【虚体】埴谷雄高=般若豊スレッド第三章【死靈】

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1吾輩は名無しである
引き続き埴谷雄高氏を語りましょう

第1章 http://mentai.2ch.net/book/kako/978/978367105.html
第2章 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/book/1015339304/
2VON・トーマス・マン :04/07/06 22:07
俺はリーマン7年目で仕事の人間関係に悩んで2ヶ月前に極度の
被害妄想に陥り手首切って自殺未遂した、家族に発見され救急車
呼ばれて輸血して体中いろんな管入れられ1週間入院、会社は
そのまま自己退職してしまった、今思えば休職とか傷病手当もらうとか
ネットを見て調べて後悔しています、だって自分がいた会社から
自殺未遂者が出たなんて縁起悪いし迷惑かけると思ったから退院してす

会社に電話して退職手続き取ってしまった。怪我による退職になるから
失業保険ももらえないし鬱、、、。
右手の親指と人差し指と中指の神経が麻痺して医者が言うには神経が
修復するまで全治半年と言われた、いま不自由な手で一所懸命カキコし
ています。
右手が不自由な以外はピンピンしてるけど精神的にかなりまいっていま
す。
毎日やることないし平日の真っ昼間に家にいると自分だけ社会から取り
残されて
いくようでかなり鬱です。
(´・ω・`)
3吾輩は名無しである:04/07/07 14:04
4吾輩は名無しである:04/07/07 14:06
>>1
乙カレー

影の影の影のスレ(即死)

【死靈】●○埴谷雄高=般若豊○●【三章】
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/book/1086545079/l50

5吾輩は名無しである:04/07/07 23:48
>>1
ちょっ、乙

意外と落ちるの早いのね、この板。
適度に保守したほうがよさげだなあ…
6吾輩は名無しである:04/07/08 00:19
保守
7吾輩は名無しである:04/07/08 00:33
>>6
極左のさらに左であるところの埴谷雄高に、「保守」という単語は似合わん!

…・…いや、そういう問題じゃないですけど。
8吾輩は名無しである:04/07/09 19:39
三輪与志萌え〜
9吾輩は名無しである:04/07/09 22:21
保守age

ってあんまりネタが無いのもアレなので、昔作った壁紙を晒してみる。
ttp://haniya-y.hp.infoseek.co.jp/haniya1.jpg
10吾輩は名無しである:04/07/09 23:47
最近やっと名前の読み方がわかった
11吾輩は名無しである:04/07/10 00:50
埴谷は左翼であることをやめて、想像力の左翼になったんだよ。
12吾輩は名無しである:04/07/10 22:30
はんにゃさん
13名無しさん@そうだ選挙に行こう:04/07/11 10:03
ふむ
14吾輩は名無しである:04/07/12 17:20
あっは!
15吾輩は名無しである:04/07/12 17:43
たまたま間違えて検索したら、こんな地名が。

千葉県山武郡山武町埴谷
http://channel.goo.ne.jp/postcode/search.php?MT=%BE%FD%C3%AB&kana=

どんな土地なんだろうか?
16吾輩は名無しである:04/07/12 20:30
>>11
んまいっ
17吾輩は名無しである:04/07/13 22:50
埴谷の辿りついたところは結局〜のふりをするということ。
人は何かのふりをする動物でしかない。何かに憑依する動物でしかない。
アリストテレスがいう語る動物でもなければ、カッシーラーの象徴を操る動物でもない。
人間が亡霊的存在であると彼は見抜いていた。
そういう意味で彼はある意味で精神分析的な転移を書いていた。
18吾輩は名無しである:04/07/14 18:44
ほっしゅ!
19吾輩は名無しである:04/07/14 19:24
虚体 = ぬるぽ
20吾輩は名無しである:04/07/14 19:59
>>19
それだ
21吾輩は名無しである:04/07/14 21:11
  ∧_∧ |クイッ.  | |
 (,, ・∀・)|    | | ガッ
 (    つ .   >.| |
 | || . 、/ミミ人
 (__)_)       <  >_∧∩
            .V`Д´)/
                / ←>>19
22吾輩は名無しである:04/07/15 14:23
虚体というのは絶対な他者の事だよ。脱構築不可能なフルーツチンポ。
つまり、西日本大雪原で関東荒し丸のイチモツが非勃起律の振動!
23吾輩は名無しである:04/07/15 16:58
埴谷雄高の本名って、般若豊っていうんだけど、共産党内では、「般若論文」は有名かつタブー。
マルクス主義的な「天皇を中心とした神の国」が、開発途上国の資源配分を最適化することを史的唯物論的に実証した、秀逸かつ衝撃的な論文。
この論文は共産党では受けいれられず、苦悩した般若は、ついに大学をやめてしまった。
服役と執行猶予ののち、追われるように共産党を去っていった。
ドゥルーズ=ガタリが1972年に,『アンチ・オイディプス』を出したときに、般若(埴谷)は歯噛みして悔しがった。
何故なら、ドゥルーズ=ガタリの打ち出した、資本主義と分裂病という発想は、彼の幻の論文である、
『天皇主権による男根主義的イメージと分裂症』において、まさしく主張したものであったからである。
般若が正式に共産党を去ったのは昭和10年。
彼の死靈は当時盛んであった反戦思想・マルキシズム思想を大衆レベルにまで浸透させるため、文学という形を置きながら行なった。
彼自身は、暴力による革命を潔しとせず、学術・芸能を伝達手段とした平和的な革命思想の浸透を目指した。
しかし、44年以降の学生運動の退潮、45年の谷崎賞受賞、そして自身の論文が思想的な理由から何度もリジェクトされるという現実から、文学の道に専心する事を決意した。
24吾輩は名無しである:04/07/16 10:55
>>23
>マルクス主義的な「天皇を中心とした神の国」が、開発途上国の資源配分を最適化することを史的唯物論的に実証した、秀逸かつ衝撃的な論文。

ソースお願いします。それと論文のタイトルも教えてください。
25吾輩は名無しである:04/07/16 11:22
>>24 
ネダだろ。このコピペを部分的に変えただけ

坂田利夫の本名って、地神利夫っていうんだけど、阪大の社経研では、「地神論文」は有名かつタブー。
マルクス主義的な「開発独裁」が、開発途上国の資源配分を最適化することを数理経済的に実証した、秀逸かつ衝撃的な論文。
この論文は阪大では受けいれられず、地神は、博士課程の学生であるにも関わらず学生運動に加担したこともあり、博士号を授与されず、
数年のODののち、追われるように阪大を去っていった。
アマルティア・センが1970年に,『集合的選択と社会的厚生(Collective Choice and Social Welfare)』を出したときに、
地神(坂田)は歯噛みして悔しがった。
何故なら、センの打ち出した、社会的公正の効用としての関数化という発想は、彼の幻の博士論文である、
『開発独裁の社会経済的合理性とそのインセンティヴ(Socio-Economic Rationality of Autocratic Development and its incentiveness)』
において、まさしく主張したものであったからである。
地神が正式に阪大を去ったのは昭和47年。
43年のコンビ結成は、当時盛んであった反戦思想・マルキシズム思想を大衆レベルにまで浸透させるため、大学に籍を置きながら行なった。
彼自身は、暴力による革命を潔しとせず、学術・芸能を伝達手段とした平和的な革命思想の浸透を目指した。
しかし、44年以降の学生運動の退潮、45年のラジオ大阪新人賞受賞、そして自身の博士論文が思想的な理由から何度もリジェクトされるという現実から、
お笑いの道に専心する事を決意した。
26吾輩は名無しである:04/07/16 12:45
>25
くそー、捏造かよ
全集をひっくり返して探して損したぜ
27吾輩は名無しである:04/07/16 20:28
そもそも般若はマルキストじゃないでしょう。
どちらかというとアナーキストじゃないですか。
死霊では日本の戦前の左翼運動を激しく批判しているわけですし。
28吾輩は名無しである:04/07/17 09:34
>>26
そういや、全集には「革命と国家」の草稿載っけても良かったなぁ。残ってなかったんだろうけど。
ちょっと読んでみたかった。
29吾輩は名無しである:04/07/17 10:54
親戚から般若と自立オヤジがでたETV特集のビデオ計6巻げっと。
残るはクロカンのビデオが揃えば三色完結だが、おっと、クロカンは未だ
ご存命中、だろ?
でも、さしものNHKNも反帝反スタ=スコラ哲学の師を放映するなんてこたー
ねよな。
30吾輩は名無しである:04/07/20 21:42
NHKブックス No.31
「ドストエフスキイ その生涯と作品」 埴谷雄高 著
http://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=0130&webCode=00010311965

新装復刊したそうだが、誰か買ったか?
31吾輩は名無しである:04/07/21 01:51
>>30
全集で読んだから要らない
ブクオフにでも出たらゲトするかな
32吾輩は名無しである:04/07/27 05:55
立ち読みしてみます
33吾輩は名無しである:04/07/28 14:52
極限の夢に憑かれたものの究極──ドストエフスキイと埴谷雄高の夢と小説について

ってどうよ?
34吾輩は名無しである:04/08/02 13:23
過去スレ見ても、あまり死霊の感想が出てないんだけど
読んだ人少ないのかな〜
35吾輩は名無しである:04/08/02 14:42
哲学板の電波の死靈の感想でもコピペしようか?

36吾輩は名無しである:04/08/02 14:47
>>29
いい親戚があって、うらやましい。

>>34
感想を、こんなところには書くまいよ・・・
>>35
価値あるものだけにしろ、でなければスレ汚しになる。
電波は要らん。
37吾輩は名無しである:04/08/02 16:11
読んでるのが前提だから、今さら感想なんてミットモネ が本音かな・・・
38吾輩は名無しである:04/08/05 01:19
5章までしか読んだ事ありません。死霊
39吾輩は名無しである:04/08/05 02:02
ドグラマグラと読後感が似ていると聞いたが・・・
コイツは入れ違いだったが、イケダに続く。
41吾輩は名無しである:04/08/05 02:30
ツマンネースレ
42吾輩は名無しである:04/08/05 23:05
さて、誰も知らぬ饗宴へ行くがよい
43吾輩は名無しである:04/08/05 23:47
ふむ
44吾輩は名無しである:04/08/06 00:32
>>35-36
「死霊」自体が電波
45吾輩は名無しである:04/08/06 09:23
ここでもお話しませう → http://www.gem.hi-ho.ne.jp/yamame/
46吾輩は名無しである:04/08/06 12:53
>>44
ちゃうで、超電波や。だから日本文学で唯一なん。
47吾輩は名無しである:04/08/11 22:14
お前ら、ほんとは読んでねーんだべ?
正直に言え
48吾輩は名無しである:04/08/12 01:17
>>47
読みましたよ。ガリラヤの魚とか水平がなんたらとか漠然としか覚えてませんけど。
評論選のほうも買いましたが、そちらは読んでません。
49吾輩は名無しである:04/08/12 02:48
何でそこで6章と7章が出てくるんだ。普通は1章の首猛夫からだろ!
50吾輩は名無しである:04/08/12 11:12
>>49
印象的だったのがガリラヤの魚のシーンだったので
51吾輩は名無しである:04/08/18 22:43
あっは!
52吾輩は名無しである:04/08/19 16:24
ぷふぃ!
53吾輩は名無しである:04/08/19 22:46
ちょっ!
54吾輩は名無しである:04/08/20 03:13
今、死霊を読んでます。四章まできました。
死霊はよく、わが国初の形而上的小説のようなことを聞きます。
たしかに首猛彦たちの対話には、そのような臭いがぷんぷんするのですが
間に挿入されている霧などの描写にも何らかの意味が含まれているのでしょうか?
読んだ方、読んでいる方、意見を聞かせていただけたら嬉しいです。
55吾輩は名無しである:04/08/20 09:32
>>54
意味があると思って読み解けば、そこに意味は在る。
まあ、好きなように読んでくれ。

個人的には、2章の首猛夫vs津田康造・3章の首猛夫vs黒川建吉の各対話以外は
面倒で再読する気がしないのだが…
56吾輩は名無しである:04/08/20 16:03
今、第四章を読み終わりました。
赤子がどうのこうのとか…。
あとがきによると文体すら「純粋理性批判」の影響を
受けているみたいですね。耽読して、思想的基盤になっていることは
知っていたのですが。

>>55
お返事ありがとうございます。確かに
2章の首猛夫vs津田康造・3章の首猛夫vs黒川建吉の各対話は
非常に面白かったし、分かりやすかった
(と思っているだけかもしれませんが)です。
ただ半世紀以上かけて書かれた大作なのでやはり描写についても
探求していきたいと思います。
57吾輩は名無しである:04/08/21 01:28
なんか死霊って割りと際物扱いされてるような
名作という扱いじゃなくて
58吾輩は名無しである:04/08/21 01:31
そだね
59吾輩は名無しである:04/08/21 18:51
なぜ今ごろ(っても去年だが)になって文庫化したんだろう。
60吾輩は名無しである:04/08/21 21:27
歌多田ヒカルが、愛読してるみたいなことを言いふらしてたからじゃないっすかね
61吾輩は名無しである:04/08/21 22:39
なんか嫌だなそれ。
宇多田ヒカルが糞とかそんなんじゃないけど・・。まあ文庫化してくれなきゃ俺は読むことはなかったろうけどな。
62吾輩は名無しである:04/08/22 18:12
埴谷自体が文庫化をすごい嫌ってみたいだね。
それで時間がかかったんじゃない?
埴谷も97年まで生きてたみたいだし、死んだ後、全集とか
出し終えて文庫化ってきたんじゃないかな。
宇多田が影響力あるといっても、そこまで出版界も妥協しないんじゃない?
63吾輩は名無しである:04/08/22 20:28
経緯は分からんけど著作権継承者が同意したんだろうね
出版社に借金があった、という話もあるし
64吾輩は名無しである:04/08/22 21:09
同意したんだろうね。

しかし借金の話は初耳。吉祥寺にアパート持ってて
家賃の収入で暮らしを立てていて
そこまで困ってないと聞いていたけど。
65吾輩は名無しである:04/08/22 21:41
埴谷は日大中退の学歴コンプ
66吾輩は名無しである:04/08/22 22:02
ほとんど寝たきりになってからは講談社が家政婦までつけて生活の面倒見たらしいからな。
何やかんや言ってかなりの恩義があったんじゃないか。
全集が出揃うまではと頑張ったけど、出た以上文庫化を拒む理由は無くなった、と。
67吾輩は名無しである:04/08/22 22:58
でも遺産は甥に残すってインタビューでいってたと思うけど
無ければ遺産は残せないわけで
そのアパートか家のことで
借金は死んで踏み倒すつもりだったのかな
68吾輩は名無しである:04/08/30 15:50
たまちゃんって今何してるの?
69吾輩は名無しである:04/08/30 16:22
たまちゃんは俺が食った。
まずかった。
70吾輩は名無しである:04/08/31 17:18
タマチャンのタマキン
71吾輩は名無しである:04/08/31 17:18
たっま!
72吾輩は名無しである:04/08/31 17:53
埴谷氏も…2チャンでは
芸人並みの噂話のタネでつか・・・
73吾輩は名無しである:04/08/31 18:26
おしるこだと思ってる。
74吾輩は名無しである:04/08/31 18:49
そのココロは?
75吾輩は名無しである:04/09/01 18:59
65は釣りだとは思いますが埴谷さんは東大卒でないことが
コンプレックスだったと読んだことがあります。
確か、スガ秀実と渡部直己の「本気で作家になりたい人のガイド」
とかいう題名の本だったと思います(正確じゃないと思いますが)。
76吾輩は名無しである:04/09/02 01:18
その本は俺も知ってる。
確かに埴谷レベルの文学を書くものにとって
日大中退じゃぁ、ちょっといかんだろうよ。
それなら高卒のほうが様になるような気がする。
77吾輩は名無しである:04/09/02 02:04
低学歴、というよりは微妙に中途半端なのが駄目なのか。
東大京大か中卒高卒、ギリで早慶、上智、一橋、国際基督、東京芸大とか?
帝京とか…
78吾輩は名無しである:04/09/02 13:30
まぁ、その辺だろうね。
最低でも早慶は欲しかっただろうし。一橋とかは石原慎太郎や
田中康夫とかがいるし。芸大は、まあまあ、かっこつきそうだし
ICUは高村薫だっけ?
やはり埴谷レベルの作品を書くなら東大・京大ぐらいは…。
79吾輩は名無しである:04/09/02 19:20
なんというか、それは読者の勝手な要求だろ
それはおまえらのコンプか思い上がりか
別に埴谷にコンプレックスあってもいいじゃないかと思うが
80吾輩は名無しである:04/09/02 21:41

結核で生き死にをさ迷った人間が学歴コンプねぇ〜
81吾輩は名無しである:04/09/02 22:54
てゆうか埴谷は理系がダメだったんじゃないの?
8277:04/09/03 13:09
>>79
あってもいいからそういうくだらない話しをしてるんだよ。
少なくとも俺は埴谷の学歴なんてどうでも良い。
作品自体にしか興味ないし。
ああいう作品を書いてた埴谷が学歴コンプだったのが、面白い、というわけでもないが
そんなもんかねー?と思う。
83吾輩は名無しである:04/09/06 04:00
だれか渡部直己たちが書いた、その文章とやらを教えてくれ
84吾輩は名無しである:04/09/06 05:51
>>66
出版社に飼われる老作家、か…
85吾輩は名無しである:04/09/06 09:16
ちゃんと避妊しろボケ
86吾輩は名無しである:04/09/06 11:19
吉本御大は埴谷の葬式に行ったんか、あんだけケンカしてても?
87吾輩は名無しである:04/09/14 01:10:18
すべてを捨て去り得ても、「満たされざる魂」が求めに求め、
さらに求めつづける標的たる自分でない自分に絶えずなろうとしつづけるところの
無限大の自由だけは、ついについに捨て去り得ない。
88吾輩は名無しである:04/09/14 21:53:27
要するに無限大の不自由ということだな。
89吾輩は名無しである:04/09/14 22:29:21
無限大の自由を探求せねばならぬという焦燥は、ついについに人間の枷に他なるまい。

……不合理ゆえに吾探求す。
90吾輩は名無しである:04/09/21 23:13:30
はにやー
91吾輩は名無しである:04/10/03 12:34:41
あっは!
92吾輩は名無しである:04/10/03 12:35:47
保守あっは!
93吾輩は名無しである:04/10/04 02:13:30
今日ちょっと読んだ
94吾輩は名無しである:04/10/05 10:47:41
>>86
それが友達というものだよ
95吾輩は名無しである:04/10/05 18:51:23
埴谷の顔って生理的に嫌だ。老木みたいな顔、ぬめっとした顔。
96吾輩は名無しである:04/10/05 19:10:26
左様で
97吾輩は名無しである:04/10/06 08:15:36
植木等に似てるよな。
98吾輩は名無しである:04/10/09 10:45:08
吉祥寺の喫店でバイトしていた時、出版社?の連中と来て、
席に着くなり、「僕は生ハム入りのワッフルが大好物なんだ」結構でかい
声で注文したのをおぼえている。
そんでも、連れが「コーラかなにかもどうですか?」ってたずねると、
ジイサンは、「僕は米帝がきらいだからね」って笑ってたっけ。
99吾輩は名無しである:04/10/09 14:00:03
でも、NHKで放映された画面ではワインは好きみたいじゃん。
カリフォルニア産のワインだったりしてね。
100吾輩は名無しである:04/10/09 14:08:18
宇多田ヒカルって、中上が好きだったり、
埴谷が好きだったり、年齢の割りに
趣味が渋すぎ(笑。お父さんの影響なのかな?
そのうち柄谷とか言い出しそう。
101吾輩は名無しである:04/10/09 14:57:06
>99

トカイ
102吾輩は名無しである:04/10/16 21:44:51
宣戦布告にきましたよ。
103吾輩は名無しである:04/10/16 22:39:53
>>100
柄谷言ったらDQN認定
104吾輩は名無しである:04/10/16 22:44:40
>>102
松平クン?
105吾輩は名無しである:04/10/17 00:55:01
埴谷好きの時点で既にDQNではないのか?
106吾輩は名無しである:04/10/17 02:57:16
宇多田ヒカルが・・といっている時点で既にDQNなんだが?

107吾輩は名無しである:04/10/17 09:22:01
>>106
埴谷好きならDQNと言われるより
「アジア的思考様式」とレッテルを貼られる方が屈辱な気がする
108吾輩は名無しである:04/10/17 12:08:25
死のう団より死ね死ね団の方が素敵です!
109吾輩は名無しである:04/10/17 12:21:28
念速age
110吾輩は名無しである:04/10/17 12:32:55
>>107
でも俺は津田が好きだ
111吾輩は名無しである:04/10/17 15:25:45
>>110
津田…夫人が?
112吾輩は名無しである:04/10/19 10:07:07
津田康造の名前って何て読むの?
こうぞう? やすぞう? 
113吾輩は名無しである:04/10/21 14:44:50
やすづくり
114吾輩は名無しである:04/10/22 05:32:32
チーナカ豆に弾劾されなさい
115吾輩は名無しである:04/10/22 23:58:11
はんにゃ?
116吾輩は名無しである:04/10/27 00:12:22
首猛夫と矢場徹吾も兄弟だった!
というのは死霊の第7章で分かるんですが
そのことは1984年群像に作品が出るまで
世間的にはふせられていたんですか?

文庫ではTの裏表紙の宣伝文句で、
「三輪四兄弟」とか書いててネタばらしてるんですけど
あれはどうなんすかね。
117吾輩は名無しである:04/10/27 00:14:07
>>116
まぁいいんじゃない。カラマーゾフ的で。
別に10兄弟でも、3姉妹でもかまわない。
118116:04/10/27 00:27:28
>>117
いやもちろん何兄弟でも良いんだけど、
自序で探偵小説的に書いたとかあって、
実は首や矢場も兄弟だった!ってのは割に重要なタネ明かしなわけで
それをTの裏表紙でばらしちゃうのは如何なものか、と。
それと、もし第7章発表当時の文壇・世間的反応をリアルタイムで
ご存知の方がいらしたら、ご教示願いたいと思い書き込んだしだいであります・・・
119吾輩は名無しである:04/10/27 01:13:45
皆知ってたよ
カラマーゾフの兄弟じゃん
120116:04/10/27 01:38:06
じゃあ、もう7章が出る前から
首も矢場も異母兄弟だろうと思われて読まれてたわけですね。
まあタイトルからしてドスが下敷きになってるのは分かるわけだし、
埴谷もあちこちで作品の意図を説明してたようだし・・・ですか。
121吾輩は名無しである:04/10/27 14:33:46
首は思いっきり兄弟だと思ったなー。このペラペラ喋る軽薄な男め!
122吾輩は名無しである:04/10/27 20:11:57
矢場は何か兄弟くさいと思ってたけど、
クビタケオって何か他の奴等と相当キャラが違うから
けっこう意外でした。
講談社の文庫で初めて読んだ後追いですが。
123吾輩は名無しである:04/10/30 15:59:17
浦沢直樹がついに死霊の漫画化に踏み切るらしいな
124吾輩は名無しである:04/10/31 00:18:38
>>123
( ゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ
 
(;゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ
  _, ._
(;゚ Д゚) …?!
125吾輩は名無しである:04/10/31 00:42:08
>>82
澁澤は何浪もして東大に入ったらしいね。
澁澤みたいな人間が東大に執着するんだから、埴谷が執着(そこまでいかないか)しててもおかしくないね。
どうでもいいことだが
126吾輩は名無しである:04/10/31 07:42:23
>>123
本当?
127吾輩は名無しである:04/10/31 08:02:01
鉄腕アトムはまだ終わりそうにないじゃん。
128吾輩は名無しである:04/11/04 01:00:52
おまえら釣られ杉。あんなもん漫画化のしようがねえだろ。

もし本当だったらすげえが。迷走っぷりが。
129吾輩は名無しである:04/11/14 00:24:41
ひたすら妄想を綴るのは小説だからできたこと。
あんだけ動きがない小説どうやって漫画化するんだよ。
普通に考えればネタだとわかるが、浦沢ならやりかねない・・・
130吾輩は名無しである:04/11/19 15:59:34
浦沢がやると全150巻ぐらいになりそうだな。
131吾輩は名無しである:04/11/19 18:07:49
それも150巻やったあげくの未完な。
132吾輩は名無しである:04/11/20 01:56:34
浦沢には「神聖喜劇」を漫画化してほしい。
133吾輩は名無しである:04/11/21 03:57:18
「死霊」以外になにかオススメの本ありますか?
訳の解らないタイトルの本ばっかで・・・。
134吾輩は名無しである:04/11/21 13:55:01
>>133
「不合理故に吾信じず」「闇の中の黒い馬」
135133:04/11/21 18:02:48
>>134どうもです
「不合理故に吾信ず」は読みました。う〜ん?といった感じ。
僕には合わないのかしらん。
136吾輩は名無しである:04/11/21 20:34:53
なんかハニヤの作品て全部同じカラーだから、死霊以外手を付けようって気にならない。
137吾輩は名無しである:04/11/21 21:40:59
>>135
「不合理」がいまいちならきっと全部ダメだと思う。
>>136がいうように、どんな著作でも同じような人なので
138吾輩は名無しである:04/11/21 23:34:40
>>134
「信じず」って・・・あっは
139吾輩は名無しである:04/11/22 17:25:48
>133

「永久革命者の悲哀」とかは?
何があれだけの事を書かせたのか、興味が尽きないね

それと対談とか座談会はけっこう面白い
140133:04/11/23 01:14:01
>>139
ありがとうございます。図書館に在るかな?探してみます。
今は「濠渠と風車」読んでます。そこそこ読めてるつもり・・・。
141吾輩は名無しである:04/11/23 04:10:22
これってシリョウじゃないの?
知り合いがシレイ、シレイってうるさいんだけどさ。
142吾輩は名無しである:04/11/23 05:18:20
しれいが正しい読み方
143吾輩は名無しである:04/11/23 09:19:27
大岡 あれは怨霊で、「シリョウ」と読むはずなんだけれども、
きみは「シレイ」と読まさすの?

埴谷 そうなんだ、無理を承知で。(中略)ぼくのあそこに出てくる
幽霊はみんな論理的な、しかも一見理性的で全宇宙を相手にす
るような途方もない大げさなことばかりしゃべる。そうした理性的
幽霊しか出てこないから、いわば「進歩した」現代の語感をもって
シレイと無理に読ませているんだ。

『大岡昇平・埴谷雄高 二つの同時代史』より

…書き写すのって意外にめんどいな。俺乙。
144吾輩は名無しである:04/11/23 10:20:04
>>142-143
正直知らなかった。感謝。
145吾輩は名無しである:04/11/23 21:54:18
ブックオフで『死霊』三巻、百円×3でゲット。
146吾輩は名無しである:04/11/23 21:57:53
>>145
文庫だから安いんでしょうけど、安過ぎる!
147吾輩は名無しである:04/11/24 02:28:18
講談社の全集がブックオフで1冊100円で売ってたよ。
即売り切れたみたいだけど。
148吾輩は名無しである:04/11/24 02:54:13
>>147
文学全集の類いなら、ブクオフではよくある話だね。
149吾輩は名無しである:04/11/26 00:53:07
河出書房の作品集の間違いでは?
講談社全集は1冊八千円ぐらいするでしょ。
150吾輩は名無しである:04/12/09 22:08:54
≪虚体≫って、結局なんなのさ?
151吾輩は名無しである:04/12/14 22:43:06
それが簡単に言えたら、あんなに書かなくても終ったでしょ。
152吾輩は名無しである:04/12/17 11:35:04
>>150
お腹空きまくった体=虚体
153虚体:04/12/18 10:34:29
虚体ですが何か?
154たぶん:04/12/18 23:31:45
>>150
人間の思惟は自己が自己であること(A=A,自動律)を疑えない。
また自己は世界によって規定されてあり、その自己の所与性から
逃れられない。チーナカ豆の食物連鎖の話とか参照。
理性の限界即ち、人間に思惟可能なものは有限で、どこかでそれ以上
新しいものを生み出し得ないという地点に到達するってこと。それが
ムカつく、てのが「自動律の不快」。
んで、A=A(存在)及びその否定(非在)以外の存在様態を思考できたら、
これは理性の限界突破かと。
存在でも非在でもないものを仮に「虚体」と呼ぶ。実数-虚数/実体-虚体。
i*i +1(存在) = 0(非在)。作中のこの式にあまり意味はないw
しかし存在でも非存在でもない物なんて、思考/表現不可能。
だから埴谷は哲学でなく文学という手段を選び想像力による革命をやろうと
する。一つの戦略としては、象徴派ゆんゆん路線。
膨大な隠喩のうちに無理矢理虚体を顕現させること。「永久運動時計」etc.
もう一つは「虚」を巡って繰り広げられるポリフォニックな対話が、
空虚な中心として「虚体」を浮かび上がらせる、ということかな、と。
ただ、語れないものを巡る対話に終わりがある訳もなく、(作者の意図に
関わらず)本質的に未完の作品とならざるを得なかったと思う。
155吾輩は名無しである:04/12/19 01:36:36
>>154
> 理性の限界即ち、人間に思惟可能なものは有限で、どこかでそれ以上
> 新しいものを生み出し得ないという地点に到達するってこと。それが
> ムカつく、てのが「自動律の不快」。

思惟可能の有限性にムカつかない場合、「自同率の不快」を理解できないだろうから
埴谷の文章が電波に聞こえるだろうね。そこに共感できるかどうかが、『死霊』を理解するためのキーポイントになる気がする。

まあ、共感できないのが普通だし、そんないわゆる「アジア的思考様式」が悪であるということでも無いとも思うが。
156吾輩は名無しである:04/12/19 03:01:38
>>155
「不快」を感じるかどうか、に同意。
とにかく不快だから、不可能な思惟と分かってて妄想し続けるという。
哲学的というよりポエティックだと思うけど、作中で提示された数々の
イメージの恐るべき感染力たるや。
157吾輩は名無しである:04/12/19 05:14:40
埴谷雄高講演『文学と私』
ttp://www.geocities.jp/exist2ok/haniya.html

これを見る限り、埴谷の不快は
台湾での少年時代に雀を殺したときの感触のような、
単純に嫌な気持ちが原点になって居るのではないかと思う。

「雀を殺すことが許容されるような世界構造」が嫌だ

「世界構造とは何か?」

「俺が俺であること」

「じゃあ、俺が俺であることなんて不快だ」

こう書くと身もふたも無さ過ぎるかしらん?
しかし、生まれていきなり「不快」と言い切ったわけでもあるまいし、
その辺、埴谷なりに思考の展開があったと見るほうが自然のような気がする。
158吾輩は名無しである:04/12/19 06:08:20
「死霊」が文庫になってたなんて今初めて知った。びっくり。
それはそうと、ミステリーの話で恐縮ですが、つい先日読んだ「模像殺人事件」という
新人さんの作品の前口上が「死霊」をもじったものになっててこれまたびっくりしました。
↓↓こんな感じ↓↓
「悪意と深淵の間に彷徨いつつ/生身(いきみ)のごとく/狐疑する模像達」
内容的には無関係ですが、文体にも埴谷風なところが見受けられ、ああ好きなんだなあと
思いました。
159吾輩は名無しである:04/12/19 11:15:11
>>158
文庫が出たのが2003年3月とかなので、まだ新しいといえば新しい。
これまで読む機会が無かった層にも手に取られる機会が増えたわけだから、
「死霊」に影響を受けた文章が、これからいろいろなところで
見られるようになるかもしれないね。

西尾維新の「きみとぼくの壊れた世界」で、「埴谷雄高」という単語が出てきた際には、
流石に失笑したが。
160吾輩は名無しである:04/12/19 22:49:20
日経に埴谷論を書いた白川がのっかてた。
埴谷って若い頃はかっこよかったらしいね。
161吾輩は名無しである:04/12/19 23:16:15
女優落とすくらいだからね
162吾輩は名無しである:04/12/20 01:21:03
というか最近は単行本のほうを見かけない。
163吾輩は名無しである:04/12/20 19:33:24
全集安く売ってるところないですか。80000円位で
164吾輩は名無しである:04/12/21 16:34:14
安くねえじゃん。
165吾輩は名無しである:04/12/23 04:28:03
揃いだと相場は今10万円くらい。精一杯がんばって8万て意味です。もちろん
もっと安ければそれに越した事は無いけど。
166吾輩は名無しである:04/12/24 09:06:19
埴谷雄高でーす
167吾輩は名無しである:04/12/27 08:53:36
全集って箱と本体にビニールのカバー掛かってたっけ?
168吾輩は名無しである:04/12/29 13:16:53
おーい 埴谷丸 埴谷丸雄高
いつも一緒にカントの純理

バナナを食べても ach? ach
ズボンをはいても pfui? pfui
不快と不快が コッツンコ

涙が出たら空に飛ばそう
まーるい大きな 虚体が浮かぶよ
169吾輩は名無しである:04/12/30 18:26:20
おーい埴丸
170吾輩は名無しである:05/01/01 01:24:37
初あっは
171吾輩は名無しである:05/01/01 03:21:16
初ぷふい
172吾輩は名無しである:05/01/01 07:26:05
初ちょっ
173吾輩は名無しである:05/01/01 15:30:26
>>120-172
初アジア的思考様式。
174吾輩は名無しである:05/01/01 19:21:51
>>173
その言い方は不快です。
175吾輩は名無しである:05/01/03 14:34:23
埴谷雄高に首ったけ(お)
176吾輩は名無しである:05/01/03 20:50:37
宣戦布告に来ましたよ。
177吾輩は名無しである:05/01/03 22:48:40
>>176
どうしてこのスレにです……?
178吾輩は名無しである:05/01/04 04:03:32
新年というのに、霧がかかった夜のようなこのこころ……
179吾輩は名無しである:05/01/07 13:24:17
暗く腫れぼったい不親切な光が私たちを照らしてる。
180吾輩は名無しである:05/01/08 18:45:09
>>177
――あなたが極点だからです。
181吾輩は名無しである:05/01/10 21:19:31
難解小説とのことですが、小学生の僕が読んでも理解できます。
文庫全三巻いとも容易く読破出来ましたが、これはまさしく言葉の綾取りですね。
自己のメビウスの輪の中に完全に閉じこもってます。
その上著者自身「死霊」の世界は有り得ないことを認めているので、読者はある意味において口を封じられてしまいます。
しかし!読了後、胸に穴が開いたような感覚に陥り、哀しくなってくることは保障します。ぷふい!
それにしてもこれを腰を据えて読んだ僕は愚かとしか言えません・・・。あっは!そう、これはパロディとして読むのです。
なぜなら、ちょっ、小学生のこの僕が暇な時に空想していたこと全てがこれに出てくるんですからね。
ついでに、著者の主張は現実には実現不可能です。だから皆さんは肩の力を抜いて戯言を聞くつもりで読めばいいのです。
しかしこんな作品が過大評価されている現状には辟易してきますね。
丁寧に描こうとしすぎているのか、単に文才がないのか、異常にセンテンスが長いんですよね、これ。
なので途中からだらけてきてしまいました。ひょっとしたら「死霊」にはこの文章があってるのかもしれませんが。
それとも、他の読者の皆様はやはりパロディとしてこれを評価してらっしゃるのかしらん・・・?
まあ、存在将来、著者が亡霊宇宙にいたなら絶対に「見つけたぞ!」と叫んでやるつもりです。
182吾輩は名無しである:05/01/12 11:35:36
>>181
ワロス
183吾輩は名無しである:05/01/12 13:24:16
184吾輩は名無しである:05/01/12 18:24:57
>>181
僕も春には晴れて小学生になりますが、「死霊」は理解できましたよ。
初読は3年前でした。
さて、カスタマーさんのレビューの感想ですが、
いまさら「異常にセンテンスが長い」ことを指摘されてもなあ・・・と思います。
しかも「『死霊』にはこの文章があってるのかもしれませんが」なんて逃げ道作っ
てるのが、小学生として潔くないと思います。
まあせっかくですからあとで1票入れときますね。
ああ、でもこんなレビューにレスしている僕って・・・。
185吾輩は名無しである:05/01/12 19:04:31
文庫版読んでないが、単行本(T〜V)と同じなの?
186吾輩は名無しである:05/01/19 18:56:54
おなじだ。
187吾輩は名無しである:05/01/21 05:24:53
準詩集というのは今手にはいる?
188吾輩は名無しである:05/01/26 14:04:11
非線形シグマ模型と2次元量子重力の合成!
189吾輩は名無しである:05/01/26 16:18:56
左様で
190吾輩は名無しである:05/01/26 23:27:48
いやあのさ、埴谷さんはきっとM理論の夢を見てるんじゃないかなと思って
あの妄想でTOE完成させて欲しいな。
191吾輩は名無しである:05/02/07 22:08:01
アンドロメダ忌っていつだっけ?
192吾輩は名無しである:05/02/08 10:51:57
2/19が命日なので、その前後。18日?
193吾輩は名無しである:05/02/18 22:28:26
アンドロメダ忌age
194吾輩は名無しである:05/02/19 08:51:46
忘れてた…
195吾輩は名無しである:05/02/23 15:03:39
昨日夢に埴谷が出てきた。何故か若くてカコイイ青年だった。
196吾輩は名無しである:05/02/26 19:20:08
若かりし時の埴谷はなかなかイケテルらしかったが。
197吾輩は名無しである:05/02/27 08:17:59
>>195
それは埴谷じゃなくて植木等
198吾輩は名無しである:05/03/12 00:10:40
世界の中心で、あっはと叫ぶ
199吾輩は名無しである:05/03/15 17:24:06
あっは、全集の口絵写真がゾルゲそっくりだ・・・
200吾輩は名無しである:05/03/17 00:03:00
200あっは
201吾輩は名無しである:05/03/17 23:04:10
>>199
図書館で確認したいので何巻の写真か教えてくれ。
202吾輩は名無しである:2005/03/22(火) 12:45:28
鶴見俊輔の『埴谷雄高』出ましたが誰か読みました?
気になっているんですが・・・。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062127768/249-4376481-3793914
203吾輩は名無しである:2005/03/23(水) 02:39:04
どこかでまだ生きてそうだな
204吾輩は名無しである:2005/03/24(木) 11:19:57
ブラッディソウル忌
205吾輩は名無しである:2005/03/27(日) 22:05:27
何気ないエッセイ風の短文が面白い。
全集でないと読めないのが多いけど。
206吾輩は名無しである:2005/04/03(日) 16:04:57
>>202
きょうの朝日に書評出てるね。
207吾輩は名無しである:2005/04/03(日) 16:13:10
>>203
こないだ歌舞伎町で見かけたよ
208吾輩は名無しである:2005/04/04(月) 20:41:49
>>202
昨日、図書館で予約したので来週読む。
209吾輩は名無しである:2005/04/04(月) 21:36:14
買えよ貧乏人
210吾輩は名無しである:2005/04/07(木) 15:40:35
死霊の内容はよくわからなかったけど安寿子さんがかわいかったです。
211吾輩は名無しである:2005/04/07(木) 18:42:00
ねんねに萌えた。
212吾輩は名無しである:2005/04/09(土) 13:14:27
夢魔に頬擦りされたい
213吾輩は名無しである:2005/04/16(土) 00:01:33
首は無能さを隠すのに必死
214吾輩は名無しである:2005/04/18(月) 02:10:59
で、虚体は「いる」んですか?
215吾輩は名無しである:2005/04/18(月) 11:49:34
浅草の浅草寺に行けば何時でも見られるよ
216吾輩は名無しである:2005/04/19(火) 23:28:48
虚体は「ある」や「ない」で語ってしまった時に、虚体でなくなる。
存在なき存在とかでは語れないのだよ。
217吾輩は名無しである:2005/04/21(木) 00:53:14
埴谷の世界をライトノベル化すると
宇宙刑事ギャバンの魔空空間みたいな未出現宇宙が出てきそう
218吾輩は名無しである:2005/04/22(金) 12:55:58
9
219吾輩は名無しである:2005/04/22(金) 13:28:52
>>213
あいつ必死だよなw
220吾輩は名無しである:2005/04/25(月) 14:27:38
>>217
愛、愛って何だ?躊躇わないことさ
221吾輩は名無しである:2005/04/26(火) 19:26:41
うぜー。面白いと思ってるんか。
222吾輩は名無しである:2005/04/26(火) 20:03:36
生前、埴谷は、死んだら誰かにとり憑いて「死霊」の続編を書かせると言って
いたが、誰かにとり憑いたのかな?と、書いてみました。
223吾輩は名無しである:2005/04/26(火) 21:00:09
>>221
あっは、もっと面白い返しをしなければ君も無能だよ!
224吾輩は名無しである:2005/04/27(水) 19:30:36
>>222
俺に取り憑いてくれと毎日寝る前にお祈りしてます。
225吾輩は名無しである:2005/04/29(金) 19:35:36
>>222
正直完結させる気なかったんじゃね?(・∀・)アキラメモード?
226吾輩は名無しである:2005/04/29(金) 20:05:15
>>224
取り憑いたら、是非この板で報告を。出来れば、この板で続編を。
>>225
色々な時期、色々な処で言っていたと思います。NHKの「死霊を語る」でも言っていた
ような記憶が。とりあえず、「文芸」昭和38年10月号に記載されていた「埴谷雄高
への32の質問」の一部をコピペしときます。

「死霊」完結の予定は?
「死ぬまでに。できねば『紅楼夢』のごとく誰かにのりうつって続けさせる予定。これ即ち
死霊の『死霊』
227吾輩は名無しである:2005/04/29(金) 22:18:35
作家としてインタビューではそう言わざるをえないでしょうけど、
つーか、暗に完結しないって言ってない?
228吾輩は名無しである:2005/04/30(土) 08:39:55
昨日まで俺に取り付いてたよ
キャバクラで遊んで離れていった
暑くなってきたから涼しい北の方へ行くと言ってた
229吾輩は名無しである:2005/04/30(土) 09:53:09
暗に、どころか1990年ごろには

─死霊の最後も、もうできてるんですか?
埴谷 いや、最後もできてるんだけれども、
できてるったって観念的にできているわけで、
実際上、最後になったらやはり書けないでしょうね

と額面通り投げてる
230吾輩は名無しである:2005/04/30(土) 11:27:28
精神のリレーってやつですね。でも「死霊」の続編を書ける資質を持った高橋和巳は
若死にしちゃったから。「紅楼夢」のようにはいかないだろうね。
ところで、自同律の不快を実感している人はいるのかな。
231吾輩は名無しである:2005/05/01(日) 03:41:53
呼んだ?
232吾輩は名無しである:2005/05/01(日) 16:27:39
>>231
君だったのか。バトンは渡したよ。分かっているね。
233吾輩は名無しである:2005/05/01(日) 16:41:46
>>231は夢魔
234吾輩は名無しである:2005/05/01(日) 17:34:18
自同律の不快か。
むしろ自同律を感じられないことの不安だな。
235吾輩は名無しである:2005/05/01(日) 19:46:14
名無し=自同律の不在
236吾輩は名無しである:2005/05/01(日) 22:38:01
ゴーストストーリー満載 http://wanwan4.s111.xrea.com/
237吾輩は名無しである:2005/05/02(月) 15:04:04

まさかと思うが・・・
文庫版には「九章 未定稿」は収録されていないのか?

