1 :
七試艦攻:
前スレが触雷爆沈した模様です。
燃える仮想戦記で悲運の戦艦「扶桑・山城」を激しく戦わせるべし!
砲戦再開!テーッ!
前スレ115までログあります。うpしますか?
4 :
七試艦攻:03/05/21 16:52 ID:???
>3
感謝。おながいします。
5 :
戦艦太郎:03/05/21 19:19 ID:???
一応手元に全編保管してはありますが、どうしましょうか?
>>3殿がUPして下さるのであれば保留しますが。
とりあえず、結論が出るまで次回掲載は待ちます。
順番がややこしくなってしまいますので……
祝!復活。
8 :
3:03/05/21 21:08 ID:???
9 :
七試艦攻:03/05/21 22:59 ID:???
3殿、ありがとうございます。敬礼。
「暁のデッドヒート」よーそろ。ごーあへー。
山城に限界の時が迫りつつあった。
既に中央部の砲塔二基を粉砕され、直撃弾を受けた煙突と後檣は炎の中に融け崩れ
ようとしている。
隊列の先頭に位置していた彼女には、メリーランドとウェストバージニアからの
砲撃が集中した。十数分間に渡る砲火の応酬の末、彼女はメリーランドに十五発を
超える命中弾を与えてその上構の過半を廃墟に造り替えていたが、自身もまた十発
近い十六インチ砲弾の直撃を受けていた。
「三番主砲火薬庫、温度上昇止まりません!」
火災は貫通孔を穿たれた上甲板から中甲板に拡大し、ヴァイタルパート内部を次々
と侵食していった。内務班が駆けつけて放水を開始したところに次の砲弾が飛び込み、
消火に従事する人間もろとも区画を吹き飛ばす。
「注水はどうした! さっき命じたはずだぞ!」
「ポンプが動かんのです! 散水器もだめです!」
新たな十六インチ砲弾が着弾。高声電話の応答が途切れる。篠田艦長は、通話器を
叩きつけた。
中央部の艦内は、もはや区画が意味をなしていなかった。隔壁の断面を晒していた
破孔がさらに抉り取られ、三番砲塔のバーベットが歪む。下層甲板まで貫いた爆風は、
続いて周囲に存在した可燃物を片っ端から炎上させていった。
さらにもう一発。今度は中央部の横腹が抉られた。短遅動信管によって砲弾が炸裂
したのは、注排水区画のど真ん中。水線付近の船殻が内側から弾け飛び、続いて海水
の流入が始まった。
>>8 お疲れ様でした(敬礼
次回掲載は、早ければ週末にはできるはずです。
以降、また暫くペースダウンする予定ですが、
7月には何とか完結に持って行ければと思っています。
12 :
山崎渉:03/05/22 01:00 ID:???
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
武蔵は、武蔵はまだ見えぬか。
乙彼様です。 >1,8
15 :
名無し三等兵:03/05/23 00:01 ID:tqHGbEDy
Z武二型ですか?
↑機雷発見。放置よーそろ。
昼戦艦橋の高声電話が再び鳴る。相手は中央部で応急作業の陣頭指揮に当たってい
る運用長だった。
「隔壁を開くだと!?」
『幸か不幸か、海水がすぐ隣まで来ておるんです。ここの水密を解けば、三番の火薬
庫は助かります!』
「それは」
篠田少将は絶句した。閉鎖中の水密扉を開き、隣接区画ごと三番火薬庫に注水する。
確かに有効な手段ではある。それはそうだが。
『ポンプもスプリンクラーも駄目です。火勢が強くて人力じゃ追いつきません。これ
しか方法が残っておらんのです!』
運用長が切迫した声で訴える。篠田は唇を噛みしめると、凄絶なまでに強張った
表情で言った。
「……わかった。やってくれ!」
運用長の覚悟が尋常のものでないことは、篠田にはよく解かっていた。水密扉を
開くには、人力しかない。水圧の掛かっている扉を開放すれば、取り付いていた人間
は一堪りもなく鉄砲水に飲み込まれてしまうだろう。
「だんちゃーく! 命中一、二……!」
戦場音楽に負けじと張り上げられた見張りの声が響く。
篠田は、内心に湧き上がる何かに必死で耐えていた。
三番火薬庫付近の区画からひっきりなしに寄せられていた危機の情報は、止まって
いた。
高声電話で連絡がくることも、二度となかった。
>>17 前スレの113以降に、本スレの
>>10との間の続き部分はあるのですか?
>>18 連続しております。
場面転換が判り辛くて申し訳ない。
>>19 ありがとうございます。
>>3さんと同様に前スレの115まではログを持っているので、間が抜けている
かどうか確かめたかったのです。
「扶桑、前に出まーす」
浸水で速力の落ちた山城に代わり、扶桑が隊列の先頭に踊り出る。
いっぽう当座の危機を乗り越えた山城は、健在な八門の主砲を用いてその間に三回の
斉射を行った。三発、二発、三発と、まとめて発生する命中弾。メリーランドの船首楼
は既に海水に洗われていた。前檣楼は倒壊寸前。艦上の過半を炎に覆われてもいる。
それでもメリーランドは、沈黙することを拒みつづけていた。連装四基八門の十六
インチ四五口径砲は、設計上与えられた限界速度のままに、融けたグリスとともに重量
一トンの鋼鉄と火薬の塊を撃ちだした。自他共に認める旺盛な敢闘精神を誇る日本海軍
の将兵をして戦慄せしめたほどの底力だった。
だがそれは、艦を救うために払われるべき努力が砲戦の継続に振り向けられているが
ゆえの成果でもあった。応急の徹底を指示するべき人々は、先ほど艦橋に叩き込まれた
三式弾が放った炎の中で、一握りの炭と化していた。
そして、三十発を超える巨弾の打撃に耐えてきた彼女の命数は遂に尽きた。扶桑が放
った十四インチ砲弾が二発、水線直下の舷側を立て続けに抉り取った。一発は改装によ
って増備されていたバルジを突破して艦内に踊り込み、甲板二層を貫通して爆発。キー
ルを前三分の一ほどのところで叩き折った。もう一発はY砲塔のバーベットと後部機械
室の中間で爆発し、衝撃で発電機を半壊させた。
この一撃によって、それまでメリーランドを救うために現場レベルの判断で行われて
きた応急の努力は一瞬のうちに無意味となってしまった。折れたキールが艦底を突き破
って対処の難しい浸水を引き起こし、それを食い止めるべき排水ポンプが動作をとめて
しまったからだ。
さらに、推進軸用の電動機も左舷側の二軸が停止。なおも動いていた右舷の二軸が発
生したモーメントによってメリーランドは左舷に回頭を始めたが、そこに扶桑と山城の
斉射が同時に降り注ぎ、既に原形を失っていた艦首を完全に吹き飛ばした。
次の瞬間、キールを折られて強度が失せたメリーランドの船体は、A砲塔とB砲塔の
中間から目に見えるほどの速度で捻れ始めた。一刻も早く総員退艦を開始すべき状況
だったが、その指示を出すべき人間はこの事態を確認できるレベルには存在していな
かった。
メリーランド・・・敵ながら天晴れ!
