【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚90人目】

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1名無しさん@お腹いっぱい。
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【iMona】http://imona.net/
     _      ここは「ゼロの使い魔」と「ジョジョの奇妙な冒険」のクロスSSスレよ。
    〃  `ヽ     他にも避難所にしか掲載されてないSSとかもあるから一度見てみなさい
    l lf小从} l /    投下中は空気読んで支援しなさいよ 荒らしはスルーだかんね
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/     職人さんは荒らし防止にトリップを付けてよね
  ((/} )犬({つ'      次スレは900か950を踏んだ人が立てること
   / '"/_jl〉` j      480KBを超えた場合も立てるのよ。 わかった?
   ヽ_/ィヘ_)〜′

【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚89人目】
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1250429623/l50

●まとめサイト                               ,〜'´  ̄ヽ
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●避難所.                           ____. -' ヽル::::д)ζ <批判は避難所だ!君の意見を聞こうッ!
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9292/     =='、 ̄ニ|::... . . . . ...::::: :: ::〉:::.:ヽ     |_________________
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2名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/04(月) 02:42:23 ID:QC28yUT1
ついでにWikiもまとめて更新してみた

前スレの大統領のタイトル『D0C』は略称か正式名称なのか、わからなかったんで登録してないです
3名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/04(月) 02:47:17 ID:QC28yUT1
調べたら大統領のスタンドの名前だったのか
首吊ってきます
4名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/04(月) 04:04:45 ID:QC28yUT1
大統領もWiki登録した
5名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/04(月) 10:23:58 ID:pziYI3Za
>>1
スレ立て&更新乙
6名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/04(月) 20:58:15 ID:JVaxkgKc
       、--‐冖'⌒ ̄ ̄`ー-、
     /⌒`         三ミヽー-ヘ,_
   __,{ ;;,,             ミミ   i ´Z,
   ゝ   ''〃//,,,      ,,..`ミミ、_ノリ}j; f彡
  _)        〃///, ,;彡'rffッ、ィ彡'ノ从iノ彡   
  >';;,,       ノ丿川j !川|;  :.`7ラ公 '>了
 _く彡川f゙ノ'ノノ ノ_ノノノイシノ| }.: '〈八ミ、、;.)   卿は黙って>>1
  ヽ.:.:.:.:.:.;=、彡/‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一ヾ`~;.;.;)
  く .:.:.:.:.:!ハ.Yイ  ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|ィ"~   
   ):.:.:.:.:|.Y }: :!    `二´/' ; |丶ニ  ノノ
    ) :.: ト、リ: :!ヾ:、   丶 ; | ゙  イ:}       
   { .:.: l {: : }  `    ,.__(__,}   /ノ
    ヽ !  `'゙!       ,.,,.`三'゙、,_  /´      
    ,/´{  ミ l    /゙,:-…-〜、 ) |
  ,r{   \ ミ  \   `' '≡≡' " ノ          
__ノ  ヽ   \  ヽ\    彡  ,イ_
      \   \ ヽ 丶.     ノ!|ヽ`ヽ、
         \   \ヽ `¨¨¨¨´/ |l ト、 `'ー-、__
            \  `'ー-、  // /:.:.}       `'ー、_
          `、\   /⌒ヽ  /!:.:.|
          `、 \ /ヽLf___ハ/  {
              ′ / ! ヽ
7名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/05(火) 01:19:54 ID:kijYh+Qq
>>1チャリ乙
8名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/05(火) 18:25:03 ID:kzGsOEJZ
スレ立て乙!
9名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/06(水) 21:12:52 ID:9sX9hZn2
書き込んだ新スレのその文字はッ!>>1がいた前スレの乙だ…
WRYYYYYYY――ッ そして これがッ!それを超えた乙ッ!
>>1がッ!手に入れるこの世界への「乙」だッ!!
10名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/06(水) 21:57:20 ID:6kMt/Isg
更新だと・・・!?

11名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/07(木) 10:39:42 ID:nHFSSI6s
まさかヘビー・ゼロが更新されていたとは…
12名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/11(月) 05:07:25 ID:OCg/gfn+
とりあえず19巻までSBRを読み終えたからやっと大統領を召還したのが読めるぜ
しかし、巻が進む事に少しずつイケメンになっていく大統領が笑える
平行世界から少しずつイケメンの自分を選んでいってるのかw
13名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/11(月) 16:29:41 ID:KHGsRWIj
大統領はなあ・・二重顎のままでいて欲しかったなあ
ブラックモア戦あたりに出てきた頃が丁度よかったかな
14名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/13(水) 19:03:25 ID:abj7biE6
ティータイムは幽霊屋敷でが、前スレの埋めで更新してた。
…さっきまで気づかなかったorz
15名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/14(木) 11:34:40 ID:pKeJeHb/
書けなくてアヘりそうだぜ
16名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/14(木) 14:22:47 ID:gNpcodZl
書けないときにウィキに載ってる過去作品を一通り読むと書くぞって気になる
しかしいざ書いてみると好きな書き手の影響受けまくりな猿真似文になってしまうorz
17名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/14(木) 21:09:24 ID:NROcOlcn
>>16
猿真似するならwikiの人たちじゃなくて普通の小説の書き方を真似した方が凄い良いと思うんだけど
書き方だけならね

盛り上げ方とかは大いに参考にするべきだよ
しかし、ジョジョ魔の方は変にレベル高いからな。台本に毛が生えた程度でもいいんじゃないかと最近思うよ
18名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/15(金) 01:35:02 ID:z28pnPS6
wikiの文字の色って自分のPCもしくはブラウザの設定で変えられる?
背景が濃い灰色で黒文字だと見難くて。
今は全選択して反転させて読んでるんだけど面倒臭い。
19名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/15(金) 02:25:28 ID:1nkgrJkz
おいらはfirefox使ってスタイルシート切って、丁度良い大きさまで文字拡大して見てるよ。
IEでも文字の大きさは変えられるけど、スタイルシートをオフにするのが面倒なのでやってない。
20名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/17(日) 09:35:16 ID:GFDgGbjt
テキスト保存して携帯で見てる
いまのページ構成だと一括で保存出来ないのが困る
理想郷見たいに全件表示ができれば楽なんだが・・・
21名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/17(日) 10:27:52 ID:UcyoXt6U
全体のBG自体は灰色だけど文章が乗ってるテーブルのは白だろ?
22名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/19(火) 23:51:52 ID:K6aOUgBz
Wikiのデザインがデフォルト(下記のURL参照)に戻るように管理人に頼めば?

ttp://www35.atwiki.jp/anozero
23名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/20(水) 12:06:03 ID:dmVBvpi9
そもそもその背景と文字の色の問題が何らかの読み込みエラーとかのローカル問題で発生してるだけの事態だから何かする必要ないだろ
24名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/21(木) 20:35:10 ID:rPMN5TFR
スレとまったな
25名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/21(木) 20:49:29 ID:N6ZB6cRm
俺がレスを止めた……

投下が無くとも俺はこのスレ巡回してるよ
DIO魔頼むから活してくれー!!
26名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/21(木) 21:21:47 ID:N6ZB6cRm
復が抜けてた
27名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/21(木) 22:30:51 ID:bBOvogXL
誰か億康の話書いてくれー
28名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/21(木) 22:37:03 ID:QveFLWPO
愚者
29名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/21(木) 23:21:32 ID:gkLO1rsr
思ったんだが、
ジェイルハウスロックやプラネット・ウェイブスは
『水族館』以外でも使えるのだろうか
ジャンピン・ジャック・フラッシュは使えそうなんだが
30名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 06:31:20 ID:8ibJB95d
プラネットの方は自分に引き寄せるわけだしいけるんじゃね?

JHRはしらね
31名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 16:28:58 ID:i9DbL8WK
>>29が言っているのは挿入されている白蛇のディスクが召喚されても有効かどうかってことを言っているんじゃあないか?

もしそれのことなら世界が一巡してもウェザーのディスクは残ってたし(プッチの射程距離は考慮していない)
使えてもいいとおもう
32名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 16:55:05 ID:AIPEPhDJ
細かいところは気にしないのがJOJOという漫画のいいところでもある
33名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 19:43:58 ID:iCQwHQft
いや
プラネット・ウェイブスやジェイルハウスロックは
引力が地球上で最も弱いグリーン・ドルフィン島でのみ効果が発揮されるとか
能力発動が『水族館』の壁とか鉄格子とかに入って相手が触れるとだとか
6部の舞台でのみ使用が可能、的な表現がされてたからなんだ…
34名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 20:23:32 ID:qLz/YyPy
引力が弱い場所でつかえる

つまりアルビオンでいきなり開放!
こうね!
35名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 20:47:15 ID:ZvLruZnU
ああ…アルビオンが流星によって墜落していく…


なんか別の漫画見てーな展開に
36名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 20:49:44 ID:9xcS8Sll
アルビオンは滅びぬ、何度でもよみがえるさ!
墜落のショックでより大きいの浮かびそうだよね
37名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 23:10:03 ID:Mcbqik0G
って事はC-MOON持ちがアルビオン行ったら即一巡開始か。いや船の中ですらやばいな
>>33
その話たまに聞くんだがソースはどこなんだい?
神父の命令DISCで刷り込みがされてたならともかく、そうでもなければ特に使えなくなる要素は無いと思うんだが。
スポーツ・マックスやラング・ラングラー辺りの発言からすると釈放後も使えそうな感じだったし
後とりあえず言っとくと引力が地球上で最も弱いのはケープカナベラルだぞ
38名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 23:15:08 ID:ZvLruZnU
というか、スタンドは能力にもよるだろうけど基本的にどこでも使えるだろ
全力が出せないとかならまだしも
39名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 23:51:10 ID:sQDf4wg+
保管庫見れなくね?
40名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 02:36:26 ID:7RsNiIbb
>>39
敵のスタンド攻撃だッ!!
俺も見れない…
41名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 02:47:35 ID:WcfrD6GX
他のwikiは問題なく見る事が出来ている……
つまりこいつは、近接パワー型ッ!!
42名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 04:07:04 ID:GUB2RpiO
プラネット・ウェイブスは何処でも戦っても変わらんと思うけど
ジェイルハウスロックは脱獄させた後に使った方が凶悪だったような気がしないでもない
43名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 09:00:43 ID:2rSS/hJ4
せっかく溜まってきた投下を読んでたのに…
こいつはメチャ許せんよなァ〜〜
44名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 09:48:54 ID:+qfvJDNj
ジェイルハウスロックの方は能力の有効射程がちょうど刑務所の大きさくらいということはあるかもな
45名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 12:57:57 ID:2rSS/hJ4
一応復活したみたいだけど
46名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 16:44:28 ID:CK5/ISud
幽霊屋敷きてた乙
47名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 20:06:13 ID:1tVPAXXQ
wkwkして避難所みたけどなかったぜ。前スレの奴へのレスか・・・
48名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 00:43:54 ID:JqGNeDsP
前スレまだ残ってた。埋めなくていいの?
あと前スレの幽霊屋敷の作者乙、ついでにWikiへの登録乙
49名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 21:54:07 ID:kmTzaV61
今更だけどホル・ホースのスタンド、エンペラーってコブラのサイコガンに似てるよな
スタンドは精神のパワーあるヴィジョン!つまり精神エネルギーの様なもんだし、弾道を自由に変えられる
使いやすくなったサイコガンって感じだな

ゼロ魔とはあんまり関係ない話だが、銃杖読み返しててそう思った
50名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 21:58:16 ID:UnCMLozy
んじゃホル・ホースの精神が成長したら、コブラの本気サイコガン並に…
は無理だろうな、だってあれ大型宇宙船の砲撃並みだからw
51名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 09:41:23 ID:QRxpXRzr
本気出せば星ぶっ壊せるらしいしな
52名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 21:14:55 ID:Tz2HmdFB
それは初耳。でも、無敵のスーパーマンの彼ならやってもおかしくなさそうだな
53名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 23:32:31 ID:kBB9md2M
>>37
多分考察サイトの根拠の無い妄想
読んでる分には面白いけどたまにマジの設定だと勘違いしたり混同したりしてる奴がいて少しうっとおしい
54名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 23:40:52 ID:OMj21S1l
うっおとしいよな
55名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 02:42:44 ID:A4/704qi
便乗してウザいって言う奴の方がウz(キンクリ

スタンドはちょっとくらい改善と言う名の捏造があってもいいと思うし、吸血鬼が火傷すらしないのも進行のためだ。
でも多くの人に読んでもらう気ならゼロ魔基本設定(固有名詞・重要単語・ルイズとガンダールヴの特異性)くらいはちゃんと確認した上で書いてほしい。シャルロット王女とかのパラレルであっても。
誰得俺得な自己満でも別にいいが文句付けられて投げ出すくらいなら発表するな、そんな事されると逆に気になるだろうが・・・と小一時間。

後途中放置の未完が多すぎるのも・・・未完は読む気萎える・・・特に前編や中篇で止まってるのは・・・。

そんな俺はリキエル(黄金の精神に燃えた)とリゾット(ボス復活フラグにwktk)とギアッチョ(まさかの友情劇に感動でぶち割れた)の行く末を見守りつつアナスイやマジェントが召還されないかとカメオに祈ってみる今日この頃。
56名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 17:20:28 ID:7r7WQjr6
>>55だめだな、願い事は3つまでだと言っただろう!マンモーニがっ!
57名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 20:49:21 ID:DmpZJgcw
>>55
どちらかというと逆の意見が多いと思う。
ジョジョは端から端まで穴の空くほど読み込んでいる人が多いし、
そういった人ほどスタンド能力の改造とか受け入れられない。
逆にゼロ魔の方はさらりと読み流す人やアニメだけの人もいるから細かな設定違いは分からない。
ジョジョで伏線を張ると警察犬並の嗅覚を発揮するのに、ゼロ魔の方で細かなネタや複線を仕込んでも気付かれない。
そんな事にこだわるぐらいよりも更新速度の方がよっぽど重要。
「ああ、そんな事もあったね」「大人は嘘つきではありません。ちょっと間違えるだけなんです」
この2つがあれば理論武装完了。
そもそも次々と新設定が明かされていく中で、それを守りつつ話作れって無理があるだろう。
またまた最新刊でトンデモナイ事になってんだし。
58名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 23:37:24 ID:TQud6kvA
> 「ああ、そんな事もあったね」「大人は嘘つきではありません。ちょっと間違えるだけなんです」
> この2つがあれば理論武装完了。
もはやこれはスタンド攻撃に匹敵するね。無敵すぎる
59名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 23:41:29 ID:yxr4rK1w
おちつけ
それはアルティメットシィングの攻撃だ
60名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 23:45:09 ID:Wcp9HXlW
週間連載で間違いをひとつも犯さないのはロハン先生だけ
61名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 23:56:39 ID:1QJDSU9q
奴は人として間違ってる
62名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 16:42:22 ID:cYmdmTbO
つまり、ここは『ゼロ魔スレ』じゃなくて『ジョジョスレ』って事だね。
63名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 17:04:54 ID:e4gs/V7C
そう極端に考えるなよ
64名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 18:49:42 ID:PtwdNeJt
"JOJO"が"ゼロ魔"に逝くスレだから優先順位的には、じゃね?
踏み台やTueeeするためのヘイトなら論外だが
65名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:33:00 ID:3Rq+p7c0
ヘイトの定義って難しいよな。ゼロ魔側が虐げられてるからヘイトだって話を聞いたりするけど、
ぶっちゃけアンジェロが召喚されて学院の学生男女ともに次々にレイプされて主要キャラの局部が壁に貼り付けられていっても、
アンジェロでは普通のこと。ヘイトじゃないよな。
逆に学院の中にいるのに誰にも手を出さない方がアンジェロヘイトになるよな。
66名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:35:53 ID:zF97Cw7C
俺の認識では二次創作の時点でヘイト
面白いか面白くないかは別として。
もともとヒーロー中心物なんだから中心にいる人物が変われば自然とそういう形にならざるを得ない
67名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:36:45 ID:kX3cFrAr
>>65
それで登場人がきっちり書けて面白い話ならヘイトじゃない
キャラが適当で誰コレ? になってて、面白い話じゃなければヘイト
68名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:43:31 ID:bph4jYom
サルーイン様の僕は?
69名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:43:49 ID:e4gs/V7C
結局は読み手側が不快に感じるかそうでないかだよね
70名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:55:06 ID:Uv8NaVNk
原作通りの性格をもとに行動した結果片方の作品がレイプされるような作品なら
そんなキャラを選んだ時点で失敗なんじゃないか
71名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:55:14 ID:TrI+Q4VM
個人的に周囲にとんでもねー被害をもたらす存在をわざわざ他作品とクロスする時点で
ハードル上がる。それがラスボスでクロス先のキャラが未曾有の災難の中で苦闘し成長してく話ならともかく、
○○来た対処の仕様がないので世界オワタはせいぜい雑談のネタていどにとどめてほしい。
72名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 22:08:26 ID:ZVcVvSO4
でも過去に2回程チョコ先生召喚された話があったが、あれはすごい良質の恐怖劇として受け入れられてたぜ
登場人物が必ず死んでたし、一つはレギュラーが全員死んでたにも関わらずだ
実際今読んでも面白いし、災害キャラ召喚が一概にヘイトってのはやっぱ違うんじゃないかな
73名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 22:09:58 ID:jzF1ff6k
それでも俺はやっぱり黄金の精神が見たいんだぜ
74名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 22:17:17 ID:d9hF2dRE
他のスレの常識とか問題にされる事をここに持って来られても困るんですがね
75名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 00:14:05 ID:X2SEVXhH
平和なジョジョ魔スレにこんな話題は似合わない
書き手を待ちながらのんびりしようや
76名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 01:15:36 ID:HHUvqzMX
とはいえ、平和過ぎるよりは話題が合った方がいいとは思うが。
77名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 01:45:49 ID:RRXKBxpe
スレにありもしない問題を無理矢理問題提起して雰囲気ぶっ壊すような話題は無いほうが良い
78名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 02:14:14 ID:2lEynqyb
ヘイト先生の集客力はパネェっす、さすがっす
79名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 03:45:04 ID:uH4FzgKi
話題がないのが話題でいいです
80名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 05:13:23 ID:+39hfh8o
>>72
チョコ先生召喚って、一つ消えてない?
イザベラが召喚するやつが無くなってんだけど。
作者が消したの?
81名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 10:39:21 ID:bv6fYVr+
>>68
ワイルがなんだって?
82名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 11:02:49 ID:kdP6UBb0
というかこういう話題こそ埋めには丁度良かったと思うんだ…。
83名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 21:37:30 ID:9xFohvQy
マジェントに期待してるけどジョジョキャラっていうよりSBRキャラって感じだから難しいんだろうか
84名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 21:54:45 ID:l+FoBkXr
あれはSBRキャラっていうかソールドアウトの何とかさんそのまんまじゃん
85名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 22:14:53 ID:Lu8QKebN
>>84はダイナマイトで粉微塵になった

※残骸はスタッフがおいしくいただきました
86ティータイムは幽霊屋敷で:2010/02/02(火) 19:02:36 ID:WsyRg9Tl
4分から前スレで埋めながら投下します。
87名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 19:05:51 ID:RFTDbnn2
よし、いざ前スレに!
88名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 13:08:33 ID:HCbkBVoW
読了した!乙でした!
89名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 14:14:40 ID:NkKPtmD5
前回もそうだったが、才人の無知さ故の行動や言動が心地よい
というか話がまだ大して進んでないのにドンだけフラグ立てれば気が済むんだw
90名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 14:29:01 ID:b0CuzagU
今後の展開がまったく予想できない
91ティータイムは幽霊屋敷で:2010/02/05(金) 18:03:06 ID:GKqcjsFy
5分から前スレで埋めながら投下します
92名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 22:05:14 ID:i9Y111u8
再びかァーーー!
93名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 06:58:26 ID:h2UL25yc
埋め投下はカンベンしてくれ
dat落ちして見れないことがあるんだ
94名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 10:05:08 ID:gxW2K9Wk
まとめで見ればいいんじゃね?
95名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 19:19:11 ID:h2UL25yc
>>94
誰かがまとめに追加してくれないと見れない・・・
96名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 13:17:14 ID:2S+4ISSD
実際、前スレは既にdat落ちしていたから埋め投下分もう読めない。
97名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 13:21:28 ID:9ZMnEtPs
まとめにdatファイルも上げてくれれば助かるんだがなぁ
98名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 14:09:56 ID:ftrPVAKq
おぅ、マジで更新してなかった、なので更新する! と思ったときにはすでに49話としてあげてみた
wiki編集は久々なので間違いあったら突っ込み頼む
99名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 01:05:04 ID:tLcVoGOZ
dat読む方法なんていくらでもあると思うんだが・・・
100名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 01:28:11 ID:cJVF91Lb
スタンド攻撃でそれが難しい事になった
101名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 08:15:03 ID:YUF7/Uif
変換サイトとかいくらでも
102名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 09:55:24 ID:cJVF91Lb
サイトがスタンド使いに変換されちゃったぞォォォ
103名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 22:32:14 ID:QrNqkmLD
な…なんだ!?これは……『サイト』が…!!『スタンド』を………
何かわからんがくらえッ!
104名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 12:27:21 ID:/H3x6NDU
そういえば理想郷にそんなのあったな
すごい魔改造だった
105名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/15(月) 13:18:04 ID:aXPir9xz
ここのまとめを読んでる内にワルドが好きになってしまった
特に仮面のルイズでのある意味でサイト以上の犬っぷりが愛おしい
106名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/16(火) 17:14:35 ID:lsGGtH+S
機関銃で撃たれて上空から落下しても生きてるワルド
107名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/16(火) 18:15:05 ID:dO7hVkV8
そこらへん突っ込み始めると30mゴーレムの腕を鋼鉄に変えたパンチを剣で受けて
鉄をも切れる剣が折れるだけで済むサイトも大概な気がするw
トラックの直撃どころの話じゃないよなぁ……
108名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/19(金) 18:39:26 ID:QN5HtW3q
なんせ30メートルと言えば電柱3本縦に並べたぐらいだもんな
アニメは知らないけど漫画みたらゴーレムは限りなく人間に近い人型だし

暇つぶしに計算してみたら30メートルの人間の片腕の重さが約23トン
岩石製なら片腕だけで約69トン……
正眼に構えた剣が殴られても自身に剣が刺さらなかったということはサイトの体重×吹っ飛んだ速度の二乗を押さえ込んだって
ガンダールヴぱねえwww
109名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/19(金) 19:28:05 ID:MluwGu+U
縦にしたら10mでもすごい脅威なのにな
110名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/20(土) 18:03:02 ID:gP1kqS2t
ひさしぶりにまとめ見に行ったら何か黒くて見難いんだけど何かあったの?
111名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/20(土) 19:21:18 ID:4mB+Z9Yz
ちゃんと読み込めてないだけだろ
ローカルの回線とマシンの問題だ
112名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/20(土) 19:59:20 ID:gP1kqS2t
ありがとう、時間変えてみるよ。
113名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/21(日) 01:24:16 ID:Dzv1WWla
リロードするかキャッシュ消して読み直せばいいんじゃね
114名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/21(日) 01:36:59 ID:M/OcZsfc
黒いのは覚悟が足りない証拠
本当に覚悟があるなら光に照らされたように見えるはず
115名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/21(日) 13:57:03 ID:8xOaen3K
>>108ガンダの体はプラチナで出来ているんですねわかります。

しかし30Mで腕を23dにしたら足がドムみたいになってるんだろうな
負荷の増大無視したら計算的にはあってると思う。

116名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/24(水) 20:27:24 ID:NMTeApnQ
保守るべきか、保守ぬべきか・・・。
117名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/25(木) 09:40:52 ID:bE9+GToi
これは、保守っておいたほうが良さそうね…
118名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/28(日) 21:00:01 ID:SCnCr7vJ
さあ誰か作品を投下するんだ。
今投下すればどんな作品だろうと絶賛間違いなしだぞ!
さあ!さあ!!さあ!!
119名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/03(水) 19:22:29 ID:Qc16rDJS
保守
120名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/04(木) 00:02:45 ID:GpZYDn/q
投下したいネタはあるが続ける自信が無いな。
短編なら何とか何そうだが・・・明日からにしよう・・・。
121名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/04(木) 00:04:31 ID:k0SoycCd
>>120
明日って今さ!
122名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/04(木) 01:19:17 ID:9OUdCKYW
>>120
人間賛歌は勇気の賛歌!
123名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/04(木) 20:20:51 ID:vb5Y1fBa
吉良で書いてみたいって思ったことはあったけど手首の問題で詰んだから他の人に期待してる
124名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/04(木) 20:23:33 ID:0bP/9WYI
>>120
なにジョジョ?長編を続けられる自信がない?
ジョジョそれは最初から長編と考えるからだよ
逆に考えるんだ
「短編で続き物をしちゃってもいいさ」
と考えるんだ
125名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/05(金) 14:52:28 ID:S7asf9+y
>>120を待ちながら俺も始めよう
126名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/05(金) 15:42:00 ID:EnjQrME6
皆の希望が一つになって!重力を発生!!
そしてスレに…どじゃ〜ん!!!と奇妙な擬音が発生するワケですね?
127名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/06(土) 14:00:48 ID:ZHiZTOFO
SBRもクライマックスだがジョニーのセリフがすごいルイズと合っててネタにしやすそうだと思いました
128名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/06(土) 17:07:28 ID:6na2BCZp
新刊読んだけど、やっぱりジョニィは『マイナス』なんだなと改めて思ったわ
でも、ことごとく来る絶望に対して立ち向かう姿は、世界は違ってもジョースターなんだな
129名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/06(土) 17:38:14 ID:9cny6mJa
新刊でたのか買ってこよう
130名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/06(土) 19:41:07 ID:VEwwa7UI
ぼくはまだ「マイナス」なんだッ!「ゼロ」に向かって行きたいッ!
「遺体」を手に入れて 自分の「マイナス」を「ゼロ」に戻したいだけだッ!!
とか言ってルイズにムチられるジョニィとかいいよね
131名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/07(日) 05:15:26 ID:SXUeJJNj
「害悪」はすり抜けて行く!ここにいる“わたくしたち”がいない場所へ!
みたいな啖呵を切って腹黒扱いされるアン様とか見てみたいです

正直、アンリエッタはもうちょい悪どいお人になっても良いと思う。恋愛要素以外で
132名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/07(日) 05:20:08 ID:SXUeJJNj
「害悪」はすり抜けて行く!ここにいる“わたくしたち”がいない場所へ!
みたいな啖呵を切って腹黒扱いされるアン様とか見てみたいです

正直、アンリエッタはもうちょい悪どいお人になっても良いと思う。恋愛要素以外で
133名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/07(日) 05:21:18 ID:SXUeJJNj
に、二重投稿…!?俺は隣の世界の「自分」を連れて来てしまったのか!?
何はともあれ、申し訳ない…
134名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/07(日) 18:34:27 ID:vysRK8NZ
>>133罰として短編を投下なされ
135名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/08(月) 11:01:54 ID:jSySQqF4
ああ、そんな!美しすぎます
とボケておこうか
136名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/08(月) 11:11:42 ID:543gTBUl
ボケが難解すぎて突っ込めないから隣の若奥さんにキュウリ突っ込んでくるわ
137名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/08(月) 12:39:29 ID:cSihVD8l
>>136
その切り返しも難解すぎて理解不能だどwww
138D0C:2010/03/09(火) 00:32:17 ID:A947w+fb
「人は何かを投下して前へ進む・・・それとも・・・書かずに帰るか?」

と言う訳で・・・十分後、投下します。
139名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/09(火) 00:35:25 ID:BjMpUgi2
ザ・ワールド!

時よ止まれ
140D0C:2010/03/09(火) 00:45:13 ID:A947w+fb
>>139
そして時は動き出す。
141D0C:2010/03/09(火) 00:46:14 ID:A947w+fb
「人の出会いとは“重力”だ!!出会うべくして出会ったのだ!!」byエンリコ・プッチ



ギーシュとの決闘、それは大統領にとってそれなりに得した出来事だった、

まず、戦闘力の計測、ドットで戦闘慣れしていないという最低ランクの相手だが一応収穫はあった

そしてルイズからの信頼、これもドットとは言えメイジに打ち勝った為、私への扱いも少しは変わるだろう

最後に、学院の使用人からの人気、これは予期していなかったが平均的な貴族と平民の実力差は歴然としているので、
それを跳ね返して勝利したのだから当然といえば当然である、貴族の横暴さも加わって、
「我らの奇術師」なんてあだ名も付けられた、由来は手品で倒したからだそうだ。

しかし、逆に必要の無いものまで寄せ付けてしまったと、後に大統領は落ち込む。
その必要の無いものとは・・・


(なぜ私を監視しているんだ?・・・)
ルイズから頼まれた洗濯をしながら大統領は思う・・・
考えながら洗濯していた大統領に不意に声が掛かる
「ファニーさん、今日も精が出ますね」
「ああ、シエスタか、君も洗濯か?」
「ハイ、・・・ところでファニーさん、あれは・・・」
「・・・シエスタも気づいたか」
「気づいた・・・というか・・・“見えている”・・・というか」
シエスタも見えているものとは、キュルケの使い魔である、フレイムの事である
「あれで隠れているつもりなのかね」
フレイムは一応物陰に頭を引っ込めたりしてるが体が大きいためか尻尾や何やらが完全に見えているのである
(あの図体で隠密行動は無理があるだろう)
「あれ、どうするんです?」
「ほっとこう、時期が来れば向こうから出向くはずだ」
それだけ言うと大統領は再び洗濯を続ける


その夜、大統領はトイレに起きだして向かい、
ルイズの部屋へ戻る途中にフレイムが立ち塞がった
「何のようだ?」
大統領が話しかけるとフレイムは大統領の服の裾を掴み、引っ張る
ついて行くとどうもキュルケの部屋へ誘っているらしい
(さて、何が目的なのかこれでハッキリするだろう)
大統領は意を決してキュルケの部屋へ入る、自分の使い魔を使って監視していたのだ、
もしかしたらギーシュとの決闘で何か怪しまれたのかもしれない、大統領はそう考えていた

部屋の中は暗く、ドアから差し込む光がかすかに照らすだけだった
「扉を閉めて」
キュルケの声がして、大統領は言われたまま扉を閉める
それと同時に部屋の中の蝋燭がひとりでに灯り始めた、
キュルケの姿が見えるようになる、服装は寝巻きなのだろう、ベビードールというものを着ている
「こっちへ来てくださる?」
ゆっくりと大統領はキュルケの方へ歩いていく
「なぜ使い魔を使って私を監視していた?」
「あら・・・ばれていたの?」
「あの大きさで隠れてもバレバレだ、もう一度言うなぜ私を監視していた?」
「・・・貴方はあたしをはしたない女だと思うでしょうね」
(なんだ?この女何を言っている?)
「思われても仕方ないの、わかる?私の二つ名は微熱」
「なにが・・・言いたい?」
「恋してるのよ、あたし、貴方に。恋はまったく、突然ね」
(あー・・・そういう事か)
142D0C:2010/03/09(火) 00:49:51 ID:A947w+fb
大統領はキュルケの一言で全て理解した、
つまり使い魔を使って監視していたのもこうやって部屋へ呼んだのも、
全て自分に『ひとめ惚れ』したせいだと

(そうならもう用は無いな、さっさとルイズの所へ帰ろう)
キュルケの今も続いている愛の囁きを無視してどうやって帰ろうかと大統領は考えていたが、
ふと、窓の外を見ると部屋を覗く人影が見えた

「あー、ミス・キュルケ、君が私にひとめ惚れしてくれたのは嬉しいし、
ギーシュを倒した私をそこまで褒めてくれるのも嬉しいが
君の思いには応えられない、そこで君の愛の囁きは窓の外にいる人に言ってあげてくれないか?」
「窓の外?」
キュルケが振り向くと窓の外に顔の整った男の姿があった
「待ち合わせの時間に君が来ないから来てみれば・・・」
「ベリッソン! ええと、二時間後に」
「話が違う!」

キュルケは懐の杖を振って炎を操り、窓の外の男を吹き飛ばす
それを見届け、キュルケは大統領に振り返る
「まったく無粋なふくろうね」
「言っておくがミス・キュルケ、まだ他にもいるぞ」
「え?」
キュルケがもう一度窓に振り向くと
これまた二枚目な顔の男が窓の外にいた

「キュルケ!その男はだれだ!今夜は僕と一緒じゃなかったのか!」
「スティックス!ええと、四時間後に」
そこから更に三人の男が追加で窓の外から顔を覗かせる
「「「キュルケ!約束していたのは僕じゃなかったのか!」」」
「マニカン!エイジャックス!ギムリ!ええと、六時間後に」
「「「朝だよ!!」」」
「フレイム〜!」
キュルケはいい加減にしてという感じでフレイムに命令する、
それを聞いてフレイムは四人に炎を吐いて追い払う
もう来ない事を確認してキュルケは振り向くと、もうそこに大統領はいなかった



ルイズの部屋に戻ってきた大統領はギーシュ戦で真っ二つに破り、
その後シエスタに編み直して貰った毛布を被り、眠ろうとする
(キュルケにひとめ惚れされるとはな・・・ああいうタイプは他にいい相手が見つかるまで執念深い、
スカーレットが良い例だ)
面倒なものに目をつけられたな・・・と付け加え、大統領は眠る。
143D0C:2010/03/09(火) 00:54:36 ID:A947w+fb
そしてその次の日、大統領より珍しく早く起きたルイズに大統領は叩き起こされる、
「ファニー、今日はアンタに剣を買ってあげるわ」
「・・・そりゃあまた・・・どうして?」
起きたばかりで毛布が体に掛かったまま薄目を開けながらルイズに聞く、
見かけはこんなだが頭は確り働いていた。武器の必要性があるのかどうか?ということで、
ギーシュを倒したときは武器を使わずに倒したので大統領としては必要性があまりなかった。
「剣の一つも持ってないと従者としてみすぼらしいのよ、」
なるほど・・・と大統領は思う
(格好を見繕う訳か・・・まあ脅しの道具にもなるだろう、)
肯定する理由は無いが逆に否定する理由も無く、大統領はルイズと出かける事にした


トリスティン城下町に向かう為、馬を使って移動するルイズと大統領、
城下町に向かう途中、大統領は何者かに見られているような視線を感じて
何度か周りを見回したりするが、こちらを見るようなものは何も無いので気のせいかと思い、
乗馬に意識を集中する。


城下町に着いた後は武器屋へと真っ直ぐ進む、
途中街の造りや治安の悪さについてルイズから説明を聞きながら歩いていく、
そこでも視線を感じる、というか“つけられている”といったほうが正しい。
大統領は勘違いではないと思い直す。
(貴族の令嬢を付け狙うとは感心しないな)
そう思い、ルイズにその事を話そうとするが少し待って考える、
(こちらに危害を加えようとするなら城下町に入る前を狙う筈だ、
わざわざ人通りの多い場所で狙うリスクを負う必要は無い、従者である俺が離れるのを待っているのか?
それとも・・・)
下手にこちらが行動を起こせば藪蛇になりかねない、何より相手の思惑が分からない、
ルイズにこの事を話せばルイズの性格だ、追っ手をふん捕まえようと躍起になるだろうから
まず話せない。

どうしたものかと考えていたらいつの間にか武器屋に着いていた、ルイズにつられながら店の中に入り、
ルイズが店主と話し始めるのを横で聞きながらも外を警戒する、
店主がルイズの要望を聞いて持ってきた剣はいかにも見栄えが良さそうな大剣だった
値段の方はその見栄え以上で、ルイズ曰く「立派な家と庭が買える」との事
「ルイズ、私の要望も聞いてもらえるかな?」
「何よ」
「まず、私にそんな大きな剣は扱えない」
「じゃあどんな物なら扱えるのよ!」
「レイピア・・・とかはどうだ、これなら私でも扱えるし、従者の面目を保つ上でも問題ないと思うが」
大統領がレイピアを提案したのは初心者でも扱いやすく、また従者の面目、という点でも、
大剣を背中に背負うよりもレイピアを腰にさしていたほうが様になっているという
個人的なイメージがあった為だった

大統領の言葉を聞いたルイズは少し乱暴に溜息をつくと店主にレイピアを見せるように言う
店主は渋々大剣を持って店の奥に行きレイピアを探し始める
「因みに聞くがルイズ、武器の費用はどの位あるんだ?」
「百エキューよ・・・」
苦虫を噛んだように言うルイズを尻目に、大統領は頭の中でこの世界の金の単位を自分の世界で比べて計算していた
(まあレイピアぐらいなら買えるとは思うが)

店主が持ってきたレイピアは装飾は殆ど無いものの、大統領が少しだけ剣先に指で触れると
血がでたので切れ味自体は問題ない、むしろ良い方だった。、
「このレイピア、値段は幾らだ?」
「新金貨なら150、エキュー金貨ならサービスして100ピッタリでさ」
ルイズが少し不満そうではあったが我慢してもらい、レイピアを買い取り店を後にする、
店を出てからしばらくすると追っ手の気配は無くなっていた、
(あの気配は一体なんだったんだ?あの“視線”は)
まあ、考えても仕方ない、そう思い、大統領はルイズと一緒に学園へと向かっていった。
144D0C:2010/03/09(火) 00:57:28 ID:A947w+fb
一方、大統領とルイズがいなくなった武器屋に女性の客が一人、入って行く、
店主は入ってきた女性を見て少し“奇妙”だなと思ったが
女性が周りの武器を見回しているので
客だろう、と思い接客しようとするが、女性が一本の鞘に収められた剣を取るのを見て慌てて止める。
「お客さん、そいつは止めておいた方が・・・」
女性は店主が止めるのを聞かず、剣を鞘から少しだけ外す、すると不思議なことにその剣から声が聞こえ始める、

「おめえさん何もんだい?“使い手”じゃねえみたいだが、感覚がかなり似てやがるな・・・」
その言葉を聞くと女性はニヤリと笑いながら、剣にだけ聞こえるように囁いた
「そう、私はガンダールヴじゃない、私は・・・ミョズニトルトンよ、デルフリンガー」

その言葉を聞いた瞬間デルフリンガーと呼ばれた剣は何かを喋ろうとするが、
言葉になる前に鞘に入れられ、喋れなくなってしまった。
「店長さん、これお幾ら?」
「はあ・・・そいつならエキュー金貨80でいいでさ」
店主は買われていくデルフリンガーを見て、最後に何を喋ろうとしたのか少しだけ気になった。
145D0C:2010/03/09(火) 01:01:41 ID:A947w+fb
以上で投下終了です、ブランク開いてから書くとやっぱり厳しい・・・
146名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/09(火) 01:58:01 ID:n8cN/p4O
うぉぉぉぉぉ!乙です
D4C乙です!!
大統領らしい緻密なエゲツなさが地味に素敵です
147名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/09(火) 10:23:05 ID:OI2/8zsH
乙です!
どじゃぁあ〜ん
148名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/09(火) 10:58:59 ID:+oTUhk5P
もはや崇拝しかない
この場所に「投下乙!」と書き込もう
149名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/09(火) 16:18:43 ID:o1cuQeef
デルフがよりによってミョズに買われるとは全くもって予想外!
というかデルフの事を知ってて買ったという事は、ルイズが虚無なのも知ってるんだろうな
150名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/09(火) 20:02:19 ID:rsHcMxvt
GJです!
これは面白い展開に成ってきたwww
何故ミョズが?そしてミョズは誰なのか?

後スカーレットとキュルケが同人種ってwwwww言われてみるとそうかもwwwww
151名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/10(水) 19:04:42 ID:flYQ2qi/
D0Cの人、乙です!
さすがに大統領は馬の扱いにも長けてますね。
ここでデルフとは出会えずか、今後の展開が楽しみです。

152名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/10(水) 21:09:07 ID:0Mxo7GVw

なんか最新刊で大統領の能力が訳の分からんことになってた
153名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/10(水) 23:23:34 ID:iMSxQ+qk
おっぱいの谷間に挟まれると大変なことになる能力だよ
154名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/11(木) 09:20:25 ID:vSHwZQwB
何が大変かと言うとルイズには挟むむねg
155名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/11(木) 21:06:53 ID:plAdtQ2m
尻と太ももがあるじゃあないか
156名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/11(木) 22:32:11 ID:pHV3dg+F
>>154
仮面のルイズが胸に血を溜め始めました。
157名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/12(金) 09:01:12 ID:LvI0ly4x
>>156
それ以上、いけない。
158名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/12(金) 09:23:07 ID:Hhcb2Ngt
全然>>156とは関係ない話するけど母乳と血液って成分がほとんど同じらしいよ
全然>>156とは関係ないけど
159名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/12(金) 14:50:17 ID:wpXtaFnj
全然>>156とは関係ない話するけど、その少しの違いが重要なんだろ。DIO様とジョナサンって成分はほぼ同じなんだぜ
全然>>156とは関係ないけど
160名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/13(土) 05:52:05 ID:t5TewhVU
全然>>156とは関係ない話するけど人間とチンパンジーの遺伝子って殆ど同じらしいよ
全然>>156とは関係ないけど
161名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/13(土) 15:37:58 ID:4t5BFCf7
>>160
そこでディオ様の「貴様は俺にとってモンキーなんだよー」的発言をですね…
162名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/13(土) 17:44:43 ID:b6Ngue1h
かまわん。(顔を)うずめろ
163名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/13(土) 18:52:38 ID:pwrxY0Lj
                  ,:ァ───..、
             / / ー‐' \:、_
              /:i /⌒ヽ   r‐ 、`ヽ
          ノ:::/  ,ィfフ ノ  , 、ぐッ、ー \r{ヽ
         (/〉7    ̄ノ ハ、  )、´  |::〈ヽ_\  七._  七_  /
         //_jヽ._    /  `ニ´ ',   ノト、} |  |  (乂 ) (乂 ) 。
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        } i  \    rイ___rヘ.     j/  / }   ,.ニ、    羊 i   ‐┼ ニ|ニヽヽニ|ニ ‐┼ /
        { ヽ   \   ヽ.__ノ   /  / /    _,ノ ゚ ゚ ゚ 大 !、_ノ └j  (二    r_ナヽ └j 。
         \     }、  ー‐一   ,イ      /'⌒ヽ
        _ノ  、__/ 丶、    //:ヽ   ' |    ∧
   /二 ̄_/  / /:\   ー ': /::::::∧   ヽ─.、 ∧
  //::::::/   / /__::::::ヽ   /::::::::r─‐',    \:::\',
 ヽ〈::::::::/   / ./ /_:::::`V´:::::::::::__|    i       ',::::::::ヽ.
.  \::/ /   /、__ /ヽ/´二 ̄      l   ヽ.   ,ハ:::::/
    V  ___/    // |o |   ` ー---  \   ̄ /:/
     ヽ---'       / |o |           >.、_/´
    /           |o_|               \
164名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/14(日) 14:42:46 ID:q3ntpXc5
難解すぎて突っ込めないからサーレーの右足に銃弾突っ込んでくる
165名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/15(月) 23:45:28 ID:cYEg4zuq
ティファニアのSSでも書くかと思い立ち、もう一度ストーリー確認の為に
部屋のあちこちに散らばったゼロ魔原作を集めたら
丁度、最も重要な8巻と9巻だけが見付かりませんでしたでござる

まるでイリュージョンの魔法を掛けられたような「スゴ味」を感じたぜ…
166名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/15(月) 23:50:27 ID:GvqRxioN
あるじゃないか、お前さんのすぐ左手に
お前はすでにウェカピポから攻撃されている
167名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/16(火) 00:31:06 ID:qqoz/LWA
左半身失調ッ!
168名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/16(火) 00:34:14 ID:3kS07LEa
誰かマジェントをデラウェア河の底から引き揚げてやってください
169名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/16(火) 00:42:06 ID:alInDJhN
召喚フラグ立ったな
170名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/16(火) 00:53:36 ID:L6rXR7dE
-ルイズは-
2度と使い魔を持てなかった…。
マジェントは鉱物と生物の中間の生命体となり
永遠に学院のオブジェとなるのだ。
そして声をかけてもキスしても爆破しても契約できないので
―そのうちルイズは考えるのをやめた。
171名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/16(火) 01:36:05 ID:FIjBFxbM
なるほど、マジェンドなら契約すら受け流す事が出来そうだな。
172名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/16(火) 01:42:35 ID:3kS07LEa
それでもアホ犬属性を持つマジェントならどうにかしてくれるさ
173名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/16(火) 22:42:57 ID:aD1AWQuk
ゴーレムやニューカッスル城が崩壊して土の下で考えるのを止める姿が目に浮かぶw
そういえばスキマにまで届くとかいう黄金の回転は、二十世紀少年に通じるんだろうか
174名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/17(水) 02:18:40 ID:xKclGLUD
・フーケのゴーレムに踏み潰されて考えるのをやめた
・ラグドリアン湖に沈んで考えるのをやめた
・ヨルムンガンドにティーガーごと踏み潰されて考えるのをやめた
・大隆起で浮かび上がって考えるのをやめた

「オレのそばに近寄るなああ──!!」
175名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/17(水) 08:02:22 ID:dS5rTrdx
逆に考えるんだ
「Dioと違ってルイズならもうちょっと待ってたら助け出してくれる」
と考えるんだ
176名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/17(水) 09:27:53 ID:RYtOEDRx
だがいつまで経っても助けが来ないのでそのうち「マジェント・マジェント」は待つことと考えることをやめた
177名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/20(土) 13:55:18 ID:9I3lykZV
ウルジャンが今月号から3月連続でルーブル+SBRになるからみんな買イに行くのだ
178名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/20(土) 22:58:11 ID:vp5cpY+Q
今まで単行本派だった私にウルジャンを買えというのか・・・。
179名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/21(日) 00:20:53 ID:HyYyo2Lu
雑誌を2冊買ったのは初めてだぜ・・・
180名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/21(日) 00:43:21 ID:yjN1Qo85
最近アニメマンガの情報チェックしてねーから気づかんかった
早速明日買ってこよう
181名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/21(日) 20:43:57 ID:MVdEhgBR
とっくに売り切れでしたよォーハハハ
182名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/22(月) 13:24:14 ID:2kHsfTn+
>>181
買えなかったのか
露伴の漫画の他に100.5巻がオマケで付いてるから予想以上に売れたのかもな
183名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/25(木) 13:20:36 ID:g8PDMI3l
キング・クリムゾンはすでに発現していたのか・・・・・・時間が消し飛んでいるぞ
184名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/25(木) 15:10:23 ID:SJR8tRuH
最近勢い無いよね
185名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/25(木) 15:28:56 ID:sDQNJ5IP
なにも投下されてない品
186名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/25(木) 15:31:08 ID:OtAWeIBk
どじゃぁああああ〜ん
187名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/25(木) 22:13:33 ID:FbYoSFuG
大統領め…隣の世界で投下されてるSSを独り占めとは、涎が止まらん
188名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/26(金) 21:23:49 ID:YwritIDg
そうか俺が書いていたはずのSSが消えていたのは大統領のせいだったの
189名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/27(土) 20:40:21 ID:LJv56mS0
近くの本屋にウルジャンが普通に平積みされていたぜ、こう言うとき田舎は助かる
190名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/27(土) 23:47:09 ID:Lll2612Y
田舎じゃなくても普通に置いてあるけどな
久々にブリミルネタでもいっとくか

神の左手シアーハートアタック
勇猛果敢な神の戦車
あらゆる障害を踏み越えて
導きし我を追う者を確実に仕留める

神の右手がキラークイーン
心静かな神の爆弾
あらゆる物を消し飛ばし
我に平穏を与えるは朝昼晩

神の頭脳がアトムハートファーザー
過保護のかたまり神の親父
世界を写真に詰め込みて
導きし我を陰ながら守る

そして最後にもう一人・・・・・・
記すことさえはばかられる・・・・・・



(次ページに続きがある・・・・・・)

【警告】これより先は呼んではいけない

(・・・?)

其の名は『バイツァ・ダスト』
時を砕きし神の地雷
我を追う者全てを消し
導きし我は無敵となる

(!!!)

お前も殺された

(・・・!?)

