オリックスバファローズバトルロワイアル第5章
1 ：代打名無し＠実況は実況板で：
前スレ
オリックスバファローズバトルロワイアル第４章
http://ex24.2ch.net/test/read.cgi/base/1203579045/l50
オリックスバファローズバトルロワイアル第3章
http://sports11.2ch.net/test/read.cgi/base/1176382428/
オリックスバファローズバトルロワイアル第2章
http://ex20.2ch.net/test/read.cgi/base/1162281481/l50
オリックスバファローズバトルロワイアル
http://ex20.2ch.net/test/read.cgi/base/1160222136/l50
オリックスバファローズバトルロワイアル第４章
http://ex24.2ch.net/test/read.cgi/base/1203579045/l50
オリックスバファローズバトルロワイアル第3章
http://sports11.2ch.net/test/read.cgi/base/1176382428/
オリックスバファローズバトルロワイアル第2章
http://ex20.2ch.net/test/read.cgi/base/1162281481/l50
オリックスバファローズバトルロワイアル
http://ex20.2ch.net/test/read.cgi/base/1160222136/l50
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2 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/28(月) 13:16:38 ID:IvB3Fgq30
3 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/28(月) 13:22:15 ID:IvB3Fgq30
155 名前： 檻バト ◆UKNMK1fJ2Y [sage] 投稿日： 2008/04/15(火) 00:31:49 ID:kLszqjUF0
檻バトスレが落ちてしまい、新スレも立てられなかったので、こちらに投下させて頂きます。
よろしくお願い致します。
「195・ベテランVSルーキー ラウンド2」
腕の中の子猫が目を覚ました。
「ん？どうした、腹が減ったか？」
萩原は静かな足取りで歩き続けていた。特別走り出す必要もない状況。ただぼんやりと、時を
やり過ごすだけの歩調で前へと進んでいた。行き先は地図に示されている次のポイント。そこ
で新しい鞄と食料、武器を見つけるのだ。それらを持って、誰かと一緒に脱出を図ることが出
来れば。オーナーの仕掛けた罠に打ち勝てれば。
自分の持っているカプセルは青。少なくともウィルスの不安は考えなくていい。その辺はオー
ナーも萩原に気を遣ってくれたようだ。
所詮はオーナーの飼い犬。このゲームに加担している存在。
けれど、そう簡単に思い通りにはさせない。それが萩原の最後のプライドだった。
子猫が小さく鳴いた。カリカリと萩原のシャツを引っ掻く。
「どうした？何かあったのか？」
萩原は猫を落ち着かせようとその小さな額を指先で軽く掻いてやった。しかし子猫は暴れるこ
とやめなかった。
「おい、本当にどうした？」
鞄からパンを千切って取り出す。子猫に与えると、猫は小さな両手でそれを受け取って食べ始
めた。
「なんだ、やっぱり腹減ってたのか」
萩原は普段あまり見せないような優しい微笑みを投げかけた。また指先で頭を撫でてやる。
「必ずお前を神戸へ連れて帰ってやるからな。甘いプリンだ、楽しみにしてろよ」
静かな午前の陽射しを浴びながら、萩原は歩き続けた。
そして、彼を見つけた。
檻バトスレが落ちてしまい、新スレも立てられなかったので、こちらに投下させて頂きます。
よろしくお願い致します。
「195・ベテランVSルーキー ラウンド2」
腕の中の子猫が目を覚ました。
「ん？どうした、腹が減ったか？」
萩原は静かな足取りで歩き続けていた。特別走り出す必要もない状況。ただぼんやりと、時を
やり過ごすだけの歩調で前へと進んでいた。行き先は地図に示されている次のポイント。そこ
で新しい鞄と食料、武器を見つけるのだ。それらを持って、誰かと一緒に脱出を図ることが出
来れば。オーナーの仕掛けた罠に打ち勝てれば。
自分の持っているカプセルは青。少なくともウィルスの不安は考えなくていい。その辺はオー
ナーも萩原に気を遣ってくれたようだ。
所詮はオーナーの飼い犬。このゲームに加担している存在。
けれど、そう簡単に思い通りにはさせない。それが萩原の最後のプライドだった。
子猫が小さく鳴いた。カリカリと萩原のシャツを引っ掻く。
「どうした？何かあったのか？」
萩原は猫を落ち着かせようとその小さな額を指先で軽く掻いてやった。しかし子猫は暴れるこ
とやめなかった。
「おい、本当にどうした？」
鞄からパンを千切って取り出す。子猫に与えると、猫は小さな両手でそれを受け取って食べ始
めた。
「なんだ、やっぱり腹減ってたのか」
萩原は普段あまり見せないような優しい微笑みを投げかけた。また指先で頭を撫でてやる。
「必ずお前を神戸へ連れて帰ってやるからな。甘いプリンだ、楽しみにしてろよ」
静かな午前の陽射しを浴びながら、萩原は歩き続けた。
そして、彼を見つけた。
4 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/28(月) 13:23:10 ID:IvB3Fgq30
156 名前： 檻バト ◆UKNMK1fJ2Y [sage] 投稿日： 2008/04/15(火) 00:32:50 ID:kLszqjUF0
犯罪者は事件を起こした現場へまた戻って来る。よく探偵小説で目にする言葉だ。
平野佳寿は、その通りの行動をしている自分に苦笑いをした。そういう時、犯人は探偵に見つ
かってしまい事件解決となる。愚かなる犯人は名探偵の前で唇を噛み締め、飛び込んできた警
察に両手の自由を奪われ、そのまま強制的に舞台から退場させられる。
（俺はそんな風にはならない）
この場所に戻ってきた理由は2つ。先ほど自分が手にかけた本柳と塩崎。あの2人は家の中で
じっとしていた。まるでそうしろと命じられていたように。誰かを待っているように。ならば
そこで待ち伏せをしてその誰かを葬り去ってやろう。これがひとつ。もうひとつは、自分の鞄
の中の食料が減ってきたことに気づいたからだ。あの家の中にはナントカ芋と書かれた段ボー
ルがあったはずだ。改めて室内を物色させて頂いて、めぼしいものを持って行きたい。
（俺、なんであの時ちゃんと家の中を探さなかったんだろう）
奇妙な感覚だった。怒りに任せて本柳を殺した。その直後は精神が高揚していたのに、どこか
虚ろだった。今思うと、まるで何かに中途半端に操られているような感じだった。
（ガブさんが変なこと言ったからだな）
自分が川越に負けるはずなどない。あんなお人よし、ちょっと大人しくして言うことを聞いて
から騙まし討ちにしてやればいい。そう手間は取らないはずだ。
（そうだよ、俺まだ全然川越さんに会ってないぞ。早く川越さんを消さないと……）
ここまでの放送でも川越の名は呼ばれていない。どこかに隠れているのだろうか。
（もうかくれんぼは終わりですよ、川越さん。時間が無いんですから）
心の中で呟きながら、その家の入り口を見張ることの出来る場所を探した。小さな木立の中に
ちょうど身を隠せる程度の場所を見つけた。
（あれ？）
ドアが開いている。
自分があの家を出た時は、キチンとドアを閉めたはずだ。なのに。
（………誰かが開けて中に入ったか？）
いきなり室内に入るのは危険だ。先に窓から中を覗いてみようと考えた時、彼を見つけた。
犯罪者は事件を起こした現場へまた戻って来る。よく探偵小説で目にする言葉だ。
平野佳寿は、その通りの行動をしている自分に苦笑いをした。そういう時、犯人は探偵に見つ
かってしまい事件解決となる。愚かなる犯人は名探偵の前で唇を噛み締め、飛び込んできた警
察に両手の自由を奪われ、そのまま強制的に舞台から退場させられる。
（俺はそんな風にはならない）
この場所に戻ってきた理由は2つ。先ほど自分が手にかけた本柳と塩崎。あの2人は家の中で
じっとしていた。まるでそうしろと命じられていたように。誰かを待っているように。ならば
そこで待ち伏せをしてその誰かを葬り去ってやろう。これがひとつ。もうひとつは、自分の鞄
の中の食料が減ってきたことに気づいたからだ。あの家の中にはナントカ芋と書かれた段ボー
ルがあったはずだ。改めて室内を物色させて頂いて、めぼしいものを持って行きたい。
（俺、なんであの時ちゃんと家の中を探さなかったんだろう）
奇妙な感覚だった。怒りに任せて本柳を殺した。その直後は精神が高揚していたのに、どこか
虚ろだった。今思うと、まるで何かに中途半端に操られているような感じだった。
（ガブさんが変なこと言ったからだな）
自分が川越に負けるはずなどない。あんなお人よし、ちょっと大人しくして言うことを聞いて
から騙まし討ちにしてやればいい。そう手間は取らないはずだ。
（そうだよ、俺まだ全然川越さんに会ってないぞ。早く川越さんを消さないと……）
ここまでの放送でも川越の名は呼ばれていない。どこかに隠れているのだろうか。
（もうかくれんぼは終わりですよ、川越さん。時間が無いんですから）
心の中で呟きながら、その家の入り口を見張ることの出来る場所を探した。小さな木立の中に
ちょうど身を隠せる程度の場所を見つけた。
（あれ？）
ドアが開いている。
自分があの家を出た時は、キチンとドアを閉めたはずだ。なのに。
（………誰かが開けて中に入ったか？）
いきなり室内に入るのは危険だ。先に窓から中を覗いてみようと考えた時、彼を見つけた。
5 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/28(月) 13:24:00 ID:IvB3Fgq30
157 名前： 檻バト ◆UKNMK1fJ2Y [sage] 投稿日： 2008/04/15(火) 00:33:48 ID:kLszqjUF0
（………嘘だよな………これ……全部悪い夢だよな………そうだよ……きっと夢だ………）
血に染まった塩崎の遺体を横目でチラチラと見ながら、阿部は考えていた。正確には考えてな
どいなかった。頭の中が混乱し、いくつもの思考が同時にグルグルと回っていた。
（そうだよ、悪い夢なんだよ。血ガ。恐い夢を見ている時って、夢だってわかっててもなかな
か起きられないし。スゴク赤イ。早く嫁さんが起こしてくれないかな。グシャット頭ガ崩レテ。
今日ぐらいは頬を強くひっぱたいていいからさ。気持チ悪イ。早く起きなきゃ、早ク……）
両手で口元を抑える。堪えようとした。だが限界だった。阿部は急いで立ち上がると、洗面所
へと走った。
血の臭いがはっきりと届いていた。川越はまだ本柳の手を握ったまま涙していた。目を開ける
と惨劇が見えた。だからまた慌ててギュッと目を瞑った。
（離れちゃいけなかったんだろうか……でもあの時俺が離れなきゃ【Ｋ】のグループは成立し
なかった。でも……こんなことになるなら、もっと違う方法があったかもしれないのに……！）
本柳に聞きたいことがあった。空白の自分の記憶。その間に何が起こっていたのか。それを知
っている唯一の人物。その本柳がいなくなってしまった。
（ガブ、教えてくれ。俺は一体何をしていたんだ？）
また血の臭いが川越の鼻腔へと届いた。胃液のこみ上げてくる感覚があった。川越は慌てて立
ち上がると、ドアの方へと急いだ。
「川越さん、どこへ？」
弱々しい声が背後から聞こえた。
「吐きそう」
急いで告げてドアを出る。
「敵に気をつけて！」
室内から阿部が投げかけた言葉。
『敵』
そのキーワードが一瞬にして川越の思考を奪った。
（………嘘だよな………これ……全部悪い夢だよな………そうだよ……きっと夢だ………）
血に染まった塩崎の遺体を横目でチラチラと見ながら、阿部は考えていた。正確には考えてな
どいなかった。頭の中が混乱し、いくつもの思考が同時にグルグルと回っていた。
（そうだよ、悪い夢なんだよ。血ガ。恐い夢を見ている時って、夢だってわかっててもなかな
か起きられないし。スゴク赤イ。早く嫁さんが起こしてくれないかな。グシャット頭ガ崩レテ。
今日ぐらいは頬を強くひっぱたいていいからさ。気持チ悪イ。早く起きなきゃ、早ク……）
両手で口元を抑える。堪えようとした。だが限界だった。阿部は急いで立ち上がると、洗面所
へと走った。
血の臭いがはっきりと届いていた。川越はまだ本柳の手を握ったまま涙していた。目を開ける
と惨劇が見えた。だからまた慌ててギュッと目を瞑った。
（離れちゃいけなかったんだろうか……でもあの時俺が離れなきゃ【Ｋ】のグループは成立し
なかった。でも……こんなことになるなら、もっと違う方法があったかもしれないのに……！）
本柳に聞きたいことがあった。空白の自分の記憶。その間に何が起こっていたのか。それを知
っている唯一の人物。その本柳がいなくなってしまった。
（ガブ、教えてくれ。俺は一体何をしていたんだ？）
また血の臭いが川越の鼻腔へと届いた。胃液のこみ上げてくる感覚があった。川越は慌てて立
ち上がると、ドアの方へと急いだ。
「川越さん、どこへ？」
弱々しい声が背後から聞こえた。
「吐きそう」
急いで告げてドアを出る。
「敵に気をつけて！」
室内から阿部が投げかけた言葉。
『敵』
そのキーワードが一瞬にして川越の思考を奪った。
6 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/28(月) 13:25:25 ID:IvB3Fgq30
ゆらりとした足取りでその家から現れた小さな姿を木陰から覗き見ながら、平野はほくそえん
だ。相手はあまりにボンヤリしている。きっと室内での惨劇を見てショックを受けているに違
いない。ならばここで優しげな言葉をかけるなどという小芝居は必要ないだろう。背後から不
意打ちで一発。それでいい。射的なら得意だ。本物の反動がどんなものかは知らないが。
（ガブさん、あなたの持ってたライフルで川越さんを殺すんですよ。嬉しいでしょう？）
足音を立てないように木立の中から川越の背後へと回る。右手でライフルを持ち上げ、左手を
添える。何も気づかない背番号11は、ただぼんやりとそこにいる。
（落ち着け……慎重に……）
静かに銃を自分の目の高さまで上げようとしたその時だった。
「何やってるんだ」
鋭い声がした。慌てて平野が振り返る。その銃口が自然と萩原の方を向いた。萩原は平野越し
に小さな背中を見た。背番号11。驚いて平野とその背中を交互に見返す。
「お前……川越か？川越を狙ってたのか？」
驚きを隠せない口調で平野を問い詰める。
「………お前は………やる気なのか……？」
「もう何人か殺してますから」
冷静さを失ってはいない平野の口調に萩原は唇を噛み締めた。
「………助けは来る……きっと助けは来るんだ……それまでみんなでなんとか協力して……」
「そんな甘いことを言ってる人が順番に死んでるんですよ」
萩原の腕に力がこもる。腕の中の子猫が小さく鳴いた。
「猫ですか？優しいですねえルックスに似合わず。萩原さんも案外、番犬にすらなれない性格
ですよね。そのせいかな、バッターにもなれず、ピッチャーとしても中途半端」
平野の言葉に萩原は何も答えなかった。言いたい奴には言わせておけばいい。今萩原に出来る
ことは、無駄な死を増やさないことだ。
「じゃ、そろそろ……」
平野がライフルを構えようとする。さり気なく萩原もベルトに挟んだバントラインに手を伸ば
そうとした。だがすぐに平野のライフルの動きが萩原を牽制した。
「いい武器持ってるじゃないですか」
言いながら平野は体を開くと、川越の後姿も自分の視界に入れた。
途端にチイチイと小さな鳴き声がした。萩原の腕の中の子猫がもがいている。
だ。相手はあまりにボンヤリしている。きっと室内での惨劇を見てショックを受けているに違
いない。ならばここで優しげな言葉をかけるなどという小芝居は必要ないだろう。背後から不
意打ちで一発。それでいい。射的なら得意だ。本物の反動がどんなものかは知らないが。
（ガブさん、あなたの持ってたライフルで川越さんを殺すんですよ。嬉しいでしょう？）
足音を立てないように木立の中から川越の背後へと回る。右手でライフルを持ち上げ、左手を
添える。何も気づかない背番号11は、ただぼんやりとそこにいる。
（落ち着け……慎重に……）
静かに銃を自分の目の高さまで上げようとしたその時だった。
「何やってるんだ」
鋭い声がした。慌てて平野が振り返る。その銃口が自然と萩原の方を向いた。萩原は平野越し
に小さな背中を見た。背番号11。驚いて平野とその背中を交互に見返す。
「お前……川越か？川越を狙ってたのか？」
驚きを隠せない口調で平野を問い詰める。
「………お前は………やる気なのか……？」
「もう何人か殺してますから」
冷静さを失ってはいない平野の口調に萩原は唇を噛み締めた。
「………助けは来る……きっと助けは来るんだ……それまでみんなでなんとか協力して……」
「そんな甘いことを言ってる人が順番に死んでるんですよ」
萩原の腕に力がこもる。腕の中の子猫が小さく鳴いた。
「猫ですか？優しいですねえルックスに似合わず。萩原さんも案外、番犬にすらなれない性格
ですよね。そのせいかな、バッターにもなれず、ピッチャーとしても中途半端」
平野の言葉に萩原は何も答えなかった。言いたい奴には言わせておけばいい。今萩原に出来る
ことは、無駄な死を増やさないことだ。
「じゃ、そろそろ……」
平野がライフルを構えようとする。さり気なく萩原もベルトに挟んだバントラインに手を伸ば
そうとした。だがすぐに平野のライフルの動きが萩原を牽制した。
「いい武器持ってるじゃないですか」
言いながら平野は体を開くと、川越の後姿も自分の視界に入れた。
途端にチイチイと小さな鳴き声がした。萩原の腕の中の子猫がもがいている。
7 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/28(月) 13:26:13 ID:IvB3Fgq30
159 名前： 檻バト ◆UKNMK1fJ2Y [sage] 投稿日： 2008/04/15(火) 00:35:32 ID:kLszqjUF0
（バカ！落ち着け！）
慌てた萩原が心の中で叫ぶ。だが子猫は何かを訴えるように萩原のシャツを引っ掻き続け、上
へと登ってこようとしている。子猫の目はじっと萩原を見つめている。
（仕方ない）
腹をくくった。本当の勝負の時が来てしまった。自分は最初からこのゲームの存在を知ってい
た。そして仲間たちに真実を告げず、この島への拉致を黙って見ていた。実際は萩原自身も拉
致されたのには違いないのだが。事件が起きる前に動こうと思えば動けたはずだった。なのに
それをしなかった。
（オーナーは約束を守ってくれるだろうか。家族は無事だろうか……）
萩原がこのゲームから退場すれば、もう家族に手出しをする必要はなくなる。どちらに転ぶと
しても、全ては萩原自身が決めることだ。深呼吸をひとつ。平野を睨みつけた。
（………タイミングだ。いいか、ちゃんと無事に着地しろよ！）
突然萩原は子猫を横の草むらへと投げた。思わず平野の視線が子猫へと流れる。萩原が銃を抜
く。フェイントに気づいた平野も慌ててライフルを構え直した。2つの銃声が響いた。
その音につられて川越もこちらへと振り返る。その視線はどこか虚ろなまま。
「くそっ！！」
左肩から血を流した平野の視線が川越を捕らえる。腹部を赤く染めた萩原が叫んだ。
「川越逃げろ！平野は敵だ！！」
ぼんやりとした川越の視界に入ったものは「16」という数字とローマ字で「HIRANO」の文字。
そして萩原による『敵』のキーワード。条件は揃った。その瞬間、川越の目がしっかりと平野
を捕らえた。
「え？！」
平野が驚く間もなく、もの凄い勢いで川越が平野に向かって駆けて来る。決して足は速い方で
はないが、その尋常ではない表情が平野を怯えさせた。だが川越は両手に何ひとつ武器らしき
ものは持っていない。平野は慌てて銃を構えた。
（撃てる！）
そう思った瞬間。
『お前は………川越さんに……勝てねえ………』
誰かの声が平野の頭の中に響く。平野の腕が動かなくなった。
（え？！）
（バカ！落ち着け！）
慌てた萩原が心の中で叫ぶ。だが子猫は何かを訴えるように萩原のシャツを引っ掻き続け、上
へと登ってこようとしている。子猫の目はじっと萩原を見つめている。
（仕方ない）
腹をくくった。本当の勝負の時が来てしまった。自分は最初からこのゲームの存在を知ってい
た。そして仲間たちに真実を告げず、この島への拉致を黙って見ていた。実際は萩原自身も拉
致されたのには違いないのだが。事件が起きる前に動こうと思えば動けたはずだった。なのに
それをしなかった。
（オーナーは約束を守ってくれるだろうか。家族は無事だろうか……）
萩原がこのゲームから退場すれば、もう家族に手出しをする必要はなくなる。どちらに転ぶと
しても、全ては萩原自身が決めることだ。深呼吸をひとつ。平野を睨みつけた。
（………タイミングだ。いいか、ちゃんと無事に着地しろよ！）
突然萩原は子猫を横の草むらへと投げた。思わず平野の視線が子猫へと流れる。萩原が銃を抜
く。フェイントに気づいた平野も慌ててライフルを構え直した。2つの銃声が響いた。
その音につられて川越もこちらへと振り返る。その視線はどこか虚ろなまま。
「くそっ！！」
左肩から血を流した平野の視線が川越を捕らえる。腹部を赤く染めた萩原が叫んだ。
「川越逃げろ！平野は敵だ！！」
ぼんやりとした川越の視界に入ったものは「16」という数字とローマ字で「HIRANO」の文字。