敬礼!
勢いでもう一話書けてしまったので、前倒しで掲載行きます。
「メリーランド、針路変更しました!」
「畜生、やられたか」
戦術行動としては明らかに不自然な転舵だ。ウェイラーは状況に見当をつけた。
指揮系統にとどめを刺されたか、操舵機能をやられたか、あるいは片舷の推進器が
止まったか。外見から正確なところは掴めなかったが、どのみち結果は一緒だ。
「ペンシルバニアに合流急げと伝えろ!」
「さっきからやっとりますが──今、傾斜復旧に成功したそうです」
ウェイラーは不満気な唸り声を発した。遅い。
ウェストバージニアは、長門の艦命を賭した猛射を受けた際にA砲塔とY砲塔を粉砕
されている。いくら問答無用の威力を誇る十六インチ砲とはいえ、たった四門では二隻
の戦艦を相手取るには火力が足りない。
あるいはここが自分たちの墓場となるか。
ウェイラーが観念しかけたそのとき、艦橋から連絡が入った。
「敵戦艦、転舵! 反対舷で砲戦中!」
「どこのどいつだ。ジェスの本隊か?」
「いえ、駆逐艦です。フレッチャー級が三隻……なんてこった、少将旗を掲げてる!」
続いて通信が入った。
『われスリガオ方面部隊旗艦ルメイ。これより戦闘加入す──』
追伸の文面を目にして、ウェイラーは自分の涙腺が熱くなるのを感じた。
──ウェイラー、あとひと踏ん張りだ。諦めるな。
バーケイ
保全
26 :
名無し三等兵:03/05/27 05:06 ID:Hd1JhxMi
保全
左舷に指向した扶桑と山城の副砲が、雨霰と六インチ砲弾を浴びせてくる。だが、
照準が定まっていない。
「よし、効いているぞ!」
連中は動揺している。バーケイ少将は確信した。
旗艦シュロップシャーを最上との相討ちで失った彼は、指揮官のカワード大佐が負傷
したことによって宙に浮いていた第五四駆逐隊旗艦のルメイに将旗を移し、残存艦の中
で戦闘可能なものを率いて全速力で北上していた。
彼に従うのは、旗艦ルメイ以下マクデルマットとバッシェのみ。少将の身でありなが
ら、麾下の戦力は駆逐艦三隻に過ぎない。
だが、彼の戦意は却って燃え上がっていた。火災による投棄で雷装を失ったバッシェ
を先行させ、襲撃行動をとらせたのだ。日本軍の戦艦は、まんまとこの欺瞞に引っかか
って隊列を乱した。
「バッシェを後退させろ。マクデルマットに連絡だ。突撃! 友軍を救え!」
二隻のフレッチャー級駆逐艦は、大きくうねる海上を三五ノット以上の全速で突進し
た。艦中央では、右舷を指向した五連装魚雷発射管が発射の瞬間を待っていた。
「一〇〇〇〇ヤードです!」
「つかまえたぞ! 主砲撃ち方始め!」
五インチ両用砲が唸る。扶桑の舷側に、幾つかの命中の閃光が走った。しかしこの
軽い打撃はあくまで牽制。本命は必殺の二一インチ魚雷だ。
「九〇〇〇ヤード!」
「右舷雷撃用意!」
だが、そこで後方から轟音。
「マクデルマット被弾しました!」
艦尾から火を噴いている。
「くそっ、ここまで来ておきながら……何!?」
バーケイの目が丸くなった。
「バッシェが……!」
見張りが驚いた声を上げる。
「あの莫迦、退避しろと言ったはずだぞ!」
牽制役のバッシェが、そのまま五インチ砲を放ちながら敵戦艦に向けて接近を続けて
いた。
28 :
名無し三等兵:03/05/27 21:42 ID:FVaUD2oi
あげ
29 :
山崎渉:03/05/28 15:52 ID:???
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
保守よーそろ
保守
バーケイ少将の部隊って文字通り最後の盾だったような。
あと、輸送船しか残ってないんじゃないか米軍?
ナッシュビルが残ってるような(w
ライバルスレッドに負けるな!
>347
ライバル・・・何処?
