1 :
代打名無し@実況は野球ch板で :
2008/08/23(土) 14:48:48 ID:fZQaon6k0 G.G.佐藤よりうまい
2 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/08/23(土) 14:50:34 ID:bDdpicJl0
ビタミンG
3 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/08/23(土) 14:51:52 ID:GkJRR10vO
CCもGGもスカッとします
4 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/08/23(土) 14:54:00 ID:PD1uggZv0
渋谷公会堂のスレか?
5 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/08/23(土) 14:57:41 ID:Y5/T5i/j0
シーツーレモン
6 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/08/23(土) 22:01:18 ID:2ZATR0bf0
/ `ヽ
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/ i
/ // //ノノヾヽ i
iヽ / -ー /| ー- i j
ヾ_i| 、__, . i/
リi 、____, /
リヽ /
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ミスチルの桜井が
>>6 getしました。2getじゃなくて6getそこんところ踏まえて……
不倫は文化!文化 IS 不倫!不倫は文化!文化 IS 不倫!不倫は文化!文化 IS 不倫!
田原健
>>1 お前いつも氏にそうな顔してるな(プ
松岡あ
>>2 し 糞つまらない曲しか作れないのか(プ
岩
>>3 わ厚治 お前ら2人揃ってきもいな(プ
小林武
>>4 お前の時代はとっくに終わったんだよ(プ
>>7 か川敬輔 お荷物だからさっさとやめろ(プ
鈴木英
>>8 トーク番組とかで自分のきもさをアピールすんな(プ
>>9 わ田佳祐 パクリ野郎は音楽業界から失せやがれ(プ
藤原も
>>10 央 DQNバンドのボーカルなんてやってて楽しいか(プ
>>11-1000 駄目なスレを盛り上げるために簡単に命を投げ出してろ(プゲラハ
7 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/08/23(土) 22:02:37 ID:EiY5py+o0
ロング缶あるじゃん、あれ飲むのつらくね??
〜♪ 〜♪ ♪ , コノスレ〜♪ ∧,,,,∧ ‡ モライマ〜♪ [ ー。ー,ヨ スヨォ〜♪ ♪ / (.┃ ) ヽ⊃--)廾(,― ♪ /l⌒i (. ┃ ) |(_) `' | '´_) ( ´w`)〜♪ Slyly ☆ Hazard
☆ ☆ ☆ 「…終わったぞ」 永川のその声と同時に、森野は溶けたアイスクリームのように畳の上へとへたり込んだ。 「そんな痛いのか?」 「痛いも何も。今までに体験したことのない痛みだった…」 「そりゃご苦労だったな」 森野の恨み節も所詮は他人事、軽く聞き流すと、永川は一切の配慮なく言葉を続ける。 「でも、これで終わりじゃないんだぞ」 「何だと…」 「そんな顔するなよ。始めに言っただろ、気脈をちぎっただけじゃダメだって。いいか、全力を出すなよ、絶対に出すなよ、七分…、いや六分でいい、右腕に気を通してみろ」 「六分か」 森野は言われた通りに気を操ろうとした…、しかし絶対などと言われてしまうと、逆に意識してしまってなかなか調節のきかないもの。 「うわっち!」 「だから言ってるのに!」 さっきまでも、意識して腕に気を流そうとすると、腕が熱くなる感覚を覚えた。しかし今の衝撃はそれとは比べ物にならない、森野は一瞬、自分の腕が丸焦げになったかと勘違いしたほどだ。 ジィンと痺れる腕を押さえ、森野は畳の上をのたうち回った。 「あつつつ、な、なんだ、今のは」 「何度も言わすな、今、あんたの腕はリミッターが外れてる。あんまり急激に大量の気を流すと危険だ」 「危険って、」 「末梢神経に傷がついて、障害が残る可能性もある。真面目にやれ!」 「わ、わかったよ」
永川がものすごい剣幕で脅すので、森野はそれに圧倒された。そういえば永川は施術前に、まともに修業をするのに比べればリスクもあると言っていたが…、それは恐らくこのことだったのだろう。 「一度呼吸を落ち着けて、目を閉じろ」 「……」 「そうしたら、川の水が、きれいに澄んでいて、おだやかに一定の速度で流れていく様子を想像するんだ。できたか」 「…まわりの景色は」 「好きなように」 「季節は」 「どうでもいい。ああいや、台風の後はダメだぞ。…できたのか」 「…」 森野は名古屋の街中に生まれ育ち、従って自然の中で遊んだこともなく、澄んだ川といわれても、なかなか具体的にイメージができない。 川といえば、浮かんでくるのは…、少し淀んで緑色をしていて、よく覗き込むとフナが棲んでいるような奴ばかりだ。 「あの、川の水は澄んでないとダメなのか」 「なんでもいい。一定量で流れていればドブでも水道水でもなんでもいいから」 「…わかった」 なんでもいいと言うので、森野はいわゆる『流れるプール』を想像した。…真夏の日差しの下、塩素の匂い、水色の塗装のプールに一杯に満たされた水が、きらきらと波をたて、ゆったりと流れてゆく…。 「できたか」 「…できた」 「じゃあ、そのイメージを頭から消さないように注意しながら、気を通してみろ」 「それは…、なかなか難しいな」 「まあそうだろうな。でも地鶏ができたんだろう、そんならできるはずだ。ほら、つべこべ言わずやれ。言っとくが、川の流れるイメージが消えたら気を通すのもヤメだぞ、危ないから」 「わかったわかった」 「これができない間は帰れないからな」 「なんで?」 永川がさらりと口走ったその言葉に、倉が疑問を差し挟んだ。
「お師匠さんがな、こういうの嫌いなんだよ」 「こういうのって」 「ちょっと間違えると取り返しのつかないことがあるようなさ。今からそういうことをやるってのは、まあ状況が状況だし、それとなーく言って出てきたつもりなんだが…、 それでも実際目の届くところで大っぴらにやると、あの人の性格から言って、やっぱり口を出して来ると思うわけだ」 「なるほどな」 「あれで結構口うるさいからな。お師匠さんは大抵口は出すくせに、なかなかすぐに役に立つような手は打ってくれないから困る。その気になりゃ、何でもできるんだろうに」 「ハハ、まあ、確かにそういうところはあるな。でも、すぐに手を貸さないからこそ、みんな鍛えられたんだろう」 「そう言やあ聞こえはいいんだがね。手伝ってくれない程度ならまだしも、邪魔しないでもらいたいもんだ」 「そんな言い方をするもんじゃないよ。そもそも、帰ったら口を出してくるだろうっていうのも、お前の想像じゃないか?」 「それを言われちゃ、そうなんだけど。でも出してくるだろ」 「うーん。まあ、出してくるだろうねえ」 「だろ。…で、森野、どうだ」 永川は倉と顔を見合わせて笑いながら、目を閉じたままの森野に声をかけた。それに森野は片目を開けて答える。 「……申し訳ないが、少し黙って貰えないか」 「ああ、悪い」 「これは失礼を」 言われて二人はそれぞれ謝罪を口にし、それきり黙ったので、森野はまた目を閉じてプールを頭に思い浮かべた。夏の日差し、塩素の匂い、水色の塗装、そしてカリカリという音……、…なんだこの音は。 …いや、これはイメージではない。実際に耳から入ってきている。その音が何であるかを森野が理解するのに時間はかからなかった。…筆談だ。 森野は焦った。何の話をしているのかわからない分、実際に喋り声がするよりもはるかに集中力が削がれる。しかし黙れと言って黙らせた手前、やっぱり喋れとも言いにくい。 机上を鉛筆の走る音に混じって押し殺した笑い声が聞こえる…、くそ、一体何を喋っているんだッ!
今回はスレタイだけで大丈夫だろうと判断できるスレタイだったので 最終書き込みが新しいのにスレ貰ってしまいましたが、まあ大丈夫でしょう さて、ここから新スレ分 〃〃∩ ∧,,,,∧ ⊂⌒〔 ・◇・〕 < はじまるよ〜 `ヽ_つ⊂ノ
先に前田から課された地鶏とは、すでに明らかになっているが、思考とは無関係に気と心の安定を保つ訓練に他ならない。そして、これこそが気を自在に操るための第一歩なのだ。 しかしこの訓練には抜け道が存在した…、森野が先刻そうしたように、思考そのものが停止しているのに近い状態が保たれていれば、同様の結果が得られてしまうのである。 それでも、地鶏ができたならできるはずだ、と永川は言うが…。 ふと、右腕にざわざわという感覚が走った。心が乱れているので、気が乱れているのだろうということが、今の森野には理解できる。 特に右腕はいま気の通り道が失われているから、とりわけ大きく気が乱れているのだろう…、 森野はそう考え、無意識にその様子を想像した、自分の腕の中を、青白い色をした気が、大きく波打ちながらうねるように流れていくところを。そして森野は気づいた。これは季節外れのプールより断然想像がしやすい。 なぜなら、腕に実際に通っている気のざわついた感覚が、頭の中にイメージされた映像と直結しているからだ。 それならば…、と考え、森野は薄目を開けた。そして右腕を見る、その腕に、気の流れて循環していくイメージを重ねると…、 「んー、ふぁ〜〜、」 重ねると………、 「よく寝た」 …最悪だ。 「おー目が覚めたか、あっちの部屋行こうか、そうだ、金平糖食うか?」 「…子供を甘いもんで釣ろうとするのはどこの家も同じだな」 いや余計な話を聞かなくていい、もう少しでいけそうなんだ、頑張れ俺、 「ん」 「あ、こら、」 ぺたぺたと裸足の足音が近づいてくる。でも俺に用があるとは限らない、気にせず集中しろ……、 「誰だお前」
畳にあぐらをかいた森野の頭にマサユキの手がのびる。その不穏な気配と、蛍光灯の光をさえぎる影が視界に入る…、 「…行った!通った!!!」 頭髪をマサユキに掴まれた、まさにその直前の瞬間、森野は間一髪で課題をクリアした。視覚触覚からくるイメージに随分助けられたとはいえ、あるいは危機感が集中力を高めたのかもしれない。 「お、できたか。どうだ感触は」 「おう、わかるぞ、今までよりもっと流れが強くなっているのが、」 まるで見えていないかのように、永川はマサユキに構わず森野に話しかけた。森野も森野で先刻懲りているから、マサユキのやることにはいちいち反応しないよう努めている、たとえ髪を掴まれようとも。 しかし本人にしてみれば、それが気に入らないのだろう。マサユキは無言のまま、力任せに森野の髪を引っ張った。 「わかる、…ててっ、いてててててて!」 「こらマサユキ!離しなさい!」 倉がすっ飛んできて、マサユキを背後から抱えるようにして手首を掴む。マサユキは先にも話題になったように極端な痩身で筋力もないから、そうされてしまうと最早抵抗する術はない。 「…痛い。離せよ。何だよこいつ?」 「勝浩の友達だよ、いつも言ってるだろう、お客さんにイタズラしちゃだめだって!」 「……」
マサユキは倉に抱えられたまま、口を尖らせて、森野の顔を睨むようにジッと見た。マサユキに読心の力があることを既に聞かされている森野はこれに大変居心地の悪い気分を味わったが…、 しかしマサユキは森野に何か一言告げることもなく、プイ、とそっぽを向いた。 いや、正確には森野から顔をそむけたのではなかった。彼のちょうど背後に座っていた永川に視線を向けたのだ。 それに対し永川は何か言いたげな顔をしたが、すぐに顔をそらすと、フンと鼻を鳴らして机へヒジをついた。構わずマサユキはその横顔を見つめる。 そして、やがて口を開いて言うには。 「お前らほんとにトモダチなのか?」 この発言に一番肝を冷やしたのは倉だった。実際のところ森野と永川がどういう関係でどれだけ仲が良いのか、倉は知る由もないことだが…、 その言葉が的を射ているかどうかに関わらず、例えば自分の子供が人に向かってこんな発言をしたら、慌てない親はないだろう。 一方、言われた森野はと言えば、マサユキのその観察眼に、ただただ驚くばかりだった。永川とは親しげに口をきいているし、友人と言われればそれで特に不自然に見えるところもないだろうに、 しかしその実、まだ出会って丸一日しか経たないのだから、友人でないと言っても間違いではない。よくそんな細かいところを見抜けるものだ、と。 そして永川はと言えば…、また不機嫌そうな顔をしてマサユキを見上げるように睨み、それから溜息をついて、面倒そうに口を開いた。 「違ったら何か文句あるのか」 その表情とトゲのある言い草に対し、マサユキはニタニタと気持ちの悪い笑みを浮かべて答える。 「ねぇーよ」 「だったら黙ってりゃいいんだろがよ。そうすりゃ大概痛い目見なくて済むんだよ」 「うっせバカ。うぜえ。帰れ」
新スレ(乗っ取り)乙です。 荒行は成功したけどマサユキが目を覚まして、またちょっと揉めそうな予感w
新スレ乙です。 大真面目なのに小川のイメージが出来ない都会っ子に吹いたw
スレの再利用運動乙です。 前スレ落ちたのにはびっくりしましたw 保管庫さんがあって助かった!
乗っt…スレの再利用乙です。 前3スレのスレタイもアレだったが、今回のはとくにインパクトあるな…。
再利用乙ですー。
乙です。 保管庫がなければ難民でした。 保管庫の管理人さんもありがとうw
スレ移動乙 マサユキ忘れかけてた頃にw
マサユキは今にも永川に飛びかかる勢いだったが、実際は倉に捕まっているので手足をバタバタさせて罵声を浴びせるのが精一杯だ。 そこへ突然、永川が立ち上がる。まさかまた殴るのかと思えば森野は気が気でない、とりあえず今は倉がくっついているから、もし殴ろうとしても未然にどうにかなるだろうか、 いや他力本願ではいけない。もし本当にそんなことをしようとするなら、今度こそは自分が永川を止めなければなるまい…、 「言われなくてもそうさせて貰う。用は済んだからな。じゃあ兄貴またな、いい報告を待っててくれ」 最悪の事態を想定して森野は思わず尻を浮かせたが、しかし永川はあっさりとそう言うと、森野にもマサユキにも一瞥もくれることなく大股に歩き出し、襖を開けて廊下へ出ていってしまった。 置いていかれた恰好になった森野はあわてて立ち上がり、倉に挨拶を述べた。 「あ…、では自分も、失礼いたします」 「ええ、はい、お構いもしませんで…」 いや充分に構われました、これ以上は結構…、などとは頭で思っても口には出さず、森野は深々と頭を下げた。そしてこれは森野の想像にすぎないが、山崎ならば言うだろう、 いや余計なことは考えなくていい、とにかく疲れた。ここにいたのは正味2時間くらいだろうに、とてもそうは思えないほど疲れてしまった。 これでやっと帰れる、そう思って森野は内心ほっと息をついた、しかし。 「お前さあ」 倉も森野も下げた頭を上げ終わらないうちに、マサユキが口を開いた。またおかしなことをしでかさないよう、倉が素早く間に入る。 「お気になさらず、ささ」 「いえ、…はい」 倉が行けというので、森野は小さく頷き、再び廊下を歩き出そうとした。しかしマサユキは構わず喋り続ける。 「あんま人って信じるもんじゃねーよ?」 狂気のマサユキが突然発したその言葉は、天よりこぼれ落ち水面を穿つ雨粒のように森野の胸へと突き刺さり、そして幾重もの波紋を描き出した。 その波紋は気の乱れとなって全身へ伝播する、皮膚がざわつく、寒気にも似た感覚が森野を襲う。 何だ、何を言っているんだ、何を言われているんだ俺は。何か心の隅にあるものを読まれたのか、単なる一般論なのか。いや、それ以前に、その言葉に何か意味はあるのだろうか…?
復活乙です!マサユキなんだよマサユキ 意味深じゃねーかよw
そして、これにドキリとしたのは、当然、森野だけではなかった。倉も同様だ。一体どこから出てきた言葉だろうか、思い当たる節は…、ありすぎるほどある。 かつてマサユキは仲間と連れ立ってスラィリーハントに出かけ、恐らくそこで銃撃を受けて…、生死の境を彷徨った。 普通に考えるなら、そんな経験を持つ人間が、これからスラィリーマスターと戦おうとする男に向かって例えばそんな人生訓を吐いて見せたとしても、驚くことはないのだろう。しかし…、 ここにいるのはマサユキだ。すでに正気を失って久しく、一度は獣同然にまで堕ち、そこから時間をかけてようやく、小児程度にまで成長した。 その彼に、先刻の英心に関する話が果たして理解できただろうか。疑わしい。それ以前にマサユキはすでに、寺での生活が落ち着くよりも以前のことは一切覚えていないはずだ。 まさか記憶が蘇ったのか、そう思って倉はマサユキの顔を覗いた、だが、なにか変わった様子もない。キョトンとしている二人が可笑しいのか、ヒャヒャ、と小声を立てて笑っている。 「あの、お気になさらずに」 倉はふたたびそう言った。そうは言ってもあれを気にしない者はないだろうが、それ以上の言葉が見つからない。 「…はい」 森野もふたたび同じ返事をした。そして廊下を歩き出した…、マサユキは何も言わなかった。 …あまり人を信じるものではない。歩きながら森野は、その言葉を心の中で復唱した。 もちろん、マサユキの言うことだから…、深く考えるだけ無駄なのかもしれないとも思う。その場で思いついたことを言っているだけという可能性も、もちろん高い。 しかしマサユキには、他人には見えないものを見通す目がある。その目がこの胸中の何を見て、別れ際にあれを口走ったのだろうか。 『人を信じるものではない』、そう彼は言った。人とはなんだろう。世間のあらゆる人か、それとも特定の誰かか。彼は永川とは互いに嫌いあっているようだから、その感情が露出したのだろうか。 単にそれだけのことならいいが、この胸の内にある深層を読まれ、今ここにいない誰かを指されたのだとしたら厄介だ。前田や山崎、そして名古屋に残してきた人々の顔が、次々脳裏に浮かんでは消える…。
乙でございます。 久しぶりに来て見たらスレなくなっててびびりました。 保管庫がなかったらここまでたどり着けなかっただろうな。
そうして考え事をしているうち、気づくと森野は玄関へ出ていた。そこにはすでに永川の姿はない。 「おい!まさか置いていく気じゃないだろうな」 我に返った森野はたまらず大声を出した。すると玄関の外、「走れヨシヒコ号」に跨った永川が脇からヒョイと顔を出す。 「さっきここへ来るまでの道スジに俺の気でマークをつけておいたから、それを嗅ぎわけて帰ってこい」 「そんな無茶な」 「訓練だ訓練。休んでる暇はないぞ」 遅れて倉が見送りに現れ、蛍光灯のスイッチを入れた。後ろについてきたマサユキは、その光の届かないところから玄関先の様子を見ている。 「気を嗅ぎわけるって…、どうやるんだ」 「例えばそこの玄関の、敷居のとこな」 「…ここか」 「しゃがんでみろ」
靴の紐を縛り終えた森野は、言われるまま開け放たれた玄関の敷居の上へ顔を出し、しゃがみ込んだ。 すると突然、永川は開かれていた玄関のサッシに手をかけた、 「あっ、こら勝浩、」 気づいた倉が声をかけたが、しゃがんで地面を見ていた森野は一瞬反応が遅れた。 永川はそのままサッシをガラガラと引き、森野の頭へ打ちつけた! 「痛てっ!!ちょ、お前、何するんだ!!!」 「ばーか冗談だよ、コロっと引っかかりやがって、うひゃはは」 「ふざけるな、あんなの引っかかるに決まってるだろ!」 指をさして笑う永川に、森野は顔を赤くして抗議し、そして腕を伸ばして永川の耳を掴もうとした。しかし永川はスルリと自転車のハンドルを切って逃げる。 「おい、待てよ!」 「心配しなくても待ってんよ、でも帰りは登りだから、乗っけてやらないからな」 「そりゃ、わかってるが…、ではご住職、夜分失礼いたしました」 「じゃ、がんばってついてこいよ」 「っておい、お前はチャリ乗ってくのかよ!待てってば!」 「だから、いちいち本気にすんなよ…、あんたは…、…」 「…お前は…、おい、…、聞いて…」 挨拶もそこそこに森野は永川を追ってドタバタと走って行き…、やがてはその声も夜の闇に消えていった。 その後姿を見送って倉は…、森野に向かって冗談を言い、歯を見せて笑った永川の人懐こい笑顔を思い出し、 この子がこんな風に笑うのを見たのはいつ以来だろうか、などということを、考えるともなしに考えていた。
30 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/08/26(火) 10:14:56 ID:Pi52zfn30
ビタミンが足りない砂糖くん
オリンピックショックでスレを見失ってたけど発見できてよかった・・・ ありがとう保管庫 「歯を見せて笑った永川」であのAAを思い出した
トェェェェェィ
英心の失踪以来、他人を気安く友と呼ばなくなって久しい彼だが…、きっとよき友を得たのだろう。少なくとも倉の目にはそのように見える。 それ自体は喜ばしいことだ、しかし…、 あの二人はなにゆえ、ここへ集ったか。 あらためて自分自身に問うまでもない。倉は運命を嘆かずにいられなかった。 事と次第によっては、あるいは、勝浩自身にとっても兄弟以上の存在であったはずの英心の、命を……。 「アニぃ、泣いてんのか」 不意に、マサユキが声をかけた。いつの間に横に立っていたのだろう、振り向いた倉の目をじっと見つめるその顔は、何の表情も浮かべていない。 「ん、泣いてないよ」 「そうかよ」 マサユキを不安がらせるまいとして、倉は笑顔をつくった。その笑顔がマサユキの目先をごまかすための役に立ちはしないことを倉は知っていたが、そうすることしかできないのだ。 そして、それを察したか、マサユキもそれ以上の追及をしなかった。 しかし。 その笑いも泣きもしない表情のまま、マサユキは左の目から…、 突然、ボロリと涙をこぼした。 「あっ、どうしたんだ」 倉は驚いて、マサユキの両肩に手をやった。間を置かず、今度は右目からも大粒の涙が溢れる。 頬を拭うこともせず、マサユキは縋るように倉の顔を見つめた。その見開かれた瞳には戸惑いの色が…、人並みの凡庸な感性しか持たない倉の目にもありありと見て取れるほどに、色濃く映し出されている。 その様子を見るに、その涙の意味が理解できず、それどころかその涙自体も、恐らくは自身の意思に関係なく、突然、溢れ出たのだろう。 それが信じられないとでも言いたげな顔で、それでも彼は懸命に、自分の言葉を語るべく、たどたどしくも、健気に、鼻声を出した…、 「…アニぃが悲しいから」 ああ…、なんと、なんということか…!!
倉は己の眼前に立ち尽くす命の不憫を思い、胸が張り裂けそうになった。 この弱い自分に代わって、マサユキは涙を流しているのだ。 突如目の前に投げ出された暴力的な感情のうねりを、天から気紛れに与えられた余分の力によって目の当たりにし、 その波打つ悲しみに共鳴し、為す術もなく引きずられ、ついには飲み込まれ、自分に何が起こったのかもわからないまま…、 ただ、呆然と涙を流しているのだ! 「オレ、も…、」 「マサユキ…!」 その続きを…、『悲しい』などという言葉を言わせてはならない。倉は咄嗟に腕を伸ばし、マサユキの頭を胸に抱え込んだ、その結果…、 さらなる己の弱さを悔いることになった。 その悔恨とは何だろう。とめどなく流される涙と、その涙を流す狂気の瞳をあわれに思った慈愛の心が、自然と身体を突き動かしたのではなかったのか。無論、それも多分にあるだろう。 しかしそれだけが理由ではなかった。そのことは自身がよく知っている。 …自分が流させた涙と知りながら、正視し続けることができなかった。とにかく視野から外してしまいたくて、思わず、そうしてしまったのだ。 その臆病かつ卑怯な本能を倉は呪った。しかし、それを知った上でなおかつ、マサユキをその腕から離すわけにはいかなかった。 間違っても、この懺悔、そして呪詛までをもこの腕の中の瞳に伝えてはならない。そんなことをすれば、ここまで時間をかけて、ようやく積み上げてきた大切なものを…、押し潰してしまうことになるような気がした。 しかし相手はマサユキだ。あの目からすべてを隠し通す自信はとてもない。 顔を見られるのが、怖かった。
そうして、どのくらいの時が過ぎただろう。永遠のような数秒、あるいは数分ののち、倉はようやく口を開いた。 「…すまない」 散々に乱れた幾千の思いが、その一言に集約した。未熟で不徳な自分の弱さが表出し、結果、自身の護るべき命に宿る繊細な心を惑わせた、そのことに対する謝罪だ。 「……」 確かに伝わっただろうか…、いや、そんなものは伝わらないでもいい。ただ願わくば、彼に少しの安堵を…、しかしマサユキは応えなかった。 そうなれば、倉がその腕に抱え込んだ心のなかを覗く術はない。 同様に、マサユキにも、今は倉の表情が見えない。仮に見えたとしても、突然自分の中へ流れ込んできた悲しみに、ただでさえ動揺してしまったその心は…、 その上でさらに倉の顔色を窺う勇気など、とても持ち得なかったに違いない。 広くがらんとした寺の玄関口を、一層寒々と照らす蛍光灯の下、二人はそれぞれに孤独だった。 その頭上では、光に呼び寄せられた蛾が、開け放たれたままの戸口からいつの間にか迷い込み…、 すでにぼろぼろに傷ついた羽を、何度も何度も、蛍光灯へと打ち付けていた。
これは泣けた
え、なになに、ここからBL展開? しおり作らなきゃw
>>37 BLとか失礼だろ、俺の偏見かも知れんけど…
お気にさわったなら申し訳ない(汗)。 緒方とかなこのときもそうだったけど、知ってる人の名前で シリアスな展開になると生々しくて、つい茶々を入れて しまいたくなる方で。
うわぁ切ない… 作者さん乙です。
保管庫から到着しました。 読んだら泣きそうになりました。 作者さんありがとう。
42 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/08/27(水) 19:15:21 ID:oL0/M0DU0
最近CCレモン飲んでいないな ライフガードのほうが好きだ
作者さん乙です 凄くおもろい!早く続き読みたいです^^
そのころ、森野と永川は…、上り坂にさしかかったところで降りた自転車を押しながら、無言のまま並んで夜道を歩いていた。 というのは、ふざけながら寺を後にしたにも関わらず、つい先刻から突然、永川が黙ってしまったからだ。 無理もない、と森野は思った。さすがの永川も考えるところがあるのだろう、その心中、察するに難くない。しかし森野にも永川に聞きたいことが色々とあった。特に、最後の忠告は気懸かりだ。 だがマサユキと永川の仲を考えれば、その忠告がダイレクトに永川のことを指している可能性は低くないので…、その忠告の内容をそのまま永川に伝えることは憚られる。 思案ののち、やがて森野は沈黙を破り、永川にこう尋ねた。 「さっきマサユキ君に言われたことが、少し気になるんだが」 「本当に友達なのか、っていうアレか」 マサユキの数々の発言のうち、意味のありげな言葉のなかで、永川が聞いたものはこれが最後だ。だから、そういう尋ね方をすれば、当然、焦点はここになる。 「そう。あれはやっぱり、俺たちの心の中のいろいろ、例えば背景にあるものとか、そういうのを踏まえてそう言ったんだろうか」 一体何をどこまで読まれた可能性があるのか、気になるのはそこだ。永川は聞きたいことに答えてくれるだろうか。果たして。 「…そんな神経質にならなくていい」 永川はぶっきらぼうに、そして事もなげにそう言った。 「というと」 「兄貴に聞かされたんだろ、マサユキは人心を読むとでも」 「まさにそう聞いた。だから気になるんだ」 「そんとき、兄貴は言わなかったか?あいつが読んでるのは相手の表情と態度だって」 「確かに仰ったが」 「だったらわかるだろうよ」 「何が」 釈然としない顔の森野を見て、永川は片眉を上げ、あごひげを撫でた。
「…つまりあいつは、当たり前だが…、本当に心の中を覗いてるわけじゃない。表面を見逃さないだけだ。だから表面に出てないものまでは読み取れない、ウソ発見器に毛の生えたくらいなもんだよ。 まあ、わかりやすく言うと、どんなに目がよくても物陰までは見えないのと同じことだな」 「…なるほど」 永川の説明は明快だった、そして森野の求めていた答えに相違なかった。 「それに、難しいことが仮に読み取れても、あいつには表現の手段がない」 「しかしお前に、誰かを殺すかもしれない、と言ったじゃないか?」 「だから、そのくらいが限界なんだよ。あいつにはさっきの話の中身は理解できない。そんで、まあ、俺も大声出して大人げなかったが…、 あんたから見りゃ、俺の顔は、ただ怒りに任せてブチ切れているくらいにしか見えなかったろ」 「まあ、うん」 「あれが奴の目にはおそらく、もっと強調されて…、鬼か悪魔の取り憑いたように見えるんだろう、そんでもって、その悪魔が兄貴を取って食おうとしてるようにでも見えたんだろうな。 それに、奴にとっちゃ、俺のイメージ自体がそもそも良くないだろうし、そのへんから出た妄想じゃないのか」 「ふーむ」 森野は唸った。マサユキにとって永川の印象が良くないのは、永川がマサユキを毛嫌いするからだろうと森野は思ったが、 順序はともかく、そう考えると確かに、マサユキがあれほどに必死になった理由も感覚的に理解できるというものだ。 「まあ、そうは言っても全部俺の推測だから、実際どうなのかはわからんし、調べる手段も情熱もないんだが…、 そういう半分現実、半分妄想のフラフラした世界であいつは生きてるんだろう、その世界で唯一信頼できるのが、うちの兄貴なんだろうな」 「そうか…」 「ご苦労なこった」 永川にしては随分感傷的なことを言うので、森野はつられてマサユキを想い感傷的になった…、 しかしその永川が続けて吐いた台詞があまりにも元通りの永川だったので、森野は少なからず気分を害した。
「そんな言い方ないだろう」 しかし永川はそれに答えなかった。そして、今度は森野に質問を投げかけてきた。 「…で、兄貴は何つったんだ」 「何って」 「俺がいない間、喋ってたんだろ」 「ああ、そのことか。この寺の縁起物語を聞いたよ」 「そんなことはいい。…俺のことだよ」 永川は森野の顔を見ずに、まっすぐ前を睨んで言った。その横顔を森野はちらりと一瞥し、考えた…、 倉の意図を尊重するなら、何も伝えないのがいいのかもしれない。しかし今は図らずも、直接に対話のできない、コミュニケーション不全の不器用な兄弟の間に立った恰好だ。 ならば、ここはひとつ…、メッセンジャーとして一役買うのも悪くなかろう。 「世の中にはどうしようもないことがある。あの子を見捨てないでやって下さい、正しいのはあの子です、とさ」 「へえ、そうかよ」 その言葉が永川にとって意外だったのかそうでないのかが森野は少し気になったが、この反応ではわからない。 「確かにお前の言うとおり、マスターの手で人が何人も殺されてるっていう事実は、見過ごすわけにはいかないからな…、」 永川の発言を促すべく、森野はもう少しだけ補足をした。倉も永川の置かれた立場を充分に理解している、そのことを永川が知らずにいるのなら、それだけは伝えておきたいと思ったからだ。しかし。 「勘違いするな。そんな事はどうでもいい」 永川はそれを最後まで聞かず、強い語調で遮った。
森野はケッタとは言わないのか…
「言っておくが、俺は英心がどこで何人殺そうと興味ない。元々スラィリーハントてのはそういうもんだ。そこに英心がいようといまいと一定の死人は出る、知らずに喧嘩売る奴が悪い。 だが兄貴を黙らすにはああやって言うのが一番効果的だからな。兄貴はここじゃ何も修業してないが、後になって何年か京都に出て、それなりに仕込まれた修験者だ。あれでも法力持ちさ。 だから肝心なときに邪魔されちゃかなわん、納得のうえで黙っててもらわないとならない。だからああ言っただけだ」 「永川、それは」 人として言ってはならないことだ、と森野は思った。しかし勢いのついた永川は、それも遮って喋り続ける。 「大体あんた軍人だろうが。それが、人が殺されてるだと。英心の批判できる立場か、笑わせるな」 永川にはひと息つくまでとりあえず喋らせ、それから森野は少し間を置いて、頭の中を整理してから口を開いた。見た目に反して意外に弁の立つ永川に対抗するには、こうするしか手段がない。 「お前は軍人じゃない。軍のことは何もわからんはずだ」 「わからんね」 「それなら安易に批判をするな。軍人にだって、人間の数だけ想いはある。悩みもある」 言われて永川はハッとした。彼は個人的に軍と名のつくものが好きでないから、つい口が滑ってしまったのだ…、 しかし、その気持ちを森野にぶつけることは間違いだと気づいた。倉の言葉を借りるなら、世の中にはどうにもならないことがある。それは百も承知だ。…迂闊だった。 「…悪かった」 「いや」 謝罪を述べる永川に対し、森野は軽く返事をした。別に誇りを傷つけられたとか、そういう訳ではない。軍とはつまるところ殺し合いのための集団だ、それを認識できない森野ではない。 永川の言っていることも、間違いではないのだ。 「でも俺は別に…、世のために英心と戦いたいわけじゃない」 うつむいたまま永川は、ぽつりとそうつぶやいた。…俺はそんな大したものじゃない、そんな気持ちが言外ににじみ出る。
「それは、俺も同じことだから」 果たして慰めになるかどうかはわからないが…、森野は永川の横顔を見ながら、そう言った。自分とて結局、目的は賞金である。 永川とは、主義思想の違いはあれど…、世のために戦いに来たわけではないのだから、その点では同じことだ。 「そうだったな」 それを聞いて永川は、ふう、と息をつきながら、かすかな笑顔を見せ、そして天を仰いだ。 流れる雲影の向こうに細い月が見え隠れする。 「…兄貴は、俺より英心に戻ってきてほしいだろうな」 またしばらく続いた沈黙を破り、永川がつぶやく。 「それは、言っても詮無いことだ。どっちなんてことはない」 森野はその言葉を強く否定した。そもそも天秤にかけること自体が間違いだ。 倉の実直な性格は、森野にも十二分に伝わった。その倉に限って、そんなことを考える筈がない、そう確信できたからだ。 「そんなことはわかってる」 溜息をつきながら、永川は吐き捨てるように言った。 それがわかっているのなら、一体何が…、と森野は言おうとして、しかし、思いとどまった。そんなことはわかっている、わかったうえで、永川はそう言っているのだと気づいたからだ。 つまり、何事も絶対ということはない。永川の言っているのはそういうことだ。その考えも、実に永川らしい。 「畜生」 永川の口から飛び出た微弱な悪意が、森野の耳の奥をチクリと突き刺す。それでも森野は…、倉がどちらか一方の生還を望むことはないと信じた。 自覚は恐らくないのだろう、しかし…、 森野将彦とは、多分にそういう人間なのだった。
もー最近泣き展開大杉(´;ω;`)ルイセンケッカイシマクリ… 泣きも笑いも自由自在の作者様、あんたホントすげーよ…… そして自分的にはナーが哀しすぎてどうしようもない…なんとかいい方向にいってほしいなあ、と。
それぞれの心境を考えると、なんかやりきれない・・・
永川の描写が今日の大本営とかぶる・・・かっちょええわぁ
☆ ☆ ☆ 夜半、所沢解放戦線アジトにて、総帥こと大沼幸二は小箱と水の入った手桶を抱え、腕に手拭いを提げて、大股に廊下を歩いていた。 このアジトは元々、旧所沢政府の官邸だった建物で、長く独裁をしていた政府の要人が暮らしていたわけだから、当然、造りは頑丈、かつ随所に贅の尽くされた代物だが…、 今となっては手入れをする者もないため、繊細な装飾は見るも無残に荒れてしまい、替わって要塞と見まがうほどの武装が随所に設えられている。 やがて廊下の突き当たりにある大きな扉の前へ立つと大沼は、前に立つ見張りの青年を軽く笑顔で制したのち、ノックもせずに、ドアノブを回した。 「おいこらッ、誰も入れるなつってんだろ!!」 ノブの回るガチャリという音と同時に、ヒステリックな怒鳴り声が夜中の空気を引き裂く。 「でかい声出すな。みんな寝てる」 立てた人差し指を唇にあて、ドアの陰から顔を出し、大沼は悪戯っぽく笑った。その顔を見て帆足はひとつ溜息をつく。 「なんだ沼かよ。報告なら、力者と岸者が行っただろうが」 「うん、聞いた」 「じゃあ何の用だ」 読んでいた本をベッドの上へ投げ出し、帆足は睨むような目で大沼を見た。しかし大沼にとっては慣れたもの、そんな目つきでは威嚇されたうちに入らない。 「ん、また傷をこさえてきただろう。ちゃんと処置はしたのか」
大沼は断りもなく勝手にテーブルの上へと荷物を広げる。その持参の小箱が開けられた途端に漂った薬箱独特のあの匂いに顔をしかめながら、帆足はまたぶっきらぼうに答える。 「さっきの血なら、全部返り血だ。心配いらない」 「ヘタな嘘つくな。聞いたぞ、左脚斬られたってな。見せてみろ」 その答えもおそらくは予想済みだったのだろう。ベッドへ腰掛けた帆足の前に椅子をひとつ置いて、自身満々に大沼は言った。 そこへ傷を負った脚を乗せろという無言の指示だ。しかし帆足は素直に従わない。 「…その場で止血した。問題ない」 「それだけじゃダメだ。どうせロクに消毒もしてないんだろ」 「いいから帰れ、俺は疲れてる。明日やる」 「バカ言ってんじゃない、そんなわけにいくか。…なんだ酒なんか飲んでるのか、傷に障るぞ」 「ガタガタうるせぇ野郎だな」 「早く帰って欲しきゃ、早く観念しろ。ほら、脚出せ」 「……」 帆足は渋々といった様子で、出された椅子に脚を乗せた。患部には乱暴に包帯でもない布が巻かれていて、そこに血混じりの体液が滲んでいる。 大沼はおもむろに腰の短剣を抜くと、巻かれた布を切開し、ゆっくりとそれを剥がし始めた。 「…ぐ」 「ああ、すまん」 帆足は押し殺したようなうめき声を出した。乾いた血で傷の淵が布にくっつき、引き剥がそうとすると痛むのだ。 それを理解した大沼は、持ってきた手桶の水を少し取って、布の上から傷口を濡らし、それからまた、ゆっくりと慎重に布を剥がしていく。 そして間もなく、創傷の全容が暴かれた。くるぶしの少し上、立ったとき地面に対して水平に、5センチほどの裂傷だ。 大きさ自体は予想していたほどではなく、大沼はひとつ安心したが…、しかし、決して軽傷ではない。 「深いな。長者に縫って貰ったほうがいいんじゃないのか」
長者とは所沢解放戦線の参謀役で、本名を長田秀一郎、高学歴に裏打ちされた確かな頭脳に加えて医療の心得を持ち、大沼から特に信頼を得ている幹部の一人である。 しかし帆足はその名を聞いて、いい顔をしなかった。 「うるさい、ほっとけ」 「しかしだな」 「奴の厄介になるのは御免だ」 「そうか。それなら、仕方がないな…」 長田による加療を避けるということは、俺達幹部においてはすなわち、医者にかからないということを意味する。 なにしろ、例のクーデターの際に知識層や富裕層の人間はほとんど流出してしまい、優秀な医者は所沢の近郊には存在しない。 また幹部ともなれば、外には敵も多い身であるから、医者は信頼できる者でなければならない。これらの条件を鑑みれば、安心して治療を任せられる医者は、長田ひとりしかいないのだ。 しかし帆足があまりにムキになって嫌がるので、大沼はそれ以上この件を勧めなかった。一応言ってみたものの、拒否されるのは初めからわかっていたことだ。 総帥と呼ばれる立場の大沼がこうして、わざわざ応急処置に来ているのも、帆足が長田のところへ自主的に行くわけがないことが予想できたからに他ならない。 大沼は黙って、手拭いを水に桶の水に浸し、軽く絞った。その水の跳ねる音を聞くともなしに聞きながら、帆足は思い出したように口を開いた。 「ついでだから、ひとつ、貴様に言っておきたいことがある」 「なんだ」 「金輪際、俺の仕事に力者をつけるな」 「ほう」 その要求を聞いて、大沼は口元に緩い笑みを浮かべた。 「一応聞くが、なんで」 「邪魔だ」
その大沼の表情が気に入らないのだろう、帆足は顔を歪め、きわめて攻撃的にそう言った。 しかし大沼は、その帆足の意図を汲み取るでもなく…、突然、噴き出すように笑い声を上げた。 「…何がおかしい」 「ぶふ、いや、悪い悪い。そのことなら心配しなくてもいい、向こうももう、まっぴら御免だそうだ。ま、力者が実戦ダメなのは俺もわかってる」 「わかってて寄越しやがったのか。じゃあ奴を責めるのはお門違いだな。全く、貴様のせいで岸者を死なすところだったんだぞ!」 歯を剥いて声を荒げる帆足の顔を見ず、大沼は傷口の汚れを丁寧に拭き取りながら、頭上から降り注ぐ文句を聞き流す。 「カリカリすんなよ。お前がついてりゃ大丈夫だと思ったんだ。それで実際、怪我もなく帰ってきたんだから、問題ないだろ?」 「俺は怪我したがな」 「お前はいいだろ」
作者様こんな夜更けに乙です! 竜者なので名古屋軍も気になるが、俺たち部隊も気になるし 広島も気になる! ぜ、全部作者さんのせいなんだからねっ!