そして萩原による『敵』のキーワード。条件は揃った。その瞬間、川越の目がしっかりと平野
を捕らえた。
「え？！」
平野が驚く間もなく、もの凄い勢いで川越が平野に向かって駆けて来る。決して足は速い方で
はないが、その尋常ではない表情が平野を怯えさせた。だが川越は両手に何ひとつ武器らしき
ものは持っていない。平野は慌てて銃を構えた。
（撃てる！）
そう思った瞬間。
『お前は………川越さんに……勝てねえ………』
誰かの声が平野の頭の中に響く。平野の腕が動かなくなった。
（え？！）
8 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/28(月) 13:26:55 ID:IvB3Fgq30
160 名前： 檻バト ◆UKNMK1fJ2Y [sage] 投稿日： 2008/04/15(火) 00:36:23 ID:kLszqjUF0
慌ててライフルを持つ手に力を入れた。だが腕はおろか指先すら一向に動こうとしなかった。
「川越来るな！！」
萩原が叫び、川越の方へと走ろうとする。
「畜生っ！」
平野は川越を諦めると、その銃口を萩原へと向けた。今度はキチンと両手が動いてくれた。
再び銃声。萩原の大きな背中が平野の視界から川越の姿を隠した。
「くそっ！ミスった！」
平野は自分の右腕を叩くと、咄嗟にその場から逃げ出した。
体を支える力を失った萩原は、そのまま走ってくる川越の方へと倒れこんだ。川越も萩原の体
に押されて地面へと倒れ、軽く後頭部を打った。痛みに両手で頭を抱える、だが脳内を支配す
る白い霧は晴れなかった。
萩原は起き上がることが出来なかった。かろうじて、仰向けになった。痛む腹部に手をやった。
その手が血に染まる。自分の横でゆっくりと川越が体を起こしているのがわかった。
「川越……落ち着いたか……？」
腹部が熱い。背中にもジンジンとした痛みを感じる。
「きっと助けが来る……だから……それまで逃げるんだ……生き続けるんだ………南に行くん
だ………きっとそこに……助けが………」
思わず咳込んだ。口から赤いものが少し飛び出した。
「やべ………こんな死に方かよ…………オーナーに加担した罰か…………」
遠くからニィニィという鳴き声が駆けて来る。子猫が勢いよく萩原の胸に飛びつく。必死に萩
原の頬ヒゲを舐め、鳴き声を繰り返す。
「ごめんな……神戸に連れて行ってやれなくて………川越に……連れて行ってもらえ………」
最後の力で子猫を両手で持つと、川越の方へと差し出した。子猫はまだ萩原の方を見て泣き続
けている。褐色の手にしっかりと爪を立て、離れまいとしている。
「おいおい、痛えぞ……」
しゃがみこんだ川越の膝の上に子猫が置かれる。川越の手が動き、血だらけの手から猫を受け
取った。だがその手に力は無く子猫は再び萩原の顔に飛びついた。川越のズボンが血で汚れた。
「川越………こいつを……頼むぞ………」
ゆっくりと川越の顔を見る。表情はなく、虚ろな目で萩原を通り越した何かを見つめていた。
（……あ……れ………？）
慌ててライフルを持つ手に力を入れた。だが腕はおろか指先すら一向に動こうとしなかった。
「川越来るな！！」
萩原が叫び、川越の方へと走ろうとする。
「畜生っ！」
平野は川越を諦めると、その銃口を萩原へと向けた。今度はキチンと両手が動いてくれた。
再び銃声。萩原の大きな背中が平野の視界から川越の姿を隠した。
「くそっ！ミスった！」
平野は自分の右腕を叩くと、咄嗟にその場から逃げ出した。
体を支える力を失った萩原は、そのまま走ってくる川越の方へと倒れこんだ。川越も萩原の体
に押されて地面へと倒れ、軽く後頭部を打った。痛みに両手で頭を抱える、だが脳内を支配す
る白い霧は晴れなかった。
萩原は起き上がることが出来なかった。かろうじて、仰向けになった。痛む腹部に手をやった。
その手が血に染まる。自分の横でゆっくりと川越が体を起こしているのがわかった。
「川越……落ち着いたか……？」
腹部が熱い。背中にもジンジンとした痛みを感じる。
「きっと助けが来る……だから……それまで逃げるんだ……生き続けるんだ………南に行くん
だ………きっとそこに……助けが………」
思わず咳込んだ。口から赤いものが少し飛び出した。
「やべ………こんな死に方かよ…………オーナーに加担した罰か…………」
遠くからニィニィという鳴き声が駆けて来る。子猫が勢いよく萩原の胸に飛びつく。必死に萩
原の頬ヒゲを舐め、鳴き声を繰り返す。
「ごめんな……神戸に連れて行ってやれなくて………川越に……連れて行ってもらえ………」
最後の力で子猫を両手で持つと、川越の方へと差し出した。子猫はまだ萩原の方を見て泣き続
けている。褐色の手にしっかりと爪を立て、離れまいとしている。
「おいおい、痛えぞ……」
しゃがみこんだ川越の膝の上に子猫が置かれる。川越の手が動き、血だらけの手から猫を受け
取った。だがその手に力は無く子猫は再び萩原の顔に飛びついた。川越のズボンが血で汚れた。
「川越………こいつを……頼むぞ………」
ゆっくりと川越の顔を見る。表情はなく、虚ろな目で萩原を通り越した何かを見つめていた。
（……あ……れ………？）
9 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/28(月) 13:27:37 ID:IvB3Fgq30
161 名前： 檻バト ◆UKNMK1fJ2Y [sage] 投稿日： 2008/04/15(火) 00:37:23 ID:kLszqjUF0
ふと萩原の脳裏に何かが浮かんだ。この島に来てから、不思議と繰り返し思い出していたこと。
高校時代。甲子園の思い出。その時、すれ違った選手。チームメイトから「四番打者」と呼ば
れた背番号1。同じ四番を打つ者として少しだけ気になった。当時の萩原は野手だったが、ピ
ッチャーで四番という栄誉を受けるその選手に目を引かれた。
胸に書かれていた文字は「ISHIKAWA」。故に石川県代表の選手だと思っていた。
（………違う………）
今ならわかる。あの文字は県名ではない。「学法石川」を示していたのだ。
「………お前……だったのか………」
萩原と同い年、学法石川高校出身の川越を見つめる。川越はまだ自失状態だった。
「そうか………」
ずっと気になっていたことを思い出し、ようやく萩原は笑った。
「………頼む………思い出すな………ここで起きたことは………思い出すな………」
また小さく咳き込む。
「でも………思い出してくれ………俺が2試合連続……先発したのは………お前が足を痛めて
……突然先発回避したからなんだぞ………」
再び咳込む。全身に痛みが走った。
「………川越………思い出すな………でも……思い出してくれ………」
ゆっくりと、萩原の手が子猫へと伸びる。
「………きっと………助けが来るから………」
震える指先が、子猫の頭に触れた。
「…………こんな中途半端な……人間でも………何か………役に立てた……かな………」
その目が青く眩しい空を見つめる。あの日の青空。流れる白い雲。
「…………もう………打てない…………」
白い弧を描く白球の行方。まだ少年の萩原が打ち放ったホームランボール。全ての青い記憶。
「………やっと………投げること…………楽しく思え………たのに……な………」
褐色の手が、パタンと地面に落ちた。
子猫はより激しく鳴きながらその頬を舐め続けた。
川越はその場に座ったまま、意志を持たない目でぼんやりと萩原を見つめていた。
【×萩原淳 残り・15人？】
ふと萩原の脳裏に何かが浮かんだ。この島に来てから、不思議と繰り返し思い出していたこと。
高校時代。甲子園の思い出。その時、すれ違った選手。チームメイトから「四番打者」と呼ば
れた背番号1。同じ四番を打つ者として少しだけ気になった。当時の萩原は野手だったが、ピ
ッチャーで四番という栄誉を受けるその選手に目を引かれた。
胸に書かれていた文字は「ISHIKAWA」。故に石川県代表の選手だと思っていた。
（………違う………）
今ならわかる。あの文字は県名ではない。「学法石川」を示していたのだ。
「………お前……だったのか………」
萩原と同い年、学法石川高校出身の川越を見つめる。川越はまだ自失状態だった。
「そうか………」
ずっと気になっていたことを思い出し、ようやく萩原は笑った。
「………頼む………思い出すな………ここで起きたことは………思い出すな………」
また小さく咳き込む。
「でも………思い出してくれ………俺が2試合連続……先発したのは………お前が足を痛めて
……突然先発回避したからなんだぞ………」
再び咳込む。全身に痛みが走った。
「………川越………思い出すな………でも……思い出してくれ………」
ゆっくりと、萩原の手が子猫へと伸びる。
「………きっと………助けが来るから………」
震える指先が、子猫の頭に触れた。
「…………こんな中途半端な……人間でも………何か………役に立てた……かな………」
その目が青く眩しい空を見つめる。あの日の青空。流れる白い雲。
「…………もう………打てない…………」
白い弧を描く白球の行方。まだ少年の萩原が打ち放ったホームランボール。全ての青い記憶。
「………やっと………投げること…………楽しく思え………たのに……な………」
褐色の手が、パタンと地面に落ちた。
子猫はより激しく鳴きながらその頬を舐め続けた。
川越はその場に座ったまま、意志を持たない目でぼんやりと萩原を見つめていた。
【×萩原淳 残り・15人？】
10 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/28(月) 13:28:19 ID:IvB3Fgq30
162 名前： 檻バト ◆UKNMK1fJ2Y [sage] 投稿日： 2008/04/15(火) 00:38:47 ID:kLszqjUF0
「196・生ける武器〜Mind Control Murderer」
「川越さんっ？！」
聞こえた3発の銃声に驚き、阿部真宏は急いで小屋を出た。自分と川越の鞄を肩から提げ、塩
崎が守ってくれたチェーンソーを持ち、身を出来るだけ伏せて、神経を尖らせながら家の周囲
を歩いた。
何か動物の鳴き声が聞こえた。それは鳴き声というよりも、泣き声に感じられた。まるで母親
を失った子猫のような鳴き声だった。
（こっちか？）
その声に導かれて阿部はようやく川越を見つけた。
そして、川越の前に横たわる、萩原の姿。
「川越………さん………？」
猫は萩原に縋って鳴いていた。川越の膝に血がついている。萩原の腹部は血に染まっている。
萩原と川越の間に、銀色に光る銃が落ちていた。
「川越さん………まさか………」
阿部は思わず川越に駆け寄り、その肩を揺すった。
「川越さん？！川越さん？！聞こえますか？！オギさんに何があったんです？！まさか川越さ
ん、オギさんを……！！」
その時、どこかで甲高い鳥の鳴き声がした。弾かれたように、一瞬川越の体が揺れる。
「……え？」
ようやく川越の目が阿部を認めた。
「阿部………？」
川越が辺りを見回す。そして倒れている萩原を見た。落ちている銃を見た。鳴いている猫を見
た。自分の膝についている血を見た。そして自分の手にも血が。
川越の唇が震えだす。まぎれもない証拠を目にし、小さく首を横に振った。
「………まさか………まさか………！」
「川越さん！教えて下さい！一体何があったんです！」
「あああああああああああああああああああああああああ！！！」
絶叫が木々の間に響いた。子猫が怯えて、徐々に体温を失って行く萩原の体へと身を寄せる。
川越は両手で頭を抱え、その場に突っ伏した。
「196・生ける武器〜Mind Control Murderer」
「川越さんっ？！」
聞こえた3発の銃声に驚き、阿部真宏は急いで小屋を出た。自分と川越の鞄を肩から提げ、塩
崎が守ってくれたチェーンソーを持ち、身を出来るだけ伏せて、神経を尖らせながら家の周囲
を歩いた。
何か動物の鳴き声が聞こえた。それは鳴き声というよりも、泣き声に感じられた。まるで母親
を失った子猫のような鳴き声だった。
（こっちか？）
その声に導かれて阿部はようやく川越を見つけた。
そして、川越の前に横たわる、萩原の姿。
「川越………さん………？」
猫は萩原に縋って鳴いていた。川越の膝に血がついている。萩原の腹部は血に染まっている。
萩原と川越の間に、銀色に光る銃が落ちていた。
「川越さん………まさか………」
阿部は思わず川越に駆け寄り、その肩を揺すった。
「川越さん？！川越さん？！聞こえますか？！オギさんに何があったんです？！まさか川越さ
ん、オギさんを……！！」
その時、どこかで甲高い鳥の鳴き声がした。弾かれたように、一瞬川越の体が揺れる。
「……え？」
ようやく川越の目が阿部を認めた。
「阿部………？」
川越が辺りを見回す。そして倒れている萩原を見た。落ちている銃を見た。鳴いている猫を見
た。自分の膝についている血を見た。そして自分の手にも血が。
川越の唇が震えだす。まぎれもない証拠を目にし、小さく首を横に振った。
「………まさか………まさか………！」
「川越さん！教えて下さい！一体何があったんです！」
「あああああああああああああああああああああああああ！！！」
絶叫が木々の間に響いた。子猫が怯えて、徐々に体温を失って行く萩原の体へと身を寄せる。
川越は両手で頭を抱え、その場に突っ伏した。
11 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/28(月) 13:31:14 ID:IvB3Fgq30
163 名前： 檻バト ◆UKNMK1fJ2Y [sage] 投稿日： 2008/04/15(火) 00:40:38 ID:kLszqjUF0
「川越さん！しっかりして下さい！川越さん！」
阿部がその肩を抱きかかえるようにして落ち着かせようとする。だが川越は頭を振った。
とにかく移動が必要だ。阿部は思った。今の川越の絶叫を、誰か敵に聞かれたら……。
（また『Cafe Bs』に向かうしかないか……水さんに会えれば……いや、もう俺と川越さんは時
間を使い切ってたっけ？）
判断力が鈍くなっている。疲労のせいだ。肉体的にも精神的にも、限界が近づいている。
（でも俺、案外麻痺してるだろ？だって、オギさんの死体を目にしてるのに、こんな自分本位
なこと考えてるんだ。すごいよな、人間って、適応しちゃうんだ、どんな環境にだって）
自嘲気味な考えさえ浮かぶ。こんなことを考えていること自体、もう自分は壊れているのかも
しれない。適応ではない。壊れかけているのだ。
ゆっくりと川越が体を起こした。そっと両手を伸ばす。その手が怯える子猫に触れた。
「…………なんだか………お前を連れて行かなきゃいけない気がするんだよ…………」
あまり抑揚のない口調で告げる。子猫は少しの間、川越の顔を見つめると、そっとその手の中
に入った。川越の手の中に、小さな生命のぬくもりが伝わる。
「…………なあ阿部」
「はい」
「…………ひょっとしたら俺は、手頃な、便利な武器なのかもしれないな」
「それは………どういう？」
「使える時は使いまくって………いらなくなったら捨てられる………そんな便利な………人を
殺せる武器なのかもしれないな………」
川越の瞳に、もう感情は宿ってはいなかった。
【残り・15人？】
「川越さん！しっかりして下さい！川越さん！」
阿部がその肩を抱きかかえるようにして落ち着かせようとする。だが川越は頭を振った。
とにかく移動が必要だ。阿部は思った。今の川越の絶叫を、誰か敵に聞かれたら……。
（また『Cafe Bs』に向かうしかないか……水さんに会えれば……いや、もう俺と川越さんは時
間を使い切ってたっけ？）
判断力が鈍くなっている。疲労のせいだ。肉体的にも精神的にも、限界が近づいている。
（でも俺、案外麻痺してるだろ？だって、オギさんの死体を目にしてるのに、こんな自分本位
なこと考えてるんだ。すごいよな、人間って、適応しちゃうんだ、どんな環境にだって）
自嘲気味な考えさえ浮かぶ。こんなことを考えていること自体、もう自分は壊れているのかも
しれない。適応ではない。壊れかけているのだ。
ゆっくりと川越が体を起こした。そっと両手を伸ばす。その手が怯える子猫に触れた。
「…………なんだか………お前を連れて行かなきゃいけない気がするんだよ…………」
あまり抑揚のない口調で告げる。子猫は少しの間、川越の顔を見つめると、そっとその手の中
に入った。川越の手の中に、小さな生命のぬくもりが伝わる。
「…………なあ阿部」
「はい」
「…………ひょっとしたら俺は、手頃な、便利な武器なのかもしれないな」
「それは………どういう？」
「使える時は使いまくって………いらなくなったら捨てられる………そんな便利な………人を
殺せる武器なのかもしれないな………」
川越の瞳に、もう感情は宿ってはいなかった。
【残り・15人？】
12 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/28(月) 13:37:37 ID:IvB3Fgq30
統合に新作読まないでｄａｔ落ちしてしまったという方がいたので貼ってみました
13 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/28(月) 14:57:50 ID:8OPCbyts0
>>1-12
乙です 復活ありがとう
乙です 復活ありがとう
14 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/28(月) 21:45:47 ID:iBBBOdRv0
>>12
ありがとうございます。
ありがとうございます。
15 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/29(火) 09:17:41 ID:C8vBOMiZ0
ありがとうございます！
今度こそ保守に励まなくては……
てかハギー！！！
今度こそ保守に励まなくては……
てかハギー！！！
16 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/29(火) 10:15:23 ID:R//vF/OI0
球団バトロワ保管庫
讀賣巨人軍バトルロワイアル
ttp://www.geocities.co.jp/Athlete-Crete/5499/
横浜ベイスターズバトルロワイアル
ttp://www003.upp.so-net.ne.jp/takonori/
ttp://doubleplay.hp.infoseek.co.jp/ybbr05/ (2005年版保管庫)
広島東洋カープバトルロワイアル
ttp://brm64.s12.xrea.com/
ttp://www6.atwiki.jp/moriizou/ (2005年版保管庫）
中日ドラゴンズバトルロワイアル
ttp://dra-btr.hoops.jp/ (2001年版保管サイト)
ttp://dragons-br.hoops.ne.jp/ (2001年版・2002年版保管サイト)
ttp://mypage.naver.co.jp/drabr2/ (2002年版保管サイト)
ttp://cdbr2.at.infoseek.co.jp/ (中日ドラゴンズバトルロワイアル2 第三保管庫)
ttp://qdr.mydns.jp/drbr2004/（中日ドラゴンズバトルロワイアル2004保管庫）
福岡ダイエーホークスバトルロワイアル（Shバト保管庫内）
ttp://sbh.kill.jp/fdh/
讀賣巨人軍バトルロワイアル
ttp://www.geocities.co.jp/Athlete-Crete/5499/
横浜ベイスターズバトルロワイアル
ttp://www003.upp.so-net.ne.jp/takonori/
ttp://doubleplay.hp.infoseek.co.jp/ybbr05/ (2005年版保管庫)
広島東洋カープバトルロワイアル
ttp://brm64.s12.xrea.com/
ttp://www6.atwiki.jp/moriizou/ (2005年版保管庫）
中日ドラゴンズバトルロワイアル
ttp://dra-btr.hoops.jp/ (2001年版保管サイト)
ttp://dragons-br.hoops.ne.jp/ (2001年版・2002年版保管サイト)
ttp://mypage.naver.co.jp/drabr2/ (2002年版保管サイト)
ttp://cdbr2.at.infoseek.co.jp/ (中日ドラゴンズバトルロワイアル2 第三保管庫)
ttp://qdr.mydns.jp/drbr2004/（中日ドラゴンズバトルロワイアル2004保管庫）
福岡ダイエーホークスバトルロワイアル（Shバト保管庫内）
ttp://sbh.kill.jp/fdh/
17 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/29(火) 10:16:50 ID:R//vF/OI0
阪神タイガースバトルロワイアル
ttp://kobe.cool.ne.jp/htbr/
ttp://homepage2.nifty.com/sorasouyo/（旧虎バト保管庫・若虎BR紅白戦進行中
千葉マリーンズ・バトルロワイアル
ttp://www.age.cx/~marines/cmbr/
ttp://cmbr.xrea.jp/
ソフトバンクホークスバトルロワイアル
ttp://sbh.kill.jp/
ヤクルトスワローズバトルロワイアル
ttp://f56.aaa.livedoor.jp/~swbr/
プロ野球12球団オールスターバトルロワイヤル
ttp://www.geocities.jp/allstar12br/
鷲バト
ttp://www.geocities.jp/trgebr/
ビリオネア・バトルロワイヤル
