半導体専業大手のルネサステクノロジ(東京都千代田区)は1日、ETC(自動料金収受システム)
車載器向けの半導体の生産を従来の3倍増の月産60万個に引き上げる方針を明らかにした。
2009年度上期中に早期に増産体制を整える計画。3月にETC利用者を対象に土日祝日の
高速道路料金割引が導入されたのを機に、カー用品の量販店などでETC車載器の販売が急増し、
専用半導体の在庫が品薄になっているのに対応する。
ETC車載器向け半導体は、通過情報を暗号処理した上で通信する機能がある。ルネサスは、
統合前の日立製作所と三菱電機の時代から半導体の暗号技術が強みで、
現在、ETC車載器向け半導体の国内シェアは65%とトップシェアを握る。
ETC利用車の1000円乗り放題が打ち出された昨年11月ごろから、ETC車載器向け半導体の
需要が徐々に増加。実際に制度が導入された3月からは受注に拍車がかかり、「生産が追い付かない」
(ルネサス)状況という。4月にも月産20万個から40万個に引き上げたが、追加の増産を決めた。
ルネサスの全工場の平均稼働率は、在庫調整の進展で、1〜3月の3割台から、4〜6月には
5割台に上昇しているが、中でも、ETC車載器向け半導体を製造している西条工場(愛媛県
西条市)の稼働率は6割と全工場で最も高く、これをさらに引き上げる考えだ。
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【予報図】
■回復へ追加リストラや再編も
昨秋以降の世界同時不況の影響で半導体市況は大幅に悪化し、半導体メーカーが5月に発表した
2009年3月期決算は各社とも大幅な最終赤字に陥った。ただ、足元では“1000円特需”の
ETC車載器に加えて、公共事業など大型景気刺激策を打ち出す中国市場のデジタル機器向け
半導体需要が上昇するなど回復の兆しもある。
実際にルネサスでは、1〜3月の出荷状況が前年実績の5割のレベルだったのが4〜6月には
同6割程度にまで回復する見通し。半導体業界では「1〜3月のようなジェットコースターのような
市況悪化は一段落した」(大手幹部)と底打ち感が広がっている。
ただ、本格的な回復にはほど遠い状態で、米調査会社のガートナーも半導体市況が成長基調に戻るのは
10年以降とみている。半導体メーカーは、引き続き市場頼みではない、追加のリストラ策が
求められるほか、さらなる業界再編も避けられない見通しだ。
ソースは
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200906020019a.nwc ルネサス テクノロジ
http://japan.renesas.com/ 関連スレは
【頑張れ国産】エルピーダ、ルネサス、東芝等国内半導体産業総合スレッドPart29[09/05/05]
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