【検証】「日本の国力は落ちた」との韓国・李明博大統領の認識は正しいか?--原田 泰(早大教授) [10/11]
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1349919456/ http://wedge.ismedia.jp/mwimgs/9/5/-/img_954cd11f4643d7a07a81e0b50814dc57242698.jpg なぜこんなことになってしまったのだろうか。図には円と韓国ウォンの対ドルレートを右目盛りで
示している(作図のために韓国のウォンの値は10分の1にしてある)。円もウォンも大きく変動して
いるが、1990年から現在までドルに対して、円が1.9倍に増価しているのに、ウォンは4割減価
している。ウォンは対円では3分の1に減価していることになる。これが日本の輸出を減退させ、
韓国の輸出を急増させたことに間違いはないだろう。
なぜ円高、ウォン安になったのかと言えば、日本の金融政策が一貫して引締め、デフレ的であった
のに対して、韓国の金融政策がデフレ政策を取らなかったからである。
金融政策を緩和しすぎると思わぬ副作用があるなどと言っている人がいまだに多いが(どんな
副作用か具体的に説明したためしはない)、緩和しないことの副作用の方がずっと大きいのだ。
オピニオン:円高を許した日銀の重責と政府の使命=ジョルゲンソン教授
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPTYE89A02920121011 <行き過ぎた円高>
為替市場での円レートの過大評価が、日本経済の低パフォーマンスの主因であることは明白だ。日本銀行が
より積極的な金融緩和策を講じなければ、この行き過ぎた円高は日本の潜在成長力にとって今後も大きな壁
となり続けるだろう。
2008年の国際的な金融危機以降、円は対ドルの名目為替レートで1985年のプラザ合意前後に匹敵する
勢いで上昇した。輸出や生産の落ち込みは、主要先進国の中で最も激しかった。
率直に言って、日銀はこのことに対して重大な責任を負っている。金融危機からほどなくして、米連邦準備理事会
(FRB)に追随し、実質ゼロ金利政策を復活させたものの、資産購入を増やし量的金融緩和の観点でバランスシート
を拡大し始めたのはようやく最近になってからだ。FRB、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(英中央銀行)は、2
008―09年の金融危機の最中にバランスシート拡大の方向に大胆に舵を切っている。しかし、日銀は主要中銀
の中では唯一、そうした動きに同調しなかった。その結果が、円レートの急上昇である。
企業の収益悪化の主因をマネジメントの失敗に求める声も多いようだが、それも間違いだ。たとえば、日本の
電機メーカーの大半は、円がこれほどまでに過大評価されていなければ、アジアのサプライチェーンの中で
もっと役割を拡大できていただろう。これら輸出セクターが、金融危機以降の日銀の失策で最も酷い被害を
受けたことは明白だ。言い換えれば、日銀がより強力な金融政策を推進するようになれば、彼らが取り返せる
ものも大きい。
日本企業はいまだに素晴らしい技術と洗練された製造ノウハウ、そして能力の高い人材を有している。
アジアのサプライチェーンの中でより良いポジションを確保できれば、韓国や台湾の企業を相手にもっと
効果的に戦うことが可能なはずだ。その意味では、私は日本企業の将来をさほど悲観していない。