1 :
無名草子さん:
2 :
無名草子さん:2012/09/01(土) 17:06:08.88
3 :
無名草子さん:2012/09/01(土) 17:07:52.82
4 :
無名草子さん:2012/09/01(土) 19:33:16.87
冫
/ l ヽ
/ | i /ヽ
/ | i / /、
/ |i /// ヽ
r~゙`=ー-._____ 、イ'''゙゙゙゙゜''''/'''';;;;;代 /
!  ̄`'-、`'=、. ゙`ナ´ / ' ' ';;;;;× /
!  ̄`' : ;.\フ´ ゙: , ! / ×
ゝ ーー-、冫'''''´ ̄`ヽ .メ、_____=@/ ハ
ヽ 二二/ ,.;;;´ ,.イ ” ! !
ヽ ./,;''';;' ./ x..--┤ }
ヽ i;; ;;´,. '´ ヽ / i .! 「トシは、猫だ」
ゝ!_,,;- ._.ィ´ ヾ i / ともいう者があった。
弋_.ィ´ ヽ | /
'`! ヽ | /
ヽ、 ゝ、_! ,.イ
癶 ゝ-.,_ _,,...・'´ }
{ ゝ /ミ;;“ ; ゙`''''''''''''´ ̄ |
ゞ ゝ /ミミミ |
ゞ≠ゝ /ミミェ |
ゞ≠ゝ /ミミ |
ゞ≠'´ゝ /ミミミミ 、 |
ゞ≠≠゙/ミミ = 1 ! !. |
ゞ ≠;{三ミェェ ! .i ! |
ゞキ≡ミェ ! {γ`1 !
ゞ、エ y'´⌒`、! v」__i. ヘ
ーLJ,__)ノ弋 孑 ゝ.,_)__)ク
゙'亠亠'
5 :
無名草子さん:2012/09/01(土) 19:38:23.78
また連投君が立てたのかw
第1章 女の夜市
安政4年(1857)初夏。
府中の六社明神のくらやみ祭りで、お佐絵という見知らぬ女とまぐあった歳三です。
7 :
無名草子さん:2012/09/01(土) 19:54:22.79
わずか数ページの間に、二人の女と媾うとは、やるな、歳三。
8 :
無名草子さん:2012/09/01(土) 20:01:00.46
書かれてはいないが、その後、小桜とも当然まぐわったであろうから、三人だ。
9 :
無名草子さん:2012/09/01(土) 20:07:19.85
京王線利用者におすすめの小説だな。知っているマイナーな地名がたくさん出てくる。
中学三年の時の国語の教科書で、お奨め図書として紹介されていたのが懐かしいわ
>>10 俺たちの頃の推薦図書は、戦前の小説ばかりだったw
府中の六社明神では、今でもくらやみ祭りが行われている。
>>13 府中では近所のおじさんが実父ということが往々にして有り得るわけですね。
歳三が六社明神へゆくときに通り過ぎた下谷保は、南武線の谷保駅(国立市)あたりだな。
>>7 八王子の真宗寺院のお姫さまは、後でまたでてくるよ。
おせんという。
17 :
桶屋の鬼吉:2012/09/02(日) 22:42:21.84
>>16 おきゃあせえも。
やい、歳三。
お千ちゃんにちょっかい出したら、承知しにゃあだも。
19 :
無名草子さん:2012/09/02(日) 23:38:42.43
>>1 乙
次は『燃えよ剣』ですか。
司馬遼太郎全集では、第一回配本が、この作品でした。
その夜のお佐絵の衣裳は、比翼がさねの替裾となっているが、
比翼仕立ての替え袖ではあるまいか。
季節は初夏。本襲(ほんがさね)だと暑い。
比翼仕立ても、替え袖も、本襲のように見せるための夏の仕掛けである。
iヽ /ヽ
| ゙ヽ、 / ゙i
| ゙''─‐'''" l
,/ ゙ヽ
,i゙ / \ ゙
i! ● ● ,l
゙i,, * (__人__) ,/ なるほど、この男の恋は猫に似ている。
ヾ、,, ,/
/゙ " ヽ
/ i!
(⌒i 丶 i ! i!.,
γ"⌒゙ヽ l l γ'.ヽ
i i,__,,ノ i,__,,ノ_,,丿
ヽ,_,,ノ"~´ ̄  ̄
第2章 六車斬り
お佐絵との情事を悟られた歳三は、六車宗伯を斬り殺しました。
23 :
無名草子さん:2012/09/03(月) 15:30:11.35
六車明神の社家に居候していた六車宗伯なんて、いかにもオリキャラみたいだけど、どうなの?
次章で登場する七里研之助は架空の人物なので六車宗伯も同じだと思うよ。
ただし、その師匠である甲源一刀流の比留間半造は実在した人物。
その妻が歳三に夜這いをかけられたおせんであるというのはフィクションだろうけどw
お佐絵が奉公に上がることになった九条家のこの時期の当主は九条尚忠。
幕府寄りの公卿で公職追放されることが二度。ゆえに時代小説では“前関白”と呼ばれることが多い。
>>25 九条前関白は女ぐせが悪いから、お佐絵さまが心配です《(;´Д`)》ブルブル
柳剛流や甲源一刀流は、実在した流派なんですか?
>>26 現在の境遇も、おんな癖の悪い歳三の慰み者だけどなw
>>27 いまでも道場があるよ。
第3章 七里研之助
安政5年(1858)春。
歳三は、布田の上州屋理兵衛宿で、自分の命を狙う六車宗伯の同門・七里研之助の存在を知ります。
八王子の専修坊の善海から研之助の居場所をつきとめた歳三は、単身、甲源一刀流の道場へ向かいました。
六車の次が七里とは・・・w
気合の入っていないネーミングだなww
第4章 わいわい天王
比留間道場を抜け出した歳三は、小石川柳町の試衛館へ帰る。
六車斬りの下手人が自分であることを近藤勇に告げた歳三は、沖田総司をともなって再び八王子へ。
役所広司版『燃えよ剣』では、おせんは比留間半造の妹になっていたな。
岡田奈々が演っていた。
司馬の沖田総司は新撰組の血なまぐささを中和させるキャラクターになっているな。
沖田がかぶっていた大山詣りの笠がどういう形のものかはわからなかった。
ここでいう大山は神奈川県伊勢原市にある大山(1252m)のこと。
江戸の庶民は山頂にある阿夫利(あぶり)神社に参詣した。
落語に「大山詣り」というのもある。確か「街道をゆく」にも書かれていた。
むかしの娯楽小説は、すっとぼけたところが面白いよな。
燃えよ剣の序盤の展開も、じっくる考えると、ものすごく変な話なんだが、
スピーディーに物語が進むので、「変だな」と考える余裕を読者に与えない。
これから殺し合いをする敵が、なんで猿田彦のお面をかぶって登場しなきゃならんのだ、
とくさす気分にならんよな。研之助がそのいでたちで出てくるこの章のラストは、かえって
緊張感をかもしだしている。
燃えよ剣での近藤つねさんは土方が絶対に萌えないキャラにされていたね
>>39 近藤には「醜女は貞淑。貞淑な女性を妻にしたい。」という持論があったそうだ。
第5章 分倍河原
土方・沖田と比留間道場の面々の分倍河原の決闘の前です。
正光院の墓地で土方と沖田は作戦会議をします。
余談として元弘3年(1333)5月の分倍河原の合戦が出てくる。
この小説に出てくる地名を補説しておく。
久米川…現在の東京都東村山市諏訪町
堀兼……埼玉県狭山市堀兼
>>42 間違いではない。府中本店と西府支店が同じ建物の中に同居している。
マインズ農業協同組合 本店 府中市分梅町3丁目65−1
マインズ農業協同組合 西府支店 府中市分梅町3丁目65−1
47 :
無名草子さん:2012/09/04(火) 15:42:03.19
>>44 どこを読めば、多摩川のような大きな河川のように読めるんだ?
第6章 月と泥
分倍橋の決闘です。
連れションは珍しくないが、連れ野グソは珍しい。
>>47 ご指摘ありがとうございました。
この章に「溝のような川」と書かれてありました。
決闘の場所は府中市分梅町三丁目だから多摩川は近い。しかし分倍橋は多摩川に架かる橋じゃないな。
馬庭念流の真庭十郎左衛門って誰ですか?
この時期の歳三の彼女は、鈴振り巫女の小桜と思っていいんですか?
ところで、鈴振り巫女ってなに?
熊除けのまじないじゃないのかw
総司は矢野口から国領へと歩いているが、二つの町を結ぶ一本道があるわけではない。
鶴川街道(都道19号線)を北上して、下石原一丁目交差点を右折、都道119号線を東に行く。
>>56 「逃げた人が置いて行ったリュック(鈴つき)から食べ物を見つけた経験のある熊もいるので、
熊鈴は逆効果」という意見を最近よく見かけるんですが、本当ですか?
第7章 江戸道場
小石川小日向柳町の試衛館に、七里研之助が他流試合を申し入れてきました。
試衛館では斉藤弥九郎道場に人を頼んで研之助と立ち合わせます。
その人こそ長州藩士・桂小五郎です。
司馬作品は『新選組顛末記』ベースなので試衛館の所在地が小石川小日向柳町となっている。
今日では永倉新八の『浪士文久報国記事』の記述から、市谷柳町とするのが通説です。
「燃えよ剣」だと流石に人が多いね
>>40 おつねは醜女であるだけではなく、この小説では料理が下手ということにされている。
最悪だなw
司馬作品の脇役大賞があったら、桂小五郎と秀吉が1,2を争うな。
「維新の会は道州制の実現を目論んでおるようです」
「廃藩置県には反対なのですね」
「どうやら」
「どうしゅうこと?」
「内務卿……」
大久保利通は、冷厳ナルコト北海ノ氷山ノゴトシと評された。
彼がいると庁舎のなかは水を打ったように静まり返ったという。
第8章 桂小五郎
試衛館における桂小五郎(戸張節五郎)と七里研之助の試合です。
審判は、天然理心流三代目の近藤周斎が務めている。
慶応3年10月28日、行年76歳で死んだ。
養子・近藤勇に道場を譲った後は、四谷舟板横丁の隠居所で過ごしていたようである。
第9章 八王子討入り
試合を申し込む研之助の機先を制して比留間道場を奇襲しようとする歳三です。
( ⌒ )
l | /
∧_∧
⊂(#・д・) 50歳過ぎの飯盛女だと?キモいだろうが、司馬!
/ ノ∪
しー-J |l|
人ペシッ!!
__
\ \
 ̄ ̄
深川で発掘された骨から推測した江戸時代後期の平均寿命は、男が45.5歳、女が40.6歳なんだよな。
とりわけ遊女の平均寿命は、性病感染のため極端に低い。驚くなかれ、21.7歳。
50歳の飯盛女なんぞ、バケモノの類だろうな。
>>71 うちの奥さんは50歳だが、俺の俺が元気良過ぎで困ってる
お佐絵が重要な役どころになると思っていたら、おせんの方が重要になってしまったね。
もっと言うなら歳三が最後に抱いた女がイケメンレーサーの先祖となる娘を産んだらしいな
第10章 スタスタ坊主
文久元年(1861)。
歳三らは比留間道場の包囲を逃れ、無事に江戸に帰りました。
年表はおそらく無視されている。
物語の始まりが安政4年(1857)で、第3章で安政5年(1858)になったのは確認できる。
その後の七里研之助との喧嘩は同年の間の出来事とばかり思っていた。
(専修院院主・善海の台詞が安政5年であることを傍証することもあった)
ところが、この章の最後にある「翌年の秋」は、次章の「文久二年」のことなので、この章
の出来事は、文久元年に起こったことになる。
七里研之助を追放した八王子千人同心頭の名前が原三左衛門になっているが、
代々半左衛門を称しているので誤りである。
なお『菜の花の沖』で千人同心が蝦夷地警備に就いた旨が記されていたが、この
時期の半左衛門ではない。文政10年(1827)に死亡した原半左衛門胤敦である。
七里研之助のお話はここまでで、次章からはいよいよ新撰組結成に向けてのお話です。
新選組のメンバーは6人ばかり出てくるが、敵役がオリキャラの七里研之助ではちと弱いな。
次章からは、幕末の有名人がゾロゾロ登場する。
もういいです。
第11章 疫病神
文久2年(1862)の麻疹・虎列剌の猖獗と、近藤勇以下9名が浪士組に参加を決意するまでの顛末です。
デンマーク領のフェレール群島とは、フェロー諸島(英語でFaroe Islands)のことだろうな。
斉藤月岑の「武江年表」の引用文が、文久2年の麻疹流行の惨状について述べているが、
その中に出てくる“熱さましの犀角”とは、読んで字のごとく動物のサイの角のことである。
サイの角は漢方薬であった。
浅草・長国寺の鷲大明神の開帳とは、いわゆる酉の市のことである。
土方歳三が山南敬介を嫌っているのは、役所広司版「燃えよ剣」で山南敬介を演じたのが、
現在民主党衆議院議員(その前は社民党)で元俳優の横光克彦だからである。
90 :
無名草子さん:2012/09/05(水) 19:03:58.38
明日より二日間出張のためお休みをいただきます。
「はぐれ刑事」の川辺課長も昔はイケメンだったんだよな
広島で少女をバッグに監禁した小玉容疑者は、居合サークル所属らしいな。
七里研之助は、居合の達人だwww
電車の隣の席に座っていた綺麗なお姉さんが「どうぞ」と言ってお婆さんに席を譲ったとき。
三十くらいの人妻とおもえる女でね、ちょうど昨日のように電車は空いていたが、
俺たちは並んで座っていたんだ。ブラウスの胸の盛り上がりが悩ましくてね、俺が
横目でチラチラ眺めていると、彼女が、
「よろしかったら、どうぞ?」と言うわけだ。
「えっ、ほんとうに、いいんですか?」
俺は喜んで片手で彼女の乳房を揉もうとしたのさ。すると、
「フギャ、フギャ、あんた、わるいわねえ」
という声が聞こえたかと思うと、彼女はスッと立ち上がり婆さんが隣に座ったのさ。
急なことなんで、俺は伸ばした片手を引っ込められなくてね……。
電車内実況をしようと思っていたのですが、向かい側の20代女性は二人ともひどいブスでした。
中吊りの仲間由紀恵のポスターを見ていることにしました。
さすが現場を訪ねて自分の目で確かめる作家、司馬遼太郎。
101 :
99:2012/09/07(金) 08:03:04.49
つーか踏切故障のため運転見合わせで停車している。
遅刻するだろ。はよ動け、ヴォケ!
久しぶりに開いたら菜の花の沖は終わってるんだな。
あー、おはぎ食べたい。
というかこれやられると他の作品の話がしづらいんだよな
なんか慣習みたいになってるけどずっと疑問
第12章 浪士組
和泉守兼定を入手した歳三を含む浪士組の面々は、文久3年(1861)2月23日、京の壬生宿所に到着しました。
前章では松平忠敏の名で出てきたが、この章では松平上総介になっている。
『竜馬がゆく』の第4章「千葉道場」では、江戸三大剣客のひとりとして紹介されていた。
歳三の実姉のおのぶが登場。
おのぶと名乗ったのは明治期のことで、幼名は“らん”、佐藤家に嫁してのちは“とく”と名乗っていた。
この作品に登場する盲目の刀屋は、自信たっぷりに“ノサダ”(二代目和泉守兼定)の
銘刀だと言って五両で歳三に売った。
しかし、歳三の兼定は、幕末の第11代兼定である。つまり、詐欺である。
中仙道六十八次と書かれておられるが、六十九次の誤りである。
第13章 清河と芹沢
文久3年(1861)2月23日。
サブタイトルを見ただけで、多くの方が「あの場面」かとご存知の場面でしょう。
「燃えよ剣」が芹沢鴨を悪役に仕立てたと勘違いされている方もいらっしゃるみたいだが、
芹沢鴨は大昔から映画の悪役の定番です。
新選組結成から鳥羽伏見あたりまでは、何度も映画化・ドラマ化されているから、説明
するまでもないな。重箱の隅をつつくような話をするぞ。
浪士組の組頭の一人である博徒の祐天仙之助が登場する映画に、『博徒ざむらい』(大映京都)がある。
市川雷蔵が祐天仙之助を演っている。
もういいです。
正直しつこいわな
121 :
無名草子さん:2012/09/08(土) 22:00:12.63
>>108 百両も用意しておいて、五両といわれて、歳三はおかしいと思わなかったのかなw?
なんだこのスレ、個人のブログかよ
第14章 ついに誕生
文久3年(1863)3月13日、清河八郎らは京を去ります。ついに新選組の誕生です。
清河八郎の暗殺については、『幕末』の中に「奇妙なり八郎」という作品があります。
それを映画化したのが篠田正浩の『暗殺』。
清河一派を襲撃した歳三と芹沢の逃走コースに出てくる<間之町>は、町名ではなく
通りの名称である。<あいのまちどおり>と読む。
>>125 清河一派のひとり松野健次はヒットしないね。同姓同名の現代人はうんざりするほどいるけど。
坂本竜馬は、割烹よしやで分捕った清河八郎の財布を返したのか?
128 :
乾退助:2012/09/09(日) 18:58:54.44
被害者は清河さんだけじゃないし。
この小説の土方歳三は、「あいつ嫌い」「こいつ嫌い」が多すぎるな。
>>129 とくに山南敬介や伊東甲子太郎のようなインテリは、ことごとく嫌うな。
昭和30年代だと、大卒=月刊誌、高卒=週刊誌だからな。
燃えよ剣は週刊新潮連載。
新聞連載はそういう姑息な特化がないから読みやすい。
週刊誌連載のすべてがそうだというわけじゃないけど、時々読者の学歴コンプに配慮した作品があるよな。
インテリ嫌いの部分は、イデオロギーのフィルターを通して歴史を語る人が嫌いということではないか?
坊城通をこちらに向かって歩いてくる大兵の男。
「あれは、たれだ?」
「芹沢かも…」
第15章 四条大橋
歳三と総司は、四条通で、曲者と遭遇します。
長州藩邸に出入りしている七里研之助かもしれません。
文久3年3月13日、新選組立ち上げの日。桜が満開となった坊城通四条の元祗園社とは、
梛神社のことであります。
137 :
無名草子さん:2012/09/10(月) 14:58:44.70
第16章 高瀬川
文久3年初夏。
歳三と総司が遭遇した曲者は、七里研之助の配下一名を含む長州・土州の
尊攘浪士であることが判明した。彼らを追跡し闘争に及ぶ歳三と総司です。
七里研之助が八王子の比留間道場を追放されて京へ行ったという話から、
一味が尊攘浪士になるだろうということは容易に予想できたと思う。
そして、一味が暗殺したのが、九条家の雑掌の野沢帯刀。
となると、九条家の女中であるお佐絵さまと歳三とは味方どうしになるよね。
142 :
無名草子さん:2012/09/10(月) 16:03:45.65
>>141 流れからするとそうならなければおかしいのだが、実際には、そうはならない。
第17章 祗園「山の尾」
この章と次章が、芹沢派粛清のドラマです。
新見錦に殺された赤沢守人は、おそらく奇兵隊の赤根武人をもじったネーミング
なんだろうが、文久3年のこの時期に長州奇兵隊は存在しない。
>>145 新見錦が切腹を強要された場所である料亭は、山の尾でも、緒方でもなくて、
山緒(もしくは山の緒)じゃないのか?
野口健司が切腹させられた部屋は現存している。
近藤派が屯所にしていた旧前川荘司邸の一室である。
野口健司自刃の間は、現在は子供の勉強部屋として使われている。
お勉強、頑張ってください。
第18章 士道
文久3年9月18日。芹沢鴨は暗殺されます。
149 :
無名草子さん:2012/09/10(月) 17:56:07.78
“めっかちの五郎”と呼ばれていた平山五郎がめっかちになったのは、
昔花火を作っていた時に暴発事故を起こし左目を失明して隻眼となったから。
佐々木愛次郎の殺害は、佐々木の彼女といっぱつやりたいと思った芹沢鴨が、
邪魔になった佐々木を殺したことにされている。
なお、佐々木の彼女は、近所の八百屋さんの娘で17歳のあぐりという少女である。
『燃えよ剣』では、芹沢とお梅のエッチな場面はカットされていますが、
『新選組血風録』では、たっぷり読めますか?
映画・ドラマでは芹沢一派のおかげでエッチ・シーンが見られるので、
どちらかというと近藤一派よりも芹沢一派に感謝している。
映画ではエッチシーンに貢献しない近藤一派なのに、私生活ではエッチな役者が近藤一派を演じるのはどうしてですか?
>>144 赤沢守人が元奇兵隊士というのは明らかにおかしい。
奇兵隊は馬関戦争の後に結成だからな。
芹沢鴨が元天狗党というのは必ずしも誤りではない。
天狗党の前身となる組織にはいた。
第19章 再会
文久3年9月、歳三は府中六社明神の社家・猿渡家のお佐絵と京で再会します。
歳三の部屋の窓は華葱窓と書いてありますが、どんな窓なんでしょうか?
>>157 葱華輦であればネギ坊主のような形をした窓かなと想像がつくが、華葱ってなんだろうね。
上野の松坂屋は、みなさんよくご存知のあの松坂屋。歳三が11歳のときに、ここで丁稚奉公をしていたというのは本当の話。
11歳のときに童貞を喪失したかどうかについては、筆者は詳らかではない。
>>160 松坂屋の公式HPには、17歳のときにも上野店の支店の木綿問屋亀店(かめだな)で働いていた、とあるな。
歳三とお佐絵が密会するのは麩屋町の野田屋太兵衛の借家であるが、
野田屋太兵衛は江戸の京橋銀座三丁目の版元。京に借家を持っていたのだろうか?
第20章 二帖半敷町の辻
歳三は無理やりお佐絵と媾合します。
その後、お佐絵の仲間とおぼしき尊攘浪士に跡をつけられますが、その首領がなんと七里研之助です。
長州系の尊攘浪士と交わっている猿渡佐絵の後ろ盾が、公武合体派の九条尚忠というのは変だな。
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京に出てきたお佐絵を歳三とからめるのが面倒になったんだろうな。
いっぱつやらせて「むかしと違う」でサヨナラだ。
三条家のお田鶴さまを竜馬と絡めるのは容易だったが、九条家だと微妙だ。
お佐絵はこれでお役御免になるのかな。新恋人お雪と交代だろう。
六社明神の社家のひとつである瀬木掃部は、六車宗伯を食客にしていた。
六車は猿渡佐渡守屋敷に忍び込む者がいると聞いて警備をしていたわけだ。
六社明神は甲源一刀流を庇護していたと考えてもいい。
同門の七里研之助とお佐絵が面識があっても不思議ではないな。
以上自演である。
>>166 予定どおりだろ。『血風録』で銘々伝をやる。『燃えよ剣』の新選組パートでは
組織全体でかかわる大きな事件をやる、という構想だった。
大きな事件の間の埋め草は、恋愛パートとチャンバラ・パート。
第21章 局中法度書
前半は七里研之助との闘争の続き。
後半で歳三が局中法度書を定めます。
総長山南敬助と歳三の対立が深まります。
>>167 この章の研之助の態度からすると、お佐絵は歳三が襲撃されることを知っていたようですね。
_. -─‐-
/ ⌒ \
/ ⌒ (● ) \
/ ( ● ) 、_) ヽ
| (__ノ / | 歳三、おまえ、ふられたんとちゃうか?
