1 :
吾輩は名無しである :
03/06/11 19:27
2 :
吾輩は名無しである :03/06/11 19:45
旧かなづかいでいきませう。
3 :
吾輩は名無しである :03/06/11 19:47
つうかジャケ買ひしちやいましたよ。今まで読んだことなかつたのに。 バーコードも帯もないところにこだはりを感じました。
6 :
吾輩は名無しである :03/06/11 21:24
そうですか。出ましたか。 お茶でも啜ってから、ゆるりと取り掛かりますかの。
7 :
吾輩は名無しである :03/06/12 00:14
スレタイをもつと派手に飾つて欲しかつた。 やつぱり目立たなくちやあ。
8 :
吾輩は名無しである :03/06/12 00:25
三浦雅士って柄谷から丸谷になんで乗り換えたの?
9 :
吾輩は名無しである :03/06/12 07:15
丸谷才一と安岡章太郎に逆らった新人作家は絶対に文学賞が貰えないと言われているが、真偽は?
10 :
吾輩は名無しである :03/06/12 10:29
二章まで読んだとこだけど、小説のなかで自説を述べたがる ところは相変わらず。でも、まあ面白い。このさきも面白くなりそう。 で、三章の始めに小説の時代背景をざっと書いてるんだけど、 村上春樹の「ノルウェイの森」が発売される、とか書いてあるね。 丸谷が村上のことを褒めて、村上が丸谷の『樹影譚』を褒めて… で、丸谷がまた村上のことを作中に書く…、と。贈与論ってやつ? このへんが内輪ネタっぽくて鼻につく。
11 :
吾輩は名無しである :03/06/12 10:30
>>10 は新作の『輝く日の宮』のことね。
このスレ読んで、バーコード無いことに気づいた。
10年前のって何? 『女ざかり』だっけ?
あれは自説を述べたがる傾向って鼻につかず楽しんだ覚えがある。
>>10 を読むと、買う気が少し萎え〜。
講談社にバーコードをつけさせなかったのってすごいと思う。
講談社だからできたのかも、とも思うけど。
週刊新潮で福田和也が散々コケにしていたけれど、漏れも激しく同意。 文豪・丸谷才一を作り出している構図は、まさに形骸化した「文壇」の象徴だね。 丸谷の取り巻きやら利害関係者やらの空騒ぎの結果、ペダントリーだけが とりえの駄作が、教養コンプレックスの人たちにありがたがって消費される。 アホらしい空騒ぎを見て、まともな人たちは文壇から離れいき、文壇はさらに 形骸化。そこに神童・平野啓一郎が降臨すると。 デフレスパイラルは止まらんな。
14 :
吾輩は名無しである :03/06/12 18:12
>>12 ちなみにバーコードはスリップに印刷されてました。ううん店員さん泣かせ。
15 :
吾輩は名無しである :03/06/14 22:06
漏れは卒論で源氏物語の成立論をやったので 新作にちょっと興味あり。
16 :
吾輩は名無しである :03/06/15 00:16
福田和也は江藤淳のマネをしているだけ。
17 :
吾輩は名無しである :03/06/15 01:42
ダー福は何かにつけて江藤淳江藤淳うるさいよね
なんだ前のスレ落ちたのか。 笹まくらのその後を聞いてたのに
19 :
吾輩は名無しである :03/06/16 13:22
丸谷がせっかく、年喰い芥川賞もらったのに同時受賞の『三匹の蟹』が凄すぎて 才能を思い知り文壇政治に生きる道を求めたとして誰が責められよう。 ところでこの板に来るヤシで『三匹の蟹』未読なんてのはいないだろうね。
20 :
吾輩は名無しである :03/06/17 17:48
えらいすんまへん。
21 :
吾輩は名無しである :03/06/17 18:02
『三匹の蟹』に戦後日本文学短編小説部門最優秀賞を進呈する事に 異論のある人は10人に6人位しかいないだろ。
22 :
吾輩は名無しである :03/06/17 22:06
>>21 過半数かよ!
ところで肝心の新作を読了した人の評価がまったく書かれていないわけだが。
24 :
吾輩は名無しである :03/06/18 22:14
新潮文庫の「男のポケット」と「低空飛行」ってのを買ったんだけど(100円で)、 おもろいでつか?
25 :
吾輩は名無しである :03/06/19 15:09
>>24 漏れにとって丸谷はエッセイスト・書評家であるから、面白く読めた。
上品で学識が深く浮世離れしてしゃれている。
だからどうした、とは思う人がいるかもしれない。
26 :
吾輩は名無しである :03/06/19 23:18
丸谷はエッセイに限らず小説その他、とにかく文章にパンチというかキックが ないんだな。 小林秀雄がある外国人に自分の勧めるウイスキを飲ませたそうだ すると、その道に深い造詣を持つ外人は成る程と黙ってから言ったそうだ、キックがない。 丸谷の文章はそれだ。
27 :
吾輩は名無しである :03/06/20 00:43
『三匹の蟹』がだんとつだな受賞作の中で その次が『限りなく透明に近いブルー』かな この板でノーガキたれてるヤシでも両方読んだのは半分もいないだろ
29 :
吾輩は名無しである :03/06/21 01:17
>>13 をいをい。福駄でさえ言ってるじゃん。
「・…さて、肝心の小説ですが、ちょっと読むに堪えないというところでしょうか。
・………(中略)・・……
冒頭、泉鏡花の文体も社は、それなりにyく出来ていて、さすが平野啓一郎より
は上手いなあと思わせますが、作中の鏡花がらみの仕掛けは退屈の一言」
丸谷と平野と、両方斬り捨て。
福駄は、老大家を狙い撃ちしつつ、自分が後釜に坐ろうと虎視眈々w
小汚ねぇヤシ、クソだ。
30 :
吾輩は名無しである :03/06/21 01:22
>>28 そりゃ、アナタの個人的見解っしょ?
『三匹の蟹』を絶賛したのが三島由紀夫だということぐらい
知ってまつがな、この板のヤシ共は、読んでるだけでなくw
看板みただけでイヤがる蟹ギライの三島が…って(w
『限りなく透明に近いブルー』は、
リュウのスレで語りなはれ、叩かれ叩いていいスレでっせw
31 :
吾輩は名無しである :03/06/21 03:06
『三匹の蟹』を三島が誉めたのか 三島の金閣寺は燃えてないが、三匹の蟹のネオンは確かに明滅してる。 三島もゲテ好み傾向で野坂や深沢みたいなのばっかり評価してたが まともな鑑賞眼もあったんだな。
33 :
吾輩は名無しである :03/06/21 07:21
丸谷才一 ←代表作ないよね。なんでエライのかな。
>33 丸谷才一の場合、小説家専門ってわけじゃないから代表作なくてもいいのかな、と。 評論家とか英文学者としての一面も持ってるわけだし。
35 :
吾輩は名無しである :03/06/26 22:32
25の文体って丸谷特徴つかんでる。意外と書くのが難しい文体だよね。 新刊はとてもよくできていると思う。 代表作になるんじゃないかな?
0章で「かなづかいがまちがって」いる箇所を 探そうとして見返したのはきっとオレだけじゃないはずw 0章は雰囲気出すためにあえて「……。」と句点を カギカッコの中に追い込んでるね。最初はびっくりした。
余りにも下らなくて讀む氣など起きない。
38 :
吾輩は名無しである :03/07/01 19:25
一応、全部読んだ。 読むのに苦痛は感じなかった。 ところで、冒頭の短編だけど、郵便局って18時以降も営業してたっけ? 都会はそうなの?
39 :
吾輩は名無しである :03/07/01 19:32
新宿マイシティ内郵便局は遅くまでやってる。
40 :
吾輩は名無しである :03/07/01 21:51
丸谷ら三人訳のユリシーズは誤訳だらけだとかいう話があるけど……
41 :
細江直矢 ◆DjjhnUajcs :03/07/01 22:36
●●●マスコミの 「盗聴/盗撮」 は許されるの?その9●●●
http://natto.2ch.net/mass/kako/1016/10165/1016527634.html 341 名前: SF7 投稿日: 02/04/01 03:14 ID:uRitxXOP
>>305 , 329
>でもその盗聴グループを使ってる人もバカですよね。.....
そうそう、社会の構成員はみんな監視されているのよ、いろんな意味で、いろんな手段でね。
盗聴屋や糞制作者だけが監視から免れていると信じていい理由がない。
フジの社員がカリスマ(?)美容師を脅迫した刑事事件では、フジの社員が、右翼という脅迫手段に安直に頼っている。
脅迫を思いついた時点で、ばれたら自分が不利になる、と考えなかった浅はかさには驚く。
誰でもできる幼稚な不正アクセスで得た個人情報を使って空疎な番組を作り続けていると、
リアルとバーチャルの区別が見えなくなって、ワイドドラマと同じように現実も制御できると思いこむのだろうね。
忍風戦隊ハリケンジャーが実在すると信じている、近所の未熟なガキと、頭の中身はおんなじだ。
42 :
吾輩は名無しである :03/07/03 15:30
>>40 え、そうなの、それは詳しく教えてください。
柳瀬尚紀氏からの批判は読んだことあるけど、
それは「誤訳」というのとは別の次元での話だった。
44 :
40じゃないけど :03/07/03 22:46
45 :
吾輩は名無しである :03/07/03 23:08
>>44 いや、ありがとうございます。
北村富治『ユリシーズ』案内 丸谷才一・誤訳の研究
(宝島社、1994年)ですか。
いまの丸谷ほか訳は96年の刊行ですから、
この書が扱っているのは、その前の河出書房新社の
緑色の本ということになりますね。
ともかくどこかでさがしてみます。
46 :
吾輩は名無しである :03/07/03 23:31
>>45 そうそう。でもこの本で誤訳を指摘された箇所も結局そのままになってたけどね<新訳
全部を確認したわけではないけど。
ユリシーズを翻訳で読んで一体どうしようっていうんだろうね?
48 :
吾輩は名無しである :03/07/12 01:56
確かにキックがない。マルヤ読んだ、って友達に言って、ドンナ内容?って聞かれると すごく伝えにくい。まぁ読んでみな、って言うしかない。
49 :
吾輩は名無しである :03/07/12 10:48
ブックオフで100円で買った「女ざかり」を今読んでるところです。 すごいタイトルですね(w。ユーモアのセンスが井上ひさしに近いと 思いました。文学に疎いので恥ずかしいですが。結末が楽しみです♪
50 :
吾輩は名無しである :03/07/12 13:18
読了♪ 一件落着してからがダラダラ長いような・・・。 ウンチク話は面白かったりつまんなかったり。
__∧_∧_ |( ^^ )| <寝るぽ(^^) |\⌒⌒⌒\ \ |⌒⌒⌒~| 山崎渉 ~ ̄ ̄ ̄ ̄
52 :
吾輩は名無しである :03/07/21 18:13
age
53 :
吾輩は名無しである :03/08/12 02:53
読んでないんだが、丸谷の『笹まくら』って徴兵逃れで砂絵かなんか売りながら 女と放浪する話だっけ。大昔NHKのラジオドラマで聞いた。 『徴兵忌避者としての夏目漱石』 こっちは読んだ、読んだがすっかり忘れちまった。 徴兵忌避にこだわってんだね。
54 :
吾輩は名無しである :03/08/12 17:41
>>53 夏目漱石は、若い頃の徴兵忌避がトラウマとなっていて
「こころ」の先生の自殺の原因も徴兵忌避ではないか、という論旨。
徴兵を免除されていた北海道に転籍したことを示す「送籍」が
ペンネームの本当の由来だでは?とか
トンデモっぽいなぁ、とおもた。牽強付会つーか。
(⌒V⌒) │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。 ⊂| |つ (_)(_) 山崎パン
57 :
吾輩は名無しである :03/08/30 17:46
人気ないのね
59 :
吾輩は名無しである :03/09/14 13:55
絵具屋の女房 丸谷才一著 文藝春秋・10月下旬・1,429円・ISBN:4163653503 「なぜなら武蔵には滑稽な逸話がない」に始まって「猪鹿蝶の考察」 「〈英雄色を好む〉は本当か?」など。ご存じ傑作エッセイ15篇。
60 :
吾輩は名無しである :03/09/16 18:38
その次は、「小間物屋の息子」とか。 マルちゃん、使っていいよ、これ。
61 :
吾輩は名無しである :03/09/23 06:46
丸谷才一氏は現在、岩波書店発行の「図書」に、「バオバブに書く」を 連載中です。みんな、競って読もう!
やれやれ
test
64 :
吾輩は名無しである :04/01/06 21:43
保守
65 :
吾輩は名無しである :04/01/06 22:07
初めて、丸谷才一スレがあったことを知った。
66 :
吾輩は名無しである :04/01/17 04:59
エッセイストとしてはたぶん日本史上最強の人なんじゃないかと 思うけれど。清少納言や兼好、長明、或いは白石、徂徠と比肩しうるくらい、 それくらいは学殖、世間知を備えた名随筆家だと思う。 でも小説は、やっぱりかなり出来が悪いんだよな。 近代小説に本質的に体質があってない。生まれた時代が悪いっていうか。 でも本朝文学の正統を汲む大知識人であることはたしかだよ。
文化人
68 :
吾輩は名無しである :04/01/21 04:46
>>66 つまり千年後に名が残ると。
いや皮肉ではなく、本朝文学の正統ってサパーリわからんもんで。
思考のレッスン、面白かったです。 読書欲を程よく刺激してくれる内容だね。
保守
71 :
吾輩は名無しである :04/02/19 01:22
どうです、面白いでせう。
芥川賞の選考委員に戻ってくれねえもんかねえ。
江藤淳を読んでスレを見たので、偉くなったというのをそうかあと 思ったのですが、裏声で歌へ君が代を読んだ人はどう思いました?
74 :
吾輩は名無しである :04/02/20 23:10
>>71 丸谷エッセイの面白い面と、
微妙に「啓蒙的(押し付けがましい)」側面とを
うまく表現したレスですなage。
>>74 うまいこと言うなあ。好意か悪罵かよくわかりませんが、まあ、いいでせう。
(わたしは71ではありません)
76 :
吾輩は名無しである :04/02/23 23:44
輝く日の宮〜(?)とかいう新作誰も読んでないのか?
77 :
吾輩は名無しである :04/02/24 14:31
よんだよ、えへへ。 冒頭から小谷野がさんざんなんちって「鏡花」とか何とかいってたが・・・・・・・。 書いてある源氏の構造論ってのはふるくさーいんだって? でも、結構おもしろかったよ(私は丸谷ファン 主人公の女学者のモデルっているんだってね、誰?
>>73 面白かったがラストが「何じゃこりゃ?」と。20世紀文学に詳しくないもんで。
>>77 モデルがいるんですか。わたしは、旧仮名使いで現代女性の心理を表現する上で
違和感のない設定として、古典文学研究者を主人公にした、と思ってました。
しかし、この小説の本筋で初めて登場した時20代なんですよね。
とてもそうは見えない。
79 :
吾輩は名無しである :04/02/24 16:34
心理的には成熟した30代〜の女の精神構造ですよね。 「女ざかり」でしたっけ?新聞の論説委員の主人公を吉永小百合が主演したのって。 あれが下村満子がモデルだってきいたの。 丸谷センセ、飲み屋では子供みたいに甘えそう・・・。 どうもこうゆうタイプに私はよく 甘えられるからわかるんだけど。
保守age
81 :
吾輩は名無しである :04/03/02 23:49
水商売やってる女が好きそうな作家だな 俺も好きなんだけどさ
『男もの女もの』(文春文庫)という丸谷エッセイを読んでいたら
「小説論的王室論」に
>>71 の
「どうです、面白いでせう。」という文章が出てきてびっくり。
それに続く文章が、「そして馬鹿馬鹿しいでせう。」。
題材は英国陸軍のキルトをはいた部隊がパンツをはかない風習と、その例外の
存在の理由についてでした。
83 :
吾輩は名無しである :04/04/04 19:23
保
84 :
吾輩は名無しである :04/04/10 22:55
>>81 でも丸谷がホステス口説いてる図って、まったく絵にならないんだよ(w
中小企業のスケベ社長みたいなイメージ。
それならまだナイーブすぎた遠藤周作の方が可愛げがある。
丸谷って本当にすぐれた文学者だとは思うけれど、そういう俗っぽさを
うまくセルフイメージに載せることができなかったよね。
吉行や開高のエロさって文学的に(w 許容範囲だけど、丸谷のエロは
なんか目を背けたくなるような感じ。
85 :
吾輩は名無しである :04/04/11 00:11
おいらは丸谷氏にどなられたことあるよ。 10年くらい前。入院するちょっと前だったなあ。
丸谷氏はすごく声がでかいそうじゃん。普通に話しかけたつもりかもよ
しかし丸谷才一みたいな筋金入りの文学者は減ったなあ。 文士の品質劣化は甚だしい。
>>86 そのさまを想像して、わらつてしまいました。
89 :
吾輩は名無しである :04/05/12 00:05
「笹まくら」は普通に面白いですよ。 新潮文庫の表紙も落ち着いててイイ。
90 :
吾輩は名無しである :04/05/15 15:19
あげ
91 :
吾輩は名無しである :04/05/18 01:53
お前様、もうやめませう私たち 糞スレ終了
92 :
吾輩は名無しである :04/05/18 17:24
文壇の人事部長 権力者 自分に媚びる人間は優遇し 自分に従わない人間はあらゆる手を使って つぶしにかかる
そんなに権力ふるってるかなぁ? そもそも知名度がかなり低いぞ。 福田が噛み付いたくらいだから、福田にとっての目の上の たんこぶ程度には、影響力があるのかもしれんが。 自分は丸谷氏の評論や随筆は好きだけどね。
94 :
吾輩は名無しである :04/05/18 23:12
福田は江藤淳の真似をしてるだけ 最初から叩くつもりで読んでる人間にその作品の批評などできるはずがない
95 :
吾輩は名無しである :04/05/23 20:29
女ざかりって結構売れたのに、文庫本絶版なの? おかしくね?
宿敵金田一春彦博士が亡くなつてどんな氣持ちなんだらう。
97 :
才一(はぁと) :04/05/28 19:57
>>九壱拾六 大変悲しひ。
98 :
吾輩は名無しである :04/05/29 07:04
99 :
吾輩は名無しである :04/05/29 12:23
金田一と何かあったの?
けつほられた
101 :
吾輩は名無しである :04/06/04 12:15
新刊のゴシップ的日本語論おもろい
102 :
吾輩は名無しである :04/06/11 15:32
丸谷さん、「樹影譚」(文春文庫)を読んだ時に読んだ時にやってくれるのじゃないか、という予感がありましたが、やはりやってくれましたか。(Ulyssesの世界を日本語で実現すること)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062118491/qid%3D1086935208/250-8737878-9542658 なんともいえない雰囲気, 2004/03/12
レビュアー: のんちび
丸谷さんの作品は文章が魅力的。エッセイしか読んだことがなかったが、とても面白かった。
取り上げた題材にも興味があったこともあり、中盤から後半にかけてはすっかり引き込まれ、あっという間に読み終わってしまった。
ハードカバーは値段的に敷居が高いが、内容によります。
...
素晴らしい出会い, 2003/07/10
レビュアー: miya_chai
源氏物語を巡る、丸谷才一氏10年ぶりの書き下し小説です。
ただ私は源氏物語も、丸谷氏の著作も熱心に読んだことがなく、もしかしたら無意識のうちにイメージ的に避けてきた
のかもしれません。そんな予備知識が全くない状況で「輝く日の宮」を読了しました。
面白いです。ほんとに面白い。一気に読みあげました。...
あらすじ: 朝、スティーブン起きる、同居人の男2人とお話する。少し険悪。ダブリンをうろつく。 朝、ブルームとモリー(奥さん)起きる、ブルームはダブリンをうろつく。 浜辺へ行って女の子の脚を見ながらオナ二ーする。 発射と同時に花火。<ー これが前半のクライマックス モリー(奥さん)は町で浮気。 もう夜。スティーブン(S)とブルーム(B)は酒場で酔って騒ぐ。いろいろな妄想。 Sは船乗りに殴られる。Bが助けて、一緒にBの家に帰る。二人で立ちション。 モリー(M)がSを見て、「まあ、若くていい男ねえ」 Sは帰る。 BとMは逆むきでベッドで寝てる。BがMのお尻にキス。 最後の章はテンもマルもないMの回想というか意識の流れというやつですな中略 今日のお昼のボイランたら大きなおちんちんだわね馬のようだわね中略 そういえばあの彫刻のおちんちんはきれいで口に入れたくなったわね中略 ああ遠くで列車の汽笛が聞こえるわ Long in the dear dead days beyond recall中略 Bがプロポーズした時のことを思い出すわ二人で海の見える丘の上に登って そしてBがわたしにキスして私は目でもう一度言ってと言ったのよyes わたしは腕をBの首にまわして下に引き寄せて私の胸が感じられるようにそして香水yes 心臓はもうはやくはやく鳴っていたそして私はこう答えたYes
105 :
吾輩は名無しである :04/07/01 00:36
「保守ageしますか?」 「さうね、保守しませう」
106 :
吾輩は名無しである :04/07/01 00:39
まるやまぁ〜
「まあ、おいしさふ」 「ドレツシング、しやれてる」
>>107 丸谷氏の表記法だと、
おいしさふ → おいしさう
ドレツシング → ドレッシング
が正解。てか、「おいしさふ」なんて日本語じゃないぞ。
あれ?「女ざかり」にサラダかなんか作るシーンがあって そん時はたしか「ドレツシング」だった気が
ドレシツソグ
福田和也は「笹まくら」を高く評価して 「裏声で〜」「女ざかり」をぼろくそにけなしてたな
113 :
吾輩は名無しである :04/08/08 23:47
丸谷の小説は屁みたいなもんだが、こと日本語を守ろうとする姿勢、 及び日本文化の伝統を後世に伝えていこうとする意思、これだけは 戦後文学者の中で一頭抜けていたと思う。 小説は激しく低レベル。文壇で振るう権力はうっとおしい。 それは確かだが、評論家・学者・知識人として、やはり日本文学史に 残る文人であることはたしかだろうな。 実際、歌仙とか、歌舞伎評論とか、質高いもん。
翻訳もヒドイもんだとおもうがな。
115 :
吾輩は名無しである :04/08/09 01:01
たか私がおもふには、てふてふがとんていふ。
116 :
吾輩は名無しである :04/08/10 19:04
>>114 丸谷の翻訳が出来が悪いという話をよく聞くけど、
真剣に論難した文章ってある?
なんか当てこすりみたいなみみっちい批判ばかりで、
本格的にどうなのかということがわからない。
117 :
吾輩は名無しである :04/08/10 21:14
翻訳の非難は主にユリシーズじゃないの? あんなの元々翻訳不可能なんだから論じるだけ無駄だと思う。 ボートの三人男の翻訳はえらく評判いいらしいが。
翻訳の出来不出来の評価って元来みみっちい箇所で決まるのでは? 「緋文字」を訳した某氏の冒頭の1ヶ所の決定的な誤訳みたいに。
裏声で歌へ君が代を読んでいたら 日教組の親父にそっち系だと誤解されそうになった
120 :
吾輩は名無しである :04/08/18 15:34
まるっと
121 :
吾輩は名無しである :04/08/18 15:39
お千代お花の顔(by森茉莉)
122 :
吾輩は名無しである :04/08/18 18:58
>>119 父親が日教組なのかよ。
悲惨な境遇だな(w
>>123 × 悲惨でさう
○ 悲惨でせう
日教組の子供はやはり知能に多少問題ありですな。
丸谷氏の「日本語のために」でも読んでリハビリするのがよいか、と。
125 :
吾輩は名無しである :04/08/21 08:36
>>124 うわ、間違えた。訂正サンクス
「日本語のために」読んで逝ってきます。
ちなみに漏れは日教組のガキですが思想的には右です。
126 :
吾輩は名無しである :04/08/30 20:12
丸谷とかいふ文士が嫌ひである。別にダカツのやうに憎むわけではないけれど、どうも気にくはない。著書をチラリと見て、いつもさう思ふのだが、考へてみると、子供のころから漠然と反感をいだいてゐた。そんな気がする。
127 :
吾輩は名無しである :04/08/30 21:08
128 :
吾輩は名無しである :04/08/30 22:03
ヴ
129 :
吾輩は名無しである :04/09/02 18:55
丸谷才一って意外と作品数少ないね
130 :
吾輩は名無しである :04/09/02 19:38
うん。赤川次郎とも中谷彰宏ともちょっと違うんだ。
131 :
吾輩は名無しである :04/09/03 20:04
「笹まくら」「裏声で歌へ君が代」「女ざかり」「たった一人の反乱」 現在文庫で流通してんのはこの位かな。あとエッセイ・評論いくつか 「年の残り」「横しぐれ」は文庫になってるけど絶版。
132 :
吾輩は名無しである :04/09/20 19:40:28
あげやう
133 :
吾輩は名無しである :04/09/24 21:18:37
エッセイは面白い
134 :
吾輩は名無しである :04/09/24 21:21:43
どうです。面白いでせう。
135 :
吾輩は名無しである :04/09/30 03:29:38
丸谷才一の社会科学音痴ぶりに呆れた。 もう丸谷が書いた文章は読まないことに決めた。 あいつは低脳だ。
136 :
吾輩は名無しである :04/09/30 15:24:19
どうです。つまらないでせう。
138 :
吾輩は名無しである :04/09/30 22:49:52
139 :
吾輩は名無しである :04/10/01 18:28:38
まぁいいから、お前ら「坂東孝信」で検索してみな
↑ ブラクラ
>>135 具体的に書かなきゃ批判にはならんよ。君のはただの捨て台詞。
丸谷氏の「紅旗征戎我が事にあらず」的態度は漏れは結構好きだけどな。
遊民にしか書けないこの世の真実だってある。
142 :
吾輩は名無しである :04/10/06 23:14:48
丸谷才一が諏訪春雄をこきおろした文章は切れ味がよくて面白いね。筒井康隆が丸谷の親友の 百目鬼恭三郎を論難した「笑いの理由」にも比肩すべき出来映えだ。 論争家としての丸谷才一の一面を窺い知ることができる。あんまり完膚なきまでにやっつけられている 諏訪春雄が気の毒にもなるけれど。
>>142 『忠臣蔵とはなにか』をめぐる論争か。
あれは小気味よいというか、えげつないというか。
丸谷さんの論理の強靭さを証明してはいるけれど、
同時に器の小ささも露呈してしまっていると思う。
しかし不覚にも筒井×百目鬼論争のことは知らなかった。
読んでみたいのでどこで読めるか教えてほすい。
144 :
吾輩は名無しである :04/10/07 19:14:11
>>143 新潮文庫の「やつあたり文化論」に入ってる。
ただし今は絶版かも。
145 :
吾輩は名無しである :04/10/07 19:46:34
余談ながら、「笑いの理由」の中で筒井があんまりアケスケに百目鬼の非論理性を暴いたため、 百目鬼のもとにはあまたのSFファンから非難の投書が続々と届けられるようになった。 このため、百目鬼は「SFファンを敵に回すと末代まで祟られる」とぼやいていたとか。
146 :
吾輩は名無しである :04/10/07 23:38:11
スレ (´∀`( ´∀`) チガイ だが昔笑った箇所 百目鬼「筒井のドタバタには歯止めが利いていないのである」 筒井「歯止めが利いていたらドタバタではない(゚∀゚)アヒャヒャヒャヒャ」
147 :
吾輩は名無しである :04/10/08 01:22:12
でも百目鬼と旧制高校以来の友人である丸谷は、新聞の文芸時評で「ベトナム観光公社」を褒めて以来 筒井から恩人と崇められているんだけどね。皮肉な巡り合せだが。
>>144 さんくす。探してみよう。
>>147 丸谷さんと筒井が対談しているのを読んだことがあるなぁ。
筒井がディケンズを引き合いに出してまで「『女ざかり』を絶賛してた。
おべんちゃらなのかもしれないが。あと、
丸谷 「君の『柿の木坂分岐点』だっけ? あれよかったよ」
筒井 「『夢の木坂』です」
というような箇所があったのも覚えてる。たしかに実際にこういう
会話があったんだろうけど、失礼だよ。編集者も削除しとけよ、と思った。
俺は丸谷さん好きだけど、こういう大家然としたところが
ある種の人々の反感を買うんだろうね。
149 :
吾輩は名無しである :04/10/08 23:30:12
>>149 眉毛と髪型と髪の量が多そうなところは似てる。
151 :
吾輩は名無しである :04/10/09 00:21:05
顔の下半分は野坂昭如っぽいな
今丸谷エッセイ集めてるけど面白いね。 でもかなり絶版になってるのがどうも・・・
153 :
吾輩は名無しである :04/10/09 13:26:25
むかし丸谷才一の講演を聴きに行ったことがあるよ。 噂に聞くほどの大声とは思わなかったが、ひょっとしたらマイクを使わずに話していたのかもしれない。
154 :
吾輩は名無しである :04/10/09 23:06:06
>>142 丸谷は論争好き(というか,売られた喧嘩は買う)タイプって
イメージがあるな。むかし読んだ『遊び時間』からの印象。
156 :
吾輩は名無しである :04/10/10 01:12:05
國學院の助教授になった後、東大に移って講師に格下げされたのは 國學院如きの助教授を東大の助教授に迎えるのが許されなかったからか
158 :
吾輩は名無しである :04/10/10 19:10:09
この人、どうして国文科に進まなかったんだろう。 国文の研究室にありがちな封建性が嫌いだったからか。
159 :
吾輩は名無しである :04/10/11 00:51:57
国文に興味出てきたのは青年期過ぎてからでしょ
160 :
吾輩は名無しである :04/10/11 09:31:16
国文出にろくな小説家はゐないでせう。
161 :
吾輩は名無しである :04/10/11 18:00:26
谷崎潤一郎も川端康成も志賀直哉も国文だが
162 :
吾輩は名無しである :04/10/11 21:47:47
戦前の帝大生と比較するセンスって一体( ´ー`)フゥー...
