南部連合国は同盟国のスペインを支援する、スペインは同盟国のドイツに輸出する
の流れで、北米合衆国の高品質燃料と南部連合国で生産された部品(組み立てると
メサーシュミットに・・・)がバトルオブブリテンを枢軸国勝利に導いたというのは
過去スレで見ている。
国同士の付き合いって大切だよね?
>929
>ザラ級は最後の装甲巡洋艦と言えそう
イタ公自身が「装甲巡洋艦」と一時的ながら自称しとる。
>932
燃料とか機械部品の品質とかいう「瑣末事項」が史実における敗因ではないのは如何に?
この世界だと、1946年夏から食糧難による抵抗力低下と医療品不足により疫病が
イギリス南部に蔓延している上、1947まで頑張れる武器弾薬の備蓄があるが、一般
人を、食べさせる食料が無くなるために英国放棄になってしまいます。
1942〜3年にはマルタ島失陥しているからなあ。ジブラルタルも翌年失っているし
輸送船団は喜望峰大回りで行くか、U-ボート跋扈する大西洋を行くかで
しかも、史実と違って米国は英国への支援は消極的だし
とりあえず、アイアン・デューク萌えな俺は英仏海峡での艦隊決戦で砲術練習艦で残っている
三隻がカブールやナッソー相手に獅子奮迅の活躍を見せてくれることを期待している。
同世代艦の金剛や陸奥の空気読めない特攻もありえるがorz
>陸奥金剛
欧州枢軸勢にはインド洋まで戦艦と空母出してもらっている”恩”を史実と違って
カリスマある”やんごとなき御方”をないがしろにする訳ない。
陸軍がアフリカに九七式中戦車改や一式戦を出している現状で、「海軍には船は無いのか?」と
のたまって慌てて欧州派遣だろう。
と言っても、主力ではない金剛級と損傷で門数が六門(それでもネルソンとガチ)の陸奥は
欧州戦艦と派互角に戦える戦力だが。
>大日本帝国大西洋打通
「悪夢の一夜」で船の数をソ連並みに減らされた帝国海軍が派遣するとなると二戦級ばかりか?
本国決戦と言うことで出し惜しみしない英国と復讐を狙う仏国と独国が主流で、他の三国はチョイ役でしょうな
>>938 陸奥と金剛はガチ、他には空母は純鷹(元インドミタブル)、重巡は妙高
どれも英国にゆかりのある設計のがやってくるんだから最悪の冗談です。(笑
940 :
名無し三等兵:2006/02/13(月) 08:53:07 ID:6lOjRqFB
「デヴォンシャー」
=□ =□
< =○=○■○=○=●● )
=□ =□
(四連装主砲塔:≡○ 副砲:=□ ゜艦橋:■ 煙突:●)
■超海防戦艦
ワイマール条約によりドイツは往時とは比べようもない弱小海軍になったと言われる。確かに時代遅れ
となった準弩級戦艦五隻と最初期の弩級戦艦二隻を保有しているに過ぎないし、砲塔形式では無い
軽巡洋艦6隻を持つでしかないドイツは三流海軍に墜ちたと言えるだろう。
しかしバルト海では、革命の影響で稼動大型艦が皆無になったソビエト連邦。そもそも大型艦など欠片
も保有していない北欧諸国に対しては以前として、有力な戦力であった。(注1)
さらに、1933年にデビューした装甲艦「ドイッチュラント(二代目)」は軽合金と電気溶接を巧みに組み
合わせた軽量な船体、長砲身11インチ三連装砲、軽量高出力高燃費のディーゼル機関を組み合わ
せた「ポケット戦艦」として世界各国の注目を浴びた。排水量一万トン台ながら、「ジュットランド海戦」で
恐るべき耐久性能を見せ付けたドイツ海軍の軍艦だから「防御能力もそれなりにあるのだろう」と諸外国
に思わせてしまう出来であった。ドイツとしては海防戦艦を造るつもりであったが、軽量化を狙ってディー
ゼル機関を積んだために要求性能よりも航続性能が向上してしまい、攻撃力と高速性能を併せ持ち、防
御もそこそこ有るフィッシャー式巡洋戦艦もどきが出来上がってしまったのだ。
しかし、諸外国は「ポケット戦艦」としての性能ばかりに目が行ってしまい、この小さな装甲艦を自国の
艦艇を脅かす存在として認識してしまった。「砲撃力と防御で巡洋艦を圧倒し、速力で戦艦から逃げる
嫌な艦」。そういう評価を下してしまったのだ。そして諸外国は対応策に忙殺される事になった。(注2)
■無い物は出ない
だが対応に苦慮する国々もある。それは先述の北欧諸国。列強諸国なら対策はいくらでもある。だが
彼らには超弩級戦艦も強力な巡洋艦もない。希少な鉱物資源に恵まれ、資金力もあるトルステインは
世界中に強力な巡洋艦と大型駆逐艦を発注したし、スウェーデンはスヴェレージ級の経験を元に、巡洋
戦艦と大型巡洋艦の建造に着手した。しかし、艦艇の多くを輸入に頼るノルウェーには金に物を言わせ
て発注競争をしたり、自前で大型艦が建造できるわけでもない。
慌てて軍備拡張宣言を出して取り揃えるしかない。しかし飛行機や戦車や水雷艇はイタリアから購入
して何とか体面が付いたものの、大型艦はそうはいかない。何しろ大型艦を作るには年数が要るのだ。
デンマークは日本に発注したが、ノルウェーはどこに頼る?フランスとイタリアは子供の喧嘩みたいに
建艦競争を繰り広げていて、とても頼めそうに無い。頼むべきはこの世界で一番に大型艦を造って輸出
しているところ・・・イギリスだ!!!
