クバの化身

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1名無しさん名無しさん@腹打て腹。
故三浦和義と同じく神奈川県出身、中学には柔道、大人になると法律資格のために勉強した。
高校には行ってない。
いや、中退なのかもしれない。
その劣等感かそれをバネにした発言が目立った。
「俺は投資家で金持ちになる」誠はそう言った。
通常の人間は年収1000万は高所得に対し、誠はそれを低所得と言った。
2名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/02/12(日) 18:38:07.65
根城は2ちゃんねる。
それが根城であり昼夜中関係がない。
そのせいか誹謗中傷を主とした書き込みが目立った。
誠の言葉には「ニート」との言葉がよく出て来た。
相手にである。
この男の見上げるというべきマイナスのエネルギーはネットに向けられ、それを食料として生きている。

獏とは正反対である。
獏は夢を喰って生きた。
いや、ひょっとすると誠は獏と同様の男かもしれない。
40代にしてニートである誠には人生はすでに墓場で、マイナスのエネルギーを食料としている。
それ以外は胃に受け付けられない。
夢を喰っていると言う点では同じであり、やや間逆である事から、獏(バク)ではなくクバが適切であろう。
3名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/02/12(日) 18:40:11.57
中年ボクシングライター、村木田一歩(59) 最強!!


http://murakida-box.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-51e9.html

電車降りて、昇りエスカレーターに乗ろうとしたら、横合いからぶつかりそうに来た男、
結局、自分のすぐ後ろ一段目に詰めて乗って来たもんで、
うっとうしい野郎だなあって感じで、振り向いて見下ろしてやったら、
向き直った途端、i-pod の向こうから、何だこのヤローって横に来たんだけど、
いかにもって感じの安サラリーマン風だし、30代みたいだけど緩んだ体型してるし、
広とこ出て距離取ったら、一瞬で軽い鼻血面にさせる自信あったもんで、
ワサワサせっつくんじゃねえよって言ってやったら、

自分のすぐ前に乗ってたのが、そいつの連れで、見事に挟まれてしまったんだけど、
そいつはヒョローッとしてるもんで、まあなんとかなるかなって瞬時に思ってたら、
その細っこいのが、行こうぜって感じで、緩んだヤツ連れてってしまったもんで、
結局、何にも起こらなかったんだけどね……。

奥さんに話したら、いつものバッカじゃないのって顔されて……、
そうです、自分、利口ではないんですわ。

http://c.2ch.net/test/-/boxing/1312292074/

4名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/02/12(日) 18:40:25.94
筆者と誠が会ったのは今から10年近く前である。
そこの掲示板は時事がよく語られていた。
「あの時が一番楽しかった」。
おおよそ荒らしとは似合わない言葉を言い残している。
この男は荒らしではあるが、さみしがり屋な一面を持っており、そこの掲示板が閉鎖されるのを誰よりも惜しんだ。

「俺はこの掲示板のご意見番だ」誠はそう語った。
よほど居心地のいい掲示板であったのであろう。
されどこの言葉がそこの掲示板の住民の逆鱗に触れた。
誠はこっ酷く叩きのめされ、挙句の果てに「孤独」との烙印を押された。
「なぜだ!?」。心の中で押し殺すように誠は叫んだ。
5名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/02/12(日) 18:42:31.19
「書き込みを待っているぜ!」掲示板のソースを貼ると、誠は筆者にそう言った。
この時が誠と筆者の出会いであった。
同時に清水と言う男も加わり、それから1年ほどの短い期間つきあうことになる。
それに加え、誠はメールアドレスを教えてくれと頼むが清水はそれを嫌った。

ネットの掲示板でメールアドレスを教えてくれという事はどういうことか?
とある掲示板で「孤独の烙印」を押されたのは本当なのかもしれない。
フツー掲示板と言うのは、匿名の気楽なもののため深入りをしない。
誠はネット本来の危険性と言うものが麻痺してしまい、荒らしと言うモノを駆り立てた。
6名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/02/12(日) 18:44:51.77
「書き込みを待っているぜ!」その掲示板のソース、そこは荒らしの集まりであり、誠の心を癒した。
孤独なゆえにかまってほしいのだろう。
荒らしと言うのは、不愉快な書き込みをする反面、反応もあるのである。
この醜く罵り合う掲示板は誠にぴったりの居場所であり、これほど2ちゃんねるに合っている男はいない。
7名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/02/14(火) 18:44:08.95
2ちゃんねると言うのは、大小さまざまのヲタクと呼ばれる者たちが 常に争い、罵り合ってひとつにまとまることがない。
そんな烏合の衆の中に誠はいた。
根拠不明な理論を持って来てはその分野を否定する。
この男の言い分は無責任な評論家であり、言わばスポーツ観戦をしている野次馬と同じなのである。
8名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/02/14(火) 18:47:27.47
ここで清水のことを触れなくてはならない。
北海道出身。性格は男らしく兄貴分のような者である。
誠よりは年上で、筆者より一回り以上年上と本人の記述からそう思われる。
そのせいか大人のオーラを漂わせており、現在の生涯総収入からすれば1億5千万を超えている。
9名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/02/14(火) 18:55:56.91
誠が君臨した2ちゃんねるの板で福沢と言う男に出会う。
誠と同じく根拠不明な理論を持って来てはそこの板の住民をバカにした。
「おはよう、アフォなみなさん」。これが福沢の朝の挨拶であった。
一説ではあるが、この福沢と言う男は司法試験に3回も落ちている。

しかし、この男はバカではない。
2ちゃんねらーとは昼間から書き込みをしている負け犬であって福沢も例外ではない。
されど、それ相当の勉学に励んでいた。
そのため口が達者である。
その後、何を卒業したように居なくなった。
頭のいい人間と言うのはこのような傾向があり、福沢も例外ではないのであろう。
10名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/02/18(土) 18:35:23.48
福沢と連動して誠も増長した。
「行政書士は幼稚園児並みの資格で、法律資格ではない」。
どうだ?誰も知らなかっただろう?
、と、それはまるで鬼の首を獲ったようで、何ら根拠のないことを誠は説いた。
それで反論しようモノなら「行政書士が法律資格である証拠を見せろ。」と辺りを見渡し喚いたのである。

今から10年ほど前、行政書士は20ある法律資格のうち一番下の資格であった。
それが「法律入門資格」と言われる所以である。
比較的簡単と言われているこの資格でも合格率は3%ほどでけして易しくはない。
とくに誠の場合、簡単と言ってることで自分の頭の良さを主張している、が、基礎的な問題すら出来たことがない。
11名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/02/18(土) 18:37:32.35
ところがその福沢が突如姿を消した。
筆者はあまり2ちゃんねるに行かないため詳細は知らない。
誠にとってそれは理解者をなくした心境だった。
兄貴と言ってもいい。
それまで福沢がいたので根拠不明の屁理屈がまかり通っていた。
誠はその後ろ楯をなくしたのである。
12名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/02/18(土) 18:40:01.17
後ろ楯をなくした誠の状況は一転した。
誠の力量は福沢の力量の半分とされていた。
実際は半分の力量も持ってない。
福沢が10とすれば誠は3がいいところであろう。
そんな四面楚歌の中、「ヲタクハンター」の筆者が動き出したのである。
13名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/02/18(土) 18:42:16.07
その板には現役の行政書士もいた。
事務所を開いたには開いたが喰えないらしい。
これほど2ちゃんねらーに叩きやすいネタはなく、福沢と誠にしてみれば絶好のカモだったい違いない。
ただ、誠にとって想定外だったのは、突如福沢が消えたことでこの男はただひたすらピエロを続けた。
それはアホと、視線を独り占め出来たに相違いない。
14名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/02/18(土) 18:44:20.38
ある日のことだった。
たまたまそこの板を見ていると、現役の行政書士と誠が言い争っていた。
筆者は参戦した。
それにしてもこの誠のモロさは何であろう。
金川も同じであるが、複数で独りを叩いているときは水を得た魚のわりに、その逆だと異常にモロイ。
よほど酷い目に遭って来たのあろう。
その経験が彼らの自演を駆り立てた。
15名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/02/21(火) 18:39:48.40
この誠は中学時代には柔道をやっていたことは前に触れた。
が、柔道によって「座右の銘」と言うものは得ていなかった。
厳しいスポーツや格闘技の中では恩師の教えがあり、また自分でも何かを得る。
ましてや柔道は日本が生んだ格闘技であり、座右の銘を得てないという事は中途半端でだったのであろう。
16名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/02/21(火) 18:43:12.11
筆者はヲタクハンターの名前を欲しいままにしている。
ヲタクハンターのヲタクとはネットの荒らしのことで、誠ほど当て嵌まっている男はいない。
彼らは暇を持て余している。
そのせいか掲示板の住民に絡んでは言い様の無い醜い争いを繰り返した。
特に誠の場合、まったく根拠不明の誹謗中傷が好きで、つまりはかまわれたいのである。
17名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/02/21(火) 18:47:01.04
筆者が初めて2ちゃんねるに来て驚いたの各々らの身勝手な発言だった。
カタギが見てあきらかにキチガイ発言をしているのに、相手に問題があるように言う。
普通ニートはニートにニートとは言わない。
良いことならまだしも、自分もその一員で、真昼間から書き込みをしているキチガイがそんなことを言う資格など無いからである。

その最もオカシナ言及が誠であった。
その時、筆者は福沢と議論をしていた。
その議論を邪魔ダテしているのが誠である。
あまりな低レベル発言にあきれる他なく無視を続ける。
喧嘩経験が多い者にはわかると思うが、経験が少ない者ほど自分のことを棚に上げて相手を罵倒する。
攻防に自信が無いのである。
それゆえに砦を攻められるのを恐れている。
18名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/02/21(火) 18:49:44.20
また福沢の発言も立派な2ちゃんねらーであった。
「おい、返事をしてやったぞ。
これで満足だな?もう話しかけてくるなよ」。
筆者の発したこの言葉に福沢は激怒した。
誠に限らず2ちゃんねらーと言う人間は相手にされないことに弱い。
無視をされ続ける福沢は「責任者を呼べ」と到底意味が理解が出来ない罵倒を喚き消えて行った。
19名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/02/21(火) 18:54:19.28
筆者がふと2ちゃんねるに行ったときであった。
筆者と同様の文脈の者がいた。
これは「これは凄い。俺もメジャーになったものだ」。
ネット初心者だった筆者には、自分の文章が真似るほどに感動されたと思ったである。
されどその様子はなかった。

文章と言うのはいくら真似てもアラが出て来て誰か書いたのかくらいは見当がつく。
この真似た文章と言うのがネット上の騙りであり、犯人は誠であった。
よほどの暇人な男なのであろう。
暇人がゆえに騙りと言えども話相手がほしかった。

余談ではあるが、この誠の騙り行為はあれから10年近く経った今でも続けている。
20名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/03(土) 18:55:41.03
騙り、自演に渦巻く2ちゃんねる。
それはまさに荒野のようだった。
が、そこの住民はそれを公認しているのである。
公認されているゆえ、自演、騙りを注意することは御法度だった。
常軌を逸している。
異常こそが正常で、真の2ちゃんねらーになるためにはそれが必要だった。
筆者達カタギにはなんともキミョーである。
21名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/03(土) 18:57:10.04
誠との初対決の時期は定かではない。
2ちゃんねるで奥深くに眠ってしまってるため詳細を確認するには困難を極める。
筆者の記憶が正しければ福沢が消えた頃であろう。
「規制秒読み」と言われたことに誠は激怒した。
あきらかに荒らし行為を繰り返していて、「規制秒読み」の一言に激怒する心中が疑問である。

その勝負は過去に福沢が出した民法の問題で勝負がついた。
「行政書士は幼稚園児並みの資格」。
そう豪語した誠ではあったがまるで解けない。
「規制秒読み」ほどの誹謗中傷はただのいたずら発言ではなく、それで恥をかいた誠の行動は滑稽であった。
余談だが、その板でその問題を解けたのは筆者だけである。
自慢が過ぎた。
22名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/03(土) 19:00:39.88
誠は筆者に撃破された。
が、ここから筆者が2ちゃんねらーと言う人種に身も凍るほどの気持ち悪さを感じることになる。
いや、2ちゃんねらーと言うよりかは、この誠と言う男の底知れぬ得体の知れない生き物の存在だろう。
そもそも誠と言う生き物が存在することがいけないのである。

「その話題は解決済みで答えは教えてやっただろう!!」
筆者は誠に言った。
この誠と言う男は、撃破された話題を再度説いて回っていた。
それどころか筆者の騙りをして掲示板を荒らす。
金川が自演の名手と言うのは前に触れた。
そういう意味では「自演の金川」、「騙りの誠」と天下を二分する超ヲタクであろう。
23名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/03(土) 19:03:02.49
誠は筆者に敗れた。
だが、そんなことを受け入れるタマではない。
筆者がいないところで騙りをして自ら叩いた。
そして筆者が現れると消えた。
このしたたかで巧みな戦略は40代と言う経験からくるものであろう。
この男には純粋と言う感情は青臭い。
それは乾ききった砂漠で草一本生えていない。
24名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/03(土) 19:05:12.98
誠は騙りの名手である。
この騙りこそがこの男の生命線で、それは芸術品染みたものがあり、通常の人間からすると異常な男に見える。
誠はそれを恥とは思ってはいない。
むしろいさぎがいいほどで、なんぴたりともこの男の心は動かない。
25名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/03(土) 19:07:40.53
超一流と五流は紙一重でそれは心中にある。
五流は自らを否定したりしなく、悩むと言う機能が内蔵されていない。
悩み方を知らないその知能は逆に一流の心理学者でもある。
そう言った意味では超一流も同じで、並外れた勝負強さはそこから来るのであろう。
26名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/03(土) 19:10:17.20
当初は筆者も誠の騙りに腹を立てていた。
「こんなバカを相手にしていられない」。
頭でわかっていても感情はそうは行かない。
公正なスポーツで生きて来た筆者にとって誠の行動は負け惜しみであり、勝つためには万引きだって辞さないようなその行動を許すことが出来なかった。

ところが転機が訪れる。
多忙なゆえにネットを3ヶ月ほど出来なかったのである。
現在から過去になった誠の行動は滑稽であった。
それは博打の心理に似ていて、盆が読めなくなると妄想に取り付かれる。
魔物に近いであろう。
それを取り除くにはまず盆から離れることが必要で、筆者の場合、それがネットから離れることであった。
27名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/03(土) 19:11:52.09
それ以降、筆者は誠の行動を楽しめるようになる。
人間と言うのはそうそうバカにはなれない。
特に頭デッカチの変にプライドが高い男にはそうそうそのような行動は取れず、バカな行動をバカとわかってて出来るのは境地の沙汰であろう。
むしろ、男ならこうでありたいと思う姿である。
28名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/10(土) 19:02:07.92
「書き込みをして、次に日返事が無かったら寂しくなる」。
かつて金川が言った。
さらに「さっさと返事をしてください」こうも金川は言い残している。
怯えかかった陰気を宿したこの男には孤独を感じる。
最近の高校生は「さっさと」返事をしないといけないらしく、およそアラサーである金川がなぜこのような言葉を発するか理解に苦しむのである。
多かれ少なかれ、誠にもその感情があった。
29名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/10(土) 19:04:57.42
カタギは痛いヤツを無視する。
が、誠や金川にはそれがない。電波は彼らの縄張りで無視は逃げているに相当していた。
つまり格下相手に無視することなどないのだ。
彼らは「無視する」と言う大義名分の下、筆者を相手にしてないと主張する姿は矛盾していて、滑稽と言わざる得ない。
30名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/10(土) 19:06:45.26
「人の痛みを知らない池沼が好き勝手な事を言ってますなあ。
この男がどんな顔をしているか見てみたい。(略)刺してやりたい」。

誠が筆者に当てた言葉である。
この池沼と言うのは、仏教で言うと奈落のようなもので、誠の言葉で訳すと底辺が適切だろう。
当初、池沼とは人の名を示していて、筆者を誰かと勘違いしていると思っていた。
が、筆者以外の人間にも言っていて誠としては極度に誹謗中傷した言葉と同時にジョークを籠めた代表的な言葉であろう。
31名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/10(土) 19:08:54.04
そして「刺してやりたい」の言葉の意味は何か。
筆者を含めカタギの人間の思考では「殴ってやりたい」が適切でないだろうか。
殴るを通り越して刺すと思考が飛躍すヲタクさが滑稽で、将来、誠が無差別事件を起こしそうで心配である。
32名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/10(土) 19:10:50.91
「どんな顔をしているか見てみたい」と言う言葉を筆者は気に入っている。
この空前によって突如生まれたようなこの言葉はまことに愉快ではないか。
似たような文句で「親の顔を見てみたい」との言葉もある。
一見無意味に感じるこの言葉にもきちんとして意味があり、表現による「顔」はそれまで歩んできた経歴の履歴書みたいなものだろう。
33名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/10(土) 19:13:40.96
誠が柔道をやってたことが判明したのが5年ほど前である。
そのことに蚊に刺されたほどの意識もなかった。
が、数ヶ月前にそれらしき人物が現れ、試しに柔道を中傷をすると激怒した。
これが誠である。
夕方で暗くなってきた頃に電気を点けたような感覚だった。
それはこの男がもうやり直しが利かないとまで追い詰められている現実でもあった。
34名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/17(土) 18:53:34.23
「人間こうはなりたくないよなあ」。
過剰に自演騙りを繰り返す誠に、掲示板の住民はホラーに近い得たいの知れないモノを感じていた。
いかにそのような不埒なことが許される掲示板でも、非難がましいこの男は2ちゃんねらーの域をはるかに越えていた。
35名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/17(土) 18:56:49.84
「電波の向こうに」は金川を主役としたブログである。
このブログは第三部まで描かれていて、筆者から見た彼の行動を余すことなく記録されている。
そういった意味では、この「クバの化身」もそろそろ第二部を迎えなければならない。
ちなみに金川を主役としたブログ「電波の向こうに」は下記の通り。

電波の向こうに


電波の向こうに

http://8210.teacup.com/kanagawa2012/bbs

                 第一部完
36名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/17(土) 18:59:14.36
人懐っこく、おもしろく、かと思えば時事に興味を持っていると言った一目にしてアクの強い男が誠であった。
筑紫哲也を尊敬していると言うところから知的さを持ち合わせている。
このような男が荒らしなどするはずがなく、長者と言う懐の深さから、むしろネットの喧嘩には発展しない、それが筆者の見解だった。
37名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/17(土) 19:00:42.17
ホストを抜く裏の手を見つけた筆者の標的は金川と誠であった。
が、この時、誠がまだ荒らしとは気付いていない。
むしろ、荒らしの正体を突き止め彼の息の根を止めるのが目的だった。
筆者と言う男は、一度勝負をおっ始めるとトントンまでやる男で、何でもシロクロつけなければ治まりがつかない。
38名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/17(土) 19:03:23.31
ところがこの男のホストを抜いたとき、筆者は天変地異のような大激震が襲った。
何と骨肉の争いをしていたこの男の正体が、共に兄弟を誓い合った友、誠だったのである。
川中島4回目の戦いの武田信玄のような心境だった。
ネットと言う霧が晴れると、あるはずのない誠のホストがあって、この男と対峙しているようなものである。
39名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/17(土) 19:05:16.29
「喧嘩はバカだ」と言うオヤジでも、居酒屋で酔っ払うと若いときの武勇伝を誇らしげに話したりする。
それはママ友でも同じなようで、昔ヤンキーだった女の方が主導権を握ると言うのだから本音と建前は違うものである。
ネットでもその傾向があって、ヤンキーどころか万引きも大犯罪で、その存在を否定しているわりに、ヲタクは積極的にネットの喧嘩に参加するのはどういうことであろう。
それは誠も同じであった。
40名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/17(土) 19:07:11.29
男なら若い頃ムチャをするものである。
筆者がその武勇伝を語っていると、ヤンキーを否定しているはずの誠がそれに影響される。
この男は柔道部に所属しではいたが中途半端でだった。
中途半端だったはずなのに、柔道をやっていたことをまるで敵の将の首を獲ったかのように話し、あろうことか辰吉や亀田より強いと説いて回った。
41名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/23(金) 18:33:32.35
確かにいい大人が喧嘩の自慢をするのは滑稽である。
過去になった華やかな喧嘩話をするのはつまらない男だと見る目に映り、男から見た女の悪口と同様である。
それゆえに男は心の引き出し奥へとしまう。

が、大抵の男は喧嘩の何が悪く、何がいいかわかっていない。
それは「強いってどんな気持ちですか?」に似ている。
雲を摑むようなもである。雲ゆえに摑み所がなく、地上からはその正体は知れない。
雲の上の人とはよく言ったものである。
42名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/23(金) 18:35:42.83
机上の理論。
誠の喧嘩話にはこれが多い。
野次馬のようで、観客と言う完璧な安全圏から格闘技者にヤジを飛ばすことに類似している。
酔っ払いの評論家のようで無責任なヤジが多く、現場に居て初めてわかることをこの男は知らない。
43名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/23(金) 18:37:22.13
誠は太っているのであろうか?
ふと考えた。
何気ない会話の中にそのような言葉が出てくるのがキミョーで、ましてや何の関係のない空気で挑発をするようにデブと発する。
もともと誠と言う男は自分の弱点とも言うべきことを相手に罵る癖があった。
誠はデブなのであろう。この致命的とも言える癖が自爆を生んだ。
44名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/23(金) 18:51:22.21
(デブはデブを擁護する動物であろうか)
誠は仕切りに痩せている者への嫉妬とも取れるべき発言が目立った。
痩せている者で頭に浮かぶのがボクサーである。
その人種の僻みなのか、あろうことか100Kgでデブは軽量級ボクサーより強いと、途方もないことを言ったのである。
45名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/23(金) 18:54:13.89
大男が軽量級ボクサーにKOされた実例は大昔より多く記録されている。
元中日ドラゴンズ江藤慎一も小柄なプロボクサーにKOされた。
また世界チャンピオンの大場政夫も電車の中で大男4人を一撃の下にKOしており、これらの事実からボクサーの拳と言うのが凶器で、
喧嘩も有効に戦えば小柄な男が大男に勝てると言うことを証明付けている。
46名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/23(金) 18:56:33.05
これは金川にも当て嵌まった。
「金川って誰なんだよ!!」。
同じ掲示板でこの数ヶ月10回以上この質問を受けた。
同じ文脈の男からである。
(自分は金川ではない)。
そう言いたいのであろう。
筆者は金川を誰かと特定していない。にも関わらず、この男はいつも筆者と初対面であり、いつも同じ質問をぶつけてくるのはどういうことであろう。
47名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/23(金) 18:58:12.63
余談ではあるが、金川は筆者の意味深な発言に「こいつは自演と言いたいのだろうね」と言って自ら自爆した。
意味深な発言なだけで、自演と取れる表現は筆者はしていなかった。
金川のあせりであろう。
自演を否定したいあせりが自爆となって、鳥も鳴かずば撃たれまい、と、なってしまった。
無論、そのことに触れると金川は閉口した。
48名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/31(土) 20:16:23.67
誠が騙りの名手とは前に触れた。
HN固定などこの男には滑稽で、それはしばしば自爆を生む結果となる。
HNを変えれば別人。
それはすべてをリセットことを意味していて、前身の例外など持たない。
が、前身が残った。
筆者とは初対面のはずなのに、筆者のことを知っていると言うのはどういうことか。
そのことに触れると誠は閉口した。
49名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/31(土) 20:20:59.94
ここで小坂に触れる。
小坂は大阪出身でその素性は定かではない。
最初に筆者の表舞台に出たのは、楢と勘違いしたときである。
楢は奈良出身であるため、小坂=楢と考えても不思議ではなかろう。
が、小坂は金川にも酷似しており、後に金川は「俺は関西出身」と言い残している。
50名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/31(土) 20:23:55.83
また、筆者が誠をバカにすると、我ブログに小坂が現れた。
誠が起こしている2ちゃんねるの煽りの行動と酷似しており、このことから誠=小坂とも考えれるであろう。
誠と金川はやっすん叩きを通じて知り合っている。
ふたりの異にする性質を持つ荒らしは水と油であり、仲がいいのはまったく以って驚嘆している。
51名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/31(土) 20:26:42.22
誠=金川。
こうも考えられなくは無い。
このふたりは同じ神奈川の釜のメシを喰った。
が、文脈が交互に変わることを筆者は見逃さない。
「これは自爆だ」。筆者は罵った。
この男の頭がゴチャゴチャとなり、そのための個性を狂わせ文脈が入れ替わったと思ったのである。

だがここに盲点があった。
このふたりは自演騙り煽りの名手でもあり、騙りをするなら個性が必要で、それが文脈を入れ替えさせたのではないか?
手っ取り早く個性を変えるには、身近なやつの真似をするのが一番であろう。
52名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/31(土) 20:28:56.59
小坂は何者であろう。
誠、金川が生んだこの世に存在しない生き物かもしれない。
この小坂のホストは有名で、迷惑広告をこの広い日本の掲示板に貼り続けている。
串刺しが得意な男である。
ホストを次々に変えている小坂に、その度に規制している筆者の姿には我ながら可笑しく感じるが、規制したはずのホストから書き込みが出来るのはまことに疑問である。
53名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/31(土) 20:31:52.73
誠にしろ金川にしろさみしがり屋の素性を持っている。
特定に愛してやまない掲示板に荒らし行為はしない。
その辺は金川よりかは誠の方が辛抱強くて、40代と言う経験によるものであろう。
一方、金川にはそれが未熟であった。
建前と本音を使い分けるにはまだ幼稚で、感情を運転し切れず矛盾な文面が目立った。

余談だが、金川は「これでやめます」との発言を過去2度筆者に発しており、いずれも再び暴言を吐いている。
54名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/31(土) 20:34:26.95
誠にとって辰吉と亀田は何であろうか。
いつボクシング@2ch掲示板を開いてもこの男は在住しており、主にこのふたりの悪口を食料源にしている。
考えれるのは、酷くコンプレックスを持つ男であるかである。
この手の性格の持つ主は思いやりが酷く欠けており、そのマイナスのエネルギーは弱者へと向けられる。
55名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/31(土) 20:35:48.94
筆者と逆の性格である。
筆者の場合は弱者に限りなく優しく、強者に厳しい。
「上昇思考」かもしれない。
上を向いている人間に下が見えるであろうか。
視界は常に上であり、悪くても真ん中より上までしか見えない。
ゆえに底辺である誠や金川などは「格上格下」の眼中にもならず、天秤にかけると言った比較にも該当しない。
56名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/31(土) 20:38:15.79
また、誠の世界を睨みつけている新悦ボクサーの悪口は何であろうか。
この男はボクサーに限らず、あらゆる2ちゃんねるの板に現れてはその分野の悪口を吐いている。
普通の見解で判断すると僻みであろう。

ボクサーなら誰でも経験する避けて通れない道で、ロードワークをしている姿に世間は冷たい。
心理学によると、ヒトと言うのは常に他人との競争であり、マジメな姿その行為が自分への挑発らしい。
誠の妬みもそれ同様なのか。
57名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/03/31(土) 20:42:44.05
誠と金川を見ていて、価値観の違いに驚嘆する。
大学出と高校中退の差であろうか。
いや、このふたりに関しては高校中退だけが理由ではない。
ニートと言う世間から隔離された世界からの表現らしきものが多くそこには生活感がない。

とくに金川は、休みの日にだから書き込みしていい、
およそ大学生とはまるで逆の発想を持っている。
大学生などは、今遊んでなければいつ遊ぶ、そういう華やかな一面を持っており、何よりネットなどとは無縁の種族のはずである。
58名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:20:10.17
「普通」
金川にはこの権力染みた常識と言うものに弱い。
いじめで高校中退したせいだろうか。
相手に向かって自分を棚に上げた発言と自演で煽り罵る事例は多く記録されている。
客観的に見ると、本人の経験のように見えるのが不思議なものである。
このことから、筆者は金川が「変人」扱いを受け、中退に至った、と推測している。
59名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:21:23.10
この前、誠と金川と話していると、「ウケ狙ってスベっている」との発言を頂いた。
これはどういうことか。
あまりの価値観の違いゆえ面を喰らってしまい「そんなこと言われたのは初めてだ」と苦笑して言った。
そもそも「おもしろくない」と言う発想は「おもしろい」と言う焦点があるから出て来るのであろう。
60名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:22:16.54
まことに恐縮ではあるが、筆者の書き込みは一部の人達に支持を受けている。
アメリカではジョークが挨拶で、そこには人間関係を円滑にする智慧が含まれている。
心理学的には活気付け、主導権、励まし、が含まれているらしい。
言わば、筆者もその一人であり、それがわからない誠と金川は何ともつまらない男であろう。
61名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:23:30.95
余談ではあるが、誠と金川の会話はまるで自演(ひそかに疑問は持っている)であり、どうでもいい話がなぜに途切れず続くのであろう。
これを聞いたこの二人は激怒した。
「つまらないのはお前だ!!」と言わんばかりに、顔を真赤にして筆者のジョークを罵倒したのである。
62名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:27:31.45
さらに余談だが、筆者のジョークは「外しギャグ」である。
狩野英孝や小島よしおなどが主流としていて、ジョークの善し悪しではなく、シラけたその空気である。
言ってみれば狙いは第三者であり、誠と金川は上手く担ぎ上げられたのである。
63名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:28:16.43
余談が過ぎた。
64名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:29:26.87
「国語力が無い」。ネットではよくありがちの言葉である。
彼らは本当に国語力と言うものをわかってるのだろうか。
この類の持ち主は、文章を批判するわりにその理由を語っておらず、「強い者はそんなことをしない」との表現に類似している。
国語力とは雲のようで掴みどころがなく、きちんと勉強した者にしかわからない。
つまり、誠や金川には皆無なのである。
65名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:30:39.03
誠は40代、金川は30代アラサーである。
共に共通する事がニートで、彼らはいつも受験生や名門大学生らしく年を取ることはない。
学力=知識。彼らにはそんな間違った思考がある。
学生なら文章読解は必修であり、それを語れないのは底が見えている。
国語とはすべての科目と線で繋がっており、「国語を制すは受験を制す」と言っても過言では無い。
66名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:31:57.24
数学と国語。
この一見、水と油のような理系と文系も共通したものがある。
いや、むしろ本当の数学力と言うのは国語力が必要で、証明問題がそうであろう。
また、法律や政治などは理系的文系と言って、その両方を備えていないと生き残る術はない。
言い換えれば、高度な国語力と言うのは数学力を必要とし、生き馬の目を抜くほどの洞察力が必要なのである。
67名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:36:12.19
メル友であるやっすんを追っかけて、初めて誠とと出会ったのが7年前である。
しかしながらその頃、筆者はまだ初心者で煽りはおろか騙りの存在も知らなかった。
掲示板でも礼儀を弁え人懐っこい誠が、まさか煽り騙りの名手とは思っておらず、それを知ったのはツイ此間であった。
68名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:37:18.82
誠が名有る荒らしだと言う事を清水は知っていたのだろうか。
当時から誠と清水は水が合わなかった。
誠がバカだったことは言うまでも無い。
電波から離れた世間で懸命に働いている清水にとって半ひきこもりのこの男はキミョーだった。
筆者と同じくネット初心者と言う理由が、誠を敬遠させた。
69名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:39:51.43
誠と清水がモメる度に筆者が言葉を選びながら仲裁していた事をこのふたりは知らない。
清水は本来男前な性格で自分を身失うことはない。
その頃から40代であり、筆者より一回り以上年を取っていて、やや大人びたところがあった。
いかに筆者が年上をうやまっていても話が合わず、実際のところつまらなく感じていた。
つまり、その頃の筆者はまだガキだってことであろう。
70名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:40:46.78
この誠とのやりとりは違うところでも記録されている。
偽やっすんのひとりが誠だったことを清水はどう思ったであろう。
5歳にして、男と女が何をするかを知ってしまったことに相当していて、酷く汚れたモノに感じたであろう。
71名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:42:04.98
金川も偽やっすんのひとりである。
誠=金川。
筆者はどうもこの疑問を拭い切れない。
実はこのふたりがいる掲示板2つのホストを調べたところ、金川のホストが無いのである。
これはどういうことか。
が、このふたりの性格は醤油とソースほど性質が違い、どちらも汚れが取れない粘着なヲタクである。
72名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:43:18.40
「自己満足」
ヲタクがよく使う言葉とは思わないだろうか。
言い方を変えれば、本人は楽しんでいるのであって、人のためではない。
筆者の場合、綿密な計画の下、ブログ運営をやっていて、その様を煙草を吸って楽しんでいる。
作品である。創造者と言ってもいい。
真似のできないこの創り上げた作品を皆が読んでいて、それを肴に一杯飲める気分である。
73名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:45:21.14
(ウケを狙っている!?)
誠と金川は筆者の行為をそう受け取った。
ウケではない。
何よりも筆者本人が楽しんでいて、人のために何かをしようなどと、偽善染みたことは筆者は嫌いであった。
「答えを急ぐな」筆者は金川に言った。
が、この男はこの言葉に隠された真の意味はわかってない。
74名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:48:35.37
「自己満足」
ヲタクにはそのような言葉が多い。
この言葉の裏には人の評価を気にすると言った感情があって、とく誠と金川はその頂きに居ると言ってもいい。
75名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:52:26.39
「人間は困った時にしか考えようとしない。
つまり上司とは常に部下を困らせる存在でなければならない」。
トヨタの社長はそう言い残している。
考える先にあるのが智慧で、さらにその先にあるのが知恵蔵である。

だが、この知恵蔵はそうはたやすくない。
それこそ修羅場を潜ったトヨタ社長だからもっているモノで、それを修得するには最低10年間考え抜いて、やっと半人前がいいところであろう。
76名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:54:14.14
これは国語力にも共通する。
この国語力は懸命に上げようとしてもその効果は薄く、努力しなければ低下する一方である。
10年。
最低10年は必要であろう。
国語力も知恵蔵も目に見えるものでないためその絶大な力は見えず、それこそコロンブスの卵の話と同じと言っても過言では無い。
77名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 18:57:00.12
余談ではあるが、筆者は心理学を勉強していた。
とは言ってもその専門の大学に行ったわけではなく、たまたまそれらしき書物を読み漁っただけで、スキルと呼べるほどのもではなかった。
とくに最近のベストセラーは心理学の先生の文庫本が目立ち、その系統の書物を読んだに過ぎない。
が、数ある心理学的な本を読めばそれなりに知識はつくものである。
78名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 19:00:31.01
社交的な努力家はいない。
およそ心理学をかじった者なら筆者が何を言いたいかわかるであろう。
人間と言うのは十人十色、と言うのは誤りである。
ヒトと言うのはせいぜい4種類しか存在しなく、その種類はそれぞれ核を持っている。
それゆえに古来より人間には争いが絶えず、ひとつにまとまる事は無かった。
79名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 19:01:24.67
それゆえに、筆者が金川がどんな人間かは想定はつき、おそらく驚くほどに当たっているであろう。
心理学的には、この男はコツコツ努力が出来る性分じゃない。
「上に立つ者は孤独ギリギリなんだよ」この言葉を聞けば心理学をかじったものではない者にもどんな人間かは想定はつく。
80名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 19:04:19.35
「ストレートに言ってもお前にはわからない」。
筆者は金川に意味ありげに言った。
現に意味があった。
金川には悩むと言った人間が本来持っている防衛本能は持っていて、ネットの議論と言った感情のぶつけ合うことには長けている。
が、観察力は持っていない。
考え抜き、真理に似た理論を得たうえの直観力には欠けている。
81名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 19:05:23.26
上に立つ者。
これを己の力で勝ち取った者にそのような本は不要であろう。
言い換えれば、才能を持っているか読書によって知性を得るかである。
そのためには読書をし、頭の中で著者と対話して知恵を絞らなければその道は無い。
82名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 19:06:14.28
一方、誠は2ちゃんねるで本音を語ることはほとんどない。
40代半ばの知恵だろうか。
筆者とは年が遠く離れているためその心中はわからず、他の掲示板ではあまりに匿名性が強いため彼と判断するには困難である。
これでは心理学をかじっていてもどんな男か判断はできない。
83名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 19:11:04.56
が、本音を隠しキミョーな行動を取る男は弱点を隠している、
との心理学の見地である。現に誠はそうだった。
あらゆる2ちゃんねるに現れては根拠不明な誹謗中傷を繰り返した。
また、この男の行動から考慮して、本来発言する資格の無い小言を喚き散らしている。
84名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 19:17:59.64
「電波の向こうに」「学歴の捺印」そして、「クバの化身」と言った、筆者がネットで関わった金川、やっすん、誠を主役としたスレッドを建てた。
スレッドを進行するには観察して考えなければできず、そうしているうちに、彼らの人生を自ら歩んで体験しているような錯覚を覚えた。
85名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 19:19:26.26
彼らは筆者の作品である。
とくに我スレッドでは金川はやたらと出て来た。
本来「電波の向こうに」の主役であるから他のスレッドに出てくるべきではない。
が、どこでもしゃしゃり出て来くる男で、それだけ話題性には豊富なのであろう。
86名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 19:21:32.95
「目的」筆者は誠と金川に宿題を渡し、その答えは前に触れた。
とくに金川は「上に立つ者」と、番長清原のような者になりたいと言う壮大の夢を持っている。
微力ながらその方法に触れた。
が、この男にはまだそれに覚醒できるほどの器は無い。
もし、いつしか覚醒出来たならば、これ以上にないおもしろい人生を送れるに違いない。
そして筆者を一生、師匠と崇めるであろう。
87名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 20:45:35.04
一方、誠には年相応のあきらめを持っていた。
あきらめとは、執着と反対の意味でそこには悟り染みた心中がある。
執着を持つとそこに自縛してしまい、まるでその先に天国があるかのような地獄へ堕ちる。
言い換えれば、あきらめは人生の近道で、秀吉のように素早く先へ先へと進む知恵なのである。
88名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 20:46:35.68
余談ではあるが、筆者の場合、「いいあきらめ」を持っていると心理学で立証されている。いいあきらめとは、合理的に乾いた意味を示しており、したたかな男と言うことである。
89名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 20:47:23.28
永く金川を追っかけてなかったせいかその行方は定かではなかった。
が、この男は意外に近いところにおり、逆に永きに渡り筆者をを追っかけていた。
うすうすは気付いていた。
なぜなら金川特有の言い回しだからである。
しかし、その詮索はしなかった。
(詳細は永くなるから述べない)
90名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 20:49:14.58
誠と金川は同一人物であろうか。
だとしたら合点がいく。
誠はかつて筆者の掲示板に来てそのホストを晒してしまった。
そこで初めて誠が金川と同じく神奈川出身だと言うことを知る。
いや、同じ県だと言うことで同一人物だと思った。
それは今も変わってない。
91名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 20:50:05.26
筆者の掲示板に来るという事は、誠は再び仲良くしたかったことが伺える。
数年前、筆者の近くで、やたら仲良く話しかけてくる金川風の男は誠だと考えられなくも無い。
どちらにしろ、筆者が彼らのいる掲示板に行ったのは、それが目的のひとつだと言うことである。
92名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 20:51:14.89
スレッドに出てくる人物は実在する人物である。
しかしモデルにしたに過ぎずノンフィクションと言っていい。
であるからこの男たちが誰かを特定するするつもりはなく、誰かと密かに調査するのも、この上ないおもしろいゲームかもしれない。
93名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/17(火) 20:52:33.82
第二部完
94名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/18(水) 06:09:51.55
支離滅裂で何だか全然分からない・・・
筆者は精神を病んでいるのであろう。でなければ真性のバカであろう。
95名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/20(金) 19:47:23.09
全然当たらん!ギャンブルは俺に向いてない気がしてきた。
96名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/25(水) 17:56:51.60
名は源。身長は160Cmほどの小柄。
痩せ型で何かを企んでいる様に眼光が光っている。
筆者よりひとつの学年で、妹の話では目立たないタイプの男だったらしい。
筆者にとっても目に映る存在ではなかった。が、なぜかこの男の目には筆者が映っている。
97名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/25(水) 17:58:52.40
源が突如、筆者の表舞台に現れたのは大学時代に遡る。
地元の駅でこちらを睨んでいる。
殴れば死んでしまいそうなほどのヤワな男が、筆者に怨みでもあるのだろうか。
20歳を過ぎると落ち着き都市伝説になるから、源も高を括っている、と妹はそう言った。事実は筆者は相手にしなかった。
98名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/25(水) 18:00:44.36
通常、喧嘩を売る立場と売られる立場では、前者の方が有利である。
売られる方はその準備が出来ておらず、寝耳に水状態から開戦されるとそのまま攻め落とされる。

一方、後者の方が有利な場合もある。
売る方にとって大抵は相手が格下であり、相手もそれを察しているため、加害者になっても被害者にはならない、
とその天狗のような高を括った心理が覆ったときである。
99名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/25(水) 18:01:47.02
筆者の場合、後者であった。
むしろ、格下の相手と言うにはやりにくかった。
格上と言うのは負けても何の恥じもなく、後々語り継がれる伝説にもなりうる。
一方格下相手には勝って当然で、逆に負けたりするとその威信は地に堕ちる。
100名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/25(水) 18:03:07.75
余談が過ぎた。
101名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/25(水) 18:04:40.40
その後も、源は筆者を睨みつけていた。
その行為はだんだんとエスカレートして行き、それはあたかも格下を見る目である。
ある日、サングラスをかけた源は自転車に跨り、舌を出しての挑発行為に及んだ。
これを見た筆者は遂に激怒する。
そもそも20過ぎの大学生がこのような悪態を受けて激怒しないはずがない。
夕方になる日暮れごろであった。
102名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/25(水) 18:12:03.54
自転車を呼び止め、筆者は源の胸倉を掴み罵倒する。
筆者が激怒するのが想定外だったらしく顔は青冷めている。
車の追い越しなどでこのような行為を及んだのは過去には何度かあった。
が、自転車を呼び止めての罵倒は初めてで、青びょうたんのような男にこれほど激怒したのは恥ずかしかった、
と後に振り返っている。
103名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/25(水) 18:15:27.51
喧嘩の引退を考えるのはいつ頃が適切であろうか。
筆者の周囲などは、高校を卒業したと同時に落ち着くのが風習であった。
いや、もっと早い。
早い者では高校2年で落ち着く。
攻撃的なそのエネルギーには限界があり、一定期間を経ると少なくなっていく。
とくに小学生から悪さをする男ほど落ち着くのが早いものである。
104名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/25(水) 18:16:47.29
この源と言う男にヤンキー経験は無い。
教室の中で大声で怒鳴り合い、それが合図とばかりに殴り合いをを始める喧嘩は、源には無縁である。
妹の話によると地味な男で、陰険な空気を漂わせている。
なのに、街で歩いている無頼を装った行動はどういうことか。
一説にして社会批判だろう。
目がそう言っている。
105名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/25(水) 18:20:28.23
実はこの源、誠と同様の人間だと筆者は推定している。
魅力ある人間と言うのは、「負け惜しみ」もスキルに出来るものである。
「お前の負けだ」
と言われてスゴスゴとそれを認めるのは芸が無い。
心の中に常に猛獣がいて、負け惜しみでも熱くなれる男と言うのが歴史を変えるのである。
106名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/25(水) 18:22:39.49
そう言った意味では源も心の中に猛獣をを飼っていると言えよう。
この男は誠と類似している。
また、社会からドロップアウトしたことも同じである。
違うと言えば、肥満体の誠に対し源は極度に痩せていた。
そして、源は歯をを喰いしばって働いており、それは中途半端ではなく、本物の誇りを持った男である。
107名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/25(水) 18:26:19.91
誠は源と違い、誇りには皆無であった。
と言うよりかは、誠の場合は誇りではなく、プライドが異常に高い男と言えよう。
これは金川も同位のモノを持っており、ニートとバレることを何よりも恐れた。
が、昼間真夜中の書き込みが目立ち、およそ誇り高いとは遠く及ばない者達である。
108名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/25(水) 18:29:34.32
ニートとバレたくないのにも関わらず昼間真夜中の書き込みをするのはどういうことであろう。
とくに金川の場合、「上に立つ者は孤独ギリギリ」の理想を掲げている反面、暇人と言うのが現実である。
誇り高い男であるなら、暇を司って耐え忍び、誇りを持って電波を捨てるであろう。
109名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/04/25(水) 18:31:10.15
源の眼光はするどい。
この眼光がどこから来ているのかは知らない。
学説によると、社会に不安を持つ者はカタギに怒り、恨み、妬む。
まさに誠の書き込みを見ていると同様に、実は源かと思うほどである。
が、源は心に猛獣を飼っており誇りを持っている。仕事をしない誠とは雲泥の差であり、雲の上の存在であろう。
110名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/09(水) 19:03:46.70
名前は松ちゃん。
現在身長は183Cmあり、体重は60Kgに及ばない。
南米系の顔をしており、どの国でも人でも通用すると思うほどである。
驚くほどの行動力を持ち、社交的とは松ちゃんのためにある言葉と思わせる。
が、空気を読むのが下手だった。
111名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/09(水) 19:05:12.23
松ちゃんとの出会いは中学1年である。
年は筆者より2つ年下。
悪ガキを絵に描いたような子供で、小学校5年の分際でポケットに手を突っ込み肩を切らして歩いていた。
ある夕暮れの部活帰り、松ちゃんは愛嬌良く筆者に声をかけてくる。
これがこの男と話した最初である。
112名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/09(水) 19:06:21.72
「松ちゃんが中学でいじめられている」
高校時代のある日、そんな風の便りを貰う。
が、筆者にはそう不思議ではなかった。
松ちゃんの印象と言えば、無頼を装った生意気な男である。
嘘つき。そこまでは行かない、負けず嫌いなのであろう。
それゆえに、一度吐いた言葉を引くに引けず、途方も無いことを言ってしまう性分であった。
113名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/09(水) 19:07:33.84
「ウラワザがある」。小学生である松ちゃんは言った。
あるゲームで、幻のアイテムを手に入れると、世界を超えた壮大なキャラになる。
無論、嘘である。
この手の嘘をつくヤツはどこにでも居て、深く聞くとウヤモヤにしようとする。
非道いヤツになると、ウラワザを教える条件として、到底不可能なことを言い出す。
114名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/09(水) 19:18:09.46
ある日、筆者は松ちゃんをブン殴ってしまう。
ドを越した大物ぶった嘘を吐いたからである。
すると、友達の兄ちゃんを連れて来て仕返しに来た。
が、筆者は返り討ちにした。生意気なガキを黙らせるには力を見せ付けるのに限る。
確定判決みたいなもので、松ちゃん一味は筆者の軍門に下らざる得なかった。
(尚、この武勇伝は他で語っているため詳細は述べない)
115名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/09(水) 19:19:59.03
負けず嫌いなゆえに、一度吐いた言葉を引くに引けず、途方も無いことを言ってしまう性分、誰かに似ている。
金川である。金川は自演を認めないゆえに途方も無いことを言った。
また、大物ぶった嘘の発言も松ちゃんと同様である。
やっすんの場合、価値観の大半が学歴に絡んでるため、残りはかわいらしい。
が、金川の場合パーフェクトな男に成りたかった。
その言動はスネ夫のようでまことに不愉快である。
116名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/09(水) 19:20:48.53
松ちゃんの学校の成績はオール5に近いらしい。
が、入った高校が偏差値の低い工業高校と言うのはどういうことであろう。
この男には先を読むと言った思考が皆無なようで、頭の善し悪しではない。
要は頭を使ってないのである。これは金川にも当て嵌まっていた。
117名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/09(水) 20:06:36.23
街の片隅にある環境のいい公園で、学生時代に筆者はよくトレーニングをしていた。
早朝5時の刻と夜10時の刻の二通りあった。
大抵は早朝5時が多い。
その時間帯に起きる自信が無いときは夜10時に済ましておくのである。
そんな夜10時が習慣になってる頃、松ちゃんが登場した。
118名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/09(水) 20:07:47.79
街の片隅にある環境のいい公園で、学生時代に筆者はよくトレーニングをしていた。
早朝5時の刻と夜10時の刻の二通りあった。
大抵は早朝5時が多い。
その時間帯に起きる自信が無いときは夜10時に済ましておくのである。
そんな夜10時が習慣になってる頃、松ちゃんが登場した。
119名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/09(水) 20:09:24.27
松ちゃんは野球をやっていた。
ポジションは投手。
そもそも筆者との出会いも野球である。
身体能力としてはなかなかのもので新庄剛志を伺わせる。
現に新庄剛志のようだった。
顔立ちも似ていて空気の読めなさも酷似にしている。
120名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/09(水) 20:10:00.96
毎日トレーニングは、口で言うのはたやすい。
時には心身が激しく疲労している時期もあり、それを継続していくのは困難を極める。
そんなトレーニング中に松ちゃんが声をかけてくる。
この男は筆者がトレーニングの邪魔だと言うことを一切考えない。
121名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/09(水) 20:10:55.11
松ちゃんの社交性は長所であり、欠点であろう。
欠点としては、社交性が異常なのである。
筆者が居そうなところに現れては声をかけてくる。
常軌を逸したこの行動は金川にも共通している。
およそ「さっさと返事をください」なんて言葉は10代でも吐くことはなく、一方的な友情感情はストーカーの心理にも似ている。
122名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/09(水) 20:11:31.39
松ちゃんはその後、夜間に転校して卒業した。
エルメスのかばんを大切そうに持ち、ベンツを乗り回す姿は近所の民衆に反感を買っている。
(筆者も同じようなことをしているが・・・)が、この男の場合、無職の金川と違って懸命に働いており、性格を考えるとよほどの努力をして来たに違いない。
123名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/09(水) 20:14:49.21
才能と言うのは必ずしも開花するとは限らない。英雄がそうである。
英雄が活躍するのは絶えず世の中が不安定でな時であり、平和な時代には望まれない。
平和がいいと言うのは凡才だから言える。
云わば能力を持ってる者にとって時代は大敵で、松ちゃんほどそれを感じている男はいない。
124名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/09(水) 20:15:25.55
そう考えると松ちゃんに酷似する金川は英雄型と思わざる得ない。
限りない才能を持った金川も時代の被害者と言えよう。
平和な時代に「黙って俺に連いて来い」と言っても皆、四方八方に散っていくのが本当である。
英雄の魔法の言葉も不安定な時代でなければトイレットペーパーほどの価値も持たない。
125名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/09(水) 20:16:23.69
ここで小坂について語る。
この男は何者なのであろうか。
2ちゃんねらー特有の匿名性が異常に強いゆえ正体は立証出来ていない。
取得したホストによると愛媛あるいは大阪の人間である。
反論が支離滅裂で原型を留めていない。
筆者の言っていることと関係ないことに答える姿は滑稽で、発狂している姿は誠そっくりと思わせる。
126名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/09(水) 20:17:21.63
「国語力が無い」との筆者の言葉がよほど気に入らなかったようで、粗捜しのように筆者の文面を罵った。
間違ってもいない文面に難癖をつけるのである。
その難癖と言うのも日常会話の粗捜しでいるようで学説に遠く及ばない。
ボクシング会場で「入場料返せ」と喚き散らしているヤカラを連想させる。
127名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/09(水) 21:37:12.00
誠、金川は電波の向こうの人物で誰かとは特定していない。
筆者の精一杯の思いやりでもある。
が、そこには戦略もあった。
彼らを知っている者からすれば誰かは一目同然で、誠と金川はそれを否定したくて仕方なかった。
が、「誰もお前とは言ってないだろ」との筆者の言葉に退却せざる得なく、また自爆の原因にもなった。
128名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/12(土) 18:48:16.41
誠は孤独な男である。
少なくとも、ヲタクとは正反対の筆者からすればこの男の言葉はまるで合点がいかない。
誠の意外な弱点として無視されることを非道く恐れていることである。
筆者の何気ない無視に腹を据え兼ねたことがしばしばあった。
一説にして、ネットが居場所となり、「恥をかかせやがって!!」と言うことに他ならない。
129名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/12(土) 18:49:13.69
逆に誠からすれば、筆者のこのブログに似た書き込みにまったく合点がいかないであろう。
筆者にしてみれば、この行為は日々積み上げた作品であり、楽しいゲームに他ならない。
逆に誠のように話し相手を探す行為は、背筋が寒くなるような思いである。
130名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/12(土) 18:50:16.34
ふと思った。
やっすんが消えた日、筆者にはネットでやることがなくなったことを。
誠のように内容の無い会話を淡々とする気にはなれず、また中高生のように書き込みを欠かさずチェックするのはこの上なく滑稽さを感じる。
つまり、筆者にとってネットとは在ってもなくてもいいモノなのである。
131名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/12(土) 18:51:14.87
誠にとって、毎日ネットをしない筆者の姿はどう映っているのであろうか。
この男はニートと思われなくないわりに真夜中昼間に書き込みがやめることが出来ず、それどころか周囲にニートと喚き散らしている。
この幸の薄い男にとって周囲は不幸でなければいけなく、ましてや普通に暮らしている者などあってはならないことなのである。
132名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/12(土) 18:52:10.28
ダメ人間。
この人種の性質はカタギが思っているようなネガティブさはない。
それどころかポジティブな心の持ち主である。
どの状況に置かれても自分がダメなんてことは微塵も考えない。
むしろ「自分以外はバカ」と考えていて、誰よりも優秀な人間と思っている人種である。
133名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/12(土) 18:53:24.48
普通、姑息と言われて喜ぶ者がいない。
ダメ人間も例外じゃないであろう。
が、この人種は砂漠のような乾いた心の持ち主で、恥を恥とは思わない。
むしろ、姑息な行為をしても心などまったく痛まずクールである。
134名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/12(土) 19:03:06.73
そういった点では金川にはそれがなかった。
この男にあるのは目の前の面子だけで、けして乾いた心の持ち主ではない。
ダメ人間としては失格である。
135名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/12(土) 19:03:52.65
「働くやつは度胸が無い」。ダメ人間の言い分である。
この人種は将来設定などまったく考えていない。
ある意味、路上で野たれ死ぬ覚悟が出来ていて、攻撃的と言うにはこれ以上に適切な人種はいない。
古来より、このような人種が日本を支えており、武士崩れの浪人をそう言った。
136名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/12(土) 19:05:30.23
この誠と言う男も、立派なダメ人間の人種であろう。
千代泰之さんと言う全身麻酔になっている人をクールに悪く言える。
本来、強いと言うのは心の痛みに鈍感になることで、人がどうなろうがまるで何とも思わない。
悪名高い代議士の先生のようで、筆者のような品公方正純粋無垢な男にはうらやましい限りである。
137名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/12(土) 19:11:37.17
ダメ人間とは何か。
誠を見て、筆者はおろか、2ちゃんねらー、通りすがり、善意の第三者、日本中の人々がそれは何かと考えたであろう。
数々の猛烈な批判を受け、齢40代にしても誠の信念はビクともしなかった。
何とも乾いた男である。
138名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/12(土) 19:12:22.14
第三部完
139名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/15(火) 10:49:56.50
ある時誠がこんな事を口走った。「パイパティローマは波照間島が訛ったものなのか?」と。
俺は言った。「波照間島に言って確かめろ」と。すぐには無理だがネットで調べると誠は言った。
140名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/15(火) 11:07:38.11
誠と別れた後JR赤羽駅のホームでサラリーマンの二人連れがこんな話をしているのが聞こえた。
2ちゃんのボク板に「クバの化身」とかいう意味不明
141名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/15(火) 11:10:02.10
支離滅裂ボクシングと何の関係もない糞スレが削除されないで残ってるんだよ!
全く2ちゃんは無法地帯だよなと人目も憚らずサラリーマンは大笑いしていた。
142名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/15(火) 11:51:44.37
その時サラリーマンの片割れがこんな一言を発した。もしかしてさ「クバってキューバの事なんじゃね!?」
それを聴いた俺は「まるでフラッシュを浴びた」ように絶句してしまった・・・
143名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/15(火) 22:51:40.95
もしもキューバだったのなら・・・
カストロ前議長もギジェルモ・リゴンドーも「おぉクバ!クバ!」と絶叫するかも知れない!
144名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/16(水) 00:08:43.09
くそつまんねー
誰か読んでんの?
145名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/05/17(木) 04:19:43.36
おぉクバwww
146名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/06/10(日) 11:52:07.04
リゴンドーがクバ言うてた!
147名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/06/21(木) 22:56:53.68
おぉ〜クバ!!
148名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/03(火) 11:11:05.38
クバage
149名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/03(火) 12:29:53.94
リゴンドーやガンボアも『おお〜クバ!!』ってやるのかな?
150名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/03(火) 12:30:57.67
ゲバラ
151名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/03(火) 12:46:03.41
「キューバか・・・」誠はつぶやいた。
それを横で聞いていたジェームスが尋ねた。