あれと附記を読めば埴谷脳内では完結してる
もちろん投げ出したと思われても仕方無いが
238吾輩は名無しである:2005/05/02(月) 15:15:47
現在文庫版を読んでるんですが、九章はあります。
九章と、ほかにも未定稿があるんですかね?
239237:2005/05/02(月) 15:54:41
>238

講談社の全集に収録ってる
本人はソレで了する積もりだったが、
話の辻褄の合わない断片だったんで編集サイドが止めたそうだ

その後、白川の薦めで「断章」を連載したけどね
240吾輩は名無しである:2005/05/02(月) 17:19:55
>>237
でも与志の独白が読みたかったよ
241吾輩は名無しである:2005/05/02(月) 22:01:59
断章1〜5、また、九章未定稿は講談社全集が初めて載せたはず。その後、どこかに掲載されたのかな? されてないと思う。
三巻の副題は「死霊」で、死霊すべてと九章未定稿が。全集十一巻に断章が載ってます。

全19巻で新品だと一冊一万円と安くは無いが、著作は全部載ってるので好きな人には面白いよ。研究者は必須。
242吾輩は名無しである:2005/05/06(金) 16:15:56
>240
漏れ的には首猛夫の「告白」の方が興味有った

>241
3巻(死靈全一巻)は新刊で手に入れないと意味が無いなぁ
分かる人には分かるだろうけど
243吾輩は名無しである:2005/05/07(土) 01:27:26
>分かる人には分かるだろうけど

そんなじらさんでいいから教えてください。
244吾輩は名無しである:2005/05/12(木) 13:06:43
誤植が多いって聞いたけど、増刷時に訂正されたりしてるのかな。
245吾輩は名無しである:2005/05/19(木) 18:03:42
「不合理故に我信ず」、これに尽きる。
と書いて、ageとく。
246吾輩は名無しである:2005/05/23(月) 17:05:05
オラオラ!天才文学者芥川龍之介様が2getだ!

         /  ̄`'  ̄  ̄`\
        /,     "     ゛、\
       彡 "  ヾ,           i
      /, 〃i""" "''''''''''''''!、ヾ  !
       'ノj ! !l         ) リ, |
        "rリ| ´\   /`(   !
          ゝ| -y=` イ =y- |ゝリ
          1     .|     !'
          丶.  ー‐  /
         , 一,ヘ´ー='=‐`/ー,、
        /'\/ `、____,/| / `i、
      / |   \     /   | \
Akutagawa is genius!!Akutagawa is everything!!Akutagawa is garbage river!!

>>3島由紀夫   革命に誰もついてこない糞ウヨク乙wwwww
樋口一>>4う   貧乏女アワレwwwww
>>5藤明生    まともな小説なのに誰にも読んでもらえないなwwwwアワレwww(プ
>>6者小路実篤 ガキに人生論語って楽しいか?
>>7つ目漱石   いい年こいてフリーター肯定してんじゃねえよwwww(プゲラッチョ
>>8谷雄高    いつまでたっても終らねぇじゃねーか。結末書けないんだろこの池沼(プクスハゲワラ
>>9池寛    お前の作った賞、話題づくりのために利用されてるぞwwww
>>10-1000はベロナールとジャールを持って俺ンとこまで来いwww
247吾輩は名無しである:2005/05/29(日) 02:55:47
『死霊』読み始めたばかりなんだけど、
三輪与志の与志って、どう読むの?
248吾輩は名無しである:2005/05/29(日) 03:19:54
おれは よし って読んでた。
249吾輩は名無しである:2005/05/29(日) 04:25:21
>>247
与志と書いてアリョーシャと読む
250吾輩は名無しである:2005/05/29(日) 05:14:55
「よ」し、ではなく、「ご」し、であーる!
あれ、横棒が一本余計?
251吾輩は名無しである:2005/05/30(月) 13:46:36
ふりがな振ってあったような
252吾輩は名無しである:2005/06/02(木) 17:41:06

九章で首猛夫が津田家に持ち込むオブジェは何なのかな?
黒川が背負って運び込むあたり
キリストのゴルゴダの丘への行進を連想させる
253吾輩は名無しである:2005/06/07(火) 20:29:10
中沢新一との対談で、中沢は埴谷の思想をグノーシス的だと言っていたけど
「過誤の宇宙史」っていう言い方なんかは、そんな感じがしなくもない。ただ
埴谷はグノーシスの事は知らなかったみたいで、中沢の解説を、新鮮な驚きで
聞いていた感じ。埴谷はデモノロギーには造詣が深かったんだけどね。
254247:2005/06/10(金) 18:39:21
誰か教えてくれ〜
三輪與志ってどう読むの?
255吾輩は名無しである:2005/06/10(金) 18:46:37
>254

よしよし、泣くんじゃないよ
しょうがないけど、優しい人が教えてくれるし
だまって待つんだ
よい子よ
256吾輩は名無しである:2005/06/13(月) 05:09:25
>>254
さんりんこうし が正解です
257吾輩は名無しである:2005/06/13(月) 07:21:15
門外漢の立場で煽らせていただきます。

>分かる人には分かるだろうけど

埴谷読者のこういう姿勢って本当にダサいというか嫌いなんだよね俺。
こういう閉じられた傾向は埴谷の読者というより埴谷自身に元々あったのかもしれないけど、
閉じられた貧しさにすぎないものを特権的な豊かさと勘違いしてしまっているその田吾作ぶりは見るに見かねる。
最悪の意味でオタク的マスターベーションというか。
いや、内輪的でオタク的なコミュニケーションのナルシスティックな快楽は勿論理解できるんだけどさ、
上に引用したようなアホ埴谷読者の言葉を読むと、いくらなんでもあまりにもアイロニーが欠如しているというか、
それが単なる内輪的オタク的コミュニケーションに過ぎないことに露ほども思い至りもしないどころか、
なんというか自分達が何か他の者には近づくことも出来ないような貴重な物を所有しているかのように
振る舞ってしまっている滑稽さに無自覚な無防備さには、
やはり埴谷読者は頭が悪くて美的感覚にも欠けた文学気取りの田舎っぺだとしか思えない。
「分かる人には分かるでしょ?」ってな感じで「ぷふぃ」とか書き込むの真剣にやめてほしい。
258吾輩は名無しである:2005/06/13(月) 07:52:15
粘着質ですね。
259吾輩は名無しである:2005/06/13(月) 08:48:16
242ではないがマジレス。
全集の3巻にはたしか引換券みたいのがくっついてて
それを講談社に送るとハニヤ自身による朗読の録音CDが
貰えるとかなんかそんなおまけがあったはず。
中古で手に入れてもつまらないってのは恐らくその事言ってるだけかと
260吾輩は名無しである:2005/06/13(月) 09:58:46
あー俺それ持ってるけど聴かないままだった。
今度聴いてみようっと。
261243:2005/06/13(月) 23:15:10
>>259
なるほど! 一月経ってやっと疑問が解けた。ありがとう。

こんなことも包み隠して悦に入ってるのは>>257の言う通り嫌だと思います。
っつーか隠すことでもないじゃん! なんで回りくどい言い方するのかな。
262吾輩は名無しである:2005/06/14(火) 09:43:50
>>257
( ´,_ゝ`)ぷふい
263242(アホ埴谷読者):2005/06/14(火) 14:42:56

全集紹介のリーフレットも良い出来だったなぁ
表紙のコピーには魂が震えたぜ
264吾輩は名無しである:2005/06/14(火) 22:41:30
↑アホが開き直る一番見苦しい場面
265吾輩は名無しである:2005/06/15(水) 10:12:14
こんばんわ埴谷雄高です。

何かある?
266吾輩は名無しである:2005/06/15(水) 12:18:33
ないなら帰ります。

さいなら。
267吾輩は名無しである:2005/06/16(木) 08:43:34
512 名前: 吾輩は名無しである 投稿日: 02/06/09 01:03

美香は眼鏡ブス。でうんこは大盛り。いつも便器からはみ出そうになって
必死で流す。たまにつまる。音も凄い。ブリブリという音が四方に響き渡り
ガス爆発と間違われ通報されることもしばしば。こんな美香だけど誰か
お嫁に貰ってあげてね。処女だよ。

514 名前: おなら 投稿日: 02/06/09 01:06

よっしゃ。
久しぶりにいじめがいのあるやつが出てきたな>美香
おまえブスだろ。メガネかけて、髪ぼさぼさだろ。
男にもてたい一心で心理学とか勉強したんじゃないのか?
でもいい男はみんな他の女に。おまえまだ処女だろ。わかるよ。

533 名前: 美香 ◆5qBZxQnw 投稿日: 02/06/09 01:32

いや、すごい勢いで叩かれたから、ちょっと呆然としていた。
ひとりぐらい味方がいると思ってたけど甘かったよ。
駆動さんの気持ちがわかったよ。
わたしも叩いたけど、あんたらと一人で渡り合ってた彼すごいよ。

たしかに処女だけど、それってバカにされるようなことか。
マスコミに洗脳されてないか、あんたら。
わたしの友達にもたくさんいるけどな。
それにもてないなんて字面見ただけでわかるのかよ。
男とつきあったことはあるけど、そう簡単にはやらないよ、ふつう。
てゆうかなんでこんな処女、処女ってレスばかりくるんだ。
あんたら童貞なのー?
268吾輩は名無しである:2005/06/21(火) 21:15:25
>>257
言わんとしている事は分かるんだけど、柄谷行人の良く使う言葉や思考癖が
そのまま出ていて、多少、ひく。あとね、一言、言わせてもらえば、一般的
埴谷読者を想定するのは、いくらなんでも、どうかと思うけど。
269吾輩は名無しである:2005/06/22(水) 05:33:33
>>268
柄谷の良く使う言葉や思考的というのは具体的には?
柄谷はたしかに内輪的な物に対して批判的ですね(「外部」「交通」という言葉を使いますね)。
しかし、257は内輪的なことそれ自体ではなく「たかだか内輪のオタクゲームでしかない
ことにも気付けないどころか勘違いして悦に入ってしまう純朴で単純な人はものすごく
恥ずかしい」ということです。
「オタクゲームにすぎないことは当然わかっているよ」と言いながらオタクゲームに
没頭するようなアイロニカルな姿勢に対して柄谷は批判的でしょう。
更にいうと内輪批判は別に柄谷の専売特許ではなくて、
誰もがとりあえずは口にするようなことではないでしょうか。
昔々富岡多恵子と高橋源一郎の「内輪」を巡っての論争でも、
内輪的なものはどちらからも否定的に語られていました。
270吾輩は名無しである:2005/06/22(水) 05:54:36
もうひとつ。
なんでもかんでも「一般的な○○像」に押し込めてしまうことはたしかに良くない。
しかし現実には、それぞれ個性的で独立した人間であるはずの人も、
実際のところ「一般的○○像」どおりに「世の中に大勢いる○○」のイメージどおりの
振る舞いをしてしまうことは、このスレの埴谷読者の書き込みを読んでも良く分かるし、
また、アホ埴谷読者代表>>263さんの「反論できなくて開き直る見苦しいアホ2ちゃんねらー」
的な紋切り型の反応、「10000万人ぐらいいるその他大勢と同じような負け惜しみレス
脊椎反射で返しちゃう愚民のくせして何が自動律の不快だよプッ」と思わず声を掛けて
あげたくなるような知性のかけらもない型通りな振る舞いを見てもそのことは良くわかると思います。
むしろ、断片的な言葉や振る舞いから「あ〜コイツってあの手の奴なのね」と暴力的に
一般的○○像を抽出できてしまうことは「人を見る目がある」といえるのではと思います。

とにかく268さんが私の文章に多少不快さを感じたことはわかりました。
でも私にはこのような文しか書けないのです。本当にすみません。
あと埴谷読者にはやはり馬鹿や田吾作や田舎っぺ、センスがない人が多いと思います。
271吾輩は名無しである:2005/06/22(水) 08:34:32
>>269
>「オタクゲームにすぎないことは当然わかっているよ」と言いながらオタクゲームに
>没頭するようなアイロニカルな姿勢

アキバとか行ってギャルゲー買ってるのは普通だからイマイチだけど、
近所のゲーム屋や本屋でギャルゲーとか2次元エロ雑誌買うのってたまんないよね。
だって店員の女の子がキモッ!!って思ってくれてるんだよ。
うぉぉぅ、ゲームを楽しむのではなく。それが快感で買っているんだよ。

そんな俺は柄谷に批判される。埴谷読者だなぁ。
ぴったり当てはまってるYO!

でもさ>>257さん「ぷふい」って最高のセンスだと思わない?
初めて読んだとき爆笑しまくったよ。死靈は陰鬱な自虐的ギャグ小説。
272吾輩は名無しである:2005/06/22(水) 09:07:47
>>271

前半3分の2は良く意味が取ることが出来ませんでした。
埴谷読者はアイロニーが足りないと私は書いています。

最後の文ですが、「虚体」や「精神の左翼」のような言葉を素朴に信仰してしまう
埴谷読者もだめですが、「難解で知られる形而上的小説をギャグとして読む」と
いう姿勢をあらかじめ決めてしまい、その「ギャグ小説としての死霊」という
枠組の中で作品に接してしまうならそれもそれで退屈なことです。
「ギャグとして」「(皆が難しい顔して読むような本を)笑いながら読む」
というのはなんかありがちだからつまらない。
271さんが単純に純粋に何も考えずに死霊を爆笑して読めたならそれはとても
素晴らしいことですがでもちょっと無理してそうな気がする。
273吾輩は名無しである:2005/06/22(水) 17:55:59
>>272
うーん。なんか272さん真面目ね。前半部分は気にしないで

>「難解で知られる形而上的小説をギャグとして読む」姿勢を予め決めるのは退屈。
別に予め決めたわけじゃないです。そういう風に読めとも強制してるわけじゃないよ。
ただの俺の感想。

>「ギャグとして」云々…ありがちでつまらない。
別に特異な読み方を目指しているわけじゃなく、凡庸だけど楽しめればそれで俺はいいんだよ。
それはオナニーだと言われれば、それまでだけど、評論家でもないし、本を読む目的は自分が楽しむことだからオナニーでいいや。

なんか272さんは本を読むことを随分高いところに持っていってる希ガス
退屈ではない特異な読み方で、尚且つそれはオタク的オナニーじゃなくて開かれた読みじゃなきゃダメなの?
本を読むってそんな高尚なことなの?

俺には退屈ではない読み方が「閉じられた貧しさにすぎないもの」に感じられる。

でも272さんが新しい読み方を目指す行為が楽しいのであれば、それは272さんの楽しみ方ですよね。

久しぶりに長文書いた。意味不明な点が多々あると思われ・・・orz
274吾輩は名無しである:2005/06/23(木) 10:59:52
埴谷を読むやつは本人同様にDQNだってことだろ?違うのかい?反論があるのならしてみろよ。埴谷ヲタどもよぉえぇ!!何が虚ろな体だよ。
275吾輩は名無しである:2005/06/23(木) 11:12:37
まさか"虚体は虚2次体です"とかぬかすんじゃねぇだろぅなぁ?えぇ!!お前らインテリぶりたいDQN違うんか?えぇ!!
それともあれか?えぇ!!死霊、非在はデリダ的な亡霊論(憑在論)だとでもいうのかい?えぇ!!憑在論的形而上学小説としてデリダを先取りしてたってえぇ!?
埴谷っての本人の思想自体が虚体なんだよ、つまり中身なんてないんだよ。"あぁでもないこうでもない、うんでもそれは違うんだ。"っていちゃもんばっかつけやがって結局出口の塞がれた思想なんだよ。そんなもんに中身なんてない。
否定神学しすぎて、何もなくなったのが埴谷。括弧入れしすぎて、括弧に入れるものがなくなったのが埴谷。違うのかい?えぇ!!
276吾輩は名無しである:2005/06/23(木) 12:03:44
埴谷は憑在論なんか考えてないね。存在論に住み付くことこそが憑在論の特有の能力なのに、埴谷はそれを新たな存在論に押し上げようとした。それではマルクスと同じだ。えぇ!!
存在論という制度にとりつき抵抗することこそが亡霊の役目のはずなのに、それを存在論=形而上学に押し上げては失敗するのは当然だ。つまり発想自体は悪くはないが目的を間違った。
そして手段と目的が転倒しているのがさらに論理を破綻されている。その段階で埴谷の思想は破綻し崩壊し、こなごなに粉砕され、低金利なのに預金している我々と同じように卑しく貧しい思想しか持たない。
そんなものを何かの奥義書か何かと勘違いし、ありがたがってるのは異常な姿だ。違うのかい?えぇ!!
誰にも見られたくない、誰にも知られたくないと思っているんだろう?えぇ!!この大切な奥義書。誰かの手に渡したくないってさぁ!!だから引きこもり的だって言われるんだよ。えぇ!!
あんなものはルソーの"告白"と同じくらいのオナニーと欺瞞に満ちた弁明の書に過ぎない。何もできない私が色々考えてみました。
こんなに沢山考えた私のこと認めてね。ってそういう自己顕示欲は外に向けられるはずだが、うちに向けられた自己顕示欲程異常なものはない。
何に何が認められるのか?そんなのおかしいだろ?えぇ!!違うのかい??ハイデガーの到達点であり、ドストエフスキーの出発点を新たな次元でデリダ的に思考しようとしたことは認めてやるよ。
だけどなぁ何度も言うが、存在論に憑依するはずのものが、存在論になっちゃ意味ないんだよ。えぇ!!そして目的と手段が転倒し、破綻しすぎているんだよ。さすが異常性癖の死姦王だよなぁ。えぇ!!
277吾輩は名無しである:2005/06/23(木) 12:13:39
日大中退の学歴コンプ!!文句があるんなぁらかかってこいやぁ。えぇ!!
278吾輩は名無しである:2005/06/23(木) 12:21:30
フハハハハハ!!!
                              ギャリック砲!!!!!!!!
決まったな。埴谷氏死亡。もう死んでたか
279242(アホ埴谷読者):2005/06/23(木) 15:04:47

う〜ん、難しい言い回しは判らんが
「トリビア的ネタ振り」は不評か・・・

アホでも愚民でもいいがマトモなコトをカキコしても
今ひとつ新鮮なレスは返って来ないからね
280吾輩は名無しである:2005/06/23(木) 21:52:53
>>273
たしかに意味不明だし273さんあんまり頭よくないね。
281吾輩は名無しである:2005/06/23(木) 22:00:14
どういういきさつがあったか知らないけど、埴谷と埴谷読者に対する怨念に満ちた
文章が羅列されて、無残な印象しか残らない。別に何を書いてもいいんだろうけど
脈絡のない粗雑な罵倒語は、単に精神の貧しさしを感じさせるだけ。その罵倒語が
そのままその書き手を指し示しているように見える処は、期せずしてひとつのアイ
ロニーにはなっている。でも、ユーモアの欠片もないので、なーんか、陰惨。
282吾輩は名無しである:2005/06/23(木) 22:12:13
>>242
あんた本当にみっともないよ……。
283吾輩は名無しである:2005/06/23(木) 23:07:41
>>281
頑迷な老人のような文章だな。242=アホ埴谷読者から始まる「いきさつ」はスレ読みゃわかるでしょ。
アンチ(?)はアホな読者を馬鹿にはしてるが「怨念」なんて感じられないけどなあ。
「脈絡のない粗雑な罵倒」はアンタのその書き込み。だから埴谷読者は馬鹿だと言われてるんだよ。
で、「その罵倒がそのまま書き手を指し示している」というのは、例えばどの部分?
オタクに絡めた罵倒もデリダや存在論に絡めた揶諭もそれぞれ埴谷批判として妥当な見方をしめしている。
マトモな埴谷読者の応答に値する意見ではあるしスレ活性化にもつながる議論になりうると思うけど。
284吾輩は名無しである:2005/06/23(木) 23:44:56
>>279
あんたのいうその「マトモな事」カキコしてみてよw
285吾輩は名無しである:2005/06/24(金) 13:19:14
>>280
お前は>>273より頭が悪いな。>>242ほどではないが
286吾輩は名無しである:2005/06/24(金) 17:11:53
くそすれすぎ
287吾輩は名無しである:2005/06/24(金) 22:22:51
>>283
何か、寒気がするような文章で、余り対応したくないけど、とりあず一言、二言。
いきさつとは、あなたの心の中のいきさつの事。>>242の言葉に反応したあなたの
心の経緯。それから、無意味にデリダなどという、名前を出すのは、単に、みっと
もないだけ。>>283があの常軌を逸した文章を書いた当人だと想定した上での事だ
けど。違ったら、ごめんね。
288吾輩は名無しである:2005/06/24(金) 23:47:38
ヲタもヲタならアンチもアンチだな。 やじうまより
289吾輩は名無しである:2005/06/25(土) 16:16:40
>>287
知性の衰えた老人がキャンキャン黄色い声あげて遠吠えしてるようなみっともない文章。242以下のアホアホ老人だな。
「その罵倒がそのまま書き手を指し示している」とはどの部分を指しているのか聞いてるんだが答えられないのか?
答えられないから「怨念」「寒気がする」「無意味」「常軌を逸した文章」などなど根拠もないのにレッテル羅列かい。
具体的にどこがどう「寒気がする」か示すこともできないくせに。
「常軌を逸した文章」って>>257のこと?なんだそりゃ。どこが常軌を逸してんの?自分の気に入らないこと
が書いてあったらなんでもかんでも「常軌を逸した文章」かいな。
>>257の文は批判の対象(この場合はアホな埴谷読者ね。君や242のような)のどこがどう批判されるべきかちゃんと示している。
君の駄文と違って。
そして>>275-276は無意味にデリダの名前を出しているのではなく存在論と絡めたごく真っ当な批判だね。
根拠はないけどムカつくから、「寒気がする」「怨念が〜」じゃあ頭の足りない女子高生の「うざい〜」
「きもい〜」と一緒だよな。
内容について具体的に何も言えないから「きっと埴谷に対して何か心の中のいきさつとか怨念があるんだろうイッヒッヒ!」か。
さもしい奴だな。一回死んだら?
290吾輩は名無しである:2005/06/25(土) 16:40:13
ちょwwwwおまwww
291吾輩は名無しである:2005/06/25(土) 16:48:35
>>290
なんですか?
292吾輩は名無しである:2005/06/25(土) 17:42:01
なんですかじゃねえよwwww
293吾輩は名無しである:2005/06/25(土) 18:36:02
埴谷が既存の存在論を超えようとしたのは明らか。
デリダと関係付けたのはよくわからんが、検索するとなにやらそれらしいことは書かれている罠。
294242(アホ埴谷読者):2005/06/25(土) 18:41:00
>275
>結局出口の塞がれた思想なんだよ。そんなもんに中身なんてない。

書けば書くほど自分の足元が巣食われて逝くってコトか?
だから大雄は崩れるし、釈迦は沈黙するんだね

アホにも判りやすい御教示ありがd
295吾輩は名無しである:2005/06/25(土) 19:09:24
確かに書けば書くほど雁字搦めになっているのはよくわかる。
296吾輩は名無しである:2005/06/25(土) 21:41:12
>>292

で?それだけ?なんにも言えないの?言えなくなっちゃったのかな?自分が情けなくならない?

>>293

だから>>275-276は埴谷が結局存在論を超えられず閉じられた形而上学になってしまっていると書いてるんだが。
デリダを知らないし理解できないし検索までしても分からなかったなら素直にそう言えば良い。


で因業アホ老人287は黙っちゃったってことでいいのかな?
297吾輩は名無しである:2005/06/25(土) 21:45:16
>>295誰が?
298吾輩は名無しである:2005/06/25(土) 22:05:50
>>297
埴谷とヲタとアンチ。
299吾輩は名無しである:2005/06/25(土) 22:21:07
>>298
なんだ。具体的なこと言えない人の得意技レッテル貼りか。
何も言えない人がそんなこと口にしても何の説得力もないよ。
「書けば書くほど」って、何か書かなきゃ始まらないのです。
書けない人がんなことのたまっても遠吠えだわね。あは(笑
300吾輩は名無しである:2005/06/25(土) 22:28:07
( ´_ゝ`)フーンそれで反論したつもりなの?
あなたの書いていることも私と同じで全然内容がないね。
あなただけじゃなくて、埴谷スレは死霊や埴谷に関する雑談はでるけど、作品そのものについては具体的なことは何も語れないヲタが偉そうだね。プププ
301吾輩は名無しである:2005/06/25(土) 23:06:16
>>296
まだ言葉の使い方も知らない坊やを相手にするのは、歳のせいか、中々しんどい。
君が、何を勝ち誇っているのか、その心も含めてさっぱり、分からないけど、一応、
これを最後に、君の問いかけらしきものに、応えましょう。どうも、君は読解の能力が
不足しているのか、あえてそうしたのか知らないが、私が書いた「罵倒語」を「罵倒」
と勝手にすり換えている。「罵倒語」とは、きみがよく使う「アホ」とか「DQN」とか
その手の知性を欠いた言葉。まあ、天に唾するようなもので、結局、自分自身を直撃する。
まあ、自分も含めて、文章とは、えてしてそうなるものだけれど、君のは、あからさまで、
「それは、あなた自身のことでしょ」って事になる。それから、「寒気がする」という
のは、他人を装って、自分の書き込みを擁護する、そのさもしさを言った事で、「さもしさ」
とはそういう時につかうんだよ。あと、デリダの事だけど、ハイデガーも含めて西洋の哲学者は
「存在論」の根源がb動詞にあるのだから、日本語を母国語とする私達にはなかなか理解できる
ものではない。まあ、君が彼ら西洋人の「存在」とやらに精通しているのなら、掲示板に書き
込みしないで一人静かに「存在論」を書き、出版しなさい。それと、常軌を逸した文章は、274
から278までの書き込みで、あの文体を一瞥すれば、とても、正気の人間が書いたものとは思え
ない。勿論、あれは、あなた書いたものでしょ。それとね、形容詞の多用は、君の言うように、
女子高生の「うざい」と同じで、余りよろしくない。でも、よく読んでごらん。君の文章もそう
なっているから。とりあえず、これでお終いかな。そうそう、257の文章、あれは、少しは納得
して読んだよ。それじゃ、因業アホ老人はくたびれてきたので、これで、おいとましますよ。後は、
お好きなように、お書きなさい。


302吾輩は名無しである:2005/06/26(日) 01:59:30
>>301
歳のせいではなくて単にあんたが馬鹿だからだよな。見苦しいレスしか返せないのは。
別に勝ち誇ってるつもりはないがそう見えてしまうのはあんたの内心に染み付いたさもしい負け犬根性ゆえだろうね。

>どうも、君は読解の能力が不足しているのか、あえてそうしたのか知らないが、私が書いた「罵倒語」を「罵倒」と勝手にすり換えている。

「罵倒」は「罵倒語」によってされるものだと思うが「罵倒語」を「罵倒」とすることは「すりかえ」なのかな。それって何がどう問題になるのかな。
突っ込むところが何もなくて無理やり問題にしているとしか思えないな。「根拠もないのに」と書かれた悔しさで。
無理やり「根拠」作ろうとして。まいいけどね。「罵倒語」でも「罵倒」でも。
>>281その他が「脈絡のない粗雑な罵倒『語』」の羅列にすぎないのは変わりないもんな。
「怨念」「無残な印象」「脈絡のない」「粗雑な」「罵倒語」「精神の貧しさ」「ユーモアの欠片もない」「なーんか、陰惨。」
とまあ、具体的にどの部分がどう「無残」で「粗雑」なのかまったく言及できずに汚い言葉を連ねるだけ。
こちらの書き込みに穏やかではない表現があることはもちろん認めるが、具体的にアホな点を指摘をした上で罵倒している。
指摘もできずに「罵倒語」を連ねるしかない因業アホ老人の並べ立てる繰り言は、それこそ、「脈絡」も「ユーモアの欠片もない」、
「怨念」のこもった単なる「粗雑」な「罵倒語」であり、「精神の貧しさ」しか感じさせない「無残な印象」で「なーんか、陰惨。」
だとしかいいようがない。

>まあ、天に唾するようなもので、結局、自分自身を直撃する。
>まあ、自分も含めて、文章とは、えてしてそうなるものだけれど、君のは、あからさまで、
>「それは、あなた自身のことでしょ」って事になる。

だから一般論じゃなくて、こちらの書いた罵倒がどう自身に当てはまって「直撃(笑)」しているのか具体的に示せないのかなあ。
なんだかなあ。この老人は。
303吾輩は名無しである:2005/06/26(日) 01:59:52
>>301

それから>>274-278は俺じゃないよ。「常軌を逸した文章」を書いたら正気の人間じゃない、
というのはこれまた素朴というかなんというか……。日本語に訳せないようなデリダの超難解な著作なんかどうなっちゃうんだろうね一体(笑)。
ちなみに274-278に賛同を示したのは、あの文は一見アホみたいに見えるが現代思想を理解している人間による妥当な指摘を含むから。

>あと、デリダの事だけど、ハイデガーも含めて西洋の哲学者は 「存在論」の根源がb動詞にあるのだから、
>日本語を母国語とする私達にはなかなか理解できる ものではない

また一般論かい。なかなか理解できるものではない。だから何?
理解できなさそうだから「障らぬ神にたたりなし」で放っておきましょう、ってか?土人かねアンタは。
デリダの展開した思想を完璧に把握してはいなくても「脱構築」について理解することも語ることもできる。
だいたいハイデガー以降の西洋哲学をを隈なく理解しているわけではないだろうアンタ自身、
「「存在論」の根源がb動詞にあるのだから」と語っちゃってるじゃないかハイデガー以降の西洋哲学について。
アホかね。

>形容詞の多用は、君の言うように、女子高生の「うざい」と同じで、余りよろしくない。

「形容詞の多用は女子高生の「うざい」と一緒」!!!??
形容詞が多用されている19世紀の小説は女子高生と一緒だったのか。笑っちゃうな。ここまでヘタレた売り言葉には。
相手の言葉に対して筋道立てて論理的に応答することもできずに「無残」「陰惨」ととにかく「罵倒語」並べりゃ
なんか言ったことになると思ってる幼稚さが「女子高生と一緒」だと言われてるんだよ。
そのぐらい気づけよいい年なんだからまったく。ボケ。一回死んでこい、お前は。
304吾輩は名無しである:2005/06/26(日) 07:17:42
お前らwww
誰が誰なんだwwww
305吾輩は名無しである:2005/06/26(日) 10:56:16
このスレテラワロスwwww
306吾輩は名無しである:2005/06/26(日) 10:59:08
>>301
埴谷自身が存在論を構築しようとしているじゃん。
もしそれが真っ当批判なら埴谷自身に真っ先に向けられるべきだね。
307吾輩は名無しである:2005/06/26(日) 15:00:21
荒れてんなあwwwwwwwwwwwwwwww
308吾輩は名無しである:2005/06/26(日) 16:36:28
対立や罵倒位あってもいいんじゃない?埴谷スレなんだし
ただ301の因業アホ老人が何ひとつ具体的に指摘できずにブツブツ
意味不明な恨み節つぶやいてるだけなのが見苦しいって話で
309吾輩は名無しである:2005/06/26(日) 18:31:46
これだけ作品そのものについて語られない情けないスレも珍しいw
310吾輩は名無しである:2005/06/26(日) 18:41:44
309じゃあ貴様が語れや
311吾輩は名無しである:2005/06/26(日) 18:57:34
俺はただの野次馬だよw荒れてるの見て楽しんでるだけだw
312吾輩は名無しである:2005/06/26(日) 21:15:10
死霊を読んで良かったことは、
これから読もうとしている人に
「時間の無駄だからよせ」
とはっきりアドバイスできること。
313吾輩は名無しである:2005/06/26(日) 21:25:42
死靈に何がかかれているかというと虚体についてです。
矢場徹吾が言うには実体の反意語ではない虚体です。
観念から肉体へ移る無限大の苦痛を耐え抜くための虚体。
原初の時から人間は何一つ進歩してない。というよりも既に完了形なのです。
最初から完了されているものの中心から一歩=無限に離れた思考なのです。
あまりにも観念的と言われるでしょうが、
埴谷自身も「観念小説をでっちあげる」と言っているので観念ウゼーで片付けたい人は片付けちゃってください。

何もかも否定する。全否定すら否定する。そしてその否定も否定される。
といったような感じでエンドレスに続くのが死霊。
観念の旅行者埴谷雄高。
帰還なき大叙事詩を生み出すためには彼自身も生きて帰れない奥地に踏み込む必要があった。
彼は無限の速さで遠のく『虚体』を先回りすることなく掴もうとした。
その物語的自叙伝が死霊。
314吾輩は名無しである:2005/06/26(日) 23:40:57
なんかわかんないけど煽りあいがこのスレのブームみたいですね

>>313
読んでも何も分からなかったくせに、
知った風なこと喋って得意になるなカス

死霊に何が書かれてるのか本当に分かってるんなら、
小説についての概説なんてクソの役にもたたないことしなくていいから
7章で「ゼロ×無限大」の奴が「俺自身との対話装置による自殺者」の
何を評価し何を批判しているのかでも解説してくれねえか
315吾輩は名無しである:2005/06/26(日) 23:50:21
因業ボケ老人は逃げたか?
316吾輩は名無しである:2005/06/27(月) 00:06:39
よくわかんないけど、煽りあいが流行してるみたいなので

>>314
お前こそ何も分かって無いから、俺に解説して欲しいだけだろ?
少しは自分で考えてみたらどうだ?
317吾輩は名無しである:2005/06/27(月) 00:18:21
そうなんです!何もわかってないから解説して欲しいんです!
だから解説してください!



