392 :
吾輩は名無しである:2009/05/29(金) 12:16:24
石川淳氏の「処女懐胎」と福永武彦氏の「風土」などが戦後作品として後世に残りませう。
前者は小説を絵画(タブロオ)へ、後者は小説を音楽へ近づけた見事な試みです。戦後文学が小説といふジャンルの根本的な反省の上に成立つものとすれば、この二作は「やはり残さでおくべきか」です。
三島由紀夫
「文学史に残るべき戦後文学作品は何か?その理由」
岩波にて至福千年重版だそうで(笑)おやはや(笑)
幕末の江戸の地図を付録で付けてくれると嬉しいね。
395 :
まず水:2009/06/22(月) 23:54:32
その性の善し悪しはてきめんに仕事にひびく。
四半世紀前に読んだ「至福千年」の出だしはまだ覚えています。
終わりは、とにかく話を終わらせるハリウッドアクション映画
みたいな印象ですが。
396 :
吾輩は名無しである:2009/06/23(火) 00:10:49
凄いなこの作家は。「狂風記」「珊瑚」なんかは、なんというか、アニメみたいだ。
映像化は無いものか。
>>397 まったくだよ。狂風記はデビルマンや諸星大二郎「孔子暗黒伝」「暗黒神話」を軽く凌駕するだろう。
マヤは「蜜蜂の冒険」のマーヤなんだね。
しかし車椅子が巨大男根に変身とは…
400 :
吾輩は名無しである:2009/06/28(日) 01:55:51
.
>>398 あの狂風記のラストはちょっとすごかったなあ。映像化は出来ないんじゃないか。
色々な意味で。
え、マヤってマーヤからとったんですか。どこかに解説かなにか無いでしょうか。
「黄金伝説」という短篇読まれた方いますか?
すみません、質問です。
「間間録」は何と読めばいいのでしょうか?
406 :
吾輩は名無しである:2009/10/08(木) 16:31:58
山桜っておもしろいですか?
407 :
吾輩は名無しである:2009/10/17(土) 22:46:24
結局、「普賢」だな
他に佳作もあるけど、この作品は時代背景も手伝って、特別な緊迫感がある
408 :
吾輩は名無しである:2009/12/01(火) 05:05:03
>>403 亀レスですが、ちくま文庫の短編選集で読みましたよ〜。
クソつまんなかったです。
同じ本に入っている『喜寿妖女』『まぼろし車』ってのは面白かったです。
石川淳の小説は今回初めて読んだのですが、良いものは良いみたいですね。
いやオマエそこはょぅιょ、もとい童女だろうって、…釣られたか(笑
410 :
408:2009/12/01(火) 07:25:57
師でもある父に、朱を入れられたが故に歌を捨てる、そんながね(紫苑物語)、
「すとんっ」とは来ない人間が夷齋をなんっか読んじゃった日にゃ、例えば、
こんな風にも。無惨やね。どっちにも不幸。
>石川淳は、フランス語、漢文ができてすごいが、それだけで、小説は面白くない、
>と言われて久しい。この「紫苑物語」を私は高校時代に読んで、こういう小説なら
>書けるかもと思ったが、要するに高校生の空想程度のものでしかないということだ。
>それでも石川淳が消えずに残っているのは不思議だが、もしかすると高校生が読んで
>いるのだろうか。大人の読みものとはとうてい言えない。非リアリズムも結構、
>泉鏡花くらいになれば見事なものだが、石川淳というのは非リアリズムのダメなほうの
>例として残るといいかもしれない。
http://www.amazon.co.jp/dp/406196044X
なんてったっけ?あれ、夷齋が鷗外について語った言葉、まんまにあれだよ。
士大夫の文学つうか。とりわけて、メンタリティが問題に。特に初期短篇は。
413 :
408:2009/12/01(火) 19:22:37
『喜寿童女』ですね。。。
…あホントだ(笑 気付かんかったわまじで。
てゆうか気付いてたらこんなことは、俺はやらない(てゆうか
もうちょっとはソフトにw)。 ――むろん訂正もしないがw
わかんない思うよ、内に呑んだもの持たない者には。個人的にはね。
416 :
吾輩は名無しである:2010/01/03(日) 05:32:48
あけおめ。
石川淳訳の「背徳者」があるみたいだけど、どんな感じ?やっぱり石川節の語り口?
石川節が完成する以前の翻訳だから、あんまり石川的じゃない。
……わたしはもうわが仕える闇の神がわからない。
おお、新しい神よ、わたしをしてさらに、知られざる範疇、
いまだ慮(おもい)のいたり得ぬ美の型に悟入させたまえ。
419 :
吾輩は名無しである:2010/06/09(水) 23:01:32
一番売れたのが「狂風記」なんだっけ?