163 :
吾輩は名無しである :04/10/12 03:31:18
丸谷才一が入学した当時の東大は紛れもなく東京帝大だろ
164 :
吾輩は名無しである :04/10/12 12:41:32
当時の英文の教授は誰だ? 中野好夫とかか。
165 :
吾輩は名無しである :04/10/12 14:20:14
平井正穂や齋藤勇、市河三喜もいただろう。 ちなみに中野好夫は吉行淳之介も教えてるね。中野の講義中、吉行が英文和訳を命じられたので 原文に忠実に直訳したら「そないな日本語では何言うとんのか分らん」とカミナリを落とされた。 そこで日本語として自然になるよう意訳したら「よろしい」とOKが出たとか。もっとも、中野自身は 吉行淳之介を教えたことは全く憶えていなかったらしい。
このひと普段は普通のじいちゃんみたいに盆栽とかやってすごしてんのかな
167 :
吾輩は名無しである :04/10/16 09:30:26
盆栽に興味があるなら随筆にそう書いてるだろ。 丸谷の趣味は読書、散歩、音楽鑑賞(クラシック)、豆腐を肴にしての晩酌といったところか。
168 :
吾輩は名無しである :04/10/16 09:46:46
やっぱり東北の田舎者はそういうのが教養人(プゲラ)の生活だと思ってるんだろうな 都会人のような「破れ」がない。だから小説がつまらない。
169 :
吾輩は名無しである :04/10/16 12:01:00
盆栽は別段「破れ」とも思えないが
170 :
吾輩は名無しである :04/10/16 12:46:41
丸谷才一スレあったんだ。ボートの三人男の翻訳、好きだよ。 「笹まくら」も好きだけどなぁ。
171 :
吾輩は名無しである :04/10/16 23:32:12
芥川賞の選考で落とされた作家が選考委員たちを呪って丑の時参りをする小説が車谷長吉にあったが、 呪われる選考委員の中に丸谷の名前も入っていたようだ。 平成版の「大いなる助走」を書くとしたら、丸谷をモデルにした作家を登場させないわけにはいかないだろう。
172 :
吾輩は名無しである :04/10/17 02:29:44
丸谷の批評眼は確かだから別に権威であっても不快な感じはしないな
173 :
吾輩は名無しである :04/10/17 07:06:00
批評眼のないのは石原。(・∀・)モウヤメレ!!
174 :
吾輩は名無しである :04/10/17 16:28:43
丸谷才一の奥さんの写真って見たことある?
ないなー
176 :
吾輩は名無しである :04/10/17 19:25:17
この人の評論って、論理の飛躍が激しいんだけど・・。
177 :
吾輩は名無しである :04/10/17 19:54:23
漱石=僧籍論もそうだけど、 圧倒的な知識と教養に裏打ちされつつデンパを飛ばすのが、 この人の評論の真骨頂だと思うな。
178 :
吾輩は名無しである :04/10/17 20:01:07
この人の小説は何で評価が低いのだろう?
179 :
吾輩は名無しである :04/10/17 21:00:16
華がないから
180 :
吾輩は名無しである :04/10/17 21:07:40
>>179 それは芥川賞受賞時の三島の評だよね。
けど、世の中には、華がなくても評価の高い小説はいくらでもある。
この人の小説が受けない理由はもっと他のところにありそう。
181 :
吾輩は名無しである :04/10/17 23:44:15
評論家の受けが悪いってこと?
182 :
吾輩は名無しである :04/10/18 01:56:39
そもそも丸谷才一の小説はそれほど受けが悪いのかね。 「女ざかり」なんかベストセラーになったではないか。
183 :
吾輩は名無しである :04/10/18 02:01:24
あと個人的には「樹影譚」が好きだ。 あの小説には丸谷の分身と思える作家(古屋)が登場するが、 その作家の体験として「頭のおかしな女が赤ん坊を抱いて古屋の家に 押しかけ、『あなたの子です』と言い張る」話が出てくる。 丸谷自身もこんなことされた経験があるのかね。
184 :
吾輩は名無しである :04/10/18 03:04:00
『樹影譚』、先日古本屋で購入していたので、読んでみます。
185 :
吾輩は名無しである :04/10/18 07:28:31
この人の文章下手過ぎ。
186 :
吾輩は名無しである :04/10/18 07:29:43
下手は言いすぎか。ぎこちないという感じかな。
187 :
吾輩は名無しである :04/10/18 07:35:05
高橋睦郎の「百人一首」(中公新書ね)読んだけど、ギリシャ詩や フランスの18世紀小説(「危険な関係」とか)を引き合いに出してるのが 新鮮で、和歌に対するスタンスが丸谷に似てて面白かった。 高橋と丸谷の対談が実現したら読むだろうな。 (例の本では高橋と水原紫苑の対談があった) まあ、国文・日文的にはとんでもない本なんだろうけど。 (「ちはやぶる」が「血はやぶる」だから)
188 :
吾輩は名無しである :04/10/18 07:47:41
「権力者」と言われてるが、福田はもちろん、小谷野もかなり批判してるし (小谷野の場合は丸谷の文壇での在り方ではなく、エッセイ・評論についてだが) 意外と鷹揚なのかもよ。 オレ的には「日本文学=貧乏臭い」のステロタイプを打破しようとしてる (と公言してる)だけでも偉大だと思うよ。小説はともかく、エッセイ・ 評論ではそれが成功してるし。
189 :
吾輩は名無しである :04/10/18 07:59:51
190 :
吾輩は名無しである :04/10/18 19:24:57
小谷野は丸谷好きでもある
191 :
吾輩は名無しである :04/10/18 21:11:16
でも『忠臣蔵とはなにか』は「論証がむちゃくちゃ」って言ってたよ。 (実物を読んでないから実際のところはわからんけど)
192 :
吾輩は名無しである :04/10/18 23:10:51
>>191 中庸ときどきラディカルという本のなかで、
「『忠臣蔵とは何か』『恋と女の日本文学』『たった一人の反乱』はだめでも、
『後鳥羽院』『笹まくら』『横しぐれ』『日本文学早わかり』がいいということは
ある」と書いている。
193 :
吾輩は名無しである :04/10/19 10:11:34
ちんぴらを話題にしないでね
丸谷さんが高島俊男氏を評して「学問があれば感受性がない、 感受性はあっても学問がない、そういう中途半端な学者が多いなかで、 この人は例外的に学問もあり感受性も豊か」と書いていたような記憶が。 それにならって言えば、丸谷さんは学者にしては学問が足らないし、 小説家にしては想像力が乏しい。しかし学者にしては想像力がありすぎ、 小説家にしては学識が深すぎる。そういういわくいいがたい微妙な 存在なんだろうね。
195 :
吾輩は名無しである :04/10/19 22:53:40
何を根拠にマルヤの学問が足らないと思うのか
>>195 広く浅すぎる。ジェイムズ・ジョイスから王朝和歌まで、なんて
ちょっと無理がある。
だから専門バカに突っ込まれるし、また自分もその専門バカの
受け売りから話をはじめざるを得ない。
197 :
吾輩は名無しである :04/10/19 23:31:35
広いから浅いとは限らないよ。 よく言われることだが、大学の教員は一年分の講義ノートを用意すれば 誰でも務まる。片や、物書きは毎年同じことばかり書いていくわけには行かない。 特にマルヤに関して言えば、なみいる凡庸な大学教員よりも遥かに 深い学識を持ち合わせていると思う。そりゃ大野晋のような碩学に比べたら負けるけどね。
198 :
吾輩は名無しである :04/10/20 11:57:52
元阪大教授の山崎正和が「相方」だもんな。 まあ、実際には山崎のしゃべりっぱなしだけど。 オレ的には、司馬遼太郎と中村真一郎、吉田健一を「つなぐ」ことが できるだけですごすぎるよ。やっぱり知識が半端じゃない。
199 :
吾輩は名無しである :04/10/20 12:00:22
司馬遼太郎は「現象」にしか興味がない点で「非文学的」で 「理系・社会科学的(もちろん、研究者レベルじゃない)」なんだけど、 丸谷はそういう人を取り込める点で「別格」だと思うんだよ。
200 :
吾輩は名無しである :04/10/20 20:17:04
丸谷才一 山形県立鶴岡南高校卒。 電撃ネットワークの南部虎弾もここの卒業生。
201 :
吾輩は名無しである :04/10/20 20:18:42
藤沢周平も山形県立鶴岡南高校の前身である、旧制中学の卒業。
202 :
吾輩は名無しである :04/10/20 20:19:04
鶴岡南って進学校なのか?
203 :
吾輩は名無しである :04/10/20 21:38:54
庄内って、高山樗牛とか、石原莞爾とか、大川周明とか、 化け物みたいな天才を生み出す土地、というイメージがある。 吉良上野介縁の土地でもあるし、 鶴岡出身の丸谷が忠臣蔵について書いたのも因縁めいている。
204 :
吾輩は名無しである :04/10/20 22:18:13
俺も、今の作家で一番博覧強記なのは? って訊かれたら、丸谷を思い浮かべるものな〜 大江は、詰め込みすぎてビッグバンを起こしてる印象
205 :
吾輩は名無しである :04/10/20 22:50:16
大江は勉強熱心だとは思うけど、けしてそんなに知に長けている感じはしないなあ。
206 :
吾輩は名無しである :04/10/20 22:59:46
大江健三郎のノーベル賞受賞スピーチでの英語はひどかったね。 田舎の中学生でもあれよりはマシな発音をするだろう。
丸野菜市
208 :
吾輩は名無しである :04/10/21 15:41:46
顔がいかにも「丸谷」って感じだね
吉良は微妙だな。
210 :
吾輩は名無しである :04/10/22 00:03:30
>>205 大江って東大のときサルトル全部原書で読んだんでしょ
ある意味馬鹿だな
211 :
吾輩は名無しである :04/10/22 00:07:53
大江は仏文科では劣等生だったと聞いたが
212 :
吾輩は名無しである :04/10/22 19:41:57
こんな丸谷はいやだ↓
あの歳で大車輪ができる。
笠木忍の裏ビでせんずりこく。
215 :
吾輩は名無しである :04/10/22 21:32:37
実は熱心な自衛隊ファン
実は邱永漢「食は広州にあり」の中公文庫版の巻末コメントを書いているんだよね。 丸谷の反「貧乏主義」宣言って感じで、彼の面目躍如だな。
217 :
吾輩は名無しである :04/10/22 21:40:00
食通知ったかぶり などという著書もあるからね
実はあの異様に多い髪の毛はかぶりものだ。 あたまもやっばかぶり などという著書も出せ。
最近文庫が出たね。挨拶そのものより、ト書きのほうが面白い。
220 :
吾輩は名無しである :04/10/24 15:03:30
裏声で歌へ君が代は読みましたかおまいら
>>220 読んだけど、つまらなかった。
そのつまらなさを分析し、克服するつもりで「女ざかり」を書いた
らしいけど、あれもつまんない。
丸谷って長編小説には向かないんじゃないかなぁ。
短編は非常にすぐれたものをいくつか書いているけれどね。
すぐれた文学が天然美人だとすると、丸谷の小説は整形手術した
ブサイコって感じだな。妙に人工的すぎる。
造り過ぎ、ってことだろうか?
223 :
吾輩は名無しである :04/11/01 21:46:22
読本はおもしろくない? ししきすごいってかんじ。考えるの大変そうだから尊敬しちゃうんだけど。
224 :
吾輩は名無しである :04/11/01 22:52:18
日本語を書け
読本のことだからなw ちょっとワロタ。
227 :
吾輩は名無しである :04/11/03 16:32:39
>>226 おもしろい。ユーモアあるね、きみ。("<")
村上春樹の短編小説案内の本で 丸谷の短編があげられてた。
裏声で歌へモー娘
「桜もさよならも日本語」って面白いね。
さよならは日本語 別れの言葉
http://www.eigotown.com/culture/story/limericks/limericks.shtml 『五行でわかる日本文学 英日狂演滑稽五行詩(リメリック)』 ロジャー・パルバース(著) / 柴田元幸(訳)
<<< Murakami Haruki 村上春樹 >>>
He is the great Japanese challenger
Who took on the pugnacious Salinger
To him we're be'Holden
For a translation that's golden
And a Caulfield who's raunchy and mad at ya!
あっぱれ日本の チャレンジャ−
翻訳したのは サリンジャー
おかげで新たな ホールデン
読者は感謝 しておるでん
インチキ大人に 怒ってるんじゃ!
### 感心したので自分でも作ってみた:
"Untranslatable" meant nothing to the man
Who brought Finnegans Wake to Japan.
Yanase Japanized proper
James's jumbled jabber
To reJoyce the delighted [tout le monde] !
ジェム辞典からジョイスティック
駆使して完成「フィネガンズ・ウェイク」
柳瀬尚紀の巨大語彙
唯一抜けてるものが凄い
それは「翻訳不能」の一句 !
(パルバースも私も、ハズミで凄い「ヨイショ」しちゃったぜ。)
FW limericks in E&J (C) by stzz
http://jbbs.livedoor.jp/study/4383/
233 :
吾輩は名無しである :04/11/30 22:21:59
234 :
吾輩は名無しである :04/12/02 01:51:30
文庫買ったage
新新百人一首 上下
237 :
吾輩は名無しである :04/12/12 14:35:31
「上下巻とも」対談を載せてるよ...(上巻が林望、下巻が俵万智) リンボウはともかく、俵との対談は高橋睦郎が「百人一首」(中公新書)で 水原紫苑との対談を載せたのを意識しているのだろうか? 上にも書いたが、両者は詩を「呪術的」な文脈で考えている所が一緒だし。
238 :
吾輩は名無しである :04/12/12 14:37:22
しかし、専門書ではないが(少なくとも一般人には)かなり読むのに根気の要る本を 文庫化するんだから、丸谷はやはり「大御所」なんだろうな。 日文・国文的にはあの本はどうなのかね?
>> 丸谷はやはり「大御所」なんだろうな。 だって、例のノーベル賞作家が丸谷を意識するあまりに丸谷の「ライバル」柳瀬が 「訳」したカス本をアテツケで絶賛してるんだよ。w
>>239 「例のノーベル賞作家」は日本文壇の恥部だからな。
福田和也も丸谷叩くよりまず大江を叩けと言いたい。
大江は丸谷を「日本で一番『小説』が上手い人」っていってたけど あれは皮肉なのかね
242 :
吾輩は名無しである :05/01/02 09:19:17
いわゆる「近代主義者」ほど丸谷を嫌悪するのは面白いな。 (大江、福田、小谷野) 福田vs丸谷(まあ、福田の一方通行だろうが)はなんとなく天皇制を 「近代君主」と解釈するか「大祭司」と解釈するかの違いに思えるし。 福田の好きな三島は、結局西洋の文脈で日本を解釈しようとしたわけだし。 オレ的には、「近代」が挫折した今、結局は丸谷、吉田健一的な 「モダニズム」の方向へと向かっていくものだと思うのだが。 松岡正剛や、水原紫苑とか、明らかに丸谷的なスタンスにある文学者 (あるいは研究者)も出てきてるし。
243 :
吾輩は名無しである :05/01/02 09:39:19
福田が大江をたたかないのは、右か左かに関係なく(結局どっちも「近代主義」だし) 同じ穴のムジナだからって気がする。
244 :
吾輩は名無しである :05/01/02 09:45:45
>>241 たぶん、丸谷の小説が「作り物」めいているのを強調したかったんだろうな。
まあそれ以上に、「文学に政治を持ち込まない」を信条にしてる丸谷と明らかに持ち込んでる大江の違いっていうのかね。
福田は大江叩いてるじゃん
246 :
吾輩は名無しである :05/01/04 16:13:40
いやー、丸谷叩きの比じゃないだろう。
247 :
吾輩は名無しである :05/01/05 01:44:51
丸谷は大江の小説あまり好きじゃないみたいだな
248 :
吾輩は名無しである :05/01/05 01:53:47
>>242 が、「近代主義」と「モダニズム」(かぎ括弧付きだよね?)を
どのように理解して書いてるのかいまいち分からない。
249 :
吾輩は名無しである :05/01/05 02:24:58
はいはい、芥川や漱石や川端に比べたら、雑魚。大江もこいつも話にならん。
250 :
吾輩は名無しである :05/01/05 03:11:10
>>249 大江の『飼育』や『芽むしり仔撃ち』を読んだ人間ならそんな科白は
吐けない筈。
中期以降は糞だが、初期の大江は輝いてた。
251 :
吾輩は名無しである :05/01/06 23:59:48
>>250 初期作品に価値があることは認めるが、その後イデオロギーに
狂って恥ずかしいことこの上ない言説を垂れまくった人間に
後世の評価は甘くない。
「僕には帰るべき朝鮮がない」、この一語をもって後世は
大江を規定するだろうね。なんだこの恥ずかしいバカは?って。
大江はあまりに政治に対してウブでありすぎた。
『遅れてきた青年』に出てくる朝鮮人の友人もそれか。
>>248 吉田健一『英国の文学』より
「英国は近代はワイルドからはじまる」
242のレスでは、「近代主義」は英国文学史で言えばルネサンス以降
(ワイルド以前)の意味で、「モダニズム」は「ワイルド以降」の意味で
使ってる。
さらに、吉田翁の名言
「近代などと全く縁の無い人たちが集まって『近代文学』などという雑誌を出している」
まあ、大江や三島が「近代文学」かどうか議論の余地はあると思うが。
水原紫苑「[...]高橋さん、日本の近代を弔うアンソロジーを、おつくりに なっていただけないでしょうか」 (高橋睦郎「百人一首」収録の対談より) 水原紫苑は「モダニズム」だろうな。 要するに「古典古代の現代性」っていうか...
ちなみに三島は「古典古代の近代性」だな。
257 :
吾輩は名無しである :05/01/11 13:27:16
ちんこがどうたらこうたらって言った人ってこの人じゃなかったっけ?
258 :
吾輩は名無しである :05/01/11 14:17:00
ちんぽがどうかしたのか?
259 :
吾輩は名無しである :05/01/11 16:20:22
ユリシーズだけは糞
新新百人一首の文庫化は最近の百人一首ブームと関係あるのだろうか? 白州正子の本まで文庫化されてるし。
12月だったし
高橋睦郎の『百人一首』も無縁ではないと思う。 高橋は大岡信とも交流があるし、丸谷が意識してないとは思えない。
263 :
吾輩は名無しである :05/02/23 02:18:06
長年丸谷さんの本を愛してきた者です。 ちょつとここでまとめますよ。 師匠: 石川淳 吉田秀和 友人: 吉田健一 山口瞳 百目鬼三郎 中村眞一郎 井上ひさし 山崎正和 吉行淳之介 NG: 小林秀雄 三島由紀夫 石原慎太郎 sc恆存 金田一春彦 江藤淳 菊地寛 私小説 軍隊 政治家 社会主義 文部省 日教組 最近では石川淳・吉田秀和の名前すら、懐かしく思へてくる。しかも 吉田秀和は妻に先立たれ、朝日の音楽展望書かなくなつた。一時代が終わるなあ、、
大岡信を忘れてるよ。
あと、吉田健一もね(「師匠」かな?)。
266 :
吾輩は名無しである :05/02/23 12:45:20
なんで福田恒存がNGなんだ?
大野晋も忘れないように。
時に2ch諸賢、試みに丸谷さんの文章の引用だけで対話して みませう。 必ずクレジットもつけてくださいね。
若い人たちに丸谷読んでもらいたいんだがどうすればいいんだろ。 そんな俺は17歳。
>>269 一番普遍性があるのが随筆。これは人を選ばない。『夕刊フジ』に連載
されていたこともあったしね。マジで丸谷の随筆は薄田泣菫以上に面白い。
でもそこから評論・小説に案内するのは難しいだろうな。
日本史興味ある奴ならすんなりいくと思うよ。
272 :
文学板の方々にお尋ねしたい! :05/03/02 13:06:05
以下の文章の表す小説は何か? 1)息子が父親と喧嘩する話とか、 2)女房に逃げられた男の嫋々たる愚痴とか、 3)中年男が女の蒲団を嗅ぐ話とか、 4)女房に姦通された男が山の上から眺める夜明けの景色とか、 5)侍の殺し合ひの一部始終とか、 6)変り者が質屋へ行つて衣がへする話とか、 7)英語教師の家に飼はれてゐる猫の自叙伝とか…… 【丸谷才一『文章読本』(中公文庫)p20 より】 (番号は引用者) わたくし、 1)『和解』志賀直哉 と 7)『吾輩は猫である』夏目漱石 しかわからん…orz
1)巨人の星 2)ピューと吹く!ジャガー 3)お父さんは心配性 4)ふたりエッチ 5)バガボンド 6)ゆびさきミルクティ 7)動物のお医者さん
>>272 3)『蒲団』田山花袋
4)『暗夜行路』志賀直哉
自分もこのくらいしか・・・。
>272 わからん………
276 :
吾輩は名無しである :05/03/16 17:05:49
あげませう。
272の6は宇野浩二の「蔵の中」だろう、多分
278 :
test :2005/03/21(月) 23:14:02
test
279 :
吾輩は名無しである :2005/03/21(月) 23:24:58
徹子
280 :
吾輩は名無しである :2005/03/24(木) 18:57:30
1966年というたいへんに早い時期に『梨のつぶて』の観点に立脚した事実は賞賛に値する。本当に。この点は尊敬するしかない。
281 :
272 :2005/04/02(土) 22:46:07
皆さんにお尋ねして今日で一ヶ月。 274さん、277さん、ありがとうございました。 特に宇野浩二『蔵の中』というのは浅学にして初耳です。お恥ずかしい。 それにしても、2chの力を持ってしても分からない 2)女房に逃げられた男の嫋々たる愚痴とか、 5)侍の殺し合ひの一部始終とか、 を描いた小説って何なんでしょうね? どなたか、「我こそは」という方、ご教授いただければ幸いです。 よろしくおねがいします。
282 :
吾輩は名無しである :2005/04/03(日) 15:09:11
2)女房に逃げられた男の嫋々たる愚痴とか、 これは秋江の『別れたる妻に送る手紙』かな? 5)侍の殺し合ひの一部始終とか、 これは鴎外の『阿部一族』かな?
283 :
吾輩は名無しである :2005/04/05(火) 07:31:34
丸谷先生、最近発狂していないか?心配です。
さげ
285 :
吾輩は名無しである :2005/04/13(水) 07:56:07
あげ
野坂と花札してる写真を見たよ。 野坂のなこうどしたんだってな。
287 :
吾輩は名無しである :2005/04/20(水) 04:00:44
>272 6は安岡の『質屋の女房』だと思う。
288 :
吾輩は名無しである :2005/04/27(水) 12:28:22
>>286 >>289 丸谷が4年生のとき、野坂が1年生だったかな?
旧制四高(現金沢大学)で。
2年生に上田哲がいたとか。
新潟じゃなかったか?
292 :
290 :2005/04/30(土) 15:06:33
そうだ。旧制新潟高校だった。
293 :
吾輩は名無しである :2005/05/12(木) 16:44:43
294 :
:2005/05/21(土) 17:04:55
295 :
吾輩は名無しである :2005/05/30(月) 05:09:05
あげ
296 :
吾輩は名無しである :2005/06/02(木) 21:34:09
久しぶりにこのスレ来たが、
>>269 頼もしいね。君みたいな若い人が増えればいいな。
>>270 氏も言ってるが、
随筆から入るのがいいんだろう。俺も中学生のとき親父の本棚にあった
新潮文庫版の『男のポケット』を読んだとき以来の丸谷ファン。
ただ、当時友人にすすめてまわったものの、引っかかる奴はいなかったな(w
日本的風土ではどうしてもマイナーポエットになってしまうのかな。
>>296 私19歳の大学生ですけど、「思考のレッスン」を高校の時に読んで以来
丸谷さん好きです。
「輝く日の宮」には感動しまくりました。
スイカ、トマト、タマネギ、ジャガイモ、いりまへんか? できそこないのヒョウタン、はどうですか? ・・・丸野菜市
裏声で歌へマツケン
300 :
吾輩は名無しである :2005/06/25(土) 13:06:20
301 :
在校生 :2005/06/25(土) 13:58:31
自分は丸谷さんの実家の産婦人科で生まれました。そうして今は彼が通っていた旧制中学の、現在は高校になった学校に通っています。 校内の図書館には彼の著作が特別広いスペースで紹介されています。 今日、2CHでこのスレを見て、やっぱり彼は偉い先輩だなあ、と思いました。
302 :
吾輩は名無しである :2005/06/25(土) 14:03:22
文章はちょっと気取って書けとか言ってる時点でこいつ三流
303 :
吾輩は名無しである :2005/06/25(土) 14:15:09
丸谷さんの文章読本はおもしろく読ませてもらいました。ちょっと気取って書けは、作文がからきし駄目な私としては、気楽に筆をとれるようになって、とてもいい教訓になりました。
304 :
吾輩は名無しである :2005/06/25(土) 14:46:22
気楽に書くな!ボケ!そんなだから作文が下手なんだよ! そんなもんは堕落なんだ!この丸谷とかいう奴は堕落を助長してる!