お前にできるならな(w
318吾輩は名無しである:2005/06/27(月) 00:25:29
>>316
>少しは自分で考えてみたらどうだ?

しったかぶったあげく質問に
答えらくなった奴が発する常套句だなwwwwww

っていうか煽るの飽きた。見てる分には面白いが
実際やってみるとつまんねーもんだ
>>315は良くも飽きずに粘着してんな。お前滑稽だよ
319吾輩は名無しである:2005/06/27(月) 05:48:23
プ318お前がなwwwww
320吾輩は名無しである:2005/06/27(月) 20:48:30
>>314
矢場の語りの中に出てくるやつだっけ?
もういっかい読みたくなってきたな
321吾輩は名無しである:2005/06/28(火) 12:23:10
本当にもう荒らしは出ていってくれ。ヲタ同士のコミュニティなんだから、内輪のオナニーでいいだろ。
確かに漏れは死霊は理解してないよ。だけどふいんき(←何故か変換できない)か好きでそれを楽しんでる。
お前たちに関係ないだろ。嫌いなら嫌いでいいけど、荒らすのやめてくれ。
322吾輩は名無しである:2005/06/28(火) 12:38:41
といいながらあげる321w
323吾輩は名無しである:2005/06/28(火) 14:21:35
間違えてあげてしまったんだよ。いちいち揚げ足とるなよ。
324吾輩は名無しである:2005/06/28(火) 23:05:00
321は困っているように見せかけた煽り
325吾輩は名無しである:2005/06/29(水) 08:21:41
もし煽りなら、煽るのが非常に下手だな。
326242(アホ埴谷読者):2005/07/02(土) 18:49:29
┃∀・)ニヤニヤ
327吾輩は名無しである:2005/07/03(日) 23:40:32
>>326は開き直ってニヤニヤと虚勢はるしかできない最低人間ですか?
328吾輩は名無しである:2005/07/04(月) 00:39:11
埴谷ヲタだが、242は嫌い。
329吾輩は名無しである:2005/07/05(火) 11:03:00
流れに割って入ってスマンですけど。
ちょと。

えーと
『独白「死霊」の世界』のビデオを閲覧できる図書館教えてくれませんか?

地元の図書館にはなし、ヤフオクだと全身小説家しかヒットしないし、
再放送しないし、そもそもビデオ絶版だし、\26kだしたけーし・・
ということで見るに見れんです。

場所がよければ遠征しようかな、と思っとりまして。

確か坂本龍一の「LIFE」というオペラで
埴谷雄高の映像使われてましたけど、アレってこの番組ですよね?

人と喋っててこの訳分からなさを貫くんか、とw
感銘を受けた記憶があります。まさに独白だなっと。
330吾輩は名無しである:2005/07/06(水) 02:13:37
場所がよければ遠征って2万いくら出せないやつが
遠征できんのか?

・北九州市立大学付属図書館
・城西国際大学水田記念図書館

しかも絶版じゃないし
http://www.nhk-ep.com/view/270.html
331242(アホ埴谷読者):2005/07/07(木) 14:57:46
>327
漏れは いとうせいこう みたいなコトは出来ませんが、何か?
332吾輩は名無しである:2005/07/07(木) 23:04:18
>>331は哀れすぎ
333吾輩は名無しである:2005/07/07(木) 23:07:32
242と名無しが切れ味の悪い煽りあいを続けるスレですか?
334吾輩は名無しである:2005/07/07(木) 23:28:12
まだ埴谷嫌いのほうがよかった・・・
335吾輩は名無しである:2005/07/07(木) 23:43:50
過疎板の過疎埴谷スレでも最低の存在としてひそかに注目を集める242
336吾輩は名無しである:2005/07/08(金) 06:06:03
まあこのレベルの低いこと・・・
337吾輩は名無しである:2005/07/08(金) 06:49:57
242萠え
338吾輩は名無しである:2005/07/13(水) 10:26:51
羽に屋さんと話してみたかった
339吾輩は名無しである:2005/07/14(木) 00:19:17
埴谷スレは平穏を取り戻した。
340吾輩は名無しである:2005/07/25(月) 11:20:53
そして誰もいなくなった。
341吾輩は名無しである:2005/07/31(日) 11:30:01
全集斜め読みしてるけどワロスな文章多くてとぼけた爺さんだったんだなとおもふ。
342吾輩は名無しである:2005/08/01(月) 17:18:15
奥さんに3回くらい中絶させてたって話しを聞いたけど、ほんと?
343吾輩は名無しである:2005/08/01(月) 17:19:19
有名な話
344242(アホ埴谷読者):2005/08/09(火) 18:39:35
さてと、

「九章未定稿」に「最大幸福」「最大不幸者」といった言葉が
唐突に出てきたのがずっと引っ掛かって居たんだが、
これもどうやらカントが否定した幸福〜に対する埴谷流の反論らしい

中島義道がカント(の「純粋理性批判」)を引き合いに出して
人生の無意味さを受忍すべきと書いているが、
ベクトルこそ違うが、埴谷と同じ到達点なのは興味深い
345吾輩は名無しである:2005/08/12(金) 20:19:02
初めまして.このスレで埴谷雄高とエマニュエル・レヴィナスとの共通点が指摘されたことはございますでしょうか?
346吾輩は名無しである:2005/08/21(日) 21:41:35
ありません。共通性というのは
埴谷の自同律とレヴィナスの他者論(によって示される自己論)
というところでしょうか?
347吾輩は名無しである:2005/09/05(月) 09:39:52
埴谷は空間を軽視している。
348242(アホ埴谷読者):2005/09/11(日) 20:13:09
前にデリダの脱構築について触れられていたけど
たまたま「ディコンストラクション」の小解説を目にしたので、
チョットだけよ
大橋洋一氏の記述を引用すると

体系的に作られている哲学テクストと違って、
文学的テクストは最初から脱構築されている。
(中略)
かくしてあらゆるテクストは、
ある事を語り自己を閉ざそうとしていながら、
実はどこかで語り得ぬものへと、
自己を開いていることになる。

よーするに、存在なり現宇宙を批判して
そこからの脱構築――虚体創出の模索と
読めるのじゃないのかね
だから「自同律の不快」であり「過誤の宇宙史」なんだろう?
三章の黒川と首の対話からその辺のカラクリが予見出来るみたいだし
受容理論とかも面白そうだな
349吾輩は名無しである:2005/09/13(火) 15:21:42
あれはデリダの脱構築というよりは(脱構築に基づく)亡霊論でしょ。
>>348の指摘も正しいかもしれないけど
350吾輩は名無しである:2005/09/16(金) 08:19:05
あっげ!
351242(アホ埴谷読者):2005/09/22(木) 17:39:16
ほほう、やはり分かる人には分かるものだな
>348の引用部は正しくはデリダの脱構築を援用した
「文学テクスト読解の方法」なんだなぁ〜♪
ともあれ漏れの関心を惹いたのは引用部後半が「死霊・自序」で
作者が表明している「踏み出し得ぬ一歩」にほかならないからだ
後年、次のように書いている

……カントに震撼された私のカント心酔は、できうる限りの
カント顛倒の努力の出発点にほかなりません。簡略化していえば、
カントが「できない」といつたことは、小説の構想力をもつてすれば
「できる」と私は思い、また、それを証明するため
『死靈』を書いているのです。

 「政治と文学と・補足――吉本隆明への最後の手紙」
352242(アホ埴谷読者):2005/09/22(木) 17:40:19
漏れは「死霊」を哲学で読み解こうなんて「躓きの石」だとしか
思っていないが、埴谷の執筆以降に表れた もろもろ について
その類似性なり同一性を認めるとすれば
埴谷の思想展開の普遍性を裏書する事になるだろう
あるいは「精神のリレー」と呼ぶべきかな

吾国では、そのときどきの輸入思想の竹馬に乗つた種類の
「つぎはぎ思想家」があまりにも多く、自ら考える本来の思想家は、
残念なことに、極めて稀少です。
(中略)
……大きな思想家となつてもらいたく、容易にはのみこめぬかもしれぬ
苦い薬であるつぎのような言葉を私は呈したく思います。

以下、吉本の思想性を否定する「言葉」が続くんだが、
「政治と文学と」に続く「政治と文学と・補足――」を以って
埴谷・吉本論争の埴谷側からの訣別としている
もっともそもそもの発端のひとつ『乾坤』は
埴谷の生前の申し入れにも関わらず98年の第四刷には反映されずに
禍根を残す形のままだ
吉本の反応が知りたいな
353無名草子さん:2005/10/07(金) 12:22:49
re
354吾輩は名無しである:2005/10/07(金) 13:07:34
>>351
吉本隆明への手紙、カッコイイ! 
『死霊』読み返したくなった。
355吾輩は名無しである:2005/10/14(金) 13:08:52
保存age

>>268-273
>>274-278      大変面白く拝見。スレ存続期待。
>>281-283
356吾輩は名無しである:2005/10/14(金) 14:20:49
『死霊』については語れるほどは知りませんが、1950年代の政治エッセイについては今だに汲み尽くせるものがあると思います。組織のピラミッド(階級構造),知的組織の内から外への優越,権威の問題など、体験を踏まえた具体性があり良いんじゃないでしょうか。
357吾輩は名無しである:2005/10/14(金) 14:49:15
埴谷っておっぱいとおしりどっちの方が空きなんだ?
漏れはふとももが好きだよ。
358吾輩は名無しである:2005/10/14(金) 17:00:46
死霊のハードカバー
八章、九章の二冊がみつからないんだけど数少ない?
359吾輩は名無しである:2005/10/19(水) 06:30:23
存在しません
360吾輩は名無しである:2005/10/19(水) 16:08:28
あの大久保 清被告が、彼のファンとはねー!!!

ところで白い巨塔の1966年のモノクロ映画のなかで

バリューム飲んで、寝て、まだわかりまへんやろか?

と、関西弁でゆうだけの、楽な佐々木庸平の役

(カルジアクレプス→噴門部ガン患者役)に似た顔ですね?

埴谷さんって・・・わたしの親の知人、戸田さんにもちかい・・
361吾輩は名無しである:2005/10/19(水) 19:02:09
井の頭公園を歩いていたひと
362358:2005/10/20(木) 02:58:30
>>359
存在しないのですか!?
あとは文庫?
ありがとうございます
363吾輩は名無しである:2005/10/23(日) 11:18:41
>>358
いえ、あります。私持ってますもん。古本屋をこまめにさがせば出てきます。
神保町の小宮山書店あたりにはありますよ。
364吾輩は名無しである:2005/10/23(日) 17:02:01
ハードカバーの九章は部数が少ないかもしれない。すぐに死霊Vが出たし。
持ってたけど全集揃えたんでブクオフに売っちまった。
365吾輩は名無しである:2005/10/26(水) 14:10:36
このスレ、ID出ないから「知ったか厨」の自演が酷過ぎるな。
ヴァカ程、難解な御託並べるから>>283-303の様に生暖かくなってしまう。

頭がいい人ほど、平易な文章で論ずるものなんだよね.
366吾輩は名無しである:2005/10/28(金) 03:08:43
矢場徹吾の徹吾の読みなんだけど、
「とうご」でいいんですか?
367242(アホ埴谷読者):2005/10/28(金) 14:48:59

セナの「デカルトの密室」読了
インフレーション理論のくだりなんて・・・面白いぞ

吉本の埴谷/死霊論を二三読んでみたが
「純粋理性批判」を引いてディコンストしてるんだね
纏め終ったらカキコしてやろう

埴谷の年譜から西田幾太郎
( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー
まあ、おおっぴらに認めたく無いのは時代か


>356
レーニンも追い出される事のなりそうだしね
今からみると書いたモンの勝ちかも知れないけど
368吾輩は名無しである:2005/10/28(金) 23:15:45
50年代に書かれた「政治に関する断章」を読むと、埴谷が政治の本質について徹底的に思考を重ねていた事がよく解る。同時に、80年代以降の埴谷が反核運動に加担する中で、50年代に穿たれた自らの立場を放棄してしまったのではないか、という疑問も感じた。
369吾輩は名無しである:2005/10/28(金) 23:18:40
何故なら「政治に関する断章」において埴谷は、政治の本質を、“こいつは敵か、味方か”と区別する思考に置き、また、政治にとっては全ての事象は、“利用できるか、できないか”の問いに還元されてしまう事を見抜いている。
370吾輩は名無しである:2005/10/28(金) 23:24:13
所が80年代からの反核運動の中で埴谷が取った立場はまさにかつて自らが正確無比に狙撃した当の政治的立場なのである。しかもこの変質の過程は埴谷によって明らかにされてはいない。事象を政治的な有効性に還元する思考をかつて埴谷は何よりも憎悪した筈ではなかったか
371吾輩は名無しである:2005/10/29(土) 08:06:36
「政治に関する断章」は確かに面白かったな
これを機に再読してみよう
372吾輩は名無しである:2005/10/29(土) 18:41:47
しれいって結局、どう解釈しよーかな
完結を夢みたひと、おしえてください
373吾輩は名無しである:2005/10/29(土) 19:26:54
完結を言うとだな、古時計がとまる これでおしまい。
374吾輩は名無しである:2005/10/29(土) 19:54:09
詩ね
375吾輩は名無しである:2005/10/29(土) 22:23:01
>>366
俺は「とうご」って読んでたけど
ある人は「てつご」と発音していた。
言われてみると、どちらが正しい読み方か未だに知らないや。
376吾輩は名無しである:2005/10/30(日) 12:54:11
>>365
今更何を、そう思うんだったらそのときに出てきて話せばよかっただろう。
377吾輩は名無しである:2005/10/30(日) 13:27:48
「てつご」って読んでた。けど今となってはどっちでも良い気がする。
378吾輩は名無しである:2005/11/01(火) 05:42:01
存在と非在とのっぺらぼう読んでんだけど むずいですね。
379吾輩は名無しである:2005/11/12(土) 23:43:17
きょたい
380吾輩は名無しである:2005/11/19(土) 10:13:05
age
381吾輩は名無しである:2005/11/22(火) 22:32:28
あっは
382吾輩は名無しである:2005/11/26(土) 04:33:50
あっはん
383吾輩は名無しである:2005/11/28(月) 03:29:24
ナイス雄高
384吾輩は名無しである:2005/11/28(月) 06:30:35
>>64
吉祥寺の家は、随分昔に講談社に売ってたはずだよ。
だから、死んだら直ぐに取り壊された。
385吾輩は名無しである:2005/12/03(土) 02:29:22
死霊に興味があったんだが、どうやら軽い気持ちで手を出すと後悔しそうだ。
386吾輩は名無しである:2005/12/03(土) 02:57:49
そう思うならやめとけ
387吾輩は名無しである:2005/12/03(土) 05:05:11
>>181-183
これってすごく笑えるんだけど、
他にこれを書いた人のレビューって読めませんか?
388吾輩は名無しである:2005/12/04(日) 00:23:26
はにゃーん
389吾輩は名無しである:2005/12/04(日) 03:02:34
坂田利夫の本名って、地神利夫っていうんだけど、阪大の社経研では、「地神論文」は有名かつタブー。
マルクス主義的な「開発独裁」が、開発途上国の資源配分を最適化することを数理経済的に実証した、秀逸かつ衝撃的な論文。
この論文は阪大では受けいれられず、地神は、博士課程の学生であるにも関わらず学生運動に加担したこともあり、博士号を授与されず、
数年のODののち、追われるように阪大を去っていった。
アマルティア・センが1970年に,『集合的選択と社会的厚生(Collective Choice and Social Welfare)』を出したときに、
地神(坂田)は歯噛みして悔しがった。
何故なら、センの打ち出した、社会的公正の効用としての関数化という発想は、彼の幻の博士論文である、
『開発独裁の社会経済的合理性とそのインセンティヴ(Socio-Economic Rationality of Autocratic Development and its incentiveness)』
において、まさしく主張したものであったからである。
地神が正式に阪大を去ったのは昭和47年。
43年のコンビ結成は、当時盛んであった反戦思想・マルキシズム思想を大衆レベルにまで浸透させるため、大学に籍を置きながら行なった。
彼自身は、暴力による革命を潔しとせず、学術・芸能を伝達手段とした平和的な革命思想の浸透を目指した。
しかし、44年以降の学生運動の退潮、45年のラジオ大阪新人賞受賞、そして自身の博士論文が思想的な理由から何度もリジェクトされるという現実から、
お笑いの道に専心する事を決意した。


正直このコピペの内容をリアルで耳にしたことがあるんですが。
信憑性を知りたいです。
390吾輩は名無しである:2005/12/04(日) 05:33:11
>>387
レビューはどうかしらないけど、作品なら読めるはず、たっぷり
391吾輩は名無しである:2005/12/04(日) 05:37:46
訂正。>>390>>181のみに関して。 
392吾輩は名無しである:2005/12/07(水) 17:57:55
吉本の埴谷/死霊論を二三読んでみたけど
埴谷の「転向→思想展開」における「死霊」の位置付けを
的確に読み取っている

 『死靈』の根本的なモチーフは、現実から切断された認識の世界に、
人間を行動させ、対立させることによつて、
生の意味を現実から認識の世界に転倒させ、そこから逆にながめた
現実の世界の意味をあきらかにしようとする企図のなかにある。
(中略)
かくして、『死靈』は、転向期から敗戦までにきずきあげた、
埴谷の思想の構造を啓示する作品にほかならない。

 「埴谷雄高論」

更に「死霊」におけるカントの云う「矛盾領域」への
肉薄の不完全・不徹底により、この時点(昭和35年)での
長い執筆中断を指してか、「死霊」は失敗し挫折したと言い切っている
吉本のディコンストを受けて
埴谷もその指摘を認めざるを得ないのだろう
作品集(河出書房新社)刊行に際し「死霊」解説を任せている

 未刊の『死靈』にうまく結晶されている埴谷雄高の小説概念は、
ひとことでいつて<理念>小説と呼ぶことができよう。
(中略)
……この<理念>とは、厳密にカントが純粋理性とよんでいる概念に
対応する<先験的理念>の謂いである。

 『死靈』考
393吾輩は名無しである:2005/12/07(水) 17:59:28
前出の「埴谷論」から十年、
吉本は埴谷の<理念>の帰結を見抜いていたようだ
ずっと後に五章「最高存在」や七章「無出現の思索者」などの
カントが「直観的理性」と呼んだ神的知性と同様のものが登場し、
<存在=意識>の大命題が変容して
<存在=神論>的な枠組みに取り込まれた・・・と
「死霊」も存在論を語るには色褪せたものとなったという批判は根強い
その批判については「神」と「絶対」の違いを語ってはいるものの
西田哲学が宗教に昇華し、カントが謙虚に信仰のうちに踏み留まった事をみれば
九章以降で説得力ある展開が成し得たか、疑問は残る・・・・・・

問題はこの後だ


 わたしたちは、首猛夫と逆に現代は「戦争と革命」が不可能な時代だ、
といいかえてもよいかもしれない。
しかし、そういいかえれば、この世界の通俗的な革命家達は、
すぐにその根拠を失うことになる。
そして真の革命家は『死靈』の開示する<理念>のなかにしか
生きられないことになる。それもまたいいかもしれない。
 (後略)


これは挑発的だ
埴谷自身が「私達を清掃する役割を持つた――人」と評していたとはいえ
自分の作品集に載せるべき解説とは思えない
先年の「三島の死」を意識していたとしても、埴谷自身が是としたなら
「窮鼠的立ち上り」を喚起させるための自虐的行為とまで感じられる
この4年後、
「五章」発表直後に吉本がものすごい勢いで対談に応じたのも頷ける
394吾輩は名無しである:2005/12/07(水) 18:01:37

吉本
…埴谷さんの関心の大部分を占めているのは、存在革命と言おうと、
なんと言おうと、「革命」ということ、
世界をあらためるということのようにおもいます。
(中略)
…それが政治と文学というような形ででてくるわけでしょう。
現在みたいな情況になってくると、ともかく、
だめだとおもうことはしない、ということは革命的なことなんだ、
ということがあるとおもうんですよ。

吉本
戦後文学は、党派としてみたら ほんとうは 
だめになっているとおもうんです。
だめになっているけれども、自分でだめになっていることを
わからないんだとおもいます。

埴谷
いや、自覚は難しい。

  「意識 革命 宇宙」 吉本隆明@埴谷雄高


別の対談の席でも、自分はともかく、他の作家等をあげつらう
吉本の姿勢に対し、忠告めかした軌道修正をうながしているが、
この年(昭和五十年)以降、吉本を見る埴谷の視線は厳しさを増していく
世代、思想、戦後体験、閲歴の違い、そのすべて
――思想家としての「真剣」を突き付けたのが、
前出の「訣別」であろう
395吾輩は名無しである:2005/12/07(水) 18:04:53

吉本がそれをどう受け留めていたか、
埴谷の生前には語る事は無かったようだが・・・


埴谷さんが何度か与えてくれた訓戒はいつもたった一つだった。 
 (中略)
埴谷さんが世界にさきがけ述べた優れた断定は二つあると思う。

…ここにあげた二つのことはそれだけで埴谷さんが
世界史上の人であることを証明している。
わたしに贈与された訓戒は、その生死をかけた場所から、
お前も少し真面目にやれと言って呉れているのだと思った。

  吉本隆明 「埴谷さんの訓戒」


 以上(>>392-395
396吾輩は名無しである:2005/12/07(水) 18:18:29
「真―」スレが消えちゃったな
挨拶がてらカキコしてあげようと思ってたのに
折角だからこっちに貼っておこう


「老青対談――二十一世紀を前にして」
  島田雅彦 ◎ 埴谷雄高

島田
一時期、埴谷先生が左翼青年に、言葉は悪いですが
持てはやされること自体が、僕は理解できなかったんですね。
僕は彼らが喜ぶようなことを埴谷先生は
書いていないじゃないかというようなことを、
つねづね感じていまして。

埴谷
左翼青年が持てはやしたというのは、さっき、
作家は書いたものだけではなくて、
その総人格みたいなものの反映があるといったことの
証明なんですね。
つまり左翼青年は、埴谷は刑務所に入って出てきた、
そういう文学以前のことによって埴谷像といったものを
つくってしまうんですね。
そうすると、読んだものばかりでなく、
読まないものまでが加わってきて、
読まない『死靈』ファンというのがたくさんでてくるわけですよ。
397吾輩は名無しである:2005/12/08(木) 01:38:07
お前ら、埴谷語で会話しようぜ。
398吾輩は名無しである:2005/12/13(火) 03:38:46
お前が考えに考え思いに思い悩んだ結果、今までお前が考えもしなかった
云わば今の今まで小さく惰性で揺れているに過ぎなかった思考の振り子が
この公明正大な若しくは子供の言葉遊びといったような生命の秘密について
の議題を与えられた結果、例えそれがお前にとって無意味な文字の羅列だった
としても、いいかな、お前が現在考え得る自己宇宙の深淵へ向かって勢い良く
振れだしたのだ!
そして考えに考え思いに思い悩んだ挙句自己宇宙の深淵のその崖っぷちの様な、
終に、その生命と非生命の神秘と自己の思考のさらに途方も無い思考の外側
へまでとうとう考えを巡らせた瞬間、人間は何を閃くのだろうか?
あっは!それは絶望だ!今の今までの積み重ねたものが全く形も無く台無しに
なるような絶望だけなのだ!
399吾輩は名無しである:2005/12/13(火) 03:40:58
>>398
ふむ、それが誤れる論法だ。お前が言う所であるその思考を、さて途方も無い自己宇宙の
外側へついに思い巡らせた結果、その思考を受け止める場所と云ったものが「そこ」には
在るのだろうか?お前がこの世に無いもの、また存在し得ぬものを考えに考え思い
に思い悩んだ結果、思考がどこか宇宙の僻地と云ったような全くの無の世界に向かって大きく
飛び越えたとして、いいかな、そこには思考の着地点は存在しないのだ。
どうだろう、仮に全く何も無いそれこそ息の詰まる様な、自己の意識すらもその場所には点としても
存在出来得無いような空間と云うようなものがあったとして、しかもどこか気の遠くなるような彼方に
一点の目的地があったとして、その目的地にお前が思い悩んだ挙句その上等な思考を終にえい!と
投げ出した結果その思考の白球が座標も空間も全く無いある一点に落ちたとすると、ふむ、それはお前
の全く自身のそしてくっつきそうな程近くに落ちていたとしても、そのどこか彼方の目的地に落ちてい
たとしても、それは観測者が居ない限り、もう少し具体的に言えば「そこに白球を受け入れるなにかしら」
が「存在」しない限り、その白球をついにはお前が認識する方法は在り得ないのだ。
いいかな、観測者、若しくは白球を受け入れる何かが無い限り白球は深淵の奥へと向かって
すーっと消える以外選択し得ず、ましてなにかに「到達」する事など到底不可能なのだ!
400吾輩は名無しである:2005/12/13(火) 03:41:40
>>399
ぷふい!すると観測者でもありその受け入れ口であるところのその捕手たる「存在」が存在しなければ
ついに俺が考えに考えた思索を自己宇宙の深淵であるところのその界面から永遠に踏み出させ得ないと
お前は言うのだな。
ところで、嘗ての俺の知人であり今はまた違った存在形式になりおおせて俺の全く知らない人間として
振舞っている当時陰鬱でまた自身からでは一歩も踏み出さぬと云ったような印象を他のものに与える
一見全肯定全踏襲風な男がいたのだが、その自己の主張といったものが全く無く、その行動についても
消極的と言ってもまだ足り無いくらいの思索と行動理念の持ち主が、その全身全霊を掛けて仕えるべき
恐ろしい程その男の正反対と言ってもいいような、積極的と言ってもまだ足りぬ程の一見非肯定非踏襲風
なある活動家がいたのだ。
その嘗ての知人であったその男は、一瞬の時も全く離れる事も無くその活動家と行動を共にし、
その気質である全肯定全踏襲を貫き通した挙句に、いいかな、終に活動家自身の行動だけでは無くその
思索へまで同一に重なり合ってしまったのだ。
さて、ここからが本題になるのでもう少し辛抱して聞いてもらえるかな。
嘗ての知人であったその男には全く外面には表れて来ないその秘めたる内面には紛れも無く「自己宇宙」
が存在していたらしいのだが、しかし完全に同一になり果せた結果、その活動家の思考・思索までもが
どこか暗く広大な夜の海面にきらきらと光る魚が不意に一匹だけぴょんと飛び跳ねるが如くに自身の暗い
「自己宇宙」の全く予期せぬ外側の暗闇から不意と現れてくるのだった。
そこには受け取り手も観測者も捕手も全く存在しなかったが、しかし遠い暗闇にぱっと光る麦球のように
明滅し得たその思考をお前はどう考えるのかな?
お前はお前が言うところの「白球」を自己宇宙の外へ投げる事をお前のその端の端までも思い至らない
その思いによって永遠に終に放棄してしまったのだ!
それこそ現在我々が崩壊させようとしている、自己と存在の永遠の癒着たる在るものが在って、
無いものが無いと言う陋劣極まりないな方程式であり、これこそ連綿と人類に息づいている愚劣な誤謬
の盲目的思考方式なのだ。
401吾輩は名無しである:2005/12/13(火) 03:49:58
>>400
それが、限界とその先にある無限を認識する場合、いいかな、お前の裁かれるべき対象は細胞のひとつひとつ
存在の一欠けらと生命の神秘に及ぶまで追求されなければならないのだ!
お前はその細胞のひとつひとつ存在の一欠けらにまで思いに思いあぐね考えに考え尽くした結果その限界と無限
と対等に弾劾し合ったと言えるのかな、それは一方的に「想像」しただけに過ぎなかったのではないのかな?
自身を一粒一欠けらに及ぶまで思い及ばないその思いこそがお前を単なる、宇宙の大弁論者と言うに留まる
その理由の際たる理由なのだが、それは今の今まで、言ってみれば有史以来どの覚者も無し得なかった自己と
対象物の相互関係を完全な相互関係にするといった気の遠くなる様な作業のひとつなのだ。
最後に言っておきたいのだが、全ての事象は対象物によって「見る」と同時に「見られる」「考える」と
同時に「考えられる」殺人に於いてもその瞬間被害者加害者関係なく同時に「死」を見ていてしかも見られて
いる対象物に違いなく紛れも無く同じ「死」に立ち会った兄弟なのだぜ。結果、自己を自己によって真に追求
されなければ同時に真に何事も究極まで追求出来得ないのだ!
402吾輩は名無しである:2005/12/13(火) 03:51:26
先程俺が思考を受け止める存在などと言ったのはこの事だぜ、思考の辿り着く先もまた自己と対等であって
その瞬間に弾劾し合える場所で無ければそれもまた、虚空に浮かぶだけの無責任な思考の残骸に他ならないのだ。
‐と、言うと発言者はそのネット上の質量も何も無い、元々無かった場所に無かったものを形作る作業を終え
半永遠の残像を残して跡形も無く消えてしまった。

埴谷っぽくつくってみました。稚拙ではありますが感想などいただければと思います。
403吾輩は名無しである:2005/12/13(火) 03:51:50
二分間隔でレスがついてるってことに無理があるなw
404吾輩は名無しである:2005/12/13(火) 05:59:16
どうやら内容以外は良い出来だな
405吾輩は名無しである:2005/12/13(火) 18:58:05
埴谷さんの後を継いで、「死霊」の続編を書いて下さい。
後継者は、ア ナ タ です!
406吾輩は名無しである:2005/12/13(火) 19:04:32
>>405
ヒント:某HPのコピペ
407吾輩は名無しである:2005/12/13(火) 21:54:02
>>406
ちゃいますよ。昔もこのスレに投稿はしたけど。
オリジナル100%
408名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/01(日) 00:14:04
初あっは
初ぷふい
410 【大吉】 【812円】 :2006/01/01(日) 19:11:44
ぷふぃおみくじ↑
謹賀新年

今月の日経新聞の「私の履歴書」は北杜夫だから
埴谷の話もでるかもね
412名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/03(火) 20:03:15
星雲の彼方で、埴谷雄高が笑う声が聴こえる
413名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/03(火) 21:39:24
立花隆との対談本『無限の相のもとに』が100円であった。
ブックオフ。
五十円でも要らない。
415吾輩は名無しである:2006/01/12(木) 22:16:49
ざっと読んだが>>181は分っているな。
他にも居るだろ。
たまには逸脱して書いて見たら?
416名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/12(木) 22:57:34
>>415
まだ自演してんのかよお前w
もう解ったからさ。
417名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/01/15(日) 08:34:27
『死霊』と『カラマーゾフの兄弟』がこれほど似ているとは思わなかった。両者とも俗悪な人種がぞろぞろ登場するが、底辺に絶対的な存在への渇望が秘められている。埴谷が『カラマーゾフ』を自分の筆で辿り直そうとしたのは明らかではないか。
1,2のあっは
>411
自己レス

今日の「私の履歴書」で馴れ初めのコト
あっちの方も博学だとw
うーん寂れて(゜ж゜)イルネ。
421名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/02/08(水) 20:00:38

今年ももうすぐですね
話は変わるが、
文士のポートレートを集めた写真集が出版るそうで
埴谷も収められてるらしい
週刊現代には掲載しとらんかったけど・・・
422名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/02/10(金) 00:02:03
アンドロメダ忌か……アテネフランセでの追悼集会はもうやらんのですかねぇ。

ところで誰か埴谷雄高の墓がどこにあるか知ってますか?
今年の命日は週末っぽいので、都内ならふらりと立ち寄ってみたいと思うのですが。

>>421
それは週刊現代が出すの?見かけたら立ち読みかな。
>422

あんまり聞いたこと無い出版社
以前講談社に勤めていたらしく、その腐れ縁で紹介されたみたい
漏れ的にも立ち読み推奨

>埴谷雄高の墓
思い付いてぐぐったらw
管理人に問い合わせれば教えてくれるかもね
ttp://kajipon.sakura.ne.jp/haka/h-n-sakka.htm
424名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/02/10(金) 18:41:27
>>422
埴谷家代々の墓は青山墓地にあったと思う、多分。
425名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/02/11(土) 02:09:07
>>423-424
情報ありがとうございます。
「埴谷 墓」で検索すると「墓銘と影絵」ばっか出てくるので、web上に情報無いのかと思ってました。

「青山霊園 埴谷」でぐぐったところ、
詳細な墓地のアドレス(?)を集めてるサイトを見つけたので
時間を取って行ってみたいと思います。

19日はやっぱり墓参りの方多いのでしょうかねぇ?
親族の方に迷惑掛けてもアレだし、少し外していった方がいいかもしれませんね…
>>425
墓なんかに行っても埴谷さんは居ないよ。
アンドロメダ星雲に行く、て言ってた。
星雲ごとごろんごろんとでんぐり返れば、たった6回で地球へ届く、とさ。

ぜったい、墓はカラだね
骨はあっても、カラって意味
428名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/02/12(日) 09:39:26
埴谷自身、深夜、墓場散策するほど墓場好き
だったから、居るかもよ。
429名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/02/12(日) 09:45:24
誤爆犯ってアルツハイマーとしか思えないw
>>425
墓参り少ないです。
外さなくて全く問題なし。
431名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中:2006/02/12(日) 09:53:48
――死んだものはもう帰らない。生きてるものは生きてることしか語らない。

ふとそんな言葉を思い出した。
確か埴谷の台詞だったと思うが、どの作品にあったっけ?
432吾輩は名無しである:2006/02/14(火) 14:36:10

川西政明「武田泰淳伝」が講談社から出版るけど、
書評によると埴谷からの聞き取りが活かされてるらしい
漏れは武田泰淳なんて読んだコト無いけど
泰淳が亡くなる二三年前に
「審判」で書いたことは事実かと問われ、
明確には否定しなかった、と埴谷が語っていたそうだ
この件は埴谷自身は書いていないんじゃないのかな

川西の言葉を抜き書きしておく

「戦後派には、獄中や戦争の過酷な経験という『実』の部分がある。
 そこから大きな観念によって『虚』をつくった。
 その中でも、泰淳は最も大きな『実』を背負った」
433吾輩は名無しである:2006/02/17(金) 20:54:28
埴谷氏の墓が何処にあったか忘れたけど、
最近の「散歩の達人」で紹介されてたよ。
立川・国立特集の巻。
既出だったらごめんなさい。
434吾輩は名無しである:2006/02/19(日) 10:18:31
さて、今日はアンドロメダ忌ですよ。

「墓場にて待つ――」

既に「向こう側」に預けられてしまった、かつて埴谷雄高と呼ばれていた存在であったところのモノは、
きっと今でも、ぞっとするような存在の嫌らしさを弾劾し続けているに違いない。

睨まれてしまった者達よ、愚か者よ。君達もいずれ、そうなるであろうか。
435吾輩は名無しである:2006/02/19(日) 17:18:28
ジジイ、池田晶子の尾マンコいじくったのか?ウラヤマシイ
436吾輩は名無しである:2006/02/19(日) 17:29:02
ちがうよ佐藤亜紀の尾マンコだよん、筒井康隆と一緒に。臭かったw
437吾輩は名無しである:2006/02/19(日) 17:29:50
>>435
oban bakaka WWWW
438吾輩は名無しである:2006/02/19(日) 17:32:38
>>433
青山霊園にある。写真はこれ↓

http://www.asahi-net.or.jp/~pb5h-ootk/pages/H/haniyayutaka.html
439吾輩は名無しである:2006/02/19(日) 18:41:41
>>437

obasan awakutte dottano
440吾輩は名無しである:2006/02/19(日) 19:09:40
ぷふいと呟きたくなる流れだな
441吾輩は名無しである:2006/02/20(月) 21:46:12
首たっけのカミングアウトが
よみたかったな
スメルジャコフだよな
442吾輩は名無しである:2006/02/22(水) 23:48:28
首相にハニヤ氏擁立
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060217i202.htm

コレ読んで「見 つ け た ぞ」とちょっとだけ思った奴、手上げろ!