新作乙です。 長者は頭脳労働担当なんだな。俺達も次々登場してうれしいなあw そして沼者がものすごい勢いで大物の風格が…帆者の性格もよくわかってらっしゃるw 流石だよな、総帥。
沼者に怪我の手当てをしてもらえる帆者に嫉妬www
お前はいいだろwwwヒドスww
遅ればせながら新スレ移行乙です ほかんこさんも乙です。 マサユキ・・・スラハザで泣くとは思ってもみなかったぜ そして長者キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!
hoshu
森野vs永川って何気に今季初対決?だった? 違うっけ?
調べたところ今季2回目ですね
>>64 あれ、そうでしたか、1回目見逃したんだな
わざわざどうもでした
なんか知らんが勝ち負け関係なしに今日の森野vs永川の対決に妙に笑いがこみ上げてきた
岸者カコイイ!! 俺達の服装は中東風味だからか、RPGのキャラみたいでみんなカコイイな そして、帆者イメージイラストの時から思ってたんだが、作者様またいちだんと絵上手くなりましたね。
・・・去年岸が何度も小野寺に勝ちを消されていたのを思い出しました・・・力者めっ!!
最初は森野のことをスレで聞いてるくらいだったのにあっという間にキャラ把握したし、 絵の上達も早すぎるだろw あんた何者なんだw
岸かっけえ! 帆足といい、俺達はイケメン揃いだな
いつもの事ながら暖簾のような大沼にまともに腕押しするのが馬鹿らしくなり、帆足はそこで口を噤んだ。 しかし大らかというか、なんというか…、先に二人から報告は聞いているのだろうから、事の顛末は把握しているのだろうに。 勿論、大沼の言うとおり、結果として岸は無傷で生還したわけだから、今回については、何ら問題はない。 しかし、偶然の生還を幸運と言って片付けるのならば…、その逆、仮に不幸にして岸が死んでいたとしても、それもハードラックの一言で済ませるつもりか。 帆足自身、基本的にはそのこと自体に異論はない。死ぬのはそいつが弱いからだ、強さが強運を引き寄せる。帆足はそう信じている。現に大沼と自分はそうして生き残り、ここまでのし上がってきた。 しかし、今回の岸にそれをあてはめることはできない。いくら自分がついていると言っても、あんな難しい作戦に、実戦慣れしていない岸と小野寺二人を一度に押し付けるなんて。 それでも岸は若いから、まだその采配もわからないでもない。しかし小野寺が実戦に向かないことをあらかじめ把握していたというなら、現場を預かる身として、これは黙って見過ごすことはできない。 「…なんで、力者をよこした」 再び睨むような目で、帆足は言った。 「どうした。今日は随分、お喋りだな」 その視線をかわし、大沼は作業する手元を見て答えた。脱脂綿に吸いとった消毒液が一滴、傷口へとしたたり落ち、帆足は思わず顔をしかめる。 「使えないとわかっているものを押し付けられたんだ。何か理由がなけりゃ、納得できない」 「理由か。理由ならある」 「言え」 「お前が納得するかどうかはわからんがね。力者にも、少しハードな経験をしておいて貰いたいとね、前々から思ってはいたんだ」 「その必要はない。奴はもう外で戦闘に参加することはないんだろう。だったらわざわざ危ない目にあわすこともない」 「お前の言うとおりだよ。でも、経験はしておいて欲しかったんだ」 「その理由を言え」
相変わらず目を見ない大沼に苛立って帆足はさらに追及する。大沼は黙ったまま言葉を選んでいるようだったが、やがて口を開いて言った。 「力者には情熱があって、高潔で理想も強く持っていて、そこらへんは申し分ない。でも」 大沼は一旦言葉を切った。帆足は無言でその先を待つ。 「あいつは、旧政権を倒す前の俺達を知らない」 確かに小野寺は、解放戦線が事実上の政権を取った後に入ってきた。以降、広報として使われているから知名度は高いが…、幹部の中では年数も浅いほうだ。しかしそれだけでは帆足を納得させるに足りない。 「それが何だって言うんだ」 「だから、そこまでに俺達が歩いてきた道を、一度見せておきたかった」 旧政権の末期、治安維持という名目で新法が施行され、特殊な力をもった能力者が片端から逮捕されていた折…、 青年と呼ぶにもまだ幾分年若い帆足は、収監先で大沼と出会った。 当時の帆足は札付きで、手勢を引き連れ、悪行を尽くし、元々どこから逮捕されてもおかしくない身だった。そして実際に連行され、自分はこれで終わるのだと思っていた、 何しろそこは、独裁政権下の数多くある監獄の中でも特に悪名高い、一度入ったら生きては出られないと言われた場所だったからだ。 これで目的も何もない、悪夢のような日々が終わると思えば最早何もかもどうでもよかった。 能力者ゆえに他から隔離された独房で、高すぎて外も見えない窓の光を眺めて、帆足はこれまでの道を思い返した、そして我ながらつまらない人生だと思った。 しかし、本来独房であるはずのその部屋へ、逮捕者が多すぎて独房が足りないという瑣末な理由で、後からもう一人が投獄されてきた。 それが、大沼だったのだ。
運命の出会いktkr! 俺達の歴史を肯定する沼者…いいリーダーなんだなあ。最近は下積み時代を封印したがる偉い人が多くて困る…と独り言を言ってみる …しかし総帥、今日の爆発炎上は、俺達の存在意義と言えど、ちょっといただけないっすよ…
めちゃくちゃ機嫌悪そうにカメラ睨み付けてるwwww 隣のナと対称的杉ワロタwwwwwww
え?なにその二人ってガチで幼馴染だったの?
マジかーうへーマジかよーすげー
狭い独房に二人放り込まれ、食事以外にすることもなく、また人手不足で禄に監視の目もない環境であれば…、互いに見ず知らずであっても、嫌でも話をするようになる。 しかし、帆足は自身について大沼に多く語らなかった。その理由は単純で、自分にはわざわざ語って聞かせたいほどのことは何もなかったからだ。 だが、その退屈極まりない人生の最後に訪れた監獄の日々の退屈は、さすがの帆足にも耐え難かった。 そこへ来て、感情に任せて次々吐き出される大沼の呪詛の言葉は退屈しのぎに丁度良かった、よって帆足は大沼の話をよく聞いた。 聞けば、仮に新法がなくともどこからでも罪名のつく帆足と違い、大沼には身から火の出る能力者という以外に、投獄される理由はひとつもなかった。 つまり帆足とは対照的に、大沼にとってこの監獄入りはまったくの不本意であった、そのうえ、その能力者たる彼を生んだ父母までもが、それまでの暮らしを奪われ、施設へ隔離されたというのだ。 それは当時既に身寄りのなかった帆足には起き得なかった悲劇であり、その怒り悲しみを帆足は我が身に実感することはできなかったが…、大沼の語る恨みのこもった言葉の数々から、想像を巡らすことはできた。 大沼は復讐に燃えていた。俺は必ずやここを抜け出し、いつかはあの腐った政府を倒す。幸いにしてこの身には、みずから信ずる神より授かった力がある! …その大沼の一言一言を、帆足は黙って聞いていた。大沼に比べれば幾分ありふれてはいるが、自分にも力はある。風を纏う力が。 ただ、間違っても、神より授かってなどいない。それはこの同居人に語って聞かせる気も到底起こらないほどの救いのない半生に於いて、あるとき偶然得たものでしかなかった。
かつて所沢では圧政によって減少した労働者人口を補うため全国から積極的に移民を募っており…、彼もその移民の子として所沢に生まれた。移民と言っても、両親がはたしてどこの出身だったのかについて彼は知らない。 わずかに彼の記憶していることと言えば、ただ、貧民街のぼろアパートの最上階の狭い部屋に、父と母と、あと上と下の兄弟姉妹が何人かいたということだけ。 その事実のほかには一切の暖かい思い出もなく…、彼が両親に貰ったものは、その体をおいて他にない。 何しろ帆足和幸というその名さえ、後になって首を突っ込んだマフィアで付けられたものだ。それも、現在までに出入りした組織はひとつふたつでないから、いつ、どこでの出来事だったか、はっきりした記憶はない。 父は肉体労働に従事し、体格がよく稼ぎも良かった。彼の恵まれた肉体はおそらく父譲りだ。しかしその父は元々酒癖が悪く、酒を飲んでは妻に暴力を振るった。 母はその暴力に耐えながらもよく働いたが、そのうち時折家を空けるようになり…、ある朝、いつもと同じように働きに出たまま帰らなかった。 そうなると父は残された子供たちに当たるようになった。その中でも、一番の標的になったのが彼だった。 吊り目が気に入らないと言われ、事あるごとに殴られた。彼は母の顔を覚えていないが、後になって思えば、あるいは母に似ていたせいだったのかもしれない。とかく、彼はいつも青あざだらけだった。 その彼が、その夜もまた父に殴られ、よろめいて戸棚にぶつかった。その衝撃で、父の大事にしていた安酒の瓶が床へ落下してしまった。 瓶は粉々に砕け散った。烈火の如く父は怒り、拳を振り上げて彼を追い回した。すぐに彼は窓際に追い詰められた、そして、幼心に悟った。父の酒瓶を壊した自分は、もう生きていけないのだ、と。 時節は夏だった。開けっ放しになっていた窓から、まるで涙の一滴がこぼれ落ちるように彼は飛び降りた…、 帆足が空を飛んだのは、この時が初めてだった。 狭い路地を二本向こうの広場へ転がるように着地すると、彼は擦り剥いた膝をかばうこともなく、夜の闇の中へと走り出した、そして二度と生家へは戻らなかった。 父と、残された兄弟たちがその後どうなったのかは知る由もない。
うああああああああああああ切ねえええええええ・゚・(ノД`)・゚・
俺達にそんな壮絶な過去が… ってか、スラィリー討伐からどんどん話膨らましますね、恐るべし、職人様。
87 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/09/05(金) 01:23:45 ID:RrL2YLWm0
うまー
なんか帆足の過去、妙にリアルだなあ…
かくして、彼は一度死んだのだ。そして、荒ぶる世の波の中で、いつも父の暴力に怯えていた小さな子供はいつしか生まれ変わり…、 やがて成長した少年は生きるために何でもやった、善悪などは考えることもなかった、 その末に人食いと呼ばれる監獄へぶち込まれ、いま、二度死のうとしている。 そのことについて、自身、特に思うところはなかった。なぜなら、偶然あの家に生まれてきた、すべてはそこに端を発しているのだ。何せ偶然なのだから、別に誰のせいでもない、そして、一度永らえたのも偶然だ。なにも意味はない。 そこに無理やり意味を見出し、怒り、悲しみ、嘆くのは、彼にとっていかにも骨の折れる作業だった。しかも、そうしたところで得るものはない。 しかるに、聞けばおそらく自分と同い年くらいの、やはりこの世の理不尽に翻弄された男は…、その若い情熱を復讐に燃やし、挙句、政権を倒すなどと、途方もないことを言っている。 帆足は面食らった。世間なんて始めからこんなものだ。呪うべきは、その身に余分の力を与えた神のほうだろうに。 しかし、その熱を帯びた言葉は…、帆足の疲弊した心を、しだいに突き動かし始めたのだ。 さらに大沼は、常人にない能力をもつものは、すべからく神によって授けられたものだと信じているらしかった。だから無駄にしてはいけない、この力で政府を倒すべきと考えるに至ったという。 それを聞いて帆足は考えた。仮に、自分の力も何かの神によって与えられたものなのだとすれば、その神は、あの時なにゆえ自分を生かしたのだろう。 それはまさに、今この時のためではなかったか…。 ならば、ここで自分は果ててもいい。引き換えにこの男を塀の外へ出してやりたいと思った。 もしかしたら、それでこの理不尽な世の中が少し変わるのかもしれない。…もしかしたら。 「わかった」 突然、帆足は口をきいた。 「何が」 大沼は驚いて聞き返す。
「貴様、爆破ができると言ったな。この部屋の壁を崩せるか」 「あ、ああ。そのくらいなら。でも…、それを繰り返して、外へ脱出できるほどには、連発できないんだ」 帆足の意図を理解し、大沼はそう言ってうつむいた。すると帆足は急に椅子から立ち上がり、大沼に近づいてきて、声をひそめて耳打ちした。 「…二度撃てればいい」 それを聞いて大沼は目をぱちくりした。二度。そのうち一度目は、この独房の壁だろう。そうすると、残りは一度だ。 「すると、残り一度は、どこで」 「最後だ。外門の守衛を突破する時」 「そこまでの道のりは…、どう抜けるんだ」 「俺が風を起こして、貴様の一発目で出た炎を煽る」 「…なるほど」 そうやって通常の何倍もの速度で火が燃え広がれば…、確かに、この監獄の管理側を混乱に陥れ、隙に乗じることは充分に可能だろう。…しかし。 「だが、そうすると、ここに囚われている人々は」 「まあ、全滅だろうな。囚人はもちろん、看守も、ほとんど」 小声で、しかしきっぱりと帆足は言い切った。大沼の視線が一瞬泳ぐ。 「…そう、だよな。やっぱ無理かー」
大沼は溜息をひとつついて、大きくノビをすると、そのままベッドへ仰向けに倒れ込んだ。 「できればもう少し、スマートなやり方があれば良かったんだがな」 「なんだ貴様」 その大沼の胸倉を、突然帆足は掴み上げた。 「離せ、何するんだ」 「犠牲が出るから、やらないのか」 「だって、そうだろう。俺たち二人が逃げるために、ここにいる何百人」 「馬鹿か貴様は。これからやることがあるんじゃねぇのかよ。まさか、ひとりの犠牲も出さずに、政府を倒すつもりなのか!?」
作者様おつです。うまいなー。 かっこいいよ帆者ww
俺達すげぇ!燃える展開ktkr!でも試合は燃やすなw
沼者は優しいんだな…
最近師匠の影が薄くて寂しい(´・ω・`)
>>95 すいません当分出番ないと思います。物語なんで段取りがあるので我慢して下さい。
翌日もしばらく森野と永川で出歩く予定です。
前田とカーサでベンチもほっかほかです。
97 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/09/06(土) 14:36:56 ID:5GkJ02GJ0
b
ほしゅ
>>98 なんかもう、いつ見ても気の良さというか優しさというかがダダ漏れのように見えるんだよね、総帥w
でもなんかバランスに違和感が…w
首も体もがっちりしてるし、髪も量が多いからやたら帽子部分がちっさく見える…
マウンドにさえ立たなければ総帥は癒し系
言われて大沼はハッとした。まるでバケツで頭から水をぶっかけられたような衝撃。 勿論、それは考えていなかったわけではない、大沼はそこまで楽観的な男ではない。勿論、将来的にそうなるだろうことは考えついた。 しかし、いま現実に、まだ何を成せるかもわからない自分がここを脱出するためだけのことに、多数の人間を殺さなくてはならない…、 その事実が、帆足の提案した具体的な作戦によって、目の前に突如、形を成したのだ。 「それは…、そりゃ」 「さては貴様、随分といい暮らししてやがったな。この平和ボケめ。戦うってのは、そういうことだぞ」 「離せよ」 再度言われて、帆足はいまさら気づいたように大沼の襟から手を放した。掴もうとして掴んだわけではない。今まで生きてきた世界で身についた習慣のようなものが、考えるよりも先にそうさせたのだ。 「それで、やるのかやらないのか」 床へ尻餅をついて襟を直す大沼を見下ろし、腕組みをして帆足は高圧的に言った。対する大沼の答えは。 「…少し考えさせてくれないか」 「何を」 搾り出すようなその声を聞くなり、帆足は意地悪く鼻で笑った。その笑いの意味を大沼は瞬時に理解し、さっと顔を強張らせたが…、しかしすぐに首をうなだれた。 考えるということは、この場合…、自分ひとりのこの命が、ここにいる数百人を犠牲にするだけの価値があるのかどうかを頭の中で再検証するということだ。 勿論そんなことを考えるまでもなく、この世にそんな価値のある命はない。自分には神に授かった力と天命があるとはいえ、天秤にかけるのも愚かしい。今は道理を踏み破り、天秤をひっくり返してでも、進むしかない。それはわかっている。 「いや。…腹を括る時間をくれ、と言うべきだったな…」
立ち上がり、尻についた埃を払いながら、大沼は自嘲気味に笑顔を見せた。多量の犠牲を出すことをためらうのは彼の優しさに違いないが、しかし同時に、恐れでもある。 当然ながら大沼は、これまでに人を殺めたことはない。よって人を殺すのが怖いのだ。 「…バカ正直な野郎だ」 育ちのいい奴は大抵プライドだけは高い。そのことを経験的に知った上で大沼を嘲笑った帆足だったが…、大沼があまりにあっさりと自身の心理を吐露したため、毒気を抜かれてしまい、バツが悪くなって頭を掻いた。 「だが、決めるんなら早くしろ。ここは本来二人も入る場所じゃない、もし明日にでも誰か処刑されたりすれば」 「ああ」 そうなれば、どちらかが空いた独房へ移されることになる。今生のうちに顔を合わすこともないだろう。 「もう二度とチャンスはないと思え」 そう言い捨てると、帆足は固いベッドを大きく軋ませて、身を投げ打つようにしてゴロリと横になった。頭にヒジをつき、壁側を向いて、大沼には背を向けている。表情はわからない。 「…人ごとだな」 その背に向けて、呆れたように大沼は言った。…返事はなかった。
その夜、突如、爆発は起こった。時を同じくして施設内に突如吹き荒れた爆風に煽られ、常識では考えられない速度で火の手がまわり、文字通りまたたく間に、監獄は業火に包まれた。 鎮火には実に丸二日を要し、焼け跡は出火元もわからないほどに、何もかも焼け落ちてしまっていた。 帆足の予想した通り、生きて逃げ延びたものはほとんどなかった。元々出口に近いところにいた職員がどうにか数名。残りの大多数と、囚人はみな焼け死んだ。 ほとんどの遺骨がDNA鑑定も困難なほどに焼けてしまい、この世に残ったのは灰だけだった。 一度目の爆音ののち火災が発生し、その直後に外門で二度目の爆発があったことから、何者かがこの二度の爆発を起こして逃げたことは、誰にも予想がついた。 そのため当局は何度も現場の検証を重ねたが…、帆足和幸、大沼幸二の両名がこの未曾有の火災を計画的に引き起こし、そのうえ生きて逃げ延びたという事実まで辿り着くことは終にできなかった。 当局は大沼の能力を正確に把握していなかったのだ。火が出せることについては記載されていたが、爆発が起こせることまでは誰も知らなかった。 それでも、火の出る能力者は珍しいから、大沼は早い段階で容疑者リストには載った。しかも大沼の収監されていた独房の壁は崩れていた。嫌疑がかかるには充分だ。 しかし火災の激しさを物語るように、崩壊していた壁はそこだけではなかった。しかも大沼と帆足の房には帆足の偽装工作によって二人分の遺骨が残されていた。 この事実によって、もしかしたら逃げ延びているかもしれない彼らに対する捜査の初動が遅れた。特殊警察が動いた頃には、彼らはすっかり身を隠してしまっていた。 行方不明者リストに載った彼らは、2年の潜伏生活ののち戸籍を失った。晴れて、死んだことになったのだ。社会の裏側で反政府活動を繰り広げるにはますます好都合だった。 ちなみに勇者こと青木勇人は、この期間に一時期彼らを匿ったため、のちに政府に追われる身となり、その縁で所沢解放戦線に加わっている。
作者様おつです! こうして応援する選手が増えていくわけだが・・・w
作者さん乙です。 スレ迷子になってやっと追い付いたよ! 泣けるシーン多過ぎ!。・゚・(ノД`)・゚・。 総帥が好きだ…優しいとことか。 時に弱いとこが人間らしくてよい。
スレ迷子結構いそうだね
だからといって実況やら別のとこで話題にするのもいかがと思う訳だが
前スレ知ってた人ならほかんこ見るなりして辿り着けるだろ
そこは各自の良心に頼るしかー… といいつつ早売り週ベにニヤニヤしてみるテスツ
111 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/09/09(火) 22:48:01 ID:EM/KqMjc0
↑誤爆かカウント稼ぎと思われ 見る価値なし
ageだしな
かくして俺達最初の一歩は脱獄劇から始まった。最初の一歩で、既に数百人を焼き殺したのだ。さしもの大沼も、最早、後には引けなかった。 そして、その後の道は言うまでもない。それこそ目的のためには、奪えるものは何でも奪った。人は数え切れないほど殺した…。 ☆ ☆ ☆ 「わざわざ見せてやるほどの道か。死体の山で埋め尽くされて、足の踏み場もない。見ないで済むならそれがいい」 「だから、それじゃ駄目なんだ。あいつは今後の俺達がどうなっていくかにしか興味がない。実際あいつには関係のないことかもしれない、でも、俺達が…、俺とお前が歩いてきた過去は消えないんだ。 あの時お前は言っただろ、ひとりも殺さず政府が倒せるかってな。その通りなんだ。都市をひとつ背負っていくんだ、綺麗事だけでは済まない」 「それは貴様が忘れず把握していればいいことだ。力者には」 関係ない、と言おうとした帆足を制して、大沼は続ける。 「帆、これはお前には言っておこうと、しばらく前から思ってたんだが」 「何だ」 「いずれ、俺達が所沢政府として他所に認められる日が来たら…、」 刺すような視線を向けてくる帆足の目を大沼は改めてしっかりと見据えた。そして。 「そのとき、俺は力者に総帥の座を譲りたいんだ」 「…何だと!?」 まさに青天の霹靂。大沼のその言葉に、帆足は飛び上がるほどに驚いた。 「待て、それ以前に、貴様が降りる理由がどこにあるんだ!」 「いいから聞いてくれ。俺もお前も移民の子だ。地元の有力者から見れば、どこの馬の骨ともわからんわけで…、何をやっても、到底信頼は得られないんだよ」 「俺はともかく、貴様は違うだろう」
同じ移民の子と言っても、貧民街で育った帆足とは違い、大沼は早くに入ってきた移民の三代目である。 初代、つまり祖父の興した事業が成功し、地域にしっかりと溶け込んだ家に生まれ、それなりに裕福な家庭で、あの監獄に入るまでの日々を過ごしたはずだ。 しかしその帆足の言葉に、大沼はゆっくりと首を横に振りながら答えた。 「それは所詮、移民の中での違いでしかない。上から見れば、変わらないさ。その点、力者はここ所沢の、かなり有力な家の出身だ。 今後、俺達が都市政府としてやっていくには、今までとは違ったものが必要なんだ。…つまり、頭と金が要るんだ。 識者や有産階級の類を従わせるには、肩書きと家柄、つまり、生まれ育ちは大事なんだよ。俺たちと同じさ、あいつは他人にない力を持ってる。実戦には向かないが、権力を握るのに好都合な力だ」 大沼の口からそんな言葉が出たことは、帆足にとって非常に心外だった。大沼は本来、誰に対しても深く詮索をしない男だ。 だから帆足も、貧民街で育ち、相当の悪事を働いたというその事実以外…、自身の不遇について一度も大沼に語って聞かせたことはない。 帆足は大沼のそんな所が気に入っていた。そして、誰の出自にも関心なく、幹部の選定など、すべてにおいて平等だと信じていたのだ。 それが…、次の総帥を選ぶにあたり、まず重視したのが家柄だとは! 「大事なのは、能力のはずだ…」 「わかってくれ。それも能力のうちなんだよ。多くの人に耳を傾けさせる力だ。正しい言葉も、耳に入らなければなんの力もない。 だから、ずっとあいつには広報をやらせて、まず顔を売ったんだ。今じゃ庶民にも金持ちにも、相当に人気がある」 帆足は口から飛び出そうになった様々の言葉を、どうにか奥歯で噛み潰した。小野寺が総帥に向いているかどうかについて、帆足は大いに疑問がある、 到底納得はいかないが…、大沼がもう決めたというなら、意見する立場ではない。そもそも、その大沼とて、さほどトップに立つべき才覚を持った人間ではないことは帆足も承知している。
「ふん、なるほど…、それで力者には、貴様の片腕と言われる俺が人間の命をいとも簡単に踏みにじるところを、特等席で見せてやったって事か」 「そんな言い方をするな。そういうことも、必要なんだ」 「……」 「それに岸者の初仕事まで重ねてしまったことについては、申し訳ないと思ってる。でも、お前なら万事うまくやってくれると思ったのさ」 帆足は黙り込んだ。小野寺を同行させてきた理由については理解した、納得はしないが…、理解した。 しかし、ひとつ引っかかることがある。大沼は帆足の力を楽観的に過信している。 万が一、それで岸が死んだら、それは岸の不運では済まされない、大沼のミスだ。 そのあたり大沼がどう考えているのか、帆足は柄にもなく気になったが…、先刻と同様に、それは大沼が心得ていればいいことで、自身が首を突っ込むべき問題ではないと、すぐに考え直した。 これは大沼のやることに疑問が生じかけたとき、いつも帆足が心中で唱える呪文のようなものだ。自分は現場のレベルのことだけを把握していればいい。総帥たる大沼の考えることは、わからなくてもいい…。 「まあ、話はわかったことにする。だが、とにかく俺はもう力者の面倒は見ないからな。あれはダメだ。死人が出る。今回は確かに無事で済んだが、次の保障はできない」 「わかったわかった。しかしそれにしても、そこまで思っているんなら、その力者を報告によこすとは…、お前も豪気だね」 「…どういう意味だ」 「ん、どうって。あいつが俺のところでお前を散々に言うことくらい、想像がつくだろうに」 「それで奴は貴様に、何か目新しいことでも言ったのか」 「いや別に」 「そんなら、何を言ったところで、構わんだろ」 また短剣を抜いてガーゼを切り裂く大沼の手先を見ながら、帆足は仏頂面のまま答えた。その答えを聞いた大沼は一瞬キョトンとした顔で帆足を見たが、次の瞬間には声を上げて笑い出した。 「ハハハ、そりゃそうだ、お前について今更、確かに何もないわ。お前頭いいな、ハハハハ」 帆足は今回特に変わったことをした覚えはない。だから、変わったことを報告される覚えもない。 つまりは人使いが荒く、敵の人間を人間と思わず、目的のために手段を選ばないという話で…、 言われてみれば、その程度のことは大沼も初めから十二分に承知だった。
作者乙です 帆足の事を帆って呼ぶのかw
俺達が完全に主役を食ってるww
「そうだ、それより岸者は。どうだった?」 ひとしきり笑って、やがて呼吸が整うと…、笑いすぎた目をこすりながら大沼は尋ねた。 「はあ、さては貴様、それを聞きに来たんだな」 大沼の意図を知って帆足は渋い顔をしつつ、しかし、口元に少し笑みを浮かべて答えた。 「それもある。だがお前が怪我してこなけりゃ明日にしたさ。まあ、ついでだ、見た感じを聞かせてくれ」 小野寺評する帆足と同様に、小野寺のことは別に帆足から散々聞かされなくても知っている。大沼が聞きたいのは岸のことだ。 青木の脱退以降、長いこと空席になっていた幹部の残り一席を埋めるに足る人材かどうか。 勿論、自身と、その頭脳である長田で協議した上でそう判断したから、先立って末席に加えたのだが…、しかし別の視点からの評価も欲しい。 「そうだな…、まあ、基本的に、力者と同じで考えは甘い。だが、射撃の腕と判断力、それに…」 「それに?」 「…度胸はいい」 「ほお…、」 縫わずに傷口を固定するためにガーゼの上からとにかくテープを貼りまくる手を止め、大沼は感嘆の声を漏らした。 「随分な高評価だな。そのココロは」 「俺の言いつけを破って、状況にうまく対応した。自力で活路を開いたんだ。…経験を積めば、使えるだろう」 「初仕事で帆にそんな評価を貰うとは」 「貴様そんなにメチャクチャ貼り付けて…、剥がす時のこと考えてやがるのか」 大沼の手元を見て帆足は思わずそう言ったが、大沼はその質問に答えない。
「そりゃあたいした大物だな。そうかそうか。そりゃ結構結構」 「なんだその顔は。何をたくらんでやがる」 評価を聞きだしておきながら一人合点し半笑いで包帯を巻く大沼の顔を見て、帆足は眉をしかめた。何か嫌な予感がする。 「ん、別に。ひとついいことを教えてやろうか。岸者はお前を気に入ったようだぞ?」 「どうでもいいことだな」 どうだと言わんばかりの大沼の笑顔から目を逸らし、帆足は言った。他人がどう自分を評しようと一切興味はない。そんな事くらい知っているだろうに、一体何を言いたいのか…、 「そこでだ、お前に岸者を鍛えて貰いたいんだよ」 「はあ!?ふざけんな!!」 大沼の提案に、帆足は思わず激昂した。岸者の初仕事も結果的に無事済んで、もう二度と自分と組むことはないと思ったからこそのあの評価だ。 褒めたおかげでその後の世話までついてくるのではたまったものではない。 「そんな照れなくてもいいだろう。向こうはお前にキョーミがあるみたいだし、お前は岸者を評価してるんだろ。何も問題ないじゃないか」 「貴様バカにしてやがんのか、誰がヒヨコの世話なんかッ」 帆足は思わず治療中の脚を振り上げ、踵を椅子へバンと落とした。大沼はその直前にサッと手を引き、事なきを得る。 「あ、こら、暴れるな、まだ終わってない」 大沼はそう言って制したが、帆足の耳にはもはや届いていない。立ち上がって、大沼に掴みかかってくる。 「力者の面倒は見ないと言ったが、力者以外なら見るとか言ってねぇぞ!」 「まだつってんだろ!聞こえないのかバカ野郎、動くんじゃないッ!!!!!」
保管庫先生へ
>>120 「岸者の初仕事も結果的に無事済んで」の「者」を削って下さい
hoshu
帆者のキャラ、ええのう
帆者はツンドラなんですね、わかります