305 :
吾輩は名無しである :2005/06/25(土) 15:50:08
丸谷はぜったい2chとかできないだろうな
306 :
吾輩は名無しである :2005/06/25(土) 22:51:35
丸谷の公式HPなんて あるわけないよな・・。
>>305 どうでもいいが、丸谷才一は「週刊朝日」のパロディ百人一首で
「とか」を多用する人間を馬鹿にした狂歌を書いていた記憶あり。
308 :
吾輩は名無しである :2005/06/27(月) 21:12:16
英文学者としての彼の業績は実際どうなの?翻訳はよく見るけど。
309 :
吾輩は名無しである :2005/07/04(月) 12:51:21
丸谷才一さん、朝日新聞を馬鹿にしていたにもかかわらず、朝日賞受賞されましたね。未だに合点がいかないが、政治的利点なのだろうか?
310 :
吾輩は名無しである :2005/07/08(金) 22:19:43
丸谷才一に関する領域だから通じると思うが、本当の作家が登場するとすれば、2チャンネルを離脱する必要がある。僕みたいに2チャンネルに参加している人間は作家ではないのだ。
「感情教育」という言葉についての疑問 1.フロベールが題名に使う前からあった? 2.フランス語では一般的にどういう意味? 3.以下の英文では「思春期の性的な初体験・初恋」の意味で使っている。英語では一般的にこういう意味? 「Nora: The Real Life of Molly Bloom」 by Brenda Maddox Page 21: "... yes O yes I pulled him off into my handkerchief . . ." Nothing interested Joyce more than Nora's sentimental education, as "The Dead" proves. In the case of Willie Mulvagh, whose very name Joyce bestowed on Molly Bloom's first lover ..." 『感情教育』 青年のロマン主義的理想とその挫折を描いたフローベールの自伝的作品。 Gustave Flaubert "L'Education sentimentale", 1869 『新集世界の文学14 フロベール』(中央公論社、1972年)所収(山田【じゃく】訳) あらすじ 【1】 七月王政下、身を立てるためパリに出てきた法科の学生フレデリックは、出版社社長アルヌーの夫人と知り合って恋心を抱く。 アルヌー夫人はフレデリックの好意に気づきながらも、単なる知り合いとして以上の親交を許そうとしない。彼は年金を持ち、前途を有望視されながらも、この恋のために出世のチャンスを逃してばかりいた。 やがて二月革命が起こり、フレデリックと友人たちは混乱のパリであてのない遍歴を続ける。娼婦ロザネットとの関係、ダンブルーズ夫人との交際、フレデリックの帰郷を待つ故郷のルイーズへの拒絶。 アルヌーの没落がすすむうち、フレデリックはとうとうアルヌー夫人と二人で会う約束を取りつけるが、夫人の息子の急病のためこの約束は破られる。 20年ののち、依然として無為の生活を送るフレデリックは、すでに老境に入ったアルヌー夫人と再会する。互いへの愛情を持ちつづけた二人は情熱的な告白を交わし、そのまま別れる。 そしてしばらく後のある冬の日、フレデリックと友人のデローリエは、成功しなかった自分の半生を振り返り、青春時代をなつかしむのだった。 ・・・これをさらに簡略化すると、要するに次のようになるであろう。「理想を抱いていた青年が恋にも仕事にも挫折して結局は平凡な人生を送る」。 ↑ ストーリー(Plot element)がプーシキン「オネーギン」と似てる点がある
312 :
吾輩は名無しである :2005/07/10(日) 20:10:48
今現在、試験の最中。
313 :
吾輩は名無しである :2005/07/11(月) 01:27:57
画像を見たが、丸谷ってエゴの塊みたいな顔してるな
314 :
吾輩は名無しである :2005/07/11(月) 02:50:50
↑エゴの塊を見たことがある凄い人です
315 :
吾輩は名無しである :2005/07/17(日) 09:21:37
>>309 呉智英が「朝日文庫」から本を出したのと同じことだろう。
316 :
吾輩は名無しである :2005/07/17(日) 22:45:34
美濃部知事が大好きなおばあさん。
317 :
272 :2005/07/19(火) 15:19:48
前回に書き込んでから3ヶ月。 ずいぶんと遅くなりましたが282さん、287さん、ありがとうございました。 ほとんど諦めていたんですが、おかげで助かりました!
318 :
吾輩は名無しである :2005/08/02(火) 00:54:16
>>269 >>270 俺もだ。丸谷の随筆のお陰で吉田健一を知ることが出来た。
まだ読んでないけど。
丸谷のきわめて論理的な文章を基準にすれば、吉田健一は はっきり言って、なにいってんだかわかんないぞ。 方向性が同じだとしても、吉田の書くものはは悪文と言うほかない。 吉田が掴んでいたものは正しいが、いかんせん表現力が特殊すぎて。
320 :
吾輩は名無しである :2005/08/05(金) 15:37:01
あげ
321 :
吾輩は名無しである :2005/08/21(日) 02:59:15
丸谷さんが小林秀雄を評価しあにわけ。なんとなくわかりました。
「しあに→しない」か?"shiani→shinai"だから、まあ似てるけど。
丸谷先生のファンなのですが、 新々百人一首ときどき電波ゆんゆん飛んでる気がするのです
>>323 というより、学者レベルの解釈から見てゆんゆんしてないこと
には、作家としての面目が立たないじゃない。
丸谷は小説家としては想像力に乏しいタイプだが、学者よりは
まだ想像力豊かでしょ。
325 :
吾輩は名無しである :2005/09/15(木) 20:19:37
新刊「いろんな色のインクで」が出たよ!
326 :
吾輩は名無しである :2005/09/15(木) 21:51:18
丸谷氏の大作家への評価はどうなのでしょうか。 プルースト,ドストエフスキートルストイ,ヘンリージェームスなど、 紫式部は高評かですが,
>>327 露文はスルーじゃなかったっけ。ナボコフくらいかな。
仏文もスルーに近い。歌仙で「シニフィエとシニフィアンとが大嫌い」なんて
詠んでたくらいだから、現代思想系は軒並みパス。
やっぱりジョイスとかグレアム・グリーンあたりが一番性にあうんじゃない。
「モダニズム」文学という奴。
レス、thanks. 結局、世界の大作家系にはあまり触れてないんですね。 原語にあたらないと何もいえないと思ったのかもしれないですね。
330 :
吾輩は名無しである :2005/09/22(木) 02:38:32
>結局、世界の大作家系にはあまり触れてないんですね。 触れてないわけなかろう。 バフチンは大好きみたいだし、ヘンリージェームズもよく出てくる。 自分の専門外のものはわざわざ語るほどの自説がないから書かないだけだろう。
331 :
吾輩は名無しである :2005/09/22(木) 02:47:12
ああ、触れてないというのは評価のことか。
>>327 に挙げられているのは全員評価してるでしょう。
というか否定できるような作家じゃないよ。
ドストエフスキーの「ステパンチコヴォ・・」を褒めてたね。
333 :
328 :2005/09/22(木) 22:18:27
>>330 「バフチンは大好き」って、そうだったの?
随筆でバフチンのゴシップ的な部分は書いてたように思うが
(原稿でタバコを吸ったとかいう)、それ以外でも評価してたんだね。
あとはエリアーデがどうこうとか書いてた記憶があるな。
この人の趣味は独特でいまいち捉えにくいね。
まだ生きてたのか。うわーマジ知らんかった。
335 :
吾輩は名無しである :2005/09/23(金) 01:33:01
今年80だぜ。 次の小説があることを祈るばかりだな。 死ぬ前に三浦雅士の丸谷論「出生の秘密」が出てよかったな。
丸谷氏も三浦氏も反小林秀雄ということですが、 特に丸谷氏の場合、小林秀雄の何に対して批判的なのでしょうか。 またそのことは、丸谷氏のどの著書に掲載されているのでしょうか。
337 :
吾輩は名無しである :2005/09/23(金) 03:37:19
>>336 他にもいろいろあるだろうけれど、とりあえず最近の著書から。
(「ゴシップ的日本語論」より。中村光夫の文章はうまくはないけれど、
小林よりも言ってることがよくわかる、という話の後)
「小林さんのは、文章は上手くて歯切れがよくて、なんだか凄い!
といふ感じがするけれども、しかし、何を言っているのかわからない(笑)。
文章は、上手下手はともかくとして中身がわかるのが先決でせう。
もちろん上手であって、そして中身がよくわかれば、これが一番いい。
しかし、凄くて、ドスがきいていて立派で、なんかドスーンと腹にこたえる、
でも、文意がよく通じないといふのよりは、あんまり腹にはこたへないけども、
何を言っているのかはいちおう通じる。そのほうが基本的な機能は果たしている、
とわたしは思ふ。」
なるほど、小林秀雄の文章が 明解性を欠いておることに対する批判なのですね。 でも、引用していただいた文面からする限り、いわゆるコテンパン という感じではないので、小林ファンとしては喜ばしい。 確かに、明解性は大事だが、表現の対象はアナログ、言語はデジタル。 小林秀雄の文章が、白日の元にさらされたようなものになれば 魅力は半減すると私は思います。
>>338 「名文だが意味が明解でない」ってのは、ポエムでやればいいんじゃない。
評論でそれをやっちゃいけないよ。
丸谷氏の場合は戦争体験が大きかったと思う。帝国憲法の「統帥権」という
曖昧な概念によって軍部の独走を許し、彼自身もわけのわからない戦争に
巻き込まれた。だから彼は言葉の明解性をとても大切にするんだと思う。
340 :
吾輩は名無しである :2005/09/23(金) 13:40:31
文学観に対する反発もあるんじゃないかな。 小林は「文学は文明(あるいは政治)では救われない少数者の為のもの」だけど、 丸谷は「文学は文明に奉仕すべき」だから。
小林の講演は熱い ナマで聴いてみたかた
山口瞳曰く、公演先で一番人気のあるのは小林だったらしい。 理由は先方の立てたスケジュールを変更しなかったから。
小林秀雄の文章って意味不明の所そんなに多くないよ。 全体の中のごく一部なんじゃないの?
「花の美しさと言うものはない。美しい花があるだけだ」 ぜんぶこんな感じでも困るな...
そういえば、丸谷の文章読本の中に、小林秀雄の文章は出てこない。
346 :
吾輩は名無しである :2005/09/25(日) 17:57:24
代わりに林達夫が入ってる。
あの引用された林達男の文章、俺はあまり名文と思わないが、どうでせうか?
348 :
吾輩は名無しである :2005/09/25(日) 23:21:47
丸谷才一は、『文章読本』で、小林秀雄の「人形」を貶めている。単なる事実の提示だ。今、道頓堀は雨だ。
349 :
吾輩は名無しである :2005/09/25(日) 23:51:17
派閥もあるよ。学閥というか。 丸谷、大野晋、大岡信、森(一刀斎)たちのグループと、小林一派は付き合えるはずがない。
350 :
吾輩は名無しである :2005/09/26(月) 04:49:12
「美しい花がある。花の美しさというようなものは無い」 『大麻』だっけ。 これ「意味不明」っていうのとは全然違うよ。 言ってることは明瞭で、「唯名論vs実在論」以来の論理学あるいは認識論の 基本的課題でもある。 しかし問題点は、世阿弥が『花伝書』でそんなことを全然言ってないってこと。 つまり「原典」は単なるダシで、小林が日頃から言いたかったことをこの機会に ぶちまけただけじゃないのか、っていう印象がある。 この点は『モーツァルト』も同様かな。 『本居宣長』は読んでないんだけど、最後には少しは改善されたのかな?
向井敏が同じようなこと言ってたな。「風姿花伝」のどこを探しても 小林の言ってる論理が見つからないって。 まぁ、小林風情はどうでもいいよ。あれは歴史には残らないタイプの 文学者でしょ。ある種詐欺的に一時代の読者を煙に巻いただけの存在。
352 :
吾輩は名無しである :2005/09/26(月) 22:30:42
裏声でうたえ!
>>350 オレ的には、抽象化の否定だと解釈していたが...
(山崎正和も同じように解釈していた)
354 :
吾輩は名無しである :2005/09/27(火) 09:15:44
>>305 遅レスだが、80代の老人にできたら凄すぎるよ。
団塊世代でも分からない人が多いのに。
355 :
吾輩は名無しである :2005/09/27(火) 11:24:04
丸谷才一は正字正仮名入力ソフト「丸谷くん」の存在を知っているのか?
356 :
吾輩は名無しである :2005/10/05(水) 07:46:08
357 :
吾輩は名無しである :2005/10/05(水) 17:44:54
全集でも読んだら?
358 :
吾輩は名無しである :2005/10/06(木) 00:20:33
まあまあ。今は『丸谷才一評論全集』も出ているお得な世の中だ。
まるやさいいち【丸野菜市】 専ら西瓜やカボチャなどの 丸い野菜を売買する一風変わった交易場所のこと。
361 :
吾輩は名無しである :2005/10/10(月) 19:04:20
一時代を煙に巻いただけ、か。だけ、というけれど、文学の本質は普遍的真実の追究ではない以上、「一時代を煙に巻くだけ」でいいんじゃないか?小林然り。丸谷然り。
362 :
吾輩は名無しである :2005/10/11(火) 01:07:20
後の時代まで残るかどうかが問題だ。 まあ小林も丸谷も残らないだろうな。
363 :
吾輩は名無しである :2005/10/11(火) 01:16:55
たとえ後世まで残らなくとも、 一時でも世人に一泡吹かせることに成功したのなら、 それは文人としては勝ち組みでしょう。
小林「無常といふこと」 丸谷「樹影譚」 が残るのでは?
365 :
吾輩は名無しである :2005/10/11(火) 10:51:02
『後鳥羽院』『日本文学早わかり』『新々百人一首』こそ残してほしいものだ... ある意味、丸谷の文学者としての最高の到達点なわけだし。 実際、王朝文学について丸谷や大岡信が言ってるようなことが「常識」になれば 日本の文化状況もすこしはましになるだろうに。 古文・漢文板の低レベルぶりを見てると、「お前ら、象徴詩や 現代詩を読んで出直して来い!」って怒鳴りたくなるしね。
『後鳥羽院』『日本文学早わかり』『新々百人一首』(真ん中のしか 読んでないけど)で書かれていることが日本の常識になった場合は、 逆に、正岡子規の評論みたいに、あんまり読まれなくなると思う。 20世紀は評論が盛んで、質的にも高いかもしれないが、結局は 100年単位でみると、源氏、枕、平家、徒然草、風のものが残ると思う。
367 :
吾輩は名無しである :2005/10/11(火) 13:44:28
それならそれでいいと思うよ。
368 :
吾輩は名無しである :2005/10/11(火) 14:03:18
2chの漱石や三島のスレは結構レベル高いのに、源氏物語とかのスレが すぐ糞化しているのをみるとどうもやりきれなくなる。 どっちも「近代以前」「以後」なのを除けば根は同じなのに。 かく言うオレも、丸谷・大岡両氏(と高橋睦郎の『百人一首−恋する宮廷−』)の影響で 王朝和歌関連の本は読むようになったが、『古今』『新古今』はまだ怖くて手が出ないし、 『源氏物語』なんてまだまだだから人のことは言えないかも知れんが。
369 :
吾輩は名無しである :2005/10/11(火) 18:19:53
>>323 丸谷の依拠してるフレイザー・折口理論自体が信じられない人間には信じられない類のものだからね。
かくいうオレも百人一首の天智天皇の歌(秋の田の...)が「恋歌」で、
「大祭司」の天皇が恋歌を詠むことで大地の豊穣を祈願する、って説明を聞いたとき、
結構衝撃を受けたしね(今はまあ受け入れてるが)。
370 :
369 :2005/10/11(火) 19:19:28
余計なお世話かもしれないが、その天智天皇の和歌を書いとくよ。 秋の田のかりほの庵(いほ=いお)の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ 個人的には百人一首も知らないような奴に「丸谷ファン」とか 言われたくないけど。 まあ、そういうことを言えば「新古今を知らん奴に 丸谷ファンを自称されたくない」とか言われかねんけどな。
ハメットを知らないヤツは?
ハードボイルド小説と丸谷の関係を説明してください。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 > 柳瀬 尚紀(やなせ なおき、1943年-)は英文学者で翻訳家。 その翻訳は語呂合わせや言葉遊びを駆使した独自の文体で有名。他の翻訳家に対する痛烈な批判でも知られる。 丸谷以外に噛み付いた例を知らないんだが。
375 :
吾輩は名無しである :2005/10/14(金) 13:15:36
三浦雅士の「出生の秘密」、おもしろすぎるよ〜。 丸谷の「樹影譚」に始まり「エホバの顔を避けて」で終わる。 丸谷ファンは必読ですぜ。
376 :
吾輩は名無しである :2005/10/20(木) 21:55:47
>>374 「辞書はジョイスフル」の中で、いくつか噛み付いてた(とゆー程のものじゃないが)。
とある学会で
演者「えーOEDによりますと…またOEDによりますと…」
質問者「先ほどからオーイーディーという方を度々引用されますが、どのよう
な研究者でしょうか」
演者「…」
まあこんなの。
ところで
先日アーヴィングの「熊を放つ」と、丸谷の「裏声で…」を古本屋でゲットし
たのです。たまたま。両方ハードカバーでした。
「裏声」の表紙はあんなのですから、家族は軽蔑の眼差しを私に向けるのです。
しかし「熊を放つ」の表紙も同じ画家(和田誠)なのですね。それを指摘すると、
家族は何も返せませんでした…。
それにしても「裏声」の表紙は、和田誠にしては異例なように思います。
箱(「裏声」は箱入りです)には、「純文学」とか「特別書き下ろし」とか書いて
あって、エロチックな雰囲気は微塵もありません。
装丁者が何らかの狙ひをもつてゐたのではないかと邪推するのですが、一体何
を狙つたのでせう。ご存知の方ありませんか?
>>372 >>373 ではヒントその2。
かの有名な「強くなければ生きていけない…」というセリフを日本に紹介した
のが丸谷。エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン(日本の雑誌です。もう
ないと思ふ)上の事の由。
詳しくは「遊び時間2」参照のこと。
379 :
吾輩は名無しである :2005/10/21(金) 10:10:20
そういえば、カーヴァーの村上訳を誰よりも評価しているのも丸谷だったな...
380 :
吾輩は名無しである :2005/10/21(金) 10:16:06
あれも一種のハードボイルドだし。
>>375 が言及した三浦雅士の「出生の秘密」は、
丸谷ファンの他、漱石、龍之介、中島敦のファンにもオススメ。
この人たちの共通点は何か?
382 :
吾輩は名無しである :2005/10/24(月) 22:37:59
「反乱」はポリフォニーでせうか
エラリークイーンズミステリマガジンは今のハヤカワミステリマガジンですね
384 :
吾輩は名無しである :2005/10/26(水) 08:57:27
女ざかりで、文章べたの記者の原稿を添削する女性記者萌え
385 :
吾輩は名無しである :2005/10/27(木) 10:38:33
>>381 月並みだが、伝統と革新のせめぎ合いを敏感に感じていることだろうか?
正直、ガキの時は芥川の作品を「昔話のよく出来たリライト」ってな感じで読んでたし。
(羅生門でも芋粥でもそんな感じがするだろ?)
今考えると馬鹿な読み方をしたもんだ...
>>376 和田誠は「熊を放つ」の装丁をしただけで、絵は別の人でした。すいません…。
387 :
吾輩は名無しである :2005/11/04(金) 15:23:56
『鈍感な男』でこの人の小説家としての腕前を再認識したのはオレだけか?
388 :
吾輩は名無しである :2005/11/05(土) 10:30:19
389 :
387 :2005/11/05(土) 18:15:15
ごめん、『鈍感な青年』だった。
390 :
吾輩は名無しである :2005/11/16(水) 12:42:48
『後鳥羽院 第二版』『輝く日の宮』早く文庫化してほしい。 丸谷の本こそ毎日持ち運びしたしたいし。
391 :
吾輩は名無しである :2005/11/18(金) 08:31:15
『たつた一人の反乱』『女ざかり』が文庫化されてるんだし。
392 :
平下流 :2005/11/18(金) 18:15:30
393 :
吾輩は名無しである :2005/11/18(金) 19:09:44
やあ。
394 :
平下流 :2005/11/21(月) 00:56:42
『いろんな色のインクで』読みました。 ここ10年程の書評とインタビューです。 確かに丸谷の書評には藝がある。そして、この本の編集にも。 彼の書評を読むとその本を読みたくなる。 たとえその本を読んでつまらなかったとしても、書評はひとつのフィクションとしての意義を持つ。 そう言い切れそうなのが彼の書評。
395 :
吾輩は名無しである :2005/11/21(月) 07:15:59
『山といへば川』読んだかい?
396 :
平下流 :2005/11/22(火) 00:11:49
読みましたけど? 『ウナギと山芋』(『遊び時間3』)なら解かるけど?
397 :
吾輩は名無しである :2005/11/22(火) 09:28:04
奇妙な会話。 395が何故訊いたのかも、396の返事もわからない。 永遠の謎です。
398 :
395 :2005/11/22(火) 10:54:56
「丸谷の書評」ってあったから『山といへば川』を出しただけだよ
(あれも書評集だろう)。
『遊び時間3』を知らないから
>>396 のレスには何ともいえないが。
399 :
平下流 :2005/11/23(水) 06:46:06
>>398 了解しました。
>>397 >>396の返事 『ウナギと山芋』(『遊び時間3』)なら解かるけど?
の意味は、こうゆうことです。
どうして395氏は『山といへば川』を読んだかと訊いたのかが解からなくて、取り合えずこの本を探し出して目次を眺めたあと、高島俊男が「解説」を書いていたので、読み出した。
そうすると、こんなことが書いてあったのでビックリした。「無論、丸谷氏の書評は、(中略)それは、主題とする本に隷属するものではなく独立した、丸谷氏の藝を見せる一箇の作品なのである。」
でもそれより気になったのは、この文の少し前に「書評についての著者丸谷氏の考へは、『書評の話』(『ウナギと山芋』所収)によくあらわれている」とあったからだ。
そうか、395氏はこれが言いたかったのか。僕は394で丸谷の書評について書いていたから。そこで、目次で「書評の話」を探したけど無い。
この『山といへば川』は『ウナギと山芋』からも採っているのだけれど、全部ではなかったのがすぐに判った。「書評の話」は『ウナギと山芋』にしか載っていなかったんだ。
だいぶ夜もふけてきたので明日にしようかとも思ったけれど、気になって『ウナギと山芋』を取ってきて「書評の話」を読み出して前よりもビックリした。でも、これからの話は別の話になってくるので、ここで終わります。
400 :
吾輩は名無しである :2005/11/23(水) 07:08:56
女が下手。
401 :
吾輩は名無しである :2005/11/23(水) 08:25:02
>>399 レスありがとう。
そこまで深い意味をこめたわけではないが...
402 :
吾輩は名無しである :2005/11/24(木) 08:44:28
>>400 「女を描くのが下手って意味?」
『女ざかり』がベストセラーになったとき、中野翠が
「主人公に全く共感できない」って言ってたし、
『輝く日の宮』も「働く女性の問題を全く理解してない」って
誰か女の評論家にいわれてたね。
403 :
吾輩は名無しである :2005/11/24(木) 12:23:32
現実的かどうかなんて大した問題じゃないんだよ。 とくに輝く日の宮は働く女性の問題なんて扱ってないし。 そういう批判は源氏物語に対して「働く男の気持ちを全く理解していない」 というのと同じくらい馬鹿げている。
405 :
吾輩は名無しである :2005/11/24(木) 20:48:18
>>403 まあ八十の爺さんが三十代(もっと年配か?)の女性を描けたのは奇跡といえば奇跡だろうけど。
406 :
402 :2005/11/24(木) 20:49:22
正確には「働く女性を応援してるつもりだろうけど、全然問題が分かってない」。 まあどうでもいいな。
407 :
吾輩は名無しである :2005/11/24(木) 20:56:03
平下流は真面目すぎ。 「笑いと知性」を重視する丸谷スレにふさわしく、もっと砕けてくれ。 オレみたいな堅物に言われたらおしまいだぞ。
408 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 08:52:29
>>402 そう。犬の死体で泣き出すエピソード、裏声だっけ、女ざかり?
あれ読んで噴飯。この件に関しては、何故か司馬スレに書いた。
真面目な話、奥さんしか知らないんじゃないかなぁ。
409 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 09:57:59
まあ同じく一穴主義の友人山口瞳が『結婚しません』で女性を描ききってるケースもあるし、 一穴だから描けないってのも一面的な見解だろう。
410 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 09:59:15
そういえばこの人、奥さんの実家を継いでるんだよな。 (だから本名は根村) 奥さんのことは少なくともエッセイには出してないし、結構気になるな。
411 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 10:04:45
時節柄だし、丸谷には天皇制について明確なコミットメントを聞きたいね。 結局大岡みたいに、自らを「なぞらえる」方にいっちゃってるのか、 もしくは多少なりとも価値判断は出来る頭があるのか。 文学者に「正しい世界認識」を求める事を、俺は間違いだとは思わないよ。 文学の社会的なメリットというか、アートとしてでは無い有用性って、 文学の、人を「覚醒させる」作用にしかないと考えているから。 俺は公共の金を美術や、舞台芸術に費やす事に反対だが、あくまでその意味での 社会的有用性のために、図書館サービスは非常に重要だと思っている。
412 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 10:12:39
「近代的な大衆主義社会と文化的な宮廷貴族趣味は矛盾しない」これが丸谷の主張だよ。 今の象徴天皇制に不満がないのは山崎正和との一連の対談で明らかだし。 (「あけぼのすぎの歌会始」とか) 司馬遼太郎と同じで、極めて現実的。反天皇イデオロギーも軍国主義もどっちも嫌い。 靖国神社については、中曽根が原因で問題になり始めたとき、 「日本の宗教伝統では大津皇子(濡れ衣だけど)も平将門も崇徳院といった 反逆者や反乱リーダーは神として祀られているし、その伝統に従えば 日清・日露戦争から太平洋戦争に至る敵の死者も靖国神社に祀るべき」って かなりラジカルな発言をしてるけどね。
413 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 10:13:51
>日本の宗教伝統では大津皇子(濡れ衣だけど)も平将門も崇徳院といった >反逆者や反乱リーダーは神として祀られているし、 変な日本語だな。失礼。
414 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 10:29:28
>>411 大岡は大岡でいい仕事してると思うけどね。
自らを「なぞらえる」ってのは勅撰集の天皇(か貫之や定家)の
真似をしてるって意味?