ヽ  ̄ _ノ
>  ̄ \
女にしてみれば自分を振った男を振るのは快感なのかもな
しかし、お佐絵に命を狙われるまでに嫌われることを歳三はしていないはずだ。
しかも、お佐絵の後ろ盾は、九条尚忠www
>>174 歳三の愛人・小桜は、六社神社の鈴振り巫女だろう。お佐絵の家のすぐそばの長屋
に住んでいたはずだ。小桜がお佐絵に歳三との関係をちくった可能性が高い。
第22章 池田屋
元治元年(1864)6月5日、池田屋ノ変。
本章は新選組が池田屋に乗り込む前のお話です。
詳細は、次章で。
といっても、『竜馬がゆく』の池田屋ノ変のほうがずっと詳細なんだけどなw
古高俊太郎は山科の毘沙門堂門跡の宮侍である。
ご記憶のいい方は覚えていらっしゃるかもしれないが、「竜馬がゆく」に登場した
お冴の父親・山沢右近が、毘沙門堂門跡の宮侍であった。
石原伸晃を明智光秀に喩えるのは、光秀に失礼。
「十兵衛、そちゃ、本気で長老を信じているのか」
「信じる信ぜぬというより、他人の貴ぶものを貴べということがございます」
「そちは知らぬと見えるな、あれらは」
と、さらにふかぶかと光秀をのぞきこみ、
「頭からっぽぞ」
真顔で言った。
「空っぽなれども」
「ジジイはジジイじゃ。ジジイを長老なりと世をうそぶき騙したやつがまず第一等の悪人よ。
「しかしなにぶん当選回数がものをいう世界なれば」
「十兵衛、血迷うたか。汝がことごとに好みたがる古き化け物どもを叩き壊し摺り潰して新しい世を招き寄せることこそ、この弾正忠の大仕事である」
「十兵衛、人がおらねば敵は攻めて来ぬと申したは、まことか」
「いかにも」
「うつけ。空城に敵は来ぬと申すか」
鳩山と一緒に幼稚園へ行け。話しにならん。
「どうだ」
と信長は、さりげなく訊くと、
「拙者の口から申せませぬ。しかし民主党の所業はついに天の相許さざるところ。天譴たちどころに至りましょう」
信長はうなずき、最後に「わが家に専心つかえよ」と言った。
(伸晃とは、ちがう)
としみじみ思ったのである。
石原親父は暴言はいても愛嬌があるが、伸晃は好感を持たれるタイプじゃないわな。
俺は長男の悪口は云わないほうだが、ここん家は次男のほうがマシ。
189 :
無名草子さん:2012/09/12(水) 10:51:10.91
伸晃って、顔がオーベルシュタインに見える。
第23章 断章・池田屋
元治元年(1864)6月5日、池田屋ノ変。
この章が本番です。
北添佶摩のふりがなが、よしまろになっている。正しくは、きつまである。
長州藩邸に戻った吉田稔麿を引き止めようとしたのは、この作品では桂小五郎になっている。
『竜馬がゆく』では、乃美織江であった。
松田重助は同志・大高又次郎の死体につまづく。
この大高又次郎、赤穂浪士の一人・大高源吾の子孫である。
その松田重助の実弟・山田信道は、竜馬がゆくでは山田十郎の名前で登場している。
第24章 京師の乱
元治元年(1864)6月。蛤御門ノ変は本章と次章で語られます。
長州軍が上洛してきます。
益田右衛門介親施の名前が、どういうわけだか出てきません。
天龍寺…国司隊
伏見口…福原隊
天王山…益田隊
第25章 長州軍乱入
元治元年(1864)7月19日。蛤御門ノ変。
詳細は『竜馬がゆく』に譲る。
主人公土方歳三が当事者として登場する本作品よりも、
坂本竜馬がほとんど関係しない竜馬がゆくのほうが、
蛤御門ノ変を大きく扱っている不思議。
竜馬がゆくでワクワクするのが、竜馬と歳三が通りですれ違う箇所。
新選組ファンには申し訳ないが、こころなしか竜馬のほうが大器量に描かれているな。
歳三は武田観柳斎も嫌っている。恒例になってきたな。
>>201 すでに7〜8人は嫌いだと言っているよな。
それも敵対している人物ではなく、新選組内部の仲間を嫌いということが多い。
小器量に見えちゃうよな。
――総理になって最初にやりたいことは、なんでしょう?
「選挙区割りの改正ですね」
――与党に有利に改正なさるのですか?
「そうです。下痢マンダー」
「安倍殿、いろいろの心づくし、感謝の言葉もない。
なかんずく、保守再興のわが悲願を、さっそく諒解してくれてありがたい」
さらに言った。
「そなたをわが党の守護神とも思うぞ」
この種の極端な手のひら替えしは、長老の癖であった。
「しかし額賀派は石原支持に回ったとか」
「ご懸念には及ばぬ。
あのようなイグアナあんぱんの一人や二人、どこにつこうと影響はござらぬ」
民主党というのは、もともと政界の不良在庫を寄せ集め、
自民党長老が老耄したのにつけいって、出鱈目なマニフェストを並び立て、
事実上主家を簒奪したうえ、永禄八年にわかに主家と手を結び消費税を増税した。
さらに同六年、知ったかぶりの震災対応で相馬地方に放射能をまき散らした経歴をもつ。
まるで謀略と謀殺のみで京摂の地を手中におさめたような政党である。
>>202 沖田総司との漫才シーンがあるから歳三が嫌われずにすんでいると思う。沖田が暗い性格だったら、この小説は読めたものではない。
第26章 伊東甲子太郎
元治元年(1864)晩秋。
藤堂平助は江戸で伊東甲子太郎を新選組へ勧誘しました。
そこには怖ろしい密謀が……。
伊東甲子太郎の出生地である常陸志筑は、現在、茨城県かすみがうら市志筑になっている。
霞ヶ浦市は、ひらがなで“かすみがうら”と書く。漢字が読めないのだろうか?馬鹿なんだろうか?
朝鮮人の真似すんな。
第27章 甲子太郎、京へ
京への到着は元治元年(1864)12月1日です。
伊東甲子太郎が近藤勇と対面した日に着用していた“七子の羽織”は、
魚子の羽織とも書く。布地の表面が魚の子のようにツブツブになっている。
>>212 竜馬がゆくの第66章「都大路」では、山内容堂が黒魚子の羽織を着ていましたね。
伊東甲子太郎の老母こよに関して、「常州三村に独り住んでいる」と
「常州石岡市の次男三樹三郎の家で死去」というふたつの地名が出て
くるが、三村は現在茨城県石岡市の字になっているから、同じ土地と考えてよい。
近藤勇が宿所にしていた興正寺門跡下屋敷が登場しますが、ここは近藤が
島原遊郭の木津屋の遊女・深雪太夫(お幸)を落籍して囲っていた家なんでしょうか?
それとも新選組最後の屯所だったのでしょうか?
深雪太夫さま
いつもこまやかな心のこもったお便りありがとう。
初めて肌を重ねた熱い興正寺門跡下屋敷の朝のベッドを胸キュンで思い出しています。
いつのまにかおなかを出して、スキだらけで眠ってしまっている深雪太夫さまの白い肌を
ドキドキして思い出しています。
きれいな深雪太夫さま
第28章 慶応元年正月
年号は4月6日まで元治2年。
近藤勇の写真撮影のエピソードと山南敬助の脱走のお話です。
上野彦馬が松本良順の写真を撮影した挿話は、『胡蝶の夢』第19章「秋の丘」で
詳細に語られています。
>>206 土方と沖田の相性がいいから、別に土方の恋人役の女性を登場させなくても
足りているんだわな。
220 :
無名草子さん:2012/09/14(金) 12:52:34.78
>>215 この作品では、深雪太夫は大坂新町の織屋の抱えになっているぞ。
第29章 憎まれ歳三
元治2年(1865)2月23日。山南敬助の切腹です。
天狗党の処断を指揮した若年寄・田沼玄蕃頭意尊は、田沼意次の曾孫。
第30章 四条橋の雲
慶応元年(1865)5月から11月。第二次長州征伐が間近に迫ります。
近藤勇は永井尚志に随行して国泰寺会談に向かいます。
もういいです
第31章 堀川の雨
近藤が留守の間、七里研之助の話に戻ります。
>>220 美雪太夫[深雪大夫]は、金沢生まれで背の高い美人。
14歳で京都三本木の御茶屋に奉公に上がり、16歳で島原に移った。
18歳で太夫になり、「若太夫」と名乗り美人で評判となった。
直ぐに身請けされ京都池田屋近くに囲われていたが、新撰組の取り締まりを受けて近藤と知り合った。
その後、再び島原に戻って「美雪太夫」の名で座敷に上がったが、
近藤勇が口利きをして大坂新町の折屋[織屋]に移った。
その後、近藤が身請けして京都醒ヶ井木津屋橋下ルの休息所に囲った。
>>164 >>174 お佐絵は長州藩士・米沢藤次の情人になり、米沢に言いつけられて九条家から
佐幕派の情報を引き出していたことが、この章で明らかにされているよ。
もうヤメレ!
第32章 お雪
七里一味に襲われ負傷した歳三が助けを求めたのが、お雪でした。
>>229 近藤は不細工な嫁以外に七人も妾がいたんだな。
第33章 紅白
慶応2年(1866)正月27日。
近藤勇は再度の広島下向。老中小笠原長行から直参取立ての内意を受けます。
慶応2年正月20日の薩長同盟締結の場所が錦小路薩摩藩邸になっているが、
小松帯刀邸である。
アナルをかいた指を匂ってみたくなるのは人の性(さが)である。
第34章 与兵衛の店
慶応2年初秋。
伊東甲子太郎は名古屋へ行きます。伊東は留守中に土方を暗殺するよう
七里研之助に依頼します。
伊東とともに名古屋へ行った新井忠雄は、慶応2年(1866)9月の三条制札事件で
尊攘浪士を斬っているのだが、間に合うのだろうか。
いま松方・東山版『新選組』を見ています。芹沢鴨は地井武男。
>>241 伊東は七里に9月20日までに歳三を殺せと言ったのであって、その日まで名古屋にいるという意味じゃないよ。
>>241 『竜馬がゆく』では新井忠雄は三条制札事件に関係しているから、
間に合ったんだと思うよ。
その新選組は子母沢寛の原作だから微妙にスレ違い。
燃えよ剣の映画・ドラマの話題にしてよ。
247 :
無名草子さん:2012/09/20(木) 02:12:47.43
燃えよ剣の面白いところは、大政奉還後の歳三の生き様だ。
司馬遼太郎版ラ・マンチャの男だな。
歳三と総司の関係がドン・キホーテとサンチョ・パンサの関係に似ているよな。
第35章 二条中洲の決闘
七里研之助が歳三に斬られて死にます。
七里と伊東甲子太郎を結びつけたのは許せるが、お佐絵の扱いには不満が残るな。
この物語の冒頭の場面を顧みると、お雪を出さないで、お佐絵と歳三をじっくりやった
方がよかったと思うな。お佐絵と歳三が敵対した関係のままでいいから。
お佐絵の情人が米沢藤次から笠間喜十郎に唐突に代わっているのも、ちょっとな。
お佐絵は勤皇浪士の公衆便所になっとる。
>>227 この小説では、花晶町屯所は、半年どころか2年以上も新選組が居座っているぞ。
第36章 菊章旗
慶応3年3月10日。伊東甲子太郎ら新選組を脱盟。御陵衛士を結成する。
七里研之助が殺されて、小説の雰囲気が変わってきたな。
>>251 この章で歳三は深雪大夫は嫌いと言っている。歳三は京おんなが嫌いなのだ。
お雪は歳三の好む“関東のおんな”という面が強調されている。
だったら同じく関東出身のお佐絵で十分だったのにな。
この章には武田観柳斎の暗殺も出てくる。
武田観柳斎は新選組に男色ブームを持ち込んだ人物。
執拗にいいよってくる武田に嫌気のさした馬越三郎が、偶然武田が薩摩屋敷からでてくるところを目撃し、密告。
それによって武田は暗殺されました。
過去の戦争の責任を現在の国民に問うのは、
人種差別や部落差別のような先天的な属性を理由にして差別することと、
本質的に違いはない。
筆者が不思議でならないのは、
差別撤廃に情熱的な人に限って、
過去の日本の戦争責任を現在の日本国民に問いたがることである。
>>259 矛盾もへったくれもないんだよ。
日本人が憎いだけだから。
日本政府や自治体からカネを引っぱり出すと、復讐を遂げたような気分になって快感なんだろうさ。
給料であれ、賠償金であれね。
>>251 連載小説は毎回たんねんに読む人ばかりではなくて、飛び飛びに読む人もいる。
久しぶりに読んで恋人が変わっていると、すごく気になってしまう。
そうすると単行本を買いたくなる。
「歳、お前は知らねえ。尖閣国有化てのは、中国共産党と事前に合意した上で行われたのだ」
と、近藤は、聞きかじってきた政局の内幕を歳三に云うのだが、歳三にはそんなことは興味はなかった。
「近藤さん、もう、談合、周旋、議論の時期じゃねえ」
と歳三は云うのだ。
「戦さで、事を決するんだよ。事態はそこまできている」
中国政府は、もう引けないところまできてしまったよ。
党主席が交代しても、引けないな。
>>256 燃えよ剣は幕末通史のような竜馬がゆくと同時並行で連載されていたから、
竜馬が死ぬ時期までは史実部分は大幅にカットして主人公にオリキャラを
絡めた展開だった。戊辰以降は竜馬がゆくで書けなかった部分だから
面白くなるな。
第37章 お雪と
慶応3年6月。
歳三はお雪と媾合しました。たった6行でことが終わりました。
鴨川の荒神口の板橋というのは、現在の賀茂大橋あたりだろうか。
かつて京大の学生デモ隊と警官隊がこの橋の上で衝突した。
昭和28年、京大生らのデモ隊と警官隊が衝突し、欄干が崩れ11人が重軽傷を負うという
荒神橋事件があった。
第38章 江戸日記
隊士補充のため江戸に下向した歳三です。
金杉橋たもとの茶店で「菰田君」と歳三に声をかけられた新選組平隊士は、
おそらく菰田武三。
一ツ橋御門のそばに完成した異国人伝習所とは、洋書調所のこと。
蕃書調所が一ツ橋御門そばに移転したとき、そのように改称された。
271 :
無名草子さん:2012/09/21(金) 15:26:35.10
>>270 蕃書調所の移転は文久2年だから、そのころ江戸にいた歳三は知っているはずだけどな。
鉄砲洲に完成した日本初のホテルとは、築地ホテル館のことである。
273 :
無名草子さん:2012/09/21(金) 15:35:29.25
>>272 築地ホテル館は、この年の8月に建築着工し、翌年8月に完成した。
歳三のこの時期は着工1ヶ月であるから、茶店のおやじ吉松が「十軒町の連中が
むこうの空が見えねえと言ってやすぜ」と言ったのはジョーク。
この小説では戸塚村のお琴は婚約者になっていないが、他のドラマでは婚約者として
登場することもある。戸塚村は高田馬場駅の西側あたり。現在、そのあたりに戸塚村
という居酒屋がある。
沖田総司の義兄・沖田林太郎は新徴組隊士と紹介されている。
初学者のために解説しておくと、新徴組は清河八郎の浪士隊のうちの
江戸へ帰ったグループが基礎になっている。
つまり、沖田林太郎は義弟と京で別れて清河とともに江戸に帰った人である。
>>268 たたみいわしは、けっこう高い。小版で1枚120円。中版だと1枚200円。
第39章 剣の運命
慶応3年11年18日。油小路事件です。
藤堂平助を斬ってしまった(永倉新八は逃がすつもりだった)三浦某というのは、
三浦常三郎のこと。資料によると三浦常次郎とするものもある。
第40章 大暗転
慶応3年12月9日。王政復古。
新選組は、花昌町屯所から伏見奉行所へ移転します。
薩摩軍が駐屯する京への最前線です。
この章の歳三、ちょっと青臭い。
沖田総司は寝たきり状態なんだが、悲惨さはない。
喀血シーンはまったくない。
ここまでの明るい沖田のイメージを損なわないよう配慮しているね。
その夜、歳三は、残った。
幹部で屯営に残ったのは、副長の歳三と病床の沖田総司だけである。
「今夜はお前の看病をしてやるよ」
歳三は、沖田の部屋に湯呑を持ちこみ、散薬を湯で溶いた。
「彦五郎義兄の佐藤家秘伝の薬だ」
「へえー、土方さんは石田散薬のほかに結核の薬も売っていたんですか」
沖田は、歳三の差し出した薬を飲んだ。
その瞬間、沖田の顔が苦痛で歪み、全身がえびぞりになって煩悶しはじめた。
「土方さん。いったい何を飲ませたんですか」
「胡錦湯だけど……」
半刻後、沖田は息絶えた。
>>284 ヽ(*`Д´)ノゴルァ!総司を殺すな!
やがて馬が疲れてきて、車輪の回転がゆるやかになった。
ひとつには、尖閣が乗っているせいであった。
習近平はそれに気づくと尖閣のえりがみをつかんで車外に捨てた。
夏侯嬰は仰天して車をとめた。
飛び降りて尖閣を引きずってきて車内に放りこみ、さらに走った。
「嬰っ、勝手なことをするな」
習近平は、怒った。
「尖閣を捨てるのは、考えがあってのことだ」
「なんのお考えでございます」
「ピク…ピク…ピク……………」
宿の女将があいさつにきた。
六十年配の小さなひとで、廊下に座って、顔じゅうくしゃくしゃにしながら笑顔でものを云った。
「えらいすんまへん。いますぐ駆除しますさかい」
女将は殺虫剤をもって部屋に入ってきた。
「しつこい蠅だんな」
「この時期ぎょうさん湧きますねん。野中バエとおいいやしてな。ほんにしつこい」
女将は壁にとまった蠅にスプレーを吹きかけた。
私は、アメリカの大衆紙に評判の悪い習近平政権下の人民解放軍の兵士だったのです。
尖閣問題が起こったとき、当時二十二歳だった私は、
「なぜこんなバカなことをする国に生まれたのだろう」
と思いました。
さらに、こうも思ったのです。
「むかしは、たとえば清朝は、あるいは宋の時代は、
さらにはそれ以前は、こんなバカなことをする国ではなかったにちがいない」
そのことを検証するために、半生を費やしました。
二十二歳の自分への手紙とは、おおよそそのような気持ちから述べました。
第41章 伏見の歳三
慶応3年12月18日。
伏見街道で御陵衛士の残党が近藤局長を狙撃しました。
伏見の町名が四つばかり出てくる。
玄蕃町は、伏見区深草藤森玄蕃町のことであろう。
千本町と鳥居町は見つからなかったが、千本鳥居で有名な伏見稲荷大社の
近辺なのかもしれない。
弾薬箱を“タス”と書かれているが、戊辰戦争関係の史料には戦利品一覧などに出てくる言葉である。
語源はどこからきているのであろうか?
292 :
無名草子さん:2012/09/22(土) 14:16:18.46
>>291 オランダ語で、袋やバッグのことをtasといいます。
箱ではないけれど、おそらくこれが語源ではないでしょうか。
近藤勇狙撃グループのひとり佐原太郎は、御陵衛士になってからの改名で、
それ以前の名は篠崎信八郎である。
南四局の親で自分が上がったんですが連荘できませんでした。
どうしてですか?
第42章 鳥羽伏見の戦い・その一
慶応3年が暮れてゆこうとしています。
負傷した近藤と病身の沖田は大坂城に後送されました。
決戦間近です。
∧_∧
(´・ω・)
>>295 知らんがな
ノ^ yヽ
ヽ_ノ==|ノ
/ ||
"""~""""""~"""~"""~"
幕軍大将の松平正質とは大河内正質のことで、間部詮勝の五男。
上総国大多喜藩主。
301 :
無名草子さん:2012/09/22(土) 17:16:49.08
御香宮と伏見奉行所にそれぞれ陣取り、対峙している薩摩と会津の将が、
島津式部と城和泉守。あわせると和泉式部になる。
第43章 鳥羽伏見の戦い・その二
慶応4年正月3日。
開戦です。戊辰の戦いが始まりました。
林権助が語る会津藩の「什の掟」の中のひとつ、「戸外で物を食べてはなりませぬ」には、共感するものがあった。
中学生の頃、制服を着たまま駄菓子屋で物を食べているところを教師に見つかると、怒られた。
戦時中は「戸外で婦人と言葉を交えること」も非国民な振る舞いであった。
新選組二番隊平兵士田村太二郎はヒットしなかった。
>>304 孫も林権助という名前だから注意。
孫の権助は、日露戦争中には韓国政府に迫って日韓議定書を調印させた人。
308 :
無名草子さん:2012/09/22(土) 23:11:59.17
>>305 いまは戸外で婦人と性器で交わると公然猥褻になりますね。
相手が嫌がるから支那と云ってはならないというのであれば、
中華人民共和国も使ってはならない言葉ということになるでしょうな。
人民のためという大義を掲げて、ずいぶん自国民を殺してきましたからな。
人民という言葉を聞くと不愉快になってしまう相手の数は、
支那という言葉を嫌がる人口の比ではないと思いますよ。
支那の民度は古代のままだったし、それをなんとか準近代化するためには、
消費文明を遮断して、つまり一種の鎖国をして、貧乏は貧乏なりにやってゆくしかなかった。
そのための共産主義化だったのです。
――談。昭和49年2月24日。自宅にて――
めくらやちんばを放送禁止用語にするのであれば、人民も放送禁止にしろよ。
不愉快だ。
いわゆる右傾化の正体は、反日教組なんだよ。
左翼政党やマスコミの影響というのは、そんなに大きくない。
身近に接した教師のなかにおかしいのが、一人二人は必ずいるんだよ。
学科の勉強を教えもしないで、自民党の悪口だけ喋って給料を取っているおかしな教師を生で見た体験が戦後世代の大半にある。
英語のChinaは良くて支那はだめなの?