ttp://tokyo.cool.ne.jp/birioneabr/index.html
ビリオネア・バトルロワイヤル保管庫＠二代目
ttp://bbr2005.bufsiz.jp/
西武ライオンズバトルロワイアル
ttp://web-box.jp/lions_br/
オリックスバファローズバトルロワイアル
ttp://sbh.kill.jp/bs/
アテネ五輪日本代表バトルロワイアル
ttp://athensbr.fc2web.com/
北海道日本ハムファイターズバトルロワイアル
ttp://fsbr.no.land.to/
ttp://kobe.cool.ne.jp/htbr/
ttp://homepage2.nifty.com/sorasouyo/（旧虎バト保管庫・若虎BR紅白戦進行中
千葉マリーンズ・バトルロワイアル
ttp://www.age.cx/~marines/cmbr/
ttp://cmbr.xrea.jp/
ソフトバンクホークスバトルロワイアル
ttp://sbh.kill.jp/
ヤクルトスワローズバトルロワイアル
ttp://f56.aaa.livedoor.jp/~swbr/
プロ野球12球団オールスターバトルロワイヤル
ttp://www.geocities.jp/allstar12br/
鷲バト
ttp://www.geocities.jp/trgebr/
ビリオネア・バトルロワイヤル
ttp://tokyo.cool.ne.jp/birioneabr/index.html
ビリオネア・バトルロワイヤル保管庫＠二代目
ttp://bbr2005.bufsiz.jp/
西武ライオンズバトルロワイアル
ttp://web-box.jp/lions_br/
オリックスバファローズバトルロワイアル
ttp://sbh.kill.jp/bs/
アテネ五輪日本代表バトルロワイアル
ttp://athensbr.fc2web.com/
北海道日本ハムファイターズバトルロワイアル
ttp://fsbr.no.land.to/
18 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/29(火) 10:18:02 ID:R//vF/OI0
2323バトルロワイアル
ttp://2323.hagewasi.com/
その他野球ロワ関連サイト
マーダー名鑑
ttp://www.geocities.jp/murder_file_3bbr/
2ch野球板 バトルロワイアル 参加者名簿
ttp://www4.atwiki.jp/basebr/
ネタバトまとめサイト
ttp://sports.geocities.jp/mimamoru_br/
ttp://2323.hagewasi.com/
その他野球ロワ関連サイト
マーダー名鑑
ttp://www.geocities.jp/murder_file_3bbr/
2ch野球板 バトルロワイアル 参加者名簿
ttp://www4.atwiki.jp/basebr/
ネタバトまとめサイト
ttp://sports.geocities.jp/mimamoru_br/
19 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/29(火) 10:20:56 ID:EKII5n9A0
スカイマークスタジアムを阪神と共有の準本拠地にしてはどうだろうか
20 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/29(火) 21:36:26 ID:R//vF/OI0
☆
21 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/04/30(水) 21:58:35 ID:cDfji/+y0
hosyuuuuu
22 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/01(木) 00:42:16 ID:TBhWCef2O
捕手
23 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/01(木) 10:05:32 ID:wcxjBLGEO
保守
24 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/01(木) 21:34:28 ID:EnacQnYd0
☆
25 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/02(金) 04:57:54 ID:VwfW3QAXO
ほす
26 ： ◆T0e.kDbaK2 ：2008/05/02(金) 14:22:39 ID:6KA8w/q10
保守
27 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/03(土) 00:30:08 ID:EdjVnPTLO
★
28 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/03(土) 12:37:30 ID:9U7emp5i0
投下町捕手
29 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/04(日) 01:33:56 ID:ed3762nkO
ほ
30 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/04(日) 08:01:03 ID:WgtzFfslO
日高
31 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/04(日) 14:57:56 ID:lt5da2SF0
保守
32 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/05(月) 00:21:17 ID:XMRPhOxQO
勝利祈願…
つ☆
つ☆
33 ：「197・笑顔の元へ 1/3」 ◆UKNMK1fJ2Y ：2008/05/05(月) 20:45:16 ID:tTheq87r0
数十分前に歩いてきた道のりを戻り続ける。ただそれだけのことが、これほど虚しく思えたこ
とはなかった。それでも水口は想像出来る限りの希望を信じて歩き続けていた。
『Cafe Bs』に阿部はいなかった。ではきっとすれ違いになったのだ。阿部と川越は水口がいた
家へと先に戻ったのだ。あの2人はきっと家に辿り着いて、塩崎と本柳に合流して次の作戦を
練っているだろう。人数が増えたのだから今までよりも心強いに違いない。そこに水口が戻れ
ばきっと笑顔で迎えてくれる。4人が満面の笑顔で迎えてくれるはずだ。
5人集まればそれなりの考えも出るだろうし、それなりの行動も取りやすくなる。他の選手と
出会った時も、向こう側にしても合流しやすいだろうし、信じてくれやすいだろう。
（待ってろよ、すぐ戻るからな）
痛む肩を気にしつつも、水口は早歩きで進み続けた。常に前向きに。何があっても気持ちが折
れてはならない。ベテランの域に入ってから痛感した。自分が折れてしまったら、周りの若手
まで折れやすくなってしまう。虚勢でもいい。水口が希望を捨ててはならないのだ。
（そう、俺たちは5人だけじゃないぞ）
『Cafe Bs』にいるデイビーも、選手たちの為に危険を顧みず水口とのコンタクトを図ってくれ
た。オーナー側にだって、選手を密かに助けようとしてくれる者がいるのだ。
（信じるんだ。きっと俺たちは出来るんだ）
もう権力者の言いなりになるのは真っ平だ。
涙を流すのはもう沢山だ。
あの年、逆らうことの出来ない激流に流され、必死になって抗い、ほんの少し流れを変えるこ
とは出来たけれど、結局自分たちは奔流に飲み込まれた。その川はやがて2つに分かれ、未知
のチームへ流される者と、既存のチームに残留する者を分け隔てた。
今度はその大河が選手の命自体を噛み砕こうとしている。無残にも波に飲み込まれた者は川底
に沈んだか、流れに飲まれてどこかへと消えたのか。
または、殺意を持った誰かによって水底へと押し潰されたのか。
（俺は沈まない、絶対に）
無意識のうちに拳を握った。
とはなかった。それでも水口は想像出来る限りの希望を信じて歩き続けていた。
『Cafe Bs』に阿部はいなかった。ではきっとすれ違いになったのだ。阿部と川越は水口がいた
家へと先に戻ったのだ。あの2人はきっと家に辿り着いて、塩崎と本柳に合流して次の作戦を
練っているだろう。人数が増えたのだから今までよりも心強いに違いない。そこに水口が戻れ
ばきっと笑顔で迎えてくれる。4人が満面の笑顔で迎えてくれるはずだ。
5人集まればそれなりの考えも出るだろうし、それなりの行動も取りやすくなる。他の選手と
出会った時も、向こう側にしても合流しやすいだろうし、信じてくれやすいだろう。
（待ってろよ、すぐ戻るからな）
痛む肩を気にしつつも、水口は早歩きで進み続けた。常に前向きに。何があっても気持ちが折
れてはならない。ベテランの域に入ってから痛感した。自分が折れてしまったら、周りの若手
まで折れやすくなってしまう。虚勢でもいい。水口が希望を捨ててはならないのだ。
（そう、俺たちは5人だけじゃないぞ）
『Cafe Bs』にいるデイビーも、選手たちの為に危険を顧みず水口とのコンタクトを図ってくれ
た。オーナー側にだって、選手を密かに助けようとしてくれる者がいるのだ。
（信じるんだ。きっと俺たちは出来るんだ）
もう権力者の言いなりになるのは真っ平だ。
涙を流すのはもう沢山だ。
あの年、逆らうことの出来ない激流に流され、必死になって抗い、ほんの少し流れを変えるこ
とは出来たけれど、結局自分たちは奔流に飲み込まれた。その川はやがて2つに分かれ、未知
のチームへ流される者と、既存のチームに残留する者を分け隔てた。
今度はその大河が選手の命自体を噛み砕こうとしている。無残にも波に飲み込まれた者は川底
に沈んだか、流れに飲まれてどこかへと消えたのか。
または、殺意を持った誰かによって水底へと押し潰されたのか。
（俺は沈まない、絶対に）
無意識のうちに拳を握った。
34 ：「197・笑顔の元へ 2/3」 ◆UKNMK1fJ2Y ：2008/05/05(月) 20:46:01 ID:tTheq87r0
（溺れているなら俺に掴まれ！必ず岸まで連れて行ってやる！みんなで手を繋いで流れを乗り
切って、岸に手を伸ばすんだ！出来るはずなんだ！きっと俺が出来るようにしてやる！）
心の中で強く祈ったその時、どこかの空で銃声が響いた。
（誰だ？！）
それほど遠くはない。むしろその音は水口の向かう方角から聞こえてきたようだった。
すぐにまた銃声が聞こえた。
（まさか………阿部たちが？！）
走り出していた。肩の痛みすら感じなかった。見覚えのある道をただひたすら走っていた。倒
れている丸太を飛び越え、頬を打つ葉を気にすることなく水口は同じ言葉を心に繰り返した。
（無事でいてくれ！頼む！みんな無事でいてくれ！）
そこには笑顔があるはずだ。きっと笑顔があるはずだ。阿部と川越と塩崎と本柳の笑顔が水口
を迎えてくれるはずなのだ。
『遅いですよ水さん』
『どこ寄り道してたんですか？』
『ああ、すれ違いになっちゃったんですね』
そう言ってまた出会えるはずなのだ。
赤い木の実が成っている木を見つけた。印象的なこの実は格好の目印だった。この繁みを抜け
ればあの小屋がある。
4つの笑顔が迎えてくれる。
とうとうその小屋が見えた。水口は木々の外へと飛び出した。
「阿部！川越！塩崎！ガブ！」
名前を呼びながら小屋の壁沿いに走る。
そして、その光景を見た。
誰かが倒れていた。猫のような鳴き声が聞こえる。そのそばには誰かがうずくまるようにして
頭を垂れている。その横にいた人物が顔を上げた。
切って、岸に手を伸ばすんだ！出来るはずなんだ！きっと俺が出来るようにしてやる！）
心の中で強く祈ったその時、どこかの空で銃声が響いた。
（誰だ？！）
それほど遠くはない。むしろその音は水口の向かう方角から聞こえてきたようだった。
すぐにまた銃声が聞こえた。
（まさか………阿部たちが？！）
走り出していた。肩の痛みすら感じなかった。見覚えのある道をただひたすら走っていた。倒
れている丸太を飛び越え、頬を打つ葉を気にすることなく水口は同じ言葉を心に繰り返した。
（無事でいてくれ！頼む！みんな無事でいてくれ！）
そこには笑顔があるはずだ。きっと笑顔があるはずだ。阿部と川越と塩崎と本柳の笑顔が水口
を迎えてくれるはずなのだ。
『遅いですよ水さん』
『どこ寄り道してたんですか？』
『ああ、すれ違いになっちゃったんですね』
そう言ってまた出会えるはずなのだ。
赤い木の実が成っている木を見つけた。印象的なこの実は格好の目印だった。この繁みを抜け
ればあの小屋がある。
4つの笑顔が迎えてくれる。
とうとうその小屋が見えた。水口は木々の外へと飛び出した。
「阿部！川越！塩崎！ガブ！」
名前を呼びながら小屋の壁沿いに走る。
そして、その光景を見た。
誰かが倒れていた。猫のような鳴き声が聞こえる。そのそばには誰かがうずくまるようにして
頭を垂れている。その横にいた人物が顔を上げた。
35 ：「197・笑顔の元へ 3/3」 ◆UKNMK1fJ2Y ：2008/05/05(月) 20:46:36 ID:tTheq87r0
「…………水さん」
心ここにあらずといった表情のまま、阿部が呟いた。
「…………水さん………！」
ようやく幻ではないとわかったのか、阿部の細い目が見開かれる。慌て過ぎて重心を崩し、少
しよろめきながら立ち上がった。
「水さん！！」
阿部が水口に向かって駆け出してくる。その表情は、笑顔ではなかった。水口はここで何かが
起こったことを知った。阿部の目から大粒の涙がこぼれたのが見えた。阿部は躊躇うことなく
水口の胸に飛び込んで来た。まるで水中で溺れていた者が必死に救いを求めるような動きだっ
た。酸素が足りず必死にもがいているような、端から見たら大の大人にしては滑稽な姿だった。
「水さん！水さん！水さん！」
阿部は号泣していた。水口の体に必死にしがみつき、その名を何度も呼びながら号泣していた。
「水さん！水さん！！水さん！！！」
しがみつく腕の力がますます強くなる。水口も阿部の頭を叩きながら、その体を支えた。
阿部はまるで子供のようにワンワン泣き続けた。
【残り・15人？】
心ここにあらずといった表情のまま、阿部が呟いた。
「…………水さん………！」
ようやく幻ではないとわかったのか、阿部の細い目が見開かれる。慌て過ぎて重心を崩し、少
しよろめきながら立ち上がった。
「水さん！！」
阿部が水口に向かって駆け出してくる。その表情は、笑顔ではなかった。水口はここで何かが
起こったことを知った。阿部の目から大粒の涙がこぼれたのが見えた。阿部は躊躇うことなく
水口の胸に飛び込んで来た。まるで水中で溺れていた者が必死に救いを求めるような動きだっ
た。酸素が足りず必死にもがいているような、端から見たら大の大人にしては滑稽な姿だった。
「水さん！水さん！水さん！」
阿部は号泣していた。水口の体に必死にしがみつき、その名を何度も呼びながら号泣していた。
「水さん！水さん！！水さん！！！」
しがみつく腕の力がますます強くなる。水口も阿部の頭を叩きながら、その体を支えた。
阿部はまるで子供のようにワンワン泣き続けた。
【残り・15人？】
36 ：「198・マーマレードの推理 1/4」 ◆UKNMK1fJ2Y ：2008/05/05(月) 20:47:43 ID:tTheq87r0
前を歩いている歌藤がふいに足を止め、顔を上げた。
並んでチョコチョコと歩いている猿もピクリと体を震わせて足を止める。
後ろを歩いていた加藤も同じように顔を上げた。
「今、銃の音みたいなの、聞こえたか？」
振り返りながら歌藤が尋ねる。
「き、聞こえました」
「誰か………やられたのかな」
「どうなんでしょう………ヤバイ人がこっち来ないといいですね」
「だな」
再び2人は歩き出した。木々に囲まれた道が少しだけ広くなり、加藤も歩を早めて歌藤に追い
つくと、2人と1匹は横に並んで歩き出した。
歌藤の鞄はややかさばっている。図書館で見つけた資料を鞄に詰め込んだからだ。本ごと持ち
運ぶのは重すぎると判断し、申し訳ないとは思いつつも必要と思われるページを切り取った。
2人は図書館で読んだ記事をそれぞれに読み解こうとしていた。理解したくても、頭のどこか
でそれを拒否している。けれど、それらの謎を解かなければ死の島となったこの場所の意味が
わからない。そして、オリックスグループがこの島に何をしたのかも。
「………歌さん」
地面を見ながら加藤が呟く。
「俺、望んでオリックスに入りました。大学時代に他のチームからも声かかったけど、そこは
お金の話しかしてこなくて。オリックスは技術的な話からキチンとしてくれて。それに、比べ
たらオリックスの方が実家にも近かったから……だからオリックスを選びました。でもそれっ
て……今考えると………」
一瞬口ごもる。
「………間違ってたんでしょうか………」
自身が投げる豪快な球からは想像もつかないような、弱気な声だった。
歌藤はなかなか返事をしない。不安げな表情で加藤は歌藤の顔を横目で見た。歌藤も横目で加
藤を見ていた。目が合い、歌藤がようやく口を開いた。
「俺がオリックスに入ったのって、大輔の次の年なんだよな」
「ええ、でもその年は俺が肩の手術して、ずっとリハビリだったからほとんど顔合わせたこと
なくて」
並んでチョコチョコと歩いている猿もピクリと体を震わせて足を止める。
後ろを歩いていた加藤も同じように顔を上げた。
「今、銃の音みたいなの、聞こえたか？」
振り返りながら歌藤が尋ねる。
「き、聞こえました」
「誰か………やられたのかな」
「どうなんでしょう………ヤバイ人がこっち来ないといいですね」
「だな」
再び2人は歩き出した。木々に囲まれた道が少しだけ広くなり、加藤も歩を早めて歌藤に追い
つくと、2人と1匹は横に並んで歩き出した。
歌藤の鞄はややかさばっている。図書館で見つけた資料を鞄に詰め込んだからだ。本ごと持ち
運ぶのは重すぎると判断し、申し訳ないとは思いつつも必要と思われるページを切り取った。
2人は図書館で読んだ記事をそれぞれに読み解こうとしていた。理解したくても、頭のどこか
でそれを拒否している。けれど、それらの謎を解かなければ死の島となったこの場所の意味が
わからない。そして、オリックスグループがこの島に何をしたのかも。
「………歌さん」
地面を見ながら加藤が呟く。
「俺、望んでオリックスに入りました。大学時代に他のチームからも声かかったけど、そこは
お金の話しかしてこなくて。オリックスは技術的な話からキチンとしてくれて。それに、比べ
たらオリックスの方が実家にも近かったから……だからオリックスを選びました。でもそれっ
て……今考えると………」
一瞬口ごもる。
「………間違ってたんでしょうか………」
自身が投げる豪快な球からは想像もつかないような、弱気な声だった。
歌藤はなかなか返事をしない。不安げな表情で加藤は歌藤の顔を横目で見た。歌藤も横目で加
藤を見ていた。目が合い、歌藤がようやく口を開いた。
「俺がオリックスに入ったのって、大輔の次の年なんだよな」
「ええ、でもその年は俺が肩の手術して、ずっとリハビリだったからほとんど顔合わせたこと
なくて」
37 ：「198・マーマレードの推理 2/4」 ◆UKNMK1fJ2Y ：2008/05/05(月) 20:48:30 ID:tTheq87r0
「俺もオリックスを希望して入ったから、いろいろビックリしたよ。入団1年目で中継ぎでフ
ル回転。そしたら球団合併問題が起こって、昼は話し合いとか署名活動があって、夜は試合で
ブルペン待機。あの1年でいろんなものを見たし、学んだ気がする」
「あの年は………異常でした。何もかもが」
どこかで誰かの叫び声のようなものが聞こえた。心の奥底からこみ上げてくる何かを一気に吐
き出したような、悲しみを伴ったような、言葉にならない悲痛な叫び声。
また歌藤が足を止める。加藤も唇を噛み締めて立ち尽くした。猿の小さな手がキュッと歌藤の
ズボンの裾を掴んだ。
「…………誰か、死んだ、のかな………」
「行ってみるか？」
歌藤の問いかけに加藤は少し考えてから、首を横に振った。
「距離があると思います。行ったって会えるかわからないし、ヤバい人だったら恐いし。俺た
ちは研究所に行くっていう目的があるし」
「………そうだな」
ゆっくりと歌藤が歩き出す。少しホッとしたような表情で、加藤もそれに続いた。
「オリックスってさ」
歌藤が続ける。
「完璧に悪役なんだよな。オーナーも言ってたけど。合併問題でも悪役だし、何かと悪役にな
ることが多くて、オーナー自身も『なら悪役は悪役らしく』って悪い意味で腹くくっちゃった
ような気がするんだよ。どっかの関東の球団の権力持った爺さんみたいな」
「ナベ……」
「言うなよ、俺は全部言ってないぞ。言ったら消されるぞ。おー、こわ」
どこかふざけたような口調で歌藤が言う。加藤は小声で呟いた。
「………近鉄も消えたけど、ブルーウェーブってチームも消えたんですよね………。あんまり
理解してはもらえないだろうけど。阪急のOBの方に会ったりすると、時々話題になったりし
ますよ。なんかいろいろ複雑すぎて、俺の頭じゃついていけないです」
「その最高に複雑すぎてついていけない結果がこのゲームだな」
自分の鞄をポンポンと右手で叩く。
「図書館で読んだ資料を少し頭の中で整理しよう」
「はい」
ル回転。そしたら球団合併問題が起こって、昼は話し合いとか署名活動があって、夜は試合で
ブルペン待機。あの1年でいろんなものを見たし、学んだ気がする」
「あの年は………異常でした。何もかもが」