……俺だけか。
443吾輩は名無しである:2006/02/25(土) 00:12:57
45万部のベストセラー『嫌韓流』の第2弾

『嫌韓流2』発売中

駄作か傑作かは、買って自分で確かめよう
444吾輩は名無しである:2006/02/25(土) 09:04:28
だれか首タケオと身はよしの章を書きついでおくれ
445吾輩は名無しである:2006/03/05(日) 20:57:26
保守あっは
446吾輩は名無しである:2006/03/15(水) 22:57:18
自同律は不快なことをしたよね(´・ω・`)
447吾輩は名無しである:2006/03/16(木) 21:34:39
自同律は不快なことをしたよね(´・ω・`)
448吾輩は名無しである:2006/03/19(日) 15:23:24
自同律は不快なことをしたよね(´・ω・`)
449吾輩は名無しである:2006/03/20(月) 13:10:16
埴谷オルタナティヴ
450吾輩は名無しである:2006/03/30(木) 23:11:50
自同律は不快なことをしたよね(´・ω・`)
451吾輩は名無しである:2006/04/09(日) 14:58:58
なんちゅうスレじゃ!
452吾輩は名無しである:2006/04/18(火) 00:30:20
結局こいつは何なのかね。
深刻ぶってるだけで時代を反映するだけの凡庸な思想しか汲み取れないが。
453吾輩は名無しである:2006/04/18(火) 14:10:55
十章以降の構想に
与志が安寿子のところに行こうとして無限を歩く、
津田安寿子は無限の象徴になる──としているけど
黒川の無限大者は無限大に考え続けなければならないってのと同じで
コーヘンが対象を措定するためには同一律だけでは不可能として
Aの定立は無限の反定立を措定する無限判断によってのみ保たれる
ってのと似ているけど
 
 肯定判断「Aである」でも
 否定判断「Aではない」でもなく
 「非Aである」という「無限判断」はその非完結性から
 non-AなるA1、non-AなるA2、non-AなるA3、・・・・・・
 という具合にして
 (中略)
 ──思惟が動的に対象を自己産出していく。

与志の「自同律の考究」は
ヴンデルバントの「汎論理主義」に近いモノなのかなぁ

 かりに私が[有為転変を]超えうるとするならば、
 私の存在の内容によって、私の存在の価値によってのみ可能である。
 すなわち私の生の時間の流れのただ中に、あらゆる時間的規定を
 超越した何かが在ることによってのみ可能である。
                             
   「永遠の相の下に」


埴谷は震撼徒主義の諸論を導入しているフシがあるのかなぁ
454吾輩は名無しである:2006/04/20(木) 17:35:58
>453 補足

ヴンデンバンドは論理的次元での観念論的な超越領域を設定して(八章に出てくる「暗い人」の原理に)
永遠の生の意味を確保できるように展開したわけか

 すべての物は永遠の流れ、不断の運動と変転のうちにあり、その恒存は仮象にすぎない。
  (中略)
 すべてからすべてが生れ、生から死、生命のないものから生命あるものが生れる。
 ただ変転、生滅の過程だけが永遠である。

  シュヴェーグラ著 『西洋哲学史』上巻

八章の「暗い人」のくだりで
「創造的虚在であるところの虚体」自体に自らなることのみが──与志が与志である唯一の理由、
としてるけど

 存在によって存在せしめられたるわれ、ならざる虚在のわれ、とならずしては、
 ついにすべてのすべてのわれ自らをわれ自らによって超出するわれたり得ざるなり。

高志のリーフレットの主題「純粋革命」の前提が「人類の死滅」であり、黒川と首の屋根裏部屋での対話でも、
与志がその一歩を踏みだすのも人類死滅のときだ、と繰り返し出てくる

 全体と全体でないもの[部分]、一緒になるものと離れるもの、調和するものと調和しないものとを結合せよ、
 そうするとすべてから一が生じ、一からすべてが生じる。
  
              『西洋哲学史』

ちなみに埴谷が娑婆に保釈るときに提出した上申書も「暗い人」の言葉を引用している
埴谷の根源的な場所に「暗い人」が居るんだろうね
455吾輩は名無しである:2006/04/20(木) 17:38:50

絶えず運動しながら終結に至ることなく挫折するというのが
ヤスパースの思考の特徴らしいけど、
「悟性をもって悟性を失うことなく悟性を越える」超越論的方法を自覚的に遂行した必然的帰結
──「黙狂」した矢場は「無限判断」の非完結性ゆえに人間存在の超越者、宇宙的存在へと変現したのだろうか
してみると岸博士の「黙せる覚者」という診断は正鵠を射ていた事になるなぁ

九章で「宇宙者」の弟子達がつくった「硝子玉」が登場するけど
ヤスパースの形而上学の基調が、超越的なものの間接的現前という考えらしいが、
「形而上学的超越」者=矢場を指し示す象徴なのだろう

カントが存在論として形而上学に終止符をうった後、実存を通路とする暗号解読としての形而上学のみが残されている
ヤスパースにとって
超越は主観−客観−関係の突破となるが、最後に「神」と呼ばれてきた、超越者としての存在そのものに向かう
しかしそれは挫折し、超越者は超越において間接的に「確認」されるべきであるとヤスパースは終始変わることなく
信念としている

一方、ハイデガーは
主観−客観−関係は超越においてはじめて可能となる、「現有の表明的な超越」として超越を徹底して有限的に捉えている
それは発展を見ることなく後に「形而上学の形而上学」は挫折し、学としての形而上学を諦めている


「死霊」における「存在の探求」もヤスパースの側に近いものとして印象されるが、
その意味において「挫折する思考」として終わらざるを得ないのも必然か
456吾輩は名無しである:2006/04/30(日) 14:42:40

一章の始めのトコを読み比べてみたけど、
三輪与志の高等学校時代の話で削除された部分、相当な紙数が有るなぁ

サアカス小屋の葬儀は矢場の出自とその後に関連するから仕方無いとしても、それを知る老人が語る、
少年期に三輪広志に腕時計を奪われた体験談なんかは、二章の津田康造の話も加えると三輪広志に象徴される
「悪徳」も本来テーマのひとつらしいコトが伺えるのに、モッタイナイなぁ
そんな父を嫌っている様子や矢場の失踪に葛藤する与志の内面描写も(削除された)定本では味わえないねぇ〜

  夜更けのサアカスを彼が訪ねる氣になつたのも、嘗て自身に閉ぢこもつていた矢場徹吾の最近について、
 一種の不安があつたからであつた。同室にゐて殆ど互ひに離れてゐる時間もない三輪與志と矢場徹吾が、
 絶えず論議しつづけたことは、「自身を最も充足せしめる瞬間」についての探求であつた。
 
   最早好し、羽ばたく魂をひきずれる肉體よ

 さう云ひ得る瞬間がやつてくるとすれば──それは必らず粗暴なものだ、と三輪與志が述べたとき、
 矢場徹吾の頬がぴくりと痙攣したのを、彼は認めたことがあつた。そんなときの矢場徹吾の想念が、
 三輪與志が保持する「力」へまで思ひめぐらされてゐることを、彼は惱ましいほどはつきりと、
 しかも、他人事のやうに感じてゐた。
  つまり、三輪與志には、一種の責任があつたのである。

     長編 死靈(四)「近代文学」


定本ではほんの端役でしかない「虫」も、矢場の失踪について与志が少なからず事情を知っていると睨んで、
暗に問い質す場面も削られちゃったなぁ
457吾輩は名無しである:2006/05/04(木) 21:19:29
>456 続き

高等学校時代の与志は、「一日一悪」の戒律により、他人に不幸を自覚せしめる
──「この世の屈辱」を悟らせる、三輪広志の悪徳を
矢場や安寿子、周囲の人々に無自覚に行使していた事を反省したんだろうねぇ

 ……この握りしめられた拳の意味をK川健吉は知つてゐた。その異常な力が發揮される場合は
 稀であつたが、三輪與志の裡には怖ろしい一面が潜められてゐた。
  (中略)
  この挿話は、三輪與志が他の學生達からはばかられる一原因となつてゐたが、親友である
 矢場徹吾へも或る影響を與へたやうであつた。──その手足が自身に似合はしいものだつたと
 云ふ感じは、その瞬間、恐らく三輪に起るだらう!……

  長編 死靈 (三)「近代文学」

この矢場の台詞はそのまま、或る篤学の教授に賞賛された「模範回答」の
「再び味わい得ないようなこの拭いがたい瞬間」を指すようであり、
また与志が蛸を噛んだ時の話に繋がるふうもある
458吾輩は名無しである:2006/05/04(木) 21:20:59
与志が保持する「力」に関する記述は注意深く削除されている
例えば、

  ──おお、俺は確かに父を嫌つてゐる。その俺が……徹吾の首筋を捉へ水中へ抑へつけて、
 或る種の屈辱をヘへこんでゐるとでも感じたのではあるまいか。俺が徹吾をヘ唆してゐると
 ……K川までが思ひこんでゐるほどだからな。
  (中略)
 ところで、あのお喋りの老人は何者だつたのだらう!

  長編 死靈 (四)「近代文学」


矢場の失踪と時間的に先行する二章の部分以降、抑えた表現になっているようだし
与志自身の或る一面として付与する事は軌道修正されたものの、
その片鱗を四章の「起動力」に遺す位かなぁ、その分極端化したのが高志なのだろう

場面を××風癲病院に戻して以降は大きな異同は無いようだ
一週間が二日になった位だけれども
筆致も細部に迷いが無い、アレだけの緊迫感有る台詞廻しも、初出時に完成されているなぁ
                                     
(一章読了)
459吾輩は名無しである:2006/05/07(日) 19:06:46

二章は手強い、表面的になぞると返り討ちに遭うなぁ
460吾輩は名無しである:2006/05/10(水) 21:06:29

文芸書「群像」
ttp://shop.kodansha.jp/bc/books/bungei/gunzo/index.html

タイムリーな話題をひとつ
川西が死霊の原稿を読み比べて何か書いたようだ
地方では店置きしてくれないから久しぶりに ア・マ・ゾ−ン!
虚無回廊のVなどを物色、また日本を沈めるらしいな
461吾輩は名無しである:2006/05/14(日) 18:30:52

二章の冒頭でこれまた相当な紙数を割いて、幕末〜明治新政府と有力な地位を占めた三輪、津田両家の近世史を
三輪の祖母と津田老人の親交を通じてふんだんに解説してるのに、全部削られちゃったなぁ
この二人のパーソナリティが如何なる時代背景の下に形成されたかは、両家の一人息子達の「精神構造」を
読み解く上でも参考になるんだが・・・息子達が三輪の祖母と津田老人との再婚を画策した──
なんてエピソードはサービス精神のリレーをして欲しかったねぇ

  この連綿たる系譜のなかで歴史の流れを斷絶せしめなかつた男女逹、即ち、子女の生産によつて
 一つの歴史の單位を次代へ保ちつづけた男女逹は、その未來・・・・少くとも、現代の私逹へ至る迄ぐらゐの
 未來を、眞面目に考察したことがあつただらうか──と。
  (中略)
 けれども、顔を顰めた瞬間に──人類絶滅の思想を不意に確信するとか、或ひは、思惟剿滅、さらに飛躍して、
 宇宙破壊の陰謀に想ひをめぐらすとか、そんな想念が閃くことなど彼等には絶對にあり得ないのである。
 何故なら── (後略)

   長編 死靈 (八) 「近代文学」


ここには「般若家系譜」に連なる埴谷自身の感慨や不快が色濃く反映しているようにみえる
三輪広志の「義務養育法案」や三輪高志の《子供の生産》に対する全否定「躓きの石」、更に「首ったけ理論」が
「連綿たる人類の系譜」という「自然的に衰退すること」無き「永久運動」の罠として、
後の生物から無生物、物体から存在、重力・・・へ至る宇宙論的議論展開が予告されているのに

大ナタ振って「一つの物語」で片付けちゃったけど、
旧藩士族の般若・伊藤家のサーガをネタにしてるらしいから、遠慮したのかなぁ
対談などで、家庭におけるハバネロ的な父三郎の影響を述懐しているが、
津田老人が土産話として語る「變人の藤左衛門」は若かりし頃放蕩三昧だった父三郎をモデルにしているようだし、
墓地の描写にある碑銘「Mina 1908-10」についても・・・
462吾輩は名無しである:2006/05/14(日) 19:05:16
>460 自己レス

「原稿読み」から興味深い考察がされているねぇ
四章の加筆訂正部分については追々精読するつもりなので、コメントしないが
全集収載の「九章未定稿」写真図版に言及し、埴谷の胸中を慮っている

漏れはそれに同意しない(断章があるからね)が、
川西は埴谷が残した「窮極最大の謎」を読み落としている
或るいはあえて触れなかったのかな

ついでに購入った鶴見俊輔の書いた評伝を斜め読みしてみたら
ヴィンデルバントにも触発されているふうなコトが書いてある

埴谷の深い場所に触れた気分
463吾輩は名無しである:2006/05/24(水) 01:04:19
NHKとかで特集してくれたら嬉しいなぁ
464吾輩は名無しである:2006/05/24(水) 18:06:40
>463

だいぶ前だけど「こだわり人物伝」に推挙しておきました
講師は立花でw
465吾輩は名無しである:2006/05/27(土) 14:27:38
>462  続き

94年12月、五木寛之との対談で、九章が百枚ちょっと書いてあり、あと二百枚を予定していると語っている
四百字詰め換算で話しているようなので
川西の書いている90年12月に二百十九枚で停まったとする「原稿読み」とも合致するようだ
九章は更に2倍近い枚数が見込まれていた事になるんだねぇ

川西の「原稿読み」以外の部分に疑問点があるので検証を提出しておこう
末尾で『附記』と「死霊」完結について触れているが、予断もしくは曲解の可能性がある

埴谷が明けて95年春の手術・入院を経て、九章での完結に気持ちが傾いたのは想像に難くない
95年7月、白川は「脱稿後の九章」のコピーを埴谷宅で眼を通している
埴谷から、もう長いものは書けない──と告げられ、不本意ながら完結すると聞かされるが、十章は健康の回復を待ち、
「死霊」のフラグメントを書いてはどうかと勧められて埴谷自身「一冊の本になるまで・・・」と意欲を示している
九章発表(「群像」95年11月号)に際して「未定稿」が生じたのは、埴谷のこの心情の変化に拠るものだろう

九章発表を挟んで執筆された「死霊」断章は「群像」96年8月号から97年4月号(遺稿)まで不定期に掲載
「死霊」断章(一)の掲載に際して、白川による執筆の経緯や病状を記す「付記」がつけられた
この付記が書かれたのは校正刷があがってきた96年6月埴谷宅

 この「付記」に埴谷は「群像」編集部に、次のような手紙を添えた。一九九六・六・二六の日付がある。
  ── 白川正芳
  
川西はこの編集部宛の手紙を
「九章未定稿」に付いての『附記』と予断を持って解釈し、埴谷が改めて「死霊の完走」を宣したと曲解している

川西が「云々」で後略している部分こそ、
「死霊」断章は「自己増殖」した「死霊」である、表現は変わっても「死霊」を書き継いでゆく──「決然たる態度表明」に他ならない


 参考文献 
 「埴谷雄高全集 十一巻」 解題 白川正芳  講談社刊
466吾輩は名無しである:2006/06/16(金) 18:45:33
>461  続き

夫の無限の無抵抗に常軌を逸した津田夫人が深夜の三輪家に乱入する場面も、
執拗な修飾と長広舌な台詞によって、本来の簡潔な論旨が読み取りにくくなってるねぇ〜
三輪広志と津田夫人の喧々囂々は、イジり過ぎだし、
客観的記述だった「僕達の精神史」を台詞にハメ込んで活かそうとしてるけど、詰め込み過ぎは否めない
津田康造の曖昧な人徳ゆえに長く続く事となる緊密な友情がぼやけてしまった
「愚劣で崇高な危機の時代」への助走として「歴史的課題」を詳述するため、三輪広志に内面吐露させてるけど
津田康造との論議をあわせて考えると「悪の自覚」は西田哲学の転倒なのかなぁ

「自己主張論者」たる三輪広志の悪徳が如何にして胚胎したか、その踏み出しの第一歩は決して感傷的に語られてはいない

  ── 一日一惡・・・・そんな自己訓練をして、壁へはつた備忘録へ毎日い印しをつけてられたのは、
 やはり本當だつたのですの?
  と、津田夫人は空の喞筒*が喘ぐやうな嗄れた叫びをあげた。
  ── はつは・・・・さう、さうだつたのです。津田も恐らく憶えてゐるだらうが、僕は人々について默想するとき、
 こんなふうに考えたことがあつた。──それは不幸な人々に違ひない。男は世に傷つき、女はけがされてゐる・・・・とね。
 然し、戸外へ出て、愚眛な幸bノ充ちみちた人々の顏を眺めたとき、僕は謂わば正反對な岐路へ立たされたといふ譯です。
 自身の感傷的な考へ方に傷つきながら、侘しき孤獨へ忽慌と立ち戻るか、それとも敢然と街頭に立つて人々を睥睨するか、
 二つに一つですよ。はつは・・・・勿論、僕は後者を選んだが、それといふのも、人々に不幸を自覺せしむべき使命を
 忽然と悟つたからで──僕の意味する自己主張とは惡の自覺に他ならないのですからね。はつは・・・・一日一惡の記録を
 津田がまだ憶えてゐたのは素リらしい。それは、いまの高志や與志よりまだ若い頃のことだつたんです。
 
   長編 死靈 (九) 「近代文学」                                 *「喞筒」書き込めないので書換え


五年後、津田夫人は「一日一悪」をなす酷しい自己訓練の成果のひとつを眼前にし「戦慄」するコトになる
467吾輩は名無しである:2006/07/11(火) 02:11:17
誰か死霊を利己的遺伝子・遺伝子組み換え・クローン等から語ってはくれまいか?
468吾輩は名無しである:2006/07/16(日) 17:42:54
>466  続き

「自己を統御し得ない型」「天真爛漫型」「才気煥発型」と人物像が体形同様にふくれあがって海象のように
眼前に在るコトに対して、広志自身の論理との整合を見て取ったか、津田夫人の「自己主張」は容れられた

 
  (前略)
 尤も、與志には後から云つときませう──こんな遲くまでうろついてゐるなら、
 安壽子さんの傍にへばりついてゐろ、とね、はつは・・・・。

長編 死靈 (九) 「近代文学」


せっかくの甘言が一時間のタイムサービスになっちゃったけど、結婚半年目くらいにならなきゃ悟りっこないと
ここでの「素晴らしい祝辞」による箴言は取り止めてるねぇ
もっとも深夜の散歩から帰宅した与志に直截簡明に口走って昏倒するほどの津田夫人の苛らだたしさは
解消されるどころか、以後数年間、この「奇妙な青年男女の心理」に振り回されることになる

三輪高志から先に書く
化物屋敷──の裏玄関に根をはやした津田夫人から蛸の話を持ち出され、中学時代の与志の「発見」を
「古ぼけた陳腐なもの」と一蹴
コレが具体的に何を指すのか知れないけど、何時も棒組みで首猛夫と非合法活動に従事し、
その一歩を踏み出している高志にとっては「小さなフラスコのなかの《目覚めた人》」たる確信がそこに有る
病臥し仮釈放の後、幽霊屋敷に瞑目する以前の・・・・・・
469吾輩は名無しである:2006/07/28(金) 13:32:31
保守
470吾輩は名無しである:2006/07/29(土) 19:51:41

二章冒頭の「一つの物語」に続いて「両家にまつわる現代史」──両家の連綿たる関係に一つの結末をつける
異常な結合が開始される

「真夏にしては陽射しの弱い薄雲った日の午後」三輪与志の内面で形をとりはじめた「或る想念」に
鋭く差しつらぬかれるように化石し卒倒する津田安壽子と出会う
太陽の所為したりしないで、安壽子の誕生日の直前という予定調和としての設定が伺えるねぇ
以降、夏期休暇中の出来事が時系列的に展開するけど、十三の少女の恋患いが婚約まで進展するのも
「子女の生産」が存在理由のようなランドレース・ママの猪突振りの為せる業だなぁ
そんなこんなで即席婚約者に仕立て上げられちゃった与志も黒川に愚痴っていたし


 ──暑中休暇中・・・・・・俺は許婚者をきめられたよ。
 と、彼はかすれた聲で呟いた。
 ──まだ十三の娘なんだ。
 ──十三の許婚者・・・・・・?
 ──さう、まだ骨格も出來てやしない。
 と、苛らだたしげに三輪與志は云ひきつた。ふと顏をあげたK川建吉は、三輪與志を凝視めたまま、
 さらに訊き返さうともしなかつた。
  
   長編 死靈 (三) 「近代文学」
471吾輩は名無しである:2006/07/29(土) 19:58:09
>470  続き

津田夫人に尻を叩かれるかたちで二人はデートのため動物園に行くけど、間近でみる婚約者の言動を伝え聞き、
安壽子以上に困惑する津田夫人の不安は徐々底知れないモノとなっていく


 ──動物園・・・・? 奇妙なとこへ行つたものね。そして、どうしたの?
  (中略)
 そして、躯*をくねらしもせず滑り進んでゐる海驢から眼を放さず、彼は獨り言のやうに云つた。
 その言葉を津田安壽子は母親の前に繰り返した。── 一分の間隙もなく泳いでゐる・・・・。それは
 三輪與志が彼の婚約者へ話しかけた唯一の言葉であつた。それだけだつた。

   長編 死靈 (八) 「近代文学」                       *「躯」書き込めないので書換え
472吾輩は名無しである:2006/07/29(土) 20:09:13

藤一也が埴谷についての作家論を出版
「不合理──」の論文も収録ってるんなら興味あるだけど、『農民闘争』時代ねぇ〜

ttp://spn04714.co.hontsuna.com/article/1735894.html

朝日新聞に書評が載ってたけど、
「戦犯出版社」講談社の「群像」編集者を務めた大久保房男が回想記
埴谷についての逸話もチョット書いているらしい

ttp://www.junkudo.co.jp/detail2.jsp?ID=0289381214
473吾輩は名無しである:2006/07/31(月) 19:54:53

ガセかも知れないが、8月に河出から
474吾輩は名無しである:2006/08/01(火) 19:07:38

2006.08.21 KAWADE道の手帖
発売予定 埴谷雄高 予価1,575円(税込)


これかな?
475吾輩は名無しである:2006/08/23(水) 16:09:31

KAWADE道の手帖
埴谷雄高 新たなる黙示
ttp://www.kawade.co.jp/np/isbn/4309740138

期待薄な内容ですね、出来れば内容確認してからにしたいなぁ

476吾輩は名無しである:2006/09/09(土) 00:15:16
すみません、死霊を読んでみたいんですが、一体どういったものを買うのがベストでしょうか?
できれば安くすませたいんですが、定本全五章、というものや
I・II・III巻の全3巻のヤツなどもあるんですが・・・・・実際収録の内容は同じなんですか?

回答お願いいたします
477吾輩は名無しである:2006/09/09(土) 17:39:48
>476

通読するならT〜Vの揃いが好いんじゃないの
文庫本は「未定校」が収載いってるそうだし

ちなみに全集/作品集の類は旧字体なので、ご注意
478吾輩は名無しである:2006/09/18(月) 18:22:10
埴谷さんって結婚してましたか?
479吾輩は名無しである:2006/09/24(日) 15:00:18
してたよ。堕胎マンだった。
480吾輩は名無しである:2006/10/03(火) 19:35:18
>471  続き

三輪家で疲労、混迷、目的喪失した津田夫人が惰性で立っている頃、深夜の散歩する三輪与志を「或る想念」が駆り立てる
ここでゼノン以来の歴史的課題から一歩を踏み出す「神秘な夜」が回想されているけど、
この体験が根拠不在に描かれてるようだが、埴谷が長年かけて体系化に努めた個人的体験に其の淵源があるんだろう
ひとまずは三輪与志のギリギリの踏み切りが何処からもたらされたか、首猛夫の闖入で九章までお預けにされた
「自同律の考究」のプロトタイプめいたものが提出された
もっとも与志がその後もう一度語る、初出時は意外にお喋りな独白部と比較しても左程の進展は認められないけど

 Ich+Ich=Ich
 Ich−Ich=Damon
 
前式は明快だが後式は「惡魔の眼を盜んででも」と欲する三輪与志の秘めた本質に係わるらしく解し難い
埴谷は最晩年、
白川から「人間もデーモンのひとつの姿でしょうか」と問われ何かを答えたが、その答えは一陣の風に吹き消されたそうだ


十三歳の津田安寿子を膝の上に抱き上げた結果としての「ひとつの夢」を「無意味でなかつた」と三輪与志が考察するのも、
七章から九章で存在論的に語られて初めて明瞭になってくるねぇ〜
より効果的に構成し直す為、一章既発表部分をひっつかんできて、この場面にくっつけた「ひとつの夢」以外は殆ど改稿が無い
先に「迷いが無い」と書いたけど、敢えて手を加える必要が無い程の思索の積み重ねがあったと見るべきなのだろう

十三歳から十七歳まで津田安寿子は「美しい変容を重ねる力」により次第に元気ハツラツぅな娘に「メタモルフォーゼ」していくものの、
三輪与志との関係においては進歩が見られず小ヒステリーをくり返す
誕生日を前に矢場との「一種の交感」を契機に与志の精神世界という迷路の継走者を躊躇う気の強い娘の背中を
全然違う思惑から強く押す事になる津田夫人の「自己主張」をくすぐる人物が津田家の玄関に、ふらりと現れる
481吾輩は名無しである:2006/10/06(金) 06:17:06
お前、もういいよw
チラシ裏でやって一人で酔ってろよw
482吾輩は名無しである:2006/10/06(金) 21:17:40
まぁ、ここも職場のストレスで病んだ学歴コンプの
ひねくれが多そうだから、
何言っても無駄ですかねぇ。
483吾輩は名無しである:2006/10/06(金) 22:22:33
埴谷は超難解
手が出ない
484吾輩は名無しである:2006/10/07(土) 06:24:56
てゆうか、いたって単純だよ、死霊、つか埴谷の「思想」は。
その意味ではドストと同じ。
言いたいことはいたって単純。
485吾輩は名無しである:2006/10/09(月) 19:29:35
>481

まだ2/3位あるからもう2スレは要るかもなw
486吾輩は名無しである:2006/10/19(木) 19:22:26
>466  補足

津田夫人の餌食になった痩せこけた三輪夫人との対話が沈黙に変わる夜半過ぎ、三輪広志が帰宅する
津田康造の「生得の能力」を熟知する彼にとっては「無知な母豚」の非難は滑稽譚でしかなかった
酔いも手伝ってか

 私逹と同年代の底意も知れぬ、偏奇的な人々を準備し、育んだ一人物……
  
   長編 死靈 (九) 「近代文学」

の精神構造が素描される


 ──僕は津田に云つたことがある。内閣で義務養育法案を審議しはじめたらどうだらうか、とね。
あらゆる子供逹を國家の手で養育する時期に既に逹してゐるんです。僕逹の發逹を阻害する躓きの石は、
愛らしきとか稱する子供の將來を氣づかふ母親の拐~なんですよ。
 ──まあ、まあ、まあ、なんて手ひどいことを仰つしやるんですの? そんな云ひ方こそ──まあ、
人類のですわ。* (後略)                      

   同上                                        *「人類のですわ。」原文ママ


校正ミスの原文ママじゃ肝心なトコが理解不能になっちゃうけど、
無自覚に本論を捉えちゃう津田夫人の「直截な精神」も然る事ながら、この時点で明らかではない
(埴谷のお喋りで公然)四人の息子達の「父へ對する辛辣な批判」を「永遠の食客的偏見」と見透かす悪徳が、
一章でおぼろげに語られたそれぞれの「養育」によって父広志の死後、エクセントリックに花開く
  
三輪与志も中学時代に蛸を噛んだときに
親父の稼ぎで食事を出して貰ってる「食客」の立場を自覚しちゃったんだねぇ
考えてはならぬ考えにハマリこんじゃったら、そりゃ食えなくなるぅわね
487吾輩は名無しである:2006/10/20(金) 05:20:51
「虚体」というものにセンスオブワンダーを期待して読みはじめたが現在二巻の
赤ちゃんがどうのこうのという部分。
だんだんイライラしてきた。
488吾輩は名無しである:2006/10/21(土) 06:11:11
「存在は呻いている」
何に?自分自身の重みに耐えられずに。
赤子も然り。
489吾輩は名無しである:2006/10/25(水) 20:52:10

紀伊國屋書店BookWeb
ttps://bookweb2.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9981291285

埴谷雄高との対話
ISBN:4766413113
421p 19cm(B6)
慶應義塾大学出版会 (2006-10-10出版)

・白川 正芳【著】
[A5 判] NDC分類:910.268 販売価:\3,360(税込) (本体価:\3,200)


出版元に掲載されてない・・・一番レビューが充実してるようなので
いろんな人が居るもんだね、人のコトは言えないけどw
490吾輩は名無しである:2006/10/27(金) 22:34:57
テスト
491吾輩は名無しである:2006/10/28(土) 12:11:35
「おにいちゃんやめて! そんなとこ舐めちゃだめ!
そこはおしっこするところよ、きたないよ!」
今年12歳の妹は泣きながらつぶやいたが、ぼくは股間を舐め続けた。
そして右の手でふくらみかけた乳房をつつみこむようにまさぐった。
妹はしくしく泣きつづけたが、二本の指で小さな乳首をいじくると
びくっ、とのけぞった。
492吾輩は名無しである:2006/10/28(土) 13:14:43
ワッフルワッフル
493吾輩は名無しである:2006/11/03(金) 10:30:13
>>484
なあんだって?
494吾輩は名無しである:2006/11/04(土) 01:27:16
『闇の中の黒い馬』が好き。
河出書店は文庫化すべし。
講談社文藝文庫でも可。
495吾輩は名無しである:2006/11/06(月) 05:14:48
「思想」というほどのものがあるのかな?このひと
きわめて「感覚的」「情緒的」な文士さんだと思う
496吾輩は名無しである:2006/11/06(月) 06:05:00
蓮實重彦師匠が、般若を「単なる馬鹿でしょ」とこき下ろしているのに、涙が禁じえなかった。
497吾輩は名無しである:2006/11/06(月) 06:16:42
でも講談社に吉祥寺の一軒家買ってもらっていい生活してたんだよな。
「偉い芸術家様」って感じの扱いは羨ましいっす。
498吾輩は名無しである:2006/11/06(月) 19:17:57
>>495-496

埴谷は、感情や情緒に先立って思想があるのではないんだ。
感情や情緒が、思想という仮面をかぶっているだけなんだ。
だから蓮實や浅田や柄谷には馬鹿に見えるんだ。
つまり吉本隆明と同じ扱いなんだ。
だが、文学というものは、結局そういった馬鹿がつくりあげていくものなんだ。
どんなに思想上位が頑張っても、文学を作ることはできないんだ。
499吾輩は名無しである:2006/11/06(月) 19:22:39
>>498
たんに小説としてみたらハニヤはあんまりすごくないと思うけど…
自己陶酔な紋切り型の塊だろ。
というか、新青年とかあっち系の良い意味でのB級って感じ。
しかも近代小説って初めからB級っぽいからB級のB級みたいな、良い意味で。
500吾輩は名無しである:2006/11/06(月) 19:31:58
美的センスは素晴らしい。
501吾輩は名無しである:2006/11/06(月) 19:34:04
>>499
でも、それは思想じゃないよね。
502吾輩は名無しである:2006/11/07(火) 07:04:38
ときどき好きな言い回しが出てくる
エッセイの文体は結構好き。

てか、エセイストだね、このひと。
503吾輩は名無しである:2006/11/07(火) 12:38:45
>だが、文学というものは、結局そういった馬鹿がつくりあげていくものなんだ。
どんなに思想上位が頑張っても、文学を作ることはできないんだ。


漫画化すれば

ものすごい高IQの論理的スーパー頭脳の持ち主は
例えば人口衛星の軌道の演算や
コンピュータ相手にチェスや将棋をさして勝ったり
複雑きわまりない投資スキームの作成等はできるわけだが
小説がかけるとは限らないよな

つまりそういうことかね
504吾輩は名無しである:2006/11/07(火) 17:40:56
ここに居る人間のどれだけが小説を読めているというのか
505吾輩は名無しである:2006/11/07(火) 17:56:21
>>503
そういうことだろうな。

506吾輩は名無しである:2006/11/07(火) 23:01:46
埴谷の不幸は良い読者が少ないことだろうね。
体力の無い読者は決まって途中で厭きるとかつまらないとか言い出すし、
ヒネタ奴は了見違いの中傷しかしない。

507吾輩は名無しである:2006/11/07(火) 23:08:03
こいつは幸せじゃん。死んだ後も扱いがでかいよ。
「戦後文学の最高峰」みたいな感じで。そうかぁ?wと思うけど。
508吾輩は名無しである:2006/11/07(火) 23:09:24
武田泰淳を見てみろよ。
509吾輩は名無しである:2006/11/07(火) 23:23:07
「死霊」なんて、だらだら書いて、結局未完。一方、武田はずばっと「富士」を書いて、しかも「死霊」よりずっと上。
510吾輩は名無しである:2006/11/07(火) 23:55:25
埴谷も武田も左翼運動で逮捕されてるんだね。
違うのは、武田は東大、埴谷は日大除籍。
511吾輩は名無しである:2006/11/07(火) 23:58:35
>>507は態度がデかい。
しかもwを使用とは。
512吾輩は名無しである:2006/11/08(水) 00:01:18
いいじゃん埴輪さんは最高ってことでさ。いいじゃん。
513吾輩は名無しである:2006/11/08(水) 04:05:44
「死霊」は批判に耐えきれなかったんだろうな。
思いっきりバカ扱いされたしね。中上の遺作と同じだね。
514吾輩は名無しである:2006/11/08(水) 04:30:57
「異族」ね。
515吾輩は名無しである:2006/11/08(水) 06:44:38
>>503

まあ、NASAやウォールストリートで高給取ってる
IQ300のパワーエリートは
小説なんか書かないし読まないだろうな
516吾輩は名無しである:2006/11/08(水) 20:52:27
>498

あの時代に他の手段が無かったのは悔しかったろうね
映画を個人で制作できてたら、そっちで革新的なモノを創ってたんじゃないかと思う
主要著作を撫でてると、ふっと観えて来る事があるんだよなぁ
七〜九章なんてその辺に転がってる批評なんか参考にならないからね
517吾輩は名無しである:2006/11/13(月) 21:39:32
思潮社がさ、詩の森文庫っていう、新書版をはじめたんだよ。
(あそこは新書版を文庫って言い張るんだけどさ)。
そこにね、埴谷さんの『幻想の詩学』というのが入った。
読んだのだが、なんだか、こう、老害のようなものを感じた。
若いときの文章にすらだ。
518吾輩は名無しである:2006/11/13(月) 22:55:18
幻視の詩学だろ?
519吾輩は名無しである:2006/11/13(月) 23:55:34
柄谷が馬鹿であることがわかってしまう埴輪というマスク。
520吾輩は名無しである:2006/11/15(水) 11:53:14
『幻視の詩学』の出版は去年2005年1月。
521吾輩は名無しである:2006/11/15(水) 21:46:23

Sankei Web > 読書 >
ttp://www.sankei.co.jp/news/061030/boo006.htm

『文学全集を立ちあげる』丸谷才一、鹿島茂、三浦雅士著(10-29 1940)


一応、風の便りに「死霊」もピックアップされているそうなので
鹿島茂・・・どうですかねぇ、
某書の解説位しか読んでいないけど、頭が固いというか、字面だけ追ってケッコウな事を書いていたけど
埴谷は「三回目のトライ・アンド・エラー」だと自己解説してくれてるのにねぇ
その意味じゃ川西のほうが悪質かも
522吾輩は名無しである:2006/11/25(土) 20:47:25
>480  続き

津田老人の誰何を躱し、首尾好く邸内に入りおおせた直後、相手の心へ絶えず片足をかけておく首猛夫の術中に嵌り、
その醜劣な、得体も知れぬ印象に気圧された津田夫人が自室で高まりくる癇癪に身を委ねている時、
仮出所当日の予定表の一項──津田康造と対峙する

  こんな自己主張論者たる三輪廣志と、自己主張を母の胎内へ置き忘れてきたやうな津田康造との親しい友情は、
 かうしてみると、通常には得がたい優れた組合せとも云へた。さう在ることが既に強味だ!と、津田康造も或る
 意味で呼び得ただらう。彼を押してみると──謂はば無限の無抵抗といつたやうなものを、どんな相手でも感じた。
 つねに惡を論ずる三輪廣志との長い接觸がどんな影響を與へたのか解らぬが、彼はあらゆる形の惡をもそのまま
 自然に受けいれて逆はなかつた。とは云へ、彼がその惡を別かち擔つてゐるとは誰も考へなかつたところに彼の
 特殊な在り方があつたのである。
  (中略)
 それは一種の人徳であつた。この曖昧な概念は、謂はば、欲望の欠除*と同義語であつたが、その後官吏となつた彼が、
 殆んど特別な才腕を振はなかつたにも拘はらず、有能と見られたのは、ひたすらこの曖昧な人徳によるのであつた。

長編 死靈 (八) 「近代文学」   *「欠除」書き込めないので書換え


津田康造の精神構造を「自己主張の完璧な喪失者」と「宣戦布告」する首猛夫に弾劾させる事により
場面に比類無い緊張感を与えている
三輪広志の「自己主張」はデカルト的であるが、津田康造の「アジア的思考様式」は
東洋思想に根ざしつつ、スピノザ的と言える

後に乳白色の霧のなかで
「より高きものへ隷属することが最高の悦び」と異説を唱える「質問の悪魔」は誕生祝いの席で
「睨みの悪魔」と再び相見える、「釈迦と大雄」として・・・
523吾輩は名無しである:2006/12/02(土) 07:34:53
闇のなかの黒い馬
の函入(でかいほう)を
2500円で買いました。
524吾輩は名無しである:2006/12/02(土) 22:41:52
死霊よりも影絵の世界の方が文学的ですよね。
525吾輩は名無しである:2006/12/16(土) 07:53:47
地曳豪(森恒夫)
大西信満(板東国男)
坂井真紀(遠山美枝子)
並木愛枝(永田洋子)
ARATA(坂口弘)
莵田高城(吉野雅邦)
宮原真琴(小嶋和子)
藤井由紀(大槻節子
安部魔凜碧(金子みちよ)
伴杏里(重信房子)
ほか