☆ ☆ ☆ 広島、前田オマエニ流道場にて。 時刻は夜中の二時を少し回ったころだろうか。森野はふと喉の渇きを覚えて目を覚ました。隣ではドアラが静かに寝息を立てて眠っている。 森野はそのまま眠ってしまおうと再び目を閉じたが…、やはり喉が渇いて眠れない。もしかすると、ここへ戻ってきた後、永川と山崎と飲んだあの酒のせいかもしれない。 「これはな、この辺の名産でな。スラィリーのトサカを焼酎に漬け込んだもんで、その名もスラィリー酒ってんだ」 「そないモッタイつけんかってもええやろ、まんまやんか」 森野の脳裏に、ものの10分ほどで風呂から上がってくるなり青い液体の入った瓶を得意気に突き出す永川と、その背後から氷を提げて部屋へ入ってくる山崎の姿がふと蘇る。 永川とともに森野が道場に戻った頃には、前田とドアラはすでに寝てしまっていて、出迎えたのは山崎ひとりだった。 そのまま寝床へ向かおうとする山崎を捕まえて永川は言った。酒を出してこい、と。 そして、そう言われた山崎が、なんの酒と聞き返すこともなく棚から出してきたのが…、その青すぎる酒だった。 「スラィリーのトサカってのは、青くないんじゃなかったか」 「そうだな。赤と緑の2色だな」 「そのトサカを漬けただけで、こんな色になるなんて。凄いな」 森野はその瓶から注がれる酒をみつめながら言った。何かのカクテルベース、あるいはカキ氷のシロップかと思うほどに青い。 その森野の質問を聞いて、人数分の酒を注ぎ終わった永川が、おもむろに瓶に貼られたラベルに目をやる。そして程なく口を開いて言った。 「…青1号、赤40号」 「…そうか」
作者さん乙です。 着色料ワロタw
作者さん乙です 着色料バロスwwwwへぇーと感心したのに酷いやw
着色料でまっ青な酒… 体に悪そうだwwwww
129 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/09/13(土) 20:08:00 ID:EGBe2W610
gg
その後は、2時間ほども飲んでいただろうか。酒盛りがお開きになる時に、水を多めに飲んでおけと永川は言っていた。言われた森野は素直にそうしてから寝たが、量が足りなかったのかもしれない。 しかし多量に飲んで寝たところで、今度は尿意で目が覚めるだろう。結局は同じことか、と思いつつ…、森野は布団を抜け出した。向かう先は台所だ。 暗い廊下をそろそろと歩いて、その奥のやや立て付けの悪い戸を引き、目をこすりながら森野は台所へ足を踏み入れた。そしてその次の瞬間…、口から心臓が飛び出るほどに驚いた! そこには、赤い袴の男がうずくまるようにして床に座っている。その男は森野の顔を見ると、にやりと笑って、口を開いた。 「あら、丁度いいところに」 「だっ、誰だ!!」 森野は咄嗟に身構えた。目の前の相手から、ただならぬ気配を感じたのだ。 「名乗るほどのものじゃ、ございませんがね。まあ、この家の者ですと言っておきましょうか」 男は耳の少し後ろのところをちょっと掻きながら答えた。いや答えにはなっていないが、仮に詳細に自己紹介されたところで、夜中に台所の床にうずくまっている行為に対する疑念が晴れるわけではない。 そもそも人間なのだろうか、まさか妖怪の類なのか…。これ以上の追及をすべきかどうか森野が迷っていると、男のほうが先に切り出した。 「あなた何か御用があって来たんじゃないんですか?」 「あ、ああ」 言われて森野は、少しどもりながら答えた。
「喉が、かわいたので。少し、み、水を」 「それだったら、冷蔵庫にありますよ」 「いや、そんないい水でなくていいんだ。水道水で」 そう言って、森野は流し台へ歩み寄ろうとした。すると男は急に立ち上がり、森野の目の前へ手のひらを出して、それを制した。再び、森野の驚くまいことか。 「な、何をする!」 「まあ、そう仰らずに。この冷蔵庫を開けてほしいんです。お願いしますよ」 「冷蔵庫を…?」 男に促されるまま、森野は奥へと歩みを進め、問題の冷蔵庫を見た。しかし、なにか変わったところがあるようにも見えない。 「…開かないのか?」 「私ね、ちょっと、触れないんですよ」 「というと…?」 「ここ見て下さい」 男は冷蔵庫の取っ手を指差す。暗くてよくは見えないが…、顔を近づけてみると、なにか護符のようなものが貼り付けてあるのがわかった。 「これで、触れないのか」 「そうですそうです。でも、人間様ならなにも問題ないハズ。お願いしますよ」 男は低い声を余計に低めて言った。人を人間様呼ばわりするということは…、つまり。 「お前、やはり、妖怪…、」 「失礼な!」 「うわっ」 森野が『妖怪』と言った途端、男は身を乗り出して憤慨した。台所の空気が一瞬にして張り詰める。
「も、申し訳ないっ」 「ここが昔、神社だったって知ってますか?別に知らなくてもいいですけど、あたしゃその頃からいるんですッ」 「わ、わかったわかった。しかし、それならなぜ、御札ぐらいで…」 「そんなこともわからないの!?御札にも種類があんですよ!」 「そっ、それは存じなかった!失礼したッ」 「御覧なさい」 男はふたたび取っ手を指差した。その差された先と共に、整いすぎた手が森野の視界に入る。男の手だからさすがに白魚のようだったりはしないが、まるで専心に手入れがされているかのように美しく、一言で言うなら、やはり人間離れしている。 その指先が無造作に取っ手の護符に触れた途端…、赤い閃光が吹き出した! 「あちっ」 「だ、大丈夫か」 「ええ、まあ。これは仏様のほうの御札でしてね。ですから私には触れないのです」 「そういうものなのか」 「そういうものです」 森野は手を伸ばし、冷蔵庫の取っ手を握った。…どうということはない。そのまま取っ手を引くと、当然ながら冷蔵庫の扉が開いた…、 その瞬間、ばうん、という音を立てて、突如男は全身から煙を出した! 「うわ、な、何だ!」 その煙の中、森野はあわてて男の姿を探した。しかしどこにもその姿はなく…、かわって目の前にいたのは、虎ほどもあろうかという、巨大な銀色の狐だった! 「どうも、ありがとうございました」 それにしてもなんという早業か、狐はすでに、油揚げの袋をその口にくわえていた。森野の頭の中へ直接、間近で鐘が鳴り響くように、低い声が響く。 そういえば…、夕方、永川に聞いていたのを森野は思い出した。ここが神社だったころからいるという、稲荷様の狐の話。
「もしや、あの、鶏小屋の…、」 「あらバレてた、御免なさい。あなたがあんまりすんなりデキちゃうもんですから、つい血が騒いじゃって」 狐は口をあけてケタケタと笑った。その拍子に、くわえていた油揚げの袋が床へ落ちる。 「ま、ほんと、感謝しますよ。それじゃ、また機会があれば」 油揚げを拾い直すと、狐はまた煙を出した。そして、その煙が晴れると…、そこに狐の姿はなかった。 「消えた…」 森野は呆然とした。そして、ドッと疲れを感じた。 「そうだ、水…、」 冷蔵庫の中に、冷えた水があると狐は言っていた。その言葉を頼りに開けてみると…、水はない。そのかわりに、季節外れの麦茶が入っている。 「これのことかな」 水と麦茶では随分な違いだ。しかし人の家の冷蔵庫から勝手に飲み物を取り出して飲む行為について、このとき森野は何も考えなかった。 なぜなら、森野はその名を知るべくもないが…、狐のカーサが初めにこの家の者だと名乗ったからだ。 しかしその実、カーサは冷蔵庫に水があるかどうかを把握していなかった。つまりは森野に冷蔵庫を開けさせるための方便だったのだ。 「うまい」 二杯を飲み干し、便所へ行って、森野は再び寝床についた。そして程なく、眠りに落ちていった。
カーサ再びキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!! 口調が中性的なところが面白いですね
135 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/09/14(日) 02:04:20 ID:jUGNJI3C0
しかし…モレノにはシャレにならん位長い一日だなw
森伊蔵を盗みの来たのかと一瞬思ったwww
カーサは山ちゃんがお供えしてくれる分じゃ足りないのかw
☆ ☆ ☆ ――闇の向こうから、靴音が迫る。逃げても、逃げても、追ってくる。 振り向くと、奴は真後ろに…、有無を言わさず狼のように飛び掛ってくる、背中が地面へ打ちつけられる。必死になって振り解こうにも、体格は絶望的に違う、重い身体がのしかかる…、駄目だ、逃れられない。 物言わぬ暗い瞳が、失望に満ちた色をして目の前に迫ってくる。そして奴は、右手の指に挟んだ護符を俺の喉笛に押し付け、抑揚のない声で真言を詠唱する…、 耳をつんざく爆発音とともに、びくん、と自分の身体が勝手に跳ねるのがわかる。俺は、俺はたったいま、殺されたのか――!? 「うわあああッ!!」 スラィリーマスター、こと梵英心は、またお決まりの夢を見て、寝床の上に大きく跳ねた。その衝撃に彼の寝床…、すなわち一頭の巨大なスラィリーは眠りの世界から引きずり出され…、 二、三度まばたきをして、それからやがて身を起こした。 「…エィ、シン」 その腕に抱いた、己に比べればなんと小さな身体の名を、スラィリーは呼んだ。返事はない。 かわりに…、 「カ、ツ、ヒ、ロ…、」
ああ。また、その名を呼んだ。 それは梵がこうして夢にうなされるたび、幾度も幾度も口にしてきた名だ。 しかし、それが自身にとっての何であるのかを、梵はいつも説明しない。ただその名を、うわごとのように口走る。 荒い呼吸が喉を鳴らす音がする、それから身体を震わす哀れな振動が、分厚い毛皮ごしにも伝わってくる。 一体どうしてしまったのだろう。心臓の鼓動に乗ってその不安が伝わり、たまらない気持ちになる。 しかし、スラィリーに生まれついたその身にできることといったら、精々、たどたどしい発音でその名を呼んでやることくらいだ。 こんなとき、ヒトならば…、なんと言ってやるのだろうか…、しかし仮にそれを思いついたところで、言葉にする術もない。 なにしろ、彼のその名をおいては、他にただひとつの人語も操ることはできないのだ。己の口、そして鼻から漏れるピロピロという音を、スラィリーはこの上なく呪わしく思った。 こんなとき、どうすることもできず、スラィリーはただその腕の中の小さな身体を、確かめるように抱きしめる。 梵はそれに縋りつくようにして、目の前の毛皮を掴む。力が入りすぎている。痛い。 何がそんなに、おそろしいのか。それを知る術はない。 スラィリーにも、神という概念があるのかどうか、それは彼ら自身にもわからないだろう。 しかし、ヒトの言うところの神に向かって、スラィリーはこのとき、確かに、祈った。 …この人を災禍より守る力を。どうか、我に与え給う。 願わくば…、その恐怖を永遠に取り除く力を……。
その青い毛皮に抱かれた男、梵英心は梵倉寺の嫡子にして、スラィリー折伏術の第一継承者。 兄・義和を差し置き幼少から父の手により鍛えられ、また成長してからは前田智徳門下でさらに鍛えられ、才気豊かで、気性は快活、将来を嘱望された存在だった。 そして親友永川勝浩を、ごく普通の人の道から外したのも、この男だ。そのときは軽い気持ちだった。家に住み込みで、だれか子供を修業させることになると父が言うので、それなら勝浩がいいですと、進言したのは彼だった。 本当なら、もっと幼い子供が適しているはずだった。しかし彼が健在でいる限り、二人目の継承者はさほど実力を持つ必要もない。 そう、本来、永川勝浩は、せいぜい次の世代へ術を継承させることができればいい程度の、スペアでしかない存在だった。 それを、道程半ばにして、己の背負うべき重責を放棄し、挨拶もなしにすべて押し付けて、あまつさえ仇敵となった自分を勝浩は恨むだろうか。恨むだろうか…、恨まぬはずがない。 奴はいつか、自分の押し付けたその使命を帯びて、絶望のいろをした瞳をもって、侮蔑の視線を俺に向けるだろう。 そして、この首を狙うだろう…。
作者様おつです! スラィリーマスター遂に登場ですね スラィリー健気で可愛いよ
道場になるとムードがユルくなっていい!と思ってたらマスター様が!! 化け物可愛いよ化け物
鯉グッズにスラィリー抱き枕とかあればいいのにw
143 <ピロ
145 :
非通知さん@アプリ起動中 :2008/09/15(月) 11:55:56 ID:0lUCbVuo0
おおお、ついにマスター登場ですか! 更にwktkしてきました!
145ですが なんか名前が変なことになってるけど気にしないで下さい あとageてしまってすみませんorz
ヒロシマによるピロのピローですね …青色移りそうだけど欲しい
>>147 今すぐ球団商品開発部にメールするんだ!
「あの」カープならやってくれる…はず…!
むしろマスター気分でおやすみできるスラィリーベッドくらい作ってくれるかもw
まさかのスラィリー目線ktkr! 青いの、意外に健気だ…
スラ。・゚・(ノД`)・゚・。 カープが5割の壁を打ち破ってうかれてたところに、こんな切ない話を・・・
>>147 カエリマスヨー
作者さまいつもGJです
続きも楽しみにしてます
保管庫にイラスト見に行っちゃった
青いのがか…かわいい…
このスラィリーは以前名前を決めたヤツかな? たしか…ヨモギ、だったっけ。
/''7_/__7 / ̄ ̄ ̄ / / ___/ / / ̄/ / . ____ /' 7'7./''7 . ./ /___ . / /_/ / /____/ ー'ー' / /.. i___/ /___________/ /____,/ ,vv.、 ,.vv、 ピゝ )∧^て'""',、 ゚\,、/゚,, _ヾ∧Λ, 、∧Λフ__ >ヘヘハ∧lノ '"'、 ミ゙,、∧,、ミ q p ヽヾ(・)(・)-, 、-(・)(・)フノ `'(・( ・), 、フ , ; "',、 ミ<(・)(・)ゝ , , ,,,,,NNN,, くく (二(:・:・:)(:・:・:)二) >> ノ ノ,, , ; ,.ミ ミ/ ( ` ̄ ;;oo;ミ (:)(:);i::;;'.';:':;:::i: ̄o;  ̄:i:::;:':;'.';;::i; ,,Yヽ /'; ,, ,,ー' ̄ ̄ヽ /´ ̄`ヾ| ̄ ̄`゙`゙彡. ,,,,;:i;;;':;:;'::;;:;:;i; ;i;:;:;;::';:;:';;i:,, (0.0 ) "';''';;;''´ , ー 、 \
hο∫hμ..._〆(⌒(´・▲・`)⌒)
乙乙 久しぶりにAA職人さんたちの作品を見た気がする…
158 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/09/18(木) 23:50:19 ID:2qRxaJzh0
gg
保守
160 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/09/19(金) 23:13:03 ID:cf6lBK8g0
CC
スラィリーが新球場でも暮らしていけますように
162 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/09/20(土) 22:20:37 ID:smDsF9/G0
捕手
>>161 ファイティー…。・゚・(つД`)・゚・。
hoshu
165 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/09/21(日) 22:23:04 ID:ExInl0Ul0
>>163 ファイティーは鎌ヶ谷でカビーと一緒に暮らしてるんだぜ
カビーが鎌スタから帰るとお茶とお菓子用意して待っててくれんだぜ!
つーかスラィリーは市民球場がにぎやかで楽しそうだったから興味そそられて住み着いたんだから
新しい球場でも楽しくやってればきっと大丈夫だと思うな…多分
坊やとお嬢ちゃんの二人体制にはならないと思う…
>>166 そうか、今でも幸せでいるんだね( ´∀`)
鎌ヶ谷事情には疎いんで、教えてくれてありがとう。
スラ「イ」リーな 保守
169 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/09/22(月) 07:07:34 ID:JKG7w5A70
スラィリー 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 移動: ナビゲーション, 検索 スラィリー(SLYLY)は、プロ野球・広島東洋カープのマスコットである。1995年7月29日、広島市民球場での中日戦で初登場。背番号は「!」。よく「スライリー」と表記されるが、正しくは「イ」が小文字である。 これだから携帯は
_、_ _、_ ∩( <_,` )∩ _、_ ⊂( <_,` )\ / ( <_,` )つ ノ ⊂⌒) |.⌒I、│ (⌒つ ヽ (__)⌒(__) (_) ノ (__)⌒(__) ∪
172 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/09/23(火) 12:33:52 ID:N0G3Rc2X0
ヤクルトにいたレモンを思い出しました
175 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/09/23(火) 21:18:44 ID:XNMgGUn+0
GG
どうもです。 ちょっと色々ありまして、とか言うほど何もないのですが、今月中は無理かなという感じです。 まあ、カープ本体がしびれる戦いをしているので、そっち見ましょう。 土日で中日戦行ってきました。これで自分は市民球場とはお別れです。 そんなオールドファンではないのですが、とても感慨深かったです。 新球場にもあのうどんがありますように。
あ、このスレの住民はカープファンだけじゃないのだった。 今年はセパともに熱い戦いが続いているチームが多いですね。 それ以外にも村田の本塁打や内川の打率など見どころが目白押しですね。 とりあえず今日はロッテの寸止め伝説が発動するかどうかが最大の関心事です。
作者さん乙です うどんは…ソースのない噂として一部で話になってますが会社が変わるから味もとかなんとかゴニョゴニョ
中日ファンだけど広島にCS出て欲しい もしうちが行けても無様な野球して惨敗するのが目に見えてる(´・ω・`)
市民での日シリも見たいけど中日との三位争いなら話は別かな 日シリで昌さんに投げてもらいたいし、短期決戦で爆発するのを信じて応援する
>>180 その中日と0.5差で死闘を繰り広げてるのが広島なんだけどね。
まさか広島と互角だなんてファンとして恥ずかしいって事ね。
ファンなら最後まで応援すればいいのに。
余計な事言うなよ 両方ともチームは真剣にやってるんだから
我が海軍からすれば夢のような話だ。>CS争い 来年はどうなるかなー。このポジション、慣れているとはいえ、 やっぱイヤだよなー。
>>183 そりゃいくらなんでもひねくれすぎだろ…
まぁ、何だ? q p ,,.NNN,, ミ(:)(:)___,,,,, 彡. .,,--’’ けんかはやめるピロ 彡 ミ 彡__ミ / ∪ |.∪ ミ ̄ ̄ ̄ミ `∪''∪"
>>183 こういう無駄にケンカ腰な奴って空気読めないんだろうな
カープファンから見てもウザいんだが
>>180 お前、投手炎上スッドレでも叩かれてたな…
あそこは○○ファンと言ってはいけないのに
あ、
>>183 のレスよく読んだらこいつカープファンじゃねえな
無関係なくせに何でいちいち首突っ込んでくるかねえ?
ロッテの胴上げクラッシュ発動されましたね 来月まで保守
192 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/09/24(水) 23:44:59 ID:0USH5CYk0
gg
>>183 はカープファンだろw
>>180 が上から目線に感じるってのはなんとなくわかる
でもまぁ言いすぎだわな
まあ、まだまだ応援してるファンもいるんだからこういう場に書くのは自重 せっかくのんびりしたスレが荒れるのも勿体無いし
相手の居ることなのに勝敗の話を書くのは無粋だと思うw
>>193 カープファンは「広島」なんて言わないよ
もういいだろ、この話は 誰も得しないよ
中日ファンって上から目線だよね
>>199 はどこのファンでもないただの荒らしなのでスルー。
ついでに200get。
(`仝´) <仲良うしんさい
(‘ ё ’)<4番って大変だよね、ほんとにね
捕手age
204 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/09/26(金) 20:21:08 ID:JqkFtqyLO
CCサバシア
所沢解放戦線おめでとーw
今日、試合を見てて伊東前監督が、 「大沼は優し過ぎるんですよね。」と、言ってるのを聞いてココを思い出した。 沼者…現実でも優し過ぎる男。 先発も帆足だったしなw
倉捕手
209 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/09/28(日) 22:27:09 ID:GeDbOjnp0
210 :
◆4P6Fp0aKPs :2008/09/29(月) 01:20:08 ID:D0Y/nBm6O
保管庫板に置いたんで代理お願いします
211 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/09/29(月) 01:34:38 ID:gBOoFpgDO
C.Cデビル
213 :
転載 :2008/09/29(月) 01:54:25 ID:LGcQ2EUX0
…自身が師の元を去って以来、時間の経過に伴って、永川も相当の使い手になっていることは梵にも容易に想像できるし…、実際、その目でしかと見届けたばかりだ。 射撃の腕を別にすれば、実に余裕のある戦いぶりだった。相手も手負いだったとはいえ、最後に手から放った一撃など、おそらく全力からはほど遠い。 しかし梵は現在まで、その永川よりも常に力で優位に立ち続けてきた。今やスラィリー折伏術の事実上の継承者となった永川が一向に手出しをしてこないということが、そのことに対する何より確実な証明だ。 無理もない、そもそも実力で互角以上、加えて梵にはスラィリーたちがついている。冷静に考えるなら、これほど恐れるような相手ではない。 そう、冷静に考えるなら…、 …駄目だ。今朝はどうにも胸騒ぎがする。 ピロロロ、と再びスラィリーが鼻を鳴らした。その心痛の音を聞いて梵はハッと我に返り、やっとの思いで、毛皮を掴んだまま強張った手をゆっくりと離した、 そして、その手のひらを、いまだ動悸の収まらない胸へと押し当てた。
☆ ☆ ☆ 朝10時、名古屋市内、某所。 「あ、おねーさん、注文いい?俺これ、ブルーマウンテンね」 「…あと、ブレンド」 どこか浮世離れした時間の流れる、午前中の喫茶店の独特の空気の中に、井端はいた。 何しろ近頃は基地に詰めっぱなしだから、娑婆に出るのも久しぶりだ…、しかし、これとて西基地への増援要請の帰りである。 本来ならば、わざわざ現地まで、しかも司令官本人が出向くことはないが、何しろ今は隠し事をする身である。まずは態度で誠実さのようなものを示しておきたい、と井端は考えたのだ。 そうなると、文京軍の攻勢は夕方から夜にかけて強くなることが多いから、出るとしたら、今しかない。 「今って忙しいんじゃないんすか。戦況悪いでしょ」 「忙しいよ。そりゃ忙しいさ。最悪だ。なにしろ、あのころとは立場が違う」 「ああ、そういやバッさん、随分偉くなったんすよね。基地の総司令って具体的にどーゆー仕事してんの」 コップの冷えた水に口をつけ、井端は額に手をあてて問いに答える。しかしその様子に何か配慮を見せるでもなく、向かいの男はさらに興味本位で質問を続けた。 「部下の尻拭いして年長者にガミガミ言われて長官にイヤミを言われるのが仕事だ。あとは…、何かあった時に首切られるのも仕事」 「また冗談。役所じゃないんだから、何かあったら困るでしょうよ」 (省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
「お待たせいたしました」 「ああ、どうも」 程なくウエイトレスが、二杯のコーヒー、厚切りのトースト、それにゆでタマゴとサラダをふた皿ずつ運んでくる。 そのコーヒーを蔵本は早速口元まで持ち上げ、そして存分に空気を吸い込んだ。 「やっぱね、人の金で飲むコーヒーは最高。この香り、この味…、あち」 「…そうか」 慌てて唇をさする蔵本の動作を見ず、井端は無表情のまま返事をした。あるいはもしかすると何らかの表情をしたものかもしれないが…、何せ井端のことだから、それは他人の目には判別できない。 「ていうか、忙しいのに何こんなところフラフラして」 「西基地へ行ってきた帰りだ」 「へえ、それで援軍は出して貰えそう?」 「相変わらず、お前は勘がいいな」 西基地、と言っただけで用件を的確に言い当てた蔵本の洞察力に、井端は半ばあきれて苦笑した。 「なんせあっちは死神だからな。一体どんな事言われるかと思ってビクビクしながら行ったわけだ」 「ああそうだ、死神ね、いたねーそんなの。そっか死神に会いに行ったのか」
>>214 ミスった、すんません
☆ ☆ ☆
朝10時、名古屋市内、某所。
「あ、おねーさん、注文いい?俺これ、ブルーマウンテンね」
「…あと、ブレンド」
どこか浮世離れした時間の流れる、午前中の喫茶店の独特の空気の中に、井端はいた。
何しろ近頃は基地に詰めっぱなしだから、娑婆に出るのも久しぶりだ…、しかし、これとて西基地への増援要請の帰りである。
本来ならば、わざわざ現地まで、しかも司令官本人が出向くことはないが、何しろ今は隠し事をする身である。まずは態度で誠実さのようなものを示しておきたい、と井端は考えたのだ。
そうなると、文京軍の攻勢は夕方から夜にかけて強くなることが多いから、出るとしたら、今しかない。
「今って忙しいんじゃないんすか。戦況悪いでしょ」
「忙しいよ。そりゃ忙しいさ。最悪だ。なにしろ、あのころとは立場が違う」
「ああ、そういやバッさん、随分偉くなったんすよね。基地の総司令って具体的にどーゆー仕事してんの」
コップの冷えた水に口をつけ、井端は額に手をあてて問いに答える。しかしその様子に何か配慮を見せるでもなく、向かいの男はさらに興味本位で質問を続けた。
「部下の尻拭いして年長者にガミガミ言われて長官にイヤミを言われるのが仕事だ。あとは…、何かあった時に首切られるのも仕事」
「また冗談。役所じゃないんだから、何かあったら困るでしょうよ」
井端の対面で長い脚を組んで座っている男は、名を蔵本英智。ドアラ漫才で人気を博し、名古屋では知られた芸人である。
しかしその彼が数年前まで名古屋防衛軍に籍を置き…、おまけに中尉の肩書きまで持っていたという事実は意外に世間では知られていない。
ドアラの魅力のひとつはそのミステリアスさ加減にある。従って、その相方である蔵本にも、退役将校などというカタい前歴は、隠さないまでも、特に宣伝する必要はないのだ。
蔵本はテーブルの隅をポンと叩いた。西基地の全権を預かる『死神』の名は、蔵本が現役の中尉だった頃から、すでに東基地にも響き渡っていたのだ。 「で、どうでした?バッさん一人で?荒木は連れてかなかったんすか?」 「あいつにも仕事あるから。それに、初対面の相手に挨拶しに行くのに、あれが何の役に立つって」 「ああ確かに。それで結局どんな感じ」 「いやそれがだ…、随分感じがいいというか、表情も穏やかだし、物腰がえらい柔らかくて拍子抜けしたよ。落合長官はあなたに期待しておいでですから、一緒に頑張りましょう、とかつってな」 「死神、お世辞うまいんだ」 その死神の声真似をする井端の表情が例によってちっとも穏やかでなく、蔵本は笑いの漏れた口元をカップで隠した。 「お世辞言うな。まあ死神ってのは単なるアダ名なのかな。でもなんで死神なんだろう。よくわからなかった」 「グダグダですね」 「何が」 「レポとして」 「すまんな」 「いや謝られても。とにかくお疲れさんです」 皿の隅に塩を小さく盛りながらぼそぼそと喋る井端は、いかにも一仕事を終えた後といった様子で、半分ほど魂が抜けており…、つまるところ、一言で言うと疲れているように見えた。 「…で、何の用すか、俺に」 しばらく間を置いて、蔵本は再び口を開いた。井端が疲れていることは充分に理解したが、しかし、蔵本とて多忙の身だ。ゆでタマゴをかじるその口に、先の言葉を喋るよう促す。 「まさか外出るついでになんとなくお茶に誘ったわけじゃないでしょうよ」 「ああ、それは当然」 「何すか」 「あのな、軍に戻ってくれ」 「は!?」
新作&転載乙です! ってかクララキター!しかもドアラ漫才w
乙です! 死神&クララファンの俺歓喜www 普段の岩瀬は本当に「死神」って名前からかけ離れてるよなぁ…
乙です!ひげのりキタ━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!! ナゴヤモーニングだったらコーヒー頼んだだけで既出の品々他、 さらにピーナッツにケチャッピーなスパゲティ、おみお付け、斜め切りのバナナ等がw
クララktkr(゚∀゚)
英智キタ!!!