もう一つの軍事小説スレッド
先生方の小説では読めないようなマイナー艦が活躍しています
ロンドン条約制定後の世界で中型戦艦がガンガっています
>>34 情報dクス。
なるほど。なんというか、戦艦天国という感じですな。
個人的には、こちらのスレの作品が好みです。
“死闘に継ぐ死闘”という感じで・・・。
「副砲、左舷砲戦! 接近させるな!」
阪少将が叫ぶ。
扶桑と山城の副砲火力は、内懐にまで飛び込んできたバッシェに集中された。六イン
チ砲弾が降り注ぎ、小癪な駆逐艦の上構を次々と毟り取っていく。だが、自艦の数倍の
火力に晒されているにもかかわらずバッシェは果敢だった。四基の五インチ単装砲が、
片っ端から火柱を上げて爆砕されながらも、高角砲ならではの速射率で撃ちまくる。
扶桑の舷側に数発が集弾し、ケースメイト一基が砲身を根元から折られて沈黙した。
だが、バッシェにできたのはそこまでだった。後部に三発がまとめて命中し、艦尾砲
を爆雷投下軌条ごと千切り取った。バッシェはなおも四十ミリ機関砲まで振り上げて
扶桑に攻撃を加えたが、山城からの六インチ砲弾までが直撃するに及んで、ついに罐室
が全滅し、バッシェは火柱と水蒸気に包まれてその場に停止した。
「よし、これであいつは黙らせた──」
「左舷雷跡!」
──くそっ、残りの奴か。
阪少将は舌打ちすると、回避を命じた。
「山城の左舷に水柱っ」
「おのれ、逃がすな!」
扶桑の副砲指揮所に怒声が沸き、六インチ砲が猛然と吼える。
「敵戦闘艦に命中!」
退避コースに乗っていたルメイに命中弾。後甲板から火の手が上がった。
「雷跡、艦尾かわった」
どうやら扶桑には被害は出なかったらしい。そう思った矢先。
「──な、何ッ」
強烈な衝撃を感じたと思った次の瞬間、艦橋の床がひっくり返った。
雷撃の騒ぎに紛れて五五〇〇ヤードまで突っ込んだウェストバージニアが至近距離で
放った十六インチ砲弾が、扶桑の前檣楼を直撃。上部三分の一が蹴飛ばされた積み石の
ように転がり落ち、残りが轟音を立てて倒壊した。
「ばかな……こんなところで!?」
狼狽する間もあらばこそ、阪少将の意識と肉体は、昼戦艦橋になだれ込んで来た爆風
の中に消えた。
あげときましょう.
なんか 扶桑も山城も活躍することなく消え去りそうだな。 (´Д`;)
「超AI戦艦大和」というトンデモ系火葬戦記で、山城と扶桑がちこっと活躍
してました。レイテ湾に突入して、大和とともに湾内を火の海にしてました(^◇^;)
42 :
動画直リン:03/06/04 13:52 ID:WWa+rPXB
戦歴でハイメ一世に負けそうだ
44 :
名無し三等兵:03/06/04 14:03 ID:oL99mKvj
>>40 実は私も困っていたりします(ぉぃ
大和を暴れさせすぎたせいで、残るは大破状態のウェストバージニアとペンシルバニアのみ。
あぁっ、こんな連中蹴散らしても見せ場にならんっ(汗
まあ、手を変え品を変え可能な限り演出するつもりではおります。
どうもスレの主題からは離れてしまったような気もしますが……
>>45 本命の輸送船団とナッシュビルが残ってます。
>>45 いやいや、最後まで頑張ってください。
毎回毎回楽しみにしていますし、この怒涛の展開は涙ものですTT
>>46 扶桑・山城がそれ食べちゃったら武蔵は何を(PAM!PM!
>>47 >扶桑・山城がそれ食べちゃったら武蔵は何を(PAM!PM!
ハルゼーの機動部隊が残っていますが。
大和が(大破した鉄屑とはいえ)沈んだという描写がまだ無いので、何気に第三砲塔が復活しないかと今まで待ってしまってましたが・・
>49
血と海水をたらふく飲み排水量7万トン以上になった船体で、タックル&ボディープレスを敢行。
>>50 残念ながら、艦橋から前がなくなっているので排水量はむしろ減っていると思われ。
52 :
名無し三等兵:03/06/04 23:28 ID:c9H8phNK
もちろん、クルリと第三艦橋が(PAM!PAM!
53 :
戦艦太郎:03/06/04 23:49 ID:???
彼女達がはなばなしく活躍する必要なし!
可憐に散るのがよろし>>某虚仮
54 :
戦艦太郎:03/06/05 00:03 ID:???
咲いてこそ 分かる命も あればこそ
散るもまたそれ さだめなるかな
文字通り太平洋から戦艦という名のつく艦を
消し尽さんばかりですな。
まだハルゼーが6隻もってたか
>>45 楽しみにしてますので、ちょっと逸れた所でかまいません。
それに、戦争はこれで終わりではないし、
終わったあとが有るじゃないですか。
みんなでオマハビーチに突っ込めー!
TATATATA
あわびゅっ!