「あれはもう、30年以上も前の話になるかな。

俺がアメリカのアマでそこそこのし上がっていた時期に、
キューバとの対抗試合があった。もちろん公式のものではない。

ただ単に、アメリカボクシング界がムキになっていただけだ。当時は
キューバに叶うわけないってのが定説だったからな。

俺の相手はリオべリスという名前の選手だったと記憶しているが、
2階級下の選手だったよ。俺もなめられたもんだ。その頃には40戦近く
やっていて、負けは1つか2つ。KO勝ちは30を超えてたから、自信はあったね。

だが、1Rでやられたのは俺の方だった。やつのパンチは鉛のように重く、
マシンガンのように早かった。もう次元が違ったのだよ。」

そこまで話すとジェームスは、再び黙りこくった。
152名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/03(火) 12:55:54.16
黙りこくったジェームスに、道端の少年が
「ギブミーチョコレート!」と言ってきた。
ジェームスは、
「チョコラティトはニカラグアだバカ!」
と追い払った。あの時のリオベリス戦の負けを思いだし、腹を立てているようだ・・・
誠はそっとしておく事にした。
153名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/03(火) 13:08:55.39
誠は思った。
ジェームスが「あの、アレハンドロ・リオベリスと戦っていたとは・・・」
知らない読者に説明すると、リオベリスとはキューバでは知らぬ者のない神格化されたアマで、
世界選手権や五輪を制してフェリックス・サボンも尊敬してやまぬ伝説のボクサーだ。
154名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/03(火) 13:23:53.09
と、誠が回想に耽っていたのもつかの間・・・
ジェームスがこんな事を口走った。
なぁ誠!「立川から福生までの電車賃を貸してくれよ!」
なんだって!こいつは160円も持ってないのかよ?!
茫然とする誠ではあったが、「腹減ったな吉牛でも行くか?」
と言うとジェームスは喜んで付いてきた。
「ギブミーチョコレート」に怒る筈だなと妙に納得する誠であった。
155名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/03(火) 18:53:07.32
ジェームス・ペイジと言う元世界王者と同じ本名を持つジェームスは、
誠の金で牛丼特盛と玉子を平らげた後、こんな事を言い出した。
「昔府中で起こった3億円事件の犯人は誰だろう?」
一体こいつを何を言い出すんだ??
一抹の不安を感じずにはいられない誠であった・・・
156名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/03(火) 19:41:21.75
ジェームスは続けた。
「3億な。あの時にトレーナーを断らなければ、
3億くらいはもらっていたかもしれんな。
それでもこの間のファイトマネーの10%程度だよ。
トレーナー料としてもらう分には、そんなに不当でもなかろう。

そう、あのボーイに会ったのは、まだ15歳かそこらだった。
俺は当時、アメリカで色々な選手を教えていたのだが、
アマの選手が主体だった。だが、人のうわさは千里を走るというか、
東洋まで俺の話は届いたらしい。

で、そのボーイを見てくれとマネージャーから頼まれたのだが、
基本も何もできていなかった。だからまずはバランスと、左の打ち方だけを
徹底的に教えたのだ。ただ俺はその後、あのデラホーヤに呼ばれたので、
ボーイのことはおざなりになってしまった。

その後、テレビであのボーイが世界チャンピオンになったと知って、
俺は驚いたね。左の打ち方は俺の教えた通りで、とても良くなっていた。
そう、そのボーイこそマニー・パッキャオだよ。」

そこまで話すとジェームスは、誠の方を向いてこう言った。


157名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/03(火) 22:59:28.81
『牛丼代と電車賃の840円は道路工事の棒振りの給料が出たら必ず返すよ・・・』
何がこの男をここまで貶めてしまったのか?
また、何故東京の三多摩地区に居るのか?
フレディ・ローチやジェームス・マクガートがよもやランチ代や電車賃に事欠く事はありえまい・・・
世の無情を感じざるを得ない誠だった。
158名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/03(火) 23:13:07.50
ジェームスと別れた後、誠はスペイン語について少し勉強した。
『ウヌ、ドス、トレス・・・』
『アレハンドロの相性はレアンドロか・・・』
それも憧れの地キューバの伝説のボクサーに逢う為だ!
その気持ちが言葉に出た!
『おおクバ!!』
159名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/04(水) 06:45:51.85
「何でしょうか?」
近くの男が振り向いて言った。誠はわけがわからなかった。

その男は流暢な日本語を話したが、どう見ても異国の人であった。
褐色の肌に引き締まった両腕。歳は50歳前後か。男は続けた。

「でも、私は大久保です。『おおクバ』ではありません。
15年前に日本に亡命してきました。大久保というのはその
手助けをしてくれた日本人の名前を頂きました。

私の本当の名前は、
リュシータ・トゥエル・ウル・アレハンドロ・リオベリス・ラピュタ 」


「アレハンドロ・リオベリス!この男が!!」
160名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/04(水) 07:31:22.85
誠はすかさず携帯を取り出して、ジェームスに電話した。
『大久保が居たんだ!いやいやアレハンドロ・リオベリスだ!』
が、ジェームスは冷静に『俺のアパートにとりあえず連れてきてくれないか?』と言った。
こんな夢のような出来事に、何の疑いも挟まんとはあいつも詐欺師にすぐ引っ掛かる口だな・・・
とりあえずアレハンドロ・リオベリスにそのむね伝えると彼は喜んで伺うと言う。
誠は『あなた、ジェームス・ペイジ知ってますか?』と問いかけると!
『著名なギタリストですか?』
『それはジミー・ペイジ!あなたと対戦したボクサーですよ』
『おーーーーーー!!』
アレハンドロは絶句した!
早く福生市内のアパートに連れていかなくてはならない。
161名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/04(水) 07:43:14.13
何故あなたはキューバを去って日本の三多摩地区なんかに住んでるんですか?
誠が訪ねると、アレハンドロは『私は共産党員じゃなかったからね』
『陰では随分と冷たい扱いを受けたものさ・・・フィデル(カストロ)はもうろくジジイだ!』
そして彼は『ロホ(赤)は嫌いだーーーー!!』と警察官が駆けつける位の大声で絶叫したものだ。
162名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/04(水) 08:01:47.85
ここで、誠が受けた衝撃の度合いについて読者に説明せねばなるまい。
まぁ分かりやすく例えるなら、赤羽駅で清田祐三を発見した時の100倍。新宿駅で浜田代表を発見した時の10倍
那覇市の国際通りで上原多香子さんを発見した(事実)時と同じ位と思って頂ければ、
読者にもお分かりいただけると思う。
さて、福生までの電車賃をあのリオベリス氏まで持ってないなどとはありえんだろ?
と、誠が思った瞬間驚愕の一言がアレハンドロから発せられた・・・
163名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/04(水) 18:02:13.03
「ペソなら持っているが、円はもっていないので、貸してくれないか?」
誠は二度と自分に返ってくることは無いだろうと思いながら、
アレハンドロに電車賃を渡した。


そして夕暮れ間もない頃、ジェームスのアパートに着いた。

164名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/04(水) 23:30:19.75
小泉荘に到着した誠とアレハンドロは、ジェームスの住む101号室をノックした。
ジェームスが顔を出しアレハンドロの顔を凝視した途端!
驚愕の一言をジェームスが発した!
『こいつは俺を倒したアレハンドロじゃない・・・』
誠が呆然としながら、『じゅあ誰なんだこの方は?』
と問い返すとジェームスはこう答えた。
『そいつの名前を確認したのかい?免許証か何かでさ?』
こいつアホか!そんな事するわけねえだろボケ!と思う誠であったが・・・
『まぁいい中に入れよ』と二人を招き入れるジェームス。こいつは一体何を企んでいるのだろうか??
165名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/05(木) 00:34:58.08
くぱぁ
166名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/05(木) 12:44:04.77
アレハンドロだと思われた男は口を開いた。

「そうだ。確かに私はアレハンドロではない。名前はゴメス。
アレハンドロは私のアニキだ。そうでもしないと、あなたに
会わせてくれないと思って嘘をついたんだ」

「こんな貧乏なジェームスに何を言っているのだろう」と誠は思ったが、
ゴメスはジェームスに向かって話を続けた。

「ジェームス、いや、あえて”マスター(師範)”と呼ばせてもらう。
あなたはキューバの偉大なトレーナー、マッセリーやサラス以上の
トレーナーだというのはキューバでは誰もが知っている。
そんなあなたを見込んで、私の教え子にもう一度ボクシングを教えて
頂きたい。」

誠は口を挟んだ。「おいおい、マッサリーかマッソリーか知らないけど、
サラスってのは、あのイスマエル・サラスのことか?」

ゴメスは答えた。
「そうだ。そういえばサラスはタイや日本でも有名らしいな」

「うそーーーーーーー!!ジェームス、お前は一体、何者なんだ?!」
167名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/05(木) 13:28:42.38
マスターことジェームス・ペイジがあのイスマエル・サラスやマッセリーと並び評されるトレーナー力
がありそうなのは誠にも何となく理解できた。が・・・
この『ゴメス・リオベリス?どっちも名字みたいな?キューバ人は元ボクサーだったのか?』
『弟子は誰なのか?』『マスターが何故交通整理の仕事をしているのか?』
疑問が次々と湧いてくる誠であったが口を開くと・・・
『駅近で買ったたこ焼きでとりあえず一杯やらないか?』
韓国産激安焼酎をミネラルウォーターで割りながら今後に一抹の不安を感じる誠であった・・・
それにしても、アレハンドロ・リオベリスはどうしてしまったのだろうか??
168名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/05(木) 15:51:21.95
「アニキについて語っておかなければなるまい」
ゴメスはふいに語りだした。誠とジェームスはゴメスの話に耳を傾けた。

「アニキはあなたとグローブを交えた当時、実はキューバではまだ
これからの選手だった。期待はされていたが、特に目立った活躍もなく、
当時ナショナルチームに入っていたステベンソンと仲は良かったが、
その実力は雲泥の差だった。

そのステベンソンが現役を引退する少し前くらいかな、あなたはキューバに渡り、
短期間だがステベンソンのトレーナーをしましたよね。それはアニキから聞きました。
アニキはその頃、自分のボクシングには見切りを付けていたから、プロで
マネージャー業を始めていたが、ステベンソンから聞いたあなたのトレーナーとしての
評価は素晴らしく、ぜひ自分が見ているボクサーのトレーナーをしてもらいたく
思っていた。

ただその後、あなたはテリー・ノリス、チャベス、ウィテカー、デラホーヤなど、
スター選手の一時的なジプシートレーナーとして、表舞台には決して立たず、
1試合のみの限定でトレーナーを渡り歩いた。」

ここで誠が話に割り込んだ。
「ちょ、ちょっと待てよ!ステベンソンて、あのテオフィロ・ステベンソンのことか?
ノリス?チャベス?ウィテカーにデラホーヤ?この貧乏なおっさんが、
そんなわけねーじゃねぇか!?」
169名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/05(木) 20:21:31.47
ゴメスは誠に言った。
「マスター(師範)に向かってその口のききかたはありませんよ。
知らなかったのなら仕方がありませんが、マスターはボクシング界の
裏の世界では知らない人はいないのです。表の世界ではローチなどが有名ですが、
あれだって、パッキャオの左の打ち方を修正したのはこのマスターなのです。
それはパッキャオもローチも理解しています。」

誠は徐々にゴメスの話に引き込まれていった。

170名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/06(金) 01:26:23.58
『マスター!酒が切れたんで買いに行ってくるわ』
誠は、アパートを出た。金を持っているのは自分だけなのだから致し方ない・・・
それと、一人で考える時間が欲しかった。マスターと言ってもお店のマスターじゃないが・・・
ゴメスが言うにはジェームスはローチなど、はな垂れ小僧に映る程の天才ジプシートレーナーだと言う・・・
ジプシートレーナーと言えば故エディ・タウンゼント氏が有名だが。
交通整理の棒降りの貧乏ジジイのジェームスが『ワタシ!ハートのラブで教えます!』とかやっちゃうのだろうか??戻ったら試してみなくては・・・
酒屋でジンロ25℃の4リットルを手に取りながら誠は思った。
『貧乏人の二人にプレモルを飲ます必要はないぜ・・・フッフッフwww』
さぁ、走って戻らねば!!
171名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/06(金) 17:00:21.30
部屋のドアを開けようとすると、ゴメスの怒鳴り声が聞こえた。
「あなたはもう、ボクシングを捨ててしまったのですか!!!」

誠がドアを急いで開けると、ゴメスは今にもジェームスに掴みかかりそうな
勢いだった。
「ちょ、ちょっと、ゴメスさん!喧嘩なんかやめて下さいよ!
いったいどうしたっていうんです?」
ゴメスは勢いを無くし、力なく答えた。
「だめだ。マスター・ジェームスはもう死んでしまった・・・」

誠はジェームスに聞いた。
「ジェームス、一体何があったんだよ?」
ジェームスは黙ったままで、ゴメスが話した。
「ジェームスはもう、ボクシングを捨てたんだ。一旦捨てた心は、
もう二度と戻ってこない。私はそれを知っている。今まで何人もの
ボクサーやトレーナーを見てきたが、リングに心を無くしてしまった男は、
もう二度と元には戻らない・・・・
時間を取らせました。もうここへは来ないでしょう。」
そう言うとゴメスは、部屋を出ようとした。まさにその時、ジェームスが
つぶやいた。

「ロベルト・シュライバーだな」

ゴメスは叫んだ。「なぜその名前を!やはりあなたはまだボクシングを
捨てきれていないのですね!」

ロベルト・シュライバー・・・そのボクサーこそ、ゴメスが"マスター"ジェームスに
トレーナーをしてもらいたいと願っている、才能あふれる若きファイターだった。
ジュニアのゴールデングローブを5大会連続で獲得しているが、まだ14歳と若く、
よほどボクシングに通じていないとその存在は知られていないはずのボクサーだった。
172名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/06(金) 19:50:12.36
ゴメスはおもむろにケータイを取り出し、その中に保存してあった
シュライバーのスパーリング風景の動画をジェームスに見せた。

「どうです、マスター。相手は北米チャンピオンですよ」
動画に映し出されたシュライバーは、相手の攻撃をかわし続け、
右クロス一発でダウンを取った。それは14歳とは思えないパワーと
スピードだった。だが意外にも、マスター・ジェームスはこう言った。
「ライトくらいの階級か?ショートレンジでの攻防が出来てねぇな。
このレベルだと、ちょっと前にいた日本のハタケヤマくらいのチャンピオンには
ショートで遊ばれるな。ガツガツに前に来るようなファイタータイプに
てこずってないか?」
それを受けたゴメスの言葉はほとんど聞き取れないくらいだった。

「やはり凄い・・・本物だ・・・・・」

173名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/06(金) 20:22:52.48
誠は不覚にもロベルト・シュライバーの名前を知らなかった・・・。そこでジェームスに説明を求めると、シュライバーとは「神をも越えたとさえ呼ばれる神童」で、
14才の若さながら、「石をも砕くとさえ言われる右ストレート」と「ブローナーも真っ青のスピード」を兼ね備えていると言う。
何で棒降りのジェームスがそこまで知ってるのか誠は不思議で仕方なかったのだが・・・
次にゴメスが前回のジュニアの大会で優勝した「ハックルベリー・ジョーンズ戦のDVD」を取り出した。
「まぁ二人ともこれを観てくれないか」
誠はそこに映し出された殺戮劇に不覚にも小便をちびりそうになった程だ!
「神様仏様シュライバー少年・・・」
これ程完成された少年ボクサーに、ゴメスはジェームスに何を教えろと言うのだろうか??
誠は不思議で仕方なかった・・・
174名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/06(金) 20:58:38.99
誠は興奮しながら言った。
「ジェームス、このシュライバーっていう奴は凄ぇじゃねぇか!
こりゃ、世界チャンピオンは軽く間違いなしだな!」

ジェームスは答えた。
「そう見えるか?俺には穴だらけの選手に見えるがな。お前に聞くが、
フリオ・セサール・チャベスの凄さがお前にはわかるか?」
誠は少し考えてから答えた。
「一発パンチがあるわけでもないし、スピードが凄かったわけでもない。
う〜ん・・・鉄の顎と、ボディブローは凄かったかな」


ジェームスは言った。
「そうだな。目に見える凄さってのはその程度のものだ。
トレーナーってのは、そういう目に見えるところじゃなくて、
目に見えない部分を修正していくのが仕事なのだ。チャベスの一番の
武器が右フックだと言ったら、お前は納得しないだろ?」

誠は次元の違う世界に触れ、ただただ驚愕していた。
175名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/07(土) 13:08:54.31
「"マスター"ジェームス、やはりあなたの力が必要だ。
どうかシュライバーのトレーナーになって頂けないか?」
ゴメスが言うと、ジェームスはつまらなさそうにつぶやいた。
「俺はもう、ボクシングとは縁のない人間だ」
「なぜそんなことを言う?ボクシング界はまだあなたが必要です!」

ジェームスは酒をあおると、理由を説明した。
「俺は金の為にボクシングをしていたのではない。だが逆に言えばそれが
致命的だった。家族を省みず、ボクシング一筋だった俺は、家族を養う金さえも
ボクシングにつぎ込んでしまった。挙句の果てがこのザマだよ。」

それを聞いてゴメスは目に涙を浮かべながら言った。
「14年前、あなたは家族を捨てた。そのことはまだ、後悔しておられるのですね。
あなたの家族というのは、妻と、幼い娘がいましたよね?そして知らないとは思いますが、
その妻にはお腹の中に赤ん坊もいた。男の子です。あなたの息子です!
もしその男の子がボクシングをしていて、あなたに教えてもらいたいと思っていたら、
あなたは教えようと思いますか?」

ジェームスは目を見開いて言った。
「もしや、このシュライバーが、俺の息子だっていうのか!!」

ゴメスは満面の笑みを浮かべながら答えた。
「違います」

ジェームス→ガクッ
176名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/07(土) 13:38:36.89
コンコン!!
ノックの音がする。ジェームスは押し入れに隠れた。
誠は「おい!ジェームス何を隠れてるんだよ!」と尋ねると、ジェームスは・・・
「マチキンの吉田かも知れない。誠出てくれないか?」
誠が出てみると・・・
「隣のカルロス・シュミットですが、話を聴いてしまいました。シュライバーについて話を聴かせていただけませんか?」
カルロスについて説明すると、彼はアルゼンチン系ドイツ人で、マックス・シュメリングとローチェを崇拝しているボクヲタらしい。
誠は叫んだ!
「吉田じゃなかったよ!」え?マジで?!!
ジェームスは歓喜の雄叫びを上げた!!
177名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/07(土) 18:09:07.95
調子に乗ったジェームスは早口で喋った。
「ロベルト・シュライバーはドイツ系アメリカ人でニューヨーク出身の14歳。
アマチュア戦績69勝(58KO・RSC)2敗。2敗は9歳くらいの頃の試合で、
現在58連勝中。ジュニアのゴールデングローブでは5大会連続で優勝していて、
その内の9割がKO又はRSC勝ちだ。」

ゴメスは言った。
「ジェームス、あなたはやっぱりシュライバーのことを知っていたのですね」
178名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/09(月) 17:33:07.46
「それより腹が減った。カツ丼でもおごってくれまいか?」
ジェームスはカルロス・シュミットに言った。
「私はカツ丼は食べません。ベジタリアンですからね。
それよりも親子丼の鶏肉抜きだったらおごりますが、どうですか?」

ジェームスは言った。
「それじゃ、玉子丼じゃねぇか。玉子は食っても構わねぇのかね?」
シュミットは答えた。
「玉子は大丈夫なのですよ。玉子は野菜ですから。」
「はぁ?」
179名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/10(火) 13:37:45.96
カルロスは携帯で近所の蕎麦屋「凶鋭軒」に電話した。
「あ〜こちら小泉荘101号室ですが。玉子丼4つお願いしま〜す!」
「毎度あり〜!20分位お時間かかります!」
さて、その20分後小泉荘に出前に向かう佐東用太をじっとつけてる男がいた・・・」
そう。マチキンの吉田融策である。吉田は佐東が101号室をノックするのをじっと窺っていた・・・
180名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/13(金) 18:24:37.56
佐東がドアをノックした。
その直後、吉田が駆け寄った。

〜この続きを書く前に断っておきたいのだが、
なぜ吉田が、佐東が注文を取りジェームスの部屋に行くのが
わかったのかは、永遠の謎である〜

「ちわー。凶鋭軒っす。春雨丼6つ、お待ちどーっす!」

カルロスは言った。
「おいおい、春雨丼じゃなくて、玉子丼だよ。しかも4つだ」
吉田は答えた。
「んなわけないっすよ。金は頂きますよ」
カルロスは言った。
「アホか!注文間違えといて、そんな道理が通るわけねーだろ!」
吉田は答えた。
「そっちが間違えたんだろが!代金の300円はきっちりもらうからな!」

そんなに安いのか・・・カルロスは言った。
「しょ、しょーがねぇ。今回ばかりは許してやる。これもって
とっとと帰りな」と、10円を30枚渡した。

181名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/14(土) 15:25:46.53
と、その時だ!マチキンの吉田が素早くドアに入り込んできた。
「よ、吉田!」ジェームスが叫んだ。
吉田はジェームスを見てニヤリ。「ふふふ。とうとう会えたな」

そこへカルロスが割り込んだ。
「300円なら払ったじゃねーか!消費税とか言うなよ、そっちが最初に
300円って言ったんだからな!」
吉田「300円が何だっていうんだ!こいつは300万円をうちから借りてるんだよ!
早く返せコラ!」

ジェームスは観念したのか、こう答えた。
「わかった。なら次のタイトルマッチ後に300万円は耳をそろえて返そう」
ゴメスが聞いた。
「マスター・ジェームス。次のタイトルマッチとは、誰のセコンドに
付くのですか?」
ジェームスは答えた。
「タカシ・ウチヤマだ。もちろん表には報じられていないが、俺は
タカシのトレーナーとして日本に呼ばれていたのだ。タイトルマッチは
16日。あさってだな。この試合に勝てば、ファイトマネーの一部である
300万円が手に入る。もちろん負ければ報酬は無しだ。これが俺から提示した
契約でな。トレーナーというのは、その選手が勝って初めてその役割を
果たすという考えだ」

吉田は少し考えて言った。
「わかった。なら16日の試合の後、またここへ来る。もし金が準備できなければ、
その時はどうなるかわからねぇからな」
そして吉田は帰って行った。
182名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/14(土) 19:36:45.51
おいおい、どーなるんだよ!
183名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/16(月) 18:00:36.91
試合当日、前座カードが行われている。

その中の控え室で、ウチヤマの表情はまだ柔らかい。
そしてその片隅でジェームスがいた。

ジェームスはセコンドには入らないが、リング下で指揮するために
招聘されていたのだ。自分の300万円の借金がウチヤマの勝敗に
掛かっているとは、ウチヤマサイドの人間は誰一人として知らなかった。

184名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/17(火) 10:09:10.02
3R、偶然のバッティングにより、ウチヤマは負傷引き分けとなった。

ジェームスはつぶやいた。
「オゥ、マイ、ガッ・・・」

会場の片隅には、マチキンの吉田とその取り巻きが5人、
リング下にいたジェームスを捕らえていた。
もう逃げられない、逃げ場の無いジェームス。

試合が終わり、ウチヤマを控え室まで送ったジェームスは、
そこで何事かを語り、控え室を出た。そこへ、吉田が立っていた。

「ジェームス。約束どおり、お前を始末しなくちゃならないようだ。
個人的な恨みは無いが、これは俺たちの世界の決まりごとなんだ。
ボクシングでもルールは守らなくちゃいけないよな?それと同じことだ」

そう言うと、ジェームスはズボンのポケットに手を突っ込んだ。
何か凶器を出すのかと警戒した吉田達は、とっさにスーツの内ポケットに
忍ばせていたナイフに手をやった。

しかしジェームスが取り出したのは、何と現ナマ300万円だった。
「ほら。借りていた金だ。受け取れ」
吉田はびっくりした顔で言った。
「おい、どうしたんだ、これは?」

ジェームスは答えた。「ウチヤマは約束を守る男だってことだ。
チャンピオンは勝つか引き分けで防衛だ。俺の契約は負けなければ
300万円というものだったのでな。どうだ、これで帰ってくれるか?」
吉田はデニーロ顔負けの深い笑みで300万円を手に取ると、取り巻きと
一緒にジェームスの前から姿を消した。
185名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/19(木) 16:06:27.27
吉田達が去って言った後、ジェームスは一人浮かない顔だった。
ウチヤマは確かに防衛した。だがサウスポーに対して完全に
対処できたかどうかは疑問だ。ジェームスがこの2ヶ月間、ウチヤマの
トレーナーとして、サウスポー対策の練習をしたのにもかかわらずだ。

ジェームスが教えたのは、サウスポーが左ストレートを打ってきたら
まずはクロスガードでブロックして、すかさず右アッパーの3連打を
打ち、次に左アッパーの4連打というコンビネーションだった。
練習ではうまくいっていた。だがウチヤマは左ストレートを浴びた。
いや、まともにはもらっていなかったのだが、ジェームスとしては
あの後にコンビネーションが出なかった時点で納得のいくものでは
なかった。

みなさんは試合後、ジェームスがウチヤマの控え室で何かを
話したことを覚えているだろうか?その内容を今ここでご紹介する。

ジェームス「ウチヤマ、『アッパーカーニバル』はどうした?」
※アッパーカーニバル=右アッパー3連打+左アッパー4連打という
 脅威のコンビネーション。ジェームスはこう呼んでいた。
ウチヤマ「すみません。せっかくあなたに教わったのに。」
ジェームス「やっぱり右アッパーの方を4連打にした方がよかったか?」
ウチヤマ「いや、そうじゃなくて・・・。」
ジェームス「まさか、右アッパーの7連打か?!そりゃ無謀だ!右腕の
筋肉が破壊されちまう。二度とボクシングの出来ない体になるぞ!」
ウチヤマ「違いますよ、ジェームス。実は、バッティングの起こる
瞬間、その時まさに右アッパーを打ち込もうとしていたのです。
あそこからアッパーカーニバルで仕留めるはずだったのです。」
ジェームス「だろうな。もし相手の頭がぶつからなければ、
アッパーカーニバルでリングに倒れていたのは確実に相手の方だ。」

そのような会話が、試合後に行なわれていたのである。
そしてその後、ジェームスは現ナマで報酬を受け取ったのである。
186名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/21(土) 15:37:36.48
後日、その話を聞いた誠は、そのことをゴメスに話した。
ゴメスはその後、なぜか誠の部屋に転がり込んで居候をしていたのだ。
ゴメスは震えながら声にならない声でつぶやいた。
「ア・・・アッパーカーニバル・・・。ジェームスはウチヤマにアッパーカーニバルを
教え込んでいたのか・・・」
それを聞いた誠は言った。
「ちょっと待てよ〜。俺は素人だけどさ、右アッパーの3連打から左アッパーの
4連打って、ボクシングでそんなの無理じゃね?見たことねーし」
ゴメスは年老いた亀のような笑みを浮かべてこう言った。
「ふふ・・・。確かに素人が打つアッパー7連打は何も効果が無いだろう。
だが、ウチヤマのようなパワーパンチの打てる選手のアッパーはどうだ?」
「そりゃ、驚異的だと思うけど、それでも7連打ってのは、それだけ
ガードがガラ空きってことだろ?」
ゴメスは完熟トマトを潰したような表情を浮かべてこう答えた。
「その7連打の中に誰がパンチを打ち込めるのだ?パンチを打つということは、
自分のガードも空くってことだ。そんな中にアッパーを食らってみろ。
しかも7連打だ、いや、7つも必要ない。2つ以上食らえば倒れるだろう。
しかし前のめりに倒れるその瞬間にも、次のアッパーが下から突き上げてくるのだ。
それはとどまることをしらないカーニバル、まさにアッパーカーニバルなのだ!」

「は、はぁ・・・」
187名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/21(土) 17:12:46.17
誠は何だか腑に落ちず、言い返した。
「ならフックカーニバルやストレートカーニバルなんかもあるのかい?」
ゴメスはパップラドン・カルメを白くしたような顔つきに変わった。
「そんなもの、何の役にも立たんわ。いいか、フックやストレートは
体の軸を横回転させて打ち込むブローだ。打ち終わりには必ず元に戻さないと
同じ拳で次のパンチは打てない。だがな、アッパーは違うのだよ。
ジェームスの教えるアッパーの打ち方は、膝の上下運動によってパンチを生み出す。
つまりは、打ち終わったら重力に任せて膝を折り、また突き上げればいいだけだ。
いや、簡単に考えてもらっては困るが、体の軸を元に戻すよりは効率的というだけで、
常人に打てるようなしろものではない。ウチヤマレベルの選手でも、相当な
鍛錬が必要だったはず」
そこまで言うと、ゴメスは苦虫コーヒーを飲んだような顔に変わって
話を続けた。
「だがな、あのウチヤマでさえ、アッパーカーニバルは打てないと俺は思っている。
実際、本当に打つ姿をこの眼で見たわけじゃないしな。アッパーカーニバルは
シュライバーこそが備えるべき究極のブロー。やはりジェームスしかおるまいて」

そういい残すと、ゴメスはジェームスの住む小泉荘へと向かった。
誠がゴメスを見るのは、この時が最後になるとは、誠は想像すらしていなかった。
188名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/21(土) 18:39:25.97
小泉荘にて。突然現れたゴメスを招きいれたジェームス。
ちゃぶ台を間に挟んだ褐色の2人の絵は、第三者が見たらコメディとしか
映らないだろう。
ゴメス
「マスター・ジェームス、あなたはシュライバーのトレーナーになるべきです」
ジェームス「なぜそう言えるのかね?」
ゴメス「あなたはアッパーカーニバルの完成型を見たくないのですか?」
ジェームス
「みなまで言うな。シュライバーこそがあの究極のコンビネーションを
打てると言いたいのだろ?」
ゴメス
「やはりあなたはわかっていらっしゃる。そうなんです。シュライバーを
ぜひ見て頂きたい。そしてシュライバーにアッパーカーニバルを教えて
もらいたいのです。」
ジェームス
「シュライバーか・・・。いい選手だよ。私が見てきたボクサーの中でも
飛び切りのいい選手だ。オスカーやメイのポテンシャルよりは軽く超えてるな。
それは断言できる。だがな、それだけじゃ勝ち残っていけないのがボクシングだ。
かつて、サーマートが初めて世界タイトルに挑んだ試合で、トレーナーに
付いたことがある。」
ゴメス「サーマートというのは、あのサーマート・パヤカルンですか?」
ジェームス
「言わずもかな。あの試合以降は離れたが、サーマートの素質はそれは素晴らしかった。
それはこの俺が唸るほどだったよ。だが、あの後サーマートはどうなった?
目を見張る試合は残せなかったよな?シュライバーに努力を継続する素質はあるかな?」
ゴメス
「大丈夫です。シュライバーは真面目で素直な若者です!」
ジェームスは少し考えると、パップラドン・カルメがはにかんだような表情で
こう答えた。「よし、なら行こう。」

そう言うと、ジェームスとゴメスは翌日、ロスへ旅立った。
189名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/21(土) 19:21:55.88
ロスにあるワイルドカードジムに2人は着いた。
ここは、シュライバーが日々練習しているジムだ。
2人がジムに入ろうとしたその時、ローチが出てきた。ローチとはあの
フレディ・ローチのことである。
ローチ「おお!マスター・ジェームス、こんなところで会えるとは!」
ジェームスは黙ってうなずいた。そして握手をかわすと足早に
ジムの中に入っていった。心はもう、シュライバーのことで一杯だったのだ。
190名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/23(月) 13:14:13.67
ジムに入るとゴメスは、すぐにスパーリングをしているシュライバーを見つけた。
「マスター、シュライバーはあそこです。」2人はリングに近寄った。
ちょっとした雑用で、このジムに来ていたローチは、外から2人を見ていた。
パッキャオもカーンも試合を終えたばかりで、今は他の選手への時間を
取れるローチだったが、もちろんローチの眼にもシュライバーは
特別な選手として映っていた。だが以前、シュライバーのマネージャーと
話をした時に、「トレーナーはいるから」という話だった。それがジェームスだと
知って、ローチはようやく腑に落ちたのだった。「あの人がトレーナーなら
大丈夫だろう」そうつぶやくと、ローチは宿泊先のホテルに向かった。

しばらくスパーリングを見守っていたジェームスだったが、唐突に叫んだ。
「ヘイ、ボーイ!相手が左に動いたらレフトフックを引っ掛けるんだ!右ストレートで追うな!」
その声に反応したのか、シュライバーは左に動く相手に左フックを繰り出した。
それは相手にクリーンヒットして相手は膝を折る形でダウンをした。ゴメスは驚いたが、
一番ビックリしたのはシュライバーだった。スパーリングを終え、リングから下りると
シュライバーはジェームスに早速聞いた。
「相手は動きが早くて、なかなか右ストレートが深く当たらなかったんだ。それなのに、
あんたの言う通りに相手が左に動いた瞬間に左フックを打ったら、それまでがウソのように
簡単に捕まえることができた。なぜそれがわかった?」

ジェームスは茹で過ぎたホウレンソウのような顔で、無言のままうなずくだけだった。
191名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/24(火) 09:55:23.37
ジェームスは言った。「リングにあがるがよい」
シュライバーは言われたとおりリングに上がったが、わけがわからない。
当のジェームスはゴメスに頼んで14オンスのグローブを付け始めた。
それを見たシュライバーが困ったような顔付きで言った。
「おいおい、じーさん、まさかスパーリングする気じゃねーだろうな?」
ジェームスはマウスピースもはめずにリングに上がってこう言った。
「これからスパーリングをするが、1つだけ条件がある。俺はもうすぐ
60歳にもなろうという年齢だから、それくらいいいだろう。」
「冗談じゃねぇーよ。じじいとまともにスパーリングなんかできるかよ」
シュライバーは呆れ顔でリングを下りようとした。しかしジェームスの一言で
シュライバーの表情は変わった。

「じじいから逃げるのか?」

シュライバーは血気盛んな若者だ。これまで挫折を知らず、ハングリーで
全てに飢えていた。リングに上がると容赦なく相手にパンチを打ちこみ、
数々のアマタイトルを総なめにしてきた。その若者に、わけのわからない
初老の男が見下したような言葉を吐いたのだ。シュライバーはその条件を聞いた。

「やるのは接近戦だ。くっついた状態で1ラウンドだけ。好きに打って来い。
ただし俺の方も好きに打つ。」

シュライバーはゴメスの方を見て、「本当にいいのか?」といった表情を
送った。ゴメスはただ固唾を呑んで見守るばかりだった。そしてゴングが鳴らされた。

その時のジェームスの表情はまさに、シマウマを狙うライオンの、
おこぼれを狙っているリカオンのようだった。
192名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/25(水) 11:38:52.77
ジェームスとシュライバーがグローブを軽く合わせると、スパーリングが始まった。
接近戦のみという奇妙なルールのスパーリングだったが、ジェームスはシュライバーに
クリンチするようにひっついた。シュライバーは「クリンチの練習かよ」と一瞬思ったのだが、
その直後にジェームスの右アッパーを浴びて顎が跳ね上がった。ゴメスは目を見開いた。
シュライバーは若干14歳とはいえ、体格はジェームスと同等くらいだ。ただし中身は、
30万キロ走ったデボネアと新型レクサスくらいの差は当然ある。そのジェームスの右アッパーが
シュライバーにヒットしたのだ。もちろん一番驚いたのはシュライバーだった。

シュライバーは気を引き締め、渾身の力を込めて右アッパーを返したが、ジェームスは
簡単にブロックしてみせた。「ちくしょう。近すぎてパンチに威力が無い!」
今度は左フックを打ち込んだが、これはくぐって避けられた。シュライバーは力を込めてパンチを
打ち込むのだが、ブロックされるかパンチをくぐられるかで、クリーンヒットは無い。
そんな連打の中、一瞬だけ距離が空いた。シュライバーはスキを見逃さず、ガラ空きの
ジェームスの顔面めがけて右ストレートを打ち込んだ。これは手ごたえ充分だ!
・・・しかしジェームスはショルダーブロックでこれまたパンチをかわした。

その時のシュライバーは、アイスコーヒーだと思って一気飲みしたものが、
実はめんつゆだった時のような顔付きに変わった。
193名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/25(水) 13:33:42.91
捕まえることが出来たと思ったパンチがかわされ、呆気に取られたシュライバーの
右頬に、ジェームスの軽い左フックが飛んできた。「何だ、このヘナチョコパンチは!」と
シュライバーが思った瞬間、重たいパンチがレバーに突き刺さった。
「ダブルかっ!・・・・」シュライバーは倒れこみながらそう思った。

ここで解説するが、不意を突かれたレバーブローは、どんなに腹筋が発達していても
一瞬で崩れ落ちる程の激痛を伴う。それは精神力で耐えられるようなレベルではなく、
条件反射といってもいい、強烈な痛みだ。
シュライバーは上下の左ダブルを打たれたわけだが、ミスを2回犯した。
1つはその前の右クロスをかわされて、平常心を乱されたこと。
そしてもう1つはレバーに来る前の顔面への左フックが弱かったので、気を抜いたことだ。

腹を抱えてうずくまるシュライバーを見て、ゴメスは我が目を疑った。シュライバーが
あんなに簡単に、しかも何もさせてもらえずリングに倒れこむ姿なんて見たことが無い。
ちょうどそれは東京ドームでバスター・ダグラスが奇跡を起こした衝撃に近かった。ゴメスは
ジェームスに目をやると、ジェームスは律儀にニュートラルコーナーにたたずみ、両腕をロープに
掛けて、シュライバーを見つめていた。
それはまるで、2月14日にひょっとしてチョコレートがあるかもと下駄箱を開けたが、やっぱり
無かったことを確認した時の、男子高校生のような表情だった。
194名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/25(水) 17:41:46.23
ほどなくしてシュライバーは立ち上がった。「じじい、どんな手を使いやがった!」
シュライバーはジェームスに詰め寄った。ジェームスはマウスピースを外し、取れかけの
ボタンを眺める目つきでこう言った。
「10秒はとうに経ったぞ。試合だったら俺のKO勝ちだな。まぁあの瞬間・・・距離が開いた瞬間に
右ストレートを選択したのは褒めてやろう。スピードもパワーも驚くものだったよ。
現に、ショルダーブロックした俺の左肩はおそらく腫れているだろう。だが、わざと右ストレートを
打たせたと言ったら、お前は信じるかな?」
「何だと?!」
「俺はあの時、上体を右後ろに倒した。そこで警戒するのは左フックか右ストレートの2種類だけだ。
お前はまだアッパーが打ててないからな。さらに言えば、俺は左腕を下げたL字ガードを取って
いたから、ガードの空いている左側、つまりお前にとって選択肢は、右ストレートしか無かった
わけだ。その右ストレートを選択して打ち込んできたのはさすがだと言いたいところだが、
全ては俺の想定内の動きだったんだよ。」
「そんなバカな・・・」
「あともう1つ、一番大事なことを教えてやろう。お前はスパーリングをやる前に俺をなめていたな。
いいか、相手とグローブを交えるのであれば、それがどんな相手であれ、やる前から相手を
見下すようなことは絶対にするな。どんな相手だって勝つ可能性が100%の試合なんて存在しない。
相手を見下すということはつまり、気持ちの緩みにも通じる。それが結果を逆転させることだって
あるのだ。まぁ今回に限っては、俺はかなりの確率でボディで倒せると踏んでいたのだがね。」

そういうとジェームスは、濁流に飲み込まれそうになっているペットボトルのような口元で
ニヤリと笑った。
195名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/26(木) 14:40:03.66
2012年7月26日、東京、晴れ。
誠はアパートでぼんやりと考え事をしていた。自分では実際にボクシングをしたことは無かったが、
試合は子供の頃からよく観戦していた。そして勝者のみが味わうことのできるボクサーの、
歓喜の姿は誠の胸を熱くさせた。

誠はみんなを引っ張っていくようなタイプではない。できれば目立たないことを望んでいたし、
表舞台に立ちたいとも思わなかった。だが、誰かのサポートをして成功を味わいたい感情は
強かった。自分は無理でも、誰かに協力して何かを成し遂げたい、そんなことができれば
いいなと日頃から思っていた。
例えば大好きなボクシングで、セコンドとして勝利を味わえたらどんなに素晴らしいだろう。
だがそんなことは不可能だ。ジムに行って、いきなりセコンドに付きたいのですがと言ったところで
どこのジムが相手にしてくれるだろう?

誠はハッと思った。確かに日本では無理だろう。だが、海外だったらどうだろうか?
例えばアメリカだったら、選手とトレーナーが契約を結んで試合をするということは
よくあることじゃないのか?だったらアメリカに行けばいい!
俺はジェームスを知っている!ゴメスも知っている!そして彼らは今、将来有望なシュライバーを
世界チャンピオンに導こうとしている!

誠はアメリカに旅立つ準備を始めた。
196名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/26(木) 17:29:31.15
ジェームスはシュライバーに言った。
「技術的なことを言えば、致命的なのは接近戦ができていないことだ。パワーそのものはお前と俺とでは
比較になるまい。だがそれならば、なぜお前のパンチは俺には効かなかったのか?その答えが打ち方だ。

お前は腕力に任せた打ち方をしている。中間距離やロングならば、腕を振る空間があるからそれなりに
強いパンチが打てよう。だが接近戦だとそうはいかない。しかもスパーリングで見せたのは超接近戦だ。
あそこまで近いとお前の打ち方だと打ちづらかったはずだが、どうかね?」
シュライバーは黙ったままだった。

「逆に俺は体の回転を軸として、ウエイトを乗せたパンチを打った。だからこんな老いぼれのパンチでも
充分効くのだよ。しかもレバーという最大の急所だ。いいか、俺の打ち方は体を回転させることができれば
充分効かせるパンチが打てるのだ。そうだな、シックス・インチ(6 inch)も距離があれば充分だ。
どうだね?俺の指導を受ける気はあるか?」

シュライバーは、さざ波のような声で尋ねた。「あんたの名は何だ?」
ジェームスは答えた。「俺の名は、ダグラス・ジェームス・ジュニアだ。」
「わかった。ならジェームス、本当に教えてくれるんだな?」シュライバーは目を輝かせて言った。
「ヘイ、シュリー!『ジェームス』ではない。『マスター』と呼べ!」やりとりを聞いていたゴメスが怒鳴った。
「わ、わかったよ・・・。マスター・ジェームス、俺に本物のボクシングを教えてくれ」

ジェームスは、黒いベースボールキャップを目深にかぶった家政婦のような感じで答えた。
「承知しました。」
197名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/27(金) 11:48:12.61
シュライバーのトレーニングを開始して3週間経ったある日、ここは地元住民でにぎわう酒場。
その日のトレーニングを終えたゴメスとジェームスはジンビームを飲みながら、周りの喧騒とは
裏腹に静かに酒を飲んでいた。ふいにゴメスが口を開いた。

「マスター、何と礼を言って良いのやら。あなたには本当に感謝しています。これからシュライバーは、
歴史を作るようなボクサーになると信じています。」
「どうした、急に?」
「マスター、実は私はキューバに召還されるのです。何でも脱税の容疑らしいですが、それは
建前にすぎません。本当は若い頃、ある政治団体に所属していた履歴がバレてその取調べです。
心配には及びません。所属していたといっても名義を貸していただけのことで、それは調べれば
すぐにわかることです。ただ、一度召還されたらすぐには帰ってこられない。おそらく1年、いや2年は
掛かるかもしれません。その時は隙を見て亡命するつもりですが、それまでは大人しくキューバに
帰った方が賢明だと思うのです。」
「それはいつの話だ?」
「2週間先です。でもその前に、シュライバーの成長を見ておきたい。そう思いまして、私がキューバに
帰る前に、スパーリングをして欲しい相手がいるのです。」
「相手はファイタータイプだな?」
「その通り。パワーとタフネスを武器とした、北米のアマチュアでは名の通った選手です。
アルバート・ジョーンズといいます。ニックネームは”ダイナマイト・ブル”。2階級上の選手です。
これくらいのハンデは、あなたの教えた技術でカバーできるでしょう。違いますか?私は実際に、
今のシュライバーがこのブルファイターにどこまで対処できるのか、その成長を見ておきたいのです。」

ジェームスはジンビームを一口飲むと軽くうなづいた。その表情はまるで、ピザに掛け過ぎて
皿の上にこぼれたハラペーニョソースのようだった
198名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/27(金) 14:21:59.20
アルバート・ジョーンズは孤独であった。両親は幼い頃に離婚し、ジョーンズを引き取った母親は
3ヶ月で他の男と姿を消した。孤児院に預けられた彼はそこでの生活に慣れず、自然な流れで
不良グループへと属した。ジョーンズは暴行や盗難で何度も捕まったが、ある時、収監された刑務所で
チャリティーボクシングが行なわれた。それがジョーンズにとって初めてまともに見たボクシングだった。

ある有名なプロボクサーがミット打ちを披露するとのことだったが、ジョーンズはその名前を聞いたことは
なかった。特設リングに上がったそのボクサーはメキシコ系の白人で、ジョーンズがその姿を見て思ったのは、
「俺なら1分でこいつを倒せるぜ」というものだった。しかしその選手が軽やかなステップでリングの中で動くと、鍛え抜かれたハガネのようなふくらはぎが目に付いた。
「バシン!」
左ジャブがミットに打ち込まれた。乾いた皮の音と、拳から生まれる衝撃音がホールに響いた。
ジョーンズの他、約50名の収監者が見ていたが、それまでのざわつきが一瞬で静まった。それから
ボクサーはコンビネーションを繰り出し、そのたびに見たことの無いスピードと衝撃を全員が感じた。
ジョーンズがその時に感じたのは「美しさ」だった。繰り出すパンチのスピードと滑らかなコンビネーション、
滑るようなフットワークと素早い動き。それはジョーンズにとって、人生観が変わるようなシーンだった。

ほどなくして、ジョーンズは改心し、ボクシングに打ち込むことに決めた。15歳の時である。
それから3年経ち、持って生まれた強靭な肉体をベースに、パワーとタフネスを武器としたブルファイターと
なり、アマチュア界で頭角を現しつつあった。ニックネームは”ダイナマイト・ブル”

ボクシングを始めるきっかけとなった、ミット打ちを披露したあのボクサーのスタイルとはかけ離れていたが、
ジョーンズのボクシングの原点は、あのボクサーにあった。そう、オスカー・デラホーヤである。
199名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/27(金) 16:24:24.46
ワイルドカードジムにアルバート”ダイナマイト・ブル”ジョーンズがやってきた。

145ポンドとシュライバーより15ポンドも重いジョーンズだったが、身長は逆に2インチは低かった。
そして肉体はかつてのハグラーを思い起こさせるようだった。
逆にジョーンズと比較するとまだ14歳のシュライバーは痩せっぽっちに見えた。

しかしアマチュアの実績としてはシュライバーの方が断然上である。
6歳を超える頃からボクシングを始めたシュライバーに対し、ジョーンズはまだ3年そこらで
主だったタイトル獲得は無い。だが最近勝ってきた対戦相手は強豪が多く、最近になって
注目され始めたのだ。

ウォーミングアップを始めるジョーンズの動きを見ながら、ゴメスはある小さな大会で
ジョーンズの試合を見たことを思い出した。その強烈なプレスと、重たくて早いパンチの連打を見た時、
ひょっとしてこの選手は、将来シュライバーと戦うことになるかもしれない、と感じたものだった。
それからジョーンズのことは気になっていた。
シュライバーはファイタータイプが苦手である。ジェームスの教えにより、どこまでそれが
克服されているのか、自分がキューバに戻る前にそのことを確かめておきたかった。

それを試すのに、この相手はシュライバーにとって酷かもしれない。それほどジョーンズのパワーは
強烈だ。しかも2階級上の選手。シュライバーはひょっとしてジョーンズにめった打ちにされるかもしれない。
しかしゴメスにはもう時間が無いのだ。めった打ちにされようとも、どこか成長したところを見て、
希望を持ってキューバに戻りたかった。

不安と期待が入り混じったゴメスは、パップラドン・カルメの噂を聞いてしまったような表情になっていた。
200名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/28(土) 13:16:40.18
ゴングが鳴らされ、スパーリングが始まった。両者はすぐにショートレンジでの攻防となった。
すかさずジョーンズが得意の左フックを打った。16オンスのグローブでもスピードは充分だ。
シュライバーはパンチをくぐるとジョーンズのサイドに出て、右ショートを打ち込む。軽いが
クリーンヒットだ。そしてすぐにL字ガードにして、体を寄せた。すぐにジョーンズは左ボディを
打ったが、シュライバーは右腕でブロックした。その直後、ブロックした右でアッパーを
突き上げる。これもヒットだ。

しかしジョーンズのタフネスとパワーは凄かった。打たれてもおかまいなしに連打をぶつけてくる。
シュライバーは左右のガードを反応させ、丁寧に上下のブロックで対処していたが、押されて
ロープに詰まった。ジェームスが叫ぶ。
「ヘイ、ボーイ!ブロックに依存するな!パンチは、くぐれ!」
その声に反応して、シュライバーは左右のフックをウィービングでくぐってかわした。
「ダボー!」ジョーンズが叫ぶ。シュライバーは指示通り、ダブルを打った。

このコンビネーションは比較的よく見かけるオーソドックスなコンビネーションといってもいいだろう。
だが、ジェームスが教えるのは少し違う。上に打つ左フックは早いが威力は無い。パンチを当てる
というよりも、相手の右ガードを払うような感じで打てと教えるのだ。
相手からしたら、「ガードが空いてしまった」という一瞬の隙を生むらしい。そこで狙っている左ボディを
レバーに打つのだ。レバーブローも2種類の打ち方を教えていて、1つはフックの軌道で相手の腹を
切るように滑らせて打ち込む方法と、もう1つはアッパーの軌道で直線的にレバーに差し込むように
打つ方法だ。

「ドスッ!」
重たい音と共に、ジョーンズのボディにパンチが打ち込まれた。レバーを打ち抜かれたジョーンズは
苦悶の表情を浮かべた。それはまるで、どうなっているんだろうとセルをクリックしたら、
見たことの無い関数が目の前に現れてきた中途の事務社員のようだった。
201名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/28(土) 16:09:31.98
ジョーンズの背中が丸まった。レバーブローが効いたのだ。凝視して見守っていたゴメスは
知らずのうちにチーズマカロニのような目つきになってしまっていた。

スパーリングは全部で3R行なわれたが、3Rに入る頃にはゴメスはもう安心していた。
あれだけファイタータイプに苦戦していたシュライバーが別人のような動きで”ダイナマイト・ブル”
ジョーンズを捌いているのだ。アウトボクシングには定評のあったシュライバーだったが、
今度はショートでも打ち合えるボクサーへと変貌を遂げている。ゴメスはもう思い残すことなく
キューバに戻ることができると感じていた。

だが、そろそろスパーリングが終了しようかというその時、両者の頭が激しく当たった。
もちろんヘッドギアをしていたのでカットすることは無かったが、シュライバーは激しい衝撃に
一瞬動きが止まった。ジョーンズはそれでも一矢報いようと、渾身の力を込めて左フックを振った。
ふいを突かれたシュライバーはそれを食らい、思わずロープによろめいた。そこでゴング。

両者はグローブを合わせてリングを下りたが、ジョーンズはこれほど惨めな気持ちでリングを下りたことは
無かった。一方的に打たれ、自分のパンチはかわされ続け、自信のあったパワーが全て無に
返されたような感じだった。ボクシングを初めてまだ3年だったが、今までは技術をパワーでカバーしてきた。
しかし今回初めて、パワーが技術の前に屈したのだった。
ジョーンズは怒りと悔しさで満ちていた。ゴメスには、その姿が腹をすかせた花火職人のように映った。

余談ながら、このロベルト・シュライバーとアルバート・ジョーンズは、この時から5年の時を経て、
プロのリングで激突することになるが、今はまだジェームスさえも想像すらしていなかった。
202名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/28(土) 17:11:08.94
ゴメスとの別れ

出発前日の夜に、ささやかな送別会が行なわれた。
出席したのはジェームスとシュライバーだけだったが、このチームはとても居心地が良かった。
シュライバーは負けん気は強いが素直な若者で、ジェームスの教えを真綿が水を吸うように
吸収していった。そんな2人を見て、ゴメスはそばでシュライバーの成長を見ることができない無念さと、
次に2人に会える時の楽しみを胸に感じていた。
マスター・ジェームスならば、シュライバーを任せられる。そして2人は、パッキャオとローチ以上の
コンビになれる、そう確信していた。
最後にジェームスは、ゴメスに「ハスラ ラ ビスタ(¡Hasta la vista!)」と言って別れた。感情をあまり
表に出さないジェームスだったが、その口調はどこか物悲しく、寂しそうに聞こえた。それはまるで
群れから離れたジャコウウシの鳴き声に似ていた。

ゴメスは翌朝早くにキューバに旅立ったが、2人は見送ることはしなかった。きっとまた会えると
3人ともが感じていたからだ。ちょっと用事でその辺に行ってくるよ、そんな感じでゴメスは旅立った。

しかしあのささやかな送別会が、ゴメスを見る最期の姿になろうとは、2人はまだ知らなかった。
203名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/30(月) 13:24:21.23
誠はLAXに降り立った。アメリカは元より、海外に来たのはこれが初めてだった。
高校まではそこそこ成績が良く、英語も平均以上の点は取ってきた誠だったが、
そんなものが役に立たないのはわかっていた。つまり英語も分からず、海外も初めてで
このロサンゼルスに1人来たのだ。
誠を突き動かしているものはただ単に、シュライバーのセコンドに付くという情熱だけだった。

最初に感じたのは、「何だかゆったりしているなぁ」というものだった。日本では空港も
駅もバス停も、人ごみでごった返しているし、そのほとんど全ての人が何かに追われているように
あくせくと歩いていた。しかしロスは違う。誠はすぐにロサンゼルスが気に入った。

いい気分のまま、まずは腹ごなしにと、空港のマックに入った。チキンバーガーを頼もうとしたのだが、
「チキン」の発音が通じない。焦ってしまい「チキンと勉強しておけばよかった。あ、きちんとか!」と
1人ボケツッコミをやらかす始末。仕方がないのでチーズバーガーとルートビアという飲み物を注文
した。「アメリカではマックでビール売ってるのか」と思ったが、ルートビアはジュースだった。
しかもそれは湿布の味がした。

誠は、インド選手団と一緒に歩いて大騒ぎになった赤い服の女の気持ちがわかったような気がした。
204名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/30(月) 16:08:51.84
とりあえず誠は、ユースホステルという所に行こうと決めていた。事前に調べてそこが安いというのを、知っていたので、まずはそこへ行った。タクシーに乗って「ユースホステル、プリーズ」と言ったら
難なく着いた。外観は思ったよりも綺麗だった。

カウンターには小柄な黒人がいて、もちろん言葉など通じないが、何とか泊まる段取りが付いた。
部屋に入ると2段ベッドが4つある大部屋で、そこには3人のイラン人みたいな奴が話をしていた。
誠はそこで初めて相部屋だというのを理解した。道理で安いわけだ。
だがまぁ、ここは贅沢はできない。とりあえずベッドの位置を確認すると、荷物をベッドに置いて、
ちょっと考えてまた荷物を背負い、部屋を出て食堂に向かった。
食堂にはコーヒーの自動販売機があったので、それを買って飲んでいた。するとそばをアジア人が
通りかかった。誠は恐る恐る話しかけてみた。
「あの、日本人の方ですか?」
「そうだよ。今日来たの?」
その日本人は二十歳前後の若者で、人なつっこい感じがした。誠は尋ねた。
「イラン人みたいなのと相部屋で、部屋にいるのが居心地悪くて・・・」
「鍵持ってるの?」
その日本人は唐突に聞いてきた。わけがわからなかったが、持ってないと答えた。
「それならまずは鍵を買わなくちゃ。隣の雑貨屋で売ってるよ。この鍵は部屋にあるロッカーの鍵だ。
ロッカーはあるけど鍵は付いていないから、自分で用意しなくちゃいけないんだよ。じゃないと
部屋にモノを置いていたら10分もあれば無くなるよ」
誠は部屋にモノを置かなくて良かったと胸を撫でおろした。ついでに背中まで撫でおろした。
205名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/30(月) 17:44:11.23
イラン人3人を含む8人の相部屋の中で、慣れない異国に疲れた体は海底の泥のように
ひっそりと眠りに入った。
誠が目を覚ましたのは明け方4時過ぎだった。どうやら時差ボケで体内時計も狂っているらしい。
そして強烈な空腹に気が付いた。午後過ぎにマックでチーズバーガーを食べてから15時間近く、
誠はコーヒーしか口にしていなかった。夜は早く寝てしまったので、夕食を摂るのを忘れていたのだ。
だがしかし、こんな時間に開いている店などないだろう。第一、治安だって良くは無いはずだ。
こんな時間に外に出るのは怖い。誠はホテルにある食堂へ向かった。

もちろん食堂は閉まっていた。開店の時間はam7時となっている。まだ3時間もあるのか。
ならシャワーでも浴びようと、シャワールームに向かった。

シャワールームは共同で7つのシャワーが設置されていた。簡易的な仕切りと防水カーテンだけで、
こんな時間だと誰もいない。誠は「貸切りだぜ!」とつぶやくと、シャワーを浴びた。しかし誠は
シャワー室にシャンプーはおろか、石鹸さえも無いことに気が付いた。ここはアメリカ。日本とは
違うのだ。誠は困った。石鹸なんて持ってきていない。ホテルには常備されているのが普通だと
思っていた。隣のシャワールームを除いたが、もちろん無い。
ふと、シャワールームから出た所に洗面台があり、そこにハンドウォッシュが備え付けられて
いるのに気が付いた。「あれしかねぇ」誠はまたもつぶやくと洗面台までびしょ濡れのまま歩き、
ハンドウォッシュをシュコシュコ出して、全身に塗った。ついでに髪の毛にも石鹸を付けて
泡立てた。と、その時、イラン人の1人が入ってきた。
「ドゥオーマス!」イラン人はビックリしてそう叫んだ(誠にはそう聞こえた)。イラン人以上に
誠はビックリして、滑ってコケた。「これはダウンじゃねぇ!スリップダウンだ!」誠はとっさに
そう思ったが、そんなことは誰も気にしていなかった。イラン人はそのまま駆け足で出て行った。

残された誠は半ば放心状態だったが、その表情はあたかも、ボ
206名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/30(月) 17:47:41.39
・・・その表情はあたかも、ボッタクリバーだと知らずに会計時に
「15万円です」と言われた世間知らずの大学生のようだった。
207名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/31(火) 11:32:52.77
「この間のジョーンズとのスパーリングのことだがな」

ふいにジェームスは口を開いた。
「最後にジョーンズの左フックを食らったが、あれはお前のミスだ。8オンスグローブだったら
おそらくは立てないほどのダメージだったろうな。」
「しかしあれは!」
「その前のバッティングで気を取られたと言いたいのだろう?俺が言ったお前の犯したミスというのは、
左フックを食らったことではない。あのバッティングを避けられなかったことだ。いいか、相手の
頭の位置を把握するということは、攻撃にも防御にも有効な手段となる。ショートで攻防のスキルを
教えたが、まだお前は考えていない。教えたことをそのままやるロボットだ。」
シュライバーは黙った。
「まずは考えるのだ。そこで初めて考えずに動けるようになる。お前は最初から考えずに
言われたままをやっている。結果的には同じことでも、両者のクオリティの差は驚くほど大きい。
『Don't think feel.』とはそういうことだ」
「ブルース・リーかよ」
シュライバーは嫌みったらしくつぶやいたが、ジェームスはそれ以上に嫌みったらしく言い返した。
「そういうのをな、東洋では『桜の下のサワガニ』って言うんだよ。」
208名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/31(火) 12:10:32.68
ようやく7時になった。腹ペコの誠は食堂に向かった。バイキング形式で最初に料金を払うのだが、
ここでも誠の英語力の無さは炸裂した。食堂のキッチンカウンターにはチェックインの時に
ロビーにいた小柄な黒人がいた。おそらくは料金について説明してくれているのだが、
全く聞き取れない。誠は「オーケーオーケー」を連発した。すぐにでも料理にありつきたかったのだ。
さらに何かを聞いてきたが、それもオーケーで済ませると、小柄な黒人はフフンと言ってうっすら
笑った。そしてこんがり焼けたトースト1枚を皿に乗せてくれた。そしてトングでゆで卵を一度に2つ取り、
トーストの横に置いた。さらにもう2つ。そしてその皿は誠に渡された。

「トースト1枚にゆで卵4つ・・・。こりゃ何の冗談だ?」誠はそう思ったが、断る言葉もわからず、
空いた席に着いた。ちらほらと他の宿泊客も食堂にやってきたが、周りは旨そうなカリカリベーコンや
太いソーセージ、チーズサラダにハッシュドポテトなどを食べている。誠は仕方なしに空腹の胃に
ゆで卵4つを押し込んだ。今日はついにワイルドカードジムに行く日だ。そこで誠はある事に気付いた。

「ワイルドカードっていうのは、トランプではジョーカーなどの万能カードのことだ。
卵4つでフォーカード。それにワイルドカードが加わったら、ポーカー最強じゃね?」
いささかムチャなこじ付けであったが、1人ごちた。
209名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/31(火) 16:35:48.55
朝食を終えた誠は、さっそくワイルドカードジムへ向かった。サンタモニカ・ビーチを歩きながら、
誠は会ったことの無いシュライバーと、それを教えているジェームスとゴメス、そして雑用を
こなしている自分の姿を空想しながら胸を躍らせていた。
と、向こうからやせ細った身なりの小汚い黒人が歩いてきた。誠に近付くと、「プリーズ・マネー」と
つぶやいた。そのしゃがれた声は、アボカドを口に頬張りながらしゃべるカカシのようだった。

誠はちょっと怖かったが、「ノー!」とはっきりした口調で断った。そして身構えたが、予想を反して
その黒人はすんなりと向こうへ行ってしまった。誠は肩すかしならぬ腰すかしを食ったような
感じだったが、ホッとしてヘッとした。その時は「何だよ、簡単に諦めちゃうんだな」という気持ち
だったが、このことが後々、シュライバーを助ける経験になるとは、誠は知る由も無かった。

そして念願のワイルドカードジムに着いた。まずは外から覗いて見ると、懐かしいジェームスの
姿が見えた。リングでは若者がバッグ打ちをしている。おそらくあれがシュライバーだろう。
時折ジェームスが指示を出すが、シュライバーは機敏に反応してパンチを打ち込む。早い!