415 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 10:33:31
明治以前の日本文学は古今−新古今の八代集の和歌の「詩的ディスクール」の集合体が 源氏・平家の両物語も含めた物語文学や世阿弥の能や西鶴の浮世草子、さらに 江戸後期のレトリック文化の原動力となったわけだけど、その 「詩的ディスクールの集合体に動機付けられたマニアックな文化」(要するに「貴族文化」だけど)を 論じさせれば大岡以上の論者はいないと思うし、それだけでも大岡は歴史に残る存在だと思うけどね。 それに次ぐのはもちろん丸谷で。
416 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 10:34:00
>>414 真似とまではいわないけれど、「取り込まれ」ちゃった事は確かでしょう。
大意としてはそういう意味で書きました。
417 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 10:35:30
別にいいだろう。政治的な「体制」はともかく、文化的な「体制」には今でも反抗してるし。 政治は政治、文学は文学なんだから。
418 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 10:42:14
>>417 まったく同意出来ない。
思想信仰の自由と、いち宗教団体の長を公けの金で養う事は両立しないでしょう。
その齟齬に選択を迫られないような粗雑な倫理観を、俺は「現実的」なんて形容出来ないな。
結局、培った教養に引きずられるのかね。でもそれって、劣等感から宗教や右翼団体に
惹かれていく心情と、本質的には同じ。
自らを支えているものを守るがために、他者を踏み台にして恥じない点において。
今の平和を享受する者にとって、基本的人権の尊重より優先されるものといえば、
人命そのもの以外にはありえない。ましてや「ブンガク」なんぞ。
全ては、生きててナンボだよ。
419 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 10:46:04
じゃあ文学板に来ないでくれ... 靖国問題ならもっとピッタリな板がいくらでもあるだろうに。 なんか、文学に対する考え方そのものがおかしい。
420 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 10:47:58
てか、「公共の金を美術や、舞台芸術に費やす事に反対」なんて大岡や 山崎正和に言ったら殺されるぞ。 フランスなんか日本と比較にならないほど文化事業に予算をつぎ込んでるのに。 (それであの暴動騒ぎか、なんて非本質的な突っ込みはやめてくれ)
421 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 10:51:16
とりあえず、サルトル位読もうよ。こんなの極めて古典的テーマ。
422 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 10:53:09
「ソ連の核実験は正しい」なんてことを平気でいうオッサンの思想なんて興味はないよ。
小説家、戯曲作家としてのサルトルの価値は不変だと思うけど。
ジッドやブルトン、エリュアールが社会主義に傾倒してたのと同じこと。
>>418 だけど、
オレは別に、それが対外政策に有効なら、明治以降の対外戦争の死者を
丸谷や山崎がいうように靖国に合祀して国の金で養ってもいいと思うけどね。
韓国人も中国人も、自国の死者が祀られているって言われたら反論できないだろうし。
靖国問題ってのはナショナリズムが変なところで顔を出してる悪例だと思うよ。
423 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 11:08:50
サルトル・カミュ論争にしても、カミュの方が正しかったのは歴史が証明済みだろう。
424 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 11:12:44
てか、ここは丸谷才一を論じるスレであって、こんな下らん論争をするスレじゃないのに。
425 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 11:18:44
>>420 万人に開かれているとはいえ、実質その対象となる層が極めて限られている芸術
というものと、教育や、生活保護といったパブリックサービスとの間で金の奪い合い
をする事に、当事者として恥ずかしさを感じない感覚の方が異様だよ。
大半の人間にとって、芸術なんざ全く不要。その現実の上で、生きるか死ぬかという
所から金をむしって少数者の享楽に使う事に、罪の意識を感じないのかね。
>>422 靖国問題じゃなくて、他人(少なくとも俺)の尊厳を踏みにじる形で存続している
んでしょう、天皇制は。あれを容認する者は、「それでも構わない」と思っている訳だ。
そして俺は、「俺の尊厳を踏みにじっても構わない」と考える者の、「人としての
尊厳を認めない」。
当たり前の事だと思うがな。
靖国に関して言えば、あれはドイツの首相がヒトラーの肖像に向かってナチ式の
敬礼をするに同じ。
俺は「非国民」(2ちゃんでいえば、ホロン部か)呼ばわりされる事を、実に名誉ある
事だと思ってるんでね。
セリーヌへの、「反祖国主義者」という形容、実に光輝あふれる称号だと思わないかい?
でもいいかげんスレ違いではあるね。俺が悪かった。
426 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 11:19:56
60年代安保の時代じゃあるまいし、今時ここまでコテコテなのも珍しいな。 これで普通だった時代ってのも、考えたらそら恐ろしくなる。
427 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 11:21:16
>>425 何言ってるのかさっぱりわからない。
どういう文学を読んでるか知らないけど、もう少し日本語の勉強をしてきな。
428 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 11:24:39
あと、
>>425 生活保護についてはそれにたかってるクズが沢山存在してるって事実を指摘しとくか。
「芸術が大多数の人間にとって無縁」ってのは一つの見解かもしれんが、近代日本語を作り上げたのは
その「芸術」である明治文学だし、文学と文明の関係を履き違えるのもいい加減にしときな。
429 :
428 :2005/11/25(金) 11:38:05
そもそも近代文章日本語の基調をなす和漢混交文自体が平家物語の文体 (あるいはその影響で出来た観世親子の謡曲)の影響下で生まれたものなんだけどね。 「平家物語や能楽なんて芸術じゃない!」なんて今時重度の西洋かぶれでも言わないだろう。 自国の文化に無知な奴は本当に痛いな。 まあオレも弱いものいじめは嫌いじゃないけど。
430 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 11:40:27
>>426-428 日本の近代文学は、ある時期、ある意味「戦争文学」そのものだった訳で。
そこら辺の読書経験の上での発言なら、
「びっくり」
としか言い様が無いね。
とまれ、社会的弱者を「くず」呼ばわりする者と、交わす言葉は無い。
431 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 11:45:38
なんとでも言え。暴れれば暴れるほどイタさが露出されるから。 「クズ」ってのは生活保護をいいことに働かない奴らのことだけど? まあ、谷崎なんかは戦時下の重苦しい世の中になればなるほど かえって反骨心から『細雪』を華麗な作品にしたてたわけだし、 (音楽だが、R・シュトラウスもその気配があるな) エリュアールも対独闘争で「燃えた」ところはあるだろうけど、 それはあくまで結果オーライの問題に過ぎないわけだろう。
432 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 12:03:12
そんなに戦争が好きなら、自衛隊に入隊してイラクに派遣されたらどうだ。 (あくまで結果オーライ論だが)トルストイの文学がクリミア戦争の 従軍体験に大きく影響されているのも事実だし。 もちろん、トルストイの最大の魅力はアンナ・カレーニナを魅力的に描いてることであって、 トルストイ本人の思想じゃないが(トルストイの分身のリョーヴィンは好きだけど)
433 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 12:04:35
>トルストイの最大の魅力はアンナ・カレーニナを魅力的に描いてること これが舌足らずだっていうなら「アンナ・カレーニナ(本人)魅力的な 貴婦人として描写できる小説家としての腕前」にしとくか。
434 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 12:09:21
エリュアールの『自由』は対独レジスタンスって文脈を外しても十分「名詩」だし。
435 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 13:39:03
あれ?今って2005年だよね?
436 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 21:21:44
てゆーか、丸谷スレ史上かつてない盛り上がりだ……。 議論の内容はともかく、ちょっとビックリした。 >391 『女ざかり』(文藝春秋)は単行本も文庫も絶版です。 ついでにいうと、『樹影譚』(文藝春秋)も絶版。 文春さん、お願いだから重版してください! あんな面白い本を図書館または古本でしか読めないなんて!
437 :
436 :2005/11/25(金) 21:28:11
それから昨日発売された『おっとりと論じよう』には このあいだ立ち読みした「文藝春秋11月臨時増刊号」での 「鼎談(丸谷才一・三浦雅士・鹿島茂)決定版・世界文学全集を編集する」 がおさめられていると思ったんですが(単行本の広告ではそのように告知されていたのですが) おさめられていませんでした…。それも、少し残念。 立ち読みせずに買へ、といふことか。よくわからないけれど。
438 :
吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 21:58:26
954 :吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 08:05:41
丸谷の小説構成力は凄いと思うけどなー。
955 :吾輩は名無しである :2005/11/25(金) 08:40:10
>>954 楽しく読むんだけどね。でも読後はきれいさっぱり、何も残らない。
と感じる人が多いから、いっとき売れても、すぐ版切れになるのでは。
生きてるうちからこれだもん。この人残らないよ。
439 :
吾輩は名無しである :2005/11/26(土) 16:50:11
>>438 いいからいっぺん、『樹影譚』読んでみ。
440 :
吾輩は名無しである :2005/11/26(土) 17:30:40
樹影譚 丸谷才一 ま29 文春文庫 ISBN4-16-713809-3 C0193 P340E 定価340円(本体330円) 1991年7月10日 第1刷 普通に新刊で買って読んだ。
441 :
440 :2005/11/26(土) 17:38:47
背伸びというのも変だが、無理していまどきの若者を書こうと してるのにわらった。こいつの小説は、つくづく「お上品」 なんだよ。小説としてまぁ、面白く読まない事も無いが、俺に とっては取るに足らない作家。石川淳は大好物だがね。
442 :
440 :2005/11/26(土) 17:42:38
樹影譚。 いいとこのお嬢が、顔赤らめながら読む分にはお似合い。 我ながら、匿名を良い事に言いたい放題だなw
443 :
吾輩は名無しである :2005/11/26(土) 19:10:30
何を言っているのか自分でもよくわからないということに、この鈍感な440はまだ気がつかない。
444 :
吾輩は名無しである :2005/11/26(土) 19:46:37
>>441 じゃあ「下品」な小説が何か言ってみてよ。
そういやお前「司馬遼太郎のどこが好きなの」スレで
丸谷のエッセイもけなしてて、「丸谷のエッセイは最小限の
教養のない人間お断り」って反論されたけど、
その件はどうなったんだ?
445 :
440 :2005/11/26(土) 21:56:05
「下品」というより、ブルータルで。
どうにも俺は相性悪くて読みにくいのだが、中上健次なんか、その形容に
相応しい小説家だろう。あと
>>441 にも名前を出したが、夷斎。特に『荒魂』や
『狂風記』等の、中・晩年の長編にそれを強く感じる。
・・・この師匠にしてあの弟子あり、かよ。
ちなみに安部公房は好きだ。『壁』の序文、読みました?
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/book/1044197706/943 は俺じゃ無い。エッセイにしても小説にしても、俺は楽しく読むよ。
ただ少なくとも丸谷の小説には、文学として格別の価値を見出せないだけ。
エッセイには芸があるね。聖書の奴なんか、楽しませてもらった。
ちなみに442の訂正:樹影譚、では無くて、短編集『樹影譚』の中の一編、
『鈍感な青年』ね。
最後に。
とりわけ文学板で、「お前」呼ばわりは「下品」だ。
446 :
吾輩は名無しである :2005/11/27(日) 07:23:48
それは悪かった。だけど、一面的な批判に変わりはない。
447 :
吾輩は名無しである :2005/11/27(日) 12:43:57
上品というか、村上春樹が言ってた「田舎者」っていう形容のほうが 俺はしっくりくるな。 繕った洗練という感じがどうしてもして、 でもそこがかえって魅力になっていると思う。
448 :
吾輩は名無しである :2005/11/27(日) 19:00:47
村上春樹が言ってた「田舎者」っていう形容 出典教えて!
449 :
吾輩は名無しである :2005/11/27(日) 19:24:34
>>448 「若い読者のための短編小説案内」
貶して書いてるんじゃないよ。
ただ「田舎者」というそのままの表現は使ってなかったと思う。
>>449 …いかにも「東北人」らしいな、と感じるところがないではない。…
>>449 その本の丸谷才一『樹影譚』の一部をうPしてみる。肯定的な感じだ。
「 …丸谷才一の小説の中では、常に現代=近代と、前近代とがせめぎあい、同居しています。
整合と非整合のせめぎあいであり、意味と響きのせめぎあいです。それは互いを
つつきあいながら、ひとつの場所に同居、寄生している。その葛藤は多くの場合、
宿主を混乱させ、苛立たせます。
しかし作者は、それらを安易にひとつに統合してくれるはずの(言い換えれば心地よさを
もたらしてくれるであろう)アンビュギアス(両義的)な叙情や情念を、極力避けようと
努力する。実に痛々しいまでに努力します。あるときには、その力一杯の努力は我々の目に
ドン・キホーテ的にさえ映ることがあります。何もわざわざそんなしちめんどくさいことを
しなくてもいいだろうに、と思えることもあります。しかしなんと思われようと、この人は
決して引き下がらないし、妥協しようともしない。
・・……………(中略)・……
・…この作家の作品は、エゴの安易な発露を小説的にきっぱりと抑えきることによって生じる
発熱を、たしかな自己存在のための重要な滋養としているようにも見えます。こういう
小説的な発想は、ほかの日本人作家の中にあまり見ることができないように思います。」
452 :
吾輩は名無しである :2005/11/27(日) 21:52:23
>>451 乙。448じゃない(つか、イケズの440w)けど。
丸谷が山口瞳の、確か「血族」を評した文章を思い出した。とはいえあれよりは若干肯定的
ではあるね。
にしても、ここ十年程ろくに本読まない生活してたのに、結構覚えてるのが我ながら不思議。
『丸谷才一短編全集』を出してほしい。
454 :
吾輩は名無しである :2005/12/01(木) 14:57:46
同感。埋もれてるのが結構あるだろうし。
>>447 上流階級の人間じゃないプルーストが社交界を舞台に
小説を書いたようなもんだろうな。
(『失われた...』を読んだ貴族のマダムが「あの者は
私達の世界を何も知ってませんわ」とか言ったエピソードがある)
455 :
平下流 :2005/12/06(火) 02:30:09
「忠臣蔵」論争がありました。 皆さんはどちらに軍配をあげますか?
>>455 自分の意見も出さないマルチ荒しに、回答したくないな。
457 :
吾輩は名無しである :2005/12/06(火) 06:58:02
とにかく絶版させないでくれ。
458 :
吾輩は名無しである :2005/12/06(火) 07:18:06
小谷野や橋本治に批判される一方で野口武彦みたいな碩学が評価してるんだよな...
459 :
吾輩は名無しである :2005/12/06(火) 07:30:12
460 :
吾輩は名無しである :2005/12/06(火) 13:27:06
橋本治の批判って何で読める?
461 :
吾輩は名無しである :2005/12/06(火) 18:39:40
立ち読みしただけだけど、彼の評論集か何かにあったんだよ。 たぶん文庫化された奴だろうけど。 要旨は、「丸谷は勘平とお軽のドラマにしか興味が無くて、 肝心の47士は関心外らしい」ってな感じだったかな。
462 :
461 :2005/12/06(火) 18:52:42
「47士」じゃなくて「四十七士」だな。失礼。
463 :
吾輩は名無しである :2005/12/06(火) 19:16:43
ある意味、小谷野の批判よりも納得できた記憶あり。
464 :
吾輩は名無しである :2005/12/06(火) 19:17:53
まあ言ってること全てに賛成できる論客なんて世の中に存在するはずないからな。 丸谷ファンにとっての『忠臣蔵とは何か』はそういうものと思うしかない。
465 :
吾輩は名無しである :2005/12/06(火) 19:38:45
466 :
吾輩は名無しである :2005/12/10(土) 16:10:59
age
467 :
吾輩は名無しである :2005/12/14(水) 16:24:51
age
468 :
吾輩は名無しである :2005/12/16(金) 03:12:00
丸谷訳、『ボートの三人男』、中公文庫。 持ってる人は、41ページを見てね。 「ハリスはいったい何を喋っていたのか?」 これは「ジョージはいったい何を・・・」の誤訳かな? 原文に当たっても、ハリスは(本来はおかしな奴だが) この場面で意味不明なことを喋ったとは思えない。
スレ違い で、この時期に上げるな。
横レス なんでスレ違い? 丸谷才一スレやんけ?
一応小説家、実質エッセイストwだし。内容も訳文そのものの話で 本人の本業として語るのには無理があるんじゃ? やるならイギリス文学(だっけ?持ってるけど直ぐは出てこないわ。 たしか地味なユーモア小説だよね)あたりだろ。
472 :
吾輩は名無しである :2005/12/16(金) 03:40:51
丸谷才一がジェローム.K.ジェロームの『ボートの三人男』にいち早く注目して 訳出したセンスのよさ(伝統からくる余裕を嗅ぎつける能力)には感服する。 誤訳を修正すればもっと良い本ができるだろう。
「僕は仕事が大好きだ。働いている人を一日中見ていられるくらい好きだ」 という箇所に笑った記憶があるな。
>>472 『ボートの三人男』って丸谷訳よりも岩波文庫が先に出してなかったっけ?
475 :
吾輩は名無しである :2005/12/17(土) 01:47:31
柳瀬尚紀と対立してるの?
丸谷を憎む大江が柳瀬訳のほうを絶賛していました
え?大江とあんまり仲良くないんだ?
(1) ホメーロス(『イーリアス』『オデュッセイア』) (2) ギリシア演劇集(アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデス、アリストパネス) (3) 古代ローマ集(アプレイウス、ペトロニウス、キケロ、セネカ、アウグスティヌス、ほか) (4) アラビアン・ナイト〈バートン版〉 (5) ダンテ(『神曲』) (6) チョーサー/ボッカッチォ(『カンタベリ物語』/『デカメロン』) (7) 中世文学集(『トリスタン・イズー物語』『アーサー王物語』『エル・シド』、ほか) (8) シェークスピア 1(『ロミオとジュリエット』『夏の夜の夢』『ソネット集』、ほか) (9) シェークスピア 2(『ハムレット』『リア王』『マクベス』『オセロ』) (10) デフォー(『ロビンソン・クルーソー』『モル・フランダース』) (11) スウィフト(『ガリヴァー旅行記』『桶物語』、ほか) (12) リチャードソン(『パメラ』) (13) フィールディング(『トム・ジョウンズ』) (14) スターン(『トリストラム・シャンディ』『センチメンタル・ジャーニー』) (15) スコット(『ロブ・ロイ』『盟約』) (16) オースティン(『高慢と偏見』『説きふせられて』) (17) ディケンズ 1(『荒涼館』『大いなる遺産』) (18) ディケンズ 2(『オリバー・ツイスト』) (19) ブロンテ姉妹(『ジェイン・エア』/『嵐が丘』) (20) ハーディ/コンラッド(『テス』/『ロード・ジム』『闇の奥』) 「決定版世界文学全集を編集する 鼎談:丸谷才一・三浦雅士・鹿島茂」(文藝春秋 二〇〇五年十一月臨時増刊号)より
(21) ジェイムズ(『ある婦人の肖像』『アスパンの恋文』『ねじの回転』、ほか) (22) フォースター/ロレンス(『インドへの道』/『チャタレイ夫人の恋人』) (23) ウルフ(『ダロウェイ夫人』『灯台へ』『オーランドー』) (24) ジョイス 1(『ユリシーズ』) (25) ジョイス 2(『若い芸術家の肖像』、ほか) (26) ウォー/グリーン(『大転落』/『権力と栄光』) (27) ゴールディング/シリトー/オズボーン(『蠅の王』/『長距離走者の孤独』/『怒りをこめてふりかえれ』) (28) オブライエン/バージェス(『スウィム・トゥー・バーズにて』『ドーキー古文書』/『時計じかけのオレンジ』『その瞳は太陽に似ず』) (29) ラブレー(『ガルガンチュワ物語』) (30) ラ・フォンテーヌ/ラ・ロシュフコー/パスカル(『寓話集』/『箴言集』/『パンセ』) (31) モリエール/コルネーユ/ラシーヌ(『人間嫌い』『タルチュフ』『守銭奴』、ほか/『ル・シッド』、ほか/『フェードル』『アンドロマック』、ほか) (32) アベ・プレヴォー/ラ・ファイエット夫人/コンスタン(『マノン・レスコー』/『クレーヴの奥方』/『アドルフ』) (33) ディドロ(『運命論者ジャックとその主人』『ラモーの甥』『不謹慎な宝石』『修道女物語』『ブーゲンヴィル航海記補遺』、ほか) (34) ルソー(『告白』) (35) ヴォルテール/ラクロ(『カンディード』/『危険な関係』) (36) スタンダール(『赤と黒』『パルムの僧院』) (37) バルザック 1(『ゴリオ爺さん』) (38) バルザック 2(『幻滅』『娼婦の栄光と悲惨』) (39) ユゴー 1(『レ・ミゼラブル』1) (40) ユゴー 2(『レ・ミゼラブル』2) 「決定版世界文学全集を編集する 鼎談:丸谷才一・三浦雅士・鹿島茂」(文藝春秋 二〇〇五年十一月臨時増刊号)より
(41) デュマ 1(『モンテ・クリスト伯』1) (42) デュマ 2(『モンテ・クリスト伯』2) (43) メリメ/ミュッセ/ネルヴァル/デュマ・フィス(『カルメン』『コロンバ』『マテオ・ファルコーネ』、ほか/『世紀児の告白』『ミミ・パンソン』『フレデリックとベルヌレット』、詩集/『シルヴィー』『オーレリア』、詩集/『椿姫』) (44) フロベール(『ボヴァリー夫人』『感情教育』) (45) ゾラ(『居酒屋』『パリの胃袋』『ボヌール・デ・ダム百貨店』) (46) サド/レチフ/クレランド(『ジュスティーヌ、または美徳の不幸』/『ムッシュー・ニコラ』/『ファニー・ヒル』) (47) モーパッサン/ドーテ(『ベラミ』『女の一生』/『サフォー』『月曜物語』『アルルの女』、ほか) (48) ジイド/ピエール・ルイス/ヴァレリー(『法王庁の抜け穴』『贋金使い』/『ビリティスの歌』『アフロディテ』/詩、評論) (49) プルースト 1(『失われた時を求めて』1) (50) プルースト 2(『失われた時を求めて』2) (51) プルースト 3(『失われた時を求めて』3) (52) プルースト 4(『失われた時を求めて』4) (53) コレット(『学校のクローディーヌ』『クローディーヌの家』『シェリ』、ほか) (54) セリーヌ(『夜の果てへの旅』『なしくずしの死』) (55) サルトル/カミュ/ボリス・ヴィアン(『嘔吐』『一指導者の幼年時代』『水入らず』/『異邦人』『ペスト』/『日々の泡』) (56) コクトー/ラディゲ/ジャン・ジュネ(『恐るべき子供たち』/『ドルジェル伯の舞踏会』/『花のノートルダム』『薔薇の奇蹟』) (57) シモン/ロブ=グリエ/ビュトール(『フランドルへの道』/『嫉妬』『快楽の館』/『心変わり』) (58) シュールレアリスム集(ブルトン、アラゴン、エリュアール、デスノス、レーモン・クノー、シュペルヴィエル、ほか) (59) プーシキン(『エヴゲニー・オネーギン』『大尉の娘』『スペードの女王』『ボリス・ゴドゥノフ』) (60) ゴーゴリ(『死せる魂』『ディカーニカ近郷夜話』『外套』、ほか) 「決定版世界文学全集を編集する 鼎談:丸谷才一・三浦雅士・鹿島茂」(文藝春秋 二〇〇五年十一月臨時増刊号)より
(61) ドストエフスキー 1(『悪霊』) (62) ドストエフスキー 2(『罪と罰』) (63) トルストイ(『アンナ・カレーニナ』) (64) チェーホフ(『桜の園』『かもめ』『ワーニャ伯父さん』、ほか) (65) ソログープ/ゴーリキー/ベールイ(『小悪魔』/『イゼルギリ婆さん』『チェルカッシュ』、初期短編集/『ペテルブルグ』) (66) ブルガーコフ/プラトーノフ(『巨匠とマルガリータ』、ほか/『タクイル』『ジャン』、短編集) (67) ソルジェニーツィン(『煉獄のなかで』) (68) ゲーテ 1(『ファウスト』) (69) ゲーテ 2(『若きウエルテルの悩み』、詩) (70) シラー(『群盗』『たくみと恋』『ヴィルヘルム・テル』、ほか) (71) パウル(『巨人』『ヘルスペス』『彗星』、ほか) (72) ホフマン(『黄金の壷』『悪魔の霊液』) (73) ニーチェ(『ツァラトゥストラ』『悦ばしき知識』、ほか) (74) マン 1(『魔の山』) (75) マン 2(『詐欺師フェリクス・クルルの告白』) (76) シュニッツラー/ムジル(『アナトール』『輪舞』『恋愛三昧』、ほか/『三人の女』) (77) リルケ(『マルテの手記』、詩、評論) (78) デーブリン(『ベルリン・アレグザンダー広場』) (79) カフカ(『城』『変身』『審判』『アメリカ』) (80) ホフマンスタール/ロート(『影のない女』『アンドレアス』『ばらの騎士』『チャンドス卿の手紙』/『ラデッキー行進曲』) 「決定版世界文学全集を編集する 鼎談:丸谷才一・三浦雅士・鹿島茂」(文藝春秋 二〇〇五年十一月臨時増刊号)より
(81) グラス(『ブリキの太鼓』、ほか) (82) セルバンテス(『ドン・キホーテ(正・続)』) (83) マンゾーニ(『いいなづけ』) (84) ツルゲーネフ/ハイネ(『猟人日記』『パリ日記』/詩) (85) イプセン/ワグナー(『人形の家』/『ニーベルングの指環』『タンホイザー』) (86) ユイスマンス/ワイルド(『さかしま』『彼方』/『ドリアン・グレイの肖像』『サロメ』) (87) ズヴェボ/ラルボー/ベケット(『ゼーノの苦悶』/『めばえ アンファンティヌ』『バルナブースの日記』/『モロイ』『ゴドーを待ちながら』) (88) シュルツ/ゴンブロヴィッチ(『肉桂色の店』/『フェルディドゥルケ』『バカカイ』) (89) ジロドゥ/ガルシア=ロルカ/ブレヒト(『トロイ戦争は起こらない』/『血の婚礼』『イェルマ』『ベルナルダ・アルバの家』、ほか/『三文オペラ』) (90) モラーヴィア/ブッツァーティ/パヴェーゼ/カルヴィーノ(『孤独な青年』/『タタール人の砂漠』/『故郷』/『まっぷたつの子爵』『木のぼり男爵』『遠ざかる家』) (91) ユルスナール/デュラス/マードック(『ハドリアヌス帝の回想』/『愛人ラマン』『モデラート・カンタービレ』/『鐘』) (92) クンデラ/トゥルニエ(『存在の耐えられない軽さ』、ほか/『フライデーあるいは太平洋の冥界』『赤い小人』) (93) ポー(『モルグ街の殺人』『アッシャー家の崩壊』『黄金虫』『黒猫』、詩、ほか) (94) メルヴィル(『白鯨』『書記バートルビ』) (95) トゥエイン(『ハックルベリー・フィンの冒険』『トム・ソーヤの冒険』) (96) ミラー/アナイス・ニン(『北回帰線』『南回帰線』/『アナイス・ニンの日記』『ヘンリ−&ジューン』) (97) フォークナー(『八月の光』『アブサロム、アブサロム!』) (98) ヘミングウェイ(『日はまた昇る』『われらの時代』『男だけの世界』、ほか) (99) アメリカ戯曲集(オニール、テネシー・ウィリアムズ、アーサー・ミラー) (100) アメリカ短編集(サリンジャー、カポーティー、ブローティガン、カーヴァー、オースター) 「決定版世界文学全集を編集する 鼎談:丸谷才一・三浦雅士・鹿島茂」(文藝春秋 二〇〇五年十一月臨時増刊号)より
(101) ボルヘス(短編集) (102) ガルシア=マルケス(『百年の孤独』) (103) カルペンティエール/ナイポール/バルガス=リョサ(『この世の王国』/『神秘な指圧師』/『フリアとシナリオライター』) (104) 唐宋詩集 (105) 曹雪芹 1(『紅楼夢』1) (106) 曹雪芹 2(『紅楼夢』2) (107) 金瓶梅 1 (108) 金瓶梅 2 (109) ドイル/ウェルズ(「シャーロック・ホームズ」シリーズ/『タイムマシン』) (110) ザミャーチン/チャペック/オーウェルレム(『われら』/『R・U・R(ロボット)』/『1984』/『ソラリスの陽のもとに』) (111) チャンドラー/ハメット(『さらば愛しき女よ』『大いなる眠り』『マルタの鷹』、ほか) (112) ヴェルヌ/ルブラン(『地底旅行』『八十日間世界一周』『十五少年漂流記』/『奇巌城』) (113) シムノン(「メグレ警視」シリーズ) (114) バカン/アンブラー/ル・カレ(『三十九階段』/『あるスパイの墓碑銘』/『寒い国から帰ってきたスパイ』) (115) チェスタトン/ハイスミス/エーコ(『木曜の男』/『見知らぬ乗客』『太陽がいっぱい』/『薔薇の名前』) (116) ブラッドベリ/バラード/ヴォネガット/ディック(『火星年代記』/『結晶世界』/『スローターハウス5』/『高い城の男』) (117) ケベード/スカロン/ル・サージュ/ほか(『大悪党』/『滑稽旅役者物語』/『ジル・ブラース物語』/『ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯』) (118) 童話集(イソップ、ペロー、グリム、アンデルセン、サン=テグジュペリ) (119) 少年小説集(マロ『家なき子』、ウィーダ『フランダースの犬』、ルナール『にんじん』、アゴタ・クリストフ『悪童日記』、メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』、ストーカー『ドラキュラ』、コローディ『ピノキオ』、スティーヴンソン『宝島』、ほか) (120) 少女小説集(オルコット『若草物語』、モンゴメリ『赤毛のアン』、バーネット『小公子』『小公女』、スピリ『アルプスの少女』、ほか) 「決定版世界文学全集を編集する 鼎談:丸谷才一・三浦雅士・鹿島茂」(文藝春秋 二〇〇五年十一月臨時増刊号)より
(121) キャロル/リア/ジャリ(『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』/『ナンセンスの絵本』、ほか/『ユビュ王』) (122) ユーモア文学集(ショウ『ピグマリオン』、ジェローム『ボートの三人男』、ウッドハウス『ジーヴス物語』、エーメ『壁抜け男』) (123) ナボコフ(『ロリータ』『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』、ほか) (124) レアージュ/マンディアルグ/バタイユ(『O嬢の物語』/『みだらな扉』/『マダム・エドワルタ』) (125) マラルメ(『半獣神の午後』、詩、評論) (126) ランボオ/ヴェルレーヌ/ロートレアモン(詩、評論) (127) ボードレール(『悪の華』『パリの憂鬱』、評論、ほか) (128) ロマン派詩人集(コールリッジ、ノヴァーリス、ラマルチーヌ、ユゴー、ワーズワース、ほか) (129) モダニズム詩人集(イエーツ、アポリネール、パウンド、エリオット、オーデン、ほか) (130) 歌謡集(ジョン・レノン、ボブ・ディラン、オクジャワ、プレヴェール、ブラッサンス、レオ・フェレ、ほか) (131) 批評集(アリストテレス、サミュエル・ジョンソン、ヘルダー、サント・ブーヴ、バシュラール、エドマンド・ウィルスン、ロラン・バルト、ドゥルーズ、フーコー、デリダ、ほか) 【以上 全131巻】 「決定版世界文学全集を編集する 鼎談:丸谷才一・三浦雅士・鹿島茂」(文藝春秋 二〇〇五年十一月臨時増刊号)より
途中で「連続投稿禁止」だかなんだかが出てちょっと焦った。 それはともかく。 文藝春秋よ、ここまで企画した以上、誌上の企画で終わらせずに、本腰入れて本気で出版したらどうだ?頼むよ!