成長した我に殺された

(┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨)




( カ チ リ )
191名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/28(日) 23:22:21 ID:5923l7Ij
成長した我ワロタ
192名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/29(月) 11:13:29 ID:brvjwaUt
「吉良」なるものだけがここに集まっている…
193名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/30(火) 10:36:44 ID:UfskTIQD
みんな4月1日に向けて書き連ねてるだけだよね?そうだと言ってくれボーンナム
194名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/31(水) 08:32:50 ID:mU7ZCM1l
スカロン「殺しのメイクアップ、スタートよっ!」

こんなのもそれはそれで有りだと思う
195名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/31(水) 13:52:24 ID:yeKYfDmv
顔面が残酷になる形になるな……
196名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/02(金) 21:07:59 ID:jeGJRTbN
WRYYYYYYYYYYYYYYY
197名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/06(火) 01:44:14 ID:ePdZroaa
保守を信じろッ! 保守の力は無限だ それを信じろッ
198名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/06(火) 21:51:07 ID:3yWt7aV6
書き手が帰ってきやすいように、レスは積み重ねておく。
過疎ってるとなんか書きにくいんだよね。


あとついでにage
199名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/06(火) 22:54:13 ID:MEz8KWds
誰かが来てくれることを待ちつつ
200名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/08(木) 23:07:55 ID:t+IsY7Ni
過去ログ読んでると皆が本当に楽しそうで切なくなる
ところで、ここって烈風の騎士姫でSSを書くのはアリなのかね?
201名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/08(木) 23:27:48 ID:hmWqJ857
アリアリアリあ(ry
アリだとおもうな俺は、過疎解消につながればなお良い
駄目だったら避難所かね
202名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/09(金) 03:45:03 ID:FONRdYz6
アリアリアリアリ→このスレで
アリーヴェデルチ→避難所で

つまりこういうことですね、わかりました!
203名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/09(金) 22:37:49 ID:xsjCKIwW
まとめサイトの過去作品巡礼の旅に出ると、最初はムンムンと書きたい衝動が沸き起こってくるんだが
旅を終えた頃には中断し再開の見込みなさそうな過去の名作たちに対するなんともいえないやるせなさで尻すぼんでしまう罠
脳内続編でひとまずの「納得」を得て気分を楽にするしかないのが切ない


寂しさと仲間とのすれ違いで暗黒面に落ちた仮面のルイズがシエスタとの最終決戦で波紋をモロに食らって肉体を崩壊させながらも、すんでのところで首だけで生き延び
シエスタの体を乗っ取って、ジョゼフが召喚してたDIOと二人でキャッキャウフフしてるBAD ENDとか妄想しちゃうぐらいになっ!!
204名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/09(金) 22:41:46 ID:+vyOuhYd
待っていれば…待っていれば帰ってきてくれるはず…
205名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/11(日) 01:15:25 ID:zThGUOd/
念願の巨乳と対等な相手をゲット……それGOODENDじゃね?
206名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/11(日) 01:22:48 ID:r+ydxTIv
体をバラバラにされた上に日の出の光を浴びて灰になったら流石にBAD ENDじゃね
207名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/12(月) 01:36:28 ID:b2ap8Z8y
TRUE END→仮面のルイズ氏が無事に完結させるであろう結末
GOOD END1→>>203
GOOD END2→みんなで仲良くめでたしめでたし

BAD END各種
GOOD END1派生中にシエスタに完全敗北、灰になって消滅
ルイズ魔王化 シエスタとルイズ相打ち その他
208名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/15(木) 21:10:32 ID:Eisi67Cm
流石にそろそろ避難所とかと合併してもいい気がしてきたな
209名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/15(木) 21:17:46 ID:iNRyM5dZ
短編書きたいけどキャラが決まらない
210名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/16(金) 01:16:58 ID:TYpp8yuW
短編ならマイナーキャラにしたら?
長く続けるとオリキャラ化しそうな奴とか。
211名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/16(金) 14:59:25 ID:TpVLekIR
ではアポロでお願いします
212名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/17(土) 01:25:56 ID:5TgqQ32L
つ涙目のルカ
213名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/17(土) 04:56:19 ID:VC/w7DBi
かなり久々に来たぜ

さすがに静かになってるな
鉄の人とベーダーの人を同時で読んでた頃が懐かしい
214名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/18(日) 10:07:07 ID:ApESGO97
ああ…ホルホース早く来ないかなぁ
新規さんも来ないし、ネタが枯渇したのかな…
215名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/19(月) 01:28:31 ID:KZ8k4O5P
ボヘミアン・ラプソディー召喚
イーヴァルディの勇者とか実体化させまくって、
タバサなんかが取り込まれて絵本のお姫様になってしまったりする
216名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/19(月) 02:51:39 ID:Y55f9YCF
バタフライ……は小説か
イーヴァルディ以外の絵本がないからなぁ……
217名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/19(月) 09:50:37 ID:KpoFPQWz
廃れてるねえ
218名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/19(月) 10:39:51 ID:qzCYlz6A
>>214
ネタはあるが皆に「納得」を与えられる形にまで引き上げられないんだぜ…
219名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/19(月) 18:00:36 ID:URskbxk1
ボヘミアン・ラプソディ発動したときにルイズもどこかにいたんだよな…
使ってたいスタンドNo1だぜ
220名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/19(月) 19:10:23 ID:3DArxqMI
スレに多大な期待が寄せられている今、そこまで面白くない放置作品を投下するなんてできると思うか?
つまりそう言う事だ
221名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/19(月) 19:50:40 ID:vq3peyeN
じゃあ避難所に投下すればいいじゃない!
222名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/20(火) 04:21:02 ID:K6p29zGw
どこでも同じだろうが!
223名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/20(火) 17:04:49 ID:2MhlZOda
面白い面白くないは何も一人が決める事じゃない
誰か一人でものめり込んでくれればいいのさ
男は度胸 ネタがあるなら挙げてみようぜ
俺も人の事言えんがね
224名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/21(水) 17:30:57 ID:psH/Dlw8
投下するのも勇気だぜ
ジョジョは勇気の賛歌じゃあないか。ファンが怖気づいてどうするよ
225名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/22(木) 22:19:07 ID:2a5ES0/s
書けばよかろうなのだァァァァァッ!
226名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/24(土) 18:41:49 ID:pdK84Vhg
あ、明日やってやらぁ!
227名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/24(土) 20:39:57 ID:Orb6ADT7
明日って今さ!
228名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/27(火) 08:46:47 ID:XsYj9Qu6
一番くじで5000円つかってB賞以外当たった
ボスのSS書きたいのになんてことだチクショウ
229名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/27(火) 12:37:36 ID:BlD0+9Mb
避難所の依頼スレに幽霊屋敷さんが投下されてたんで代理投降しますよ
230ティータイムは幽霊屋敷で 01/04 代理:2010/04/27(火) 12:39:37 ID:BlD0+9Mb

交錯する杖と刃。それに乗せられた互いの意地がぶつかり合って火花と散る。
出方を窺う小手先の業など1つとしてない。両者は渾身の力を込めて得物を振るう。
絶え間なく響く剣戟にエンポリオは直感した――“この戦いはどちらかが倒れるまで終わらない”と。

「おねえちゃん! 二人を止めて! このままじゃ……」
「無理だね。もう言葉なんかアイツらには届かないよ」

必死に裾に縋りつくエンポリオを一瞥もせずに振り払う。
言葉でダメなら実力行使か? ―――バカらしい。
あの旋風じみた斬り合いに飛び込もうなんてのは自殺志願者だけだ。
切り結ぶ両者を苛立たしげにイザベラは眺める。
彼女は彼等の実力を読み違えていた。
ただのお坊ちゃんだと思っていたウェールズにかつての面影はない。
憎悪が彼を更なる高みに引き上げたのだろう、すでに彼の魔法はスクエアに達している。
何より敵を必殺せんとする修羅の如き気迫はかつての彼にはなかった物だ。
しかし、それにもまして予想外だったのは、それを防ぎ続ける平民の方だった。
メイジでさえ数合も持つまいと思われる猛攻を粗末な剣で凌ぎ続ける。
それも技量ではなく並外れた膂力と運動神経だけで。
だが遂に体力が限界を迎えたのか、見る間に才人の動きは失速していく。
このままなら遠からず才人の首はウェールズに切り落とされるだろう。

イザベラの視線が才人に向けられる。
平民でありながらこれだけの実力を持ち、しかも何処の国にも所属していない。
自らの手駒にするなら万金を積んでも惜しくない人材だ。―――だが命を張るほど重要でもない。
ただのバカなら要らない。自分の立場も弁えずに誰彼噛み付く狂犬を飼うつもりはない。
何かある度に他人の尻拭いに駆り出されるなんて冗談じゃない。
仮にも王族に刃を向けたんだ。ルイズも心のどこかでは諦めているだろう。
どうせ死ねば次の使い魔が召喚できる。そしたら今度こそまともな物を呼び出せばいい。
―――まあ正直、見てて飽きない奴だから死なれると少しは困るか。

「剣を捨てて命乞いするってんなら手助けしてやらない事もないけどね」


決闘を見つめていた二人の姫は対称的に表情を変えた。
ウェールズの身を案じていたアンリエッタは安堵に顔を緩めた。
彼女にしてみれば婚約者が突然、暴漢に襲われたような物だった。
誰が何を言おうともこの場の正義はウェールズにある。
この世界に住まう人間にとってエルフは不倶戴天の大敵。
仮にウェールズの言葉が嘘だったとしても生かしておくわけにはいかない。
無論、アンリエッタが彼の言葉を疑うなどありえない。
本来ならばワルド子爵を仕向けて成敗する所だが、彼は親友の使い魔でもある。
そんな事をして嫌われたくはないと思うのが心情だった。
何よりもウェールズが自分で決着を付けようとしている―――少なくとも彼女にはそう見えたのだ。

逆に才人の窮地に思わずシャルロットは顔を背けた。
防ぎきれなくなった軍杖が無惨に才人の体を削ぎ落としていく。
最初は服、そして皮膚、ついには血が飛び散るまでに肉を抉りはじめる。
このままでは間違いなく才人は殺される。
声を上げようとするも二人の気迫に飲まれて何も言えない。
何を言えばいいのか、言ったとしても聞き届けてもらえるだろうか。
今はドレスもティアラもない、ただの無力な少女でしかないのに。
彼女は一心不乱に祈った。それだけが自分にできる事と信じて。
たとえどんなにみっともなくていい。今すぐ剣を捨ててウェールズに謝罪して欲しいと。
そうすれば後は私が庇う。お父様や叔父上の力を借りてでも守り抜く。
英雄であって欲しいと思った少年に、今度は英雄である事を捨てて欲しいと強く願う。
そんな恥知らずな想いを抱くほどシャルロットにとって彼は特別な存在だった。
231ティータイムは幽霊屋敷で 02/04 代理:2010/04/27(火) 12:41:43 ID:BlD0+9Mb

「やめてください! もういいんです!」

ティファニアは叫んだ。瞳から大粒の涙を零しながら必死に声を張り上げた。
もうこれ以上、誰かが血を流すのを見たくなかった。ましてや、それが自分のためなら尚更。
ここで自分が犠牲になればそれで済むというのならそれも仕方ないと思った。
だけど、懇願するような彼女の声は剣を振るう少年の耳には届かない。
傍観することしかできず悲嘆に暮れる少女をマチルダは優しく抱きとめた。


「あの娘は貴様の何だ? 妹か?恋人か?それとも恩人か? 違う、赤の他人だ!」
「それを守る理由は何だ! ただの同情、憐憫の感情にすぎん!」
「そんな安っぽい正義感で、この私の前に立ちはだかるな!」

ウェールズの口から吐き出されるのは詠唱ではなく罵倒とも叱責とも取れる雄叫び。
感情を剥き出しに苛立ちを形に変えるかのように杖を叩き込み続ける。
彼の憎悪の対象はいつしかティファニアから才人へと移っていた。
大義を背負って苦難の道を歩む彼を無知な平民が遮る。
それがどれだけ自分と死んだ者達を侮辱する行為か、恐らく相手は理解していない。
―――だからこそ許せないのだ。

「無念のうちに死んでいった父上やバリー、部下達の心が!
アルビオンに生きる全ての民を守らねばならぬ責務の重さが!
全てを失った私の気持ちが! 何も背負わず奇麗事を抜かす貴様に分かるというのか!」

受けに回った剣を力任せに薙ぎ払う。
激しい衝撃が握りから腕、肩まで痺れを伝導させる。
すかさず繰り出されるウェールズの追撃に血飛沫が舞う。
刻まれたガンダールヴのルーンは輝きを失い、
腕は鉛みたいに重く、脚は泥沼に沈んだかのように身動きが取れない。
傷口からは思い出したかのように痛みと熱が、剣を握る手には既に感覚がない。
それでも才人はウェールズを睨み返しながら背後の少女を指し示す。

「あの子が何をしたって言うんだよ。泣いてるじゃねえか。
誰にも傷付いてほしくないって、敵味方なしに倒れた連中の為に悲しんでるじゃねえか。
そんな子にどんな罪があるってんだ! 言ってみろよ!」
 
なけなしの気力を振り絞った才人の剣が直上から振り下ろされる。
しかし、その一撃もウェールズの身には届かず虚しく宙を切った。
背後にいるティファニアの姿を見やったウェールズの表情が僅かに曇る。
それでも彼は断固たる決意で言い放った。

「彼女の罪は―――この世に生を受けた事だ」

生まれた事、それ自体が悪であるとウェールズはそう断言した。
ティファニアの存在が知れ渡ればアルビオンは破滅する。
王家の血筋に異教徒であるエルフの血が混じる、この事実は王家の権威を失墜させるだろう。
そうなればアルビオン全土の貴族諸侯はテューダー王家に取って代わらんと内乱を引き起こし、
そうして混乱の坩堝と化したアルビオンを治安維持の名目で侵攻すべく各国も動き出す。
かつての家臣たちが互いに殺し合い、愛した祖国は他国の軍勢に蹂躙される。
焼かれ、奪われ、殺され、傷付けられ、追い出され、アルビオンは全てを失うだろう。
たった一人の命とアルビオン王国を秤にかける事などできない。
232ティータイムは幽霊屋敷で 03/04 代理:2010/04/27(火) 12:42:56 ID:BlD0+9Mb

「てめぇええええーーー!!」

その返答に、才人は雄叫びとも悲鳴ともつかない絶叫を放った。
動かなかった足は前に、腕を引き千切れんばかりに振り回し、
まるで狂ったかのようにひたすらウェールズに剣を打ち込み続ける。
命を燃やし尽くすかの如く彼は立ち向かっていった。

「そんな事……! 誰にも、誰にだって言わさせねえ!」
「………………」

しかし、それは披露する前に比べてあまりにも鈍く遅く稚拙な物だった。
子供をあしらうかのようにウェールズが決死の反撃を事もなしに凌ぐ。
激昂する才人の動きは単調そのもの。不用意に踏み込んだ一撃を絡めとって剣を弾き飛ばす。
唯一の武器を失った才人にウェールズは軍杖の先端を突きつけた。
勝負はついた。その結果に多くの者から安堵の息が洩れた、才人の身を案じる者達からも。
戦う術を失った以上、これ以上手向かう事は無い。故に殺される心配も無いのだ。
後は何とかウェールズを説き伏せて容赦を願い出るだけ。

だが、そんな彼女達の想いを無視して才人は無手となった腕を振り回す。
剣でさえ当てられなかったのにウェールズに拳が届くはずもない。
放った拳は悉く宙を掻き、掠る気配さえ感じさせない。
才人の出血は致死量に達しようとしている、それにも拘らず彼は戦う事を止めようとしない。
死を前にしても立ちはだかる、その異様な姿にウェールズは言葉を失った。
「何故だ……? 何故そこまでする……」
ようやく搾り出した言葉は降伏勧告ではなく疑問の声だった。


白に染まっていく視界の中、がむしゃらに才人は拳を振り回す。
当たっているのか、届いているのか、それさえも分からない。
千切れかけた意識で崩れ落ちそうな身体をただひたすらに突き動かし続ける。

俺は何も背負っていない、と奴は言った。
それは正しい、俺には何も無い。
力も、金も、魔法も、権力も、俺は何も持っていない。
親も、ダチも、家も、学校も、ここにはない。
俺の事を知っている奴なんて誰もいないし、俺が知ってる奴もいない。
確かな物なんて何一つない……俺はゼロなんだ。
―――だから俺は『自分』だけは曲げるわけにいかねえ。

あの頃みたいに流されて生きれば楽だろうさ。
目の前で起こる事に目を瞑って、貝みたいに口を閉ざせばいい。
ルイズに黙って従い、貴族連中にもおべっか使って適当にやってりゃいい。
そうすれば少なくともこんな死にそうな思いなんてしなくていい。
だけど、そうなっちまったら俺は『平賀才人』じゃなくなっちまう。
最後に残ったものが自分だけというなら、それを守り通さなきゃいけない。

この世界でどっちが正しいかなんて俺には分からない。
だけど、俺は間違っていると思った事に首を縦に振らない。
ガキだって笑われたっていい。この意地が、このバカが『俺』なんだ。
だから許せないものがあるなら俺は絶対に譲らない、絶対にだ。
233ティータイムは幽霊屋敷で 04/04 代理:2010/04/27(火) 12:44:15 ID:BlD0+9Mb

「……取り消せよ……生まれた事が悪いだなんて……そんなの、ひどすぎるだろ」

混濁した意識で才人は声を絞り出しながら拳を前に突き出した。
もはや殴るだけの力もなく握手を求めるかのようにゆっくりと伸ばされる腕。
それはペタンとウェールズの胸に当たって力なく止まる。
そして平賀才人もウェールズ、そのどちらも動かなくなった。

誰もが言葉を失う中、イザベラは両肩をわなわなと震わせていた。
何かあったのかとエンポリオが見上げた先にあったのは彼女の壮絶な笑みだった。

ただの馬鹿なら拾う価値はない。だが平賀才人は違った。
アイツはただの馬鹿じゃなく―――後にも先にもただ1人の大馬鹿だった。
こんな面白い物を黙って見過ごす手はない。ここで死なすにはあまりにも惜しい。
最高の玩具を見かけたような目つきでイザベラは才人を見つめる。

「こいつはアタシが貰った! 誰にも文句は言わせないよ!」
234ティータイムは幽霊屋敷で 代理:2010/04/27(火) 12:52:56 ID:BlD0+9Mb
以上、投下終了。時折、これをクロスと呼んでいいのか分からなくなる。


という訳で代理投下終了です

というか、この野郎、イザベラにまでフラグ立てやがったァーッ!?
シャルロットに至っては結婚を申し込んだら即OK出そうなほどベタ惚れになってる……
(逆にアンアンとは敵対フラグ立ったような気がするけど、その方が面白そうだw)

バオー風に言うなら、これがッ!これがッ!リア充かッ!!

兄気風に言えば、「フラグを立てる」…そんな言葉は使う必要がねーんだ 
なぜならラノベの主人公は「ウホッ、いい女」!と思った時には! 
実際にフラグを立てちまってるからだッ! だから使った事がねェーッ!!

……しかし、ルイズとエンポリオの立場がないなwww
235名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/27(火) 14:40:37 ID:XsYj9Qu6
代理乙乙
236名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/27(火) 22:38:48 ID:RrY/eMlp
遅ればせながらGJ……!
ルイズとエンポリオの姿が見えないようだけど全く構わないwww
237名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/28(水) 08:29:59 ID:EbI4gbM7
GJ!サイトはこうでなくっちゃな
238名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/28(水) 15:19:46 ID:lT9zxs5B
GJ!
239名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/28(水) 19:58:06 ID:IZbrvBOh
乙!
240名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/30(金) 18:17:29 ID:67vuPc8s
スカイ・ハイとヴィンダールヴが同時にロッズを操ろうとしたらどうなるの、っと
241名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/30(金) 22:08:43 ID:fKMoE6vm
イザベラ様無双と思ってたら、まさか全部サイトが見せ場を掻っ攫っていくとは。イザベラやエンポリオの
積み上げてきた話のクライマックスだけサイトに務められると正直感情移入しにくいというか、
カタルシスがない。
242名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/30(金) 22:16:09 ID:eIU2VKHS
>>240
普通に考えれば限定されている能力の方が優先度が高いと思うけど。
243名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/30(金) 23:17:46 ID:guZ6JT5+
>イザベラ様無双と思ってたら
エンポリオの事を忘れないでやってください…

というか戦闘力一番高いの才人だけだから、戦闘ではどうしても才人中心になるのは
仕方ないんじゃね?
244名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/30(金) 23:18:27 ID:guZ6JT5+
だけは余計だなorz
245名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/30(金) 23:54:09 ID:+0ZN9lPf
え、次章からイザベラ様とサイトの奇妙な冒険が始まるんじゃないのか?
246名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/01(土) 13:45:24 ID:/H+Ix/uw
シャルロットが母親直伝のやり方で才人を寝取る展開を楽しみにしてたのは俺だけ
(お嬢様の恋人でのタバサママンの黒さには噴いたよ)
247名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/01(土) 20:21:17 ID:nxnzKMDl
さてGWだし重い筆を走らせるか
248名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/01(土) 21:00:25 ID:4yTa0/q2
>>247
Good!
249名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/01(土) 21:26:34 ID:beE+ea/V
何の束縛も無く自由に作品書いてくれればよろし
出来て当然、そうなって当然と思うことが大切ですじゃ
250名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/03(月) 21:52:37 ID:bSdQmZE8
10時から投下しますけど構いませんねッ!?
251名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/03(月) 21:59:59 ID:mn7GmrWT
カモォ〜〜〜ン!
252ティータイムは幽霊屋敷で:2010/05/03(月) 22:00:15 ID:bSdQmZE8

「双方そこまで! その喧嘩はこのイザベラ様が預かった!」

才人が地面に崩れ落ちる音と同時に、彼女の啖呵が響き渡った。
幽かに残っていた霧が晴れていく。遮られていた陽光が溢れてスポットライトのように少女を照らす。
何の臆面も持たず、彼女はずかずかとウェールズの前へ歩み出る。
ウェールズの手には未だ軍杖が握られており矛を収めた訳ではない。
彼女を一瞥するとウェールズは不愉快そうに顔を歪めて言い放つ。

「ガリアには関係ない。これはアルビオンの問題だ。口出しはしないでもらおう。
ましてや決闘に横槍を入れるなど貴族の伝統に悖る行いと知っているだろう?」
「決闘……? はん、決闘か! こいつはいい! 傑作だ!」

何がおかしいのか、イザベラは仰け反りながら笑い声を上げた。
まるで嘲笑するかのような彼女の態度にウェールズの表情がさらに引きつる。
ひーひーと笑いを堪えながらイザベラは彼の表情を覗き込んだ。
未だに自分が口にした言葉の意味を理解していない男の顔を。

「なんで無礼討ちって言わないんだい? 相手は貴族じゃなくてただの平民なのに」
「…………っ!」
「アンタ、気付いていたんだろ。相手にも戦うだけの理があるって。
だから“決闘”なんて言ったんだろ? その気になればいつだってあの女を殺せたのに」

息を呑んだウェールズに畳み掛けるようにイザベラは言葉を重ねた。
たとえばティファニアに向けてカッター・トルネードを放っていれば才人に止める手段はなかった。
そうしなかったのは自分の手で才人を叩きのめしたかったからだ。
才人はウェールズが捨てた甘さと情を以って彼の前に立ちはだかった。
それが自分の過去を突きつけられたようで彼は才人を許せなかったのだ。
乗り越えたかったのは才人ではなく自分の弱さ。
―――いや、あるいは今の自分を否定して欲しかったのかもしれない。
イザベラの言葉にウェールズの奥底に沈められた感情が引き起こされる。
だが、それを彼は全力で否定し声を荒げながらティファニアへと歩み寄る。

「黙れ! 私はあの娘を討つ! 討たねばならぬのだ!」
「無理だね。言っておくがコイツはまだ“負け”を認めちゃいないよ。
決着を付けないまま、あの娘を手に掛ける事をアンタの誇りが許すのかい?」

ウェールズの足が止まる。貴族にとって誇りは何よりも重んじられる。
ましてや王族の名誉は個の名誉だけではない。全貴族ひいては国民の名誉にも関わる。
身体の傷はいずれ癒える。だが心に刻まれた傷痕は彼を未来永劫苛むだろう。
かといってここで退く事など許されない。ティファニアは元より平民に負けるなど有り得ない。
しかし、その考えを先回りしたイザベラが勝ち誇った笑みを浮かべて告げる。

「だからアタシが預かるのさ。勝負はお互いの準備が整うまで持ち越し。
勝者も敗者もなく誰の名誉も傷付かない。ああ、それと景品もガリアで預らせてもらうよ」

彼女の視線の先には才人を心配そうに見つめるティファニアがいた。
その言葉にウェールズは表情を蒼白に変えてロングビルへと振り返った。
目の前で繰り広げられる決闘にも交渉にも動揺を見せない彼女にウェールズが詰め寄る。
253ティータイムは幽霊屋敷で:2010/05/03(月) 22:01:06 ID:bSdQmZE8

「どういう事だシェフィールド! 話が違うぞ! 彼女の処遇はこちらに任せると約束したはずだ!」
「シェフィールド? 違いますわ、ウェールズ殿下。その人は学院長の秘書で……」
ロングビルを詰問するウェールズを止めるようにルイズが間に入る。
彼女はただの人違いだと思っている。目の前の女に名前が複数あるなどとは考えない。
ましてや孤立無援になったウェールズを支援しているガリアのスパイなどとは思いつきもしない。
この場でそれに気付いているのは関係者を除けば唯一人。
その彼女はふてくされた表情でロングビル……シェフィールドに確認事項のように訊ねる。

「シェフィールドって言ったね? アンタ、ガリアじゃなくて父上の回し者だろ」

その言葉にはいくつもの状況証拠から導き出された確信が込められていた。
もしガリアが事前に情報を入手していれば東薔薇花壇騎士団を、
ましてやシャルロットを危険に晒すなど考えられない。
だが父上はこの品評会が襲撃される事を知っていた。
この事件を何かに利用する為……恐らくはアルビオンを手中に収める為だろう。
ティファニア王女の秘密、襲撃事件の関与、どちらも国家を揺るがすスキャンダルだ。
ウェールズを傀儡として王座に座らせ、その背後で握った弱みで脅す腹積もりだったのだろう。
その為にはウェールズの監視役を兼ねて証拠を押さえる部下がいる。
そして、ここにいる人間の中で、その可能性があるのは彼女だけ。

「素晴らしき慧眼。さすがはジョゼフ様のご息女であらせられます」
感服したようにシェフィールドは彼女に膝を折った。
しかし、それにイザベラは不満そうに鼻を鳴らす。
彼女の敬意はあくまで父であるジョゼフへと向けられている。
ハッタリを効かすのに虎の威を借る事もあるが、
他人の名前で感心されても嬉しくも何ともない。

「はっ! 捨て駒なんかに頭下げる必要はないよ!」
「まさか。そのような事、ジョゼフ様は微塵も考えてはおりません」

不機嫌になって悪態をつくイザベラにシェフィールドは深く頭を下げる。
確かにそう取られても仕方のない行動だった。そしてジョゼフからは何の説明も無かった。
しかし、シェフィールドには主の意を余さず汲んでいるという自負があった。そこから彼女は答えを導き出す。
単にこの事件の証拠を押さえるだけならば他にも適任者はいた。潜入という一点だけならば自分を凌駕する人材もいた。
しかしジョゼフの警護という最大の任務から外されて自分が選ばれたのには理由がある。
それは広範囲をカバーできる視野と戦力、それを彼女は王女とイザベラ達を守れという意味だと確信した。
影ながら彼女達を守護しながら窮地へと追い込む、それがこの計画の本当の狙いだとシェフィールドは考える。
もしイザベラが“そう”ではなかった場合にも守り通せると信じたからジョゼフ様は私をここに送り込んだ。
愛情なのかは分からないけれど我が主にとってシャルル陛下やイザベラ様は無視できない存在だ。
それが我が身を焼き尽くさんばかりに妬ましい。私はあの主にとって優秀な手駒でしかない。
愛情でなくてもいい、憎悪でも構わない、私はあの御方より特別な感情を抱かれたいというのに。

「……どうだかね。まあいいわ、そんなのは後で父上に問い質せばいいのだから。
それよりも、あそこに転がっているバカの手当てをしな。秘薬の1つや2つ持ってきてるんだろ?」

イザベラが複雑な表情を浮かべながら倒れた才人を指差す。
内より湧き上がる黒い感情を隠しながらシェフィールドは才人へと視線を向ける。
労力に比べて得られた成果は僅か。担い手は覚醒せず、使い魔だけが刻まれたルーンの力に目覚めた。
しかしシェフィールドは悩む―――“果たして平賀才人は我が主の手駒足りえるのか?”
剣技は未熟、だがそれはさして問題ではない。ガンダールヴの強さは感情を力に変換する事にある。
その点でいえば激情家であり、また不屈と思える精神力を持った彼は優れたガンダールヴに分類される。
そして短所もまた然り。計算ではなく感情で動く彼をこちらの意のままに操るのは至難の業。
どんなに強大な力もコントロールを失えば無価値であるどころか我が身を脅かす危険に成り得る。
平賀才人の傷は深い。このまま放置すれば時を置かずして絶命するだろう。
生かすか、殺すか、その選択肢を彼女は主であるジョゼフに御伺いを立てる。
やがて返ってきた主命にシェフィールドはすくりと立ち上がった。
254ティータイムは幽霊屋敷で:2010/05/03(月) 22:03:25 ID:bSdQmZE8
「御意のままに」
ジョゼフからの返答はただ一言。それに彼女は頬を綻ばせた。
“味方にするにせよ、敵に回るにせよ、面白い方がいいに決まっている”
自分の浅はかな考えなど要らぬ杞憂。主の器は彼女の計算では量りきれぬ代物だった。
如何に巨大な魚が跳ねようとも海を相手にどれだけの波紋を広げる事ができようか。
仮に、平賀才人の存在がジョゼフ様にとって毒になるというのなら始末すればいいだけの事。
主の偉大さを再度理解し彼女の心には深い感銘が広がっていた。
そして、もう一つ。ある発見がシェフィールドを愉快な気分にさせる。
“イザベラ様とジョゼフ様は非常によく似ている”
親子ならば当然かもしれないが偶然とはいえ二人とも全く同じ答えを出したのだ。
恐らくイザベラ様がジョゼフ様の心を波立たせるのはその一点。
自分に似た者に対してどう接していいのか、それが分からないのだ。
人に愛された事がないから、愛され方も愛し方も知らずに育った一人の男。
我が主は人を超えた存在でありながら、それ以上に不器用なまでに人だった。


「起きろって言ってるでしょ! 何で勝手に首突っ込んで怪我してるのよ!」
「……どいて」

才人を叩いていたルイズを押し退けてシャルロットは彼の胸に杖をかざす。
目も当てられない負傷を前に一瞬たじろぎながらも彼女は意識を集中させる。
風と水系統の魔法が得意といっても彼女の実力は本職には及ばない。
止め処なく溢れる流血を抑え、生命活動を停止させないのが今の彼女に出来る精一杯。
助けたいと強く想っても人は自分の限界を容易に超える事はできない。
そして彼女の応急処置は両の手で水を掬うようなものだった。
徐々に命が失われていく感覚が直に彼女に伝わってくる。
このままでは助けが来る前に彼の命は失われるだろう。
患者が意識を失うと途端に生命活動が低下する、とシャルロットは本で得た知識で知っていた。
何とかして彼を起こさなければならない。本には意識を取り戻すまで呼びかけるのが効果的だと書かれていた。
しかしシャルロットは声が出せなかった。何と声をかけるべきか、彼女には思いつかなかったのだ。
彼の名前も知らず、どんな素性なのかも分からない、ましてや同世代の男性と話した経験など数えるほどしかない。
戸惑うシャルロットを今度はルイズが押し退けて才人に呼びかける。
「サイト! 目を覚ましなさい! サイト!」
ルイズの声に反応したのか、才人が僅かに指先を動かす。
その光景にシャルロットの心に安堵ではない黒い感情が沸き上がる。
どうして私ではダメなのか、彼女はそれほど特別な存在なのか。
内なる衝動に気付いて彼女は項垂れながら酷い自己嫌悪に陥った。
父も母も何一つ恥じる点のない高潔な人物なのに何故私はこうも自分勝手なのだろう。
サイトと呼ばれた彼だってそうだ。彼は見知らぬ他人の為に命を懸けて戦った。
こんな私に彼の傍にいる資格はない。こんな邪な気持ちで彼を汚してはいけない。
想いは胸の底に、誰にも気付かれないように深く沈めよう。
だけど彼の行く手を何物かが遮ろうというのなら――私は容赦しない。


憎悪を帯びた眼を向けるシャルロットとウェールズの眼が合う。
彼は今までその少女に奇妙な既視感を覚えていた。
だが、その違和感が何か彼はようやく気付いた。
あれは数年前に行われた各国の王族貴族を招いての大園遊会の時だった。
そこでガリア王妃の背に隠れながらおずおずと挨拶をした少女がいた。
いずれはかの国を担う者として紹介された彼女、その姿が自分を睨みつける少女と重なる。
“もし彼の身に何かあれば絶対に許しはしない”言葉にせずとも彼女の瞳が雄弁に語る。
殺意を隠そうともしないシャルロットに焦りを滲ませる彼の背後からそっとシェフィールドは声をかける。
255ティータイムは幽霊屋敷で:2010/05/03(月) 22:06:19 ID:bSdQmZE8

「御自分の立場をお忘れなきように。アルビオン皇太子ウェールズ・テューダーは“死んだ”のです。
ここで何か起きたとしても身元も分からぬ男の死体が一つ増えるだけの事」

あからさまな愚弄にウェールズは怒りを顕わに杖を振るう。
それを阻もうとシェフィールドの両脇から鎧を纏った騎士二人が飛び出す。
しかし両者が激突する事はなかった。ウェールズの杖は彼女の手前で止まっていた。
ウェールズにあるのは大義名分のみでそれを為す力は無い。
ここでガリアの援助を失えば彼が復権する機会は永久に失われる。

「……承知した。我が望みはアルビオン王国のみ。それさえ守ってくれるならば喜んで従おう」
「ご英断です。ウェールズ殿下」
軍杖を収めた彼にシェフィールドは静かに頭を下げた。
彼女はウェールズが暴発せずに踏み止まると確信していた。
彼は感情的だが平民の平賀才人とは違い、王族として重大な責務を背負っている。
それ故に軽はずみな行動は取らず、こちらの計算どおりに動いてくれる。
あえて挑発したのは、どちらが上かを再確認させる為。その為に彼女は線を引いたのだ。
もしも今と同じ様に意見を違えたとしても今後はジョゼフの判断が優先される。
去っていくシェフィールドにウェールズは何も言い返す事ができなかった。
他人の掌で踊る哀れな道化、それが今の自分の姿なのだ。

「ウェールズ様」
「……来ないでくれ。君の知っているウェールズ・テューダーはもういない」

駆け寄ってきたアンリエッタに背を向けながらウェールズは声を震わせて言った。
国も、家族も、プライドさえも失って他国の言うがままに従う男がどうして彼女と顔を合わせられよう。
彼も一時はトリステイン王国を頼る事も考えた。
しかし現アルビオン王はアンリエッタにとっても叔父に当たる人物、
それを打倒するのに力を貸せというのはあまりにも酷だ。
ましてや今の自分は王家の血筋というだけで何の後ろ盾もない。
アンリエッタの気持ちも既に自分から離れているのではないかと彼は思っていた。
しかし、それに構わずアンリエッタは彼の背中をぎゅっと力強く抱きとめた。

「そんな事はありませんわ。私のウェールズ様はここにいます。
先刻も私を守ってくださったではありませんか。何も、何も変わっておりませんわ。
たとえ全てを失おうとも貴方を愛するこの気持ちだけは決して失われる事はありません」

ウェールズの肩が震える。アンリエッタからは彼の表情が見えない。
だけど、きっと泣いているのだと彼女には理解できた。
それは彼女も同じだった。生きて還ってきてくれた、それだけで十分だった。
―――互いの絆は今もこうして確かに繋がっていた。
256ゼロいぬっ!:2010/05/03(月) 22:09:08 ID:bSdQmZE8

「で、アンタがティファニアか?」
「は……はい」
「おねえちゃん、怖がっているから……あんまりひどい事しないであげて」
ふんぞりかえりながらイザベラは人質となった少女を見下ろす。
さっきまで盾に取られていたからか、若干緊張した面持ちで見上げるティファニア。
その隣で心配そうな表情を浮かべるマチルダとエンポリオ。
しかし使い魔の言葉には耳を貸さずイザベラはずいと顔を近づける。
どこか血走っているようにも見える眼差しで彼女は声をかける。

「色々と言いたい事や聞きたい事がある……が、それはそれとしてひとつ確認しておきたい」
「は、はあ」
何が言いたいのか理解できず困惑ぎみにティファニアは彼女に顔を向ける。
その曖昧な返事を同意と捉えたのか、それとも会話する必要がないと思ったのか、
ティファニアの決心が付く前にイザベラは既に行動を起こしていた。

まっすぐ前へと突き出されたイザベラの両手。
それはたわわに実ったティファニアの胸へと伸ばされると、
おもむろに彼女の弾力ある“それ”を一片の容赦なく揉みしだいた。
何をされているのか分からず混乱して声も出さないティファニアを無視し、
思うさま弄んでようやく一息ついたイザベラは溜息と共に声を絞り出した。

「……やっぱり噂は本当か」
「き―――」

きゃあああああああ、と絹を切り裂くような悲鳴が森に木霊する。
その残響が全て消え去る頃には学院の混乱も収束へと向かっていた。
257ティータイムは幽霊屋敷で:2010/05/03(月) 22:14:04 ID:bSdQmZE8
投下終了。誰々が出て来ないと言われると出さざるを得ないのが目下の悩み。
これでギーシュやコルベール、ギトーとかはどうしてるの?とか言われるといつまで経っても話が進まない。
ずっと一人称で話を進められたら楽なんだけど……延々とフーゴがジャガイモを剥く話でも書こうかな。
258名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/03(月) 22:41:04 ID:XQS7/eY1
投下乙!

…ゼロいぬ?
259名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/03(月) 22:43:00 ID:ZFHIHFhr
……あれか。
残っちゃってたのね。
260名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/03(月) 22:59:40 ID:mn7GmrWT
頑張れ…エンポリオ頑張れ…!
261名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/04(火) 11:45:47 ID:L85Fq8Kg
投下乙です!

エンポリオェ……
262反省する使い魔!:2010/05/09(日) 00:52:32 ID:oLUzcp0W
あの〜・・・突然ですみませんが
実は自分・・・「音石明」を主人公としたのを前々から
考えているんですけど、こういうSS投稿とかよくわかんなくて
できれば教えて頂けたら幸いです!
タイトルは現時点では「反省する使い魔!」なんですけど
駄目な所とかあったら教えてください!
263名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 01:17:41 ID:3M99vXbM
そうだな
まずメール欄にはsageを入れる2chの基本をだな

投下前には前もって宣言を
可能ならトリップ使う
264名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 01:23:03 ID:bBBoPB/x
あと・・・は「・・・」じゃなくて「…」を使った方がいいな。
「…」は「てん」か「さんてん」で変換できる。
後は投稿して徐々に直していけばいいと思う。
265名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 01:24:25 ID:bBBoPB/x
そしてsage忘れるマヌケが登場ォ〜〜orz
266名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 10:37:16 ID:Fxxe1Xip
難しい注文だけど妥協した表現は使わないほうがいいよ。小難しいのもやらない方がいいよ
一見して読みにくい漢字、単語も使わないほうがいいな

あとは勇気の素晴らしさが分かれば十分だな
267反省する使い魔!:2010/05/09(日) 18:06:33 ID:oLUzcp0W
いろいろな助言感謝です!
次にルイズに召喚されるタイミングなんですが今のところ二通りあります。

1. 億泰にブッ飛ばされた後、スピードワゴン財団によって連行されている
最中に召喚される。ボロボロのレッド・ホット・チリ・ペッパー も召喚の影響で
元に戻ってる!やったね!!状態

2. 刑期を終え出所し、新たな人生をがんばろう!と張り切っていた途端、召喚
される状態 レッド・ホット・チリ・ペッパーは召喚の影響ではなく
時間をかけて刑務所で回復していっった感じです。
設定年齢は大体、22〜25くらいです。

ついでに音石自身は召喚されたおかげで今まで退屈でクソッタレだった人生から
一気に刺激的になって案外召喚されたことに対して不満を持っていない感じです。

今のところこんな感じなんですが また駄目な所がありましたら助言など
よろしくお願いします! 反省して成長する覚悟です!!
268名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 18:13:44 ID:3M99vXbM
内容は人に聞いてどうこうするもんじゃあないぜ
好きに書け
269名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 18:54:07 ID:Fxxe1Xip
>>267
まさに好きに書けばいい。いわゆるテンプレをなぞるもよし。脱線しすぎてもよし
1でも2でもはたまた3,4でもよし
真の失敗とは、開拓の精神を〜ってことだ。SSを投下する人はみな開拓者、冒険者しか居ないのだッ!
270名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 19:49:30 ID:5nUV7eau
チリ・ペッパーが活動するための電力をどう確保するかが問題になりそうだな
途中からはコッパゲ先生あたりに頼って造ってもらうとしても初期の初期はどうにもなりそうにないし
仮に何かの手段で用意できても街中を電線の走ってる我々の世界とは比べ物にならん位パワーダウンしそうだからな
ガンダールヴとか考慮に入れたとしても

その辺をどう解決してくれるのかも楽しみにしてる
271名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 20:00:05 ID:IeHgTx0g
まあ、パワー無くてもかなり遠距離での行動も可能なようだし(VSザ・ハンド)
それなりに使えなくはないんじゃね?
272名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 20:02:15 ID:TFq6XvE1
電力次第で遠距離型にも近距離型にもなれるのは強みだなー
273名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 20:10:10 ID:IeHgTx0g
パワー無し状態だと、戦闘力はムーディー程度かな?
274名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 20:13:30 ID:5nUV7eau
だが、何かの電力源がないと行動は全く不可能なはず
電力が切れると消滅してしまうからな
ザ・ハンドと戦ったときはバイクのバッテリーに宿っていたが、
そこら中に電力源になるものが転がってる我々の世界と違ってハルケギニアにはその手のものはほとんどないし
コッパゲ先生あたりに頼んで用意できたとしても、電力源狙いの攻撃で破壊されちゃう可能性もあるかもな
275名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 20:18:35 ID:5nUV7eau
電線内を亜光速で移動できるのがチリ・ペッパーのウリの1つなんだが、
電線が通ってないハルケギニアでは生かしようがなさそうだな
塩水につかると電力拡散して消滅してしまう性質や、ラジコンのバッテリーに乗っかって飛んでいける性質は生きそうだが
ラジコンはコッパゲ先生に頼れば楽勝だろうし、ゼロ戦や戦車もバッテリー搭載したりとかしてな
276名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 20:21:09 ID:4I3fvn3t
「ライトニングクラウドを吸収しただとォオオオ!!!?」

ワの人 死亡

-> To be continued
277名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 20:36:58 ID:5nUV7eau
「『閃光』だと? 『ノロ』いねッ!クレイジー・ダイヤモンドにも劣ってるよォー…
 笑ったものか!アクビしたものか! こいつは迷う迷うッ!」

調子こき過ぎて偏在に刺され反省

とかそんな感じか
278反省する使い魔!:2010/05/09(日) 21:47:44 ID:oLUzcp0W
またまた助言感謝です!

やっぱり一番の問題はレッド・ホット・チリ・ペッパーのパワー源なんですが
自分なりにいろいろ考えてみました!

1.スピードワゴン財団の船に乗り込むために買ってきた
ラジコン飛行機も一緒に召喚される。これをうまく利用すれば
遠くにいる仲間たちに伝言を送れるしパワーもある程度維持できる思います!
ラジコンのバッテリーにも限界があると思いますがそこは
>>274様と>>275様の言うとおりコルベール先生の助けを得てという形になると思います!

2.刑務所内で密かにチリ・ペッパーを鍛えていて成長し近距離なら電気なしでも
発現できるという設定です。ついでに鍛えていた理由ですが特にやる事も無かったから…
見たいな感じです!

3.コレは結構最終手段なんですが単純にガンダールヴのルーンの影響って事で
近距離なら電気なしでも発現できちゃうというモノです!
うわお、伝説って便利!!

4.33巻を読み返してみたんですが音石のギター解説の部分で
ギターの弦の振動によって電流が生じるとか書いてあったんですが
(フレミングの法則とかさっぱりですけど)
ギターを演奏する事によってチリ・ペッパーを発現できるという感じですが
できるんじゃないかな〜? と思うんですよ!

一応こんな感じなんですがもっと有効的なモノがあれば教えてください。

音石は成長するのだッ!してみせるッ!!
「オレは…コメントで反省すると…強いぜェ」
279名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 22:51:06 ID:Y4/37FmQ
あんまり本スレで人にネタ考えてもらうとネタバレみたいな感じになるし、途中からモチベーション上がらなくなってしまうんじゃね?

てゆーか今自分のコメで壮大なネタバレ(反省する使い魔の)になってるよw
280名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 23:16:09 ID:Fxxe1Xip
ペッパーって実は近距離パワー型で遠くに行くためには近くに電力が無いといけないとか
一応作中ではっきり明言されているわけじゃないから、ある程度納得のいくものだったら大丈夫だと思うよ
281名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 23:47:24 ID:opZLueqT
設定ってのは小説内でジワジワ分かってくるからいいんじゃあないか……
あと名前欄に作品名書かれてると今から投下されるのかと思ってしまうからやめてほしいな
282名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 23:48:44 ID:q5SqPxp5
サバイバーと同じく本体の微弱な電流でも発現できると思うけど。
283名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 23:58:15 ID:Caj4piNh
懐中電灯とかの手漕ぎ式のやつで自家発電でもすりゃいいんじゃね
284名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/10(月) 00:05:28 ID:jySAXLgY
>>281
了解しました!反省します!

ほかの方々も参考感謝です!!

あとついさっき風呂にはいってふとなぜか思いついたんですけど
変な発想かもしれませんが
「味も見ておく使い魔」で
ブチャラティと露伴が一緒に召喚された作品を思い出して

エニグマの少年 宮本輝之輔を音石明と一緒に召喚させるのも
ありなんじゃないかな〜っと思っちゃったんですよ!!(やっべ鼻血でそ…)

宮本のエニグマならドラえもん的存在になって音石にいろいろ
我々の世界の機器を提供できると思うんですよ!!
そうすれば色々幅広くできるし!

ですがこれもあくまで候補の一つなので
何か不満がありましたら遠慮なくお願いします!!

あと良くわからないことがあるんですが、
今↑でやってる「ティータイムは幽霊屋敷」での作品を見て思うんですが
基本的に文章はどっちに書くもんなんですか?
ゼロの奇妙な使い魔の新しいページを通してかこの掲示板に書くものなのか
さっぱりわからないんですよ…
なんかすみません、いろいろ初心者なもんで…
285名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/10(月) 00:19:02 ID:8Rc/6EZr
なんだか久しぶりにこんなにエネルギッシュな人が来たな。まだまだ盛り返せるな
>>284
良く分からんが、wordとかメモとかに書いて、推古、添削してここに投下
wikiに直はだめだぜ。というかテンプレをちゃんと読みな
286名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/10(月) 06:00:37 ID:YvSlVYFy
昔何度か話されてるが
例の電撃拷問器具をですね
287名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/10(月) 13:44:49 ID:zgN3DFqY
まとめサイトを今も一日1000人以上が見てくれてるのか
288名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/10(月) 21:53:09 ID:nWCrKGoy
そーいや、ヴァジュラ(だっけ?)でビリビリなアレがあったな
電気を工業的に利用することはできてないっぽいが、あんな風に何かに使われてる可能性はあるのか
289名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/10(月) 22:55:59 ID:jySAXLgY
>>285
という事はwikiかこの掲示板に直接書き込めということでしょうか?
あと、ものすごーくバカらしい質問かもしれませんが…テンプテって
どこに書いてあるんですか?

すみません!本当に全然わからないんですよ!!

部分けとかはタグに書き込めば大丈夫なのか、
どうやったらタイトルにそれぞれの話を入れればいいのか
やる気はあるんですがマジ全然わからないんです!

こんなど低能ですが、誰か詳しい人でもいたら手順など一通り教えてください!
290名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/10(月) 23:08:23 ID:8Rc/6EZr
>>289
>>1を読め
あと
> 良く分からんが、wordとかメモとかに書いて、推古、添削してここに投下
> wikiに直はだめだぜ。というかテンプレをちゃんと読みな
これも1000回みな。落ち着いてゆっくり自分で調べるんだ。人に聞くのは最後だろう
291名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/11(火) 00:24:18 ID:OQbt+MHt
2ちゃんは初めてか?力抜けよ
ニコニコでうろジョジョ見てたら、銃杖が出てきて吹いた
292名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/12(水) 00:17:46 ID:mCvsj2Lv
吉良まだ来ねえのかな
楽しみにしてんだけど



それとして新人さんはいつでも大歓迎だ
293名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/12(水) 00:34:26 ID:QVlv+XSc
ふと思った。杖銃の漫画が読みたい
294反省する使い魔!:2010/05/13(木) 02:17:03 ID:4vIH2MDJ
杜王町から遠く離れた町にそびえ建つ刑務所
殺風景とした建物の入り口で1人の男が刑務所の門の前で頭を下げていた。

(…ドラマとかじゃあ大抵の看守はコッチが頭下げても無関心だがマジでその通りなんだなぁ…)

コレが出所最初に音石明が純粋に思った感想だった



「確か駅は向こうだったよな…」
刑期を終え22歳となった音石は交差点を横切り、
自分と同じく刑務所に保存されていた愛用のギターをぶら下げながら過去のことを振り返った



三年前、杜王町で彼は虹村形兆が持つ弓と矢により
電気のスタンド『レッド・ホット・チリ・ペッパー』を身につけた

『レッド・ホット・チリ・ペッパー』は自分が思っている以上に成長し、
弓と矢の所有者であり、自分にスタンド能力を与えてくれた
虹村形兆を弓と矢があれば刺激的な人生が送れるかもしれないという理由で
コンセントに引きずり込み殺害した

その後、自分と同じ形兆の手によってスタンド使いとなった間田敏和を使い
承太郎を始末しようとするものの失敗に終わる


さらに『レッド・ホット・チリ・ペッパー』を成長させ監視を続けた音石は
自分のスタンドがどれだけ成長したかを確かめる為、
ある日の晩、東方仗助の家に忍び込み彼が持つ『クレイジー・ダイヤモンド』に戦いを挑んだ。
ついでに忍び込んだとき彼が思った感想は

(こいつゲーム、ヘッタくそだなぁ〜おい…)

しかし、仗助の『クレイジー・ダイヤモンド』も自分が思っている以上に成長し
自分は奴を甘く見すぎてたと思い知らされる結果に終わる
295反省する使い魔!:2010/05/13(木) 02:19:53 ID:4vIH2MDJ
考えてみりゃあ、あの時無理にでも全力で
仕掛けていりゃあ負ける事もなかったかも知れねーな…)
自分のかつての行いを後悔しながら彼は道端の自動販売機でタバコを購入し
ライターで火をつけ口に咥えながら駅を目指し再び過去振り返った


あの時、運良く仗助が億泰と康一を集めていることに感づき
スタンドを億泰のバイクのバッテリーに侵入させ
尾行しているととんでもない内容が耳に入ってきた

(オレを…見つけ出す事ができる老いぼれのスタンド使いだとォ〜〜〜〜っ!!?)

話の内容の老いぼれを始末しようと億泰の
バイクを奪い港に向かおうとしたが
その億泰が『ザ・ハンド』の能力で瞬間移動を使い、
バイクに飛び乗り追撃してきたおかげであの時は危うく死に掛けた



(コレだってそうじゃねーか…、このときは焦らずに億泰のバイクに
息を潜めて留まっておきゃあ効率良くジョセフの船に乗り込むことができたかも知れねーのによ!)

駅に到着し切符を購入し駅のホームに入り電車を待つために
椅子に座り込んだ音石はタバコの煙と一緒にため息をついた


その後、音石はSPW財団の船に乗り込む為に模型屋でラジコン飛行機を購入し
杜王港で息を潜めていたがあっさりとラジコン飛行機の移動手段を承太郎に見破られ、しょうがなく承太郎の作戦で港に残った仗助と康一の前に姿を現し彼らに正面から戦いを
挑んだ

戦いは間違いなく音石の優勢であったが仗助の策にハマリ、
『レッド・ホット・チリ・ペッパー』を海に落とされるという最悪の事態に陥り
音石明は立ったまま命を落としたものの
ギリギリの所で息を引き返し自力で船に進入した

SPW財団に変装し、ジョセフをもう少しのところで始末できたものの
億泰の予想を翻した方法によってブン殴られ
刑務所に連行され今までの苦労が全部水の泡となってしまった
296反省する使い魔!:2010/05/13(木) 02:22:30 ID:4vIH2MDJ
「あれからもう三年経ったが随分と早いもんだなぁ〜、ええおい?」

ぶら下げている一緒に刑務所を共にしたギターに
相棒のように話しかけ音石は電車がやってくるのを確認した

「刑務所での生活が楽しかったわけでもね〜が…まあ,しかし反省はしたぜ
あいつらを敵に回すのだけはもう二度と御免なんだ、
帰ったら真剣にてめぇと一緒に
スーパーギタリストを目指して熱く生きようぜェッ!!」
キュウイイイイイイイン!!

周りの目も気にせず音石はギターの弦を引くと
電車の扉が開くのを確認し身を乗り出そうとしたその時!
音石の目の前に突然鏡のようなものが現れた!!

「…ッ!?な、なんだこりゃあ!?さっき見たときはこんなもん…」

すると音石は妙な違和感を感じ乗客を見ると彼らは音石に対し
「なに、チンタラしてんだ?」「早く乗れよ…」「なにしてんだろこの人?」
などのような目で訴えかけていた
(こいつらには見えていねーのか!?)
何気なくその鏡に触れてみると突然音石の体を飲み込み始めた!!
「うおおおおおっ!!?な、なんだ!新手のスタンド攻撃か!?
くそっ…レッド・ホット・チリ…だめだ!間にあわねぇッ!!」

スタンドで対応する間もなく音石明は鏡に吸い込まれていき意識を手放した







「アンタ誰?」
「ああン?」



反省する使い魔! 第一話「過去を反省する使い魔」
297名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/13(木) 02:24:45 ID:4vIH2MDJ
投稿終了!!


きゃああああああああああ!!!!!!
やっちゃったーーーーーーーーー!!!!
もうあともどりできねええええええ!!!!

やっちゃったよ!!ついにやっちゃったあああああああ!!!

…………ふう
とりあえず終了です!!
298名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/13(木) 02:33:19 ID:t8s1uTkM
まとめサイトをみて、ふと気になってこのスレに来たら今まさに投稿されたとこだった
これが運命か
299名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/13(木) 14:53:48 ID:m38mxLUH
…そういえばスタンドの方は海水に浸かったせいでボロボロになってたけど
三年もあれば再起可能かな?
300名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/13(木) 22:14:29 ID:AWGvV+Pf
おお!新作が来ているじゃあないかっ!!
続き期待して待たせてもらうよ
301名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/14(金) 00:04:50 ID:56BwxNDE
新作・・・だと・・・?
ブラボー!おお、ブラボー!

後、細かいことで申し訳ないが文の終わりに。(句点)付けたほうがもっと読みやすくなると思うのだよ
302反省の人:2010/05/14(金) 13:41:00 ID:59WIthFp
どうもです!

一応できたのはいいんですが
まとめサイトとかに貼り付けるには
どうすればいいんですか?
303反省する使い魔!:2010/05/14(金) 18:28:49 ID:59WIthFp
反省する使い魔!  第二話「召喚奇想天外」

目から覚めるとそこには今時の日本では滅多に見られないと思わせるような
澄んだ青空が目に入る、自分は今なぜか横になっているようだ。
すると急に後頭部から痛みがやってきた。

「いってー…、頭でも打っちまったかぁ?」

むくりと起き上がり頭を擦りながら音石は周りを見渡す

「…どこだよ…ここは?」

どうなってんだ?俺ぁさっきまで駅のホームに居た筈だ。
それじゃあ、このサラサラした草原やあの中世のヨーロッパあたりを
連想させやがるデッケー城はなんだ!?
などと混乱しながらも音石はついさっきまでの事を思い出す。

(電車が来て乗ろうとしたら……そう、鏡みたいなモンが現れて…
鏡?そう、鏡だ鏡!あれに飲み込まれたんだッ!!)

そこまで思い出すと音石はハッ!と気付き急いで起き上がり
ちゃっかり愛用のギターが傷ついてないか確認しながら
体勢を立てる。

(あの鏡がスタンド攻撃なら…やばいぜ!もうすでにオレはなんらかの
 スタンド攻撃にハマっちまったって事じゃね〜のか〜!?)

となるとオレを襲う理由は何だ?…決まってる!!
三年前、杜王町でオレがやらかした件でどっかのバカが
仕掛けてきたんだろ〜よ〜、スタンド使いなら恐らく形兆あたりが動機かぁ〜?
オレとはちがってあの野郎を慕ってた人間がいてもおかしくはね〜…
それに形兆ぶっ殺す時の邪魔にならないよーに前もって調べた
あのアンジェロとか言うクズ野郎も妙に形兆のことを慕ってたからな…

304反省する使い魔!:2010/05/14(金) 18:29:59 ID:59WIthFp
そんでわざわざオレが出所すんのを待ち伏せして…いや、まて…妙だな
スタンド使いならわざわざ三年も待つ必要があるかぁ?
刑務所内で仕掛けてきたっていいはずだ…
くそっ、こいつはますますワケわかんねーぞ…


この時、音石の思考の中に億泰などが出てこなかったのは
彼なりに一度戦った相手として億泰という人間が
わざわざ三年も待つような、奇襲するような奴じゃないということを
理解していたからであろう。


「アンタ誰?」
「ああン?」

いきなり話しかけられ声がしたほうに振り向いてみると
そこには桃色頭の小柄な少女が自分を見上げていた。
服装はこれまた珍妙で黒いマントを纏い
手には杖のようなものを持っている。

(なんだこいつ?まるでゲームに出てくる魔法使いみてーじゃねーか…)

すると音石は周りにも少女と似たような格好をした子供の男女の存在と
その傍にいる見たことの無い生き物の存在に気付いた。
それを見た瞬間、音石は危うくスタンドを発現しかけてしたが
彼の用心深い思考がそれを止めた。

(…ッ!?ス、スタンドか!?い、いや違う、スタンド使いとしての
勘だがスタンドとは少し違う!なんてゆーか…
そう!スタンドとしてのビジョンらしさが無いんだ!
間田の『サーフィス』みてーに実体があるタイプなら納得いくが
この数全部ってのは異様じゃねーかぁ、さすがによ…
だが、スタンドじゃないとするとこいつら一体……)


「ちょっとアンタ!誰かって訊いてんのよ!名乗りなさい!!」

そんな音石の思考は先ほどの桃色頭の少女によって中断された。
305反省する使い魔!:2010/05/14(金) 18:31:22 ID:59WIthFp
音石自身、理解不能なことが連続続いているせいで
イラついているのかその少女を睨み付ける。
そんな音石の目に少女は若干たじろぐものの負けじと睨み返してくる。

「な、なによその目……へ、平民の分際で無礼よ!」
「平民だぁ〜?…一体なんのこと言ってんだ、てめぇ?」
「とぼけんじゃないわよ!変な格好してるけど、あんた平民でしょう!?」

はあっ?と言った音石の顔を見て少女は舌打ちをし
少し離れた位置にいる禿頭の外見40歳くらいの男に抗議をしはじめた。

「ミスタ・コルベール!もう一度やり直しを要求します!」
「残念だがミス・ヴァリエール、それはできない相談だ」
「なぜです!?平民を使い魔にするなんて聞いたことがありません!!」
「それは私も同じだミス・ヴァリエール…しかし、この儀式は
君も知っての通り神聖なものだ、呼び出された以上
彼が君の使い魔ということになるのはもう決まっているのだよ」
「平民でもですか!」
「平民でもだ…ミス・ヴァリエール、それとも君は
始祖より受け継いだこの神聖な儀式を侮辱する気かい?
君はそんな子じゃないだろう?さあ、儀式を続けたまえ!」
「…ッ、わかり…ました」

そのやり取りを見ていた周囲の連中がドッと笑い出す。

「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を呼び出してどうすんのよ!」
「まったくだ、さすがゼロ!期待を裏切らないでくれるよ、クックック」
「ちょっと、ギーシュ!そんなこと言ったらゼロがかわいそーよ、ふっふっふ」
「まあ、ルイズらしいって言えばルイズらしいわね!」

周りの罵倒にルイズと呼ばれる少女は群集をにらめつけながらも
無駄だと判断し、再び音石に視線を向けた。


306反省する使い魔!:2010/05/14(金) 18:32:28 ID:59WIthFp
ルイズは自分が呼び出した使い魔の姿を改めて見てみると
本当に珍しい格好をしている。
自分と同じくらいの長い髪、顔は悪くはないが額から口元にまで伸びている古傷がある
コートには十字架のブローチのようなものがいくつも付いており
そのほかにも多くの金具が付いている、そして首には見たこともない
金属製の首輪がしてある、そしてルイズが一番気になったのは
彼がぶら下げている物である。

(あれは、何?楽器みたいだけどヴァイオリンじゃなさそーだし…)

「ミス・ヴァリエール!早くしたまえ」
「あ、は…はい!」

そしてルイズは仕方なく儀式を続ける覚悟を決めた。


そしてとうの音石はというと

(おいおいおいおい、さっきの会話…、こいつはスタンドとは
もっと違う事態なんじゃねーのかぁ!?)