誠はジムの中に入った。ジェームスは少し驚いたが歓迎してくれた。また、ゴメスがキューバに
旅立ったことも聞いた。それは誠にとって残念だったが、ジェームスにとっては誠が来てくれたことで
助かっていた。誠は素人ではあるが、ゴメスがいなくなった今、ミット持ちやその他雑用をこなす
人間がいなかった。ジェームス1人でやるには仕事が多すぎたのだ。振って湧いたような幸運に、
ジェームスは思わず「こりゃ、棚からザルソバだな」と言った。
シュライバーが聞いた。「マスター、それはどういう意味だ?」
ジェームスが答えた。「ザルソバとはな、日本のパスタみたいなものだよ」

ザルソバの意味を聞いたわけじゃなかったが、シュライバーはそれ以上は聞くのをやめた。
210名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/07/31(火) 19:38:21.10
その日から誠のトレーナー見習い修行が始まった。
といっても、ジェームスが何か教えてくれるわけではない。自分で見て、
動いて、失敗して学ぶのだ。誠はジェームスがシュライバーに教えたことを
全てメモした。ジェームスはとても教え方が上手い。素人の誠でさえ
できそうな錯覚を起こしてしまう。

ある日、誠はジェームスにミットを持てと言われた。ミットなど持ったことのない
誠だったが、言われるがままミットをつけてもらった。
「まずは慣れることだ。といってもお前の練習じゃないんだから、
シュライバーには手加減はさせんぞ。ただまぁ、最初は単発のパンチだけだがな」
そう言うと、ジェームスはシュライバーにジャブを出すように指示した。
誠は左手のミットで受け止めた。
「バチン!」左肩がもげたかと思うくらいの衝撃。誠は逃げたくなった。
3Rほど左ジャブだけのミット受けだったが、次の日は左肩が上がらないくらいの
痛さだった。誠は1人で叫んだ。
「こりゃ、ぶつくさモンクターレさん並に文句も言いたくなるだろ!」
211名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/01(水) 16:59:29.84
誠は、シュライバー以外にも空いた時間には近くにいる練習生を誘ってミット持ちの練習をした。
おかげで上達の進歩は早く、パンチを受けることが好きになっていった。
そんなある日、若い練習生相手にミット持ちをしていた。ちょっと太めの若者で、ちょうどシュライバーと
同じくらいの年齢だ。シュライバーとは比べるもなく、素人に毛が生えた程度のボクシングだったが、
それでもほとんど毎日ジムに出てくる熱心な練習生だった。
パンチは遅かったが、そこそこ重たいパンチを打つので、「パンパーンッ」と小気味いい音が
ジムに響き渡る。そんな時、ジェームスがジムにやってきた。ジェームスはすかさず、
「おいおい、それは何の練習だ?」と誠に呼びかけた。
「え?あ、すみません。シュライバーはまだ来ていなかったので、勝手に練習していました。」
「いやいや、そんなことを言っているのではない。お前の練習熱心さには敬意を表しているよ。
そうじゃなくて、そのミット持ちはパフォーマンスでやっているのか、ボクシングの練習なのか、
どっちなんだと聞いているのだ。」
パフォーマンス・・・?誠はわけがわからず、ジェームスの言葉を待った。そしてジェームスは
パンチを打っていた練習生のダリルに聞いた。
「ダリル、こいつのミットはしっかり受け止めて、パンチを打つのも気持ちがいいだろう?」
ダリルは汗をぬぐいながら答えた。
「マコトがミットで受けてくれると、きっちりナックルが当たってガツン!という感じでパンチが
打てるんだよ。だからたまにミットを持ってもらうんだ。マコトはとても上手だよ。」
「お前はストレス解消にジムに来ているのか?それともボクシングをしたいのか?」
ダリルはもちろん、といった表情で「ボクシングに決まってるじゃん。」と答えた。

ジェームスはしばらくうなずくと、誠を見た。そのまなざしは、あぶりサーモンのようだった。
212名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/02(木) 17:29:49.38
ジェームスは口を開いた。
「お前はな、パンチが受けやすいようにミットを持っているだけだ。初心者ならばそれでも構わない。
だが今後はちょっと意識してミットを持つのだ。いいか、実戦では相手の動きはこちらの
思い通りに動くとは限らない。相手の動きに合わせてパンチを打ち込む必要もあるのだ。

ミット持ちが受けやすいようにパンチを打つ、ボクサーが打ちやすいようにミットを構える、
これじゃ単なるお遊びだ。実戦では何の役にも立ちゃあしない。ミット打ちは、ミット持ちが主となるのだ。
これで実戦に近いボクシングの練習ができる。」

ジェームスはダリルに向かって言った。
「ダリル、お前はもう少し右足に重心を乗せた方がいい。今は左足に重心が偏りすぎている。」
そう言うとモロヘイヤグリーンの笑顔でジムを出て行った。

誠はボンヤリと考えながら、ジェームスの言葉を思い返していた。
213名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/08(水) 17:02:24.79
ダリル・ウェイバークはいわゆる中流の家庭で生まれ育った。

特に不自由することはなく、ダリルは伸び伸び育てられてきた。ちょうど10歳離れた兄がいたが、
兄はすでに大学を卒業し、ボストンの大きな証券会社で働いている。
12歳になる頃、周りの友達は大人への変化を遂げ始めた。カラダは大きくたくましくなり、
そういった外見の変化が大事なことに思えるような年頃になった。ダリルはそれまでまともに
スポーツをしたことはなかったし、12歳ですでに150ポンドを超えていた肥満児だった。
だからこのままいけば二十歳を超える頃には220ポンドを超えるのも確実に思えた。

ある日、ボクシングマニアの友達が、一緒にボクシングジムに通ってみないか?と提案してきた。
ダリルはボクサーみたいな体型になれるのなら、と軽い気持ちで一緒に見学に行った。
ジムに入ると友達は練習しているボクサーを見て、「あれはソト・カラスだぜ。」と言ったが、
ソト・カラスなんてボクサーはダリルは知らなかった。

とりあえず練習してみることにして、友達とジム通いを始めた。基本的に教えてくれる人は
いなかったが、たまにゴメスという英語を話すキューバ人のトレーナーが教えてくれることが
あった。ジャブの打ち方からディフェンスに至るまで、週に1度くらいではあったが丁寧に
ボクシングを教えてくれた。その内、友達は飽きてジムに来なくなった。ダリルの方は
両親もビックリするくらい、ほとんど毎日ジムに通い続けて2年が経っている。
体重も117ポンドまで落ちた。スーパーウェルターからバンタムまで落ちたということだ。
214名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/09(木) 17:38:00.95
ダリルの体はジム通いを始めた頃に比べたら相当に引き締まっていたが、一般の平均で言えば、
まだもう少し絞れるはずである。だからまだ「小太り」という感じは否めない。
しかしダリルはそのことに関しては特に心配していなかった。体重は予定通りに無理せず
ゆっくり落としていたし、おそらく今後は、体が発達するにつれ、これからは落ちるよりも上がって
いくだろう。それはアオリイカの歯ごたえのように確信していたことでもある。

それよりもダリルはボクシングをもっと練習して強くなりたかった。ボクシングを始めて2年間、
ほとんど休まず練習しているのだが、まだボクシングが下手である。それは自覚していた。
同じ歳のシュライバーと比べると、自分がまるでアフリカンコーヒーのように感じた。
もちろん子供の頃からボクシングを始めていたシュライバーと比べること自体がおかしいかも
しれないが、それでもダリルは密かにシュライバーを目標としていた。

そんなシュライバーがここ数ヶ月でかなり強くなっているように感じられるのは、新しく来た
「マスター(師範)」と呼ばれるジェームスが教えているからだろう。そんなジェームスがダリルに
向かって「お前はもう少し右足に重心を乗せた方がいい。今は左足に重心が偏りすぎている。」
という、ダリルにとってよくわからないアドバイスをくれた。

その意味をゆっくり考え、唐突にファイティングポーズを取り、鏡を見た。「あ!」思わず叫んだ。
独学でボクシングをしているダリルは、同じサウスポーの有名な選手は何百回と見た。
ハグラー、ウィテカー、ジュダー、そしてパッキャオ・・・。そしてそれらの選手の動きを何回も
真似した。自分では似ていたつもりだったが、ジェームスのアドバイスを脳に刻んで見た自分の
構えを見て初めて気が付いたのだ。「違う・・・重心位置が全然違う。」

それに気付いたダリルの顔は、まるで日焼け止めと勘違いしてムヒを塗った八百屋の
おばさんのようだった。
215名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/19(日) 22:39:12.02
(早く口封じしなければ・・・)
誠はあせった。
何より、筆者の物書きを止めるには戦を仕掛ける他ない。
が、そんなことをすれば誠と言っているようなものである。
216名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/20(月) 17:45:36.36
ゴメスの訃報を知ったのは、一枚のポストカードからだった。

ある朝、牢屋で死んでいたという。死因は書かれていなかった。
差出人は不明だったが、ゴメスとは旧友だったみたいだ。短い手紙だったが、
文面からはやり場の無い怒りを感じているようだった。この手紙はジェームスと
シュライバー宛でワイルドカードジムに届いたのだが、差出人によれば、生前の
ゴメスが自分が死んだらここに知らせて欲しいと言っていたとのことだった。

少しインクの滲んだその葉書を見ながら、ジェームスは「クバの化身か・・・」とつぶやいた。
そう言うと、シュライバーに向き直り「シュライバー、2週間先にアマチュアの試合がある。
小さな地方の大会だがな、その合間にトーマス・ドーソンがスパーリングを披露するとのことだ。
ドーソンの相手をお前にしてもらう。」
シュライバーの目つきが変わった。「トーマス・ドーソンだって?冗談言うなよ。」
ジェームスはひん曲がった円周率のような笑みで答えた。
「ドーソンは地元の英雄だから。ちょっとした余興だよ。だから相手は誰でもいいのだ。
ドーソンのマネージャーと俺とはちょっとした知り合いでな。そこでこの話が浮き上がったという
わけだ。今のお前のボクシングがドーソンに通じるとは俺も思っていない。しかし少しばかり
世界レベルを肌で感じることも大事だと思ってな。」

ここで説明しよう。トーマス・ドーソンとはロスをホームタウンにしているプロボクサーだ。
戦績は32勝(10KO)無敗。世界ランキングも1位に上り詰め、いよいよ世界にアタックしようかという
地元では大人気の選手だ。KO率は低いが、アマで培われたテクニックをベースに、
プロのリングでも勝ち残ってきた。ライト級のシュライバーよりも軽い、バンタムの選手である。
217名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/20(月) 18:02:41.74
ゴメスが死んだことは、誠はジェームスから聞いた。そして日本でのゴメスとの日々を
思い出した。特にアッパーカーニバルについて語るゴメスの子供のような輝く目は
忘れられない。そんなゴメスはもうこの世にはいないのだ。

熱い砂浜の上で、打ち寄せる波と群がるカモメを見ながら、誠の目から涙が一筋落ちた。
遠くではゴメスよりももっと年上と思われる老人が(遠くてよくわからないが、老婆のように見えた)、
自己流の体操をしている。腕をぐるぐる回しながら、膝を折り曲げて屈伸している。
腰はやや曲がっていて、カラダも幾分太めだが、あれだけ動けるのならば申し分ないだろう。
しかも人目も気にせず黙々と体操をしている。その横では、たっぷり太った若者が、ipodを耳に
付けて、スローなランニングに励んでいるし、その後ろからクロスバイクに乗った中年が
もの凄い速さでビーチ横の専用ロードを駆け抜けていった。こんな景色は日本では見たことがない。
何が違うんだろう・・・?

アッパーカーニバル・・・これだって見たことも聞いたことも無いコンビネーションだ。自由な発想
から生み出されたコンビネーションだろう。そしてこのビーチでは、それぞれが好き勝手に、
何の制約もなく運動している。これも自由。ここで誠は悟った。
「生きているからこそ自由なんだ。自由とは何にも縛られず、自分の思い描いた理想を
追求できるってことだ。ゴメスに代わって、俺がアッパーカーニバルを完成させる!」
そして涙を拭ってスッと立ち上がると、浜風を全身に受け、ウンパルンパのように軽快に歩き出した。
218名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/21(火) 13:53:07.29
その日は暑い日だった。そして地方の小さなアマチュア試合ということを差し引いても、
そのレベルは恐ろしく低かった。それはまさに塩カルビのおろしポン酢のようだった。
シュライバーは試合には目もくれず、自分のウォーミングアップに集中した。
集まった観客は結構な人数だったが、これらの大半はトーマス・ドーソン目当てだというのは
誰の目にも明らかだった。

1時間程前、会場に到着した時、ジェームスとシュライバーはリング下にいたドーソンに
挨拶をした。ドーソンはスーツを着込んでいて、「こちらこそよろしく」とにこやかな笑顔を見せて
握手を求めてきた。その帰り際、ジェームスが言った。
「このクソ暑い中でも汗ひとつかいていなかったのに気付いたか?」
「いや。それがどうかしたのですか?」シュライバーはわけがわからなかった。
「普段から絞ってるんだよ。上体にウエイトが乗った理想的なボクサー体型だ。
カラダのフレームはフェザーに近い。お前との体重差はあるがな、それは頭から
追い出した方がいいぞ。」

そしていよいよスパーリングの時間となった。
219名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/21(火) 14:21:27.57
ドーソンがリングに立つと、歓声はひときわ大きくなり、リングアナウンサーが両者を紹介した。
「青コーナー、アマチュア界期待の星!ジュニアのゴールデングローブ・ライト級にて
5大会連続のチャンピオン、アマチュア戦績69勝58KO RSC2敗、現在58連勝中の若干14歳、
ロベルト・シュライバー!」
シュライバーの戦績が紹介されると、観客は少しざわついた。アマチュア界を除けば
まだ無名の存在だったシュライバーだったが、この凄い戦績に、にわかボクシングファンも
興味をそそられた。

「赤コーナー!」リングアナウンサーがそう叫ぶと、観客は総立ちとなり、われんばかりの歓声が
湧き上がった。「ご存知、地元ロサンゼルス、パサデナ出身、我らの英雄、次期世界チャンピオン!
戦績は32勝10KO無敗!WBA、WBC、IBF、WBOの4団体でランキング1位!
トーマス・"ザ・ゴースト”・ドーソン!!」

シュライバーはマウスピースをはめながらジェームスに聞いた。
「なんで『ゴースト(幽霊)』なんていう愛称なんです?」
ジェームスは2分しか経っていないカップヌードルのように答えた。
「1Rでわかるよ。」
220名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/21(火) 14:59:35.57
ゴングが鳴らされた。シュライバーはヘッドギアと8オンスグローブを付けたが、ドーソンは
ヘッドギア無しの14オンスグローブだった。両者はリング中央でグローブを合わせると、
まずはシュライバーがジャブを3発出した。しかしそのジャブは全て、軽くドーソンにかわされた。

シュライバーは所詮、アマチュアのジュニアである。体重差を考慮しても世界ランキング1位で
無敗のプロボクサー相手になれば、これくらいのハンデは必要だろう。最初に放った
シュライバーのジャブがきれいに全てかわされた時、観客の誰もがそう思った。その時である!
「スパーン!」
一瞬目を疑うような早い踏み込みから、キレのある左フックをシュライバーが放った。
そのパンチはドーソンの顎先をきれいに捕らえ、開始30秒でドーソンが尻餅を付く形でダウンした。
それまで大歓声だった観客は静まり返り、レフェリーも一瞬、カウントを取るのを忘れたくらいだった。

シュライバーはニュートラルコーナーにたたずみ、ドーソンが起き上がるのを待っていた。
「ここからは誤魔化しは効かねぇぞ」そう思うと、にわかに恐怖心に似たようなものが
湧き上がってきた。最初にジャブを3発打った時、シュライバーはわざとスピードを落として
打った。これはその次に狙っていた早い左フックに緩急を付けるためだ。そしてその直後、
ありったけの瞬発力を駆使して思い切り踏み込んで左フックを振り抜いた。
予想通りに1発は当たったが、シュライバーは完全に納得がいったわけでもなかった。
シュライバーとしては、あの1発で終わらせるくらいの抜群のタイミングとスピードに乗った
左フックであった。しかも自分は8オンスグローブだ。しかし結果はフラッシュダウン。
ドーソンに効いた感じはない。
当たる直前にドーソンがわずかながら首を振って衝撃を殺したのをシュライバーはわかっていた。
221名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/22(水) 11:03:22.52
ドーソンはカウントを聞きながら思った。
「落ち着いて集中するのだ。あのボーイは単なるアマチュアボクサーではない。
なぜあの左フックを食ったのか?それは、私が想定していたよりもずっとスピードがあったのだ。
想定していたよりもずっと・・・。」

シュライバーは、ドーソンの表情が変わるのがわかった。リング下で挨拶を交わした時のような
にこやかな好青年ではなく、本物のプロボクサーの表情がそこにあった。
カウント8でドーソンが立ち上がると、心配していた観客から歓声が上がった。

スパーリングが再開された。しかし今度はまともにパンチをヒットすることができなくなった。
ヒットするどころかかすりもしない。シュライバーはまるで、ただのシャドーを繰り返している
ような感覚だった。確かにそこにドーソンがいるのに、打った時にはもういない。
「これがゴーストか!」

そして1R終了するまでにシュライバーは2ダースものパンチを当てられた。
こんなに打たれたのは初めてだ。しかも気に入らないのは、ドーソンはパンチの力を抜いており、
軽くタッチするようなパンチしか打ってこなかったことだ。コーナーに戻るとジェームスが言った。
「さすが一級品のボクサーだな。最初のダウンでカッとするどころか、逆に冷静になっている。
普通ならお前みたいな若造にダウンを食らったら、仕返ししたくなるところだがな。」
「マスター、どうやったらドーソンにパンチを当てることができる?」
ジェームスはしゃっくりを我慢したような笑みを浮かべてこうアドバイスした。
222名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/22(水) 11:56:53.18
「ドーソンの防御の癖を読むんだ。お前のロングの右ストレートに対し、ドーソンは上体を
左に倒してかわしている。つまりお前から見て右側だ。これじゃ直線的な右クロスは当たらない。
奴は巧妙に射程範囲を外しているよ。それならどのパンチが有効かわかるか?」
シュライバーは呼吸を整えながら首を横に振った。

「いいか、狙うのはロングの右フックだ。しかもストレートに近いような早くて弧を描くロングの
右フックだ。ラウンドの前半は今まで通り右ストレートを打っておき、かわされた後のドーソンの
頭の位置を確認しておけ。そして中盤以降、右ストレートを打つモーションで右フックを
打つのだ。うまく行けば、お前の右フックは右側によけたドーソンを捕らえるだろう。
しかしチャンスは1回だぞ。それを外したら、もう打つ手は無しだ。」

もうそろそろ2R目のゴングが鳴らされるだろう。シュライバーは急いで2つ目の質問をした。
「それで、ドーソンのパンチはどうやって防げばいいんです?」
ジェームスはアルト・サックスを初めて吹いたような顔でこう答えた。

「それは諦めろ。今のお前じゃ防ぎきれない。」
223名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/22(水) 14:45:27.92
2R目が始まった。予想通りシュライバーのパンチはことごとく空を切る。
そしてかわしざま、ドーソンは軽いパンチをシュライバーにヒットさせ観客を沸かせた。

シュライバーはジェームスに言われた通り、パンチの合間に右ストレートを打ち、
ドーソンの動きを探った。ジェームスの言った通りの動きだ。そしてチャンスは
1発だけなのも確かだろう。もし外れたらそれでおしまいだ。
ラウンドも中盤を過ぎた。ジェームスがリング下で「ハーフタイムだぞ!」と叫んだ。
あと90秒。時間が無い。

今までのほとんどの試合で、シュライバーは右ストレートを武器に勝ってきた。
だから右ストレートには自信を持っていたし、誰が相手でも当たれば倒せると
思っていた。だからここまで完全に右ストレートがかわされるということは、
夢にも思っていなかったし、心の底から悔しかった。アマチュアで勝ち残ってきた
けども、しょせん、井の中の蛙だったことを悟った。
だからどうしても一矢報いたい。最初にダウンを奪った左フックは賭けみたいなものだ。
たまたま上手くいったが、上手くいかなかった可能性もある。そして上手くいかなかった
としても、大したことではない。しかし今狙っている右フックは違う。
これは相手の動きを読み、タイミングを計り、策を練った上でのパンチとなる。
このパンチを当てられるかどうか、それは今後の自分のボクシング人生にも
関わってくることかもしれない。正直な話、ここまでレベルの差があるとは思って
いなかった。互角とは言えないまでも、世界1位とそこそこやれる自信もあった。
しかし実際はこの有様である。14歳の若いプライドはズタズタで今にも崩れ落ちそう
だった。それを支えているのが、右フックであった。
224名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/23(木) 13:47:41.47
シュライバーのパンチの回転が速くなってきた。ドーソンはシュライバーの波状攻撃が
強くなると、防御する時間が増えてきた。もう少し集中しておかなければ被弾しそうな
勢いだ。ドーソンは矢継ぎ早に飛んでくるシュライバーのパンチを次々とかわした。
14歳にしては末恐ろしいが、この程度ならまだ大丈夫だ。

ディフェンスはドーソンのボクシングの根源を成すものだ。そしてディフェンスの中でも、
ウィービングやヘッドスリップなど、パンチを当てさせない技術を得意としていた。
それ故に「ゴースト(幽霊)」という愛称が付けられたのだが、それはまさに、そこに
存在しない者を相手にしているような錯覚を起こしてしまう程にパンチをかわして
しまうからだ。

そしてパーリングやガードは好きではなかった。ドーソンにとって、ディフェンス
テクニックの1つとはいえ、相手のパンチを受けるパーリングやガードは
「苦しまぎれの防御」である。それはただ単に個人的な好みの問題だが、
そこには美しさを感じないのだ。
225名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/23(木) 15:06:49.60
残り30秒になって、シュライバーの右ストレートをかわしたドーソンは思った。
「このボーイはほとんど1ラウンド、パンチを出し続けている。そのスピードは衰えず、
スタミナもあり、よく練習しているのがわかる。特にこの右ストレートはキレもあり、
伸びてくる。だが単調だ。」

残り30秒で打った右ストレートをかわされると、シュライバーはそれを最後の確認と
した。次に右を打つ時は、ジェームスの教えの通り、ロングからストレートのモーションで、
弧を描く、スピードのある右フックだ。ドーソンは完全にシュライバーの右を読んでいる。
だから次に打つ右も、上体を左に倒してよけようとするだろう。その位置に打つのだ。
そして残り10秒を切った時、シュライバーは右ストレートのモーションに入った。

ドーソンはシュライバーが右を打ってくるのを感じた。そして反射的に上体を
左に傾けた。しかしそこにはほんのわずかな違和感があった。それを感じたのは
シュライバーがパンチを打ち出す前のほんの一瞬である。だがそれは、真っ白な
シーツに染み込んだ一滴のコーヒーのように極めて鮮やかにドーソンに警笛を鳴らした。
「まずい!ループフックか!」

グローブが強烈に当たる「バシン!」という皮の音がリングに響いた。
226名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/23(木) 16:27:42.31
ドーソンがシュライバーの右フックによってロープまで飛ばされた時、
スパーリング終了のゴングが鳴らされた。シュライバーの右拳には、強くドーソンを
捕らえた感触が残っていた。しかし、ドーソンはパンチを当てられる瞬間、左グローブで
カバーして、ブロッキングによってシュライバーの右フックを防いだのだ。

トータルで見れば、このスパーリングはドーソンの余興としては大成功だった。
地元期待の英雄は、ボクシングテクニックを惜しみなく披露したし、観客も大満足
だった。しかしトーマス・"ザ・ゴースト"・ドーソンは、屈辱的だった。ブロックしないと
よけきれない程のパンチを打ち込まれたのだ。それは判断を一瞬誤れば危険な
パンチだった。わずか14歳のアマチュアボクサー相手に、ここまで追い詰められる
ことは、あってはならないことだった。

シュライバーがコーナーに戻ると、ジェームスは声を掛けた。
「おい、ドーソンにきちんと挨拶してこい。お前はこの6分間でボクシングというものを
イヤと言うほど教えてもらったはずだぞ。」
そう言うと、ガラパゴス諸島沖で座礁したタンカー船ジェシカのように首をかしげた。
227名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/23(木) 18:03:13.14
シュライバーがドーソンのコーナーに行くと、ドーソンはまたあのにこやかな
青年に戻っていた。そして本音を語った。
「最後の右フックだが、あれにはビックリしたよ。でも、どこかでもう一度キミとブローブを
合わせる機会があるとしたら、もう通じない。なぜならキミのことはもう覚えたからね。
ロベルト・シュライバー、もう忘れないよ。」
シュライバーはありがとう、としか言えなかった。

今まで手合わせしたことのないレベルの選手だった。リング上で見せたドーソンの
テクニックは、まるで別次元のように感じたシュライバーだったが、このドーソンを
もってしても世界チャンピオンになることは無かった。

ドーソンはその後、世界タイトルに3度挑むことになるが(バンタム級で2度、フェザー級で1度)、
とうとう世界チャンピオンになることなく引退することになる。
そしてあるボクシング雑誌のインタビューで「今まで一番強いと感じられたボクサーは、
当時14歳だったロベルト・シュライバーだった。」と答えた。
228名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/24(金) 09:57:00.20
シュライバーが観客の拍手に包まれながら控え室に戻ると、ジェームスが話し出した。
「ボクシングはな、スタイルの相性で勝敗が決まる。100%とは言わんがな。
だがそれは、それぞれのスキルがある程度まで拮抗している場合だ。今日のお前が
何もさせてもらえなかったのは1つ1つのスキルに少しずつの差があったからだ。
1つだけのスキルに対してはそれほど差があるわけじゃない。だが、それが積み重なると、
ああいった一方的な展開になる。」
シュライバーは黙って話の続きを待った。

「だがドーソンも完璧じゃない。穴のある選手だ。」
シュライバーは口を挟んだ。
「あの選手に欠点なんかあるのですか?!」
「致命的な欠点があるね。今後、世界挑戦までにそれに気付くかどうかは
俺の知ったこっちゃ無い。運良く、今はまだそこを突ける選手と戦ってないだけだ。」

シュライバーはジェームスの言葉に愕然とした。ドーソンみたいなレベルの選手でも
欠点があるなんて、どこまで高い次元の話なんだ。
それはまるで、メコン川の岸辺で食べるソフトクリームを連想させた。
229名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/24(金) 11:45:32.61
夕方がシュライバーの練習時間だったが、ジムに入るといつも、誠と練習生のダリル・
ウェイバーグがミット打ちの練習をしていた。シュライバーが練習を始めると、ダリルの
練習は後回しとなるのだが、シュライバーが練習を終えるとまた、誠にミットを
持ってもらい、ミット打ちの練習を再開する。そんなダリルを見て、シュライバーは
その練習熱心な姿に感心していた。

この時点では、2人のボクシングには天と地ほどの差はあったが、それでも4年後、
ダリルはシュライバーのスパーリングパートナーに抜擢されるまでになった。
その頃シュライバーは、ライト級の米国代表として、リオデジャネイロオリンピックの
出場を決め、試合に向けて調整していた。
一方のダリルは米国のオリンピック選考会には出場したが決勝戦で敗北し、
プロの道を進むことに決めていた。(選考会の決勝の相手が、リオデジャネイロ
オリンピックのフェザー級でゴールドメダリストとなるマイケル・リチャードソンである)

スピードとキレのあるボクシングを構築しつつあるシュライバーと比較すると、
ダリルのボクシングはスピードが無く、不器用な感じは否めなかった。だが、ダリルには
持って生まれたパンチ力が備わっていた。アマチュア戦績29戦29KO RSC 12敗。
この戦績は、そんなダリルのボクシングをよく表している。
230名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/24(金) 13:40:12.61
ゴールドメダルは大きな勲章ではあったが、シュライバーとジェームスは
プロとして世界戦のリングに立ち、強豪を次々と倒して勝ち残るような、
そんなボクシングを目指していた。

シュライバーはオリンピックでも危なげなく順当に勝ち上がり、決勝まで進んだ。
決勝の相手は地元ブラジルのアントニオ・アローナという選手だった。シュライバーは
国際大会でこの選手と3度対戦があり3度とも勝っていたので、まさかこの試合で
負けるとは夢にも思っていなかった。

ジェームスはそもそもメダルにこだわりはなかった。ジェームスが教えたのはプロ
ボクシングで、アマで通用するボクシングではない。プロとアマとではルールが違うのだ。
だからここで負けてもさほど驚かなかった。だが、このひどい判定に関しては辟易した。

シュライバーにとっては、ゴールドメダルを獲ってからのプロ転向という夢が
もろくも崩れ去った。これは大きな挫折だった。判定にも納得できなかったが、
今さらどうこう言っても判定が覆るわけではない。地元選手が勝ったのにも関わらず、
観客席からは大ブーイングが巻き起こったことを見ても、試合内容がシュライバーに
有利だったことはわかるが、シュライバーにとってそれは、慰めにもならなかった。
231名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/24(金) 16:23:39.52
オリンピックが終わり、シルバーメダルを獲得したシュライバーは地元の熱い
歓迎を受けたが心は空白だった。ゴールドメダルが欲しかったわけではない。
ただ、敗戦ということが重くのしかかっていたのだ。

誠は必死になってシュライバーを褒め称えた。
「銀メダルといったら世界2位ってことだぜ?凄いことだよ!」
「あのマイケル・カルバハルだって、ロイ・ジョーンズだって銀メダルだったんだぞ!」
「プロで1番になればいいじゃないか!」
だが、シュライバーの心には何も届かなかった。そしてシュライバーはジムから
姿を消した。誠は心配したが、ジェームスは特に気にした風でもなかった。

シュライバーがジムに来なくなってから3ヶ月が経ち、冬の始まりがやってきた。
オリンピック開催の少し前にプロデビューしたダリル・ウェイバーグはその間に
5戦して5勝した。その全てが1RKO勝ちだった。
232名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/24(金) 17:10:50.54
誠はシュライバーの家を尋ねてみた。両親と3人で住んでいると聞いていたその家は、
大通りから少し離れた場所にあった。一見、古い家だったが、壁や手すりなど、
手入れは行き届いているように見えた。

ドアをノックするとシュライバーが出てきた。おそらく10ポンド以上は余分な肉が
付いたと思われるその容姿に、誠はビックリした。シュライバーはいつも豊富な
練習量でカラダが絞れていた。135ポンド以上になったところは見たことがなかったが、
今のシュライバーは150ポンド近くはあるだろう。
「やぁ久しぶり」シュライバーは予想外に明るく言った。
「シュライバー、ボクシングはどうした?ジムにはいつ来るんだ?」
「ボクシングか。もうやめようかと思ってね。自分の底を見たというか、必死に練習して
あのレベルで負けるようだったら、この先通用しないんじゃないかと思うんだ。」
「バカ言うなよ。お前なら世界チャンピオンになれるぞ。お前はボクシングをやるために
生まれてきたんだ。ジェームスもジムで待ってるぞ。」

シュライバーは腐った魚の目をしながら返事をした。
「マコト、俺はもうボクシングはやらないんだ。見切りを付けたのさ。それよりも
大学にでも入って、経営とかそういったことを勉強したいと思ってね。」
結局、シュライバーはジムに戻るとは言わなかった。それをジェームスに伝えたが、
ジェームスは特に興味もなさそうな素振りで誠に言った。
「まぁ、待とうじゃないか。昔から『鉄より固し、紙より薄し』って言うだろ?」
233名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/24(金) 17:27:44.85
誠が帰った後、シュライバーは自室に戻り、ベッドに横になって経営学の本を
読み始めた。しかしなぜか頭に入ってこない。目は文章を追うのだが、何を
書いてあるのかさっぱりだった。

シュライバーは本を読むことを諦め、ベッドから起き上がると工具を持って
玄関の外にあるテラスに向かった。手すりが一部、壊れている所があって、
そこを修繕しようと以前から思っていたのだ。
体を動かせば少しは気が紛れるだろうと無心で作業に取り掛かった。

接合部が腐っている木材を取り除き、用意していた新しい手すりを取り付けた。
釘を打ち、サンドペーパーで磨いた。しかし手すりの枠をくぐった時、
リングロープをくぐってこれからボクシングをする自分とイメージが重なった。

そしてシュライバーは思った。もしこのままボクシングをやめたら、一生
この情けない思いを引きずることになる。自分が60歳になっても、70歳に
なっても、その時にでもまだ後悔し続けていることだろう。
もしその後悔を清算するとしたら、今しかない。ここで逃げたら俺はもう終わりだ。
そう考えるとシュライバーは、鋭いコンビネーションを3発放ち、家に戻った。
234名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/24(金) 17:47:10.34
それからさらに2ヶ月が過ぎた頃、シュライバーはひょっこりとジムに現れた。
誠は「おお!」と叫び声を上げ、シュライバーに抱きついた。シュライバーは
きっちりカラダを絞っており、ライト級に近いウエイトになっていた。
ジェームスはちらっとシュライバーを見ると、「覚悟は付いたのか?」と聞いた。
「マスター、今度はプロで自分を試したい。また1から教えて欲しい。」と
シュライバーは答えた。誠はそれを聞いて「よっしゃー!」と再び叫んだ。

「おいマコト、ちょっとうるさいぞ。黙っててくれ。」ジェームスはそう言うと
シュライバーに向き直り、「ならば明日からまた練習だ。毎朝7時にジムに来い。」
「オーケー、マスター。またよろしくお願いします。」そう言って出て行った。

「マスター、やっとシュライバーが来ましたね!良かった!で、何で朝7時から
練習なんですか?」誠はジェームスに尋ねると、ジェームスは「午後の練習では
ダリルを見る。」と答えた。
「そうか。でもダリルは強いボクサーになりましたよね。10戦全KO勝ちなんて、
それまでのダリルを知ってる人がいたら驚きですよ!」
「俺は別に驚いちゃいないがね。まぁこれまでは出来すぎの所もある。だが
世界チャンピオンに先に到達するのはダリルかもしれんぞ。」
「あははは!まーた冗談を!」と誠は言ったのだが、ジェームスの顔はいたって
真面目で、それはまるでなまはげのお面をかぶった農協のおやじのようだった。
235名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/25(土) 13:09:05.08
シュライバーのプロデビュー戦はそれから半年後となった。ジムメイトのダリル・
ウェイバーグの前座で、6回戦デビューである。相手は15戦10勝5敗という
選手だったが、シュライバーは1Rで試合を終了させてプロのスタートを切った。

ダリルは1ヶ月に2〜3試合というハイペースで戦っており、メインイベントで登場した
この試合は20戦目となった。そしてこの日で通算20戦20勝(18KO)という無敗
レコードを継続することになった。だがダリルの対戦相手は、ジェームスのマッチ
メイクによってまだ無名の負け越した選手が多く、さほど評価は上がっていない。
ダリル自身も地域タイトルはおろか、世界タイトルなんてことは頭に無かった。
自分の不器用さをわかっていたのである。パンチ力だけには自信があったので、
これを武器に勝ち残ってはいるが、例えば今、シュライバーとやっても負けるで
あろうと感じていた。
236名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/25(土) 13:11:41.20
一方のシュライバーのマッチメイクは第3者から見ても厳しいもので、
2戦目以降の相手は国内中堅以上の選手が選ばれた。さらにダリルと同様に、
ハイペースの試合となり、1年後には14戦を消化していた。そしてついに、
スーパーライト級の北米タイトル(NABA)マッチに望むことになった。チャンピオンは
パワーとタフネスが武器のアルバート・"ダイナマイト・ブル"・ジョーンズである。
237名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/25(土) 15:20:27.03
シュライバーとダリルは何度か同じ興行でリングに立ったが、今回の興行では
初めてシュライバーがメインのリングに立つ。シュライバーが地域タイトルに挑む
のに対し、前座のダリルの相手は世界ランカーだった。どちらも同日に今後を
左右するような大事な試合を控えることになった。

シュライバーが挑戦するアルバート・ジョーンズについては覚えているだろうか?
かつてシュライバーとスパーリングしたことがある選手である。
わずか3Rだったが、その時の感触をジョーンズははっきりと覚えていた。
スパーリングの3Rを通して残った記憶は、自慢のパワーがほとんど空転させられた
屈辱だけである。ただ、最後に1発だけ当たった左フックだけは手ごたえがあった。
自分のパンチが当たれば誰でも倒せる。そして俺は倒れない。ジョーンズの
タフネスとパワーはそれほど驚異的であった。

戦績25戦25勝(23KO)無敗のジョーンズと14戦全KO勝ちのシュライバーの激突は
ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行なわれた。
238名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/27(月) 11:14:05.64
前座のダリル・ウェイバーグの試合が始まった。相手はWBAフェザー級12位に
ランクするフェルナンド・ペレス(メキシコ)であった。ダリルはここまで30戦全勝(26KO)
というレコードを記録しており、戦績だけを見たらペレスの40戦32勝(11KO)8敗は
見劣りした。だが、試合はペレスのペースで進んだ。ダリルのいかにも重そうな
パンチは当たらず、ペレスのアウトボックスがポイントをピックアップしていった。

ペレスは8敗を喫しながら、ボクシングのスタイルを変えていった。そして
身に付けたのがアウトボクシングだった。客を沸かせるボクシングではない。
そのことは自身でもよくわかっていた。だが、非力で打たれ脆いペレスにとって、
このボクシングは戦いながら見つけた、最も負けにくいスタイルだった。
そしてこのボクシングは、ダリルのようなスピードの無い選手を攻略するには
効力を発揮するものでもあった。

戦績を見てダリルのKO勝ちを期待した観客からはブーイングが飛んだ。
手数は出すのだがパンチは当たらず、7Rを終了する時にはペレスの一方的な
展開となっていた。インターバルでダリルはジェームスに言った。
「マスター、ペレスは早すぎます。距離も遠いし、俺のボクシングでは奴にパンチを
当てることは難しい。」
1Rから勇敢に攻め続けたダリルが、ここで初めて弱音を吐いた。
239名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/27(月) 14:44:52.58
ジェームスは答えた。
「ここまでお前はよくパンチを出している。当たってはいないが、そのことで奴のスタミナを
奪う効果は出ている。お前は感じないか?奴が序盤に見せたスピードはもう無い。
主導権をどちらが握るかでスタミナの消耗は全く違ってくる。このラウンドまでペレスは
自分が主導権を握っていると思っているだろうが、実際は逆だ。お前がペレスを動かして
きたのだ。そしてお前には無尽蔵のスタミナと1発で試合をひっくり返すパンチがある。」

ダリルはかつてジェームスが誠にミット持ちのことでアドバイスしていた記憶を思い出した。

『ミット持ちが受けやすいようにパンチを打つ、ボクサーが打ちやすいようにミットを構える、
これじゃ単なるお遊びだ。実戦では何の役にも立ちゃあしない。ミット打ちは、ミット持ちが主となるのだ。
これで実戦に近いボクシングの練習ができる。』

「ミット持ちが主となる・・・つまりボクサーは動かされているんだ。だからミット打ちはきつい。
だから同じ5Rでも、自分のペースで打てるバッグ打ちと相手のペースで打つミット打ちでは
スタミナの消費が違うのだ。そうか!俺のパンチをかわし続けているペレスは疲れているはずだ!
ジェームスに言われるまで気付かなかったが、確かにペレスに序盤のスピードは無い!」
そう思うと、再び拳に闘志が湧き上がり、両拳をグッと握り締めた。
そして勝負の第8Rのゴングが鳴らされた。
240名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/27(月) 16:51:26.08
ダリルはこのラウンドもパンチを打ち続けた。確かに距離は縮まっている。ペレスのフットワークが
鈍ってきた証拠だ。序盤は距離を取られて空転していたパンチが、ペレスのブロックの上を
叩く場面が多くなってきた。思わずペレスがクリンチで逃げた。
その時、ペレスの呼吸が乱れていることに気が付いた。
「休ませるな!下だ!」ジェームスの声が聞こえた。
その声に反応して、ダリルはレバーブローを打ちぬいた。この日初めてといっていい
クリーンヒットで、ペレスの腰が落ちた。

レバーにパンチを叩き込まれたペレスは激痛を感じたが、ダウンは免れた。
「こんな1発で試合をひっくり返されてたまるか!」
ペレスは8敗の内、6敗はKO負けである。キャリア前半は10勝8敗と冴えない戦績だったが、
アウトボクシングを身に付けて変わった。そこから22連勝を記録して、世界ランカーにも
勝ち、30歳にしてようやく世界タイトルが見えてきたのだ。実際に無敗のホープ相手の
この試合をクリアすれば世界挑戦の話も出ていた。ワンサイドとなりつつある試合を
落とすわけにはいかなかった。あと3R・・・。
241名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/27(月) 18:07:25.99
気が付くとペレスはロープを背にしていた。「しまった、距離が近い!」
サウスポーのダリル・ウェイバーグは低い姿勢から左ストレートを放ってきた。
ペレスにはそのパンチがはっきりと見えていた。軌道も読めた。これまでかわし続けてきた
パンチだ。だがしかし、ペレスの疲労は感覚を裏切り、サイドに回ろうとした足が一瞬遅れた。
その一瞬で勝負は決まった。

ダリルの重たくて強烈な左ストレートはペレスの顎を打ちぬき、ペレスはロープに
もたれ掛かるようにして膝から崩れ落ちた。観客の騒ぎ声とレフェリーのカウントが
耳に入った。ダリルの強打はペレスを10秒間、立てなくさせるには充分だった。

控え室では、シュライバーと誠がダリルの試合放送を見ていた。
「うひゃー!大逆転だよ!」誠は嬉しい悲鳴を上げた。ふとシュライバーを見ると、
シュライバーはいつの間にかイスから立ち上がって、壁に向かって軽くパンチを打っていた。
ガウンから覗く顔からは、雨に打たれたような汗の玉が光って落ちた。アップは充分だ。
誠はそう思った。そして、シュライバーから湧き出る鋭くて冷たい闘志を感じ、思わず鳥肌が立った
242名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/27(月) 21:33:18.00
CMの本質がわからずして、経済学を理解しろ、と言っても無理な話であろう。誠とはそんな男である。
243名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/28(火) 11:42:31.98
アルバート・"ダイナマイト・ブル"・ジョーンズは5,6年前に行なわれたシュライバーとのスパーリングを
忘れたことはなかった。あのスパーリングは自分の得意な接近戦で戦ったにも関わらず一方的にやられた。
おまけにボディブローであわやダウンを取られるという内容だった。最後に当てた左フックだけが
ジョーンズのプライドをわずかながら保っていたが、それでもプロ転向後に1階級下げたのは、
シュライバーにリベンジできるかもしれないというわずかな望みがあったからだ。

プロ転向後のジョーンズは豪腕で勝ち上がっていった。あるボクシング記者はジョーンズを見て
「アーロン・プライヤーの再来だ」と記事に書き込んだ。
オリンピック終了後はシュライバーの動向が気になったが、オリンピック終了から約1年を経て
シュライバーのプロ転向のニュースを知った。しかも狙った通りに自分と同じスーパーライト級である。
ジョーンズの気持ちは高ぶった。

今、まさに雪辱を晴らす時が来たのだ。もう負けることはない。ジョーンズを突き動かしている
自分の親、生い立ち、世間、シュライバー、そして昔の自分自身への「怒り」が最高潮に達していた。
244名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/28(火) 12:06:53.46
ジョーンズとシュライバーがリング中央に歩み寄った。レフェリーの注意を聞く間、両者の視線は
双方の両目を捕らえていた。褐色の肌と盛り上がった筋肉のジョーンズは、まるで鎧を武装している
ような体つきをしていた。首も丸太のように太く、パワーとタフネスを体中で表現していた。
一旦両者が自分のコーナーへ戻ると、ジェームスはシュライバーに言った。
「まずは好きにやってこい。ただし以前のジョーンズと同じだとは思うなよ。」

ゴングが鳴らされ両者が中央に進み寄ると、まずはジョーンズが左フックを強振してきた。
とっさに頭を下げてパンチをくぐったシュライバーはそのまま上体を元に戻すと、必殺の
右ストレートを打ちぬいた。これはジョーンズにブロックされたが、まるで岩を打ったような
重厚な感触がシュライバーに残った。

ジョーンズはせわしなく上体を揺さぶり、シュライバーに的を絞らせない。
シュライバーはフットワークとジャブで距離を取ろうとしたが、クリーンヒットを奪えず、
距離は縮まってきた。危険な左フックがシュライバーの鼻先をかすめた。
その直後、シュライバーが逆に距離を縮めてきた。ジョーンズはしめた、とばかりに
渾身の左フックを振った。が、その瞬間、ジョーンズのスピードを上回るシュライバーの
左フックがカウンターとなってジョーンズを捕らえた。
245名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/28(火) 15:20:32.16
シュライバーのカウンターの左フックによって太い首が揺らされ、顎を跳ね上げたジョーンズは
横転しながらリングに倒れた。プロ・アマ通してダウンを奪われたことのなかったジョーンズが
初めて倒れた。しかもたった1発のパンチによって。
通常ならばこれで終わっていたような強烈なダウンだったが、ジョーンズの不屈の精神は
彼を蘇らせた。そしてカウント8で立ち上がると、ファイティングポーズを取り、試合が再開された。

ジョーンズは思った。
「パンチが大振りになってしまったか・・・。しかし何というパンチだ。あの細いカラダで
どこのこんなパワーがあるというのか?やはりボクシングでは奴の方が上だ。
距離を縮め、パワーで圧倒するような展開に持ち込まないといけない。ショートレンジで
奴を潰すのだ。あのスパーリングの日、俺は得意のショートレンジでシュライバーに圧倒された。
だがその後、俺は徹底的に接近戦を鍛えた。接近戦こそ俺のボクシングで、この距離で
打ち合えば、俺は誰にも負けない!」

シュライバーはまさかジョーンズが立ってくるとは思わなかったので、そのタフネスに驚いた。
しかもあれだけ強烈なダウンだったにも関わらず、ダメージを感じさせずにジョーンズは
なりふり構わずパンチを繰り出してきた。何度かブロックの上を叩かれたジョーンズのパンチは
まるでハンマーのようで、シュライバーが感じたことのない強打だった。
246名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/28(火) 17:52:34.25
1Rも残り30秒という時、両者の距離が詰まった。元々は接近戦の苦手だったシュライバーだが、
この距離でも自信が持てるほどに、ジェームスに鍛えられていた。だから慌てたりはしなかったが、
ジョーンズの鬼気迫る迫力に、メンタルの部分で押されていたのかもしれない。
丁寧にジョーンズのパンチに対応していたシュライバーが、後手に回ってしまっていたのだ。
そしてわずかな距離が空いた瞬間を見逃さず、ジョーンズがショートの左フックを打った。

これは、ジョーンズがこの距離で最も練習してきたパンチだ。相手の頭の位置を
自分の左肩の前に持ってきた時、左フックをアッパーのように突き上げて打つパンチだ。
相手との距離は5インチ程。通常ならば非常に打ちづらい場所ではあるが、ジョーンズは
腕力で打てる。それが相手に効かせる程の筋力をジョーンズは備えているのだ。

シュライバーからしてみたら、予想外のパンチとなった。この位置取りからは
左フックは無警戒で、コンパクトだが、重たい左フックを顎に突き上げられた。
思わずシュライバーは腰が落ち、しりもちを付く形でダウンした。その上を
ジョーンズの右フックがうなりをあげて空振りした。ジョーンズは舌打ちをした。

シュライバーはすぐに立ち上がった。フラッシュダウンだ。ダメージは無い。
だが、シュライバーはわずかながらジョーンズの信じられないパワーに恐怖を感じた。
そしてダウン応酬の第一ラウンドは終了した。
247名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/29(水) 12:02:37.27
コーナーで、ジェームスが言った。
「ジョーンズのパワーは予想以上だな。ショートかロングか、どっちを取る?」
シュライバーは答えた。
「ショートは危険です。俺のパンチも当たるだろうが、奴のパンチ力は尋常じゃない。
ロングなら突き放しておいて、右クロスを叩き込める。」

