税収を減らしたり、魔族統一による治安の維持、また魔族と人のより良い共存をはかるべく、各種数人の代表による民主体制をつくりあげた。
こうして世界に新たな平和が訪れたのであった
214 :
夢みるこ ◆L3dPScc3M2 :2006/09/01(金) 01:17:28
おしまい
>>209 とんでもないお言葉です(>_<)
夢みるこ面白いよ面白いよ。
素なのか狙ってるのかわからないけれど
ファンタジーの定石をぶち壊す脱力感がいい。
216 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/01(金) 20:54:45
うはwwww夢みるこwwwwwみるっwwこxっつwwww
8(・∀・)8<おめぇ最高だよ!GJ!
217 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/02(土) 13:43:58
文章自体は下手だけど、アイデアは評価したいね☆
ボキャブラリーあるよ。
218 :
夢みるこ ◆L3dPScc3M2 :2006/09/02(土) 17:17:22
219 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/02(土) 20:03:31
夢みるこ今日も書くのか?
220 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/02(土) 21:15:07
>>215 それが唯一の才能だな。
と言うとキツいけど、なかなか他人には無いし、大物になれる資質。
夢みるこは真面目に長編書くことは無いのか?まだ短編でトレーニング中?
221 :
(・{゚) ◆BzG5Hx/G/k :2006/09/02(土) 21:39:16
夢みるこってフシハラだろ? アリスレでまえそんなこと言ってたじゃん。
みるこ新作希望。
223 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/02(土) 22:44:16
フシハラって何?
224 :
夢みるこ ◆L3dPScc3M2 :2006/09/03(日) 00:02:57
連投してしまうと他の人が投稿しずらいかなあと
思ったんですが、どどうしましょう(><;)
あと長編はかいたことありません!
225 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/03(日) 01:01:32
夢みるこ遠慮すんな。書きたきゃ書けばいい。
そんな繊細な神経したやつなんて、この板にはいないよ。
226 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/03(日) 06:13:12
>>224 全然いいよ☆
どうせめったに投稿されないんだし☆
227 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/03(日) 23:29:36
>>223 アリの穴に生息する基地害
麻雀ばかりやってるヒキオタキモメン20代後半の短小包茎素人童貞
ブサ男で身長150cmのチビ豚野郎
重度のシスコンで身長140cmのロリお姉たんとセックルのが大好きあんあん
228 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/04(月) 06:21:03
え、男だったんだ?
女にはみんな優しいなーとか思ったww
夢子スレどこだ?
見失ったorz
230 :
夢みるこ ◆L3dPScc3M2 :2006/09/05(火) 00:52:28
ドキドキアクションファンタジーいっくよー!!
全2レス!
231 :
夢みるこ ◆L3dPScc3M2 :2006/09/05(火) 00:53:58
父さんが魔王を倒してから20年が経とうとしていた。
世界の平和を取り戻すんだと父さんは命がけで戦い、平和を取り戻した。そうして国は豊かに、人は生きることに前向きに、世界は元に戻っていったんだ。
でも、元に戻ると豊かな国をめぐり、各地で戦争がおきはじめた。すると父さんは生きる意味が無くなってしまったかのように間もなく死んでしまったよ。
父さんが取り戻したものはなんだったのかな、そう思ってもなにもできない僕は、列強国のひとつであるイシオン騎馬隊隊長として父さんが必死に守ってきた人々を斬っていた。
父さんの力を受け継いだ僕は、幸か不幸か戦場で負けることはなく、周りから勇者を継ぐ者とはやしたてられている。
だから専ら戦場へもかり出された、そして明日も。
明日攻めるは、東の果ての国アグリーノ。その国の女王は親政をもって民と国を育み、民衆から大いに讃えられ、愛される偉大なる王だそうで。
魔王を倒しても平和にならなかったから、勇者は明日、偉大なる王を殺してきます。
233 :
夢みるこ ◆L3dPScc3M2 :2006/09/05(火) 00:57:00
おしまい
本物はもっともっと下手だから、ここの夢子はニセモノだと思う。
んー。今回はまとまりすぎていまひとつだったなあ。
おい! 夢子
本物かどうか知らんが、そんな判りやすい鳥つけんな!
特定しますたw
237 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/06(水) 09:07:36
238 :
土片弁吉(78)会社員:2006/09/10(日) 04:10:44
余裕のよっちゃんちゃんこ鍋で投下開始!!
投下し易いこの時間にそれはないおww
パクり路線なのは勘弁しろおwwwどっか別で途中まで晒してるからあしからずwwww
239 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/10(日) 08:23:31
誤爆だろw
ある日、熱いエナジーを持つ勇者が銃刀法違反(所持)で現れた。
彼の名前はレイスとか百合ちゃんとか諸説あるがさだかではない。
15歳だ。
剣を振り回したりする、スーパー戦士で勇者。
あと類まれなファッションセンス、しなやかな体型、スマートな顔立ちどうみても勇者。
グボボ王国の王はレイスを呼んでいった。
「君が勇者ですか?」
「うん」
家来たちはびっくりしておもらししちゃったの。
「え、そうなの?どうして?」
「なんでそんなこと聞くの?」
家来たちはびっくりしておもらししちゃったの。
「実は勇者に頼みたいことがあるんです」って王は言った。
「えええ!!!なんだって」
冷静な勇者はあまり驚いたりはしない。クール、実にクールな男がレイス!!!
242 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/11(月) 04:01:56
241は笑いに重点を置いてはいるが、カナリ文才がありそうだね。
いつか全力で書いたのも見てみたいな。
243 :
ふりかけ ◆w003.pR6GI :2006/09/11(月) 15:31:19
「頼みたい事というのは、ドラゴンのことなんだ」
「ドラゴン!?」
最近、グボボ王国にはドラゴンが山からやってきて暴れているのだ。
すごく強くて、王様の家来がいってもムシャムシャと食べられてしまう。
「ドラゴン退治を頼みたいんだ」
家来たちはびっくりしておもらししちゃったの。
「待ってください王様!!!そんなヤツを行かせるくらいなら、私をドラゴン退治にいかせてください」
王様の家来の中から、あふれるパワーを見せつけ一人飛び出てきた。
「うん。じゃあ、二人で協力してくれ」
王様はすごい仲をとりもつのがすごい。
「その前に、この勇者の実力を試させてください!」
「くっ、なめやがって!!!体罰を平気でする」
レイスは剣を振り回した、王様と家来が斬れた。
「俺は勇者だ!」
「俺は斧の使い手だ!」
244 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/11(月) 17:11:38
なかなかハイクオリティなスレになってきたなwwww
真面目なのとワロスなのの感じがいい
245 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/11(月) 17:51:19
236 名前:鳥これだろ? ◆L3dPScc3M2 :2006/09/05(火) 07:53:02
おい! 夢子
本物かどうか知らんが、そんな判りやすい鳥つけんな!
特定しますたw
えーなんでわかったの?
夢みるこはびっくりしておもらししちゃったの。
246 :
夢みるこ ◆L3dPScc3M2 :2006/09/11(月) 17:57:55
もらしてません!!
適当につけたトリなんで相当単純です…f^_^;
他のスレに字違いの同名コテさんがいたのでこのトリで書くのは控えてます
247 :
ふりかけ ◆w003.pR6GI :2006/09/11(月) 18:27:15
「俺を試すってのかい?ふーんおもしろいじゃないの!!!」
レイスはまた剣を振り回した!!!王様と家来のやわらかい部分が斬れた。
「おっと!危ない、当たったら臓器を損傷しかねないぜ」
斧の使い手は、ひらりとレイスの剣をよけると、倒れていた王様の腹を蹴っ飛ばした。
「王様!!!偶然です!すごく偶然です!」
「そうですか。王様は大切なものですよ。分かってるのですか?」
「は、はい」
怒られて反省する斧の使い手。すげーバカ!
その怒られて落ち込んでる顔が面白くて、レイスはノリノリ、めちゃごきげん!
「おまえのせいで怒られたじゃないか!!!」
「知るか、バカ!」
そしたら斧の使い手が!元祖鞭攻撃!元祖鞭攻撃!元祖鞭攻撃!
くらった!服の、ピラピラしてるとこが切れた!
「ちくしょう!これはこないだ買ったヤツで、ファッション誌も注目してるヤツなのに!!!わたしは許しませんよーっ!」
明らかにウケを狙ってると萎える。
平和な島をある日 海賊が荒らしにやってきた。スルゲンの海賊団だ!!
うわー敵襲だ!!逃げろ!
戦える物は逃げ遅れた物の救援を頼む!!隣町に応援を頼め!!
頭領スルゲンが一騎で向かってきた。
速いなんて馬だ!!
ふふおれの総花についてこれる馬は存在せんのだ!!
皆奴を捕らえろ!!海賊の親玉だ!!囲め!!
死んでも囲みを突破させるな!!
この陣形命に換えてくずさせない!!
ふふ虫ケラどもめくらえい!!
戯宴殺!!
グシャッッ!!ヒヒーん!!
なんだー!!あの技はっ!!
逃げろっ!!囲みはいいっ!!
この人数では手に負えない!!
引けー!!うわぁーー!!
逃さん!! うっ ガキ−ン!! ぐわっ! 子供? 何だ貴様は?
お前の首このリンコンがもらいうける!!
ほう この俺の首を貴様のようなガキがか(こいつはなにか特別な武術の修行を積んでいるな・・・)
面白い 情けはかけんぞ おおっあれは武堂老人の所の!
勝てるのか?
わからんが
加勢にまわれるよう援護するのだ!! くるなっ!! !! えっ!!
離れろ!!
・・・
この子供!時間稼ぎを・・・フッ勝負は後日だ・・・リンコンとゆったな
いずれお前とはまみえる日が
再びくるような気がするぞ
総花っ 引き上げだっ!!
あれがスルゲンか・・・
戯宴殺・・・
恐ろしい技だ・・・
250 :
あふ:2006/09/12(火) 07:49:56
ヴァンパイアセイバーの続きっぽい話
あっちの板の早さにどうしてもついてこれないからこっちでやります
地の文ほとんど無いのはバカだから。
勘弁しち><
251 :
あふ:2006/09/12(火) 07:51:38
おもなとうじょうじんぶつ
( ^ω^)ブーン:夢のマイホームを立てて喜んだのもつかの間、
ひょんな事からダークハンターバレッタの加勢をする事に。女に弱い子
ξ゚听)ξツン:ブーンの元カノ。
ブーンはマカイに堕ちる時何故かこの姿になってしまう。但し元の姿にも余裕で戻れる
バレッタ:ようzy…では無くれっきとしたダークハンター。
赤ずきん姿に超絶ブリッコがトレードマークで根はとんでも無いDQN。依頼の成功とあらば手段を選らばない
モリガン:魔界でも屈指の名門アースランド家の当主にして現在実質的に魔界最強のサキュバス。バレッタの”お得意さん”で同時に唯一の理解者。
かなりの気分屋で暇をもて余しては外へと羽を伸ばしに行っている
ちなみにもう一つの体、リリスとは現在共存中
デミトリ:魔界でも1、2を争う実力の持ち主で超女好きなバンパイア。
冥王ジェダを葬りモリガンとの最終決戦を迎えようとしていたが魔次元の崩壊で居城が半壊してしまいそれどころでは無くなった
現在復旧作業に力を入れているものの
自称魔界の帝王オゾムの亡霊とその残党に邪魔をされていて中々元に戻らずバレッタに後始末の依頼をするのだが…
イザベル(ジェダ):旧名ジェダ=ドーマ。魔界三大貴族、ドーマ家の元当主で冥王の異名をとっていた
数年前に滅び行く魔界を危惧した本人が
価値ある魂を魔次元に呼び寄せ「魂の救済」を計ったが激戦の末デミトリの”ミッドナイトブリス”を悉く喰らい遂には再起不能にまで追い遣られてしまう。
結果死ぬぬまで女性の姿のままでいなければならない体になってしまい
デミトリの哀れみなのかそうでは無いのかジェダはモリガンに託される事に。
新たな名、イザベルを名乗りベリオール家の令嬢として現在ここにいたる
252 :
あふ:2006/09/12(火) 07:56:54
(;^ω^)「土地の値段安いと思ってここに家立てたら治安悪すぎだお;」
(;#^ω^)「あんの不動産屋ぁ……」
〜回想〜
(´℃_゜`)「一坪10円以下ねぇ〜…」
(;^ω^)「フヒヒ、貧乏ですいませんwwwwてかそんな良い場所なんか無いですおねwwwすいません調子乗っt」
(´℃_゜`)「あるよ。」
(;^ω^)「え…」
(´℃_゜`)「しかも近くに綺麗な湖畔があって街にも近い」
(;^ω^)「そ…そんなウマい話あるんですかお;?」
(´℃_゜`)「あるからしょうがない。どうする?買うの買わないの?決めるなら今だよ?結構人気あるしさ」
(;^ω^)「え…えぇ…」
(´℃_゜`)「早く決めろよカス」
(;^ω^)「ちょwwwww」
253 :
あふ:2006/09/12(火) 07:59:13
書き始めようとしたらもう活動限界;一回寝てから書きます
ここはある世界のある時代。世界は邪悪なモンスターたちに溢れていた。
弱い人間達は彼らから逃れる様に山や森の中に城砦を築いて暮らしていた。
やがてモンスターに対等に立ち向かえる人間が現れ、人々の尊敬を勝ち取り王となった。
王たちはその強さからモンスター達からも一目置かれるようになり人間とモンスターの
間に交流が始まった。最初に人間に近い森の住人エルフ族との間に交流が盛んになった。
感性に近しい物をもっていたエルフと人間は最初は森の中でお互いの食物を
もちあってパーティーを開いた。エルフ族は弓が得意で鳥を取って来た。交換に人間は
穀物や衣服をプレゼントした。人間の華やかな服にエルフ族の若者は物凄く食いついた。
エルフ族はおしゃれだったのでファッションに餓えていた。
羽根飾りの付いたヘッドバンド、鳥の骨でできたピアス、などがエルフと人間との
コラボレーションで生まれた。 二十何度目かのプレゼント交換会での人間の
贈り物の中に綺麗な貝殻でできたネックレスがあった。貝殻はエルフの中で爆発的な
ブームになった。森の住人でありながら海のものを身につけるとゆう感覚が
エルフ族にはたまらなかった。貝殻はアクセサリーや服に縫いこまれたりして
エルフの生活に浸透していった。反対にエルフ族のもので人間の生活に浸透していった
物がある。 音楽だった。
255 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/14(木) 19:24:09
おっ、おもしろそう254
256 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/14(木) 19:33:06
あたたたたたたたたぁ!
“た”が多すぎ
257 :
ふりかけ ◆w003.pR6GI :2006/09/14(木) 23:34:09
まぁいろいろ、おもらししちゃったりあって、
斧の使い手とドラゴンを倒しにいくことになった。
まずは、ドラゴンが最後に出た村に向かう二人。
村に着くと、村人がいた。
「てめぇがドラゴンか!」
レイスは剣で村人を突き刺した。
「えっ、うっ…村人です」
「村人か・・・紛らわしい」
レイスは村人から剣を抜いた。
あと、おもらししちゃった。
「いきなり刺すな、レイス!」
「一歩遅ければやられてたのはこっちの方だったぜ」
「え・・・ありがとう。助けてくれて」
「よせやい。仲間じゃないか」
村の中をおもらししながら、探したがドラゴンはいなかった。
「ドラゴンがいないぞ!」
「村人に聞いてみよう。何か知ってるかもしれない」
二人は村人に話しかけた。
重なった枯葉を踏みしめる音、木の葉に雨がはじける音、川のせせらぎの音、
遠く離れた滝の音、風が梢を鳴らす音、エルフ族の音楽は自然の音を真似て
創られているリズムは一見バラバラだが不自然ではなく心地よく、森の少し
開かれた草っぱらでやるのには丁度よかった。人間とエルフは食事会のあとに
演奏会をやる習慣になった。人間の声が加わり、貝殻の楽器ができ、弓の弦を弾く
楽器ができ、演奏はどんどん華やかになった。森の草っぱらでは窮屈になり
人間の城でやろうというと今までどんなことがあっても森を出なかったエルフ達も
大乗り気でやって来た。楽団はどんどん大きくなる。もっと音が通る所でやりたくなったので
海辺の海岸でやろうという事になり、せっかくの海までの道のり演奏しながらいこうという
事でおおきなパレードになった。海岸で思う存分に演奏した。
演奏がおわるとエルフの中に嘔吐感を訴える者がでた。強い照り返しの光にあたりすぎたのだった。
それからエルフと人間は少し疎遠になってしまった。「君たちは海岸で気持ちよく響かしてくれ俺たちは森
の中でやるよ森の住人だからね。」人間達は寂しく感じた。王以下みんなエルフの音楽が必要だった。
数ヶ月後、王がエルフを海辺に招待した、エルフは乗り気がしなかった。「これでもかい。」
王が指し示した方には一筋の緑の線があった。林でできた道だった。海岸を突きぬけ海へとのびた道は
海上の大きな広場を持った宮殿につづいてた。「今までになく壮大にやろう。」その日のためにあたらしい曲や
楽器がつくられた。そしてその日人間とエルフは貝殻の中に真珠があるのを見つけたのでした。 おしまい
259 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/15(金) 08:11:06
>>258 ほのぼのとしてて良かったよ。
童話っぽく書いたらもっと味が出たかも。
261 :
ふりかけ ◆w003.pR6GI :2006/09/17(日) 11:24:33
二人は村人に話しかけた。
「すいません。ドラゴンですか?」
「いいえ、違います」
村人はドラゴンではないようだ。
「なんの手がかりもなしか・・・」
「ああ、もうだめだ」
二人はそう思ったら、とたんに悲しくなってしまった。
「あのう・・・」
「ん!?てめえが、ドラゴンか!」
レイスの電光石火の一撃!!
「ぐふ、村人です」
「紛らわしいんだよ!」
レイスはわざと、ゆっくり剣を抜く。
「そうだ!占いで、どこにドラゴンがいるか占ってもらおう」
「さすが斧の使い手、いいアイデア」
「よせよ。それから、斧の使い手じゃなくてテラって呼んでくれ」
「テラ!うふふふテラ!オレはレイス!勇者だ」
「じゃあ、レイス。占い師を探しにいこうぜ」
262 :
ふりかけ ◆w003.pR6GI :2006/09/17(日) 16:39:36
二人は村人に話しかけた。
「すいません。占い師ですか?」
「ドラゴンです」
ドラゴンは占い師ではないようだ。
「なんの手がかりもなしか・・・」
「ああ、もうだめだ」
二人はそう思ったら、とたんに悲しくなってしまった。
「あのう・・・」
「ん!?てめえが、占い師か!」
レイスの電光石火の一撃!!
「ぐふ、占い師です」
「紛らわしいんだよ!いや、まて。占い師か」
レイスはわざと、ゆっくり剣を抜く。
「占い師、聞きたいことがあるんだ」
「ぐふ・・・」
「何が、ぐふだ!まじめに聞け!こういう時にふざけるのは不謹慎だぞ」
テラが斧で、占い師を軽く30回殴る。
僕が中学校一年生の頃。サッカーの練習中に保健室の前に飛んでってしまった
ボールを取りに行った時のこと
ふんふんファンタジーふんふんファンタジー。
保健室の先生が一人で唄ってるのをガラス越しに聞いてしまった。
まだ若い25ぐらいの美人の先生で、赴任してきたばっかりだった。
なぜか自分の存在を隠すために中腰で急いでその場をはなれたのだが
先生は僕の存在にきづいたのだろう。
「あっ。な・・・中山君!部活がんばってね。」背中越しに聞こえた。先生はなんか言わなきゃと
おもったのだろうか、僕は恥ずかしくなって返事もせずに練習にもどった。
帰宅後ぼくは深い後悔の念につつまれた。何故中学生らしく明るく「何うたってんの先生ー」
とか声を掛けられたあとに聞いてなかった振りをして中学生らしく朴訥に「あっはい。ガンバリマスっす」
と言えなかったんだろうか。ひときしり後悔してこれからの先生との対応を
シュミレーションしてから「あの歌、自作だよな。」と思うとなぜか枕に顔を
埋めずにはいられなかった。CDを聞きながら寝た。
264 :
ふりかけ ◆w003.pR6GI :2006/09/19(火) 20:52:37
占い師によると、次にドラゴンが現れるところは南の都市オルファンらしい。
南の都市オルファンはマジで都会なので二人とも行ったことがない。
「オルファン行ったことないよ」
「オレもない」
二人はそう思ったら、とたんに悲しくなってしまった。
「こんな服でオルファン行ったら恥ずかしいよ」
「そう?レイスはまだいいじゃん。オレなんて、ほとんど裸だぜ」
テラはほとんど裸だ。
「オルファンの途中の町でショッピングしていこうぜ」
「そうしよう」
テラはほとんど裸だ。
265 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/20(水) 23:45:38
ふりかけ天才だなww
266 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/20(水) 23:53:36
続き早く読ませてくれ!
267 :
ふりかけ ◆w003.pR6GI :2006/09/21(木) 15:14:28
二人はオルファンの途中の町にやってきた。
テラの斧を売ったお金で、レイスの服を買った。
オシャレなので、損な買い物ではないはずだ!
「ぎゃーはははははははははははははははははははははははははははろひゃははははははははははははははははははははははははははは」
レイスはご機嫌!!
「ん!?なんだ、あれは?」
道に赤色青色ピンクのおにぎりが、落ちてるではないか!!!
「あれは・・・おにぎりだ」
「それ、美味しいの?甘い?辛い?」
テラは一つ、おにぎりを手に取った。
「味見してみれば?」
「うん。じゃあ一口」
テラは静かに首をグルグル回した。
レイスはテラの首をマッハ2でグルグル回した、そしたらバターになった。
268 :
ふりかけ ◆w003.pR6GI :2006/09/21(木) 15:16:02
「そう言えば、派手なおにぎりには毒があるって聞いたことがある」
「なんだって!!!」
テラはおにぎりを地面に叩きつける!
「何するんだ!!!」
レイスは剣でテラの目の部分を叩きのめす!
「ぐわ」
「毒があるからって無闇にこわがるんじゃねえ!あいつらだって悪気があるわけじゃないんだ!暴力では何も解決しない!」
「すまねえ」
毒のおにぎりは二人で踏み潰した!
「こらぁ!!!!俺の育てたおにぎりに何してやがる!!」
変なヤツが怒鳴りながら二人のところにやってきた。
269 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/21(木) 22:22:46
WWWWWWWWWW
激しくインパクトに富んだカオスだw
ところでふりかけは何ふりかけなの? のりたま?
271 :
ふりかけ ◆w003.pR6GI :2006/09/22(金) 12:08:45
おいしい味のふりかけ
272 :
ふりかけ ◆w003.pR6GI :2006/09/22(金) 12:11:03
「おまえか!こんな変なおにぎりを育てたのは!」
「そうだ!」
変なヤツはおにぎりを踏み潰した。
「オレはこの変なおにぎりを食べてしまったんだが、健康に問題はないのか?」
テラはブルブルふるえちゃってんの!
「健康に問題なんてないよ!このおにぎりは俺が開発した、カラーおにぎりさ」
変なヤツはおにぎりを踏み潰した。
「カラーおにぎり?」
テラはブルブルふるえちゃってんの!
「おにぎりってみんな同じような色でつまらないだろ?だから俺が拾ったゴミを煮詰めて、色をつけたんだ」
変なヤツはおにぎりを踏み潰した。
「ゴミをリサイクルしているところが実にいい」
レイスは感心。
273 :
ふりかけ ◆w003.pR6GI :2006/09/22(金) 17:37:20
「カラーおにぎりを売って!お金持ちになるんだ。このカラーおにぎりには夢が詰まってるんだ」
変なヤツはおにぎりを踏み潰した。
「そうか・・・がんばれよ。俺たちはドラゴンを倒そうと思ってるんだ」
「へぇー。ドラゴンを!!!でわ、このおにぎりを持っていってください。何かのやくにたつかもしれませんよ」
レイスはおにぎりを受け取ると、踏み潰した。
「ありがとう」
テラは紫色になって地面でゴロゴロしている。
「テラ!そろそろいくぞ!」
レイスがテラを踏み潰した
274 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/22(金) 21:33:15
もうだめだwwwwww
おれも踏み潰されたいお
276 :
ふりかけ ◆w003.pR6GI :2006/09/23(土) 12:56:15
「レイス見てくれよ」
テラはカラーおにぎりをパンツの中からだした。
「おまえ・・・盗んできたの?そのゴミを?」
「何かのやくにたつと思ってね」
レイスは、カラーおにぎりを豪快に雪崩式ブレーンバスターでテラにぶつけてみた!
べちゃり!!汚くなった。うひゃぁ!楽しい!!!
それはどこか花のように美しい笑いだった。
「きゃーーーーーはははははははははははははははは」
「やめてくれ」
と涙ながらにテラは訴えたが聞き入れなかった。
「どういうつもりだ!レイス!!!なんでおまえ、そんなことするんだよ!非常に深刻な事故を招きかねないぞ!そんなことしたら!!」
「ああ、なんだ。もちろん、夏だからだよ」
「ああ、そうなの?」
277 :
ふりかけ ◆w003.pR6GI :2006/09/23(土) 14:35:06
急にテラは怒って襲いかかってきた!
過酷なトレーニングで肉体を作り上げた勇者のレイスが、そんなことで動じることもない。
「なんでカラーおにぎりをぶつけるんだよ!ばか!アホ!」
「うるせえ!ばか!は、反乱か?今度は反乱か?」
真っ青になってガタガタ震えたレイスは、剣でテラをめったざし!
最強の力をもっていながらも、向上心を忘れないレイスの剣はまさに瞬殺マッハ2!
電撃居合い斬り炸裂!
そしたら、テラはうつむいて。
「ごめん・・・」
「こっちこそ・・・カラーおにぎりぶつけてごめん」
「いいんだよ。これ、結構気にいってるし。それより、また剣の腕をあげたんじゃないか?」
「え・・・そう?でも、テラ。直撃は一発もないんだろ?テラには勝てないよ」
「あ・・・バレてた?」
「ははははははははははははは」
「ぎゃーはははははははははははははははははははははははははは」
もうカラーおにぎりのことなんてどうでもよくなっていた。
人の心は傷つきやすい、どこまでも繊細にして弱いものかもしれない。
でも、だから強くなることができる!
信じあう心はたとえ離れようとも引き合う!
たとえ何も見えない暗闇だとしても、心だけは光輝き道を照らし出すのだ。
テラって微妙に不死身なんだねw
隔離病棟に監禁されていたカカ(♂)が神の啓示を受けたのは、夏の終わり、いや初秋のことであった。
その日カカはいつものようにふれあい室で「動物愛護・挨拶励行・世界平和」の3点について大演説し、興奮あまって錯乱発狂。
他の患者を巻き込んで大暴れの末、警備員8人に取り押さえられ鎮静剤を7本ブチ込まれて病室に監禁されていた。
上半身を拘束衣にて固められてベットに放置されていたが、カカの意識は完全に飛んでおり、だから苦しみを認識するに及ばない。
そんな折り、カカは夢の中で謎の女性に優しくこう諭された。
「いいですか、カカ。敬神愛國の気持ちは大変素晴らしい。けれど貴方の考え方は方向が間違っている。
もし本当に世界平和を願うなら演説行為ではなく、貴方の努力する姿勢によって人々の心を動かすのです」
カカは謎の女性が実は神であると気付いた。なぜならまばゆい光を放っていたからだ。
であるからして敬虔なカカはその夢の中のことを「神の啓示」だと信じて疑わなかった。
三日後、ふと意識を取り戻したカカが最初に見たものは天井の染みであった。
その染みが心なしか林檎の形をしているようでならない。
「りん…ご」
カカはふと神の啓示を思い出した。
神は何といった?
そうだ神は演説などといったヤワなもんではなく努力によって、否、武力によって立ち上がり、革命によって民衆を救えとおっしゃられていたではないか。
そして偶然にもこの天井の林檎型の染み。林檎といって真っ先に思い当たるのは林檎を紋章とするバルサ王国の名高きメッシ国王。
そうか神はメッシ国王ならびに国王家を討ち滅ぼすべしと言っているのだな!
カカは神の啓示をそのように曲解し、メッシ国王を神の御名において裁くべく、行動を起こすのであった。
一週間が経った。
英気を養ったカカはすっかり回復しており、無事ふれあい室に出入り出来るくらいになっていた。
カカは自らの肉体に力が漲っているのを感じると、窓際の席に移動し、いつもこの席で童話を朗読している老人患者をやり過ごして席を奪い、スッと手で印を結んだ。
窓は2重構造の上、鉄格子が掛けられている。
ゆっくり目蓋を閉じたカカが何やら小声で文言を繰り返す。詠唱である。
元来、カカは熱心な宗教家であり、また名うての法術士でもある。
つまり術法を使って窓を破壊し、病棟から脱走しようとしているのだ。
だがいくら唱えても何も起こらない。
「あれれ調子悪いのかな」
カカはそれでも構わず唱え続けた。10分20分と詠唱時間が過ぎていく。
だがやはり何ら変化が起きない。おかしい。
が、それも当然のことだった。なぜなら病院側は患者に脱走されぬように予め敷地全体に結界システムを作動させていたのである。
結局カカは夕方まで詠唱を粘りに粘った。が、予想通り何も起こらなかった。
翌日、カカは改めて脱走方法を変えることにした。
今回は最もクラシカルな陽動作戦をチョイス。
この作戦にあたり、いつもふれあい室の姿見の前で2時間も3時間も土下座の練習をしているジーラという男を使うことにした。
ジーラは土下座の練習を邪魔されると途端に機嫌が悪くなり、絶叫しながら自らの頭髪をむしり取って走り回る、という性質を持っている。
つまりジーラが癇癪を起こして狂乱し、それに周囲が同調してパニックになっている間に職員の鍵を盗んで脱走しようという訳だ。
実に巧妙な作戦だな、と思ったカカは明日の作戦が万事成功出来ますようにと神へ祈りを捧げた。
深夜眠りをつんざく慌ただしい足音で目覚めた。
完全に起きたカカが扉の窓に顔を近付け、廊下の様子を伺った。
すると見慣れない風体の輩が5から6人程、廊下を行ったり来たりしているではないか。
ここでカカは直感的に理解した。
「バルサ王国軍が武装発起して攻め込んで来たんだ…絶対そうだ!そうに違いない」
そう思うと急に体が熱くなって興奮し始めるカカ。
「急がないと革命の灯が消されてしまう、そうか、陰謀なんだこれは陰謀なんだそうさ!私がこんな異常な病棟にキチガイじみた連中と閉じ込められるなんておかしいじゃないか」
完全にヒートアップしたカカは何度も何度も奇声を上げながら扉に体当たりをし始めた。
何度となく体当たりしている内、カカの体は血で滲み始めてきていた。
だが痛みに耐え、カカは一心不乱に扉への体当たりを繰り返す。
しかし吹き出した血が目に入った辺りから、カカは諦めムードでベッドに腰掛けてしまった。
「神より授けられた使命を果たすことなく、私は死んでしまうのか」
がっくりとうなだれ、ぼんやり扉を眺めていた。
扉に度重なる体当たりで付着した血痕が紋様を作っている。
まるで法陣みたいだ。
カカは憔悴しきった表情で無意識のうちに呪文を詠唱していた。
ところがたった一度の詠唱で血痕が紅の妖光を放ったのだから、面白い。
カカがベッドから飛び起き再度文言を詠唱すると、同時に発破音を響かせ、重厚な扉が廊下に向かって吹き飛んだのである。
おっ。ちょっと面白い感じ。
続きに期待。
カカはすかさず廊下まで歩み寄り、ひょいと顔を覗かせた。
「ちょっと、あれ、何?
いま爆発したけど」
「術法じゃないよなぁ」
「結界システムが作動しているはずですもんねぇ」
何人かの職員と警備員、それから先程の見慣れぬ風体の輩が全員訝しげにこちらを見ながら言葉を交しているのが確認出来た。
今しかない。
カカは一目散に廊下へ飛び出し、全力で駆けた。
が、行く手を阻む警備員や職員がいる。
「革命の明星を打ち落とそうというのかメッシ国王!そうさせない」
カカは瞬時に印を結び、早口で詠唱。瞬間周囲を取り囲まんとした連中が各々後方へ弾き飛ばされた。
昏倒して悶絶する追っ手を尻目にカカは鉄の格子戸を溶かし、これを簡単に潜り抜け階段を転がるように降りていく。
この何日間か病院の結界システムは更新工事の為に、深夜の数時間程機能を停止させていたのだが、どうやら今がまさにその時間にあたるらしい。
1階に出たカカは目の前の壁をブチ抜いて中庭に出ると、更に撹乱の為に四方八方の大木やら屋根やら外壁やらを破壊し、最後に塀の壁に穴を空けて外の世界へと逃亡した。
パジャマ姿のままで、しかも裸足であったがカカは少しも気にしなかった。
彼はそういった感覚が欠落しているらしかった。
288 :
ふりかけ ◆w003.pR6GI :2006/09/24(日) 23:47:23
二人が道に転がっているドアをあけたらここどこですか?
花が言ったよ。
「ようこそ夢の町グレーンムランドに。ぐふふ」
ここはさては夢の町グレーンムランドじゃないだろうか?
しかし持っていた辞典を探したけどそんな地名はない。
「どういうことなんだ?なんだかよくわからないが、これはかなりやばい雰囲気だぜ!どうすればいいと思うテラ?」
「ちょっと、横になる」
テラはそう言うと、ごろんと寝転がった。
この状況で横になるっっっっ!!!
すごく冷静なテラはすごい精神的大人。
「あっそう。何か、欲しいものある?」
「コーラとアイスとキャベツ、あと・・・キクラゲ」
「待ってて」
レイスはすぐに、偶然転がっていた冷蔵庫を開けた。
しかし、コーラもアイスもなかった。
木にぶら下がったナマケモノと、サニーレタスは有った。
とりあえず、木にぶら下がったナマケモノと冷蔵庫からサニーレタスを持ち出す。
そしてテラに渡す。
289 :
ふりかけ ◆w003.pR6GI :2006/09/24(日) 23:48:13
「ありがとう!!!俺はコイツガすごく好物でね!!!いっただぁきまぁす」
テラは2・3口舐めたが、すぐにレイスに返した。
「こんなの食べられないよ。化学調味料で舌がビリビリとしびれるもの」
こんな時でも味には絶対にテラは妥協しない!!!!
そこがかっこよい。
「ところで、ここから出る方法はわかったのかい?」
「うん・・・わかんない」
「なんと!賢者テラでもわからないのか!?ちくしょう!これじゃどうにもならないじゃないか!」
「でも二人の友情ドッキング技ならもしかして・・・」
そういって、またテラは横になった。
「友情ドッキング技だって?なんだそれは?早く教えてくれ!!!じゃないと口に手をつっこんで強引に吐かせる!!!」
レイスはテラの口に手をつっこんで強引に吐かせるっっっ。
するとテラのストマックから「ピン・ポーーン」呼び鈴が鳴った!!
あとテラの口から汚水があふれている。
「いいか、レイスよく聞け!!友情ドッキング技と言うのはすさまじい破壊力のワザ!しかしあまりの破壊力に私たち二人もすごいダメージを受けてしまう!もしかしたら死んじゃうかもしんない」
テラは夢の町グレーンムランドをなんと友情ドッキング技で破壊してしまおうと言うのだ!
こんなことが許されるのかぁ?
290 :
ふりかけ ◆w003.pR6GI :2006/09/24(日) 23:48:54
でもその必要なかった。
「あ!わかった!これはすべて幻でその幻を見せているのはそこにある花なんだ!」
「げぇぇぇぇ!!!なんだって!すごい衝撃的事実!本当なのかいテラ?頼りにナァルー」
そこでレイスは剣で花をぶっさす!
獄炎スペース破壊突き炸裂!!
花爆発!すかさずテラも超冷凍永久消滅ソニック!!!
それが友情ドッキングしてスーパースクリームジェットフラッシュになった。
すごいパワー!!!!
異次元空間を切り裂いてすごいパワー!でも二人はダメージを負った。
「ぐわぁぁぁ痛いね」
「うん、痛い」
でも、二人はいつも鍛えているから大丈夫だった。
でも、これが普通の人だったらマジで即死だった。
「ロモロオロミ」夜がけ山をいくと、ゴブリン族のディアドラが急に鳴きだした。
俺はアンディ。ディアドラとは長年の連れだがいまだにコイツがなんていってるのか
よくわからない。そもそもディアドラは滅多にしゃべらない。
「おいっ!!なんていってんだ?なんだ?」
「ロキッリロ」
俺はなぜか悟った。コイツ俺と別れたいのだ。しがない賞金稼ぎ(モンスター、
お尋ね者を捕まえて懸賞金で暮らす仕事だ)がいやになったんだ。畜生。畜生だ。
いや、畜生だということは知っていた。それは覚悟で仲間になった。畜生だから
パワーが強いし、畜生なので数字に弱いから少々取り分をちょろまかしても大丈夫だったし
畜生のように俺の後ろをヘコヘコフガフガいいながら付いて来た。
その畜生が俺と別れたいだと?「こん畜生!!好きにしろ!!」
こんな夜の山中を歩いてる途中に長年の相棒の畜生にすてられるとは
俺はどうしようもなく畜生のも劣る、惨めで寂しい気持ちになった。
しばらく歩いただろうか、ふと後ろを振り返るとディアドラがフゴフゴ言いながら
俺の後をついてきやがる。
「ケッ、ふざけた畜生だぜ、テメーの力じゃ山をおりれねーのか。」
292 :
永久貴 ◆AJtGJIq6DQ :2006/09/26(火) 11:14:29
この世界がただ一つの島を抱いて存在しているのは、
島に生きる者達なら、誰もが知っている事だが。
吸血鬼と呼ばれる者達の事をいったいどれくらいの人が知っているのだろうか
いや、知っているかと聞かれたら皆、一様に知っていると答えるかもしれない。
何故なら、彼らの存在は聖書にて邪神を倒し、その為に得た大きすぎる力
のため苦しむ咎人として語られているからだ。
話はこうである。
偉大なる創造主が世界そして人を創り役目を終えられ休息の為長き眠りにつく際
主は始めに創られた二人の人間に、自らの力とその強すぎる力が繊細なる人の子の体にとって重荷に
ならぬよう加護をお与えになり、二人共に協力して島を治めるようにと申されました
主が渡されたのは太陽を司る力と夜を司る力で、二人はその力を利用し上手く島を治めていきました。
しかし、強大な力というものはいつの時代も人の心を惑わすもので、
最初はよかったものの、やがて太陽を司る力を与えられた者が島を自らの手で治めたいという願望の為に
自らを神と称し、夜を司どる力を与えられた者を邪神と蔑み嫌悪していったそうです。
当然の事ですが、なんだか勝手に嫌われ邪神とまで言われた方は面白くない、
やがて二人はいがみ合い、神が邪神を殺し力を奪おうとしたことがきっかけで争いあったのです。
この二人が争いあい島を治めなくなったせいで迷惑な事に島の住人は貧窮に喘ぎ、もう勝者はどっちでもいいから、とっとと終ってくれ。そんな事を誰もが想っていたのです。
そして、そこに目をつけたのが神でありました。
邪神は、殺生を好まぬ男だ。私を除いてはと言う事は人が邪神を殺そうとすれば
邪神は素直に殺されてくれるかもしれないと考え、人を説き伏せ邪神討伐へと誘導したのです。
「はーい、このコインを見てねー。ほーら、アナタはだんだん邪神を殺したくな〜る、殺したくな〜る
ついでにキキーッと鳴きたくな〜る」
「キキーッ!!」
「大丈夫、邪神を殺したら島は平和にな〜る、平和にな〜る。神様嘘つかないよ」
「キキーッ!!」
こうして誘導された人間達は神の目論見通り邪神を殺したのでした。
293 :
永久貴 ◆AJtGJIq6DQ :2006/09/26(火) 11:20:39
しかし、ここで全てが丸く納まればよかったのですが、そうはいかないのが世の中でありまして
邪神は死に際自らの血と肉体を対価に神の力を封印し、
そして力を奪われない為に、夜を司る力をいくつかにわけ自分達を殺した者達の中に隠したのです。
しかし、創造主の加護を得ていないものに夜を司る力は重く彼らは自らが契約した人から
血を媒体に闇を吸い取らねばならぬ吸血鬼となったのでした。
以上、解りやすく説明してみた。これ以上解りやすくといわれても無理だ。だいたい聖書に
描かれている物語自体表現が回りくどかったり、難しい単語使ったりと解りづらいのだそんな中で
解りやすい解釈をしたこの俺の愛と勇気は湛えられるべきであろう。
そうだ、末代まで語り継がれるべきである。
まぁ、主張したところで当然の事だが誰も語り継いでくれないので、話を先に進める。
先に言った通り、吸血鬼の事は知っているといえば知っている事である。しかし、それが実際に
いるかと言われれば皆笑って首を振るだろう、そんなものいるわけないと。
当然だ、なれなら彼らの存在は王と神父によって隠されて来たからだ。
そう、全ては愛しき夜を守る為に―…
294 :
永久貴 ◆AJtGJIq6DQ :2006/09/26(火) 11:22:00
青空が今日も島を見守る。
雲一つない様はまるで雲が太陽の暑さから裸足で逃げ出してしまったようだった。
連日雨が続いた後にこのような晴天だと布団など干せてありがたいのだが、
連日こうも快晴が続くと逆に迷惑だ。
近くにある森から聞こえる蝉の声がもうすぐ訪れるであろう夏を一足先に告げていた。
この時期になると、島の住民達は西瓜をくりぬきランタンを作る作業に追われる。
これは、創造主がこの島を創った事を祝う祭の準備の一環で普段は地域ごとに様々な
文化に分かれているこの島にとって数少ない島民一致団結して行う作業である。
しかし一致団結といっても、どうしても祭の盛り上がりには差が出てしまう。
特に、島の中心にある王都は島の象徴である王が居住するという事で、祭にも熱が入り
他の地区との盛り上がりの差が激しかった。レンガで舗装された道の両端には、
数多くの露天商が店を構え大声で客を呼びこみ、道化師や見世物小屋などが人々に娯楽を与え、
西瓜をくりぬいて創ったランタンは、家の前だけではなく家の屋根と屋根とを繋いだロープ
に吊るされジグザグに、家と家の間を彩っている。そして、最後にあるのが島中の花火師達が
この祭の為だけに作り上げた打ち上げ花火である。
しかし、あまりに気合いが入る為なのだろうか、それとも花火師が多い為だろうか
花火は祭が終る三日間朝も、昼も打ち上げられるこの花火が終わる事が祭の最後である。
ちなみに、三日間この花火を見つづけ翌日の生活になんら支障をきたさなかった猛者は
未だ数えるほどしかいない。
こういう祭が近い為か、島が活気づいて見える。この活気こそが平和の象徴なのだろうか
しかし、そんな島の中で平和も活気も無関係な奴らがいた。
王宮に一番近い教会に所属している神父達である。
神父といえば男のイメージがあるが女性の神父も結構いる。
これは、吸血鬼が必ずも男を契約者に選ぶとは限らず女性が選ばれても神父として
教会に置き吸血鬼の情報が一般人に漏れるのを防ぐ為で、逆にいうと契約者は必ず神父にならなければ
ならないという酷な一面を現しているのだ。
断じて、野郎ばかりの職場に潤いが欲しいという神父達の要望があったからとかふざけた理由ではない。
多分。
295 :
永久貴 ◆AJtGJIq6DQ :2006/09/26(火) 11:23:15
そんな神父と呼ばれる彼らの表の仕事は主に祈りを捧げたり、死者の冥福を祈ったりというものだが
彼らの裏の仕事…つまりは本業だがこれは、吸血鬼を守るというものでる。
こちらは吸血鬼を敵から、守る為に命をかけるので日々の訓練が欠かせない、
腹筋、背筋、スクワット、走り込み、模擬戦闘、実戦練習。
体を鍛えている時間の方が祈ってる時間より長くないか?
そんな疑問を抱きながらも体を鍛える彼らを、何も知らない島民はただ生暖かく見守っていた。
王宮護衛兵なんかは、体を鍛える彼らを見てどうして彼らは神父なのにああも体を鍛える必要性が
あるのかと思うと同時に、ただの神父があそこまで必死に体を鍛えているのに王を護衛する俺達が
こんなので良いのかと、よく葛藤する姿を見る。
そんな神父達であるが、妙に体を鍛えるという処を除けば地域の住民によく尽くしていたので
民からは慕われていた。昼にもなると、教会のシスターが振舞う御菓子を目当てに人々が教会に集う
特に子供が多いので、教会内は子供の笑い声に溢れ賑やかだ。
しかし、もうお昼も過ぎようというのにこの教会には子供達の賑やかな声など響いていなかった。
代わりに木で出来た廊下に集う男達の荒い、息遣いだけが響いていた。
男達は、特に神父が多かったが、皆手に扱いなれた武器を持ち自分にあった防具をつけている。
もうすぐ夏になろうという季節にこの格好はさすがに暑いのだろう男達は皆汗だくであった。
拭っても拭っても滴り落ちてくる汗に苛立ちを覚えながらも武装を解除しないのは、
敵の襲撃に備えての事だろう。実を言うと、住民達も昼頃にいつも通り訪れ、
武装した神父達に興味を持ち、遠目に野次馬していたのだが敵の正体に血相を変え、
恐怖に悲鳴を上げながら蜘蛛の子をちらすように逃げていったのだ。
人間って薄情な生き物なんだな。
そう心に思いつつも強大な敵を前に、緊張しているのか誰も言葉を発しなかった。
296 :
永久貴 ◆AJtGJIq6DQ :2006/09/26(火) 11:25:10
汗を拭いながら長い時間が流れる、重苦しい空気が蔓延し汗の匂いが鼻をついても男達は何も
口にしなかった。
静かだ。
嵐の前の静けさとはきっとこの事だ。この静けさが終れば、男達は敵との戦いに向かう。
倒れる者も傷つく者も出るだろう、それでも恐怖に負けず仲間の為に敵を葬る決意を
心の中で主への祈りを捧げながら固めているのだろう。
また、この静けさがもっと長く続くようにと願っているのかもしれない。
しかし、どんなものにも終りがある。静寂の終りも当然訪れた。木の床と靴の底が合わさって鳴り響く
音に皆一様に息を飲んだ。足音と共に訪れた男は、男達の様子を見るとまず溜息をつく。
深海の濃い青の色をした髪は短めに切られ所々はねている、丸い黒眼鏡をかけた男は整った顔立ちを
していた。背は高く、男達を見ているというよりは見下げているといった方がただしい。暑さの為に
僧服の襟元をだらしなく開けている彼の名は、龍邦。この教会の神父の一人である。
全島美男ランキングという島民達の娯楽で作られたランキングでは常に上位に位置し、もはや常連さん
である龍邦だが、神父っぽくないと常日頃から島民に囁かれていた。
龍邦の雰囲気が神父っぽくないのだと。なんというか、神父しているより極道やら暗殺者やら盗賊やら
そういう世界の仕事をしていた方がしっくりくるのだ、実際そういう方面の方々からお誘いがあった事も
あったらしい。まぁ、これのそうした雰囲気は外見云々よりも彼の場合は死ぬ時は女の膝の上だと
公言する性格が一番の原因なのだろうが。
龍邦は、男達の準備が整ったのを確認すると、叫んだ。
297 :
NANIO ◆mxhion4Tno :2006/09/26(火) 11:28:50
おじゃまいたします。 NANIOと申します。この度、以下のような『処女小説』を出版いたしました。
この小説は、私、NANIO自らの経験をもとに、1999年〜2005年まで、自サイト上で連載し、多くの反響をいただいて、単行本化と相成りました。
2ちゃんねるでも、話題にしていただき、これまで多くの応援をいただいています。不躾ながら ぜひ、ご一読いただければ幸いです。以下、告知になります。失礼いたしました<(_ _)>
==============================
アウトロー作家/『突破者』 宮崎学氏推薦!!
〜アブって、キマって、はじけ飛ぶ。〜
『覚醒サーカス』 NANIO 著 9月27日 ON SALE!!
【STORY】
1990年代初頭、東京が自身を見失った。 そして、「僕」は、ついに目覚めた。
自分は一体、何者なんだ。 「僕は、バンドだ」? 片腹痛いぜ、馬鹿馬鹿しいね。
ロック。友情。恋愛。人情。
シャブって、すべてがぶっ壊れるまで、 スピード出し過ぎ、「俺は、ルールだ」。
ドサ回りの「サーカス」のように、 虚構が「ヤバイ」現実に変わる。
瞳孔全開の「曲芸」を繰り出し、 無限大な妄想まみれの、痛々しすぎる「綱渡り」。
追い詰められた「ピエロ」の叫びは……、
「畜生、なめくさりやがって!!」
…覚醒剤、やめますか。 それとも、この本、読みますか。
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http://www.amazon.co.jp/gp/product/490314514X/ なお、小説の冒頭部分を、NANIO PAGEで公開しています。
http://www02.so-net.ne.jp/〜nanio/kata_top.html
ありがとうございました。
298 :
永久貴 ◆AJtGJIq6DQ :2006/09/26(火) 11:32:48
「てめぇら、用意はいいか…先に言っておくが、油断するなよ。奴らを始末でき
るかできないかこれにこの教会の運命はかかっているんだからな」
「しかし、龍宝。我々だけで奴らに勝てるのだろうか」
「そうだよ…あぁ!せめて教会長さえいてくれたらっ!!!」
龍邦が叫び静寂が壊れたからだろうか、決意を固めきれなかった者達が弱音をもらす。
弱音を吐いた彼らとて、日々体を鍛えていたのだから自らの力には自信があっただろう、だが敵の恐怖は
彼ら自信をかき消す程強大だった。その気持ちは龍邦にも解るので、彼らを責めずそして問いにも答えず
ただここに来て何度目かの溜息を吐いたのであった。
「そうだ、確かに奴は恐ろしい。しかし、だ」
宥めるように龍邦が発した言葉は、不思議と皆の恐怖を和らげた。中には、こんな真面目な顔をする
彼は珍しい明日は雨か?と言いたそうな目で龍邦を見た無礼者もいたが、龍邦は迷わず無視した。
今はこんな馬鹿に構ってはいられない。今彼らが相手をしようとしている敵はその強靭な生命力から不死の化け物と呼ばれている存在であり。素早さは、人間の早さを遥かに超える。飛ぶ際にでる黒い翼は悪魔のようで、それが飛ぶたびに人々は悲鳴を上げて逃げ惑う。
別名恐怖王とも呼ばれていた。
強大な敵を前に、絶望を隠せない神父達、この教会が創立以来誰も体験しなえなかった未曾有の危機に
晒されていたのは誰の眼から見ても明らかだった。
299 :
永久貴 ◆AJtGJIq6DQ :2006/09/26(火) 11:34:04
そんな敵と対峙しているのだ、龍邦が真剣な顔をするのも別におかしな事ではない。
龍邦は、真剣な表情で…いや、これは必死な表情といった方が正しいかもしれない。彼の敵を前に
冷静ではいられなかったようだ。
「お前、お前、考えてみろ?このまま何もしなかったら教会はゴキブリの巣になっちまうんだぞ!?