東シナ海、南シナ海、支那そば・・・等々日常用語として定着している。
支那の語源がChinaであることは明らかだから、これがだめだということになると、
Italyをイタリアと言うのもだめ、アメリカもフランスも全部だめということになりかねない。
こんな阿呆な質問をした記者はクビだよ。
小学校から高校まで反日を植え付けられて、
その後、大学という左翼の巣窟に放り投げられるから、
もう頼りになるのはネットぐらいしかないんだよな、若者は。
東大とかつぶせよ。反日の総本山だよな。
>>307 子の林又三郎は、鳥羽伏見で戦死しているな。
「傘が無え、傘が」
と、原田左之助が塀の上に首だけ出して井上陽水を歌い始めた。
第44章 鳥羽伏見の戦い・その三
伏見・御香宮における新選組の戦いの模様です。
井上源三郎、山崎蒸、戦死。
新選組に斬られた長州軍小隊司令の宮田半四郎は長州人ではない。
筑後久留米藩士で元の名前を小川佐吉と言った。天誅組の生き残りで、
その後長州軍で戦っている。
324 :
無名草子さん:2012/09/24(月) 15:59:08.37
山崎蒸は、江戸へ撤退の際、富士山丸の船上で死去して紀州沖で水葬されたと云われていますが、
司馬遼太郎の小説で、そのことを書いてあったのがあったと思ったんだけど、なんでしたっけ?
>>324 短篇集『大坂侍』収録の「法駕籠のご寮人さん」
第45章 鳥羽伏見の戦い・その四
幕軍敗退。歳三たちは大坂城へ撤退します。
鳥羽・伏見の戦いに四章も費やしているから、たっぷり読めると思っていたら、
わりとあっけないな。
伏見の戦いが詳しいだけで、鳥羽の戦いにはほとんど触れられていないからな。
もっともそちらは『俄 -浪華遊侠伝』に詳しい。戦い全般についても『俄』のほうが
面白く読めたような記憶がある。
アーネスト・サトーの手記のなかに出てくる従者の遠藤というのは、長州藩士・遠藤謹助のこと。
文久3年に井上馨、山尾庸三、伊藤博文、井上勝の四人とともに英国留学したあの遠藤謹助だ。
英語ができるので、この時期、アーネスト・サトーに付いていたんだろうな。
松平豊前守の退却命令を伝令した新選組平隊士の野村利八って誰だろう?
野村利三郎のことかな?
331 :
324:2012/09/24(月) 17:41:59.75
第46章 大坂の歳三
慶応4年正月6日。慶喜、敵前逃亡事件です。
代官屋敷から城代屋敷へ向かう歳三が走った谷町筋は、『菜の花の沖』の第43章「ロシア事情」で出てきた。
ピョートル時代のロシアへの漂流者・立川伝兵衛は、谷町の万九質屋の主人であった。
お雪が出てきてから、お佐絵はすっかり消えたな。
情夫(穴兄弟でもある)を歳三に殺されたお佐絵が、立場が逆転した後に出てきて
歳三とからむという話があっても面白かったのにな。
>>335 薩長が政権を奪ったら、大官に出世したかつての尊攘浪士の元へ
自分は従軍慰安婦だった、賠償を寄こせと談判に行くのかもしれんな。
>>336 強制連行されて苦労なさった方々がいらっしゃるのだから、ふざけたことを言うのはやめたまえ。
菜の花の沖を読んでから、鍋には利尻昆布を使うようになりました。
美味しいです。
>>334 鼓を叩いている姐さん、えらい別嬪やな。
>>330 利八と利三郎が同一人物かどうかはわからなかった。
ただ野村利三郎は今後この小説に登場する。
富士山丸で江戸へ帰る艦内で、利三郎は沖田総司の看病係になる。
341 :
無名草子さん:2012/09/25(火) 12:56:29.67
第47章 松林
大坂でお雪と再会した歳三です。
新選組の話は血なまぐさいので、歳三に清潔感のある恋愛をさせる必要があったのは
理解できるが、原田左之助らの同志に対して「これから妻に会うから二日間の休暇をくれ」
と言わせるのはどうかと思うな。読んでいて面映かった。
猫のような秘密主義の恋愛と、そこからの離脱。
一度目の結婚と二度目の結婚に重ね合わせてしまったのは、俺だけ?
若年寄の浅野美作守というと、浅野氏祐なんだけど、この作品では氏裕になっている。
わざと変えたのかな?読みは同じなんだけどさ。
>>345 わざとかもしれんね。浅野氏祐はこの時期、大坂城にいない。徳川慶喜が江戸へ
逃亡する際、随員の一人として浅野氏祐を連れて帰っている。
>>346 つーか松平容保は慶喜に江戸へ帰れと進言したのは浅野美作守だと思っていたみたいだよ。
第48章 西昭庵
お茶と食事の時間を除くと、二日間やりまくった歳三とお雪です。
歳三の台詞「このとしになって、男女の痴態というものを知らない」の意味がよくわかりませんでした。
歳三は童貞ではないし、お雪とも京でいっぱつやっているはずです。
>>350 俺も、嘘ついても仕方ないのに、どうしてそんなことを言うのだろうと疑問に思った。
変態プレイをやりたいという意味なのかと思ってしまった。
>>351 ちなみに蛇をクチナワと云うのは、形が朽ちた縄に似ているところから。
風間五平が木さるを押し倒したシーンや、松波庄九郎が深芳野を奪った話
などは面白かったが、はっきりゆうて、正統派の恋愛ものは下手くそだな。
この章は失笑の連続。
第49章 江戸へ
慶応4年1月12日。
新選組の生き残り44名は、富士山丸で江戸へ帰ります。
>>324 本作品でも、この章に山崎蒸の水葬の話が出てきます。
でも、これって子母沢寛の創作です。
富士山丸は幕長戦争の海戦に参加しているから「竜馬がゆく」や「花神」の該当箇所に出てくる。
富士山丸の艦長・肥田浜五郎は、藤枝駅のホームで転落死されたと書かれている。
もう少し詳しく言うと、当時の列車に便所がなかったため、駅で用を足した後、
走りはじめた列車に飛び乗ろうとしてホームに転落して死去した。
おしっこは時間に余裕をもってしましょう。
>>358 おしっこは史実なのか?うんこの可能性だってあるだろう。
第50章 北征
甲陽鎮撫隊を編成する話です。
負傷した新選組隊士が収容された横浜の外人経営の病院とは、仏語語学所跡地に
造られた仮設病院のことである。『胡蝶の夢』の主人公・伊之助が一時いたことがある。
伊之助は主治医ウィリアム・ウィリスの通訳として勤務していた。
詳細は『胡蝶の夢』の第41章「惨風」を参照したまえ。
大石鍬次郎がこの章で初登場。ちょっと遅すぎる。
甲陽鎮撫隊の編成を許可した老中の河津祐邦は、元治元年に横浜鎖港を求めて
パリへ派遣された池田筑後守長発の副使だった河津伊豆守祐邦である。
『この国のかたち』収録の「巴里の廃約」や、『翔ぶが如く』の第1章を参照したまえ。
364 :
無名草子さん:2012/09/25(火) 18:40:31.36
「したまえ」って、おまい偉そうだな。
松本良順が浅草弾左衛門を訪ねる話は、『胡蝶の夢』に詳しい。
第33章「西の風」を参照したまえ。
>>364 シタマエは敬語。
この作品では、相馬主計は新選組を脱走したことにされているが、脱走なんかしていない。
甲陽鎮撫隊では局長付組頭に就任して頭角を現している。
その後、板橋で官軍に捕縛されたが、脱走して仙台で土方と再会している。
函館戦争では最後まで生き残り、恭順の書状に署名している。
>>350 いちど寝た相手に云う台詞ではないな。
しかも童貞を装っている。
京で歳三とお雪が関係を持ったことを忘れたわけぢゃないだろうな。
>>366 小説なんで細かいことは言いたくないんだが、これはいかんよ。
官軍から脱走してまで官軍と闘いたかった主計を、新撰組から脱走したヘタレにしてはいかん。
オリキャラに変更しろ。
>>366 しかしどうしてこんなことになったのだろうな。
相馬主計は卑怯者ではない。
それと正反対のキャラクターなのに。
>>368 娯楽小説の場合、巫女の小桜のように、やりたいときにいつでもやれて、
別れ話すら書く必要のない都合のいい女で十分なんだがな。
恋愛はどうでもいいから、戦やれよ。
恋愛なんざ、いっぱつやる前の白々しい芝居だろう。
忍耐を強いられる苦痛でしかない。
そんなものを小説にして娯楽になるわけがない。
小桜、最高!
高嶋夫妻も結婚前は恋愛をしていた。
>>372 恋愛小説や恋愛ドラマの需要はなくならないよ。
恋愛の実体であるセックスの生臭さから目をそむけたいからな。
生肉に香辛料をふりかけるように、セックスの生臭さにふりかけるドラマが必要なんだよ。
しかし恋愛の美化のしかたに問題がある。
セックス抜きの恋愛ドラマは、家族愛や友情を描いたドラマと違いがないんだ。
『燃えよ剣』の主人公・土方歳三は、お雪を母親のイメージと重ねている。
お雪を幼少期に死別した母親にみたてて、少年時代の故郷の話をするのが、歳三の恋愛なんだ。
こういうのが面白いと思うか?
恋愛や結婚を経済的な飛躍のチャンスと捉える作品よりはマシだと思うけどな。
ただ男性の読むエンタメ小説では恋愛はエンタメになりにくい。
女性が登場しないと彩りが悪いから、いい女を出すことは必要だけど、
木さるや深芳野や小桜で十分だ。
忍者のように塀に飛び上がれないから忍者小説を読むわけで、
やるだけやって別れ話のない恋愛というのも、リアル世界では困難なので
エンタメになる。家族愛もどきや友情もどきの恋愛を読まされるのは、かなわん。
「坂の上の雲」や「翔ぶが如く」のように、後半女性がひとりも登場しない小説というのも、息が詰まるな。
377 :
無名草子さん:2012/09/26(水) 15:29:43.38
「幕末」の桜田門外の変で、佐野竹之助が描いた自画像云々のくだりで、稚拙な自筆の絵(現存)とありますが本当にあるんでしょうか?
検索しても見つかりません。
>>372 恋愛抜きでいっぱつだけやっていると、ラブホ、岡本理研、蒲団屋、シーツを洗う洗剤メーカー
しか儲からないだろう。レストランや宝石屋やバッグ屋にも、儲けさせてやれ。
経済効果のために恋愛妄想を煽るなよ。
セックスやりまくっている付き合いはじめて数ヶ月のカップルというのは、単なる痴呆状態。
わが国の諄風美俗はそのような痴呆状態を他人様の目に晒すなであったものが、
アメリカ映画と何でも反対の糞左翼の影響で崩れてしまっている。
美しい国を取り戻さなければならない。
戦争の反省がないと非難してくる外国は、
日本の国益を抑えこんで自国の国益を促進しようと考えているだけだろうが。
日本の一方的な経済支援を必要とする弱小国は、そういう批判はしないだろう。
なぜ朝日新聞は国益に反する記事を書く?
きさまら中国・韓国からカネを受け取っているな?
>>380 即物的な国益に拘泥しないで、よりグローバルな視点で日本の国益をお考えでいらっしゃるんでござんしょ。
自分らのほうが頭がいいと思っているんだよ。
戦前、戦争に反対していた非国民に自分を重ね合わせて、悲劇のヒーロー気取り。
コンプレックスとナルシズムが化学融合したものが日本の左翼。
変態新聞は安倍批判記事を読みながらオナニーします。
不景気はここにきて加速しているんだよな。失職者が激増している。
再チャレンジに成功した安倍総裁からヒントを得て、失職者を励まそうというところへ発想が及ばないのが変態新聞らしいな。
朝日と毎日は日本の活力を奪うのが社是だから、
国民を励ますはずがない。
団塊安保世代が記事を書いているからな。祖父が憎けりゃ孫まで憎い。
安倍ちゃんは、岸信介のイメージでタカ派と呼ばれている。
「いつもは利権の温床と呼ばれている自民党地方組織が、
今回に限って民意と呼ばれております。おめでとーございます」
「嬉しくて、いつもより、よけいに回しております。
おめでとーございます」
「おめでとーございます」
歳三は、千駄ヶ谷の植木屋まで沖田を送ると、その足で屯所へ戻った。
あすは、竹島へ発つ。
(こんどこそ、海兵隊で侵略者を排除してみごと大東亜戦争のあだを討ってやる)
二重の厚ぼったい目が、あいかわらずきらきらと光っていた。
一部変態世論尚寒し、自愛せよ
「大名になったのだ」
こっけいといえば滑稽だが、近藤にはそういう男くさいところが多分にあった。
男くさいというのは子供っぽいということと同義語である。子供のように権勢に
あこがれ、それを得ると無邪気によろこぶし、図に乗って無我夢中の行動力を
発揮する。
(やはり成り上がり者なのだ)
と、歳三は思わざるをえない。
世襲の譜代は、成り上がり者のように図に乗るということがない。身近で身内
のはしゃぎぶりを見ていたせいもあって自制がきくからである。
ただひとりの例外を除いては……。
「Trust Me」
第51章 甲州進撃
勝沼の戦いの直前までの模様が、官軍および甲陽鎮撫隊双方の視点で描かれています。
司馬作品では板垣退助がしばしば登場するが、当時彼が百円札の顔だったことと
無関係ではあるまい。
甲陽鎮撫隊の隊士たちが内藤新宿の妓楼でやりまくっている間、歳三はひとり
高松喜六の宿に泊まっていたと書かれている。
高松喜六は新宿の本陣で、初代・高松金八友常は内藤新宿を開発した新宿の恩人。
当時、甲州街道は高井戸が出発点だったが、江戸から遠すぎて不便なので、新宿が
開発された。
内藤新宿を出発した甲陽鎮撫隊は府中の妓楼に宿泊しているが、もちろん府中でも
妓楼に登楼して、やりまくっている。
官軍が諏訪まで進出しているという諜報に接した甲陽鎮撫隊は急ぎ日野宿を
出立するが、日が暮れて与瀬村で宿泊する。
現在の地名でいうと相模原市緑区与瀬であり、相模ダム近辺である。
第52章 勝沼の戦い
慶応4年3月6日。勝沼の戦いです。
“明治の鉄道王”雨宮敬次郎は、四斤山砲一発で逃げ出したのか。
なにも横浜まで逃げなくてもww
雨宮氏は武田氏の譜代としては古い方ではなく、もとは村上義清の一族だな。
川中島の戦いに雨宮渡という地名が登場するよ。おそらく、そのあたりの領主。
官軍側の隊長のひとり小笠原謙吉は、小笠原唯八の弟である。
北村長兵衛は、征韓論のころ別府晋介とともに朝鮮探索をした人物で、
『翔ぶが如く』には、そのことが十数回書かれている。
第53章 流山屯集
靖兵隊を結成した永倉・原田らと別れ、流山に向かう近藤と土方です。
江戸城総攻撃が予定されていた3月15日に、川路聖謨がピストル自殺しています。
靖兵隊の芳賀宜通暗殺については、栗塚旭版『新選組血風録』の第23話「江戸の月」
でやっている。
流山へ向かう近藤勇の馬の口取りは忠助であるが、その前は久吉であったと紹介されている。
墨染で近藤が御陵衛士の残党に狙撃された際、久吉は殺されている。
第54章 袂別
近藤勇は板橋の東山道先鋒総督府へ出頭する覚悟を決めます。
ついに新選組は解散です。
長岡の酒屋の現社長として名前が記されている秋元鶴雄氏は、流山の商工会長や
ロータリークラブの初代会長を務めておられる。
板橋の近藤勇については、「話のくずかご」のなかに「有馬藤太のこと」という随筆がある。
随筆集『余話として』収録。
第55章 大鳥圭介
江戸を脱出した幕臣・会津桑名兵は市川に集結、宇都宮城へ向かいます。
途中、小山宿で官軍と激突。小山の戦いです。
大鳥圭介というと、口の大きな女の人と漫才をしていたカッパのおっちゃんですか?
はい
小山の戦いの場面に、斎藤一と野村利三郎が登場するが、これは怪しい。
斎藤一は負傷して戦列を離れていて流山にはいなかったという説があり、これによると
斎藤は流山以前に直接会津へ向かったとみるのが正しい。土方とは会津で再会する。
野村利三郎は、近藤勇・相馬主計とともに板橋で捕縛され、のち釈放されて石巻で土方
と合流しているから、小山の戦い(野州戦争)には参加していない。
第56章 城攻め
慶応4年4月19日。
宇都宮城の戦いです。
壬生藩の藩主の官位が丹後守になっているが、丹波守の誤りである。
この当時の藩主は、鳥居忠宝<ただとみ>である。
『竜馬がゆく』の12章「安政諸流試合」に登場したのは、忠宝の父・忠挙<ただひら>である。
417 :
無名草子さん:2012/10/03(水) 15:11:27.17
栃木県栃木市には、どうして県庁がないんですか?
>>417 栃木県は餃子専門店の数で県庁所在地を決めたからです。
栃木県については、餃子と日光と県庁所在地になれなかった栃木市の三つ以外、
マジで知識ないよ。
小山会議があるだろう。
足利氏や新田氏を輩出した地方なのであるが、そもそも足利市が栃木県に属する
ということが有名でない。足利は群馬県だと思っていたw
第57章 沖田総司
慶応4年4月25日、近藤勇斬首。
同年5月30日、沖田総司死去。
歳三は日光を経て、会津若松に入りました。
近藤勇の家族が疎開していた中野村本郷の成願寺へは、丸ノ内線・大江戸線の中野坂上駅
からが便利です。中野坂上駅より徒歩3分。
425 :
無名草子さん:2012/10/03(水) 18:32:32.97
総司は林太郎とお光の跡を追って庄内へ行き、官軍が攻めてきたら尾国峠で
自分ひとりで官軍を防いでみせると言いました。
尾国峠って、どこにありますか?
沖田総司の京時代の恋人と、この小説が言っている“芸州藩邸となりの町医の娘”は、
半井玄節の娘、お悠であります。『新選組血風録』のなかの一篇「沖田総司の恋」で
読めますよ。
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; ( _ , ● .; ちょっと怪しいよ、「燃えよ剣」
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>>427 史料のなかの斎藤一諾斎を、斎藤一とその雅号と読んだのか、
あるいはすべてをわかった上で、わかる人だけ笑えばいいというウケ狙いなのか、
判断がつきかねる部分はあるな。
>>421 戦後のアカ文学は太平記を不当に差別したから、栃木県は割を食ったな。
忠臣蔵は戦後もしばらく生き残っていたが、近年になって急に失速したな。
戦国と幕末だけが偏愛されている。
激動期が好きだというわりには、20世紀前半の二つの大戦について勉強しないのはどういうわけだろう?
ともかく知識の空白が生じている部分を埋めるような作品がたくさんでてくることを望む。
太平洋戦争で惨憺たる敗北を喫したから、左翼の頭の中では、“戦争=悪”を絶対化できるのだろうな。
絶対悪だから、凧を揚げてオスプレイの飛行を妨害しようなんて馬鹿なことができる。
常識が通じない人たちになってしまうんだよ。
常識的な人間に戻してあげるには、特高警察が転向を強要せざるを得なかったんだよ。
わかるだろう?親心だったんだよ。
第58章 陸軍奉行並
仙台藩の決起を促すべく会津を後にした歳三。
榎本艦隊と合流します。
》(榎本艦隊は)途中、風浪のために四散し、美嘉保、咸臨の二艦を喪った(後略)
これだと咸臨丸まで風浪で沈没したように読めてしまう。
美嘉保丸が難破沈没したのはそのとおりであるが、咸臨丸はここでは沈没しとらんぞな。
咸臨丸は銚子沖で暴風雨に遭い榎本艦隊とはぐれ、下田港に漂着。救助に来た蟠竜丸と共に清水へ入港したが、
修理が遅れたため新政府軍艦隊に追い付かれる。
その後、新政府軍艦隊と戦って敗北し、乗組員の多くは戦死または捕虜となる。
逆賊として放置された乗組員の遺体を清水次郎長が清水市築地町に埋葬した。
咸臨丸が沈没したのは明治4年。片倉氏の旧臣を移住させる目的で北海道小樽へ向け出航したが、
輸送途中、北海道木古内町泉沢沖で暴風雨により遭難し、サラキ岬で破船、沈没する。
》これらが仙台藩領寒風沢港、東名浜にぞくぞく集結して(後略)
「仙台藩領」だけでは不親切ぞな。仙台の外港のように読めてしまうが、実はずっと離れている。
寒風沢港は塩竈市、東名浜は松島ぞな。
榎本武揚が歳三を初めて訪ねたとき、歳三は仙台藩士(保守派)の富小五郎
を訪ね不在であったと書かれているが、そんな人いません。正しくは富田小五郎。
川口遠藤家は、政宗の重臣・遠藤基信の家系。
本作品に登場する文七郎がどういう人物であるのかはよく知らない。
438 :
桶屋の鬼吉:2012/10/04(木) 16:35:28.41
>>437 川口遠藤氏の家祖は、遠藤玄信。兄の宗信が早世したため跡を継いだ。
兄の幼名が文七郎なので、弟の家系が文七郎を世襲するとは考えにくいな。
京にいた頃、歳三と立ち会った挿話を入れているから、オリキャラなのかもしれん。
第59章 艦隊北上
開陽丸の艦内での歳三と榎本武揚の会話です。
榎本のオランダ留学の話、函館独立政府の夢が語られます。
>>441 榎本円兵衛より箱田良助の名前のほうが有名だね。箱田円兵衛ということもある。
なお実家は細川家という。箱田の庄屋。
榎本が観戦武官として参加した丁墺戦争(1864年)は、教科書類ではデンマーク戦争と呼ばれる。
ユトランド半島南部のシュレースヴィヒ公国とホルシュタイン公国の領有権をめぐる争い。
ホルシュタイン公国は、牛のホルスタインの故郷として著名。
オランダのハーグには国際司法裁判所(ICJ)があります。
このたび日本政府は竹島の領有権をめぐり訴えを起こしますので、
韓国政府はすみやかに出頭しなさい。
司馬作品に出てくる公家による武家の操縦法“位打ち”。
人格崩壊の具体例が橋下徹と思っていいですか?