ジェームスはエレベーターを待つ警備員のような顔で言った。
「ロングじゃ奴を捕まえきれないよ。奴の動きは変則的だ。理にかなった動きではないが、
逆にそれが相手からしたら非常にやりづらいボクシングになっている。
冷静になれ。あの変則的な動きを殺すのは、ショートレンジだ。確かに奴のパンチは
脅威かもしれないが、しょせん腕力任せのパンチだ。もっと集中すれば対処は可能だ。」

2ラウンドが始まり、シュライバーがコーナーを出て行った時、ジェームスは誠に
話しかけた。「すっかりあの1発で恐怖を感じてしまってるな。最初にダウンを取ったことなど
忘れているかのようだ。マコトよ、シュライバーは自分を信じることができなければ、
この試合は負けるかもしれないぞ。」
マコトは慌てて言った。「冗談はやめてくれよ、マスター!」

しかしジェームスのその顔は、タンドリーチキンを初めて食べた小学生のように
冗談を受け付けない真顔になっていた。
248名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/29(水) 17:22:58.90
シュライバーが左ジャブで牽制する。早いリードブローだ。しかし相手のパンチによって
よけるのではなく、上体をせわしなくランダムに動かすことで的を絞らせない
ジェームスの動きに、シュライバーは対応できていない。
すぐにロープに詰まると、ジョーンズは左右のフックを振り込む。シュライバーは
かろうじてサイドに逃げて被弾は防いでいるが、傍目にも危なっかしい。

そして攻勢を取られ続け、2R目のポイントは失った。
コーナーでジェームスが静かに言う。
「シュライバー。お前はこの試合、勝ちたいのか?どう見ても勝ちたいようには
見えないぞ。もっと自分のボクシングを信じろ。お前は奴に勝てる能力を持っている。
だが、それを出さなければ勝つものも勝てない。」
シュライバーはただうなずくだけだった。それを見た誠はシュライバーに叫んだ。
「いつものお前はどうしたんだよ!勝つのを諦めちゃったのか?俺がアメリカに来たばかりの時、
サンタモニカビーチでホームレスに会ったことがある。そのホームレスが金をせびりに来たが、
断ると簡単に諦めたんだ。今のお前はそれと同じだ!諦めた人間は、何も手に入れることは
できないんだぞ!勝てる可能性を放棄するのか?!」

それを聞いたジェームスは「良いこと言うじゃん」的な表情で、カックリと、そしてコックリと
うなずいていた。シュライバーの顔付きが変わった。「バカ言うな!俺は勝つためにここに来たんだ!」
249名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/29(水) 17:38:25.58
3Rになると、2Rの弱腰がウソのようにシュライバーは接近戦を繰り広げた。
一番驚いたのはジョーンズだったが、これは願ったりだ。ジョーンズは少々の被弾も構わず、
パンチを打ち込んだ。シュライバーは重たいパンチをブロックとウィービングで防ぎながら、
攻防した。観客席から見れば大ナタのような重たくて派手なパンチを打つジョーンズに対し、
シュライバーのパンチは小刀のように感じられた。

ジョーンズの腕力任せのパンチはいわゆる手打ちである。しかし筋力依存の打ち方なので、
パワー充分のジョーンズのパンチは破壊的だった。しかも手打ちゆえに、パンチの見切りが
しにくく、シュライバーの防御を持ってしても、何発か軽くもらった。

しかしシュライバーはジョーンズのパンチと動きに集中して、パンチを打ち込んだ。
何発かガードの上を叩いたが、ジョーンズの動きを捕らえきれないまま3Rが終了した。
コーナーに戻りながらジョーンズは思った。
「パンチには切れがあるし、正確に急所を打ってきやがる。だが、もう俺は倒れない。
パンチを当たるまで出し続け、叩き込んでやる。」
250名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/30(木) 16:37:33.15
だが2R目とはうって変わり、このラウンドのシュライバーの目は生きていた。
この試合で初めてジェームスが技術的なアドバイスらしきことを言った。
「奴のガードは固い。だがきちんとパンチに反応してブロックしているわけではない。
ガードの空いた辺りを打ち込めば、ガードを割ってヒットできるはずだ。」
「だが奴の動きはランダムで早い。」とシュライバーが言えばジェームスが返す。
「それは奴の頭の動きを追っているからだ。ボディは動かないぞ。きちんと位置を取り、
奴の左にポジションを取った時、レバーブローを打て。」

第4ラウンドのゴングが鳴った。そして再びショートレンジの攻防が始まった。
シュライバーはジョーンズの動きを冷静に見切って、パンチを完全に外し始めた。
そしてジョーンズの右フックをくぐって避けた時、シュライバーは左サイドに出た。
そこですかさず狙っていた左のボディショットを打ち込んだ。以前、このパンチで
ジョーンズは効かされた。そして今度のパンチはそれ以上ないタイミングと
角度だったが、ジョーンズは耐えた。
「来るとわかっていれば対処は可能だ。」ジョーンズはこのパンチを最も警戒していたのだ。
その瞬間、再びシュライバーが左ボディを打ってきた。
251名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/30(木) 17:16:01.92
ジョーンズは今度も腹筋に力を入れ、ボディブローに対処しようとした。が、その左は
ボディと見せかけたフェイントで、ジョーンズの右ガードを捕らえた。ガードは高く上げていた
ジョーンズだったが、打たれた右ガードははじかれ、顎に突き刺さった。衝撃が走り、
瞬間的に眼前が揺れた。

このままではマズいと思ったジョーンズは本能的に右フックを打ち返した。
しかしそのパンチはシュライバーにかわされ、リターンでまたしても左フックが飛んできた。
そのパンチもまた、ジョーンズのガードをぶち割り、ジョーンズは打たれた。膝が落ちる。
「奴のパンチは何でこんなに効くんだ!」
ジョーンズはシュライバーの放つパンチの切れに驚愕しながら、それでもなお左フックを
強振した。だがそれもシュライバーは丁寧にかわし、ウエイトを乗せた必殺の
右ストレートがジョーンズの顎を打ち抜いた。

「決まった!」誠は叫んだ。これまで何人もの選手をあの右ストレートで倒してきたのだ。
まともに右ストレートをもらったジョーンズは前のめりに倒れそうになるところだったが、
やっとの思いでシュライバーにしがみつき、ダウンをまぬがれた。
252名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/30(木) 17:53:27.48
――上に立つものになって英雄になる。
と誠は拳を強く握りしめた。
この男ほど根拠の無い自信を持っている男はいない。
法律だけではなく、喧嘩ですら自分は適材であると思っていた。
253名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/30(木) 17:54:33.91
ところが世すぎの職業はニートになり、しかも家に引き篭もって外に出るわけでもない。
掲示板の2ちゃんねらーが専門である。
荒らしは誠の大仕事ではあったが、一面、かつて中学生の頃、柔道をやっていただけに、自分は喧嘩が強いと言う気持ちがあった。
254名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/30(木) 17:55:15.01
さらには練習もせず、運動さえしなくて、デブになる一方であった。
中学の頃の柔道を思うと、もう50になる人生のあきらめと後悔が襲ってくるばかりである。
やがて死ぬ、と、誠は覚悟しているに違いない。
255名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/30(木) 17:55:58.60
何事をこの世に残しうるかと思うと、この自尊心の塊の誠は、筆者を華やかに思うにつれ、
おそらく筆者を敵に回したあの日、蚊帳に泣いたのかもしれない。
256名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/30(木) 17:56:43.43
誠と言うのは、2ちゃんねるに帝国を創り上げたことによって、それは理想社会に近く、
そういう満足は自負心となり、その自負心が背骨のようになっている。
257名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/30(木) 17:57:28.78
誠の憐れさは高校中退しただけではなく、クラスメイトと言う空間からも削られてしまったことであった。
この男は、これより先ニートへと進んでいたが、このままでは己を保ち続けてゆくことが不可能になった。
258名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/30(木) 17:58:03.62
誠は陰険な性格な男で、この仕打ちを怨んだ。
元来臆病な性分で、人への思いやりと言ったところが皆無である。
自分を甘やかした親に悪声を吐き、独り声を押し殺して泣いた。
259名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/30(木) 18:07:55.21
平成24年立春に、誠は今年も行政書士試験に落ちている。
8年連続落ちるような劣等生を扶持することはない。
誠は絶望した。
親などはバイトでもしてくれることを切望したが、誠の甘え体質は固かった。
260名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/30(木) 18:08:43.78
現実において、到底、誠が喧嘩など出来るような男ではないことを筆者は知っていた。
問題は、ロクに練習などせず、戦闘能力が一般の男より劣ることであった。
このため、この男は100kgにもなる体を絞るために運動をしようとした。
261名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/30(木) 18:09:28.28
とくに誠の運動能力が劣り過ぎているため、挫折する。
「少々デブな方が痩せているボクサーより強いのだ」と頓珍漢な結論を出した。
わざわざ口に出さざる得ないほど、誠の肥満は進んでいる。
262名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/08/31(金) 19:40:41.64
ジョーンズは回復を待って、すぐに攻撃を仕掛けた。そのタフネスは超人的だったが、
シュライバーの左フックは又してもジョーンズのガードを割ってダメージを与えた。
1発1発が芯を捕らえ、そのパンチの切れ味が凄まじいシュライバーのパンチに、
ジョーンズの意識は朦朧となった。しかしそれでもジョーンズの闘争本能は衰えず、
バランスを崩しながらパンチを振るった。

その時、鈍い音と共に、シュライバーとジョーンズの頭が激しく激突して、
シュライバーは左目の上をカットした。激しい衝撃だったが、わずかなチャンスを
逃すまいと、ジョーンズがパンチを振り出そうとした瞬間、シュライバーはもうすでに
パンチのモーションに入っており、ジョーンズは強烈な左フックを打ち込まれた。
バッティングがあってもそれに気を取られることなく、シュライバーは標的の
ジョーンズを見逃さなかったのだ。シュライバーの闘志はジョーンズ以上であった。

意識を刈り取られたジョーンズがロープ際まで飛ばされ、ロープにもたれ掛かった時、
レフェリーは試合を止めた。4R2分30秒TKO勝ち。この勝利によってシュライバーは
15戦全勝15KOのパーフェクトレコードを更新すると共に、北米タイトルも獲得した。
263名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/01(土) 11:51:55.08
控え室で、アルバート・"ダイナマイト・ブル"・ジョーンズは手当てを受けていた。
手当てといっても最後のバッティングが起こった箇所が腫れているだけで
あとは何ともない。まるでパンチを打たれたのがウソのようにダメージはなかった。

医務室から出ると、カットした左目上にガーゼを貼ったシュライバーとトレーナーの
ジェームスに通路で出くわした。ジョーンズはシュライバーの目を見据えて思わず言葉を出した。
「あんなパンチは初めてだ。」
シュライバーは黙ったまま、ジョーンズを見ていた。そこにジェームスが割り込んだ。
「ジョーンズ、お前の闘争心には恐れ入ったよ。俺は一瞬だが、ひょっとしたらシュライバーが
負けるんじゃないかと思ったくらいでね。お前のパワーはシュライバーより数段上だろう。
だが、ボクシングはパワーのある方がパンチが強いわけではない。」

「どういうことだ?」ジョーンズは尋ねた。
「ボクシングとは、最終的には相手にダメージを負わせるのが目的だ。ということは、
的確に当て、ダメージを与えるパンチを打たないと意味が無い。的確に当てるには
距離と位置の把握が必要だし、ダメージを与えるには、どの位置でも打ち込める
パンチの打ち方と選択が必要だ。
シュライバーはまだ完璧とは言えないが、その点ではお前より上を行ってただけのことだ。
負けても気にすることはない。敗戦はさほど大した問題ではないのだから。
問題なのは、そういったことに気付かないことなのだ。」
264名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/01(土) 13:12:07.69
それだけ言うと、ジェームスとシュライバーは自分達の控え室に帰っていった。
控え室に戻ると、心配そうな顔で誠が近寄ってきた。
「傷の状態は?」
シュライバーは傷口を指差しながら、
「大したことはない。それよりもマコト、ありがとう。あなたのアドバイスが
なければ挫けていたところだ。」と答えた。
「いやぁ〜」そう言うと誠は照れ笑いならぬ濡れ笑いを浮かべた。

後日、世界ランキングが発表された。ダリルとシュライバーはそれぞれ世界ランキングに
入ったが、ダリルにはおまけもついていた。世界挑戦の交渉をしていたフェルナンド・
ペレスを破ったことで、ダリルに白羽の矢が立ったのだ。
チャンピオンはWBAフェザー級チャンピオン、ラファエル・ゴンサレス(メキシコ)であった。

ジェームスがそれを伝えると、ダリルは言った。
「マスター、あなたがこの話を僕に聞かせるってことは、勝算は少なからずあるって
ことでしょう?それならば受けますよ。僕自身は勝てるとは到底思えない相手ですけど。」
ジェームスは苦めのコーヒーを飲んだ後のような顔で答えた。
「俺も勝てるとは思ってない。」

ダリルはひっくり返りそうになった。
265名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/01(土) 15:20:37.43
ラファエル・ゴンサレスはメキシコ出身の31歳。
戦績58戦56勝(39KO)2敗で5度防衛中の2階級制覇のチャンピオンだ。
1階級下のWBCスーパーバンタム級を7度防衛後、王座を返上してフェザー級に上げ、
WBAフェザー級タイトルを獲得。そのタイトルを5度防衛している。

ゴンサレスは通算12度の防衛の内、KO勝ちが9つを数える。このことからも
ハードヒッターだというのはわかるが、それよりも印象的なのが固いブロックである。
それはまるで分厚い鉄板のように強固なブロックで、対戦相手はその鉄壁の防御と
ハードブローによって打倒されてきた。

誠はダリルの世界初挑戦の話が決まったことを聞き、何だか夢のような気がした。
ダリルとは、誠がトレーナーを初めて最初の頃からの練習相手だった。
最初は太っちょで不器用だったダリルが、何と世界タイトルマッチのリングに
上がるというのだ。誠はふと、かつてジェームスが言った言葉を思い出した。
「世界チャンピオンに先に到達するのはダリルかもしれんぞ。」
いや、だが相手が悪すぎる。
266名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/01(土) 18:00:18.61
人間こうはなりたくないよな。
誠の悪評は古くから一帯に広がっている。
筆者は調べモノをする際、2ちゃんねるに現れた。
それが初めてで、誠は辺りを見渡しては誹謗中傷を喚き散らしていた。
267名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/01(土) 18:00:58.76
と言うのも、2ちゃんねるではそれが常識と思っていた。
さらにそこには福沢がいて、いかにも理屈っぽく、根拠不明の理論をゴリ押ししていたため、誰もがウザがって忌み嫌っていた。
268名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/01(土) 18:01:38.44
むしろそこの住民が、誠や福沢の根拠不明の理論をスルー出来なくて、掲示板は荒れる一方だった。
筆者は目的を達するとしばらく出て来なかったが、たまに覗くと彼らは暴れていた。
荒らしが渦巻く2ちゃんねるでも、誠ほど悪質な男はいない。
269名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/01(土) 18:02:31.72
誠は司法書士を目指した。
と、言えば聞こえは良さそうだが、他の者達からすれば、勉強で忙しいはずなのに、2ちゃんねるに紛れ込んで、いつ勉強しているのであろう。
「誠は気でも狂ったか」
と人々は口々に言った。
270名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/01(土) 18:03:08.84
誠は他の者に内緒ながら、行政書士試験を受けるつもりであった。
買うだけ買って勉強もしない参考書を机上に置いた。
この男は司法書士試験の大部分を兼ねて、滑り止めである行政書士試験まで引き下がって防戦の構えを見せている。
271名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/01(土) 18:14:31.53
司法書士試験で平装していて、とても行政書士試験などと公言するのはみっともなく、素面を晒して歩けるものではない。
「行政書士試験なんて簡単に受かっちまったぜ」」
と、資格全般2ch掲示板に行って、誠は虚言の勝ち名乗りを挙げるのである。
272名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/04(火) 17:54:05.02
誠は年輩ながら蜃気楼のような男であった。
霧のような影のような印象を与えていたが、しかし誠自身の心の世界はまるで違っている。
誠ほど蜃気楼のような夢の世界にいる男は少ないであろう。
273名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/04(火) 17:54:59.08
夢を喰うと言う思いが、誠の生涯を引き摺っていたかのようである。
蜃気楼のように透過して煌くような五彩のような世界とは、ありきたりの栄達ではなかった。
「上に立つ者」と言う強烈なオーラを放っている夢想と言っていい。
274名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/04(火) 17:55:58.08
誠を快からずと思っている者は多くいる。
彼らとわざと対立を激化し、挑発し、世間の誰が見ても滑稽な行動を取った。
騙りをして標的の名のもとに掲示板を荒らし、その後事実上、誠の勢力にしてしまう。
275名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/04(火) 17:56:45.13
自演で煽るのである。
真昼間真夜中をもって標的の騙りをすれば、その者はニートと思うであろう。
やがては自らたきつけて、「働け」と言う。
筆者にもそうであり、他の者もそれで来なくなり、内訌の果てに板に居座った。
276名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/04(火) 17:57:34.61
誠には異論がある。
と言うよりも、自分の生涯のはかなさを、ネットを見ただけで片付けてしまう筆者の神経の粗放さが気に入らない。
「自演だと言いたいのだろうねw」
と、いつもの逃げ文句を言った。
277名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/04(火) 17:59:06.39
セーラー服のJKと生本番

ブルマーのJCと生本番


どっちを選ぶべきか…
278名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/04(火) 18:06:10.84
何度も自爆している。
筆者の言うとおりと誠は思いつつも、そうでないと自分に言い聞かせた。
何がしかのネットの自演が許されてもいいのではないか。
279名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/04(火) 18:06:58.35
なるほど。
自演の証拠のソースを貼られて日本中は大騒ぎした。
誠の自演はそれほどに詳細で、自ら才能があると言うほどなのであろう。
と言うのも、自演は誠の芸と言ってといい。
280名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/04(火) 18:08:04.82
それにしても誠の自演騙り煽りは哀れ過ぎると言う同情論が筆者には起こり、匿名性に関しては皆無だった。
――以前の誠にはこのような見苦しさはなかった。
と、言うことである。
その性分は乾いた男であった。
281名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/04(火) 18:08:57.74
誠の匿名性はHNを次々に変えて原形を留めていない。
もっともこの時期、誠は自演を指摘されてもとくに否定しなかった。
都合の悪い批判にも、反論しないで関係ないことを発する。
282名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/04(火) 18:09:52.53
「その根拠は?」
と聞くと顔を真っ赤にしながら「知るもんか」と言った。
誠はどういうわけか理屈っぽいことが嫌いらしい。
筆者は書き込みを中断してこの男の様子を見る。
放置すると淡々と自演は続く。
283名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/04(火) 18:11:05.88
筆者が驚いたことは、これほどに乾いた男の誠が理屈っぽくなり、自らの匿名性、自演騙り煽りを否定し始めたことである。
――ここまで来れば狂人だ。
と思った。
筆者が察するところこの男はあせっているらしい。
284名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/04(火) 18:12:24.02
妙な話だが、誠の素性はジメジメと湿った性格だと言うことがわかった。
同じ文脈行動性格で書き込みをして
「それは俺じゃない。知らねえぞ」
と言うことが、見ていてこちらが恥ずかしくなる。
285名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/04(火) 18:13:17.73
誠の心情は、ネットで無我夢中に背伸びせざる得ないのは、湿った性格の持ち主だからだった。
要するに、荒らしと言う悪役に徹しれなかったと言うことである。
筆者は「残念だ。見損なったぞ誠」と呟いた。
286名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/05(水) 16:05:07.18
ラスベガスのマンダレイ・ベイで行なわれる2大タイトルマッチ(WBAフェザー級戦と、
WBAライト級戦)の前座カードで、シュライバーは危なげない判定勝ちをおさめて
北米タイトルの初防衛に成功した。

シュライバーにとっては初めての判定勝負となったが、試合内容はオリンピックの
ゴールド・メダリストから鳴り物入りでプロ転向したマイケル・リチャードソンから
3度のダウンを奪うフルマークの圧勝だった。

次はいよいよダリルの挑戦するWBAフェザー級戦が行なわれる。アマチュア時代から
ダリルのセコンドに付いていた誠はダリルのことを誰よりもよく知っている。
つまり、この時のダリルの緊張がどれほど大きなものかも感じ取ることができた。
287名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/05(水) 16:07:16.23
第1ラウンドが始まったが、ダリルの動きは相変わらず固い。
パンチを出すのだが全てゴンサレスの固いガードに阻まれている。
誠はそんなダリルを見て違和感を感じた。
「おかしい。ダリルの強打が軽く見える。いくらゴンサレスがパワーがあったとしても、
ダリルだって相当なものだ。それなのに、あんなに簡単にブロックされるなんて・・・」

逆に時折返すゴンサレスのパンチはパワー充分で、ブロックの上を打たれた
ダリルがバランスを崩すほどだ。誠は叫んだ。
「ダリル!いつものお前はどうした?!」

ダリルが14歳の時、誠は初めてダリルのミット持ちをやった。最初は自分の
練習が目的だった。それから4年近く、誠はそれまでに色々な選手のミット持ちを
やった。その中でもシュライバーとダリルは別格のパンチを繰り出した。
シュライバーは軽いが、早く、切れ味鋭いパンチを打つ。それと比較してダリルは遅いが
押し込むようなパンチで、まるで鉛の拳のように重たかった。
ガードのスキマを狙って1発で効かせてしまうシュライバーと、ガードの上からでもカラダの
芯にダメージが残るようなダリルの重たいパンチは対極に位置するようなパンチの質だった。
288名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/05(水) 16:55:43.42
そんなパンチが、いくらガードの固いチャンピオンといえど、簡単にブロック
されてしまっているのだ。1ラウンドが終了し、コーナーに帰ってきたダリルを見て、
誠はどうも腑に落ちなかった。ジェームスが口を開く。

「随分ビビッているじゃないか、ダリル。腰が引けて重心の位置がわずかに後ろに
なっているぞ。そんな構えじゃウエイトの乗っていないお前のパンチは軽いもんだろう。
いいか、このまま12ラウンズ行ってもムダなだけだ。それがイヤなら次のラウンドは
ポイントを失ってもいいから重心位置を意識しろ。
打つパンチはジャブだけだ。それ以外はとりあえず捨てろ。まずはお前のボクシングを
することに集中するのだ。」

誠はうなった。ジェームスの指摘は鋭い。パンチが軽いのはそのせいだったのか。
ダリルは半信半疑の半ちゃんの表情だったが、とりあえずそれに従うしかなさそうだったので、
ジェームスの指示通りの動きに徹した。
289名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/05(水) 17:12:10.73
2ラウンド目はチャンピオン・ゴンサレスの一方的な展開となった。
ダリルが出したのはジャブのみで、それらは全てブロックの上。
ゴンサレスはプレスを掛け続け、距離が縮まったところでパワーブローを
ダリルに打ち込んだ。ダリルは元々、さほど防御の上手い選手ではない。
しかしこの試合に向け、ジェームスはダリルにブロックを徹底的に
反復練習させた。その甲斐あってか、クリーンヒットは防いだが、それでも
ゴンサレスのパンチは強烈で、ガードの上からでもダリルの顔面は赤く紅潮していた。

インターバルのコーナーで、エンスウェルでダリルの目の下を冷やしながら
ジェームスは言った。
「まだまだパンチが軽いぞ。お前は何をそんなに怖がっているのだ?負けることか?」
ダリルは少し考えて答えた。
「やっぱりゴンサレスは強すぎます。パワーもブロックも、僕の想像以上の選手だ。
僕は今まで31戦やってきたけど、本当に実績のある選手と言えば、前の試合の
ペレスだけです。それまではロートルに近い相手ばっかりです。マスターが
僕に経験を踏ませるためにそういった相手を選んだのはわかります。僕は
器用なボクサーではない。まだゴンサレスとやるには早すぎたんだ。」

ジェームスはリトルマーメードに出てくるセバスチャンのような笑顔で言った。
「お前はいつもマイナスから考えが始まるな。」
290名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 16:35:56.42
ジェームスは続けた。
「全て話したか?いいことを教えてやろう。問題はそのように目の前に現れた時点で
解決したも同然だ。」
第3ラウンド前のホイッスルが鳴らされた。ダリルは慌ててジェームスに聞いた。
「で、僕はどうすればいいのです?」

ジェームスはイスを片付けながらこう答えた。
「とりあえずこのラウンドは生きて帰って来い。それが出来たら教えてやろう。」

第3ラウンドもゴンサレスの一方的なラウンドとなった。手数が極端に少ない
ダリルに比べ、ゴンサレスはパンチを好きなだけ打ち込んだ。
観客の一部からブーイングが上がり、もはや観客の興味と言えば、
ゴンサレスがどうやってダリルを倒すのかだけとなっていた。
291名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 17:13:51.02
第3ラウンドが終わり、ダリルがコーナーに戻ってきた。目じりを軽くカットしている。
誠は止血を始めた。ジェームスは先程の話の続きを話した。

「お前の恐怖の源は、チャンピオンのボクシングだ。経験したことの無いレベルの
ボクシングだろう。あのボクシングを見せられて、お前はまだ自分のボクシングを
信じきれていない。だがそれは、奴のボクシングと比較するからだ。お前はお前の
ボクシングしかできないし、それ以上のことはできない。
俺もそんなものは期待していない。だったら、自分のボクシングをやらないまま負けるのと、
やり切って負けるのとではどちらがいい?」

ダリルは答えた。
「どちらにせよ、僕は負けるってことですか?」
ジェームスはタバスコを口に放り込んだような顔で言った。
「まぁ今のボクシングでは勝ち目はゼロだな。だが、勝てる可能性を引き上げる方法はある。
そうだな、今がゼロだとしたら、40%くらいは勝つ見込みの跳ね上がる方法だ。それを知りたいか?」
「マスター、僕は勝ちたいんです。」

そう言ったところでインターバルが終了した。マスターはアドバイスを待つダリルに向かって言った。
「このラウンド、生きて帰って来い。それが出来たら教えてやろう。」
それを聞いた誠はこのまま帰りたくなった。
292名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 17:40:27.95
第4ラウンドは観客のブーイングがさらに大きくなった。それを聞きながら、誠は
ジェームスに尋ねた。
「マスター、勝つ可能性が40%に跳ね上がるってのは、本当ですか?」
「そんなもんウソに決まってる。今のままだとよくて1%だろうな。」
「は?」
誠はバイクのリザーブタンクも空になったような感覚に襲われた。
リング上のダリルから視線を外さず、ジェームスは言った。

「だがな、それを変えるのは俺ではない。あいつだよ。」

第4ラウンドが終わる頃にはダリルのダメージを見て取れた。
まともにもらってなくても、やっぱりゴンサレスのパンチはそれほど強烈なのだろう。
誠はもう、怪我をしないようにリングを下りてくれればそれでいい、そんな感じだった。
だって勝率1%だなんて・・・。

呼吸の乱れたダリルに向かって、ジェームスはグニャリと笑いながら言った。
「ダリル、もうわかっただろう?お前にはこの先、負けるかそれを拒否するかしかない。
勝ちたかったらよく聞け。距離を稼ぐのだ。ただしフットワークで距離を取ろうとするな。
ロングのパンチでチャンピオンのガードを叩いて突き放すのだ。」

誠はここに来て、初めて技術的なアドバイスを聞いたような気がした。
293名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 17:58:38.85
「そもそもお前には相手を捌くようなスピードは無い。距離を稼ぐにはお前のパンチで
相手を突き放すしか無いのだ。ロングを打つにはどうしたらいい?」

これまでジェームスに教えられてきたダリルはすかさず答えた。
「前足重心です。」

「その通り。そしてお前はサウスポーだ。俺はチャンピオンがサウスポーをさほど得意
にしているとは思っていない。左回りして左クロスをぶつけろ。おそらくそのほとんどは
ブロックされるだろうが、それはまだ構わない。
そして相手がお前から見て右に動いたら右フックを引っ掛けろ。これは見せかけだけで充分だ。
できるだけスピードのある右フックを見せておけ。

最後にもう一度確認するが、全てロングで打ち込め。中間距離より近い場所では
チャンピオンのパンチをもらう可能性が高くなる。逆にロングだと安全だ。
お前が唯一チャンピオンに勝っている点は、パンチを打ち込める距離が長いというだけだ。
だとしたらそこから突破口を探すしかないだろ?
「わかりました。それで勝てる可能性は40%になるんですね?!」

誠はそんなやり取りを見て、ダリルをドッキリに引っ掛けているような罪悪感が湧いてきた。
294名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 18:05:36.59
――誠は工業高校出身である。資格全般@2ch掲示板の住民は小声で言った。
みなが驚いた。
約10年前、蜃気楼の如く突如現れたこの男は、大いに行政書士司法書士をバカにし始めた。
295名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 18:06:32.56
半ば僻みであり、社会批判の意図も入っていた。
資格全般@2ch掲示板の住民は、世間知らずの誠にあきれている。
それをなだめるために筆者は、誠の話も聞いてやらなくては、と、この男を称えつつ語った。
296名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 18:07:22.53
筆者がそう言った気持ちには、誠もかわいそうなやつだな、と言う感情が動いている。
ところがこの男は、「クソ資格をクソ資格と言って何が悪い」と言い出したのである。
このあたりは、感情が常にどこか捻くれている。
297名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 18:07:56.68
知識人に見られたい、と言うのが誠の意図であった。
この男はそういう意味で、「行政書士なんて簡単に受かっちまったぜ」と言った。
298名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 18:08:39.74
学歴は学生の建前であり、以後、働き出すと話にも出て来ないのが通常である。
やはり、誠は工業高校中退に引け目があるらしい。
「誠は過去に取り憑かれている」前回の話の時に、筆者は何となくそう感じた。
299名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 18:16:45.29
「面と向かって言えない」誠はこの言葉を数年前にも発している。
理由のひとつは筆者の口が達者で敵わない。
逆に言えば誠は不思議なほどに弱い。
弱過ぎる。
ネットで逃げ回るこの男がどうやって面と向かってモノが言えよう。
300名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 18:23:40.56
余談ではあるが300である。
このスレは150ほどで終了する予定であった。
専一の誠ではあるが、このスレを伸ばし、渡り歩くだけでもたいそうな収穫ではないか。
301名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 18:33:29.48
相手に意表に出て、その機先を調略を以って制さねばならぬ。
この思想は誠がネットを始めて以来10数年かかってつくりあげた基本思想だが、しかしそれが自演の会話でも通用しようとは考えてなかった。
302名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 18:34:29.19
これについて誠はさらに言う。
「スルーされたら恥」
となれば、キャラを動員し、準備が整ったところで自演をし、同時に煽り、相手がいない間に誰かの騙りをする。
これを知ったとき、ほとんどの者は
(それは卑怯ではないか)
と思った。
303名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 18:35:20.34
>>294からの短文のやつの読む気しない文体だな。
クソ文だ。

せめてもうちょっと笑いを入れてくれよ。
304名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 19:05:16.67
誠はそろそろ我慢の限界に来ている。
と、思いつつも書き込み、自爆する誠であった。
305名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 19:23:07.61
卑怯と言うよりも、そういうことが掲示板で許されるかどうか、と言うことをみなは不審に思った。
が、誠はいいと言う。
自演はバレなければ自演ではない。
いわば腕の悪い行政書士のような法解釈だが、会話だと言う。
これによって書き込みしてもスルーされることはなく、誠の伝統的なやり方となった。
306名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 19:23:54.22
――誠はいじめで工業高校を中退している。
このことから、どう見ても弱い誠が、急に喧嘩が強いと言い出すのはどういうことであろう。
307名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 19:24:39.77
「柔道は格闘技ではなくスポーツです」
誠はさすがにむっとした。
間違っているのはこの言葉を発した者ではないか。
機ををとらえて相手を柔よく剛を制すが柔道の基本理論である。
308名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 19:25:37.76
「柔道はスポーツではなく格闘技だ!!」
誠は顔を真っ赤にして激怒した。
「気負うな」
筆者は一喝する。
誠のこの乱心は柔道に対する誇りであろうか。
柔道をバカにされるとやみくもに怒りっぽくなった。
309名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 19:34:07.55
なるほど。
誠はネット上では根拠不明の力説を発するが、柔道の話になると顔を真っ赤にしてマジレスをするらしい。
310名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 19:34:52.44
たとえば、誠がいじめられたことをバネに柔道をしたとする。
その風体は異様で、ボタンを外した学ランを着て、突き出た腹を出し、下駄を鳴らした時代遅れの番長のようだった。
これはひどい。
が、誠はむしろ得意げで、まるで空気の読めない高校デビューである。
311名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 20:17:07.72
余談ではあるが、誠は「辰吉や亀田にも勝てる」と、言ったことは前に触れた。
誠は柔道に転じてボクサーを誹謗中傷している。
いわば根拠不明の力説と言っていいであろう。
もっとも誠はいじめられっこで、柔道と言っても中学の時だけである。
312名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/07(金) 20:18:46.79
と言うのも、工業高校に入った誠はいじめられて中退した。
その程度しか柔道の腕を持っていなかったのが現実である。
柔道は一般の者から見てもデブ豚で、いじめっこにも通用しないスポーツである。
313名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/08(土) 17:30:02.15
第5ラウンドからはそれまでとは少し雰囲気が違う展開となった。
ゴンサレスは相変わらず固いブロックでダリルのパンチを防ぎ、クリーンヒットは
無いのだが、逆にゴンサレスのパンチもダリルに当たらなくなってきた。
そして前足重心から放つダリルのパンチはいつも通り、重たい鉛の拳となっていた。

ダリルはジェームスに言われた通り、ロングでゴンサレスのブロックの上を打ち込み、
距離を保っていた。ゴンサレスはなかなか距離を縮めることができないようだ。

「マコト、ゴンサレスを注意して見てみろ。ダリルがなぜロングで優位に立てるのかがわかる。
ゴンサレスは後ろ足重心の構えだ。ロングで叩かれると、あの位置からリターンを
打つのには少し時間が掛かる。体重を前移動に変える動きが余分なわけだ。
しかも奴はブロックが得意と来ている。そうなるとますます距離は離れる。

それでも奴がチャンピオンである理由は、よほど足の瞬発力が尋常では無いのだろう。
後ろ足の蹴りで体重移動を起こし、ウエイトを乗せたパンチを振ってくる。
左ジャブは強烈だよ。ジャブというよりストレートだ。ダリルは4ラウンドまでよく防いだ。
だがな、右ストレートは体重移動が間に合わず、手打ちになる時も多い。
奴が苛立ってダリルのパンチに付き合って右を打ち急いだ時がチャンスだ。」
誠はこの試合の中で始めて希望が持てた。そしてジェームスが言った。

「ようやくボクシングになってきたな。おそらく10ラウンド以降に山が来るよ。」
314名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/08(土) 17:39:44.48
10ラウンドが終了した。ここまでのポイントは間違いなくゴンサレスが支配していたが、
観客のブーイングはこれだけ一方的な展開でありながら、ダウン1つも奪えない
ゴンサレスへと変わっていた。コーナーでゴンサレスのトレーナーが叫ぶ。
「ラファエル、どうした!もうそろそろ強引に攻めてケリをつけてもいいんじゃないか?」

ゴンサレスは両拳をグッと握り、力の入りきらない感触を確かめながら言葉を返した。
ダリルのパンチをブロックし続けた両腕は、かなりのダメージを負っていたのだ。
「奴のパンチは本物だよ。こんなに芯に効くパンチは初めてだ。」
「チャンプ、何を弱気になっているんだ?」
「心配するな。逆だよ。逆にどうやって奴を崩そうかとそればかり考えているんだ。
だが奴のパンチをブロックし続けたこの腕もそろそろ限界だ。だからもしこのラウンドに
仕留めきれず、最終に行くようなことがあれば、ディフェンス中心に切り替えて
判定勝ちを狙う。観客には悪いがね。だが12ラウンドまで行くことは無いと思う。」

「奴の右フックは早いから、あの遅い左ストレートに合わせて右のカウンターだ。」
トレーナーがそうアドバイスすると、ゴンサレスはまるで子供に聞かせるように
「それしかないな。」と言ってコーナーを出た。
315名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/08(土) 17:46:19.56
一方のダリルコーナーでは、ジェームスのアドバイスが続いていた。
「あと2ラウンド。ポイントでは勝てない。倒すしかないぞ。わかってるな?」
ダリルがうなずく。

「最終ラウンドのことは考えなくてもいい。最後になれば誰でも力を出し切る。
だからお前はこのラウンドで全てを出し切って来い。狙うのは左だ。

今まで通り、左回りしてロングで突き放せ。だが今度は手数も必要だ。
一方的に打ち込めば奴もムキになって打ち返すだろう。それを誘うのだ。
ロングで奴が右ストレートを出してきた時を狙え。

今まで長い間、早い右フックを見せてきたのはこのためだ。おそらく
お前のパンチ力はチャンピオンにとっても驚異的に思っているだろう。
だから右フックよりも遅い左にパンチを合わせてくるはずだ。実際に、
何度かそのタイミングを探っていたからな。このラウンド、勝負を掛けてくるだろう。
316名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/10(月) 10:52:17.14
「いいか、左を打つフェイントを入れて、奴の右を誘うのだ。奴が右ストレートを
打ってきたら、上体を左にかがませて避け、戻り際に左フックだ。いいか、
タイミングを掴むまで慌てて打つんじゃないぞ。」
インターバル終了前のホイッスルが鳴った。
「焦って手打ちになるな。しっかりウエイトを乗せて打て。このラウンドが
お前が勝てる最後のラウンドだ。」

11Rが始まると、ダリルはコンビネーションで襲い掛かった。
ゴンサレスはブロックの合間から思った。「どこにこんな力が残されているんだ?」
両腕は痺れ始めている。このラウンドで決めようと思っているゴンサレスも時折
打ち返すが、ダリルの手数が多くそして距離が離れているためにクリーンヒットは無い。

それでも世界戦14勝のゴンサレスは、冷静にダリルの動きを見極め、
やや打ち疲れが見えた瞬間、渾身の力を込めて左フックを振った。その左は
ガツンという衝撃でダリルを捕らえた。ゴンサレスは思った。「終わった!」
317名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/10(月) 11:55:24.71
ブロックが間に合わなかったダリルは、ゴンサレスの左フックをもらって腰が落ちた。
それでもすぐにパンチを打ち返した。これはゴンサレスにとって予想外だったが、
しかし今度は右アッパーをダリルの顎に打ち抜いた。
ダリルは足がふらつき、ロープまで後退した。それを見て誠は叫んだ。
「マスター、もう充分だ!試合を止めよう!」

ジェームスは無言のまま、ダリルを見続けた。それはまるで世界の終わりの、
壁に囲まれた中に住む一角獣のまなざしだった。

ゴンサレスは世界戦14戦の内、実に9つのKO勝ちを収めている。効いた相手を
追い詰める技術はもう充分に備わっていた。ロープ際まで後退したダリルとの
距離を詰めたが、もちろん深追いはしない。どの程度効いているのか試してから
フィニッシュブローを打ち込むのだ。
・・・そう思った時、再度信じられないことにダリルはパンチを打ち返してきた。
318名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/10(月) 15:15:29.78
ゴンサレスは咄嗟にダリルの右フックを左ガードで防いだ。ガードの上からだが
テンプルを打ち抜かれたゴンサレスは、一瞬、バランスを崩した。
信じられなかった。パンチはまるで死んでいない。さらにパンチを打ち返してきた。

だがゴンサレスもここが勝負とばかりに、すぐに打ち返した。そのパンチの交換で、
ダリルは3発のクリーンヒットを許し、かろうじて立っているような状態だったが、
それでもダウンは拒否した。レフェリーは止める機会をうかがっている。
ゴンサレスの方もダリルのパンチを1発だけ浅くもらった。そしてゴンサレスの膝が
揺れた。だがしかし、誰がどう見ても、効いているのはダリルの方なのだ。

ゴンサレスは自分に冷静になるように言い聞かせた。注意深くダリルの動きを見た。
「あと1発入れたら終わりだ。」
そしてゴンサレスは、ダリルがいきなりの左を打つモーションに気付き、
素早く右のカウンターを入れようと右ストレートを打ちぬいた。
319名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/10(月) 18:05:18.76
だがしかし、ダリルの左はおとりだった。ダリルは左を打たずにゴンサレスの
右ストレートを誘っておいて、ヘッドスリップでかわした。
ゴンサレスはその動きを捕えることが出来ず、一瞬見失った。
その瞬間、ダリルの左フックがゴンサレスの顎をまともに捕らえた。

その直後、ゴンサレスは思った。
「何というパンチだ・・・。とても同じ階級の人間のパンチとは思えない・・・。」
ゴンサレスが気付いた時、レフェリーのカウントは6まで数え上げられていた。
「俺がダウンしたというのか?」
ゴンサレスはすかさず立とうとした。が、両足は言う事をきかず、カウントは
8まで数えられた。コーナーからトレーナーの叫び声が聞こえる。
「ラファエル!!立つんだ!!立ったらお前の勝ちだ!!」


だがしかし、ラファエル・ゴンサレスの意志とは裏腹に、両足は言うことを聞かなかった。
カウント9まで数えられた時、ゴンサレスの闘志の炎は消えた。
11ラウンド2分58秒、KO勝ちによりWBAフェザー級の王座はダリル・ウェイバーグに渡った。
320名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/10(月) 18:05:46.61
資格全般@2ch掲示板で、誠は「臭男」と呼ばれている。
24時間2ちゃんねるで活躍しているために人気を呼んでいた。
この男は、資格全般2ch掲示板征伐での騙り煽り自演があまりに芸があった。
321名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/10(月) 18:06:24.23
そのため「臭男」の名を大きく知らしめた。
通りすがりの房でさえ臭男(=誠)を知っており、それが荒らしの中の荒らしと認識させていた。
322名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/10(月) 18:07:06.33
このいわば野蛮な誠は、言うまでも無く道義などない。
必要のために道義めかしくするのがこの男の手法である。
どうせ自演など誰でもやっている。
それを正当化することがこの男の「マジ」であった。
323名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/10(月) 18:07:40.76
今、「臭男」呼ばれることは、先祖子孫末代までの恥である。
自分で認めれば、誠は2ちゃんねるにおいて大きな障害をまねく。
眼前の者に「臭男」の名を押し付けて十年の利益を得なければならない。
324名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/10(月) 18:08:24.28
誠はいつだって匿名の発言しかしない。
多くの自演をして誰かが「臭男」であるかのように煽る。
数年前に「司書ベテニート」と呼ばれた時もそうである。
あくまで「臭男」は自分以外の誰かだと主張し、周囲を見渡し煽った。
325名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/12(水) 14:40:46.33
メインのWBAライト級タイトルマッチは、チャンピオンのウィル・バークレーが
危なげない試合運びでアウトボクシングでポイントをピックアップし、12R
大差判定勝ちで10度目の防衛を重ねた。

通算成績は53戦51勝(12KO)2敗となった。KO勝ちこそ少ないが、長身を生かした
スピードのあるアウトボックスは定評で、キャリア前半に負けた2敗は今のバークレーに
対する評価としてはマイナスになるものではなかった。

アメリカ出身の38歳。チャンスに恵まれず、世界への初挑戦は32歳も超えてからだった。
バークレーは自分が非力なボクサーだというのは充分承知していた。
パワーある選手に憧れた時期もあった。しかしチャンスを狙って白星を積み重ねる内、
それは自分とは関係の無いことだと悟った。そして世界挑戦権を掴むまで、最も勝率の高い、
勝ち残れるスタイルの構築に努めた。それが今のアウトボクシングだ。
326名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/12(水) 16:59:57.14
バークレーの2人の子供にとって父親は、尊敬するチャンピオンであり、優しい父親であった。
だからバークレーは出来る限りこのタイトルを防衛して、2人の子供達に自分がチャンピオンで
あり続ける姿を見せてやりたかった。

ボクサーとしてのバークレーは、10度の防衛を果たした王者だったが、世間一般からその実力に
見合う評価を受けているとは言えなかった。その理由はもちろんボクシングスタイルに由来している。
長身で、かつスピードを生かしたアウトボクシングは防御傾向にあり、パンチは相手のダメージを
狙うよりも、ポイントを上げることを第一の目的としていた。
だからファイトマネーは相場かそれ以下だったし、ビッグファイトに呼ばれることもなかった。

バークレーはそれでも構わないと思っていた。自分の望むのは子供たちのために
勝ち続けることであって、金や名誉が1番ではない。
表には表れないが、勝ちに対する執念だけは歴代王者の中でもトップクラスで
あったのは確かだ。
327名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/12(水) 17:36:58.44
WBAフェザー級新チャンピオンのダリル・ウェイバーグが地元に帰ると、ダリルは
周りの勧めで祝福パレードを行なった。ジェームスは表舞台に立つことを
好まないのでパレードには参加しなかったが、1週間ほど過ぎると、周りの興奮は冷め、
そこで改めてダリル、ジェームス、シュライバー、誠の4人でささやかな祝勝会を上げた。

ジェームス行き着けの小さなバーだったが、料理は手の込んだものを出しており、
地元の穴場でもあった。3時間ほど、ゆっくりとした食事とアルコールで(現役ボクサーの
2人は最初に1杯のハイボールを飲んだだけだったが)、夜の9時には祝勝会はお開きになった。
ボクサーの朝は早いのだ。

一方のジェームスはいつもより多めの酒を飲んでおり、足元もふらついていたので、
誠がジェームスのアパートまで送ることにした。アパートに着くと、誠は言った。
「それにしてもダリルが世界チャンピオンだなんて、夢のようです。でもいつか、マスターは
言ってましたよね?世界チャンピオンに先になるのはダリルの方かもしれないって。
覚えてますか?」

ジェームスは千鳥足の万鳥足で言った。
「シュライバーもこれでWBAの10位以内に入る。俺の計算ではあと5試合くらい
させたかったが、もういつチャンピオンからお呼びが掛かってもおかしくないだろう。」
328名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/13(木) 11:45:48.39
誠はジェームスの話に割り込むように言葉を繋いだ。
「チャンピオンのウィル・バークレーですが、僕には決して強くは見えないんだけど、
マスターはどう思っているのですか?」

ジェームスはメタン顔で言った。
「バカ言うな。ボクシングには色々なスタイルがある。その中で奴が選択したスタイルは、
行き着ける最上まで上り詰めてるよ。奴の強みは自分の武器を熟知していることだ。
相手に対して戦略を練るのではなく、最後には決して自分のボクシングに引き込む。
俺には今の所、シュライバーが勝てる想定が出来ないよ。」
「またまた、冗談を〜!」
誠はハハハポーンと笑いながら、ジェームスを部屋まで送り届けた。

別れ際、ジェームスが言った。
「マコト、明日からまた練習を頼むぞ。ダリルはもっとボクシングの幅を
広げなくてはならない。そしてシュライバーは仮想バークレー対策の練習だ。」
誠は親指を上に向け、了解のサインを出した。誠はダリルが世界チャンピオンになった
嬉しさと、これからシュライバーが挑む世界の頂点を思って、パップラドンカルメのように笑った。
329名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/13(木) 13:10:42.40
次の試合は3ヵ月後に決まった。シュライバーはNABAのライト級タイトルマッチの防衛戦、
ダリルは初防衛戦となった。ダリルの相手はトーマス・"ザ・ゴースト”・ドーソンである。

みなさんはドーソンを覚えているだろうか?詳しくは>>216のくだりに書かれてあるが、
簡単に説明すると、シュライバーがまだ14歳の頃、スパーリングで手合わせした相手だ。
当時、ドーソンは主要4団体のランキング1位のボクサーで、その後バンタムで2度世界に
挑んだが世界の壁に阻まれた。そして階級を上げ、新天地での世界挑戦であった。
戦績は43勝(20KO)2敗。若きホープだったドーソンも、31歳となり、最後のチャンスに
賭けていたのだ。試合の1ヶ月前に公式な記者会見が行なわれた。

「ダリルは若くて危険なチャンピオンだ。だが私には経験がある。
試合が終わった後、チャンピオンは交代しているだろう。」
終始穏やかな口調だったが、ドーソンはそう言い切った。一方、新チャンピオンのダリルは
鮮やかな逆転で2試合続けて勝ち残ってきた勝負強さとパンチ力で、人気は急上昇だった。
「僕は決められた試合のために練習を重ねるだけです。」そう一言で切り上げた。
330名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/13(木) 14:07:28.56
試合に向けてジェームスは、シュライバーにアッパーの打ち方を矯正させた。
誠は不思議に思って、ある日ジェームスに聞いてみた。
「マスター、なぜシュライバーにアッパーの打ち方ばかりを練習させているんです?」
ジェームスはそれに答えた。
「俺は世界挑戦を見込んで、この練習をさせているんだよ。」
「え?ウィル・バークレーのことですか?だってあの選手は長身のアウトボクサーですよ。
近い距離しか打てないアッパーを教えるってことは、シュライバーにインファイトさせる
つもりですか?」

ジェームスはえぐいため息と共にこう言った。
「何をバカな。お前はひょっとして、アッパーカットがショート限定のパンチだと思っているのか?
そうだとしたら恐ろしい勘違いだ。お前の国、日本のボクサーはそうやって教えられているのか?」
「日本のジムが全てそうだとは限りませんが、少なくとも僕はそう思っていました。
だからリカルド・ロペスやナジーム・ハメドのようなロングのアッパーを打つのは
彼らだからこそできる芸当であって・・・」
「はっはっはっ!」ジェームスがインドの洗濯屋のような笑い声で笑った。
「芸当!?こりゃビックリだ。そんな風に思っているから日本人はロングのアッパーを
打てないんだな。そんなに難しく考えなくてもいい。ストレートが打てりゃ、ロングの
アッパーは打てる。」
331名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/13(木) 15:11:31.61
誠は言い返した。
「冗談でしょう?ストレートと同じ打ち方でアッパーなんか打てるわけないじゃないですか。」
「まぁそれは追々教えてやるよ。シュライバーに教えているのは
打ち方はもちろんだが、相手の位置によってアッパーを選択できるかどうか、
その反射を身に付ける反復練習だ。もしこれを身に付けることができれば、
シュライバーの武器は1つ増えることになる。バークレー攻略に1つ近付くわけだ。」

誠の表情がドバッと明るくなった。
「マスター、シュライバーはバークレーに勝てないなんて言っておいて、
ちゃっかり攻略法を考えているんですね!さすがです!」
「早とちりするなよ。攻略に1つ近付くだけだ。これだけでバークレーに
勝てるとは考えておらん。この練習をマスターするだけで半年は必要だ。」

誠は腑に落ちなかった。シュライバーと比較すると、身内贔屓を考慮しても
バークレーがシュライバーに勝てる要素を持っているとは思えなかった。
それなのにジェームスはこれまでに無いような警戒心と注意深さでバークレーを
見ている。このジェームスが言うのだからそうなのだろうが、それでも
バークレーの強さには半信半疑のままだった。
332名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/14(金) 12:03:51.65
前座でシュライバーはNABAライト級タイトルの初防衛戦のリングに上がった。
ここでもシュライバーは危なげない判定勝ちを収め、無敗レコードを17に伸ばした。
2試合続けての判定試合に、評論家の一部は苦言を投げ掛ける者もいたが、
それでも次期チャンピオン候補の筆頭にシュライバーは名を連ねていた。
そして世界ランキングも3位に跳ね上がった。

メインはダリルが登場するWBAフェザー級タイトルマッチだ。
比較的小さめな会場であったこともあるが、観客の入りは良く、チケットはほぼ
ソールドアウトの状態だった。リングコールで両者が呼ばれる。

『青コーナー、45戦43勝20KO2敗、トーマス・”ザ・ゴースト”・ドーソン!』
『赤コーナー、WBAライト級チャンピオン、ダリル・”スチール(鋼鉄)”・ウェイバーグ!』
会場の歓声は一際大きくなった。ダリルの人気は相当なものだった。
333名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/14(金) 15:28:23.41
ドーソンは元々がバンタムの選手である。その卓越したディフェンステクニックで
バンタムの頂点に2度挑んだが、いずれも跳ね返された。
だが完敗だったわけではない。2試合ともシーソーゲームであり、クリーンヒットを
奪われたわけでもない。ただ攻勢点を取られての僅差判定敗だったため、
ドーソンのテクニックは今だ高く評価されていた。

ただ、歳を重ねるにつれ、バンタムウエイトでは減量が厳しかった面もある。
日頃から節制を行なってウエイトを増やさないように注意していたドーソンであったが、
2度の世界挑戦で王座までわずか手に届かなかった時点で、ナチュラルウエイトである
フェザーまで2階級上げた。フェザー級転向後は、減量苦から開放されたように
7連続KO勝利を重ね、今回の挑戦まで辿り着いた。

今がベストの状態だと感じていた。持ち前のディフェンスに加え、パワーまで備えた
ドーソンにとって、ダリルはテクニックの粗い、パワーで勝ち残っただけの鈍重な
ボクサーに思えた。ただし、シュライバーとのスパーリングを思い出し、セコンドに
あのジェームスが付いているのだから、油断だけはしないと肝に命じていた。
334名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/14(金) 17:01:45.68
両選手がリング中央に歩み寄る。2人はグローブを合わせていったん自分の
コーナーまで戻った。ジェームスが最後のアドバイスを授けた。
「ダリル、勝負を掛けるのは後半だ。前半は作戦通りに動けば
一方的なポイントロスにはならないからな。」
ダリルは1度うなずいた。

ゴングが鳴らされた。ダリルがいつものように積極的にパンチを出す。
しかしドーソンはきっちりとパンチをかわす。いつもドーソンは最初の3ラウンズを
相手の動きを見極める時間に費やす。主に相手のパンチの出所を探るのだ。
ダリルのパンチはドーソンにとって遅く、警戒は解かなかったが充分に対応
可能なボクシングだった。1Rも残り1分を過ぎる頃、ドーソンは牽制を込めて
早いストレートを放った。そのパンチはダリルのパーリングで弾かれた。

「ディフェンスはザルでは無いみたいだな。」
ドーソンはそう思ってゆっくりとサークルしたその時、ダリルのスピードに乗った
右フックが飛んできた。思わず反応が遅れ、ブロックで凌いだが、ブロックの上から
打たれたパンチは”スチール”の異名通り、鋼鉄の拳のようだった。
335名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/14(金) 17:25:37.11
その直後、サウスポーのダリルの左ストレートが飛んできた。ドーソンはバックステップで
距離を外したが、浅くヒットした。パンチを殺したにも関わらず、「ガツン」と響く衝撃は、
ドーソンの膝を揺らした。その瞬間、ドーソンは本能的にダリルのパンチに恐れを抱いた。
「・・・何という拳だ。こんなパンチは初めてだ!」
ドーソンはいったん距離を取ることにした。ダリルのパワーは、ブロックの上からでも
打たれたら嫌なパンチだ。しかし少し効いていたドーソンの足は思うようなスピードに乗らず、
ダリルとの距離を取るまでには至らなかった。

ダリルは中間距離まで詰めると、5発のコンビネーションを打ち込んだ。その内の3発は
上体の動きでかわされ、2発はブロックの上から打ち込んだ。ドーソンは打ち返せない。
さらにダリルは右フックを強振し、ドーソンの左手のブロックを弾き飛ばした。ダブルで
もう一度右フックを打つと、そのパンチはテンプルを打ち抜いてドーソンは両膝を付く形でダウ

ンした。

「そんなバカな・・・。」ドーソンはすぐに立ち上がった。足はまだ震えている。
レフェリーが試合再開の合図を出したところで1ラウンド終了のゴングが鳴らされた。
336名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/14(金) 17:41:59.65
インターバルでジェームスは言った。
「後半勝負の予定だったが、お前のパワーは想像以上だよ。おそらく1分では回復しないだろう