新作キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !! 乙です! ドアラ漫才の相方って英智だったのかw
作者さん&転載さん乙ですキタ━(゚∀゚)━!!
英智キタ━(゚∀゚)━!!
しにゃがみもキタ━(゚∀゚)━!!声真似だけだけどw
どっかで死神の死神たる部分も見れるのかwktk
>>221 自分はコメダのモーニングしか頭に浮かばなかった_| ̄|○
トーストとゆで卵はあまりにオーソドックスかw
死神登場!! 死神の死神たる所以を見たい が、同時に憲伸に「どーしよ〜憲ちゃん…」というような 情けない姿も見たいwww
死神&クララキター!! 同期入団の二人だから、なんか関連あるエピソードとかあるといいなあと思いつつ、これからの展開にwktkw
228 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/01(水) 00:18:33 ID:2NJnLToQ0
LLLLLL
shoshu
さて、秋ですね。 秋の味覚といえば… ピロ
死神って階級はどうなんだろうな〜。大佐かな? それとも…まさか…将官とか…。
233 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/03(金) 02:09:31 ID:OJ/E8QAj0
GG
>>232 階級はばっさんと同じ位かも
普段は黒い腕カバーつけたまま、花壇の花に水やりをする事務員さん風味
いざ戦闘となった時だけ死神の様に容赦の無い戦いをする……とかw
突然の申し出に、蔵本はあやうく手からフォークを取り落としそうになった。 「な、なに寝ぼけてんすか、冗談じゃない。大体、今の俺に何ができるって、」 「お前しか頼める奴がいないんだ。基地の人間を動かすわけにはいかない。詳しいことは話せないが、森野が昨日から姿を消した。だから、奴を探してほしいんだ」 「そんなの、俺にはムリですよ!俺はそこらで顔が知られてるから、人探しなんて…」 「そのことなら大丈夫。お前に行ってほしいのは、広島だ」 「広島…?」 その地名を聞いて、蔵本は、多分に漏れず訝しげな顔をした。 「森野は、広島へ行ったんすか」 「断言はできないが、その可能性がある。お前は名古屋じゃ有名だが、全国的に名が売れてるわけじゃないだろ。だから広島なら、大丈夫だ」 「なにその大丈夫って、大きなお世話っすよ」 「とにかく頼む、森野の命がかかってる」 「森野の、命が…!?」 固まる蔵本を見て井端は、自分の口がうっかり滑ったことを一瞬遅れて認識した。 確かにその後の人生や軍での立場など、色々大切なものがかかってはいるが、命がかかっているとは言いすぎた。しかし今更後には引けない。 前日すでに長官に向かって嘘をひとつついている、かくなるうえは上塗りだ! 「そうだ、頼む。いま森野を失うわけにはいかん。どうか。…この通りだッ」 「んなっ…、バッさん何するんすか、わかった、わかったから顔上げて下さいよ!!」 テーブルに両手をついて頭を下げる井端と、それを必死で制する蔵本をチラチラと横目で見ながら、ウエイトレスたちが小声で何かを話している。 そこに座っているのがドアラ漫才の蔵本英智だと気づかれたか、あるいは単に、お客様お静かに願いますと言いに行くタイミングを計っているものかもしれない。
――丁度そのころ、西基地では。 「いやあー、案外普通の人だったねー」 「そうッスね」 死神とも称される西基地総司令・岩瀬仁紀少将と、その副官たる川上憲伸中佐の二人が、先刻尋ねてきた男を評していた。 「憲ちゃんが『般若』なんていうから、一体どんなのが来るのかと思って身構えちゃったけど」 「だって、実際そういう噂なんスよ」 「別に普通に礼儀正しいし、言ってることもまともだし。なんで般若って言われてるのかな」 「まあ、わからないスけど、自分が思うに、恐らく…」 そこまで言って、川上は一旦言葉を切る。しかし岩瀬が目線で先を促すと、渋るように、こう続けた。 「顔…、じゃないッスかね」 それを聞いた岩瀬は突然パッと笑顔になり、ポンとひとつ手を叩いた。 「あ、やっぱりそう思う?」 「思うッス」
☆ ☆ ☆ 「またウチのもんが、あいつに殺されたって言うじゃないか。え?」 「…俺も見たけぇ、違いない」 一頭の、これまた巨大なスラィリーが、梵をきつく睨みつけながら言った。 「お前ちゃんと見回ってんのかい」 「すまない…」 「それで謝ったつもりかい!大体なんだ、ヒトを見下ろしてからに!!」 ここ、三次の山中の奥深くに、ただならぬ様子のしわがれ声が響き渡る。その声の主、早朝から怒りを爆発させているのは…、このあたりのスラィリーを束ねる長老だ。 スラィリーは本来言葉を喋らないが、この長老は狐のカーサよりもさらに随分長く生きており、よって狐が喋るのと同様に、人語を喋る。 しかし通常のスラィリーの倍ほどもある巨体が災いし、年老いた今では立ち上がるのもひと苦労で、大抵こうして足を投げ出し、地面にベタリと座っている。 …その長老に態度をきつく咎められ、梵はもっさりとした動きでスラィリーの首から地面へと降りた。 長老がいることからわかるように、スラィリーにもいくつかの社会があり…、マスターと呼ばれる彼は、現在、そのうちひとつの社会の住人だ。 彼が現在、このスラィリー社会で果たしている役割は主に二つ。ひとつは、ここの社会に属しているスラィリーがハンターに殺されるのを未然に防ぐためのパトロール、および、その現場に出くわした時にはハンターを排除すること、 そしてもうひとつは、スラィリーの住処を脅かすような開発の手が入った際に、その排斥を行うこと。 つまり本来ならば、昨日永川に殺されたスラィリーも、梵には救う義務があったのだ。その任務に失敗したため、彼はこうして叱責を受けている。
作者様おつです! 死神キタ━━(゚∀゚)━━!!!!
死神登場キター!! ケンシンとの会話で、二人の表情を簡単に思い浮かべることができて、 つい笑いが出てしまった俺w 作者様和田さんしく乙です!
クララが広島に来たら、もっと事態は混乱するのかなあ、楽しみだw そしてスラィリー社会におけるマスターの位置が自分には意外だったなあ。
普段の岩瀬ってそんなに地味というか弱気な感じなの?
>>242 d
>中学時代になぜか茶摘みをしている際に脱臼した事がある
これ一番笑ったw
打たれたらどうやって死のうか、とか言ってたような とりあえず試合中のオーラは完全に消えるなw
なんだか壮大ですね
246 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/03(金) 23:37:50 ID:Muyr+X8D0
GG
前日の永川と青木が話していた通り、三人組の未熟なハンターが山へ入り、スラィリーを仕留め損なって一人は殺され一人は重体、 残る一人が興奮したスラィリーに追いたてられてぶどう畑のそばへ転がり出た、というのが昨日の一件のあらましであるが…、実のところ、この騒ぎを梵は、永川よりも先に把握していた。 とは言っても、はじめから一部始終を見ていたわけではない。山裾のあたりを巡る気が乱れているのを鋭く感じ取り、それから急行したのだ。 それなのになぜ放置したかと言えば、自身が干渉するまでもなく事態が沈静化すると思ったからだが…、しかし、そこに誤算が二つあった。 山を下り切るよりも前に手負いのスラィリーが息を切らすか、そうでなければ、こちらも重傷を負ったハンターの残り一人が逃げ切れないと予測して、 そのいずれかの後にスラィリーをなだめすかし、連れ帰ればいいと、初め、梵は考えていた。 しかし、この生死の懸かった鬼ゴッコは実に危ういバランスと勢いを保ったまま継続し…、彼らは遂に人里に飛び出てしまったのだ。まず、これが第一の誤算。そして間もなく軽トラックが到着し、新手が姿を現した。 ここで初めて、梵はこの一件に積極的に干渉しようとした。傷を負ったスラィリーは、大した儲けにならないかわりにさほど手強くなく、つまり高い確率で小金が手に入るため…、比較的経験の浅いハンターに回されやすい。 そういった連中なら、自分のもつ術のいずれかを使って出し抜くことができるだろう、と読んだのだ。しかし、その読みは見事に外れた。よりによって、現れたのは他でもない永川だった…、これが第二の誤算だ。 結果、彼の護るべきだった若い命は失われた。今頃は肉と皮と骨と臓物とその他とに細分され、それぞれバラバラに密封されて、暗く冷たい倉庫の中、出荷を待っていることだろう…。
「お前どうも、あれには甘いね。確かに、お前にとっちゃ友達かもしれないが…、…まさかお前、わざと見逃してるんじゃないだろうね!?」 うつむいたまま足元を見つめていた梵は、この一言に顔を上げ、そして首を横に振った。 「おばあ、それは絶対にない、誤解じゃ!」 一族のものを死なせた以上、言い訳はするまいと梵は心に決めていたが…、しかし、これには思わず弁解の言葉が出た。 結果的に自分が至らず、永川がまだ若いスラィリーを殺害するところをただ見守る形にはなったものの、それは決して故意ではない。 なぜなら、第一の誤算が起こらなければ、第二の誤算は起こらなかった。それにそもそも、いくら人家のそばとはいえ、手負いの一頭のためにわざわざ永川が出てきたこと自体、梵にとってはまったく予想外だったのだ! 「そうかい。まあ、そんなら、もういい。今日こそはとにかく、軍隊の連中を追っ払っちまって頂戴。いつまでもダラダラ時間かけてんじゃないよ」 「…わかってる」 「わかってんなら、さっさと行きな!」
作者様おつです! 長老スラ様はおばあだったのかwww wktkが止まりませんw
梵はなんでスラ一族に肩入れしてるんだろう・・・
ホシュ
252 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/05(日) 21:36:14 ID:Hd7DplFT0
GG
hoshu
ものすごい剣幕に押されるようにして、梵は言われるままその場を後にした。なにせ長老の機嫌が悪いので、場を取り囲んだスラィリーたちも、目をあわさぬように下を向き、それぞれみな大人しくしている。 そこへ、梵と入れ替わりに…、棍棒を担いだ巨大な熊が、木々の間からのっそりと姿を現し、この嫌な緊張感を伴った沈黙を破った。 「ようババア、朝っぱらから元気だな。あんな大声出しよってからに、ついにボケがきちまったのかと思ったぜ」 「クラウド。用件があるなら、早く言いな。あたしゃ虫の居所が悪いんだよ」 「そんなもんは、見りゃあわかる。ババアと違って、俺ぁ目も耳もバッチリだからな」 クラウド、と呼ばれた熊は、その凶悪な外見に似合わず矢継ぎ早に軽口を叩き、鋭い牙を覗かせて笑った。長老はますます目尻を吊り上げる。青い体毛に阻まれて見えないが、おそらくその額には、青筋を何本も立てていることだろう。 「そんな無駄口叩きに来たのかい!?」 「まあ、そうギャーギャーわめくなって、みっともねぇから」 熊はまたヘラリと笑い、長老の目の前へドッカと腰を下ろした。 「俺様が言いてぇのはアレよ。夜中にな、偶然、あの狐野郎に会ったんだが」 「それで」 「どうも様子がおかしかったんだ」 そのクラウドの言葉に、スラィリーの長老はフンと鼻を鳴らす。 「馬鹿だねお前は。カーサがおかしいのは、いつものことじゃないか」 「そうじゃねぇって。俺様の鼻が正しけりゃな、どうも…、あいつから嗅いだことのない匂いがしたんだ。野郎、何か隠してやがるかもしれねぇぜ」
255 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/07(火) 00:52:28 ID:3/f+gPEp0
☆解説 クラウドとは 広島は安佐動物園に暮らす熊。棒切れを振り回すという特技を持つためカープ球団に目をつけられ、さあ回せとばかりに栗原のバットを押し付けられた。 「バットを飼育スペースに置いてクラウドくんが回すのを待ちます。ただしバットが飼育スペース内の側溝に落ちてしまったら、客の入りの如何に関わらずその日のチャレンジは終了」という投げっぱなしな企画に、 熊ながら見事一発で応え、勝負強い打撃をアピール。当然のようにTシャツになった。
クラウドwww チャーーーンス!の映像にもなりました
クwwwラwwwwウwwwwwドwwwwwwwwww
>当然のようにTシャツになった。 さすが広島w 新作乙です!
栗原母が栗原TシャツじゃなくクラウドTシャツ着てたな そういえば
カーサがおかしいのは、いつものことじゃないか>> ワロタ。
クラウドがくるとはwwww
半笑いのまま眉をひそめ、意味ありげに声もひそめるクラウドに、長老は呆れた顔をした。 「何かって…、一体何を隠すことがあるんだえ」 「そんなもん知るか。だが、俺様はとにかく忠告したからな。後で恨むんじゃねぇよ?」 「恨むもなにも。そんな忠告で何がわかるってんだい」 「はあ、まあ、そりゃもっともだな。うへははははは、はははは」 「まったく、どいつもこいつも、朝から人をバカにしてんだからね。あの英心にしたって、あの子が懐いてなきゃ今頃、」 クラウドの笑い声に構うことなく、長老は梵の立ち去った方向を睨んで、ひとつ舌打ちをする。 「懐いてんだから、仕方ねぇだろ」 「いいや、あたしゃ気に入らないね。実に気に入らない」 「若いもんのやることに、ババアがいちいち口出すもんじゃねぇや」 「バカ、そういうことじゃないよ。人間とスラィリーってのは元々相容れないもんだ。きっと良くないことが起きる」 「そう思うんなら、無理にでも引っ剥がせばいい事だろうに。まあ、もっともあの男、ああ見えて強ぇからな。ていうか大体、命の恩人かなんかじゃねぇのかよ?」 「そりゃ、そうなんだけどね…、それにしたって何年前の話だい。いい加減、時効だよ!」 「うひゃっはは、冷てぇな、バチあたんぞ」
そうして熊が盛んに年寄りをからかっている頃…、梵と彼のスラィリーは、近くの崖の大岩の上に並んで座り、眼下の谷底に溜まった霧の海をぼんやりと眺めていた。 「そのうち嫌になってどっか行っちまうと思っとったのに。カッちゃんはクソ真面目じゃのー、お陰でまーたカミナリじゃ」 梵は手元の石を拾うと、それを霧の中へ投げ入れながら言った。その独り言を聞いて、スラィリーはうつむき加減に、ピルルルと鼻を鳴らす。これは溜息である。 「ヨモギ、お前が気にするこっちゃねーよ。おばあの言うことはもっともじゃけ」 ヨモギというのは、かつて梵が与えた名だ。彼らの出会いはもう随分と昔の話になる。当時、梵はまだ前田の下で修行の身であり、ヨモギはその小柄な少年の背ほどもなかった、まだ幼い子供だったのだ。 ――その頃、梵と永川は…、修行の一環として、早朝にランニングを課せられていた。永川がいつも規定のコースを走っていたのに対し、梵は時折、近道をしていた、 そのショートカットコースの途中の道なき道で、ある日、彼らは偶然出会ったのだ。 行く手にスラィリーの子供がうずくまっているのを見て、はじめ梵は身構えた。しかし、そのスラィリーの子は梵を見ても、威嚇の声すら上げない。 不審に思って近づいてみると、足に鉄製の罠が食い込んでいるのがわかった。前年秋に山へ入ったハンターが、そのまま残していったものだろう。 生まれながらに己の背負った使命を頭の片隅に置きつつも…、梵は得意の手刀で罠の蝶番のところを破壊し、それを足から外してやった。 子供とはいえ、スラィリーの毛皮は頑丈だから怪我は大したことはなかった、しかし数日何も食べていないらしく、随分、弱っているようだった。 こんなときお釈迦様は、御自分の身を投げて虎の親子をお救いになったそうじゃがの…、そうつぶやいて立ち上がった梵を、スラィリーの子供は不思議そうな目で見つめた。 「俺はお釈迦様じゃないけぇ、ちょっと待っとれ」
正直、クラウドの名前を見るまでエロズリー登場かと思ってたorz
スラィリーが…か、かわい(略
保守がてら独り言 名古屋さんが今のところ気でできることは、槍の具現化のみ? これからどのように進化するんだろう…もしくはこのまま能力が上がって槍の威力が増していくんだろうか… そして梵はどんな種類の気をつかうのかwktk
広島、面白すぎるww ドラみたいに広報がブログやればいいのに。。
270 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/08(水) 23:59:20 ID:UBoUt3YB0
hosyu
272 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/10(金) 01:19:54 ID:H6DCceNO0
v
死神&憲伸来てたー! 憲伸におしぼり投げつける小笠原というのもいますよ作者様 あまり広島と西武に関する知識が無かったんだが スラィリーハザードのおかげで選手を知って 9月広島vs中日とソフトバンクvs西武の遠征の旅が楽しめたっす と捕手がてらチラ裏
>>273 は一応
テレビに映った憲伸に小笠原が笑いながらおしぼりを投げ付けたという
憲伸本人の話ですので
誤解が起きぬよう念の為
意味が分からん
小笠原が(憲伸本人におしぼりを投げ付けたのではなく) テレビに映った憲伸に向かって投げ付けた、と、憲伸自身が語った こういうことでOK?
小笠原って酷いな…w
倉にバーカの人は本物に向かって言ったけどな
q p
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ミ(:)(:)___,,,,,
彡. .,,--’’
彡 ミ
彡__ミ ∧,,∧
/ ∪ |.∪ ( .;:@梵@)
ミ ̄ ̄ ̄ミ o( uu )o
`∪''∪"_... -‐<二\-‐ i-、-ヘ
_...<´,-、,..-ヘ \―`、 i-、-;;;;``ヘ
-‐'´,-、,..-'´ ´/ ̄`ー--、_ i-、ー-;;;;;;;;\i-、、
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最近挿絵AA見ないんでいろんなの混ぜて
>>265 のシーン作ってみた
280 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/10(金) 23:23:50 ID:L2shthvMO
廃止
>>279 おお!非常にGJですよ!!
最近絵師さんも来ないのでちょっと寂しい…スレ落ちたときにはぐれてそれっきりなのかなあと
282 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/11(土) 13:21:44 ID:xO8effT+0
知らない人いるかもだから言うけど、「カッちゃん」は永川の幼少時のあだ名 ちなみに永川は梵を「えっくん」と呼んでいた
一日遅れだけど、スラィリーマスターさん誕生日おめでとう
285 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/12(日) 22:09:27 ID:qC85bBeE0
GG
昔ヤクルトにレモンって投手いたよな
いよいよシーズンインですね(*´д`*)ハァハァハァアハァ
たくさんの秋の味覚の中でも スラィリーは特に高級品だからね。 ケタが違う。 手に入れたら莫大な利益になるよ。 九月中から準備してたけど、いよいよ今日初狩りに行ってくるよ!成果は レポートしにくるから楽しみにしててくれよ !
>>290 いいなあ。
たのむから少し安くして分けてくれよ。
だいたい独り占めをするやつがいるから、高騰して買えないんだよ。
きたいしてますよ!
マスタード塗って、オーブンで焼くのもいいし、
す醤油で食べるのもさっぱりして美味しいよね。
狩りスレ時代に戻ったやうだw
293 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/13(月) 13:09:39 ID:HvutM3/H0
GG
ああ、もうこんな時期か いつもはレポを見てるだけの俺だけど今年は ついに両親からの許可を得たんだ がんばって成果を上げて 来年も再来年も狩りに参加してやる! るんるん気分ってこういうものなんだなw楽しみで仕方ないよ
捕手しがてら 比較的安価で手に入る皮やモツでおいしいおつまみの作り方。 皮を弱火から中火で焼く。たっぷりと油がでたら、5センチほどに切った長ネギを入れる。 充分に油を吸い、少々焦げ目がついたところでモツを投入。 味付けにお酒と醤油をまわしがけする。 焦げた醤油の香ばしい匂いと、たっぷりと油を吸ったネギが美味です。 モツが苦手な人は皮のみでもOK。
何だ何だちょっと見ないうちに美味そうな匂いのスレになっちまって
297 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/14(火) 22:01:13 ID:8h2uVxmM0
あささs
石原
日本最古のたて読みはいろはうた。 豆知識な
最近いきなり寒くなって風邪ひいてる人も増えてるみたいですね。 みなさん気をつけてましょう。作者さんもお大事に…。 ゴホッゴホッ
あれから1年経ちましたか…… スラ狩りのネタスレから派生して、 まさかここまで大きなスケールの話になるとは 作者様お忙しいようですが、今後ともよろしくです ゆっくりwktkしてます 試合ないと暇だー
303 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/16(木) 01:05:05 ID:5mDBQpVj0
ホシュ
308 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/18(土) 01:18:16 ID:L9KxLuXg0
GG
いや…ホモレモン
こいつが帆足か。。 細川保守
そういや気になってたのを思い出した 「力者」の読みは「りきじゃ」? 「帆者」の読みは「ほじゃ」でおk? 俺達のことはあまり詳しくないので…
俺は「はんじゃ」て読んでたけど… そもそも決まった読み方ってあるのか?
ほのじゃって読んでた
間をとって「ほんじゃ」でどーよ
>>316 >>278 ではないが、昔、打たれた長谷川に倉が声を掛けにいったんだけど
長谷川は倉が自分のポジションに戻ろうと振り返った後姿目掛けてバーカと言ったそうな
うろ覚えだけど
まぁ倉は石原にも呼び捨てにされたり黒田にいたずらされたり色々いじられてはいるな
人が良い分みんなに愛されてるんだろうけどwww
319 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/21(火) 00:15:27 ID:y+n0IHHQ0
320 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/21(火) 00:52:50 ID:upRxXGke0
くりぃむレモン
ほしゅ
325 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/22(水) 00:17:17 ID:zCJuvoDz0
C
>>317 Sunkus!
倉と長谷川の話ってまだまだありそう
そーいうのを知ってるとこのはなしが更に面白くなるんだろうな
竜の死神と憲ちゃんだったりトランプだったりね
しかし、鯉さんは殺伐しすぎていかんのです(*´д`*)
hoshu
>>324 話聞けよw
(∩゚д゚)アーアーキコエナーイ←まさしくコレだな
331 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/24(金) 02:19:41 ID:47COlEXk0
gg
(´倉`)<ホシュするよー
333 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/25(土) 03:30:44 ID:LUcZGKuU0
111
334 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/25(土) 03:48:58 ID:0vAZO1qIO
そういや何年か前ヤクルトかどっかにレモンって選手いたな
>>334 いた。恋愛小説書くのが趣味の変わった奴な。
そんな趣味が…
趣味がクロスワード解く事ってのは普通なんだな・・・
338 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/26(日) 00:55:25 ID:zT23LA3p0
きき
きりん
膝に付いた落ち葉を払うと、梵は珍しく全速力で走り去った、そして俊足を飛ばし、やがてその手に鶏を一羽ぶら下げ戻ってきた。 身体は小さくとも俊敏な彼にとって、すでに道場へ戻っているはずの永川とついでに狐に気づかれず鳥小屋に侵入し、ちょっと獲物を攫ってくるくらいは朝飯前だ。 「うまいか?」 スラィリーの子供は食事に夢中になりながら、ピロロと小さく鼻を鳴らした、その様子に少年は目を細めた。 もちろん彼もこの三次の街に育った子供だから、スラィリーがいかに危険な存在であるか、幼少の頃から父母や教師に散々聞かされてきた…、 しかし今、実際に目の前に佇むこの小さな命から、彼は不穏な気配を感じなかった。それどころか、他の動物たち、例えば犬や猫や野鳥の類と比べて、さほど変わったところはないようにさえ感じられたのだ。 スラィリーが鶏の肉を食べ終わるのを待って、梵はひとこと別れを告げ、道場へと戻った。 当時、前田はまだ傭兵稼業で荒稼ぎをしていた頃で、道場を留守にしていることも多かった、そして師の不在の折には梵が道草を食って帰ってくることは珍しくなかったので、永川は梵の帰りを待たずに先に朝食を済ませてしまっていた。 よって梵はひとりで飯をかきこみながら、つい先刻の出来事に、ぼんやりと思いを巡らせた。なぜ、あんな幼いスラィリーが、たった一頭で罠にかかっていたのだろう。親はいないのだろうか。 だとしたら、単に罠から解放してやって、一度の食事を与えただけでは、実のところ何の足しにもならないのではないか…? 居ても立ってもいられず、梵はその日の晩、永川の寝静まるのを待って道場を抜け出した。そして暗闇のなか、少し遠くから目を凝らした…、 果たして、スラィリーはまだその場所にうずくまっていた。 足が痛むのか、体力を損耗していてまだ動けないのか、それとも、自由の身になったところで、帰る場所がないのだろうか…。
結局、梵はそれから朝晩、何かしらの食べ物を運んだ。スラィリーというのは賢い生き物だ。二日目の朝にはもう彼の特徴を覚えていて、近づくとピロピロと人懐こく鳴いた。 こうなると人間、悪い気はしないものだ。梵もやはり気分を良くして、スラィリーの子供に名前をつけてやった。その辺りにちょうど群生していた草の名を取って、ヨモギという名を。 梵少年がそこまで考えていたかどうかはわからないが…、それはごく強い生命力をもつ、深緑の薬草の名だ。 三日目には、彼はそっと手を伸ばし、痩せた背中を撫でてやった。ヨモギと名づけられたスラィリーは安心したように鼻を鳴らした、梵の顔に自然と笑みがこぼれた。 幼いながらもすでにみっしりと毛の生え揃った分厚い毛皮は暖かだった。そのまま目を閉じてしまえば、あの危険なスラィリーだということを忘れてしまうほどに、ありふれた感触だった。これを手触りだけで、大型犬と言われれば、誰しも納得するだろう。 そして四日目の朝。梵が朝露の中、いつものように草をかきわけて行くと…、青い毛皮のその姿は、忽然とその場から消えていた。ついに体力を回復したのだろう。 軽いロスト感を味わいながら、しかし梵は自身に言い聞かせた。自分が普段から動物に懐かれやすいことを差し引いても、スラィリーが人に懐くなど、通常ならばありえないことだ。 まして、自分は将来的に、人里に近づいたスラィリーを除かねばならない使命を持っている。仮にそうでなくとも自分たちは人間とスラィリー、これ以上親交を深めてはならなかったのだ、きっとヨモギはそれを悟って、おのずから姿を消したのだろう…。
梵はこの体験をそのまま胸へとしまい込み、以後、誰にも喋ったことはなかった。子供なりに、禁を破ったことを自覚していたのだ。 それでも、前田がその日のうちにひと目見たならば、梵の身体を取巻く気の流れの中にわずかに染み付いたスラィリーの気配を見破ったことだろう。 しかし前田が不在のこの時、それに気づく可能性のある人間はなかった。 父は前田と同じように、見ればひと目で感づいただろう。しかし、いまこの道場に暮らしているのは、狐を除けば子供が二人だけ。週に一度使いがてら様子を見に来る兄は当時まだ気の使い手ではなく、その眼力は一般人のそれを超えなかった。 そして誰より一番近くで彼を観察する機会を持っていたはずの永川少年は、自分が見ていない間に他人がどこで何をしているかについてあまり興味を持たないタチだった。 それから何事もなく年月が過ぎ、成長してゆく中で少年はいつしかこの出来事を忘れた。遠い日の思い出の中の1ページとしてすっかり整理が済み、簡単には取り出せないアルバムの中へと織り込まれたのだ。 一方のスラィリーも、ほぼ同様の道筋を辿った。当時の梵少年よりもさらに幼かったその記憶に刻まれたものはごく僅かだ。 少年の言うことは何一つ理解できなかった、繰り返される「ヨモギ」という言葉も、それが自身に対する呼びかけであることも、一切が理解できなかった。 かろうじて記憶に残ったものは、ただ、自身の心に起こった得体の知れない細波と、凛とした涼やかな少年の声の響き。 幼心に刻まれたそれは決して消え失せることはなかったが…、その後成長していくにつれ、その記憶が果たして夢であったか、現であったかさえも、判断がつかなくなっていった。 こうして彼らの一期の縁は、互いの中で、単なる痕跡になった、はずだった。 しかし…、この縁は生きていた。縁とは望む望まざるに関係のないものだ。梵は知る由もないことだが、これはかつて所沢を去る青木勇人に向かって大沼総帥が贈ったという言葉と同義である――。 梵はまた手元の石をひとつ拾って投げた。そして溜息をつくと、隣に座るヨモギに聞かすともなく淡々と喋り始めた。 「自衛隊やら、西宮軍のもんなら、迷うこともなかったんじゃ。でも、昨日のはただのハンターじゃったけ、殺さないで済むんなら、って思ってしまったんよ」
おー!久しぶりに新作キター!!乙です! !スラィリーもふもふしてぇー!!
作者さん乙です。狐はオマケ扱いw
>>343 ピロ
なんてB型っぽい奴らの集まる道場w
346 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/27(月) 01:28:33 ID:mnEFnUUe0
kl
久々にキテタ━(゚∀゚)━!乙乙
幼スラかわいいよ幼スラ ピロ
大体1周年キャンペーンにご応募くださった埼玉県のかたはお手数ですがメールボックスをチェックして下さい。
わ、悪そう!w
そろそろ文京の内情も描いて欲しいと思う俺巨人ファン
t(ry
梵似てるw
怪物は人間より描きやすいのでつい手が滑った
基本的には球場に出没しているアレを想像しておいて貰えれば結構でございます
>>354 いずれ書くとは思いますが現在のペースだと当〜〜〜〜〜〜〜〜〜分先です
そこにたどり着くまでに消化しないといけない要素がいっぱいあるんで
テレビ見てて思ったけど、アリクイって毛並みとか、鼻面とか 舌がにゅーんと伸びるところなんか、スラィリーとそっくりだー 試合が無いと退屈で余計な事を詮索してしまう という保守。
けどあのアリクイは平和主義者だったぞ
市民球場に行くまでスラ様があんなに真面目にマスコットのお仕事をしてるとは知らなかった保守
主人がオオアリクイに食い殺されて〜を思い出した
ほしゅ
363 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/30(木) 00:01:11 ID:iHjTSc2Y0
1
フィリーズが優勝したみたいですが、 ファナティック狩りはないんでしょうか?
死にたいのか?
>>366 青とピンクと緑…
あと赤と黄色で
ピロ
mosyu
♪くやしいけれど お前は喪中
>>364 着色料で真っ緑なファナティック酒でも作るのかい?