>>445 岩倉織田家を相手に尾張平定戦を戦っている当時の信長が、京に代官を置いて
国政に参画しようとしているようなもの。
第60章 小姓市村鉄之助
明治元年10月13日。開陽丸は南部藩領宮古に停泊します。
この章は特に記すべきことはありません。沖田総司の思い出話をしているだけです。
>>448 うん?49章「江戸へ」では、富士山艦の艦内で土方から沖田総司の看病をするように
命じられたのは、野村利三郎になっているよ。それがこの章では突然市村鉄之助に
切り替えられている。変でねぇ?
>>449 野村利三郎は市村鉄之助が伏見で入隊する際に腕試しをした役に切り替えられている。
変だね。
第61章 松前城略取
明治元年11月5日、歳三は松前城を攻略しました。
松前藩主の松前徳広を第18代としているが、松前慶広から数えて第13代である。
「当別」とあるが渡島当別のことである。当別町と混同しないように注意。
松前城搦手門に最初に突入した彰義隊の寺沢新太郎は、『幕末』収録の
「彰義隊胸算用」の主人公である。
さて、斎藤一と松本捨助が松前徳広正室を江戸まで護送した話ですが、結論から申し上げますとデタラメです。
このくだり、松本捨助が佐藤彦五郎に伝えた作り話でございます。
なお、この作り話の中に登場する斎藤一諾斎を、司馬氏は斎藤一と勘違いしておられます。両者は別人です。
斉藤一は会津落城後、会津に潜伏し、そこで明治時代をむかえております。
松本捨助は仙台で官軍に投降しております。
457 :
無名草子さん:2012/10/05(金) 18:48:25.47
第62章 甲鉄艦
宮古湾海戦前夜の模様です。
甲鉄艦に搭載されていたガラナート砲は、炸裂弾を発射する大砲である。
炸裂弾は、弾径が20ドイムを境にそれより大きければ「ボム」、小さければ「ガラナート」と呼ばれていた。
461 :
無名草子さん:2012/10/05(金) 19:10:16.40
宮古湾で東艦(甲鉄艦)を待ち伏せしてアボルダージ・ボールディングで奪って
しまおうというのは、本当に土方歳三の発案なんですか?
>>461 小説の主人公というのは、他人の手柄も自分の手柄にできるし、
読者であるおまいらがやっている女よりも、いい女とセックスできるのが、お約束です。
この章の最後の方に、宮古湾海戦に参加した陸軍兵の名前が羅列されている。
大島寅雄が新選組隊士と書かれているが間違い。伝習隊の第一大隊長。
説明もなく神木隊と書かれても何のことだかさっぱりわからないと思うが、
神木隊とは、慶応4年4月、越後高田藩士らが結成した隊である。
元々の人数は86名だったが、上野戦争で約17名が戦死した。
約70名が蝦夷地へ渡るも、宮古湾海戦における高雄丸拿捕により新政府軍に多数が捕縛される。
>>439 相続をめぐる争いを避けるために同一の幼名を世襲させることで嫡子の地位を早くから明確に
する必要や、先祖の武勇にあやかるために英傑であった先祖の幼名を世襲することは
しばしば行われたが、幼名を世襲しなければならないという決まりはないから、
偶然先祖の幼名と一致するだけのこともあるよ。
>>456 その部分はよくわからなかった。
はじめ歳三は、志摩守徳広がいる江差までその正室を送れと命じている。
ところが数行後には、江戸まで(正室の)お供をしろと言っている。
次のページでは「二人は江差から蝦夷地を脱し」と書いてある。
志摩守夫妻のお供をして江戸へ行ったのではないようだね。
それらの叙述はすべて松本捨助の作り話でございますから、どちらでもよろしゅうございます。
第63章 宮古湾海戦
歳三の搭乗した回天は、宮古湾付近の山田湾に停泊しました。
宮古湾海戦、開戦前夜の模様です。
回天の寄港地に鮫村が出てくる。「南部藩領久慈のとなり」と書かれていて、
久慈よりも南に位置しているように読めるが、鮫村は青森県八戸市に属する。
久慈のとなりというには、少し遠い。
次に寄港した山田村は、宮古の南隣りの村(現在は岩手県下閉伊郡山田町)である。
山田湾で偵察の仏人軍人らを乗せたカッター(Cutter)が上陸に使われた。
Cutterは幕末期には“コットル”と読まれていた。『胡蝶の夢』12章「長崎」では、
“コットル船”と書かれている。
473 :
無名草子さん:2012/10/06(土) 14:10:33.50
あんな服着てスポーツができるんかいなw
第64章 襲撃
明治2年3月25日、宮古湾海戦です。
この章は手に汗握る。すばらしい出来ばえだ。
野村利三郎と甲賀源吾の戦死シーン、歳三の殺陣シーン、すばらしい。
甲鉄艦に一番乗りして敵弾で蜂の巣にされた大塚波次郎は、彰義隊生き残りの大塚霍之丞の義弟。
第65章 再会
第19章と同じサブタイトルですが、前回はお佐絵との再会、今回はお雪との再会です。
西昭庵のときと比べると会話部分は恋愛らしくなっていて悪くないと思った。
濡れ場は相変わらず???
>>479 媾合シーンなんて正常な感覚の持ち主であれば、照れくさくて書けるもんじゃないよ。
読者はどうしても作者の性生活を思い浮かべてしまうからな。
大和屋友次郎は、鴻池の手代と書かれているが、手代でいいのかね?
いちおう函館支店の支配人なんだから、番頭なんじゃないの?
>>481 大和屋友次郎は紋服を着て現れるから手代じゃないな。手代の身分では紋付羽織を着てはならない。
冒頭に登場する馬丁の沢忠助は、第53章の「流山屯集」に登場した忠助と同一人物。
近藤が死んでからは、歳三の馬丁をしていた。
第66章 官軍上陸
官軍が乙部に上陸。迎え撃つ歳三は、二股口の戦いで大勝利をおさめます。
この小説では、伊庭八郎が官軍に奪われた江差を奪還したことになっているが、正確ではない。
乙部に上陸後の官軍と、これを迎え撃つ函館政府の江差をめぐる戦いの概略を記しておく。
1.函館政府 : 江差には、江差奉行の松岡四郎次郎が指揮する一聯隊が守備していた
2.官軍 : 山田市之充指揮する長州・松前などの兵と新政府の艦隊からの艦砲射撃→松岡退却
3.函館政府 : 人見勝太郎と伊庭八郎は江差奪還の兵を出し、江差の南の江良を奪還
4.函館政府 : これから江差攻略というところで五稜郭本営から連絡が来て木古内の救援を頼む
二股口の戦いの大勝利とあるが、次章以降で陣地を放棄して退却するんだけどな。
ここでも「主人公はいい女と寝て、軍神として崇められる」の法則で処理されているが、
実際には歳三は苦戦していた。次章で書かれている4月24日の大勝利も、五稜郭から
応援にきた滝川充太郎率いる兵が新政府軍に突撃をかけたため、不意を突かれた新政府軍が
混乱して敗走したという話だからな。
章の前半では、歳三はお雪とやりまくるんだが、お雪は後家でたいした美人ではない
という設定だからな。しかも描写はkissのみで、他はなにやってんのかわかんねえ。
始まったかと思うと、すぐ終わる。最初から濡れ場を書くなよ。
生の営みそのものであるセックス描写と、死ととなり合わせの戦闘描写のコントラスト。
よく使われる手法なんだけど、よく使われるだけに、こっちはお腹いっぱいになってる。
まあ、陳腐だし、飽きますわ。
戦争によって引き裂かれた男女の愛、あるいは家族の絆。
戦後日本の戦争映画の典型的パターンだよね。辛気臭いよな。
「大脱走」のスティーブ・マックイーンや「バルジ大作戦」のテリー・サバラスのように
遊びで戦争やっているようなキャラクターのほうが断然面白い。
-" ̄`丶
/ .\
//・\ /・\\ 男女の愛!
/ ::::::  ̄(__人__) ̄::::\
| \ | ノ
r⌒ヽrヽ, \_| / +
/ i/ | __ ノヽ
./ / / ) + -" ̄`丶 +
./ / / //ヽ_ /⌒ ⌒\
/ ./ / ̄、⌒) ヽ/ /・\ ./・\\ 家族の絆━━!!!!
.ヽ、__./ / ⌒ヽ ̄ / ::::::⌒(__人__)⌒::::: ヽ +
r / | / | ┬ トェェェイ ノ
/ ノ ヽ/⌒ヽ, `ー'´ ノ一ー--⌒)
/ / / / |./一ー-._ _ノ
./ // /i, ノ  ̄ ̄ ̄
/. ./ ./ /、/ ヽ、_ / /
i / ./ / .| ./ // /
i ./ .ノ.^/ .ヽ、_./ ./ /
i ./ |_/ / /
i / ノ.^ /
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(_/
男女の愛も家族の絆も大切なものなんだろうが、離婚率と家族崩壊率の高い芸能界に言われたくないわな。
492 :
無名草子さん:2012/10/07(日) 12:45:34.08
燃えよ剣の最終章は、数多い司馬作品の中でも屈指の感動シーンで終わるのだから、史実をひけらかしてケチつけるのはやめてくれよ。
最終章で主人公が死ぬ小説はたくさんあるが、
感動指数が高いのは、やはり『燃えよ剣』だな。
第67章 五稜郭
二股口で連戦連勝した歳三ですが、他の戦線での敗北が相次ぎ、歳三も陣を引き払って
五稜郭に退却します。
「シノビリカ」とはアイヌ語で、「とても素晴らしい」という意味である。
栗塚テレビ版「燃えよ剣」第25話のサブタイトルは、「シノビリカ」であった。
相馬主計は、結局、江戸で脱走したことにされて、函館にはいないことにされているな。
第68章 砲煙
最終章です。歳三の戦死と五稜郭開城が描かれています。
歳三が幽霊退治をしたという壬生の新徳寺は、浪士隊が京に到着した直後に寄合に使っていた寺である。
第13章「清河と芹沢」あたりで出てくる。
>>499 最後の酒宴にも、島田魁と尾関泉はいるけど、相馬主計の名前は伏せられているね。
なお、尾関泉の名が政一郎になっているけど、雅次郎が正しいようです。
むかしの新選組映画というと、陽気な近藤さん、陰気な土方さんという役回りになっていて、
浪士の拷問、仲間の粛清といった嫌われ仕事は、みんな土方がやったことにされていた。
「燃えよ剣」は、政治かぶれして最後はヘタレの近藤さん、最後まで戦い抜いた男の中の男=土方さん、
に変えたところが新しかった。新しいといっても半世紀前の話ですが。
>>419 司馬遼太郎は終戦を栃木県佐野で迎えた。
507 :
無名草子さん:2012/10/08(月) 16:53:24.24
燃えよ剣の次は、当然、新選組血風録になるの?
そういう流れになりそうな悪寒
近藤勇は土方歳三とふたりだけのときはトシサンと呼んでいたというのは、
『燃えよ剣』にも『新選組血風録』にも書かれているんだけど、
『新選組血風録』では、近藤は二人だけのときでも「土方君」と呼ぶんだよね。
新選組血風録は、単行本化に際しても、雑誌掲載の順序のまま並べている。
時系列で並べ替えようとは思わなかったのだろうか?
>>510 参考になるかどうかわからんが、NHKの「新選組血風録」のサブタイトルを掲げておく。
原作のタイトルと同じものが( )の中を含めて九つある。
第1回 「快刀虎徹」
第2回 「覚悟の隊服」
第3回 「芹沢鴨の暗殺」
第4回 「長州の間者」
第5回 「池田屋異聞」
第6回 「沖田総司の恋」(+前髪の惣三郎)
第7回 「胡沙笛を吹く武士」
第8回 「臆病者(竃の番人)」(海仙寺党異聞)
第9回 「謀略の嵐」
第10回 「油小路の決闘」
第11回 「菊一文字」
第12回 「最後の武士」
次は『項羽と劉邦』の予定だったのですが……。
新選組を1スレでまとめた方が便利でいい。
燃えよ剣と新選組血風録は、相互補完の関係にあるからな。次は、血風録にしてくれ。
もういいです。
第1話 油小路の決闘
[主人公] 篠原泰之進
慶応3年11月の油小路事件の顛末を、篠原泰之進とその妾・おけいの視点を通して描いているぞ。
おけいは祗園の茶屋の“お運び”(仲居)であった。
この“お運び”、21世紀の求人情報でも使用されている言葉である。
篠原泰之進は新選組の柔術師範であったと書かれているが、彼の属する流派である
良移心頭流柔術の名人に、彼と同じく久留米出身の中村半助がいる。
伊藤甲子太郎をスカウトした近藤勇が伊東一派と伴に江戸を発った時期を
元治元年晩秋とされているが、正しくは同年4月27日であるから、晩秋ではない。
この短編のなかで「奈良事件」と呼ばれている事件は、元治元年7月に、
伊東甲子太郎・富山弥兵衛・篠原泰之進・茨木司・久米部正親が、
大和へ浪士捕縛に出張したことを指している。史実である。
慶応2年4月25日に、伊東が篠原に新選組を脱盟して御陵衛士を結成する相談を
しているが、御陵とは孝明天皇の陵墓の意味であり、まだ孝明天皇が生存している
この時期に、相談ができるはずがない。
佐野七五三之助が黒谷の会津陣地で大石鍬次郎に斬りかかった話は、
他の文献にも見られるが、おそらく誰かの創作。
実際には、佐野七五三之助らは御陵衛士のスパイではなく、御陵衛士に
入隊できなかったので、茨木司・富川十郎・中村五郎らとともに、
会津藩邸内にて切腹している。
燃えよ剣では、近藤勇の妾は深雪大夫であったが、本作では深雪「太夫」になっている。
その妹お孝は、孝子になっている。
>>523 その準備をしている薩摩側の要人が中村半次郎www
実際には、油小路事件の後に行き場のなくなった篠原らを匿っただけだろう?
『翔ぶが如く』を書く前の司馬さんは、薩摩を過大評価しているからな。
精密機械のような計算高さで維新を成し遂げたように書かれることが多い。
幕末時点で西郷・大久保は政治的巨人だし、この短編のように桐野までが策士になってしまう。
本当は久光を騙し騙しの綱渡りだったんだけどな。
「燃えよ剣」は土方歳三の男の生き様に重点を置いているから、
個々の事件については「血風録」の方がよく書けている。
司馬さんは短編が本当に巧い。
油小路事件を篠原泰之進を主人公で書くなんてセンスがよい。
「燃えよ剣」は土方歳三の男の生き様に重点を置いているから、
個々の事件については「血風録」の方がよく書けている。
司馬さんは短編が本当に巧い。
油小路事件を篠原泰之進を主人公で書くなんてセンスがよい。
短編だと基本に忠実な構成なんだよな。長い余談もないし。
富山弥兵衛はこの連作の中の「弥兵衛奮迅」の主人公である。
一字違いで富永弥兵衛となると富永有隣になる。
こちらは「有隣は悪形にて」の主人公である。
>>531 同じくこの短編に登場する富永十郎についてだが、これは富川十郎の誤りである。
この小説では、黒谷の会津陣地で大石鍬次郎以下に殺害されたことになっている。
近藤、土方、沖田のキャラクターが、「燃えよ剣」とは微妙に違っているよな。
第2話 芹沢鴨の暗殺
[主人公] 土方歳三
浪士組の上洛から、文久3年9月18日の芹沢鴨の暗殺までだ。
>>525 「燃えよ剣」では毛内有之助だったものが、「血風録」では毛内有之介になっているな。亀レスすまん。
原田左之助が江戸の松山藩邸で中間奉公していたことは知っていた。てっきり江戸詰めの
藩士だとばかり思っていたが、松山にも居住していたことがあるらしい。
内藤素行が『史談会速記録』で語っている。
「この焼きざかな、すこし妙な匂いがする」という台詞のところで、歳三は左之助の故郷松山
への郷愁を感じとっているが、誤りではない。
近藤の馬丁の名が久助になっている。「燃えよ剣」では正しく久吉になっていた。
おそらく二代目馬丁の忠助とごっちゃになったものと思われる。
平山五郎の愛妾である小栄は、「燃えよ剣」では吉栄になっていた。
新選組会計方の岸島由太郎は、芳太郎と記されることもある。
>>533 血風録の連載開始は昭和37年5月、燃えよ剣は同年11月で、血風録の方が若干古い
時期に書かれている。近藤、土方、沖田のキャラは、いまだ生成過程にあって、その後
完成した形が、燃えよ剣で示されたのだと思う。
清水寺の月照が登場するが、安政の大獄で京を追われ、安政5年11月16日に
西郷隆盛とともに入水自殺している。この小説は現在、文久元年である。
3月13日は新選組の日。
文久三年のこの日、京都・壬生に詰めていた新選組の前身「壬生浪士組」に、
京都守護職の松平容保から会津藩預りとする連絡が入り、新選組が正式に発足したため、
日野市観光協会が3月13日を新選組の日と定めた。以上、余談である。
543 :
無名草子さん:2012/10/09(火) 21:48:12.28
>>524 どうして七五三と書いて“しめ”と読むのですか?
544 :
無名草子さん:2012/10/09(火) 23:25:06.98
他スレに誤爆
七五三と書いてしめという名字がある。しめ縄が由来らしいよ。
田崎潤が芹沢鴨をやった映画もあるんだな。見てみてえ。
>>536 江戸前でも魚は豊富に穫れるから、焼き魚で松山への郷愁を感じるだろうか。
江戸の庶民は焼き魚をめったに食べないのか?
子規が車を停めたスーパーの駐車場のとなりの桝に、子規好みの美女が軽のワゴン車を停めた。
「この婦人は、自分に気があるのかもしれない」
子規は、そう思った。
このながい物語は、その日本史上類のない幸福な楽天家たちの物語である。
第3話 長州の間者
[主人公] 深町新作 (架空)
池田屋の変の少し前に古高俊太郎が新選組に捕縛されるが、その捕縛当日、
新選組に潜入していた長州の間者二名が粛清されるというフィクションだ。
深町新作のモデルは、荒木田左馬亮らとともに永倉新八の暗殺を企てたものの失敗し
脱走した越後三郎だと云われているね。越後三郎は京都浪人で、御倉伊勢武らとともに
桂小五郎が送り込んだ間者です。
架空の人物の出自を詮索するのも意味のある作業だとは思わないが、
新作の父・深町与左衛門が岸姓で毛利氏の家老・益田氏の家来と
書かれているので、いちおう調べてみた。岸氏は島根県出雲市に多い姓
であるから、益田氏とのつながりがないわけではない。
架空の人物が通っていた剣術道場を詮索するのも意味のある作業だとは思われないが、
「柳馬場綾小路下ルの一刀流道場」といえば、坂本竜馬を暗殺したと明治になって自白
した一刀流の剣客・渡辺一郎 (旧幕時代は渡辺篤)が「柳心館」という町道場をひらいて
いたことで有名である。
>>551 そうなんだが、渡辺一郎の自白は明治になってからではなくて、大正4年な。
深町新作の義兄・吉田掃部の家は今熊野にある。
今熊野は泉涌寺の近くなので、泉涌寺寺侍である吉田掃部がそこに住んでいても
不思議はないのであるが、ちょっと気になることがある。
熊野寮・吉田寮というと京都大学の学生寮。
>>555 松永主善ではなくて松永主計じゃないのかな。
芹沢派の粛清の後、次に近藤一派がやった仕事は長州の間者の粛清。
以下の人物が間者であったといわれている。
■御倉伊勢武 …斬首。本作品では斎藤一に斬られる。
■越後三郎 …脱走して明治後まで生存。主人公・深町新作のモデルで作中では沖田総司に斬られる。
■松井竜三郎 …脱走。本作品には登場しない。
■荒木田左馬之允 …斬首。本作品では永倉新八に斬られる。
■楠小十郎 …斬首。本作品では原田左之助に斬られる。
■松永主計 …脱走。本作品の松永主膳のモデル。
この短編は、史実とフィクションのブレンド具合が心地よいね。
>>553 泉涌寺は『梟の城』で何度も出てくるな。懐かしい。
司馬作品では山崎蒸の活躍が目立つ。
大阪出身なので親近感をお持ちなのかと思っていたが、
当時の新選組映画を見てみると山崎蒸を主人公にしたものがけっこう多い。
全国的に山崎の人気が高かったんだな。
>>559 山崎人気は大阪限定だろう。
ただ大阪は人口が多いから、彼らを映画館へ動員するために、
山崎を主人公にしたんじゃないの。
第4話 池田屋異聞
[主人公] 山崎蒸
元治元年6月の池田屋ノ変に至るストーリーを、忠臣蔵の大高源吾の子孫・大高忠兵衛と、
奥野将監の子孫・山崎蒸の宿縁を基軸に述べた作品だ。
池田屋で新選組に捕縛され六角獄で獄死した大高忠兵衛は、大高源吾と血縁はないが、
子孫であると自称していた。また、甲冑商であったのも史実。
山崎蒸が奥野将監の子孫というのは、司馬さんの創作です。
山崎の実家の鍼医は、他作品では紅壁堂といわれていたが、この作品では赤壁で有名な
林屋ということになっている。
>>564 山崎の父親の名前が林五郎左衛門だから、林屋でいいと思うよ。
>>562 皮具足の製法に長けていたのは、従兄の大高又次郎のほうだな。
この回も快調だな。山崎蒸を奥野将監の曾孫にしたのは、すばらしいアイデアだ。
569 :
無名草子さん:2012/10/11(木) 16:13:03.49
>>568 池田屋の現場で討死した浪士以外は脚光を浴びることがない。
長州・土州・肥後以外の浪士で捕縛された者は、名前すら覚えてもらえない。
播州郷士の大高忠兵衛もその一人であるが、山崎蒸を奥野将監の子孫と
設定したことで、彼も脚光を浴びることができたな。
第5話 鴨川銭取橋
[主人公] 山崎蒸
慶応2年9月28日の武田観柳斎の暗殺を、監察・山崎蒸の視点で語る。
若干テンションが下がった。
武田観柳斎が土方歳三の謀略によって濡れ衣を着せられてゆく経過は
たいへんスリリングである。しかし、狛野千蔵が中村半次郎に斬られた
事件が未解決なまま終了するため、モヤモヤ感が残る。毎回かならず
ヒロインを登場させるのがこの連作の特徴なのだが、今回登場のお花は
狛野千蔵の愛人なのだ。狛野殺しについてもキッチリ真相を明らかにすべ
きであった。
>>571 狛野事件は大津いじめ事件と同じようにスッキリしないな。
>>571 武田観柳斎と中村半次郎が偶然あけぼの亭に居合わせただけだったというお花の
証言シーンも、若干印象薄なんだわな。観柳斎と薩摩の関係を疑わせる事実と、
それが無関係であった事実を、めりはりをつけて書くべきだった。
それと狛野千蔵の愛人として登場したお花を、安易に観柳斎と半次郎の関係を
疑わせる目撃証人にしたところも弱い。最初から観柳斎が目をつけていた女として
お花を登場させたほうがスッキリした。
全体に、狛野千蔵殺しの話から、歳三の陰謀に嵌る観柳斎の話への移行部分が
モヤモヤとしている。
山崎の密偵・餅屋治兵衛の使い方も変だよな。山崎は餅屋治兵衛に狛野千蔵殺しの
探索をさせていたのに、後半では、たまたま薩摩屋善左衛門方に居合わせた治兵衛
の女房が、武田観柳斎の裏切りの目撃者になってる。これもお花の場合と同じで、
前の事件の関係者が、たまたまそこにいたという偶然から、後の事件の目撃者になって
しまっている。
>>574 餅屋治兵衛は、薩摩藩御用達の薩摩屋善左衛門出入りの商人であったと伏線は
引いてあるんだが、あざといよな。この伏線一本で餅屋治兵衛の女房が武田観柳斎
の目撃者に転換するというのは。
清水産寧坂の明保野亭(この小説ではあけぼの亭)は、竜馬とお田鶴様が会った場所。
二人が会ったのは安政の大獄進行中の話だったけど、司馬さんの年譜でみると、
この作品が書かれた時期と、「竜馬がゆく」の該当部分が書かれた時期とは、ほぼ重なる。
>>575 本作品の餅屋治兵衛とはまったく関係がないが、赤福餅の創業者の名前は治兵衛。
∧ ∧ 銭取橋って通行料取るのか?