次のラウンド、勝負を掛けろ。」
するとダリルが言った。
「マスター、相手はドーソンですよ。そんなに簡単に試合が終わるわけないじゃないですか。
僕のパンチはたまたま当たっただけです。最初の予定通り、ドーソンのパンチはパーリングし

て、
プレッシャーを掛けながら体力の消耗を誘います。」
「お前のバカ正直さには呆れるよ。いいだろう。お前の好きなようにやってこい。」

2ラウンド目が始まった。誠はジェームスに言った。
「マスター、このラウンドは強引に行かせた方がよかったのでは?」

「まぁそれも選択肢の1つだ。だがな、ドーソンのようなレベルの選手はそう簡単に
崩せないのも確かだ。1枚壁を剥したらその先に何枚も壁があるようなものだ。
ダリルはそれをわかっていた。だからより勝算の高い戦い方を選んだのだろう。
傍から見ると慎重過ぎるほど慎重だがな。でも、あの姿勢は俺は好きだ。」
337名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/15(土) 08:55:53.97
2ラウンド、ドーソンはダメージを確かめるようにリング上を大きくサークリングした。
思った以上にダメージが残っている。ドーソンはダメージ回復を最優先とした。
そのためにはダリルとの距離を取る以外無い。

そう思っていたところに、ロングからダリルのストレートが飛んできた。
もはやドーソンに1ラウンドの余裕は無い。ダリルのパンチは恐怖そのものだった。
必死にバックステップでかわしたが、ロープに詰められた。ドーソンはダッキングで
上体を沈めたが、ダリルの打ち下ろしの左が頭部を捕えた。ドーソンの眼前が揺れた。
そこへ矢継ぎ早に右アッパーを打たれて、返しの左が再びドーソンを捕えた。

ドーソンの意識は飛び、前のめりにダウンした。それはレフェリーがストップを
宣言するまでもなく、誰の目にも試合終了がわかったシーンだった。
その時ジェームスがつぶやいたのを、誠は聞いた。
「パンチ1発で全ての壁をぶち壊しやがった・・・。」
338名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/15(土) 10:51:27.00
生涯初のKO負けを喫したトーマス・"ザ・ゴースト”・ドーソンは、
この試合の後、引退を発表した。世界チャンピオン間違いなしと
期待されていたこのボクサーは、3度の世界挑戦にも念願叶わず、
ボクシング史から名前を消していくことになる。

最後の試合は、肉体的にも精神的にもピークであったのにも
関わらず、わずか2ラウンドで全てが粉砕された。
ダリル・ウェイバーグという若きチャンピオンに。

ドーソンが初の世界挑戦をする頃、ダリルはまだボクシングを
始めたばかりだった。そのダリルがドーソンを打倒するなど、
誰が想像できたであろうか?
こうやって、ボクサーは世代交代していくのだ。
このダリルでさえ例外ではない。

ダリルもいずれはKO負けを喫し、引退していくこととなる。
その時ふと、ダリルはドーソンの気持ちがわかったような気がした。
だがまだそれは先の話である。機会があればお話しよう。
339名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/15(土) 12:01:44.97
番狂わせのKO勝利でフェルナンド・ペレスに
勝ったことで世界ランキング入りを果たし、さらにそれを
上回る大逆転劇でラファエル・ゴンサレスをKOに下して
世界タイトルを獲得。そして初防衛戦はテクニックで上回る
トーマス・ドーソンをパワーで粉砕したことで、ダリルの評価と
人気は急上昇していった。そしてその後、3つの防衛を重ねて
通算4度の防衛戦を全てKOで守った。

シュライバーの方も実績を積んで、NABAのタイトルを5度防衛し、
世界ランキングはとうとう1位まで登りつめた。そして満を持して
WBAライト級のタイトルマッチが決定した。チャンピオンは13連続
防衛中の安定王者、ウィル・”フレア”・バークレーである。

非力だがスピードのあるフットワークを軸としたアウトボクシングを
展開することから、フレア(flea=蚤)というニックネームが付けられた
チャンピオンは、今まで「穴王者」と見られていた。
そう思い込んで挑戦していった13人のボクサーは、ことごとく
返り討ちにあい、バークレーのレコードを飾るものとなっていった。
この試合は、バークレーの経験か、シュライバーの勢いか、
評論家の意見は真っ二つに割れた。
340名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/15(土) 17:34:10.31
対バークレー戦を想定して、ジェームスとシュライバーは
1年以上も前から練習をしていた。用意したのはロングアッパーだ。
ジェームスの教えるアッパーは確かにストレートと言ってもいい
打ち方だった。拳の発射位置と拳の向きこそ違うだけだ。
打ち出す時に拳は手の甲を下に向けて、拳を下げる。
そこからストレートの打ち方で体の軸を回転させ、ストレートの要領で
腕を伸ばす。この打ち方で、腕を真っ直ぐ伸ばしたストレートと
同距離を打てるのだ。

打ち方自体はそんなに難しいものではない。だがその先に
ジェームスが教えた「相手の位置を考えてパンチの種類を選択する」
という動きを反射的に身に付けるのに時間が掛かった。
そしてその練習は、まだ完全ではないが何とか形になっていた。

バークレーのフットワークは早い。ディフェンスはほとんど距離で外す。
長身を生かしたロングストレートでポイントを上げ、打ったらすぐに引く
タッチ・アンド・ランがこのチャンピオンの強さだった。
この相手をどう攻略するのか?それとも13人の挑戦者と同様に空転させられて
チャンピオンの防衛となるか?試合前の掛け率はほぼイーブンだった。
341名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/17(月) 11:37:29.87
5月21日。ラスベガスのマンダレイベイにてWBAライト級
タイトルマッチが行なわれた。ダリルは試合がなかったので、
リングサイドでシュライバーの応援だ。
前座カードを含めて8試合が行なわれたが、誠はシュライバーの
試合準備までには時間があったので、前座カードをダリルと一緒に
リングサイド席に座って見ていた。

誠はいつも不思議に思うのだが、ここラスベガスではセミファイナル
くらいにならないと客が入ってこない。前座カードの最初から
観戦しているのはほんの一部の客だけだ。せっかくチケットを買ったのに、
目当ての試合が始まるまでは外でギャンブルなどを楽しんでいるのだ。

前座カードだって、時には注目選手がリングに上がることもある。
それなのに何だってこの国の客はメインだけしか見に来ないのだろう?
そんな風に思いながら、誠はリングの上で戦うボクサーを見ていた。
何度か、ダリルに握手やサインを求めてやってくる人がいたが、そのたびに
ダリルは親切に対応していた。
342名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/17(月) 12:04:53.57
「えーっと、今は何試合目かな?」
誠がダリルに聞くと、ダリルは試合カードを見て言った。
「今は第5試合のオスカー・ルエラスvsダン・ジョンソンだよ。
そろそろ控え室に行ったほうがいいんじゃない?」
誠はダリルに言われてシュライバーの控え室に向かった。

あと3試合が終了するとシュライバーの試合となるが、
その3試合が全て判定だったら、TV放送の関係で前座カードは
シュライバーの試合の後に回される。そうなったら前座に出場する
選手はかわいそうだな、そう誠は思ったが、会場から出る時に、
観客の歓声が聞こえた。どうやら選手がダウンしたようだ。
誠は「余計な心配になりそうだ。」と足早に控え室に向かった。

リング上で勝ち名乗りを受けている8回戦ボクサーの
オスカー・ルエラスを見つめるダリルの表情は固かった。
たった今、リング上で見た光景は、ダリルの目に鮮やかに焼き付いた。
それほどルエラスの動きは目を見張るものだったのだ。
343名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/18(火) 11:02:26.79
誠の言う通り、メインのWBAライト級タイトルマッチが
行なわれる頃には、観客席はほぼ満席となっていた。
これで13度目の防衛戦となるウィル・”フレア”・バークレーは、
アメリカオハイオ州ヤングスタウン出身の38歳。
戦績は55勝(12KO)2敗。一方のロベルト・シュライバーは22歳。
戦績は21勝(18KO)無敗。

試合前のわずかな時間に、ジェームスがいつものように
作戦の確認をする。
「シュライバー、1ラウンドからトップスピードで行け。
チャンピオンに考える時間を与えるな。相手の位置取りを把握して
打ち込むんだぞ。」
シュライバーはマウスピースをはめながら、後ろ足で自コーナーへ
歩いていった。見つめる先にあるバークレーから視線を外そうとはしなかった。

第1ラウンドが始まった。
シュライバーは小刻みに上体を機敏に振りながら、バークレーに近付いた。
344名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/18(火) 16:41:59.95
バークレーが早いジャブを出す。シュライバーはそれをかわし、
すかさず打ち込むが、バークレーはもうそこにはいない。
1ラウンドからハイテンポのリズムで、両者のパンチが交錯した。

シュライバーは距離を縮めようと上体の振りでパンチをかわして
リターンを打ち込むが、バークレーは打ったらすぐにバックステップを
繰り返してシュライバーのパンチの射程範囲から外れた。
シュライバーのパンチを外しながらバークレーは思った。

「この若者は何を考えている?こんなオーバーペースで
12ラウンズを戦えると思っているのか?ひょっとしてハナからKO狙い
だったとしたらキミの負けだよ。私を捕まえるのは絶対に無理だ。」
345名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/18(火) 17:56:11.73
シュライバーはバークレーの動きを見ながら、相手の頭の位置を
確認し瞬時にパンチを打ち込んだ。何度か当たったと思ったパンチは
全てかわされた。
「もっとテンポを上げるんだ。」
自分にそう言い聞かせて、シュライバーはパンチを放った。

第1ラウンドが終了し、コーナーに帰るとジェームスが言った。
「全体のスピード自体はお前の方が上だ。だがチャンピオンは
パンチの見切りが普通のチャンピオンとは別物だな。自分の位置から、
お前が打とうとするパンチを読んでいてなかなか当てさせてくれない。」
シュライバーが息を切らせながら言った。
「マスター、なら俺はどうすればいい?」

誠は思った。たった3分でここまでシュライバーが息を切らせた試合は
見たこと無い。
「今のままではどうしても攻撃が若干遅れてしまう。
パンチの種類を増やしてパンチの見切りを誤らせるのだ。練習したロングの
アッパーも入れろ。ただし不用意に打たずによく狙え。たった1発でも
打っておけば、あのレベルの選手だとそのパンチも警戒してくる。
余分に頭を使わせるわけだ。」

2ラウンド目のゴングが鳴る時に誠は気づいたが、シュライバーの呼吸は
平常通りに戻っていた。シュライバーの武器はこの回復力の速さも上げられる。
346名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/19(水) 11:04:21.70
2ラウンド目は1ラウンドよりも早いテンポでパンチの交換が
行なわれた。シュライバーはパンチを打ちながら、バークレーの
動きを追った。単発ではこのチャンピオンを捕えることはできない。
となると、コンビネーションだが、バークレーは距離を外してパンチの
届かないところまで逃げる。2つ目、3つ目のパンチが有効な距離に
留まっていないのだ。

バークレーのパンチにパワーは感じない。だがスピードはあり、
距離を稼ぐためにストレート主体である。特にジャブが厄介で、
ノーモーションの手打ちで打っており、ハナからダメージよりも
ポイントを意識したジャブだった。シュライバーはそのほとんどをかわしたが、
いくつかは当てられた。自分のパンチが当たっていない限り、おそらく
ポイントはバークレーに流れるだろう。これがチャンピオンのボクシングである。

シュライバーはバークレーにアッパーを打ち込むタイミングを探りながら
攻撃のテンポを上げていった。2ラウンド終了間際、シュライバーは
バークレーのダッキングに合わせてロングの左アッパーを突き上げた。
この試合初めての下から突き上げてくるアッパーの軌道を読めず、
さすがのバークレーもバックステップが間に合わなかった。
そのパンチはバークレーの顎先をかすり、バークレーの膝がガクンと落ちた。
その直後、ゴングが鳴らされた。
347名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/19(水) 17:59:46.56
コーナーに帰ると誠が騒いでいた。
「惜しかった!もうあと30秒あったら、倒していたかもしれないよ!!」
シュライバーはその言葉を聞きながら、そんなに簡単に試合が終われば
どんなにいいだろうかと思ったが、誠はムードメーカーだ。悪気の無い言葉は
シュライバーにとって心地よい。誠の方を向いてニヤリと笑って答えた。

シュライバーがコーナーに座ると、ジェームスが言った。
「今のタイミングはバッチリだったな。だがこれでアッパーも警戒されるだろう。
そうなるとここから先は我慢比べになるだろうな。集中を切らしたら流れは
一気に向こうに行くだろう。だがそれは逆も同じことだ。お前はチャンピオンを
休ませてはならない。肉体的にも、精神的にも。
先に息継ぎした方がアウトだ。」

「息継ぎ?」誠が尋ねた。
「見とればわかる。」ジェームスは月曜日の朝日のような顔付きで言った。
348名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/19(水) 18:19:58.58
3ラウンド以降も、シュライバーはスピードとアップテンポの
ボクシングでチャンピオンを追った。時折、アッパーを打つのだが、
もうこのパンチはバークレーに読まれてしまっている。
ただしバークレーに余裕があるわけではない。

早い動きから放たれるシュライバーのパンチはスピードに乗っており、
バークレーの動きをよく見て急所を狙っている。そのパンチは強烈で、
1発で意識を刈り取るような切れ味鋭いものだというのもバークレーには
わかっていた。何より、スタミナを無視するような波状攻撃は、
バークレーにとってもっとも厄介に感じられるものだった。
「息も詰まるような目まぐるしい攻防だ。スピードが落ちて
足が止まった方が一気に攻め込まれそうだ。」誠はそう思った。
「息継ぎ!そうか、マスターはこの勢いが止まることを言っていたんだ!」

8ラウンド終了後、誠はシュライバーにうがいをさせようとしたが、
シュライバーはそれを拒否した。
呼吸が荒く、うまくうがいも出来ないような状態だったのだ。
349名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/20(木) 15:23:38.92
ジェームスが言う。
「さすがのお前もガス欠間近なようだな。
だがここまではよくやってるよ。チャンピオンだってお前を捌くのに
相当なスタミナをロスしているはずだ。だからここからが勝負だ。

バークレーは防御を軸にしてのボクシングだからあえてパンチに
ウエイトは乗せて打っていない。だが、これ以上のスタミナロスの
展開になれば、自分の動きが落ちるよりも前に、お前の動きを
落としておきたいと考えるだろう。
そうなると、パンチもしっかりと打ってくる。今までのような
手打ちパンチとは違う。

もしそれをもらったら、疲れきった今のお前では耐えられないかも
しれない。だが逆に、その瞬間はバークレーも動きを止めて足を
踏ん張って打つことになる。つまり、お前のパンチも当たるかもしれん。」

1分間の休憩が終わろうとしていた。
そこで誠は気付いた。スタミナもあり回復力の早いシュライバーを
もってしても、もはや1分間の休憩では回復出来ないほど
スタミナを消費していることを。
シュライバーは呼吸を乱したままイスから立ち上がった。
350名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/20(木) 16:01:45.46
「チャンプ、スタミナはどうだ?」バークレーのトレーナーが聞いた。

「余裕は無い。だがそれはシュライバーだって同じことだ。
しかし万が一、このペースで12ラウンドまで行った時、
それは私にとって非常に不利だ。シュライバーはスタミナを
相当消費しているが、パンチの切れは1ラウンドから
変わっていない。この足が止まった時、あのパンチを全て
かわしきれるとは言い切れない。」
「奴はあの調子で12ラウンドまで行けるっていうのか?」
「いや、可能性の1つとしてだ。
少しでも相手の勝つ可能性を潰しておきたい。」

トレーナーは少し考えて言った。
「オーケー。俺はチャンプの意見を尊重するよ。
あなたがそう言うのであればそれはほぼ間違い無い。
だが個人的な意見を言わせてもらうと、あのペースのボクシングで
残り4ラウンズを戦えるとは到底思えないがね。シュライバーは
スタミナ切れを起こして沈没間近だ。」
「念には念を入れる。
ダメージングブローを打ち込んで、反撃する余力も奪っておくよ。」
351名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/20(木) 16:33:19.11
9ラウンドが始まった。明らかに疲労感を見て取れる
シュライバーだったが、スピードはまだ衰えていない。
バークレーは警戒しながらも、ウエイトを乗せたパンチを
打ち込む機会を探っていた。トレーナーには冷静に話したが、
トレーナーが感じているよりもずっと、バークレーの消耗度は激しかった。
それはシュライバーが単調な攻撃ではなく、バークレーの
動きに反応して的確なパンチを打ってきていたからだった。

一瞬でも気を抜くと切れのあるパンチを打ち込まれる、そういった
ギリギリの精神状態での攻防であったため、目に見えぬ消耗を
生じていたのだ。だからバークレーが、少々の危険を冒してでも
シュライバーにダメージを与えるパンチを打ち込むことは、
選択の余地の無いことだった。

この辺りで差を広げておかないと、残り4ラウンズで
逆転される可能性もある。そしてスタミナの切れ掛かっている
今のシュライバーなら、パンチを打ち込める。
バークレーは一瞬動きの止まったシュライバーに、
ワン・ツーストレートを打ち込んだ。
352名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/20(木) 16:51:33.71
シュライバーの眼前が揺れる。バークレーは後続を打たずに
安全な距離まで離れた。その瞬間、シュライバーは意識を取り戻し、
ロングの左フックを放った。かろうじてスゥエーでバークレーはかわした。

「まだパンチは死んでいないな。打たれ強さも相当なものだ」
そう思ったバークレーは再び打ち込むタイミングを探り、ワンツーを放った。
シュライバーは自分が思っていた以上に反応が鈍く、再び右ストレートを
まともに浴びた。シュライバーの膝が揺れる。

観客の歓声がこの試合、一番の大きさとなった。
353名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/20(木) 17:29:07.60
9ラウンドが終わって、バークレーがコーナーに戻ると
トレーナーは言った。
「このラウンドは決定的だ。もう奴に反撃の力は残っちゃいない!」

それを聞いたバークレーはカオナシのように
落ち着いて言った。
「チャーリー、私は驚いているんだ。あの闘志はどこから
来るのかってね。だがようやく勝利のゴールが見えた。
シュライバーはパンチの反応が鈍くなっている。スタミナの
ロスに加えてダメージを負っては私を捕まえることは出来ない。」

一方のシュライバーコーナーではジェームスがゆっくりと語っていた。
「おそらく、あの右でダメ押ししてくるだろう。あれだけまともにもらっては
バークレーの方としてもあのパンチを使ってくるに違いない。
いいかシュライバー、バークレーとしても、もう足を使うほどのスタミナは
残されていない。あの右ストレートだけ注意しろ。右ストレートはどうよける?」
354名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/21(金) 10:22:15.35
ジェームスは時折、こうやって学ばせたことを問題にして
答えを言わせる。シュライバーはコーナーにもたれたまま、
「左前にヘッドスリップです。」と言った。

「その通り。まだ意識はハッキリしているようだな。
あの右をかわして、レバーブローを打て。バックステップで
逃げるだろうが、バークレーに序盤のスピードは無い。
お前のボディは当たるだろう。だが・・・。」
ジェームスは言葉を続けた。
「だが、今のお前にその動きができる力が残されているか、
確信は持てない。反応が遅れたらバークレーの右が直撃するだろう。」

「マスター、俺なら大丈夫です。まだ力は残ってますよ。」
そう言ってシュライバーはふらつく足で10ラウンドに向かった。
355名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/21(金) 12:06:42.03
誠の目には信じられない光景が映った。
疲労困憊のシュライバーがウソのように波状攻撃を仕掛ける。
バークレーは必死にかわしながら、何とかシュライバーのパンチを
かわす。その瞬間、またしてもバークレーの右の打ち下ろしが
シュライバーを捕えた。

シュライバーの動きが止まる。
「倒れてしまえ!」誠はそう願った。もうダメージを負うことはない。
充分良くやった。しかしシュライバーは耐えた。さらにそこから
左フックを打ち返した。予想していなかったパンチにバークレーは
慌ててブロックで防いだ。ブロックの上からでも頭に響くような衝撃だ。
「まったく、何というボクサーだ。この辺りで決定的なパンチを入れて
おかなければ・・・。」
バークレーは常に動かしていた足を止めた。明らかにシュライバーに
効かせるパンチを打ち込むために、足の踏ん張りを利かせるつもりだ。
そして右ストレートを狙った。それを見たジェームスは思わず叫んだ。
「とうとう我慢ならずに息継ぎしやがった!」
356名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/21(金) 13:07:55.13
バークレーの狙い打った右に反応して、シュライバーは
ほとんど本能的にヘッドスリップでかわすと、空いた右脇腹に
ボディショットを打ち込んだ。バークレーの背中が丸まった。

思わず後ろに下がったバークレーを追って、シュライバーは距離を詰め、
左フックを顔面に打ち込んだ。バークレーはブロックで防いだが、
その左はダブルでまたしても右脇腹を打たれた。
思わずしゃがみ込んでしまいそうな激痛だ。しかしバークレーは
持ち直し、距離を取ろうとバックステップしたが、ロープに
詰まったところでシュライバーの右ストレートが飛んできた。

シュライバーの右ストレートはバークレーのガードの間をすり抜け、
バークレーの顔面が上を向くほど弾かれた。だがまだバークレーの
意識ははっきりしている。一旦クリンチで立て直そうとした。
が、しかし、今度はアッパーを突き上げられた。さらに左フック。
バークレーは効いてしまって動かない足の代わりに、
かろうじてブロックで直撃は免れた。だが火山の噴火のような
シュライバーのラッシュに、観客は大興奮の悲鳴に似た歓声を上げた。
意識が朦朧とするバークレーだったが、ガードは強固に固めて
決定打を許さないようにブロックしていた。
357名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/21(金) 15:24:30.61
ロープ沿いにバークレーはフラフラと動いて逃げようとし、シュライバーは
それを追って高速の連打で襲う。そのほとんどはブロックされていたが、
ガードの合間を見て打ち込むシュライバーのパンチは、そのいくつか、
バークレーのガードをぶち割ってダメージを与えた。

10Rゴング終了の1秒前に、シュライバーの左フックがバークレーの
テンプルを打ち抜いた時、バークレーの意識は刈り取られた。
だがそれでもダウンは拒否してゴングと共に入り込んで来た
セコンドに抱えられ、コーナーに戻った。

シュライバーの方も残りの体力を全て注ぎ込んだ。立っているのも
やっとの状態で、ジェームスと誠に支えられながらコーナーに戻った。
誠がジェームスに言う。
「マスター、これ以上は無理だ。惜しかったけどもうストップさせた方が・・・」
それを遮るようにシュライバーが言う。
「バカ言うなよ、マコト。あと2ラウンドある。そこで決めてくる。」
シュライバーの呼吸は乱れて、表情もダメージと疲れが滲み出ている。
ジェームスが雑木林のどんぐりのように言う。
「立っているのもやっとのくせに、お前は大した奴だよ。
よし、いいだろう。だが少しでも危険だと感じたら試合はストップするぞ。」

シュライバーは分かったのか分かっていないのか、コーナーにぐったりと
もたれたまま、リングの上に吊るされたまぶしいライトを見つめていた。
358名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/21(金) 17:29:27.72
「チャンプ!大丈夫か?」
バークレーはイスに座って深く上体を前に倒し、
両肘を太ももの上に付いてガックリとうなだれている。

セコンドが励ます。
「たとえ残り2ラウンドを取られてもポイントは問題ない。
だが奴だってもうスタミナは底を付いているし、ダメージだって
相当なものだろう。もう無理はしなくてもいい。」
バークレーは黙ったままだ。

「恐ろしいチャレンジャーだった。あなたがここまで追い詰められた
試合は見たことが無い。でも残り2ラウンドは安全運転で構わない。」
バークレーはまだ答えられない。コーナーまで来ていたドクターが
リングの中に入り、バークレーの様子を伺った。
359名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 10:49:35.02
数年前、誠はID一致で自演がバレたことだけでも、その愚かさに気付くべきであったのに、彼はそれほど用心しなかった。
勉強などは平素あまりせず、ネットに熱中し、司法書士試験の方はそっちのけで済ませていた。
360名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 10:50:16.49
人一倍肥満の体を持っていながら、自演に熱中し、騙りを使っては方々で掲示板を荒らした。
いつ来ても誠は仕切りに書き込みを続けているが、そうではなく、この男たった独りで書き込みをしているとも言われている。
361名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 10:50:53.65
いずれにしろ、誠はここ数日ほどで「工業高校出身」とバレて、それを誰かのことのように書いたりもした。
そういうことを50にもなるニートのオッサンがしたのである。
かと言って底辺の知識はある方だから、やはり天性の楽天家かもしれない。
362名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 10:51:46.62
誠との腐れ縁はあまりネットをしない筆者としては長く、足掛け8年にも及んだ。
途中、筆者の掲示板に書き込んだ。
同時にこの書き込みで誠の決定的なホストを摑んだ。
それにしても、誠の憐れ過ぎる自演と言う同情論が筆者の中で一部起こっている。
363名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 11:28:33.66
去年の12月頃、誠の運営する掲示板のホストを抜き取った。
――ボクシング2ch、資格全般2chなどホストが一致した。
と言うことである。
そのホストは最初の文字が「p」と「w」が付く2つである。
(まだいくつかはある。最初に「K」が付くホストやIPだけのホストなど多数。携帯からの書き込みが多い)
364名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 11:29:56.22
もっとも今年になって筆者の意味ありげな発言に「誠って誰だよw」と言っている。
筆者がこれを聞き、あきれたのは、はっきりとした証拠があるのに、それを否定することである。
365名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 11:30:48.84
誠が本人ではないと言ったのは、ネット上の書き込みでは、同一人物の証拠など出て来まいと言う含みがあったであろう。
筆者はおしゃべりなことをあまり好まぬ男だったが、誠のあまりの醜態にやむえなかった。
366名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 11:31:46.16
誠が本人ではないと言ったのは、ネット上の書き込みでは、同一人物の証拠など出て来まいと言う含みがあったであろう。
筆者はおしゃべりなことをあまり好まぬ男だったが、誠のあまりの醜態にやむえなかった。
367名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 11:49:54.53
いい子ちゃんでいたいと言う意味が誠の言及には籠められている。
このあたりがこの男の我儘と言っていい。
誠がいかなる生立ちの男であるにせよ、自分の書き込みには責任を持つのが当然である。
368名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 11:50:32.71
誠自身の供述では、喧嘩、いじめ、学級崩壊が渦巻く学校のため、工業高校を中退したと言っている。
誠はかつて柔道をやっていたのは前に触れたが、喧嘩にはまったく通用しなかったためいじめられた。
369名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 11:51:24.13
誠に問題があったと言えるであろう。
学校は住めば都で、そのくらいの年頃はワルに憧れる。
が、こういう男が工業高校に入ったところで、毒物を飲み込むようなもので、奪う立場ではなく奪われる立場になるのである。
370名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 11:52:11.61
2ちゃんねるにあっては、誠の本来持つ毒性が発揮して、しきりに荒らし行為をやっている。
誠は書き込みで
「ヤンキーが夜中に騒いでいて、受験が思うように出来なかった。だからヤンキーは嫌いだ」
と語っていた。
371名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 13:55:01.28
11ラウンド開始前のホイッスルが鳴らされた。
シュライバーはイスからゆっくりと立ち、リング中央に歩み寄る。
バークレーのコーナーを見ると、レフェリーがバークレーのセコンドと
話をしている。
とその時、レフェリーが両手を大きく上げて手を振った。バークレーの
ダメージと疲労は大きく、イスから立ち上がることが出来なかったのだ。
観客席からどよめきと歓声が沸きあがった。

シュライバーはレフェリーを見て勝利を手に入れたことを理解した。
勝利のポーズで両腕を上げ、歩みはゆっくりとなり、膝から崩れ落ちた。
そしてキャンパスに両膝を付いてそのままうつぶせに倒れた。
実はもう、1分も戦える自信は無かったのだ。それでもシュライバーを
突き動かしたのは、ボクサーとしての闘争心だった。

10ラウンド終了TKO勝ちにより、ロベルト・シュライバーは
WBAライト級のタイトルを獲得した。
372名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 14:51:41.66
安定王者のウィル・バークレーを倒したことで、シュライバーの評価も
急上昇した。スピードと切れのWBA王者シュライバー、タフネスと強打の
WBC王者ホセ・ルイス・マレス、連打で打ち崩すIBF王者リック・パディーリャ、
パワーのWBO王者アブネル・ヌドゥ、主要4団体の王者がそれぞれ、
違った個性を備えたボクサーであった。

世間は誰が強いのか?といったことに関心を持つようになり、統一戦を
望む声も多かったが、シュライバーを中心とするこの4強の総あたりは
もう少し先の話となる。

話しをワイルドカードジムに戻そう。
ここを練習の本拠地としているシュライバーとダリルという若きチャンピオンが
いることで、取材はもちろん、見学者や練習者も増えていった。

そういった状況を見たジェームスはある日、誠に提案した。
「マコト、そろそろお前も選手を育てることを始めたらどうだ?もちろん
俺の手伝いを解雇するっていう意味じゃない。仕事の邪魔にならない程度に
お前はお前のボクサーを育てるのだ。」
誠はそんなことは思ってもみなかったことだったので、冗談かと思い、
ジェームスの目を覗き込んだ。そのまなざしはまるで、怪傑ゾロリのようだった。
373名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 16:21:37.91
ジェームスは話を続けた。
「いいか、人にモノを教えるっていうのは、それは大変なことだ。
いくらお前が丁寧に教えたつもりでも、相手がそれを理解していなければ
教えたことにはならない。
そしてお前が人に教えることが出来たのならば、それが何倍にもなって
自分の成長の糧となって返って来る。」

誠はジェームスの言葉の意味をゆっくり噛み締めながら言った。
「僕にトレーナーとなる資格はあるのでしょうか?僕はマスターみたいな
経験もないし・・・そりゃ、シュライバーやダリルのトレーニングに付き添うことが
できているのはとても恵まれていると思います。でも、僕は人に
教えるようなノウハウをまだ身に付けているとは思えないのです。」

「ハッハ!マコト、トレーナーに資格なんてものは無い。お前がトレーナーと
決めたら、今日からトレーナーになれる。そしてお前を選ぶのは選手だ。
選手がお前は必要ないと思ったら首を切るだろうし、お前が必要だと思ったら
お前のことを「トレーナー」と呼ぶだろう。」

そういうジェームスの表情は、ケチャップマンに出てくるトメイト博士のようだった。
374名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 16:28:26.27
その日から誠はジムで練習しているボクサーに声を掛けた。
ジェームスは有名だが、誠はほとんど知られてなく、周りの目から見たら
「雑用係」みたいな位置づけだった。だからいきなり「教えようか?」と
声を掛けても相手にされるわけがなかった。

「こりゃ、売上の悪い営業マンみたいだ。」誠が途方に暮れていると、
そばでサンドバッグを叩いていた若者が近寄ってきた。
「もし良かったら、ミットを受けてくれないか?」
見ると若者は、褐色の肌にしなやかな筋肉を付け、細い黒ヒョウを
思い起こさせた。誠はようやくトレーナーになる手掛かりを手に入れた
感じがして、少し嬉しく思った。そしてこの若者が強そうに見えたので
少し期待しながらミットをはめた。

「じゃ、まずはジャブからいこうか!」誠が言うと、その若者は
ジャブを打ってきた。誠はしっかりパンチを受け止めた・・・
はずだったが、それは期待外れもいいところの、何とも非力なパンチだった。
さすがの誠も草団子が食べたくなってしまうほどだった。
375名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 16:59:43.42
その若者はジョニー・ジョーンズといった。ジョーンズは25歳になったばかりで、
近くのコーヒーハウスで働いている。ボクシングとの出会いはもっと前で、
19歳でプロのリングに立ったが、KO負けを喫してリングから離れていたとの
ことだった。その辺りのことは誠が尋ねてもはっきりと話してはくれなかった。

それで誠はboxrec.で調べると、7戦6勝(6KO)1敗というのが、ジョーンズの
戦績だった。6連続KO勝ちを重ねた後、ジョーンズは、聞いたことのない名前の
ボクサーにKOで敗れて、戦績が途絶えている。

誠はその戦績を見て、最初は疑った。なぜならジョーンズの
パンチはとてもスローで、とても連続6試合KO勝ちを続けた
ボクサーには思えなかったのだ。
376名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 17:24:52.19
誠は、シュライバーとダリルの練習の合間に、1日30分ほどの
わずかな時間だが、ほとんど毎日ジョーンズの練習に付き合った。
なにせ他に誠が見るようなボクサーがいなかったこともある。
選り好みはできない。

「もっと力を込めて打ってはどうか?」誠はそう尋ねたこともあったが、
ジョーンズは「いや、まだ俺はゆっくり打ちたいんだ。」と言って
誠の言うことは聞かなかった。
ジョーンズは1つ1つのパンチを、何度も何度も繰り返し打った。
誠はただ、ジョーンズの打つ軽いパンチを受けるだけだった。

ある日、誠はジェームスと話をした。
「マコト、お前にも教えるボクサーを見つけたようだな。」
「マスター、そのことですが、彼の名前は・・・」

そこでジェームスが名前を当てた。
「ジョニー・ジョーンズだろ。知ってるよ。」
「まいったな。何で知っているんです?」
「いいボクサーを見つけたじゃないか。お前にはもったいない。」
誠はぎっくり腰になったマジシャンのような気分になった。
377名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 19:24:59.58
「見事なスルーっぷりw」誠は嘲笑った。
誠はこの言葉の本質を理解していない。
スルーされていることは、2ちゃんねらーでないことの証明でもあり、と同時に誠が2ちゃんねらーであることとの証明でもあった。
378名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/22(土) 19:25:46.89
誠は2ちゃんねらーと呼ばれることを酷く嫌っている。
つまり、嫌っていながら、自ら2ちゃんねらーであることを誇示していて、まったく以って矛盾した話である。
379名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/24(月) 12:02:50.84
「マスター、彼はボクシングに対してあまりやる気が見られないんですよ。
いつもいつも繰り返し、スローなパンチでミット持ちしてたら、僕が教えて
いるのか、ミット受けを教わっているのかわからなくなるくらいです。」
「ハッハ!マコト、お前は気付いていないか?」
「何のことです?」
「いつもシュライバーやダリルのミットを受けていたら、そりゃ物足りないかも
しれない。だがな、俺はジョーンズの練習の意図はよくわかるぞ。
ひょっとしたら復帰を狙っているのかもしれんな。」

誠は意味がわからずジェームスの言葉の続きを待った。

「お前はミットを受けていて何を見ている?ミット持ちはパンチを
受けるだけが仕事じゃないぞ。パンチの軌道、角度、そして
フォームやバランス、全てが実戦に近い形でチェックできる。
それがミット持ちだよ。」
380名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/24(月) 14:24:58.95
「俺は何度かお前らの練習している姿を見たが、ジョーンズの
打ち方は理にかなった綺麗なフォームだよ。あれだけしっかりと
固定したフォームで打てるのはなかなかいない。

だが、まだ体の動きを意識しながら丁寧に打っている。
おそらく、ジョーンズは今の所、自然体で何も考えずあの打ち方は
できないのだろう。だからゆっくりと何度も打つことで、反復練習を
重ねているのだ。

ただのストレス発散目的なら、あそこまで意識して練習するはずがない。
奴は試合することを望んでいるのだと俺は思っている。あのボクサーが
マイケル・ペイジに勝ったというのは、俺はフロックではないと思っているがね。」

誠はラーメンを頼んだらラメーンを出されたくらいにびっくりした。
381名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/24(月) 15:01:29.14
マイケル・ペイジとは、現WBCバンタム級チャンピオンである。
誠は家に帰ってboxrec.でもう一度調べてみた。ジョーンズの6戦目の
相手が、マイケル・ペイジだった。そして結果はジョーンズの4ラウンドKO勝ち。

キャリアの浅い時分とはいえ、ジョーンズは後の世界チャンピオンに
勝っているのだ。そう思うと、ジェームスの言葉も信憑性を帯びてくる。
あの何とも緩いパンチは、動作を確認するためのもので、その1つ1つの
細かいチェックはおそらく、試合をもう一度したいと思っているのだろう。

だが最後の試合からすでに5年が経過していた。ボクサーにとって
20歳から25歳を試合をせずに過ごしていたのだ。
ジョーンズに何があったのだろうか?そしてなぜ今さらボクシングを
再開したのだろうか?
誠は考えても答えの出ない3.141592の思考に耽った。
382名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/24(月) 15:20:44.81
いつものようにジョーンズはジムに顔を出した。そしていつものように
誠にミットを持ってもらい、パンチを確認するように打ち込んだ。
なぜいったんボクシングから離れたのか、誠はそれを聞こうと思った。
その時ふいに、ジョーンズが誠に依頼した。
「マコト、今日からは少し練習を変えたい。俺がワンツーを打つから、
お前は左フックから右ストレートを打ってくれ。左フックと右ストレートは
ダッキングで避ける。ミットのまま打ってもらうが、スピード必要ない。
小さく打ってくれ。その繰り返しだ。」

とうとう我慢ならずに誠は尋ねた。
「ジョーンズ、お前は試合をするのか?またボクサーとしてリングに立つ
つもりなのか?その手助けを俺はしてやりたい。でもその前に聞きたいのは、
なぜお前はいったんボクシングから離れてしまったのだ?」

その時のジョーンズの目は、セラミック刀が欠ける程固い、
オームの殻のようだった。
383名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/24(月) 17:26:07.89
「俺は試合はもうしない。ただカラダを鍛えるために練習しているだけだ。」
そうジョーンズは答えたが、誠は言い返した。
「そんなのウソだね!ただの練習ならサンドバッグを叩いておけば
いいじゃないか。それなのにわざわざミットをするなんて、
お前はボクシングが忘れられないんだ。そうだろ?」

ジョーンズは海岸にうちあげられた魚のような目で誠を見た。
そして一言つぶやいた。
「お前には関係ねぇ。」
誠は返した。
「俺はトレーナーだ!ボクサーと一緒に戦っているんだ!
お前に関係あることは、僕にも関係あるんだ!」
ジョーンズはため息を4つついて、こう言った。
「なら話そう。ただし条件がある。ダリル・ウェイバーグと1度
スパーリングがしたい。それを叶えてくれるのなら、話してやる。」
384名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/25(火) 11:06:26.51
誠はジェームスに頼んで、ダリルとジョーンズのスパーリングを
セッティングしてもらった。
ダリルは5度目の防衛戦をクリアした後に練習を再開したばかりで
本調子とはほど遠かったが、誠の申し出にも快く受け入れてくれた。

そして3ラウンズの約束で、スパーリングが行なわれた。
誠はジョーンズがなぜダリルとスパーリングしたいと言ったのか
ずっと疑問だった。ダリルは5連続KO防衛中の世界チャンピオンである。
ジョーンズは約5年間のブランクのあるわずか7戦しかしていない元ボクサーだ。
いくらダリルが本調子じゃないといっても、随分その差は開いている。
それでもジョーンズはダリルと拳を交えたかったのには何か意味があるはずだ。

そしてスパーリング開始のゴングが鳴らされた。
385名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/25(火) 17:36:44.97
ジョーンズは元バンタムの選手だったので、体格はダリルとほぼ同じだ。
黒人特有の胴が短く、手足の長い体格をしている。広いスタンスで
左手を下げたフォームは、小型のトーマス・ハーンズを思い起こさせた。

まずはジョーンズがジャブを打った。それを見た誠は目を見開いた。
「早い!」
そのジャブはダリルのガードの上に当たって、14オンスグローブの
ドスッという重たい音が響いた。次に右ストレート。これも早い。

ダリルはそれもブロックでやり過ごすと、右フックを返した。
ジョーンズはそれをダッキングでやり過ごすと、サイドに出て
右ストレートを放った。ダリルはそのパンチをかわした。

ダリルの動きが重たいせいもあるのかもしれないが、誠には
ジョーンズのパンチの早さに目を奪われた。
386名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/25(火) 17:49:41.96
ジョーンズは長いジャブを突いて、距離を取っている。
ダリルはその長い距離を持て余しているようだ。ジョーンズの鋭い
ストレートがダリルのグローブの上を叩き、ダリルは思うように自分の
距離に入れない。

ジョーンズは遠い距離では左腕を下げ、その位置からジャブを飛ばす。
中間距離になると左拳を上げ、ダリルの右ジャブや右フックに対応
している。ダリルが距離を詰めようとすればジョーンズは神経質なほどに
距離を取り、ロングを保っている。

そういう展開で1ラウンドが終了した。ポイントを付けるなら
はっきりとジョーンズの攻勢点が入るようなラウンドだった。
387名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/25(火) 18:08:01.17
インターバルで誠がジョーンズに声を掛ける。
「ジョニー、凄いじゃないか!あのダリルと互角以上にボクシング
してるぞ!」
ジョーンズは呼吸を整えながら言った。
「そんな褒め言葉いらねぇよ。今のダリルじゃ、本調子とは程遠いこと
くらい俺にもわかる。だが確認はできた。」
「確認?」
「あぁ。思ったほど俺は錆ついちゃいないってことだ。」

そうして2ラウンド目が始まった。
このラウンドのダリルは無理に距離を詰めようとしなかった。
ジョーンズがロングで戦おうとしている土俵に上がり、ダリルも
ロングでの攻防に付き合った。

ジョーンズのパンチは早い。早さだけならダリルよりも上だろう。
だが元々、才能に恵まれているとは言えないダリルは、こういう
対戦相手をもことごとく沈めてきた。
リーチではかなり劣っていたダリルだが、細かいステップを交え、
リーチ差を感じさせないロングでの攻防を繰り広げた。

クリーンヒットはほとんどない。しかし、ダリルのパワーが
上回っており、ジョーンズがロープを背負う場面が増えてきた。
残り時間がわずかになったところで、ダリルの右フックが軽く
ジョーンズを捕えた。
388名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/26(水) 11:42:48.33
ジョーンズがすぐさまクリンチにいったところで、ゴングが鳴らされた。
コーナーに戻ってきたダリルに、ジェームスが言う。
「奴はかなりサウスポー対策をしているな。」
「そうですね。でもジョーンズは本当に練習生なんですか?」

ダリルの疑問をよそに、ジェームスは話を続けた。
「いいか、最後のラウンドはもう少し本気で打って来い。
ジョーンズのことなら大丈夫だ。奴はディフェンスもきっちりしている。
1ラウンドくらいならもつだろう。
それよりな、奴のここは燃えくすぶっているんだよ。」
といってジェームスは自分の左胸を右拳でトントンと叩いた。

「きっちり消火してやるか、逆に火をつけるか、それはお前のパンチで決まる。」
389名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/26(水) 15:05:13.94
3ラウンド目のゴングが鳴らされた。ダリルは言われた通りに
少しスピードを上げて打ちに行った。
ジョーンズは右回りをしてダリルの射程範囲から外れようとする。
しかしダリルはロングの左フックを打ってサイドに回らせない。

それならばとジョーンズはロングのストレートで突き放そうとするが、
ダリルは上体を小刻みに振って的を絞らせない。そして距離が
詰まると右フックを打つ。必死にブロックで止めたジョーンズだが、
パンチは強烈だ。
さらにダリルは左ボディーをストレートに打ってきた。これもかろうじて
上体をくの字に折り曲げて肘のブロックで防いだが、ロープに詰まって後が無い。
そして再び左ボディーを打ってきた。

が、しかしそれはフェイントで、今度は顔面へのストレートだった。
鋭く重たいダリルの左ストレートがジョーンズの顎を捕らえると、
ジョーンズは尻餅を付く形でダウンした。
390名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/26(水) 15:22:02.70
ゆっくりとダリルが反対側のコーナーに歩く。と同時に、誠が
エプロンサイドに上がってきた。それを見たジョーンズが言う。
「マコト!大丈夫だ!」

ジョーンズは立ち上がった。ダメージはほとんど無い。
フェイントに掛かって反応が遅れたが、フラッシュダウンだ。
ファイトが再開されると、ダリルはジェームスの方を向いて確認した。
ジェームスは「大丈夫だ」と言う感じでうなづいた。

ダリルはその合図を見て、手加減なしに打ち込んだ。
スパーリング終了のゴングが鳴るまで、ダリルは攻め続けた。
一方的な展開になったが、ジョーンズはかろうじてパンチを殺し
その攻撃を凌いだ。

ジェームスが後で、ジョーンズに言った。
「ダリルの強打をあれだけ凌ぐとは思わなかった。技術的なもの以上に
メンタルの部分で気に入ったよ。
お前は東洋で言う"サムライ・スピリット”の持ち主だ。」
391名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/26(水) 15:59:16.82
ジョーンズが着替えを済ませジムの外に出ると、誠が待っていた。
「ジョーンズ、お前があれほど強いとは思わなかったよ。」
ジョーンズはその言葉を聞いて、ぬるいビールのように静かに笑った。
「俺が強いだって?俺は弱いから一旦ボクシングから遠のいたんだよ。
さぁ、約束だ。俺のことを話そう。」

そう言うと、二人はジョーンズの働くコーヒーショップに入った。
ここのコーヒーは濃い目のエスプレッソに近い味で、深い香りの
コーヒーは誠もお気に入りだ。
運ばれてきたコーヒーから、暖かい湯気が立ち上る。

「知っての通り、俺は7戦で引退した。」
唐突にジョーンズが話し出した。誠はジョーンズの話に耳を傾けた。
392名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/26(水) 16:55:56.88
「俺は6戦目までKOで勝ち続けた。それでどこかボクシングを
なめていた所があったのかもしれない。7戦目の試合前、俺は
試合2週間前でウエイトを15ポンドもオーバーしていたんだ。

後付けの理由ならいくらでもある。例えば7戦目の相手は
苦手意識があったサウスポーだったこと、その前の試合で拳を傷め、
試合3週間前までまともにバッグ打ちもできなかったこと。

必死に体重を落としたよ。この2週間はまともな食い物は
口にしていなかった。少しのサラダとフルーツくらいだな。
下手な減量は体力も精神も磨耗する。1週間前で7ポンドオーバー。

普通なら7ポンドくらいはゆっくり無理なく落とせるウエイトだが、
そこに至る1週間はほとんどまともな食い物を口にしていなかったので
もう気が狂いそうだったよ。周りには食い物が溢れているっていうのに、
俺だけがそいつを口にできない。

体の疲労は取れないし、精神はやつれていくし、それでも食べずに
練習しなけりゃならない。そのジレンマについて何度考えたことか。」
393名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/26(水) 17:47:53.05
最後の2日間は絶食だ。水もうがいだけ。マコト、お前はトレーナー
だから知っているのかもしれないが、こんなに無理な減量は
何もかも奪ってしまうんだよ。俺はとにかくウエイトを落とすことだけを
考えた。もう試合のことなんてどうでも良くなっていたんだ。

早いところ試合を終えて、腹いっぱい食べたい、それだけ考えていた。
計量当日はガムを噛んでつばを吐いて体重を落とした。
もう動く体力も無くなっていたし、1時間ロープを飛んでも汗が
ほとんど出ないほどに体が乾いていたんだ。

計量はギリギリパスした。その後、軽い食事を摂ったが、
うまくは感じられなかった。これが待ちに待った食事だというのにだよ。
なぜならその後にある試合のことをどうしても考えずにはいられなかったからだ。

ここまで来たら試合に勝ちたい自分がいる。だが体と気持ちは
疲労をたっぷりと引きずっていたんだ。
試合に対する闘志は湧き上がらず、ただ磨耗している自分に気付いた。」
394名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/26(水) 18:02:42.19
そして試合当日になった。相手の名前はトム・・・何だったかな、
もう忘れたな。相手はサウスポーだったよ。さっきも言ったけど、俺は当時、
サウスポーが苦手でね。アマチュアでもボクシングをやっていたが、
サウスポーに勝ったことがなかったんだ。

身も心もボロボロの状態で、さらに苦手なサウスポーときた。
リングに上がっても俺のボクサーとしての気持ちは帰ってこなかった。
でも、ゴングが鳴ればとりあえずボクシングをした。

その時の俺は、サウスポーに対する戦い方ってのを
知らなかったんだ。ただ6連勝という勢いだけはあったから、
闇雲にパンチを出した。

すると俺の右ストレートが当たり、相手がダウンした。
1ラウンドのことだったよ。今でもそのシーンは覚えている。
395名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/27(木) 11:12:03.59
俺の右が当たり、相手がロープ際で倒れ込んでいる。
その途中、俺はもう一度右を強振した。これでとどめを刺そうってね。
でもそのパンチは倒れ掛けた相手に届かず、空振りした。

試合を最初から投げていた俺は、振って湧いたような勝利を
逃すまいと、試合再開後に試合を決めに行った。
ところが、逆に右フックをもらってダウンを奪い返された。
1ラウンドで倒し倒されの展開だ。客は沸いたよ。
俺は冗談じゃねぇって思っていたけどな。

2ラウンドからは俺は相手のパンチを防ぐのに精一杯だ。
手数も少なく、逃げのボクシングだ。自分でも、1ラウンドのような
ラッキーパンチは無いって思っていたから。

それで3ラウンド目、さすがにこのまま防戦一方だと埒があかないので、
強引に右アッパーをもっていった所へ右フックを合わされて終わりさ。
ジ・エンド。気付いた時には俺はコーナーのイスに座らされていて、
「次のラウンド行かなくっちゃ」なんて思っていたくらいだ。
意識が吹っ飛んでいたのさ。
396名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/27(木) 12:13:26.10
試合が終わった後は、1ラウンドにダウンを取った時、あの空振りの
右が当たっていれば勝てたのに、と何度も思った。
わずか3インチくらいの距離で届かなかったあのパンチが当たっていれば、
俺は勝っていた、と何度も何度もな。

だが気付いたんだよ。もしあのまま勝っていても、いずれは
同じようなことが起こったってね。減量失敗、コンディションは最悪、
そんなことを理由にしていた内は、俺はボクサーとして終わりだと悟ったのさ。

あの試合の後、3ヶ月くらいは何をしていたのかよく覚えていない。
別にKOを食らった後遺症とかそういったもんじゃねぇぞ。
心が空白になっていたんだよ。何をしても心に響かないというか、
自分の情けなさに心が空洞になっちまっていたのさ。

その後、俺はここで働き始め忙しい毎日を送っていた。
ボクシングからは遠く離れたんだ。だが、常に心の片隅に
得体の知れないものがひっそりと固まっていたんだ。
397名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/27(木) 13:38:43.51
「最後の試合から1年が経ったくらいだったと思う。俺は何か得体の
知れないものを払拭するために、何となくボクシングを再開してみた。
そんなに大した練習じゃない。軽いシャドウや、週に何度かジムに行って
バックを2〜3ラウンズ打つだけだ。

だが、ボクシングをやればやるほど、その心の片隅にうずくまっているものが
大きくなってきたんだ。マコト、何だかわかるか?」

誠は冷めたコーヒーを一口すすると、首を横に振った。

「正体は崩れた自尊心だよ。ふがいない自分、情け無い自分、
そういったものが渦巻いていたんだ。それに気付くと俺はいてもたっても
いられなくなった。こんな思いを一生背負って生きていくつもりかってね。

そうして行き着いた結論は、もう一度ボクシングをやって
この気持ちを清算するべきだ、ということだった。」
398名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/27(木) 14:38:03.11
「もう勝敗は関係ない。俺が満足できるボクシングをするだけ。
後悔なく、全部を出し切り、完全燃焼したい、そう思った。
それでも試合ができるようになるか、それとも途中でやっぱり
ボクシングから足を洗うのか、それすらもわからずボクシングを再開した。

そうなるとまずは俺のボクシングを立て直すことが最初だった。
ゼロから始めたよ。ボクシングから離れていた期間でも、
ボクシングの試合はよく見ていたから、一流のボクサー達の
動きを真似したりして、自分なりに研究していった。

でもこのジムに通いだして、たまにジェームスが俺に
アドバイスをくれた。あれは嬉しかったし、ためになった。」

「マスターが?僕には何にも言ってくれないんだからなぁ」
誠が思わずベラドンナのようにつぶやいた。
399名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/27(木) 17:44:24.03
「マコトがミット持ちをしてくれるまで、およそ2年、ジェームスの
ちょっとしたアドバイスを聞きながら、何度も何度も基本的な
練習を繰り返した。

今まで知らなかった動きやパンチの出し方をジェームスは
教えてくれた。そうやって自分の動きに取り入れていくと、
俺はボクシングに対してくすぶっていた炎がだんだんと
大きくなるのに気付いた。

だが、それは本物なのか、それとも一時的なものなのか、それを
確かめたくてダリルとのスパーリングを頼んだんだ。
ダリルは世界チャンピオンだ。しかもサウスポーだ。俺との実力差は
はっきりしている。その大きな壁と対峙した時、俺はどうなるのか、
逃げるのか、立ち向かうのか、それを確認したかったんだ。」
400名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/27(木) 18:09:13.66
誠は筆者における名言を集めはじめ、そういう今までしなかった仕返しを開始した。
工業高校中退にすぎなかったこの男は、筆者を同種の人間と思って見ようとしている。
誠は筆者を検索し、洗い直していた。
401名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/27(木) 18:10:06.23
筆者の都合の悪い書き込みを探しているあたり、この男の仕返しのつもりであろうが、ただ違っているのは、筆者はバレて困る事などしてないことであった。
これは暴露ではなく、むしろ筆者を宣伝してくれるCMと思って喜んでいる。
ここが誠とは正反対なところである。
402名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/27(木) 18:10:58.59
誠といえば自演魔の主であった。
その他、人の騙りをして会話もしている。
足跡を残していることから、これでは完全犯罪とは言えず、頭が悪い。
当時から、それを知られ、筆者に暴露されることをたえず恐れていた。
403名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/27(木) 18:11:37.00
誠には国語力がない。
ほとんど読解力がないと言うべきもので、たとえば筆者の書いた文章を見て、最後まで読んでいるのかと思うほどである。
この男にとって、良文だろうと駄文だろうと関心はない。
404名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/27(木) 18:12:23.72
誠には、過去の失敗で笑いを取るジョークよりも、完璧な学歴の話の方が大切であった。
しかし、工業高校中退程度では話に専念するほどの知識もない。
学力も微弱で、「俺に会いたかったら立教大に来な」と、誠は言う。
405名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/27(木) 18:18:39.96
「だから、ネットで学歴詐称をするのか」
筆者は言った。
誠は工業高校中退だが、しかし虚位とは言え、位がある、どれほどの賢い者でも東大生に阿呆と言わないように、立教大と叫べば自分を無視することはできない
と、この男は思っている。
406名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/27(木) 18:19:34.48
筆者は誠が工業高校中退と判明した時、その頭の構造がわかった。
要するに「学力の壁」と言うものがわかっていない。
学問ができる者と普通の者に壁があるように、誠の頭脳ひとつでは普通高校の舞台にも壁がある。
407名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/27(木) 18:20:46.49
大自演。
筆者は誠のそういう行動を見るだけでも息が詰まった。
この男は自演をしたときには自分の書き込みに同意をしている。
このあたりの軽率さは誠の生得のものであろう。
もっとも軽率妄想する性格だったから、己の書き込みに返事がないのが恥と考える。
408名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/27(木) 18:21:59.06
誠の自演は、どうやら依存心と関係がありそうである。
いやいや、そう考えればそう思える。
自演魔の誠は、自演騙りをするだけではなく、煽って周囲を巻き込み、相手を「フルボッコ」にしたいと思ってるのではあるまいか。
409名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/27(木) 19:00:57.79
そんなことよりも誠がいじめで工業高校を中退したのであり、そのトラウマから逃れるためには何をしてもいい。
自分に同意してほしい。
依存心と言うかそのために、いわば2ちゃんねるの主になって自演している、と、筆者は思うのである。
410名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/30(日) 18:34:32.97
誠は真昼間真夜中に書き込んでいる以上、ニートと思わざる得ず、そのためには己の素性を覚悟せざる得ない。
当の誠は、「超」がつくほどの超ヲタクなだけに、誰かの書き込みをよく探り、誰かに「働け」と言った。
411名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/30(日) 18:35:14.97
誠としてはこの「ニート」との言葉が最も厄介だった。
この段階になっては、誠の行動は当然見苦しい。
412名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/30(日) 18:37:11.61
2ちゃんねらーすべてがそうであったわけではないが、諸方に荒らしが現れた。
2ちゃんねるはそこの住民を踏み台にして、誹謗中傷が容易に言える条件を持っている。
このため、誠はここを住居とした。
413名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/30(日) 18:37:57.01
誠はボクシング2ch掲示板に亀田の話題を用い、根拠不明の理論を持ち誹謗中傷した。
亀田が世界を獲った当初、バッシングもあったが、今は鎮まっている。
しかし、誠は格別な理由をもっていたわけでもなく、ただ亀田が気に入らないため、たえず誹謗中傷を繰り返した。
414名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/30(日) 18:38:46.38
このため亀田バッシングが衰えたとなると、誠はそれを懐しんだ。
この男は3階級制覇を成し遂げた亀田を幾度も誹謗中傷した。
自演煽りもあり、この荒れようでは規制されざる得ない。
しかし誠は、規制されたことをさすがにためらった。
415名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/30(日) 18:50:15.21
誠が規制されたことは、一度や二度ではない。
この男を規制したところで、ホストを変えるだけである。
誠は管理人に猛抗議した。規制を解除し、それらのホストで書き込めるように命令した。
416名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/30(日) 18:51:18.97
にわかに自演をして
「規制をすると周辺のホストも書き込めなくなるのです」
と誠は言った。
やがて管理人が出て来てホスト一致を伝え、そのことを言うや否や
「ホストが一致したからと言って同一人物ではないのが常識です」
と、誠は言った。
417名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/30(日) 18:52:06.16
「はっはっは」
筆者は煙草を吹かしながら笑う。
誠とは例のわけのわからぬ講釈をながながと述べる男である。
工業高校中退の男が示威運動のつもりでいるのがおかしく、長く人を見てきて、これほど頭の悪い男を見た事がない。
418名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/09/30(日) 18:53:05.38
亀田バッシングは、今の時期になってはあまりない。
その後の亀田は、誰もが大人になった節義に感動せざる得ない。
筆者は軽く頷いた。
しかし誠には粘着感情があった。
亀田がこれほどの節義を貫いたのに、先入観で自暴中傷することだった。
419名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/01(月) 15:11:18.14
誠は尋ねた。
「それで、答えはどうだったんだ?」