英国政府や造船所は快諾してくれた。イギリスでも先の大戦で、自国の戦艦はグルグル回って標的艦
になるし、巡洋戦艦は造っても造っても片っ端から撃沈されてしまい、戦艦先進国としての諸外国からの
信用丸つぶれで、大手顧客の南米海軍からの巡洋艦の依頼(注3)だけで輸出部門は食い繋いでいる
状態であった。そのため、”小口”のノルウェー海軍の依頼にも快く応じてくれたというわけである。
要求性能は「主砲は30.5cm砲以上で防御は独11インチ砲に耐えうるもの。速力は26ノット以上、排
水量は一〜二万トン台、そして安く!」という物であった。これは、ナッソー級の28.3cm砲、ガングート
級の長砲身30.5cm砲よりも威力のある主砲に対抗するには必要最低限な要求であり、それに献金し
てくれる国民に対しての視覚的効果も狙った。
943 :
941:2006/02/14(火) 17:41:34 ID:???
艦形図の
>(四連装主砲塔:≡○ 副砲:=□ ゜艦橋:■ 煙突:●)
は(連装主砲塔:≡○ 副砲:=□ ゜艦橋:■ 煙突:●)です、スンマソン
それに対する英国の回答はオライオン級の解体により余った「Marks I 34.3cm(42口径)砲」、
これを連装砲塔形式のままで前甲板と中甲板に背負い式で2基ずつの計4基8門搭載することとした。
これならば倉庫に予備砲身のストックが山積みになっているし、信頼性も問題無しで砲塔も何十基組み
上げたか解らない程の実績がある。
副砲は被弾時の被害軽減を考え、ケースメイト式配置をやめて軽巡洋艦「リアンダー級」で搭載した
「MarkXXIII 15.2cm(50口径)砲」を連装砲塔形式で4基を、艦橋と機関区の両脇に一基ずつ搭載
した。他に対空兵器として12cm(40口径)単装高角砲を艦橋脇に一基ずつ、煙突と後部砲塔の間に
一基ずつの四基とした。
防御装甲は、東京条約後に解体された戦艦の装甲を使用することで低コストに抑えた。舷側装甲は
16度傾斜した254mm装甲を水線部に張り、その上端に合わさるように水平装甲も102mm装甲を
張った。装甲板は再利用に辺り、被弾や割れがないものを選び、これをヴィッカーズ社にて表面焼入れ
処理を再度行った物を使用した。水雷防御は装甲下端部からバルジが設けられ、三層構造とされた。
機関は重巡洋艦ケント級の物を若干改造したものを用いてコスト削減に努め、出力100000馬力、速力
31ノットを発揮した。航続性能は狭いバルト海で迅速に行動するために17ノットで5500海里程度に
設定された。艦橋構造はレナウン級に模した六角形の箱型艦橋の上に三脚檣を組み合わせたシンプル
なものとし、全長が199mで全幅は26mと、排水量に比べて全長が長く、巡洋艦のような優美な印象
はタイプシップとされたレナウン級を凌ぐ物であった。
竣工した艦は「ハラルド・ハールファレ」と名づけられた、優れた直進性能とバルト海一の巨砲はノル
ウェー政府を満足させ、ドイッチュラント級に対抗するために二隻が追加発注された。しかし、その後の
鉄鉱石の値段割れで資金難となり、船体だけ完成された「トール」と「スコジョルド」は結局は英海軍に
売却され、「デヴォンシャー」「マンマス」と改名された。
船体は既存の英国巡洋戦艦よりも小型ながらも、船体構造は「ネルソン級」が現れるまで最新型で、
防御力にも優れていたこの艦を、巡洋艦戦隊を率いて敵通商破壊艦を追尾する艦として建造再開する
こととした。その事はWW1において、シュペー艦隊に追撃をかけ、華々しく散った装甲巡洋艦の艦名を
引き継がせたことからも伺える。旧式になりつつあった三脚檣を持つ艦橋は最新型の塔型艦橋へ、砲塔
形状も馬蹄型から垂直に切り立った箱型に変更された。この艦の建造資料は後にクイーン・エリザベス