若松孝二監督 作品「実録・連合赤軍」
第一次鬼首ロケ終了
http://wakamatsukoji.org/top.html
526吾輩は名無しである:2006/12/16(土) 16:34:05
日本には埴谷程に可能性に満ちた存在はいない
確かにそれは論理的明解を貫いているとは言えない
しかし人間の存在の深淵を彼は書いている
自同律の不快から始まりのっぺらぼうまで
その深さに読むものは目眩を感じる
一体誰が闇の深さを測れるというのだ
測量家である日本の思想家と言われてる人々は
理解出来ないものは
愚かだとしているに過ぎない
彼らは目を背けようとしているだけだ
埴谷が描いたものと同じに
この宇宙もまた全くの闇であると言うのに
527吾輩は名無しである:2006/12/17(日) 07:56:20
てゆうか、にほんご苦手だろ?あんた?
528吾輩は名無しである:2006/12/17(日) 22:15:08
苦手というか、不自由?
529吾輩は名無しである:2006/12/19(火) 19:14:29
はにやさん誕生日お(・∀・)め(・∀・)で(・∀・)と(・∀・)う!
530吾輩は名無しである:2006/12/19(火) 19:19:55
戸籍上は翌1月1日だけどね
531吾輩は名無しである:2006/12/19(火) 19:25:28
埴谷は、19日生まれと明言しているからいいのよ!
532吾輩は名無しである:2006/12/19(火) 19:35:51
このスレは、埴谷宇宙誕生のお祝いスレッドに変わりました。

19日だけ。
533吾輩は名無しである:2006/12/19(火) 19:54:07
べートーヴェンのお母さんの誕生日でもある。
534吾輩は名無しである:2006/12/19(火) 22:07:34
カント研究で有名な坂部恵東大名誉教授が口にしていたことだが、
カントに強烈に刺激を受け、その上でカントを深く読みこなしていた
文学者は二人いると。その二人が森鴎外と埴谷雄高らしい。

こちらとしては、『死霊』に関して言うなら第6章までは何とか読めるが、
それ以後となると正直詰まらないという感想しか持てなかった。
兎にも角にも、「〜宇宙」と言っておけばいいというような安易な構成が目立つ。
若いころの「幻視のなかの政治」とかの鋭利な文章ではなくなってしまっている。
一歩間違えば「電波」になってしまうであろう中で、単なる「電波」ではないところで
踏みとどまりながら創造活動するのが作家であって、一線を通り越してしまい晩年は
強烈な「電波」になってしまったというのが、正直な感想。
535吾輩は名無しである:2006/12/20(水) 01:19:22
>534「電波」を400字で述べよ。
536吾輩は名無しである:2006/12/22(金) 20:33:03

漏れ的には七章の宇宙論は圧倒されるほど、面白い
ビックバン理論が「この宇宙」にしか適用出来ないという絶対矛盾的自己同一を
更に拡張して、インフレーション理論を先取りしているしねぇ
勿論、それがトートロジィに陥る必然を埴谷は覚悟していただろうけど
それは最近まで小説でしか表現し得なかった訳で、その表現手法の的確さは「観測」が補強している
537吾輩は名無しである:2006/12/27(水) 20:22:03
>489 自己レス

アマゾンで「あと2冊」なんてセールストークに釣られて、ようやっと購入
ざっと見で「始まりにして終り」の完全版だね
埴谷との対話テープを某月某日から正確な日付で載録してある
最晩年の資料として活用させて頂きます

文芸評論家はこうでなくっちゃね
538吾輩は名無しである:2006/12/27(水) 20:54:48
はやちゃんの掲示板に書評があるね
539吾輩は名無しである:2006/12/27(水) 21:14:49
>538

いろんな人が居るもんだね、人のコトは言えないけどw
540名無しである :2006/12/29(金) 03:24:27
唐突ながら質問です。
埴谷の家に何度か強引に遊びに行ってアルジと話しをした人って、これまで埴谷関連スレに
登場した事ありますか?
541吾輩は名無しである:2006/12/30(土) 13:50:54
『死霊』はカッコいい2ちゃんねる
542吾輩は名無しである:2007/01/02(火) 13:15:43
あげ
543吾輩は名無しである:2007/01/11(木) 14:40:47
「小説現代」を立ち読み
544吾輩は名無しである:2007/01/24(水) 18:42:00
>456  補足

夕暮の校庭に現れた一人の少女に伴われ矢場徹吾が木柵の彼方に溶け込む様に消え去って行ったその夜、
三輪与志は小図書館の一部屋で「難破する」黒川建吉を矢場のところへ行こうと誘い出す

  ──さう。サアカスの女で……その女は、何故か矢場を探してゐたのさ。ところで此處に矢場の書いたものが
 あつたね。あれはどんなものだつたかしら。見たいと思ふんだが……。
  (中略)
  ──徹吾のところへ……いまから徹吾のところへ行つてみよう。
  ──徹吾のところへだつて?
  殆ど同じ口調で囁き返したK川建吉へ、三輪與志はかぶせるやうに云つた。 
  ──虫が氣付くといけないから、そつと……。説明は後でする、ねえ、そつと塀を乘り越えよう。

   長編 死靈 (一) 「近代文学」


公園での尨犬の一件で矢場の名前を知ったらしい、この町に見慣れぬけばけばしい服装をした一人の少女が
所属しているらしいサアカスの一団の元の矢場が赴いたらしいと睨んだ三輪与志は、
しかしこの時、彼には計り知れぬ何ものかがその裏にあるらしいことを自覚していなかった
545吾輩は名無しである:2007/01/24(水) 18:44:57
>544  続き

校庭を横切り、公園を抜けて大通りへ──二人の議論は続くが、何時しか辿り着いた町外れのサアカスの掛小屋は
喪中であった
そこに三輪与志にとって思わぬ人物が待っている

  ──矢場は、やはり……此處へ來たんですか……?
  と、三輪與志は、一瞬、その老人をぼんやりと凝視めた。
  (中略)
  ──歸つた……不意と歸りをつた。おお、君は徹吾君に會つてきたんではないのかな。
  ──矢場が歸つたですつて……?
  と、微かな叫びが三輪與志から洩れ出た。

   長編 死靈 (三) 「近代文学」


546吾輩は名無しである:2007/02/10(土) 20:25:51
2月19日に御茶ノ水のアテネ・フランセで『アンドロメダ忌』があるらしい…。
547吾輩は名無しである:2007/02/16(金) 14:31:20
パレスチナ自治政府議長、ハニヤ首相に挙国一致内閣樹立を正式要請
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070216-00000496-reu-int
548吾輩は名無しである:2007/02/17(土) 11:47:05
>>546

つ トカイ
549吾輩は名無しである:2007/02/18(日) 18:11:00
定本 謎解き〈死霊〉論って?
550吾輩は名無しである:2007/02/19(月) 02:58:11
>>496のソースは?
発言の文脈を確認したい。
551吾輩は名無しである:2007/02/19(月) 21:41:06
ハニヤなんてなんか言ってるようで何も言ってないぞ。
澁澤龍彦の偏愛的作家論を読めばそれが分かる。
かっこつけだけ。
コリンウィルソンみたいだったら好きだったんだけどねぇ〜。
552吾輩は名無しである:2007/02/20(火) 01:31:02
>>551
もし『死霊』を終わりまで読んで、感想がそれだったら
悲しいことだ。でも、いろんな人がいるから、別にいいよ。
もし読まないで言ってるんだったら、もっと悲しいことだ。
でも、いろんな人がいるから、それも、別にいいけど。
553吾輩は名無しである:2007/02/20(火) 22:04:33
>>552
えっ?終わりまで読むと何かあるの?
お前の感想言ってみれ。
554吾輩は名無しである:2007/02/23(金) 01:58:16
「虚体」って何?中身がなくて何も言えないのをごまかすための苦し紛れ?
馬鹿どもを騙して尊崇を集めるためのテクニック?
お前は教祖か。
目を押さえたときのチカチカが意識の光?惜しいとこまでいってるような気もするんだけどね。
そこから先に行けないのはドラッグに縁のない日本人だから?

まるでダメだね。俺は好きになれないね。本気で考えたように思えないから。
いや情けないわ。
555吾輩は名無しである:2007/02/28(水) 15:34:56
回転する円盤の中心は静止している
556吾輩は名無しである:2007/02/28(水) 17:49:53
埴谷はロマンチスト。
557吾輩は名無しである:2007/02/28(水) 19:04:50
少し考えてみたがやっぱり分からんな
中身がないってどういう意味なんだろう?
何も言えない(表現出来ない)とこまで思索が及んだから
九章で息詰まったママ逝っちまった訳だけど
558吾輩は名無しである:2007/02/28(水) 21:34:13
九章未定稿までで完結していると見る向きもあるよ。
オチ自体は本人がバラしてるしね。

Ich+Ich=Ich
Ich-Ich=damon

この式を考えれば全体像は見えるよ。
559吾輩は名無しである:2007/02/28(水) 21:54:28
>558

前式は人間は身体と精神の統合、と云う事で好いのかな?
後式は良く分からないね
その実、身体が精神を束縛している、その超克を志向しているってか?
560吾輩は名無しである:2007/02/28(水) 22:04:34
>>557
ブール代数でしょう(ちょっと違う?)
1+1=1
1-1=0
ゼロとは何か、というのが埴谷の問い
561吾輩は名無しである:2007/02/28(水) 22:17:19
Ich+Ich=Ichの世界の人たちと
Ich-Ich=damonの世界の人たちは
死霊の作中で明確に分けられています。

>>559
前者は同一律で保持される世界です。

>>560
言い換えれば、それはゼロなのか、ですね。
そもそも式内のIchとはIch=Ichであったか、
Ichの位相が違うとすれば、ということです。
562吾輩は名無しである:2007/02/28(水) 22:38:12
>560

ちょっとググってみたら・・・ああ、集合が出てくるのか(汗
中学の初っ端で躓いたってw
563吾輩は名無しである:2007/03/03(土) 18:25:49
この間、知り合いの葬式の引き出物が来た。
カタログで好きなものを注文してくれっつーあれだ。
で、ワインの味わいをよく解さない俺は、
埴谷オタということもあって、トカイを迷わず注文した。
何とも甘く薫り高い味わいで、至福のひとときを過ごした。
また飲んでみたいと思うのだが、近くの酒屋では置いてない。
このワインは高価なものなのか、人気の高い物なのかもわからない。

どこで売ってる? 高いの?
564吾輩は名無しである:2007/03/03(土) 18:38:22
ブール代数が理解出来てない漏れとしては、もう少し粘ってみよう

>560
三輪与志の式はゼロじゃなくて「damon」ですけど
埴谷がデモノギィを持ち出す時は必ず「無限」に言及するから
 damon=∞
になるんじゃないんですかね

>561
上の前提に立てば
 Ich-Ich=∞
で、悪魔がひたすらその外観を変じる世界を表わしてると思うんですけど

ま、それが永劫の時間のどっかで重なるってコトを示してるのかも知れないけど
565吾輩は名無しである:2007/03/03(土) 18:40:26
>563

ネットでも注文できる、五千円以上はするようですよ
566吾輩は名無しである:2007/03/03(土) 21:51:11
ハァ?
567吾輩は名無しである:2007/03/04(日) 19:28:56
>>564
永劫ではないです。そこまで面倒に考えるものでもないんです。
何しろich(私)が式の中身ですから、「私は私である」と叫べない与志の性質から考えるといいです。
もったいぶるわけではないですが、僕が直言しても意味がないと思うので……。
568吾輩は名無しである:2007/03/13(火) 20:41:42
いやぁ、数学って難しいね
Wikipediaをさ迷ってたら「自己言及のパラドックス」なんていうトコに迷い込んだよ
569吾輩は名無しである:2007/03/23(金) 20:46:04
>545  続き

矢場徹吾の幼少期を知り、「学校へもまだ上らぬ子供」の時期、
三輪広志から「壁へ貼った備忘録」へ書き込まれる「青い印し」である「一日一悪」を
津田康造同様に教唆され続ける日々を述懐し、「卑屈な話」を三輪与志らに開陳する老人の真意は明らかでない
「三輪家の数えきれぬほど底知れぬ災いと不吉を密封していた秘密の暗い箱」を抉じ開ける様な
老人のお喋りに三輪与志の苛立ちは募る

  ──父の話は……止めませう!
  不意と三輪與志は躯*を傾けて、老人の話を遮つた、何故か眉をひそめて瞳を閉ぢたまま、老人の顏を見もせぬ
 彼の擧動は險しかつた。倒れさうな椅子の軋む響きに、K川建吉は瞬間、三輪與志の背を支へた。
  ──おお、わしの……卑屈な話ぢや。おお、このかたは三輪の息子さん……徹吾君と同級なさうな。このわしの
 娘も亡くなつた娘と仲良しでな。徹吾君を迎へに行つとつて、死目に會へなんだのをひどく悔んでいゐわい。

  (中略)
  だが……わしが悟つたのは最初の屈辱で、三輪はその後もわしにヘへこんだ……。例へば……おお、何處へ立ち
  なさる。待ちなされ、三輪君。わしはお喋りぢやが……夜が明けてから歸りなされ……三輪君!
  (中略)  
  ──おお、お友達。三輪君は氣を惡くしたかな。
  ──矢場はどうでしたでせう……?
  と、K川建吉は考へ深さうに反問した。そして、まじまじと凝視める老人を熟視しながら、Kと白の花輪の列の
傍らで黙祷*するやうに頭を垂れると、後を見返りもせず、落着いた足取りで出て行つた。  

   長編 死靈 (三) 「近代文学」              *「躯」、「黙祷」書き込めないので書換え


「身寄りもない娘のお通夜」──異様なこの場の推移を最後まで冷静に見守る黒川建吉は、
矢場と老人の間で起きたあろう事、そして彼の行方に関する手懸りが絶えた事を確信する

>458に続く
570吾輩は名無しである:2007/03/29(木) 00:10:29
途轍もなくでかいスケールで思考している小説家・思想家であったことだけは
認める。面白いかどうかは別として。
しかし「死霊」を読むと、今自分がテストでどうのこうのとやってることがみみっちい
ことであると思わされるほどの強度を以って迫ってくるような感覚に襲われることもまた確か。
571吾輩は名無しである:2007/03/29(木) 00:16:00
「死霊」を映画化して欲しいね。
監督は、ストローブ・ユイレ(相方死んじゃったから無理か?)か、ゴダールか。
ともかく現代最高峰の監督による、ちょっとやそっとでは人を寄せ付けない
超難解映画として撮って欲しいね。

間違っても
「三輪與志」役・・・キムタク
なんてことはやめてもらいたい。
572吾輩は名無しである:2007/03/29(木) 00:43:44
おお!火星
わが故郷よ!!

by 埴谷雄高
573吾輩は名無しである:2007/03/29(木) 00:48:31
島尾ミホさんが死んだね
574吾輩は名無しである:2007/03/29(木) 08:57:58
映画したら何の意味も無い小説なんですけど
575吾輩は名無しである:2007/03/29(木) 12:18:10
ゴダールの映画なら可能だろう。
576吾輩は名無しである:2007/03/29(木) 13:26:52
>>571
映画に・・・なるか?  キューブリック?
577吾輩は名無しである:2007/03/29(木) 14:43:16
>>572
え?
埴谷の故郷はアンドロメダ星雲じゃね?
578吾輩は名無しである:2007/03/29(木) 15:01:01
去年マリエンバードで、が近いイメージか。
カラマーゾフも映画になるんだからできなくはないだろうが

579吾輩は名無しである:2007/03/30(金) 14:22:29
埴谷ファンという銀座のクラブのママが埴谷に書いてもらった色紙にあった
言葉だよ。
おお火星よ!
わが故郷よ!!
580吾輩は名無しである:2007/04/01(日) 22:51:55
>>534
「日本で一番深くカントを読んだ人は、ひとりは森鴎外、もう一人は埴谷雄高
だと思います」
「精神の上でカントをよく継いでいるのが森鴎外と埴谷雄高である」

By 坂部恵東京大学名誉教授 哲学(カント研究等)
581吾輩は名無しである:2007/04/01(日) 23:05:12
映画化するとしたら、アラン・レネの「去年マリエンバートで」のようになる
可能性もあるね。あるいはキューブリックの「2001年宇宙の旅」のように
撮ることもできなくもない。さらにはタルコフスキーの「惑星ソラリス」や「サクリファイス」
「ノスタルジア」のようにこの上もない映像詩とすることもできるだろう。
ゴダールだと「新ドイツ零年」のようになるだろうか。あるいは、「フォーエバー・モーツアルト」
になるかもしれない。

個人的にはソクーロフの「精神の声」のような冒頭の美しさですべてを語ってしまう映像がいいかな。
埴谷には、やはり悠久のロシアのイメージが重なる。

と言ったところで、仮に埴谷がロシアにでも亡命していたらどうなっていただろうか。
勿論、粛清されていたかもしれない。しかしちょっと考えてみると、思想的な大事件にまで
なっていたかもしれない。日本という文脈になお治まりきれない屹立した作家としてのイメージ
が埴谷にはある。
21世紀には生命科学が進歩するわ、量子論は盛んになるわで考えられないようなことも起こりうる
ようになった。人為的に生殖を操作可能になりつつある中、新しい生命体への進化を企図していた埴谷
の思想の一端が現実化していくかもしれない。事実、生命科学者ないしは人工生命の研究者(とある東大の学者)は、
埴谷雄高を尊敬して息子にゆたかと名づけたぐらい。コンピュータ・シミュレーションの段階とはいえ、
人工進化も考えだされてきており、結構埴谷に影響されている者もいると仄聞する。
埴谷の目指す「存在の革命」へと人類は一歩ずつ前進していく。
582吾輩は名無しである:2007/04/02(月) 00:12:05
俺は来るべき息子に対して「與志」と命名するつもり。
娘だったら「安壽子」と命名する。

思い切って「虚体」と命名する手もある。ただ「虚体」だと生まれてくる子が
不憫に思われるのでやめる。
583吾輩は名無しである:2007/04/03(火) 00:32:34
新しい存在の革命
いい言葉だ。
584吾輩は名無しである:2007/04/03(火) 08:17:12
分かるような分からないよう言葉だ。
585吾輩は名無しである:2007/04/03(火) 08:41:11
今はあとかたもない二流の経済雑誌「経済情報」に勤めたこと
がある。昭和十五年春から暮れにかけての半年あまりである。
「随筆記者募集」丸の内昭和ビル内其社という案内広告を見て
応募したのである。随筆記者というから各界名士の訪問記事で
も書くのだろうと見当をつけて行ったらその通りですぐ採用さ
れた。 〜中略〜 
経済雑誌は初めてである。
見るとそのころの経済雑誌は左翼の残党の吹きだまりで、会議
ばかりひらいて立って紋切型を語るのを聞けば聞くまでもない
ことばかりである。なかに埴谷雄高こと般若豊がいた。何かの
党に属して転向した組だろう。どうしてこれが昭和十五年だと
いえるかというと、その秋ダンスホール閉鎖される、般若はこ
れから行こうと言う。私は行かぬという。般若はそのころから
文名があって仲間に一目おかれていた。そんなこととは知らな
いが、般若の言葉に何のオリジナリテも認められなかった。
般若はあるとき君のようなニヒリストは見たことがないと言っ
た。だから般若は自分の書いたものを君に見せないと言ったの
でその道ではすでに名のある人なのかと思った。ただそれだけ
である。同僚だから言葉を交さないではなかったが、会話は凡
庸で陳腐でどこにもひらめきは感じられなかった。これが戦後
に「死霊」を書いて難解ではあるがある種の尊敬を一身に集め
た埴谷雄高の一面である。彼は四、五歳年長で三十をわずかに
出ていたはずである。肺病特有のすすけたような顔色をしてい
た。のちに埴谷の名声を聞いて私は驚いた。人物を知ることが
作品の鑑賞の妨げになると私は知っている、もし知らなければ
私は埴谷のよき読者になれたかもしれないのに、知っていたば
かりについに読者になれなかったのである。

 山本夏彦 夏彦の写真コラム九百八十回より 
586吾輩は名無しである:2007/04/03(火) 08:54:54
なんという愚痴
これはまちがいなく「おまえがいうな
587吾輩は名無しである:2007/04/03(火) 21:56:52
普段の生活で異常な奴なわけないだろう。
小説家というのは、普段は平々凡々な実生活をおくりつつも、頭の中では
異常なことを考える。そういう人種だろうに。
山本夏彦になんで日常生活で四六時中「虚体とは〜」なんて語らなきゃならないんだ?
それこそ何考えてんだか・・・・。
588吾輩は名無しである:2007/04/03(火) 22:07:48
埴谷雄高は吉祥寺に住み井の頭公園を散歩していた
589吾輩は名無しである:2007/04/03(火) 22:32:49
>>588
背が高かったよな。
590吾輩は名無しである:2007/04/03(火) 22:36:09
J−WAVEでこのまえやっていたが、吉祥寺は毎年、住みたい街の
ナンバー1なんだってな。

日本文化チャンネル桜は、平成十九年三月三十一日をもってスカイパーフェクTV!Ch.767における
24時間放送を休止し、同Ch.241「ハッピー241」の夜の時間帯で放送を続けることになりました。

※「ハッピー241」での放送時間(4月1日?)は、以下のとおりです。スカイパーフェクTV!
の受信環境があれば、どなたでも無料でご覧になれます。
       【月?金】18:30?21:30/23:00?24:00
       【土・日】21:00?24:00

http://www.ch-sakura.jp/index.html

592吾輩は名無しである:2007/04/05(木) 00:56:23
Fly me to the moon
And let me play among the stars
Let me see what spring is like
On Jupiter and Mars
In other words hold my hand
In other words darling kiss me

Fill my heart with song
And let me sing forevermore
You are all I hope for
And I worship and adore
In other words please be true
In other words I love you

埴谷を読むと、つい口ずさんでしまう。
意外な取り合わせかもしれないが。
尤も「死霊」は恋愛小説とも読みうることからすれば、あながち場違いな曲でも
ないなと思えるときもある。
593吾輩は名無しである:2007/04/09(月) 13:03:46
どうしてドストエフスキーに興味を持ったのでしょうか?
594吾輩は名無しである:2007/04/09(月) 18:55:25
中学時代の『白痴』読書体験…
595吾輩は名無しである:2007/04/09(月) 19:11:54
「群像」5月号買うの忘れた・・・。
このスレ見て思い出した。
596吾輩は名無しである:2007/04/14(土) 00:30:27
虚体とはつまり人間の思考領域を越えたものの体現ということなの?

ワカラン…
597吾輩は名無しである:2007/04/16(月) 19:37:34
死霊以外でお薦めの小説っていうとなにがありますか?
この人の本読んだことないんで、まずは軽い短めのものから入ろうと思うんですが
598吾輩は名無しである:2007/04/16(月) 20:04:09
闇のなかの黒い馬
599吾輩は名無しである:2007/04/19(木) 20:04:57
>597
自叙伝だけど「影絵の世界」
作家本人の実像に迫れるから、参考になった
600吾輩は名無しである:2007/04/27(金) 23:29:42
この人の世界はとても難解だと思うのですが
601吾輩は名無しである:2007/04/28(土) 20:52:16
/(^o^)\ナンテキョッタイ
602吾輩は名無しである:2007/04/29(日) 04:03:37
>>597
初期の短編「虚空」がよいのでは
603吾輩は名無しである:2007/04/30(月) 07:54:54
>>592
埴谷を読むと、つい映画『ウォール街』が見たくなる。
604吾輩は名無しである:2007/04/30(月) 08:47:55
【構想150巻】
英国の有名書店「Junk do book shop」で創価学会の池田大作名誉会長の著作『池田大作全集』が年間ベストセラーに躍り出る
gooニュースhttp://society6.2ch.net/test/read.cgi/koumei/1166498286/l50

605吾輩は名無しである:2007/04/30(月) 12:11:28
埴谷のスケールの大きさには驚嘆する。
社会革命を通り越して新しい存在の革命。要するに人類が新しい生命体に
進化すること。
ドゥルーズとモチーフは類似しているね。
人為的に進化を加速させればいいと。
これからはそれができるかも。生命科学の分野では生殖細胞を操作できるように
なっている。
道理で、生命科学者に埴谷雄高ファンが多いのか、と思う。
彼らは本気で新しい存在の革命を起こそうとしているのかもしれない。
その動きを全肯定する哲学は、埴谷の「死霊」の中にしか見出されない。
606吾輩は名無しである:2007/05/02(水) 11:59:30
>605

埴谷が「死霊」追求してたのは、(人類を含めた全生命と)存在の全否定ですよ
九章未定稿に依拠すると、こういう事になるんだろうけど
九章の「虚体論」は、三輪与志のそれとは違うものに成る筈なんですけどねぇ
607吾輩は名無しである:2007/05/02(水) 19:18:41
>569  続き(>458の補足)

老人の「卑屈な話」から、
父への嫌悪と共に矢場徹吾への「一種の責任」を連想しサアカス小屋を飛び出した三輪与志は、
「暑中休暇中見た或る夢」を思い出し苛らだたしさを噛みしめていた

  疼くやうな重苦しいものが彼の裡に壙がり、彼の體内の隅々を噛みはじめた。自身にのみ苛らだつてゐた彼が、
 その夜を謎のやうな一夜としたのではあるまいかと、さらに苛らだたしく囘想された。と同時に、彼は奇妙な
 ことを聯想した。それは、彼に無縁ではないけれども、しかも、彼に測り知れぬ何ものかが、その夜に隠されて
 ゐなければならぬやうな気がしたのである。こんなふうな考へ方は、彼がさまざまな夢を弄びつけてから生じた
 ものであつた。

   長編 死靈 (四) 「近代文学」


埴谷は、<記憶のふしぎな傾向>として結晶したこの夜の出来事と、暑中休暇中の「ひとつの夢」を
矢場徹吾の失踪とを関連付けて、生起するものはことごとく自らに原因をもつと考える
三輪与志の認識判断を強引過ぎると感じたのか、サアカス小屋の場面を懊悩する内面描写ごと削除しちゃったけど、
三輪与志が直覚した「何ものか」について、
いくつもの裏設定を可能にした訳だから結果的に好判断だったかも知れないけど、
「初恋の人」をモデルにキーパーソンの一人として登場させたい一面もあったんだろうねぇ
608吾輩は名無しである:2007/05/09(水) 13:11:00
http://ana.vis.ne.jp/ali/antho.cgi?action=search&keyword=%97%E9%96%D8%97V%89%EE
鈴木の「明星」。これって死霊の真似?
609吾輩は名無しである:2007/05/13(日) 14:47:50
講談社文芸文庫二巻九ページのザティルの意味わかる方教えてください
お願いします
610吾輩は名無しである:2007/05/17(木) 23:47:07
Sa・ti・re
[ザティーレ](女性名詞)
〔(単数の2格)‐/(まれに(複数の1格)‐n)〕風刺;風刺詩;風刺文学

違ったらごめん
611吾輩は名無しである:2007/05/24(木) 14:41:50
全集の5巻までしか読んでないけど、
埴谷の立場って大乗仏教の中観派に近いんじゃないかな?
本人があまり仏教について語ってないんで確証ないけど。
612吾輩は名無しである:2007/05/31(木) 19:00:05

伊東茂右衛門 祐之
ttp://www12.ocn.ne.jp/~n2003ito/itohsukeyuki.html

誤記が哀しい・・・
613吾輩は名無しである:2007/06/10(日) 19:10:32
>607  続き

サアカスの一団は町を去り、矢場徹吾は母親共々消息を絶つ
「一風變つた生徒逹を庇護」しつづけた「青虫」の主張も虚しく、三輪与志についても処分が決定された


  嚴肅な表情をした「虫」は、公式に三輪與志を呼び出さねばならなかつた。
   (中略)
 その大机の傍らに立つたまま、停學……と一言で告げ終つた「虫」は、三輪與志の傍らへ歩み寄ると、
 その肩に手をかけた。
  ――矢場はどうしたのだらうか?
  と、「虫」は沈鬱に訊いた。
  ――僕も知りません……。
  三輪與志は苛らだたしげに肩をそびやかしたまま、怒つたやうに短く答へた。

   長編 死靈 (四) 「近代文学」


三輪与志が直覚した「何ものか」が徐々に明らかになるのが、
「殆んど無為の日をすごしつづけ」る五年後
生者と死者、それぞれの道行――それは名状し難い空虚な歳月であったろうか


  ――少しも変っていないな。荒涼たるものだ。
  と、彼は眉を寄せて、はじめて呟いた。
   (中略)
  ――俺は、その頃、街をうろついていた。俺は部屋のなかをうろついていた。自身のなかを往ったり来たり
 していたんだ。俺は妄想を食って生きていたよ。

   三章 「死霊T」
614吾輩は名無しである:2007/06/10(日) 20:53:11
>595

誰も書かんのでチョットだけよ

漏れは佐藤亜紀という作家については何も知らんのだが
対談で、萌とかスタートレック(旦那談)とか、頭大丈夫なのかな
権力志向って、家庭内スターリニズムの当人捉まえて・・・笑ってしまったよ

頭のゆる〜い女が「ここ(場面)って私的にはぁ〜」と話している風にしか読めなかった
このスレにもそういうのがよく来るから慣れっこだが
埴谷が「終わりから始められる」表現手法として小説を採用している以上、
結末へのプロセスでしかないんだけどなぁ
615吾輩は名無しである:2007/06/27(水) 22:24:30
>614 (続き)

対談のテーマのひとつは「未読の読者への影響力」だから、
「こういうのにハマっちゃだめよ〜ん、それよりオバさんの本読んでね」的な論旨は存外に的確かもなぁ


(佐藤亜紀の発言より)

  その美的なものに惹き付けられた不思議大好き少年、不思議大好き少女が、
 これは哲学だといっているだけなんじゃないかという感じがする。

  ただ、そういう人たちを惹き付けて、何やら超難解なことに触れたような
 気持ちにさせるテクストとしては、よくできてますよね。


そういう凡百の読者を最初から切り捨てていくのが埴谷の作業だったのにねぇ〜
「謎不感症」の佐藤には、ここんトコが「権力志向」に映るらしい

原稿料も出ない同人で発表して、単行本も出版元を傾けさせるほど売れない小説を書き続ける
埴谷の「渇望」を理解出来んのも道理かも知れんけど、その証左に対談中「自同律の不快」は一語も出て来ない
対談相手の奥泉光はその辺を踏まえた上でリードしようとしているようだったけど、
こんな上っ面撫でただけの 「痛い」対談 をよく載せたもんだよ
616吾輩は名無しである:2007/06/27(水) 22:25:17

この発言は今後活用したいので、メモ代り


(佐藤亜紀の発言より)

 だれかに教えを請いたがっている若い人は、ネットを見ると山のようにいて、
 しかも、教えを請いたがっているのに自分をお利口だと思っている。そういう連中の
 口の中にこれをポンポン押し込んでやると、いかにおいしく食べることかと考えちゃう。
 で、おれは知恵の実を食べたんだぞと威張り出す。うんざりですよ、そういうのは。
617吾輩は名無しである:2007/06/28(木) 10:41:38
おお対談のためだけに買うのはもったいないと思って買わなかったので助かるわ
奥泉たんと亜紀たんどっちも好き埴谷たんも勿論好き
618吾輩は名無しである:2007/08/09(木) 17:34:16
やっと全集揃えた
死霊以外ぜんぜん読んでないけどな
619吾輩は名無しである:2007/08/10(金) 22:13:02
先日「虚空」を手に入れたんだけど
これはどんな感じ?
620吾輩は名無しである:2007/08/11(土) 18:12:43
手に入れたなら聞く前に読めよ
621吾輩は名無しである:2007/09/07(金) 19:53:34
やはり君達には無理かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜
622吾輩は名無しである:2007/09/07(金) 21:07:55
○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○
このレスをみたあなたは・・・3日から7日に
ラッキーなことが起きるでしょう。片思いの人と両思いになったり
成績や順位が上ったりetc...でもこのレスをコピペして別々のスレに
5個貼り付けてください。貼り付けなかったら今あなたが1番起きて
ほしくないことが起きてしまうでしょう。
コピペするかしないかはあなた次第...
○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○
623吾輩は名無しである:2007/09/10(月) 11:30:16
埴谷は表面的には、哲学・文学だが、もはやその範疇で語る必要性はなくなっている。
生物化学は既に実践の段階に到達し、超越しようとしている。
文学など屁とも思わぬ優秀な人間たちによって。
このスレは郡盲が象を撫ぜているだけだ。
624吾輩は名無しである:2007/09/10(月) 17:23:34
>>623
あなたも読めるが書けない人でつね


ぐんもう ―まう 0 【群盲】
(1)多くの盲人。衆盲。
(2)多くの凡人。
――象(ぞう)を=撫(な)・ず(=評・す)
〔大勢の盲人が象の体をなでて、それぞれが自分の触れた部分の印象だけから象について述べたというたとえによる〕
凡人には大人物や大事業などの全体を見渡すことはできないものだ。
元来は、涅槃経・六度経などで、人々が仏の真理を正しく知り得ないことをいったもの。
衆盲象を摸(も)す。
625吾輩は名無しである:2007/09/11(火) 01:32:57
堕胎マンだったていうけどホント?知ってる人詳しくお願い
626吾輩は名無しである:2007/09/12(水) 08:43:43
>>625
そうだったらしいね。何かの信念があって、子供は産ませない!と
決めており妻に従わせたらしい。さぞかし奥様は無念だったろう。
そこまでして夫について行くか?と思う。

産ませたくなかったら妊娠させるなよ!
セックスするなよ!
コンドームその他の家族計画をしっかり立てろよ!

生命尊重の俺の立場からは、ちょっと許しがたい。
てめぇの妄想文学よりもひとつひとつの生命が大事なんだよ!