373 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/10/31(金) 23:53:04 ID:MsoDgkfd0
実のところ、充分に成長した今となっても、ヨモギには人の言葉が充分には理解できない。伝わってくるのは沈痛そうな声の調子と、断片としての単語がいくらか。 それでも、その声と表情、そして先刻長老にきつい調子で何事かを叱責されていたことから、何についての話なのか、おおよその見当はつく。 「三人おって、ふたり半殺し、残ったひとりであんだけ追っかけられとったら、もう充分じゃろ。あんだけの目にあって、あんな素人がまたウチらにちょっかい出しに来るとは思えん、…そう思って、」 この辺りについての梵の意見は奇しくも、スラィリーハンターである永川と一致した。永川も前日、条例違反を告発しようとする青木に対し、もう制裁は充分だという旨の発言をしている。しかし、その発言の出た背景はまったく違うと言っていい。 永川は技量の伴わないまま山へ入るハンターには手厳しい。彼らは自殺に来るのだとさえ思っている。 それでも、旧友に背負わされた使命があるから、彼は私利に関係なくたびたびスラィリーと闘っている…、全国からやってきて自ら命を投げ打とうとする彼らを救うためではなく、二次災害の防止のために。 さらに、スラィリーを殺すことについても彼は、特に抵抗はないと言い切った。軽率な人命を重しとせず、その反面、落ち度のないスラィリーの命も何とも思わない、 究極的には自身か親しい誰かにさえ危害が及ばなければ、後はどうでもいいと言うだろう。 彼が昨日死に損なったハンターに対して一片の温情を見せたのは、そうすることでこれ以上何か自身の手が煩わされることがないからで、つまりは言うだけタダなのだ。
それに対し梵はまずスラィリーたちの安全を確保しなければならないから…、時に人間よりもスラィリーの生命を優先せざるを得ない場面に直面することがある。前日の一件は、まさしくその場面だった。 一人のハンターを殺しても、一頭のスラィリーを護らなければならない。頭ではわかっていたはずだ。しかし人であるがゆえに、そこで彼は迷いを生じた。 それはごく自然な…、建前として人間社会の平穏を護っている永川よりも、余程人間らしい感情だ。あるいは人里を離れて久しいからこそかもしれない、しかし彼は、その感情に揺り動かされてはいけない立場だった。 「…そのせいで、結局、あいつを死なせてしもたんじゃな」 ヨモギは応えなかった。それが自分に投げかけられた言葉ではないと思ったからだ。その言葉のこぼれ落ちていく先は…、この谷底に溜まった霧の中あたりだろうか。 しかし、隣で綴られる愚痴がよく理解できないなりに、昨日の一件については、ヨモギ自身も思うところがあった。
怪我を負って半狂乱で逃げるハンターと、やはり興奮状態でそれを追い回す同族を見た瞬間に、ヨモギは素早く次に起こすべき行動を予測し、全速力で駆け寄ろうと身構えた。 しかし首に跨ったマスターが、その指示を出さなかったのだ。 このままでは彼らが山を降りてしまう。ヨモギは焦りを感じた。今秋、ハンターに襲われたスラィリーを救えなかったことがすでに三度ほどもあり、そのことが長老を大いに苛立たせている。 そのことは梵も充分に把握しているはず…、彼の置かれた立場を考えるなら、悠長に迷っている場合ではないはずだった。 しかし、それを理解したうえで、なおかつ人間として、人間とスラィリーの間にある底知れぬ深い溝の中で彼は迷っているのだということも、ヨモギには全てわかっていた。 はやる気持ちを抑え、ヨモギは一切の催促をせず、そのまま静かに梵の決断を待った。その結果…、 彼らはまた、取り返しのつかない失策を犯したのだ。 だが、さすがにこれ以上の失敗はできない。ヨモギがこうも焦るのには理由がある。長老の怒りが遂に爆発したら、梵はスラィリー社会での地位を一切剥奪され、出て行くことになるだろう。 そして人間の世界へ戻れば、彼は犯罪史上稀に見る連続殺人犯である。いくら腕が立つといっても、その後の末路は想像がつく。 そうなれば、この人を肩に乗せて歩くことも、この声を傍で聞くことも、もはや二度とは叶うまい。 それだけはなんとしても避けたい、とヨモギは思った。 いま隣に座ってぶつくさ独り言を言いながら虚空をみつめるその人も…、きっと同じ気持ちだろう、か。
作者さま乙です。蓬餅可愛い、見えないけど。
よもぎかわいいよ
作者様乙です。
ナーとは違う方向で、梵も色々複雑に抱えこんでるんだなぁ…
こりゃあ色々大変だ…
>>379 こ れ は ひ ど い w
381 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/11/01(土) 23:57:17 ID:2UHremfD0
383 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/11/02(日) 17:18:35 ID:w1voQ6w4O
ビックリ
沼者。。。
帆者のあとに総帥が出てきた時に、 真っ先にこのスレ思い出した 総帥が燃えたのは、いつもと同じつもりの火力が 風に煽られて燃え広がって火事になったのかと、無理矢理納得した。
ここのおかげでパ・リーグのCS&日シリが数倍楽しく見れるように思う。 作者さんありがとう。
☆ ☆ ☆ 「あー…、夕べは飲みすぎたな」 道場の玄関先へ立つ森野の背後から、永川がのっそりと姿を現した。 「まあ、時間も遅かったしな」 「…」 森野のフォローに応えるでもなく、ブーツの足を引きずりながら横へしゃがみ込むと、永川はもたもたとした手つきで靴紐を縛る。 「うぇ、下向くと気持ち悪りぃ」 「大丈夫かよ」 「…午後までにはなんとか」 予定では今日の日没後に戦いの火蓋が切って落とされることになっているはずだが…、これはもしや延期になるのではないか、と森野はその様子を見て思った。 「それより森野あんた、あのあと冷蔵庫開けたりしなかったか?」 どうにか靴を履き終わり、かかとで二度ほど地面を蹴ると、永川は言った。その問いに対し、森野はうなずく。
「喉がかわいたので、麦茶を少しいただいた。無断で、申し訳ないとは思ったんだが」 「それはいいんだ。そのとき、冷蔵庫の中段の手前のほうに、油揚げの袋がまだあったかどうか…、」 「油揚げ…?」 「いや、そんなこと覚えてるわけないよな。気にしないでおいてくれ」 永川は軽く笑顔をつくって見せたが…、森野には大いに心当たりがある。 「その油揚げが…、どうしたって」 探りを入れるべく、森野は聞き返した。永川は首を傾けて筋を鳴らしながらそれに応える。 「いやね、昨日話した狐がな、油揚げに目がないんだ。やまちゃんが毎日くれてやってるはずなんだが、普段は澄ましてやがるくせにどうも油揚げにだけは意地汚くてな」 「はあ」 「冷蔵庫を開けてつまみ食いしやがるわけだ。お師匠さんは放っとけって言うんだがね、切らすとまた買いにいかないとならなくて面倒くさいだろ、だからやまちゃんに頼まれて、昨日、冷蔵庫に護符を貼っておいたんだが」 「……」 「あの程度じゃ効果ないのかな。見くびったぜ、あれでも神様みたいなもんだからなあ。即席の護符じゃダメなんだな、もっと気合入れて作った奴じゃないと…」 「…そうか、大変だな」 護符の効果はてきめんだった、などとは口が裂けても言えない。ブツブツと独り言を言う永川の顔を見ずに、森野は懸命にシラを切った。
>>386 そう言ってもらうと嬉しいす。どうもありがとうございます。
>>385 その余熱でゴムも溶けかけてたんだな、じゃあしゃーないorz
あ、自分は逆にセ・リーグが楽しく見れるようになりました!
森野・・・w
やたー、
>>379 できてたよー
___■____
/ .■ \
| (● )( ●)|
| △ |
| ____ |
| \──/ |
\ \/ /
( ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ )
○ニ( ス ラ イ リ ー )ニ○
( )
おお新作もキテター!
森野w
そうしているうち、車のエンジン音が遠くから聞こえてきた。それはだんだん近づいてくる、ように聞こえる。 「お、やっと来たか…、9時半に来いって言ったのに。15分遅れだな」 ポケットから出した懐中時計を見ながら永川はつぶやいた。迎えを頼んでおいたから、とは森野も聞かされていたが、時間を指定していたとは初耳だ。 「じゃあ、定刻に来てくれてたら、こっちが間に合わなかったんじゃないか」 「いいんだよ、こっちが待たす分には」 「そんな身勝手な…」 「気にすんな」 森野は当然の戸惑いを見せたが、永川は全く意に介しない。 「それにしても、いちいち移動のたびに運転手ごと車を呼びつけるなんて、いい身分だな」 「俺は車持ってないからな」 二日酔いで頭痛がするのだろう、こめかみのあたりを拳でグリグリと押しながら、永川はサラリと答えた。森野は皮肉のつもりで言ったが、永川には通じなかったらしい。 「なんで持ってないんだ。金はあるんだろ」 「免許がない」 「ああ…」 納得したとも呆れたとも取れるような調子で、森野は相槌を打つ。もしやとは思っていたが、そのもしやだった。 「一応聞くが、なんで」 「なんで、って。自分で車転がしたいと思ったことなんてないね。乗っけて貰うほうがラクだ」 「女みたいなことを」 「実際そうだろ。なんたって面倒だ」
こいつ駄目だ、と森野は思った。無敵のスラィリーバスターであるがゆえに許されている特権というものが恐らく永川には色々あるのだろうが…、こいつ、その上にあぐらをかいているどころか、ベッタリと寝そべってしまっている…。 「お、来た来た」 森野が鼻から溜息をついたところで、永川が声をあげて前方を指差した。ちょうど白のプレマシーがウインカーをあげて、道場の前庭へ入って来るのが見える。 「遅ぇじゃねーかよ」 やがて玄関前へ横付けされエンジン音を止めたプレマシーの運転席に向かって、永川は大声を出した。 「ごめん、ちょっと寄り道しててさ」 そう言いながら運転席から降りてきたのは、長身痩躯の人の良さそうな男だ。その肩をバンと叩きながら、永川は森野に向かい、こう言った。 「これ、うちの弟。貴哉」 「あ、どうも。兄がお世話になってます」 なんだ弟か、と森野はひとつ安堵の息をついた。それなら、多少は人使いの荒いのも理解できるというものだ。 「…似てないな」 「よく言われる」 目の前に並んだ二人の顔を順に見比べ、森野は正直な感想を述べた。それに対し、永川が間髪入れずに返事をする。 「でも、こいつは昨日の兄貴と違って、ちゃんと血のつながった弟だぞ」 「あ、お寺さん行ってきたんだ。ついでにじーちゃんの線香あげてきてくれた?」 「忘れた。いや、夜中だったし」 「ああそう。まあ、あげてきてくれてると思って聞いてないけど…」 「ていうか、俺ってばもうあの家の子じゃないしな」 「兄さんもしつこいね。まだそんなこと言ってんの」
遅くなりましたがリクエスト頂いてた河内です。 このシーンであと一人出ます。お楽しみに。
河内キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!! でかい所は似てるw
河内キタ━━━(゚∀゚)━━━━! リアル河内もマジがんがれ 何年待たせるんだ
河内キタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!! これは来年復活することへの暗示のはず!俺は信じてる
デミオ、プレマシーときたら、次は。。
河内キタ━━(゚∀゚)━━━!! 予告以来めちゃくちゃ楽しみにしてたのだが、まさかナーの弟とは…!!意外だ。 そしてさすがのMAZDA全面協賛w …名古屋軍の戦車や装甲車とかは全部TOYOTA車なんだろうか…w
噂をすればスンスンスーンスタジアムってwww
>>401 お昼前のNHK総合で速報テロ流れた時に吹いた
hoshu
何やら複雑そうな家庭の事情が垣間見えたところで…、少し遅れて、助手席からも一人、小柄な男が降りてきた。その男と目が合うなり、永川はあごひげをさすり、少し渋い表情をした。 「何でお前も来てんだよ」 「何でもいいだろ。ナーに用事あって来たわけじゃないし」 にわかに険悪な空気が漂う。そこへ焦ったように貴哉が割り込む。 「ま、まあまあ。病院に行きたいって事だったから、ついでに乗っていきなよって俺が誘ったんだ」 「…病院に何の用なんだよ」 「だから、なんでそれをお前に言わないとならないわけ。そっちこそ何の用」 「俺らはスラィリー用の予防注射に行くんだよ。何か文句あんのか」 「はあ?別に。文句あるなんて一言も言ってないし」 貴哉の配慮もむなしく、突き刺さるような会話の応酬が続く。しかし事情のわからない森野には、当然のことながら、一体何が起こっているのか全くわからない。 「…ほら、遅れてきといてなんだけど、余計遅くなるからさ。早く乗りなよ」 再び貴哉が口を開いた。すると永川はフンと鼻を鳴らし、助手席から降りてきた男を見下ろしていた視線を外して、後部座席のドアを引き、車内へ乗り込もうとした…、しかし。 「う」 突然、永川が動きを止めた。そしてズリ落ちるようにして地面へ降りると、口元を抑えて森野に耳打ちした。 「ダメだ。吐いてくる…」 永川は駆け足で走り去った。乗用車の芳香剤のあの独特の匂いにやられたらしい。何が起こったのかわからないでキョトンとしている貴哉に、森野は事情を説明する。
「ちょっと二日酔いみたいで…、」 「ああ、そうなんですか」 貴哉は驚いた様子も呆れた様子も見せない。きっと珍しいことではないのだろう。 「どうもご迷惑をおかけしまして」 「いや、とんでもない。ああ、そういえば先に御名前を聞いておいて、失礼を。森野です」 「どうも。こちらは、」 貴哉はそこで言葉を切り、小柄な男のほうを向いて自己紹介を促した。しかし彼は微妙な笑顔をつくり、それをやんわりと拒む。 「…いや、いらないでしょ俺の紹介」 「そう言わないでさ。こちらは東出輝裕さん。勝浩兄さんの友達で、」 「あいつ多分俺のこと友達だと思ってないよ?」 自分でやらないなら…、とばかりに勝手に紹介を始めた貴哉の言葉を遮って、東出はまた衝撃的なことをサラリと言った。その表情はやはり半笑いのままだ。口元に笑みを浮かべつつも、目が笑っていない。 「じゃあ俺の友達で。それでいいんでしょう!?」 溜息混じりに貴哉は言い切った。あの結滞な兄に加えこの面倒な友人…、森野は貴哉の心中を察し、その苦労を思わずにはいられなかった。 「先に乗ってていい?寒い」 「ああうん、どうぞ」 紹介が終わった途端に東出は、義務は果たしたと言わんばかりに、さっさと助手席へ乗り込んだ。それを見届けて貴哉は森野に頭を下げた。 「すいません、いきなりピリピリしちゃって。…本当は昔から仲良しなハズなんですけどね、ちょっと最近、色々あったもので。 そうそう、彼はここのお師匠さんの甥っ子さんなんですよ」 「へえ、そうなのか…」
偶然顔を合わせたにすぎない東出が前田の血縁だという情報は、森野にとってはちっとも重要でない。 しかし、あの兄に輪をかけて苦労性であるらしいこの弟が、無理やり話題を逸らそうとしてくれているのだと察した森野は、その価値のない情報に対し、きわめて真面目に、相槌を打った。 「ということは、彼もお師匠様のもとで、修業を?」 「いえ、そういうわけではないです。本人はやりたかったみたいなんですけど、親が許さなくて」 「成程な。ところで、キミは」 「あ、俺ですか。俺は…、そうですね、多少…、」 「おい!早く乗れ!!すぐ車出せ!!」 言葉を選ぶようにして話す貴哉の声を遮って、突如、大声が響いた。見ると、永川が叫びながら全速力でダッシュしてきている。 「兄さん、具合はもういいの」 「いいから早く!」 「わ、わかったよ」 永川の勢いに弾かれるようにして、貴哉は運転席へ飛び乗った。 一体どうしたというのか、何をそんなに焦って…、と森野が考えるまでもなかった、ジャージ姿の山崎が箒を振り回し、裸足のまま猛然と永川を追って飛び掛ってきたのだ! 「土足で上がんなボケー!昨日拭いたばっかりやのに!!!」 ああ、あのブーツは面倒くさいからな、と思いつくと同時に森野は首根っこを掴まれ、プレマシーの後部座席へ押し込まれた。そのドアが閉まると同時に貴哉はアクセルを踏み込んだ。 「普段からそんな綺麗に掃除してないくせに。じゃあなんだ、靴脱いで廊下で吐いたほうが良かったてのか」 「いや…、その理屈は通らないだろう」 見当違いな悪態をつく永川を森野はなだめた。それでも不満げな永川の表情をバックミラー越しにチラ見した貴哉が口を挟む。 「わざわざ便所まで行かないで、そこらで吐けば良かったじゃない、すぐ隣とか山なんだから」 「うるせぇよ」 そして、このやりとりを聞いているのかいないのか…、東出は頬杖をついたまま、車窓の外、徐々に紅葉の色褪せ始めた山々をじっと眺めていた。
チビキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!! ,-======,=-、 ∧,,∧ スンスンス-ン♪ スンスンス-ン♪ / ∧..∧ //゙i|∧,,∧(‘ ё’ ) ∧,,∧ / |`_ゝ´ | // ||・ ε ・)と )| ´」`| _,. -─----‐ ゙ ̄ ̄ ̄ ゙゙゙゙̄¨ ー‐-,//---dF~─∪=─,゙゙゙´゙∪゙゙゙゙゙゙゙゙l _,・゙´ ,,,,、、 ゙´ | ∈! ヽ , --、 l! /゙ノ , -‐ ゙゙゙゙゙゙) , -‐-、 ━ | | / ,,-,、`i | ト,──-, ゙ー─‐‐゙ /,・ lTヽ, ヽ, | ノ l l、j レ,1.|,/ ≡≡(´⌒(´⌒;;;≡ | L__|--、 ゙゙゙゙゙ //.,__ル゙∧ | |__,,,,,,,........./ | !>,、(,ノ l ≡≡≡(´⌒(´⌒(´⌒(´⌒;;;≡ ヾ、‐- ..,_丿 (○ / |`゙> (,゙ | | ___,,,,,,,,,,,,,,,,,.........イ, `゙‐´ノ `゙゙゙゙ ─────‐t´ ゙V/^ヾ,ノ丿´ `゙゙゙゙ ~~´ ゙丶、,,,,,` ̄´・゙ プレマシーのAA作る技量が無いので拾ったロードスターAAで しかしAAだけなら永川と河内は兄弟でも違和感無いw
東出、人間なのか・・・。 てっきり動物として出てくるものとばかり思ってたw
(・ ε ・) キタ━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!!
>>407 もかわいいかわいいGJ!!
チビキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!! 色々ってやっぱりマスター関連?
411 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/11/07(金) 19:02:03 ID:VhmVcH5F0
BB
アメリカにC.C.サバシアって投手がいるみたいだけど どんな投手なの?
☆ ☆ ☆ 名古屋防衛軍、東基地、司令室前の廊下。帰還した井端を、荒木が出迎えた。 「あっバッさん、お帰りなさい」 「勤務中は中佐と呼べ、中佐と」 「あ、はい、そうですね。顔にパン屑ついてますよ」 「…」 荒木に言われるまま、井端は無言のまま口元をこすった。恐らく何の悪気もなく発せられたのであろうその指摘についてあれこれと反論する気力は、この時の井端にはもう、なかったのだ。 「あ、そうそう。さっき、西基地から増援のかたがいらっしゃってですね」 「…何だと。随分早いな」 「中佐が出かけてから1時間もしないくらいで、もう、いらしたんですよ。ビョンさんとも話したんですけど、長官が実は昨日のうちに調整しといてくれたんじゃないかって…」 交渉は自分でやれと言ったくせに…、と井端は思ったが、実際それ以外に考えつかない。その配慮に対し安堵に似た感謝の気持ちが起こる、と同時に、手の内をすべて見透かされているような不安が井端を襲う。 「…それで、増援は、量的にはどのくらいの。人員は?何名くらい」 「とりあえず、一人です」 「…ひとり?」
訂正 井端は無言のまま口元を → 井端は無言で口元を お願いします。
アライバワロタwww そして西からの応援って……誰だろうwktk 西基地所属なんだから、ピッチャーなんだろうか…?
>>416 リリーフ一番手に出る投手では?救援ってことで
浅尾?
東西って何基準で分けてるのかわからなかったんだが
途中送信すみません 東西って何を基準に分けてるのかわからなかったんだが なるほど、投手と野手なのか
新作乙 いばちん可愛いwwwwww
423 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/11/09(日) 22:01:39 ID:jqZ9qwTIO
新作キテタ━(゚∀゚)━!! 援軍が誰か気になりますw ついでに保守。
新作乙です
パン屑wwww
>>416 主砲様のご登場というわけですね。わかりまs
>>424 オフシーズン、中日OBVS現役のクリーンアップ
岩瀬
川上
山本昌
OBに「おまえら本気のクリーンアップ組むなよ!wwwww」
って言われたらしい。
でも、スラハザワールドでは岩瀬は少将、川上は中佐で基地を離れられないから、
主砲様が来るとするなら昌さん…?
そして所沢の皆さん、おめでとう。特に岸者、リアルでもスラハザでも頼りになり杉。おめでとう。
所沢解放戦線の人達おめでとう! ここではシリアスムードな所沢でも、現実はとても明るくよいチームだなw 特別出演でナベQ出るかなw
救援ktkr 誰だろう 捕手は東基地と西基地のどっち所属なんだろう 東基地ではまだ捕手は出てきてないよね
>>426 テレビの私服監督は、テロップで絶妙に隠れながら登場してましたよね。
マイク・マイヤーズの映画みたいだったww
事態がよく飲み込めず、井端は数回瞬きをした。 「…とにかく、会わせてくれ。今どちらに」 「中佐が戻られるまでお待ち下さいと言ったんですけど、それじゃ早起きしてきた意味がないからって。早速現場に入って貰いました」 「いきなり現場に?…それもひとりでか?」 「いえ、ビョンさんがついてくださってます。こちらです」 「こちらって…」 行き先を告げず、荒木が先に立ってスタスタと歩き出したので、井端は仕方なくそれに従った。 司令室前の廊下を出て、基地の端へ、そしてやがて突き当たりに位置するエレベーターに乗り込むと、荒木は「閉」のボタンを押した。 「管制塔じゃないか。こんなところに、いきなり外部の人を…」 「外部たって、防衛軍の軍人には変わりないじゃないですか?」 「そりゃ、そうだが。しかし」 『行き先ボタンを 押してください』 ボソボソと喋る井端の声を遮って、エレベーターが突如、合成音声を発した。 荒木は慌てて最上階のふたつ下のフロアのボタンを押す。するとようやく、エレベーターは微かな音をたてて上昇を始めた。 「……」 「どうりで中々動かないと思ったら、あはは、やだなあそんな目で見なくてもいいじゃないですか。とにかく、助っ人さんの扱いに関しては俺に言われても困りますよ。ビョンさんに指揮権預けて出かけたのは中佐でしょ」 「そうだったな…」 「着きましたよ」
到着した先のそのフロアは…、井端には周知のことであったが、壁面全体にズラリとモニタの並んだ部屋。 そして雑然と置かれたコンピュータと、無数のレバーやスイッチ、色とりどりのボタンの付いた操作盤が所狭しと並んでいる。 「ビョンさん」 その部屋の中央付近に腕組みして立っている李に歩み寄り、井端は声をかけた。 「戻ったか。西基地のかたが、すでに見えているぞ」 「そう聞いたから、急いで来たんだ。それで、どちらに」 「こちら」 李は自分の隣の席に座っていた男に手のひらを向けた。井端とて、李の隣で忙しく作業に没頭するその人物に気づいていなかったわけではないが…、他の人員に紛れてしまって、まさかそれが話題の人物とは思わなかったのだ。 男はおそらく中年にさしかかったくらいで、恰幅がよく大柄だ。前方のモニタを縦横に忙しくチェックしながら、芸術的な手捌きで、手元の操作盤をいじくり回している。 「どうも。お初にお目にかかります、司令官殿。ええと、井端弘和中佐、でしたかね」 男は相変わらずモニタに視線を向けたまま、立ち上がりもせず鷹揚にそう言った。その態度に思わず井端は面食らった、彼とて自分の役職をカサに着るわけではないが…、相手を司令官とわかっていながらこの物言いとは。 一体何者だ。思わぬ先制攻撃に井端が言葉を失っている間に、男はさらに続けた。
「今、ちょっと大事な局面に入ってますのでね、このままで失礼いたしますが。自分は岩瀬少将の命にて、微力ながらお手伝いに参りました、山本昌広と申します」 「!!」 その名を聞いた途端に井端の表情が変わった、しかし、それは数十台のモニタを同時にチェックする山本の視界には当然、入らなかった。替わりにその様子に気づいた李が、怪訝そうな顔をして口を開く。 「どうしたんだ」 「どうもこうも…、なあ荒木…、」 「きっ、気前がいいというか、なんというか。いきなりエースを寄越しましたね」 「そうか、ビョンさんはここへ来ていくらも経たないから、知らないんだ。名古屋防衛軍にその人ありと言われた撃墜王」 「しかも、ご自身は大した怪我をしたこともないとか」 「何だと、そんな大物が…」 「…昔の話ですよ」 驚きのあまり声の大きくなったヒソヒソ話に対し、山本は照れ笑いを浮かべながら応える。 この山本なる中年男、ひと昔前には名古屋防衛軍西基地の誇る無敵のエースパイロットだった。来る日も来る日も戦闘機に乗り、贈られた褒章は数知れず、 しかし現場を離れることを嫌い、司令官への昇進を頑なに拒否し続け、結果、未だに大尉の階級に留まるという男だ。 「今はもう、年をとりましてね、戦闘機には乗れないので。こうして無人機の操作をね。こちらの操作システムがうちのと同じで助かりましたよ」 そう言いながら山本はモニタに忙しく目をやっているが、手元には一切視線を落とさない。まるで操作盤までが自分の身体の一部として意のままに動いているかのようだ。 そしてモニタに映し出される映像の中で…、向かいから編隊を組んで飛来する最新鋭の無人機が、次々と撃墜されてゆく。
>>425 予想的中おめでとうございます。腹筋34回です。始め。
ちょwwwwwwww ラジコンwwwwwwww
永遠の若手キタ━━━(゚∀゚)━━━wwww 携帯だから参考画像&動画貼れないが、ラジコン中の昌さんの目つきはガチ
昌さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !! さすがですw
まさかの昌キタ━(゚∀゚)━!! 何だろう、真面目に機械を操作してるはずなのにラジコンにしか思えないのはw
昌さんキタ━━━━━━(´昌`)━━━━━━ www そういや昌さんは怪我するイメージあまり無いな
昌さん出演記念に ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|::| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|::| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | (;:;:,(:;:';:(;`( ) |::| (;:;:,(:;:';:(;`( ) |::| (;:;:,(:;:';:(;`( ) | | (;:;:,(:;:';:(;:`.) |::| (;:;:,(:;:';:(;:`.) |::| (;:;:,(:;:';:(;:`.) | |___(;:;:,(:;:';):__|::|___(;:;:,(:;:';):__|::|___(;:;:,(:;:';):__| / \ / \ ゲンザイ34キヲゲキツイ ソンショウハゼロデス ∧,,∧ ∧,,∧て ∧,,∧ て ∧,,∧て カチャカチャ (´昌` )〜♪ (´炳` )て [ー。ー;]そ [^_^;]て | ̄ ̄ ̄| ̄\ ロ i)|| ⊂| |) (| |) ( ) 二二二二二二二二二二二| し--J し--J し--J
昌さん楽しそうだなwww
そういや今までは森野がドメで文京の無人機を墜としてたんだっけ。趣味で。
森野がビッグドメに乗ってたのはちょっと昔の話なんじゃなかった? その頃はまだヒデノリがいたんだから少なくとも数年前かと
そもそも広島までスラィリーハントに来た目的がドメを直すための賞金稼ぎだったから つい最近まで動いていたはずだよ
>>443 東戦線基地にドメが払い下げられたのが昨年の夏って書いてあるから
英智は既に退任してたんじゃない?
あ、違うか ドメが東戦線基地に来る←昨年の夏 ↓ 森野、趣味でドメに乗り無人機を撃墜 ↓ ドメが路上で壊れた為、竹箒で尻をひっぱたく ↓ 英智が話を広める ↓ 英智退任 ↓ 森野広島へ←今ここ こういう感じ?
竹槍のエピソードのところでドメの払い下げが1年前の夏でそのころまだ英智が現役って書いてるけど、 喫茶店のシーンでは数年前に退官と書いている。 単純なミスですね。こんなの一杯あるんだろうなぁ。 主要なキャラクタが何年前に何歳でその年何が起こったっていうのは表で管理してるんですが、 英智は登場時に話の本筋にからんでくる予定じゃなかったので漏れちゃったんですねぇ…
年表か。。うp,plz!w
年表あるとわかりやすいかもなw
年表見たいけどネタバレ満載の予感w
>>448-450 ネタバレ満載な上にエクセル製なので、支障のない範囲を拾って書き起こしたけど
あんまりわかりやすくならなかったごめん
17年前 広島に超大型台風が直撃。新井良太7歳、名古屋防衛軍に保護される。永川勝浩10歳、実家を出され梵倉寺へ。 16年前 前年の台風により都市機能に壊滅的損害を出した広島に対し、西宮が広島自衛隊武装解除を条件に援助を決定。広島は軍事上西宮の保護下に入り、経済的依存も始まる。 15 14年前 旧稲荷神社の改修が始まり、永川勝浩・梵英心13歳、前田の弟子として本格的な修行生活を開始。大沼幸二・帆足和幸16歳、所沢解放戦線結成。 13 12年前 旧稲荷神社の改修が完了し、以後、道場と呼ばれるようになる。青木勇人24歳、所沢解放戦線へ加入。西宮の急な軍事成長を受け西宮名古屋間の政治緊張が高まり、紛争を経て冷戦状態に突入。以後小規模な戦闘が断続的に起こる。 11年前 森野将彦18歳、名古屋防衛軍へ志願入隊。前田智徳31歳、右脚を負傷し傭兵を廃業。山崎浩司16歳、前田の弟子として道場に入る。 10年前 文京横浜の国境を巡り紛争勃発。関東を二分する戦争に突入しかけるが、聖都神宮の仲裁により多摩川を国境ラインとして停戦合意。 09年前 大沼幸二21歳、所沢解放戦線を率いて軍事クーデターを敢行。翌年2月、政権を奪取。革命の伝播を危惧した各都市は治安を強化、この流れの中で広島に対する西宮の政治的干渉が強まる。 08年前 新井良太16歳、名古屋防衛軍へ志願入隊。 07年前 第二次多摩川紛争、国境は多摩川の北岸15キロへ移動。同年第三次多摩川紛争、国境は変わらず。 06年前 青木勇人30歳、所沢解放戦線を脱退し広島へ。 05年前 梵英心23歳、失踪。第四次多摩川紛争、聖都神宮の仲裁により多摩川両岸5キロずつを緩衝地帯として停戦合意。 04年前 永川勝浩24歳、道場を離れ独立。倉義和30歳、梵倉寺住職を継ぐ。西宮・名古屋間で会談が行われ、双方歩み寄り。 03年前 青木勇人34歳、M.ブラウンにより広島自衛隊へ強制スカウトされる。蔵本英智29歳、名古屋防衛軍を退役。長谷川マサユキ射殺未遂事件。 02年前 第五次多摩川紛争、国境が現在の位置(多摩川南岸)に。 01 ことし 文京軍が突如名古屋へ全面攻撃を開始。聖都神宮も文京軍による攻撃を受け、古代兵器超魔神グライシンガー奪取さる。これに対し聖都神宮は応戦の構え。
>>452 すげぇぇぇぇ!
F.S.Sの年表見てるような気分になってきたw
作者様GJです ところで保管庫が404で見れないんですがどうされたんでしょう?
>>452 作者さんありがとう!
なんか年表見てるだけでみなぎってきたw
459 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/11/14(金) 01:26:38 ID:8Q2GNZfE0
GG
>>454 孔明様仕事速いよ!すげー…
そして予想以上に各都市間紛争について詳しく設定されててスゴいと思った。
でもこれで一部なんだとか…
いやー話のスケールがデカすぎてあらためて作者様スゴいと思った。
カーサ………………
だらだら時間かけて書いてるとだんだん人がいなくなりますね。
「無人機なんて弾幕に毛の生えたようなものだと思っているでしょう。 確かに、コンピュータ制御されたシステム同士に戦いをさせておくだけでは、五分以上の戦績には中々なりません、 むしろ文京のほうがシステムにもマシン自体にもお金がかかっているでしょうから、こちらがやや不利です。 しかし、名古屋の無人機システムも、やや旧式ではありますが…、全機、簡易カメラを積んでいて、マニュアル操作が利くんですよ」 喋りながらも山本は的確に操作を続ける。一体、一人でいちどきに何機を操っているのだろうか、三人は目まぐるしく切り替わるモニタの中の風景を見つめた。 「相手は所詮コンピュータですから。ちょっとした戦闘機乗りの経験がある者なら、わりと簡単に出し抜くことができます。こうやってね。 自分が戦闘機に乗ると、その一機しか操れませんが、これなら操作の切り替えひとつで、理論上はすべての無人機を」 「はあ…」 井端は思わず唾を飲んだ。山本は簡単に言うが…、人間業でないとはこのことだ。 「そうだ、中佐。あらかじめお聞きしておきたいんですがね。食事はここへ運んでもらうことはできますか」 「あ、ああ、わかりました。そのように指示しておきます」 突然、名指しで話しかけられ、井端はハッと我に返った。 「定食は肉と魚がありますが…、」 「では中佐のお勧めのほうをお願いします。…さ、ここは自分がどうにかやっておきますから、皆さんはお忙しいでしょう、お戻り下さって結構ですよ。 …昼過ぎまでには開戦時のラインくらいまで行けるかな、もう少しかかるかな…、いやさすがに有人機が出てくるかな」 結局一度もモニタから目を離すことなく顔合わせを終えたことにしようとする山本の背後で、李は呆気にとられたままの井端を軽く小突いた。 「ほら、いつまでも見学をしている暇はないぞ。ああ仰って下さっていることだし、また面倒事が増えたからな。すでに耳に入っているかも知れんが、昨夜、文京横浜の国境付近でテロがあったそうだ」 「ああ、輸送車が襲撃されて、文京軍の兵士が死んだとか…、でも、それ以上のことはまだ」 「続報が入っている」
>>463 作者様新作乙です!