ジョーンズはコーヒーカップに目を落としたまま答えた。
「気持ちが一度も切れることなく3ラウンドを戦えたよ。ダウンも食らったが、
あの時だって「ダリルを倒してやる!」って思ってたんだぜ。
最後はボコられたけど、一発お返ししてやるってそればかり考えてた。

まぁ結局はまともなパンチを当てることはできなかったけどな。
それでも俺は生まれ変わったんだ。昔の俺じゃない。
もう一度、今度は自分の納得の行くまでボクシングをしてみたいって
思えた。まぁお前のおかげだ。ありがとうよ、マコト。
そしてこれからも頼んだ。」

ジョーンズが誠にお礼を言うなんて思ってもみなかったので
誠は思わず照れた。
「いやぁ、こちらこそ。でも元はと言えば、お前の方から声を
掛けてくれなかったらミットだって受けなかったんだぞ。」
「ジェームスが薦めてくれたんだよ。「暇そうなトレーナーがいるから
声を掛けてみてはどうだ?」ってな。」

誠は飲みかけのコーヒーを思わず噴出しそうになった。
「マスターにはまいったよ!」
420名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/01(月) 16:41:55.67
ジョニー・ジョーンズはその後、さらに半年の期間を掛けて
じっくりと練習に取り組み、プロでの再スタートを切った。
結果は6R判定勝ち。デビュー直後の強打を武器としたパワー
ボクシングからスタイルを変更し、丁寧なアウトボクサーへと
変貌を遂げた。そしてジョーンズはその後も連勝を重ねていった。

話を戻そう。
WBAライト級王者のロベルト・シュライバーを中心として
ライト級戦線が慌しくなってきた。王座統一の動きが急速に高まり、
まず年明け3月にWBCとWBOの王座統一戦が行なわれた。
強打者同士の一戦は、ガーナ出身のWBOチャンピオン、アブネル・ヌドゥが
5ラウンドKOにて王座統一に成功した。

その間、シュライバーは3度の防衛に成功し、10月にIBFライト級チャンピオンの
リック・"アタック”・パディーリャとの統一戦がセットされた。
421名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/01(月) 17:27:55.90
24戦全勝22KOのシュライバーと40戦37勝22KO3敗の
リック・"アタック”・パディーリャとのWBA/IBFライト級統一戦は
10/24、ちょうどシュライバーの23回目の誕生日の日に行なわれた。

スピード充分で、細身の体から放たれる強打を武器に勝ち上がる
シュライバーに対して、パディーリャが見劣りするのは仕方がない。
パディーリャの武器はしつこい連打だ。ある程度の被弾もいとわず、
豊富なスタミナをベースに相手が嫌になるほどの手数を出して
自分のペースに強引に持っていく。KO勝ちの試合は相手を徐々に
弱らせてから後半で決まったものが多い。

IBFのタイトルは7度防衛しているが、大方の予想は
シュライバーの圧倒的有利であった。
422名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/01(月) 17:50:38.36
場所はラスベガスMGM。観客はほぼ満員で、試合開始のゴングが鳴らされた。
1ラウンドからパディーリャはいつものようにエンジン全開でパンチを出し続けた。
シュライバーは足を使い、隙を見てパンチを入れた。

だが、パディーリャは常に上体を振って的を絞らせず、パンチを被弾しても
芯を外して決定打を避けた。パディーリャのプレスは強く、しばしば
ショートでの打ち合いになった。
パディーリャはとりあえず手数を優先し、手打ちでもなりふり構わず
パンチを出してきた。こういう打ち方では効きはしないが、パンチの
見切りがしにくいので、とにかく邪魔だ。
パディーリャは回転を利かせてウエイトを乗せたパンチが打てないわけでは
ない。ただ、そういったパンチは機を見て打つだけで、あえて手数優先の
スタイルにしている。

そのわけは、自分のボクシングを熟知していることが挙げられる。
他の一流王者と比較して、パディーリャはテクニックでは劣るが
それを相殺してしまう程の手数が出せる。つまり、スタミナとタフネスが
他のボクサーに勝るパディーリャの武器である。
423名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/02(火) 18:32:29.66
”アタック”とはパディーリャのボクシングスタイルをよく表しているニックネームだ。
無尽蔵のスタミナをベースに、尽きることの無い波状攻撃で対戦相手を下してきた。
3敗を喫しているが、これは6回戦以下の時のことである。
テクニックで劣るパディーリャがポイントを挽回するには、6ラウンドでは短すぎたのだ。

8回戦に上がってからは負けを知らない。
いかに技術的な差があって序盤にポイントを取られようとも、
必ず後半に逆転できるラウンド数となったのだ。今回の試合でも、パディーリャは
シュライバーの技術の高さを評価していた。前回のバークレーとの試合も見た。

そこで出た結論は、自分のボクシングであればシュライバーを攻略できる、
という確信だった。
424名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/03(水) 18:12:04.82
シュライバーはパディーリャの動きを追った。
カラダの動きそのものもランダムだが、パンチの出所が特に変則的だ。
通常では打てないような位置でもパンチが飛んでくる。その多くが
効くようなパンチでは無いのだが、それでもパンチを当てられることは
カットやポイントを失うというような心配も出てくる。

1ラウンドも残り1分を過ぎた頃、シュライバーはロープを背負って
ショートで応戦した。相変わらず回転は早いが、軽いパンチをちょこまかと
打ってくる。シュライバーは業を煮やしてショートの左フックを狙った。

その時、パディーリャの右フックがシュライバーの顔面を
軽く捕えた。まるで叩くようなパンチではあるが、目に入り、
一瞬それに気を取られた。その瞬間、フックとアッパーの中間のような
左がシュライバーの顎に当たった。
425名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/03(水) 18:18:39.40
このパンチは強烈だった。ゴンッと頭に響くような振動が、顎の下から
突き上げた。これはパディーリャとしても狙って打ったパンチである。

それを打たれてシュライバーは、もろくもロープ際で腰から崩れ落ちた。
意表を突かれて一瞬気を抜いていたのは確かだが、パディーリャが
これほど強烈なパンチを打てるとは予想外だった。戦績以上のパワーだ。

フラッシュダウンだったので、カウント3で立ち上がったシュライバーは
ニュートラルコーナーまで歩いて、足にダメージが無いのを確認した。
カウント8で試合が再開されるとすぐに、1ラウンド終了のゴングが鳴らされた。
このラウンドは10-8でパディーリャのラウンドだ。
426名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/04(木) 16:15:32.95
コーナーに帰ると、誠が心配そうに言った。
「シュライバー、ダメージはどうだ?」
「それは大丈夫。ダメージは全く無い。」

それまで無言だったジェームスがそこで言葉を発した。
「シュライバー、奴の土俵で戦うな。あのボクシングに付き合えば
根性比べになる。そして奴のスタミナとタフネスはお前以上だ。
そんなものに付き合って勝てるわけがない。

戦い方としては2通りある。1つ目はロングで距離を取ることで奴の
変則的な動きを殺してしまうこと。近いから反射的にあの動きに対応して
しまい、予想しないパンチを打たれる。ダウンしたのがいい例だ。
2つ目はインファイトだ。」

「え?」
そばで聞いていた誠は思わず聞き返した。
「ショートだとパディーリャの思うツボじゃないですか?」
427名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/04(木) 18:31:20.75
ジェームスはキャラメルボーイズのようにはにかんで答えた。
「確かに先ほどはパンチをもらった。インファイトではああいった予想しない
パンチを打たれる可能性は残るだろう。だが逆に、こちらのパンチも当たる。

シュライバー、俺が勧めるのはインファイトだ。ロングでの戦い方を選んだ場合、
12ラウンドを通して奴のプレスを捌くのはどんなボクサーでも困難だ。だから
基本的には動いて距離を取るにしても、奴との距離が縮まったら躊躇無く
インファイトに切り替えろ。

奴のタフネスは相当なものだが、同じ人間だ。お前のパンチをまともにもらって
耐えられるとは思わない。いいか、奴のパンチに合わせて打ち急がず、
きっちりウエイトを乗せてパンチを振り切れ。」

シュライバーは「そう言うと思ったよ」と言わんばかりの表情で
マウスピースを口にはめた。
428名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/05(金) 17:52:38.60
2ラウンドが始まり、シュライバーはフットワークを使いながら
リングをサークルした。パディーリャはシュライバーを追いかけた。
やはりパディーリャのプレッシャーはきつい。シュライバーはジャブを突くが
それだけではパディーリャの突進を止めることができず、距離が縮まった。

すかさずシュライバーはショートの体勢を作り、打ち合いを挑んだ。
パディーリャがパンチを出す。シュライバーはブロックとダッキングを混ぜ、
丁寧な位置取りで防御した。そしてショートの左フックをパディーリャの
ガードの上に打ち込んだ。

一発のパワーではシュライバーが数段上だ。しかしパディーリャとしても
想定内のことで、きっちり顔面をガードして、直撃を避けようとしていた。
多彩なコンビネーションでシュライバーは打ち込んだが、その大半は
パディーリャのガードの上を叩くだけだった。
そして2ラウンド目が終了した。手数のパディーリャか、パワーパンチの
攻勢でシュライバーか、採点が割れたラウンドとなった。
429名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/06(土) 10:02:05.72
3ラウンド目に入り、パンチの交換がさらに多くなってきた。
シュライバーは基本的にフットワークで距離を取り、捌ききれなくなると
インファイトに切り替えた。
だが、パディーリャにとってそれは試合前に描いていた試合展開で、
技術で勝るシュライバーを攻略するには、こういった打ち合い以外なかった。
それが向こうから挑んでくるとは。

「俺と殴り合いをするっていうのか?いい度胸だ。その自信もろとも
崩してやるよ。」パディーリャはそう思っていた。

調子に乗ったパディーリャはさらにパンチの回転数を上げてきた。
自分の最も得意とする展開を向こうが仕掛けてきたのだ。パディーリャは
左右のコンビネーションを打ち込んだ。

その時、シュライバーのショートの左フックがパディーリャの右ガードを
割って突き刺さってきた。
430名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/06(土) 14:12:32.32
ガードに当たった分、威力は殺されてはいたが、それでもパディーリャに
警戒を抱かせるには充分だった。タフなパディーリャも一瞬動きが止まった。
さらに追い討ちを掛けるように右アッパーがガードの間に打ち込まれ、
パディーリャにヒットした。

パディーリャはすぐに打ち返したが、シュライバーのパンチも飛んできた。
今度は左フックだ。
「早い!」
パディーリャは咄嗟にブロックで凌いだが、ブロックの上から叩かれた衝撃は
相当なものだった。

「大したパンチだよ」そうパディーリャが思ったのもつかの間、シュライバーは
さらに左フックを追加して、パディーリャの右ガードを割った。
タフなパディーリャはすぐに3つのコンビネーションをお返しした。そして
最後の左フックは軽くシュライバーの顔面を捕らえたが、シュライバーは
目線を外さず、すでに左フックのモーションに入っていた。

ドンッ!と音が聞こえてきそうな程の強いパンチがパディーリャの
顎を捕らえた。バークレーにとどめを刺したあの左フックだ。
だがパディーリャが何事も無かったかのようにすぐにパンチを打ち返して
きたところで3ラウンド終了のゴングが鳴らされた。
431名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/06(土) 18:17:44.12
誠は気が小さい。
デカイことを言ったわりに筆者にあっさり敗れるし、それに「超」がつくほどの匿名である。
この男は何をしゃべっているのか、自分でもわからない。
ともかくも、精神分裂病のようであった。
432名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/06(土) 18:18:50.81
ある時、誠を批判している者が居た。
誠が類稀な荒らしとはいえ、妙な気がした。
2ちゃんねるでは書き込みにおいて、多数は自演者である。
彼らはそれが生活の一部になっているが、誠の場合、自演そのものが生活になっているとしか思えない。
と言う事で、誠は自分で自分を否定している。
433名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/06(土) 18:19:50.23
2ちゃんねるでは、自演が認められているように、誠は「一僕も身」から2ちゃんねらーの王様になった。
この男の自演を数えればキリがない。
独りで喧嘩をしていて、誠の中では自分で自分を否定するのが流行りであろうか。
434名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/06(土) 18:20:49.57
あるいは、相手を錯乱させようとしているのかもしれない。
それに戦闘心理と言うものがある。
誠が自分で自分を否定したものの、同じ文脈でアンカーまで付けていることが多い。
そんなことをするはずがないと言うことであり、誤爆を偽装し、相手を批判しているように思わせているのかもしれない。
435名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/06(土) 18:43:26.54
2ちゃんねるの主役として、MOST2ちゃんねらーとなった誠は有名人である。
その多くは自演騙り煽りであり、経歴も古く、ネット慣れしたオッサンである。
筆者にバカ行為を暴露された時、誠はあせった。
436名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/06(土) 18:44:30.57
筆者は誠の書き込みを大雑把ではあるが読む。
あちこち読むうちに、やがて、この男の代名詞は自演だけではないと見た。
人の騙りである。
誰かと思えば、誠が騙りをしていることに気付き、それを指摘すると動揺し、その表情にも陰りがある。
437名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/06(土) 18:45:12.59
(否定すれば良いだけの話ではないか)
誠はそう思案し、我ながら自分は知恵者ではないかと誇りたい気持ちになった。
人の騙りの否定をしても、本人が出てこない以上証拠などないのである。
438名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/06(土) 18:45:47.42
やっすんの騙りの時もそうだが、騙りを指摘されると妙に怒りっぽくなり、口をとがらせた。
たとえ騙りの証拠が出て来ても、騙りを辞めず続けて、やがてそこは過疎化した。
439名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/06(土) 18:46:29.56
筆者にとって誠はもともと暇潰しのおもちゃであったが、なんだか天井裏のねずみのように落ち着きの無い男にも思えた。
人並みにネットをすればいいのに、いつもこそこそとたくらみ、隠者のような心に囚われている。
440名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/06(土) 19:03:10.31
小悪党だな。
筆者は呟き、誠を見て、悪党でもない、2ちゃんねらーとして勢い盛んであったために、2ちゃんねるに安堵しているだけなのである。
世間に見捨てられた以上、思うままにしていい、騙りの何が悪い、と誠は思った。
441名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/06(土) 19:04:07.86
――悪党にも多少筋目があるものだが
本来ならホストが一致した以上、2ちゃんねるの習いによって晒すものだが、筆者はそこまではしない。
が、誠は鼻水を垂らして、騙りや自演ではないと訴えた。
誠のなりふり構わず行為に、この男が筋目の無い小悪党だと認識してしまう。
442名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/06(土) 19:09:16.96
>>441

あんた1人で他のところにも書き込んでるんだな。
時間帯の連投でわかるよ。
443名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/06(土) 19:42:21.40
同じ事を何度言ってるのであろう。
同じことも、ここまで来ると滑稽である。
444名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/06(土) 19:45:38.41
余談だが、444である。
ちなみに「4」と言うのは筆者のラッキーナンバーでもあった。
と、同時に、誠の自演と騙りに祝す記念であろう。
445名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/08(月) 17:28:06.21
セコンドがパディーリャに聞いた。
「ダメージの方はどうなんだ?」

パディーリャはケロッとした表情で答えた。
「思っていた通りの強打だ。だが俺には効かない。想定できるものは
全て耐えられる。やつは調子に乗って次のラウンドも出てくるだろうから、
逆にそれをひっくり返してやるよ。」
「パディーリャ、お前のタフネスにはいつも驚かされるよ。
よし、今の戦い方はお前のボクシングを最大限に活かせる!
あの若造をお前の連打で圧倒してこい!」

そして、4ラウンド開始のゴングが鳴らされた。
そのラウンドはまるで、五月雨式のマシンガンのような打ち合いとなった。

シュライバーが足を止めて打ち合いを挑んだ。それはパディーリャにとって
願ったりの展開だった。パディーリャは連打の回転を上げて打ち込んだ。
シュライバーは丁寧にポジショニングを取り、ガードの空いた所にパンチを
打ち込んだ。シュライバーの回転も速い。
446名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/08(月) 17:45:47.36
シュライバーの左フックがまたしてもパディーリャを捕えた。
すかさずパディーリャは3発のパンチを返す。それを丁寧に外して
シュライバーは右アッパーを返した。パディーリャは上体を
動かしながら、シュライバーの早いパンチが直撃するのを防いでいた。
「もっと打って来い!この程度のパンチじゃ俺はまだまだ効かないぞ。
そして打ち疲れた時が、お前の終わる時だ。」

リング下で見ていたジェームスはパディーリャのタフネスに
内心驚いていた。3ラウンドから少なくとも3発は、シュライバーの
KOパンチを食らったはずなのに、パディーリャは全く効いた素振りはない。

シュライバーはしかし冷静に、ガードのスキマを狙っていた。
頭の位置を左右に変え、パディーリャに的を絞らせない。
さすがにパディーリャもイラついた。そしてパンチが雑になった。
447名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/08(月) 17:52:58.01
それを見逃さないシュライバーは、すかさず左フックを顎に叩き込んだ。
それはまともに入り、パディーリャの頭は弾かれたように横を向いた。
「まだ効いてねぇ!」と思ったパディーリャに、次に打たれたダブルの
左フックが飛んできてまともに入った。強烈なパンチだ。

「まだ効いて・・・」
バスッ!という音と共に、追い討ちを掛ける右アッパーで顎を跳ね上げられた
パディーリャはゆるゆるとロープ際まで後退した。距離が空いた。
そこでシュライバーは必殺の右ストレートを打ち込んだ。

右ストレートが直撃し、ガクンと頭を揺らされたパディーリャはそれでも
倒れることを拒否し、力なくロープにもたれかかった。シュライバーが
さらに追撃の左フックを打とうとした時、無慈悲な一撃はレフェリーによって
ストップさせたれた。

4ラウンド2分41秒TKO勝ち。この勝ちよりシュライバーは、WBAとIBFの
ライト級王座統一に成功した。
448名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/08(月) 18:09:02.94
ダリル・ウェイバーグの8度目の防衛戦は、シュライバーの王座統一戦の
1ヵ月後に行なわれた。この試合をTKO勝利で飾ってタイトル防衛に成功して、
ダリルの戦績は40戦無敗(34KO)とパーフェクトレコードを更新していった。

5年のブランクから復帰したジョニー・"サムライ・スピリット”・ジョーンズは
復帰後7連勝を記録し、通算成績を13勝(9KO)1敗とした。

そしてWBA/IBF統一ライト級王者のロベルト・シュライバーと、
WBC/WBO統一ライト級王者のアブネル・ヌドゥとの4団体統一戦の
激突はもう間近に迫っていた。

もしこの王座が統一されれば、2008年のネート・キャンベル以来、
14年振りのライト級統一王者となる。主要3団体統一でいえば
1990年のパーネル・ウィテカー以来、そしてライト級での4団体
統一といえばボクシング史上初の快挙となる。
449名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/09(火) 11:59:00.73
WBC/WBO統一ライト級王者のアブネル・ヌドゥは" Manos De Pedria,
Hands of Stone”という、かのロベルト・デュランのニックネームを継承する
ガーナ出身、27歳のチャンピオンである。

戦績は38戦全勝(36KO)。WBOのタイトルを8度防衛した後にIBF王者の
ホセ・ルイス・マレス_(メキシコ)を5RTKOに破って両団体を吸収した。
戦前の予想では、1発の破壊力ではヌドゥと引けを取らないタフなマレスが
勝つという者もいたが、結果はヌドゥの圧勝だった。

まるで野生動物のような俊敏な動きで、実に基本に忠実なボクシングをする。
両ガードを高く構え、重たいジャブを軸としたストレートパンチャーである。
ただしその左ジャブで、これまでのチャレンジャーをことごとく粉砕してきた。
仮にそのジャブをかわしたとしても、その次に飛んでくる右ストレートは
強烈で、1発で相手を沈める威力を秘める。

だからといって直線的な強打にばかり気を取られると、強烈な
左フックも待ち構えている。左フックでのKOが少ないのは、そこまで
打ち込む前に相手がマットに沈んでしまうからだった。

前戦で1発パンチの無いパディーリャからダウンを喫したシュライバーにとって、
ヌドゥの強打は予想を不利にする大きな要因の1つであった。
450名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/09(火) 17:53:47.97
史上初のライト級4団体統一戦が5/8、ラスベガスのマンダレイベイに
セットされた。両者無敗の強打者同士の激突は、ボクシンク界の
注目を集めた。

そのほとんどは、38勝の内、36人をKO又はTKOで静めてきた
ガーナ出身の27歳のボクサーが勝つだろうという予想だったが、
25戦全勝23KOの23歳のパンチが当たれば、ひょっとしてという
見方も少なからずあった。
そんな外野の声をよそに、シュライバーはビッグベアでキャンプを張った。
前座のカードに出場するジョーンズも同行した。

ビッグベアは標高2,000メートルに位置する高地だった。
ジョーンズはその空気の薄さに辟易するのだが、シュライバーが、時には
平気で12ラウンズのスパーリングをするのを見て、驚愕した。
451名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/09(火) 18:10:17.01
前座カードで、ジョーンズは3RTKO勝ちを飾り、これで戦績を
16勝(11KO)1敗とした。もうすぐ27歳になろうとするジョーンズにとって
取りこぼしが許されない試合が続くことになるが、ジョーンズ自身は
世界チャンピオンはおろか、地域タイトルでさえ興味がなかった。
ジョーンズにとってそれはおまけみたいなもので、毎試合、自分の
納得いくボクシングをするだけだったのだ。

そしていよいよシュライバーvsヌドゥの試合が始まった。
直前のオッズは4.5-1.2というもので、大きくヌドゥ有利という見方だった。

リング中央で両者が対峙すると、両者の体格はほとんど同じだった。
褐色の肌に全身を分厚い筋肉をまとったヌドゥは、いかにもパワーがありそうな
肉体をしていた。一方のシュライバーはヌドゥの肉体と比較したらパワー
レスの印象は否めなかったが、それでも背中の筋肉はライトによってその陰影が
浮き彫りにされ、まるで純度の高いハガネを彷彿とさせた。

そして試合開始のゴングが鳴らされた。
452名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/10(水) 09:58:09.71
1ラウンドからヌドゥは足をあまり動かさず、どっしりと構えて
左ジャブを軸としたロングのストレートで仕掛けてきた。
それに対してシュライバーは軽くステップを取り、危険な距離を
わずかに外した所でパンチを打ち込むタイミングを計っていた。

時折、両者は互いの射程範囲に入った相手を捕えようと、パンチを
繰り出すが、それらは鋭く空を切った。
「先に当てられた方がダウンする」そんな両者のスピードあるパンチは
一瞬も目の離せない攻防だった。

だが1ラウンド終了間際、シュライバーはヌドゥとの距離を縮め、
一瞬足を止めた。それを逃がさずヌドゥは右ストレートを打ち込んだ。
シュライバーは左腕を側頭部に当て、そのパンチをガッチリとガードで
防いだところで、ゴングが鳴った。
453名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/10(水) 10:14:46.98
誠はコーナーに戻ってきたシュライバーに、慌てて言った。
「シュライバー、足を止めちゃだめだ!危険すぎる!」
シュライバーは冷静に答えた。
「マコト、心配するな。最後のあれは奴のパンチを確かめたかったのさ。
右ストレートのタイミングと軌道をだ。わざとガードの上を打たせたんだよ。」

誠がホッとすると、ジェームスが口を開いた。
「あの右はやっかいだな。思った以上の反応の速さだ。パワーの方は
聞くまでもなかろう?」
「マスター、奴のパンチはガードの上からでも打たせるべき種類の
ものではない。」
「だろうな。いいか、左回りのフットワークを止めるな。止まった瞬間
右が飛んでくるぞ。奴のジャブが追いかけてくるだろうが、距離で外せ。」
454名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/10(水) 15:45:58.39
「練習の時にも話した通り、奴の唯一の弱点は
「右の合わせ」が不十分な所だ。さっきブロックしたような
中途半端な位置にいたらノックアウト・パンチが飛んでくるが、
あれより近い距離だとお前の早いスピードにナックルを合わせきれない。

だがもちろん、それは右ストレートに限ってのことだ。
近い距離では右アッパーや左フックも飛んでくる。気を抜くな、
奴はライト級史上でも屈指のハードパンチャーだよ。
さぁ、集中して行って来い!」

そして2ラウンド開始のゴングと共にシュライバーは
走るようにコーナーから飛び出していった。2ラウンドに入ると、
シュライバーはフットワークを使いながらも、より危険な距離に
踏み込む回数が増えた。その度にヌドゥの早くて重たいパンチが
飛んでくるのだが、シュライバーとしても自分のパンチを入れるには
その距離に入らないといけない。3ラウンドも息を飲む展開だったが、
とうとう4ラウンド目に試合は動いた。
455名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/10(水) 17:39:51.22
シュライバーは足を使いながら、できるだけ小さな動きで
距離を外していた。とにかくこの微妙な距離は神経をすり減らす。
その緊張感はシュライバーの旺盛なスタミナを消費していった。

できれば、接近戦も織り交ぜたかったが、ヌドゥの長い左は
強烈で、中に入るのさえ困難だった。
たとえそのジャブをかいくぐった所で、すぐに右の強打が飛んでくる。
さらに中に入れば右アッパーや左フックがショートで打ち込まれ、
ほとんど動きを止めることができなくなっていた。

しかしシュライバーは動きながら辛抱強くポジションを変化させた。
ジェームスの言うとおり、時折ヌドゥはシュライバーの早い動きに
ほんのわずかに反応が遅れ、右を雑に打つ時がある。
シュライバーはその瞬間を狙っていた。

シュライバーがヌドゥのジャブを上体を左前に振ってかわす。
同時に左足を左前にステップさせ、距離を縮め、左フックを打つ
体勢を作った。その瞬間、ヌドゥは右ストレートを打った。
456名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/10(水) 17:53:28.60
この時のシュライバーの頭の位置は、ヌドゥの右肩より外側に
出ていた。この位置では右ストレートを強くぶつけることはできない。
案の定、ヌドゥはやや窮屈そうに右ストレートを放ったが、すでに
シュライバーは左フックを打ち出しており、ヌドゥの右が届く前に
左フックを先にヒットさせた。

カウンターになったシュライバーの左フックを浴びて、
ヌドゥは弾け飛ぶように腰からキャンバスに落ちた。
観客は一瞬のできごとで何が起こったのかわからない者もいる。
もの凄い歓声が場内に響き渡った。

ヌドゥはカウント5で立ち上がった。表情は全く変わっていない。
その辺りを散歩していたように、食後のコーヒーを飲んでいるかのように、
ダウンを喫したばかりのボクサーとは思えない程、表情は冷静だった。
457名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/10(水) 18:23:04.91
名目は誠が、昔から同じ事を何度も質問する癖があった。
無論、2、3度は理由を説明する。
この事を筆者から見れば、工業高校中退者として、誠の国語力も地に堕ちたと思った。
458名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/10(水) 18:24:12.28
バカの一つ覚えの結末である。
この騒ぎがネット史にとってどういう位置を占めるかは難しい問題だが、何にしても誠の同じ事を何度も質問する行為は、その学歴による「工業高校中退者のひとつ覚え」と言っても過言ではないであろう。
459名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/10(水) 18:26:02.00
あるいは、返答に納得出来ない、と言うのが誠の鬱憤かもしれない。
同じ事を何度も質問する行為は、彼の日本人離れした国語力の無さで、言いたい事を上手く表現できないのかもしれない。
460名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/10(水) 18:27:13.40
誠は2ちゃんねらーとしては、ネット史上最悪のヲタクであることは紛れもない。
彼は、無知に近いが、いわば自称知識人で、一度吐いた意見を否定出来ない。
ゆえに同じことを何度も質問するのかもしれない。
461名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/10(水) 18:28:21.88
8年ほど前の三浦和義掲示板で、自演騙りを仕遂げた誠は、ruh-を中心とした者達に
「誠を追放せよ」
と、フルボッコにされたが、閉鎖される前、内西さんにすら自演について
「私も掲示板を持っているのですが、A&aで誰と誰が同一人物かわかるのですよ」
と言われている。
462名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/10(水) 18:29:14.30
説くところまず相手の側になって考えてみろ
、と言うところがある。
人は自分の身を捨てて人を助けるようなドンキーホーテではない。
誠は自分の安全を保証するかのように自演をする。
誠にそんな人望があるか。
463名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/10(水) 18:31:01.88
そういう人望があってはじめて人は人に同意をするわけで、誠がそれを欲するのは、ネットの物笑いになる、と言うのが筆者の意見であった。
464名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/10(水) 18:32:30.08
三浦和義掲示板の書き込みが残っている頃、誠の前にか細いながらも見覚えのあるような書き込み――おっちょこちょいの金川のような書き込み――がチラツキはじめた。
465名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/10(水) 18:33:48.82
筆者はそれを敏感に捕え、誠、金川の書き込みを読み返した後、スグ三浦和義掲示板を訪ねたのである。
金川は自演魔で、匿名性が強く、誠に似ている。
けれん粘着な、人からマナーの悪さを注意されると、やたらムキになる男だった。
466名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/10(水) 18:34:47.37
三浦和義掲示板での金川らしき男は、ほとんど誠と言うべきであった。
筆者からすればこの時はじめて 金川=誠 と、疑惑を感じた。
(その後のホスト一致は触れたので詳細は述べない)
467名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/11(木) 12:05:49.43
シュライバーはその様子をじっくり見た。タイミングはバッチリだ。
おそらくダメージは残っているはず。このラウンドで仕留め切れなくても
ほんの少しだけでもダメージを追加させておきたい。試合が再開され、
シュライバーは慎重に、しかし獰猛にヌドゥに襲い掛かった。

ヌドゥが左ジャブを出す。スピードは落ちていない。それを確認して、
シュライバーも左ジャブを返した。これは軽くヌドゥにヒットして、
ヌドゥは後ろへバランスを崩した。効いているのだ。

シュライバーはロープ際までヌドゥを追って、パンチを振り回さないよう、
コンパクトに打つことを心掛けて距離を詰めた。
またしてもヌドゥは左ジャブを出す。そしてシュライバーは反射的に
上体を左に倒してジャブをかわし、そのリターンで左フックを打った。
先ほど、ダウンを取った時と同じ動きだ。

ただ違ったのは、ヌドゥは右ではなく、すぐに左フックのショートを
出した。これを狙っていたのだ。距離は短く、左ジャブを戻して
すぐに出した左フックだったのでさほど威力は無かった。
だが、「カツンッ!」という硬質の音が聞こえそうな程、その左は
シャープで重く、シュライバーの顎を捕らえた。
468名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/11(木) 13:53:27.38
足の力が抜けたシュライバーは、そのまま垂直に落ちるように
尻餅を付いて倒れた。すぐに片膝を立て、そのまま立ち上がった。
軽くジャンプする。ややダメージを感じるが、取り立てて問題する程でもない。
問題は、この後のヌドゥの攻撃だ。今のままだと思うような距離は取れないし、
ブロックだけだと危険だ。クリンチで逃げるか、それとも・・・

そう思った所でゴングが鳴らされた。
会場はそのエキサイティングなラウンドに賞賛し、拍手が鳴り響いた。

コーナーに戻ると、ジェームスは何事もなかったように、
いつものように冷静に話した。
「まんまと引っ掛かったな。ヌドゥは1度見たお前の動きを読んで
同じパンチを打たせた。俺たちが戦っているのは相当なバケモノだぞ。
ダメージの方はどうだ?」
シュライバーはうがいをして言った。
「ダメージは抜けました。」

「よし、奴がダウンをした時、ケロッとした表情をしていたが、かなり
効いていたはずだ。その状態でお前からダウンを取るんだから
大したものだ。だが、お前のパンチも奴にとっては脅威だ。
当たらなくとも、左フックを打って、奴の右を出にくくしろ。」
469名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/11(木) 14:35:41.94
5ラウンドから8ラウンドまで、同じような展開が続いた。
左ジャブであくまでもストレート主体の攻撃をするヌドゥに対し、
左フックを軸に打ち込むシュライバーだったが、4ラウンドまでと
違うところは、両者共にクリーンヒットは無いものの、ガードの上や
浅いヒットが増えだしたことだ。

両者のパンチは1ラウンドから衰えることなく、危険なシーンが
増えてきた。となると、KOの高まりは俄然高まり、会場は徐々に
興奮度を高めていった。
470名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/11(木) 15:02:36.94
9ラウンド開始前、セコンドはシュライバーの左フックによって赤くなって
きたヌドゥの右目上にエンスウェルを当てながら言った。
「アブネル、残り4ラウンズだ。」

それを聞いたアブネル・ヌドゥは答えた。
「おそらくポイントは微妙なところだろう。だが、俺にはこの左ジャブがある。
この先、奴のスピードが上がることは無い。左ジャブを1発当てて、
そこに左フックか右ストレートかを追撃させてダメージを負わせる。」
「奴のスピードを捕えられるか?」
「問題ない。奴は1ラウンドからトップスピードで動いている。俺は
あえてスピードを落としセーブしてきた。しかし奴を捕まえるには
それなりの代償を払わなければなるまい。スタミナは消耗するが、
次のラウンドからスピードを上げる。」

一方のシュライバーコーナーのリング下では、ジョニー・ジョーンズが
シュライバーの様子を見ていた。
標高2,000メートルのビッグベアでのキャンプでも、通常の練習と
同じように動いていたシュライバーのスタミナも、確実に削り取られて
いるようだ。
471名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/11(木) 15:20:32.48
誠が大きな声でシュライバーに言う。
「残り4ラウンドだ!今のペースで動いて、後は手数を出せば
ポイントを取れる。ただし動きを止めちゃだめだぞ!」
それを聞いてジェームスは誠に言った。
「確かにマコトの意見も一理ある。だがシュライバーに残された力は
お前が思うほど残されていない。」
そう言ってシュライバーを見た。シュライバーはゆっくりと答えた。

「情け無いが、確かにマスターの言う通りだ。1ラウンドからスタミナ
配分など考えていない。そんなことしてたら奴のパンチを受けてしまう。
1ラウンドにブロックして気付かされたよ。あんなパンチを受けたら
1発で終わってしまうってね。
そしてただの杞憂であって欲しいが、奴はまだスタミナを温存している。」

「そんな、バカな!」誠が思わず叫ぶと、ジェームスは諭すように話した。
472名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/11(木) 16:12:16.96
「結局は、8ラウンドまで奴のペースで戦ってきたってことだ。
お前の強靭なスタミナがあったからこそここまで互角に戦ってきたが、
並みの選手であればもっと早い回に捕まっている。

ポイントではどちらが優勢か俺にもわからん。それは向こうも同じだろう。
だとすれば、残り4ラウンズに勝負を掛けてくるはずだ。
シュライバー、奴のジャブは外せ。おそらく左ジャブの後のパンチを
狙いに来るだろう。あのジャブをまともにもらっては全てを崩される。
足が止まっても、あのジャブだけは絶対にもらうな。」

「オーケー。あのジャブだけでもストレート並みの威力がある。
その後のパンチなんかもらったらたまったもんじゃない。」
シュライバーは答えた。
473名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/12(金) 16:32:08.54
9ラウンドになると、それまで足を止めていたヌドゥが
フットワークを使い出した。素早く動きながら、左ジャブを突く。
シュライバーが打てば、早いバックステップで逃げ、
ロングの距離から長いストレートを打つ。

シュライバーはダッキングとブロックでかろうじて防いだが、
後半になって1段階スピードが上がったヌドゥの運動量は驚嘆に値する。

シュライバーに追い足は残されていない。長い距離から
パンチを打たれ、必死にパンチを返すが、ヌドゥは距離を外し
シュライバーの射程外に出る。ヌドゥの左ジャブは特に脅威だった。
早い上に重たく、それを避けるシュライバーのスタミナを奪っていった。

ラウンド終了間際にヌドゥの左ジャブが1発、シュライバーを捕えたが、
シュライバーは口を切りながらも追撃を免れるために距離を取った。
しかしヌドゥは早い踏み込みで距離を縮め、さらに左ジャブを出した。
今度はダッキングで避けようとしたが、シュライバーの額を捕えて、
シュライバーの顔面が上を向いた。

そこでヌドゥが右を打ち込もうとしたところでゴングが鳴らされた。
474名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/13(土) 15:20:51.35
シュライバーがうがいをしてバケツに吐き出した水は
真っ赤に染まっていた。誠はそれを見ながら思わず
言葉が口から漏れた。
「なんていうジャブだよ・・・。」

ジェームスはシュライバーの汗を拭いながら言った。
「シュライバー、今の奴とではスピードが違う。奴があそこまで
スタミナを温存していたとは、予想以上だった。
ボクシングというやつは、スピード差が違えば悲しいほどに
差が出るものだ。さっきのラウンドのように。

だがな、スピードがあるボクサーがいつも勝つとは限らない。
ダリルを思い出せ。奴がスピードに恵まれたボクサーか?
他にもスローな選手がスピード豊かな選手に勝つ試合は
ゴキブリほど見てきた。だから教えてやろう。

もう足は使うな。不用意にカラダが浮いたところを打たれては
ダメージがたまるだけだ。足は止めて、ウィービングとダッキングで
パンチをかわすのだ。下手にブロックでよけるなよ。
奴はお前が止まった瞬間を狙って追撃するぞ。」

もう後が無い・・・。誠はそう思った。
475名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/13(土) 16:48:00.83
そして、10,11ラウンドが終了した。8ラウンドまでは一進一退の
攻防が繰り広げられたが、9ラウンド以降の3つのラウンドで、
アブネル・ヌドゥは明らかにポイントを取った。
そして最終12ラウンドに、どちらにとってもピンチとなる最後の山場が訪れた。

12ラウンド開始のゴングが鳴らされた。
相変わらずヌドゥのスピードは落ちていない。一方のシュライバーの足は
もう動いていない。しっかりと踏ん張り、ヌドゥのパンチをかわしながら
パンチを返している。そのパンチには相手を倒すようなキレをまだ
残してはいたが、ヌドゥの早いバックステップで全てかわされていた。

そのような展開を見ながら、誠は神様にでも、おっこと主様にでも、
祈りたい気分だった。
476名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/13(土) 18:06:04.52
ところでこの頃、誠は「自演」と「国語力の無さ」を指摘されるのが我慢できなくなってきた。
筆者がたまたま誠の在住する掲示板に行ったところ、奇妙な書き込みに気付き、誠の自演の点が線になるのである。
当時の誠の自演騙り煽りの段階が、略歴で容易に想像できる。
477名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/13(土) 18:07:29.90
点が線になると言うのは、偶然見つけた奇妙な書き込みが点で、重ねて読むうちにこれが誠の書き込みと気付くことが線である。
――もしかして、あれも誠か?過去スレに行き、調べてみると誠で
「ふっ」
と、筆者は微笑するのである。
478名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/13(土) 18:08:18.17
かつて誠は、煽って筆者を叩こうとした。
奇妙なおばさんと関西弁を使う男が、脇から筆者に難癖を付ける。
出来れば煽って筆者を「フルボッコ」にしてみたい衝動がある。
が、誰も煽りには乗らず、調べてみるとやはり誠であった。
479名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/13(土) 18:09:03.86
筆者の考えでは、誠は実生活でもこのような男ではないか。
ネットだけなら良いが、実生活でも姑息染みているのではないか。
自然、人は離れていくし、またそのことで世間を憎んでいる。
それこそ、無差別殺人を起こしてしまえばそれまでである。
480名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/13(土) 18:17:18.51
この誠の騙りを発見したのは8年ほどである。この男は、暇を潰すには2ちゃんねるで暴れるのが一番と思った。
確かにこの判断は正しかった。
2ちゃんねるでは荒らしが活躍しているが、誠の場合は自演と「騙り」だった。
481名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/13(土) 18:18:12.36
誠は昼夜を問わず、にわかに人を騙り、騙りで自演し、集積された書き込みでスレをことごとくを埋めてしまった。
他の2ちゃんねらーはこれにあきれて、引っ越さざる得なかった。
482名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/13(土) 18:19:14.42
誠の騙りは、思想的の表現と言う強烈な側面があったが、この男がやった行為は単に精神衰弱による物狂いのようなところがあるにすぎない。
自分の不正を少しでも修正したいと言う気持ちで、さらには煽って相手を痛烈に批判したいとも言える。
483名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/13(土) 18:20:05.79
しかし、誠は人間を知らない。
誠には、騙りで大芝居を打つと言う着想があるようだが、こういう行為は返って、あきれて何とも思わないと言うべきものだった。
「頭にきているはずだ」
と言う計算は、この着想がひらめくと同時に、誠の胸中で出来上がったに相違いない。
484名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/13(土) 18:20:47.68
誠はたった一度の真剣勝負で筆者に負けたが、かと言って負けを認めるわけでもなく、○木さんに同意をもとめた。
そういう男が同意をもとめても相手にされるはずなかった。
要するに筆者に敗れたとはいえ、どのようにしてプライドを守るか。
485名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/13(土) 19:00:16.10
○木さんの掲示板に誠の自演が長期に続いている。
○木さんは誠の独り言を見て考えていることはわかった。
(なんと妙なお人よ)
○木さんは思わざる得ない。
誠は自演魔であり、自分の掲示板を荒らしている男ではないか。
486名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/13(土) 19:01:15.79
確かに誠は妙な男であった。
この男は常に物事をネタんで見てしまうため、世間への怨恨と言うものが、心の中で成立しやすいのである。
誠は筆者に敗れたわけであって、○木さんに同情を求めるわけにはいかないのである。
487名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/13(土) 19:01:53.82
○木さんは誠に何度か煮湯を呑まされた。
誠が長期の自演をした時、○木さんはいい加減にして欲しいと頼むと、
――俺は自演などしたことがない男だ。証拠もないのに失礼じゃないか?
と言って聞かなかった。
488名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/13(土) 19:02:32.56
○木さんにソッポを向かれてからも、粘着して、ついには誠の長期続いた自演はすべて消されてしまった。
最後に誠は掲示板を荒らした。
その結果、今は2ちゃんねるの上に立っているお山の大将の姿に成り果てている。
489名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 18:10:47.67
誠は筆者と対決すべき――と言うと大袈裟だが、そのくらいの心中がなくてどうする――筆者に敗れて様々な自演をした。
青臭い。
筆者より一回り以上年上であると言う。
しかし噂によると、どうにもならぬほどの暗愚な男らしい。
490名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 18:15:15.42
(こいつには何を注意したらいいかもわからんやつだな)
筆者は小声で言った。
筆者は驚いた。
自演の証拠を掴まれた誠は、それでも尚、2ちゃんねるで暴れていた。
半ば同情の感情もあり、なかば誠は引っ込みが着かなくなっていると思った。
491名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 18:15:56.37
誠がやっすんの騙りをしていた時期からすでに6年が経っており
「誠はよほどのあほうに渡らせられる」
と言うのが、2ちゃんねるの評判である。
反省せず、騙りを好み、連日2ちゃんねるで堕落している点で、上に立つ者の人柄ではない。
492名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 18:18:31.98
相手を油断させたい。
油断と言うか、騙りで相手を騙したい、騙りを本物と思わせたい。
そのためには矛盾が出て来ても本物だ、と誠は言うのである。
「それだけのことか」筆者は拍子抜けした。
493名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 18:20:29.78
ここからがむしろ重要であった。
誠が誰かの騙りをしている脇に、本物は出て来ない。
自演の行列に、加えて騙りが集積されていく。
誠は、多寡の掲示板を渡り歩き、先方の者達を多く知っている。
494名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 18:22:25.80
誠は彼らの騙りをし、それらの旧知の人々の腹を探り、誰かをフルボッコにしたいと言うのが、この騙りの本筋であった。
要するに、自演などしていないことが表向きであり、白昼堂々自演したいと言うことである。
495名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 18:23:19.83
(誠に騙られた者はなぜ出て来ないんだ)と思い、遂に筆者の騙りも多寡してきた。
その様子を半ばあきれる思いで見ている。
「何を注意したらいいかもわからんやつだ」と筆者は思った。
496名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 18:26:16.49
誠に騙られた者達にはどこかこのような感情があるらしい。
いやいや、筆者だけではなく、大方の者はそうしたものであろう。
あの後、やっすんがなぜ出てこなかったかを理解した気がした。
497名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 18:28:50.54
他の者達は世間知らずの誠をあきれるのを通り越して妥協している。
今、他の者達のそう言った気持ちには、いわば2ちゃんねるは誠を放置して書き込めばいい、と言う感情が動いている。
498名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 18:30:12.04
このあたり、2ちゃんねらーは道理のわかる頭脳を持っていて、常にどこか妥協出来ている。
と言うのは、それが2ちゃんねるの意向であった。
そういう意味での誠の自演騙り煽り行為は、荒らしの中のひとりと言っていい。
499名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 19:35:05.82
いいスレだ
ホモスレのニオイがするぜ
500名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 20:13:41.93
余談ではあるが500である。
さらに余談だが、>>499誠のは自爆であった。
501名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 20:14:12.39
余談だが――もっともすでに余談に入っているが、――誠は自分の自演をどう思っているのか。
その起源はいつ頃かはわからないが、随分と古く、筆者と出会った2004年頃には始めている。
502名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 20:15:44.70
その間、誠は筆者に自演と罵られ、それには根拠があり、自爆があり、証拠があった。
これらのことを誠は「トラウマ」と反論した。
滑稽だが、それなのに誠は根拠もなく人に自演と言っている。
もともと、この男がトラウマを感じていたと言っていい。
503名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 20:16:59.47
それも誠が2ちゃんねるに住み、誰かと喧嘩しているのを見て、大して勢力があるようには見えない。
筆者は相手に加担、いわゆる横槍するが、誠はこれを根拠なく自演と言った。
「それは自演の証拠ではない」
と言ったのはいったい誰であろう。
504名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 20:17:18.10
どっこいどっこいだな。
505名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 20:17:31.38
筆者は誠を超がつくほどの嘘つきと見た。
要するに、嘘つきは嘘の上に嘘を重ねる。
そうなると身動きが取れず、やがて自滅する。
いまひとつ途方もない言い訳――つまり、誠は虚空の一点で自演を続けて、やがて自滅している。
506名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 20:18:52.16
要は形式である。
自演ではない、と言うのが誠の作法である。
そんなバカバカしい戯言の形式など誰が信じるかと思うのだが、誠にとってはひどく大事らしい。
このあたりが、世間から必要とされていない劣等感で、誠にはそれを抱かざる得ないのであろう。
507名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 20:24:37.16
誤字ったりもするんだな
普通の奴じゃないか
508名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 20:25:54.08
ところでこの頃、誠は「自演」と「国語力の無さ」を指摘されるのが我慢できなくなってきた。
筆者がたまたま誠の在住する掲示板に行ったところ、奇妙な書き込みに気付き、誠の自演の点が線になるのである。
当時の誠の自演騙り煽りの段階が、略歴で容易に想像できる。
509名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 20:27:00.82
上がってるw
510名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 20:54:25.60
ところでモロヘイヤドリンクはどうなった?