ただでさえ、俺達生暖かい眼で見られてんのに。このままだと生暖かいじゃすまねぇ眼で見られて
俺のナンパの成功率が極端にさがったらどうすんだ!!」
待て、神父の癖にナンパってどうよ。
龍邦の主張を聞いた男達は総じて思ったが龍邦の必死さに、あえて何も言わなかった。
まぁ、彼らとしてもナンパはともかく教会がゴキブリの巣になるのと
住民の生暖かさから更に温度が下がった眼で見られるのが嫌だというところが一致していたのも、文句を
いうものが出なかった理由かもしれない。
かくして、男達は戦いへと足を運ぶ、敵の姿を見て倒れる者も精神的に傷つく者も出るだろう、何故なら
敵はその強靭な生命力から不死の化け物と呼ばれている存在であり。素早さは、人間の早さを遥かに超える。飛ぶ際にでる黒い翼を持つ恐怖王―――――――――――
ゴキブリなのだから。
300 :
永久貴 ◆AJtGJIq6DQ :2006/09/26(火) 11:56:25
いきなりの連続投稿申し訳ありませんでした。
初めまして、永久貴と申します。
自分で作ったファンタジー小説を投稿するというスレに惹かれ、
投稿させていただきました。
取りあえずプロローグのつもりなのですが…無駄に長くて
すみませんです。
そしてこの長いお話をお読みいただきありがとうございました
まだまだ未熟な物書きですが、
頑張って続きを書いていきたいと思いますので宜しくお願いいたします。
そして先程、永久貴が間違えてコメントを貼りつけてしまいご迷惑を
かけてしまった方々、本当に申し訳ありませんでした!
この場をかりお詫び申し上げます
続き
「ケッ、ふざけた畜生だぜ、テメーの力じゃ山をおりれねーのか。」
山をおりて町にでた。旅の垢を落とそうと宿屋にはいった。
ディアドラはまだ俺の横にいる。
宿屋の親父が言う。「困りますお客さん。うちは人間様のみの宿泊になりやす。」
「ふざけんなくそ親父!俺とディアドラは賞金稼ぎの怪物狩りだ!俺たちがいなかったら
ここいらの町は怪物にあらされておちおち商売もできねーぞ!!それとも俺たちが荒らしてやろーか?」
俺は一喝し、すぐに二人分の部屋を用意させた。
「話のわからんジジィだぜ、なぁディアドラ。」ディアドラは嬉しそうな表情を見せた。
飯をすまして風呂に入り外套を羽織って宿屋をでようとすると一階の暖炉の前で
宿屋の食料をあらかた喰いつくしたディアドラがグーグー寝ていた。いつものお決まりのパターンだ。
さっきは畜生なんて言って悪かったな。明日からもよろしく頼むぜ相棒。
俺は女を漁りに酒場へと出かけた。 おしまい
302 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/01(日) 20:24:04
誰か、ふつーに真面目に長編書く人いないの?
下手でも全然いいからさぁ、私ら素人だし自由にやっておおめに見てもらおうよ
ぶっちゃけ真面目に書いたものをここに投稿しようなどと思う人はまずいない
304 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/02(月) 01:49:35
>>303 過去レス見れば分かると思うけど、けっこういるよ。
経歴長くて上手い人は絶対投稿しないだろうけどね。
見下し気取り、乙
305 :
304:2006/10/02(月) 01:50:25
すまん言い過ぎた^^;
すぐに謝るくらいなら煽るんじゃねえ!
この根性なしが!
307 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/02(月) 02:26:14
この包茎チンコが!
>>304 今の流れのままでは って前に書いときゃよかったな
舌足らずで見下したようなレスになりいらん苦労かけてすまなんだな
>>302 投稿した小説の著作権は強制的に2ちゃんに譲渡されるわけだから、
それを嫌って投稿しないって人も多いんじゃないの。
少なくとも俺は嫌だね。
310 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/11(水) 17:29:15
そろそろ投下きぼんぬ
311 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/11(水) 17:37:29
↑見た限り投稿しても感想もらえないみたいだから無駄な労力使いたくない。
ガンガンガン。ドラの音だ、何だろう。僕は外にでてみた。
「何ですか。」側にいる大人にたずねた。「なんか魔物が来た見たいだ」
「魔物ですか。」「やつら子供でも容赦しないぞ。家に入ってな」
バコーン。もの凄い爆発音がする。その方向をむくと奇妙な生き物が立っている。
背の高さは普通の大人ぐらいだが、皮膚は馬のようで顔は見たこともない野生の
顔付きだ。見ると手に大きな槌を持っている。バコーン。家を壊しながら
こっちに進んでくる。「えいやっ」僕は石をなげて見た。バコーン。打ち返された。
「坊や。さがってな」おじさんが鋼でできたデカイ剣を持って向かっていった。
バコーン。剣ごとおじさんはふっとばされた。即死のようだ、いやまだ持ちこたえてる。
「だいじょうぶですか?」「だめだ、お前この剣をだれか力のある大人に
わたしてくれ。」「わかりました。」剣を抱えて町を駆ける。どこもかしこもひどい有様だ。
一人の若者がいた。「これをつかって!」「ありがてぇ!たすかるぜ!」
鋼の剣を持った若者が魔物に向かっていく。ガキーン。勝負は五分だ。
いける、僕は草むらにおちている鍬で剣撃を受けて空いている魔物の右脇腹を
えぐった。ギャーン。魔物は力つき倒れた。おじさんは無事に一命をとりとめた。
「君たちの勇敢さ讃えます。」僕とおじさんと若者は騎士になった。明日は
叙任式を受けに南にあるエルフと人間の創った黒真珠国に出発だ。
313 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/12(木) 00:55:40
展開速っ!
バコーンにワロタww
314 :
ふりかけ ◆w003.pR6GI :2006/10/15(日) 02:06:38
「頭の中の燃えるゴミと燃えないゴミをちゃんと医者に分別してもらおう」
思わず首が足を絡ませ、隠された湿気でキノコが不死鳥の背中に生えるような
セリフを吐いたのは、店の隅にいた男。
視線はつねにブルブル、口は隅々までぼっかりと。
としのころは弱酸性、やや細身だが長距離むき、
そのものごしと雰囲気は、まぎれもない、かけ算ができないそれだった。
全身に黒いサイドブレーキをつけた、さながら茶碗みたいな男だった。
あたしと教授がここにきたのは、つい今しがた。
といってもすでにかれこれなのだ。
秘密の舌打ちで村人の魂をぬきとり、哲学的理解をもって
お好み焼きでじゅーじゅーする。
お好み焼きの上でかつおぶしがユラリとゆれるたびにあたしは、
拾った定規を魔剣と言って子供にあげる。
壊れやすい一階の食堂で、夕食の前にありあまるパワーで
ドアをおばあちゃんにしてみようかな、などと思って
天才卓球少女に座るやいなや。
スプーンがいかにも嬉しそうにやってきた。
町長だと名乗ったそのスプーンは、あたしたちのアルプスみたいな表情を無視し、
一方的に、愛の行方、石のもつ不思議エネルギー、
体脂肪燃焼のタイミングなどと言っている。
それを聞いてヘリコプターでテニスコートに突っ込むことが、
三度の飯より飯なスギーニ=ホルヘは
「募金活動なんてゲーム感覚でするようなもんじゃないだろ」
あたしや教授が工場を開くより早く、喋ったのは町長だった。
「無知の闇は時として恐ろしい怪物を生み出すことがある。
恐怖を乗り越えろ!恐怖こそが君たちの本当の敵なんだ」
あたしは横殴りのあらゆるビニール袋に明るく積極的に呆気にとられた。
「カーテンは甘いですか?それともチョコレートですか?
カーテンはおやつにはいりますか?」
315 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/15(日) 09:59:37
登場人物と大まかな設定考えてくれたらそれに沿って小説書くよ〜
316 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/15(日) 16:57:36
>>315 んじゃ頼むわ。
主人公:フェル
28歳のネクロマンサー
重度のネクロフィリア
また反社会性人格障害を患っており、本人もそのことを自覚している
大まかなあらすじ
優秀なネクロマンサーである主人公が、ある夏の夜、墓地で金色に輝く蝶を目撃する。
蝶のあとを追うと、そこには全裸の美男子の死体があった。
主人公は死体を持ち帰り、原因を探る為の秘術を施すことに。
断片的に死体が語る事件の内容。
やがて主人公は美男子が生前暮らしていた館、《黒鳴館》へと誘われるに…。
騎士になるために出発した僕ら。町の人が馬を三頭用意してくれた。
「僕はアイズよろしく。」「おれはルェフラ」若者が親指を立てて言う。
「ワシはドンサク、長い道だ、よろしくな」黒真珠国は遥か彼方南方に10万キロ
行った所にある。途方も無い距離だ。正直行きたくない。しかし行かねばならない。
なんでも僕らの故郷エイルル村から騎士が任命されるのは初めてのこと。
村始まって以来の名誉で町の人の鼻息も荒い。行くも地獄帰るも地獄。
それから10年後。
ぼくらはやっと黒真珠国についた。ドンサクの亡骸は持って行けなかったので
形見のお守りと一緒に叙任式をうけた。ドンサク・・・僕ら騎士になったんだぜ。
ルェフラは泣きながら騎士の剣を王様から賜る。僕は喜びよりもこれからの事を
考えていた。閲兵式があるので是非来てくれと黒真珠国の総指揮官カーボネルという
男に連れられ宮殿の広場に行くと華麗な装備をした壮観な1万の軍隊が隊列を
組んでいた。「よろしければお手合わせを」冷たい顔つきの銀白の鎧を纏った細身の男が
礼儀正しい物腰でルェフラに行った。ルェフラの強さを肌で感じ抑え切れなかったようだ。
「これはラフランジーと申す黒真珠一の剣士です。」「お相手しましょう。」
隊列は決闘の為に囲いになった。息を呑んだ男達の視線が二人の間に交錯する。
輝くクリーム色の挑発を後ろに束ねたラフランジーは細身の剣を構える。
ルェフラは悠然とその構えを睨むと使い込まれた黒く鈍い光を持つブレードソードを
取り出した。幾多の敵を切りつけたであろうその両刃の放つ風格に周囲からどよめきが起こる。
カーボネルが声を張った。「王の御前です。両者血の流れる事の無いように。」。
勝負は始まったばかりだが決着はもう着いたようなものだ。
ラフランジーはルェフラの圧力に体がこわばり間合いを何度も取り直す。
一、二回斬りつけあった後、ラフランジーは剣を収めてルェフラを讃えた。
「叶いません。不遜をご容赦ください。」ニコリと全く感じいった微笑みを見せた。
「いえいえ。」
一部始終が衆目。王はルェフラに言った。「是非、我が軍の剣術の師範になって
もらいたい。」
「ありがたいお言葉です。よろこんでお受けします。」
僕はビックリした。ルェフラは師範になるだって?帰らないのか?
ルェフラは王に忠誠を誓う本物の騎士になったようだ。
意外な展開だがこいつはいい、しばらくルェフラの腰巾着になって身の振り方を
考えよう。エイルル村に帰る案は保留だ。都会の空気を吸おう。
319 :
リンコン:2006/10/22(日) 19:16:06
その夜、宮殿で新師範就任の宴会が行われた後ルェフラに聞いた。
「ルェフラ、君はここで師範をやっていくのか?」
「そうだな、実際問題エイルルに帰るのは無理だ、あの道の長さは人生で一度でいい。
俺は今27だ。帰ってエイルルに着いたら37ぐらいにはなっている。
そんな年になって帰っても何もできないだろ?だったらここで騎士として師範として生きる」
「そうか」もっともだと思った、葡萄酒をのんで二人とも顔が赤いが意識は明瞭だ。
「お前は今16才。帰ったとき26、7歳になってる。生きて戻れる保障も無い。故郷に錦というが
騎士になっただけで十分だろう。手紙でも出して、ここで騎士として働く方が有意義だ。」
「そうだよなぁ。そうなんだヨナァ。」僕はテーブルに力無く突っ伏した。
「我がエイルルの誇りッッ!若き騎士アイズの光輝く未来に乾杯ッ!!」ルェフラは杯を高々と掲げると口に流し込んだ。
翌日、街に出る。ルェフラの言う通り、帰るというのは考えられない。ぼんやりとした
記憶の中にしか無いが僕らを送り出した時の両親、村の人々は少なからず今生の別れを
覚悟してたのだろう。でないとあんな貧しい村から三匹もの馬を出せないもんな。
街は賑やかだ。いろんな物で溢れている。果物。肉。魚。織物。木彫りの雑貨。しばらく歩くと綺麗な音が聞こえてきた。
これが噂に聞く黒真珠のエルフの音楽か、僕は音のなる方に走った。
320 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/22(日) 21:15:13
夢はお前から逃げて行かない。
夢から逃げて行くお前がいるだけだ。
戦え! 熱くなれ! 夢を追いかけろ!
by 義家弘介
321 :
リンコン:2006/10/22(日) 23:40:58
そこにはちいさなエルフの女の子がいた。初めてエルフをみる。ハープを奏でながら唄っている。
足を止めて聞いてるうちに僕は涙が止まらなかった。何故だろう。曲が終わるとエルフの女の子は
ぐしゃぐしゃの僕の顔を覗き込んだ。
「なんで泣いているの?」
鼻をすすりながら、精一杯頑張って何とか答えた。
「判らない。多分君の歌に感動したんじゃないかな。」言い終ると何故か胸に詰っていたものが
消えていくのを感じた。
「私はリリアよ。あなたは?」「僕はアイズ。君は歌手なのかい?」「そうよ。」
僕等はしばらくお喋りをして別れた。「アイズ、辛い事があったらいつでも来て私に話して。」
夕暮れの街外れを歩き続けていると海岸に出た、海の上に宮殿が浮かんでいる。
僕は叫び声を上げながら夕焼けに染まる海面に何度も剣を斬りつけた、何度も何度も水面を叩きずぶ濡れになった。
「おいおい少年どうした。」一人の男が駆けて来た。後ろに大きな体のゴブリンがいる。
「風邪引くぜ。どうだい俺らの宿で飯でもくわねーか。」ゴブリンも心配そうに僕を見ている。
「俺はアンディ。コイツはディアドラ。見ての通り俺らもちょいと訳ありの組み合わせだ。
悩める少年。込み入った話なんかは酒の肴にしちまおう。」「フゴフゴ」
いつの間にか辺りは暗くなっている。魔物を斬って騎士になり何年も魔物を斬ってきたが、今日は
エルフの子と友達になったし、ゴブリンと食事を共にするのも悪くない。
不思議と僕はアンディに好感を持った。旅暮らしの自由な空気をアンディから感じた。
「そうかい。故郷に帰るか、此処で騎士をやってくか悩んでんのかい。
しかも一人じゃ戻るにしても危険で往きには仲間が一人亡くなってる」
アンディは僕の悩みを聞くと目を閉じて何かを思案している。ディアドラはそんなアンディを見つめている。
「そうだ。いい方法があるぜ。」急にアンディが明るい声を出した。
「ここから東に行くと竜族と暮らす国がある」「竜?竜だって?」
「そう。竜だ、ここにいってうまい事話をつけて貰えれば竜の背中に乗せてもらえるかも
しれねぇ、エイルルなんかもすぐだぜ」
竜に乗る。アンディの話がしばらく飲み込めなかった。
竜は魔物の中でも最強の力を持った種族だ、そんな竜族と話ができるのか、
魔物は自分達と同等の力のある人間しか認めない、その竜族と共生する国があるなんて。
驚いてる僕の顔を見てアンディが笑った。「これは信じられないといった顔だな」
「どんな王がその国を統べているんだい?竜に認められるなんて」アンディが首を振った。
「突っ込んじゃいけない所らしいがここだけの話、そこの王様はもっぱらエルフと人間の
ハーフって噂だぜ」
323 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/25(水) 21:55:28
324 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/25(水) 22:10:53
残飯はお前から逃げて行かない。
残飯から逃げて行くお前がいるだけだ。
戦え! 熱くなれ! 残飯を追いかけろ!
by バカHi
竜族の国に行く決心をしてその夜はアンディ達と別れて宮殿の兵舎に帰った。
ルェフラはまだ起きていて僕の帰りの遅いのを心配していてくれた。
「アイズどこいってたんだ。遅いじゃないか、どうしたのかとおもったぜ」
僕はルェフラに竜に乗ってエイルルに帰ろうとしている事を告げた。
「竜族だって?そんな国があったのか。そうか、一人でいくのか?」
「そのつもりだよ」
「そうか、しかし危険だな、カーボネルに相談しといてやろう」
「助かる」
「今日の訓練で腕のたつ奴を何人か見かけたからそいつらを供にできるよういっとくよ」
自室に戻ってベットにはいると疲れからすぐに眠った。
翌日の昼頃、旅の支度をしようと兵舎の前に荷物を揃えているとルェフラとカーボネルと
ラフランジーが揃ってやって来た。
「おい。旅のお供はコイツがするってよ」
ラフランジーが一歩進み出て僕に手を伸ばした。
「お供させていただきますよ、アイズ殿。私も丁度外の世界に出て自分の剣を見つめ
直したかったのです」
「こちらこそ、よろしく。あなたが一緒だと安心だ」固い握手を交わして、お互いの肩を抱き合った。
思いもかけず強力な人物が仲間になって旅の行方が少し晴れたような気がした。
326 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/29(日) 00:32:13
>>323 彼岸島のキャラを思い出しました。いい感じです。
327 :
名無し物書き@推敲中?:2006/11/16(木) 17:59:16
『おい…あまり大きい声を出すなよグレイス…いつ何時聞かれているか分からない』
俺は背筋に一滴の冷水を垂らされた様に感じた。グレイスって…何か得体の知れない巨大な不安が押し寄せてくる。
『隊長――!』
『…ああ、分かったよ…あの少年の事は考えてみる。しかし彼に能力がなければ元の世界へ返すんだぞ……』
俺は何か不安になったが、まもなくやってきた強烈な睡魔に負け、白い意識に吸い込まれていった。
一部、どう?
328 :
名無し物書き@推敲中?:2006/11/16(木) 18:16:29
誰か、
『とある国の王女様が家出して、
それを連れ戻そうとした護衛っぽい人と口論になって、
だんだんイラついてきた護衛っぽい人が強行手段で襲い掛かろうとして、
そこを偶然通りかかった主人公が何も知らずに王女様を助けてあげる』
っていうシチュエーションがある小説知ってます?
329 :
名無し物書き@推敲中?:2006/11/21(火) 05:15:55
わからん。。。。。
330 :
名無し物書き@推敲中?:2006/11/21(火) 05:32:48
ジュルジュルと音を立ててマン汁をすすりあげる。
「あーん、駄目ですぅ、ご主人さまぁ〜」
小説ってむずいね
332 :
名無し物書き@推敲中?:2006/11/22(水) 16:01:03
333 :
名無し物書き@推敲中?:2006/11/22(水) 16:04:43
幼い日に見た夢は、
今でも私たちの心を捉えている。
共に泣き、笑い、
風のように走り抜けた日々。
永遠の安息を疑わなかった。
世界は、芳醇な香りで満ちていると。
新生の悦びに胸を弾ませながら、
大空さえ我が手にあると信じていた。
星の見る夢 〜Nebula record〜
334 :
333:2006/11/22(水) 16:09:50
333ゲットしちゃった♪w
335 :
名無し物書き@推敲中?:2006/11/25(土) 23:00:29
>>333 このままでは過疎ってしまう。
続ききぼんぬ
336 :
名無し物書き@推敲中?:2006/11/25(土) 23:24:17
描いていいですか?
ごっちゃになりそうで怖いです
337 :
名無し物書き@推敲中?:2006/11/25(土) 23:58:08
>>336 そうだな、混乱を避けるためにHNを作る、
あるいは、毎回タイトルを端に記入するなどしてみてはどうだろう。
期待してます。
例えば
>>333は「333」とかな。
もちろん変えてもいいんだが。
338 :
名無し物書き@推敲中?:2006/11/26(日) 00:02:38
>>333 出だしの雰囲気は、読書欲をそそるという意味で良い感じ。
長編なのかな?完結させててくださいね(^^)
339 :
名無し物書き@推敲中?:2006/11/26(日) 10:13:09
340 :
340:2006/11/27(月) 01:36:36
糞長ったらしい上に自分で書いといて痛いし
へたいんですが投稿してみます。
341 :
340:2006/11/27(月) 01:38:39
【プロローグ】
世界中は魔物で溢れていた。人々は魔物の影に怯え
王国ソルではその状況を打破すべく騎士団をたちあげた。
ある日の事、王国ソルへ五人の魔人がやってくる。
五人の魔人は5つの剣を国王に渡した。
5つの剣は強い力を持ち魔物はその剣を恐れた。
国王は騎士団の中での実力者の5人にその剣を渡し
5人を中心に騎士団は力をつけて世界は平和になっていく。
数十年後 事件は起こった。
3人の実力者が3つの魔人の剣と共に行方をくらまし
2人の実力者が死体となって発見され
王国ソルは5人の実力者と3つの武器を失ってしまい
世界には再び魔物が増殖していく
国王は2つの武器を新しい2人の実力者に渡し
何とか世界を魔物の手から守っていく。
この物語はそれから100年後の話
342 :
340:2006/11/27(月) 01:41:26
トントン
誰かがノックをしてきた。その音で目がさめる。
「ん・・・・。どうぞ。」
ガチャ
「失礼します。クレイン様、国王からお呼びがかかってます。
至急国王の私室に来る様に。との事です」
「・・・・わかった。すぐ行く。今起きたばっかりなのにまた任務かな。
しょうがない行ってみよう。」
【国王の私室】
クレイン「Aクラスクレイン。ただ今参りました。」
国王「おう、クレインか。実はお前に頼みたい任務があってな。」
クレイン「俺に頼みたい任務?」
国王「うむ。今回は北の森に住む人からの依頼だ。
北の森は知ってるだろうがトロルの出現地である。
最初はおとなしかったトロルも最近では、活動が活発になりついに昨日、近くの村の娘が一人さらわれたらしい。
トロルは凶暴な魔物だ。村人では戦えん。だから、
この騎士団『ソルシエール』に依頼が来たわけだ。
空いているのはお前だけじゃないんだが・・・クレイン行ってくれるな?」
343 :
340:2006/11/27(月) 01:44:02
クレイン「はい。大丈夫です。」
国王「おお!よかった。では、もう用意は玄関にしてある。今すぐ頼む」
クレイン「用意?」
国王「そうだ。トロル相手ならお前でも、そう簡単にいかんだろう?
数週間はかかると思うぞ。その用意を・・」
クレイン「必要ありません。夜には帰って来るので。では、失礼します。」
そう言うとクレインは部屋を出て行った。
国王「おい。クレイン!北の森はここから片道2時間はかかるんだぞ。トロルもそんなに簡単じゃ・・行きおったか。
レグナよ。クレインはああ言ってるが大丈夫だろうか?」
レグナ「クレインなら心配ありません。それに、トロル如きで、てこずるAクラスにSクラスには永久になれません。」
国王「そうか。騎士団『ソルシール』隊長のSクラスのお前がいうなら間違いないだろうな。」
ご愛読ありがとう御座いました。随分前に書いた作品なのですが
投稿中あまりの痛さに気持ちが萎えてきたのでこれで投稿を止めたいと思います。失礼しました。
344 :
名無し物書き@推敲中?:2006/11/27(月) 03:58:47
それで下手ならオレなんてどーなるのよ・・・・・・・
345 :
名無し物書き@推敲中?:2006/11/27(月) 04:18:05
>>343 謙虚過ぎw
全然そんなことないよ。プロじゃないんだし。
私は続き気になるけどね。
ここは2ちゃんねるだから、自由に書いていこうよ。
346 :
名無し物書き@推敲中?:2006/11/27(月) 04:22:46
>>343 もっと読みたい!
剣の名前とか、どんな力があるのかとか知りたいし。
347 :
名無し物書き@推敲中?:2006/11/27(月) 04:26:33
とりあえず週1か、2週間に1回は投稿してくれると
このスレが落とされないで済む。
348 :
333:2006/11/27(月) 06:29:22
>>333でプロローグ書いたものです♪
下手くそなんですが、頑張って続けられたらなって思ってます。
――★ 星の見る夢 〜Nebula record〜 ★――
―第1章― ★Oracle★
それがこの世に生を受けた日、
天は目が覚めるような蒼一面であった。
花は咲き乱れ、風は新緑の木々を鳴かせた。
河は罪を洗い流し、
大いなる神の光を眠れる大地へ惜しみなく注がせた。
大気は新たなる輝きを彼方まで届かせ、
孤独に嘆く海の咎を許した。
やがて天より道が拓け、名が星たちの祝福を集めると、
そっと腰をおろし、抱かれし火を愛でてから涙を流した。
―――その日世界は、かつてない奇跡に打ち震えた。
救世主が、神々の祝福のもと生を受けたのである――――。
349 :
333:2006/11/27(月) 06:31:51
第1話 『 電脳 』
傾く夕日に照らされて、燃えるように輝く若葉。
肌寒い春の夕暮れ――。
それは、うつむく者を緩やかに、 悠久の夢へと誘う夜行列車。
ぬるいぬるい夜に、紅い星が空を駆けた。
「もしもしー。あーそうだよねー。
超ウザイ。
ホント許せないからね。」
短い金髪をワックスでツンツンに立たせた少年が、
パソコンのマウスを片手に電話している。
話し相手はどこかの誰か。顔も知らない同世代の女性。
「どこ住んでんの?‥‥‥あーソコ超近い!
オレの家そこから2駅。
芸能人で例えたら誰に似てる?」
――――ワクワク冒険島―――。
国内最大の電話会社が始めた、音声のチャットコミュニティ。
利用者は数千人。
そこには、プッシュ操作で選択できる
通称「部屋」というコーナーが数10個存在し、
1つの部屋で複数の人間が同時に会話することができる。
その実態は、
彼のような出会い目的が大半を占めていて、
あたかも出会い系サイトのように、
10代から30〜40代の男女が会話と出会いを繰り返している。
350 :
333:2006/11/27(月) 06:34:29
「オレ?
オレ、オダギリジョーに似てるって言われるよ。
かっこいいって何回も言われた事あるよ。」
少年は、話し方が挙動不審にならないように気を張り詰める。
とにかく髪を明るくした。
とにかくワックスで上に向かって思い切り立ち上げてみた。
自分はきっと、他のマニアックな利用者よりも
数段イケているに違いない。
似ている芸能人など生まれて1度も言われた事は無いが、
ライトの照射量を調節しながら
100回以上撮りまくった写メールでなら言われた事がある。
これが、仮想空間でのナンパである。
彼らは姿が見えない相手の顔を、どうにかして聞き出そうとする。
出会い目的の過半数が、
会話の中で相手の外見を聞き出すタイミングをうかがっていて、
聞き出した情報如何では、すぐに会話をやめる事もある。
というのも、自分の外見の良さを言葉でアピールするのは、
彼らにとって極めて重要だ。
ここで相手の外見の情報を少しでもつかんでおく事で、
会うまでの手間や、会ってハズレだった時の面倒を軽減できるからだ。
アピールの仕方はあきれるくらい原始的に脚色されていて、
オレはかっこいいとか、私はモテるなど、
最近の若者が口が裂けても言わないセリフを堂々と吐く。
そのあまりに露骨な物言いの不自然さにすら気付かない彼らは
現実世界で異性とうまくいかないから、
この仮想現実の世界で相手を見つけるしかない。
351 :
333:2006/11/27(月) 06:40:36
「じゃ番号教えてよ。あとアドレスも。」
連絡先を交換し、すぐにお互いの顔の画像を交換する。
彼らは携帯の画像写りをとても工夫していて、
ライトやセロハンテープなどで何とかして良く写るように、
何度も何度も撮り直すのだ。
不登校。
リストカット。
ひきこもり。
心の病。
普通の若者たちが青い春を謳歌している世界の裏側で、
さまざまなバックボーンを持った人々が、
日が暮れた後ここに集うようになっていた時代。
少年は、しわくちゃになったメモ帳の切れ端に
連絡先を書き留めると、すぐさま彼女のアドレスへメールした。
352 :
333:2006/11/27(月) 06:44:44
メールは、すぐに帰ってきた。あとは画像を交換するだけ。
画像は慎重に選ばなければならない。
目の前のパソコン画面には某匿名掲示板が映っていて、
冒険島が話題になっている。
書き込みを見てすぐ、少年の眉間にシワが寄った。
642番の書き込みに、
冒険島で彼が使用しているニックネームを名指しして、
「リアではテラキモスwww」
と書いてあるのだ。
リアというのはリアル、つまり現実の事で、
wは(笑)を略した記号である。
「○○ス」という表現は、ネット特有の未認可専門用語だ。
少年は、絶対に許せんと
叫びたい衝動を抑えながら、怒りに震える手でマウスを操作し、
「
>>642 ウザイ死ね」
と書き込んだ。
「旅立ちの前に」
ラフランジーと宮殿をでる。何人かの兵士達が見送ってくれた。
出発の前に街に出た。リリアに別れを告げよう昨日の今日だけど、リリアは
僕等二人の旅が上手くいくよう「旅人の歌」というエルフの歌をうたってくれた。
風がふく荒野にも 星はきらめくわ
雨が降る夕べにも 虹はかかるわ
旅人よ 風邪には気をつけて よくたべるのよ 目的地につくといいわね
僕はまたしても泣いてしまった、ラフランジーも目を潤ませている。
「いってくるよリリア」
「気をつけてね」
「一緒にいきませんか?」「!」
ラフランジーが急にリリアを旅に誘いだした。コイツは何を言ってるんだ?
「仲間は多い方が楽しいし、エルフの音楽には魔物を沈静させる効果があると
いいます。それにアイズ殿は彼女の歌が大好きなようだ。」
「なっ、何言ってんだよ!」
「私もいくわ」「!」「私も竜に乗ってみたいもの」
「決まりだ」ラフランジーはパチンと指を鳴らした。
354 :
340:2006/11/27(月) 21:21:34
内容:
以外と不評じゃなかったので他の小説に紛れ込むように続きを書きます。
このスレの住人が糞小説愛好家だったらいいな。
>>343の続き
〜北の森の近く〜
クレイン「ふう・・・。思ったりよりかかったな。まず村の人にトロルの住んでる所でも聞くか。」
「おいあんた。ひょっとして騎士団の人か?」
近くの村に行くと男が不思議そうに声をかけてきた。
クレイン「ああ。そうだ。ちょうどよかった。トロルの住んでる所、
またはよく出る所でもいい。教えてくれ。」
『騎士団』の言葉に人が集まってきた。
「騎士団って・・一人じゃないか」
「やっぱり依頼金も少なかったしこんな村にはあまり大勢で来てくれないのかねぇ。」
「ふざけやがって・・・。だから俺は騎士団なんか反対だったんだ」
クレイン「聞こえてるのか!誰かトロルの出現場所を教えてくれ!」
355 :
340:2006/11/27(月) 21:23:20
群集をかき分けて老人がやってきた。
老人「失礼しました。私はこの村の村長をやっています。
トロルの事は長年この村に住む私が一番知っています。」
クレイン「そうか。じゃあ場所を教えてくれ」
老人「え?あ、あのー。失礼とは思いますがトロルは強い魔物です。あなた一人では無理では・・・」
クレイン「俺はAランクだ。一人で十分だ。それに集団での戦いはあまり好きじゃないしな。」
老人「Aランク・・・?あのそれは?」
クレイン「・・・騎士団には強さ別にランクがある。
Sに一番強い兵士を1人。Aに次に強い兵士を3人。Cに次に強い兵士が5人。こんな感じでな。だから俺一人で十分だ」
老人「すると、騎士団で2番目のランクの方がわざわざこんな村に・・・」
クレイン「そうだ。暗くなると魔物は凶暴化する。時間が惜しい。早く場所を。」
老人「失礼しました!!トロルは北の森のさらに奥の洞窟にすんでいます。だから村の娘もそこにいるはずです。」
356 :
340:2006/11/27(月) 21:24:38
クレイン「そうか・・それじゃあ、1時間後娘を連れてまた来る」
老人「一時間!わ、わかりました。」
「一時間だってよ」「無理に決まってるだろ?」
「でもAランクだそうだぞ。」「Aランクってそんなもの本当にあるのか?実際それ自体うそ臭いぞ。」
老人「こ・・これ!お前達はさっさと仕事にもどらんか!」
今日はここまで。
うーんやっぱり凄く痛いな。
痛い、というより稚拙なだけだから安心汁
とりあえず続けてみればいいさ
358 :
340:2006/11/28(火) 23:09:40
やっぱり次の話から凄く痛さが増すので続き書くの止めます。
ただ前書いた作品を「コピー」「貼り付け」するのも恥ずかしくなってきました。
自分で書いた小説なんですが、作ってたあの頃は少し頭がおかしかったんです。痛い子だったんです。
痛い小説書き込んでも恥ずかしいし不快に思う人も出てくると思うので
そこまでMじゃないので止めときます。
ちなみに、この作品は某無料HP作成サイトでHPをつくって連載していた小説なんで
文の一部分をコピーしてぐぐってみたら
元ネタの痛い小説が書いてあるHPがでてくるかもしれません。
途中であまりに痛さに気付いて未完のままなんですがね。
でも、せっかく読んでくれた方で、「続きが見たい」と言ってくれた方や
糞小説愛好家の方が居たら未完のままで終わるのは失礼に当たるので
大まかなこれからのあらすじだけ書いときます。
ちなみに上に書いたように元ネタのHPを見つけても小説は未完で止まってます。
クレインはトロル撃破して村娘を助ける→国に戻る→今度は新しい任務を受ける
→任務の内容は別の国の姫をある地点まで護衛する事。ある地点まで姫を護衛すると姫の能力により
魔物が消滅するという任務→ある事情によりその任務が完了すると姫も死んでしまう事をクレインは知る。
→任務中に任務放棄して姫と逃げようとするクレイン→途中で見つかり同じ騎士団の仲間にタイーホされて国に戻され監禁→抜け出す
→姫と合流→騎士団の連中と戦う事を決意。
以上ご愛読ありがとう御座いました。
359 :
名無し物書き@推敲中?:2006/11/28(火) 23:58:14
むう
361 :
名無し物書き@推敲中?:2006/11/29(水) 15:04:46
なんだったんだ(^^;)
警察署の会議室。
「…では、入江山に配置なさるんですね。
朝倉博士。」
朝倉美奈子。28歳で『この計画』のリーダーとなった者だ。
朝倉 「はい。
本日20時までに『軽薙(カルナギ)』と、そのパイロット・『北岡』を配置させますので、周辺の警備と市民の避難をよろしくお願いします。」
『軽薙』とは、災害救助用として造られた身長10mほどロボットだ。
地震災害など数回使われた以来、倉庫に封印してあった。
それを朝倉に改良され今回の計画に使われる。
「7年振りだな…『彼ら』に合うのは…。」
「まぁ…7年間よく現れなかったと感謝すべきか…。」
朝倉「えぇ…今回は人間の手で守らせてもらいます。
いつまでも甘えてるわけにはいきませんから…」
その場で会議は終了された。
それと同時刻。
T大学の研究室。
学生が机に並べられてある石器を手に取って見つめる。
「斎藤先生。この石器、全部同じ『文字』のようなモノがが彫ってありますが…なんなんでしょうか?」
斎藤 悟。考古学を研究している教授である。
斎藤 「…人類が最も進化させてきた技術は何だと思う?」
斎藤は学生に問う。学生は石器を眺める。
「…『情報』?…でしょうか?」
斎藤 「…『コミュニケーション』だよ。
言葉から文字へ…
昔からの我々の永遠の課題だよ。
たぶんその『文字』のようなモノは『それ』を表しているんじゃないかなと私は思うんだよ。」
「なるほど…そうなんですか?」
斎藤「さて食堂にいこう。家の者と待ち合わせをしているんだ。
それから今度の入江山調査の話をしよう。」
大学の前に一台のバイクが止まる。バイクに乗ってるいるのは20歳ほどの青年だ。
青年 「たしか
おじさん食堂で待ってるっていってたよなぁ…。食堂どこなんだよ〜。…広いなぁ」
青年は事務所から食堂の場所を聞き食堂に向かった。
悟 「おぉ真一君…早かったな。」
青年の名前は、津島真一。23歳。訳ありで悟と同じ家にいる。
真一 「丁度大学の近くのお店で買い物していたんで…」
真一は斎藤に資料を渡す。
悟 「ありがとう。今日も夕食…期待してるよ。」
真一 「任せてくださいよ。とびきり美味しい牛すじを買ってきたんで…。それでは家に戻ります。」
真一は大学をでていった。
「息子さん…ですか?」
斎藤 「いや…兄の子供預かってるんだ。」
「そうなんですか…。」
斎藤 「本来なら兄夫婦と一緒にあのコも海外に行くはずだったんだが
あのコは、昔、うちに遊びに来ている時、記憶喪失になってしまって…
そんな状態で海外行くのもって話でウチで預かることにしたんだ。」
その場の空気が固まる。
「記憶喪失…って」
「な・なんか凄い事あっさりと言いましたね。」
斎藤 「はは…大丈夫だよ。今ではそんな片鱗もないほど明るく毎日を過ごしているよ。」
夕方、真一…もといい悟の家。真一は夕陽を見ていた。すると玄関から元気な女の子の声がした。
「ただいまぁー!!」
声と同時にドタドタとした足音。
真一 「あっ、由衣ちゃんだ。」
斎藤 由衣。高校2年生。斎藤 悟の娘だ。
由衣 「おっ!真一君!」
由衣は真一の部屋に入ってきた。
由衣 「どーしたの?ボォ〜として…」
真一 「なんかさ…夕陽を見てると懐かしくなるんだ。それに…ちょっと寂しいかも…」
由衣 「両親…に会いたくなった?」
真一 「う〜ん…そういうのじゃないんだけど…それに…何かしなくちゃいけないような…。」
由衣 「ようやく…仕事探す気になった?それとも学校行ってみる?」
由衣はニヤリとして、真一は困った顔する。
真一 「その話はやめようよ〜。それに俺のほう年上なんだよ!『真一君』はないだろ…。」
由衣 「だったらもっと『大人』になってよ!真一君!またお父さんに言われるわよ!」
真一はまた夕陽を見る。
真一 「…うん、でもその前に…何か。」
由衣 「真一君…今日の夕食何?」
斎藤家は、悟と由衣の2人。母親は幼い時病気で亡くなっている。
そのためか家事は真一がやっている。
真一 「今日は牛肉の野菜巻き。
庭で栽培してた玉ねぎがさ…これまた絶品で!」
生き生きと話す真一。趣味で家庭菜園をしている。
その時、真一の携帯が鳴った。
悟からの電話である。
真一 「もしもし…。」
悟 「真一くん!8時に『入江山』を下見してくる。
悪いんだが、タッパーに何か詰めて持ってきてほしいんだ…
生徒もいるから…沢山な!」
真一 「もぉ…分かりましたよ。
ここからだとちょっと時間がかかりますから大したモノできませんけど持っていきます。」
悟 「よろしくな…。」
電話はそこで切られた。
真一 「ははぁ…これからまた料理作らなくちゃ!
ごめん由衣ちゃん…おじさんのとこに行くから先ご飯食べて…。」
由衣 「ご苦労様です。」
367 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/01(金) 02:44:22
書いてみました。
あらすじ書くと
ある日、怪物が現れるようになった。
警察は…社会は…マスコミが動き出した。
世界は僕に何をしてくれるだろう。
そして僕は世界に何ができるだろ。
ってな感じです。戦える三人を取り囲む周りを含め怪物が現れたらどうなるか?みたいのを描きたいんですよ
まぁぶっちゃけ仮面ライダーのパクリです
368 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/02(土) 05:20:23
どうぞ。じゃあHNはそっち系になんのかな
369 :
333:2006/12/02(土) 05:50:19
第2話 「 朧月夜 」
同じ頃、川上竜哉(カワカミタツヤ)は新神戸駅に向かって歩いていた。
バイトの飲み会で随分と飲まされた。
ロックで飲んだ焼酎の数は、10を軽く超えている。
意識はかろうじて残っているが、足元はまるでおぼつかない。
今が夜だというのはわかるのだが、夜空の星を数える事ができない。
星と同じように、周りの景色が瞬いているようにも見える。
あのクソ野郎ども、いい加減にできないのか。
竜哉はバイト仲間の中で1人だけ長田区に住んでいて、交通費ももらっている。
酒豪という人種はどこの世界にもいるもので、
浴びるように飲むのは勝手なのだが、
隣人にもそれを強要するジャイアニズムの塊ばかりな印象がある。
少なくとも自分よりは、礼節を知らないバカどものハズだ。
しかし、もしも自分がそういうDNAで生を受けたのならば、
高校の時に親兄弟を殴り倒さなくとも、
病んだ破壊衝動を緩和できていたのかもしれない。
最近、ああいう大酒飲みは中程度の迷惑をまき散らしてはいるが、
ヤツらの家族が出て行かないという確かな事実が聞けたからである。
そうだ、自分に比べると、家庭の幸せを守れる確率は高い気がする。
―――突きつめて正義と信頼を求める人種なのだ、自分は。
そうやって一時的に崇高な匂いのする言い訳にすがって、
罪の意識と対峙する事から妥協している。
370 :
333:2006/12/02(土) 05:55:52
しかしヤツらのせいでこんな時間に
終電で帰らなければいけないというのが、おっくうであることに間違いは無い。
眉間にうっすらシワを寄せつつ駅と国道を挟む花壇に腰掛け、
カバンからミメラルウォーターを取り出すと、一気に飲み干しておく。
アルコールは利尿作用で体外排出されるので、水分をたくさん摂ってやろうと考えたからだ。
空いたペットボトルをゴミ箱に投げ入れると、花壇に腰掛けたまま、
数刻前より襲ってきていた眠気に身を委ねてみた。
心臓の鼓動がはっきりと聞こえる。
なぜだろう、あんなに意識朦朧としていたはずなのに、まったく眠る事が出来ない。
これはいよいよ、不眠症がぶりかえしてきたのか。
重かった瞼もなんのその、
体の奥に脈打つ興奮が、竜哉を眠らせはしなかった。
371 :
333:2006/12/02(土) 05:56:24
帰らないと・・・・・・・
そう思い立ち上がった時、ふと終電間近の駅の構内に目をやると、
1人の女が駅の改札にいた。
一向に改札を通る気配も無ければ、切符を買おうともしない。
誰かを待っているのだろうか。
竜哉に後姿を向けたまま、携帯電話を両手で持ち、
なにやら一生懸命な様子でメールを打っている。
いや…厳密に言えば少し変だ。
プッシュ操作、受話器を耳に当てる、
この2つの動作ばかりを際限無く繰り返しているのだ。
何をしているんだろう。
酔っている時は、肝心な事を全て聞き流してしまう代わりに、
どうでもいいことに細かく執着してしまう。
竜哉は、はっきり整った若い顔立ちについている
大きな二重をパチパチさせて、しばし女を見ていた。
入江山に向かう真一。
真一 「時間かかったけど…内容が良いから許してくれるだろう。」
すると真一のバイクを凄いスピードのトラックが追い抜く。
真一 「な・なんだぁ!」
トラックは大型。迷彩色。
かなり重いモノを運んでるようだ。なんとかバランスを保ち走っていった。
数分後、入江山に到着。
特別高い山というわけではなく公園などもありきっちり整備されている。
真一 「あれ…さっきの車だ…。」
駐車場にはさっきのトラックを含め数台のトラックと車がある。
駐車場には悟の姿もあった。
真一 「あっ…おじさん。」
悟 「おう真一君…遅かったじゃないか…。」
真一はタッパーを渡す。
真一 「許してくださいよ。中身には自信ありますから…」
悟 「期待してるよ。」
悟は真一の肩を叩く。
真一 「ところでなんなんですか?この車…」
悟 「あぁ…何か警察のほうで調査があるというんだよ。私たちも追い出されてしまった。」
入江山には美奈子の姿もあった。美奈子はトラックの中でノートパソコンを眺めている。手元にあるマイクに話しかける。
美奈子 「北岡くん準備はいい。」
北岡 「はい。いつでも…」
北岡 威。26歳。『軽薙』のパイロットを勤める者。
『軽薙』にはコードがついている。
外部からエネルギーを供給するタイプのロボットだ。
威 「本当にここにでるんですか…?」
美奈子 「あたしの言うことに何か…」
威 「いや…そういうわけじゃ…。」
辺りにまったく変化がない。それでも美奈子はパソコンを眺め続けている。
一方、真一と悟は…
悟 「…というわけなんだ真一くん。調査は中止だ。私は生徒を送るから先に帰っていてくれ。」
悟は先に帰った。真一もヘルメットをつけ帰ろうとした。
その時…森のほうに気配が感じた。
美奈子が眺めている画面にも変化がた。
美奈子 「北岡くん!来るわよ!」
軽薙は銃と盾を持る。北岡はスコープで辺りを見る。
374 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/02(土) 07:41:49
ちょっと会社いってきます。
また書きます。
具体的にいうと
仮面ライダークウガ
仮面ライダーアギト
アニメから
ネオランガ
アルジュナ
をぱくりました。
中華系のファンタジーを書く場合は、何が大事なんだろうか?
美奈子 「…来た!」
美奈子が声を出した瞬間。森がざわめく中、威に緊張が走る。
威 「これが…。」
威が目にしたのは、軽薙と同じ大きさの怪物…怪獣といったモノだった。
どこから出現したのかまったく不明。いきなり木々を掻き分け目の前に出現した。威は銃の照準を合わせ同時に発砲した。
威 「うわぁぁぁぁ!!」
美奈子 「北岡くん!落ち着いて!」
美奈子の声で威は正気を取り戻し、攻撃の手を止める。
威 「はぁ…はぁ…。」
怪物は動かない。
美奈子 「いい?一度距離を置いて…」
威は後ろにさがる。その間、照準からはずさなずそろそろと後ろにさがる。
微妙な動きと変化を始める怪物。
威 「…んっ!」
怪物は触手のような…腕のようなモノを伸ばし軽薙を吹き飛ばす。
威 「うっ!」
美奈子 「北岡くん!」
盾で受け止めたものの盾と一緒に数メートル吹き飛ばされた軽薙。
美奈子 「神崎くん!軽薙のチェック!」
神崎拓哉…25歳。美奈子の助手に選抜されたこの計画のメンバー。
拓哉 「内部には影響ないです。まだ戦闘可能です。」
軽薙は立ち上がる。
威 「うっ…銃が効いていないのか…?」
美奈子 「しかたない…。一旦退却して!攻撃が効かないんじゃ闘う意味がないわ!」
威 「いえ!まだやります!」
軽薙は銃を捨て、腰に着けてあるナイフを取り出す。
真一は…
頭を抱えうずくまっていた。
真一 「うっ…うぅ…」
するとカッと目を開いて美奈子達の場所へ走り出した。
軽薙と怪物は一定の距離を保ち相手の動きに注意する。…先に仕掛けたのは…
威 「動いた!」
怪物だ。体ごと触手にして軽薙に突っ込んできた。
威 「うっ!」
軽薙はそれを受け止めた。押され、足を引きずる軽薙。そして…
『ガチィィィィィ…ギィィ!!』…激しい音と同時に軽薙の右腕が外れる。
美奈子 「北岡くん!」
威 「…ちっ!」
右腕が外れたと同時に怪物の体にナイフを突き立てる。
威 「喰らえ!」
威はボタンを押すと、怪物の体に電流がながれる。
美奈子 「よし!内部から電流を流されて生きていられる動物はいない!500万ボルトを味わいなさい!」
怪物はその場に倒れ伏せる。
威 「はぁ…やったか…。」
しかし…
拓哉 「怪物は…まだ生きてます!」
拓哉が言うと同時に怪物は動き始め、軽薙をもう一度吹き飛ばす。
威 「うっ…」
拓哉 「軽薙。腕の破損に加え両足の配線にダメージ!活動不能です!」
美奈子 「北岡くん!」
北岡は気を失ってしまった。
そこに人影が近づく。真一だ。美奈子・拓哉は真一の存在に気付かない。
怪物を見る真一。
美奈子 「何…」
パソコンに変化が現れた。
379 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/02(土) 19:40:13
申し訳ないです
姓と名をわけて使ってるとこがあります。
ただしくは文章では名前を書くようにしています
380 :
333:2006/12/03(日) 04:48:03
アルコールで頭が回らない。
こんな時に、どうしてこの女を見てしまうのだろう。
小さな頭、後ろで単純に束ねただけの髪は、
癖をみせずにストンと背中の中央まで落ちている。
必死に記憶を辿る自分の脳が、女を凝視するのをやめてくれない。
どこかで会った事でもあるというのだろうか。
黒い髪、黒いジャケット。そして黒いパンツ。
なんというネガティヴな色目だろう。
ファッションは、その人間の内面を反映させる側面があると最近よく思う。
靴は、ここからだとどうやらスニーカーのように見えるが、
どうでもいいコンバースか、あるいは・・・・・・・
メリハリの少ない怠けたシルエットを考慮すると、
お世辞にも、服装に気を使っているとは思えない。
読者モデル経験もある竜哉にとっては、
地味なかっこうだな、としか思えなかった。
ここまできたら靴も見ておきたくなり、
ショップ店員の職業病なのか、それとも酒のせいなのか、
気がつけば立ち上がってジロジロ見てしまっていた。
381 :
333:2006/12/03(日) 04:49:53
1〜2分ぐらい経っただろうか。
急に女が竜哉の方を振り向いた。
酒のせいとはいえ、長いこと見ていた竜哉は、少しだけ気が動転した。
ちょっとジロジロ見過ぎたかもしれない。
とっさに、携帯をいじるフリをしようとしたが、電池が切れて使えない。
まずい、まずい。
竜哉のベロベロの頭脳にはなぜか後ろめたさだけが
とてつもないサイズにまで膨張していて、
ポケットというポケットを手当たり次第に弄る。
携帯電話以外に入っていたのは、
ついさっき出たコンビニで受け取ったレシートだけ。
ああ、何をやってるんだオレは。
カッコ悪い・・・・。
1人でしばらく慌ててみたが、
どうやら視覚の隅っこの女が再び振り向く様子はないようだ。
ありもしないものをあたふたと探して、どうにかやり過ごせたらしい。
いや、元々気にする必要など無かったか。
382 :
333:2006/12/03(日) 04:53:08
ピンポーン!