頭が痛くなっていた、つまりなにか?この桃色の嬢ちゃんが
オレを召喚しったっていうのか!?などと理解していくにつれ
自分の今の現状が最悪のものだといやでもわかってしまう。

(勘弁してくれよ…、コッチは出所したばっかだってのによ〜…)

こう言うのは間田とかの役目だろ!
あいつこういうの好きそうだしよ!
どっちかって言うと巻き込まれキャラだろ!
などと自分に言い聞かせても無駄だと判断し
音石は考えるのをやめた…

「ちょっとアンタ!無駄に背が高いわね…そこに屈みなさい!」
「はぁ、もうどうにでもなれだ…これでいいか?」
「あんた、感謝しなさいよね。貴族にこんな事されるなんて
普通は一生あり得ないんだから!」
「?」
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」

長い口上を述べ少女は手に持つ杖を音石に向ける
そして…

「ん……」
「…!?」

音石と唇を重ねた…
307反省する使い魔!:2010/05/14(金) 18:33:43 ID:59WIthFp

「…終わりました、ミスタ・コルベール」
「よろしい、ではみんな教室に戻るぞ」

先程の男がきびすを返すと突然宙に浮き始め
それに続きまわりの少年少女も宙に浮き始めた!

「ルイズ!あんたは歩いて帰りなさいよ!その使い魔
アンタにお似合いよ〜」
「うるわいわよキュルケ!」
「おいおい、あんなのもアリなのかぁ!?」

少女ルイズのキスに音石もさすがに戸惑ったが
スタンドや飛行機とはちがう移動手段を見て
音石は驚愕した。

「なに言ってんのよ?貴族だから飛ぶのは当たり前でしょう!?」
「…お前は飛ばねーのかよぉ?」
「…ッ!うるさいわね!平民のあんたに合わせてんのよ!」

そう言うとルイズは城に向かって歩き出した

「そいつはなんとも優しいこったな……」

ルイズに質問することがあるため音石も後を追おうとしたが
突然、強烈な痛みが音石の左手に襲い掛かった!
308反省する使い魔!:2010/05/14(金) 18:34:28 ID:59WIthFp
う…な、なんだ!?おい!左手がめちゃくちゃ熱いぞ!!」
「使い魔のルーンを刻んでんのよ、すぐに治まるわ…ところでアンタ名前は!」

ルイズがふと思い出したかのように振り向くが
自分の使い魔は腕を押さえうずくまったまま
ピクリとも動かないことに気付いた。

「し…死んでる、立ったまんま……死んでる…」
「勝手に殺すな!」
「あ!よかった、生きてた!アンタ何してんのよ!」

「……出所して自由になれたと思ったのによ〜〜、いきなりワケわかんね〜〜トコに
連れてこられて…この苦しみと心の痛みィ……どこに…ブツけりゃぁ〜いいんだぁ〜
……この怒りィ……誰に訴えりゃぁいいんだぁアアア〜〜〜〜……」

「え…?ちゃっとアンタ?」

ドギュウウウウーーーーーーーーーーン!!!

「え?え?ちょっとなになに!?」

ドリュラドユラドユデリレリレドリデドリデリレリレドリュラドリュラドギュギララ
[ライトハンド奏法]

ギュウウウーーーーーーーーーーーン!!!

「………ふう、スッキリしたぜぇ」
「ちょっと!なによ今のわけわかんない音!!びっくりするじゃない!!」
「ワリィワリィ、一種のストレス発散法だ、それで…そうそう名前だったな!」

そして音石は突然走り出しルイズを通り過ぎ城をバックにこう言った!

「名前は 音石 明 22歳 まっ!このギターは気にしないでくれ」
「ギターって何よ!!」
309反省の人:2010/05/14(金) 18:36:56 ID:59WIthFp
反省する使い魔
第二話投稿終了です!

テヘッ☆がんばりすぎちゃった☆

………すんまっせーーーーーん!!
ながったらしくってすんまっせーーーーん!!
調子にのってすんまっせーーーーーん!!

次はもっと簡潔に書けるようがんばります!!
310名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/14(金) 18:49:37 ID:TvcAxUkA
いやいや、長ったらしいどころかもっとボリュームがあっても問題ないぜ
というかそういうキャラだとは分かっているが、今後も何かある度にギターを鳴らすんだろうかwww
311名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/14(金) 18:53:04 ID:n4vO2tM6
後書きが気持ち悪い
312名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/14(金) 19:34:06 ID:56BwxNDE
続きも頑張ってくださいねー

ところで、「郷に入っては郷に従え」という言葉があるように、言葉使いも周り(今は2ch内)に合わせたほうがいいですよ
そのせいで新しい書き手の方がいなくなるのは寂しいですからね
313名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/14(金) 22:21:55 ID:PRPqFkY+
続き来てたー!早いね早いね!!
314名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/14(金) 22:28:15 ID:HFjnRuSh
>>309
上の人も言ってるけど、後書き書いたりレスするときはもっとテンション下げて落ち着いたほうがいいと思うよ?
あまりはしゃぎすぎるとみんなからウザがられたり心無い人に攻撃されたりするからね。
あとまとめへの保管だけど、頑張ってやり方を勉強するか気長に待ってれば誰かがやってくれる場合もある。
話自体は面白いから頑張れ!
315反省の人:2010/05/14(金) 22:56:43 ID:59WIthFp
いろいろ助言感謝いたします!

あと読み返してみて気付いたんですが…

「うるさいわよキュルケ」のところが
「うるわいわよキュルケ」になっちゃってます…
ナンテコッタイ

ミスりましたがなんとかこれからわ
ミスらないようにがんばります!
316名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/14(金) 23:10:36 ID:mPszD5eD
音石好きなんで楽しく読ませていただいとります
がんばってくれー
317名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/15(土) 00:00:02 ID:/YBcp7Js
規制されてる内に新作が投稿されてる…
反省しながら頑張って下さい
318名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/15(土) 09:05:29 ID:F1LLDVWB
GJです
誤植も魅力の一つですよ。
ジョジョの中ではね…
319名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/15(土) 13:58:22 ID:wHDNFKjC
いいよいいよ〜
320反省する使い魔!:2010/05/15(土) 21:46:15 ID:KWToamiR
反省する使い魔!  第三話「報いか試練か反省か」


出所当日、オレは家に帰ろうと駅に向かい電車に乗ろうとしたところを
いきなりルイズとか言う奴のおかげでわけのわからねーところに連れてこられちまった…
神様よぅ、あんたはまだオレを許してくれねーわけか?恨んでるわけか?
ええおい?三年前、確かにオレは形兆を殺した、盗みもやった
なのになんでだ?オレは三年間、刑務所に入って反省はした筈だ。

実際今だって、形兆を殺したことをオレは後悔しているんだぜぇ…
あいつは気に入らなかったがオレなんかと違いかわいそーな奴だった。
形兆は自分の父親を救ってやりたいが為に弓と矢を使ってきたんだ。
それに比べオレはどうだぁ?ええ?当時の俺はただ日頃のつまらねえ
繰り返しをするだけの社会に不満を感じ刺激的の人生を求めるがために
弓と矢を奪い…使っていたんだ。
虹村形兆という男を殺してまで……最低だな、オレ

都合のいい話かもしれないが音石は刑務所に入ってから
ゆっくりと時間を掛け自分の行いを思い返していくことにより
自分がどれだけ酷い事をしたのか自覚することができていた…
そしてそれを自覚し反省したが上で彼は今日出所した…
そう!自分の罪を受け入れたからこそ彼は杜王町に戻る覚悟があったのだ!!

東方仗助、虹村億泰、広瀬康一、岸辺露伴などといった
「黄金の精神」を持つ若者達と向き合う覚悟が彼にはあったのだ!!

(杜王町で億泰に会ったらまたぶん殴られるのを覚悟してたんだがなぁ〜…)
「ちょっと!アンタちゃんと聞いてんの!?」
「ん?ああワリィ…考え事してた」
「ッ〜〜〜〜!!あんたねぇ〜!」
「悪かったって、俺だっていきなりで結構混乱してんだよ、
サモン・サーヴァントだっけ?その使い魔っつーのを召喚する儀式で
オレを召喚したってことはちゃんと理解してるぜ」
「そう!そしてここは!」
「ハルケギニアっつー世界の神聖なるトリステイン魔法学院……だろ?」
「…なによあんた…やっぱ知らないとか言って実は知ってるんじゃあ…」
「そんなんじゃねーよ、ただ単に記憶力がいいだけだ」

その言葉にルイズがふーんと言って目を細めている。
先程のハルケギニアを知らないと言う音石の質問を
自分をバカにしてるんじゃないかとまだ疑っているようだ。

「でも、最後の所だけ聞きそびれちまったんだ、なんだっけ…使い魔の…えーと…」
「使い魔の役目よ」
「そうそうそれだ、そこんとこよくわかんねーんだよ、もう一回頼むわ」
「たくっ、仕方が無いわね…いい?使い魔って言うのは
主人を守り、手となり足となり一生主人に仕える、それが使い魔よ!」
「なるほど……ん!?ちょっと待て…一生?今、一生って言ったのか!?」
「そう一生よ、当たり前じゃない」

321反省する使い魔!:2010/05/15(土) 21:48:55 ID:KWToamiR
ハァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッと音石は深くため息をついた。
当然だろう、いきなり呼び出され一生使えろなど無理な話である。

「なによそのため息、何か不満があるわけ!」
「逆に聞くがこんな状況にされて不満を感じねーって言うのもどうかと思うぜ…」
「う……、うるさいわね!私だってまさか人間が召喚されるなんて
思っても見なかったもの!仕方ないでしょう!」
「随分といい加減な召喚だなァ、おい…」
「あんた!神聖なるサモン・サーヴァントを侮辱するつもり!?」
「そうは言ってねーよ…なあ、悪いことは言わねぇから俺を送り返してくれねーか?」
「無理よ」
「即答かよッ!!」
「だって、使い魔を送り返す魔法なんて聞いた事ないもの、仕方が無いでしょう」
「改めて言うがマジでいい加減だなァおい!」
「うるさいうるさい!私だって本当はドラゴンとそういうのを期待してたのよ!?
それなのにアンタみたいな平民を召喚した私の気持ちがわかる!?」
「オレ魔法使いじゃねーからわかんねーよ」
「メイジよ!!」
「はいはい………!」

その時音石は気付いた、ルイズが涙目になっているのを…
それと同時に昼間のことを思い出す彼女が自分という平民を
召喚したことにより周りからバカにされたあの一部始終を…

「………はァッ」
「なによそのため息!まだ文句あるの!?」
「……なるよ…」
「大体アンタ平民の癖に生意気……え?」
「なにマヌケな顔してんだよ…、なってやるよ…その使い魔とかによォ〜」
「使い魔になるって……、ほ、ホント!?ほんとにほんと!?」
「ホントにホントだ、ただし帰る手段が見つかるまでだがな…」
「そ、そう…わ、わかればいいのよ!わかれば!」
(涙目で威張られてもな…それと無い胸で胸を張るな)

そして音石は壁にもたれ掛かり、ルイズはベットに腰を下ろした。

「そう言えばあんた異世界からどうとかって言ってたけど異世界ってどういうこと?」
「言葉通りの意味だよ、このハルケギニアとは異なる世界から呼び出されたってこった」
「信じられないわね…、大体アンタなんでハルケギニアが異世界だって断言できるのよ?」
「簡単だ、文化が違いすぎるからな…そしてなにより」

そういうと音石は窓を見た

「なにより…なによ?」
「俺がいた世界には月は1つしかねーよ」
「はあっ!?なにそれ!?月が1つってどんな世界よ!?」
「オレからしたら月が2つあんのがどんな世界だって話だがな…」
「…やっぱり信じられないわね、わたしをバカにしてるんじゃないの?」
「まあ、好きにしな…信じようが信じなかろうがおまえの勝手だ」
「お前って…私はアンタの主人よ!ご主人様と呼びなさい!」
(めんどくせぇ……しかし、まあ退屈はしなさそうじゃねーか)

その時、窓を見ながら音石の顔は薄く笑っていた。
322反省する使い魔!:2010/05/15(土) 21:52:23 ID:KWToamiR
「それじゃあ、これ明日になったら洗濯しといて…」
「ああ、悪い…せっかくだしちょっとそこらへん散歩してくるわ」
「はっ!?え、ちょっと…あんた」【バタンッ】


「行っちゃった…、もう!なんなのよアイツ!!いきなり変な楽器で演奏するし
異世界からとか訳わからないこと言うし、散々文句言ってたくせに急に素直になるし…」

その時、ルイズはハッと気づいた。

「も、もしかしたらアイツ、散歩とか言って逃げる気じゃあ…」

そんな何気ないマイナス思考な一言がルイズの顔色を青く変えた。

(も、もし召喚初日に使い魔に逃げられちゃったら…みんなになんて言われるか
…い、いいえ、それだけじゃないわ!実家にいるお父様やお姉様になにされるか…
こ、こ、こ、こうしちゃいられないわ!直ぐにアイツを連れ戻さないと!!)

バタンッ!と甲高い音が廊下に響き渡らせ、ルイズは階段を駆け下りた。


現在音石も階段を駆け下りながらいろいろ考えていた。

異世界か…、出所していきなりとんでもねーゴタゴタに巻き込まれちまったが
悩んでてもしょうがねぇ、前向きに行くとするか…
そうだぜ音石明、逆に考えるんだ
異常な事に巻き込まれているが逆に言えばオレはとても貴重な体験をしている。
よし、これでいこう!

そして階段を降りると廊下に突き当たった。そしてその廊下には
金髪のいかにもナルシストを思わせるキザっぽい少年と
茶色のマントをしたおとなしそうな少女が楽しそうに会話していた。

「ケティ…君はやはりいつ見ても美しいよ…まるで女神のようだ」
「まあ、ギーシュ様、本当ですか?」
「もちろんだともケティ、僕が君にウソをつくわけ無いじゃないか」
「ギーシュ様……」
「ケティ……」

「あー…、お楽しみのところ悪いんだがちょっといいか?」
「うわァッ!?」「きゃあッ!!!」
323反省する使い魔!:2010/05/15(土) 21:53:15 ID:KWToamiR
二人とも音石の存在に気づいていなかったのか
突然声をかけられたため予想以上に驚き、声が重なっていた。
少女に関しては驚いた勢いで床に倒れ尻餅をついている。

「ああ、ワリィ…驚かせるつもりは無かったんだが…大丈夫かよ?」
「イタタタ…」
「ケティ!ちょっと君ぃ、横からいきなり口出ししてくるなんて無礼だぞ!」

ギーシュという少年が音石をキッ!と睨む。
ふと、ギーシュはその男に見覚えがあるのを思い出した。

「君は…たしか、ゼロのルイズが呼び出した平民か?」
「覚えてもらっているとは光栄じゃねーか」

すると尻餅をついているケティという少女が意外そうな顔で音石を見る。

「この人が!?一年の間でも有名ですよ!……ッ、あいたた」
「おいおい、足でも挫いたんじゃねーのか?立てるか?ほら……よっと!」
「え!?…あ、ちょ…」
「なッ!?……な、な…」

すると音石はケティの手を取り、彼女を引っ張り立たした、
ギーシュは音石の予想外の行動に唖然している。

「なんともねーか?」
「あ…いえ、あ、ありがとう…ございます…」

まさかいきなり手を掴まれるとは思ってもいなかったのか
ケティは若干顔を赤くしている。

「おい、君!本当に無礼な平民だな!!平民が貴族の手に気安く触れるなど
立場をわきまえたまえ!!」
「いえ、いいですギーシュ様!私は別に気にしてませんから!」

勢い余るギーシュをケティが静止をかける。

「だから悪かったって、ただちょっと道を尋ねたいんだが…外に行くにはあの階段を降りればいいのか?」

そう言って音石は下に通じているであろう下り階段を指差した。
ギーシュは興醒めといわんばかりに薔薇を顔に寄せる。

「ふん、愛しのケティに免じて許してやろう…、ああ、その通りだよ」
「そいつはどうも…」

そう言うと音石は何事も無かったかのように階段を下りていった。

「たくっ…大丈夫かいケティ?」
「ええ、私は大丈夫です」
324反省する使い魔!:2010/05/15(土) 21:54:08 ID:KWToamiR
すると音石がやってきた登り階段から足音が聞こえてくるのに気づき
ギーシュとケティは何事かと階段を覗き込んだ、そこからやって来たのは…

「おや?ルイズじゃないか、どうしたんだいそんなに慌てて…」
「ギーシュ!私の使い魔見なかった!?」
「君の使い魔?彼ならさっき階段から降りていったが……、おいおいルイズ
まさか君は使い魔に逃げられたのか?フッ、まったく、使い魔もロクに扱えないとは
さすがは『ゼロのルイズ』だな、期待は裏切らないでくれるよ」
「うるさいわよギーシュ!もう、あいつ変に足が速いんだから…ギーシュ!ちょっと
捕まえるの手伝って!!」
「やれやれ仕方がないな、いくらゼロとは言え女性の頼みだ
すまないケティ、すぐに戻るよ」
「あ!ぎ、ギーシュ様ぁ!!」

下り階段に向かうルイズの後をギーシュが続いた。
階段を下り室内噴水広場にでるとそこにはルイズが良く知る褐色肌の女性と
小柄で眼鏡をかけた水色の髪をした少女がいた。

「あら、ルイズにギーシュじゃない、一体どうしたのよそんなに慌てて?」
「キュルケ!私の使い魔見なかった!?」
「ああ、顔に大きな傷のある彼なら向こうの階段に降りていくのを見かけたけど?」
「ギーシュ、行くわよ!」
「やれやれ…」『タタタタタ……』

「なんだかおもしろそうねぇ、タバサ!行ってみましょう!」

タバサと呼ばれる少女は読んでる本を閉じ、無言のままキュルケの後に続いた。


325反省する使い魔!:2010/05/15(土) 21:55:11 ID:KWToamiR

「改めて見てみるとマジで異世界っつーことが実感できるな」

音石は学院の外に出てみると視界に入るものすべてが元の自分の世界とは
かけ離れている事を実感した。
夜空に浮かぶ2つの月、見たことも無い巨大な城、使い魔を引き連れているメイジ
どれもこれもがファンタジーやメルヘンの世界だった。

「おや?君は…」
「ん?」

すると不意に声をかけられ音石は顔を向けると
そこにはいたのは昼間の禿げ頭の男だった。

「あんた…確か昼間の」
「コルベールです、この魔法学院で教師を務めています」
「あ〜どうも、オレ音石明っつーもんです」
「オトイシアキラ?変わった名前だね」
「(そりゃ変わってるだろーよ…)あのー、俺になんか用ッスか?」
「おお、そうだった!なに…君の『ルーン』をスケッチするのをうっかり忘れていてね
今からミス・ヴァリエールの部屋に伺おうとしていたのだが手間が省けたよ」
「『ルーン』?なんスかソレ?」
「『ルーン』を知らないのかい?使い魔としての紋章だよ」

「紋章」という言葉に音石は心当たりがあった。

「あ!もしかして左手にあるこいつッスか?さっきから気になっていたんスけど…」
「おお!それだよそれ!…ふむ、珍しい『ルーン』だな、後で図書館で調べてみよう
ところでオトイシ君、さっきから気になっているのだが…」
「…?…なんスか?」
「君がぶら下げているソレは…楽器かなんかかい?」

それを聞いた瞬間、音石は納得した。
なるほど、確かにこの世界は俺らの世界で言えば中世ヨーロッパあたりだからな…
ギターがないのは当たり前か…、楽器はあるみてーだが良くてもヴァイオリンあたりだな。

326反省する使い魔!:2010/05/15(土) 21:56:46 ID:KWToamiR
「こいつはギターッス」
「ギター?」
「オレの故郷にある楽器みたいなもんッスよ」
「民族楽器みたいなものかい?」
(民族楽器って…このハゲ、オレをなんだと思ってんだぁ?…)
「ふむ…実に興味深いな、よければまた今度
演奏してみてくれないか?今夜はさすがにもう遅いが…」
「はぁ〜、わかりました……って、うおおッ!!?」
「なっ!?オ、オトイシ君!?」

なんと突然、音石の体が宙に浮き始めた!

「やれやれ、貴族の手をここまで煩わせるとはとは…、終わったよミス・ヴァリエール」
「助かったわギーシュ」

そこにいたのはルイズとギーシュ、そして面白半分でついてきたキュルケ
そしてそのキュルケについてきたタバサであった。

「お、おい!一体なんのつまりだァコラッ!?降ろしやがれ!」
「うっさいわね!あんたがいきなりどっか行くからじゃない!」
「だから散歩だって…」
「嘘ッ!!そんなこと言って逃げる気だったんでしょう!?」
「なんでそうなんだよ!?」
「あっはっはっは、さすが『ゼロのルイズ』ね!使い魔に逃げられるなんて!」
「黙りなさいキュルケ!!」
「だから散歩だって言ってんだろーがぁ!誤解だ!さっさと降ろせぇ!!」
「彼の言うとおりだ、ミスタ・グラモン…降ろしてあげなさい」

その日頃聞き慣れた声がコルベールだと気付き
それを最初に驚いたのはギーシュだった。
327反省する使い魔!:2010/05/15(土) 21:57:27 ID:KWToamiR
「コ、コ、コ、コルベール先生!?」

キュルケも「やっば…」と小さく呟いたが
その一方でタバサは本を読んだまま動かないでいる。
しかしルイズは…

「先生!あいつは使い魔のくせに逃げ出そうとしたんですよ!」
「それは何かの誤解じゃないのかい?落ち着きたまえミス・ヴァリエール
彼とはさっきから一緒にいたがそんな素振りは全くありませんでしたよ?」
「で…でも、勝手にいなくなる使い魔なんて…」
「ミス・ヴァリエール…確かに彼は使い魔ではあるが人間だ
人間である以上、自分で行動するのは当たり前だろう?
…それとミスタ・グラモン、いい加減降ろしてあげなさい」
「あ!は、はい!」
【ドサッ!】「いってぇ〜〜…」

「わかりましたか?ミス・ヴァリエール」
「…はい」
「よろしい…ではみなさん、私は部屋に戻ります
明日も授業がありますからくれぐれも寝坊しないように…」

コルベールはそう言うとその場を後にし
続いてキュルケ、ギーシュ、タバサも続いてその場を後にした。


ルイズと音石もその場を去り部屋に戻ってきた、


「おい…」
「……………」
「今更どうこう言うつもりはねーがよー…お前なに焦ってんだよ?」
「……あんたには…関係ないでしょう…」

そう言うとルイズは制服のままベッドに入り込んだ。

「おい待てコラ!オレはどこで寝ればいいんだァ!?」
「そこの藁の上」
「………」
(ないよりは…マシだな…)

音石は自分に言い聞かせ藁の上に腰をかけゆっくりと
眠りに付いた…。
328名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/15(土) 22:00:11 ID:iqDVJFTH
連日投下か
しかしこの時点でコッパゲと接触するとは、なかなか考えたな
329反省の人:2010/05/15(土) 22:00:37 ID:KWToamiR
そんなわけで三話を投稿したんですが…

なんか、すみません…

自分でもこんなに長くなるなんて思っても見なかったんです。

反省しなきゃな〜…
もっと簡潔に書くために…
330名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/15(土) 22:01:13 ID:iqDVJFTH
投下乙

自分なんかは長いほうが読み応えあっていいけどな
331名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/15(土) 22:35:26 ID:G5FdyiQP
毎日投稿は嬉しいな
332名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/16(日) 01:04:12 ID:v/oVTH+/

俺も長い方が読み応えっていいな
333名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/16(日) 20:39:46 ID:DwxNdj0j
何か召喚したいが、何がいいかな…
結構いろいろなキャラが過去に出てるからなあ
334名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/16(日) 22:17:51 ID:3UI88y9a
>>333
俺の名はペイジ
335名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/16(日) 22:19:09 ID:DwxNdj0j
ペイジを召喚して何をやらせるんだよ
虚無の使い魔4人衆は全員血管針兄弟でしたー、とか?
一発芸しかできそーにないな
336名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/16(日) 22:29:18 ID:+ZndBq6B
さり気にジョジョなジョーンズ
337名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/16(日) 23:41:45 ID:7svZxV5t
主人公キャラで続いてるのって無いんだよね。完結したのはあるけど
もっと主人公で無双するといいです。とくに承太郎さん
338名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/17(月) 00:31:31 ID:S6GcCWv4
ここはマーチンを召喚してルイズにムチを持たせて調教をだな
339名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/17(月) 05:07:04 ID:GoJK3CfJ
ここはペットショップやフォーエバーや虫喰いをですね
340名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/17(月) 06:58:47 ID:BTH4myvp
ポルポ呼ぼうぜ!
341名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/17(月) 12:59:36 ID:re4QLIM3
ポルポがルイズのベッドになるのか?
いや普通に考えれば専用の別部屋が要るな…
アルビオンにもフーケ捕縛にも同行できないし、結局サバスだけがついていくことに…
342名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/17(月) 17:42:57 ID:29w/S4SF
このルイズは間違いなくデレない
343名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/17(月) 21:26:11 ID:OJBiUUQ8
オインゴ&ボインゴブラザーズもまだだな
344名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/17(月) 21:46:39 ID:J1G7dprC
そのコンビはブチャラテイ召喚の話で、第三部の家出少女と一緒に登場してたよーな
(あと、アヌビスにホル・ホースやエニグマの少年も出てたが)
345名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/17(月) 22:12:07 ID:yvZ2/EX6
アヌビスに出たジョジョのキャラは鼠ぐらいじゃなかったか
346名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/17(月) 22:27:39 ID:J1G7dprC
いや、ブチャ召喚にアヌビスとその他の面々も出てたと
……というかアヌビス敵役での出番多すぎだw
347反省する使い魔!:2010/05/18(火) 00:55:48 ID:bEpKkcna
反省する使い魔!  第四話「使い魔人権ヘッタクレ!」


音石は窓の外から来る日差しと
チュンチュンとなく鳥の鳴き声で目が覚めた。
音石は元々一度寝れば昼頃まで起きないような人間だったが
三年も規則正しい刑務所で暮らしていたせいで
その生活習慣が体に完璧に染み付いてしまっていた。

目を覚ました音石は周りを見渡し
立ち上がり、服に引っ付いた藁を払うとルイズを見た。

(やっぱり夢じゃなかったか…まあ、別にいいけどな)

音石はルイズのベットの向こう側にある窓を開け喚起をする。
すると窓からは気持ちのいい風が入ってきた。

(空気が美味いってのはいいもんだ…杜王町じゃなかなか味わえないぜぇ………お!)

窓から音石の目に入ったのは湧き水のようなものがでてる水汲み場だった。
ちょうどいい、まだ時間はあるし顔でも洗ってくるか…
音石は愛用のギターを手に取り、ルイズの部屋を後にした。

ついでになぜわざわざギターを持って行くのかというと
目を離している隙にルイズが目を覚まし、勝手にギターに触って
ぶっ壊される可能性があるからだ。


「【バチャバチャバチャッ】……ぷはァッ!……あースッキリした」

水汲み場で顔を洗い、部屋に戻ろうと移動するが
水汲み場の角を曲がる際、メイド姿の少女とぶつかってしまった。

「きゃあっ!」

ぶつかった衝撃でメイドが持っていた洗濯カゴから洗濯物が空中に散布した!

(ああ!?なんて事!貴族様の服がぁ〜〜……)
【シュバババババババ!!】
(え!?あ…あれ!?なんともない…)

気が付く散布したはずの洗濯物が元に戻っており
洗濯カゴは目の前の男が持っていることに少女は驚いた。

348反省する使い魔!:2010/05/18(火) 00:56:40 ID:bEpKkcna
「よぉ、大丈夫かよ?」
「あ…はい!どうもすみません!私の不注意で…」
「気にすんな、オレの方こそ悪かったな」

そう言って音石はそのメイドに洗濯カゴを渡す
するとメイドは音石の顔を見た瞬間、
あっ!と目を見開かせた。

「もしかして、ミス・ヴァリエールが召喚したっていう…」
「…どうやらだいぶ有名らしいな」
「ええ、顔に大きな傷がある平民だって…それに
サモン・サーヴァントで人間が召喚されるなんて前代未聞ですから」
「そうなのか?」
「普通、召喚されるのは動物や幻獣らしいですから…」

それを聞いた瞬間、音石は昨日の
大勢の見たことも無い生き物を思い出した。

(オレもアレに分類されてるっつーことか?
ひでー話じゃねえか…いや、まてよ?オレの『レッド・ホット・チリ・ペッパー』は
見た目的になんかソレっぽいが……、ん?ちょっとまて)

「らしい?お前さんは、メイジじゃねーのか?」
「とんでもありません!私は単にこの学院で働いている平民です
魔法も扱えないのに貴族様だなんてそんな恐れ多い…」

それを聞いて音石はある事に気付いた。

(なるほど、そーゆー事か…
この世界の貴族は魔法が使えっから貴族と分類され
魔法が使えねー人間の事を平民と分類してるって訳だ…
つまりこいつは)

「メイジならぬメイドってわけだ!」
「………………………………」
「………………………………」
「………………………………」
「ごめんなさい、スベりました…」

やっちゃった音石はかなり悲しくなり
逃げるようにその場から去っていった。

「あ!あ、あの……行っちゃった」


349反省する使い魔!:2010/05/18(火) 00:57:47 ID:bEpKkcna
逃げ出した音石はルイズの部屋に戻るが
ルイズはまだ幸せそうにぐっすり眠っていた。
そう言えば昨日、コルベールとか言うハゲ教師が
今日も授業があるとか言っていたのを思い出した。

(しょうがねぇ、一応使い魔なんだし起こしてやるか…)

「おーい、起きろ桃色」
「スー……スー……」
「たくっ…オラ、起きろよ今日も授業あんだろ?」
【ガンッ!!】

音石は呼びかけても無駄だと判断しベットを蹴ってみたが
それでもルイズは目を覚まさなかった。

「…スピー……」
「……………」

音石は無言のまま、自分のギターを手に取った
ギャアアアーーーーーーーーーーンン!!

「起きろっつってんだろぉ!!起きろやァァァァッッ!!!」
「きゃあああああああっ!なになになになにッ!!?」

音石の大音量でのお目覚めリサイタルは余裕でルイズを
叩き起こした。

「えっ!?あ、あんた誰!?」

ギュウイイイーーーーーーーーーーン!!

「うるさーい!そうそう!昨日私が呼んだ使い魔!
思い出したからその音止めてーーーッ!!」

ピタリとギターが止まるとルイズはキッ!と
音石を睨み付けた。

「ハッ、やっと起きたか」
「起きたかじゃないわよ!あんなうるさい音出されたら誰だって
起きるしビックリするでしょう!!」
「てめェがとっとと起きねーからだろ」
「やり方ってモンがあるでしょう!!」

その時、扉からガチャリと音がし一人の女性が部屋に入ってきた
音石はその女性に見覚えがあった、確かキュルケとか呼ばれていた女だ。

350反省する使い魔!:2010/05/18(火) 00:58:51 ID:bEpKkcna
「ちょっとルイズなんなのよ、さっきのすごい音!びっくりしたじゃない!」
「ちょっとキュルケ!勝手に鍵開けて入ってこないでよ!!」
「鍵なんてどうでもいいでしょう!?まったく朝っぱらから…
『ゼロのルイズ』ってのは常識もゼロなワケ?」
「なぁんですって〜〜〜〜〜〜ッ!!」

ドギュウウウウーーーーーーーーーーーーン!!

「えっ!?」
「ひいッ!?」

今にも取っ組み合いになりそうな二人のやりとりを音石が止めに入る。
ルイズはともかくキュルケは聞いたことの無い大音量のギターに
若干びびってしまった。

「お前ら言い争いするのは勝手だがよ〜〜…、
そろそろ急がねーと遅れんじゃねーのか?」

音石は窓を指さす、確かにそこから見下ろすと食堂に移動中の
大勢の生徒が見える、しかしその生徒たちも音石のギターの音に
なんだなんだと騒いでいるようだ。
どうやら音の発生源がルイズの部屋だということには気付いていないらしい。

「もう!わかったわよ!別の制服に着替えるから手伝いなさい!」
「着替えだァ!?そんなんまでやんなきゃなんねーのかよ!?」
「使い魔なんだから当たり前でしょう!それとキュルケ!
そういうことだからさっさと出て行ってくれる!?」
「もう……仕方ないわね…」【バタンッ】

「あの女、お前の友達か?」
「友達!?そんなわけないでしょう!キュルケの実家ツェルプストーは
私の実家ヴァリエールと先祖代々いがみ合ってきた宿敵よ!!」
「なるほどな…」
「そんなことよりさっさと着替えるの手伝いなさい!
朝食に遅れたらご飯抜きにするわよ!」
「わかったわかった…たくっ、朝っぱらから元気の良いこった」

その後、音石は初めて女物の服を着せることに手間取ったものの
割とうまい事いった為、ルイズから軽く評価された。

351反省する使い魔!:2010/05/18(火) 00:59:39 ID:bEpKkcna
「意外ね、なかなか上出来じゃない」
「初めてにしてわな…」
「せっかく褒めているんだからありがたく思いなさい、
さっ、行くわよ」

ルイズと音石が部屋から出ると
そんな二人に続くように隣の部屋から
先程のキュルケが出てきた。

(部屋が隣とは…、そりゃ余計いがみ合うわな…)

「改めておはようルイズ」
「おはようキュルケ」
「そしておはようルイズの使い魔さん、よろしければお名前聞かせてもらえるかしら?」
「音石明だ」
「オトイシアキラ?変わった名前ね」
「昨日もあの教師に同じこと言われたぜ、まあ当然かもしれねーがよ」
「なにが当然なのよ」

ルイズが横から割って入った。

「コッチの話だ、気にすんな」
「ねえミスタ・オトイシ、あなたが持っているソレ
初めて見るけどさっきの音はそこから出したの?」
「ん?ああ、ギターって言ってオレのいた故郷にある楽器の一種だ」
「へぇ〜、さっきの音…変わってるけどなかなかイカしてたわよ」
「そいつぁうれしいな、今度また一曲弾いてやろうか?」
「あら、なかなか魅力的なお誘いね♪」
「ちょっとキュルケ!人の使い魔に色目使ってんじゃないわよ!」
「そんなんじゃないわよヴァリエール、ちょっとあなたの使い魔が気になっただけよ」
「はん!どうだか…」

そう言うとルイズがプイッとそっぽを向いた。

「でも使い魔にするならこういうのが魅力的よね〜、フレイム〜!」

キュルケが勝ち誇った余裕そうな顔で叫ぶと後ろから
大きな赤い獣が現れた。トカゲのような姿でその尻尾には炎が灯っていた。

「うわっ、すげェな」

音石は目を見開きながらそう言った。
そばに寄り手を差し伸べると案外簡単に
頭を撫でることができた。

「ほ〜れ、よしよし」
『きゅるきゅる〜♪』
「あら、フレイムがこうも簡単に甘えるなんて…、あなたフレイムが平気なの?」
「日頃似たようなモンを見慣れてるからな…」
「?」
「ちょっと!キュルケの使い魔なんかほっといて
さっさと食堂に行くわよ!!」
「あ〜、はいはい…んじゃあそういう事だから行くわ…」
「ええ、ミスタ・オトイシ、また教室で会いましょう」

その場を後にし音石はルイズを追う
音石が「あいつは食堂には行かねーのかよ?」と聞くと
ルイズが「どうせまたどっか男の部屋に行って一緒に行くんでしょ!」と怒鳴った。
どうやら二人の実家のいがみ合いというのは色々あるらしい…
352反省する使い魔!:2010/05/18(火) 01:00:31 ID:bEpKkcna
そんなわけで現在音石は学院の食堂にお邪魔していた。
食事や飾りつけ、なにからなにまで贅沢極まりなかった。
出された食事はなかなか美味そうだったがそれでも
杜王町で仗助たちを調べる際に知ったあの
トニオとか言うスタンド使いが経営する
イタリア料理店「トラサルデイー」には遠く及ばないだろう。
音石も客に成りすまし、試しに行ってみたがまさにあそこの料理は完璧だった。

すると音石の腹から雷鳴が轟いた。
当然だろう、彼は昼ごろに出所しルイズに召喚されそれまで一口も
食べ物を口にしていないのだ。それどころかこの三年間
彼は刑務所で腹が満たされもなければ飢えされもしないような
規律正しい適度な量の食事しか口にしていない。
食堂に出された豪勢な食事はそんな彼の空腹感をよりいっそう強くしていた。

「この食堂は本来、貴族専用なんだけど平民の…それも使い魔のあんたは
外で食べるのが鉄則なんだけど私の温情ある計らいで特別にここでの食事を
許可してあげる」

ルイズが得意げな顔で無い胸を張って言い張る。
こればかりは音石もありがたいと思った、
正直腹がすいて仕方が無い、ルイズの指示で椅子を引き座るのを確認すると
その隣の席に座ろうと椅子を引いた、しかし……

「ちょっとアンタ!平民如きが貴族と一緒の席に座ろうなんて無礼よ!」
「…ああン?」

突然、向かいの席に座っていた女子生徒が音石に怒鳴りかけてきた!
よく見ると周りの連中も自分の事を害虫を見るような目で見ていることに気付いた。
音石は嫌な予感がしながらルイズを見る。

「ご主人様に恥をかかすんじゃないわよ!アンタは床!
そんな事もわからないの!?」

そっと音石はルイズの足元の床を見てみると…見事嫌な予感が的中した。

「…おいおい、マジかよ…」

そこにあったのは食事というにはあまりにも
みずぼらしいスープとかっさかさのパンだった。
こればかりはさすがに音石も唖然した。

(……これだったらまだ刑務所のほうがマシだぞオイ)

そう思いながら音石はスープとパンが乗った皿を
手に取り、移動を始めた。

「ちょっと!どこ行くのよ!!」
「外で食ってくる…、こんな豪勢な食事の前で
こんなもん食ったら別の意味で体に毒だわ……」
「たく、仕方ないわね…、すぐに戻ってきなさいよ!」

はいはいと言う様に背を向け片手を振りながら、
貧しい食事を手に音石は食堂を去っていった。

濁ったスープとパンを嫌々に口にした後、貴族どもの食事を
『レッド・ホット・チリ・ペッパー』でこっそり
いただいとけば良かったと気付いたのは
それまた別の話である…
353反省の人:2010/05/18(火) 01:04:28 ID:bEpKkcna
第四話投稿完了です!
本当はもっと長いんですけど
なんかよくわからない規制に引っ掛かっちゃうんで
四話と五話に分けることにします。
354名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 01:06:04 ID:TF61gle4
乙ってやつだぜ
355反省する使い魔!:2010/05/18(火) 01:06:20 ID:bEpKkcna
反省する使い魔!  「ゼロと爆発、そして…」


そしてここはルイズたちが授業を学ぶ教室である
現在音石は教室の後ろ壁に背をつけながら
特にやることも無いのでギターを調整している。

「みなさん、春の使い魔召喚は大成功のようですね」

紫色のローブを纏った中年女性教師シュルヴルーズが生徒たちに声を掛けた。

「おやおや、これはまた随分と変わった使い魔を召喚しましたね、ミス・ヴァリエール」

すると一人の小太りな生徒、マリコルヌがいきなり立ち上がった。

「先生!ルイズが召喚なんてできるわけありませんよ!
どうせそこら辺の平民を連れてきただけですよ!」

すると教室中の生徒がドッと笑い出す。

「いい加減な事言わないで!かぜっぴきのマリコルヌ!」
「かぜっぴきだと!?僕は風上のマリコルヌだ!」
「おやめなさい!」

そう言ってシュルヴルーズが杖を振るとマリコルヌ含む、笑っていた生徒たちも
彼女の魔法で口を赤土で防がれてしまった!

(こんなんもできんのかよ……もうなんでもアリだな…)

音石はギターの調整に集中しながらも、一番近くで
口を塞がれている生徒に目をやり感心していた、
そして授業がはじまった…

講義を聞いているだけでも色々なことがわかる。
魔法には土、水、火、風、そして失われた虚無を含め五つの属性があり
メイジはそのうち一つは必ず使えること。
その属性をいくつ使えるかによって四階級が存在するらしいこと。
メイジにはみな、それぞれ二つ名のようなものがついていること。
スタンドとは違い、一つの属性でも様々なことができるらしいこと。
講義が進むといよいよ実践になり、シュヴルーズがただの石を真鍮に変化させた。
この時キュルケが真鍮をゴールドかと勘違いし、席を立ち上がったが
違うとわかった瞬間、つまらなさそうな顔で席にもどった…
なんとも現金な女性である…、

ついでに言うと音石は勉強が好きというわけではないが記憶力は抜群によかった
杜王町の電気回線の位置をすべて記憶したり、ギタリストとして名を上げたら
外国に飛ぼうと考えていた為、英語はペラペラである。


356反省する使い魔!:2010/05/18(火) 01:07:01 ID:bEpKkcna
「ではこの『錬金』を…ミス・ヴァリエール、貴方にやってもらいましょう」

そう言った瞬間、教室中の空気が一気に凍り付いた。
音石はそんな生徒たちの反応に疑問を感じた。
すると、生徒たちから反対の意見が飛んできた!

「先生、やめといた方がいいと思いますけど」
「そうです。無茶です、先生!」
「『ゼロ』に魔法を使わせるなんて!」
「危険です!」

しかしシュヴルーズは悲しいことに音石同様、
ルイズの『ゼロ』の意味を理解していなかった。
そしてルイズ本人もそんなクラスメイトの反応に腹を立てていた。

「わかりました!やります!」
「ルイズ!お願いやめて!!」

キュルケの静止も無視しルイズは教壇に向かっていく、
すると生徒たちが一斉に机の上に潜り込み始めた。

(こいつはぁ…なにかあるな…)

音石も事の異常性に感付きどうするか考えていた。
ある程度の事なら『レッド・ホット・チリ・ペッパー』で対処できるが
なにが起こるか予想できない以上、現時点では音石に対処の仕様がない。
生徒たちと同じように机に潜り込むのがベストなんだが、
生憎そんなスペースも無かったし、決して入れてやらないと
睨み付けてくる生徒までいた…、
心当たりは無いがなんとも嫌われたモノである…

357反省する使い魔!:2010/05/18(火) 01:07:47 ID:bEpKkcna
そしてルイズが教壇の前に立った時である。
机に潜り込んでいるギーシュが隣にいるリボンとロールヘアーが特徴の
女子生徒に話し掛けるのが聞こえた。

「まったく、『ゼロのルイズ』には困ったものだね、モンモランシー」
「まったくよ、ほんと迷惑しちゃうわ!」

薔薇を口に咥えているギーシュと
腕を組んでいるモンモランシーという少女が声を荒げる。
するとそのモンモランシーが何かを思い出したかのように
ギーシュを見やる。

「そう言えばギーシュ、あなた昨日一年の女子生徒と
一緒にいたらしいけど…何してたの?」
「えっ!?なぜそれを…あ、いや…ソレはあれだよ…
軽い世間話さ、決して君が思ってるような事はしてないよ!モンモランシー」
「……わたし、まだ何も言ってないんだけど…」
「え、あっ!?し、しまった…」
「ちょっと、ギーシュ、あなたまさか!!」

怒り余ってモンモランシーが机から飛び出し立ち上がった。
ギーシュが慌てて止めに入り、手を差し伸べる。

「ご、ご、ご、誤解だよ!モンモランシー!
ほ、ほら…危ないから、早く戻って…」
「触らないでッ!!」【スルッ!】
「え?」「えっ!?」

モンモランシーがギーシュの手を振り払った途端、
なんと彼女の体が勢い余って足を滑らせ、
机と机の間に身を乗り出してしまったのだ!!
それと同時にルイズが錬金を開始し、教室一帯が光に包まれた!!

「あ、ああ!?モ、モンモランシー危ない!!」
「い、いやああああああああっ!!!!」

そして次の瞬間、教室が盛大に爆発した……


教室中に煙がはびこみ生徒たちがゴホッゴホッと咳き込んでいる。

「げほっ…、くそっ!またか『ゼロのルイズ』!!」
「毎度毎度よくやるよ!!」
「ホント!迷惑しちゃうわ!!」

数々の罵倒をルイズに投げかけるが、
その内、ギーシュを含め何人かの生徒が顔を青くしていた。

「あ…ああ、…モンモランシー……なんてことだ…」
358名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 01:16:02 ID:TF61gle4
サルった?
359名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 02:41:28 ID:D9qDW4p8
サルったときは避難所があるぞ
360名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 06:46:20 ID:X8zvubt/
これは新手の嫌がらせなのか?
投下終了宣言もないしさるったとしても避難所になんのアクションもない
361反省する使い魔!:2010/05/18(火) 06:57:54 ID:bEpKkcna

ギーシュが今にも泣き出しそうに呟く、
シュヴルーズは爆発の際に吹っ飛んだ教壇が盾になったおかげで
気絶だけで済んだが、モンモランシーはあの爆発をモロに受けてしまった!
誰もがそう思った……しかし………

「危ねえ危ねえ、まさか爆発するとは思わなかったぜ…」
「「「なッ!!?」」」

煙が晴れるとそこには信じられない光景が広がっていた
なんとモンモランシーが無事だったのだ!
彼女の前にはルイズの使い魔の平民…
音石明が手に持つ机を縦に立て、それを盾にし
モンモランシーをルイズの爆発から護ったのだ!!

ついでに音石が持っている机は自分から一番近くにいた…
つまり、マリコルヌと生徒Aから拝借したものだった。
当然そのふたりは吹っ飛び目を回しているが一番後ろの席だったので
心配することはなさそうだ。

その信じられない光景にギーシュや他の生徒たちは目を見開き唖然としている。
いつの間に!?どうやってあの距離を!?あの距離を一瞬で机を持って移動したのか!?
などの疑問が飛びあうが、一番疑問なのは護ってもらった張本人
モンモランシーだった。

「ちょ、ちょっとあなた!?」
「ん?なんだよ、余計なことでもしたかよ?」
「い、いえ…そうじゃなくて……あ、あなた、どうして私を助けたのよ!?」
「はあ?なに言ってんだおめー?」
「だ、だって誰も貴方のことに机の中に入れようとしなかったじゃない!
さっきの貴方の反応、あなたルイズの爆発の事知らなかったんでしょう!?
なにが起こるかわからなかった筈なのに…なのになんで
危険を省みず私を助けてくれたの!?初対面の筈なのに…下手をしたら
自分まで危なかった筈なのに……、答えなさい!!」

音石は頭を掻きながらそっぽ向いてただ一言、簡潔にこう言った


「深い理由なんかねぇよ、大袈裟かもしれねーが…
           「なにも死ぬこたあねー」
                    さっきはそう思っただけだよ」


362名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 07:00:00 ID:Ch3KZX18
>>360
元々投下なんて滅多にないし、それは流石に勘繰り過ぎじゃないかね
しかしどうしたんだろうな
363反省の人:2010/05/18(火) 07:01:29 ID:bEpKkcna
規制により投稿ができなかったので
時間をとって投稿したんですが…
すみません!もしかして避難所になにやらの
解決法があったんですかね?

ああ、グダグダだ…
反省しないと…

まあ、というわけで第五話投稿終了です

ごめんなさい!
364名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 07:03:49 ID:Ch3KZX18
うおおッ!何つーニアミス
避難所は外部板だから2ch規制されてても書けるんよ
こっちで規制されたら避難所のSS投下スレに投下するといいぜ

お・・・音石が主人公やってやがる!乙!
365名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 11:25:11 ID:oS2f3KVn
サルさん(連投)規制なら次の時間になれば解除されるから、
ここまで時間空けなくても大丈夫だよ?
乙でした!
366名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 11:53:25 ID:VULInkaM
反省の人今回は増量サービスですかぁ!読み応えあって嬉しいっすよ
367名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 13:43:48 ID:SVNaO4Dr
乙!
368名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 18:49:06 ID:/WihfYMO
乙一!