511名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 20:58:48.85
怖いとか頭おかしいっていわれると喜びそう
寒いって言われると気付かない振りしそう
512名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/17(水) 21:21:24.50
こいつかw
上がってるスレに片っ端から書き込んで誠ってやつ探してる
みんなで見つけてやれ
513名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/20(土) 17:57:52.98
誠はクバの化身の主人公の「誠」が誰だかわからない。
が、筆者が誰だか根拠も無く決め付ける。
このことについて、この男の性格がよく表れている。
これ以上に矛盾した男がいようか。
514名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/20(土) 18:00:52.22
誠の正体が2ちゃんねるを中心としてバレてきた。
誠と言う男を考えるのに、ちょっと検索さえすればわかるにすぎない。
「ま、検索しようがしまいが、誰だってわかるか」
筆者はそう考えていた。
515名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/20(土) 18:01:26.50
「おやおや、誠の使っているHNが検索に載ったぞ」
筆者は苦笑した。
考えてみればネットは書き込みが記録されているのである。
クバの化身で誠を宣伝したため、それを見た者達が調べたのであろう。
516名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/20(土) 18:10:46.54
誠はクバの化身の主人公の「誠」が誰だかわからない。
が、筆者が誰だか根拠も無く決め付ける。
このことについて、この男の性格がよく表れている。
これ以上に矛盾した男がいようか。
517名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/20(土) 18:12:11.04
今年になり、筆者は「クバの化身」の書き込みに長じていた。
2ちゃんねるのスレをブログにし、誠の大活躍を描く。
こういう例は無数に建てられたスレでも類はない。
一方、誠は反論すれば正体がバレるため沈黙を貫いていた。
518名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/20(土) 18:21:30.71
誠は無数の掲示板に書き込んでいるが、この男の動きはわかる。
筆者の書き込みは土曜が多く、午後6時頃ボクシング2ch掲示板に入る。
誠は理性を押し切って、遂に筆者に噛み付いた。
519名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/20(土) 18:25:39.80
「クバの化身って意味不明」と、誠は自らを誠ではないと言い聞かせる。
なにぶん匿名性が強い男なだけに正体を知られたくなく、このため自分は誠ではないと思いから精神分裂病のような発言が出る。
無論、誰もが誠のことを知っている。
520名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/20(土) 18:29:07.60
言い訳をしようとも、敵のように激怒すれば負けである。
誠は最初、筆者が何を言っても騒ぐな、と言うことだった。
(自爆など証拠にはならない。とぼければいいだけの話じゃないか)
誠の思いは、こうであったに違いない。
521名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/20(土) 19:08:58.77
誠は、自分でも気付かないうちに「ニート」と呼ばれるのを忌み嫌った。
筆者は誠の時間帯を触れる。
誠はびくっ、全身を震わせビビる。平静を装わなければいけない。
と、思いつつもそれどころではないと小刻みに震え続けていた。
522名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/20(土) 19:10:32.63
誠は、筆者が週に2度ほどしかここに来ないことを知っていた。
かねて誠がニートであることは、2ちゃんねるの隅々まで知られている。
そのため、筆者と「ニート」の課題で争っても押し寄せられ、追撃されるだけである。
523名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/20(土) 19:11:03.38
この一件で誠が気の毒なのは、2ちゃんねるで疎まれて、不測の不幸に蒙ったかもしれないが、それにしても筆者の暴露は誠の不始末であろう。
524名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/22(月) 11:30:00.59
このラウンドに出る前、ジェームスはシュライバーに
最後のアドバイスを送った。

「お前はここまで左前に体重をシフトして、左フックを狙ってきた。
それが牽制となりヌドゥの右を殺して来たとも言える。
しかし今度はその動きで、奴の左ジャブに合わせて右をかぶせて打て。
奴の早いジャブには到底合わせるのは無理だと思っていたが、
奴だって人間だ。ここへ来てようやくジャブのスピードが落ちている。

動けなくなった今のお前では、ヌドゥを捕えるのはカウンターしかない。
右のクロスカウンターを狙って打て。」

シュライバーはその1発に賭けるしかなかった。9ラウンドから
ヌドゥはさらに動きを早めてきた。通常であれば考えられないスタミナだが、
その超人的な体力も、ジェームスの言うとおり、最終12ラウンドに来て
ようやく疲労の色がうっすらと見え始めていた。

シュライバーはジャブをヘッドスリップでかわしながら、
右クロスのタイミングを探っていた。
525名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/22(月) 16:49:46.22
シュライバーは左ジャブをかわして、強烈な左フックを打った。
ヌドゥは固い右のガードでこれをブロックした。
「まだパンチは生きているな。だがもうこのラウンドで終わりだ。」
そしてヌドゥは再び左ジャブを打った。

その時、シュライバーは同じ動作で左ジャブをヘッドスリップでかわし、
全体重を乗せて右クロスを打ち込んだ。右に対して警戒が薄くなっていた
ヌドゥの左ジャブの返りが遅い。

防御反応が間に合わないと悟ったヌドゥは、反射的に左肩を上げて
ショルダーブロックをしようとした。
シュライバーの鋭い右クロスはヌドゥの左肩で激しくバウンドし、
ヌドゥの側頭部にヒットした。

威力を殺し直撃は免れたものの、その衝撃は充分で、
頭部を揺らされたヌドゥは両足をもつれさせた。
が、何とかダウンは免れた。シュライバーの逆転を狙った右クロスは
ヌドゥを倒すまでには至らなかった。そしてヌドゥは体勢を立て直し、
再び左ジャブをシュライバーに打ち込んだ。
526名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/22(月) 17:10:48.00
足の踏ん張りが利かなかったヌドゥの左ジャブは手打ちで、スピードが無かった。
ヌドゥとしては、まだダメージが残り、中途半端な距離にいるこの位置で
左ジャブを出すべきでは無かったのだ。
だが反復練習によって染み付いた動き、生命線の左ジャブが、ヌドゥを
本能のまま動かせた。シュライバーは再びジャブをヘッドスリップでかわす。
ヌドゥは右クロスを警戒したが、今度は左フックだった。

シュライバーの左フックは、きちんと右顎の横に置かれていたヌドゥの
右グローブを弾き、顎を打ちぬいた。
右クロスを打たれたダメージが抜け切らない間に、左フックを打ち抜かれた
ヌドゥの両足は上体のウエイトを支えきれずに前に放り出され、ロープで
背中を打ちつけてダウンした。

今度は効いている。シュライバーの逆転を望んでいたファンは
歓喜の叫び声を上げ、ヌドゥの勝ちを確信していたファンは
悲鳴に似たうめき声を上げた。

最終12ラウンドに、起死回生のダウンを奪ったシュライバーは
最後の闘志を奮い立たせた。
527名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/22(月) 17:23:01.36
ヌドゥはカウントを数えるレフェリーを見た。観客の声でレフェリーの声が
聞きづらい。レフェリーの指がカウント8を示したところでヌドゥは立ち上がった。
そしてその先のニュートラルコーナーにいるシュライバーが見えた。

ヌドゥはチラリと残り時間を確認し、ファイティングポーズを取りながら思った。
「あと1分少々か。まさかここでパンチを当ててくるとは思わなかったが、
もう終わりだ。俺にダメージは無い。
打倒できなかったことは悔いが残るが、無理に打ち合う必要は無いだろう。
このラウンドのポイントロスを考慮しても、俺の勝ちだ。」

レフェリーが試合再開の合図を出す。会場はもう隣の声が聞き取れないくらい
大歓声に包まれていた。
コーナーから歩み寄るシュライバーは、残り時間を確認した。残り1分少々。
「最後のチャンスだな。」
528名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/22(月) 17:28:07.02
ヌドゥが遠い距離から左ジャブを打つ。スピード重視でパンチに
力は入っていない。もう不必要な1発をもらう気はさらさらないのだ。

シュライバーは倒されるのを覚悟で、踏み込みを早くして距離を詰めた。
ヌドゥはその動きを完全に読んで、バックステップで距離を取る。
だが、ヌドゥが思った程に足は言うことを聞かなかった。ダメージが残っていたのだ。

ヌドゥの肉体は、自分で思っていたよりも回復していなかった。
ダメージは抜け切れておらず、容易に距離を詰められて
シュライバーの左フックが飛んでくる。かろうじてブロックで防いだが、
シュライバーはすでに次のパンチのモーションに入っている。
右アッパーがガードの間から突き上げられる。そして左フック。

ブロックが間に合わない。ヌドゥは被弾して腰が落ちた。そして
ヌドゥはディフェンスを捨てた。このまま守っていては、1分もたない。
最後に勝利を切り開くのは己の拳である。
529名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/23(火) 07:26:52.83
シュライバーは連打の回転を止めなかった。もしここで仕留められな
かったら、負けるだろう。だがすでにシュライバーにとって勝敗は
さほど大きなことではなかった。
まだ負けが決定していないのに、1分あるというのに、余力を残して
試合を終えることを想像すると、それが耐えられなかったのだ。

シュライバーの左フックが2発入る。ヌドゥは腰が落ちる。
ロープに詰めてコンビネーションを浴びせた。それでもなおヌドゥは耐え、
さらに打ってきた。ヌドゥはもはやガードを捨て、攻撃のみとなった。
しかしその拳は重たく、凶器のようだった。

崩れ落ちそうにフラッとなったヌドゥを見て、シュライバーは渾身の
連打を打ち込んだ。すでに30秒を無呼吸で打ち込んでいる。
シュライバーの口は開き、両腕の感覚が無くなってきた。
530名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/23(火) 09:59:54.62
左フックを顔面に打ち込まれ、ヌドゥはロープにもたれた。
まだ1発のキレが落ちていない。しかも連打は全く止まる気配もない。
恐怖を感じながらも、ヌドゥは己の拳を信じて右を打ち込んだ。

ヌドゥの重くて早い右ストレートは打ち下ろしでシュライバーの顎先を
捕えた。「終わった!」ヌドゥがそう思うほどの手ごたえだったが、
シュライバーはまだ連打を止めない。

ヌドゥは眼前が揺れ、もう足に力が入っていない。ロープが
無ければすでに倒れていただろう。レフェリーはヌドゥの方を見て、
あと1発入れば止めようと、タイミングを計っていた。

足では支えきれなくなった上体をロープにもたれさせながら、
ヌドゥは薄れる意識の中で、最後の一撃を放った。
スピードのあるその右ストレートは、シュライバーにカウンターとなって
ヒットした。
531名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/23(火) 10:12:10.69
残り20秒というところで、右を打ち込まれたシュライバーの動きが
ピタッと止まった。それはまるで激しい台風が過ぎ去った後のようだった。

「効いた・・・」
薄れる意識の中で、シュライバーはボクシングをしていて、初めて
試合中に恐怖を感じだ。
スタミナがほとんどカラの状態だったシュライバーは、ヌドゥの
執念の右によって残った力を全て削がれてしまったのだ。

それでもシュライバーは両足を踏ん張り、重心を低くして追撃に備えた。
もたれていたコーナーからフラリとヌドゥが歩いてきた。
最後のたった3分の間に、右目は腫れ上がり、鼻血を出しながら歩いてくる
ヌドゥは瀕死の状態から息を吹き返した野獣のように見えた。
532名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/23(火) 10:14:32.19
だがしかしヌドゥは、30秒もの間、シュライバーのパンチを浴び続けて
もはや立っているのがやっとの状態だった。かろうじてパンチを出したが
その右はシュライバーの額を叩き、威力は無かった。

それでもヌドゥは反撃の姿勢を崩すことなく、パンチを打ってきた。
一方のシュライバーは十数秒の時間を使って回復を待っていた。
おそらく力の入ったパンチが打てるのはあと1発。

残り5秒。
力なくヌドゥが左フックを打つ。シュライバーは構えの姿勢のまま
わずかに上体を傾けて左フックをやりすごす。

残り3秒。
ヌドゥの動きが止まった瞬間、最後の1発を狙っていたシュライバーは
左前に重心を掛け、左フックを振り抜いた。
ヌドゥはかろうじて右拳を上げ、シュライバーの左フックをブロックしたが、
その右拳を割って左フックはヌドゥの頭部を打ち抜いた。

ヌドゥは前のめりに倒れそうになるところで、シュライバーにしがみつき
ダウンを拒否した。そして終了のゴング。
533名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/23(火) 10:20:54.42
両者は抱きつくようにもたれ掛かり、健闘を称えた。
駆け寄ったセコンドに抱えられ、ヌドゥは自コーナーへ帰っていった。
シュライバーは初めて、会場に響くこの大きな歓声に気が付いた。

勝負は判定にもつれ込んだ。両者合わせて計3度のダウン応酬という
稀に見る激闘だったが、いよいよライト級4団体が統一される瞬間が来た。
判定はスプリットディシジョンとなった。

「114-113、シュライバー。
115-114、ヌドゥ。
114-113、勝者、・・・・・・


534名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/23(火) 15:04:55.01
「勝者!




ハンズ・オブ・ストーン!

アブネル・ヌドゥ!!」

判定が読み上げられると、より一層のどよめきと歓声が
湧き上がった。ヌドゥのコーナーは両腕を上げ、歓喜に沸いた。
当のヌドゥの表情は力なく、その激闘を物語っていた。
だが両腕を上に突き上げ、観客に勝利のアピールをした。

誠は「信じられない!」と大げさにアピールし、
ジェームスは表情を崩さず、シュライバーの汗を拭っていた。
そしてシュライバーは、静かにヌドゥのコーナーに歩み寄り、勝者を称えた。

史上初のライト級4団体統一戦は、2-1のスプリットデシジョンをもって
ガーナ出身のアブネル・"ハンズ・オブ・ストーン”ヌドゥが勝利を収めた。
39戦全勝(36KO)無敗。
一方のシュライバーは初敗北を喫し、26戦25勝(23KO)1敗となった。
535名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/23(火) 15:22:01.20
その後、数週間はこの試合の判定に関して色々と議論があった。
シュライバーが勝っていたという意見が多かったが、それに反論する者は
最終ラウンドの印象が強くてそう見えただけで、ポイントはヌドゥが
取っていたというものだった。

そういった不毛な議論をよそに、ダリルは9度目の防衛を重ね、
その前座に出場したジョニー・ジョーンズも勝利を重ねた。
シュライバーはジェームスの言う通りに試合後しばらくは
軽い練習にとどめ、本格的な練習を始めたのは夏も終わりの頃だった。

この時点で、シュライバーには3つの選択肢があった。
ライト級統一後、スーパーライト級に上げるためにヌドゥが返上した
4団体のいずれかのタイトル決定戦に出場するか、復帰戦で
中堅クラスの相手と試合をするか、またはヌドゥを追うように
スーパーライト級に上げるか。

シュライバーは迷わずスーパーライト級に上げることを選んだ。
536名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/23(火) 17:52:32.74
10代の頃からライト級で戦ってきた23歳のシュライバーにとって、
1試合ごとにライト級のウエイトでは厳しくなってきていた。

ライト級での最後の試合となるヌドゥとの試合では、極限まで
絞っていた。しかしそれはヌドゥとしても同じことであって、だからこそ
ヌドゥはスーパーライト級に上がったのだが、もし再戦があるのなら、
今度はウエイトに制約されず、試合をしてみたいと感じていた。
それはヌドゥとしても同じだろう。

両者はいずれ再戦する。しかしそれはもう少し先の話である。
537名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/24(水) 12:07:20.97
時を同じくして、ダリル・ウェイバーグも階級を上げた。
ダリルは元々骨太のがっしりした体型であり、一気に
2階級上げ、ライト級へ転向した。

ライト級の強豪達から見るとダリルは「おいしい相手」だった。
無敗の前王者というネームバリューがある上に、テクニックは
さほどなく、ダリルの一番の武器であるパワーは2階級
上げたために「薄れた」との見方をされたからである。

実際、9度の防衛の最後3試合においては、対戦相手に研究され
判定が続いていた。専門家の評価においても「1発当たればどうにか
なるかもしれないが、その1発もライト級では効果が無いだろう」
との意見が多かった。

ライト級に転向するとダリルは世界ランク3位に入ったが、
浮上を狙う下位ランカーから試合のオファーがいくつか来た。
「おいしい相手」であるダリルに勝って、上位進出を狙っているのだ。
538名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/24(水) 15:05:32.44
ダリル自身の希望もあって、対戦相手はウィル・バークレーに決まった。
シュライバーに敗れるまでに13度の防衛を果たした元WBAライト級王者だ。
バークレーはすでに39歳。最後にもう1度、世界王座奪取を狙っていた。

シュライバーに負けて無冠になった後に数試合をこなし、何とか
世界ランク8位にとどまっているバークレーの戦績は59勝(16KO)3敗。
ダリルは、シュライバーを苦しめたこの古豪を相手にして、自分の
ライト級での可能性を試したかったのだ。

この試合はノンタイトル10回戦だったが、ボクシングファンの中では
注目の一戦となった。バークレーのアウトボクシングが完封するのか、
それともライト級においてもダリルのパワーは通用するのか・・・。
539名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/27(土) 18:27:21.38
誠を臆病者と言うのは語弊があるが、現に臆病者なのだから、あえて誠は臆病者と呼ばせてもらおう。
540名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/27(土) 18:30:22.08
誠は、ホストを抜かれたことに目をみはったが、今までの自演はすべて泳がされていて、座に居たたまれぬほどに恥ずかしくなった。
誠にすれば、
(何とか誤魔化してやろう。スレを埋めればいいい)
と言う気勢いがあり、さらにはバカにされぬよう、とにかく否定するつもりなのであろう。
541名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/27(土) 18:34:44.70
事実、誠は筆者の講釈にすっかり動揺してしまい、粛々と自演と騙りを展開している。
すべての否定事項を、自演に当て嵌めて、それだけでは自演の証拠にならない、と言うことを誠は説いているのである。
542名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/27(土) 18:36:34.08
やがて魔術のような自演の証拠を出されると、誠はにわかに声を張り上げ
「お前は目先の敵を倒すことしか考えていない」
さらに
「俺のメンタル面はボロカスだ!!」
と言った。
こいつは狂人か、と、筆者は思ったりもしたが、かと言って自演騙り煽りをあらためるわけでもない。
543名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/27(土) 18:38:25.67
また、誠には激怒すると「必死」との単語が出てくる特色がある。
誠は興った。
動揺するのが広がるにつれて妄想が拡大した。
この男は、陰々滅々な心に気を奪はれているうちに、いつの間にか幽霊のような印象を受ける。
544名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/27(土) 18:50:09.70
要するに、誠は動揺を侮られまいとするあまり、自分にもわからない呪文のような呪語を用いて、懸命に事実無根と主張しているつもりらしいが、返って自ら自爆しているにすぎない。
545名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/27(土) 18:51:24.29
誠は考察能力にひどく欠けている。
筆者が他の掲示板に自演の証拠を書くと、それが検索に載るのである。
無論、筆者もそのつもりで、わざわざ誠がうやむやにするつもりの2ちゃんねるで書くはずもない。
546名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/27(土) 18:52:50.81
誠にとって、自演の証拠を突きつけられることほど厄介なことはない。
筆者が今まで泳がせてきた事はこの男にとって一種の幸せかもしれない。
筆者は元来チンコロする性格ではないが、誠にとってそれほど考察する能力がなかった。
547名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/28(日) 10:26:29.64
フェザー級では最後の1ポンドを落とすためにかなりの消耗を
していたダリルだったが、2階級上げたことでその減量苦から解放された。

ここまでラクにウエイトを落としたことは無い。今までには考えられなかったが、
前日計量の前に2ポンドオーバーしていたウエイトは、軽く動いて汗をかくことで
簡単に落ちた。体中にパワーがみなぎっているのを感じた。

だからダリルは、1ラウンド開始からプレッシャーを掛け、バークレーの
素早いフットワークを追った。

バークレーは戦い方を知っているボクサーだ。どの距離が自分のもので、
どの位置が危険なのかも把握できる。そのために最初の1ラウンドは
必ず相手の動作を確認するのだが、その1ラウンドでバークレーが分かった
ことは、勇敢だがテクニックに見張るべきものは無いというものだった。
548名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/31(水) 09:46:39.33
1ラウンドが終了した時、ジェームスがダリルに言った。
「ダリル、調子は良さそうだな。だが油断はするな。勝負を掛けるのは
中盤以降だ。前半は奴のアウトボクシングについていけないだろうから、
プレッシャーを掛けて、バークレーに足を使わせろ。」

ダリルは無言でうなづいたが、自分の感覚として、これほど絶好調で
動けたことは今までの試合では無かった。減量によって押さえ込まれて
いたパワーが解放された感じだ。
そのパワーの行き先は、両拳はもちろん、全身まで溢れていた。

バークレーはセコンドに話した。
「動きは至って単調だ。あのボクサーが9度も王座を防衛してきたとは
にわかには信じられないくらいだ。」
セコンドは答えた。
「ウィル、言うまでもないことだが、くれぐれも気を抜かないように。
ダリルはシュライバーと同じダグラス・ジェームス・ジュニアの門下生だ。」
「もちろんだ。ダリルのパンチは、このクラスでも充分通用するだろう。
2階級下のボクサーには感じられない。だが私には、パワーだけでは通用しない。」
549名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/31(水) 09:59:29.20
2ラウンドが始まった。ダリルは執拗に追う。
バークレーは鋭いジャブを突きながら距離を取る。ダリルは不器用な
ブロックで防いだが、そのいくつかは軽くヒットした。
しかしダリルはお構いなしにプレスを掛け続ける。

ロープ際でバークレーがスピードのあるワン・ツーを放った。
ダリルは何とかブロックで防いだが、まともにガードの上を叩いたパンチで
ダリルの前進が止められた。さらにバークレーはもう一度ワン・ツーを打った。

最初のジャブはパーリングで弾き、次の右ストレートを左前のダッキングで
外したダリルは、上体の戻りと共に左フックを返した。
このパンチはサウスポー特有のカウンターであり、バークレーを捕えた。
550名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/31(水) 10:08:04.30
「ズシン!」という鈍い響きと共に、バークレーは片膝を付くダウンを喫した。
味わったことのない重たいパンチにバークレーは驚いた。
しかしバークレーの意識はまだはっきりしていた。

「なるほど・・・。9回の防衛戦を勝ち残ってきた意味がわかったよ。
このパンチはライト級はおろか、数階級上のパンチだ・・・。」
バークレーはカウント8まで休んでから立ち上がった。

試合が再開されると、バークレーはフットワークをフルに使った。
年齢からくる後半のスタミナ切れの心配はあるが、
それはひとまず横に置いておいた方が良さそうだった。
まずはこの若き強打者を調子付かせてはならない。
そう思ったバークレーは、目の前の相手に集中した。
551名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/10/31(水) 12:03:19.45
ダリルはガードを固め、上体を振りながら距離を詰めに行った。
バークレーの足は速く、パンチはシャープだったが、それを上回る程の
ダリルの踏み込みの早さであった。
距離が窮屈に感じられたバークレーは、サイドに回りこむ動作で
払うような左フックを打った。が、インサイドからダリルの右フックが
飛んできた。

予想していない右フックを死角から浴びたバークレーの意識は
刈り取られた。そしてそのまま手も付けずに前のめりに強烈に倒れた。
倒れこんだバークレーの上を、ダリルの返しの左ストレートが空を切ったが、
そのパンチは、もはや必要なかった。

レフェリーに促されてニュートラルコーナーに歩いたダリルだが、
バークレーを見たレフェリーは試合続行は必要ないと即座に判断し、
試合をストップさせた。
2ラウンド1分35秒、ライト級転向後第一戦でダリルはシュライバーを
苦しめたウィル・”フレア”・バークレーを衝撃的なTKOで下した。
そしてその拳はバークレーの王座返り咲きの願いも同時に打ち崩したのだ。
552名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/01(木) 15:15:56.78
ダリルはバークレーに圧勝したことで世界ランキング1位に上がり、
アブネル・ヌドゥが返上した空位のIBFライト級王座決定戦に出場
することとなった。相手はランキング2位のオスカー・ルエラス。

ルエラスの試合をダリルは実際に見たことがある。あれは確か
シュライバーが世界王座を獲得した前座カードだ。
あの頃のルエラスはまだ8回戦だったが、ダリルは強烈に覚えていた。
なぜならその試合で見せたルエラスのスピードは、「才能」と言って
いいくらいのインパクトがあった。

元々才能に恵まれていないダリルは、ボクシングの強弱を「才能」という
言葉で片付けるのは好きではなかった。才能の無い自分でも、何とか
一生懸命頑張れば(そしてジェームスのようなトレーナーについてもらって
間違ったトレーニングをしなければ)、強くなれる、そう思っている。

だがルエラスの動きや早さは想像を超えていた。
その頃からライト級で戦っていたルエラスを見て、ダリルは心の隅で
「ひょっとして、いつか対戦する日が来るかもしれない」と思ったものだが、
それがとうとう実現する時が来たのだ。
553名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/01(木) 15:19:19.13
42戦全勝34KOのダリル・”スチール(鋼鉄)”・ウェイバーグと、
17戦全勝13KOのオスカー・”ライトニング(稲妻)”・ルエラスの試合は
半年後にセットされた。
この試合はニックネーム通り、パワーとスピードの戦いになると予想された。

この試合の対策として、ジェームスはダリルにいくつかのコンビネーションを
教えた。その中で、誠は少し疑問に思ったものがある。
いきなりの右アッパーのダブルから、左アッパーのダブルという、妙な
コンビネーションのことだ。こんなパンチが実戦の役に立つわけないのだが、
おそらくジェームスのこと、例えばバランスの矯正だとか、そういった意味が
あるに違いないと誠は思っていた。

しかし試合が近付くにつれ、その妙なコンビネーションを打たせる練習が
多くなってきた。圧倒的なスピードを誇るルエラスに対し、そのような
アッパーの連打が当たるわけがない、誠はそう感じ始めた。
554名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 17:55:36.70
誠が柔道をやっていたというのは、ボクシング2ch掲示板での彼の発言だが、本当にやっていたのだろうか。
柔道の掲示板の誠の言及の点では、他に比類のない無知識である。
一時に話すだけで、柔道が語れず、シロートより無知識ではないか、と思うほどである。
555名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 17:57:16.83
無知識なんて言葉はありません。
556名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 17:57:55.39
ボクシング2ch掲示板で誠が柔道をやっていたと聞き、話を聞くと、もはや帰宅部だったのではないかと言う思いを深くした。
誠はあちこちで書き込むため、柔道の掲示板からも情報が入る。
557名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 18:12:47.19
しかし、誠は柔道をスポーツと言われると激高し、からかわれていることにも気付かない。
柔道を格闘技だと主張するし、それが誇りとも感じたりもした。
が、この男の性質で、中学3年間の柔道を誇りに思うであろうか。
558名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 18:18:36.34
>>556

「と言う」×→「という」な。
559名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 18:19:15.15
誠が柔道部だったと言うのは、柔道の士気がまだ十分に活発であって、中途半端で辞めたために、憧れで終わったことを示している。
――ひょっとすると、柔道をやっていたことも嘘かな と、自分の早まった予想を修正する気になった。
560名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 18:21:33.57
>>555>>558
その理由は?
561名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 18:26:24.78
誠と呼ばれるこの男は、自演ばかりしている奇妙な男だが、心の片隅で絶えず自演に怯えているようなところがあった。
筆者は今から5年ほど前に、誠のID一致で自演の証拠を出した。
562名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 18:27:54.08
筆者はその頃、誠の自演の風狂ぶりを見てむしろ注意もしなかったし、それが調子に乗らさせた節もある。
事が露われて一時は治まったように見えたが、数日後、再び自演を開始した。
563名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 18:30:39.08
「それは自演の証拠ではない」との言葉は、誠の倫理用語になったが、それにつけても、筆者の脳裏に浮かんだのは、ID一致を突きつけられ、あれほど苦節を舐めたのに、むしろ相手に向かって自演と言うところがある。
564名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 18:33:51.63
――誠は「それは自演の証拠ではない」と言うのに、相手には根拠なく自演と言うのだな。
筆者は言った。
周囲も頷いた。
誠は逆に一蹴されるし、同時にドロ沼に嵌るようになった。
こんな簡単なこともわからない阿呆であろうか。
565名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 18:37:58.54
>>559

「言うのは」→「いうのは」な。
566名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 18:41:29.72
>>555>>558>>564
その理由は?
567名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 18:42:12.47
>>562

「乗らさせた」×→「乗らせた」な。
568名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 18:44:31.85
>>563

「それにつけても」の使い方違うぞ。
569名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 18:46:35.55
>>564

カギ括弧の位置がおかしいぞ。
570名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 18:47:45.23
ただの冷やかしかよw
「言うのは」「乗らさせた」は作家の引用だよw
無知識は、一般に使われるしね。無知識が間違ってるかしらんが、一般に使われる言葉は日本語とされるらしいけどね。
571名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 18:51:10.78
噂では、誠は自演のトラウマが深く、そのために相手に自演と罵声するのだと言う。
筆者も含め通常の者は、相手に向かってやたら滅多に自演と言わないものだが、滑稽なことに誠は言った者勝ちのつもりらしい。
572名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 18:51:47.78
>>570

「間違ってる」×→「間違っている」な。
あと、「間違っているかどうか」が正式な文章な。
573名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 19:00:14.94
>>571

「やたら滅多」×→「滅多矢鱈」又は「やたらめったら」な。
574名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 19:04:06.97
こいつは方言を知らんらしい。
この程度の国語力です。

重複言う言葉があるが、これくらいのこと言えんのかねw
ちなみに「重複と言う言葉」がそれで、「言う」と「言葉」が重複して日本語が間違っている。
ま、そんなこと言ってら作家なんてみんな間違った日本語使っているよなw
575名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 19:04:57.81
ーーまたネタが出来た。
筆者は拳を握り、そのまま跳び上がって喜んだ。
576名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/02(金) 19:38:41.53
>>574

アンカー付けろな。誰のことかわからんからな。
577名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/09(金) 19:08:26.73
工業高校をいじめで中退し、その後もヒキコモリ、現在は48歳らしく、それが誠である。
この主はどこの掲示板にも現れる。
他の掲示板を見て「日本語おk?」と言って周囲をあきれさせているのも誠であろう。
578名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/09(金) 19:08:59.76
さらに言えば誠は、ネットに触発されて妄想が膨らんだ。
要するに、電波の前の小さな世界に書き込むうちに、最終学歴工業高校中退者と言う事実を忘れてしまい、自分は真の高学歴者と錯覚した。
579名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/09(金) 19:09:35.66
誠に国語力が無いように、同じ工業高校中退者の松ちゃんも阿呆と呼ばれることがあったらしい。
通常の者は、学生時代の試験の勉強によって知の核となる。
誠や松ちゃんにはそれがなかった。
580名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/09(金) 19:10:55.53
ネットの文章の中での言葉は、独特なものがありつつも、時に驚くべき情報が手に入ることがある。
誹謗中傷の言葉の場合でも「誹謗中傷は根拠の無い中傷であって、根拠ある中傷ではない」
と言った者がいた。
誠の場合、前回「無知識なんて言葉は無い」と言った。
581名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/09(金) 19:11:58.07
誠の場合、ほとんどがガセネタであるから、知識と言うよりも何らかのパクリであろう。
「無知識なんて言葉はない」から始まり、その後も日本語の粗捜しをしていたが、何が間違っているかを聞くと返事が無かった。
582名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/09(金) 20:01:50.48
筆者は作家の文章を真似ている。
時に表現をそのまま真似たりもした。
誠はそれを日本語が間違ってると言った。
慣例として誠に知識はない。
工業高校中退者が作家の表現に何の注意ができるであろうか。
583名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/09(金) 20:03:33.54
あるいは、誠が読書とは無縁なために、作家の表現が理解できないのかもしれない。
これだけ2ちゃんねるに居座れば脳ミソなど、即席味噌のようにトロトロに融けて、読解力などなくなってしまう。
584名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/09(金) 20:37:59.08
>>577>>581

何でもかんでも「○○という」を「○○と言う」と表記するなよ。
日本語間違ってるぞ。
585名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/09(金) 20:39:19.43
>>582

「慣例」の使い方間違ってるからな。
586名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/10(土) 15:36:59.80
試合も1ヶ月を切った頃、誠は我慢ならずにダリルに聞いてみた。
「ねぇ、最近じゃ、毎日のように練習しているアッパーのコンビネーションだけど、
あれって何の意味があるんだい?僕はジェームスの指示通りにミットを受ける
だけだから、詳しくは聞いていないんだけど。」

するとダリルはこう答えた。
「はっきり言うと、僕もよくわからないんだ。でも僕はマスターを信じているから、
言われた通りそれをきちんと練習するだけだ。今は他のことにあまり
集中を裂きたくない。マコトならわかるだろ?」
確かに。優等生のダリルっぽい返答だ。しかしわかったのは、ダリル自身も
このコンビネーションの意味をほとんどわかっていないということだった。

あと1週間もすれば練習も試合前の追い込みに入り、ダリルはもちろん、
ジェームスや周りのスタッフもピリピリとしたムードが漂う。
そうなる前に誠は、ジェームスにこのコンビネーションの意味を聞いておく
必要を強く感じた。
587名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/10(土) 15:54:12.20
「マスター・ジェームス、1つ聞いておきたいことがあるのですが。」
ジェームスは老眼鏡を外し、誠の方を向いた。この頃では
すっかりジェームスも歳をとった感がある。
「どうした、マコト。」
「ダリルに教えているアッパーのコンビネーションですが、
あれは一体、どういう意味があるのでしょうか?」
ジェームスは薄ら笑いを浮かべながら、マシュマロを口に頬張ったように答えた。
「ゴメスとの約束だよ。」
「ゴメス?」
ジェームスは11年前にキューバの留置所で亡くなったゴメスの名前を出した。
誠はジェームスの言葉の続きを待った。
588名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/10(土) 16:28:24.61
「あのアッパー自体には意味は無い。俺が想定しているのは、
あの後のカーニバルだよ。」
「カーニバル?マスター、僕にはよく意味がわかりませんが・・・。」

「キューバのボクシングには、古くから伝わる伝説がある。

”そのボクサー、蒼き衣を纏いて アッパーの野に降りたつべし。
失われしキューバとの絆を結び、ついに化身となり 清浄の地に導かん”

俺がキューバで最後に教えたステベンソンが、もうあと10年若ければ
おそらく伝説の通りの「キューバの化身」になれたと今でも思っている。
だが、それが叶わなかったのも運命でもある。神がそうしたのだ。」

ジェームスの英語の訛りは「キューバ」ではなく「クバ」と聞こえる。
クバの化身・・・。誠は頭の中で何かがカチリとはまった音がした。
589名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/10(土) 17:10:55.65
「マスター!あなたはもしや、アッパーカーニバルを!」

ジェームスは忍者に憧れる幼児のような顔付きになった。
「その通り。昔・・・そう、あれは2012年だったかな。まだ俺達が
トーキョーで出会ったばかりの頃だ。
当時俺はウチヤマの影のトレーナーとして来日していたわけだが、
ウチヤマにそれを教えていたという話をしたな。アッパーカーニバルについては
>>185以降のくだりを読んでくれ。」

>>185のくだり?」誠は聞き返した。
「いや、今のは読者へのメッセージだ。」
「読者へのメッセージ??」
誠は頭が混乱してきた。
590名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/10(土) 17:21:50.42
「とにかくだ。俺はキューバーを捨て、世界中のボクサーのジプシー
トレーナーとして渡り歩いてきたが、ここへ来てようやくシュライバーと
ダリルという2つの可能性に出会ったのだ。

俺の残り時間はさほどない。今年で78歳だ。いつ死んでもおかしくない
歳だろう?だから最後に伝説を見たいのさ。クバの化身の伝説を。
今はまだダリルには4つのアッパーしか教えていない。
本当のアッパーカーニバルのコンビネーションは覚えているか?」
誠は10年以上も前に聞いた古い記憶を辿って答えた。

「確か、右アッパーの3連打に続いて、左アッパーの4連打・・・でしたっけ?」
「よく覚えているな。右から始まるこの連打は、普通に考えたら
サウスポーだとは思わないか?つまり前の拳である右から始まるこの
コンビネーションは、サウスポーのダリルこそスムーズに打ち込める
コンビネーションだと俺は思ったのだ。

次の試合で出せるようなパンチとは思わん。実際、ダリルはまだ
右2つに左2つのアッパーしか教えていないし、それも不十分だ。」
591名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 13:59:27.91
>>584>>585
またYRが日本語を語ってるのぉ〜w
592名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 14:01:09.66
「日本語おk?」と言う用語が、誠の書き込みにはしばしば使われている。
誠が指摘する日本語で、どこが間違っているか聞いた。誠は賢者のような、ひどくつつましやかな表情となった。
593名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 14:01:48.07
誠の日本語講座が終わると、筆者は膝を叩き、「それのどこが間違いなんだ?」とあまりの阿呆さにあきれた。
そういう誠は、言いたくない学歴や、自分自身の不安まで自爆せざる得なかった。
594名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 14:02:36.35
中学時代、柔道をしていたと自称する誠は、挙措、日本語を間違える。
「心配能力向上のためにマスクをつけて走る」
筆者は阿呆と思った。言うことが常に阿呆である。
「心肺機能停止、な」と、」
と、筆者は教えてやる。
すると「心肺機能工場、な」
と反論するのである。
595名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 14:03:20.42
誠は知識で言っているのではない。
「心配能力向上のためにマスクをつけて走る」
と間違っても、あたかも自分が正しいかのように反論するのでR。
596名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 14:03:52.45
誠が筆者の地元の出身者と言った場合も、「俺は昔ここで住んでいた」と断言した。
が、観光客程度のことしか語れない。
そういうやりとりの末、筆者の地元の出身地ではないと言ったのである。
597名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 14:04:32.78
誠が筆者の地元出身と断言したのは、出来すぎたほど嘘であった。
しかし、いざ地元のことを聞かれるとなれば、もはや失敗は許されない。
が、デタラメを断言して、嘘と判断しやすい。
598名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 14:05:33.51
誠には嘘つきの聞こえがあって、おかしなプライドがある。
行司書士を受け続けている噂もある。
599名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 14:06:14.97
このプライドが虚言癖になり果ててるのではないか。
600名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 14:11:17.07
誠にはある才能がある。
自演から騙りまでざっと姑息な才能である。
しかし、議論となるとずいぶん支離滅裂となった。
自分の無知を隠すには自演しかない。誠はHNを積み重ねて自演をした。
601名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 14:12:09.41
個性を発揮し世を渡る者はズルさを持っている。
誠は姑息さだけである。
彼は48になっていて、世を渡るには老いている。
肥満なその容貌はイボイノシシそのものだった。
誠が読書人であれば、あるいはその特色も嫌味のないものであったかもしれない。
602名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 14:14:45.80
>>594

「挙措」の使い方が意味不明な。
603名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 14:16:26.31
>>594

「心配」とか「工場」とかわざと書いてるんだろうけど、
まがりなりにも小説スタイルなら、そういう文字での綾は無意味な。
604名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 14:18:00.21
>>597

出来すぎたほど「の」嘘、な。
605名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 14:34:43.62
>>660

お前が書く典型的な読みにくさの源泉な。
主体がコロコロ変わるのな。
次からこの腐れ文体には「主コロ」って指摘してやるな。
606名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 15:01:33.51
>>602
挙措は表現ねw

>>603
まあ、だったらクバの化身の人も表現だろうねw

>>604
×出来すぎたほど「の」嘘
○出来すぎたほどの嘘
607名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 15:02:31.42
>>>605
お前の読書不足が原因w
608名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 15:04:43.70
訂正
>>606
まあ、だったらクバの化身の人もわざとだろうねw
ま、コイツの場合、わざとじゃなくて誤魔化しているのだけどねw
609名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 15:28:22.99
>>606>>608=低能な短文を書く奴

リクエストしたいのだが、日本語間違ってるのはがまんするけど、
もう少し読ませる文章にしろや。訂正するのも面倒だし飽きるわ。

ボクシングのストーリーで書いてる奴の方がよっぽどましな文章だわ。
610名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 15:34:14.86
どこが間違ってるか言って見ろw
611名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 15:41:26.42
>>610

中学生くらいか?ならいいや。勝手に書き込めや。
612名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 15:52:30.70
>>611

小学生くらいか間違ってるのを認めるならそれでいいやw
613名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 15:59:17.48
一応、YRがうっせーから訂正しといてやるか。

小学生くらいか?間違ってるのを認めるならそれでいいやw

まあ、この手の間違いって、YRがよく間違ってるよなw
614名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 16:13:33.60
>>612=>>613

ものの見事に釣れるな。
アホじゃないよな?
615YRところてん:2012/11/11(日) 16:16:48.41
釣りの意味を間違っている。
これもわざとか?
616名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/11(日) 16:20:01.49
>>615
ナイスYR。
こいつの言ってること意味不明だなw
617名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/14(水) 18:55:56.07
>>615=>>616

こいつ、1人で何やってんだ?
618名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 18:23:41.70
いわば、誠こそ姑息な男であるのに、憚るかごとく恐れるがごとく、家にヒキコモッテいる。
この阿呆は、自分がどれだけの才能があったか、それさえわからないらしい。
それを教えてやるのも愉快じゃなかったし、それがこの男の不幸の出発点であった。
619名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 18:24:37.15
筆者は誠の自演を見つめていて、当初は「必死」だと考えていた。
勢い盛んで、筆者が「自演」と口出ししても、その都度、どっと自演は溢れ出し、やがてはスレが埋まってしまう。
ただ、うやむやにしようと見える。
620名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 18:25:22.73
誠が自演をしている以上、どうしてもバレたくない、と言う結論に達してしまう。
しかし、これだけのわざとらしい自演をするであろうか。
そんな思いを、筆者は誰かに話すとも呟くともなしに、口から出ていた。
621名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 18:26:17.73
筆者には自演をしない風がある。
ネットをしてもそれに溺れない、そんな風が出来ていた。
この心根は天賦の性格としか言いようのないものだが、誠相手だけには自演をしている。
無論、多くの場合、誠にすら自演はしていない。
622名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 18:27:03.65
筆者は誠に対し、どう見ても自演と言う行動を取るが、このことがかえって誠を激怒させる。
この男のわざとらしい自演を見て、その仕返しをすれば、自演自演と吠える誠の姿に不思議な気分になった。
623名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 18:39:08.44
筆者は誠の行動を真似た。
筆者が自演、誠の騙りをしたとき、月が昇り、山々が濃い赤色に染まった夕方だった。
それが合図のようにして、誠の自演と騙りが何を意味したのかわかった気がした。
624名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 18:40:06.47
――誠はなぜ自分で自分を叩くのか。
筆者は誠に問うた。
あくまで誠は敵を叩いており、自演ではないという思想を主張した。
ただ、その自演が誰かの騙りであった場合、始末が悪い。
誠は相手をその防御線の中に閉じ込めるべく、その包囲のために騙りを必要とした。
625名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 18:40:57.99
(誠はホストを抜かれた事実を忘れているのか?)
何もかもバレていて、しかも以前より滑稽に感じさせられるのはどういうことであろう。
それに、自演が完璧にバレてしまった誠は「心が折れた」と言っている。
626名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 19:00:06.91
筆者には自演をしない風がある。
ネットをしてもそれに溺れない、そんな風が出来ていた。
この心根は天賦の性格としか言いようのないものだが、誠相手だけには自演をしている。
無論、多くの場合、誠にすら自演はしていない。
627名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 19:01:57.97
誠は筆者の掲示板に書き込んだことがある。
つまり、ホストを知っている、という意味である。
誠がいくら否定しても、かえって天下の物笑いになる。
自演がバレることは誠にとってもっとも恥じるところであり、そのことを誠を見て間違いない
と、筆者は思った。
628名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 19:03:21.89
さらに言えば誠は、ネットに触発されて妄想が膨らんだ。
要するに、電波の前の小さな世界に書き込むうちに、最終学歴工業高校中退者と言う事実を忘れてしまい、自分は真の高学歴者と錯覚した。
629名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 19:07:40.97
筆者は誠の自演を見つめていて、当初は「必死」だと考えていた。
勢い盛んで、筆者が「自演」と口出ししても、その都度、どっと自演は溢れ出し、やがてはスレが埋まってしまう。
ただ、うやむやにしようと見える
630名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 19:09:29.47
>>626->>628は誤爆である。
631名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 19:10:31.10
筆者から見れば、誠の前途には暗雲に満ちた絶望が渦巻いているように見える。
話題が変わるようだが、過去3回、ボクシング2ch掲示板を調べたが、誠以外いなかった。
時々、老熟した2ちゃんねらーも見るが、ほとんどは何時間も粘々と誠独りが自演を展開している。
632名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 19:11:34.02
誠は筆者の掲示板に書き込んだことがある。
つまり、ホストを知っている、という意味である。
誠がいくら否定しても、かえって天下の物笑いになる。
自演がバレることは誠にとってもっとも恥じるところであり、そのことを誠を見て間違いない
と、筆者は思った。
633名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 19:12:18.35
「証拠のも無しに失礼じゃないか?」
誠は目の前の事実をやや後ろめたく思ったが、がぎりなく自演の否定を断言した。
ホストを検索すればわかる。後の祭りである。
634名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 19:13:20.10
「俺はこの掲示板のご意見番だ」誠はそう語った。
よほど居心地のいい掲示板であったのであろう。
されどこの言葉がそこの掲示板の住民の逆鱗に触れた。
誠はこっ酷く叩きのめされ、挙句の果てに「孤独」との烙印を押された。
「なぜだ!?」。心の中で押し殺すように誠は叫んだ。
635名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 19:20:02.43
このいわば野蛮な誠は、言うまでも無く道義などない。
必要のために道義めかしくするのがこの男の手法である。
どうせ自演など誰でもやっている。
それを正当化することがこの男の「マジ」であった。
636名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 19:24:51.64
夢を喰うと言う思いが、誠の生涯を引き摺っていたかのようである。
蜃気楼のように透過して煌くような五彩のような世界とは、ありきたりの栄達ではなかった。
「上に立つ者」と言う強烈なオーラを放っている夢想と言っていい。
637名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 19:27:26.04
誠はいつだって匿名の発言しかしない。
多くの自演をして誰かが「臭男」であるかのように煽る。
数年前に「司書ベテニート」と呼ばれた時もそうである。
あくまで「臭男」は自分以外の誰かだと主張し、周囲を見渡し煽った。
638名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/17(土) 20:26:44.26
筆者から見れば、誠の前途には暗雲に満ちた絶望が渦巻いているように見える。
話題が変わるようだが、過去3回、ボクシング2ch掲示板を調べたが、誠以外いなかった。
時々、老熟した2ちゃんねらーも見るが、ほとんどは何時間も粘々と誠独りが自演を展開している。
639名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/22(木) 17:16:27.48
誠は尋ねた。
「マスター、あなたの思いはよく分かりました。でも大事な試合が
1ヵ月後に迫っているのですよ?いつまでこんな練習をさせる気ですか?」

ジェームスは答えた。
「マコト、実のところを言えば、次の試合、ダリルが負けると俺は思っている。」
「ハハハ!マスター!冗談を!」
しかしジェームスのまなざしは三日ぶりにエサにありついた野良犬のように
真剣そのものだった。
「オスカー・ルエラスのボクシングと、ダリルのそれとでは桁が違うんだよ。
ここ20年の間でも、ルエラスは飛び抜けた才能を備えたボクサーだ。
ライトウエイトで奴に勝てるボクサーを俺は思い付けない。

試合は避けるべきだった。しかし今逃げたところで、いつか必ず
奴とは拳を交えることになるだろう。それならば、伸び切る前の
今の時期に、と思って試合を組んだのだ。
ダリルのパンチであれば、たった1発でいい。まともな1発が当たれば
勝利を引き寄せることが出来る。その奇跡を信じようと思ってね。」
640名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/22(木) 17:48:59.30
「マスター!ダリルはやりますよ。これまでも幾度と無く強豪を沈めて
きたじゃないですか!あのパンチさえ当たれば!!」

ジェームスはくたびれたおむすびマンのような顔で言った。
「当たれば、だ。ボクシングにおけるラッキーパンチは、宝くじで
1等を引くより確率は低いと俺は思っている。」
「そんな・・・。マスター、それでもあなたはダリルのトレーナーですかっ!」

ジェームスは誠から視線を外し、語った。
「マコト、お前の気持ちはよくわかる。今までのように、俺もダリルに
できるだけの協力をする。だが俺には今回の試合、どうしてもダリルの
勝てるパターンというのを思いつかんのだ。

ボクシングは人間同士の戦いだ。だからどんなボクサーでもどこかしら
弱点や攻略法がある。ただ、俺のボクシング人生で構築された理論上では、
ルエラスのボクシングは規格外だ。手の打ちようが無いのだ!」
641名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/22(木) 17:51:13.96
「・・・わかりました。マスター、あなたがそう言うのなら、僕には何も
言えません。あなたのボクシング理論は最高だと思っていますから。」
誠はそう言うとジムを出て行った。

外を走りながら誠は叫びたい気持ちでいっぱいだった。
「何がキューバの化身だ!
何がアッパーカーニバルだ!
ただ逃げているだけじゃないか!!!」

昼過ぎから空を覆い始めた重たく湿った黒い雲が、とうとう抑えきれずに
大粒の雨を降らせた。6月の雨は誠を容赦なく打ち付けた。
誠は悔しくて泣いた。
14歳の頃から練習を一緒にしてきたダリルを見捨てられたようで泣いた。
そしてひとしきり泣くと、亡くなったゴメスがアッパーカーニバルについて
語っていたことを思い出した。ゴメスはシュライバーこそがアッパー
カーニバルを打てる選手だと確信していた。
642名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/23(金) 17:59:42.28
そして、ゴメスの訃報を知ったあの時、ビーチでゴメスの死を悼みながら
自分こそが、アッパーカーニバルを完成させるのだ、と誓ったことを思い出した。

マスター・ジェームスは、自分の思い、ゴメスの思い、そしてキューバの思いを
今だ失わずに持ち続け、そしてダリルやシュライバーにその思いを託そうと
している。それなのに自分は、あの時の誓いを忘れ、目の前のことだけに
気を取られて、ジェームスに怒りにも似た感情さえも持ってしまった。

誠は大声で叫んだ。
土砂降りの雨音でその声はかき消されたが、それでも渾身の力を
振り絞って誠は叫んだ。言葉にならない言葉、叫びにならない叫び、
心にたまった全ての鬱屈を跳ね飛ばすように大声で叫び続けた。

ひとしきり心に任せるまま叫び終わると、誠はようやく落ち着きを
取り戻した。アッパーカーニバルの完成という、壮大なクバの化身を
育てることをモチベーションとしているジェームス。
その夢は1つもぶれることなく真っ直ぐだ。
643名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/23(金) 18:10:12.54
それなのに自分は、自分で誓ったことも忘れて感情的になってしまった。
ただ、納得はいっていない。戦う前から諦めるなんてことは僕は嫌だ。

ダリルには1発がある。あのパンチさえ当たれば誰でも倒せる。
ルエラスがどのくらい凄い才能を持ったボクサーかわからないが、
同じ人間なのに、しかも世界チャンピオンのダリルが手も足も出ないなんて
そんなバカなことは無い。

誠はダリルの真面目さを14歳から知っている。
比較的裕福で、特に不満も何もなかった家庭で育ったダリルが
自分からボクシングの世界に飛び込んで練習を続け、勝ち続けるなんて
ことは、とてもじゃないけど他の多くの人にできるとは思えない。

その困難な壁をいくつも乗り越えたのがダリルなのだ。
だから今回の試合だって、苦戦はするだろう。でも最後に勝つのは
ダリル・ウェイバーグなのだ。誠は心からそう信じた。
644名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/24(土) 11:59:29.92
IBFライト級王座決定戦が行なわれたのは、ラスベガスのMGMグランドだった。
無敗の強打者同士の激突とあって、ビッグマッチとなった。
前座カードに出場したジョニー・ジョーンズは28歳のバースデイのこの日を
20回目の勝利で飾り、戦績を20勝(12KO)1敗とした。


ランキング1位の42戦全勝34KOのダリル・”スチール”・ウェイバーグは
WBAフェザー級タイトルを9度防衛した。タイトルを奪取したのは若干二十歳の
頃で、1発の強打によって不利な試合も全てひっくり返してきた逆転の
ファイターは、現在24歳となり、人気、実力ともに充分になっていた。

フェザー級のタイトル返上後、ライト級に転向し、転向後の第一戦目に
元WBAライト級王者のウィル・バークレーと戦った。
その試合を2ラウンドでクリアしたダリルは、ランキング1位に上り詰め、
今回の試合にのぞむ。

一方のオスカー・"ライトニング"・ルエラスは17戦全勝13KOの
スピードを武器とするランキング2位の選手である。この試合の
1ヶ月後に22歳となるルエラスは、まだ本当の実力者との対戦は無い。
だから専門家の意見も真っ二つに割れた。
誰が見てもスピードと才能溢れるルエラスのボクシングが果たしてダリルにも
通用するのかどうか?
645名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/24(土) 16:38:41.18
両者がリングに上がり、中央でグローブを合わせた。
下の階級から上げてきたダリルだったが、体格差は無かった。

最後の確認でジェームスがダリルに言う。
「ダリル、俺はこの試合に限って細かいことは言わない。
お前の力を出し切ってこい。」
いつもなら技術的に具体的な指示をするジェームスが
この試合に限ってはそれが無い。それが誠は気になった。
そして以前に話した時のジェームスの言葉を思い出した。

『マコト、実のところを言えば、次の試合、ダリルが負けると俺は思っている。』

何をバカな!
誠はその言葉をもみ消すようにベーコンエッグ級の苦笑いをした。
646名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/24(土) 17:34:53.37
1ラウンド開始早々、ダリルは打って出た。
ルエラスは早い動きで距離を詰めさせず、軽いジャブを打っては離れ、
ダリルの様子を見た。ダリルの動きも早い。調子がいいのだろう。
誠はリング下で釘付けになりながら両者の動きを追った。

時折、ダリルはロープに詰めるのだが、ルエラスはダリルのパンチを
くぐって当てさせない。予想通り、ルエラスのスピードは驚嘆に値した。
だが、攻め続けているのはダリルの方だ。このままの展開が続くとは
限らない。ルエラスが打って出た時、その瞬間がダリルのチャンスである。

そしてダリルには1発で相手を沈めるパンチ力を備えている。
ルエラスが持って生まれたスピードを備えていると言うのなら、
ダリルは持って生まれたパワーを備えている。
緊張感溢れる第一ラウンドが終わった。
647名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/24(土) 17:38:44.46
ジェームスが続けた。
「俺から言えるのは、ブロックの上からでも構わないから打ち続けろ。
とにかく連打の回転を早くして、奴に考える時間を取らせないことだ。
少しでも隙を与えるとパンチが飛んでくるぞ。
様子見は終わったはずだから、この2ラウンド目からが勝負だ。」

そして第二ラウンドのゴングが鳴らされた。
ジェームスの言うとおり、この2ラウンド目で1つの山場が訪れた。
648名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/26(月) 15:34:10.31
1ラウンド目は、フットワークを止めることのなかったルエラスだが、
2ラウンド目は足を止めてダリルと対峙した。
リング中央で両者が牽制する。ふと、ルエラスが早いステップで
左ボディのストレートを飛ばした。ふいを突かれたダリルは
そのボディを当てられる。だがそれはジャブを下に打ったというもので、
ダメージや威力はさほどない。

しかしダリルが驚いたのは、その踏み込みの早さだった。
ほとんどその動きに反応できず、無反応のまま、ボディを打たれたのだ。

そうやって一瞬の不意を突かれたダリルが、再度注意しようとしたところへ、
ルエラスは同じ動きでパンチを打とうとした。今度は注意していたダリルは、
その左のボディストレートをパーリングしようと、右拳で払う仕草をした。

と同時に、早くて見えない左フックがダリルの顎を捕らえた。
予想しなかったパンチを打たれ、ダリルはダウンした。
649名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/26(月) 15:45:45.62
ダリルは主に、ブロックやパーリングでディフェンスするタイプだ。
それゆえに、ルエラスの早いパンチに反応し、ボディへのパンチを
払おうとしてガードが空いた所に左フックを打ち込まれた。

試合後、ダリルはインタビューで答えた時に、この時のダウンは
覚えていないと話した。それほど効いていたのだ。

カウント8で立ち上がると、ダリルはファイティングポーズを取った。
ルエラスは、ダウンなど無かったかのように、落ち着いて距離を取り、
ボクシングを始めた。

ダリルは練習してきたことを思い出し、それらを出し切るように
ルエラスを攻め立てた。使い方すらわからず、それでも練習してきた
アッパーの4連打も出した。しかしルエラスは冷静にその動きを見切り、
的確なパンチを入れ、ダリルにダメージを負わせていった。
そういった展開が続き、5ラウンドが終わった時にはダリルの両目から出血し、
一方的な試合となっていた。
650名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/26(月) 16:12:37.94
6ラウンド開始早々、ルエラスはダリルの左ストレートをかわし、
強烈な右のリターンでダウンを追加した。
何とか立ち上がったが、レフェリーは一方的な試合内容と、ダリルの
出血を見て、試合をストップした。
6R52秒、TKOでダリルは初の敗北を喫した。とうとうダリルの
1発は火を噴くことが無かった。そしてこの敗戦を機に、ダリルのボクシングは
狂い始め、再び世界王座に就くのは10年後のこととなる。

病院で応急処置と精密検査を受け、異常は見られなかったが、
大事を取って一晩入院となった。誠とジェームスが去り、病室で
1人横になっていたダリルは、塞がり掛けた両目を天井に向け、
じっと垂直に見つめていた。

カットした両目の傷は幸いにも大したことはなく、数針縫っただけだった。
その上に分厚いガーゼが貼られていた。
打たれた所は赤く腫れあがり、負けた悔しさと興奮とで寝付けなかった。
聞こえてくるのは外の大通りを通る車の音だけで、それもまばらだった。

夜中の12時を回る頃、ドアをノックする音がした。
651名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/26(月) 17:37:29.94
病室に入ってきたのはジェームスだった。
「なかなか寝られないだろう?」
そうジェームスは言うと、ベッド脇のパイプ椅子に腰を下ろした。

「マスター、どうやったら僕はルエラスに勝つことができたのですか?」
ダリルはそう尋ねたが、ジェームスはだまったまま、ぼんやりと
宙を見つめていた。ダリルは自分の言った言葉がジェームスに届いて
いないかのような錯覚を起こした。だからもう一度尋ねようかと迷った時、
ジェームスは口を開いた。

「お前は才能に恵まれた選手ではない。それはお前自身が
よくわかっていることだろう。そんなお前が、正しいトレーニングと、
真面目さと、そして継続する努力によって世界チャンピオンにまでなった。
これは胸を張って生きていける、お前の一生の宝だろう。

正しいトレーニングというのは、正しい指導者が付くということだ。
正しい指導者の数は多くはないが、それでも全くいないわけじゃない。
こう言ってはなんだが、お前は正しいトレーニングをしてきたと思う。
そしてお前ほどの真面目なボクサーはいくらでもいるし、お前ほどの
努力をやるボクサーもいくらでもいる。

だが、この3つを併せ持ち、しかもここが大事なんだが、
1日も休まず継続していけるボクサーは数少ない。

いいか、これはとても単純なことなんだ。1日のつらい練習など、10歳の子でも
やろうと思えば出来る。でもこの単純なことを何年も休まずに継続することがいかに難しいか。
652名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/26(月) 17:51:41.34
要は積み重ねだ。ちょっと昔、MLBで活躍した
日本人の野球選手がいた。お前も名前くらいは
聞いたことがある選手だと思うが、その選手が言った言葉がある。

『毎日の積み重ねが、とんでもなく大きな所へいくただ1つの方法だ』ってな。

頭ではそうわかっていても、実際に実行できる人間が
どれだけ少ないことか。でもお前は、それを実行して、
結果も残した。

俺が言いたいのはな、今回の試合に負けたことは1つも恥じゃ
ないってことだ。お前はよくやった。全力で試合をした。
それで負けたんだから何ら悔いることは無い。」

「マスター!僕が聞いているのは、僕のボクシングで
どうやって戦っていればルエラスに勝てたのかってことです!」

ダリルの目から、訳も無く涙が一筋頬を伝って流れ落ちた。
653名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/27(火) 15:05:16.47
2人が黙ると、再び病室は静まり返った。通りを大きなトラックが走る
音がした。その音が遠ざかると、ジェームスは口を開いた。

「俺はお前のパワーに賭けた。今まで幾度と無く不利な試合を
ひっくり返してきたお前の一発にな。
だがルエラスは、どの距離でもボクシングができる上に早い。

俺はボクシングに対して、『才能』っていう言葉は使いたくないが、
あいつだけは例外だ。あのスピードを生む速筋は、持って生まれたものだ。
どんな距離でも対応が可能で、しかも早いとなると、攻略はほとんど無い。」

「なら僕は、負けるべきして負けたというのですか?」

「いや、そうではない。ボクシングは才能のある者が勝つとは
限らない。たった1発のパンチで逆転することも可能だ。
実際、そういった試合をお前は何度もしてきた。だからこの試合でも
それに賭けたのだ。
遅かれ早かれ、ルエラスとはいつか戦うことになっただろう。
それならばまだ可能性のある早いうちにと今回の試合を組んだのだ。」
654名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/27(火) 15:21:33.04
ジェームスはそれだけを言いに来たのか、全てを言い終わると
病室から出て行った。その晩、ダリルは一睡もできなかった。

試合から2ヵ月後、ダリルはジェームスと長い話し合いの末、
ジェームスとのトレーナー契約を打ち切った。
不満があるわけではない。だが、もっと広い目でボクシングを
したいと考えていたダリルにとって、この選択は仕方が無かった。

周りではダリルが負けたことで不仲説が流れ、それで契約を
解消したのだといった記事が書かれたが、誠はそうじゃないのを
知っている。ジェームスはダリルの可能性を信じて、ダリルはもっと
上を目指すために、両者が同意の下、2人は分かれたのだ。

