新聞雑誌でアニメ・オタク特集が載ったら集まるスレ3
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20061114bk05.htm 読売新聞 2006年11月14日(火)朝刊 文化面
【ライトノベル進化論】(中) 脱「剣と魔法」から新星
「この作品を喜んでくれて、涙を流してくれる人が一人でも多いとうれしい」
11月6日、都内で開かれた「電撃小説大賞」授賞式。大賞受賞者の紅玉伊月(こうぎょくいづき)さん(22)は、
ハキハキと喜びを語った。まだ大学4年生。投稿歴は中学生からあるが、300枚もの長編は「生まれて初めて書いた」と笑う。
奴隷少女と森の魔王の心のふれあいを描いた受賞作「ミミズクと夜の王」は、選考委員の作家、安田均さんに「心にスッと
入ってくる、ピュアなファンタジー」と絶賛された。「知人には『ライトノベルっぽくない』と言われます」と紅玉さん。
30前後ある主要ライトノベル文庫で、角川系メディアワークスの「電撃文庫」は約40%のシェアを誇る最大手だ。
創刊は1993年。同じ角川系の「スニーカー文庫」や「富士見ファンタジア文庫」より後発なのに、今や「お手本」と
目されるまでに急成長した。
「それまで『剣と魔法』的なファンタジーが主流だったこのジャンルで、『何でもあり』の面白さを打ち出したのが
支持されたと思う」と、鈴木一智・電撃文庫編集長は語る。当初から新人発掘に熱心だったのも特色で、ライトノベルの
世界を一変させたと評される上遠野(かどの)浩平『ブギーポップは笑わない』や、時雨沢(しぐさわ)恵一『キノの旅』、
高橋弥七郎『灼眼(しゃくがん)のシャナ』など、近年の話題作の多くが同文庫から生まれている。
「刊行点数では、超右肩上がり」と鈴木編集長。毎月13〜15点の新刊を出し、年間10人近くの新人を送り出す。
“粗製乱造”を心配したくなるが、「一般文芸に比べ、新人の生存率はむしろ高いはず」と、徳田直巳副編集長は反論する。
最近は『図書館戦争』の有川浩(ひろ)など、ハードカバーでも積極攻勢をかけている。
「ライトノベルに枠をはめてはダメ。新しいものは常に外れたところから出てくる」。鈴木編集長の言葉通り、新人も
題材も多様化し、ひとくくりにできないのが今のライトノベルだ。
今年創刊されたソフトバンククリエイティブの「GA文庫」からも注目の新人が現れた。『ジョン平とぼくと』の大西科学さん(35)。
現在はメーカー技術者だが、元・原子核物理学者という異色の経歴を持つ。自身のホームページに連載している科学エッセーが
編集者の目に留まり、作家デビューとなった。魔法が日常化した世界で、魔法が使えない落ちこぼれ少年の冒険を描く。
「最近のライトノベルは知らないので、私が中高生のころ読んだ正統的ジュヴナイル(少年少女向け小説)を目指した」と大西さん。
先の紅玉さんも、世代が違うのに、ほとんど同じ意味のことを語ったのが印象に残った。「自分の作品は大人になったら
忘れてもらっていい。若い読者にとって、新しい本の世界への扉になってくれれば」
写真=「『ライトノベルだから低次元』とは見られたくない」と紅玉さん
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読売新聞 2006年11月14日(火)朝刊 文化面(「ライトノベル進化論・中」
>>2と同じ紙面)
[つれづれ] 同人誌を作ろう (1)
意外だが「同人誌」という見出し項目は広辞苑にない。「同人雑誌」として<主義・傾向・趣味などを
同じくする人たちが共同で編集発行する雑誌>と説明される。しかし今、同人誌といったら<コミケなどで
売られる個人あるいはグループによる自主制作の本>という方が実情に即していないか。
「冬コミ当選!」「落選しました・・・・・・」という知人からのメールが舞い込む季節になった。
冬コミとは、東京ビッグサイトで年2回開かれる日本最大の同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)」の
冬季イベントのこと。今年は30年のコミケ史上初めて、大みそかを含む12月29〜31日に開催される。
応募サークル数4万5000のうち、抽選で1万サークルは落選する。結果は郵送で知らされるので、
けっこうドキドキするのだが・・・・・・来た! 水色の大判封筒。中には、有価証券みたいなデザインの
「出展サークル専用通行証」3枚つづり。「おたくの祭典」へのパスポートだ。
同人誌作りは楽しい。苦しいが、それでも楽しい。 (汗)
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http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up149240.jpg ※また直言兄弟の石田汗太記者か...
キモ声杉田死ね
『FujiSankei Business i.』2006年11月12日(日)1面
【唐澤理恵の本当は「見た目」が大事】そろそろ「普通の変身」を
朝出勤するやいなや、スタッフにこんな話を聞かされました。まさに朝の通勤ラッシュの銀座の地下道。ふとみると
人気漫画「キャンディキャンディ」の少女の格好をした50代らしき中年男性が風を切って通り過ぎていったそうです。
大勢の黒波が大きくうねったかと思えば、ピンキッシュな物体が登場し消えていくという奇異な光景に目を奪われた
ようです。これは俗にいうコスプレ。アニメやゲーム、漫画などに登場するキャラクターの格好や衣装をまねることです。
若い女性からオタクと呼ばれる男性まで愛好家は増えています。
そんな人たちの姿をけげんな目でみているサラリーマンも実は影で同じような仮装を楽しんでいます。ちまたでは
簡単な変装グッズがおいてあるカラオケパブやスナックがあります。ひとたびカツラをつけるやいなや人が変わったように
歌い踊る男性。女装クラブは部課長クラスの会員が多いと聞きました。
さて、私たちの心に魔法をかけてくれる仮装という行為。歴史的にひもとけば、きわめて宗教的で、普段の自分から離れ、
神に近づくことを意味します。
人間のもつ向上心から生まれたのではないかともいわれます。老若男女問わず、いつの時代も、人種関係なく、人間が
誰しももつ変身願望。これまでそんな願望を押し殺してきた男性諸氏もそろそろ公衆の面前で堂々と「普通の変身」を
してみてはいかがですか。
http://www.shinshokan.co.jp/comic/w/topics/topics_MiuraShion.html 『シュミじゃないんだ』 三浦しをん著
税込価格 : \1,470 (本体 : \1,400) 出版 : 新書館
サイズ : B6判 / 293p ISBN : 4-403-22048-7 発行年月 : 2006.11
新・直木賞作家、三浦しをんのエッセイ「シュミじゃないんだ」ついに発売!
愛してやまぬボーイズラブ漫画について五年にわたって書き続けたエッセイ。BLにハマっている人にも、
「なんじゃそりゃー」な人にも、ぜひ読んでいただきたい、BLの奥深さとおもしろさ、そして、どのように
世の多くの女子が腐女子でありBLの虜となるのかがわかる一冊です。 BL初心者の人には、ガイドブックとしてもオススメ☆
もしかしたら最初で最後の(!?)書き下ろしBL小説「夏の思い出」を収録!! 夭逝のマンガ家・あとり硅子の連載時のカット
(サイレントマンガ)もすべて収録!!
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200611/gt2006111304.html サンスポ 2006年11月13日(月)
アンガールズ&しょこたん、アラレちゃんに登場
お笑いコンビ、アンガールズとアイドル、中川翔子(21)が、来年3月23日発売の22枚組DVD
「Dr.スランプ アラレちゃんDVD-BOX SLUMP THE BOX〜んちゃ編〜」(ハピネット、10万5000円)の
プロモーション用アニメキャラクターに起用され12日、全国の街頭ビジョンなどに登場した=写真。
東京・新宿のアルタや渋谷のスクランブル交差点など全国5都市の大型ビジョンで流された
プロモーション映像に登場した3人は、アニメの舞台となっているペンギン村の新住民として同DVDをPR。
また、フジテレビ系でオンエアが始まったCMにも登場するなど街頭をジャックした。
読売新聞 2006年11月15日(水)夕刊 トレンド館 本よみうり堂
[本田透のキャラ読み!] 現実よりリアル「脳内彼女」 (『わが悲しき娼婦たちの思い出』 G.ガルシア=マルケス著 新潮社)
今月はG.ガルシア=マルケスの最新作『わが悲しき娼婦たちの思い出』(木村榮一訳、新潮社)です。マルケスといえば
『百年の孤独』、ラテンアメリカ文学を代表する「魔術的リアリズム」の巨匠なのですが、僕は今まで魔術的リアリズムって
何なのかよく判っていませんでした。ファンタジーなのか、それともリアリズムなのか、どっちなんだ? と。しかし
『わが悲しき――』を読んでついに判ったのです。マルケスが70年以上にわたって追求してきた魔術的リアリズムとは何か。
マルケスの生涯の目標は、「脳内彼女と脳内で幸福になる」という妄想力強化だったのです! いえ本当です。
この小説、主人公は90歳になる新聞コラムニスト。馬面のキモメンで、この年まで恋愛経験はゼロ。一度だけ女性に迫られて
結婚させられかけたことがありますが、この時は急性のひきこもりになって婚約者を追い払っています。趣味は風俗通いです。
彼は自分がブサイク男だということを気に病んでいるのか、幼い頃の性的トラウマ故か、性欲を満たすことに没頭する一方で
他人を愛するということを知らずに生きてきました。しかし90歳になった彼は突然性欲から解放され、14歳の処女娼婦に萌えるのです。
川端康成の「眠れる美女」のように、睡眠薬で眠らせた少女のかたわらにかしずくことで初めて真実の愛に目覚めていまう主人公。
彼女を一度も起こそうとせず、脳内で彼女への恋愛に萌えながら新聞のコラムを彼女宛のラブレターにしてしまいます。
そしてついには、自宅に幻の「脳内彼女」が訪れてくれるようになるのです。しかもこの脳内彼女、現実の彼女よりもリアル。
脳内彼女を幻視する力を得た主人公はとうとう悟ります。「セックスというものは、愛が不足しているときに慰めになるだけ
のことだよ」と。
主人公は最後まで起きている少女と出会いませんが、そんなこと関係ないのです。愛なき世界の中で、愛を自らの脳内に産出する。
それがマルケスの魔術的リアリズムの神髄だったのです。 (作家)
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朝日新聞 2006年11月5日(日)朝刊22面 教育
(Re:)少女漫画の過激な性表現は問題? 抑えるも、完全回避は不可能
少女漫画の過激な性表現について、富山市の主婦(45)からメールがあった。主婦は、小学5年生の娘(11)のタンスの中で
見つけた少女漫画を読んで驚いた。観覧車の中や高校内での性行為や、強制的な性行為などの激しい場面、女性を冒涜するような
セリフが出てくるという。「漫画を作る人、売る人、見て見ぬふりをする大人、みんなが問題だと思います」
出版社はどんな考えを持っているのか。主婦が読んだ漫画を連載していた少女漫画誌の大手出版社編集長(47)に聞いた。
編集長は前提として、「恋愛は少女漫画の大きなテーマ。恋愛の延長上にある性行為のシーンを完全にシャットアウトするのは
不可能」と説明する。そのうえで、「指摘を受けた漫画は2年前に出版されたもの。現在は漫画家とも相談し、有害図書と判断される
可能性がある表現をなくしている」とする。
編集長も、10年前より少女漫画全体に過激な性表現が増えたことは認める。「子どもが性にかんする情報に触れる機会が増えた。
親も以前より口うるさくないこともあり、過激な表現に対する抵抗がなくなっている」と説明する。
日本雑誌協会は編集倫理委員会で、主に成人向け雑誌や漫画の性や暴力の表現について議論している。読者などから問題を
指摘された場合、必要ならば編集長に対し、行き過ぎた表現をしないよう注意を求める。
山了吉(やまりょうきち)委員長は「恋愛の自然な流れで、キスやSEXのシーンが出てくるのはある程度許容できる。ただし、
性技や強姦といった、性を興味本位で描くことは避けるようにしている」とする。そのうえで「現実社会にも、強姦やチカンと
いった事件があることは子どもも知っている。また、子どもであっても、漫画の中身はフィクションと認識し、現実との境は
わかっており、漫画の通りに行動して事件になることはまずない。もし、親が問題だと感じたなら、その漫画を材料に、親子で
話し合えばいいのではないか」とする。
倫理委員会が過激な表現を抑えるよう求めることができるのは、加盟社に限られる。また、少女漫画など未成年向けの雑誌のみを
対象にした組織はないという。(増谷文生)
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>>3の続き
読売新聞 2006年11月15日(水)朝刊 文化面
[つれづれ]同人誌を作ろう(2)
東京ビッグサイトで8月と12月に開かれる同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)」への参加も、すでに連続3回。
最初は体験取材として、一度きりのつもりで同僚記者と本を作ったのだが、なぜか病みつきになってしまった。
仕事もヒマなわけじゃないのに、どうかしてると思う。ついギリギリまで作業をしてしまうので、いつも完徹状態で
会場に臨み、体力的にボロボロ。休みを何日も潰して、家庭的にもボロボロ。丸一日声をからして、200冊売れれば上々。
黒字になったこともほとんどない。
じゃあ何でやるのか?
「楽しいから」と、もう一人の自分が答える。自分たちで作った本を、自分たちの手で売ることの原始的な喜び。
目の前で本を買ってくれた人に、「ありがとうございました」とお礼を言えるうれしさ。
よく作家がエッセーなどで「書店で自分の本を買う人を見ると、ドキドキする」と書くが、まさにそれだ。
もっとも、素通りされる悲しみも、思う存分味わうのだが。(汗)
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http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up149894.jpg 読売新聞 2006年11月16日(木)朝刊 文化面
[つれづれ]同人誌を作ろう(3)
高校の文芸部員だった1970年代半ばは、まだ部誌作りにガリ版を使っていた。最近はすっかり見かけなくなったが、
ロウ引きの原紙に鉄筆でガリガリと文字を書くもので、ザラ紙に印刷してホチキスで留めるだけ。コピーはまだ高価すぎ、
ワープロなど影も形もなかったころだ。
コミックマーケット(コミケ)に出す同人誌を作ろうとして、改めて驚いたのが、印刷事情の進化だ。インターネットで
調べれば、同人誌専門の印刷所がいくつも見つかる。表紙フルカラー、B5判50ページの本を300部作るとして、
1冊あたりの原価は250円ほど。200円を切る激安店もある。パソコンとワープロソフトがあれば、かなり立派な「本」が作れる。
コミケは漫画同人誌ばかりでなく、小説や活字主体のものもけっこう多い。「あなたの原稿を本にします」という
自費出版が一種のブームだが、書店売りにこだわらなければ、同人誌だって悪くない。コストははるかに安いし、
老後も長く続けられる趣味になると思う。 (汗)
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朝日新聞 2006年11月6日(月)夕刊9面
(惜別)マンガ評論家・米沢嘉博さん コミケという場、守り育て
「メジャー作品からB級、C級まで、日本一マンガを読んでいる人だった」。評論家仲間の呉智英さんはこう評す。
「少女」「SF」「ギャグ」に分けた「戦後マンガ史」3部作を80年代初めに発表、マンガや大衆文化について幅広い
評論活動を続けた。「戦後エロマンガ史」を雑誌に連載中だったが、7月に判明したがんが悪化、完結できなかった。
「資料を渉猟し、精密なデータを基にした初めてのマンガ評論を書いた業績は大きい。エロマンガ史も、文化史の
貴重な記録となったはずなのに」と呉さん。
マンガの、そしてアニメやゲームのファンにはもう一つ大きなものを残した。40万人以上が参加する同人誌即売会
「コミックマーケット」(コミケ)だ。その準備会代表を80年から務めた。
「参加したい人は可能な限り受け入れる、というのが米沢の方針。大きくするつもりはなくても、そうなっちゃった。
同人誌を売る楽しみ、買う楽しみを知っている人だから、そのための“場”を守ろうと思っていた」。仕事上のパートナー
でもあった妻の英子さんは話す。
2千人を超す大組織を背負ったが、いつもにこやかで、人当たりは柔らかかった。「イヤなことは全部ニンジンのせいに
してるから。だからニンジンが嫌いなの」と、米沢さんはとぼけた。
パロディーが多い同人誌は著作権問題というグレーゾーンを抱えるが、一方でコミケは、コスプレ、美少女、ボーイズラブ
(男性同士の恋愛)など新たな表現を発信し、世界にも広がっている。コミケ30周年を振り返り、米沢さんはこんな言葉を残した。
「趣味や文化、表現を通じて、世界がつながりあえるなら、もっと世界は幸せになるかもしれません」
通夜・葬儀の参列者はのべ4千人。出棺後、参道を埋めた人たちから拍手がわき起こった。まるでコミケ最終日の閉会時のように。
さびしさと感謝が入り交じった拍手だった。 (小原篤)
よねざわ・よしひろ 10月1日死去(肺がん)53歳 10月7日葬儀
【写真説明】今年8月、コミックマーケット終了後の反省会で話す米沢嘉博さん=コミックマーケット準備会提供
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デイリースポーツ 2006年11月12日(日)27面
総理夫人も 「男版・宝塚」 スタジオライフ 「吸血キャンペーン」 “腐女子”のメッカ東京・池袋の路上で
“男版・宝塚”として女性の間で人気を集める男ばかりの劇団「Studio Life(スタジオライフ)」が18日、
“腐女子”をはじめとする乙女たちのメッカとしても注目の東京・池袋の路上で、“吸血キャンペーン”を開催することになった。
12月7日から吸血鬼をテーマにした舞台「銀のキス」(北千住・シアター1010、17日まで)の上演を記念して、
“吸血鬼”たちが“献血”キャンペーンに一役買うことになったもの。場所は、男性同士の恋愛漫画や軍服姿などにあこがれる
“腐女子”が多く集まる通称「乙女ロード」にあたる、池袋東口サンシャイン通り口。「私も吸ってもらいたい〜」と吸血鬼ならぬ
耽美な美男子軍団に、“萌え”系女子が殺到?しそうだ。
ドラマ、映画に活躍する姜暢雄も劇団員として所属するスタジオライフ。熱心なファンの1人が実は、安倍晋三総理夫人の
昭恵さん。下関市出身の前田倫良を応援に何度も劇場に足を運んでいる。
【写真説明】“男版・宝塚”と注目の男だけの「スタジオライフ」。「血を吸って〜」と乙女も殺到か
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/economist/news/20061113-110355.html 『週刊エコノミスト』2006年11月21日号(11月13日発売) p.78
〔特集〕仕事に役立つ厳選サイト・ブログ
プロが見ているあのサイトこのブログ
萌え もはや文化となった「アキバ」 森永卓郎(経済評論家)
30歳代前半男性の半数がシングルになったいま、アニメなどのキャラクターに恋をする「萌え」は、すでにブームを
通り越して文化として定着し、国際的な評価も高まる一方だ。しかし、意外と萌えの実態は知られていない。
萌えの聖地といわれる秋葉原の日々のニュースを知るのに便利なのが「アキバBlog」(www.akibablog.net/)だ。
秋葉原の某ショップ元店長によるパソコンパーツ、メイドカフェ、ゲーム、同人誌、フィギュアなどアキバ系ネタが
日々5本程度蓄積されていく。
二つ目は、オタマップweb(www.otamap.com/)だ。こちらは大阪日本橋発で、大阪のオタク情報が中心になっている。
最終的にオタクポータルサイトを目指しているだけあって、メイドカフェ情報、イベント情報が豊富に掲載されているほか、
リンクも充実している。
三つ目は、女中珈琲店時報(mctimes.jp/)だ。メイドカフェをまとめて紹介するサイトは複数あるが、このサイトは
デザイン的に美しく、しかも一覧性があって見やすい。
また、メイドカフェのイベント情報も、頻繁に更新されているので、東京でメイドカフェに出掛ける前には、
必ずこのサイトをチェックしてから行かれることをお勧めする。
これらのサイトだけでもかなりのことはわかるが、「萌え」を本当に理解しようと思ったら、メイドカフェや
フィギュアショップなど同時に複数の店を実際に訪ねてみることだ。
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読売新聞 2006年11月17日(金)朝刊 文化面
[つれづれ]同人誌を作ろう(4)
同僚記者とコンビで作っている同人誌サークルは「直言兄弟」という。内容はアニメ評論、雑文、下手くそな漫画......。
お金を取るのが申し訳ないのだが、毎回印刷代だけでトントンなので、大目に見てほしい。
二人とも仕事の要領がよい方ではないので、いつもコミックマーケット当日に本を出せるかどうかのギリギリ。
原稿の遅さにイライラ、カッカして「アイツとはもう組まん!」と思ったことも一度や二度ではない。
が、ひとたび本ができてしまうと、イヤなことをすべて忘れて、また会場の東京ビッグサイトに来たくなってしまう。
一種の中毒である。こういう中毒患者が、全国に何十万人もいると推測する。コミケほどの規模ではないが、都内だけで
年間200以上の同人誌即売会がどこかで開かれている。漫画やアニメなど、世界に誇る日本のポップカルチャーを陰で
支えているのは、実はこうした同人誌文化の広がりではないか。
さて、12月のコミケに何を出すかを考えねば。ビッグサイトで会いましょう。 (汗)
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http://www.sankei.co.jp/local/saitama/061117/stm000.htm 産経新聞 2006年11月17日(金)
「助けて」数回悲鳴 女性刺殺 ベランダから逃走?
川越市諏訪町の閑静な住宅街で16日夕、発生した殺人事件。殺されていたのはマンション2階に住む
職業不詳の女性(57)と見られている。付近の複数の住民が甲高い女性の悲鳴を聞いている。
川越署によると、女性はスカートにシャツ姿で玄関近くの床の上でうつ伏せの状態で倒れていた。
着衣に乱れはなく、首に絞められた後はあったが、そのほかに目立った外傷はなかった。
玄関の鍵は開いていたが、チェーンがかかっっており、犯人は犯行後、ベランダ側のサッシ戸から
逃走したと見られる。
現場は東武東上線の新河岸駅から徒歩15分の住宅街。同じ階に住む男性(34)は「交流はなかったので、
どんな人かも分からない」と青ざめた表情で語った。
数回にわたって悲鳴を聞いたという女性会社員(30)は「夕方6時過ぎ『助けて』という声が聞こえた。
甲高い声だったので、若い人がふざけているような声かなと思った」と振り返った。
また、現場から約30メートル離れた自営業の男性(27)は「2日前の午後9時ごろ、若いオタク風の男が ←
『バカにしやがって』と叫びながら付近をうろうろしていた。何かのトラブルかと思った」と話していた。
朝日新聞 2006年11月18日(土)夕刊3面
(ふたつのMを追って マンガと村上春樹:1)北欧に響く「かめはめ波」
ストックホルムの書店で目を疑った。
「MANGA」と書き込まれた大きな丸い紙。その下の棚に「ONE PIECE」「NARUTO」「犬夜叉」など、
日本の人気マンガのスウェーデン語訳がずらりと並んでいる。
スウェーデンでは00年春、「ドラゴンボール」が翻訳された。最初はゆっくりとした売れ行きだったが、
02年ごろから急に伸びて、現在4巻で120万冊出ている。人口が908万人の国としては大きな数字だ。
出版したのは19世紀に創業された名門出版社ボニエール・カールソン。同社が発行した日本マンガは現在、
「ケロロ軍曹」など15シリーズ、230万冊になった。月刊マンガ誌も2種類。今や同社の売り上げの15%をマンガが占める。
この成功に、他の3社がマンガ市場に参入してきた。
ボニエール・カールソンの担当編集長、アンナ・エークストロムさんによれば、ノルウェー、デンマークなど
北欧全体で同じようにマンガ人気が広がっている。
当初は、親や教師から暴力や性の表現に警戒の声もあったが、翻訳作品を選んだためか、今は公立図書館にも
置かれている。「こんなに子どもたちに愛されるなんて、私たちも驚いています」
エークストロムさんは12年前、交換留学で日本に行き、高橋留美子のファンになった。「イメージと文字を
組み合わせたマンガは、子どもが物語になじむいい窓口になります」
「ほら、これを見て」と渡されたのは、女の子が乗った馬が空を駆ける表紙をつけた文庫本だ。ところどころに
数ページのマンガがはさまっている。
「この国の女の子の夢は馬を飼うこと。馬のマンガがないかと日本に問い合わせたら、競馬しかないっていう。
それで、スウェーデンの作家と画家に依頼して、物語とマンガを組み合わせたんです」
マンガの描き方の本を出し、新人賞も始めた。日本語に関心をもった子どものために、マンガで漢字やかなを
学ぶシリーズも翻訳している。
翻訳者シモン・ルンドストロムさん(32)は、スウェーデンのオタク第1世代だ。子どものころ、夏休みを過ごした
フランスのテレビで日本アニメの魅力を知った。大学生のときに同好の仲間と研究会を作った。日本には2度、留学した。
「スウェーデンで日本アニメに人気が出始めたのは90年代末。マンガも最初は、日本からきた特殊なものと
受け止められていたが、普通の本屋に並んだことで一般に広がった。アメリカのコミックに比べて文学的で
キャラクターに魅力がある」
この人気は、日本の生活や若者文化への関心につながった。イエーテボリ大学博士課程に留学中の佐藤吉宗さん(28)は、
ヨンショーピン市の市民講座で日本語を教えている。今春、生徒の高校生から「貸してあげる」と渡されたDVDは、
TVドラマ版「電車男」だった。
「日本の情報を、インターネットでほぼ同時に手に入れている。カワイイという言葉はもちろん、ビジュアル系、
ゴスロリ(ゴシック・ロリータ)など、日本の流行をよく知っています」
ストックホルム大学では今年、これまで60人ほどだった日本語クラスに、希望者全員を入れたら180人になった。
かつては経済に関心のある学生が多かったが、今は日本の若者文化にあこがれる。髪を黒く染めた学生もいるという。
パリやベルリンの書店ではMURAKAMI(村上春樹)の小説が平台に並び、MANGAコーナーでは立ち読みの姿が見える。
ふたつのMに象徴される日本の感性が、世界の若者に浸透している。その向こうにどんな未来が見えるだろうか。
(編集委員・由里幸子)
【写真説明】エークストロムさん/ボニエール社で出しているマンガ/ルンドストロムさん
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http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/cinema/topics/20061118et01.htm 読売新聞 2006年11月18日(土)東京夕刊4面
今敏監督のアニメ映画「パプリカ」 理解不能でも楽しい
◆「不快な隣人との共存」テーマ忍ばせ
今年のベネチア国際映画祭で絶賛されたアニメーション映画「パプリカ」が、25日から東京のテアトル新宿などで公開される。
「千年女優」などで高い評価を得てきた今敏(こんさとし)監督は、「映像イメージでどのぐらい面白いものが出来るのかを
考えて作った。それを味わってほしい」と語る。(津久井美奈)
原作は、筒井康隆のSF小説。他人の夢を共有できる装置が盗まれ、夢を侵食された研究者らの精神が侵される。
開発した女性セラピストが、夢探偵パプリカとなって解明に動く――。夢と現実、意識と無意識が混在するサスペンスだ。
ベネチアのコンペティション部門に出品されたのに続き、米アカデミー賞長編アニメ部門のノミネート対象作にもなっており、
海外メディアからの取材も相次いでいる。
こうした周囲の熱狂に対して、監督本人は至って冷静だ。何より、「自分で何を作ったのか、まだ分かっていない」からだ。
「見る度に、頭を抱えたり、結構やるねと思ったり、落差が激しい。これまでは物語が主だったが、今回は映像。
描いた私自身は、なかなか映像で驚けない。見た人がどう受け止めたのかを、取材で確認しています」と笑う。
映像で魅了することを目標にした分、制作は困難を極めた。
「これまでは設計図をひき、綿密に計画を立てて作業を進めたが、今回は設計図となるシナリオはあったものの、
夢的な展開を映像化するには、どうしても連想で作り上げていく必要があり、予定が立てられなかった。
予想していなかった面白さはあったが、作業的には厳しかった」
人形や冷蔵庫、鳥居、自由の女神までがパレードする圧巻の悪夢シーンは、画面を埋め尽くす物を一つ一つ描いて埋めていった。
こうして「ほふく前進」で完成させた作品には、相対する価値観の共存というテーマを込める。
「不快な隣人であっても、共存の方法を探さない限り、(戦いという)同じことを繰り返す。『9・11』以降、多くの人がそう感じ、
一色に染まる危険性を感じている。混じり合うことは無理でも、共存できるバランスを探せないものか、という思いを忍ばせた」
それを声高には訴えないところに、映像作家としての信念を感じさせる。
「理解することが正しい、みたいなのは嫌いなんです。理解できなくても楽しいものはある。今度の作品も、ぼーっと見てほしい」
と、笑顔で語った。
写真=パプリカ(右)は、他人の夢に侵入してきた悪夢に入り込む
写真=「150人のうち10人ほどから、意味が分からないけれど面白かったと言われた。安心しました」と笑う今監督
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http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20061117c3d1701317.html 日経 2006年11月18日(土)【中部】
トムス、東京に6億円投じアニメ制作の新棟
アニメ制作大手のトムス・エンタテインメントは、テレビ番組や映画向けのアニメ制作を強化する。東京・中野に編集スタジオ
などを備えた新棟を6億円を投じ建設するほか、来春、新作3番組をテレビ放映する。国内のアニメ市場は飽和状態にあるため、
同社の人気商品「それいけ!アンパンマン」「ルパン三世」などに続くヒット商品を制作し、国内外で販売を伸ばしたい考え。
アニメのデザインや編集作業を行う新棟は来年2月、東京・中野に完成させる予定。4階建てで敷地面積は369平方メートル。
土地・建物で6億円を投じる。
現在、周辺に自社の建物のほかマンションの1室を借りるなど計10カ所程度の編集拠点が点在する。作業の効率化向上を目指し
新棟にスタッフを集約する。アニメを一コマずつ手で描いたり、パソコンを使いキャラクターの色や動きを編集したりといった
様々な作業を1カ所でできる拠点にする。
新作の3番組は、中高生に人気のある漫画のアニメ化が中心。
中日新聞 2006年9月5日(火)朝刊15面
學生之新聞 第265号 世界見て歩き シンガポール 異人種、文化が混合
昨年九月、シンガポールの友人宅に泊まった。中国系シンガポール人のサンドラ・ユー(22)。
その三カ月前、彼女が名古屋に旅行にきていた時、大学の留学生を通じて知り合った。ピンク色が大好きで、
ディズニー好きという共通点もあり、すぐ打ち解けた。
シンガポールは中国系やマレー系、インド系などいろんな民族が共存している。公用語は英語と中国語を主に、
マレー語、タミール語など。
サンドラが通う大学を訪ねた。学生も国際色豊か。ヒンズー教徒の学生もいれば、イスラム教徒の学生もいる。
いろいろな宗教の学生がいるため、学食も驚くほど種類が豊富だ。学生は皆、テラスや食堂でパソコンを駆使して
リポートを書いたり、議論したり、勉強熱心で感心した。
せっかくだからと、授業を受けてみた。科目は「JAPANESE COMICS MANGA」。英語の授業は半分くらいしか理解
できなかったが、「日本の社会問題が、マンガに象徴されている」といった内容だった。
日本が生んだ文化であるコスチューム・プレイや原宿のコスプレーヤーの写真が紹介され、終始私には笑いの「ツボ」
だった。コスプレーヤーのメイクの仕方などを、教授が真剣に講義していたのには、思わず噴き出してしまった。
「アニメ研究会」の部室には、少女コミックからドラえもんのアニメビデオまでなじみの作品が並ぶ。純日本製
コミックの裏をみると、日本の古本屋の値札シール。「先生が日本に行ったときに大量買いしてくるの」だそうだ。
学生同士の言語は交ぜ交ぜ。さっきまで英語で話していると思ったら、急に中国語が飛び出し、また英語に戻る。
家族だんらんでも両親とは中国語、兄弟は英語と使い分けている場合もある。もっとも、若い人の間では英語が
ポピュラーなようだ。日本語だけで育った私には、彼女らの頭の構造に驚かされるばかりでユニークな体験だった。
資源や食料を輸入に頼っていること、教育熱心で子供がテストに明け暮れストレスを抱えていることなど、
日本に似ている部分も多いが、異人種、異文化が交じり合った暮らしぶりは新鮮だった。高層ビルにサリーの女性、
独特の帽子をかぶったシーク教徒のおじさん、キャミソールにミニスカの女の子、そして背広のビジネスマン。
一見、異種の組み合わせだらけ。しかしそれが日常であるこの国が大好きになった。(中京大4年 谷崎珠子)
中日新聞 2006年11月1日(水)朝刊15面
京都国際マンガミュージアム 25日開館 日本文化MANGA発信 4万冊自由に閲覧 30万点収蔵の予定 初の総合的研究拠点に
京都市の中心部に11月25日、国内初の総合的なマンガ研究施設「京都国際マンガミュージアム」がオープンする。
古都にマンガ−。一見不釣り合いな組み合わせだが、京都はマンガの起源とされる鳥獣戯画絵巻が伝わる“マンガ発祥の地”。
古今東西のマンガを収集、分析し日本文化としての「MANGA」を世界にアピールしようという、壮大な物語の1ページが開かれる。
(関口威人)
いにしえの薫り漂う京都市中京区。京都御所や二条城からもほど近い烏丸通沿いに、整備中のマンガミュージアムが全容を現している。
一八六九(明治二)年に建てられ、少子化などの影響で廃校となった旧龍池小学校を改築。アーチ窓などのモダンな建物の面影は
残しつつ、内部には大小五つのギャラリーや多目的映像ホールなどの最新設備をつくる。一階から三階の各通路には総延長
約百四十メートル、高さ二−三メートルの書架を設置。「マンガ本の壁」と称して、約四万冊のマンガを自由に閲覧してもらう。
収蔵資料は開館時に約二十万点、二年後には三十万点に達する予定で、まさに「マンガづくし」の圧巻の光景が話題となりそうだ。
●データベース化も
「でも、巨大なマンガ喫茶ではありませんよ」。同ミュージアム準備室の研究員表智之さん(37)はくぎを刺す。施設の機能は
マンガの歴史文化や著作権などの研究、各種資料のデータベース化、人材育成と新産業創出、マンガを通した国際交流−と幅広い。
表さんによると、近年日本のマンガやアニメが海外から注目される一方で、作品の保存や研究拠点の整備が関係者にとって課題
だった。二〇〇一年、日本マンガ学会の設立をきっかけに施設建設の機運が盛り上がり、前年に国内初のマンガ学科を開設していた
京都精華大学や京都市が官学の共同プロジェクトとして検討し始めた。
〇四年の京都市長選でマンガミュージアム開設を公約とした桝(ます)本頼兼市長が再選。「マンガ文化の持つエネルギーを
京都の都市戦略として積極的に活用したい」として、総工費約十億円をかけて整備した。
収蔵品は一八七四(明治七)年に日本人が刊行した最初のマンガ雑誌とされる『絵新聞日本地(にっぽんち)』や、一九〇七年に
創刊された日本初の子どもマンガ雑誌『少年パック』、日露戦争中に政治家の似顔絵を描いた風刺的な雑誌など、明治期からの
貴重な資料ばかり。終戦直後に「赤本」と呼ばれていたマンガ本は印刷業者が取次店を通さず直接流通させていたとみられ、
作家名はないが、ターザンや恐竜を描いたSF風の物語もあり、現代マンガの原形とも読み取れる。
●貴重な資料ずらり
これらのうち二万点以上を個人で寄贈した、漫画・風刺画研究家で帝京平成大教授の清水勲さん(67)は「ここ十年ほど、
特に海外の研究者から日本の昔のマンガを見せてほしいという要望が多くなり、個人で抱えるより公的な施設で保管してもらう方が
いいと思った。マンガを芸術の一分野として、これを契機により多くの人に研究してもらいたい」と話す。
一方、現代マンガは流通量が膨大で、しかも過剰な暴力や性表現がしばしば問題にされる。「公立」の施設でもあり、こうした
表現をどこまで受け入れるかが試されそうだ。
表さんは「重要な文化であることに変わりはなく、成人向けも含めて集めたい。『少年ジャンプ』や『少年マガジン』も創刊号から
すべてそろえるつもりだが、公開するかどうかは別の問題」とする。清水さんも「過激なものも含めてマンガとはこういうものだと
割り切り、あらゆる表現を認めてほしい」と注文している。
開館時間は午前十時から午後八時、水曜定休(祝日の場合は翌日)。一般五百円、中高生三百円、小学生百円。
オープン前日の二十四日午後二時半から、同区の金剛能楽堂で開館記念フォーラムがあり、アニメ映画監督の高畑勲さんらが参加する。
問い合わせは、同ミュージアム準備室=電075・254・7455=へ。
http://bethnet.jp/pc/ 隔月刊『Beth(ベス)』Vol.1(2006年11月8日発売)
講談社 サイズ:A5判 ページ数:286 ISBN:4-06-024616-6 定価(税込):560円
誕生! 女の子のための漫画×カルチャー誌
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http://www.kitanippon.co.jp/contents/knpnews/20061119/1453.html 北日本新聞 2006年11月19日(日)
両さん2号 亀有“着任” 高岡銅器の技術で制作
高岡市の竹中製作所(竹中伸行社長)が制作を請け負った、人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(通称こち亀)
の主人公「両さん」こと両津勘吉巡査長の法被姿の等身大銅像が十八日、東京・葛飾区のJR亀有駅南口に設置された。
作者の秋本治さんと、アニメで両さんの声を担当したラサール石井さん、銅像の原型を制作した射水市の彫塑家、
丸山幸一さんらが除幕した。
亀有地区商店街協議会がまちおこしに役立てようと企画し、同駅北口の制服姿の銅像に続き二体目。前回同様、
高岡市内で鋳造、着色されるなど、高岡銅器の技術で制作された。
今回は躍動感を出すため、ねじり鉢巻きで威勢良く両手を上げている法被姿の両さん像で、高さ百六十三センチ、
重さ約二百七十キロ。除幕式で秋本さんらが「北口ではまちを守り、南口では活気を与えようとお祭りの姿にした。
大人から子どもまで元気を与えることができればいい」と語った。
「こち亀」は週刊少年ジャンプ(集英社)に掲載され、今年、連載三十周年を迎えた。単行本は計百五十二巻に達する
超ロングセラーとなっている。
35 :
無なさん:2006/11/21(火) 10:10:43 ID:???0
>>2の続き
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20061121bk04.htm 読売新聞 2006年11月21日(火)朝刊 文化面
【ライトノベル進化論】(下)「良質な青春小説」のような…?
「ライトノベル」という和製英語は、1990年代初め、SFやファンタジー小説ファンが集ったパソコン通信の電子会議室から
生まれた。名付け親は、同会議室のシスオペ(管理人)を務めた神北恵太さん(45)。「70年代に創刊されたコバルト文庫や
ソノラマ文庫の少年少女向け小説について、ひとくくりにできる新しい名前が必要だと考えた」と振り返る。漫画のように
スピーディーな「コミックノベル」、あるいは「ニート(Neat)ノベル」などの案も考えたが、結局「軽やかな=ライト」に
落ち着いた。「『オレの作品は軽くない』と言う作家もいましたが、ライトだから価値が低いという意図はなかった」と神北さん。
この言葉が本格的に注目されるようになったのは、2004年8月、日経BPムック『ライトノベル完全読本』が出て以降だ。
その後、各社からライトノベル関連書やムックが続々と刊行された。「ライトノベルを知らないオジサン読者をターゲットに
したのに、若い読者もこういう解説本を待っていたようだ」と、『完全読本』の執筆者でもある文芸評論家の細谷正充さんは語る。
「ライトノベルにも、きちんと書評の対象になるべき作品が多くある。その機が熟しつつあるということではないか」
桜庭一樹や橋本紡(つむぐ)など、ライトノベルと一般文芸を並行的に書く作家が増える一方、ライトノベルって何?と
いう定義はますます難しくなっている。「現代的な口語体で書かれていること」「キャラクターが『立って』いること」
「ライトノベルのレーベルから出ていること」――どれも部分的に当たっているが、完全にはしっくり来ない。
まったく別の視点から、「ライトノベルとは、書き手と読み手との『文化的共通体験』にこそ原点がある」と指摘するのは、
『ライトノベル☆めった斬り!』(太田出版)の共著者で書評家の三村美衣さんだ。ライトノベルの発生と進化は、70年代以後の
アニメ・漫画文化と切り離して考えられない。ライトノベル作家も読者も、上限は40代くらいの世代まで広がっている。
先の神北さんによれば、「表紙イラストや挿絵が本文と同じくらい売り物になるライトノベルは、小説の一ジャンルというより、
メディアミックス的な新しい表現形態」なのだという。
では、ポップカルチャーとしてのライトノベルの未来は。ライトノベル作家で、『ライトノベル「超」入門』(ソフトバンク新書)
を書いた新城カズマさんは、「既存のライトノベルと一般文芸の間に、もう一つ別の層が現れつつある感じがする」と分析する。
「僕は『ゼロジャンル』と仮に呼んでいますが、それは普通の『良質な青春小説』かもしれないし、そうでない別のものかも
しれない。多様化の一方で、大きな変革期ではあると思います」(この連載は石田汗太、佐藤憲一が担当しました)
【写真】「ライトノベル」という言葉を定着させた各種解説本やムック。
ここ2年あまりで10点前後も刊行された。表紙もライトノベル的
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>>22の続き
朝日新聞 2006年11月20日(月)夕刊3面
(ふたつのMを追って マンガと村上春樹:2)鴎外本、表紙は谷口ジロー
フランスでは今、日本文学の翻訳がちょっとしたブームだ。
パリ・モンパルナスの書店。日本文学コーナーの平台には三島由紀夫や村上春樹の小説の横に、高見広春「バトル・ロワイアル」、
獅子文六「自由学校」、森鴎外「青年」が並ぶ。「青年」の表紙の絵は、漫画家谷口ジローの描く、はかま姿の書生。
現代のエンターテインメントも昭和文学も明治文学も、ここでは同列で新刊ほやほやだ。
パリ第7大学のセシル・サカイ教授によれば、戦前、日本文学の仏訳は珍しかった。60年代でも三島、川端康成、谷崎潤一郎
ぐらいだった。
それが80年代半ばから変わった。アジア関係の出版社ピキエが現代文学に積極的に取り組んだのをきっかけに、読者の中で
「日本文学」の位置づけが変化した。90年代からは、小川洋子、村上春樹、村上龍が、日本文学好きの読書人の枠をこえ、
普通の読者に読まれるようになった。
「中でもハルキは、この数年でブランド化しています」。02年、派手な広告で知られるベルフォン社に翻訳権が移った。
「将来のノーベル文学賞受賞者」と力を入れてPRしており、今年出した「海辺のカフカ」は日本文学としては破格の7万部を超えている。
明治から現代まで地道に目配りしているのは、05年春に始まったロシェ社の「日本選書シリーズ」。林芙美子「浮雲」に始まり、
吉行淳之介「夕暮まで」、梅崎春生「幻化」など。谷口ジローが表紙の「青年」はこのシリーズだ。
編集責任者は、パリ日本文化会館図書館で司書をしているラシャ・アバジェットさん。シリア出身。小さいころから文学好きで、
仏語、アラビア語、英語でさまざまな小説を読んだ。たまたま谷崎の「富美子の足」を読み、美に対する感性が研ぎ澄まされた
社会にひかれて、日本語と日本文学を学んだ。
「林の『浮雲』は1950年ごろの小説ですが、男女の心理に、現代にも通じる深い洞察がある。日本文学を新発見する読者は多いですよ」
谷口ジローを鴎外の表紙に使ったのは、若者の目をひく狙いだ。「今の若者はマンガを通して日本のことをよく知っているんです」
BD(バンド・デシネ)と呼ばれる独自のコミックの伝統があるフランスは、世界でも有数の日本マンガ市場だ。
90年代はじめの「AKIRA」、続いて「ドラゴンボール」の大ヒットで急激に成長、この数年も大きく伸びている。
日本貿易振興機構によると、フランスの出版社協会が集計した日本マンガの売上高(卸値ベース)は、03年の1814万ユーロ
(約27億円)から05年は4695万ユーロ(約71億円)となり、部数は1300万部を超えた。一方、BDは約1.5億ユーロ(約230億円)、
3300万冊弱という。
最近は青年マンガへと広がっており、「ブラックジャックによろしく」「藍より青し」など、タイトルも作者名も日本語の
ままの表紙も増えている。
70年代から日本アニメを見て育ち、90年代からマンガに親しんだ世代が、日本文学ブームの背景にある。
翻訳家の数も増えた。欧米の翻訳料は日本より低くて、文学の翻訳だけでは暮らしにくい。だが、マンガの翻訳で生活費をかせぎ、
好きな小説をじっくり訳す、という話も聞いた。
地下鉄に乗った。前の座席の、30代半ばの女性が何か熱心に読んでいる。少女マンガの「フルーツバスケット」だった。
14歳の娘に教えられて、ファンになったという。子どもの流行は、親の世代にも浸透し始めた。
19世紀のジャポニスム人気は、アール・ヌーボーを生んだ。この新ジャポニスムは、何を生むのだろうか。(編集委員・由里幸子)
【写真】書店のマンガコーナーでは青少年が日本マンガに夢中だ=パリ近郊、フナック書店のラ・デファンス支店で、中島さおり氏撮影
セシル・サカイ教授/アバジェットさん
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>>37の続き
朝日新聞 2006年11月21日(火)夕刊3面
(ふたつのMを追って マンガと村上春樹:3)新旧東西 混在が人気
ベルリンで、日本のポップカルチャーの専門店を訪ねた。「NEO TOKYO」。マンガ、アニメのDVD、JポップのCDなどがいっぱい。
店員に一番人気のマンガを聞くと「NANA」だった。「男の子はアニメファンが多く、マンガは女の子が多いんだ」
居合わせた実習生シーラさん(18)、高校生ナディンさん(16)。それぞれに好きなマンガを聞くと、シーラさんは「ちょびっツ」、
マリアさんは「NANA」、ナディンさんは「オセロ。」。Jポップは「カゲロウ(蜉蝣)」「ムック」の名が挙がり、よどみがない。
残念だが、私の全く知らないグループだった。
小さいときから日本アニメに親しんできた世代は、異文化にオープンだ。知っている日本語を聞くと、今や世界共通語になった
「カワイイ」「ビジュアルケイ(系)」のほか、「ミヤビ(雅)」「ミヤコ(京)」などを挙げた。
「日本の現実の女の子は社会的な制約があって大胆なことができないから、マンガで自由に願望を満たすのではないのかしら。
マンガのようにかわいいポーズで、いつも『ふふふ』と笑ってはいないだろうし」。冷めたことを言いながら、
「古い伝統と新しいものが混在しながら、若者が新しい流れを作っているニッポンに行って見たい」と口をそろえる。
ドイツのマンガ市場も急激に伸びている。6対4ぐらいで女性ファン主導といわれ、ボーイズラブものも交わる。
マンワ(韓国マンガ)もよく売れている。
日本の小説はここ数年、桐野夏生、大沢在昌、東野圭吾らのミステリーが翻訳された。しかし、フランスのように日本文学
全体への興味にはつながらず、村上春樹だけが突出して爆発的ともいえる人気だ。どこの書店でも、ドイツの人気作家と同等に
扱われている。
南ドイツ新聞の文芸評論家ローター・ミューラーさんは「自分たちのような1950年代生まれには、日本といえば黒沢明の映画や
三島由紀夫の小説だった。それを変えたのが村上だ」と語る。
「それまでの日本人のように西欧的な文化におそれや遠慮がない。一方で、日本社会をみつめた『アンダーグラウンド』のように
日本とつながっている。西でもあり、同時に東でもあって、『文明の衝突』の対極にある。これは、現代の世界が渇望しているもので、
村上は世界の作家だ」と評価する。
ベルリン自由大学のイルメラ・日地谷キルシュネライト教授は「村上の物語は何かが起きても、解決しないまま異界に移って
遊びのように漂う。その軽さやあきらめのよさが、意外性もある楽しい物語として受け止められている」。
村上作品は、他の国では「孤独な若者が共感」という反応が圧倒的だが、ドイツでは普通の中年読者も多く、恋愛小説作家と
思い込んでいる人もいるようだ。
「NEO TOKYO」で会ったマリアさんは「スプートニクの恋人」を読みかけたが、あとの2人は関心がなさそうだった。
ふたつのMの人気はバラバラで、フランスのような共振現象は起きていない。「文化的なブームは日本から中国とインドに移っている」
とミューラーさん。
「ドイツ語圏における日本学」というシンポジウムが最近、ボンで開かれた。その文学分科会では、大江健三郎、中島敦、
大庭みな子、村上春樹と並び、漫画家水木しげるの「異界」についての報告があった。
「純文学だけでは、もはや日本文化をとらえられない。ポップカルチャーの影響が強いJ文学への変化が90年代に日本で騒がれた。
その波がようやくドイツに到着した」。フランクフルト大学のリゼット・ゲーパルト教授は、そう考える。(編集委員・由里幸子)
【写真】ドイツではマンガは女性ファンが多い。「NANA」が好きなマリアさん(左)は、マンガの登場人物のようだった
ミューラーさん/日地谷キルシュネライト教授
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>>38の続き
朝日新聞 2006年11月22日(水)夕刊3面
(ふたつのMを追って マンガと村上春樹:4)世界に根付く自己表現
「うちの学生に、マンガ家がいる」。フランクフルト大学日本学科のゲーパルト教授から教えられ、ドイツ学術交流会の
奨学生として先月まで来日していたクリスティーナ・プラーカ(23)に、東京で会った。
05年春にドイツで出版された「YONEN(幼年) BUZZ」は、日独ハーフの主人公らは東京の若者4人によるロックバンドを描く連作だ。
これまでに2巻出て、フランスやアメリカでも翻訳されている。
フランクフルト近郊生まれで両親はギリシャからの移民。11歳で、テレビアニメ「アタックNo.1」に夢中になった。
14、15歳のころ、日本のマンガが翻訳され始めた。元々、絵を描くのが好きだったが、自分の表現手段はマンガだと考えた。
「アニメやマンガを通して見た日本人は何事にも一生懸命で、一つの目標に向かって集団で協力するところが素晴らしい。
私には新しい世界でした。ギリシャ人はのんびりしていて、ドイツ人は個人主義だから」
数ヶ月間の滞在で、日本の友だちもできた。「でも、長く日本にいると、あこがれと現実の違いが見えてきた。
ドイツを舞台に、ドイツ人が登場するマンガを描いてもいい、と思うようになりました」
ドイツのマンガ家は女性がほとんどで30人ほど。マンガファンの主流が女性になったのは、ドイツには少女の感性に向き合う文化が
あまりなかったからという。90年代末に、マンガ「セーラームーン」が入ってきた時、「学校でのストレス、ボーイフレンドとの
交際の悩みなど、こんなにも自分たちをわかってくれるものはないと思った」。
フランス文学者の鹿島茂さんによると、マンガは「読者の要求に作者が応える相互的な物語世界」だ。
「物語がどんどん密度を濃くする一方で、そうした世界で育った人間が、ある時からマンガで自己表現するようになる」。
日本でコミックマーケットを栄えさせた構造だが、それが世界に広がりだした。
ドイツやアメリカなどでマンガの事業展開をしているTOKYOPOPの東京本社ジェネラルマネージャー松橋祥司さんは
「アメリカではすでに焼く100人のマンガ家が生まれた」と説明する。同社は海外のマンガの日本語訳をインターネットで
売り始めた。「国や言語でマンガ家を分け隔てはしない。描きたいという欲求が強いのであれば、機会を与えたい」
フランスでは、同国独自のコミック、BD(バンド・デシネ)の作家もマンガを意識するようになった。
BD作家が結成した出版社ラソシアシオンの宣伝担当、セリーヌ・メリエンさんは「うちは自己表現としての作品を手がけている。
マンガは商業的すぎる」と前置きし、「他社の若い作家には、感情表現が激しく、背景を描き込まずに余白を生かすなど、
マンガの影響が見え始めた」と批判的に語った。
文学では、「村上春樹チルドレン」と呼ばれる作家たちが韓国、中国、イギリス、ウクライナなどで次々に登場している。
シンプルな言葉と表現を重ねて「シンプルでない現実を描く」という手法は「読みやすいのに内容は深い。まるでカフカのようだ」
(フランスのベルフォン社担当編集者フランソワーズ・トリフォーさん)。新鮮な物語が、表現意欲を刺激するのだ。
ロシアでの圧倒的な村上人気を知る東京大学の沼野充義教授は「ヨーロッパの知識人が好む批判的なスタンスが弱いので、
知識層での評価はまだ低い。だが、文学のとらえかた、いわば『ゲームのルール』そのものを変える潜在的な力をもっている」とみる。
同じように「ゲームのルール」を変える力をもつ海外のマンガ家が、登場するのだろうか。 (編集委員・由里幸子)
【写真】「日本でも本になったら、最高!」と夢を語るドイツのマンガ家クリスティーナ・プラーカさん=東京都内で
ドイツの少女マンガ誌「DAISUKI」。日本的な少女感覚があふれている/セリーヌ・メリエンさん
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http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061122i506.htm 読売新聞 2006年11月22日(水)夕刊
25日 京都に総合博物館 海賊版まで!まんが20万点(各国語版「ドラえもん」など収蔵、まんが博物館開館へ)
全国初の総合まんが博物館「京都国際マンガミュージアム」が25日、京都市中京区にオープンする。
市と京都精華大が開設。収蔵品は、「ドラえもん」のアジア各国での翻訳本や米国版「少年ジャンプ」
などを含め約20万点を誇る。海外の大学との連携も始まり、まんがを通じた国際文化交流に乗り出す。
館長には、「バカの壁」などの著書で知られる解剖学者、養老孟司・東京大名誉教授(69)が就任する。
旧龍池小学校校舎を増改築した3階建て延べ約5000平方メートル。総延長140メートルの書架に4万冊が並ぶ
「マンガ本の壁」がミュージアムの顔になる。
「お宝」蔵書の一つが、世界各国の日本まんがの現地版。オーストラリアのチャイナタウンで販売されていた
中国語の「名探偵コナン」、手塚治虫さんの「ジャングル大帝」フランス語版、ドイツ語で出版された日本の
少女コミック集などで、収集には、豪・モナシュ大日本研究センターや独・ライプチヒ大が協力している。
展示のほか、近世思想史や美術史などを専攻する研究員4人がまんが文化の研究にあたる。
「ドラえもん」のほか、欧州で親しまれている「クレヨンしんちゃん」のスペイン、フランスなど4か国の本が
取り寄せられた。伊藤遊研究員(32)(民俗学)は、「各地でどう楽しまれているか、分析したい」と意気込んでいる。
漫画家の牧野圭一・京都精華大マンガ学部長は「政治、経済から、料理、スポーツまで、まんがには現代日本が
凝縮されている。それを自在に読みこなす日本の読者が文化を作り上げてきた。日本のまんがを世界に発信していきたい」
と話している。
【写真】各国語訳で出版されている「ドラえもん」(京都市中京区の京都国際マンガミュージアムで)
誌面画像
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42 :
無なさん:2006/11/23(木) 11:20:32 ID:???0
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/qanda/consul/20061117wn02.htm 読売新聞 2006年11月17日(金) 教育Q&A
性描写の多い本に走る中2の娘 千葉県、女性
中学2年生の長女は、小学校の時から図書室の本は読み尽くしてしまうほどの本好きでした。中学校に入って毎月あげるように
なったお小遣いもほとんど本しか買ってきません。「いい趣味を持てて良かった」と安心していて本の内容を全く確認していなかった
のですが、1年ほど前、実は半分以上がボーイズラブものの小説だったことがわかりました。本の表紙は少女漫画のようにカラフルで
可愛らしい絵ですが、中身には男の子同士の性描写がたくさん出てきます。始めは「興味半分で買ってしまったんだろうけどこれは
中学生が読むものではないのよ。判断力がつく年頃になる前に手を出さないで欲しい」と話して、本人も納得していました。
でも3か月後、ベッドの下から今度は小説のほかに漫画もでてきました。絵は少女まんがタッチで綺麗なのですが、絵になる分
リアルで本当にびっくりしました。それからも長女は本を買ってきて、それを見つけては話し合い、買わない約束をするのを何度も
繰り返しています。本人に「どうしてなの」と問いただすと、「買って後悔するのに、買うときはもう何でもいいやと思ってしまう」
と言い、「学校でイライラすると買いたくなる」と言うのです。
長女のイライラの主な原因は、入っている吹奏楽部かららしいのです。同級生に「ちゃんとやろうよ」と言うとけむたがられる。
クラブを休む事なく練習しているのにレギュラーから落ちてばかり……などです。そのたびに、そういう本に走ってしまう娘を
どうしたらいいのか。そして今まで何十冊と読んでしまった影響はどうでてくるのか。父親にも相談できず悩んでいます。
NPO法人フリースクール札幌自由が丘学園代表 亀貝 一義
男も女も異性に対する関心を強くもつことが成長したことの証拠です。人間として一人前になっていくことを示しています。
しかし10数年前までは性的な関心の持ち方表し方は男女で明らかに異なっていました。今では、中高生が男女でお互いに性に
関係する話をしていることは珍しいことではありません。
だから女の子がどういう性的関心の持ち方表し方をしても「悪い行為=他人に被害を与える行為」でなければよしとしなければ
ならないとすら思っています。
ただ現在の日本のいわば退廃的といってもいい世相に抗議の声をあげていく必要はありますが。(あなたのいう性描写の本と
いうのは、少女むきのもので俗にいう男性用エロ雑誌やエロ小説ではないのですね)。
私は、性描写が著しい書物を好んだからといって、直ちに否定的な影響が出るというのは杞憂だと思います。世の中には
性犯罪を犯した人がたくさんの性的な書物やビデオなどを持っていたことが報道されますが、エッチな本やビデオは大なり小なり
多くの人が持っています。娘さんが恋愛雑誌や恋愛小説を買い求めて読みふけることを、お母さんと客観的に話し合えるというのは
すばらしいことではないですか。
ストレスの発散、憂さばらし、息抜き、などという言葉でいわれる行為は単に大人だけのものではないでしょう。ひと昔前は
「女の子がやる行為」ではなかったといえるかも知れませんが、現実とは異なる世界を覗いて見ることでいらいらした気持ちを
発散させたいという行為はあり得ると思います。
ただ問題のひとつはクラブ活動ですね。いろいろ努力してもその甲斐なくイライラの逆効果をきたすのなら、別の道を考えることは
あり得ませんか。頑張りとおすことは重要です、と同時に逆効果が生活のいろいろな面で出てくることを、お母さんはてんびんに
かけて心の準備をしておく必要があると思います。先生との相談が必要になるでしょうし、娘さんに「がんばり通す」か
「別の道(違うクラブに入るとか)」かを決めさせることもあるかも知れません。
回答者略歴
かめがい・かずよし 私立高教諭(社会科)を退職後、1990年から札幌自由が丘教育センター専従役員。
不登校の児童、生徒のための居場所、学びの場所として93年11月にフリースクール「札幌自由が丘学園」を開設、運営にあたる。
専門は不登校、中退、進路指導など。
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20061122-120192.html ニッカンスポーツ 2006年11月22日(水)
ドイツでTVゲーム禁止論も浮上
ドイツ西部エムスデッテンの実科学校で18歳の元生徒が銃を乱射し27人が負傷した事件で、
元生徒が暴力的な内容のテレビゲームに没頭し、違法な武器を入手して「戦争ごっこ」を
していたことから、政界からテレビゲーム禁止論も出てきた。
元生徒は事件前日の19日、本人が作成したとみられるウェブサイトに「学校への復讐」を
予告する手紙と、迷彩服を着て森の中で銃を構える自らの姿を撮影した映像を載せた。
サイトには、アニメのキャラクターが銃を撃って人を殺すゲームのようなシーンも登場する。
与党、キリスト教民主同盟(CDU)のボスバッハ議員は21日、「殺人ゲームの禁止」を
インターネット新聞で呼び掛け、ニーダーザクセン州のシュルマン内相も連邦レベルで
禁止する方策を検討するよう要求。一方、野党からは「効果はない」と反対の声が上がった。
ある心理学者はテレビの番組で、元生徒が現実と仮想の世界を取り違えたと指摘。
テレビゲームが「戦争ごっこ」に走らせた可能性があると分析した。
http://www.graphicsha.co.jp/cgi-bin/book_data.cgi?id=739&uid=1c209f14ba24678d5f5eb4f5ad5317c7 『美少年の描き方』
こざき亜衣著 グラフィック社 2006年11月刊
B5判・並製 総144頁(カラー8頁) 定価:本体1,400円(税別) ISBN4-7661-1729-8 C2379
美少年の条件、ほっそりした身体のデッサンから美しい手、目、絡みシーンまで!!