どこかで誰かの叫び声のようなものが聞こえた。心の奥底からこみ上げてくる何かを一気に吐
き出したような、悲しみを伴ったような、言葉にならない悲痛な叫び声。
また歌藤が足を止める。加藤も唇を噛み締めて立ち尽くした。猿の小さな手がキュッと歌藤の
ズボンの裾を掴んだ。
「…………誰か、死んだ、のかな………」
「行ってみるか？」
歌藤の問いかけに加藤は少し考えてから、首を横に振った。
「距離があると思います。行ったって会えるかわからないし、ヤバい人だったら恐いし。俺た
ちは研究所に行くっていう目的があるし」
「………そうだな」
ゆっくりと歌藤が歩き出す。少しホッとしたような表情で、加藤もそれに続いた。
「オリックスってさ」
歌藤が続ける。
「完璧に悪役なんだよな。オーナーも言ってたけど。合併問題でも悪役だし、何かと悪役にな
ることが多くて、オーナー自身も『なら悪役は悪役らしく』って悪い意味で腹くくっちゃった
ような気がするんだよ。どっかの関東の球団の権力持った爺さんみたいな」
「ナベ……」
「言うなよ、俺は全部言ってないぞ。言ったら消されるぞ。おー、こわ」
どこかふざけたような口調で歌藤が言う。加藤は小声で呟いた。
「………近鉄も消えたけど、ブルーウェーブってチームも消えたんですよね………。あんまり
理解してはもらえないだろうけど。阪急のOBの方に会ったりすると、時々話題になったりし
ますよ。なんかいろいろ複雑すぎて、俺の頭じゃついていけないです」
「その最高に複雑すぎてついていけない結果がこのゲームだな」
自分の鞄をポンポンと右手で叩く。
「図書館で読んだ資料を少し頭の中で整理しよう」
「はい」
38 ：「198・マーマレードの推理 3/4」 ◆UKNMK1fJ2Y ：2008/05/05(月) 20:49:12 ID:tTheq87r0
加藤は自分の鞄から水を取り出すと1口だけ飲んだ。それを歌藤に差し出すと、歌藤も素直に
それを受け取って口を湿らせる程度に含んだ。
「ケツデカ菌とか伝染らないよな？」
「ひでえよ歌さん」
「タレケツ菌も」
「んなもん無いですって。歌さんはケツが小さすぎるんですよ」
「スタイルがいいと言え。とりあえず整理な。まず、この島の南にオリックスグループが研究
所を作った。そこではマーマレードも何故か作っていた」
「はい」
「この島に赤い痣の出来る病気が発生した。命に関わるものなのかはわからない。それをオリ
ックスグループの研究所が治療だか研究だかで協力した」
「ですね」
「それから、野犬が増えた」
「新聞の小さい記事ですね。野生の猿とか、そういう生き物も凶暴になってきたらしい、と」
「それから、あの家の隅で見つけた手書きのノート」
2人は黙り込んだ。あのノートに書かれていた言葉は何度も繰り返し読んだせいですっかり覚
えてしまった。
『助けて もうマーマレードはイヤ あのこにも食べさせないで 助けて』
『研究所に行くのはイヤ 殺される』
重要なキーワードが並んでいる。マーマレード、研究所、殺される。
「歌さん」
「おう」
「歌さんの支給品の食料の中にマーマレードジャム入ってましたよね」
「俺ら2人でパンにつけて食べたよな」
また2人の足が止まる。猿が不思議そうに加藤を見上げる。
「凶暴になった野犬って、ひょっとしたら、マーマレード食ったのかもしれませんね」
「生き物の凶暴性を上げるとか、アドレナリン出すような成分の入ったジャムってことか」
「新聞の記事に少し書いてありましたよね、オリックスグループの研究所は、スポーツ関連の
研究をしてたって。筋力とかそういう感じの」
それを受け取って口を湿らせる程度に含んだ。
「ケツデカ菌とか伝染らないよな？」
「ひでえよ歌さん」
「タレケツ菌も」
「んなもん無いですって。歌さんはケツが小さすぎるんですよ」
「スタイルがいいと言え。とりあえず整理な。まず、この島の南にオリックスグループが研究
所を作った。そこではマーマレードも何故か作っていた」
「はい」
「この島に赤い痣の出来る病気が発生した。命に関わるものなのかはわからない。それをオリ
ックスグループの研究所が治療だか研究だかで協力した」
「ですね」
「それから、野犬が増えた」
「新聞の小さい記事ですね。野生の猿とか、そういう生き物も凶暴になってきたらしい、と」
「それから、あの家の隅で見つけた手書きのノート」
2人は黙り込んだ。あのノートに書かれていた言葉は何度も繰り返し読んだせいですっかり覚
えてしまった。
『助けて もうマーマレードはイヤ あのこにも食べさせないで 助けて』
『研究所に行くのはイヤ 殺される』
重要なキーワードが並んでいる。マーマレード、研究所、殺される。
「歌さん」
「おう」
「歌さんの支給品の食料の中にマーマレードジャム入ってましたよね」
「俺ら2人でパンにつけて食べたよな」
また2人の足が止まる。猿が不思議そうに加藤を見上げる。
「凶暴になった野犬って、ひょっとしたら、マーマレード食ったのかもしれませんね」
「生き物の凶暴性を上げるとか、アドレナリン出すような成分の入ったジャムってことか」
「新聞の記事に少し書いてありましたよね、オリックスグループの研究所は、スポーツ関連の
研究をしてたって。筋力とかそういう感じの」
39 ：「198・マーマレードの推理 4/4」 ◆UKNMK1fJ2Y ：2008/05/05(月) 20:50:01 ID:tTheq87r0
「そういう実験用に作られたマーマレードを、意図的にこの島の人に配った」
「その効果を知る為の実験体として」
「どういう経路かはわからないけど、犬とか猿も食った」
「だから凶暴になった」
「その結果………」
「『研究所に行くのはイヤ 殺される』」
2人は顔を見合わせたまま、その続きを言うことが出来なかった。様々な考えが頭をよぎった
が、それらを言葉として繋げることが出来ず、また言葉にするのも恐ろしかった。声に出した
ら全てが現実として確定してしまうような気がして、2人とも押し黙ったままだった。
しばしの沈黙の後、先に口を開いたのは加藤だった。
「歌さん、何日か前に『撃つかも』って言いましたよね」
「え？」
「もし相手に殺意があって、自分が危険を感じたら、撃つかもって言いましたよね」
「言った……かな………言ったか………うん、そんなこと言ったな」
「それ、歌さんが言ったんですか、それとも」
ゆっくりと静かに加藤の右手が腰のコルトに伸びる。
「………マーマレードが言わせたんですか？」
「大輔」
歌藤が真剣な表情で加藤を見た。
「間違えるな。一番恐いのは、マーマレードを食べていないのにやる気になってる奴だ」
【残り･15人？】
「その効果を知る為の実験体として」
「どういう経路かはわからないけど、犬とか猿も食った」
「だから凶暴になった」
「その結果………」
「『研究所に行くのはイヤ 殺される』」
2人は顔を見合わせたまま、その続きを言うことが出来なかった。様々な考えが頭をよぎった
が、それらを言葉として繋げることが出来ず、また言葉にするのも恐ろしかった。声に出した
ら全てが現実として確定してしまうような気がして、2人とも押し黙ったままだった。
しばしの沈黙の後、先に口を開いたのは加藤だった。
「歌さん、何日か前に『撃つかも』って言いましたよね」
「え？」
「もし相手に殺意があって、自分が危険を感じたら、撃つかもって言いましたよね」
「言った……かな………言ったか………うん、そんなこと言ったな」
「それ、歌さんが言ったんですか、それとも」
ゆっくりと静かに加藤の右手が腰のコルトに伸びる。
「………マーマレードが言わせたんですか？」
「大輔」
歌藤が真剣な表情で加藤を見た。
「間違えるな。一番恐いのは、マーマレードを食べていないのにやる気になってる奴だ」
【残り･15人？】
40 ：《部外者・2》 ◆UKNMK1fJ2Y ：2008/05/05(月) 20:52:10 ID:tTheq87r0
その人物から届いた最後のメールはとても短いものだった。
だから彼も簡単にその内容を暗記出来た。
『これから出発します。今日オリックス・バファローズの選手たちはバスごと拉致されて行方
不明になります。そしてある島で殺し合いをさせられます』
急いで書いたメールらしい。殴り書きのような文章だ。
『その島は○○島。南端にオリックスの研究所があります。周囲は渦がすごいらしいので、泳
ぐのには向かないらしいです。オーナーたちがどこに陣取るのかはわかりません。このメール
が君に届くことを願っています。人質に取られている自分の家族の無事も』
この話を信じてよいものだろうか。彼は何度も考えた。そしてほんの少しだけ探りを入れた。
どうもおかしな状況になっている印象を受けた。メールアドレスを知っている選手にメールを
送った。返事は無かった。携帯に電話も入れてみた。電波が届かないらしい。
（これは………本当なのか？）
共通の知人に連絡を取った。知人の元にはそのようなメールも話も届いていないという。彼は
ことの顛末を話した。その人物なら信頼に足ると思ったからだ。
その人物は迷うことなく、即座に動くと宣言した。
信じて馬鹿を見るよりも、信じないで後悔する方が何倍もつらい。それは彼が考えていたこと
と同じことだった。ただ考えているだけでは何も起こらない。行動に起こさなければ何も始ま
らない。彼らが馬鹿を見て、選手たちが無事ならこれほど喜ばしいことはないのだ。
気持ちが定まる。
その島に行く方法はあるのだろうか。彼はいくつかの手段を考え、その人物と共に簡単な策を
練った。
そして今、別々の交通手段で2人はその島へと向かっている。
彼は今、あのメールの最後の文章を頭の中で思い返していた。
『選手たちみんなが、生きてまた会えることを祈っています。
いつまでも君に勝てなかった、萩原淳より』
だから彼も簡単にその内容を暗記出来た。
『これから出発します。今日オリックス・バファローズの選手たちはバスごと拉致されて行方
不明になります。そしてある島で殺し合いをさせられます』
急いで書いたメールらしい。殴り書きのような文章だ。
『その島は○○島。南端にオリックスの研究所があります。周囲は渦がすごいらしいので、泳
ぐのには向かないらしいです。オーナーたちがどこに陣取るのかはわかりません。このメール
が君に届くことを願っています。人質に取られている自分の家族の無事も』
この話を信じてよいものだろうか。彼は何度も考えた。そしてほんの少しだけ探りを入れた。
どうもおかしな状況になっている印象を受けた。メールアドレスを知っている選手にメールを
送った。返事は無かった。携帯に電話も入れてみた。電波が届かないらしい。
（これは………本当なのか？）
共通の知人に連絡を取った。知人の元にはそのようなメールも話も届いていないという。彼は
ことの顛末を話した。その人物なら信頼に足ると思ったからだ。
その人物は迷うことなく、即座に動くと宣言した。
信じて馬鹿を見るよりも、信じないで後悔する方が何倍もつらい。それは彼が考えていたこと
と同じことだった。ただ考えているだけでは何も起こらない。行動に起こさなければ何も始ま
らない。彼らが馬鹿を見て、選手たちが無事ならこれほど喜ばしいことはないのだ。
気持ちが定まる。
その島に行く方法はあるのだろうか。彼はいくつかの手段を考え、その人物と共に簡単な策を
練った。
そして今、別々の交通手段で2人はその島へと向かっている。
彼は今、あのメールの最後の文章を頭の中で思い返していた。
『選手たちみんなが、生きてまた会えることを祈っています。
いつまでも君に勝てなかった、萩原淳より』
41 ： ◆UKNMK1fJ2Y ：2008/05/05(月) 20:53:24 ID:tTheq87r0
遅くなって申し訳ありません。
新スレ＆保守、ありがとうございます。
今回は以上です。
新スレ＆保守、ありがとうございます。
今回は以上です。
42 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/05(月) 22:21:20 ID:LLFNxv0C0
ID:sZJRN2MaO（笑） ← 中学時代に不登校になり、妄想の世界でしか生きるこのできない哀れなレッドバージ
惨めな童貞引きこもりの臭いがするんだよｗ
286 名前： 代打名無し＠実況は実況板で 投稿日： 2008/04/27(日) 12:34:19 ID:IWsm/9k2O
坂口外しに賛同してる近鉄バージ主義者のＢＷ亡霊は死んでくれよ
金貸し球団はくたばれ
313 名前： 代打名無し＠実況は実況板で 投稿日： 2008/04/27(日) 12:42:44 ID:IWsm/9k2O
はぁ？バカかお前
戦時中日本軍が行った共産主義者弾圧（レッドバージ）もしらねぇのか？
ちゃんと義務教育習ったのか？知恵遅れの低学歴が、パージってなんだよ
ジーパンじゃねぇんだぞ
京大で日本史を専攻した俺に逆らうんじゃねぇ
340 名前： 代打名無し＠実況は実況板で 投稿日： 2008/04/27(日) 12:50:50 ID:IWsm/9k2O
なんか必死にパージと言い張ってる人がいるなw
間違えて恥ずかしいのはわかるけどはやく自分の間違いを認めて楽になれよw
352 名前： 代打名無し＠実況は実況板で 投稿日： 2008/04/27(日) 12:55:47 ID:IWsm/9k2O
なんだパージだったのかよ。騙されたぜ
だがパージもバージもたいしてかわらんだろ
わざわざ揚げ足取ってんじゃねーよ
だから友達いないんだよお前らは
まあバージって濁ってるほうが弾圧っぽいしあながち間違いとも言えないんじゃね？
惨めな童貞引きこもりの臭いがするんだよｗ
286 名前： 代打名無し＠実況は実況板で 投稿日： 2008/04/27(日) 12:34:19 ID:IWsm/9k2O
坂口外しに賛同してる近鉄バージ主義者のＢＷ亡霊は死んでくれよ
金貸し球団はくたばれ
313 名前： 代打名無し＠実況は実況板で 投稿日： 2008/04/27(日) 12:42:44 ID:IWsm/9k2O
はぁ？バカかお前
戦時中日本軍が行った共産主義者弾圧（レッドバージ）もしらねぇのか？
ちゃんと義務教育習ったのか？知恵遅れの低学歴が、パージってなんだよ
ジーパンじゃねぇんだぞ
京大で日本史を専攻した俺に逆らうんじゃねぇ
340 名前： 代打名無し＠実況は実況板で 投稿日： 2008/04/27(日) 12:50:50 ID:IWsm/9k2O
なんか必死にパージと言い張ってる人がいるなw
間違えて恥ずかしいのはわかるけどはやく自分の間違いを認めて楽になれよw
352 名前： 代打名無し＠実況は実況板で 投稿日： 2008/04/27(日) 12:55:47 ID:IWsm/9k2O
なんだパージだったのかよ。騙されたぜ
だがパージもバージもたいしてかわらんだろ
わざわざ揚げ足取ってんじゃねーよ
だから友達いないんだよお前らは
まあバージって濁ってるほうが弾圧っぽいしあながち間違いとも言えないんじゃね？
43 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/05(月) 23:17:33 ID:l8US9z+C0
投下乙です
今日はオリバトも見れるし試合も勝って幸せだわ
今日はオリバトも見れるし試合も勝って幸せだわ
44 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/05(月) 23:54:37 ID:xaMiJ/fU0
45 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/06(火) 08:15:40 ID:DBUePxDR0
乙でーす！！
歌さんｶｯｺﾖｽwww
歌さんｶｯｺﾖｽwww
46 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/06(火) 12:04:16 ID:OqiYFXMN0
作者氏乙です
Wカトウ久々にｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━！！
ハギーがいつまでも勝てなかった…まさか、あの人を動かすですか！？
Wカトウ久々にｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━！！
ハギーがいつまでも勝てなかった…まさか、あの人を動かすですか！？
47 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/06(火) 12:16:46 ID:d/sFxBStO
職人さん乙です！
阿部真、水さんに会えてよかったな阿部真｡･ﾟ･(ノд`)･ﾟ･｡
｢あの人｣が全くわからない俺…
wktkしながら推理します！誰もバラさないでねｗ
阿部真、水さんに会えてよかったな阿部真｡･ﾟ･(ノд`)･ﾟ･｡
｢あの人｣が全くわからない俺…
wktkしながら推理します！誰もバラさないでねｗ
48 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/06(火) 19:18:33 ID:nKHlsRXL0
日頃から大学生活板を中心に悪事の限りを尽くしていた
ネッピー ◆hNSBMrrUeA、ぎぼあいこ ◆D6JvoojZDk、苦檻帝 ◆qualityHLw、青大臣 ◆DREAM/X1eo
の４人を始めとして、この４人に扇動される形で多数の人間が暴れた結果、
運営側が大学生活板そのものを強制閉鎖同然に追い込み、
同時にネッピーたちのアジトも以下の通り、それぞれ過去ログ送り・スレスト処分にされました。
俺だけでもオリックスを応援するスレ10（大学生活板：過去ログ行き）
ttp://namidame.2ch.net/test/read.cgi/campus/1209874638/
俺だけでもオリックスを応援するスレ（リーマン板：削除依頼の結果、スレスト処分）
ttp://money6.2ch.net/test/read.cgi/employee/1206417374/
しかしネッピー以下４人は懲りる事無く、
下の掲示板に避難所を設置して悪あがきを続けている状況です！
「俺だけでもオリックスを応援するスレ in 避難所」
http://www.milkcafe.net/test/read.cgi/campus/1210003229/
皆様、未だに反省をせず悪事にいそしむ彼ら４人と彼らに従う汚痢ッ糞信者に、
正義の名の下において改心させ、改心が叶わぬ場合は断罪の名において制裁を加えましょう！
ネッピー ◆hNSBMrrUeA、ぎぼあいこ ◆D6JvoojZDk、苦檻帝 ◆qualityHLw、青大臣 ◆DREAM/X1eo
の４人を始めとして、この４人に扇動される形で多数の人間が暴れた結果、
運営側が大学生活板そのものを強制閉鎖同然に追い込み、
同時にネッピーたちのアジトも以下の通り、それぞれ過去ログ送り・スレスト処分にされました。
俺だけでもオリックスを応援するスレ10（大学生活板：過去ログ行き）
ttp://namidame.2ch.net/test/read.cgi/campus/1209874638/
俺だけでもオリックスを応援するスレ（リーマン板：削除依頼の結果、スレスト処分）
ttp://money6.2ch.net/test/read.cgi/employee/1206417374/
しかしネッピー以下４人は懲りる事無く、
下の掲示板に避難所を設置して悪あがきを続けている状況です！
「俺だけでもオリックスを応援するスレ in 避難所」
http://www.milkcafe.net/test/read.cgi/campus/1210003229/
皆様、未だに反省をせず悪事にいそしむ彼ら４人と彼らに従う汚痢ッ糞信者に、
正義の名の下において改心させ、改心が叶わぬ場合は断罪の名において制裁を加えましょう！
49 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/08(木) 00:30:42 ID:Ty8yuZTt0
職人さん大変乙です
オレもメールの受信者わかんねー
最初から読みなおしたらわかるかな？
オレもメールの受信者わかんねー
最初から読みなおしたらわかるかな？
50 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/08(木) 11:29:04 ID:anjRUFE0O
捕手
51 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/08(木) 11:33:35 ID:eKDn5rgY0
何となくわかったｗ
推理の糸口が見つかると楽しいね
推理の糸口が見つかると楽しいね
52 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/08(木) 23:22:32 ID:nWSNB/1O0
ほしゅっ！
53 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/09(金) 11:25:45 ID:N6ZVJzX00
捕手
メール受け取ったのってもしかしてあの人ですか！？
うわーどうなるんだwktk
メール受け取ったのってもしかしてあの人ですか！？
うわーどうなるんだwktk
54 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/09(金) 21:04:53 ID:ys3Hj3UJO
wktkほしゅ
55 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/10(土) 11:55:14 ID:ArDMa0DDO
保守