今までの戦闘経過はこんな感じでいいのかな。
第一次エンガノ岬沖海戦(10/24昼)
栗田艦隊 武蔵小破
小沢艦隊 天城沈没、雲龍中破、千歳小破
西村艦隊 満潮小破
ハルゼー艦隊 プリンストン沈没、バーミンガム大破?、インディペンデンス・サンジャシント中破(戦線離脱)、ワスプ小破
サンベルナルジノ沖海戦[前半](10/24深夜)
栗田艦隊 榛名・鈴谷・筑摩・鳥海・能代・早霜・雪風沈没、武蔵・金剛中破、大和・長門小破
リー艦隊 マサチューセッツ・アラバマ・ワシントン・アイオワ・ニューオーリンズ・ヴィンセンス・駆逐艦3沈没、ニュージャージー・サウスダコタ中破
サンベルナルジノ沖海戦[後半](10/25未明)
橋本艦隊 金剛・島風沈没、武蔵・妙高大破(妙高・秋霜戦線離脱)
リー艦隊 ニュージャージー・サウスダコタ沈没
スリガオ海峡海戦(10/25早朝)
西村艦隊ほか 最上・満潮沈没
バーケイ艦隊 シュロップシャー・メルヴィン・モンセン・デイリー・魚雷艇複数沈没ほか
サマール島沖海戦[序盤](10/25早朝〜)
栗田艦隊 長門沈没、清霜・野分大破ほか
オルデンドルフ艦隊ほか テネシー・ミシシッピー・ボイス・ガンビアベイ・ホワイトプレーンズ・駆逐艦1沈没、フェニックス・ポートランド大破ほか
サマール島沖海戦[中盤]
栗田艦隊ほか 熊野・那智・青葉沈没、大和沈没寸前、扶桑・山城大破?ほか
オルデンドルフ艦隊ほか カリフォルニア・フェニックス・ジョンストン・バトラー沈没、メリーランド沈没寸前、ウェストバージニア・ペンシルバニア・ファンショウベイ・セントロー・カリニンベイ・キトカンベイ・バッシェ大破?ほか
もうわやくちゃですね。小沢艦隊及び一航艦と米機動部隊の戦闘はどうなっているのでしょうか。
サマール島東岸は漂着した瀕死の日米将兵がさまよい歩いているのかのぉ
>>60を参考に被害総計
帝國海軍
沈没 大破 中破
戦艦 3 3 0
空母 1 0 1
巡洋艦 7 1 0
駆逐艦 4 2 0
アメリカ海軍
沈没 大破 中破
戦艦 9 3 0
空母 2 5 2
巡洋艦 3 0 0
駆逐艦 11 1 0
アメリカの方間違ってるかもしれん
しっかし、よく沈んでる
最後まで残るの何隻だろ・・・
>>64 矢矧は見落としてましたが、読み返した限りでも沈んだとは断定できない
ように思います(戦闘能力は残ってないでしょうが)。ポートランドも同様。
あと米軍の駆逐艦で名前も出ないまま撃破されちゃったの何隻か省略しました。
圧倒的じゃないか。我が軍は。はっはっは……。
脳髄を失った扶桑は、梯子を滑り落ちるように戦闘力を失っていった。転がり落ちた
前檣楼上部は二番砲塔を真上から直撃して叩き潰し、続いて打ち込まれた十六インチ
砲弾が三番砲塔と五番砲塔を相次いで爆砕した。まるでこの戦場で最後まで無傷を保っ
てきた幸運の揺り戻しが一気に襲ってきたかのように、彼女の艦内のあちこちで致命的
な被害が続出した。
そして指揮系統の混乱を見て突っ込んできた駆逐艦三隻が、両舷から包み込むように
魚雷十五本を発射。対する扶桑はこの一番致命的な場面に来て、生まれ持ったその最大
の欠陥である対被害抗甚力の低さをまともに露呈していた。上甲板から中甲板に及ぶ
大規模な火災の延焼によって、放棄せざるを得ないケースメイトが多数あらわれていた
のだ。駆逐艦たちはまともな妨害を受けることもなく、腰溜め同然に必中距離まで踏み
込んで魚雷を放った。
回避機動もままならない扶桑に対し、三本がほぼ同時に中央部へ、続いて後部に二本、
前部に一本が命中。爆圧で崩壊した中甲板から、可燃物が雪崩を打って防御区画内に滑
り落ちた。
さらに、この一撃で中央部の電源が一斉に落ち、細々と続けられていた被害対処作業
が完全にストップ。応急作業の停止と隔壁崩落による艦内通気の開通という二つの要因
に助けられた火災は、驚くほどの速さで三番砲塔の弾薬庫に及んだ。
被雷から数分後、急速に炎に包まれた扶桑は船体中央部で大爆発を起こして二つに
分断された。後半部は、仕掛花火のように次々と吹き上がる火柱と衝撃波によって自ら
を爆砕し、瞬く間に波間へと没した。
だが、前半部はその直後、誰もが驚愕するような挙動を示した。一番砲塔から二発の
十四インチ砲弾を放ったのだ。照準など定めようもない一撃だったが、このうち一発が
奇跡的な確率でウェストバージニアのX砲塔前楯に命中。衝撃で砲耳が破損した右側砲
が俯角位置にまで落下した。
そして一矢報いたことに満足したかのように、前半部船体もまた右舷側へ倒れ込み、
艦首を突き上げて沈んでいった。
扶桑の勇戦に敬礼! 〆;;)
扶桑よ、安らかに…
比島海域の海底で互いの戦没艦が酒を酌み交わしている夢を見ましたよ…
扶桑の最期は山城からも目撃されたが、山城ではそれに構っているどころではなかっ
た。豪雨のように降り注いでいた十六インチ砲弾に加えて二本の魚雷まで叩き込まれた
彼女の艦内では、僅かな予備浮力を必死で遣り繰りして戦闘能力と航行能力を維持する
ための作業が続けられていた。
そんな内務班の挺身の努力に応えるかのように放たれた十四インチ砲弾が、三五〇〇
ヤードまで接近したウェストバージニアに次々と炸裂。X砲塔の二本の砲身が相次いで
折れ飛び、舷側を貫通した一撃は両用砲弾薬庫の隣接区画に大火災を引き起こしてダメ
コンチームを慌てさせた。
「だんちゃーく……命中! 一、二、三……!」
「よし!」
修羅場と化した山城の昼戦艦橋に、久方ぶりに明るい声が響いた。
ウェストバージニアの前甲板に直撃が集中し、大きな火柱が吹き上げていた。
「A砲塔、電源が落ちました! 旋回・発砲ともに不能!」
ダメージ・レポートが届けられたウェストバージニアの艦橋に絶望的な空気が流れた。
「復旧の見込みは!?」
「全く不明です! 原因が掴めておりません!」
「畜生、ここまで来て!」
砲術長が悲痛な罵声を上げる。ウェイラーは状況表示盤を睨みつけた。山城は、沈黙
したウェストバージニアに目もくれず、レイテ方向に遠ざかりつつあった。奴の進撃を
止めようにも、山城に対抗可能な戦力であった自分の乗艦は、完全に攻撃力を失って
しまった。
そのとき、ウェイラーは不意に気付いた。ジャップの戦艦は脚を引き摺っている。
「艦長、本艦の速力はどうなっている?」
「は……全速二〇ノットを発揮可能ですが……まさか」
そこまで言った艦長の顔色が変わった。
「そのまさかだ。牧童の義務を完遂するにはこれしかない。アポート、両舷全速!」
「しかし、それでは相討ちに」
「構わん! 奴さえレイテに入れなければ俺達の勝ちだ!」
放てる砲弾を失ったウェストバージニアは、自らの船体を最後の徹甲弾と化し、山城
の艦尾に向けて突進を開始した。
>>63 沈没したとはっきり書かれている米軍巡洋艦はニューオーリンズ、ヴィンセンス、ボイス、フェニックス、シュロップシャーの5隻かな?