>>音石は記憶力抜群
これ見て正直驚いた、電気回線とか英語ペラペラだとかよくそんな発想がでたもんだw

369名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 19:58:53 ID:BOlsFus+
それでは8時から投下します。
370ティータイムは幽霊屋敷で:2010/05/18(火) 20:01:21 ID:BOlsFus+

「お前の娘は預かった。返して欲しくば……」
煉瓦造りの見るからに高級そうな書斎で、青い髪の少女が不穏当な文言を書き記す。
その口元には薄ら笑い。走る筆先がライカ檜の机に叩きつけられてカリカリと小気味いい音を立てる。
しばらくして書き終えた書類を傍に控えていた黒髪の女性へと不躾に押し付ける。

「いいなシェフィールド。こいつをアルビオン王に届けるんだ、一言一句違わずにな」
「拝命しました。正式な書状として清書した上で構わないでしょうか?」
「……ふん。好きにしな。こっちの意図さえ伝わればいい」
「その点は抜かりなく」

恭しくイザベラに礼をするとシェフィールドは書類を手に部屋を立ち去った。
これから清書という名目で脅迫文を形式的な文書に校正するのだろう。
無駄な手間だとイザベラは溜息を零しながら机の上に組んだ足を乗せる。
言っている事が同じならどんな美辞麗句を並べようとも脅迫に他ならない。
なら建前など全て捨てて本音を言った方がよっぽど相手の為だ。
目論見が露見した時点でとっくにアルビオン王国は詰んでいるんだって。

ガリアとトリステイン両国を敵に回して戦える戦力はアルビオンには無い。
艦艇数なら話は別だが、先王派の粛清をやらかしたこの国にはそれを指揮する人材がほとんどいない。
戦争が始まれば拮抗できても半年、後はじわじわと嬲り殺しにされるだけだろう。
かつてない大戦役に軍は歓喜し競い合うように領土を奪い尽くす。
貴族や兵だけではなく民も街も戦火に呑まれて消えていく一方的な戦争。

「早まった真似はしてくれるなよ。こっちだって好きでやるんじゃないんだ」

雲一つない晴れた空が見える窓からイザベラは顔を覗かせる。
広場を中心に賑わうアルビオンの町並みと、そしてそこで暮らす人々。
それを見下ろしながら彼女は少しだけその表情を曇らせた。

しかし物憂げな顔も一瞬。力強くドアを叩く音に彼女はいつもの不敵な表情へと戻る。
手にしたワンドを指揮棒のように振るって鍵を開けた瞬間、ブロンドの髪を震わせてうるさいのが飛び込んできた。

「ちょっと! どうして私の部屋だけグレードが低いのよ!」
「仕方ないだろ。他に部屋がなかったんだから」
「なんでサイトが私よりいい部屋使ってるのよ!」
「怪我人だからだよ。少しでもいい環境の方が回復も早いだろ」
「くっ……じゃあミス・ロングビルはどうなのよ!?」
「あいつはあたしの秘書をやらせてるからね、傍にいないと不便だろ」
「こ……この……それならあの二人を別の部屋に」
「ティファニアは仮にも王族だぞ? マチルダと離すと泣くしな」
「ぐ……ぎぎぎ」
「分かったんなら自分の部屋に帰りな。
人間にはそれぞれ相応しい格っていうのがあるんだから」

食ってかかるルイズを意地悪そうな顔でイザベラはひらりとかわす。
戦場ならいざ知らず、口喧嘩ならば彼女に勝てる相手などまずいない。
仮に部屋があったとしてもルイズを自分と同格の部屋に泊めるのは何となく癪に障る。
どうせあの薄汚い学院の寮で生活しているのだから別に不満も無いだろう。
ぷるぷると両肩をわななかせるルイズを犬でも相手するかのようにシッシと手で追いやる。
371ティータイムは幽霊屋敷で:2010/05/18(火) 20:02:44 ID:BOlsFus+
それが決め手となった。プツンと何かが切れる音が響くと同時にルイズは机の上に飛び乗った。
そしてイザベラの頬をむんずと掴むと力強くそれを引っ張り上げる。

「だったらアンタが部屋を替わればいいでしょうが!」
「勝手に付いてきたオマケの分際で偉そうな口を叩くんじゃない!」
「ひゃれひゃほまへへふっへ!」

やられっぱなしでいるほど甘いイザベラではない。
すぐさまルイズの両頬を捻り上げて倍返しの報復をする。
宿を貸し切ったのはイザベラなのだからルイズに文句を言う権利はないし、
そもそもイザベラにはルイズを連れて行くつもりなどこれっぽっちも無かった。

使い魔品評会から数日。アンリエッタ姫とシャルロット姫の無事が確認され、
多くの死傷者を出したこの事件は王侯貴族の専横を批判する過激派の犯行という事で決着に向かっていた。
アルビオン王国が関与した証拠はなく、また各国の見解もそれで一致した為だ。
形式通りの調査を終えた後、アンリエッタ姫は被害者やその家族に向けて補償を行なうと発表。
事件の真相は闇に葬られ、その決着はウェールズとイザベラの手に委ねられた。
そして彼女たちは交渉の為、人質であるティファニアを連れてアルビオンへと赴いた。
満身創痍の才人を連れてきたのは、せめて決着ぐらいは見せてやろうというイザベラの恩情に他ならない。
そう。そこまでは彼女は目を瞑っていた。問題は彼の所有権を主張する一人の少女が付いてきた事にあった。
主人は使い魔を監督する義務があると頑として譲らず、それに辟易したイザベラが折れて同行を許可したのだが、それがそもそもの誤りだった。
水と油。光と闇。+と−。常に反発しあう両者が一緒にいて無事で済むはずはなかった。
事ある毎にイザベラとルイズは衝突し、また二人は事がなくても衝突した。
ただの子供同士の喧嘩なら微笑ましいで終わる話なのだが、この二人に限ってはそれは当てはまらない。

「もうあったまきた! 今日こそぎゃふんと言わせてやる!」
「やれるもんならやってみな! 胸だけじゃなくて才能も0のアンタにできるもんならね!」


その頃、エンポリオは才人の部屋でリンゴを剥いていた。
品評会での無理がたたったのか、今の彼は歩くのにも苦戦苦闘する有様だった。
いや、半死半生の状態からここまで回復できた事に驚嘆すべきなのかもしれない。
少年は想う。それが善であれ悪であれ何かを成し遂げようとする人間の精神力は未知数だ。
父親を救う為、姉の仇を討つ為、愛する者の為……、その力で誰かの為に戦える人間こそ彼は尊敬する。
その中でも見知らぬ他人の為に戦う平賀才人はヒーローと呼ぶに相応しい人物だ。
マントを羽織って空を飛び、墜落する飛行機を受け止めて、悪党を一撃で殴り飛ばす、
そんな使い古された陳腐なヒーロー像と彼の姿が重なって映る。

だからこそ不安になる。彼が信じているのは誰かじゃなくて“形の無い物”だ。
この世界は単純に正義と悪に割り切れるものじゃない。
彼が進むべき道を見失ってしまったらどうなってしまうのか。
何を守るべきか、何と戦うべきか、それが分からなくなった時、
もしかしたら、あの神父と同じ様な結論に到ってしまうかもしれない。
372ティータイムは幽霊屋敷で:2010/05/18(火) 20:03:57 ID:BOlsFus+

「はい、どうぞ」
「ありがとよ」
ベッドから身を起こした才人にリンゴを載せた皿を手渡す。
直後。振動で床が震え、天井から煉瓦混じりの埃が舞い落ちる。
窓枠は悲鳴を上げるように軋み、耐え切れなくなった窓ガラスに亀裂が走った。
何が起きたのかを悟った二人から同時に溜息が零れる。

「いつもの事だから大丈夫だと思うけど一応様子を見てくるね」
「……本当にすまん」
「気にしないでいいよ。……半分はイザベラお姉ちゃんのせいだから」

ルイズの分まで謝るかのように深く頭を下げる才人をエンポリオが止める。
もう何度繰り返したか分からないやり取りの後、少年はイザベラの部屋へと向かった。
否。正確に言うなら“部屋のあった場所”だろうか。
書斎で巻き起こった爆発は周囲の物を呑み込んで瞬く間に粉砕していた。
内側から生じた爆風は壁を吹き飛ばし、散弾さながらに飛び回った煉瓦がリビングの壁を打ち砕く。
窓ごと役目を失ったカーテンが風に吹かれて白旗のようにゆらゆらと揺れる。
この宿自慢のスィートルームは戦場跡のように完全に崩壊していた。

「…………うわ、新記録だ」
引き起こされた災害の規模に目を見張りながらエンポリオは立ち尽くす。
爆心地と思われる場所にはイザベラとルイズが埃塗れになって倒れていた。
意識が無いにもかかわらず互いの頬をつねり合う二人の姿に呆れを通り越して感心さえ覚える。
(下手に起こすと続きを始めかねないから、しばらくこのままでいいかな)
部屋の片付けも自分一人ではどうしようもないし、いっそ建て直した方が早いぐらいだ。
とりあえず大人の判断を仰ぐべきだろうと彼は一番頼りになりそうな人の部屋に足を運んだ。


「分かりました。それではイザベラ様と相談して新しい宿を手配しましょう」

そう簡潔に答えるとシェフィールドは清書の終わった書類に封をして伝書フクロウに手渡した。
ばさばさと翼を羽ばたかせて飛び去っていくフクロウを二人が見送る。
彼女たちの事を理解しているのか、それとも迷惑をかけられるのはしょっちゅうなのか、
やたらと手馴れた彼女の様子に安堵しつつエンポリオは部屋の中を見渡した。
魔法で収納しているのか、女性一人分にしても少ない荷物に彼は“ある確信”を深めていた。
どこか落ち着きの無いエンポリオの様子に気付いたシェフィールドは唇の端を釣り上げながら問いかける。

「何かお聞きしたい事でも?」
「シェフィールドさんが連れていた騎士……ブラフォードとタルカスって呼んでたよね。
あの二人は護衛として連れてきたの?」
「ええ。それが何か?」
「僕のいた世界にも同じ名前の騎士が存在したんだ。もう何百年も前の話だけど」

同名なんて珍しい話じゃないし中世の騎士なら同一人物であるはずがない。
気になったのは護衛ならば何故今同行させていないのか、その一点。
その疑問はイザベラから聞いた話によって“ある確信”へと変わっていた。
373名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 20:04:28 ID:OZs9iXoJ
sien
374ティータイムは幽霊屋敷で:2010/05/18(火) 20:05:20 ID:BOlsFus+

「あの二人は……“スキルニル”だよね」
「ご名答。そう、彼等はかつて勇名を馳せた貴方の世界の騎士、その残影です」

シェフィールドの返答にエンポリオの背筋がぞくりと震えた。
彼女が懐から取り出したのはイザベラに見せてもらったのと同じ人形。
イザベラから聞かされた時には凄いとしか思わなかったが、
魔法もスタンドもなしでメイジを圧倒する戦いぶりを見た今では違う。
彼等は紛れもなくタルカスとブラフォードそのものなのだ。
肉体、技術、知識を完全に再現した限りなく本物に近い偽物。
もし仮に『スタンド能力』までも模倣できるのだとしたら……。
彼女がどこかであの人達の肉体の一部を入手していたら……。

「ですが完全に本人というわけではありません」
「……え?」
「もしスキルニルが完全に本人を再現できるならば自ら戦場に出向く必要はありません。
所詮は人形。いくら外殻を精巧に造ろうとも中身である精神は空っぽのまま。
スキルニルは人の精神に依存する魔法のような能力は何一つとして使えないのです」

エンポリオの動揺を察したシェフィールドは彼を安心させるように話しかける。
スタンド能力は魔法以上に本人の精神を具現化させたものだ。
彼女の言うとおりならばスタンド能力は使えない。ただの杞憂だったと少年は安堵の溜息を漏らした。
それを見届けてシェフィールドはさらに話を続ける。

「魔法が使えない分メイジよりは劣りますが、スキルニルは持ち運ぶにも隠し持つにも数を揃えるにも便利ですからね。
こうしたメイジ殺しと呼ばれる戦士達を護身用に持っているのです。お分かりいただけましたか?」
「う……うん、じゃなくて……はい」

やや言葉に詰まりながらエンポリオは返事をした。
確かに才人やウェールズが強くても全員を守りきれるわけじゃない。
その中でシェフィールドの持つスキルニルは貴重な戦力となるだろう。
そうだ。僕は何を心配しているんだろう。
この人はイザベラおねえちゃんのお父さん、その忠実な部下なんだ。
それをまるで敵でも警戒するように振る舞っている方がおかしい。
疑問も解けた所でエンポリオは部屋を後にしようと振り返る。

「もうお帰りですか? できればもう少しだけ話を続けたかったのだけど」
「さすがにそろそろイザベラおねえちゃんたちを起こさないと……多分また不機嫌になるから」
「……それでは仕方ありませんわね」

苦笑いを浮かべて立ち去る少年の後姿をシェフィールドが見送る。
そして扉を閉めると彼女は先程取り出したスキルニルに何かを差し込んだ。
その瞬間、手に収まる程度の大きさだった人形が見る間に大きくなり人の姿へと変貌する。
シェフィールドはそこに立つ少年の姿を眺めて愉しげに笑う。

「それでは貴方に代理を務めてもらいましょう。貴方の能力について話してくれるかしら?」
「うん、分かった。スタンドについて話せばいいんだね」

まるで意思を持つかのように人形だった物が口を開く。
ついさっきまでそこにいた少年と同じ顔で、その人形は話を始めた。
375ティータイムは幽霊屋敷で:2010/05/18(火) 20:07:20 ID:BOlsFus+
以上、投下終了。……100話までに第1章終わるといいなあ。
376名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 20:36:05 ID:zLAKU+fB
投下乙
スキルニル反則すぎるというか、どういう経緯であの二人の事知ったんだ?
謎は深まるばかりです
377名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 21:07:06 ID:YPoK9T65
連日投下とか・・・
星屑や静かを思い出すな。
378名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 22:41:54 ID:AlfrqaK3
乙乙
肉体の再現なら吸血鬼とか究極生物は再現出来てしまいそうだな
波紋はどうだろう。極論すればただの呼吸法だから出来るのかな
379名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 23:31:18 ID:XWutNnOv
乙っす
スキルニルにそんな活用法があったとは
ついぞ考えたこともない活用法にスタンドも月まで吹っ飛ぶこの衝撃!
シェフィがエンポの世界の情報をどうやって得たのか気になるところ…
そういえば才人が同世界人として、世界一巡の前後どっちの時点で召喚されたんだろか
380名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 23:38:42 ID:FRxxRfHo
規制解除記念カキコ&GJ
最近の投下ラッシュにGJ出来ずに参ってたんだ。
381反省の人:2010/05/19(水) 00:15:58 ID:kk1o9O60
>>368
発想というよりも原作で音石(レッド・ホット・チリ・ペッパー)と億泰が
激突するシーンで追い詰められた音石が最後の最後で
逆転する時に

町中の電線はどこに走っているかすべて知っている…

ってセリフを見て「…あれ?こいつ記憶力すごくね?」
と思ったから記憶力抜群って設定にしてみたんですよwww
382名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/19(水) 10:25:55 ID:RhX/wdfp
かなり読み込んでるのな
383名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/19(水) 11:44:49 ID:BOfnYIQJ
記憶力がすごいというか、実際に電線の中を走れる能力の持ち主だからね
子供が普段遊び場にしてる裏路地の込み入った「秘密の道」をすべて覚えているように、
実際にあちこちを遊び歩いてるうちに体で覚えた感じかなと思ってたな
街中の施設や店に侵入して覗き放題盗み放題してたみたいだし、そうとう色々なとこを遊びまわってたはずだからね

もちろん、記憶力抜群という設定も面白いしあり得ると思う
384名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/19(水) 16:01:58 ID:Exrutt6N
JOJOキャラはすごい豆知識たくさん覚えてるからな。みんな記憶力いいよ
385名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/19(水) 17:03:16 ID:3xm8mI5k
記憶力っていうか、応用力が高いのがJOJOキャラだからな。
インテリジェンスもそうだが、それ以上にウィズダムが高い。

まあ、承太郎をみて、すごいのは判断力だと見抜くあたり
音石は観察眼もすごいけどな。
386名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/19(水) 20:30:29 ID:bz0qLcVx
誰か世界一邪悪な絵召喚しようぜ
387名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/19(水) 22:20:37 ID:BOfnYIQJ
観察力って言うより、音石はいっぺん承太郎に電話して、
ちょっと口を滑らして正体の手掛かりを漏らしたことがあったからな
その時にわずかな手がかりも聞き洩らさない承太郎の判断力のすごさを実感したんじゃないかな

音石は承太郎ばかりじゃなく主人公側のメンバー全員をチリペッパー生かしてかなり観察してたみたいだし
そのわりに丈助や億安を見くびってしまうあたり、判断力はむしろ低いかも…
まあ、奴の場合判断力が低いんじゃなく調子に乗りやすい(そしてたびたび反省する)んだろうけど
388名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/19(水) 22:22:26 ID:BOfnYIQJ
あ、名前の字まちがえたw
389名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/20(木) 05:32:13 ID:iz90HqBu
正しい判断に少し時間がかかるタイプかもね
よく考えてからの行動なら大丈夫だけど即断するとミスるみたいな
390名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/20(木) 14:37:52 ID:BneYO2qC
すげーGJです
391名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/21(金) 13:14:44 ID:h3i6luAl
ティファニアって8巻の時点で何歳だっけ?
392名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/24(月) 10:15:04 ID:wCyHvZ5v
わたしが土日の時間を消し飛ばした
393名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/25(火) 00:12:30 ID:7VfZFLbf
参加者募集中
tp://changi.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1258635129/l50
394反省の人:2010/05/25(火) 00:13:49 ID:NvXneYMP
どうも、お久しぶりです

今日なにか参考になる文章がないかと
まとめサイトを覗いたら
誰かがありがたくも投稿して貼り付けてくれていました!

ありがとうございます!

こちらも現在リアルのほうがちょっと忙しくてなかなか投稿できませんが
完成し次第すぐに投稿します。
395名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/25(火) 04:53:17 ID:A33pjGWS
>>394
楽しみにしてるぜ!
396名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/25(火) 05:18:46 ID:XKKmDLRH
リアルも頑張ってくれ
次の投稿も全力で期待してる
397名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/26(水) 01:14:51 ID:HASvGMhn
まとめをしてくれてる方、できましたらティータイムのまとめもお願いします
398名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/29(土) 14:03:23 ID:H9T98PYz
hoshu
399反省する使い魔!:2010/05/30(日) 00:14:38 ID:KBDh+79o
反省する使い魔!  第六話「ゼロの反省、使い魔の空腹」


ルイズの教室爆破で授業は中断され、シュヴルーズ含め気絶した生徒たち計三名は
医務室に運ばれた。後から来た教師たちは爆発の張本人ルイズに教室の掃除を
言い渡し、ほかの生徒たちを引き連れ教室を後にした。

「『ゼロのルイズ』……「魔法」が「使えない」から『成功率ゼロ』…
くく…うまくいったもんだ」
「うるさいッ!はやく片付けなさいよ!」

どこぞの殺人鬼と似たような台詞を吐き捨てながら
音石は雑巾や箒を手に教室を片付けていた。
しかし元凶であるルイズは机に腰を下ろし掃除の様子を窺っているだけだった。
それどころか

「ちょっと!ここまだ埃ついてるじゃない!やり直し!」

などと言ってくる始末である。

「少しは手伝えってくれたっていいんじゃねぇーのか?…ってゆーか、
これ元々お前がやらかした罰だろーがよ?」
「主人と使い魔は一心同体!主の不始末は使い魔の不始末でもあるのよ!」
「そーかよ(ま、そんな事だろーと思ったぜ…)」

音石のぶっきらぼうの態度が癪に障ったのか、ルイズは爆発で散らばった石や木の破片を
投げてくる。音石がソレをかわすと続けて大量に投げてくる。
しかし所詮ルイズのような小柄な女の子が投げてくるモノの威力、スピードなど
たかが知れている為、音石はちりとりでソレ全てを余裕でガードする。

「避けるんじゃないわよッ!!」
「いやに決まってるだろ〜〜がよ〜〜、オレはともかくギターが傷付きかねねェからな
大体おめーも余計散らかしてんじゃねーぞコラ!自分の尻拭いくらい自分でしろ!」
「うるさいうるさい!どうせアンタも私が『ゼロ』だから見下してんでしょう!!
私だってね!こんな自分にうんざりしてんのよ!
一生懸命勉強して練習しても全然魔法が成功しないからって周りから…
平民すらからも見下されバカにされるこの気持ち!アンタにわかる!」
「………」
「私の実家にいる家族はみんな優れたメイジなのよ!
お姉様たちも!お母様も!お父様も!みんなみんなそこら辺にいるメイジとは
ひと味もふた味も違った!!でも…わたしには何も無かった…実家の使用人ですら
そんな私を小さい頃から影で馬鹿にした…ほかの姉上様方は
あれだけ優秀なメイジなのにってね!!」
「お前は自分の事しか考えちゃいねーのか?」
「え?」

ルイズは目を見開きながら音石の顔を見た。
そして、息を飲んだ…、その時の音石の目は今まで見てきた
誰よりも殺気立った目をしているからだ。
400反省する使い魔!:2010/05/30(日) 00:17:11 ID:KBDh+79o

「この際だからオレの事について少し話してやるぜ…
オレはよぉ、…三年前にある罪を犯したんだ」

その時ルイズは音石を召喚したとき彼が
出所して自由になれたのに
と言っていたのを思い出した。

「ジジイくさい事を言うようだがな、あの時のオレは若かったぜ
自分のしてー事がうまくいかなくて、そんな世の中にイライラしてたんだ
そんな時だ…オレが罪を犯したのは…」
「…一体、なんなのよ?」
「殺人だ」
「!!」

ルイズは耳を疑った、そして理解した…
音石のあの目は、本気で人間を殺したことがある人殺しならではの目なのだと…

「殺した奴に特に恨みがあったわけじゃねー…、ただそいつがあるおもしろいモノを
持っていてよぉ、ソレさえあればオレの人生はずっとおもしろくなる…
自分のことしか考えてなかったオレは初めて人を殺した…、
だが、そんなオレを裁いてくれた奴らがいたんだ…、
牢屋に入ったオレは初めて自分がどれだけ馬鹿だったか気付くことができたんだ
マジでバカみてーな話さ、人生を面白くする以前に
オレ自身がオレの人生を狂わせちまってたんだからな…」
「………」
「お前さんの気持ちはわからなくもない、できる家族と比較されるなんてよくある話だ、
だがな…今お前がやるべき反省はもっと違うところにあるんじゃねーのか?」
「……え?」
「確かにお前は自分の失敗を人一倍に反省しているかもしれねェ…
だがお前、あの爆発で周りに迷惑をかけたことに対しての反省をした事あんのかよ?
例えば…お前をゼロと馬鹿にしたクラスの連中とか…」
「!」
「それどころかお前こう考えたことがあるんじゃねーのか?
『いい気味だ』ってな」
「……ッ!!」

401反省する使い魔!:2010/05/30(日) 00:17:54 ID:KBDh+79o
図星である、ルイズは自分がクラスメイトに迷惑かけていることに自覚はあった
しかしルイズは自分をバカにした相手が自分の爆発で痛い目にあえば
いい気味だ、と心のなかで無意識に呟いていた。
音石に告げられルイズは初めてそれに気付いた。
しかし…、ルイズにも譲れないプライドがあった。

「そうね、確かにアンタの言うとおりだわ…、認めてあげる…、反省するべき所は
ほかにあったのかもしれない…………でもね!!」

ビシッ!とルイズは音石を指差し睨み付けた。

「私が自分の事しか考えていない…、それだけは絶対に認めないわ!!
そんなもの、私が目指す貴族なんかじゃない!私は私の為だけに
魔法が使えたいわけじゃない!病を患っているカトレアお姉様を
救いたいからでもあるのよ!!」

ルイズには二人の姉がいた、エレオノールとカトレアである。
しかし次女のカトレアは幼い頃から体が非常に弱く、メイジでも手の施しようが無い
とまで言われるほどである、しかし長女エレオノールはルイズ以上の頑固者で
そんなカトレアを救いたいという思いの一心で魔法を学び、
魔法研究機関アカデミーに勤めるほどのまでの実力者である。
ルイズもまたそんな姉を慕い、カトレアを救いたいが為に
この魔法学院にいるのだ!

音石はそんなルイズの強い思いが宿った眼差しに感心していた。
ただのわがままなガキだと思ったが…下手したら化けるぜぇコイツ
と考えながらも何かが納得した音石は掃除を再開しようとする、
しかしルイズから意外な一言が飛んできた。

「ありがとうオトイシ、あんたのおかげで私…大切なことを見落としてたかもしれないわ」
「…いいって事だぜ〜〜、ルイズ」
「でも、ご主人様に対して偉そうにしたからお昼抜きね」
「おいコラァッ!!?」


これがこの二人がはじめて互いの名を言った、ほんのひと時…
しかしこのひと時は、ルイズにとっても音石にとっても
とても貴重なモノだった…………。


402反省する使い魔!:2010/05/30(日) 00:19:00 ID:KBDh+79o


教室の掃除が完了するとルイズはちょうどいい時間と言って食堂に向かおうとしたが
さすがに音石も昼飯抜き空腹状態であの豪勢な食事が置いてある食堂に
行きたくはなかった、追い討ち同然である。
その為、音石はルイズに許可をもらい、昼休みの間だけの自由時間をもらった。
そんなわけで現在音石は学院の食堂になるべく近づかないように
学院内や中庭、広場などを散歩していた。それでも空腹を紛らわすことはできない。

「まさか、あんな味気ない刑務所の飯が恋しくなるなんてよぉ…
こいつはますますやばいぜぇ、ガリガリの俺なんて俺じゃねぇ!
う〜ん、でもどうすっかな〜…こんな遅れた文明の世界じゃあ
『レッド・ホット・チリ・ペッパー』を使っての盗みもできねーし…」

一度、学院を抜け出して野生の動物でも狩るか?
却下!こんなファンタジー世界じゃあ動物以上のもっとやばい生き物に
出くわす可能性があるし、そもそも素人のオレが狩りができるか怪しいもんだ。

思考と空腹を張り巡らしながら音石は空を見上げた。
すると一匹の巨大なドラゴンのような生き物が学院を飛び回っているのがわかった、
『レッド・ホット・チリ・ペッパー』の目を使い、よく観察してみると
その背中には一人の小柄な少女が跨っているのがわかった。

(つまりアレも使い魔なのかよ?やれやれ、ルイズの奴が期待するのも無理ねーな)

彼が納得すると同時に、彼の体に一人の少女がぶつかった。

「キャッ!!」

小さな悲鳴と同時に、少女が持っているコップや皿の山がぶつかった衝撃で
空中に散らばった!音石は即座にソレを認識する。

(な〜んか、すんげーデジャヴ感じんだけど…仕方ねぇな)
【シュバババババババババババッ!!!】

彼は落ち着きながら『レッド・ホット・チリ・ペッパー』の手だけを発現させ
その自慢のスピードで今朝の洗濯物と同じように空中に散らばった
皿やコップなどの食器類をすべて掴み取り、一瞬で少女の体と食器を
まるで時を戻したのかのように一寸の狂いなしに元に戻した!

403反省する使い魔!:2010/05/30(日) 00:21:17 ID:KBDh+79o
「あれ?あれれ!?ま、また……」
「…通りでデジャヴ感じるはずだぜ、またお前かよ」

音石は半分呆れた様子でその少女が今朝と同じ少女だと理解した、
その少女、シエスタも音石の顔を見た瞬間、あっ!と声を上げた。

「あ、あの…ありがとうございます、使い魔さん!また助けていただいて…」
「そういう呼び方はダサいからやめてくれよ、音石明だ」
「ご、ごめんなさい!わたしったらつい……、えっと…わたしシエスタと申します
あ、あのそれでオトイシさんはここでなにを?」
「いやよぉ、ご主人様が随分とご立腹でな〜
飯抜きにされちまったんだよ」
「まあ!それはひどい…あの、よろしければ
余りモノでよければお料理をお出ししましょうか?」
「おお!こいつは思ってもない救いが来たぜ!
是非ともそうさせてもらうぜ!」
「フフッ、ではこちらにいらしてください」

シエスタは上機嫌になった音石に微笑みながら
彼を厨房に案内した。


貴族が食事を楽しむ食堂の裏の厨房
食堂でコックやメイドが忙しそうに働いている、
シエスタに聞いた話だがついさっきまではもっと忙しかったらしく、
これでもまだ落ち着いたほうであるらしい。
厨房の隅の椅子に案内され席につき、音石は彼らの働きぶりを眺めていると
すぐにシエスタがうまそうなシチューを持ってきてくれた。

「あまりものですが…どうぞ召し上がってください」
「マジ助かるぜシエスタ、んじゃま…お言葉に甘えていただくとするか」

匂いからしてこれは確実にうまいと思いながら、音石は
シチューを一口たいらげるが予想通り!その味は絶品だった!

「あ〜〜〜こいつはうめぇ、こんなうまいもん食ったのは久しぶりだな」
「ふふ、どうぞいくらでも召し上がってください
おかわりもありますので」

お言葉に甘え、音石はおかわりを要求しそれをさらにたいらげる。

「オトイシさんはトリスティンの出身なんですか?」
「…いや、ここからもっと遠く離れた別の国からだな」
「やっぱり…」
「?」
「あ、いえ!その…オトイシさんが持っているソレ、楽器みたいですけど
ここら辺じゃ見たことありませんから、つい…」

またそれか、と音石はシエスタに軽くギターの説明をすると
シエスタだけでなく周りのメイドやコックもいつの間にか感心していた。
404反省する使い魔!:2010/05/30(日) 00:22:11 ID:KBDh+79o

「ありがとよ、うまかったぜ」
「どういたしまして、お腹がすいたらいつでもいらしてくださいな、」
「助かるぜ、改めて感謝するぜシエスタ」

音石はそう言い残すと厨房を後にし、
そろそろルイズのところに戻ろうかなと彼女を探すことにした。

食堂にいるのだろうと予測していたが、ルイズの姿はどこにも無い。
教室で見かけたルイズのクラスメイトが何人かいたが
どうせ尋ねても使い魔の平民と見下されている自分など相手にされないだろう、
すると後ろからシエスタがデザートを乗せたトレイを手に厨房から
やって来たので彼女に尋ねることにした。

「シエスタ、ちょっといいか?」
「はい、なんですか?」
「ルイズの奴を探してんだが、食堂にはいないみたいなんだ…心当たりねーか?」
「ひょっとしたら外にいるかも…、外にもテーブルが置いてあるんですよ」
「なるほどな、それって何処だ?」
「あちらの扉から外に出て右に行ったところですよ」
「わかった、感謝するぜ」

シエスタはデザートを配りに行き、音石は外にでる。
右側を見てみると、確かに大勢の生徒が使い魔を引き連れて
紅茶やデザートを楽しんでいた。
音石がそこへ向かうと生徒たちが音石の存在に気付き、騒ぎ始めた。
先程の授業での件もあるが、もともと音石の格好はかなり目立つため
いやでも注目を浴びてしまう。

「おい、見ろよ…『ゼロのルイズ』の使い魔が来たぞ」
「あの使い魔、改めて見ると変な格好してるよな…、大体なんだ、あのぶら下げてるの?」
「キュルケから聞いた話じゃあ、楽器の一種らしいわよ」
「楽器?あいつ音楽家かなんかなのか?」
「まあ、どうせ『ゼロのルイズ』の使い魔じゃ、たかが知れてるわね」
「はっはっは、違いない!」

そんな生徒たちの会話が聞こえてきたが、音石は所詮ガキの寝言だ、と相手にせず
ルイズを探すことに専念した。
ルイズみたいな派手な髪色ならすぐに見つかると考えていたものの
見つからない。どうやらアテが外れたらしい。

405反省する使い魔!:2010/05/30(日) 00:24:00 ID:KBDh+79o
一旦、先程の食堂に戻ろうと考えたが
周辺の生徒たちが騒ぎ始めているのに気付いた。
音石にではない、ソレは向こうのテーブルで
なにやら怒鳴っているギーシュに対してのものだった。
しかもよく見ると、ギーシュが怒鳴っている相手となんとシエスタだった!
どうやら音石がルイズを探している間に、外にいる貴族にもデザートを
配ろうといつの間にかやって来ていたらしい。
怒鳴るギーシュとは対照的に、シエスタは異常なまでにビクビクし、
半泣きになりながら頭を下げている。

(シエスタが何かやらかしたのか?)

と考えたが、それでも今にも泣きそうな恩人を黙って見ているほど
音石は落ちぶれてはいない、笑って眺めている野次馬を無理やり通り抜け
二人の間に割って入った。

「なんだね君は?…ああ、ルイズの使い魔の平民か
僕は彼女に用があるんだ、そこを退きたまえ…一体なんのつもりだい?」
「そいつはコッチの台詞なんだよ小僧、理由は知らねーが
こいつはこんなになってまで頭を下げてるんだぜ、
いい加減許してやってもいいんじゃねーのか?」
「そういうワケにはいかない、そこのメイドはこの僕に恥をかかせた挙句
二人のレディの名誉を傷つけたんだ、ただで許すわけにはいかないよ」
「……本当なのかよシエスタ?」

音石がシエスタのほうを見る、シエスタはおびえながらも恐る恐る答えた。

「わ、私はただ…ミスタ・グラモンが香水を落としになったので
それを拾ってグラモン様にお届けしようと……」
「やれやれ、低脳な平民はコレだから困る…
いいかい?僕はあの時、コレは僕のじゃない、と言ったんだぞ
君はその時点で場の流れを察し、その香水を手に早々に去るべきだったんだ」
「そのせいであのケティって娘にモンモランシーとの二股がバレちゃったもんな!」

周囲の野次馬の一人が大声でそう言うとほかの生徒もドッと笑い始めた、
ギーシュは周りを睨み付けながら怒鳴った。

「今言ったのは誰だ!?出てきたまえ!!」

周りがシンっと静まり返るが当然、出てくる者などいなかった。
ギーシュは舌打ちをすると、シエスタを見たまま音石が静かに口を開いた。

「つまりおめーは二股がバレた罪をシエスタに無理やりなすりつけてるわけか……」
「口の利き方に気をつけたまえ!…まあ、所詮『ゼロのルイズ』が呼び出すような平民に言ったところで無駄【ドゴォッ!】うがぁっ!!?」
「関係ねー奴の話なんて引っ張り出してんじゃねーぞクソガキ!!」
406反省する使い魔!:2010/05/30(日) 00:25:03 ID:KBDh+79o

ギーシュは最後まで言い切らなかった。否、音石が突然ギーシュの腹に強烈な蹴りを
炸裂させ遮られたのだ!ギーシュはそのまま蹴られた衝撃で学院の壁に激突した。
平民が貴族を蹴り飛ばした、この事実だけでも
周りのギャラリーたちは大いに盛り上がった。
なぜなら、この世界では平民が貴族に手を上げるのは絶対的タブー
それがこの世界の法則なのである。
当然、周りの生徒もそんな音石の行動を黙ってはいなかった。

「お、おい!あの平民、ギーシュに蹴りをかましたぞ!」
「平民が貴族にこんな事をしてタダで済むと思っていますの!?」
「ギーシュ!大丈夫!?」
「おい平民!さっさと地に這いつくばって謝罪したほうが身のためだぞ!」

生徒たちの殺気が音石に襲い掛かった、既に杖を抜いている者までいたが
所詮、音石からしてみれば彼らなど
「ロクに人を殺したことも無いくせに馬鹿みてーにいきがっているガキ」
である。人殺しの壁を越えている音石にはどことなく余裕があった。
音石は黙ったまま壁に激突し、倒れこんでいるギーシュに歩み寄る。

ギーシュは腹に蹴りをモロに受けてしまったため、さっきからずっとむせているが
音石が近づいてきていることに気付き、力を振り絞り何とか立ち上り音石を睨む、
それでも、やはり苦しいらしく目からちょっと涙が流れている。

「グッ…たかが平民の分際で…ゲホッ…、よくもこのギーシュ・ド・グラモンを…!
どうやら君には…貴族に対しての礼儀を身をもって教える必要があるようだな!!」
「クックック、コイツは傑作だ、貴族って肩書きがなきゃ
ロクに威張れもしねークソガキがオレに何かご教授してくれるのかよ?」
「……先程、君はモンモランシーを救ってくれた、その働きに免じ
多少は加減してやろうと思ったが……、もう許さん!!」

ギーシュは屈辱と怒りで煮えくり返っている震えた手で
手袋を投げつけた!

「決闘だ!貴様に決闘を申し込む!!半殺しで済むと思うなよ!!」

そのギーシュの発言に、周りの生徒がオオーーーッ!!
と歓声をあげた。

「おもしれぇ、ロクに反省もできねぇ物分りの悪いガキには
鉄拳制裁が一番だな、ちょうどいいぜ……ここでやんのか?」
「貴様のような野蛮で礼儀知らずな平民の血で食堂を穢せるか!
ヴェストリ広場へ来たまえ!そこを貴様の墓場にしてやる!!」

ギャラリーがギーシュの道筋を割って作り、ギーシュの後に続く。
ほかの生徒たちも移動を開始した。
おもしろい余興が始まる、と一同はワクワクしている様だ。
しかし中には、貴族としてのプライドが高く、平民の分際で貴族に楯突いた音石に
敵意を向けている者も何人かいるようだ。
407名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/30(日) 00:30:53 ID:JHrYxDhQ
支援!
408反省する使い魔!(代理):2010/05/30(日) 00:40:48 ID:gRons29m
そして、そんな人ごみの中から飛び出してきたのが探していたルイズである。
どうやら騒ぎに気付いてやってきたようだ。

「ちょっとオトイシ!アンタ自分がなにやらかしたかわかってんの!?
いきなり貴族を蹴りつけて、あまつさえ決闘なんて…」
「そ、そうですよ!オトイシさん……こ、殺されます!
謝りにっ……!元々私がすべて悪いんです!だ、だから……
私がミスタ・グラモンに謝りに行きます!わ、私さえ罰を受ければいいだけの話ですから」

ドギュアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!

「「!!?」」

音石が無言のまま、ギターを力強く弾き、
完全に興奮混乱状態だった二人を止めた。
いや、無理やり落ち着かせたと言ったほうが正解かもしれない、

「落ち着いたかぁ?な〜に、心配することぁねーよ
ようは勝てばいいだけの話なんだろ?」
「はぁ?アンタ本気で言ってんの!?…あのね?
平民が貴族に勝つなんて絶対にありえないのよ!」
「そ、そうですよオトイシさん!そんなの無茶です!!」
「だから落ち着けっての、
まあまずはそのヴェストリ広場ってのは何処か教えてくれよ」
「あんた、本気で死ぬわよ……」
「……死なねーよ、まあ見てろよルイズ
もしかしたら…面白いものが見れるかもしれねーぜ?」
409反省の人(代理):2010/05/30(日) 00:41:44 ID:gRons29m
というわけで第六話投稿終了です!

こんなに時間がかかるなんて…
以前と同じように今回もサルったので皆さんのコメントや
ティータイムさんのを見本にしてやってみましたが
正直言って自信ないです……こわい…;;

それと、ついでに絶対本文に書いたら叩かれると
思ってやらなかったネタを書いときます。

「でも、ご主人様に対して偉そうにしたからお昼抜きね」
「まさに悪魔だな…」

どこの救世主の皮をかぶった水の亡者だよ!!


以上です…、次回いよいよギーシュとの決闘!!

410名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/30(日) 00:43:57 ID:gRons29m
反省の人おつっした!
411名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/30(日) 00:46:32 ID:JHrYxDhQ
乙です!
412名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/30(日) 20:09:30 ID:dSmD2bvk
久しぶりに来てみたら新作が投下されてるぜェェェェ
413名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/30(日) 23:56:00 ID:QvXn8dxJ
続きが楽しみだわ
414名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/31(月) 20:10:10 ID:c/lMAkg9
お…音石がイイ奴になってる!?

こういう成長ってのがやっぱ見てて最高だぜ!!
415名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 20:13:28 ID:6kjMks52
保守
416名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 23:33:33 ID:WGkB/yNY
音石のスタンドって電気がないと動けなくなるんじゃなかったっけ?ハルケギニアに
電気あった?
417名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 23:51:57 ID:Wgz4NEAI
↑このスレの流れ見直してこい
418名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 01:17:35 ID:GVTO9i1x
ドシュッ!
419反省する使い魔!:2010/06/06(日) 23:53:28 ID:Z3Qo34eY
反省する使い魔!  第七話「決闘・三年ぶりの戦い」


ヴェストリの広場…
ルイズたちに案内されてやってきた広場には
音石やルイズたちが想像していた以上にギャラリーが集まっていた。
しかし、観客は多いほど盛り上がるしやり甲斐がある…
ギタリストとして熱く生きることを目標とした音石にはちょうどよかった。

「ギーシュ!あいつが来たぞ!」

観客の一人マリコルヌがそう言った瞬間、ギャラリーたちが一斉に音石を見た。
そしてギーシュが高らかに杖の薔薇を掲げる。

「さあ諸君、決闘だ!!」

観客たちがよりいっそう強い歓声を上げる。
音石がギーシュのいる広場の中央に向かい、
ルイズとシエスタは野次馬に紛れ込んだ。

「逃げずにきたのは褒めてやろうじゃないか、正直意外だったよ…」
「御託はいいんだよ、さっさと始めようぜ」
「まあ、待ちたまえ。軽くルールだけは説明しておこう、とはいっても単純だ、
どちらかが敗北を認めるまでだ。立会人はここにいる観客たち…、
ついでに言っておくが僕はメイジだから当然魔法で戦わせて貰うよ?
だが僕は慈悲深い、ハンデとして…僕の杖であるこの薔薇…
君がこの僕からコレを奪うことができたら君の勝ちにしてやろう
フフッ、とは言っても所詮平民ごときにできやしないだろうがね」
「フッフッフ、よく言うぜ。逆に聞くがよ、魔法がなかったら何にもできやしない
口だけ野郎のお坊ちゃまが魔法以外でどうやって俺に勝つ気だ?
テーブルマナーでもしてくれんのかよ?」
「………いいだろう、そんなに死にたいのならっ!!」

音石の挑発に頭に来たギーシュが勢いよく薔薇を掲げ、魔法を発動しようとしたが…

「ン!だがちょっと待ってくれ………
その前にオレのほうも『ハンデ』を決めとくぜ」

音石の発言にギーシュ含め、周りの観客たちも一瞬キョトンとしたが
すぐそれは爆笑に変わった。
ギーシュが目を閉じ、顔に薔薇を近づけクックックッと皮肉そうに笑った。

「『ハンデ』だと?クックック何を馬鹿なことを…平民ごときに
『ハンデ』など必要な…」
「ギーシュ危ない!!」
「え?」

【バキィッ!!】

「うぐぇっ!!!」
「おいおい、なに決闘中に目なんか瞑ってんだぁ〜?
ふっふっふっふ、眠いんだったらコレで目ぇ覚めただろぉ」
420反省する使い魔!:2010/06/06(日) 23:54:11 ID:Z3Qo34eY

音石が言うコレとは
目を瞑った瞬間、ギーシュに一気に近づき
彼の顔面にお見舞いした音石の拳のことである。
生徒の一人がギーシュに警告したときは時既に遅しだった。

「なんて卑怯な……!」
「さすが平民だな!そこまでして勝ちたいのか!?」
「神聖なる決闘を…、なんて奴だ!!」
「おい平民!卑怯だぞ!!」

観客からの熱烈なブーイングを受けるものの、
音石はギーシュにそれ以上の追撃はしなかった。
いや、それどころか元いた位置に後退し、ギーシュが立ち直るまで
待っていたのだ。

「ぐ…はっ…、やってくれたな……
よもやこんな手を使ってくるとは…、さっき貴様を褒めてやろうと言ったが…
取り消させてもらうぞ、平民…」

ギーシュの殺気と怒りが篭った目が音石を睨み付けるがそれでも
ギーシュの目に臆する事も無く、音石は余裕の笑みを浮かべていた。
そんな音石の余裕の表情に、ついに必死で平静を保っていたギーシュの
怒りが爆発した!

「平民ごときがっ!!貴族をコケにするのも大概にしろぉーーーーッ!!!」

今度こそ勢いよくギーシュが薔薇を振る。
すると花びらが宙を舞い、地に触れる。
その途端、まるで地面から生え出てくるかのように
甲冑を身に纏った一体の青銅の女戦士が現れた!
大きさは大柄の人間ぐらい、およそ2メートル前後ほどである。

「ほぉ〜、そいつがてめえの魔法ってワケか?」
「この『ワルキューレ』が貴様を嬲り殺してやる!!
この『青銅』のギーシュを怒らせたことをあの世で永遠に後悔するがいい!!」
「『ワルキューレ』……ねえ……
しかし嬲り殺す?ククク、そんなノロそーな鉄くずでかァ〜?ククククク
笑ったものか!アクビしたものか!こいつは迷うッ迷うッ」

ワルキューレが音石に突進を仕掛けてきた。
こうして決闘の火蓋が切って落とされる!


421反省する使い魔!:2010/06/06(日) 23:55:32 ID:Z3Qo34eY


所変わってここは学院長室

魔法学院の最高責任者、学院長オールド・オスマンが
パイプを吸いながら、退屈そうに机に置かれている大量の書類を眺めていたが
やがて、ソレもそっちのけで愚痴をこぼしていた。

「退屈じゃの〜、ミス・ロングビル」

オールド・オスマンがいうミス・ロングビルとは
彼の秘書を勤める、緑色の髪と眼鏡をした若い女性の事である。
彼女もまた秘書用の机で書類をまとめている。

「オールド・オスマン、そういう台詞は
仕事を終わらしてから言ってください」
「いやいや、そういう意味での退屈じゃなく……なんと言うかの…
そう!毎日が平和すぎてつまらんのじゃ!」
「平和が一番じゃありませんか」
「しかし、こうも毎日が何も無いというのもかえって体に毒じゃろ」

すると、ミス・ロングビルが書類を書く手を止めた。

「オールド・オスマン」
「何じゃ?」
「そーやって私の気を逸らしてる間に
スカートを覗くのはやめてください」

ミス・ロングビルが自分の机をずらすように動かすと
机の下から、オスマンの使い魔であるネズミ、モートソグニルが姿を現し
素早くオスマンの元に帰っていった。
使い魔には主人と感覚を共有する能力などがあるらしく
オスマンは自分の使い魔のネズミを使い、ミス・ロングビルの
スカートの中を覗いていたのだ。
ついでに言うとなぜか音石にはこの使い魔としての
能力が搭載されていないらしい。

「なんじゃバレとったのか、つまらんのぅ
ミス・ロングビル、あまり年寄りの楽しみを奪うものではないぞ
フム、なるほど…今日はシロか」
「……今度やったら王宮に報告します」
「フォッフォッフォッ、いちいち王宮が怖いよーで
この魔法学院の長が務まるかい」

オスマンが笑いながら、自慢の長い顎髭をいじり
ロングビルがため息をついていると、学院長室の扉が
不意に大きな音を立てた。
入ってきたのは慌しい様子のコルベールである。
422反省する使い魔!:2010/06/06(日) 23:57:47 ID:Z3Qo34eY

「学院長!た、た、た、大変です!!」

コルベールの顔は汗でびしょ濡れだった。
どうやらよほど慌てて走ってきたようで呼吸もだいぶ荒い。

「どうしたんじゃ、コルベール君
そんなに慌てて…、瞬間育毛剤でも発明したのか?」
「そんなんじゃありません!!あ、いえ、それよりも
見てもらいたいものがあるんです!」

コルベールが手に持っていた本をオスマンに差し出した。
どうやらかなり古いものらしく、だいぶ痛んでいる。

「ほう…『始祖ブリミルと使い魔たち』か、
こいつがどうしたんじゃ?」
「実はさっきまで図書室で調べモノをしていたんですが…」
「調べモノ?」
「はい、…昨日の使い魔の儀式で人間が召喚されたのは
学院長もご存知でしょう?」
「当たり前じゃ、人間が召喚されるなど前代未聞じゃからの」
「実はその召喚された人物がしていた使い魔のルーンが
見たことなかったモノだったので調べてみたんですが…
ここです!このページ!ここに記されているルーン!」

コルベールが興奮を抑えきれないまま、昨日紙にスケッチした
音石のルーンと、その本に記されているルーンをオスマンに
見比べさせた。オスマンの目が素早くスケッチと本を見比べ理解した。
なるほどの、コルベール君が慌てるのも無理もない
オスマンの顔が引き締まった。

するとまた突然、扉から甲高い音が響いた。
一人の教師が血相を変えてやってきたのだ。

「オールド・オスマン!一大事です!!
生徒が決闘をはじめています!!」
「まったく次から次へと…
忙しいったらありゃせんの〜…」
「ついさっきまで退屈じゃの〜とか言っていたのは
どこの誰でしたっけ?」
「抜け目ないの〜、ミス・ロングビル…
それで?決闘をしておるのは一体どこのどいつじゃ?」
「あ、はい…一人はギーシュ・ド・グラモンです」
「やれやれ、あのグラモン家のバカ息子か。大方、女の子が原因じゃろう」
「い、いえ…確かにもとの原因はミスタ・グラモンの女癖にあったようなのですが
どうもミス・ヴァリエールが呼び出した平民が彼に
暴行を加えたそうなんです」
「彼がッ!?」

コルベールが驚きの声を上げるのとは裏腹に、オスマンは
なにかを考え込んでいるのか目を瞑って黙り込んでいる。

423反省する使い魔!:2010/06/06(日) 23:59:02 ID:Z3Qo34eY
「オールド・オスマン、いかがなさいましょう?
教師の何人かが『眠りの鐘』の使用許可を求めていますが…」
「………いや、一旦様子を見ることにしよう、
ほかの教師たちにもそう伝えておけ、何か問題が起こった場合
全責任はわしが取る」
「りょ、了解しました」【バタンッ】

教師が部屋を退出するのを確認するとオスマンが杖を振るった。
すると、壁に飾られていた大きな鏡がなにかを映し出した。
ソレはまさしく決闘が行われているヴェストリの広場の様子だった。
鏡の中でギーシュと音石が向かい合っている。

オスマンもコルベールもロングビルもそれぞれ別々の思考を
張り巡らせながら、黙ってその決闘を眺めていた。




所戻って決闘中のヴェストリ広場

観客の歓声が轟くなか
ギーシュのワルキューレの拳が音石に襲い掛かるが、
音石は横にステップしそれをかわす。
次に地面を叩きつけるかの様に拳を振り下ろしてきたが
それもバックステップで回避する。

「くっくっく、エラそーに大口叩いてた割には
逃げてばかりじゃないか?少しは僕のワルキューレに
攻撃してみればどうなんだい?」

音石から20メートル程、間隔を空けているギーシュが
そう言い放つがそれでも音石は避け続けている。


「あのバカ!避けてばっかじゃあそのうちバテちゃうじゃない!」

そんななか、ギャラリーの中にいるルイズが声を荒げている。
やっぱりここは不本意だけど自分が出てギーシュに謝ったほうが
いいんじゃないだろうか…。不安になりながらルイズは
決闘の様子を眺めていたが、それでも音石は避ける一方で
反撃する気配を見せなかった。

「なによなによ!おもしろいものって
避けてばっかて事なんじゃないでしょーねっ!?」
「あ〜ら随分とご立腹ね、ヴァリエール」
「当たり前でしょう!!………って、キュルケ、なんでアンタが!?」
「こんなおもしろそうな事が起こってるのに見逃さない手はないでしょ?」

ルイズの後ろから声をかけたのはキュルケだった。
タバサも彼女の横に並んで相変わらず本を読んでいる。

「ねえタバサ、あなたの意見が聞きたいわ。どう思う?」
「……彼には何か勝算がある」
「勝算!?あいつさっきから避けてばっかじゃない!
どこに勝算があるっていうのよっ!?」
「少しは落ち着きなさいよルイズ、
でもタバサ、どうしてそう思うの?」
424反省する使い魔!:2010/06/07(月) 00:00:23 ID:TQLbnSzq
「さっき彼がギーシュに騙し討ちを仕掛けた時、
成功したにもかかわらず、彼は追撃せずあえて後退した
確実に勝利を狙うのならあのまま杖を取り上げるなり、
攻撃を続けたたりしたほうが確実、
でも彼はそうしなかった。ギーシュが仕掛けてくるのを
待っていた、つまり………」
「たとえギーシュが魔法を使ってきても、ソレに対応できる
何らかの自信と勝算がある、ってこと?」

タバサが言おうとした内容をルイズが察し呟く。
タバサはコクリと頷いた。
キュルケもルイズもなるほどと納得はしたもののソレでも重要な所が
未だわからなかった。

「でもタバサ、その勝算って一体何なのかしら?
あの使い魔、メイジじゃなさそーだし
特に武器を持っているわけじゃないのよ?」
「わからない、でも考えられる可能性がひとつだけある…
彼がぶら下げているあの見たことない楽器……」
「まさかあれがマジックアイテムの類ってこと!?」
「確証はない、あくまで可能性……」
「……仮にあれがマジックアイテムだとして
どうして彼はさっさとソレを使わないのかしら?」
「たぶん様子見、ワルキューレを通して
ギーシュの実力を推測してるのだと思う…
もしそうならそろそろ頃合……」【オオォーーーーーーーーーーーーーッ!!!】

ギャラリーのいきなりの歓声に
3人が咄嗟に広場に目を戻した。
なんと音石がワルキューレを猛撃を切り抜け、
ギーシュに突っ込んでいるのだ!

一気に間合いに入りギーシュを倒すつまりだ!

広場にいる誰もがそう思った、
しかし同時に音石のその行動を誰もがあざ笑った…、
なぜなら……、

「ハッハッハッ!僕のワルキューレを無傷で切り抜けたのは
敬意を表してあげよう、平民にしてはたいしたものだ!
見た目によらずなかなかいい動きをする……しかし、甘いな!!
僕が操れるワルキューレは1体だけだと思っていたのかい!?」

そう、ギーシュが操れるワルキューレの数は1体だけではなかったのだ!
手に持つ薔薇を振ると、地面から新たに3体のワルキューレが現れたが
それだけではない、その3体すべてが槍を武装していたのだ。
425反省する使い魔!:2010/06/07(月) 00:01:21 ID:Z3Qo34eY

「チィッ!」

音石が舌打ちをし、仕方なくバックステップで
距離をとろうと考えたが、後ろにはまだ最初の1体がいるのを思い出し
音石が咄嗟に足を止めたが、その瞬間をギーシュは見逃さなかった。

「そこだ!ステップ移動は止まった瞬間におおきな隙ができる!!
ワルキューレ一斉攻撃!その平民を八つ裂きにしろぉッ!!」

前方の槍を持ったワルキューレ3体が
正面、右側、左側から、
音石の後方にいる何ももっていない素手のワルキューレが
音石の背後を、
一気に取り囲み、一斉に攻撃を仕掛けた!!

「いやあアァァァァァァァァァァッ!!!」

シエスタかルイズのかもわからない甲高い悲鳴が広場に響いた。
いや、案外モンモランシーかケティの悲鳴だったのかもしれない……。



「そんな……!!学院長!!!」

学院長室でコルベールが叫ぶ、ミス・ロングビルも
なんてこと!と今にも言いそうな顔をしていたが
オールド・オスマンの目がよりいっそう鋭くなっている。

「は、早く広場に行って彼に治癒の魔法を……!!」
「まてぃっ!!コルベール君、よく見てみるのじゃ!!」

すぐに広場に向かおうとしていたコルベールは
オスマンの声にピタッと止まり、もう一度
広場を映しこんでいる鏡を見てみた。そこには…

「な!?こ、これは一体!!?」



426名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 00:04:11 ID:ufRKa0Ma
sien
427反省する使い魔!:2010/06/07(月) 00:06:04 ID:TQLbnSzq
広場の観客たちを初め、ギーシュ、ルイズ、キュルケ、タバサ、シエスタ達は
一瞬何が起こったのか理解できなかった。
だれもが音石のインパクトのある串刺し死体を
強く思い浮かべていたからだ、
しかし、今その広場には音石の周りにワルキューレだった青銅が
粉々になって散らばっているという結果だけが残っていた。

「青銅つっても所詮こんなもんか、案外モロっちーもんだな」
「な、なにを……した?」
「メイジの強さを確かめる為っつっても、さっきのは
さすがに焦ったぜ、生身じゃあれぐらいが限界だな」
「僕は何をしたかと聞いているんだ!答えろ!平民!!
い、いや…少しだけ見えたぞ、なにか…異様に光った腕が
ワルキューレの影から見えた!あれは一体なんだ!?」
「………てめぇ見えてんのか?…いや、そう言えば
あのシュヴルーズって教師が言ってたな
『メイジが魔法を使う要は精神力にある』
なるほどな〜、精神力を扱うってとこらあたりが俺たちと同じだから
見えていてもおかしくはねーってわけかい……」
「なにを一人でブツブツ言っている!答えろ!あの腕は何だ!!?
貴様、まさかメイジなのか!?それともただの平民なのか!?どうなんだ!?」

ギュウウウアァーーーーーーーンッ!!!

「な、なに!?」
「フッフッフッフッフッフ……」

音石が突然ギターを弾き、笑い始めた、
ギーシュはさらに混乱しながらも、
音石が自分に接近してきているのに気が付き、
すぐさま、新しいワルキューレを作り出した、
しかし4体が一斉に破壊されたことを警戒しているのか
作り出したワルキューレの数は1体だけだった。

「く、くそ!一体何がおこっているんだ…、確かめてやる!
いけ!ワルキューレ!!今度こそ八つ裂きにしろぉッ!!」

ギーシュが音石に杖を指し、ワルキューレが先ほどと同じように
剣を手に、音石に突撃を仕掛けた。

428反省する使い魔!:2010/06/07(月) 00:06:51 ID:Z3Qo34eY
周りのギャラリーも平民がワルキューレ4体を一瞬で粉々にしたという
予想外な自体にざわめき始めている。

「あの平民、一体何をしたんだ!?」
「お、落ち着け!ただの平民がギーシュのワルキューレを
倒せるわけがないだろ!!単にギーシュの錬金が甘かっただけさ!!」
「なにか…一瞬光ったような…」
「ギーシュ、落ち着け!そんな平民にうろたえる必要なんてないぞ!」

当然、混乱しているのはルイズたちも同じだった。
ルイズもキュルケもわけのわからない結果に驚愕し、
日頃、特に感情を顔に出さないタバサさえも、本から目を離し
目を見開いている。

「ね、ねえタバサ…、彼一体なにをしたの!?」
「わからない、ワルキューレが陰になって見えなかったから見当も付かない…
少なくとも、普通の人間が青銅を粉々にするなんてありえない」
「そう…よね…、ねえルイズ。あなたは何か見えた?
やっぱりあの楽器、マジックアイテムだったかしら?」
「ぜ、全然……わたしにもサッパリ…
で、でも……私にも見えた、ちょっとだけ…
あれは…、そう間違いない!あれは『尻尾』よ!
ワルキューレの足の間から『尻尾』のようなものが視えたのよ!!
あいつ、ただの平民なんかじゃない!わたしたちの想像できない
何かを隠し持ってるっ!!」



剣を手に持つワルキューレが向かってきている、
それでも音石は余裕の表情を一切崩さなかった。

運が悪かった、それ以外何者でも無いだろう…、
普通の平民なら十中八九、ギーシュが余裕で勝っているだろう、
しかし悲しきかな、ギーシュが相手にしている平民は本当に特別だった。
異世界から召喚された人間という事実だけでも十分特別だろう…
だが、真の『特別』はそれだけではない、真の『特別』とは!
人並みを外れ、その外れた数が多ければ多いほど真の『特別に』近づくのだッ!!

そして音石は叫んだ、自分の『特別』を!
才能持つ者にしか手にすることができない特別、自分を『スタンド』を!!

「『レッド・ホット・チリ・ペッパー!!!』」

【ドグォンッ!!!】
429名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 00:07:08 ID:ufRKa0Ma
支援だ!
430名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 00:10:53 ID:WNlJ072p
うおおおおおお
来てるじゃあねえか!
431「反省する使い魔!」代理:2010/06/07(月) 12:00:58 ID:i2Dc5sjN
「…………………………は?」

マヌケそうな声がギーシュの口から漏れた。
言葉が見つからなかったのだ。一体何が起こったのかわからなかったのだ。
自分は今間違いなく平民と向かい合っていた。
その間にいるのは自分が作り出したワルキューレだけだった、
じゃああれはなんだ?一体なんなんだ?

獰猛な目を持ち、尖った口ばし、尻尾を生やし
体を発光させているあの怪物は一体なんだと言うのだ!?

「い、い、い、一体なんなんだそれはあアアアァァーーーーーッ!!!??」

ギーシュは喉が枯れてもおかしくない大声で叫んだ。
ギーシュだけではない、当然ギャラリーも今までとは
比にならないくらいに騒ぎ出した。
ルイズ、キュルケ、タバサはもはや互いに語り合う事もなく
ただ目を見開きながら、レッド・ホット・チリ・ペッパーを眺めていた。

「教えてナンになるんだよ?教えてオレに得があるかァ〜?
教えたところでてめーみてーなガキに理解できんのかよ?
カスみてーな質問してんじゃねーよ、くっくっくっく」
「うっ……うう……ワ、ワルキューレ!」
「邪魔だ」【ドガァッ!】
「なッ!?ぼ、僕のワルキューレを…い、一撃で!?」
「つくづくカスみてーな脳ミソだな、さっき一斉に4体を破壊してるのに
たった1体でどうにかできるわけねーだろ?
こんなノロい鉄くずが我が『レッド・ホット・チリ・ペッパー』を
上回るとでも思ってんのかァー?ボケが」

ギャラリーはさらにパニックになった。
なんてことだ!あの亜人は姿がおぞましいだけでなく
強さもデタラメだ!どうなっているんだ!?
なぜあれほどの亜人をあの平民が操っているんだ!?
ギャラリーの混乱は増すばかりだった。
432「反省する使い魔!」代理:2010/06/07(月) 12:01:44 ID:i2Dc5sjN
「くっくっくっく、いいね〜〜、この歓声が実にいい…
やっぱり、ギタリストとして熱く生きるオレは
こーゆーのが必要なんだよなァ〜〜〜、フッフッフッフッフ
おらぁガキ共ッ!!声が小せぃんだよ、もっと張り上げろッ!!
もっと俺を熱くさせろぉッ!!!」

ギャギャアーーーーーーーーーーーーーンッ!!!