56 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/10(土) 23:16:05 ID:Q1CI241Q0
age
57 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/11(日) 09:54:39 ID:YApqh0pu0
hosyuuuu
58 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/12(月) 01:12:01 ID:oBVcjg450
ほしゅ
59 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/12(月) 20:13:13 ID:CaC+MzVk0
286 名前： 代打名無し＠実況は実況板で 投稿日： 2008/04/27(日) 12:34:19 ID:IWsm/9k2O
坂口外しに賛同してる近鉄バージ主義者のＢＷ亡霊は死んでくれよ
金貸し球団はくたばれ
313 名前： 代打名無し＠実況は実況板で 投稿日： 2008/04/27(日) 12:42:44 ID:IWsm/9k2O
はぁ？バカかお前
戦時中日本軍が行った共産主義者弾圧（レッドバージ）もしらねぇのか？
ちゃんと義務教育習ったのか？知恵遅れの低学歴が、パージってなんだよ
ジーパンじゃねぇんだぞ
京大で日本史を専攻した俺に逆らうんじゃねぇ
340 名前： 代打名無し＠実況は実況板で 投稿日： 2008/04/27(日) 12:50:50 ID:IWsm/9k2O
なんか必死にパージと言い張ってる人がいるなw
間違えて恥ずかしいのはわかるけどはやく自分の間違いを認めて楽になれよw
352 名前： 代打名無し＠実況は実況板で 投稿日： 2008/04/27(日) 12:55:47 ID:IWsm/9k2O
なんだパージだったのかよ。騙されたぜ
だがパージもバージもたいしてかわらんだろ
わざわざ揚げ足取ってんじゃねーよ
だから友達いないんだよお前らは
まあバージって濁ってるほうが弾圧っぽいしあながち間違いとも言えないんじゃね？
坂口外しに賛同してる近鉄バージ主義者のＢＷ亡霊は死んでくれよ
金貸し球団はくたばれ
313 名前： 代打名無し＠実況は実況板で 投稿日： 2008/04/27(日) 12:42:44 ID:IWsm/9k2O
はぁ？バカかお前
戦時中日本軍が行った共産主義者弾圧（レッドバージ）もしらねぇのか？
ちゃんと義務教育習ったのか？知恵遅れの低学歴が、パージってなんだよ
ジーパンじゃねぇんだぞ
京大で日本史を専攻した俺に逆らうんじゃねぇ
340 名前： 代打名無し＠実況は実況板で 投稿日： 2008/04/27(日) 12:50:50 ID:IWsm/9k2O
なんか必死にパージと言い張ってる人がいるなw
間違えて恥ずかしいのはわかるけどはやく自分の間違いを認めて楽になれよw
352 名前： 代打名無し＠実況は実況板で 投稿日： 2008/04/27(日) 12:55:47 ID:IWsm/9k2O
なんだパージだったのかよ。騙されたぜ
だがパージもバージもたいしてかわらんだろ
わざわざ揚げ足取ってんじゃねーよ
だから友達いないんだよお前らは
まあバージって濁ってるほうが弾圧っぽいしあながち間違いとも言えないんじゃね？
60 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/13(火) 22:45:13 ID:p+S+Ug0T0
ほしゅ☆
61 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/14(水) 00:07:41 ID:fnKGs7340
☆
62 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/14(水) 06:16:02 ID:v+XHTgsA0
ｌｌｌｌ
63 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/14(水) 21:45:30 ID:bcQdcEJG0
岸田…保守
64 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/15(木) 12:31:45 ID:M//tXWpF0
ほ
65 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/15(木) 22:44:07 ID:f7Okc+E7O
ほす
66 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/16(金) 07:40:43 ID:EHzzoB7/0
☆☆
67 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/16(金) 21:41:06 ID:NpR+692n0
保守
68 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/17(土) 18:29:54 ID:bwEjFMAh0
昆布
69 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/18(日) 06:52:09 ID:vEJmsmjOO
ほ
70 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/19(月) 02:00:53 ID:WOSbqQ/q0
ほしゅ
71 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/19(月) 18:54:50 ID:ubajtpnfO
age
72 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/19(月) 23:26:37 ID:AVkLKp++0
川越さんブログで田中の笑顔を見て
「ああ、でもこの笑顔の裏で…」と思ってしまった俺が保守。
「ああ、でもこの笑顔の裏で…」と思ってしまった俺が保守。
73 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/21(水) 01:22:03 ID:jCMUlHBuO
☆
74 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/22(木) 00:39:26 ID:p/vE7zMoO
＞＜
75 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/23(金) 00:12:57 ID:cH6S1i//0
ほしゅっと
76 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/23(金) 00:14:20 ID:7uT8i6wx0
hosyuuuuu
77 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/24(土) 01:15:36 ID:72YO46MfO
ほしゅ
78 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/24(土) 16:46:45 ID:9Cl+BQzs0
ｋ
79 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/25(日) 00:32:55 ID:T0UOXyca0
80 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/25(日) 23:33:10 ID:VXvbzyBA0
hosyuhosyu
81 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/26(月) 23:38:04 ID:Z8IxtOl/0
保守
82 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/27(火) 13:17:48 ID:G8qif5SpO
ほしゅ
83 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/27(火) 19:38:02 ID:w7R/ajN/O
ほ
84 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/28(水) 01:59:54 ID:XcdQz2dy0
新作wktkほしゅ
85 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/28(水) 22:36:42 ID:bRndXR/c0
ほ
86 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/29(木) 06:11:32 ID:/PQ0k/LsO
☆
87 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/29(木) 20:52:52 ID:MaUxtGxM0
保守！
88 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/30(金) 01:07:31 ID:IpzKFSl60
b
89 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/30(金) 20:14:07 ID:fYIhidLEO
ほ
90 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/30(金) 20:15:18 ID:fYIhidLEO
が
91 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/30(金) 20:26:28 ID:fYIhidLEO
にゃ！
92 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/05/31(土) 11:34:37 ID:fE/JCw3/O
ほす
93 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/01(日) 02:12:44 ID:oCDdJ9OcO
投下期待待つ捕手
94 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/02(月) 13:20:52 ID:3OeD4driO
ほちゅ
95 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/03(火) 01:17:06 ID:U/WetLHP0
ほ
96 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/03(火) 15:01:45 ID:FJRZ7mg8O
ほ
97 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/03(火) 20:54:38 ID:wCfUl4hhO
近藤はテンポが神なんだよなあ
98 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/04(水) 11:18:59 ID:1ling2kYO
ほっほっほっほ、ゆれゆれゆれゆれ♪
99 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/05(木) 12:44:17 ID:XJa6fNWnO
ほ
100 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/06(金) 16:56:07 ID:dXGd19qiO
余裕の100get
101 ：okinawa：2008/06/06(金) 16:57:12 ID:nW15PbAl0
http://ichirou31.blog43.fc2.com/
なぜ星野監督は地方議員を応援するのか？
監督の名誉、野球界全体のためにも
事実関係を調べて欲しい
関係者の方、もし事実無根であれば一刻も早く
このことを否定する声明を出して欲しい
時間がありません急いでください
なぜ星野監督は地方議員を応援するのか？
監督の名誉、野球界全体のためにも
事実関係を調べて欲しい
関係者の方、もし事実無根であれば一刻も早く
このことを否定する声明を出して欲しい
時間がありません急いでください
102 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/07(土) 05:36:26 ID:AHnfotlBO
捕手
103 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/07(土) 20:31:42 ID:CbGGv9pZ0
wktkしながら保守
104 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/08(日) 23:19:27 ID:+qyl6CkA0
川越さんの誕生日保守
105 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/09(月) 00:45:37 ID:2mjsAcVz0
ほしゅ
106 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/10(火) 01:14:08 ID:9YGoyLjx0
ho
107 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/11(水) 00:30:44 ID:vocMCIMS0
ほしゅ
108 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/12(木) 10:46:22 ID:Q2ukY+ho0
ほ
109 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/12(木) 16:30:38 ID:dmES01mKO
しゅ
110 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/13(金) 00:59:14 ID:MX6ti0Va0
ほ
111 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/14(土) 18:14:19 ID:wBCDOzug0
続き気になるお
112 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/15(日) 03:49:00 ID:yUzMJuKxO
ほ
113 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/15(日) 23:35:42 ID:qYSHC+JZO
新作待遠しい干す
114 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/16(月) 20:47:09 ID:SSkqBjZbO
保守！
115 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/18(水) 09:27:13 ID:6U988NTX0
hosyu
116 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/18(水) 23:18:44 ID:PjVWF3syO
保守
117 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/19(木) 19:49:56 ID:RXbXvDBnO
ほ
118 ：代打名無し＠実況は実況板で：2008/06/20(金) 00:00:07 ID:jKkHM2WT0
a
119 ：代打名無し＠全板トーナメント開催中：2008/06/20(金) 18:21:50 ID:7axBOJE20
保守
120 ：代打名無し＠全板トーナメント開催中：2008/06/22(日) 18:32:53 ID:Zcz0q2MPO
ほしゅ
121 ：「199・3人の殺人者 1/5」 ◆UKNMK1fJ2Y ：2008/06/22(日) 22:02:17 ID:hb13Cwms0
犯人は必ず犯行現場に戻って来る。サスペンスもののテレビドラマで散々言われていることを、
平野はまた繰り返そうとしていた。さっきも同じことを考えた。けれど、それなりの結果を残
していると思う。だから平野はもう1度、それを行うつもりでいた。
萩原には致命傷を負わせたはずだ。銃弾は当たっていた。あの時、萩原の体が揺れた。赤いも
のが見えたような気がする。銃声の大きさでよく聞こえなかったが、萩原の呻き声も聞こえた
と思う。空耳かもしれないが。
今、気になることがひとつあった。
川越に銃口を向けた時、何故か引き金を引くことが出来なかった。それ以前に自分の腕が動か
なかったのだ。
（どうして？）
怖気づいたのだろうか。
（この俺が？）
そんなはずはない。萩原を撃つことは出来たのだ。いとも簡単に、瞬間の判断で、何の迷いも
なく。それは見事なまでの反射神経と言ってもいい。
（ならどうして？）
何故川越を撃つことが出来なかったのか。
（川越さんに対して無意識に怯えてる？この俺が？嘘だろ？）
あの人物を殺さなければ意味がない。自分が名実共にエースの名を得る為には。見るからに人
畜無害、普段の行動からしてどこまで無邪気なのかと思わせる先輩を殺さなければ、自分の輝
かしい未来は無い。この島に来てゲームのルールを聞いた時から平野の覚悟は決まっていた。
残り時間はあと1日と少し。それまでになんとかしなければ全員の首輪が爆発する。
迷いなどとうに捨てたはずだ。だからこそ、ここまで数人の仲間を葬り去った。
（なのになんで川越さんの時だけ、一瞬体が固まったんだ？）
今思い返すと、まるで金縛りにあったような感覚だった。
（俺が殺した奴らの霊が、俺を妨害しようとしてる？）
心の中で呟き、思わず鼻で笑った。
（馬鹿な）
平野はまた繰り返そうとしていた。さっきも同じことを考えた。けれど、それなりの結果を残
していると思う。だから平野はもう1度、それを行うつもりでいた。
萩原には致命傷を負わせたはずだ。銃弾は当たっていた。あの時、萩原の体が揺れた。赤いも
のが見えたような気がする。銃声の大きさでよく聞こえなかったが、萩原の呻き声も聞こえた
と思う。空耳かもしれないが。
今、気になることがひとつあった。
川越に銃口を向けた時、何故か引き金を引くことが出来なかった。それ以前に自分の腕が動か
なかったのだ。
（どうして？）
怖気づいたのだろうか。
（この俺が？）
そんなはずはない。萩原を撃つことは出来たのだ。いとも簡単に、瞬間の判断で、何の迷いも
なく。それは見事なまでの反射神経と言ってもいい。
（ならどうして？）
何故川越を撃つことが出来なかったのか。
（川越さんに対して無意識に怯えてる？この俺が？嘘だろ？）
あの人物を殺さなければ意味がない。自分が名実共にエースの名を得る為には。見るからに人
畜無害、普段の行動からしてどこまで無邪気なのかと思わせる先輩を殺さなければ、自分の輝
かしい未来は無い。この島に来てゲームのルールを聞いた時から平野の覚悟は決まっていた。
残り時間はあと1日と少し。それまでになんとかしなければ全員の首輪が爆発する。
迷いなどとうに捨てたはずだ。だからこそ、ここまで数人の仲間を葬り去った。
（なのになんで川越さんの時だけ、一瞬体が固まったんだ？）
今思い返すと、まるで金縛りにあったような感覚だった。
（俺が殺した奴らの霊が、俺を妨害しようとしてる？）
心の中で呟き、思わず鼻で笑った。
（馬鹿な）
122 ：「199・3人の殺人者 2/5」 ◆UKNMK1fJ2Y ：2008/06/22(日) 22:04:01 ID:hb13Cwms0
大丈夫だ。まだこんな不自然なことを笑い飛ばす余裕がある。学生時代から、幽霊話に夢中に
なっている女子たちが馬鹿馬鹿しくて仕方なかった。修学旅行ではお決まりの怪談話。百物語。
恐い話をしたいくせに、ホンモノが出るからといってそのイベントから逃げる奴。どこまでが
本気なのか、そいつの気が知れなかった。平野はあくまで現実主義だった。
（幽霊、超能力、催眠術。そんなものがあるなら俺に見せてくれよ。ＵＦＯ、宇宙人、そんな
ものがいるなら証拠を見せろよ。みんな理屈のつけられない出来事を無理矢理納得する為にそ
んなこと言ってんだよ）
超常現象に本気で怯えるようになったら人間終わりだ。目に見えるもの、現実世界しか信じな
い。そうでなければ自分に逃げ場を与えてしまう。逃げたら終わりだ。自分なりの屁理屈をつ
けてしまったら、それはもう現状から逃げている証拠だ。
『本当のことは目に見えない』
以前、誰かからそんな言葉を聞いた。
綺麗事だと思った。
目に見えるものこそ全てだ。
『平野くんが実質的エースになるのも近いね』
そんな言葉はいらない。雑誌にはっきりと『オリックスのエース平野』と書かれるまでは満足
出来ない。欲を持つのはいいことだ。欲はどんどん際限なく広がってゆく。それだけ自分を高
める幅が出来る。欲張りで何が悪い。
（勝負の世界は、他人を蹴落とすことで成り立つんだ）
何万人の野球少年の中から選ばれた数千人が大学または社会人でも野球を続けることが出来、