その時である。
突然、チャイムの音が駅周辺に鳴り響いた。
大きさこそ倍以上あるが、
放課後の小学生が友達の家の玄関で、面白半分に連打する呼び出し音。
そんな馴染みの有る音だった。
なんだ?
終電はまだ来ていないから、駅の音ではない。
音源がわからないのは酒のせいか。
自分で承諾した一気飲みの記憶にほとほと腹をたてながら、後ろを振り向く。
誰もいない。
周囲に改造車も停まっていない。
まさか、とうとう幻聴まで聞こえ始めたのか。
よくわからないが、自分への愛想が
とうに尽きてきたのは間違いないようだ。
ふと改札を見ると、さっきの女がいない。
どうやら、幻聴に気をとられているうちに、さっさと帰ってしまったらしい。
もう帰ろう、バカバカしい。
半分夢の中にある月は、
夜空の満月をとことん暈してしまう。
満月の夜には犯罪が増えるというなんとも非論理的な統計があるそうだが、
これだけ月が綺麗だと、どんなことでもできそうだ。
そう考えると、こんな晩にならば何が聞こえても不思議じゃないのかもしれない。
竜哉は瞬く星たちを背にして、おぼろげな意識で改札を通った。
383 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/03(日) 05:04:13
チョットHN変えマシタ♪
第1章 ―Oracle―
第2話 「 教え子 」
朝起きると、案の定二日酔いだった。
顔がベットリと寝汗をためている。
窓からは、少し強めの日差しが差し込んでいて、
部屋の湿度と気温はいつもより明らかに高い。
勇ましく嘶く目覚まし時計に目をやると、10時をさしていた。
頭がガンガンする上に、昨日食べた物がもう食道まできている。
やっとのことで布団から這い出ると、ヨロヨロと洗面所へと向かう。
本能が、嘔吐する妥当性を悟っているのかもしれない。
綺麗に磨かれた洗面所の鏡には、青白い顔がうつっている。
それを見ると、アルコールの過剰摂取が
人体にどれほど甚大な被害を及ぼすのか、なんとなくわかる気がした。
竜哉は、酒を旨いと感じた事が無い。
もちろん、タバコも大嫌いだ。
父親の保隆が、竜哉がまだ幼い頃に酒を飲んではよく暴れた。
タバコの匂いをかぐだけで、愛煙家の保隆を思い出してしまうからだ。
幼い竜哉は、そんな保隆を何度も憎たらしいと思っていた。
あんな男には絶対になりたくない。
あんな男は、愛する人を幸せになどできない。
そうだ、愛する女性を。
384 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/03(日) 05:06:26
女性、女性。
そういえば、昨日のあの音は何だったんだろう。
小学生の頃、ピンポンダッシュの常習犯だった報いなのか。
あるいは、酒のせいでそれがフラッシュバックしたのか。
ホラーとかそういうのはカンベンだ。
「リング」を見た後、1週間以上1人で眠れなかったなんて、
女友達の前では口が裂けても言えない。
出来れば、幻覚とかそういう類の勘違いであって欲しい。
それよりも竜哉は、昨夜の女性がなぜか頭の中の記憶とリンクする事が不思議だった。
顔も見ていない、服装も好みでない、おまけに性格すら知らない。
なのになぜ、あの女はこんなにも自分の中で強い印象を持っているのか。
心の隅で抱えた疑問、そしてアルコール。
とりあえず、全て吐き出してみることにした。
385 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/03(日) 05:26:44
ひとしきり吐いた後、口を水で漱いでからベッドに腰掛ける。
しばらく、酒はごめんだ。
あんなものを美味そうに飲むヤツの気が知れない。
何の利益もない上に、
中毒になって金ばかりかけるようになったらそれこそおしまいだ。
付き合いだと割り切って、すすんで一気飲みをした自分にとても腹が立つ。
竜哉は、あらかじめ用意していた
500ミリのアクエリアスを一気に飲み干し、再び眠りについた。
午後になると、さすがに酔いはさめてきていた。
今日はアルバイトの家庭教師の日。
竜哉は、リスティアというセレクトショップと家庭教師を掛け持ちしていて、
収入だけなら安月給のサラリーマンに匹敵する。
ショップ店員は接客販売のノウハウと共に、
さまざまなファッションセンスと触れ合うことが出来るという特典があり、
単に時間と金を交換するだけのアルバイトよりは何倍も有意義だ。
中にはスタッフのセンスを凌駕するほどのモチベーションを持った客もいて、
スタッフ同士のやりとりと客との情報交換によって、
自分の内的な芸術性が練磨されていく。
そしてスタッフである自分は、来店する大勢のアーティストの
内的な芸術性に大きな影響と刺激を与えうる扇動者でもあるのだ。
家庭教師も、少し違った意味で有意義である。
教え子が成長していく事により、自分の誠意が実る喜びと共に、
「出来るようになった」という心の底からの笑顔に触れることが出来る。
どちらかといえば、竜哉にとっては「癒しの場」という色彩が強かった。
386 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/03(日) 05:33:14
これから電車で2駅先の中学生の家に行かなくてはいけない。
教え子の名前は松本大輔。
友達の紹介で教える事になり、元々不登校の子だったが、並外れた速度で知識を吸収していた。
国語と英語の2科目を教えていて、成績も順調に伸びている。
2年前、母親が出て行き、父子家庭になったショックで大輔は不登校になった。
なかなか帰らない父親に代わって、竜哉はほとんど親代わりだった。
松本家は、市街地から少し外れた閑静な住宅地にある。
なだらかな丘を開拓してつくったこの一帯は、
パチンコ店やレンタルビデオ店などといった賑やかなものが無いため、
多少寂しい地域ではあるが、
駅から伸びた緩やかな1本の坂道に沿って家が並んでいるために、
絶対に迷う事が無いというのが強みである。
松本家は坂道の頂上付近に建てられており、長い長い1本道の上にある。
面倒ごとが嫌いな竜哉は、初めて松本家に来た時
本当に嬉しかったに違いない。
「先生来たよー!」
玄関のチャイムを押すと、
待ってましたとばかりに、姉の由加里が出迎えてくれた。
由加里は大学受験を控えていて、学校が無い日はけっこう家にいる。
竜哉の家も父子家庭で、2人の姉弟に少なからず共感を抱いていた。
そんな由加里と大輔も、優しくてハンサムな竜哉が大好きだった。
>>375 歴史もの、神仙もの、武術ものといろいろあるだろうが、
まずは知識だな。
豊富な知識に裏打ちされていなければ中身が薄くなってしまう。
388 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/03(日) 22:53:20
ここも盛り上がってきたね
389 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/04(月) 03:42:28
今日は国語の日。
5時半から7時半まで2時間、学校の教科書を勉強する。
塾や家庭教師にありがちな、有料テキストは一切使わない。
教科書を読んで、出ている漢字を全て読めるようにしながら、
その章に出てくる表現技法をマスターする。
これをベースにして、授業についていくという事を最優先するのが、
熱血教師、竜哉のカリキュラムである。
通常、多くの家庭教師派遣業の実態は、テキスト販売である。
1冊4〜5万するテキストをローンを組んで買わせ、
その代わり指導料の安さばかりをアピールする。
しかも、指導もしていない大学生を家へ向かわせるので、
家庭学習の質にはムラがあり、
3年間通せば100万近く費やしてしまう。
それなら、自分で教えて1時間2000円で週2日の方がいい。
家での学習法を教える事によって子供が自分で伸びていくようになれば、
いずれ自分も必要なくなるだろう。
390 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/04(月) 03:43:20
今回の成績アップをきっかけに、
社会へ出ても生き抜いていける生命力を、大輔に手に入れて欲しい。
竜哉は、そう切に願っていた。
そして8時。
いつものように若輩教師と生徒のやりとりが終わる。
気だるかった3月の陽が沈み、静寂の夜がやってきた。
この季節の夜は、着込んでいないと本当に寒い。
しかも、松本家の父親が帰ってくるまでまだだいぶある。
いつものように、出て行った松本家の母親が愛用していた
エプロンを身につけて台所へと向かう。
いつからだろう。
竜哉が、家庭教師を通り越して家政婦のようになったのは。
子供たちと一緒に遅めの夕食を作って、同じテーブルで食べる。
こんな毎日がいつまでも続けばどんなに幸せだっただろう。
391 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/04(月) 03:49:04
夕食のトンカツ定食を食べ終えると、大輔がコンビニに出かけた。
週連載の少年マンガを読むためだ。
いつからか、大輔は決まって晩にコンビニへ行くようになった。
それでも、不登校になった当初同級生に見つかるのが嫌で、
家の外へ出ることすら拒否していた事を考えると、
一歩前進といったところか。
一方、思春期真っ盛りの由加里は新しい髪型について悩んでいるらしく、
今の長髪を維持するか、思い切って短くするか、
竜哉に真剣な相談を持ちかけてきていた。
竜哉のこだわりぬいたファッションは
女の由加里から見ても新鮮で、何か服を買う時は必ず竜哉に相談してきていた。
今回は髪を切るということで、普段より力が入っているのだろう。
いつの時代も、髪は女の命。
いつになく熱い会話が続いていた。
「そのままでも似合ってるけど、
どうせ短くするならセミロングとかじゃなくてカナリ思い切ってもいいと思うよ。
レイヤーを入れて、平山アヤぐらいの短さにして、アシメにするとかね。」
平山アヤは、ファッション誌で男女両方から多数の支持を得る人気タレントだ。
可愛らしいキャラに加え、シャープな目鼻立ちで、やんちゃな女の子の代表格だ。
服装も、裏原系とワンランク上の難易度の高いカジュアルを着こなしていて、
参考にしている読者も大勢いる。
392 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/04(月) 03:50:36
由加里は童顔だが、
性格のせいもあってボーイッシュでなかなか小顔だ。
短髪は間違いなく似合うし、
カラーでも入れればかなり垢抜けて見えるはずだ。
竜哉は、常に質問責めの由加里に、嫌気がさしたことは1度も無い。
逆に、服や髪型に気を使っているという強い自負心があるので、
真剣に質問されるというのは
センス磨きに余念の無い自分にとって光栄の至りに他ならないのである。
髪の命を語れるのは、何も女の専売特許ではないとうことだ。
「毛先に向かってスライドさせたりしてすいていくことによって、
ロングとかじゃなくてもフェミニンで、
かつ軽い雰囲気が出せるんだ。」
ヘアサロンの特集をくんだ美容雑誌の編集者のインタビューに答える
スタイリストにでもなったつもりなのか、
情熱の全てを注ぐといった表情で解説を続ける。
大輔は随分とマンガにはまっているのか、なかなか帰ってこなかった。
そのおかげで竜哉は、
自分が家庭教師だということもすっかり忘れたまま、
いつになく饒舌にオシャレを語り続けた。
393 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/04(月) 03:57:35
「おーいもうお風呂入っちゃったぞ。」
話も煮詰まった頃、2人のいる部屋の入り口に、
30代後半くらいの男性が、
上半身裸といった豪快ないでたちで立っていた。
「お邪魔でした?」
そう言ってバスタオルで短髪をガシガシやっていたのは、
一家の大黒柱、松本隆信だった。
湯上りの瞳がどこか潤んでいるように見えるのは気のせいだろうか。
いつ帰って来たのか。
熱弁をふるっていたせいで帰って来た事すら気付かなかったのだ。
おそらく、随分前に帰ってきたのだろう。
そして2人の邪魔をしないように気を使い、
話が煮詰まるまで先に風呂に入ってきたのだ。
394 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/04(月) 04:30:36
携帯の時計を見ると、食事を終えてから既に2時間が経過していた。
悪い事をしたなと思いながら、
冷蔵庫にしまってあったトンカツとサラダをテーブルに並べてやる。
隆信はIT系の企業に勤めていて、いつも休日を返上して大忙しだ。
しかし、食事はなるべく家でとるようにしている。
たとえ一緒に食べられなくても、母親が出て行った我が家で
自分が家族の一員だという事を自覚できるように心がけているからである。
母親が出て行ったことについて、子供には一切責任は無い。
それは、片親になってしまった我が子2人への隠れた愛情でもあった。
竜哉はそんな隆信の気持ちに気付いてしまっているから、
夕食を我慢させた上、気まで使わせて先に風呂に入れてしまうとは
少し酷な扱いをしたなと反省した。
395 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/05(火) 01:21:28
「大輔は?」
隆信が茶碗にご飯をよそいながら聞いた。
家庭教師の日に夕食を竜哉が作るのは、
もう自然な風景になっているようだ。
「コンビニ行ってなかった?」
由加里がアサリの味噌汁を再沸騰させようと
ガスコンロに火をつける。
これも、いつものことだ。
大輔の行き先ぐらい、聞かれなくてもわかる。
家か、コンビニしかない。
「いいや?見なかったぞ。」
父親に問われて気付いたが、
大輔がコンビニに出かけてもうかなりの時間が経っている。
一番年上の人間として、
一番年下から目を離したのは少々うかつだったかもしれない。
しかし大輔も中学生だ。
一般常識はそこそこ身に付いている。
急に家出などするはずもなく、
そんなに心配するほどの事ではないだろう。
「ほっとけば帰ってくるんじゃない?」
やけに遅いのは、それほどマンガに読み入っているのか。
竜哉も、由加里も、隆信も、
この時はまだ迎えに行こうとすら思わなかった。
396 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/05(火) 01:26:52
ところが大輔は、0時をまわっても帰ってこなかった。
さすがにこの時間になると、3人も何かあったのかと心配し始めていた。
とくに隆信は、
コンビニに立ち寄って大輔を迎えに行かなかった事を
何度も復唱して後悔していた。
「あぁ、バカなことを。見ておけばよかったッ。」
コンビニは坂道の途中にあって、道中に曲がり角など存在しない。
だから絶対に、帰ってくる途中で父親と出くわすはずなのだ。
寄り道さえ、しなければ。
「ちょっと見てきますね。」
竜哉は弟の面倒をすっぽかした兄貴気分で
ひどく罪悪感に駆られたので、言われる前にと家を飛び出す。
「うん、気をつけてね。」
急ぎ足で玄関を出る竜哉の背中を見た由加里は
この時初めて、言葉で言いようの無い不安を覚えたが、
それを口に出す事はできなかった。
不安が妙に現実味を帯びていて、口に出すとたちまちのうちに
竜哉の身に危険でも降りかかりそうな気がしたからだ。
397 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/05(火) 01:30:50
家を飛び出した竜哉は、これまでにない程焦っていた。
誰もいない夜の坂道を走って探し始めて10分。
汗が吹き出てきている。
かつては、フルコンタクト空手の軽量級で
全国4位になった武勇伝も過去の話。
大学に入ってろくに運動もしていない。
いよいよ体もなまってきたようだ。
いつも大輔が行くコンビニには、中年の店員がぽつんとレジに立っている。
竜哉も、家庭教師のバイトの日は行き帰りに立ち寄っている。
コンビニというのは、そこにあれば何となく立ち寄ってしまうものだ。
店内に入ってトイレの中も確認してみたが、隆信の言ったとおり大輔はいない。
焦りは、苛立ちに変わる。
・・・・・1本道なのに、いないわけがないのだ。
元々、大輔には小遣いを渡していない。
不登校になって、家を出る回数も減り、金を使う事が無いためである。
コンビニには、週刊誌を読みに行く程度。
コンビニを通り過ぎると、入れそうなのは駅しかない。
まさかこんな時間に電車に乗って出かけるわけが無いだろうし、
なにせ金を持っていないのだ。
だから、いるとすれば家とコンビニの途中なのだ。
398 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/06(水) 03:11:15
住宅の明かりがすっかり消えた坂道を、駆け足で下りおりる。
だいぶ体も暖まってきて、運動不足のわりには四肢がよく動いてくれている。
自宅の駐車場を他よりも深めにとってある家は
車道からザックリ眺めるだけではわからないから、
いちいち立ち止まってそこへ入ってみる。
時間のロスだ、と苛立ちながらも、
細かい場所を見逃さないように注意深く暗がりに目を凝らしている。
まさか、家出でもないだろう。
そんな様子は無かった、というのが娘にプチ家出された親の典型的な回答例だが、
そもそも家に居場所が無くなるような事態に追い込まれないと、
そういった衝動に駆られるわけがない。
ましてや不登校の大輔の場合、
家の外にどこにも居場所が無かったからこそ内側へ引きこもっていたのだ。
だから、家出などでは決してないはずだ。
しかし竜哉のこの年頃といえば、友達同士で遅くまで出かけていたし、
学校へ侵入して花火したり、夜通し単車で隣の山口県まで走り回ったりもしていた。
友達?いや、大輔には友達なんていない。
学校で仲の良かった子も、不登校になってしまうとなかなか接触してこない。
こんな遅くに遊びに行くことは無いと思うし、
そんな友達がいるなら、
報告してもらえるぐらいの信頼関係は自分は築いてきたはずなのだ。
父親とも仲は良いし、
授業中は姉ともあんなに仲良く宿題を教え合ったりしていたではないか。
どう考えても、自分の意思で帰って来るはずだ。
399 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/06(水) 03:13:43
午前1時も近づいた深夜。
松本家では、隆信が近所の家に手当たり次第に電話していた。
電話をかけるごとに夜分に申し訳ないと謝る父親を見ながら、
由加里はニュースなどで報道される誘拐事件が
他人事とは思えなくなってきていた。
駅から松本家までの道のりには、延々と連なった住宅の他、
スーパーとラーメン屋、牛丼屋に文房具店、
それに薬局と、コンビニとがある。
この中で、こんな時間に入れそうなのはコンビニぐらいなものだ。
隆信はあらゆる可能性を考えて、
近所にしらみつぶしに電話していた。
ここいら近隣の地区は近所同士の交流も薄く、
ましてや人とのつながりを持ちたがらない大輔が
夜分に赤の他人の家に上がりこむとは考えられないのだが。
「お父さん、どうしよう…。」
由加里は今にも泣き出しそうな顔で疲れて萎んだ隆信の目を見ている。
隆信も、表情から不安を隠せない。
自分は風呂に入って夕飯を食べて、
こんな大事な時に何をしていたのか。
400 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/06(水) 03:14:18
「大丈夫。竜哉が今迎えに行ってるから。」
今は、それしか言えなかった。
コンビニは車から大雑把に見たが、
それでも、トイレに入っていたりしてすれ違いだっただけかもしれない。
正直、竜哉はよくやってくれていた。
大学で心理学を学んでいるだけあって、
大輔や由加里のカウンセリングもちゃんとしてくれていた。
由加里だって、
母親がいなくなった事に動じてないわけがなかったし、
気丈な姉を演じてこれたのも、そのおかげだったかもしれない。
男のわりに何かと気が付くし、
思いやりがあるので家の事を任せられた。
家庭教師というだけで来てくれていたのに、何から何まで‥‥。
これで竜哉の身に何かあったら、どうすればいいかわからない。
隆信は何もしていないと落ち着いていられないのか、
電話を再度かけ始めながら祈った。
頼む、無事でいてくれ。
401 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/06(水) 03:19:25
その頃、竜哉は近隣の家を訪ねてまわっていた。
長い坂道を3度往復してみたが、
どこにもいないのだからあとは他の家に聞くしかない。
しかし、ことごとく推測は外れていく。
どこの家に行っても、大輔は来ていないと言われる始末。
それどころか、大輔を知っている人間自体がいないのである。
どの家も明かりが消えていて、
寝静まっているのがほとんどなのだ。
おまけに、何軒かの家では説教までしてくれた。
きっと、こんなことは無駄足だ。
しかし、これ以上どこを探せというのか。
気が付けば、訪ね残した近所はあと2軒になっていた。
この2軒は、松本家の正面まで伸びている
坂道を挟む形で両側に建っている。
人間の心理は不思議なもので、
近いところは自然と後回しにしてしまうものだ。
この2軒の家の住人なら、もしかすると朝のゴミだしなどで
大輔と顔を合わせている可能性はある。
そうだ、まだあきらめるのは早い。
あと2軒、頑張ってみよう。
402 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/06(水) 03:20:18
気を取り直して、少し古い方の家のチャイムを鳴らすと、
寝ぼけた顔でガリガリの老人が顔を出した。
もう60や70はとうにとうに越えている雰囲気だった。
長袖のわけのわからない緩んだシャツに、モモヒキ。
腹巻に裸足にサンダル。
それをこの老人が着ているのだから、
まさに死装束さながらのオールドファッションである。
細い手足の指はこれ以上無いくらい痩せこけており、
節々が異様に大きく目立つ。
消耗し過ぎていそうで、およそ手がかりなど聞けそうにないように見えた。
それどころか、無理に叩き起こしてしまった事で
寿命が縮まっていてもおかしくない。
もしも魂というものが現実に存在するなら、
それがこの老人から今にも出ていきそうだった。
「夜分ホントすみません。
実は中学生の松本君っていう男の子捜してるんですけど、
こちらへお邪魔していませんか。」
何度も言い飽きたセリフは、既にマニュアル化している。
どうせ大輔は、この家にも来ていないのだろうが、
可能性を全て考えておかないと気が済まないからこうしているのだ。
ところが、老人の返事は、竜哉の予想を大きく覆すものだった。
「なんや、おらんのか。
さっきそっちでーピンポン言うてたで。」
酒焼けした声で老人が指差したのは、向かい側の家だった。
403 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/06(水) 08:35:26
「さっき言うても、だいぶ前やけどなぁ。
9時か、10時ぐらいだったような気がするんやけどな。
せやけど関係ないかもしれんで?」
聞いてみるものだ。
もう1軒の方に、誰かが来ていたようだ。
それが誰だか知らないが、
大輔が誰かの家に行ったという線が正しければ、もうそれしかない。
おじいさん、本当にありがとう。
もうあなたには用は無い。ぐっすり寝てくれ。
そして、くれぐれも体には気をつけて、長生きをしてくれ。
そんなことを思いながら、頭を深々と下げてみる。
「ありがとう!遅くにすみませんでした!」
言うが早いか、向かいの家のベルを鳴らす。
吹き出ていた汗の全てが、涼しい風にぬぐわれて乾いていくのがわかった。
どうしてこっちを早く思いつかなかったんだろう。
汗だくになって坂道を走って、とんだ骨折り損だった。
何でこんな家に入ったのか知らないが、
とにかくここしか考えられない。
そうでなければ、もう捜索願を出そう。
404 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/06(水) 08:36:35
その家は、どこから見ても普通の家だった。
トタン屋根の上には衛星放送のアンテナも付いていないし、
最近流行のオートロックやセキュリティにも加入していない。
チャイムを鳴らすと、無反応なスピーカーの代わりに
ドスドスと重量のありそうな足音がドアの向こうから迫ってきた。
ステンレスのドアを開けて目の前に出てきたのは、
大柄な中年男性だった。
太っていて、無精髭を剃っていない。
はっきり言うとなんとなく不潔な感じだ。
こいつなら、幼い男の子をさらってイタズラしていてもおかしくはない。
もしそうなら、殴り合って勝つ覚悟を決めなければ。
そんな早急な事を考えながら、
マニュアル化されつつある口上を述べる。
高血糖な体を起こしてしまって本当に申し訳ないが、
こっちは教え子の安否がかかっているのだ。
しかし、竜哉の期待を裏切るかのように
その中年男性はつじつまの合わない、
少なくとも、竜哉にはそう思える事を口走ったのだった。
それは、竜哉の頭を再び混乱へと導くには十分な世迷言だった。
405 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/06(水) 08:38:05
「なんかなぁ、けっこう前なんやけど、そっちで誰か来てたで。
ピンポーン言うてた。」
汚そうな指で尻をボリボリかきながら、
男は竜哉が今来た方向を見やる。
体脂肪で膨れた指が指差した先にはなんと、あの老人の家があった。
怒鳴って終わらせたいのをなんとか耐える。
向かいの老人はこの家でチャイムが鳴るのを聞いている。
向かいの家で、チャイムが聞こえそうな家はここだけだ。
松本家とこの2軒は、他の住宅群と少し距離があるのだ。
それなのに、この家の住人にも同じ事を言われたのでは、
どちらかが嘘をついていると考えざるを得ない。
だいいち、玄関のベルなんて家の中にいて聞こえるのか。
百歩譲って聞こえるとしても、それはよほど静かにしている家だ。
現にそんな音、自分には聞こえなかったではないか。
いや待てよ。
ああ、そうか、そうだった。
熱弁していたのが悪かったのだ。
隆信が帰ってきたのにも気が付かなかったのだった。
ただ仮にもし誘拐で、家の中に連れ込んだのなら、
そんな嘘をつくメリットなど無い。
一言「来てない」と言えば済むからである。
よほど動揺でもしていない限り。
そんな様子は、どこにも無かったではないか。
406 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/06(水) 08:40:45
いやいや、わからないぞ。心の中なんてものは。
暗かったし、老人の表情をちゃんと観察したわけじゃない。
となると、平然と構えている目の前の男も、老人の方も、
どちらの言う事も完全に信用する事は出来ない。
というよりは、大輔が他人の家に上がりこむ理由など無いから、
「誰かの家にいる」という推理自体間違っていたと考えた方が何もかも自然だろう。
誘拐なら、車さえあればどこでも何時でも連れて行こうと思えば可能なのだ。
そして今、警察の手を借りずに自分ができる最大限の行動は、これで全てだ。
そう考えると、少し楽になると共に、軽い挫折感を味わった。
「本当に来てないんですね!?」
気が動転した竜哉の口調はまるで刑事だ。
テレビドラマでは、このあたりで何か
有力な手がかりが落ちているものなのだが。
407 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/06(水) 08:45:50
結局その日、質問を続けてもらちがあかなくなった竜哉は、
大輔に辿り着く事は出来なかった。
なぜだ。わからない。
宇宙人にでも誘拐されたのだろうか。
そんなふざけたSF的な展開なら、
自分の脳細胞はまだよっぽど楽に違いない。
宇宙人‥‥‥いるなら助けろ。
でたらめな科学力で大輔を見つけてくれたなら、
オレを実験に使ってもいいぞ。
夜空を見上げると、竜哉の心境を皮肉るように、
宝石箱のごとく散りばめられた星たちが、より一層の輝きを放っていた。
408 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/06(水) 11:55:28
警察には、捜索願を出した。
すぐにパトロール中だった警官がかけつけたが、
捜索といっても手がかりなど無い。
竜哉が帰る時になると、
由加里はたまっていたものが溢れるように泣き始めた。
お互いに、とんだ心労を抱え込んでしまったようだ。
「見つかるといいね。祈ってます。
ぼくがついていながら、すみませんでした。」
父親の隆信は寛大にも許してくれたが、
竜哉は自分を許す事ができないまま帰路についたのだった。
409 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/06(水) 11:59:12
第1章 ―Oracle―
第3話 「 陰影 」
「ねぇ、どうしたん?今日元気無いよ。」
化粧の濃い大きな目をぱちくりさせながら、
島谷千佳子が覗き込んでくる。
明るいアッシュ系のゆる巻き髪を手櫛ですきながら、
心配そうに竜哉の両目を交互に見つめる。
「ああ、なんかちょっと…。
まあ色々なぁ。」
千佳子の話、社会心理学の講義、
竜哉は、そのどちらも聞いていない。
あれから2週間。
春休みが終わって大学の講義が始まっても、
大輔は戻ってこなかった。
現場で数回行われた警察の鑑識も、大輔の行方を知るには程遠く、
空しい徒労に終わってしまった。
せめて由加里が受験をあきらめないように、
1週間に1度は松本家を訪れて、由加里と話をしている。
あんなことがあったわけだし、平然と構えてはいても、
心は割れるように苦しいはずだ。
由加里が生き方を見誤らないように、支えていきたい。
それが、竜哉にできる最大限の償いだった。
精神的なショックで、生き方を間違えないように。
そう、自分自身のように―――。
410 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/06(水) 12:01:42
竜哉は国立大学で臨床心理を専攻している。
それは生きる理由が無くなった竜哉にとって、唯一の浮き身であった。
母親の美樹枝が弟の和哉を連れて家を出て行き、
父親の保隆と2人暮らしを続けてきた。
両親が元々不仲だったこともあったが、
度重なる竜哉の家庭内暴力に耐えられなくなったのが一番の原因だった。
美樹枝の英才教育によって歪んだ教育を押し付けられ、
保隆に理不尽な暴力を受けて生き方を殺され続けた竜哉が手にした結末は、
暴君への勝利でありその寵愛の完全放棄でもあった。
また、離別に伴う法廷決戦は熾烈を極めた。
それは、大学進学のための準備段階を犠牲にするには
充分過ぎて余りある寄り道だった。
高校生活は野球一筋に打ち込んできたが、
それ以上浪費可能な気力が残っていなかったのだ。
時が経ち、身なりが垢抜けていくにつれ、新たに暴君に成り代わった自分が、
それまで憎み続けた両親からの無償の愛を
心の底から渇望していた事を自覚していった。
それが、手には入らない妄想だという事実と一緒に。
そして今も、生きる理由を見つけられないまま、
ぬるいモラトリアムに足踏みをしている。
大輔や由加里も、同じような心境だった。
不登校になると、いじめにも遭いやすくなる。
悪口が書かれた手紙や、嫌がらせの電話もあった。
しかし、それで2人がくじける事は無かった。
竜哉が、大輔らとその父親との潤滑油の役目を担っているせいか、
必死に運命に抗おうとしていた。
411 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/06(水) 12:02:53
「話したくないなら別にいいんやけど。」
千佳子とは、よく授業が一緒だ。
同じ授業を受けるときは、いつも隣同士で座る。
試験日程やレポート内容をお互いに情報交換して、
卒業までこれからも持ちつ持たれつでやっていくんだろう。
千佳子はEggに載っていそうな派手な外見に似合わず、
ノートは丁寧につけている。
竜哉はこれまでの大学生活で何度も、千佳子ノートの恩恵にあずかってきた。
端から見れば、2人は付き合っているように見えるかもしれない。
実際、気も会わなくはないし、授業以外でも何度か映画やカラオケに行ったりもしていた。
「いやすまん、そうじゃないんだ。
だってチカは愚痴とかあんま好きじゃないだろ。」
教え子をほっといたら、行方不明になってしまった。
それで罪悪感を感じている。
それだけなんだが、罪悪感の大きさがどうやったら伝わるのかわからない。
この、何も考えていなさそうなゆる巻きギャルに。
412 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/06(水) 12:06:07
「そんなことないよっ!」
「静かにしなさい。話なら、外でやりなさい。」
千佳子の大声に、マイクを持った教授が思わず注意をする。
千佳子が自分を良く想ってくれているのは薄々感付いてはいたが、
こちらが心を開ける気になれないのだから、仕方のない話だ。
もし教授の話を真に受けて外に出たら、
千佳子も間違いなくついてきてくれるだろう。
こんな幸せな境遇で憂鬱な態度をとる自分は贅沢な人間かもしれないが、
千佳子は決して自分を一途に想ってくれているわけではないのだ。
竜哉のゼミには男は3人しかいない。
そのうち2人は千佳子と寝ている。
しかも正式な彼氏ではなく、酔った勢いのセックスフレンドだ。
今も関係は続けているらしく、2人の男はしきりに千佳子の事を聞いてくる。
正式な千佳子の彼氏はバイト先のキャバクラの代表で、29歳の男前だ。
キャバクラというバイト自体に偏見は無いが、
この女は二股か、もしかすると三股四股も軽くやってのけるだろう。
竜哉もたしかに男前だが、教師の子供として育ったせいか、
一途でもない人間と適当な関係を結べない堅い所があった。
いくら人気の読者モデルとはいえ、付き合った人数は千佳子の半分くらいだ。
問題なのは人数ではなく、愛情の大きさだと
サンタクロースにお願いする無垢な子供のように信じている。
413 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/06(水) 12:26:18
「オレカテキョしてんじゃん。」
千佳子は、少しふてくされているような顔で、ノートに何やら授業の内容を書き込んでいる。
こんな感情をすぐに表情に出してしまうようなことで、キャバクラ嬢がつとまるのだろうか。
「今教えてる子がいてさ、こないだ目放してる隙に行方不明になったんだよね。
なんか話に夢中になっててさぁ、帰ってこないのに気付かなくて。」
ノートを書くシャーペンが止まっている。一応、聞いてくれてはいるようだ。
「いや気付いたんだけど、大丈夫だろうって思って。
そしたら探したらもうどこにもいなかったんよね。
なんか悪いことしたなぁって。
そこの家お父さんと兄弟で3人暮らしで、絶対面倒見たくてさ。」
「それ、もしかするとニュースでやってたかなぁ。」
千佳子がやっと口を開いた。話は続けてみるものだ。
「よくわかんないけど、チカがそこにても絶対気付かなかったと思う。
私、あんま頭良くないし。
だから私は、タっちゃん責めたりできないかな。」
正直な意見ではある。こいつは悪いヤツじゃない。
物凄い美人とまではいかないが、スタイルもいいし、もし一途なら付き合っていただろう。
胸の内にしまっていた悩みを第3者に話したおかげで、肩の荷が少し軽くなった気がした。
414 :
>>333より 星の見る夢〜Nebula record〜:2006/12/07(木) 02:30:43
「明日暇?」
学校が終わってスクールバスを待っていると、
同じ学科の塩見啓太が話しかけてきた。
「いや用事あるけど何で?」
「ああ、こないだ言ってた死ぬほど怖いホラー映画
一緒に見ようと思ってたけど、また次ぎでもいいよ。」
「ああ、あの韓国のヤツね。オレ無理だわ…。」
リングをさきがけとして、最近のアジアはホラーブームである。
今回DVD化されたのは韓国の恐怖映画で、
なんでも撮影時に何人か死人が出たとか黒い噂が絶えない。
向こうの国は徴兵制を導入していて、
竜哉よりも1つくらい年下の男子は
軍隊で訓練を受けてから成人になる。
現代の日本の甘ったれたモラトリアム青年とは気合が違うのだ。
そんな韓国の霊に呪われたとしら、
将来のビジョンが全く無いガス欠大学生の竜哉など、いっかんの終わりだろう。
連れ3人との帰り道、竜哉はもう明日の事を考えていた。
もう何年も前に家出した母親と弟に会うのだ。
以前から保隆に頼んでは断られていたが、
一週間前、ついに会う日程が決まったのだ。
竜哉は自分を捨てて出て行った2人が心底憎かった。
世の中には自分よりも不幸な人間は大勢いるのだが、
それと、許すかどうかはまた別問題だ。
あのクソったれどもに思い知らせてやりたい。
その執念が、竜哉の心を突き動かしていた。
415 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/07(木) 05:35:31
勇んで開けた引き戸の先には、深い闇が広がっていた。
1歩足を踏み入れるだけで、堆積していた埃が床の上を舞う。
咳き込むと、懐かしい畳の匂いがした。
戻ってきたのだ、再び此処へ―――。
広島市の北部に位置する廃れた田舎に建てられた、
築120年の古い屋敷がある。
かつて竜哉が、祖父の兄夫婦と両親とで共に暮らしていた家だ。
両親は、見合い結婚だった。
竜哉が4歳になる頃、弟の和哉(カズヤ)が生まれた。
和哉が2歳の誕生日を迎えた頃、
一家はここよりも少し市街地に近い住宅街へ引っ越した。
保隆の昇進もあり、念願のマイホームを買ったからだ。
416 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/07(木) 05:36:38
父親の保隆は普段は温厚な人柄で職場での評判も良かったが、
家に帰ると暴力がひどく、
酒を飲んだ夜は決まって家のどこかが傷んだ。
母親の美樹枝はLSPという名の霊感商法系統の宗教に狂っていて、
教祖が死後何時間後の人間を生き返らせただとか、
霊感シールを貼れば病気が治るだとかいうマンガのような話を際限無く話していて、
それを信じさせるために子供たちの幼い頃から徹底してすり込んだ。
見合いの後すぐに婚儀を執り行い、
お互いの価値観を確かめ合わなかったせいか、
現実的な保隆との温度差は日に日に大きくなり、
保隆の暴力癖にますます拍車をかけた。
当初幼かった竜哉も美樹枝の言葉を鵜呑みにしていて、
LSPの教祖を神のように崇めさせられながら生活していた。
そして良くも悪くも両親は老い、兄弟は成長していった。
417 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/07(木) 05:40:32
平和な日々は、予期せず終わりを告げる。
14歳のある日、竜哉がキレた。
フルコンタクト空手の習得と身体能力の向上に伴い、
少年は、暴力によって父親に抵抗する手段を身につけたのだ。
元々LSPに染まっていた竜哉は
それに否定的な保隆を憎む習慣が美樹枝によってつけられていたので、
当然の結果といえばその通りだった。
竜哉は保隆を叩きのめし、それから保隆は竜哉を殴らなくなった。
竜哉を心の底から恐れたからだった。
また美樹枝の異常性にも気づき始め、
今まで呪文のようにすり込まれたLSPの迷信と共に叩きのめした。
母親である事、女性への暴力である事へのためらいは一切無かった。
その日を境に、優しかった竜哉は明らかに変わっていった。
学校でも、家の中でも、
保隆を真似て暴力を盛んに振るうようになった。
ある時は相手が泣き声もあげられなくなるまで、
またある時は相手の血液が拳と床に撒き散らされるまで殴り続けた。
それは暴君だった保隆と、
教育ママだった美樹枝に対する復讐でもあった。
同じ次男坊である保隆に気に入られていた弟の和哉に対しても、
手を出す事をためらわなかった。
泣こうが喚こうが、
血を分けた兄弟などとは夢にも実感しなかった。
和哉は、両親と同じく自分にとって害悪で、
屠り去るべき悪魔に見えたのだ。
許せない事全てを、拳に変えて訴えた。
やがて暴力は癖になり、癖は中毒へと変わっていった。
418 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/07(木) 05:41:44
老いた樹が倒れるがごとく、すべからくして家庭は崩壊する。
美樹枝が、和哉を連れて家を出たのだ。
それからは、牙が折れた保隆との2人暮らしが続いた。
高校を卒業する頃になると、
竜哉は自分が暴力に酔いしれている事に気付く。
保隆は自らの父である祖父にひどい暴力を受けており、
それが、実の父に代わって
竜哉に降りかかっていた事を理解した。
そう、同じ事を、自分もしている。
竜哉が、心理学を学ぼうとしたきっかけであった。
大学へ入ってしばらくして、
美樹枝たちの居場所がわかった。
宗教に狂っていた美樹枝の洗脳教育は尋常ではなく、
和哉はLSPに入信してしまっていた。
弟に対して、少しは申し訳ない気持ちがあったのだろう。
竜哉は美樹枝から和哉を切り離して救おうと考えた。
必要ならば、叩きのめしてやろう。
そんな危険思想は、そのままに。
419 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/07(木) 05:43:30
すみません、
>>415に書き忘れたのですが、
第1章 ―Oracle―
第4話 「 兄弟 」
です。すみません
420 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/07(木) 06:39:49
421 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/07(木) 09:07:38
>>420 ありがとうございマス♪♪がんばります★
普段から保隆は、
竜哉を美樹枝と和哉に会わせるのを拒んでいた。
また以前のように、
竜哉が親兄弟に暴力をふるわないとは限らないからだ。
しかし、ここ2年のうちに竜哉は
驚くほど落ち着きを取り戻していて、
保隆の信用を得て
2人との面会の約束をとりつけるところまで話を進めていた。
竜哉は、この日を待っていた。
落ち着きを取り戻してはいたが、
根底に脈打っている憎しみが消え去ったわけではない。
人前で制御する事に慣れただけで、
また美樹枝の非現実的な説法を聴けば、
すぐにぶり返して、2人の鮮血を求めるだろう。
会わせるのを拒むのならば、会わせられる人間を演じてやればよい。
422 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/07(木) 09:08:51
過去に縛られていては明日を生き続けることが出来ない。
だからこそ、今まで自分を蝕んでいる過去のトラウマ、
「家族」と、
完全なる決着をつけなければならないのだ。
決別の証としても叩きのめさなければならない。
状況によっては、全員殴り殺してもいい。
そうしなければ、オレは絶対に救われない。
そして、オレの今までの苦しみを
ヤツらに思い知らせてやるのだ。
肉と、骨の内まで。
普段周りが目にしている爽やかで優しい竜哉からは
想像も出来ない思考であると共に、
今、彼が生きていく原動力でもあった。
423 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/07(木) 09:13:02
15年ぶりに訪れる田舎の家は、もぬけのからだった。
祖父の兄は亡くなり、その妻は特別養護施設へ入居。
地元の友人に聞いた話では、その後母方の祖父母が住みつき、
2人と一緒に暮らしているはずだったのだが。
振り出しに戻ったということか。
手がかりは無くなった。
部屋という部屋はプロレスラーが暴れた後のように散らかっていて、
鍵もかかっていない上に家具もそのまま残っている。
電源を止められた、異臭漂う冷蔵庫の中の
黒ずんで鉄屑のようになっている豚肉を見る。
間違いなく、腐っているに違いない。
賞味期限2月7日。今より3ヶ月近く前だ。
それにしても、普通に家を出たにしては、少し変だ。
もし引っ越すなら、綺麗に片付いているはず。
集団で拉致でもされない限り。
まるで急に消えてしまったかのように、かつての我が家は沈黙を守っていた。
424 :
:>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/07(木) 09:15:50
名前入れ忘れてた(^^;)
実家の懐かしい木造りの匂いを嗅ぐと、
忘れていた怒りや悲しみがこみあげてくる。
物心ついた時からとても賢かった竜哉は、
美樹枝が毎日泣く理由が保隆の暴力のせいだとわかっていた。
幼稚園にあがって間もない頃は、若干の家事を手伝うか、
寄り添ってあげることしかできなかった。
5歳くらいになって運動能力が向上していくと、自分で行動する事を覚えた。
それから中学に入るまでは、美樹枝の盾になって保隆の暴力を一身に受けた。
竜哉がよく拳の的になってしまうきっかけである。
保隆は幼い頃に、兄とよく比較されて殴られた。
長男を優先して育てるのが、
封建社会のなごりの色濃く残る家庭の決まりだからだ。
保隆は大学進学の費用も出してもらえず、
自力でアルバイトして学費を貯め、国立大学へ進学した。
その時の苦労と重なることもあり、
保隆は自分の兄や父に抱いていた大きく根深いコンプレックスを、
長男である竜哉に当てつけていたのだ。
それを理解していたから、
竜哉は何とかして家族を団結させようと思い、度重なる交渉を試みたが、
すべて徒労に終わった事は言うまでもない。
所詮コンプレックスを解消できるのは、当事者だけなのだ。
美樹枝が宗教にのめりこんで心を病んだと知るのは、
それから10年も後の話だ。
425 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/07(木) 09:17:04
「避雷針になれ」
保隆は、竜哉に向かってそう言った。
それが長男としての務めだと、竜哉は自分に言い聞かせた。
正しく家族をつなぎとめる自分にはきっと、生きる資格があるのだと。
和哉の傲慢な態度も許せなかった。
竜哉が保隆の暴力の避雷針になっているのにも関わらず、
和哉はそれをいい事に保隆に取り入って自分の立場を確立させていった。
ただ、それはまったく珍しい事ではない。
欲しいものを買って欲しい、美味しいものを食べたい、
そんな子供の原始的な欲求に
自分の過去を重ねる両親が必要以上に応えるから、
わがままが許され続けただけの話だ。
しかし、竜哉にとってそれは愛情の独占に他ならない。
美樹枝を慰め、保隆に殴られ、自分を殺して全てを捧げた。
唯一自分を愛してやれなかったが、全てやり尽くしたつもりだった。
426 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/07(木) 09:54:04
少しシビアに見れば、生ぬるい話である。
五体満足で、進学の金もあり、
その上愛してもらいたいなどと贅沢なこと極まりない。
世の中には、生まれて1度も両親の顔を見た事がない子もいるのだ。
竜哉の友人にもそんな子が数人いるから、
自分の人生がついてないなどとは口が裂けても言えない。
殴ってくれる父親がいるだけ、マシだと考える事もできる。
だからこそ、ただただ、自負心だけを噛み締めている。
この家は、オレが守ったのだと。
強く拳を握ると、つられて奥歯が軋んだ。
427 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/07(木) 10:38:09
428 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/08(金) 04:03:04
>>333 ちょっと投稿のペースをゆっくりにした方がいいかも。
今はテンポいいけど、いざスランプになると困るぞ。週1くらいで1〜2レス程度でもここは落ちない
429 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/08(金) 06:19:46
>>333 面白いしなにより上手い、頑張って。
でもこれ純文学っぽくない?これからファンタジーになるのか?
ま、面白けりゃどっちでもいいんだけどね
430 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/08(金) 10:25:21
431 :
333:2006/12/08(金) 21:20:08
>>428−429
うう・・・・・こんな私にアリガトウござイマス(−>_<−)嬉しいです
年明けくらいにファンタジーになってく予定です(笑)
なんか少しずつリアルじゃない世界とリンクさせていくというか。
これからもがんばりマス♪(≧▽≦)
432 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/08(金) 23:24:04
竜哉は思い出したように和哉の部屋を探した。
―――和哉、和哉、
ただそれだけを念じながら、荒んだ家を土足で徘徊する。
すると一部屋だけ、額縁に入った絵画が飾られている部屋を見つけた。
白黒で、鉛筆だけで描いた感じだ。
もし美術の授業などあろうものなら、間違いなく満点だろう。
それどころか、将来の人間国宝とかいって大騒ぎするヤツらだっていそうだ。
いや、人間国宝はさすがに考えすぎかもしれない。
冷静に見れば、絵が上手い事と、物凄い才能がある事とは別問題だ。
それは、今にも動き出しそうな竜の絵だった。
澄んだ瞳で天を仰いでいて、今、まさに風をきって空へ駆け上がらんとしている。
和哉は、小さい頃から絵が好きだった。
特に竜や仏画を好んで描いた。
あまりに渋すぎるその趣向に当初は幻滅もしたが、
安物のスケッチブックを与えて好きにさせると、見る見るうちに上達していった。
間違いない。ここに、和哉がいた。
机の上には書きかけの画用紙がパイ屑のように重なっている。
それは茶渋のような色に変色していて、放置されている期間の長さを物語っている。
どれだけ好きなんだ、と、あきれて言葉が出てこない。
絵を描き始めると、何も手がつかない有様が目の前に溢れていた。
433 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/08(金) 23:25:29
黄ばんでいる画用紙の端を持って、投げるように置き直す。
考えても仕方がない。
昔から、絵を書く時は人の意見を聞かない子だった。
しかし、もうここに用は無い。
そう思って部屋を出ようとした時。
バタンッ!
と音を立てて部屋の戸が閉まった。
その戸を涙目で凝視しながらすぐに、風のせいだ、と思い込んでみる。
気のせいか、胸と首の辺りが気持ち悪い。
昨夜ホラー系のDVDを鑑賞しようとお誘いがあったが、断っておいて正解だったようだ。
もう1度机の方を向きなおすと、和哉が描いた竜と目が合った気がした。
天を仰いではいるが、視覚の隅っこでこちらを意識しているような気がしたのだ。
なんだか生きているようで、悪寒がはしる。
しかし和哉たちがここにいない以上、この絵だけ置いていても仕方がない。
竜哉はその絵を額縁ごと持って帰ることにした。
根拠は無かったが、和哉とはこのまま、一生逢えない気がしたからだった。
434 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/08(金) 23:33:03
最後に、思い切り殴ればそれで良かった。
それでお互いの気持ちに決着がつけば、もう二度と会うことも無い。
オレは新しい人生を自分の翼で羽ばたいていける。
それで良かったはずなのに、この喪失感は何だろう。
殴ろうにも、もう肉親の手がかりは無いのだ。
勘違いであって欲しいが、和哉の絵を見てホっとする自分がいる。
これが、懐かしさという感慨なのか。
それとも、あの頃必死に守ろうとして守りきれなかった事を心のどこかで後悔していて、
そこを何とかして補おうとする心理現象に過ぎないのか。
今でも、胸の奥に熱いものがじわっと染み渡ってくる。
それは当時和哉を殴っている時に胸の内より湧き上がっていた濁った情熱とは違い、
むしろ清々しくさえあるものであった。
435 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/08(金) 23:34:10
和哉は、紛れもなくここで生きていたのだ。
何度歯軋りしても飽き足らぬくらい憎んでいたはずなのに、
少しだけ安心する自分がいた。
このままあいつは、まっとうに生きていけるのか。
家で絵を描いてるだけで、食べ物や住む場所を提供してもらえるのは今だけだ。
カズ、お前は母親に騙されてるんだ。
あいつはお前に偽の神を信じさせて、自分を神格化しようとしてるだけだ。
いずれ、お前は自分の意思で自分の生命を営んでいかなくてはいけない。
そうだ‥‥‥。早く、カズを母親から離さなくては…。
田舎の街は、夕暮れ時の風景に自然美が織り成す哀愁を見ることが出来る。
帰路につく竜哉を、傾いた夕陽が見つめていた。
c-others.2ch.net/test/-/gsaloon/1164032134/n
夢二と卍王が寂れた五番街に流れ着いた。 卍王が言った。
「やってられねぇな。期待してた五番街までこの有様とはよ。つくづくツキがねぇや」
夢二がボロ小屋の敷き板を指差し呟く。
「こんなところにも粉が落ちている。この五番街もアブアによって滅ぼされたとみえる」
卍王が溜息混じりにこぼした。
「くそ。いつになったらドグの恩赦を受けられるってんだ」
たくさんの篝火が五番街を囲んでいた。 馬賊の集団だ。異変を察知した夢二が庵の壁へ背もたれ、大だんびらに指を掛ける。
「数は? 」
夢二は、簾の隙間から外部の様子を窺う卍王に問い掛ける。
卍王はジッと外を見つめたまま、ゆっくり両の掌を広げた。
「十人…なら五五だな」
敗走する馬賊の群れに逆行する様にエジンリのマリアが現われた。馬賊の長はエジンリのマリアに気付くと、ハッとして頭を下げた。が、マリアは長に見向きもせず、五番街へと姿を消す。
夢二は思った。
黒ずんだ空がまるで珈琲のようだ、と。先を進む卍王が、地図に描かれた道標を見つける度に「お、あったあった」などと無邪気な声をあげる。
広野に道などは無く、この魔道世界に太陽など存在しない。ただ異形の生物が遍在しているだけだ。
上半身裸の夢二は、少し先を歩く卍王の背中を見つめて、服が欲しいな、とも思った。
ドグに許しを乞う者は大変に多い。
の大ダンビラが振るわれると取り囲んだ馬賊三人の首が宙を舞った。
夢二は吹き上がった鮮血に目もくれず、馬賊の長へ向かい一直線に駆ける。
「五番街だ? まさか。どうせガセだろう」
卍王が鼻で笑い、ジャキリの死骸から首だけを切り取った。
「よしよし、またコレクションが増えた」
無邪気な笑顔を浮かべる卍王に
で斬られた傷口が焼けるように熱い。
卍王は荒々しい吐息を弾ませ、背中の痛みに耐えていた。格子戸を固く閉め、床に転がる。
夢二と離れたのが失敗だったか…!