ギターを奏で、ギャラリーはいっそうパニックの声を高めた。
レッド・ホット・チリ・ペッパーも観客にインパクトを与えるために
音石の周りを飛び回っている。

ギーシュはこの理解不能な事態を受け入れることができなかった、
自分は今間違いなく人間の平民を相手にしていた筈なのに、
本当なら自分のワルキューレがあの無礼な平民に鉄槌を下す筈なのに、
しかしなんてことだ、自分が相手にしていた平民はただの平民では
なかった。亜人を操る平民なんて聞いたことがない。
自分はとんでもない奴を敵に回していたんだ、

「う、う、うわああああああああああああッ!!!」

ギーシュは無我夢中で杖を振り、残り最後の2体のワルキューレを生成した。
理解不能ではある、しかし今あの男は自分と戦っているんだ。
戦っている以上、あの男はあの亜人を使って自分を攻撃してくる。
青銅を一撃で粉砕するほどのパワーをもし生身の自分が受けたら…
間違いなく死ぬ!

「たった2体だけって事は…、そいつらで最後ってわけか
オーケー、ギャラリーも最高に盛り上がってるところだ
ここいらで一気に決めちまったほうが最高にカッコいいよなーッ!」
「く、来るな!来るんじゃないッ!!」

駆け出した音石にギーシュのワルキューレがヤケクソに
手に持つ剣で無茶苦茶に振り回している。

「山カンにたよってヒョッとして大当たりなんつー
都合のいい発想はやめろよな」

【グゥアシッ!】

「なッ!?う、受け止めた!?」

レッド・ホット・チリ・ペッパーは我武者羅に振り回している
ワルキューレの剣をなんと指2本だけで摘み止めたのだ。

「無駄無駄、てめーのワルキューレのスピードなんて
仗助のクレイジー・ダイヤモンドの比じゃねーんだよ、
こんなすっトロい鉄くずがオレの相手になるかよぉっ!!」

【ドゴォッ!】

最後のワルキューレもあっけ無く破壊され
ギーシュは完全に戦意を喪失した。
433「反省する使い魔!」代理:2010/06/07(月) 12:02:30 ID:i2Dc5sjN
音石はレッド・ホット・チリ・ペッパーをおさめ
戦意を喪失し立ち尽くしているギーシュに
容赦なく顔面にひじ打ちを叩き込んだッ!

「うぐァッ!」

鼻血をぶちまけ、ギーシュは地面に倒れこもうとした
音石はギーシュの胸倉を掴み、ソレを阻止した。

「う…げ……ま、参った……降参だ…」
「だめだな、このまま終わらせるわけにはいかねェ、
今ここでお前を徹底的に痛めつける、周りの連中が
二度とオレやルイズ、シエスタを見下さねーよーになァ」
「ひっ……そ、そんな……ゆ、許してくれ……」
「ハッ、許して?…お前は今にも泣き出しそーになってまで
頭を下げまくってたシエスタを許してやんなかったくせによ〜、
今ここでオレが許してやるとでも思ってんのかァ〜?
そういう都合のいい考えもやめろ………殺すぞ?」
「ひ、ひいぃッ!?」
「まあどうせ、これだけの差別社会だ、
貴族であるお前が平民であるオレを殺してもどうせお咎めなしで
逆にオレがお前を殺したらお咎めありなんだろ?
だから殺しはしねェ、安心しろ…
だがな、よーは殺さなかったらいいだけの話なんだ
…………………………だから………」

音石はギーシュを地面に叩きつけ、両腕をポキポキ鳴らし始めた。
ギーシュはもはやそんな音石の凄まじい威圧に
動くことができなかった。動いたら間違いなく殺される。
人間としての本能がそう思ったからだ。

「だから半殺しで勘弁してやるッ!!
せいぜいベットの上で尿瓶のお世話にでもなってもらうんだなッ!!!」

「ひ、ヒイイイイイイイイイイイイィィィィッ!!!」


【ドガァベギッバギッバゴォペキポキグチャメメタァグチャ!!!】


ギーシュはこの日、両手両足指鼻などの骨をすべて折られるという
重傷負ったが、魔法の治癒のおかげで数日で復帰した………。
434「反省する使い魔!」代理:2010/06/07(月) 12:03:27 ID:i2Dc5sjN
決闘には勝ったものの、音石には不可解な疑問があった。
なにを隠そう、その疑問とは自分のスタンド、
レッド・ホット・チリ・ペッパーのことである。

(どうなってやがる?俺のレッド・ホット・チリ・ペッパーは
三年の歳月を費やして回復するには回復した……
確かに、レッド・ホット・チリ・ペッパーは本来
近距離パワー型ではある………
だがそれでも、電気なしであそこまでのパワーが出ねェ筈だ
こいつは一体………)

音石はギターをいじりながら考えふけっていたが、
やがてルイズがこちらにやって来るのが見え、一旦この疑問は保留した。

「オトイシッ!!」
「よおルイズ、どうだ?面白いモンが見れただろ?」
「アンタ一体あの亜人はなんなの!?きっちり説明しなさいッ!!」
「おいおい、落ち着けよ。まっ、お前の性格じゃあ無理な話か」
「あんた一体何者なの!?」
「まあ待てよ、教えてやるがさすがにここでじゃまずい
できれば誰にも聞かれたくねーからな……」
「………わかったわ、それなら私の部屋に」
「お待ちください、ミス・ヴァリエール」

ルイズの背後から一人の女性が声をかけてきた。
その女性は先程、学院長室にいたミス・ロングビルだった。

「ミ、ミス・ロングビルッ!?」
「失礼しますミス・ヴァリエール、学院長がお呼びです。
至急、使い魔と共に学院長室に来るようにと」
「…………わかりました。オトイシ、ついて来なさい」

(このタイミング…、やれやれ
こいつはメンドくせー質問攻めにあいそーだな)

そして音石はルイズとミス・ロングビルに案内され
学院長室に向かったのであった。
435「反省する使い魔!」代理:2010/06/07(月) 12:04:20 ID:i2Dc5sjN
七話投稿終了です!

改めて読み返してみるとこの音石、若干クールっぽさがあったので
今回は後半あたりワイルドに演じさせてみました。
あと効果音の際、自分は【】を使用しているんですがいかかでしょうか?

そして、サルったときに変わりに投稿してくれる人に
心から感謝です!

これからもがんばっていきたいと思います。
436名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 12:30:17 ID:QZpd+NAW
乙しろ!
投下にはそれが必要だ

【】は見易くて問題ないと思いますぜ、見間違えることもなさそうだし
後あれだ、電気がなければギター延々と奏でればいいじゃない!!
437名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 13:29:08 ID:ufRKa0Ma
乙乙、反省の人乙っした
438名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 17:33:31 ID:oY3KVhex
乙でした!
439名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 19:28:27 ID:Xrtb+7YI
貴方が投下するまで【乙!】するのを止めない!!
440名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/07(月) 22:01:28 ID:qNZGtsMp
珍しいのは、ロングビルがコッパゲのガンダ報告時に立ち会ってる所か。
何かの伏線なんだろうか?
後、ギャラリーの中でシエスタだけはスタンド見えないのか。
マルトー達の間で噂になる時も平民にはスタンド見えないからどんな称号がつくのやら楽しみだ。
441名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 00:02:00 ID:UpP4Sn51
音石クールになったかと思ったが、相変わらずザコに余裕こいとるときは調子に乗ってんなw
そのうち刺されてまた反省するのかな

ワルドは偏在と錬金の組み合わせで原作の仗助+康一のチリペッパー移動予想コンボができるかな?
ハルケギニアには地下電線なんぞ走ってないからちょっと難しいかも知れないが、若干変形させて利用するのはできそうだ
442名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 00:07:42 ID:UpP4Sn51
確かに貴族を殺したらヤバイが、別に殺さなくても半殺しにしたらやっぱりヤバイんじゃねーか?
と思わなくもないw
しかもギーシュのほうから仕掛けてきたとかなら決闘だからOKになるかも知れないが、今回は
「音石のほうからギーシュを殴り」、「降参してるのに必要以上に痛めつけた」わけだから…
でもまあどーにでも理由つけてお咎めなしにはできるか
443名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 00:22:58 ID:6Q9+rY1U
4部のやりたい放題の音石と短編の出所して落ち着いた音石の特徴を持ってる感じがいいな
444名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 01:29:49 ID:0GgAq+pj
ゼロ戦の代わりにタルブに置いてあるのがアンプ、エフェクター、スピーカー、発電機ですね、わかります。
445名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 12:41:40 ID:4RKBbTSK
反省する使い魔おもしれーww
応援してるよ!
446名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 02:46:17 ID:EkGys+kb
>>442
どこぞの兄貴はマジで殺してるし、他の面子も半分ぐらいが死ぬ一歩手前までやっちゃってんのに、今更そんな突っ込みは無粋だぜ
しかし反省面白いな 作者さんがジョジョ読み込んでるのが良く分かるネタところどころにあっていい感じだ
447名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 17:51:13 ID:XLjjpRtg

って思ったときには行動は終了している。
そこが会社だろうと、電車の中だろうとだ。
そうだよなあああああ。
448名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 23:11:07 ID:xgcnuaP8
15分から投下しますけど構いませんねッ! 答えは聞いてないッ!
449ティータイムは幽霊屋敷で:2010/06/11(金) 23:14:36 ID:xgcnuaP8

アルビオン王国王都ロンディニウム、その中央に位置するハヴィランド宮殿。
豪奢というよりも勇壮なその姿はアルビオンが軍事国家としての性質が強い事を如実に語る。
しかし不動に見えるのはその外郭のみ。内部では閣僚たちが駆けずり回って各国との調整を行っていた。
事情を知らない彼らにとってこの事件は正に青天の霹靂。
ましてや王女の安否も定かではないと知らされれば気が気でないだろう。
周囲が慌てふためく中、法衣を纏った司祭が一人、供も連れずに王の自室へと向かう。
平静を保ったその表情とは裏腹に早足で、着崩れそうになる服を苛立たしく直しながら歩む。
ノックの後、返事を待たずに司祭は王の部屋へと足を踏み入れた。
王の自室は非常に簡素で下級貴族か、あるいは裕福な平民程度にしか飾られていない。
それは贅沢な暮らしになれない王妃が望んだ事であり、また手入れも従者ではなく彼女自身の手で行う為だ。
さほど広くない部屋の中心で眉に皺を寄せた男性とそれに寄り添う女性が手紙に視線を落としていた。
手紙の封にはガリア王国の印章が施してあり、それが王家ないしはそれに近い所から送られた物と判別できた。
その内容を察したクロムウェルの顔色が見る間に蒼褪めていき、そして堪らずに声を上げた。

「脅迫に従ってはなりませぬぞ陛下! まだ我々は負けたわけではありません!
ウェールズとガリアの手の者に刺客を放ちました! すぐにティファニア姫殿下を救出し……」
「……もうよいのだ、クロムウェル司教。これ以上は誰の血も流す必要は無い」

語気を強めるクロムウェルにアルビオン王は重く息を吐き出しながら告げた。
度重なる心労からか、深い皺の刻まれた彼の表情は実年齢以上に老けて見えた。
そんな彼を慰めるようにそっと優しく包むように王妃は彼を抱きとめる。
覇気の欠片も感じさせぬ王の返答にクロムウェルの身体が震える。
恐怖、怒り、後悔、様々な感情が一瞬の内に込み上げて爆発しそうになるのを間際で堪える。
王から奪い取るようにして手紙を手にするとその内容を一読して直ちに破り捨てた。

「王の座を退けば家族共々サウスゴータ地方の領主に封じるなど……これは罠です!
権力を奪い、我々を無力化させて後で極秘裏に始末する、そういう算段に決まっております!
決して耳を貸してはなりません! まだ我々にはアルビオン国軍があります!」
「クロムウェル大司教。軍は国を護る為にあるのだ、個人を守る為ではない。
それにウェールズは約束を守るだろう。そこに兄上の名において誓うと書いてある。
あれは兄上を心から尊敬している。その名誉を汚すような真似は決してしないだろう」

在りし日の兄と過ごした日々を思い返す。共に笑い、涙を浮かべて競い合った楽しき日々。
ウェールズが生まれた日の事も、兄上が王の座に付いた日の事も、昨日の出来事のように思い出せる。
それを終わらせたのは他ならぬ自分だという事も、そして絶命した兄の姿も……。
兄上は理想的な王だった。何よりも国を重んじ、それ故にティファニアの存在を許す事ができなかった。
始祖に連なる血筋に生まれた異教徒の子。その存在はアルビオンだけではなく全ての国に悪影響を与える。
私は懇願した。たとえ私はどうなってもいい、せめて彼女たちは見逃して欲しい、と。
しかし、それを聞き遂げるわけにはいかなかったのだろう。
生きている限りティファニアの存在は誰かに利用される可能性がある。
私の気持ちを理解していながら、どうしても兄上は譲る事ができなかった。
450ティータイムは幽霊屋敷で:2010/06/11(金) 23:15:43 ID:xgcnuaP8
―――あの夜、不安から寝付けなかった私はティファニアの部屋を訪れた。
娘の無垢な寝顔を見れば、一時であろうと安らぎを得られると思ったからだ。
しかし寝入る彼女の部屋には既に先客がいた。素性を隠すように覆われた外套。
薄明かりに照らされる兄上の顔。そして、その手には杖が握られていた。

兄は王だった。だから最も大事な物の為に全てを捧げた。
私は父だった。だから最も大事な者の為に全てを捧げた。
全てが終わった時、そこにあったのは血溜りに沈む兄上の姿だった。

己が半身を失ったのだと理解した瞬間、命を断たんばかりに悔恨の情が湧き上がった。
そうして守りきった『日常』は彼にとって苦痛に満ちた日々であった。
前王の死の真相は伏せられたが彼の妻は気付いていた。
自分たちの所為で兄を手にかけざるを得なかったと知り彼女は強い自責の念に駆られた。
“ごめんなさい”と何度も彼女は夫に謝った。そうする事で逆に彼を苦しめてしまうと知りながら。
兄の肖像画を悲しげに見上げる彼の表情を見る度に、どうしても言わずにはいられなくなるのだ。
何も知らされずに宮殿に案内されたティファニアは驚きと困惑の入り混じった表情を浮かべていた。
やがて無邪気に新しい住処に心躍らせていった。ただ、それも長くは続かなかった。
ティファニアはエルフのように長命ではないがその耳には彼等の特徴が色濃く残っていた。
その所為で彼女と顔を合わせられるのはサウスゴータ伯のように信の置ける者のみ。
同じ年頃の友達もできず、宮殿内で籠の中の鳥のように暮らす日々。
そんな彼女がサウスゴータ伯の愛娘を連れて『お姉さんができた』と喜んだ時には、
まるで自分の事のように私達も喜んだ。もしかしたら、それ以上だったかもしれない。

玉座も、宮殿も、権力さえも望まない。
男が唯一望んだのは愛する者達との平穏な日々。
平民でさえも叶えられる、ほんの些細な夢だった。
それも泡沫の幻。咎人はそれに相応しい報いを受けねばならない。
私にウェールズを殺す事はできない……ましてや二度などと。

「これはもう決まった事だ。君も覚悟を決めたまえ」
「ご再考を……! まだ我々には強力な味方がおります!
それに間もなく刺客達も戻ってくるはずです! なにとぞお考え直しを!」
「今すぐ中止命令を出せ―――これは勅命だ」

床に額をつけながらクロムウェルは懇願する。
しかし、その彼を一瞥もせずに王は王妃と共に部屋を出て行った。
一人残されたクロムウェルは顔を伏せたまま両肩を震わせる。
クロムウェルという人間を一言で表現するならば“虎の威を借る狐”だろう。
人から崇められたい。恐れられたい。尊敬されたい。だからこそ神の代弁者としてその威光を借るのだ。
司教の地位についても彼は尚も貪欲に求める。さりとてそれを可能とする才覚を持たず歯噛みする日々を送り続けてきた。
しかし今は違う。クロムウェルは王の腹心として絶大なる権威を振りかざしている。

罪過に耐え切れなくなった王の懺悔を耳にした時、彼は自分の人生が転機を迎えたのだと感じた。
信仰などという形の無いものではなく、王という絶対権力を後ろ盾に出来ると彼は歓喜した。
秘密を守る為と称し王に無断でウェールズを始末し、またジェームズ一世に忠誠を誓う家臣を悉く処分した。
アルビオンを手中にしても彼の欲望は収まる事はなかった。今度は内から外へと彼は食指を伸ばす。
各国の侵攻に備えると王を唆して軍備を整えさせ、そして今度は品評会に王の懐刀を送り込んだ。
“世界を我が手に”――矮小な身で抱いた望外の野心は実現寸前の所まで迫っていた。
だが、それもたった一度の失敗でその全てが瓦解しようとしている。
451ティータイムは幽霊屋敷で:2010/06/11(金) 23:17:21 ID:xgcnuaP8
王から見限られればクロムウェルには何の力も無い。
それどころか王がガリアとの取引に応じれば襲撃計画を企てた自分も処罰される。
そうなれば失われるのは権力と命だけではない。
司教の身でありながら異教徒であるエルフと通じていた、
その不名誉はハルケギニアにおいても最大の物となるだろう。
誰からも崇拝されたいと望む男にとって侮蔑の視線は何よりも耐え難い。
処刑台ならばまだしも異端審問にかけられて拷問の末に殺されるに違いない。
かつて自分が罠にかけた連中の断末魔を思い出して彼は身を震わせる。

屈辱に顔を歪めたクロムウェルが額を床に打ち付ける。
彼にはこの事態を解決する最良にして唯一の選択肢があった。
“ティファニアを見捨てる” 彼女がアルビオン王家の血筋である証など一つもない。
襲撃事件を問い詰められたとしても隊員には証拠を残さぬように自害しろと伝えてある。
彼女を切り捨てれば諸外国がアルビオンに攻め入る大義名分はない。
ウェールズ王子を擁立したとしても既にジェームズ一世の臣下はほとんど残ってない。
だが、この進言が聞き届けられる事はない。何故なら王にとって何よりも大事なのは愛娘の事。
だからこそ彼女への危機を煽る事で彼は影ながら王を自由に操る事ができた。
しかし今度は逆にそれを利用され、クロムウェルの急所となってしまった。

鈍い音が何度も何度も室内に木霊する。
割れた額から零れる血を拭いもせずにさらに打ち付ける。
温和な表情で模られた仮面の下から覗かせるのは抑えきれぬ苛立ちと怒り。
(考えろ……どうすればいいか……考えるんだ……私が助かる道を)
幼少の折、劣等感に悩んでいたクロムウェルは相談した司祭からこう教えられた。
『自分を信じなさい。自分を信じて努力すればいずれ夢は叶うでしょう』
この言葉は正しく彼にとって大きな指針となった。
その日から彼は言われたとおり夢を実現するよう努力を始めた。
才のある者を陥れ、人望のある者を利用し、財のある者から巻き上げ、
何も無い自分が登りつめるべく可能な限りの手を尽くした。
権力闘争の中で葬り去った者の中には、彼に助言した司祭もあった。
彼は考える。これまで全ての障害を排除できたのは自分が強かったからだ。
持てる手段を全て尽くす、これのどこが卑怯だというのか。
勝つ為の努力を怠ったのは相手の方なのだ。努力したからこそ今の自分がある。
勝者こそが正義、敗者には何も言う資格などない。負ければ全てを失う。

最善の手段が目に見えているというのに、それを実行できない。
別の手段を講じようともティファニアを危険に晒す恐れがあれば王は賛同しないだろう。
クロムウェルの歯が音を立てて軋む。さんざ利用してきたものが今度は自分の邪魔になる。
それまでもが敵の意図だとするなら、いよいよ手段を選んでいられる相手ではない。
452ティータイムは幽霊屋敷で:2010/06/11(金) 23:18:34 ID:xgcnuaP8

「―――いっそ王などいなければ」
ふと口走った言葉にクロムウェルはハッと顔を上げた。
“何故そんな事を思い立ったのか”よりも、彼は“何故そんな簡単な事に気付かなかったのか”に驚いていた。
そうだ。娘を溺愛するばかり国の大事を見失った今の陛下にアルビオンを治める資格などない。
ましてや先王を謀殺して王位を簒奪したのは紛れもない事実なのだ。
しかし、その代わりを務めるべき王妃と王女は異教徒たるエルフ。
そしてガリアの傀儡と化したウェールズなど問題外。
アルビオン王家の傍流を自称する輩どもには荷が重過ぎる。
他の誰にも任せられないとすれば答えはただ一つ。

「この私こそがアルビオンの王になるべきだ」
口にした瞬間、パズルのピース同士がガッチリと嵌まるような錯覚を覚えた。
自分の目指していた夢と状況が一致し、あたかもそうなる運命であるかのように感じられた。
私が望み、そして望まれる存在へと昇華する。他の誰でもない、この私が!
成る! 成るのだ! 成らねばならないのだ! 成る時が来たのだ!
全身が震える。しかし打ち寄せたのは恐怖ではなく歓喜。
これこそが神の啓示だと彼はそう信じて疑わない。

「これは司教貌下。……そのお怪我は!?」
「何でもありませんよ。それよりも陛下はお休みになられました。
報告があるならば私が伺い、後でご報告しましょう」

決意を新たに部屋を出た直後、クロムウェルは配下の兵と出くわした。
心配する兵士を穏やかな笑顔で迎えてクロムウェルは額の血を拭った。
流血沙汰など滅多に起こらない宮殿の事だけに不審に感じながらも兵士は告げる。

「アルビオン内に潜入していたガリア王国の手の者と思しき一団を見失いました」
「はて、妙な話ですね。確か前日までホテルに逗留していたと聞きましたが?」
「……はい。しかし救出部隊が突入した際には室内はもぬけの殻でした。
どうやら昼間に起こした爆発騒ぎの混乱に乗じて姿を眩ませたのではないかと推察されます」
「それもまた奇妙な。爆発物を持ち込めば監視も気付くはずですが見落としていたのでしょうか?
それにアルビオンはこちらの庭も同然。そのような場所で他国の人間がそうそう隠れられるものではありません」
「恐らくはニューカッスルに立て篭もった前王派が手引きしているのではないでしょうか。
これを理由に早急に兵を向かわせて武力鎮圧すべきだと進言します」

兵士はクロムウェルのやり方をよく知っていた。
ウェールズが戦死したのと同時期、クロムウェルは何かと理由をつけてジェームズ一世の息がかかった者たちを処分した。
今回の件も冤罪かもしれない。だが、それは重要ではない。
重要なのは連中に容疑がかかった事……つまり処罰する理由ができた事だ。
しかしクロムウェルは意外にも首を横に振った。

「いえ、その必要はありません。それよりも会談の準備ができた旨を先方に伝えてください。
主要な都市にそれと分かるお触れ書きを出しましょう。場所は……そうですね、ニューカッスルならば安心して来てもらえるでしょう」
「しかし、それでは伏兵を忍ばせておく事も……」
「いいのです。まずは話し合いの場を設けなければ何もできませんからね。
私も後で向かいますので馬車の手配を。それとあの御方より賜った“大いなる槍”も」
「な……司教貌下! 恐れながらあのような物を一体何に使うおつもりで!」

クロムウェルの発した一言に兵士は激しく取り乱した。
それとは対称的に司教は表情を崩さず彼を落ち着けるように続ける。
453ティータイムは幽霊屋敷で:2010/06/11(金) 23:19:45 ID:xgcnuaP8

「もちろん使うつもりなど毛頭ありませんよ。
ですがアルビオンはガリアに降ったのではないとアピールする必要があるのです。
その為の、言うなれば虚仮脅しのような物。少しでも交渉が有利になればとの小細工ですよ。
無論、王の許しは得ております。でなければ、こんな無茶は言いませんとも」
「で……では一応規則ですので陛下にご確認を」
「必要ありません」

奥に進もうとする兵士をクロムウェルは制して言い放つ。
その明らかに不自然な言動に兵士も困惑を隠せなかった。
戸惑い気味に兵士はクロムウェルの顔を覗き込んだ。
彼の表情からその思惑を読み取るつもりだった。
だが、そこにあるのはいつもと変わらぬ温和な表情。
―――否。それは表情というよりも仮面そのもの。
何も感情を映さず、その下に不気味な物を隠しているような、
兵士におぞましい何かを連想させる笑顔だった。
クロムウェルの醸し出す雰囲気に兵士は完全に呑みこまれていた。
立ち尽くす兵士の肩をポンと叩きながらクロムウェルは告げる。

「何も恐れる事はありませんよ。
過程がどうあれ、最後に勝利するのは常に正しき者です。
努力を重ね、強く信じれば主は正しき者に味方してくれるのです」
454名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 23:21:45 ID:c1ovBwjs
 
455ティータイムは幽霊屋敷で:2010/06/11(金) 23:27:57 ID:xgcnuaP8
以上、投下終了。エンポリオどころか、ついにイザベラまで出てこなくなった……。
色々と出したいキャラはいるのに話が進まない。いっそ番外編って事で避難所でやってしまうか。

456名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 23:30:01 ID:GoTKuS08
投下乙です
さて、この展開もジョゼフなら予測してそうな気がするが
457名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 00:48:18 ID:o7W9TxEV
この王様、ばれる前にモード公の地位を捨ててアルビオンから逃げる選択肢があったのに
なにいってるんだ?
458名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 10:07:08 ID:B7G9QnQe
逃げ出した先に楽園なんかありゃしないってガッツさんが言ってたお
宮廷暮らしのボンボンがいきなり市井にまぎれて隠遁生活送ろうたって絶対目立つっしょ
自分がジェームズなら即刻刺客送り込むよ。なんせ相手は警察に駆け込む事もできない後ろ暗い身の上なんだから

それにしても乙っす
主役の出てこない舞台裏もまた作品世界を描く上では大事なもの。関係ないから行って下さい
原作でしょぼしょぼだったクロムウェルがいいキャラしてて超絶俺得
459名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 10:13:21 ID:WRRcA6km
生まれも育ちも貴族だからその地位を捨てるって発想が浮かばなかったんじゃないの
下級貴族ならまだしも、王弟っていう貴族の中でも最上級の存在だし
クロムウェルに乗せられてるあたり聡明な人でもなかった
460名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 11:00:55 ID:o3ff74bW
>>457
上っ面から出た邪悪は必ず滅びるのさ
461名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 20:32:20 ID:3iCDmdsR
まあ、聡明だったらエルフを嫁(妾)にするわけはないし
無能だったら娘ができる前にバレて手を打てて大事にならなかったところを
半端に有能で中途半端に子供できて育つまで隠せちゃったあたりが中途半端な人だったんだろうね
462名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 01:09:46 ID:O9iw64y3
原作批判はよそでやってくれよな
そんなことより反省の人&ティータイムの人乙!
音石の「だがお前、あの爆発で周りに迷惑をかけたことに対しての反省をした事あんのかよ?」
ってセリフは、今までにない発想だったわ
ズキュゥゥゥーーーーンときたぜ
463名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 01:11:38 ID:vtJ1vzPM
反省・必要なし。頂点はいつも一人
464名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 01:47:26 ID:qqppL5uf
その名は江戸川コナン!
465名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 01:53:04 ID:mW+Opti/
ちょっと待てwwwジョジョ関係ないじゃないかwwwwwwww
466名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 01:58:34 ID:zsNPl/sd
たった一つのシンプルなトリックだぜ
467名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 02:34:28 ID:TIiEVu64
おれね、そこに落ちている液体が青酸カリか分かるんだ

<中略>

『青酸カリの味』を舐めればもっと確実にわかるかな
468名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 02:38:44 ID:pTIa4k19
コナンも次はジョジョとコラボしてムーディーブルースで事件解決しようぜ
469名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 16:25:08 ID:kwdau0/2
承太郎なら普通に推理合戦で勝てそうだ
被害者はポルナレフ、現場はトイレ、容疑者はギーシュで
470名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 21:28:39 ID:ehgIa3C6
承「まずアヴドゥルは犯人じゃねえ…便所での災難は奴のキャラじゃないからな…」
コ(駄目だコイツはやくなんとかしないと… よし麻酔銃で)
ビシュ! パシッ
コ「え?」
承「こんなこと企んでるんだろーと思ったぜ…てめー俺のスタープラチナの目の良さをしらねーのか?」
471名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 21:34:05 ID:lTpOBJu4
いっそコナンクロスすれ立ててやってくれw
472名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 22:16:28 ID:GVyjw+A0
風呂場で幼児化した死体は、DNA鑑定の結果アヴドゥルに間違いないと診断された…

ポルポル「わかったぜ…犯人はてめーだぁーっ!!(ビシ!)」
アレッシー「ひょ、ひょっとして私にいったんでしょうか… そんな私は殺人だなんてェー」
ポルポル「てめー頭脳が間抜けか? てめー以外の誰が考えられるっつーんだよぉーッ!!」
コナン(違う…アレッシーさんは犯人じゃない! 俺の飲まされたのと同じ薬なら…!)
473名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 23:07:47 ID:vtJ1vzPM
わたぁぁぁぁ〜〜〜〜しだよ!
474名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 05:06:04 ID:J7bFOO9X
お前等ww
475名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 18:49:36 ID:sTQuM7RE
コナン「ペロリ、これは密室殺人!」
ギーシュ「ロック、アンロックを使えば鍵なんて必要ないし、レビテーションかフライで窓から出れるよ」
仗助「ぶち壊し抜け……問題なく直すッ!!」
476名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 18:55:39 ID:vy7HDFxJ
スタプラなら針金一本あれば簡単に鍵の開け閉めできるよなw
あとはホルマジオなら隙間から抜け出せる
477名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 19:22:33 ID:5B6qSptu
スタンドで殺せば凶器や証拠が残らない犯罪余裕

老化や若化で完全犯罪目白押しとか、メタリカで透明化とか、鏡の中の世界とか、
隣の部屋から釣り針で吊っちゃうとか、女医を体内から操って万年筆目にぶち込ますとか
478名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 19:41:10 ID:4Pd8waKg
判った
俺ちょっとこのアヌビス神の刀で人斬ってくる
479名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 15:29:29 ID:8VKoNSJT
>>478
それはアウトだw
480名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 16:40:46 ID:8ugM3jv2
じゃあ俺ピストルズ使って射殺してくる
481名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 16:47:51 ID:GiUclttS
俺トト神で殴り殺してくる!
482名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 16:57:04 ID:oWJ9rOP5
じゃあ俺は背中を見せてくる
483名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 20:24:13 ID:/Uysz39y
じゃあ俺は波紋でぶん殴ってくる
484名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/15(火) 23:57:10 ID:bss0N0ZM
自殺志願者が混じってる件
あとどいつもこいつもスタンド見えなくても有罪なのばっかじゃねえかバカヤロウww
485名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 12:24:17 ID:Is6WCcz6
お前ら愛してるww
486名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 21:30:02 ID:2w/h6omM
         _..  - ―‐ - ._
        , '"          \
      /"レ'/  /\_. へ、 ∧lヽ
     / /´ {/ノノ ,ィ爪Yハ`′  ',
   /  / // ノ´    ヽ ', l
   |  /   //   :    ', l |
   | l| l  /     .::     ,,l !l |       >478君480君481君482君483君
   |l |l |  ド==、、::  ,r='"-| ! |        今から事情徴収するから
  ノ|| |l l  |t‐t・ッテ,  ィrt・ッラ|l  |         ここ座んなよ
≦ノノll│ |  |. ´¨~〃 .,,_ ヾ~´ .|l lト、
_./ノ|l | |  l:.   ゙:. ′゙    ,'|l l|ヽヾニ=‐       アバ茶でも飲んで
‐''"ノ| | |  ト、     `''"__  /:l  l\ー-`ニ=-       話でもしようや・・・
:::´ノ,l li l  | ヽ、 '‐ニ-'' ,イ:::l  lヾミヽ::l
:::‐"/ / ハ l  | ヽ ヽ、._"_/ l:::! l`ヽ、`二>‐
:::::/ノ/ } i l― -、ヾ三/ __ll l::::::::::::::`>― ---- 、
::::"´:::::::;.' ノ、 ', ⊂) 〈フフ  _,l l::::::::::::r'´ /¨>'" )
:::::::::::::://::| ヽ ⊂⊃ノ7 '"´l _l. ― 、`='-、/( _,∠ヽ
:::::::::/´:::(cl=  ⊂二ノ   ,r'‐、  ‐= }   `ヽ |   }
:::::::::::::::::::::::`l   ⊆¨l  ハ __ノ} <l ,' ⊂) 〈フフ\-‐'´}
::::::⊂) 〈フフ:::l    ⊂ 」  { `¨´ l_> / ⊂⊃ノ7  ヽ/}
::::⊂⊃ノ7:(cl"´┌i 00 V ム Δ /   ⊂二ノ    l/}
::::⊂二ノ:::::::::l`⊂ ⊃   {` ー''"     ⊆¨l   l/
:::::::::::⊆¨l::::::::l (フl」<)=、‐-∨⌒ヽ     ⊂ 」   /
 ̄ ̄⊂ 」 ̄ ̄ ̄r'rブノ   `  ',   ┌i 00 // ̄ ̄
  ┌i 00'" ̄ ̄} }} ̄ ¨''‐、____ノ_  ⊂ ⊃ //
  ⊂ ⊃ |`` ========''"r==、ヽ-(フl.」<)‐'´
  (フl」<) ',          ノ   } }

487名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 21:45:51 ID:ZQ8663JT
ペロッ、これは糖!?
488名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/17(木) 03:09:19 ID:VDav9ZBi
でもアヌビスなら、密室状態の部屋の隣の部屋から物質透過で斬ればなんとか……
そういった状況に持ち込めるかどうかはまた別だが

489名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/17(木) 17:56:37 ID:TO4tYduR
下手人だとバレたアヌビスVSガンダールヴの使うデルフリンガーとか
すごく……見てみたいです
というかアヌビス神とデルフリンガーと地下水を
みんなまとめて暗い所に閉じ込めたい
490名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/17(木) 17:59:59 ID:95YfXNx0
あいつらなら案外楽しくやっていけそうだよね
491名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/18(金) 01:17:28 ID:baeBZVib
アヌビスと地下水を同じ人間が手に持ってしまったら・・・
492名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/18(金) 14:12:31 ID:nzS9aTKR
アヌビィス!チカスゥイ!(CV立木)
「俺達が!」
「二人で一人のガンダールヴだ!」
493名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/18(金) 21:07:45 ID:cpZzgLto
サイト「通りすがりのガンダールヴだ」

    デデデデルフリンガーッ!!
494名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/19(土) 04:51:40 ID:2qoUk/Be
久しぶりにきたけど銃杖止まってて悲しい
495名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/19(土) 09:07:18 ID:mw4nxVMu
ルイズ
「その命、始祖に返しなさい」
「使い魔になりなさい!つ・か・い・ま!」
「私を誰だと思っているの!私はヴァリエールよ!」
「黙れ!あんたに何がわかるの!私に逆らうな!私は常に正しい!私が間違うことはない!」
496名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/20(日) 16:52:49 ID:YTOrvHSQ
ジョゼフ「クロックアップ!」
497名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/20(日) 17:19:49 ID:EoXkbtcb
おのれディケイド…ジョジョの世界までもry
498名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/20(日) 20:41:49 ID:2H72Wx2r
シエスタ「おじいちゃんが言ってました! 私は人を支え、人と笑い、主を助けるものなんだって!」

サイト「支笑主助……シエスタか」
499名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/21(月) 07:10:07 ID:vI2bRngL
久々にうろジョジョ見たら、シャルロットとエルザが出ててワロタ
500名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/24(木) 01:05:11 ID:f38MXAMo
銃杖の人も久しいなぁ
501名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/24(木) 14:08:11 ID:LC+YimD0
銃杖面白いのぉ
502名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/25(金) 17:28:54 ID:AmQqwf7a
『使い魔は空高く』の代理投下をするぜッ!!
503使空高 01/11 代理:2010/06/25(金) 17:29:56 ID:AmQqwf7a
一章御仕舞〜休日は寝ても覚めても過ぎていく〜

「あー? ……なんだ、まだ寝てるのかよォ」
 ベッドの上で、気の抜けるほど穏やかな寝息をたてるルイズを認めて、リキエルは肩をすくめてひ
とりごちた。それからあくびを一つ落とす。
 いまリキエルは、洗い物を片付け、洗面用の水を汲んで寮に戻って来たところだったが、その時刻
はいつにもまして早かった。まだ夜も明けきっていない。空のどこにも白んでいるところはなく、外
にはかろうじて目が利く程度の、深い青に塗れた場景が広がるばかりである。おそらく、まだ生徒た
ちの誰も起きてはいないだろう。授業があれば別かもわからないが、今日は虚無の曜日である。
 そういうわけだから、日ごろ授業に身を入れているルイズが寝こけていたとしても、普段ならそう
悪しいことはない。ただ、リキエルに早起きするよう言ったのはルイズなのである。
 リキエルは部屋を横切って窓に近づき、おもむろに開け放った。薄皮を裂くような、早朝の冷えた
外気が襲い掛かってきたが、リキエルはわずかに顔をしかめるだけだった。ついさっきまで、この空
気の中で水仕事をやっていたのである。
 それから今度は、ルイズの布団を剥ぎにかかる。イェルサレム級のもふもふ感を誇る毛布と、押し
込めばどこまででも沈み込んで行ってしまいそうな、極上の羽毛布団である。使い魔のぺらぺら毛布
とは大きに違いが見えた。二枚重ねた中で丸くなって、さぞやさぞや、ぬくいことであろう。布団を
引っぺがすリキエルの動きに、手心はなかった。
 布団を剥ぎ取られたルイズは、程なくしてその寝顔を穏やかならぬものに変え、「うぶ、ぶぶぶ」と
か「ほわ、ほわわ、うゃわやややひゃひゃ」とかいった呻き声を発した。そして愛しの布たちを求め
て手探りをしたが、リキエルに拉致され、ベッドの端に寄せられた彼らには届かない。あわれをさそ
う絵である。
 はじめのうちは冷徹な顔で次第を眺めていたリキエルだったが、ルイズが立て続けにくしゃみをし
たところで、さすがに潮時をさとった。たかだかいたずらで風邪をひかせてしまったのでは、ちょっ
とつまらない。
 洗面用のバケツをベッドの脇に置き、中の水に指を浸す。慣れると慣れないのとでない、骨身に沁
みる冷たさが一瞬で肘まで上ってくる。軽く水滴を払って、リキエルはその指をルイズの首にあてた。
 短く悲鳴を上げながら、ルイズはがばりと身を起こした。
「ぬぁはびゃびゃ! じじじじ地獄の郵便配達員が私のへそのゴマを取りに来たのね!?」
「あ〜、いまの叫び声は聞かなかったことにするぜ、お前の名誉のためにな。と、そんなことよりも
だ、さっさと目を覚ませよォルイズ。寝ぼけている場合じゃあないぜ」
 言いつつ、リキエルはまたバケツを引き寄せ、中に手を入れた。
「おおッ、やっぱり冷てェ! ほら、こっち来い。顔洗えば目も覚める」
「へ? ……えぁ〜、ああ、うん」
 言われるまま、ルイズはリキエルに這い寄っていった。一応の返事こそしているが、舌が回ってお
らず寝ぼけ眼なところを見ると、まだ頭に火は入っていないようである。
「早くしてくれ。こうしていると、手の感覚がッ、どんどん持ってかれるんだぜ!」
「いちいち〜、うるさいわねー。主人を〜、起こすときはねー、こう、もっと粛々とね〜、やるもの
なの……うわ、冷たいこれすごく冷たい!」
「さあて、すっきりしたな? なら着替えもさっさと済ませるぜ」
 リキエルは箪笥のほうへ行き、下着にソックス、それとタオルを取り出して、ルイズに向かって投
げた。それから、制服の上下を引っ張り出しにかかる。この着替えの手伝いにも、もうだいぶ慣れが
来ている。寝起きのルイズはいやに幼いところがあり、それを相手にしているときの感覚は、たぶん
小さな子供の世話をするのに近い。
504使空高 02/11 代理:2010/06/25(金) 17:31:18 ID:AmQqwf7a
 一度などはルイズがなかなか目を覚まさなかったために、下着から何から全部着替えさせた上で、
脇に抱えて食堂まで持っていったこともある。使い魔とはいえ男相手に、嫁入り前の娘がそんなでは
いかんだろと、そのときリキエルはルイズを諭しにかかったのだが、ルイズはわずかに顔を赤らめた
だけで、「しょうがないでしょ、朝にはちょっぴり弱いの」と、いささか的外れに嘯くだけだった。ど
うやらルイズは、一個の人間としてのリキエルに対しても、あまり羞恥を感じないらしいのである。
 それはある種の深い信頼を得ているということでもあろうが、それだけで済む話ではない。世間の
目というやつがあるのだ。厳しいものから下世話なものまで、それはもう考える以上に多く光ってい
るのだ。ルイズの嫁入り先を減らす片棒にはちょっとでも触れるわけにはいかないと、最近リキエル
は変な使命感を覚えている。
 リキエルが振り向くと、ルイズはようやくショーツをはき終えたところだった。もう眠気が戻って
きているのか、頭の揺らめく様子がちょっとばかし危うい。
「起きろってよォ〜。でなけりゃ、オレがソックスを履かせることになるぞ」
「はいはい。……あれ? 何よ、まだ薄暗いじゃない」
 のろのろとソックスを伸ばしながら、ルイズはふにゃりとした顔で言った。
「それに、そうだわ。今日は虚無の曜日じゃなかったかしら。こんなに早くから起きて、あんたどう
したの?」
「早くに起きろと言ったのはオレじゃあないぜ。どうやらまだ――ちゃんと腕を出せ。シャツの袖が
通らねーだろーがァ――まだ寝ぼけているな? 買い物に行くんだろうが、今日こそはなぁ」
 ルイズは少し考える様子だったが、じきにがくがくと頷いた。
 一昨日の夕方のことである。リキエルが朝に洗濯した物を回収して部屋に戻ると、ルイズが机に向
かって、財布とぶちまけられたその中身を睨みつけていた。そして不意にリキエルに向き合ったと思
うと、買い物に行くと言い出したのである。細々と揃えたいものがあるらしく、そのついでとして、
今度こそリキエルの剣も買おうということだった。
 そしてこれは重要なこと――とルイズは言った――だが、またキュルケに見つかったりするのは避
けなければならなかった。そのために、ルイズは過ぎるほどの早起きをすると言い、リキエルにもそ
う告げたのである。加えて、これは厳命だとも。しかし当のルイズこそが、眠気の前に手も足も出な
かったようである。
「まったくよ〜。こっちは言われたように、早くから起きていたのによォオオ」
 リキエルが愚痴ったが、ルイズは一顧の素振りもない。どころか、堂々と大あくびをかました。
「ふぁ。思った通りにちゃんと起きれるの? あんた便利な身体してるのね」
「最近まで知らなかったぜ、オレもな。お前のおかげで新たな発見だ」
「感謝しなさいよ」
「感謝感激だ。きっと全米が泣くなァ。……靴だぜ、足を出しなよ」


 リキエルが老人のように腰を折っているのを、隣で歩くルイズは時折とがめる目で見ていたが、や
がて耐え切れなくなったように口を開いた。
「何をそう急に年寄ってるのよ? もっと背筋伸ばして、しゃんとなさいよ」
「なら少しだけでいいんだ。腰が痛くてたまらねえんだよォ、休ませてくれ」
 リキエルは歯を剥いて、横目だけでルイズに答えた。
「またなの? ちょっと馬の動きに合わせればいいだけじゃないの」
「無茶を言うんじゃあねー」
「何が無茶よ。コツさえつかめば簡単なことよ」
「それだぜ、無茶だと言ってるのはよォ。まだ三回目だぞ。オレが馬に乗ったのは、生涯の中でたっ
たの三度だ。それは腰を痛めるってものだぜ。ということでだ、休ませろ」
505使空高 03/11 代理:2010/06/25(金) 17:33:01 ID:AmQqwf7a
 極めつけるようにリキエルは要求したが、ルイズの答えは素っ気ない。
「だめ、時間が勿体ないもの。今日はいろいろ見て回りたいの」
「やはり……NOかよ……。別にいいんだがなぁ、痛みも引いてきてるしよぉ」
 言ったとおり、リキエルの背筋は歩く毎に、そういう出来のからくり人形のように少しずつ伸びて
いく。その動きがおかしかったらしく、ルイズは顔の険を消してくすくすと笑った。
 そちらをまたじろりと一瞥してから、リキエルは改めてブルドンネの街を見渡した。前に来たとき
のほぼまま、街はひとの生む熱気と活気を吐き、また飲み込みながら、引きのない祭りのような賑わ
いを見せている。
「あんたの居た世界には、こういうところはなかったの?」
 視線をさまよわせていると、不意にルイズが聞いてきた。
「物珍しそうに見てるけど」
「ん〜、そうだな。こういうのじゃあないな。ひとは多かったが」
「ないっていえば、魔法もないのよね? 月もひとつだって」
「興味があるのか? 少し前までは眉唾で聞いていたのによぉ」
 ルイズは腕組んで眉根を寄せた。
「ええ、あるわ。たしかに疑ってはいたけど、初めに話を聞いたとき、ほんのちょっぴり面白そうっ
て気もしたしね。半信半疑って言ったのは、つまりそういうこと」
「そりゃあ違いの大きさってことで言えば、すげー違いだがなぁ」
 言いながら、リキエルは深くうなずき返す。ふたつの世界の常識を鑑みると、どちらもどちらで空
想の中の話だ。こちらに来てからそれなりに経ってはいるが、日々はまだまだ驚きに満ちている。
「あんたはフロ……なんだっけ、アフロ? ってところに住んでたのよね。どういうふうなことをし
てたの?」
「フロリダだな。特におもしろい話はできないぜ。オレも、あそこにはそう長いこと暮らしてたわけ
じゃあねぇしよォ〜。適当に仕事探して、バイクいじって、音楽聴いて、本当にそのくらいなんだ。
特別なことをする気も起きなかったしなぁ」
「そういえばあんた、あんまり大勢のひとがいるところには行けないんだったわね。最近は平気みた
いだけど」
「それもある。ただ一番は、目的意識ってやつを持たなかったんだな。満足してたわけじゃあないが、
一日が無事に過ごせればいいと思ってた。……そのくせ暴走族なんかはやってたが」
 ルイズがぎょっとしたように目を剥いた。ぽかりと口まで開けている。
 そしてその顔のまま、リキエルを上から下まで何度も眺め回す。言葉の響きとリキエルの気抜けた
物腰とを引き比べて、どうにも得心が行かない様子である。
「暴走族って、なに? なんだかよろしくないものみたいだけど」
「ああっと〜ォ、誤解だぜそいつは。お前にもわかるように説明するとだ、暴走族ってのは馬で全力
疾走して、ゴミ拾いをする集団なんだ、そのほとんどはな。オレのいたクラブも健全なとこだぜ。地
域の中だけでやるような、小さな集まりだった」
 大したスピードも出さないくせして、ばごばごと音だけは立派なもんだったと、リキエルは懐かし
むように思った。
 パニックの発作のために、ひとのいるところではろくすっぽ車の運転も出来ず、普段はバイクにさ
え乗りたくはなかったが、仲間内だけで軽く流す程度のそのツーリングだけは、諸々の鬱屈に対する
いくらかの慰めになっていた。人恋しかったというのもあるかも知れない。発作を見られるのが苦痛
で、あまり人間のいるところには足を向けたくはなかったが、そうかといって孤独大好き君だったわ
けではない。
 あまり要領を得られなかったのか、ルイズはしばらくの間、ミミズクのように首を左右にひねって
いたが、やがて飽きたように、これといった気もなしに頷いた。
506使空高 04/11 代理:2010/06/25(金) 17:35:37 ID:AmQqwf7a
「ふうん。……あ、そうだ! いま思い出したけど、別にあんたに聞きたいことがあったんだわ」
 顔をしかめつつ、リキエルはルイズの顔を覗き込むようにした。
「いきなりよォ〜、心臓に悪いからよォ〜、叫ばねーでくれよなぁ」
「フーケを捕まえたときのことだけど、リキエル、あれはなんだったの?」
 リキエルは口を開きかけたが、途中で考え直したようにやめた。視線もルイズから外して、明日の
方向に投げる。
 ルイズの言う『あれ』というのが何のことかは、リキエルにもわかっている。過日の討伐劇の中、
手も触れずフーケの身体に異様なことを起こした能力のことである。より正しくは、ロッズを操って
異常を起こさせた能力のことだ。たぶんあのとき、ルイズたちにロッズの姿は見えていなかったのだ
ろう。単に奇妙な光景として記憶に残ったはずである。
「なんとなく聞きそびれてたけど、ずっと気にはなってたのよ。あれは、あんたがやったことなのよ
ね? いったい何をしたの?」
「オレが直接どうしたってわけでもないんだがなぁ。何故あんなふうになったのかも知らねー。だが、
オレの能力のせいでああなったのは間違いないぜ」
「能力? あんた実はなんかすごい力とか持ってたの?」
「さあなァ。元から持っていたのか、それともいきなり授かったのか? たぶん、いわゆる超能力な
んだろうが、だからこそオレにもよくわからないな。ただあのとき以来、自由に使えるようになった
オレの能力なんだ。……こうやってなぁ」
 リキエルが不意に上を向く。
 釣られてルイズが中空に目を転じるのと、ほとんど同時だった。青空に白い曲線が走った。規則性
を感じさせない、でたらめな線である。
 それは一匹のロッズだった。ロッズはリキエルたちに近づくと、速さを落として二人の周囲を旋回
し始めた。ルイズは初め、この奇妙な生き物を警戒する様子で見ていたが、どうも無害らしいと判る
に連れ、鳶色の目に好奇を募らせていった。
 ひとしきり遊ばせて、リキエルはロッズを自由にしてやった。ロッズはリキエルの頭を一周ぐるり
としてから、潜るように人混みの中へと消えた。
「いまの、オレはロッズと呼んでいるが、あいつらを利用できるのがオレの能力だ」
「変な生き物ねぇ。何を食べているのかしら」
「どうやらロッズはその奇怪な飛行や習性によって、人や物になんらかの影響を及ぼしているらしい。
そしてルイズ、いま何を食っているのかと言ったな? ロッズ達が空中で何をしているのか、その鍵
はこいつらの食い物にこそにあるのじゃあないかと、オレは考えてる」
「名前は? その能力はなんて名前なの?」
 興奮した様子で、ルイズが急くように聞いた。
 リキエルはルイズを見返した。そして腕を組む。虚を突かれたというか、意外なことを聞かれたと
いう気がしている。言われてみれば、ここまで能力とばかり呼ばわっていたが、名前などは考えもし
ていない。別段、なくともそれはそれで構わないのかも知れないし、実際に困ることもないのだが、
少しばかり味気なくはあるなと、リキエルは思った。
 ぼけっとするリキエルを見て、ルイズは憤然とした。
「大事なことじゃないの。せっかくの能力を、あれとかそれとかって呼ぶの?」
「そうだよなァ。それじゃあ……『スカイ・ハイ』とでも呼ぶことにしようか」
「空高くって? へえ、なかなかいいんじゃない」
 リキエルとしては、何とはなしに頭に浮かんだフレーズをそのまま口に出しただけだったが、ルイ
ズはそれでも満足したように、ふんふんと頷いた。
507使空高 05/11 代理:2010/06/25(金) 17:38:22 ID:AmQqwf7a
 そうやってお喋りしつつ、人波に半ば飲まれながらぶらりぶらりと歩いているうちに、地面に跳ね
る日の光がまた強くなっていた。だいたいに空腹の募る頃合である。リキエルたちは朝食もとらずに
学院を発っていたから、それもひとしおであった。
 手ごろな料理屋に入って、今日の薦めを頼んだ。出てきたのは、塩を振った小鯛を蒸し焼きして、
ハーブで香り付けしたものである。いささかきつい香りではあったが、いざ食べてみると、それが軟
らかい魚の身と塩味によくよく絡んで、うまいのだった。少々値は張ったが、胃も心も満たされたあ
とでは、それもまったく気にならなかった。
 食事の後、ふたりは一度別れて動くことにした。せっかく街に来たのだし、各自で自由に見て回ろ
うとルイズが言い出したのである。
「この前は武器屋に行ったきりだしね。どうかしら」
「別に構いやしねえぜ。合流はどうする?」
 ルイズは額に指を当てて、ちょっと考えるそぶりをした。
「そうね。……ここから先にちょっと行くと花壇のある広場に出るんだけど、そこにしましょう。時
刻は二時間後、一時でいいかしら。鐘が鳴ったらすぐにね」
「二時間後に広場だな? よし」
「それじゃあ、はい。お金。スリなんかに取られないでね」