ついに他の組織との絡みが出てくるのか
そういえば横浜の重鎮の一人が広島に来ましたね
なんかファンネルも容易に扱えそうだなw
>>462 新作乙です
展開を楽しみにしてるROM専・まとめサイトでまとめて見てる人が多いと予想
>>462 作者様おつです
しかし、偶然迷い込んだ野球板でスラハザと出会ってから、もう少しで一年
野球にまったく興味が無かった自分が
山ちゃんとお師匠さんのユニを作って、広島まで遠征してスクワットしたり
昌さんの200勝試合を見に名古屋の地を踏むなんて
一年前は想像もしなかったなあ
作者さんには本当に感謝してます
ありがとう
>>466 >>462 はこのスレの人口が減ってるって意味じゃなくて
在籍してた選手がチームから居なくなるってことじゃないかな
作者さん乙です!
昌さん、凄いよ、昌さん。
>>468 山ちゃんもトレードされちゃったしなぁ。(´・ω・`)
>>468 の意味での発言でした。ラブリーに続きカーサも移籍、
今年1年で我が家にあるユニが連続お蔵入りで、残るはハセ(ry
前田が現役のうちに完結できるといいですね。
でも
>>466 の優しさにも感謝しつつ
>>467 がすごく嬉しいから今日も飲んじゃえ
李は急に声を潜めた。井端はその表情にピンときたが、その横では荒木がポカンとしたように口をあけている。李とのつきあいの浅い荒木には、それが何を意味しているのかわからないのだろう、そう井端は理解した。 「…何か、気になるところがあるんだな」 荒木の理解を促すべく、井端は言った。つまり、これからこのテーマについて議論を行うぞ、という宣言だ。 「ある。ただちに状況の分析を」 「わかった」 これで大丈夫だろう、と思った井端は山本の背中に一礼し、くるりと踵を返してエレベーターへと戻って行った。その後に李が続く。しかし荒木が続いて来ない。 「荒木、早く来い!」 「あっ、はい」 反射的に返事をして、とにかく呼ばれるままに、荒木は二人の後を慌てて追った。 李の表情が読めなかったことも間違いではないが、そもそも荒木は、自身がこれから行われる議論に参加するなど夢にも思っていなかったのだ。 「突然あれだけの反撃にあえば、文京軍も急には対応できない。少し時間的な余裕ができるだろうから、とりあえず指示するまでお前は前線に出なくていい。そのかわり、意見を聞かせろ」 「え、意見?ですか?え、いやっ、いきなりそんな事言われても」 「何がいきなりだ。お前は俺の副官じゃないのかよ」 「ああ…、そうかも。いや、そうでした。そうでしたけど、そんな」 わかりやすくあたふたと狼狽する荒木を見て、井端はこの日すでに何度目かわからない溜息をついた。
――数分後、井端の司令室。応接用のテーブルの上に並べられた多摩川下流域の航空写真を囲んで、まず李が口を開いた。 「報告から行おう。とりあえず最後まで聞いてくれ。現場は…、この辺りだ」 李は畳んだ扇子を使い、写真上の一点を指す。それを見て井端、荒木は黙ったまま頷く。 「輸送車両が2台、積荷は不明だが、その積荷ごと全焼。死亡者の正確な数はわからないが、全滅ということだけはわかっている。 情報元はうちの諜報だ。二つの異なる情報筋からほぼ同様の情報が得られているそうだから、大きな間違いはなかろう。以上だ」 「ふむ…、有難う。そうだな、まずは、場所が気になるな…」 井端はソファから体を起こし、李が指していた箇所を中指の爪でコツコツと叩いた。 「やはりか」 「基地が近すぎる」 報告によれば積荷は奪われていないのだから、略奪を目的とした場当たり的な犯行ではない。とすればこれは、ある程度の力をもった組織が関与して計画的に行われた『作戦』であろう。 そして、その組織は、輸送車両の動きを事前に把握していたはずだ。そうでなければ襲撃はできない。 「なぜ、もっと早くに…、ここまで川崎基地へ近づく前に襲撃が行われなかったのか。川沿いのほぼ一本道なんだから、やろうと思えばもっと手前でやれるはずだ」 「…そうだな。私も同感だ。ちなみに、これには写ってないが…、現場には高架橋があるらしい」 「この写真は古いからな」
多摩川流域は文京横浜の二都市間で長く係争の続いている地域で、特に近年は紛争が頻発し…、両都市とも軍事機密の保持に躍起になっているため、航空写真どころか地図すらまともに流通していない。 名古屋防衛軍が所蔵しているこの色褪せた写真も、まだ関東で聖都神宮の勢力が強かったころに撮影された、解像度も低いものだ。 「だが、さすがに基地は動いていないだろう。荒木、お前どう思う」 「え」 突然井端に話を振られ、荒木は振り向いたまま固まった。 「いや…、自分も、基地は動いていないと思います」 「馬鹿、そうじゃない」 そして固まった姿勢のままどうにか脳と口だけを動かし、やっとのことで述べた意見は、実にあっさりと却下された。 「現場から基地が近い、…せいぜい2、3キロ程度しか離れていないことについてどう思うかだよ」
>>453 を最初パッと見たとき一瞬SFFに見えて「すぷりっとふぃんがーど…」とか思ってしまった
作者は逆に野球しか知らないので、ここのスレで「○○みたいですね!」と言われるたび涙目でググっているうちに浅はかな知識が増えましたw
追伸 孔明先生へ
三国志占いは呂布でした。
>>474 本題書き忘れた。
文庫本数冊程度のSF系のおもしろい小説をご存知のかた、ぜひ教えて下さい
保管庫板にてお待ちしております。
476 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/11/15(土) 00:39:22 ID:ZG3bYllY0
数冊程度の長さってのが難しいな〜
>>477 1冊で終わる奴も歓迎です。要は長すぎると読破できないのです…
沼者かっこよかったよ沼者
表彰式で沼者と帆者が並んで立ってるの見てニヤニヤしちまった
481 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/11/16(日) 21:09:39 ID:YNr3U6dg0
GG
干す
一周年記念カキコ …二日ほど過ぎちゃったけど。 作者さんこんなにも面白いお話をありがとうございます。 ここがきっかけで鯉ファンになり永川ファンになってしまったw おかげで例年よりもっとシーズンを楽しめました。ありがとうありがとう
岸者に食物を マサユキに食物を 保守
マサユキの失われた記憶と人間性は戻るのかな 物語がついに大きく動き始めた!と思ってまとめを読み返してみたんだけど 倉とマサユキだけは自分達の力や行動で現状を打破できない感じかして このまま人並みの幸せを見ることなく寺で生きてくのかなと思うとなんかしょんぼりする それとも実は能天気に楽しくやってるのかな
>>484 こうですか?わかりません><
∧,,,,∧
〈∂д∂ 〉
( ∧,,,,∧ (つ旦⊂)
⊂ ´⌒彡−ι−)つ (__(_つ
∪
__∧____________
ぇー80キロ台とヵまぢゥヶるし☆ミ
___∧____
ぁりぇなぃょね〜(ワラ
>>485 マサユキの記憶と人格が戻ったらアニィとはお別れになるのかな
作者さんいつも乙です。 最近好きな子ができて、今のところうまく行っているのですが、 その子は野球にまったく関心がありません。 そのこと以外はまったく文句ないのですが、どうかアドバイスをお願いしますw
どう思うか…、と言われても、荒木には何を答えればいいのかすらわからない。再び視線を泳がせる荒木を見かねた李が助言する。 「そんなに考え込まなくてもいい。我々の中にもまだ正解は存在していないんだ、気が付いたことがあれば教えてくれ」 「気が付いたこと…、」 荒木はまた考え込んだ。考え込まなくていいと言われてそれができる位なら、今頃とっくにそうなっていることだろう。 彼はたったひとことの助言で自分を変えられるような天才ではない。しかし同時に、助言を貰ってなおかつ何も口にできないほどに愚鈍という訳でもなかった…、やがて口を開き、荒木はたどたどしく発言した。 「この件は、やはり、横浜の仕業なのでしょうか」 「だから、今は現場の位置を…」 「…いや、待て」 荒木の発言が終わるなり井端は口を挟もうとしたが、それをさらに李が制する。 「案外、そっちが先かも知れんぞ」 「…、どういうことだ?説明してくれ」 「昨今の情勢と、多摩川流域という位置を考えれば、横浜軍がこの事件を引き起こした可能性が高い。 我々も暗黙のうちにまずそう考えていた。違うか」 「そうだな、異論ない」 「しかしだ、輸送車両が文京の中央基地から出たのか、それとも湾岸地区の倉庫群のどこかから出たのかはわからんが…、」 李は一旦言葉を切り、再び扇子で写真上の河口付近を指した。 「仮に横浜なら、この辺りでやれるはずだ」 「うーむ…」
横浜は海運国家であり、陸・空軍も保持しているものの、やはり特筆すべきは海軍だ。 総合力ではやはり文京に分があるものの、関東における湾内の覇権は横浜と、同盟関係にある対岸の幕張が握っていると言っていい。 「確かに、横浜が手出しをしようとするなら、輸送車両の動きを監視して水上から狙い撃てばそれで済むことだな。それがなぜあんな奥地で、しかも、積荷を回収したかったわけでもないんだろう。不可解だな」 「そう、目的がよくわからん。それにそもそも、横浜にあのテロを起こせるかどうか自体が怪しいような気もしてくる」 「それは…、技術的な話か」 「そうだ」 横浜は海軍力に定評がある反面、陸上戦がやや苦手というのは周知の事実だ。 彼らが得意とするのは軍艦の火力を最大限に生かした砲撃戦で、そのための人材には事欠かないが、今回のような細かい作戦はさほど得意ではない。 「仮に何らかのアクシデントでなく、初めからこの位置で作戦が組まれていたのなら…、これは相当の実力に裏打ちされた大胆な作戦だぞ。 さっきも話したが、この位置では、ちょっともたつけばそれだけで川崎基地が異変に気づく。襲撃から撤収まで、余程迅速に動ける自信がないと」 くどいようだが、現場から川崎基地までは残り5分程度の道のりだ。輸送車両のそもそもの遅れも含めて、時間的猶予は30分以内だろう。それ以上の遅れは事故と判断されるはずだ。 その時間内に作戦実行し、姿を消すとなると…、仮に名古屋の特殊部隊に同様の作戦を命じたとき、確実にできるという自信は井端には持てなかった。横浜もおそらく似たようなものだ。 「しかし、この場所で今、文京軍の輸送車を破壊する行為は、明らかに横浜の宣戦布告ではないのか」 「願望としてはそうであってほしいし…、実際、横浜は何らかの形で関わっているだろう。しかし実行犯は横浜ではない可能性がある」 井端は天井を見上げた。並の軍隊にはできないかもしれない特殊作戦を無難にこなすだけの実力を持つ組織となれば、少なくとも関東では、思いつく名は限られる。 「……所沢」 「そういうことだ。もっとも仮にそうだとして、所沢がわざわざ関与してくる理由はわからんが…」 「何か密約があるかもしれん。金銭、あるいは後の軍事協力か」 「あり得るな」
>>489 恋愛相談はお子様向けと激辛の2種類ご用意がございますが
至れり尽くせりwww
その2種類から選べってことなのかw 極端ww
最近なぜか、作者さんが本部長に思えて仕方ないwww 両方聞かせて欲しいッス
横浜軍の詳細キター! やっぱり砲撃戦得意なんだな…w
中辛でお願いします・・・w
wktk
新作来てたー 作者様乙です。 スラハザは年表でチェックされてるのもそうですが、 横繋がりの時間軸もきっちりしていてすごいと思うのです…
なんでいきなりwと思ったけど匿名の相談相手に作者さんをえらんだ気持ちはわからないでもないなww
中辛ですね。実は2行目まで読んだところでケンカを売られているのかと思いました。しかし読者様は神様ですので、日ごろの御愛顧に感謝してスパイス増量でご提供させていただきます。
とは言っても
>>489 さんのスペックが何もわからないので大したことは言えないと思いますが、
今のところうまくいってるというのは、このままいけばわりと高確率で付き合うことになりそうということですかね。そういうことで話を進めますが、付き合うべきかどうかということでしたら愚問ですね。
うまくいっていてしかも好きなんだったら野球云々に関わらずあなたはその子と付き合うでしょう。今は迷ってるとしても流れで多分そうなります。
付き合ったのちに長期間うまくやっていけるかということでしたら、それは一概に言えませんが、
野球に理解のない人と付き合うということは、「野球を見る行為に対して許可とか同意を求めないといけない場合が発生する」ということですので、
もしあなたが三度の飯よりも野球が好きならうまくいかない確率が高いと思います。おとなしく外野スタンドかどっかで恋人探して下さい。
あと、その子を野球好きにしてしまうという方法があります。スタンドに連れていって楽しさを伝えるのです。
ただしこれが仮にうまくいって野球の楽しさが仮に伝わったとしても、それが相手の元の趣味を超えるほどのウエイトになることはまずないので、
相手にしてみればやはり「野球につきあってあげている」という基本姿勢は変わらないです。
よって、野球ばっか行ってそのたび楽しいねって言って貰っていたとしても、いずれ破綻の時がきます。
それを避けるために、あなたにはその子の趣味につきあってあげる義務が発生します。それがギブアンドテイクというものです。
たとえそれがちょお〜つまんなくてまったくいっさいがっさい理解できないような恋愛映画やら笑いどころのわからない海外アニメの鑑賞とかだったとしてもです。
そうなったら是非頑張って下さいね。作者には無理でした。
参考になりましたら幸いです。
他にも保守がてらのよろず相談ございましたらどうぞ
できればもう少し具体的に書いていただけると有難いですが…
>>495 あんな偉大な人と比較しちゃダメ
>>500 そこ評価して貰えてうれしいです
ただ、ここまでは広島と名古屋と所沢くらいしか登場していませんので把握も比較的ラクでしたが、今後まだパートが増える予定なので冷や汗モノです
ちょww 無理でしたwwwwww
作者様のキャラに惚れそうだわw
506 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/11/19(水) 21:48:45 ID:6owMBXtn0
GG砂糖?
☆ ☆ ☆ 広島三次、山麓にて。 広島自衛隊に属する一部隊が、密かに活動を展開していた。隊員はみな手にスコップを持ち、横穴から土を掻き出しては台車に載せ、それをどこかへ運び出している。 その部隊の中に、ひとりの若い男がいた。眼光鋭く長身で、名を岸本秀樹と言った。彼もまた他の隊員たちと同様に台車を押して横穴の奥から姿を現すと、 眩しげに天を仰ぎ、それから首に掛けていたタオルを手に取り、泥と汗で汚れた顔を乱雑に拭った、そのときだった。 「キシモト」 自分を呼ぶ声に彼はハッとして振り向き、ガタンと音とたてて台車をその場へ置くと、駆け足で声の主のもとへと急いだ。 「大佐。岸本です」 「ご苦労さん」 彼を呼んだのは白い歯の印象的なスキンヘッドの黒人だった。アレックス・オチョアと言い、広島自衛隊の実権を裏で握るマーティ・ブラウンの最も信頼する部下の一人だ。 「ユーノウ、交代の時間だ」 「はい」 岸本は一礼してアレックスの元を去ると、近くにいた仲間に台車の運搬を頼み、それから少し離れた見張りの場所へと歩いて行った。 ここで現在行われているのは、仮設の基地の建設だ。とは言っても、一から穴を掘っているわけではない。古い防空壕を再利用するべく、修復を行っているのである。 これの当初の目的は、いずれ来るだろう西宮軍の侵略に抵抗するためだった。寡兵で大軍に対するには、ゲリラ戦で奇襲を重ねるしかない。そのためには、山中に基地が必要になる。 先月までで既に、必要とされるスペースの8割を確保することができていた、これは至極順調なペースだった。しかしここへ来て、文京軍が名古屋を急襲との報が飛び込んだ。 広島の独立を目指すブラウンは大胆にも…、これを千載一遇のチャンスと見た。勿論、名古屋が落ちることはないという読みが大前提にあってこそではあるが…、これによって世界情勢が大きく動く可能性がある。 目の前にチャンスがぶら下がっているというのに、防戦にこだわる道理はない。この機を逃さず打って出るため、防空壕の改修作業が急ピッチで進められているのだ。 作業に投入されている人員は、数にして300名は下らないだろう。
おちょあ━━━━━━ヽ(・∀・)ノ ━━━━━━!!
せーの アー・ レッ(゚∀゚)! アー・ レッ(゚∀゚)!
俺だけのオチョアキタ━━━━━━(;つД`) ━━━━━━ !!!!!
オチョアはやっぱり名古屋軍と関係あるんかのう
ユーノウキタ━(゚∀゚)━!!
なにこのデミオ以来の大人気w
そりゃあこのスレのように 名古屋にも広島にも超順応したお方だからよ…www
お約束 スコココバシッスコバドドトスコココバシッスコバドドトスコココバシッスコバドドトスコココバシッスコバドドトスコココ スコココバシッスコバドドドンスコバンスコスコココバシッスコバドト _∧_∧_∧_∧_∧_∧_ スコココバシッスコバドドト从 `ヾ/゛/' "\' /". | | スコココバシッスコハ≡≪≡ゞシ彡 ∧_∧ 〃ミ≡从≡=< RXキターーー!!!!! > スットコドッコイスコココ'=巛≡从ミ.(・∀・# )彡/ノ≡》〉≡.|_ _ _ _ _ _ ___| ドッコイショドスドスドス=!|l|》リnl⌒!I⌒I⌒I⌒Iツ从=≡|l≫,゙ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ スコココバシッスコバドト《l|!|!l!'~'⌒^⌒(⌒)⌒^~~~ヾ!|l!|l;"スコココバシッスコバドドドンスコバンスコスコココ スコココバシッスコバドドl|l|(( (〇) ))(( (〇) ))|l|》;スコココバシッスコバドドドンスコバンスコスコココ スコココバシッスコバドド`へヾ―-― ―-― .へヾスコココバシッスコバドドドンスコバンスコスコココ
オチョアと俺の氏ね様キタ━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!! 元名古屋防衛軍と元海軍ですな wktk
>>502 >>489 ですが、とても丁寧な回答をいただきありがとうございました!
やっぱり上手く行かないでしょうかね・・・
でもがんばってみます!
520 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/11/20(木) 23:50:52 ID:0PhRbKX7O
越谷レイクタウン
>518
きっしゃんは主要キャラじゃない(予定)ので元海軍っていう経歴は省略しようかと思っていたんですがw
やっぱり生かしときますか
>>519 いえ酔っ払ってめちゃくちゃ書いてすいません
野球好き同士っていうかカープファン同士とかでもダメなときはダメですしね
頑張って下さいね!
522 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/11/21(金) 11:45:08 ID:iDiVuJo/O
もしかして野球選手全員出てくるんですか?
_人人人人人人人人人人人人人人人_ > みんなで行こうBsファンフェスタ! <  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ _____._ -‐―- 、 - -―- 、 /.:::::::::::::::::`ヽ /..::::::::::::::::::.丶 /...::::::::::::::.. ヽ / .::::::::::::::::::::::(⌒Y⌒) . /..::::::::::::::::::::::::::: ヽ / ..:::::::::::::::::::/\ ヽ !::/\:::::::::::(⌒*☆*⌒) i.::::::::::::」:::」:::」::」」i l /..:::/::::/::::// ヽ l:. l.〈:i|━ \\:(__人__) |::::::::::/ρ ρ| | l:::::!::::/ 二 二|:: | 〈l > < リ:::::::! |:::::::::| "" .♭""l |. !:::l::::l ~" ( ・_・ ) ~l:i:l (| Α 》/)/ |:::::::::| 、_, /. | ヽ:i::!、 r≡≡ァ ,/ノ' 丶 r ¬ 《 §'' |:::::::::|丶 イ:::: | ` l\ヽ⌒ノ/ 《.\ヽ.ノ/》☆ |:::::::::|\_ ””ヽ:i::::: | ノ \””フ. ヽ 》ノ ─ ''ノ 》 ヽ |:::::::::|. 54 ヽ:::: | |_ 67 _| / 25、__| |:::::::: 不死鳥 |:::: |. | |ゴンゾウ | | (二軍帝王 | |
_人人人人人人人人人人人人人人人_ > みんなで行こうBsファンフェスタ! <  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ _____._ -‐―- 、 - -―- 、 /.:::::::::::::::::`ヽ /..::::::::::::::::::.丶 /...::::::::::::::.. ヽ / .::::::::::::::::::::::(⌒Y⌒) . /..::::::::::::::::::::::::::: ヽ / ..:::::::::::::::::::/\ ヽ !::/\:::::::::::(⌒*☆*⌒) i.::::::::::::」:::」:::」::」」i l /..:::/::::/::::// ヽ l:. l.〈:i|━ \\:(__人__) |::::::::::/ρ ρ| | l:::::!::::/ 二 二|:: | 〈l > < リ:::::::! |:::::::::| "" .♭""l |. !:::l::::l ~" ( ・_・ ) ~l:i:l (| Α 》/)/ |:::::::::| 、_, /. | ヽ:i::!、 r≡≡ァ ,/ノ' 丶 r ¬ 《 §'' |:::::::::|丶 イ:::: | ` l\ヽ⌒ノ/ 《.\ヽ.ノ/》☆ |:::::::::|\_ ””ヽ:i::::: | ノ \””フ. ヽ 》ノ ─ ''ノ 》 ヽ |:::::::::|. 54 ヽ:::: | |_ 67 _| / 25、__| |:::::::: 不死鳥 |:::: |. | |ゴンゾウ | | (二軍帝王 | |
_人人人人人人人人人人人人人人人_ > みんなで行こうBsファンフェスタ! <  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ _____._ -‐―- 、 - -―- 、 /.:::::::::::::::::`ヽ /..::::::::::::::::::.丶 /...::::::::::::::.. ヽ / .::::::::::::::::::::::(⌒Y⌒) . /..::::::::::::::::::::::::::: ヽ / ..:::::::::::::::::::/\ ヽ !::/\:::::::::::(⌒*☆*⌒) i.::::::::::::」:::」:::」::」」i l /..:::/::::/::::// ヽ l:. l.〈:i|━ \\:(__人__) |::::::::::/ρ ρ| | l:::::!::::/ 二 二|:: | 〈l > < リ:::::::! |:::::::::| "" .♭""l |. !:::l::::l ~" ( ・_・ ) ~l:i:l (| Α 》/)/ |:::::::::| 、_, /. | ヽ:i::!、 r≡≡ァ ,/ノ' 丶 r ¬ 《 §'' |:::::::::|丶 イ:::: | ` l\ヽ⌒ノ/ 《.\ヽ.ノ/》☆ |:::::::::|\_ ””ヽ:i::::: | ノ \””フ. ヽ 》ノ ─ ''ノ 》 ヽ |:::::::::|. 54 ヽ:::: | |_ 67 _| / 25、__| |:::::::: 不死鳥 |:::: |. | |ゴンゾウ | | (二軍帝王 | |
>>519 頑張れーオレも応援してるぞー。
横浜出てきたし、小山田とか出ないかなー?
.r-──-. |_CD__,,| /ゝ__.ノ\ /( ●) (●) \ /::::::⌒(__人__)⌒::::: \ | ⌒ | 僕の出番はいつかお? \ /
――マーティ・レオ・ブラウンは歴史上に名を残す数多の革命家と同様に、よく人心を掴み、強気で大胆、かつ細心、周到、 そして万事が整ったと判断したその暁には、周囲の誰をも心配させるほどの楽観主義者に早変わりする。 つまり彼は、広島において軍事革命を成功させる可能性があるだけの資質は持っていると言えるのかもしれない。 しかしわざわざ述べるまでもなく、首謀者の資質だけでは革命などは為し得ない。必要なものは他にもいろいろある。 例えばそれは資金や物資であり、後援者であり、さらには天運地運であり、そして優秀な同志たちだ。ブラウンは広島自衛隊の事実上のトップであるから、この場合の同志とは主に部下たちを指すことになる。 アレックス・オチョアはまさにそれだ。彼は軍備解除されて久しい広島自衛隊に於いては数少ない、実戦での部隊指揮経験豊富なベテランであるが…、 彼の重要性は単にそれだけに留まらない。これからブラウンの実行しようとする計画は、彼なくしては机上にすら出現し得ないものだった。 そもそも、広島自衛隊に於いて実戦経験が豊富ということは…、広島ではないどこか、他の軍事組織に長く所属していたことがあるというのと同義である。 例えばブラウンが半ば強制的に連れてきた青木勇人は、既に前日明らかになっている通り、所沢解放戦線の出身だ。 解放戦線において彼は本来戦闘員ではなかったが、それでも銃器の扱いにかけて、広島自衛隊の中堅どころよりも遥かにマシな技量を持っている。 しかし、それも仕方のないことだ。なにしろ広島自衛隊でできることと言えば、ひたすら訓練を積むことだけ。しかも彼らが手にできる武器と言えば、 そこらで民間人向けに販売されているスラィリーハント用の銃だけだ。とても軍事作戦の足しになるような代物ではない。 この事態をまず重く見た青木は、随分乱暴なスカウトを受けたにも関わらず…、至極熱心に、時には小汚くえげつない価格交渉を死の商人相手に展開しながら…、物資の確保に奔走した。
そうして徐々に充実し始めた装備を実際に使っての軍事訓練が、もっぱらアレックスの仕事である。 何を隠そう、彼は少し前まで難攻不落の名古屋防衛軍で最前線を張った指揮官だったのだ。教官としても申し分ない。 しかしそれが何故、今はこの田舎軍隊に身をやつし、果てには、ありんこの大群を率いてせっせと穴を掘っているのか…、 広島自衛隊内の噂では、なんでも、些細な軍律違反で追われるように退役したらしいとか、まことしやかに囁かれているが、 そこまでの功績を考えれば、それで軍を追放されるのは不自然というもの。真相は一切、謎に包まれている。 ともかく、そのアレックスは…、この防空壕改修作業に100名を超える人員を一度に投入することに対し、当初、難色を示した。 その理由は簡単で、現場の山ではスラィリーマスターの目撃がたびたび報告されているからだ。 群れに属しない単独行動のスラィリーがフラリと現場に現れた程度ならば、彼らは曲りなりにも軍隊であるから、撃退することは難しくない。 しかしマスターを相手にするとなると、とるべき行動はまず退避だ。その場合、多勢がアダになることも充分に考えられる。 アレックスは事前に、そのことをブラウンに対し主張したが…、しかしブラウンは笑顔でアレックスの肩に手を置くと、こう言った。 「大丈夫だ、アレックス。彼は我々の敵ではない」 「はあ?」 アレックスは、言っていることがわからないというジェスチャーをやや大袈裟にして、ブラウンの後ろに隠れるように控えている日本人をキッと見た。 「どういうことだか説明してくれ。どうせキミが言い出したんだろう、幹英」 「いや、まあ…、その可能性がある、と言っただけで」
俺の幹英キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
オチョア教官(*´д`)ハァハァ
さて、炎の神アワハラが名古屋軍と契約したそうだがw
>>527 自分には見えてるが、◆4P6Fp0aKPs氏にら様が見えてるかどうか…。
>>530 きっしゃんだー!テラ自衛隊テイストwww
広島自衛隊のエンブレムがかっこいいし、芸が細かいなあ!
そして幹英コーチキタ―――(゚∀゚)―――――!!
しかし梵が自衛隊の敵じゃないかも…ってどういうことなんだろう…気になる……
広島自衛隊のエンブレムカッコヨス。 カープ商品開発部に頼んでグッズにしてもらおうぜ!
作者さんの絵を見てると。。。 好きなバンドとかシンガーとか居ますか? と聞いてみたくなる。w
540 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/11/22(土) 23:58:45 ID:J13LWC6u0
gg
作者さん幹英ヲタですかwww
(||´○`) どうせ俺は、文京のドン、ナベツネ様の操り人形役なんだろうなorz 近年文京を立て直した名将とは死んでも呼ばれないんだろうなあ…
>>542 マジレスだが、
選手としては、かつての4番・長嶋、王と比較され、
チャンスで打てないと叩かれ、
監督としても、常に後ろにナベツネがはりつき、
采配では失敗ばかりをあげつらわれ、勝てば補強のおかげだと言われ、
ちっともその輝かしいはずの成績を評価してもらえない。
…そんな世間の中でそれでもただひたすら頑張っている、
(確実にヒーローの一人なのに)微妙に不幸なあなたが好きな自分もいるのですよ、原さん。
>>542 別なマジレスなんだけど、先の展開にもろ口出ししてる上に湿っぽくてうんざりする
546 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/11/24(月) 13:52:45 ID:rAb42FRYO
自虐ネタはきもい
うんざりするほどはやっていないでしょう。 それに湿っぽいのは原のキャラじゃないのw
>>538 中指w
よく見るとエンブレムにちゃんと県章ついてるのな
まさか、鯉が県章になってるのか? と慌てて調べてしまった
>>539 いますよ。
とかそういうことを言ってると友達なくすんでちゃんと答えますね。
よく聴いてるのはTHE BOOM、OFFSPRING、Avril Lavigne、
聖飢魔U、犬神サーカス団、滝本晃司、ピンク・フロイド、加藤ミリヤ(順不同)
ところでひとつ気になることがあるのですが、「音楽の好みが聞きたくなる絵」ってどんなんでしょう。
>>541 幹英については語ると長いですよ。そもそも彼を新人の年にテレビで見〜中略〜素人目に見ても
長持ちしなさそうな空気出しててまだルーキーだってのに燃え尽きる前の花火のよーに
美しく〜中略〜ていうか投げすぎ〜中略〜最後の年に下でタイトル取っ〜中略〜上に呼ばれな〜中略〜今でも時々思うんだけど
もしマーティがあと一年早く就任してくれてたら
もしマーティがあと一年早く
あと一年早く
あと一年
コーチとしての手腕も悪くないようで談話も面白いし今はまあいいかなと。
>>542 それ以前に出番があるかわからな(ry
>>548 そういうコネタを拾ってもらえると嬉し恥ずかしいですね。
最初、県の花を調べに自治体のホームページへ行ったらトップに県章があったんで、ああこれでいいやと
幹英、と名指しされたその男は、頬をポリポリと掻きながら、少しバツが悪そうにそう答えた。彼には小林という姓があるが、ごくありふれていて紛らわしいため、こうしていつもファーストネームで呼ばれている。 彼もアレックスと同様に、ブラウンが最も信頼を置く部下のひとりだ。そして、現在ブラウンが自分の直属にしているメンバーの中では唯一、広島自衛隊の叩き上げである。 つまり実戦経験は皆無に等しいが、彼は頭が切れて弁が立ち、そして何よりも気が強い。 これらの長所が高く評価され、彼は参謀としてブラウンに重用されている訳であるが…、その気の強さが災いして、興奮するとまくし立てるように喋る癖があるため、どうしても口が滑りやすい。 その幹英がまた余計なことを進言したに違いない、アレックスはそう確信した。 「可能性があると言ったんだな」 「そんな顔するなよ。可能性があるのは本当だ」 幹英は幹英で、実際口を滑らしたという自覚があるものだから、こう言われてしまうとどうにも歯切れが悪い。 しかし彼も広島自衛隊のブレインとして、ひとつの重要そうな事実らしいものを掴んだという手応えは感じている。
「いいか、我々は今までにあの現場と周辺域とその他とで、合計11回スラィリーマスターに遭遇している。だが、そのうち我々に大きな人的被害が出たのはたったの1回」 「それはその時の教訓によって、ユーノウ、以後の作戦では撤収の判断が速くなったから…、」 「まあ待て」 幹英に詰め寄ろうとするアレックスを制し、再びブラウンが口を開く。 「言い出したのは私だ。幹英には裏づけ調査をしてもらったにすぎない」 「それなら聞かせて貰おうじゃないか、その調査結果を」 アレックスの言葉を受け、幹英はブラウンに目配せをした。調査の詳細について喋ってもいいのかという確認だ。これにブラウンは黙って頷く。 「とにかくだ、広島自衛隊に死人が出たのは最初の1回のみ。後の10回は、被害が出ても精々骨折だ。命にかかわる怪我をした者はいない」 「それはさっき聞いた。まさか1回だけなら何かの間違いかもしれないだとか、どっかの新聞みたいなことを」 「そんなことは言わない。まあ、メディア批判はまた後日、酒でも飲みながら聞くとしてだ。俺は別に確率の話をしたいわけじゃない。 俺だってヒマじゃないんだからな。確率の計算だけならマーティに自分でやって貰うさ」 「ほう」
>>550 乙です
幹英ヲタとしては作者さんと幹英について酒飲みながら語り合いたいw
作者さんおつです 来季に向けて横浜に最も必要なものは何だと思われますかw
>>555 555オメ。
オレもその質問に是非答えて欲しいんだが、とりあえず…
保管庫の質問スレにGOなんだぜ。
でしゃばりスマソ
>>503 で保守代わりに相談カモンって書いてあるよ〜
投下がないときの保守ならともかく、 投下直後に感想もろくに書かずに本編と無関係な質問ってのは 失礼な気がするんだけど
気遣い様が現れた!
