【コラム】スーパーコンピュータを独自開発することの意義…NECがIntelを選んだ理由−元麻布 春男氏[09/11/24]

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1依頼@台風0号φ ★
 IntelとNECは16日、次世代のスーパーコンピュータに関するシステム技術を共同開発することで合意したと
発表した。将来、NECは現行のベクトル型プロセッサベースのスーパーコンピュータであるSXシリーズに加え、
IntelのXeonプロセッサーベースのスーパーコンピュータを販売するとしている。

 Intelは次々世代のSandy Bridgeで256bit長のベクトル演算拡張であるAVXを搭載することを明らかにしている。
これと今回共同開発することになったシステム技術、高速インターコネクト技術や広帯域メモリ技術等を
組み合わせることで、Sandy BridgeベースのXeonを、HPC分野により魅力的にすることが狙いなのだろう。
もちろんベクトル型プロセッサに関するNECの豊富な経験も買われてのことだろう。

 ベクトル型、スカラ型を問わず、今後もNECは、スーパーコンピュータ事業を継続していくことになる。あるいは
Xeonを用いたスカラ型のスーパーコンピュータに、ベクトル型のSXシリーズを組み合わせるハイブリッド型の
スーパーコンピュータも視野に入っているのかもしれない。

 そのNECは今年の5月、文部科学省が推進している次世代スーパーコンピュータ・プロジェクト(いわゆる
「京速計算機」)からの離脱を表明した。ベクトル型とスカラ型のハイブリッド構成をとる京速計算機のうち、
NECは日立製作所とともに、ベクトル型のパートを担当していた。NECの離脱により、京速計算機はスカラ型の
スーパーコンピュータとなることになったわけだ。

 この時のプレスリリースにおいてもNECは、自社の事業としてのスーパーコンピュータに関しては継続の
意向を明らかにしていた。京速計算機からの離脱は、あくまでも経済的な要因であり、京速計算機の製造
段階に必要となる「持ち出し」分の負担が難しくなったことだとしている。これを踏まえれば、今回のIntelとの
提携に不思議はないのだが、それでも国家プロジェクトから撤退し、Intelとの提携に走ったような印象を
与えてしまいがちだ。

 そもそも次世代スーパーコンピュータ・プロジェクトは、「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの
開発利用」プロジェクトと呼ばれ2つの目的を持つ。

A. 世界最先端・最高性能の次世代スーパーコンピュータの開発
B. 将来の科学技術・学術研究の発展を目指した利用技術の開発と普及

 要するに、スーパーコンピュータを作ることと、使うことの2つを目指したものだ。

▽ソース:PC Watch (2009/11/24)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hot/20091124_330515.html
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記事は>>2以降に続きます。