級やレナウン級の近代化改装に応用される事となった。(注4)
注1:赤化ソ連をバルト海内に押さえておくための戦力として連合国側は妥協したようだ。条約締結後の
ナッソー級は未だジュットランド海戦の痛手が癒えておらず、戦力外も同然で、ワイマール・ドイツ
海軍は準弩級戦艦が主力であった。
注2:イギリスは福祉予算四割を主張する議会を抑えて既存の巡洋戦艦の近代化改装に走り、フランス
は予算を渋る議会を説得して「ダンケルク」級を獲得し、イタリアは薮蛇で弩級戦艦の近代化改装に
奔走する羽目になった。
注3:それさえも1930年代中期には南米で亡命ドイツ海軍技術士官指揮のもと、巡洋艦や駆逐艦の
自力調達が可能になってしまい、注文が来なくなくなってしまった。しかし、駆逐艦や砲艦の設計
依頼や貨客船の注文は第二次大戦まで続いた
注4:凝ったマンマス級の設計変更が無ければ、ロイヤル・サブリン級の近代化改装は遅れなかった
だろう。との最近の研究で指摘されている。
「デヴォンシャー」竣工時
水線長:199m
全長:206m
全幅:26m
吃水:7m
基準排水量:18.300トン
常備排水量:20.170トン
満載排水量:-トン
兵装:Mark V 13.5インチ(45口径)連装砲4基、MarkXXIII 15.2cm(50口径)連装砲4基、
1925年mark8型 12cm(40口径)単装高角砲4基、1923年型4cm(40口径)ポンポン砲4連装8基、1923年型mark 1 62.2 cm水中魚雷発射管6基
機関:アドミラリティ式重油専焼三胴缶8基+パーソンズ式オール・タービン4基4軸推進
最大出力:100000hp
航続性能:17ノット/5500海里
最大速力:31ノット
装甲
舷側装甲:254mm(VP内、傾斜角16度)、76mm(VP外)
甲板装甲:102mm(VP内)、38mm(VP外)
主砲塔装甲:279mm(前盾)、109mm(側盾)、109mm(後盾)、109mm(天蓋)
パーペット部:381mm
司令塔:355mm
航空兵装:-
乗員1.314名
■同型艦
「デヴォンシャー」 1943年1月1日竣工 1950年中国に引渡し、「斉遠」と改名、1977年除籍
「マンマス」 1952年4月23日竣工 1952年航空母艦に改造、1975年除籍
>デボンシャー
いま一歩のダンケルク級って所か?
主砲の射程の短い旧式砲だし、バルト海でポケ戦やヒッパー相手なら通用する出来だな。
高速海防戦艦て所か
>デボンシャー
確かこいつ等、アイアンデューク二隻を練習艦にして取得した装甲艦扱いのフネだよな
相変わらずいい取引している。
>949
IRCからサルベージした設定を元に現代風に改竄してみた。昔の戦艦スレッドではアイアン・デュークでさえ火力は扶桑型並と言われてて、コイツは6門しか積んでなかった
少々艦形を肥大化させて門数と速力を上げてみた。
ネルソン原案+ヴァンガードコンセプトが元ネタだな
>デヴォンシャー
ベンボーさんの乗ってた装甲巡洋艦まがいはこのフネでしたか
これはよい超弩級海防戦艦ですね
941からの設定によればそのスペックは技術的には「戦艦」以外の何者でもありませんが何か?
超弩級海防戦艦?海防戦艦の意義と特徴と欠陥判ってますか?ましてや装甲巡洋艦では絶対に
ありません。いやまあ設定にビジュアルが付いてないしある数値がスペックにも無いのだから
「海防戦艦」でないと断定はできんが。
>944
仰角を上げていない(w
仰角を上げないと射程が伸びないし、対甲板貫通性能が上がりません。
舷側装甲も10インチで甲板は4インチと来たもんだ(w
>舷側装甲も10インチで甲板は4インチと来たもんだ(w
いーじゃん。どうせ相手はドイツのポケット戦艦なんだし
史実シャルンホルスト相手でもなかなかの戦いが出来る巡洋戦艦だと思うけど?