「美少年」が描きたい女子読者待望の一冊!同人誌の描き手や、コミックマーケット市場で、女性の描き手人口が
急増しています。しかし、マンガの描き方レクチャー本で「美少年」を直球で取り上げたものはほとんどありません。
本書では、天才漫画家、古屋兎丸先生の秘蔵ッ子アシスタント、多摩美術大学を一発でトップ合格したデッサン力を持つ著者が、
少年の骨格から様々なタイプの描きわけまで、丁寧にレクチャー。「美少年」を徹底研究した画期的な一冊です。
本書の内容
60年代石森章太郎風、70年代「風と木のうた」風、80年代「キャプテン翼」「ドラゴンボール」風、90年代-現代
「NARUTO」「Death Note」風、とそれぞれの時代に生まれ、今だに人気の根強い6タイプのキャラクターを中心に、
様々な美少年が描けるようにレクチャー。基本はデッサン。デッサンの勉強法を徹底的に教えます。
まず骨格、筋肉、立体をつかみ、次に、絵の巧さ、下手さがはっきり現れるという手、足、指。顔も、目、鼻、口、
輪郭の基本をおさえ、そこからデフォルメしてくださいと教えます。
さらに様々な衣服を厚さ、素材、シワ、で描き分ける方法。そして衣服のサンプル集。最後は読者層の好きな
「絡み」シーン、複雑な「二人のポーズ」をトレース可能なはっきりとしたラインで大きめに掲載。基本的に、どの章にも
「サンプル」が付き、トレースが可能。巻末には「美少年キャラクターの歴史」をマンガ仕立てで分かりやすく紹介。
巻頭には、美しいカラーイラストで花を添えます。
>>40 >アメリカではすでに焼く100人の
わざわざ手で打ってんの?OCR使えよ
http://www.sankei.co.jp/local/fukui/061122/fki002.htm 産経新聞 2006年11月22日(水)
わ〜い! ネットでライブ授業 大山のぶ代さんが環境問題語る
環境・エネルギー教育の一環として美浜町教委などは21日、通信ネットワークを活用した初の「ライブ配信授業」を
美浜東小学校など町内7校を対象に行った。大阪電気通信大学の大阪の配信スタジオから人気アニメ「ドラえもん」で
ドラえもんの声を長年担当した大山のぶ代さんが、人類とエネルギーの歴史や地球温暖化問題などについて話した。
対象は各校の5、6年生計約200人。このうち美浜東小では児童がスクリーンの前に集まって行われ、双方向で地域紹介
なども伝えられた。授業は総合学習の時間に行われ、大山さんがエネルギー資源は石炭、石油、原子力へと移り変わり、
今は地球温暖化現象などで「地球さんは悲鳴をあげている」などと説明。クイズ形式で温暖化の原因などについても問いかけ、
児童たちは興味深そうに聞いていた。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20061122/20061122_056.shtml 西日本新聞 2006年11月23日(木)朝刊
ゲームの通貨ネットで販売 資格外活動容疑で逮捕 熊本県警
熊本県警組織犯罪対策課などは22日、就労ビザを持たないにもかかわらず、インターネット上のゲームで
使う仮想通貨を販売して収益を得ていたとして、入管難民法違反(資格外活動)の疑いで、熊本市渡鹿6丁目、
熊本学園大2年、王悦偲容疑者(23)=中国籍=を逮捕した。同県警は、銀行口座などから、約1億5000万円の
利益を上げ、うち約1億数千万円を中国に送金したとみている。
調べでは、王容疑者は4月14日‐5月23日、ネットオークションを通して熊本県内の男性と関東地方の2法人に
仮想通貨を販売し、約600万円を売り上げる事業活動をした疑い。容疑を認めているという。
王容疑者は2004年4月、熊本市と桂林市との交換留学生として来日。翌年から私費留学生として在学しているが、
単位の取得は少なかったという。
旬刊『出版ニュース』2006年11月上旬号 p.26〜27 ブックストリート
[流通]コミケ米澤嘉博さんの功績 (長岡義幸・インディペンデント記者)
出版産業といえば、通常は出版・販売にかかわって、事業(生業)として取り組まれている活動全般を指す。だが、出版の
周縁には、産業化の途上だったり、産業化とは無縁だったり、商売とは距離を置いたり、あるいは趣味や志のもと見返りを
求めない勣きだったりと、様々な活動が存在している。ミニコミや同人誌、個人誌、市民運動の機関誌、自費出版などの表現物、
それに対応した自主流通ルートの存在などもその一例だ。文芸モノに特化した文学フリマ、ネット上で展開する青空文庫といった
試みもある。商業出版と非商業的な出版活動が互いに影響し合い、ときに緊張関係を保ちながら、総体として出版が産業たり得て
いるのではないだろうか。
とりわけ、巨大なマーケットを形成しながら、既成の産業と微妙な距離を保ってきた筆頭格は、同人誌の即売会、コミックマーケット
(コミケ)であるのは間違いない。夏コミ、冬コミと年2回あわせて5〜6日間にわたって開催されるイベントには、1日に10数万人が
参加し、―回の開催でときに50万人の来傷者に達し、通年では延べ80万人以上にもなっていたという。実人数でも20〜30万人は参加
しているはずだ。
下世話な試算だが、参加者が1日に1万円分の同人誌を購入するとすれば80億円のお金が動いていることになるだろう。多分、
それ以上の売上げになっているはずだ。コミケを目当てに遠方からやってくる多数の参加者によって、周辺のホテルが満杯になる
ともいうから、周辺の地域に与える経済効果も同程度になるのかもしれない。
「(アキバ発の)萌え関連市場は888億円」と浜銀総合研究所が試算したのは05年4月のことだったが、そういった市場を形成する
源流をさかのぼればコミケに行き着くのは間違いない。事実、同人誌専業の印刷会社が成り立ち、「とらのあな」や「まんだらけ」
のように、同人誌を中心にした新刊や古書の小売店が全国に次々と出店して、なかには株式を上場する店が現われたり、一般の
新刊書店にも同人誌コーナしが出来たり、また、既存の出版社がこぞってコミケにブース出店するなど、新規ビジネスのきっかけに
なっている。コミケ本体はあくまでもアマチュアの祭典として存在しつつ、商業活動たる出版の「本流」がコミケに接近してくる
という逆転現象だ。
同人作家からプロのマンガ家になった人々のなかにも、コミケの日には一同人作家として出店する光景もみられるという。
知り合いのマンガ家にも、開催前になるとそわそわしだし、本業を差し置いて、同人誌の制作に精を出している人がいる。
外からみれば産業の周縁にあるが、コミケにかかわる人々にとっては、コミケこそが中心であるかのようだ。
ビジネスなどの経済活動では計れない、表現にかかわる一種思想的な「運動」であるから、人々を駆り立てる魅力がコミケには
あるのだろう。
と、わかったような講釈を垂れてしまったが、私自身は84年に覗きに行ったきり。当時、参加者はまだ3万人ぐらいだったものの、
それでも人間の数と熱気に圧倒されたものだ。その後、直に触れることはなかったけれど、身近にいる常連の参加者や実行委員会
関係者などから様子を聞き、その存在感に感嘆していた。
コミケ代表だった米渾嘉博さんとは、90年代初めに「有害」コミック規制が起きたころからの知り合いだった。折に触れて、
表現規制にかかわる東京都や警察の動向について情報交換をしたり、取材に協力してもらったり、集会に参加してもらったり。
ここ数年は、松文館裁判の公判で毎回顔を合わせていた。
このごろは禁煙の場所ばかりなので、そういうときは、よく灰皿のあるところに抜け出して、タバコを吸いながら四方山話を
したものだ。「萌えというのがどういう感情の発露なのかよくわからないんです」「一言で言えば、アイドルを好きって感情と
いっしょなんですよ」「ああ、おニャン子クラブの追っかけみたいなもんですか」「そう。いままでうまい表現がなかったものに、
萌えという言葉を得て広まったってことなんです」。こんなことも、勉強もさせてもらった。
その米澤さんが10月1日、53歳の若さでありながら肺ガンで亡くなった。コミケ発展の立役者であり、出版産業の本流に影響を
与え続けた人ではあるけれど、いつも瓢々然として飾らずフレンドリーな、しかし強固な意志を持ったりベラリストだった。
残念でならない。合掌。
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創価学会は知れば知るほど危険で不幸な集団だ。
鴨を見付けて利用しつくす。
特に内部で弱いものは骨までしゃぶり尽される。
恐らくなばもそういった哀れな存在の一人だろう。
それはともかくニートにストーカーやネット監視をさせるのはいい加減やめた方が良い。
不幸な親子の殺しあいや宅間級の狂った殺人鬼を大量に産み出すだろうから。
>>39 中日新聞 2006年11月20日(月)夕刊8面
日本の肖像画 タイのコスプレ 萌え上がる『アキバ文化』 メード喫茶繁盛 戦車に仮面ライダー
戒厳令下のタイに仮面ライダー参上−。軍事クーデター直後の九月二十八日。バンコクの政府庁舎周辺に配備された戦車の
前に突然、仮面ライダー姿の四人の俳優が現れ、兵士にバラの花をプレゼントして一緒にカメラに納まろうとして警察に捕まった。
「クール・ジャパン(かっこいい日本)」現象の代表選手ともいえる漫画やアニメ、登場人物になりきるコスプレ
(コスチューム・プレーヤー)は、タイでも人気が高まっている。
タイの若者文化の発信地、バンコクのサイアムスクエアに今年四月、日本で生まれたメード喫茶「アキバ」がお目見えした。
「サワディーカー」(こんにちは)。メード姿の少女が出迎えてくれる。店内には日本のアニメのポスターが張られ、
キャラクターグッズやコミック本が並び、J−ポップが流れる。
経営しているのは、タウィラープさん(26)。「聖闘士星矢」や「シティーハンター」の愛読者だったタウィラープさんは
昨年夏、観光で訪れた東京・秋葉原でメード喫茶に入った。
「同好の人たちに囲まれ、心地よかった。タイ人にも受けるのは間違いない」。名門チュラロンコン大やタマサート大の
学生や女子高校生ら十人を採用してオープン。予感は的中し平日は三百人、週末は五百人以上の客が訪れる。客層は高校生から
二十代半ばが多く、男女ほぼ半々。コスプレイベントなどの情報をいち早く入手できる特典がある「アキバ会員」は二千人を超えた。
「タイ人と日本人は性格や習慣が似ているのではないでしょうか」。タウィラープさんは、日本発の若者文化がタイ人に
受け入れられる理由をこう話す。ただ、女性従業員はひざまずいて「いらっしゃいませ、ご主人さま」とは言わないし、
コーヒーに砂糖やミルクを入れてくれるサービスもない。「そのあたりはタイの伝統と相いれない」という。
アルバイトメードをしていた高校生のウィシュダさん(18)は「かわいい制服を着て若いお客さんと話ができて楽しい。
中年の男性が来ると、ちょっと怖いけど」と笑った。
「同じ興味を持つ人たちの小さなコミュニティーをつくりたかった」と言うタウィラープさんは、喫茶店の上階に
ロリータパンクやコスプレ用のオーダーメードの洋服販売店を開く計画を進めている。
日本の漫画やアニメの版権を買い、タイ語に翻訳して出版する会社をバンコクで経営する近藤秀和さん(38)は
「漫画やアニメには、侮れない力がある」と強調。昨年一月に催した漫画本販売会とコスプレショーには六千人以上が訪れた。
アニメや漫画に相当多額の出費をするタイ人は二万人以上いるという。「今後は日本のように大人にも漫画が浸透し、
漫画ファンの幅が広がるだろう」と近藤さんは予測する。(バンコク・平田浩二、写真も)
※前日に東京新聞でも同じ内容の記事が掲載
東京新聞 2006年11月19日(日)朝刊6面
日本の肖像画 タイのコスプレ メード喫茶繁盛 戦車に仮面ライダー 萌え上がる『アキバ文化』
>>40の続き
朝日新聞 2006年11月24日(金)夕刊3面
(ふたつのMを追って マンガと村上春樹:5) 「未来示す」文化に共感
「ドキューン」「ドキドキ」「じぃーん」
マンガにあふれるオノマトペ(擬音語、擬態語)。マンガが外国語に翻訳される時、それらが日本語のまま残ることがある。
当然、読者は関心をもつ。
マンガの描き方を英語で教える本を国内外で販売しているジャパニメ社(グレン・カーディ社長、埼玉県川口市)は、
2年前からかなや漢字をマンガで学ぶ英語版シリーズ「Kana de Manga」「Kanji de Manga」の刊行も姶めた。
主にアメリカで売れ、約7万5千部出ている。
アメリカ人のカーディ社長(41)は「こんなに反響があるとは思わなかった」と喜ぶ。「マンガで料理、など日本文化を
紹介する企画も立てています」
海外での日本語学習は、日本が経済大国になるにつれ盛んになった。90年代前半に日本経済が不振になると、人気はやや下向きに。
しかし、10年ほど前から、日本のマンガ、アニメに関心を持つ若者によって、アメリカをはじめとして日本語熱はまた上向いた。
北米では、マンガはグラフィックノベルと呼ばれる。02年、価格を引き下げるなどの競争が起こった。その効果もあってか、
この数年の伸びは大きい。日本貿易振興機構が現在、集計を進めている最新の市場調査では、グラフのような数字を示している。
売り上げのほとんどは日本のマンガによる、という。
「今日アメリカには、現代日本文化を読み解くための、大変よく知られたロゼッタストーンが三つ存在する。アニメ、マンガ、
そして村上春樹の小説である」
アメリカ人作家のローランド・ケルツさんは、「群像」12月号にこう書いている(「なぜ日本文学はアメリカで読まれているのか」)。
村上春樹の小説は、日常から幻想へと継ぎ目なしに広がっていく。マンガやアニメは、超現実的な設定で歴史の流れを一から
想像し直す。善も悪もあいまいな世界は、ユダヤ=アメリカ教的な二元論的道徳から解き放たれて、「日本式の自由」
「世界を万華鏡的に見る自由」を、アメリカの若者に伝えているという。
「境界の消滅したこの世界にあって、時間と場所を超越した物語を語るのに「日本の作家たちは気味悪いほど向いている]。
東京にあるフランス著作権事務所のコリーヌ・カンタン代表は「フランスではアメリカ的な自由に幻滅し、日本的な自由に
あこがれる若者が多い。日本は『未来』を示している」。
世界中で進む社会の変質から分析するのは、評論家の三浦雅士さんだ。「村上さんはアメリカ的なグローバル化の先にある、
均一化された消費社会を先取りしてきた」という。
都市社会では、人間が死ぬ存在であるという普遍的なテーマが見失われかけている。「だが、村上作品では日常の生に死の世界が
連続しており、従来の宗教では満足できない人々をひきつけた」
それはマンガも同じだ。「自分とは何かとか、世界への違和感、暴力、肉体、死といった思春期に一番鋭敏になる問題を
近未来的に表現してきたのだから」
若者文化は、「世界で同時性を強めており、いわば同時多発文化の時代になった」(慶応大学の巽孝之教授)。
「Kana de Manga」のシリーズもわずかな期間で英語からスペイン語、フランス語、スウェーデン語など、6カ国語に翻訳された。
このうねりによって、日本文化の「世界を万華鏡的に見る自由」は、さらに欧米に広がっていく。それを相互理解の深まりとして
期待するには、日本の「かわいい」文化の現状が多くの闇をかかえているのが気にはなるが。 (編集委員・由里幸子)=おわり
【図版】米国のグラフィックノベル売り上げ(日本貿易振興機構調べ)
【写真】海外でのマンガの人気は、漢字やかなへの興味をかきたてている
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北海道新聞 2006年11月25日(土)夕刊地方7面
<谷口孝男のなんもさ万華鏡> オタクの街・アキバ
東京の秋葉原と言えば日本を代表する電気街です。戦後闇市的な無線やラジオ部品から最新性能のパソコンまで、
電気製品でないものはないと言われます。
もっとも近年は本や映画か大ヒットした「電車男」に代表される「アキバ系オタク」と呼ばれるファッションや
文化の発信地としてのほうが有名です。
先日、そのオタクの街に足を延ばしました。驚きました。オタクと言えば「萌え!」ですが、メード喫茶が表通りまで
堂々と進出。老舗の量販店の地下には、メード喫茶と美少女フィギュアを置くアキバ土産店が並んでいました。
その一方で、新鉄道路線のつくばエクスプレスの開業により、駅周辺では大規模な再開発が急速に進んでいます。
くたびれかけていた北口には大型電気店もオープン、さらに高層ピルが姿を見せています。
麻生外相も先の自民党総裁選の秋葉原演説で、「歌舞伎よりサブカルチャーが日本のイメージだ」と強調したそうです。
今後、ビル街は日本のアニメやファッションの情報センターになるのでしょう。
とにかく、都市が変わる瞬間の混沌とエネルギーに圧倒されました。オタク文化と世界的なIT産業の拠点構想が、
同時併存するというのもユニークです。
秋葉原の未来がばら色かどうかは疑問です。風俗店と見間違う美少女系商品には一種の退廃も感じます。
だか、そうした病巣もまた今の日本の現実を象徴しているのかもしれません。
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http://www.asahi.com/culture/stage/koten/TKY200611250232.html 朝日新聞 2006年11月25日(土)夕刊
アニメ 古典に新境地
名作アニメ「機動戦士ガンダム」が講談に、「新世紀エヴァンゲリオン」が能になった。ガンダムなどモビルスーツ同士の戦闘が
合戦の修羅場読みになり、クローン兵器であるエヴァに取り込まれた母の魂が鬼女の嘆きを発し、と意外な“シンクロ”を見せる。
新旧の表現の融合から、ニュータイプの日本文化が生まれるのか? (゙喜郁、小原篤)
[エヴァンゲリオン×能] 激しい母性愛 「恋重荷」で表現
「ここやかしこに走りめぐり、火花を散らして戦いしが――」
金春流の若手能楽師山井綱雄が、暴走するエヴァ初号機となって舞う。綱雄のシテ、井上貴覚と中村昌弘の地謡、山口喬司の
企画・原案による「能舞エヴァンゲリオン」が17日、埼玉県越谷市のこしがや能楽堂で試演された。
「エヴァ」の製作会社ガイナックスがホームページで1月から始めた企画「EVA AT WORK」の一つ。日本画やタトゥーなど
様々な分野のアーティストに、「エヴァ」を題材とした作品を委嘱してきた。
「アニメで印象的だったのは、パイロットである息子シンジを思う初号機の激しい母性愛。これをテーマに、若い人に能の
すばらしさが伝わる作品になれば、と思った」と綱雄。
既存の5曲を用い、「清経」でシンジの苦しみを、「生田敦盛」で修羅の戦いを、「恋重荷」で我が子を見守る母の心を表現した。
一般上演はしないが、12月23日からガイナックスのHP(
http://www.gainax.co.jp/eaw/)で動画を公開する。
【写真】「能舞エヴァンゲリオン」から、初号機を模した面をつけ舞う山井綱雄=埼玉県越谷市で
[ガンダム×講談] 修羅場読み「ガトーの奮戦」
「その日のガトーのいでたちを見てあれば、右手(めて)にビームライフル左手(ゆんで)にジャイアントバズーカ
腰にザクマシンガンを帯び、兜には指揮官用の角飾り――」
若手講談師の旭堂南半球が、「明智左馬助琵琶の湖水渡り」を基に創作した、ガンダム外伝「アナベル・ガトーの奮戦」
修羅場読みのくだりだ。
大学卒業のころ講談を初めて聴いた時、1話ずつ山場が来る続き読みの手法に「これはガンダムやんか」と思った。
「セリフに力がある『ガンダム』の魅力は、言葉だけでも伝えられるはず」と、「ガンダム講談化計画」を胸に秘め00年、
現4代目南陵に入門。古典約40席をけいこして経験を積み、今年3月にガンダム講談を初披露した。袴の紋にジオン軍のマークを
入れるなど、高座姿もガンダムらしくして上演する。10月には大阪で独演会もした。
南半球は「一人一人が孤立しているぼくらの世代でも、ガンダムという祭りを媒介すれば仲間とのつながりを持てる。
講談会がそんな場になれば」と、各地での講談会を計画している。
【写真】爆撃機型の高座でガンダム講談を語る旭堂南半球=3月、大阪市内で
紙面画像
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http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006112400089&genre=G1&area=K10 京都新聞 2006年11月23日(木)
マンガミュージアム始まるよ 完成祝い記念式典、25日開館
漫画資料を保存・展示し、漫画文化を研究する総合施設「京都国際マンガミュージアム」(養老孟司館長)の開館記念式典が24日、
京都市中京区烏丸通御池上ルの同施設で行われ、市や大学、地元関係者ら約250人が新しい施設の完成を祝った。
25日から正式にオープンする。
ミュージアムは、市と京都精華大が元龍池小を増改築して共同で整備。明治、大正時代の漫画本や雑誌など約20万冊を所蔵し、
常時約4万冊を自由に閲覧できる。
地上3階、地下1階の延べ約5000平方メートル。1階は子どもフリーゾーンや多目的映像ホール、2階は講堂を改築したメーンギャラリー、3階には研究室を設けた。地下は収蔵庫として活用する。
式典は午前11時から始まり、桝本頼兼市長が「文化芸術の創造、国際観光都市・京都のさらなる活性化に向けた世界的文化拠点に
したい」とあいさつ。片桐充・京都精華大理事長も「元小学校の建物や校庭は貴重な文化遺産。大学の特色づくりに生かしたい」
と述べた。続いて、桝本市長らがテープカットをし、出席者らが施設内を見学した。
【写真】テープカットし、ミュージアムの完成を祝う関係者ら(午後0時10分、京都市中京区・京都国際マンガミュージアム)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006112400116&genre=G1&area=K1B 京都新聞 2006年11月24日(金)
マンガミュージアム開館の意義探る 上京で記念フォーラム
漫画資料を保存・展示し、漫画文化を研究する総合施設「京都国際マンガミュージアム」(養老孟司館長)の開館記念フォーラムが
24日、京都市上京区の金剛能楽堂で開かれ、漫画家やアニメ映画監督ら4人がミュージアムの意義や役割を語り合った。
フォーラムではまず「ミュージアムが生きて動き、なくてはならない座標軸のようになることが大事」との養老館長のメッセージを
ビデオで紹介した。
続いてパネル討論に移り、アニメ映画監督の高畑勲氏が「漫画は日本人の感性によって発達した」とした上で「本家と言われる
今こそ海外の作品を勉強する時。ミュージアムがその拠点となるべき」と述べた。漫画コラムニストの夏目房之介氏もマンガ
ミュージアムが研究施設である点に特色があるとし、「日本漫画の特徴などを学ぶ海外の研究者が集い、一方で地域に根差す施設
であってほしい」と期待した。
また、漫画家で京都精華大教授の竹宮惠子氏は「さまざまな表現法を伝える豊富な資料を授業に生かしたい。漫画を通して日本を
知る施設になれば」と話し、元文化庁文化部長の寺脇研氏は大学と行政、地域が造った意義を強調、「大学の教育・研究要素、
地域に開放する文化的要素をどう育てるかが肝心」と述べた。
このほか、絵巻と漫画の関係や日本漫画の国際性などにも話が及び、約400人が熱心に耳を傾けた。
ミュージアムは、市と京都精華大が中京区烏丸通御池上ルの元龍池小を増改築して整備。明治以降の漫画本や雑誌など20万冊を
所蔵し、25日にオープンする。
【写真】ミュージアムの意義などについて語り合うパネリストら(京都市上京区・金剛能楽堂)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006112500044&genre=G1&area=K1C 京都新聞 2006年11月25日(土)
漫画本や雑誌ずらり 親子ら閲覧楽しむ ミュージアム 中京に開館
漫画資料を保存・展示し、漫画文化を研究する京都市中京区の「京都国際マンガミュージアム」(養老孟司館長)が25日、
オープンし、初日から漫画ファンや親子連れでにぎわった。
ミュージアムは、市と京都精華大が元龍池小を増改築して整備。明治以降の漫画本や雑誌など約20万冊を所蔵する。
この日は朝から、ミュージアム前に約30人が列をつくった。午前10時の開館を記念し、入館第一号の宇治市の小学5年、
田中鈴菜さん(10)に期間限定の無料パスが贈られた。
施設内には、「少年マガジン」といった漫画雑誌の創刊号や海外の漫画などの展示コーナーが並び、来館者は、
歴史資料の見学や漫画の閲覧を楽しんだ。
滋賀県野洲市の会社員益田拓也さん(38)は「生まれたころの古い作品もあり、漫画の歴史がよくわかる」と話し、
千葉県から来たスウェーデン人のダニエル・サンデーンさん(26)も「子ども時代にアニメを見て日本文化に興味を持ったが、
ここには海外では手に入らない作品もあって面白い」と話していた。
【写真】開館したミュージアムで漫画の閲覧を楽しむ子どもたち(京都国際マンガミュージアム)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061125i513.htm?from=main5 読売新聞 2006年11月25日(土)
「マンガ本の壁」140m、京都に博物館オープン
全国初の総合まんが博物館「京都国際マンガミュージアム」が25日、京都市中京区にオープンした。
「ドラえもん」のアジア各国での翻訳本や米国版「少年ジャンプ」、「ジャングル大帝」のフランス語版など約20万点を収蔵。
海外の大学とも連携し、まんがを通じた国際文化交流も進める。
博物館は3階延べ約5000平方メートルで京都市と京都精華大が約12億円を掛けた。館長は「バカの壁」などの著書で知られる
養老孟司・東京大名誉教授(69)。
初日から大勢のまんがファンらが詰めかけ、1〜3階の総延長約140メートルに及ぶ「マンガ本の壁」にくぎづけになっていた。
入館料は大人500円、中高生300円、小学生100円。水曜休館。
【写真】「マンガ本の壁」からお気に入りの1冊を探す入館者ら
http://www.asahi.com/culture/news_culture/OSK200611250013.html 朝日新聞 2006年11月25日(土)
世界の漫画一堂に 京都国際マンガミュージアム開館
約20万点の資料を集めた国内初の総合的な漫画博物館「京都国際マンガミュージアム」(京都市中京区)が25日、開館した。
朝10時の開館前から約30人が列をつくり、親子連れなど多くの漫画ファンが来場。壁を埋め尽くす漫画本を手に取ったり、
貴重な歴史資料を見たりしながら、思い思いの時間を楽しんだ。
「ドラえもん」「ドラゴンボール」などの翻訳版や欧米・アジアの漫画を展示した「世界のマンガ展」を来年1月14日まで開催中。
開館は午前10時〜午後8時で、水曜と12月27日〜来年1月3日は休館。一般500円、中高生300円、小学生100円。
問い合わせは同館(075・254・7414)へ。
【写真】壁に並んだ漫画本を手に取って楽しむ来場者ら=京都市中京区の京都国際マンガミュージアムで
http://www.tokyo-np.co.jp/book/jicho/jicho20061116.html 中日新聞 2006年11月16日(木)
[自著を語る]『腐女子化する世界』 杉浦由美子さん(ライター)
嗜好で消費 新しい世代
「腐女子」というのは、男性同士のラブストーリーを描いた「ボーイズラブ」というジャンルの小説や漫画を愛好する
オタク女性たちのことである。言葉の発祥は、本人たちが「私たちは腐っているしぃ」と言い出したとされる。自嘲っぽい
響きがあるが、実際にオタク女性たちが自身を「腐女子」と呼ぶときの表情は楽しげだ。取材で出会った腐女子たちは、
会社員、学生、医師、キャバクラ嬢とありとあらゆる職業に就いていた。リアルの世界ではお洒落や恋愛も楽しみ、
ごく一般的な日常生活を送っている。ただ、彼女たちが従来の人々と徹底的違うのは消費行動だ。彼女たちがボーイズラブを
読むのは「面白いから」に他ならない。
かつて人々は「これを読むと賢くなれる」とか「インテリっぽく見える」「お洒落に見える」という目的があって本を読んだ。
しかし、腐女子たちは「読んで面白い」という自分たちの「嗜好」に合わせて本を買い求める。学者が書いた江戸時代の風俗に
関する学術書などもボーイズラブコーナーに置くと売れると聞く。それは彼女たちが純粋に江戸時代の風俗を面白いと思っている
だけで、そこには「学術書を買うインテリな私」という自意識はない。
この「腐女子」型の消費行動は、団塊Jr以降の若い世代の特徴でもある。ルイ・ヴィトンの新作「グルーム」シリーズは、
定番のモノグラム柄にベルボーイの男の子の絵が施されて可愛らしいデザインだ。財布でも七万円以上もする。かつての女性たちが
ルイ・ヴィトンを好んだのは「ハイクラスな私」への憧れだったが、若い世代はシンプルに「ヴィトンのグルームは可愛いから
欲しい」という理由で買い求める。傍目からみると「安くても可愛い財布はいっぱいあるでしょう」と思うが、そんな外野の
意見などに耳を傾けずに「可愛いから欲しい」と買い求めるのが「オタク」や「マニア」と言われる人たちの消費スタイルである。
それは秋葉原のオタク男子が美少女フィギュアを買い求めるのと差異はない。今やマーケットは、団塊Jr以降の世代が繰り広げる
「嗜好に合わせた」消費の時代になってきている。これが「腐女子化する世界」なのである。
かつての男性たちは「いつかは成功して高級車に乗りたい」と夢見た。しかし、若い世代は収入がどんなに高くても「どこの
駐車場にでも入れられて便利だから」という理由で、リーズナブルな軽自動車を選択する。階級やライフスタイルに合わせた
消費の時代は終わりつつあるのだ。 (中公新書ラクレ・七五六円)
すぎうら・ゆみこ 一九七〇年埼玉県生まれ。会社員を経てライターに。二〇〇五年「AERA」に執筆した記事「萌える女オタク」
が話題となり、各紙誌、テレビのオタク女子ブームに先鞭をつけた。オタク文化、コミック、文芸などについて取材活動を
続けており、著書に『オタク女子研究 腐女子思想大系』。
紙面画像
ttp://neco-nagi.air-nifty.com/./photos/uncategorized/fujyoshi_3.jpg ※東京新聞11月16日(木)夕刊6面にも掲載
>>55 日本経済新聞 2006年7月11日(火)朝刊40面
現代日本文学の翻訳・普及で講演会(文化往来)
文化庁が二〇〇二年に始めた「現代日本文学の翻訳・普及事業」に関連して、「現代日本文学を海外に紹介する」と
題した講演会がこのほど東京で開かれた。
米国の翻訳文学専門出版社ダルキー・アーカイブ・プレスのアソシエイト・ディレクターであるチャッド・ポスト氏は
「米国では翻訳文学は読まれないとのイメージが強く、実際に刊行される点数もきわめて少ない。そのため、読者の関心も
引きにくいという悪循環に陥っている」という厳しい現状を指摘。それを打破するためには「基金を作るなど資金面を手当て
するとともに、出版社と書店が一体となって翻訳文学を普及させていく必要がある」と述べた。
一方、「米国で日本文化への関心は高まっている」と語ったのは、作家で文芸誌「パブリック・スペース」編集者の
ローランド・ケルツ氏。「かつて自由なアメリカは日本の模範だったが、今では日本スタイルの自由が生まれているようだ。
アニメやマンガに村上春樹の小説。いずれも二元論を超えて、万華鏡のような創造性を持っている」との見方を示す。
日本の現代文学はジャパン・クール(日本的かっこよさ)の一つとして注目を集めつつある。それを定着させるには
多くの作品を“輸出”できるかにかかっている。
http://www.jlpp.jp/news-j/jlpp_lecture/summary2/ 2006年07月31日
講演要約:ローランド・ケルツ氏 「日本文学はなぜアメリカの若い人たちに読まれるのか」
ローランド・ケルツ(作家、『A Public Space』編集者、東京大学講師)
<編集者注> この記事は、2006年6月20日に東京・国際文化会館で行われた講演を要約したものです。
毎日新聞 2006年11月11日(土)朝刊29面
雑記帳:つくばエクスプレス秋葉原駅(東京都千代田区)に…
◇つくばエクスプレス秋葉原駅(東京都千代田区)にパソコンの頭脳・CPU(中央演算処理装置)を飾ったクリスマスツリーが
登場した=写真。来月25日までの営業時間中、発光ダイオードで彩られる。
◇高さ5メートルの鉄柱に白く塗ったカラタチの枝をつけ、約2000個のCPUをつり下げた。生け花草月流家元の勅使河原茜さんが、
IT都市に張り巡らされた電波をイメージして制作した。
◇秋葉原といえば「萌え系」の聖地。今年は「電脳ツリー」に照らされてコスプレ少女に愛を語る。それがアキバ風クリスマス?
【佐藤賢二郎】
読売新聞 2006年11月11日(土)東京夕刊13面
[ニーハオ・台湾留学生日記]大学は撮影スポット=北海道
◇学ストリート
私の通う大学は、写真撮影の定番ロケ地だ。台北市は都会で、自然豊かな場所が少ない。だが、大学は中心部にありながら、
古い建築や園芸もある。
春の「台湾大学ツツジ祭」の時、私も満開の白いツツジの前で1枚。良く撮れたので、部屋の扉に張った。たまに「どこの観光地?」
と聞かれるほど、美しい景色が大学にあるのだ。
週末は、ウエディングドレスを着て婚礼写真を撮るカップルを見かける。草原の中や、図書館の前でせっせとポーズをきめている。
ほかには、アニメのコスプレヤーが「撮影会」をしていることも。
日本から来た先輩は、写真館で作ったアルバムを見せてくれた。チャイナドレスなど好きな衣装を選び、「ヘアメークや、ポーズ、
表情まで指定される」と本格的そう。「面白いから、一度やってごらんよ」。最高の環境だけど、まだモデルになる勇気がない。
写真=北大・原田この実
河北新報 2006年11月16日(木)朝刊31面
アキバ情報発信、海外向けDVD/日本ツーリズム産業団体連合会
日本ツーリズム産業団体連合会などは、ポップカルチャーの発信地となっている東京・秋葉原へ外国人観光客を呼び込もうと、
海外向け情報DVD「New Discovery of AKIHABARA」を制作した。海外の旅行会社などへ無償配布している。
DVDは映像とともに案内役が街の魅力を英語で解説。中国語や韓国語の字幕も選択できる。電気街のほかコスプレを楽しむ
若者やメード喫茶、アニメ関連商品の充実ぶりなどを紹介している。
日経産業新聞 2006年11月17日(金)4面
東映アニメーション・フィリピン、フィリピンで20周年事業。
東映アニメーションのフィリピン現地法人、東映アニメーション・フィリピンは十八日、同国進出二十周年を記念するイベントを
マニラで開く。コスプレコンテストや子供向けショーなどを通じフィリピンでの活動をアピール、フィリピン人アニメーター採用の
ための就職説明会も開催する。
東映アニメーションは一九八六年にフィリピンに進出。従業員約百五十人と外部アニメーターを使って彩色、動画、背景制作などを
手掛け、同社のアニメ制作作業の七割を担っている。二次元だけでなく三次元アニメの制作も検討している。(マニラ支局)
愛媛新聞 2006年11月18日(土)25面
◎[街ヒト・STREET・EYES]窪田知聡サン(17)高校生=松山市森松町= いろんな格好満喫
優等生っぽいルックスなのに、着こなしはパンキッシュ。「今日はこれが着たいって思う物を選んだら、真っ黒になっちゃった」
レースの付いたインナーに羽織ったダブルジップのジャケット。よく見ると、表面はシースルー地の下に竜が描かれている。
肩からはベルトのようなバンドが腰を回ってもう一方の肩へ。「意味はよく分かんないんだけど…」というがお気に入りのアイテムだ。
ボトムはショートパンツのすそにある金具で、ふくらはぎを隠せる部分をつり、ロングとしても着こなせるパンツ。
腰には手錠や鎖がジャラジャラ、足元はラバーソールの厚底シューズ。
「実はコスプレーヤーなんですよ」。ときどき、アーケードゲームのキャラクターなどに“変身”する。「いかになりきるかが
ポイント」なのだとか。「いろんな格好をして街を闊歩するのって気持ちイイよね」
産経新聞 2006年11月22日(水)東京朝刊30面
「アキバ」に防犯カメラ 住民結束、設置訴え
■“オタク狩り”26件…“メードも標的
アニメグッズを買い求める少年などから現金を脅し取る「オタク狩り」が今年に入り26件発生し、メードが襲われる被害も
発生している東京・秋葉原。メード喫茶や大型家電量販店の出店、つくばエクスプレス(TX)の開通などで街は変貌しつつあり、
専門家は「人が増え、にぎわうと犯罪者が紛れ込みやすくなる。この手の犯罪はさらに増える危険性がある」と警鐘を鳴らす。
“危ないアキバ”のイメージをぬぐい去りたい地元住民は22日、防犯カメラの設置に向け、千代田区や警視庁と協議する。
アニメフィギュアを見に来ていた男子中学生(14)を脅し、現金3000円を奪ったとして、恐喝などの疑いで15〜16歳の
男子高校生3人が9月、警視庁少年事件課に逮捕された。
「オタクは弱いし、金を持っているので脅し取りやすかった」。3人はこう供述した。
同課によると、秋葉原周辺では今年に入り若者を狙った恐喝事件が未遂を含め26件発生。被害金額は計約35万円に上るという。
オタクの“聖地”では先月中旬、メード喫茶のアルバイト女性が男に刃物を突きつけられ、わいせつな行為をされる「メード狩り」
も発生した。
「今後、オタク狩りのような犯罪は増える危険性がある」と指摘するのは『犯罪は「この場所」で起こる』(光文社新書)の著者、
立正大学文学部の小宮信夫教授だ。
ここ数年、メード喫茶が相次いで開店した秋葉原。TXが開通し、大型家電量販店もオープンした。10年前から通っているという
男性(29)が「オタク的な人だけでなく、普通にパソコンを買いに来る客や、オタクやメードを見に来るような観光客が増えた」と
話すように、街は様変わりしつつある。
小宮教授は「さまざまな人たちが行き交うようになると、犯罪をしようとする者が心理的にも外見的にも紛れ込みやすくなるので
注意が必要だ」と呼びかける。
地元町会や秋葉原を管轄する万世橋署、千代田区などは現状を踏まえ、繁華街から死角となる路地などへの防犯カメラの設置に向け、
22日に初会合を開催。今後、運用形態や台数、設置場所なども含め協議していく。万世橋町会の小暮敞士会長(67)は「抑止力に
なるでしょう。秋葉原が怖いとは思われたくない」と話す。
万世橋署の犯罪認知件数を昨年と今年の1〜10月で比較すると、「強盗」(3→6)、「強制わいせつ・強姦」(5→15)は増加。
「侵入盗」(54→50)、「ひったくり」(10→9)、「車上狙い」(112→60)は減少している。
同署は今年3月、JR秋葉原駅前に秋葉原交番を新設した。来年度からは秋葉原交番を増員し、巡回を強化する方針だ。
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/yoroku/archive/news/2006/11/20061127ddm001070005000c.html 毎日新聞 2006年11月27日(月)朝刊1面 [余禄]
フランスは空前のマンガブームという。昨年の出版点数のうち約4割にあたる日本の作品は前年の1・5倍に増えた。「ドラゴンボール」などが売れ筋で、15〜25歳が購買層だ(06年出版年鑑)。世界の子供たちは、マンガを入り口に日本への関心を高めている
▲今や知的財産ともいえるマンガを収集、保存し、世界に発信しようという京都国際マンガミュージアム(京都市中京区)が25日開館した。
博物館と図書館の機能を備えた日本初の施設で、日本最古の漫画という「鳥獣戯画」を生んだ京都にふさわしい
▲館長に就任したのは脳科学者の養老孟司さん。「マンガ文化を育てたのは日本人の脳の働き」というのが持論だ。文字を読むのに、
外国人であれば、脳内の1カ所を使ってすむが、かなと漢字を使う日本人は2カ所を働かせる。そんな脳の特殊性が影響しているそうだ
▲日本のマンガではいねば、絵が漢字で、吹き出しの文字がルビにあたる。それを日本人は脳内ですばやく情報処理して読んでいく。
日本語の教育をすれば、かなと漢字の2カ所の脳が働き、マンガの読解力も高まるというわけだ(「マンガをもっと読みなさい」晃洋書房)
▲館を運営する京都精華大の牧野圭一マンガ学部長は「東京の芸術系大学は体面にこだわり、マンガを芸術と認めようとはしなかった。
だが、マンガ文化を無視できないはず」という。出版は東京集中だが、文化の拠点は京都にできた。一極よりも二極のほうが面白くなる
▲ここは明治の初め、住民たちがお金を持ち寄って建てた元龍池小学校跡。「子供たちさえはぐくめぱ、未来は明るい」。
校合を改装したミュージアムに息づくそんな先人たちの熱い思いを受け継ぎ、子供たちの夢を育ててほしい。
紙面画像
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up153352.jpg
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31807705 『萌え萌えミリタリー階級事典』
著者/訳者名 階級事典制作委員会/編
出版社名 イーグルパブリシング (ISBN:4-86146-123-5)
発行年月 2006年11月
サイズ 173P 19cm
価格 1,470円(税込)
出版社/著者からの内容紹介
大佐ってどれぐらい偉いんですか!!
近現代を舞台にしたドラマや映画、あるいは架空のSF世界には様々な軍人さん
が出てくることがあります。その軍人さん達には当然組織内における「階級」と
いうものが存在しますが、イマイチ分かるようで分からない・・・そんな疑問に
答えるべく軍隊内の階級に焦点を絞ってまとめたのが本書になります。
内容(「MARC」データベースより)
自衛隊、旧軍、世界の軍など、軍人達の組織内における階級格差について萌え系イラストと共に解説。
軍と組織の基礎知識、歴史なども紹介。分かっているようで分かってなかった階級のすべてがわかる!
出版社からのコメント
「泣いたり笑ったり出来なくしてやる!」で有名なあの軍曹から最近騒がしい某半島の将軍様まで、
アニメや漫画の話も織り交ぜつつ、様々な軍隊の階級というものに迫ってみました!
http://www.gqjapan.jp/issues/ 『GQ JAPAN』2007年1月号(11月24日発売)
[WISE NEWS]p.49〜
オタク? エリート? 日本のグーグル社員はこんな人たちです。
時価総額は約15兆円(2006年11月10日現在)、アメリカでの設立から約10年でここまでの規模に成長したグーグル。
日本企業でそれを上回るのはもはやトヨタと三菱UFJグループのみ。
オタク? エリート? 日本オフィスで働いているのはどんな人?
['SUP?]p.27〜
アニメ界の孤高のリアリストが、ついに新境地の海へとダイヴした!
http://www.weeklypost.com/061208jp/index.html 『週刊ポスト』2006年12月8日号(発売日11月27日)
p.49 この冬さむ〜い人々/アキバの女性器本−バカ売れを支える言い分
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200611/sha2006112706.html サンスポ 2006年11月27日(月)
「メイド狩り」事件から1カ月…危険なご主人様からメイドを守れ!
東京・秋葉原のメイド喫茶のアルバイト女性(18)が“オタク風”の男に刃物で脅され、胸や下半身などを触られる事件から
約1カ月が経過した。警視庁は強制わいせつ容疑で犯人の行方を追っているが、依然逃走中で、ほかのメイド喫茶でも警戒を
強めている。地元住民らも防犯カメラ設置に向けて動き出すなど、“厳戒ムード”の秋葉原に、被害女性を訪ねた。 (山内倫貴)
「ご主人さま、お帰りなさいませ」。アルバイト先のメイド喫茶で被害女性は笑顔だった。身長約160センチで、女優の
米倉涼子似のスレンダー美人。メイド服姿のこの女性と、この店のウリである60分間の「秋葉原デート」に出掛けた。
近くの喫茶店で注文したオムライスを前に「おいしいそう!」とはしゃぐ女性は、大学の工学部の1年生。恋愛の話題などで
盛り上がる姿は、普通の女子大生だ。だが、事件の話になると一転、表情が曇る。「思いだしたくないですけど」としながらも、
節目がちに話し始めた。
「被害の翌日から4日間、外に出たくないし、誰にも会いたくなくて、布団にもぐってました。授業があるので頑張って学校に
行きましたけど、誰にも相談できず、つらかった」。一時は「メイドを辞めようと思った」が、「人を見る目を養う勉強になる」
と続ける決心をしたとう。
しかし、“ご主人さま”との接し方に異変が生じていた。「自分で考えたのですが、お客さまから身分確認のため名刺をもらいます」。さらに「必ずこれも携帯します」とフリル付きのポシェットから「護身用スプレー」を取り出した。その表情は硬かった。
万世橋署は、逃走中の犯人=似顔絵=について「現在も捜査中です」と歯切れが悪い。一方で、秋葉原駅前でビラ配りをする
メイド(20)は「『名前は?』と言いながら、胸の名札に手を伸ばして、胸を触る人もいます」などと“被害”の実態を明かす。
メイド喫茶の関係者らは、「痴漢や言葉によるからかいなどが週末を中心に続発する。特に客を駅前から店に案内するときが
狙われやすい」と口をそろえる。各店では、悪質な客から独自の防衛策でメイドを守る。
被害女性の店の統括部長(36)は「店に上がる階段は、メイドはお客さまの後ろを歩かせるようにしています」。
他店の責任者(30)は防犯ブザーを持たせた上で、「店に入るエレベーターに、お客さまと一緒に乗らないように注意しています。
密室が一番危険ですから」。駅前に男性スタッフをガードマン役に置く店もあった。
“厳戒態勢”の秋葉原で、メイドを続ける被害女性。デートを終えると「ご主人さま、行ってらっしゃいませ」とにこやかに
見送ってくれたが、笑顔とはうらはらに護身用スプレーを入れたポシェットを「お守り」のように握りしめていた。
★街ぐるみ…防犯カメラ設置を検討
万世橋署と地元商店街などはこのほど、繁華街から死角となる路地などへの防犯カメラ設置に向けた初会合を開いた。
台数や設置場所などは未定だが「できるだけ早く設置したい」と同署。設置理由について「メイドの被害対策だけではない」
とした上で、「大型家電量販店の出店や、つくばエクスプレスの開通で、秋葉原を訪れる人が増えた。それに伴い犯罪の増加も
予想され、安全強化と犯罪防止のため」と説明した。
◆武蔵野大学人間関係学部の小西聖子教授(精神医学)
「(痴漢のように)小さな事件と片づけられがちな被害でも、被害者に深い心の傷を残すケースは多い。例えば、包丁で脅され、
体を触られた女性は半年間、『包丁が怖い』と自宅の台所に入れなくなった。電車で痴漢に遭った女性は一時、電車で男性が
隣に座るたびに、体調不良を訴えた。症状がない被害者でも、事件とは関係ないところからの刺激で、精神的苦痛が喚起される
場合もある。周囲の人は長い目で、被害者の“異変”を注意深く見守る必要がある」
【写真】JR秋葉原駅前でビラ配りをするメイドを守るため、各メイド喫茶などは独自の自衛策を講じる=26日、東京都千代田区
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/flash/KFullFlash20061125023.html スポニチ 2006年11月25日(土)
林丹丹 国民的美少女がアキバ初登場
今年8月の「第11回全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリを獲得した林丹丹(17)が25日、
東京・秋葉原で開かれたDVD「国民的美少女2006」(イーネット・フロンティア)の発売記念イベントに参加した。
全日本国民的美少女コンテストの本選大会の出場者と受賞者たちの貴重な初イメージ映像を収録した作品。
グランプリの林をはじめ、マルチメディア賞&モデル部門賞の武井咲、演技部門賞の宮崎香蓮、審査員特別賞の
忽那汐里と田中莉香子の5人の受賞直後のみずみずしい姿を堪能できる。
5人の受賞者の“代表”として、この日のイベントに臨んだ林はシックな黒のワンピースで登場。
「撮影は暑くて大変だったけど、頑張ったので多くの人に見てもらいたい」とPR。国民的美少女の“アキバ初登場”
とあって会場には約200人のファンが駆けつけ、熱気ムンムン。トークショーや撮影タイム、握手会などで盛り上がった。
【写真】DVDをPRする林丹丹
中日新聞 2006年11月18日(土)夕刊6面
街角新風 テーマ 心のアニメ 『タッチ』兄弟愛に感動 『トトロ』何度も見る 『コナン』名ぜりふ
名古屋市西区、高校生松島薫さん(17) 筒井康隆さんの小説を映画化した「時をかける少女」ですね。時の中を自在に行き来
できる少女の物語なのですが、少女は悪いことを避けようと時間をさかのぼることを重ねるうちに、「時を操っても、良いことばかり
の人生にはならない」ことに気付きます。ストーリーに感動して、映画館を出た時に「今を大切に生きよう」と前向きな気持ちに
なることができました。(名古屋市中区で)
岐阜県笠松町、会社員今井努さん(27) やっぱり宮崎駿作品ですね。「カリオストロの城」や「天空の城ラピュタ」など、
みんな子どものころ一度は見たのでは。小学生の時に初めて見て、いいなと思った。それからも2年に一度は見返して、背景がきれいだ、場面の雰囲気や動きが細かく時代の先をいっているなと感心します。特に「カゲ」のキャラが好き。動きの純粋さとバカっぷりを
出した感じがいいですね。(岐阜市神田町で)
津市、幼稚園教諭米川知里さん(23) 子どものころ、日曜日の夜にやっていた「世界名作劇場」の「ピーターパンの冒険」が
一番心に残っているかな。小さかったので、あまり覚えていないけど、番組を見ながら録画も。暇さえあれば「ビデオかけて」と
せがんで、何回も見てたみたい。オープニングテーマは今でも、そらで歌えます。ワクワクするストーリーが好き。ネバーランドが
あるなら行ってみたい。(津市のコンビニで)
愛知県犬山市、大学生牧田真央さん(19) 今年の「日本のメディア芸術100選」漫画部門でも最多票を集めた「スラムダンク」が
最高でした。不良だった主人公・桜木花道がバスケットボール部で活躍するストーリーで、小学生の時に漫画雑誌で出会い夢中に
なりました。その影響か今、大学のバスケット部で頑張っています。花道が1点差で負けていた最後の最後にシュートを決める
最終回は忘れられません。(犬山市内久保で)
岐阜県飛騨市、幼稚園教諭林令子さん(24) スタジオジブリの「耳をすませば」。中学校の試験前に見て、主人公の雫ちゃんと
自分を重ねました。バイオリン職人という夢を追う聖司君の影響を受け、「今だからできること、これからしたいことは何か」って
悩む姿が印象的。あの映画を見て「今は大好きなバスケを頑張ろう」「将来は人の笑顔が見られる仕事がしたい」って思えたんですよ。
(同県高山市で)
名古屋市中川区、高校生酒向仙一さん(17) 小学校からずっと野球やってます。きっかけは「タッチ」。再放送で見ました。
兄弟愛、野球への情熱に子どもながら心打たれて。僕も兄ちゃんいるんで仲良くしようと思ったし、野球も一緒にやった。僕は投手で、
高校時代は今度ドラゴンズに入る堂上選手から三振取りましたよ。本塁打も打たれたけど。来年、就職しますが、野球はずっと
続けていきたいですね。(同市東区で)
愛知県半田市、高校生牧野志保さん(17) やっぱり「となりのトトロ」。幼稚園から繰り返し見てます。豊橋には、ネコバスが
止まりそうなところがたくさんあるけど、なかなか来ませんね。私、メイちゃんに似てるってよく言われるんですよ。一人でお母さんに
会いに行っちゃうのも、分かるなあ。ま、中学校の劇で「千と千尋」を演じた時は、千尋が良かったのに結局、湯婆婆やらされましたけど。
(同県豊橋市で)
三重県南伊勢町、高校生中林龍誠さん(18) 「コナン」ですね。「未来少年」は世代的に見てないので「名探偵」の方。
「たった一つの真実見抜く、見た目は子ども、頭脳は大人。その名は名探偵コナン」の名ぜりふが、かっこいい。小学生の時に
はまって、欠かさず見てます。映画も行くし、原作も読むように。映画でコナンが少しだけ高校生の新一に戻って、恋人の蘭と
再会する場面には感動しましたね。(南伊勢町で)
読売新聞 2006年11月24日(金)東京朝刊17面
[知的にエンジョイ](4)趣味とことん 熱中人(連載)
◆消防車購入、団地を“鑑定”
NHK衛星放送に「熱中時間 〜忙中“趣味”あり」という番組がある。様々な趣味を持った人を“熱中人”として紹介するものだが、
その情熱たるや、生半可でない。
2004年のスタートからこれまで150人以上が登場。ダムばかりを撮影し続け、DVDまで作った人、消防車好きが高じて購入し、
自家用車にしてしまった人、マンホールの拓本を集め続ける人――。あまり人が見向きもしないようなことに没頭する人たちばかり。
レギュラー出演者が「何が楽しいんですか?」などと半ばあきれ顔で聞いても、気にせず熱い思いを語る。
この番組のチーフ・プロデューサー、尾関憲一さんは「仕事や日々の生活に追われる中、時間は限られていても、物事に熱中する
時間を見いだしている。趣味のユニークさというより、気持ちの充実感を持っている人々の姿を伝えたかった」と語る。
このような人たちは、マニアともオタクとも呼ばれるが、その数は増えて市場としてとらえられるほどになった。野村総合研究所
(東京都千代田区)が昨年10月に発表した、04年のマニア(オタク層)の消費予測は4110億円。音楽CDやカセットテープの市場規模に
匹敵するという。
同研究所オタク市場予測チームリーダーの北林謙さんは「集めたものなどに独自の工夫を加えたり、その関心の範囲で次々と
新しい試みに取り組むなど、これまでの趣味人ではあまり見られなかった姿です」という。
会社員の大山顕さん(33)もそんなひとり。熱中しているのは、「団地」。首都圏を中心に、団地の外観ばかりを撮影しており、
自らが運営するサイト「住宅都市整理公団」に、約100棟の団地の写真を掲載している。
外観ばかりなのは、「団地には造形としての魅力があるから」。色合いやデザインなどの点から、ひとつひとつに論評を加える。
「階数」「駅からの近さ」など客観的な評価のほかに、ダンディズムを感じる「ダンディ」、落書きなどから見た「荒廃度」など、
独自の視点からの評価がユニークだ。さらに、来月、名古屋市で団地をテーマにしたトークショーも計画するなど、活動の幅を広げている。
東京女子大文理学部教授(哲学)の黒崎政男さんは「他人からみればささいなことでも没頭し、自分の世界をつきつめていく。
そういうところにも、知る楽しさがあるのではないか」と説明する。
「どうしてそんなことを」と言われれば、「好きだから」としか答えようがない。しかし、とことんつきつめていくうちに、
新たな方向を探り、さらに心血を注ぐ。趣味の奥深さを自らの手で作り上げていく生き生きとした姿が、そこにはある。
写真=「好き」が高じて、消防車まで購入してしまった人も登場(NHKの「熱中時間」より)
http://www.sankei.co.jp/local/wakayama/061120/wky002.htm 産経新聞 200611月20日(月)和歌山県内のニュース
「びんちょうタン」の里山体験 アニメファンら炭の窯出しに汗
アニメ「びんちょうタン」をイメージしながら炭焼き体験などを行う「びんちょうタンふるさとの旅・里山体験ツアー」が
19日、みなべ町内で行われ、アニメファンの若者ら約30人が参加。炭の窯出しや植林を行った。
みなべ川森林組合のマスコットキャラクター「びんちょうタン」をテーマにしたツアーで、18日から1泊2日の日程で開催。
アニメの魅力を観光にも役立てようと企画された。びんちょうタン原作者の江草天仁さんも招き、ファンとの交流イベントの
一面も添えた。
参加者らは18日昼に同町内の紀州備長炭振興館に到着し、風鈴作りや竹馬レースを体験。19日はメーンとなる備長炭の
窯だし体験に挑戦した。
町内の炭焼き窯に集まった参加者たちは、窯の奥でオレンジ色に光る備長炭に興味津々。先がU字型になった長さ約3メートルの
鉄棒で炭を掻き出す作業を体験したが「うまくできた」と歓声があがる一方で「熱くて顔をやけどしそう」と四苦八苦する光景も。
備長炭の生産者が炭の焼き方などを解説したほか、江草さんも窯だしに挑むなど、和やかな雰囲気に包まれた。
このあと、まき割りから始めて備長炭入りのご飯を味わう炊飯体験や、備長炭の原材料となるウバメガシの植林などを行い、
参加者たちは里山での生活や文化に対する知識を深めた。
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=115253 紀伊民報 2006年11月21日(火)
初の里山体験ツアー 窯出しや植樹楽しむ
みなべ町で18、19の両日、1泊2日の里山体験ツアーがあった。県内外の参加者が、備長炭の窯出しや野外での調理、
植樹などを楽しんだ。地元の民間団体が連携して初めて開き、実行委員会メンバーらは「町の魅力を伝えようと、
旧町村を越えて協力し合えた」と話した。
実行委は、みなべ観光協会、みなべ川森林組合、町備長炭生産者組合、町商工会青年部、町梅料理研究会、みなべ炭琴クラブ、
国民宿舎紀州路みなべなどで結成した。
2月、同森林組合のマスコットキャラクター「びんちょうタン」の故郷を訪ねるツアーを、アニメ番組制作会社と大手旅行会社が
開き多くの若者が参加した。こういった機運を、地元からも盛り上げようと企画した。
埼玉県からの参加者もあり、県外から約10人、地元から約20人が参加した。2日間で、スタッフとも親しくなった。
備長炭の窯出し体験は、東神野川の森口道夫さん(50)が東本庄で営む窯で行った。1000度を超えるという窯から、
真っ赤に焼けた炭をかき出し、並べて灰をかけ火を消した。参加者らは「体験したことのない熱さ。涙が出てくる」と驚いていた。
植樹体験では、町がバブル時代の開発地に植林を進めている三里峰に、備長炭の原木となるウバメガシの苗木100本を植えた。
さらに、ウバメガシの実も埋めた。
また、近くの丘から「ヤッホーおじさん」こと貴瀬誠さん(48)=和歌山市=の指導で大きな声で叫び、山びこを体験した。
昼食は、参加者がまきを割り、昔ながらの羽釜で飯を炊いた。梅料理研究会メンバーらが作った梅カレーや梅酢を使った
焼き鳥に舌鼓を打った。
兵庫県姫路市の自営業、坂口誠哉さん(24)は、アニメをきっかけに1年ほど前から来るようになり、何度も訪れている。
「最初はアニメのキャラクターが目的だったが、次第に町の人と顔見知りになり、地域のことや本当の炭の良さを教えてもらい
町が好きになった。本気で住むことも考えている」という。
実行委員長の原正昭町備長炭生産者組合会長は「地域の人同士が、町の良さを知ってもらおうと協力し合えたのが良かった。
参加者が純粋に町を楽しんでくれるのを見てうれしかった。こういう活動をこつこつと続けたい」と話した。
【備長炭の窯出しを体験する女性(19日、みなべ町東本庄で)】
信濃毎日新聞 2006年11月25日(土)夕刊1面
新しなの人(93)=江草天仁さん 頑張ろうと思える漫画を
[頭に備長炭のキャラクター人気 江草 天仁(えくさ・たかひと)さん]
すべては仕事の合間に考えたイラストから始まった。頭に備長炭を載せた、目の大きな少女キャラクター、「びんちょうタン」。
ネットの世界では「ちゃん」ではなく、幼児言葉の「たん」をつけてキャラクターを呼ぶことが多い。そこに引っ掛けた。
勤務するゲーム制作会社のホームページに載せると、ネット上でニュースを配信するニュースサイトで取り上げられ、評判を呼んだ。
このキャラクターがきっかけで、現在は月刊コミック誌に連載を持つ漫画家となり、今年二月から三月まで関東地方で放映した
テレビアニメの原作者にもなった。
「予想外の広がりで驚きました」。フィギュアと呼ばれる人形模型として全国で販売され、アニメ化とフィギュア化という夢も
実現させ、「雲の上にいるような感じでした」と振り返る。
本名は後藤仁(ひとし)。中野市出身の二十七歳、三人きょうだいの長男。須坂高校を卒業し、電気通信大学に進んだ。
高校までは「授業中にノートの片隅に落書きした程度」だったが、大学で美術部に所属し、絵に取り組むようになった。
美術部では「表現が広がる」CG(コンピューターグラフィックス)に夢中になった。他大学との合同展覧会ではCGによる写実的な
女性を展示。「おたくっぽい」などとも言われたが、大学のSF研究会から挿絵を頼まれるなど評価を得た。
東京・有明の東京国際展示場で二〇〇三年八月に開かれたコミックマーケットに初めてブースを出した。びんちょうタンの
四コマ漫画やスケッチを掲載した「びんぼん」を出品すると、用意した百冊全部が売れた。
それからもコミックマーケットに続けて参加。専門誌から取材を受けるまでになった。そんな時、現在勤める会社の社長に声を
掛けられ、ゲーム制作会社でアルバイトをすることに。CGでゲームの背景を描いたり、色を塗ったりする仕事は楽しかった。
半面、大学で学んでいた機械制御工学には興味が持てなかった。「もう勉強は続けられない。早く絵の世界で腕を磨きたい」。
そう思い始めたころ、大学四年に進学できず留年が決まった。社長から社員になるように勧められ、中退した。
だが、二、三年は思うような仕事ができなかった。発注通りに仕事をこなす日々が続く。「つらそうだった。江草はホワイトボードに
つらい状況にある自分の絵を描くんですよ。その絵が日に日にやせ細っていった」と同僚の一人。
そんな時期にびんちょうタンが生まれた。
人里離れた山奥で一人で暮らす少女の物語。クヌギたんやちくタンなど登場人物の大半が炭に関連した名前だ。漫画の連載は
まだ続いているが、テレビアニメの最終回は、主人公が大勢の友達ができたことを亡き祖母に報告して終わる。
「訴えたかったのは友達や家族とのつながりです。けなげに頑張っている主人公を通して、見てくれた人が頑張ろうと思える
作品にしたかった」。何かと口うるさく、反抗したこともあった亡き祖母への思いも込めた。
漫画やアニメの背景には「自然に森や木が多くなる。長野で育ったことが関係しているんでしょうね」。将来は故郷で仕事をする
ことも考えながら、「『びんちょうタン』はほのぼのとした作品だったので、次は元気なキャラクターが活躍する話にしたいですね」
と意欲を燃やしている。
静岡新聞 2006年11月26日(日)朝刊19面
風紋=「医療のまち」浜松−先入観捨て、「価値」再考(浜松総局・大橋弘典)
電気街、オタク、メード喫茶―。三つのキーワードを挙げるだけで、多くの人がどのまちのことを言っているのか分かるだろう。
このところ話題に事欠かない東京・秋葉原だ。数年前までは電気問屋街のイメージが強かった秋葉原も「先端技術のテーマパーク」
というコンセプトを基に民間主体で再開発され、現在は産学連携の拠点としても注目を集めている。その“仕掛け人”の話を
聞く機会があった。
東京大の妹尾堅一郎教授。肩書と秋葉原というまちのギャップに好奇心を駆り立てられ、案の定、ユーモアあふれる講話だった。
「とんがることが大切。総花的なまちづくりは成功しない」「まちづくりは戦略性が肝心」。示唆に富む話ばかりだったが、
何よりも興味深かったのは妹尾教授が戦略を立てる上で「そのまちの特徴を徹底的に調べ上げた」という点だった。秋葉原のまちは
他のまちとどういった関係で、どういった位置付けなのか。秋葉原のまちはどんな構造をしているのか。
翻って、浜松のまちのことを考えてみた。オートバイや自動車、楽器などの「ものづくりのまち」はよく言われるが、実は
今年八月に医療担当の記者になってからというもの、つくづく浜松は「医療のまち」だと感じている。“病院銀座”と呼ばれるほど
総合病院の数も多いし、全国トップ級の医療水準を誇る病院も名を連ね、病院間の交流も盛んだ。
医療技術の面でも、浜松医科大をはじめ静岡大情報学部や工学部、高い技術力を持った地元企業が狭い範囲に集積している。
内視鏡装置の開発者を取材した際には、この集積が開発の鍵になったことを聞いた。ハード面だけでなくソフト面でも、精神保健分野
など、全国に先駆けた取り組みはある。いずれも、医療担当記者となるまでは「浜松=医療のまち」という実態は見えてこなかった。
そのまちを知り、さまざまな視点からとらえることが、まちづくりの上で重要のようだ。妹尾教授も「新たな発想や価値を生み出す
ためには、別の発想や価値を認めるところから始めるべき」と話している。先入観を取り払って、もう一度浜松を眺めてみると、
新たなまちづくりのヒントが見えてくるかもしれない。 (浜松総局・大橋弘典)
日経産業新聞 2006年11月27日(月)2面 角川グループ一丸、若者囲い込み――ライトノベル3作品、映画化(エンタビジネス)
ライトノベル3作品、来春映画化 事業連携で一貫体制 収益機会を最大化
角川グループが来春、若者向け小説「ライトノベル」シリーズの三作品をアニメ映画化する。若者向けの人気コンテンツ(情報の内容)
を新たな映像事業に育てる狙いがある。傘下に五十社以上を有する同グループは、個々の事業の融合と相乗効果の発揮が課題。
今回の試みは出版と映像の事業連携を強化し、グループ力を高める戦略の一端を担っている。
「ライトノベル」は若者向けのイラスト付き小説として一部の愛好家が注目する作品だった。大手書店が取り扱いを始めたことで
読者層が十―二十歳代に広がり、過去二、三年で急成長した注目市場だ。厳しい出版市場にあって発行部数は年間三千万部に達し、
角川はシェア八〇%を握る。
【1000万部迫る勢い】なかでも来春公開する「キノの旅」「灼眼のシャナ」「いぬかみ!」三作品の発行部数は合計一千万部に迫る
勢いだ。美少女系の主人公を中心に、学園ドラマ、ラブコメディーなどを題材にしたライトノベル市場の代表作品になっている。
アニメ映画化ではグループ企業でライトノベル「電撃文庫」を展開するメディアワークス(東京・千代田)が出版する原作を映画化。
映画製作・配給は角川ヘラルド映画、興行はヘラルド・エンタープライズなど二社が受け持つ。DVD販売は角川エンタテインメント。
グループ内でDVD販売による投資回収までの一貫体制を敷いたのが特徴だ。
メディアワークスの佐藤辰男会長は「総合メディア事業グループとして相乗効果を発揮する新たな取り組みになる」と意欲を燃やす。
「総合メディア事業」とは角川グループが目指す事業戦略で、出版部門と映像部門を事業の両輪に育て、紙媒体からインターネット、
携帯電話へ幅広くコンテンツを販売・配信していく戦略を指す。
これまでも角川グループの出版部門から巣立ち、日本のアニメ市場に名を刻んだ有力アニメがあった。「新世紀エヴァンゲリオン」だ。しかし、出版、映画、ソフト販売までグループ内ですべて完結した事業ではなかった。
グループ内で事業の一貫体制を築くことができれば映画配給やソフト販売、コンテンツの二次利用などに絡む複雑な権利関係の
交渉にも振り回されずにすむ。自社のビジネスモデルとして収益機会を最大化できるメリットが大きくなるのだ。
こうした狙いは先行して取り組んだ映像事業にすでに一部反映しており、直近の決算に成果が表れ始めている。先月発表した
角川グループホールディングス(HD)の二〇〇六年九月中間期決算(連結)は、売上高が前年同期比四・二%増の約七百四十六億円。
経常利益は二倍強の約四十七億円、純利益は四倍強の二十二億円に達した。
【小規模でも黒字】「ダ・ヴィンチ・コード」などの好調な文庫販売と新販売制度の導入による返品率改善といった出版部門の
収益率向上による寄与が大きかったが、ライトノベル「涼宮ハルヒ」シリーズのDVD販売や原作を持つ「時をかける少女」「
ケロロ軍曹」の映画化など小粒ながらも好調なアニメ作品の積み重ねも収益面で貢献した。
角川グループホールディングスの本間明生社長兼最高執行責任者(COO)は「グループで原作を映画化し、興行でも黒字化する
ビジネスモデルが実現できた」と密接なグループ内連携により小規模でも黒字を着実に出せる体制ができつつあることを強調する。
今後の展開についても「動画配信を含む新たなコンテンツの有効利用を考えたい」という。
同グループは一九四五年の創業以来、書籍に始まり、映画、雑誌、インターネットを成長へのステップと位置付けてきた。現在は豊富
なコンテンツを映画、ソフト、ゲームへと幅広く展開するメディアミックス事業の構築を目指し、グループ内で議論を活発に交わしている。
新たな成長基盤づくりには、携帯電話やウェブといった先端技術に対応して紙媒体とネットを融合する「クロスメディア」戦略
だけでなく、紙の活字離れが指摘される十―二十歳代をどう囲い込んでいくかが最大の課題でもある。ライトノベルの映画化は
若い世代に映像にも強い新生・角川を印象づける試みでもある。 (倉品武文)
【図・写真】角川はライトノベルシリーズを映像コンテンツ戦略の切り札にする(来春公開3作品の宣伝用ポスター)
毎日新聞 2006年11月27日(月)地方版27面
支局長からの手紙:マンガと文化力 /京都
「ぼくが小学生のころ、学校にマンガを持ち込んだら没収されました。それが、龍池小学校跡なら大っぴらに読めるんですねえ」
大蔵流狂言師、茂山千三郎さんの発言に会場は爆笑に包まれました。
ホント、時代は変わりました。今の子どもたちは幸せです。
京都市と京都精華大の共同事業として25日、中京区の龍池小学校跡地に「京都国際マンガミュージアム」が開館しました。
その前日に金剛能楽堂で開館記念フォーラムがあり、千三郎さんがコーディネーターを務めました。冒頭の発言はそこでのもの。
マンガ文化が市民権を得たことを、これほど実感を伴って表した言葉はありません。
さてそのマンガミュージアム。20万冊ものマンガ資料を所蔵し、マンガ文化の研究や専門家の育成、さらには新産業の創出までを
目標に掲げているのですから、気宇壮大です。
好奇心にかられてオープニング企画展「世界のマンガ展」をのぞきました。20以上の国・地域のマンガを手に取ってみると、
「海外にはこんなに多様なマンガ表現があるのか」と驚きます。少年サンデーや少年マガジンの創刊号など、なつかしい日本の
マンガ雑誌もそろっており、時間のたつのを忘れてしまいました。
大人も子どもも楽しめる。こんなユニークな文化拠点が京都の真ん中に誕生したことを、うれしく思いました。
一方で、このミュージアムをどんな風に育てていけるのか、「京都の文化力も試されている」と感じました。
フォーラムで元文化庁文化部長、寺脇研さんが面白い趣旨の発言をしておられました。
「この種の施設を国で作れという声もありました。しかし、国が作るとなれば予算を組んで資料を購入します。すると、国民の
大切な税金を使って買うのだから、手塚治虫先生はよいが、『がきデカ』はダメという話になりかねない。いろんな方からタダで
いただいたからこそ、これだけ多様な資料が集まった」
山上たつひこさんの「がきデカ」や、鴨川つばめさんの「マカロニほうれん荘」など、かなり“お下品”なマンガが大好きだった
私としては、手塚マンガしか並んでいないミュージアムでは困ります。
雑多なもの、わい雑なもの、異端も包み込んでこそ新しい文化を生み出すことができる。こうした度量の広さこそが、私たちに
求められているのでしょうね。【京都支局長・榊原雅晴】
読売新聞 2006年11月27日(月)大阪朝刊31面
[ほのぼの記者から]「心の一冊」あるはず=京都
待ちに待った施設が京都市中京区烏丸通御池にオープンしました。全国初のまんが総合博物館「京都国際マンガミュージアム」。
1〜3階の「マンガ本の壁」は、まんが本約4万冊が自由に手に取れます。「大いに読め」という意味だと受け取って、仕事も忘れて、
壁沿いにお目当てを探しました。
ありました。「キャンディ☆キャンディ」。孤児のキャンディが恋をしたり、看護婦を目指したり……。意地悪や失恋にも負けない
主人公は、大富豪の養女となってハッピーエンドに。少女時代に夢中でページをめくり、「人生にはいろいろある。前向きに生きて
いれば最後には幸せになれる」と学んだものです。
ミュージアムの研究センター長に就任する漫画家で京都精華大マンガ学部長の牧野圭一さん(69)は「まんがは夢や本音、
ブラックユーモアなど何でもあり。現実をひらりと乗り越える力がある。魅力を語り出すと尽きない。読者とミュージアムを作って
いきたい」と熱く語っていました。ここなら、忘れかけた「心の1冊」が、きっと見つかります。 (西堂路綾子)
http://www.asahi.com/culture/movie/TKY200611270244.html 朝日新聞 2006年11月27日(月)夕刊5面
交錯する虚構と現実 「現代人の心・社会、重ねた」 今敏監督、映画「パプリカ」
気鋭のアニメ監督、今敏が筒井康隆のSFサイコサスペンスを映画化した「パプリカ」が東京・テアトル新宿などで公開されている。
今秋のベネチア映画祭で絶賛された。他人の夢に入り込み、交感するという超現実の物語。「ネット社会や現代人の心のありようを
重ねた」と言う。(宮崎陽介)
セラピスト千葉敦子は、別人格パプリカになって極秘の治療を行う。DCミニという小さな機器を使い、「ミクロの決死圏」さながら、
眠った患者の夢や深層意識に入り込み、病巣のトラウマを解消する。この機器が盗まれ、人格を破壊するために悪用される。
「現実と、ネットなどから広がる虚構世界は今や区別できない。大人は『若者は現実と虚構の区別がつかないからだめだ』と言うが、
区別がつかない現実を伝えたい」。DCミニは、異界への入り口という意味で、インターネットの例えといえる。
色の「洪水」のような原色の多用、異人格を行き来するごとに巧みに切り替わる視線や内面世界、奇怪な生物の行進。
超現実の世界は、ベネチアで喝采を浴びた。
「現実と幻想のあいまいな境界を扱うようになったのは筒井ワールド、特に『パプリカ』の影響」と言う。数年前、アニメ雑誌の
対談で筒井本人から「『パプリカ』をアニメ化してほしい」と言われたそうだ。
02年の「千年女優」は、往年の大女優が若き日の悲恋を懐かしむ話で、時空を行きつ戻りつし、大きなスケールで活劇調に仕立てた。
「パプリカ」のスタイルは、その発展形だ。
夢と現実のような、無関係に見える出来事の間に意味をみてとる「シンクロニシティー」という考え方を引いて、こう語る。
「現代人は偶然や神秘に意味を与えたがっているんです。物語がないと生きられない、誰かとつながり、集団で夢を見たい。
そういう孤独の深層を探りたかった」
43歳。作中に、バーの店員役として、筒井と一緒に声の出演もした。
「過去の作品は理性的に作ってきたが、今回は着地点を予想せず、破綻も前向きにとらえた。固まってしまった想像力を、
もう一度広げてみたかった」
順次各地で。
【写真説明】「パプリカ」から/今敏監督。極めて写実的な作風に対し「実写で撮っては?」という意見も。
自身は「現実を再構成し、どこにもない世界をリアルに描くことはアニメでこそ可能」=東京都内で、蛭田真平撮影
電気新聞 2006年11月28日(火)5面
鹿島設計の秋葉原歩道橋「アキバ・ブリッジ」がグッドデザイン賞を受賞
鹿島が設計した東京・秋葉原駅前の歩道橋「アキバ・ブリッジ」=写真=が、今年度のグッドデザイン賞(日本産業デザイン
振興会主催)を受賞した。土木構造物での受賞は珍しく、審査委員から「スタンダードな手法を丁寧なエンジニアリングで
手堅くまとめ上げている」と高く評価された。
同橋は、秋葉原の新IT(情報技術)拠点「秋葉原クロスフィールド」内の2つのビル、秋葉原ダイビルと秋葉原UDXを結んでいる。
駅前再開発で増加する歩行者の安全と利便性を図り、街の新たな回遊の中心を形成する役割を担っている。
主げたには超高強度コンクリートを採用し、平らな橋面でビルの2階部分に接続。緩やかな曲線で構成されたスレンダーな主げたが、
広く開放的なけた下空間を作り出している一方、シンプルなデザインは周辺の建物に調和している。
同賞は、1957年に通産省(当時)が創立した「グッドデザイン商品選定制度」を継承する国内唯一の総合的デザイン評価・推奨
システムで、今年度は1034点が選ばれた。
http://tkj.jp/book/book_01555901.html 『このライトノベルがすごい!2007』 宝島社
■定価:本体857円+税
■雑誌:
■ISBN:4-7966-5559-X
■2006年11月22日発売
長門有希、いーちゃんなどの「人気キャラクター12人、イラストコレクション」や「ランキング1位作家インタビュー」、
人気イラストレーター・ヤスダスズヒトさんのインタビューや、表紙イラストの完成までを再現した「表紙イラストがデキルマデ」
など、単なる作品紹介だけではない、作家やイラストをフィーチャーした気になるコンテンツも盛りだくさん!