家族の幸福と芸術の達成とどっちを取る?
家族の幸福に決まってんだろ!手前勝手もいい加減にしろ!
芸術は滅びるが、生命は滅びない!
627吾輩は名無しである:2007/09/12(水) 08:47:56
谷崎もそうだね。
俺も子供は絶対に要らないと、それこそ小学生の頃から決めている。
628吾輩は名無しである:2007/09/12(水) 19:18:59
>>626
>てめぇの妄想文学よりもひとつひとつの生命が大事なんだよ

それは個人の価値観の問題
629吾輩は名無しである:2007/09/12(水) 21:09:48
全く
630吾輩は名無しである:2007/09/13(木) 03:07:52
tu-ka埴谷の生殖拒否は異常。というよりガキ。
青くて笑えすぎる。
631吾輩は名無しである:2007/09/13(木) 22:04:46
この人の「存在」は
カントの純粋理性につながりを持っているのか?
教えてエロい人。
632吾輩は名無しである:2007/09/15(土) 14:12:03
>>627
おれも
自分の子供なんて恐ろしくて見てられないと思う
633吾輩は名無しである:2007/09/18(火) 20:35:50
>626

その辺は埴谷も反省はしてるようだね
その自省というか妥協が「無自覚に」子供を作るのは〜なんたら、ってコトなんだろう
もっとも、奥さんが亡くなってからは気兼ねなく自説を全面展開しちゃってるけど
634吾輩は名無しである:2007/10/02(火) 19:44:57
埴谷雄高の「死霊」の構想メモ見つかる

県立神奈川近代文学館(横浜市)は2日、作家、埴谷雄高氏の代表作「死霊」の構想メモ30枚が見つかったと発表した。
B5版やA4版程度の用紙に主題や主要人物の造形などがつづられており、1930年代後半のものと推定されるという。
今年6月に遺族から寄贈された資料の中にあった。

会見で、鹿島徹早稲田大文学部教授は「戦後50年にわたって影響力を行使した小説家、思想家でもある埴谷雄高の第一級の自筆資料。
『死霊』の初期構想が記録されており、類似のものは発見されていない。この時点ですでにストーリーの大枠ができあがっていたことがわかる」
としている。

「死霊」は、埴谷氏が昭和21年に1章を発表。「自分とは何か」を追求し、断続的に書き続けられ、
平成7年の9章までが発表されている。埴谷氏は9年に87歳で亡くなった。

構想メモは6日から同館で始まる「無限大の宇宙−埴谷雄高『死霊』展」で、約600点の資料とともに展示されるほか、
同日発売の文芸誌「群像」11月号に掲載される。 


ttp://sankei.jp.msn.com/culture/books/071002/bks0710021850000-n1.htm
635吾輩は名無しである:2007/10/02(火) 21:49:04
>634

埴谷雄高の「死霊」より難解な小説ってあるの?
http://news23.2ch.net/test/read.cgi/news/1191319501/
【展覧会/神奈川】没後10年 無限大の宇宙-埴谷雄高『死霊』展[2007/10/06-11/25]
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/ticketplus/1191209207/


ま、板が板だけに・・・
636吾輩は名無しである:2007/10/02(火) 23:19:13
岸博士はあれか
637吾輩は名無しである:2007/10/12(金) 20:09:41
>613 続き

「完全に孤独な少年」として「この世のありとあらゆる極端酷薄な屈辱と苦難のなかで」少年期を育ち、
「赤貧洗うがごとき苦学生」たる首猛夫がどのようにして《叛逆》を志向したか、興味は尽きないねぇ
その「告白」は遂に描かれなかったものの、「実父」への嫌悪は三輪与志の比では無いであろう


 もはやおずおずと物おじしてためらいがちな内心の深い不安を抱きかかえた少女の年頃からすでに数年は
 たっているのに、しかし、その控えめで一種淋しげな態度は彼女の長く変らぬ内面に根づいた本性らしく、
 濃灰色の小運河に沿って前かがみに歩いていると同じ薄暗い陰鬱なきびしい顔付きをしたままはいってきた
 首猛夫をなお控えめで淋しげな微笑で迎えながら、彼女はすぐ椅子から立ち上った。

   七章 「死霊V」


四兄弟のうち唯一「異父」の妹をもち、自身をgladと表象する「詩人志望の浪漫的な魂」を圧殺され、
嘗ての革命の同志と訣別した「一人狼」の《叛逆》の矛先は
「嫌悪と嫌悪の間にはさまれて」生きる現実の世界/秩序以外に有り得ない

山谷で凍死しそこなった、経済的抑圧の底辺からの反逆者、
二十一世紀の首猛夫の存在を確信する――埴谷の「革命論」はここに生きている

仮出所の瞬間、《叛逆》のプログラムが起動する
638吾輩は名無しである:2007/10/18(木) 18:34:29

文芸書「群像」2007年11月号
ttp://shop.kodansha.jp/bc/books/bungei/gunzo/
639吾輩は名無しである:2007/10/18(木) 18:40:55
>638

「死霊」の構想ノートだが、特集を組むほどの内容ではないような・・・
埴谷本人が自伝で言及していたモノらしいから、生前に公開する意思は無かったんだろう

「唯覲る人」の創作ノートに「死霊」の構想が上書きされてるような印象があって正直云って期待外れだったけど、
「死霊」執筆の基点が定まった訳だから、今後はココから発見や演繹が試みられるんだろうねぇ

一番注目されそうなのが終章のプロットを記したと思われる、十八枚目の[人孔内にて。]
タイトルからして一章と九章(の旧題)とのトリロジーが伺えるし、ずっと後になって語られるラストの構想より
凄惨な展開だ

令嬢(津田安寿子に対応)がマンホール内で餓死or絞殺によって死に往く自身を意識しつつ、
その後の自分の肉体が腐爛していくであろう様を幻視する・・・構想はナマナマしいねぇ〜

写真図版によると、この十八枚目は複数回の加筆が認められる
構想ノートでは、
令嬢を発見するのが醫師(岸博士に対応)だったり、その場に居合せる事になるらしい黒川の
弾劾風なモノローグで幕を閉じるらしい

決して「死霊」の核心を衝くものではないけど、いろいろとデコッたもんだなと、興味が尽きないよ
640吾輩は名無しである:2007/10/21(日) 04:43:02
埴谷雄高『死靈』を読んだことを箔をつけるために用いている豚が
近年増えている
641吾輩は名無しである:2007/10/22(月) 01:32:14
そうだとしたら、それは残念なことですね。

私のような読者は、胸を打つ思いを求めて、
この作者の本ををかつてないほど必死に、読み漁ったものですから。
642吾輩は名無しである:2007/10/22(月) 13:28:26
死霊の最終章の構想っていろんなところで本人は語ってたらしいんだけど、
文章で読めるのはどっかにある?
643吾輩は名無しである:2007/10/22(月) 21:30:15
>640
好いんじゃないの
「死霊」ほど適当なコトを書いても反駁されない小説は滅多に無いし
書いてる当人の勘違いの程を楽しんで下さいな

>641
「お前に分かるのかw」と言われてるみたいな気になりましたからねぇ
主要著作を片っ端から読んでいって
作者の ひととなり を知るうちに、謙虚に向き合う事を教えられましたよ
644吾輩は名無しである:2007/10/22(月) 21:53:13
俺はちょっとした興味で手を出したら、
余りにも必死な内容に、力づくで引き込まれたなあ
645吾輩は名無しである:2007/10/23(火) 19:17:02
個を全体で覆い隠すような
まるで天皇制のごとき論理
646吾輩は名無しである:2007/10/23(火) 23:36:30
ぬるぽ(^^)
647吾輩は名無しである:2007/10/25(木) 04:49:44
>>646
ガッ!
648吾輩は名無しである:2007/10/25(木) 10:14:15
ふぷい(^^)
649吾輩は名無しである:2007/10/26(金) 19:18:20
>634
ちょっと呼ばれた様なのでHPを覗いてみた
漏れはお上り出来ないのでお近くの方は足を運ぶとよろし

神奈川近代文学館
無限大の宇宙―埴谷雄高『死霊』展
ttp://www.kanabun.or.jp/te0158.html

催し物のご案内
ttp://www.kanabun.or.jp/0b00.html
◆文字・活字文化の日(10月27日)のその他の行事
◇観覧料無料……特別展「無限大の宇宙―埴谷雄高『死霊』展」の観覧料(大人600円、20歳未満及び学生300円)が
この日に限り無料です
650吾輩は名無しである:2007/11/01(木) 22:48:08
埴谷さんはいい声をしていた

身体の姿勢も良かったが
なによりも精神の姿勢が 素晴らしかった
651吾輩は名無しである:2007/11/02(金) 02:21:10
そうですね。
講演のCD(NHK)、を以前聞きました。
晩年になっても、語調になかなかの思索の鋭さを感じました。
652吾輩は名無しである:2007/11/20(火) 00:35:15
個で全体を覆い隠すような
まるで天皇制のごとき論理
653吾輩は名無しである:2007/11/23(金) 03:22:25
最近知ったんだが、何から読めばいいんだろうか
654吾輩は名無しである:2007/11/23(金) 03:56:13
いきなり『死霊』でもいいと思うが、途中で挫折するかもしれんから、
先ず、『闇の中の黒い馬』辺りを読んでみて、
面白かったら、『死霊』でどうだ?
655吾輩は名無しである:2007/11/25(日) 00:56:47
>>654
そのルートで読んでみようかと思うんだが、
amazonどころか近隣の図書館にすらないな、闇の中の黒い馬
気長に古本で探してみるか
ありがとう
656吾輩は名無しである:2007/12/04(火) 00:51:28
それなら『虚空』はどうだろう。
amazonにもあるようだし。
657吾輩は名無しである:2007/12/14(金) 17:51:18
>637 続き

首猛夫は××風癲病院で三輪与志、岸博士等を相手に「眼鏡」と呼ばれる死刑囚の話を披露する
死刑の宣告により「人間精神の恐るべき変革」を画する首猛夫が語るこの挿話は
「構想ノート」の21〜25枚目にその原型が認められる


 ≪ふむ、こいつが固着覲念なのだ。何處か神経が弱つてゐるに違ひない≫蔭熱を覺えながら私は絶えず
 自分にさう呟き繰り返し蔑んでみた。その頃、私は隣りの男について知つたのである。
 (中略)
 こんな死刑囚の事件を並びたてたと云ふのも、如何に覲念の支配が壓倒的であるかと云ふことを私は
 云ひたかつたのである。これこそ、私の呪つたもので、また私がかつての苦鬪の後、私の武器とした
 ものなのだ。
 
   『死霊』構想ノート (二一枚目、二五枚目より)


構想段階では「兄」の獄中記として描かれるが、
「眼鏡」と呼ばれる死刑囚の執行の朝の様子や、恐怖の余り別の囚人が暴れ始める事態などが
この構想から10年余り経て執筆される「死霊」に加味されなかった点、ここでは置いておこう
658吾輩は名無しである:2007/12/18(火) 02:36:34
>>656
すまん、amazonにもあったわ、闇のなかの黒い馬
絶版だったが
何種類かあって、1994年の新装版だけやたら値段が高いんだが、内容に違いがあるんだろうか
659吾輩は名無しである:2007/12/29(土) 18:03:55
埴谷文学は量子論の世界だよ。
660吾輩は名無しである:2007/12/30(日) 01:13:05
そういう適当なこと言うと、ソーカル厨が来るぞ。
661吾輩は名無しである:2007/12/30(日) 03:04:53
来れば相手にしてやるよ。
といっても俺は物理専攻じゃなくて非可換幾何を中心に勉強している数学専攻の者だけどね。
人工生命研究やってるうちの池上高志先生は埴谷を尊敬してて息子に雄高と名づけたらしい。
662吾輩は名無しである:2007/12/30(日) 03:10:05
埴谷の考えていたことは、実は科学上も哲学上も根本問題とされてきたこと。
ということは、埴谷のモチーフは、その思索をとりあげるならば、極めて正統派なんだよ。
但し、安易に結びつけることは慎むべきだろう。それは納得できる。
ここでいわんとしているのは、埴谷がその思索において根本問題としていたことと、
学問上の根本問題には相通じるところがあるということ。
なにもガタリとかラカンみたいに数学用語を濫用したいわけじゃない。
問いの設定の背後にある根本問題に共通点が存するということなのである。
663吾輩は名無しである:2007/12/30(日) 03:18:07
俺が気に入っている文は




「これまでもたらされた全宇宙史は、すべて、誤謬の宇宙史にほかならぬ」。



これ最高だよね!
でも彼女にこれを言ったら「なにいってんの?」という返事だった(爆笑)。
高校の卒業寄せ書きで、将来の夢の欄に「新しい存在の革命」と書いたけどね。
欲しいものは「無限大の自由」。
政治論文も秀逸。
『幻視の中の政治』は特に名編。俺は『永久革命者の悲哀』よりもこっちが好き。
でもやっぱり『死霊』の凄みには負ける。
664吾輩は名無しである:2007/12/30(日) 12:54:49
時代が埴谷雄高に追いついていないことは確かだろうな。
665吾輩は名無しである:2007/12/31(月) 17:32:37
はぁ?
666吾輩は名無しである:2007/12/31(月) 19:20:40
>>661
あんまりトンデモに走るなよ。
667吾輩は名無しである:2008/01/05(土) 13:25:45
近所のヤンキーが『永久革命者の悲哀』読んでたのにはびびった。
668吾輩は名無しである:2008/01/05(土) 14:17:24
みんな「しれい」って知ってた?普通「しりょう」だと思わね?
669吾輩は名無しである:2008/01/05(土) 15:55:16
時代への反逆児という点をとれば、埴谷雄高と暴走族とは類似している。埴谷の読者てあっても不思議じゃない。
670與志さんの虚体です:2008/01/05(土) 20:36:04
パンクなところが共通しているが、暴走族の大半は右翼ないし右翼的傾向が強い集団。
実際、右翼と交際している暴走族構成員は、昔ほどではないにせよ数多。
先輩格にあたる者が右翼団体の門を叩いて以降、右翼が「ケツモチ」役を担うこともある。
いつの間にか、右翼に憧れて特攻服を隊服に着替えて、爆音を軍歌に変えて、夜を昼に変えて
公道を練り歩くわけである。

したがって、埴谷雄高と暴走族の連中とは一線を画している。
埴谷は筋金入りの左翼であり、いわゆる既存左翼の枠を遥かに超え出た左翼つまりは極左である。
この極左というのは、クザーヌスの考えにも近いが、左右の相対的な概念が最早意味を持たなくなる
という極限にまで突き詰められた左翼という謂いである。
だからこそ、埴谷は政治革命ないし社会革命には尚おさまりがつかない「存在の革命」へと至ったのである。
671與志さんの虚体です:2008/01/05(土) 20:44:32
埴谷雄高の畢生の大業は『死霊』に間違いないし、「存在の革命」をこそ志向して
いたわけであるから、政治・社会の問題に拘泥して埴谷を読むべきではないだろうし、
21世紀の思想の最先端を領導するのは、数学ないしは物理になるに違いないと遺言していた
ことからも、宇宙論ないし存在論に関心は集中していないし、そこでブレークスルーが
こらないことには、政治論・社会論のレヴェルで何をやっても詮無しぐらいにしか思っていなかった
のかもしれない。

しかし、今は『幻視のなかの政治』というテクストを丹念に読解していきたい気にかられている。
それとカール・シュミットの『政治的なものの概念』や『政治神学』などとを対比しつつ、
埴谷政治哲学あるいは埴谷法哲学の要諦というべきところを取り出してみたい。
672與志さんの虚体です:2008/01/06(日) 00:31:12
>>625
埴谷雄高は、自身が革命家であることを意識していた。
そして革命家たらんとする者は、子供をもうけるべきではない、との考えに
立脚していた。
それゆえに、子供をもうけなかった。

同じことは哲学者で東京大学で教鞭をとっていた廣松渉にも言える。
革命家たらんとする者は、子供をもうけるべきではないとの不文律を律儀に
守り通した。
埴谷雄高も廣松渉も類似したところがあるのではないかと思われるのである。
673吾輩は名無しである:2008/01/06(日) 09:35:36
>>672
五木寛之、松岡正剛…
674kmhqGAaQjoahYaf:2008/01/06(日) 12:20:02
Very nice and cheap mp3 download
675吾輩は名無しである:2008/01/11(金) 21:33:27
ニュートリノの自我
676吾輩は名無しである:2008/01/11(金) 22:40:03
質量が確認されて色褪せたな、小説内では未発見の設定で通したようだけど
677吾輩は名無しである:2008/01/12(土) 03:48:28
自殺、売春、虐待、大量殺戮、女性差別、ホームレスは農耕社会になってから始まりました

天皇はA型で朝鮮の出身です。A型は2000年前に日本に来たから帰ればいいのに。
A型は100%農耕民族とはいえないがO型かB型にぜんぜん好かれないA型は
農耕民度が高すぎるから2000年前に日本の先住民族を大量に殺してきた
遺伝子、多そうだね。

遊牧民族は厳しい自然の中を小さい家族で移動しながら生活してきたので家族と他人の線引きをはっきりさせたと思う。
これをクールと感じる。だから、そのぶん身内にはあつくなるのか。

B型は遊牧民族、O型は狩猟採取民族。
A型は農耕民族。農耕民族は2千年前(つい最近)に、中国から日本に来た。A型は2万5千年ごろ誕生して農耕社会を
作ってきた。農耕民族社会になってから狩猟採取民族が大量に殺され滅び吸収され、ホームレス、虐待、売春、
女性差別 が始まり、強制的に横並び結婚し横並び子作りしないと女が生きていけない社会になる。
横並びの群れ社会(農耕民族社会)は無理やり敵を作り差別しないと作れない。これが、いじめ。
ブサイクで、もてない農耕民族はとくに性欲として横並びの群れ社会を作りたがる。

農耕民族社会はA型女も不幸になります。
678吾輩は名無しである:2008/01/12(土) 07:54:21
くびったけ
679吾輩は名無しである:2008/01/20(日) 13:50:47
東三河狂走連合風来坊改めアンドロメダ銀河狂走連合虚体!県警上等!じゃなくて存在の革命上等!
680吾輩は名無しである:2008/01/21(月) 12:56:37
族やってて埴谷読んでる奴いたらマジ尊敬するよ。なにしてもいいよ。
681吾輩は名無しである:2008/01/27(日) 23:52:40
半端でない文章巧者。それは認める。
しかし『影絵の時代』は、なんか寒村自伝がちらつくし、『死霊』は『悪霊』だろう。
682吾輩は名無しである:2008/01/28(月) 17:18:10
『死霊』はシリョウと読むのが正しいけど、自分はシレイと読んでもらいたい
と埴谷雄高が言ってるのを読んだことがある
683吾輩は名無しである:2008/02/01(金) 09:34:30
>>681

しかしまあ、大概のものは先行テクストの影響あってこそ形成されてくるわけで……。

そもそもパロディ的な意識も少なからずあったのでは? でなけりゃあからさまに『死霊』なんてタイトルつけないでしょ。
684吾輩は名無しである:2008/02/10(日) 03:54:59
やっぱり「死霊」は特異だと思うなあ。一応「小説」と謳われているけれど、
どうも小説には思えない時がある。紙であって、言葉であり、目の前に実体
として、ある。しかし、描かれているのは「人間」でも「情景」でもない、
虚体なのですか?埴谷さん。
685埴谷雄高:2008/02/17(日) 23:46:44
そうだよ。違うよ。
686吾輩は名無しである:2008/02/19(火) 09:56:54
死霊を読み始める前にカントぐらいは読んだほうがいいの?
687吾輩は名無しである:2008/02/19(火) 10:05:28
カントを読み始める前にデカルトとヒュームぐらいは読んだほうがいいよ
688吾輩は名無しである:2008/02/19(火) 10:08:49
デカルトは読んだからヒュームとカントだね。
689吾輩は名無しである:2008/02/21(木) 21:12:05
>657 続き

  ――ふむ、貴方に似合わぬ穏やかな話ですね。そんな測定で――貴方は満足なさるんですか?
  (中略)
  ――ふむ、僕にはそんな測定をしてみたい奴があるさ!
  と、首猛夫は烈しく口走った。

   一章 「死霊T」


初対面のしかし、「真理の鍵」をチャラつかせるような三輪与志に向けられる激情の正体はまだ明らかにされない
更に遅れて訪れた津田安寿子との関係を耳にした首猛夫は幽霊屋敷の議論に割って入る


  ――ちよつ!愚劣な話だ。僕が最も呪つてゐるのは幽靈的覲念そのものですぜ。おつと、失禮・・・・
 好きか嫌ひかの二者撰一しかない女性への第一印象は注意しなければならんさうだが――僕はあまり
 芳しからぬ印象を貴方へ與へたやうでしたね。
 (中略)
  ――ふむ、幽靈との對話!それは美しい情景でせうね。何處か薄暗い部屋でひたと幽靈と眼を見合はす
 最初の瞬間――それを貴方は長年想ひ描きつづけられたらしいが、勿論、それのみにとどまる筈もない
 でせうね。と云ふのはつまり・・・・互ひにぢろぢろ凝視め合ふと――おお、どう挨拶するんです?首君。
  ――自殺の勸告です。
  と、首猛夫は薄笑ひしたまま、再び素氣なく答へた。

   長編 死靈 (七) 「近代文学」


人間が「自然の部分」であるという現実を認めぬ「まるっきり違った思惟形式」を求めるどころか、
幽霊に自殺を勧めるという風癲病院らしい変な話の展開は岸博士をも「現代的な課題」を論議する席へと誘う
690吾輩は名無しである:2008/02/22(金) 13:35:29
ttp://www.bk1.jp/product/02967835

バーゲンブック
河出書房新社『埴谷雄高作品集 全15巻・別巻1』
\82,635⇒\29,400
691吾輩は名無しである:2008/02/22(金) 18:04:09
欲しいが、それでも3万か・・・
692吾輩は名無しである:2008/02/23(土) 01:23:41

虚3万。つまり、本を買う。次に、3万払うどころか3万貰えるイメージがきた。
693吾輩は名無しである:2008/02/23(土) 14:40:53
埴谷雄高作品集、
古書でも全巻揃いだと25,000円くらいが相場のようだから、
これは結構買いではないかと…!
694吾輩は名無しである:2008/02/23(土) 18:39:54
bk1は3万円以上で3000ポイント貰えるキャンペーンやってるから

>690にあと2000円(税抜き)を足せば
さらに3000円引き
695吾輩は名無しである:2008/02/24(日) 06:52:38
ジュンク堂なら18,900円ですね。
696吾輩は名無しである:2008/03/11(火) 19:09:57
吉祥寺で、ご近所さんと埴谷雄高のことを語り合うと、じいさんKが
死ぬまではまったく無名だったって言うんだよ。そんなことないのにな。
有名なアカが吉祥寺には3人いてよ、とじいさんは言いつづける。
697吾輩は名無しである:2008/03/12(水) 03:00:16
『死霊カフェ』。そこではつまらん社交辞令は一切なし。遠慮なく
突然哲学的な議題を持ち込む客ばかり。見知らぬ人と延々と議論
を重ねあう。ポリスにおけるアゴラとは、実際の所こんな雰囲気
ではなかったのかなと想像する。ラファエロの「アテナイの学堂」
に描かれている世界はけっこう「死霊」に近かったりして。
698吾輩は名無しである:2008/03/28(金) 20:17:52
>689 続き

「虚無主義の克服」――その精密な処方箋を得る為、特別「患者」である三輪与志の「観察」が試みられる


  ――ついに私と正反対の意見へ達しました。おお、神でない貴方が・・・・・・そんなことにかかりあえるのですか。
 貴方は、勿論、神を信じてないでしょうね。
  ――信じていません。
  ――ですが・・・・・・貴方は、虚体を求めていて――それはもはや一種の神性ではないのですか。勿論、貴方の
 課題が非常に困難で、また、一つの矛盾であることは認めますが・・・・・・。
  ――そう、矛盾自体です。
 (中略)
  ――ところで・・・・・・貴方は、自己意識を信じてられますか。
  ――おお、素朴な信仰問答へ移りましたね。私は、自己意識の徹底的信者です。

   一章 「死霊T」


「死霊」構想ノートにおいて、
「定立への定立なるが故の苦悶」する「醫師」の人物造型に記される彼の揺るぎ無い信仰は、
カントのソレの引き写しだねぇ〜


 寛容の騎士。然しながら宇宙的壯大の中に於ける發展の祝福性を確信してゐる。

 いはば、彼のメカニズム世界觀は最も優美な宗ヘ的色彩を帶びてゐる。人は彼に素朴を見ることは出来ない。
 ヘ養が彼の全行動を支配してゐる。

 彼の謙讓は、彼が、自身を広大な自己飛躍と交互作用間の一原子とみるところから出發してゐる。

   『死霊』構想ノート (九枚目より)
699吾輩は名無しである:2008/03/28(金) 20:40:00
>698 続き

岸博士の語る幼年期の「鮮やかな記憶」が、
悩ましき「宇宙的な気配」と同質の性質、同質の本源から発したもの、と理解した三輪与志は興味を失ったように佇む


  凝っと聞きいっていた三輪与志は、微かに首を振りながら、呟いた。
  ――それは・・・・・・いまだ、自然です。
  ――というのは・・・・・・どういう意味です。
  ――それだけの意味です。
  ――ふむ、敢えて繰り返しますが・・・・・・私達はあくまで自然の部分なのです。
  と、岸博士は、視線を脇へそらした三輪与志を凝視めながら、ゆっくりいった。

一章 「死霊T」


岸博士の人間が「自然の部分」であると確信する「メカニズム世界觀」について、整理しておこう
700吾輩は名無しである:2008/04/09(水) 13:07:33
YouTubeを「埴谷」で検索すると埴谷さんの元気なお姿が。
701吾輩は名無しである:2008/04/09(水) 19:37:05
こんにちは、初めまして。「死霊」には志を同じとする海外の先行作品
(俗に言えばパクリのネタ元)がある、と何かで読んだ記憶があります。

それって誰の何という作品なのでしょうか?検索しても判りませんでした。
既出だったらすみませんが、教えてください。
702吾輩は名無しである:2008/04/09(水) 20:05:56
ないよ。
703吾輩は名無しである:2008/04/09(水) 20:52:02
ない。影響ならドストエフスキー。
ようつべにあがっているのは、一夜分だけだな。
本来は5・6時間あったはず。
重要な初回分がない。
704吾輩は名無しである:2008/04/09(水) 21:08:35
ユーチューブの部分だけでも虚体というものがよくわかるね。
705吾輩は名無しである:2008/04/10(木) 10:11:11
声と喋りが桂歌丸に似てるときがある
706吾輩は名無しである:2008/04/10(木) 14:18:26
地元の図書館の全集では、『死霊』冒頭部の「風癲病院」という単語に
「ふうらい」と落書きで読み仮名が振ってあって噴いた。
「癩」と読み違えたんだろうけど、それじゃ「風来病院」みたいだ
つーかフーテンの寅さんを知らないのだろうか?
707吾輩は名無しである:2008/04/11(金) 05:18:10
甘〜いトカイワイン、「アスー3プットニョシュ」を飲みながら
ときにはテーブルを物で叩きながら熱弁を振るう埴谷さん、いいねー
YouTubeやはり見るべし
708吾輩は名無しである:2008/04/13(日) 16:10:55
青山霊園にある、埴谷さんのお墓の<番地>をご存知の方がいらしたら
教えてください。
お願いします。
709吾輩は名無しである:2008/04/14(月) 20:39:10
墓荒らしでもするつもりかw?
1年に1回アンドロメダ忌に出席すりゃいいだろっ!
710吾輩は名無しである:2008/04/16(水) 12:54:04
この人の名前は、なんて読むんですか?
711吾輩は名無しである:2008/04/16(水) 13:55:46
おーい!はに丸
712吾輩は名無しである:2008/04/16(水) 19:22:59
YouTubeに、
埴谷雄高独白 死霊の世界(17)〜(21)がアップされました。
「釈迦と大雄の対話」「アンドロメダは近い」など、
興味深い埴谷さんの熱弁が見られます。
713吾輩は名無しである:2008/04/18(金) 20:45:04
埴谷さんの偉いところは、大学の先生にならなかったところ、
と誰かが書いていたな。
714吾輩は名無しである:2008/04/22(火) 19:30:03
「ツァラトゥストラ…」の上巻を半分ほどで投げ出してしまった僕には
「死霊」は決して超えられない壁でしょうか?
715吾輩は名無しである:2008/04/22(火) 20:13:24
以前は複数のマル半関係スレを荒らしてたが、今はマル半渋谷だけで荒らしをおこなっている。

マル半スレ情報操作をしているマル半バカ渋谷社員と工作会社が荒らし役と煽り役にわかれてAA荒らしを行い、
前スレが機能停止しました。

AA荒らしのやり方は、煽り役が「アニキ」とレス。荒らし役が「アニキ」に釣られたふりをしてAA荒らしを連投。
http://money6.2ch.net/test/read.cgi/pachij/1205498567/500-513
新スレhttp://money6.2ch.net/test/read.cgi/pachij/1208790114/1-21

ホルコンや遠隔や桜などについて書き込むと工作員(渋谷○ハン社員、○ハンに依頼されたネット工作会社)(仮)
がやってきてスレを荒らしてスレを機能停止させます。(大量のコピペを連投するのでコピペ馬鹿と呼ばれている)
パチンコ産業は荒らすことでレスとレスの間を空けて読む気をなくさせたり
マネーロンダリング、さくら、ホルコン、遠隔、などの風評被害を最小限に抑えようとしてる。

会社の情報操作活動は違法行為として、裁判所の解散命令を受ける可能性があるそうです。
その時には依頼側も社会的非難と注目を浴びるでしょう。
【FEG/TBSの】ピットクルー株式会社2【プロ工作員】
http://ex21.2ch.net/test/read.cgi/k1/1198321297/150

ネット工作員については→【電通TBS】ピットクルー(株)【プロ工作員】
http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/118←左右くっつけて→9187503/65
【朝鮮玉入】パチンコ廃止すれば内需増加【20兆円】
http://money6.2ch.net/test/read.cgi/eco/1204597218/1-100
パチンコ屋の売り上げ10億を調べたら1割が偽札だった
http://area09.air-nifty.com/annex/2006/02/213_49b6.html
パチンコ収益、毎年2億ドル余が北朝鮮に送金されている 〜米・ウォールストリートジャーナル
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=81993&servcode=500§code=500
◎ハンの今後の目標は売り上げ5兆円、500店舗、上場すること。
716吾輩は名無しである:2008/04/25(金) 20:31:44
久々に近所の本屋に寄ったら死靈が平積みになってた
何があったんだろう・・・
717吾輩は名無しである:2008/04/25(金) 21:15:34
これからは死霊だけが文学になる、という大潮流の兆候。
718吾輩は名無しである:2008/04/28(月) 20:43:38
GWに読もうという需要があるのかも
719吾輩は名無しである:2008/04/29(火) 05:06:08
どっかの大学がテクストとして指定したのかも
720吾輩は名無しである:2008/05/08(木) 20:13:12
縁あって『存在と非在とのっぺらぼう』を読んだ
文章はかっこいい
隠喩もいちいちグッとくる
でも中身がないw
「のっぺらぼうは捕らえるのが非常に難しい、それを私は文学でやる」
それだけの内容が延々とかっこいい文学で引き延ばされてる感じ
この中身のなさが良いんだろうか?それともこれ自体が「のっぺらぼう」を表現しているというメタ構造とかw
721吾輩は名無しである:2008/05/08(木) 22:04:13
>>720
なんども読んでみる。それでもわからなかったら、がんばって発狂してください。
722吾輩は名無しである:2008/05/09(金) 21:02:21
>>720
「かってなかったもの、そしてこれからも絶対存在しないもの」=虚体
を描くのが埴谷文学であるから、中身がなくって、それで正しい。
723吾輩は名無しである:2008/05/10(土) 02:59:43
なぜあなたはあえて、正しい、というのですか?
724吾輩は名無しである:2008/05/12(月) 19:33:52
ああたね、
725吾輩は名無しである:2008/05/12(月) 23:26:03
726吾輩は名無しである:2008/05/13(火) 09:14:41
わせぶんに島田の講演載ってたよ
727吾輩は名無しである:2008/05/15(木) 19:48:53
>699  続き

      ――私の見知らぬ深淵について誰が語り得るか。
      そこに呻くがよい。

   《輪郭の記憶。私の夢を支配しているものは凡そそのようなものであった。私はそれを欲したけれども、
  嘗て存在を夢みたことがない。》
  (中略)
  さて、《自信をして自身について呻かしめよ。》

   「不合理ゆえに吾信ず」


 私の意識が堕ちてゆく?から置いてきぼりをくって――つまり、意識がその枠から飛び出そうとしたのでは
 なかったか、と・・・・・・。それは一種の喪失感覚だったのです。そこに物忘れしてきたような薄暗い階段を見上げて、
 私は暫くぼんやりした時間を過しましたが、こんなとりとめもない想念は、その後何らかの形の再現がなければ、
 整理された印象にはならないものです。

   一章 「死霊T」


埴谷少年の経験とも重なる、岸博士の幼少期の体験は「医学生らしい実験」によって「肉体と意識の或る種の牴触」を見出し、
自己意識の徹底的信者と成さしめるが、精神病医として患者の治療を施す上で「幸福な聨想」をもたらす
この日、津田家へ「精密な処方箋」を携え、出張診療に訪れる
728吾輩は名無しである:2008/05/15(木) 19:50:04
>727   続き


  ――ぷふい!ここが宇宙最高の精神病診療室ででもあるように、こんな馬鹿げた誘導そのものといった秘密の
 暗示の仕事をつづけているなんて、いったい、どれほど深遠な宇宙的目論見でももっているというわけですかね、
 岸博士!


既に一昨晩、深夜の三輪家の一室で三輪与志の《虚体論》を粉砕している首猛夫同様に、
「人間の在り方」から逸脱し得ぬコトを「力強い決定的な断案を敢えてくだし終える」
岸博士の理性的挑戦は、「寛容の騎士」を「輝ける騎士」として「終りなき争いの戦場」へと駆る

九章の残り2/3が書かれていたなら
津田家の大広間はさながら金網デスマッチの如き修羅場になったことだろう
津田安寿子のジャッジに不服な出席者は爆発のドサクサ紛れに場外乱闘を始めて てんやわんや な誕生祝いだねぇ〜


  ――ほれ、そこの自身を見出しえぬ《存在の呻き》!微かに微かに囁き呻くこの小さな硝子玉を、さて、こんどは、
 その小さな透明な硝子玉を手にしたほかならぬ《存在同類》のこの私が、三輪君に代って、眼前の宙に投げあげて
 みるとします。いったい、どういうかたちの不思議霊妙な変幻がこの世界に将来されるでしょう!

   九章 「死霊V」
729吾輩は名無しである:2008/05/15(木) 19:52:47
727  訂正

>私の意識が堕ちてゆく?から置いてきぼりをくって

「躯」が入ります・・・旧字体で書き込めなかった
730吾輩は名無しである:2008/05/15(木) 19:53:44
731吾輩は名無しである:2008/05/15(木) 21:17:36
くそっ、誤字だらけだった・・・袋にされるなぁ((((((;゚Д゚))))))ガクガクブルブル
732吾輩は名無しである:2008/05/17(土) 21:17:25
>>719新潟の某地方都市の本屋でも平積みだぜ!
733吾輩は名無しである:2008/05/19(月) 20:38:31
すごいねー おこちゃまむけブンガクだよね
734吾輩は名無しである:2008/05/19(月) 21:08:56
解釈に困るレスをするんじゃない
735吾輩は名無しである:2008/05/20(火) 12:26:10
帝大に行けなかった文学者が、哲学の香りに憧れて背伸びしすぎているのが、
なんとも痛々しい。
「俺自身にしがみつきにしがみつきつづけてきた俺自身の俺自身性の驚くべき
持続性の力とかたち」とか、おっさん少し肩の力抜けば?って感じ。
哲学は、構えれば構えるほど楽しめなくなるよ。
736吾輩は名無しである:2008/05/20(火) 16:00:59
>>735
埴谷雄高って獄中で哲学を楽しみつくしたから(カントとの出会い)、
「俺自身にしがみつきにしがみつきつづけてきた俺自身の俺自身性の驚くべき
持続性の力とかたち」このようなことをいったんじゃなかったっけ……?
737吾輩は名無しである:2008/05/21(水) 20:27:46
どんな姿なのか映し出すものもないですからね、のっぺらぼうには
738吾輩は名無しである:2008/05/24(土) 17:57:56
1956のハンガリー事件って革命だったんかな・・・
739吾輩は名無しである:2008/05/25(日) 23:25:48
すごいねー おこちゃまむけブンガクだよね そんだけ
740吾輩は名無しである:2008/06/01(日) 20:50:31
埴谷雄高のコスミズムが人類に届くのはいつになるのだろうか?
NHKスペシャル「埴谷雄高ロマン」第一回
741吾輩は名無しである:2008/06/02(月) 06:17:02
妄想と衒学のみ。それだけ。
742吾輩は名無しである:2008/06/03(火) 06:37:22
>>740
え?放送はいつですか?
743吾輩は名無しである:2008/06/03(火) 20:08:19
739=741
うんざり。
744吾輩は名無しである:2008/06/03(火) 20:48:06
うんざりしても事実
745吾輩は名無しである:2008/06/03(火) 21:12:41
ツンデレ乙
746吾輩は名無しである:2008/06/08(日) 03:35:44
これも矢場の妄想の中だと思えばなんてことない
747吾輩は名無しである:2008/06/08(日) 19:09:42
あっは、俺は逸脱した!
748吾輩は名無しである:2008/06/09(月) 18:20:21
解脱のまちがいじゃないのか?
749吾輩は名無しである:2008/06/09(月) 22:57:39
青山霊園にある埴谷雄高のお墓に行ってきた
花が比較的新しかったから誰か定期的に
お参りしてるんだろうな
750吾輩は名無しである:2008/06/23(月) 10:24:40
あっげ!
751吾輩は名無しである:2008/06/23(月) 11:29:29
どんだけヘタレなんだよ
752吾輩は名無しである:2008/06/26(木) 18:26:09
739=741=751
うざい。消えろ。
753吾輩は名無しである:2008/07/02(水) 19:25:50
>728  続き

小さな透明な硝子玉の発する「悲痛な響き」によって明証された「非常に美しい、均整のとれた」世界観
三輪与志を魅了した、かの『永久運動』する時計台も「自然の部分」なんだねぇ〜
好く読めば分かるコトだけど

かくして××風癲病院は「自然の刑罰」から遁れる事をひたすら夢想に夢想しつづける《虚体者》や
黙りに黙りつづける《宇宙者》といった種族を矯正すべく設置された、
この宇宙の「牢獄」であることが明らかとなった


  私は、先に、病監行きの時期は転房についでまた転房がおこなわれたと記したが、その転房の一つ、
 東上――ということは、東棟の二階の独房ということであるが、その東上の鉄棒のはいつた狭い高窓から、
 この豊多摩刑務所の真正面にあつて、震災後建て直された高い塔の上にあるいわばこの刑務所の
 象徴である時計台、若い建築家後藤慶二の頭蓋の深い奥に浮んだ閉ざされた世界のなかでの絶えざる
 刑期時間予告者である時計台を、ようやく眺めあげたのである。
 (中略)
 狭い独房のなかを黙想して歩き廻りながら、時折眺めあげるその一種象徴的な高い時計台は、こちらをも
 また眺めおろしていて、たまたま読書中のヘラクレイトスの「万物は流れ、そして、動く」を深く味わい
つくすかのごとき感を覚えるのであつた。

   中野重治との同時代 ―― 『敗戦前日記』を読む

 
岸博士の出張診療は終わる
はたしてこの「断案」により三輪与志を「正しい道」へと導き得たのであろうか
いまや「凡ての個体の祝福への復歸」、津田安寿子と手に手を取り合いヴァージンロードを歩むか、
あるいは特別「患者」として××風癲病院へ強制収容されるか、三輪与志に「選択」が迫られる
――その時であった!
754吾輩は名無しである:2008/07/22(火) 15:26:51

ブクオフ105円棚で七章と九章(初版・帯つき)を救出
755吾輩は名無しである:2008/07/24(木) 21:17:15
105円とはお買い得な・・・
紐綴じがバラける寸前なんで「T〜V」で良いから、もう一冊欲しいところだな
756吾輩は名無しである:2008/08/16(土) 23:34:58
105円とは適正価格。
757吾輩は名無しである:2008/08/17(日) 12:24:47
739=741=751=756
758吾輩は名無しである:2008/08/21(木) 14:32:17
文藝春秋で立花隆が思い出話
759吾輩は名無しである:2008/09/04(木) 06:10:25
初めて読み進めてるんだけど、
このおっさん文章へたくそだな。。。
小説の外枠に関しては、酷いもんがある。
さーて、最後まで読みきれるだろうかw
760吾輩は名無しである:2008/09/05(金) 02:02:36
埴谷さんをおっさん呼ばわりすんな。
お前には無理だから読むんじゃねえ。
761吾輩は名無しである:2008/09/05(金) 07:58:28
外枠に関してのみ意見しているだけだよ。
先週読み返した「嘔吐」のそれと違って、非常に読み難いと思ったまでだ。
文章のリズムが悪く、ドストの文体影響が顕著に見てとれるもんだから、
ドストファンである端くれの意見として、似非臭さが否めない、とうのが正直なところ。
無論、埴谷のおっさんの思想や途方もない形而上的思念の高尚っぷりは、
馬鹿な俺の範疇を超えるだろうから、異見できる立場ではない事くらい理解しているつもりだけども。