新手の荒らしかと思った。いずれにせよスレ違い。
あと、タイプミスあったら指摘ヨロシク。
488 :
吾輩は名無しである :2005/12/21(水) 00:20:30
全部タイプミス ヨロシク
>>487 よ、発想自体は悪くないぞ。文学全集スレなんかあったら、俺的には
楽しい。ただしあれが家財道具として売れてた時代を知っているか、
子供の頃から家にあって読んでた人間以外には全く面白くないかもしれん。
ウェルギリウスやオウィディウスも入れて欲しかったよ。 ローマ好きの丸谷らしくもない。
上のリストはギリシア・ローマ神話関係が弱い気がするし、 オウィディウスならそこをフォローできると思うしね。
>>471 寡作なのは事実だが、いっぺん丸谷の短編読んでみ。
てか、同じことを何度も言わせるな。
493 :
490 :2005/12/23(金) 16:35:56
ホラティウスもだな。 ローマ帝国最盛期はその三人で足りるよ。
494 :
吾輩は名無しである :2005/12/23(金) 20:31:50
495 :
492 :2005/12/23(金) 20:32:44
>一応小説家、実質エッセイスト これへの返答のつもりだけど?
496 :
吾輩は名無しである :2005/12/23(金) 20:33:27
木を見てなんとやら。
別に「木」への返答でもいいだろ。
498 :
吾輩は名無しである :2005/12/23(金) 20:37:04
うーん。 正直、ファンの過剰反応に見える。ちなみに俺はくだんのイケズだよw 評価はしないが、嫌いじゃないので小説も、エッセイも(たまたまだけど) 翻訳文も結構読んでる。
499 :
吾輩は名無しである :2005/12/24(土) 16:14:06
>>478-484 やはり、ドストエフスキーはカラマーゾフも白痴も全部入れたいな。
(記事によると、カラマーゾフは求道的ということで外したらしいが)
500 :
吾輩は名無しである :2005/12/24(土) 20:28:07
やっと500w
501 :
吾輩は名無しである :2005/12/24(土) 21:45:49
>>478-484 世界文学かあああ。
おれはカントも精読したいと考えてるので一生じゃ足りないねえ。
オレはこれに日本古典が加わる...
503 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2005/12/29(木) 20:47:45
>>502 いちおうこれは「(日本以外の)世界文学」ってことじゃね?
504 :
502 :2006/01/07(土) 13:43:50
「明治維新以前の」を入れるのを忘れてたな。
505 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/08(日) 03:56:31
ほんじゃあ、今年は世界文学全集を創刊させようぜ!
506 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/08(日) 04:24:43
作家にも定年制があったらと思う方の お一人ですね。正直言って。
507 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/08(日) 04:53:27
>>506 よしよし。そう思うのは君だけだよ。さ、もう寝なさい。
>>506 今の作家に『輝く日の宮』を書ける教養があるとは思えん。
別に教養だけが全てではないが。
509 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/08(日) 08:55:14
>>508 たしかに、この人ほど教養を感じさせる(しかもイヤミにならない)作家は、今の日本にはいない。
510 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/11(水) 21:06:53
それで……世界文学全集は刊行されるのか??
511 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/14(土) 14:55:31
『輝く日の宮』は評論で出したほうがいいんでね。なぜに小説という形にすんのよ、あれ。
てか、今の作家に『輝く日の宮』レベルの作品を書ける奴が何人いるやら。
>>511 またあんたか?
無いものねだりをするのもあれだけど、丸谷並みに日本古典や海外文学に造詣が深くて
しかも春樹みたいにポップカルチャーに精通してるって作家はいないのだろうか?
平野がそれにあたるとか?
514 :
513 :2006/01/14(土) 17:36:58
この場合の「ポップカルチャー」てのはジャズやロックみたいな音楽とか アンディー・ウォーホルみたいなアートを想像してくれればいい。
515 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/14(土) 18:27:01
>>513 俺は春樹&丸谷好きだ。
その俺の意見として君に言いたいのは、「平野」なんて名前をココで出さないでくれ、ということだ。
でも、君の
>日本古典や海外文学に造詣が深くてしかも春樹みたいにポップカルチャーに精通してる
という丸谷評はなかなか的を射ていると、俺は思う。
>>513 ちゃうよ、俺まだソレ読んでねーもん。
専ら文学のフィールド限定だが、夷斎がまさにそうじゃん。
東西の古典に通じ、しかも前衛だ。
517 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/14(土) 19:49:23
丸谷はポップカルチャーにはそれほど精通していないと思うが。 ジャズもロックも知らんだろ。 大正生まれだぞ。
518 :
513 :2006/01/14(土) 20:19:13
>日本古典や海外文学に造詣が深くてしかも春樹みたいにポップカルチャーに精通してる ごめん、書き方が悪かった。丸谷がジャズを知らないのは本人も言ってる通り。 ただし、必要とあらばモーニング娘。も聴くのが丸谷の凄さだとオレなんかは思う。 (『花火屋の大将』読まれたし)
519 :
513 :2006/01/14(土) 20:21:25
丸谷の古典的教養と春樹のポップカルチャー好きを兼ねそろえてる作家っているの?って質問だよ。 いたら愛読するけど。
>>516 夷斎はビートルズ以降の文化を知らんがな...
521 :
515 :2006/01/15(日) 06:40:58
522 :
515 :2006/01/15(日) 06:41:44
>>518-519 なるへそ。それでもやはり、君の意見は、俺のフィールングと合う。
ただ、やはり、「平野」はちょっと違うと思うが……
523 :
515 :2006/01/15(日) 06:42:59
>>516 ,520
素人で済まない。
夷斎 って誰?教えてくだされ。
丸谷の「夷斎おとしばなし」(@『日本文学史早分かり』)を読んでください。 そのまま教えるのもあれだし。
525 :
515 :2006/01/15(日) 07:52:10
>>524 おお!早くもレスが!ありがとう。
わかりました。読んでみます。ありがとう。
527 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/15(日) 13:36:13
旧字・旧かなでない夷斎なんか絶対読む気しないな。
そんなこと言ったら漱石も鴎外も百鬼園先生も谷崎も...
石川スレで丸谷の石川論が「過大評価」ってけなされてたけど、実際どうなんだろ? 「石川はヨーロッパ文学における伝統の重要さを知っていたので、同じことを日本文学で行うのに四苦八苦した」って 丸谷の説は、オレ的にはそのとおりだと思うのだが... まあ同世代の太宰や坂口や檀一雄も似たようなことはしてるわけだし、 こっちの方も論じて欲しいんだけど、丸谷はこの三者があまり好きじゃないのだろうか?
そういえば、丸谷が織田作之助について論じてるのを見たことがない。 オレの乏しい読書範囲の中のことだけど。
531 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/15(日) 19:41:20
>>529 >太宰や坂口や檀一雄……丸谷はこの三者があまり好きじゃないのだろうか?
俺もよく知らんけど、でも丸谷才一の好きそうな文学ではないね(笑)
532 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/15(日) 19:46:23
太宰はキザだとか言ってたような。 私小説はほとんど嫌いでしょう。
>>529 >石川スレで丸谷の石川論が「過大評価」ってけなされてたけど、
そんなけなされ方は、してない。
石川は優れた作家かもしれんが、それを褒める丸谷のお世辞が誇大に過ぎ、
却って石川の魅力を矮小化するってことでしょ。
534 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/15(日) 21:39:39
石川に限らず、丸谷は外国の書評にならって褒めるときは景気よく褒める。 日本語では景気よく褒めるというのはあまりないので、違和感を感じる人も いるのかもしれん。
景気よく、ではなく上滑りのお世辞。
俺じゃない俺ではない詐欺? in 丸谷スレ ……泣いている人がいる。
>>532 「何を書いても私小説になってしまう」山口瞳と終生の友人だったのも事実。
要はユーモアがあるかないかだろう。
>>382 遅レスだが、あれだけのカオス的状況を書いて理路整然としてるもんな。
丸谷の好きなモーツァルトの『フィガロの結婚』が「理路整然としたドタバタ喜劇』って
言われていたが、「反乱」もそうかも。
541 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/18(水) 17:14:51
『反乱』でも読むか!
丸谷は修辭過多なんです。
>>534 「ちょつと氣取つて書け」といふはよいが、自分は氣取り過ぎて厭味。
543 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/18(水) 18:57:23
やっぱそれが日本語の性格なんだろうね。
ちがふ。
怒愛い。 血が雨。
546 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/19(木) 02:00:44
>>534 うろ覚えだが向井敏の「文章読本」で、寿岳文章訳「神曲」を丸谷が激賞して
いるのに対し向井が違和感を表明したら、その「文章読本」の解説を丸谷が
書いていて、、「ちとどうかと思う説もある」などとちくりと向井に嫌味を垂れていた
ことがあったな。俺は向井の方が正しいだろうと思ったけれど。
別に丸谷流の過褒の大盤振る舞いは嫌いじゃないが、下手を打つとかなり
恥ずかしいものがあるのはたしか。
清水義範を絶賛してるのもなんだかなー。 分からないことはないが、どうも「理屈」が先行しすぎてる気がする。
548 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/19(木) 10:15:07
「猿蟹合戦とは何か」の載ってる『国語入試問題必勝法』文庫版の解説を丸谷がしてるの。 「絶賛」とは違ったかもしれないが、かなり好意的に書いてたな(まあ解説なんてそんなもんか)。 自分のパロディーについては、「蜀山人にパロディーにされた歌人の心境がわかる」 みたいなことを言ってたっけ。
550 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/19(木) 15:01:40
『女ざかり』面白いよな。なんで絶版にするんだ、文藝春秋。
講談社なら文芸文庫として復活しそうなのに...
文芸には合わないとw 『女ざかり』絶版なんだ、へー。 とにかく楽しくは読んだ。
>>552 『反乱』も似たようなもんだと思うが...
タイトルがちょっとシソーテキじゃんw 裏声ほどじゃ無いけれど。 『女ざかり』なんて。 にしてもあの本、読みやすいし結構面白いのにな。 出た当時は結構売れたはず。
『女ざかり』については糸圭秀実の絶妙な批評が良かったので、もう本文は読まなくていいや。
557 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/20(金) 03:00:54
>>556 そりゃ変化しないよ。あたりまえじゃん。
中野翠が『女ざかり』について、「私が命がけで避け続けた世界を描いた作品」って酷評してたね。 伊丹十三の映画にも似てるって。
>>554 30万部だったっけ?
「文学作品」なら大したもんだな。
ぺらい命だな。 いいじゃん娯楽作品で。
561 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/20(金) 10:44:08
『女ざかり』は、丸谷才一の作品の中で最も売れたんじゃないか。 そんな本を絶版にされるのは少しかわいそうだ。 あと、『樹影譚』も絶版。なんでだろ。これも結構好きなんだけどな。
562 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/20(金) 12:18:16
死んだら復刊するよ。
563 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/20(金) 13:43:11
>>562 たしかに。
しかしファンとしてはもっと書いてほしいし。
今年で81歳か…。
微妙な年頃だな。
三島由紀夫と同い年なんだよね
マジか。 うーん。 本人もいろいろ、思うところあったろうな。
>>558 中野翠は政治性を極力廃して、おのれの感受性ひとつを旗に立てて
肩肘張ってきたおばさんだからな。ああいう政治の力学を描いた小説に
虫唾が走るというのもわかる。ある意味純粋なんだよ。
俺は丸谷も中野も両方好きだが、この場合は文学畑の癖にドロドロした
政治力の世界を描けた丸谷に軍配をあげたい。このおっさんも権力装置と
しての文学賞と、和漢洋の圧倒的な教養で今日の地位を築いたわけで、
政治の陰影に拘泥していたからああいう世界を作れたんだろうけどね(w
でも小説はたいしたことないけど、この人の文芸評論家としての実力は
戦後随一だと俺は買ってる。小林や江藤など目じゃないよ。それは後世が
評価してくれるんじゃないかと思ってるんだけどな。
中野の場合「自分の父親世代」を書くのに極度に警戒しているだけでは?って気もするが。 百鬼園先生のことは尊敬してるのに、その弟子の高橋義孝や山口瞳のことはほとんど無視してるし。 (相撲や落語など江戸前文化を云々するならこの二人は外せないはずだが...) 傾倒してる福田恒存でも、「完全に没入するのは怖い」って言い切ってるし。
>この人の文芸評論家としての実力は 戦後随一 歌人としての後鳥羽院を復権した実力は確かに凄い。 >小説はたいしたことない じゃあ、『たったひとりの反乱』以上にカオス的状況を「理路整然」と 描いた作品を教えてくれ。 (たいていは「カオス」か「理路整然」のどっちかしかないわけだが) オレはあれを読むたびに、モーツァルトの『フィガロの結婚』 (特に第二幕・第四幕アンサンブルフィナーレ)を思い出す。
>カオス的状況を「理路整然」と 描いた作品 大江の名前が挙がりそうだけど、大江は文章が好みじゃないからな...
>>564 同年代の山口瞳、中村真一郎、司馬遼太郎がもう逝ってるしな。
(この全く異質な三人と交流があったのも凄すぎるが)
不謹慎かもしれないが、丸谷は持病とかはないのだろうか? そういうことは一切表に出さない人だからな。
572 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/21(土) 16:29:53
>>571 そういえばプライベートはけっこう謎だな。
家族のことも殆どネタにしないし。
まあ「反私小説」でそれはそれで首尾一貫してるかも。
奥さんの実家を継いだっていうのもネット上で知ったし。
576 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/21(土) 20:42:14
>>575 オレは婿養子であることをネットで知った。
息子の顔写真も見たことがあるような気がする。
息子さんは大学教授だよ。 丸谷のエッセイでは大学院時代の彼が出てきたことがある。
息子については「ロシアに留学中の野球好きの息子は、モスクワに届く新聞赤旗に 掲載される試合結果を楽しみに読んでいた。息子曰く『どんなくだらないものにも 存在価値はある』」という小話を随筆で書いていたね。 あとは家族そろって唐辛子が苦手だという話か。俺の記憶にある丸谷氏の 身内ネタはそれくらいだな。息子の写真は俺もネットで見たことあるけど、 分厚い眼鏡かけた失礼だが冴えない人っぽかった。
ロシア思想史研究家だっけ? あのお父上からそんな息子が生まれるとは... あ、でも「赤旗はくだらない」って言ってるわけか。 身内ネタといえば、和田誠つながりで『赤塚不二夫大全』みたいな 本を購入した時、配達に来た本屋が息子さんの本だと勘違いした、ってエピソードもあったな。
580 :
576 :2006/01/21(土) 22:39:17
>>578 >分厚い眼鏡かけた失礼だが冴えない人っぽかった
そうそう。
581 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/22(日) 21:09:15
くだらん。ここ、「語るに落ちる」スレ? 来月『闊歩する漱石』文庫化。
>>581 くらだなくないやうに自分で盛り上げればいかがか。
583 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/23(月) 07:20:38
>>581 文庫化? 調べてみたらほんとだった。
絶版になりそうだったから、金無いのに慌てて単行本買っちゃったよ……orz
584 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/23(月) 07:22:11
>>581 文庫化? 調べてみたらほんとだった。
絶版になりそうだったから、金無いのに慌てて単行本買っちゃったよ……orz
でも丸谷才一の本を文庫にしようという気持ちを出版社がまだ持ってくれているだけ嬉しい。
もう見捨てられてしまうんじゃないかと心配で心配で……。
585 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/23(月) 10:19:17
『女ざかり』の初めに近い部分、 若い男二人&女一人が食事をする場面が好きだ。 まさに蘊蓄とユーモアがあふれている。
どの作品も会話場面が上手いんだよな。
>>581 文春文庫?
大学図書館にないので未読だけど。
斉藤美奈子が自分の教養のなさを棚に挙げて批判してたっけ。
正直、評論家にとっても丸谷は厄介な存在だろうな。 古典の知識とかがないと、前述の斉藤や『輝く日の宮』について 「丸谷は働く女性を応援しているつもりだろうが、本当の問題が全然わかってない」 とかいった豊崎由美(たぶん)みたいにずれた批判しかできないわけだし。 春樹みたいに(本当に)テキストを批評できればまた違うだろうが。
589 :
585 :2006/01/23(月) 17:29:29
ヒマだったので、ふと思い立って調べてみた。 〔長編小説〕 エホバの顔を避けて(中公文庫)【絶版】 笹まくら(新潮文庫) たった一人の反乱(講談社文芸) 裏声で歌へ君が代(新潮文庫) 女ざかり(文春文庫)【絶版】 輝く日の宮(講談社) 〔短篇小説〕 年の残リ(文春文庫)【絶版】 樹影譚(文春文庫)【絶版】 横しぐれ(講談社文芸)【絶版】
590 :
585 :2006/01/23(月) 17:30:15
〔翻訳〕 長距離走者の孤独(新潮文庫) 若い芸術家の肖像(新潮文庫) ボートの三人男(中公文庫) 負けた者がみな貰う(ハヤカワepi文庫) ユリシーズ1〜4(集英社文庫) アンクル・トムの小屋(河出書房新社)【絶版】 雪の舞踏会(大和書房)【絶版】 日時計(東京創元社)【絶版】
591 :
585 :2006/01/23(月) 17:30:43
〔評論〕 新々百人一首(新潮文庫) 日本語のために(新潮文庫)【絶版】 桜もさよならも日本語(新潮文庫)【絶版】 丸谷才一の日本語相談(朝日文庫)【絶版】 日本文学史早わかり(講談社文芸) 忠臣蔵とは何か(講談社文芸) 恋と女の日本文学(講談社)【絶版】 闊歩する漱石(講談社) 国語改革を批判する(中公文庫) みみづくの夢(中公文庫)【絶版】 文章読本(中公文庫) 6月16日の花火(岩波書店)【絶版】 ゴシップ的日本語論(文藝春秋) 思考のレッスン(文春文庫) 後鳥羽院(筑摩書房) 女の小説(光文社文庫) 雁のたより(朝日文庫)【絶版】 鳥の歌(福武文庫)【絶版】
592 :
585 :2006/01/23(月) 17:31:58
〔エッセイ〕 いろんな色のインクで(マガジンハウス) 猫のつもりが虎(マガジンハウス) ロンドンで本を読む(マガジンハウス) 挨拶はたいへんだ(朝日文庫) 挨拶はむづかしい(朝日文庫)【絶版】 綾とりで天の川(文藝春秋) 絵具屋の女房(文藝春秋) 花火屋の大将(文春文庫) 男もの女もの(文春文庫) どこ吹く風(講談社)【絶版】 青い雨傘(文春文庫) 軽いつづら(新潮文庫)【絶版】 山といへば川(中公文庫)【絶版】 猫だつて夢を見る(文春文庫)【絶版】 男ごころ(新潮文庫)【絶版】 夜中の乾杯(文春文庫)【絶版】
593 :
585 :2006/01/23(月) 17:54:11
〔エッセイ・続き〕 犬だって散歩する(講談社文庫)【絶版】 好きな背広(文春文庫)【絶版】 コロンブスの卵(ちくま文庫)【絶版】 大きなお世話(文春文庫)【絶版】 食通知ったかぶり(文春文庫)【絶版】 女性対男性(文春文庫)【絶版】 低空飛行(新潮文庫)【絶版】 にぎやかな街で(講談社文庫)【絶版】 遊び時間(中公文庫)【絶版】 遊び時間2(中公文庫)【絶版】 遊び時間3(中公文庫)【絶版】 七十句(立風書房)【絶版】 ウナギと山芋(中公文庫)【絶版】 木星とシャーベット(マガジンハウス)【絶版】 男のポケット(新潮文庫)【絶版】 星めがね(集英社)【絶版】 悠々鬱々(毎日新聞社)【絶版】
594 :
585 :2006/01/23(月) 17:55:24
私の力ではココまでです………。多くはないかもしれませんが、遺漏はあるはずです。 あと、ジャンルがよくわからない本があります。そういう本は「エッセイ」に振っておいたんだけど…。 まぁみなさんの力で完璧な者にしてくれれば幸い。 しっかし、脱力するほど絶版が多いな。
595 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/23(月) 17:57:12
>>587-588 豊崎由美?斉藤美奈子?あの方達はダメだろ……。
春樹の『若い読者のための短編小説案内』(文春文庫)、あれはよかった。
アンソロジーの『探偵たちよ スパイたちよ』なんてのもあるね。
『闊歩する漱石』は講談社文庫らしい。 すぐに絶版にされそう...
>>595 春樹の本は、テキストを通じて作家の人となりまで分かってしまうのが凄かったな。
丸谷以外では吉行淳之介なんか特に。
>>589-593 『とくとく歌仙』という連歌本があるね。
「袖に恋の句夜露の祭り」「シニフィエとシニフィアンとが大嫌い」
なんかの句を覚えてるな
>>596 あれはいいよね。ああいう本が一定量売れるような
洒落た世の中になってほしいものだ。
死体にだって見覚えがあるぞ。
死体にだって見覚えがあるぞ。
>ああいう本が一定量売れるような >洒落た世の中になってほしいものだ。 丸谷は山崎正和に「山崎さんの本を読むような趣味の良い人に 国政を担ってもらいたい」って言ってたね。 実際、学校とかで習う「古典」とは違った文脈で、 ちょうど谷川俊太郎や大岡信の現代詩 (あるいはそれこそボードレールか) を読むような感覚で新古今和歌集を読む奴が沢山いる 世の中になって欲しいものだ...
その中から新しい物が生まれてくるかもしれないし。 丸谷には無視されているが、(フランス文学畑出身の)水原紫苑なんかはその一人だって気がするな。 和泉式部の本歌取りをしたり、『世阿弥の墓』なんて歌集を作るくらいだから。
「丸谷は王朝和歌の美的世界を現代に蘇らせようとしているが、 今時国文学者でもそのようなことを考えている人間はいない」って主旨のことを 「宿敵」諏訪春雄が言ってたな。 ムカつくとまでは言わないものの、(半分事実なだけに)なんともやりきれない。
603 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/24(火) 20:43:43
諏訪春雄 というのがどんな人なのか、浅学にしてオレは知らない。 しかし、「今時国文学者でもそのようなことを考えている人間はいない」という言葉は、 ある意味、丸谷のすごさを裏付ける結果になっていると思う。
604 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/24(火) 21:41:37
>>598 『若い読者のための短編小説案内』は決してテキストをおだてたり褒めたりしているだけの本ではない。
たまには作者の耳には痛く感じるかもしれないことも書かれている。
しかし、そこに悪意は一切感じなかった。あくまでもテキストに対する愛情が初めにある、というか……
しかし、豊崎由美や斉藤美奈子の文章からは、悪意のようなものを感じないわけにはいかなかった。
たとえ本人たちがそれを否定したとしても。
>>603 諏訪春雄は丸谷の『忠臣蔵とは何か』に国文学者の立場から反論したら
凄まじい勢いで丸谷に論駁されたかわいそうな人だよ。
丸谷側の反論は『鳥の歌』に収録されてる。読んでて諏訪が気の毒に
なるくらい容赦ない丸谷の逆襲だった。
606 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/24(火) 22:10:14
丸谷が新潮社のサイトで『新々百人一首』について語ってる肉声を聴いたが ありゃ大声というよりダミ声。なまりもあるし。 ちょっと幻滅した。
それ変化球杉
608 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/24(火) 22:12:17
>>606 「容赦ない」っていっても最初から話噛み合ってないし。
609 :
608 :2006/01/24(火) 22:13:33
610 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/24(火) 22:47:44
>>606 情報サンクス。
俺も初めて肉声を聴いたが、まあ予想通りといった感じ。
しかし最後の宣伝がうまいなw
丸谷才一のは学問以前の空想に過ぎないからねえ。
>>606 小谷野敦にもすぐ指摘されるほど粗っぽい類推ばかりでさ。
612 :
603 :2006/01/25(水) 07:10:58
613 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/25(水) 07:22:06
>>611 その小谷野敦 の指摘を読んだわけじゃないんだけど。
でも、小谷野敦ってさ、論理そのものは間違っていないんだけど、
しかし論理の開始の時点でそもそもボタンの掛け違いがあるという感じがしない?