だからといって誠とダリルの友情が途切れたわけではない。
年に数回だったが、お互い時間があれば会う機会を設けたし、
たまにワイルドカードジムに訪れると、ダリルとジェームスは
まるで親子のように会話を楽しんだ。

それは戦いの世界に身を投じた者たちの、ひと時の休息のようだった。


【第一部 完】
655名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/28(水) 17:52:03.26
――うわべだけでも、長文で埋めてうやむやにしよう。
と、誠は思い、低い声でクバの化身を妨害してやるか、と、言った。
このことは、誠が昔からやってきた行動のひとつである。
何度も見たことがある言い回しが出てきて、それでも誠本人ではないと言う。
656名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/28(水) 17:53:05.33
久々に誠の掲示板を見てみる。
見てみると、書き込みが無い。
掲示板と言っても、完全過疎化で、誠独りで書き込んでる程度にすぎない。
それを見かねて、筆者はボクシング@2ch掲示板、資格全般@2ch掲示板に貼りはじめた。
657名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/28(水) 17:53:58.57
誠は掲示板に細工する。
自分の書き込みを見えにくくするのである。
筆者は笑った。
誠が常々、自分の掲示板に人が来て欲しいと察し、筆者は2chに彼のソースを貼った。
誠が喜ぶであろう、と、筆者の精一杯の思いやりである。
658名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/28(水) 17:54:48.55
誠は常にレベルをつけたがる。
筆者が小説風に書き込みをしただけで、レベルをつける。
心理学によると、劣等感を抱えている若年層に多い傾向で、汗を流さない者には価値観が見出しにくい。
誠は48だが、その典型である。
659名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/28(水) 17:55:49.85
誠は仕事で汗を流さない。
むしろ人生をあきらめている。
いっそうこうなっては誠は積極的にボランティアで汗を流し、世間に貢献するべきではないか、と筆者は思った。
しかし、ネットの荒らし具合いを見るとどうか。
660名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/28(水) 17:56:45.00
繰り返して言うと、誠は工業高校中退なのだ。
偏差値だけでも40にも満たない。
知識のレベルなんてわかるはずがなく、まともに問答ができない以上、そこまでのレベルで、通常の者から見れば阿呆そのものである。
661名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/11/28(水) 17:58:08.74
誠は影で渋面を作っていて、ともかくも筆者にバカにされるのが気に喰わなかった。
しかし誠の性分として、本人は誰よりも才能ある男なのだろう。
「俺は立教大なのだ」
と、自称するが、実は高校も出ていない工業高校中退者なのである。
662名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/01(土) 18:35:19.47
誠の性質の例として、人には理論を求めて、本人は根拠のないことを断言する、とは前に触れた。
――誠にはひどく国語力がないらしい。
高校レベルもあるかどうか、当然ながら無知な理論だった。
663名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/01(土) 18:37:52.19
実際には、誠に文章の知識は無い。
クバの化身についての長文小説は、筆者の文面を妨害するため誠本人がやっている。
「誠は、あの文章の何が悪いかもわかってないな」と、筆者は毎週土曜夕方に来たときに、そう思った。
664名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/01(土) 18:38:37.02
筆者にバカにされ、誠は地を叩いてくやしがった。
そのうち日が経ち、9ヶ月の間クバの化身は続いている。
誠はどこの掲示板にも現れるが、気に喰わないを者を見ると、日本語の指摘をする。
665名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/01(土) 18:39:54.80
文章が逆で、どちらでも同じ意味になる表現を回文と言うが、誠はこれを知らない。
この男の日本語講座を見ても、間違いだらけで、それほど無知であった。
666名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/01(土) 18:41:04.95
誠は工業高校中退のくせに、他人に日本語講座をしている。
誤字、文字の変換間違い程度で、他人に阿呆の印象を与えていたが、しかし、誠自身の文面は間違いだらけである。
667名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/01(土) 18:44:01.86
>>666

「文面が間違う」って表現は無いからな。
668名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/01(土) 18:48:48.50
>>665

回文は同じ「意味」じゃないからな。
669名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/01(土) 18:55:13.45
「心配能力向上のためにマスクをつける」
と、誠は言った。この男は誤字脱字が最大の恥、ということはわかっていたが、文章の知識はまるで知らない。
誤字脱字には異常なほどに反応するが、知識の間違いには無反応である。
670名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/01(土) 18:55:47.39
二重形容詞、重複は文章の間違いであり、回文は表現で、工業高校中退の誠には難しかった。
それほどの阿呆な者でもプライドはあるらしく、知識の間違いに無反応なのは無知によるものであろう。
671名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/09(日) 18:05:20.68
阿呆すぎる誠の日本語指摘に反論する者などいない。
同時に、誠は自分が知識人と誇りたい気分になった。誠は孤立した。
672名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/09(日) 18:06:21.23
が、筆者が誠の日本語講座の反論をしてやる。
それまで誰も反論がなかったのだが、いずれにしろ誠はこの日本語講座を最終兵器と思ってたらしい。この時初めて自分の愚かさを知ることになる。
673名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/09(日) 18:07:07.49
誠は、ネットの中に住居があると言っていいほどのヲタクで、その現実認識については、もっともほど遠い男であった。
その住居はいわば縄張りだったが、しかし、そこを侵されるのはいかなる場合でも黙っていられない。
674名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/09(日) 18:08:00.91
しかし、誠には天敵という筆者がいる。
筆者が誠叩きをしているとき、誠は逃げ回って、筆者がいないときに吠える方法を取った。
筆者のみ戦いを避けたのである。
675名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/09(日) 18:08:49.10
もともと誠という男は、筆者に勝てないことを知っていたであろう。
筆者とのやりとりにあたって、関係ないことを返事することを原則とした。
筆者を恐れ、やり合う場合は、素早く逃げてダメージを最小限にしてきた。
676名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/09(日) 18:09:42.35
さて、誠の日本語講座である。
どうやら誠は必死になっているらしい。
足りない頭であの手この手で自演、騙り、煽りをするのは前に触れたが、日本語講座は、この男が途方もなく必死になる儀式であった。
677名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/14(金) 18:33:27.17
誠ほど国語力の無い男も少ないであろう。
まず読書をしていない。
新聞すら読んでいない気がした。
筆者は作家の文章を真似ていて固い文章である。
この作家は元新聞記者で、それを読み辛いと言っている誠は、新聞もまともに読んでないと思われる。
誠は当然ながら漫画しか読んでいない。
678名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/14(金) 18:34:32.71
誠は筆者がブログをやってた頃から、ストーカーをしていた。
後に、ジョークを
「おもしろくない」
と、言っている。
おもしろくないが、ブログを読み、ジョークを書かなくなると
「ジョークを入れろ」と言っている。
679名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/14(金) 18:35:19.51
この言葉に驚いていたが、筆者は一部の支持者に大絶賛され、
「あなたの書き込みはおもしろい」
、と、判で捺したように返事をもらった。
そのことが48ながら誠の面子を潰し、ヤジ馬いう先入観を天下に働きやすくした。
680名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/14(金) 18:36:07.22
しかし、本当は、誠は筆者のブログがおもしろかったと思っている。
誠は、毎日のように筆者のブログに行き、真似事を始めた。
しかも文章たるや、読めばすべて真似て、誰かに認められたいようだった。
681名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/14(金) 18:43:26.36
誠は小説風のブログではない。
ただの作文ではないか。
作文という以上に、場合によっては感情が乱れていて、文章が不安定な駄文と言えなくもない。
「筆者の真似事をしているのに、ジョークひとつないな」
あれだけのことを言ってである。
682名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/14(金) 18:44:25.36
筆者はそう言うと、座り直した。
小説風でもジョークでも関係ない、ということを踏まえて、誠は根こそぎ自分の文章なり、思考なり、考える必要があると思った。
「やっすんの書き込みが低レベルと言ったときと同じだな」
そこから筆者は説きはじめた。
683名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/15(土) 18:03:08.92
誠の「偽やっすん」は永く続いた。
誠の騙りは偽やっすんが最初で、慢性化し、とくにやっすんが消えてからは、人々は偽者が本物と思うようになった。
しかし、見る者からみればわかる。
684名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/15(土) 18:03:50.15
その理由はまず、やっすんの出現とその爆弾発言によって、2ちゃんねるを大きく変えたことである。
偽やっすんはいま考えてみると爆弾発言がなかった。
やっすんの騙りをすると言っても文面だけ真似て、また行動が違っていた。
685名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/15(土) 18:04:29.03
しかも、やっすんの文面には乱れがなく、デブとか中年ニートと言われても平然としていて、反論をすれば周囲を楽しませ、見る者を巻き込んだ。
そういうやっすんに誠はおもしろくない、と言った。
筆者と同じパターンである。
686名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/15(土) 18:05:17.17
また、誠はやっすんに消えろと言った。
が、消えると「やっすん出て来い」と矛盾したことを言った。
その数日後には、ネット始まって以来、強烈キャラのやっすんの騙りをしたのである。
687名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/15(土) 18:06:08.78
――やっすんのときと同じではないか。
誠が筆者の書き込みをおもしろくないと表現する5年前のことであった。
筆者とやっすんの書き込みをおもしろくないと言いつつも、楽しんで、誠は夢の中にいるような心境だったに違いない。
688名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/15(土) 18:12:47.01
筆者の昔のブログを真似て、同時に人から認められたい思いがあったのであろう。
筆者のブログは日本中に大いなる感動をもたらした。
が、誠は、猿真似だけでは長くは続かず、ブログにはスキルが必要なのがわからないらしい。
689名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/15(土) 18:13:19.46
どこかでパクった騙りをしている誠などは、以前のように考察する能力もなく、感情が入り混じり、不安定な文面であった。
ひろく目を天下に向けなければ必ず大波に巻き込まれて、やがて誠は乞食になる。
筆者は言うのである。
690名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/19(水) 17:41:25.24
筆者はブログをやっていた。
誠にそっぽをむき、そのまま5年ほど放置していた。
(キモイ男だ)
この男が居ては、掲示板の住民も大変だろう、と思った。
誠にはそういう得たいのしれない空気があり、それはすでに10代の頃からだろう。
691名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/19(水) 17:42:49.93
――相手にしていない。
という言葉をしばしば誠が使っているように、筆者も相手にせず、たとえば、誠が仕事もせず2ちゃんねるで暴れ回っていても、表現や言葉から、近寄り難く、知らん顔をしていた。
692名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/19(水) 17:43:37.11
誠は「相手にしていない」と言ってた5年間、筆者をストーカーしていた。
ここ1年ほどの調査で、それが形となった。
誠はネットに噛り付き、指に力を込めて悪足掻きをしている。
693名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/19(水) 17:44:11.72
誠は筆者にホストをどう抜かれていたことを知っていて、落ち込んでいた。
それでもなおこの男は否定していたが、ただ表情はロウソクで火を点けなければならないほど暗く、これほど暗愚な姿は初めて見た。
694名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/19(水) 18:24:12.52
誠は、筆者への5年間のストーカー、金川=誠、がバレてしまった。
それは積まれた山のようになっている。
どの誠も愚かで、日によっては感情が入り混じって、文面が不安定であった。
695名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/19(水) 18:24:45.54
誠は太い指でパソコンを開いた。
クバの化身を一見するとうつむいた。
2ちゃんねるに書き込みを始めた。これがこの男の日常である。
696名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/22(土) 18:26:08.33
筆者には、この肥満体の誠のココロがわからなくなっていた。
誠の自演は、2ちゃんねるはおろか他の掲示板でもやっていて、議論掲示板(メビウスリング)では、たった独りで書き込んでる確率が高くなった。
697名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/22(土) 18:27:12.82
誠の自演壁は、ネットはじまって以来の珍事である。
むろん、全部が自演とは言わないが、どう見てもこの男独りである。
誠は老いている。聞かれれば、自演を完全否定する。
誠の自演の多くは、オカシナ会話である。
698名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/22(土) 18:27:58.76
「何か頭の中で会話しているようだな」
と、筆者は誠に言ったことがある。
いつの間にか過疎化し、この男のいる掲示板には人影がなくなった。
誠自身、引くに引けなくなっていた。
699名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/22(土) 18:28:54.19
「それが削除される証明にはなりませんね」
と、誠は言った。
マナーが悪いからと言って、ただそれだけで削除されるのはオカシイと言うのである。
掲示板のマナーは管理人にあり、もし認めてもらえなければ去る――他の良き掲示板を選ぶ、これがネットのルールである。
700名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/22(土) 18:29:55.10
「俺は削除依頼なんてしない」とも誠は言った。
誠の出たこの言葉は出任せだが、自演の点でもそうであった。
そういう倫理概念の中で生まれたのが誠であり、その倫理でゴネている。
701名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/22(土) 18:30:52.27
「俺は悪いことをすれば必ず謝る」
と、誠は筆者に言ったことがある。
人の世において、こんな言葉を吐いて本当に謝るやつはいない。
誠にとって削除依頼のひとつひとつが、平手打ちを喰わされるほどの打撃だったらしい。
702名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/29(土) 18:28:52.65
もし、誠に理解者がいれば、この男も、暇を覚悟しながら、脇っ腹から妙な自演をやめるかもしれない。
誠を救うには、己のために、救うべき本人の誠がネットをやめなければならない。
703名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/29(土) 18:29:28.89
「それが削除される証明にはなりませんね」
こんな理不尽なことを言っておきながら、開き直ることに徹しれず、誠の感情はギリギリな具合であった。
704名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/29(土) 18:30:33.78
が、筆者が――自演をするな!
と言えばまったく別のものになる。その上で
――自演をするな!
と、筆者は言った。
誠としては、周囲の都合のために圧殺されるのではなく、逆に自演をやめるときは自分の意思だ
と、思っている。
705名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/29(土) 18:31:25.84
何と言っても誠が自演を辞めるのは常軌の沙汰ではなかった。
自分の意思をもって自演を辞めるなら、誠の感情は大いに高揚するが、もし筆者の忠告という印象が露骨に前面に出れば、この男の感情はつむじ曲がる。
筆者はそれを知っていた。
706名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/29(土) 18:32:20.77
その意味で、自演指摘は、誠を見事に狂わせたと言える。
――すべて筆者の計算通りだな。
このことは前に触れた、
と、それを思い出し、満足していた。
707名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/29(土) 18:53:18.91
しかし、現実として、誠はまだ理不尽な行動が取っている。
理不尽の凄みは諸刃の刃のように、自分を傷つけてしまうものである。
誠は、書き込みを削除した管理人に逆恨みし、身勝手な自己主張をし、密かにプライドを守っているに違いない。
708名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/29(土) 18:54:10.65
日本の歴史の天下人を見てみると、なるほど彼らは姑息であった。
彼らは、姑息な手段で天下を盗み、やがて風化していく。
天下を獲ることに対して、姑息である事が示されている。
が、誠は姑息だけである。
709名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/29(土) 18:54:59.91
筆者の見るところ、誠は自分の才物がわかってないようであった。
その点がわかれば、誠は大器量人に成れるのだが、しかしおそらくは、それがわかるような感情性を持っていないように思える。
710名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/29(土) 18:56:04.28
橋の下からは人がよく見える。
――みんな同じではないか。
と、浮浪者は言った。
みんな同じような悩みを持っていて、それに気付いた瞬間に悟りを開いた。
誠が常々、ボクサーの悪口、社会批判をしているのを見て、それを思い出した。
711名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2012/12/29(土) 19:15:15.57
余談だが、2013年にこのスレを根拠地として、誠を再び語ろうと思う。
筆者にはおかしいほどの継続感覚があるらしい。
身を自由にし、やってみたいことに、没頭することが出来る。
かつて奔放と言われた筆者は、人生をより自由におもしろく生きているではないか。
712名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/01/19(土) 18:11:15.82
誠は、自演がバレてはいけないと思い、過疎化しても自演を続けていたが、やがて誰もいなくなった。
713名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/01/19(土) 18:11:57.90
筆者がボクシング2ch、資格全般2chに入ったときは、たいてい誠独りが書き込んでいる。
人影がなく、それだけに誠たった独りの書き込みがさびしく、冬の季節だけあって、なお寒い。
714名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/01/19(土) 18:12:44.88
やがて筆者が書き込み、誠のCMを貼り、一息いれた。
誠は誰かの騙りを使っていて、そのまま過疎地帯が視野いっぱいにひろがって見える。
ただし、今すぎて来たこの掲示板で、どうなっているかはわからない。
715名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/01/19(土) 18:13:29.56
過疎化になるとき、誠の自演によって奇妙な空気が流れたが、時が経つと常連が掲示板をのぞき、その異様さに再び去って行ったとも言われている。
たしかに、誠が誇る自演は、初めて見るものには異様としかうつらない。
716名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/01/19(土) 18:14:11.67
常連のやさしさなのか、放置なのか、そのあたりは推量するほかないが、誠の自演を指摘する者などいない。
ただ、誠は逆で、自演でなくても、相手に向かって自演自演と騒ぐように言う。
よほどのトラウマなのか。
717名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/01/19(土) 18:23:41.93
ひるがえって考えてみると、誠の自演も騙りも煽りも、それらを隠すためにやっている。
いわば、自演、騙り、煽り、をたくみにモザイクしたものであったということ思うと、嘘を嘘で隠す法螺吹き、とも言えなくはない。
718名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/01/19(土) 18:24:24.79
ボクシング2ch掲示板で、誠は喧嘩を語った。
そこはあいかわらず過疎化地帯だが、筆者が亀田や辰吉の武勇伝を話したので、それに影響されてか、いつの間にか
――俺は喧嘩が強い
と誠は自称した。
719名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/01/19(土) 18:25:13.45
「お前の喧嘩話はそこらの高校生の話と同じだな」
筆者は皮肉をこめて言った。
誠の柔道部説は嘘ではないかと筆者は疑っているのだ。
他の者もそれに同調し
「柔道なんて嘘に決まってんじゃん」
と言われている。
720名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/01/26(土) 18:24:07.44
(どういうことだ)
誠は以前、喧嘩をする者はチンピラとバカにしていた。
が、ネットの喧嘩はやたらムキになっていた。
数年前、誠は2ch丸出しの喧嘩殺法でイシヤにのぞんだ。
721名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/01/26(土) 18:24:49.78
それを見守る筆者は、誠にあきれかえっていた。
あきかえったのは、イシヤとあまりに文面のレベルの差が離れ過ぎたためである。
余談だが、誠が「国語力の無さ」にトラウマを抱えているのは、これが由来である。
722名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/01/26(土) 18:25:35.36
その数ヵ月後、筆者と誠はやり合う。
それが最終決戦である。
このとき、誠は
「お前はまだまだ青いよ」と言っている。
が、一週間チョイの勝負で、誠は筆者に完敗した。
723名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/01/26(土) 18:26:21.19
やがて、誠は喧嘩の掲示板を作る。
誰も来ないため、自演で喧嘩をした。
その掲示板は数個作っているが、ことごとく誰も来ない。
ついには、自分を大物と言い放ち、過去には
「俺は有名で持て囃されたよ」
と、自称している。
724名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/01/26(土) 18:37:52.16
誠はそろそろ晩年にきて、ほとんど人と付き合わず、終日ものを言わない日も多かった。
ただ、ネットをするとき、喜怒哀楽があらわれる。
誠はHNを固定できない。自分の書き込みが世に洩れることを恐れ、HNを固定しなかった。
725名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/01/26(土) 18:38:45.42
誠はひどくマナーが悪い。
HNを固定しないため、素性がバレないと思っている。
「俺は有名で持て囃されたよ」
と、自称した。
大物と自称した。
そのわりには、HNを固定することなく、あぐらをかいでいる。
どうやって、持て囃されるのであろう。
726名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/01/26(土) 18:39:51.58
これらの見事な法螺を見て、誠と言う男が尋常でないことがわかった。
そのことを誠に言うと、ネットでいい顔をしたいだけに
「俺じゃないと言ってんだろ!!」
と、方角外れの返答をした。
727名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/01/26(土) 18:40:34.75
誠は本拠を相変わらず2chに置き、法螺吹きは生涯そうだった。
中学時代や高校時代、あるいは中退してニート、50代ニートになった今になっても、それは治らない。
728名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/02(土) 18:40:11.33
たえず2chに来ては、根拠不明のガセネタを流して、誠は縄張りを監督した。
縄張りを守るためである。
ガセネタが拡張し、釣りをし、自演、煽り、騙りを組み上げた。
729名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/02(土) 18:41:02.08
誠は自らを大物と称した。
「俺様は大物喧嘩師だ」
と、言ったふうであり、自身で建てた喧嘩掲示板がいくつかある。
むろん、元いじめられっこのため路上喧嘩はできないが、ネットでは義もなく喧嘩をするばかりか、相手の発言を聞き流す事を誠はできない。
730名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/02(土) 18:42:10.53
もし、誠が路上で喧嘩出来る男なら、ネットでも義をもってするであろう。
心理学では、喧嘩早い男は義を持っているらしいが、しかし、誠にはそれがなく、自演、煽り、騙りしかできない男である。
731名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/02(土) 18:42:44.69
筆者に大敗し、誠は間接的に「面と向かって言えない」と言ったが、筆者は「電波で逃げ回っているやつが路上でどうやって勝てる」と、一蹴した。
732名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/02(土) 18:43:34.93
と、今でも誠は大物ぶっているが、筆者から逃げ回って、臆病さをさらけだしている。
が、誠は西岡、長谷川、亀田という大物チャンピオンが世界の強豪から逃げているというガセネタを流した。
733名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/02(土) 18:44:16.45
むろん、西岡(引退した)、長谷川、亀田は興行上のことで、逃げたのではなく、ただし試合成立しないでいる。
余談だが、西岡は再三マルケスに試合を申し込んでおり、興行上の関係で実現しなかった。
さんざん、西岡が逃げ回ったと言ったのはいったい誰であろう。
そのことに触れると誠は閉口した。
734名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/02(土) 19:05:45.59
「お前は今までやってきた中で一番弱い」
と、誠はイシヤに称された。
この言葉はイシヤの全盛期の流行文句だったが、この言葉は誠をよく表している。
735名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/02(土) 19:06:28.11
誠は一望の掲示板で早くから暴れ、そこの住民に向かって難癖をつけ、荒しだけではなく、過疎地帯が四通八達しても自演で居座った。
――ヒトというより猿だ
と、引っ越した住民に悪口を言われるようなキチガイであった。
736名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/02(土) 19:07:02.62
ただ、誠は疎外感を感じてたらしく、孤独に耐え、孤独よりネットの喧嘩を重んじるという点で、利口者である引っ越した住民と比べて変人であった。
737名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/09(土) 18:15:36.74
――底辺になればなるほど競争したくなるんだよね
かつて誠が吐いた言葉である。
その場で筆者が
「お前は誠だ」
と断定すると、誠は逃げた。
様子を見てヤバイと思ったのであろう。
738名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/09(土) 18:17:00.15
――どんな優秀な者集めても、3割が落ちこぼれる。というデータがあり、競争意識を持っているのは、上の3割と下の3割と言われている。
これは、普通レベルの者は競争意識がすくなく、日本人がいかに平均思考が強いことの表れである。
739名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/09(土) 18:17:45.79
誠の言葉に耳を傾けると、低レベル、低脳、底辺、との表現が多く、容易に劣等感の強い男と想定できた。
このため
「底辺になればなるほど競争したくなるんだよね」
との名文句は、誠が「3割が落ちこぼれる」
というデータに一致していた。
皮肉にも、誠は自分の名文句で自滅したことになる。
740名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/09(土) 18:18:37.12
「IDが違いますよ」
こういうネット初心者のような発言で、自演を否定する者もめずらしかった。
朝5時台にである。
誠は退屈だから早朝でも熱弁する。
その後、筆者が細かくIDを検索すると、昔のIDと一致した。
741名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/09(土) 18:26:11.91
(キモイ男よ)
筆者がそう思うのも無理は無い。
さしたる取り柄のない男だが、誠の取り柄は、ホストを自由に変えれるところだ
と、筆者はみていた。
誠にとって「ID不一致=別人」という曖昧な根拠こそが、不動の証拠なのである。
742名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/09(土) 18:26:59.42
そのかわり、誠に不信感をあたえた。
「ホスト不一致」というだけでは別人ではない。
しかし、第三者ではずの男が顔を真っ赤にして、自演を否定した。
これはどういうことであろう。
743名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/15(金) 18:07:19.21
まことは何かを思いつくと、スレッドを建てたり、質問したりする。
スレッドというのに、まこと独りが書き込んでいて、会話とも言えぬ自演を展開していた。
(友達がいないのか?)
筆者はそういうまことの醜さがキモイのである。
744名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/15(金) 18:08:11.05
自演もほどほどならいい。
自演も続けていたら、本当の会話となると思っているのか、反論するキャラも作り、まこと独りで喧嘩をしている。
質問をすれば返ってくるのが当たり前という感じで、こういう阿呆が「上に立つ者は孤独ギリギリな男」ではあるまい。
745名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/15(金) 18:08:51.96
「世間はお前のお母さんではない」
筆者はまことに言った。
親に甘やかされたのだろうが、、反面、ばかばかしくなって
「上に立つ者は孤独ギリギリな男は、滅多に質問なんかしないのだよ」
と、罵りたくなった。
746名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/15(金) 18:09:31.77
まことの悩み相談は、彼が無能だからである。
母親が、甘やかし、学生服のボタンまで付けてくれて、まことは真の甘やかしの原因がわからぬままに、年が50に達してしまった。
747名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/15(金) 18:45:05.13
その「甘やかし」とは、宙ぶらりになっている悩み相談なのである。
人は相談する前から答えが決まっているものである。
その他、クドクドした弱さが目に付くから、人はすぐには相談しない。
まことは稀に見る弱者かもしれない。
748名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/15(金) 18:45:40.14
おもしろいことに、まことも人の質問に答えようとしている。
自分の問題も解決できない男だから、言うことも大したことはない。
これが「上に立つ者は孤独ギリギリな男」であろうか。
749名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/02/15(金) 18:59:41.11
どういう腹か、まことは自分で頭がいいと思っているが、小中学生が言いそうな低レベルな言葉が際限なく、この男の口から出てくる。
まことにすれば無理も無かった。
まことにすれば、能力もなく、読書もして来なかったからである。
750名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/02(土) 18:35:13.74
まことは何かを思いつくと、スレッドを建てたり、質問したりする。
スレッドというのに、まこと独りが書き込んでいて、会話とも言えぬ自演を展開していた。
(友達がいないのか?)
筆者はそういうまことの醜さがキモイのである。
751名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/02(土) 18:36:44.32
能力ある者は、相談する者が迷惑である。
智慧が世間に漏れれば、競争相手にバレてしまう。
「上に立つ者は孤独ギリギリな男」はそう思ってるに違いない。
すくなくとも、能力ある男は読書などしなくていいし、まことのような無能な男は、読書をしなければ明日はない。
752名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/02(土) 18:37:26.43
まことは、陰気をみなぎらせながら電波を見つめている。
筆者に何を暴露されるかもしれないという洞穴に入り込んでしまっている以上、まことの生涯どうなるかわからない。
753名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/02(土) 18:38:07.15
自演をする者は、蜘蛛の糸が張り付いたように、そこから抜け出せない。
電波の中の人間関係で、それはむしろぬるま湯である。
だらしなくパソコンを叩いて、自演をしてもなんとも思わない。
754名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/02(土) 18:39:20.25
自演をする者が気に入らないのは、縄張りを犯す者であった。
掲示板を愛してのことだろうが、それだけではない。
自分がない。
無いはずの自分が可愛く、自己愛だけで自演するように感じられる。
755名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/02(土) 18:45:54.65
筆者にも愛した掲示板があった。
(喫茶店のような掲示板だ)
と、好意を持っていた。
ゆったりした空気もいいが、無駄口がない空間が、筆者には心地がよかった。
まことは男のくせに無駄口が多い。いや、多すぎる。
756名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/02(土) 18:46:53.87
そこに荒らしが現れた。
(うっとおしい男だ)
と、思いつつも誰も相手にしない。
人間が出来ている。
放置して置けばいいのだ。
と、そこの掲示板の住民は、そういうゆとりを持っている。
――が、
757名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/02(土) 18:47:39.57
「お前のようなやつが来るところではないんだよ!!」
と、一人の者が自演をしながら言った。
この場合、一言の注意でいいのである。
「なぜ自演しながら注意する?」
と、筆者は言った。
758名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/02(土) 18:48:23.46
その掲示板ではマナーを重視し、敬語によって運営されている。
無駄口がないのもそうだし、そうあるべきだ、と住民は信じている。
その住民の独りが自演をした以上、掟を破ったようなものである。
759名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/02(土) 19:02:27.96
筆者の言うとおりだ
と、思いながらも、自演した者は引くに引けない。
悪玉であるその自演者は、さらに自演を続けた。
そんなことは2ちゃんでやるべきなのだが、彼は道端で注意されても逆ギレできないであろう。
760名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/02(土) 19:03:58.64
その後、仲裁が入り、治まった。
このやりとりは、普通の者でも自演をすることの表れである。
筆者のように、自演をしない、自演に頼らないのは、ややマジメかもしれない。
が、まことは限度を超している。
761名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/02(土) 19:06:49.35
ちなみに、まことは自演を続ければ本当の会話になる、と信じていたために、どこも過疎地帯となった。
自演をして、陥れる必要から誰かの騙りして、独りで喧嘩をした。
まことがキモすぎるのか、よほどの悪質な2ちゃんも去っていく。
762名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/02(土) 19:07:45.78
この点について、まことのレベルが底抜けに低くくて――そこが2ちゃんねるにせよ――一線を越えている。
まことが人生を捨てているとはいえ、何も考えずうかうかと振舞えば、いつか逮捕されるに違いない
763名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/02(土) 19:17:29.99
かつて筆者は、まことに「お前はここの癌なんだよ」と言ったことがある。
すると、まことの自演はますます激しくなり、筆者の騙りをして自ら叩いた。
空いた時間に筆者が来ると、まことは一目散に逃げた。
764名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/02(土) 19:45:44.63
ネット初心者だった筆者からすると、何のことやら、意味がわからないが、憤りを通り越して、ここまでのキチガイがいるのか、と、ショックを受けたところか。
765名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/03(日) 19:37:08.70
まことが書き込んでいる掲示板には、自演、騙り、煽りが押し並んでいる。
その中から次々とまこと本人だという証拠が出て来て、その度にこの男はうろたえた。
766名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/03(日) 19:38:13.21
まことに騙りを受けた者達、自演に呆れて去って行った者達、煽りもしたが、みなにあきれた顔をされて無視されていた。
まことに怒りをこめて応酬すれば、阿呆が伝染する
と、みなが思っている。
767名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/03(日) 19:38:54.62
まことは超ヲタクであり、まことにすれば、自演、煽り、騙りしかできない男である。
むろん、このような行動を、筆者はなんとも思わない。
卒業しているのだろう。
ただ、筆者には同情論があるが、そのことには触れない。
768名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/03(日) 19:39:43.03
悩み相談掲示板で、まことは「さみしい」と言っている。
暗に、弱音を重ねている。誰かにかまってほしいためで、弱音を吐くくらいなら、悪態をつくな、と、筆者は言いたいのである。
769名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/03(日) 19:40:35.25
まことも、2ちゃんねるで悪態をつくほどもタフ男ではなかった。
それに、不思議な男であった。まことをずっと見てきたのだが、この男は起きている時間帯のほとんどをネットに費やしている。
770名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/03(日) 19:41:52.84
したがって、「かなり知的なホワイトカラー」の仕事をしている男ではない。
古今東西の歴史の中で、異例なことに、まことの半生は、ほとんどが引き篭もっている。
つまり、この男ほどツイてない男はいない。
771名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/03(日) 19:55:44.86
まことは無責任に論じたかった。
ただ「まことっ誰だよw」と、まことは言い、今考えれば、酒に酔って、酔い泣きをしながら論じているように思える。
772名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/10(日) 17:46:02.12
オウム返し。
と、まことはイシヤに言われた。
まことは言われた文句をそのままイシヤに吐き、目は焦点が合ってなく、魚の目のように鈍っていた。
そのくせ、自分が有利でも言いたそうであった。
773名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/10(日) 17:49:58.86
実はこの「オウム返し戦法」は、筆者の真似である。
オウム返しの場合、幼稚園児がからかいを作った顔で、相手の言うことを真似て吐く。
実際、その年頃の子供は一度はやる。
774名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/10(日) 17:50:40.74
幼稚園児はいい大人にもすることがあって、得意げになっている子供の顔に腹が立ち、気がついたら本気で喧嘩になっている。
幼稚園児相手に冷静であり続けるのは並大抵のことではない。
775名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/10(日) 17:51:29.38
オウム返しは、ただ相手の言っている言葉を真似るだけだが、なんとなく言い負かされている錯覚がある。
と、言っても低レベルで、本気に相手になってくる者はいなく、本気になるといえばまことくらいなものだった。
776名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/10(日) 17:52:13.42
途中
「同じことを言い返すこと事態負けなのだけどね」
と、まことは言った。
しかし、本当はくやしいと思いつつも、返す刃がなかった。
その後、イシヤにオウム返し戦法を使うところがその証明であろう。
777名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/10(日) 17:54:58.50
しかし、まことの場合は空気が読めてなかった。
まことはイシヤに押されている。
それも、不利な事態に、オウム返し戦法を使っても焼け石に水であった。
オウム返し戦法は、僅差、あるいは優勢であればこその戦法である。
778名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/10(日) 17:55:52.71
オウム返し戦法は幼稚園児同然の戦法にすぎない。
対処できるならともかく、対処できない以上、相手にしないのが得策なのだが、まことの自尊心が許さなかった。
なんともレベルの低い男か。
779名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/10(日) 18:34:00.67
以上、クバの化身を通じて、まことを眺めてきた。
まことは、中学で不登校になったあと、工業高校でもいじめに遭い中退した。
まことは、高校中退者とよばれる負け犬となって、職もほとんと勤めず、ニートとなった。
780名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/10(日) 18:35:16.76
まことが現実と対峙し、やがて20年の時を経てインターネットの掲示板に現れるが、その間、何をしていたかは定かではない。
ただ、永いニートの生活に関しては、ずっと彼の書き込みを見続けていた筆者が一番よく知っている。
781名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/10(日) 18:36:15.87
まことがネット歴4年頃、ネット歴2年だった筆者と出会った。
まだ、ネット初心者だったとはいえ、まことの異常行動くらい容易に検索できたのである。
782名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/10(日) 18:37:17.19
まことのコメントには意味ありげな書き込みがあった。
インターネットというのは、ほとんどが記録され、検索に載るのであり、そのわずかな隙も気をつけなければならない。
意味ありげとは、筆者の他の掲示板の書き込みである。
783名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/10(日) 18:38:24.46
まことはこの当時からHNを果敢に変え、当然ながら正体がバレていた。
しかしながら、偶然とも考えられ、まことの悪意を望むべくもない。
まことは、筆者がまったく気付いていないと思ってたのかもしれない。
784名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/10(日) 18:39:13.92
(しまった!!)
まことはそう思っていたであろう。
偶然というのは、何度も起きると必然となり、筆者は確信した。
まことが荒らしという理由を、筆者は豊富に知っていた。
785名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/10(日) 18:59:19.39
まことのコメントには意味ありげな書き込みがあった。
インターネットというのは、ほとんどが記録され、検索に載るのであり、そのわずかな隙も気をつけなければならない。
意味ありげとは、筆者の他の掲示板の書き込みである。
786名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/10(日) 19:04:18.03
まことは自分の書き込みという素材によって、たとえ今バレなくともいつかバレる危機感がなかったようであり、たとえば、臆病もなく筆者の運営している掲示板に書き込むことがそれである。
787名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/12(火) 19:21:53.93
実のところ、筆者は誠に嫉妬していたのである。
同じ壮年期の男性として、誠は実にエネルギッシュであり、疲れ果て、老いを日々実感する筆者には眩かったのである。
実は、筆者は一度だけ誠を遊びに誘った事があった。
しかし、誠は女子大生と会う約束があるといい断った。
筆者の中で誠への憧れが醜い嫉妬に変わったのはその時だったのである。
788名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/12(火) 19:24:51.37
嫉妬から誠に執拗な嫌がらせをした筆者は掲示板の常連から諌められた。
ある常連は筆者を口汚く罵った。
しかし、そこへ誠が現れ、筆者を庇い、場の空気をギスギスした険悪なものから笑いに変えたのである。
それは、ほんの一回の書き込みであった。
誠は太陽のような男なのであった。
789名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/12(火) 19:33:18.23
誠に助け舟を出され、掲示板の中での立場を失わずに済んだ筆者であったが、誠への嫉妬心は消えなかった。
いや、むしろ、誠に助けられた事が悔しくて堪らなかったのである。
なにが一番悔しいのかと問われれば、改めて誠に抱く憧れを筆者の中に確認された事であろう。
誠を中傷したにも関わらず、常連から非難された筆者を助けた誠をかっこいいと思ってしまったこと。
誠に完敗した事を認めた筆者はクバの化身の執筆をやめたのである。

790名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/15(金) 18:23:30.65
この後、まことは偽やっすんとして掲示板を荒らし、筆者の騙りをし、ついでイシヤに出会った。
まことはここでも2ちゃんねらーぶりを発揮したが、もはやこの男には恥を知らなくなってしまった。
まことにとって、カタギの道は終わったのである。
791名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/15(金) 18:24:18.24
まことのネット奈落は、突然はじまったものではなかった。
前段階があった。
イシヤはとりあえずまことの相手になり、お守りをし、決着を待つ方法をとった。
792名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/15(金) 18:25:09.69
まことは筋目がある男ではない。
イシヤの文面に反論せず、自分のことだけに反論を強制した。
実際は、イシヤの文面をまともに読んでないのである。
さらに、まことは次々にHNを変えた。
793名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/15(金) 18:26:33.94
まことはHNを変えて、別キャラを終結させ、イシヤを袋叩きにした。
が、この袋叩きが自爆の原因となった。
イシヤは袋叩きにされているはずなのに
「初めて来たけど、ここはイシヤだけなのか?」
と、言う者が現れたのである。
これはどういうことであろう。
余談だが、まことはこれに対し、自演の証拠にはならない
と言っている。
794名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/15(金) 18:27:22.41
この当時の粗放だったまことの議論能力は、小学生ではないかと思われるほどに下手クソだった。
それまでのまことは、筆者にいとも簡単にあしらわれていたが、彼はイシヤの威光に酔っていた。
795名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/15(金) 18:37:42.38
偉い人の友達は偉い、と、言いたそうに
「お前はまだまだ甘いよ。イシヤや俺を見習え」
と、まことは言った。
このことが恥をかく結果になる。
イシヤとやり合い、レベルアップしたはずが、いざ筆者とやりあってみると、一週間チョイで敗れたのである。
796名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/15(金) 18:38:42.17
「こんなはずが・・」
と、まことはしきりに思い、筆者にまったく通用しなかったことを嘆いた。
まことは自分がレベルアップし、筆者を上回ったと思っていた。
その後、しきりに自分が格上と説き、自演で負け惜しみを説きまわった。
797名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/15(金) 18:39:54.09
まことの言っている「格上」は、小中学生が言いそうなことで、高校生くらいになるとほとんど言わない。
本当に格上ならいいが、ひとつにはまことのコンプレックスの気持ちが動いていた事にちがいない。
798名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/15(金) 19:00:40.17
まことは国語力がなく、単語を拾う能力に欠けていた。
筆者はその隙を突けばいいだけの話である。
まことには旗色の根拠がなく、ひたすら自分が格上と言う程度であった。
>>669-672
799名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/15(金) 19:03:32.76
まことがニートと知ったのは8年ほど前だった。
筆者が寝る前の午後11時頃に書き込みをして、夜中の2時に返信していたのである。
何をしている男なのかな
と、筆者は思った。
800名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/15(金) 19:05:04.70
余談だが、800である。
801名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/15(金) 19:06:03.29
時間不規則な仕事もあることだし、まこともそういう類の職の男だと最初は思った。
この時期、まことは20代真ん中の男かと考えた。
このあたり、まことが連続ドラマを観ていることもあり、気も若い。
802名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/15(金) 19:37:24.40
しかし、その時間不規則な書き込みは毎日のことで、思考能力のないまことが、いかに注意力が欠いていたということであろう。
この時期、筆者は、まことが停職中と考えた。
803名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/15(金) 19:38:16.75
かと思えば、さらに半年後、筆者は驚いた。半年経っても、数年経っても、仕事をしている気配がないのである。
まことにすれば、HNさえ変えていれば、ニートと思われないと思っていたのであろう。
804名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/19(火) 09:47:24.18
>>803
おい、789でクハの化身の執筆をやめるとほざいただろが、糞ボケが
他のスレにまで出張して駄文を垂れ流すんじゃねーよ
805名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/23(土) 18:08:08.34
しかし、自演をするには、保険くらい付けるものであろう。
まことの場合、自演の保険もつけないため、素性ごとバレてしまった。
まことが、ニートであり、自演魔であることは、2ちゃんねるにいる者なら誰でも知っている。
806名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/23(土) 18:09:00.93
しかし、まことが年齢にふさわしくないことを書き込みしていることで違和感を感じた。
それやこれやで、まことが50過ぎのニート爺さんと判明するのに時間がかかった。
807名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/23(土) 18:10:13.73
あるときまことは、筆者達の世代の話をしていた。
筆者は友人に話した。話はまことの品評のようになったが、筆者達世代だろう、と、結論に達した。
808名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/23(土) 18:10:51.71
やがて、まことは「ついでにとんちんかん」の話をする。
一座の者が驚き、まことは何歳だと再び議論になった。
「【ついでにとんちんかん】って、俺達より上の世代だよな?」
と口々に言った。
809名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/23(土) 18:17:45.58
まことという男は、他の掲示板で時事を語り、若いのに見上げたやつだな、と、考えていた。
このことを後で考えてみると、時事に興味を持つのは30代くらいで、20代そこそこでは興味など湧かない。
810名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/23(土) 18:18:36.37
この時期、まことと金川は同じ掲示板で書き込みはしていない。
まことは、金川と同一人物とバレるのを避けたこともあって、性格も変えていた。
まことはドライな男。
金川は理屈っぽい男。
811名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/23(土) 18:19:27.40
しかし、まことの運営する【ドラゴンボール掲示板】で、金川も書いていた。
これが、まこと=金川 とバレるきっかけである。
ちなみに、まことは証拠隠滅のために、すべての書き込みを消去した。
812名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/23(土) 18:20:19.35
まことと金川の性格は次第に一致してきた。
当時、筆者は彼らが一個の荒らしという以外に、ベタついた意思表示は示していない。
まこと=金川 については、彼は、何気なくバレるのをおそれているようだった。
813名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/23(土) 18:20:52.76
たとえば、まことと金川の会話はつまらなく、内容の無いモノだったが、二人は同一人物なため会話は途切れない。
このとき、疑問を持った観がある。
814名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/23(土) 19:41:28.73
会話とは、互いに共通点を探すものである。
まことと金川の話を読んでいるうちに、
3回ホストを抜いた。――3回ホストを抜いて、3回とも、まことのホストしか出なかったな。
と、このとき、まこと=金川 と確信した。
815名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/23(土) 19:42:12.56
まことが筆者より年上と判明している。
ただ まこと=金川 と判明したことで、年が判明してしまった。
筆者とまことは仲良くしていた時期がある。
このとき、まことは30代後半と話した。
816名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/23(土) 19:43:09.73
その頃が、8年ほど前だから40代半ばになるが、まことの性分で、本当の事を言うかを考えた。
が、この男は他の掲示板では20代前後を装っている。
まことにとって、醜く老いていくことは、受け入れ難い事実である。
817名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/23(土) 19:43:59.15
つまり、まことは40代半ばではなく、50前後以上になる。
体力も頭の回転も衰え、自演、なりすましの自爆をしていることが多い。
筆者の意図に対して、自演で言い訳をしているのであり、必死になって第三者を装っている。
818名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/23(土) 19:50:07.69
筆者に素性を暴露されること自体、まことにはこの上なくわずらわしいであろう。
まことは終わった。気が付いてみるとまことは孤立していた。
このことは自演、騙り、煽りが物語っている。
819名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/23(土) 19:51:14.53
まことを初めて見た当時、この男は過去に栄光があったと思った。
この男は議論をしたり、喧嘩をして、ときには目に余ることを言ったが、性格に歪みがあり、心情が安定せず、自制心に乏しく精神の病者である。
820名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/23(土) 19:51:57.37
まことはにわかな栄達を心の置き場にしているように思った。
まだしもそう思ったのは、負けず嫌いだからである。
とくに2ちゃんねるの活躍はその住民に対し、格別な粘着がある。
この粘着が、筆者には評価が高かった。
821名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/23(土) 19:52:35.54
筆者にすれば、気が済むまで議論や喧嘩が出来るのは同趣向で、毎夜やりたかったほどである。
ある日、まことは自演と筆者の騙りをした。
このとき、まことは機略および器量などなく、この男に過去の栄光などない、と、思った。
822名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/25(月) 16:13:37.21
粘着した荒らしは、馬鹿になれるおもしろさがある。
もし、荒らしもそういう馬鹿さがなければ、ネタを乗せていない寿司のようかもしれない。
荒らしは歪んでいながらも、自己主張があった。
823名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/25(月) 16:14:19.67
まことは、筆者には敵わなかった。
暴挙としかいいようのない議論をしたが、それは最初の方だけだった。
関係のないことを答えたり、自演、騙り、煽りをして、心を腐らせるという原則とおりの結果となっていた。
824名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/25(月) 16:16:24.29
さらには、自爆しても自演を認めることはなく、自演を続けていれば自演でなくなる、と、まことは思っていたが、かえって掲示板は過疎化し、逆効果となった。
825名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/25(月) 16:17:18.36
筆者は、ばかくさく思っている。
まことの自演は、時に、筆者以外にも批判されていた。
かれらだけではなく、おそらく一人として、まことの自演をよろこぶ者はいないであろう。
826名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/25(月) 16:52:41.96
そういうまことの自演を、甘やかされた挙句の結末と考えた。
甘やかされたために、自演をし、彼に同意する者を作った。
見れば見るほどバカバカしくなり、ついには「自演をやめろ」と言う気もなくなった。
827名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/25(月) 16:53:47.66
ある日「いじめBBS」という掲示板を見ると、まことがいじめで高校を中退したという事実が生々しく語られていた。
この男は、書き込みがバレたらどうなるか、予測をすることもできない。
828名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/25(月) 16:54:43.25
自重の節度すら出来ず、ましてや筋目などない。
まことはただ何も考えず振舞いたく、このため彼の行く掲示板のほとんどが荒野と化している。
これでは正体がバレるどころか、素性もバレるであろう。
829名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/25(月) 16:55:31.71
これだけのいわば阿呆と呼べる者は、まこと以外にやっすん、あるいは新庄剛志、しからずんば、田原俊彦だけだろう、と、筆者は言った。
周囲の者達も、声を失ったように沈黙し、誰もまことの話題すらしなくなった。
830名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/25(月) 18:24:40.64
まことはいじめで高校を中退した。
この事実は、彼の人生を物語るようだった。
このあと、まことの見方が変わった。掲示板の荒らしの正体が、いじめでの高校中退者なのである。
831名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/25(月) 18:25:28.22
まことを調べると、悲劇が発見される。
過去を打ち消そうと、ネットで動き回っている。
この男の悲劇は我らカタギには到底理解出来ないほど、底辺をさ迷っていた。
832名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/25(月) 18:26:47.39
まことが「工業高校中退者」ということは、暴露されるまで知らなかった。
彼はこれまで、行政書士や司法書士が簡単な資格と言い、自演し、自分で頭がいいようなことを言い続けている。
学歴コンプレックスの自信の無さのあらわれかもしれない。
833名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/25(月) 18:27:37.65
まことはいかにもヒキコミリくさい男で、日中2ちゃんねるに居て、自演して掲示板を渡り歩いた。
まことへの返事はどう見ても、本人が書いたとしか思えない。
834名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/25(月) 18:57:22.03
まことは悩み相談を書き込んでいる。
それらは、筆者達カタギの感覚から言えば、背筋が寒くなるような悩みを書いている。
まことは孤独で、そのまま丸ごとが、この男の人生であった。
835名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/25(月) 18:58:16.93
まことは掲示板に書き込むことによって、同情を請うたり、話し相手を探しているが、そういうことよりも、その行動が問題なのである。
836名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/25(月) 18:59:04.05
2ちゃんを荒らす。
ついては、他で悩み相談をしている。
その雰囲気も、まことの真の姿であろう。
悩みの内容は、さみしい、迷惑をかけて生きている、と、書いている。
まことは世間に嫉妬し、憎み続けている反面、反省もしていた。
837名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/25(月) 18:59:50.78
まことはやっすんを見て、学を夢見た。
惨めな人生を送ってきたが、行政書士司法書士が自分の人生を変えてくれると考えた。
こころの奥底ではいつも「上に立つ者」を夢見ている。
838名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/28(木) 18:15:29.09
【バカが映る】
まことと関わった者達は苦笑し、そのあと何も言わなかった。
多少イラだっていた心内が、秋の空のように爽やいでいる。
まことと相手した者達は、だんだんと彼がわずらわしく思い、にわかに引越し、見掛けなくなった。
839名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/28(木) 18:16:14.78
まことには脱俗世を帯びた風骨があったが、姑息さがあったらしい。
この男は関西に住んでいたこともあり、今は神奈川県に住んでいる。
まことは浮世に出るには痛々しく、住民はそのあたりのうわさをしていた。
840名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/28(木) 18:18:08.56
「どこまでも姑息な男だ」
筆者は言った。
まことは人の騙りをするのが好きな男であった。
恥が無いからこそ、自演でも騙りでもできる、と、常々、筆者は言ってきたが、このおかしなほどに誇り低い男に尊敬の念すら感じていた。
841名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/28(木) 18:19:06.45
ある日、筆者は資格全般2ch掲示板に行き、勝手を知った者のごとく、まことを探し、掲示板を見た。
2chを開けたときには、まことは必ず居る。
諸事、2ch慣れした男なのである。
842名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/28(木) 18:20:05.88
筆者の人影を察し、やがてまことは気付いたらしく、動揺はするが、冷静を保とうとする。
筆者は無言で様子を見ていた。
やがて、筆者は快活そうな表情でまことをおちょくった。
843名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/28(木) 18:29:44.19
まことは筆者を無視していたが、しかしやや迷惑げな色を浮かべ、自演を続けている。
「ニート」とまことは筆者に呟いた。
まことが誰にでも吐く言葉で、初対面の者にも平気で吐く。
844名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/28(木) 18:37:21.68
それだけ、まことはニートと言われるのが嫌らしい。
まことのように、普通、初対面の者にニートとは言わない。
「働け」筆者はまことに呟くが、問うまでもなく、この男は24時間2chに浸かっている。
845名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/28(木) 18:38:06.16
どういうわけか、まことは自演好きで、あらゆる掲示板で繰り広げている。
あれだけ「神に誓って自演はしていない」と言っている癖に、なぜ簡単に自爆してしまうのかがわからない。
ボケてきている証拠であろう。
846名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/28(木) 19:38:21.73
まことは誰か騙りで自演をして、騙りゆえにオカシナ箇所が出てくる。
文脈さえ似させていればいい、と、まことは言いたいらしい。
このことは筆者を驚かせた。
847名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/28(木) 19:39:52.53
「まことは頭が悪すぎた」
と、筆者は言った。
頭が悪すぎて顔にまで出ていた。
筆者と似ているところもあるが、自重する術を心得ていたから、一線を越えなかった。
つまりは、まことより一枚上手なのである。
848名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/28(木) 19:40:40.26
まことはイシヤに醜態をさらしたが、筆者もイシヤに醜態を晒したことがある。
筆者の言うイシヤとは、別のNH悟空のことであろう。
「創る者」と、イシヤは筆者をそう称した。
849名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/28(木) 19:41:42.15
イシヤによると、筆者は創る者に向いているが、作るには向いてない。
イシヤの言おうとするところは、筆者には一種の魅力があるらしい。
確かに、筆者には過去に栄光があって、英雄視された時期もあった。
850名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/28(木) 19:56:53.93
そこの掲示板の住民は、議論のような喧嘩を望んでいたにも関わらず、筆者は我流を通した。
しかし、何人かに「初めてお前に興味が湧いたよ」と、筆者は言われた。
851名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/28(木) 19:57:31.05
まことのように自分の都合のいいことばかり主張したならば、信用は崩れ、ケジメを失う。
あそこまで醜態をさらし、自演を続ければ、まことの惨めさは救い難い。
その点からいえば、筆者には筋目があったと、イシヤは言うのである。
852名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/30(土) 18:23:36.14
やがて筆者は筆を置き、立ち上がった。
――クバの化身
と、あらためてまことのことをそう言った。
夢喰う架空の動物は「バク」という。
しかし、まことにはバクのような縁起の良さはない。
真逆だから、逆さにしてクバである。
>>2参照
853名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/30(土) 18:24:21.32
もうすぐこのスレも1000を迎える。
筆者がその基礎を堅牢に築いて850以上スレを伸ばしたというのは、むろん、まことにネタがあるからである。
まことという特異な男は、2ちゃんねらーとして代表される男であった、
854名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/30(土) 18:25:05.58
まことは、10代から50代にかけて、同民族と思えぬほどに潜伏生活を送って、ニートになった点では、底辺を這いつくばった負け組である。
855名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/30(土) 18:25:49.97
世間を拒絶し、さらに掲示板を荒らすに至ったまことは、2ちゃんねるに特殊なものを作ったが、同時に普遍性というものに理解の届きにくい男になり、齡50になってもなおその根を遣している不幸な人間であった。
856名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/30(土) 18:34:29.86
それは、すべてまことに責任がある。その基本的性格は、彼自身の宿命から出ている。
そういう意味では、まことは世間から嫌われていたが、嫌われている以上に、それを課題に「クバの化身」に記録したかった。
857名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/30(土) 18:35:18.69
その意味で「クバ」というすこし大きすぎるかもしれない題名をつけた。
まことは、バクという呼称にふさわしい縁起の良さは持たず、この題はやや無用なほどに逆説的であるようにも思えるが、しかし、「上に立つ者」の夢を持つまこととしては、「クバの化身」しかないようにも思える。
858名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/30(土) 18:36:48.32
資格全般@2ch掲示板に、続編「真正クバの化身」を建てている。
1000まで続けたいが、おそらくまことが邪魔するであろう。
このスレにまた書き込むかもしれないが、とりあえず、この稿>>1-858の最後で「クバの化身」は終わったということにした。

http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/lic/1355042959/l50

http://8155.teacup.com/kuba440/bbs

http://8208.teacup.com/tokumei/bbs

                   完
859名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/31(日) 15:19:49.55
587 :名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/30(土) 19:42:22.33
しかし、ホストを変えられるなど誰でも知っている。
一介の40代ニート(今は50代ニートだが)が、「ホストは変えられない」と言ってることは、考えられないほど、頭が劣化している。

589 :名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/03/31(日) 15:18:13.61
>>587
>一介の40代ニート(今は50代ニートだが)が、

はい、無知乙!
馬鹿ほど理解していない言葉を得意になって使いたがるという典型的な例!w
860名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/05/22(水) 01:37:42.94
元々3階級下のJフライ級選手で、しかも4連敗中のマガリャーノに勝っただけで、
「世界バンタム級王者」を名乗る新垣諭。
861名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/08/04(日) 09:12:06.81
別にええやろ
862名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/09/05(木) 02:18:05.59
クバの白痴は他のスレに書くなや、バカ
863名無しさん名無しさん@腹打て腹。:2013/11/06(水) 03:24:07.39
キューバ
864名無しさん名無しさん@腹打て腹。
だからさ