その中のまた数百人が給料を貰って野球を職業に出来る。そして、その中の百人強がレギュラ
ーとなれる。限りなく狭い世界。その中からまた選ばれたエリートだけが日本代表となれる。
（欲がなきゃ生きられない世界だ！）
だから、川越を見るとイライラするのだ。川越も表には出さないが人一倍負けず嫌いの性格だ
ということはわかる。だがあののんびりとした穏やかな笑顔とどこか子供っぽい性格が信じら
れないのだ。勝負の世界にこれだけ長い間身を置いたものでありながら。
（社会人野球で優勝してMVPの橋戸賞取ってプロ入り。なのに性格はアレ。雨が降ったらテ
ルテル坊主作り。酒は飲めない、煙草も吸わない。甘いもの大好きでジャンボパフェに本気で
挑戦しようとして……どこの漫画の主人公だよ）
なっている女子たちが馬鹿馬鹿しくて仕方なかった。修学旅行ではお決まりの怪談話。百物語。
恐い話をしたいくせに、ホンモノが出るからといってそのイベントから逃げる奴。どこまでが
本気なのか、そいつの気が知れなかった。平野はあくまで現実主義だった。
（幽霊、超能力、催眠術。そんなものがあるなら俺に見せてくれよ。ＵＦＯ、宇宙人、そんな
ものがいるなら証拠を見せろよ。みんな理屈のつけられない出来事を無理矢理納得する為にそ
んなこと言ってんだよ）
超常現象に本気で怯えるようになったら人間終わりだ。目に見えるもの、現実世界しか信じな
い。そうでなければ自分に逃げ場を与えてしまう。逃げたら終わりだ。自分なりの屁理屈をつ
けてしまったら、それはもう現状から逃げている証拠だ。
『本当のことは目に見えない』
以前、誰かからそんな言葉を聞いた。
綺麗事だと思った。
目に見えるものこそ全てだ。
『平野くんが実質的エースになるのも近いね』
そんな言葉はいらない。雑誌にはっきりと『オリックスのエース平野』と書かれるまでは満足
出来ない。欲を持つのはいいことだ。欲はどんどん際限なく広がってゆく。それだけ自分を高
める幅が出来る。欲張りで何が悪い。
（勝負の世界は、他人を蹴落とすことで成り立つんだ）
何万人の野球少年の中から選ばれた数千人が大学または社会人でも野球を続けることが出来、
その中のまた数百人が給料を貰って野球を職業に出来る。そして、その中の百人強がレギュラ
ーとなれる。限りなく狭い世界。その中からまた選ばれたエリートだけが日本代表となれる。
（欲がなきゃ生きられない世界だ！）
だから、川越を見るとイライラするのだ。川越も表には出さないが人一倍負けず嫌いの性格だ
ということはわかる。だがあののんびりとした穏やかな笑顔とどこか子供っぽい性格が信じら
れないのだ。勝負の世界にこれだけ長い間身を置いたものでありながら。
（社会人野球で優勝してMVPの橋戸賞取ってプロ入り。なのに性格はアレ。雨が降ったらテ
ルテル坊主作り。酒は飲めない、煙草も吸わない。甘いもの大好きでジャンボパフェに本気で
挑戦しようとして……どこの漫画の主人公だよ）
123 ：「199・3人の殺人者 3/5」 ◆UKNMK1fJ2Y ：2008/06/22(日) 22:05:00 ID:hb13Cwms0
何もかもが気に食わない。
（………俺に無いものばかりを………持ってるからか？）
違う。断じて違う。あいつは甘チャンだ。
（俺が現実の生き方を知らしめてやる）
知らしめたその時が、川越の命の終わる時。
（………さて）
平野は静かに歩き続ける。川越たちのいた小屋に背を向けて。少しの間、小屋から離れた場所
で様子を探っていた。出来るならば改めて川越にとどめを刺したかったのだが、誰かが小屋か
ら出てくる気配がした。仲間が現れては困る。故に平野はより安全にとどめを刺せそうな方を
選ぶことにした。ここからそれほど離れてはいない場所に、弱っている奴がいるからだ。
そいつはまだ崖の下にいるだろうか。
（まだおネンネしてくれてるといいな………ゴッツさん）
「ああああああああああああああ！」
叫びながら香月は走り続けていた。追ってくる。奴らはまだ追ってくる。振り払っても振り払
っても性懲りもなく香月の肩にしがみつき、両足に巻きつこうとする。敗北した哀れな奴らが
意地でも香月を取り込もうとしているのだ。
「させるか！絶対させねえぞ！」
頬に何かが触れた。自分の手で頬を打ち、それを振り落す。爪が当たった。ガリッという痛み
を感じたが気にしている場合ではない。右肩に何かが乗った。両手に持った矛を振り回してそ
れを打ち払う。足元がよろめく。奴らがしがみついている証拠だ。
「邪魔だっ！」
蹴り飛ばす。見えた顔は大久保だ。恨めしそうな顔をして香月を見上げている。走り続けなけ
れば。そして邪魔な奴らを消さなければ。
『香月っ……！待て！』
背後からずっと追ってくる声。あの声に捕まってはならない。あの声を振り切って逃げなけれ
ばならない。そうしなければ死あるのみ。
（………俺に無いものばかりを………持ってるからか？）
違う。断じて違う。あいつは甘チャンだ。
（俺が現実の生き方を知らしめてやる）
知らしめたその時が、川越の命の終わる時。
（………さて）
平野は静かに歩き続ける。川越たちのいた小屋に背を向けて。少しの間、小屋から離れた場所
で様子を探っていた。出来るならば改めて川越にとどめを刺したかったのだが、誰かが小屋か
ら出てくる気配がした。仲間が現れては困る。故に平野はより安全にとどめを刺せそうな方を
選ぶことにした。ここからそれほど離れてはいない場所に、弱っている奴がいるからだ。
そいつはまだ崖の下にいるだろうか。
（まだおネンネしてくれてるといいな………ゴッツさん）
「ああああああああああああああ！」
叫びながら香月は走り続けていた。追ってくる。奴らはまだ追ってくる。振り払っても振り払
っても性懲りもなく香月の肩にしがみつき、両足に巻きつこうとする。敗北した哀れな奴らが
意地でも香月を取り込もうとしているのだ。
「させるか！絶対させねえぞ！」
頬に何かが触れた。自分の手で頬を打ち、それを振り落す。爪が当たった。ガリッという痛み
を感じたが気にしている場合ではない。右肩に何かが乗った。両手に持った矛を振り回してそ
れを打ち払う。足元がよろめく。奴らがしがみついている証拠だ。
「邪魔だっ！」
蹴り飛ばす。見えた顔は大久保だ。恨めしそうな顔をして香月を見上げている。走り続けなけ
れば。そして邪魔な奴らを消さなければ。
『香月っ……！待て！』
背後からずっと追ってくる声。あの声に捕まってはならない。あの声を振り切って逃げなけれ
ばならない。そうしなければ死あるのみ。
124 ：「199・3人の殺人者 4/5」 ◆UKNMK1fJ2Y ：2008/06/22(日) 22:06:04 ID:hb13Cwms0
生き残る為には他の選手たちを殺さなければならない。そうしたら今のように自分にまとわり
ついてくる者は大久保と谷だけではなくなる。もっと大勢が追ってくるだろう。それらを振り
切って、全員を殺して、ただ1人生き残った時こそ、香月の勝利。オーナーがこの島から、こ
の悪夢から助け出してくれるのだ。まとわりついてくる奴らをこの島に残し、香月はまた野球
が出来る。
『香月！待つんだ！』
さっきから追ってくるこの声は誰のものだろう。とにかく自分の邪魔をする奴だ。逃げなけれ
ば。あの声に立ち向かおうとして立ち止まると、まとわりつく者が重くなる。振り払う為にま
た走る。悪循環だ。自分はどこまで走ればいいのか。
次の敵に正面から出会うまでか。
振り向いてはいけない。追ってくる奴らの顔が見える。恨めしげな死の表情が見える。今聞こ
えているのは負け犬たちの遠吠えだ。仲間を作ろうとする黄泉の亡霊たちだ。出会うものは全
て敵。生き残るには、生あるもの全てと戦え。
『香月！落ち着けっ！』
大西の声に耳を閉じ、心を閉じ、香月は生に向かって走り続ける。
「………クク………」
気づいたら笑い声が漏れていた。自分の口元も緩んでいることに気づく。
予想以上に巧くやれている。自分がこんなに強いとは思わなかった。どうしてこれだけの力に
気づかなかったのだろう。
「……チャンスがなかったんだよ」
そう、チャンスが与えられなかったのだ。誰が与えなかったのか。誰かに妨害されていたのか。
「そう……他の選手に妨害されてたんだ……俺がこんなに凄い力を持ってるから。みんな俺の
こと僻んでたんだ。だからコーチもチャンスをくれなかったんだ。俺、こんなに強いのに」
爽やかな午前の陽射しを浴びながら、田中は楽しそうに歩いていた。
「次は……誰にしようかな……」
遊び相手を探すように、田中は呟く。
「次は……誰に出会うかな……」
ついてくる者は大久保と谷だけではなくなる。もっと大勢が追ってくるだろう。それらを振り
切って、全員を殺して、ただ1人生き残った時こそ、香月の勝利。オーナーがこの島から、こ
の悪夢から助け出してくれるのだ。まとわりついてくる奴らをこの島に残し、香月はまた野球
が出来る。
『香月！待つんだ！』
さっきから追ってくるこの声は誰のものだろう。とにかく自分の邪魔をする奴だ。逃げなけれ
ば。あの声に立ち向かおうとして立ち止まると、まとわりつく者が重くなる。振り払う為にま
た走る。悪循環だ。自分はどこまで走ればいいのか。
次の敵に正面から出会うまでか。
振り向いてはいけない。追ってくる奴らの顔が見える。恨めしげな死の表情が見える。今聞こ
えているのは負け犬たちの遠吠えだ。仲間を作ろうとする黄泉の亡霊たちだ。出会うものは全
て敵。生き残るには、生あるもの全てと戦え。
『香月！落ち着けっ！』
大西の声に耳を閉じ、心を閉じ、香月は生に向かって走り続ける。
「………クク………」
気づいたら笑い声が漏れていた。自分の口元も緩んでいることに気づく。
予想以上に巧くやれている。自分がこんなに強いとは思わなかった。どうしてこれだけの力に
気づかなかったのだろう。
「……チャンスがなかったんだよ」
そう、チャンスが与えられなかったのだ。誰が与えなかったのか。誰かに妨害されていたのか。
「そう……他の選手に妨害されてたんだ……俺がこんなに凄い力を持ってるから。みんな俺の
こと僻んでたんだ。だからコーチもチャンスをくれなかったんだ。俺、こんなに強いのに」
爽やかな午前の陽射しを浴びながら、田中は楽しそうに歩いていた。
「次は……誰にしようかな……」
遊び相手を探すように、田中は呟く。
「次は……誰に出会うかな……」
125 ：「199・3人の殺人者 5/5」 ◆UKNMK1fJ2Y ：2008/06/22(日) 22:07:06 ID:hb13Cwms0
出会った時が最期の別れ。別に誰でもかまわない。
「誰か……俺を楽しませてくれよ……」
今まで自分の一軍行きを妨害してくれた分、たっぷりお返しをしてあげよう。まずは手近な場
所にいる仲間から消していこう。そいつが弱っているなら更にいい。
「オーナーとの約束を果たしたから、元の場所に戻らなきゃね。ネッピーも待ってるだろうし」
弱っている菊地原もきっと待っていてくれるだろう。うまくネッピーと菊地原を引き剥がして、
菊地原を消す。簡単なことだ。もしネッピーが離れないなら、あいつごとやってしまおう。
「………俺、すっごく強くなってるよな」
顔がほころぶ。無邪気なまでの笑みが浮かぶ。一番欲しかったオモチャを与えられた子供のよ
うだ。昔、こんな表情をしたことがある。新品のグローブを買ってもらった時か、ドラフトで
自分の名前を聞いた時か。
「俺、強いんだよ。勝てるんだよ。自信を持ってやれば生き残れるんだよ」
そして、一番言いたかった言葉。
「みんなを殺して勝てば、また野球が出来るんだよ」
その為にも田中は武器を持ち、一点の曇りもない心のまま歩き続ける。
【残り・15人？】
「誰か……俺を楽しませてくれよ……」
今まで自分の一軍行きを妨害してくれた分、たっぷりお返しをしてあげよう。まずは手近な場
所にいる仲間から消していこう。そいつが弱っているなら更にいい。
「オーナーとの約束を果たしたから、元の場所に戻らなきゃね。ネッピーも待ってるだろうし」
弱っている菊地原もきっと待っていてくれるだろう。うまくネッピーと菊地原を引き剥がして、
菊地原を消す。簡単なことだ。もしネッピーが離れないなら、あいつごとやってしまおう。
「………俺、すっごく強くなってるよな」
顔がほころぶ。無邪気なまでの笑みが浮かぶ。一番欲しかったオモチャを与えられた子供のよ
うだ。昔、こんな表情をしたことがある。新品のグローブを買ってもらった時か、ドラフトで
自分の名前を聞いた時か。
「俺、強いんだよ。勝てるんだよ。自信を持ってやれば生き残れるんだよ」
そして、一番言いたかった言葉。
「みんなを殺して勝てば、また野球が出来るんだよ」
その為にも田中は武器を持ち、一点の曇りもない心のまま歩き続ける。
【残り・15人？】
126 ：「200・目覚めても悪夢 1/2」 ◆UKNMK1fJ2Y ：2008/06/22(日) 22:08:07 ID:hb13Cwms0
「この辺なら大丈夫かな……」
不安げな独り言を呟いて、ネッピーは抱えている菊地原の体を木陰へと下ろした。休ませられ
るような小屋を探したが、この近辺では見つからない。しかもネッピーたちのもとへと戻って
来ると約束した田中やリプシーにも見つかりやすい場所にいなければならない。あの場所が禁
止エリアにさえならなければ。何度もそう思った。戻って来ると約束した1人の日高はもうい
ない。ならば今、意識不明の状態にある菊地原を精一杯守らなければ。堅く誓った。
（もうこれ以上……これ以上選手の皆さんがいなくなるなんて嫌だ！）
旅立つ前、日高がそっと自分のペットボトルを1本置いていってくれた。その水で菊地原の額
やうなじを冷やしたり、少しずつ飲ませようとした。以前よりも反応が返ってくるようになっ
た。菊地原の意識が現実へと戻ってこようとしているのだ。
「菊地原さん、頑張って下さい！」
菊地原の頬を手で軽く叩く。時折瞼がピクリと動く。何度も何度も名前を呼ぶ。精一杯の思い
を込めて名前を呼び続けた。菊地原の意識が戻って田中も合流したら、リプシーと連絡を取ろ
う。無線が繋がる場所を探して少しだけ歩こう。もしそれまでにリプシーや他の選手も合流出
来たら、みんなで動き出そう。そしてオーナーに会って、真意を尋ねよう。
（大島コーチ……大丈夫かな……）
海で離れ離れになってしまったが、何かいい方法を見つけてくれているだろうか。
（僕は絶対に諦めない）
また菊地原の頬を叩く。
（ほんの少しでも可能性があるなら、僕はそれを信じる）
菊地原の瞼が震える。
（絶対に、諦めない）
『そうだよネッピー、諦めちゃ駄目だ』
あの日、永遠の別れを迎えた友人の声がする。草原の匂いのする彼は、いつも旗をつけたバギ
ーを元気に乗り回していた。そして今もネッピーの夢に現れる彼はバギーから元気に手を振っ
てくれる。
『諦めないからこそ、みんなプロ野球選手になれたんだ。彼らを応援する僕らだって、絶対に
諦めちゃいけない。諦めたら選手やファンのみんなに失礼だ。ネッピー、頑張れ』
彼の声を思い出すたびに、ネッピーの心は強くなる。
（うん、僕、頑張るよ。みんなの為に頑張るよ。僕の命を賭けてでも）
不安げな独り言を呟いて、ネッピーは抱えている菊地原の体を木陰へと下ろした。休ませられ
るような小屋を探したが、この近辺では見つからない。しかもネッピーたちのもとへと戻って
来ると約束した田中やリプシーにも見つかりやすい場所にいなければならない。あの場所が禁
止エリアにさえならなければ。何度もそう思った。戻って来ると約束した1人の日高はもうい
ない。ならば今、意識不明の状態にある菊地原を精一杯守らなければ。堅く誓った。
（もうこれ以上……これ以上選手の皆さんがいなくなるなんて嫌だ！）
旅立つ前、日高がそっと自分のペットボトルを1本置いていってくれた。その水で菊地原の額
やうなじを冷やしたり、少しずつ飲ませようとした。以前よりも反応が返ってくるようになっ
た。菊地原の意識が現実へと戻ってこようとしているのだ。
「菊地原さん、頑張って下さい！」
菊地原の頬を手で軽く叩く。時折瞼がピクリと動く。何度も何度も名前を呼ぶ。精一杯の思い
を込めて名前を呼び続けた。菊地原の意識が戻って田中も合流したら、リプシーと連絡を取ろ
う。無線が繋がる場所を探して少しだけ歩こう。もしそれまでにリプシーや他の選手も合流出
来たら、みんなで動き出そう。そしてオーナーに会って、真意を尋ねよう。
（大島コーチ……大丈夫かな……）
海で離れ離れになってしまったが、何かいい方法を見つけてくれているだろうか。
（僕は絶対に諦めない）
また菊地原の頬を叩く。
（ほんの少しでも可能性があるなら、僕はそれを信じる）
菊地原の瞼が震える。
（絶対に、諦めない）
『そうだよネッピー、諦めちゃ駄目だ』
あの日、永遠の別れを迎えた友人の声がする。草原の匂いのする彼は、いつも旗をつけたバギ
ーを元気に乗り回していた。そして今もネッピーの夢に現れる彼はバギーから元気に手を振っ
てくれる。
『諦めないからこそ、みんなプロ野球選手になれたんだ。彼らを応援する僕らだって、絶対に
諦めちゃいけない。諦めたら選手やファンのみんなに失礼だ。ネッピー、頑張れ』
彼の声を思い出すたびに、ネッピーの心は強くなる。
（うん、僕、頑張るよ。みんなの為に頑張るよ。僕の命を賭けてでも）
127 ：「200・目覚めても悪夢 2/2」 ◆UKNMK1fJ2Y ：2008/06/22(日) 22:09:49 ID:hb13Cwms0
「………ッピー………」
掠れた声が聞こえた。ネッピーは驚いて声の方を見た。
「菊地原さん！」
「………こ……こは………」
「待って下さい！今水を！」
ネッピーは急いでペットボトルを掴むと、菊地原の唇に当てた。起き上がることは出来なかっ
たが、菊地原は口の端から水をこぼしながらも喉を鳴らして500mlを1本飲み干した。
「大丈夫ですか？眩暈は？急に起き上がるのは無理ですから、少しずつ体を起こしましょうか」
「ああ………すまん………」
まだ菊地原の表情はぼんやりしている。完全に頭が目覚めてはいないようだ。
「頭痛はしますか？まだ喉渇いてますか？お腹減ってますか？」
ネッピーが甲斐甲斐しく世話をする。ようやく菊地原が目を覚ましてくれたことが嬉しくて嬉
しくてたまらないのだろう。
「………俺は……どうして………」
「大丈夫ですよ、まずは体調を整えましょう。すぐにみんなも来ますから」
そう、信じればきっと状況を打破できる。菊地原だってこうやって目を覚ましてくれた。後は
他の選手がここに集まってきてくれればいい。きっと叶うはずだ。
ネッピーは耳を澄ました。どこかで草を打つ音が聞こえたような気がしたからだ。目を閉じ、
さらに集中して耳を澄ます。足音が聞こえる。土を蹴る音、草を踏む音だ。誰かが走っている。
（選手の誰かが来てくれたんだ！）
音の方から微かに声も聞こえてきた。誰かが誰かを呼ぶ声。
（ほら！信じれば叶うんだ！）
ネッピーは顔を上げた。音のする方を期待の眼差しで見つめる。間違いない。誰かが近づいて
来ている。音がどんどん大きくなる。
「菊地原さん！誰かが来ましたよ！仲間ですよ！」
ガサリと葉の揺れる音がした。ネッピーは希望の目を向けた。
願いは叶った。選手がここに辿り着いた。
狂気の形相をした香月が。
【残り・15人？】
掠れた声が聞こえた。ネッピーは驚いて声の方を見た。
「菊地原さん！」
「………こ……こは………」
「待って下さい！今水を！」
ネッピーは急いでペットボトルを掴むと、菊地原の唇に当てた。起き上がることは出来なかっ
たが、菊地原は口の端から水をこぼしながらも喉を鳴らして500mlを1本飲み干した。
「大丈夫ですか？眩暈は？急に起き上がるのは無理ですから、少しずつ体を起こしましょうか」
「ああ………すまん………」
まだ菊地原の表情はぼんやりしている。完全に頭が目覚めてはいないようだ。
「頭痛はしますか？まだ喉渇いてますか？お腹減ってますか？」
ネッピーが甲斐甲斐しく世話をする。ようやく菊地原が目を覚ましてくれたことが嬉しくて嬉
しくてたまらないのだろう。
「………俺は……どうして………」
「大丈夫ですよ、まずは体調を整えましょう。すぐにみんなも来ますから」
そう、信じればきっと状況を打破できる。菊地原だってこうやって目を覚ましてくれた。後は
他の選手がここに集まってきてくれればいい。きっと叶うはずだ。
ネッピーは耳を澄ました。どこかで草を打つ音が聞こえたような気がしたからだ。目を閉じ、
さらに集中して耳を澄ます。足音が聞こえる。土を蹴る音、草を踏む音だ。誰かが走っている。
（選手の誰かが来てくれたんだ！）
音の方から微かに声も聞こえてきた。誰かが誰かを呼ぶ声。
（ほら！信じれば叶うんだ！）
ネッピーは顔を上げた。音のする方を期待の眼差しで見つめる。間違いない。誰かが近づいて
来ている。音がどんどん大きくなる。
「菊地原さん！誰かが来ましたよ！仲間ですよ！」
ガサリと葉の揺れる音がした。ネッピーは希望の目を向けた。
願いは叶った。選手がここに辿り着いた。
狂気の形相をした香月が。
【残り・15人？】
128 ： ◆UKNMK1fJ2Y ：2008/06/22(日) 22:14:13 ID:hb13Cwms0
今回は以上です。
いつも保守を本当に本当にありがとうございます。
ここ数ヶ月、仕事で長期出張や個人的事情などで
ネット環境に入れないことが多く、申し訳ありません。
オリバトのストーリーは最後まで出来ておりますので、
必ず完結までお送りするつもりです。よろしければお付き合い下さい。
いつも保守を本当に本当にありがとうございます。
ここ数ヶ月、仕事で長期出張や個人的事情などで
ネット環境に入れないことが多く、申し訳ありません。
オリバトのストーリーは最後まで出来ておりますので、
必ず完結までお送りするつもりです。よろしければお付き合い下さい。
129 ：代打名無し＠全板トーナメント開催中：2008/06/22(日) 22:22:31 ID:KW9ju7Wp0
投下乙です!!