>954
馬鹿スペック厨乙。
仰角上げると砲塔構造の大改装になり「高い部品を流用で安く上げる」という
眼目がパアになるだろうが。
そもそも何処の国もが「最強戦艦」をものす必要なんかないのだ。その身の丈
にあった道具があればよいのであって、そもそもフネである必然性さえ無い。
貧乏海軍にとって戦艦ほどアホらしい装備もそうは無い事をわきまえよ。
これは良い劇的!ビフォーアクターですね。廃材を使用して驚きの現代風戦艦に!
新戦艦が軒並み14インチ砲のこの時代ならば13.5インチ砲でもそこそこハッタリが効きますね。
霧の深いバルト海ならば近距離での咄嗟砲戦や水道に紛れ込んだ重巡洋艦を水柱に包むことも出来ます
ね(w
ただ・・・測距儀はもしかしてケントとかが積んでいる巡洋艦程度の能力を持つものでしょうか?射程も
伸びていないでしょうし、ジュットランド以降の新戦艦の必須である遠距離砲戦への対応がスッポリ抜け
落ちているように見受けられます。これならば旧スレにあったジャスティス級航洋モニター艦4隻と機雷敷設
高速駆逐艦の組合せの方が有効に感じます。ノルウェーの小さな財布では超弩級戦艦一隻とイタリア製
戦闘機数十機、水雷艇6隻買うのが精々でしょう。
958 :
名無し三等兵:2006/03/16(木) 15:19:36 ID:P7G6iMjA
ほしゅ
>>956 >貧乏海軍にとって戦艦ほどアホらしい装備もそうは無い事をわきまえよ。
まあ戦後の好景気にファビョってスウェーデンは巡洋戦艦建造始めるは、デンマークは日本に海防戦艦発注するは、トルステインは列強七カ国に大型巡洋艦発注するはの
バルト海世界状況でノルウェーも遅れてはならんと遅すぎる腰を上げたんだろう。
age
>トルステイン
希少鉱物を産出するが故に、スウェーデンのように”中立国”なりえなかった北欧の国家か・・・
タングステンやウラニウムまで出るんだからな
>トルステイン
北欧の小国ながら豊富な鉱物輸出&優れた金属加工技術から派生した精密化学工業を武器にWW2参加時点で
枢軸陣営と連合陣営から買い集めた優秀艦がウリの国。しかし、規格が英米日伊独仏入り混じり、工員はメンテ
ナンスに苦労する羽目に。
戦艦
「フリッドスキャルフ」
常備排水量:31535トン、195.3m× 31.7m×9.5m、
武装:38.1cm(42口径)連装砲4基、15.2cm(45口径)単装砲16基、10.2cm(50口径)連装高角砲4基、40mm(60口径)連装機関砲10基、
最大出力:81000hp、速力:26ノット、航続性能:10ノット/4500海里
大英帝国のクイーン・エリザベス級をベースに改良型として発注。海の守りの要として平和な時期に近代化改装を
繰り返しながら第二次・第三次大戦に君臨した。
航空母艦
「ブリシンガメーン」
常備排水量:18800トン、234.4m× 24.4m×5.92m、
武装:10.2cm(50口径)単装高角砲8基、40mm(60口径)連装機関砲12基
最大出力:53500hp、速力:30.3ノット、航続性能:15ノット/7000海里
航空設備:航空機86機
艦上戦闘機ブリュースターF2Aバッファロー12機
艦上攻撃機TBDデバステーター36機
北部アメリカ海軍の「レンジャー」級航空母艦の2番艦を購入した艦。当初は近距離砲戦の可能性を
考慮し備砲は8インチ砲6門の予定であったが、重巡洋艦の充実から純粋な航空母艦として改設計
された。
他に自国組立ての日米英仏伊独計7隻の重巡洋艦と独仏英の軽巡洋艦、日本の特型駆逐艦12隻を持っています。
>>962 小国が”敵”を作らないためには大変なんだなと思いました(w
age
>964
上がってないぞー
966 :
名無し三等兵:2006/03/29(水) 12:22:48 ID:N43uJdEH
ほしゅ
>>962 北海の堕天使って飯島のオリジンだっけ?
