リレー小説!!北朝鮮vs日韓米連合軍

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>>731
「めがね、車をとめろ」
はちまきは、めがねの肩を肘でつついてささやいた。
音を派手に立てないように、ずっとローギアで走っていた旧式のマーチは
すぐに停車した。
エンジンが冷える硬質の音が、控えめにボンネット越しに聞こえてくる。
「見えるか?」
はちまきは、前方を凝視しながらめがねにたずねた。
めがねは、無言でうなずく。
指定された漁港まではまだ20キロほどあり、そこに通じる県道は、はちまきたち以外
誰も通らないはずであった。
だが、曲がりくねった県道の数キロ先にあるドライブインにはトラックが一台停車しており、
信じがたいことにそのトラックからは煌々と明かりが漏れている。
はちまきは、後部座席に放り出したバックパックから双眼鏡を取り出し、覗き込んだ。
本来なら、スターライトスコープでも使用しない限り、数キロ先の様子などわかりはしないほどに
分厚く雲が垂れ込めていたが、相手が堂々と明かりをともしているのであれば、光源には不自由しない。
「ロシア人?」
めがねがぼそりと尋ねた。