>>760  読後の感想を聞かせてくれないか?
    俺まだ100P程しか読んでないんだ。頼むよ。
762吾輩は名無しである:2008/09/05(金) 08:05:27
死霊な
763吾輩は名無しである:2008/09/05(金) 10:09:40
読めないなら読むなよ
764吾輩は名無しである:2008/09/05(金) 11:14:10
>>761
文章が難解ならば、映像でみなよ。YouTubeで。
http://jp.youtube.com/watch?v=dI-GpfSqq2E
765吾輩は名無しである:2008/09/05(金) 16:57:32
>>763 死霊、読んだんだろ?感想聞かせろよ。
   何処かで拾ってきたような受売りの「評論」だけは勘弁な。
766吾輩は名無しである:2008/09/05(金) 17:53:33
そんな台詞は読んでから言え
767吾輩は名無しである:2008/09/05(金) 19:31:14
>>765
ネチケットの基本:「人にああしろこうしろというな。」
768吾輩は名無しである:2008/09/05(金) 23:42:58
>>765
読んでない
評論立ち読みしたぐらいか
とりあえず無理に読まなくていいだろ
あんたみたいなのは読んだとしても
面白さがわからんとかレスするんだから
769吾輩は名無しである:2008/09/08(月) 04:56:48
ぷふい、ぱくりじゃ。
あっは、妄想だけじゃ。
770吾輩は名無しである:2008/09/12(金) 19:25:49
739=741=751=756=769
771吾輩は名無しである:2008/09/18(木) 19:08:58
>689 続き (一部重複)

 ふむ、その幽靈屋敷は何處にあるんですかね、岸博士。
  ――その質問は、三輪君へされるのが至當です。
  と、岸博士はするりと體をかはした。
  彼らから離れ佇んでゐる三輪與志と首猛夫は、一瞬、火花が散つたやうな閃く視線を交はし合つた。
  (中略)
  ――この世界が幽靈屋敷であるとして――と、そんなふうに云つても好かつたのです。
  と、三輪與志は他處を眺めながら、素氣なく云つた。
  ――この世界が幽靈屋敷‥‥?ふむ、それは、卓見だ。
  と、嗤つた。

   長編 死靈 (七) 「近代文学」


フラーゲ・デーモンも歯が命、とおどけてみせる首猛夫もこの「卓見の場所」への訪問が
四半世紀以上も先になるとは、流石に夢想だにしていなかっただろうねぇ〜
 
初対面のしかし、学生時代の自分を見知っていると云う、
散文的にしゃべりにしゃべり続ける人物に「一つの意志の原型に似た観念」を
発見すべく決心した岸博士は、「綾取りの相手」を首猛夫に切り替えた
772吾輩は名無しである:2008/09/18(木) 19:10:01
>771 続き

 彼は横から素早く口をはさんだ。
  ――三輪君は‥‥むしろ、相手の幽靈の立場にあることを欲してるんですよ、首君。
  ――あつは、物ごころついて以來の希望がこんなところでかなへられようとは豫想しなかつたぜ、三輪君。
 何處か薄暗い部屋でひたと幽靈と眼を見合はす最初の瞬間――それを僕は夢想しつづけてきたのだが、
 僕逹の邂逅はどうも散文的だつたらしいね。えつ?さうではなかつただらうか。ふむ、君は默りつづけて
 ゐるのだね。
  ――三輪君のそれは、しかも非人間的な幽靈なんですよ、首君。
  (中略)
  ――ふむ。すると――さうでなければ、どういふ立場です?
  ――理性的幽靈――。
  と、皮肉さうに眼を細めながら、首猛夫は一言で答へた。
  ――つまり、相手が岸博士のやうな理性的存在でなければ――その對話に意味も主張もあり得ない筈
 ですからね。
  ――ふむ、幽靈との對話!それは美しい情景でせうね。何處か薄暗い部屋でひたと幽靈と眼を見合はす
 最初の瞬間――それを貴方は長年想ひ描きつづけられたらしいが、勿論、それのみにとどまる筈もない 
 でせうね。と云ふのはつまり‥‥互ひにぢろぢろ凝視め合ふと――おお、どう挨拶するんです?首君。
  ――自殺の勸告です。
  と、首猛夫は薄笑ひしたまま、再び素氣なく答へた。 
  何處かの空間で死をめぐつてのゥ觀念がはつしと敲ち合つたやうな氣がした。

   長編 死靈 (七) 「近代文学」


首猛夫のまだ始まったばかりの遠い迀路ばかり辿りつづける、終着駅も見定めがたい長話に
もうひとつの「まるっきり違った思惟形式」を測定する岸博士に、緊張が走る
「うらめしぃやぁ〜」とは出現てこないらしい、日本の夏には相応しからぬ「理性的幽霊」なるモノが
エクトプラズムか何かで構成されていると岸博士、勘違いしちゃってるのかしらん
773吾輩は名無しである:2008/09/18(木) 19:18:42
>772 続き

  ――おお、おお、嗤はしちやいけませんよ、岸博士。僕が訊いてゐるのは、二千三百年以前の‥‥まあ、
 百年以前のでも好いが、或る思索者の思想についてなんです。つまり――或る瞬間でぴたりと機能を
 とめてしまつた思想は、恥知らずではないかと訊いてゐるんです。
 (中略)
 あらゆる幽靈が百年もの歳月を許されながら、幽靈たり得た瞬間から思惟も成長もやめてしまつて、
 新たな啓示も表はし得ずに、老ゐたる繰言のみ僕の前に展げるなんて、それこそ首くくりに價する屈辱だ!
  ――おお、ですが、それはもはや、幽靈の責任ではなく、つまり――話しかける貴方自身の責任でせうね、
 首君。
  ――さう、さうなのですよ、岸博士。それが解れば――ふむ、僕逹のまはりくどい議論とてまんざら
 無意味でなかつたことになる譯です。
  と、その場に躍りあがるやうに、首猛夫は叫んだ。


  ――獨創的ですつて‥‥?冗談ぢやない。ぴたりととまつたまま――おお、こんなふうに時間がとまつて、
 その先に發逹も成長もない幽靈的觀念、この退屈な天國の思想は、巷にみちみちてゐますよ。この幽靈の
 特權を大事に背負ふと、すつかり安心しきつてまことにのんびりと巷をうろついてるんです。おお、僕と
 正反對なのは‥‥僕が三日でやることを、彼等は三年かかつてもやらずにほつたらかして置くことです。
 何故つて、彼等にとつて、彼等がさうある以上の何も望む必要がないからです。
  と、首猛夫はにつと白い齒を見せた。

   長編 死靈 (七) 「近代文学」


自殺を勧めるどころか、一般的に足が無いと云われる幽霊を絞首刑に処すコトの困難さに当惑し、
ようやく勘違いに気づいたのか岸博士は首猛夫の意見を「独創的」と評する
この世界に新たな存在形式が見出され「メカニズム世界観」がバージョンアップした瞬間だねぇ〜
三年分の集大成を披露する格好の舞台として津田家の大広間に是非とも馳せ参じねば為らない

ココで先走ってカキコしちゃうと、「夢魔」達が潜んでいるのは何処でしょう?
「亡霊宇宙」やスタートレックw――な〜んて答えちゃうと、ボッシュート! チャラッチャラッチャーン♪ (AA略)
774吾輩は名無しである:2008/09/18(木) 21:43:01
>771 訂正

  ――この世界が幽靈屋敷‥‥?ふむ、それは、卓見だ。
  と、嗤つた。

  ↓↓↓

  ――この世界が幽靈屋敷‥‥?ふむ、それは、卓見だ。
  と、首猛夫は白い齒を見せて嗤つた。
775吾輩は名無しである:2008/09/19(金) 07:12:36
あんた何やってんの
誰も読んでないぜ
776吾輩は名無しである:2008/09/26(金) 20:38:11
はい、終了。
だーもありゃたしたっ。
777吾輩は名無しである:2008/09/29(月) 23:04:27
おいっ、続きを書け!
778吾輩は名無しである:2008/09/30(火) 20:06:22
ライフワークの「死霊」は「死霊」として、それはそれで完結させる。
そのほか「影絵の時代」みたいな調子で、自伝的な小説も書いて欲しかった。
脳みそは宇宙を駆け巡っていたかもしれないが、実生活では親の土地を売り
まくったり、賄い下宿を経営したりしていたと聞くと、埴谷さんの俗人生その
ものも、とても興味がある。
779吾輩は名無しである:2008/10/07(火) 14:38:07
埴谷雄高が教育テレビに出とるがな
780吾輩は名無しである:2008/10/07(火) 20:45:43
>779
今、V撮りを観ましたけど、なかなか好かったですね
こけおどしに虚体や夢魔なんか出さずに「精神のリレー」で結んだ辺り、は
去る土曜早朝とは違い、
今日は「夜の会」繋がりで岡本太郎とタッグ組んでましたし


一九八三年(昭和五十八年) 七十三歳の音声 から

聞き手
 ――埴谷さんが昭和21年から「死霊」を書き始めていて――とてもゆっくりと・・・

埴谷
 できないです
 ただ ぼくはね できなくてもいいわけなんですよ

 そういう志を立てるという人が必要だというわけなんですよ 僕の場合は
 そういう志をたてたら 誰かが気がついて 
 300年後だか知らないが 前にこんなやつがいた と
 おれも同じことをやってみようと思うやつが 出ないとも限らない
 (中略)
 古書店の隅に何か黒い本があると それを読んだ人が
 「こいつ ばかだなあ おれならもっとうまくやれる」 と
 思う人が必ずいるかもしれない その時代には

 そういう人に巡り合ってほしいわけですよ 僕の本は

  NHK映像ファイル「あの人に会いたい」 #191 埴谷雄高 より
781吾輩は名無しである:2008/10/09(木) 16:04:15
・・・見逃した
782吾輩は名無しである:2008/11/02(日) 15:58:34
見たかった
再放送はいつだろうか
783吾輩は名無しである:2008/11/02(日) 20:35:08
ようつべ行って、「死霊」で検索
784吾輩は名無しである:2008/11/02(日) 20:48:55
死霊を理解できる日は来るのかな。
埴谷雄高が捉えようとしたものはまさに虚体だから、
そもそも埴谷をもってしても言葉で捉えられたのかどうか。
785吾輩は名無しである:2008/11/10(月) 15:19:37
何十年もかけていいかげんな作文書いて作品になるんだから大したもんだよ
786吾輩は名無しである:2008/11/10(月) 19:28:59
739=741=751=756=769=785
787吾輩は名無しである:2008/11/10(月) 21:47:42
739=741=751=756=769=785=786
788吾輩は名無しである:2008/11/12(水) 22:35:17
>649 自己レス
ひょいと思い出して展示会の図録を取り寄せました

著者の愛用品の数々や井の頭公園でのスナップ写真が
カラー図版で掲載されていたりと資料満載でお買い得ですねぇ
その向きの人から見れば

「死霊」に関しても初見なモノがあるので、今後分析してみたい
789吾輩は名無しである:2008/11/14(金) 21:36:07
文藝春秋を立ち読み、立花と佐藤の対談
790吾輩は名無しである:2008/11/17(月) 12:32:10
壮大な失敗作とか対談で語ることじゃないのに・・・
791吾輩は名無しである:2008/11/18(火) 09:41:16
このひと武田泰淳と毎年靖国参拝してたんだよね?
792吾輩は名無しである:2008/11/18(火) 13:56:36
>>791
そう。互いに夫婦連れだって。
793吾輩は名無しである:2008/11/19(水) 21:37:46
戦争世代がやると懐が深い感じして嫌味がないよね
794吾輩は名無しである:2008/11/21(金) 19:09:29
>773 続き

巧みな誘導により予定表の一項を消化した首猛夫は、
「二箇月分以上の仕事」の締めくくりに、その意識を測定するかのように矢場徹吾に挨拶する
「不意と思いがけぬ微笑」返しに遠い記憶が蘇る
それは、<記憶のふしぎな傾向>として結晶した<五重塔>の一日、だった


  僕逹は窓の外の深い闇を眺めつづけてゐた。
 (中略)
 僕には、そのとき、或る想念が非常に明瞭になつてきたつけ。若し自然がこんな風に眼を見開いて
 睨みつづけてゐるとしたら、その前で――何を考へ、何を行ふべきだらうか、と。すると、矢場が不意に
 云つたつけ。
 「この世が終る前に――物體が眼を見開く過程を、私は確かめてみたいんですよ。」
  ちよつ!それは奇妙な夢想だつたらうか。謂はば大自我へ自身をひきくらべたがる矢場の意向として、
 それは、突拍子もない空想だつたらうか。いや、さうではなかつた。各人がその能力に應じて働き、
 その欲望に應じて與へられるといつた、謂はば、まあ、時がぴたりと止まつたやうな天國を果して
 身についた實感として想像出來るかどうかなどと云ふ涯もない議論が横行してゐた時代だつたのだから、
 矢場がそんな風に飛躍したとて、少しも不思議ではなかつたんです。

   長編 死靈 (七) 「近代文学」


現前する矢場徹吾の「狂気」に対して、
「一種の責任」を自覚する三輪与志に当て擦りするかのような首猛夫の言動は、
彼の脳裡に「異様な疑念」を深く刻み付けることとなった

二十一世紀の首猛夫が、秋葉原のホコ天(休止中)でも好いが、
或るビルディングの六階から、のんびりと巷をうろついている幽霊達を
凝っと見据えていたなら、ぴたりと眼を見合わせた瞬間、いきなりあびせかけるだろう
――恥を知れ、とね
795吾輩は名無しである:2008/11/23(日) 11:38:58
埴谷の好物はトカイワインです
796吾輩は名無しである:2008/11/25(火) 16:49:38
20年くらい前に吉祥寺の自宅に遊びに行ったらファンタ出されて和んだ
797吾輩は名無しである:2008/11/25(火) 23:42:40
死後にファンになった自分としてはうらやましいっすw
798吾輩は名無しである:2008/11/29(土) 16:49:30
>>794
埴谷さんは井の頭公園をのんびりと散歩していた

いま生きていれば必ず秋葉原へも出かけていくだろう
799吾輩は名無しである:2008/11/30(日) 07:40:15
埴谷さんはアポなし一見さんでも話聞いてくれたから
800吾輩は名無しである:2008/12/19(金) 19:50:27
>794 続き

   人間が考え得ること、それはひるがえって、その考え得る人間にとって何を意味するか。


   私は恥じている。なにを見ても――まったくのところ消えてなくなりたいほどだ。この虚脱、この羸弱は
   本来私に装飾されるものではなかった。
   (中略)
   人間が嘗て人間を捻り歪め得たとは、誰だって信じてやしない。その癖、それは奇妙な屈辱で……。


「かかる質問に真摯に答える必要を見出せない」幽霊たちがはびこる「混沌と闇夜の母」が支配する現代、
だけれども、サアカス小屋の老人のお喋りに自身の不快の源泉を《正覚》した矢場徹吾は、
矢庭に踏み出す
自分の出自を確かめるべく向った先は母親の元か、あるいは……父親


   私が生きているということ。それはそこに一つの幅があってそのなかに囚えられているということ
   だけれども。

   一章 「死霊T」
801吾輩は名無しである:2008/12/19(金) 19:51:08
>800 続き

「無類の不機嫌」を極める青年は、或る社会運動の「変った同士」以上の存在である
「精神的兄弟」との断続的な接触と「灰色の壁の厚い隔絶」を経て…(中略)…「暗い秘密の部屋」へ――

「存在の根據」を問い、「存在の本質」に迫り、「存在の根源」の総顚覆へ達する
「全剿滅」への困難な事業を一身に負い続ける


  ――ふむ、矢場だって……?
  ――そう、彼はもはや自由について語ることもないのです。
  ――ぷふい、やつはとうに踏み出している!ふむ、哀れな矢場徹吾……やつは担いきれぬ課題を負って、
 既に実行しはじめてるんだ。
  と、首猛夫は烈しく口走った。と同時に、彼はぴたりと口を噤んだ。しーんと凝結したような相手の気配が
 瞬時に感ぜられたのであった。

   三章 「死霊T」
802吾輩は名無しである:2008/12/19(金) 19:51:41
>801 続き

一九三〇年代後半の習作とされる、草稿「奇妙な彼」にみられる、
牢獄内で思案し、不思議なことにあたかもゼロポイントなビームを浴びたかの様に黙り蹲る男に、
後に極端化される人物造形が読みとれよう


 △恐らく彼はすべて彼のしなくても好いことも強いられてゐると感じてゐるのであつた。何かするときの彼は、
  くぢでも引いてゐるやうな風なのである。彼は極り悪げにまどひ、そして終に思案してゐる自分を恥ぢるやうに、
  急に、恐ろしく傲然たる風で、矢庭にそのものごとに飛びかかるのであつた。
 

 △彼が凝つと、何を考へてゐるのだか、恐らく何か自分の考へてゐることをどう扱つて好いのか思案してゐると
  云つた風に黙りこくつて蹲つてゐると、人人は寒暖計の零度を眺めるやうなまとまりのつかぬ印象を受けるの
  であつた。
  (中略)
  彼をその場から驚きで飛び上らせ、何か当惑で吃るやうな状態を急にひきおこしたい衝動に驅られるのである。

   『死霊』構想ノート (二八枚目、二九枚目より)


「暗い秘密の場所」で「自己自身が宇宙にとつて代わる王国」――
「矢場の夢想」を深く味わいつくすのは、他ならぬ「精神的兄弟」なのだけれども、
再び岸博士の診断結果に耳を傾けてみよう
803吾輩は名無しである:2008/12/19(金) 19:53:29
>802 続き

その前に「メカニズム世界観」をバージョンアップ


  人間の理性は、その認識の種類という点において特殊な運命を持っている。すなわち、人間の理性は自らが
 避けることができない問いによって悩まされる。なぜなら、それらの問いが理性そのものの本性によって理性に
 課せられているからである。しかし人間の理性はこれらの問いには答えることもできない。なぜなら、それらの
 問いが人間の理性の全能力を凌駕しているからである。以上が人間の理性がもつ特殊な運命である。
 (中略)
 しかし、上述の問いは決してやむことがないのだから、人間の理性は、自らの仕事がこのようにいつも未完成の
 ままであらざるをえないということを自覚する。したがって、人間の理性は、あらゆる可能な経験的使用を
 踏み越えるのであるが、にもかかわらず、それほど疑わしいようには見えない諸原則、
 だから常識〔普通の人間理性〕もまた同意している諸原則に自らの逃げ場を求めざるをえないのである。
 (AZ−A[)
  
   I・カント 「純粋理性批判」 〔第一版〕序言 (有福孝岳訳)


「人間の理性」において、決して完成を見ない仕事に対して「失敗作」とはお粗末な感想だけれども、
謎不感症な幽霊なんかが這入って来ないように結界を高く設定したのも
埴谷の作業ですから、ここは大成功でしたねぇ
とまれ、カントは埴谷がこの「唯一の道」を選択した事に絶大なるエールを送っていますから

では、好い新年を
804吾輩は名無しである:2008/12/25(木) 21:26:26
つかれるからそれで仕舞いにおしよ。
805吾輩は名無しである:2009/01/07(水) 21:17:41
>>669
鞄に「狂乱鬼〜」なんとかと暴走族のチーム名を落書きしていたヤンキーが
「死霊」文庫版をロッテリアで読んでいたよ。
806吾輩は名無しである:2009/01/08(木) 11:41:54
本当なのかw
多分理解はしてないだろう
807吾輩は名無しである:2009/01/13(火) 18:16:11
ええ話や。埴谷はんはそういう連中も充分束ねられる人や。
808吾輩は名無しである:2009/01/13(火) 18:29:26
女性陣目当てだったりしてな
ねんねはスケバン(死語)属性あるし・・・
809吾輩は名無しである:2009/01/14(水) 18:10:11
今年は生誕100年だね、何も期待していないけど
810吾輩は名無しである:2009/01/26(月) 01:36:22
子供のころ怖い本と間違えて読んでがっかりした記憶がある
しかも最後まで読んだら未完でダブルがっかりだった
811吾輩は名無しである:2009/01/28(水) 21:13:09
作り話、しかも面白くない。
812吾輩は名無しである:2009/01/28(水) 21:21:23
スイーツ(笑)には読めない小説なんだよ
813吾輩は名無しである:2009/02/04(水) 16:22:30
確かにスイーツ(笑)やリア充に向かない小説ではある
814吾輩は名無しである:2009/02/05(木) 12:24:26
すでに存在しているものを疑ったり跳ね除けたりする内容でもあるし
毎日に充足してる人はたのしめないかもね
815地下室の虻:2009/02/08(日) 01:31:30
結論まで書いていたとしても面白くないと思う。第七章辺りまでで十分だったと思う。
カラマーゾフの兄弟の続編があってもあまり読みたくないという気持ちと同じ。
自分のなかに続編があるからね。
816吾輩は名無しである:2009/02/09(月) 22:06:37
般若さんが出てた野球チームなんて名前だっけ?
817吾輩は名無しである:2009/02/09(月) 22:30:56
ポエムズ
818吾輩は名無しである:2009/02/09(月) 23:07:07
それだ!監督かなんか名誉職だったような。。。
819吾輩は名無しである:2009/02/11(水) 09:43:58
難解ホークス
820吾輩は名無しである:2009/02/24(火) 21:21:39
>803 続き

それじゃ、宝石箱を開けようか


  しかし、そのような形而上学、つまり批判によって純化された、しかしこのことによってまた持続的状態に
 もたらされた形而上学をもってわれわれが後世に遺すつもりのものは、一体全体どのような宝物であるか、
 とひとは問うであろう。この著作にざっと目を通す場合、ひとが気付くと思うであろうことは、この著作の効用は
 消極的であるにすぎないということ、つまり、思弁的理性でもっては決して経験の限界を超え出ることを
 敢えてしないということである。そして、そのことはまた実際にも批判の最初の効用である。
 しかし、この効用は、ひとが以下のことに気付けば、ただちに積極的なものになるであろう。
 (中略)
 だから、思弁的理性を制限する批判は、そのかぎりにおいてなるほど消極的であるが、しかしそのことによって
 同時に、実践的理性の使用を制限したり、壊滅しようとさえ脅かしたりする障害を廃棄することによって、
 純粋理性の端的に必然的な実践的使用(道徳的使用)があること、その使用においては純粋〔実践的〕理性は
 不可避的に感性の諸限界を超えて自らを拡張すること、そのためには、純粋〔実践的〕理性はたしかに
 思弁的理性からはいかなる助けも必要としないが、にもかかわらず自己矛盾に陥らないためには、
 思弁的理性の反動に対して保護されていなければならないということが確信されるや否や、
 批判は実際には積極的にして極めて重要な効用をもつのである。
 ( B XXIX-XXXI )
821吾輩は名無しである:2009/02/24(火) 21:23:20
>820 続き

 いまや、経験の諸対象としての諸物と、諸物自体そのものとしてのまさに同じ諸物との区別、われわれの
 批判によって必然化された区別が全然なされていなかった、とわれわれが想定しようとするならば、
 原因性の原則は、そしてしたがって、原因性の規定のうちにある自然のメカニズムは、おしなべて、
 もろもろの作用原因としてのすべての物一般に妥当しなければならないであろう。したがって、たとえば
 人間の魂といったまさに同じ存在者について、その意思は自由であるけれども同時に自然的必然性に
 従事している、すなわち、自由ではない、というふうに、私は明らかな矛盾に陥ることなしに語りえないであろう。
 (中略)
 けれども、私は、自由を思惟することができる。
 すなわち、二つの(感性的ならびに知性的)表象の仕方のわれわれの批判的区別や、この区別に起因する
 諸純粋悟性概念の制限や、したがってまたこれらの純粋悟性概念から派生する諸原則の制限が行なわれるならば、
 自由についての表象は少なくともそれ自身のうちにいかなる矛盾も含まない。
 (中略)
 そうするとしかし、私が道徳のために必要とするのは、自由がただ自己矛盾しないこと、
 だからやはり少なくとも考えられること、したがって、自由は(別の意味に解された)まさに同じ行為の
 自然のメカニズムをいささかも妨げるものではないこと、これらのこと以外の何ものでもない。
 それゆえ、人倫性の学は自らの場所を固守し、そして自然学もまた自らの場所を固守する。
 しかし、このことは、もし批判がわれわれにあらかじめ、諸物自体そのものに関するわれわれの不可避的な
 無知について教えておかず、また、われわれが理論的に認識することができるすべてのものを
 単なる現象に制限しておかなかったならば、生じなかったであろう。
 ( B XXVII-XXIX )
822吾輩は名無しである:2009/02/24(火) 21:24:20
>821 続き

 純粋理性の批判的諸原則の積極的効用のまさにこうした説明は、神の概念と、われわれの魂の単純な本性の
 概念とに関して呈示されるが、しかし私はこの説明を簡潔さのために看過する。
 (中略)
 すなわち、それらは、実際には単に可能的経験の諸対象に達するにすぎないのだが、にもかかわらず、
 経験の諸対象たりえないものに適用される場合に、現実にこのものをいつも現象に変容する諸原則、
 したがって、純粋理性の実践的拡張のすべてを不可能なものとして説明する諸原則である。
 それゆえ、私は、信仰に場所を獲得するために、知識を放棄しなければならなかった。
 そして、形而上学の独断論、すなわち、形而上学において純粋理性の批判なしに進行する先入見は、
 いつも極めて独断的で、道徳性に敵対する、あらゆる無信仰の真の源泉である。
 ――したがって、純粋理性批判という尺度に従って編成された体系的形而上学に関して、後世の人間に対して
 遺産を遺すことが別段困難でありえないとすれば、このことは決して軽視されるべき贈り物ではない。
 (中略)
 しかし、人倫性と宗教に敵対する非難の一切に対して、ソクラテス的な仕方で、
 つまり、反対者の無知の最も明白な
 証明を通じて、あらゆる将来にわたって決着をつけるという、
 計り知れない利点が考慮されるならば、その贈り物は最も大きなものとなる。
 ( B XXIX-XXXI )

   I・カント 「純粋理性批判」 第二版 序言 (有福孝岳訳)
823吾輩は名無しである:2009/02/26(木) 11:44:17
>>815
カラマーゾフは変になりそうだけど
死霊は読みたかった。首の章が特に
824吾輩は名無しである:2009/03/03(火) 10:40:29
■NHK
番組名:「私の1冊 日本の100冊」-

坂本龍一/埴谷雄高著『不合理ゆえに吾信ず』

放送日:3月18日(水)
午前8:00〜8:10 BS-2
午前8:45〜8:55 BSハイビジョン
再放送日:
3月21日(土) 午前8:05〜8:15 BSハイビジョン
3月26日(木) 午後5:21〜5:31 BSハイビジョン

http://www.nhk.or.jp/book100/
825吾輩は名無しである:2009/03/07(土) 01:12:26
ふむ、的確でつ
826吾輩は名無しである:2009/03/11(水) 00:53:07
>>805
インテリヤクザがいるようにインテリヤンキーかもな。
そういう奴なら信用できる。
827吾輩は名無しである:2009/03/18(水) 10:10:15
神様萌え〜
828吾輩は名無しである:2009/03/18(水) 10:53:44
>>824
録画したバッチリだ。帰ったら見る。
『闇のなかの黒い馬』も勧めているらしいが。
829吾輩は名無しである:2009/03/18(水) 20:15:58
チーナカ豆に弾劾されたい・・・
830吾輩は名無しである:2009/03/21(土) 19:58:54
昔なにかの超常雑誌に宇宙人だかUFOだかに対するエッセーが掲載されていてビビッた。
831吾輩は名無しである:2009/03/24(火) 10:22:47
アンドロメダが何回転するだけで銀河系にたどり着くのでつ
832吾輩は名無しである:2009/04/11(土) 19:26:39
>822 続き

以上は「純粋理性批判」(1781/1787)のどアタマで
これからやり玉にあげようとする「人間の理性」とは何ぞや?ということを詳述している訳であるが、
容易に読みとれる事は、人間の在り方が
「自然のメカニズム」の従属にのみある事、それゆえ人間は「自由を思惟する」事を求めて止まない事
――この矛盾に立脚するために、
カントは「人倫ないし道徳の形而上学」を構想する「沈黙の10年」の後、
手始めに「純粋理性批判」において「誤謬の源泉を塞ぐ( B XXXI )」クリティカルな作業に着手する

833吾輩は名無しである:2009/04/11(土) 19:30:15
>832

 (前略)
  以上のことのすべてから、いまや、明らかになるのは、純粋理性の批判と呼ばれうる特殊な学問の理念である。
 というのは、理性は、アプリオリな認識の諸原理を提供する能力だからである。それゆえ、純粋理性は、或るものを
 端的にアプリオリに認識する諸原理を含む理性である。純粋理性のオルガノンは、すべてのアプリオリな純粋認識が
 それらに従って獲得され、現実に実現されうる諸原理の総括となるであろう。そのようなオルガノンの詳細な適用は
 純粋理性の体系を付与するであろう。
 (中略)
 そして、その効用は、思弁に関しては現実的には消極的なものにすぎず、われわれの理性の拡張のためにではなく、
 純化のためにのみ役立ち、われわれの理性をもろもろの誤謬から解き放つであろう。こうしたことは、すでに
 きわめて多くの収穫なのである。
 ( B24-25 )
834吾輩は名無しである:2009/04/11(土) 19:31:34
>833 続き

 この研究が認識そのものの拡張ではなく、ただ認識の修正のみを意図しているからであり、すべてのアプリオリな
 認識が価値をもつのか、あるいはもたないのかの試金石を提供すべきであるからこそ、われわれがもともと、
 教説ではなくて、ただ超越論的批判と呼びうるにすぎないこの研究こそ、われわれがいま従事しているものである。
 そのような批判は、それゆえ、可能な場合には、オルガノンへの準備であり、このオルガノンがうまくいかない
 場合には、少なくとも純粋理性の規準への準備である。この規準に従って、とにかく将来いつか純粋理性の哲学の
 完全な体系は、それが理性認識の拡張において成り立つものであれ、理性認識の単なる限界づけにおいて
 成り立つものであれ、分析的にも総合的にも叙述されうるであろう。
 (中略)
  超越論的哲学は一つの学問の理念である、すなわち、それは、それのために、純粋理性の批判がこの建物を
 構成するすべての部分の完全性と安全性とを十全に保障することによって、全計画を建築術的に、
 すなわち、諸原理から構想すべき一つの学問の理念である。超越論的哲学は純粋理性のすべての原理の体系である。
 この批判が必ずしも自ら超越論的哲学とは呼ばれないということは、もっぱら、批判が完全な体系であるためには、
 またアプリオリな人間的認識全体の詳細な分析をも含まねばならないであろう、ということに基づいている。
 ( B26-27 )
835吾輩は名無しである:2009/04/11(土) 19:32:51
>834 続き

  それゆえ、純粋理性の批判には、超越論的哲学を形成するすべてのものが属する。この批判は超越論的哲学の
 完全な理念であるが、まだ、この学問そのものではない。なぜなら、この批判はアプリオリな総合的認識の
 完全な判定のために必要であるかぎりにおいてのみ、分析を営むからである。
  そのような学問の区分における最も重要な着眼点は、何らかのある経験的なものを自らのうちに含むいかなる
 概念も紛れ込んではならないということ、あるいは、アプリオリな純粋認識はまったく純粋であるということにある。
 だから、道徳性の最高の諸原則と諸根本概念とはアプリオリな認識であるけれども、それらは超越論的哲学には
 属さない。なぜなら、それらの原則と概念は、ことごとく経験的根源をもつ快不快、欲求、傾向性等々の
 諸概念をなるほど自らのもろもろの指令の根底に置いているのではないが、けれども義務の概念においては
 克服されるべき障害として、あるいは、動因されるべきではない刺激として、必然的に、純粋な人倫性の体系の
 構築のうちにともに取り入れなけれべならないからである。
 だから、超越論的哲学は、純粋な単に思弁的な理性の哲学である。というのは、すべての実践的なものは、
 それが諸動機を含むかぎりにおいて、もろもろの経験的認識源泉に属する諸感情に関係づけられるからである。
 (中略)
 ただ、序論あるいは前置きのために必要であるように見えるのは、たぶん、共通の、しかしわれわれには知られない
 根から発現する人間的認識の二つの幹、すなわち、感性と悟性が存在するということ、前者によってわれわれに
 諸対象が与えられ、後者によって思惟されるということだけである。さて感性が、われわれに諸対象がそれのもとに
 与えられる制約を構成するアプリオリな諸表象を含むべきであろうかぎりにおいて、
 感性は超越論的哲学に属するであろう。
 ( B28-30 )

   I・カント 「純粋理性批判」 〔第二版〕序論 (有福孝岳訳)
836吾輩は名無しである:2009/04/11(土) 19:34:03
>835 続き

勤勉実直なカントは耐震偽装や手抜き工事などせず、
超越論的哲学に道徳性の諸原則と諸概念は属さない旨を読者に告知する
前掲の「第二版 序言」での信仰告白は
「人倫の形而上学への基礎づけ」(1785)を経て、「実践理性批判」(1788)の
あの有名な「結語( A161 )」に至るのであるが、
カント哲学に一貫してみられるこの「信仰」とは何を意味するか、
と諸兄は問うであろうか、いや「人間の理性」ゆえに問わねばならない

何故ならば、
『死霊』構想ノートの公開によって、驚くべき事実が明らかとなったからである
837吾輩は名無しである:2009/04/13(月) 20:43:39
>>836
あのさ、もはやどこから何が続いてるのか分からんのだが、
貴殿はいったい何を写経しておられるのか
838吾輩は名無しである:2009/04/13(月) 21:54:33
「死霊」ってさ、全部集めると5000円くらいするんだよな。
839吾輩は名無しである:2009/04/13(月) 23:16:12
父親になることを断固として拒否したのに何で避妊しなかったの?それも4回も?
840吾輩は名無しである:2009/04/14(火) 00:07:34
ゴム付けてるとイケないんでしょ。俺もそうだ。
841吾輩は名無しである:2009/05/12(火) 19:13:45
mixiで見つけたんだけど、このひとの曲埴谷さんの声をサンプリングしてるみたいです。
www.myspace.com/soichikawa
842吾輩は名無しである:2009/05/13(水) 11:04:02
へんなヤツだな…。
843吾輩は名無しである:2009/05/20(水) 17:52:22
オバマも中絶反対AGE
844吾輩は名無しである:2009/05/27(水) 09:26:38
27人が語りつくした『変人 埴谷雄高の肖像』
〜人はみな複数の表情を持っている

〈奇人ですよねえ……。だって昭和二十年代から書いているんだよ、一つの小説を(笑)。まるで日本共産党だよね〉

埴谷雄高について問われて、そう語るのは、音楽家の坂本龍一さんだ。

父が河出書房の編集者だった縁で、子供の頃から「はにやさん」の名前は耳にしていた。
高校になって、埴谷の小説に出てくる「自同律の不快」とはどういうことか考えたという。(以下略)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090526/195744/
845吾輩は名無しである:2009/06/02(火) 10:03:32
アマゾン見たら、レビューで「いいえ」に投票する
奴多すぎでワロタ
846吾輩は名無しである:2009/07/23(木) 19:46:36
>836 続き

予定表に新たな一項を書き記した首猛夫は、「自身の傾向と重み」によって
裏長屋から官邸に至るまで――世界のあらゆる場所へと通じる扉に向かってムーンウォークする


  ――この世に人間しかゐない!それは明白單純だ。だが、出來れば――呪文のやうに日に一度はさうとなへて
みるべきですよ。何故つて・・・・~祕的な事物や僕逹の觸れ得ざる法則が、何處かの中空にぶら下つてゐと、
僕逹は忽ち考へたがるんですからね。

 (中略)
 あつは!この世に人間しかゐない――これこそ、三年かかる仕事を三日でやつてのけられる理由です。
 ふむ、僕は矢場と並んで闇の前に立つてゐたとき、このことをはつきりと悟つたのだ。そしてそのために、
 まづ、眼をぐつと見開いた睨みを習練しなければならないんです。

   長編 死靈 (七) 「近代文学」


「完全に孤独な少年」が適用する二つの行動方法、
「強者の視線」の実践例は次のようである
847吾輩は名無しである:2009/07/23(木) 19:51:35
>846 続き

 やがて、婦人は彼を不思議そうに眺めて云つた。
  ――ねえ、奇妙だわ。
  ――何がですか。
  と、彼は真面目に問い返した。
  ――何がつて。なにか奇妙なの。貴方をみていると、(と、恐そうに婦人は云つた。)なんだか《貴方》つて
 気がしないのよ。
  ――どんな気がするのです?
  ――《貴方つてもの》が変なの。変だわ。なにかそんなことを思い出したら、ぞくぞくするほど変だわ。
 (中略)
  ――ねえ、眼をそらして気をまぎらさないで、私を眺めてごらんなさい。そして《私》は《私》だと考えて
 みるんです。ほら、いけません、他処を眺めて或る理由を見つけ出してくるのはまだ許されてないんですからね。
 ねえ、私を――私だけを眺めるんです。
  と、彼は押しこむように云つたが、次第に粗暴な光りがその瞳にのぼつてきた。
  ――ほら、私は《私》でしよう。それとも、変ですか。ちよつ、なにか私の顔が変つて見えるんですか。
 (と、彼は自身の顔をつるりと撫でてみた。)どうして、どうして、私は少しも変らない。どうしたつて《私》は
 《私》でしよう。ところで、貴方には厭気がさしてきたようですね。なんだか不快と憤怒がお起りのようですよ。
 えつ?まあ、あくまで私を眺めてごらんなさい。えつ、変ですか。ぞくぞくするほど変でしようか。私が私なのが、
 変だとおつしやるんですか?(脅すような鋭い声で彼は云つた。)そうですよ。本当ですよ。変なのですよ。ふむ。
  婦人は既に立ち上つていた。
  ――貴方はなんだか怖ろしいような方ね。
 (中略)
  侮辱された眼付で彼をみつめていた婦人は、答えるのもいらだたしいらしく、彼の傍をはなれた。婦人の姿が
 消えてしまうと、彼は部屋の隅から隅へ歩き廻つていた。やがて、化粧鏡の前に立つて、彼は暫く自身の姿を
 じろじろと眺めていた。《ふむ、舌でも出してやりたいものだ。》*そう呟くと彼は嗤いかけたが、すると、
 なにかに凝視められたようでぞつとしたようなものが現われた。


   「洞窟 その外界」                    *「躯」書き込めないので書き換え
                                *《……》原文は二重丸括弧
848吾輩は名無しである:2009/07/23(木) 19:52:35
>847 続き

およそ十年前の「不器用な睨みの悪魔」の顛末をユーモアたっぷりに語り、
小鳩のような眼を円くする津田夫人の感興をくすぐる首猛夫は
半世紀後の津田家に「全的拒否」の恐ろしい「仮面」に変って現われる


 ふむ、こんな僕に、明後日の會合への出席が拒まれる筈もないだらう。そして、この部屋への出入りもね。
 また近い裡に會はうぜ、三輪君。ところで、こんな文句は矢場には似合はぬだらうかね。
 Villon, our sad bad glad mad brother’s name!