別の本(タイトル忘れた)を読んだ時にそう思った。
論理の組み立てはしっかりしているが、それ以前に何かがズレている…。
勝手に自己完結している、とも言えるかもしれない。
あと、妙にルサンチマンが強い印象を受けた。
そもそも小谷野は「事実」と「事実・人物に関する言説」をごっちゃにしてる気配がある。
「五条大橋での弁慶vs牛若丸を知らない若者が増えた」って嘆いてたが、
それは「事実」じゃなくて「人物に関する言説」に過ぎないのに。
丸谷に限らず、文学者が相手にしないといけないのは「事実・人物に関する言説」の方なのに。
(事実を無視しろとは言わない)。
>>613 さんの言う「掛け違い」はそこに由来してる気がするよ。
まあ、『忠臣蔵とは何か』を読めば多少は見方も変わるかもしれんが。
>>613 小谷野敦『評論家入門』(平凡社新書、2004)参照のこと。
小谷野が屡々見当外れにルサンチマンを噴出させるのはその通りだが、
そんな小谷野にすら論破される丸谷って……学問研究には丸で才無し。
617 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/25(水) 21:01:24
まあ小谷野さんも似たようなもんだけどね。 論理破綻を指摘されまくってる。 小谷野は丸谷をよく参照しててそこからたくさん学んでるはずなのに、生意気だな。 最近ではタバコ問題でほとんど頭おかしくなっちゃってるし。
618 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/25(水) 22:27:46
生意気ってあんた。
↑ 丸谷登場?
vs諏訪と本質的に変わらん気もするが。 既出だが、橋本治の批判の方が面白い。
確か、「丸谷は勘平とお軽のロマンスにしか興味が無いのか?」って内容だったな。
「丸谷氏の主張がそのまま世に行なわれるとすれば、 忠臣蔵の本質が誤まられるにとどまらず、江戸時代に対する偏見を 醸成しはしないかということである。江戸時代は怨霊が跳梁し、 そこに生きた人々は政府の圧政と災害に苦しみ、毎年の新春から 体制転覆の呪詛劇を上演していたというような、それは新しい江戸時代 暗黒論の復活であり、江戸時代に現代日本の故郷を見る私にはとうてい 受け入れがたいことである。」(諏訪春雄:「御霊信仰と判官びいき」) わからないことはないが、なんか違う気がする。 「名君として知られた吉良が(別に苛めたわけでもないのに) お坊ちゃん大名の浅野に斬り付けられた」なんてはっきり言って「普通の」 出来事じゃないし、江戸時代といえども頻出はしてないだろう。 (そりゃ切腹とかした連中は多かっただろうが) 丸谷が説明したのは忠臣蔵とそういう「わけのわからなさ」との関係だろうに。
>江戸時代 暗黒論の復活 ふーん、『忠臣蔵とは何か』は小谷野さんに都合のいい言説ってことになるな。 「江戸幻想」を否定してる小谷野さんこそ「江戸時代暗黒論」の論客じゃないの。 (個人的には、ここでも小谷野は事実と「言説」を混同してるだけだと思うが)
625 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/27(金) 17:23:51
>>621 >橋本治の批判
え?橋本vs丸谷なんてことがあったの??
『よくない文章ドク本』を読んでください。あんまり長くなかったけど。
627 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/27(金) 17:32:50
>>626 即レスですね!ありがとうございます。
絶版みたいなので図書館で見てみます。
橋本治も丸谷才一も好きなんだけどな。
たぶん、近世の知識は橋本の方が上なんだろうな。 「軽い」感じがするのであんまり好きじゃないが。
629 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/27(金) 17:35:19
いえいえ。 過疎の文学板ですから...
631 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/02/07(火) 21:29:16
今日は『笹まくら』を買った。
笹まくらはおもしろいよぉ。
不同意。 あれはけっこうキツかった覚えが。 まぁ読んだの15年くらい前なので...
634 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/02/08(水) 04:13:23
俺は笹まくらが一番いいと思う。 何とも哀愁に満ちてるんだこれが。
最近復刊したんだったっけ?
笹まくら旅にしあれば・・・・・
横しぐれ→横死っていうのもあったな。
638 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/02/09(木) 23:07:59
俺も丸谷の長編で一本選べといわれたら笹まくらかなぁ。 虚子じゃないが、「戦中戦後つらぬく棒のごときもの」的な したたかな目線がある。最後がなんか嫁の万引きやらで ぐだぐだで終わるのがもったいないな。
639 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/02/12(日) 19:47:59
この人の文章って本当にキレイだよね。
たぶん、ロジックとレトリックの配分が完璧なんだろうな。 その点では谷崎にすら次ぐ存在かもしれん。
641 :
吾輩は名無しである :2006/02/14(火) 03:31:58
小林秀雄に代表されるような、ロジカルじゃないけどなんとなく美文、 みたいな文章が近代日本文学には多すぎるからな。 イロジカルな美文は詩でやれ散文でやるなと俺なんかは思うんだが。
馬鹿馬鹿しい。丸谷なんか、師匠格の石川淳と較べたら差は歴然だよ。
643 :
吾輩は名無しである :2006/02/14(火) 04:30:24
644 :
吾輩は名無しである :2006/02/14(火) 04:37:55
石川淳は漢学を知っているから中国の文献なんてスラスラ読めたはず。 むかしは美文家といえば漢文ができて、その表現を使いこなすことができる人のことだった。 例えば永井荷風など。
645 :
吾輩は名無しである :2006/02/14(火) 04:40:38
中国人が一番偉いということで
646 :
吾輩は名無しである :2006/02/14(火) 04:42:42
昔はそう思われていたようです(笑)
漱石もそうだったんだろうな。 『虞美人草』なんて、漢詩的表現に馴れてないととても書けない。
>>643 江戸っ子・夷齋先生のレトリカルな啖呵に、田舎っぺ才一君は到底及ばない。
そのことは丸谷本人が一番よく分かってるよ。
まあ岡山出身の内田百閧竭蜊繽o身の折口信夫が 東京人よりも東京的な趣味・嗜好を身に着けたのも事実だから。 あまり江戸っ子、田舎者って議論もどうかと思う。
651 :
吾輩は名無しである :2006/02/14(火) 22:41:51
石川淳ってロジカルか? 表面的に何言ってんだかわかんないのはこちらの教養のなさだとしても、そ もそも石川の文章に論理の筋なんか通ってないでしょ。 あれは小林秀雄的なはったり野郎だと思うが。
652 :
吾輩は名無しである :2006/02/14(火) 22:44:13
俺も石川は全然ロジカルでないと思う。
丸谷才一のレトリックが論理的だとでも?
654 :
吾輩は名無しである :2006/02/15(水) 00:25:38
好悪ではなく、論理的か否かを問うてるんでしょ。論理的でない返答ですね。
656 :
吾輩は名無しである :2006/02/15(水) 00:29:24
丸谷スレが一ヶ月足らずで100レス付くとは…… 1000までいったら、『樹影譚』重版。
657 :
吾輩は名無しである :2006/02/15(水) 00:34:44
>>655 いやいや、君はどう思うのさ?
丸谷才一のレトリックが論理的だとでも?
658 :
吾輩は名無しである :2006/02/15(水) 00:36:07
まぁ論理的ではないかもしれないように思われるところもあるような気がする。 もっとも、その非論理的なところからまた彼の味がにじみ出ているのも事実。 結局のところ、こういうのは好悪の問題だな。
>>657 653の如く問うてをる以上、論理的ではないと言ふに等しいのは知れたこと。
あなたは丸谷の文章を論理的だと思ふのですか?
【人気投票】 新々百人一首 1票
芸。それは芸。 おまえら馬鹿だな。
662 :
吾輩は名無しである :2006/02/15(水) 13:20:09
丸谷の文章は論理的だよ。 間違いなく論理的。 それは彼に間違いがないということを意味しないが。
無謬の論客なんていない。
664 :
吾輩は名無しである :2006/02/15(水) 22:39:24
丸谷とロジックという点で思い出すのは、どの著作だったか忘れたが 三島由紀夫に対して違和感を表明していたことだな。 丸谷は三島の『金閣寺』の「美に対する嫉妬」が理解できないと言ってた。 「美を所有するものに対する嫉妬」なら理解できるが、美そのものに対し 嫉妬を覚えるというのはよくわからない、と。 これは説得力あったよ。俺は丸谷ほど論理的な作家は見たことがない。
>「美に対する嫉妬」 小林秀雄の「花の美しさというものはない、美しい花があるだけだ」の ちょうど正反対の問題か。
>>664 『思考のレッスン』でも「三島の文章は、レトリックが派手でもロジックが
通ってないことが多いから評価できない」って書いてたよ。
まさに「美に対する嫉妬」がそのケースなわけか。
>>664 それだと論理的ってよりも屁理窟だなあ、残念ながら。
美そのものに対し、美ではなく美を所有もしない者が嫉妬するのは
普通に理解できることだもの。
『金閣寺』の主人公は女性的、ってことでいいぢゃん。三島はウケだし。
670 :
吾輩は名無しである :2006/02/17(金) 00:38:10
>>665 向井敏の文章読本読んでる?
だとしたら俺とお前はマジ友達
いや、丸谷と山崎正和の対談で知ったの(小林の著作は読んでない)。 残念。 山崎は「小林は抽象化を否定するのか」って批判してたね。
672 :
吾輩は名無しである :2006/02/17(金) 19:51:33
この人の文章は勉強になるね。
たしかに、反面教師になるね。 ちょっと気取りすぎて書いてるな、こんな風には書くまい、とかね。
「格調が高い」だろ。
ぷ。
677 :
吾輩は名無しである :2006/02/17(金) 20:14:31
そんなに気取ってるか?
542 :名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/18(水) 17:21:59
丸谷は修辭過多なんです。
>>534 「ちょつと氣取つて書け」といふはよいが、自分は氣取り過ぎて厭味。
言うは易し。ナマイキ言うもんじゃありません。
丸谷才一はいまだに生意気な中學生(舊制)。
681 :
吾輩は名無しである :2006/02/17(金) 21:45:00
谷崎の影響受けてそうだな。
『文章読本』でも『思考のレッスン』でも谷崎の文例を挙げてたしね。 どっちも「ロジカルな表現と詩的表現は矛盾しない」って考えてるところは同じか。
683 :
吾輩は名無しである :2006/02/18(土) 21:08:26
>>650 あんた一般書籍板の小林信彦スレにもいるだろう
684 :
吾輩は名無しである :2006/02/18(土) 22:20:37
学術的なものや、エッセイもいいけれど、もっと小説を書いてほしい。
685 :
吾輩は名無しである :2006/02/19(日) 01:25:46
『闊歩する漱石』は買ったか?
686 :
吾輩は名無しである :2006/02/19(日) 01:28:21
687 :
吾輩は名無しである :2006/02/19(日) 12:37:27
ハスミは横たわる漱石あんだがなぁ。
>>686 仕方ないよ「講談社」だから。
新潮・文春ならこんな扱いはしないだろうに。
>>684 書いたら書いたで長編になるしね。
ただ、長編執筆の間を中編で埋める人じゃないから...
690 :
吾輩は名無しである :2006/02/21(火) 05:18:53
>>688 新潮はともかく、文春だってかなりひどい。
丸谷の作品で最も売れたであろう『女ざかり』も、
丸谷の短篇で最も評価が高いであろう『樹影譚』も絶版にしている。
困ったものだ。
もう売れないものは、絶版にします。商売ですから当然です。
『女ざかり』が売れたのは、政治家の汚職事件が立て続けに問題になった時期で タイムリーだったのもあるのかな。
× タイムリー → ○ 際物
694 :
吾輩は名無しである :2006/02/22(水) 01:17:38
『女ざかり』が売れたのは筋立てが通俗的だったからじゃないかと思う。 『探偵たちよ、スパイたちよ』の解説で瀬戸川猛資は丸谷が同書で提唱した 「筋のねぢれの力学」というイディオムを誉めていたけど、『女ざかり』には そういう筋(ストーリー)の面白さがあった。 しかし丸谷は推理小説は結構読んでるけど、ハリウッド映画はあんまり観て いないのかな? それこそ映画は「筋のねぢれの力学」のオンパレードで、 そこから学ぶことも多かっただろうに。ましてや丸谷はグレアム・グリーンの 翻訳者なのにね。
695 :
吾輩は名無しである :2006/02/22(水) 01:41:05
映画はあまり見ないって告白してるね。 フェリー二は好きらしいが。
>>694 まあそうだろうが、それ以上に丸谷が「自民党おやじ政治」を
一種の「文化」として、文化人類学的観点から分析した面白さもあるんじゃないの?
『女ざかり』の出た頃は、「自民党おやじ政治」の権化とも言える中曽根や金丸が
権力を握ってたわけで、丸谷としても腕の振るいがいがあったんだろう。
ポトラッチ概念などを応用した糸圭秀実の『女ざかり』批判の方が、 ふざけてながら辛辣な評で、愉快だった。
698 :
吾輩は名無しである :2006/02/23(木) 12:54:53
糸圭秀実(笑)
しかし、『女ざかり』は丸谷の最後の「国家論」だったのだろうか? 『輝く日の宮』にはその片鱗すらないし。
700 :
吾輩は名無しである :2006/02/23(木) 15:28:15
700
701 :
吾輩は名無しである :2006/02/25(土) 20:57:22
輝く日のアゲ
702 :
吾輩は名無しである :2006/02/25(土) 21:13:49
>>606 でも、高くてきれいな声でも困る。
あれでいいんじゃないか?
703 :
吾輩は名無しである :2006/02/25(土) 22:26:46
ダミ声? どちらかというと高い声だと思うが。
704 :
吾輩は名無しである :2006/02/26(日) 23:06:31
文壇三音声(だっけか?)の一人、開高健の公演のテープを もってるけど、にちゃっとした悪声だったよ。
705 :
631 :2006/02/28(火) 11:36:06
昨日、『笹まくら』を読み終わった。
褒めてる人多いんで読み返そうと思ったっけ見つからなかったorz
707 :
吾輩は名無しである :2006/03/01(水) 04:43:26
「大学生のころ、髪をうんと長く伸ばしてゐたので、垂れ下つて、本が読めない」 (『男のポケット』139頁) マジで!?
708 :
吾輩は名無しである :2006/03/01(水) 09:31:54
709 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/03/01(水) 21:04:28
こんなスレ有ったんですね 「笹まくら」読んでる人全部で5人ぐらいしか居ないみたいで悲しい 丸谷の小説ではこれが一番だと思うよ これ読まずに丸谷批判してる奴はあまりにもったいないのでは・・・
710 :
吾輩は名無しである :2006/03/01(水) 22:07:14
「笹まくら」読んだの高校生の頃だったけど、当時文化祭の運営を めぐってクラスの中で孤立していたときだったので、むさぼるように 一気に読了したの覚えてるな。 「この国で孤立して生きるとはどういうことか?」みたいなテーマが 切実だった。終わりの方はなんかぐだぐだだった印象だけど。
711 :
吾輩は名無しである :2006/03/01(水) 23:47:13
笹まくら、何がいいってあの酔っ払いのとこ。 あれほど哀愁に満ちたシーンがあろうか。
45万部のベストセラー『嫌韓流』の第2弾 『嫌韓流2』発売中 駄作か傑作かは、買って自分で確かめよう
713 :
吾輩は名無しである :2006/03/02(木) 19:29:25
714 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/03/02(木) 19:32:22
712は誤爆だと思うんだけど「笹まくら」のレスの後に「嫌韓流2」ってのは時代を感じさせるな 最近のネットの世論からすると「笹まくら」はサヨクっぽく思えるかもしれないけど イデオロギー関係なしに小説として面白いと思うよ
715 :
吾輩は名無しである :2006/03/02(木) 22:02:38
>>714 丸谷の頭は非常に健康だよ。軍隊嫌い、戦争嫌いが過ぎるように
思えることもたまにあるが、いわゆる”サヨク”みたいな頭の不自由な
人間じゃない。丸谷は合理主義的、現実主義的にものを考えることが
できる人だからね。サヨクとは大違い。
あなたの思想を開陳するスレじゃあないよ
717 :
吾輩は名無しである :2006/03/02(木) 22:11:09
718 :
吾輩は名無しである :2006/03/02(木) 22:35:01
>>713 俺も随分前に読んだから詳しく覚えてないけど、
中尉か誰かがぐでんぐでんに酔っ払って、愚痴をこぼすシーンあったでしょ?
たしかもう食べ物がなくて死ぬという極限状況だったかもしれん。
文体に仕掛けがほどこしてある場面だが、技巧を感じさせない展開に
感心した覚えがある。
「男のポケット」「低空飛行」「女性対男性」みたいなエッセイもいいね
720 :
吾輩は名無しである :2006/03/03(金) 07:45:36
イギリスかぶれは左翼思想に染まりにくい
721 :
吾輩は名無しである :2006/03/03(金) 08:44:50
722 :
吾輩は名無しである :2006/03/03(金) 08:46:19
『笹まくら』を読んでいると、 他人の行動を深読みばかりしているくせに 自分自身の身の回りのことには浅薄な、 オレ自身を戯画化されているようで、なんだかいたたまれなかったよ。
723 :
吾輩は名無しである :2006/03/07(火) 04:22:55
今、『たった一人の反乱』の途中。
>>720 いいことじゃないの。
まあ、世代的に「進歩的知識人」が許せなかったてのもあるだろうな。
725 :
吾輩は名無しである :2006/03/07(火) 14:38:59
>>724 別に丸谷は進歩的知識人は叩いてないんじゃない?
谷沢永一のようなタイプとは違う。丸谷は政治経済に対する理解が致命的に
欠けているから、そもそも興味がなかったんだと思う。徹底的に文学の人。
政治経済に興味がなく、かつ思想に流されない強靭な思考力をもつ、その上で
はじめて丸谷みたいな人格ができあがるんだと思う。
まぁあれほど戦争と軍隊が嫌いなのに左翼思想に染まらなかったというのは珍しいよ。
726 :
吾輩は名無しである :2006/03/09(木) 07:59:23
>>725 >まぁあれほど戦争と軍隊が嫌いなのに左翼思想に染まらなかった
そういえばそうだ。
727 :
吾輩は名無しである :2006/03/09(木) 13:36:50
丸谷先生が母校にオックスフォード大辞典をくださいました。 ありがとうございます。
丸谷才一って小説で頭のいい男はモテるって話を延々繰り返してて、 この人の恋愛観はギャルゲー並だと思った
729 :
吾輩は名無しである :2006/03/09(木) 19:30:54
730 :
吾輩は名無しである :2006/03/09(木) 19:31:30
輝く日の宮 迅速な文庫化希望。
731 :
吾輩は名無しである :2006/03/09(木) 23:23:59
>>707 集英社文庫の『彼方へ』の顔写真、少し髪が伸びています。
その昔、森茉莉が『ドッキリチャンネル』で徳光和夫を評して
「丸谷才一もこんな顔だ」と言っていたことがあった。大笑いだった。
確かに、似てるかも。
『彼方へ』地味だけど、好きだな。
なんだかふっと淋しくなるような気持ちになる。
そういえば『にぎやかな街で』の中の短編「贈り物」
これね……ほんとにいいんだ。
気取れば気取るほど切なくなるような、そんな感じ。
>>728 男女交際なんかありえなかった大正生まれだし、仕方ない。
あの世代にしてはよく出来てる方だと思うよ。
>>729 大体どの小説でも、博識で頭のいい男に女が惚れるという構図。
渡辺淳一の小説も同じだねw
ほらみてみぃ、俺だけじゃ無いじゃんw
735 :
吾輩は名無しである :2006/03/10(金) 23:42:50
>>731 『笹まくら』は「兵隊に行かなかった不幸」を、
「贈り物」は「兵隊に行った不幸」を書いていると俺は思う。
だから「贈り物」は裏返しの『笹まくら』のように見える。
736 :
吾輩は名無しである :2006/03/11(土) 00:36:47
>>731 「いつもなら同じ『新古今集』の歌でも、恋歌をあれこれと落書きするのに、
なぜ今日はこう釈教歌ばかり頭に浮んで来るのかしら?」
『彼方へ』のこの書き出しを読んで、わたしはウーンと唸りました。
この登場人物は、まさに『新古今』を現代詩のやうに楽しむ女性です。
こんな人をさらりと小説に出せるのは、丸谷さんくらゐぢやないかしら。
737 :
吾輩は名無しである :2006/03/11(土) 01:07:25
736は
>>600 への返答だね。
往年(何十年前になるんだろ)の翻訳書、
グレアム・グリーン『負けた者がみな貰う』が復刊されてた。
けっこう面白い。
あんたとはもう少し仲良くしたいからさ。 オレだって夷齋先生は興味あるけど、近世文学の知識がなさ過ぎて二の足を踏んでるわけで。
>>739 俺(
>>734 )は
>>728-733 じゃ無いよ?
決して政治的な人間では無いつもりだけど、ノンポリ称揚の空気はちょっと
合わないので
>>716 でイケズw、それ以外だと他は
>>706 、
>>679 、
>>668 あたり。
ついでに言えば
>>642 も違う。最近は大人しいもんですww
『にぎやかな街で』は文庫で持ってるけど未読だった。読んでみようかな。
そういえば田久保スレで思い出したけど、講談社の『現代の文学34』にも
『贈り物』、入ってるね。
741 :
吾輩は名無しである :2006/03/11(土) 20:12:44
001:03/06/11 101:04/06/04 201:04/10/20 301:05/06/25 401:05/11/23 501:05/12/24 601:06/01/24 701:06/02/25 最初の100レスまでに1年…… さらに200レス付くのにさらに1年…… ところが400以後は一ヶ月ごとに100レス…… 何だか嬉しいぞ!
742 :
吾輩は名無しである :2006/03/11(土) 20:14:05
743 :
吾輩は名無しである :2006/03/11(土) 21:24:36
>>736 ちなみに、その歌とは
これやこのうき世の外の春ならん花のとぼそのあけぼのゝ空 寂蓮
舞台は1960年で、その当時ならではの名前がいろいろ出てくる。
浅沼稲次郎が暗殺された直後で、ケネディは選挙に勝ったばかり。
チェーホフのプロレタリア的解釈なんて、いかにもあの時代。
杉村春子に反旗を翻した三島由紀夫や福田恆存が好みそうな話だ。
ひんぱんに引用されるから、
先に『ワーニャ伯父さん』を読んでいた方が話を理解しやすい。
ttp://www.paburi.com/paburi/publisher/se/ma.shtml で立ち読みできる。
744 :
743 :2006/03/11(土) 21:36:06
>>740 そうなの?
また「過剰反応」したかな。
まああんたには色んなところで鍛えられたからな...
>>742 テレビは横浜戦と『プロ野球ニュース』しか観ないらしいし、
海老坂泰久や玉木正之のスポーツ物にもしょっちゅう言及してるしね。
海老沢に関しては文章家としても高く評価してるし(向井敏もそうだっけ?)。
辻静雄を引き合わせて『美味礼讃』を書かせるあたり、丸谷は「プロデューサー」としても
一流の存在なのかも。
746 :
745 :2006/03/12(日) 14:16:06
>海老坂泰久 「海老坂」じゃ『シングル・ライフ』の作者になってしまう...
747 :
吾輩は名無しである :2006/03/12(日) 22:07:35
>>745 『ただ栄光のために』の解説も書いてるよね。再録だけど。
とことん文章にこだわる、『文章読本』的なほめ方。
対談集の『大いに盛り上がる』でも横浜ベイスターズのことを話していた。
相手は山下洋輔と横沢彪。大江健三郎・井上ひさし、筒井康隆、山田詠美とも歓談。
この対談集おもしろいな〜。
ただ、「文藝春秋」3月号の対談によると、みのもんたのことは知っているらしい。
野球番組以外も観るのかな?
まあモーニング娘。のCDも聴いてるらしいし(@『花火屋の大将』)。
あるいはラジオを聴いているのかも。 (テレビは観ないがラジオは聴くって人は結構いる)
750 :
吾輩は名無しである :2006/03/13(月) 19:36:07
作家なんだから一応現代風俗に目を通すくらいはするだろ。 雑誌からの知識が多いんじゃないか。
751 :
吾輩は名無しである :2006/03/13(月) 22:36:15
>>748 息子がファンなのかも。
あの息子、顔写真見る限りじゃ絶対結婚しているように
見えないんだが、どうなんだろ。
752 :
吾輩は名無しである :2006/03/14(火) 23:00:28
この人の対談集何が好き? 俺は『20世紀を読む』。山崎正和との呼吸が名人芸並み。 ベスト・オブ・ベストの『半日の客 一夜の友』もいいけど。
753 :
吾輩は名無しである :2006/03/15(水) 20:47:24
歓談そして空論
754 :
吾輩は名無しである :2006/03/16(木) 01:45:45
>>752 中身の濃さでいうと、「半日の客」より「20世紀を読む」かな。
特に日蓮宗的風土と浄土宗的風土を図式化したあれは
すごいと思った。
丸谷と山崎の対談集はどれも内容濃いよね。
「日本の町」なんかも地味に好きだ。
あれだけ文体にうるさい丸谷才一が 渡辺・愉悦の花園・淳一の「失楽園」を書評で褒めている。 文壇贈与論と言わずして何と言えばいいんだ。
>>754 政治性もあるだろうが、単純に丸谷は性愛文学が好きなんだよ。
757 :
吾輩は名無しである :2006/03/17(金) 14:15:45
別に、丸谷が褒めたから売れたわけじゃないだろう。
758 :
吾輩は名無しである :2006/03/17(金) 14:23:30
「なぜ丸谷が褒めているのか分からない連中」と 「なぜ丸谷が褒めないのか分からない連中」のリストを作ると面白いかも。 前者の代表が渡辺淳一、後者の代表が水原紫苑か。
759 :
吾輩は名無しである :2006/03/17(金) 21:13:39
>>754 そうそう、賢治の日蓮主義とかね。
日本に「主義者」はいないと思われていたけど
実はいる、という主張には驚いた。
図式化といえば、エリアーデ論のところで
20世紀の思想を簡単に分類した手際にもしびれた。
「この中の一つだけを信じられた人はあまりいないと思う」
というのも納得できる。
規範がない時代はすばらしいのか恐ろしいのか、という幕切れも
うまく決まっている。やっぱり『20世紀を読む』がベストかな。
760 :
吾輩は名無しである :2006/03/19(日) 01:38:49
>>755 初耳。ちょっとショックorz 丸谷サン……なんであんなものを……
761 :
吾輩は名無しである :2006/03/19(日) 20:39:30
文章読本しか読んだことないのだけど、他に一冊よんどけ、ってのは何かしら。 それで打ち止めにしようと思うのだけれど。
かつて俺が...w青年は、短篇集『樹影譚』の中の、『鈍感な青年』を高く評価していたな。 あなたがまだ年若い人なら、それこそ数世代w前にとっての石坂洋次郎の様に楽しく 読めるんじゃないか? ただし「純情」な人に限るけどってアァッ!、俺またイジワルを(笑、 でもナイーブとかって、けっして悪口じゃ無いよね。響く心を持たない者に文学は無縁だ。 俺だったら読みやすさで、『女ざかり』を推薦。ってか今しがた十年振り位でページを めくってみたけれど、いいなぁあの会話文、柔らかくて、なだらかで、すぅっと抵抗無く 読む者の目から、「楽しい気持ち」へと直結していく。 うん、やっぱり丸谷文学は、20世紀後半の石坂洋次郎だよwww
あと、打ち止めだなんて、悲しい事を言いなさんな。これだけは読んどけって、試験勉強じゃ 無いんだからさ。読書なんか、ただ己の欲望と快楽に忠実なだけで良いと思うよ。 …って俺今やたらとオッサンモードw、俺より(まだしばらくは三十台)年上の方だったら ごめんなさい。
>>761 文章読本を読んで何ら感じるところがなくあと一冊で住むのなら、
何を読んだって同じだろうと思う。
765 :
吾輩は名無しである :2006/03/20(月) 14:52:55
このスレを、 『新々百人一首』をみんなで覚えるスレ にしようぜ!
>>761 まあ、『思考のレッスン』は読んどけ、と言っとくか。
あれは丸谷入門本だから。
>>765 あれは興味深かったけど、十三代集からも色々出してきたし、
「暗誦」には向いてない気もする。
初心者は万葉+八代集をおさえるところからはじめないと。
767 :
761 :2006/03/20(月) 22:33:18
みなさんありがとう! あげられてるやつは読んどくね!