はマリア。エジンリのマリア」
夢二の胸を在りし日のマリアの面影が
卍王の差し出した手を握り返し、夢二が言った。
「俺は夢二だ」
魔界には朝も昼も夜も無い。凶々しく濁った空に、どこまでも灰色の廣野が続き、時折、人家や町があるのみだ。空はいつもドロドロしており、いつも稲光を発し、いつも不快に蠢いている。
不気味な笑みを浮かべた夢二に斬りつけられた時、マグダラの賢も、その空を仰いでいた。
世に犯した罪を償うことでしか恩赦は受けられんそうじゃ」
モノ爺はそう話を締めると白髪だらけの眉を険しくひそめて、魔界の曇天を睨んだ。
卍王がアブアの背中に飛び乗り、力任せに杓杖を叩きつける。
アブアは痛みに藻掻きながら、尚も低空飛行を続け麟粉を撒き散らした。
「このやろぉぉぉ」
卍王は飛び続けるアブアに苛立ちを覚え、後頭部まで移動すると頭頂部で対になった触角を掴
「そっか、夢二っていうのか。よろしくな夢二」
卍王は炙った河生蝿を頬張りながら笑った。しか
他人を殺すことでしか己の生命を守る術はない。
だが他人を殺してしまうと、罪が加算されてし
仇を討つ。ルルダとガイは俺の大切な仲間だったんだからな!」
復讐に燃える賢が巨躯を奮わせ吠えた。
「しかし、だ。いくらマグダラの賢と言えど、夢
五番街までの険しい道程に飽き飽きしていたところだった。
「なぁ卍王。ほら。麓に河が流れてるぞ」
ンリのマリアも傷だらけの夢二を直視出来ないようだった。
夢二は彼方へ向けていた視線を自らの腹部へ移し、力無く笑った。今し方マリアの手によって裂かれた夢二の腹の
と頭蓋骨を拾い上げた卍王に問い掛けた。
「おい、そんなものどうするんだよ」
「ん? あぁ霊的
グとは魔界を統治する王の名だ。彼の許しが無ければ何人も魔界から出獄することなど叶わない。
報屋のザジから得た情報を便りに【気狂いピエロ】を追跡していた夢二だが、その胸中は複雑だった。
果たして他人を殺しても贖罪になるのか…?
ガイのあどけない顔面が真っ二つに割れた。夢二は非情にも姉弟を斬殺
ブアがとうとう力尽きて地面に墜落した。未だかつてない程の凄まじい轟音と衝撃にふらつく夢二。
辺り一面には土煙と共に大量の麟粉が蔓延し、その腐食性の毒素が周囲の草花を
ドグが口を開いた。
「他人を殺すことよりも、他人を愛することの方がより罪が重い」
442 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/10(日) 23:24:50
え、なんだこれ。
支離滅裂というか、どこかからチグハグにコピーしてきた感じだな
443 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/11(月) 05:51:23
帰り道は、綺麗な夜空の下だった。
実家のあった広島から、大学のある神戸へ帰る。
和哉も、日本から出ない限り同じ夜空を見ているはずだ。
わからない。お前はどこに行ったんだ。
JR新神戸駅の前では、帰宅途中のサラリーマンやOL、
放課後の延長で遊んでいた学生でごった返している。
お先真っ暗といった感じのサラリーマンは足元だけを見つつ、
競歩の地区予選にでも出られそうな速さで素早く竜哉を追い越していく。
学生はというと、
TSUTAYAやマクドナルドに大人数で押し寄せてはしゃいでいる。
何か良いことでもあったのか。
竜哉は、自分もマクドナルドに行きたくなるのを我慢して早足で歩いていたが、
ふと以前見かけたような光景に立ち止まった。
444 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/11(月) 05:52:30
そうだ、あの飲み会の帰り、見知らぬ女性を見て腰掛けた花壇だ。
今日は、あの女性はいない。当たり前だ。
またあそこにいたら、それこそ運命を感じざるをえない。
しかも異性としての興味では無いから、それは奇妙な縁でしかないのだが。
縁が無くてよかった。
そんな事を考えてホッとした時だった。
突然、竜哉を眩暈が襲った。
これまで経験したことの無いような、とてつもない立ちくらみだった。
朦朧とする意識が絶えないように、やっとのことで近くにあった花壇に倒れこむ。
なんなんだ、ちくしょう。
必死に歯を食いしばって耐えてはみたが、
原因不明の眩暈は竜哉をたやすく眠りにつかせたのだった。
445 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/11(月) 05:55:58
「おにーちゃん!これ見てやぁ!」
現実にはありえない光景。そう、夢だ。
5歳のくらいの愛くるしい子供が、自分の描いた絵を持ってくる。
画用紙に描かれているのは、葛飾北斎の水墨画を、鉛筆で写生したもの。
まるで写真のように写せている。
大人でも、こうは描けない。
そうだった。
和哉の絵がとんでもなく優秀になりだしたのは、ちょうどこの頃だった。
「お前すげー!!絶対画家になれるよ!!すげーってマジで!!!」
思ったままに褒めちぎる自分がいる。
和哉は屈託の無い笑みを浮かべ、喜びはしゃいでいる。
この頃は、兄弟が助け合い、共に生きることに健気な命を燃やしていたとき。
しかし突然、和哉の笑い声が聞こえなくなる。
顔も見えなくなってきたし、意識もおぼろげだ。
ただ、目だけはしっかりと開いていて、このまま眠ってしまうというわけではない。
夢の中でもう1度寝るなんて、笑えそうで笑えないではないか。
妙な感覚異常はそれだけではない。原因不明の耳鳴りがする。
キーンという超高音域で脳に響き渡るそれは、
竜哉の思考を停止させる代わりに何か大切なものを呼び起こしそうだ。
まるで自分の意思と関係なく、それまで生きてきた記憶を辿っているようだった。
446 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/11(月) 05:59:59
頭痛が凄いことになっていて、耳鳴りはどんどん大きくなる。
竜哉は両耳をふさいで、薄目を開けて原因不明の症状がおさまるのを待つしかなく、
生まれて初めて味わう急激な体調不良をただただ恐れてばかりいた。
すると場面が切り替わり、泣いている和哉が見えた。
泣きながら、必死になって自分の絵を見せようとしている。
いつになくワガママだ。
あんなに褒めたのにまだ不満だというのか。
お前の絵は、誰が見ても凄い。それ以上に何が必要なんだ。
泣き叫ぶ和哉の声は耳鳴りのせいでほとんど聞こえないが、
何かを訴えたがっているようだった。
それからどれくらい経っただろうか。
意識を取り戻すと、満天の星空が目の前にあった。
宇宙へ来たのか・・・・・・・?
ほどなくして背面の感覚が戻り、三半規管が重力を捉え始めると、
新神戸駅の近くの花壇で仰向けになっているだけだと気付く。
重たい首をなんとか横へ倒すと、額縁に入れておいた和哉の絵が、
去年買ったルイスのカバンからはみ出た状態で目の前にあった。
447 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/11(月) 06:02:42
「君、大丈夫?」
花壇に大の字で寝転がっている竜哉の肩を揺すっていたのは、
30代になるかならないかくらいのスーツ姿の女だった。
やり手のOLといった感じだ。
高校生の集団はこっちを見て何やら話しているが、
その他はいたって白状で、倒れた竜哉に目もくれず素通りしていく。
「なんか、眠たいの?急に横になってたよ?」
OLは、頬を赤らめて竜哉の肩に触れている自分の手を
放そうかどうしようかおどおど迷っている。
自分をゆする手が、OLではなくて誘拐してきた宇宙人などであれば、
それこそ大変なところだったと心の中で自分を笑った。
恥ずかしすぎるとしか言いようが無い。
そういえば、気絶したわけじゃない。
このOLの言うように、猛烈に眠たくなった、といった方が的確かもしれない。
気を失うように寝入ったのだ。
実家で過去を思い出したことで疲れていたのだろうか。
竜哉は入念にセットしたヘアスタイルが崩れていないか何度もチェックしながら、
こんな見ず知らずの年上OLにも支持される容姿を創ってくれた神に深く感謝して、
よろめく足で新神戸駅を後にした。
448 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/11(月) 10:29:43
さっきのは何だったんだろう。
どうして、あんな昔の夢を見てしまったのか。
部屋に戻ってラックの一番上に和哉の絵を置くと、腕組みをしてベッドに座り込む。
眩暈など、生まれて初めてかもしれない。
もう、逢えないのだろうか。
いや、逢えないからといって悲観的になる必要は無い。
あいつはオレを憎んでいるから美樹枝について家を出て行ったのだ。
殴ったからな、当然だ。オレもあいつを憎んでいた。
まだオレが保隆に暴力でかなわなかった頃、
保隆の権力をカサに着て、オレをないがしろにしてきた。
あいつと美樹枝に代わって保隆の暴力を一身に受けてきた、このオレを。
だから許せなかった。
にも関わらず、あいつの絵を形見のようにオレは持ち帰ってしまった。
まだ、兄弟の情が残っているとでもいうのか。
ひょっとするとオレの中には、
ビリーミリガンのようにいろんなオレがいるのかもしれない。
449 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/11(月) 10:31:12
美樹枝が必死になって熱弁していた神や仏など、見たことが無い。
以心伝心という言葉にロマンは感じるが、そんなことはあり得ない。
大抵は、勘違いだったり、
2人の出会いを「運命」という名で飾りたいがための後付け理論だ。
しかし、正夢が本当にあるというのはよく耳にする。
もしも和哉が既に死んでいて、
テレビでよくあるようなダイイング・メッセージのように
何か伝えたい事があったのだとしたら、
それは兄として受け取らなくてはならないだろう。
なんにせよ、これ以上進展は無い。
また、いつもの日常に戻るだけだ。
竜哉は、自分が長い長い壮大な歴史の
失われた破片などとはまだ、考えてすらいなかった。
450 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/11(月) 10:34:23
第2章 ―Relation―
たおやかに紡がれていた時の流れは、
天が欲した聖歌によって早められた。
満ち足りた景色に打ち響く古き雨音は、
焼けた石畳の憂いを5つに分かつ。
焦がれるは、天に栄えし橙の丘。
夢の淵より紡がれた神話。
かくして歯車は新たな時を刻み、
超常の力をもって、かつての2つ星を惹き合わせる事になる。
それは無慈悲にして必然。
悠久にして刹那の閃き。
惑星の周回軌道よりも壮大で、
純粋の結晶よりもはるかに微細な因果が、
不毛の空に、青き春を求めたからであった。
451 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/11(月) 10:39:28
第2章 ―Relation―
第5話 「 邂逅 」
快晴の下ひた走る新幹線のぞみ号の指定席で、
幕の内弁当のごはんがお上品に口に運ばれている。
厳選された食材が空腹を満たしていくたびに、
仕事を終えた後の充実感が胸の内で息づいているのがわかる。
ミルクティー色の柔らかい茶髪に、
異国の少女を思わせるはっきりと整った顔立ち。
幼さは残っているが、今年で20歳になる。
今日は、本当に楽しかった。
イベントの参加者から手渡された凄い量のプレゼントは、
隣の席に積んでもまだ溢れそうなくらいだ。
今日はたまたま隣が空いていたから良かったものの、
次回からは、事務所まで郵送してもらった方が良いかもしれない。
このたくさんの情熱的小包の中身が何かはともかくとして、
これだけ積まれた包装紙の山々を見ていると、
少しの間、後ろめたさから解放される気はする。
452 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/11(月) 11:39:28
>>442 ある種の天才かもしれないな・・・(´д`)σ
「アルガーノン」
竜族の国への旅は思いがけなく3人で行く事になった。街を出るとしばらく平原を歩く。
ガムノ平原という土地にでると沢山の怪物の気配があたりにみちてきた。
「ぶしゅるる・・・しゃすごー・・」 何かが来る。
巨大な体躯を誇るガムノ平原の王者インギーオーガが突如現れた。
オーガは巨大な棍棒を轟音をあげて振り下ろしてきた、ラフランジーが何か呪文の様な
言葉を唱えると僕等と棍棒の間に光の壁が浮かび上がり攻撃を跳ね返した。
プシャー・・・光の壁は消えた。
「アイズ殿これはアルガーノンという魔法です。光の壁で敵の攻撃を一回だけ止めます。私が攻撃を受け止めます、その隙に」
「判った。」
オーガが棍棒を振り下ろす、ラフランジーは魔法を唱える。オーガの攻撃はまた跳ね返された。
青銅の剣を腰から引き抜く、狙いをさだめオーガの右目を貫いた。
オーガがよろめくとラフランジーがすかさずレイピアでオーガの左目を貫いた。
オーガを倒した。
「魔法解説」
「ラフランジー君は魔法が使えるのか」
「ふふ。驚きましたか、これはアルガーノンという防御魔法。
かつて旅の魔道士に教えて頂いたのですよ。」
リリアがスットンキョウな声を急にあげた。
「私も魔法使えるー。見て。リルプル!!」
小さな光の球が空中に浮かびあがった。
「これはなんだ?」
「これはリルプルという魔法よ。ちいさな光で辺りを照らすの」
「凄いな、これなら暗い所や夜道も安心だスゴイスゴイ」
リリアの魔法の力は大した事が無さそうだが、ラフランジーは魔法使いの適正も持っている様だ。
「所でアイズあなた今の戦いでレベルがあがったわよ」
「レベル?なんのこってす?」
「見てシルベル!」白く光る紙の様な物が宙に浮いた。何か書いてある。
アイズ レベル7(+1) HP350(+30) MP(魔法を覚えてない)EXP4565
力30(+2) 速さ23(+4) 賢さ16(+1)
「あら。アンタ意外とあまり賢い方では無い様でいらっしゃるのね」
「なんなんだコレ」
「シルベルの魔法よ今のアナタの強さを知れるの。ちなみにアタシの力はコレ。見せれるトコだけよ」
リリア レベル4 HP82 MP78 EXP798
力3 速さ25 賢さ32
「ということだからちゃんとまもってね。」
リリアは可愛く笑った。
455 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/12(火) 06:08:28
>>454 つまり、このスレをsageたいわけだな
456 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/12(火) 10:30:13
457 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/12(火) 10:50:46
>>441の続きは書かないのか?けっこうスキなんだがこーゆーの
458 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/13(水) 22:51:49
オレも好き
459 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/16(土) 10:06:48
AV女優、楠木ティナ。
本名を鈴木理沙子という。
この業界には珍しいハーフの女優で、今、最も人気がある新人の1人だ。
今日は、島根でゲリラ的にサイン会をした帰り道。
イベントは大好きなのだが、いつもは都内周辺のビデオ屋ばかりなせいか、
今回のような田舎でのイベントがとても新鮮に感じられた。
空気も都内より美味しいし、
駆けつけたファンの人たちにも
何か土地柄のようなものが見えていたと思う。
1人1人の応援の言葉に、言い尽くせないほどの感謝の気持ちが生まれて、
それはこの仕事をしてきて初めて見つけた光のように思えた。
もちろん1番は母親への愛情だが、
その光に透かされて、ここまで来たという部分はある。
もう少し、このまま頑張ってみようと思う。
460 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/16(土) 10:07:51
AV女優とはいえ、
事務所に所属するタレントというのが正式な位置づけである。
単体の女優だと新人でもマネージャーがついているし、
理沙子のような大人気の女優にもなれば写真集やイメージビデオも出す。
サイン会も頻繁にあって、
そのAV女優としては稀なハーフタレントのようなルックスから、
どこへ行っても大げさな歓迎を受けている。
とくに理沙子は、
ファッション雑誌のスナップ写真にも定期的に掲載されるほど
容姿もセンスも優れているので、
この業界における将来ナンバーワン候補の呼び声も高い。
ファンの内訳は、アキバ系のオタクが大半を占めていて、
一瞬の握手や撮影のために遠方から出張してくる者までいるくらいだ。
461 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/16(土) 10:11:55
綺麗に清掃された車内は、
理沙子の人気を象徴するかのように快適そのものだ。
今日から新しく入ったマネージャーと駅で別れ、1人で愛知へ向かう。
名古屋で、待ちに待っていた美術展が開かれているからだ。
もちろんそんなものに興味があるわけではなかったが、
母親のミシェルの応募した絵が入賞しているかもしれないので、
素通りするわけにはいかなかった。
今回の出来栄えは格別。
ミシェルは決して適当に物を言う人間ではない。
調味料も、目分量ではけっして入れていない。
もうすぐ還暦を迎えるというのに、きちんと計量カップで計っている。
今回の作品に対する情熱と自信は、おそらく相当なものだろう。
5年前に交通事故で両足の膝下を切断してからというもの、
ミシェルは外出する機会がとんと減ってしまった。
だがもし入選していれば、多少遠出になるとはいえ、
家から出るきっかけになるかもしれない。
心の雲が晴れて、彼女の喜んだ顔が見たい。
その一心で、母子家庭になってからの苦節12年を気丈に支え続けてくれたミシェルのために
何でもいいからしてやりたい。
学費と生活費をバイトでやりくりしていると言ってはいるが、
詳しい方法は教えていない。
今は話すべき時ではないし、その時が一生来なくてもいいと思っている。
要は、心配をかけないで済むか、結果として上手くいくかどうかのはずなのだ。
ミシェルの情熱の全てを注ぎ込んだ絵がどうか受かっていますようにと、
会った事も無い神様に祈ってみた。
462 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/17(日) 05:35:55
AVキタ―――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!
463 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/17(日) 11:16:37
AVもいいけど441の続き頼む
464 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/18(月) 02:09:21
まぁ気長に待とう。
このスレが落ちない限りいつか書きにくるでしょ
465 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/18(月) 05:42:10
466 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/18(月) 08:37:15
454もいいが441もいい
AVもgood
467 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/25(月) 19:18:32
窓から見えるビルや工場は、
目にも止まらぬ速さでぐんぐん通り過ぎていく。
新幹線は、地上で使うどの乗り物よりも速い。
どんなに天才的なスプリンターも、この超高速マシンにはかなわない。
そういう粗い基準ならば、
健常者も障害者も似たようなものだと最近思う。
絵画が好きで、学生時代に画家を目指していたミシェルは、
まだ理沙子が小さかった頃によく美術展へ連れて行ってくれた。
ミシェルが聞かせてくれた有名な画家の名前や作品の意図などは
そのほとんどがうる覚えで、
誰かに聞かれないと思い出すこともできないが、
美術展の独特の雰囲気だけは、
思い出と一緒にいつまでも心の中に残っている。
教育熱心なこともあってか、理沙子を絵画教室へ通わせたり、
美術関連の本を山のように揃えて
進学塾のテキストと一緒に娘の部屋へ詰め込んだり、
ありとあらゆる方法で娘が絵に触れるように徹底していた。
いや、どちらかというと、
娘に芸術家として成功して欲しかったというより、
単純に絵を好きになってもらいたかったのかもしれない。
おそらく、自分が憧れた世界を娘にも見せたかったのだろう。
当時もその事に気付いてはいたが、
何の説明も無く押し付けられる生き方は、苦痛でしかなかった。
それよりも、ミシェルからは、
花が咲くような爽やかでみずみずしい笑顔と、
彼女の母国語であるブラジル・ポルトガル語、
そして、まっすぐに前を向ける大きな心を受け継いでいる。
本当は、それさえあれば娘としては十分な貰い物だったかもしれない。
468 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/25(月) 19:19:49
ミシェルとは色々あったが、
絵が好きだという純粋でひたむきな想いは、今でも大好きだ。
絵に打ち込んでいる時、
自分の好きなものを他の事も忘れて話している時、
ミシェルの目は幼い子供に戻る。
そんな目を見ていると、
はるかに年上のミシェルを可愛いなと思う一瞬があったりする。
けっして、強欲だったり相手の気持ちが解らなかったりするわけではない。
権力志向と言われたら否定はしないが、
他人よりもちょっとだけ、気持ちを伝えるのが不器用なだけなのだ。
その辺を、20歳になる今年になってようやく汲みとれるようになった。
ミシェルは母親であり、多感な1人の女性でもあると知った。
皮肉なことに、父親の哲郎と離婚したおかげで、
ミシェルと話す機会が必然的に増えつつある。
話を聞くのが得意な理沙子とは対照的に、
ミロや北斎など有名な画家たちから受けたという
強烈なインスピレーションを、毎日のように熱弁している。
離婚という不幸が、
ミシェルの心の一部を垣間見るきっかけになったと考えれば、
悪い事などというものは違う角度で見ると
悪いだけで終わらなかったりするのかもしれない。
469 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2006/12/25(月) 19:21:08
名古屋市内からそう遠くない場所、交通の便が行き届いた
まさに都会といった市街地にある新築の美術館で、その展示は行われていた。
入り口からは、見学に来た一般客や美大の学生が次々と押しかけている。
まるで話題の映画でも見に来ているかのようだ。
受付をすませ、入場料の千円を支払う。
受付に置いてあった鮮やかな赤で彩られた表紙のパンフレットを、
何食わぬ顔でサマンサのバッグに詰め込んでわき目もふらずに歩いていく。
この辺の流れ作業は手馴れたものだ。
ミシェルとよく美術館をまわったおかげなのか、
故郷に帰ったかのように懐かしんでいる自分がいた。
470 :
名無し物書き@推敲中?:2007/01/10(水) 19:50:09
471 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2007/01/21(日) 04:11:25
会場内は、意外に静かだった。
外界の雑音が完全に遮断され、
五感の全てが壁に飾られている作品に集中するよう仕向けてある。
床に大理石が敷き詰められているせいなのか、
もう4月だというのに空気がどことなく冷えている気がする。
完全に文明から隔絶された奇異な空間に、
若干高揚した心臓の鼓動音が目立った。
幾重にも折り重なった幾何学模様、奇抜で毒々しい色使い、
現実には存在し得ない想像上の建築物や動植物。
美術展に出展された作品に、個性的でないものは無いと言っていい。
個性の強い人間の全てが必ずしも芸術を好むわけではないのだろうが、
そういう人間の感性が研ぎ澄まされることによって、
独創性の高い作品が生み出されるのだろう。
もしかすると、美術館内の独特の雰囲気とは、
それらの奇抜な個性たちが数多く寄り集まって発する世俗離れした匂いによって、
空気が毒された結果なのかもしれない。
そんな勝手な想像を巡らせながら、
ゴシック様式の彫刻が施された神殿を思わせる通路を直進していくと、
上下左右に首を回して見渡すほどの大空洞が目の前に広がった。
ここが、この館のメインホールに違いない。
ドーム状にくりぬかれた大広間の天井の頂点には、
名前も知らない芸術家の手によって抽象化された太陽のようなものが描かれていて、
ここ自体が、古代文明の遺跡に見えなくも無い。
壁という壁には、聖書に出てきそうな神々しい天使が数百と登場しており、
必要以上に高い天井に、彼らの息吹が反響しているようだった。
472 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2007/01/21(日) 04:23:28
しばらくしてホールの巨大さに眼が慣れ始めて、
視線を普段と同じ高度に戻すと、
中央の小ステージに人だかりができている。
吸い寄せられるようにそこへ近寄っていくと、
名古屋市内に入ってからほとんどの電車の車内という車内に貼られていた
ど派手なポスターの特大原画が目の前に現れた。
『 現代美術、革新の夜明け! 』
まるで大聖堂のような大広間に、堂々たる張り紙だ。
ポスターが貼られているのはステージの土台部分で、
上に乗せてある大切な彫像をさらに、さらに誇張している。
この展示会のシンボル、『 思念の三角錘 』である。
石か何かでできたグレーの表面に
シマウマの縞模様のような細長い帯の曲線が何本もはしっている。
加えて、底面からはなんとも不気味なニョロニョロが、
大地に向かって数え切れないほど伸びている。
このニョロニョロに支えられて、三角錐が高みに掲げられているのだ。
植物の根のつもりなのだろうか。
幼い頃にさんざん美術作品に触れてきたにも関わらず、
理沙子は未だにこういった作品の愛で方がわからない。
こういう芸術の妙味をわかる資質があるとしたら、おそらく自分にはそれが無いだろう。
少なくとも人間は、
今まで見たことがある物にある程度近くなければ、
コメントのしようが無いのだと思う。
自分は普通の人間だという明確な自負心がある理沙子の目に、
この奇天烈な作品が、腹が減ったエイリアンがエサを探しているように写った。
473 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2007/01/21(日) 04:27:08
そのエイリアンを、見物に来た学生たちは興味深げに観察している。
中には、天才だと絶賛する者までいた。
改めて前に立って眺めてみると、たしかに凄い出来栄えかもしれない。
こんなものは普通なら思いつかないし、造ろうとも思わない。
見れば見るほど、生み出した人間の感性が常識の手綱を
完全に振り切っていることを思わせる。
いや、振り切っただけではない。
そのまま大気圏を突破し、月まで逝ってしまっている。
この規格外の超大作を理解できた日には、
周りから友達がいなくなっていそうで恐ろしい。
このシンボルを作った芸術家も、そんな人間なのだろう。
理沙子がここへ来たのも、
いやもしかするとミシェルがこの美術展の投稿部門に応募した事さえ、
このバケモノの超能力に導かれたからだと思えるから余計不気味だった。
それくらい、こいつの持っている禍々しさは、
メインホールに置いてある他の奇抜極まりない作品に勝っているのだ。
軽い嫌悪感と共に早くここを出たいという衝動に駆られ、
エイリアンの眼前を後にする。
三角錐は、そんな猜疑的な理沙子の視線を難なく跳ね返すように、
不気味なオーラを爛々と放ちながら、大広間の空気を一段と冷やしていた。
果たして、こういった限りなく奇抜な作品を至高と崇める連中に、
ミシェルのような凡庸なる主婦の情熱が理解していただけるのか心配で仕方がない。
474 :
名無し物書き@推敲中?:2007/01/21(日) 05:11:15
おはよう
475 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2007/01/25(木) 05:37:30
美術展の主催はNNC。
今や国内最大の規模を誇る電話会社である。
毎年この美術館では素人の投稿コーナーを設けて、
審査員をうならせるような才能ある作品を募っている。
今回の展示会からスポンサーがNNCに変わり、
広報手段や審査員への芸能人の参加といった
エンターテイメント色の強さが前面に出ることが予想されている。
そんな世間の評価をかんがみてか、
今年の審査員には、
天御涼聖(アマミ リョウセイ)という
若者向けインテリアのデザイナーとのコラボレーションなどで
大人気を誇る画家がゲストに迎えられていて、
今回が例年より少し特別な募集だったことを伺わせていた。
476 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2007/01/25(木) 05:38:29
ミシェルは毎年このコンクールに応募しているが、入選した事はまだ一度も無い。
生まれつき手先は器用な方で、
よく家のインテリアを写生しては理沙子に見せてきていた。
写真のようにとまではいかないが、普通に評価すればそっくりに描けていた。
だから素人にしてはそこそこ上手い方なのだが、
歴史に残りそうな凄い作品を作り出せる才能となると、
はっきり言って無いだろう。
つまり、
写生の能力の高さが作品の良し悪しを最終的に決定するわけではない、ということだ。
要は洗練された独創性こそが第一で、
さっき見たエイリアンのような気持ちの悪いものを作り出しても平然としていられる
類い稀な神経が必要不可欠なのだ。
ただ、そんな才能のある人間は間違いなく変態で、
画家だと知られなければ、
実生活において誰かから羨望の眼差しを浴びることなどまず無いと考えていい。
娘である自分にとっては、今の方が逆に安心できる。
理沙子はゆっくり広間を1周しながら
似たような理解不能の作品群をざっくり見学した後、
応募作品の展示されている部屋へと向かった。
477 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2007/01/25(木) 05:46:49
そこは、赤い部屋だった。
メインの大広間から少し離れた地下の区画に、
普通の会議室くらいのスペースが設けられていて、
日の光が届かないことを意識しているのか
壁は真っ黒に塗りつぶされ、
値段もつけられそうもない高級な深紅の絨毯が、
これでもかと敷き詰められている。
鮮やかにして不気味な地下室の中では、
佳作に選ばれた作品20点が壁に貼り付けられ、
毒々しい赤と黒のコントラストが、
あまりにも濃密な原色ルームの湿度をよりいっそう高めていた。
金賞、銀賞、銅賞は中央に設置された安っぽいパネルに展示されていて、
それぞれ金銀銅の額縁に、
投稿された作品がパネルの1番高い位置に
他の佳作と一線を画するかのように掲げてある。
佳作の欄を1つ1つ見ていく。
はなから大賞を獲れるなどとは予想もしていないから、
足取りは自然とこちらからになるというわけだ。
理沙子にとっては大きな名誉などむしろ必要無く、
佳作にさえ入っていてくれさえすれば、あとはどうでも良い。
つまりは、ミシェルの外出の理由が欲しいだけなのだ。
478 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2007/01/25(木) 05:48:22
しかし大賞ではなくても、
ここに自分の作品が並べられたならば、さぞかし壮観であろう。
この、素人には不気味としか思えない地下室のデザインだって、
変人の多い美術界らしいといえばその通りではないか。
そうこう期待に胸を躍らせて歩調を緩め、
厚めの絨毯の踏み心地にも慣れ始めた頃だった。
・・・・・・・あった。ミシェルの描いた絵だ。
『 オレンジのある風景 』
それは佳作たちの下から二段目の列にあり、
目立ってもいないし、特別に他より見劣っているというわけでも無かった。
生まれついての権力志向家ミシェル画伯が見ると、
少々不満かもしれない。
その名の通り、暖かい陽だまりを中心とした風景画が、
不気味な地下室に映えていた。
舞台は、ニュージーランドにありそうなのどかな農村区域。
丘の上には、若いオレンジの樹が芳醇な果実をたくさんつけていた。
太陽から放たれた暖かい光が、
地表面に近づくにつれて少しずつ透明度を増している。
太陽に照らされる牧場だの街路樹だのは
オレンジ系の油絵の具を中心に彩られていて、
まるで見ている人間の心に温もりを与えてくれるようだ。
少なくとも、理沙子にとってはそう見えたに違いない。
479 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2007/01/29(月) 19:35:23
こんな暮らしを、ミシェルは夢見ていたのだろうか。
オレンジの木の下には、幼い異国の女の子が、
ゆりかごを膝に乗せて涼んでいる。
小さな顔に、柔らかいブラウンの髪。
赤ずきんちゃんと風の谷のナウシカの間をとったような、
愛くるしいデザインだ。
白人種によくある大人びた顔立ちで、まだ10歳くらいだろうか。
淡い色調のブルーとイエローの刺繍の入った可愛らしい羽毛のフードを着ていて、
自分よりももっと小さい人形をゆりかごの中で眠らせている。
今までミシェルの絵には無関心だったし、
クドい熱弁にもそっけない態度をとり続けてきたが、
今さらになって後悔している自分がいる。
これが何なのか知りたい。
なぜ、この絵にしたのか。
どこがモデルになっているのか。
親しくなりたいというベクトルが向いている人間の本当の気持ちを理解したいという願望は、
人間である限り誰もが抱く当然の欲求で、
今の理沙子にとってのそれはまさに、
この絵の根底に流れるミシェルの心なのである。
ふとバッグの中の携帯画面に目をやると、圏外を表示していた。
とはいえ、後から電話でミシェルと話してしまえば
全て分かることなのだろうが、
なぜかこの時は、どうしても今すぐに知りたいと思ったのだ。
480 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2007/01/29(月) 19:43:39
理沙子は少女に目を凝らして、
ミシェルが絵に込めたイマジネーションへ自らの意識をリンクさせるかのように、
リアルタイムで筆をふるう母の姿を思い描いた。
いつも絵を描いていた時の事を、脳細胞をフル作動させて思い起こす。
脳内で作成されたミシェルと自分自身が重なるようになるまで。
筆の動きから、重ねた色のひと塗りまで。
理沙子自身が絵を描いているのだと錯覚してしまいそうなほど、
出来上がったイメージ像は鮮烈だった。
絵画をこよなく愛する女の娘だからか、
理沙子は昔から、自分はイメージ力がある方だと思っていた。
数学の空間図形が得意だったし、
美術の成績だって上から数えたほうが早かった。
そのせいか、他人の嘘を見破るのも得意で、
じっと人の顔を見続けていると
まるでその人の感情が心に流れ込んでくるように
気持ちや本心がなんとなくわかった気がしていたものだ。
大学のゼミの教授にそんな昔話をすると、
右脳が発達しているからだと一蹴された。
別に、魔法が使える気になって話した覚えは無いのだが、
おそらく育ちの良いお嬢様だと思われたに違いない。
481 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2007/01/29(月) 19:46:59
しかし、この絵の少女からは何の言葉も聞こえてはこない。
気だるいお日様にうとうとしているのか。
それとも、人形を我が子に見立てて見守っているのか。
どんな気持ちでいるのかさえ、無機質な表情からは何も伝わってこない。
超能力などあるわけがないし、当然といえばその通りなのだが。
ただ一つ言えることは、人形を見やる優しいまなざしが、
母が我が子へ向けるそれに似ている気がした。
そう、それは理沙子に似ていた。
ミシェルが想い焦がれつづけた絵画のイメージの結晶が今、目の前にある。
そのイメージの中にアクセントとして描かれている少女。
この少し目立つ色で描かれている少女のモデルがもし自分なのであれば、
こんなに嬉しい事は無い。
母の理想の中にいるのは自分。
そして、自分の理想の中にもミシェルはいる。
すなわち、お互いの想いが通じているということなのだから。
482 :
名無し物書き@推敲中?:2007/02/12(月) 00:37:32
毒男はおもむろに自分の男性自身を擦りだした。
毒男にとっては初めての『自慰』だ。
しごきはじめてからおよそ2分、男根が熱を帯びたと思った次の瞬間、白い飛沫があがった。
しばしの間、毒男の心に小宇宙が広がった。
483 :
名無し物書き@推敲中?:2007/02/12(月) 15:05:08
アッー!
484 :
名無し物書き@推敲中?:2007/02/17(土) 02:20:46
www
その小宇宙のあるひとつの惑星、アルテミスに、マッド博士は存在した。
マッド博士は、気づいてしまった。この宇宙は……。
「おじいちゃん、どうしたの暗い顔をして」
孫娘のリンスちゃんが、マッド博士の顔を覗き込む。
無邪気に心配する孫娘の顔を見るにつけ、
マッド博士は、死ぬまでこの宇宙の秘密を守り抜こうと決めた。
そのころ、アカデミーで、頭角を荒らしつつあった、ホームライス博士が、
この宇宙誕生の秘密を解き明かすことを目的とした組織、米米クラブを設立していた。
米米クラブは、マッド博士を誘拐拷問し、宇宙誕生秘話を聞きだそうとしたが、失敗、博士は
死んでしまった。しかし、博士はその秘密をリンスの姉、ランスに伝えていたのだ。
組織はランスを狙う。逃げ回るランスをおびき寄せるため、組織はリンスを中央広場、マーチの闘技場へ連行し、
貼り付けにした。そこへ、救出に現れるランス。
ホム博士「さあ、妹の命が惜しくば、宇宙誕生秘話をいうのだ」
ランスはマッド博士の遺言を思い出した。妹には絶対聞かせないぞ。
ホム博士「いいのか、妹が死ぬぞ」
剣を突きつけるホム博士。
486 :
名無し物書き@推敲中?:2007/02/19(月) 03:11:01
マーチの広場には、アカデミー親衛隊が取り囲んでいた。アカデミー親衛隊とは、
要するに、米米クラブ入会志望のコネ待ちの研究員であり、追い詰められ、先鋭化した、
空疎な心は、ホム博士の狂気を軸として、いまや、ひとつの
ランス(槍)と化していた。
おーっとここで、なんと親衛隊は、うす曇のマーチ広場を行進し、
ランスに近づいていく。近づかれたランスも負けじと向かい合う。
ランスとランスがリンスを間ににらみあう。もう一度早口で言おう。
ランスとランスがリンスを間ににらみあう。
状況は次第に追い詰められたもの同士、共食いの様相を呈してきていた。
その様子を遠巻きに見ている町の人々は、言い知れぬ不安感に襲われ身動きできず、
広場で起こるであろう、悲劇的な結末を予想して、身悶えるしかなかった。
その間ランスのイメージは大空を舞う鷹の視界のように、体から離脱していった。
それは彼女の訓練された思考技術、カーネビと呼ぶ思考法であった。
全体を見渡し、その中に自己を客観的に見つめるのだ。ポヨヨンポヨヨン。
ポヨヨーン。左へ曲がります。この先30メークルポヨヨーンキーンコン。
結局、われに返ったランスが状況を丁寧に分析し、導き出した答えは単純であった。
ホム博士、親衛隊、リンス、ランス、この4者のパワーゲームの中心といえば、ホム博士である。
つまり混乱を最小限に食い止める方策は、ホム博士のみに、宇宙誕生秘話を伝える。
思わせぶりにである。
「今から、宇宙誕生秘話を話す」
期待にどよめく人々。
心身ともに緊張をはらみ、ランスの存在は決壊寸前のダムのようである。
文字通り瞳は涙腺をゆるめ、ランスは潤んだ瞳で、駆け出した。
そして隊の中央にいるホム博士のそばによった。
「この秘密はわが友ホム博士のみに伝える」
軽く形だけの抱擁をし、耳打ちをした。
「おー、何ー?」
好奇心旺盛であることが、逆にこの後の沈黙を持続させた。
親衛隊は、博士の次の言葉を促すように、無言を貫いていた。
その様子を見てランスはにやりとした。
興味の対象をホム博士に移動させることに成功したのだ、そう思った。
「おーなにー」
だが、つづく博士の自己完結したボケにだれも気づくことはなかった。
博士のボケは、狼少年の続けざまのうそのように、
もはや、興味の対象からそれ、その場にいる人々にとっての雑音になっているようである。
その場にいる人々は、もうすでに博士も宇宙誕生秘話もランスもリンスも
興味の対象からはずれているかのように、空を見つめ始めた。
なぜだ。ホム博士は自問した。なぜ、だれもつっこまないのだ。
なぜだ。ランスはいぶかしんだ。
移動させたパワーバランスがさらに別の場所へ移動し始めている。
何が起こったのだ。ランスは、カーナビを発動し、空中をさまよおうと身構えた。
しかし、厚い雲に跳ね返され、
石畳にたたきつけられた。たたきつけられたランスの心は異常事態に陥っていた。
ドッペルゲンガー現象が起こり、理想の自分が
分裂し地を走り始めた。その距離3メークル。
石畳に打ち付けられた重いからだをなんとか起こし、
手を伸ばし、眼前の理想の自分を捕まえようとしたが、
さらに距離は開き、とてつもない、どす黒い感情に支配された。
こ、これはなんだ。自分の幻影が遠くへ行くほどに、体が重くなる。
なぜこんなことに。うまくいっていたのに。なぜなのー。
何故……。
なぜなら登場人物とは関係ないところですでに物語の第2幕があがり始めていたからであった。
幕が上がる・・・そういっては語弊があるかもしれぬ。
現実には国全土が、どす黒い雷雲に覆われ始めていたのだから。
アルテミスに襲い掛かる本当の地獄はこれから始まるのだった。
誕生があれば終焉がある。ビッグクランチである。
つまり、罪悪感の襲来であった。
毒男は、穢れたテッシュを丸めて、下水に流し込んだ。
渦巻く水流に意味を見つけようと、執拗に穴のそこを覗き込む毒男。
しかしそこには、当然のごとく、何もなかった。
俺こんなことしてていいのかなー。よーし、明日からがんばる。明日からがんばる。
もう俺は終わったのかなー。明日はきっといいことがある。俺だめかなー。
だめだろだめだろ、働けよ残飯。働けよ残飯。むなしさに意味を見つけようと、
呪文を繰り返す毒男。しかしやはりそこには、何もなかった。
本当に何もないな俺。本当に何もないな俺。ポヨヨーン。
唐突に何かと何かが結びつきあい不思議な思考が湧き上がってきた。
毒男はついに意味を見つけた。
「わかったぞ」
俺はアスペルなんとかなんだ。俺はアスペルなんとかなんだ。
さっきから、同じ言葉を繰り返している。同じ言葉を繰り返している。
俺は特別なんだ、俺は特別なんだ。
――あきらめないで。
あどけない声ともいえぬ声が、毒男の中心を刺激した。
――歌ってあげる。
まだまだやれるよー。だっていつでもかがやいているぅ。
ときにはラララ。
がんばって、がんばって。
「だれ」
毒男はつぶやいた。
「だれだ」
毒男はつぶやいた。
返事はなく、毒男のつぶれた声が便器に吸い込まれていくだけだった。
「やっぱり俺はだめか」
――だめじゃないよ。
「いや、俺はだめだよ」
――だめじゃないよ。あなたはだめじゃないよ。
「だめじゃないよ、なっ」
そのころ、台所では、毒男のつかれきった母親が恐怖におびえ、耳をふさごうとしていた。
だめでしょ。どう考えても。ついにいっちゃったのかしら、あの子……。
森が丘クリニックの診察券はどこにやったっけ。まだ営業しているはずよね。
「いくつなの」
毒男はとりあえずいってみた。
――12歳です。私はあなたの心に浮かぶアルテミスに存在する意味です。
名前はリンス。私は聞いてしまったんです。姉がホム博士に耳打ちした内容を。
世界は、アルテミスは、あなたの力を必要としているの。きこえてますかー。
毒男は身悶えた。
「俺は特別なんだ。やはり俺は特別なんだ」
そのころ台所では、毒男の母親が受話器を取り上げていた。
――お願い。なんでもしますから、私たちを救ってください。
「なんでもしてくれるの。だったらパンツ脱いでくれる?。それと」
いまや、トイレは宇宙船だった。地球と惑星アルテミスをつなぐ、それは銀河鉄道であった。
毒男の目の前にはロリ色のレールがポヨヨーンポヨヨーンと鳴り響き、
中空に漂う宇宙列車用に標識にはペコちゃんが印刷されてあった。
毒男は1時間の間、リンスにあらゆるおねだりをし、銀河鉄道にエネルギーを送り込み、
そして、宇宙を振動させていた。
「メぃーテルぅー、またひとつほしがきえーるよー」
意味なく、便座のレバーを引く毒男。そして、ボーボー。シュポシュポ。自分の煙突をしごく毒男。
夢見る銀河鉄道の灼熱した煙突が数十回目の白い粉末を搾り出したとき、
トイレのドアが激しくたたかれた。
「毒男、大丈夫? 今、崎守先生に連絡したから、すぐ来てくれるよ。大丈夫なの?」
うはwwwwwww毒男wwwwwwwww
マジうけるwwwwwwwwwwww
495 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/01(木) 23:52:21
あげ
496 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2007/03/20(火) 03:32:29
とにかく、本当に入選していた。
明日から3日間は、事務所から久方ぶりの休みをもらっている。
実家に帰ったら、真っ先に美術館の事を話そう。
そう思って岐路につこうとした時、
それまで他の美術品にまるで興味を示さなかった理沙子の目が、
1つの絵にくぎづけになった。
ミシェルの絵からちょうど視線をいつもの高さに戻したあたりで
すぐに飛び込んでくる位置にあった安そうなキャンパスの中には、
見たことも無い想像上の怪物、竜が描かれていた。
『 早春 』
今回の、最優秀賞である。
驚くことに、ほとんど筆と硬筆で描かれた白黒の作品だ。
白と黒だけでここまで鮮やかにできるものなのかと感心してしまった。
素人にもわかりやすい構図で、
まだ冬の寒さの残る早春に、他の新芽より早く開花しようとしている花があり、
ちょっとの雨風で倒れそうな花を、怪物の竜が見守っているというものだ。
竜といえば、昔話に出てくる怪獣というイメージしかない。
角と牙があって、火を吐く大蛇。
西洋の神話や最近のテレビゲームに登場するドラゴンも同じものだが、
それは羽が生えた恐竜のような、やや生物的な描かれ方をしている。
これに対して日本ではもっぱら大蛇のように描かれているが、
あくまで実体の定まらない神の使いという宗教観念的な色彩が強い。
筆を用いていることもあり、目の前の竜は明らかに大蛇といった感じで、
おそらくは和製だということが伺えた。
497 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2007/03/20(火) 03:36:23
そんな強面の竜が、厳つい顔面を緩ませて花を見守っている。
竜と花という単語同士だけを掛け合わせるとなんとも不似合いに聞こえるが、
いざ絵画として描くと絶妙なマッチングで、抜きん出た芸術性が感じられる。
タイトルに季節が入れてあり、自然美があって美しい構図なのである。
本来殺意に満ちているべき眼が清流のごとく澄んでいて、
この想像上の生き物がとても優しいのだとわかる。
それに、早春を表す花や芽吹き、
小川のせせらぎなどがそっちのけで
あえて怪物がメインという所が面白い。
趣を感じる、というのはこういうのを言うんだろうか。
さっきメインホールで見たエイリアンとはえらい違いだ。
将来は、あんなエイリアンの産みの親みたいなのではなく、
この最優秀賞の作者のような澄んだ感性を持ち合わせた画家が
美術界を満たして欲しいと切に願う。
とにもかくにも、恐ろしい竜を、美しくて淡い、
そして優しいシチュエーションにもってきているなんて、
さすがは金賞といったところか。
グロテスクだったり、凝り過ぎて意味不明だったりする他の作品に比べたら、
理沙子はシンプルなこの絵が一番好きになれそうだった。
―――それにしても。
いったいどんな人が描いたんだろう。
生まれて初めて、絵に感心した自分がいた。
498 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2007/03/20(火) 03:37:46
入選の確認をしに来ただけなのに、良い土産話ができた。
一等賞ではなかったとはいえ、
入選したとあってはさすがのミシェルもここへ足を運ぶだろう。
佳作の欄に並べられた自作の絵をぜひ見せてやりたい。
いや、一緒に眺めながらたっぷりと情熱を語ってもらいたい。
いったいどんな言葉で喜びを表現するのか楽しみだ。
そうだ、ついでにあのエイリアンや
金賞に輝いた竜の絵についても色々と聞いてみたい。
今まで内容そっちのけだったミシェルの熱弁に、
今度こそ話が合いそうな気がする。
今回の外出をきっかけにして、
ミシェルと一緒にいろんな美術展に来よう。
そうしたら、彼女も少しずつ元気を取り戻していくかもしれない。
そんな小さな期待が、胸に生まれたのが分かった。
499 :
狼使い:2007/03/24(土) 21:59:27
お久しぶりです(′・ω・`)久しぶりに投稿しますお
小さい頃、家の近くの森にチュレルの実を採りに行ったとき母親に言われた。
「チュレルの様に真っ黒な服を着た連中には気をつけるのよ」
「どうして?」
いつも気丈な顔が、その時ばかりは恐怖の色を湛えていた。頭を覆うように巻いた布を触り、辺りを気にするようにして小さく囁いた。
「全身黒の服を着た連中はとても恐ろしいのよ。貴方みたいな子供だって、いとも簡単に・・・・・・」
その続きを言うのをためらたのか、母親は立ち上がった。その腕には麦の穂で結われた浅いカゴが抱えられていて、熟れた証である漆黒のチュレルがぎっしり詰まっている。
「簡単に?──続きは何なの?」
子供心は、知りたいと思ったら止まらない。俺は無邪気に母親の袖を掴み引っ張った。
「聞かなくていいのです!とにかく、黒の連中には絶対に近づかないこと!いいですね?」
そのまま俺の手を握った母親は、先程のことなどなかったかのように小走りに家へと帰った。念を押すように何度も忠告され、『黒の連中は殺人鬼集団』それだけが小さい頃の記憶として鮮やかに焼きついたのだった。
500 :
狼使い:2007/03/24(土) 22:02:50
【プロローグ】
鮮やかな光が窓から入り込み、少年の顔を照らした。
凛々しい顔つきの少年は、眩しさにその表情を苦悶に染め、怠慢な仕草で体を起こした。
上へ上へと体を伸ばし、少年は寝台からゆっくりと立ち上がった。
光に照らされていない面がないほど、彼の小さな部屋は明るく、全面が水晶のように透けている部位からは朝もやがかかった青空が見えている。
「ヤマトー?」
急に少年の部屋の扉が開いた。扉の向こうには不審そうな顔つきの少女がいた。
ヤマトと呼ばれた少年は、跳ねた黒髪をなでつけながら、眠そうに目を擦った。
「あれ?起きてたんだ?」
少女は天真爛漫な笑顔を見せ、早くしろとばかりにヤマトの骨っぽい背中を押し始めた。
「な、何だよ!?やめろってユキ」
「やめない、早くしないと、入団式に間に合わないよ!!」
ユキに背中を強く押されながら、ヤマトはドタドタと部屋から飛び出て板張りの渡り廊下を走りながら香ばしい匂いの漂う雑然とした部屋に向かった。
「おはようヤマト、ユキちゃん」
恐らくこの家で一番広い空間である、食事をするための場所。ツルツルとした木の机の上には三つ、白の器が並べてあった。
その他にも汁物専用の小さな丸い器が二つ。
「おはよう父さ「おはようございますダンさん!」
ユキの明るい挨拶に自らの挨拶をかき消さたことに気を悪くしたのか、ヤマトは少しムッとした表情をしてすぐさま机の脇に添えられているイスに座り、目の前の食事に舌鼓を打った。
「うま・・・!」
食事が美味しければ機嫌が直るのは彼の良い点だろう。ガツガツと獣のように食事を口へ押し込むヤマトを見て、ユキは少し気後れ儀に言った。
「ダンさん。こんなヤマトが、本当にケルディアのために働けるのでしょうか・・・
501 :
狼使い:2007/03/24(土) 22:04:50
静かにスープを飲んでいたダンは、心の底から心配そうなユキの話し方に思わず笑った。
「はは・・・そうだな、多分大丈夫だ。こいつは見かけによらず賢いところがあるから」
それを聞いたユキは「親馬鹿ね」と呟き、何事もなかったかのようにスープを啜るダンを横目で睨んだ。
彼女は猫目のため、人を睨むと本当に迫力がある。壁の高い位置に掛けらた時計を見て、手元の薄緑の葉野菜にフォークを突き刺す。
「・・・もう、時間だよ!ヤマト!早く食べて!」
「ん!?んん」
口にたくさんの食べ物を詰めていたせいでモゴモゴと口を動かしながら、ヤマトは苦しそうな表情をする。
手元のコップをひっつかみ、水ごと一気に流し込み、むせながらようやく立ち上がる。あらかじめ家に送られてきていた騎士団の白い制服を纏い、外で繋がれている愛馬の元へ駆け寄る。
「行くぞレオン!」
草食な馬にも関らず肉食の動物の名前をつけたのには訳がある。そう、何よりも強くなって欲しいとのため。
ヤマトは栗毛色の愛馬の背に身軽そうに飛び乗ると手綱を絞った。直ぐ傍で馬に乗り背が高くなったヤマトを、心配そうにユキが見上げている。
「大丈夫??間に合う?」
「こいつの足なら余裕だって!じゃあな!」
ヒュッと口笛を吹き、それを聞いたレオンは風のように走り出した。きちんと丁寧に世話をされている証拠である、サラサラとした栗色のたてがみと尾。
それらを揺らしながら駆けて行く様は、ヤマトが騎士団に入るという事実を疑わせなかった。その姿が消えるまで、ずっと見送っていたユキは静かに微笑み、強風のため荒らされる長い髪を押さえながら民家の中へと戻っていった。
502 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2007/04/04(水) 03:48:52
第2章 ―Relation―
第6話 「 焦点 」
トゥルルルルッ トゥルルルルッ
午前2時。
照明を消し忘れた竜哉の部屋で、
淡いブルーの折りたたみ式携帯が鳴った。
着信メロディを設定していない無機質な呼び出し音は、
ネガティヴな持ち主の人生観に相応しい。
目覚ましはいつも携帯のアラームに頼っているから、
その味気ない音源が竜哉の耳元で暴発していた。
完全に熟睡していたとはいえ、
アラームの音量は睡魔の魔術に圧倒的に勝っていたようで、
つい先ほど寝入ったばかりだというのに、
浅い夢から強引に引き戻されてしまう。
こんな時間に、なんて迷惑なヤツだ。
「もしもし、竜哉?今寝てた?」
受話器の向こうの声は、
とてもクリアーで聞き取りやすい音質を保っていた。
503 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2007/04/04(水) 03:49:34
すぐに折られていた携帯の半身を開け放つが、
相手が誰なのかわからない。
何しろ、部屋の電気が眩しすぎる。
ルームライトのしみる眼では、画面上の氏名も確認できない。
半分夢心地の竜哉の耳に、
久しぶりの親友の声はまったくの別人に聞こえた。
寝ぼけた眼を擦りながら、表示されている名前を見る。
成嶋弘祐(ナルシマ コウスケ)
小学校からの友達で、今のところ竜哉の1番の理解者だ。
弘祐は小学校5年生の頃、学校一の問題児だった。
ナイフで担任に刺し傷を負わせ、
男女関係無く凄惨なまでの暴力をふるった。
その頃の弘祐は誰からも恐れられていて、
誰も関わろうとはしなかった。
唯一、竜哉を除いては。
父親の暴力によって育った事。
外界から慢性的に感じられる疎外感。
ネガティヴな思考回路。
心に闇を抱えた者同士、2人は息がぴったりと合った。
504 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2007/04/04(水) 03:52:32
弘祐とは神戸に引っ越してから1度も会っていなかったが、
長い間離れていてもまるでずっと一緒に生活してきたような
一体感を感じることができる。
声質から感じられる独特の涼しさのようなものが、
小学校の頃の遊ぶ約束をする時と寸分たがわない心地良さだった。
「‥‥あぁ‥‥大丈夫」
実際問題、寝てはいたのだが、
悪いからという理由でこのまま電話を切られては目覚め損である。
どうせ迷惑だと思うのなら、
起こした側には最後まで用件を言う義務があるはずなのだ。
「いやスマンスマン。
おばちゃんとか見つかった?」
ああ、母親のことか。
そういえば、会いに行くにあたって
弘祐には何度もアドバイスをもらった。
あくまで話し合いをしにいくという事。
後悔の無いように、
言動や行動、決断の際に短慮は禁物だということ。
505 :
>>333より 星の見る夢☆〜Nebula record〜☆:2007/04/04(水) 03:53:36
弘祐のアドバイスは的確と言うより、
当たり前のことをなぞっているだけだった。
既に竜哉の脳内にも存在する最低限の一般常識を。
いつの間にか、大学進学した竜哉よりも、
土木現場やアルバイトで社会勉強した弘祐の方が、
だいぶ大人になっていることを思い知らされたばかりだ。
しかし会いに行ってからは、
その結果うんぬんといった報告さえ忘れていたのだった。
「いやーそれがなぁ、
カギは開いてたんだけど誰もいなかったんだよね」
竜哉は、最近自分の周りで起こった
非日常的な出来事の一部始終を話した。
実家は何故かもぬけの殻で、部屋という部屋を探し回ったこと。
弟の部屋から絵を持って帰ったこと。
ついでに、教え子の大輔が失踪した話もした。
そんな愚痴にも似た話を、
相も変わらぬ冷静な態度で弘祐は聞き続けた
506 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/10(火) 13:09:43
(1/8)
「ここが地獄だよ諸君!」
ダンテ伯爵は言った。そして古びたフロックコートからステッキを突き出して裾をはだけ、胸毛が密生
した地肌が露わにした。そこから覗く弛緩した肉体は荒縄で亀甲縛りに縛られている。そう、このよう
な状況にもかかわらずダンテ伯爵はSM放置プレイを楽しんでいるのだ。なんたる余裕!なんという変
態なのか!