( *‘ω‘)
ボイン (つ┳つ ボイン
ボイン (__)||__) ボイン
⊂§⊃
§
⌒ヽ〃⌒ヽ〃
>>573 映画化・ドラマ化される場合、お花は消されることが多いんだよ。
司馬原作の新選組モノで、お花がそのまま登場したドラマはないんじゃないか?
ちょっとキャラが弱いよな。
本作品の冒頭で狛野千蔵が殺害された時点が慶応元年暮である。
この作品では新選組の屯所が不動堂村にあるとされているが、新選組が
西本願寺の屯所から不動堂村の屯所に移ったのは、慶応3年6月15日で
あるから誤りである。
中村半次郎は狛野殺しの夜、安井天神の方角へ歩いて行ったというが、
京都にも安井天神があるのか?大坂じゃないの?
この作品では慶応2年9月28日に武田観柳斎が斎藤一に殺害されているが、
これは西村兼文『新撰組始末記』の記述によるものである。
他に、慶応3年6月22日、「元新選組武田某」が竹田街道で新選組によって
大袈裟懸けに惨殺されたという見解もある。
(尾張藩士の記録『世態誌』−『新選組日誌』等の引用部分)
>>571 中村半次郎が犯人であることは明確になったが、その動機が不明なんだよね。
西郷は会津藩との関係を良好に保ちたいから新選組には手を出すなと命じたと
この作品には書いてある。半次郎が独断で殺したということなのか、そうであれば
その動機は何なのか、明確にすべきだったね。
真相を隠してミステリー・タッチに展開する作風は得意ではない。
というか、他人の秘事をあばき立てる探偵の人格を卑しいものとして
毛嫌いしているのが司馬さん。
また、薩摩がからんでくると、とたんに分かりにくくなるのが、昭和30年代の司馬作品。
土方と山崎のシーンはすごくいい。
問題は、狛野のお花の関係に踏み込まないで、お花を武田事件の目撃者の
地位に落としてしまった点にあるな。
ところが、ツカマロウというのはAV男優種だし、法律も知らねば、常識もなければ惻隠の情もない。
おれはPTA会長の子供だから、同級生をいじめてもいい、と考えた。
大坂は造船の中心ではあったが、海運の中心は西宮と兵庫。
左翼には弱者こそ正義であるという悲壮美に似た精神病理があるんでしょうな。
彼らは世界史を下が上に打ち克つことによって発展してきたとみる。
ところが普通選挙を実現し、国民主権を実現し、婦人参政権を実現してみると、
次に持ち上げるべき“下”に属する人々がいなくなってしまった。
ここで左翼は行き詰まってしまったのです。
まあそれでも劣悪な労働環境にあった労働者の処遇改善を求める闘争までは良しとしましょう。
ところが、この闘争が終焉すると本当にやるべきことがなくなってしまったんです。
それから彼らの闘争の方向性は二つに分岐しました。
一つは基本に忠実に“下”に属する人々を見つけ出してきてはこれを持ち上げる方向ですが、
そう易々と弱者は見つかりません。
そこで捏造を始めたんですな。それが従軍慰安婦問題です。
他の一派は方向性を見失って完璧に発狂したグループです。
彼らは日の丸を見ただけで軍靴の響きという幻聴が聞こえるようになってしまったのです。
(つづく…来月号は芥川賞・直木賞特集号のため、このコーナーはお休みさせていただきます)
>>571 >毎回かならずヒロインを登場させるのがこの連作の特徴なのだが
毎回かならずヒロインが登場するのは、第5話「鴨川銭取橋」までで、出ない回もあるよ。
男がヒロインとして登場する回もある。
第6話 虎徹
[主人公] 近藤勇
近藤の虎徹は、源清麿の打った刀に偽銘を施したものとする説に依拠した創作だ。
道具道楽のない俺には、どっちでもいい話だ。
>>538 二代目馬丁の忠助は、はじめは下僕だったんだな。
初代馬丁の久吉が墨染で殺されて以降、忠助が馬丁になったんだな。
医学所に治療に行く近藤勇が乗った障子船。武家身分しか障子船には乗れなかったと
書かれているが、このまえ見た忠臣蔵では、紀伊国屋文左衛門が障子船に乗っていた。
映画に近藤勇が出てくると「虎徹、虎徹」と耳にタコができるほど虎徹の名を聞くから、
こういう「実はその虎徹、贋物よ」という作品はうけるんだろうな。どっちでもいい。
「燃えよ剣」では山南敬助は沖田総司を可愛がっていたが、「血風録」の沖田は
山南を利口ぶった奴と毛嫌いしている。
599 :
無名草子さん:2012/10/12(金) 21:35:37.11
始末記では沖田は派手な剣さばきをする若造。
思いつくままに述べます。
輿石幹事長は、民主党を永続させるための党運営方法を考え、死に臨んで、彼はそれを守ることを命じました。
それは、いかなる違法行為が発覚しても行政上のポストには影響がないと閣僚は空とぼけなければならないということです。
選挙結果などは配下の痴呆公務員に無効票の操作をさせることでどうにでもなるんだ、と豪語していますね。
彼が日の丸をみるたびに嘔吐を催すように、我々は彼のシミだらけの顔をテレビでみるたびに嘔吐を催します。
最近、上唇の右側が無意識のうちにめくれあがるようなのですが、食事中は勘弁してもらいたいですよね。
黄ばんだ歯の隙間から口臭が漂ってくるみたいで、まことに耐えがたい。
うちの二歳の子どもなどは、あのめくれた上唇を見ますと泣き出してしまうんですよ。
さて、事件のその後である。
法務大臣は出家をするという条件で許された。
大臣は頭をまるめて職責を全うし、暴力団関係者を多数含む恩赦の執行書類に署名するなどの日々の業務を遂行した。
そのころ民主党では離党者が相次ぎ、衆院における過半数割れまであと一議席と迫っていた。
第7話 前髪の惣三郎
[主人公] 土方歳三
ホモ小説。終盤近くまでは結構笑えて面白いが、ラストは後味が悪い。
実質的な主人公は加納惣三郎であるが、土方と山崎の視点で語られる。
物語は慶応元年の初夏から晩秋と考えていい。
山崎蒸が慶応元年9月発行の地図を持っていたことから慶応2年の話かと
思ったが、冒頭に谷三十郎が登場している。谷が暗殺されたのが慶応2年
4月1日なので、そこでいわれている「初夏」とは慶応元年の初夏である。
山崎が所持していた地図は発売早々のものであったのだろう。
加納惣三郎の実家は越後屋というが、三井財閥の基礎になった越後屋とは別物。
かの越後屋は室町通薬師町にあったし、三井高利は伊勢の商人。
沖田が少年たちと遊んでいた「石蹴り」という遊びは、ヴァリエーションが多くて
特定しにくかったが、筆者の地方で「ケンパ」と呼ばれている遊びである。
「鼻鼻」という遊びは筆者はやったことがないが、ルールを読んでいると「あっちむいてホイ」に似ている。
つられたら負けである。
亥ノ刻、土方らは鴨川の四条中洲に降り、草むらの中に立った。待っている。
ほどなく、月が出るだろう。そのころに惣三郎が、愛人の田代と一緒に、ここへやってくる。
「来た」
と、沖田がいった。
「待たせたな、歳三。今宵こそ宿年の決着をつけようぞ」
七里研之助は、刀の鯉口を切った。
>>611 歳三と七里が決着をつけたのは、二条中洲だ。
この作品の元ネタは、近藤勇が中島次郎兵衛あてに出した手紙の中の以下の部分のみ。
就而者当節婦人戯候事聊無之。局中頻ニ男色流行仕候。
(ついては、当節婦人と戯れ候事いささかもこれ無し。局中しきりに男色流行仕り候。)
武田観柳斎が馬越三郎に惚れた話や、四方軍平が加納惣三郎に言い寄ったという話
の出所はどこなんだろうね?やっぱ子母沢先生?
>>613 馬越三郎が武田観柳斎に惚れられて迷惑した話は、子母澤寛著『新選組物語』。
四方軍平は司馬さんの創作した人物なんじゃないの?加納惣三郎に言い寄った
四人の隊士のひとりとして名前を羅列されただけで、何をしたわけでもないのに、
ずいぶん有名になっちゃった。
>>609 田代彪蔵役の浅野忠信は原作と比べるとカッコよすぎねぇ?
まだ映画は観てないんだが。
この作品の中で最も感心したのは、惣三郎の筆おろしに失敗した輪違屋の錦木大夫のネーミングだ。
いまから千数百年前の恋物語をふまえている。
詳しく説明するのが面倒なので、「錦木塚」で検索してみてくれ。
617 :
五関敏之:2012/10/13(土) 19:40:09.82
そんなことあったっけかなあ
>>609 『御法度』も面白い映画だが、平成の日本を舞台に実在した詐欺師集団ボニーとクライドの
青春を描いた『民主党に明日はない』も面白いぞ。
>>613 近藤の手紙のその部分も、冗談で言っているような気がするんだよな。
近藤はたくさんの妾を抱えていたわけだから。
最近は忙しくて妓楼へ上がる暇もないという意味を、そのように表現したのだろうな。
隊士が同性に宛てた恋文でも出てくれば信用できると思うが、まあ残っていないだろうな。
他の質問サイトでラスト・シーンの意味がわからないという方がいらっしゃったので、老婆心ながら解説しておきます。
まず田代は惣三郎に斬られました。
それから湯沢を殺したのも、山崎を襲って田代に罪を着せようとしたのも、歳三が想像したとおり、惣三郎です。
沖田は一度は現場を離れますが、引き返して躊躇なく惣三郎を斬りました。
結局、惣三郎の美貌に惹かれていなかったのは、沖田だけだというオチです。
近藤はもちろん、歳三ですら惣三郎に妙な気分を抱いていたのです。
自分が甘かったために三人の隊士を失ったことを悔いて、歳三は桜の若木を切ったのです。
さすがホモ・ネタは伸びるなw
湯沢殺しはいいとしても、山崎蒸は自分を襲った相手が誰だかわからなかったのかね?
田代の身長は五尺六寸、惣三郎は“小柄”という設定なんだけど。
>>613 新選組に関する創作は数多く、後輩の作家・脚本家が先輩の創作を流用していることも多々あるので、
史実か否かを詮索するのが煩わしくなることがあるな。
また、そもそも史実とされている子孫の方々の証言も眉唾が多い。
維新では賊軍とされた人々の子孫がほとぼりがさめたころに喋っているから、
名誉挽回とばかりに法螺を吹いていることがある。
また、著作権や史実との整合性にこだわりのなかった時代に大量の映画が作られたため、
国民が揃ってウソを覚えていて、真相を合理的に推理する人の方が疑われる状況がある。
この点で、忠臣蔵や清水次郎長伝と似たところがあるな。
写真で見る近藤勇よりも俳優の演じる近藤勇の方が愛される、というのはあってもいいと思う。
実在した人物を大幅に美化した歴史上のヒーローを共同幻想として国民が共有することは、
死後100年も経てば問題ないと思うよ。
土方歳三のように下手な俳優よりも写真の方がかっこいい場合もある。
>>621 燃えよ剣の沖田よりも、血風録沖田の方が硬派だよな。
子供と遊ぶのが好きな点は共通だけど。
播磨灘物語はいつ大河ドラマになりますか?
第8話 胡沙笛を吹く武士
[主人公] 鹿内薫(架空)
三条制札事件において士道不覚悟と認められ粛清された鹿内薫を主人公にしたフィクション。
鹿内薫のモデルは、備前出身の浅野薫ではないかと云われている。
浅野薫は三条制札事件での不手際により除隊処分になったが、その後も新選組を
騙っての金策が露見し島原で斬首されたと伝えられている。
『竜馬がゆく』でも三条制札事件は取り上げられていて、第58章の「男ども」には
鹿内薫と橋本会助の名前が出てくる。架空の人物が二つの作品にまたがって登場
するというのは、司馬作品では珍しい。
高瀬会戦の政府軍主力の後軍、近衛第一連隊の大迫大尉とは、
熊本城籠城軍の大迫尚敏少佐の実弟・大迫尚克である。
635 :
無名草子さん:2012/10/14(日) 19:58:58.14
出会茶屋が連れ込み旅館と呼ばれるようになったのはいつごろからですか?
文久2年、伏見の寺田屋である。
>>631 ここは注意を要するな。
まさか架空の人物が竜馬と血風録の双方に出てくるとは思わない。
鹿内薫はてっきり実在した人物だとばかり思っていたよ。
>>625 大衆娯楽として美化されるのはいいとおもうが、政治目的で美化されるのはごめんだな。
独裁国家ではいかがわしい政治目的の英雄捏造が多い。
微妙なのが民主国家における地域振興目的のヒーロー礼賛。
日本人を称揚する点で、クリスマスやバレンタインよりましだとはおもうが、
商業主義が露骨に見えるとかえってバカにされるから、てげてげにな。
639 :
無名草子さん:2012/10/15(月) 04:26:19.77
おまいも連投てげてげにな
640 :
大山巌:2012/10/15(月) 11:46:20.10
てげてげがよかごあんど。
鹿内薫が丹虎に向かう途中でからまれた薩摩浄福寺党については、
『薩摩浄福寺党』という短篇がございます。
短篇集『アームストロング砲』に収録。
三条制札事件は原田左之助の十番隊に加えて剣術師範が加勢して土佐浪士を襲った。
剣術師範のひとり服部三郎兵衛とは、本連作の第1話「油小路の決闘」で大活躍の服部武雄である。
646 :
無名草子さん:2012/10/15(月) 14:57:27.53
>>645 宮川助五郎が澤穂希といっしょに写真に写っても文句を言われないのに、
自民・安倍総裁がたまたまいっしょに写った人が暴力団関係者だというだけで
どうして文句を言われなければならないのですか?
これが朝鮮マスゴミの大好きな安倍つぶしというものですか?
宮川助五郎の仲間の一人に安藤謙治というのがいるが、安藤鎌次の誤りである。
四代目宮川左近は宮川左近ショウのリーダーである。
第9話 三条磧乱刃
[主人公]国枝大二郎(架空)
新入隊士・国枝大二郎の視点を通じて、井上源三郎の人柄を掘り下げる。
先に紹介した映画『御法度』は、「前髪の惣三郎」だけではなく、この「三条磧乱刃」をも原作にしている。
井上源三郎役は坂上二郎さんで、この小説の源三郎のイメージにピッタリである。
なお、映画では、国枝大二郎は登場せず、その役は、まるごと加納惣三郎がやっている。
井上源三郎がいいね。「燃えよ剣」を読むだけでは、源三郎はここまで描きこまれていない。
「燃えよ剣」の源三郎は、歳取った永倉新八てな感じだと思っていた。
安政5年、天然理心流四代目・近藤勇の披露のための野試合が行われた
府中宿の明神境内東の広場とは、「燃えよ剣」の第一章で歳三がお佐絵を
レイプした六社明神のことである。
その野試合で赤組の大将を務めた御嶽堂糺の本名は、萩原四郎兵衛である。
国枝大二郎の流派を利法得心流と書かれているが、理方得心流の誤りである。
理方得心流は、作州の津山藩で盛んな流派であるから、その分流である理方得心流を
芸州出身の国枝大二郎が修めていても不自然ではない。
657 :
無名草子さん:2012/10/15(月) 17:07:56.14
>>656 >場所は、北緯35度00分15.2秒/東経135度46分32.8秒にある。
(´・ω・`)どこやかさっぱりわからんがな
失礼つかまつった。
場所は、鴨川べりの三条大橋と四条大橋の中間あたりでござろう。
芸妓・君香さんで有名な宮川町も近い。
「三条磧乱刃」は従来あまり人気がなかったのか、1965年NET版でも、2011年NHK版でも、
独立した回としてドラマ化はされていない。その点で映画『御法度』の映像化は貴重なのであるが、
国枝大二郎が登場しないのが残念である。菅野平兵衛・宇土俊蔵はもちろん、出てきて即
斬り殺されるだけの佐原銀蔵までキャスティングされている。
源三郎は農家の作男のようだと歳三から評されている。
作男はサクオトコと読むのだろうが、アラシコと読む人はいるかな?
>赤兵衛は妙覚寺の寺男と紹介されている。単行本では、「寺男」に、「あらしこ」のルビを振っていた。
>全集では、ルビが消された。
http://unkar.org/r/books/1187856640/Tree:304 むかし子供が田植えや稲刈りの手伝いをしていると、「ええ、アラシコじゃなあ」と褒めそやされた。
生活実感からすると、サクオトコなんて日本語を喋る人はいない。活字の上でだけサクオトコなのだ。
司馬さんは寺男ですらかつてアラシコと読んだのだから、作男はもちろんアラシコだと思う。
「前髪の惣三郎」で思い出したのだが、熊本に清酒美少年という酒がある。
三笠フーズによる事故米不正転売問題に関連して商品を自主回収し、翌年民事再生法の適用を申請した。
今はなくなったのかと思っていたら、社名を変更して今でもあるようだ。
余談がすぎた。「前髪の惣三郎」の恋人・田代彪蔵は熊本ではなく久留米出身であるが、
国許では衆道が盛んであったと書いてあった。
「三条磧乱刃」の菅野平兵衛は、熊本出身で清酒・美少年の地元であるが、映画『御法度』では、
菅野平兵衛は加納惣三郎をじっと見つめているシーンがある。
三浦金太郎はまゆ墨に白粉、口紅など化粧をしている剣客である。
剣の腕前は牛堀道場の随一の実力で、秋山大治郎を襲う刺客として内山に雇われるが
大治郎が師の友人小兵衛の息子と知り計画を牛堀に教える。
当初、内山の襲撃を眺めるだけと決め込んでいたが内山を見事に退けた大治郎に勝負を挑み敗れて亡くなる。
>>659 そのあたりが架空の人物だね。
それから福沢圭之助。
小川亭の女将と若嫁は実在した人物。
第10話 海仙寺党異聞
[主人公]長坂小十郎(架空)
水戸藩士オリキャラ甲のせいで士道不覚悟の罪に問われ断首された新選組一番隊のオリキャラ乙。
オリキャラ乙と同郷のオリキャラ丙は、オリキャラ乙の仇を討つ。
これは駄作だな。
士道不覚悟というキーワードがなければ、『新選組血風録』の一篇に加える必然性がない。
その士道不覚悟も、すでに「胡沙笛を吹く武士」でやってしまったので、またか、という感じ。
1965年NET版の新選組血風録・第五話・海仙寺党全滅では、長坂小十郎を登場させないで、
その役を斎藤一にやらせている。正解である。これだと新選組血風録の一篇にする意味がある。
「鴨川銭取橋」の登場人物の役割分担も腑に落ちないところがあったが、
この「海仙寺党異聞」に比べると、はるかに良い。
「海仙寺党異聞」の場合、お小夜をめぐる人間関係がすこぶる変。
藻前ら、モティツケ
/\⌒ヽペタン
/ /⌒)ノ ペタン
∧_∧ \ (( ∧_∧
(; ´Д`))' ))(・∀・ ;)
/ ⌒ノ ( ⌒ヽ⊂⌒ヽ
.(O ノ ) ̄ ̄ ̄()__ )
)_)_) (;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)(_(
土方と沖田が、いつもの土方と沖田らしくない。まるで別人のように木偶。
水戸海仙寺党という集団の性格が、薩摩浄福寺党に酷似している。
真似したとしか思えない。
海仙寺の位置が櫛屋利助の店の真裏にあるという設定の意味がわからない。
その双方に言ったことのある長坂小十郎は、この位置関係に気づかなかった
というのだが、これもなぜそのようなことにしたのか意味不明。
総評;「時間がおまへんでしたんや」
>>671 慶応2年の話なので芹沢鴨が死んで年数が経過しているが、わざわざ水戸藩士を登場させるのなら、
芹沢鴨となんらかのつながりを持たせるべきだよな。
それと主要登場人物の三人、長坂小十郎、中倉主膳、櫛屋利助を甲州人にしたのもほとんど意味がない。
>>667 長坂小十郎の役は、ひとりで敵陣に乗り込むというおいしい役なんだよな。
これは、みなさんがよくご存知の新選組隊士にやらせないと面白くもなんともない。
長坂小十郎が返討にあって死ぬならともかく、一人で敵四人をぶった斬って生還するわけだ。
これは、永倉、原田、斎藤あたりにやらせないとだめだよな。
元ネタなしの完全オリジナルだと、このようになります、という好例だ。
>>671 海仙寺党異聞というサブタイなので斬られた水戸藩士四名は実在した人物だが、
そこに架空の人物を登場させ、かつそれを新選組隊士にすることで、
真相不明の海仙寺事件を小説にしてみました、という作品かなと思っていた。
ところが調べてみると、海仙寺という寺は実在しない、
死んだ水戸藩士は全員架空の人物、主人公の明治後の改名も実在しない、
要するにすべて嘘。
それでも面白ければ満足できるが、
沖田と土方が無能に描かれ架空の主人公だけが持ち上げられている。
>>678 すべて嘘ですか。民主党のような小説ですね。
お腹立ち、ごもっともでございます。
>>678 自民党内閣を無能のように描き、
脱税蓄財者鳩山を庶民のヒーローのように描いた嘘小説なんですか。
お腹立ち、ごもっともです。
中倉主膳とお小夜はキャラが立っているんだよな。
新選組血風録に入れないで、独立の短編として発表すべきだったな。
>>672 海仙寺と櫛屋利助店の位置関係の設定は謎だな。
櫛屋は水戸藩出入りの商人なので、中倉主膳の隠匿に一役かったわけだが、
別に隠匿場所が店の隣である必要はない。
>>668 お小夜をめぐる人間関係というより、
櫛屋利助の性格が複雑すぎて、アリエナイ。
>>678 土方と沖田は無能じゃなくてポカをやらかす三枚目だな。
顔だけみると映画の主役になれそうもない長坂が、沖田より老練で、
土方を器量で上回ったというのが、この小説のオチ。
だから新選組血風録に含めるのは穏当でない。
「先生。海仙寺党異聞のようにオリキャラ主役ですと、あまり評判が芳しくないようなのですが……」
「さいでっか、せやったら次は沖田総司でいきまひょ」
海仙寺って海音寺と一字違いだな。
海仙寺党のモデルは薩摩浄福寺党だし。
海音寺先生と何かあったん?