難しいねえ
作者様いつも乙です。 ユーノウと「一発だけなら誤し(ry」で噴きましたw 幹英さんは、自分が投手として永く生きることができなかったからか、 投手のコンディションをとても良く考えてくれてそうに思います。いいコーチですね。 野球好きであり、投手好きである自分的に、選手を大事にしてくれるコーチは宝物だと思います。
作者さん、最近メタボ気味の幹英コーチに一言
よく聴いてる音楽に滝本晃司キター! 元たまファンの自分歓喜
(´倉`)<ほしゅ
hoshu
566 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/11/28(金) 00:57:23 ID:L2eJjMup0
567 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/11/28(金) 01:36:59 ID:dUrGhy1qO
良スレ
ルイス残留ktkr
捕手
今朝のデイリーでオチョアさんが……・゚・(ノД`)・゚・
/ (φ) 《//》》 q p ,,,,、、、、、、、 // q p NNN ,r' `ヽ、.// q p NNN ,,,__(:)(:) 彡_ レ!,i"|/!トi 从レ小// q p NNN ,,,__(:)(:) 彡_ ’’-,-,,. / ! ・ 林 ・ リl// NNN ,,,__(:)(:) 彡_ ’’-,-,, / ゝ ノ ゝ_ 凡 _//ミミ ,,,__(:)(:) 彡_’’-,-,, / ゝ_ ノ ::::'::::':::: /~,"'''--''" (⌒ヽ, ’’-,-,, / ゝ_ ノ ::::'::::':::: /⌒))/梵倉寺 (____ノ_) ゝ_ ノ ::::'::::':::: `-´/ i ::::'::::':::: 彡`ヽ_____ イ iノ::::::::::: 彡,.;,.,.,.'ミ,.;,..,,ミ :::::::::::,/_、イヽ_ノ:::::::: :::::::(`⌒´ノ::::::::::::
572 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/12/01(月) 00:01:05 ID:8/oox2mZ0
GG佐藤
574 :
◆./ClJs7VVo :2008/12/01(月) 14:34:12 ID:bw0A+fL0O
C.C.佐藤
ほす
昌さんまた優勝してたのか…
>>576 めでたく200機撃墜したからねぇ。
これからは本業三昧wだよ。
クワガタはまた増やしていくのかなあ…
760 名前:どうですか解説の名無しさん 投稿日:2008/12/02(火) 22:59:59.22 ID:3f+ddaly この流れなら言える スラハザ最近更新さぼっててごめん ちょwww作者さんwwwww
あ、名前欄。。 自演失敗しちゃった、慣れないことするもんじゃないな 野球chでやってる某ゲームにはまっているので、しばらく更新休みます。。。 楽しみにしてくれてる人多いのにゲームとか言いにくくて工作しようとした自分を許して下さい 保管庫スレにあるのも残骸です
作者さんなにやってんすかwwwww
ちょww作者さんww 気長に待つからゲームに飽きたら戻ってきてください。
見てるこっちが恥ずかしいw
ちょww 気にせず遊んできて下さいw 魔が差すってことは本当にあるんだなと思ったw
反省してまス みんなの優しさで泣きそう ちょっとずつでも書く…
病気か何かかって心配してたから 元気って分かっただけでもいいですよw
こういうのやるのって気持ち的にも大変なんだろうな、乙 ちょっとゲームやるのにもそんな悩まないといけないなんて
こんな分かりやすい自演が今までにあっただろうか! 作者さん恥ずかしいッスw
みんなそこまで言うなよ ごめんって仰ってるんだから もうこの話禁止
いやほんともーしわけないです、笑ってもらったほうが楽です
なに言っても言い訳になるんだけど詳しい説明をするとわりと飲んでいた
で、実況でスレの勢いにまかせて原文を書いて、そのあとしばらーくしてから
これを誰かがもってってくれれば(ryとか思いはじめた
そこまでにしときゃいいのに酔ってるからやっちまえーとかおもって
やっちまったけどまぁ酔ってるからありえない失態をね
いや名前欄がどうとかいう些細なことより発想がありえないですね
やっちまった後は意外と冷静だった、というかあの走馬灯ってあるじゃん、
あれってピンチのときに脳内物質が大量に出て集中力が高まりすぎるせいで
時間の流れが相対的に遅く感じるんだってね。そういう状態になって、
その状態ですごい勢いで色々考えた結論が
>>579 酒の勢いでイケナイことをしようとしたもんだから多分酒の神様がお怒りになったんだね
もし成功してたら一点の曇りを残しつつやることになったんだろうからこれでよかったのかもしれない
いやそんなわけないか
冷静になってみると何がそんなにやましかったのかわからん初めからちゃんと言えばいいのに。
今回の教訓としては、「不正はワリに合わない」
次回何事もなかったかのように更新します。。。ご質問もそのとき応えます
アレックスが解雇になってとてもざんねん
改めて作者さんに惚れた。
作者さんにドジっ子属性が追加されたと聞いて(ry
593 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/12/04(木) 01:15:26 ID:16wXdG6B0
以前某バトロワスレで似たようなことをやってしまった者ですw 気持ちはよくわかります。作者さんドンマイ。 いくらでも待ちますよ。そのかわりちゃんと完結させて下さいw
「過去11回についての報告書をすべて精査して、マスター出現の方角、撤収までにかかっているおよその時間、そして被害状況、これらについての傾向を探した」 「あるのか、傾向なんて」 「あるさ。とはいっても、大したことじゃない。あんたも気づいてるはずだ、経験的にね」 幹英はアレックスの前へズイと進み出ると、その顔をキッと見上げた。 「まず一つには…、彼は深追いをしてこない。我々が撤収に入るのを見届ければ、それ以上は追ってこないんだ」 「それは当然のことだ。スラィリーマスターは山からは出てこない。常識だ」 「常識と言って片付けるのは簡単だ、だがそこに理由があるかもしれない。そして次には…、彼は最初の一撃めを人間に当てない」 「……」 幹英の言葉に、アレックスはふと片手を顎にあてて考え込んだ、そしてゆっくりと口を開いた。 「…確かに」 「知っていると思うが、彼、梵英心は本来あの梵倉寺の跡継ぎだ。小さい頃から、陰では鬼子と噂されるほどの超能力を持っていたらしい。今の彼が本気になれば、地形をちょっと変えるくらいのことは簡単だろう。 それが、本来最も命中させられる確率が高いはずの、一撃めの不意打ちを、我々の部隊に直撃させたことが一度もないんだ。 彼はいつも土地勘を生かして、かならず我々より高い位置から襲ってくるのにも関わらずだ、これは不自然と考えるべきじゃないか」 畳み掛けるように幹英は喋った。彼のこの場の仕事はあくまで調査結果の説明であり、アレックスの説得ではなかったはずだが…、生来の性格に加え、 色々に入り混じった様々な思いが知らずのうちにそうさせるのだろう。アレックスは幹英の早口な言葉をもう一度頭の中で整理し、それから、ゆっくりとうなずいた。
「彼があの風変わりな杖を叩きつけるようにひと振りすれば…、たちまち地面が抉れて岩も浮き上がるほどだ。手っ取り早く部隊を潰すつもりなら、それをまず俺に当てるはずだな…」 「そういうことだ」 「それをしないということは」 「…殺意がない」 「なるほど…、そう、だな…」 アレックスは一定の理解を示しつつも、しかし、まだ胸中の半分以上は懐疑的だった。幹英の主張に矛盾は感じないが…、どうにも、初めにまず結論ありきで、そこから導かれた理由を聞かされているような気分だ。 これまでの行動からは明確な殺意が認められない。それは幹英の主張するとおり、事実と認識していいだろう。しかしそのこととは別に、彼はこの数年間で、両手の指で足りないほどの殺人を犯していることも事実なのだ。 「まあ、急に納得しろと言われても無理な話だろう、アレックス。君の部隊からは怪我人も出していることだしな」 考え込むアレックスに、ブラウンが横から声をかける。 「しかし、今はチャンスだ。チャンスを引き寄せるためには、どうしても三次に基地が必要なんだ」 力強くそう言われ、アレックスは鼻から息を長く吐いた。当初からわかっていたことだが、結局この話はここに帰結する。 アレックスは元より、梵英心には殺意がないという調査結果を纏めた幹英さえも、これを結論として動くのは早計だと思った。しかしブラウンがやれと言うなら、最終的には、仕方がない。
>>555 最も必要なものですか。。
なんでしょう、中足中肩中打の外野手でないことは確かでしょうねぇ
>>558 感想はもらえたら嬉しいですけど、気をつかってもらうのも申し訳ないので気軽になんでも書いてもらえればいいんです
「保守」のひとことでもうれしいですよ
>>561 おっしゃる通りです。毎年補強をしているんだから、投手を潰しさえしなければ2〜3年のうちには戦えるチームになるんですよね。
>>562 ふ、太ってなんか全然ないんだからね!
そんなことよりマーティの試合後のビールとお好み焼きを誰か止めて
>>563 そこに反応があるとは思いませんでした、うれしいですw
ロシヤのパンの替え歌はあなたですねw
スラハザに脇役として登場した選手が次々にいなくなる不思議 山崎、森笠、アレックス…
スラ様の呪いですね
久しぶりに見に来れたが・・・暖かいスレは居心地がいいのう
>>598 カープを出ると強打になる仕様になっております
603 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/12/05(金) 23:41:42 ID:ghL/D9fJ0
GG
新作投下乙ですYO!
hs
捕手・倉+内野5人
hoshu
スラィリーにはサンタの格好が似合うと思うんだ 水色のモミの木みたいだ
>>610 >回をまたいで投げたなど、勝ちにつながった試合もある。数字に表れない部分も評価してほしい
負けにつながった試合も相当ありますが…
前年の1700がそもそも多すぎるけど中継ぎイチの投球回数は評価します
断髪の意気を買って180アップの1880ですね
ちょwクリスマスワロタw
>>611 ちょwww10万単位wwwwwテラ広島査定wwwwwwwさすがwwww作者様wwwwwwwww
たっちゃん
ほす
保守してやんよ(`・ω・´)
日曜のこの時間、情熱大陸のアサヒビールのCFに写る 三次の森を見るたびにヨモギとマスターを捜してしまうw
>>619 わかる。とてもわかる。なんか感慨深くなる。アサヒの中の人は襲われないよう気をつけろw
そしてこのスレでそのIDはスゴいなw
お師匠さんはきっと今頃、山ちゃんと一緒にクリスマスケーキの パンフを並べてどれにしようか迷っているに違いない
保守
ついでに
>>621 さんこんなのですかね(*´Д`)
├─┼─┼─┼─┤爻爻 <・)こ>≡ ミ爻,├─┼─┼─┼─┤ | |
│ │ │ │ │爻;ミミ | ミ爻│ │ │ │ │ | |
├─┼─┼─┼─┤:ト,,┬┬┬┬|┬┬┬┬,,|::├─┼─┼─┼─┤ | |
│ │ │ │ │:| ''''',,''''' ,,',,,'''|,,,'',''' '''',,,,,, ,|::│ │ │ │ │ | |
├─┼─┼─┼─┤‐`⊂⊃ (,, ,,,,|,,,,,,), ,⊂⊃,,-├─┼─┼─┼─┤ | |
│ │ ∧ ∧│ │'''''',,,,,'',,,⊂⊃|,,,⊂⊃''''',,,,,,''│ │ ∧,,∧ | │ | |
┴―┴(*`仝´) .─┴─────|─────┴―┴ 〔・◇・ 〕..―┘ ..| |
 ̄ ̄ ̄( つ‐OOO ̄ ̄ζO ̄〔 ̄ ̄ ̄〕ζ O  ̄ ̄ ̄ ̄と旦⊂ヽ ̄ ̄ ̄\ .|
と⌒)⌒)ζ __OO_(____)O_O_ (,,,(⌒,ノ .. \ |
<⌒⌒⌒>旦 /::::Ol:::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::O:::l::::::::\ <⌒⌒⌒> ...._ |
今年はどのケーキにするかのう 去年みたいに食べすぎてお腹壊さないで下さいよ
中佐残留記念捕手
囲炉裏いいなぁ〜。
名古屋さんも無事契約終了したね
名古屋さんダウン残念でしたね
でも5年契約は驚いた
捕手
中佐も大尉もマスターもずっと名古屋軍にいるのが確定したんだな。 ところで、元中尉がプライベートでライブに行ったところ、 スペシャルゲスト誰だろーとwktkしていたら出てきたのがドアラでガッカリしたらしい。 偶然とはいえリアルドアラ漫才ktkr
GG佐藤?
632 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2008/12/21(日) 05:10:22 ID:0LEHubB10
くらとんな
↑ ほしゅって打とうとしてカナキー間違いしただけで他意はありません(;^ω^)
「わかった」 アレックスは渋々といった様子で返事をした。それを聞いたブラウンは、満足そうにうなずくと、笑顔で「よろしく頼む」と言い残し、早々に司令室を出ていった。 各方面で動かさねばならない物事がまだたくさんあるのだろう。千載一遇のチャンスを得て、ブラウンは実に生き生きと、寸暇も惜しんで動き回っている。 「…アレックス、すまないな。結局はムリを聞いてもらうような形になってしまって」 アレックスと共にその場に残された幹英が言った。 「キミが謝ることじゃない。それに、マーティの気持ちはともかく、キミの気持ちは俺にも分かるさ。なにしろ、祖国の独立を果たすところをその目で見られるかもしれないんだ、エキサイトしないほうがおかしい」 「何を。俺はそんなつもりでさっきの…、決してあんたを利用するために、」 「そんなことは言っていないさ」 また早口になる幹英を制し、アレックスは笑った。 「キミがそんな奴じゃないことは俺がわかってる。だが、自然な心理だ」 「だから違うんだ、俺は軍人として、私情に左右されることなく客観的な事実を述べたにすぎないッ」 「わかったわかった、それでいい、落ち着いてくれ」 落ち着けと言われ、ハッと我に返ったように幹英は唾を飲み込んだ。
「…すまない」 「構わない、慣れてる。まあ、仮に、仮にだぞ、さっき俺が言ったような心理が働いていたとしてもだ、それは別に恥じることじゃない。 軍人は祖国を護るためにこそあると俺はかつて教わった。その祖国が不幸にして事実上の占領下にあるなら、まず独立を願うべきだ、何もおかしいことはない。 やるべきことをすべてやって、そのあと…、最後に必要になるのは、情熱だ」 「…」 幹英は視線を下へずらして黙り込んだ。本人は頑なに否定するものの、広島自衛隊への入隊直後に武装解除を言い渡され、それでも自衛隊を離れず、 近年やっと軍隊らしいことをやり始めたこの組織において運良く幹部までのぼり詰め、重大な作戦に関わり、そしていま好機を迎えようとするその内心の躍動はいかばかりだろうか、 そのはやる気持ちに自分自身を見失うことのないよう自制することに彼は必死なのだろう…、とアレックスは理解した。 「まあ、その時のために、今は取っておくのもいい。そんな事よりもだな、キミに相談がある。 今回の作戦は引き受けたが、やはり不安は残るから、従来よりも見張りを増員して臨もうと思うんだ。どこに、どれだけ配置するのが妥当か」 「ああ、そのことなら。そうだな…、」 ――そうして、アレックスと幹英が相談のうえ導き出した結論は、10箇所に数人ずつを、1時間交代というものであった。人数は場所によってまちまちだが、 10箇所というのはこれまでよりも格段に多い。見張りの範囲を広げて相手の動きを早期に察知し、撤収に余裕を持たせようという狙いだ。 そのうちの1箇所…、防空壕掘りが行われている現場よりもだいぶ斜面を登った場所が、岸本の命じられた持ち場だった。
ご無沙汰しております。今日は冬至ですね。 実家の母がメールを寄越して「ん」のつくものを食べるとよいと言うので ウインナーを買ってきましたと報告したところダメ出しされました。 ところで某所に書いてあったのを読んだのですが、 保管庫板に何か書き込むと孔明先生のPHSにメールが飛ぶ仕組みになってるそうですね。 ということはあの板に短時間で大量の書き込みがあると擬似メールボm 万全の管理体制に頭が下がりっぱなしです。
ひさびさに新作乙です
新作キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !! 作者様乙です! そういや、中佐がご結婚なさるそうですよ
>>636 新作乙様ー
久し振りにまとめサイト見て、俺も昨日吃驚したところです
皆さん本当に乙様でございますですー
水沼
保守がてら。。 作者さんは今日はショートケーキではなくて、モンブランを食べるに10ユーロ。
正解は文明堂のカステラでした。
師匠は山ちゃんとどんなケーキを食べたんだろう…
保守してほしゅい?
ほしゅ
律儀な作者さんだから、年末のご挨拶ついでに新作を。。 ってな展開に期待保守。
すいません。ネタ帳(USBメモリ)を忘れて帰省しちゃったので無理です。 飲んで暮らします。 よいお年を。
作者様良いお年を〜 いやースラハザのおかげで、今年は贔屓球団やチェック選手が増えたり、リアルタイム更新で(*゚∀゚)=3ktkr!ってなったり、 楽しい年になりました。ホントにありがとうございました。 また来年もよろしくお願いします。
650 :
ゆく年くる年 :2008/12/31(水) 13:47:07 ID:lYNsAMkI0
雪がしんしんと降り注ぐ広島、三次の梵倉寺 スラィリー調伏術を日本で唯一伝えるこの寺に 今年もスラィリー狩りの犠牲者を悼む鐘の音が 響きます § ━┓〃 ━ § ┃ ━━ ┃ ,fニニヽ ━┛ ━┛ /:::::ヽ 《 i|l' ̄ ̄ ̄'l|! 》 {{-- (;;;;;;;;;;) }} __《___ l |:ニ:(,):二:二|l ,,__))___) {{______________}} 》 〃 ∧_∧ (´倉` )/゙) と < 〉 iヽ_⌒) (_) 皆様良いお年を。
あけおめ保守
ことよろ保守
保守してくれた人たちに報酬をナンチテ
>>653 (ー。ー)つ<<< ´w`)
_∧______
まったく新婚の正月くらいゆっくりさせて下さいよ
∧l二|ヘ (・ω・ ) ←に土産を持たせてどこかのスレに送ってください ./ ̄ ̄ ̄ハ | 鬱 | | | 袋 | |,,,....  ̄ ̄ ̄ ̄ 現在の所持品:現実、事実、履歴書、青柳ういろう、スラィリー
>>655 ちょwwwww何を入れてwwwww
ピロ
冷蔵庫の中で餡子を発見! →スラハザ初代スレ848氏が描いた伝説の傭兵(・∀・) →小倉トーストを作らねば! →でも俺、餡子苦手・・・特に粒餡は('・ω・`) →スラハザワッショイ!作者さんワッショイ!絵師さんワッショイ! →スラハザを思いながら食べる小倉トーストは美味かった。 粒餡うめぇって思ったのは初めてです。ありがとうスラハザ!
ピロ
659 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2009/01/06(火) 11:20:35 ID:CAjs0Wln0
かなり下がりすぎてるので上げます
死ね
生きる!
662 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2009/01/06(火) 16:57:43 ID:0VQZwb0k0
GGさくら
663 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2009/01/06(火) 17:01:30 ID:emYVXPTlO
昔ヤクルトにレモンと言う黒人ピッチャーが居たな… 趣味が恋愛小説創作だっけ?
野球漫画は好きですか?
続き楽しみです♪
石倉
細川
tanisige
帆者
ピロ
>>657 その思考ルートには作者もドン引きです。世界がひとつ広がって良かったですね。
名古屋系の甘味でお気に入りなのはコーヒーぜんざいです。浅草の喫茶店で数年前に「名古屋コーヒー」と銘打たれていたのをいただきました。
白玉と甘ーーーいつぶあんと濃い目のコーヒーと生クリームで構成されていたと思います。
再現しようと思えばいつでもできる物なのですが、挑戦しないまま数年経ってしまいました。喋ったついでにこれを今年の目標にしたいと思います。
>>664 漫画自体あんまり読まないです。野球系の漫画で唯一買ってたのはRookiesですが読破しないままになっています。
そんでドラマでやるという事だったのでこいつは丁度いいやと思ったのですが、
漫画すら読破できないのに週イチのドラマを欠かさず見られるわけがなく、新庄が改心する前に見なくなってしまいました。
やがてたどり着いた先では、既に二名が警戒についていた。その二人ともを岸本はよく知っている。 一人は廣瀬純といって、自衛隊付属の大学校上がりだ。学生時代にはかなり優秀な学生だったらしいが…、それを鼻にかけるようなこともなく、きわめて実直な性格をしている。 そしてもう一人は木村昇吾、訳あって彼は、岸本とは特に親交が深い。 「お、もう交代か」 岸本が姿を現したのを見ると、二人のうち、廣瀬が腰を上げた。この見張りは実のところ、肉体労働に対する休憩の意味も兼ねている。一人あたりの担当は原則的に1時間だ。 この場所には常に二人が配置されているので、30分ごとに一人ずつ人間が入れ替わることになる。 「じゃあ、後よろしく」 「はい」 手にしていた双眼鏡を手渡すと、廣瀬は強面に似合わない軽快な足取りで坂を下りていった。 「昇吾さん、お疲れ様す」 声をかけて、岸本は木村の横へ腰を下ろした。 「お疲れ。次の順番お前だったのか、奇遇だったな」 「そうすね、…何か変わったことって、ありました?」 「いや、ないよ。あったら今頃、」 木村は笑った。その意味を岸本もすぐに理解した。 「ああ、そうすよね」
会話が途切れると、辺りはシンと静まり返った。作業の現場からそれほど遠く離れてはいないはずだが、風に木々のざわめく静かな音の重なりが、彼らを外の世界から遮断しているのだ。 「…それとも、もしかして」 ややしばらくして、木村が口を開いた。 「岸っしゃんがそう言うってことは、何か」 「いや、全然、そういう訳じゃないすよ」 岸本はその質問を遮り、笑いながら軽く手のひらを振って否定する。 「なら、いいけど。脅かすなよな」 「すんません」 木村は苦笑し、また前方遠くへと視線を戻した。 岸本の言葉に対し、木村がこうも過敏になるのには理由がある。岸本は、永川や前田のようないわゆる能力者ではないが…、ひとつだけ、理屈では説明しにくい特技を持っているからだ。 それというのは、動物的予感力。よく、第六感とか虫の知らせとか呼ばれるもので、もちろん効力のほうも、世間で通用しているイメージを超えない、つまりさほど信用できるものではないが…、 彼の場合は、それによって命の危険を回避したようにも思える出来事が過去にあるため、そのエピソードが、仲間うちでの信憑性を少しばかり高めているのだ。
その話というのは、彼がここ広島に来る少し前へさかのぼる。彼、岸本秀樹は元々広島の人間ではない。遥か遠く横浜の、北の国境を流れる多摩川のほとりに彼は生まれた。 この地域は昔から現在に至るまで紛争が絶えず、彼もまだ幼いころに爆撃にあって両親を亡くした。生家はそのまま文京の占領下に入り、帰る場所を失くした彼は、以来各地を転々としながら、祖母の手によって育てられた。 時には生家からわずか4キロほどの難民収容住宅に暮らしたこともある。4キロなら、子供が歩いてもどうにか辿りつける距離だ。しかし彼は物心ついてから一度も生家へ寄り付いたことはない。 なぜなら、その手前、2キロほどのところに、民間人の立入を禁ずる緩衝ラインが引かれていたからだ。高くそびえた灰色のフェンスに有刺鉄線が巻かれ、門は固く封鎖されていた。 もっとも、行ったところで、家があるかはわからない。野ざらしの瓦礫か、あるいはすでに更地になり、今は軍事車両の列に踏み敷かれているのかも知れなかった。 しかしそれを確かめに行くのも、また命懸けの仕事になる。わざわざ寄り付く道理がなかった。 18の年、彼は志願し、軍へ入隊した。志願といっても、彼にさほど強い愛国心があったわけではない。 係争地域に生まれ、親もなく、難民生活さながらに転居を繰り返して育った学のない若者が、犯罪に手を染めず、つまりは祖母を悲しませずに身を立てるには、これしか道がなかったのだ。 彼の配属先は陸軍だった。横浜といえば強力な海軍がその名を内外へ轟かせているが、陸軍も一応存在はしていて、川沿いの国境警備を主な任務として活動している。 その警備隊の中の一部隊に、かつての彼は在籍していた。
>>672 × 学生時代にはかなり優秀な学生だったらしいが
○ 学生時代にはかなり優秀な成績を修め、なんでも主席で卒業したらしいが
お願いします。まぁ今後廣瀬の出番はないと思うのでどうでもいいと言えばどうでもいい設定なのですが…w
このかん何に時間がかかっていたのかというと、岸っしゃんの生い立ちについてです。
当初彼は広島のどこにでもいる若者で、特に複雑な背景を持っている予定ではなかったのですが、
横浜から来たという経歴を生かそうとしたために少し話が難しくなりました。
昇吾さんも出演予定ではなかったのですが急遽起用です。
でも、これによってこのへんの話に少し奥行きが出たと思うので、ご期待下さい。
新作キタ - .∵・(゚∀゚)・∵. - ッ!! 作者様、本年も宜しくお願いします。
新作キタ━━(゚∀゚)━━! あけましておめでとうございます!
新作キタ―――!! うれしい、うれしいよ作者様乙です! 突然の設定変更もまとめて組み込んじゃう才能がすごいっす これからもがんがってください!
乙です!今年もすばらしい作品をよろしくお願いします!
作者さん乙です >まぁ今後廣瀬の出番はないと思うのでどうでもいいと言えばどうでもいい設定なのですが…w 廣瀬www
新作乙です キムショー大好きなんでうれしいっす
新作待ってました! 作者様あけましておめでとうございます! キムショーと岸本を通して、横浜のことも少しは書かれるのかなと期待しております
作者さんと閲覧者の皆さんあけおめ 今年も楽しみにしてますが無理せずゆるりと執筆に勤しんで下さいな
>>681 大好きですか、そうですか、作者も好きな選手のひとりです。
今後話の中で何が起こっても泣かないで下さいね!!! フィクションなので!!!!!w
>>682 横浜については元々少しは書くつもりでいるのでご心配なくw
井端と李と荒木のシーンで少し話があったように、今後話のスジに少しずつ絡んできます
話の本筋に絡んでくる勢力はこれで大体出揃ったかなという感じです
作者さん乙です 廣瀬にどんな運命が待ってるのか気になる…
廣瀬ピロられるに1000ペリカ
ピロセじゃなくてキムショーでしょ?
今週の週ベにて「永川道場」の文字を見て、 即このスレを思い出してしまったのは俺だけでいい。 20年後にはお師匠さんの後を継いで道場主におさまっていそうだしw
何が起こるのか気になるw続きが楽しみです
銭ゲバ見ようと思ってたのですが案の定見逃しました。まあ案の定とか言ってるとおり、自分でも忘れず見られるとは思ってなかったですが…。 そんな人のためにHDDレコーダに毎週何曜日何時から録画っていう指定ができる機能がついてるのですが、録画しても二度と再生しないから意味ないんですよね。 そもそも録画してまで見たいほどコトの行方が気になるものなんて大島の登板くらいですね。 録画した奴を毎週何曜日の何時から勝手に再生してくれる機能がほしいですね。それだったらさすがにドラマも毎週見れると思う。 先の展開が気になるところと思いますが引き続き回想シーンです。最近過去話多い。
岸本は先に述べたとおり痩身ながらも上背があって体格がよく、また厳しい環境下で育ったために負けん気も人一倍強かった。 軍の訓練所で行われるスポーツや武術の類でも相当な強さを誇り、定期的に行われる大会では常に上位にその名を連ねた。 その、何かの大会で優勝した後のことだった。彼はシャワーで汗を流したのち、小隊の皆が開いてくれる祝勝会へ出席するため、髪から滴る水を拭きつつ、ドアを引いて廊下へ出ようとした。そのときだった。 「おい、おまえ。岸本、言うたな」 背後から呼びとめる声に驚いて振り向くと、そこには当時の横浜陸軍国境警備部隊の最高責任者、佐伯貴弘が立っていた。 「は、はい。自分は岸本秀樹一等兵であります!」 一兵卒の自分がこれほど大物の軍幹部に呼びとめられるなど、一体何事かわからない。岸本は全身を硬直し、針金のように敬礼の姿勢を取った。 「何やねん、んな、硬くならんでもエエがな。こっちも緊張してまうわホンマに。折角陸に上がったばっかりなんやから、ちょいと、のんびりさせてちょーだい」 佐伯はそう言うと、ニヤリと笑った。折角陸に上がったというのには少々の訳があり、佐伯は元々、陸軍の人間ではない。彼は横浜の誇る最強艦隊の提督と呼ばれる身分であったが…、 直近の作戦で少々のヘマをやらかし、軍律に従って示しをつけるために、期間限定で陸軍へ左遷されてきていたのだった。 「は、し、失礼しました」 「せやから。もっとリラーックス」 海軍のエースたる佐伯にとってこの左遷は勿論不本意であろうが、しかし、陸に上げられてしまったものは仕方がない。しかも、1年が経過すればまた海軍に戻れることは決まっているのだから、 彼にしてみれば、少しの間最前線を離れることができ、あるいは多少、バカンス気分でいたものかも知れない。
「ま、急にそんなん言われても無理やんな。ワイが言うときたいのはアレよアレ、お前さんのさっきのアレな、見せてもろうたんやけど。なんちゅうの、攻撃は最大の防御?」 「はい」 「て、思うてやっとるやろ?」 「…は、はい」 佐伯の指摘は図星だった。仮にそうでなくとも、この時の岸本に、これ以外の返事ができたかどうかはわからないが…、ともかく、その返事を聞いて、佐伯はしたり顔でうなずいた。 「うん、間違うてないよ。お前さんの考えは正しい。っちゅーのは、コレは訓練やからな」 佐伯の言っていることが、岸本にはすぐに理解できなかった。それを承知で、佐伯は続けた。 「せやけど、実戦は訓練とちゃうで。大会の相手はよー見知った同僚やけど、実戦は相手の実力も正確にはわからへん。もしかしたら、自分が持ってる力を全部出し切ってもかなわんかも知れへんやろ? せやさかいな、損害を最小限に抑えること、自分や仲間が生きて撤収できること、コレも常に頭入れとかんかったら、あかんよ」 「…はい!」 「話はそれだけや。みんな待っとるんやろ、早う行き」 「有難う、ございました!」 …佐伯は公平な人間だった、あるいはすぐに去ると決まっている陸軍にさほど興味がなかったために、これによって岸本の扱いがその後良くなるということはなかったが、この言葉は岸本の胸へ確かに刻み込まれた。 このとき佐伯が岸本に声をかけたのは、単なる偶然、気まぐれのためではなかった。岸本は訓練での成績が優秀であったために佐伯の目にとまり、 そしてその戦い方がいつも無鉄砲すぎたために、佐伯に慣れない説教をさせた。 今時あれだけギラギラした若者は珍しい、と佐伯は岸本を見るたびに思った。そして、このまま放っておけば近い将来に失われるであろう、その命を惜しんだのだ。 しかし、岸本の横浜陸軍時代の特筆すべき思い出といったら、これ位のものかもしれない。 なんといっても国境警備の任務は退屈だった。ただ対岸の軍事施設を交代で見張るだけの日々が延々と続いた。
生存確認!!!乙です。
大島の登板は確かに気になるなw 何が起きるかわからないハラハラ感が楽しめる
乙です。 トラッキーマスター? の佐伯提督ktkr
佐伯キタ━━━(゚∀゚)━━━!! 作者さん乙です。横浜は野手が海軍で投手が陸軍ですか…w
>>695 生で見ると「ああー!」という気分になり、結果知ってから録画で見ると「あー、うーん、ああー…w」という気分になりますね
>>697 てきとうです、横浜陸軍は岸本の前歴のために作ったようなものですw
イメージとしては、実力とか発言力とか予算とか人員すべてにおいて陸軍と海軍が2:8くらいのウエイトで存在してると思って下さい。
海軍さんだと街でも一目置かれますが、陸軍さんはスルーみたいな感じですかね。
>>697 陸軍へ左遷ってことを考えたら関内が海軍で追浜が陸軍かもよ
横浜はさすがに海軍がメインなんだなあ… しかし戦略的に守るのが大変そうだ… 東に文京、北に所沢(ここ二つは多分黄金期はヤバいくらい強国だっただろうし)、西に名古屋、海からは幕張… 名古屋とドンパチせず、所沢が俺達になって対外戦争をしなくなってるから、今はまだマシなんだろうなー…
作者さん乙です 何回も>692〜読み返してしまうw やっぱり陸軍はシーレっぽい感じですかね
佐伯さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !! 作者様いつも乙です!