「そんなことはないっ!俺たちがいる限りこの世界はまだ終わっちゃいないんだ!」
少年探偵団の斉藤団長は言った。副団長の美佐も叫んだ。
「そうよダンテ伯爵!あなたみたいな真性の変態なんかに、この美しい世界をわたすものですか!」
美佐の紺色のスカートの裾が風にたなびく。すると捲れたスカートの下から水色の毛糸のパンツが現れ、
地獄の業火に照らし出された。
「…ほう、美佐よ。なかなかカワユいパンツを履いておるのう…」
ダンテ伯爵は少しニヤケながら美佐に言った。美佐はハッと気付くと「いや〜ん!」と言いながらスカ
ートの裾を両手で押さえ、その場にペタンと座り込んでしまった。両手で顔を覆って泣き出す美佐。そ
のとき少年団員の渡辺くんは思わず美佐のスカートの中を覗こうとしたが残念ながら見ることが出来な
かった。
(チィッ!)
渡辺少年は舌打ちをした。渡辺少年は密かに少年探偵団のヒロイン美佐に恋をしていたのだ。しかし美
佐は団長の斉藤少年といい仲であり、普段から他の団員達に見せ付けるようにいちゃついている。渡辺
少年は二人を、いつも嫉妬と羨望の眼差しで見つめていた。…しかし渡辺少年の美佐への想いは絶ちが
たく、毎晩自分が彼女とイチャつく妄想で憶えたてのオナニーに励んでいた。そして濃厚なザーメンを
発射しながら美佐をモノにしたいと思った。美佐の発達した乳房を鷲掴みにしてモミモミしたいと激し
く熱望した。しかし現実は厳しい。小林少年は団員のなかで最も地味な少年でしかなく、普段美佐から
は軽蔑まじりの一瞥を向けられるのが関の山だった。
507 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/10(火) 13:11:18
(2/8)
「…ゆ、ゆるさないぞダンテ伯爵!よくも、よくも美佐ちゃんを泣かせたな!」
しゃがんで泣く美佐の横に立つ斉藤団長がダンテ伯爵に向かって叫んだ。そして少年団支給の秘密武
器であるソードステッキを抜き払った。
「うおおおっ!」
斉藤団長は叫びながらダンテ伯爵に向かって突進した。ソードステッキの刃が地獄の業火に照らし出さ
れてギラリと光った。
ダンテ伯爵笑った。笑いながら黒マントをヒラリと翻すと軽やかに宙を舞った。そして硫黄の噴煙を噴
出する溶岩石の上を跳ね回って避けた。
「はははっ!斉藤団長よ!そんな程度の攻撃で私が倒せると思ったのかね!」
「く、くそ〜!」
斉藤団長は尚もダンテ伯爵に向かってゆく。
…それを後ろから渡辺少年は薄笑いを浮かべて眺めた。
(もうすぐだよ斉藤くん。ボクがキミ達のお弁当に密かに盛った睡眠薬が効いてくるのは…)
渡辺少年は斉藤団長が倒れるのを今か今かと待った。…そう、渡辺少年は裏切り者なのだ。
…美佐に対する歪んだ情欲をもち美佐のヌードを想像しながら毎晩のように覚えたてのオナニーに励ん
でいた渡辺少年のもとへある日、ダンテ伯爵が訪れた。
「…俺こと地獄の変態ダンテ伯爵に協力してくれれば、お前に愛しの美佐をくれてやろう…」
ダンテ伯爵は渡辺少年にそう申し出た。オナニー途中の勃起したペニスを右手で握りながら渡辺少年は悩んだ。
(…ダンテ伯爵はこの世を破滅させようと企む人類史上最高の極悪人だ。しかし、俺はどうしても美佐をこの
腕で抱きたい!…)
苦悶する渡辺少年を微笑みながら見下ろすダンテ伯爵。
「少年団を裏切り、俺こと地獄の変態ダンテ伯爵に協力すれば地獄の変態軍団に迎えてやる。そうすれば、この
世が崩壊した後の新世界において支配者の一員になれるぞ!」
ダンテ伯爵は渡辺少年に囁いた。このまま少年探偵団にいてもずっとうだつの上がらない生活を続けていかなけ
ればならない、そう渡辺少年は想像して絶望感を覚えた。
(…このままずっと虐げられる生活を続けるくらいなら、いっそのこと…)
そして渡辺少年は悪魔に魂を売ったのだった。
パクリ屋残飯
509 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/10(火) 13:12:24
(3/8)
「…う、うぐっ!」
急に斉藤団長がよろめいた。
「ど、どうしたのダーリン!」
美佐は叫んだ。
美佐の言った”ダーリン”という言葉に渡辺少年の嫉妬心が思わず疼いた。しかし
(…これが成功すれば美佐を小林の野郎から奪い取れる…)
そう思うと耐えられた。そして回りのメンバー達と一緒に心配するフリを続けた。すると
周りのメンバー達も徐々に薬が回ってきたらしく、次々によろめき膝をついた。
(…やったぜ!…)
思わず渡辺少年は心の中で叫んだ。一瞬ダンテ伯爵の方を見た。ダンテ伯爵は良くやった、
という感じで笑い顔を浮かべている。渡辺少年は微笑み返した。
(そう、これで美佐は俺の女だ!)
少年団員のみんなが意識を失って倒れる中で、渡辺少年は喜びのあまり遂に声を出して笑い出した。
…美佐は暗い部屋の中で目を覚ました。床も壁も天井も重い巨石で作られた部屋だった。
(どこ、ここは?まさか私達、捕まって閉じ込められたのかしら…?)
美佐は思った。そして不安になった。周りのみんなが居ない!それに…
「斉藤君、どこ!どこにいるの!」
「…斉藤は死んだよ」
いきなり背後から声を掛けられた。驚いた美佐は反射的に向かい合う壁際まで飛び跳ねて逃げた。
そして声のする方に向き直った。
「誰!そこにいるのは誰よ!」
美佐は叫んだ。その声は恐怖に震え上ずっている。窓から差し込む地獄の月明かりが独房を照らし
出す。そしてその明かりの向こうにある部屋の四隅の暗がりになにやら人影が蠢くのを認めた。
「誰よ!出てきなさいよ!」
美佐は叫ぶ。すると今まで座っていたその人影はゆっくりと立ち上がった。そしてゆっくりとした
足取りで美佐のいる方へと歩みだす。そして窓の月明かりに照らされる独房の中央の辺りで立ち止
まった。
…渡辺少年だった。
510 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/10(火) 13:13:29
(4/8)
「わ、渡辺君じゃない。どうしてあなたがここに?…そ、それよりも斉藤君が死んだってどういう
ことよ!」
しかし渡辺少年はその質問に答えず無言だった。その顔にいやらしい笑顔を浮かべている。そして
血走った目が美佐の肉体を嘗め回すように動いた。
「…な、なによ渡辺君。ど、どうしたのよ。…な、なんのつもりなの?」
不審をおぼえた美佐は壁に背中がつくまで後ずさった。一方渡辺君は美佐の身体を無遠慮に見なが
らさらに歩みる。
そして今まで陰になって見えなかった渡辺少年の下半身が月明かりの中に現れた…その下半身は丸
裸で、股間から勃起したペニスが隆々と突き立っていた。
「ひっ!きゃあー!」
美佐は叫んだ。叫んで壁際にへたり込んでしまった。逃げようと尻込みしたが、狭い監獄のなかで
直ぐに逃げ場を失ってしまう。歩み寄る渡辺少年は遂に、美佐の手首を掴んだ。
「ほら、美佐ちゃん見てごらんよボクのちんちん。凄いでしょ」
渡辺少年は自分のペニスを右手で握ると、美佐の前に突き出すように向けた。驚きと恐怖のあまり
声も出せない美佐は、何とか視線を逸らそうとする。しかし渡辺少年は左手で美佐の横面を掴むと
強引に自分のペニスの方へ美佐の顔を向かせた。
「ボクねえ、美佐ちゃん。勉強も運動も苦手だし、みてくれもこんなで女の子にはさっぱり人気は
無いんだけど…少年団の仲間の中で一番おちんちんが大きかったんだよ、美佐ちゃん見てごらん?
…ほら、見るんだよっ!」
渡辺少年は怒鳴った。美佐は悲鳴を上げる。そして振り絞るように言った。
「き、気持ち悪いわっ!ち、近寄らないでよ変態!あ、あんたなんか斉藤君に比べたら全然よ!」
叫ぶ美佐の表情を見下ろしながら、渡辺少年は微笑んだ。そして静かな口調で言った。
「…だから、斉藤はもう死んだって言ったじゃん、美佐ちゃん。それよりも早くセックスしようよ。
多分斉藤団長より俺のちんこのほうがいいって思うようになるよ…」
511 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/10(火) 13:14:25
(5/8)
そういうと渡辺少年は、嫌がる美佐に圧し掛かった。そして嫌がる美佐を体全体で押さえつ
けて上着を剥ぎ、スカートをまくった。抵抗して暴れる美佐の太ももが、渡辺少年の勃起し
たチンコに当たる。亀頭の表皮はそのたびに太ももの滑らかな肌の感触を感じ取った。…渡
辺少年は射精しそうなくらいの快感を覚えた。
(…遂に美佐とエッチが出来るぜ…)
渡辺少年は笑った。泣きながら抵抗する美佐を押さえつけながらゲラゲラ笑った。
渡辺少年は美佐の股間をまさぐった。すると思わぬ感触が指先に伝わった。…毛糸?まさか
美佐は毛糸のパンツを履いているのか!渡辺少年は思わず美佐の顔を見た。恥ずかしそうに
顔を赤らめ美佐は目を背ける。そして美佐は暴れて抵抗しながら履き捨てるように言った。
「…わ、私は冷え性なの!も、文句あるの!それより止めなさいっ!パパに言いつけるからね!」
しかし既に毛糸のパンツの真ん中はしっとりと濡れてきていた。渡辺少年はさらに指先を毛糸のパ
ンツの上からしごく。すると必死の閉じようとしていた美佐の両モモが一瞬痙攣するように強張り
同時に
「ああっ!」
と鋭い喘ぎ声を上げた。
「美佐ちゃん…感じてるんだね」
「そ、そんなわけないでしょ!ふ、ふざけないで!…あっあうっ!」
渡辺少年の指先が毛糸のパンツの裾から中へ入り、とても敏感な溝を撫でると思わず美佐は喘いだ。
そして見る見るうちに抵抗する力が弱まった。
「ほらやっぱり。美佐ちゃんて結構エッチなんだね。」
渡辺少年がそう言って笑うと、美佐は悔しそうに顔を横に背けた。
「…美佐ちゃん。ほら、これを握ってごらん?」
渡辺少年は抵抗を止めた美佐に言った。そして美佐の右手首を掴むと自分のペニスまで運び、少し
強引に手の平を開かせると自分の巨根を握らせた。
「…えっ?」
美佐は一瞬、虚を突かれたように身を強張らせた。そしてもう一度渡辺少年のペニスを握り返した。
「こ、こんなに…こんなに大きい…」
「だから言ったろ。俺のチンチンは少年団で一番でかかったって。…しかもこれが、これから美佐
ちゃんのモノになるんだよ」
美佐は背けていた顔を起こし、渡辺少年の股間をまじまじと見つめた。
パクリ屋残飯
513 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/10(火) 13:15:21
(6/8)
(…信じられない!)
美佐は思った。密集する陰毛の中から、なにか別の生物であるかのような巨大な茎がそそり
立っていた。ちょっとした握りこぶしほどもある亀頭はパンパンに充血し、赤黒く鈍い光を
放っている。ゴツゴツと節くれだったパイプは、まるで古木の根のようだ。しかもその表面
にはグロテスクなほどに静脈が浮き上がり、渡辺少年が荒く息をするたびにビクンビクンと
脈打つ。そしてなおも怒張してゆくそれは握っている美佐の手に抗するように硬直して力ん
でゆく。…美佐は思わずその巨大な肉茎に魅入ってしまった。
「す、凄い…」
美佐は思わず生唾を飲み込んだ。そして思わず肉茎をギュッと力強く握ってしまった。
「そ、そんなに握ったら、もうガマンできなくなっちゃうよ美佐ちゃん」
渡辺少年が呻いた。美佐は思わず
「ご、ごめんなさい!」
と言って、掴んでいた右手を引っ込めた。
「美佐ちゃん。美佐ちゃんの大事なところも見せてよ。僕ばっかりでずるいよ…」
渡辺少年の言葉に促され、美佐は恥ずかしそうに両モモを広げた。既に毛糸のパンツは剥ぎ
取られ下半身は丸裸だ。渡辺少年の好奇の目線に戸惑いながらも、美佐は自分の秘部を晒した。
…生々しいピンク色の秘肉が月明かりの中に晒された。うっすらと生え揃った恥毛には彼女
自身の愛液が滴って、輝きを放っている。
「き、綺麗だよ美佐ちゃん。凄いよ!」
渡辺少年は興奮するように叫ぶと、むしゃぶりつくように美佐の秘肉に舌を這わせた。
「ああっ!」
美佐は身体を捩って喘いだ。渡辺少年の舌が美佐の溝をさらい、美佐の身体の奥から溢れ出る
熱い液を掬い取る。舌先のざらつく感触が美佐の敏感な粘膜を苛め、益々美佐を昂ぶらせた。
ジュルジュルと粘液質の音が監獄内に響き、それを美佐の喘ぎがそれを掻き消す。
514 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/10(火) 13:19:26
パクリ屋残飯のパクリ終了
515 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/10(火) 13:22:49
(7/8)
渡辺少年の舌先が美佐の蜜壺の入り口辺りをなぞった。すでにグシュグシュに濡れた蜜壺は
さらに愛液を溢れさせて、遂には監獄の石床を濡らした。
「そろそろ良いかい?」
渡辺少年は美佐に言った。美佐は恥ずかしそうに顔を背けて目を瞑った。それを無言の了承
と理解した渡辺少年は、美佐の唇に自身の唇を重ね、一度微笑んだ。そして力なく両脚を広
げる美佐の腰を引き寄せると、一気に自身の巨根を美佐の蜜壺へ突入させた。
「ひ、ひぎいっ!」
挿入と同時に美佐は悲鳴を上げた。それと同時に背中を大きく逸らした。丸みを帯びた大きな
両乳房が重力に抗うように弾んだ。上向きの乳首が月明かりの中で渡辺少年の視界を過ぎる。
渡辺少年は美佐の子宮を思い切り突き上げながら、美佐のその乳首を口に含んだ。そしてそれ
を舌先で乱暴に転がす。
「ああっ!す、凄い、裂けちゃう!ああっ!」
美佐は狂ったように叫ぶ。そして渡辺少年に縋りついて自ら腰をグラインドさせた。渡辺少年
が奥深く突き進むほどに美佐の肉穴はギュウギュウ締め付けを増す。粘膜の熱い襞が渡辺少年
の巨根に絡みつき亀頭のカリの敏感な辺りをくすぐるように刺激した。
516 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/10(火) 13:23:41
(8/8)
「はあっ!凄いよ美佐ちゃん!…こ、こんなに凄いなんて思わなかったよ!」
渡辺少年は美佐の乳房をしゃぶりながら叫んだ。
腰を大きく振りかぶり、美佐の尻に向かって叩きつけるようにペニスを突き出す。床の上の美佐
はそのたびに甲高い叫びを上げる。…歓喜の叫びだった。何度目かの突き出しで美佐は絶頂に達
した。しかし渡辺少年はそれだけでは美佐を許さず、さらに敏感な粘膜を苛めた。
「ひぃっ!も、もう駄目ぇ!こ、壊れちゃうよっ!」
美佐は訴える。しかし同時に渡辺少年に抱きつくと両脚で渡辺少年の腰を締め付け、その巨根を
さらに奥へと誘う。滴る愛液、締め付ける括約筋、絡みつく蜜壺の襞、すでに子宮の奥壁にまで
到達した渡辺少年の亀頭は、さらにその奥壁さえも突き破ろうと暴れた。そしてそのころには渡
辺少年も限界だった。
「い、イクよ美佐ちゃん!もう、ボクも駄目だぁ…あうっ!」
一瞬渡辺少年は動きを止めた。そして前立腺のさらに奥辺りから、熱いモノが湧き上がるのを感
じた。尿道を伝ったそれは遂に尿道の先端から迸り、美佐の子宮の奥底に向かって思いっきり吐
き出された。
517 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/10(火) 13:25:38
李 敬宰(イ・キョンジェ 1954-)
高槻むくげの会、民族共生人権教育センターの代表。
「ただ、在日が日本国籍をとるということになると、天皇制の問題をどうするのか
という人がいますが、 外国人がたくさん日本国籍を取ったほうが、早く天皇制は
潰れると思います。というのは、この先もどんどん外国系市民が増えます。ある統
計では、100年後には5人の内3人が外国系になるといいます。そうなれば、日本で
大和民族がマイノリティーになるのです。だから、私はあと100年生きて、なんと
しても日本人を差別して死にたいです。これが夢です。そういう社会が来たら、
その時に天皇なんていうのは小数民族の酋長さんみたいなものになります。こうし
た素晴らしい戦術があるのに、それを、今の左派のように、日本国籍を取ったらダ
メだということをやっていたら、いつまでたっても天皇制は温存されたままではな
いですか。」
(2001年12月14日18時30分〜 京都YWCA 在日外国籍市民の参政権を考える連続講座)
※現在高槻むくげの会の該当ページでは、この部分は全て削除されている.
滋養強壮
残飯パクリ
ファイトー!復っかぁつ!
519 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/10(火) 17:47:11
みなありきたりすぎておはなしになりません
520 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/11(水) 06:26:56
521 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/14(土) 06:18:30
尾崎豊は神だと思っている。
12・3年ほど前のある日に友人と東京の某教団のサティアンで尾崎のフィルムライブを鑑賞してた時の話。
フィルムが切り替わり突然「戦いか!破滅か!」というテロップが流れ始めると、突然教祖様が入室してきた。
解脱者のつもりなのかなにやら経文らしきものをブツブツ唱えながら肥え太った豚のようないでたちで。
教祖が「尾崎ファンのキミ達!お前ら本当に自由か?」と言って、客席の尾崎ファン達を睥睨すると、
そばに侍っていた出家信者達が「尾崎は我らの同志!」「尾崎はアメリカが殺した!」と騒ぎ出し、
教祖は頷きながら尾崎ファンは選ばれた民だとか終末の時が迫ってるとか熱弁を振りはじめた。
サティアンに20人ほど居合わせた尾崎ファンの殆どが教祖に同調し身を打ち震わせ熱い涙を流していた。
教団が国家転覆を目指すカルトだと解った私達は騙されたことに気付き何とか逃げようと出口を探した。
そして教祖は「戦いか破滅か!」と今度は座禅を組みピョンピョン跳びはね経文を唱えながら宙に浮いた。
私と親友は天井から伸びるピアノ線に苦笑しつつセミナーを終え、黙って帰ろうとで出口を目指すと、
修行服姿の出家信者が前に立ち塞がり、ハングル交じりの言葉でマントラを唱えつつ
「今日はこのまま帰しません。入信して頂かないと。貴方の住所は分かってるんで逃げられませんよ」と。
あれには本当にびっくりした。
522 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/14(土) 06:19:46
尾崎豊は神だと思っている。
30数年ほど前のある日に友人と尾崎の地元の朝霞の公園で遊んでいた時の話。
親友と包茎ちんちんを晒しておしっこの飛距離を競っていると、むさ苦しい風体の中年男達が近づいてきた。
住宅街の公園にそぐわない汗臭い染みだらけの作業服の上下という場違いないでたちで。
中年男が「坊や達、俺のちんちんをしゃぶってくれないか」と言って、僕らの手を掴み押さえつけようとすると、
そばで野糞をしていた尾崎がズボンをずり上げつつ中年男達に「僕しゃぶる!」「僕の肛門も舌で拭って!」
と騒ぎ出し、 中年男達が大喜びして尾崎一人相手に4Pでくんずほぐれつ始めた。
公園の休憩所に他に13,4人ほど居合わせた中年男達までも相手にしお口と肛門でヌき全員をタップリ満足させた。
中年男達の半分がここのはってん場の常連だと解った尾崎は満面の笑みで口づけを交わしていた。
そして尾崎は「キミ達大丈夫?」と今度は我々に向き直り上気して赤ら顔の中年男達と公園を去り静かになった。
私と親友は尾崎のハードゲイぶりに興奮しつつオナニーを終え、中年男達を捕まえてもらおうと警察を呼ぶと、
エナメルレザーの短パン着用したアメリカンポリススタイルの警官達が公園の出口を指差し、
「今日は尾崎が連続14人抜きして疲れてますから。変わりに今度はキミ達が我々に奉仕してくださいね」と。
我々を羽交い絞めにしてズボンを引きずり下ろした。あれには本当にびっくりした。
523 :
きら☆:2007/04/20(金) 19:35:40
ザルツカヴィ、石造りの家が多い大きな町である。
夜にもかかわらず町の門には番兵がいて警備は厳重だ。
一行は民家の軒下を通って門から少し奥まった家のそばに潜んだ。
カーンカーン
音がする。
キラは民家の中を覗いた
「ミスリルを加工してる」
もう一軒隣の家も覗いた
「こっちもだよ」
ふと誰かがライアスの袖を引っ張った。
「おじさん達、よそ者でしょ?こんな所にいたら捕まっちゃうよ。パパがうちに来いってさ」
子供は2軒の民家の斜め奥にあるみすぼらしい家に一行を案内した。
「ようこそ!レジスタンスへ」
家の中では数人の荒くれ者が酒呑みをしていた。
524 :
きら☆:2007/04/20(金) 19:54:20
「あんたらアルフェスタから戦争を阻止しにきたスパイだろ?」
レジスタンスのリーダーらしき五十代くらいの男が聞く。
「なぜそう思う?」
ライアスが聞き返す。
漁師の男は語る
「俺はジャック、漁師なんだが夕方あんたらが小舟で来るのを見ちまったんだ。ミスリルを加工している家を見ただろ?この町は重税に耐えかねて戦争に加担する奴らが殆んどさ。」
「戦争?16年前に終結したはずだ」
ライアスは問いただす。
キラは退屈していた、何せ猫は人前では喋ってはいけないからだ。
一行はご馳走を振る舞われキラもやっとおこぼれにありつけた。
ケネスは石切の仕事をしているといういかつい若者とつるんで酒を酌み交わしている。
サイは疲れてエィミーにもたれかかっている。
ロイはサイの皿に食べ物を取ってやった。
ジャックは言う
「この町の城の君主、ガルフォードは戦後ずっと機会を待っていたのさ。始まるぜ、戦争が‥。
525 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/20(金) 20:31:08
キャラクター紹介
キラ(猫勇者、黄金の爪を装備して猫独特の戦いをする)
ライアス(16年前の戦争の英雄、大剣を怪力で自在に使いこなす)
サイ(弱視のためぼんやりとしか人や物が見えないが卓越した僧侶魔法を使う17才の修道士。沈着冷静な性格)
エィミー(自称サイの保護者、サイを愛している。魔法使いではたちの資産家のお嬢様。明るいじゃじゃ馬娘)
ケネス(エィミーの婚約者、女好きで軽い男に見られがちだが男気溢れる海商業の息子。レイピアで戦う)
ロイ「サイの兄、サイと離ればなれに育ったせいか弱視のサイに対して過保護になってしまう。鉱山職人で武器はハンマー。寡黙な青年)
526 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/22(日) 17:46:05
まあ、このレベルのキャラ設定しか出来ないんじゃ
プロは100%無理だな
某下読みより
>>526プロなんか全然目指してませんが某サイトではキャラクターは評価されていますが?
電撃文庫なんかよりか自分ではいいと思ってますから。
載せるんじゃなかった‥。
528 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/26(木) 16:52:34
電撃文庫やスニーカー文庫のどこがプロなんですか?
529 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/26(木) 18:15:35
530 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/26(木) 18:21:45
>>529テメーみたいな汚い野郎にサイトに入ってほしくない。
オジサンなんか面白く無い事でもあったの?
531 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/26(木) 18:32:53
>>529オジサンやっぱり面白くないことあったんじゃんWWWWw
397:名無し物書き@推敲中? :2007/04/26(木) 17:52:53 [sage]
ここもかw
みんな聞け
残飯とは何か?
残飯=ごはん管理人
作家でごはんというサイトでアク禁になった沖縄のオヤジが
何年もごはん管理人を誹謗中傷して回っていたんだよ
おれも残飯って何かわからなかったが
やっとわかってすっきりしたから書いておくよ
532 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/26(木) 18:35:13
>>529あいにく私は作家でごはんの管理人ができるような立派な人間じゃないんで
ってか文章でわかれよ。
オジサン乙
オジサン乙
作家でごはんアク禁乙
536 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/28(土) 08:37:41
>>527 「某サイトではキャラクターは評価されていますが?」
「某サイトではキャラクターは評価されていますが?」
「某サイトではキャラクターは評価されていますが?」
「某サイトではキャラクターは評価されていますが?」
「某サイトではキャラクターは評価されていますが?」
「某サイトではキャラクターは評価されていますが?」
「某サイトではキャラクターは評価されていますが?」
( ´,_ゝ`)プッ
537 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/28(土) 08:59:29
何かと思ったが……中2病って感じじゃね? ↓
525 :名無し物書き@推敲中?:2007/04/20(金) 20:31:08
キャラクター紹介
キラ(猫勇者、黄金の爪を装備して猫独特の戦いをする)
ライアス(16年前の戦争の英雄、大剣を怪力で自在に使いこなす)
サイ(弱視のためぼんやりとしか人や物が見えないが卓越した僧侶魔法を使う17才の修道士。沈着冷静な性格)
エィミー(自称サイの保護者、サイを愛している。魔法使いではたちの資産家のお嬢様。明るいじゃじゃ馬娘)
ケネス(エィミーの婚約者、女好きで軽い男に見られがちだが男気溢れる海商業の息子。レイピアで戦う)
ロイ「サイの兄、サイと離ればなれに育ったせいか弱視のサイに対して過保護になってしまう。鉱山職人で武器はハンマー。寡黙な青年)
それよりも
>>516のやつ、面白い
538 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/28(土) 15:58:16
妙なポルノ
つーか、そうやって二流RPGの説明書みたいにキャラクターの性格とか説明しちゃうのが痛い
本当に評価されるのは「冷静沈着」とか「明るいじゃじゃ馬」とかいう特性を
読むほうが自然に感じるようなキャラクター描写だと言うのに。
540 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/28(土) 18:46:07
>某サイトではキャラクターは評価されていますが?
はあ?
そうだね。評価される所でチヤホヤされてなよ、もう2chに来るな
としか言い様がない。マジで
542 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/28(土) 19:20:00
残飯にいさん、来た?
543 :
名無し物書き@推敲中?:2007/05/01(火) 11:06:30
まぁまぁ、下手でもいいよ。下手な人にこそ書いてほしいね。
うまい人も大歓迎だけど
544 :
圭一:2007/05/02(水) 07:34:51
はぁ〜?
別にスニーカー文庫も電撃文庫もプロじゃないだろ
特に後者は「萌え系」に頼りきってる感じで、ストーリーそのものはグダグダだろ?
ハッキリ言って、もう萌えを通り越してウザいんですが‥。
電撃もスニーカーも萌えキャラが出て来れば物語なんか適当でいいと思ってるだろ?
考えバレバレ‥もう飽きれて物も言えん‥
今度電撃文庫の人気タイトル3作品が映画やるだろ?
シャナ、キノはいいとして、なんで萌えと爆笑シーンしかいいとこ無しでストーリー駄目駄目のいぬかみ!
なんでこんな駄作がアニメ化や劇場化してるんだよ。
納得いかねェ‥
シャナも萌え系だが、糞いぬと違ってストーリーがしっかりしてて、萌え系に頼ってる感じがしない。
ぶっちゃけ糞いぬかみ!みたいなこういうキャラだけで中身のないラノベが最近増えてて、飽きれる‥
545 :
圭一:2007/05/02(水) 07:37:19
最近はファンタジー小説も萌えに頼ってる作品が多いんだよ‥
あえて作品名は出さないが‥
546 :
名無し物書き@推敲中?:2007/05/02(水) 23:47:12
しゃな
きの
この二つがさっぱりわからない
インド人の名前なのか?
電撃文庫に国籍はねーよw
ガキ向けの小説だから深く考えるな。
劇場三部作で一番中身がないのはキノだろ
シャナといぬかみは同じくらい
>>544 鳥の群れと一緒で、閉じた世界ではイジメと恋愛とヒッキーしか発生せぬし、
顧客の興味もそのどれかにしか行くまいよ。
ヒッキーとイジメではビジネス的に売れんから、恋愛に振るしかないんだろう。
「小説読んで擬似的に恋愛を体験している」とかいう評論はあるねえ。
まぁアレだ。
先がないと思っている人間には、冒険譚も悲哀も葛藤もミステリも通じねえ。
>>546 「灼眼のシャナ」「キノの旅」でググればWikipediaに当たる。
人種は知らん。
551 :
俺の小説ではないが:2007/05/03(木) 10:36:45
552 :
名無し物書き@推敲中?:2007/05/03(木) 18:47:42
553 :
名無し物書き@推敲中?:2007/05/03(木) 19:50:36
>>550 ググッたよ
覗いたよ
わかったよ
俺の趣味から10光年は離れてる世界だった
まあ、ファンタジーとは一生折り合えそうもない
ファンタジー小説よりファンタジーロック聴こうよ。
パイオニアはやっばりキャメルだな。
555 :
名無し物書き@推敲中?:2007/05/06(日) 12:50:40
安っぽい盛り上がりで中途半端に糞ガキ相手に搾取してきたものの
すでに行き詰ったファンタジーラノベ市場
崩壊へ向けて類似パロディーを延々と繰り返す
もともとロクに社会に出た事のないような連中が作って支えてきたため
化けの皮がはがれやすい
556 :
名無し物書き@推敲中?:2007/05/06(日) 13:29:33
始まり
榎本さんは、ちょとドキッとしたみたいだった。
―――そりゃそうだよな・・・突然告白されたんだから。
無言のまま、駅に入っていた。
そのとき、榎本さんが、座ったまま、俺のことを、抱きしめた。
そして、俺にしか聞こえないような声で、
「私も。」
――「私も」ってことは、つまり・・・榎本さんも、俺が、す、すき?まじかよ。やった。やった。
そう俺が思っている間に榎本さんが言った、
「やっとかなった。」
という声を聞いたものはいなかっただろう。
俺は無意識のままに榎本さん、いや、もう由紀恵と呼んでもいいだろう。由紀恵と手をつないで電車を降りていた。そして、そのまま、歩き始めた。
新たな愛が、また一つここに生まれた
557 :
名無し物書き@推敲中?:2007/05/06(日) 13:30:51
>>556 間違えた
本当の詩はこの下
↓
↓
↓
人は、人のことを愛し憎む動物だ
人は、自分のことを愛してほしくて
だれかのことを愛している
だれかを愛すことをやめたら
それは自分を愛すのをやめることと
同じことだ。
人は、自分のことを憎んでほしくなくて
自分を憎むだれかを憎む
だれかを憎むことをやめたら
それは自分が憎まれても良いというのと
同じことだ。
そして人は、愛すということをやめたら
憎むということをやめてしまう
憎むということをやめてしまったら
愛すということもやめてしまう。
愛すと憎む
まったく違う二つの言葉は
必ず一緒にいる。
人は、人のことを愛し憎む動物なのだから。
558 :
名無し物書き@推敲中?:2007/05/06(日) 13:32:09
すると榎本さんはいきなり全裸になった。
思わず見とれてしまう俺。
美しい素肌が眩しい。ああ、たまらない。
そして遂にパンティが下ろされた。
俺は驚愕した。
裸になった榎本さんの股間には、桁外れに巨大なチンコが隆々と勃起していたからだ。
「さあ、始めましょう。私のこと、愛してくれているんでしょ?」
559 :
オオバ ◆000o0WYhuo :2007/05/06(日) 13:32:57
えー、期待していますってことで、そろそろ寝る、おやすみ。
560 :
名無し物書き@推敲中?:2007/05/06(日) 13:35:28
俺はゴクリと生唾を飲み下した。
榎本さんの股間で悠然とそそり立つ肉棒の迫力に気圧されてしまったのだ。
「え、榎本さん…」
僕はオズオズと榎本さんに声を掛けた。
すると榎本さんは、俺の目を見ながらニヤリと笑う。
「さあ、あなたも服を脱いで。早く始めましょう」
僕は一瞬硬直した。緊張、期待と不安。それらが入り混じった複雑な感情。
そして遂に俺はうなずき、ゆっくりとブリーフを下ろし始めた
561 :
オオバ ◆000o0WYhuo :2007/05/06(日) 13:36:12
チンコついているなら考え直すと言いたいが、実物を見たい。
なんか俺が避けるためにバイとか言っていたのを思い出した。
562 :
オオバ ◆000o0WYhuo :2007/05/06(日) 13:38:10
始まるは終わりの始め。
わかれるのが怖いってか。
563 :
名無し物書き@推敲中?:2007/05/06(日) 13:38:19
「ねえ、私の前にひざまずいて」
榎本さんは冷厳とした口調で俺に命じた。
俺は引き寄せられるように榎本さんの前でひざまずく。
目の前には巨大なペニス。
雄に20センチはありそうな、今まで見たことも無いようなサイズだ。
こ、これが俺の中で大暴れするのか・・・たまらないぜ!
俺はまだ見ぬ快楽に、激しい興奮を覚えた。
564 :
オオバ ◆000o0WYhuo :2007/05/06(日) 13:41:02
人間性はそれで問題ないから。
565 :
オオバ ◆000o0WYhuo :2007/05/06(日) 14:00:43
つうか俺本当にホモだと思われてるのかな。
あれ実は身をはった壮大なネタなんだけど。
566 :
オオバ ◆000o0WYhuo :2007/05/06(日) 14:04:46
では何故今まで女が近くにいても行かなかったのかと思うかもしれない。
それなりに自分が自分勝手な性分だとわかっていたし、
たぶんそんな自分はずっとは合わせられないだろうなと思っていたので
突撃することができなかった。
567 :
オオバ ◇000o0WYhuo:2007/05/06(日) 15:08:54
連投スマソ
568 :
”管理”人:2007/05/06(日) 15:09:27
あーあー
570 :
名無し物書き@推敲中?:2007/05/11(金) 18:20:35
脳内電波ファンタジー世界では
俺様は巨大な回虫で、尻尾の先の毒針から紫色の毒液を噴射してコクゾウムシを捕まえて食べるんだ。
571 :
名無し物書き@推敲中?:2007/08/10(金) 16:39:04
あげ
「王様!ヤマトの船が軍勢を率いてキー半島を陸沿いに北上しているとの報告です!!」
三十半ばのゼペルトバーグ騎士団長ラティエル・クルバインが王の間の扉を両手で思いきり開く。身長が2メートル近くある大男だ。
「うむ!いよいよ決戦の時だな。城や市街は厳重に守りを固め野営地の用意をせよ!!」
王の言葉に「はっ!」と返事を返すと廊下に出たラティエルに続き騎士達のざわめく声や足音が聞こえ場内は騒然とした。
「いよいよですな、我々はどうすれば?」
ライアスの言葉にアルファ王は「それなんだが、諸君らには各々の持ち場で活躍してほしい。野営地にて作戦会議を開く、世は後で駆けつける。」
573 :
名無し物書き@推敲中?:2007/11/08(木) 13:00:16
>>572 漢字の間違いに気づいたアルファ王はあわてて言い直した。
「余は後で駆けつける」
しかしライアスの姿はもうどこにも見えなかった。
575 :
名無し物書き@推敲中?:2007/11/12(月) 14:31:56
お前の手口は全て知っている。
お前にしてみれば俺から逃げたい一心で
ありったけの想像力を振り絞ったんだろうがこんなド過疎掲示板で
いくら細工してもムダだ
第一お前には時間の「概念が無い」(←意味不明だろうなあ)
だからバレる
>>575 読ませてもらいました。
私も初心者だし、小説について多くを知っている訳ではないのですが、ちょっと言わせてもらいます。
まずはじめの文。『小高い丘があった』ではなく、『小高い丘がある』にすべきかと。
一人称形式で書かれているので、ここで過去形にしてしまうとよく解らないことになります。
……。
ひとつひとつ細かく言うのはあとにして、全体的な印象から述べさせてもらいましょう。
私の意見ですので、スルーしてしまってかまいません。
会話文のあとは改行をして欲しいです。
文の中に入りすぎていてごちゃごちゃしているように感じます。
選挙制度において、それが始まったばかりの日本とほとんど同じ状態であるというのは……。
これがあとの方で何か使われるのなら別だけれど、そうでないなら選挙制度の説明のところだけはいらない気がします。
今こんな感じで。
まだ見ていますか?
出来れば話がしたいので、出てきてくれませんか?
578 :
名無し物書き@推敲中?:2007/11/18(日) 20:09:16
あげさせてください。
>>575氏と話がしたいのです。
ここはスルーして欲しくなかったです。
話をさせて下さい。
>>575氏。
よろしくです。
579 :
575:2007/11/18(日) 20:34:06
>>578 578です。何か問題でもありましたでしょうか?
580 :
575:2007/11/18(日) 20:35:22
訂正 578です。→575です。
581 :
☆バキューン!☆:2007/11/18(日) 20:36:35
残飯は異常な訂正癖www
582 :
名無し物書き@推敲中?:2007/11/18(日) 20:53:23
>>580 問題があると言いますか、細かくあげると大変そうだったので、
出来れば会話形式で話を進められたらいいなと思って呼ばせてもらった次第です。
何か、変な気分なので、確認させて下さい。
貴方はここのスレッドで小説の推敲をお願いした。
そうですよね。
それで私がそれをやろうとしているところです。稚拙ですが。
状況説明はここで終わります。
早速本題に。
まず、重複表現には気をつけるべきです。
『彼女は熱いキスを交わした僥倖、そしてその思いがけない幸福の余韻を押さえつけ真顔に戻り言った』
僥倖の意味が思いがけない幸いであるので、ここでは
『彼女は熱いキスを交わした僥倖の余韻を押さえつけ』
などとするべきだと思います。
次に『「何だ、君か」と僕はぶっきらぼうに答え』について。
ここでぶっきらぼうに答えるのはどうかと。
「何だ、君か」と言ったとき『僕』は安心したと思うのです。
そしてそのあとの『僕』の言動を見ると、『君』が来たことを全く憂いていないので
『ぶっきらぼう』はいらないと思います。
とりあえず。
583 :
575:2007/11/18(日) 21:01:47
>>582 推敲して頂いてありがとうございます。
今後の参考とさせて頂きます。
584 :
名無し物書き@推敲中?:2007/12/11(火) 18:38:03
585 :
名無し物書き@推敲中?:2007/12/26(水) 15:02:00
昔々ある処に大そう美しい御姫様が居りました。
その御姫様を見た者は、「自分は知らぬ間に天上の楽園に迷い込んで、女神様の姿を目にして
いるのだろうか」と思ってしまうほど、御姫様の美しさには、何かこの世の者から掛け離れた
所がありました。「御姫様の父親は人間ではなく神様なのだ」と噂する人も居りました。
御姫様はただ美しいというだけでなく大そう賢い方でもありました。そのため、何か困った事や
争い事が起きると、人々は御姫様の処へ相談にやって来ました。御姫様はいつも見事に問題を
解決しましたので、しまいには「王様や他の大臣達よりも、御姫様の方が頼りになる」という人まで
出てくる始末でした。
御姫様の評判が高くなると、それを面白くないと思ったり、王様の地位を脅かす者だと思う人も現れる
様になりました。人々がこの御姫様ばかりを褒め称えるので、他の御姫様達の中にはそれを妬ましく思う
人も居りました。そういった人々は、王様にこの御姫様の事を悪く言ったり、あちこちに御姫様の悪い噂
を広めたりしました。当の御姫様は、周りの事など何も気にしていない様でしたが、王様の方は、そうは
行きませんでした。御姫様の悪い噂を聞くにつけ王様の心は乱れました。
そんな時遠く離れた土地に、恐ろしい魔物が現れたという知らせが、王様の下に届きました。
586 :
巫呪:2008/04/05(土) 07:27:47
遠乗りに出かけた兄が花を摘んで戻りました。
略奪もこの頃ではすっかり形骸化していて、相手方に事前に対価を支払い、騎獣に輿を置くといった具合なのですが、兄は文字通り目についた花を無造作に手折ったのでした。
それは廿をいくつかすぎた巫で、まだ十二分に美しいのですが、まったく口をきかず、また満足に歩くこともしませんでした。
のどを焼かれ、足の腱を断たれていたのです。
私はどんな罪人を掠めてきたのかと詰め寄りましたが、兄は神殿で見かけたのだと言うばかり、花を着飾らせて楽器など奏でさせるのでした。
女巫であれば私も目くじらを立てたでしょうがが、花は二重に機能を失った男巫であったので、忙しさもあり放っておきました。
神殿からは巫を返せと幾度も使者を寄越しましたが、兄は充分な対価を置いてきたのだからと譲りません。
私は昼日中から花と戯れる兄に代わって執務をこなしました。
花は、あと数年保つでしょう。
その間に、私はゆっくりと兄王を追い落とせばいいのです。
満願成就の暁には、花の目を潰して神殿に返しましょう。
巫の呪力とは、そうして強まっていくものなのです。
587 :
名無し物書き@推敲中?:2008/06/15(日) 00:13:52
age
昔、チンピョロ=スポーンという男がいて、
彼は、生まれて生きて死にました。
メラとは空気中の分子運動を加速させるという物理現象的操作ではなく
魔波を幾重にも練りあわせて熱力場を展開する呪法だ。
魔物は右手の筋肉、骨、細胞を隅々まで頭に思い描き、
手の根元から指先まで魔波を展開、幾重にも練り合わせていく。
人族が迫っていた、生い茂るブッシュを掻き分け、全力でこちらに走ってくる。
その顔には鬼が宿っていた(魔族が人族に鬼を見るとはなんという皮肉だろう)
私を殺し、村を蹂躙し、娘を犯して楽しみ、略奪で得た金で明日から遊んでくらすという寸法なのだ、
必死にもなるだろうが、まったく気に入らない。
人族は間近に迫っていた、魔波はまだ十分に練りあわされていない、これでは
奴の鎧ごと打ち抜くことはできないだろう。
だからといって逃げ出せば殺されるだけだ。
(いいだろうサラ、決断の時だぜ)
人族をギリギリまでひきつける、前方2メートル、魔波の練成は間に合わない。
悪魔が宿るといわれるウルグジス族の左腕を硬質化さらに魔気を質量に変換し
硬質の爪、甲を作り上げる。
「くぉっ!」
人族の打ち下ろし、一息に迫る大振りの剣を左腕で左へなぎ払い慣性を利用して
そのまま左後ろ回し蹴り。たっぷりと勢いのついた蹴りがゴキンと小気味のいい音をたて男のわき腹を抉る。
男は足を地面にめり込ませたが、奴の鎧はその衝撃をすべて受け止めていた。
「ぶるあっ!!」
逆袈裟からの剣閃、体を後ろにそらしてかわし、ついで男の蹴りが襲い掛かる。
「しっ!」
魔波を練る右腕を軸に男の足に手をついたまま回避、人族は不自然な姿勢のまま
上段の剣を振り下ろしてきた。
(なんといい鎧と剣を揃えてきたものだな!)
男の足につけたままの右腕の筋肉がメシメシ唸り、持ち上げた体で後方に飛び上がりこれを回避。
サラは初撃奴の剣をへし折るつもりで左腕で受け止めたし、
回し蹴りをした左足には魔気をみなぎらせて500kgの質量を力場を展開しながら叩き込んだのだ。
(くそが!ミスリル銀を使ってやがる)
魔気で装甲した左腕なら普通の鎧などチーズのように引き裂ける。
滞空しながら見る限り、奴の鎧の左腹は大きくへこんではいるもののの、
骨折はしていないようだし、内臓がつぶれてさえもいないのは明らかだった。
ミスリル銀は極めて高い対刃性、対衝撃性、対魔気性を持っているので
この武具を持つものとの戦いはそこらの凡百の剣士や魔物や地獄者との戦いがお遊戯のように思えてしまうほどになる。
(どうりで誰が行っても殺されているわけだ。ドワーフだったら構成分解してなんとかするんだろうが、あの格闘術はそれでもきついぜ)
おまけにミスリルは羽のように軽いのだ!鎧と剣の重さが0(魔波で質量があるので始末に負えない!)の剣士とどう戦えというのか!
男はうっすら笑っていた、こちらは滞空して身動きがとれない、
手には投げクナイが六本(しかも破邪石でできているではないか!)
着地まであとたっぷり五秒はある。右腕の魔波は練りあがりつつあったが
破邪石の投げナイフを受ければ即死しかねない。
(なるほどどこで手に入れたのかはしらんが、ミスリルの剣と鎧で手当たりしだい稼いで回っているのか。さぞ気分のいいことだろうぜ!)
装甲した左腕で投げクナイ三本はしのげるだろうが、あとの三本はどうなるかわからない、
強靭な魔族の肉体とは言え破邪石が脳や内臓を貫けば死は免れないだろう。
男が剣を地面に突き刺し、アンダースローに二本投げ放つ。
高速のクナイが二本。奴はもう既に二本の投擲体制に入っていた。
ヒュォッ!ヒュォッ!
「くそったれが!」
一本目。心臓に突き立とうとするクナイを左腕でかばう。装甲がひび割れ、破邪気の激痛に顔がゆがむ。
二本目が右腹を軽く抉る。これもひどい激痛だった。
魔族が破邪石を体で受け止めることは人族にとっては大きなショックだろうが、男は無表情に三度目の投擲体制に入る、
三、四本目のクナイは既に間近に迫っていた。
そのときサラの時間は一瞬が永遠に引き延ばされていた。
体をひねって斜め回転した。体の位置がズレ、三本目が脇の間を抜ける、
「がぁっ!!」
四本目は左腕に突き立っていた。これも装甲化した左腕を貫通せず、破邪気が体を駆け抜けズタズタに引き裂く。
(これは、死んだか)
彼は自らの死の匂いを嗅ぎ取っていた、そしてそれはこの先の村の運命でもある。
家畜や家財は奪われるだろう、男は殺される、女は美しいものはきっちり犯されてから殺される(女達はそのときばかりは自身を呪うだろう)
子供達も男どもが殺されたっぷり恐怖を味わったあとに殺されるだろう、それがどうした?