>>686 疎遠になるのは、まだずっと先。
仲違いしたのではなく、高齢化と仕事が忙しかったため。
昭和45年ぐらいに『日本歴史を点検する』というお二人の対談が出版されている。
第11話 沖田総司の恋
[主人公] 沖田総司
タイトルどおりの可憐な作品だ。
沖田、土方、近藤の三人が中心人物になっているので安定感があるな。
このあたりになると「燃えよ剣」の執筆に取り掛かっていたのかな。
近藤、土方、沖田のキャラが、「燃えよ剣」と同じになってきている。
近藤も土方を「歳さん」と呼んでいる。
池田屋事件で最初に浪士を斬ったのは近藤で、斬られたのは北添佶摩というのがすっかり定着しているけど、
残された史料では沖田が最初なんだよね。斬られた相手が誰だかは不明。
>>690 しかしまあ近藤が北添を斬らなければ話が始まらないというところはあるな。
それとこの小説をはじめ多くのドラマで、沖田は池田屋ノ変の最中に初めて喀血したということになっているが、
これも史料はない。しかし、ここで喀血しなければ話が始まらないというところはある。
近藤勇の養子・周平については、司馬さんはあまり語られないので、ここで補足しておく。
養子になる前の姓は谷で、谷三十郎と谷万太郎の実弟である。
鳥羽・伏見の戦いまでは新選組にいたが、その後江戸で脱走したと伝えられている。
696 :
沖田総司:2012/10/17(水) 15:39:50.61
∧__∧
(`・ω・) アホな先輩を持つと恋愛もできんわい
.ノ^ yヽ、
ヽ,,ノ==l ノ
/ l |
"""~""""""~"""~"""~"
この小説の土方を読んでいたら、秀吉と茶々のデートに飛び入りした江を思い出したわ。
俺は京都ことばで餅のことを“あも”と言ったというところで「武田信玄」の八重を思い出した。
副長にデートの邪魔をされ、局長に淡い恋を完膚なきまでに叩き潰された総司が哀れすぎる。
『新選組血風録』というよりも『マカロニほうれん荘』のネタみたいだなw
701 :
近藤勇:2012/10/17(水) 16:15:05.88
. ∧__∧
( ´・ω・)∧∧ おめえにゃあ、お光姉ちゃんがいるだろう、なっ、総司
/⌒ ,つ⌒ヽ)
(___ ( __)
"''"" "'゙''` '゙ ゙゚' ''' '' ''' ゚` ゙ ゚ ゙''`
>>692 次の「槍は宝蔵院流」で詳しく語られるよw
703 :
無名草子さん:2012/10/17(水) 18:54:06.77
>>681 中倉主膳のモデルは、 慶応3年1月10日に切腹した田内知<さとる>だよ。
第12話 槍は宝蔵院流
[主人公] 斎藤一
谷三十郎の入隊から死に至るまでの話だ。
設定が史実と少し変えられている。
1.近藤周平[谷喬太郎重政]は、谷三十郎の養子とされているが実弟である。
また、名前も谷昌武が正しい。
2.谷万太郎は三十郎の兄とされているが、弟である。
また、万太郎は新選組に入隊していないように読めるが、三兄弟そろって入隊している。
3.三十郎は槍の名手とされているが、槍の名手は弟の万太郎のほう。
三十郎はどちらかといえば剣の名手。ここも逆さまにされている。
近藤周平は備中松山5万4千石板倉侯の御落胤とされているが、もちろんフィクション。
この点、藤堂平助の御落胤説は、真偽は別として、本人がそのように称していたのは史実であるのと異なる。
また、近藤周平の実父とされる隆光院であるが、歴代の松山板倉侯にそのような戒名の殿様はいない。
>>703 この作品に田内知が登場しますね。切腹に至った経緯が中倉主膳の場合と
酷似しているため調べてみたら実在した人物でした。
中倉主膳のモデルは、田内知だと思います。
ただし時間の流れからすると谷三十郎の方が10ヶ月ほど先に死んでおりますので、
谷三十郎が田内知の介錯をするというのは不可能です。
これはおそらく子母沢先生の創作。
手ごたえのある傑作だね。
端役なんだけど、淀川三十石船の船頭なども生き生きとして良好だ。
三十郎が三十石船に乗るというのは、洒落なんですかね?
>>708 斎藤一が谷三十郎を殺害したというのも子母沢さんの創作だな。
倅周平が池田屋襲撃組にいたというのは、近藤勇が養父・周斎への手紙に書いた法螺。
他の証言では、倅周平は土方隊であったとされている。
周斎に無断で養子取りをした勇は、倅周平の活躍を捏造したものと考えられている。
>>709 谷三十郎の物語なのに、斎藤一という補助線を引いて、その視点で描いているところに、冴が感じられるな。
>>688 「沖田総司の恋」は司馬さんの恋愛小説にしては、なかなかの秀作。
甘酸っぱい。誰しも一度や二度は経験があるはず。
ただし近藤・土方の空気の読めなさが凄まじい。
当時の青春映画の定番だな。若人の恋愛といえば、はにかむもの。
チョンがマスゴミ・芸能界にのさばるようになって、日本人の美しいはにかみが失われた。
戦前の日本の小説に出てくる恋愛と戦後のそれとの間に断層があるような気がする
(ただし戦前でもブサヨの書いたものを除く)。
「沖田総司の恋」は日本文学の恋愛小説の正統派だな。
遠慮は日本文化の特徴の一つだった。
恋愛においてもこの文化の特徴が顕現するものだから、
第三者がみているとじれったくなるくらい恋愛の進行が遅い。
しかしそれは可憐でもあった。
チョン・ブサヨは日本から消え失せろよ。
>>704 史実と創作のブレンド割合が、理想的な形に戻ったな。
鴨川銭取橋と海仙寺党異聞は、自由創作が幅をきかせて史実の縛りが弱い。
後者はさらに史実キャラの三枚目化とオリキャラ持ち上げという愚かな失敗が加わる。
もちろん100%創作人物ばかりが登場する時代小説を否定するつもりはない。
庶民文化が開花した元禄以降は、オリキャラ庶民を登場させたほうが、時代の風俗を表現しやすいと思う。
筆者がいいたいのは、史実キャラが出てくる小説で、ことさらにオリキャラを持ち上げるのはやめていただきたいということである。
>>681 「史実にモデルがあると物語がリアリティを獲得する」の好例だな。
海仙寺異聞の中では、中倉主膳とお小夜のパートだけが飛び抜けて出来が良い。
銭形平次ですらモデルがいるからな。彼の場合、モデルというよりヒントだろうが。
文化は科学技術のように未来に向けて発達するものではない。
過去のものを守るからこそ文化だからな。
唯物史観大好きのブサヨは、これが理解できない。
無用な文化破壊ばかりしよる。
事実が物語にリアリティを与えるといっても、尼崎の角田事件のようなおぞましい事件まで物語にしなくていいぞ。
単なる異常心理まで、「これも我々人間の本性の一端なんです」みたいな小説を書くなよ。
ブサヨがやりそうでこわいわ。
連合赤軍事件や角田事件は基地外の病状の表れ。
我々人間の本性の一部に加えるなよ、ブサヨ。
第13話 弥兵衛奮迅
[主人公] 富山弥兵衛
御陵衛士・富山弥兵衛の新選組入隊から戊辰戦争における出雲崎での戦死まで。
まず、伊東甲子太郎らの新選組脱盟が慶応2年9月26日とされているところで
悩んでしまう読者がいると思う。大久保一蔵が伊東に会おうとしたのが慶応2年暮、
実際に祗園一力で会ったのが翌年正月2日になっているのに、土方歳三視点で
語られる伊東一派の脱盟を慶応2年9月26日とされては悩まれるのも当然である。
伊東一派は、大久保と伊東が一力で面談した後の慶応3年3月20日に脱盟する。
富山弥兵衛は、燃えよ剣にも、血風録にも、名前だけは何度も出てくるが、
はじめから伊東の門人だったわけではなく、薩摩の間者で伊東に接近した者
であることを筆者はこの小説で初めて知った。その意味で、よい小説である。
728 :
無名草子さん:2012/10/18(木) 14:54:05.38
薩摩弁の富山弥兵衛と津軽弁の毛内有之助が仲良しになるあたりは、よくできた創作だな。
その様子を見て土方までが富山弥兵衛に心を許し、間者であると疑わなくなる。
このあたりの描写は巧いぞ。
祗園一力のところで名前が出てくる大久保の女・おゆうとは、実在した人物である。
一力の主人・杉浦治郎右衛門為充の娘・杉浦勇のことで、リアルでも大久保の妾
になり、四男から八男までを産んでいる。一蔵もお盛んなことで、これが薩摩士族の
嫉妬を生み、のちに西南戦争へと発展してゆく。
富山弥兵衛に放たれた土方の刺客・平野一馬は架空の人物。
その後に富山弥兵衛が雲水に化けて新選組屯営を訪れた挿話はフィクション。
戊辰の北越戦争における出雲崎での水戸藩士との闘争は史実。
ただし、水戸藩士の部隊である柳組という名称はあまり耳にしたことがない。
一般には水戸諸生党と呼ばれている。
富山弥兵衛のプロフィールに関して、薩摩藩士・本庄某の家臣とされているが、
内田仲之助政風の家臣の誤りである。
734 :
無名草子さん:2012/10/18(木) 16:27:26.76
社としてのしっかりした考えを聞くまでは、NET版の新選組血風録は見ないつもりです。
>>628 黒田官兵衛は他の原作で翌々年に大河ドラマ化されるから永久にない。
第14話 四斤山砲
[主人公] 阿部十郎
永倉新八の師匠筋と偽称する大林兵庫と不仲であった砲術師範頭・阿部十郎は、
伊東甲子太郎らとともに新選組を脱盟。鳥羽伏見の戦いで新選組に四斤山砲の
砲口を向けることと相成った。
阿部十郎も前作の富山弥兵衛と同様、最初からの伊東甲子太郎の門人ではありませんでした。
燃えよ剣や血風録には名前が頻繁に出てきましたが、
どのような経緯で新選組を脱盟したかは明らかでありませんでした。
ただし、本作の大林兵庫は架空の人物なので、阿部十郎脱盟の動機は本作のとおりではありません。
キャラクターの優劣でいえば、阿部十郎よりも大林兵庫のほうが面白いな。
会津藩砲術方の林権助は、燃えよ剣の鳥羽・伏見の戦いで大活躍したあの人。
本作品では阿部十郎との師弟対決になるため、御香宮陣地にいたはずなのに、
意識的に名前を出すことは避けられている。
なお、林権助と同名の子が明治政府の外交官であったと記されているが、
>>307で指摘しておいたとおり、子ではなく、孫が正しい。
子の林又三郎は、鳥羽伏見の戦いで戦死している。
阿部十郎の流派・鉄人十手流はウソくさい名称であるが実在する。
二天一流の分派で、中国地方に流行した小規模な流派。
宮本武蔵の父・新免無二斎の十手術の流れを汲み、
十手に折畳式で鋭い槍穂を付けた「鉄人十手」と云われる武器を使用する。
十手術であるから、竹刀で闘って勝てるはずがない。この作品でも、阿部十郎は
大林兵庫にコテンパンに叩きのめされている。
伊東甲子太郎らの脱盟の日付が慶応3年3月10日とされているが、
>>725で指摘したように
慶応3年3月20日の誤りである。
大林兵庫に関する事柄はすべてフィクションであるが、庄内の斎藤河原ぐらいは
存在するのかと思って調べてみたが、見当たらなかった。
>>742 斎藤茂吉が山形県出身なんで斎藤河原じゃないのw?
鳥羽伏見の戦いの直前、近藤勇が墨染で襲撃される。
御陵衛士の残党が犯人なんだが、近藤に命中した弾丸は阿部十郎が
放ったっものらしい。
>>745 その事実は、この作品でも、燃えよ剣でも触れられていないね。
大林兵庫の砲術の師匠の安野均は、紹介のしかたがいかにも実在した人物らしく
書かれているが、斎藤道場の門人帳のなかにはなかった。おそらく架空の人物。
第15話 菊一文字
[主人公] 沖田総司
半井玄節の診療を受けていた時期なので、「沖田総司の恋」と同じ時期の話だ。
元治元年6月(池田屋ノ変)から10月(近藤がお悠との縁談を思いつき恋愛を
ぶち壊した頃)の間の話。
沖田は街中で私闘に及び敵にとどめを刺さなかったのだから、新選組の御法度によれば
士道不覚悟によって断首か切腹のはず。「胡沙笛を吹く武士」の鹿内薫や「海仙寺党異聞」の
中倉主膳は、そのように処断された。
どうして沖田総司は処断されないのですか?
>>749 例外もあるとは、どこかで書いていたと思うけど、この回にその説明をしないとおかしいよね。
>>748 「沖田総司の恋」との整合を考えると、そうならなきゃおかしいんだが、
陸援隊が発足したのは慶応3年7月なんだよな。
沖田が花橘町で戸沢鷲郎に襲われた時期にすでに陸援隊といっているから
慶応3年じゃないと変なんだよな。
ひと目でオリキャラとわかってしまう戸沢鷲郎、清原十左衛門、日野助次郎。
この気合の入っていないネーミングからして内容のつまらなさを察してください。
753 :
無名草子さん:2012/10/20(土) 15:12:35.95
>>682 櫛屋利助が匿っていたのは中倉主膳ではなくて赤座智俊だよ。
>>674 「菊一文字」に登場する水戸脱藩・戸沢鷲郎と芹沢鴨の関係については触れられているね。
清原十左衛門が始めた無関流という流派なんだが、槍術ながら同じ名称の流派がある。
オリキャラの清原十左衛門が始めた流派なので、ネーミングには注意してもらいたい。
新選組血風録は終わったみたいなんで、項羽と劉邦を始めてもよろしいですか?
>>756 『項羽と劉邦』は長いので次スレで始めましょうよ。
このスレは同じ時代を扱った『幕末』で閉めてはいかがでしょうか?
>>749 中倉主膳はそうだけど、鹿内薫は別の理由だろう。
>>756 執筆時期も「燃えよ剣」「新選組血風録」と同じ頃なので、「幕末」を先にやろうよ。
わかりました。次は必ず項羽と劉邦ですよ。「近いうちに必ず」ではだめです。
年内に始めてください。「しかるべき時」ではだめです。幕末の次です。
早くやれよ
第1話 桜田門外の変
[主人公]有村治左衛門
安政6年(1859)秋、有村治左衛門は江戸に出府する。
翌安政7年3月3日、桜田門外の変。
個人的には大好きな作品だ。後半の殺陣シーンの展開がスピーディで手に汗握る。
かなり血生臭い描写なのだが、前半の治左衛門ののほほんとしたキャラクターからは、
この後半の血生臭さを予想しにくい。この落差が好きだ。
治左衛門と松子の恋愛が、いい効果を出している。
松子は数年後に治左衛門の長兄・有村俊斎と結婚して維新後子爵夫人になる。
ここでなんとも複雑な気分になるな。
読者の治左衛門に対する愛が生じてしまう巧いラストだ。
しかも最後の数行で、次兄・有村雄助が藩から切腹を命じられた叙述が出てくる。
これで、さらに複雑な気分になる。ものすごいダメ押しだ。
長兄・有村俊斎に対する憎悪が生じる仕掛けになっている。
>>764 そこを読むと、もう一度『花神』が読みたくなる仕掛けになっているんですね。
>>765 司馬ファンの有村俊斎に対する憎悪は、中丸忠雄の名演によって生じたものだと思う。
人名の漢字違いを指摘すると十個ぐらいあるのだが、参考する史料によって区々だと
いう事情もあるので指摘しない。ただ、この時代の人たちは名前をしばしば変える。
作中の人名を最もよく知られている名前で紹介しておく。
精忠組の江戸の同志・堀仲左衛門
竜馬がゆくや胡蝶の夢では、「堀次郎」の名前で登場する。明治後は、伊地知貞馨である。
精忠組の江戸の同志・田中直之進
田中謙助である。
もういいです。
>>764 お松とその母・日下部静子は、「服部半蔵・影の軍団IV」に出てくるよ。
ちゃんと日下部伊三治の妻として登場するから、この小説の静子と同一人物だ。
女優は野際陽子。ついでにいうと有村次左衛門は平泉成。
桜田門外の変で殺された井伊直弼は実は影武者で、本物の直弼は屋敷にいた。
もちろん直弼を殺すのは半蔵。
お松もお静も、白装束の忍者のいでたちで、井伊暗殺団に加わるというトンデモ展開w
>>763 テロリストは嫌いだけど、この作品の有村治左衛門は数少ない例外だな。
関鉄之助を主人公にするのではなくて、有村治左衛門を主人公にしたところが、名作になった要因だと思う。
脇役の水戸藩士・佐野竹之助も好きだ。
『幕末』は単行本化されたときに雑誌連載のときと順序が変えられた。
参考までに、雑誌掲載の順序を記しておく。
@「奇妙なり八郎」
A「花屋町の襲撃」
B「猿ヶ辻の血闘」
C「土佐の夜雨」
D「祇園囃子」
E「妬の湯」…単行本化に際し「冷泉斬り」に差し替えられる
F「逃げの小五郎」
G「死んでも死ぬな」
H「顕義隊胸算用」
I「浪華城焼打」
J「最後の攘夷志士」
K「桜田門外の変」
雑誌連載時は題名も「幕末暗殺史」だったよな。昭和38年に連載。
襲撃開始の合図となる短筒を撃ったのは、治左衛門が日下部家で最初に会った
水戸藩士のひとり黒沢忠三郎です。
>>749 俺も読んでいる最中にそこが引っかかったので、それ以降を楽しめなくなった。
ほぼ100%創作というのも割と早い段階でわかるので、ちょっと楽しめないな。
>>772 「妬の湯」をはずされて有馬温泉では歯噛みしたろうな。
題名を知っているだけで、読んだことのない読者がほとんどだった。
いまは短編全集で読める。
>>751 半井玄節の診療を受けていた時期は無視して、陸援隊が存在していた時期を重視すべきだよな。
>>777 沖田総司の性格と「沖田総司の恋」のラスト・シーンから推論すると、
近藤が縁談話を切り出し半井玄節が断り、お悠との淡い恋がふっとんだ後で、
沖田が半井玄節の診療を受け続けるわけがないだろう。
779 :
野田吉彦:2012/10/20(土) 22:24:48.09
>>775 元ネタなしの100%創作人物というのは、人間の触感がないな。
現代小説だとサンプルを毎日見ているから、人間の触感が感じられないということは少ないが、
過去の人間ばかりを登場させる時代小説の場合、純然たる創作には違和感があるな。
>>780 時代小説の登場人物も現代の日本人に似ていないと共感できないと思うよ。
さらに読者との世代的共通点がなければ、読んでも面白くない。
いまだに司馬遼太郎ばかり読んでいるのは、そのせいでしょう?
元ネタのない小説は、ゼロからすべてを創作しなければならないから、骨が折れるんだろう。
100m走にたとえると、100m走ったタイムが記録になる。
元ネタのある小説の場合、50m走ったタイムが100mの記録になるから好タイムが出せる。
基礎は既にあるから色んなアイデアを付加するのが容易という余禄もある。
余裕を持って書けるから、人物も生き生きしている。
そういう差じゃないかな。
元ネタがあると、調べものが少なくてすむしね。
元ネタに付加するフィクションに関してのみ、矛盾が生じないように調べものをすればいい。
元ネタがないと、この時期西郷が京にいてもいいのか、陸援隊が結成されたのは何年だったか等々
あらゆることを調べなければならない。これも骨が折れる。
反対に調べ物ばかりに夢中になって
>>769のようなおバカ時代劇が少なくなってもつまらんぞ。
時代劇ではないが、ゴジラが尻尾を丸めて口から放射能を吐き空を飛ぶというおバカな発想は大事にしたいものだ。
第2話 奇妙なり八郎
[主人公]清河八郎
これは映画化された。篠田正浩「暗殺」(64年/松竹)が、それ。
清河八郎が丹波哲郎で、お蓮が岩下志麻。
清河八郎の佩刀・七星剣が重要アイテムとして登場する。
七星剣は固有名詞ではないから、三国志に出てきたのをご存知の読者も多いであろう。
曹操が王允の暗殺計画に加担して七星剣を献上するふりをして董卓を暗殺しようとするが
失敗して逃走するという挿話で出てくる。もちろん演義の創作。
>>786 最初は相州無銘の七星剣とされていたのに、芝愛宕下の研芳に研ぎに出した後は、
古備前・初代兼光になっているね。ここ、よくわからなかった。
>>787 古備前・初代兼光であることを見抜いたのは、松平主税介である。
松平主税介は『新選組血風録』の「虎徹」に登場したときは、牛込二合半坂に住んでいた。
この作品では赤坂の薬研坂に住んでいる。
引っ越したの?