丸谷七不思議あげるとしたら? ↓
言いだしっぺからドゾー(笑 ↑
ってまぁいいや、最近俺が考えていたのは、あの人私小説嫌いのくせに、 主人公の造詣が、やたらと丸谷本人を連想させるタイプである事w 同じ様な事を書いてる人が上にも居たけれど、俺自身最近『贈り物』を 読みかけて、確かにそうだなと。 短いものなのに一気に読まなかったのは、途中でお題が入ったから(笑、 とか言ってみるww
771 :
770 :2006/03/21(火) 10:36:09
うーんやっぱり造形の方が造詣より正しいかも。
772 :
吾輩は名無しである :2006/03/21(火) 12:06:59
『たつた一人の反乱』を読み終わつた。 『裏声で歌へ君が代』にとりかかるとしやう。
773 :
吾輩は名無しである :2006/03/21(火) 20:39:31
野球好きの丸谷才一に、ぜひともWBCについて一文書いてもらいたい。 どこかの新聞に寄稿してくれないかなぁ。
774 :
吾輩は名無しである :2006/03/21(火) 23:11:02
>>760 丸谷才一は以前「花柳小説名作選」っていうアンソロジー編んでて、
芸者が出てくる小説が好きらしい。一種の風俗小説として評価している模様。
だから点が甘くなるんじゃないかな。
「大いに盛り上がる」で渡辺淳一をほめたところ、
対談相手の筒井康隆が驚いていた。
>>770 私小説といっても、社会性のない私小説が嫌いらしい。
だから山口瞳『血族』は高く評価していた。
だいたい作者に近い主人公ってそんなに居るかな。
「エホバの顔を避けて」も「笹まくら」も「年の残り」も「彼方へ」も
「にぎやかな街で」も「たった一人の反乱」も「横しぐれ」も
「裏声で歌へ君が代」も「樹影譚」も「女ざかり」も「輝く日の宮」も
全然違うと思うけど。
強いて言うなら「笹まくら」は大学の職員、
「樹影譚」は作家ってところが近いかな。
本人を連想させるのは「贈り物」くらいじゃない?これは名作。
775 :
774 :2006/03/21(火) 23:18:38
>>760 いや、「失楽園」のヒロインは芸者じゃないけど、
渡辺淳一の作風全般がそんな感じってこと。
まあ「失楽園」はないだろうと思うけど、
小林信彦も「コラムは誘う」で「発端からしてうまいものだ」
なんてほめていて愕然としたことがある。
う〜ん、高齢の殿方はこういうのに弱いんだろうか?
776 :
吾輩は名無しである :2006/03/22(水) 06:31:30
丸谷を「楽しくは読む」けど「評価はしない」俺としては、ろくに物語が動かないこの作品は、
乱暴な言い方をすれば、ただ淡白な野郎のつまらぬ小話としか読めなかった。せっかく
アメノウズメ※2
夜這い
他人の交情の盗み聞き※3、しかも一方は自分の女
等の、物語的においしそうな部品が、短い中にもいくつも転がっているにもかかわらず、問わず語りの
語り手たる「ぼく」の、低級な趣味※4への関心の無さと、そのあっさりとした語り口ゆえに、部品は
はただ部品として抛り出されたまま。同じ材料で、もっと巧い書き方ってのはいくらも出来ると思う。
ただし褒めてる方も居るので、結局俺の感性に合わないんでしょう、丸谷のこういった「お上品」な
部分が。お上品な人間をお上品な人間として書くにも、じゃああれで語り手「ぼく」の何がしかが
十分に書き表されているかといえば、そんな事も無いわけで。
ごめんなさい、俺が読んだ丸谷の小説(
>>774 のうち『エホバの顔を避けて』と『彼方へ』、『輝く日の宮』
は未読。どうも『にぎやかな街で』は大分前に読んでたみたい、読み終えた後にそんな事をうっすらと)
の中でも、これはとりわけ評価できない部類の作品、俺にとって。
777 :
吾輩は名無しである :2006/03/22(水) 06:42:24
※1 一点、とても気に入ったのは次の文章、
“痩せこけた顔のところどころに、泪のしみがついている。そういう顔で、両眼をかたくつむって、そう呟いた。”
なんかとっても良い。この一文だけで俺の評価180度ひっくり返しても良いよw
文春文庫版『にぎやかな街で』162ページ六、七行目より。
※2 だよね、丸谷だしw
※3 コメ3とか付けちゃって丸谷とは全然関係無いんだけどww、連想したもの。お約束はバルビュスの
『地獄』なんだろうけど俺読んでないしw、代わりに茂吉の『滞欧随筆』は『接吻』の一を思い出した。
とっても良いよ。ググったっけ青空文庫にも入ってるのでよろしかったら。ただチューしてるだけだけどね。
http://www.aozora.gr.jp/cards/001059/files/42157_14195.html ※4 文春文庫155ページ九行目、“あいつ、農学校かなんか出ただけの男で、趣味が低級なんだ。”より。
※5 後、オチについてもいろいろと思うところあったけど、そんなの書き手の勝手だしね。
何故か最後w
>>774 …というわけで、丸谷の描くある種の人物像や、その描かれ方のあっさり加減がどーも俺大嫌いみたいでw、そこらへん
への反感が、読みかけの『贈り物』からの連想もあり、「主人公」とやちゃったみたい。いずれにせよどの作品も、読んだの
10年以上前でw、いい加減な事書いてすんまそん。ただしこのてのキャラ、丸谷作品に多く出てくる気がって、また根拠も
無くww 『女ざかり』における主人公の娘のボーイフレンド達とか、他にも結構居そうな、いや今すぐは思い出せないけどさ。
あと、人(と言える様な人)が二人いればそれは社会かと。って単なる俺の意見だけど。
あーいけね、
>>776 は、贈り物/文春文庫『にぎやかな街で』所収についての感想ねw
779 :
吾輩は名無しである :2006/03/23(木) 07:14:58
『裏声で歌へ君が代』 スタートしました。
780 :
吾輩は名無しである :2006/03/23(木) 21:25:39
781 :
吾輩は名無しである :2006/03/24(金) 07:26:51
>>780 どうした?仮名遣いがわからないのかい?坊や。
しやふ
783 :
吾輩は名無しである :2006/03/25(土) 18:24:09
>>782 残念ながら しやう だと思ふ。
何でもかんでも「ふ」を使えばいいといふものではないのだよ、坊や。
784 :
吾輩は名無しである :2006/03/25(土) 20:13:00
>>478-484 この鼎談、二回に渡って計十二時間討議して決めたと雑誌に書いてあった。
五十代の批評家二人と十二時間も論じ合える八十代ってすごいよ。
量だけじゃなくて、質もめちゃくちゃ高いしね。
丸谷才一の政治的閉鎖性を批判していた坪内祐三でさえも
集英社文庫ヘリテージシリーズ創刊記念の対談(池内紀と)を絶賛していた。
出典:『文庫本福袋』で『新曲』を評したときの文章。
歳の離れた若いヤツとの対談は、いい。 暗黙の敬意が反映してそこはかとなく偉く見えるし、 第一に経験知と量からくる差異は、 逆立ちしても埋めがたいものがある。年寄り有利。
786 :
吾輩は名無しである :2006/03/26(日) 05:15:22
>>784 少しスレ違いになるが、
池内紀のカフカ全集が、白水社から文庫化されたね。嬉しい。
白水社Uブックスは、厳密には「文庫」ではないが。
あと、ヘリテージシリーズでは「失われた時を求めて」の全訳が刊行開始。
これも嬉しい。
787 :
吾輩は名無しである :2006/03/29(水) 16:13:43
どの小説も、ディテールが奇妙にリアルなんだ。
788 :
吾輩は名無しである :2006/03/29(水) 17:12:24
>>784 せっかくここまで対談したんだから、
世界文学全集、やっぱり出版しなきゃ!
と思いません?
789 :
吾輩は名無しである :2006/03/30(木) 17:49:14
アゲ 上げ 挙げ 揚げ
790 :
吾輩は名無しである :2006/03/31(金) 17:09:52
ところで「さんま坂」といふ地名は地元で定着してるのでせうか。 なかなか愉快な命名だと思います。
>>790 普通にスルーされてる気がする。去年近所に越したけど、
周辺を探索してみても、いまいち位置関係がわからない。
日の丸自動車教習所あたりから結構な急坂があるんだけど、
別にあじさいが植わってあるマンションも見かけないし。
792 :
吾輩は名無しである :2006/03/32(土) 01:35:58
793 :
吾輩は名無しである :2006/03/32(土) 22:20:26
>>788 思う思う。
岩波か国書刊行会あたり、社運をかけて出版してくれないだろうか。
ただ、このセレクションはミステリの選択が弱い。
警察小説をシムノンで一巻はないでしょう。ドイルでさえ1/2巻なのに。
マクベインの87分署シリーズも入れないとバランスがとれない。
ハイスミス二作も多すぎる。『太陽がいっぱい』だけでいいんじゃない?
そこらへんを微調整してから、大々的に出版してほしい。
どこか、気骨のある版元はいないかな〜。
794 :
吾輩は名無しである :2006/04/02(日) 07:05:24
そういえば、岩波書店って世界文学全集を出したこと、あったっけ? 筑摩や新潮、集英社……とかは見たことあるけど、岩波って見たことない。 岩波よ、この辺で、一発、ガツンとやってくれ!
795 :
吾輩は名無しである :2006/04/05(水) 07:29:24
『エホバの顔を避けて』を読んだことのある人はいますか……?
>>795 読んだよ。
最後の部分は読んでて恥ずかしくなった。
797 :
吾輩は名無しである :2006/04/06(木) 20:55:57
書き出しはかうなつてゐる。(少し改行あり) 「 エホバよ、わたしはあなたの顔を避ける。その輝かしい彩りを、その歌声のきらめきを、わたしは避ける。 エホバよ、あなたわたしの幸福を、さう、たとひそれがどのやうに小さなものであつたにせよ、やはり確かに存在してゐたわたしの幸福を、憎んだのであらうか。 憎しみのためでなくしてなんの故をもつて、わたしにあのやうなことを命じたのであらうか。エホバよ、あなたはその厳しくて黒い響きを、なんのために鳴らすのか?エホバよ、あなたのその執拗さは、いつたい何に由来するのか? あなたはわたしを追い、わたしに迫る。そしてわたしは、あるひはあなたの顔を避け、あるひはあなたの声に従ふ。だが、従ふときはあなたはゆるさず、避けるときにもなほわたしを責めるのである。」
798 :
吾輩は名無しである :2006/04/06(木) 21:13:35
>>478-484 どうも中国文学に冷たいような…。
中野美代子訳『西遊記』は入れるべきだと思う。
ハメットとチャンドラーの巻には、
J・M・ケイン『郵便配達夫は二度ベルを鳴らす』と
ロス・マクドナルド『さむけ』を付け加えた方がいいのでは?
でも12時間……。タフだなあ。脱帽する。
799 :
吾輩は名無しである :2006/04/07(金) 06:19:47
>>798 連続12時間じゃなくて、計12時間じゃね?
800 :
吾輩は名無しである :2006/04/07(金) 06:22:53
>>798 中野美代子訳『西遊記』 はたしかにいいが、
四大奇書の中から選ぶなら、翻訳の善し悪しに関わらず、西遊記よりも金瓶梅、
ということじゃないかな。
801 :
吾輩は名無しである :2006/04/08(土) 19:35:50
ヘンリー・ミラーとアナイス・ニンで1巻というのも面白いけど、 イプセンとワーグナーで1巻という組み合せはすごく濃い。 鼎談によると、19世紀の戯曲をこの二人に代表させたとか。 そういえばワーグナーを文学として見たことなかったな。
802 :
吾輩は名無しである :2006/04/08(土) 21:07:32
個人的にはドイル/ウェルズとヴェルヌ/ルブランの対比が新鮮。 ドイルとルブランの、ヴェルヌとウェルズの対比は有名だが、二人づつ纏めると イギリスとフランスそれぞれのSF&ミステリの始祖として対になる、という 当り前のことを強く認識させられた。
803 :
吾輩は名無しである :2006/04/09(日) 09:13:20
ルブランも挙げてるの? 鼎談は未読だが、堀口大學(ルブランの訳者で有名)好きな丸谷らしいな。
804 :
吾輩は名無しである :2006/04/10(月) 20:46:34
『ドン・キホーテ』のときも、 堀口大學の訳(正編しかない)を 「フランス語からの重訳だけど、 詩の訳し方が抜群にいい」と絶賛。 (結局ほかの訳にしたんだっけ?) ジャン・ジュネからも 堀口訳『花のノートルダム』を選んだ。 でも新潮文庫のジュネは絶版なのが残念。 河出文庫からは二冊でているのに。 新潮社、復刊してくれ〜!
805 :
吾輩は名無しである :2006/04/10(月) 21:21:52
「泥棒日記」は出ているけどね。絶版なのは「花のノートルダム」。 泥棒といえば、ピカレスクの古典「ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯」 を入れているのが渋い。いまアマゾンで見たけど、カミロ・ホセ・セラが 「ラサリーリョ・デ・トルメスの新しい遍歴」xていう続編を書いているらしい。 知らなかったな〜。でもこれも品切れだ。くううううう………。
806 :
吾輩は名無しである :2006/04/10(月) 23:03:08
ホフマンスタールを入れているあたり、この人らしいね。 フランス文学が多いのは鹿島茂の意向かな? サルトルとジュネとポリス・ヴィアンの一巻はなんだか嬉しい。
これリスト見ているだけでも楽しいよね 未読の作家が増えて困るけどw
808 :
吾輩は名無しである :2006/04/12(水) 14:18:49
>>806 ハプスブルク帝国を礼讃してる丸谷だからな。
(『二十世紀を読む』読まれたし)
809 :
吾輩は名無しである :2006/04/26(水) 01:21:46
>>806 それに伴うのがロート『ラデッキー行進曲』てのがまたいいね。
>>478-484 詩はパラレルテキスト(原文と訳文両方)にするらしいけど、
それならオマル・ハイヤーム『ルバイヤート』全日本語訳を
一挙に並べてはどうだろう。あれは名訳ぞろいだからなあ。
810 :
吾輩は名無しである :2006/04/29(土) 12:16:34
この人が博覧強記なのは認めるが、割とネタの流用が多いのも事実だな。 山崎正和との対談のネタはしばしばエッセイに出てくるし、 『輝く日の宮』の源氏ネタは大野晋との対談(『光る源氏の物語』)から かなり流用されてる気がする。
811 :
吾輩は名無しである :2006/05/01(月) 17:04:14
【お手本】美しい日本語【作家】 57 名前: 吾輩は名無しである [sage] 投稿日: 03/07/26 16:59 丸谷才一さんは、うまいですね。やっぱめちゃくちゃ言葉が美しい。 68 名前: 吾輩は名無しである 投稿日: 03/11/25 07:39 現代日本は文体が失われていると主張する、丸谷才一。 143 名前: 吾輩は名無しである 投稿日: 2006/02/13(月) 20:11:03 丸谷才一で決まり 145 名前: 吾輩は名無しである 投稿日: 2006/02/16(木) 17:23:17 谷崎潤一郎、三島由紀夫、丸谷才一の三人の代表作を、じっくり何度も読めばだいぶコツがつかめるだろうよ。 と、美しい日本語スレで度々名前が出てくる丸谷才一。 この人の作品を読んでみたくなったので、オススメの作品を教えて頂きたいのです。 なるべく、「美しい日本語」という観点で、選定してくれるとありがたい。 どうかお願い致します。
812 :
吾輩は名無しである :2006/05/01(月) 19:01:15
「美しい日本語」……なんか、このごろ流行ってますね、このフレーズ。
美しいというよりは、 ・平易な言い回しを中心に読みやすく分かりやすく書く ・日本語で文章を書くということに対する意識が高く、 文章構造が理解しやすい構成になっている というような、全体的に「上手い」印象がある。 だから、絢爛豪華な美文とか、一目見て忘れがたい名台詞とか、 そういう意味での"美しい日本語"を求めるのであれば、お門違いだろう。 斎藤孝的"美しい日本語"なら少しは近いかもしれないが、 そうだとしても、丸谷の文は普遍的に良いと言うには 少々「丸谷節」が強すぎるような気がする。 もちろん、その「丸谷節」はとても様になっているし、個人的には大好きなんだが、 それは「美しい日本語」として挙げられるようなものとは、少し違う。 というわけで、まずは文庫でエッセイか評論でも当たってみるほうがいいと思うが。
丸谷の文章を美しいと思ったことはないけどな。 きわめて論理的で、抽象的な美文に逃げないという点では 評価できるけど、この人の文章は散文の極北でしょう。 頭のいい人だけが理解できる美文という感じかな。
815 :
吾輩は名無しである :2006/05/03(水) 23:56:44
「散文の極北」というと、丸谷さんの師匠(?)の石川淳を真っ先にあげたくなるな。 なかでも「夷斎筆談」は傑出している。 その「方法」は、アランの散文論に詳しいね。
石川淳のスタイルは個人的には好き。けど、とても散文の極北とは言えないねえ。 誉め言葉としていうのだが、ありゃナルシシズムに囚われた粋人の与太だよ。 だから話半分で聞き流すのが丁度良いのさ。 何故だかわからんのだが、丸谷の文章にはきちんと耳を傾けたくなる。 まあ、要は品性の相性なのかなと思っている。
817 :
吾輩は名無しである :2006/05/04(木) 11:54:33
確かに、「丸谷節」としか言いようのない独特の癖はあるかもしれんが (だから清水義範に真似される)それを差し引いても品性のある文章だと思う。 どこまでが「癖」か見極められれば「お手本」にもなるだろうな。 (それとも、それが分かる奴に手本は必要ない?)
818 :
吾輩は名無しである :2006/05/06(土) 21:26:58
美しい日本語を見つけるのがうまい人、という風にとらえるのがいいんじゃないかな。 『寒村自伝』をほめた「あの少年のハーモニカ」なんてすばらしいもの。
819 :
吾輩は名無しである :2006/05/06(土) 22:00:42
>>478-484 いいセレクトだと思う。
でも、タゴールやハリール・ジブラーンの詩も入れてほしい。
こういうのは欲を言うときりがないけどね。
>>810 山本夏彦のように、スタンダード・ナンバーとして
楽しんでいるファンが多いんじゃないだろうか。
自分も "御霊信仰とカーニバル" とか言われると
「きたきた!」と声をかけたくなる。
820 :
吾輩は名無しである :2006/05/07(日) 11:24:18
>>819 >スタンダード・ナンバー
言われてみればそうか。
最近、批評集第四巻の『近代小説のために』を読んだが、
ジョイス論も(若き芸術家の肖像しか読んでないオレには)
最初は小難しかったが、後半になると「あ、なーんだ。
いつものネタか」って感じだったな。
こういうのを「楽しみなお約束」っていうんだろうか?
821 :
吾輩は名無しである :2006/05/10(水) 18:49:13
>>818 中公文庫の「みみづくの夢」所収の奴な。
あの本は非常にすぐれた論文を集めていたね。
「司馬遼太郎ノート」なんかしびれたなぁ。負けるに決まっている戦争に
駆り立てられた若き日の司馬遼太郎と大野晋は、それぞれ日本民族の
能力について疑問を抱き、司馬の場合は民族の歴史へ、大野の場合は
民族の言語へと関心を持った―――。
実にあざやかな分析だと思う。司馬は先の戦争を観念的に扱おうとしない。
あの戦争が正しいか正しくなかったかには触れず、負けるに決まってる戦争を
負けるに決まってるやり方で遂行した軍部が悪いんだ、と。
この辺の勘所を分かっている人は少ないんじゃないかなぁ。司馬と丸谷に
共通点があるとすれば、それは強靭な合理主義なんだよな。
822 :
吾輩は名無しである :2006/05/10(水) 21:04:02
丸谷才一スレがあるというだけでも嬉しい。 彼の文学を読んでいる人間はオレだけじゃないと思えるだけで嬉しいじゃないか。 オレの周りを見ていると、オレだけだなと思ってしまうので。
思いっきりスレチだけどw、とにかく
>>821 を受けて。
じゃあ勝てる見込みがあれば侵略戦争してもいいってかw
――司馬がキーンとの対談「日本人と日本文化」で、神道への(あくまで心情的な)
擁護をやっててね、ああやっぱりコイツも刷り込みに抗し得ないただの馬鹿かと、ひどく
呆れた覚えがある。こころにアンタッチャブルな領域を抱えたままで合理主義も何もあるかい、
やれ保守だ、現実性だなんていうお題目は、自らに切り込むことが出来ない、アタマの悪い
奴の決まり文句。まずもって目指すべきヴィジョン、というよりはそれへとまっすぐに
向かおうとする誠実なこころざしがあって、次に(それを現実化するための方便がある。
逆ではない。
その辺りへの認識がない者を馬鹿といい、判った上で背を向けるものを下衆という。
とにかく俺は、徹底して一個の人間として考える、これ以外のどんな立場からの思考も、
それがいかに深いものであれ知性とは呼ばない。司馬みたいなのは、ただの馴れ合いと自己
(ないしは自分が属するとされるものへの)弁護に過ぎないって。馬鹿の考え休むに似たり
(下手の〜の誤用?)っつーだろ、要はそこいら中で馬鹿共がいつもやっていることと、
本質的には何も変わらん。まー俺もよくやるけど、でも自覚あるだけまだマシかと。
次に(それを現実化するための方便がある →次に(それを現実化するための)方便がある
825 :
吾輩は名無しである :2006/05/11(木) 15:01:22
>>823 お前は観念的な立場があるとでも思ってんのかよ。
826 :
吾輩は名無しである :2006/05/11(木) 16:28:19
煽るのはいいが、人に判るように書け馬鹿。
827 :
吾輩は名無しである :2006/05/11(木) 17:02:17
文学アルバム芥川編のラストに、この人の文章がちょこっとだけあったんだが、 美文家といわれる理由がわかった気がする。 著作はいろいろあるみたいだけど、評判がいいもの、教えていただけませんか?
短編では「樹影譚」の評価が高い。
829 :
吾輩は名無しである :2006/05/11(木) 21:37:28
短編集『樹影譚』は、表題作も悪くないが、 『鈍感な青年』もまたなかなかいいのだ。
830 :
吾輩は名無しである :2006/05/15(月) 10:49:33
あああ、裏声、読まなきゃ!
831 :
吾輩は名無しである :2006/05/16(火) 21:20:23
6/15 『輝く日の宮』文庫化(講談社文庫)!! いよぉぉぉっっっっしゃああああ!!!
832 :
吾輩は名無しである :2006/05/17(水) 11:55:20
これで『後鳥羽院』が文庫化されれば何も思い残すことはない。
>>831 おらっしゃあああああああああ!!!!
待ってたぜ
834 :
吾輩は名無しである :2006/05/19(金) 21:25:32
『輝く日の宮』 記念アゲ
『山吹』に出てくる小糸川子爵夫人縫子とかいう淫奔女は、 飛び切りの阿呆だねぇ。 あんな厭らしい瘋癲爺を相手にするくらいなら、 ダンディな画家のほうを罠に嵌めてしばき倒して暮すほうが、 よほど愉快じゃないか。
こん畜生! 誤爆だよ。
樹影譚がどうしても手に入りません!先生!!
838 :
吾輩は名無しである :2006/05/20(土) 07:56:33
>>837 オレも。
仕方ないから図書館で読んだ。
読んでしまったら、ますます欲しくなった。
この人の小説も面白いけど、やっぱ本筋の仕事は軽いエッセイなんじゃないかと思う 「男のポケット」とか「女性対男性」なんか持って風呂に入るとのぼせてしまう 湯気でしけって3倍ぐらいに膨れ上がった文庫本大切にしてますw
840 :
吾輩は名無しである :2006/05/21(日) 17:43:01
>839 いや。少なくとも、長編小説は全滅!
「笹まくら」面白かったけどなぁ まぁ好き好きだけど
「裏声で歌へ君が代」は、なんかエッセイみたいに読んだなあ。 台湾や君が代の薀蓄が楽しくて。 ストーリーも面白かったけど。
843 :
吾輩は名無しである :2006/05/22(月) 13:17:28
『たつた一人の反乱』が「あざとい」っていう奴もいるのは分かる。 ああいうかなり多数の登場人物がそれぞれ絡み合って事件を引き起こす、 って内容は「私」主体になりがちな日本文学ではあまりないだろうから。
ふうkじゅふ
845 :
吾輩は名無しである :2006/05/23(火) 07:13:37
846 :
吾輩は名無しである :2006/05/28(日) 11:57:08
アゲ
847 :
吾輩は名無しである :2006/05/29(月) 00:37:51
>>843 ある意味ハリウッド映画的なんだよな。ハリウッドの秀作は伏線はりまくって
それが一本に収斂されていくダイナミズムが作劇上のテクとしてすごいんだが
(丸谷が推理小説を評した言葉である「筋のねぢれの力学」という奴)、全然
たいしたことないが方向性としてそれを志向しているのが丸谷の長編だと思う。
848 :
吾輩は名無しである :2006/05/31(水) 12:04:20
むしろ最近のヨーロッパ映画に近いと思う。 その割りに映画には興味はないらしいのだが...
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/book/1130558020/ 121 :吾輩は名無しである :2006/05/27(土) 09:33:17
>>119 いや誤りだよ。「共同体」の一言で、宮廷と庶民とを一緒くたにした強弁(
>>99 参照)。
そもそも、種本であるJ・E・ハリスンらケンブリッジ人類学派なんて
既に学問的に誤りと判明しとる(柳沼重剛「悲劇の起源は祭祀か」『現代思想』1973.8参照)。
122 :吾輩は名無しである :2006/05/27(土) 09:58:16
こんな感じかな。
ケンブリッジ・リチュアリスト(ハリスン、ギルバート・マリー他)
↓折口信夫→山本健吉
丸谷才一
末端にゆくほど誤謬も甚だしい、ってか?
王朝和歌・文学は「呪術的文学観」じゃないと説明できないものが多い。
「呪術的文学観」は説明になってないものが多い。
吉田健一が折口信夫を「学問ができて文学もわかる数少ない人物」と評価したのも事実。
能なんてほとんどオカルトだぞ。 「呪術」以外の何で説明できるんだ。
>>852 『文学が文学でなくなる時』は読んだかね。
吉田健一は文学を学問にすることに反対だった人だ。
したがって彼の文学研究評価などあてにならん。
>>853 何か怪しいものを呪術と呼ぶだけでは、
ブラック・ボックスの名称を変更しただけで、説明になってない。
855 :
サチ :2006/05/31(水) 23:34:06
丸谷才一スレ発見、みなさんに教えていただきたいことが…。 笹まくらに出てくる、「残躯」とは本全体の中でどういう意味なのですか?
856 :
吾輩は名無しである :2006/06/01(木) 05:50:11
>>855 戦争が終わり大学職員として平凡な日常を生きている現状のことじゃないかな。
徴兵忌避者として全国を転々としていた頃が戦いの日々だった、と。
857 :
吾輩は名無しである :2006/06/01(木) 07:47:31
>>856 おれ855じゃないけど、
お前、説明うまいな。
そうだ。『笹まくら』もう一度読んでみよう。
あれは再読に値する小説だ。
858 :
サチ :2006/06/02(金) 00:21:35
なるほど!納得しました。平凡な日常を生きている彼は、中身がなくなってしまったような気もちなんでしょうね。必死で働いた会社を定年退職になった父の気持ちもなぜかわかった。 ありがとうございました。私もまた読み直します。
859 :
吾輩は名無しである :2006/06/02(金) 16:34:16
ブックオフ「女ざかり」100円
860 :
吾輩は名無しである :2006/06/03(土) 16:55:17
五十円でも高いよ、あんなの。
猫だって夢を見るを読みました
863 :
吾輩は名無しである :2006/06/04(日) 05:59:11
『女ざかり』再版してくれ〜。
864 :
吾輩は名無しである :2006/06/09(金) 15:21:25
>>822 ちよつと疑問に思つたのだが、丸谷ファンに女つてゐるの?