大中破はもう何がどうなっているか…(汗
よし!
ここで武蔵の登場!
ageるよ
下がりすぎだ
今だ!皆で呼ぶんだ!
「三笠ぁ〜!」
ウェストバージニアの猛追に山城が気付いたのは、二隻の距離が二五〇〇ヤードを
切った地点だった。慌てたように急旋回した後部砲塔が、十四インチ砲弾を水平射撃で
送り出す。
両舷至近に水柱。それを意に介さず、ウェストバージニアは相対速度十ノットで突進
を続ける。
距離一五〇〇ヤード。左舷を向いたまま機能停止していたA砲塔の右側面に直撃弾。
ターレット天蓋が吹き飛び、砲身が砲架から転げ落ちる。
「総員、対衝撃防御! 艦首区画は退避急げ!」
通常の戦闘配備とは異なる指示が次々と飛ばされる。前檣楼頂部に命中。最早無用の
長物と化した射撃管制レーダーが主砲射撃指揮所とメインマストごと微塵に爆砕され、
中央部甲板に向けて落下した。
一〇〇〇ヤード。山城が取舵に変針を開始した。だが、遅い。浸水と速力低下のため
に彼女の回頭性は極端に悪化していた。ウェストバージニアからの衝突回避コースには
乗れていない。
「捉まえたぞ、ジャップ!」
ウェイラーが叫ぶ。行かせてたまるか。このうえレイテに戦艦の突入を許した日には、
合衆国海軍は世界海戦史上に永遠に消えない汚点を刻み込まれてしまう。自分がそんな
愚行の掉尾を飾るわけにはいかない。距離八〇〇ヤード。もはや、戦艦ではなく戦車の
交戦距離だ。
その直後、文字通りのゼロ距離で放たれた十四インチ砲弾が真正面からウェストバー
ジニアの艦橋を直撃。CICの直上で二発続けて炸裂した。ウェイラーを含めた要員の
肉体は、この一撃で周囲の内装機器ごと砕け散り、続いて落下したCICの天井によっ
て圧搾された。
だが、ウェストバージニアはもう止まらなかった。
速力を落とすことなく最後の五〇〇ヤードを走破したクリッパー型の舳先は、山城の
後方右舷八度方向から、悲鳴のような破砕音と共に彼女の船体に深々と突き刺さった。
・・・
死闘。
正に、死闘。
日本海軍稼動戦艦無しか?
伊勢型の時代がついに来たぞ。
79 :
戦艦太郎:03/06/10 19:46 ID:???
しにぎわを しるもしらぬも なかなかに
まじることこれ いくさびとかな
戦艦太郎
扶桑と山城が居なくなってしまったら、このスレの存在意義が・・・
いや!まてまて、まだ山城が沈んだとは、一言も書いてないぞ!
>>80 活躍&生還を期待するのは皆同じ。
俺はそこをすばらしい裏切りかたする作者(策者?)方に感心+感謝。
大丈夫だ、扶桑山城は船体が半分になっても戦える。
これからは「半裂き」の別名を…。
PAMPAMPAM
83 :
名無し三等兵:03/06/11 13:37 ID:0248xbSP
艦尾がブチ折れても、船体の2/3が残っていれば曳航して帰れる!!
「ウェストバージニアを、喰ってる」
「16インチ砲を……、じかに取り込んでいる……」
「悲しいけど、これ戦争なのよね!」
扶桑と山城のニコイ(PAM!
ここで輸送船団叩けなかったら、作戦が艦全に裏目に出たことになる訳で、
神大佐更迭になるか?
>>88 更迭よりもなによりも・・・
日本から軍艦籍にあるフネが消滅する勢いだぞ
保全?