超超待ってました新作！しかも最後まで出来てると聞いてwktkが止まりません！
色々と忙しく大変なこともあるかと思いますが、無理のないペースでこれからも楽しませて下さい
＞どこの漫画の主人公だよ
川越さんwwwww
超超待ってました新作！しかも最後まで出来てると聞いてwktkが止まりません！
色々と忙しく大変なこともあるかと思いますが、無理のないペースでこれからも楽しませて下さい
＞どこの漫画の主人公だよ
川越さんwwwww
130 ：代打名無し＠全板トーナメント開催中：2008/06/22(日) 22:28:37 ID:v3d7Py+h0
新作乙です！
平野まさか……
平野まさか……
131 ：代打名無し＠全板トーナメント開催中：2008/06/23(月) 13:14:35 ID:k7HgCjf+0
新作乙です
狂った香月と純粋なネッピー。。 どうなるどうなる
狂った香月と純粋なネッピー。。 どうなるどうなる
132 ：代打名無し＠全板トーナメント開催中：2008/06/23(月) 21:32:26 ID:p71OzxPb0
新作乙です。
田中の「みんなを殺して勝てば、また野球が出来るんだよ」
になんか泣けた。
職人さんどうか無理なさらずに投下お願いします。
田中の「みんなを殺して勝てば、また野球が出来るんだよ」
になんか泣けた。
職人さんどうか無理なさらずに投下お願いします。
133 ：代打名無し＠全板トーナメント開催中：2008/06/23(月) 22:13:17 ID:gYN0rQe10
新作乙です！！
気長に待ちますのでどうかご自分のペースで！
気長に待ちますのでどうかご自分のペースで！
134 ：代打名無し＠全板トーナメント開催中：2008/06/25(水) 00:44:31 ID:+AhdkMQRO
乙です。
三者三様のマーダー。しかも狂った香月……
菊様逃げてー！
三者三様のマーダー。しかも狂った香月……
菊様逃げてー！
135 ：代打名無し＠全板トーナメント開催中：2008/06/26(木) 01:54:11 ID:d2bKOo0t0
新作乙です
マーダー達にgkbrしながらwktkしてます
マーダー達にgkbrしながらwktkしてます
136 ：代打名無し＠全板トーナメント開催中：2008/06/27(金) 21:12:25 ID:rlgLKbSU0
☆
137 ：代打名無し＠全板トーナメント開催中：2008/06/29(日) 04:26:10 ID:jJ0SzMr30
ほしゅっとな
138 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/06/29(日) 23:09:05 ID:rmu9fPLe0
b
139 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/01(火) 00:28:04 ID:kbKsVZn8O
ふぉ
140 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/02(水) 00:37:26 ID:XYBcyxMj0
ほしゅ
141 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/02(水) 19:32:03 ID:MuY6aVCxO
Bs勝利祈願ほしゅ
142 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/04(金) 07:33:29 ID:BxiUQMiaO
ほしゅ
143 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/04(金) 14:48:50 ID:KTSlBje7O
釧路
144 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/05(土) 20:07:23 ID:RgjbLAa70
保守
145 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/05(土) 22:49:55 ID:Z+kiyIr50
b
146 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/07(月) 01:08:27 ID:wYF/kfSU0
☆
147 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/08(火) 12:48:49 ID:aj2oHS2QO
ごっつの怪我が早く治りますように…
148 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/09(水) 00:10:05 ID:4v86baWC0
a
149 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/10(木) 21:58:59 ID:uiT4KMIz0
捕手
150 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/11(金) 05:15:52 ID:UVssJQsj0
151 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/13(日) 00:10:59 ID:YJY6MEy70
☆
152 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/13(日) 23:33:54 ID:/LaoXBiHO
新作投下期待白星昆布
153 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/13(日) 23:57:46 ID:eOb1Dc1r0
あ
154 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/14(月) 08:55:12 ID:Yt9YnOnpO
保守
155 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/14(月) 19:35:18 ID:Gcy/3eQg0
水面下で京都移転計画が進んでるらしい。
もう上層部は、阪神の牙城・大阪兵庫ではらちがあかんと見極めてる。
もう上層部は、阪神の牙城・大阪兵庫ではらちがあかんと見極めてる。
156 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/14(月) 19:44:23 ID:LawYyZlA0
それがほんまなら檻はすくいようのないあほ
遺訓なら 四国しかない
それか しなの町で 創価動員で毎日３万はいける
かんがえろ あほすぎ
遺訓なら 四国しかない
それか しなの町で 創価動員で毎日３万はいける
かんがえろ あほすぎ
157 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/15(火) 13:18:26 ID:oznLPr6M0
大阪兵庫よりは、京都移転のほうがいいだろ。
阪神地域は猛虎に任せて、猛牛は京滋地域を拠点にする。
京都なら、地元局と京都新聞が支援するらしい。
阪神地域は猛虎に任せて、猛牛は京滋地域を拠点にする。
京都なら、地元局と京都新聞が支援するらしい。
158 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/15(火) 13:59:21 ID:oznLPr6M0
四国は、もうヤクルト移転が内定してる。
松山を中心に、4県を保護地域にして
他球団の春季キャンプも変更させるらしい。
松山を中心に、4県を保護地域にして
他球団の春季キャンプも変更させるらしい。
159 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/16(水) 15:53:24 ID:W4SvJO1v0
保守
160 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/18(金) 00:00:22 ID:pY1dgJbw0
ほ
161 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/18(金) 00:09:21 ID:K8zAc+zi0
あ
162 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/18(金) 03:43:52 ID:dVLAEPQTO
候補としては
沖縄 金沢 新潟 松山 富山 福井あたりか
沖縄 金沢 新潟 松山 富山 福井あたりか
163 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/18(金) 04:53:07 ID:pVtP4F6zO
ほしゅ☆
164 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/18(金) 18:49:14 ID:+y8Y8JXP0
田中彰が広島へ…
165 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/18(金) 20:39:36 ID:aCvxCKE20
大阪・兵庫の阪神に対抗して、京都・滋賀の球団とする。
１軍は京都、２軍は大津に置く。
１軍は京都、２軍は大津に置く。
166 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/20(日) 02:57:36 ID:8FkXQfO0O
☆昆布
167 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/20(日) 13:44:39 ID:tBdIaEVNO
◆UKNMK1fJ2Yです。
規制が解けないので保管庫の掲示板をお借りして投下してきました。
お手数ですが、よろしくお願いいたします。
規制が解けないので保管庫の掲示板をお借りして投下してきました。
お手数ですが、よろしくお願いいたします。
「201・優しさの行方 2/4」 ◆UKNMK1fJ2Y [2008/07/20(日) 13:35 ID:cFwqNvDg]
「香月さん！」
菊地原のそばにしゃがんでいたネッピーが満面の笑みを浮かべて立ち上がろうとする。
「……香月、さん？」
その動きが止まる。中途半端な体勢のまま、曖昧な表情のまま、ネッピーは香月を見つめた。
香月もネッピーを見つめていた。いや、ネッピーの向こう側にいるらしき誰かを見つめていた。
その視線は真っ直ぐに凝視していた。睨みつけていた。全ての憎しみ、全身から憤怒すら感じ
取れる姿で両手で矛を握り、仁王立ちしていた。
「か、香月さん、僕のとそっくりの……矛、ですね……」
空気を和らげようとネッピーが話しかける。その瞬間、クワッと大きく目を見開いた香月が突
進してきた。両手に握る矛を力任せに振り上げる。
「香月さん！」
ネッピーは慌てて菊地原の体を抱え、転がるようにしてその場から逃れた。再び体勢を整える
と、つい今までネッピーがいた場所に香月が立っていた。
両手で矛を振り上げること自体間違っている。矛は槍のように突き刺すものだ。それだけでも
香月の尋常ではない様子が伺える。相手を打ちのめそうとしているなら話は別だが。
「香月さん！どうしたんですか！」
「邪魔なんだよ！どいつもこいつも！！」
香月の咆哮。
「さっきまで俺にまとわりついてたと思ったら、そんな所に隠れやがって！」
その目は今度はしっかりと菊地原を見つめている。
「どいつもこいつも………消えやがれっ！！」
絶叫とも思える叫びと共に、香月が菊地原に向けて突進する。ネッピーは慌ててまた菊地原を
抱えるとその場から逃れようとする。焦ったせいで抱え方が中途半端になった。菊地原を引き
ずるような体勢になる。菊地原自身もぼんやりした頭のままではあったが、尋常ではない事態
を察知したらしく自らもあまり動ききらない手足でもがき、移動しようとしている。
ザシュッ！
矛が地面をえぐる。3本のラインが土を掘り上げ、香月の動きが一瞬止まる。
「か……香月」
掠れた声で菊地原が呟く。
「香月……どうしたんだ？」
「香月さん！」
菊地原のそばにしゃがんでいたネッピーが満面の笑みを浮かべて立ち上がろうとする。
「……香月、さん？」
その動きが止まる。中途半端な体勢のまま、曖昧な表情のまま、ネッピーは香月を見つめた。
香月もネッピーを見つめていた。いや、ネッピーの向こう側にいるらしき誰かを見つめていた。
その視線は真っ直ぐに凝視していた。睨みつけていた。全ての憎しみ、全身から憤怒すら感じ
取れる姿で両手で矛を握り、仁王立ちしていた。
「か、香月さん、僕のとそっくりの……矛、ですね……」
空気を和らげようとネッピーが話しかける。その瞬間、クワッと大きく目を見開いた香月が突
進してきた。両手に握る矛を力任せに振り上げる。
「香月さん！」
ネッピーは慌てて菊地原の体を抱え、転がるようにしてその場から逃れた。再び体勢を整える
と、つい今までネッピーがいた場所に香月が立っていた。
両手で矛を振り上げること自体間違っている。矛は槍のように突き刺すものだ。それだけでも
香月の尋常ではない様子が伺える。相手を打ちのめそうとしているなら話は別だが。
「香月さん！どうしたんですか！」
「邪魔なんだよ！どいつもこいつも！！」
香月の咆哮。
「さっきまで俺にまとわりついてたと思ったら、そんな所に隠れやがって！」
その目は今度はしっかりと菊地原を見つめている。
「どいつもこいつも………消えやがれっ！！」
絶叫とも思える叫びと共に、香月が菊地原に向けて突進する。ネッピーは慌ててまた菊地原を
抱えるとその場から逃れようとする。焦ったせいで抱え方が中途半端になった。菊地原を引き
ずるような体勢になる。菊地原自身もぼんやりした頭のままではあったが、尋常ではない事態
を察知したらしく自らもあまり動ききらない手足でもがき、移動しようとしている。
ザシュッ！
矛が地面をえぐる。3本のラインが土を掘り上げ、香月の動きが一瞬止まる。
「か……香月」
掠れた声で菊地原が呟く。
「香月……どうしたんだ？」
「201・優しさの行方 2/4」 ◆UKNMK1fJ2Y [2008/07/20(日) 13:35 ID:cFwqNvDg]
ネッピーの肩に掴まり自分の両足で立とうとしてはいるのだが、眠り続けた時間と鋭い太陽光
線が菊地原の体力を奪い去っていた。震える足、揺れる視界の全てが香月を有利にしていた。
「香月……俺だ、菊地原だ」
懸命に話しかける。
「香月、どうした、落ち着け」
ゆらり、と香月はまるで炎が揺れるように体を動かす。
「香月」
菊地原が一歩前へ出ようとする。その肩をネッピーが止めた。
「菊地原さん、危ない」
「……大丈夫だ、あいつを……あいつをなんとかしないと……」
また1歩、菊地原が歩を進める。
「なあ、香月……どうしたんだ……俺に話してくれ」
矛を地面に刺したまま香月は重心をやや前に倒した姿勢で、上目遣いに菊地原を睨みつけた。
その目の下にはクマが出来、無精髭も相まって独特の迫力を醸し出している。
「香月、話してくれ。思い出せることからでいい。何があったんだ？」
真摯に菊地原が問いかける。掠れた声ではあったが、優しさに溢れていた。
「弱音を吐くだけでもいい。俺に話してくれ……」
よろりと菊地原の体が傾く。慌ててネッピーがその体を支える。菊地原は手で「すまん」と合
図をしてネッピーに微笑みかけた。そして再び香月の方を見る。
「香月……話をしよう。俺と話してくれないか」
少しだけ、香月の引き攣った目が緩んだ。
「香月、何に怯えているんだ？」
少しだけ、香月の唇が震える。
「………追われ……て…………」
「誰に？」
穏やかな問いかけに、また香月の視線が揺れる。
「…………くぼ……さんと………」
「え？誰だ？聞こえない」
子供に話しかけるように菊地原が続ける。
「話が聞こえなきゃお前を守ることも出来ない。もうちょっと大きな声で話してくれ」
ネッピーの肩に掴まり自分の両足で立とうとしてはいるのだが、眠り続けた時間と鋭い太陽光
線が菊地原の体力を奪い去っていた。震える足、揺れる視界の全てが香月を有利にしていた。
「香月……俺だ、菊地原だ」
懸命に話しかける。
「香月、どうした、落ち着け」
ゆらり、と香月はまるで炎が揺れるように体を動かす。
「香月」
菊地原が一歩前へ出ようとする。その肩をネッピーが止めた。
「菊地原さん、危ない」
「……大丈夫だ、あいつを……あいつをなんとかしないと……」
また1歩、菊地原が歩を進める。
「なあ、香月……どうしたんだ……俺に話してくれ」
矛を地面に刺したまま香月は重心をやや前に倒した姿勢で、上目遣いに菊地原を睨みつけた。
その目の下にはクマが出来、無精髭も相まって独特の迫力を醸し出している。
「香月、話してくれ。思い出せることからでいい。何があったんだ？」
真摯に菊地原が問いかける。掠れた声ではあったが、優しさに溢れていた。
「弱音を吐くだけでもいい。俺に話してくれ……」
よろりと菊地原の体が傾く。慌ててネッピーがその体を支える。菊地原は手で「すまん」と合
図をしてネッピーに微笑みかけた。そして再び香月の方を見る。
「香月……話をしよう。俺と話してくれないか」
少しだけ、香月の引き攣った目が緩んだ。
「香月、何に怯えているんだ？」
少しだけ、香月の唇が震える。
「………追われ……て…………」
「誰に？」
穏やかな問いかけに、また香月の視線が揺れる。
「…………くぼ……さんと………」
「え？誰だ？聞こえない」
子供に話しかけるように菊地原が続ける。
「話が聞こえなきゃお前を守ることも出来ない。もうちょっと大きな声で話してくれ」
※改行規制が入ったため、勝手ながらこの節２分割させてもらいました
◆UKNMK1fJ2Y氏、大変申し訳ありません
「201・優しさの行方 3/4」 ◆UKNMK1fJ2Y [2008/07/20(日) 13:36 ID:cFwqNvDg]
お前を守る、という言葉に驚いたのか香月が目を見開く。一瞬ネッピーはビクリと体を震わせ
て警戒したが、菊地原はそのままだった。まだ体の不安定さはあったが、思考は今までよりも
しっかりしているようだった。香月と話しているうちに自分を取り戻してきたのだろう。
残るは香月だ。ネッピーは一抹の期待を込めて、菊地原と香月を交互に見つめた。
少しずつ、香月の表情が穏やかなものに変わってきていた。
「………大久保……さんと………谷さん………」
「大久保と……谷さんか。2人ならここにはいないぞ」
「………いな……い………？」
「ああ、香月、その2人が恐かったのか？他に何が恐いんだ？」
ずっと堪えていたのだろうか。香月の右目から、とうとう大粒の涙がひとつこぼれ落ちた。
「…………ずっと………殺して…………いつか……殺され………死にたく……ない………」
「香月、落ち着こう。俺もネッピーもお前を恐がらせたりしないから」
1歩、菊地原が香月に歩み寄る。香月もすがる様な眼差しで菊地原を見た。
「香月、もう大丈夫だな？大丈夫だ」
菊地原がまだ力の入りきらない左手を差し出す。香月は怪訝な色を残した表情ではあったが、
背中をトンと押せば泣きながら両手を伸ばして菊地原にしがみつくのも時間の問題と思われた。
◆UKNMK1fJ2Y氏、大変申し訳ありません
「201・優しさの行方 3/4」 ◆UKNMK1fJ2Y [2008/07/20(日) 13:36 ID:cFwqNvDg]
お前を守る、という言葉に驚いたのか香月が目を見開く。一瞬ネッピーはビクリと体を震わせ
て警戒したが、菊地原はそのままだった。まだ体の不安定さはあったが、思考は今までよりも
しっかりしているようだった。香月と話しているうちに自分を取り戻してきたのだろう。
残るは香月だ。ネッピーは一抹の期待を込めて、菊地原と香月を交互に見つめた。
少しずつ、香月の表情が穏やかなものに変わってきていた。
「………大久保……さんと………谷さん………」
「大久保と……谷さんか。2人ならここにはいないぞ」
「………いな……い………？」
「ああ、香月、その2人が恐かったのか？他に何が恐いんだ？」
ずっと堪えていたのだろうか。香月の右目から、とうとう大粒の涙がひとつこぼれ落ちた。
「…………ずっと………殺して…………いつか……殺され………死にたく……ない………」
「香月、落ち着こう。俺もネッピーもお前を恐がらせたりしないから」
1歩、菊地原が香月に歩み寄る。香月もすがる様な眼差しで菊地原を見た。
「香月、もう大丈夫だな？大丈夫だ」
菊地原がまだ力の入りきらない左手を差し出す。香月は怪訝な色を残した表情ではあったが、
背中をトンと押せば泣きながら両手を伸ばして菊地原にしがみつくのも時間の問題と思われた。
（香月さん！信じて！）
心の中でネッピーが叫び祈る。その声に応えるかのように、矛を支えていた香月の両手のうち、
右手が静かに離れた。ゆっくりと、目に見えない何かに怯え震える右手が、支えを求めるよう
に菊地原へと差し出される。
（香月……！）
菊地原が微笑み、更に自分の手を前へと差し出したその時。
森のどこかから、一斉に鳥たちの大群が音を立てて飛び立った。その数は10羽ほどだっただ
ろうか。だが甲高く鳴き、その羽が枝を打ち、緑の葉をザザザッ！と鳴らす音は、この島の静
寂を破り、人々を驚かせるには十分過ぎる大きさで響いた。
ビクリ、とネッピーが体を震わせる。と同時に香月の体が一際大きく震え、
「あああああああああっ！！！！」
絶叫と共に、矛が本来の役割を果たした。
その光景はまるで、菊地原の体から矛が生えていて、その先を香月が支えているように見える
滑稽なものだった。
心の中でネッピーが叫び祈る。その声に応えるかのように、矛を支えていた香月の両手のうち、
右手が静かに離れた。ゆっくりと、目に見えない何かに怯え震える右手が、支えを求めるよう
に菊地原へと差し出される。
（香月……！）
菊地原が微笑み、更に自分の手を前へと差し出したその時。
森のどこかから、一斉に鳥たちの大群が音を立てて飛び立った。その数は10羽ほどだっただ
ろうか。だが甲高く鳴き、その羽が枝を打ち、緑の葉をザザザッ！と鳴らす音は、この島の静
寂を破り、人々を驚かせるには十分過ぎる大きさで響いた。
ビクリ、とネッピーが体を震わせる。と同時に香月の体が一際大きく震え、
「あああああああああっ！！！！」
絶叫と共に、矛が本来の役割を果たした。
その光景はまるで、菊地原の体から矛が生えていて、その先を香月が支えているように見える
滑稽なものだった。
「201・優しさの行方 4/4」 ◆UKNMK1fJ2Y [2008/07/20(日) 13:36 ID:cFwqNvDg]
「………がっ！」
呻き声と共に、菊地原の口から血が吹き出す。
「うああっ！うあああああっ！！」
香月が矛を抜こうと暴れる。切っ先が引っかかってしまっているのか、菊地原の体ごと揺する。
そのたびに矛先は菊地原の腹の内部の肉を裂き、更なる出血を見た。
「敵だ！敵だぁっ！！」
再び香月は叫び、力の限り大きく矛を振り回した。ようやく菊地原の体が外れ、数メートル離
れた場所へと振り払われ、崩れ落ちた。
「菊地原さん！！」
ネッピーがその体に飛びつく。香月の悲鳴のような絶叫は木々の奥、遠くの方へと消えていっ
た。ネッピーは菊地原の頬を軽く叩いた。腹部から溢れ出る血を止めたいのだが、何をどうす
ればいいのかもわからない。ひたすら菊地原の名を呼び続けた。
「菊地原さん！しっかりして下さい！菊地原さん！頑張って！すぐ……すぐ田中さんが帰って
きてくれますから！」
田中が戻ってきたとしても、適切な治療が出来るかどうかも怪しい。だが今のネッピーに出来
ることはそれしかなかった。
いつの間にか、ネッピーの頬を涙が伝っていた。
「菊地原さん！菊地原さん！！」
菊地原の優しさが裏目に出てしまった。香月から逃げればよかったのか。
小さくゆっくりと、菊地原の唇が動く。
「………黒……田…………」
懐かしい仲間の名を呼ぶ。
「………俺………もう朝飯………1人……じゃな……い………心配……いらな………」
こぽり、とまた血の泡が口の端から零れる。
「…………元気……かな…………建……さ…………」
コフッと小さく咳き込み、それきり菊地原の唇は動かなかった。
【× 菊地原毅 残り・14人？】
「………がっ！」
呻き声と共に、菊地原の口から血が吹き出す。
「うああっ！うあああああっ！！」
香月が矛を抜こうと暴れる。切っ先が引っかかってしまっているのか、菊地原の体ごと揺する。
そのたびに矛先は菊地原の腹の内部の肉を裂き、更なる出血を見た。
「敵だ！敵だぁっ！！」
再び香月は叫び、力の限り大きく矛を振り回した。ようやく菊地原の体が外れ、数メートル離
れた場所へと振り払われ、崩れ落ちた。
「菊地原さん！！」
ネッピーがその体に飛びつく。香月の悲鳴のような絶叫は木々の奥、遠くの方へと消えていっ
た。ネッピーは菊地原の頬を軽く叩いた。腹部から溢れ出る血を止めたいのだが、何をどうす
ればいいのかもわからない。ひたすら菊地原の名を呼び続けた。
「菊地原さん！しっかりして下さい！菊地原さん！頑張って！すぐ……すぐ田中さんが帰って
きてくれますから！」