◆ ◆ ◆

 ひとりになってからも、リキエルはただぶらぶらと歩いている。目当てはなかった。そもそも、ど
こに何があるのかも知らない。来たのはこれで二度目だが、ルイズの言ったように、武器屋を見て帰
っただけの街だった。
 とはいえ、退屈かといえばそうでもない。この前とは違って、心には当て所なく歩きながらも、周
囲を見渡せる余裕というものがある。人ごみにはいまだに慣れが来ず、ともすればパニックに陥る自
分の姿が頭をよぎることもあるが、そのまま発作を起こすことはないから、以前と比べればマシもマ
シである。
 ――まだすこし、情緒不安定ではあるがなぁ。自分で言うのも奇妙だが。
 実際ブルドンネは、歩いているだけでなかなかに面白いところだった。
 大通りと言いながら、男が五人も並べば一杯になる程度の、いわゆる商店街である。色々なものが
雑然とただ詰め込まれているように見えながらも、そこには何がしか秩序が根付いていた。人を含め
た街全体が、ひとつのものとして動いている。そういう気配が、目で見、耳で聞くうちに伝わってく
るのだ。
 ときたま、そういった秩序に漏れる動きも見えた。そうした動きを意識して目で追ってみると、い
つも貴族らしい人間が居るのだった。やはり平民と貴族との間には、どうにも隔たるところがあるら
しいな、とリキエルは思った。が、しばらく観察していると、一見して場違いなように見える貴族た
ちも、結局は街に内包された存在としてあるのがわかってきた。
 懐の深い、とでも言うのだろうか。手狭なようでいて、実際に歩いてみるとその深さが見えてくる。
そんなところがこの通り、ひいては街の魅力となり、活気の源となっているのかもしれない。リキエ
ルはそんなふうに思った。
 迷わないようにとだけ考えて、リキエルは気の向くまま動く。それは街という生き物の中をめぐる、
血液の流れの一部のようでもある。通りの右をふらりふらりと歩いては、各種の飾りを扱っているら
しい店の軒下に入り、その巧みさに見入って凝然とし、挙句冷やかしと見破られて店主に追い出され
たりする。街の左をぶらぶらと行けば、途中で見せ売りに行き会って、その場にいたほかの人間と一
緒に、売り子の元気な口上に耳を傾けたりした。
508使空高 06/11 代理:2010/06/25(金) 17:39:59 ID:AmQqwf7a
 興味に飽かして回っていたが、やはり人ごみの中を泳ぐのは体力を使う。やがて疲れがきた。リキ
エルは場所の確認もかねて、一度ルイズとの合流場所へ向かうことにした。約束の時間はまだ先だが、
いまは一休みしたかった。広場なら、ベンチのひとつもあるだろう。
 商店がまばらになって来たなと思っていると、急に道幅が広くなり、間もなくそれらしい広場に出
た。住宅街にほど近いらしく、時間帯のこともあってか、ひとの流れも比較的緩やかなものだった。
円状の広場は、中央にこれも円形の花壇が設けられ、そのぐるりに鉄の柵と、案にたがわずベンチ
が置いてある。リキエルはベンチのひとつに腰掛けて、ほぐすように背を張った。
 ――さてと……。
 こいつをどうするかな。リキエルはポケットに手を突っ込んで、中の金貨を弄んだ。
ルイズからもらった小遣いだが、使うにあぐねている。何せ価値がわからない。渡された金貨は三
枚で、たしか新金貨と呼ばれているものだったが、それでどの程度のものが買えるのか、相場が判然
としないのだ。
 リキエルは手のひらに金貨を並べて、しばらくじっと見つめていたが、不意にそれを握りこむと、
立ち上がって歩き出した。まずは軽く、どこかで使ってみるかという気になっていた。
 それとするなら、どこか手軽にお茶でも飲めるところがいいとリキエルは思った。元の世界とこの
ハルケギニアと、物価はそう変わらないだろうから、そのくらいがいい目安になるはずである。こと
さらにぼられるような心配もない。
 それにこちらの世界の嗜好品や、あるのであればどんなジャンクフードがあるのか、元の世界のも
のとどれだけ違うのか、比べてみるのも悪くない。買い物のような散歩のような、そんな状況を存外
に楽しめている自分に、リキエルは気がついている。
 広場を北から出て、ブルドンネの大通りとは逆の、一本入った道を歩く。さっきまで感じていたよ
うな熱のある活気こそないものの、こちらはこちらで味のある賑わいを見せている。若い恋人連れや、
散歩中の隠居然とした紳士の姿があり、囁き交わしては笑いあうトリスタニア娘の集団もあり、リキ
エルと同じように、目的もなしに歩いているらしい者もちらほら見えた。
 穏やかな空気にあてられたように、あるいはその空気を楽しむように、必要以上に遅々として歩い
ていると、不意に耳を打つ、にぎやかな笑い声に行き会った。
 何かと思ってそちらに首を曲げてみると、少し離れたところに、リキエルの世界で言うオープンカ
フェに近いなりの店が見える。趣味のよさそうな店で、その証拠に、いい具合に客も入っている様子
だった。どうやらいまの笑い声は、ちょうどテラスでお茶でも飲んでいたらしい、妙齢のご婦人方か
ら上がったものである。
「…………」
 リキエルは、呆然とそちらに目を向けている。店の外装を眺めているのでも、また当然、ご婦人方
を眺めているのでもなかった。
 店のそばの塀にへばりついて、不審な動きをしている者がいた。どうも店の中の様子をうかがって
いるらしい。店からはそれと知れないだろうが、リキエルの位置からではそれが丸わかりだった。と
いうよりも、はたから見るとその格好は異様に目立つ。
 そしてその不審者は、どうもリキエルの知る人間なのだった。眉をひそめつつ首を捻りつつ、リキ
エルはそちらに近づいていった。
 不審者の背後から、おずおずと声をかけた。
「あのォ〜、何やってんスか?」
「ふむ? ……むッ、何奴じゃぁっ!」
 向き直ってきて、いきなり大喝した顔はオスマン氏である。よほど熱心になっていたのか、声をか
けるまで、リキエルがすぐそばまで来ていたことにも気づかなかったらしい。
「何奴と言われりゃあ、オレっスけど。老年性健忘症ですか? つまりはボケだがなぁ」
509使空高 07/11 代理:2010/06/25(金) 17:41:47 ID:AmQqwf7a
「いやいや、ちゃんと覚えとるよ、リキュール君。いまのはちと驚いただけでな、とっさに口をつい
てしまったのじゃ。それにしても、よくぞ私に気取られずここまで近づいた。私から教えられること
はもう何もないようじゃの」
「いいや、まだあるッスよ。何をしていりゃあそんな年のとり方が出来るのか、とかよ〜」
 オスマン氏は、のどの奥でくくっと笑った。
「冗談はさておいてじゃ。どうしたねリキエル君、こんなところで」
「オレは、ルイズに連れられて買い物してんスけどね。いや、それよりもだ。その質問はオレのほう
だぜ。こんなところで何してたんです? ……まさかだぜ。覗きとかじゃあないでしょうね」
 目を細めて、リキエルは一歩後ずさった。オスマン氏が年齢の甲斐もなく、助平な性分を持ち合わ
せていることを思い出していた。もしそういった部分をいま発揮して、店の中を覗いていたりしたの
なら、ちょっと頂けない話である。
 リキエルの目に猜疑が動くのを見て取ると、オスマン氏はあわてて、弁解するように言った。
「やや、待ちなさい。たしかに、この店で働いておる娘は皆魅力的でいい尻をしとるが――じゃから
そういう目で見るのは待ちなさいと――今日私はな、それが目当てでここに来たわけではないのじゃ」
「それならどういうわけで?」
 オスマン氏はうむと頷き、次いで長い髭に手をやり、考えるふうになった。そして、こんなことを
言った。
「リキエル君、この老いぼれとで悪いがの、ちょいとお茶をせんかね」
「なんか、本当だぜ、すげー嫌な誘われ方なんスけど。と、それはそれとしてだ、あの店で?」
 オスマン氏はまた、うむと頷いた。


 外から見て取ったままに、入ってみると雰囲気のいい店だった。落ち着いた、どこか野暮ったい感
じもする内装と、やわらかい色の灯りで、客の心に余裕を持たせるつくりになっている。これならひ
とりだけでも気安く入れそうだと、リキエルは思った。
 つくりばかりでもない。ふたりが店の奥まった席に座ると、すぐに水を持った娘が出てきたが、こ
れがオスマン氏を貴族と見ても、にこやかで温かな対応をするのだった。ついでに言えば、下がった
眉に優しさが感じられ、そこに愛嬌の見える娘だった。オスマン氏の言葉通り、ほかに数人いるお茶
汲み娘たちも、皆それぞれにいい味を出している。
 娘は二人分の紅茶の注文を聞くと、春の朝に出るもやを思わせるゆったりとした足取りで、厨房の
ほうへと戻っていった。
「な、別嬪さんばかりじゃろ?」
「あっあ〜、そうッスねぇ。たしかに粒揃いだと思うぜ〜〜。……けど学院長さん、そういうことじ
ゃあないんですよね? わざわざこんな、仕切まである店の奥の奥なんかに陣取ってよォ」
 鼻の下をのばしていたオスマン氏だが、リキエルにそうたずねられると、いくらか厳しい顔つきに
なる。してから、こう切り出した。
「おお、その話じゃ。さて、まずつかぬことを聞くと思うかもしれんが、君はあの『土くれ』のフー
ケが、その後どうなったか知っておるかね?」
 リキエルは黙り込んだ。フーケ討伐の、その後の顛末を思い起こしている。
 フーケが忽然とその姿を消したのは、『フリッグの舞踏会』のあった、つまりは捕らえたその日の夜
のことである。リキエルら討伐隊に捕らえられたフーケは、学院の詰め所に押し込められ、そして後
は夜明けを待って王宮の魔法衛士隊に引き渡されることになっていたのだが、いざ夜が明けてみると、
フーケは既に脱走していたのである。
 初めにそのことに気がついたのは、教員のミスタ・ギトーだった。たまたま早朝からあたりを歩い
ていた彼は、つめ所に差し掛かったとき、その牢にあたる部分の外壁に、ぽかっと人の口のように開
く穴を見つけたのである。人間一人がやっとくぐれるくらいの穴だったが、細身のフーケにはそれで
十分といえた。
510使空高 08/11 代理:2010/06/25(金) 17:43:09 ID:AmQqwf7a
 学院は騒然となった。一度はまた討伐隊を組もうという話も出かかったが、目撃者もないままフー
ケを探し出すことは、わら束に放り込んだ砂粒を見つけるのにも等しかった。そこから今日まで二週
間が経っているが、フーケの行方はようとして知れないままである。
 リキエルがそういった事情を知ったのは、フーケ捕縛の二日後のことだった。
「いやあ、大変じゃった。事後の収拾もせにゃならんし、責の所在もはっきりさせねばならんしの。
引渡しの衛士への説明もある。王宮からはまたあらためて叱責の書面がくる。一度などはな、『破壊の
杖』強奪からの一連、すべて学院の狂言だったのではとまで言われてしもうた。そこは調べもあって、
疑いはすぐに晴れたがの」
 言って深く息をつくオスマン氏を眺めながら、そういえば、あのときは何かとざわついていたなと、
リキエルはまた思い返した。あずかり知らぬところで、そう暢気でもないことがあったようである。
「一度は捕縛に成功したということで、これといって罰があったわけでもないがの。すこしばかり信
用は落ちたやもしれん。爵位や勲章の申請も、言い出せたものではなかった」
「ふうん、流れちまったんですか、その話。ちょっと惜しいことぜ。しかし、そのフーケの話がなん
なんです? オレの理解力のせいか知らないが、話が見えてこないんスけど」
 リキエルが言ったとき、ちょうどさっきの娘が、頼んだ紅茶を盆に載せてきた。ふたりはいったん
話を切って、娘が席を離れるのを待った。
「さて、たしかに愚痴ばかり聞かせていては何じゃな。論より証拠。見たほうが早い。リキエル君、
いまの娘さんが戻っていく先を追ってみなさい。そう、体は出来るだけ隠しての」
「追う? 隠れてって?」
「いまの時間帯なら、厨房に入っておるはずじゃて」
 言われるままリキエルは、衝立からなるだけ体を出さぬように気をつけて、茶汲み娘の後姿を目で
追った。娘はおもてと厨房とをつなぐ間口に立つと、奥から顔を出した人間に盆を手渡した。相手の
人間に何か言われ、それでくすくすと笑ったりしている。そんな様子を眺めていると、だんだんに英
国人的な羞恥心が沸いてきて、自分がずいぶんと浅ましいことをしているような、変な心地の悪さに
胸がムカムカした。
 だがそんなリキエルの葛藤は、すぐ驚きに取って代わった。茶汲み娘と話している人間こそが、あ
の『土くれ』のフーケだったのである。
 初めはそれとわからなかったが、凝然と見ているうちに気がついた。裸眼で髪の色や型も変えてい
るが、何度か間近で見たその顔と、たがうところはない。今日はよくよく意外な面と行き会うなと、
リキエルはその積りもなしに呻いた。
「あれは、ミス・ロングビル……ッ。いや、もといフーケじゃあねーのか」
「その通り。どうやら彼女は、ここで働いておるようなのじゃ」
 リキエルは体を戻して、オスマン氏に向き直った。
「わけがわからねえぜ。働いているだって?」
「先週のことじゃ。私がこのあたりをぶらついておるとな、ふと知ったような顔が、大きな買い物籠
を持ってこの店に入ったのじゃ。言わずもがな、それがフーケじゃな。気になった私は、この一週間
独自の調査を行っていたのじゃ」
 オスマン氏は調査と言ったが、要は暇に飽かせていたという話であった。それもいまの口ぶりから
すると、ほとんど通い詰めでこの店に来ている様子である。ある意味では根気の要る話だった。
 学院長って仕事は、五月病に罹患した大学生みたいなザマで務まるらしい、という思案は脇に置い
て、リキエルはふうんと頷いておいた。しかしそうやって頷きつつも、首は傾いでしまう。
「たしかここは王宮の膝元なんスよね。変装はしてるみたいだが、お尋ね者だってのによおォ、よく
見つからないもんだ」
「灯台の下はなんとやら、かの」
511使空高 09/11 代理:2010/06/25(金) 17:44:28 ID:AmQqwf7a
「さっさと国外逃亡でもすりゃあいいのにな」
「ふむ。定石ではあるがの、それはちと難しいじゃろうて」
 ちょっと言葉を切り、オスマン氏は紅茶を啜って舌を湿らせ、また続けた。
「隣国で大きな内戦が起きるやもとな、噂が広まっておる。王宮からの触れもあって、国境を通る道
はどこも警戒が強くなっておるじゃろう」
 なるほどとリキエルは思った。それでなくとも脱走して間もない今、当然フーケの国外逃走は睨ま
れているだろう。焦って動いては、かえって首が絞まってしまうというわけだった。
「内戦ね。けど、噂なんスよね? 神経質にすぎやしませんか、検問なんてのはよぉ」
「王宮の者たちは皆、心配性らしいのでな」
 揶揄する言い方だった。オスマン氏は、あまり宮廷を好いていないようである。
 オスマン氏はまた紅茶を口に含んだ。今度はリキエルもそれにならう。失敗したことにちょっとぬ
るくなってしまっていたが、それでも微かににおう香りは、今までにかいだことのないものだった。
「それに噂とは言ったがの、その隣国の情勢が近頃ちぃっとよろしくないのは事実じゃ。……いや、
はっきりと言ってしまおうかの。戦火は上がり、もう久しくなっておる。大きな内戦というのは、そ
の決着に上がる、派手な花火のことじゃ」
 もう一度カップに伸ばしかけていた手をとめて、リキエルは眉をひそめた。オスマン氏の口ぶりに、
ひどく断定めいたものを感じたのである。
 国境を挟んだすぐ隣の国で、戦争が起きる。内戦というのだから、トリステインとその国がどうの
こうのという話でないのはわかるが、それでも剣呑なことではある。こういったことでは、こちらの
世界と元いた世界とでそう大きな違いもないだろう。するとオスマン氏の言う決着とは、何らかの勢
力が完全に潰れるという意味に他ならない。
 そのときの火の粉は多かれ少なかれ、ここトリステインにも飛んでくるはずだった。それもオスマ
ン氏の言うことを信じるなら、そう遠くないうちにだ。それは、あまり愉快な想像とは言えなかった。
 顔をしかめるリキエルを見たオスマン氏は、唸るように小さく息を吐いてから、「いらぬ話をしてし
まったの」と言った。
「話が逸れてしもうたな。そう、フーケのことじゃ。リキエル君」
 リキエルは呼ばれるままに目を向けた。オスマン氏の、静かな瞳に行き会った。
「君にちょいとした頼みごとがある」
「なんです?」
「ここにフーケがおることは、内密のこととしてもらいたいのじゃ」
 はあ、とリキエルは曖昧に頷いた。
「そりゃあ構いませんが、またどうして?」
 どうしてというのは、秘密にしてくれという話に対してだけでもない。
 そもそもの事として、オスマン氏がここでこうしてお茶を喫して、何もしていないのが妙ではある
のだ。本当ならば、見張りなぞと暇なことをする前に、どこそこに盗賊がいると、王宮なり何なりに
届けるのが筋というものだろう。
「捕まえないんスか? もう一度よぉ〜」
「一度でも捕らえれば、学院の名誉は保たれる。それでまずは十分じゃ。あまり欲をかかぬほうが、
健康に暮らせるでな」
「届けるくらいは、むしろしなくちゃあならないんじゃ?」
「癪じゃな。手柄を掠められるようなものじゃ。正味なところ、面倒でもある。……逆にたずねるが
の、君は『土くれ』が捕らえれるのを良しと思うかね?」
 リキエルは腕を組み、やや考え考えになりつつ答えた。
「良し悪しは知らないが、しかし盗賊なんだからな、捕まって当然の女だとは思う。だがよぉぉぉ、
オレは何度か、いやさ何度も世話になってるんだぜ、学院ではな。本性が別だったにしてもだ、思う
ところはある。ちょっとくらいはな」
512使空高 10/11 代理:2010/06/25(金) 18:00:29 ID:AmQqwf7a
「なるほどの。実は私もなんじゃ」
 おどけるような、しかし冗談でもないふうでオスマン氏は言った。
 リキエルは鼻をうごめかせた。意外なことを聞いたと思った。ロングビルの正体があらわれたとき、
オスマン氏はそのことで特に感慨を抱いた様子でもなしに、いつも通りの飄々としたジジイだったは
ずである。いま言ったような態度は、たしか見られなかった。
 訝しむのを隠さないリキエルに、オスマン氏は照れるような笑いを見せた。
「年をとるとの、割合にいろいろなものが気にならなくなる。近しいことばかりで、満足してしまう
のじゃな。いっぱいいっぱいなのかも知れん。しかし不思議なものでな、そうなると身近なものには
思い入れが強まるのじゃ」
「つまり、フーケに情が移ったと、秘書やらせてるうちに」
「そこまでは言わんがの。君の言うように、彼女は後ろ指を差される者じゃ。捕らえられ、裁かれる
のが自然としたもので、私は彼女がそうなろうと一向に構わんと思うとる」
 じゃが、と言いかけてオスマン氏は口をつぐみ、先ほどフーケが顔を覗かせた間口のほうへと、少
しだけ首を回した。それから、もう冷めかけになっている紅茶を飲み干し、続けた。
「しかしまあ、だからといって躍起になって捕らえようと思うほど、私は彼女が嫌いではないな。秘
書としてよく働いておったし、何より美人じゃ。盗人にも三分の理という言葉もある。その理の良し
悪しをこうして見ておるのも悪くはない。どうせは暇つぶしの種じゃ」
 けっこう勝手なことばかり言ってやしないかと、リキエルは目の前の老体の顔をじろじろと見たが、
そのうちに、わからなくもないという気になった。
 話を聞く限り、オスマン氏は学院の名誉と個人の遺品を守るためにこそフーケを捕えたが、そこに
別段の悪感はないということだった。暇つぶしだと言い切るあたり、どうでもいいというのは本当の
ところなのだろう。
 そしてリキエル自身、義侠心からフーケを倒そうと思ったのでもなし、ルイズのために肌を脱いだ
までのことで、あとのことはどうでもよいことだった。フーケが脱走したと知ったときも、何かと縁
があったなと漠然と思うとともに、恩とも負い目ともつかないもののために、ちょっとばかり気分が
ささくれ立ったくらいである。
 してみると、オスマン氏と自分とはそう変わらないのか、とリキエルは思った。
 ――何か嫌だな、そいつは。
 ともあれ、フーケはこのままひとまず放置というのはわかった。ただ、気がかりなことはまだある。
「けどよォ〜、オレが言わなかったとしてもだ。学院の誰かが彼女を見て、それで気づかれてしまえ
ば一巻の終わりってやつなんじゃあないですか。オレだってひとりでここに入っていたら、誰かにゲ
ロしてたかもわからねぇ」
「生徒たちには、あまり大っぴらにミス・ロングビルが『土くれ』であったとは知らせておらん。そ
れと知れれば、私の立場のこともそうじゃが、いろいろと障りがあるでな。もっとも、すでにそのこ
とは噂として校内中に広まっておる。君の言う通りかも知れん。ましてや教師の誰かに見つかれば、
どうにもならんじゃろうて」
「それじゃあ、どうするんです?」
「どうもせんよ。そのときはそのとき、としたものじゃ。フーケも一応の変装はしておるしの。それ
で知らぬ存ぜぬ人違いと通すも、正体あらわれてお縄頂戴するも、彼女の運しだいじゃて。魔法衛士
は彼女の顔を知らんから、ま、それもひとつの幸運じゃな」
 いささか酷薄にオスマン氏は言った。あくまでかばい立てする義理はないということだろう。そし
て良し悪しを見ると言ったように、悪事を働く気配を見て取れば、そのときもすぐに届けを出す気で
いるのだ。リキエルも、それでいいと思った。
 リキエルが頷き返すのに満足したように、オスマン氏はまた笑った。この話は、どうやらこれまで
のようであった。
513使空高 11/11 代理:2010/06/25(金) 18:02:12 ID:AmQqwf7a
 本題が片付けられたあとも、オスマン氏とリキエルはしばらく話を続けた。使い魔としての生活や
学院の運営について愚痴をこぼしあい、ルイズの生活態度や生徒たちの馬鹿親のことで頭を抱え合い、
リキエルの世界の話で盛り上がった。リキエルの持つ使い魔の能力が、本当に伝説並みのものである
という話で、あらためてリキエルが驚いたりもした。
 とりとめもない雑談に、何度目かの区切りが生まれたときだった。オスマン氏が、おもむろに言っ
た。
「ところで、ミス・ヴァリエールはいいのかね? デートしておったのじゃろ」
「HA HA HA,ナイスジョーク。……いや、待ち合わせはしてるんだからなァ、一応はデートになる
のか。そういや、いまは何時だ? ええと、一時の鐘は鳴ってなかったッスよね?」
「ふむ、いま少しといったところじゃ。しかし動くことを考えればちょうど頃合といったところかの。
いやはや、この老いぼれのためにだいぶ時間をとらせてしまったの」
「なんかよォ〜、前にも聞いたことがある気がするぜ〜、そんなセリフを。実はそんなに申し訳なく
思っちゃいないでしょう?」
 リキエルがそう言って口の端を広げると、オスマン氏は好々爺よろしく莞爾と笑った。
「ふぉっほ。……さて、君はそろそろ行きなさい。私はもうしばらくここに残るとする。お代も持っ
ておくとしよう」
「いやあ、それこそ悪いことだぜ。ルイズから小遣いも頂いてるしな」
「紅茶の一杯や二杯、年長に奢らせるとしておくものじゃよ。接待でもあるまいし。それに君の手持
ちは新金貨じゃろう。こういったところで使うものではないよ」
 それじゃあとリキエルは言葉に甘えることにして、オスマン氏に軽く頭を下げた。オスマン氏は手
をひらひらとやって、気にするなという素振りをした。
「そいじゃ、また機会があれば話でも」
 席から立ち上がると、リキエルは小刻みに頭を下げ下げ、オスマン氏に暇を請うた。オスマン氏は、
一度だけ深く頷き返した。
 店を十歩ほど出たあたりで、リキエルは足をとめて振り返った。くるくると立ち働く娘たちの姿は
見えたが、店の奥にいるはずのオスマン氏や、ましてフーケの姿は当然見つからない。どうでもいい
だのなんだのといったところで、まるで気にならないといえば嘘だった。
 胸のうちでもう一度だけ「機会があれば」と呟いてから、リキエルはまた歩き出した。


 リキエルが広場に戻ってまず目にしたのは、ベンチに足組んで座るルイズの姿だった。学院の制服
を着ているからというのもあるが、やはりその可憐な容姿が目を引く。しかしその可憐さを裏切るよ
うに、ルイズの顔はいささか不機嫌の形に歪んでいた。
 間もなくルイズのほうもリキエルに気づいて、ベンチから立ち上がった。
 そうして合流したふたりは、そのまま示し合わせたように横並びになりながら、初めのように人い
きれの中に入り込んでいった。行き先は例の武器屋と決まっている。
「遅いじゃないの。五分は待ったわ」「鐘が鳴ってまだ間もないはずだぜ、オレの耳が腐って落ちてな
いんならな」「主人を待たせるなってことよ」「悪かったな。そこで『土くれ』のフーケを見かけたんでよぉ、様子を見てたんだ」「どうせ吐き出すなら、もっと面白い出まかせにしなさいよ」「今度から
そうさせてもらうぜぇ〜、ユーモアの先生よォォ〜」「あんまり調子に乗るとご飯抜くわよ。……あ、
そっちのが近道よ。さっき見つけたの」「よく見つけたもんだぜ、こんな細い道をよぉ。もしかして、
あれか? 迷子の副産物とかな」「…………」「ふはーッ、図星かよ〜」「……ご飯抜くわよ!」
 見目の良い貴族の令嬢と、それを笑う従者らしき平民という図は目立ち、すれ違う人間は誰も彼も
ルイズらを振り向いたが、当の本人たちはそれに気づかない。
 声高に、はた目も知らず、木の洞のような掛け合いをそこそこに楽しむうち、虚無の曜日は暮れて
いくようである。
514使空高 代理:2010/06/25(金) 18:06:24 ID:AmQqwf7a
投下終了です。

何より先に、何より後に、ごめんなさい。いろいろと。



代理投下終了、さて次からはアルビオン編ですか
ふと思ったが遍在相手でもロッズは有効なんだろうか?
515名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/25(金) 21:23:56 ID:31RNtaQ9
空高さん、代理さん乙です
リキエルが成長していくのが、いいですなあ
516名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/25(金) 22:03:04 ID:Nl1/d1SD
乙ッ! 乙ッ!

相変わらず丁寧な描写で、大変楽しませて頂きました
なんというか変な表現になるけど、リキエルがハルケで生きてるのが実感できる感じというか
517反省の人:2010/06/26(土) 02:22:17 ID:389HYbqq
よし音石!

リキエルの後に続くぞ!!
518反省する使い魔!:2010/06/26(土) 02:23:23 ID:389HYbqq
反省する使い魔!  第八話「情報交換×スタンド・レッスン」


音石はルイズ、ミス・ロングビルの案内の元
現在、トリスティン魔法学院、学院長室にいる。
部屋の中は隅に本棚、壁には一枚の鏡と絵を並べているといった
いたってシンプルなものだった。

「学院長、連れてまいりました」
「うむ、ご苦労じゃったのミス・ロングビル
…さて、はじめましてオトイシ君。わしがこのトリスティン魔法学院
学院長のオールド・オスマンじゃ」
「………………………」

音石は無言だった、オールド・オスマンが挨拶をしても
ただ黙っていたのだ。
当然、ルイズはそんな使い魔の反応を黙ってはいなかった。

「ちょっとオトイシッ!学院長オールド・オスマンが
直々に挨拶してるっていうのにだんまりだなんて
無礼にも程があるわよ!!」
「ふぉっふぉっふぉ、別にかまわんよ。ミス・ヴァリエール」
「ですが学院長!」
「彼の現状も察してあげなさい」
「…………わかりました……
あ、でも学院長……その…決闘の件なんですけど…」
「ふむ、その件なら先程、君らが来る前に
コルベール君と話し合ったんじゃが……」

ルイズは息を呑んだ。理由はどうであれ、自分の使い魔である平民が
貴族に危害を加えたのだ。どんな罰を受けてもおかしくはなかったし
そもそも魔法学院では決闘自体が禁止されている。
下手をすれば退学処分もありうるんじゃないかと不安になっているのだ。
しかし………。

「不問じゃ」
519反省する使い魔!:2010/06/26(土) 02:24:08 ID:389HYbqq
「え?」

ルイズは一瞬、オスマンがなんと言ったのか理解に遅れたが
飲み込むと同時に喜びと疑問が込み上がってきた。

「不問って……ほ、本当ですか、オールド・オスマンッ!?」
「ふむ、話は大体聞いておる。
今回の事の発端はギーシュ・ド・グラモンの二股から始まった事じゃ
ましてやその罪を無関係な給仕に擦り付けつけるなど笑止千万、
君の使い魔はあくまで人助けにをしたにすぎんよ」
「で、ですが…。仮にも相手は貴族、
もしもこの事がギーシュの実家に知れたら黙ってはいないはずです。
それに元々、決闘は禁じられていますし……」
「それはあくまで貴族同士の場合じゃよ、ミス・ヴァリエール
な〜に、安心せい。
二股を揉み消すために無関係な給仕に罪を着せ、
あまつさえ、それを助けた平民に決闘を挑み敗北した
などという情けない事実をグラモン家に知られたら一番困るのは
ギーシュ本人のはずじゃ、例えグラモン家が抗議してこようと
適当に追っ払ってやるわい、ふぉっふぉっふぉっふぉ」

オスマンが笑って答えるが
それでもルイズは胸を撫で下ろすものの
それでもまだ不安なところがあった。

「で、ですがオールド・オスマン…
理由はどうであれ、先に手をあげたのは私の使い魔です!」
「……ミス・ヴァリエール、君は自分から罰を受けたいのかね?」
「い、いえ!?そういうわけでは………」
「確かに先に手をあげたのは君の使い魔じゃ、
じゃがのミス・ヴァリエール、彼がミスタ・グラモンに
蹴りをかましたのはミスタ・グラモンが君を侮辱したからじゃ、
主人を侮辱され使い魔が怒った、別に珍しくもなかろう?
それに、女癖の悪いミスタ・グラモンにはちょうどいい薬じゃわい」

ルイズは驚いた、不問になったこともそうだが
一番驚いたのはオールド・オスマンが言った一言だった。

「え?……ギーシュが…私を侮辱したから怒った?
……オトイシ、それ…本当なの?」

意外そうに目を見開かせルイズが隣にいる音石を見上げた、
しかし音石はただ一言……、

「フッ、一体なんのことだ?」

と鼻で笑っただけだった。
520名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/26(土) 02:24:13 ID:SpiZPq3N
ならば支援するっ!
521反省する使い魔!:2010/06/26(土) 02:25:04 ID:389HYbqq



「さて………前置きはこれくらいにして
そろそろ本題に移ろうかの」

オールド・オスマンが改めて口を開く、
その言葉にルイズだけではなく、
学院長室にいる全員が音石を見た。
オスマンが言う『本題』………、
それはこの場にいる誰もがわかりきっていた事だった。

「オトイシくん、単刀直入に聞こう……
先程の決闘、ミスタ・グラモンのワルキューレを粉砕した
『アレ』は……なんじゃ?」
「……………………………………」
「……ふむ、では質問を変えようかの
君は………一体何者じゃ?」
「オトイシ、正直に話しなさいッ!ご主人様からも命令するわ!!」

音石はなにかを思いふけるように目を瞑った。
扉の前で待機しているミス・ロングビル、
オスマンの隣に立っているミスタ・コルベール、
椅子に腰をかけ机に手を置くオールド・オスマン、
そして隣で音石を睨むルイズ。
彼ら全員が音石を見る中、10秒ぐらいして音石は
なにかを決断したらしく、ゆっくりと目を開け口も開いた。

「話すのは……2人までだ…、
ルイズとあんたには話してもいい、だが…
コルベール先生とそこにいる……、ロングビル……だったか?
悪いがあんたらはダメだ。ご退場願うぜ」
「「「なっ!?」」」

音石の発言にオスマン以外の3人は唖然とした。
しかし、オスマンは至って落ち着きながら
音石に質問した。

「ほう…、それはどうしてかの?」
「悪いがそれも言えねェ、
そこにいる二人が出て行かない限りはな…」
「…ふむ、あいわかった。コルベール君、ミス・ロングビル、
そういうわけじゃ、席をはずしておくれ」
「学院長、よろしいのですか?」
「かまわんよ、コルベール君。ワシは彼を信用する」
「…………了解しました」

コルベールは学院長室を退出し、
それに続いてロングビルも部屋を後にした。
522反省する使い魔!:2010/06/26(土) 02:26:09 ID:389HYbqq


「これでよろしいかの?」
「十分だぜ、じいさん」
「ちょっとオトイシ!?偉大なるオールド・オスマンに
向かってそんな呼び方―――」
「よいよい、そう呼んでもらったほうが
親近感が持てるというものじゃ」
「そ、そんなモノでしょうか?」
「そんなものじゃよ、ミス・ヴァリエール
おっと、話が逸れてしまったの。ふぉっふぉっふぉ」

笑いながらオスマンはパイプを取り出し、火をつけた。
どうやらお互い固くならず気楽にいこうということを
示しているらしい。
音石もそういうことならと部屋の中央に置かれてある
来客用の椅子に腰を下ろした。
ルイズも躊躇ったものの周りの流れに任せたほうがいいと
判断したのか、音石の向かいの椅子に腰を下ろした。

「ふむ、それじゃあひとつずつ質問するとするかの、
まずは…そうじゃな、なぜあの2人を追い出したのじゃ?」
「この『チカラ』ははっきり言ってそう何人にも教えていい
シロモノじゃねェんでな…。大体あんな状況じゃあ
気が張りすぎて教える気にもなれねーよ」
「………ほう、気付いておったのか」
「え、え、なに?どういうこと?」

ルイズは音石とオスマンが何のことを言っているのか
理解できず、二人を交互に見渡した。

「わかんねーか、ルイズ?」
「わ、わからないから聞いてんでしょう!?
ご、ご主人様にもわかるように質問しなさいよ!!」
「たくっ、しょうがねーなぁ、いいかルイズ?
さっきのコルベールとロングビルの二人がいた位置を
よーく思い返してみろ」
「え?」

ルイズはなんの事を言っているのか理解不能だったが
頭の中で先程の2人の配置を思い返す。
523反省する使い魔!:2010/06/26(土) 02:26:49 ID:389HYbqq

まずロングビルは自分たちの後ろのドアで待機していた、
続いてコルベールは自分たちと今も向かい合っている学院長の隣……、

「……………あっ!」
「わかったか?よほどオレを警戒してんだろーよ
オレをついさっきまで囲んでたんだからなぁ」
「い、いくらなんでも、そうこじつけるなんて無礼じゃない!?
たまたまそこに立っているだけだったかも知れないじゃない!?」
「いや…、彼の言うとおりじゃよ。ミス・ヴァリエール」
「そ、そうなんですか!?オールド・オスマン!?」
「気を悪くせんでおくれ、彼が得体が知れないといのも
 当然あったんじゃが、ワシはあくまで念入りにという
 前提で警戒しておったんじゃ、君の使い魔に
 乱暴するなどという考えはこれっぽっちもありゃせんよ」
「そ、そうでしたか…」
「ふむ、しかし…ワシも気になるのぉ
オトイシ君、一体どのあたりから気付いておったんじゃ?」

音石がギターの弦をいじりながら答えた。

「なんとなく…ってのもあるんだが、
一番ピンッと来たのはロングビルだな」
「彼女が?…はて、特に怪しい素振りはなかったはずじゃが?」
「オレが一番気になったのはソコじゃねーよ
ドアの前で待機していたってところだ」

音石がそう言うとルイズの頭に?マークが浮かび上がった。

「は?どういうことよ」
「確証はないんだがよ〜〜、あのロングビルって女
じいさんの秘書かなんかだろ?」

続いてオスマンが眉をひそめた。

「ほう、なぜそう思う?もしかしたら教師という可能性も―――」
「ないな、少なからず今まで見た限りじゃあ
さっきのコルベール、授業で見たシュヴルーズ、
そして散歩の時にチラチラ見かけた奴ら……、
言っちゃ悪いがどいつもこいつもいい歳こいた中年ばかりだ。
それに比べたら、あのロングビルはどぅおー見たって若い、
それにさっき彼女はあんたに変わってオレとルイズを呼び出した。
それはつまり日頃付きっきりでじいさんの傍にいるってこと……だろ?
そんな奴がじいさんから離れた位置にいるってところが
引っ掛かったんだ。ま、さっき言ったとおり確証なんてなかったがな」

音石の話を聞いたオスマン、ルイズは
心のなかで感心した。
この男、見かけによらずかなり頭がキレると………、
524反省する使い魔!:2010/06/26(土) 02:27:35 ID:389HYbqq


「ふむ、なるほど納得した。
では次に、君は一体どこの出身なんじゃ?
君の格好、そしてその手に持つ楽器………
ワシはこの歳になるまでハルケギニア中の
ありとあらゆるものを見てきたんじゃが…………、
はっきり言ってそのような楽器は見たことがないし、
君はさっきの決闘の時にも何度かそれを弾いていたが
あんな音は聞いたことがない」

オスマンは咥えていたパイプを一旦口から離し、
再度パイプを口につけた。

「こう言っちゃあ何だが、その楽器は我々の文化とは
 えらくかけ離れておる………、もちろん君自身ものぉ」

オスマンの推理に今度は音石が心の中で感心した。
このじじい、なかなか侮れねーぜ………。
そして音石は決心した、
当初は『スタンド』の詳細を教えるだけと考えたが、
得体の知れない自分の要求にも応じてくれた心優しさ、
そして、少しの手掛かりから相手を探る抜け目のなさ、
このじいさんになら信頼し、話してもいいかもしれない。

…以前の音石なら決してこんな決心はしなかっただろう、
しかし、音石は三年間刑務所の中で
あらゆる犯罪者の目というモノを見てきた。

当然犯罪者の目にも個性がある。
信用できる部類と信用できない部類だ、
しかし犯罪者なだけにその目の違いは
普通の人並み以上にはっきりしている。

先程も言ったとおり、
音石はそんな目をしている人間たちを三年間も見てきたのだ。
オスマンの目は信用できる部類だと音石の心が
無意識に決断させたのだろう。


525反省する使い魔!:2010/06/26(土) 02:28:37 ID:389HYbqq
「ルイズにも言ったがよぉ、オレはこの世界の人間じゃねェ
ここハルケギニアとは異なる世界、
地球ってトコからおれはルイズに召喚されたんだ」

パイプを咥えていたオスマンが目を見開いた。

「………なんと、それは本当かの。ミス・ヴァリエール」
「えっ?あ、はい!確かに昨夜、そう言ってましたが…
まさか本当だなんて…………」
「おいおいなんだよルイズ、やっぱり信じてなかったのか?」
「あんな突拍子も無い話、信じろってのが無理な話よ!!」
「はっはっはっ、違いねーぜ」

音石が笑う一方でオスマンが溜息をついた、
やれやれ、ミスタ・ヴァリエールはとんでもないのを
呼び出したモンじゃとでも言いたそう顔をしている。
しかしある意味、異世界などという突拍子もない話を
落ち着いて飲み込んでいるあたりは流石というべきだろう。

「初めに言っておくがよぉ、オレの居た世界じゃあ
魔法なんてモノは実際に存在しねぇんだよ、
あるにはあるが御伽噺とかそういった空想の中だけの話だ」
「ほう、魔法が存在しない世界か………」

オスマンが興味深げに考え込み、髭をいじっている。
しかしそれでもルイズは腑に落ちないらしい、
納得いかないのか、イライラしている感じが
あからさまに顔に出ている。

「魔法が存在しないなんて、とても考えられないわ…
 不便な事この上ないじゃない」
「魔法が常識のこの世界の人間なら誰だってそう言うだろうよ…」
「どういう意味よ?」

ルイズが首をかしげ、
音石はため息をついて呆れた。

「ルイズぅ、昨日言っただろうがよぉ〜、
この世界は俺がいた世界とは文化が違いすぎるってなぁ、
確かにオレの世界には魔法は存在しねェ、
だが変わりに科学技術っつーもんが発達してんだよ」
「科学?」

ルイズがさらに首をかしげた。
オスマンもはじめて聞く単語に疑問を抱いている。

526反省する使い魔!:2010/06/26(土) 02:29:21 ID:389HYbqq
「科学…ふむ、一体どういうものなのじゃ?」
「あー…、科学っつーのはなー、えーっと……
あーーっ、だめだっ!!いざ説明するとなると
どう説明すればいいかよくわかんねェな」

音石は頭を掻いた、科学もないこの世界の人間に
どうわかりやすく説明すればいいのか迷っているのだ。
しかしオスマンはそんな音石の態度を察したのか
ふむ、まあその話はまた次に機会にするとしようかの
と答えてくれた。

「まあそんなわけで、俺のいた世界には確かに魔法は存在しねェ…
だが変わりにってったら言い得て妙だが魔法とは似ても似つかねェ
特殊な『チカラ』は確かに存在した」
「それが『アレ』か………」

「『スタンド』、精神力・生命エネルギーが具現化した像(ヴィジョン)」


沈黙が流れた。
ルイズもオスマンも何かを考えているのか
ルイズは音石を見ながら、オスマンはパイプを咥えながら
ただ黙り込んだ。

不意にオスマンのパイプを見ているうちに
音石はルイズに召喚される前にタバコを買ったのを思い出し、
上着のポケットにしまってあったタバコを取り出し
一緒に買ってあったライターで火をつけた。

ルイズからそれなんかのマジックアイテム?と聞かれたが
音石はライターっていう特殊な仕掛けで火が出る道具だ
と簡単に説明するとルイズは…そぅ、と小声で吐き捨てた。

「ふむ、亜人ではなく
精神が具現化した像(ヴィジョン)か………
長生きしてみるもんじゃ、まさかこの歳になって
異世界の住人の『チカラ』に出会えるとは…、
世の中捨てたモンじゃないのぉ」
「………説明を続けるぜ、スタンドには
人間と同じように個性みたいなもんが存在するんだ」
「個性?精神力が具現化した『チカラ』なんでしょう?
なのに感情や意思なんて存在するの?」
「そういうスタンドも存在するらしいぜ?
まあ、オレも調べただけで実際に見たわけじゃねーがな…
てゆーかオレが言いたい個性ってのはそんなんじゃねーよ。
スタンドは人によってそれぞれ異なるってことだ」
「つまり、人によってスタンドとやらの
姿かたちは様々っということかの?」
「へェ、さすがに察しがいいじゃねーか
まあ、口で説明するよりも見てもらったほうが早いな」

すると音石が立ち上がり、視線を机に向けた。
527反省する使い魔!:2010/06/26(土) 02:30:02 ID:389HYbqq

「『レッド・ホット・チリ・ペッパー』」

音石が口を開いた瞬間、机の上に
話題のスタンド、『レッド・ホット・チリ・ペッパー』が発現した。

「きゃあっ!!?」
「おおっ!!?」

ルイズもオスマンもさすがに
獰猛な顔と姿をした『レッド・ホット・チリ・ペッパー』
いきなり現れたことにより驚きの声を上げたが、
机の上に立っていたチリ・ペッパーが
よっこらせと言わんばかりに机の上に腰を下ろし
腕を組み、胡座をかいている姿を見て
危険性はないと判断した。

二人とも一応危険性はないのは最初からわかってはいたのだが
先程も言ったように、チリ・ペッパーの獰猛な顔や姿を
いきなり見せられたら警戒………というよりも
びびるのは当たり前なのかもしれない。

「こいつがおれのスタンド、
『レッド・ホット・チリ・ペッパー』だ」
「ふ、ふ〜む、間近で見ると迫力あるのぉ〜。
しかし、なるほどの…、間近で見て納得したわい
魔力も感じなければ実体感もあまり感じんのう」
「ねえオトイシ、あんたの居た世界じゃあ
誰もがこのスタンドってのを出せるの?」

『レッド・ホット・チリ・ペッパー』をまじまじ眺めていた
ルイズの質問に音石がおっ!と声を上げ、
パチンッと指を鳴らし、ルイズを指差した。

「なかなかいい質問じゃねーかルイズ
さっきも言ったが、スタンドってのは特殊な『チカラ』だ。
それを扱える奴のことをスタンド使いと呼ぶが、
誰もが扱えるわけでもないし、ましてや
世間に知れ渡ってるわけでもねーんだよ」

音石の答えにルイズは疑問に思った。

「知れ渡っていない?それは変じゃない?
だって、魔法が存在しない世界でこんなのが
現れたらあっという間に広まるはずじゃあ……」
「スタンドはスタンド使いにしか見えねーんだよ」
「ええっ!?」「ほう………」

ルイズの驚きの声とオスマンの渋い声が同時に上がった。

528名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/26(土) 02:33:32 ID:SpiZPq3N
もういっぱーつ!支援
529「反省する使い魔!」代理:2010/06/26(土) 02:57:37 ID:EOAdNpbb
「え…、でも私たちにははっきりと見えるわよ!?」
「ふむ、恐らく我々の世界では精神力を魔法で
扱っておるからじゃろう、そう考えれば説明がつく」
「あ……。な、なるほど…さすが学院長…」
「今日の授業で聞いたばっかだろ」
「う、うっさいわね!!
ちょ、ちょっとうっかりしていただけよ!!」
「さいですか………、おっと、話がずれちまったな。
スタンドってのは個人によってそのデザインが違うし
ちょっと特殊な能力があるんだ」
「ほほう、特殊な能力とな」

オスマンが興味深そうに呟くと、
『レッド・ホット・チリ・ペッパー』に目を移した。
もちろんルイズもである、するとルイズは
『レッド・ホット・チリ・ペッパー』を眺めていると
あることに気付いた。

「特殊な能力…、
この『レッド・ホット・チリ・ペッパー』……だっけ?
決闘で見たとき、今みたいに体が光ってると思ってたけど、
よく見ると何かを身に纏ってるように見える……
これ……、もしかして雷ッ!?」
「半分は正解だな。まあ、雷なのは雷なんだが………。
正確に言えば、こいつは電気と同化してるのさ」
「………ねえ音石、電気って何?」
「あー…、そういやここの文化ほとんど魔法頼りなんだよなぁ」

ルイズたちが電気を知らないのも無理はなかった。

例えば、ここに燭台があるとしよう。
地球の文化ならわざわざ燭台に歩み寄り、
蝋燭などに火を灯さなければならない。

しかし、この世界では魔法を唱えるなり、
魔法で作られた特殊な道具を使えば一瞬で
火を灯すことができてしまう。
つまり魔法の活用性の良さが仇になっているのだ。

そのせいもあってか、ここハルケギニアは
今の地球のようなあらゆる道具の技術の発達によって
生み出された科学技術がないのはもちろん、
人工で電力を生み出すことなど魔法以外ありえないのだ。

「電気ってのは…そうだな、人工で生み出した雷。
簡単に言えばこんな感じだな
もちろん、魔法はなしだぜ」
「魔法を使わず雷を生み出す!?
あんたの世界じゃあ、そんなこともできるの!?」
「まあ、待てよルイズ。俺の世界の話は
また今度じっくりしてやる。今はスタンドの
話に集中しよーや」
「え、…あ……、うん……」

ルイズは戸惑ったものの確かに音石の言うとおり、
いちいち音石の世界に質問をしていたら日が暮れてしまう。
ルイズはそう判断した。
530「反省する使い魔!」代理:2010/06/26(土) 02:58:23 ID:EOAdNpbb
「ふむ、つまり君のスタンド、
『レッド・ホット・チリ・ペッパー』は
その電気という雷と同化する能力というわけじゃな。
それについてはわかったんじゃが…、
しかし、一体スタンドとはどうやって身につくのじゃ?」
「オレが知る限りじゃあ、理由は2つある。
生まれたときから身につけているやつと……、
ある特殊な『弓と矢』で貫かれたやつ……、
オレは後者に値するがな」
「特殊な『弓と矢』?
それに貫かれたら誰でもスタンド使いになれるの?」
「いや、あくまで確率の問題だ
貫かれてそのままおっ死ぬ奴もいる」

音石はこの時、杜王町で『弓と矢』を使い
多くの犠牲者を出した虹村形兆と、
その形兆を殺し、『弓と矢』を使っていた
自分の過去のことを思い出していたが、
ルイズとオスマンに言ったところで意味がないと
判断し、あえて話さないことにした。


「まあ、大体こんな感じだな。
これで十分か、じいさん?」
「フォッフォッフォ、むしろ十分すぎるくらいじゃわい。
ふたりとも時間をとらせてすまんかったのう、
もう部屋に戻ってもかまわんよ」
「わかりました…オトイシ、いくわよ」
「はいよ…」

ルイズの後に続くように音石も立ち上がり、
『レッド・ホット・チリ・ペッパー』をおさめ、
扉に向かい学院長室を後にしようとしたが…

「オトイシ君、最後にひとつ聞きたいんじゃが…」
「ん?」

半開きの扉を掴み止めながら、音石は首を捻らせ
後ろを向いた。その時見せたオスマンの顔は
今まで以上に真剣さを物語っていた。
531「反省する使い魔!」代理:2010/06/26(土) 02:59:08 ID:EOAdNpbb
「君は……、なぜ異世界の住人でありながら
ミス・ヴァリエールの使い魔を務めてくれるのじゃ?
彼女になにか恩でもあるわけでもないじゃろうに……」

このオスマンの質問に、一瞬音石のそばにいる
ルイズも不満になった。たしかにいくら
召喚されたからといって、異世界の人間である
音石が自分の使い魔をする義理なんてどこにもないからだ。
しかし、音石からは意外にも素っ気無い言葉が返ってきた。

「別に理由なんて特に考えてねェよ、
まっ、強いて言うなら………、
おもしろそうだから………だな」

音石の答えにオスマンもルイズもきょとんとした
顔をしながら、目を見開いたが
すぐにオスマンが顔を戻し、笑顔で笑い始めた。

「ふぉっふぉっふぉっふぉ!
なんとも気さくな男じゃわい、
呼び止めてすまなんだな、もう行ってよいぞ」

そのままルイズが失礼しましたと声を上げ、
二人が階段を下りる音が遠ざかっていった。


二人が学院長室を後にすると
オスマンは自分の机の引き出しをひとつ引いた。

「伝説の使い魔『ガンダールヴ』か……、
まさか異世界の住人だったとはの……。
ん?まてよ…、そういえば……」

オスマンが何かを思い出したのか、
立ち上がり、学院長室を後にした。
しかし、引き出しを閉め忘れたままである。
そこには、先程コルベールが持ってきた本、
『始祖ブリミルと使い魔たち』とその上に
音石のルーンを書き記した紙が置かれていた。
532「反省する使い魔!」代理:2010/06/26(土) 03:00:33 ID:EOAdNpbb
というわけで投稿完了!

うわぁ、三週間くらいかかったなぁ…
いやねー、スタンド知らない人にスタンド説明する流れが
すっごい好きで、できる限りがんばってみたけどやっぱりむずかしいね、うん…
でもまあ、今日投稿できてよかったと思う。
だって今日があの有名なマイケル・ジャクソンが死んでちょうど一年だって
テレビで知って、「やっべ、なんか今日中に書き上げないと絶対後悔する」と
思って、寝る間を惜しんで頑張りました。
ついでに金曜ロードショーでジャッキー・チェン見ながら頑張った。
アクションシーンでついつい、書くのを手放して画面に向かってジャッキーと同じように
手とか足とかで攻撃してたwww。
いやホント自分、映画が大好きで土曜日の『エルム街の悪夢』も
来週からやるジブリ作品四週連発も楽しみで仕方がない。

やっぱこういうふうにキャラのセリフとか書いてるとついつい頭の中で
そのキャラの声が脳内再生されちゃうんですよねwww。
それで時々思うんですが、音石に声が付いたらどんなのが似合うかなぁって
ついつい思っちゃうんですよね、ジョジョに声優は邪道!って思ってる人ごめんなさい!

私なりに最近音石に似合うと思うのは
矢尾一樹さん(例:ワンピースコーラ人造人間、フランキー
         テイルズオブジアビスの†薔薇†のディスト
         ガンダムZZのジュドー・アーシタ
         鋼の錬金術師、ヨキ           )などがいいと思う

最後に関係ないけど、黄金伝説見てたとき気付いたんですけど
芸人の「宮川 大輔」さんって「宮本 輝之輔(エニグマの少年)」と
最初と最後の字が一緒なんだって気付いた!
533名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/26(土) 03:05:32 ID:SpiZPq3N
サルってたのか…反省の人、代理の人乙でした
音石なんか男前、惚れそうや
534名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/26(土) 03:06:21 ID:JqLzOW5y
乙と言いたいがあとがきが全体的にうざいから言えない
535名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/26(土) 12:58:57 ID:TLlHOyeQ
乙!乙!乙!乙!
536名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/26(土) 23:35:25 ID:QC3Oa4mT
ひゃっはー!脇役たちの行進だーーーッ!
537名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/27(日) 00:24:58 ID:p0AvyguM
きのと!!!
毎度音石の観察力の鋭さがジョジョっぽくて面白い!!
後、ルイズとの掛け合いもリアリティある!!


ついでに矢尾一樹さん同意ですwww確かにはまってるwwwwwww
538名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/27(日) 04:57:09 ID:hMukP5EV
こ、これは乙じゃなくて一級建築士の苗字なんだからね!///

確かにジュドーの声は合いそうだw
539名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/27(日) 09:50:21 ID:uz4rVydi
乙。

音石は前半のレッチリの姿のイメージが強くてどうしてもフリーザを連想するんだ
という訳で中尾隆聖氏が個人的お勧め
540名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/27(日) 11:27:29 ID:VDJCkdvD
俺は吉良と音石はなぜか速水さんで再生される
541名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/28(月) 02:16:50 ID:dZvbzBKS
反省の人乙!