よくあすこまで妄想できるよな。
>>967
吉田直
>967
北海の堕天使でググれ
5月10日。ドイツ軍の西方電撃戦が開始された。フランス戦役はそれからわずか2週間で勝敗がついて
しまい、英仏連合軍はダンケルクへと追い詰められる。ダンケルクからの撤退は英国海運力の総力を
上げて5月26日から6月4日の10日間に断行された。その折にはフランスから「シャトールノー」と「アレ
イ」で英国にピストン輸送を行った。しかし、そうした苦労もむなしく、1941年6月22日にフランス共和国
はドイツに降伏したのだった。
ここで問題となったのが、フランス艦隊の処遇である。ペタン元帥を立てて発足したヴィシー・フランス
政府は艦隊をフランス海軍の支配下に留め、ドイツに引き渡さないことを休戦条約に明記した。ヒトラーも
また、フランス艦隊を自国艦隊に組み入れないことを明言した。しかし内容保証能力を持たない傀儡
政府や、ヒトラーの言を信ずるほど英国のチャーチルはお人好しではない。現に、そうこうしている内に
メルス・エル・ケビルに駐留していた仏印艦隊は脱出してしまったではないか、これ以上の情けは無用
、「疑わしき隣人は罰せよ」だ。
英国地中海艦隊はジブラルタル部隊を中心にフォースHを編成、指揮は一年後には「ビスマルク」
追撃戦で失敗して名を落とし、オラン沖海戦で命を落とすサマーヴィル中将だった。彼は修理なった
「ウォースパイト」を「レゾリューション」「ヴァリアント」と共に艦隊に組込んだ。さらに万全を期すために、
北アメリカ合衆国の遣英艦隊から戦艦「テキサス」と軽巡洋艦「シンシナティ」と四本煙突駆逐艦を引っ
張ってきた。
6月27日。サマーヴィルはメルス・エル・ケビル港に停泊するフランス地中海艦隊に5個の選択肢から
なる最後通牒を突きつけた。それによれば、「英国側につく」、「英国の港に艦艇を預ける」、「西インド諸
島に移動して武装解除する」、「6時間以内の自沈、戦う」、のいずれかを選ばねばならないのである。
現地時間の9時から交渉が開始されたが、フランス艦隊のレジス・ジャンスール中将の態度はなかな
か決まらなかった。懊悩するフランス艦隊に対し、北米国艦隊からはニューヨークに移動してはどうかと
いった提案がされたものの、植民地人の世話にはならぬと、にべもなく拒否している。北米としては、昨
日の友は今日の敵という余りにもあんまりな英国の態度に、かつての「横暴な主人」な姿を思い起こして
辟易していたが故の提案だったのだが。
そうこうしている内に返答の期限は過ぎ去った。サマーヴィルは戦闘を命じた。となれば同盟国として
北米艦隊も付き合わざるを得ない。17時54分、H部隊は旗艦「フッド」の砲撃を合図に攻撃を開始した。
「ウォースパイト」も無惨とは思いつつ、身内さえも敵となる戦乱の時代であるからには戦わなければなら
なかった。フランス艦隊は無言の返答「戦わず」として防波堤に尻を向けてただ蒸気だけを溜めた状態
だった。そのため、「ダンケルク」級二隻は主砲を指向することが出来ず、射程二万mを持つ副砲で応戦
を始めた。意外にも主砲射撃を戦闘開始から僅か90秒で間に合わせたのは旧式の「プロヴァンス」で
ストラスブールの後檣越しに旗艦「フッド」を狙った。そして四斉射後に見事、「フッド」の艦首に命中弾を
出して行き足を封じた。幕僚達に肩を借りて立ち上がったサマーヴィルは「プロヴァンス」に砲撃を集中す
ることを配下の戦艦三隻に命令した。その結果、「プロヴァンス」には四隻32発の38.1cm砲弾が集中
し、全艦火達磨となり、水線下に命中した砲弾の炸裂により艦尾から沈み込んでいった。しかし、完全
沈む前に二番砲塔を貫通した主砲弾が弾薬庫で炸裂した「プロヴァンス」は爆沈し、濛々たる黒煙を上
げて沈んだ。しかしその間に、レジス・ジャンスール中将の座乗する旗艦「ダンケルク」を殿に
「ストラスブール」、「ブルターニュ」の順に湾口へ出ようとしていた。
水道に入って17ノットに増速したストラスブールはたまたま居合わせたイギリス駆逐艦に「ハイハイ