もちろん、自分の気になる作品が何位なのかチェックりたり、実は知らなかった名作発見、今年の読みもれを防ぐ、
などさまざまな用途に使えるガイドブックの形も継続で、まさにライトノベルファンのための決定版ブック。
ホントに面白いライトノベルを見つけましょう!
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20061129bk04.htm 読売新聞 2006年11月29日(水)夕刊 本よみうり堂 コミック館
「現代漫画博物館1945−2005」刊行 戦後の代表作700を厳選 詳細年表や人名事典も
「日本初の現代漫画事典」をうたう『現代漫画博物館1945−2005』(小学館)が刊行された。戦後60年間を代表する700作品を
選んで図版付きで紹介、詳細な年表や人名事典も付いた待望の一冊だ。今後の漫画研究の「基本文献」になりうるか。(石田汗太)
■26出版社が協力
『現代漫画博物館』は、漫画関連の出版社26社が、垣根を超えて協力しあったというだけでも、歴史的な価値がある。
約700作品は、小学館漫画賞、講談社漫画賞、日本漫画家協会賞などの受賞作を中心に、編集者や研究者の意見も入れて選定。
年代別に5章に分け、編集委員の米沢嘉博さんによるカラー口絵と解説を挿入した。10月に急逝した氏の漫画評論家としての
最後の仕事でもある。
全作品が図版付きで、見る事典としても楽しいが、資料性が高いのは、各作品の雑誌初出データだ。「スタッフが出版社の
資料室や図書館で現物確認した労作」と、編集委員の竹内オサム・同志社大教授も胸を張る。
別冊・資料編には、約500人の作家人名事典と、竹内さん作成の詳細な現代漫画史年表を収録。人名データはすべて作家本人が
内容を確認した。漫画家人名録は過去にもいくつか出ているが、情報の鮮度と信頼度で、今回の事典に勝るものはないだろう。
「研究者がきちんと使える事典を目指した」という竹内さんの言葉にもうなずける。
小学館は2004年に、大正〜戦前の作品を中心にした『漫画大博物館』(松本零士、日高敏編著)を出している。
今回の現代編とセットで、日本漫画史が通覧できる仕組みだ。
■「漫画学」の課題
700作という数は少なくはないが、60年分としては不満もある。「すべてのファンを満足させるのは難しい」と、編集にあたった
川村寛・小学館クリエイティブ取締役。「漫画は読者一人一人の思い入れが強い。『なぜあの作品が入ってないの?』という批判も
あるでしょう」。他にも、一コマ・四コマ系作品を割愛したこと、出版社の微妙な偏り、人名事典の記述のそっけなさなど、
総合事典として使うには物足りない点がいくつかある。作者側から収録を断られたケースもあったという。
漫画を教える大学が全国で増え、京都市には京都国際マンガミュージアムも開館したのに、まともな漫画事典がこれまで皆無だった
というのは、お寒い状況だ。「事典には書誌データの蓄積が必要なのに、地道な研究者が少ない。『漫画学』は、もてはやされる
割には底が浅い」と、竹内さんは苦言を呈する。
■「大事典」実現を
フランスでは、1998年に「世界漫画事典」とも言うべき『Dictionnaire mondial de la Bande Dessine´e』(ラルース)の
新版が出て、手塚治虫にもほぼ1ページ分を割いている。事典ではないが、今年3月に出た中野渡(なかのわたり)淳一
『漫画家誕生 169人の漫画道』(新潮社)は、一人のライターが作家を訪ね歩いたインタビュー集で、結果的に信頼性の高い
人物事典になっている。こうした仕事は、もっと注目されていい。
『現代漫画博物館』が、漫画事典として従来にないレベルの内容であることは間違いない。が、これを里程標として、さらに総合的な
『日本漫画大事典』を望みたい。その実現のためには、出版社に加えて、研究者や評論家、漫画家たちの高い意識と連携が不可欠に
なるだろう。
【写真】初の本格的漫画事典として刊行された「現代漫画博物館1945−2005」(開いた本と右奥)。
左奥はフランスで出版された「世界漫画事典」。手塚治虫のほか、大友克洋、鳥山明、谷口ジローなどの項目も
米沢嘉博さん/竹内オサムさん
紙面画像
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up154057.jpg
読売新聞 2006年11月29日(水)夕刊 本よみうり堂 マガジン
れ、恋愛がない!講談社の新・女性向け漫画誌「Beth」創刊号を読んだ最初の感想がこれ。
例えば谷川史子の『おひとり様物語』が同誌の気分をよく表していると思うが、惚れたはれたのストレスに疲れた20〜30代女性が
「恋人いなくても楽しいことあるじゃん」と気づいてきたのかも……。結果、おしゃれさを保ちつつ、微妙に「おたく」を志向する
誌面作りが興味深い。小川彌生がシリアスさを脱ぎ捨てた『わたしのせんせい』がハチャメチャで楽しい。
紙面画像
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up154075.jpg 読売新聞 2006年11月29日(水)夕刊 本よみうり堂 マイ・ヒーロー&ヒロイン
「天敵」の言葉にスカッと 岩明均「寄生獣」(講談社) 藤崎慎吾さん
右手だから「ミギーである。人間ではないし性別も不明、宿主に寄生しなければ死んでしまうから半端な生き物だ。
しかし極めて知的で戦闘能力も抜群。こんなに奇妙なヒーローも珍しいだろう。
ミギーに出会ったのは15年以上も前で、私はアメリカに留学中だった。同じ大学に通う日本人学生の部屋で独特なタッチの絵が
目にとまり、ふと手に取ってみたのがきっかけだ。読み始めてみると妙に引きこまれて、結局、帰国後も読み続けることになった。
もともとミギーの種族は、増え過ぎた人類を駆除するために誰かが発生させた生物らしい。いねば「天敵」だ。彼らは人間の頭を
食べてから、そっくりの顔に擬態して肉体を操る。人間は知らないうちに寄生され、人格的には彼らと入れ替わっていくのである。
しかし中には頭を乗っ取るのに失敗して、やむなく肉体の他の部分に擬態するものもいた。その一匹がミギーだ。
当然ながら宿主の人物とは葛藤が生じる。それは物語が進むにつれて、しばしば「人間対自然」という議論にもつながって
いくようになる。
私が留学したのは、当時からエコロジー分野で流行り始めた「持続可能性」というテーマを研究するためだった。
しかし学ぶにつれて失望が大きくなっていた。様々な理由はあるが、ここで詳しくは述べない。ただミギーが物語の終盤で
吐いた言葉は、当時の私の気持ちを代弁している。
「わたしは恥ずかしげもなく『地球のために』と言う人間がきらいだ・・・・・・なぜなら地球ははじめから泣きも笑いもしないからな」
今、聞いてもすかっとさせられる。しかし、なかなか大声では言えない。天敵ならではの台詞だ。 (作家)
紙面画像
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up154079.jpg
北海道新聞 2006年11月29日(水)夕刊2面 芸能
「パプリカ」監督の今敏 あふれる映像 考えるより感じて
他人の夢に入り込める最新テクノロジーか悪用され、人々の精神が侵されていく筒井康隆のSF小説が原作のアニメーション映画
「パプリカ」(今敏監督=札幌出身)が十二月九日(土)に公開される。あふれるような映像の洪水が繰り広げられる。
今監督は「ジェットコースターに乗るように、理解するのではなく体験してほしいと話す。
夢が題材。見た瞬間に奇妙さ、不思議さを感じさせるように苦心した。「イメージのごった煮を実写では考えられないテンポで
矢継ぎ早に示す。ある場面を『今のは?』と思った瞬間に、次の場面に移っていく。夢のイメージはそのようなものではないかと思います」
現実と夢が入れ子のように複雑に絡み合い、境界があいまいになっていく。「本来は別々の層にあるものを融合してしまう
イメージが好き。筒井さんが追究してきたメタフィクションの世界です」。筒井作品の熱心なファンで原作も早々に読んでいた。
「実は『パプリカ』のよう物語を映像でやりたくて、『パーフェクトブルー』『千年女優』と作ってきた。今作を監督するというのは
本家返りです」。三年前、「千年女優」を気に入ったという筒井からに対談の席で映画化を持ちかけられた。
筒井も気に入ったというパレードの場面。百鬼夜行のように人形、だるま、おもちゃ、家具、ポスト、カエルの楽隊など雑多な
キャラクターが、おもちゃ箱からあふれ出すように練り歩く。「人聞が理性で切り捨ててきた無意識や身体的なメッセージが
夢となって逆襲してくるイメージ」。晴れやかすぎて気持ち悪い、そう状態の不気味を目指した。
映像化するため、夢で活躍する「変身ヒロイン物」という基本的な枠組みに原作や筒井作品、自身で思いついたイメージを
盛り込んでいった。「無意識から出てくる夢のイメージを探る。ある場面を猫き、そこから連想されるものを次の場面にする。
これを繰り返し、あるシーンの最後にたどり着くまでにはヘトヘト」。前作よりもはるかに時間もかかり、頭か疲れたという。
ストーリーよりもイメージか先に立つ映像に観客の戸惑いも予想する。「見る側の想像力が加わって完成する。そんな余白を
大きくした。説明過剰なサービスに慣らされた客を、『親切はしないよ』と挑発するつもりです」。きまじめに「理解しよう」と
考えず、ぼんやりと眺めるように楽しんでほしいという。
◇
パプリカ 精神医療研究所で開発された他人の夢を共有できる最新機器「DCミニ」が盗まれる。関係者が奇怪な夢を見るようになり、
精神が侵されていく。研究所のセラピスト千葉敦子は夢のなかでの人格「パプリカ」として犯人を捜しに夢の中へ飛び込んでいく。
06年、1時間30分
【写真】「見世物のような映画があってもいいのではないかと思います」と、今敏監督=札幌市内のホテル
【写真】パプリカは他人の夢の中に飛び込み、犯人を捜す
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http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20061128-OHT1T00060.htm スポーツ報知 2006年11月28日(火)
「時をかける少女」ネット時代に蘇った筒井康隆氏の短編…報知映画賞
◆第31回報知映画賞・特別賞「時をかける少女」 インターネットの「ブロガー」たちに支持された作品や俳優を対象に、今年から
贈られることになった「特別賞」。ネットでの口コミを中心に火がついたアニメ「時をかける少女」が栄えある“第1回”に輝いた。
「ネットって本音の場という部分があって、それがネガティブになることも多いんですけど(笑い)、そういう印象が変わるくらい、
皆さんがこの作品を後押ししてくれました」と細田守監督(39)は喜びを口にした。スタートは1館だけだったがその後じわじわと拡大。
興収2.4億円、観客動員17万人のヒットになり、いまも上映中だ。
作家・筒井康隆氏(72)が1965年に発表した同名短編を、完全オリジナルストーリーで21世紀に蘇らせ、選考委員会では作品賞に
推す声も相次ぐ完成度だった。「今の子供たちが、未来をどうとらえて、そこにどう希望を見いだせるか。映画が人間のある側面を
切り取るものだとすれば、明るく元気が出るポジティブなものを作っていきたい」という細田監督。次回作も楽しみだ。
◆「時をかける少女」 時間を飛び越える「タイムリープ」という力を得た高校2年生の真琴は、親友の間宮千昭から思わぬ告白をされ
狼狽。時を戻して告白をなかったことにしてしまうが―。主役の真琴の声を女優の仲里依紗(17)が好演。
http://www.asahi.com/business/update/1129/151.html 朝日新聞 2006年11月29日(水)
テレビ朝日、東映の筆頭株主に
東映は29日、保有する自社の株式約1970万株を、テレビ朝日など5社に譲渡すると発表した。この結果、テレビ朝日は
東映株式の11.3%を保有する筆頭株主となる。
テレビ朝日の東映株保有比率は現在1.8%。今回1400万株を引き受ける。東映はテレビ朝日の創設に携わり現在も同社株の16%を
持つ第2位株主であるほか、番組制作など業務面でも関係が深い。他の譲渡先は、三井住友銀行、東北新社、朝日放送、伊藤園。
譲渡価格は1株655円。株式譲渡で東映は129億円を調達する。
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2006/11/30/07.html スポーツニッポン 2006年11月30日(木)
テレ朝が東映の大株主に 11%取得
東映は29日、自社株式をテレビ朝日など5社に譲渡し、約129億円を調達すると発表した。
調達資金は、東映グループのデジタル関連事業や撮影所スタジオなどへの投資に充てる。
譲渡する約1970万株のうち、1400万株を番組制作などで関係の深いテレビ朝日に割り当てる。
テレビ朝日の保有割合は発行済み株式総数ベースで1・8%から11・3%に上昇し、大株主となる。
三井住友銀行に約272万株を割り当てるほか、東北新社、朝日放送、伊藤園にも譲渡する。
http://www.asahi.com/national/update/1130/TKY200611290413.html 朝日新聞 2006年11月30日(木)
「いじめ」防止、少年マガジンに政府広報
政府は29日発売の講談社の少年漫画雑誌「週刊少年マガジン」に、「ストップ! いじめ」をアピールする
1ページの政府広報を出した。安倍首相が「新聞では子供が読まない。少年漫画にも出すように」と指示し、
初めて少年・少女漫画雑誌に掲載することにした。
政府広報は新聞とテレビが大半で、当初は新聞だけに掲載予定だった。広報には相談先の電話番号などが記され、
漢字にはルビを振った。12月5日発売の白泉社発行の少女漫画雑誌「花とゆめ」にも掲載される。
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200612030106.html 朝日新聞 2006年12月2日(土)夕刊4面
「鉄人28号」「バビル2世」、横山光輝の世界展 川崎市市民ミュージアム
「鉄人28号」「バビル2世」「伊賀の影丸」「魔法使いサリー」「三国志」――これだけ幅広いマンガが、
一人の作家によって描かれたと知ればきっと驚くはず。04年に火事で亡くなったマンガ家横山光輝さんの初の本格的な回顧展が、
川崎市中原区等々力の川崎市市民ミュージアムで開かれている。
原画だけで約190点、当時の雑誌やキャラクター商品、アニメ化された映像なども含めると約380点を展示。
「横山光輝の世界展」という名前の通り、作家活動のほぼすべてをたどれる。
高校卒業後、銀行員などを経てマンガ家に。鉄腕アトムと人気を二分した鉄人28号は、巨大ロボットアニメの先駆けになった。
特徴的なのは、アニメ・映画化された作品の多さだ。
「鉄人28号」など主な作品では、複数枚の原画で物語が読めるようになっている=写真(展覧会図録から、(C)光プロ)。
マンガの文法によって描かれた絵は無駄が無く、登場人物が見事にキャラクター化されている。
メディアミックスをうながした、マンガ職人の筆遣いを感じることが出来る。1月8日まで。(西田健作)
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朝日新聞 2006年12月2日(土)夕刊4面
「闇への憧れ」に安堵感 実相寺昭雄監督を悼む 批評家・切通理作
あれは世の中が高度経済成長で大きく変わっていく時代だった。
高速道路やモノレールなど、未来的な光景が映し出されるのが当たり前だった[ウルトラマン」「ウルトラセブン」に持ち込まれた
黄昏の風景。遠くからナイター中継が聞こえるアパートの四畳半でちゃぶ台を挟んであぐらを組み、地球侵略計画を語る宇宙人。
住所不定の彼らは闇の中から、時代の変化のただ中に居る我々に囁きかけるのだった。
実相寺昭雄監督が演出を担当した回は、一目でそれとわかった。逆光で人物の顔がよく見えない。美女も毛穴まで映ってしまう
ほどの極端なアップや、顔を歪めてしまうほどの広角レンズの使用。カメラを極端に低いところから構え、人物の手前に机や小物が
大きく映り込む。
しかしこれらは奇をてらっているだけのうわっつらの表現ではなかった。監督が定めた対象への心情を見る側にも最大限感じ
させるための手段だった。手前の人物やモノごしに極端に小さく人物を捉えるカメラワークからは、この世界をおそるねそる覗く
ような視線の快楽がうかがえる。
ATGで前衛映画を撮るようになってからも、アダルトビデオを手がけるようになってからも、乱歩ものを手がけても、実相寺監督の
作品には、この世のど真ん中ではなく、片隅に生きながら、誰ともわかりあえない世界を志向してしまう登湯人物が目立った。
それは監督自身の著書の題名にもある「闇への憧れ」だったのかもしれない。
でもそこにはどこか安堵惑があった。バプル絶頂期に作られたアダルトビデオ「アリエッタは、貧困の中、父のない幼い子を
育てるために風俗に身を投じた女が、ラブホテルで絞殺されるというお話だったが、検視のカメラのフラッシュで彼女の陰毛が
断続的に浮かび上がる映像とともに「死に顔が安らかだった」という言葉がたむけられる。
彼女が風俗店の待合室から仕事先のホテルまで自転車で通うひなぴた商店街、遂の片隅にゴミ箱が投げ出された風景。
都電が通るそこは、実相寺監督の本籍地であった。監督本人も、その黄昏の原風景に還っていったのだろうか。
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http://www.sankei.co.jp/culture/enterme/061203/ent061203000.htm 産経新聞 2006年12月3日(日)
【葬送】映画監督・実相寺昭雄氏 信じれば見える“ウルトラの星”
抜けるような青空の下、「ペール・ギュント組曲」の「オーゼの死」が静かに流れていた。「ウルトラマン」をはじめ、
テレビドラマや映画の監督、オペラの演出と幅広く活躍した実相寺さんの葬儀には、幼い子供や女子高生、さらに指揮者の
小澤征爾さんの姿もあった。実相寺さんが旅立つ「ウルトラの星」は、こんな明るい空でも信じる者には見えるという。
焼香台の前に並べられたスナップ写真の中には、「ウルトラマン」に登場した怪獣ジャミラとのショットも。
友人で演出家の飯島敏宏さんは「彼はオーソドックスを否定しながらも奇をてらわず、クラシックを極めた。
それは創作活動だけでなく、多彩な趣味にも通じていた」。俳優の寺田農さんは「『生きてるなんて、しょせん死ぬまでの
暇つぶし』が口癖だったあなたには、死ぬのも、生きて戻るまでの暇つぶしかも」と遺影に語りかけた。
妻で女優の原知佐子さんは「“実相寺組”のイベントで、喪主という役を演じている気分」と漏らす。胃がんで入院中だったが、
これほどの急逝は本人も予期していなかっただろう。来年も、オペラの演出や本の執筆などスケジュールでいっぱいだった。
奇しくもこの日、都内のホールで、最後の演出作となったハイドンのオペラ「月の世界」が上演された。客を楽しませようという
コミカルな演出。ウルトラの星への旅の途上、きっと本人もこの舞台を楽しんでいったに違いない。享年69。(寺西肇)
【写真】死去した実相寺昭雄氏
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20061203-OHT1T00058.htm スポーツ報知 2006年12月3日(日)
実相寺監督告別式で寺田農が弔辞
「ウルトラマン」シリーズの演出などで知られる映画監督・実相寺昭雄さん(享年69歳)の葬儀・告別式が2日、
東京・文京区の麟祥院で営まれた。
実相寺監督と40年を超す親交があり、遺作となった「シルバー假面」(23日公開)にも出演している寺田農(64)が
俳優代表として弔辞。「(実相寺監督との仕事は)仕事をしてる気がしなかった。天才的なひらめきの光と影の世界に
身を委ねていればよかった」と故人をしのんだ。
女優で妻の知佐子さんは「実相寺組の一世一代のイベントに喪主役として出ている。そんな気分です」とあいさつ。
突然の旅立ちに夫の死をまだ実感できないようだった。
http://www.rock-net.jp/cut/next.html 『CUT(カット)』2006年12月号(11月19日発売) ロッキング・オン発行
特集:CUTが選ぶ日本のアニメ映画ベスト30!
CUTがお届けするアニメ映画の大特集は、日本人なら愛さずにいられない数々の名作から、大胆不敵に30本をランキングする
特別企画です! 気になる堂々の1位は……!? そして、歴史に残る傑作を生んだ天才たちへのインタビューから、
噂の新作『鉄コン筋クリート』『パプリカ』『アフロサムライ』の徹底分析まで、読みどころ満載の保存版!
『機動戦士ガンダム』富野由悠季
『新世紀エヴァンゲリオン』大月俊倫プロデューサー
『攻殻機動隊』押井守15000字インタビュー
『時をかける少女』細田守
『鉄コン筋クリート』 蒼井優、宮藤官九郎×マイケル・アリアス
アニメ中毒者対談 岡田斗司夫×品川祐(品川庄司)
「オタク in USA」 パトリック・マシアス ←
『パプリカ』今敏
『アフロサムライ』RZA、岡崎能士
http://www.rock-net.jp/h/next.html 『H(エイチ)』2006年12月号(11月30日発売) ロッキング・オン発行
☆特集『コミックH 06〜マンガみたいに生きたい〜』
今月のHは広がり続ける日本の“コミック”の今を豪華ラインナップで、本人たちも思い入れたっぷりのビジュアルと共に大特集!
●映画『鉄コン筋クリート』――二宮和也×蒼井優etc.
巻頭を飾るのは、松本大洋原作のアニメ映画『鉄コン筋クリート』! 表紙と中面12ページにわたるフォトページでは、
声優に初挑戦した二宮和也と蒼井優が主人公・クロとシロに扮し、スクリーンから抜け出してきたかのようなキュートな姿を披露。
そのほか、マイケル・アリアス監督、主題歌を担当したアジアン・カンフー・ジェネレーション後藤正文のインタヴュー、原作の
世界を解き明かす詳細解説などで『鉄コン〜』の世界を徹底検証! 松本大洋がこれまでにH誌上で発表してきた作品も一挙公開します。
●中川翔子 しょこたんのマンガ「履歴書」
芸能界随一のマンガフリーク・しょこたんこと中川翔子が、生まれてからこれまでの自分を支えてくれたマンガ全53冊を
マンガ喫茶にて猛烈に語り尽くします!
●中島美嘉『NANA』
いよいよ公開が迫る中島美嘉主演映画『NANA2』のフォトギャラリーと、彼女への書簡インタヴューで「中島美嘉にとっての
『NANA』」に迫ります。
●映画『天然コケッコー』
くらもちふさこ原作の人気マンガを映画化、現在、島根県にて撮影中の『天然コケッコー』の現場を潜入レポート。
主役の夏帆さんのインタヴューと撮り下ろし写真でこの映画の世界をいち早くお見せします。
●その他、H注目のマンガ家がインタヴューに登場。ラインナップは以下の通り。
・石原まこちん
・ジョージ朝倉
・浅野いにお
その他、来年公開の注目マンガ原作映画の情報も満載、充実のコミック特集です!
93 :
無なさん:2006/12/04(月) 20:10:51 ID:???0
毎日新聞 2006年12月1日(金)北海道夕刊9面
おでん缶:がんも、つみれ、牛すじ…アツアツ 電気店で気軽に、道内も人気沸騰
東京・秋葉原の電気街で昨冬、ブームに火がついた「おでん缶」が札幌市内の電気店で発売され、人気を集めている。
特に、併売している「焼き鳥缶」は現在、入荷待ちの状態。ホット飲料用のケースを使った加温販売も始まり、
師走に入って寒さが厳しくなった札幌で支持層を広げている。【芳賀竜也】
10月から店頭販売を始めたのは北区のパソコン用品店「DEPOツクモ札幌駅前店」(若林光也店長)。
「専門的なコンピューター部品の取り扱いが多いので、本場の秋葉原の雰囲気を出したかった」(同店)という。
秋葉原でも人気を集めている「天狗缶詰」(名古屋市)製の「おでん缶」(280グラム入り270円)と「焼き鳥缶」
(6串(くし)入り230円)を扱う。おでんは牛すじ、つみれ、がんもどきの3種で、ちくわや大根は各缶共通で入る。
焼き鳥はタレと塩の2種。
中には24缶入りのケースごと購入する客もおり、同店副主任の前田慎一さん(29)は「予想外の好反応にびっくり。
寒さに比例して売れ行きが伸びている」と期待する。おでん缶3種類を食べ比べたという同区の北海道大大学院2年、
宮田浩臣さん(25)は「牛すじが一番うまい。どの具もしっかり味が染み込んでいる。欲を言えばもっと熱くしてほしい」と話す。
秋葉原でのおでん缶販売は90年ごろから始まったとされ、新聞やテレビ報道で爆発的に広まった。自動販売機で買える
手軽さや物珍しさが受けたと言われる。
■写真説明 寒くなるにつれ、売れ行きが伸びている「おでん缶」=札幌市北区の電気店で
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朝日新聞 2006年12月1日(金)朝刊34面
コスプレの着替えもここで 有料公衆トイレ、アキバで好評 /東京都
千代田区は30日、今年10月16日に秋葉原駅前で開いた有料公衆トイレ「オアシス@akiba」の利用者が1カ月半で1万人に達したと
発表した。1回100円(小学生以下と障害者は無料)で掃除の行き届いたトイレを利用できるほか、無料のパソコンコーナー=写真=
や喫煙所も備える。目新しさと管理人が常駐する安心感もあり、女性の利用者が3割を占めるという。
区道路公園課によると、1日あたりの利用者は217人。開設後初めての土曜日だった10月21日には433人が利用した。男女別では、
女性の利用が3分の1を占めるという。
03年度に区が実施した「公衆トイレの利用実態調査」では女性の利用は3%ほどしかなく、区は「安全で快適に利用できることから
支持を得られた」と分析している。
トイレには着替え台も備えられており、週末の秋葉原でアニメやゲームの登場人物に扮する「コスプレ」愛好者にも好評だという。
http://news.goo.ne.jp/article/sponichi/entertainment/kfuln20061205006003.html スポーツニッポン 2006年12月5日(火)
クレヨンしんちゃん東大で子育てセミナー 保護者の敵$ヤ門くぐって講釈したゾ
教授が太鼓判
人気アニメ「クレヨンしんちゃん」を題材にしたセミナーが4日、東京大学(東京都文京区)で開かれ、しんちゃんも赤門を
くぐって参加した。題して「クレヨンしんちゃん“元気!”子育て大作戦」。テレビ放送15周年を記念して、東大大学院
教育学研究科の汐見稔幸(としゆき)教授が、アニメ映像を使いながら子育てのヒントについて講演した。
幼稚園児のしんちゃんは母親を「みさえ」と呼び捨てにし、お尻を丸出しにして歩くなどPTAから「下品」と指摘され、
「子供に見せたくない番組」で常に上位にランキング。03年にはワースト1になったこともあった。しかし、汐見教授は
「うちの子も同じようになる…と思う親の気持ちは分からないでもない。ドタバタしながら子育てする野原家はほのぼのとして
温かい。いいじゃないか」と、ありのままの姿で元気に子育てをする「野原家」を高く評価すると、子育てに悩む親ら参加者
約100人は大きくうなずいていた。
寛斎と意気投合
この日は、デザイナー・山本寛斎(62)と女優・山本未來(32)父娘も参加。しんちゃんは「母ちゃんは妹の“ひまわり”
ばかりかわいがるんだ〜」と悩みを打ち明け、汐見教授から「小さい時は同じようにかわいがってもらっていたんだよ」と
諭される一幕も。未來から「2人は似ている」と言われた寛斎としんちゃんはその場で意気投合。「僕の舞台に出てほしい」(寛斎)
とのラブコールに、しんちゃんは「どんな役?」と興味津々だった。
【写真】東大で行われた子育てセミナーに参加した(左から)汐見稔幸、山本寛斎、しんちゃん、山本未來
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朝日新聞 2006年12月1日(金)夕刊6面
(時評圏外)エロマンガよ永遠なれ 小川びい
今回はエロマンガについて……と書き出して、ちょっと緊張してる。なにしろ、このコラムが載っているのは朝日新聞。
朝日と言えば、90年9月4日の社説「貧しい漫画が多すぎる」が思い浮かぶ。
Hな題材を扱ったマンガを「低劣」「貧困」と非難した、あの社説をきっかけとして、90年代はじめに「有害コミック騒動」
が起きたのだ。
……てな歴史も教えてくれる本が出た。永山薫の『エロマンガ・スタディーズ』(写真、イースト・プレス)は、手塚治虫から
始まるエロマンガの歴史を縦軸に、現在のジャンルの広がりを横軸にして、その全体像を描こうという野心作だ。連綿と続く歴史と、
様々なフェティシズムによって生み出された異形のジャンルの数々は、よく知らない人にとって驚きの連続だろう。
時に暴走するその記述は、研究と呼ぶには少々ゆがんでいるかもしれない。けれど、この本の読みどころは、まさにそのゆがんで
暴走する部分だ。いみじくも社説が指摘したようにエロマンガは「低劣」で、発想が「貧困」だ。読者と描き手の欲望のままに増殖し、
影響も隠さない。だからこそ豊かな実りもまた多く、他のジャンルへも多くの作家を輩出してきた。こんな暴走する世界を
表現するには、書き手もまた暴走せざるをえないのだ。編集側からの証言である、塩山芳明『出版業界最底辺日記』(ちくま文庫)
と合わせて読めば、さらに面白い。
一方で、安田理央・雨宮まみ『エロの敵』(翔泳社)によれば、エロ雑誌やAVを中心とするアダルトメディアは今、ネットの影響で
大変な危機に瀕しているという。エロマンガも他人事ではない。一見百花繚乱なのも裏を返せば、強い求心力を失い、ひたすら
読者のニーズに合わせ分化した結果とも言えるのだ。歴史を振り返る企画が出ること自体、全体が落ち着きつつある証拠かもしれない。
どうかエロマンガがこれからも低劣で(おもしろく)ありますように! (ライター)
参考サイト:悠々日記
ttp://d.hatena.ne.jp/YUYUKOALA/20061202 『エロマンガ・スタディーズ 「快楽装置」としての漫画入門』(永山薫/著 イースト・プレス 2006.11)
http://eastpress.rabby.jp/search_buy/srh_shouhin.php?serial=520 『出版業界最底辺日記 エロ漫画編集者「嫌われ者の記」』(塩山芳明/著 筑摩書房 2006.7)
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480422354/ 『エロの敵 今、アダルトメディアに起こりつつあること』(安田理央・雨宮まみ/共著 翔泳社 2006.9)
http://www.seshop.com/detail.asp?pid=7222
【発掘!オタク記事】(
>>97の参考 16年前の記事)
朝日新聞 1990年9月4日(火)朝刊5面
(社説)貧しい漫画が多すぎる
東京都の生活文化局が、市販されている332種の週刊誌や月刊誌について、そのセックス描写を調べてみた。
硬派の雑誌も含めた調査だが、それでも、あきれるような数字が並んでいる。
「漫画の50%は性的描写を含み、8%は自慰行為を描いていた」
「グラビア写真に登場する女性のうち、41%が性的器官を強調されていた」
四コマ漫画を除く、いわゆるストーリー漫画を約1200作品、約13万コマを丹念に調べた結果だ。グラビア写真の人物は
約7000を点検しており、この種の調査としては、前例のない規模だろう。
外国からやってきた人は、電車に乗ってみて、露骨な漫画や写真の載った印刷物を広げる日本人の多さにびっくりする。
ポルノが解禁されている欧米でさえ、場所も時間も構わずに、これほど堂々と「性」がはんらんしている地域は珍しいだろう。
都民へのアンケートでも、青少年への影響を憂える声が大きかった。こうした漫画や写真を幼い時から見せられて育つと、
どんな人間になるのだろうか。文化の将来を考えて、そら恐ろしい気持ちにもなる。
とくに強調したいのは、こうした現象を女性の立場で考えてみる、ということだ。今回の調査を分析した執筆陣は、
性の商品化、とくに女性を「モノ」として見る風潮を厳しく批判していた。
都民に「女性の身体の一部分を強調した表現をどう感じるか」と聞いてみた。女性の55%は「不快だ」「女性蔑視(べっし)」
と答えており、「きれい」との反応は17%だけだった。男性の、それぞれ18%と39%に比べると、感じ方の違いが分かる。
集められた漫画の多くが、男性中心の物語だった。暴力による性行為でも女性は快感を感じるとか、つねに奉仕するポーズを
女性にとらせるとか、男の好色に都合良く描かれている作品が少なくない。
男性の編集者や漫画家は「物語の流れから必然の描写だ」「女性蔑視どころか、美しく描いている」などと反論する。しかし、
「性交の場面がキス場面の2倍以上もある」といった調査結果を読むと、商売優先、そして発想の貧困、と思わざるをえない。
この夏、「鉄腕アトム」の手塚治虫さんをしのぶ展覧会が、東京国立近代美術館で開かれた。ユーモアと人間性、そして
文明の将来を憂える哲学など、改めて学ぶことは多かった。その理想と創造力を後輩作家がもう少し受け継いでいたならば、
「漫画亡国」の批判も起こらなかったろうに。
昨年、大胆な水着ポスターなどに抗議した女性グループがあった。不自然な図柄は劣情を刺激し、女性の人格を無視している、
という主張だ。非を認め、前向きの努力をした企業も少なくない。エッチな出版物についても、女性の側から「不快です」
の声が続けば、内容は変わっていくかもしれない。
もちろん、低劣であることを理由に、法律や条例で規制するべきではない。問題の多い雑誌などがあっても、話し合いと、
出版側の自制で解決していくべきだ。
その代わり、マスコミに携わるすべての人々は、1975年に国際婦人年世界会議で採択された「メキシコ宣言」を思い起こして
もらいたい。こんな趣旨の一節である。
「すべての報道、情報、文化メディアは、今日なお女性の発展を妨げている文化上の要因の除去につとめ、女性が果たしていく
価値を肯定的に社会に投影させることについて、高い優先度を与えるべきである」
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http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20061204bk10.htm 読売新聞 2006年12月3日(日)東京朝刊14面 文化 本よみうり堂
「赤ずきん」絵・ぽっぷ 文・はやのみちよ
澄んだ大きな瞳、やわらかそうなほっぺ、丹念に描きこまれたフリル……。この絵本には、二通りの読者がいるはずだ。
「かわいい!」と叫ぶ小さな女の子と、「萌える!」という大きなオトコノコと。
イラスト担当のぽっぷ氏は、3年前に異色の英単語帳「もえたん」で、アキバ系男子に絶大な人気を博した絵師。この一冊で
出版界に「萌えブーム」が起きたほどだ。次なる挑戦が世界の名作童話シリーズと知って驚いたが、同時に深く納得もした。
アニメっぽい水彩ふうの画面は、今どきの絵本としてむしろ正統的。が、萌えアンテナを持つ人にはびんびん来る。
本書は2冊目で、春に出た第1弾「ふしぎの国のアリス」は、普通の児童向け絵本の2倍のセールスを記録したという。
これが児童書出版の老舗からの仕掛けとは、時代も変わった。子どものために買ったはずのお父さん、思わず独り占め
しないよう気をつけて。(ポプラ社、1300円)(汗)
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>>99と同じ日付の記事
読売新聞 2006年12月3日(日)東京朝刊13面 文化 本よみうり堂
[あの本からこの本へ…]「赤ずきんちゃん」の誘惑 村田喜代子(寄稿)
今年の夏のこと。地元、北九州の美術館で、童話「赤ずきん」の原画展が催された。
会期中は赤ずきんに扮した客は無料になるというので、私か非常勤で通っている下関の私大でも、さっそく幼児教育学部の
生徒たちが赤ずきんスタイルになって出かけて行った。
当日どんな扮装になったのかと、私がわくわくして夕刊を見ると、小さな囲み記事にカラー写真が付いていた。
引率の女性教員(四十?歳)が赤いネッカチーフ、赤いベストに、スカート姿、花カゴを抱えて赤ずきんを決めていたのは天晴れ。
女子学生はエプロン姿で花を持ったところはさすがに愛らしい赤ずきんになっていたが、男子は頭に赤いハンカチを申し訳に
かぶっただけ。
やはり一人張り切ったのは、下関の大学からバスやJRなど交通機関を使ってデモストレーションをやり、来春の入学生の
増加をはかろうとした先生だけという感じだ。
とはいえヨーロッパ中世から何百年間も年端のいかない女の子に、寄り道の誘惑に負けると、怖いオオカミが出るぞ、
と脅した教育の成果で、「赤すきん」は版を重ね続け世界中から集まった赤ずきんの原画は大したものだったと先生が言う。
すると私も行きたくなった。赤ずきんに何の関係もない連載小説を執筆中だが、またそんなときこそ行きたくなるのである。
私は入場料は払うつもりだから、赤ずきんのネッカチーフもエプロンも不要だ。
出かけて行くと、なるほど面白かった! 「赤ずきん」の赤い色は中世では危険、背徳の罪の色なんだそうだ。
「赤ずきん」のストーリィには幾つもバージョンがあって、赤ずきんがオオカミを煮殺す話もある。凄いのは赤ずきんが
オオカミをぱりぱり食べてしまうのだ。時代と共に赤ずきんも変遷するのだった。
帰るとすぐインターネットを開いて、本探しにハマッた。『絵本をひらく・現代絵本の研究』(人文書院)。
『ギュスターブ ・ドレ挿画集』。『絵本グリムの森・赤ずきん』絵・大竹茂夫。『絵本・グリム童話・赤ずきん』絵・飯野和好。
『赤ずきん』絵・バーナディット・ワッツ。なぜかこうなるのである、私は。 (作家)
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読売新聞 2006年12月6日(水)夕刊 ポップスタイル vol.35
三遊亭白鳥のスワンのバカ
ゲームオタクは減量必至!?
クリスマスに向けて、各社の新型ゲーム機が出揃った。実は俺もゲームマニアで、朝から晩までドラクエにはまったものだ。
ファミコン時代では出来なかったような事が今は可能になり、43歳の俺はいささか戸惑っている。
まずオンライン対戦。俺の好きなRPGは、一人でコツコツとレベル上げの苦行僧みたいな孤独な作業だった。しかし今は
パソコンだけではなく、普通のゲーム機でも世界中の人と仲間になリ協力し合い、モンスターを倒したりするのが大人気だ。
でもちょっと待ってくれ! ゲームというのは非日常が良いのであって、他人と助け合って何かを成し遂げるって、まるで現実の
仕事と一緒じゃないの?俺は遊びで自己紹介したり、話合わせたりするのは嫌だよ。ただでさえ地方の落語会の打ち上げで
「いや、市長の言うとおり、憎いね」なんてやってんだからさ。だけどそう考えると、現代の人はいつも現実が孤独だという事に
なるのかな?
だがもっと驚くのは、体を動かすゲームが増えた事だ。だってゲームが得意な奴って小太りの運動オンチが多くなかった?
いや、俺の偏見かもしれないけど絶対的に運動が苦手な奴が多かったはずだ。だってファミコンの高橋名人がそうだったもの。
走るのは遅いけど、華麗な指先テクニックでマリオなんて、あっという間にクリアすればみんなの人気者だ。
だけど今度はリモコンを振るスピードやタイミングか要求され、体の切れが求められる。そうなれば今までゲームキングとして
君臨していたオタク達も、命がけでダイエットするんじゃない? 長時間ゲームするにはスタミナが必要になって、そのために
引きこもりのゲーム少年が毎朝ジョギングして元気になって、すれ違う人に「おはようございます」ってきちんと裕福したりして。
良い事じゃないか………。誰か新型ゲーム機売ってください。
紙面画像
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up155809.jpg ※この他にも同じ夕刊の「ALL ABOUT」では楳図かずお特集
>70歳の今も元気いっぱいの漫画家、楳図かずおさんが登場。
>ホラーからギャグまで、幅広い作品を生み出し、そのどれもが強烈な個性に彩られています。
>発想の原点について聞きました。
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/ghibli/cnt_eventnews_20061206a.htm?from=os1 読売新聞 2006年12月6日(水)
手嶌葵がジブリ美術館で初ライブ
映画「ゲド戦記」(宮崎吾朗監督)で挿入歌「テルーの唄」を歌った歌手の手嶌葵が5日、東京の「三鷹の森ジブリ美術館」
で初ライブを行った。
公演は2ステージ行われ、三鷹市民など240人を招待した。デビューアルバム「ゲド戦記歌集」の収録曲のほか、
来年2月7日発売の新アルバムの収録曲「徒然曜日」など、11曲を披露した。
ライブが行われたジブリ美術館のロビーは、「ゲド戦記歌集」に収録されている「数え歌」を収録した場所。
「思い出深い場所で初ライブができてうれしい」と語った。
「テルーの唄」では、作曲者の谷山浩子が登場し、ピアノで伴奏したほか、吾朗監督もトークゲストで出演。
手嶌と初めて会ったときのことを「僕も彼女もあまり口数が多くないので、隣にいた鈴木敏夫プロデューサーが
一人でしゃべっていた」と振り返った。
【写真】夕暮れの館内で歌う手嶌葵
http://www.asahi.com/culture/nikkan/NIK200612060011.html 朝日新聞 2006年12月6日(水)
「ゲド戦記」主題歌“パクリ”認めた
今年6月、アニメ映画「ゲド戦記」(宮崎吾朗監督)の「テルーの唄」でデビューした歌手手嶌葵(19)が5日、
三鷹市の三鷹の森ジブリ美術館で初ライブを行った。
「テルー−」は宮崎吾朗監督(39)の作詞。歌詞の「心を何にたとえよう」が、一部で大正、昭和に活躍した詩人、
萩原朔太郎の「こころ」の「こころをばなににたとへん」に似ていると指摘され、騒動になっていた。
同監督は、以前から「萩原さんの詩に感化された」と公言していたが、作詞は「宮崎吾朗」のみの表記。
だがこの日、スタジオジブリの広報が「テルーの唄の作詞について記載される場合は『萩原朔太郎の詩、こころに
着想を得て作詞されました』と表記していただくようお願いいたします」と初めて見解を出し、騒動に決着した。
手嶌はこの日「数え唄」など11曲を歌い「緊張しました。トークを頑張って考えました」と話していた。
http://chuspo.chunichi.co.jp/00/hou/20061206/spon____hou_____008.shtml 中日スポーツ 2006年12月6日(水)
手嶌葵「緊張しテルー」 ジブリ美術館でコンサート
スタジオジブリのアニメ「ゲド戦記」(宮崎吾朗監督)の挿入歌「テルーの唄」で歌手デビュー、同映画のヒロインの声も
務めた手嶌葵(19)が5日、東京・三鷹市の三鷹の森ジブリ美術館で初のコンサートを開催。招待した240人のファンを、
妖精のささやきのような声で魅了した。
寡黙で大の照れ屋として知られる手嶌は「緊張しテルー!」を連発しながらも、ファーストアルバム「ゲド戦記歌集」の世界を、
アコースティックバージョンでじっくりと熱唱。
来年2月に出すセカンドアルバム(タイトル未定)に収録する新曲「徒然曜日」なども初披露して、ファンを喜ばせた。
ステージには、「テルーの唄」の作詞の宮崎監督や、作曲の歌手谷山浩子(50)もお祝いに駆けつけた。 (安崎和司)
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20061206-OHT1T00046.htm スポーツ報知 2006年12月6日(水)
手嶌葵、ジブリ美術館に“凱旋”
アニメ映画「ゲド戦記」の挿入歌「テルーの唄」で6月にデビューした歌手の手嶌葵(19)が5日、東京・三鷹市の
三鷹の森ジブリ美術館で初コンサート(2公演)を行った。
初アルバム「ゲド戦記歌集」の収録曲「数え唄」を同館で録音したことから“凱旋公演”が実現。ステージを
観客120人が取り囲むアットホームな雰囲気だったが、手嶌は「緊張します」を連発。30万枚を売り上げた同曲を、
作曲者の谷山浩子のピアノ伴奏で披露したほか、来年2月7日発売の新アルバム(タイトル未定)の収録曲「徒然曜日」
など全11曲を聴かせた。
終盤、宮崎吾朗監督(39)がゲスト出演。言葉少なの手嶌に、谷山から「お見合いしているみたい」と突っ込みも。
手嶌は「トークは頑張って考えた。自分ではしゃべってるつもり。家では話します」。同映画のテルー役で声優にも
挑戦した今年を振り返り「以前より人とコミュニケーションを取ろうとするようになった」と“話好き”をアピールしていた。
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2006/12/07/07.html スポーツニッポン 2006年12月7日(木)
斉藤由貴アニメ主題歌で7年ぶり新曲
女優の斉藤由貴(40)が7年ぶりに新曲を出す。来年1月7日スタートのアニメ「レ・ミゼラブル 少女コゼット」
(BSフジ、日曜後7・30)のオープニングテーマ曲「風の向こう」で作詞も担当。東京・お台場の同局で6日、
制作発表が行われ、ナマ歌も披露した。放送開始後の1月27日に発売される。
75年の「フランダースの犬」から始まった「世界名作劇場」の24弾。10年ぶりの復活作に選ばれたのがビクトル・ユゴーの
不朽の名作で、19世紀のパリを舞台に、信じることを忘れずにけなげに生きた少女コゼットにスポットを当てて描かれる。
斉藤は「“あらいぐまラスカル”など、私も名作劇場を見て育った世代。名誉なこと」と笑顔。7歳(長女)、3歳(長男)、
2歳(二女)の3児のママだけに「寝かしつけて、夜11時くらいから気合を入れて詩を書きました」と母親の顔をのぞかせた。
【写真】7年ぶりのCD発売。ナマ歌を披露した斉藤由貴
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20061207-OHT1T00060.htm スポーツ報知 2006年12月7日(木)
斉藤由貴、8年ぶり新曲
女優の斉藤由貴(40)が来年1月24日に8年ぶりのソロシングル「風の向こう」をリリースする。
同曲はBSフジで07年1月7日からスタートする世界名作劇場「レ・ミゼラブル 少女コゼット」の主題歌。
6日、都内で行われた制作発表では生歌も披露した斉藤は、3人の子供の母親。「私も名作劇場で育ったクチ。
復活すると聞いてすごくうれしかった。一母親としても、子供に安心して見せられる」と喜んだ。
世界名作劇場は「フランダースの犬」「あらいぐまラスカル」などを送り出したフジテレビ系のアニメ。
97年3月、23作目の「家なき子レミ」をもって終了した。
【写真】斉藤由貴
http://www.nikkansports.com/entertainment/f-et-tp0-20061203-125320.html ニッカンスポーツ 2006年12月3日(日)
南野陽子がグラビアフィギュアを初披露
女優で歌手の南野陽子(39)が3日、都内でファンイベントを行い、グラビアフィギュアを初披露した。
9月に歌手、ドラマ、映画、舞台の4バージョンを発売しており、今回が5パターン目。
真っ赤なスクール水着を着て、大きな葉を手にしている。「当時のまんま」と話す約15センチの分身だ。
【写真】グラビアバーションのフィギュアを発売する南野陽子(撮影・松本久)
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200612/gt2006120406.html サンケイスポーツ 2006年12月4日(月)
南野陽子、新作フィギュアで18歳水着姿を再現!
歌手で女優の南野陽子(39)が3日、東京・有明の東京ビッグサイトで、新作フィギュアの発売記念イベントを行った。
9月にデビュー20周年記念企画の一環として4種類のフィギュアを発売しており、今回が5パターン目。
南野は、18歳の時のグラビアを再現した新作について「ひざの上の肉付きがいいので付け足してもらいました。
胸も小さいし、当時のまんま」とうれしそう。フィギュアは今後も作っていく意向で「次の第1希望はウエディングドレス姿、
第2希望もウエディング姿。それを望みます。何年後かには必ず」と笑った。
フィギュアは、税込1万4700円。来年2月中旬に発売される。
【写真】真っ赤なスクール水着を着た約15センチの分身に、顔をほころばせる南野陽子=東京・有明
http://www.sansaibooks.co.jp./mook/mook/index.html 三才ムック 月刊ゲームラボ特別編集『現代視覚文化研究』
定価1400円(税込み) 送料290円 A5判 12月15日(金)発売予定
前人未踏のアキバ系カルチャー読本!!
アニメ・ゲーム・コミック・ライトノベルなど、いわゆる「アキバ系」と呼ばれる諸作品を評論・研究。
気鋭の筆者陣による超充実のリポートが満載。執筆:本田透、ちゆ12歳、吉野健太郎、アニメ会…他
内容の一部
「うたわれるものらじお」密着取材/「MUSASHI-GUN道-」製作者インタビュー/同人音楽を聴こう!
/アニメ会の萌え話/現代視覚文化検定/ビバ!メガネくん/超解読「涼宮ハルヒ」/恐るべきコンビニ漫画の世界
/終わらない「新篠まゆ先生」伝説/次にくる同人ゲームはこれだ!/ダンゴムシでも書けるライトノベル講座…他
http://www.switch-pub.co.jp/switch/2006/12/index.html 『SWITCH(スイッチ)』 2006年12月号(Vol.24 No.12) 11月20日発売 価格840円(税込)
特集: 井上雄彦[バガボンド、最後の頂へ向う旅]
すでに単行本も24巻を数える漫画『バガボンド』が、いよいよ佳境へと差し掛かりつつある。
幾多の剣豪達との勝負の果てに生き残った、宮本武蔵と佐々木小次郎。作者である井上雄彦は、
この物語の結末を描き切るために、いま何を必要としているのか。ようやく見えてきたその頂までの距離を探る
特別収録!井上雄彦描き下しポスター
ドキュメント|北海道取材旅行「井上雄彦、北への森」
スケッチブック|井上雄彦が描く、北海道の湖オンネトーの秋の自然
ロングインタビュー|「バガボンド、最終回へのカウントダウン」
ドローイング|画集『WATER』『墨』から井上自身が抜粋した画を掲載
DVD『DRAW』から読み解く漫画術
http://mantanweb.mainichi.co.jp/web/2006/12/ds151.html 『新世紀エンタメ白書 2007』
まんたんブロード (編さん) 価格: ¥ 800 (税込) 大型本: 176ページ 出版社: 毎日新聞社 (2006/12/8)
出版社 / 著者からの内容紹介
マンガ・ライトノベル・アニメ・ゲームの要チェック作品がこの1冊でわかる!
06年を騒がせた「涼宮ハルヒの憂鬱」「デスノート」、ニンテンドーDSを徹底分析する特集の他、
マンガ・ラノベ・アニメ・ゲームの注目作品レビュー151本を一挙掲載。
さらに「大奥」のマンガ家・よしながふみと「GOSICK」の作家・桜庭一樹の巻頭対談、
「鋼の錬金術師」を制作したMBSプロデューサー・竹田青滋とBONES社長・南雅彦対談、
映画監督・押井守、エヴァンゲリオンプロデューサー・大月俊倫インタビューなどを収録。
巻末カラーに、いとうのいぢ、ひびき玲音、白亜右月の豪華イラストギャラリー付き。
毎日新聞 2006年12月11日(月)夕刊 社会面
[憂楽帳] 小さな学校
その昔、映画は撮影所が学校だった。徒弟制度の中で職人を育てたが、そのシステムはとうに崩壊、今や教室で教わる時代である。
少子化と映画人気があいまって、映像系の教育機関が全国に林立している。その数、数百に上るが、生徒も教師も玉石混交だ。
来春、また一つ学校が誕生する。東京都内で出版や映画館運営を手がける才谷遼さんが開く「アート・アニメーションの
ちいさな学校」である。きっかけは、世界的なアニメーション作家、ユーリー・ノルシュテインの「学校がない」という言葉。
日本のア二メ作品を見て、着想を形にする技術を、教える場がないと指摘したのだ。
講師に迎える各界の大御所に、少数精鋭の生徒を弟子入り≠ウせる。芸術に親しみ、社会性もある作家を育てたい。
問題山積の教育現徊に一石も投じよう・・・・・・。
「まさか彼が自分で作ってしまうとは」とあぜんとするノルシュテインさんと、ハラハラしながら応援する仲間を尻目に、
才谷さんの意気は上がる。「才能よ来れ!」
【勝田友日】
紙面画像
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up157055.jpg
日本経済新聞 2006年12月1日(金)地方経済面 (新潟)22面
クラビス社長浅川進氏――マンガ文化、ビジネスに活用(ニイガタism)
同人誌の印刷で会社の生き残り図る
若者の行く先を案じる
高橋留美子など有名マンガ家を多数輩出している新潟県。マンガ家を目指す若者の層も厚く、作品を発表し合う「同人活動」も盛んだ。
その“マンガ力”を生かした広告受注業務を始めたのが、印刷会社クラビス(新潟市)社長の浅川進(42)だ。マンガの世界は
門外漢だったが「ビジネスを追求するうちにマンガに行き着いた」という。
クラビスが受注しているのは、企業のPR用パンフレットなどに掲載するマンガだ。文字ばかりで読みづらくなるのを避けるため
「商品のコンセプトなどをマンガで説明するニーズが高まっている」と浅川は言う。顧客とアピールする点などを相談して
ストーリーを構成。その後マンガ家が作品の形に仕上げる。
料金は短編のストーリー形式で一ページ四万円。情報システムや経営コンサルティングなど、比較的高額なサービスを提供する
業者からの依頼が多い。四コママンガなら一本あたり二万円なので、学習塾など小規模な事業主でも発注することができる。
現在は月平均五件程度を受注している。
実際にマンガを書いているのは、同社に登録している「セミプロ」のマンガ家たち。現在は五人程度と契約しており、電話や
メールのやりとりで仕事を進めている。
浅川がアマチュアマンガ家に人脈があるのは、マンガの同人誌の印刷で会社の生き残りをはかってきたからだ。
◇ ◇
浅川が二十八歳で東京から戻ると、家業の印刷機械販売商社の経営は大きく傾いていた。ちょうどパソコンを使った印刷技術が
普及し始めたころで、昔ながらの印刷機械販売はジリ貧。「新分野に進出しないと未来はない」と直感した。
会社のかじ取りを任された浅川は、印刷業への転業を決意する。ただこれまでの得意先から仕事を奪い取るのは、道義的な面からも
問題がある。そこで浅川が目を付けたのが、オタクブームに乗って発行が増えていた同人誌の印刷だった。
同人誌の受注は一件あたり数万円と売り上げは少ないが、現金で取引できるうえ煩わしい価格交渉をする必要がない。当初は
印刷機材の販売も並行していたが、二〇〇二年に全廃した。現在は業務すべてがマンガ関連事業だ。「東京ではアパレル企業に
勤めていた自分が、まさかマンガをやるとは思わなかった」
◇ ◇
浅川が案じているのは新潟でマンガ家を目指す若者の将来だ。「マンガ家を目指す人のすべてが売れっ子になれるわけじゃない。
才能をPR業務などのビジネスに生かす道もあるはず」という。
気になるのは、納期を守る、顧客のニーズをくみ取る、下調べをする、というビジネスの基礎を知らない若者が多いこと。
マンガ専門学校を卒業した多くの若者がフリーターになる姿を見てきただけに、行く先を案じる言葉には重みがある。=敬称略
あさかわ・すすむ 1964年新潟市生まれ。89年武蔵大学経済学部卒業。アパレル会社勤務を経て、93年クラビス入社。98年社長就任。
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20061202-OHT1T00090.htm スポーツ報知 2006年12月2日(土)29面
テレ東アニメ「金色のコルダ」の男性声優5人がCDデビュー
テレビ東京系アニメ「金色のコルダprimo passo」(日曜・深夜1時)の人気男性声優5人が「Stella Quintet(ステラ・クインテット)」
のユニット名でCDデビューした。11月29日に発売された同アニメのエンディング曲「CRESCENDO(クレッシェンド)」は、
3日間で売り上げ2万5000枚のロケットスタート。空前の男性声優ブームを引っ張るドリームチームが、1000億円市場と言われる
“女性オタク”をとりこにする。
◆出演イベント即日完売
「星の5人組」を意味する「ステラ・クインテット」は、谷山紀章、伊藤健太郎、福山潤、森田成一、岸尾大輔のユニット。
いずれもトップクラスの人気若手声優だ。
「金色のコルダ」は、もともとゲーム制作会社コーエーの女性向け恋愛ゲームソフト。03年にシリーズ第1弾が発売され、
11万本のヒット。来年3月に続編リリースも決まっている。5人はゲームのキャラクター声優を務め、テレビアニメでも続投。
エンディング曲をきっかけにドリームチームが結成された。
現在、90年代後半から続く第3次声優ブームと言われ「機動戦士ガンダムSEED」や「テニスの王子様」などに登場する
男性キャラクターが多くの女性ファンを獲得。声優本人にまで人気が拡大しており、コーエー主催の声優出演イベントは1年に
平均4回行われ、チケットは即日完売。2000年のスタート以降、約20公演で33万人の女性ファンを動員している。
裏方から表舞台へ。ブームの渦中にある谷山は「声優のあり方、求められ方が変わって来ている。個人に人気が出るのは戸惑いも
ありますが」という。一方で、森田は「ファンレターを読んで感じるのは、演じるキャラとのギャップを見たいというファンの願望。
声優自身の魅力にひかれている女性は多い」と分析する。
シングル「クレッシェンド」は発売3日で売り上げ2万5000枚の好スタート。制作スタッフは「もともと固定された市場がある」と説明。
「歌もアフレコも気持ちを乗せる作業が大事。5人はその経験があり、歌手としての可能性も感じた」と語る。
福山は「作品自体の評価が上がる方がうれしいけど、コアなファン以外にもアニメの魅力を伝えたい」とジャンルを超えた活躍を誓った。
◇女性オタク市場 94年にコーエーが発売した業界初の女性向け恋愛シミュレーションゲーム「アンジェリーク」のヒットとともに急増。
「アンジェリーク」は「遥かなる時空(とき)の中で」「金色のコルダ」とともに「ネオロマンス作品」と呼ばれ、累計100万本超の
ヒットを記録。関連商品を含めた市場規模は1000億円と言われている。イベント会場の横浜パシフィコは、池袋のゲームソフト店が
並ぶ「乙女ロード」とともに女性オタクの聖地と呼ばれている。
◆代表作は超有名
○…谷山はアニメだけでなく、ドラマ「花より男子」の台湾版「流星花園」の花沢類役の吹き替えの担当。森田はPS2のゲーム
「ファイナルファンタジー10」の主人公・ティーダの声を務めた。伊藤は「ヒカルの碁」の加賀鉄男役や「とっとこハム太郎」に出演。
福山は「巌窟王」「ガラスの仮面」、岸尾は「犬夜叉」「テニスの王子様」などが代表作。
【写真】声優ユニット「ステラ・クインテット」の(左から)谷山紀章、森田成一、伊藤健太郎、福山潤、岸尾大輔
【左】「金色のコルダ」のキャラクターをあしらったCDジャケット
日刊建設工業新聞 2006年12月4日(月)3面
タジマが建築セミナー開催/森川嘉一郎氏が秋葉原の変貌解説
タジマと東日本床工事事業協同組合が共催する「タジマ建築セミナー」がこのほど東京都千代田区の日本経団連会館で開催された。
講師は、桑沢デザイン研究所特別任用教授の森川嘉一郎氏。森川氏は建築や都市空間とそこに集う人々の趣味嗜好との関係をテーマに
研究を行っている。特に秋葉原電気街の急変を追い、『オタク』の人々や専門店の集積過程の調査で脚光を浴びた。
セミナーのテーマも「日本の先端文化と建築デザイン−秋葉原のケーススタディ」。森川氏は、伝統的な電気街だった秋葉原が
次第に変容したのは、アニメの怪獣や美少女のプラモデルを扱うガレージキット店が吉祥寺、新宿、渋谷などから本拠を秋葉原に
移し始めたことに端を発するという。電気専門店の一画にすぎなかったが、ついには7割をも占め『オタク文化』の店に変貌し、
つれて客層も様変わり、店構えも変化していった、と説き明かした=写真。
西日本新聞 2006年12月4日(月)朝刊30面
福岡県◎アニメオタクは どんな印象なの ほか/Bana-Tenティーンズクラブ
●アニメオタクは どんな印象なの
実は最近ある少年マンガにはまり、アニメオタクになってしまいました。そこで、みなさんは、アニメオタクって、
どんな印象なのか、おしえてください! そうしないと、なんかモヤモヤするんで…。(福岡市南区、ミッキー、小6)
◇
●叫びたい−さん 私も同感ですよ
十一月二十七日の叫びたいコトバがあるんだ−!!さんへ。私も同感ですよ−!! 最近の番組とかのせいでアニメ・マンガ好き
=ヲタクと決めつけられてしまって…。でもっ!! やっぱり好きなモノは好きなんですよ!! 人それぞれ好きな食べ物がある
みたいに。これからも自分の好きなものを好きでいたいです。(福岡市東区、うた、高2)
◇
●11月20日投稿の 無月さんに推薦
私のおすすめのマン画は「蟲師(むしし)」です。なんと言っても、絵がきれいです(とくにカラーが)。雪の降ってる風景とか、
すばらしいです。五巻の「眼福眼禍」と「暁の蛇」はいいですよ。絵もすごくきれいだし。六巻では「雪の下」が一番いいですよ。
ぜひ読んでみてください。(福岡県二丈町、後藤トオル、14歳)
◇
●ひなたぼっこで 友達と語り合い
最近寒くなったり、温かくなったりですが、どうお過ごしでしょう? 私は友達とのんびりひなたぼっこしながら語ってます(笑)
お体に気をつけて、がんばって下さいネ。文通して下さる方ボシュー(中)です。まんが好きな人どうぞ!!イラスト交換しましょー!!