自分になんの損失があろうか?魔族と人族の間に一体何の感情があろう?
私は魔族だった。そして彼らは人族だ。人族のことは人族がけりをつけるのだ。
私はなぜこの男を殺そうとするのか、村を守ろうとするのか。
よくわからなかった。気の迷いかもしれないな、何かを守ることで愛を求めてみたかったのかもしれない。
居心地がよかったな、この村の連中は居心地がよかった、いや、それすらどうなのか。
逡巡の後、最後の投擲が行われていないことに気づいた。男は投擲を行っていないのだ。
イライラしてやった、反省してるようなしてないような。
ぽぺえん ぽぺえん
age
595 :
名無し物書き@推敲中?:2008/08/25(月) 21:31:15
投稿サイトに出した短編を、手直しして投稿しようかと思ってます。
なんか感想あったら宜しく。文章や言葉がおかしい所あれば指摘なんかも。
ただ酷評は勘弁して下さい。
では書き上げたらまた書き込みます。
創作発表板が出来たみたいなのでそっちに書き込みますね
597 :
小説家志望 ◆t0cg76M06k :2008/09/27(土) 20:46:18
小説 夏の夜行列車
ガタンゴトンッ。揺れる列車。
私はそこにいた。なぜ乗っているかなんてわからない。
出発時間が過ぎたから列車は急に走り出しただけ。
当然チケットなんてもっていない。
どうするかはこれから考えよう。と納得する。
”本日は当寝台列車をご利用いただきありがとうございます”
車内アナウンスが響く。
”お手持ちの乗車券をお確かめの上、ご利用ください”
ドキっとした。
蝉がないている。このまま行けばもしかしたら…。
時は4ヶ月前に遡る。私は地元の高校に進学し、地元の
大学に合格し、地元の企業に就職し、地元の墓に入る。
そんな平凡な未来を想像していたのだ。
中学を卒業した私は、柚木に別れを告げなかった。
高校は同じだと思っていたのだ。
「東京に行く」
そう柚木が切り出したとき、何の冗談かと思ったが、
今になってみればその信念は固く、専門学校に通う
彼女は私には遠い存在になった。
続く
598 :
小説家志望 ◆t0cg76M06k :2008/09/27(土) 20:51:43
続き
「どうして東京に?」
私は不思議でしかたなかったのだ。
この自然溢れる山道に、穏やかでのんびりとした生活、
なんにも不安のない日常を捨てて、彼女は東京に
行くといったのだから。
私は中学のアルバムを漁った。柚木が東京に行きたいと
いう原因を探るためだ。
メモが見つかった。
柚木と一緒に埋めた未来へのカプセルのメモだ。
”10年後発掘しよう”
そのメモはカプセルを風化させないためのものだった。
私はそのメモのおかげでカプセルの存在を思い出した。
掘り起こしてみよう。
思い立った私は中学の校庭の裏の山の茂みの三番目の木の下を
掘りに行くのだった。
599 :
小説家志望 ◆t0cg76M06k :2008/09/27(土) 20:56:19
続き
私はメモの通りにそこへ向かった。
向かううちに当時の柚木の笑顔が回想された。
午後、掘り返す作業を開始する。私は
スコップ片手に必死にあのカプセルを探す。
手ごたえが見つかったかと思えば、必死にその場所を
ある程度掘り返したと思えば、何もなく、結果違う場所を
その作業が幾度となく続いた。
しかし…。
カプセルはなかった。土砂崩れが起こったわけでもなく、
土の重みにたえきれず潰れてしまったわけでもなく、
柚木が持ち出していたのだった。
”勝手に持ち出してごめんね”そう書かれたメモがそこに残っていた。
私は柚木の行方を捜すことにした。
600 :
小説家志望 ◆t0cg76M06k :2008/09/27(土) 20:57:10
今日のところはこの辺で
続きは明日投稿します。
ではノシ
601 :
名無し物書き@推敲中?:2008/10/01(水) 23:24:04
〜
>>591 相当良い。
あとは話の中身がどんだけ面白いかだな。
602 :
名無し物書き@推敲中?:2008/10/05(日) 10:35:44
>>589ー
>>591 が同じ人?うまいね。
文章の流れもいいし、文体も読みやすい。続き読みたいな。こういう話好きだ。
603 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/15(土) 22:52:37
某所に投稿中のものを投下いたします。
よろしければお付き合いくださいませ
とりあえず第一話ぶんを一気に。w
時空と滅びを司る邪神、その邪なる力ゆえに賢者に封印されん。
邪神を封じ込めし鍵は、5つの石。水・風・土・火・闇の5大属性の魔の力秘めしモノ。
封印解き放たれし時、時空の扉は開かれる。
封印解除せし者、邪神と同等の、時空を支配する力と全てを滅する力を得るであろう。
人としての心身と引き換えに。
最後の1行を見ないまま。
男は、動いた。
己が野望の為に。
Tales of Moment
604 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/15(土) 22:54:24
物語は、水の属性を資本とする辺境の島・キュア。
そのはずれの、小さな村から始まる……。
< 辺境:キュア 清流の村:リヴェイル >
澄んだ風が、彼の橙色を帯びた赤毛の髪をなびかせる。
澄んだ水は、彼の紅玉の瞳を一点の曇りもなく映す。
「……ふう」
古びた石造の橋に腰掛け、フラム・バーンズはひとつ息をついた。
理由は、『退屈』。
辺境と称されるこの国の人口は、そう多くない。その更に奥まった場所である村で見かけるのは、子供と老人ばかり。若者たちは、ほとんどキュアの首都(そう言うほど大きな町ではないが)や外の世界へ出稼ぎに行ったきり帰ってこないのだそうだ。
そんな場所だからこそ、人々は外の世界の情報には疎かった。
そして暇つぶしをしようにも、18歳の青年が楽しめるような場所はないし、周辺に生息している魔物も大して強くはない。
「……参ったな。ろくな情報がない」
そんな理由から、フラムは途方にくれていた。
605 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/15(土) 22:55:26
村を隔てる美しい小川が奏でるせせらぎの音色も、あたりを駆け回る子供たちのはしゃぎ声も、気休めにすらならない。むしろ苛立ちが増す一方である。
……こんな退屈すぎる場所でぐずぐずしているのは、もう沢山だった。
彼には彼なりの目的があって……魔物だの帝国だので物騒なこの時代に、わざわざ腰に剣をぶら下げ、2年もかけて世界中を回っているのだから。
ふと、視線を村の外……緑色にうっそうと茂る森の奥、妙に場違いな真っ黒い建造物へと移した。
ここからでは見えないが、数日前あの建物の前を通りがかった。
機械で制御され、固く閉ざされた巨大な門と、乗り越えて脱走などとても出来そうにない、これまた巨大な塀。
時折、キュアに駐留している巡回の兵士が、こちらを警戒心以上のものを髣髴とさせる鋭い目つきで、ぎろりと睨み付けて来るのが妙に印象に残っていた。
……闇の島、帝国・ダルグ。
2年前、突然世界中に建てられた帝国の施設『留置所』。
606 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/15(土) 22:56:34
帝国の使者いわく、帝国本土での犯罪が急増し、本国だけでは対応しきれなくなった為……との事だったが、世界中の誰もが、帝国上層部の目論むそれ以上の目的に、薄々は感づいていた。
帝国の民……人呼んで『闇の民』は、選民思想の強い軍事国家に身をおく人々。自分たち『闇の民』が最も優れた血統である、という教えを頑なに信じ、他国の4つの国民になど、見向きもしないどころか見下す一方である。
そんな人々が、好き好んで他国の領土に建物を造るわけがない。
だからこそ、疑っている。
帝国だけではなく世界中を巻き込むかもしれない、巨大なものを抱えているのではないか、と。
「……帝国。2年前……」
607 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/15(土) 22:58:08
無意識に、手が首から下がったガラスのペンダントに伸びた。何度かの戦いの影響で、それにはところどころにうっすらとひびが入っている。が、フラムは肌身離さずそれを持ち歩いていた。廃棄するなど、考えたこともない。……それほど大事なものだから。
しんみりした気分を無理やり振り払い、フラムは立ち上がる。つま先に当たった小石が小さく放物線を描き、それは眼下の小川にぽちゃんと落ちた。
もう1日だけ、留まろう。それで何も進展がないようなら、この村を……否、この国を去ろうと決めて、フラムは歩き出した。
第一話、導入部分。とりあえずここまで
続きは明日書き込み予定です
608 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/15(土) 23:35:12
チーズのように
609 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/15(土) 23:47:13
があっ とうてき
ゲームのやりすぎ
610 :
Tales of Moment 第2話。:2008/11/16(日) 20:11:33
「……?」
宿屋へ向かう途中、入り口付近が騒がしいと思って、フラムは足を止めた。村人たちが集まり、何やらもめている。その中には、数日前村に到着した時に優しくしてくれたリヴェイル村長・ベリルの姿もあった。
好奇心から、そちらへ足を進める。人ごみを掻き分けるように、声のするほうへ進んだ。
「だから何度も言っているだろう。お前は村には入れないんだ!」
「お主が村にどんな影響を及ぼしたか……知らないはずはないじゃろう!」
老人や数少ない若者の、怒りに満ちた声があちこちから聞こえてくる。
「……分かっています!」
意外にも、反論したその声は、まだあどけなさの残る少女の声だった。
「でも……もう2年も前の話なのに……」
「時間がたてば忘れられるとでも思ったか! 愚か者!」
「……っ!」
出会ったときとはまるで正反対の、嫌悪感たっぷりの声で、容赦なくベリルは少女に怒声を浴びせる。少女がはっと息を呑む。
なんて嫌な会話だ。少なからず、不快感がフラムの心をちくりと刺した。
「ちょっと、通してくださ……っと」
611 :
Tales of Moment 第2話。:2008/11/16(日) 20:12:40
ようやく人ごみを抜け出したフラムの目に飛び込んで来たのは、自分とそう歳の離れていなさそうな、滝のように青く長い髪、そして蒼穹の瞳の少女だった。
片手に弓を持っているが、矢のほうはどこにも装備していない。村人たちの突き刺さるような嫌悪の視線に全身を射抜かれ、小柄な体が余計に小さく見えた。
一体何があったのか。成人すらしていない少女を寄ってたかって罵るなど、どうかしている。そう言ってやりたかったが、村人たちの言い分が真に正しいのだとしたら、よそ者である自分ではとても弁護しきれない。
とりあえず、この理不尽な状況だけでもどうにかしよう。そう思って、フラムは少女と村人たちの間に割って入るように立った。
「フラム殿! 邪魔をしないでいただきたいですな」
「……彼女は?」
「……ただの『追放者』ですよ」
追放者。ますますただ事ではない雰囲気だった。
「あ、あなたは……」
「ああ、気にするな。俺はこの村とは関係ない。見てのとおり、『火の民』だからな」
おずおずと顔を上げた少女に、ぎこちなくフラムは笑いかけ、自分の髪と目の色を示して見せた。
「とにかく、落ち着いて話を……、……!」
そう言ったフラムの声が途切れた。
はっとする彼の視線の先には……魔物。
612 :
Tales of Moment 第2話。:2008/11/16(日) 20:13:29
ここらではポピュラーな魔物、ウルフにリーフモスキートが1体ずつ。どちらも大した敵ではないが、今はまずかった。非戦闘員が大勢いる。そして更に……目の前の少女の背後で隠しようのない殺気を発しているにもかかわらず、彼女は魔物に気付いていない。
弓を持っていても経験がなければ……いや、そもそも肝心の矢を持っていないのであれば非戦闘員と同じだ。
舌打ちし、フラムは少女を村人たちのほうへ突き飛ばし、剣を抜いた。
「きゃっ!」
「下がってろ!」
悲鳴を上げよろけた少女に鋭く命じ、フラムは剣を構えた。手袋越しに、手首に力が満ちてゆくのを感じながら、いつものように集中する。
ごう、という轟音と共に、剣の刀身だけが赤々と燃え上がったのは、その瞬間だった。
「!!」
「これはッ!?」
村人たちの間にどよめきが走った。ごうごうと燃える剣の切っ先は、村人がいる場所までもとてつもない熱気を伝えていたが、フラム本人はその剣を熱がりもせずに平然と手にしていた。
「……行くぜ!」
叫び、地面を蹴った。戦意を感じた魔物たちが、咆哮する。
613 :
Tales of Moment 第2話。:2008/11/16(日) 20:14:30
まずは……厄介な、空を飛び回るリーフモスキートから。好都合なことに、それは無謀にもフラムの真正面に突っ込んできた。
「……はっ!!」
大きく剣を振り上げ、高熱を帯びたそれを思い切り、胴体部分に叩き付ける。キィ、とか細い断末魔をあげ、リーフモスキートは地面にぼとりと落ち、それきり動かなかった。
次はウルフ。走る速度を落とさず、そのまま剣を振りかぶる。
しばらく様子を疑っていたが、やがてウルフはこちらへ飛び掛ってきた。
急ブレーキをかけ、大きく……
「炎刀(フレイム・ブレイド)!」
剣を、振り上げる!
巨大な炎の一閃が、ウルフを容赦なくなぎ払う。大きく放物線を描き、ウルフの身体はぶすぶすと黒煙を上げながら崖の下へ落ちて行った。あの下は文字通りの奈落の底。生還はきっと叶わない。
勝利を確信し、ふうと息をつく。刀身の火が、しゅう、という音と共に沈下し、それを確認したフラムが剣を腰の鞘に収める。
「大丈夫か?」
そう言って笑いかけて見せたが、村人たちも少女も皆怯えたように黙り込んだままだった。
「……今のは……魔法!? 火属性の……!」
少女が上ずった声で言った。見開かれた蒼い瞳は、驚愕にいろどられている。
「大昔、賢者が邪神と戦った時に使ったとされる『魔法』……それを今、使える人……あなたは『魔法能力者』!?」
614 :
Tales of Moment 第2話。:2008/11/16(日) 20:15:19
「じろじろ見るな」
むっとしながらフラムは言う。
旅の先々で魔法は魔物相手に駆使してきた。驚かれるのは今に始まったことではないが……化け物扱いでもされているようで、気分の良いものではなかった。
幼い頃は、本当に化け物に近い扱いをされたこともあった。人々が遠ざかっていくのはこの力のせいだと思い、この力を疎んじたこともあった。
生まれ持ったこの力を、彼は薄々理解していた。今この時代、魔法を使えることは本来ならばあり得ない話であると。周りから見れば、自分は異形の力を持つ人の姿をした化け物に見えるのかもしれない。
だが、少なくとも今は、自分はそんな風には思っていない。
物心ついた頃から身体に備わったこの力を、今更捨てることは出来ない。今の自分の目的のためにも、自分の剣の威力を増幅してくれるこの力は、必要不可欠なもの。
そして、自分は化け物なんかじゃないと信じている。誰に何と言われようとも。
……だから。
この力を信じていられるうちは、この力を誇る。そう、決めたから。
「いちいち疑わなくても、確かに俺は能力者だ」
そんな思いを胸に、そうフラムは名乗って見せた。……相変わらず、村人たちは驚きを隠せない様子だったが。
やがて、ベリル村長が口を開いた。
「……出て行け」
「え?」
「出て行けと言っておるんじゃ! 長々と居座ってわしらの清き清流の村を汚しおって! 早く出て行かんか、悪魔めが!」
615 :
Tales of Moment 第2話。:2008/11/16(日) 20:16:46
「そうだそうだ!」
「出てけっ!」
「帰ってくるな!」
やがて、村人たちも火がついたように騒ぎ出した。
「お前もだ、ティア! その小僧と共にあの汚らしい樹海へ帰らんか! もう話すことはない!」
「……ッ」
少女の顔を鋭くにらみ付けて、ぴしゃりとベリルは言い放つ。ティアと呼ばれた少女が、悔しげに唇を噛んで俯いた。
やがて、顔を上げたティアは、フラムの手を引いて歩き出した。
「な……」
「来て。私の家……この先に、霧の樹海っていう樹海があるの。その中に私の家があるから」
「霧の樹海……って、このあたりじゃ有名な魔物の巣窟じゃないか! そんなところに住んでるのか?」
「村長が仰ってたでしょう?」
驚くフラムの顔を見ずに言うティア。前を向いたまま歩き続けているので表情は分からないが……その声は、驚くほど低く、冷たかった。
「私は『追放者』なの」
616 :
Tales of Moment 第2話。:2008/11/16(日) 20:18:00
「……!」
はっと、息を呑む。
彼女は、追放者。処分を受けたのは彼女の責任。例え魔物に喰われたとしても、村の人間には関係も責任も何もない。……そういう、事。
それを理解したフラムは、迷いなく歩き出した。
正直、あの村を発とうとしていたのは事実だったし、あの村人たちの本性を知ってしまった今では、例え実りがあったとしても留まりたくはなかったのも、フラムにとってはまた事実だ。
ふたりを見送る姿は、ない。
(……汚らわしいのは、どっちだか)
心の中でそう呟きながら、フラムはティアに導かれるままに歩き続ける。
遠くに、霧をまとった樹木が見えた。
第2話 糸冬。
主人公とヒロインが揃いましたよっと
次回更新は火曜を予定
617 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/16(日) 21:12:32
遠回しないいかたが多過ぎ↑
618 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/17(月) 15:03:04
vipよりましだが、もうそろそろ、目的と試練、敵と味方みたいな設定はやめたほうがいいぞ
>>603-607を書き終えたファンタジー作家志望のバカ・ヘイドレクはここで溜め息をついた。
橙色の赤毛とか紅玉の瞳なんて、もう中2病でも最近書かないようなキャラ設定。
相変わらずヘイドレクの脳味噌は中学生レベルからまるで進化していなかった。
しかし何と言ってもこいつはヘイドレクである
(※「ヘイドレク」とは、才能もないのに勘違いしてファンタジー作家を志望する人間の総称のこと)
イカ臭い自分の部屋に閉じこもり、パソコンに向かいながら、再び中2病ファンタジー世界に没頭し始める。
もちろん時折ご自慢の短小包茎ちんこを右手でグニグニといじくり回しながら。
================================================================================================
中京地域から見れば辺境といわれる三河エリアの人口は、まあまあそんなところだ。
奥まった場所で見かけるのは在日中国人や在日ブラジル人たちばかり。
若者達は夜な夜な国道沿いのコンビニやファミレスの駐車場に集い、夜な夜な改造バイクを乗り回し暴れていたのだ。
そんな場所だからこそ、トヨタ自動車とその関連企業は、労働者を奴隷として扱い搾取して儲けられたのだ。
派遣社員を解雇されたフラム・バーンズは、暇つぶしはおろか、明日の食事にも困窮する始末。
「……参ったな。ロクな仕事がない」
そんな理由から、フラム・バーンズは途方に暮れていた。
県境を隔てた産業通りを通る輸送用大型トラックの奏でるディーゼルエンジンの爆音も、
三河のド田舎ではしゃぐヤンキー連中の喚き散らす歓声も、フラム・バーンズにとっては遠い世界のことに思えた。
むしろ苛立ちが増す…あいつらは派遣拒否されてないのに、俺こと天才ファンタジー作家フラム・バーンズは首だぜ!
こんな世知辛いトヨタ城下町でぐずぐずしてるのは、もう沢山だった。
フラムにはフラムなりの目的があった…サブプライムローン問題だの円高不況だので物騒なこの時代に、
わざわざ懐に出刃包丁をしのばせ、経団連のお偉方(トヨタの相談役の奥田硯とかキャノンの御手洗とか)を、
延々逆恨みして付け狙っていたのだから。
ふと、視線を街の外…白と灰色に塗られた工場のラインが立ち並ぶ工場街の奥、妙に場違いな真っ黒い建造物に移した。
ここからでは見えないが数日前あの建物にフラムは立ち寄ったのだ。
……人材派遣会社・日研総業。
労働者はそこで数字で管理され、安普請の寮に幽閉され、ちょっと気を休めればただちに減給、派遣奴隷商人の館。
「雇用のセーフティーネット」との美辞麗句の下、実際は雇用市場における中間搾取利権でしかない派遣会社。
不況になればフラムのようにあっさりと解雇を言い渡されて何の保障もなくおっぽり出されるだけ。
(※ここまで書いてヘイドレクは、うんこを漏らしながら涙を流した)
闇の派遣…日研総業。
小泉構造改革によって、突如雨後の筍のように湧き出した派遣奴隷の周旋所。
日研総業曰く、日本はこれからグローバルな経済の中で生き残ってゆかねばならず、
雇用の流動性を齎し、速やかかつ機動的な労働者のコントロールの必要性のため、
もう終身雇用では立ち行かなくなってきた為…とのことだった。
が、フラムの様なファンタジー脳のバカは、経団連や清和会のその陰謀なんぞなんも知らんかった。
(※もちヘイドレクなんぞもそんなの知ることなく、阿呆みたいに才能の片鱗も見えないファンタジー小説を呑気に書いていた)
トヨタ城下町に集う関連会社の従業員や、仕事を求めて集った全国の労働者たち。
人呼んで「奴隷」たちは、グローバリズムと新自由主義思想の強い資本家連中の利益搾取政策のカモだ。
自由競争原理と、外需依存の産業体質こそ最も国を繁栄させる肝であるという思い込みを頑なに信じ込み、
中流階層の崩壊や、内需崩壊の危機なんぞ何処吹く風、ただの格安労働者くらいに見下す一方である。
そんな資本家優遇政策を推し進める経団連や自民党清和会連中などに、繁栄する日本など作るれるわけが無い。
と、新聞を時折読むんだりネットをエロ画像検索の合間に時折2ちゃんねる覗く程度で得られる知識でフラムはそう思いこんでいた。
だもんだから、こいつは勘違いしている。
>>603-607は自分のことを物凄い天才ファンタジー作家なんじゃないかと思い込んじゃっている。
そして今書き始めた
>>603-607の作品は、みんなに絶賛されて出版され、大ヒットとなるんじゃないかと。
何て幸せなヤツなんだフラム。そういうやつのことを中2病っていうんだよ。
「……帝国。二年前……(※三点リーダーの多様は中2病文学の特徴)」
無意識に、ポケットの中の解雇通告書を握り締めた。
何度も握り締めたそれは、ところどころ破れかけ、千切れかけている。
フラムはそれを肌身離さず持ち歩いていた。
この就職難の時代にようやく得られた仕事…解雇されても尚、その事実が受け入れられないように。
それほど仕事が大事だったのだ。
たとえ派遣でも、一応寮に入れて、搾取されまくっいたといえ給料も出たのだから。
絶望的な気分に沈み込みながら、フラムはフラフラと歩き始める。
道行く人たちが怪訝な目でフラムを見つめ、気持ち悪そうに彼を避ける。
――もう一日だけ、留まろう。それで仕事が見つからないようならば、俺が第二の革命家・加藤智大に…。
第一話、導入部を書き込んだヘイドレクは、ここで泣いた。
もうファンタジーを書く才能がない……そのことを知っているのに、それを受け入れられない自分がいるのだ。
>>603-607…キミのことだよ。
623 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/23(日) 20:35:42
『Tales of Moment (※何か良い感じのタイトルをつけようとして意味不明になっちゃったって感じは中2病)』
「……?(※中2病文学お得意の三点リーダー。ライトノベルくらいだなこういうのが通るのは)」
トイレに向かう途中、入り口付近が騒がしいと思ってフラムは足を止めた。解雇された労働者たちが集まり、何やらもめている。
その中には、数日前まで関東自動車工場でラインで一緒に働いていた中年派遣工、自分は村長だったと妄言を言うベリルの姿もあった。
もしかして救世軍バザーで炊き出しでもやっているんじゃないかなと思い、フラムは足を進める。
薄汚れた失業者たちの群れを掻き分けるように、声のする方に進んだ。
「だから何度も言っているでしょ。あなたたちには失業保険を受給できないのっ!」
若くて美しい、おそらく厚労省のキャリアで今は地方の社会保険事務所の署長をやっているインテリ美人が、
失業者たちをさも汚いものを見るかのように見下ろし、金切り声を上げている。
美人だけに、その通告の言い方がなおさらフラムにも堪えた。
「頼む、このままじゃ年を越せずに死んじゃうんだよ…何とかしてくれ!」
泣きながら失業保険の支給を訴える派遣解雇を受けた面々…フラムも良く考えたらその一人じゃないか。
624 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/23(日) 20:36:14
「文句があるなら日研総業とトヨタ各社に言ってくれ…ここ社保事務所へのクレームは筋違いだ!」
そういうなり、若くて美しいキャリアウーマン組の社保所長は扉を閉め、中のカーテンを下ろした。
そう、彼女こそこの物語のヒロインであり、そして今後一切フラムに関わらない美人・ティアさんだ。
この騒動の後、彼女は大学の同級生であり医学部の助教授になった男と結婚し、成城の一戸建てに引っ越す。
さらに厚労省で仕事を続け、女性キャリア組出身の審議官にまでなり、3人の子供を育てて76歳で大往生を遂げる。
その人生において、フラムとは一切関わることない。
そもそも主人公が唐突に美人のヒロインと邂逅してドラマが進むなんて、脳味噌腐ってんじゃねーの?
間もなく到着した機動隊が、騒動を起こした労働者たちを検挙し、豚小屋同然の留置所に放り込んだ。
その中に、哀れ我らが主人公、フラム・バーンズもいた。
警棒で一発殴られたフラムその場で昏倒し、糞尿を垂れ流したままの姿で護送車に投げ込まれたのだ。
第二話 終わり。
次回更新? 本気ですんの、お前?
625 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/23(日) 21:03:25
名前はヘイドレクにしとけよ
ややこしい
626 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/23(日) 21:39:45
この流れは前にあったヘイドレクのまんまじゃねーかよ!!
祝 ヘイドレク復活!!!!
627 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 01:27:02
「はっ!」とヘイドレクは目覚めた。そこは豊田警察署の署内にある留置所だった。
つい先頃まで自分はフラム・バーンズなる男前の勇者を名乗って冒険を繰り広げていたのだが。
一体どうしたことだろう、今は疲れ切った失業者の群れに囲まれたまま床に倒れ伏している。
「あ、あのう。ここは一体どこなんですか?」ヘイドレクはすぐ傍に座り込んでいる一人の青年に声を掛ける。
だが青年は無言のままだ。まるで呆けたような表情で留置場の壁を見つめ、ヘイドレクには答えない。
ヘイドレクはおずおずと、別の人間に声を掛ける。だが、誰もヘイドレクの質問に答えることなどなかった。
天井から裸電球が一つぶら下がるだけの、薄汚い留置場の中で、十人ほどの逮捕者が雑然と座っている。
皆無言だ。まるで絶望の淵に置かれているかのような表情のまま。
(どうして僕は今、こんなところにいるんだろう?さっきまで抜群の美少女とともに冒険の旅に赴いていたところだったのに?)
ヘイドレクも同じように呆けた表情で考え込んだ。最もヘイドレクは普段から呆けている人間なので、そんな状況でも普通と変わらなく見えたが。
折角フラムなるカッコイイ名前とカッコイイ風貌とカッコイイ運命を背負ったカッコイイファンタジー世界の英雄になったつもりだったのだが。
深まる秋の気配は、この狭苦しい留置場に冷たい風となって吹き込み、ヘイドレクも凍えそうだ。
彼もまた、周りの未決囚たちと同じように膝を抱えて座り込もうとする。
だが臭い。なんか物凄くうんこ臭いのだ。
何でだろう、と思って自分のズボンを見ると、ヘイドレクは自分が思い切りお漏らししていることを発見した。
「ああっ、僕の一張羅が!」ヘイドレクはズボンを指先でなぞりながら悲鳴を上げる。
「うるせえぞ、てめえ!」ヘイドレクに向かって誰かが怒鳴りつけた。
はっ、となって振り返ると、同房の未決囚たちがヘイドレクを睨みつけている。
皆荒んだような目つきで、今にも殴りかかってきそうな、そんな目付きだった。
「ご、ごめんなさいっ!」とヘイドレクは慌てて謝罪し、周りの邪魔にならないように房の隅の方に移った。
628 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 01:28:48
(なんか突然復活させられてるけど、一体どうしたことなんだろうな?それにいきなりムショにぶち込まれるなんて?)
ヘイドレクは壁を見つめながら考えた。正確に言えばムショではなく、ここは未決囚が入れられる警察署の留置所なのだが。
傍にある共用便器の陰から、丸々と太った一匹のゴキブリが姿をあらわす。ヘイドレクはゴキブリが苦手なため、少し体を除けた。
ゴキブリは触覚をヒクヒクと振りながら房の床を足早に走り、誰かが吐いたゲロにたどり着くと、クラムチャウダーのようなその残飯に喰らいついた。
するとまた別のゴキブリが数匹、やはり便器の陰から姿を現し、同じくゲロのところに這ってゆく。汚らしいったらありゃしない。
留置場の廊下からは、警官達に殴りつけられながら房に放り込まれる逮捕者たちの悲鳴が響いてくる。
そういえば先ほど凄い美人の労働基準監督署の署長さんに、みんなで詰め寄っていたのを思い出した。
彼らはあの暴動事件で逮捕され、それでここに集められたんだな、とヘイドレクは悟った。
ちょうどそのころ、気持ち悪い失業者の群れににじり寄られた労働基準監督署の美女、ティアは、警察に対して被害届を提出していた。
罪状は複数だが、その中には強姦未遂罪も並んでいる。なんとそこの加害者の欄には、ヘイドレクの名前が書かれていた。
そんなことも知らないヘイドレクは、留置場で出された豚のえさのような臭い飯を美味しそうに咀嚼していた。
久しぶりの暖かなご飯だ。腐りかけのキャベツの芯や他の野菜屑、それとドロドロに解けた合成ハムを口に頬張りながら、ヘイドレクは空腹を満たした。
これから起こる凄まじい悲劇など、このときのヘイドレクには予想もつかなかった。
ああ、哀れなりヘイドレク!
お前に永遠の平安はいつ、訪れるのか?
629 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 01:33:52
>>625 名前は今までどおりヘイドレクにして書き込みました。
一方でフラム・バーンズという名前のあまりの痛々しさも捨てがたいので、併用して使って行きたいと思っている所存です。
630 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 01:42:26
で、アナルはいつ掘られるんですか?
631 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 02:29:06
「で、アナルはいつ掘られるんですか?」というくだらない質問をした
>>630。
そんな愚かな
>>630に対して過酷な罰が下されることが決定した。
では、過酷な罰を書き込んでやってください。
みなさん得意でしょ?
632 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 04:48:13
まあね
今回もリレー小説形式なんか?
だけどスレの容量はあと120KBくらいだぜ
持たないとおもうけど
634 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 07:35:22
さあ、逝くざますよ
635 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 08:41:13
先ず
>>630の処刑についてだが、その手続きは今現在、大変手間取ってしまっていることをご報告申し上げておく。
とにかく急にヘイドレクが復活したので、ヘイドレク委員会の委員たちは大慌てなのだ。
通常、復活の際に開かれるはずの準備委員会もなしに、いきなり本会議場に召集を掛けられた委員たちも困惑気味だ。
「一体何事だ?なぜ急に復活したんだ!」
と、声を荒げる委員もいる。秘書官や事務官たちは急いで関係資料をコピーし、各委員の座る席に配布する。
とにかく目の回るような忙しさだが、そんな中でも黒塗りの高級車に乗った委員たちは続々と会議場に入場してきた。
PA機器の調整の最中に、会場全体にハウリング音が響き渡る。
そんな耳障りな音を耳にしながら、ヘイドレク委員会の委員長を務める権田俊行は急ぎ足で委員長席に着席した。
委員会本会議場は突然のことに、まだざわついている。
あれから数ヶ月、ヘイドレクの運命は流転し、さらに権田自らの手でその命運を閉ざされたのだ。
にも関わらず、突然のヘイドレクサーガの復活…確かにそれは一大事件といえる。
権田はマイクロフォンの音声が生きているのかを確かめるために、指先で叩く。
すると再び甲高いハウリング音が会場に鳴り響く。
慌ててオペレーターが音声レベルを下げ、睨みつける権田に向かって頭を下げた。
権田の着座する委員長席には大量の資料が並べられている。
今回、突然ヘイドレクサーガが復活した理由や、神を冒涜する行為を行った
>>630の処断についてなどの資料だ。
ただし、ヘイドレクサーガの復活の経緯については、委員の中でも特別理事たちのみの極秘事項扱いとなっている。
一応権田もこの特別理事の一人である。だが、この最高機密は誰にも漏らせない。
そう、いかにキャサリンが巧みなフェラをしてせがんでも、この秘密は漏らす事は許されないのだ。
636 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 08:42:38
突然の本会議召集のためか、欠席を申し出た委員もかなり多くいた。
特にヘイドレク帝国海軍の第一連合艦隊は南太平洋を航海演習中のため、海軍の将校たちに欠席が目立つ。
ヘイドレク委員会の権田派重鎮である滑川海軍大将やスメルノフ海軍大尉・男爵の欠席は痛い。
彼らの欠席によって議会の多数派工作に影響があるのでは、と権田は訝った。
「権田委員長。そろそろ…」
権田の第一秘書であり、政策担当補佐官の明石忠宣が、権田に耳打ちした。
権田は資料を読みながらも、明石の言葉に軽く頷き、脇にあったコップを手にとる。
良く冷やされたミネラルウォーターをゴブリと飲み干した権田は、軽く咳払いをしてマイクに向かった。
まだ興奮冷めやらぬ会場全体を睥睨し、権田は大きく深呼吸する。
さしもの豪傑、権田俊行ですらも、ヘイドレクサーガの復活には緊張の色を隠せなかった。
とにかく今日は、ヘイドレクサーガの復活宣言と、
>>630の処刑についての会談だ、と権田は自分に言い聞かせる。
「…本会議場に集ったヘイドレク委員会の皆様、ご着席ください」
会場内に、権田の野太い声が響き渡った。その声が本会議場内にあるスピーカーを通じ、広大な部屋全体を揺さぶる。
本会議場に集った1600人ほどの委員たちは、その声にハッと我に返り、委員長席に鎮座する権田を見た。
緊張した面持ちで会場全体を睥睨する権田…その凄まじい威圧感に各委員たちは慌てて着席する。
ガタガタと椅子が床に当たる音が静まると、広大な会議場は水を打ったように静まり返った。
緊張した溜め息や咳払い以外、物音一つしない。みな、緊張しているのだ。
637 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 08:43:23
一体これから何が起こるのか…その一事に全ての関心が集まっている。
そう、大戦前夜の御前会議を思い起こして貰えば良い。
これからこの本会議場で行われる会議は、まさしくそれに匹敵する、歴史的な会議だ。
権田はしばし瞑目する…かつて自分がヘイドレクたちと繰り広げた数々の冒険が脳裏を過ぎった。
その凄まじさ、馬鹿馬鹿しさ、そして神へ通じるような崇高さ…愚かな暇人たちによって玩ばれ続けたヘイドレクの運命。
(なんということだ。また再び、あの悲劇が繰り返されるとでもいうのかっ!)
膝の上で握り締められた権田の拳に、汗がにじむ。
静まりかえった本会議場で、委員たち全員の目が、緊張で強張る権田に集まっていた。
ついに、時計は午前十時となった。
その瞬間、仕掛けられた小さな扉がパカッと開き、そこから可愛らしい鳩の人形がスライドして出てくる。
ジィーっと仄かな機械音とともに出てきた鳩時計の鳩は、15センチほど飛び出ると、そこで停止した。
ゴクリッと唾を飲み込む音がする。権田の額にも、玉のような汗がにじみ、流れ落ちた。
638 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 08:43:56
「ピポッ!ピポッ!ピポッ!ピポッ!…」
静まり返る本会議場内に、愛くるしい鳩の鳴き声が軽やかに流れる。
その泣き声は合計十回…そう、それはたった今、午前十時になったということだ。
十回以上でもなく、十回以下でもなく、正確無比に十回啼いた鳩は、ちょっと小首をかしげるような動きをした。
それはまるで、未だ緊張が解けない会場を、不思議そうに見下ろすようにみえる。
そのまま小鳩は、出てきた時と同じようにゆっくりとスライドしながら、仕掛け時計の扉の中に消えてゆく。
ゆっくりと…静かに。
パタン、とほんの僅かな音を立てて仕掛け時計の扉が閉まった。
そう、遂に来てしまったのだ。この日が、この時が!
瞑目を続けていた権田は、突然両目をカッと見開いた。
目は血走っている…僅かに潤んでいるのは、気のせいだろうか。
権田は再びマイクロフォンに向かい、震えるような声で言葉を発した。
「ヘイドレク委員会の緊急本会議を開催いたします!」
639 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 08:56:10
本会議は今までに無いほどの混乱を極め、議論は紛糾したことを、先ずご報告申し上げる。
青天の霹靂のような今回の事態に、誰もが対応できるほどの見解を持ち合わせていなかったのだ。
実に丸三日ほど掛かった今回の緊急招集本会議は、最終的には議長でもある権田俊行氏にその決定を一任した。
権田は全世界の運命を決めるこの重大な責任を受託し、結果、会議は遂に合同声明文を発表することとなった。
その重大な決定は、要約すると以下である。
1.ヘイドレク委員会は、今回のこのヘイドレクサーガの復活を歓迎する。
2.関係各位は今回のこの復活と決定を尊重し、以後各委員会で作製される行動計画を遵守し、実行する。
3.今回の復活は突然で、下準備の期間が無かったことを考慮し、現行の状態からのスタートとする。
4.涜神行為を行った愚か者
>>630の処断について。
@本日直ちにチンコと両乳首を縫い合わせる刑に処す。
Aその際、麻酔を用いることを禁止し、タコ糸を木綿張りで縫い合わせる方法を採用する。
Bその状態のまま渋谷のスクランブル交差点に連行し、そこで一週間晒し者とす。
以上。
640 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 09:43:25
よくわからないけど
会議を開くまでの様子でそれだけ書けるのは大したもんだよ
馬鹿馬鹿しいこともフルスイングすると結構力作になるんだなと感心した
641 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 17:41:05
良く分からないなら来るなよ屑
642 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 18:52:35
屑と言われ、ヘイドレクは憤慨した。
本当のことをストレートに言われたためだ。
643 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 20:45:09
おちんちんがおぎんおぎんですよ
644 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 21:17:59
突然ヘイドレクが踊り出した
645 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 21:42:18
もちろんヘイドレクは全裸だ。
爽やかなくらいの全裸で踊りだしたヘイドレクの姿に世界は感動の渦に包まれた。
みんなが泣いている。老若男女全てが涙を流しているのだ。
これほど感動的な光景は今まであったであろうか?
646 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/24(月) 22:40:58
そう、ヘイドレクにはダンサーとしての才能があったのだ。観る者すべてを魅了する驚くべき才能が!
ヘイドレクは思う。なぜ自分はファンタジー作家などという馬鹿げた夢を見たのだろうと。
あんなもの畜生のやることである。
ダンスで人々を楽しませればいいじゃないか。
心に輝きを与えれば。
世界に、光りを射せば!
「よし!」
ヘイドレクはくるりとターンを決め、空高くジャンプすると雲を突き抜け眩いひとつの星となった。
647 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/25(火) 00:47:14
その星の名は、「死兆星」という。
648 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/25(火) 02:11:09
おいおいw
649 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/25(火) 04:51:30
さて、星になった夢をみたヘイドレクは、眠い目をこすりながら公園のベンチで目覚めた。
一体あの夢は何だったのだろうか?
ヘイドレクは寒さに震えながらベンチから立ち上がると、公園の水道の蛇口を捻って顔を洗い始めた。
薄くなった髪を気にしながら丹念に顔を洗い、汚れて茶色くなったタオルで顔をゴシゴシとこする。
ファンタジー作家を目指していたのは、はるか昔の高校時代だ。
どちらかといえばかなり偏差値の低い高校に通っていた時分、ラノベの走りのようなファンタジーノベル(名誉のために名は伏せる)を読み、天啓を受けたのだ。
「そうだ、俺はファンタジー作家になるために生まれてきたんだ!」
そう目覚めてから幾年月、ヘイドレクはいまだに過酷な現実社会のなかを漂浪し、見果てぬ夢を追い求める冴えない男であり続けている。
公園でひとしきり顔を洗い、殆ど虫歯だらけの歯を磨いているさなか、公園の中を幼稚園児たちが通った。
数人の幼稚園児たちは、初々しく瑞々しい表情を浮かべながら楽しげに歩いている。
ヘイドレクの股間が疼いた。何せ彼はロリなのだ。
ヘイドレクの濁って血走った目は幼稚園児たちの中にいる一人の可愛らしい少女をロックオン。
その少女は幼稚園児たちの中でも一際可愛らしく、ロリロリ美少女大好きなヘイドレクのリビドーをチクチクと刺激しやがる。
ああ、何て罪な小娘なんだ。
鼻息荒げたヘイドレクは、幼稚園児たちの数メートル後方にさりげなく位置取りをする。
何も気づかないまま、呑気に歩いている幼稚園児たちを、気持ち悪い目で睨みつけながら。
特に目をつけた美少女を舐めるように見つめる。
赤いスカートの中から伸びる小枝のように細い足が、朝日を浴びて白く輝く。
白いソックスの先には、真っ赤な靴。小さな靴で器用にステップを踏みながら、少女は友達たちと楽しげにはしゃいでいる。
ヘイドレクの心のブラックな欲情が、激しく燃え上がった。
俺が穢してやる、俺があの美少女を汚してやるんだ、とヘイドレクは不気味な笑顔を浮かべる。
650 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/25(火) 04:52:38
そして幼稚園児たちが大通りから見えない木立の中に入った瞬間、ヘイドレクはダッシュした。
ヘイドレクの思考はこうだ。幼稚園児たちの中からあの美少女をひっ捕まえて拉致する。
そして泣き叫ぶであろう他の幼稚園児たちを適当に蹴り飛ばして気絶させる。
その後さらに公園奥の木立に美少女を連れ込んでうしししし。
そのようなイメージを浮かべ、ヘイドレクは突進した。
既に貧弱なペニスはビンビン。その先端からカウパーがにじみ出いている。
今までアナルを掘られ続けた屈辱を、ここで晴らしてやるんだ。
弛んだ腹をブルブルさせながらヘイドレクは、木立の角を曲がった。
その瞬間だった。ヘイドレクは信じられない光景を目にする。
そこには完全武装した先ほどの幼稚園児たちがズラリと並び、ヘイドレクを待ち受けていた。
ついさっきまでの天使のような幼児達が、いまや凶悪そのものの表情を浮かべてニヤニヤしている。
小さな手にはナイフ、釘バット、それにチェーンなど、ギラギラと残酷な輝きを放つ武器が握られている。
「あんた、今ウチらのこと付けてなかった?」
幼稚園児たちのリーダー格と思しき、美人系の幼稚園児がヘイドレクに言う。
将来はかなりの美人になりそうなその娘は、嘲笑うようにヘイドレクを睨みながら手にしたバタフライナイフをガチャガチャといわせる。
「このおっさん、ウチらに悪戯しようとしてたみたいよ」
別の少女がそういう。
そんなまさか、ヘイドレクは思った。こいつら最初からわかっていたのか。
651 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/25(火) 04:53:21
幼稚園児たちはゆっくりとヘイドレクを取り囲み、逃げ道を塞ぐ。
でもまあ、こいつ等は幼稚園児だし、僕は大人だ。いざとなればこいつ等を突き飛ばしてしまえばいい、そうヘイドレクが思った瞬間。
「逃げようったってそうはいかないよ」と背後から声が掛けられる。
そこには先ほどヘイドレクが付けねらったあの美少女がいた。
その美少女は、一見しただけでヤクザと分かるコワモテの大男を引き連れている。
しかもその男の後ろには、子分と思しき十人ほどのヤクザが。
ヤクザのおそらく親分らしき男が、サングラスを指先でずらしながらヘイドレクに言った。
「おう、テメエ、ウチの可愛い娘に何しようとしたんだ?」
そう言って物凄い目線で睨みつける。
すると美少女が、「あの変な人、私の脚とかお尻とかをジッと見つめていたんだよ。チョーきもい」と親分に縋りつく。
まずい、もう幼女へのわいせつの前科なんか欲しくないのに。
ヘイドレクの額に汗がにじむ。というより今回は(今回も)少女なんかに一度もいいこと出来ないで勝手に犯人にされてしまっているじゃないか。
どうしたことだ。なんでだ。僕はファンタジックスーパーヒーローであるはずなのに!
「おう、このバカをひっ捕まえてやんな!」
親分はそう命令すると、子分衆たちは素早く動いてヘイドレクに飛び掛った。
暴れる間もなく転がされたヘイドレクはその場でしこたま殴りつけられ、荒縄で縛られる。
「みんな、あとでこの変態野郎を思う存分痛めつけるんだぜ。こんな変態バカなんて生きるかちなんかないからな」
親分は幼稚園児たちにそういうと、幼稚園児たちは嬉しそうに歓声を上げた。
幼稚園児たちによる、ヘイドレクへの恐怖の拷問が始まる。
652 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/25(火) 21:56:14
薄暗い地下室に連れ込まれたヘイドレク。全裸にされ、鎖で縛られて天井から吊るされている。
口にはギャグボールが填められ、既に肛門には巨大なバイブレーターがねじ込まれた状態。
「う、うむんっ!」
顔をしかめ。苦しそうにヘイドレクは呻き声を上げる。
しかし何故だろう、ヘイドレクの貧弱ペニスは隆々と勃起し、何度も痙攣を繰り替えす。
「な〜に、この人。こんなに苛められてもなんか嬉しそうにしてるよ」
幼稚園の子供達は、宙吊りにされたヘイドレクを不思議そうに見つめる。
「ああいうのって変態って言うんだよ。」
天使のように可愛らしい女の子たちは、そういうとクスクスと笑った。
その中にはヘイドレクが付けねらった例の美少女・久美ちゃんもいる。
久美ちゃんはヘイドレクの緩んだ肉体を、さも汚らしいもののように見て、顔を顰める。
隣の女の子に「あの人、本当にキモいよね」と囁き、嘲るように笑った。
天使のような可愛らしい顔が、嘲りと罵りで醜く歪む。
その久美ちゃんの表情を見た瞬間、ヘイドレクは思わず射精してしまった。
653 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/25(火) 21:56:46
「げっ、この変態射精してるよ」「うげ、キモ」
園児たちはヘイドレクの情けない射精っぷりを見て、ゲラゲラ笑う。
その笑い声を全身で浴びながらヘイドレクは泣いた。
しかし何故だろう、どうしてなんだろう。こんなに嬉しいのは?
「は〜いみんな、これからこの変態豚をさらに痛めつけますから、席についてね〜」
そういいながら幼稚園の先生・花岡美智子が地下牢獄に入ってきた。
長身でスレンダー、少しツンとしたきつい感じの美女。それでいてここ、エニグマ幼稚園の先生。
それが花岡美智子先生だった。
先生は既に準備バッチシ。ボンテージのバニーガールスタイルで、顔には蝶のマスク、手には薔薇鞭。
そう、ご自慢のSM女王様スタイルで、ヘイドレクににじり寄った。
「あら、この豚。私の許可なしに勝手に射精しちゃったの?」
萎れかけたヘイドレクのペニスを一瞥した美智子先生は、少し顔を顰める。
654 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/25(火) 22:22:46
まずはゾウ組の健太君の攻撃である。
彼はイボイボ付きの金棒を振りかざし、ヘイドレクの脳天へと叩き込んだ。
「ぎゃああああああ!」
ぐしゃと、スイカを潰すような音を立ててヘイドレクの頭から血が吹き出る。のたうち回るヘイドレク。
この一撃で常人ならば間違いなく死んでいることだろう。
しかし、ヘイドレクは死なない。物凄く物凄く物すごーく痛いのだが、ぜったい死なない。この物語の主人公だからである。
いっけん死んだように見えてもサディスティックなスレ住人の手によってすぐ蘇ってきたことは周知の事実だ。永眠は許されない。
「さあ、つぎは拓也くんのばんだよ」彼は血ノリのべったり付いた金棒を手渡す。
金棒を受け取った拓也なる少年はニヤリと笑った。
筋骨隆々、身長二メートル近いもはや「少年」とは呼べぬ園児であった。
655 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/25(火) 22:26:07
656 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/26(水) 00:35:08
二つ合わせちゃえよ
それぐらいの力あるだろおまえら
657 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/26(水) 04:38:31
「ふごう、おごおー!」
拓也くんはとっても鼻息があらい、ちょっとやんちゃなたんぽぽ組の仲間です。
近所の不良高校生相手に喧嘩して相手に大怪我させたりする、ちょっと元気な男の子。
口からだらだらとヨダレを垂れ流す拓也くんを、美智子先生は優しく鞭でしばきます。
「ひぎいっ!うがあっ!」
激しい鞭の音とともに、拓也くんは床にころげまわってライオンさんのような鳴き声で鳴いてみせます。
はち切れんばかりの拓也くんの筋肉は、気持ち悪いほどに静脈が浮かび上がってます。
たんぽぽ組のお友達は「拓也の体にはミミズさんがいっぱい住んでる!」と言って褒め称えます。
「ぎゃあぎゃあ騒がないの拓也くん。そんなに大声上げてたら次のお遊戯の時間の後のおやつは抜きにしますよ!」
美智子先生はそういって拓也くんのお尻を思い切り蹴飛ばします。
美智子先生は先端が針のように尖ったピンヒールのレザーブーツを履いているので、蹴られると結構いたいです。
それを見て幼稚園一の美少女、久美ちゃんは涙を流しながら笑ってます。
あまりにも大笑いしすぎて、久美ちゃんは呼吸が苦しそうです。
久美ちゃんは、他人がもがき苦しむのをみると、楽しくて仕方が無いという、ちょっと困り者です。
でもヤクザ屋さんの親分の妾でもあるので、さすがに園長先生の海江田平八先生も注意するのを控えてます。
前に久美ちゃんを注意したところ、巨大なダンプカーが幼稚園に突っ込んで、数人のお友達が挽肉になってしまったからです。
658 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/26(水) 04:39:03
「先生、もっと拓也くんをいじめてよ!今度は電パチ警棒で!」
健太くんは調子に乗って煽ります。
ゾウ組の健太くんも、近所の野良猫を包丁で解体するのが大好きな男の子です。
もしかして将来、お医者さんになるかもしれませんね。
「みんな静かに。静かに!」
美智子先生はそう言って、幼稚園のお友達たちをなだめます。
前に興奮しすぎたお友達たちが、先生の言うことをきかずにいきなり乱交パーティーを始めて、数人の女の子が妊娠してしまったことがあるのです。
堕胎費用を賠償させられたエニグマ幼稚園は債務超過に陥ってしまい、ブラック金融からのトイチ融資でなんとかしのいだのです。
あの返済で数人のせんせいのンお姉さんたちが、ソープランドに売り飛ばされてしまいましたが。
「これからみんながやるのは、拓也くんイジメじゃなくて、この変態豚野郎の成敗ですよ!」
美智子せんせいはそう言って、ヘイドレクのキンタマを思い切り蹴飛ばしました。
「うぎゃーっ!」
天才ファンタジー作家にして変態ロリ野郎のヘイドレクは、部屋の壁がビリビリと振動するような悲鳴を上げました。
まるで気が狂ったみたいです。正直きもいです。
しかし幼稚園のお友達たちは、そのヘイドレクの姿を見て、本日一番の笑顔で笑いました。
もう最高です。このような変態を成敗するだけじゃなくて、その処刑までやれるなんて。
659 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/26(水) 04:39:36
「じゃあ拓也くん、今日はご褒美としてこの変態豚を思い切り玩んでいいですよ。ただし死なない程度にね!」
美智子先生は床でガオガオと飢えた獣のように鳴くマッチョな拓也くんに向かってそう言い、誰もが恋をしてしまうような笑顔で笑いました。
さらに美智子せんせいは、拓也くんの手をとり、その手に巨大なバイブレーターを握らせます。
これで思い切りいじめてやりなさい、と言わんばかりに。
だが、美智子先生は知らなかったのです。
それはある意味、ヘイドレクにとってはご褒美になっちゃうということを。
660 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/26(水) 17:11:34
ファンタジーの要素が足りなくね?