ちょっとどいててね」とばかりに33cm砲弾を叩き込んだ。水柱に包まれたイギリス駆逐艦は慌てて煙幕
を展開して遁走に入った。逃亡に気付いたイギリス艦隊は「ブルターニュ」と「ダンケルク」に砲撃を集中
させ、ブルターニュの機関を大破させ、ダンケルクの水線部を抜いた砲弾は主装甲とエボナイト・ムース
層の境界を突き抜けるという「ありえなーい!?」弾道を描き、機関を半減させた。足の遅くなった僚艦を
庇っては全艦逃げ遅れると判断したジャンスール中将は「ダンケルク」と「ブルターニュ」を浅瀬に故意に
座礁させ、海上砲台として「ストラスブール」の撤退を支援する策に出た。
しかし、そうはさせじと「フッド」はT字を斬って退路をふさいだ。更に「テキサス」もストラスブールの背後
から砲撃を開始した。砲弾のサンドイッチ、後部主砲を持たないストラスブールは「テキサス」に副砲で
対処するのが精一杯だった。38.1cm砲弾8発と35.6cm砲弾10発を交互に打ち込まれて徐々に
艦体のあちこちに黒煙を上げるストラスブール。
サマーヴィルは拳を固めながら「いける!」と確信した。その直後に、真横に吹き飛ばされた。「何だ!」
と、腰掛に手をかけながら這い上がるサマーヴィル、割れたガラス越しに見れば。水平線に未だ残る
夕焼けを背後に砲弾がやってきた。その距離三万m、恐ろしいまでの至近弾。まさか、砲戦オタクと呼ば
れた日本戦艦ではあるまいし・・・そんな遠距離砲戦ができる敵は・・・。いた。
東洋からの”留学生”。仏印海軍からフランスにシャトールノー級戦列艦と一等巡洋艦フォルバン級と
大型駆逐艦12隻の半分を配下に、速力30ノットで突撃して来たのは仏印より派遣された京紗マサヒコ
大佐率いる義勇仏印艦隊。(注1)
彼らが「シャトールノー」受領後は仏大西洋艦隊に配属され、ポケット戦艦捜索戦に参加したり、仏陥落
後にこの地に落ち延びた後も塞ぎこむ「先輩」たちを引っ張り出して、砲術演習や艦隊訓練を教授して
貰っていた。(注2)しかし、彼らは数日前にジャンスールに見送られて中立国の南米経由で仏印に帰っ
たはずではなかったのか?しかし仏印遣仏艦隊は、かけてもらった恩を返すことなく自国に逃げ帰る
卑怯者は京紗大佐以下、一人もいなかった。彼らは大西洋に出た後、迂回行動を取り、尾行していた
北米巡洋艦隊を体よく撒いて、再びこの港に帰って来たのだ。途中で「テキサス」が不用意に出した通信
を拾い、増速してやってきたと言うわけである。
怒れるサマーヴィルは炎上する「ストラスブール」を「テキサス」に任せ、「シャトールノー」を相手取ること
にした。同時に軽巡洋艦と駆逐艦には雷撃を命じ突撃させることにした。「アリシューザ」は熟練した猟
犬の様に洋上を駆けた。が、目の前に砲弾が降ってきた。見れば眼前に「アルジェリー」に似た巡洋艦
二隻と、それを挟むように「モガドル」級大型駆逐艦に似た駆逐艦隊が横列陣で向かってきた。
何だコレは?
所詮は植民地人の海軍、敗北者に旧式の戦術でも教わったのだろう。よろしい、「ブルドック」の一噛み
で哀れな子兎を「安らかに」狩ってやろう。
単列陣で突っ込む英国水雷戦隊に対し、敵仏水雷戦隊は一斉に砲火を開いた。先頭の英駆逐艦がた
ちまちのうちに穴だらけになって炎上した。続いて二番目・三番目の駆逐艦も次々と撃ち込まれる砲弾
に機関銃で撃たれるブリキ缶さながらに次々と穴だらけになり、哀れな水兵が叫ぶ
「機関砲の怪物!!」
何のことはない、エクレール級大型駆逐艦は主砲を「シャトールノー」級の副砲と同じ13cm(45口径)
半自動砲を採用し、それを艦首に背負い式で二基、艦尾に一基積んでいる。重量を取る半自動砲塔の
ために四千トン近い満載排水量で6門しか積めないが、毎分辺りの投射弾重量だけならアリシューザ級
と互角だ。言わば軽巡洋艦6隻対駆逐艦7隻の戦い。しかし、流石は英国駆逐艦隊、ならばと散開して
乱戦に持ち込んだ。これなら無闇滅多に相手も撃てないだろう。しかし、これで「アリシューザ」と「メルボ