(福岡県小竹町、友梨菜、中3)
(後略)
http://www.sankei.co.jp/culture/bunka/061209/bnk061209002.htm 産経新聞 2006年12月9日(土)
「父」亡き後の「コミケ」のゆくえ 多様性、今後も維持
漫画大国の各地で毎週のように開かれる同人誌即売会。代名詞であるコミックマーケット(コミケ)を約30年間率いてきた米澤嘉博が
この秋急逝し、サブカルチャーの分野に深い衝撃を与えている。月刊誌『創』での特集をはじめ、多くの媒体が追悼を寄せる中、
注目されるのは、世界最大の漫画の祭典が「カリスマの死去でどうなる?」(『ダカーポ』11月15日号)という点だ。(山澤義徳)
10月1日、53歳で世を去った米澤は明治大在学中に批評活動を始め、昭和50年、第1回コミケ開催に参画。55年から準備会代表を
務めてきたほか、代表作『戦後少女マンガ史』などで漫画評論という地平の草分け役を担った。『COMICリュウ』12月号の追悼文で、
編集長の大野修一は米澤とその駆け抜けた時代をこう意義付ける。
「〈好き〉を一貫させようとする彼らのような人たちがいたから(中略)もろもろのマニアックな雑誌が70年代後半から80年代前半に
かけて生まれ、いつしか公式にも〈文化〉といわれるようになったのだ」
マニア=オタク文化とコミケは、『宇宙戦艦ヤマト』や『キャプテン翼』などのブームを経て拡大し続けた。東京・秋葉原や
大阪・日本橋は、電気街からオタク街への変容が進み、昨年の流行語大賞には“萌え”がランクイン。100年以上の歴史を誇る
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展では一昨年、磯崎新の肝いりで“OTAKU”をテーマに据えた日本館が注目を集め、今や
“我が世の春”を謳歌している。
しかし、常に順風満帆だったわけではない。
昭和から平成にかけて日本を震撼させた連続幼女殺害事件。メディアで繰り返し流された宮崎勤の部屋は、膨大な量の漫画本や
ビデオテープに埋め尽くされていた。事件自体の猟奇性とあいまって、当時その光景が社会に与えた異質感、嫌悪感はすさまじかった。
「コミケの開催が幕張メッセで拒否されたこととか、その奮闘もよく知っているというか、それらのことでのがんばりすぎが
早世の原因かとも思うんです」(唐沢俊一・『創』12月号)
当時コミケが“10万人の宮崎の巣窟”とバッシングされたことは、参加者たちの語り草になっている。後に有害コミックの
規制強化論議へと発展し、コミケをはじめとする同人誌即売会は“自由な表現”を尊重するか、それとも開催を優先させるかという
冬の時期に直面した。
そんな逆風下、米澤がスタンスを変えず年2回の開催を維持したその情熱に対し、唐沢は「コミケのあることがあたりまえの
若い人たちの意識はどうなのか」と問いかける。世間の冷たい視線をくぐり抜けてきた古株の一人として、今やオタクの世界にも
存在するようになった世代間ギャップを指摘しているのだ。
対談相手の評論家・岡田斗司夫は「『お父さんが死んだ』というショックなんですよね」と悲しみ、精神科医の斎藤環も「個性的
人物の多いおたくたちが、数千人規模のコミケ準備会として束ねられていた」「真の意味でのおたくの父」(『ゲームラボ』11月号)と、
その足跡をたたえている。
では父亡き今、子らはどこへ歩むのだろう。
同人文化研究に取り組むライター・三崎尚人はコミケの今後について、米澤が唱え続けた「来るものは拒まずに受け入れる」
「理念を守っていくのが宿命づけられている」(『ぱふ』12月号)と見通す。なぜなら、来場者数が毎回40万人を超えるコミケの
魅力とは、「過激で変なモノだったり、商業誌ではなかなか受容されない同人誌ならではの表現」の多様性にあるからだ。
「上が卒業しないのでコミケ人口は増えている」。準備会代表補佐を務める米澤の妻、英子は「就職や結婚でもやめない趣味に
なったようです。もう生涯学習と言いますか、孫に触発されて同人誌を始める方もいます」(『創』同)と語る。そうした同好の士が
全国から集う盆暮れのコミケは、故郷への帰省という日本的感覚ともマッチしているのかもしれない。
10年後、コミケは日本文化の中にどう位置づけられているだろう。次回は12月29〜31日、東京ビッグサイトで開催される。(敬称略)
産経新聞 2006年12月6日(水)大阪朝刊10面
大阪・日本橋活性化 CGアニメ起爆剤に 作製入門ソフトで集客狙う
西日本最大の電気街、大阪・日本橋を活性化するため、日本橋筋商店街振興組合などで構成する「日本橋まちづくり振興株式会社」
が、アニメのコンピューターグラフィックス(CG)を軸とするテコ入れ策に一段と力を注いでいる。
映画祭の開催やCGアニメの作製ソフト販売で集客力向上を図り、にぎわいを取り戻すきっかけにしたい考えだ。 (若狭弘)
■オタク文化
日本橋では今年4月、大阪をCGアニメの集積地にしようと、日本橋CGアニメ村が誕生。「まちづくり振興」が民間ビルの一角を借り、
CG制作の関連企業や個人のクリエーターに部屋を低価で貸している。かつて100店あった家電販売店は10年間で約4割減ったものの、
DVDソフトや模型、書籍、玩具を扱う店舗は増加傾向にあり、オタクに代表される「サブカルチャー」の核となる下地が整っているからだ
。
現在、ビルには企業4社と2つの団体、2人のクリエーターが入居しているが、「まちづくり振興」ではこれまで以上にCGアニメ村と
連動し、「効果的な作戦を考えていく」考えだ。
すでに今年10月、CGアニメや特撮映画を上映する映画祭を開催したほか、12月1日から商店街限定で、CGアニメ制作会社「ドーガ」
(大阪市浪速区、鎌田優社長)の開発したCGアニメ作製の入門ソフトの販売を開始した。
マイクロソフトの「ウィンドウズ」対応型のソフトで、飛行機や車の部品など500種類のパーツが収録されている。
プラモデルを作るような感覚で、CGを作製できるのが特徴だ。価格は2940円。
商店街を訪れるソフトの購入希望者にさまざまな店を訪ね歩いてもらうため、どの店で販売しているか、あえて公表しないという。
「ちょっとしたイベント性を感じてもらいたい」(関係者)狙いだが、見つからない場合は日本橋まちづくり振興の運営する
日本橋総合案内所(TEL06・6655・1717)で教えてもらえる。
■人材流出
もともと、関西は京都大や大阪大を中心にCGアニメの“先進地”だった。しかし現在、アニメ産業における関西のシェアは
約1割にとどまり、制作者が首都圏に流出する傾向に歯止めがかかっていない。
「まちづくり振興」としては、さまざまな話題や情報提供を通じて「CGアニメの街=日本橋」として知名度を高め、
制作者の仕事が集まるようにすることで優秀な人材を取り戻す狙いもあるという。
鎌田社長は「日本橋の活性化と並んで、CGアニメという新産業を『大阪発』で発展させたい」と意気込んでいる。
【写真説明】「日本橋限定」で販売されているCGアニメ作製の入門ソフト
【写真説明】CGアニメを活用した日本橋の活性化策について話し合うドーガの鎌田社長(右)ら関係者=大阪市浪速区
愛媛新聞 2006年12月2日(土)17面
◎[街ネタ×6]
【東京 秋葉原紹介海外向けDVD】
日本ツーリズム産業団体連合会などは、ポップカルチャーの発信地となっている東京・秋葉原へ外国人観光客を呼び込もうと、
海外向け情報DVD「New Discovery of AKIHABARA」を制作。海外の旅行会社などへ無償配布している。DVDは、映像とともに
案内役が街の魅力を英語で解説。中国語や韓国語の字幕も選択できる。電気街のほか、コスプレを楽しむ若者やメード喫茶、
アニメ関連商品の充実ぶりなどを紹介している。問い合わせは同連合会=電話03(5299)6510。
(後略)
【大阪 ポンペイの発掘品400点展示】
【広島 原爆ドームをライトアップ】
【香川 「うどん人」スタンプラリー】
【東予 馬之助・金森幸介がライブ】
【南予 「すてきな大人」になるには】
南日本新聞 2006年12月2日(土)朝刊18面
企画[まぁす-Marble St.]女性おたくの“聖地”/静かで熱い「乙女ロード」=量にぼう然、メードに「萌え」
●オフィス街に漫画やグッズの専門店
花の東京は東池袋に、「乙女ロード」なる場所があるという。「おたく」の“聖地”といえば秋葉原が有名だが、
「乙女ロード」は女性おたく向け専門店が集まるスポットとか。いざ、探検してまいりました。(サンダーミカ)
乙女系とは、美少年同士の恋愛を描く「ボーイズラブ」など女性向けの小説や漫画、ゲームなどを指す。「乙女ロード」は、
乙女系作品やグッズ、お気に入り漫画やアニメのパロディーを作る同人誌を扱う店が軒を連ねる。JR池袋駅から徒歩五分ほど、
ビルが並ぶ通り約二百メートルに六軒の専門店が並ぶ。テレビで見る秋葉原のイメージとは違い、オフィス街の雰囲気。
メードやコスプレ少女の姿はない。
九階建ての専門ビルに入った。女性向けや男性向けなど階ごとに対象が分けられ、漫画やアニメの関連グッズが詰まっていた。
量にぼう然。下敷きなど定番グッズはもちろん、バレンタインデーにキャラクターからチョコレートが届く通信サービスも。
ビジネスが広がっているなあ…。
同人誌を扱う店ものぞいた。広い店内にジャンル分けされた本棚がぎっしり。懐かし漫画から最新アニメ、ドラマまで―。
ひええ、「アンパンマン」まである。ビニールで封がされており、中身は分からない。記念に一冊、知っている漫画で男同士が
いちゃついていない表紙を選んだ。
いろんな意味で疲れたので、女性に人気のメード喫茶「ワンダーパーラーカフェ」でひと休み。扉を開けると、「いらっしゃいませ」。
三つ編みにメガネの糸世さん(22)が笑顔で迎えてくれた。黒のロングスカートにフリルエプロンの清楚な姿。丁寧な受け答え、
小首をかしげ、ひざを折るしぐさがキュートだ。
店内は十九世紀ヨーロッパをイメージ。「ご主人さま〓(白ハートのマーク)」などという過剰なサービスはなく、用事が
あるときは陶製の鈴を鳴らす。「かわいい衣装が着たくて」働き始めたという糸世さんは、「秋葉原は元気な店が多いみたいだけど、
ここは本をじっくり読めるような静かな心地よい空間でありたい」と話した。穏やかな会話とコーヒーで温まった。
糸世さんは「ありがとうございました。お仕事頑張ってくださいね」と店の外まで見送ってくれた。しばらく歩いて、
ふと振り返ると、まだ店の外で頭を下げていた。「萌え」を体感〓(白ハートのマーク)
駅に戻る途中、女性が並ぶ一角を発見。聞くと、執事がサービスする「執事喫茶」だそうな。時代は動いている…。
帰りの飛行機で、記念に買った同人誌を開いた。「プロ並みにうまいなあ」と感心していると、男性同士のキスシーンが現れ
慌てて閉じた。乙女も大変だ。
産経新聞 2006年12月4日(月)東京朝刊1面
【日本よ】石原慎太郎 情報氾濫のもたらすもの
先日東京の教育委員たちと懇談した折、委員の一人が最近久し振りにヨーロッパに長期滞在したが気づいて観察してみたら
どの国においても中学生、高校生の年齢の子供たちで携帯電話を持っている子供を全く見掛けなかったと報告した。
向こうの知人に質したら、価格からしても、その料金からしても子供が与えられる小遣いではまかなえるものではなく、
当たり前のことだといわれたそうな。この挿話は私にとってはきわめて印象的だった。
日本の子供たちがなぜ携帯電話などという道具に偏執するのかはある視点からの分析が必要だろうが、さらに、携帯電話の
普遍による便宜性が日本の社会に何をもたらしたかを考えるのも、今日の日本社会の歪(ゆが)み、歪(ひず)みを解明する
に大事な手がかりと思われる。
携帯電話とかパソコンといった現代文明の所産は通話による情報交換の便宜の末に、情報の氾濫をもたらしたといえる。
その結果多くの人間たちは大脳生理学の公理になぞらえていえば、実がなりすぎて上部の大脳が肥大しすぎ肝心の幹である
脳幹の発育が追いつかず、嵐が来たら上の重みに耐えきれず簡単に折れてしまうリンゴの木のように、過剰な情報を収いきれずに
人間としての本質を失いつつあるような気がしてならない。
子供たちの所持している携帯電話には規制の無いまま、売春や変質者の嗜好に応えて容易に多額の金を手にする手引きまでが
盛り込まれている。それらの情報は風俗の紊乱にとどまらず、若い世代の人間たちの人間としての本質を狂わせてしまいかねない。
こうした状況は性愛に関していえば「体は手に入るけれど、心が手に入らない」といった根源的な喪失を生み出してしまう。
今時の若い女の子たちが「腐女子」などと呼ばれるような兆候は、喪失以外の何ものでもありはしない。 ←
これは若い人間たちだけではなしに、総じて情報の氾濫に巻き込まれている人間たちを本質的に衰弱させてしまう。(後略)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006121100070&genre=K1&area=K1C 京都新聞 2006年12月11日(月)
京都国際マンガミュージアム 入館者1万人 開館2週間で達成
11月25日にオープンした京都国際マンガミュージアム(京都市中京区)の入館者が早くも1万人に達し、11日、1万人目の
入館者になった大阪市大正区の会社員、佐多美也子さん(39)に入館無料パスなどの記念品が贈られた。
同ミュージアムは、元龍池小校舎を増改築し、市と京都精華大が共同で開設した。明治や大正期の漫画本など貴重な資料
約20万点を収蔵するほか、常時約4万冊の漫画を自由に閲覧できる。
この日、正面入り口で1万人目を告げられ、認定証や無料パスなどの記念品を受け取った佐多さんは「学生の時に好きだった
漫画を楽しみに来ました。少女漫画など古い本をゆっくり読みたい」と話していた。
オープンから約2週間での入館1万人突破に、同ミュージアムは「昔読んだ本が懐かしいと、年配の方の来館が多い。
三世代で漫画を楽しんでほしい」としている。
【写真】入館1万人目を記念して、認定証などを受け取る佐多さん(左)=午前11時10分、京都市中京区・京都国際マンガミュージアム
京都新聞 2006年12月6日(水)朝刊7面
談論風発 新年号 報道局・直野信之
「京都国際マンガミュージアム」が京都市中京区に開館したニュースを読み、幼いころ、父から買ってもらっていた子ども雑誌
「少年画報」のことを思い出した。
雑誌を飾った「赤胴鈴之助」や「まぼろし探偵」、「ビリーパック」は少年たちのあこがれの的。主人公をまねてチャンバラごっこ
や探偵ごっこに時を忘れて遊んだものだ。
夢中になって読んだ子ども雑誌だが、中でも楽しみだったのが新年号。「お年玉号」として別冊付録の漫画が数冊も本誌に入り、
たこ糸でとじ込んであった。
京都新聞も今、新年号の制作を本格化させている。元日の朝刊は、本紙のほかにテレビの見どころや芸能話題、北京五輪に向けた
スポーツ展望など盛りだくさんの別冊を準備している。
「そんなにたくさんの記事を読者は読むだろうか」と疑問の声もあるが、日刊紙はニュース・情報の総合紙。興味の度合いに
応じて読んでもらえれば幸いだ。読者がわくわくするような新聞。正月の家族だんらんに役立つ新年号を目指したい。
(報道局 直野信之)
熊本日日新聞 2006年12月5日(火)朝刊10面
◎20万冊の漫画所蔵 京都に「国際ミュージアム」 文化の情報発信、研究拠点に まんが
計二十万冊にも上る漫画本を所蔵する「京都国際マンガミュージアム」(京都市中京区、養老孟司館長)がこのほどオープンした。
国内初の漫画の総合博物館として漫画文化の研究にも取り組む。自由に閲覧できるのは、総延長百四十メートルの書架「漫画の壁」
や館内のあちこちに並べられた計五万冊。貸し出しはしない。
開館後の特別展では世界各国の漫画や明治期以降の漫画雑誌の創刊号などを展示。研究者を育成し、海外からも注目される
「MANGA」文化の情報発信拠点を目指す。
京都市とマンガ学部がある京都精華大の共同事業で、廃校になった小学校を改装した。地上三階、地下一階の約五千平方メートルで、
整備費は約十二億円。
入館料は大人五百円、中高生三百円、小学生百円。水曜休館。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/fukuoka/toshiken/20061206/20061206_003.shtml 西日本新聞 2006年12月6日(水)朝刊28面
福岡県◎「ドラえもん」バラード ボサノバ風「ハットリくん」 アニメの歌でジャズ♪
博多区のバー15日にライブ 出演者はコスプレ/ふくおか都市圏
人気アニメの主題歌などをジャズ風にアレンジしたライブ「ANIME-JAZZ」が十五日午後八時半から、福岡市博多区中洲三丁目の
バー「ブラックベリー」で開かれる。
出演するのは同市城南区七隈四丁目のジャズ歌手、押淵玲子さん(48)ら五人。ライブではジャズ風に編曲したアニメソング
十三曲を演奏する。
美しいジャズバラードに生まれ変わった「ドラえもん」や、ボサノバ風「忍者ハットリくん」。押淵さんの夫がリクエストした
という「宇宙戦艦ヤマト」は壮大な愛の歌に仕上がった。
出演者はステージでそれぞれ、アニメキャラクターに「コスプレ(仮装)」。ボーカル押淵さんは「Gu-Guガンモ」主人公の
不思議な鳥「ガンモ」に扮する。ほかの出演者も「妖怪人間」の「ベラ」や「ど根性ガエル」の「ひろし」、「天才バカボン」、
「キン肉マン」など、好きなキャラクターになりきるつもりだ。
きっかけは「みんなが知ってる曲をやってみては」という押淵さんの長男英倫(ひでつぐ)さん(21)の提案。
家族からのリクエスト曲など約百曲のリストを半年間で十三曲に絞り込み、今回のライブを企画した。
押淵さんは「とびきりかっこいいライブにするつもり。ジャズファンも普段ジャズを聞かない人も楽しんでもらえると思います」
と話している。
チケットは一般前売り四千円、当日四千五百円。学生は前売り当日とも二千五百円。一ドリンク・テーブルチャージ付き。
ブラックベリー=092(291)2522。
× ×
【写真説明】アニメキャラクターの「ガンモ」に扮した押淵さん(左)と「ベラ」になりきる轟かおりさん
日本証券新聞 2006年12月7日(木)6面
(大)角川HD もみ放れ新鮮−日興シティが高評価−
角川グループHD(9477)が急騰、4300円近辺を上限とした中段もみ合いを上放れてきた。
日興シティグループ証券が5日付で新規に投資評価「1H」、目標株価5100円としたことが刺激材料となった。
有望コンテンツを数多く持つことから、文庫と映像事業の提携によるメディアミックスに関心が集まっている。
中高生向け小説“ライトノベル”の「灼眼のシャナ」や「涼宮ハルヒ」はアニメ化するなど人気シリーズに育った。
ほかにも、来年は文庫の「バッテリー」と「天使と悪魔」が映画化される。
また、27日に携帯電話向け映像コンテンツ配信などでNTTドコモと資本・業務提携を発表、今後のウェブサービスの
展開も楽しみだ。
日興シティでは、今3月期の1株利益を204円(会社予想は170円)、再来期の2009年3月期には260円と試算、
中期的な業績拡大を高評価している。
日経流通新聞MJ 2006年12月8日(金)7面
「萌え系メガネ」――駅の電気街口、変化の象徴(メードインAKIBA)
十二月一日、メガネスーパーの大型店がJR秋葉原駅前にオープンした。開店初日の駅前は通常のメード服姿よりも、
メガネをかけ、セーラー服をモチーフにしたコスプレの女の子の姿が目立った。
「メガネスーパー AKIBA館」は売り場面積が約一千平方メートルと国内最大級という。アキバらしいのは二階の
「萌え系メガネコーナー」。ピンクを基調にした女の子らしい内装に赤やピンクのフレームが並び、男性客よりも女性客が多い。
もともとこの店はサトームセンの店舗。家電の大型店が消えて大型メガネ店が登場した。駅の電気街口前ではこのほか
「アキハバラデパート」も五十五年の歴史に幕を下ろす。アキバの街の変化の波は電気街口にまで及んできた。 (伸)
日刊工業新聞Newsウェーブ21 2006年12月8日(金)32面
東商千代田支部、“アキバ企業”を紹介−サイト・コンテンツ拡充
東京商工会議所千代田支部が開設した東京・秋葉原のビジネスを考察するサイト「アキバXPress」が、熱い視線を浴びている。
サイトがオープンした9月以降、関連事業者からリンク要請があるなど反響があり、同支部は「まだスタートしたばかりなのに」
と驚く。コンテンツが充実していく今後に胸を膨らませている。
電気街、IT産業拠点をはじめ、アニメや萌え系ビジネスなど、さまざまな顔を持つ“アキバ”ならではと呼べる企業の紹介が
同サイトの売り。06年12月6日時点で、ゲームソフトや同人誌を扱うメッセサンオー、パソコンショップやロボット専門店を展開する
九十九電機など4社を掲載しており、今年度中に計10社を掲載する予定。アクセスは同支部ホームページ(www.tokyo-cci.or.jp/chiyoda)から。
http://www.nikkansports.com/entertainment/p-et-tp0-20061208-127393.html ニッカンスポーツ 2006年12月8日(土)
ドラえもんが大みそかに初の生放送
大みそかのテレビ朝日系人気アニメ「ドラえもん」(31日午後6時放送)が、79年の放送開始以来初めて生放送されることが
7日、分かった。アニメ放送と同時に、9月から番組内と雑誌、インターネットで募集した「史上最大のひみつ道具コンテスト」の
最優秀賞を生放送で決めるもので、ドラえもんらが史上初めて生出演し、久本雅美(46)がMCを務める。
毎年恒例の大みそかスペシャルだが、今年は長編「正義のスーパーヒーロー 行け!ノビタマン」を放送。さらに、8日放送の
番組内で発表される最終ノミネート作品3点の中から、最優秀賞を大みそかの生電話投票で決定する。「電話をかけてくれた
子どもたちが、ドラえもんと話せたらすごいね、という発想から」(吉川大祐プロデューサー)生放送に決めたという。
ドラえもんと仲間たちがスタジオで電話を生で受け付ける。生放送初体験のドラえもんたちが緊張しても大丈夫なように、久本が
サポート役に指名された。久本は「史上初のドラえもん生放送に出演できるなんて光栄です。もう親せきの子どもたちの間では、
私の好感度は絶対上がると思います」。そのほか、荒川静香、北島康介、山下智久らがVTR出演し「ドラえもん」への思いを語る。
【写真】史上初の「ドラえもん」生放送のMCを務める久本雅美
http://www.nikkansports.com/entertainment/p-et-tp0-20061210-128342.html ニッカンスポーツ 2006年12月10日(日)
メード女子楽坊「宇宙戦艦ヤマト」カバー
中国伝統楽器を演奏する同国出身の9人組ユニット「東方女子楽坊C-gal(シーガル)」が、来年1月10日にアルバム「C-gal@anime検索」
を発売する。二胡や中国琵琶をメードのコスプレで弾く異色の集団で、アニメ「宇宙戦艦ヤマト」「機動戦士ガンダム」などの主題歌を
カバーする。日本クラウンの担当者がメード喫茶に行った際、メンバーのシュ・ホエに似た女性店員のメード姿が似合っていたため、
シーガルにも衣装を着せることにしたという。来年1月15日に東京・秋葉原のアニメセンターで行われるイベントに参加する。
>127
なにこのパチものw
まぁ本物も著作権無視したりしてたが
>>58 http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/stage/trad/20061211et02.htm 読売新聞 2006年12月11日(月)東京夕刊17面 エンターテインメント
幽玄の「エヴァ」 アニメを能で表現 映像ネット公開
金春流シテ方の山井綱雄が、人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の世界を能で表現した映像が、22日からインターネット上(
http://www.gainax.co.jp/eaw)で公開される。
同アニメを基に、様々な分野のアーティストが制作した作品をネットで公開する企画「エヴァ・アット・ワーク」の一つ。
少年少女がロボットを操り、正体不明の敵と戦う物語から、山井は、主人公シンジと母親との関係に着目した。
「今年春に依頼を受け、DVDを全巻見たが、寝不足になるほど面白かった。あれだけ受けたのは、日本人の心の機微に
訴えるものがあったからだと思う」と山井。
シンジの若さゆえの葛藤は「清経」。戦いたくないという心の叫びは「生田敦盛」といった具合にイメージを膨らませ、
既存の5曲に合わせて舞った。面(おもて)も、エヴァンゲリオンと呼ばれるロボットを模した特注品だ。
「友人からアニメの評判を聞き、下手なことはできないと思った。異なるジャンルとの共同制作は自己満足で終わることも多いが、
能楽師が見ても違和感がないものを作りたかった」
ロック、ピアノなどとの共同制作やテレビ出演にも意欲的な33歳。
「同世代に能の素晴らしさを分かってほしい。これからも芸術の異種格闘技戦に打って出ます」
写真=エヴァンゲリオンの面をつけて舞う山井綱雄(撮影・川本史織)
紙面画像
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up157282.jpg
http://www.cos-more.net/cm_gramaga/htm/main.html 戦うグラビアアイドル大集合!!
『グラビアヒロインマガジン』 オデッセウス出版
この冬、ZENピクチャーズより派生した、戦うグラビアアイドル専門レーベル
COSMORE(コスモ)が新雑誌を創刊します!
価格は、この雑誌のために撮りおろしたCOSMORE作品を2本も収録したDVD(120分)が付いて……3,500円
12月11日(月)全国書店にて発売 !
収録コンテンツ紹介この雑誌のために撮りおろしたCOSMORE作品2作品
1.宇宙警察スパークレンジャー 主演:島田和菜
2.女宇宙刑事レイラ 主演:世名真弓
COSMORE新作を写真集風にグラビアで紹介スイートマーセナリーズ(おおきちえ/神嶌ありさ)
マリオネットソルジャー(赤松唯)
魔法戦士ローム(長谷川未来)
スペースチェイサー(西内裕美/華彩なな)
風 アミーローズ(三井りあ)
不思議探偵MIO(七瀬愛)
ヴァンパイア忍者(杉原杏璃)
アイドル退魔師 SHIZURU(森下悠里)
その他、過去のCOSMOREヒロインをフューチャーZENピクチャーズの話題作も紹介
12月11日(月)の発売をお楽しみに!
http://www.enterbrain.co.jp/jp/p_catalog/book/2006/4-7577-3078-0.html 『萌える参考書シリーズ もえっと。 [ダイエット篇]』
(著者)もえっと製作委員会 判型 A5 ISBN 4-7577-3078-0 発売日 2006/12/25 価格 924円(本体880円+税)
萌えて燃やして“もえっと”!! 学園のもえっと部がダイエットの基本を伝授する参考書スタイルのダイエット本!
オタクな生活には肥満の危険がいっぱい。萌えキャラが手取り足取り教えてくれる参考書スタイルのダイエット本!
萌えて燃やして“もえっと”!! 学園のもえっと部がダイエットの基本を伝授するよ。ダイエットカリキュラムほか、
学園に脂肪くんが堕ちてきて4人の萌えキャラが奮闘する学習タイプのストーリーやダイエットに挑戦するオタク男子と
それをサポートする妹キャラの小説を収録。
http://www.business-i.jp/news/top-page/topic/200612110001o.nwc 『FujiSankei Business i.』 2006年12月11日(月)
渋谷でウルトラマン展 40年経っても斬新
誕生から今年がちょうど40周年の特撮番組「ウルトラマン」をテーマにした展覧会が8日、東京都渋谷区のパルコミュージアムで
開幕した。ウルトラマンの顔や「科学特捜隊」のヘルメット、シリーズに登場した怪獣など、撮影に使われた小道具が並べられ、
ウルトラマンファンが見入っていた。
「オブジェクツ・サブジェクツ〈イマジネイション オブ ウルトラ〉」と題した展示会で、ヒーローや怪獣、隊員が身につけた
武器、小道具などが持っていた高いデザイン性に着目した。
「ウルトラマン」は1966年に放映を開始した。40周年に当たる今年は、記念金貨が作られたり、歴代のウルトラヒーローが登場する
映画が公開されるなど、さまざまなイベントが行われ、今回の展覧会は“ウルトライヤー”の最後を飾るもの。
会期は31日まで。入場は一般500円、学生400円、小学生以下は無料。
http://www.zakzak.co.jp/gei/2006_12/g2006121121.html ZAKZAK 2006年12月11日(月)
生誕40周年…渋谷でオトナの「ウルトラマン」展 アーティスティックと評判
大人の街では、大人のウルトラマン−。東京・渋谷のパルコミュージアムで現在、「オブジェクツ・サブジェクツ
〈イマジネイション オブ ウルトラ〉」展=写真=が開かれている。
今年で生誕40周年を迎えるウルトラマンやウルトラQをフィーチャーして、当時実際に使われていた小道具や着ぐるみの
一部などが展示され、歴史を感じさせている。
円谷プロの円谷一夫会長は、「今年は、脚本家の佐々木守先生や実相寺昭雄先生、作曲家の宮内国郎先生など、
ウルトラゆかりの人が多数、鬼籍に入られたが、そうした先輩たちが手掛けた世界のすばらしさを堪能していただきたい」と話す。
今回の展示では「アーティスティックな目線が貫かれ、非常にカッコイイ展示」(円谷プロの渋谷浩康プロデューサー)で、
ファンの評判も上々。31日まで。
日本経済新聞 2006年12月9日(土)地方経済面 (東京)15面
電気街見守り50年余り、最古参の駅ビル“引退”、アキハバラデパート、年内で。
東京都千代田区のJR秋葉原駅電気街口の高架下にある駅ビル「アキハバラデパート」=写真=が今年末で閉店することになった。
一九五一年十一月の開業で国内の駅ビルとしては最古参だが、建物が老朽化し、再開発が進む秋葉原駅前では取り残された感じに
なっていた。
アキハバラデパートは三階建てで延べ床面積四千七百三十三平方メートル、店舗面積二千八百三十六平方メートル。
昨年から、東日本旅客鉄道(JR東日本)グループの東京圏駅ビル開発(東京・渋谷)が営業を引き継いでいる。
飲食店や服飾・雑貨店など四十店近くが営業し、二〇〇五年度の売上高は三十四億円強。秋葉原は家電・パソコン関連や
オタクグッズの店舗が大半で、現在のように飲食店が増える前は食事の場所を探すのも一苦労だったため、アキハバラデパートは
重宝がられた。
駅ビル開発では「今後どうするかは検討中」としているが、秋葉原駅前という一等地のため、商業施設として再開発される
という見方もある。
現在は閉店セール中で、十二月三十一日午後四時に、五十五年の歴史に幕を下ろす。
http://seshop.com/detail.asp?pid=7227 『ダメなものは、タメになる テレビやゲームは頭を良くしている』
著: Steven Johnson
訳: 山形浩生 / 守岡桜
監修: 乙部一郎
商品番号:111630
ISBN:4798111635
サイズ:四六
ページ:296
販売価格:\1,890(本体\1,800 消費税5%)
発売日:2006/10/03
出版社:株式会社翔泳社
原出版社:Riverhead Books
原著タイトル:Everything Bad Is Good for You: How Today's Popular Culture Is Actually Making Us Smarter
テレビやゲームばかりやってるとバカになる???
通俗的な見解を科学的に払拭!アンチ「ゲーム脳」!!
ゲームやドラマは複数の人物の複数の視点やエピソードを追い、関係性を把握しておかないと理解やプレイが
できなくなってきている。著者はこうした複雑化の傾向をスリーパー曲線と呼び、IQスコアや認知力を上げる
データを根拠に、人々は「賢くなっている」ことを示す。
昨今、テレビやゲームがさまざまな社会問題の元凶のように語られる風潮の中で、よりバランスのとれた健全な
議論が行なわれるために、一石を投じる一冊。
http://www.bunshun.co.jp/mag/shukanbunshun/shukanbunshun061123.htm 『週刊文春』2006年11月23日号(11月16日発売)
追跡ワイド「ままならぬ人生」総力取材27本
p.166〜167 「金融先物会社」「メイド整体」 小林旭父娘の「渡り鳥」
「正義の人・マイトガイ≠ニしては、今まで印象悪く取られているものを何とかしなくてはと、(中略)外国為替取引の世界に
身を投じることにした」
さすらいの渡り鳥¥ャ林旭(68)が突然、老舗経済誌「経済界」十月十七日号の表紙を飾った。中面でインタビューにも応じた
小林の肩書きは「アドバンテックス取締役」となっていた。
(中略)
一方で、さすらっているのは本人だけではない。小林の長女・真実(まさみ)さんは、昨年からオタクの聖地¥H葉原で
「みるきぃ☆えんじぇる」というメイドマッサージ店を経営していた。
「それが最近、突然店を閉めてしまったようなのです」(メイド店事情通)
店舗を訪ねると、確かに退居した後で看板もない。「いつも遅くまで頑張ってたんだけどねぇ。なくなったのに気付いたのは1ヵ月
ぐらい前。客の入りには苦戦してたんじゃないかなぁ。近所のメイド居酒屋には行列ができているんだけど」(同じピルの飲食店店主)
なお、この真実さんは大のものまね好き。今年の正月には『ものまねバトル37』(日本テレピ系列)で父親の『自動車ショー歌』を
熱唱している。親子でさすらう渡り鳥の行き着く先は……。
紙面画像
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up157557.jpg
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200612/gt2006121304.html サンケイスポーツ 2006年12月13日(水)
伊東美咲、気合十分!テレ朝系ドラマ「めぞん一刻」クランクイン
女優、伊東美咲(29)が主演するテレビ朝日系スペシャルドラマ「めぞん一刻」(来春放送)がこのほど、クランクイン。
舞台となるアパート「一刻館」のオープンセットにキャストが勢ぞろいした=写真。
伊東&オーディションで選ばれた中林大樹(21)を取り巻くのは岸本加世子(45)、高橋由美子(32)、岸部一徳(59)ら
個性的な面々。未亡人を演じる伊東は「一刻館のセットはビックリするくらいステキ。しっかり思いをこめて撮影していきたい
と思います」と気合を入れている。
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20061214bk05.htm 読売新聞 2006年12月14日(木)夕刊 WOMEN@Work
マンガにいるいる!働く女性 自分重ねて共感 仕事のコツ学ぶ
仕事中心の生活に疑問を感じたり、職場の人間関係に苦悩したり・・・・・・。働く女性のリアルな姿を描いたマンガ作品が人気だ。
妙味は登場人物に自分を重ね、共感しながら読める点。働き方を見直す手がかりが多く、働く女性の新・ビジネス書≠ニなる
かもしれない。(板東玲子)
北九州市の城田優美さん(28)の趣味はマンガ。毎日1冊はマンガ本を購入し、仕事の合間などに読む。23歳でフリーペーパーを
作る地元の出版社に入社、3年前には社内に「マンガ研究会」を作り、同僚と情報交換してきた。
そんな城田さんがここ数年、気に入っているのが、月刊誌「フィールヤング」(祥伝社)に連載中の「サブリ」。
今夏テレビドラマ化もされた。
主人公は広告代理店勤務の独身女性。職場でいすを三つ並べて仮眠を取ったり、恋人を部屋に残して休日出勤したりと、仕事中心の
生活を送る。城田さんはそんな姿に自分を重ね、数々のせりふに心を揺さぶられたという。
例えば、主人公が自分に言い聞かせる「努力が評価されるのは義務教育まで」という言葉。毎晩遅くまで職場に居残り、「大変」を
連発していた自分を反省し、「仕事詩間が長いだけじゃダメ。結果を出さないと」と気付かされた。また、男性の登場人物が言った
「女の人って謝らないでしょ。仕事で」との言葉も身につまされた。つい「先方が・・・・・・」と他人のせいにし、謝らずに済ますことが
自分にもあった。
「働き方を注意したり、しかってくれたりする人が周囲にいない。だからその分、マンガの率直な言葉が胸に響いて自分のダメな
部分を気付かせてくれる」と城田さん。
祥伝社によると、読者の中心層は20〜30歳代の女性。「私と一緒」「主人公の気持ちが分かる」という声が目立つという。
同誌編集長の相沢秀幸さんは「覚悟を持って働いている女性が多い今の時代、半端な仕事風景の描写では共感してもらえない。
その点、この作品は広告代理店勤務経験のある作者が、働く女性の微妙な心理も丁寧に描いている。リアリティーが強み」と話す。
かつてのマンガにも働く女性の姿はあった。しかし、多くが恋愛中心の物語。最近のお仕事系マンガ≠ナは、働き方そのものに
焦点を当てた作品も少なくない。
今秋からテレピアニメ化された「動きマン」(講談社)の主人公は出版社に勤める週刊誌編集者。「あたしは仕事したな――って
思って死にたい」と言い、目の前の仕事を驚異的な力でこなす女性だ。
「自分の信じた道を突き進んでいく強さがすがすがしい。私もこうありたい」と話すのは、翻訳会社「アークコミュニケーションズ」
社長の大里真理子さん(43)。仕事でつまずいたり、スカッとしたい時などに読むという。
ほかにも大里さんは、遊女の世界を描いた「さくらん」(同)から組織で生き抜くしたたかさや、野球マンガ「おおきく振りかぶって」
(同)の女性監督から、人を引っ張っていくコツなどを学んだという。
「現実に起こる問題は複雑で簡単に解決しないが、マンガでは多くの事かシンプルに描かれている。だから物事の本質や問題点が
浮き彫りになりやすい。自分の働き方を見直すために役立つと思う」と大里さんは実感を込める。
【写真】仕事向きに出来ている自分に気づく主人公 (c)おかざき真里「サプリ」/祥伝社フィールコミックス
【写真】月に20冊以上のマンガ本を読むという大里さん。「夫がマンガ好きなので、お互いに貸し借りしています」
紙面画像
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up157743.jpg
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20061213-OHT1T00082.htm スポーツ報知 2006年12月13日(水)
倖田は背中もエロカッコイイ
歌手の倖田來未(24)が参加したDVDアニメ「Amazing Nuts!」の発売記念パーティーが12日、都内で開かれ、倖田がおなじみの
エロ衣装を披露した。
「エロカッコイイ」が新語・流行語大賞を受賞して以来、初めての会見となったが、この日は、背中を露出したセクシー衣装で登場。
会見中は足を組み替えるたびに超ミニスカートの中身が見えそうになるなどさらに過激度はアップ。
倖田はオムニバスアニメの1つに歌で参加。「テレビではしゃべり立ててるが、静かな時もあるということを知らせたいので、
三蔵法師のような役をやりたい!」と話した。
【写真】DVDアニメの発表会に出席した倖田來未
http://www.daily.co.jp/gossip/2006/12/13/0000190885.shtml デイリースポーツ 2006年12月13日(水)
倖田來未 アニメとコラボに大興奮
歌手・倖田來未(24)、mink(22)、RAMRIDER、m-floが12日、都内で音楽面で製作に携わったオムニバスアニメDVD
「Amazing Nuts!」(20日発売)のリリースパーティーに出席した。
アニメとのコラボレーションに「(声優を)めっちゃやってみたいです」とハイテンションだった倖田。
DVDでは女子高生が突然世界中の敵になってしまう「たとえ君が世界中の敵になっても」に、自ら作詞した楽曲「Twinkle」を提供した。
「ダーリンがいるときはラブラブで、敵が来たらキリッとなるのは“くぅちゃん”と“倖田來未”みたい」とニッコリ。
主人公に自身を重ね合わせていた。
【写真】きっちり背中も披露した倖田來未=東京・港区の六本木ヒルズ
http://chuspo.chunichi.co.jp/00/hou/20061213/spon____hou_____006.shtml 中日スポーツ 2006年12月13日(水)
倖田、アニメ主人公のモデルに 声優もメチャやってみたい
歌手の倖田來未(24)らが参加して制作されたオムニバス形式のアニメーションDVD「Amazing Nuts!(アメイジング ナッツ)」
(20日発売)が完成し、12日、東京・六本木ヒルズで倖田らが出席して試写イベントが開かれた。
同作品は、倖田が作詞した新曲「Twinkle」を劇中に起用した「たとえ君が世界中の敵になっても」や、m-floの書き下ろし曲を使った
「グローバルアストロライナー号」など、4アーティストが音楽で参加した4編の物語を収録した。
倖田が参加した「たとえ−」は、カンフーを使って、世界の悪と戦うことになった女子高生花子のアクション・ラブストーリー。
花子は、倖田を基にキャラクターが設定された。
同席したm-floのメンバーもビックリの、背中をパックリと開けた、超セクシードレスで登場した倖田は「世界中の敵になったら?
私なら、とりあえず好きな人のところに逃げていく!」と、思い当たる人物を想像しているかのようなルンルンの笑顔で即答。
アニメとの本格コラボは今回が初挑戦だったが、「次は声優もメッチャやってみたい。三蔵法師みたいな、清らかで静かな女の子の
役がいい!」と元気いっぱいだった。 (安崎和司)
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200612/gt2006121313.html サンケイスポーツ 2006年12月13日(水)
“しょこたんの妹分”林未紀、「すごく難しかった」声優初挑戦
タレント、中川翔子の妹分でもあるアイドル、林未紀(17)=写真=がTBS系アニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」
(金曜深夜1・55)で声優デビューすることになり12日、都内のスタジオで収録を行った。
感想は「すごく難しかった」。来春にはCDデビューを予定しているが「映画にも出られたら」と女優業にも意欲。
一方で「今まで彼氏はいたことがありません。理想の男性?穏やかな性格の人」と明かしていた。
http://chuspo.chunichi.co.jp/00/hou/20061213/spon____hou_____004.shtml 中日スポーツ 2006年12月13日(水)
お先に声優やりました “しょこ妹”林未紀
「しょこたん」ことタレント中川翔子(21)の“妹分”として芸能界デビューした林未紀(17)が12日、東京都内のスタジオで、
TBS系アニメ「コードギアス 反逆のルルージュ」(毎週木曜深夜2時50分)のアフレコ収録を行い、声優に初挑戦した。
林は今年9月、大手芸能プロ「ワタナベエンターテインメント」主催の「B-GIRLオーディション」でグランプリを獲得。
林が演じたのは、自身をモデルとしたオリジナルキャラクターのソフィー・ウッド役。「すごく難しかった。
でも、(ソフィーの原画を)家族に見せたら『似てる』と言われ、うれしかったです」と笑顔を見せた。
ソフィーは、来年1月18日放送分に登場する。
http://www.sankei.co.jp/culture/enterme/061213/ent061213002.htm 産経新聞 2006年12月13日(水)
「なつかしキャラ展」美術館に浸透 あのころの輝き求め
なつかしいアニメなどのキャラクターの展覧会が最近、相次いでいる。今年は「鉄人28号」誕生から50年、「ウルトラマン」の
テレビ登場から40年。英国のSF人形劇「サンダーバード」も日本上陸40年の節目にあたる。スーパーヒーローの輝きを求めて、
かつての少年たちが駆けつけている。(黒沢綾子)
次々に新しいシリーズが登場し、幅広い世代に多大な影響を与えたヒーロー、ウルトラマン。横浜市中区の放送ライブラリーで
開催中の「ウルトラマン伝説展」(2月4日まで)では、「ウルトラQ」から「ウルトラマン80」までを一部上映し、着ぐるみや
ジオラマ、台本なども紹介。東京・渋谷のパルコミュージアムでも、ウルトラマンや怪獣の造形をアートの観点でとらえる
「オブジェクツ・サブジェクツ」展(31日まで)が開かれている。
鉄人28号、仮面の忍者赤影、魔法使いサリー、三国志…。幅広いジャンルで質の高い漫画を生み出した横山光輝(1934〜2004)の
回顧展(川崎市市民ミュージアムで1月8日まで)も見逃せない。ちなみに同館の次の企画は「みんなのドラえもん展」(1月20日から)だ。
一方、渋谷のパルコミュージアムで開かれていた「サンダーバード イン ジャパン」展(現在は広島パルコで開催中)では、
テレビ映像や主人公・トレーシー一族のスタイリッシュな人形(撮影用と同寸)を前に、連れられた子供よりお父さんの方が
楽しんでいた。広報担当者によれば、当時なかなか手が出なかったプラモデルを中年男性が2つ3つと買っていったそうだ。
サンダーバードのプラモデルといえば、勇ましいSF戦闘シーンの箱絵で知られる画家、小松崎茂(1915〜2001)の回顧展も、
昨年から今年にかけ、全国5カ所で開かれ好評を得た。
“なつかしキャラ”の展覧会が相次いでいるのは、単に節目が重なったからというだけではなさそうだ。開館当初から漫画を
クローズアップしてきた川崎市市民ミュージアムの湯本豪一・学芸室長は、「オジサンたちがニヤニヤしながら(展示を)見てますね。
彼らが小さいころ、日本は高度成長期で活気にあふれていた。今は貧しくても、働けばどんどん豊かになれると信じられた。
当時夢中だったヒーローに、その時代の空気をオーバーラップさせているのでは」とみる。
壮大な宇宙の空想世界も、宇宙開発時代に入った1960年代には身近になりつつあった。環境汚染や生命科学の弊害など、
戦闘アニメの多くには教訓的メッセージも込められているが、総じて明るい未来を提示しており、昨年の映画「ALWAYS 三丁目の夕日」
に代表される“昭和レトロブーム”と同じ郷愁を誘うのかもしれない。
また、ある美術館関係者は「アニメや漫画の展覧会を美術館で行う抵抗感がなくなってきた」と話す。ここ数年、スター・ウォーズ、
ジブリ、ガンダム、ディズニーなど、以前はサブカルチャーとして軽視されがちだったテーマを美術館・博物館が真正面から
取り上げるようになった。アニメや漫画の“地位向上”とともに、経営が厳しい全国の美術館にとっては、漫画ファンの動員、
キャラクターグッズの売り上げは大きいという。
先月末には、全国で初めて漫画を総合的に扱う「京都国際漫画ミュージアム」(京都市)がオープン。漫画を日本文化として
学術研究する機運が高まっている。今後も、美術館でなつかしのキャラクターに出合う機会が増えそうだ。
http://www.asahi.com/culture/news_entertainment/TKY200612140194.html 朝日新聞 2006年12月14日(木)
リア・ディゾン、異国から来た「アニメの美少女」
今年、1人のグラビアモデルが、ファンの話題をさらった。「グラビア界の黒船来航」とも言われるリア・ディゾン、20歳。
中国系フィリピン人の父とフランス系アメリカ人の母を持つ。
ネット上に下着姿やセミヌードの写真があふれ、「誰?」から始まり、「もっと、もっと」とお宝写真を求める声が渦巻いた。
ほとんど実体が分からないまま、人気は急騰した。
今、検索サイトに彼女の名を入れると170万件がヒット。写真集を出せば7万部、サイン会は長蛇の列ができる。グラビア写真集の
「基礎票」が1万5000部とされる中、若い女性やサラリーマンらの浮動票を開拓したともいわれる。
その人気の秘密とは。
「アニメのキャラに似ているからみたい」と本人は片言の日本語で言う。金髪、緑色がかった茶色の大きな目、控えめな鼻筋、
小さな口。「銀河鉄道999」のメーテル似ともいわれる。
確かに、セーラー服に超ミニスカート、ルーズソックス、ヒールの高い靴を合わせた「キメラ」な姿はアニメ的だ。中国、台湾
といったアジアでの人気も高く、ジャパニメーションの展開と重なるように、人気は広がる。
彼女を表紙などで起用した「週刊プレイボーイ」の樋口尚也副編集長は「バーチャルなアイドルがリアルな世界に降りてきた
稀有な例。一方で、欧米の女優とは違うたたずまい、自信なさげなシャイな視線や表情は、日本の男の子が好きなタイプ」とみる。
リアに日本の血は入っていない。しかし、小作りな顔立ちや、幼少から安室奈美恵や宇多田ヒカルを聴き、日本で歌手になりたかった
という生い立ちからか、どこか「疑似日本的」な雰囲気を感じさせる。
実は、ネットで広がったグラビア写真の数々は、生活費や専門学校の学費稼ぎにと、自らホームページに添付して有料会員を
募るためのものだった。いわば自給自足グラドル。これもまた、日本人が好みそうな演歌的な物語ではないか。「ショービズ界の
目をすり抜けてブレークした」という物語がファンの「所有欲」を刺激した、とも。
そこが、陽光を一身に浴びたアグネス・ラムらとは異なる親近感を生む。
ついにリアは、日本に住み始めた。念願のCDデビューも決まった。日本語で「こんな騒ぎになっているなんて、びっくりしたけど、
ありがたい」とは、つつましい。
【写真】リア・ディゾン
北海道新聞 200612月15日(金)夕刊8面 Culture
[雑賀喜由の眼] 他業界が雑誌に出資、不安も
二○○六年はなぜか*汢謗盾フ大型創刊が目立つ年でした。漫画誌がますます売れなくなってきている昨今なのになぜ?
答えのひとつは出版業界以外の資本の参入です。IT企業をはじめとする他業種の資本が、そこにビジネスチャンスありと見て
漫画に参入してきました。ソフトバンク系列の「少年ブラッド」か代表格ですが、表には単独の出版社名しか出ていないものの、
実は他業種の企業が出資している創刊誌もあるようです。アニメ化されるなどしてメガヒットが生まれた場合には出資比率に応じて
利益を分配するなど、これまでの漫画業界になかった発想の運営が行われ始めています。
新しい血が漫画業界に注ぎ込まれるのは悪いことではありませんが、「少年ブラッド」がわずか半年で見切りをつけて休刊して
しまったように、どこまで本気で漫画にかかわる気があるのか不安も残ります。簡単に利益を生みそうなビジネスとして安易に
食い散らかされてはたまりません。漫画がビジネスとして出版されているのは間違いない事実ですが、しかしすべてをそれだけで
割り切ってしまう考え方には抵抗を感じます。
漫画には長年にわたって積み重ねてきた文化≠ニしての側面もあります。読者の多くも「読み捨てる商品」としてだけ漫画を
支持してきたわけではないはずです。そこに何か価値のあるものを見いだしてくれたからこそ、漫画はこれだけの深くて広い支持を
得られたのです。
新しい年はビジネスだけでなく文化的側面から画期的な流れが出てきてほしいと願います。それはもちろん、新たなビジネス
チャンスにもつながるはずです。 (漫画コラムニスト)
【写真】他業種による創刊誌も並ぶ書店の漫画雑誌コーナー
紙面画像
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up157886.jpg
http://www.a-kiba.com/special/ 『悪魔大百科』 悪魔大百科制作委員会著 出版 : メディア・テック出版
税込価格 : \1,000 (本体 : \952) サイズ : 新書 / 251p ISBN : 4-89627-333-8 発行年月 : 2006.12
古今東西の悪魔、魔物などから厳選し、そのエピソードを紹介。一般的に呼称されている名称を優先して扱い、
親しみやすくするために、全て女の子の姿で描く。ポケットサイズで携帯に便利な一冊。
『女神大百科』 女神大百科制作委員会著 出版 : メディア・テック出版
税込価格 : \1,000 (本体 : \952) サイズ : 新書 / 251p ISBN : 4-89627-334-6 発行年月 : 2006.12
古今東西の女神を厳選しそのエピソードを紹介。恐ろしい女神や神話上では美しくないとされる女神に関しても、
できるかぎり可愛いイラストで掲載する。ポケットサイズで携帯に便利な一冊。
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200612140037a.nwc 『FujiSankei Business i.(フジサンケイ ビジネスアイ)』2006年12月14日(木)
オーストラリアのファンタジー「デルトラクエスト」 日本でアニメ化
■来年テレビ放映
オーストラリア生まれのファンタジー小説で、シリーズ累計400万部のヒット作となっている「デルトラクエスト」が、日本で
アニメーション化され、来年1月6日からテレビ愛知・テレビ東京系で放映される。来日した作者のエミリー・ロッダさんは13日、東京都
港区のオーストラリア大使館で会見して、「私が望んでいたようなアニメを作ってくれた」と完成したアニメを見てこう感想を述べた。
「デルトラクエスト」は、作家のロッダさんが2001年から刊行を始めたファンタジー。世界31カ国で翻訳出版されており、日本でも
岩崎書店により全15巻が刊行されている。講談社から漫画本も出版されており、今回のアニメ化によってブームの拡大を狙う。
アニメの制作はテレビ愛知と電通が手がけ、実際の作業は「ポケットモンスター」を作っているアニメスタジオ「オー・エル・エム」
が行う。監督はテレビアニメ「IGPX」を手がけた本郷みつる氏。主題歌は女性ばかりのバンド「MARIA」が担当する。
この日の発表には、駐日オーストラリア大使のマレー・マクレーン氏が同席。「テレビを通して日本の人に豪州のファンタジーを
楽しんでほしい」とあいさつした。完成したばかりのアニメの試写も行われ、キャンベルタウン市と姉妹都市を結ぶ埼玉県越谷市の
南越谷小学校から招待された児童とその保護者100人が、ロッダさんたちと一緒にアニメ版「デルトラクエスト」を観賞した。
ファンタジー小説のアニメ化は、米国のアーシュラ・K・ル=グウィンの世界的ベストセラー「ゲド戦記」が今夏、映画で公開されて
話題になり、原作の人気再燃につながった。英「ハリー・ポッター」シリーズの世界的な成功により、子供向けファンタジーの出版に
拍車がかかっており、日本でも刊行が相次いでいる。
こうした中で行われる「デルトラクエスト」のテレビアニメ化は、日本語版の書籍販売を後押しするだけでなく、新作アニメの題材を
探している企業の目を、さらに海外ファンタジーへと向けさせそうだ。
【写真】アニメの主題歌を歌う「MARIA」に囲まれる原作者のエミリー・ロッダさん(右から4人目)と夫のボブさん(左隣)
=13日、東京都港区のオーストラリア大使館
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/12/15/20061215000005.html 朝鮮日報 2006年12月15日(金)
今年韓国で1番人気のあったアニメは?
アニメ『ケロロ軍曹』が今年1年間で最も人気のあったアニメに選ばれた。
ケーブルアニメーションチャンネル「トゥーニバース」が13日に生放送した「トゥーニ・チョイス2006」授賞式で、
『ケロロ軍曹』は作品賞と劇場アニメーション賞、最高の女性声優賞を受賞し、三冠王に輝いた。
韓国のアニメーション賞は『チャングムの夢』、劇場アニメーションは『ケロロ軍曹』、主題歌賞は『NARUTO』の
オープニング曲「滑走」を歌ったグループBuzzがそれぞれ手にした。
男女主演賞はNARUTOとバニラ&ショコラが受賞し、最優秀男女声優賞は『犬夜叉』と『ワンピース』のカン・スジン、
『ケロロ軍曹』のヤン・ジョンファがそれぞれ受賞した。
投票はトゥーニ・チョイスのホームページで行われ、1万2860人が参加した。
NEWSIS/朝鮮日報JNS
http://www.asahi.com/culture/news_entertainment/TKY200612070348.html 朝日新聞 2006年12月7日(木)
「代々木アニメ学院」、民事再生法を申請
アニメーション制作で老舗の専門学校「代々木アニメーション学院」を運営する代々木ライブアニメイション(東京都渋谷区)が、
東京地裁に民事再生法の適用を申請し保全命令を受けたことが7日、分かった。民間調査会社によると負債総額は約22億円。
ライブアニメイション取締役会は、創業者の大矢敏行・前社長による学費の私物化などが経営悪化の理由として、前社長を
11月27日付で解雇し、再生法申請は「経営私物化防止のため」としている。今後も営業は続ける。
再生法申請と保全命令はいずれも6日。同社などによると、設立は77年で現在、全国に12校をもつ。98年4月期に77億円だった
売上高が06年4月期には38億円まで減り、生徒数もピーク時の約8000人から10月現在で5300人に減少。同業者の増加や少子化のなか、
学費を割安にして学生増を狙ったことも、経営悪化を招いたとみられる。
http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/manga/manganews/news/20061207org00m200094000c.html 毎日新聞 2006年12月7日(木)
代アニ:民事再生申請 運営会社社長がホームページで説明
アニメ専門校「代々木アニメーション学院」の運営会社「代々木ライブ・アニメション」の石川良一社長は7日、民事再生法適用の
申請について、「経営を健全化する目的」で行ったとする説明文を同校のホームページに掲載した。
説明によると、10月下旬に辞任した同校の前代表が学生の学費振り込み口座の通帳と印鑑を石川社長に引き継がなかったとし、
趣旨が不明確な手形決済を行わせないようにするため、民事再生を申請したという。
石川社長は「教職員一丸となって伝統のある学院の火を消さず、アニメの良き技術者を送り出すため努力する」としている。【渡辺圭】
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20061208&j=0024&k=200612081343 北海道新聞 2006年12月7日(木)
代々木アニメ学院 民事再生法を申請
札幌など全国十二カ所で声優養成などを手がける「代々木アニメーション学院」の運営会社代々木ライブ・アニメイション(東京)は
七日までに、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。負債総額は約二十二億円。各校は通常どおり授業を続ける。
申立代理人の原田敬三弁護士(東京)によると、前経営陣による放漫経営が破たん原因。今後、金融機関などに債権カットを求める
再生計画を作成する見通し。
同学院は一九七八年に設立したアニメ専門校の草分けで、生徒数は約六千人、職員は四十人。札幌校(札幌市中央区南三西六)は
九二年に開校し、生徒数は約二百二十人、職員は契約社員も含め十人という。
今年四月からは落語家の三遊亭楽太郎さんが非常勤で学院長に就任していた。しかし、帝国データバンクによると、少子化や
同業他社との競争激化で、売上高は九八年四月期の七十七億円をピークに、二○○五年四月期は約五十億円にまで落ち込んでいた。
151 :
無なさん:2006/12/16(土) 12:24:47 ID:???0
>>151 日付や情報源が分からないと価値が半減する (´・ω・`)
@中日新聞 2006年11月16日(木)(東京新聞2006年11月16日(木)夕刊6面)
>>61 自著を語る 『腐女子化する世界』 杉浦由美子さん(ライター) 嗜好で消費 新しい世代
A中日新聞 2006年11月20日(月)夕刊8面(東京新聞2006年11月19日(日)朝刊6面)
>>53 日本の肖像画 タイのコスプレ 萌え上がる『アキバ文化』 メード喫茶繁盛 戦車に仮面ライダー
B中日新聞 2006年12月7日(木)朝刊15面(東京新聞2006年12月14日(木)夕刊7面)
アニメ大国の肖像(53)アニメ監督 富野由悠季さん その1『機動戦士ガンダム』の挑戦 本気で常識を覆す 嘘八百のリアリズム
C中日新聞 2006年12月13日(水)夕刊9面
世界名作劇場 10年ぶり復活 来年1月からBSフジで 新作は『レ・ミゼラブル』原作 殺伐とした世相追い風 今こそ良質アニメを
>>29の関連
日本経済新聞 2006年12月16日(土)夕刊3面
キレイ系オタク、さぶかるウオッチング、ライトユーザー化で増殖、 デザイン部 田口寿
講談社が十一月に創刊した「Beth(ベス)」は女性向けの「漫画×カルチャー誌」を掲げる。「急増する『キレイ系オタク』の
あなたに」が宣伝コピー。オタクだけどおしゃれもしたい。そんな層を想定した雑誌の創刊自体、オタク系市場のすそ野の広がりを映す。
オタク文化が身近になるにつれ、かつて流布した「オタクはおしゃれに無関心」といった“偏見”は薄れつつある。
アニメやマンガに没頭して生活すべてをオタク色に染める。そんな腹の据わった旧世代もいまだ現存はするが、オタク的な属性を
温存しつつもパッと見は普通の社会生活を送る新世代が増えている。いわばオタクのライトユーザー化だ。
とりわけオタク女子にはそんな傾向が強め。一方でかわいいもの好きな「ガーリー」系女子にとっても、一定程度のオタク的素養は
欠かせない。
新雑誌はマンガ業界の楽屋オチやテンション高めの自虐ギャグも飛び交うマンガ作品のほか、音楽や映画などの新作レビューや
サブカル文化人コラム、コスメ情報まで未整理な印象も残る。新市場開拓となるか。 (天)
日本経済新聞 2006年12月16日(土)地方経済面 (東京)15面
臨海副都心の都バス(東京・お台場)――車内放送、ヒロイン登場(LOOKAT)
東京都は、お台場・豊洲地区を走る都バス六路線の全車で、十六日公開のアニメ映画「劇場版BLEACH(ブリーチ)」の出演声優
五人の声が流れる車内アナウンスを始めた=写真は車内広告。来年一月八日まで終日、体験できる。クイズラリーも実施し、
家族連れやアニメファンに楽しんでもらう。
「BLEACH」は『週刊少年ジャンプ』に連載中の人気漫画が原作。死に神の代行者として悪霊を退治することになった高校生・黒崎一護
(いちご)と仲間たちの活躍を描く。
車内では各キャラクターの声で安全やマナー順守を呼び掛ける放送が流れる。例えば一護は「お年寄りや体の不自由な人、ちいせぇ
子供を抱いた人や妊婦さんがいたら、席を譲ろうぜ。約束な」。ヒロインの朽木ルチアは「よいか、降りたバスの直前直後の横断は
危険だ」といった内容だ。
ファンなら聞くだけでも楽しいが、都はアナウンスを使った「卍解(ばんかい)ラリー」も開催中。チェックポイント五カ所で
どのキャラの声かを当てて専用リーフレットに記入。豊洲の映画館に持って行くと、先着順または抽選で賞品がもらえる。
都バスとアニメ作品のタイアップは、今年夏の「NARUTO」に続き第二弾となる。都バスや臨海副都心への誘客も狙っている。
毎日新聞 2006年12月18日(月)夕刊 文化 批評と表現
[この1年 マンガ] 多彩に広がる成果 秀作多い少女・女性向け、映像化と連動・・・・ (村上知彦)
今年は重要な作品の完結、第1部終了などが相次いだ。中でも記憶に新しいのは、ベテラン・山岸涼子の力のこもった本格バレエ
マンガ『舞姫テレプシコーラ』の、第1部のラスト近くに置かれた衝撃の展開だ。主人公は、バレエ教室を開く母の英才教育を受ける
対照的な性格の姉妹。だが、将来を嘱望されていた姉は、ひざのケガの後遺症と同級生の心ないいじめに悩む。彼女が選ぶ究極の
選択からは、現代の少年少女の追い詰められた状況が浮かび上がる。遅咲きと思われる妹が、この試練をどう乗り越えるか。
第2部が描くだろう、希望の形を早く知りたい。
同じく完結した羽海野チカ『ハチミツとクローバー』は、美大生たちの複雑に交錯する恋横様を、気恥ずかしいほどまっすぐに
描ききって傑作となったが、その映画化作品もまれにみるピュアな青春群像劇の佳作だったといえる。これも今年完結の、大場つぐみ
/小畑健『デスノート』も、藤原竜也主演による映画化が話題を呼ぶなど、このところ目立っていたマンガの実写映画との連動が、
作品としても実を結んだ年でもあった。
テレビドラマ化で改めて話題となったのがニノ宮知子『のだめカンタービレ』。主人公の奇妙な音大生・のだめのキャラクターの
魅力で、いまいちばん勢いのある少女マンガだが、タイトルを冠したクラシック・コンサートが開かれ、上野樹里が好演のドラマは
普段マンガを読まない層にもアピールするなど、社会現象化してきている。
他にも、少女・女性マンガに秀作が多かった。鎌倉のお嬢様学校と進学女子高に通う幼なじみの少女二人の、上級生や女同士の友情に
揺れる思いをクラシカルに描く志村貴子『青い花』。老眼鏡紳士ばかりが働くイタリアのリストランテを舞台に、オーナー夫人と
その隠し子である娘との、心のもつれと和解を描くオノ・ナツメ『リストランテ・パラディーゾ』。扱うテーマの複雑多様さは、
男性向けマンガの遠く及ばないところだ。
少年マンガでは新鋭・宮下裕樹の『正義警官モンジュ』に注目したい。暴走する正義回路≠埋め込まれた試作品ロボット警官の
自己確認の物語は、『鉄腕アトム』から浦沢直樹『PLUTO』まで、少年マンガが求め続ける正義とは何か≠ニいう問いへの、
新世代からのアプローチといえる。また、ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』は、高校野球マンガという古い器に、女性作家ならでは
の母親応援団や女子マネの視点を持ち込み、理論派女性監督の緻密な作戦や、ナイーブなエースとチームメートの細かい心理描写など、
新たな野球マンガのだいご昧を提示する。男性向けマンガだって、捨てたものではない。
森下裕美は『大阪ハムレット』で、大阪下町に暮らす平凡な家族や少年少女や恋人たちの、だがそれぞれに重い人生の悩みや苦しみを
朗らかに歌う。須藤真澄は『長い長いさんぽ』で、彼女のマンガの名キャラクターでもあった愛猫ゆず≠フ死を、マンガ家ならではの
方法で読者へと報告する。少年・少女、男性・女性という枠をこえたこれらの存在自体が、日本マンガの成熟の証しではないか。
そして、ウィスット・ボンニミット『タムくんとイーブン』。日本マンガで育ち母国でデビュー後、神戸に留学したタイ人マンガ家
(愛称タムくん)が描く日本(イープン)の印象は、その成熟がもはや日本マンガだけのものでないことをしっかりと語っている。
(むらかみ・ともひこ=マンガ評論家)
【今年のマンガ10選】
山岸涼子『舞姫テレプシコーラ』(メディアファクトリー)/羽海野チカ『ハチミツとクローバー』(集英社)
ニノ宮知子『のだめカンタービレ』(講談社)/志村貴子『青い花』(太田出版)
オノ・ナツメ『リストランテ・パラディーゾ』(太田出版)/宮下裕樹『正義警官モンジュ』(小学館)
ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』(講談社)/森下裕美『大阪ハムレット』(双葉社)
須藤真澄『長い長いさんぽ』(エンターブレイン)/ウィスット・ポンニミット『タムくんとイーブン』(新潮社)
【写真】今年、注目された作品
紙面画像
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up158615.jpg
http://www.nihonbungeisha.co.jp/lovecook/index.html 『らぶくっく 〜おうちでメイドcafe〜』 日本文芸社
●著者 アニメ会(作)・吉井 ダン(絵)
●版型 A5判(オール4色)
●総ページ数 128頁
●定価 1365円(本体1300円)
●発売日 2006年12月中旬発売予定(既に発売済み)
アキバ発、原作にお笑いトークユニットのアニメ会、イラストに新進気鋭の画家吉井ダン氏のイラストを
用いたストーリー仕立ての萌える料理レシピ本!