清河が私塾を開いていた神田三河町には、「半七捕物帳」(岡本綺堂作)の半七も住んでいたよ。
「言っておくが、橋下をわしはあくまでかばうよ。
あれは百世に一人という英雄だ。ただ惜しいことに背景をもたぬ。
われわれには大公儀という背景がある。薩長の縦横家たちも藩の背景がある。
そこへゆくとあの男はたった一人だ。
一人で天下の大事をなそうとすれば、あちらをだまし、こちらをだまし、とにかく芸がこまかくなる。
いますこし、あの男が英雄らしくなるまで生かしておいたらどうだろう」
「竹島は日韓共同支配ですよ?」
橋下は相変わらず堂々としていた。
大阪市は大阪平野の中心にあり、徳川家が江戸を開府するまでのあいだは、
京とならんで国政の中心であったから、石坂周造らにも、
「どうだ、大阪幕府と名づけるか。それとも橋下幕府か」
などと冗談を言った。
橋下徹は清河八郎だから、信じると騙されるよ。
維新の会国会議員団が田中河内介ですね。
清河の身辺調査をしていて清河に斬られた目明し嘉吉は、週刊朝日。
>>788 住んでいる場所だけでなく、先祖を間違っているよ。
ただし、この間違いは司馬さんだけでなく、海音寺さんをはじめ多くの作家が間違っている。
松平忠敏(主税介/上総介)は、駿河大納言・忠長の子孫ではない。家康の子の松平忠輝の子孫だ。
また、徳川忠長の子とされる松平長七郎は架空の人物。子孫がいるわけがない。
お蓮の父親の名前は、菅原正庵。
出身地は出羽熊井出村と書かれているが、現在の地名でいうと山形県鶴岡市熊出。
井がない。
佐々木唯三郎の流派を、風心流および夢想心流としているが、あまり聞かない。
正しくは会津五流のひとつ神道精武流を修めた。
目明し嘉吉が“両袖を弥蔵に作る”という動作をしている。
これは、和服の袖の中に引っ込めた手を胸のあたりに持っていく動作である。
司馬作品では清河八郎を常にこの小説のような人柄に描いていますが、実像は若干違う
ので注意してくださいね。
第3話 花屋町の襲撃
[主人公]土居通夫(後家鞘彦六)
慶応3年12月7日の天満屋事件。
狂言廻しの陸奥陽之助とお桂の登場場面が多いが、主題から考えると主人公は土居通夫だな。
土居通夫については「剣豪商人」という作品もあり、こちらは『歴史の世界から』に収録。
お桂といっぱつやった後家鞘彦六は、その後財界の大物になるのだが、
お桂はどうなったんだ?妻か妾になったのか?
あの日、軍鶏肉を買いに行った菊屋峰吉が、再び登場します。
俺、峰吉のファンです。
峰吉は、維新後、西南戦争に従軍したりしています。
熊本鎮台司令・谷干城の知遇を得て会計軍夫として従軍したで、新政府軍側です。
65歳で死亡。天寿をまっとうしました。よかった。
“反りが合わない”は今日でも日常会話でよく使うけど、意味はこの小説に書いてあるとおり後家鞘のことです。
天満屋事件におけるもう一人の先鋒・中井庄五郎については、
『竜馬がゆく』の第69章「陸援隊」で、そこそこ詳しく書いてある。
お桂が坂本竜馬を見たのは、「数ヶ月前の」(つまり慶応3年の)9月である。
薩長同盟の準備のために竜馬は京へ来ていたらしいが、慶応2年に成立した
薩長同盟の準備を慶応3年9月に行うとは、竜馬も念が入った性格である。
>>805 後家鞘はたしかに鞘と刀の反りがあわないことを意味するにすぎないが、
わざわざ“後家”をたとえに用いた意味を深く考えると、やっぱりお桂が
顔を赤らめたような意味が含意されているんだろw
白井金太郎が酒泉彦太郎に斬られた挿話は嘘かホントかわからなかった。
酒泉彦太郎はどうやら実在したようである。何をした人なのかはわからなかったが、
水戸藩の関係史料には名前が載っている。
問題は白井金太郎の実在のほう。白井家は水戸藩の家老の家柄である。
その縁者が脱藩はしないだろう。あるいは別系統の白井で家老白井家とは無関係かも
しれないがな。まあ金太郎という名前はオリキャラっぽいな。
天満屋事件で死亡した宮川信吉は、近藤勇の甥と記されているが、従弟である。
宮川の母リノが近藤の実父・宮川久次郎の妹にあたる。
天満屋事件に関係した新選組隊士については、斎藤一と大石鍬次郎以外は
あまり知られていない人が多い。
中条常八郎と前野吾郎は、『燃えよ剣』の第53章「流山屯集」に名前が出てくるが、
他は全員初出である。
蟻道勘吾は、土方に従って函館まで行き函館戦争で戦死しているが、わりと無名。
新選組隊士・市村第三郎とあるが、大三郎である。
田村大三郎と同一人物であろうと云われている。
海援隊・陸援隊関係者について
坂本竜馬の甥・小野淳輔とは、高松太郎の別名である。
脱藩者であることを隠すためだろうと思うが、尊攘浪士は別名を用いることが多い。
岩村精一郎は、岩村高俊である。
松島和助は、慶応2年9月12日の三条制札事件の関係者なので、『竜馬がゆく』や
『血風録』の「胡沙笛を吹く武士」に名前が出てくる。
他の重要人物については、本文で紹介されているので、ここでは控える。
本作品で少しだけ触れられている「ぜんざい屋事件」は、本連作中の『浪華城焼打』の主題にされている。
詳細は、そのとき。
第4話 猿ヶ辻の血闘
[主人公]大庭恭平
文久3年5月20日、朔平門外の変。
会津藩の間者・大庭恭平を、真相不明の姉小路公知殺害事件の犯人に仕立てた作品。
朔平門外の変が定着しつつあるのか。俺たちが学生の頃は、姉小路公知暗殺事件と覚えた。
時代小説では、この作品のように猿ヶ辻の変が一般的だな。猿ヶ辻のほうが時代劇らしくていい。
この事件は、『竜馬がゆく』でも大きく取り上げられている。そこでの取り上げ方は、
この事件における田中新兵衛の失策により一時的に薩摩藩の京都における力が落ちた。
あせった西郷は(遠島の身なんだがw)、のさばりすぎた長州を追い落とすために、
会津藩と手を組んだという流れになっている。それが、禁門の政変。
足利将軍木像梟首事件の成功に味をしめた会津藩が、もう一丁やらかしたのが
姉小路公知の殺害だというのが、この小説。なかなか面白くはある。間者が活躍
する小説というのは面白いからな。「影の軍団」はやりすぎで笑えるがwww
しかし、まあ冷静に考えると、会津が公卿を暗殺するわけないわな。
勝海舟が姉小路公知に「蒸気機関縮図、セバストポール戦図、コノーフ氏散兵答古知機訳本」を贈った
挿話が出てくる。これは史実だ。司馬さんは、あえて書いていないが、この贈り物を勝海舟の使者として
姉小路公知に手渡したのは、坂本竜馬。つまり、この時期の竜馬は勝先生のパシリでしかない。
足利将軍木像梟首事件の犯人一味の中に、小室利喜蔵という人物がいる。
これは小室信夫だ。司馬先生は、これをネタにして「小室某覚書」という短編を書いている。
短編集『木曜島の夜会』所収。
大庭恭平は小里といっぱつやると思っていたんだが、大きな事件を二つも取り上げたので、
やる暇がなかったみたいだな。
大庭恭平が田中新兵衛を泥酔させるシーンで登場した丹虎の“おゆう”は
吉村寅太郎の恋人であると書かれてあるが、どうやらそういう名の恋人が本当にいたらしい。
小川亭は、新選組血風録の「三条磧乱刃」で、井上源三郎と国枝大二郎が菅野平兵衛を
追って踏み込んだ、あの小川亭だ。
話が前後するが、田中新兵衛に大庭恭平を紹介したのは、土佐脱藩の島村衛吉だとある。
田中新兵衛と島村衛吉は、本間精一郎を暗殺したときの仲間だ。
釜師・藤兵衛は、この小説では大庭恭平の亡骸を葬った人物にされている。架空の人物だ。
ただし、ネーミングは、実在した釜師の大国藤兵衛から頂戴したものと思われる。
827 :
822:2012/10/23(火) 19:33:52.90
現場に残された刀が田中新兵衛のものであるという証言をした那須信吾は、
この時期長州藩邸ではなく薩摩藩邸に匿われていたというが、なぜ薩摩に
不利になる証言をしたのかね?ただのバカ正直?
>>821 「花屋町の襲撃」では、龍馬と数時間同席しただけなのに、
中井と後家鞘は龍馬のために命を投げ出す覚悟をしている。
龍馬の魅力を強調しすぎだよな。
ウルトラ・アリエーヌ。
周囲の人物が短い接触時間で主役の魅力の虜になるという持ち上げは、
飲み屋の美人ホステスにポーッとなっているスケベな客を連想させるので、
作者は持ち上げたつもりでも、読者は反発するだけなんだよな。
万人にとって魅力のある人物の存在が認められにくくなっているんだろうな。
昔の西部劇や時代劇の主役は、どれもこれもみな同じだった。
万人が認めるヒーロー像が厳然と存在していたんだ。
いまは魅力ある人物は、各人まちまちだからな。
司馬遼太郎はヒーロー定型からはずれたヒーローを書くことで人気を博した作家なんだけど、竜馬の場合少しだけ定型ヒーローの要素が残っている。
次の松波庄九郎になると、完璧に定型からはずれる。
>>819 この連作のどこかで、西郷の遠島に触れられていた。正確に書かれているよ。
『竜馬がゆく』の文久の頃、西郷が京都にいるのかと思わせるような文章はあるが、
政変に関与したという叙述はないよ。
>>832 「燃えよ剣」の土方歳三が、型破りだったな。映画化・ドラマ化されたときに少し修正されたけど。
>>832 小説の主人公は、映画・ドラマの定型パターンは少なかったろ。
小説であれをやられると面白くなくて読めんよ。
かといって純文学のように精神病患者を主役にするのも反吐が出るけどな。
第5話 冷泉斬り
[主人公]間崎馬之助(架空)
冷泉為恭の暗殺については、他に「大楽源太郎の生死」がある。
『幕末』所収の「冷泉斬り」は、大楽源太郎が冷泉為恭を暗殺した経緯を除くと、
ほぼすべてフィクションである。
雑誌連載『幕末暗殺史』から「妬の湯」が除かれ、単発の短篇であった本作品に差し替えられた。
そのためか、本作品は史実重視の他の諸作と比べると、かなり毛色が違う。
主要登場人物も、知らない名前は全部架空の人物と考えていい。実在した人物については、
これから指摘してゆく。
主役の間崎馬之助からして架空の人物。設定は長州浪人であるが、
間崎というと土佐勤皇党の間崎哲馬を思い浮かべてしまい、調子の狂った読者が多いと思う。
冷泉為恭の命を狙う浪士がうんざりするほど登場するが、大楽源太郎を除くとすべて架空の人物。
川手源内/梶原甚助/福良十次郎/神谷新兵衛/神藤吉右衛門/平野藤次郎/吉村善次郎
桜井忠蔵/大倉大八、これすべて架空の人物である。
よくもまあこんなにたくさんの人名を飽きもせずに考えたものである。よっぽどハイだったのかな?
京都所司代の酒井若狭守忠義と冷泉為恭が懇意であったのは事実であるが、
酒井忠義(若狭国小浜藩主)は、文久2年6月30日に所司代を罷免されており、
この小説の当時は隠居している。
冷泉為恭の隣家が多<おおの>備前守の屋敷であったかどうかまでは知らないが、
多家が代々皇室に仕える雅楽の家柄であるのは事実。
冷泉為恭の妻・綾子は京都随一の容色であったというが、そんなことまでわしが知るか。
その綾子にちょっかいを出した、あるいは出そうとしていた所司代与力の加納伴三郎と
新選組の米田鎌次郎は架空の人物。
加納伴三郎などは、「前髪の惣三郎」の主役・加納惣三郎と一字違い。紛らわしい。
実はこの作品、若干脚色されて、NET版の『新選組血風録』の第10話「刺客」として
ドラマ化されている。
新選組の米田鎌次郎の役回りは、この小説でも名前の共通点を指摘されている
大石鍬次郎が受け持っている。
>>841 綾子は男山八幡宮(石清水八幡宮)の社家・新善法寺家から嫁いだという設定だが、
新善法寺家という社家が存在するのは事実。
史実だけをなぞるのであれば「大楽源太郎の生死」だが、小説としては「冷泉斬り」のほうが面白いな。
なお、『新選組血風録』の第10話「刺客」では、冷泉為恭の妻は尊攘浪士に斬られた。綾子とは全然
違う役柄。ドラマの冷泉為恭は、妾にうつつをぬかし下女にまで手を出そうとする破廉恥漢。
まあこれは新選組が善玉のドラマなんで仕方ない。
前作「猿ヶ辻の血闘」にも書かれていた賀川肇の暗殺が、詳細に語られている。
犯人は田中新兵衛のほかに萩原虎六と江坂元之助の名前が明らかにされているが、
この三人は実在した人物で真犯人である。
同じく犯人とされてはいるが、間崎馬之助との会話シーンのある松木鉄馬は架空の人物である。
冷泉為恭を匿った西加茂明神の神光院は実在する。その院主の月心律師とは、
明治11年に神光院を再興した和田月心のことなのであろうか?
次に、冷泉為恭が匿われた粉河寺は、いうまでもなく現在もある。
所在地は、和歌山県紀の川市粉河2787。
JR西日本和歌山線粉河駅を下車して徒歩10分の場所にある。
次に冷泉為恭を匿っていると噂された泉州堺の大和屋徳次は大店である。
「菜の花の沖」との関連でいうと、兵庫の北風荘右衛門が蝦夷地の会所付仲買人
に指定されたとき、同時に大和屋徳次も用聞(仲買人)になっている。
>>839 「猿ヶ辻の血闘」で足利将軍木像梟首事件の犯人の氏名が10人ばかり羅列してある部分は、
史料どおりなんだけどね。「冷泉斬り」は、他の作品とは、かなり趣の異なる作品だわな。
間崎馬之助は綾子といっぱつやるチャンスがあったのに、もったいないことをしたな。
>>851 「冷泉斬り」の初出は、雑誌「日本」の昭和37年6月号。
1年前の発表なのに、作風がかなり異なるな。
>>850 永久寺の住持・亮珍[亮珎]は、実在した人物である。
脱藩浪士の間崎馬之助が気軽に会っているので、永久寺が田舎の小寺のように思えてしまう。
実際には、永久寺は巨大な寺院で、住持・亮珍も鷹司関白政熙の子である。
浪人の間崎馬之助が気軽に会えるような身分の方ではありませんので注意してください。
『幕末』は桜田門外の変を除くとマイナーな人物と事件を扱っているから、あまり人気がないんだろうな。
俺も学生の頃読んだときは、陸奥陽之助が「花屋町の襲撃」に出ているのを喜んだ程度の知識しかなかった。
あらためて読み直してみると、なかなかの力作揃いだ。
歴史上の偉人と自分を重ね合わせる妄想癖がなくなる年齢になってから読むと、面白い作品群だよ。
西郷・大久保・竜馬になろうと思うと、能力や才能だけでは足りなくて、偶然と
なりよりも後世の人々の意図的なヨイショがないとなれないからね。
『幕末』に登場する人物群は、後世の意図的なヨイショがなかった人々だから、
歴史の中で生きた生身の人間の実像に近い。
>>840 この時期の京都所司代は、『峠』でおなじみの長岡藩主・牧野忠恭と
淀藩主・稲葉正邦だな。
桑名藩主・松平定敬が所司代になるのは、この小説が終わった直後ぐらい。
第6話 祗園囃子
[主人公]浦啓輔(架空?)
慶応3年6月13日(この小説では14日)、水戸藩士・住谷寅之介は、土佐藩士・山本旗郎
により暗殺された。ここまでは史実なのですが、主人公の十津川郷士・浦啓輔は架空の
人物ではないでしょうか?自信はありませんが、浦啓輔が住谷寅之介を殺害したという
史料は自分が調べた範囲では見つかりませんでした。
この小説にも書かれている「幕末の人斬りさんで新撰組とやったのは浦啓輔だけ」が
一人歩きして、浦啓輔が登場する二次創作のような小説がたくさんありますが、
そのような史料が新選組関係の文献に出てくるのでしょうか?
まず、浦啓輔の出身地とされる十津川村に甲羅堂という宿場はありませんでした。
(ただし、不動谷はありました)。
本家とされる千葉赤竜庵は、いかにもオリキャラくさい。
実在した土佐藩士・山本旗郎と浦啓輔のつながりが、「かねて顔見知り」だけです。
どうも浦啓輔は架空の人物のような気がしてならないのですが、実在を証明する
ソースがございましたら、ご教授ねがいます。
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|::| -二二二二- |::| 啓輔さん。加代は身ごもりました。
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住谷寅之介というと、『竜馬がゆく』の万延元年の頃、土佐に遊説に来たシーンが印象的だったな。
竜馬が甲藤馬太郎・川久保為助とともに住谷寅之介の接待をした。あまりにおバカなので
住谷寅之介が呆れはてたという挿話だ。
浦啓輔が木戸準一郎らと会合し住谷寅之介暗殺の指示を受けた錦小路醒ヶ井の
御菓子司の松屋陸奥についてであるが、そのような和菓子屋はない。
銘菓・松風で有名な「亀屋陸奥」
味噌松風の「松屋常磐」
このふたつの和菓子屋を合成すると浪士が集会した「松屋陸奥」になる。
明治3年に住谷寅之介の遺児が仇討ちをした挿話も史実である。
明治6年に仇討ちが禁止される前の仇討ちなので、もちろん合法である。
>>870 その仇討ちの事件処理にあたった刑部大輔・斎藤利行の幕末期の名前が、
渡辺弥久馬ですね。慶応3年に長崎で海援隊士がイギリス水兵を殺したという
嫌疑を持たれたイカルス号事件の処理をしたのが、後藤象二郎と渡辺弥久馬です。
『竜馬がゆく』第70章「横笛丸」に登場します。
しかし、ひょんなことからブスといっぱつやったやめにブスに追っかけられ、
そのブスから逃れたいがために、尊敬する水戸学の先達・住谷寅之介の暗殺
に参加した浦啓輔という男は、とんでもない奴だな。
殺人 >>>>>> 超えられない壁 >>>>>> ブスのストーカー
なお、住谷寅之介暗殺事件については、この小説にも名前が出てくる遺体の
第一発見者・松本権十郎が真犯人で、山本旗郎は真犯人ではないという見解がある。
「住谷兄弟仇討の始末」という本で、櫻眞尚という方が唱えておられる。
暗殺の直前になって、浦啓輔は体の慄えがとまらなくなるというシーンがある。
こういう小心で小粒な人物が多く登場するために、『幕末』は人気がないのかもしれないな。
読者がロマンと同化できないのだろう。そもそも暗殺者というのは性格が暗いし。
>>875 幼児の頃は、怪獣・妖怪・アニメのキャラとでも同化できる。
10代になると、それらと同化するのは困難になるが、小説やドラマのなかには同化できるヒーローもいる。
歳をくうに従ってロマンとの同化が困難になってくるが、『幕末』のフィクションとなら同化できる。
もしも自分が刀を執って殺人をするという状況になったとしたら、どういう風になるだろうという想像の
手助けになるからな。大多数の読者は、この小説の浦啓輔のようになるよ。
25歳をすぎたあたりで『竜馬がゆく』の竜馬と同化できなくなったな。
羽織の紐をくちゃくちゃ噛んで、それを振り回して唾を飛ばしたら、まちがいなく嫌われる。
大人になって他人との関係を円滑にするために、どれだけ神経を使うことか。
唾を飛ばしても他人に好かれる竜馬というのは、ある意味ではロマンなのかもしれないが、
やはり読んでいてバカバカしいな。
俺は、浦啓輔のほうが生身の人間らしくて面白いと思うよ。
>>877 竜馬って、誰にも懐かない気の荒い犬でも懐くんだよな。あほくさ。
>>877 執筆当時は、天誅ばやりの頃の尊攘志士を揶揄する意図で、浦啓輔とお加代の
挿話を住谷寅之介暗殺事件に絡めたんだろうがな。
読む時代が変われば、作者の意図しないところがウケたりすることもあるな。
サブ・タイトルの「祗園囃子」も、暗殺決行日がたまたま祗園祭の最中だったというだけで、深い意味はない。
祗園祭といえば池田屋ノ変もその期間中だった。
同じように祗園囃子が聞こえてくる背景があっても、
事件の大きさ・重要さで池田屋ノ変に負けるカワイソウな作品だな。
>>863 他藩士とは交際しないのが原則だからな。
土佐藩士・山本旗郎と十津川郷士・浦啓輔を結びつける挿話は必要だったと思う。
>>862 司馬遼太郎の小説で、浦啓輔が実在しようが架空の人物であろうが、どちらでもいい。
問題は、仮に浦啓輔が司馬の創作した人物であるとするならば、それを実在の人物と
みなした上で、二次創作がゾロゾロ出てくるところにある。
もちろん真田十勇士のように架空の人物が二次創作で使われる例は珍しくない。
しかし、真田十勇士の場合、あまりに多くの二次創作が出てきたために、名前が知れ渡っている。
その上、一見して架空の人物であることが明白だ。
浦啓輔の場合、「祗園囃子」を読んでいない人は知らない名前のはずだ。
そういう人物の名前を二次創作で見つけ出すと、「あれ、浦啓輔って史書に名前が残っているの?」
と、こちらが早合点してしまう。これを書いている今も、史書に名前があるのでは?と思いつつ書いている。
こういうのは、どうなんだろうね。
>>882 山本旗郎による住谷寅之介の暗殺は、司馬の「祗園囃子」以前にも、演劇『八阪神事宵宮賑』、
浪曲『明治曽我炭谷虎之助』などに脚色されているよ。それらの演劇・浪曲の中で浦啓輔という
架空の人物が登場して、それを素材にして司馬さんが「祗園囃子」を執筆したのであれば、
真田十勇士と同じということになるよね。もっとも、そうなのか否か、俺は知らんのだけどな。
>>837 「冷泉斬り」「祗園囃子」、この二つの作品を並べたいから差し替えしたんじゃないの?