>>419 だと思いますよ。当時、版元の集英社「月間PLAYBOY」はもとより、平凡出版
「POPEYE」にまで書評が出ていた。いずれも、本が書店に並ぶ前から、「凄い」
連発で薦しまくっていました。前の年に岩波で選集が出た時、同社の新刊紹介や
文庫や新書のしおりで沢山の広告を見かけましたが、狂風記が出る時の盛り上りは
それを超えていた。たぶん、石川淳という作家について何の予備知識もない人も
ずいぶん買ったんじゃないかしら。わたくしもそんな前評判に乗せられて、
書店に並んだのを見るとすぐ買っちゃった一人です。秋だったな。新刊書コーナーに
平積みでした。相当宣伝したんだと思いますね。
421 :
吾輩は名無しである:2010/06/22(火) 10:06:06
じゃあ、本当に晩年までヒット作が出なかった訳ですか。
ヒット作なしで息の長い文筆活動を行えていたというのは地味に凄いですね。
422 :
吾輩は名無しである:2010/06/24(木) 11:53:24
三島:まあ、私も喜劇の部類で残念ですけれども、悲劇にはなりそうもない。
石川:いや、三島君はまだなんとも言えない。喜劇とも悲劇とも、なんとも言えない。
三島:そうかといって、太宰みたいに、私は喜劇ですよ、私はピエロですよというのは、
とっても許せないんですよ。
石川:太宰君は、喜劇役者としてはへたな役者でしょうね。
三島:ピエロが出てきてお客が泣いたら、もうピエロはおしまいでしょう。でも太宰は、
おれは客を泣かせるピエロだと思っていたんじゃないですか。
石川:当人はね。だから、僕は太宰を憐れだと思うのは失敗した喜劇役者だからですよ。
三島:失敗した悲劇役者というのが僕じゃないかしら。一生懸命泣かせようと思って
出てきても、みんな大笑いする。
石川:ちょっとそういうところもないことはないな。(笑)
三島由紀夫
石川淳との対談「破裂のために集中する」より
423 :
吾輩は名無しである:2010/06/24(木) 12:45:00
丸谷に好かれてるようじゃ駄目だw
424 :
吾輩は名無しである:2010/06/24(木) 16:46:27
お前がなにを言おうとミジメなのはお前のほうだww
425 :
吾輩は名無しである:2010/06/26(土) 21:09:07
「森鴎外」が鴎外の入門書と同時に、石川淳の入門書だな
426 :
吾輩は名無しである:2010/06/26(土) 21:56:28
鴎外の史伝モノを評価し、通俗的短編を評価しなかったんだっけ?
427 :
吾輩は名無しである:2010/06/26(土) 22:30:01
>>424 お前は書評家の大森か?
文壇の底辺でも多少の知名度があるだけ、お前の勝ちだなw
せこい奴だw
お前みたいにはなりたくないもんだなw
428 :
吾輩は名無しである:2010/06/27(日) 01:21:46
>>426 史伝の評価は一部の識者の間で既に高かったようだが、
翻訳短編集である「諸国物語」を持ち上げたのは、
石川淳が最初だろう。
森銑三や渋龍なんかについてもそうですが、未踏の分野に独り乗り出していく
文学者に対して感ずるところのアツい人ですよね。
鴎外の精力とジャーナリスティックなスピードとに感嘆する部分も大きいと思いますが、
すでにスタイルも地位もある大物鴎外先生が、最晩年の明治末から大正あたまの
数年で、ありとあらゆる雑誌にドバドバととんでもないスピードであれだけの
名訳名文章を量産したのは、リアルタイムの読者淳少年にとっても、外国文学をまなんで
文筆家となった夷齋にとっても、戦慄の大偉業だったのではないでしょうか。
8月「文林通言」 講談社文芸文庫化
432 :
吾輩は名無しである:2010/07/02(金) 21:18:13
朝日新聞の連載だっけ?
選集には(抄)しか入ってないから助かる。
433 :
吾輩は名無しである:2010/07/05(月) 22:07:54
434 :
吾輩は名無しである:2010/07/05(月) 22:23:34
中公文庫なら古本屋で100円
朝日の文芸時評でしょ。中公文庫は絶版なのか・・・
436 :
吾輩は名無しである:2010/07/06(火) 01:01:49
岩波の選集だとどれくらい省いてあるのでしょうか?
現在選集を買おうかどうか迷ってます。
「文林通言」の目次は以下の通りです。アステリスクのついているものは、岩波の
選集第十七巻「文林通言抄」(撰り抜き夷斎さん)にも収録されています。
79〜80年の編集時、夷斎先生がコレを採ってアレを捨てたその理由なんかを
想像しつつ読むのも愉しいかもしれません。
44年12月森有正 稲垣足穂*
45年01月澁澤龍彦* 金井美惠子
45年02月小田晋 清岡卓行
45年03月富士川英郎 大江健三郎*
45年04月三島由紀夫*
45年05月堀田善衛* 島尾敏雄
45年06月吉田健一* 中野好夫
45年07月西脇順三郎* 水上勉
45年08月鈴木信太郎 埴谷雄高
45年09月神田喜一郎 木村孝
45年10月中村幸彦* 吉行淳之介*
45年11月今西錦司/藤澤令夫
45年12月三島由紀夫*
46年01月森銑三* 古井由吉
46年02月(私にとっての国家)
同 吉田健一*
46年03月林達夫*
46年04月野間宏
46年05月福原麟太郎/吉川幸次郎
46年06月武田泰淳 中村眞一郎*
46年07月河上徹太郎
46年08月澁澤龍彦*
46年09月大江健三郎* 幸田文
46年10月大岡昇平* 西郷信綱*
46年11月安部公房*
438 :
吾輩は名無しである:2010/07/07(水) 21:26:16
その文芸時評のなかでは、俺は石川が吉行の「暗室」を評価しているのが気に入らないな。
あんな陰気な小説のどこがいいんだか・・・・・
439 :
吾輩は名無しである:2010/07/07(水) 21:28:31
古本でも未だに高額な筑摩の全集に比べ、選集が叩き売り同然な
理由が分かった気がする。岩波のチョイスはセンス無さ過ぎ。
440 :
吾輩は名無しである:2010/07/08(木) 19:52:51
>>438 きみは陰気な小説は嫌いかい。
ふふふ、嫌いかい?
暗室は陰気だから・・・嫌いなのかい?
ふふ、それなら・・・
441 :
吾輩は名無しである:
狂風記愛蔵版
糞デカ重いが
中身がえらく面白いので
かえってグッド!
小説ってページが大きいと、
想像する画も大きくなるなぁ。