メイドカフェの定番メニューを中心に、一人暮らしの男子・女子ならば知っておきたい10の料理を紹介。
http://www.ohtabooks.com/view/bookinfo.cgi?isbn=4778310527 『超エロゲー』
多根清史 八霧敬次
定価 : 1,280円+ 税
出版:太田出版
サイズ:四六変判 / 208p
ISBN:4-7783-1052-7
発行年月:2006.11.24
☆エロゲーを喰らい尽くせ!!☆
あの“クソゲーハンター”が、ひと皮ムケて“エロゲーハンター”になった!!
8ビットの黎明期から爛熟のWindowsまで、エロゲーの名作・怪作・奇作を徹底攻略&レビューした永久保存版!!
さらに表紙は、みさくらなんこつ描き下ろし!!
第1章:8ビット
『団地妻の誘惑』『オランダ妻は電気ウナギの夢を見るか』『ロリータシンドローム』『東京ナンパストリート』
『きゃんきゃんバニー』『電脳学園』……and more!!
第2章:16ビット
『ドラゴンナイト』『あゆみちゃん物語』『河原崎家の一族』『同級生』『雫』『学園ソドム』『Piaキャロットへようこそ!!』
……and more!!
第3章:Windows
『To Heart』『KANON』『AIR』『月姫』『君が望む永遠』『大悪司』『はじめてのおるすばん』『Fate』……and more!!
☆特別企画☆
徹底検証!なぜ北海道にはエロゲーメーカーが多いのか?
『The ガッツ!』を創った男
コンシューマ専用エロゲーの真実
エロゲーハンター、秋葉原へ行く!!
http://secure.ikaros.jp/sales/mook-detail2.asp?CD=M-037 『まじかる将棋入門』 イカロス出版
発行日:2006年10月 サイズ:A5判 ページ数:170 定価:\1500(税込)
◎こんな将棋本いままでなかった!?◎
みんな知ってる伝統のボードゲーム「将棋」。これから本格的におぼえたいけど、入門書はどれも同じにみえるなぁ…。
なんて思ってるアナタはこの本を手に取るべし! わかりにくいルールや駒の特徴を活かした攻め方、対局に勝つための秘訣まで、
駒に変身した7人の美少女たちが優しくレクチャーしてくれる、おカタいイメージの従来の将棋本からは考えられない驚愕の内容だ!
お気に入りの女の子をもっと知ることで、対局にも自然と勝てるようになるぞ!
文/椎名龍一・後藤元気 イラスト/乾ないな
http://www.shikoku-np.co.jp/national/life_topic/article.aspx?id=20061202000256 四国新聞 2006年12月2日(土)
600人が押し合い/おしくらまんじゅうの大会
おしくらまんじゅうの“日本一”を決める「全日本美味暮(おしくら)まんじゅう選手権」が2日、佐賀県武雄市で開幕した。
木枯らしが吹きすさぶ絶好の“おしくら日和”のもと、県内外から110チーム、計約600人が参加し、熱心に押し合いをした。
大会は今回で6回目。競技は5人1チームで行われ、半径約1・8メートルのサークルから相手チームを押し出すか、体を地面に
着かせれば勝ち。相手チームと背中合わせに並び、審判の「おしくらゴー」の掛け声で競技が始まる。
ヘルメットとサポーターを身に着けた参加者は倒されないように必死の表情だった。中にはサンタクロースの格好や、
最近流行の「メードカフェ」の洋服を着た参加者もいた。 ←
熊本県から友人らと参加した会社員の田代彰さん(20)は「みんなけっこう強かった。ルールも厳しくおしくらまんじゅうは
奥が深い」と話した。
【写真】600人が押し合い/熱心に押し合う参加者 「全日本美味暮まんじゅう選手権」で熱心に押し合う参加者=2日午後、佐賀県武雄市
ロイター 2006年12月16日(土)
カナダでもメイドカフェ登場
[トロント 15日 ロイター] カナダのトロントで、日本発祥のメイドカフェが登場し、話題を集めている。
今年夏にオープンしたお店の名前は「iメイドカフェ」。黒のミニスカート、長いソックス、白いエプロンというメイド姿の
ウェイトレスが接客、香港、台湾、西洋料理などを提供している。
6年前に中国の北京からカナダに移り、この店を経営するアーロン・ワンさん(24)は「お客様には自分の家に帰ったような
感覚を味わってほしい」とコメント。客の7割近くはアジア系だという。
お店の一番の売りのメイド用の衣装だが、1着およそ200カナダドル(約2万円)で日本から取り寄せているという。
【写真】12月15日、カナダのトロントでメイドカフェが登場、話題を集めている。5日撮影(2006年 ロイター/J.P. Moczulski)
http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/world/news/20061216-OHT1T00032.htm スポーツ報知 2006年12月16日(土)
バルサはアキバで萌え〜 量販店貸し切りでお買い物
スーパースター軍団もアキバに萌えた!? トヨタクラブW杯で来日中で、ホテルでの缶詰め状態にストレスをためていた
バルセロナの選手たちは、午前の練習後、12時間のオフを利用して、秋葉原行きを希望。ライカールト監督、MFデコら選手17人が
アキバへ繰り出した。
急きょ大型の観光バスをチャーターし、午後2時30分にホテルを出発。高速道路が渋滞と見るや、一般道に降り目的地へ。
午後4時30分に到着すると、JR秋葉原駅前の家電量販店「ラオックス」のデューティーフリーアキハバラ店に入店。
シャッターを閉め切って貸し切り状態で約100分間のショッピング。斉藤英樹店長によると、デジタルカメラ、iPod、
パソコンなどが売れ、100万円を超えるカメラを買った選手もいたという。
店舗前にはウワサを聞きつけた人たちが続々と集結。幅3メートルほどの歩道に200人以上もの人だかりができた。
選手退店時には激しい押し合いが発生し、一時騒然。グラドルでもないのに、アキバの「萌え男」君たちも興奮のるつぼに
陥れたバルセロナ。ストレス発散も完了し、あとは世界の頂点に立つだけだ。
◆ロナウジーニョは1人で練習 準決勝で芸術的プレーを連発したロナウジーニョは、午前の練習に参加せず、ホテル内のジムや
プールで軽く汗を流した。来日以来、時差ボケに悩まされてきたが、関係者によると前夜はぐっすり眠れた様子。午後の買い物にも
参加しなかったが、関係者は「彼が1人で行動したいと希望した」とコメント。単独行動で日本の夜を楽しんだ模様だ。
【写真】秋葉原の電気街に現れたFCバルセロナ・イレブン。
デコ(中)、バルデス(右から2人目)らは店員にガードされながら店に向かった
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200612/gt2006121606.html サンケイスポーツ 2006年12月16日(土)
「月面兎兵器ミーナ」がお台場に登場!ミーナ役井上麻里奈がPR
来年1月13日スタートのフジテレビ系アニメ「月面兎兵器ミーナ」(土曜深夜)の公開制作発表が15日、東京・台場で開催中の
「HOT★FANTASY ODAIBA」で行われた。
同アニメは昨夏放送の同局系ドラマ「電車男」のオープニングで登場したキャラクターがモチーフで、約300人のアニメファンが
詰めかけた。
主人公、月城ミーナ役の声優、井上麻里奈(21)がミーナのコスプレで登場し、エンディング曲「ビューティフル・ストーリー」を
熱唱=写真。ミニスカの制服風衣装に「20歳を超えてこの衣装はすごく恥ずかしいけど、楽しかった。番組も見てください」とPRした。
【写真】月面兎兵器ミーナ(オフィシャル写真・ポニーキャニオン提供)
http://www.sankei.co.jp/culture/enterme/061217/ent061217001.htm 産経新聞 2006年12月17日(日)東京朝刊17面
【アニメ】「レ・ミゼラブル 少女コゼット」 世界名作劇場10年ぶり“復活”
昭和50年から平成9年までフジテレビ系で放送された「世界名作劇場」が来年1月7日、10年ぶりにBSフジで復活する。24作目となる
新作は「レ・ミゼラブル 少女コゼット」(日曜後7・30)。ビクトル・ユゴーの不朽の名作に登場する、貧しく美しい少女コゼットを
ヒロインにしたアニメだ。
オープニングテーマ「風の向こう」を女優の斉藤由貴が歌う。かつて同名ミュージカルで初代コゼットを演じたことから白羽の矢が
立った。作詞も担当した斉藤は「名作劇場とともに育ち、結構アニメおたくでした。コゼットは悲しい境遇ではありますが、いつも
前向きで希望を絶対に捨てない女の子。放送もうれしいのに歌も歌えるなんて名誉なことです」と喜ぶ。7、3、2歳の1男2女の母。
「子供にも見せられるアニメ。作詞は、ご飯を食べさせ、歯を磨かせ、寝かせたあとの夜の11時くらいから一晩で書きました」と笑わせた。
「世界−」は、「フランダースの犬」に始まり、「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」などの名作文学を22年間にわたって23作品
放送。美しい映像と愛、友情、信頼といった普遍的なテーマが多くの人々に愛されてきた。BSフジの浪久圭司社長は「こういう時代に
放送することに意味があると思います」と語る。家庭のぬくもり、親子の絆の大切さを番組から発信していく。(松本明子)
【写真】「レ・ミゼラブル 少女コゼット」
http://www.sankei.co.jp/culture/enterme/061217/ent061217002.htm 産経新聞 2006年12月17日(日)東京朝刊17面
【アニメ】「しばわんこ」 「和」の楽しさ再発見
「私のことを、おばあちゃんと思いこんでる人が多いみたいで…」
NHKテレビで放送されて人気を集め、DVD発売(1月17日、ポニーキャニオン)も決まったアニメ「しばわんこの和のこころ」の作家、
川浦良枝は、うふふ、と笑った。
擬人化された芝犬「しばわんこ」を主人公に、和風な暮らしの機微を描く。「床の間ってなんだろう」「上座って?」。
作品のテーマになっている日本の風習や作法についての知識は深くて確かで、お年寄りを想像してもおかしくないかも。
もともとは洋風のイラストが好きだった。「和」の魅力に気づくきっかけは、冠婚葬祭向け実用書の挿絵を描く仕事から。
「あんまり面白くないと思いながらやったんですけど(笑)、あとで『畳の縁を踏んではいけない』なんてスケッチを夫に見せたら
『すごく面白い』って」
作品を持ち込んだ雑誌「MOE」の編集者も絶賛。6年前から原作の連載がスタートした。それからは和にどっぷり。
「たくさん資料を集めて、お茶も習いはじめて…。少しずつわかってくると、いろいろなことが全部つながっていく。
ミステリーを解くみたいで面白いですね」
香が漂う。炭のはぜる音がする。床の間のたたずまいに、背筋を自然に伸ばして…。伝統文化の魅力は、ある程度の知識がなければ、
なかなか感じられない。でもちょっとしたことに気づいたら、こんなに楽しいんだよ、と。
それは、「こうしなきゃいけない」といった“実用書”的な押しつけではない。作品が人気を集めているのは、団地世代の彼女が
再発見していく「和」の楽しさを、読者や視聴者が等身大のものとして共有できるからだろう。
時代感覚は、登場人物にもうかがえる。おばあちゃんは一人暮らし。おそば屋さんはシングルファーザー。「伝統というと、
隙のない家族を描きそうになるんですけど、よそがみんな『サザエさん』の家みたいだと思っちゃうと、つらい子供もいますよね」
タイトルの「和」には、そんな思いもこめられている。(篠原知存)
【写真】「しばわんこの和のこころ」の作家、川浦良枝さん
>>97の関連
http://www.sankei.co.jp/books/shohyo/061210/sho061210005.htm 産経新聞 2006年12月10日(日)東京朝刊10面(大阪朝刊14面)
【書評】『エロマンガ・スタディーズ』永山薫著
批判され、存在を否定されるだけで、ジャンル自体の系譜や作品論が研究されてこなかった「エロマンガ」の意欲的な論考だ。
昭和50年ごろの「三流劇画誌」の登場で幕を開け、50年代中期にマンガ同人誌から「エロコメ」が流入。さらに世の中を席巻した
価値観「かわいい」がロリコン、美少女ものを登場させる。そして平成2年の成年マーク導入など、数々の“弾圧”とメディアの
多様化で、拡散と先鋭化を繰り返す…。著者が読み解くエロマンガの歴史は刺激的で興味深い。
各作品の紹介もユニークだ。安っぽく、おぞましいもの、エロを超えて人間を見つめてしまったもの…。豊富な図版により、
通勤電車で読むには適さない。(イースト・プレス・1680円)
日刊工業新聞 2006年12月8日(金)32面
東商千代田支部、“アキバ企業”を紹介−サイト・コンテンツ拡充
東京商工会議所千代田支部が開設した東京・秋葉原のビジネスを考察するサイト「アキバXPress」が、熱い視線を浴びている。
サイトがオープンした9月以降、関連事業者からリンク要請があるなど反響があり、同支部は「まだスタートしたばかりなのに」と驚く。
コンテンツが充実していく今後に胸を膨らませている。
電気街、IT産業拠点をはじめ、アニメや萌え系ビジネスなど、さまざまな顔を持つ“アキバ”ならではと呼べる企業の紹介が同サイト
の売り。06年12月6日時点で、ゲームソフトや同人誌を扱うメッセサンオー、パソコンショップやロボット専門店を展開する九十九電機
など4社を掲載しており、今年度中に計10社を掲載する予定。アクセスは同支部ホームページ(www.tokyo-cci.or.jp/chiyoda)から。
関連サイト:東京商工会議所 千代田支部 - アキバXPressトップページ
http://cci-chiyoda.sakura.ne.jp/modules/tinyd0/index.php?id=9
日経流通新聞MJ 2006年12月10日(日)5面
アイレボ、同人誌ネット市場構築、ゲーム・映画化へ作品発掘。
コナミとインターネットイニシアティブの共同出資会社、インターネットレボリューション(アイレボ、東京・港、
高橋一也社長)は同人誌などのネット流通市場の構築に乗り出す。コンテンツ制作ソフトを提供して、自社サイト上で公開する。
来春から売買もできるようにする。将来的にはゲーム化や映画化につながる作品の発掘をめざす。
すでに制作ソフトをネット上で無償配布し始めた。このソフトを使えば、自作のコンテンツをアイレボの玄関サイト
「i-revoマイポータル」にアップロードできる。
アイレボではこうしたコンテンツを集め、サイト訪問者に購入してもらう。「イメージとしては、コミックマーケットの
ネット版に近い」(長岡浩副社長)
来年早々には、デラックス版の制作ソフトを有償配布する。このソフトは、背景を自在に変えられるなど描画機能を高めており、
より凝った作品を制作できる。
コンテンツを閲覧するには、コピー防止機能を付けた専用ソフトでしかみられないようにして、制作者の著作権を保護。
ダウンロードしたパソコン以外での閲覧はできない。
アイレボはコンテンツ売買の金額の一部を受け取る。出品者からも月額二百―三百円を徴収する方向。こうした収入では、
このシステムの運営コストはまかなえず、投下資金は「大化けするコンテンツの発掘で回収したい」(長岡副社長)。
有望コンテンツは、親会社のコナミのルートを使い、ゲーム化や映画化への道を探る。今後、アイレボが展開する
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上のほか、十二月末に都内で開催されるコミケの会場でも宣伝していく。
産経新聞 2006年12月12日(火)大阪夕刊11面
【ミナミ特派員より】from 日本橋 明るくきれいな同人誌専門店
今回は、最近リニューアルオープンした全国チェーンの同人誌専門店「メロンブックス大阪日本橋店」をご紹介したいと思います。
昔は同人誌といえば、雑居ビルの目立たない店舗で、男性客ばかりといった感じでしたが、最近は明るくきれいな店舗が多く、
女性客でいっぱいです。
この店舗も同じで、エスカレーターで2階に上がると、広い売り場一面に、看板と同じ薄いグリーンで統一された棚が並んでおり、
コミック・同人アイテム・キャラクターグッズなどのマニア商品が整然と並べられています。
驚くのはその量だけではなく、プロ顔負けのクオリティーとシナリオで、そのまま書店の棚にならんでもおかしくない程です。
数百円から1000円程度と手ごろな価格で販売されており、若い女の子に人気があるのもうなずけます。
サークルといわれる同人誌仲間が好きな本を販売する委託コーナーもあり、アニメ好きな友達と、気軽に販売するといったことも
できます。同人誌関連のPCゲーム、音楽CDの販売もされており、トータルで同人誌を楽しむにはおすすめのお店です。
でんでんタウンにお寄りの際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。 (藤原佳通)
◇
メロンブックス大阪日本橋店(大阪市浪速区日本橋西1の1の3、アロシステム本社ビル2階、TEL06・6643・8588)。
営業時間は午前11時〜午後9時、年中無休(年始を除く)。ホームページは
http://www.melonbooks.co.jp/ ◇
【プロフィル】藤原佳通 ふじわら・よしのぶ フューチャーシステムズ取締役として、日本橋ストリートフェスタなどの企画に参加。
読売新聞 2006年12月16日(土)東京朝刊37面
メディア芸術祭賞 各部門で大賞決まる
今年度の文化庁メディア芸術祭賞が15日決まり、アート部門大賞に「イマジナリー・ナンバーズ2006」(木本圭子さん)が選ばれた。
その他の部門の大賞は次の通り(敬称略)。
▽エンターテインメント部門 大神(神谷英樹)▽アニメーション部門 時をかける少女(細田守)
▽マンガ部門 太陽の黙示録(かわぐちかいじ)
贈呈式は来年2月23日、東京・恵比寿のウェスティンホテル東京で行われる。
http://www.asahi.com/culture/news_entertainment/TKY200612150278.html 朝日新聞 2006年12月16日(土)朝刊37面
メディア芸術祭大賞、「太陽の黙示録」に
今年度のメディア芸術祭賞が決まり、文化庁が15日発表した。4部門で計1808点の応募があり、マンガ部門では、かわぐちかいじ氏の
「太陽の黙示録」が大賞に選ばれた。功労賞には「わんわん忠臣蔵」などの作品を手がけ、創生期の日本アニメーションに大きな足跡を
残した作画監督の大工原章氏が決まった。贈呈式は2月23日に東京・恵比寿のウェスティンホテル東京で。他の部門の大賞は次の通り。
(敬称略)
【アート】インスタレーション「イマジナリー・ナンバーズ2006」=木本圭子【エンターテインメント】ゲーム「大神」=神谷英樹
【アニメーション】長編「時をかける少女」=細田守
http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/manga/manganews/news/20061215org00m300080000c.html 毎日新聞 2006年12月16日(土)朝刊29面
文化庁メディア芸術祭:森下裕美さんが優秀賞
アニメやマンガなどの新しいメディア芸術の優秀作を選ぶ「第10回文化庁メディア芸術祭」(文化庁、CG-ARTS協会主催)の受賞作が
15日、発表された。本紙で「ウチの場合は」を連載中の森下裕美さんの「大阪ハムレット」がマンガ部門の優秀賞を受賞した。
4部門に36カ国から1808点の応募があった。大賞を受賞したのは次の通り。アート部門=コンピューターグラフィック「イマジナリー
・ナンバーズ2006」(木本圭子さん)▽エンターテインメント部門=プレイステーション2用ゲーム「大神」(神谷英樹さん)
▽アニメーション部門=劇場版アニメ「時をかける少女」(細田守監督)▽マンガ部門=「太陽の黙示録」(かわぐちかいじさん)。
大賞や優秀賞など165点は、来年2月24日〜3月4日、東京都写真美術館(東京都目黒区)で展示される。
http://www.business-i.jp/news/enter-page/enter/200612150013o.nwc 『FujiSankei Business i.(フジサンケイ ビジネスアイ)』2006年12月14日(木)
【細野真宏の映画対談】「鉄コン筋クリート」 マイケル・アリアス監督
伝説的な大ヒット漫画、遂に映画化! 日本のアニメの将来は?
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20061218bk13.htm 読売新聞 2006年12月16日(土)東京夕刊15面
[私のいる風景]漫画家・かわぐちかいじさん 鏡 戦後映す「もう一つの日本」
穏やかな冬晴れの午後。新宿の高層ビル群を見上げて、ぽつりとつぶやいた。
「今、負け組と言われる人たちは、どこかで無意識に大地震を待望しているかもしれませんね。すべてをチャラにして、もう一度
スタートを切るために」
「ビッグコミック」で連載中の『太陽の黙示録』では、地震と噴火で列島が南北に割れ、米中の綱引きで日本が「分断国家」になる。
また、「モーニング」連載中の『ジパング』では、自衛隊の新鋭イージス艦が太平洋戦争にタイムスリップし、日本の敗戦を知った
草加拓海少佐が、歴史をねじ曲げようとする。いずれも、戦後日本をリセットするような、骨太のポリティカル・フィクションだ。
「『日本人とは何か』が自分の中で分からないと、不安な感じがするんですよ。例えば、欧米の整然とした都市に比べ、東京は
雑然として無責任だけれど、寛容で、お風呂みたいにだらーっとできる。でも、突出したものを認めない偏狭さもある。各論でなく、
大きなところでつかみたいと思うんですけれどね……」
瀬戸内海の島育ち。生まれた時から、隣に「鏡」がいた。一卵性双生児の弟、協治さん。「なんで俺があいつじゃなく、あいつが
俺じゃないのかと、物心つくころから不思議だった」。ともに漫画家を志し、ともに東京の大学に進んだが、兄は在学中に
プロデビューを果たし、弟は家業を継ぐために広島に戻った。
「弟の分まで背負って描いているという気持ちはある。性格は少し違って、俺は『理』の部分が強いけれど、弟は『情』が強い。
友達がすごく多いんです」
『沈黙の艦隊』の海江田と深町。『ジパング』の草加と角松。『太陽――』の宗方と柳。氷と炎、月と太陽。かわぐちさんが好んで
描く、深く認め合いつつ激しく対立する二人の男は、普遍的な葛藤のドラマであると同時に、「分身」たる弟への思いでもあるのだろう。
「カストロとゲバラ、ビートルズのジョンとポールみたいな関係が好きです。なぜ二人は出会い、別れなければならなかったのか。
男同士だけれど、ある種の恋愛劇と見ることもできる。草加と角松の関係も、そう意識しています」
『太陽――』も『ジパング』も相次いでテレビアニメ化され、若い読者からの反響も大きい。「でも、漫画で歴史を勉強することは
やめろと言いたい」。両作品ともテーマが強烈なため、戦前回帰やナショナリズムと結びつけられやすいが、「戦後、まがりなりにも
人々がつかんだ民主主義を否定しない」と言い切る。
「日本は負けたからこそ、近隣諸国にデリケートな感情を持てるようになったし、『勝っても負けても戦争は悲惨』と知っている。
それこそ日本人の誇り」
だが、戦後日本はベストだったのか?その疑問を、紙とGペンにぶつける。
「あり得べき理想の国など、現実にはどこにもない。しかし、もう一つの日本を想像することで、戦後60年を映す『鏡』を見せる
ことはできると思う」
『太陽――』のベースは、実は「三国志」だ。「国造りの話なんですよ。近未来の日本を舞台に『これが新しい三国志』というのを
やりたいんです」 (文・石田汗太 写真・小西太郎)
◇1948年広島県尾道市生まれ。69年「ヤングコミック」でデビュー。『アクター』『沈黙の艦隊』『ジパング』でそれぞれ講談社漫画賞、
『太陽の黙示録』で小学館漫画賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞。
写真=「漫画は絵が記号化すると勢いがなくなる。もう一度、リアルな線に戻したいんです」(東京・西新宿で)
スポーツニッポン 2006年12月18日(月)22面
[テレビ王国]深夜アニメ=視聴率<ビジネス
◇DVD化+グッズ展開+海外輸出+ネット配信…急増の裏に“増収方程式”
深夜アニメが増えている。現在、放送されているのは民放キー局だけで週22本。04年春時点の週11本からほぼ倍増した。一方、かつては
アニメの主戦場だったゴールデンタイム(午後7〜10時)では減少傾向が続く。最近のアニメを取り巻く環境を探った。(小枝功一)
◇200億円巨大市場狙い撃ち
深夜、テレビを見ていると必ずどこかのチャンネルでアニメが放送されている。数えると民放だけで週22本。家族でテレビを囲んで
見ていたアニメ。なぜ子供が寝静まっているはずの時間帯に放送されているのか。
テレビ局が深夜アニメに力を入れる背景には、局側の思惑が見え隠れする。
テレビ局は広告収入が不振の中、放送外収入を重視。アニメはDVD化、グッズ展開、欧米などへの輸出、ネット配信、声優の売り出し…
など多角的なビジネスの第一歩になる。
視聴率の3冠争いへの影響が少ない深夜帯でアニメを制作し、ソフトを確保。野村総合研究所の推計で200億円規模に上るアニメ市場で
収益を上げようとしているのだ。
深夜アニメが定着するきっかけは、テレビ東京で95〜96年に放送された「新世紀エヴァンゲリオン」の爆発的ヒット。劇場用映画が
約44億円の興収を上げたこの作品を追随し、新作アニメの本数が急増。深夜アニメはその受け皿として機能することになった。97年、
テレビ東京が本格的に深夜枠の開拓を始め、一気に年10本に。同年には日本テレビやテレビ朝日も追随。その後、他の民放キー局も
参戦するようになった。
◇ゴールデンで数字伸びず
一方、ゴールデンタイムからはアニメが姿を消している。フジテレビで日曜午後7時から放送されていた「ONE PIECE」が今年10月、
日曜朝に移動。「ドラゴンボール」「北斗の拳」などの人気アニメを輩出してきた同局ゴールデンタイムからアニメが“絶滅”した。
理由はシンプル。ビデオリサーチによると、アニメ番組の年間平均視聴率(関東地区)は、01年の6・2%から昨年の4・4%まで下落。
視聴者がついてこないのだ。
この状況について日本テレビ「DEATH NOTE」(火曜深夜0・56)などを手掛ける中谷敏夫プロデューサーは「少子化の影響と、塾や
習い事などで、子供が午後7時にお茶の間にいなくなったことが大きい」と説明。「ゴールデンタイムからアニメがなくなる日が来る
のではないか」と危機感を抱く。
右肩上がりだったアニメ市場も最近は横ばい状態。あるアニメ関係者は「深夜アニメも急増の影響で質の低いものが目立ち始めた。
07年から淘汰の時代に入るのではないか」と指摘した。
◇フジ、ドラマ人気に続く? 1月「のだめ」投入
フジテレビでは05年4月から「ノイタミナ」(アニメーション=animationを逆から読んだ造語)という深夜アニメ枠(木曜深夜0・45)
をつくった。コンセプトは(1)誰もが楽しめる(2)来週が気になる展開(3)話題性がつくれる――と連続ドラマに近い。
マニアックな路線でなく、幅広い視聴者に見てもらうことを目標にしている。
同枠を担当する高瀬敦也プロデューサーは「DVDなどの販売での収益も期待しているが、もっと大きい目標は視聴率を取ること。
放送枠をゴールデンタイムに近づけ、最終的に“月9”でアニメを放送したい」と抱負を語る。これまでに「ハチミツとクローバー」
「怪〜天守物語」などを放送。現在は「働きマン」を放送中で、ここまで平均4・1%の高視聴率を記録している。
1月からスタートするのが、ドラマでもヒットした「のだめカンタービレ」。高瀬氏は「音と映像の絡みにこだわって作った。
そこをぜひ楽しんでほしい」と訴えた。
>>172続き
◇放送37年、今なお不朽サザエさん
○…アニメの中で不動の人気を誇るのがフジテレビ「サザエさん」。家族で見られるアニメといえば、誰もが真っ先に思い浮かべ、
放送開始から37年たった今なお、20%前後の視聴率を獲得している。この人気について「のだめ…」を手掛ける高瀬氏は「子供から
大人まで楽しめるのがアニメの原点。いつかサザエさんのような作品を作りたい」と話した。
◇日テレ、32社争奪戦の末ゲット「デスノート」
大人気漫画をアニメ化したのが日本テレビで放送中の「DEATH NOTE」(火曜後24・56)と「NANA」(水曜後23・55)。
ともに映画でも大成功を収めており、幅広いファン層が支持。アニメファンや関係者の間でも映像や作画への評価が高く、「DEATH…」が
最高視聴率4・4%(11月14日放送分)、「NANA」が同6・3%(8月9日放送分)と深夜としては異例の高い数字をマークしている。
こうした大ヒットに結びつく原作をめぐっては争奪戦も激化。「DEATH…」は民放全局、レコード会社、映画会社など32社が版権の
争奪戦を繰り広げた末、日本テレビが勝ち取ったという。
一方で「機動戦士ガンダム」「新世紀エヴァンゲリオン」のようなオリジナルものは激減。この理由について、中谷氏は「人気漫画
なら一定の需要が見込め、制作サイドとしては安心感がある」と説明。
ただ、マニアックな原作からのアニメ化も多い現状については「とにかくアニメを量産しようとしすぎて、じっくり時間をかけて作る
という姿勢に欠ける傾向もあるのでは」と警告する。
◇火付け役テレ東、最多の週9本放送
○…深夜アニメを開拓したテレビ東京は今でも最多の週9本を放送。幅広い視聴者層向け、マニアックなファン向けと多数そろえている。
同局の朝賀定夫・アニメ放送部部長は「これからも減らすことはないでしょう」と話した。
◇海外頼みの制作に「空洞化」懸念も
「アニメ大国」と言われる裏で、国内では「アニメ制作の空洞化」も進んでいる。急激な本数の増加に対応するため、韓国や中国、
東南アジアなどに制作を委託する動きが加速。国内では脚本や演出だけを手掛け、映像制作などは海外の技術者に頼るという作品も
珍しくない。このため、若い技術者が育たずアニメ関係者の間では「あと5年もすれば、アニメ制作の技術面で韓国に抜かれるのでは
ないか」と懸念する声も上がっている。
◇「DEATH NOTE」
2003年12月から今年5月まで「週刊少年ジャンプ」で連載された。コミックは計2300万部を出版。名前を書かれた人間が死ぬという
ノートをめぐる物語
紙面画像(前半)
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up158848.jpg 紙面画像(後半)
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up158849.jpg
http://www.asahi.com/special/robot/TKY200612160191.html 朝日新聞 2006年12月16日(土)夕刊5面
博物館・ドキュメンタリー映画…… いまロボットとは
産業用ロボットの稼働台数が全世界の半数近くを占め、「ペットロボ」や介護ロボットの実用化研究も進む世界有数のロボット大国
・日本。最近では、日本人とロボットのかかわりを見つめる博物館やドキュメンタリー映画も生まれるなど、文化的な側面からも注目が
集まっている。(小林裕子、増田愛子)
○博物館 「存在の変遷」見つめる
10月に名古屋市に開館した「ロボットミュージアムin名古屋」は、ロボットと人間の長くて多様なかかわりを、見て触って楽しめる
ユニークな施設だ。
開館以来、週末には1日の来館者が5千人を超える人気ぶり。海外メディアの視察なども相次いでいる。
ミュージアムは、ロボット関係の雑誌などを出すジャイロウォーク(本社・大阪)などが、もの作りが盛んな名古屋でロボットを
紹介しようとつくった。2階建ての展示スペースは延べ約700平方メートル。そこに、ロボットの歴史を紹介するパネルや模型など
資料千点以上が並ぶ。
地球を侵略するロボットが描かれた米国のSFパルプ雑誌の隣には、40年代から輸出された日本製のブリキのおもちゃのロボット。
懐かしの鉄腕アトムや鉄人28号の模型やコミック、マジンガーZから機動戦士ガンダム、「ターミネーター」などハリウッド映画の
主役たちも登場する。
ギリシャ神話の人造人間に始まり、1920年にチェコの作家カレル・チャペックの戯曲で強制労働を意味する「ロボット」という言葉が
初めて登場した歴史を含め、西欧ではロボットは人間に役立つ道具の意味合いが強かった。それが日本では戦後に自立型や操縦型の
ヒーローとして人気を集め、より身近な存在になった様子がわかる。
一方、展示では産業用ロボットなども交差させながら紹介。ホンダの「ASIMO」、ソニーの「AIBO」などの実物ロボットが展示され、
実際に触ったり遊んだりできるコーナーもある。
展示を監修した技術評論家の永瀬唯さんは「日本ではこの30年、ロボットはサブカルチャーとして生活に入り込んできた。
どんな存在としてとらえられてきたのか、その変遷を見てほしい」と語る。
施設は10年夏までの期間限定の開設。年に数回、アートやデザインの視点でロボットをとらえた企画展も開く予定だ。
(後略)
【写真説明】
(上)体験コーナーではAIBOなど「癒やし系」ロボットとふれあえる/
(下)(右)ポーズを決めた人のシルエットを描く産業用ロボット
(下)(左)機動戦士ガンダムなど様々なロボットが展示されている=いずれも名古屋市中区の「ロボットミュージアムin名古屋」で
パロの組み立て工場で撮影するアンボ監督=富山県南砺市で
誌面画像
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毎日新聞 2006年12月20日(水)夕刊
[そのほかのニュース] ヲタ語隠語現代用語
・これだけは押さえたい。初心者のためのヲ夕用語講座。 (Hanako 11月23日号)
・客にバレないように使われる暗号≠完全公開!業界別〔隠語辞典〕 (週刊SPA! 11月28日号)
・心オナニー、エビ売れ、彦摩呂!? 『現代用語の基礎知識』の掲載基準 (サイゾー1月号)
今年の「新語・流行語大賞」は「イナパウアーでした。
いわれてみれば、ごもごもごもごも、ごもっともー(ノミネートならず)。
あと「品格」(藤原正彦さん)も年間大賞に選ぱれましたが、こちらのほうは「シンジラレナ〜イ」という声も・・・・・・。
というわけで、今週は言葉にかんする記事をとりあげてみました。
『Hanako』は、女性向けのAKIBA系特集。
「初心者のためのヲタ用語講座。」では、秋葉原に集う人びとの間で交わされる必須の「隠語」を解説している。
まず「ヲタ」は「オタクの意」。派生語には「アニヲタ」(アニメオタク)、「ゲーヲタ」(ゲームオタク)もある。
「フラゲ」はフライングゲットの略。単行本、CD、雑誌などの商品を発売目よりも早く購入すること」。「絶対領域」は
「メイドたちがはいているニーハイソックス(ニーソ)とミニスカートの間の、ふとももが露出する部分のことらしい。
『週刊SPA!』は、「あらゆる業界の隠語を大公開」。鉄道業界では「薩摩守」といえば、「無賃乗車(キセル)」のこと。
「平忠度(たいらのただのり)が「薩摩守だったから」
「お化け」は、タクシー業界では「長距離客」の意味だが、保険業界では「示談金の支払いが終わってから、1年以上たって
また蒸し返しの電話がかかってくること」、不動産業界では「実際には存在しない客寄せのための物件のこと」だそうだ。
『サイゾー』は、「『現代用語の基礎知識』の掲載基準」。「趣味と萌えのことば」のページには「心オナニー」「エピ売れ」
「ようつべ」といった用語が掲載されているそうだ(その意味は「同書をチェック!」とのこと)。
「政治用語も萌え用語も、意味がわからない言葉の身分≠ヘすべて同じ。対等に扱います!」(長沖竜二編集長)
ちなみに去年の新語・流行語大賞はホリエモンの「想定内(外)」と「小泉劇場」でした。月日がたつのは早いねえ。フオーッ!(死語)
(荻原魚雷・ライター)
紙面画像
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up158999.jpg 『現代用語の基礎知識 2007』p.1246〜1247「趣味と萌えのことば」
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読売新聞 2006年12月20日(水) 本よみうり堂
[本田透のキャラ読み!] 「顔面格差社会」の男賛歌
今月は『王の男』(キム・テウン原作、チェ・ソクファン脚本、前川奈緒編訳、角川文庫)を紹介します。同名の韓国映画を
ノペライズしたものです。この映画、韓国では国産映画史上最大級のヒット作となったのですが、内容は女形の美青年コンギルを巡って、
彼の相棒の芸人チャンセンと、実在の王である燕山君とが、ドロドロの三角関係に陥るという・・・ええと。つまり「男同士の愛の前には
封建的な身分制度など関係ない」という男賛歌です。
王ははじめ、千人の美女を後宮に集め、娼婦あがりの寵姫を溺愛していたのですが、常に満たされない思いを味わっていました。
で、女形の芸人コンギルの中に・・・・・・死別した自分の母親の面影を見出してしまうのです! 人類学周辺では、「男とはY遺伝子を
振りまくためにより多くの女を獲得する本能を持っている」とよく言われますが、それは動物の話です。人間の男には、動物の雄には
ない妄想力(想像力)というものが備わっており、その力は遺伝子にコード化されている生物学的本能をも時には凌駕するのです。
この王の場合、「女」を征服しても「母」に出会うことが叶わず、ついには「女形」の中に「母」を見出すに至るわけです。
でもコンギルは男なので、女のように王の母に嫉妬することなく、王のマザー・コンプレックスに共感してしまいます。
こうして、二人の男の間で、奇妙にねじれた母子関係≠ェ成立するのです。
こんな先進的すぎる話が韓国の男性たち(!)に熱狂的に支持され、大勢の男がコンギルになろうとしているらしいです。
日本も「顔面格差社会」化が進行中ですが、あちらは元祖イケメン四天王の国。容姿による差別の構造が完成しているので、
美しくない男はとことん悲惨です。恋愛のみならす、就職でも不利なのです。そんな彼らはとうとう同性との恋愛という道を逸れて、
一気に最後の救いの場である「自分萌え」に走ったのです。数年後には日本も同じような状況になるということを予言して、
連載を終えたいと思います。 (作家)
紙面画像
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http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20061218-132177.html ニッカンスポーツ 2006年12月18日(月)
プラモデルなど800個万引で逮捕
福井南署は18日までに、プラモデルを万引したとして、窃盗の現行犯で、福井市米松2丁目、会社員矢野禎和容疑者
(42=窃盗罪で起訴)を逮捕した。
矢野容疑者は調べに「1996年ごろから、福井県や石川県で約3000個を万引した」と供述。同署は自宅の屋根裏部屋や車を捜索し、
ウルトラマンや仮面ライダーのプラモデルやフィギュア約800個(240万円相当)を押収した。
調べでは、矢野容疑者は11月26日午後5時半ごろ、福井市のリサイクルショップでプラモデル2個を上着の下に隠して持ち出し、
万引した疑い。
盗んだ商品をリサイクルショップで換金し、その金で買った商品もあるとみて、同署が裏付け捜査をしている。
http://www.daily.co.jp/gossip/2006/12/18/0000194940.shtml デイリースポーツ 2006年12月17日(日)
アンガールズ アラレオタク発揮
お笑いコンビ・アンガールズが17日、千葉・幕張メッセで行われた「Dr.スランプ アラレちゃんDVD-BOX」の発売記念イベントに
出席し、前代未聞の「公開アラレちゃん検定」に挑戦した。
一般人100人以上が見守る中、アラレちゃんのお決まりのポーズや「スッパマンの故郷」など5つの問題に挑戦。山根良顕(30)は
「ニコちゃん大王」のソックリなイラストを描き、田中卓志(30)は4問に正解するなどオタクぶりを発揮。驚異の正答率に2人は
「中学生のころ部活が終わってよく読んでいましたから」と胸を張っていた。
【写真】イベントに出席したアンガールズ=千葉・幕張の幕張メッセ
毎日新聞 2006年12月21日(木)夕刊 文化・批評と表現
[マンガの居場所] ヤマダトモコ
■ 不可視ジャンルの成熟表す本 ■
書店に行けばコーナーが設けられ、実はたくさん存在するのに、なんとなく無いことになっている分野に関する見るべき本が、
近年続けて発行されている。例えば『エロマンガ・スタディーズ』(永山薫、イースト・プレス、06年11月)。永山は、エロマンガの
世界を「不可視の王国」だと指摘し、それが不可視であることの理由の一つに「エロの壁」の存在をあげる。「エロティシズムを含む
表現は/三流の表現である/汚い/語るべきものではない/語るに値しない/触れたくない/評価したくない/許せない/ヒドイ
/子供に見せられない/恥ずかしい/人間性を冒?している」などのネガティブな反応を核とするバリアであるその壁は、その世界に
関わる読者、マンガ家、編集者、評論家、著者である永山にでさえ多少はある壁であるが、それがあることの意味を考えることの
大事さを、本書は問う。
「不可視の王国」といえば主に女性向けの、男性同士の恋愛ファンタジーである、「やおい」あるいは「ボーイスラブ(=BL)」の
世界も、似たような世界であるが、やはり近年、この世界に、色んな方向でアプローチする本が出ている。例えば『隠喩としての少年愛』
(水間碧、創元社、05年2月)は、女性が好む男性同性愛というものを「少年愛」という言葉に集約して考察した本である。中にやおいや
BLについての考察も出てくる。また、これはマンガについての本ではないが『やおい小説論』(永久保陽子、専修大学出版局、05年3月)
は、「やおいの娯楽性]を解明し肯定的に評価しようとした論。
そして『やっぱりボーイズラブが好き』(山本文子&BLサポーターズ、太田出版、05年12月)は、もはやある程度装備がなければ
飛び込むことが難しいBLの海をもぐって楽しむためのガイドブック。ギャグっぽいBLで定評のある九州男児(ペンネームである)の
イラストも楽しい一冊だ。
それから『オタク女子研究−腐女子思想大系−』(杉浦由美子、原書房、06年3月)は、タイトルの勇ましさに反して、内容が著者の
エッセイ的傾向が強く、待望されていた類の本であっただけに拍子抜けで、反発も煽った。が、キャッチーなタイトルと志村貴子の
素敵な表紙が目を引いたこともあって話題を呼んだ。
また、直木賞作家となった今、さらにBL愛に拍車が掛かった感のある三浦しをんの『シュミじゃないんだ』(新書館、06年11月)は、
一人の人間の美意識に則った、とても優れたBLのレビュー本だ。シュミじゃないんだ、とは、自分にとってBLを読み語ることは、
もうシュミの域ではなく、必然。生活の一部。もうそれがないと死んでしまう。というレベルに達しているということを表明した
タイトルなのだ。雑誌連載時の勢いを生かすため、紹介されている作品が少し以前のものになっているのをフォローする意味もあってか、
全章に相当量の補足文が付けられている。各章に「寮、相棒、オヤジ、政治物」といったBLを考える上で重要なテーマが設けられ、
読みやすい筆致で深い内容に言及できていて鮮やか。
ここに紹介した本たちは長年ジャンルに興味があり、一家言ある人々には、納得がいったり、批判的になったり、さらに深く考えたく
なったりする部分もある本たちかもしれない。
だが、一冊にまとまった形でこうした本が出ることこそが、それらを一緒に語りたい人や、包括的に考えたい人の存在を示す。
つまりジャンルの成熟を表すことになるだろう。 (マンガ研究)
【写真】今年刊行された注目の2冊(左『シュミじゃないんだ』、右『エロマンガ・スタディーズ』)
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http://www.asahi.com/culture/tv_radio/TKY200612210260.html 朝日新聞 2006年12月18日(月)大阪夕刊3面(北海道12月21日夕刊5面)
復活アニメ名作劇場「レ・ミゼラブル」は「萌え系」?
「母をたずねて三千里」「あらいぐまラスカル」などを生んだフジテレビ系のアニメシリーズ「世界名作劇場」が来年1月、
10年ぶりに復活する。ビクトル・ユーゴー原作「レ・ミゼラブル 少女コゼット」(全52話)が7日から、かつてと同じ日曜7時半に、
BSフジで放映が始まる。
同シリーズは69年開始の「ムーミン」を源に、「アルプスの少女ハイジ」(74年)の路線を受け継いで、日本アニメーションが
「フランダースの犬」(75年)から制作してきたが、視聴率が低迷し、97年に「家なき子レミ」を最後に打ち切られた。
今回も日本アニメーションが制作。少女コゼットを主人公にして脚色し、ジャン・バルジャンとの出会いや革命下の恋などを描く。
桜井弘明監督は「ジャン・バルジャンが主人公だと物語がハードすぎるので、コゼットを浮かび上がらせ2人のつながりを軸にした
話にした」と話す。
コゼットのキャラクターは、目が大きく髪はフワフワで美少女アニメ風。名作劇場で「萌え」?
「それも見方の一つ。美少女アニメとして見ているうちに、物語のとりこにする、というのも作戦の一つかもしれません」
【写真説明】「レ・ミゼラブル 少女コゼット」から。右がコゼット
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朝日新聞 2006年12月21日(木)夕刊 学のいま
夜明け前のマンガ学(上) 手塚の偉大さ、認めつつ相対化
竹内一郎さんの『手塚治虫=ストーリーマンガの起源』(講談社選書メチエ)が、新進の評論家・研究者を顕彰するサントリー学芸賞
(サントリー文化財団主催)の芸術・文学部門に選ぱれた。竹内さんは94万部を発行した『人は見た目が9割』(新潮新書)の著者。
「さいふうめい」の名で戯曲やマンガの原作も手がける。
●顕彰と批判と
選考委員で文芸評論家の三浦雅士さんは選評で、「(日本のマンガ評論の)渇きを一挙に癒してくれる快著」とたたえた。受賞作は、
帯で日本初の本格漫画評論」とうたい、前書きで竹内さんは「作家論、技法にも論及されたマンガ表現論を包括的に論じる力を持った
人がほとんどいない]と断じた。
だが、この授賞への批判の渦が、北九州市立大助教授の宮本大人さん(漫画史)らマンガ研究者のブログやウェブサイトで広がっている。
論者によって差異はあるが、おおむね共通する指摘は、@手塚治虫に関して蓄積されてきた先行研究を軽視している A手塚が
ストーリーマンガの起源かどうかを検証する際、手塚本人の言葉を根拠にする手法は客観性に欠ける Bマンガ研究という後発の
分野なので審査が甘くなったのではないか、などだ。
竹内さんと同じく批判の矢面に立だされた三浦さんは、11日にあった同賞贈呈式の記者懇談会で、「夏目房之介さんらマンガ批評の
先行者に称賛の念はある。マンガが他の芸術と並んで評価されるようになったから今回の授賞もある」と弁明した。
では、先行研究の蓄積とはどのようなものか。
手塚治虫を対象にしたマンガ研究者には、手塚の映画的手法を論じた竹内オサムさんや、宝塚歌劇の影響を調べた中野隋行さんらが
いる。評論家の大塚英志さんにも著作がある。そして、「マンガ表現論」で90年代をリードしたのが、三浦さんが言及した夏目房之介
さん(56)だ。
マンガ表現論は、89年の手塚の死をきっかけに生まれた。「マンガの『思想』を描線やコマのなかに、その生理みたいな場所にみたい」
(『手塚治虫の冒険』)と、マンガを、「絵・コマ・言葉」という最小の構成要素に分解して表現の変化を追った。
「手塚を軸に、戦後のマンガの流れを理解するためだった。手塚と異質なものが周辺に追いやられるので限界があると分かっていたが、
誰かがまずやらなければと思った」と夏目さんは振り返る。
明治学院大学非常勤講師の瓜生害則さん(35)は、表現論の出現を「戦後、マンガを読み込んできた世代が『わたし』のマンガを
語り姶めたのが70年代後半だったが、私論だけでは主観的すぎる。表現論は、マンガがどのように描かれているかを、読み手の側から
客観的にとらえようとした」と位置付ける。
●表現論の深化
夏目さんへの批判は、その後10年かかって現れた。担い手は、30代の研究者たちだ。瓜生さんは「表現論だけでは十分ではない。
自分にとっての興味は、雑誌メディアとマンガとの関係など商品としてのマンガにある」と話す。
表現論をさらに発展させる本も05年に出た。伊藤剛さん(39)の『テヅカ・イズ・デッド−ひらかれたマンガ表現論へ』(NTT出版)。
マンガの登場人物への「萌え」など、表現論ではとらえきれない現象を、「キャラクター」と「キャラ]を分けて考えることでとらえ
ようとした野心作だ。「キャラは、人生や生活があるキャラクターになる前の存在。80年代後半に読みが多様化してキャラを追う
読み手が現れ、萌えも顕在化した」と伊藤さん。
夏目さん自身も表現論を超え、マンガ家、市場、著作権などを包括的に扱う『マンガ学への挑戦』(NTT出版)を04年に書いた。
戦後のストーリーマンガを巡る研究は、手塚をすべての起源とするのではなく、偉大さは認めながらも相対化する方向に向かっている。
表現論の周囲を見ると、マンガ研究はお互いの業績を参照しながら前へ進む「学」の形を取り始めている。 (西田健作)
◆(下)は来週の同じ曜日に掲載予定です。
[本から学ぶ]石子順造『戦後マンガ史ノート』(紀伊国屋書店) 庶民像と重ねたマンガ史。/呉智英『現代マンガの全体像』
(双葉文庫) 評論、歴史、作家作品論を語る。/四方田犬彦『漫画原論』(ちくま学芸文庫) もう一つのマンガ表現論。
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http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2137763 『喪男の哲学史』
著者: 本田透 発行年月日:2006/12/25 サイズ:A5判 ページ数:318 ISBN:4-06-213776-3 定価(税込):1,890円
内容紹介
プラトンの理想郷はアキバ!?/デカルトは「人形萌え」/萌え逃げの達人ゲーテ
/ヘーゲルのセカイ系哲学 vs.キルケゴールのキモイ系哲学/「乙女化」の先駆者アンデルセン
/女に捨てられて「俺萌え」に走ったニーチェ/「国家萌え」で悲劇を招いたナチス
/喪男の精神に分け入ったフロイト/偉大な思想家はみんな喪男だった!
喪男【モダン】
喪男とは……モテない男、ではなく、モテることを拒否する男のこと
こんな人は必読!
●哲学・思想について知りたい人●人間の知の歴史について知りたい人●オタク文化について知りたい人
●いまの恋愛資本主義社会に疑問を感じている人●自分の存在について深く知りたい人
【特集ページ】
http://shop.kodansha.jp/bc/books/topics/modan/ 目次
序章:喪男とは何か
第1章:世捨て人の出現
第2章:科学の誕生
第3章:恋愛と資本主義
第4章:国家萌えと鬼畜
第5章:喪男の精神に分け入る
第6章:文化は喪男が作り出す
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31822081 『秋葉原人(アキバゲンジン)』YELL books
著者/訳者名 小林たかや/著 出版社名 エール出版社 (ISBN:4-7539-2617-6)
発行年月 2006年12月 サイズ 158P 19cm 価格 1,575円(税込)
電気街からマニア・オタクの聖地まで、アキバの歴史と魅力を、アキバの裏まで知り尽くした
「あきば通」代表の著者が紹介。いろいろな特典付き!!
http://www.eiwa-inc.com/shohin.php?code=4899866151 『伝説のS級プラモ図鑑』EIWA MOOK 英和出版社 2006年11月30日発売
[定価] 1800円 [本体価格]1714円/送料別 [サイズ]A4変形ソフトカバー付き/112ページ [ISBN]4899866151
時代を超えて語り継ぐべきスペシャルプラモ――伝説のS級プラモが大集合した図鑑が出ました!
アニメーション作品が流行した70〜80年代、ブームに追いつけ追い越せとばかりに、
各社から数多く発売された強烈なインパクトを与えたタイトル作品が今よみがえります。
また話題の『太郎商店』に突撃インタビューを敢行してます!! これらのS級プラモに触れて、
当時の懐かしい思い出を思い返すってのも粋でいいでしょう。
http://www.hakusuisha.co.jp/detail/index.php?pro_id=02792 『サンタ服を着た女の子 ときめきクリスマス論』 切通理作 著
白水社 税込価格 : 1680円(本体価格1600円) ISBN : 4-560-02792-7
ジャンル : 社会・ノンフィクション 体裁 : 四六判 上製 238頁 刊行年月 : 2006-12
新しい「クリスマスの風俗史」をつくる!
内容 : 女の子がサンタクロース!? ミニスカ&帽子姿になって、プレゼントを「自作自演」する彼女たちの切ないコスプレ願望が、
イラストや写真とともに語られてゆく。ときめきクリスマス論。
女の子がサンタクロース!
野上弥生子さんの昭和初期の日記に「クリスマスに外食」という記述が見られる通り、太平洋戦争前の日本ではすでに、
クリスマスは、外食文化の一環としてあったみたいです。もちろん、クリスマスはキリスト教信者(と家族)のためにある
宗教行事ですが、今ではすっかり商業主義的なイベントになっています。
クリスマスの人気者といえば白いひげも立派なサンタのおじいさんですが、近頃ではミニスカ姿のサンタさんを、
眼にしたりしませんか?
真っ赤な「とんがり帽子&ミニスカート」が、サンタ服を着た女の子の基本スタイルです。そこから連想されるものといえば……
キャンペーンガールやキャバクラの接待?
でも今回は、自らの意志でサンタ服を着る女の子たちのことを考えてみたいのです。
本書では、サンタ服というコスプレの魅力について探究してみました。プレゼントを「自作自演」する彼女たちの思いが、
イラストや写真とともに浮かびあがってきます。サンタ服を手作りする方法も、解説しています。
目次は以下の通りです
1・「ときめきクリスマス論」序説
2・サンタ服という「作戦」
3・プレゼントの「中身」
4・聖なる夜の「冒?」
5・クリスマスの「B面」
6・サンタクロースの「正体」
7・女の子サンタこそ「正統」
http://www.ultracyzo.com/cyzo/contents/0701/index.html 月刊『サイゾー』2007年1月号(2006年12月18日発売)通巻第113号
●〈NHK教育番組は、素敵なインテリ「萌え先生」の宝庫だった!〉
>サイゾー1月号の記事に関する
>松本零士氏、関係者へのお詫び・訂正
>P108〜109に掲載した「side-B」の記事におきまして、見出し、図版の掲載方法
>およびキャプションによって、松本零士氏の作品『銀河鉄道999』が盗作したか
>のような誤解を与えてしまうかもしれませんが、本文記事の内容にある通り、そ
>のような事実はございません。
>P109に掲載した『恋獄漂流』の1コマは、2005年の単行本化の際に加筆されたも
>のであることを、補足いたします。
>また、松本氏が「星空を駆ける列車」を公に発表したのは、1977年の『銀河
>鉄道999』ではなく1971年の『銀河鉄道の夜』(原作/宮沢賢治、希望の友4月
>号、潮出版 )であり、貴志元則氏の『恋獄漂流』(72年)よりも前であること
>を訂正いたします。
>松本零士氏、関係者の方々、読者に謹んでお詫び申し上げます。
http://www.brutusonline.com/brutus/issue/index.jsp?issue=608 『BRUTUS(ブルータス)』No. 608(2006年12月15日発売)
・features
クール●ジャパン!?
なぜか、NIPPONの感性に世界が夢中!
■ ヒストリー・オブ・クール・ジャパン いつから日本はクールになったの?
■ 最新クール・ジャパン 19
■ 今、モスクワがニッポンに萌えています。 ←
■ 世界20都市のクール・ジャパン事情。
■ 佐藤可士和さん、〈ユニクロ〉はクール・ジャパンになりますか?
■ あの巨匠たちが緊急来日! 「本当に日本はクールですか?」
■ なぜ、世界中の人々が「村上春樹」を読みたがるのか?
■ なぜ、「ハローキティ」は世界で一番稼ぐ猫なのか?
■ なぜ、〈APE〉と〈EVISU〉は世界のストリートで受けるのか?
■ 次に来るクール・ジャパンは何ですか?
■ ジャンル別 2007年のクール・ジャパン予測。
■ 世界はなぜ、日本をクールと思うのか?