リラーックスって、ササ願かぁ懐かしいなw
横から入りますが、リラーックスはたぶん石井一と谷繁のネタなら知ってます 2人が「リラーックス!」「いきぬきー!」といってゲル状にどろ〜っと溶けてしまうという物 なら見た気がする。
ハマの大魔神・佐々木が主人公のギャグ漫画『ササキ様に願いを』ですね
ササキ様作中の万永と佐伯の漫才コンビが 「リ・ラックス」って名前だったような…
俺が見たのは「イ・レギュラー」だったような 必ず決めポーズをするんだよなw
同じ作者の混セでshowtimeだっけ?あれの前田面白かったなあ バットにバッ太郎とか名前つけて溺愛してんの
お師匠様かわゆすw
そして、今から2年前。横浜における一年の区切り、旧正月を間近に控えたある日のことだ。その日岸本は午後から非番と決まっており、街へ買い出しに出るために、一路、軍用車を走らせていた。 軍用車の私的利用は本来認められていなかったが、陸軍は海軍に比べ権威を持たないかわりに規律が比較的緩く、 また軍施設から市街地まではだいぶ距離があったため、小隊を代表して必要な物資の買い出しに行く者に限ってはこの限りでなかった。 よって、非番の日にはみな交代で、買い出しを名目に、車を走らせ街へ出るのだが…、この日だけは、誰も行きたがる者がなかった。 旧正月を迎える直前の買い出しは購入せねばならない物が多いために、プライベートに使える時間が余分に削られてしまうからで、 何しろ一人が街へ出られるチャンスは、多い部隊で2ヶ月に1回程度。それを買い物に追われて終わってしまうのは割に合わないという訳だ。 しかし、この日、岸本がそれを買って出た。これといった理由なく、なんとなく、強いて言うなら気分転換に、今日外出したいと思ったのだ。彼には家族がなく、会いたい人も特にはないから…、暇がなくても特に構わない。 それに、買い物が多いということは、総額を安く済ませることができたなら、そこから駄賃を捻り出すも不可能ではないということだ。片手でハンドルを握る岸本は鼻歌交じりだった。
第四次紛争の停戦合意で、聖都神宮の介入により『多摩川を国境、両岸は緩衝地域』と決められてから、この時点ですでに3年。その間、戦闘行為は一切行われていなかった。実戦の緊張感など味わったこともなく、勿論、自然に生じるはずもない。 そして、これはなにも岸本に限ったことではなかった。横浜では、仕官候補でない新兵はまず大半が陸軍へ回される。よって、ここに集っているのは、軍務経験が浅く、しかもそのほとんどをこの退屈な国境警備で過ごしてきた若者たちばかり。 外敵から国境線を守っているという意識など、彼らのうちの、ほとんど誰も持っていなかったことだろう。そして当時の世論もそれを助長した、文京軍の当面の敵はその身中の虫、 所沢のクーデター成功に勢いづく反政府勢力の駆逐こそが急務であり、それが済めば次は所沢へ圧力をかけるのが先決であって、隣接する都市を攻撃することは当分ないと言われていたのだ。 ここで言う隣接する都市とは、暗に横浜のことを指している。本来、文京はさほど好戦的な性格の都市勢力ではなく、直接的な軍事行動が行われたことは、この時から過去2、30年間でも数えるほどしかなかった。 それも、旧所沢政府が緊急事態宣言を出した時のただ一度を除けば、横浜側から仕掛けられた国境紛争以外に軍を出したことは近年ない。これらを総合して考えれば、むしろ、直近に戦闘が起こると考えるほうが不自然だ。 加えて、このときの国境警備隊の指揮官は、陸戦の経験を一切持たない佐伯だった。 …突然の奇襲に対し、咄嗟に応戦できる所以もなかったのだ。
岸っしゃんの昔話が長くなってしまった。帆足程度に収まるつもりで軽く始めたのに。本編が全然進まないですね。
陸軍はシーレだと決まったようなので新兵の訓練に使ってみました。
ササ願は昔全巻買ってて、今も実家にあるのですが、
>>703 を読んだだけではどんなネタだったか素で思い出せませんでした。
>>705 を読んでから半日後くらいにハッと思い出しました。ありましたね。なんか地面にヘターっとなるやつ。
ササ願もいいんですけど、あの辺の漫画ではさわんだふるAとマツイ日記と虎んペットナントカと爆裂タカ派宣言?(うろ覚え)が好きでした。
さわんだふるが単行本にならなかったのは惜しいですね。爆裂〜はまぁ単行本化されても困りますけど。
そんな訳で、適当に思いつきで書いたモノの中の思わぬところを拾われて「元ネタは○○ですね!」あるいは「これは○○を表現してるんですね!」等と言われる頻度が非常に高い昨今なのですが、
初期のノリノリだったころに随分小ネタを入れたせいで、読者の皆さんには枯れ尾花どころかティッシュペーパーも幽霊に見えるようになってしまったんだと思います。つまり自分のせいですからしょうがない。
でも、これがプロだったら大変だろうなぁと思うのです。スラハザではちょっと作者が微妙な気分になって終わりですが、プロだと時々訴訟騒ぎありますよね。
こんな野球板で細々やってる連載ですら無いところから次々に元ネタが見つかってしまうのですから、もっと大量の人の目に触れるプロの著作物だったら推して知るべしです。
そういう意味ではパクらずに創作をやるのは不可能だと思います。でも本気でパクる奴がいるのも事実。それを判断するのが裁判所の人っていうのも心許ない話ですね。
ぱくりとか思ってないですよ!!変な気分にさせたら申し訳ないです
深読みされすぎると、裏をかこうとして苦しむこともありますからね 畑は違うけど、ものを作る素人なので大変さは何となく判ります
作者さん新作乙です! 「そういやそういうネタがあったなあ」と、むしろ野球漫画界が元気だったころを 懐かしんでるだけなので、気分を害したならすみませんでした あの頃は野球漫画雑誌や単行本の発売日が何よりも待ち遠しかった・・・
俺は大いにパクっていいと思うよ、ネタ探しするの楽しいし パクリが語弊があるとなら、「パロディー」でw
いやぁ、パロディを埋め込むのがもうしんどいから最近やってないけど、それでも何もないとこから次々発見されると
なんかフクザツな気分になるっていう、なんていうの、雨の日はちょっとユウウツとかそういうのと
あんまり変わらないから気にしないで下さいw
心情的にはだいたい
>>716 さんのおっしゃるとおりでして。お察しいただいて大変感謝してます。
深読みされる
その上行こうとがんばる
さらに深読みされる
そのさらにナナメ上(ry
疲れる←いまここ
…みたいな感じですかね。まぁ余計なことを言わずにじゃんじゃん行きましょう。
地響きのようなその振動は、スプリングの効いていない軍用車で荒れた道を走るさなかの岸本にも、ごくはっきりと感じられた。 彼は急ブレーキを踏んで、運転席から飛び出した、その瞬間目に飛び込んだものは…、遠く河岸の方角に立ち昇る、濛々たる土煙。 まさか……、彼はその頭の中にさえ、暫時、言葉を失った。まさか爆撃を受けるなんて。 多摩川の両岸に定められた緩衝地域には航空機の侵入は禁止、そしてミサイル及びロケットランチャーの類の兵器の持込も禁止されているはずだった。 この聖都神宮からの提案にあっさりと合意したという点も、文京にはこれ以上積極的に横浜へ侵攻する意思はないものと、世間に認識させるには充分だった。 しかるに岸本も…、その土煙を目の当たりにして、なおかつ、何が起こったのかがわからなかった。しかし、その見守る中で、続いての爆撃が、息つく間もなくまた次の爆撃が…、 岸本は弾かれるようにして車に飛び乗り、目一杯にハンドルを切ると、アクセルを踏み込んだ。少しばかり舗装を外れながら軍用車は土埃を上げてUターンし、来た道を猛スピードで引き返した。 軍人である以上、彼はこの危急の事態に際し、一刻も早く本隊へ合流し、命令に従わなくてはならない。その義務を怠れば脱走と見なされ、厳罰を受けることになる! しかし向かい風に乗った濃すぎる煙、さらに近づくに従って強烈さを増す爆風と、次々に襲い来る瓦礫の破片が、焦燥する彼を阻んだ。 彼はそれでも無理に進もうとしたが、車が先にギブアップした。フロントガラスが割れたのだ。強化ガラスの破片の粒を頭からかぶり、 顔面に無数の切り傷を負い、さらに彼を押しつぶさんと吹き付ける爆風、瓦礫の中で…、 不意に、佐伯の言葉が脳裏に蘇った。つまるところ、引き際を知れと佐伯は言った、あの時はピンとこなかったが…、しかし。 今が、その時だ。
夢から醒めたように、彼は再び急ハンドルを切った。スクラップ寸前の相棒はうなりを上げて道を外れ、残された力を振り絞り、冬の乾いた地面を猛然と疾走し始めた。 岸本は直感していた。もう基地には戻れない…、もう軍には戻れないことを。いま現在の基地がどういう状況になっているかを知る術はなく、本隊に合流する術もない。 そもそも本隊は未だ存在しているのだろうか。爆撃はさらに激しさを増している。もはや壊滅状態かもしれない、生存者がどれだけいるかもわからない。 もしもこの想像の通りなら、今から基地に戻ることは、文京軍の捕虜になりに行くのと同じことだ…、 行く末は捕虜か、脱走兵か。この究極の二択の中から、彼は脱走の道を選んだ。先に述べたとおり彼は元々愛国心の強い軍人ではなかった…、軍へ入ったのはただ単に、祖母を悲しませないためだ。 その祖母も、前年秋に他界した。生まれた家、帰るところ、護りたい人、何もない。彼を横浜へ繋ぎとめるべき要素はこの時、ひとつも存在していなかったのだ。 向かった先は商港だった。河口付近にある軍港はすでに抑えられている可能性があったからだ。やがて市街地が見え、黒く染まりはじめた海が見え、港湾地区までもう少し…、そこで車が力尽きた。 岸本はその場に相棒を残し、後は身ひとつで、夕陽を背に、ひたすら走った。すでに日没は近い。潮の香りが鼻をつく。 そして遂に港へ着くころ…、ちょうど地平へ日が落ちた。闇にまぎれ、彼は適当な貨物船へ忍び込み…、積み込まれた木箱の隙間に疲れた身体を横たえた。積荷はザーサイだ、匂いでわかる。しかしそれ以外のことは何もわからない。 …出航はいつだろう。行き先さえもわからない。だが、さほど大きな船ではないから、それほど遠くへは行かないだろう…。
722 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2009/01/23(金) 00:25:09 ID:HFe5qP2+0
ほどなく彼は眠りにおちた。そして次に目を覚ましたときには…、貨物船は目的地に着いていた。極度の疲労のため、着岸の衝撃でも目を覚まさなかった彼はあっけなく船員に見つかり、現地の港湾警備隊へと突き出された。 まさに一生の不覚だった。どうにかここまで、逃げ延びたのに。いや、逃げ延びたといってもアテはないのだから、遅かれ早かれ、こうなる運命だったのかもしれない、岸本の脳内に焦りと諦めが入れ替わりに浮かんでは消えてゆく。 プレハブのような詰所で、応対した警備隊員はどうやら軍人らしかった。その男は船員たちを帰すと、岸本を見て、まず言った。 「大変だったみたいだな。今朝のニュースじゃ、国境警備隊は撤収がやっとだったそうだ」 突然そう言われ…、岸本は何と言って返していいのかがわからなかった。目を見開いたまま、ややしばらく男の顔を凝視して、それからようやく岸本は口をきいた。 「…ここは」 「なんだ、行き先もわからずに密航してきたのか。ここは広島だよ」 「広島…」 教えられた地名を、岸本はオウムのようにそのまま口にした。せいぜい名古屋か仙台あたりと思っていたが…、そんな遠くへ来ていたとは。そして、その遠く広島のこの男が、なぜ…、 「なんで、国境警備隊の話を」 「ん、その服。おまえ横浜陸軍だろ?」 「……え」 岸本は面食らった。このとき岸本が着ていた外套は確かに陸軍の支給品ではあったが、いわゆる軍服ではない。肩に小さく刺繍が入っている以外は、カーキ色の、街中でも普通に売られていそうな代物だ。 関東ならば、まだ分かる。しかしここが広島だと言うのなら、それをひと目で識別したこの男は一体何者なのか…、 その岸本の動揺もすべて見透かしたように、警備隊の男は笑って言った。
「まあ、驚くようなことじゃない。俺も昔、あそこにいたんだ」 これが、岸本と、木村昇吾の出会いだった。 木村は3年前の第四次多摩川紛争の直前に陸軍を辞め、単身広島に渡り、そして広島自衛隊に入隊したと言った。 彼が横浜陸軍を辞めた理由は至極単純だった、彼はひどく船酔いするタチで、そのまま真面目に勤めていても、海軍へ昇格できる見込みが薄かったからだ。 海軍へ上がれないのなら、このまま軍にいても仕方がない。そう思っていた頃、やはり非番の日に出た市街地で、彼は広島自衛隊の噂を聞いたのだ。 木村は知る由もないことだが、ちょうどブラウンが広島自衛隊へ戻ってきて、軍の建て直しを始めた折だった。なんでも積極的に人員を集めていて、しかも他都市で軍務経験のある者は優遇されるらしい…、 まさに渡りに船だった。それから若干の時間をかけて情報の信憑性を確かめると、木村はすぐに横浜陸軍を辞めた。 そして広島自衛隊は、岸本が密航してきたこの時も変わらず元軍人を集め続けていた。木村はその日のうちに上官へ連絡をつけ、翌日、岸本を自衛隊へと連れていった。 横浜と広島の間には、特に脱走兵や難民の扱いに関する条約は存在していない。よって広島側には岸本を横浜へ引き渡す義務は存在していなく…、岸本は数日待たされたのち、あっさりと広島自衛隊への入隊が決まった。 この、自衛隊に待たされている期間中に、岸本は木村の家に厄介になっていた。同郷のよしみで木村はどこまでも親切だった…、その間に岸本は、横浜で起こった出来事を木村に話して聞かせた。 その中で木村は、たまたま買出しをかって出たために難を逃れたというくだりに特に関心を示した。 岸本自身はそれを偶然と信じて疑わなかったが、木村はきっと、そういう神秘性のようなものを有難がる性格の持ち主なのだろう。ならば、それを頑なに否定しないのも恩人に対する礼か、と岸本は考えたのだった――。
きっしゃんの冒険やっと終わり。次から本編です。
馴れ初めキター!!作者さん乙ですヽ(・∀・)ノ そういや実況板にキムショー専用スレ立ってるワロタ それとマーティー誕生日おめでとう
そういえば主人公の影が…w
新作いっぱいキテタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!
乙ですよ!
>>726 昨夜21時30分過ぎに立ったスレが今もまだ生き残っているw
しかも大部分がキムショーについてまじめに語っているんだぜ
愛されてるなぁキムショー
マイナー選手だからマジレスついてるうちは面白かったけど「木村愛されてるなあw」みたいなレスばっかになると早く落ちてほしいw
積み荷がザーサイ…w やっぱり中華の食品が主な輸出品なんだろうか。
>>727 ああ、そういえば主人公……誰でしたっけね
連続更新、超乙でございます
主人公は ・・・ピロ
733 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2009/01/24(土) 05:35:31 ID:BCrnqqm6O
くだらん!
キムショー専用ちらっと見ました。途中で岸本スレになりかかってましたね。 同時刻に立っていたガイエル専用と比べても健闘していたと思いますw
また少し風が吹き、辺りの木々を、ざあ…と揺らした。彼らは引き続き無言のまま監視にあたっていた…、こういう視界のあまり利かない場所では、物音にも充分に注意を払わなければならない。 これだけ鬱蒼とした森の中で、たとえばスラィリーのような大きなものが近づけば必ず音が出る。それを聞き逃さないように、ということが部隊全員にあらかじめ通達されている。 そのまま、何事もなく20分余りが過ぎた。辺りは相変わらず静まり返っている、時折遠くで鳥の鳴く声がする。 木村はもうすぐ交代の時間だ。次に来るのは誰だろうか…、そんなことを考えつつ、岸本は軽く首を回しながら天を仰いだ。…そのときだった。 木漏れ日の向こう、岸本の視界に、何か黒いものが捉えられた。それが何であるかは、逆光、かつ生い茂った木の葉に遮られて、すぐには判別がつかなかった、しかしそれは猛スピードで…、一直線に落下してきている! 「…あれは」 「ん、どうした」 「昇吾さん!あれっ!!」 …天を指さし、それだけ叫ぶのが精一杯だった。岸本が気づいてから、その落下物が木々の枝をへし折り、そして二人に襲い掛かるまで約2秒。 その2秒の過ぎる間際、岸本はようやく、それが何だか認識した。スラィリーだ。そして、首には人間が跨っている…!! 一瞬早く気づいた岸本は、元々反射神経に優れていたこともあって…、間一髪、身体をひねって飛び退くことができた。しかし…、 「うわっ…、」 「昇吾さんッ!」
木村にその猶予はなかった。ピロピロという恐ろしい声がしたと同時に、木村はスラィリーの太い腕で横薙ぎの猛烈な一撃を食らい、山の斜面を数メートルほども下へと吹き飛ばされた! そして、その一撃をかわしたとはいえ、岸本もまったく危機を脱してはいなかった、マスターを肩に乗せた巨大なスラィリーは目の前だ。 幼少の折、そして2年前、二度の爆撃を奇跡的に逃れて生き延びた岸本も、この時ばかりは死を覚悟した…、 …しかし…、 スラィリーはなぜか両腕を下へと垂らし、そのままピタリと動きを止めた。鼻息荒く、ピロロと鼻を鳴らしている、興奮しているのには間違いない。 だが…、少なくともそこまでの数秒の間、スラィリーは岸本に襲い掛かっては来なかった。どういうことだ。どういうことかはわからないが、来ないのならば…、逃げるしかない! 飛び退くようにして岸本は走り出し、脇目もふらずに木村のもとへと駆け寄った。 「昇吾さん!昇吾さんッ、わかりますか!?」 叫びながら頬を何度か叩くが、反応がない。頭を打ったのか。意識を失っているようだ。鋭い爪で殴られ、腹からの出血がひどい。この人を背負ってこの道なき道を下れるか…、 いや、もしかすると肋骨を折っているかもしれない。もしそうならヘタに動かしては、しかしここに置いて行くのも………。
そこまで考えが巡ったところで、岸本の頭の中を高速で展開していた思考の糸がプツリと途切れた。そして彼は本能的に後ろを振り向いた、そうだ、まずは状況の確認だ。 果たして、スラィリーは、まだその場を動いていなかったが…、マスターはじっとこちらを見下ろしている。岸本は身体が縮み上がるような思いがした、生きた心地がしないとはまさにこのことだ。 なぜ襲って来ないのか。取るに足らないということか。いやまさか、あれほど派手な奇襲を仕掛けてきたのだ、眼中にないなど考えられない。果たして次にはどうする気か。俺を殺すつもりなのか…、 しかし依然としてスラィリー、いや、マスターは何の動きも見せない。岸本から視線を外すことすらしない。…いつでも殺される、そのタイミングは向こうが握っている。 視線を外せば、その瞬間に襲われそうだ。眉間を汗が伝う。しかし…、木村は重傷だ。いつまでも、あるいは殺されるまで、ここで睨みあいをしているわけにはいかない! 「…うらあぁッ!」 岸本は覚悟を決め、乱暴に木村を背負うと、一目散に駆け出した。気絶した人間を運ぶのはある意味では死体を運ぶのと同じで、 自主的に肩を掴むことすらしてくれないため、普通に人を背負って歩くのとは比べ物にならない労力を要する。 しかしこの時の岸本は、いわゆる火事場の馬鹿力の状態にあり、木村を重いとは感じなかった。そして何度も転びそうになりながら、奇跡的に一度も転ばず、どうにか、本隊のいる作業現場へと駆け下りた!
うわぁぁぁぁぁぁマスター出たぁぁぁぁぁぁ
面白すぎる…どうなるんだろう
「キシモト!」 「た、隊長…、」 木々の折れる音がここまで響いていたのだろう。岸本の到着とほぼ同時に、アレックスが駆け寄って出迎えた。 「何があった。スラィリーか」 数回、荒い呼吸をして、それでも息の整わないまま、岸本はアレックスの問いに答える。 「マ…、マスターです!」 「なに…、」 アレックスは一瞬、驚いた顔を見せた。というのは、これを単独行動のスラィリーの仕業、つまり事故の類と踏んでいたからだ。 すぐそばで大規模に展開している本隊を捨て置き、少人数の見張りをいきなり攻撃するとはマスターらしくない…、 しかし、岸本がそう言うのだ。疑っていては始まらない。そのための見張りだ、無駄にしてはならない、躊躇している暇はない! 「撤収!撤収だー!!」 アレックスは持てる限りの大声を出した。そして間もなく運ばれてきた担架に木村が乗せられるのを見届けると、岸本の肩をぽんと叩いた。 「ご苦労だった。君は、怪我は」 「…ありません」 「よし、それなら急いで撤収しろ。遅れるな」 「は、はい!」 岸本は頭を下げると、撤収する本隊とともにまた走り出した。アレックス隊は何度もこういった事態に直面しているので、スラィリーマスターの出現、それに伴う撤収自体には慣れている。 普段より人員が多いとはいえ…、それほど時間はかからない。
その迅速な撤収の様子を…、スラィリーマスター、梵は黙って観察していた。それは森の中からは当然見えないが、彼にはこの山を巡る気が読み取れる。 さあ…と風に砂が流されるように、人が退いていくのがわかる。 「……ヨモギ、落ち着け」 彼は努めて優しい声を出し、すぐ目の前、手の届くところにある頭を撫でた。 「お前は悪くない…」 ヨモギは小さく、ピルルル、と鳴いた。ダラリと無気力に垂れた腕の先、鋭い鉤爪から血が滴っている。人間を殴り、無防備な腹を切り裂いた、その返り血が。 梵はいつものように…、崖の上からアレックス隊の作業現場への接近を試みた。幹英が梵に殺意のないことに気づいたのと同様、 梵もまた、広島自衛隊に自分と戦うつもりがないことには、比較的早くから気づいていた。 しかし、あくまで確証はない。彼はいつも慎重に…、高いところから彼らに近づき、そして安全が確かめられてから威嚇を行ってきた。 そう、目的は威嚇だ。積極的に攻撃を仕掛けてこないのならば、こちらも戦う意思はないのだ。少なくとも、梵本人は…、自分やスラィリーの命を取ろうとするものでなければ、無駄な殺生はしたくない。 それに、相手の性質も考慮したほうがいい。何度威嚇をしても、彼らは懲りずに何度も何度もやってくる。しかし、それならこちらも、何度も何度も追い払えばいいことだ。 何度でもやってくるということは、彼らにも確固たる目的があるということ。多少の殺戮をしたところで、それが曲がるとは思えない。 スラィリーの長老にはわからないことかもしれない、しかし梵は人間だから知っている。軍隊とはそういうものだということを。 だから梵は、今度も、威嚇して追い払えば充分だと思っていたのだ…、 しかし、彼をその肩に乗せたヨモギの考えは違っていた。いや、考えが違うというよりも、認識が違ったと表現したほうが、より正確かもしれない。
ヨモギはあのヒステリックな年寄りと同じく、人ではないから…、軍隊が蟻の行列よりもしつこいものだということを知らない。そしてヨモギは焦っていた。自身の肩に乗せたその大切な人の立場が危ういことを。 梵が時に複数のスラィリーを操り、ゆえに最凶のマスコットマスターとして恐れられているのは、実のところ、他でもない、あの長老の命令によっている。 自身の意志で梵につき従っているのはヨモギだけ。後は命令されているからにすぎない。 つまり、もし長老に愛想を尽かされる、あるいは最悪、本気で怒らせるようなことがあれば、この山のスラィリーはすべて、敵に回ることになる。 そうなれば、梵の桁外れな気の力に加え、体格の恵まれたヨモギが全力で抵抗しても………、 否、長老に逆らうなど、ヨモギには考えられないことだった。そんなことがあってはならない。これらをすべて破綻させず成り立たせるには、どうしても長老の機嫌を取る必要がある。 彼が人間に肩入れしているわけではないということを、どうにか表さなければならないとヨモギは思った。そうは言っても梵は人の身、実際には肩入れをしているのだから、 彼が長老に対しいつも何を弁明しているのか、細かいことはわからないが、いずれにせよ、言葉では足りない。是非、態度で、結果で表さなければ…! その思いつめた瞳が、ふと眼下の森を見下ろしたとき。運悪く、二人の人間がその視界に捉えられた。 そこはいつも自衛隊が作業を行っている場所よりも若干、奥に位置していた。斥候なのだから当然のことだが、それをヨモギが知る由もない。こっちの気も知らないで、またズカズカと入り込んで来ている! その瞬間、ヨモギはマスターの命令なく崖を飛び降りた、居ても立ってもいられなかった。その後の顛末は、先述の通り。 梵が咄嗟にタテガミを掴んで引きとめなければ、おそらくその勢いで、岸本も犠牲になったことだろう。 …梵はそのヨモギの行動を責めなかった。しかし、その梵を悲しませたであろうことを、賢いヨモギはすぐに認識した。安易な行動に出てしまえば、こうなることはわかっていたはず、それにしても…、 ああ、なんと脆い生き物なのだろう。あの一撃で、もう、動かなくなってしまった。その脆さをヨモギは恨めしいと思った。
ヨモギ・゚・(つД`)・゚・
健気だよヨモギ。・゚・(ノД`)・゚・。
・゚・(つД`)・゚・
ヨモギいい奴だな… キムショーの安否も気になるー
川相さん、キャッチャーって試合前に相手打線のデータを暗記したり ピッチャーの状態を見極めたり、それによって組み立て考えたり 試合のない時もコミュニケーション取ったり色々準備が大変なんですよ! ´w`)<ほー、周到に準備しなきゃいけないんだねえ
オチョさん、レッドソックスのコーチ補佐になるとか…とりあえず就職先決まってなによりであります!
ほす
マスターがブログを始めたらしいが背景が黒で怖い・・・
752 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2009/02/02(月) 22:27:49 ID:jKBRrlC/0
でも写真のセレクトがw
持久走一位保守
後ろの黒いものはなんだ
ねーらいしーぼってふーりぬけー はーやくすーるどいだきゅうをー とばーせーあすへみーらいへー かーがやけーまえだー
757 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2009/02/09(月) 02:36:59 ID:RDUO/3PmO
保守してやらないこともない
゜ 。 ○ ゚ 。 ゚ ○ ゚ 。 o ゜ o 。 ゜ 。 ゚ 。 ゚ 。 o ゚ 。 ┃, ┃/ o 。 ○ ゜ o 。、┃, ┃/_/ ゚ ヽ┃/ ┃/_/_/ ゚ o ゜ 。 ○ oヽ┃/_/ ┃/_/__/ 。 ゚ o ゚ \ヽ_ヽ┃__/_/ ┃/_/__/ o ゚ 。 o 。 ゚ \_ヽ_ヽ┃/__/_/ ┃_/__/ ゜( ヽ ゚ 。 o \__ヽヽ_┃_/__/ ┃__/ 。 ゚ 。 ゚ (⌒,∧∧ ∧_/(⌒) 。 o 。゜ \ヽ_┃__/_/ ┃ `、・ 梵 ・)|´」`,'´ o . 。 . l ┃ ┃、l, o 。 〈、У,〉 (〒ラ) ゚ 。 o ヽ|/ ┃ ┃ .... .... .... .... ^^ ^^ ⌒ o ⌒ ○ .... ○ .... .... .... o o ⌒ ⌒ ○ .... .... .... .... .... ⌒ ⌒ ....Slyly ☆Hazard
かわええ〜癒された!
こっ、これは保守じゃなくて(中略)勘違いしないでよねっ!
761 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2009/02/12(木) 13:41:23 ID:lNu1BmqBO
挙げてあげる
762 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2009/02/13(金) 23:51:57 ID:wvQ7As+vO
保守してやらないこともない
763 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2009/02/13(金) 23:55:52 ID:VAJrJKLtO
レーレーシモン
A
1
あ
さ
だぁ
あさって
さき
レモン
/  ̄  ̄ \ . \ / \ /(●) (●) \ 俺の出番はまだかお? | (__人__) | \ ` ⌒´ / / OGASAWARA 、 ( ) `;. ノl ノl ;' l | | l l ┴ ┴ l
まだ
もう一つ
んだろうな
o ゚ o 。゚ o 。 。 o o ° o 。゚ o 。 。 o o ° _____o___o___ o ゚ o 。゚ o 。 。 o 。 o/ o o 。 o \゚ o 。 o o 。 o ┗━゚━━━━━o━━━゚━━━┛ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄o ̄ ̄ ̄ ゚̄ ̄ ̄|o || 。| ̄o .| ̄||| ̄ ̄ ̄||| ̄o ̄ ̄o ̄o | o.// o ゚ o ゚ o ゚ | 。 || ̄ ̄| ̄o ゚.||| o .|||o. | ̄ ̄|。 ゚|// o 。 ゚ 。 o | || ̄|o ゚̄_|_ _||| o|| 。|o. _| ゚ |o ∧,,_∧ ゚ 。 ゚∧∧ .o . ..|o ||。 ̄|o _||| I o ゚ |||  ̄o o 。| [ ー。ー] o [^_^ ]. .o/| ||_o|三三|。_.|||. o ||| o o 。 | ||( o つl====l⊆ 。_)|| 。.//|° ||o_|三三| o||| 。 ||| |[[[[[[[[[[| o| 。||  ̄ || || o ゚||。|| ̄||// o | || 。|| ||o |||゚ 。 |||。 ゚/.―――ヽ└――――――――――――┘。 .o. ̄|| || ゚̄/ ̄ ̄ ̄ ̄\||. ̄ ゚̄ ̄.|| ゚ ̄。 ̄ ゚̄ ̄ ̄ ̄。 ̄ ゚ ̄ ̄ ̄ ゚̄ ̄ ^~^^: ~^^ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄..~^^^;^;~^~ ;^^..~^ ^;^;^~ ^;^~^. ^~ ^~^..~^ ^;^~^;.^~^^ .~^ ^:^: ^..:^..~^ ^^~ :^..~^ ^:^:^~^.~^.~ :^^~^ ^^~^.~^^.~^~^^ ^^~^.~^^.~^~.^ ^~^ Slyly ☆Hazard
かわいいなw
アジア
小笠原
781 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2009/02/17(火) 23:08:00 ID:zmhdS0Q/0
紅白戦で幹英が投げたんだってね。 あー、 もう、 …なんもいえね。 新作はちょっと足踏み状態です。 自分の中で情景がちゃんと浮かんでないまま箇条書きのプロットだけを頼りに強引に進もうとするとすぐ詰まっちゃいますね。難しい。
>>782 作者さんこんばんは〜、もうすぐオープン戦が始まりますね
スラハザから野球に引き込まれ早一年
こんなに楽しい世界を知るきっかけを下さった作者さんに改めて感謝しています。本当にありがとう。
巧い言葉が出てこないのですが、これからもこの物語の綴られていく時間を、楽しみにしています。
784 :
代打名無し@実況は野球ch板で :
2009/02/19(木) 22:55:27 ID:3KAuKk/+O あげちゃお