ルン」が丸裸になってしまった。まあいい相手は見る限り三連装砲三基9門が二隻18門でこちらは
6門+12門で18門。火力が同数ならば錬度の高いこちらが有利だ。両巡洋艦隊はほぼ同時に砲撃
を初め、先に「メルボルン」が敵一番艦に命中弾を出した、流石は英国海軍、幸先はこちらがよろしい。
しかし、相手の軽巡洋艦はこちらが当てるごとに「ガキン」「ゴキン」と、砲塔や舷側に当った命中弾が
弾かれてしまっている。そして気が付けばこちらも夾叉されてしまっている。何だコレはどうなっている。
フォルバン級は「ブリキ艦」と馬鹿にされていた仏巡洋艦の悪評を一新した重巡洋艦「アルジェリー」級
の流れを汲む軽巡洋艦である。平甲板型の船体に、「ラ・ガリソニエール」級にはない近代的な塔型艦橋
、全長をほぼ覆う舷側装甲帯。「頑丈で長持ちしていて、それでいて直し易いものを」という要求を見事に
フランスは回答したのである。(注3)舷側一杯に舷窓を開けた旧来のソレとは違い、舷窓は上甲板側だ
け一列しかない。しかも、測距儀は戦艦並みの8m測距儀を持ち測距能力は引けを取らない。
「メルボルン被弾!」「メルボルンより”第一缶室に火災発生、出しうる速力16ノット”!!」
防御に秀でるエジンバラ級とは言え二隻がかりで撃たれてはたまらない。さらに、18本もの水柱に包ま
れる。水柱の中から第一砲塔が飛び上がり、煙突の一本が吹き飛び、艦中央部の破口から激しい黒煙
と、時折、高角砲弾の炸裂するらしい爆発が見える。
「メルボルンより”主砲弾・高角砲弾薬庫に注水、戦闘不能。出しうる速度8ノット。離脱する。援護必要
なし”!!」
アリシューザ艦長ベンボーは決断した。
「これより本艦は「メルボルン」を支援しつつ本隊に合流する。それと、駆逐艦隊を呼び戻せ。だいぶ数が
減ったな・・・。水雷長、威嚇の為に、扇状に魚雷発射してくれ。なるべく奴らに当るようにな」
すでに7隻から4隻に減ったものの、指令を受けた駆逐艦達は敵艦に向けて魚雷を射出し、ジグザク航
行で「フッド」へ向かった。それを、「アリシューザ」が炎上する「メルボルン」を庇うように仏印水雷戦隊
へ向け応射しつつ下がった。
仏印水雷戦隊の方も足止めは済んだ。とばかりに、各艦どこかしら損傷しているものの、フォルバン級を
殿に全艦が縦列陣を取って、「シャトールノー」へ向け戻っていった。
「何だ、奴ら、縦列陣も出来るんじゃないか・・・一杯、食わされたか。後はサマーヴィルの手腕に頼むと
しようか・・・」
サマーヴィルは射距離2万5千mまで近づいた敵艦に向け、射撃を開始した。敵艦も左に舵を取り、同
航戦の形をとった。しかし、度重なる砲撃のショックでレーダーが損傷しているのと、強烈な夕焼けを背に
する敵艦が測距儀による照準を妨げているため、思うように夾叉が出ない。対する「シャトールノー」は
二基ある砲塔の左列と右列の左砲と右砲を交互に撃って、発射速度をあげていた。果たして、「フッド」
の船体後部に被弾の閃光が走り、次いで黒煙が吹き上がった。怒号が艦橋を行き交う、
「舵機室に被弾!火災発生!!」「舵効きません!操舵不能です!!」「人力操舵に切り替えろ!」
さらに、シャトールノーは舵を切って後ろに回り込もうとしていた。巧みに舵と速力を変えて、「フッド」の
背後に「追い立てるように」専移する。
「やめろ、フランス海軍は敵の背後を突く卑怯海軍か!」
思わず「フッド」艦長が叫んだ言葉を、通信兵が平文で「シャトールノー」に打電する。
「その言葉、一字一句違わずに、貴様らめがけ、砲弾を付けて返す!!」
京紗大佐が電気メガホンで叫び返すと同時に、砲撃が放たれ、水柱が「フッド」を包み込み、一発が後檣
を倒壊させる。水兵や幕僚が怒号を交わす艦橋内でサマーヴィルは呟いていた。馬鹿な・・・こんなはず
では・・・。ついさっきまで、フランス艦隊を各個撃破して勝利の余韻を味わっていたはずなのに・・・。
だが、「フッド」の他にも、手負いのストラスブールを叩いている仲間がいるはず、協力して叩けば「シャ