山城の艦尾に突っ込んだウェストバージニアは、不気味な沈黙を守っていた。甲板上
は瓦礫と炎に覆われて生者の気配はなく、前方を指向している火器も残っていない。
いっぽうで山城の状況は、どう控え目な表現を用いても「絶望的」と言うべきもの
だった。艦尾付近からのし掛かるように突入したウェストバージニアの艦首は、右舷
二軸の推進軸と左舷内側の一軸を完全に踏み折り、残る一軸にも大きな損傷を与え、
とどめに舵を舵機室ごと踏み抜いていた。
「被害報告!」
床に投げ出された篠田艦長が起き上がりざまに怒鳴ったが、全艦にわたって船体の
構造材が歪むほどの衝撃が走り、電源まで落ちた状態では、伝令の移動も思うに任せな
かった。
散発的に届いた報告を聞いて、篠田少将は山城の命運が尽きたことを悟った。
先ほどからの砲戦によって各所で発生していた火災は、未だに鎮火の目処がたってい
なかった。おまけに衝突の衝撃によって消火用の送水配管が各所で寸断され、注排水
系統も壊滅状態。これでは応急の余地すらない。
「これまでか……」
篠田少将はしばし瞑目すると総員退艦命令を出し、自分は艦に残ると宣言した。副長
が説得を諦めて退出した後に、まだ残っている人影。
「私も残ろう。せめてもの責任を果たさねばならんからな」
西村中将だった。さすがに篠田艦長も、これには否とは言えない。
だが、彼等が末期の杯を交わしている時間はなかった。
甲板上で「わぁっ」という声が挙がったように聞こえた直後、山城は先ほどの衝突に
劣らぬ激しい衝撃と轟音に見舞われた。突き刺さったままのウェストバージニアの前部
弾薬庫が誘爆したのだ。
「うぉっ!?」
大きく傾いた昼戦艦橋の外壁が衝撃で丸ごと剥がれ落ち、その向こうから海面が眼前
に迫ってきた。羅針儀に身体を縛り付ける間もなかった。二人は、そのまま海中へと
投げ出された。
「山城も沈没した模様──!」
悲痛な声で寄せられた報告に、利根艦長の黛大佐は「ふむ」と声を上げた。
「水雷戦隊の掌握を急げ。大型艦の残存はどうなっている?」
「足柄もやられました。重巡以上で健在なのは本艦だけです」
「足柄もだと……あれか」
右舷後方に、妙高級重巡の形をした鉄屑が浮いていた。誘爆を繰り返すそれに向かっ
てペンシルバニアがしつこく砲撃を浴びせ続けている。
「容赦がないのぉ」
砲術長が呆れた声を上げた。
「魚雷が残っていれば、やっつけてやるところなんですが」
水雷長も悔しそうにしている。先ほど敵重巡の隊列に殴りこんだ際に、利根の魚雷は
全て撃ち尽くしていた。見たところ、米戦艦の方もダメージは相当なものだ。上構の
うち装甲化されていないものは大半が崩れ落ち、中央部では時折誘爆まで発生している。
主砲塔だけが防御力に物を言わせて健在ぶりを示しているが、軽快部隊で足元をかき回
してやれば仕留められるのではないか。
「ない物ねだりをしても始まらん。……それに、主砲も相当まずいことになっとる」
黛大佐は表情を険しくした。正確にカウントしていたわけではないが、砲術で飯を食
っている者のたしなみとして自分が命じた斉射の概数は記憶している。あまり携行数が
多いとはいえない重巡の主砲弾は、そろそろ底を尽いているはずだ。
「阿武隈から連絡! 『我、艦隊指揮をとる。各艦状況知らせ』」
「一水戦? すると木村さんか」
ヒゲのショーフクキターーーーーーーーー!!
この状況でまともな指揮系統が残っていたことに、ちょっとした感動を覚えた。
緊急支援age
中型戦艦スレッドに負けたな。主役を沈めちゃ駄目だろう
この海戦、後世の歴史家を悩ませそうだな……戦闘詳報を残せる艦の方が少ないんじゃないか?
98 :
名無し三等兵:03/06/18 12:51 ID:8TvmapuZ
アノ海に出撃した者はだれも帰ってこなかった、、、、
99 :
_:03/06/18 12:51 ID:???
後に水木しげる辺りが妖怪漫画にでもしそうだなあ、この戦闘は・・・・・。
おばけ戦艦山城、とかね(w
黛はやっぱり水中弾は有効だったとか、命中率三倍論を唱えるのだろうか(w
>>101 そもそも今後の展開で黛大佐が生き残るかどうか・・・・・・・。
どうにもならなかった。ペンシルバニアの砲力を軸に、米軍はよく連携された阻止
砲火ラインで日本側の水雷戦隊の活動を封じていた。巡洋艦同士の潰しあいで戦力を
消耗した軽快部隊に、デンバーとコロンビアの六インチ砲弾の嵐が襲い掛かる。曙と
潮が果敢に肉薄雷撃を試みたが、返り討ちされて二隻とも爆沈の憂き目に遭った。
なおも荒れ狂う砲火の嵐。日本側の戦艦を全て仕留めた米艦隊は嵩に掛かっていた。
ミネアポリスを筆頭に、三隻の巡洋艦と五隻の駆逐艦が水雷戦隊を追い立てる。隊形
を崩したところをペンシルバニアが狙い撃つ。圧力にたまりかねて米戦艦の主砲射界
に踏み込んだ鬼怒が、上構に二発の直撃を叩き込まれて吹き飛んだ。
「やれやれ、たまらんな」
艦橋を根こそぎにされて火達磨の状態で沈んでいく鬼怒を見て、木村少将は溜め息
をついた。あれでは殆どの者は助からんだろう。
「利根より通信です。『第七戦隊残存は本艦のみ。只今発揮しうる最大速力二五ノッ
ト、主砲弾の残弾僅少、魚雷は全て射耗』」
「すると、残るは利根と本艦、それに四駆、一七駆、一八駆、二七駆、三二駆、それ
に浦波……駆逐艦九隻か」
「いえ、八隻です……今、時雨が沈みました」
木村は困った顔になった。これでは勝負にならんじゃないか。
「先任参謀、どう思う?」
「引き返すのが至当でしょうな。戦艦と甲巡があわせて四ハイもいる中に、正面から
突っ込んでもレイテには行けません。それに……」
「弾薬も残り少ないと来るか。レイテに行けたとしても、輸送船何隻沈められること
やら」
そして旗艦阿武隈の見張り員が、撤退の決断を迫る最大の要因の到来を告げた。
「敵機来襲! 二時方向、戦雷連合およそ一五! まだ他にいますっ」
トーマス・スプレイグ、スタンプ両護衛空母隊の艦載機が、悪天候を衝いて救援に
駆けつけたのだ。
>96
これだけ戦えば扶桑山城といわず、帝國海軍水上部隊の価値は文字どうりその意図
のとうり燃焼しつくしたと言っていい。
>98
このキャンペーン艦が沈むと帰れなかった例多いよね(殆ど戦死までいれたら武蔵
や扶桑山城に筑摩とかきりが無い位ある)。
どういう結末を迎えるか期待してマス。
武、武蔵は・・・
>>105 通信がやられてて、阿武隈と連絡が取れず、
状況的に沈んだと思われているのではないかと。
あとはもう、3艦隊しか残ってないよなぁ。
>>96 彼女が鬼神のように動き、米軍をなぎ倒すのを待っているんじゃない。
我々が求めているのは彼女の「活躍」の場だ。
いうなれば「生き恥」を晒さないための。
死に場所を求めているといっても過言ではない。
そうだよね、みんな。
>107
とりあえずペンシルバニアだけは沈めて欲しい・・・
>>107 まず、最初に某虚仮氏の作品は大変面白く読ませてもらっており、
感謝していることを前置きします。いつもありがとう。
「活躍」を求めているというのは同意しますが、死に場所云々には同意しかねます。
私個人としては、同じ沈む話としても、死ぬ為の戦いで沈んだと言う話より、
何者かを生かすための戦いで、生存の努力を為したけど、それでも
力及ばず沈んだという話の方を求めております。
例えば、船団護衛に駆けずり回った挙句、敵艦艇一隻も沈めることなく、
柱島で着底、戦後解体、という話でも、私は面白いと思います。
長文すいません。
このスレッド(過去スレを含めて)では、
これまでに複数の作者の方が作品を発表しています。
活躍の形については、それぞれの作者に、まかせた方がいいのでは。
というより、あなたが書く新作に期待しています
>>109
>>109 え〜、まぁ、気にしないでください。
私も21世紀に彼女達がヒトカップ湾に係留されているというようなことを夢想してたりしますし。
戦場保全
今何が残っていたっけ?