■ 「あの人、oasisのノエルじゃない?」「TOKYOで買い物?」
別冊特別付録
WHO IS KATSUHIRO OTOMO? 大友克洋 新解説
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20061221-OHT1T00035.htm スポーツ報知 2006年12月21日(木)
「NANA2」リメーク ハリウッドがオファー…初の米国進出に現地ファン熱狂
現在公開中の映画「NANA2」(監督・大谷健太郎)の米ニューヨークプレミアがこのほど、IFCセンターで行われ、主演の中島美嘉(23)、
市川由衣(20)が舞台あいさつを行った。昨年大ヒットした前作、今作を通じて初の米国進出に、現地のファンたちが熱狂。
ハリウッドからもリメーク化の要望が寄せられており“NANA現象”は米国にも飛び火している。
NANAが“全米デビュー”を飾った。シリーズ初の全米プレミアは、約120人収容の劇場では間に合わないほどのファンが殺到。
上映後、中島、市川が舞台あいさつに立つと、現地のマスコミやファンが2人のナナを質問攻めにした。
また、音楽専門チャンネル「MTV」からは、NYの中心地タイムズスクエアの本社スタジオでのインタビューを受けた。
日本人では宇多田ヒカル(23)、平井堅(34)らに続く快挙。全身黒ずくめの“ナナスタイル”で決めた中島は「日本とは違う熱気を
感じた」。すでに現地ではファンクラブもできているが、自身の全米デビューについても「自分から希望するほどの自信はないけど、
要望があれば」と夢をふくらませた。
日本を代表する人気コミックとして、「NANA」の存在は米国の日本通の間では有名。映画も前作が40億円のヒットを記録したことで、
ハリウッドからもリメーク化の依頼が製作サイドに届いたという。前作はアジア9カ国のほか、年明けにフランスでの公開が決定。
「2」は今回上陸した米国を含め、前作以上の国と地域で上映される見込みだ。
映画はひとまず今回で完結。大みそかのNHK紅白歌合戦をもって、2年間演じてきた大崎ナナ役とお別れする中島は「すべてを出し
切った自信はあるけど、共演のみんなと離れるのがさみしい。機会があったら同窓会みたいに集まりたい」。
前作の宮崎あおい(21)から小松奈々役を受け継いだ市川は「ほっとしています。撮影前が一番苦しかったけど挑戦する勇気を持てた。
スクリーンが好きなので映画をドンドンやってみたい」。2人の卒業と同時に“NANA現象”は海を渡ろうとしている。
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/tv/20061221et02.htm 読売新聞 2006年12月21日(木)
水戸黄門のアキ 子供誌で漫画化
「小学五年生」
TBS系の人気時代劇「水戸黄門」の登場人物、アキ(斉藤晶=写真)と鬼若(照英)の旅物語が、すぎえみこ作「水戸黄門外伝
DokiDoki アキの忍法帳」として漫画化され、月刊誌「小学五年生」(小学館)で連載中だ。
11歳の少女アキが、東の国にあるという「清龍の滝」に伊賀に伝わる宝珠を沈めるため旅をする物語。宝珠を奪おうとする
甲賀忍者の追っ手も迫り、兄弟同然で育ってきた鬼若とともに戦う。連載は9月号からスタート。水戸黄門や忍者に関するクイズや
豆知識をまとめた「大江戸かわら版」も好評だ。
すぎは「アキの明るく元気なキャラクターを生かし、派手でかっこいい立ち回りシーンや思春期の少女特有の恋愛へのあこがれなど
コミックならではの描写を加えた。時代劇の言葉遣いも、子どもに分かりやすいよう現代風にアレンジしている」と張りきっている。
http://www.asahi.com/culture/fashion/TKY200612210267.html 朝日新聞 2006年12月21日(木)
〈海外ファッション〉パリにもついにマンガ・カフェ登場
日本のコミックやコスプレがひそかなブームを呼ぶパリに、ついにマンガ・カフェが登場した。オーナーは大のマンガ好きの
ソルボンヌ大学生。日本のマンガ喫茶のスタイルを踏襲していて、入場料を払えばドリンク無料で長居ができる。まだ翻訳本だけだが、
ゆくゆくは日本語版も入荷する予定だ。10代を中心に口コミで広がり、週末ともなれば店内は人であふれかえる盛況ぶりとなる。
【写真】パリのマンガ・カフェ
193 :
無なさん:2006/12/25(月) 00:48:59 ID:???0
漫画キャラ無断使用、中国に改善要求へ…日本雑誌協会 : 文化 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20061222ij01.htm 日本雑誌協会(村松邦彦理事長)は21日、中国で「クレヨンしんちゃん」など日本漫画の人気キャラクターが無断で商標として使用されている現状を改善するよう求める建議書を、
中国最高人民法院に提出することを決めた。
日本では商標が著作権を侵害している場合、その使用は違法だが、中国では商標権が優先され、
著作権者の権利が十分保護されていない。
(2006年12月22日13時27分 読売新聞)
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200612240015a.nwc 『FujiSankei Business i.(フジサンケイ ビジネスアイ)』2006年12月24日(日)
秋葉原で5年ぶり“PC祭り” 「ビスタ」発売控え活性化狙う
“電気の街”から”パソコンの街”へと変わり、今は“オタクの聖地”と呼ばれる東京・秋葉原。この週末は5年ぶりとなる
パソコン関連の大型イベントが開かれている。
秋葉原電気街振興会が主催する「AKIBAX(アキバックス)2006」は、来年1月に発売する新OS(基本ソフト)「ウィンドウズビスタ」
をマイクロソフトが特別協賛。ビスタ搭載のパソコンや周辺機器が勢ぞろいし、ビジュアルな操作画面や高品質の映像を楽しもうと、
朝から大勢の人が訪れた。
「AKIBAX」は秋葉原電気街への集客を目的に、1997年から2001年まで開催された秋葉原最大の“お祭り”。当時は、パソコンや
インターネットのブームが到来。新OSの「ウィンドウズ98」が発売されて午前0時の発売に合わせ、電気街に大行列ができたのも
この時期で、「パソコンの街アキバ」を印象づけた。
その後、携帯電話のブームなども取り込みながら「AKIBAX」は2001年まで開催されたが、会場となっていたJR秋葉原駅前の広場が
再開発により閉鎖となったことから中断。都内各地に量販店ができ、秋葉原の“パソコンの街”としての訴求力が弱まったこともあり、
5年間中断となっていた。
今回は、会場となっていた駅前広場に新たに秋葉原クロスフィールドが建ったこと、マイクロソフトが「ビスタ」の発売を
控えていることから、新OSのPRと秋葉原電気街の活性化を狙い、5年ぶりの「AKIBAX」復活となった。
一方、秋葉原では、51年に秋葉原駅の高架下に建てられ、地域の象徴ともなっていたアキハバラデパートが、今月31日で55年の
歴史に幕を閉じる。雑貨店や飲食店が入り、下の階では実演販売のテントが立ち並んでにぎわっていたが、駅のリニューアルや
ビルの老朽化も重なって、閉鎖に至ったもようだ。
「AKIBAX」復活で電気街復興をもくろむ動きがある一方で、秋葉原クロスフィールドやヨドバシカメラをはじめとした再開発の
波も押し寄せる秋葉原。数年後に何の街と呼ばれることになるのか。アキハバラデパートの跡地活用がどうなるのかも、その行方を
左右しそうだ。
【写真】新OS「ウィンドウズ・ビスタ」のイベントに登場したカスタムメードの台湾製マザーボード
(23日、東京都千代田区の秋葉原UDXアキバ・スクエア)
http://www.kobe-np.co.jp/rensai/cul/449.html 神戸新聞 2006年12月25日(月)
アニメ「鉄コン筋クリート」 米誌で今年の最優秀
海外での評価が高まる日本のマンガやアニメ。その中で、世界配給される「鉄コン筋クリート」は、先鋭的な絵と物語でマンガ表現の
可能性を切り開いてきた松本大洋の同名作品を、米国出身のクリエーターが日本のスタジオと映画化したユニークなアニメ映画。
ニューヨーク近代美術館発行のアート誌「ARTFORUM」で、今年の最も優れた映画に選ばれるなど注目を集めている。
時代から取り残されたような「宝町」の路上で、兄弟のように暮らす少年クロ(声・二宮和也)とシロ(声・蒼井優)。
自分たちの力だけを信じて生きる二人は、街を再開発しようとするヤクザに立ち向かう―。
「アニマトリックス」のコンピューターグラフィックスなどを手掛けたマイケル・アリアス監督は、約十年前から東京に住む。
「古い街並みが壊されるのを見て、進化のスピードが速すぎると感じる気分にぴったりくる話だった」
「宝町」の造形には、昭和レトロと香港やインドネシア風のデザインが入り交じる。「受け身的に眺めるだけでなく、町を歩いて
いるような体験ができる映像を考えた」という言葉通り、虚構なのに既視感のある世界は強く視覚に訴える。
混沌とした街は、型にはめられることを嫌うクロとシロの内面を写してもいるようだ。「永遠なものなどない世界で何を信じれば
いいかという僕の悩みに、二人が答えてくれている」
同じく今月公開の今敏監督の「パプリカ」も、アカデミー賞アニメ部門のノミネート候補に選出。宮崎駿らに続く新世代の活躍に
期待が集まる。 (田中真治)
◇
「鉄コン―」は109シネマズHAT神戸で、「パプリカ」はシネカノン神戸で公開中。
【写真】純粋なシロ(左)を暴力で守るクロ(右)。「二人は人間の中にある光と闇」だとアリアス監督は話す
http://www.asahi.com/culture/movie/TKY200612250225.html 朝日新聞 2006年12月25日(月)
「鉄コン筋クリート」監督、「失われゆくトーキョー」に哀惜
マンガ家松本大洋の代表作をアニメ化した「鉄コン筋クリート」が各地で公開中だ。暴力吹き荒れるレトロな街を、凶暴で純粋な
2人の少年が疾駆する。米国出身で、CGプログラマーだったマイケル・アリアスが、原作にほれ込み映像化へ奔走、日本人スタッフの
支えを得て自ら監督を務めた。その情熱の源には「失われゆくトーキョー」への哀惜の念があった。
古い建物が密集する宝町。屋根や電柱を自在に飛び回る少年シロとクロは、ヤクザからも一目置かれる存在だ。ヤクザを手先とした
大規模な再開発計画が動きだし、抵抗する2人は殺し屋に狙われる。重傷を負ったシロが警察に保護され、残されたクロはすさんだ心で
暴力に傾く。
93〜94年発表の原作を、アリアスは95年に読んだ。「東京の友だちの家に居候して、街をブラブラしていた。居場所のないクロと
シロを自分と重ねていた」
オウム事件、震災の衝撃映像、そして、東京のあちこちで古い街並みを巨大なビル群に変える再開発。
「好きだった同潤会アパートも取り壊し。世界の変化に圧迫されるような不安を感じていた」
その思いは、宝町の風景に込められている。アジア各国の都市をごった煮にしたような熱気あふれる街と、鉄とガラスが冷たく輝く
再開発地区。CGで、原作の手がきの味に迫った。
「ゆがんだ建物をCGで造り、手がきの素材を表面に張り付け、汚しやサビを加えた。人の汗がにおうような街にしたかった」
デフォルメのきいたキャラクターの描線も原作通り。ただ、原作の突き抜けたユーモアは薄れ、暴力は生々しく、自壊していく
ヤクザの群像劇は情緒的だ。
「映像化すれば、アクションに重みや痛みが加わるのは分かっていた。暴力的シーンはなるべく削ったけれど、残したシーンには、
そんな痛みが伝わるようにした。無意味に楽しく暴力を振るうような描写はするべきでないと思った」
消えゆく街を惜しむヤクザの幹部の声を、舞踏家田中泯に依頼した。「『たそがれ清兵衛』を見て、この人だと思った。素晴らしい
演技で、泣きながらアフレコを聞いていたよ」
【写真】日米双方でCGの仕事をしてきたマイケル・アリアス監督。滑らかな日本語で話す=東京都内で
◆【社会】成人漫画の3割で「子供と性行為」…警察庁が規制要請へ◆
成人向けアダルトコミックの3割が、子供を性行為の対象とした描写があると
推測されるうえ、子供でもインターネットを通して購入できる状況に
あることが、警察庁生活安全局長の私的懇談会「バーチャル(仮想)社会の
もたらす弊害から子どもを守る研究会」が25日にまとめた最終報告書で明らかになった。
研究会では「有害図書指定の仕組みが形骸(けいがい)化する恐れがある」と
指摘するとともに、子供へ販売しないよう対策を取るべきだと提言している。
報告書によると、警察庁が先月、約9000件のアダルトコミックのうち
100件をサンプル調査したところ、30件に子供を性行為の対象とした
描写があり、うち5件は小学生以下の子供だった。
この種の本はインターネット上のサイトで購入でき、年齢確認もされていない。
さらに、コンビニエンスストアでの購入も可能で、中身が見えないように
包まれているため、家族に知られず、店員に対しても抵抗感なく
購入できるシステムになっているという。
警察庁では今後、最終報告書をアダルトコミック販売会社など関係業界に
提示し、子供の対策への自主規制などを要請する方針。
同研究会の提言を巡っては、9月の中間報告で、子供にはあらかじめ
出会い系サイトなどへの接続を規制した携帯電話を販売するよう携帯電話会社に
求め、会社側が先月、これに応じて対策を打ち出している。
>> YOMIURI ONLINE 2006/12/25[21:36] <<
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061225i114.htm http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1167053207/
http://www.sankei.co.jp/culture/enterme/061225/ent061225002.htm 産経新聞 2006年12月26日(火)東京朝刊1面
コミック・PCゲーム・アニメ 児童ポルノ対策強化 警視庁要請へ
インターネット社会が子供の健全な成長に与える影響を調査、対策を検討していた警察庁の研究会が25日、子供を性行為の対象と
するコミックやパソコンゲーム、アニメなどについて、「悪質性や反社会性の高いものがみられる」と指摘する報告書をまとめた。
報告書は、犯罪を誘発している実態にも踏み込んでいる。これを受け同庁はコミックなどを扱う業界に自主審査や販売規制などの
対策強化を要請する。
報告をまとめたのは、警察庁の「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」(座長・前田雅英首都大学東京都市教養学部長)。
報告書は、「コミック類の中には、18歳未満ととれる子供に対する性行為を扱ったものがあり、小学生と受け取れるような子供に
対する性行為などを描写したものもある」と指摘。
これらの作品がもたらす弊害として、子供に対する性行為は社会的に容認されている−などの誤った認識を招く可能性があることを
懸念し、コミックの影響が指摘された実際の性犯罪の実例を挙げた。
また、報告書は幼い子供を描いたポルノコミックがインターネットの書籍販売サイト(サイト書店)で公然と販売されている実情に
着目。大手のサイト書店のサンプル調査(11月)の結果、販売された成人向けコミック約9000点の3割が子供を性行為の対象としている
と推測している。アニメ(16%)やゲーム(12%)より比率が高い。
研究会は報告書をまとめるにあたり、こうした成人向けコミック類を扱うサイト書店の大手6社にヒアリング調査への協力を申し
入れたが、いずれも欠席。書店側は、最近になって一部の社を除き、書面で回答したが、調査に必要と想定していた質問への十分な
回答は得られなかった。
研究会はまた、対策の現状について、警察の取り締まりには限界があるとして、13歳未満の子供との性行為は刑法の強姦罪となる
ことや、18歳未満でも淫行を処罰する条例に違反することを、販売の際にコミック類に明記するなどの取り組みを検討すべきだとした。
毎日新聞 2006年12月26日(火)朝刊26面
バーチャル研究会:ゲームの暴力、漫画の性描写の審査を 業界団体に要請へ
◇警察庁の研究会
警察庁の「バーチャル(仮想現実)社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」(座長・前田雅英首都大学東京教授)は25日、
コンピューターゲームの暴力シーンや性描写のあるコミックの子どもにもたらす弊害を防ぐため、業界団体が自主審査などを通し、
子どもへの影響を防ぐべきだなどとする最終報告書をまとめた。同庁はこれを受け、今後、業界団体に取り組みを求める。
報告書は、ゲームの暴力シーンについて、コンピューターグラフィックスの高度化で現実感が高まっており、子どもたちが影響を
受けて暴力行為を行う危険が高まったと指摘。さらに暴力シーンで子どもがトラウマ(心的外傷)を受ける危険があるとした。
また、子どもを性行為などの対象とする内容を含むコミックの影響について、実際に性犯罪が起きている例を紹介した。
さらに、同研究会は携帯電話がいじめの手段に悪用されている実態も指摘した。中傷メールを仲間内で配信することで傷つけたり、
いじめの現場を撮影しメール配信することで、いじめの被害を拡大、深刻化させている実態を報告している。保護者や学校に子どもの
携帯電話の取り扱いについて注意を促す必要性を訴えた。 【遠山和彦】
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20061225AT1G2503Y25122006.html 日本経済新聞 2006年12月26日(火)朝刊39面
警察庁研究会、「コミック業界自主審査を」―携帯の中傷メール、いじめに悪用も。
警察庁の「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」(座長、前田雅英・首都大学東京教授)は二十五日、子どもが
インターネットやゲームなどの暴力シーンやポルノ画像に安易に触れることがないよう、対策を進めることを求める報告書をまとめた。
こうした画像の深刻な影響を指摘、子どもが犯罪に巻き込まれたり、逆に犯罪に走ることがないよう保護者、学校、業界が協力すべき
だとしている。
子どもを性行為の対象にするようなコミックについては特に、業界に自主審査などの取り組みを要請している。暴力的なゲームに
ついては、子どもが攻撃的になるだけでなく、いじめ被害を受けている友達を援助しなくなる可能性を指摘した。
報告書は、有害情報が載っていたりアクセスできる「コミック」「ゲーム」「携帯電話」などについて、違法・有害情報の現状を
分析、課題をまとめた。
同研究会はコミックについて、制作上の制約がほとんどなく、子どもを性行為の対象にする内容がネット上で多数販売されている
現状を指摘。このようなコミックの影響を受けて発生した女児殺人事件などの実例を紹介、アダルトコミック販売会社などの業界団体
に自主審査の導入を求めるとともに、十八歳未満には売らない仕組みの導入を訴えている。
ゲームに関しては、三―十四歳の男子が休日にゲームをする時間は平均で一時間半を超えるなどの調査結果を紹介。特に暴力的な
シーンが子どもの反社会的な行動を助長する恐れを強調した。暴力的なシーンを見た子どもが暴力に慣れてしまい「いじめの被害児童
等への援助行動を低下させる」懸念について、注意を喚起した。
子どもがのめり込みすぎないような対策を講じたゲームはあるものの、保護者や学校が危険性に関して十分に認識しておらず、対策は
「全般的に不十分」とした。
携帯電話は中傷メールを送るなどしていじめの手段に悪用されている問題を指摘。このほか、有害情報へのアクセスを制限する
サービスを利用したうえで(1)自宅では居間で使う(2)他人を傷つける使い方をしない(3)送信者不明メールは親に知らせる――
などの具体的なルールを親子で定めることを提言している。
【コミック】
一、子どもを性行為の対象とするコミックが公然販売される状況に社会全体が危機感を持つ
一、描写されている行為が刑法などに触れることが分かる措置を緊急に検討
一、インターネット上のコミックの販売サイトは、一見して子どもを性行為の対象にしているコミックを削除。
同人誌即売会で十八歳未満に売らない対策強化を主催者に求める
【ゲーム】
一、ゲームソフトに対象年齢を表示する制度やゲームの種類を保護者が制限できる機能啓発など、業界団体にさらに取り組みを求める
【携帯電話】
一、携帯電話がいじめで悪用される危険性の認識が深まるよう、学校や警察、地域は啓発活動を強化
一、子どもに携帯電話を提供する際は、インターネット接続機能のないものやフィルタリング(情報選別)を設定した状態で販売
日本経済新聞 2006年12月26日(火)朝刊39面
警察庁研究会、「コミック業界自主審査を」―保護者・学校対応鈍く。
今年四月に発足したバーチャル社会の研究会の議論が進むにつれて明らかになったのはネットやゲームなどの違法・有害情報が
あふれているのに、こうした事態に対する保護者や学校、業界団体など社会全体の認識の甘さだった。
警察庁は少年事件などの検挙を通じて、ネットやゲームが犯罪に大きな影響を与えていると判断。今年の警察白書でも「ネットの
負の側面」を警告している。
研究会は九月、子どもがネットにアクセスする際に最も利用している携帯電話に絞った緊急報告を発表。特に保護者に対して
「子どもと一緒に携帯電話を使う時のルールづくりを」と訴えた。
その後、携帯電話会社は有害サイトへのアクセスを制限するサービスの普及に本腰を入れるなどの動きも始まった。ゲームは
購入者の年齢確認などの取り組みが進んでいる。報告書は法規制に関しては言及していないが、座長の前田雅英・首都大学東京教授は
「これを土台にもう一歩進んだ議論をしてほしい」と話している。
読売新聞 2006年12月26日(火)夕刊
[夕景時評]京都とマンガ文化 大阪本社編集委員 永井芳和
「世間の人、この学校を見て感ぜざる物は心なき人といふべき」。福沢諭吉(明治5年)に京都を訪れ、「京都学校記」にそう書いた。
その3年前、住民たちが町の中心部につくった64の小学校の様子についてだ。
府などが建設費の一部を援助したが、残りは住民が寄付し、すぺての世帯が先生の給料など運営費を負担した。それだけに、地城との
結びつきが強く、町内の寄り合いに使う会所や火の見やぐら、交番といった施設が併設された。
学校への愛着が、人□流出で11年前に閉校になった小学校をよみがえらせたのだろう。諭告が見た学校の一つ、旧龍池(たついけ)
小学校の校舎に先月末、京都国際マンガミュージアムが開館した。
京都市と、マンガ学部を持つ京都精華大の共同事業で、館長に解剖学者の養老孟子さんを迎え、20万点の作品などを所蔵、5万点は
通路の書架に入っており、来館者が自由に手にとって読めるのだ。
昭和初期に建設した校舎は改築したものの、そのまま活用されている。講堂は1、2階に区切って多目的ホールとギャラリーにし、
半地下の教室は収蔵庫に転用、グラウンドは全面に人工芝を敷き詰めた。暖かくなれば、寝転がってマンガを読む子どもの姿が
見られそうだ。
地域住民のために集会所をつくったほか、教室の一つを「龍池歴史記念室」として、校歌を流し、写真で開校からの歩みを紹介、
卒業生らにも配慮している。
120年の歴史を誇った旧小学校の校舎で、子どもだけでなく大人もマンガを楽しむ。かつて親たちに嫌われたが、今や世界へ発信する
文化となったマンガの新たな可能性も感じた。
紙面画像
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up160962.jpg
【食文化】 アキバに缶詰おでん憲章 銚子の会社作成
缶詰おでんといえば東京・秋葉原。その街角に、缶詰おでんの普及を目指し、銚子市の缶詰会社
などが発表した「缶詰おでん憲章」を掲げる店が現れた。「世界の諸個人の相互理解をはかることに
寄与する」――。格調高い前文で始まる憲章に、足を止める買い物客も多い。(片山健志)
DVDやゲームソフト販売店、飲食店などが軒を並べる一角に、ディスカウントショップ「あきば
お〜2号店」(東京都千代田区外神田1丁目)はある。置いている缶詰おでんは6種類。
最も客の目につく正面にある。そこに1カ月余り前、メーカーの一つ「信田缶詰」(同市)の依頼を
受け、「缶詰おでん憲章」の全文が掲げられた。
憲章は、アキバで人気に火がついた缶詰おでんの良さをもっとよく知ってもらおうと、「信田缶詰」
の信田臣一社長が発案。講演を通じて知り合った憲法学者の水島朝穂・早稲田大教授に協力を
求めた。
2人は今夏、秋葉原を歩きながらコンセプトを練った。9月にはゼミ生や同社社員を交え、
新宿でおでんをつつきながらおでん談義を繰り広げるなど、「徹底的におでんを分析した」
(水島教授)。ゼミ生7人が起草に協力、水島教授が監修して仕上げた。
憲章は前文と9カ条からなる。憲法を意識し、9カ条の中に、缶詰おでんのさまざまな面を
盛り込んだ。憲法についてもっと語り合おう、との願いも込めたという。
信田社長は「缶詰おでんと憲章という意表を突いた組み合わせに驚いた人も多いのでは。
沖縄や東北など全国からご当地おでんの商品開発の企画が持ち込まれたのも、憲章で
『味の地方自治』を打ち出した効果かもしれない」。
水島教授は「おでんは韓国や中国、台湾などでも食されることがあるが、日本の植民地
時代の普及という不幸な側面を持つ。そうした歴史を踏まえ、缶詰おでんが日本発の平和の
健康食品として広まればうれしい」と話している。
(一部略)
http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000000612270002 http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1167184914/
日本経済新聞 2006年12月26日(火)地方経済面 (東京)15面
中野ブロードウェイ(東京・中野区)――マニア集う何でも商店街(まちストリート)
マニア集う「何でも商店街」
萌え、オタク文化の聖地、秋葉原からマニアの足が東京・中野の「中野ブロードウェイ」に流れているという。ファッション、家電、
食品、雑貨など小さな店が三百以上集まるビルナカの商店街は個性派ぞろい。なかでもコミックやアニメを柱とする趣味の店が続々出店、
海外からもファンがやってくる。
JR中野駅の北口からサンモールを抜けると、一九六〇年代に建った高級マンションと商業の複合施設、中野ブロードウェイに突き
当たる。四十年を経て店は小さく区分けされ、「えっ、こんなモノも売っているの?」という“何でも商店街”に進化した。
趣味人の心を刺激する「まんだらけ」は一九八〇年開店の老舗。アニメ「セル画館」、衣装が並ぶ「コスプレ館」、同人誌「DEEP館」
に、懐かしい由美かおるの広告看板などを売る「変や」=写真=をはじめ次々出店。店舗は二十あまりに増えた。
「手塚治虫のマンガに古書としての値段を付けたのが、まんだらけ。最近はおまけ、消しゴムにも立派な市場ができた」と話すのは
中野店の辻中雄二郎店長だ。
「シルバーリキ買い取り二十万円だって。すごいぜ」。ミクロ館はアニメのキン肉マンや怪獣の消しゴムが商品。人形を眺めながら
少年が携帯電話で仲間に報告している。
“マニアの園”は三階、四階が中心だが、今年五月には秋葉原の人気店アソビットシティがこのビルの一階にゲームやフィギュアの
店を開いた。熱気は高まるばかりだ。
どこかほのぼのした雰囲気がここブロードウェイの特徴でもある。週末は親子連れの姿が目立つのだ。「これはパパが子供のころに、
はやってたんだぞ」。小学生の息子に話しかけていたのは杉並区に住む近藤誠一さん(34)。「妻はアンティークの店。僕は懐かし
グッズ、子供はおもちゃ狙いでやって来た。雑然とした店の並びは、ワクワク感のある冒険場」と笑う。
地下では肉や魚を売る横でお菓子をほお張る人も。プチパリと名付けた店々はちょっとしたセレクトショップだ。商店会連合会の
青木武会長は「四十年の歴史を持つ建物で家賃が手ごろなため若い人の出店、挑戦も歓迎している」と話している。
【表】再・発・見 @中野
□ブロードウェイの年始の恒例は5日午後1時からの鏡開き。たる酒を振る舞い、八丈島からやってきた太鼓の演奏が響く。
□まんだらけは「売価の半額」を原則にコミックスなどを買い取る。特に募集している品や買い取り価格はホームページで公開。
□中古家電のジャンクワールドの2階には昭和レトロの雰囲気のセピア堂が今年夏オープン。レコードや邦画ポスターが並ぶ。
◆生活のレシピ・まちストリートは毎週火曜日に掲載します。
読売新聞 2006年12月26日(火)東京朝刊27面
さらば、アキバデパート 元祖100円ショップも…年内限り/東京・秋葉原
JR秋葉原駅と接続しており、電気製品以外の様々な商品を扱う店が入る「アキハバラデパート」が今年いっぱいで閉店する。
デパートの運営会社が全面刷新を検討しているためで、秋葉原の名物の一つとして訪れる人を迎えてきた「実演販売」コーナーも
姿を消すことになる。同デパートには連日、閉店を惜しむファンや常連客が詰めかけている。
同デパートがオープンしたのは1951年11月。まだ戦後の復興期で、国鉄は駅舎建設の手が回らない場所では、地域や企業と協力して、
駅と商業施設が一体となった駅ビルを造った。当時は「民衆駅」と呼ばれた建物で、3階建てのアキハバラデパートもその一つだった。
やがて訪れた家電ブームで秋葉原は大いににぎわったが、同デパートでは、創設当初から扱っていた生鮮食品、雑貨、衣料品など、
電気製品以外の生活用品を売り続けた。「秋葉原に来るお客さんは、電気製品に限らず商品知識の豊富な人が多い。だから、安くて
良い品ぞろえが必要だった」と、同デパートで次長を務める細谷義夫さん(64)は振り返る。今は各地にある「100円ショップ」も、
同デパートでは昭和30年代に登場している。
1階のイベントスペースで実演販売が本格的に始まったのは1980年。穴あき包丁、缶切り、簡単に千切りが出来るスライサー。
こうした商品を実際に使いながら分かりやすく説明する。軽妙な語り口が話題を呼び、ヒット商品を生み出した。
「珍しい物に目がない男性客が買って帰っては、奥さんに怒られていた。でも、使ってみるとその便利さを分かってもらえたようで、
『また買ってきて』と頼まれてくる人も多かった」。細谷さんはそう話す。
2002年には、アニメやフィギュアの専門店、コスプレ喫茶などを設け、“オタク路線”を模索したこともあった。その後も模様替えを
続けたが、半世紀余りを経た建物の老朽化もあり、閉店する運びに。デパートを運営する東京圏駅ビル開発によると、建物は取り壊す
方針で、跡地利用については来春にも具体的な計画を発表するという。
◆人気の実演「ここでこそ」パズル店
アキハバラデパート1階のイベントスペース。平野良明さん(63)が手品師のような手さばきでパズルを操っていた。実演販売を
始めた当初は、ザルやカゴなどを扱っていたが、おまけのつもりで置いていたおもちゃや手作りパズルが次第に人気を呼ぶようになった。
「理工系の方が多く訪れる秋葉原だからこそ、頭を使うパズルに関心を持ってもらえた。ほかの場所では長くは続けられなかった」
と平野さんは語る。
「ここに来るのは今日で最後」という常連客の男性(41)は「買っても買わなくても(平野さんが)笑顔で話しかけてくれた。
買ったパズルが1か月かけても解けずにギブアップしたこともある。閉店はさみしいです」と話し、平野さんと握手を交わした。
閉店を惜しむ常連客が実演の様子をビデオカメラに写したり、店を続けられる場所を探してくれたりしているという。今後は学校の
教室やパズルの会などで、パズルの魅力を伝えていくつもりだ。
写真=アキハバラデパート前に並ぶ実演販売の店の口上に引きつけられ、多くの人が足を止めて見入る
写真=「その人に合った商品を買ってもらおうと、対面して売ることを大切にしてきた」と平野さん
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=NN002Y018%2018122006 日経産業新聞 2006年12月19日(火)2面
アマゾンジャパン、アニメ・漫画のネット店舗。
ネット通販大手のアマゾンジャパン(東京・渋谷、ジャスパー・チャン社長)は十八日、アニメや漫画関連商品を集めた「OTAKU
(おたく)ストア」を開設したと発表した。アマゾンで人気の商品を独自の切り口で集めて注目度を高めることで、売り上げ増を狙う。
アニメや漫画関連の書籍、DVD、CD、ゲーム、フィギュアなど約三万点を販売する。「キャラクター」、「(アニメの)監督」などの
名前から、本、DVDなどの商品分野を横断して探せる。
今年、DVDや漫画単行本がアマゾンの販売ランキング上位を独占した学園コメディー「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズの関連商品などの
人気商品に加え、テレビドラマ化された漫画「のだめカンタービレ」の英訳版などの海外向け商品も用意する。
北國新聞 2006年12月22日(金)27面
[地鳴り] 何かを「特別」好きになること 村田真里恵 15歳(かほく市・中学生)
私の友人に、アニメやゲームが好きな人がいます。その人はよく、オタクと呼ばれていました。しかし、友人は「誰でも必ず何かの
オタクだ。むしろ、オタクになれることはいいことだ」と言いました。私はまさにそうだと思いました。
「オタク」という言葉は、何かのことを特別好む人を指すときに使われています。例えば、音楽を作ることが特別好きな人がいると
します。そうすると、その人は「音楽オタク」です。オタクと聞くと、嫌なイメージを思い浮かべるかもしれませんが、何かを特別好き
になるのは素晴らしいことです。そうやって自分の好きなことをやっていく上で、自分の心が形成されていくものとも考えています。
私は今回の友人の言葉で、意識が変わりました。いつか、世界中の人が自分だけの「特別」を誇れるような日がくればいいと思っています。
朝日新聞 2006年12月22日(金)朝刊30面
(幕間小話)鉄コン筋クリート 米国のオタク、日本漫画アニメ化 /青森県
今、外国ではクール・ジャパンといって日本の食や文化がブームらしい。すし屋が世界の大都市では普通にあるようになった。
それどころか、あんまり変な日本食が横行するので、農水省がちゃんとした和食レストランを認証する新制度を導入しようとしたら、
異文化にちょっかいを出されるのを嫌うアメリカのメディアが、「国粋主義の復活」などと反応をおこしているほどだ。
そして「オタク文化」であるマンガ、アニメ、ゲームも世界中にファンがいる。その中でもアニメは、もはや本家日本も巻き込んで
ボーダーレスの世界だ。「鉄コン筋クリート」は、そんなアニメーションの世界で、今一番注目されているどころか、「この作品が
これからのアニメの指標となる」とまで言われている作品。
原作は「ピンポン」、「青い春」など映画化されると何かと話題になる松本大洋の傑作マンガ。義理と人情の架空の街「宝町」で
自由に飛びまわる2人の少年クロとシロの冒険をダイナミックに描く。監督のマイケル・アリアスは、もともとはコンピューター・
ソフトの開発者で、アメリカのコンピューター・アニメの第一人者。
じつはこの人、日本に来て、おもちゃ屋さんでフィギュアを見ながら「おぅ〜バルタン星人」なんて日本語で言う正真正銘のオタクな
アメリカ人。その彼が原作マンガと出合って、どうしてもアニメ化しようと長年苦労を重ね、さまざまな人々に支えられてやっと
完成したのが「鉄コン」なのだ。
アニメだけではないが、思い入れが強いほど、いいものが多いのは世の習いでもある。日本で生まれ、アメリカ人によって作られた
アニメ映画。映画の宣伝文句を専門用語でジャック(惹句)というのだが、「大人の女性でも見て絶対裏切られない感動作」「映画館で
見たことを自慢したくなる映画」。ジャックもすごいや。 (谷田恵一・映画館経営)
【写真説明】(C)2006 松本大洋/小学館、アニプレックス、アスミック・エース、Beyond C、電通、TOKYO MX
朝日新聞 2006年12月23日(土)朝刊24面
(まんが熱京:1)@企業 笑いに包み、友禅PR /京都府
7月、下京区のジェイアール京都伊勢丹に京友禅アロハシャツ&カットソー「Pagong(パゴン)」の1週間限定ショップがオープンした。
《大盛況に喜ぶ亀田和明社長(53)。そこに現れた二頭身の顔デカ男「あらぽん」。「パゴンを私にプロデュースさせて頂きたいん
ですわ!!」。社長が断ると、怒ったあらぽんが「つったら、ばったら」と謎の呪文を唱え、百姓一揆が押し寄せて……》
パゴンが6月からホームページ(HP)で配信中の「ネットメガマンガ 京都のパゴン」の一場面だ。注目度の高いデパートでの出店の
スリリングさを派手に描いた。
*
パゴンは1919年創業の亀田富染工場(右京区)が02年につくった。京友禅の需要が80年代から落ち込み、会社再生をかけて打って出た
のが着物柄のアロハシャツだ。染色美と着心地は評判になり、「新日本様式100選」(経済産業省提唱)に入った。
漫画に目を付けた亀田社長は3代目。「会社への熱い思いをしゃべりたいけど、まじめにとられすぎても困る。漫画なら面白おかしく
描いても『漫画ですやん』と、ごまかせると思いまして」
サラリーマンが新幹線で漫画に熱中する姿もヒントに。「漫画なら読んでもらえる」
1年前から1人でネタを仕込み、テープに吹き込み、紙切れに書いては段ボール箱にためた。作画は助野嘉昭さん(25)。06年度上期の
手塚賞(集英社主催)で入選した新鋭漫画家は「社長の思いを伝えるやりがいがあります」。
第1話が配信されるや、HPアクセスは月約2万件から約9万件に急伸。客に「漫画を見た」と笑われ、「あの話ホンマですか」と聞かれる
。
「社員はネタにされて嫌がってますけど、お客様に親しみをもっていただけている」。亀田社長の手応えは十分だ。
*
漫画で広告・広報する企業や自治体が増えている。製作窓口の京都精華大研究事業部(中京区)には05年度、約40件の依頼があった。
京都府仏具協同組合(下京区)のガイド本「永遠のたくみ 京仏壇ができるまで」もその一例。仏壇をつくる家の男の子がたくみの
技にひかれ、最後は自然と仏壇の前で手を合わせる筋立て。
仏壇は木地、屋根、漆塗りなど10の工程を丹念に仕上げる。ところが最近は安価な品に流れがちだ。若林卯兵衛(うへえ)理事長(64)
は特に若い世代に値打ちを伝えたいと、漫画を選んだ。自身も「ドカベン」「火の鳥」のファン。「漫画のすごさは難しいテーマも
分かりやすく伝えること。一つの文学です」
「舞妓(まいこ)の茶本舗」(京田辺市)は昨年から動画漫画「チャコのお茶知り体験記」をHPで配信している。少女が茶摘みや
お茶の入れ方を学ぶストーリーで、「母と子で勉強しています」などと好評だ。
娯楽だった漫画が文化と認識される時代。「言葉や文字より伝えやすく、読者が自己投影しやすいツールとして見直されている」と
同研究事業部の黒飛恵子室長は言う。
冒頭の亀田社長は「あらぽん」のモデル新井賀夫さんに百貨店向けの販売プロデュースを任せた。ホンマです。 (内藤あゆみ)
× ×
漫画のチカラに熱い視線が注がれている。国内初の漫画の総合博物館「京都国際マンガミュージアム」が開館した京都から、漫画の
今を描く。
◇
パゴンのホームページは(
http://www.pagong.jp)。漫画は英語版もある。4話は冊子でも無料配布中。問い合わせは亀田富染工場
(075・322・2391)へ。舞妓の茶本舗は(
http://www.maiko.ne.jp/)。
<京都市職員の不祥事相次ぐ え・坂上加奈子(今年のニュースを京都精華大で育った漫画家が振り返ります)>
【写真説明】
(上)「京都のパゴン」に登場する「あらぽん」(左)と亀田和明社長
(下)「あらぽん」のモデル新井賀夫さん(手前)は「つったら ばったら」のポーズ。亀田社長はパゴンのアロハシャツ姿
=右京区の亀田富染工場で
朝日新聞 2006年12月24日(日)朝刊22面
(まんが熱京:2)@海外 ニッポン理解に一役 /京都府
「テーマがいろいろあって面白い」
21日、中京区の京都国際マンガミュージアムで出会った台湾人の劉庭宏さん(27)は小学生のころから日本漫画を読み続ける。京都に
語学留学中の友人、黄文欣さん(28)らと各国の漫画本を見ていた。黄さんは「デスノート」「将太の寿司(すし)」がお気に入りだ。
スペイン語やデンマーク語の「ドラゴンボール」、マレー語や中国語の「クレヨンしんちゃん」。同館には約20カ国の約1千冊がある。
MANGAは世界に浸透している。
行動社会学を研究する京都大大学院生レナト・リベラさん(25)もペルーで過ごした幼いころ、テレビの「鉄人28号」や「マジンガーZ」
に夢中になった。
89年に英国へ移り住み、ある漫画にくぎ付けになる。「AKIRA」。見たことのない、複雑で細かい筆遣い。途中から読むと話について
いけない。「スパイダーマンならどこから読んでもわかる。理解できないことがショックだった」
日本に来てみると、大人が電車の中で漫画を読み、友人はハイスピードで読む。読み解く力の高さと、読者の幅の広さに驚いた。
「子どもから大人まで、成長に合わせて読む漫画が日本ほどある国はない」
*
漫画やアニメの「輸出」の勢いは90年代後半から止まらない。日本貿易振興機構によると、フランスでは05年に「NARUTO」11万部、
「銃夢(ガンム)」7万部、「フルーツバスケット」6万部が売れた。ドイツでは「BANZAI」「MANGA POWER」など現地の漫画雑誌も
登場した。
漫画の英訳を手がけてきた京都精華大のマット・ソーン助教授によると、米国では90年代、「セーラームーン」「ドラゴンボール」で
人気に火がつき、「ポケットモンスター」で頂点に達した。少年はマッチョ、少女はフリフリが好みという常識を破る新しいキャラクター
やストーリー。子どもたちはとりこになったという。
*
国を超えて読者に訴える力を異文化理解に役立てる試みも始まった。
文化庁は日本に住む外国人から文化の違いで生じた誤解の事例を集め、漫画教材にまとめる事業を今年から進めている。
例えば、中国で目上の人に親しみや礼儀を込めて「おばさん」「おじさん」と呼ぶのが日本では嫌がられたり、「彼女」を意味する
小指を立てるしぐさが、中国では「最低」を意味する例などを盛り込み、ストーリーに仕立てる。
「親しみやすさと、伝えたい部分だけを強調できる漫画の特徴に目を付けた」と同庁の中野敦・日本語教育調査官。頭の中で思って
いることも、漫画なら吹きだしなどで表せる。
作画を担当する京都精華大大学院の松岡阿実さん(24)は「大人の教材に漫画が使われるなんて驚きです。でも、漫画には人を引き
つける力がある」と話す。 (内藤あゆみ)
<半年前、こんな経験をしませんでしたか? え・石田葉月>
【写真説明】台湾から日本に遊びにきた劉庭宏さん(左)はスポーツ漫画をよく読む。友人らと世界の漫画を手にしていた
=京都国際マンガミュージアムで
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20061227bk01.htm 読売新聞 2006年12月27日(水)夕刊 本よみうり堂 コミック館
2006年マンガ界を回顧 テレビや映画で人気再び注目集めるケータイ配信
テレビ、映画化作品が話題になることが多かった2006年のコミック界。マンガ担当記者2人がこの1年の収穫を振り返るとともに、
評論家ら3氏に注目の3作を挙げてもらった。(石田汗太、佐藤憲一)
先輩 やはりテレビは強い。昨年が人気のピークだと思っていた二ノ宮知子『のだめカンタービレ』(講談社)がドラマ化で1900万部に
達し、社会現象に。羽海野チカ『ハチミツとクローバー』(集英社)や大場つぐみ、小畑健『DEATH NOTE』(同)も映画化でさらに
売れた。
後輩 でも、コミック誌の発行部数は前年比約5%減、単行本の販売額は約3%減になりそう。映像化頼みで、市場を引っ張る新作が出せて
いない。
先輩 少子化の中、春から夏にかけ「月刊少年ファング」(リイド社)など少年誌創刊が相次いだのも、メディアミックス向きの作品を
育てたいんだろう。
後輩 大人向けの創刊誌だと、「Beth」(講談社)は恋愛色を薄めて“おひとりさま”の独身女性狙い、復刊した「月刊COMICリュウ」
(徳間書店)は40代オタク層狙い。出版社も読者開拓に試行錯誤している。
先輩 『ハチクロ』『DEATH』といった人気作や、村上もとか『龍−RON−』(小学館)などの長期連載が相次いで終了した転機の年でも
あったね。
後輩 今年の注目作は?
先輩 まず『へうげもの』は落とせない。あと個人的趣味で言うと、秋葉原の「メイドさん」が賭け将棋のプロという柴田ヨクサル
『ハチワンダイバー』(集英社)が傑作。ヒロインの女子高生が腹話術人形という、永吉たける『スミレ☆17歳!!』(講談社)は、
ある意味すごく批評的なギャグマンガ。
後輩 40代後半にもなって、オタク系が多いなあ……。忘年会のカラオケでもアニメソングばっかりだし。
先輩 最近はマンガだけでなく現実にも「眼鏡っ娘(こ)」アイドルが増えてきて萌え萌え……って何を言わせる。でも時代の流れは、
男オタクから「腐女子(ふじょし)」と呼ばれる女性オタクへ確実に向かっている。『大奥』(白泉社)のよしながふみ、
『リストランテ・パラディーゾ』(太田出版)のオノ・ナツメなんて、男にだって人気がある。
後輩 でも、女将軍に男たちがかしずく“逆転大奥”や老眼鏡の紳士に女性があこがれる話は、正直コワい……。
先輩 キミがなかなか結婚できない理由が分かったよ。
後輩 花沢健吾『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(小学館)の恋愛ダメ男ぶりが身にしみます。僕のお薦めは、東北の自然に癒やされる、
とりのなん子『とりぱん』(講談社)、大阪下町の人間群像が絶妙な森下裕美『大阪ハムレット』(双葉社)、悪魔的ロックスター
が実は軟弱青年という若杉公徳『デトロイト・メタル・シティ』(白泉社)にも大笑いしました。
先輩 『デトロイト』は、単行本発売前からネットの口コミで人気沸騰。ほしよりこ『きょうの猫村さん』(マガジンハウス)など、
ネット発のヒット作品も増えてきたね。
後輩 講談社の「MiChao!」など紙でないウェブ誌も次々創刊された。出版社が今躍起なのは、マンガのケータイ配信。この1年で数倍
伸びてます。今月から「少年ジャンプ」作品の配信も始まりました。
先輩 京都国際マンガミュージアムの開館や、大手出版社初のマンガ事典『現代漫画博物館』(小学館)の刊行などマンガ研究が盛んに
なってきたのは朗報。名作の復刻も盛んで、お陰でいつも金欠だよ。
後輩 悲しいニュースとしては、『現代漫画―』の編集委員の一人で、コミックマーケットを発展させた評論家の米沢嘉博さんが亡く
なられた。豪雨の中、通夜には弔問客の長蛇の列が出来て、功績の偉大さを改めて知りました。
先輩 テレビでおなじみだったはらたいらさん、永井豪さんの右腕だった石川賢さんの突然の訃報にも驚かされた。
後輩 やはり力のある新作や作家がもっと登場しないと。来年は雑誌不振が止まるといいのですが。
先輩 例えば今年、『DEATH――』や『舞姫 テレプシコーラ』は、毎週、毎月の展開をハラハラしながら待ちわびた。こういう楽しみは
単行本では味わえないと思うけどね。じゃあ、僕は年末のコミケに出す同人誌の締め切りがあるので、適当にまとめといて。
後輩 ええ、そんなあ。
>>209の続き
評論家ら3氏注目の3作
村上知彦(評論家・編集者)
〈1〉山岸凉子『舞姫 テレプシコーラ』(メディアファクトリー、既刊9巻)
〈2〉志村貴子『青い花』(太田出版、既刊2巻)
〈3〉山田芳裕『へうげもの』(講談社、既刊3巻)
少女まんがのマストアイテム=バレエを通して、現代を生きる少女たちの困難を正面から描く〈1〉。連載第一部終了直前の、衝撃の
展開が話題に。〈2〉は「腐女子」なんて言葉とは無縁の、正統女子校ストーリー。お姉さまに寄せるピュアな恋心が胸を打つ。
〈3〉が描く、戦国武将たちの茶器おたくぶりに苦笑。いつの世も、マニアってえやつは。
ササキバラ・ゴウ(編集者)
〈1〉松森正・ひじかた憂峰『湯けむりスナイパー PART2 花鳥風月編』(実業之日本社、全2巻)
〈2〉西炯子『STAYシリーズ』(小学館、既刊7冊)
〈3〉徳弘正也『昭和不老不死伝説バンパイア』(集英社、既刊5巻)
〈1〉の完結は、この一年で最も印象深いできごとだった。地味な人情ドラマの中に、今という時代と正面から向きあう静かな覚悟が
にじみ、深い感銘を与えてくれた。名作と呼ぶにふさわしい作品。〈2〉は、内容も表現も奥行きが豊かで、作者の円熟味を感じさせて
くれた。気迫に満ちた展開で今年も疾走しつづけた〈3〉からは、今後も目を離せない。
田中香織(ジュンク堂書店 池袋本店 コミック担当)
〈1〉山田芳裕『へうげもの』
〈2〉椎名軽穂『君に届け』(集英社、既刊2巻)
〈3〉久世番子『暴れん坊本屋さん』(新書館、全3巻)
今年は映像化を機にさらに売れる漫画が目立った。新たな収穫は〈1〉と〈2〉。〈1〉は茶道の名品に目がない武将・古田左介
(後の織部)の想像を絶する数寄者ぶりに、こんな戦国モノがあったのか!と笑ってしまう。〈2〉は、女子高生同士のまっすぐな
友情に泣く。〈3〉は、書店員という職業を楽しくも誠実に描いてくれたことへ敬意を表して。
[マガジン]
ゴートゥ、DMC! 宝島社の「このマンガがすごい! 2007オトコ版」とフリースタイルの「このマンガを読め!2007」の1位は、
いずれも『デトロイト・メタル・シティ』。クラウザーさん伝説は来年も続くか。その他のランキングでは、第1巻が出た武富健治
『鈴木先生』、古谷実『わにとかげぎす』も気になる。屈折した「ダメ男」を描く作品が増える一方、安野モヨコ『働きマン』の
ように、女性の方が雄々しく見えるのは何とも皮肉。
紙面画像1/2
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up161229.jpg 紙面画像2/2
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up161230.jpg
日本経済新聞 2006年12月25日(月)夕刊3面
MANGA切り込み隊長(1)ビズメディア会長堀淵清治氏(人間発見)
ゼロからの米国市場開拓、慣習の違い超える
熱心なファン育ち、タイトル・流通にもこだわり
日本の「MANGA(マンガ)」や「ANIME(アニメ)」が世界各地でファンを増やしている。米国で二十年前から日本のマンガ作品を発行、
市場をゼロから開拓してきたのがビズメディア会長の堀淵清治さん(54)。今年秋発行の米誌ニューズウイークは「世界が尊敬する
日本人百人」の一人に選んだ。
二十年間、あっという間でした。拠点は一貫して新しい文化に寛容なサンフランシスコです。一九八六年の創業時、僕を含めて四人
だった社員は現在百四十人。一冊で百万部を売る作品も現れ、当社の売上高も一億ドルを突破しました。
僕自身は決して熱心なマンガファンだったわけではありません。若いころから米国に住みマンガを全く読まなかった時期もあります。
しかし日本でこれだけ多くの人々の心をとらえているマンガというものが米国で受け入れられないはずがない。三十歳を超えたころ、
そう思ったんです。
MANGAビジネスは、二つの文化や慣習のぶつかりあいだった。
初期にぶつかった問題は本の開き方。日本のマンガは右開きで右上から左下へと絵や文を追っていく。英語の本は逆です。悩んだ末、
絵を鏡に映したように反転させ左開きの本を作りました。米国の読者は「日本の侍は皆、左利きか」と思ったかもしれません。
作家にはもちろん抵抗がありましたが米国で日本マンガを普及させるためと説得しました。
今は大半が日本と同じ右開き。日本のマンガを本来の姿で読みたいという米国の読者が新しい習慣を身につけてくれたのです。
マンガと並行してアニメ配信も手掛けているのですが、ここでも本来の声優の声で楽しみたいからと日本語音声のものがファンには
好まれます。英語字幕の無い作品は熱心なファンが字幕を自主作成します。そのプリントを手元に置きながら動画を観賞するのです。
字幕付き映画は受け入れられないといわれた米国で、ですよ。
タイトルや書店にもこだわった。
二〇〇二年に創刊した英語版「少年ジャンプ」は当初「マンガタイフーン」という題になる予定でした。「ショウネン」という言葉が
米国でなじみがなかったからです。しかしマンガ好きの米国人には米国風のアレンジは不要で、むしろ日本と同じであることに価値を
見いだすようになっていると判断を変え「SHONEN JUMP」に決定。今も三十万部を発行しています。後に出した少女マンガ誌にも
「SHOJO」という語をタイトルに使いました。
米国の書籍流通は縦割り式で一般書とコミックは別の店で売られています。僕らは「日本のマンガはコミックではなくグラフィック
ノベル(絵による小説)だ」と主張。時間はかかりましたが一般書店が置いてくれるようになりました。
また、日本のマンガやアニメはマッチョ(強い男)志向の強かった米国のエンターテインメント界に「美少年」や「かわいいもの」
といった美意識を持ち込んだといえます。決して多数派ではないにしろ、「非マッチョ派」という新タイプの若い米国人を育てている
という指摘をする人もいます。たった二十年で異国の文化であるマンガ、アニメがこれだけ受容されたのは、奇跡のようです。
(聞き手は編集委員 石鍋仁美)
日本経済新聞 2006年12月26日(火)夕刊3面
MANGA切り込み隊長(2)ビズメディア会長堀淵清治氏(人間発見)
米国の大学院に進学 1年で退学しヒッピーに
放浪生活を終え起業 出版の仕事と出合う
米国との出合いは早大在学中。フォークソングクラブの先輩の体験談だった。一九七〇年代初めのころの話だ。
今に至るまで、会社勤めというものを経験したことがありません。学生時代のある時、卒業後にサラリーマンになった自分を想像して
恐怖に襲われたんです。ちょうど米国を旅行してきた先輩が興奮しながら西海岸の様子を話してくれました。夏休みに友人と二人で
サンフランシスコへ。ここで受けたカルチャーショックにぶっ飛ばされました。
学生運動やニューエイジ運動が盛んだったバークレーには修行僧姿の学生が踊りながら大通りを行進するなど、アカデミズムと
ヒッピー文化が混じる独特のムードがありました。僕らも路上でギターを弾きながら歌う日々。旅が終わる前には「卒業後はとにかく
渡米する」と決めていました。マンガも人並みに読みましたが、「日本の文化輸出の中核になる」などとは誰も予想していなかったと
思います。
米国の大学院に進学したが一年余りで退学。ヒッピー生活を送る。
日本人の大工のもとで技術を身につけ、レストランの内装工事を手掛けたりして生活費を稼ぎました。当時の西海岸では仏教や禅など
の東洋思想が若者たちの心をとらえていました。出会う日本人も「日本社会のはみ出し者」が多かった。山岳地帯で共同生活を送った
こともあります。
こうした日々を過ごすうちに、既存社会で支配的な「メーンカルチャー」に対する「カウンターカルチャー」に魅力を感じていた
米国の若者らと自然に美意識を共有できたのはプラスでした。後にマンガ出版の会社を立ち上げるとき、当時培った感覚が役立ちました。
仕事相手の多くもヒッピー世代。サブカルチャーを通じ世界が一つにつながる、というイメージが共通していたのです。
山岳生活仲間の事故死を機に放浪生活に終止符を打ち、日米をつなぐ仕事をしようとマーケティング会社を興す。米国の面白い商品を
日本に紹介したり雑誌に記事を送ったりする中、転機が訪れた。
米国移住から十年後の八五年、ある映画関連の交渉事のため米国を訪れる出版関係者の案内役を務めることになりました。
それが小学館常務だった相賀昌宏さん(現社長)。彼との出会いが私の人生を変えました。
年齢も近く、次期後継者に目されていたことなど全く知らないまま意気投合しました。僕は「米国で日本のマンガを出したら面白い
でしょうね」と持ちかけました。その直前、日本に一時帰国したときに大友克洋など最先端のマンガに触れ、レベルの高さに驚いたの
です。米国がポップカルチャー(大衆文化)の先進国で日本は後を追う存在という認識が完全に逆転する体験でした。
僕の一言に対し相賀さんの返事は「実は私も全く同じことを考えていました」。翌年、小学館の出資を受け、市場調査や販売拠点と
なるビズコミュニケーションズ(現ビズメディア)を設立しました。以来二十年間、相賀さんからの理解と支援は続いています。
「小学館USA」というような社名にしなかったのは、こっそりと、でも面白いことを自由にやろうという二人の思いを反映した結果。
出版という言葉を入れなかったのはビジュアル作品ならすべて手掛けようと考えたからです。
(聞き手は編集委員 石鍋仁美)
【図・写真】米国でヒッピー生活(右端が本人、1970年代末)
日本経済新聞 2006年12月27日(水)夕刊3面
MANGA切り込み隊長(3)ビズメディア会長堀淵清治氏(人間発見)
米にマンガ輸出、縦割り流通突き販路拡大
日本のサブカル紹介誌創刊、時宜を得ず失敗
一九八七年、初めの三作品が米国の書店に並んだ。白土三平「カムイ外伝」、工藤かずや・池上遼一「舞」、新谷かおる「エリア88」だ。
通好みの作品ではなく一般の米国人に好まれそうな絵を選びました。僕がもともとマンガマニアではないからかもしれません。五日間で
各三万部の初版はすぐに売り切れ増刷に。幸運なスタートを切り、出版点数は順調に増えていきました。徳間書店の「風の谷のナウシカ」
の英語版を出したくて日本まで宮崎駿さんに会いに行ったこともあります。
変調が始まったのは九〇年。各作品、平均二万部は売れていたのが一万部、七千部、ものによっては五千部、三千部と落ちていく。
他社も同じでした。コミックバブルが崩壊したのです。
背景には米国独自の縦割り流通システムがあった。ピンチはチャンス。慣行への挑戦が始まる。
キオスクなどで細々と売られていた米国コミックに八〇年代初め、専門の取次(卸)会社と小売店が登場しコミックに特化した
流通網が生まれました。特徴は注文生産と買い取り制。出版社にとって取り分は少ない代わりに返品は無く、点数や価格もコントロール
しやすい利点があったのです。
しかし実際は在庫を避けたい小売店は少なめに注文し、売り切れても追加発注しない。そのためマニアによるコレクター市場が発達
しました。
入荷の一部しか店頭に置かず、売り切れてから残りを希少品コーナーで高く売るなどモラルを欠く売り方も現れました。業界全体が
マニア頼みのぬるま湯にいたのです。そこへバブルを当て込んだ低品質の作品が流入し市場は崩壊。出版社や流通業は次々に倒産し
店舗は半減しました。
僕らは活路を求め九二年に一般書籍の出版部門を設立。アートやデザインの書籍で販路を開拓し、少しずつマンガを乗せていきました。
当初は児童書、クイズ、ユーモアなどの棚の隅に心細そうに並んでいましたが、今では一流書店にも「グラフィックノベル」の棚ができ、
日本のマンガがずらりと並んでいます。
販路拡大に合わせ、大判で薄いアメリカンコミック(アメコミ)型ら小さめで厚みのある日本に近い形に装丁を変更。印刷も日本で
美しく仕上げました。「郷に入らば」で体裁も流通もアメコミ式に合わせてきましたが、いよいよ米国でも「日本のマンガ」として
勝負しようと決めたのです。
高橋留美子の「らんま1/2」やポケモン関係の書籍のヒット、集英社の出資と少年ジャンプ英語版の発刊、小学館が別途設立していた
ライセンス会社との統合などで企業規模は年を追って拡大した。
成功ばかりではありません。九七年に創刊した青年マンガ誌「パルプ」がそうです。吉田秋生、松本大洋、山本直樹、相原コージら
大人向けのマンガに加え、米国人による日本のポップカルチャー批評まで載せた米国初の日本サブカル雑誌。編集部も寄稿者も
米国社会の「知的アウトサイダー」集団で、後に有名になったライターもいます。
しかし部数は五千部どまりで二〇〇二年に廃刊しました。マンガの背景にある日本の現代文化に関心を持つ人は増えています。
遠からずこういう雑誌が受け入れられる時代が来ると思っています。
(聞き手は編集委員 石鍋仁美)
【図・写真】会社は数人でスタートした(右端が本人、1988年)
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/ghibli/cnt_eventnews_20061226a.htm?from=os1 読売新聞 2006年12月22日(金)東京夕刊15面
宮崎駿デザインの大時計 東京・日テレ社屋に完成
東京・汐留の日本テレビ社屋に、巨大なからくり時計「宮崎駿デザインの日テレ大時計」=写真=が完成し、一般公開されている。
幅18メートル、高さ12メートル、奥行き3メートルの大きさ。外側は一枚一枚たたいた銅板が1228枚使用されており、総重量は28トン
にも及ぶ。計画から5年、同局がスタジオジブリと共同で1年4か月かけて建設してきた。
中央が「時計盤」、右が「鍛冶屋一族」、左が「鐘一族」という三つの部分で構成され、合わせて32個ものからくりが動く。
「鐘一族」側では、鐘の頭をした人形が屈伸やお辞儀をしたり、ドラが鳴ったりする。「鍛冶屋」側では、電球の頭をした人形が
カナヅチを使ったり、大砲が煙のような水しぶきを発射したりする。ほかにも、文字盤に時計職人の影が現れたり、時計の脚が
握っている玉も開閉したりと、3分弱の稼働時間では、すべてを把握しきれないほど。
25日までは、午前11時から午後7時までの間、1時間に1回からくりが稼働。26日以降は、正午、午後3時、同6時、同8時の4回、
土日は午前10時を加えて1日5回動く。
時計の内部も歩くことができる構造のため、同局では、今後は見学コースとして公開し、間近で仕組みを見てもらうことも検討している。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/photojournal/news/20061221k0000m040078000c.html 毎日新聞 2006年12月21日(木)朝刊29面
からくり時計:世界最大級、高さ12メートル ハウル風、宮崎駿監督デザイン
東京・汐留の日本テレビ本社2階の壁面に、映画監督の宮崎駿さんがデザインした世界最大級のからくり時計が完成=写真。
20日、完工式があった。
幅18メートル、高さ12メートル、奥行き3メートルあり、総重量は28トン。銅板1228枚を継ぎ合わせ、32のからくりが施されている。
宮崎作品の「ハウルの動く城」に似た外観で、定時になるとかじ屋の人形が音楽とともに動き出す。
社屋が汐留へ移転する前の01年から、「誰からも愛される恒久的なシンボルを」とスタジオジブリと共同で構想を進めていた。
宮崎監督は「皆に愛される時計になってほしい。人類絶滅への時計にならないよう祈る」とのコメントを寄せた。【丸山進、写真も】
http://www.sankei.co.jp/culture/enterme/061221/ent061221003.htm 産経新聞 2006年12月21日(木)東京朝刊27面
宮崎駿デザイン 汐留に大時計
東京・汐留に新たなシンボル「宮崎駿デザインの日テレ大時計」が20日、お目見えした。スタジオジブリと日本テレビが約6年を
かけて制作したからくり時計(28トン)で、幅18メートル、高さ12メートルと世界最大級。同局社屋外壁で時を刻み始めたこの日、
宮崎監督は「みんなに愛されるように、間違っても人類絶滅への時計にならないように祈ります」とのコメントを寄せた。
http://secure.ikaros.jp/sales/mook-detail2.asp?CD=C-132 『萌える!タイの歩き方 萌えタイ』
藤井伸二/文 鮭/画 イカロス出版 2006年12月26日発売 価格(税込)1,575円
ページ数/版型 221P 21cm ISBNコード 4-87149-848-4
微笑みの国、“最強”萌えガイド
「萌え×旅行ガイドという“ありえない”強力タッグが実現!バンコク→イサーン→北部→南部。
タイ全土を旅しながら、泊まる、食べる、買うはもちろん、国内の交通手段、タイ人との交流ノウハウ、
文化風俗などなど、微笑みの国に関するすべてのトピックを萌えっとレクチャー。
今のタイがわかる現地の最新事情満載でお届け!
http://spa.fusosha.co.jp/ent_2464.php 『SPA!(スパ)』2007年1月2-9日合併号 p.156〜159
[萌えビジネス]はどこへ向かう?
腐女子の聖地・池袋乙女ロードが急速に台頭中!
女性や地方・国外にまで拡大を続ける業界の次なる一手とは?