前者は暗殺をやめた男、後者は暗殺に加わった男、正反対なんだけど、背後に女とのばかばかしい事情がある点は同じ。
>>862 浦啓輔だけが新撰組と闘った人斬りというのは嘘っぱちだな。
前作で間崎馬之介は米田鎌次郎と闘い、しかも殺害している。
>>882 司馬遼太郎の小説は一語一句史料に根拠があると思っている読者が多いのに驚くよな。
彼らは架空の人物の話でも、司馬の書くものは史料にモデルがあると思いこんでいる。
引用した文献を明示しつつ書いていた後期の作品から、初期の作品もそのようにして書かれたと思うんだろうな。
>>883 もともと住谷寅之介暗殺事件より、住谷の遺児たちによる仇討ちが人気だったんだよな。
現代の曾我兄弟ともて囃されていた。
戦後、封建道徳がある方面から毛嫌いされて、時代劇の花形だった仇討ち物は、下火になった。
第7話 土佐の夜雨
[主人公]岩崎弥太郎
文久2年4月8日、武市半平太の土佐勤王党による吉田東洋暗殺事件。
冒頭那須信吾が謎の人物として登場し、それを下横目の岩崎弥太郎が探るという展開
なので、那須信吾を主人公にしてもいいのだが、視点の多い岩崎にした。
那須信吾が医学を志し同郷に住む深尾家典医主座・山崎燮堂に学び剃髪して信甫と名乗って
いたのは事実である。しかし、大石団蔵が宗善と称する医者であったというのはフィクション。
吉田東洋によって失脚させられた五家老の名前が列挙されている。
福岡宮内はお田鶴さまの兄。福岡孝茂という実在の人物ですが、妹は架空の人物。
深尾弘人も実在した家老で<ひろめ>と読みます。その屋敷の跡地は、現在ひろめ市場という
商業施設になっています。
相馬将監はどうしてここに紛れ込んだのか理由がよくわかりません。
相馬将監は磐城国中村藩の藩公の一門で、戊辰戦争で板垣退助と戦いましたが、土佐藩の
家老などではありません。
>>889 五藤主計は「竜馬がゆく」の安政諸流試合のところで容堂の傍らに控えていたな。
それから暗殺の日に東洋とともに下城した大目付の大崎巻蔵は、「竜馬がゆく」でも
巻蔵となっていたが、健蔵とする史料が多いね。
岡田以蔵らが井上佐一郎を呼び出した料亭が、心斎橋筋の「大市」になっているが、「大與」である。
>>891 なんか那須信吾が嫌いになってしまうな。配役前にちゃんと身体検査したのか?
甘いよ、民主党は。
この回の物語の内容は、だいたい『竜馬がゆく』に書いてある。
特長はこの時期竜馬が高知城下にいるのに、竜馬の名前がまったく出てこないことだ。
清々しい。
竜馬を無理してチョイ役で出す幕末モノ時代劇は、飽き飽きしている。
895 :
吉田東洋:2012/10/26(金) 16:01:16.96
(⌒⌒)
∧_∧ ( ブッ )
(・ω・`) ノノ〜′ 屁ではない。糞が咆えたのじゃ。
(⊃⌒*⌒⊂)
/_ノωヽ_)
>>894 この作品で収穫できた新知識は、
1.弥太郎の岩崎家は長曾我部侍ではなくて、長曾我部に滅ぼされた安芸氏の家臣であったこと
2.吉田東洋の先祖も長曾我部侍であるが、山内家に召抱えられ、例外的に上士とされたこと
だな。
犯行現場は、帯屋町の前野久米之助の屋敷の前であるが、
この前野久米之助、戊辰の役では東山道鎮撫総督府参謀に任ぜられている。
那須信吾[信甫]と大石団蔵[宗善]が住んでいた長屋のあった唐人町は、
秀吉の朝鮮出兵の際に連れてきた朝鮮人を住まわせた町である。
バカなことを言っていると「唐人糞」と罵られることがあるが、もっともである。
第8話 逃げの小五郎
[主人公]桂小五郎
出石潜伏期の桂小五郎の物語。出石藩士・堀田半左衛門の視点で語られるので
彼を主人公にしようかと思いましたが、彼の登場しない回想シーンが長いので、
桂を主人公にしました。
堀田半左衛門は、ラスト近くの木戸孝允の日記では堀田反爾とされています。
この堀田反爾は実在した出石藩士です。ただし漢学者であって、この小説の
いうように槍術師範ではありません。また年齢も、この小説の元治元年には
56歳ですから、名前だけを頂戴した別人と考えていいです。
もちろん桂小五郎との接触はなかったものと思われます。
出石潜伏期間中の桂小五郎については、竜馬がゆくの「希望」の章にも概要が書かれていますので、
すでにご存知の読者が多いいと思います。もちろん、この短篇のほうが遥かに詳細ですし、
堀田半左衛門を絡めた点が新しいです。
この小説に書かれた範囲だけで、桂は4人の女といっぱつやっている。
>>901 堀田半左衛門は、堀田省軒で検索すると出てくるな。
同僚の橋爪善兵衛と、仕置家老の森本儀兵衛は、創作人物だと思う。
“長州人の怜悧”と言った大橋訥庵は、『竜馬がゆく』では大橋順蔵の名前で出てくる。
坂下門外の変(文久2年)の首謀者であるが、襲撃の直前に逮捕された。
数え年13歳のスミといっぱつやった桂小五郎には、合意があっても強姦罪が成立するのが現代の刑法である。
桂と離れ離れになった幾松を匿っていた野村靖之助は、野村靖ともいう。
『翔ぶが如く』には靖の名前で登場する。
蛤御門ノ変で死んだ入江九一の実弟である。
912 :
無名草子さん:2012/10/27(土) 17:39:15.87
会津の秋月悌次郎が、千鳥の生んだ桂の子供・小弥太を自分の子として育てたというのは本当ケ?
http://mixi.id=5106091 司馬さん、僕は特に「無力体質」というのに憤慨します。
<野村東馬>
君が為 すつる命は 今更に
おしとおもはじ 大和真心
<浦上信儂>
死出の山 越ゆるも君の 為ならば
心いさめる もののふの道
<久野将監>
数ならぬ 我身のいのち 此国の
代りとなりて 果るうれしさ
<加藤司書>
君がため 尽くす真心 今よりは
なおいやまさる 武士の一念
佐幕も勤王も、一生懸命生きたからこそ、国事に奔走したからこそ、この様な辞世を残せるのではないでしょうか?
幕末の福岡藩は激動でした。
激動だったから、明治以降の余震も大きかったのです。
司馬さん、決して「無気力」ではないですよ。
で、司馬さん。
やっぱり福岡がお嫌い??
396 :無名草子さん:2011/03/26(土) 14:11:17.79
また妙なのが湧いてきたなw
春だからか?
↑こいつキチガイwwwwwww
397 :無名草子さん:2011/03/26(土) 14:20:07.27
とりあず読まずにあぼーんした
↑カスはよまんでよし
398 :無名草子さん:2011/03/26(土) 22:23:00.27
>>384 北斗の人はそれほど面白くなかった
買いたかったら書店で注文すれば?
ネットなんてない時代はそうしてた
↑おれじゃねーよ、カス
h t t p : / / m i x i . jp/view_diary.pl?id=1672546283&owner_id=5106091
歴史】拝啓、司馬遼太郎様ゑ 2011年02月12日18:55 司馬遼太郎さん。
あなたは小説家です。ですから、嘘事でも脚色してもいいです。
しかし、題材が歴史である以上、それを実しやかに語るのは如何でしょうか??
「世に棲む日日」の三巻の終盤に、こんな一説があります。
筑前福岡藩黒田家五十二万石というのは日本有数の大藩であったが、加賀
前田家と酷似していて、藩全体が封建体制のなかで一種の無力体質になってい
た。加賀と同様、幕府を恐れることがはなはだしく、新しいことはすべて悪で
あり、御家のためにならないという気風があり、このため幕末の先進藩特有の
洋学や産業、それに勤王思想という新国家論などの面ではあまりふるわず
、月形洗蔵らのほかには、加藤司書、平野国臣らを出したくらいのものであった。
司馬さん、あなたは何の史料を見て、こう判断したのでしょうか?
それとも、あなたが同著で「筑前人は、便佞で精神が凝定しておらない」と評している様に、筑前人が信用なら無い人間の集まりと思ってるからこその先入観ですか?
※便佞…口先は巧みだが、心に誠実さのないこと
だからなんだカスデブ
マルチ荒らしするな
ジャーナリストの選挙予測は、小説家の創作よりもひどいな。
特に告示前の議席数予測なんて、何を根拠にほざいているんだろう?
誰が立候補するかも確定していないのに。
記事が売れればいいってもんじゃないぞ。節度をもて。
まあ、どうあがいても民主がボロクソに負けて100議席割れるのは確定だろ
>918>919
だからなんだカスデブ
マルチ荒らしするな
921 :
無名草子さん:2012/11/01(木) 00:22:48.04
小五郎は逃げたのか?
>>921 出石から萩まで歩けば四日かかります。
このスレはリアリズムを追求しています。
北岩手のナニャトヤラというのは、
土方歳三がお佐絵をナンパした六社明神のくらやみ祭のようなものか?
維新の会が本気で攘夷をやるつもりがあるなら支持してもいいが、
やつらは心底では開国を考えているよ。
クリスマス・バレンタイン・ハロウィンの禁止、
海外旅行への課税強化、国内団体旅行への補助金給付、
各テレビ局へ週6時間以上の時代劇放映の義務づけ。
このくらいやれば支持してもいい。
「解散はいつかね」
と、俊輔は声を落した。
佳彦も俊輔も、政権延命にかけては眼がない。
もっとも俊輔はまだ延命理由を選り好みするだけの、常人なみな神経はある。
しかし佳彦のいやらしさは、女ならどんな女でもかまわないといったような見境いのなさがある。
しかも、与党の議員が逃げだすほどに、嘘が多いのである。
(たいしたものだ)
と、俊輔は感服しきっている。
「何をしている」
と、俊輔はきいた。
「糞よ」
闇のなかで、佳彦の例の下卑た声がもどってきた。なるほど、音をたててやっている。
俊輔はちょっと不快な顔をしたが、同時に俊彦の、ボロボロになっても解散しないという
内臓の生臭さがぷんぷんにおっているようなガマ親分顔にも一種の畏敬を覚えた。
「あんたは」
感動をこめて、いった。
「いつどこでも、そいつが出るのかね」
「ああ、場所はかまわんな。本会議場でも首相官邸でも……」
(おれもこいつのようになりたい)
かねがね、そう思っていたが、糞一つにも感心した。
第9話 死んでも死なぬ
[主人公]井上聞多/伊藤俊輔
文久2年12月の御殿山英国公使館焼討事件から、元治元年9月の袖解橋事件までの
井上聞多と伊藤俊輔の物語だ。
有名な長州人が主人公になると「世に棲む日日」「竜馬がゆく」と重複する部分が多いな。
この小説で目新しいのは、宇野東桜の暗殺と塙次郎の暗殺のところだな。
また「美濃浪人」の所郁太郎も出てくる。
英国留学の五人のなかの遠藤謹介は、ふつう謹助だな。
なお「俄 -浪華遊侠伝- 」では、英国留学中の遠藤謹助が、大坂で明石家万吉と会っていた。
ロンドンからの特別出演。遠藤さん、お疲れ様でした。
宇野東桜暗殺事件のところで登場する遠藤多一って、あまり聞かない長州人だね。
遠藤謹助とは別人だと思うけどね。
ちなみにこの遠藤謹助、大阪造幣局長時代に「桜の通り抜け」を始めた方です。
「俊輔。故国じゃ攘夷々々と騒ぎまわっているが、おらァ、やめたよ」
「佳彦お。――」
伊藤俊輔は、さすがにいやな顔をした。離島防衛訓練の中止については
アメリカのキャンベル国務次官補も、「理解しかねる」と強い不快感を示している。
「なぜ中止しないといけないのか」
「わが党の離党防止訓練が忙しい」
サブタイトルが佳彦にぴったりだなw
921から↑まで全部キチガイの連投自演。逃げたのかお前
『余話として』に収録されている「話のくずかご」という随筆集に「異風の服飾」という一篇がある。
「逃げの小五郎」の舞台になった但馬国出石の初代藩主・仙石権兵衛について書かれている。
権兵衛餅という土産物についての記憶が曖昧になっておられるが、そのような餅……
キチガイが住み着いて何年になるんだろうこのスレ
第10話 彰義隊胸算用
[主人公]寺沢新太郎
コンパクトにまとめられた彰義隊史。函館戦争まで語られている。
寺沢新太郎と天野八郎が出会った場所とされる銀座の料亭・松田は、上田馬之助のエピソードで有名である。
短篇『斬ってはみたが』や『竜馬がゆく』の上田馬之助登場シーン(第12章「安政諸流試合」)で出てくる。
この小説に名前が出てくる彰義隊士は、函館戦争まで闘った者が多いので、『燃えよ剣』にも登場する。
主人公の寺沢新太郎が松前城に突入するシーンは、燃えよ剣の「松前城略取」にも書かれている。
渋沢成一郎を襲撃した笠間金八郎と加藤作太郎は、宮古湾海戦で戦死している。
944 :
無名草子さん:2012/11/02(金) 17:00:02.33
寺沢新太郎が渋沢成一郎襲撃に用いた清麿2尺7寸は、幕末の天才刀工として名高い源清麿である。
源清麿の刀は『新選組血風録』の「虎徹」にも出てくる。近藤勇が虎徹と自慢していた刀を、斎藤一が
「そりゃ虎徹じゃありませんぜ。源清麿でしょう」と云ったシーンで出てくる。
渋沢成一郎が晩年相場取引に失敗して従弟・栄一の助力で経営を回復したのは事実なのだが、
それにしても徹底的に悪く書かれているな。
渋沢成一郎を匿っていた奥野左京は、早乙女貢「ザンギリ愚連隊」の主人公なんだが、
実在した人物なんだろうな、たぶん。
>>947 天野八郎はわりあい良く書かれているのにな。
彰義隊というのは、糞公務員な人たちだったのですね。そんな印象しかもてない作品でした。
日当十両で毎日吉原通いですか。ほんとうに糞ですね。
まだ荒らしてるのか馬鹿がw
>936てめーだけだ、クソカスキチガイ
>>947 良くは書かれていないが、澁澤成一郎のキャラがいちばん出来がよい。
坊主頭に牛鍋の肉を乗せたあたりは個性的だった。
上野戦争について最も詳しいのは『花神』だが、彰義隊結成の経緯についてはこの短篇を読むべきだな。
『大坂侍』にも少しだけ彰義隊が登場するが、あれは彰義隊を主題にした小説ではなく史伝的要素が薄い。
954 :
無名草子さん:2012/11/03(土) 03:14:30.62
第11話 浪華城焼討
[主人公]田中顕助
元治2年1月8日に大坂で起きたぜんざい屋事件と、
同年2月に岡山県美作市土居で起きた四ツ塚様事件を扱っている。
小説では四ツ塚様を先に書いているが、順序が逆なので注意してください。
四ツ塚様って、恐喝犯人をぶち殺したら、数年後にその同類が天下を取ったので、
あわてて掌を返した事件だよな。
千屋金策が金策をしたなんて洒落かよw
>>960 谷万太郎の娘の名前が「おさん」なのは、史実かどうかは知らないが、妖怪おさん狐から
とったのかもしれんね。娘が狐だから親も狐。
田中顕助らが宿泊した道頓堀の鳥毛屋が実在したかどうかは知らない。
子母澤寛の『新選組始末記』には、そういう旅籠があったとされている。
なお、本多大内蔵のぜんざい屋は石蔵屋という。本多大内蔵が石蔵屋政右衛門という偽名を用いていた。
鳥毛屋のお光が、田中顕助を見て「丸ゆの味噌田楽みたい」と云った。
体が小さいのに刀が不相応に長いところから串刺しの味噌田楽のようだという意味だが、
「丸ゆ」ってなんやね?
土佐浪士が鳥毛屋の二階に泊まっていることを谷万太郎に密告した谷川辰吉について
「どういう人物であったかわからない」とされているが、今はかなりわかっている。
谷万太郎は備中松山藩の浪人であると書かれているが、ここは正しい。
しかし、「同藩の」谷川辰吉としているところは誤りである。
同じ備中でも天領の倉敷出身。
その後は新選組の平隊士となる。幕臣取立ての際、本名の和栗吉次郎に戻したため、
その後の経歴が不明だったのかもしれない。偽名の谷川辰吉を名乗っていたのは、
事件を起こして郷里を出奔したためである。
維新後ぜんざい屋事件の容疑者ということで逮捕されたが、実行犯ではなかったので
釈放されたようだ。
>>965 釈放の理由には、戊辰戦争では新政府軍として闘ったという事情もあるな。
谷川辰吉は、『新選組血風録』「四斤山砲」の主人公・阿部十郎と同門だ。
すなわち、二人とも谷万太郎道場の門弟だった。
ご存知のように阿部十郎は御陵衛士で新選組を脱盟し薩摩藩の世話になっている。
谷川辰吉はその縁を頼りに、新選組の伏見引き上げ後に脱走し、新政府軍に奔った。
そのとき名前も井汲恭平と改めている。要領のよい人生だな。
>>960 半分しか答えが書かれていないだろう。
弟の谷三十郎もぜんざい屋襲撃に参加しているのに、こっちの小説には
谷三十郎が出てこない。
>>966 阿部十郎もこの時期大坂にいて、ぜんざい屋襲撃に加わっているな。
この小説には、田中顕助と那須盛馬が十津川の折立村へ逃亡したところまでしか
書かれていないが、その後の話は『竜馬がゆく』の第69章「陸援隊」に書かれている。
大橋慎三(この小説では橋本鉄猪の名前で登場)が京から迎えに来る。
ぜんざい屋襲撃を指示した大坂城代が松平伊豆守であるのは間違いない。
父は間部詮勝で、嘉永2年に三河吉田藩主松平信璋の婿養子に迎えられた。
坂本竜馬が初めて江戸へ出府するころは既に吉田藩主であり、『竜馬がゆく』
の第3章「江戸へ」では、竜馬は吉田に立ち寄る。信夫左馬之助とすったもんだがあった。
いかず後家のブスのくせに、大利鼎吉とも、田中顕助ともいっぱつやった
お光が、この小説の勝ち組であることは疑いがないな。
>>958 美作市土居から竹田近辺には、たしかにコンビニがない。
しかしガソリンスタンドは2軒あるぞ。
>>972 お光と大利鼎吉が深い仲であったかどうかは、はっきりとは明かされていないよ。
気持ちが惹かれ合っていただけかもしれないね。
話が前後して申し訳ないが、千屋金策らが始めに訪れた慈教院のある久米郡吉岡村は、
現在は柵原町になっていると書かれているが、その後さらに合併があって久米郡美咲町久木になっている。
池上文左衛門の造り酒屋のあった字・百々も、現在は久米郡美咲町百々になっているな。
なお、百々には、池上内科と池上モータースはあるが、造り酒屋はないようだ。
>>974 お光と大利鼎吉の間に肉体関係はないだろうね。
司馬作品って長命した権力者を嫌い、
志半ばで非業の死を遂げた人物は聖人君子にしてしまう。
この作品では、前者の例が田中光顕で、後者の例が大利鼎吉。
>>976 全作品で一貫しているっス。
長生きした徳川家康や山縣有朋はきらいっス。
暗殺・戦死で短命だと8割以上聖人君子扱いっス。
長命者はカネ・女・権力が大好きという悪代官キャラにされちまうな。
おそらく太平洋戦争で死なずに戦後飽食している自分たちの、戦死した人々に対する後ろめたさの表現なんだと思う。
むかしのドラマは、清い恋愛=セックス抜き、とするよな。
あれで、モテない自分は心が清いと勘違いした人々が大量発生した。
お光と大利鼎吉はセックスなしの清い恋愛であったという結論で異議なしです。
第12話 最後の攘夷志士
[主人公]三枝蓊
慶応4年(1868)2月30日におきた三枝蓊と朱雀操によるパークス襲撃事件を、
田中顕助の狂言廻しで語る『幕末』最終の一篇。
尊攘志士は旧幕時代も迷惑な人たちだったが、新政府にとっても迷惑な人たちだった。
982 :
無名草子さん:2012/11/04(日) 20:56:17.12
なんかwikみると「宮本武蔵」って小説があるんだけど。
これは短編の「真説宮本武蔵」とは別物なの?長編?
>>982 別物。複数の作家による連作『日本剣客伝』の中の一編。長編小説です。
>>981 御親兵は『新選組血風録』の「四斤山砲」にも出てきたが、厄介者の脱藩浪士を
一箇所に集めて暴発させないようにしただけの部隊だな。
この小説では、高野義軍とか高野義挙と呼ばれているが、ふつう高野山義挙と呼ばれる。
実態は御親兵と同じで、厄介者の脱藩浪士を京から追っ払いたかった。
総督の鷲尾隆聚は、『翔ぶが如く』の第74章「警視隊」で会津出身の佐川官兵衛を
紹介するところで名前が出てきた。会津県知事の鷲尾某という人物。
高野山を訪ねてきた紀州藩の重臣・伊達五郎は、海援隊の陸奥陽之助の義兄。
陽之助の実父・伊達藤二郎は、陽之助が幼かったため養子を取った。
それが伊達五郎。
この襲撃に際して体を張ってパークスを守ったのは、薩摩藩士・中井弘蔵[中井弘]と
土佐藩士・後藤象二郎でした。
『竜馬がゆく』には、パークスが後藤象二郎を絶賛していた旨の叙述がありますが、この
事件があったからです。つまり、後藤象二郎はパークスの命の恩人なんです。
話が前後しますが、慶応4年正月11日に岡山藩兵がフランス人水兵を襲った事件は、
神戸事件と呼ばれています。隊の責任者であった滝善三郎は、フランス人の検死役
の面前で切腹しました。「ハラキリ」が世界語になってゆくのは、このような事件処理の
積み重ねによります。
2月15日の妙国寺事件は堺事件とも呼ばれています。「俄 -浪華遊侠伝- 」に詳細が
描かれています。
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Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: ::::::::::::::::::::::::::
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>>988 おい、後家鞘彦六
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄
>>989 維新後は外交官になった中井弘の意外な奮闘に驚いたな。
後藤象二郎も只者ではないな。
∧_∧
( ´∀`) 逃げてんじゃねーぞ
( /,⌒l
| /`(_)
(__)( ´;゚;ё;゚;)
∧_∧
( ´∀`) 後家鞘
( )
| /;l|l,';!i
(__,';・;※,';;゚;)
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>>995 井上馨の妻の武子は、中井弘の元妻。
結婚式の当夜に中井が大隈邸に顔を出したため、関係者が大いにあわてた。
『幕末』は意外な人物が意外なところに登場するから、読みごたえがある小説だ。
雄藩に属さない脱藩浪人が世間や雄藩の藩士からどのように見られていたかがよくわかるよ。
小学校で初めて歴史を学んで、攘夷を唱えていた倒幕勢力が、
倒幕に成功したとたんに幕府以上に開国政策に転じた理由が理解できなかった人は、
『幕末』を読むとよくわかるよ。
脱藩浪人でありながら大活躍した坂本龍馬や中岡慎太郎は、よくやったほうだよな。
1000 :
無名草子さん:2012/11/05(月) 13:00:40.34
次は何をやるの?
1001 :
1001:
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。