田中が戻ってきたとしても、適切な治療が出来るかどうかも怪しい。だが今のネッピーに出来
ることはそれしかなかった。
いつの間にか、ネッピーの頬を涙が伝っていた。
「菊地原さん！菊地原さん！！」
菊地原の優しさが裏目に出てしまった。香月から逃げればよかったのか。
小さくゆっくりと、菊地原の唇が動く。
「………黒……田…………」
懐かしい仲間の名を呼ぶ。
「………俺………もう朝飯………1人……じゃな……い………心配……いらな………」
こぽり、とまた血の泡が口の端から零れる。
「…………元気……かな…………建……さ…………」
コフッと小さく咳き込み、それきり菊地原の唇は動かなかった。
【× 菊地原毅 残り・14人？】
「202・優しさの迷路 1/2」 ◆UKNMK1fJ2Y [2008/07/20(日) 13:37 ID:cFwqNvDg]
香月と菊地原が出会うほんの少し前、3人が立ち上がり、歩き始めた。
流れる涙を隠しもせず、肩を震わせながら何度も後ろを振り返る下山。
やはり涙を流し、その下山を支えるようにしてそれでも前へと進もうとする光原。
2人を後ろから見守るように、まるで感情を失ってしまったかのような表情で、けれど周囲へ
鋭い視線を張り巡らし、唇を震わせながら右手の銃と白い旗を離さない高木。
『Cafe Bs』は、再び静かな時間を迎えていた。
カウンターの奥、相川は珈琲を作り始める。自分用に。自分の気持ちを落ち着かせる為に。
あのドアの向こう側、一体何人の遺体が横たわっているのか。
何故自分は墓守の役を与えられたのか。
何故自分はまだ狂わないのか。
カランと氷をひとつ、グラスの中に落とす。
（戦う勇気のない人間にはお似合いの場所か）
さっき、下山たちが旅立つ時、デイビーが励ますように順番に3人の肩に手を置いた。その時、
高木の手に小さな紙片を握らせているのが見えた。見えてしまった。
（あれは何だったんだろう）
オーナーへの裏切り行為だったとしたら？
ひょっとしたら、デイビーはこの島の脱出方法を知っているのでは？
もうひとつ、グラスに氷を入れる。
「相川さーん、このマップなんですけどね」
気の抜けたような声で岸田が尋ねてくる。この青年だけは異次元だ。こんな息苦しい状態の中
で、殺戮のゲームを楽しんでいる。ある意味、外側にいることが保障されているからか。
「表示されてるのって、選手の背番号だけじゃないですか。ネッピーとリプシーも表示されま
せんかね？」
「はあ？」
「ほら、あの2人だって立派に背番号持ってるじゃないですか。だから表示されませんか？」
「バカ。この表示は選手のつけてる首輪からサーチしてるんだよ。あの2人は首輪はつけてな
いんだろ？後からこの島に来たんだろ？」
「そこをオーナーの力でなんとか」
「じゃあ自分で頼めよ」
「ちぇっ」
香月と菊地原が出会うほんの少し前、3人が立ち上がり、歩き始めた。
流れる涙を隠しもせず、肩を震わせながら何度も後ろを振り返る下山。
やはり涙を流し、その下山を支えるようにしてそれでも前へと進もうとする光原。
2人を後ろから見守るように、まるで感情を失ってしまったかのような表情で、けれど周囲へ
鋭い視線を張り巡らし、唇を震わせながら右手の銃と白い旗を離さない高木。
『Cafe Bs』は、再び静かな時間を迎えていた。
カウンターの奥、相川は珈琲を作り始める。自分用に。自分の気持ちを落ち着かせる為に。
あのドアの向こう側、一体何人の遺体が横たわっているのか。
何故自分は墓守の役を与えられたのか。
何故自分はまだ狂わないのか。
カランと氷をひとつ、グラスの中に落とす。
（戦う勇気のない人間にはお似合いの場所か）
さっき、下山たちが旅立つ時、デイビーが励ますように順番に3人の肩に手を置いた。その時、
高木の手に小さな紙片を握らせているのが見えた。見えてしまった。
（あれは何だったんだろう）
オーナーへの裏切り行為だったとしたら？
ひょっとしたら、デイビーはこの島の脱出方法を知っているのでは？
もうひとつ、グラスに氷を入れる。
「相川さーん、このマップなんですけどね」
気の抜けたような声で岸田が尋ねてくる。この青年だけは異次元だ。こんな息苦しい状態の中
で、殺戮のゲームを楽しんでいる。ある意味、外側にいることが保障されているからか。
「表示されてるのって、選手の背番号だけじゃないですか。ネッピーとリプシーも表示されま
せんかね？」
「はあ？」
「ほら、あの2人だって立派に背番号持ってるじゃないですか。だから表示されませんか？」
「バカ。この表示は選手のつけてる首輪からサーチしてるんだよ。あの2人は首輪はつけてな
いんだろ？後からこの島に来たんだろ？」
「そこをオーナーの力でなんとか」
「じゃあ自分で頼めよ」
「ちぇっ」
「202・優しさの迷路 2/2」 ◆UKNMK1fJ2Y [2008/07/20(日) 13:38 ID:cFwqNvDg]
岸田は小さく呟くと、銃をベルトに挟んで外へと出た。特にあてもなく、『Cafe Bs』の周囲を
歩く。遠くへは行けない。選手の誰かに見つかってもいけない。
ただ1人、この島で自分を見つけたのはリプシー。
（リプシー……どこにいる？）
彼女だけは無事に帰らせてあげたい。彼女に罪はないのだ。
なのに彼女は自らこの死の島へと飛び込んできた。選手たちを救い出す為に。
（本当のことを知ったら……俺は救い出してはもらえないな）
オーナーに加担したのだから。成り行きではあったが、自分を守る為、オバミュラーを殺した。
そしてこのゲームの中で特殊な位置にいる。
（リプシー……君だけは救いたいんだ）
少し開けた場所に、10数羽の鳥達が遊んでいた。キラキラした陽射しを浴びた長閑過ぎる風景
に、岸田は小さく舌打ちをする。
（いつ奇妙なウィルスが流れてくるかもわからないのに）
南からの風が吹いたらおしまい。岸田は左手をポケットに突っ込んで、自分用の青いカプセル
を確認した。
「………畜生！」
爪先で地面を蹴る。偶然小石に辺り、その石が鳥達の中へと飛び込んでゆく。途端に一斉の羽
音と甲高い泣き声。驚いた鳥達が木々を揺らして大空へと飛び立っていった。
「畜生、空を飛べる奴らはいいよな！」
どこかで誰かの絶叫のようなものが聞こえたような気がした。
それを気にすることなく岸田は『Cafe Bs』へと戻っていった。
【残り・14人？】
岸田は小さく呟くと、銃をベルトに挟んで外へと出た。特にあてもなく、『Cafe Bs』の周囲を
歩く。遠くへは行けない。選手の誰かに見つかってもいけない。
ただ1人、この島で自分を見つけたのはリプシー。
（リプシー……どこにいる？）
彼女だけは無事に帰らせてあげたい。彼女に罪はないのだ。
なのに彼女は自らこの死の島へと飛び込んできた。選手たちを救い出す為に。
（本当のことを知ったら……俺は救い出してはもらえないな）
オーナーに加担したのだから。成り行きではあったが、自分を守る為、オバミュラーを殺した。
そしてこのゲームの中で特殊な位置にいる。
（リプシー……君だけは救いたいんだ）
少し開けた場所に、10数羽の鳥達が遊んでいた。キラキラした陽射しを浴びた長閑過ぎる風景
に、岸田は小さく舌打ちをする。
（いつ奇妙なウィルスが流れてくるかもわからないのに）
南からの風が吹いたらおしまい。岸田は左手をポケットに突っ込んで、自分用の青いカプセル
を確認した。
「………畜生！」
爪先で地面を蹴る。偶然小石に辺り、その石が鳥達の中へと飛び込んでゆく。途端に一斉の羽
音と甲高い泣き声。驚いた鳥達が木々を揺らして大空へと飛び立っていった。
「畜生、空を飛べる奴らはいいよな！」
どこかで誰かの絶叫のようなものが聞こえたような気がした。
それを気にすることなく岸田は『Cafe Bs』へと戻っていった。
【残り・14人？】
「203・優しい狂気 1/2」 ◆UKNMK1fJ2Y [2008/07/20(日) 13:39 ID:cFwqNvDg]
香月と菊地原が出会ういくらか前、2人はようやく出会った。
子供のように泣きじゃくっていた阿部が落ち着きを取り戻し、水口は改めて周囲を見た。
萩原が仰向けに倒れている。その体からは血が流れ出ており、明らかに絶命していた。
その横に川越がしゃがみこんでいる。虚ろな眼差しで萩原の体を見つめたままピクリともしな
い。2人の間には銀色に光る銃が落ちている。川越の手と膝には血がついている。
1匹の子猫が、萩原の体に縋ってニィニィ鳴いている。
この光景が意味するものは何か。
単純に考えれば川越が萩原を殺したと想像出来る。だが川越の様子があまりにもおかしい。
「阿部、何が起こったんだ？塩崎とガブは？」
阿部は袖で自分の目元をゴシゴシと拭うと、小屋の方を指差した。
「俺も……よくわかりません………ここに来たら、あの小屋の中で……塩崎さんとガブさんが
………見ない方がいいです。酷い状況です。グチャグチャです」
水口の袖を引きとめるようにしっかりと掴む。
「殺されたのか」
「………多分」
「オギは？」
「わかりません。俺が小屋の中で吐いてたら銃声が聞こえて、オギさんが倒れてて、川越さん
がああいう状態でした」
肩の力を落とし説明する。
「俺、【Ｋ】を集めるトラップタイムの時、川越さんのグループに合流して助かったんです。俺、
【Ｋ】をひとつも持ってないから。俺が叫んでたら川越さんが呼んでくれて……その時から一
緒に行動してたんですけど……時々、川越さん変になるんで……」
「まさか……？」
水口は鞄に手を突っ込むと、１枚の紙を取り出した。
「俺がこの小屋を出る前に、ガブが俺に渡したんだ。自分に何かあったら読んでくれって。あ
いつはずっと川越に対して謝ってた。俺たちと合流する前、ガブと川越は2人で行動していた。
ガブは……何か知ってたんだ！」
急いで四つ折りになったその紙を開いた。
殴り書きのような文字が並んでいた。
香月と菊地原が出会ういくらか前、2人はようやく出会った。
子供のように泣きじゃくっていた阿部が落ち着きを取り戻し、水口は改めて周囲を見た。
萩原が仰向けに倒れている。その体からは血が流れ出ており、明らかに絶命していた。
その横に川越がしゃがみこんでいる。虚ろな眼差しで萩原の体を見つめたままピクリともしな
い。2人の間には銀色に光る銃が落ちている。川越の手と膝には血がついている。
1匹の子猫が、萩原の体に縋ってニィニィ鳴いている。
この光景が意味するものは何か。
単純に考えれば川越が萩原を殺したと想像出来る。だが川越の様子があまりにもおかしい。
「阿部、何が起こったんだ？塩崎とガブは？」
阿部は袖で自分の目元をゴシゴシと拭うと、小屋の方を指差した。
「俺も……よくわかりません………ここに来たら、あの小屋の中で……塩崎さんとガブさんが
………見ない方がいいです。酷い状況です。グチャグチャです」
水口の袖を引きとめるようにしっかりと掴む。
「殺されたのか」
「………多分」
「オギは？」
「わかりません。俺が小屋の中で吐いてたら銃声が聞こえて、オギさんが倒れてて、川越さん
がああいう状態でした」
肩の力を落とし説明する。
「俺、【Ｋ】を集めるトラップタイムの時、川越さんのグループに合流して助かったんです。俺、
【Ｋ】をひとつも持ってないから。俺が叫んでたら川越さんが呼んでくれて……その時から一
緒に行動してたんですけど……時々、川越さん変になるんで……」
「まさか……？」
水口は鞄に手を突っ込むと、１枚の紙を取り出した。
「俺がこの小屋を出る前に、ガブが俺に渡したんだ。自分に何かあったら読んでくれって。あ
いつはずっと川越に対して謝ってた。俺たちと合流する前、ガブと川越は2人で行動していた。
ガブは……何か知ってたんだ！」
急いで四つ折りになったその紙を開いた。
殴り書きのような文字が並んでいた。
「203・優しい狂気 2/2」 ◆UKNMK1fJ2Y [2008/07/20(日) 13:40 ID:cFwqNvDg]
『川越さん、ごめんなさい。本当にごめんなさい。申し訳ありません。俺はあなたに催眠術を
かけました。生き残る為です。川越さんと俺が生き残る為です。川越さんは優しいから、誰か
を殺すことなんて出来ないと思います。だから催眠術をかけました。キーワードは【敵】です。
川越さんの【敵】だと指示すれば、川越さんが相手を殺すように、戦うようにしました。催眠
術を解く時、手を打つ音を合図にしようとしましたが、その時何か違う音がして、川越さんの
催眠が醒めました。だから、催眠術の解けるキッカケは自分でもよくわかりません。でも大き
な音を立てれば大丈夫だというようなことが説明書には書いてあったと思います。今の川越さ
んは無敵なはずです。誰よりも強いはずです。生き残れるはずです。悪いのは俺です。川越さ
んじゃありません。川越さんが誰かを殺したのは、全部俺の命令です。俺が殺したのであって、
川越さんではありません。でもこうでもしなければ川越さんは生き残れません。川越さん、生
き残って下さい。また野球をして下さい。川越さんはずっとカッコいいままでいて下さい。何
があっても諦めない、挫けないのが川越さんです。絶対に生き残って下さい。
ごめんなさい。
本柳和也』
文章を読み、水口は目を閉じた。阿部はこれまでの謎がやっと解けた気がした。
催眠術にかかっているなら、奇妙な記憶の空白の意味もわかる。時折揺らいだ川越の意識も。
その時、どこかから一斉に鳥が飛び立った。甲高い鳴き声を上げて大空へと飛び去ってゆく。
その音すらも気にならないほど、2人は文面に意識を奪われていた。
少しして、間近でサクリと土を踏む音がした。2人がようやく顔を上げる。
子猫を抱いて哀しそうな目をした川越が、水口の持つ紙面をじっと見つめていた。
【残り・14人？】
『川越さん、ごめんなさい。本当にごめんなさい。申し訳ありません。俺はあなたに催眠術を
かけました。生き残る為です。川越さんと俺が生き残る為です。川越さんは優しいから、誰か
を殺すことなんて出来ないと思います。だから催眠術をかけました。キーワードは【敵】です。
川越さんの【敵】だと指示すれば、川越さんが相手を殺すように、戦うようにしました。催眠
術を解く時、手を打つ音を合図にしようとしましたが、その時何か違う音がして、川越さんの
催眠が醒めました。だから、催眠術の解けるキッカケは自分でもよくわかりません。でも大き
な音を立てれば大丈夫だというようなことが説明書には書いてあったと思います。今の川越さ
んは無敵なはずです。誰よりも強いはずです。生き残れるはずです。悪いのは俺です。川越さ
んじゃありません。川越さんが誰かを殺したのは、全部俺の命令です。俺が殺したのであって、
川越さんではありません。でもこうでもしなければ川越さんは生き残れません。川越さん、生
き残って下さい。また野球をして下さい。川越さんはずっとカッコいいままでいて下さい。何
があっても諦めない、挫けないのが川越さんです。絶対に生き残って下さい。
ごめんなさい。
本柳和也』
文章を読み、水口は目を閉じた。阿部はこれまでの謎がやっと解けた気がした。
催眠術にかかっているなら、奇妙な記憶の空白の意味もわかる。時折揺らいだ川越の意識も。
その時、どこかから一斉に鳥が飛び立った。甲高い鳴き声を上げて大空へと飛び去ってゆく。
その音すらも気にならないほど、2人は文面に意識を奪われていた。
少しして、間近でサクリと土を踏む音がした。2人がようやく顔を上げる。
子猫を抱いて哀しそうな目をした川越が、水口の持つ紙面をじっと見つめていた。
【残り・14人？】
177 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/20(日) 23:28:32 ID:9SCM8hFS0
◆UKNMK1fJ2Y氏だけでなく、このバトを楽しみにされている読者の方に対しても
代行がエラー出たためとは言え勝手をしたことお詫びします
（ただ、「203・優しい狂気」が両方「2/2」だったのでそこは片方「1/2」にさせてもらいました）
◆UKNMK1fJ2Y氏、規制早く解除されるといいですね
代行がエラー出たためとは言え勝手をしたことお詫びします
（ただ、「203・優しい狂気」が両方「2/2」だったのでそこは片方「1/2」にさせてもらいました）
◆UKNMK1fJ2Y氏、規制早く解除されるといいですね
178 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/20(日) 23:58:33 ID:iXpETKY/0
職人さん＆代行さん乙です。
菊地原やさしいよ菊地原。
川越さんのグループはこれからどうなるのだろう。
菊地原やさしいよ菊地原。
川越さんのグループはこれからどうなるのだろう。
179 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/21(月) 09:29:44 ID:VYpJUrrt0
職人様、代行様おつかれさまです！
香月は正気に戻れなかったのか……
そして川越さんは知ってしまったのか……
香月は正気に戻れなかったのか……
そして川越さんは知ってしまったのか……
180 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/21(月) 15:39:30 ID:4WLo/Zc/0
乙です 川越さん知ってしまったか
181 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/21(月) 20:13:41 ID:zi0h3372O
宮本本塁打打たれた…
がその後三者三振
最初から気合い入れろや
がその後三者三振
最初から気合い入れろや
182 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/21(月) 22:55:43 ID:7qAUlEnD0
オリ新スレ立てようとしたら、はじかれた・・・
183 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/22(火) 22:31:02 ID:BEdQNau2O
保守
184 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/25(金) 00:44:38 ID:w0T3+hqQO
ほしゅ
185 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/26(土) 22:25:38 ID:w4dsjWf/0
４連勝記念保守
186 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/26(土) 22:33:41 ID:r/amfHsz0
k
187 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/27(日) 01:13:25 ID:C+oBhIvW0
スレ乱立のため保守！
勢い２を切ったらやばいよ
勢い２を切ったらやばいよ
188 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/27(日) 01:42:02 ID:AQsZ6bNe0
やばそうなので保守
189 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/27(日) 10:23:59 ID:7BG91Dr20
ほしゅ
190 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/28(月) 22:07:47 ID:oJfWfGFc0
捕手
191 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/29(火) 00:06:36 ID:yiEsm2pr0
グランドスラム保守
192 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/29(火) 00:26:06 ID:jQDc/aX40
a
193 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/30(水) 16:56:32 ID:cigsp3WAO
ほしゅ
194 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/07/30(水) 23:37:09 ID:InGg+0oR0
b
195 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/01(金) 01:02:55 ID:idkoCmmI0
ほ
196 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/01(金) 07:47:46 ID:5KJfekaS0
ＢＳ
197 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/02(土) 01:02:19 ID:dCRd2h/C0
ほっしゅ
198 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/02(土) 01:16:33 ID:RNK+dMD70
１
199 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/03(日) 03:45:11 ID:dYrYlKezO
新作投下期待昆布
200 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/03(日) 09:08:45 ID:TcMC4oxb0
bs
201 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/04(月) 11:30:05 ID:7hrLyazMO
昆布
202 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/05(火) 17:53:58 ID:AKRGFcqIO
高級昆布
203 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/06(水) 20:27:28 ID:P7lmjuccO
そこらへんの昆布
204 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/07(木) 19:32:15 ID:CQ9zl5KhO
シドニー
205 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/09(土) 03:05:51 ID:lGPBDNqgO
帰ってきた昆布
206 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/09(土) 10:03:47 ID:uIKZbJdS0
山車
207 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/10(日) 23:12:35 ID:mtv31/5p0
大輔も忘れないで＞＜
208 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/12(火) 15:16:11 ID:9hSPOEcz0
ほしゅーーーーーー
209 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/13(水) 23:38:19 ID:R8kn0xXe0
1
210 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/14(木) 19:39:12 ID:CFzeLzrM0
勝利保守
211 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/15(金) 18:52:41 ID:+UZxwD+I0
連勝保守
212 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/16(土) 22:39:55 ID:NFZsPENO0
捕手
ひ、日高は打ったの…？
ひ、日高は打ったの…？
213 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/18(月) 01:42:44 ID:oXcY4o5e0
連敗 涙の保守(-_-;)
214 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/18(月) 22:35:42 ID:oXcY4o5e0
勝利保守
215 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/19(火) 23:54:25 ID:QAguKHhx0
スカイ花火保守
216 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/21(木) 10:34:55 ID:xTnlyzKy0
１１連戦勝ち越し保守
217 ：代打名無し＠実況は野球ch板で：2008/08/22(金) 15:28:51 ID:Mnj+5+UQ0
ほしゅ
明日試合見に行くよ保守