正直なところ、申し訳なく思ってしまうくらい、私利私欲を原動力に進めた企画です。オトコたるもの、
一度は行ってみたいじゃないですか、メイド喫茶に。おかげさまで、10件近くの萌え系店舗にお邪魔することができました。
いい気分で年明けを迎えられそうです。とはいえ、記事自体は決して“萌え萌え”したものにはなっていません。
あくまでも、ビジネス的な視点で構成していますので、メイドさんたちの人件費とか、海外の萌えビジネスの状況とか、
あまり聞けない話が満載です。「萌える前に読め!」まあ、そんな感じのモノクロ4Pです。楽しかった……。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006122800044&genre=G1&area=K1C 京都新聞 2006年12月28日(木)
若者文化、妖怪キャラに変化 京都造形大生が100体発表へ
若者文化への理解を深めてもらおうと、京都市左京区の京都造形芸術大の学生たちが「オタク」や「ケータイ依存症」などを
テーマにしたユニークな妖怪風のキャラクターを作った。キャラクターは「百鬼夜行」になぞらえて100体あり、来年1月5日に
中京区の寺町京極商店街で発表する。
同大学情報デザイン学科2年の9人が今年4月、キャラクターを使って若者文化を世の中に面白おかしく伝えようと、企画を立ち上げた。
大人が抱く若者像を「奇妙で異質」と考えて妖怪に結び付け、「百鬼夜行」に引っ掛けて、イベント名を「百鬼若行(じゃこう)」とした。
「茶髪」「ニート」「(ズボンを下げる)腰パン」など若者を象徴するキーワードを100個挙げ、メンバーがそれぞれをテーマにした
キャラクターの原画を描いた。光沢のある紙にカラー印刷し、台紙に張り付けて仕上げた。
キャラクターは体長50−100センチで、テーマや特性が記され、吹き出しにせりふが書かれている。
「パカパカ☆ピポパ」は、携帯電話に依存するあまり体が携帯電話になってしまい、ボタンの押し過ぎで指が親指だけになっている。
漫画やアニメが好きな「おたくん」は、関連グッズを手に持って「萌え〜」と叫んでいる。
また、夏の甲子園で一躍有名になった投手の愛称をもじった「ハンカチ玉子」は、スポーツに意欲的な若者がテーマで、青いハンカチで
汗をふく妖怪として描いている。
5日は午前10時から午後8時まで、寺町京極商店街の柱80本にキャラクター100体を掲げる。
メンバーの井階麻未さん(20)は「若者は当てはまるキャラクターを探して、自分を見つめ直してほしい。年齢を重ねた方には
『若者も意外にいいやん』と思ってもらえたらうれしい」と話している。詳しくはホームページ
http://www.hobgoblin-k.com 【写真】学生が若者文化をテーマに作った妖怪風のキャラクター(京都市左京区・京都造形芸術大)
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2007/01/01/01.html スポーツニッポン 2007年1月1日(月)
アキハバラデパート閉店 実演職人も涙
東京・秋葉原の日本最古の駅ビル「アキハバラデパート」が31日、閉店し、55年の歴史に幕を下ろした。閉店に伴い、同店の名物
でもある実演販売も最終日。“説得の鉄人”と称されるベテラン実演職人は「寂しい」と涙。次の実演場所が見つからないために
引退を余儀なくされる販売者もおり、ファンからは「なんとか続けてほしい」との声が相次いだ。
周りを取り囲む人たちに「お世話になりました。良いお年を」と声をかけ、常連客との三本締めでは、こらえていた涙があふれた。
29年前から1階のイベントスペースで天然石けんなどの生活用品の実演販売を続けてきた尾之内範昭さん(56)。「初日に売れたのは
石けん3個。それが今では説得の鉄人なんて呼ばれてる。2畳しかないこのスペースが僕の人生そのもの」と振り返る。
尾之内さんは、日本で初めての実演販売者としてテレビに出演。テンポのいい名調子で人気を集め、1日の平均売上額は50万円に達する。
「秋葉原は男性客が多い。普段掃除をしない男性を説得させるためにシャレを交えるなど工夫した」
今後はしばらく休暇をとって、実演を再開する予定。「場所は未定。可能であれば秋葉原に戻ってきたいけど、場所がないからね」
としんみり。
パズルの実演販売者・平野良明さん(63)は一番の“古株”。実演歴は30年9カ月で「秋葉原は理数系の街。だからパズルへの関心が
高かった。もし銀座なら10年も続かなかっただろう。もし閉店しないなら、あと20年はここで実演を続けようと考えていたので悲しい」
と肩を落とした。
「インターネットのように、人の顔を見ないで商品を売るなんて考えられないので、新しい実演場所を探すつもり。ただ、屋外で
販売ができる場所はなかなかないので、きょうが最後になるかもしれない」という。常連客の男性(37)が、自身で立ち上げた平野さん
の応援ホームページ上で場所の提供者を募集しているが、移転先は見つかっていない。
現在、JR東日本は駅の再開発を進めているが、同社子会社の運営会社は、建物の老朽化が激しく、若者離れが進んでいる同デパートの
建て替えを決定。跡地には新しい商業施設が建設される予定で、今春にも計画が発表される見込み。
午後4時25分、多くの人が見守る中、ビルのシャッターを下ろすスイッチを入れたのは尾之内さん。「この雑多な雰囲気が好きだった。
近頃は大きくて新しいビルばかり。汚くても残すべきものはある」と語った。
▽アキハバラデパート 1950年(昭25)に運営会社「秋葉原会館」設立。翌51年11月開業。国鉄(当時)の高架下に3階建て駅ビルとして
開店。当初は青果市場の町だった秋葉原に通う関係者や近隣住民を対象とした庶民のデパートとして親しまれた。この傾向は秋葉原が
電気の町と変ぼうしても続く。
75年8月、社名を「秋葉原」に商号変更。02年、JR東日本に経営権譲渡。同年、アニメやフィギュアの“オタク路線”を目指した
「アキデパフジヤマ」計画を実行するが、専門性が中途半端だったことなどから失敗。05年4月、運営会社が東京圏駅ビル開発に変更。
3階には改札口「デパート口」があり、直接駅に出入り可能。延べ床面積4733平方メートル、店舗面積2836平方メートル。91年度の
売上高は約69億円だったが、05年度には約33億円まで落ち込んでいた。
【写真】エプロン姿で最後の実演販売を行った尾之内さん
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/travel/news/20061231k0000e040014000c.html 毎日新聞 2006年12月31日(日)
マンガの祭典:“コミケの父”米澤さんの追悼コーナーも
東京ビッグサイトで開催中の日本最大のマンガの祭典「コミックマーケット71」は最終日の31日も大勢のファンが詰めかけた。
2日目の30日には、「NARUTO」や「テニスの王子様」など「週刊少年ジャンプ」系の少年マンガや、「涼宮ハルヒの憂鬱」などの
ライトノベルなどを中心に、約1万2000の同人サークルが出展。10月に53歳の若さで死去したコミックマーケット準備会前代表の
米澤嘉博さんの追悼展示にも、多くの来場者が訪れた。
米澤前代表は、75年のスタートからコミケを支え続けた。追悼コーナーは、コミケのカタログを印刷している共信印刷の
中村安博社長の発案で、これまで中村さんが収集した世界のマンガ雑誌や同人誌など展示してきた西館4階の展示コーナーに設置。
壁一面に張られた米澤さんの大きな写真を囲むように、急死した“コミケの父”に対する来場者のメッセージが書き込まれた。
31日夕のコミケの閉幕時には、米澤さんをしのんで黙とうが捧げられる予定。【渡辺圭】
【写真】故米澤代表へのメッセージを書き込む参加者
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/kunrin/news/20070103ddm001040005000c.html 毎日新聞 2007年1月3日(水)東京朝刊1面
ネット君臨:第1部・失われていくもの/2(その1) レア物求め、嫌がる女児撮影
◇認められたくて「狩り」
1枚のDVDがある。空き地で遊ぶ2人の少女。1人(当時8歳)が暗がりに誘い込まれる。服を脱がされそうになり、顔をゆがめて
「嫌だ嫌だ」と泣き叫んでいる。とても正視できない。
04年10月。インターネット上のハンドルネーム(HN)「なるえ」は、これを撮るため休日を利用して仲間と千葉県に車を走らせた。
JR東海の元運転士(33)。停車位置が10センチずれるのも許せない。無遅刻無欠勤。職場の同僚は「まじめできちょうめん」と口を
そろえる。
愛知県豊橋市の自宅から遠く、純朴な子どもがいそうな田舎に目を付ける。黄色い帽子をかぶった下校途中の約20人に「かわいいね」
と声をかけた。小学4年以上は警戒されるから狙っていない。
埼玉、宮城県警は昨年から大規模な児童ポルノ事件の摘発を進めている。逮捕者は、実行グループのなるえを含め中部から東北の
計14人。元自衛官、郵政公社職員、塾講師……。幼いわが子へのわいせつ行為に及んでいた法務局人権擁護部の元職員もいる。
00年ごろ、ネットのチャットやコミックマーケットで知り合った小児性愛者グループだ。互いの本名は知らない。
◇押収画像500万点
押収された画像はネットを使って収集したものを含め、空前の500万点に上る。1000人前後の日本人女児の映像など、数万人分が
収められていた。DVDには男の顔も映っている。「自分が撮ったもの」という証拠だ。彼らは女児の撮影を「狩り」と呼んだ。
警察が事件の中心人物と見る男がいる。小児性愛者の世界でカリスマと呼ばれるHN「D」。コミック作家、38歳。
1級のコンピュータープログラマーでもある。逮捕された1人はこう供述した。「同じ趣味の人間がたくさんいることをネットで知った。
珍しいものを持っていれば、あの人に認めてもらえると思った」
ネット社会に渦巻く欲望から子どもたちを守るすべはあるのか。(2面に続く。)
(後略)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/kunrin/news/20070103ddm002040016000c.html 毎日新聞 2007年1月3日(水)東京朝刊2面
ネット君臨:第1部・失われていくもの/2(その2止) 膨大なダウンロード<1面から続く>
http://computers.news.livedoor.com/series_detail?id=59235 http://computers.news.livedoor.com/series_detail?id=59235&page=2 livedoor (1月3日10時00分)
◆米澤嘉博氏の夢をつないで!71コミックマーケット インタビュー&レポート
71コミックマーケット(以下コミケ)が、12月29日〜31日の3日間、東京のビッグサイトで
開催された。今回のコミケは、2006年10月1日に他界された、コミケの生みの親であり、
同人誌即売会の普及に心血を注いでこられた米澤嘉博氏の精神を引き継ぎ開催された。
既に冬の風物詩ともなっているサブカルチャーの祭典コミケであるが、今回の冬コミの
開催は3日間となり、より多くのクリエーターがコミケに参加するとともに、
同人誌を求める多くの一般参加者が来場した。
コミケの運営を故米澤嘉博氏から引き継いだコミックマーケット準備会共同代表は、
市川孝一氏、筆谷芳行氏、安田かほる氏の三名。今回は、市川孝一氏、筆谷芳行氏、
そして有限会社コミケット社長米澤英子氏にお話を伺った。
Q:米澤嘉博氏はどのような方でしたでしょうか
誰にでも気軽に声を掛けてくれるアニキのような存在でした。ちょうど、「71回コミケを
立ち上げるぞ!」というスタッフの第一回拡大集会があり、その次の日に他界されました。
我々は、その拡大集会で米澤代表に代わって準備会共同代表となりました。そこまで
頑張ってくれたのかもしれません。
米澤代表は人の3倍くらい動いていました。本人もまだあと10年くらいは代表をやって、
あと10年くらいは一般参加者になって同人誌を買うということを考えていました。
我々の最終的な目的は、自由に同人誌を買うというものなので、米澤代表自身も
ちょっとでも時間ができれば会場に行って本を買っていました。
Q:米澤嘉博氏のコミケットへの想いで皆さんの心に残っていることはありますか
コミケは開催日によって販売される本が異なり、一般参加者も異なります。その意味で
「デパート」だといわれていました。また、アングラのような作品もあるので「夜店」だ
とも話されていたことも心に残っています。また、何でも面白いことを取り入れていく、
去るもの追わず来るもの拒まず。
最近は、出展数も多くなりカタログも分厚くなっていますが、特別な紙を使っているので
ページ数に比べて薄い方なんです。
Q:コミケの運営体制として何か変わったことはありますか
我々3人の立場が変わっただけで、別に変わったところはありません。
米澤代表が亡くなったということで、スタッフを辞めるきっかけにした方はいるかも
しれませんが、人数も変わりませんし体制も変わっていません。やることは一緒で、
米澤代表が作ってくれた道を守っていこうということです。
また、私たちは米澤代表が作ったものを更にいい方向へ変化させていこうと思っています。
今の同人誌即売会というスタイルを作ったのが米澤代表で、それに対して我々がどのように
デコレーションしていけるかが自分たちの課題だと思っています。
Q:皆さんにとって、コミケとはどのような場だと思われますか
多くの種類の本に出合えることができる場です。また、作家と購入者が直接交流できる
ところでもあります。最近はプロの方々も参加されていて、ご自身の作品に「○曜日"○"−○」
といった暗号を書いています。コミケの出展場所のことなのですが、それを分かっている
人たちは、ニヤッとしているでしょうね。そして、このコミケからプロになられた方々も
いますが、一度コミケに参加されると病み付きになるようで毎回出展される方もいます。
Q:企業ブースも毎年盛況ですね
企業ブースは、コミケの本分である同人誌と全く異なるものかといえば、そうではありません。
ゲームのクリエーターの中には同人誌を作っていた方々も多いですし、反対に、企業ブースで
出展したあとに同人誌を出される方もいます。その意味で、親和性はとてもあるんです。
Q:今回の冬コミは開催日が3日間になりましたね
夏と冬では若干違うのですが、申し込みが5万くらいあり、今回の場合は抽選に当たった
サークル参加が3万3千くらいですね。普通、冬は2日間だったので2万2千サークル。そうすると
半分以上は抽選で落ちてしまう。それはちょっとよくないということで3日間にしました。
そうしないと、コミケは出展できないイベントになってサークルがあきらめてしまいます。
そこで、米澤代表の思い切った「31日だ!」という判断で、今年は3日間になりました。
今回の冬コミの開催日を通常の2日から3日にし、1日増やすだけで参加サークルが1万も違うんです。
その1万サークルを参加させることによって、そこから生まれる未来の可能性というのは
絶対に変わってくると思います。その一万冊の本を読むことができれば全然違いますよね。
また、1サークル3人としたら、サークルだけで3万人の参加者が増えるんです。
それは3万人のクリエーターが参加しているということですからね。
米澤代表は、今その辺を歩いて買え買えといっているんでしょうね(笑)。
12月31日って、やっぱり特殊な日じゃないですか。年末なので周りの企業が動いてくれないと
駄目なんです。10年前は、絶対にできなかったです。日本のシステムがコミケを
やりやすいシステムに変わってきました(笑)。
日本人の年末年始がボーダレスになったら、12月31日・1月1日・2日となる時代も
いつかは来るのかもしれませんね。
Q:今後の活動の目標は
会場としては、ここしかないですね。日本ではここより大きな会場はないですし、
もう11年も使っているので慣れてきているというのもあります。
あとは日数を増やすという選択もあるのですが、体力には限界があるんです。
運営スタッフ2300人のうち、1500人以上は会社員です。開始日を増やすということは
平日が入ってしまうわけで、会社勤めの人にとっては冬コミ日はちょうど締め日なんですよね。
締め日に会社に行けたのは、クリスマスにコミケをやって年末にやらなかった
2回しかないんじゃないでしょうか(笑)。
体力とか、スタッフの都合がつけば、米澤代表の基本方針は申し込みしてきたサークル
全部を入れたい、ぶっちゃけ米澤代表は全部のサークルの本を読みたかったんです。
「参加できなかったサークルが、面白い本を出していたらどうするんだ」「抽選に落ちた
サークルがすごくいい本を出しているかもしれない」と、いつもいっていました。
可能性をいつも追いかけている人でしたね。でもやっぱり抽選になってしまっているんです。
そこが皮肉にもコミケットのブランドになってしまった感じです。一番困っていたのが、
サークルスペースがとりにくいということです。でも反対に地方の子たちは、そのうち
コミケに行くぞという目標になっているんですよね。オリンピックみたいに、まだまだ
僕たちはコミケットに出る実力がないから頑張ってコミケに出るぞみたいな感じです。
Q:最後にコミマーケットの夢・希望はなんでしょうか
コミケの夢は365日コミマーケット。毎日がコミケです(笑)。コミケ当日はその結果
なんですよね。今日に至るまでに皆で、どんな本を出そうか話したり、ホテル手配をしたり、
切符をとったり、どんな服を着ていこうかなど全部がコミケットの活動なんです。
我々でいえば準備。365日何かしらしていますね。今回のコミケが終わったら、
次のことを進めています。サークルからみれば、毎日コミケがあれば毎日楽しい空間に
なるのではないかと思います。いかに我々が365日コミケットやれるか、それが永遠に
つながってくれる夢です。ビューティフルドリーマーです。
12月31日午後4時、故米澤氏への黙祷を捧げ71コミックマーケットはその幕を下ろした。
クリエーターたちにとって、コミケに出展することが一つの目標になってきているという。
そして、コミケに参加したクリエーターの中からメジャーデビューを果たしている者も
少なくない。だからこそ全国から優れた作品を求めて多くの一般参加者も来場している。
米澤氏が生前に語られていた、コミケは「デパート」であり「夜店」であるという通り、
同人誌を自由に買うことができる日本最大の即売会、コミックマーケットは故米澤氏の
精神を受け継ぎ、これからも求めるユーザーがいる限り続くのであろう。
(終)
>>211-213の続き
日本経済新聞 2006年12月28日(水)夕刊3面
MANGA切り込み隊長(4)ビズメディア会長堀淵清治氏(人間発見)終
社長退き映像新会社設立 邦画発信に意欲
日本の「今」伝えたい オリジナルにこだわる
北米での日本マンガの市場は年率三〇%前後で拡大中。シェアの七割を押さえるのがビズメディア。その社長の座から最近、退いた。
学生時代、一緒に米国を旅した友人が藤井悟。創業後も財務責任者などとして一緒にやってきてくれました。企業規模も大きくなり
「そろそろゆっくりしたい」という。彼の引退に合わせ僕も会長職に退きました。
ただし、のんびり過ごすつもりはありません。昨年、小学館の出資でビズピクチャーズという新会社を設立、社長に就任しました。
仕事は日本映画の配給とDVD製作販売、日本映画専門映画館の運営です。
この映画館はサンフランシスコの日本人町に建設中。二〇〇八年の完成後は全米に日本製エンターテインメントを発信していくつもりです。
新会社初の配給作品は「電車男」。オタク青年が美女に恋をし、思いを実らせるまでを描き日本で大ヒットした。
マンガ関係のコンベンションで試写会を開きました。千人のホールが満席で絶えず掛け声やヤジが飛び、恋が成就する場面では立ち
上がって喝采。泣く女性客もいました。反応の良さは日本と同じ。いや、日本人以上かもしれません。
新会社設立以前に十一本の邦画を北米で配給しました。中でもファッションマニアと暴走族という二人の女子高生の友情を描いた
「下妻物語」の反響が大きく、今後の手本になりそうです。クールさ、かわいさをちりばめたオモチャ箱のような作品で、マンガなどで
日本を知った若者にぴったりだったのです。
試写会場には主人公と同じロリータファッションを身に着けた女性客が大勢来ました。登場するブランドの米国向け直販も急増した
そうです。これからも日本の「今」を感じられる作品を配給していきたい。見た人が「日本という国に行ってみたい」と感じてくれたら
うれしい。
小説も有望です。日本で「ライトノベル(ラノベ)」と呼ばれる作品群はアニメやゲームに通じる空気があり米国でも読まれるでしょう。
ラノベが日本に続き米国でも若者の活字離れを食い止める可能性すらあると思います。
日本の「お家芸」だったマンガ、アニメ、ゲームで韓国や中国などの追い上げが激しい。外務省、経済産業省、文化庁などからも
この分野の育成法を聞かれる。
マンガについていうと日本の特徴は「編集者」。企画や物語を作家と二人三脚で練り上げます。多くの優秀な編集者がいたから日本の
マンガはここまでになった。これに海外勢は気づいていない。絵の技術は習得できても編集者システムの移植は難しいでしょうね。
マンガにはハリウッドから映像化の申し出も多い。マンガの映画化や日本映画のリメークは今後、増えるでしょう。
でもそれらは企画面での下請けのようなもの。アメコミの体裁を借りて米国に進出した日本マンガが元の姿で受け入れられたように、
わざわざ米国人俳優でリメークしなくても日本製の映画はもっと米国で見られていい。字幕での観賞もアニメ作品で慣れています。
今後はそのための活動に全力を注ぐつもりです。
(聞き手は編集委員 石鍋仁美)
【図・写真】日本マンガのイベントで世界を飛び回る(1992年、フランクフルトで)
読売新聞 2007年1月4日(木)東京朝刊34面
[ときめいてますか?](2)最愛の「オタク夫」
◆キャリア女性、59番目の結論 「やっと自分らしくなれた」
2006年12月31日深夜。格闘技のテレビ中継が流れる神戸市内のマンションの一室で、こたつに入った2人は、1日早いおせち料理を
つつき始めた。
婚姻届を出してからちょうど1年。どてらを羽織った妻(31)は、夫(33)のがっしりとした胸に寄りかかり、穏やかな笑顔を見つめ
直した。「やっぱり私、間違っていなかった」
最初は恋愛対象ですらなかったが、今では最愛の存在。心から理解し合える相手を探し求め、最後にたどり着いたのは、格闘技と
アニメが大好きなオタク男だった。
「これまで何人の男と付き合ったのかなあ」
04年夏。一人暮らしの自宅ベッドで天井を見ていると、そんな思いが急によぎり、眠れなくなった。たまらず起きあがり、新聞の
チラシ広告の余白に思い出すまま名前を書いた。26人目になったところで、パソコンに打ち込み始めた。
18歳の相手が1番目。実直な銀行マン、才気あふれる広告関係のクリエイター……。告白されただけの人を含めて、58人もいた。
父は小学生の時に家を出ていった。母はよく深酒して、手首を何度も切った。こうした環境に嫌気が差し、自立ばかりを考えていた。
国立大学を卒業後、大手広告会社に就職、6年後には広告関係のコンサルタントになった。
阪神大震災に襲われた直後、被災地で偶然出会った父は、「お前、生きてたんか」と言うと、自分の恋人を探しにそのままどこかへ
行ってしまった。親が注いでくれなかった愛情を求めていたのかもしれない。お金には困らなかったからこそ、理想の相手には特別な
「何か」を求めていた。
「納得できる人なんていないかもしれない」。パソコンの画面を見ながら、胸が苦しくなった。
そのころ、行きつけの近所のバーで、安物のトレーナー姿にぼさぼさ頭の男が、声をかけてきた。「それ、ガンダムですか」。
たまたま、携帯電話の着信音に使っていたアニメ番組のセリフが響いた直後だった。
「もてなさそうな人だな」。彼氏としては「ありえなかった」が、アニメや格闘技の知識が驚くほど豊富で、話に引き込まれた。
その後、同じバーで何度か顔を合わせ、初めて自宅に送ってもらう途中、いきなり手をつかまれた。「この手を一生離したくない」
その場は相手にしなかったが、押しの強さに引きずられデートを重ねるうち、新たな気持ちが芽生えてきた。過去の恋で傷ついた
経験を、朝まで床に座って聞いてくれた。別の男性と出かけて口説かれたことを打ち明けるか悩んでいた時、「全部受け止めると
約束した」と言い切ってくれた。格好の悪い、素のままの自分でも愛されるかもしれない。こだわりの強いところも似ていて、妙に
話が合う。今までは相手に合わせてばかりいた――。
一方のオタク男は、20歳前後に漫画とゲームの引きこもり生活を2年間続け、今は倉庫関係の会社員。はっきり物を言う、さっそうと
した美人は高根の花だったが、「はっきりしない人生は、いい加減終わりや」と気持ちをぶつけた。
妻は、2人が結婚するまでの物語を「59番目のプロポーズ」(美術出版社)というタイトルで出版、独身女性を中心に幅広い共感を
呼んだ。
これを原作にした同名のドラマで、キャリア女性を演じた人気女優、藤原紀香さん(35)も、共演するまでよく知らなかったという、
オタク男役のお笑いタレント、陣内智則さん(32)と、今年2月の結婚が決まった。藤原さんはテレビカメラの前で、「彼の前では
ありのままでいられた」と語った。妻には、その気持ちがよくわかる。「私もやっと自分らしくなれたから」
そして、武骨な夫の顔をいとおしく見つめた。「ときめきはどんどん強くなる。新しい恋をしなくていいと思うと、うれしくって、
うれしくって」
◆独身者の半数「巡り合わない…」
「理想の相手」はどこにいる――。国立社会保障・人口問題研究所が06年9月にまとめた「結婚と出産に関する全国調査」=グラフ=
では、25〜34歳の独身男女の半数近くが、結婚できない理由について「適当な相手に巡り合わないから」と答えている。
図=25〜34歳の独身男女に聞いた結婚できない理由
写真=婚姻届を出してからちょうど1年を迎えた2人。出かけるときは手をつなぐ(神戸市内で)
紙面画像
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朝日新聞 2007年1月5日(金)夕刊3面
目指せマンガ外交 外務省、ポップカルチャー活用に力
麻生氏「力持つ文化味方に」 外交官、まず作品の「勉強」
若者を中心に世界中で人気が高いマンガやアニメ、音楽、ファッションなど日本が誇る「ボップカルチャー」を活用した文化外交
に外務省が本腰を入れ始めている。マンガ通で知られ、昨年の自民党総裁選で「オタク」の圧倒的な人気を集めた麻生外相の発案だ。
外交官たちはこうした世界と縁遠かっただけに、マンガ本片手に「意識改革]に懸命だ。 (阿部英明)
昨年7月にパリであった日本のマンガやアニメを紹介する「ジャパン・エクスポ」には3日間で6万人が集まり、フランスの主催者を
驚かせた。また、女性デュオ「PUFFY(パフィー)」をキャラクターにしたアニメ番組「ハイ ハイ パフィー アミユミ]は米国で
人気が爆発。日本の若者向けファッション雑誌もアジアを中心に売れゆきがいい。
日本語もブームだ。国際交流基金によると、90年に98万人だった世界の日本語学習人口は03年には235万人に増加。麻生氏は
「ゲームの攻略本で日本語を覚え、テレビから流れるアニメの主題歌も日本語なので、日本語に関心を持つ子供たちが増えてきた」
とアニメの効用を解説する。
こうしたソフト人気を「日本への関心」にどうつなげるか。外相の諮問機関「海外交流審議会」(会長・張富士夫トヨタ自動車会長)
のポッブカルチャー専門部会は昨年11月、文化外交への活用に関する報告書をまとめた。
具体的な施策として、若手アニメ作家らを海外に派遣する「アニメ文化大使」や、外国人作家を対象にした日本マンガ大賞」の創設
の早期実現を求め、07年度予算案では関連で1240万円が計上された。
大きな課題のひとつが民間との連携だ。民間側には、中国などで横行する海賊版対策や参入規制の解除などへの期待が高い。
同専門部会長の浜野保樹・東大大学院教授は「ボップカルチャーには毒もいかがわしさもある。政府が内容に□を出すのはよくない」
と注文をつけつつ、官民連携の必要性を指摘する。外務省は外交交渉などで知的財産権の問題を積極的に取り上げていく方針だ。
しかし、「子供の頃からマンガもドラマもあまり見たことがない」という人が目立つ省内ではポップカルチャーに疎い人がほとんど。
感性や情報量の「官民格差」は深刻だ。ある幹部は「民間と土台が違いすぎる」と、売れ筋のマンガ本を片っ端から読み始めることから
始めている。
麻生氏は「普通の人々の世論で一国の外交が大きく影響を受ける時代。大衆に浸透し、たくましい力をもつポップカルチャーを味方
につけたい」と、お気に入りのマンガを省内で薦める日々だ。
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朝日新聞 2007年1月5日(金)夕刊
カードゲームで歴史大好き 文教大が試作「幕末編」好評 事件や人物、対戦で学ぶ
子どもに人気のカードゲーム「遊戯王」のルールを取り入れた社会科の教材を文教大学(埼玉県越谷市)が作り、遊びながら歴史が
学べると評判になっている。勤皇側と幕府側に分かれて幕末を戦うカードゲームで、歴史嫌いでもすぐに入り込んでいけるのが特徴。
先月、大学が越谷市立の全小中学44校に寄贈、口コミで評判を聞きつけた市外の学校や保護者たちから問い合わせが相次いでいる。
考案したのは教育学部の中村修也教授(日本文化史)。もとは02年、同大付属小のサマーキャンプの教材として「子どもたちが覚え
たがるゲームを」と編み出した。
少年マンガを原作に、ゲームソフト会社「コナミ」(本社・東京)が発売した遊戯王カードに注目。ルールやデザインが遊戯王カード
に準拠しているためコナミに問い合わせたところ、教材で市販物ではないことから使用の了解を得た。社会、美術科の学生十数人が
作画に協力して戦国時代編を試作した。
今回寄贈したのは、03年に試作した幕末編。人物(戦士カード30枚、歴史上の事件などの特殊効果(戦術など)カード20枚ずつ2組の
計100枚で構成されている。
キャラクターの攻撃力や守備力を競い合って相手のポイントを奪い合う。例えば、勤皇側代表格の西郷隆盛と幕府側である新選組の
沖田総司は攻撃力が共に3千だが、守備力はそれぞれ1800、800と差がある。特殊効果カードのうち、「錦の御撰」カードは相手の手札
すべて破壊、また尊皇攘夷派を新選組が襲った「池田屋事件」カードは脱藩浪士の札をすべて破壊、といった効果をもたせた。
社会科は暗記科目として敬遠されがちだが、中村教授は「やり方次第で暗記は難しくない。人物の名前を覚えるだけでも、子どもの
興味関心につながります」。
「売っていないのか」「どうやれば手に入るか」など、市外の学校や保護者から問い合わせが寄せられている。製作には1千セットで
14万円かかっており、実費負担で配布できないか検討、コナミとも相談しているという。 (佐藤正人)
【写真】西郷隆盛、沖田総司、高杉晋作……。カードには学生たちによる絵が描かれている
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南日本新聞 2007年1月4日(木)夕刊6面
企画[GOWASS−盛り場]お帰りなさいませ、ご主人さま/「メード喫茶」、鹿児島お目見え=「照れ」の中、懐かしさ
■異世界の丁寧な“ご奉仕”で癒やし満喫
■「行ってらっしゃいませ、ご主人さま」
女性店員がメードの服装で接客する「メード喫茶」が十二月末、鹿児島市にオープンした。東京などでは男性を中心に客を魅了
しているといううわさを聞き、「ご主人さま」となるべく開店日に足を運んでみた。(取材・稲富大介)
この日、メード喫茶「シャルル」の前に、三人の男性が開店待ちをしていた。記者も列に交じる。通行人が店の看板とわれわれを
ちらりと見比べて通り過ぎる。気のせいか、その視線が微妙に痛い。
待つこと数十分。いよいよオープン。ずらりと並んだエプロン、レースのスカート、ハイソックス姿のメードが一斉に「お帰り
なさいませ、ご主人さま」(出た!)。予想はしていたものの、実際聞いてみるとかなり照れる。
落ち着きを取り戻したところで店内の様子を観察。メニューはドリンクやカクテルのほか、三色アイスなど。内装も落ち着いた
雰囲気だ。と思っていると、オムライスを運んできたメードがにこやかにケチャップで〓(白ハートのマーク)マークを描いた。
注文した客(正式にはご主人さま)は少し恥ずかしそう。
自身も着席し、コーヒーを注文してみる。「砂糖はおいくつ入れますか」に続き、ミルクを注ぎながら「ちょうどいい量のところで、
ストップとおっしゃってくださいね」と細かい気配り。少しぜいたくな気分だ。見慣れてくるとメード服にも違和感がない。
観察していてふと気づく。サービスを受けたり、趣味の話などをする客の姿から微妙に漂う「照れ」や「気恥ずかしさ」は、
どこか懐かしい感じだ。例えるなら「初対面の中学生男女」に似たうぶなムード。お水系の店とは違う、すれていない雰囲気も
メード喫茶の魅力なのだろう。
東京・秋葉原のメード喫茶に数回出かけた経験があるという姶良町東餅田のアルバイト、宮路博行さん(23)は「友達感覚で話せて、
とても楽しかった」とコメント。鹿児島市唐湊三丁目の大学生小畑智広さん(23)も「普段、ゲームやアニメの話題はなかなか切り
出せない。メード喫茶ならおたく趣味を発散できる」と満足そうだった。
ちなみに宮路さんたちは約二時間滞在。初対面の客同士三人で互いにメールアドレスを交換するなど、すっかり仲良くなっていた。
通常の喫茶店ではなかなか見られない過ごし方だ。
初日の仕事を終えたメードのゆかさんは「笑顔で接客を心がけました。メード服は実際着てみるとかわいい」。慣れない言葉遣い
など大変では? と思ったが、まいさんは「ご主人さま、という呼び方にも一日で慣れました」と話す。
興味深いメード喫茶の世界。店長の久保園拓さん(25)にインタビューしてみた。
―出店の動機は。
「私自身もともとアニメや漫画が好きで、メード喫茶でのアルバイト経験もある。出身地の鹿児島でやってみよう、と考えて決めました」
―メード喫茶の魅力とは何でしょうか。
「一言で言えば非日常な世界での『心のケア』でしょうか。メードたちの丁寧なサービスでぜいたく感を味わえるし、普段女性と
なかなか話せない男性も気軽に話しかけることができる。異世界だからこそホッとできる、癒やされる、という部分がありますね」
―「おたく」という言葉や存在をどう思いますか。
「特定の趣味の人たちを面白おかしく扱うのは悪い習慣、と思います。誰だって『おたく』の部分がある。特定のブランドを買ったり
愛用するのは『ブランドおたく』だし、ゴルフ場通いをするのは『ゴルフおたく』と言える。変なイメージを持たないでいいのでは
ないでしょうか」
居酒屋にせよ、喫茶店にせよ、安らぎを感じる店は人それぞれ。新しい形の癒やしを満喫できたと感じながら「行ってらっしゃいませ、
ご主人さま」と見送られた。
●メード喫茶「シャルル」
住所 鹿児島市中央町29の4 電話 099(258)6262 営業時間 平日は午後5−10時、土日祝日は正午―午後10時 年中無休(1月の開店は4日から)
※メードへのナンパや撮影行為は禁止。マナーを守って過ごしましょう。
中国新聞 2007年1月4日(木)夕刊2面
[新・東京絵図] 秋葉原 サブカルと電気の迷宮
改札口を出たら、フリルのミニスカートにエプロンを着けた女の子からチラシを渡された。駅前広場を見渡せば、そんなメード姿の
少女がちらほら。世界有数の電気街の訪問者は、ちょっと不思議なオタク文化で歓迎を受けることになる。
駅前の秋葉原ラジオ会館は、もともと電気関係の店が軒を連ねる理工系ビル≠セったが、今やサブカルチャーの拠点。
漫画のキャラクターをかたどった人形や服などを扱う店は終日、若い男性客でにぎわっている。
「こんにちは」。かわいい声で呼び止められたと思ったら、テレビアニメの仕業。美少女が描かれたポスターを男の子が食い入る
ように見つめる。ここでは仮想現実と日常が混じり合っている。
最新家電が並ぶ街なのに雑然とした雰囲気なのは、戦後、この辺りにラジオ部品を扱う闇市が広がっていたことと関係がありそうだ。
駅に隣接するラジオセンターは、当時の様子を今に伝える。
狭い通路の両側に、間口二メートルほどの店が肩を寄せ合う。祭りの夜店のような店構えの棚には色とりどりの電子部品がびっしり。
豆電球を見ていたら「安くしておきますよ」と店員が笑った。店員と客とのコミュニケーションが、ぬくもりを生む。
サブカルチャーと電気の迷宮をさまよい歩いて疲れた頭を冷やしに、万世橋へ。目の前のれんがの建物は旧万世橋駅。日本銀行本店や
東京駅などを設計した建築家辰野金吾が手掛けた。駅舎は後に交通博物館となり、長い間、鉄道ファンを集めたが、昨年五月に惜しまれ
ながら閉館。子どもたちに愛された入り口前の新幹線は覆いで隠され、寂しげだった。(小池真一=共同)
◇
最先端のスポットから情緒豊かな下町まで、東京のさまざまな場所を訪ね歩き、ゆかりの人の話題を交えて紹介する。
[お土産]
秋葉原で話題のファストフードは、おでんの缶詰=写真。中央通り近くのチチブ電機が自動販売機で販売し、口コミで人気が広がった。
「牛すじ入り」「つみれ入り」「がんも入り」の3種類。各270円で計810円。名古屋市の天狗缶詰製。
【写真説明】家電店のビルが林立する秋葉原駅前。メード姿もちらほら(東京都千代田区)
紙面画像
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up163215.jpg ※「河北新報」2007年1月4日(木)朝刊31面「新東京マップ/秋葉原/『オタク文化』が席巻」もこれと同内容の記事
読売新聞 2007年1月5日(金)東京夕刊13面
[深夜番組たんけん隊]「しにがみのバラッド。」 人の死に涙する死神
◇東京=月曜深夜2・00−2・30(初回の8日は深夜2・30−3・00)
原作はメディアワークス発行の「電撃文庫」に収録されている、人気の同名ライトノベルシリーズ。これまで、アニメやコミック
にもなっている小説を実写化した。主演は浜田翔子=写真右=。
主人公・モモは、髪から服まで雪のように白い死神の少女。人の命を奪う死神でありながら、対象となる人間とかかわろうとする
死神界の“変わり者”だ。そのモモが、仕え魔のダニエル(吉田里琴(りこ)=同左)とともに人間世界に降り、さまざまな人の
生死と向き合っていく物語。
浜田は、真っ白なカツラとワンピース姿という奇抜な装いをしている。ゲストにも、若手の男優や女優が多数起用されているせいか、
演技はどことなくぎこちない。それでも、人の生死をテーマにしたストーリーがしっかりしているため、30分はあっという間に
過ぎていく。「人の死に涙する死神」の活躍に注目したい。(律)
※「しにがみのバラッド。」実写ドラマ版HP
http://www.tv-tokyo.co.jp/shinibara/
『FujiSankei Business i.(フジサンケイ ビジネスアイ)』 2007年1月6日(土)3面
【検証アイ】めざせ観光大国 「100万人」官民一体で
■「日流」期待/広報役「アキバ」
日本を訪れる外国人の数が増えている。2006年の訪日外国人数は、前年の約673万人から57万人増え、730万人に迫る勢いだ。05年に
愛知県で開かれた愛・地球博(愛知万博)の反動はあまりみられず、政府が目標に掲げる「10年に1000万人」が視野に入ってきた。
もっとも、達成には毎年70万人の上乗せが必要で、予断を許さない。「観光立国推進基本法」が施行された今年、800万人代に乗せる
ことができるのか。
(中略)
≪無料ツアー人気≫
一方、九州とは違った形で観光客を集めているのは東京・秋葉原。電気街から「文化の街」に変貌しつつある中、1日以上かけて
秋葉原だけを見て回る外国人が増えているという。
近畿日本ツーリストは、外国人に日本への理解を深めてもらう一環として、秋葉原の名所を巡るガイド付きの無料ツアーを昨年から
不定期で開催している。訪れるのは、カプセル玩具の機械を集めた「ガシャポン会館」など。いずれも外国人になじみが薄い場所だ。
昨年は合計200人が参加した。
「クール・ジャパン(カッコいい日本)」の代表とされるマンガやアニメなどの日本文化は、多くの熱心な海外ファンを産んでいる。
こうしたファンは何度も来日し、日本の良さを海外に広めてくれる“観光広報大使”の役割も果たす。
昨年、東京・浅草の浅草寺でオープニングイベントを行った政府の短期キャンペーン「ようこそジャパン・ウィークス」は今年、
秋葉原の複合施設「秋葉原UDX」に舞台を移す予定。「アキバ」に集まる外国人観光客への訴求が狙いの一つだ。
政府が外国人観光客の呼び込みに本腰を入れ始めたのは、1990年代後半。03年には小泉内閣のもとで、外国人の訪日を促す「ビジット
・ジャパン・キャンペーン」がスタート、海外での宣伝活動などに力を入れ始めた。
そして今月1日には、関係省庁が連携して観光振興に取り組み、観光客の誘致目標などを策定するよう求めた観光立国推進基本法が
施行された。この動きに合わせ日本経団連は、複数の省庁に分かれている観光関連部局を統合し、「観光庁」を創設するよう政府に
提言する方針で、官民の足並みはそろいつつある。
日本経団連で観光委員長を務める江頭邦雄副会長(味の素会長)は、「人口減少社会に入った日本で海外からの訪問者を増やすことは、
産業・文化・安全保障のいずれの分野でも重要」と強調する。(後略)
(井田通人)
産経新聞 2007年1月6日(土)東京朝刊19面
ブログ「注目のことば」
ブログに書き込まれたことばに世相をみるNHKの「つながるテレビ@ヒューマン」。番組が昨年1年間をまとめたところ、ブロガーが
もっとも反応したのは、千葉の銚子電鉄がホームページで、「存続のためにぬれ煎餅(せんべい)を買ってください」と訴えた話題。
これで注文と激励が殺到した。メイドカフェの向こうを張った「執事カフェ」もそうかもしれないが、“変化球”気味のネタで盛り
上がることが、ブログの特性のようだ。こちらもマスコミでは大きく取り上げられなかった話題だが、漫画評論家でコミックマーケット
(コミケ)準備会の元代表、米澤嘉博さんの訃報も衝撃だったようだ。コミケに80年代から携わり、一大イベントに育て上げた。
教科書を塗り替える話題は、冥王星を惑星から外したニュース。そのほか、ミスユニバースコンテストで知花くららさんが2位に輝いた
ことや、各地で仏像が盗まれたニュース、戦後唯一の国産旅客機「YS−11」が国内の定期便から姿を消した話題なども関心を集めた。
◇
・銚子電鉄
・デーモン小暮閣下
・コミケを支えた男
・ターバン野口
・冥王星降格
・知花くらら
・のらペンギン
・仏像盗難
・執事カフェ
・YS−11
神戸新聞 2007年1月7日(土)
異色の「どろ」タッグ 映画どろろ&どろソース
史上初の「どろ」つながり-。「どろソース」を製造するオリバーソース(神戸市中央区)が、東宝系映画「どろろ」(二十七日から
全国公開)とのタイアップ広告を作った。テレビCMでは、映画主演の妻夫木聡さんが「どろろー」と叫ぶと、「違う違う!」の
突っ込みとともにソースの映像に切り替わる。担当者は「これぞ関西ノリで、インパクト大」とにやり。(中島摩子)
「激辛」が特徴のどろソースは、同社の主力商品。一方、手塚治虫原作の「どろろ」は、戦国時代に手足や目を奪われた「百鬼丸」が
自分の体を取り戻すため、こそ泥の「どろろ」と妖怪退治の旅をする物語だ。
CMは十九日までの妻夫木さん編、二月十九日までの中井貴一さんと中村嘉葎雄さん編の二種類。映画のシーンと、お好み焼きに
たっぷりかけたソースの映像、「どろどろどろろーの激辛はオリバーソース」のナレーションなどが組み合わされ、関西限定で流される。
「ソースと映画のタイアップは例がないはず」と、同社の段林洋一総務課長。新聞広告のほか、試写会場ではソースを配ってPRする
といい、「コテコテのソースにはベタな広告がぴったり。どろろ効果で売り上げアップを」と話している。
【写真】試写会で配るソースの試供品。二つ重ねると「どろ」が「どろ・ろ」に=神戸市中央区港島南町3
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20070105ddm005070016000c.html 毎日新聞 2007年1月5日(金)朝刊5面
社説:07年もっと前へ 日本経済 のど元過ぎればでは困る
◇危機意識の持続が必要だ(略)
◇円安バブルへの備えも(略)
◇グローバル化への対応
トップだった1人当たりのGDP(国内総生産)も順位がずいぶん下がってしまった。後ろ向きの対応から解放され、緩やかながら
日本経済は前に進んでいるとはいえ、危機感をなくしていい状態ではない。人口減少、高齢化に備えるには財政の健全化を先送り
することは許されない。
国際的な経済の連携の強化も重要だ。新興諸国と先進国の経済相互依存関係は日々深化している。高速回線が地球を覆い、世界的
規模で分業が進んでいる。それに備えると同時に食糧やエネルギーなどの資源確保のためにも、FTA(自由貿易協定)を推進したい。
企業がグローバルな競争を勝ち抜くには、事業集約のため再編が柔軟に行われる必要がある。証券市場の透明性の向上も課題だ。
個人に対しては変化する業務環境に対応し、問題解決能力の向上のためスキルアップが求められている。企業側も、こうした努力
には賃金面で報いるべきだ。
原宿ガールやアキバ系オタクなどへの海外からの関心は高く、アニメや漫画の競争力につながっている。 ←
一方、省エネでも日本は世界をリードしている。日本人のライフスタイルを世界に拡大することは地球環境問題に貢献することにもなる。
人口減少と高齢化が日本では進行するが、なすべきことはまだ数多い。それを着実に実行し、経済でも存在感を高めていきたい。
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=STXKE0259%2004012007&g=K1&d=20070104 日本経済新聞 2007年1月5日(金)朝刊42面
文化庁、アニメ・CG作家支援に4億円、若手の発掘・制作依頼。
文化庁は四日までに、アニメやコンピューターグラフィックス(CG)などメディア芸術の振興に向け、二〇〇七年度から、
若手作家の発掘や海外デビューの後押しに乗り出すことを決めた。
アニメは日本の優れた文化として世界中で親しまれており、同庁は「海外での認知度がさらに高まれば、輸出産業として
大きな経済効果も期待できる」とし、〇七年度政府予算案に関連経費四億四千万円を計上した。
若手支援はアニメやCG、ゲームのプログラムなどが対象。学生コンテストで入賞したり専門家から推薦を受けた作家を
対象に数人選び、各三百万円程度の予算で新作の制作を依頼する。
また、同庁が毎年実施している「メディア芸術祭」の展示規模も拡大し、国内外の学生や若手作家による国際的な共同制作
など新たな企画に取り組む。優秀作品は欧米や韓国の芸術祭にも積極的に出品する計画だ。
このほか、メディア芸術の動向に関するホームページ充実や、各地の美術館や芸術系大学同士のネットワークを強化し、
日本をこの分野の国際拠点とすることも目指す。
http://www.seidosha.co.jp/index.php?%BE%BE%CB%DC%C2%E7%CD%CE 『ユリイカ』2007年1月号(2006年12月発売)
特集*松本大洋
【Walk on the wild side...】
ハードボイルドまんが道をゆく / 松本大洋+高野文子
【少年たちの風景】
松本大洋という深い海 / 松本隆
僕の中の『鉄コン筋クリート』 / 奈良美智
余白、想像について / 後藤正文
【タイヨウの軌道を追って】
男の都 / 三田格
拳と花 松本大洋 『ZERO』 について / 石岡良治
追想の捕球法 『花男』 論 / 細馬宏通
パラダイスなんて存在しないし、ヒーローもいない / 仲俣暁生
ユートピアを開く力学 / 中田健太郎
ペコの左手アクマの右手 松本大洋 『ピンポン』 における超越と内在 / 高橋明彦
『日本の兄弟』をめぐるノート、もしくは架空の短篇作品「泄(こぼれ)」のために / 前田塁
ノスタルジアというモンスター 『GOGOモンスター』 試論 / 目黒強
獣と鎖 『ナンバーファイブ』 の終わらない完結について / 大鋸一正
【アニメ映画 『鉄コン筋クリート』 をめぐって】
アニメは宝町を疾走する / マイケル・アリアス+五十嵐大介
【変化し退化し進化するマンガ】
「愛の風景」の回復のために / 斎藤環
寓話とアニメーションの間で 映画 『鉄コン筋クリート』 はなぜ分かりやすいのか / さやわか
少年マンガは終らない 『ドラゴンボール』 を副読本に 『ピンポン』 を読む / 金田淳子
【松本ワールド讃】
トリビュート・トゥー・ナンバーファイブ / 小林エリカ
【資料】
松本大洋全著作解題 / 斎藤宣彦+横井周子
>>217 http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007010500116&genre=G1&area=K1C 京都新聞 2007年1月5日(金)
妖怪「ワカモノ」? 寺町に出現 京都造形芸大生が自作キャラ掲出
自作の妖怪キャラクター百体を使って若者文化を発信する京都造形芸術大(京都市左京区)の学生プロジェクト「百鬼若行(じゃこう)」
が5日、中京区の寺町京極商店街で行われた。買い物客らは柱に張り付けられたキャラクターを楽しそうに眺めた。
同大学情報デザイン学科2年生9人が「オタク」や「茶髪」など若者を連想させるキーワードをもとに百体のキャラクターを作り上げた。 ←
寺町京極商店街振興組合の協力を得て、商店街の柱80本に体長50−100センチの平面の妖怪キャラクターを掲げた。
古着店の柱では、自己流でおしゃれをする「アメ子」、ドーナツ店では甘いもの好きの「スウィーちゃん」を登場させるなど、
店の特色に合う展示にした。買い物客は不思議そうに見つめ、説明板を読んで若者の風俗や考え方を理解しようとしていた。
上京区の会社員溝邦郎さん(27)は「やや派手だが(若者の在り方を)皮肉った感じがして面白い」と話した。
メンバーは午前10時から午後8時まで三条通と四条通の入り口に分かれ、チラシを配ってPRした。井階麻未さん(20)は「これを機に、
グッズ作りやアニメ製作につなげたい」と意気込んでいる。
【写真】京都造形芸術大生が作った若者文化を象徴する妖怪キャラクターを眺める通行人(京都市中京区・寺町京極商店街)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/premium/20061227/116260//?ST=pcam2 『日経ビジネス』2007年1月8日号 p.40〜46
特集−もう止まらない 東京大膨張 列島再編 最後のシナリオ−3部−転の巻
「東京人誕生」 故郷には帰りません 本誌読者2万人が明かす「やっぱり東京」
東京って何。こう尋ねると2万人を超える読者から回答を得た。
好きで嫌い。好きじゃないけど離れられない…。
地方の問題は、もはや単なる経済力では説明できない。
東京の妖しい魅力はどこに。「素顔の東京人」を追いかけた。
注:2006年10月下旬に日経ビジネス読者などにウェブで告知、2万416人から回答を得た。このうち首都圏(東京、千葉、埼玉、神奈川)
居住者は1万354人。回答者の平均年齢は44.2歳
写真上から「中央線で帰宅する人で込み合う新宿駅」「早稲田大学演劇研究会の稽古風景」「転職者が多いタクシー運転手」
「江東区豊洲に生まれた高層マンション地域から眺める都心」「道行く人にチラシを配る秋葉原メードカフェの店員」
紙面画像
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up164107.jpg (中略)
素顔の東京人3 大塚健氏 ケイ・ブックス会長
乙女の妄想を市場に膨らませた男
「ヨン様ファンと一緒です。そんなに他人に吹聴はしないかもしれませんが、後ろめたいという感覚もないでしょうね」
東京・池袋の高層マンションの最上階。優しく世話を焼く妻を傍らに、大塚健氏(41歳)が女の子のオタクについて話し出した。
この人、東京・池袋にマンガやアニメが好きな女の子が集う「乙女ロード」なる楽園を作り出した張本人である。
秋葉原には男のオタクが集まるが、この池袋には女のオタクが集まる。自分のことを「腐女子(ふじょし)」などと卑下してみせる
彼女たちのお目当てが、大塚氏が経営する女性向け同人誌の専門売り場「K-BOOKS池袋同人館」だ。
「女性向けの中古同人誌を専門に扱うような書店はどこにもなかった。当時は狭い世界でしたが、ここにしかないので最初から
結構売れました」と、大塚氏は事もなげに語る。
在庫が20万冊はあるという池袋同人館。土日ともなれば、福島や茨城などの国内各地はもちろん、中国、韓国からも乙女たちが
集まってくる。年齢層も10代から30代ぐらいまでとなかなか幅広い。
同人誌というのは、マンガのキャラクターやアイドルを素材に、男性キャラクター同士の恋愛など、独自のストーリーを描く
自費出版物のこと。物分かりの悪い大人ならきっと顔をしかめるような、露骨な性描写も描かれる。絡み合うのは男同士だ。
「なぜ、こんなものを見たがるのか」。ぶしつけな質問に池袋同人館の大熊るみ子店長(29歳)が丁寧に答えてくれた。いわく、
乙女たちは好きなマンガのキャラクターについていろいろな妄想を膨らませている。その妄想と同人誌で描かれている世界が重なった
時に、「あー、やっぱりそうだよね」という共感と喜びを覚えるのだと。なおも首を傾げる記者に、大熊店長がすげなくこうつけ加えた。
「彼女たちの気持ちは分からないだろうし、分かってほしいとも思ってませんよ」。
大塚氏は20代の時に東京・巣鴨に店を開き、1日の売り上げがわずか2000円の店を人気店に育て上げた苦労人でもある。同人誌を
扱い始めた当初、相場が分からずに大量の中古品を高値で買い取ってしまった。しかし、その失敗のおかげで、潤沢になった在庫
目当てに訪れる客が増え、店に行列ができるまでになった。池袋に移ったのは1994年。売上高は25億円(2006年10月期)にまで伸びた。
プロの作家の半分程度は同人誌での執筆経験者というから、同人誌も侮れない。乙女の妄想に鍛えられた作家たちが、世界に聞こえた
日本のマンガやアニメを支えている。
今は病を患い、自宅から出られないという大塚氏。「お客の声だけを参考に店作りを進めてきた」と自負する彼は乙女ロードを
見下ろすマンションの一室で、乙女の胸のうちに思いを馳せ続けている。
東池袋のK-BOOKSには海外からも中古同人誌を求める乙女たちが集まる(後略)
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東奥日報 2007年1月6日(土)朝刊16面
ラッパー・SEAMOさんから新成人へ/辛抱強く。チャンスは絶対に来る。/熱中できることを続けて
切ない恋愛からサッカー、ギャンブル、政治腐敗まで、幅広い素材を独自のヒップポップに昇華させ、若者から絶大な支持を得る
ラッパーのSEAMOさん。自分の二十歳のころを振り返りながら、新成人への思いを語ってもらった。
SEAMOさんは現在三十一歳。若者には「世の中って、うまくできている」と伝えたい。
「嫌なことや苦労したことは、いずれ帳尻が合うと思います。どこかに物事を好転させる糸口はあるし、チャンスは絶対に来る。
アイドルの追っかけでも、オタク的な趣味でもいい。ポリシーを持って熱中できることを続けてほしい」 ←
こう断言できるのは、継続することで得た確信があるからだ。
二十歳のときは大学生だった。授業には出席せず、ヒップホップがかかるクラブやダンスイベントに夜な夜な繰り出した。
「シーモネーター」と名乗って活動を始めたのはこのころ。「下ネタ」をもじった名前に象徴されるパフォーマンスや歌詞は、
自分を格好良く見せる「クールさ」を押し出すヒップホップの中にあって、異質だった。
「人と違うことをしようと考えてやっているのに、うまく伝わらなくて、“色物”扱いされた。劣等感はありましたね」
▼メジャーで失敗
風向きが変わったのは二〇〇〇年を過ぎてから。スタイルを貫くことで、一緒にイベントをやりたがる仲間が増え、ひとつの勢力に
なっていく。「自分はオンリーワンなんだ」「世の中に生きていることの証しを示したい」という真っすぐな思いが実りつつあった。
だが、〇二年にメジャーデビューして「失敗」。業界では「あいつは終わった」という声が聞こえてきた。同じ名古屋出身の後輩
ラッパーたちが成功していった。「自分に何が足りないんだろうと、分からなくなっちゃった。悔しい気持ちはいっぱいあった」
一方で「自分の方が勝っているポテンシャル(潜在能力)はある」と思えた。ついてきてくれるファンもいて、腐らず地元でライブを
続けることができた。そして〇五年、シンガー・ソングライターさだまさしさんの「関白宣言」を大胆にリメークした「関白」がヒット。
昨年末には、NHK紅白歌合戦に初出場を果たした。
▼赤裸々さが共感呼ぶ
「男塾」シリーズなど硬派の漫画を愛読する。SEAMOさんが考える「おとこ気」とは「辛抱強いこと」だ。「(成功したのは)歌の
センスがあったとか、顔が良かったとかではなくて、キャリアを続けてきたから。打たれ強いことが僕の特殊スキルかな」
大ヒット曲「マタアイマショウ」をはじめ、他者への深いいたわりを感じさせる歌詞が多い。「ヒップホップの世界では格好良い人は
いっぱいいます。僕は自分が泣いたりへこんだりしたこともさらけ出して、シンプルに表現していきたい。格好付けない格好良さという
のもあるはず」。その赤裸々さが共感を呼ぶ。
年齢とは別に、いつ“成人”したと思うか尋ねてみた。返ってきたのは「子供のハートを残しておきたい気分もある。今でも年々
大人になっているのだと思います」という答えだった。
シーモ 1975年愛知県生まれ。95年、名古屋市でシーモネーターとして音楽活動を始め、2005年にSEAMOと改名。最新アルバムは
「LIVE GOES ON」。
朝日新聞 2007年1月7日(日)朝刊1面
(ロストジェネレーション 25〜35歳:6) 起業世代 ネット黎明期、開拓しかなかった
(前略)
オン・ザ・エッヂを辞めてしばらくしてから、有馬さんは小さな会社を立ち上げた。
携帯電話で遊ぶことのできる女性向けのゲーム「マージナルプリンス」を作った。イケメンの声優と、2次元の美少年キャラが、
女性たちの心を癒やす。
たとえ空想の世界でも、女の子にとって、ときめきは大切だ、と思う。携帯ゲームを元にアニメ化、小説化され、ゲームユーザーは
5万人に達している。
自分の作ったゲームが、ほんの少し、人を幸せにする。携帯端末を通じて、わずかでも社会に貢献できることが、今の有馬さんに
とって何よりもうれしい。
これからもきっと、この世代は先頭を走り続けていく。 (真鍋弘樹)
【写真】開発したゲームのキャラクターと写る有馬あきこさん。「会社はモノ作りこそ原点だと思う」=東京都渋谷区で、戸村登撮影
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朝日新聞 2007年1月8日(月)朝刊1面
(ロストジェネレーション 25〜35歳:7) 難婚世代 年収・趣味、合わないなら1人で
(前略)
男性 31歳
横浜市 契約社員
<理想の結婚相手>
趣味を認めてくれる人。それが最大の条件。
自宅アパートのコタツに座れば、手が届く距離に、何体ものフィギュア(人形)が並ぶ。枕元には300冊の同人誌や漫画が積み上がる。
この運送会社の契約社員は、「アキバ系オタク」を自認する。眼鏡をかけたキャラクター「メガネっ娘」のブログや同人誌までつくる
趣味の充実ぶりと裏腹に、実生活は厳しい。夜勤仕事の契約は半年更新で、月収は手取15万円を切る。
大学院で研究職を目指したが、2年前に断念した。オタク度が加速したのはその頃からだ。
両親は、息子の秋葉原通いを知らない。アパートの家賃6万円は、いまも親が払っている。
父は昨年、定年退職した。母からは「早くちゃんとした就職をして」と頻繁に電話がかかる。
年金生活になる親に、いつまで頼れるのか。
先の見えない不安を忘れられるのは、「オタク文化の聖地」アキバがあるから。月4度は通い、メード喫茶に1日に2、3回足を運ぶ。
学生時代は彼女もいた。結婚はしたいが、それほど強い願望はない。
「生身の人間はゲームと違って思い通りにならない。専業主夫になっても構わないけど、趣味は一切ダメと言われたら結婚はあきらめます」
40年後の自分。ヘルパー全員がメード服を着た老人ホームで、介護されている様子が目に浮かぶ。
家族と一緒にいる自分の姿は、想像できない。
雇用者の4人に1人が非正社員という世代。男女の思い描く未来の姿が、まじわらない。 (中村真理子、清川卓史)
【写真】自室にあふれるフィギュア。「この居心地良さを失ってまで女性とつきあいたいとは思わない」=横浜市で、戸村登撮影
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http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070109-OHT1T00058.htm スポーツ報知 2007年1月9日(火)
ジブリ洋画アニメ進出…渋谷に専門映画館
宮崎駿監督(66)の作品で世界的に知られるスタジオジブリが、洋画アニメの配給に本格進出することが8日、分かった。
ロシアのアニメ映画「春のめざめ」(アレクサンドル・ペトロフ監督)を、東京・三鷹の森ジブリ美術館第1回提供作品として
3月17日に公開する。ジブリの鈴木敏夫プロデューサー(58)は「新旧の作品を織り交ぜて紹介したい」と春、夏、冬の長期休暇に
合わせて世界のアニメを配給することに。また、東京・渋谷のシネマアンジェリカを「ジブリ専門劇場」とする新プランも明かした。
スタジオジブリが本格的に洋画アニメの配給に乗り出す。「老人と海」(99年)が米アカデミー賞短編アニメーション部門に輝いた
アレクサンドル・ペトロフ監督の「春のめざめ」をその第1弾として、3月17日に東京・渋谷のシネマアンジェリカで公開。
三鷹の森ジブリ美術館配給となる。
鈴木敏夫プロデューサーは「美術館の仕事として普及、啓発活動がある。その一環で、世界のアニメを紹介したい」と配給に踏み
切った経緯を説明する。きっかけは、昨夏ジブリが全面協力して封切られた「王と鳥」の成功。単館でのスタートながら全国に広がり、
約2万人を動員するヒットとなった。
「このまま終わらせるのはもったいない。温かさが残るうちに引き続きやりたかった」と鈴木氏。宮崎駿監督と親交のある巨匠
ユーリー・ノルシテイン監督の教え子ペトロフ監督の作品に決めた。油絵タッチの独特の映像美の作品だ。
今後、春、夏、冬の長期休暇に合わせて公開予定。夏の第2弾は「キリクと魔女」(日本公開03年)でおなじみのミッシェル・オスロ
監督の最新作「アズールとアスマール」(仏アニメ)を予定。さらに「王と鳥」を上映したシネマアンジェリカを「ジブリ専門映画館」
と位置づけ、定着を狙う。
世界のアニメの名作が次々に楽しめる仕組みだ。鈴木氏は「今はビデオで何でも見られる時代。でも、あえて良い作品を本来の大きな
スクリーンで見てほしい」。将来的には、外国人のアニメ監督にジブリ作品を製作してもらう計画もある。宮崎監督の次回作も待たれるが、
海外に目を向けた壮大な夢は尽きない。
◆ジブリ美術館で特別展示も開催 公開に合わせ、三鷹の森ジブリ美術館のギャラリーで作品の特別展示も開催する。
現在、「春のめざめ」の絵の選定段階。この仕事を請け負っているのが、昨年「ゲド戦記」でデビューした宮崎吾朗監督(39)。
今は「美術館館長付」という肩書で監督後の“初仕事”だ。
http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=AS1D0500W%2005012007 日本経済新聞 2007年1月8日(月)朝刊
若者向け書籍強化、小学館はイラスト付き小説
小学館やソニー・ピクチャーズエンタテインメントなどが10―20代を対象にした書籍事業を強化する。小学館が今春、イラスト付き
小説「ライトノベル」に本格参入。ソニー・ピクチャーズは携帯電話を使って書いた小説で新人作家を発掘し、書籍化する。
書籍市場の長期低迷が続くが、ファンタジーやSF、恋愛などを題材にした若者向け書籍はここ1、2年急成長して、3000万部市場とも
いわれる。ネットや携帯電話に慣れた10―20代向けの書籍で市場を開拓する。
小学館は今年春、中高生向けの文庫シリーズを創刊する。男子向け「ガガガ文庫」と女子向け「ルルル文庫」で、価格は1冊
500―600円を想定している。男子向けではエンターテインメント、女子向けではファンタジー色を打ち出し、イラストを多用する。
発行点数は未定だが、新人作家も発掘して新ジャンルに育てる。同社にとって新文庫の創刊は1997年の「小学館文庫」以来10年ぶり
になるという。
ライトノベルに2004年に参入した学習研究社は現在の約30作品に加え、07年度に20―25作品を新規発行する計画。「主人公の
キャラクターを使ったビジネスの可能性も広がる」(エンタメライフ出版事業部)としている。
http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/070109/jkn070109002.htm 産経新聞 2007年1月9日(火)
宇宙戦艦ヤマト“漂流” 著作権どこに
人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」の著作権はどこに? 同作の著作権は東北新社(東京都港区)が所有しているとされており、グッズの
製造・販売に関しては同社が許可を与えていたが、東京地裁(清水節裁判長)で「同社にヤマトの著作権はない」との判決が言い渡され、
アニメ関係者を驚かせている。同社は控訴した。ヤマトはいまだにファンが多く、関連商品も発売されているだけに、今後の裁判の
成り行きは注目を集めそうだ。(半田泰)
「とまどっている」
判決は昨年12月27日に出された。パチンコメーカーの三共(群馬県桐生市)が製造・販売したパチンコ機「CRフィーバー大ヤマト」
などについて、東北新社が著作権を侵害されたと主張し、損害賠償の支払いを求めていた。
東北新社は平成8年、宇宙戦艦ヤマトの元プロデューサーとの間で、約4億5000万円で著作権譲渡の契約を締結。文化庁にも著作権登録
している。
著作権法では、映画の著作権はスタッフとの契約、資金調達などを自己責任で行った製作者(プロデューサー)に帰属すると規定
されている。訴訟では、元プロデューサーが宇宙戦艦ヤマトの著作権を持っていたか−という譲渡契約の根本が争点になっていた。
判決は「元プロデューサーは個人の責任でスタッフとの契約などをしていない」と認定。その上で、元プロデューサーは著作権を
持っておらず、著作権譲渡契約は成立していないと判断し、東北新社の請求を棄却した。
判決を受けて東北新社側は「とまどっている」と驚きを隠せない様子。年明けの5日に控訴した。
“漂流”する著作権
宇宙戦艦ヤマトの著作権が法廷で争われたのは今回が初めてではない。
作品中、「監督」と表示された漫画家の松本零士さんと元プロデューサーとの間で11年から15年まで、東京地裁と高裁で“法廷闘争”
が繰り広げられた経緯がある。
地裁は「松本さんは作品の一部に関与したに過ぎない」として、著作権は元プロデューサーにあると判断。松本さん側が控訴し、
高裁で係争中に(1)宇宙戦艦ヤマトは2人の共同著作とする(2)キャラクターやメカニックデザインの著作権は松本さんにある−
との内容で和解が成立した。
この和解に際し、すでに著作権譲渡契約を結んでいた東北新社は「和解は2人の間以外に影響を与えるものではない」とのコメントを
発表。今日まで、著作権はあくまでも同社に帰属するとの立場を取っている。キャラクター商品の製造・販売に当たっては、同社の
許可を得るのが一般的になっていた。
「話し合いたい」
12月の東京地裁判決は、宇宙戦艦ヤマトの著作権がどこにあるのか判示していない。訴訟で三共側の補助参加人だった松本さんは
「私がいなければアニメは1コマも存在しなかった。著作権は当然、私にある」と話す。
元プロデューサーが著作権を東北新社に譲渡していたことは知らなかったという松本さんは、「作品の権利関係の争いはあほらしい」
と、今後は東北新社と著作権について弾力的に話し合う考えを示している。一方、「まとまらなければ、キャラクター使用の差し止め
請求もあり得る」とも話している。
アニメ関係者は「宇宙戦艦ヤマトは潜在的なファンが多い。著作権の所在がはっきりしないと、グッズを販売するときに誰に許可を
得ればいいのか分からなくなり、メーカーは混乱する」と指摘し、事態の早期収拾の重要性を訴えている。
http://www.sankei.co.jp/culture/enterme/070103/ent070103000.htm 産経新聞 2007年1月3日(水)
携帯で漫画ブーム 料金定額制、女性読者後押し
漫画を携帯電話で読む人が増えている。ケータイ世代と漫画の読者層が合致し、電子書籍の中では最も勢いのある市場に成長。
大手出版社も内容の充実に力を入れ始めている。(上塚真由)
12月22日、集英社は自社の携帯サイト「集英社マンガカプセル」で「DRAGON BALL」など「少年ジャンプ」の17作品の配信を始めた。
コミックでは白黒だった漫画をカラーで配信しているのが最大の特徴だ。現在は20%がカラー化だが、ライツ事業部コンテンツ企画室の
関谷博さんは「海外に輸出するためにはカラー化は必須」と海外市場を見据える。
講談社も、10月からの「モーニング」代表作品に続き、1月には「アフタヌーン」の配信もスタートする。携帯電話の小さい画面で
漫画を読ませる方法は、コマごとに切る「紙芝居方式」が主流だが、同社は1ページを上下左右に追う「スクロール方式」にこだわる。
この方式で、「20ページを制作するのに1週間かかっていたのが1日で作れるようになった」(デジタル編集局モウラ部次長、吉沢新一
さん)という。
また小学館でも約2万点をデジタル化する計画を持っている。
情報技術関連出版社のインプレスR&Dの調べでは、昨年度の携帯向け電子コミックの市場は約23億円。今年度はさらに拡大する見込みだ。
人気の背景には、携帯電話のパケット定額制が定着したことがある。定額制で契約すれば、通信料を気にせずに会員料金(月額300円
程度)だけで漫画が読める。
ブームの柱になっているのは女性読者だ。国内最大の携帯漫画サイト「コミックi」を運営するNTTソルマーレのモバイル事業本部、
小林克之さんは「当初は男性読者を想定していたが、ふたを開けてみれば6割以上が女性。就寝前に友人に携帯メールを送る際、漫画も
読む人が多いようです」と話す。男性同士の恋愛を描いたボーイズラブなど、書店では手に取りにくい作品を周りの目を気にせず読める
手軽さが受けているという。
ほかに講談社では、携帯サイトからパソコンサイト、紙媒体へと、人気によって移行させる新たなビジネスモデルも作りだしている。
「携帯電話だけでなく、パソコン、ゲーム機器などにも対応できる」(小学館)ことも漫画の強みの1つ。出版不況が叫ばれる中、
漫画を取り巻く風景は変わりつつある。
【写真】海外でも大人気の「DRAGON BALL」も携帯で登場(C)鳥山明・バードスタジオ/集英社
日刊工業新聞 2007年1月1日(月)34面
新産業育成で広がる地域創造
全国の主要自治体が新産業の育成に力を注いでいる。バイオ、ナノテクノロジー、ロボット、燃料電池、コンテンツ、健康・福祉など、
これから大きな市場拡大が見込まれる有望な産業・企業を積極的に誘致・支援し、地域の活性化や産業振興に役立てようという戦略だ。
高齢化や人口減少への危機感が高まる中で、従来型の産業構造を転換し、成長産業へのシフトを加速する動きは今後さらに活発に
なりそうだ。先進的な各地の自治体や地域の取り組みを追った。
(中略)
【京都/マンガミュージアム】
世界中で高い評価を受ける日本の「MANGA」。京都市はマンガを有望コンテンツ産業として育成する。その中核を担うのが、06年11月に
開館した総合マンガ博物館「京都国際マンガミュージアム」(京都市中京区)。マンガ学部を設置する京都精華大学と市の共同事業で、
江戸時代以降の国内外20万点に及ぶマンガ関連の資料を保有する。開館半月で入館者が1万人を超えるなど、順調にスタート。4月から
マンガ研究者対象の会員制度も発足する。
同ミュージアムでは新産業創出機能も持たせ、版権管理が徹底されていないマンガの権利保護の研究を進める。個々のマンガの状況を
整理し、地元企業などと連携して版権切れマンガのキャラクター商品なども開発する。企業や伝統産業などをマンガ表現で紹介する
ビジネス創出も目指す。
マンガを扱う図書館の増加に対応し、収集や専門知識を持つマンガ司書を育成する。マンガの分類方法が確立されてないため、基準
確立と資格化も検討。知識の判別基準としてマンガ検定創設も視野に入れている。このほか、マンガ工房の誘致やシナリオライター、
版権を管理するエージェントなどの育成も行う。
08年に京都市で世界中のマンガ家らが集う「国際マンガサミット」の開催も決定している。市では都市戦略として、マンガ産業の
クラスター形成を目指す方針だ。(後略)
読売新聞 2007年1月8日(月)大阪朝刊30面
各国の漫画事情、ちばてつやさん語る 京都・中京で講演会=京都
著名な漫画家による連続講演会「ミュージアム発・マンガの未来へ」が7日、中京区の京都国際マンガミュージアムで始まり、
初回は「あしたのジョー」などの作品で知られるちばてつやさん(67)が「マンガと国際交流」をテーマに、各国の漫画事情など
について語った。
ちばさんは「海外でMANGAという言葉がすでに通用する。習慣や宗教が違うが、同じところで感動する。言葉は違っても漫画で
交流できる」と強調。来年に京都市で開かれる「世界MANGAサミット」について「市も協力してくれるので心強い。有意義な交流が
できると思う」と期待した。
中国新聞 2007年1月8日(月)朝刊5面
日本漫画 伊に浸透 「大人・女性層も読者に」 ボローニャの出版社 紹介10年
イタリアでも漫画文化は確実に広がっている。ローマやナポリなどではコミケ(コミックマーケット)の小型版が開かれ、読者層は
拡大している。日本漫画を紹介して十年になる出版社カッパ(ボローニャ市)を訪ねた。
南Q太、鬼頭莫宏、やまじ・えびね、安野モヨコ、五十嵐大介…。カッパ社によるイタリア語訳の漫画シリーズには、個性的な漫画家
がそろっている。
「イタリアでは日本の漫画=子ども向けと思われている。それをこのシリーズで大人のものにしたいのです」
編集責任者のアンドレア・バリコルディさんはそう話す。シリーズは一昨年から発刊し、現在十四冊。特に、片山恭一原作の「世界の
中心で、愛をさけぶ」はヒットし、読者を大人にまで広げるのに一役買った。
十五年前は十五―二十歳だったイタリアの漫画読者層は、今は七―四十歳まで広がったという。女性ファンも増えた。
「九〇年代初めの人気ジャンルは男性が好きなアクションもの。『女は漫画を読まない』という常識があったが、日本の少女漫画を
出すと女性も読み始めた。今、読者の半分は女性です」
一九六八年生まれのアンドレアさんは、日本の漫画をイタリアで初めて紹介した別の出版社に入社。仲間四人で「マンガジン」
(マンガ+マガジン)という雑誌を出した後、九五年に独立しカッパ社を作った。今は月に二十冊前後の漫画を出版。そのほかに、
水木しげるの「日本妖怪大全」のイタリア語版、日本文化の紹介本なども出している。
イタリアの漫画出版を広げたカッパ社の功績を認めたボローニャ市は、昨年十一月に開いた同社の創立十周年祭を共催。
漫画家も参加しての宝探しやトークなどに市の内外から多くの若者が集まった。(ボローニャ共同)
伊拠点に翻訳や執筆 市口桂子さんに聞く 感情の描き方受けた
日本漫画のイタリア語訳、イタリア語での漫画執筆、日伊語で相手の国の文化を紹介する本の出版など、ボローニャを拠点に
ユニークな活動を続ける市口桂子さんに話を聞いた。
―もともとイタリアの漫画はどんな状況だったんですか。
子どものためにはディズニー漫画が、男の子のためには西部劇などを素材にした活劇漫画がありました。女性を対象とした漫画が
なかったところに、二〇〇〇年前後に日本の少女漫画がどっと入ったんです。
―日本漫画は社会に認められた?