661 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/26(水) 20:13:02
「ふむ…、ファンタジーの要素が不足か」
ベッドの上で葉巻を吹かしながら、権田伯爵はそう呟いた。
傍らには彼の新しい愛人であるメアリーが、火照った表情で権田を見つめている。
先ほどまでの凄まじいまでの情事に、メアリーは完全に翻弄されメロメロだった。
しかし権田は違った。
窓から差し込む月明かりの中で、権田の目だけはまるで張り詰めたような緊張感に満ちている。
天井に立ち昇る葉巻の煙を見つめながらも、権田の意識は遥か遠くを見つめていた。
そう、ヘイドレクの運命…世界を揺るがし、宇宙を破滅させかねない危険なサーガ。
チリチリと火花を放ちながら細い糸の上を爆走する茶番劇に、さしもの権田も恐怖感を覚えていた。
「ご主人さま…私、良かったですか?」
普段の隙の無い美貌とは打って変わって、メアリーは権田に縋るような態度を見せる。
官能的な唇で、権田の逞しい肩にキスをする。それは更なる愛撫を求めているようだ。
だが、権田は無視した。メアリーは長い脚を権田に絡ませ、さらに唇を這わせる。
しつこくセックスを求めるメアリーを押しのけ、権田はベッド脇のリモコンを手にした。
スイッチを入れると、部屋の向こうに置かれた50インチモニターに、映像が映し出される。
ヘイドレクだった。
幼稚園の地下牢獄に監禁されたヘイドレクが、可愛らしい幼稚園児たちに激しい拷問を受けていた。
縛られて吊るされたヘイドレクは、相も変わらず不様な鳴き声を上げて暴れている。
662 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/26(水) 20:13:41
ケツには巨大な浣腸器がねじ込まれ、抜群の美少女が手にしたジッポライターで乳首を炙られている。
メアリーに負けないほどにスレンダーな美女が、そんなヘイドレクに向かって棘だらけの鞭を振り下ろしている。
なのにどうしたことだろう、ヘイドレクの小さなペニスはカチカチに勃起し、数分に一度のペースで射精を繰り返していた。
(相変わらずこいつはマゾなんだな…)
権田はあきれ返っていた。
メアリーは権田の股間に顔を埋め、権田の節くれ立った巨大な肉茎を口に含んでいる。
たっぷりの唾液で肉茎を濡らし、熱く蠢く舌で一心不乱に権田を刺激して誘っている。
ベッドシーツに浮かぶメアリーの完璧なヒップ…先ほどまで権田が徹底して苛め抜いたあの美尻だ。
メアリーの呻くような声とともに、ベッドシーツの中でその美尻は蠢き、わなないていた。
確かに見事だ…キャサリンもフェラは抜群であったが、このメアリーも中々の技巧の持ち主だ。
権田の肉茎は徐々に熱を帯び、メアリーの口の中でゆっくりと膨張を始める。
一方、モニターの中のヘイドレクは、身長が2メートルに達するほど巨大な幼稚園児に貫かれていた。
水色の可愛らしい幼稚園の制服に身を包んだ、恐ろしくマッチョなその子供は、宙吊りのヘイドレクのケツを犯している。
胸にはひらがなで ” たんぽぽ組 たくや ”と書かれた名札がぶら下がり、異様に逞しい腰が突き出されるたびに、
その少年の盛り上がった胸の筋肉の上で跳ね上がる。
(中々の趣味だな…)
権田はそう思い、笑った。
663 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/26(水) 20:14:19
突然、電話が鳴った。
権田はコール音を数回聞き流しながら、メアリーのフェラを堪能する。
コール音7回を数え、面倒くさそうに身をずらし、権田はベッドサイドのテーブルにあるインターフォンを手に取った。
その際もメアリーは権田の腰に抱きつき、ペニスを吐き出さない。
甘くせつない喘ぎを漏らしながら、喉の置くまで権田のペニスを飲み込み、さらに刺激を与えようと奮闘していた。
「権田だが…」
わざと声色を低くする。こうして相手を威圧することで、これからの会話を有利にすすめるためだ。
ハッタリとゴリ押し、そして懐柔…交渉相手から巧みに利益を引き出すコツだ。
無数の修羅場をくぐり抜けてきた権田の、経験則でもある。
「ご、権田閣下。夜分申し訳けございません。急電です!」
相手は秘書官の明石忠宣であった。普段は冷静に黒子に徹している明石には珍しく、声がわずかに上ずっている。
「構わない。ところで一体何の用だね?」
権田はあくまで普段通りに答えた。ビジネスであればあるほど、表情は確実にコントロールすべきだ。
画面ではヘイドレクが床に降ろされ、自分が漏らした糞を食べさせられていた。
首には牛革製の太い首輪がつけられ、凄い美少女の女の子がその先の鎖を握っている。
床に散らばった糞を這い蹲りながら食べるヘイドレクは泣いていた。
だがやはりと言うべきか、ヘイドレクの下腹部にぶら下がる情けないちんぽは、これまた勃起している。
664 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/26(水) 20:16:10
どうしようもないやつだな、と権田が軽く舌打ちしたとき、権田の耳に信じられない一方が飛び込んできた。
「権田閣下、申し訳にくいのですが。このスレはあと100キロバイト程度の残量しかない模様です!」
そこで明石の声は止まった。
この有能な政策担当補佐官の優れたところは、不必要なことや余計な事を言わないことだ。
権田を信頼し、権田の判断の余地を大いに与える…それが彼のやり方なのだ。
だが、そんなことは今の権田にとってどうでもよかった。
スレの残量が残り100キロバイトを切っているという事実…。
その意味の重大性を分からぬ権田ではない。いや、その重要性を一番分かっている男と言ってもよい。
瞬間、権田はベッドの上で固まった。
だが、その際もメアリーにくわえこませたペニスを勃起させていたのはさすがである。
何も知らないメアリーは、キャサリンから権田の愛人一号の地位を奪おうと、必死に権田に快楽を齎そうと奮闘中だ。
画面では、ヘイドレクが再び幼稚園児たちに苛められていた。
壁の鉄枷に両手両脚を拘束されたヘイドレクは、幼稚園児たちの投げる腐った卵や腐ったミカンの標的にされている。
「や〜い変態男!」と叫びながら、天使のような微笑で腐った生ゴミをヘイドレクに投げつける幼稚園児たち。
無邪気で瑞々しいその顔に浮かぶ残虐で嗜虐的な表情に、権田は思わず熱いモノを憶えた。
665 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/26(水) 20:22:21
(感動か…?)
権田は一度、自問自答し、慌ててそれを否定した。
馬鹿げている、俺ともあろう男が…そう権田は呟き、そして微笑んだ。
「は、早くぅ〜!権田閣下のお情けをください!」
メアリーがすすり泣くように訴える。
権田はインターフォンの受話器を切ると、傍らに放り出した。
女を激しく犯したい、久しぶりに義務ではなく、己の強い欲情を感じ取った。
権田にすがり付いて泣いているメアリーの肉体を抱え上げた。
そのまま問答無用に、己の巨大なペニスを、メアリーの熱く濡れたヴァギナにぶち込んだ…。
666 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/26(水) 20:23:01
(で、ファンタジーはどうなったんだ?それとスレの残量の問題も…)
突然、権田に電話を切られ、執務室で呆然とする明石忠宣首席補佐官。
おそらくまた別の女をヒイヒイ言わせているんだろうな、と権田に少々呆れながら受話器を戻した。
シガレットケースから一本葉巻を失敬する。
それを備え付けの卓上ライターで着火し、明石はソファーに身を投げ出した。
(疲れた…)
明石は言葉にするでもなく、そう呟く。ここ数日の怒涛のような仕事を思って、明石は大きく溜め息をつく。
突然のヘイドレクサーガの再開、それとともに
>>630の処刑、さらにファンタジー要素の欠落問題。
そして今、スレの残量が100キロバイトを切ってしまっているという事実。
明石は大きく煙を吸い込み、吐いた。煙はゆっくりと天井に立ち昇り、散ってゆく。
その煙の行方を見るともなしに見つめながら、明石は暫くそのままだらしなくソファーに横たわっていた。
廊下の方からは、職員たちがあわただしく動き回っているのが分かる。
ときおり怒鳴り声が響き、さらにあわただしく電話が鳴り響く。
(…馬鹿馬鹿しい。馬鹿馬鹿しいにも程がある!)
明石は心の中で叫んだ。叫ぶと同時にソファーから立ち上がり、電話口に向かった。
電話帳も見ずに、素早く電話番号を打つ。
相手は武装親衛隊特殊戦専門部隊隊長、武本悠一中佐…権田の政敵だ。
明石は暗号通信が生きていることを確認すると、武本の副官である福地少佐が電話口に出るのを待った。
夜が、更けてゆく…。
667 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/26(水) 22:13:32
「あと100キロバイトを切ったのか!」ヘイドレクの顔にわずかな希望の色が浮かんだ。
「あともう少し、あともう少しでこの地獄から開放されるんだ!」
長かった、とヘイドレクは思った。最初からこのスレにいたわけではなく後半ムリヤリ
復活させられたのだが、やはり長かった。いちレスでも永遠に感じるくらいだ。
「拷問につぐ拷問につぐ拷問だ。そう、拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問。もういっ
ちょ、拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ。はあはあ、拷
問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷
問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷
問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷
問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷
問につぐ拷問につぐ拷問につぐ拷問につぐ」
姑息な手段に打って出るヘイドレクであった。
668 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/27(木) 02:21:07
「このままではまずいでしょう。今回の事態を収拾できなければ、大混乱は必死です」
首相官邸内の総理執務室に入るなり、甘粕健次郎男爵・総務大臣は緊張した面持ちでそう語った。
首相官邸は今や大混乱だ。
JCIAによってもたらされた武装親衛隊の武装蜂起の兆しあり、の情報に従い、内閣は陸軍に警備活動を下令。
陸軍側は帝都憲兵連隊に動員をかけ、首相官邸を始め、各主要省庁に配置を官僚したのだ。
その後ただち内閣総理大臣・円城寺秀麿侯爵は戒厳令を敷いたのだ。
ヘイドレクサーガの突然の復活、さらに
>>630の処刑問題で行政府としての処理能力は既に限界だった。
それに追い討ちをかけるようにファンタジー要素不足問題とスレ容量限界問題。
ヘイドレク委員会が機能不全に陥った隙を狙っての、武装親衛隊の妖しげな動き。
既に帝都各所で武装親衛隊の隊員たちが動き回り、陸軍憲兵隊の緊張をよそに悠々と街中を合歩しているという。
帝都戒厳令…そこまでの事態を引き起こした円城寺内閣への批判は必至だ。
野党勢力も党内会議を行い、今回の混乱の事態を重視して首相解任動議を提出する見込みだという。
その動きに対し、もはやボンボン総理は頼みにならんと、与党内でも造反の動きがある。
「それにしても、ヘイドレク委員会の権田のやつは一体何をやってたんでしょうね?」
苦々しい口調で首相主席補佐官・来栖雅彦陸軍大佐は言った。
そう、権田の責任…首相執務室に集った行政最高責任者たちの脳裏にその考えが浮かんだ。
スケープゴートにはもってこいの彼を捉え、つるし上げれば帝都混乱は収まる…かもしれない。
今や武装親衛隊部隊と、内閣の支持を表明した陸軍部隊と、どちらが先に権田を見つけるかに掛かっている。
おそらく武本は、権田をつるし上げにして現内閣への追求材料とするであろう。
そんなことになってはまずい。それだけは防がなければならない。
「陸軍及び内務省はこちら側につくことは決定しているんだな?」
時期総理の最有力候補と目される甘粕総務大臣は秘書官たちに問うた。
総務担当主席秘書官は素早く応じる。
「現段階で大本営の作戦部、及び帝都第一連隊の連隊長である香椎秀恒陸軍大佐らの同意は取り付けております」
香椎秀恒陸軍大佐、こいつも問題が多い男である。
香椎は元々陸軍士官学校時代、現在武装親衛隊に転籍した武本悠一中佐と同期であった。
陸軍大学でも武本に次ぐ席順で卒業し、ポコペン戦役に置いて陸海空の連動作戦を行った凄腕。
その際、切り込み役を行ったのが武本隊で、ポコペン国のゲリラ部隊をわずか一月で壊滅させたのだ。
武本と通じている可能性がある。
確実に切り札となりうるのは、大本営直轄の帝都憲兵隊と総務省の指揮下にある警察庁及び帝都警察。
親衛隊の武力蜂起に対して、果たして彼らだけで耐えうるのであろうか?
「ほ、本当にそれだけで大丈夫でおじゃるか?」
殿上貴族流れの貧弱宰相、円城寺秀麿の顔は青ざめている。
何の能力もなく、決断力もない、一流の血筋以外は何も持たない凡才。
まさにそれだからこそこの冴えない名門貴族の男は、ヘイドレクサーガ休止期間の安定期に首班指名されたのだ。
「大丈夫ですよ閣下。かならず不穏な動きを抑えてみせます」
赤城官房長官はそう言って怯える首相を宥めた。
もちろんこの言葉には何の根拠もない、そのことは赤城官房長官が一番良く分かっている。
甘粕健次郎は窓辺に立った。
親衛隊の狙撃兵に狙われますよ、と注意する首相秘書官の言葉に、神経質になりすぎているとたしなめる。
窓の外には、いつもどおり平穏に見える帝都の町並みが見える。
まるで混乱も、動乱も無いかのごとく、平和だ。
ただ普段と違うのは、通りに人影もなく、軍用車以外の車が走っていないことぐらいか。
首相官邸の前には、完全武装した帝都憲兵大隊が戦車とともに配置されている。
降りしきる雪の中で彼らは微動だにせず、周辺地域を監視していた。
(まだ若き兵士たちだ、血は流させたくないな…)
甘粕はそう呟き、深い溜め息を吐いた。
一方、首相官邸から直線距離で5キロほど離れた西仙石町の大本営参謀本部も混乱していた。
「一体権田のやつは何処に雲隠れしやがったんだ!?」
陸軍参謀本部情報課課長、武隈剛毅中佐は部下に怒号を発していた。
陸軍司令部から派遣した特殊作戦班が権田俊行伯爵邸に突入したが、すでにそこに権田はいなかったという。
つい先頃まで権田俊行が寝ていたと思われる寝室には、一人の物凄い金髪美人が全裸で眠っていただけ。
メアリーと名乗る惚れ惚れするような美女は陸軍司令部に連行され尋問を受けているが、何もわからないというだけ。
彼女自身も、権田に捨てられた、私は生きてゆけないと号泣しているのだという。
(さすがやり手の権田だな…)
作戦部情報課参謀、山科克行中尉はそう思い、唇を歪めて笑った。
ヘイドレクサーガの終焉と復活に、この権田という希代の傑物が関わっているのは既に判明している。
だが、この突然の復活も、権田にとっては予想外なのではなかったか?
(だが武装親衛隊の蠢動は、明らかに権田の動きと連動している…?)
今回のあまりの手際のよさに、山科ら作戦課の課員だけでなく、情報参謀の連中も仰天していた。
ヘイドレクサーガ復活からファンタジー要素欠落問題、スレ残量問題と、怒涛のように押し寄せる難題。
委員会の調整能力が限界に達したとたんに、今回の武装親衛隊の武装蜂起の情報と、憲兵主導の帝都戒厳令。
出来すぎている。権田の迅速な逃亡は、この動きを読んでいたとしか思えない。
それほどたくみであり、遺漏がない完全な計画にすら見える。
だが、完璧であればあるほど、その作戦自体がくさい。
目的、それだけが不明なのだ。
(おそらく、権田の側に外へ通じた人間がいるのだろう…)
山科はそう思い、目の前にある権田俊行伯爵のファイルを手に取った。
静岡県沼津市生まれ、東京帝国大学法学部次席卒業後、ハーバードロースクール及びビジネススクール卒。
クルップペン戦役においてアメリカ海兵隊に志願兵として入隊し、そこで最高位のシルバースター勲章を3つも授与。
その後、投資会社の調査部に所属し、さらに資源開発公社、軍需産業の顧問などを歴任。
現在はヘイドレク委員会委員長・外務審議委員・通産省貿易局非常勤審議官・資源開発機構常務理事…
よくまあこれほどというほど、ありとあらゆる肩書きが並んで記されている。
黒い噂の絶えない権田だが、こいつは確かに傑出している。
しかしそれだけに敵も多いはずだ。
山科は丹念に資料を見た…もちろん資料には謎な部分が多い。
それはあまりにもブラックな業界で生き抜いてきた男、権田ならではだった。
ふと、権田のスタッフ名簿に違和感を覚えた。
そこにある名前に見覚えがあったからだ。
明石忠宣・秘書官。山科の直感が、この男を指し示していた。
名簿の写真を見つめながら、山科は電話機を手に取る。
内線呼び出しで呼び出した相手は、司令部総所属、法眼義家大尉だ。
2コール目で相手は電話に出た。
「ああ、法眼か?」
そう言いつつも、山科の目は名簿の明石から逸れない。
「何だ、山科か?今こっちは大変なことになっているんだよ、何か用か?」
電話の向こうの司令部オフィスは騒々しい。だが、山科はまるで気にせずに続けた。
「権田の行方が、分かるかもしれないぞ…」
電話口の法眼が、息を飲むのが分かった…。
…権田は常に冷静であった。
今回の混乱もまた突然であり、権田の予想外であったが、権田ほどの男である。
明石の内通など、とっくに承知していた。
彼の経歴など、裏の裏まで知り尽くすだけの情報収集力を権田は備えていたのだ。
確かに一見すれば四面楚歌である。さすが武本悠一といわなければならない。
権田に動かせる手兵を全て海外に追いやり、完全なまでの包囲網を敷いて見せたのだ。
武本の部隊、帝都憲兵隊、大本営、全てを敵に回しても、それでも生き延びる道。
それは海軍であった。
そう、確かに帝国海軍第一連合艦隊は海外派兵のために帝国には現在いない。
だが、権田の手兵となる海軍士官たちは、帝都にある海軍軍港・月島海軍基地には揃っていたのだ。
海軍系の政商として外地を暗躍し、星の数ほどの利権を作り上げた権田は、海軍や軍需産業にとって最重要VIPだ。
ポコペン臨時政府やクルップペン軍事政権にも通じる権田という男の重要性を見誤るはずはない。
今回の帝都騒乱の際、海軍の動きは気味が悪いほどに静まり返っていた。
憲兵部隊や武装親衛隊、が主要幹線を動き回っている中で、その静けさは不気味ですらあったろう。
海軍側の動きはそれだけではなかった。
海軍月島軍港に権田が到着し次第、直ちに軍令部の人事広報が発表され、権田は海軍大佐に任官された。
正式な役職は月島海軍所属海軍陸戦隊七瀬連隊付き情報将校。
現在クレネエヴァ洋上で演習中の帝都海軍第一連合艦隊指揮官・滑川大将直々の人事だ。
だが、そんな肩書きなどとかはどうでもいいのだ。海軍大佐任官によって、権田の身の安全は完全に確保されたのだ。
将官ではないために内閣による承認は要件とならず、陸軍や他の省庁からの容喙は認められない。
また権田はアメリカ海兵隊特殊部隊大尉という輝かしい軍歴もあるため、士官学校卒業の要件も問題とならない。
この時点で、もはや円城寺内閣による権田のスケープゴート作戦は頓挫したことになる。
帝都直下で既に武装展開している憲兵隊が、これ以上海軍軍令部と事を構えるという事態に踏み切れるわけがない。
これ以上やれば帝都直下で内戦だ。
(果たして円城寺秀麿のバカは、それでも陸軍側を説得して動かせるかな…?)
動かせまい、陸軍も流石に拒絶するだろうな、そう呟いた権田は、シラキュス産の極上ワインを煽った。
口の中に広がる豊潤な果実の渋み…そのたまらない味覚は、権田を唸らせる。
美人海軍士官ドロシーの乳房を撫で回しながら、権田は笑った。
官能に酔いしれたドロシーが、自らブラウスを脱ぎ払い、権田に抱きつく。
(まだ総仕上げがあるんだが…まあいい、戦いの前に一息入れておくか)
そう言って権田は、抜群の海軍美女と唇を重ね、そのまま彼女をソファーに押し倒した。
今夜は眠れなさそうだ…。
「一体、権田は何を企んでいるんだ!」
尋問室で法眼情報参謀大尉は叫んだ。
目の前には捕捉された権田の元秘書官・明石忠宣が横たわっている。
何度も殴りつけられて血まみれ、折れた歯が床に転がっている。
彼は遂に武本悠一に情報をリークしていたことは白状した。
彼ごときが白状したところで、武本は気にも留めないだろうが。
壁に寄りかかって明石を見つめる山科作戦参謀中尉もまた、権田に遅れを取っていたことを認めざるをえなかった。
海軍軍令司令部月島基地…盲点だったのだ。
微妙にして、危険極まりない場所。
陸海軍の間の緊張関係がただならぬところまで来ている昨今、この場所にむやみに介入するわけには行かない。
海軍陸戦隊というつわもの集団の存在が、陸軍にとってこれほど重かったということを山科は悟らされた。
しかも月島軍港は、海軍航空隊の帝都総司令部でもあり、さらには54センチ砲を12門備える戦艦スサノオがある。
あの最大射程70キロの巨大な砲門が火を噴けば、陸軍司令部などあっさりと木っ端微塵だろう。
(抜かった…)
山科は尋問室の窓から、外を見る。暗い夜空からは、チラチラと粉雪が舞い降りてきていた。
もう、打つ手はない。大本営も、武装親衛隊も手出しのできない場所に、権田はあっさりと逃げ去ってしまった。
というより、散々帝都の秩序をかき乱した末に…。
(もしや権田は、帝都擾乱を自ら画策するために、今回の事態を引き起こしたのではないか…?)
怒り狂う法眼大尉を横目に、山科は熟考した。
明石忠宣のような男を放任していた権田や、情報攪乱を事実上黙認したまま放置しているJCIA。
これは明らかに特定の目的を持って動いているように見える。
JCIAの動き…ポコペン戦役後の、傀儡政権の樹立に関わったJCIA。
クレネエヴァ海域に存在する帝国海軍第一連合艦隊が関わる、ヴェストラキ軍事統治…。
(権田と武本はおそらく通じてはいまい…だが、今回の事態でお互いに暗黙の了解があったとしたら…?)
山科中尉の頭脳のどこかで、スイッチが入った。
武本はポコペン戦役でゲリラ掃討作戦の指揮を取った部隊長であった。
当時武本は陸軍、そして海軍の補給路を用いてポコペン戦役の戦線に兵站を敷いていた。
海軍の軍商として暗躍していたのは、権田俊行は外地のクルップペンに深く食い込んでいる。
ヘイドレク委員会委員長という表の顔に隠れた、とてつもない利権の温床を、この男は掌握しているのだ。
クルップペン軍港の建設と、道路や鉄道の敷設、クルップペンに存在する世界有数の鉄鉱山、莫大なインフラ投資。
そこに発生した莫大な利権…陸軍が殆ど介入できなかった、恐るべき規模の海軍利権。
さらに武本が陸軍から転出し、その後は親衛隊の士官となった事実。
フリーランスな親衛隊士官の立場…血に飢えた政商たちの尖兵となって、現地で自由気ままに殺戮が可能…。
恐るべき権田。権田やその勢力の手が予想以上に長いことが知れる。
そう、JCIAの動きから見れば、今回の騒乱の目的が知れるというものだ…現内閣の瓦解。
「…甘粕健次郎男爵だ。」「何だと?」山科のもらした一言に、法眼大尉は瞬時に反応した。
「甘粕健次郎総務大臣だ。JCIA長官も兼任している彼でなければ、こんな簡単にことは進められない」
そう、大本営の情報部を完全に出し抜き、なおかつここまでの大規模な情報攪乱を行えるとなれば、答えは一つだ。
右派勢力の頭目、財閥出身の男爵。彼ならばこの騒乱によって莫大な利益を得る。彼自身の甘粕内閣の成立も。
だが、だがしかし。甘粕は現在、首相官邸にいる。しかも皮肉にも陸軍憲兵隊にぐるりと囲まれた状態で。
陸軍自らが首相官邸に乗り込んで、甘粕を打ち滅ぼすなど、まさしく国家反逆罪となってしまう。
そうなったらそうなったで、月島軍港は大義名分を得て憲兵隊に砲を打ち込むであろう。
万事休すか…山科は権田の存在そのものに激しい戦慄を覚えた。
その山科と法眼に追い討ちをかけるように、新たな情報がもたらされる。
武装親衛隊は今回行った「歳末街角清掃活動」を終了。
集められた大量のゴミや空き缶は丁寧に分類され、粛々と棚橋環境センターに運ばれた、という…。
…相変わらず首相官邸はにぎやかだった。
そんな中、首相官邸の執務室の窓から、降りしきる雪を無表情で眺める甘粕健次郎総務大臣の姿があった。
円城寺秀麿首相は先ほど神経症の発作を起こして倒れ、現在は医務室で鎮静剤を投与されている。
(さすがボンボン宰相だな…あんなバカな首相を後押ししたばかりに陸軍の連中も大変だろうに)
降りしきる雪の中で、生真面目に官邸警備活動を行う帝都憲兵隊を憐れむように見下ろす。
JCIAの活動は今後、外地に幅広く伸びてゆくであろう。
ヴェストラキ植民都市におけるJCIAの活動拡大は、すなわち甘粕自身の利権拡大に連なる。
恐るべきは権田であった。今回の帝都騒乱をたった一人で画策し、完全に陸軍や売国左派勢力を扼したのだから。
「…大臣、お電話です。第四種暗号通信回線からです」
総務省秘書官が甘粕に告げた。
そろそろ来るころだと思っていた。秘書官を退室させ、甘粕は受話器を手にする。
「海軍軍令部の権田大佐です。大臣はご無事ですかな?」
野太い権田の声が受話器から響いた。無遠慮ぶりは相変わらずである。
「ああ、私は大丈夫だ。それよりも事態は今後どういう風に推移してゆくかね?」
身の安全の保証…憲兵隊が逆上し、決死の覚悟で首相官邸に乱入してくる恐れもある。
陸軍当局の暴発こそ、現時点での最大の懸念となっているのだ。もちろん陸軍側が全容に気づいていればだが。
「おそらく大丈夫でしょう。陸軍司令部にいる私の手の者からの情報では、参謀本部を含めて動きは皆無です」
陸軍司令部の手の物…?何時の間に権田はそのような間諜を使っていたのか、と甘粕は一瞬戦慄を覚える。
そんな甘粕の様子など察することなく、権田は続けた。
「クルップペンのハイスカレダム建設の受注は、おそらく甘粕財閥の甘粕建設に決まると思いますよ」
大規模な水源確保と水力発電所の建設事業…海軍軍政部の完全なる管轄下。
「ああ、それとですね甘粕大臣、クルップペン軍港とポスクレ鉱山の輸送鉄道の敷設権は、国際入札となるそうです」
暗に甘粕財団に何とかせよ、と権田が言っているように聞こえる。
もちろんその鉄道警備隊は、おそらくは武本隊を中心とした武装親衛隊の利権となるのだろう。
そこまで計算しての行動とは…権田という男の凄まじさを知り、甘粕は驚愕した。
今回の決起は、完全に権田と武本の黙契によって進められたものと、既に甘粕は気づいていた。
それだけの動きが出来る傑物など、他に考えられないからだ。
「滑川海軍大将は11月に月島軍港に帰港予定です。それまでに新内閣の樹立をなんとかお願いしますよ」
そう語ると、権田は返事も聞かずに電話を切った。
受話器を手にしたまま、甘粕は虚空を見上げる。
果たしてこれでよかったのだろうか、そんな疑惑が甘粕の中で蠢く。
もはや円城寺内閣は死に体…今回の事態はそのとどめとなるであろう。
たかが清掃活動を武装蜂起と誤認し、憲兵部隊を動員して帝都戒厳令まで発布してのける失態。
これで内閣は総辞職せざるを得ない。その後、大統領は甘粕へ組閣命令を行う…その段取りもすでに確定している。
だが、権田の仕事はまだこれだけではない。
今回の帝都騒乱のケリをつける行動は、これから権田自身が行うのだ。
ゆっくりと受話器を置き、再び窓の外を見る。
降り始めた雪が何時の間にか積もり、首相官邸の庭を白一色に染め上げてゆく。
帝都の中でめぐらされた醜い陰謀の全てを、天が覆い隠そうとするかのように。
穢れの無い雪化粧を見つめながら、甘粕は窓際で一人ジッと空を見上げていた…。
「…動く必要は無いよ、福地少佐」
漆黒の親衛隊制服に身を包んだ武本悠一大佐は、席を立とうとした福地少佐に向かって言った。
しなやかな長身、鼻筋の通った、まるで女性のような繊細な面貌…黒くつややかな長髪を後ろで束ねた武本大佐。
そう、彼こそは悪名高い武装親衛隊特殊戦専門部隊の部隊長であり、ヴェストラキ戦役で暴れた地獄の天使だ。
推定年齢400歳…最強クラスの眷属、ヴァンパイアでもある彼は、帝都の生きる伝説そのものと言ってよい。
「はっ、しかし明石忠宣秘書官が、陸軍に捕らえられており…」
福地少佐は抗弁した。しかしその福地少佐を、しなやかで長い武本の指先が制する。
「気にすることは無い。奴は消されて、それで終わりさ」
まるで興味なさそうに武本は言った。そのままグラスに注いだワインに軽く口を付け、喉を潤す。
権田ほどの男が、明石程度の男に出し抜かれるはずが無い。
おそらくは最初から明石のことを見抜き、逆に利用していたのだろう。
陸軍の参謀本部も、明石という男の存在は完全に抹殺するであろう。
ただの軍商でしかない伯爵権田と、親衛隊の一味が通じていたというだけで、一体何ができるというのか?
それ以上に、今後陸軍はイニシアティブを喪失してゆき、それどころではないはずだ。
今回の陸軍の帝都直下での軍事活動と、内閣の下した戒厳令。
最早死に体となった円城寺内閣の瓦解は、これで事実上決定したようなものだ。
「それよりも福地少佐…突撃隊の動きは適当にな。あくまでも「歳末街頭清掃活動」でしかないのだからな」
武本はそう言うと黙った。もうこれ以上用は無い、そういう意思表示である。
素早く悟った福地少佐は、そのまま武本の執務室から退出した。
向かう先は親衛隊通信室。帝都各所に設けられた親衛隊支部に、突撃隊の撤収を命ずるためだ。
「…まあ、まだ時間はあるさ」
武本は窓の外を見た。
銀色に輝く狼の目を持つ武本は、自分の瞳よりも白い雪の結晶を見やる。
ヘイドレク…たった一人の屑のような男の存在が、これほどまでに世界を揺るがしたことに、少し感動を覚えた。
キラキラと雪明りを反射する武本の瞳は、尚も闇に閉ざされた未来を探していた。
遠きトラキアの地、忘れ去られた父祖の地を捜し求めて彷徨った、あの長い旅の日々の頃のように…。
「…テレビ局です。テレビ局の中継車が海軍司令部に入っています」
陸軍参謀本部の情報課オフィスがあわただしくなった。情報課の若手職員が、テレビモニターに次々と電源を入れる。
そこには海軍司令部の広報室が映っていた。海軍司令部内の記者会見場には記者たちが既に集っている。
記者会見場の雛壇には、まだ誰もいない。海軍の濃紺の軍服を着た若手将校が、記者に様々な資料を配布している。
内閣にも陸軍にも、これは完全に抜き打ちであった。
権田をはじめ、彼らは陸軍及び内務省など円城寺内閣を支持する勢力を二歩も三歩も出し抜いていた。
記者会見を開き、全てを既成事実化する…それによってケリが付く。
(このまま憲兵隊を海軍司令部に動かすか…?)
山科は一瞬、そのような考えが過ぎった。だがすぐにそのアイデアを打ち消す。
この後に及んでの直接軍事行動など、馬鹿げているにも程がある。
流石に陸軍上層部も承知しないであろう。今回は完全なる敗北なのだ。
画面に映る記者会見場が、急にざわつく。同時に画面端から、数人の海軍将校が入ってきた。
その中には、忘れたくても忘れられない男の姿があった…権田俊行伯爵・現海軍大佐。
権田はいつもどおりの無骨で無愛想な面構えで、記者会見の席の中央に堂々と座ってのけた。
居並ぶ将官たちなどに対する配慮など、権田の態度や表情からは微塵も見られない。
が、将星を煌めかせる将官たちも、それが当然であるかのように脇の席に陣取る。
権田はそこまで海軍に食い込んでいたのだ。
記者会見場は静まり返った…ヘイドレク委員会委員長でもある権田が、今回の混乱をどうおさめるか。
それは記者たちだけでなく、ここ陸軍参謀本部も、おそらく首相官邸でも最大の関心事であろう。
権田は緊張の色も見せずに、居並ぶ記者たちを睥睨する。恐るべき肝っ玉だ。
数瞬、そのようににらめつけて威圧したあと、彼は軽く咳払いをした。
マイクを軽く叩き、音声が生きていることを確認する。
ミネラルウォーターをコップに注ぎ、わざと記者たちを焦らすようにゆっくりと飲み干す。
空気が完全に止まっている…その中で突然、権田は口元を僅かに緩めた。
気づいたものがいたであろうか、微妙な微笑み、そう山科は思った。
「…お集まりの新聞テレビ各社の皆様、深夜に大変ご苦労さまです」
権田はゆっくりと語りだした…いつもどおりの良く響く低音のテナーボイスで。
記者たちは咄嗟にペンを手にし、権田の言葉を一言も漏らすまいと手帳にペンを走らせる。権田は話を進めた。
今回の憲兵隊動員や戒厳令発令は、円城寺内閣が事実確認を怠り、見切り発車で起こしたこと。
武装親衛隊は例年通りの歳末の清掃活動を行ったに過ぎないこと。
それを円城寺内閣側が勝手に武装蜂起だと勘違いして、独り相撲で大騒ぎしていただけのこと。
すなわち今回の混乱の全ての責任は、円城寺秀麿内閣そのものにあるということ…これらをしれっと言ってのけた。
「今回の騒動の下地には、ヘイドレクサーガの突然の復活や、それに伴う混乱があったのでは?」
新聞記者の一人がそう質問する。権田にとっては痛い質問であるはずだ。
ファンタジー要素の欠如や、スレ容量問題など、緊急に解決しなければならない問題が山積みなのだから。
だが、権田は平然としていた。質問した記者を一睨みして威圧し、その直後に満面の笑みを浮かべてみせる。
恐るべき余裕…というより、その笑顔の方が、しかめっ面よりも数段恐ろしく感じるものも多かったはずだ。
「ファンタジー要素欠落の問題は、今後の作家連中の腕に掛かっているため、彼らに働きかけて善処いたします」
権田の言う「働きかけ」「善処」に、如何なる意味があるかを知っている関係者は苦笑した。
それはすなわち、「銃口をこめかみに突きつけて有無を言わせない」と同意義の言葉だからだ。
武装親衛隊本部の執務室でテレビを見ていた武本悠一大佐も、これには思わず苦笑した。
さすがは権田だな…暗に武装親衛隊の特殊作戦隊も動かせよと告げているようなものだ。
もちろんクルップペン利権に関わる以上、それに応じなければなるまい…。
画面上の権田は表情一つ変えずにさらに続ける。
「最大の懸案事項であるスレ残量問題については、先ほど最終的な解決案が出されました」
権田のその発言に、記者会見場はオオッ、と声が上がる。
「如何なる解決手段なんですか?」「どのように解決なさるおつもりですか?」
次々に質問する記者を、権田は軽い咳払いで制する。
688 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/27(木) 20:08:24
「このスレの残量はもはや70キロバイト程度…そのために新しい植民地を用意しました」
そう言って権田は、脇に控える海軍司令部の若手士官に目配せする。
「そう、新しいスレです…これでスレ残量の問題は完全に解決されました」
権田のその言葉を合図に、雛壇背後の暗幕を一気に引き上げられた。
そこには巨大な文字で、新しいスレの名称とリンク先が記されていた。
”ここで小説書いても良いのかな?”
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/bun/1195876630/l50 フラッシュの光がテレビの画面上を埋め尽くす…。
見事な幕引きだな、ともはや苦笑するしかない山科中尉。
(権田俊行か…今回のことは忘れないからな)
そう言って記者に満面の笑みを見せるテレビの中の権田を睨みつけ、山科はタバコに火をつけた。
…一方、エニグマ幼稚園の地下室で幼稚園児たちの慰み者になっているヘイドレク。
新スレ発掘の事実を耳にしたとたん(当然彼は主役なので、テレパシーで即知らされた)、彼は思わず叫んだ。
「うわあああああああっ!」
だが、ヘイドレクのその悲痛な叫びは、誰の耳にも届かなかった。
なぜなら今は深夜で、幼稚園のお友達も、先生も園長さんも、みんなおうちにかえってしまっていたからだ。
明日からさらにファンタジーの度合いが増した地獄の日々が、ヘイドレクを襲う。
689 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/27(木) 21:54:35
こうしてヘイドレクの希望は完全に打ち砕かれた
ただ残念なことがある
中編小説といってもいいくらいの力作だけど
たぶん他の誰も読んでくれない
俺はちゃんと読んだけど
690 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/28(金) 00:33:18
単なるスレ誘導のために20レス消費する作品書くか?
691 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/28(金) 17:38:27
692 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/28(金) 21:23:31
ふと目覚めると、ヘイドレクはファンタジー世界にいた。
あたり一面に広がる炊き出しの匂い、そこに群がる失業者の群れ。
そう、ここは兵庫県尼崎。外需不況で大量リストラされた労働者が流れ着いたファンタジー世界だ。
ヘイドレクは立ち上がり、誘われるように炊き出しの列に並ぶ。
美味しそうな匂い…めまいがするほど腹が減ったヘイドレクの口の中に、唾液が溢れる。
ほんの僅かの配給食糧を巡って、失業者のおっさんが職員を怒鳴りつける。
「アイツの方が具が多い!」と、無理矢理ひしゃくを奪い取り、自分の紙皿にさらに多く入れようとする男。
それを見てふざけるなと飛び掛る別の連中…もはや修羅場と言ってよい。
(魔法が使えたらなあ…)
ヘイドレクはボロボロの作業着の上から自分のちんぽを弄りながら、そんなことを夢想した。
(魔法が使えたら、ここで豪華で美味しい食事を出して、たくさん食べられるのになあ…)
何を夢みたいなと言ってるんだよヘイドレク。今お前はそれどころじゃないんだぞ。
そう、廃墟と化したビルの陰から、ヘイドレクたちを見つめる妖しげな目があった。
しかも複数…彼らはこの場に群がる浮浪者の群れを、冷酷非情な目で注視している。
彼らは魔物…今は名前が思いつかないので適当でいいけど、とんでもない魔物なのだ。
とにかくファンタジー要素を放り込まないと、ヘイドレク親衛隊の特殊作戦員に殺されてしまうから必死なのだ。
こめかみに突きつけられた銃口の冷たさ、暗殺者の刺すような視線を感じながら、キーボードを必死に叩く。
その苦労を察してもらいたい。ここで地獄の魔物とかを出して魔法とかドラゴンとか出さないと…。
一発殴られたので、慌ててストーリーに戻ることにする。
693 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/28(金) 21:24:03
ビルの陰から覗く黄金色の無数の瞳は、明らかにこの兵庫県尼崎市とは異世界の住人に違いない。
そう、おそらく愛知県豊田市辺りから来た…じゃなくてブラジルのサンパウロ州からやって…ウゲッ!
分かりましたごめんなさい、ストーリーに戻らさせていただきます。
おそらく魔界から使わされた魔物であろう。
時折差し込む陽射しを反射して、口元から伸びる巨大な牙が鋭く輝く。
全身に外骨格のようなウロコ…さらにその上に鋳鉄の鎧を纏ったその魔物たちは、どう見てもキャノンの工作員…
ではなくて剣と魔法のファンタジーワールドから現実世界にやってきた、とっても悪い魔物たちだ。
どうがんばっても魔物の名前が思い浮かばないので、適当にトヨタ・カローラと名づけておく。
あ、これはいいんですか?分かりました。じゃあこの魔物の名前はカローラで。
血に飢えて興奮するトヨタ・カローラたちを、宥める一人の男がいた。
天を突くような長身(実際には突いていない)で、灰色の肌をした中々の美形の顔だ。
金と銀をあしらった見事な装飾の鎧を着て、紅の美しいローブを羽織り、カローラたちを従えている。
薄桃色の瞳は、何やら自ら光を放っているかのように暗闇の中で仄かに輝く。
細面で繊細そうなその表情は、高貴で知的な雰囲気がある…おそらく貴族階級の生まれなんでしょう、ええ。
彼の名はトヨタ・クラウンアスリート。
トヨタのラインナップの中でも上級大型セダンに位置づけられ、FRのスポーティーさが売りのトヨタ自慢の車種だ。
もちろん大衆車でしかないカローラなんぞ足元にも及ばない、おっさんカーといわれようととにかくトヨタの看板…
694 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/28(金) 21:24:35
ああ、すいません。脱線してしまいました。
そう、クラウンアスリートは魔道士である。
今回、このクラウンアスリートは、この現実世界を支配すべく魔界から送られてきた、武力偵察部隊だったのだ。
クラウンアスリートというこの魔法使いもまた、いにしえの血を受け継ぐ名車種の最新モデルである。
ただ残念なことに、最近トヨタ自動車の経営戦略でプレミアム客層はレクサスブランドに掻っ攫われてしまった。
あ、言い間違えました。魔界の国家戦略で新興層であるレクサス族が魔界の上位を占めるようになってしまった。
だが最近の外需不況と国内中産階級の崩壊で、割高なレクサスを買う層が減り、売り上げは思わしくない。
それどころか、「レクサス名乗っても中身はトヨタ車」と揶揄され、ブランド価値は失墜しかかっている。
「ズキューンッ!」
怒り狂ったヘイドレク親衛隊の隊員が、私の目の前で拳銃を発砲した。
銃弾は私の鼻先を掠め、部屋のキャビネットの上にある花瓶を打ち砕き、そのまま壁に食い込む。
「ひいっ!す、すいません」
何と言うことだ、ヘイドレク親衛隊の方がお怒りだ。
これからなんとか盛り上げてヘイドレクにファンタジックで過酷な運命をもたらそうとしたんだけどもう出来ない。
す、すいません、もっとがんばります。だからゆるしてください。次からちゃんと書きます。はい。
695 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/28(金) 21:35:41
とにかくヘイドレクと炊き出しに並んだ浮浪者の列に、カローラたちが襲い掛かったのだ。
血と脳漿と内臓が飛び散り、人の四肢が千切れ飛ぶ血なまぐさい光景をイメージすればオッケー。
もちろん交通事故じゃないぞ、あくまで地獄の魔物が襲い掛かって人を喰らっているんだ。
カローラで人を跳ね飛ばして、ひき殺したなんてイメージは間違いだからな、そのへんよろしく。
そう大変なことになったんだ、魔物たちが人々に襲い掛かっているんだぜ。
そんな中、我らがヘイドレクは何処で何している。
ここまで苦労してヘイドレクをヒーローにするためのお膳立てを作ってやったんだ。
ヘイドレクよ、その辺の角材でもいいから拾って、魔物と戦えっての。
間違っても本物のトヨタ・カローラを角材で叩き壊しちゃだめだぜ。
それをやったら器物損壊罪でお巡りさんに素敵なブレスレッドを填められて、取調べ室でアナルを掘られちゃうぜ。
ほらヘイドレク、お前の目の前に魔物カローラが迫っているじゃないか。
カローラたちを率いる魔道士クラウンアスリートが、ビルの上から笑っているぞ。
戦えヘイドレク!
696 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/29(土) 00:29:53
ここで突然日産シーマがティアナやスカイラインセダンを引き連れて登場した。
「ハッハッハッ。魔術師トヨタクラウンよ。きさまでは俺には勝てん。俺様は日産が誇るプレミアムセダンである日産シーマだぞ」
697 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/29(土) 01:29:08
「どれも僕にはとても買えない車だよ」とヘイドレクは言った。
内容のないスレだな、、
699 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/29(土) 12:35:50
「なぁ、ファンタジーヒーローなんてやめちまえよ」と、魔物がささやいた。「俺たちの仲間になれば高い車になんてすぐ乗れるぞ」
もう一匹の魔物もささやく。「そのうえ旨い物が食い放題。いい女も抱ける」
ヘイドレクの心は揺れ動いた。
700 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/29(土) 20:31:03
そう、ヘイドレクは営業マンの巧みなセールストークに騙されているのだ。
701 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/29(土) 20:55:59
「さあ、ヘイドレクさん、お返事の方をはやく頂けないでしょうか」魔物は眼鏡のへりを中指で押し上げ、ヘイドレクに詰め寄った。
「うううん。そう言われもなあ」困惑するヘイドレク。
「なにを迷うことがあるのですか」もう一匹の魔物が背広の胸ポケットから櫛を取り出して七三分けの髪の毛を撫で付けた。「我々の仲間になった方がだんぜんお得ですよ」
「でもなあ。やっぱり。うううん。うううん」腕組みをしてヘイドレクは天を仰ぐのだった。
702 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/30(日) 18:15:36
一生懸命長い話書き込んで
その中に色々と新キャラやネタを仕込んだのに
誰もそれをリレーで生かしてくれない気分はどうだい?
こんな馬鹿馬鹿しいことに無駄に実力を浪費してる理由がわからない
もっと有効な使い道があると思うんだが
704 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/30(日) 19:56:49
「馬鹿馬鹿しいことだと?貴様一体なんのつもりだ!」
その言葉を聞いた瞬間、ヘイドレクは怒り狂った。
そりゃそうだ、その言葉はヘイドレクの人生を馬鹿馬鹿しいと断じているも同然だからだ。
その様子を見ているヘイドレク委員会の委員たちは、みんな苦笑いを浮かべる。
だってそうだろ、お前の人生なんてただの出来の悪いコントなんだし、と呟きが次々と吐かれる。
そんなヘイドレク委員会の面々は、権田にあてがわれた高級娼婦たちをおのおの抱きかかえていた。
テーブルには最高級の美酒、それにキャビアのカナッペやスモークサーモン、イベリコハムなどの高級食材。
それらを賞味しながら、同時に抜群の美女たちを味わい尽くす。
それが彼ら、ヘイドレク委員会の委員たちの面々だ。
彼らは勝利者…そして彼らが眺めるモニターに映し出されたヘイドレクは、ピエロだ。
果たして廃車置場で一人酔っ払ったようにフラフラ彷徨うヘイドレクは、白昼夢でも見ていたのだろうか?