音石好きだし、応援してるよ!
542名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/29(火) 04:32:23 ID:IsG4ZxBd
>>534
多分それは書き手の人の精神が高ぶっているからだと思うんだな
テンションが高いってことはやる気マンマンってことだ
歓迎すべきだと思う。…うざいかどうかは別にして
543名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/29(火) 20:57:28 ID:FPGG9W2I
暑っ苦しい感はあるけど、俺は嫌いじゃない。
過疎スレで気合入れて書いてくれるなんて、嬉しいじゃまいか。
544名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/30(水) 12:50:05 ID:FbW0/xte
どちらかというと>>534のが遥かにうざいんだが
545名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/30(水) 20:46:25 ID:AogMdasS
嫌なら読み飛ばせばよかろうなのだ
546名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/30(水) 22:07:30 ID:pnbW8td3
カプコンの3部格ゲーはキャスティングが素晴らしいよね
547名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/30(水) 23:48:06 ID:uUPwKGC7
とーかするぜ
548名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/01(木) 00:00:37 ID:2O6fnaqg
どうした
549名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/01(木) 00:30:20 ID:tNQkDcNp
こうした
550名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/01(木) 07:11:10 ID:40yuTXl+
結局朝まで待っちゃったよ!とーかはどうしたとーかは!
551名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/01(木) 08:08:56 ID:06iWTZQJ
あっちで麻雀打ってるよ
552名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/01(木) 08:23:27 ID:xIW+NT8r
恐らくとーかする為に勝負する必要があったんだろうな
向こうで魂がチップに変えられて転がってる
553名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/02(金) 04:14:05 ID:mRbhzNVl
「さいですか」とかJOJOキャラに言わせるのはやめてくれ。音石からオタ臭がした。
ラノベの読みすぎだ。
554名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/02(金) 06:21:42 ID:A8lNDcBO
・・・さいですかでオタ臭って気にしすぎじゃあないか?もう少し気楽に読もうぜ
555名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/02(金) 08:14:20 ID:ExZGSZ+K
普通に使うけどな「さいですか」は。
556名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/02(金) 08:50:19 ID:LICeMVET
使わないだろ
557名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/02(金) 08:51:35 ID:f/MaWHNP
過剰反応する発言者こそがラノベオタ
558名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/02(金) 10:14:09 ID:4gxYtxD6
あんま使わんけど
へーへー、さいですか
みたいな文脈だから別にそんなおかしいってことはないと思うな

オタ臭というなら >「フッ、一体なんのことだ?」
とかこっちが気になる気になる
559名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/02(金) 10:38:04 ID:h1l2e+2T
普通の日本語からオタ臭感じた時は、オタ媒体の物しかろくに見聞きして無い危険状態に陥ってるだけ
560名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/02(金) 10:52:42 ID:ur38c1Uq
「さいでっか」なら合わないな
あれ関西の方言だから
561反省の人:2010/07/02(金) 13:51:28 ID:bvJXpL6Y
>>553
ごめんなさい!
出来る限り、音石っぽく書いていきたかったんですが
読み返してみると確かに若干違和感ありました。
>>553様が書き込んで下さなければたぶん気付きませんでした。
ありがとうございます!
まとめサイトのほうに書き込んでくださる方へ、
もしよろしければ、この時のセリフを
「そーかよ」とか「そーですか」とか「左様ですか」「左様でございますか」
などに書き換えてくだされば幸いです。
どうかよろしくお願いします。

>>558
すみません、実はこのとき、うまい言葉が見つからなかったんです!
出来る限り音石を格好良く演出させてみたかったんですが、逆効果でしたか?
もしご不満かご意見がありましたら、遠慮なしに言ってください。
もしなにかこの時に使えるうまいセリフがおありでしたらアドバイスお願いします。

これを元に反省し、がんばって生きたいと思います。
ご感想、ご意見ありがとうございました!
562反省の人:2010/07/02(金) 15:53:53 ID:bvJXpL6Y
すみません…

まとめサイトに書き込むときに
音石のセリフを書き換えといてくださいと
お願いしましたが……

もう書き込まれていたことに気付かなかった!
またしてもこんなグダグダのだめっぷり……

できれば修正したかったんですが
書き込まれている以上、おそらくもう無理だろうし
これから音石の台詞回しに注意していきたいと思います。

未熟者で申し訳ありませんでした!
563名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/02(金) 15:56:22 ID:2y+KkeMK
>>562
wikiにまとめられたあとでも修正できますよ。
564名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/02(金) 16:09:22 ID:2y+KkeMK
ついでなんでやっておきました。
565名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/02(金) 16:17:35 ID:aL5XWsWb
>>563
修正乙
566反省の人:2010/07/02(金) 16:23:53 ID:bvJXpL6Y
>>564
修正ありがとうございます!
567名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/02(金) 23:38:09 ID:5RCxkloS
そこで上から目線で腐らない精神
敬意を表するっ!
568名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/03(土) 03:51:18 ID:m7AApp6j
マジ敬意を表する

スゲー応援してるぜぇ〜
569名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/03(土) 04:03:58 ID:/lxPMv5/
なんか全体的な流れにワラタ
独特すぎるスレ雰囲気と流れはまだ残ってたかw
570名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/03(土) 15:34:18 ID:bXhVOtsp
まるで過疎の村で子供を猫可愛がりするお爺ちゃん達みたいだ・・・。
571名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/03(土) 15:46:27 ID:sew6dVlF
後書きウザイとか台詞がどうとか、瑣末なことでいちゃもん付けるより過疎の村のお爺ちゃん達の方がいいわ
姉妹スレみたいにあーでもないこーでもないと作者に枷つけてどうすんだよ
572名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/03(土) 16:46:01 ID:itqDuGGw
そういった(危ういけど)自由さが良作を生み出してるのかもシレン
573名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/03(土) 18:20:12 ID:wPtAFfSt
姉妹スレって?
574名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/03(土) 18:25:39 ID:OhL6qiYY
ここの姉妹スレは「あの作品のキャラがルイズに召喚されました」
575名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/03(土) 21:14:20 ID:BDrIyP0u
規模的にこっちが派生みたいだけど
実はこっちの方が古いんだな
日本と韓国の関係みたいニダ ホルホルホル
576名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/03(土) 21:25:56 ID:NOjr5YdA
本気でウザいから、自分のスレなり板なりに帰ってくんね?
577名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 10:28:18 ID:ShUU6GrF
と言うかゼロの使い魔ってまさにラノベ…オホンオホン
578名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 18:55:23 ID:vUFcNjFl
ベンキ
579名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 20:00:53 ID:xO30FXmb
キンチョール
580名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 20:29:50 ID:iORFfKYy
ルイズ
581名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 20:50:07 ID:trOahy8Y
ズッケェロ
582名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 20:54:17 ID:dnKvrbsK
ロメオ
583名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 21:17:54 ID:5gTMWzp/
オインゴ
584名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 21:59:49 ID:B4nyEFqU
ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム
585名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 22:51:47 ID:hMqbXk0S
俺がすごく面白いSSをとーかするぜ
586名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 23:04:07 ID:dnKvrbsK
とーか?
587名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 23:25:22 ID:5c5XXUXz
明日投下するって何時の明日よ?
投下すると思った時には既に行動は終わっているんだ!
588名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 23:56:12 ID:HRcxgUQt
ブチ殺したッ!!って若本ボイスで聞いたことがあるんだけど、なんだったか思い出せない
589名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/05(月) 21:30:41 ID:otPfH19J
JOJO関連ならOVAホルホル君、ドラマCDディオ様ぐらいだったはず
多分、後者かな? どっちも遠い記憶になってしまって自信無いが
あとファントム・ブラッドのPVのナレとかも若本さんだっけか

JOJO以外だと範囲広すぎてわからない
590名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/06(火) 03:51:43 ID:ncEHI7Ah
いつの日か烈風の騎士姫でもSSが投下されますように…いや、出来るわけが無いッ!
よし、これで後3回言えば「出来る」ぞ
591名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/06(火) 19:07:42 ID:WeiZBnoE
『出来』たッ!
592D0C:2010/07/06(火) 23:08:38 ID:uI4sXMqk
チラッ…

(誰もいない・・・投下するならイマノウチ)
593D0C:2010/07/06(火) 23:14:29 ID:uI4sXMqk


「強打して自爆する素人など稀、大概は安心という石を体に巻きつけ沈んでいく」アカギより


・・・・・・ガリア王国 首都ロンディニウム王城

「そうか・・・デルフリンガーは確保できたか・・・シェフィールド」
玉座に座った人物がシェフィールドという女性に首尾を確認する

「はい、ジョゼフ様、確かにここに・・・」
シェフィールドは恭しく鞘に収められたデルフリンガーを差し出す、

「して・・・依然ガンダールウ゛の行方は知れずか」
差し出されたデルフリンガーを手に取り、眺めながらシェフィールドに尋ねる

「はい、ですがデルフリンガーがこちらにあればいつか姿を現すかと・・・」
「いつか、か・・・私が生きている間であればよいが・・・」
ジョゼフが少し自虐的な言葉を吐くのを聞きシェフィールドが不安そうな顔をする。
「すでに神の心臓の所在はつかんでいる、いまだ存在が確認できていないのは左手だけだ

そして、“神の頭脳と右手”は既に我々の手の内にある」
ジョゼフは膝をついているシェフィールドの頭に手を置き、愛おしそうに額に刻まれているルーンを撫でる、
そして撫でているそのジョゼフの右手にも、同じようにルーンが刻まれていた。
594名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/06(火) 23:15:25 ID:pRND+ky/
支援しろ!
投下にはそれが必要だ
595D0C:2010/07/06(火) 23:21:34 ID:uI4sXMqk
ところ変わってトリスティン魔法学院
大統領とルイズは買い物に出かけたときの疲れが出たのか、早めに眠ってしまっていた。

大統領は静かな寝息をたてながら夢を見ていた・・・

「ここは・・・どこだ?貴方は・・・だれだ?」
大統領が夢の中で会った人物、夢と言うにはあまりにも鮮明な目の前に居る人物のその姿、

だが顔だけはぼやけていた、傷だらけの体、薄い布を纏い、茨の冠を頭に載せている・・・

その姿を見て大統領は絶句した・・・。
「貴方は・・・まさか・・・」
驚いている大統領を前にその人物は悲しそうに顔を歪ませる。

「なぜ・・・そのように悲しいお顔をなされるのです・・・?」
その言葉を聞き、大統領が恐れ、敬うその人物が口を開き言葉を発そうとしたその瞬間。

轟音が鳴り響き、大統領をまどろみから覚醒させた。

「なっ!何この音!?」
布団から飛び起きるルイズ、

大統領は最後にあの人物が何を言をうとしたのか気になったが非常事態のため直ぐに頭を切り替える、
弾ける様に窓へ飛び出し、外の様子を伺う。
「何か大きな物体が壁を叩いている様だな・・・」

そう大統領が告げるとルイズは服を取り出し、大統領が外をうかがっている隙に
下半身の部分を穿き終えると部屋を飛び出す、上半身の部分は移動しながら着るようだ。
「待て!ルイズどこへ行く!?」
ルイズの後を追いながら大統領はルイズが何をしようとしているのか薄々気づき始めた

(頼む・・・思慮深く行動してくれよ・・・)
596D0C:2010/07/06(火) 23:26:25 ID:uI4sXMqk
外へ飛び出したルイズが、ポツリと呟く・・・「ゴーレム」

(ゴーレム!?話には聞いたがあんな巨体も作れるのか!?数十メートルはあるぞ!)
大統領が驚いてる間にルイズは最短の詠唱を唱える、そして・・・爆発

(!なるほど、どんな詠唱を唱えても爆発するならいっそ短い詠唱で速射性をあげるか・・・
だが、倒すべきゴーレムが大きすぎる、その上にそれを上回る命中精度の低さ・・・
あれを相手にするならせめてルイズと同じ爆発を起こせるものが5人は必要だ)

考えながらもルイズへと駆け寄り、ルイズを止めようとする、
「ルイズ!危険だ、離れるぞ!」
「離して!あのゴーレムが叩いている場所には宝物庫があるの!きっと賊だわ!」
「なら尚更だ!先生たちに知らせた方がいい!」
「知らせに行っている間に逃げられたら如何するのよ!!ウル・カーノ!」

ルイズが詠唱を唱え失敗魔法で攻撃を加えようとするが命中せず、
当たった場所はゴーレムが叩いていた宝物庫の壁だった
ピシリッと壁に亀裂が入る、そこにゴーレムが攻撃を加えると、ものの見事に壁は壊され、
ゴーレムが宝物庫から何かを取り出し、帰っていく。
その間にもルイズは必死で失敗魔法を唱えるがゴーレムの体を削るだけだった、


やがてゴーレムが倒れ、動かなくなるとそこには一枚の紙切れがありこう書かれていた、
「破壊の杖、確かに頂きました 土くれのフーケ」と・・・

これを見た瞬間ルイズは崩れ落ちる、大統領も結果はどうであれ、
何もできなかった自分に内心腹が立っていた
少なくともルイズは爆発でゴーレムの体を削ることは出来ていた・・・。

(やれやれだぜ・・・ってやつだな、アクセル・ROとの戦い・・・
横合いから遺体を私にかっさられたジョニィ・ジョースターもこんな気分だったのか?)
597D0C:2010/07/06(火) 23:30:40 ID:uI4sXMqk
それから数時間後、夜が明け、学院は大騒ぎとなっていた。
賊が侵入しただけでなく、宝物を奪って逃げたのだから当然ではあるが、大統領はそれを冷めた眼で見ている。
(やれ当直がどうしただの王室がどうだのと…責任逃れだな、まあ何時の時代も、誰だって“ババ”は引きたくないものだ)
すると校長の秘書であるロングビルと呼ばれた女性が入ってきてフーケの居所を掴んだと述べる。

大統領はこの時点で“違和感”と、自分がまたフーケと戦うこととなる“直感”を感じていた。

校長であるオールド・オスマンがフーケ討伐隊を組もうとするが、教師はだれも入ろうとしない、

そもそも教職についている者のほぼ全員が実戦を知らないので出ようとしないのだ。
ようやく杖を上げた者が居たがその人物は・・・
(やはりルイズか…)
それに釣られてか、他二人も杖を上げるが、
(タバサとキュルケか、案外心配性だな)

教師達は止めようとするが、「だったらお前らが行けよ」という話になり結局この三人が行く事となる。
因みに馬車の御者としてロングビルが自分から行くという言葉を大統領は聞き逃さなかった、

「話は纏まったようなので私はロングビルと一緒に馬車の用意に行って来る」
そう言って出て行こうとする大統領の背中に向けてキュルケは質問する
「ねえダーリン、随分と余裕みたいだけど、決闘の時みたいに手品で倒せるの?」
そう聞かれた大統領は少しだけ振り返り

「ああ、あのゴーレムがすっぽりかぶれるほどの布があれば余裕だ」

キュルケはそれを冗談だと受け取ったが、大統領にしてみれば内心大真面目であった。
598D0C:2010/07/06(火) 23:36:54 ID:uI4sXMqk
以上で投下終了です、
最後らへんの学院での話は、少なめに略称してます、
私の実力ではこの位が限界ですorz

因みに関係ない話ですがKOFのイグニスというキャラクターが
最近大統領に見えて仕方ない。


599名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/06(火) 23:39:23 ID:pRND+ky/
一級建築士!
確かにカールさせたら大統領だw
600名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/07(水) 07:33:00 ID:bycZgx7Z
>>598
神になりたい→大会で優勝したチーム倒せば神じゃね?→負けたので地球滅ぼしてやんよ、と他に類を見ない程の小物なんだけどね>イグニス
ちなみに美形なのは韓国の出資社にラスボスは美形にしろと100回ぐらい言われたからだったり。
それはともかく乙!
601名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/07(水) 11:29:45 ID:Ee50i57k
SNKのラスボスは自爆する奴が多すぎて困るw
602名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/07(水) 16:27:39 ID:cV5ibnLd
ちなみに大統領が大暴れするゲームがあってだな
603名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/07(水) 18:08:09 ID:FO91e9Dj
最近の大統領は太ったり痩せたり分身したりするな
604名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/07(水) 21:01:32 ID:DLKL4wBN
ヴァレンタイン「ヒレツなまねをしおって!もうガマンならん!」
新刊でも更にドえらいことになってましたね、ジャイロ共々…
605名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 15:57:54 ID:K0Zns71G
>>604
策を巡らし、スタンド能力で相手を謀殺するのは卑劣でないと申したか
606名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 22:15:47 ID:EQz08swK
勝てばよかろうなのだぁぁぁ!
607名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/13(火) 06:32:44 ID:voq+Q4zh
>>606
DIO様、あんた最後は惨めな結末だったじゃないですかぁー!
608名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/13(火) 12:36:14 ID:x5dkt+Pw
DIO……様?
609名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/13(火) 14:40:14 ID:JSLzWoDQ
カ・・・カーズ様ー!!
610名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/14(水) 01:52:58 ID:eL2NirzG
なぜプラネット・ウェイブスはカーズ様を降らせなかったのか
611名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/14(水) 03:13:30 ID:NwLm0G9c
【今日のカーズ様】
プラネット・ウェイブスで降らされジョリーンに激突して考えるのを止めた
612名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/15(木) 02:27:14 ID:tBB1eKKv
ミキタカは本当に宇宙人→ミキタカの星にカーズ様が落ちて来る→興味を持ったミキタカが地球へ渡星

…という脳内妄想なら考えた事がある。4部キャラも沢山召喚されますように
613名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/15(木) 20:39:21 ID:wMPFHu2O
プラネットウェイブスって
スタンドそのものが殴りあいしても強いよね?
スタンド像もガタイいいし
性能もパワーとスピード両立できてたし気になって


だって…ねぇ
原作じゃほとんど本体(看守)しか活躍してなくないか?
やる事も単に隕石降らしてただけだったし
614名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/15(木) 21:36:31 ID:rvRmtGxK
サイトもついでにでてきて面白いのってある?
615名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/15(木) 22:40:57 ID:qYUBjlF0
あるから探せ
616名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/16(金) 23:44:19 ID:4VRC91sn
>>614
自分で書くという手もある
617名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/18(日) 19:47:54 ID:hDBNY9Na
>>610
存在しないものは降らせようがない
カーズさまは既にハルケギニアに召喚されていたんだよ!
というわけでカーズ様の続きを頼む
618名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/18(日) 22:26:03 ID:8yz8myTe
なぁ、一つ気になったんだけどさあ
『ゼロと奇妙な隠者』の最終話は、いつになったら投下されるんだ?
それとも59話が最終話なのか?
619名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/20(火) 15:05:20 ID:IvmqT86D
エターナルだろ
620名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/23(金) 09:09:41 ID:XdueUDAB
ジョセフェ…
621名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/26(月) 18:23:07 ID:mRn7xEC4
麻呂は静かが見たいなぁ」と思いました。
思っているだけで、要求はしている訳ではありません。
しかし、麻呂は「静かが見たいなぁ」と思っていたのでした。
622名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/27(火) 00:20:09 ID:E/r+Vf+5
前一回復活してくれたし、またその内来てくれると信じてる
というか、作者さん自身は謙遜してたけど、普通に静かは名作の一つだと思う
個人的にはトップレベルの面白さだ グランギニョル座の辺りとかマジ名場面
まあ要するに、ずっと…待ってます…静かの人…
623名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/27(火) 00:53:15 ID:doQNyoW7
吉良で思い出したけど、吉良が幽霊になる話って何で読める?
単行本でてる?
624名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/27(火) 01:04:08 ID:E/r+Vf+5
死刑執行中脱獄進行中でググってみ
625名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/27(火) 01:54:41 ID:doQNyoW7
ディ・モールト グラッツェ
626名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/27(火) 21:16:59 ID:bMncGy2k
投下なくてさびしいです…投下、待ってます
627名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/29(木) 09:55:17 ID:LNtf3bCi
時は止まる
628名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/29(木) 14:30:21 ID:oK0COheM
629名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/30(金) 10:37:40 ID:8cOjleS0
2
630名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/30(金) 15:09:05 ID:29MLAKEJ
今更の疑問なんだが、銀戦車は魔法の炎でも切り裂いて弾き返せるなら白炎涙目だな
631名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/30(金) 15:42:54 ID:ZDiQW3HH
多分いける。炎、水、風、土全部切れると思う。飛んでくる鉄の棒を自分に到着するまでに焼き尽くせる炎を切れるんだからいける

無理なのは竜巻とか大規模なもの
632名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/30(金) 16:21:20 ID:o9cfBjTR
だがそんな事が出来たからと言って有利にはならない
それがジョジョの戦い
633名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/31(土) 12:41:00 ID:ck6CsFwq
ジョジョの戦いは「どれだけ相手に気づかれず攻撃できるか」だからね
「え?」とか「あ?」とか言いつつ気が付いたら食らってたみたいなノリがないと勝てない…
時々凄いごり押しで勝つのもいるけどね!
634名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/01(日) 01:33:38 ID:PPcW6FSm
3部はごり押しめちゃ多いじゃん
635名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/01(日) 02:19:02 ID:B87USx8+
それは駆け引きを繰り返した結果の一撃がごり押しっぽいだけだ
636名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/01(日) 14:54:29 ID:vi+rY/m5
カトレアさんがDIOの呪縛で短命、ってSSないかね?
637名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/01(日) 22:22:31 ID:LTxJKID1
短命といえばジョースターの血統だろ
638名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/01(日) 22:41:40 ID:cQ3VM6zh
>>637
ジョセフ「……」
639名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/01(日) 22:51:20 ID:+eF/nc1Q
ジョセフは例外だからw
640名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/01(日) 22:59:02 ID:XoF+8FpM
ジョゼフ「……………む、まぁ我らの場合、余のせいなのだが」
641名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/01(日) 23:02:41 ID:K2qFNQV4
>>636
実はジョージ一世はDIOに刺された時にまだ死んでなくて、
館が焼ける最中に偶然ハルケギニアに召喚され九死に一生を得て
ヴァリエール家の婿となった……

強引だがこれしか思いつかんw
642名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/01(日) 23:04:37 ID:K2qFNQV4
というかジョージ一世は50超えてたな orz
ジョージ二世だとギリギリ、ルイズパパンの父親かお爺さんくらいの世代か
643名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/08(日) 23:11:04 ID:aPtZsnzB
おれが時を止めた…8月1日の時点でな…
644名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/11(水) 13:14:24 ID:vPqEjgaF
まだ止めていられるぞ!
645名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/11(水) 17:56:20 ID:PxikDogn
アヌビス神久々に読んだが序盤の流れが秀逸すぎてオナカイタイ
646名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/11(水) 19:50:47 ID:9tu/Og/G
アヌビス神はラ・ロシェールのホテルで腹筋が再起不能
647名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/11(水) 21:17:39 ID:PxikDogn
ああ、一部であれだけ盛り上がったから流石に失速するかと思ったらそれでも加速してあれだったからな
久々に続きを期待したい
648「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 01:55:22 ID:mbxczWeG
反省する使い魔!  第九話「噂の奏で△微熱の乙女」


学院長室が配置されてあるのは
トリスティン魔法学院にいくつもそびえ立つ塔の一角だ。
当然、移動には内部の螺旋階段を使用する。
そして今その螺旋階段では、ルイズの後に続くように
音石が階段を下りていた。
すると音石に背を向け階段を下りながら
ルイズが話しかけてきた。

「ねえオトイシ、あんたなんで
スタンドのことを黙ってたの?」
「そこんとこは悪かったと思ってるぜルイズ、
だが勘違いはしないでくれよ。別に隠してたわけじゃねェ、
ただ単純に『話す機会』がなかった…。それだけだぜ。
…クックック、そう考えるとあのギーシュって小僧との決闘が
ある意味、お前にオレのことを知ってもらう
『いい機会』だったって事かもしれねーな」

音石が得意げに鼻で笑った。
それにつられてルイズも「もう、ばかねぇ」と
薄ら笑いを浮かべた。

「まっ、こうして話してくれたわけだし
今回は特別に許してあげるわ。その代わり!」

突然ルイズが振り返りビシッと音石を指差した。

「あんたさっき学院長室で言ってたわよね?
『オレの世界についてはまた今度じっくり話してやる』って
その約束、しっかり守ってもらうわよ!」
649「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 01:57:08 ID:mbxczWeG
このルイズの命令には音石も意外そうな顔をした。

「なんだよルイズ、地球に興味があんのかよ?」
「そりゃね、私これでもハルケギニアについては
結構いろいろと知っているほうなのよ?
だからとても興味があるわ、魔法が存在しない世界だなんて、
とても想像できないもの」
「へぇ〜…、人は見かけによらねーってのはこの事だな」
「なんか言った?」
「幻聴だろ」

そんなやり取りをしているうちに
いつの間にか二人は階段を降りきっていた。
そして二人は自室……つまりルイズの部屋に戻るべく、
学院なだけあって無駄に広い中庭の道を通っていった。
そんなときだ、向こう側から数人の男女生徒が歩いてきた。
ルイズは彼らを見た瞬間、若干動きが躊躇った。
そんなルイズの反応に気付いた音石も向かってくる
生徒たちの顔を見る。……そして気付いた。
向かってくる生徒の何人かが今日の授業で見た顔……、
つまりルイズのクラスメイトだったのだ。

彼らは全員が楽しそうに会話を繰り広げ、
廊下の真ん中を堂々と歩いていた。
しかし、一人の生徒がルイズたちに気付いたのか、
顔をはっ!とさせ、一緒にいる仲間たちに
なにかをささやき始めた。

ルイズたちからは距離があったため
なにをささやいているのか聞こえなかったが、
次の瞬間、彼らが一斉にふたつに分かれ
ルイズたちが余裕で通れる道を作ったため
なにをささやいていたのか余裕で予想が付いた。

ルイズと音石が彼らを通り過ぎると
彼らは逃げるようにその場を走り去っていった。
ルイズは何か複雑な気分だったが
音石は心の中で嘲笑っていた。
650「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 01:59:47 ID:mbxczWeG
(フッフッフッフッ、あの決闘自体がルイズに
スタンドを教える『いい機会』だとすれば…、
あの決闘での勝利は貴族の肩書きなんかで図に乗っている
ガキ共に喝を入れる『ちょうどいい機会』ってわけか……)


その後、音石はルイズの部屋で
自分の故郷、地球についての説明をした。
地球の歴史、科学技術の発達、自分は地球の
日本という国の人間で国によって言語が違うなど。
ありとあらゆる説明をしていくにつれ
ルイズは未知な知識が次から次へと
頭の中に入っていく新鮮な感覚に興奮と驚きを
隠せないでいた。
音石自身も自分の世界では誰でも知っていて当然の常識を
こうもいちいち驚きまくるルイズの反応は
見ていておもしろかったため特に不満も
めんどくささも感じないまま説明を続けた。

当然、説明すればするほどルイズからの質問が増えていく。
車とはどういうものなのか?
鉄の塊がどうやって空を飛ぶのか?
音石はサムライなのか?
など、説明するにつれ質問にも答えなければならないため
当然、喉がスッカラカンに渇ききってしまい
ルイズの部屋に置いてあった水を必要以上に摂取した。
喉を渇かすこと自体は音石にとってよくあることだが、
その渇きを癒すために摂取した水の量が半端じゃなかったため、
音石はこの日、ひどくトイレに悩まされる羽目になった。
651「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 02:01:54 ID:mbxczWeG
そんなこんなで会話を繰り広げていると
いつの間にか、外が暗くなっていた。
どうやらお互い会話に夢中になっていたのか
時間が過ぎているのに気付かなかったらしい、
音石にとってはこの世界で二度目に迎える夜だったため
どこか奇妙な感覚を味わっていた。
先に外が暗くなっていることに気付いたのは音石だが
ベットに座っていたルイズも音石が気付いたすぐ後に
外が暗くなっているのに気付き、何かを思い出したのか
勢いよく立ち上がった。

「あ、いっけない!オトイシ、行くわよ!」
「行く?…ああ、夕食か?」
「そうよ、早くしないと神聖なる
食事前の祈りに遅れちゃうわ!」
「祈り?そんなんがあんのか?」
「はぁ?あんた何言って……
あ、そっか…。あんた朝食のとき
すぐに出てったから知らないのも当然ね……
いい?私たちの祈りってのは始祖………」
「なあルイズ、説明してくれんのは嬉しいんだが
急いでんならせめて行きながらにしねーか?」
「………それもそうね、ついてきなさい」

部屋に出た二人は食堂に向かうために
廊下の奥にある階段を目指した。
音石は食事前の祈りについての説明をしている
ルイズの後に続いて歩いていたが、
音石は食堂に行ったらまたシエスタの世話になるか
と考え事をしていた為、
最終的には祈りというのは
かつて存在した始祖とかいうお偉いさんに
感謝の言葉を送るというアバウトな感じにしか
覚えていなかった。
652「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 02:02:54 ID:mbxczWeG
ルイズの後に階段を下りようとしたその時、
音石は咄嗟に後ろを向いた。視線を感じたからだ。
刑務所に入っていると、その気がなくても
嫌でも看守の目を気にするときがある。
そのため音石は妙に視線や気配に人一倍に敏感になっているのだ。
かつて牢屋に入っていたアンジェロが
虹村形兆の気配にいち早く感付いたのがいい例である。
しかし音石の視線の先には女子寮の生徒たちの
部屋の扉が連なっているだけで、
特にドアの隙間や廊下の一番奥にある窓ガラスには
こちらを伺うような人影もなかった。

(………気のせいか?)
「ちょっとオトイシ!なにしてんのよ、早く来なさい!!」
「あ、ああ………今行く……」

音石は疑問を感じながらも
これ以上、ルイズを待たせたら大目玉を
くらいそうだったため、慌てて階段を下りていった。
足音が遠のいていくと、ルイズのひとつ奥の部屋……
キュルケの部屋の扉がキイィィィィ…っと音を鳴らした。
わずかに開いた扉の隙間からはキュルケの使い魔、
フレイムが顔を覗かせていた。



ルイズと音石が食堂に辿り着くと
相変わらず大勢の生徒がにぎやかに談笑の声を上げていた。
しかし、生徒が少しずつ音石の存在に気付くと
にぎやかな談笑も少しずつざわめきに変わっていった。
653「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 02:04:13 ID:mbxczWeG
「お、おい、あいつだぜ」
「ば、馬鹿!目を合わせるな!ギーシュの二の舞になるぞ!!」
「なんであんな野蛮人を先生たちは放っとくのよ……」
「ちょ、ちょっと…声が大きいって!聞こえたら殺されるわよ!」
「平民のくせに…………」
「あんな強力な亜人を操れる奴が平民なわけないでしょうッ!?
きっとエルフが魔法を使って化けてるのよ!」
「なんであんなのがルイズの使い魔なんだよ…………」

そんな陰口が食堂に充満していく有様だが、
席に向かうルイズの後に音石が続いて歩くと
机と机の間に立っていたり、椅子に座っていたり
している生徒たちは音石が近づいてくると
立っている生徒は怯えながら机に張り付くように道を譲り
座っている生徒は椅子に身を伏せていた。
なかには震えている生徒までいる始末だ。
学院長室から部屋に向かう途中の事といい、
この食堂での今といい、どうやら音石は
かなり生徒たちから恐れられているらしい。

どうやら『レッド・ホット・チリ・ペッパー』だけでなく
ギーシュを半殺しにしたことがよほど効果的だったらしい、
しかし元よりそのつもりでギーシュを必要以上に痛めつけたのだ。
音石としてはどこか奇妙な達成感を感じていた。

対してルイズは自分の使い魔が噂されるほど
優れている事に胸を張ればいいのか、
まるで自分が音石に相応しくないような
物言いをしている生徒に怒ればいいのか
どこか複雑でどこか悲しい気分のまま席に座ったが、
ポンッと肩を叩かれ、振り返り見上げてみると
音石が自分の心情を察してくれたのか

「言いたい奴には言わせておきゃあいい…
まっ、気に入らねー奴がいたら教えな
変わりにブッ飛ばしてやっからよぉ〜〜…」

と悪ガキのように笑いながら言った。
そんな音石の笑顔を見ていると
ルイズも陰口でブツブツ言っているだけしかできないような
奴らにいちいち反応している自分が馬鹿らしく感じた。
654「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 02:05:08 ID:mbxczWeG
(そうよ!今は無理でもそのうち何も言えないぐらいに
成長してやるんだから!実際わたしはこいつを召喚したじゃない!
へこたれても仕方がないわッ!!)

そしてルイズは一言笑顔で「ありがとう」と音石に返した。
その目にはその目には音石とはまた違う
輝きと強い勇気と希望に満ち溢れていた。

すると給仕たちが厨房から
美味そうな食事を机に運び始めた。
そこでルイズはふとあることに気付いた。
音石の食事のことである。
ルイズは今朝、ここの給仕にみずぼらしい料理を
自分の使い魔に出すようにと命令しそのままである。
しかし音石は異世界の住人でありながらも
なにかといろいろ自分のことを気に掛けてくれている。
性格は多少野蛮で大雑把なところはあるが
ソレさえ除けば基本いい奴である。
さすがに今朝のようなみずぼらしい食事を
出すのはルイズの人間としての良心が痛んだ。
だが料理はもうすぐそこまで運ばれている。
ルイズはどうしようかと焦ったが
いつの間にか音石がその場に居ないことにも気付いた。

「あ、あれ?あいつどこ行ったのよ?」

周りを見渡しもどこにも音石の姿はない。
するといつの間にか隣にモンモランシーが
座っているのにも気付き、彼女に聞いてみることにした。
655「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 02:06:05 ID:mbxczWeG
「ねえ、モンモランシー。私の使い魔どこ行ったか知らない?」
「ん?彼ならさっき厨房に向かっていくのを見たわよ?
たぶん、厨房の給仕たちに食事をもらうつもりじゃないかしら?」
「そうなんだ……、わかったわ、ありがとう」

自分の使い魔が給仕に食事を恵まれるというのも気に引けるが
それならそれでいいかと納得し、
ルイズは自分の前に食事が置かれるのを確認した。
相変わらず、おいしそうな香ばしい匂いが食欲をそそった。

「ねえ、ルイズ」

すると急に先ほどのモンモランシーが話しかけてきた。

「ん、なによ?」
「あの使い魔、なんて名前だったっけ?」
「え?オトイシ・アキラだけど………」
「そう……オトイシさんって言うんだ……」

モンモランシーのありえない呼び方に
ルイズは自分の耳を疑った。

「『さん』ッ!?え、ちょっとモンモランシー!?
あ、あんたまさかッ!?」
「えっ!?あ!?ち、ちがうわよルイズッ!!
誤解しないでッ!誰があんな平民なんかをっ!!
しかもアイツはギーシュをあんなひどい目にあわせたのよッ!?
なんで私がそんな奴のことなんか………」

そう言うとモンモランシーは腕を組みながら、
プイッと顔を逸らした。
しかし顔を逸らした先には厨房があり、
モンモランシーは厨房を眺めたまま、
完熟したトマトのように顔を赤くしながら
徐々に意識が上の空になっていった。
656「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 02:07:13 ID:mbxczWeG
「よお、シエスタ」
「あ、オトイシさん!!」

厨房に現れた音石の名をシエスタが叫ぶと
厨房中の料理人、メイドたちが仕事の手を止め、一斉に音石を見た。
そんな視線に音石は多少気まずいモノを感じたが
よくよく見ると、彼らの視線は先ほどの生徒たちのような
不安と疑惑が篭った目ではなく、逆に尊敬と憧れを
その目に篭らせていた。
すると厨房の奥から大柄で筋肉モリモリマッチョマンの
料理長マルトーが現れた。

「おお、来たか!『我らが狂奏』!!」
「はぁ?」

突然現れたマッチョマンにわけのわからない
呼び方をされ、音石の頭の上に?マークが浮かび上がった。

「あ、オトイシさん。紹介しますね!
この人は料理長のマルトーさんです
マルトーさん、この人がさっき言った
オトイシさんです!」
「わざわざ言わなくてもわかるさシエスタ!
顔に大きな傷痕があり、見たことのない楽器をぶら下げた男!
そしてこの只者ならぬオーラ!一目でわかったぜ!
こいつがシエスタを助け、貴族を倒した『我らが狂奏』だってな!!
がっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!!」

マルトーが豪快に笑いながら、
音石を半ば力ずくで椅子に座らせ、
昼間のシチューとは比べ物にならないくらいの
豪勢な食事が机に置かれた。

「おいおい、いいのかぁ?この料理、
下手したら食堂の貴族どもより豪華だぞ?」
「なぁ〜に、別に気にするこたぁねぇよ
お前さんはシエスタを助けてくれたんだ!
だからこの料理は俺たちからのささやかなお礼だ!」

そういうことなら……、と音石はフォークを手に取り、
美味そうな匂いを漂わせているチキンを取ろうとしたが
突然マルトーが料理の皿を横にずらし、
音石はむなしく机を刺してしまい、手が止まった。
657「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 02:08:10 ID:mbxczWeG
なんのつもりだと言いた気に音石はマルトーを
見上げたが、その時のマルトーの顔は先ほどの
豪快な笑顔から真剣そのものの顔で音石を睨んでいた。

「ただ………最後に確認しておきたいんだが……
まさかお前さん、実は貴族……なんてことはないよな?」
「…………………なにィ?」
「シエスタから聞いたんだが……
お前さん、なんでも手で直接触れることなく
ゴーレムを破壊したそーじゃねーか…
そこら辺をはっきりさせておきてーんだ」

マルトーの言葉に音石は理解した。
そういうことか…、この世界じゃあ平民は魔法をつかえねぇ……、
つまりそれは魔法を扱うための精神力が扱えねーって事だ。
てことは当然こいつら平民は貴族とは違って
スタンドを見ることが出来ねーってわけか……。
音石は手に持つフォークを机に置き、
マルトーの顔を睨み返した。

「くっく、おいオッサン。勘違いしてんじゃねーよ
確かにオレには普通の人間にはない
特殊な『チカラ』を持っちゃいるがよ〜〜〜〜……、
コレだけははっきり言ってやる………。
オレをあんな口だけ野郎どもと一緒にすんじゃねーよ」

シエスタや周りの料理人たちやメイドたちが冷や汗をかいた。
マルトーは学院中の平民の間ではメイジ嫌いで有名である。
沈黙という重い空気が流れた。
―――――――――しかし………、

「………グ……、グゥアッハッハッハッハッハッハッ!!
コイツは驚いた!俺に睨まれてそんな口を利いた奴は
お前が初めてだよ!!いやはや、まったく恐れ入ったぞ!!」
「ギャッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!
 オッサン!あんたも人が悪いぜェ!!
 せっかくの飯だってのにこんな邪険なムードにされちゃあ
 うまい飯もまずくなるってもんだぜ!?」
「ガッハッハッ!!違いない!!」

「ギャッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!」
「ガッハッハッハッハッハッハッハッハッッハッ!!」
658「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 02:09:10 ID:mbxczWeG
そんな二人の豪快なやり取りにシエスタたちは
安堵と喜びに満ち溢れていた。
どうやらシエスタたちは下手したら
殴り合いになるんじゃないかと心配していたようだ。

音石はマルトーと気が合ったようで
あっという間に打ち解けることが出来た。
音石が食事をしているとあらゆる質問が
料理人やメイドたちからぶつけられてきた。
主に年齢や出身、決闘についてである。
出身は適当に誤魔化したが
決闘に対しての質問は特殊な『チカラ』を
持っているとだけ教え、『スタンド』のことは
黙っていることにした。
しかし、どういうわけか。
マルトー含む、ほとんどの者は音石が持っている
ギターがマジックアイテムと勘違いしている者もいる。
特殊な『チカラ』=マジックアイテム
彼らはそう解釈したのだ。
だが音石からしても、マジックアイテムというのが
どういうものかは知らないが、そう解釈してもらえるなら
そっちのほうが都合がいいと判断し、そういう事にした。

そんな音石に付けられた称号が『我らが狂奏』である。
どうやら決闘の最中にギターを弾いていた音石の姿が
その称号を生んだらしい……、なんともえげつない呼び名である。


「また来いよ『我らが狂奏』!!
俺たちゃあいつでもお前を歓迎するぞ!!」
「ああ、また世話になるぜオッサン。
じゃあなシエスタ」
「はい!是非またいらしてくださいね!!」

食事を終えた音石は厨房を後にし、ルイズの元に向かおうとしたが
戻ってみると、ルイズが座っていた席にはルイズは居なかった。

「ルイズなら先に帰ったわよ」
「ああン?」
659「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 02:10:10 ID:mbxczWeG
突然声をかけてきた相手はモンモランシーだった。

「頼まれたのよ、あいつが戻ってきたら
先に部屋に戻ってるって伝えてってね」
「そいつはご苦労さん…………じゃあな」
「え?あ!?ちょ、ちょっと待ちなさい!!」

正直この時、音石はこのまま無視して部屋に戻りたい気分だった。
呼び止められた理由がだいたい予想が付くからだ。
せっかく貴族がわざわざ伝えてあげたのよ!?
感謝の言葉を送るなりするのが礼儀でしょ!?
どうせこんな風なことを言われるに決まってる。
そう思った音石だが………興味があった。
昼間のギーシュの物言いから推測すると、
このモンモランシーはおそらくギーシュの恋仲かなんかだろう、
だからこそ興味があった。
そんな彼女が恋人であるギーシュを半殺しにした自分に
一体どんな口を利いてくるのか非常に興味があったのだ。
だから音石は部屋に戻ろうとした足を止め、
モンモランシーのほうへ振り向いた。
その時の彼女の顔は熱でもあるのか妙に赤かった。

「あ……あの!じゅ………授業の時………
そ、その………た、助けてくれて……あ、ありがとう」

音石は自分の耳にクソでも入ったんじゃないかと疑った。
まさか逆にお礼を言われるとは思っても見なかった。
この世界に来て音石は、貴族に対してはっきりいって
ロクな印象がない。
この世界の貴族はどいつもこいつもその肩書きを
馬鹿みたいに威張り散らすことしか知らないカス。
どちらかというと音石のなかにはこういう印象が
定着しきっていた。
だからもしも自分を見下すような物言いをしたら
適当に馬鹿にして嘲笑ってやろうと考えていたが、
逆にこう言うことを言われるとどう対処すれば
いいのか非常に困ってしまう。

「………ああ、まあ……あれだ………えっと……」

音石はぎこちない感じで、
どう言葉を返したらいいか考えていた。
元々音石は敵を作りやすい人柄のせいか
他人に感謝されること自体が極端に少ない。
ましてや女性に礼を言われたことなど
音石が記憶してる限りではほとんど経験がない。
まあ単に音石が覚えてないだけかもしれないが……。
音石は照れているのか頭をかきながら視線を逸らし、

「オレが勝手にやったことだし気にすんな」

と簡潔に言った。
モンモランシーは何かを言おうと
口を開こうとしたが、音石は逃げるように
早歩きで食堂を後にした。
660「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 02:11:06 ID:mbxczWeG






らしくねぇ………、
音石はルイズの部屋がある女子寮の
階段を昇りながらそう思った。
さっきの食堂でのモンモランシーの感謝の言葉には
音石は正直今思えば感心している。
しかしそれでもいきなりあんなこと言われたら
どう言葉を返せばいいのか迷うのを通り越して
気恥ずかしくなってしまう。

(まったく、らくしねぇな音石明
承太郎の野郎みてぇにクールにいかねぇもんか………)

いろいろ考えているうちに
かえってむなしくなってしまい
音石は深いため息をついた。
今から外に出てギターを激しく演奏して
気分でも晴らそうかとさえ思ってしまう。
そんなことを考えているうちにいつの間にか
ルイズの部屋がある階にたどり着き
今日はさっさと寝てスッキリしようと思い
ルイズの部屋に近づいていったが
廊下の奥の暗闇からひとつの炎が宙に浮いているのが
目に入り、音石は咄嗟に足を止めた。
警戒していたが徐々に暗闇からソレが姿を現し、
その炎の正体がキュルケの使い魔、
サラマンダーのフレイムの尻尾だと気付いた。

「はぁ〜〜、なんだ脅かすなよ
てっきり人魂かと思ったじゃねぇか、
あ〜〜〜、心臓にわりィ……」

音石は服の上から自分の左胸に手を押さえ
心臓の鼓動が早くなっているのを確かめると、
突然フレイムが音石のもうひとつの手の
服の袖を咥えてきた。
661「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 02:13:56 ID:KfK/pBS1
「ん?なんだよ、人懐っこいやつだな
遊んでほしいのか?」
「きゅるきゅる」
「うおッ!?お、おい。いきなり引っ張んなよ!
この上着、結構高いんだぞ!?」

突然、力強くフレイムに引っ張られた音石であったが
下手に引き剥がそうとすると、お気に入りの上
値段も張った大切な上着が破けてしまう恐れがあったため、
引き剥がそうにも引き剥がすことができなかった。
されるがままにフレイムに引っ張られていくと
どうやら自分の主人であるキュルケの部屋に連れてこようと
しているようだ。
部屋のドアは半開きなっており、フレイムがその間に体を入り込ませ、
音石もその後を無理やり入り込まされた。
部屋の中はなぜか真っ暗で、いつの間に服を咥えている
口を離していたフレイムの尻尾の炎があっても
1メートル先も見渡せない空間となっていた。
ついでにこちらの世界ハルケギニアでは
『メートル』は『メイル』で表されているらしい。

「扉を閉めて」

すると暗闇の部屋の奥から声がした、当然キュルケである。
先に述べたように、部屋の中は1メートル先も見渡せない状況だ。
当然、そんな暗闇の中ではキュルケの姿を目視することは不可能である。
しかしなんと音石はこの暗闇の中、はっきりとベビードールだけを着た
セクシーな格好をしたキュルケの姿を認識していた。

なぜそんな暗闇の中を音石が目視できたかというと
音石はこの時、『レッド・ホット・チリ・ペッパー』の
『眼』だけを発現し、それを自分の眼球の上に
コンタクトレンズのように重ね被せたのだ!
チリ・ペッパーは電気のスタンド!
その発光体質を利用した音石独自の暗視スコープなのである!!

(おいおい……、一体なんのつもりだこの女?)

音石はそんなキュルケのベビードール姿に若干戸惑いながらも、
同時に興味があったので言われた通りに扉を閉めることにした。
すると部屋に置いてあった数本のロウソクが一斉に炎を灯らせた。
キュルケがなにか魔法をつかったのだろう、
音石は彼女の手に杖があることを確認した。
662「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 02:14:51 ID:KfK/pBS1
「そんな所に突っ立っていないでこっちに来てくださらない?」

音石はゆっくりとベットに座り込んでるキュルケの傍に歩み寄った。

「オレとルイズが食堂に行くとき、妙な視線を感じたが……
あれはお前の使い魔だったのか?」
「あら、気付いていたの?
さすがね………。ええ、その通りよ」
「なんでおれとルイズを監視してやがったんだ?
なんでもお前の実家とルイズの実家は昔っからの
因縁らしーじゃねーか?まさかそれに関係してんのか?」
「誤解しないで、別にヴァリエールなんか監視しないわ
あの娘、なにかとそのことにこだわっているけど
私は別に興味ないもの、ご先祖様たちの問題なんて……
それよりも………!」
「うぉわッ!!?」

すると突然キュルケが音石の手を引っ張り
自分の体の上に音石を無理やり押し倒させる体勢を作り出した。
音石は嫌の予感がしながら自分の額から首筋に
冷や汗が流れるのを実感した。
音石は咄嗟に手を伸ばし、キュルケから離れようと
体を起こし立ち上がろうとしたが、
いつの間にか自分の首に手を回しているキュルケによって
それもできなくなっていた。

「私が興味あるのは…………
ミスタ・オトイシ、あなたなのよ」
「…………ああ、なるほど、そういうことか?」
「ええ、わたし、貴方に恋してるのよ」

二人の顔の間隔は鉛筆縦一本分くらいで
互いの吐いた息が肌で感じ取れるほどのものだった。
しかし、ここで焦ってはと相手の思うつぼだ。
音石はここぞという時こそクールに対処するのが
最善の策だと結論付けた。
だから音石は無理にキュルケから離れようとせず
あえてこの距離のまま彼女に話しかけた。
663「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 02:15:46 ID:KfK/pBS1
「なぁキュルケ……、君の気持ちはうれしぃんだがよ〜〜〜。
昨日今日知り合った相手にいきなり惚れるってのは
オレからしてみれば普通にどうかと思うぜ?」
「そんなことはないわ、現にあなたは学院中の人気者じゃない」
「嫌な意味でだろ?そんなんで君に惚れられる道理はないぜ?」
「フフッ、意外と謙虚なのね。聞いたわよ?
あなたがギーシュと決闘したのは一人の女の子を
助けるためだったって………」
「…………………………………………」
「あなたの決闘での戦い様、カッコよかったわ
まるで伝説のイヴァールディの勇者みたいだったわ!
あんなすごい亜人、見たことないわ!
青銅を一発で粉砕するほどのパワー!
戦いながら楽器を奏で続ける不敵な物腰!
あれを見た瞬間、わたしの心に火がついたのよ!
情熱!そう、『恋』と言う名の情熱よ!!
昨日知り合ったばっかりだからだなんて些細なことよ!」


『言ってもムダ!』
キュルケの話を聞いていると、
音石は嫌でも広瀬康一が山岸由花子に対して言った
あの言葉を思い出してしまった。
音石はあの時、康一と由花子の戦いの一部始終を監視していたが
由花子はなにかを好きになると周りが見えなくなる異常な女だ。
この女、キュルケもまさにそれだ。
由花子のような凶暴性がないとはいえ、一度何かに夢中に
なると周りが見えなくなっているんだ。
しかもこの女は貴族という身分のせいか
『自分が好きになった男は自分が手に入れて当たり前』
と思っている。
由花子とはまた違った異常さが彼女に潜んでいた。
少なくとも音石にはそう思えて仕方なかった。

(これ以上この部屋にいるのは絶対にやばい!
だが力尽くじゃだめだ!
この女が何をするかわかったもんじゃねぇ……
下手に断ったらこの状況の濡れ衣をオレに着せる可能性がある。
『いきなり部屋に上がりこんできて襲ってきた』ってな!
そんなことになったら今度こそ大問題だ。
ギーシュとの決闘のときとはわけ違う。
学院長のじぃさんでも庇いきれるかどうか……………
なんとかこの女が納得する方法でここを
抜け出さねぇとこれから先、ここでの生活がどうなるか
わかったもんじゃねぇぞ!!)
664「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 02:17:48 ID:KfK/pBS1
音石はどうするか考えていた。
しかし周りが見えない女をうまいこと説得する方法など
はっきり言って容易なことではない。

「フレイムで監視していたのはごめんなさい。
あなたが気になって仕方がなかったの」
「………キュルケ、ひとついいことを教えてやるぜ。
人間、『仕方がなかった』でいくらでも誤魔化せるんだぜ?」

これはつい昨日まで刑務所にいた音石だからこそ言えるセリフだろう。
『仕方がなかった』、どんな奴でも自分の間違いを否定するとき
必ずこの言葉を口にする。間違いの罪が深ければ深いほど
この言葉を口にする。刑務所にいた音石はそんな言葉を
口にする人間を人一倍見てきた。
だからこそ音石は、この『仕方がなかった』という魔性の言葉が
どれほど恐ろしいかよく知っていた。

「……そうね、貴方の言うとおりだわ。
本当にごめんなさい。でもわかって頂戴……、
どうしようもないのよ。恋は突然だし、
『微熱』の二つ名を持つ私のプライドが許せなかったのよ!」
(………これで『微熱』ねぇ〜〜)

音石は完璧に呆れかえっていた。
こんな自分を好きになってくれるのは正直うれしい。
しかし先程も音石が言ったように、昨日今日会ったばかりの相手と
恋人関係になるような観点など音石は持ち合わせていない。


……………………………その時だ。
突然、部屋の外窓を叩く音がした。
音石とキュルケが窓を叩く音に反応し、咄嗟に窓のほうを見る。
すると窓を見ると同時に勢いよく窓が開いた。
開いた窓の外には一人の少年の姿があった。

「キュ、キュルケ……、待ち合わせの時間に来ないから
来てみれば……。な、な、なぜよりによってその男と………」
「ペリッソン!ええと、申し訳ないけど二時間後に…………」
「い、いや……。きょ、今日の約束はなかったことでいいから……
は、はは……そ、それじゃあごゆっくり!」
「え、あ、ちょ、ちょっとペリッソン!?」

(……ここ、たしか3階だよな?……でもまあ、
メイジ相手に今更って感じもするな)

「ふふっ。彼、確実にあなたに怯えてたわね」
「……なあキュルケ、俺が思うに先約があったんじゃないのか?」
「彼の勝手な勘違いよ。私が一番愛してるのはあなたよオトイシ
それにもう過ぎたことじゃない?彼は約束はなかった事でいいって
言ってたんだから………」

(マジでおっかねー女だぜ、こいつの恋愛感情は子供のオモチャと一緒だ。
なにかを気に入ったオモチャを見つけるととことん遊び尽くすが、
また別の気に入ったオモチャを見つけると今まで遊んできた
オモチャは何の迷いもなしに捨てやがる。
ひとつの事に夢中になるが、それ以外のものは
すべてどうでもいいと認識しちまっているんだ。
………ああ、だから『微熱』なんて中途半端な二つ名なわけだ)
665「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 02:18:44 ID:KfK/pBS1
音石のなかでなにかがしっくりきた。
するとまた別の少年が窓の外から顔を覗かせてきた。
置いてあるロウソクの光具合の影響か、知らないだけか、
今度の少年は音石を見ても怯えた様子はなかった。

「キュルケ!その男は誰だ!?
今夜は僕と過ごすと約束したじゃないか!」
「ああ、ごめんなさいスティックス
今夜の約束はなしってことで♪」

するとキュルケが胸の谷間か杖を取り出し、
杖を振った。するとロウソクの炎が蛇の形を模り、
窓の外にいる少年を突き飛ばした。

「呆れたを通り越して逆に感心するよ
よくまあ一晩にこう何人も…………」
「あなたは彼らと違うわ!『特別』よ!」
「『特別』ねぇ〜………、おっとキュルケ!
どうやらまだ予約が残ってるみたいだぞ?」
「えッ!?」

音石が窓を指差し、キュルケが驚きの声を上げ振り返る。
そこには三人の少年がぎゅうぎゅう詰めになって窓の外にいた。

「「「キュルケ!そいつは誰だ!!恋人はいないって言ったじゃないか!」」」
「ああもう、うるさい!フレイム!!」

キュルケが苛立ちを隠せない口調でフレイムに命令した。
きゅるきゅるっと鳴いたフレイムは、そのまま三人に向かって
死なない程度には手加減してるであろう炎を吐いて
三人を窓から焼き落とした。
キュルケがその様子を見て安堵の息を吐いた。
ところが前を向きなおすと音石はベットから立ち上がり
自分に背を向け、扉のほうへ帰っていこうとしていた。
666「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 02:20:16 ID:KfK/pBS1
「待って!誤解よ!別に彼らとはなんともないわ!
単なるお遊びよ!ねえ、お願い待って!!」

キュルケもすぐさまベットから立ち上がり、
音石の後を追い、彼の背中に抱きつこうとした。
しかしそれは、抱きつこうとした瞬間、
音石が向き直った事によって中断された。

「よかった、考え直してくれた……の……ね………」

キュルケは振り向き直った音石の顔を見て息を呑んだ。
とても冷たい目をしていたからだ。
貴族である自分にむかって………………
いや、それどころか彼の目は人間に向けるべき目ではなかった。
養豚場の豚でもみるかのように冷たい目……………、
とても…………………、とても残酷な目だった。
キュルケはそれを理解すると同時に、
自分の背中が冷えかえるような感覚に襲われた。

「………キュルケ、これだけは教えといてやる
お前には言っても無駄だろうが………………
男はな………、お前の退屈しのぎの道具じゃないんだよ」
「道具って…………。ち、違うわ!
わたし別にあなたや彼らをそんなふうにみてわけじゃ………」
「もうお前は喋るな」
「……………………………………え?」
「もうてめーにはなにもいうことはねえ………
とてもアワれすぎて……………………何も言えねぇ」

キュルケのなかでなにかが崩れ落ち音がした。
水晶玉が叩きつけられるような…………
すがすがしいくらいに残酷な音だった。

バタンっと音石が扉の音を鳴らし部屋を後にし、
膝を突き、その場に立ち尽くしたキュルケに
フレイムが心配そうに近寄った。
するとキュルケはフレイムに寄りすがり……………泣いた。
667「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 02:21:15 ID:KfK/pBS1
音石がキュルケの部屋を出ると、
見計らったかのようなタイミングでルイズの部屋のドアが開いた。
案の定、出てきたのはルイズだった。
そしてルイズも音石の存在に気付き、それどころか音石が
キュルケの部屋から出てきたことにも気付いた。

「オ、オトイシ!?あ、あんたキュルケの部屋で何してたのよ!?」
「…………………………………………」
「な、なんとか言いなさいよ!!
こ、こ、こ、この………エロ犬【ドォンッ!】ひゃあっ!?」

ルイズはたまたまそばに置いてあった鞭を手のとり
音石に向かって振り上げようとしたが、
音石は顔を伏せたまま、キュルケの部屋の壁に向かって
力一杯、拳で殴りつけたのだ!
そんな突然の行動にルイズの体は硬直した。
すると顔を伏せていた音石はゆっくりと顔を上げた。
ルイズに向かってフッと小さな笑みを浮かべた。

「なんでもねえよルイズ、実は今日
キュルケの使い魔が俺たちを監視していたから
その理由を問い正してただけだよ」
「………え?そ、そう……なの?」
「ああ、何でもオレに興味があったそうだ」
「え………はぁッ!?もう!キュルケの奴、一体何考えてんのよ!!」

ルイズがキュルケの部屋に乗り込もうとしたが
音石が手を壁にし、それを静止した。

「よせルイズ、ほっとけ」
「でも使い魔に色目使われて黙っていられないわ!!」
「必要ねぇよ……、」

音石の言葉にルイズは何かを察したのか、
仕方ないわねと言って、音石と一緒に部屋に戻ることにした。
部屋の中ではルイズはキュルケに対しての愚痴を
散々音石に浴びせた後、二人とも眠りに付いたが
ルイズはベットの中で、音石の先程の行動を思い返すと
怖くて仕方がなく、自分は本当に彼を使い魔として……
パートナーとしてやっていけるのか不安になってしまった。
668「反省する使い魔」代理:2010/08/16(月) 02:22:12 ID:KfK/pBS1
833 名前:反省の人[sage] 投稿日:2010/08/03(火) 01:08:39 ID:cN2.i/sU [21/21]
投稿完了です。
長いこと間を空けてすみません、
出来る限り面白くしようとがんばったんですが
時間がかかった挙句、今回は後半あたりが完璧にグダグダで……、

あと質問したいんですがどうも今回、投稿する際に
本来投稿すべき2chの掲示板のほうで「おお杉(こんなんでしたっけ?)」
ってのが出るんですけどなにか対抗策あるんでしょうか?