昔は日本漫画=ポルノというイメージで、十三年前にテレビインタビューで「君もポルノを書くの?」と聞かれました。
今はそういうことはありません。
―日本漫画のどこが受け入れられたのでしょう?
「日本漫画は感情を描いてくれている」と言われたことがあります。たしかにキャラクターの感情に移入して読む。それに比べ
イタリア漫画は、日本人の私の目には淡々としたストーリーで、「うおーっ」という感情の爆発がないように見えることが多いですね。
―イタリアには漫画の描き方を教える学校もありますが。
日本に行って漫画家になりたい、という人はホントに多いです。でも、まず言葉の問題があるし、日本の漫画業界のすごさは
イタリア人の想像を絶するところがあると思うし。わたしは「やめといたら」と忠告しています。(ボローニャ共同)
いちぐち・けいこ 1966年大阪府生まれ。著書に「ローマ・ミステリーガイド」、訳書に「メディチ家の墓をあばく」など。
カッパ社との仕事も多い。ボローニャ在住。
【写真説明】カッパ社編集責任者のアンドレアさん。社内は漫画本であふれている(共同) ※アンドレア・バリコルディ
【写真説明】市口桂子さん(漫画家)
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北海道新聞 2007年1月10日(水)夕刊11面
異星人の悲しみ いじめと重ねて ウルトラマンのDVD 授業に 苫小牧の中学教諭 原因や止め方問う
【苫小牧】円谷プロ(東京)が制作した巨大変身ヒーロー「ウルトラマン」シリーズのDVD観賞を通じ、苫小牧・緑陵中の国語教諭
神谷和宏さん(33)が、授業で生徒たちに「いじめがなぜ起こるのか」を問い続けている。社会の不条理を描き、善悪だけでは
割り切れない現実を反映した作品が、子どもたちの心に響く。
神谷さんは駒沢大文学部に在学中だった二十歳の時、ウルトラマンの脚本に関心を持ち、研究を開始。教諭になって間もなく授業で
扱うようになった。当初は、周囲から特撮物を授業に使うことに反発もあったが、「生徒たちの自主性でいじめをなくしてほしい」
との思いで続けてきた。
授業でこれまで取り上げたのは、地球人と容姿が異なっていたため人間に殺された「宇宙調査員メイツ星人」、地球で暮らす異星人
としての寂しさに耐えられず死んだ「マゼラン星人マヤ」、宇宙飛行士が母国から見捨てられたことを恨み怪獣になって地球に帰還した
「棲星怪獣ジャミラ」などだ。
この授業は半年に一度行われ、生徒たちには好評という。神谷さんは「ウルトラマンは、社会の問題を異星人などに置き換え、
秩序の象徴であるウルトラマンと戦わせながら、原因を説明している」と話す。いじめをやめるよう訴えるには適切な題材が多いという。
昨年暮れの授業では、一年生にウルトラマンマックス「第三番惑星の奇跡」を紹介。加えられた攻撃と同じように反撃する怪獣が
登場した。神谷さんは「他人への攻撃は必ず自分に返ってくる。先輩から受けた嫌がらせを後輩にもしていたらいじめは続く。
食い止めるにはどうしたらいいのか」と問いかけた。
生徒たちは質問を真剣に受け止め、小笠原真二君(13)は「大人からいじめが悪いと言われてもピンと来ない。でも、ウルトラマンを
見ると、いじめの陰湿さが伝わってきた」と感想を話した。
【写真】神谷和宏さん
【写真】いじめ防止のための「教材」として使われているウルトラマンのDVD=札幌市中央区のゲオ狸小路店
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京都新聞 2007年1月9日(火)夕刊10面
拝啓ヒーローさま(4)1、2、3、いきまーす、ダー ガンダムのみなさんへ アントニオ猪木さんへ
強いあなたが好きです。でも、くせのあるあなたがもっと好きです。人生観まで変わってしまいました。心酔するとは、まさに
このことです。
ガンダムのみなさんへ
安部一郎 41歳 京都国際マンガミュージアム
これって運命 仕事やめました
壮大な宇宙が舞台のアニメなのに、妙な人間くささがある。登場人物の善悪がはっきりしているわけでなく、ロボットに乗っていない
とだらしなかったりする。思想や主義の違う人間同士が戦うリアル感が魅力です。
高校時代は、アニメの劇場公開に三日前から並びました。見ず知らずの先頭集団二十人ほどと「自治組織」をつくり、劇場前に並ぶ
ルールも作りました。社会人になってからは「静かなファン」だったけど、三年前に偶然、京都精華大の担当者から、マンガミュージアム
の構想を聞いた時、あの当時の高ぶりを思い出しました。迷わず仕事をやめて大学に飛び込みました。これって運命ですよね。
ガンダムの中では、強くても中間管理職的な悲哀を持つシャア・アズナブルが好きです。「よしんば…」なんて、あなたの古くさい
言葉遣いは最高です。何かをやるぞっていう時には、艦隊が発進する場面の音楽が頭の中に流れます。「オタク」と人は言います。
その通りです。
二月にガンダム展をやります。一ファンから企画する側になれました。あなたたちのファンが喜ぶ夢を実現します。
機動戦士ガンダム 1979年からテレビ放送。プラモデルが人気を集め、子どもたちが学校を休んで発売の列に並ぶなど社会問題化した。
(中略)
【写真説明】今も必ず発売日にガンダムの雑誌を買います(京都市中京区)
【写真説明】猪木さん、「元気ですかー」(京都市北区)
読売新聞 2007年1月5日(金)大阪夕刊9面
[3つの世代・07年の展望](中)ガンダム“現代の軍談”
◆ヒーローから「人生学んだ」世代 舞台「テンセイクンプー」 演出きだつよし
時間と空間を飛び越える「転世」。現代から江戸初期へとタイムスリップした若者は、芝居の旅一座に加わる。だが、その一座は
「真田十勇士」の生き残り。若者は徳川幕府の残党狩りに巻き込まれていく――。
昨年末、大阪で上演された「テンセイクンプー」は、ヒーロー物アニメを思わせる作品だ。作・演出は劇団「TEAM発砲・B・ZIN」を
主宰するきだつよし。「仮面ライダー響鬼」などの脚本も手がけ、「大人が笑って泣けるヒーロー物」を売りにする。その理由を
「ヒーロー物は、現実と虚構の狭間を増幅するフィルターだから」という。
「『あり得ない』と思っていても、『ひょっとすると』と夢見られるような世界を作りやすい。差別や戦争など、リアルに描くと
深刻な問題も、さりげなく触れることが出来る。堅苦しくなくメッセージが込められ、共感も得られやすい」
◆「ドラマ」語る30代の芸人
37歳のきだは、テレビの中で縦横無尽に活躍するヒーローから「人生に必要ないろいろなものを学んだ」世代だ。その世界に「愛着と
親近感」があるからこそ、作品の基盤をそこに求める。そして今、20〜30代の男性の多くが「学んだ」源に挙げるのが、アニメ
「ガンダムシリーズ」だ。
1979年に放送された第1作「機動戦士ガンダム」シリーズは、人間同士の戦争がもたらす政治的な問題や、心の葛藤を物語に
組み込んで、それまで「子ども向き」と見られていたロボットアニメの視聴者層を大きく広げた。
「ガンダムは“現代の軍談”。かつて『太平記』や『平家物語』が講釈場で語られたように、ガンダムを語っていきたい」と講釈師の
旭堂南半球。30歳の南半球は、小学生の時にガンダムの“洗礼”を受けた。
「古典作品を演じているだけでは、講釈も『博物館行き』になってしまう。何が現代人に共感を呼ぶのか。そう考えた時にガンダムに
行き着いた。大将同士の一騎打ち、戦略的な駆け引き、それを取り囲む人間ドラマ。ガンダムには講談の要素が詰まっている」
かつての演芸は、「忠臣蔵」などの物語をベースに演目が作られた。だが、今では、30代の芸人たちがネタとしてガンダムを語る姿が
珍しくなくなった。
その背景の一つとして、「日本のアニメが海外で高く評価されていること」を挙げるのは、劇作家の竹内佑だ。宮崎駿のアニメが
多数の映画賞を獲得し、「ジャパニメーション」が認知されたことで、「アニメ=オタク」が偏見の目で見られた時代は過去になった。
「それまでも、『日本のアニメはすごい』という意識はあったけど、海外で評価されて、自信を持って語れるようになった」
「自分たちの文化」に対する自信。90年代は、かつてのメーンカルチャーとサブカルチャーの垣根が低くなった時代だが、この自信が
21世紀に入り、拍車をかけた。29歳の竹内も主宰する「芝居流通センター デス電所」の中で、「萌え」「メード」などのオタク的な
要素を盛んに取り上げる。
「何がメーンで、何がサブなのか。あまりにも趣味、嗜好が多様化した現代では、その境界線があいまいになった。それを認識した
上で、混沌とした現代の心情を描こうとすると、アニメ的な要素のモノを取り上げざるを得ない」
シェークスピアの「ハムレット」の中には、「演劇は時代を映す鏡」という言葉がある。「ガンダム世代」の展開は、その言葉を
裏付けている。(田中聡)
〈メモ・リアル〉
「機動戦士ガンダム」が生まれた1979年前後は、新たな若者文化が胎動し始めた時代だった。ゲーム文化の先駆けともいえる
「スペースインベーダー」の登場は78年。翌年にはソニーが「ウォークマン」を発売した。大阪・三菱銀行人質事件など殺伐とした
ニュースが多かった年だが、ドラマ「3年B組金八先生」シリーズの放送もスタート。歌謡界では78年にキャンディーズ、80年に山口百恵
が引退。一方で、イエロー・マジック・オーケストラなどのテクノポップが登場し、東京・原宿では「竹の子族」が注目を集めた。
写真=「テンセイクンプー」はヒーロー物の要素をふんだんに盛り込んだ活劇だ(中央は主演の大野智)
写真=「オタク文化」でにぎやかな大阪・日本橋の堺筋では、世代の象徴であるガンダムが街を見守っている
日経産業新聞 2007年1月10日(水)5面
(流行ウオッチング)オタク+バランス感覚――トレンドを引っ張る旬な人
いま、トレンドをリードする高感度な人たちは「自分がどう感じるか」をまずは大事にする。そしてそれは、ある意味オタク的要素
があるのでは……。
こんな仮説をもって調査したところ、結果は「バランスのよいオタクこそが高感度」。そんな人たちをラウンドエッジと名づけた
調査結果が本になった。ここでは7ジャンル71種類の高感度指標を設定、該当者をクラスター分析し、7つの高感度消費者層を浮き彫り
にした。ああなるほど、確かにこんな人たちが現代のトレンドをひっぱっている、そんな実例に富んでいる。
7タイプの一例をあげると、たとえば食・ファッション、はては美や健康にも詳しく、しっかりリサーチして周囲に伝播する
「お外探求型」。その人なりのこだわりでサーチやセレクトをし、人に伝えるので強い説得力を持つ。まるでその人自身が編集長の
雑誌そのもの、といってもいい。
もう少し深掘りしていくと、これが男性の場合、女性のお洒落にも詳しかったりする。だから褒め上手。メトロセクシャルとかウーバ
(ドイツ語で極上の意味)セクシャルという言葉もあてはまる。
「いい意味で肩の力の抜けたジェンダーレス」というのはラウンドエッジを調査してきたアサヒビールお客様生活文化研究所
プロデューサーの火置恭子さん。確かにラウンドエッジな人々を見ると、どれもこれもジェンダーレスの匂いがする。ただ、それは
中性化という意味ではない。キャリアだけれど外見はモテカワ、メトロセクシャル君も実はトライアスラーだったり。
自分自身がハマれる世界を複数持ち、考え方はジェンダーレス、でも自分の性である女らしさ、男らしさもとことん楽しむ。さらに
言うならエイジレス。年齢にかかわらず「個=自分」を大事にする。どんどん現象からは切りにくくなっている、と火置さんは言う。
その意味でも、現代の高感度人間の詳細な分析は示唆に富んでいる。
(カフェグローブ・ドット・コム社長 矢野貴久子)
【図・写真】「ラウンドエッジ」(ラウンドエッジ研究会著、宣伝会議刊)
http://www.sendenkaigi.com/hanbai/book/488335-166-1.html 『Round-Edge ラウンドエッジ−71の高感度指標で見える、バランスのいいエッジィな人々』
宣伝会議出版 ラウンドエッジ研究会著 定価:1,575円(税込)
日本経済新聞 2007年1月5日(金)夕刊13面
(モードの方程式)ビザールでござる 中野香織
十二支のなかでなぜイノシシが最後なのか。岩崎京子さんの『十二支のはじまり』という絵本には、こんな話が描かれる。
「正月の朝、御殿に来た者から十二番まで、順番に一年ずつその年の大将にする」という神様のおふれに、動物たちはわれこそは
一番、といっせいに走り出す。猛スピードのイノシシは、ほんとうはトラの次ぐらいに入れたのだが、御殿の前を行き過ぎてしまい、
おっといけないと後戻りし、ぎりぎり十二番目に入ったところで門が閉まった…。
日本におけるイノシシのイメージの一つが、そんな憎めぬ〈猪突猛進〉ぶりにあるとすれば、西洋のイノシシ(boar)はどんな
イメージをもつのか?
アト・ド・フリースの『イメージ・シンボル事典』によれば、たとえば紋章に使われるときは、大胆不敵、放逸な権力やどう猛な
力などを表すようだが、その極みの具体例が、リチャード三世の「白いイノシシ(white boar)」の記章かもしれない。
シェークスピアのお芝居にもその度外れた極悪人ぶりが描かれるリチャード三世は、十五世紀のイングランド王である。
身内を次々に殺害して王位を得た後、またたくまに破滅するのだが、王位へと猪突猛進するこの人には、現代モードの用語でいえば、
ビザール(bizarre)な魅力がある。
ビザールとは「奇異で突飛な」という意味。主流の美には目もくれず、背が低すぎたり太っていたりする人をショーに登場させ、
「(通常の美の基準から見れば)奇異な」キャラクターの魅力を讃えるジョン・ガリアーノが「ビザールの美」提唱の第一人者であろうか。
リチャード三世こそ、元祖ビザール美男と呼びたい。醜悪な容貌のリチャードは、平和な世で恋愛ゲームにすら参加できない。
そこで「喪男(もてない男)」としていじいじするのではなく、その醜怪さを、強い意志と強引なことばの力をもって、ワイルドな ←
セクシーさに転じてしまうのである。
喪服を着た未亡人を、葬儀の場で口説きおとす(しかも彼女の夫らを自分が殺しておきながら)テクニックなど、現代のモテマニュアル
など吹っ飛ばす、大ワルの迫力。
横並びの規格美ばかりがもてはやされ、そこから脱落すると劣等感を感じさせられてしまう時代の閉塞感を吹き飛ばすのは、白い
イノシシが象徴するビザールの力にも見えてくる。もちろん、「行きすぎ」には要注意、ですが。 (服飾史家)
イラスト・清田貴代
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070112-OHT1T00089.htm スポーツ報知 2007年1月12日(金)
高橋克典「メイドよりキャバ」
テレ朝系「特命係長・只野仁」(12日・後11時15分)の制作発表が11日、東京・秋葉原のメイド喫茶で行われ、主演の高橋克典(42)、
櫻井淳子(34)、永井大(28)らが出席した。
人気シリーズの連ドラ第3弾で、本作では、メイド喫茶が只野(高橋)と森脇(永井)の情報交換の場になる。
ドラマでは鍛え抜かれた肉体を披露している高橋。「食事制限やマシン、ジム、ボクシングとピラティスで鍛えた。
僕の大胸筋が喜んでいる」と自信。プライベートではキャバクラとメイド喫茶のどちらが好きかの質問には「キャバクラです!」。
永井は「メイド喫茶も結構いいなと思う。すごく気分が良くなって帰れるし」とすっかりメイドたちの虜になっていた。
【写真】ドラマ「特命係長・只野仁」の制作発表で笑顔をみせる(後列左から)蛯原友里、櫻井淳子、高橋克典、三浦理恵子、永井大
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2007/01/12/01.html スポーツニッポン 2007年01月12日(金)
永井大がメイド喫茶にハマる?
高橋克典(42)主演で12日にスタートするテレビ朝日の連続ドラマ「特命係長 只野仁」(金曜後11・15)の制作発表が11日、
東京・秋葉原で行われた。今シリーズでたびたび、登場するメイド喫茶での会見。呼び込みの際、コスプレしたメイド店員から
「お帰りなさいませ、ご主人様」と迎えられると、共演の永井大(28)は萌え〜。「初めて来たんですけど、なんかホッとする…」。
キャバクラとどちらが好きかという質問に高橋が「キャバクラ」と言い切る一方で、永井は「メイド喫茶なら冷たくあしらわれる
こともなさそう」とすっかり気に入った様子だった。共演は櫻井淳子(34)、蛯原友里(27)。
【写真】メイド喫茶で会見した高橋克典(後列中央)永井大ら出演者
http://www.tokyo-np.co.jp/00/hog/20070111/mng_____hog_____000.shtml 東京新聞 2007年1月11日(木) 放送芸能
ドラマ『電車男』内の人形キャラクター ミーナちゃん晴れて主役に
人気ドラマ「電車男」のオープニングなどに登場したキャラクターを主人公にしたアニメ「月面兎(と)兵器ミーナ」が、
十三日から、フジテレビで土曜深夜にスタートする。ドラマでは脇役どころか「小道具」のような扱いだったが、ファン心理を刺激し、
今回の“抜てき”となった。異色の経歴を持つ作品は、深夜番組とはいえ関心が高く、いろいろなビジネス展開が決まっている。
アニメ界の新しい仕掛けを探った。 (藤浪繁雄)
バニーガールを思わせる「ミーナ」は、もともと一九八〇年代に若手のクリエーター集団が生み出したキャラクターといわれる。
二〇〇五年七−九月に放送されたフジの「電車男」で、冒頭に流れるアニメ映像のほか、伊藤淳史演じた“オタク青年”が持ち歩いた
紙袋、部屋に飾った人形などとして“出演”したものの「電車男」の世界観を表現する一素材にすぎなかった。
ところが、ドラマが終わってもミーナ熱は冷めやらず。オープニングアニメを「巌窟王」「ブレイブストーリー」など数々の人気作品
で知られる制作会社「GONZO(ゴンゾ)」が手掛けたことが、本物志向のオタク層やファンの興味を引いた。その後も商品化や雑誌掲載
が相次ぎ、ついに連続アニメ化に至った。
主人公の女子高生兼アナウンサー美奈は、宇宙人の侵略に対抗するために開発された、複数の「月面兎兵器ミーナ」の一人。
仕事に学園生活に奮闘する美奈だったが、ある時、宇宙人の侵略事件に巻き込まれミーナとしての使命に目覚めていく−という筋立て。
当初は「単なる盛り上げキャラクター」(関係者)だったため、物語は一から構築した。同僚の「ミーナ」たちや同級生ら個性的な
キャラクター陣をはじめ、ファンを喜ばせる「ツボ」をちりばめるのにも腐心したという。ゴンゾの加藤淳プロデューサーは「期待が
とても高かったので、ストーリー開発には時間をかけた」と明かす。
フジテレビ編成部の高瀬敦也さんは「制作者にとって、自分の作品が放送以外に展開していくのはうれしいもの」とした上で、
「どのような番組でも二次的な展開ができたらと日ごろ考えているが、それには番組そのものが視聴率などで好結果を出すことが大事。
今回は必要な要素がそろった幸運な一例」と背景を説明する。
◇
まだアニメの放送が始まる前にもかかわらず、すでに「ミーナ」はビジネスとしても動き始めている。
ビジネス部門を請け負う「GDH」によると、「電車男」はアジア各国・地域でも人気が高く、「ミーナ」についても同様に高い関心が
あり、タイや台湾、香港などの配給会社から番組購入の問い合わせが相次いでいるという。北米やヨーロッパにも仕掛ける意向だ。
グッズ展開も引き続き活発だ。既に人形、文具以外にゲーム、書籍に加え、食玩商品、裁縫用生地などが販売されている。
同社の星野禎ライツ部長は「ミーナは際立って認知度が高い。低年齢向けの商品開発やキャンペーン使用を目指す」と意欲的だ。
DVD化を求める声も高まっている。
アニメ業界に詳しいラジオパーソナリティーやまけんさんは「いくらキャラクターが魅力的でも、内容(物語)がしっかりしていないと、
ファンは目が肥えているので受け付けない」と話す。
前評判の高い「月面兎兵器ミーナ」だが、実際の“戦いぶり”はいかに−。
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070113-OHT1T00069.htm スポーツ報知 2007年1月13日(土) 芸能
井上麻里奈 しっかり者です…「月面兎兵器ミーナ」来社PR
13日スタートのフジテレビ系アニメ「月面兎兵器ミーナ」(土曜・深夜2時15分)のヒロインの声を担当する声優の
井上麻里奈(21)が12日、東京・港区港南の報知新聞社を訪れ、番組をPRした。
3年前に約2000人参加の声優オーディションでグランプリを獲得したアニメ界の次世代アイドルは、ヒロインの
現役高校生女子アナ・佃美奈が着用する制服のコスプレで来社。「月面―」は、05年のフジテレビ系ドラマ「電車男」の
オープニングで架空のアニメとして放送され、シリーズ化が待望されていた作品だ。
「ファンの多い作品なのでプレッシャーは大きいです。ドジな美奈と違って、私自身はしっかり者なのでテンション
上げて頑張ってます」と話した。井上が歌う主題歌「ビューティフル・ストーリー」は2月21日にシングル発売される。
【写真】キャラクターのフィギュアを持参し来社した井上麻里奈
http://chuspo.chunichi.co.jp/00/hou/20070113/spon____hou_____004.shtml 中日スポーツ 2007年1月13日(土) 放送・芸能
変身が見どころよ 声優・麻里奈
フジテレビの新アニメ「月面兎兵器ミーナ」で主人公の声を演じる声優の井上麻里奈(21)が12日、
東京都内のマスコミ各社を訪れ、セーラー服のコスプレ姿でPRした。
ヒットドラマ「電車男」に登場した人気キャラクター「ミーナ」を基にしたアニメで、
女子高生アナウンサーが正義のヒロインに変身して宇宙人と戦うストーリー。
セーラー服は変身前の姿で、井上は「王道を行く変身シーンが見どころです!!」とアピールした。
井上はエンディング曲「ビューティフル・ストーリー」(2月21日発売)も担当する。13日から土曜深夜放送。
http://www.yosensha.co.jp/products/9784862481108/ 『オトナアニメVol.3』 洋泉社ムック
出版年月日 2007-01-11 ISBN 9784862481108 版型 A5・ 160ページ 定価 本体 952円 + 税
20代&30代が読んで楽しむ新型アニメマガジン
どこよりもディープにアニメを語ります! それでいて読みやすいA5判!
今、話題のアニメ、クオリティの高いアニメは漏らさず紹介!
おれたちにできない事を平然とやってのけるッ 荒木飛呂彦登場! ジョジョの奇妙な冒険根掘り葉掘り! 30ページ大特集ゥ!
『鉄人28号 白昼の残月』劇場公開決定! 燃えよ!今川泰宏の世界 『ミスター味っ子』『Gガンダム』『ジャイアントロボ』etc
音楽ライターが厳選! 今、聴きたいベストアニメソング50
コードギアス 反逆のルルーシュ 灼眼のシャナ/キノの旅/いぬかみっ! デスノート/銀色のオリンシス
きまぐれオレンジ☆ロード ライオン丸G/石田敦子水樹奈々/茅原実里 後藤邑子
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20070113/mng_____tokuho__000.shtml 東京新聞 2007年1月13日(土)
無料コミック“奥の手”で参入
日本で初めての無料週刊コミック誌が十六日、創刊される。首都圏の駅で十万部を配布するという。今月四日には吉本興業が
コミック誌創刊を発表。全体に縮小傾向ながら約五千億円を維持するコミック市場に、目新しい新規参入が相次ぐことになる。
一方、電子配信という急伸分野が紙発行との矛盾も生み始めているコミック市場。いま何が起きているのか。
■首都圏の駅周辺 10万部を手渡し
初の無料週刊コミック誌「コミック・ガンボ」は、毎週火、水曜日に首都圏約三十カ所の駅で、十万部すべてが手渡しされる。
サイズは既存誌と同じB5判。既存誌の約半分の二百ページ強に、長短合わせて十五本ほどの作品を掲載する。
「無料にする理由は簡単。いまから新しく漫画雑誌を作っても、既存の雑誌に勝てる気が全くしなかった。現実的に考えても
見知らぬ雑誌に三百円出してもらうのは不可能。無料なら、とりあえず読んでもらえる」
ガンボを創刊する株式会社デジマの甲斐昭彦社長兼編集長(36)は、こう説明する。
パイの争奪戦を避けて無料で出すという発想は単純でも、そう簡単に踏み切れるものなのか。「うちは昨年八月にできたベンチャーで、
これしか事業はないから迷いはない」という。
肝心の中身については「二十−四十代の男性サラリーマンがターゲットという以外は、特に決めていない。有料なら、ある程度方向を
絞る必要があるが、無料なのでオールターゲットでいきたい」という。ただ、誰が手に取るかわからない無料配布の特性上、過激な
性描写は禁止。新人発掘も行うが、売れっ子作家も起用する。
受け取り損ねた人や地方の人はインターネットでも無料で読めるが、あくまで主体は「紙媒体」という位置付けだ。
発行部数の十万部について、甲斐編集長は「全国展開の人気雑誌でも三十数万部。『ガンボ』は首都圏だけだから、計算上は人気雑誌
と同程度の読者を確保できる」とみる。
甲斐編集長は大手広告代理店を退職後、ベンチャー企業数社に勤めたが、出版事業は初めて。コミック好きが高じ、自分で雑誌を
作りたいという一念で同社を立ち上げたという。編集経験のあるスタッフから、無料の週刊発行がいかに無謀なことか説明されたよう
だが、思い入れをこう語る。
「自分が好きなものはみんなも好きだと信じている。漫画は小説や映画と同じエンターテインメントの一つ。漫画に触れられる機会を
増やし、漫画ならではの面白さを知ってほしい」
(後略)
■吉本興業も今春 独自路線で創刊
■「少年ジャンプ」600万部が半減も
■「ネットは無料」利用者に根強く
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070113k0000e040058000c.html 毎日新聞 2007年1月13日(土)
無料マンガ週刊誌:首都圏30駅で10万部 16日から
「R25」「ホットペッパー」など無料配布のフリーペーパーが人気を集める中、初めて無料マンガ週刊誌が16日創刊される。
雑誌名は「コミック・ガンボ」。版元はベンチャー出版社「デジマ」。マンガ流通に革命を起こすか注目されている。
創刊号に掲載されるのは江川達也さんが夏目漱石の原作を独自の解釈で描く「坊っちゃん」など連載11本と、読み切り2本。
他の執筆陣はベテランの村上もとかさん、中堅の吉田ひろゆきさん、板橋しゅうほうさんら。
ターゲットは20〜40代男性。10万部を発行し、16日から毎週火、水曜に山手線を中心とした東京都内と横浜、千葉、大宮など30駅の
付近で手渡し配布する(午前8〜11時ごろと、午後5〜8時ごろ)。手軽に持ち運べるようにページ数は一般の青年マンガ誌の半分程度の
230ページ。うち、26ページ分がフリーペーパーを支える広告になっている。パソコンや携帯電話でも無料配信する
(
http://gumbo.jp、16日から)。
版元の「デジマ」は昨年8月、社長で編集長の甲斐昭彦さん(36)が作ったベンチャー出版社。甲斐さんは電通を経て、IT企業で
新規事業への出資担当の役員を務めていた。自らベンチャー事業をやりたくなり、マンガのフリーペーパー作りに乗り出した。
フリーペーパーの利点の一つは、新規の会社や雑誌で取得が難しい取次の雑誌コードを取る必要がないこと。10万部は手渡しなので
全部配布すれば完売状態ともいえる。
「出版社は(漫画単行本の売れ行きがいいため)マンガ雑誌の広告枠を積極的に売ってこなかった。そこにフリーペーパーの生きる
道があると思い挑戦しました」と甲斐さん。将来は連載を単行本化し、こちらの方は販売したいという。【内藤麻里子】
朝日新聞 2007年1月7日(日)朝刊33面
名残惜しや、アキバの宝箱 JR秋葉原駅の駅ビル「アキハバラデパート」閉店/東京都
秋葉原の「顔」が昨年暮れ、一つ消えた。実演販売が名物だったJR秋葉原駅の駅ビル「アキハバラデパート」。店頭での実演販売
=写真=に足を止めて見入る客から、閉店を惜しむ声が聞こえた。
アキハバラデパートが出来たのは、戦後間もない51年。生鮮食品や日用品など電気製品以外も扱い、「マニア以外の客」も引きつけた。
閉店した昨年大みそか。パズルの実演販売を見に来た千葉県市川市のプログラマー渡辺浩志さん(36)は「宝箱のようなところ。
こんなところは他にどこにもないだろう」と残念がった。
閉店した午後4時を過ぎても多くの客が残り、店の写真を撮ったり、片づけをする実演販売員と談笑したりしていた。
30年間パズルを販売してきた平野良明さん(63)は「名残惜しいです。私に向いている場所があったら教えてください」と、
なかなか帰らないファンに声をかけた。
アキハバラデパートを運営してきた東京圏駅ビル開発によると、建物を取り壊した跡地の利用方法は秋葉原駅の改良とあわせて
検討中という。
http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=NN001Y406%2011012007 日経産業新聞 2007年1月12日(金)2面
日本テレビ、アニメ番組「デスノート」、北米での配信許諾――ネット、海外に初。
日本テレビ放送網は十一日、昨年十月から深夜で放送しているアニメ番組「デスノート」について、北米でのインターネット配信を
許諾したと発表した。日テレが海外で番組のネット配信を許諾するのは初めてという。日テレなどが得る権利料は公表していない。
今春に北米でネット配信が始まる見込みだ。
小学館や集英社などが出資し、北米でのマンガ、アニメ関連ビジネスを手掛けるビズ・メディア(サンフランシスコ市、福原秀己社長)
に対し、ストリーミング方式とダウンロード方式の双方について許諾した。
デスノートは二〇〇三年に集英社の少年誌で連載が始まった人気マンガ。そのテレビアニメ番組は、日テレとNTTドコモが昨年設立
した有限責任事業組合(LLP)の第一号投資案件。
【図・写真】アニメ番組「デスノート」((C)大場つぐみ・小畑健/集英社・VAP・マッドハウス・NTV)
http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/gyoseki.cfm?id=d2e1100v11&date=20070111 日本経済新聞 2007年1月12日(金)朝刊16面
プロダクIG、35%減益、11月中間経常――子会社の赤字響く。
アニメ企画制作のプロダクション・アイジーは十一日、二〇〇六年十一月中間期の連結経常利益が前年同期比三五%減の
一億七千七百万円になったと発表した。従来予想は一億八千万円だった。子会社の制作体制を見直したため、受注作品が二本と
前年同期比で一本減少。子会社が二千万円程度の赤字となったことが響いた。
売上高は二一%増の三十億六千二百万円で、従来予想を二億三千八百万円下回った。本体が制作するテレビアニメ番組の納品が
下期にずれ込んだ。
純利益は三四%減の一億百万円と、従来予想を千百万円上回った。中間期末に減損処理を予定していたDVDソフトの売れ行きが
予想を上回り、損失計上を中止した。
朝日新聞 2007年1月12日(金)夕刊6面
(時評圏外)元気だった女性向けアニメ 小川びい
新年早々、アニメ評論家の藤津亮太さんとトークライブをすることになった。皆さんがこの夕刊を読んでいる時間には、新宿で
昨年のアニメについて、あれやこれやとソーカツしているはずだ。そこで、同時進行で紙上でも昨年のアニメ界を回顧しよう。
1週間の番組放映が80本を超え、わが世の春に見えたアニメ界。だが、上昇機運にあったアニメ制作会社、アニメに関連の深い
出版社などが赤字決算を報告しており、大変厳しい状況にある。
そんな中、元気だったのは女性向け作品だった。
「桜蘭高校ホスト部」「少年陰陽師」「金色のコルダ」など美少年や美青年をそろえた話題作が続々と放映。女性向けのアニメ
情報誌や人気男性声優の本も出版。女性おたくを指す「腐女子」、同人誌やアニメグッズを扱う店が集う池袋の「乙女ロード」と
いった単語が一般誌に紹介されるなど、女性ファンのライフスタイルにも注目が集まった。
春には、人気マンガが原作の「おおきく振りかぶって」の放映が決定しており、秋にも大物タイトルが控えていると聞く。
女性向け作品の優位はしばらく動かないであろう。
映画に目を移せば、「ゲド戦記」がよくも悪くも話題になった。メガヒットとなりながら新聞・雑誌等での酷評が目立ったのは、
これまでのスタジオジブリ作品には見られなかったことだ。対照的に「時をかける少女」はアニメ関連の映画賞を総なめにする勢い。
作品の評価は、ブランドで決まるのではなく、クリエーターの力によるのだ、と改めて実感させられた。
ところで、昨年僕が最も楽しみにしていたのは「ワンワンセレプー それゆけ!徹之進」=写真=というテレビアニメ。
ファミリー向けのコメディーとしてスタートしながら、最後には犬たちが次々と命を落とす、シリアスなバトルものへと変貌。
予想もつかない超展開に、毎回ハラハラさせられた。というわけで、今回の「小川びい賞」に決定!紙上で勝手に讃えさせていただこう。
(ライター)
【写真説明】(C)テレビ愛知・ウィーヴ/徹之進製作委員会
http://www.sankei.co.jp/chiho/kyoto/070113/kyt070113002.htm 産経新聞 2007年1月13日(土)
文化庁長官も「幽遊白書」ファン? マンガミュージアム視察
文化庁の近藤信司長官が12日、昨年11月に開館した京都市中京区の「京都国際マンガミュージアム」を訪問し、世界各国のマンガ
1000冊以上を展示している開館記念特別展「世界のマンガ展」などを視察した。
関西文化圏を一体化・活性化して全国に発信しようと、文化庁が進めているプロジェクト「関西元気文化圏」の視察の一環。
近藤長官は、同ミュージアムを共同運営する京都市教委の門川大作教育長や、京都精華大の片桐充理事長らとともに約40分間館内を
歩き、展示されたマンガの数々を手に取りながら学芸員の説明に熱心に聞きっていた。
視察後記者の質問に答えた近藤長官は、「『あしたのジョー』や『巨人の星』、『幽遊白書』など、それぞれを愛読していた時代の
ことを思いだしながら楽しんだ」と感想を述べたうえで、「地域活性化のためには、知の拠点である大学と地方行政の連携が重要。
より多くの地域でこのような取り組みが進めばいいと思う」と述べた。
近藤長官は同日、京都国立博物館(東山区)や京都国立近代美術館(左京区)も視察した。
読売新聞 2007年1月13日(土)大阪朝刊31面
近藤・文化庁長官、京都・中京のマンガミュージアム視察=京都
まんが総合博物館「京都国際マンガミュージアム」(中京区)に12日、近藤信司・文化庁長官が視察に訪れた。
片桐充・京都精華大理事長らが案内。企画展「世界のマンガ展」などで展示されている外国のまんがの説明を受けたり、
手に取って眺めたりした。
視察後、「かつて愛読していた『カムイ伝』や『巨人の星』などがあり、その時代を思い出した。世界に誇る日本のまんが文化を
発信するため、外務省とも連携していきたい」と語り、ミュージアム職員が描いた似顔絵を受け取って笑顔を見せていた。
京都新聞 2007年1月13日(土)朝刊25面
文化庁長官 「漫画、誇るべき文化」 マンガミュージアム視察
文化庁の近藤信司長官が十二日、京都市中京区の京都国際マンガミュージアムを訪問し、開催中の特別展「世界のマンガ展」などを
視察した。
文化庁が提唱する「関西元気文化圏構想」の事業視察として訪れた。同館を運営する京都精華大の片桐充理事長らの案内で館内を
見学し、同館のスタッフが描いた似顔絵もプレゼントされた。「あしたのジョー」や「幽々白書」などの漫画が好きという近藤長官は
「漫画は世界に誇るべき文化。マンガミュージアムのように知の拠点の大学と地方行政が連携していくことは地域の活性化には大変
重要なことだ」と話した。
【写真説明】展示された漫画本を手にする近藤長官(左端)=京都市中京区・京都国際マンガミュージアム
http://www.sankei.co.jp/culture/bunka/070115/bnk070115001.htm 産経新聞 2007年1月15日(月)
アニメ「ナウシカ」のメーヴェを飛ばしたくて
「オープンスカイ2・0」展
日本のアニメ界を代表する宮崎駿監督ほど空へのあこがれを巧みに表現する作家はいないだろう。「天空の城ラピュタ」は飛行石と
いう石のパワーで空を飛ぶという奇抜なアイデアだったし、トトロはコマで宙を舞った。そのほかにもさまざまな飛行機や飛翔シーン
が登場した。それらの中でも「風の谷のナウシカ」に登場する「メーヴェ」は翼だけの機体で、ナウシカが風を受けながら操縦把を
握る姿が印象的だ。
メーヴェは、尾翼がなく、横に長いことから、空力学的に飛行できないだろうと思っていたが、メーヴェに触発され、実際に飛ばして
みようとしているアーティストがいる。八谷(はちや)和彦という。
八谷は4年前、この「オープンスカイ」と名づけたプロジェクトに着手。同年「メーヴェ1/2」と名づけたジェットエンジン搭載の
機体をラジコンで飛行させることに成功。その後、実際に人が乗れる機体を製作し、昨年は八谷自身が搭乗して強力なゴムで引っ張り、
100メートル近く飛んだ。今後はこの機体にジェットエンジンを搭載し、有人で8の字飛行を成功させるのが目標という。
その歩みが、東京・西新宿のオペラシティータワー4階、NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)で開催中の「オープン
スカイ2・0」展で展示されている。実験機などの展示のほか、遊び心あふれる“仕掛け”がたっぷり。
ちなみに八谷はメールソフト「ポストペット」の開発で知られる40歳のクリエーター。会場には「この企画は宮崎駿監督とまったく
無関係に進めていますが、飛ぶときには見にきてもらえたら」という趣旨のメッセージが書かれている。
3月11日まで(月曜日と2月13日休館)。一般500円。問い合わせはICCフリーダイアル0120・144199。(深堀明彦)
【写真】NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)で開催中の「オープンスカイ2・0」展
http://ryukyushimpo.jp/variety/storyid-20442-storytopic-12.html 琉球新報 2007年1月14日(日)朝刊1面
<金口木舌>
「オタク」という言葉を最初に定義し活字化したのは、評論家の中森明夫さんで、一九八三年のことだといわれている
▼アニメ・ファンらがお互いを「お宅さあ…」などと呼び合っていたことに由来する。当初は性格的に暗いなど、蔑称の
ニュアンスを 含んでいたが、次第に「マニア」と同義語として扱われていく
▼最近では映画「電車男」などのヒットもあり、好意的なイメージも持たれるようになった。欧米やアジアなどの一部から
「オタクはクール(かっこいい)」と言われる時代にさえなっている
▼九七年に外務省から沖縄県に出向し、サミット誘致を担当した山田文比古さん。その著書「フランスの外交力―自主独立の
伝統と戦略」 で、仏と比較し日本外交には文化戦略が欠けていると指摘する
▼文化庁は来年度、アニメなどのメディア芸術振興を後押しすることを決めた。輸出産業として育成すれば、大きな経済効果を
生むと期待する
▼安倍晋三首相の下、「美しい国」を目指す日本。だがその内容は国民にすらよく伝わらない。そんな現状の中でアニメなどの
「オタク的文化」輸出が外交戦略の一つとして機能すれば、近い将来「日本はかっこいい国」と呼ばれるに違いない。
「美しい国」よりむしろ現実性がある。
中国新聞 2007年1月13日(土)朝刊10面
戦後の名作まとめ本 京都に20万冊博物館 漫画はニッポンの宝
国内振興のムード上昇
海外では「MANGA」と呼ばれ、世界的人気を誇る日本の漫画だが、研究や収集など国内の環境整備は決して十分とはいえない。
そんな中、本格的な漫画の博物館が京都市にオープン、戦後の名作を網羅する本なども相次ぎ出版されている。漫画を国民的財産と
みる機運の高まりを示すもので、国際交流の拡大にもつながりそうだ。
マンガ学部を持つ京都精華大と京都市が昨年十一月、共同で開設した京都国際マンガミュージアム。同市中京区の小学校を改装した
建物は地上三階、地下一階で、計約五千平方メートルの空間が広がる。
目立つのは、新旧の作品を並べた高さ二メートル余りの書棚「マンガの壁」だ。至る所に置かれ、幅の総延長は約百四十メートルに及ぶ。
同館は全約二十万冊の漫画を所蔵、うち約四万冊を常時閲覧できる。貸し出しはしていない。
館内では、親子で靴を脱ぎくつろいで読んだり、パソコンで見たりと、漫画を多角的に楽しめる。大規模な展覧会やアニメの上映会
もあり、ファンだけでなく観光客や地元の子どもにも好評だ。
ミュージアム事務局に出向している京都市教育委員会の白波瀬克則さんは「国の教育白書が漫画やアニメを芸術分野の一つと位置付け
るなど、漫画を文化ととらえる意識が高まり、研究や保存の必要性が強まってきた」と説明。ミュージアム開設で、コンテンツ産業育成
や観光振興を後押しする計画という。
一方、出版では、小学館の「現代漫画博物館1945‐2005」が注目を集める。漫画賞受賞作をはじめ、時代を象徴する計七百五十作を選び、
主な内容と歴史的役割などを解説。代表的な場面をそのまま掲載し、作品の雰囲気も伝わる。
戦後すぐの「フクちゃん」、巨匠手塚治虫の伝説的な「新宝島」、週刊漫画誌が創刊された一九五九年以降の人気作「おそ松くん」
「サイボーグ009」「あしたのジョー」などを収めている。
また、読み切り短編が長編に主役の座を譲ったとされる八三年の短編漫画を集めた同社の「熱狂短編マンガ傑作集’83」も、
浦沢直樹さん、高橋留美子さんら名手の作品を再録して話題だ。
ことし香港で初めて開かれる「世界MANGAサミット」。第二回は来年、京都国際マンガミュージアムなどを拠点に京都市で予定される。
その前身である「東アジアMANGAサミット」に、九六年のスタート当初から参加している漫画家のちばてつやさんは「宗教や文化が
違っても、みんな同じことに悩み、感動する。絵だけで旧知の友人のようになれる」と漫画の大きな可能性を指摘する。
「海外の漫画家にとり、日本は本場。夢を持って集まる彼らの熱意は日本より強い」とちばさんは語り、国内での漫画振興にハッパ
を掛けている。
【写真説明】「マンガの壁」を前に思い思いに楽しむ少年たち(京都国際マンガミュージアム)
【写真説明】相次ぎ出版された「現代漫画博物館1945‐2005」と「熱狂短編マンガ傑作集’83」
朝日新聞 2007年1月12日(金)朝刊30面
(会社のチカラ くらしを変える埼玉)日本語教材出版の「ジャパニメ」 /埼玉県
米オハイオ州在住の大学生ミシェル・ウィトマーさん(21)は、大学で日本語を学んでいる。きっかけは日本のマンガだった。
「セーラームーン」などの英訳版を読むうち言葉に興味を持ち、中学生の時に勉強を始めた。
そして今、使っている教材は「Kanji de Manga(漢字でマンガ)」。漢字がコミカルな絵で説明されている。ウィトマーさんは
「面白くて勉強になるので大好き」と話す。
*
このテキストを制作したのは、川口市西川口3丁目のジャパニメ有限会社だ。資本金300万円、従業員4人の同社がいま、「マンガを
使った日本文化の発信」で、脚光を浴びている。
米カリフォルニア州出身の社長グレン・カーディさん(41)は、かつてサンフランシスコで新聞記者をしていた。日本人女性と
結婚したのを機に「日本での仕事に挑戦したい」と、95年に来日。以来、妻の実家に近い川口を拠点にしている。
当初、大手全国紙の英字紙部門に勤務したが、その通勤時に見た光景が、起業のヒントになった。「電車の中でマンガを読んでいる
大人が何て多いんだろう」
批判的に見るのではなく、「メディアとしてのマンガの地位の高さが表れている」と好感を持った。ジャーナリストとして、
日本文化を世界に紹介したいと考えていたところで、「マンガを媒体にしよう」と思い立ち、98年、独立起業した。
手始めは、日本語教材だった。自らも日本語を学ぶ中、無味乾燥な教科書より、マンガで学んだ方が知識が身につくと考えた。
刊行後、北米を始めとした各国の見本市へ精力的に足を運び、PRした。その「日本的」な中身が人気を呼び、学習者に浸透した。
現在、「漢字でマンガ」などのシリーズは6種類が出版され、出荷先は世界数十カ国に及ぶ。英語版だけでなく、フランス、
スペイン、ポルトガル語など計7カ国語でも制作。売り上げは累計12万部に達した。近々、日本料理や茶道、武道などをマンガで
紹介する本も出版される。
*
そのジャパニメの事務所。かつて料亭だった建物を買い取り、畳や障子に囲まれた「和」の空間を、そのまま残して利用している。
同社はここで、外国人を対象にマンガ講座を開いている。いかにも日本的な雰囲気がいいと参加者にも好評だ。
カーディさんがこだわるのが「才能ある若手にチャンスを」という点だ。「日本には優れた技術を持つ漫画家の卵が多い。
彼らに活躍の場を提供したい」
実際に「漢字でマンガ」の絵を担当した、横浜市神奈川区の服部千裕さん(29)は「世界中で読まれているなんて実感がわかないけど、
漫画家になりたかった子どもの頃からの夢がかなってうれしい」と充実した表情だ。
カーディさんは語る。「今やMANGA(漫画)は世界共通語。この優れたツールで、真の日本の姿を世界に伝えていきたい」(樋口慶)
【写真説明】
(上)ジャパニメが出版した「漢字でマンガ」「カナでマンガ」のシリーズ (下)グレン・カーディ社長=川口市のジャパニメで
産経新聞 2007年1月12日(金)東京朝刊1面
【あなたにいてほしい 2007年「問題」報告】第1部(4)
■漫画が仕事になった
もう30年以上、読み継がれている漫画がある。
プロボクサー、矢吹丈の闘いを描いた『あしたのジョー』(原作・高森朝雄=梶原一騎、漫画・ちばてつや)だ。単行本化は10回目。
講談社プラチナコミックス(KPC)から月2回の雑誌形式で刊行され、コンビニなどに並んでいる。初出は昭和43年1月1日号の
「週刊少年マガジン」(講談社)で、子供も大人も夢中になった。
KPCを発行する講談社コミッククリエイト社長の由利耕一(59)は、連載が終わった48年の夏、少年マガジンの編集部にいた。
ジョーが真っ白に燃え尽きた最終回の原稿を担当編集者が持ち帰ると、室内にいた先輩らが「どうなった?」と一斉に駆け寄った。
「異様な熱気でした」
その前年に講談社に入社した由利は旧・東京教育大で国文学を専攻した。漫画は在学中に青年誌「ガロ」掲載の『カムイ伝』や
『ねじ式』を読んだ程度。文芸誌の「群像」を希望したが、配属先は漫画雑誌のマガジンだった。
最初に担当した漫画家は石ノ森(当時は石森)章太郎だった。「小説をやりたかった」とこぼす新人に、石ノ森は「漫画って面白い
もんだよ」と諭し、月産600枚という旺盛な創作欲を見せつけた。やがて由利は『釣りキチ三平』『愛と誠』などを担当。
「ヤングマガジン」に連載した大友克洋の『AKIRA』を国内外で1200万部売り、世界に「MANGA」の力を示した。
平成10年に死去した石ノ森の漫画を映像作品やキャラクター商品として展開しているのは伊藤忠商事の関係会社、石森エンタ
テインメントの副社長、有田正臣(59)である。横浜国立大在学中は漫画を読みふけり、伊藤忠入社後も通勤電車のなかで漫画誌を
愛読。サラリーマン生活の傍らには常に漫画があった。
「漫画は実生活でできないことを教えたり、見せたりしてくれた」という有田は、会社人生の終盤で得た今の役職に巡り合わせと
やりがいを感じている。
少年マガジンは平成10年に430万部を、ライバルの「少年ジャンプ」(集英社)は5年に620万部を発行。少年漫画は黄金時代を
迎える。漫画は大衆化して次の世代にも根付いていったのである。
マンガ・コラムニストの夏目房之介(56)は「漫画の枠を超え、文芸としての面白さを追求したことで時代を超えた作品が生み
出された」と分析。「多彩で膨大なコンテンツを持つ漫画には今後も無限の可能性がある」と指摘する。
しかし、少子化や購読層の細分化を背景に、業界は曲がり角に立っている。出版科学研究所によると、平成17年の漫画雑誌数は
305誌と過去最多ではあるものの、発行部数はジャンプ295万部、マガジン237万部と低下傾向にある。
サラサラの長髪に細いまゆ。『あしたのジョー』と並ぶ人気漫画『巨人の星』の主人公、星飛雄馬の永遠のライバルだった花形満は、
平成18年8月からマガジンで連載中の『新約「巨人の星」花形』で、原作とかけ離れた姿に描かれている。
原作の梶原一騎の遺族と作画の川崎のぼるに許可を得て、設定を現代に変更。花形が一塁手になった経緯や不良たちと行動する
理由など原作になかった物語を、新人の村上よしゆき(25)が自由に展開している。
「読者を満足させるには、かつてのマガジンが持っていたような、心を燃え立たせる内容じゃないと」と編集長の森田浩章(43)
はいう。
現実の巨人軍が輝く星ではなくなったいま、なぜ花形はもう一度戻ってきたのか。どうして新しい花形でなければならなかったのか。
変化のなかで時代は少し戸惑いはじめている。(敬称略)
朝日新聞 2007年1月15日(月)夕刊15面
ゲーム学科続々誕生、今春2ケタに 「実践」で人材育成
コンピューターゲームについて教える大学や大学院が増えている。今春に立命館大(京都市)などが学部やコースを新設する予定で、
2桁に乗るのが確実だ。多くはゲーム業界で働ける人材育成に重点を置いており、「まるで専門学校だ」との批判がくすぶる。
ただ、ゲーム産業は日本が競争力を誇る有望分野だけに、政府が担い手育成を後押しするなど「追い風」も強い。(増谷文生)
80人の学生がパソコンの映像を見つめる。スピード感を感じた瞬間、ゲームでよく使うスティックを倒し、多くの人が反応する映像
とはどんなものかをつかむのが狙いという。大阪電気通信大(大阪府寝屋川市)デジタルゲーム学科の「ゲーム評価法・演習」の一コマだ。
ゲーム大手のコナミで人気野球ゲームの開発に携わった長江勝也教授らが教える。「目指すのはゲーム業界を引っ張れる人材の育成。
幅広い分野での基礎的な力が必要になる」と、プログラミングなど関連科目のほか福祉や心理学、アート関係の授業も設けた。
同大の06年度一般入試の志願倍率は全体で1・8倍だったが、デジタルゲーム学科は5・1倍と人気が高い。今春に初の卒業生を送り出すが、
就職先はゲーム業界からイベント会社、ソフトウエア会社まで幅広い。
東大でもゲームを教える。大学院情報学環で、社会に及ぼす影響を研究テーマにすえつつ、教育への利用に向けた研究や人材育成の
枠組みづくりなどを手がける。が、こうした「研究型」は少数派で、著名なゲーム開発者を招くなど「実戦型」の大学が多い。
生徒を送り出す側の高校教員らには「学生を集めるための人気取り」「大学での学習になじまない」といった批判が根強い。
東大の調査によると、国内のゲーム会社に就職した学生の6割は専門学校卒。大卒は29%、大学院卒に至ってはわずか1%で、
「ゲーム業界への就職に親がいい顔をしない」(東大の馬場章教授)との指摘もある。
しかし、海外では米国のマサチューセッツ工科大、中国の清華大など有名大学が人材育成を狙ったゲーム教育を強化しており、
日本の関係者には「海外に後れをとる」と危機感が強い。経済産業省は06年8月に発表した「ゲーム産業戦略」で、国とゲーム産業が
連携して人材育成を進める必要性を強調。同年5月にはゲーム研究者らが日本デジタルゲーム学会を立ち上げるなど、産官学の動きは急だ。
大学では今春も、ゲーム関連の学部・学科の新設や拡充が相次ぐ。立命館大は映像学部を新設し、地元の映画業界との連携を目指す。
アニメーション学科にゲームコースを設置する東京工芸大(神奈川県厚木市)は、物理や数学の力をつけさせながらゲーム制作の実習を進める。
既にゲーム関連のコースを持つ宝塚造形芸術大(兵庫県宝塚市)も、東京新宿キャンパスに同様のコースを設ける。
■ゲームについて教える主な大学
大阪電気通信大 デジタルゲーム学科
東北芸術工科大 メディア・コンテンツデザイン学科
宝塚造形芸術大 映像造形学科
デジタルハリウッド大 デジタルコンテンツ学科
東京大 大学院情報学環
東京工芸大 ※アニメーション学科ゲームコース
立命館大 ※映像学科
※は07年4月に新設
【写真説明】ゲーム機を操作して反応のポイントを学ぶ授業=大阪電気通信大で
http://www.kabushiki.co.jp/single/kshp041-02.jspx?id=000110155A81A43FEC232B2B3FA0AF3F 株式新聞 2007年1月15日(月)
プロダクIGが反発――看板アニメ堅調を見直す
アニメ制作業のプロダクション・アイジー(3791・JQ)が反発。11日、今5月期11月中間期業績推定を修正しており、手掛かり視された。
「攻殻機動隊」「BLOODプラス」シリーズのDVD販売が伸びたことから、単独の経常利益予想を従来の1億4000万円から1億9800万円に
上方修正した。「人気作品に経営資源を集中させる」(広報)方針から、若年層向けテレビアニメを手掛けるジーベックで受注を絞り
込んだため連結の予想は従来の1億8000万円から1億7700万円に引き下げたが、収益をけん引する看板タイトルが堅調な点が見直されたようだ。
ただ、通期の連結経常利益は減益予想(前期比48%減の2億2000万円)で据え置いている。今期のコスト増の要因になっている制作中の
劇場用3作品は来期以降に大きく収益に貢献してくる見込み。ただ、目先の投資は慎重さが求められる。
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070116ih21.htm 読売新聞 2007年1月16日(火)
世界のアニメ映画を国内配給…ジブリ美術館が発表
三鷹の森ジブリ美術館(東京都三鷹市、中島清文館長)は16日、世界の優れたアニメーション映画を日本国内で配給、
公開する「ライブラリー事業」を、3月からスタートさせる、と発表した。
第1作は、ロシアのアレクサンドル・ペトロフ監督が絵画風のタッチで思春期の青年の恋を描いた短編「春のめざめ」で、
3月17日から東京・渋谷の映画館「シネマ・アンジェリカ」で公開する。
一方、同美術館を運営するスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは同日、新作アニメ映画の制作を近くスタートさせ、
題名と監督を3月にも発表することを明らかにした。
朝日新聞 2007年1月14日(日)朝刊14面
(コミックガイド)となりの801ちゃん 小島アジコ著 宙出版、1050円 (南信長)
>>136 「腐女子(ふじょし)」(意味のわからない人は本書で勉強を!)と付き合うオタク会社員が彼女の生態、オタクカップル
ならではの会話やデートを描いた4コマギャグだ。腐女子の生態を描いたものでは中島沙帆子『電脳やおい少女』という佳作もあるが、
主人公の女子大生が一般人の彼氏に腐女子であることをひた隠しにしていた同作と違い、本書の場合は彼氏もオタク。
その彼から見ても不可解でディープな腐女子ワールドを、諦念と自虐、そして何より愛情たっぷりに綴っている。
斬新なのは〈普段は普通の女の子ですが萌え対象を見つけた時は背中のチャックが割れて中身(?)が飛び出します〉との設定で
腐女子の“偽装”ぶりを視覚化し、しかもその中身を〈801(やおい)ちゃん〉という奇怪な異生物キャラで描いたこと。
「モエス!! テラモエス!!」と身悶えする姿はキモかわいく、男にとって女子は異生物という一面の真理を突いてもいる。
実は、801ちゃんは作者のオリジナルではなく、京都の御薗橋801(ハチマルイチ)商店街のマスコットキャラが基。
その姿とネーミングからネット上で話題となったキャラを、やおい好きな彼女に見立ててマンガ化したブログがこれまたネットで
話題となり書籍化された。あまりによくできた話なので、全部“仕込み”なんじゃないかと思ってしまうが、どうやらホントらしい。
いろんな意味で、オタク世界の奥深さを思い知らされる一冊だ。
紙面画像
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up166191.jpg
読売新聞 2007年1月15日(月)東京朝刊17面
「のだめ」効果、沸くクラシック界
◇潮流
このところ国内で、クラシック音楽に関心を持つ層がにわかに広がっているという。人気漫画のテレビドラマ化や新機軸の音楽祭が、
多大な影響力を及ぼした結果とされる。“クラシック・ブーム”とは、本当なのだろうか。(宮下博)
「通勤電車の中で女子高生たちが、ベートーベン交響曲第7番の例の主題を口ずさんでいたんです。ついにここまで来たかと、
びっくりしましたよ」
大手レコード会社のクラシック担当者は感慨深げ。例の、とはフジテレビ系で昨年10〜12月に放送されたドラマ「のだめカンタービレ」
で流れた同曲第1楽章の旋律だ。原作は二ノ宮知子の人気漫画(講談社)。指揮者志望のエリート音大生・千秋真一と、演奏は天才的
だが奇人のピアノ科学生・野田恵(=のだめ)を軸にしたラブ・コメディーだ。
様々なトレンディー・ドラマを発信してきたフジテレビ伝統の「月9」(月曜日午後9時からの放送枠)にしては異色の設定だが、
最終回の視聴率は21・7%、全11回の平均も18・7%と好成績を記録。一般には縁遠い音大生や音楽家の生態を戯画化しつつリアルに描き、
本格派の選曲を貫いた作りが評判を呼んだ。
◆CD異例の35万枚
いま静かに広がる“クラシック・ブーム”の起爆剤は、このテレビドラマだったと、衆目は一致する。
制作したフジテレビの若松央樹プロデューサーは、「反響は正直、予想以上だった。スキー・ブームを作った往年の映画『私を
スキーに連れてって』のように、映像から社会現象を生むのが夢だったので、聴衆のすそ野を広げられたかなと思うとうれしい」と、
手応え十分な様子。
余波も特大級だ。原作の単行本売り上げは1900万部に到達。ドラマを機に生まれた「のだめオーケストラ」のCD(エピック)は
クラシックでは異例の約35万枚、ベートーベン交響曲第7番の楽譜は例年の2倍売れた。主人公2人が最初に共演したモーツァルト
「2台のピアノのためのソナタ」の楽譜を手に、「これを弾いてみたい」と音楽教室を訪れる初心者の中高年まで現れたという。
◆音楽祭で身近に
こうした現象は、クラシックの敷居を低くする近年の流れが呼び水となった点も見逃せない。低価格チケットや短い演奏時間が
売り物の「熱狂の日」音楽祭(ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン=東京国際フォーラムで開催)は昨年、2回目にして約70万人を
集客。名曲のさわりを集めた廉価盤CD「ベスト・クラシック100」(東芝EMI)は、シリーズ全体で約165万セットを売り、他社の
類似品が相次いだ。
フジテレビはこの11日から、深夜枠でアニメ版「のだめ〜」の放送を始め、初回の視聴率は5・4%に達した。今後も映画化などが
話題に上る。「ドラマに登場した曲のCDを複数買って、聴き比べる楽しみを知ったファンが増えた」(キングレコードの松下久昭
プロデューサー)ことなどから、〈のだめ〉を震源地とする“クラシック・ブーム”はまだ続く、と楽観視する関係者は少なくない。
◆課題は機動性
だが、クラシック界は過去にもグレゴリオ聖歌や「アダージョ(ゆっくりしたテンポの音楽)」などのブームを仕掛けたものの
一過性で終わってきた。「〈のだめ〉の追い風をどう生かし、クラシックに興味を持ち始めた層をつなぎ留めて行くのか、音楽界側も
真剣に考える必要がある」。日本クラシック音楽事業協会の善積俊夫常務理事は、こう危機感を募らせる。
障害の一つが機動性の欠如だ。例えばベートーベンの交響曲第7番が急激に人気を集めても、オーケストラの公演日程・曲目は1年
以上先まで決まっており、移り気な客は逃げてしまう。静かにうごめく“クラシック・ブーム”を定着させるには、「〈地域密着と子供〉
をキーワードにした活動や、安いチケット拡大といった工夫の余地もある」(善積氏)と言えそうだ。
(文中の視聴率はいずれもビデオリサーチ調べ、関東地区)
図=今月からはフジテレビの深夜枠でアニメ版「のだめカンタービレ」の放送が始まった
(c)二ノ宮知子・講談社/のだめカンタービレ製作委員会
写真=クラシックを気軽に楽しめると好評の「ラ・フォル・ジュルネ」音楽祭(昨年5月、有楽町の東京国際フォーラムで)
紙面画像
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up166192.jpg
北海道新聞 2007年1月15日(月)夕刊全道7面
京都国際マンガミュージアム*表智之*マンガ文化を追究 多角的活用目指す
マンガが「芸術」であるかどうかは議論の分かれる所だが、日本社会の姿を映す鏡であるという意味において、マンガはひとつの
「文化」である。日々の暮らしの中にこれほどマンガがあふれている国は日本のほかにないし、それぞれの時代の世相を敏感に取り入れ
ながら作られてきたマンガ雑誌は、いまや一級の風俗史資料とみなすことができる。そのため、海外の日本研究者にとってだけでなく、
国内においても歴史学や社会学、美術史学など複数の領域において、マンガが研究資料として重要視されるようになってきた。
加えて、一九九○年代後半から欧米諸国に急速に日本マンガが普及し、古くから日本マンガに親しんできたアジア諸国とあわせて、
日本のマンガは近年世界中から注目を浴びている。
ところが、国内外から熱い注目を浴びるそのマンガを、専門的かつ総合的に保存する公的施設は日本になく、研究者や評論家は市井の
コレクターたちの収集品にもっぱら頼っていた。一九七三年のマンガコース設置以来、三十年近くマンガ教育に携わってきた京都精華
大学は、その状況を憂慮し「日本マンガ図書館」の設立を構想、京都市に協力を呼びかけ、「京都国際マンガミュージアム」構想が
二○○四年に市の施策として採択されるに至った。
したがってこの館(二○○六年十一月オープン)は、マンガの収集と保存を第一の目的とする。マンガを一種の風俗史資料と捉えた上
での収集であるから、傑作も凡作も含めマンガ文化の総体を保存することを目指し、特に雑誌収集に力を入れている。とは言え、膨大
かつ多様なマンガ文化は一施設の力で保存しきれるものではなく、市民からの寄贈の積極的な受け入れや、関連施設との提携による役割
分担が不可欠と考えている。
さて、収蔵品は単に保存するのでなく、一種の資源として活用していかなくてはならない。この館では研究・教育・産業の三つの方向
での活用を目指している。館としての研究成果は、館のギャラリーでの展覧会開催を通じて公開していく。現在は「世界のマンガ展」
(一月二十八日まで)を開催しており、日本マンガの歴史と国際化、世界の様々なマンガを紹介している。明治・大正期の風刺マンガや、
戦後の赤本・貸本など、マンガの歴史を彩る貴重な収蔵品約千点を現物で展示しているほか、世界の国・地域の特徴的なマンガや日本
マンガの翻訳版も約千点展示し、こちらは実際に手にとって読むことができる。
教育面では、毎週土・日に館内でワークショップを開催し子どもの知育に貢献するとともに、著名なマンガ家の講演会、マンガ研究者
による市民講座などを毎月開催していく。また、館内各所に配架され自由に読むことのできる約五万冊のマンガは、世代間交流にも
役立っており、親子が同じマンガを読みふける光景をそこかしこで見かける。
産業面では、自治体や企業の広報マンガをプロデュースしている。京都精華大学マンガ学部の卒業生を中心とする豊かな人材から
適任者を選び、広報内容にあったスタイルのマンガを製作するのである。また将来的には、マンガのキャラクターを商品化する上で
必要な著作権処理についてのガイドラインづくりや講習会の開催なども予定している。
そのほか館内には、紙芝居シアターや親子連れ専用の絵本・遊戯室、一七三人のマンガ家による「舞妓」絵の競作、マンガ作画風景の
実演など、マンガ文化を多面的に楽しむための仕掛けをちりばめている。ドーナツ化現象により統廃合された「龍池(たついけ)小学校」
の旧校舎を改修して使用しているため、懐かしく、またどことなくあたたかい雰囲気が館内に漂っており、土・日には平均約千二百人の
来館者が思い思いにくつろぎながらマンガを楽しんでいる。
(中略)
(おもて・ともゆき=京都国際マンガミュージアム研究員)
「京都国際マンガミュージアム」の住所は、京都市中京区烏丸通御池上ル(元龍池小)。問い合わせ先は(電)075・254・7414。
【写真説明】マンガ資料の保存・活用を目指し昨年開館した京都国際マンガミュージアム
紙面画像
http://ranobe.sakuratan.com/up/src/up166187.jpg