   長編 死靈 (七) 「近代文学」                           


この台詞の意味するところは、既に著者による自己解説があるので
ココでは繰り返さない
それでもやはり、ゼロポイントな矢場徹吾の「狂気」を説明するに及ばないだろう
そこでもうひとつの「符号」を提出したい
849吾輩は名無しである:2009/07/23(木) 19:56:54
一行削り忘れてるなw、失礼
850吾輩は名無しである:2009/07/28(火) 14:22:02
去年の夏に死霊に挫折してからもうすぐ1年か
解説の人(?)も頑張ってるみたいだし、もう一度読んでみるかな
851吾輩は名無しである:2009/08/24(月) 08:55:18
この作家、文章に肉体がねえよ

空想てそんなに大事か
箱庭的で無益に思えてしまう

女にモテたら三島みたいに両刀いけたのにな
852吾輩は名無しである:2009/08/24(月) 11:29:23
むしろ肉体がないからいいと思うな
そこらへんは死霊序にすべて書いてあるが

ちなみに埴谷はイケメンだったんで
女にモテモテなんだぜ・・・
853吾輩は名無しである:2009/08/25(火) 19:35:40
>848 続き


  超越論的論理学においては、われわれは悟性を孤立させ(さらに超越論的感性論において感性を孤立させたと
 同じように)、もっぱら自らの起源を悟性のうちにもつ思惟部門だけをわれわれの認識から取り出す。しかし、
 この純粋認識の使用は、この認識が適用されうる諸対象がわれわれには直感において与えられているということ
 ――純粋認識の制約としての――に依拠している。なぜなら、直感がなければすべてのわれわれの認識には
 客観が欠けるからであり、そのときには、われわれの認識はまったく空虚に留まるからである。
 (中略)
 まさにこのゆえに、悟性は、空虚な詭弁によって、純粋悟性の単に形式的な諸原理を実質的に使用し、やはり
 われわれには与えられていない諸対象、それどころか多分いかなる仕方においても与えられえない諸対象について
 無差別的に判断するという危険に陥るのである。
 ( A62-63/B87-88 )

   I・カント 「純粋理性批判」T 超越論的原理論、第二部門 超越論的論理学、序論 W (有福孝岳訳)


この「誤用」により、人間の理性は「真理の論理学」から「誤れる場所」へと踏み込む
それは真空に身体を暴露する危険極まりない行為であり、
いかなる「空虚」も漏れ出さないように設計された頑丈な扉によって遮蔽されねばならない

なお指摘するまでもなく、鳩であろうと何であろうと生き物を真空に曝した場合、
悲惨な結果を招くので良い子の皆さんは絶対に真似をしてはいけませんよぅ
854吾輩は名無しである:2009/08/25(火) 19:41:58
>853 続き


  最後に第三の要請*に関して言えば、この要請は現存在における実質的必然性の関わるのであって、諸概念の
 連結における単に形式的かつ論理的な必然性に関わるのではない。
 (中略)
 ここから帰結するのは、必然性の標識はもっぱら可能的経験の法則のうちにあるということ、すなわち、
 「生起するすべてのものは現象における自らの原因によってアプリオリに規定されている」ということである。
 だから、われわれが認識するのは、それらの諸原因がわれわれに与えられている、自然における諸結果の
 必然性のみである。
 (中略:四つの命題)
 というのは、そのようにしてこの命題は、次のように表現されうるからである。すなわち、
 「真空を証明するものは、あるいはまたただ経験的総合の一部としてのみ真空を許容するものは、何ものも
 経験のうちには入り込むことはできない」と。なぜなら、可能的経験の分野(世界)外に考えられる空虚に
 関して言えば、この空虚は、経験的認識に対する与えられた諸現象の効用に関わる諸問題についてのみ決定する
 単なる悟性の裁判権内には属さないからである。この空虚は、可能的経験の圏域をさらに超出する理想的理性、
 また可能的経験そのものを包み限界づけるものについて判断しようとする理想的理性にとっての課題であり、
 だから超越論的弁証論において考察されねばならない。
855吾輩は名無しである:2009/08/25(火) 19:42:51
>854 続き


 これらの四つの命題(in mundo non datur hiatus, non datur saltus, non datur casus, non datur fatum
 世界のうちには間隙は与えられない、飛躍は与えられない、偶然は与えられない、宿命は与えられない)を、
 われわれは容易に、超越論的起源を持つすべての原則と同じように、これらの命題の秩序に関して、カテゴリーの
 秩序に従って表示し、それぞれの命題にその位置を指定することができるであろう。
 (中略)
 というのは、悟性とはもっぱら、そこで経験の統一が可能となるものだからであり、この経験のうちに
 すべての知覚は自らの位置をもたねばならないのである。 
 ( A226-230/B279-282 )            
 
  *「第三の要請」…必然的に存在する( A218/B266 )参照

   同上 T、第二部門、第一部 超越論的分析論、第二編、第二章、第三節、
      4 経験的思惟一般の要請 (有福孝岳訳)

856吾輩は名無しである:2009/10/19(月) 00:04:23
あげてやるよ
857吾輩は名無しである:2009/10/26(月) 18:10:40
はよ復活してください。文庫本で。
858吾輩は名無しである:2009/10/26(月) 18:13:10
500円ぐらいで、あつくだしてね。
859吾輩は名無しである:2009/10/26(月) 18:16:39
睡眠誘導には良いかもしれぬ。司馬遼太郎には質量とも劣るが。色もの。
860吾輩は名無しである:2009/10/26(月) 18:32:27
文庫選集だせ
861吾輩は名無しである:2009/10/28(水) 20:00:22
>855 続き

令孃の父を崇拝する「首魁」(首猛夫に対応)の人物造型を記した
『死霊』構想ノート(十二枚目)にスウィンバーンの詩の一節が「追記」されたとき、
「形而上学的不快」を命題として担う登場人物を配した対話形式へと発展をみた

しかし、この「物語層」の再構築により必然的な問題に直面する
皮肉にも当初注意深く排除した般若家の触れ難く忌まわしい事実の数々が
「自伝層」を形成していく
あえてこの「不快」を刻み込むことで「踏み出しえぬ一歩」を踏み出したんだろうねぇ〜

 
  ――それはこういうことだ。そこに何らかの屈辱感なしに、疑うべからざる事実としてそれを、きっぱり
 容認し得るかということだ!
  と、首猛夫は、相手から眼を離さず食い入るように云った。
 (中略)
 そんな相手が何を答えるかとこちらは眉も動かさず待ちうけていたが、何らの応答も戻ってこないことを
 見極めると、さらに強く押しこむように云った。
  ――ふむ、俺自身は、認容せねばならぬものをも、決して認容しないぜ。それが俺の方式で――俺が嫌いなのは、
 必然ということなんだ!

   三章 「死霊T」


三輪与志と津田安寿子の出会い――それは「神の計画」である

(一章補足 終わり)
862吾輩は名無しである:2009/10/28(水) 21:16:26
続き続きって何の続きなんだよ
何かの引用?
自作小論文?
863吾輩は名無しである:2009/12/10(木) 19:04:04
そろそろ載るんじゃないかと思っていましたけど、
12月6日の毎日新聞「今週の本棚」で生誕祭を組んでいましたね
対照的な二本の評論は読み返すうちにど〜でも好くなっちゃいましたけど
(一般読者を踏み外させる鹿島・評には>616)、
川西・選の「この人・この3冊」について、チョットだけよ

八章のくだりは笑止だが、
三輪与志と津田安寿子が「全宇宙はじめての未知の虚在」になる――
というのは「死霊」のドコをどう「誤読」すると出来ちゃうんですかねぇ
せっかく祝いの席で喋り始めた青服と黒川健吉のやりとり(208辺り)を
読み直してみては如何?
九章で出現てくるのは三度目の「トライアル・アンド・エラー」なんですから

つ「埴谷雄高独白「死霊」の世界」
  第四章 2未出現宇宙 NHK出版

ま、漏れは「九章未定稿」に関して重きを置いていないので、悪しからず
864吾輩は名無しである:2009/12/29(火) 19:07:28
>863 自己レス

この稿に改めて触れる積もりは無かったんですけど、23日の毎日新聞文化面
「引用句辞典 不朽版」には唖然とさせられたので、もうチョットだけよ


  過日、本紙の「今週の本棚」で、今年生誕一〇〇年を迎える埴谷雄高を取り上げるよう依頼され、
 じつに四〇年ぶりに『死霊』を手にとった。そして、驚いた。
 (中略)
 登場人物が交わす形而上学的議論が粗雑な頭を擦り抜けていくという点では四〇年前と少しも変わらない。
 私の哲学的・思想的素養はこの間いささかも進歩しなかったのである。

   鹿島 茂  先駆的オタク小説「死霊」


四章以降は「初体験」でチンプンカンプン――、
と自虐的「告白」をする初ういしさには苦笑させられるが、
「死霊」にオタクやヒッキー等「現代社会の病理」を発見し、ことさら「驚いた」と云うのであれば、
斉藤環なんかが指摘している「誰でもよかった・・・」についてもコメント願いたいですね

ゴルギアスの「警句」を読み落とす鹿島のごときスカスカ頭を突っつき回すのは漏れの本意ではないが、
埴谷が「死霊」で考究しているコトは地球がアフターマンの世界になったとしても
「現代的な関心」として満ちみちているって事は、ご存知?


※「今週の本棚」の鹿島、沼野・評は毎日jp(毎日新聞)に掲載されています
865吾輩は名無しである:2010/01/03(日) 20:56:50
ttp://mainichi.jp/enta/book/hondana/archive/news/2009/12/20091206ddm015070043000c.html

>今週の本棚:埴谷雄高 生誕100年特集(その1) 沼野充義・評


ttp://mainichi.jp/enta/book/hondana/archive/news/2009/12/20091206ddm015070038000c.html

>今週の本棚:埴谷雄高 生誕100年特集(その2止) 鹿島茂・評
866吾輩は名無しである:2010/01/04(月) 02:24:16
この人の〈永生〉-〈永死〉という概念について比較的わかりやすく語ったり書いたりしているものを読みたいのですが、
「隠された無限」あたりはそういう点からはどうなのでしょうか。
全集の第17巻に収められているけど高いな・・・
867吾輩は名無しである:2010/01/04(月) 12:48:38
細君は四度の堕胎の末に子供を埋めない殻だに鳴って仕舞った用ですけれどもねぇ〜(笑) カラマの父殺しならぬ子殺しの埴屋と逝った漢字ですねぇ〜(笑)
868吾輩は名無しである:2010/01/22(金) 19:01:45
>861 続き(>461の補足)

二章冒頭、三輪・津田両家の「奇妙な関係」が概観される


  三輪家と津田家の關係は古かつた。紙の上の記録を辿ると、それは、現在では既に何らの親近性も感ぜられぬ
 遠い昔まで遡ることが出來た。いまだ殘つてゐる兩家の系圖を調べてみれば、約三百年間――十數代の間に幾度かの
 縁組みが交はされてゐたことが解るのであつた。けれども、もはや紙の上の記號と化してしまつた人々の年代誌を
 調べてゐる裡に、誰にも或る種の疑問が生じてくる。
  (中略)
 そして――無數の分岐が執拗にからみ合つた複雜な系統圖を想ひ描いてゐると、第二の思ひがけぬ疑問が湧き起つてくる。
  この連綿たる系譜のなかで歴史の流れを斷絶せしめなかつた男女逹、即ち、子女の生産によつて一つの歴史の單位を
 次代へ保ちつづけた男女逹は、その未來・・・・少くとも、現在の私逹へ至る迄ぐらゐの未來を、眞面目に考察したことが
 あつただらうか──と。こんな疑問を懷く理由は、人類の輝かしき未來を「科學的に」予想して、そのあらゆる日常生活を
 未來へ對應する嚴密な計畫のなかへ織りこんでゐると信じてゐた男女逹がかなり數多く存してゐたらしいことが、
 種々の記録に窺はれるからである。けれども、如何なる理性的な男女と云へども、彼等の科學的な設計に從つて、
 その子女を生産し、訓育し得たかどうかは、甚だ疑はしい。
  (中略)
 それは、骰子のごときものなのである。

 
 換言すれば、この連綿たる人類の系譜はかくしてとだえることもなく續けられてゐるといふ譯である。
  だが、こんな議論は、三輪家と津田家の説明からあまりに横道へそれ過ぎてゐるだらう。その家系の一員がいづれ
 そんな議論を展開してくれる筈である。此處では、この兩家の關係が私逹に親しい時代から説きはじめられねばならぬと
 いふことを、ひたすら強調したかつたに過ぎない。

   長編 死靈 (八) 「近代文學」


尋常ならざる紙数を割いて描写した「物語層」、
幾世代にも渡り笑い声をあげ、顰め面を眺めつづけた男女達の記録――は、
後に採用される著者の「三つの方法」に基き、「紙の上の奇妙な記号」として断裁される
869吾輩は名無しである:2010/01/22(金) 19:09:19
>868 続き

近世において輩出した「選ばれたる人々」も時代の波に洗われ、没落していく
「足があまりに地へ近づき過ぎる・・・・」
三輪家の祖母は「失脚」への適応をみせる津田家の祖父を「墮落した姿」と非難し、
何時しか両家に断絶状態をもたらした


 こんな挿話から起つた兩家の斷絶状態は、かなりの年月つづいた。
  (中略)
 要するに家柄や格式は完全に消滅し、彼女はもはや、善良な養子たる彼女の夫の社會的地位が形成する小範圍の生活を
 生活するに至つたのである。そして、夫の死亡後、一人息子のヘ育のみに彼女は専念した。


津田家の祖父をして「人民に落ちぶれたやうに」思われた「駲らされた牝獅子」三輪家の祖母はしかし、
政界入りした一人息子に「足いまだ地に墜ちず――」と期待を寄せるが、
親達の絶縁状態をよそに緊密な友情を結び、時に「皮肉な惡戯」を策む両家の一人息子達は
それぞれに地歩を築いていく、一方は自己主張という悪徳、他方は曖昧な人徳によって


  さらに十數年經つた。三輪家も津田家も、その夫の活動によつて再び知名となつた。そして、長年の地方移動の後、
 津田康造は中央へ戻つてきたが、そのとき、兩家が最近まで結び得なかつた密接な關係を幾代振りかで取り結ぶことに
 なつたのである。
  それは、眞夏にしては陽射しの弱い薄曇つた日の午後であつた。

   長編 死靈 (八) 「近代文學」


単行本刊行に際して、津田老人の名前が変更された理由は明らかでない
埴谷自身と好く似た「転向」を経た全身私小説なプロレタリア作家、
島田健作(明治三十六−昭和二十)が意識された結果であろうか
870吾輩は名無しである:2010/01/23(土) 18:36:28
いま、15年前NHKで放映された埴谷のインタビューのビデオ(全225分)を
久しぶりに見ている。『死霊』を初めて読んでから、すでに四半世紀以上
経ち、当時の青年もすっかり中年になり果てたが、気持ちは青年のままだ。
『死霊』も青年が抱く理想的な世界への追求の所産である。
871吾輩は名無しである:2010/01/27(水) 19:08:37
>866

「隠された無限」はキリスト者・小川国夫と無神論者・埴谷の往復書簡ですけど
信仰(過去)⇔存在論(未来)に話が終始して枝葉末節な話題が多いのが難点ですね

「薄明のなかの思想」の「死について」が参考になるかもです
短いテクストなので立ち読みしてみて下さい
872吾輩は名無しである:2010/01/30(土) 21:18:26
未来の宇宙と人類が模範とすべき最高宇宙の姿を
夢と想像力によって白紙の上に書き留めておこうと
作家埴谷雄高氏の瞑想の日々は続く
873吾輩は名無しである:2010/02/02(火) 00:35:18

そう、それがビデオの結びの言葉だ。
874吾輩は名無しである:2010/02/06(土) 01:31:02
埴谷が生きてるうちに会っときゃよかったよ。
875吾輩は名無しである:2010/02/09(火) 09:59:02
最高の乗り物は思索である
876吾輩は名無しである:2010/02/09(火) 10:35:36
自分の奥さんも幸せにできないただの役立たずな空想家だろ
877RRR:2010/02/09(火) 18:24:26
死霊の文体で書きこみをしましょう!面白そうだ。。。
878吾輩は名無しである:2010/02/09(火) 21:18:19
ぷふい
879吾輩は名無しである:2010/02/09(火) 23:58:43
奥さんは惚れこんだ男の妻として一生を送れて幸せだった。
ただ子供を産めなかったことだけが心残りだった。
880吾輩は名無しである:2010/02/11(木) 08:36:35
百年後を目指す
881RRR:2010/02/11(木) 21:39:02
精神のリレーを、死んだ人と精神のリレーを僕はやってるんですよアナタ!。
仲間なんですよアナタ。
人類はぜんぶ、精神によって。。。。。。。
僕がギリシャの哲学者のものを読んでわかるってことは、
ぜんぶ、友だちなんですよアナタ!!!!! 
僕の先輩であるとともに、
僕の友だちなんですよアナタ!!!! 
その精神を共有して、リレーして、それをまたつなげなきゃ誰かに。僕は。
200年後にね、古本屋のすみで、「何か黒い本がある」って読んで、
「こいつ馬鹿なことやってる、俺ならもっとうまくできる」
っていう人がね、絶対にいるかもしれないでしょアナタ!!!!!
882吾輩は名無しである:2010/02/13(土) 09:23:01
「死霊」の第十章が読みたい!!
883吾輩は名無しである:2010/02/13(土) 11:12:35
俺が書いてやるから待ってろ。
884ザ・スミス:2010/02/13(土) 11:33:52
>>883
無理すんなよ。

11章は首たけおの首吊り自殺から始まる。
885吾輩は名無しである:2010/02/13(土) 16:41:40
今はみんな文庫で読んでるんだろうねえ。
埴谷の存命中は考えられなかった。
886吾輩は名無しである:2010/02/14(日) 08:47:20
書いてくれ 書いてくれ
白紙が待ってる
887吾輩は名無しである:2010/02/14(日) 21:18:14
>>883 精神のリレーを待っているんですよ、アナタ!!!!

50年後の講談社文芸文庫には、『死霊 T〜V』とともに『續・死霊』があるかもね。
楽しみなんですよ、アナタ!! ちょうどあと三章分だけだから、一冊にまとまるだろうね。
。。。でも、本編を読んだ人でさえ僅かなのに、続編を読もうなんていうモノ好きが、
50年後に何人いることやら。。。。
888吾輩は名無しである:2010/02/16(火) 09:27:18
俺が十年かけて「死霊」の第十章を書いてやる!!
889吾輩は名無しである:2010/02/16(火) 16:59:10
>>888(ゾロメ!) 十年で書けたらオンノジですね。
890吾輩は名無しである:2010/02/17(水) 02:59:48
気楽な二次小説なら書けるがあの文章は埴谷しか無理っぽいな
891吾輩は名無しである:2010/02/18(木) 16:01:45
だな
892吾輩は名無しである:2010/02/23(火) 10:23:58
死霊 第十二章 「釈迦と大雄の対話」
893吾輩は名無しである:2010/02/23(火) 11:48:24
結局、ブッダ(覚者)の核心部分てのは何?  皆さんは、どのように想像する?

瞑想の果て。みたいな事の実感、もしくは想像力。
894吾輩は名無しである:2010/02/23(火) 17:49:10
ブッダ(覚者)の核心部分は埴谷が喝破しておるで笑止〜(笑)
895吾輩は名無しである:2010/02/23(火) 20:20:59
その喝破部分、教えてくれ。  教えてくれないと、ケチと見なす。w
896吾輩は名無しである:2010/02/27(土) 13:21:03
思索は、宇宙自体の内省活動(主観でスマンが)。

みたいなもんだとして、
脳科学と宇宙論に関する認識進展が、埴谷氏言う精神リレーに及ぼす役割は計り知れないと見る。

と、常識的な事を書いて此の板の様子を窺う。

897吾輩は名無しである:2010/02/27(土) 23:18:00
ネットの匿名とかも今から考えると
衒学と言われることもあるが、的を射ている問題提起は多い
898吾輩は名無しである:2010/02/28(日) 00:32:43
>と、常識的な事を書いて此の板の様子を窺う。
   ↓
 と、常識的な事を書いて此のスレの様子を窺う。
899吾輩は名無しである:2010/02/28(日) 16:32:03
>>895
その喝破部分、教えてくれ。
http://www.youtube.com/watch?v=WcocT9RmgXM
900吾輩は名無しである:2010/03/01(月) 00:28:05
仏陀は大雄に負けるんだ。どうでも良くね。
901吾輩は名無しである:2010/03/01(月) 03:12:10
他人の観念宇宙で、どうなろうと大した意味ないかもね。
902吾輩は名無しである:2010/03/01(月) 03:42:04
そんなこと言ったら小説なんてみんなそうだろうが
903吾輩は名無しである:2010/03/03(水) 15:29:05
そういうこと以外のなにものでもない。

サイバー攻撃関連スレ見たあと、立ち寄ってみますた。
904吾輩は名無しである:2010/03/03(水) 23:52:01
ブッダ(覚者)の核心部分謎は埴谷本を読破すれば解ることでは無いで消化ねぇ〜(笑) ついでに革命者とは誰か、革命の期限謎に憑いても読み解かれ足し〜(笑) 正解すればお答え痛し魔性〜(笑)
905吾輩は名無しである:2010/03/04(木) 06:56:08
過疎スレ6年柿8年
埴谷本を読破するとかその前に
埴谷は文学がこれほどまでに落ちぶれるとは思っていなかっただろうねぇ
906吾輩は名無しである:2010/03/04(木) 08:03:09
落ちぶれたら落ちぶれたで受け入れそうだけどな
この流れは埴谷の思想に反しない気がする
今までは未出現だった人たちが文字書き込みまくってるわけだし
907吾輩は名無しである:2010/03/05(金) 00:45:05
未出現てドゥルーズの潜在性みたいな概念なんですか?
908吾輩は名無しである:2010/03/05(金) 01:49:01
>>904

(笑)
909吾輩は名無しである:2010/03/05(金) 01:51:16
( ´,_ゝ`) プッ
910吾輩は名無しである:2010/03/05(金) 02:02:45
流行んない変換やってんのが居て、痛いす。
911吾輩は名無しである:2010/03/05(金) 02:07:20
頭の悪さ、笑いで隠す。 判ります。
912吾輩は名無しである:2010/03/07(日) 21:44:08
ブクオフ105円文庫棚で死霊Tを発見・救出
913吾輩は名無しである:2010/03/08(月) 21:54:21
埴谷全集もってる人いる?
914FFF:2010/03/08(月) 22:16:55
>>913 ここにおるぞ〜。
揃でもっとるぞ〜、新本で買ってやったぞ〜。
でもはっきし言って、埴谷って雑文が多過ぎ。まともなのが入ってるのは、最初の数巻だけで、
あと皆対談とかばっかだもんな。これじゃ未来社のやつ買いためたって良いじゃないか、という感じだよ。
ただし、背表紙効果だけは抜群。真黒のがわ――って並んでると圧巻。
915吾輩は名無しである:2010/03/08(月) 22:43:56
>914
まあ、「カント体験」で停まった人ですからね
対談等は気さくな一面が伺えて面白いですけど、「帰還宣言」が未収録なのは惜しい気がしました
全集完結後に発掘された資料、ETV特集や音源を収めた、増補版を気長に待っていますよ
916吾輩は名無しである:2010/03/08(月) 23:02:56
雑文馬鹿りでは〜(笑) 小説は二巻(1、3巻)だけで笑止、よくもこのような糞が全集で出た者ですねぇ〜(笑) 講談社が赤字なのも頷け増すよ〜(笑)
917吾輩は名無しである:2010/03/08(月) 23:08:26
そうそう、雑文で済む人には読む価値も全集揃える意味なんて、無いんですよ
そういう人には読んで欲しくないんですから
918吾輩は名無しである:2010/03/08(月) 23:11:27
全集揃いの事故満足の世界では埴谷謎は読み解けないです殻ねぇ〜(笑)
919FFF:2010/03/09(火) 00:02:20
自己満足といわれればそれまでですが、
腰をすえて書いた文章は深いですよ、そりゃあ。
推薦文とかアンケート程度のエッセイが大量にあって、
それを雑文といってるんです。
泰淳の娘の写真集の帯に義理で書いてやった文章とか。
920吾輩は名無しである:2010/03/09(火) 00:34:07
埴谷は『死霊』『虚空』『闇のなかの黒い馬』
の3冊持っていればそれでいいんだよ。
921FFF:2010/03/09(火) 00:43:45
>>920
本質的にその三冊が理解できれば、他は買う必要なし。
だが、一般人にはそれができない。
だから、全集買って色々読みあさらねばならんのです。
922吾輩は名無しである:2010/03/09(火) 00:50:40
初期の文学論はかなり本音で罵倒しているから、面白い
923FFF:2010/03/09(火) 00:56:05
面白いことは面白いな。
それをいえば、死霊だって相当面白いよ、今の小説なんか比べ物にならん。
知的刺激とかそんなんじゃなくて、あの熱気というか何かね、
あの雰囲気好きだ==カッコイイは、あれは。
当時の青年が憧れるのも無理はないわな。っていって、俺も含まれてるけど。
924吾輩は名無しである:2010/03/09(火) 01:30:50
漏れは何時まで経っても追い付けないでいるけど
925920:2010/03/09(火) 01:48:20
かつてエッセイやら対談集やら評論やらの単行本を買っては読んだが、
結局埴谷は同じことの繰り返ししか言ってない。だから、ある時期
から、きっぱりと彼の本を買うのをやめた。全集も一冊も買っていない。
彼が戦後文学最大のモンスターとの評価は揺るがないけれど。
926吾輩は名無しである:2010/03/09(火) 04:26:07
最近元気いいなこのスレ
927吾輩は名無しである:2010/03/09(火) 09:00:03
>>925
一人の人間の考えることは、そんなに多様であることはないよ。
いいかげんに書き散らしてるやつは別だけど。
たいがい一生かかって同じ思索を、すこうしずつ深めてゆく。
928FFF:2010/03/09(火) 22:28:05
>>927
正論ですネ。
すこうしずつ って表現が気に入った。
929吾輩は名無しである:2010/03/10(水) 00:55:35
すこうしずつ書いたゆえの 『死霊』未完とは 藁貸し増すねぇ〜(笑)
930吾輩は名無しである:2010/03/11(木) 01:17:07
>>929

なんにも書けないのが藁貸し増すねぇ〜
板には書けるが紙には書けぬ。w
931吾輩は名無しである:2010/03/11(木) 19:07:15
白紙の部分がどうこうなんだよ
932吾輩は名無しである:2010/03/12(金) 00:11:53
はあ?
933吾輩は名無しである:2010/03/12(金) 18:10:56
『死霊』第9章まだ読んでない。
934吾輩は名無しである:2010/03/19(金) 20:02:57
>869 続き(>468の補足)

深夜の三輪家で、その「圧服と屈従」の関係を
目の当たりにした津田夫人の前に、三輪広志が帰宅する


  三輪家の祖母に似て意志的な角張つた彼の顎を眺めてゐると、津田夫人は一種生理的とも名づけるべき惡寒をともなつた
 異様な反發を、昔から覺えるのであつた。けれども、三輪家の祖母同様、この物語に於いては影の人物である彼について、
 詳細に記述する必要もないだらう。私逹と同年代の底意も知れぬ、偏奇的な人々を準備し、育んだ一人物として、
 彼の拐~構造を僅かばかり素描すれば足りるのである。彼から漂つてくる洋酒らしい乾いた薄荷の匂ひをかぐと、津田夫人は
 ふと十數年前の婦人關係はどうなつただらうかと考へた。挨拶もぬきに二三語續けさまに訴へた彼女が直ちに悟つたことは、
 好んで政治的陰謀のみに全身を傾倒してゐる彼にとつて、二人の息子逹が彼より遲く歸宅することなど議論の枠外にある
 らしいことだつた。


いま一度読み直して頂きたい
著者はココで、登場人物の一群が自分と同一ジェネレーションに属する旨を表明している
逆言すれば、その父祖達は先行する世代と規定された

この「自伝層」に接触する記述も「三つの方法」の基き、書き改められる
この方面からの考察を無にするコトが、埴谷本人にとって如何なる意味を持つかは
『死霊』構想ノートにより、その傍証が得られている


  ――はつは・・・・二度云つたつて解りはせんです。まあ、津田にでも聞いてみるんですね。歴史的課題を負つた僕逹が――
 ちよつと早く生まれ過ぎたことを、津田は巧く説明してくれる筈です。はつは・・・・壓服と屈從、この二つしか僕の前に認めない
 新聞記者共には、てんで何も理解出來ないのだ。
  (中略)
 安壽子さんと與志のことは――まあ、この頃流行文句のリビドーのおもむくままに任せておけば好いんです。尤も、與志には
 後から云つときませう――こんな遲くまでうろついてゐるなら、安壽子さんの傍にへばりついてゐろ、とね、はつは・・・・。

   長編 死靈 (九) 「近代文學」
935吾輩は名無しである:2010/03/19(金) 20:04:33
>934 続き

一切の説明を夫に丸投げされて憤怒する津田夫人を階下に残し、
三輪広志は「物語層」から退場する
その死もまた「必要以上に隠された或るもの」として語られぬまま

この夜、未来の婿殿の「魂の病気」への処方箋を見出す事は叶わなかった


  ――ぷふい、それを知ったときの俺の胸のなかに、何が浮かんだと思う・・・・・・?素晴らしい祝辞が、そのとき、俺に思い
 浮んだのだぜ。結婚半年目ぐらいの或る麗らかな日に、君が必ず忽然として思いあたるべき見事な言葉がね。ふむ、その
 祝辞とはこうなのだ。女房には編物棒を持たせて置け、そして、退屈な亭主をその脇に――。
  ――それは、何です・・・・・・?

   三章 「死霊T」
936吾輩は名無しである:2010/03/23(火) 21:44:28
>935 続き

さて、蛸である


  ――中學へ入つた頃だつたかしら・・・・與志さんは急に食事をとらなくなつたことがあつたのよ。
  ――それは確かに風變りだわ。何故だつたのでせう?
  ――どうしてなのか、私には解らなかつたけれど――。
  ――まあ、貴方には何も理解出來ないのね。そんな風で子供を育てれば、必らず子供に馬鹿にされてしまふんですよ。
 そして、與志さんはどうしたの?
  ――また食べるやうになつたけれど、食卓の上の食物を凝つと見てゐる眼付は氣味が惡かつたと憶えてゐるのよ。
  ――ふーむ。
  と、津田夫人は譯も解らず大きく溜息をついた。
  謎をかけあつたやうに默りこんで目前の空間へ氣もない視線を投げてゐる二人の夫人は、彼女逹の對話からもはや
 何も生れ出てこぬことを感じてゐた。


深夜の化物屋敷で、青い印しを押され「この世の屈辱」を悟ったのか、
徒労に沈む津田夫人の前に、三輪高志が帰宅する

937吾輩は名無しである:2010/03/23(火) 21:45:24
>936 続き

  ――中學時代・・・・與志さんが食事をしなくなつたつて、本當ですの?
  ――さう、そんなこともあつたが――どうしてです?
  ――どうしてつて――何故、食事をしなくなつたのでせう?
  さう訊き返しながら、彼女は、ぎくりと相手を見上げた。三輪高志の口邊に確かに薄笑ひがかすめたのであつた。
  (中略)
  ――あいつは、時々、馬鹿げた考へにとらはれたがる。あいつがそれから、到逹したのは、自身の手は自己ではない
 といふ意見だつたらしい。
  ――なんですつて?いま、なんと云はれたのですの?
  ――それは古い哲學の繰返しです。まつたく古ぼけた繰返しに過ぎんのです。古ぼけた陳腐なものを一つの發見だと
 思ひこむのが、あいつの惡い癖です。
  何時の間にか、彼は津田夫人の横顏を探るやうに見てゐた。

   長編 死靈 (九) 「近代文學」


津田夫人の詰問に、三輪高志は「古ぼけた陳腐なもの」と一蹴するが、
具体的に何を指すのかは判然としない
一般にこの挿話は、サルトルとの同時代性を指摘されるけど
埴谷の思索とサルトルのそれが合致する筈もない
その差異について検証するのも一興かとは思いますけどねぇ〜

つ「あま近」
938吾輩は名無しである:2010/03/23(火) 21:46:43
>937 続き

人のコトはともかく、漏れはサルトルの小説を読んだ事は無いので、
ココでは四半世紀後の深夜の三輪家の一室で、矢場徹吾同様に
『自らを恥じながら』病臥する三輪高志本人に丸投げしちゃいます


  ――いいかな、確かにそれは俺の内心の深い暗い奥でぎくりとするようなゆっくりとした問いかけだった。
 やつはいったのだ。
 「お前はほんとうに《自分自身》についてこれまで考えたことがあるのかな。
  (中略)
 お前の《自分自身》は、さて、いったい、そのとき、どのあたりでどんなふうに主張されるのかな。ぷふい、
 お前がこんなにまで愚かしく単純で、こんなにまで初歩的な最初の問いかけだけで、すでにへどもどするほど
 口ごもりはじめて躓くのは、まあ、考えてもみろ、そのはじめからお前達のおちこむ深い陥し穴が目に見えず
 そこにあるからだ。ぷふい、それはいったいどういう種類の陥し穴だろう!(後略)」

   五章 「死霊U」
939吾輩は名無しである:2010/03/31(水) 15:18:31
>>904

結局、判らないのね。
940吾輩は名無しである:2010/04/08(木) 14:24:28
抑制と乖離が統合されれば、この小説も身体(頭にではない)に
入ってくるのかもしれない。
941吾輩は名無しである:2010/04/10(土) 13:17:53
『闇のなかの黒い馬』絶版なんだね。
漱石の『夢十夜』に比肩する夢の小説化に挑んだ傑作だ。
942吾輩は名無しである:2010/04/22(木) 01:06:33
>>941
あれは装丁がよい。木と本を区別する一本の線の如き存在感がある。おお!
943吾輩は名無しである:2010/04/26(月) 20:01:45
>938 続き

他方、先行するジェネレーションからは、
考えてはならぬ考えにはまりこむ、永遠の食客的意見、私達の何処かを見ている、訳の解らぬ……と、
各様の受けとめ方が提出された
「歴史の流れを斷絶せしめなかつた男女逹」の諦観、と云えそうだが
はたして三輪与志の内面に閃いた想念をどこまで捉え得たであろうか


  私は、後年、人間を、あらゆる生物をとつて食べ、ただ娯楽のためにだけでも他の生物を殺すところの生物のなかで
 最も兇悪な存在として弾劾していますが、その弾劾の暗い奥底には、その当時には自分でもよく説明もできず、はつきりせず、
 漠としていたものの、しかも拭いきれぬ自己呵責が潜んでいるのですね。
  (中略)
 単に人間同志で殺しあう事態を克服するために社会革命をおこなうだけで済まずに、私の作品の主人公達が、人間自体の超克、
 自然の法則の超克を目指す「存在の革命」といつた大それたことを口走つたりするのは、はじめは自分の中にあつた
 小さな小さな自己呵責が、次第に、いわば自己増殖するかのごとく大きなかたちとなつて、感覚としてもとうてい逃れられぬ
 ほど重くなり、理屈としても果てが見尽せないほど大きな幅となつて積みあげられてきたからですね。
  (中略)
 つまり、私達はそれまでにいろいろな胚珠を重ね積みあげてきた精神の幅に応じて、事実の意味をうけとり、そして、
 何かを「発見」する。逆にいえば、自分の心の幅だけしか事物の精髄をうけとれず、また「発見」もできない。
 芸術は、すべて個性的な自己表現ですが、各人の心の幅が違うだけ、受けとり方も違い、「発見」も違う。
 数学の一プラス一が二と万人に通用するようには、芸術における一つの作品は通用しない。

   「薄明のなかの思想 芸術について」


「拒食」という一時的なタコつぼ状態を脱し、再び食客の地位に復帰した
三輪与志に如何なるリビドーが「胚珠」したのか興味が尽きないけれども、
試みにこの時期の三輪与志の内面を「他のものから表白」してみよう
944吾輩は名無しである:2010/07/24(土) 01:00:08
歌舞伎の世界というのは、名優は自分は死なないで、死の演技をする。それで芸術の最高潮に
達するわけですね。しかし武士社会で、なぜ河原乞食と卑しめられたかというと、あれは
ほんとうに死なないではないか、それだけですよ。そのひと言だけで芸術はペッチャンコですよ。

三島由紀夫
埴谷雄高との対談「デカダンス意識と死生観」より
945吾輩は名無しである
今日、蛸を噛みました