今このスレに女ゐたら反応されたし
どうでもいいことを。てか、荒れる元なのでやめれ。
866 :
吾輩は名無しである :2006/06/09(金) 17:13:25
867 :
吾輩は名無しである :2006/06/10(土) 17:56:08
868 :
吾輩は名無しである :2006/06/10(土) 19:11:44
ここまで読んだ。 ……………………(キリトリ)……………………
870 :
吾輩は名無しである :2006/06/10(土) 19:19:00
死ね屑。
871 :
吾輩は名無しである :2006/06/13(火) 18:01:15
鈍感な青年あげ
やー、『笹まくら』、やっと出てきましたw 他に発掘したのは『低空飛行』、『男のポケット』、『桜もさよならも日本語』、 『日本語のために』、『女性対男性』、『大きなお世話』、『食通知ったかぶり』、 『遊び時間2』、『日本文学史早わかり』、『彼方へ』の十冊。…うーん、 どれもほとんど覚えてないよ、ラッキーww
873 :
吾輩は名無しである :2006/06/15(木) 17:46:59
今日本屋に行ったら、『輝く日の宮』の文庫本が出てた。 感動。
874 :
吾輩は名無しである :2006/06/15(木) 23:36:32
>>873 輝く日の宮ってストーリイは全然面白くないが、雑学の質と量がすごい。
言わば巨大な薀蓄本だね。
875 :
吾輩は名無しである :2006/06/20(火) 08:58:36
『樹影譚』………… なぜこのような本を絶版にするのか。 文藝春秋の見識を疑う。
877 :
吾輩は名無しである :2006/06/23(金) 12:53:34
>>874 個人的には、中村真一郎の『雲の行き来』をヒントにしたのではないかと思う。
あれこそ小説の形を借りたエッセイ&評論だから。
>>875 そんなこと言ったら講談社なんかもっと凄いことになるぞ。
878 :
吾輩は名無しである :2006/06/23(金) 20:33:55
とにかく絶版が多すぎる。 まだ現役なのにこんなこと言うのは何だが、 全集を出してもらえないか?どこでもいいからさ。
879 :
吾輩は名無しである :2006/06/23(金) 21:00:34
売れないものに人々は興味などない ただのくず本
880 :
吾輩は名無しである :2006/06/23(金) 21:03:21
人々などに興味はない そんなのはただのくずの集まり
Mixiの丸谷才一コミュ「樹影譚」談義などを見てる人がここには数人はいるはず
882 :
吾輩は名無しである :2006/07/05(水) 03:29:51
mixiやってないからわからん 樹影譚なんかは語りたいこといっぱいあるけどな
アンソロジー、
>>596 の他にも『現代の世界文学 イギリス短篇24』
なんてのがあるね。
884 :
吾輩は名無しである :2006/07/16(日) 10:54:35
mixi見てみたいな。
885 :
吾輩は名無しである :2006/07/19(水) 03:22:57
個人情報が出るってんでmixiは敬遠してたけど、丸谷ファンが集まってるなら 興味はあるな。
886 :
吾輩は名無しである :2006/07/19(水) 12:51:34
あとは『後鳥羽院第二版』文庫化だな。
887 :
吾輩は名無しである :2006/07/19(水) 13:06:00
尾崎紅葉『多情多恨』岩波文庫新版の解説も書いてる。 中公文庫の間違いとしか思えないような綺麗な装丁で 丸谷の解説なしでも楽しめる本。
888 :
吾輩は名無しである :2006/07/19(水) 13:07:49
889 :
吾輩は名無しである :2006/07/19(水) 13:09:19
多情多恨 読んでみるわ。
890 :
吾輩は名無しである :2006/07/19(水) 13:15:40
篠沢秀夫のフランス文学講義を読んでいるのだが、
「フランス(現代)文学は17世紀古典文学がバックボーン」って主張してるのが
「王朝和歌・物語文学は日本文学がバックボーン」って言う丸谷と被る。
篠沢さんは文体学の人だが、丸谷の言ってることある意味篠沢さんに通じるのかも。
(「伝統」をかなり深層レベルで捉えてるところも似てるし)
>>889 どうぞ、読んでください。
「なるほど、これなら丸谷が絶賛するわけだ」と思うこと必至。
891 :
890 :2006/07/19(水) 13:16:18
「王朝和歌・物語文学は日本文学のバックボーン」だな、失礼。
892 :
吾輩は名無しである :2006/07/20(木) 00:22:12
文の流れからいって、 「日本文学は王朝和歌・物語文学がバックボーン」 のほうがいいな。
893 :
吾輩は名無しである :2006/08/02(水) 05:59:19
>>491 ウェルギリウス
オウィディウス
>>493 ホラティウス
>>793 マクベインの87分署シリーズ
>>793 中野美代子訳『西遊記』
J・M・ケイン『郵便配達夫は二度ベルを鳴らす』
ロス・マクドナルド『さむけ』
>>809 オマル・ハイヤーム『ルバイヤート』全日本語訳
>>819 タゴールやハリール・ジブラーンの詩
以上、丸谷・三浦・鹿島選の架空文学全集に追加するラインナップです。
ドス・パソス『USA』は? と思ったけど、全訳出てないんだった。
>>893 オウィディウスは『変身物語』、ウェルギリウスは『アエネイス』でいいと思うけど、
ホラティウスはどうしようかな...
895 :
吾輩は名無しである :2006/08/12(土) 20:02:14
絶版多すぎ。 やっぱ人気ないのかねぇ。 オイラとしてはもう全集出してほしいんだけど。
全集は死んでから
897 :
吾輩は名無しである :2006/08/13(日) 01:23:25
このおっさんのどこがおもろいのかわしに教え
898 :
吾輩は名無しである :2006/08/13(日) 03:07:56
>>897 そうですか。面白くないですか……。
残念です。
899 :
吾輩は名無しである :2006/08/16(水) 01:31:37
『20世紀を読む』だったと思うけど、 『ゴドーを待ちながら』は『神のような変なものを待ちながら』 と訳すのがいいんじゃないかと言っていて、 大笑いしたあと、妙に納得した。
あの対談だけ(他の丸谷・山崎対談に比べて)やけに難解だったのが不思議。
901 :
吾輩は名無しである :2006/08/18(金) 22:48:03
「20世紀を読む」の農民的×商人的、浄土的×日蓮的のあの チャートは面白かった記憶がある。 評論という分野で戦後突出してるのは丸谷と山崎じゃないかな。 他はイデオロギッシュだったり知的こけおどしだったりで、意味不明なの ばっかりだから。
篠田一士や向井敏を入れてもいいんじゃないの。 あっちも「意味不明」ではないし。
903 :
吾輩は名無しである :2006/08/23(水) 21:34:32
『千夜一夜物語』は1巻で足りるんだろうか。 あと、『ラーマーヤナ』『封神演義』も入れてほしい。 ミステリ枠SF枠があるんだからファンタジー枠もってことで『指輪物語』も。
904 :
吾輩は名無しである :2006/08/23(水) 22:44:53
>>903 >『千夜一夜物語』は1巻で足りるんだろうか。
言われて気付いた。たしかにかなりきついね。
905 :
吾輩は名無しである :2006/08/24(木) 13:11:12
イギリスは名だたる児童文学王国だが、 丸谷がドリトル先生やナルニア国物語とかを論じた文章はあるのかな? ドリトル先生の一部の作品は「文明批評」としても面白いし。
906 :
吾輩は名無しである :2006/08/24(木) 22:41:01
児童文学についての記述って記憶にないなぁ。 『蝿の王』が児童文学の枠組みをつかってどうのこうのっていう評論を 読んだ記憶はあるけれど。
907 :
吾輩は名無しである :2006/08/24(木) 22:51:29
この作家はゴミでさう。
908 :
吾輩は名無しである :2006/08/25(金) 03:02:04
>>907 君はきっと……「でさう」じゃなくて「でせう」って書きたかったんだよね?
ぷ
907 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2006/08/24(木) 22:51:29 この作家はゴミでさう。
910 :
吾輩は名無しである :2006/08/26(土) 00:19:28
直木賞が載っている「オール讀物」で久しぶりにこの人のエッセイ読んだけど、 いやうまいうまい。旧友の思い出、ダビデの伝説、イチローの活躍。 関係なさそうな話題を「投石」でまとめる手腕(豪腕?)はお見事。 八十代なのに、ぜんぜん枯れていないんだよね。
911 :
吾輩は名無しである :2006/08/26(土) 19:03:42
>>910 そうだよなぁ。かんがえてみればもう80越えているんだよなあ。
この人の作家兼評論家としての功績は大いに認めるけど、 批評家としてはダブルスタンダードとしか思えないところがあるのも事実。 あれだけ「文章」にこだわるわりにそれほどいい文章家とも思えない リンボウや辻静雄、山本健吉を褒めたりしてるし。 辻や山本は文章よりも「内容」を買った結果かも知れんが、 個人的には文章がダメと言う時点で評論家としては消えるしかないと思うし。 魯山人や安東次男はずっと生き残るだろうが。 向井敏になると、「文章」以外の何物も信じてないってことで ずっと首尾一貫してるのに。 確かに向井は「宮脇俊三の文章は適度なユーモアという点で 洒落が過ぎる内田百闊ネ上」みたいにかなり奇抜なことも言ってるのだが、 丸谷が「サラダ記念日」や「失楽園」を褒めるよりもずっと好感が持てる。 まあ、完全に首尾一貫してる評論家なんて珍しくて、 向井みたいなのがむしろ例外なんだろうけど...
913 :
912 :2006/08/30(水) 10:03:39
「小説家兼批評家」の方が良かったな。
>>912 向井は天然だけど、丸谷は政治家だからね。
それもあるだろうけど、 やっぱり理屈が先行しすぎるんだろうな。 向井だって本音では「恋愛なんて人間の一大事じゃない」って思ってるんだろうけど、 「文章至上主義」の結果として村上春樹とか褒めたりしてるし、 どこかで「理屈」を抑えているような面白さがあるのに。
まあ、某ライバル評論家みたいなイデオロギー馬鹿ならこんな苦言は呈さないだろうな。
ボートの3人男を読んだ。 時々どうしようもなく美文調になったり、現実に引き戻されたりするのが可笑しい。 天国の酒=仙酒、成る程。ネクターって言われても自分だと桃のアレしか思いつかないし。 けど「バレエ」が「バレー」なのが気になる。
918 :
吾輩は名無しである :2006/09/09(土) 18:07:20
>>478-484 サッカレーもスターンもないのが不思議。
いかにも丸谷さん好みの小説なのに。
919 :
吾輩は名無しである :2006/09/09(土) 19:04:30
ハァ?
スターンは
>>478 の(14)にあるだろが
おまい字読めないの?
920 :
吾輩は名無しである :2006/09/10(日) 18:02:27
>>920 またこの3人か。三浦はまだいいんだけど、鹿島がちょっと好きじゃないんだよなぁ。
顔見てもわかるけど、品がないよね鹿島は。
下品と言うか、丸谷に比べるとほんの少しだけ鋭さが足りないんだよな。 エッセイもおもしろくないわけじゃないのだが...
923 :
吾輩は名無しである :2006/09/17(日) 08:06:53
絶版本を全部読む方法はないものでせうか。図書館に行くしか無いのでせうか。
924 :
吾輩は名無しである :2006/09/17(日) 08:51:07
新古書店をしらみつぶしにするしかないだろうな。
>>920 そのなかの世界編っていうのはもしかして
>>478 以下のやつの再録かな?
せっかくだから日本編も作って本にしませうという
ことだったりして。
関係ないけど、「立ち上げる」という言葉は前に
阿川弘之が文藝春秋のコラムで文句言ってたなあ。
「立ち上がり」はあるけど「立ち上げる」という言葉は有り得無いって。
自動詞+他動詞だから?
927 :
吾輩は名無しである :2006/09/28(木) 06:23:52
阿川弘之か……… それはともかく、新刊、買った?
丸谷は阿川弘之にとって師匠の敵だから。
929 :
吾輩は名無しである :2006/10/03(火) 23:43:06
930 :
吾輩は名無しである :2006/10/04(水) 01:01:30
前半、かなり手を加えているよね。
ヘミングウェイが1/2巻になってフィッツジェラルドと抱き合せになったし、
マンスフィールド等が入ったし。
>>928 志賀直哉も阿川弘之も日本編で選出されているよ。
私小説しか書けない志賀と、海軍ものをあれだけ書いてる阿川が 「師弟」なのも不思議な話だが。 文章もそんなに似てるとは思えないし。
>>931 >私小説しか書けない志賀
なんだ、私小説を見下したような言い方だな。
なんて因縁のつけ方だ... 「私小説しか書けない作家」なんていくらでもいるのに。
「女ざかり」って絶版だったんだなぁ。 でもなぜか文春文庫目録には記載されてる不思議w そのうち講談社文芸文庫に入るんだろうな。
935 :
吾輩は名無しである :2006/10/08(日) 10:34:09
>そのうち講談社文芸文庫に そうか?
936 :
吾輩は名無しである :2006/10/08(日) 15:12:12
>>925 930氏のレスにもある通り、「世界文学全集」に関しては再録ではあるが、
雑誌掲載時からさらに細かく手を入れられているみたいだ。
そしてこの本『世界文学全集を立ちあげる』で最も気になるのもココなのだ!!
91ページにある「世界文学全集」の一覧リストには、「日本文学全集」の一覧リストにはない「但し書」がついている。
「巻立ての議論は継続中のため、一部流動的なものもあります」
……… " 継続中 "???
チョト待て……まさかと思うが文藝春秋ひょっとして文藝春秋もしかして文藝春秋
『樹影譚』と『女ざかり』を絶版にした文藝春秋よ、
本 気 で マ ジ で 真 剣 に
「世界文学全集」を出版する気なのか…………????
もしも万が一そうなら、オイラ、熱い涙とともにアンタに口づけの雨を降らせるんだがなぁ!
きもっ
938 :
吾輩は名無しである :2006/10/13(金) 00:03:59
谷崎賞の選考委員やめたみたいだね
939 :
吾輩は名無しである :2006/10/17(火) 06:00:39
『文学全集を立ちあげる』読了。 「世界編」が前半の100ページ、後半200ページが「日本編」だが、「世界編」の方が全然面白かった。 「世界編」は多少もめたりもするけど、少なくとも議論になっているが、「日本編」はただそれぞれが自分の意見を披露するだけで、議論になっていない。 やはり自国の文学を語り合うというのは難しいのか。 936にもあるけど、議論が継続中ということは文藝春秋には少しは「本気」があるのか? しかし、150巻近い文学全集が果たして売れんのかな。ま ぁ全国の公立、および小中高大学の図書館は購入するとしても、一般人が買うかな? あと、個人的な不満としては、彼らの主張もわからんではないがやはり、『カラマーゾフ』と『戦争と平和』が入っていないというのはどうもね……。 (ロマン・ロランを入れないのはまだわかるとしても)
940 :
吾輩は名無しである :2006/10/17(火) 06:10:15
私小説を大事にしていこうというのが、これからの時代だよ
>>939 清水義範が『世界文学全集』で見せた抜群の切れ味を
『日本文学全集』ではいまいち発揮できなかったのが特徴的だけど、
作者自身がその系譜の中にいる「自国の文学」を"客観的に"見るのは
事実上不可能なんじゃないかな。
丸谷がいる以上三島はどうしても批判しないといけないしな。 第三の新人のなかに丸谷がいたら三浦鹿島の評価はどうなってただろうね。 「丸谷は短編集に入れればいいんじゃない?」
943 :
吾輩は名無しである :2006/10/17(火) 21:24:00
古典(古代から19世紀まで) 一 古事記 二〜三 万葉集 2 四 古代歌謡集 五 空海集 六 菅原道真集 七 懐風藻・文華秀麗集・本朝文粋 八 古今集 九 和漢朗詠集 十 竹取物語・伊勢物語・土佐日記 十一〜十五 源氏物語 5 十六 枕草子・蜻蛉日記・更科日記 十七 和泉式部集 十八 落窪物語・とりかへばや物語・堤中納言物語 十九〜二十一 今昔物語 3 二十二 後白河院 二十三 西行・藤原定家・後鳥羽院 二十四 源信・親鸞 二十五 新古今和歌集 二十六 徒然草・方丈記 二十七 平家物語 二十八 玉葉和歌集 二十九 風雅和歌集 三十 太平記 (丸谷才一・三浦雅士・鹿島茂『文学全集を立ちあげる』より)
944 :
吾輩は名無しである :2006/10/17(火) 21:25:24
三十一 曽我物語 三十二〜三十三 謡曲集 2 三十四〜三十五 狂言集 2 三十六 一級宗純 三十七 連歌集・連歌論集 三十八 中世歌謡集 三十九 幸若舞 四十 説教節集 四十一 御伽草子 四十二 近世笑話集 四十三〜四十五 松尾芭蕉 3 四十六〜四十八 井原西鶴 3 四十九 其角(蕉門周辺) 五十〜五十三 近松門左衛門 4 五十四 荻生徂徠 五十五 江島其磧 五十六〜五十七 竹田出雲 2 五十八〜五十九 近松半二 2 六十 与謝蕪村 (丸谷才一・三浦雅士・鹿島茂『文学全集を立ちあげる』より)
945 :
吾輩は名無しである :2006/10/17(火) 21:26:33
六十一 津賀庭鐘・恋川春町 六十二〜六十三 本居宣長 2 六十四 平賀源内 六十五 建部綾足 六十六 上田秋成 六十七〜六十八 大田南畝 2 六十九 山東京伝 七十 小林一茶 七十一 菅茶山・頼山陽・柏木如亭 七十二 菅江真澄 七十三〜七十五 曲亭馬琴 3 七十六 香川景樹 七十七 式亭三馬 七十八〜七十九 為永春水 2 八十 寺門静門・成島柳北・服部撫松 八十一〜八十二 河竹黙阿弥 2 八十三 福沢諭吉 八十四 三遊亭円朝 八十五 幸田露伴 八十六 斉藤緑雨 八十七 尾崎紅葉 八十八 樋口一葉 (丸谷才一・三浦雅士・鹿島茂『文学全集を立ちあげる』より)
946 :
吾輩は名無しである :2006/10/17(火) 21:27:30
20世紀〜戦前 一〜二 森鴎外 2 三 坪内逍遥・二葉亭四迷・国木田独歩 四 田山花袋・内田魯庵 五 徳富蘇峰・徳富蘆花 六 正岡子規 七 与謝野晶子・与謝野鉄幹 八 島崎藤村 九 泉鏡花 十〜十二 夏目漱石 3 十三 高濱虚子 十四 斉藤茂吉 十五 徳田秋声・正宗白鳥 十六 高橋是清・大杉栄 十七 明治文集 北村透谷・戸川秋骨 十八 石川啄木・吉井勇 十九 永井荷風 二十〜二十二 谷崎潤一郎 3 二十三 岩野咆鳴・近松秋江 二十四 柳田國男 二十五 折口信夫 二十六 志賀直哉・武者小路実篤 二十七 有島武郎・里見ク 二十八 長谷川如是閑・柳宗悦 二十九 芥川龍之介・菊池寛 三十 北原白秋 (丸谷才一・三浦雅士・鹿島茂『文学全集を立ちあげる』より)
947 :
吾輩は名無しである :2006/10/17(火) 21:28:32
三十一 萩原朔太郎 三十二 宮沢賢治 三十三 西脇順三郎 三十四 内田百 三十五 中勘助・野上弥生子 三十六 岸田國士・山本有三 三十七 佐藤春夫・室生犀星 三十八 佐々木邦・岩田豊雄 三十九 中里介山・岡本綺堂 四十 大仏次郎・吉川英治 四十一 江戸川乱歩・夢野久作・久生十蘭 四十二 川端康成 四十三 横光利一 四十四 小林多喜二・伊藤整 四十五 中野重治・佐多稲子 四十六 林芙美子・岡本かの子 四十七 三好達治・堀辰雄 四十八 中島敦・梶井基次郎 四十九 石川淳 五十 中原中也・金子光晴 五十一 高見順・織田作之助 五十二 宇野千代 五十三 舟橋聖一・円地文子 五十四 石川達三・丹羽文雄・石坂洋次郎 五十五 小林秀雄・保田與重郎 五十六 坂口安吾 五十七 真山青果・森本薫・木下順二 五十八 井伏鱒二 五十九 太宰治 (丸谷才一・三浦雅士・鹿島茂『文学全集を立ちあげる』より)
948 :
吾輩は名無しである :2006/10/17(火) 21:29:25
戦後 六十 武田泰淳・梅崎春生 六十一 野間宏・埴谷雄高 六十二〜六十三 大岡昇平 2 六十四 林達夫・吉田秀和 六十五 平野謙・中村光夫 六十六 山本健吉・福田恒存 六十七 花田清輝・安部公房 六十八 吉田健一 六十九 福永武彦・中村真一郎 七十 三島由紀夫 七十一 山本周五郎・司馬遼太郎 七十二 松本清張・水上勉 七十三 吉行淳之介・安岡章太郎 七十四 島尾敏雄・小島信夫 七十五 遠藤周作・阿川弘之 七十六 大江健三郎 名作集 七十七〜七十八 近代歌謡集 2 七十九 近代詩集 八十 近代歌集 八十一 近代句集 八十二〜八十三 近代短編集 2 八十四 近代訳詩集 (丸谷才一・三浦雅士・鹿島茂『文学全集を立ちあげる』より)
949 :
吾輩は名無しである :2006/10/17(火) 21:33:28
安部と花田が一緒に入っているところが興味深いな。 江戸川・夢野・久生入れるのに小栗、中井をいれないのは不公平と言う気も。
950 :
吾輩は名無しである :2006/10/17(火) 21:35:14
ふう疲れた。まず一言。 なぜ鶴屋南北が入っていない!十返舎一九もないぞ。
951 :
吾輩は名無しである :2006/10/17(火) 22:41:22
野間宏を擁護していたのがすっごく意外だった。 「図式的だ」という三浦・鹿島に対し、 「でも軍隊っていうのはちょっと極端にやればああなっちゃうんだよ」。 経験者だもんなー。年寄りには勝てん! 武田泰淳についても「惜しい人だった」と悼んでいた。 一世代上だから、いろいろ恩義を感じているのかな。
952 :
吾輩は名無しである :2006/10/18(水) 12:17:13
『文学全集を立ちあげる』を読み終わった余勢を駆って、『輝く日の宮』も読了。
これは『源氏物語』を読んでない人間(オレ含む)にはちょっときついね。
『源氏』を読んだ上で再読したいとは思うが、それでもともあれ楽しんだ。
これで(習作らしい)『エホバの顔を避けて』除いて、長編は全部読んだことになるけど、
個人的に第1位はやはり『笹まくら』。
だいぶ間が開いて2位が『たった一人の反乱』か。あとの3つは同率3位かな。
もっとも、これは丸谷作品同士の比較であって、『女ざかり』にせよ、『裏声で歌へ君が代』にせよ、
凡百の作家にはまず書き得ないと思うけどね。
>>943-948 Good Job!!!!!!!
『女ざかり』はひどかった。今まで読んだ小説の中でベストテンに入るほどひどかった。 批評家・エッセイストとしての丸谷はいいけど、小説家としての丸谷は最低だね。
「文章がよければ」いいじゃないかってのが大方の丸谷ファンの反応だよ。
まあ、本当は「文章は悪いが内容は良い」というのは文学ではありえないのだが。
えっ?丸谷って小説家なの?
小説家の皮を被った評論家。
958 :
吾輩は名無しである :2006/10/19(木) 23:14:22
樹影譚に入ってる三作はどれもよい。 夢を買ひます、好きだ。
959 :
吾輩は名無しである :2006/10/25(水) 00:26:18
世界文学編は、マンスフィールド/ボウエン/マードックの巻を追加。 それはいいんだけど、 ユルスナール/デュラス/マードックの巻をそのままにしているから、 アイリス・マードック『鐘』が二重に選出されている。 おーい、凡ミスだよー。
960 :
吾輩は名無しである :2006/10/25(水) 20:48:01
お疲れ様。素敵な努力に思わず微笑ませてもらった>950
なんかしらんけどおめ!
962 :
吾輩は名無しである :2006/10/27(金) 21:39:03
>>961 えっ?
それはともかく、
『輝く日の宮』を読みながら、
主人公のイメージが、(代議士の)小渕優子になってしまって困った。
963 :
吾輩は名無しである :2006/10/28(土) 00:08:11
961<文化功労者に選定されたことを指しているのではなかろうか
964 :
吾輩は名無しである :2006/10/28(土) 12:34:06
双六で東海道
965 :
吾輩は名無しである :2006/10/28(土) 18:14:05
君達全員ごみでさう。 丸谷を付け加へても良いでさう。
966 :
吾輩は名無しである :2006/10/29(日) 02:13:53
さうですか。
「丸谷は外そう」「えっ!」
968 :
吾輩は名無しである :2006/10/30(月) 12:50:25
丸谷才一と電撃ネットワークの南部虎弾が、鶴岡南高校の卒業生だというのは、なんとも不思議な感じがする。。
カポーティを評価してないのも意外。 丸谷が「狂気」とか「実録殺人」とかが嫌いなのはよく分かるけど、 カポーティはフロベールとプルーストの弟子を自称してた作家だし、 文体感覚については英米文学史上でも最高だと思うし、 そういう点では丸谷にも通じると思うんだけど。
>文化功労者に選定された 命長ければ辱多し。
971 :
吾輩は名無しである :2006/11/03(金) 20:43:35
>>969 カポーティは評価が低いんじゃなくて、時代が近すぎるんじゃないかな。
日本編も大江健三郎までだったし。
おれはむしろ、
「やっぱり花柳小説っていうものは限界があるんだねえ。
僕は、藝者遊びの話に興味が持てないんだよ(笑)。」
という発言がショック。
それが『花柳小説名作選』を編んだ人間のいうセリフかーっ!
972 :
吾輩は名無しである :2006/11/03(金) 21:12:19
「オール読物」の連載。 10月号では「万世一系なんていかがわしい」と言っていたが、 11月号ではバルガス=リョサについてのとんでもない話を披露している。 最近『狼花 新宿鮫\』を読んで興奮したらしい。枯れない人だね。
973 :
吾輩は名無しである :2006/11/03(金) 21:15:18
丸谷とはペダンチックな嫌味な野郎のことでせうか
974 :
吾輩は名無しである :2006/11/03(金) 21:26:03
「芥川は外そう」って言ったのは三浦雅士なんだね。 丸谷発言だとばっかり思っていた。
「志賀を外そう」は丸谷の発言だよな?
976 :
吾輩は名無しである :2006/11/03(金) 23:39:50
「三島を入れても許してやろう」は丸谷発言。
「ってかよく考えたら俺以外の小説家は糞!」は丸谷発言。
979 :
吾輩は名無しである :2006/11/05(日) 12:55:25
恋と女の日本文学が欲しい。
北原武夫「批評家を批評する」(『文學界』1964.7→『文学論集』冬樹社)に、 丸谷才一の批評振りを実例に即して分析した所があり、 秀逸だと思った。 あの時点で既に、丸谷書評のいやらしさは明白になってたのだなあ。
982 :
ヨロチクね^^ :
2006/11/05(日) 16:20:11