トールノー」を戦闘不能に出来るはずだ。そういえばさっき、後ろで爆音が聞こえたな。そろそろ「ストラス
ブール」が沈む頃合だろう。サマーヴィルは後ろを振り返り、目をひん剥いた。
サマーヴィルの目線の先に「テキサス」が黒煙を吹き上げながら傾いていた・・・・。射距離1万6千m、
この距離のフランス製33cm砲の装甲貫通能力は412mm。まさに「現世の”鉄壁”や”神の盾”さえも
貫く鋼の槍」とフランスが喧伝するだけのある高初速砲である。それに対し、「テキサス」の舷側装甲は最厚部でさえ305mmでしかなかった。斉射された8発の砲弾のうち5発は空を切り裂いただけに留まっ
たが、一発が中央部を貫いてタービンを破壊し、一発が二番砲塔パーペットを貫いて炸裂し火災を発生
させ、最後の一発が四番砲塔前盾を易々と貫通、角度を変えた砲弾は装填作業中の砲兵を衝撃波で
肉隗に変え、装薬と35.6cm砲弾を道連れに炸裂した。爆ぜた四番砲塔の破片は、並走する軽巡洋艦
「シンシナティ」に降り注ぎ、砲身の一本が四番砲塔員の墓標のように甲板に貫き立った。サマーヴィル
が見たのはこの光景だったのである。
見れば、「ストラスブール」は六隻の大型駆逐艦を引き連れて速力を上げて北方に撤退を成功させつつ
あり、「レゾリューション」は海底に潜んでいた仏潜水艦「ページル」に魚雷を命中させられ、「軍艦が要塞
と戦うのは得策じゃない」とぼやきつつ撤退を援護する「ウォースパイト」は残存艦艇と共に「ダンケルク」
と「ブルターニュ」に散発的な砲撃を交わしつつダンケルクの艦尾、南側へ下がっていっていく。
おい、待て。なんでこっちとは反対側に逃げていく。今や僚艦にも見捨てられ、孤立無援となりつつある
サマーヴィルは作戦の続行不可を悟り、「カタパルト」作戦の中止を宣言し、ベンボー率いる軽巡部隊と
護衛される側となった北米艦隊と共に撤退した。「シャトールノー」は数回ほど、「フッド」に斉射を見舞っ
た後は、駆逐艦や軽巡を引き連れてメルセルケビル港に凱旋した。
連合軍はこの後もダカールやカサブランカ沖でも似たような戦闘を重ね、結果的にフランスを枢軸側へ
参戦させる決意を固めさせてしまったのである。そして、勝負勘を狂わされたイギリス海軍は”あの”イタ
リア海軍相手に思わぬ苦戦を強いられる事になるのである。
損害
フランス側
沈没「プロヴァンス」
大破「ダンケルク」「ブルターニュ」
小破「ストラスブール」「シャトールノー」
喪失 駆逐艦2隻
連合側
大破「レゾリューション」「テキサス」「メルボルン」「シンシナティ」
中破「フッド」
小破「ウォースパイト」「アリシューザ」
喪失:駆逐艦4隻(英:3隻、米1隻)
注1:残り半分はアレイ大佐と共に「ジャン・バール」と「クレマンソー」を護衛してダカールにいる。
注2:彼はポケットマネーで演習後の宴を催したり、技量に勝る者には賞品を出したりしていて志気を
煽った。また、燃料や物資は”実家”を通じて南米経由で送ってもらっていたためにこんな事が出来た
のだ。
注3:仏印は東京条約に加盟していないため、フォルバン級の満載排水量は12000トンに達し、主砲
前盾と舷側装甲帯の厚さはイタリアのザラ級と互角の150mmにも達した。更に、構造を脆弱に
する舷側の舷窓を減少化し、クレーン基部を兼ねた通風筒から各種フィルターを通して吸排気を行う
という徹底した弱点廃棄処置を行った。なお、空調の良い本級は赤道直下でも北海でも内勤者は
体調を崩す物は皆無だったという。
京紗大佐の実家って確か、陸軍とつながりの深い財閥だったよな。長男が陸軍に入った関係で主な取引先が陸軍中心となり
トラックの大量生産や九七式中戦車コンペに参加して75mm砲装備の重戦車を提案したりと面白い会社だった。
金は持っている模様。
>>980
フランスと深いコネクションがあって、爺さんが装甲艦「東」の買い付けに一枚噛んでいたり、蘭学研究で日本から逃れて清国に渡った曾爺さんが
清国の近代化政策に関わったりと何気にフランス側の設定に関わる家系ではある。