話の展開が早すぎて、わからなくなってしまった・・・
そういえば、伊勢と日向はどうしただろうか?
日向と小次郎は……(ターン)
戦場海域に飛来したのは、FM−1が七機とTBMが十機。機数こそ少なかったが、
彼らは護衛空母部隊の航空隊をまともな飛行隊らしく行動させるために乗せられていた
貴重なベテランばかりだ。眼下で戦っている艨艟たちに比べれば微々たる戦力に過ぎな
かったが、それでも「騎兵隊」としては十分だった。
「左舷、雷撃機二、突入してくる!」
「面舵三〇!」
逃げるしかない、木村少将はそう決心した。飛んできたのは、近傍に存在する空母部
隊の艦載機に違いない。これはつまり、今まで自分たちの味方となってきた天候が艦載
機の発着が出来る程度にまで回復していることを意味する。ここからレイテまでの距離
を考えると、突入の成就は絶望的だ。
(レイテは、遠かったか……)
そのとき、見張りが「あっ」と声を上げた。
「反跳!」
「なに!?」
突入してきたのは確かにアヴェンジャー艦攻だったが、雷撃ではなかった。銀灰色の
翼が翻り、四発の五〇〇ポンド爆弾が次々と投下された。元々雷撃に備えて転舵して
いたために投影面積は小さかったが、それでも一発が阿武隈の艦尾を飛び越えて上構前
半部に直撃し、艦橋を中破させた。
衝撃でなぎ倒された艦橋要員を、駆けつけた衛生班員が助け起こして歩く。弾片を
受けて倒れた木村少将の脳裏を、一年前のダンピール海峡の光景が過ぎった。
「司令、手当を行いますので医務室へ」
「莫迦者、この艦隊に残った将官は儂一人だぞ。負傷したからといって持ち場を離れ
られるか」
木村少将は衛生兵の手を振り払って自力で立ち上がると、艦橋の窓から外を睨んだ。
幸いにして、味方の回避運動は的確だったようだ。藤波が上構から黒煙を吹いている
ほかは、損害らしい損害は出ていない。
「敵駆逐艦三隻、向かってきます!」
「水雷戦隊、迎撃せよ。全艦砲戦用意!」
116 :
名無し三等兵:03/06/24 14:59 ID:kBqwIF29
戦場保全
毎度お待たせしております。
ようやく研究のほうが一段落ついて、今週中は時間が出来ました。
最低限、金曜と日曜の掲載を目指しておりますので、今しばらくお待ちください。
夏コミ抽選漏れしました。まさかセラムンジャンルで仮想戦記出したから
ではないと思いますが、10数年活動していて落選ははじめてです。
印刷屋の〆切を気にする必要がなくなったので、ちょいとゆっくり扶桑の
守備隊救出作戦について資料集めを始めますか……。
120 :
名無し三等兵:03/06/27 13:15 ID:4LJFIm35
>>119 ていうか十数年やってて初めて落選って、結構すごいんですが。
キターーーーーーーーーーーーーー!!の?
あらら。
123 :
_:03/06/27 21:19 ID:???