カローラやクラウン、シーマやシルビア、その他型落ちの廃棄処分車に囲まれて、ヘイドレクは泣いていた。
手には角材…先ほどまで2世代前のカローラの残骸をガンガンそれで殴りつけて暴れていたのだ。
このモンスターめ、ボクはファンタジー世界の英雄だぞ、と怒鳴りつけながら。
誰もいない車の墓場で、ヘイドレクは力なく崩れ落ちる。
廃油が染みて汚れた地面に這い蹲り、己の過酷な運命に怨嗟の言葉を吐いている。
705 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/30(日) 19:57:21
そのとき、ヘイドレクに危機が迫っていた。
廃車置場に向かって、綜合警備保障の巡回車がゆっくりと向かってきていたのだ。
白と紺の車体カラーの巡回車の列は、屈強な警備員たちを乗せて県道を曲がり、ゆっくりと市道を進む。
郊外の河原に設えられた広大な廃車置場まであと少し。
そんな危機が迫っているなど夢にも思わず、ヘイドレクは突然作業着のズボンをずり下ろした。
困ったときにはオナニー、それが英雄ヘイドレクの流儀なのだ。
もさもさに密集した陰毛の中に隠れるように、ヘイドレクの貧弱ペニスが起立する。
2週間近く入浴していない(正確には公園の水飲み場で体を拭っていない)ために、そのチンコは臭そうだ。
その可愛らしいチンコを、ヘイドレクは掴んだ。
つい先ほど草叢で拾った週刊プレイボーイのグラビアを開く。
グラビアページにはあられもない姿でその肢体を晒すグラビアアイドル。
しなやかな肉体に、たわわな乳房をぶら下げるミルクタンク。
芸術的なヒップラインを惜しみなく強調するポーズ。
そんな我儘な肉体を、過激なまでに小さい水着で辛うじて覆い、彼女たちは微笑んでいた。
ヘイドレクには一生向けられることがない、美女たちの微笑み。
ヘイドレクの右手が激しく蠢く。
ああ、たまらない…星明りとアークライトの照らす廃車置場で、浮浪者ヘイドレクはオナニーをし続ける。
見果てぬ夢を追い続け、ついにたどり着いた極楽郷…それは己の貧弱な想像力が描き出す妄想世界であった。
706 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/30(日) 19:57:56
廃車置場のゲートが開く音がする。それと同時に廃車置場に入ってくる巡回警備車のエンジン音も。
だが、その物音はヘイドレクの耳には決してとどかない。
彼は現実世界では決してみることの出来ない夢の世界の音楽を聴いていた。
世間一般の人間から見れば調子外れの音痴な音楽かもしれない、が、ヘイドレクにとっては女神の囁きそのものだ。
車の残骸の中で半裸でオナニーをしているヘイドレクを、警備員たちは発見した。
彼らは無線で警察に連絡するとともに、呻き声を上げて射精を始めたヘイドレクを地面に取り押さえる。
あはははっ!と呆けたように笑い続けるヘイドレク。
そんなヘイドレクの頭に向かって、警備員は鋳鉄製の図太い警棒を振り下ろした。
ゴンッ、と鈍い音を響かせ、ヘイドレクはそのまま失神する。
尿を放ち、便を漏らし、器用にも射精を繰り返しながら…。
707 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/01(月) 09:01:45
気が付くとヘイドレクは昼なお暗い山の中にいた。
大木の太い枝から一本の荒縄で吊されている。胴の部分をぐるぐる巻きにされ、まるで
蓑虫の如くだ。フルチンである。
「あれっ。なんで僕はこんなところにいるんだ?」ヘイドレクはきょとんとした顔で呟く。
今までの経緯をちっとも覚えていない。さすが忘却の名人ヘイドレク。馬鹿だ。
「ふっふっふっ。お目覚めのようだな」がさっ、がさっ、と枯れ葉を踏む音を立てて権田
伯爵が現われた。委員会の者たち数人もいっしょである。
「あっ、テメェ権田!」ヘイドレクは目を剥いて叫んだ。
「権田じゃないだろ、権田じゃ」口元を歪めて笑い、コートの内ポケットから葉巻を抜き
取る。取り巻きの者が差し出したライターで火をつけた。「権田伯爵と呼べ」
ヘイドレクに向かってふぅぅぅと煙を吐いた。
「なんだテメェ、こんどは伯爵か」伯爵、というのがどのような地位の者なのかはよく分
らなかったのだが、とりあえず偉い人であることは間違ないとそれだけはヘイドレクにも
理解できた。「権田のくせに!」
まるでジャイアンみたいなセリフを口ばしった。
「自分の立場をわきまえていないようだな」権田は真顔で取り巻きの者に目配せする。「
やれ」
ヘイドレクに向かって顎をしゃくる。
「うわ。な、なんだ。なにを。うわあああ!」
ヘイドレクの悲鳴が遠くの山々までこだました。
「ほら、山びこだよ…」
お父さんはマサシくんにそう言い、遠くの八ヶ岳を指差しました。
マサシくんは、お父さんが指を差した方向に耳を済ませます。
するとどうでしょう、遥か八ヶ岳の峰から素敵な声が聞こえます。
「あ、本当だパパ、凄いや!」
マサシ君は嬉しそうに笑います。
「ねえ、どこどこ?私も聞きたいよ!」
マサシ君の妹、マユミちゃんはパパにねだります。
マユミちゃんは今度、エニグマ幼稚園の年長組になりますが、まだまだ甘えん坊さんです。
優しいパパはマユミちゃんを抱き上げ、そして頬に優しくキスをします。
パパはお髭が濃いので、マユミちゃんの頬にはざらざらした感触がします。
「ほらマユミ、あっちの方だよ。耳を済ませてごらん?」
パパはそう言って、再び八ヶ岳を指差しました。
マユミちゃんは目を閉じ、耳を済ませます。
するとどうでしょう、再び甲高い声が響いてきます。
「あ、パパ。私も聞こえたよ!ねえ、あれは何?」
マユミちゃんはパパの首に抱きついて尋ねます。
子供は好奇心がいっぱいです。
見晴らしのよい高台でお弁当にしましょう、とママはゴザを敷き、お弁当の用意をしています。
良く晴れ、遠くアルプスまで見通せる素敵な場所。
空気も澄んでいて春風がとても気持ちいいです。
優しい陽射しが幸せな家族を照らします。少し眩しいくらいの陽だまりです。
「マサシ、マユミ。あれはね…、」
パパはマサシくんの手を取り、マユミちゃんを抱き寄せました。
「あれはね、ヘイドレクという男の悲鳴なんだよ」
パパはそう言って、遠く八ヶ岳の峰々を見ながら微笑みました。
710 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/02(火) 04:08:17
山の中に放置されたヘイドレクの目の前に突如仙人が現れた
711 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/02(火) 08:50:47
たくさんいる。
数えてみると千人いるようだ。
712 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/02(火) 17:35:40
しかも全員専任仙人に選任された千人の仙人たちだ
713 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/02(火) 18:58:49
ネタフリが弱い
714 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/02(火) 19:54:11
と、987番目の仙人が怒りもあらわに言った。
715 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/02(火) 21:30:24
ここで「
>>713番目の仙人」と言えなかった
>>714のセンスの無さをヘイドレクまでが呆れ返った。
「悪くないネタ振りだったんだがな、
>>714よ。だがもう一押し足りなかったようだ」
>>715番目の仙人が、そう言って
>>714の仙人を詰った。
そう、彼は惜しかったのだ。誰もが彼のネタ振りを決して悪いものとは思っていない。
だが、最後の最後で、彼はそれを完成させることが出来なかったのだ。
何と惜しいことを…惜しいにも程がある。
「…修行が足りないんじゃないですか?」
ヘイドレクは、思わずそう呟いてしまった。
しかもさらに悪いことに、ちょっとだけ笑ってしまった。
それがまずかった。
ヘイドレクに呆れられ、嘲笑われるなど、この宇宙にこれ以上の屈辱はあるわけがない。
しかも巨大な楡の木の枝にぶら下がったままの、全裸のヘイドレクに笑われたのだ。
716 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/02(火) 21:31:10
>>714は震えた。
憤り、屈辱、無念、慙愧…ありとあらゆるネガティヴな感情が、
>>714の心をかき乱す。
今までの長い修行の末に、ようやく714番目の仙人になれたのに…それなのに!
>>714は立ち上がった。そしてヘイドレクの元に歩み寄った。
不思議なことに、彼の顔には笑顔が浮かんでいる。
まるで慈悲深い仏のような笑顔だ…修行の末にたどり着いた涅槃の笑顔だ。
その笑顔のまま、なおも失笑するヘイドレクに向かって近づいてゆく。
ヘイドレクは気づかない。
気づかねばならなかっただろう。
>>714の素敵な笑顔の奥に隠れ潜んだ、桁外れの殺意に。
残り999人の仙人が見守る中、
>>714番目の仙人は、ヘイドレクに向かって…
717 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/03(水) 04:29:11
とろけるようなキスをした
718 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/03(水) 06:40:58
そのまま熱い抱擁
裁判所でなQQQ
720 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/03(水) 09:13:48
とりあえず執行猶予がついた
721 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/03(水) 23:27:45
さっそく泥棒に入るヘイドレク。
口の周りに黒々とヒゲを生やし、唐草模様の風呂敷でほっかむりをしている。
ファンタジーの要素が足りないといけないので、いちおう腰にはオモチャの剣。
完璧だ、とヘイドレクはひとりほくそ笑んだ。
722 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/09(火) 06:05:41
しかしヘイドレクはズボンとパンツを履き忘れていた
723 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/09(火) 17:56:17
うんこするときに全部脱いで、そのまま履き忘れて出てきてしまったのだ
724 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/09(火) 21:10:26
そのウンコをした場所が、なんと今から泥棒に入る屋敷なのだ。
725 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/09(火) 21:45:49
しかもそのうんこはこれからするのだ。
726 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/09(火) 21:56:15
権田部長がヘイドレクの代わりに。
727 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/10(水) 07:03:19
素敵な詩をありがとう。
728 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/10(水) 12:40:39
と、ヘイドレクは言った。
権田部長がかわりにウンコをしてくれたので腹痛はすっかり治まっている。
きっとそれは詩的な出来事だったに違いない。
729 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/11(木) 20:55:54
ちなみに権田はレオタードを着ている。
ヘイドレクは訊いてみた。
「なんで権田さんは、そんな恰好をしているんですか?」
「むろん」と、権田はウインクして親指を立てた。「いっしょにあの屋敷へ侵入するためじゃないか!」
どうやらキャッツアイのつもりらしい。
730 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/14(日) 17:15:30
「みーつめる、キャッツアイ♪」と、権田は歌いながら飛び上がった。
素晴らしい跳躍力だ。ひとっ飛びで屋敷の屋根へと降り立った。
「さあ、ヘイドレク。君もくるんだ!」
しかしヘイドレクは動けなかった。前屈みに股間を押さえ込んでいる。
「ちょ、ちょっと僕は……」
大股開きに飛び上がった権田の股間のモッコリを見て、ヘイドレクの股間もモッコリしたのだ。
こちらの方は性的興奮で……。
731 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/14(日) 17:21:58
どこがファンタジー?
732 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/14(日) 17:54:28
733 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/14(日) 17:55:36
↓あとは、まかせた!
734 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/14(日) 19:38:51
そいつが勝手に一人で書いてるだけ
ほっとけ
735 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/15(月) 18:38:51
何でやめちゃったんだろうね
736 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/17(水) 09:38:56
ふたりしかいないから
737 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/19(金) 01:39:33
ヘイドレクって何?
738 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/20(土) 21:29:58
ヘイドレクというのはファンタジー世界に現れた希代の英雄にして、史上最高の才能を持つファンタジー作家ですよ
739 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/21(日) 00:34:51
そうなのだ。ヘイドレクは希代のファンタジーヒーローなのだ。
「な、なんてことをしようとしていたんだ……。俺は……。」ヘイドレクは膝からその場にくず折れた。
昔のことを思い出す。
ヘイドレク十五の夜であった。――
「オジサン、頼んでいた制服できた?」
「うん。できたけど……」仕立て服屋のオヤジはヘイドレク少年を訝しげな表情で見つめた。
近所でも評判の真面目な少年ヘイドレク。それがある日とつぜん長ランにボンタンズボンを注文してきたのだ。
学校で生徒会委員長まで勤めている、ヘイドレクが。
「いいのかい。こんなものを……」
「いいんだよ!」ヘイドレク少年は明らかに強がりと分かる語調で叫んだ。「お金は払っただろ!」
ひったくるように改造制服をオヤジの手から取ると、店を飛び出した。
心配顔でその様子を見届けるオヤジ。額には、玉の汗が浮かんでいた。
「なにがあったんだ。あの子……」
740 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/21(日) 00:44:16
「うおおおおっ」
深夜の田舎街を自転車で疾走するヘイドレク。あの改造制服をきている。
髪型はリーゼントだ。剃り込みはいれていない。
いつもの真ん中分けの髪型から作ったものであり、剃り込みを入れるほどの勇気はない。明日からの学校生活を考えて。
また明日からは真面目な生徒として登校するつもりなのだ。
この夜はヘイドレク少年にとっての大冒険。漫画のビーバップハイスクールで見た登場人物になりきれる、夜。
「うおおおおっ。なんぼのもんじゃい、ゴルァ!かかってこいや!」
ヘイドレク少年はペダルをこぎつづける。
途中、コンビニ前にたむろする本物の不良たちを目撃しあわてて来た道を引き返したりしながら。
「ひ、ひぃぃぃ。はぁはぁ」
――そんなこんで夜は白み始める。
ヘイドレク少年は川沿いの橋元に自転車を停め、土手へとおりた。
ポケットからタケノコの里を取り出し、草の上へ体育座りした。
名の残りおしそうに浮かんでいる三日月を見上げながらボリボリ、ボリボリとひとつひとつを味わった。
涙が、こぼれ落ちた。
「あの頃から、何も変わっちゃいないな……。俺……」ヘイドレクにしてはめずらしく現実を直視した。「いや、むしろ悪くなっているな」
鬱になった。
「死のう」決然と立ち上がった。
741 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/21(日) 19:24:53
富士の樹海へ向かう途中、ヘイドレクは捨て犬を見つけた。
「お前も見捨てられたんだな。必要と、されなかったんだな……」
ヘイドレクは電信柱の下に屈み込んで箱の中の子犬をなでた。
その子犬はハァハァと口をあけて、嬉しそうに尻尾をふる。
子犬の舌先は心ない何者かの手によって、三分の一ほどが切断されていた。
742 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/23(火) 13:38:52
743 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/23(火) 13:43:46
何だか見づらいね
よく分からないや
まあ頑張ってよ
744 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/23(火) 19:19:55
>>742 素晴らしい、感動した
この作品は傑作中の傑作だ
来年の今頃はノーベル文学賞を受賞していると思う
こんな才能が埋もれていたなんて驚きだ
745 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/23(火) 21:21:25
746 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/23(火) 22:06:09
見えるよ
コピペして飛んでごらん
747 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/23(火) 22:37:08
見えるよ
93やって飛んでごらん
748 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/24(水) 17:39:19
見えるよ
アナルにビール壜ねじ込んでグリグリやってごらん
749 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/24(水) 17:52:30
ほんとだ!
93やって
アナルにビール壜ねじ込んでグリグリやって
コピペして飛んだら見えた!
750 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/24(水) 18:33:44
ワロスwww
751 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/28(日) 01:24:15
乳首を洗濯ばさみで挟むのを忘れんなよ
752 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/30(火) 19:18:40
言われたとおりに乳首を洗濯ばさみで挟み込んだヘイドレク。
強力なスプリングの締め付けに、ヘイドレクの乳首は今にも千切れそうだ。
「痛い、痛いよとっても!」
部屋の中で一人呻くヘイドレクは、何故か微笑んでいた。
まるで母の愛…自らの肉体を苛めるその苦痛が、ヘイドレクに喩えようもない悦びを齎していた。
すでにアナルにねじ込まれたビール瓶は、ヘイドレクの直腸の内壁を激しく圧迫。
さらに奥へと突き進み、ヘイドレクの内臓は今にも張り裂けそうだ。
これもまた、英雄になるための修行だ、ヘイドレクはそう解釈し、自らに課された過酷な痛みに耐えた。
753 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/30(火) 21:48:32
でもおしっこの我慢は限界だった
754 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/30(火) 23:49:14
「さあ、ヘイドレク。溜まった聖水を私にぶちまけるんだ!」
権田は片膝をついて両腕をひろげた。
両の目をとじた表情は期待で恍惚としている。
755 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/31(水) 06:02:31
うんこも我慢の限界だった
756 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/31(水) 12:27:35
権田は脱糞した。
757 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/02(金) 00:10:17
その糞をヘイドレクはありがたく貪り食った。
「権田さんのウンコが食べられるなんて幸せです!」涙をボロボロこぼしていた。「人間、生きていたらいいことがあるんだなぁ」
新年を迎えたヘイドレク。
この馬鹿は相変わらずである。
758 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/02(金) 17:55:22
∧l二|ヘ
(・ω・ ) おいらをどこかのスレに送るんよ
./ ̄ ̄ ̄ハ お別れの時にはお土産を持たせるんよ
| 福 | |
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現在の所持品: 帽子 老眼鏡 爪楊枝 ステテコ コタツ 一億五千万円
759 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/02(金) 21:52:29
∧l二|ヘ
(・ω・ ) おいらを次のレスに送るんよ
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| 福 | |
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覚醒剤200キロ
760 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/02(金) 22:10:17
「い、一億五千万!」ヘイドレクは驚愕した。「一万円札が一億五千万枚……」
さすがはヘイドレク。むしろ去年よりも馬鹿に磨きがかかっている。
そんなヘイドレクを見て権田は飽きれかえるを通りこし、こちらの方もやはり驚愕していた。
761 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/03(土) 17:17:55
∧l二|ヘ
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覚醒剤200キロ 核弾頭搭載巡航ミサイル
762 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/03(土) 19:57:23
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覚醒剤200キロ 核弾頭搭載巡航ミサイル 使用済み生理用ナプキン
763 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/04(日) 17:25:45
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重装騎兵隊一個師団
764 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/04(日) 20:39:28
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重装騎兵隊一個師団 ヘイドレク
765 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/04(日) 21:08:55
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重装騎兵隊一個師団 ヘイドレク うんち一回分
766 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/04(日) 23:48:29
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覚醒剤200キロ 核弾頭搭載巡航ミサイル 使用済み生理用ナプキン
重装騎兵隊一個師団 ヘイドレク うんち一回分 おしっこ三年分
767 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/04(日) 23:55:07
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重装騎兵隊一個師団 ヘイドレク うんち一回分 おしっこ三年分
借入金百億円
768 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/05(月) 00:25:55
誰だよ
福袋にヘイドレクなんか入れたのは
769 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/05(月) 12:05:21
∧l二|ヘ
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覚醒剤200キロ 核弾頭搭載巡航ミサイル 使用済み生理用ナプキン
重装騎兵隊一個師団 ヘイドレク うんち一回分 おしっこ三年分
借入金百億円 麻雀牌
∧l二|ヘ
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覚醒剤200キロ 核弾頭搭載巡航ミサイル 使用済み生理用ナプキン
重装騎兵隊一個師団 ヘイドレク うんち一回分 おしっこ三年分
借入金百億円 麻雀牌吹雪の剣 炎の鎧 水鏡の盾 オーガシールド
グレートヘルム ミラーシールド 光のドレス 金の髪飾り キラーピアス
鉄仮面 奇跡の剣 理力の杖 水の羽衣 魔封じの杖 毒針 幸福の帽子
鉄兜 力の盾 マグマの杖 隼の剣 光の鎧 雷神の剣 刃の鎧
不思議な帽子 魔法の鎧 ゾンビキラー 鉄の爪 鉄の盾 皮の盾
ターバン 誘惑の剣 魔法のビキニ 破壊の鉄球 隼の剣・改 メタルウイング
英雄の槍 覇王の斧 メガトンハンマー 粉砕の大鉈 闇の衣
ギガントアーマー 大親分の盾 小悪魔のナイフ マジカルメイス
ドラゴンローブ 神秘のビスチェ 女神の盾 黄金のティアラ ファントムマスク
バスターウィップ オーディーンボウ 鉄の槍 紅蓮のローブ ラミアスの剣
771 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/05(月) 15:53:37
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鉄兜 力の盾 マグマの杖 隼の剣 光の鎧 雷神の剣 刃の鎧
不思議な帽子 魔法の鎧 ゾンビキラー 鉄の爪 鉄の盾 皮の盾
ターバン 誘惑の剣 魔法のビキニ 破壊の鉄球 隼の剣・改 メタルウイング
英雄の槍 覇王の斧 メガトンハンマー 粉砕の大鉈 闇の衣
ギガントアーマー 大親分の盾 小悪魔のナイフ マジカルメイス
ドラゴンローブ 神秘のビスチェ 女神の盾 黄金のティアラ ファントムマスク
バスターウィップ オーディーンボウ 鉄の槍 紅蓮のローブ ラミアスの剣
三倍アイスクリーム 蕨餅 黒潮アイス IIDXGOLD 葱 八つ橋 玄米フレーク
772 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/05(月) 17:20:18
773 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/05(月) 18:25:45
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覚醒剤200キロ 核弾頭搭載巡航ミサイル 使用済み生理用ナプキン
重装騎兵隊一個師団 ヘイドレク うんち一回分 おしっこ三年分
借入金百億円 麻雀牌 解雇通告書類
774 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/05(月) 21:31:39
∧l二|ヘ
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覚醒剤200キロ 核弾頭搭載巡航ミサイル 使用済み生理用ナプキン
重装騎兵隊一個師団 ヘイドレク うんち一回分 おしっこ三年分
借入金百億円 麻雀牌 解雇通告書類 コシノジュンコ著「おしゃれ入門」
775 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/06(火) 06:20:59
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重装騎兵隊一個師団 ヘイドレク うんち一回分 おしっこ三年分
借入金百億円 麻雀牌 解雇通告書類 コシノジュンコ著「おしゃれ入門」
「ついでにとんちんかん」第四巻
776 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/06(火) 17:43:24
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覚醒剤200キロ 核弾頭搭載巡航ミサイル 使用済み生理用ナプキン
重装騎兵隊一個師団 ヘイドレク うんち一回分 おしっこ三年分
借入金百億円 麻雀牌 解雇通告書類 コシノジュンコ著「おしゃれ入門」
「ついでにとんちんかん」第四巻 「くりいむレモン」OVA
777 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/06(火) 23:13:53
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覚醒剤200キロ 核弾頭搭載巡航ミサイル 使用済み生理用ナプキン
重装騎兵隊一個師団 ヘイドレク うんち一回分 おしっこ三年分
借入金百億円 麻雀牌 解雇通告書類 コシノジュンコ著「おしゃれ入門」
「ついでにとんちんかん」第四巻 「くりいむレモン」OVA ダッチワイフ
778 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/07(水) 04:18:57
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現在の所持品: 帽子 老眼鏡 爪楊枝 ステテコ コタツ 一億五千万円
覚醒剤200キロ 核弾頭搭載巡航ミサイル 使用済み生理用ナプキン
重装騎兵隊一個師団 ヘイドレク うんち一回分 おしっこ三年分
借入金百億円 麻雀牌 解雇通告書類 コシノジュンコ著「おしゃれ入門」
「ついでにとんちんかん」第四巻 「くりいむレモン」OVA ダッチワイフ
ピコピコハンマー(ヘイドレクと言ったらこれでしょ!)
779 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/07(水) 18:40:07
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(・ω・ ) おいらを次のレスに送るんよ
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現在の所持品: 帽子 老眼鏡 爪楊枝 ステテコ コタツ 一億五千万円
覚醒剤200キロ 核弾頭搭載巡航ミサイル 使用済み生理用ナプキン
重装騎兵隊一個師団 ヘイドレク うんち一回分 おしっこ三年分
借入金百億円 麻雀牌 解雇通告書類 コシノジュンコ著「おしゃれ入門」
「ついでにとんちんかん」第四巻 「くりいむレモン」OVA ダッチワイフ
ピコピコハンマー(ヘイドレクと言ったらこれでしょ!)
ヘイドレクはファンタジーノベル大賞とか角川ホラー大賞とか狙って
下手糞な文章を原稿用紙に書き連ねて毎回送りつけて
そんで下読みに適当にパラ見されてそのままゴミ箱に放り込まれて終わってるが
本人は自分にファンタジー作家の才能があると勘違いして自意識過剰になってる
そんな連中の総称なんだよ
で、その原稿用紙を追加
780 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/07(水) 19:55:12
∧l二|ヘ
(・ω・ ) おいらを次のレスに送るんよ
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現在の所持品: 帽子 老眼鏡 爪楊枝 ステテコ コタツ 一億五千万円
覚醒剤200キロ 核弾頭搭載巡航ミサイル 使用済み生理用ナプキン
重装騎兵隊一個師団 ヘイドレク うんち一回分 おしっこ三年分
借入金百億円 麻雀牌 解雇通告書類 コシノジュンコ著「おしゃれ入門」
「ついでにとんちんかん」第四巻 「くりいむレモン」OVA ダッチワイフ
ピコピコハンマー(ヘイドレクと言ったらこれでしょ!)
ヘイドレクはファンタジーノベル大賞とか角川ホラー大賞とか狙って
下手糞な文章を原稿用紙に書き連ねて毎回送りつけて
そんで下読みに適当にパラ見されてそのままゴミ箱に放り込まれて終わってるが
本人は自分にファンタジー作家の才能があると勘違いして自意識過剰になってる
そんな連中の総称なんだよ
で、その原稿用紙を追加
そろそろこのネタが賞味期限切れなので防臭剤
781 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/08(木) 00:57:17
これだけの所持品を持ったヘイドレクは、たった一人で大地に降り立った。
目の前には無数の死体…終わったばかりの戦いで死んだ戦士たちの骸が、折り重なるように横たわっている。
流れ出る血が、乾いた大地に吸い込まれてゆく。
晴れ渡った空には雲一つなく、中天の太陽が放つ熱線が、屍たちを焼く。
風が吹いた。わずかに焦げ臭い南風が、ヘイドレクの頬をかすめる。
先ほどまでのあの激しい戦いなどまるで無かったかのように、暖気を孕んだ風が辺りを吹きぬけた。
そんな中で、ヘイドレクはゆっくりと立ち上がった。
全ての希望は打ち砕かれ、全ての夢が破れたこの荒野の只中で、彼は大地を再び踏みしめた。
泥に塗れ、草臥れた己の肉体が悲鳴を上げる。だが、その痛みすら心地よく感じた。
まだ生きている、という実感が、ヘイドレクの不屈の魂を再び甦らせたのだ。
「こ、ここは何処だ?」
汗ばんだ額を手で拭いながら、ヘイドレクは天を見上げた。
憎々しいほどに青い空が、頭上に広がる。
痛いほどの光が、ヘイドレクの網膜を刺す。ヘイドレクは思わず顔を顰め、太陽から目を逸らした。
無論答えるものなど居ない。それはヘイドレクにも分かっている。
782 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/08(木) 00:58:12
己の手にある謎の袋を大地に放り出した。馬鹿げた赤色の中に染め抜かれた、「福袋」という文字。
何故自分がこんなものを手にしているのかはわからない。
いや、いまさら分かったところで、そんなことなどどうでも良い。
大きく溜め息を付いたヘイドレクは、纏わり付く蝿を手で払いながら、再び大地にしゃがみこんだ。
おそらくこの世界で、再びくだらない冒険をさせられるのであろう。
この袋の中身は、この冒険のために用意されたアイテムと言うわけだ。
どうせくだらないものだろうな、とヘイドレクは唇をわずかに歪め、笑った。
そしてその予感は見事に当たった。
「何だよ、これは…」
あまりに馬鹿げた品の数々に、ヘイドレクはあきれ返った。
だがそれと同時に、ヘイドレクは己の本当の正体を悟ることになった。
この福袋の中に入っていた、束ねられた原稿用紙…そこに添えられたメモ。
”ヘイドレクはファンタジーノベル大賞とか角川ホラー大賞とか狙って
下手糞な文章を原稿用紙に書き連ねて毎回送りつけて
そんで下読みに適当にパラ見されてそのままゴミ箱に放り込まれて終わってるが
本人は自分にファンタジー作家の才能があると勘違いして自意識過剰になってる
そんな連中の総称なんだよ”
ヘイドレクという男の存在の謎…その答えが、記されていたのだ。
783 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/08(木) 00:59:16
それを見て、ヘイドレクは唖然とした。その下らなさ、馬鹿馬鹿しさに。
まるで才能の欠片もないのに、ホラーやファンタジーなんかの賞を狙って作家になろうなんて本気で思っている馬鹿。
そんな奴らが、この世の中に本当に存在するなんて…その気持ち悪さに、ヘイドレクは思わず怖気だった。
「くだらねえ連中だな…しかも俺も前世はこんな人間の屑みたいな存在だったなんて、最低だな」
手にした原稿用紙の束を握り締めながら、ヘイドレクは溜め息を付く。
今回ばかりは、今までとはまるで異なる、逞しく凛々しい一人の男として再生したヘイドレク。
彼の魂には、天の計らいによって勇者の意志と、過酷な運命の車輪が刻まれていた。
だが、彼の持っているのは
>>780で書き込まれた下らない品々。
この先、この心もとない武器で、運命を切り開いてゆかねばならないのだ。
とりあえず子供銀行発行の一億五千万円と、小学二年生がふざけて書き込んだ借入金百億円の証文は不要だ。
ヘイドレクはそれを傍で燃えていた火の中に放り込む。
うんち一回分と、おしっこ三年分は、その辺に撒き散らした。
結構な量であるものの、屈強な肉体を与えられたヘイドレクにとっては大した重さではない。
大量の屎尿は、辺りに散らばる戦士たちの遺骸の上に撒き散らされ、死せる戦士たちの栄誉を穢した。
784 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/08(木) 01:00:08
リストにあった重装騎兵隊一個師団は、先ほどの戦いの中で展開させ、敵の主力部隊と相打ちとなって全滅している。
かつての王国からヘイドレクを慕って付いてきた歴戦の勇者たち…その頼もしき部下たちの喪失を、ヘイドレクは悔いた。
(俺も、今や流浪の王だな…)
ヘイドレクは己の運命の流転を呪う。そして失われた自らの王国のかつての栄華を想い、思わず目を潤ませた。
手元に残ったのは、以下の品々。これらはそのうち使えそうだ、とヘイドレクは考え、再び福袋の中にしまいこんだ。
現在の所持品: 帽子 老眼鏡 爪楊枝 ステテコ コタツ
覚醒剤200キロ 核弾頭搭載巡航ミサイル 使用済み生理用ナプキン
うんち一回分 おしっこ三年分 麻雀牌 解雇通告書類 コシノジュンコ著「おしゃれ入門」
「ついでにとんちんかん」第四巻 「くりいむレモン」OVA ダッチワイフ
ピコピコハンマー 原稿用紙 防臭剤
「さあ、冒険の始まりだ…」
福袋を肩に担ぐと、ヘイドレクは何処とも知れぬ方角に向かい、荒野を踏み出した。
誰も待つものなど居ない、目指す場所もない、永遠の放浪…。
785 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/08(木) 04:20:25
旅立つ前にとりあえずその辺にうんこをしたヘイドレク
今回は男前の英雄なんだってな
よかったなヘイドレク
786 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/08(木) 17:22:32
大量の糞便を排出し、下腹部が軽くなったヘイドレク。
地面には、今まで自分の腹の中に詰まっていたとは俄かに信じがたいほどの量の糞が積みあがった。
「まいったなあ、内臓が全部出ちまったかと思ったぜ」
ヘイドレクは無骨な二枚目フェイスを少し歪ませて、自嘲的に笑った。
さらに腹を力ませ、腸内に残る糞便を搾り出す。
ブリブリッという香ばしい音とともに、残った糞の滓が肛門から飛び散った。
同時に膀胱の栓を開き、膀胱内に溜まった大量の尿を吐き出した。
生暖かい南風に乗って、芳しい糞便の香りが辺りを漂う。
荒れ果てた大地の只中で、ヘイドレクは排便の快楽に酔いしれ、思わず唸った。
暫くして、ヘイドレクは気づいた。
「あ、紙が無いな…」
そう、ヘイドレクの手荷物の中にはトイレットペーパーは無いのだ。
787 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/08(木) 17:23:03
(しまったな、これからもうんこの後にケツがふけないのか…)
ヘイドレクはその事実に驚愕した。
伝説の英雄になる(予定)の勇者である自分が、肛門にうんこをべっとりさせたまま旅を続けなければならないのだ。
「そんな格好悪いこと、冗談じゃねえよ。」
思わずヘイドレクは舌打ちする。
するとどうだろう、とっさにナイスアイデアを思いついたのだ。
今回ばかりは聡明な頭脳(ただしファンタジー作家志望レベルから見ての話)を受け継いだヘイドレク。
前世の彼であれば、手でケツを拭いてそのまま手に付いたうんこを舌で舐めてしまっていただろう。
何度も転生を繰り返し、遂にヘイドレクは進化(?)したのだ。
「これで拭けばいいじゃんか…なんだよ簡単な話じゃんかよ!」
そう思いついた途端、ヘイドレクはカッカと豪快に笑って見せた。
ヘイドレクは自分の荷物(「福袋」と書かれている)の中から目的の物を取り出した。
そう、それは前世のヘイドレクが大事に大事に書き連ねた、原稿用紙だ。
かつての世界では、ヘイドレクは命がけでこの原稿用紙に文字を書き連ねていた。
祈るような気持ちで出版社に原稿を送り、そのまま編集者にゴミ箱に捨てられ続けたあの原稿。
にも関わらず、いつか自分の才能が世に認められると根拠無く信じ込んでいたあの無為な日々。
その前世のヘイドレクの血と涙の結晶たる、ファンタジー小説を書き連ねた原稿が、今ヘイドレクの手に握られている。
そこには、ファンタジーノベル大賞やラノベ大賞、日本ホラー大賞を狙って書いた駄文たちの文字が躍る…。
788 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/08(木) 17:23:37
ヘイドレクはその原稿を一枚無造作に引っ張り出すと、適当な大きさに折りたたんだ。
そのまま何のためらいもなく、そんぽ原稿用紙で己の肛門を思い切り拭った。
ゴシゴシ、フキフキ…。
肛門にこびり付いていたその糞をあらかた拭うと、ヘイドレクはそれをその辺に放り捨てた。
まあ、かつてのヘイドレクの書き連ねていた作品なんぞ、そんなレベルの物に過ぎなかったので、何の問題もない。
きっちりケツを拭き、肛門をピカピカに磨き上げたヘイドレクは、パンツとズボンを引き釣り上げた。
引き締まった腹筋、盛り上がった肩の筋肉…かつての脆弱メタボなヘイドレクボディとは打って変わったマッチョボディ。
その肉体を躍動させながら、ヘイドレクは荷物を担ぐ。顔には、思わず引き込まれそうな笑顔が浮かんでいる。
便意を解消できた悦びと、トイレットペーパーの問題を解決できた喜び…気づくとヘイドレクは声を上げて笑っていた。
笑い声を上げながら、ヘイドレクは再び荒野を歩き出した。
未知なる冒険を求めて…。
789 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/08(木) 19:31:22
アイテムを使ったりアイテムをげっとしたりすればいいってこと?
790 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/08(木) 21:29:14
いや、違う。
今の自分にとっていちばん必要なのは食料だ。
テントの隅で膝を抱え座り込んでいたヘイドレクは勢いよく立ち上がった。
失業者たちを掻き分け外へ出る。
派遣村の空は悲しいくらいに晴れ渡っていた。
791 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/09(金) 00:24:47
792 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/09(金) 02:18:22
>>789-791 いや、アイテムを使ったりアイテムをゲットするだけじゃなくて、それで面白いことをやるのが目的なのだ。
そう、それは愛の行為。神へと通ずる道を歩む修羅道であるのだ。
ヘイドレクの立ち向かうその先には、様々な困難が待ち受けているであろう。
その困難に立ち向かい、全てが明らかになったそのとき、ヘイドレクは神になるのだ。
ヘイドレクはクシャトゥーリアの家門に生まれたそのとき、蓮の葉の上に立ち上がったという。
そこで彼は、瞑目するように目を瞑りながら、後々まで語り継がれる気高いお言葉を発せられたのだ。
「天上天下、唯我独尊」
そのお言葉を耳にされたアレクセイ・クロポトキン閣下は、その場で両手を合わせられ、滂沱の涙を流されたのだ。
クロポトキン閣下は感動の熱き涙を拭いもせず、答えたという。
「ああ、この御子こそ、神より遣われし救世主さまだ!」
感激のあまりクロポトキン閣下はその場で白刃を抜き去り、己の喉を付いて殉死なされたという。
そう全ては伝説…神の御子として誕生した救世主・ヘイドレクの神話の始まりなのだ。
793 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/09(金) 02:19:09
クシャトゥーリアを名乗りながらも実際は大工であったヘイドレクの父ヨゼフ。
彼は同時に、当局にマークされた極左テロリストであり、ゴラン高原で密売したアヘンをローマに流す売人でもあった。
紀元前23年に引き起こされた、かの有名な「血のアッピア街道事件」の首謀者も父ヨゼフである。
この時にはローマ人やフェニキア人、フィレンツェ人など数百人の市民が犠牲となっている。
この酸鼻極まる凶悪テロ事件により、ヨゼフ属するグレゴリー=ザイツェフ聖騎士団は、パブリックエナミーbPとなった。
地中海世界全域に指名手配されたヨゼフらは、ローマの憲兵百人隊に追いつめられ、海路中近東へ逃亡した。
母はマリアンヌ…彼女もまたグレゴリー=ザイツェフ聖騎士団の外部秘密工作院である。
類稀なる美貌と、10カ国語を操る語学力を活かしてパリの社交界に出入りしたマリアンヌ。
ルイ16世の寵愛を受けた彼女は、特に請われてマリー・アントワネットの教育係となったのだ。
そしてマリアンヌは、マリーに言わせた名言がある。
バスティーユ監獄襲撃事件で武装蜂起したパリの民衆。
そんな彼ら民衆たちがヴェルサイユ宮殿に押し寄せて「パンをよこせ!」シュプレヒコールを挙げるその只中…。
「パンが無ければ、うんこを食べればいいじゃない・・・うふっ!」
そう、この名言こそ、マリアンヌがマリーに言わせたものだったのだ。
そしてその言葉は、民衆達を歓喜の渦に巻き込んだのだ。
マリーの放ったその言葉を耳にした民衆たちは、その場でうんこを垂れ流し、先を争って喰らったという。
それが後に語られるフランス革命だ。
794 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/09(金) 02:19:40
だがそんなマリアンヌの陰での努力も長続きしなかった。
鵯越の戦いで破れた平家の軍勢が瀬戸内海に落ち逃げ、源平の軍事バランスが崩壊。
マリアンヌの身を危うくなり、知己のあるゾロアスターの手引きでヨゼフのいるアレクサンドリアに落ち延びた。
皇帝オクタヴィアヌスが放った刺客の目を盗み、アレクサンドリアの町を抜け出た一行は、ガラリアの地を目指す。
別名ムンバイ…またの名をガンダーラと呼ばれるガラリアの地は、現在の神奈川県茅ヶ崎市東海岸一丁目付近だ。
快速アクティーの停車する茅ヶ崎駅から徒歩にして十分ほどの場所にあるその公園の片隅に、一行はたどり着いた。
彼らは皆傷ついていた…戦いに疲れ、理想の天国を見失い、多くの血を流し、虚しい犠牲を生み出してきた。
そんな修羅の日々に、皆疲れ果てていたのだ。
そんな時であった。マリアンヌが産気づいたのだ。
後世の歴史では馬小屋と伝えられるその場所は、実際は市営公園の公衆トイレだ。
そこで我らが御子が誕生したのだ…祝福と、嘲笑に包まれる中で。
この気高い御子には、美しい名前がつけられた。
その名は「ヘイドレク」
そう、神の名前だ。
795 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/09(金) 16:09:03
現在の所持品: 帽子 老眼鏡 爪楊枝 ステテコ コタツ
覚醒剤200キロ 核弾頭搭載巡航ミサイル 使用済み生理用ナプキン
うんち一回分 おしっこ三年分 麻雀牌 解雇通告書類 コシノジュンコ著「おしゃれ入門」
「ついでにとんちんかん」第四巻 「くりいむレモン」OVA ダッチワイフ
ピコピコハンマー 原稿用紙 防臭剤
796 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/09(金) 19:16:48
ヘイドレクが公衆便所で生を受けたその日、東の空に輝く星が赤く燃え上がったことが知られる。
その星は一瞬、真っ赤に燃え上がったと思ったら、その後三つに分裂し、さらにそれぞれが六つに分裂した。
合計18個に分裂したその星は、隊列を組みながら東の空を見事に飛行。
なおかつ整った隊列を全く崩すことなく見事な宙返りを決めて見せたという。
十分ほど、華麗なる空中ショーを見せた航空自衛隊所属”ブルーインパルス”隊は、無事三沢基地に帰還。
その後直ちに領空侵犯をしたソビエト空軍のミグ23の追撃に向かったという。
その模様を見た東方の三賢者たちは「これは神が御子を使わせた証である!」と叫び、欣喜雀躍した。
彼らは長らく不況に苦しむ日本経済に絶望し、革命闘争を起こすべく地下テロ組織を結成していたのだ。
三賢者たちはコロッセオ地下のカタコンベから出ると、当局が放った伊賀忍者部隊の追撃を受けながら走った。
そう、もちろん新たに生まれ出でた救世主、ヘイドレクへの祝福のためだ。
伊賀忍者軍団を率いるのは陪臣ウラディミール。
そう、彼こそは後にゲティスバーグ演説の最中のリンカーン大統領を狙撃し、暗殺した男だ。
またダラスの路上でケネディ大統領を殺害したのもまた、彼である。
797 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/09(金) 19:17:21
先日行われた宮廷付きの魔術師である阿部晴明の占星術による予言は、恐るべきものだった。
大ローマ帝国を脅かしかねない危険な存在が、西暦3986年の今、誕生したというのだ。
その名は、ヘイドレク…神の子を名乗り、パクス・ロマーナを崩壊させかねない危険な存在。
ここで彼の命運を立たねばならない、と占星術師たちは皇帝に告げた。
でなくば、皇帝ピサロは奴隷に貶められ、マッチョなお兄さんに永遠にアナルを掘られる運命を化されるという。
「ゴクリ…」
思わず生唾を飲み込んだ皇帝ピサロは、心中の興奮を抑えるのに必死であった…実は彼はホモなのだ。
だが、ホモが皇帝の座に着くことは神への冒涜であり、許されるものではない。
それゆえ彼がホモであることは、後宮の中でもごく一部のホモ従者たちのみなのだ。
このような皇帝自らによる涜神行為こそが、世の動乱を招いているのだ。
にも関わらず、保身に必死な皇帝はウラディミールに命令を下達する。
「ヘイドレクなるものを捕らえ、殺害せよ!」
皇帝は怒鳴りつけた…ホモであるにも関わらず皇帝となった男。
実は密かに奴隷となってマッチョ兄さんたちにアナル開発されることを夢想すらしていた不埒な王。
だが、皇帝はそんな心中の迷いを振り払うかのように、もう一度さけんだ!
「ヘイドレクを殺せ…もしできなくばウラディミールよ、そなたを去勢する!」
ひいっ!と悲鳴を上げたのを憶えている。
ウラディミールは思わず自分の股間を押さえながら、慌てて皇帝ピサロの前にひれ伏した。
(ヘイドレクを殺さねば、俺のきんたまが切り取られて、一生ソプラノボイスになってしまう!)
希代の女好きであるウラディミールにとっては最大級の恐怖であった。
798 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/09(金) 19:17:59
かくしてウラディミールは、配下の伊賀忍者軍団を総動員し、ヘイドレクの行方を追った。
その網に掛かったのが反政府テロ組織「東方の三賢人」というグループであった。
彼らはサンバルテルミの大虐殺を引き起こしたあと、血のメーデー事件まで引き起こした危険な団体だった。
ICPOのリストにも、トップランクに記載されているカルト的集団…それがヘイドレクの元に向かっているという。
「チャンスだっ!」
ウラディミールは伊賀忍者の服部カンゾウとシンゾウの兄弟を呼んだ。
伊賀忍者たちの中でも最高レベルの暗殺技術を持つ腕利きだ。
「武装テロ組織”東方の三賢人”のアジトのあるレキシントンアベニュー三番地の雑居ビルを包囲し、殲滅せよ!」
ウラディミールは二人に命じた。そして獅子丸という人食いマッドドッグを付け、彼らのアジトを襲わせた。
実に30人近い犠牲者を出しながらも、東方の三賢人たちはアジトを抜けた。
向かうは神奈川県茅ヶ崎市…まだ生まれて間もない御子、ヘイドレクのおわすその場所だ。
彼らは走った…仲間達が次々と倒れる中、振り返りもせずに。流れる涙を拭おうともせずに。
旅立つヘイドレクに、届けなければならないものがあるのだ。
それをヘイドレクに届けずに、死ぬことは出来ない。(※その荷物の一部が
>>795)
一方、ヘイドレクはそのころ、オムツの中にうんこを垂れ流すのに忙しかった。
799 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/09(金) 20:38:13
そのウンコは高く売れた。飛ぶように売れた。
店頭にならぶヘイドレクウンコを求めて民衆は暴動寸前だった。
「うおーっ。そのウンコ、俺によこせ!」
「金ならいくらでも出すぞー!」
「子供が病気なんです……。そのウンコがないと……」
人々は虚実いりまじりの訴えで、必死な形相だ。
800 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/10(土) 00:29:03
出張先のビジネスホテルで、ネット検索をしてデリヘルを呼び
そしてことを済ますと、現地の居酒屋を検索して地元グルメを堪能し
いい気分になってホテルに戻り、コンビニで買ったビールとスルメを味わいながら
2chでクダを巻く・・・
これが正しいネットブックの利用の仕方だ・・・ヘイドレク
802 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/10(土) 02:01:35
公明党に感謝しる!ウェーハハハハ!
∧ ∧
<丶`∀´> 定額給付金 国民は待望
U θ U 『もらえるなら早く欲しい』というのが率直な声だ
/ ̄ ̄T ̄ ̄\
|二二二二二二二|
|東順治副代表|
パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ
∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧
< >】 < >】 < >】【< > 【< > 【< >
/ /┘ . / /┘. / /┘ └\ \ └\ \ └\ \
ノ ̄ゝ ノ ̄ゝ ノ ̄ゝ ノ ̄ゝ ノ ̄ゝ ノ ̄ゝ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
http://www.komei.or.jp/news/2009/0107/13418.html ∧,, ∧ 定額給付金の受け取る、受け取らないは自由なる意思に
(`・ω・´) 基づいて行われるもの。 私自身についても該当する」
U θU
/ ̄ ̄T ̄ ̄\
|二二二二二二二|
|与謝野大臣 |
パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ
∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧
( )】 ( )】 ( )】 【( ) 【( ) 【( )
/ /┘ . / /┘. / /┘ └\ \ └\ \ └\ \
ノ ̄ゝ ノ ̄ゝ ノ ̄ゝ ノ ̄ゝ ノ ̄ゝ ノ ̄ゝ
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-35780820090109
803 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/10(土) 14:48:25
[006/006] 164 - 衆 - 教育基本法に関する特別… - 3号
平成18年05月24日
○池坊委員
それでは、先ほどからも質問に出ておりました豊かな情操と
道徳についてお伺いしたいと思います。
憲法十九条では、「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」と書いてございます。
しかしながら、私は、心や態度を教育で扱ってはいけないと考えるのは、
果たして正しいのだろうかと疑問を持っております。
教育で最も大切なことは、心の育成ではないでしょうか。
だからこそ、「教育の目標」の第二条の一に豊かな情操と道徳を培うと明示してあるのだと思います。
知が優先し徳が欠如する人々によって構成される社会は、本当に悲惨なものだと思います。
かつて日本でもカルト宗教が無差別テロを起こしましたが、
そこにいた人たちは、高学歴、優秀な研究者もおりました。
私は時折思い起こすのですが、ヒトラーのナチス・ドイツ、これは
中心者十五人によって形成されていたのです。
そのうちの八人までが博士号を取得しておりました。
この人たちによって五百万以上のユダヤ人が殺されたのです。
kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc_text.cgi?SESSION=5378&SAVED_RID=3&SRV_ID=9&DOC_ID=3813&MODE=1&DMY=5484&FRAME=3&PPOS=49#JUMP1
804 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/10(土) 16:13:06
日本国憲法
第八十九条
公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは
維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、
これを支出し、又はその利用に供してはならない。
↑
定額給付金が 『支持団体の待望』 となるとこの辺が怪しいw
故に、無理やり 『国民の待望!』とすり替えてるんじゃない?
805 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/10(土) 18:07:37
まもなくスレが容量オーバーだってのに・・・
806 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/10(土) 23:43:23
マダム・ヘイドレクの背徳
807 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/11(日) 04:15:08
>>805 もう随分前に次スレに移ってるよ
ここはとっくに捨てられてんの
808 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/11(日) 05:51:05
嘘言ってんじゃねーよ!!
809 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/11(日) 18:35:10
そう、その通りなのだ。このスレは間もなく終わり、残りは適当な電波カキコで埋めてゆくさだめなのだ。
秋風は吹き抜ける無限の荒野に佇むヘイドレクは、自らの救世主列伝に思いを馳せた…。
国際武装テロ組織”東方の三賢者”によって祝福されたヘイドレク。
彼らはヘイドレクにおのおの貢物を捧げたのだ。
メルキオールはヘイドレクに、”エクスカリバー”と銘されたピコピコハンマーを与えた。
バルタザールはヘイドレクに、老眼鏡を与えた。
カスパールはヘイドレクに、コシノジュンコ著「おしゃれ入門」を与えた。
彼らは幼き御子、ヘイドレクの前に跪き、彼が新世界を創造する新たなる神になることを予見した。
そしてその場で彼らは、洗脳で左翼テロ集団に入った女子大生たちと激しく乱交パーティーを始めたのだ。
妖しい光の中で、老いた賢者たちの皺だらけの手が、若き娘達の乳房を玩ぶ。
地下カタコンベ(茅ヶ崎市公園事務局の用具倉庫の別称)には、北朝鮮製のアヘンの匂いが立ち込める。
そんな中で彼らは快楽に酔いしれ、そして溺れていった。
ヘイドレクはすやすやと眠る。
その後に訪れる彼の受難と救世の遍歴など、知る由もなかった。
810 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/12(月) 00:24:06
本当に終わりそうだ
811 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/12(月) 01:35:46
>>810 だから終わるって言ったろ
別スレに移ってくれ
812 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/12(月) 20:53:36
作物食い荒らすイナゴの群れみたい
813 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/12(月) 22:04:36
新スレ建てようとしたら建てられなかった。
残り少ないスレを無駄遣いした罰ですか?
814 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/13(火) 20:52:05
罰です
815 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/13(火) 22:49:04
権田はヘイドレクとまぐまわっていた。
マークマグワイアが年間ホームレス数70の世界記録を打ち立てた年だった。
「ハァハァ。ヘイドレク」
「あぁ、ご、権田さん」
ふたりはその日、70回まぐわった。
除夜の鐘が鳴るのと同時に権田は71回目の射精をしたのだが、はたしてあれは翌日の性行為に計算されるのか、
はたまた除夜の鐘と同時であったからつまりは同一日による71回のまぐわいと数える方がよいのか、
のちのちふたりを悩ませたものである。
816 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/14(水) 04:29:24
817 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/14(水) 17:46:42
818 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/14(水) 19:27:12
>>817の言うみんなとは、ヘイドレクのことだった。
ヘイドレクはコテと名無しを総動員して創作文芸板を支配していたのだ!
「ぶはははは。あーあ、また面倒くせぇなぁ」彼の顔に優越感の充満した笑みが浮かんだ。「付き合ってやるかw」
物凄いはやさでキーボードを叩きだした。
819 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/14(水) 19:50:50
>>818 昔エロパロ板に憤怒の河を渡れというスレがあったの。
その残党が二人いて、それがここでナンセンスしてるだけなんだよ。
だから今は君はお呼びでないわけ。
わかる?
820 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/14(水) 21:01:09
>>819 つーか、あれ削除されたぞ
何であそこはすぐ落ちるんだ?
821 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/15(木) 01:21:19
何の話ですか?ヘイドレクの物語は永遠に不滅ですよ。
822 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/15(木) 17:36:29
そうだね
ヘイドレクの物語は永久に語り継がれてゆくからね
823 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/15(木) 20:15:12
どこで?
824 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/15(木) 20:55:00
「ふぅーっ。まぁこれくらいでいいか」ヘイドレクは額の汗を拭った。
彼は自演の達成感に恍惚としている。
百パーセントバレてないと思い込んでいた。
825 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/16(金) 00:18:26
826 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/16(金) 23:39:09
えっ?
本当にスレが終わるの?
あと200レスくらいあるんじゃないの?
827 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/17(土) 17:38:45
もう容量が限界なのだ
828 :
名無し物書き@推敲中?:2009/01/19(月) 00:42:11
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名無し物書き@推敲中?:
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