追撃を掛けてきた米駆逐艦に砲撃を浴びせながら、日本艦隊の残存はスリガオ海峡方
面に針路を取った。
「おっと、そうは行くか!」
先頭を行くルメイの露天環境で、バーケイ少将が不敵な笑みを浮かべる。
「駆逐艦から全艦隊を指揮か。こいつはとんでもない先例になるな」
TBSの通話器を握り締めたバーケイ少将は、自分の乗艦よりも五倍以上は大きな
麾下の艦に向かって指示を送り始めた。
「巡洋艦は右翼に先行、敵の側面に回れ。ペンシルバニアは無理をするな。駆逐艦は
ジープ共の生き残りの救助だ。マクデルマットはついてこい!」
数時間前の姿から見る影もなく勢衰えた日本艦隊の最後尾から、数隻の駆逐艦が分
離して向かってくる。
「骨のある奴が居やがる。連中、まだ潰走しているわけじゃなさそうだ」
バーケイ少将はにやりとすると、砲戦用意の号令を掛けた。
「面舵、右舷砲戦!」
撤退する日本艦隊の殿軍を務めるのは、比較的損傷の浅い朝雲と山雲だった。
「畜生、年貢の納め時か」
「年貢の納め時? 莫迦を言うな!」
砲術長が悔しがるのを見て、朝雲艦長の柴山中佐は語気を荒くした。
「まだ、お前らに酒を奢っておらんだろうが!」
艦橋内の時間が一瞬停止し、次の瞬間笑い声と歓声が弾けた。
自分たちは絶対に生きて帰れる。根拠もなく、そんな確信が生まれていた。
西村中将と篠田少将は、裏返しになった救命筏に掴まって波間を漂っていた。黒い
英字が刻印してあるところを見ると、米艦のものらしい。
「不思議なもんですな。死ぬ覚悟を固めたつもりでも、一旦助かってしまうとなかなか
思い切れない」
重油にまみれた顔で、篠田少将が溜め息をつく。山城の艦橋から海中に投げ出された
ときは無我夢中で手近な漂流物にしがみ付いていた彼らは、その後何度か入水を試みた
ものの、重油を浴びたことによる浮力と無意識の生存本能に阻まれて果たせずにいた。
「私も驚いていた。我々の覚悟とは所詮この程度のものだったのか、と」
西村中将が同意したとき、
「ジャップか?」
救命筏の反対側から英語の声が飛んできた。重油の塊のようになった頭を海面から
突き出して、一対の青い瞳が彼らを見つめていた。
「大したもんだよ、お前らは。おかげで俺も、乗艦を沈められてこの有り様だ」
最初は一時的に緊張が走ったが、争いは起きなかった。ゴム製の救命筏は、三人が
しがみ付いてもびくともしないほどの浮力を有していたし、溺者同士で戦っても意味は
なかったからだ。
だが、救助にやってきた米軍の駆逐艦に引き上げられたとき、二人は同舟していた
相手の正体に仰天した。
「ようこそ、駆逐艦ホエールへ。君たちには捕虜としての正当な待遇を保証する」
ジェス・オルデンドルフ少将は、顔にへばりついた重油を拭いながら疲れた笑顔を
浮かべた。
もっとも、数分後に驚くのはオルデンドルフ少将も同じだったのだが。
史実で沈んだ艦と生き残った艦は今回では全く関係ないのね。
ホエールが残っていたのは、意外でしたしなんかうれスィ。
そういえば、西村さんもね。
あわわ,こういう展開になるとは予想外.将に呉越同舟.
ただ,オルデンドルフ少将の『ジャップ』という呼び方はチョイと気になるかな.
ハルゼーなら似合うんだけど,将官級だと下品な印象も.
『日本人か??』でも流れとしてはむしろ自然というか,アトの『〜へようこそ』
が活きる気がするのだが・・・・・・ (重箱の隅ツツキでスミマセン)
>>127 ・・・うむ。
好みの問題やも知れませんが、オ少将は戦闘>撃沈>漂流で気が立っているので、乱暴な口調になったのではないかとか思ってますた。横レスでスマソ。
素直な表現だと思われる。
むしろ、愛称とでもいうべきか。
嫌味な感じはしないのだが……。
1944年10月25日現在、この物語に沿った場合に日本海軍に残されている軍艦。
(敷設艦 水上機母艦 潜水母艦 等は省略)
<航空母艦>
瑞鶴・・・戦闘航海可能 現在地・エンガノ岬沖
雲龍・・・大破、速力低下 現在地・エンガノ岬沖
隼鷹・・・戦闘航海可能 現在地・エンガノ岬沖
瑞鳳・・・戦闘航海可能 現在地・エンガノ岬沖
龍鳳・・・戦闘航海可能 現在地・エンガノ岬沖
千代田・・戦闘航海可能 現在地・エンガノ岬沖
葛城・・・停泊中 現在地・瀬戸内海
神鷹・・・停泊中 現在地・瀬戸内海
海鷹・・・停泊中 現在地・瀬戸内海
信濃・・・竣工間近 (於 横須賀工廠)
<戦艦>
武蔵・・・大破、速力低下 現在地・レイテ湾口
伊勢・・・戦闘航海可能 現在地・エンガノ岬沖
日向・・・戦闘航海可能 現在地・エンガノ岬沖
<巡洋艦>
高雄・・・大破、退避中 現在地・比島近海
妙高・・・大破、退避中 現在地・シブヤン海
羽黒・・・中破、戦闘可能 現在地・レイテ湾口(武蔵に随伴)
利根・・・戦闘航海可能 現在地・レイテ湾
大淀・・・戦闘航海可能 現在地・エンガノ岬沖
五十鈴・・戦闘航海可能 現在地・エンガノ岬沖
多摩・・・台湾へ回航中 現在地・バシー海峡
阿武隈・・戦闘航海可能 現在地・レイテ湾
木曾・・・新型電探試験中 現在地・マニラ湾
北上・・・改装中 現在地・佐世保工廠
八十島・・改装完了間近 現在地・佐世保工廠
香椎・・・輸送部隊随伴中 現在地・本土近海
鹿島・・・輸送部隊随伴中 現在地・本土近海
八雲・・・停泊中 現在地・瀬戸内海
出雲・・・停泊中 現在地・瀬戸内海
磐手・・・停泊中 現在地・瀬戸内海
酒匂・・・竣工間近 (於 佐世保工廠)
・・・だと思う。
我らが栄光の「準鷹」はいまどこに、、、、?
す……。水上機母艦は……?
>>130-131 お疲れさま〜〜
なんか,残存全力で真珠湾もぉ一回ヤルとか・・・・
いや,数合わせとしては南雲艦隊並みかなぁ,と.
>132
準鷹は現在、P-38ムスタング戦隊と共にバジル作戦に参加中であります、サー!
なお、これに関しては一切の公的記録を残してはならないとの命令が出ております!
>>136 黒海からボルガをさかのぼって、スターリングヤードに参加しているという噂も耳にしたが?
可哀想に消されるぞ・・・
フィンランド…