あと、まとめサイトのほうでの修正依頼なんですが
二話でのルイズが音石に使い魔の紋章刻むシーンのセリフで
う…な、なんだ!?おい!左手がめちゃくちゃ熱いぞ!!」 ってのがあるんですが
ものの見事に 「 が抜けてるんですよ。もしよければご修正よろしくお願いします。

何か質問などがありましたらお気軽に投稿してください。
基本的に夜や時間が空いてるときとかにパソコンや携帯で覗いてますんで
それでは!!
669名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/16(月) 10:59:23 ID:559wcZX+
投下&代理乙

そろそろボロが出てきそうだな音石w
基本的にどこかズレてる奴だし
670名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/16(月) 18:49:42 ID:S6q8Sosy
反省の人も代理の人も乙!
なんというか、音石(というか作者)は目の付け所が違うよね
今までにない展開だから、わくわくする
「反省したキュルケ」が出来上がるかどうかは解らないけど期待するぜ
671名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/17(火) 01:08:04 ID:CWeigJpL
モンモンNTRとかギーシュィ`
672名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/17(火) 14:53:36 ID:XomQ1Tg/
まとめの方は全然更新しないのね
673名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/17(火) 14:54:30 ID:XomQ1Tg/
まとめの方は更新しないのね
674名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/17(火) 14:59:57 ID:XomQ1Tg/
まとめの方は…


…えっ?
675名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/17(火) 17:49:29 ID:WF3rAst8
えっ?
676名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/17(火) 22:43:15 ID:Ar/Me3/v
XomQ1Tg/達は崩れたスポンジのようになって対消滅しました
677名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/18(水) 11:56:05 ID:LjbdBJ2j
>>676
マンダムだよ
678名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/23(月) 03:58:51 ID:xbxYrYK3
タスクACT-4だ…生贄になry
679名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/28(土) 22:36:40 ID:OIfvR4tq
しばらくネット見れなくてまいってたけどぜんぜん進んでなくて安心した
680名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/30(月) 08:45:13 ID:7rwwQyef
このスレはもう死んでいるのだろうか
681名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/30(月) 09:01:22 ID:j56/RTzF
皆ジッとしてるだけ…ヘタに動くとノトーリアスが
682名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/30(月) 09:09:13 ID:59HLMny1
ちょっとノトーリアス海に捨ててくる
683名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/30(月) 16:34:24 ID:fzZk30o0
あんま動くとシアハが追ってくる
684名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/30(月) 16:35:54 ID:N2XRvXmm
どっちにしても地獄かよォ〜
685名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/30(月) 19:13:27 ID:cUocJLtG
仕事が!仕事が落ち着けば続きを書けるのに
686名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/30(月) 19:16:26 ID:N2XRvXmm
仕事も続きも両立させなきゃイケナイのが

ってことだなブチャラty
687名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/30(月) 21:14:07 ID:jHy7fAfw
仮面ライダーエターなるの仕業だ
688名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/30(月) 21:24:54 ID:8AnGthAR
おのれエターなる!
689名無しさん@お腹いっぱい。:2010/08/31(火) 00:35:16 ID:qTEX3QR0
エターなる?ネコドラくんみてーなモンか?
690名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/01(水) 22:33:48 ID:BYSRIlxB
キュラキュラキュラ・・・
691名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/03(金) 12:15:04 ID:hUyB8pBj
次にお前はSSを投稿する
692名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/05(日) 00:53:36 ID:6GwHq7od
そんなまさかの気のせいか…。
693名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/05(日) 00:54:28 ID:6xImFRss
よし
694名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/05(日) 23:35:01 ID:aeXRwfnN
Wiki編集してみっかと思ったがこのスレ内での編集ルールとかあるのかとか
気になっちまったよ俺
695名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/06(月) 00:45:21 ID:rLDCpwmQ
>>694
避難所も見てみるといい。まとめwiki用のスレッドもあるし
不安なようなら相談をしてみるといいぞ

シルフィードがメインヒロインのSSとか見てみたいんだ、切実に
696名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/06(月) 01:49:18 ID:ZsQQ9J5d
いやぁWiki編集は強敵でしたね

というわけで助言ありがとう。一応出来たかな?
697名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/06(月) 13:59:30 ID:AIzZxXo8
敬意を表する
698反省の人:2010/09/07(火) 17:42:39 ID:GfPreqOE
お久しぶりです!お元こー?

初めの頃に比べたらおっそしいくらいのペースダウンですが
気ままに続きを作成中です!
ですがまだだいぶ遅れるかもしれませんので、どうか気長にお願いします!

今回書き込み理由は、疑問に思ったことを質問するためです!
奇妙な使い魔にはキャラによって、デルフを持ってる人と
持ってない人がちらほら見えるんですが、これって………
持つ持たないの変化でストーリーに
どれぐらい変化があるんですかね?
わかる人にはわかるのかもしれませんが……わたし……
ゼロ魔のマンガ一冊も持っておりません!【ドーンッ!】

いやね、わたしもがんばって漫画買って、
それを元に音石を成長させたいんですが………、
DSとポケモン白黒ほしいから仕事+バイトしててそんな時間も金もない!

そんでもって最後にジョジョ好きとゼロ魔好きの皆さんにご質問!
ジョジョキャラやゼロ魔キャラがポケモン持ってるとしたら
どのポケモンが一番似合うと思います!?

わたしなりに音石はやっぱりエレブーとかサンダースあたりかと……

みなさんのご意見ご感想まってま〜〜〜〜〜〜す!
699名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/07(火) 18:30:30 ID:cL0ApEzW
……ちょっと待て
あんたまさか、小説やアニメすら見てないとか言わないよな?

それだったら流石に論外だぞ、せめてアニメくらい見て書け
700反省の人:2010/09/07(火) 18:45:01 ID:GfPreqOE
>>699
アニメは休みの日にDVD借りて
ある程度は見ているのでご安心を!
701名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/07(火) 18:48:13 ID:Z2ur8bav
一応聞くけど、ゼロ魔が元々は小説(ラノベ)だって事は知ってんだよな? さすがに。
702名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/07(火) 18:50:21 ID:XB4LpiOR
あー、原作読んでない系の発言はヤバいってことぐらい考えたらわかるだろうに……
703反省の人:2010/09/07(火) 18:50:51 ID:GfPreqOE
>>701
それも知ってます!
友達で小説好きの奴がいますので(ゼロ魔はそいつから教えられました)
704名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/07(火) 18:54:12 ID:b7ajoFOu
反省の人は
ジョジョ>>ゼロ魔(小説)くらいの読書量で、ゼロ魔の漫画未読、アニメは未見ってだけなんでしょ?
705名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/07(火) 19:23:29 ID:B6z21x1U
いや、反省さんはアニメは見てるんだろう。全部ではないっぽい、っていうだけで。

反省さん、悪いことは言わねえから原作小説読め。漫画版よりずっと役に立つから。
706名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/07(火) 19:23:41 ID:FOKHvhlr
でも今のところ違和感は無いからいいよ
707名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/07(火) 20:00:59 ID:jqsULiFi
リゾットの活躍がみてーなァー
708名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/07(火) 20:56:04 ID:f0JZHQ4r
アニメや漫画は改変がなされてるから矛盾しやすいんだよね
SS書くなら原作だよね、やっぱり

反省は今までの面白いから、これからで矛盾が起きて台無しにならないよう
是非原作を読破して欲しい
709名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/08(水) 00:20:15 ID:MnKLJGY4
反省の人よ…とりあえず3巻までは読んでおくんだ
そこまでの内容でも十分過ぎるほど話を引き伸ばすことだって出来るんだぜ
細かい設定面とか、読んでおかないと矛盾が出ることもあるし

そもそもアニメ版はクロムウェルとは何だったのかと言いたくなる内容だしな!
えっワルド?そんな奴は知らんがな
710名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/08(水) 02:33:57 ID:R4bFvfXe
つーかこの前の声優といい今回のポケモンといいなんでそんな事をこのスレで聞くの?
おつむが弱いのをウリにしてる最近のアイドルかなんかなの?
711名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/08(水) 03:22:40 ID:2SXXltgm
別に雑談ネタ振る位どーでも良いだろ
>>710よ、波紋の呼吸で心身を落ち着かせようぜ
712名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/08(水) 10:24:13 ID:BHQ+z27k
キュラキュラキュラ
713名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/08(水) 11:05:32 ID:y/N3o5IH
俺も原作読んでないしアニメも見てないなあ
714名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/08(水) 11:06:38 ID:xUVzu3o5
>>709
しかし、アニメ第一期でのワルドの死に様考えると
アニメ版ではエクスプロージョンでレコン・キスタ兵がそれなりに死んでてもおかしくないなw
715名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/08(水) 15:26:42 ID:T9esfAL6
>>713
読むだけなら別に
716名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/08(水) 21:20:26 ID:ld8HWntv
>>713
読み手はね、別にそれでもいいんだよ 自分が楽しめればいいだけだから
ただ書き手はそれじゃだめだ 原作に対する敬意を払わなきゃただの原作レイプだからな
ましてやそれをこういう場で公開するならそれこそよく読み込んで作るのが最低限の礼儀だよ
717名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/09(木) 17:57:34 ID:Y/uTL824
アニメ見て即原作全巻買って読破してからこのスレ見つけてSS完結させた俺に隙は無かった
718名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/10(金) 02:24:41 ID:Morgj+XJ
ココまでジョジョの話
719名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/10(金) 02:46:39 ID:VNYB1oom
まあゼロ魔原作も一冊1、2時間で読めるから恐れることなく読んでほしい
むしろレジに持っていく方が怖ろしい
なんでも読むんだよ感を出すためにあえてメチャクチャなラインナップを作る難しさ
720名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/10(金) 15:30:41 ID:+x4WGRef
なんでも読むんだよ感を出すために、
エロ本とボーイズラブ漫画とカルト宗教書と死体写真集とゼロ魔をラインナップしてレジへ
721名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/10(金) 18:16:38 ID:M5Efp3A9
ポルナレフ状態の店員
722名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/10(金) 19:24:31 ID:wDQBrLzu
ゼロ魔は5冊まとめてレジに持っていくのがデフォルトだと思ってた
723名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/10(金) 20:31:54 ID:jO69ecC7
最近、二次創作を書くためだけに二桁冊をレジに出したが……
724名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/11(土) 00:51:57 ID:Kjq5Q+qk
>>721
本屋の店員がポルナレフとか
なんてコブラチームなんだ
725名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/13(月) 04:26:55 ID:4IqtqR68
ぜっ、ゼロ魔の小説だとォーッ!?
うっ、うろたえるんじゃあないッ!本屋の店員はうろたえないッ!
726名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/13(月) 04:28:23 ID:4IqtqR68
ゼロの使い魔ァー?
フーム、少々お待ち下さい



「名乗らせていただこう! 我が名はJ.P.ポルナレフ!」
727名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/15(水) 01:31:16 ID:Nu7QxnGo
ラノベ『ゼロの使い魔』をお買い上げの方はおりますかァーーッ
『ゼロの使い魔』をお買い上げの方ーーッ
ラグーン号の『ズッケェロ様』から………!
『電話』が入っておりますーッ
『レジカウンター』までお越しくださーい
728名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/15(水) 04:06:57 ID:Rv00d07A
なんという公開処刑
729名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/15(水) 12:30:32 ID:RCwlaAkf
身も蓋もないけどSSで長編になることなんてめったにないからアニメ知識くらいで足りると思う

原作読んでても気持悪いオリ設定入れてる場合もあるし
730名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/15(水) 21:28:36 ID:7NzYPF2/
そりゃクロスSSなんだからオリ設定も入っちゃうだろうよ
731名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/15(水) 21:48:39 ID:cV2yYyz/
檻設定とな
なんだよくあるストーンオーシャンか
732名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/16(木) 00:55:11 ID:RQMypJTB
アニメにはイザベラ様が出ないじゃないですかァーッ!
コミックス版タバサの冒険で胸を増量されたイザベラ様を見てると…
下品なんですが…その…フフ…b(バイツァ・ダスト)
733名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/16(木) 01:01:24 ID:niN8z904
いつか劇場版タバサの冒険が3部作で出るって信じてる。イザベラ様はそれまでお預けだよ
734名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/17(金) 02:59:38 ID:8KvtrTx9
胸の部分だけ切り抜いて眺めるのか………
…なんか手以上にヤバい気がするな
735名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/17(金) 09:13:34 ID:owlfQ0ku
到って普通な気がするのだが
736名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/17(金) 11:14:45 ID:dxeItwYy
手フェチよりは一般的だな、多分
737名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/17(金) 11:17:11 ID:8Ioxf7DG
胸像って奴だ
738仮面のルイズ:2010/09/17(金) 21:30:34 ID:cXQ9jl2k
投下します。
739名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/17(金) 21:33:10 ID:DUTl0K4P
ひゃっはー!待ってましたお帰りなさい〜
740仮面のルイズ:2010/09/17(金) 21:37:30 ID:cXQ9jl2k
”白炎のメンヌヴィル”達による、トリステイン魔法学院襲撃から数日。

敵陣の中に乗り込み、貴族子女を人質に取る大胆かつ卑劣な行いに、ある者は恐怖しある者は怒りをあらわにした。
魔法学院には、トリステインだけでなく近隣小国の血筋も在籍しており、アルビオン帝国討つべしとの声はますます高まっていった。

「こんな大事なときに、何もできなかったなんて、僕は…」
そんな中、王軍の士官候補生が寝泊まりしている宿舎で、ギーシュ・ド・グラモンは己の不甲斐なさに落ち込み、枕を涙でぬらしていた。

王軍への申し込みを行った生徒たちは、即席の士官教育を受けている真っ最中であり、これが終わり次第各軍に配属される。
ギーシュは、トリステイン貴族としての責務から王軍への参加を決意したが、守るべき子女を守るからこその王軍である、戦うべき男が戦う機会も得られず、魔法学院が襲撃されたと聞いては落ち着いては居られなかった。

しかも、ギーシュがこの噂を聞いた時には、銃士隊の手で事件は解決しており人質は皆解放されている。
銃士隊数人と、教師一人が命を失ったものの、生徒への被害はほぼゼロであった。
ギーシュはその事にほっとしながらも、肝心な時に何もできなかったと悔やんでいた。
あの『ゼロのルイズ』が死んだという事件が、死へのリアリティを増していった、モンモランシーが死んでしまったら自分はどうしただろう?
今までにないほど、ギーシュは己の無力を責めていた。

ゼロのルイズが死んだあの事件は、良くも悪くも、魔法学院の学生達に影響を与えていた…。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


同じ頃、トリステインの王宮では、アンリエッタが多数の報告書に目を通していた。
右の肘を肘掛けにつけて、欠伸をするアンリエッタを、隣に座るもう一人のアンリエッタがたしなめた。

お返しとばかりに、欠伸をしていたアンリエッタは、ため息をつきながら書類に目を通すアンリエッタの頬に指を当て、柔らかく、魅力的な感触を楽しんだ。
「なあに?」
「ため息が癖になる前に、殿下の所へ行って気を休めてきたら?」
「…そ、それはできませんわ。殿下もアルビオンから亡命した方々の対処に、空軍への協力要請に応じたり、それはもう忙しいのですから、今はもう休んでいるでしょうし、私が行ったらかえって迷惑を」
「あらあら」
殿下、と聞いただけで顔を赤くするアンリエッタを見て、まるで少女のようだと思えた。
近しい者が見比べても、どちらが本物のアンリエッタか、すぐには解らないだろう。
あえて区別するなら…お淑やかなのがアンリエッタ本人でで、どこかラフな雰囲気を漂わせているのがルイズの変装、アンリエッタの影武者である。

「それにしても、きりがないわね」
書類の束に目をやり、ルイズが呟いた。
ルイズは高等法院リッシュモンの事件から今までの事を整理しつつ、書類に目を通していく。
リッシュモンは『逮捕に抵抗し死亡』したが、王宮の発表では『自殺』したことになっている。
勘のいい貴族はリッシュモンが自殺したなどと考えないだろう、動かぬ証拠を突きつけられ処刑されたか、自殺以外の道を封じられたと思うはずだ。
事実、リッシュモン以外にも汚職に手を染めた貴族がいるのは解っているのだが、密約や取引の決定的な証拠が隠され、見つけられないのだ。
また、商人との結びつきが強く、独自のネットワークを持つ地方貴族に対しては、ほとんど手を出せないのが実情であった。
中には慣習として、半ば公認になっている賄賂や寄付、贈答の挨拶と言ったものもあり、国庫から流出した金、物品を追跡するのは不可能に近い。

そこで活躍したのが、トリステインの財務卿、デムリである。
銃士隊、ルイズ、ワルド、監査の役割を与えられた魔法衛士隊が集めた、膨大な資料に目を通し、汚職と思しき点をピックアップしていった。
その裏を取るのがアニエス率いる銃士隊の面々である、アンリエッタ直属とされている銃士隊も、多くは元女傭兵であり、彼女らが根を張った傭兵同士のネットワークは商人に及ばないまでも優秀であった。。
護衛として雇われる傭兵は、頭数をそろえるため互いに情報交換をしており、金の動きに敏感なのだ
メイジのみで構成された『白炎のメンヌヴィル』率いる傭兵団などは、仕事が向こうからやってくるのだが、これは別格である。

ルイズが目を通している、銃士隊からの特別な報告書は、汚職に関する最終報告とも言うべきもの。膨大な金額の羅列に嫌気が差しそうになるのも、無理はない。
741名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/17(金) 21:40:33 ID:mtbV4WB8
支援
742仮面のルイズ:2010/09/17(金) 21:41:56 ID:cXQ9jl2k
しばらく書類を読み進めていたルイズは、ふうんと鼻を鳴らした。
「手紙を読む限りでは、大義名分を気にしているのは貴族だけね。解っては居たことだけど…」
と言いながら、報告書の束をアンリエッタに渡す。

これは王軍の下級士官から師団長への上申書であり、本来ならアンリエッタの元にまで届けられるような物ではない。
大将命令で部隊を編成することになった士官が、予定額の予算を与えられず装備が調えられぬので監査を願う、という内容である。
また他の書簡には、傭兵の数が多すぎて士官が足りず、命令系統に著しい混乱をきたすのは明白である、といった古参兵からの意見もあった。

資料には監査の役を与えられている魔法衛士のメモ書きが添えられ、『封も開けられず処分されていたもの』と書かれている。

先ほどまでルイズが見ていた書類を、アンリエッタが手に取る。
中身を一通り読むと。
「これらの意見、吟味された上で却下されるならまだしも、封も開かずに処分されるなんて…」
嘆かわしい、と呟いてため息をついた。



アンリエッタが、自分の手に届かないはずの書類に目を通しているのには、訳があった。
遠征軍の出立は内々で既に決まっており、年末ウィンの月の第一週、マンの曜日がその日である。
しかし魔法学院が襲撃されるなどの事件が起こり、レコン・キスタ許すまじ、アルビオン帝国討伐の世論が広まっていき、遠征を前倒しにする声が高まっていく。
ヴァリエール公爵を筆頭に、少数の有力貴族が『戦争の前倒しは兵を混乱させる』という立場を取ったお陰で予定を崩さずに済んだが、ここでまた別の懸念が浮かび上がってきた。

アルビオン人への強烈な嫌悪である。

ルイズはまた別の書簡と、それに関連する報告書を纏め、アンリエッタに手渡した。
「アルビオン人への印象は非常に悪いわね。タルブ戦以前にラ・ロシェールに疎開した人に暴行…えん罪。いくら何でも印象が悪すぎるわ」
「…彼らが戦争を起こしたわけでもないのに」
報告書に目を通したアンリエッタが、悲しそうに呟いた。
「民が噂に左右され、暴徒と化すなんて、歴史をひもとけばよくあることでしょう。レコン・キスタはその『噂』を武器にしてトリステインを揺さぶっているのよ」
ルイズは報告書に目を通しながら、自分の考えを語る。
「………」
アンリエッタは沈黙した。得体の知れない噂に左右されて道を誤った貴族も少なくはない、もしかしたら自分も…と考えてしまったのだ。
黙っているアンリエッタの隣で、ルイズは何かに気づき、特定の報告書と貴族からの書簡を重ねてアンリエッタに見せた。

「アン、ちょっとこれ見て」
「…これは?」
「この書簡は、ラ・ロシェール駐屯のメルクス男爵の部隊から、方面司令宛に届けられた書簡よ。内容はね…
『ラ・ロシェール内の酒場でアルビオン人とトリステイン人の衝突があり、兵がこれを鎮圧。主犯と思しきアルビオン人は発見できず、風説を流布し混乱を誘う間諜の恐れがあるためトリスタニアに於いても注意されたし』って所ね」
「ラ・ロシェールでもそんな事が起こっているのですか…」
アンリエッタの言葉に頷きつつ、ルイズが次の報告書を見せる。
「そしてこっちが、ラ・ロシェールに派遣した銃士隊見習いの報告書よ…ええと。
『昼頃、傭兵と思しき集団からアルビオン人に投石があり、市民に波及。
アルビオン人に負傷者が出るもラ・ロシェール自警団が仲裁に入り、夕方には収まる。
夜、一連の騒ぎをアルビオン人による窃盗が原因として、駐屯するメルクス男爵以下十数名の部隊が、疎開したアルビオン人のあばら屋を包囲。
翌朝、騒ぎの責任を取る名目でアルビオン人の一団体およそ24名がラ・ロシェールを出立。
女子供は野に放り出すのは忍びないとして、奉公先を斡旋された模様』」

アンリエッタは頭に?を浮かべた。
「報告書では自警団が間を取り持ったのに、書簡では自分の部下が騒ぎを収めたように書いてあるのですね」
743仮面のルイズ:2010/09/17(金) 21:43:46 ID:cXQ9jl2k
「私は、これが気になるの」
「確かに、こういった矛盾があっては困りますけど」
「この男爵…メルクス男爵は風説の流布を気にして調査を頼むとか、ちょっと切れが良すぎるわ」
アンリエッタは書類を見比べると、ルイズに質問をした。
「…地方貴族の書簡と、銃士隊からの報告書に矛盾があるのは少なくはありませんわ。それに間諜を気にしているのは士官なら当然でなくて?」
ルイズは額に人差し指を当て考え込むような仕草をしてから、こう言った。
「考え過ぎかもしれないけど…。騒ぎの責任を取るため、アルビオン民がラ・ロシェールを離れるのは解るわ、でも子供が奉公先を斡旋されても、具体的な斡旋先が書かれてない。
これってラ・ロシェール以外の場所に斡旋されたんじゃないかしら。これ、騒ぎに乗じて合法的に女子供を”商品”にしようとした商人と、兵士が結託してるんじゃない?」

そういえば…と、アンリエッタが呟く。
「そういえば、メルクス男爵の長男が魔法衛士隊に入れなかったと…誰かから聞いた覚えが…」
「それよ、ワルドの話では、魔法衛士隊に推薦されたものの、結局は訓練に耐えきれず脱走したのよ、確か、ブレッスン…だったかしら」
「その推薦は誰が?」
「リッシュモンよ」
アンリエッタはハッとして、書類を見た。
「タイミングが良すぎるのよ、『私には何のやましい事はありません、国防のため調査隊に来て頂きたいのです!』って、不出来な劇みたいじゃない?」
「言われてみればそうかもしれません、でも、ああ、どうしたら」
「考え過ぎかもしれないけど、遠征前にこの件だけ私が調査してくるわ。ブレッスンには賄賂の疑いはないはずだけど、メルクス男爵は王立魔法研究所にも”寄付”してるじゃない?地方貴族にしてはちょっとねえ」
ルイズの言葉に驚いたのか、アンリエッタが顔を覗き込む。
「貴方が直々に?遠征前の大事な時期なのだから、トリステインに居てほしいのだけど…」
「この間捕らえたアルビオンの間諜も、商人のフリをしてラ・ロシェールから来ているけど、下手に兵を動かしたら逃げられるかもしれない、大事になれば難民との衝突が起こって国内に不穏の種を蒔くことになる。こういう時こそ私が動けばいいのよ」
「そうだけど…今更だけど、あまり危険なことはしてほしくないわ」
困ったような顔でアンリエッタが呟く、するとルイズは不敵な笑みを見せた。
「私がここに居続けたら、女王陛下を甘やかしては困ります!って言われちゃうわよ、枢機卿に」
アンリエッタは、手に持った書簡で口元を隠すと、わざとらしく目を泳がせる。ルイズがその仕草を見て、思わず吹き出した。



「悪いわねアン、貴方の公務手伝えなくて」
書類を纏め終えたルイズが申し訳なさそうに呟くと、アンリエッタはため息をついた。
「ああ、また私一人で財務卿の書類に目を通したり枢機卿のお小言を聞かなければならないのね。ルイズが徹夜で手伝ってくれるからずいぶん体も楽になりましたのに」
昔のように、子供っぽく拗ねるアンリエッタを見て、ルイズが笑った
「良いじゃない、私なんて命がけで敵地に乗り込んだりしてるのよ?」
「王宮で暗殺された王族も少なくないのよ?」

二人はくすりと笑った。
「お互い様ね」
「お互い様ですわ」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


翌朝、ルイズは朝日が昇る前に練兵場へとたどり着くべく、フード付きのマントを着て王宮を出た。

念には念を入れ、フードの中に見える顔も変わっている。以前、魅惑の妖精亭で『ロイズ』を名乗っていた時の姿であった。
身長も166サントに伸ばし、アンリエッタより8サントほど高い、胸は元よりは大きいが、あまり目立たぬよう控えめにしている。
頭髪は水で洗い流しても落ちぬ特殊な染料で茶色く染められており、髪の毛は肩口で切りそろえ、顔立ちも普段よりほんの少し鼻が高く、面長になっている。
口元には黒子もあり、彼女を一目でルイズだと見抜くことはできないだろう。
背中には、デルフリンガーを背負っているが、150サント近くある剣である、どうしても目立ってしまう。

この姿を特に気に入ったつもりはない、しかし、自然とこの姿を選んでしまうのは、自分がこの姿に何らかの思い入れがあるからだろう。
吸血鬼の肉体は人間超越の象徴であり、あらゆる束縛から解放された喜びがある、それは理解できる。
だが、魅惑の妖精亭で平民に混じって働いたこの姿にまで、どうして喜びを感じているのか自分でも解らない。
楽しかったのは事実だが、そもそも、どうして働くことが楽しかったのだろう。ルイズはほんの少し首をかしげた。
744仮面のルイズ:2010/09/17(金) 21:45:17 ID:cXQ9jl2k
日の出前の、もやのかかった大通りは滅多に人が居ない。すれ違うのは、沢山の木箱を乗せた馬車ぐらい。
かぽっ、かぽっ、と石畳を踏みしめて進む馬車から、新鮮な命の香りがして、ルイズはフードの下で微笑んだ。
野菜独特の青臭い香りに、果物の甘い香り、腸詰めにされた肉類の香りが鼻孔をくすぐる。それだけの事なのに、夜明け前の街に命があふれている気がしてくるのだから、不思議なものだ。


夜明け間近、魔法学院の中庭より広い練兵場では、風竜の準備を終えたワルドがルイズを待っていた。
風竜が首を上げ、門の方を見た。
「待たせたみたいね」
「ちょうど準備が済んだ所だ」
門の脇にある通用口から練兵場へと入ったルイズは、風竜を見上げつつ、ワルドに手荷物を渡した。
「任務にあたっての餞別よ」
両手の平に乗るぐらいの袋だが、持ってみるとかなりの重量がある。中身は金貨かと思ったが、それにしては音に違和感がある。
「ほかの街で金貨の両替なんてしていたら、盗賊に目を付けられるからって、両替済みを準備してくれたわ。財務卿のミスタ・デムリが苦心して下さったそうよ」
「なるほど、ありがたいな」

ワルドは金貨の入った袋を開け、ある程度小分けにすると荷物の中にしまい、風竜の背に乗った。
ルイズもまた、無言でワルドの手を取ると、ワルドの後ろへと乗り込む。
「この姿では僕の前に座らせるのは難しいな」
「背に抱きつかれるのより、小さい子を座らせる方がお好み?」
「どちらも男の醍醐味だな」
軽口をたたきつつワルドが手綱で合図をすると、風竜は静かに空へと舞った。


ふわりと空に上がる、風竜はその名の通り飛行に特化した力を持つ、ルイズが後ろを振り向けば、練兵場は既に小さく、間もなくトリステイン全景が見渡せた。
「ヴァリエール公爵が、僕たちを捜しているようだな」
風竜の上でワルドが呟く。
「そうね。公爵家と魔法学院関係は鬼門だから、アンも気を遣ってくれているわ」
「その割には、君は相変わらずおてんばだな。危険な任務をやりたがる」
「人間を見るのは、楽しいもの」
「そうかい? 僕は、嫌なことの方が多い、人間を見るのは好きじゃないよ。君を見ていた方がずっといい」
「嫌なことにまみれていなければ、私なんかが良いとは思わないでしょう?私が輝いて見えるのなら、それは貴方の生き様そのものよ」
「そうだな…そうだ。今更だが、僕は力がほしかった、それと同じぐらい『納得』がほしかったんだ」

ルイズは改めて前を向き、ワルドの背中に抱きついて鼻をひくつかせた。
背中に顔を押しつけて臭いをかぐと、香水の香りに混ざる汗の臭いだと解った。
「…ああ」
「どうかしたか?」
ルイズはワルドの背中に密着して、右の耳元に顔を近づけた。
「良い香りがしたの」
「言われるyほど、良い香水は使っていないんだが、好みにでも合ったかい」
「違うわ、人間の生きた香りよ。朝の街で野菜や果物の臭いを嗅いだわ…それと同じ、生きている臭い」
「…もしかして汗臭いかな」
「私の鼻が特別なのよ。普通の人間じゃ気にもしないわ」
「なら、いいんだが」

(私には無い、においだ)

不意に、光が差した。
日の出の明かりが二人を包む。
ルイズはその明かりに、何かを思い出した。

幼い頃、母が乗るマンティコアに乗せられ、赤い空を見た。父親が私を抱き上げ、夕焼けを見せた。
フラッシュバックするその光景は、ルイズの眼から一滴の滴を垂らさせた。

「朝日か…」
朝日に照らされて、朝靄にいくつもの光線が走るのを見て、ワルドが呟いた。
ルイズはフードを被り直し、ワルドの腰に手を回して体を預ける。
「綺麗。でも、目にしみるわ」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
745名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/17(金) 21:47:52 ID:DUTl0K4P
支援
746仮面のルイズ:2010/09/17(金) 21:48:02 ID:cXQ9jl2k

ラ・ロシェールが見えてくると、風竜は高度を下げ、低空飛行に移った。
ルイズは、デルフリンガーをワルドに渡すと、ワルドの体に手を回しデルフリンガーのベルトを取り付けていく。
「預かってて。任務の邪魔にはならないわよ」
『よろしく頼むぜ』
「こちらこそ」
カタカタと鍔を動かして、デルフリンガーが喋る。ルイズがふと何かを思い出し、刀身を半分ほど引き抜いた。
「デルフ、念のため綺麗になっていなさい。実用性のなさそうな格好でもいいわ」
『ん−、こんな感じか』
デルフリンガーは二人の目の前で鈍く輝き、刀身に黄金で彫金されたような、豪華な剣へと変貌した。
「貴族の前に出るんだから、これぐらいのカモフラージュはすべきでしょ」
「なるほど、模様を変えられるのか。長さも変えてくれれば扱いやすいんだが」
ルイズからデルフを受け取り、鞘に仕舞う。
『そう言うなよ』
「冗談だ」

二人のやりとりを見ていたルイズは、ほほえみを見せて呟く。
「じゃ、行ってくるわ」
「また後でな」
ふわりと体を翻し風竜から飛び降りる、低空飛行しているとはいえ、人間が飛び降りて無事では済まない高さだ。
だが、ワルドもデルフリンガーも心配する素振りは見せず、風竜をラ・ロシェールへと進めた。

ルイズは地面に落下する途中、木々の隙間に手を伸ばし枝を掴み、枝のしなりを利用して落下速度を落としていった。
そのお陰か、地面に着地してもドスンと音がするだけで、ほぼ陥没はしてない。

「さて…」
地面に降りたルイズは、ラ・ロシェールに向かって走り出した。
今回、ワルドは要人警護を兼ねた監察任務を与えられている為、同行はできない。
虚無の魔法『イリュージョン』を使って直接ラ・ロシェールの兵舎に入ることも考えたが、それよりは、麓から上がっていった方が気が楽だと思えた。

「まずはアニエスの知古と接触…豪快な人だと言ってたけど、大丈夫かしら?」



街道を通り、ラ・ロシェールの街へと登ったルイズは、街の活気に驚かされた。
トリスタニアとは違う、交通要所である港町独特の活気に包まれている。
笑顔で道行く人に声をかけ、果物や雑貨を売ろうとする街角の店々、そららには一様に笑顔が浮かんでいる。
(案外、街の人は苦しんでないのか)
そんな考えが頭をよぎった。

「この野郎!俺の財布をすろうとしやがったな!」
ルイズの楽観的な思案は、街角から聞こえてきた怒声にかき消された、人だかりの向こうから聞こえた声の主は、身長180サント程の浅黒い男であった。労働を主としているのか傭兵か、それなりの筋肉質で、角張ったあごが目立ち、口のまわりには無精髭を生やしている。
年の頃12歳ほどの少年が、男に腕をつかまれ、宙に浮かせている。
少年の服装はお世辞にも綺麗とは言えない、すすで灰色になった帽子を被り、所々が破けた薄茶色の上下を着ている。
じたばたともがく姿は、罠に捕らえられた小動物を連想させた。

「ちがう!俺じゃない!ぶつかっただけだ!」
「この野郎、暴れるんじゃない!」
ルイズが人混みをかき分けて近づくと、男は少年を地面に押しつけて、服の中をごそごそと探り始めた。
「見ろ!これは俺の財布だ、薄汚いガキが、兵隊に突きだしてやる!」
「そんなもの!取ってない!」
男が握りしめた財布を見て、群衆がどよめき始めた。

「またスリか」
「アルビオンの連中がきてから、増えたなあ」
「あのガキも難民じゃないか」
周囲から聞こえてくる声には、あからさまにアルビオンの難民がスリだと印象づけるようなものもあった。

747仮面のルイズ:2010/09/17(金) 21:50:30 ID:cXQ9jl2k
(今の声、誰が?)
声の主を捜し、視線を移していく…すると、数人が『見せ物に飽きたように』人混みから離れていった。
(不自然よね)

「俺じゃ、俺じゃない!スリなんかするか!」
「うるせえ!」
男の拳が頬に当たり鈍い音が聞こえ、少年は「ぶっ」と声を漏らした。抵抗する気力を失ったのか、地面に顔をこすりつけたまま動かない。
「うっ、ううぅ、うう…」

人混みの喧噪にまみれながらも、少年の嗚咽だけははっきりと聞こえた。
ルイズにはどうしても、小ずるいスリの悔し泣きにも、罪を誤魔化す演技にも聞こえなかった、聞き覚えがある気がしてならないのだ、その鳴き声に。

間もなく騒ぎを聞きつけた衛兵が現れ、男が少年を引き渡すと、見物人は興味を失ったとばかりに散っていった。
(あの子には悪いけど、あの男…気になる)
フードを被り直し、ルイズは『財布をすられた男』の後を追った。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


夜。

ルイズは古ぼけた酒場の二階で、傭兵時代のアニエスが世話になっていた『コーラ』という女性に会っていた。
彼女はアニエスより年上で、声も腕も太ければ体も太い、豪快で誰からも頼りにされる女将であった。
「あはははは!なんだいアニーの奴手紙なんかよこして、偉くなったもんだねえ!」
アニエスからの手紙を受け取ったコーラは、満面の笑みでルイズの背中を叩いた。
「トリスタニアからじゃ時間がかかったろ?とっておきのエールを入れてやるからちょっと待ってな」
「ええ、あの、ええと」
ルイズは戸惑いながらも、これが”肝っ玉母ちゃん”なのかしら?と、どうでも良い感想を抱いた。

ラ・ロシェールの中では比較的古くから使われている宿らしく、岸壁に作られた倉庫をそのまま利用した部屋は、以外と湿気が少なく快適であった。
「この部屋は昔武器庫だったのさ、奥行きがあったからそのまま住居にしてる。表にせり出した酒場は後から作ったもんなのさ。おかげで建物は小さく見えるけど、奥行きがあって使いやすいのさ」
「そ、そうですか」
女将の迫力に戸惑い、ルイズは話を始めるきっかけを掴めない。その戸惑いが通じたのか、女将はアニエスからの手紙を開き、読み始めた。
「何…なかなか厄介なことになってるねえ。アルビオン難民に暴動を起こさせようと計画している間諜がいるだなんてねえ」
「それで、昨日までこちらに居たエメリーを急遽トリスタニアに呼び戻したのです。代わりに私がラ・ロシェールに滞在することになりました」
「そうかい、まあ無茶はするんだろう、少しならあたしにも手伝えるから、上手くやっておくれ」
「はい」
ルイズは頷いたが、コーラに、ひいてはコーラが女将をしているこの酒場に迷惑をかけるつもりはない。
挨拶を済ませたら宿を転々とするつもりであった。

エールを飲み干して、ふうと息をつく。ふとコーラの表情を伺うと、先ほどより幾分か神妙な面持ちをしていた。
「ところで…一つ、頼みを聞いちゃくれないかい?」
「私に出来ることでしたら」
「実はこの、アルビオン難民に関することなんだよ。ラ・ロシェールの麓の生まれで、アルビオンで酒場を開いた奴がいてねえ。そいつから子供を疎開させてほしいと頼まれたんだ」
「疎開?」
ルイズの脳裏に何かが浮かんだ。

「もうラ・ロシェールも戦火にまみれてる。別の村にでも疎開させようとしたんだけどねぇ……酒場で働きたい、父さんみたいになりたい!って言って聞かなくてねえ」
「アルビオンから、酒場の子が、疎開…」
ルイズの脳裏に、ちくりとする何かが浮かび上がった。

「そうさ。あたしは行ったことも無いんだけどね。アルビオンの首都にほど近い、街道沿いの場所に酒場を開いて、繁盛していたらしいよ」
「アルビオンの首都、ロンディニウム…」
748仮面のルイズ:2010/09/17(金) 21:51:13 ID:cXQ9jl2k


『ジョーンズ、マスターに会ったのはいつだ?』

『…月ぐらい前だ、ブルリン、お前は?』

『俺もそれぐらいだ…なあ、マスターの息子はどうなったか知らないか』

『一足先にラ・ロシェール近くの村に疎開してるよ、マスターの故郷らしい。ところでマスターは?』

『…カウンターの裏で、瓦礫に潰されて…』




==========================
投下したッ!!!
749名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/17(金) 21:53:42 ID:WmG4ljyY
ここで仮面だとォー!?
750名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/17(金) 21:54:49 ID:DUTl0K4P
仮面さん投下乙でした!
静かに進行する陰謀と、それに立ち向かうルイズ、堪らんです
751名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/17(金) 22:21:36 ID:YqPmkBCl
仮面さんキターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
752名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/17(金) 22:27:50 ID:ruojONES
おつーーーー!!
753名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/17(金) 22:52:47 ID:sjb4FQnm
仮面さん復活だとおぉぉぉぉ!!!
754名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/18(土) 09:11:02 ID:IMjmi5C+
本当に、本当によく帰ってきてくれました!
投下乙ッ!!!
755名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/18(土) 13:05:18 ID:8DulZxhZ
仮面さん来た!!!
すばらしい乙!
756名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/18(土) 13:15:55 ID:F8LRvBWO
久しぶりだあ
757名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/18(土) 13:27:57 ID:+IRP8ZHz
投下乙!
758名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/18(土) 15:30:03 ID:lTB/4eTn
なんという奇跡
759名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/18(土) 17:00:40 ID:0hWevXWC
仮面さん待っていました&お帰りなさい
760名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/19(日) 00:47:19 ID:sBV1g1Vl
おかえりッ!
761名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/19(日) 01:50:05 ID:HldQCLVl
おかえり!
乙ッ!
762名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/19(日) 02:27:56 ID:9PPnflVP
∩(・ω・)∩仮面さんバンジャーイ
763名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/19(日) 08:57:17 ID:Z/O9gy51
ヒヒダルマ強いぜ
764名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/19(日) 18:56:13 ID:Fffutbqk
まとめ挑戦してくる
765名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/19(日) 19:23:17 ID:Fffutbqk
まとめ挑戦してきた!!
766名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/19(日) 23:44:19 ID:KtqFNy8F
乙ッ!乙ッ!乙ッ!
767名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/20(月) 09:08:28 ID:6FizOU+L
仮面投下乙ッ!!!
お帰りなさい!まとめも乙!
768名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/20(月) 09:15:13 ID:hqC3e020
おかえり!
乙です!
769名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/21(火) 13:46:53 ID:Gih/E2rC
来てたー!
乙!
770名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/21(火) 21:05:29 ID:JKJRtOdx
反省の人はまだかのう・・・
771名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/23(木) 10:33:56 ID:Md6fcWC8
ひょっとしたら無粋な質問かもしれないけど、才人とギーシュが力を合わせて黄色の節制を
再起不能にしたSSってなんだっけ?
772名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/23(木) 11:21:17 ID:TFmfeOIl
避難所の『ギーシュの奇妙な決闘』だと思う
ルイズが最初にリンゴォ召喚してギーシュと決闘
ギーシュが重傷を負いながらも勝利して『男の世界』に入門する話
773名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/23(木) 11:54:39 ID:g780yma8
お、ホントだ。ありがとー。

……風呂敷を広げすぎるとたためないモンだなぁ。
774名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/24(金) 01:47:42 ID:WSkAccHD
今更だが仮面が来てるだと!?
775反省する使い魔!:2010/09/27(月) 02:24:37 ID:MJb8VC7c
反省する使い魔!  第十話「インテリジェンス◆ビート」


キュルケの誘惑を振り切った次の日。
音石は今、学院の広場にいた。
つい10分程前に彼は目を覚まし、
昨日と同じようにルイズを起こそうと(もちろんギターで)したが

「今日は『虚無の曜日』だからゆっくり寝かせて・・・」

そう言われ、ルイズは再び眠りに落ちてしまった。
『虚無の曜日』………、つまり日本でいう日曜日のような
休みの日のことを言っているらしい…………。
そういうことならと、音石ももうひと眠りしようとしたが
窓から差し込む快晴の光や鳥の鳴き声。
とても二度寝できるような状況じゃなかった。
以前も述べたかもしれないが、音石は刑務所にいた為
その規則正しい生活習慣が完璧に体に染み付いたおかげで
いやでも朝早くに目を覚ましてしまう。なんとも難儀な話である。
仕方なく音石は藁の上から立ち上がり、昨日と同じように
服にこびりついた藁を払い落とすと、ルイズの部屋を後にした。

ルイズの部屋を出ると、音石がまず最初に向かったのは
シエスタとはじめて出会った水汲み場だった。
音石はそこで顔を洗うと、清々しい風を肌で感じていた。
肌でモノを感じる。音石はギタリストとして
常に音やリズムなどを肌で感じている。
そのため音石にとって、肌でモノを感じるというのは
とても重要で素晴らしいことなのである。


776反省する使い魔!:2010/09/27(月) 02:25:38 ID:MJb8VC7c
そして現在に至る。
音石はその後、水汲み場からそのまま広場へと移動した。
そしてさらにそのまま、学院の男子寮、女子寮から
出来るだけ離れた広場の隅のところへと移動した。

「………さてと、ここら辺でいいか」

なぜ音石が男子寮、女子寮からできるだけ離れたかというと
彼なりの気遣いの配慮である。
なぜなら音石が寮から離れていったのにはわけがあったのだ。

「学院なんかでゆっくりと『コイツ』を堪能できる場所なんざァ
限られてるからなぁ。ここらへんなら寮にいる連中に
聞こえることもなけりゃあ文句言われることもねぇだろ………」

そして音石はそのまま『コイツ』こと、愛用のギターを手に持った。

ドギュウウウウーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!

「YEAH!」

弦を指で弾き、発する音に合わせて体を激しく動かし、髪がなびく。
音石にとって、ギターを奏でている時間こそが何よりも幸せであった。
たとえ嫌なことがあってもギターさえ弾いてしまえば
その嫌なことを忘れさせてくれる。
既に音石の頭の中には派手なステージでスポットライトを浴び、
歓声が降り注いでいる自分の姿が出来上がっていた。
彼は今、最高に満足している。
今振り返ってみれば、彼はこの世界でゆっくりと
心ゆくままにギターを演奏するのは今が始めてである。
召喚された最初の日にはライトハンド奏法、一回だけ。
その次の日にはルイズのお目覚めリサイタルや
ギーシュの決闘の時に軽く弾いた程度である。

777反省する使い魔!:2010/09/27(月) 02:27:41 ID:MJb8VC7c
次第に音石の顔に大量の汗が溢れ出した。
しかし彼のギターのボディの材料、
中南米ホンジュラス産の1973年のマホガニー材が
彼の汗を呼吸するかのように吸い取り、
音石が汗をかけばかくほど、ギターの音が良くなっていった。
ネック部の弦には狂いがなく、100年間暖炉に使われてきた
超乾燥のくるみ材(盗品)を使用しているため、
音がビビることなく、音響的な渋い味わいを出している。
そしてなによりその渋い味わいの音を正確に
鳴り響かし引き出してるのは、ギターの材質関係なく
彼のギタリストとしての実力だろう。

ギュウウウーーーーーーーーーーンッ…………

「万雷の拍手をおくれ、世の中のボケども」【うっとり?】

【パチパチパチパチパチパチッ】

「おっ?」

778名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/27(月) 02:41:30 ID:d/YP6Vt0
支援
779名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/27(月) 08:12:18 ID:HyoqtXxA
途中で切れてるように見えるんだが
780反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:32:33 ID:d/YP6Vt0
ギターで一通り演奏し、ラストは自分の気に入っている
決め台詞で締めくくると、万雷とまではいかないが
小さな拍手の音が音石の耳に入った。
音石がその拍手のするほうへ振り向く。
そこに居たのは、ルイズと同じくらい小柄で水色の髪、
片手にはその小柄な体よりもはるかに長い杖、
もう片手には三冊の分厚い本をもっている少女だった。
音石はその少女に見覚えがあった。
確か召喚された日にギーシュに魔法で浮かされたとき
キュルケと一緒にいた記憶がある。
その次の日には、シエスタが落としそうになった食器を
拾い戻す前に空を見上げていたとき、ドラゴンの上に
跨っていた記憶もあった。だが名前は知らない。

「お前は………確かキュルケと一緒にいた………」
「………タバサ、あなたは?」
「音石明だ……、いつからそこにいたんだ?」
「だいぶまえから」
「そうなのか?コイツ(ギター)に夢中だったから気付かなかったぜ。
なあ、……さっきのオレの演奏どんな感じだった?」
781反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:33:20 ID:d/YP6Vt0
音石としては、ギターが存在しないこの世界の人間に、
どんな印象を持たれるか興味深かった。

「初めて聴く音……、変わってたけどなかなかユニーク」
「ふむ、まぁそんなモンだろうな。
それでタバサ、こんなとこでなにしてたんだ?
寮からだいぶ離れてんのに………」
「……どちらかといえばそれは私のセリフ」
「ははっ、ちがいねぇな」
「わたしは図書室に借りていた本を返しにいって
あたらしい本を借りて、部屋に戻る途中に
奇妙な音が聞こえたから、気になって来てみたら貴方がいた」
「オレは随分と早く目が覚めちまってよぉ〜〜〜………、
気晴らしついでに、腕が鈍ってないか確かめていたんだよ」
「腕が鈍っていないか?」

タバサが知る限りでは、音石はルイズに召喚されたときから
ずっとギターを決闘中だろうと肌身離さず抱えていた。
そんな彼がまるで久しぶりに演奏するかのような
物言いに疑問を感じたのだ。

「………ん、ああ。ワケあって牢屋の中にぶち込まれててな。
ちょうど出所したところをルイズに召喚されたんだよ」
「………そう」

なぜ牢屋の中に入っていたのか………。
気にならないと言えば嘘になる。
しかし無理に相手の詮索するようなことはタバサはしたくなかった。
人はそれぞれにいろんな『過去』を背負っている。
楽しかった思い出、悲しかった思い出、悔しかった思い出、
そしてそんな思い出には必ず理由が存在する。
だからこそタバサは、目の前の男が牢屋の中に
入っていた人間であろうと、少なからず何か理由があるのだろう。
そう解釈したのだ。
782反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:34:05 ID:d/YP6Vt0
他の生徒や教師がこの事実を知れば音石に対して
強い警戒心を抱くだろう。
しかしタバサは違った。ワケがあって『過去』を
知っている彼女だからこそ
音石に対して、警戒することもなかった。

「………ひとつ、質問がある」
「ん?」

だがタバサにはまだ気になることがあった。
それは…………。

「ギーシュとの決闘のときに見せた
あれは…………………………何?」
「マジックアイテムを使った魔法だ」

当然嘘である。
音石は食堂でのマルトー達とのやりとりをもとに
自分のスタンドのことを誰に尋ねられたら
マジックアイテムと言って誤魔化そうと
昨日の夜から考えていたのだ。

実は言うと音石はタバサが自分を尋ねたときから
『レッド・ホット・チリ・ペッパー』のことを
聞いてくるんじゃないだろうかと予想はしていたのだ。

なぜならここの生徒たちは決闘のこともあり
ほとんどが確実に音石にビビッている。
それは昨日すでに音石も確信している。
(まあ、もともとそのつもりでの決闘なのだが)
そのため、そんな生徒が自分に話しかけるなんて
よほどの物好きか、プライドの高い馬鹿、
チリ・ペッパーの謎を探ろうとしている命知らず。
音石はそう考えていたのだ。
783反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:35:49 ID:d/YP6Vt0
当然、スタンドのことを話しても音石に得はない。
ルイズやオスマンに話したのは彼らを自分なりに
信頼しているからだ。
仮にキュルケにスタンドのことを聞かれても
音石は絶対に岸辺露伴の名言『だが断る』と言い切るだろう。

「嘘」
「なにィ?」

音石の答えをタバサがバッサリと否定した。

「あんな亜人を呼び出す魔法は私は知らない」
「おいおい、世界は広いんだぜ?
それに比べ、人間一人が脳みそにぶち込む記憶なんざ
たかが知れてるんだ。世の中お前が知らないことなんて
腐るほどあるんだよ……………」
「…………………」

音石は知らないがタバサは俗に言う『本の虫』である。
授業中はおろか、出歩くときも本を凝視している。
今日のような休みの日は一日中部屋に篭って本を
読むのが彼女の楽しみである。
それ故に彼女は成績も優秀、あらゆる魔法の知識を読破している。
マジックアイテムも例外ではない。
だから音石に知らないこともあると言われて
プライドが少し……だいぶ……ちょっと傷ついた。

「ならこれだけは教えてほしい」
「………なんだ?」
「あなたは…………どこの出身?」
784反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:36:40 ID:d/YP6Vt0
(痛いトコつくなァーおい)

「ここからずっと遠い所だよ」
「遠いところ?」
「正直言ってオレにもわかんねーんだわ
だいぶ離れているせいでな…………
だからオレもここら辺の地理をよく知らねぇんだよ」
「そう…………」

音石が今答えられるのはこのくらいが精一杯である。
音石としてはいちいち答えてやる道理はないが、
もしもというときがある。
音石はあとでルイズにこの世界の地理や国のことについて
色々と教えてもらおうと考えていた。
ついでになぜ道理もないのにタバサの質問に答えたかというと
単なる気まぐれである。

「あ、オトイシさん!」

すると突然だれかに名前を呼ばれ、音石は振り返った。
やって来たのはシエスタである。
どうやら昨日と同じように洗濯をしていたようだ。
しかしなぜ水汲み場から広場の隅にきたのだろうか?
音石はそれが気がかりだった。

「おお、おはようシエスタ」
「あ、おはようございます!………あ、そうじゃなくて。
オトイシさん、ミス・ヴァリエールが探していましたよ」
「ルイズが?チッ、仕方ねーな。
んじゃあタバサ、そういうことだから…………いねェ」

音石が振り向きなおってみると
いつの間にかタバサはその場を去っていた。
まるで雪みてーな奴だな、現れたと思ったら
いつの間にか消えてやがる。
785反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:37:36 ID:d/YP6Vt0
音石はタバサにそんな印象を感じながら、
シエスタと別れ、女子寮のルイズの部屋に帰っていった。
音石は知らない。タバサの二つ名がその印象どおり
『雪風』であることを…………。




そんなこんなで現在音石はルイズの部屋へと辿り着き
ルイズの部屋のドアノブに手を掛けた。

【ガチャ】
「あ、オトイシ!ちょっとアンタどこ行ってたのよ!?」
「ギターの練習だ。つーかよ〜〜…
どこに行こうがおれの勝手じゃねーか」
「もうっ!あんた、わたしの使い魔って自覚ある!?」
「はっ、オレにも人権ぐらいあってもいいと思うが?」
「ふん、まあいいわ。それはそうとオトイシ!
ゆっくり寝て気分もいいことだし、
今日は街に買い物に行くわよ!」
「お!街か〜、いいねぇどんなのか楽しみじゃね〜か〜
なにか買いたいモンでもあんのかルイズゥ〜?」

音石からしてみれば召喚されて以来
この学院を一歩も外に出ていなったので
この世界の街というのがどのようなものなのか
かの有名なルーブル美術館を観光するかのようで
非常に楽しみで心が躍った。
786反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:38:25 ID:d/YP6Vt0
しかしそれはそうとして、なぜ急に街に行くなどと
言い出したのか。そこに小さな疑問を感じていた。

「わたしじゃないわ、オトイシ。アンタのよ」
「オレの?」
「そっ、さすがに自分の使い魔をずっと藁で
寝かしておくのもなんだし。
今日はアンタ用の枕やモーフを買ってあげるのよ!」

そのルイズの言葉に音石は目を見開かせ、
やがてその顔に笑みが浮かび上がった。

「おいおいおい!なんだなんだァ〜ルイズ!
随分とメチャ嬉しい事してくれんじゃね〜か〜〜!
こりゃ明日は空から槍が降ってくるぜェ、はっはっは」
「一言多いのよアンタは!
そ、それと勘違いしないでよね!
使い魔の面倒を見るのは貴族として
当たり前のことなんだから!」

はいはい、笑みを浮かべながら音石は言葉を返し、
街に行くための支度を手伝い、
部屋を出る際に小さな袋を手渡された。
袋の中を見てみると、音石は「おおっ!」と声を上げた。
小さな袋の中には輝かしい金貨がギッシリと詰まっていた。

「財布を持って守るのも使い魔の役目よ」
「なるほどな」
「あ、それから。街に行くんだからスリとかに気をつけなさいよ?」
「わかった、任しとけ」

音石の頼りがいがあるような態度に
ルイズはどこか安心したが、この時彼女は気付かなかった。
自分の使い魔が主人である自分の目を盗んで、
いつの間にか袋の中の金貨を四枚ほど抜き取り、
ポケットにいれていたことを。

音石明。この男、やはり悪党である。

ルイズはそのまま忘れ物がないか確認した後、
音石とともに自室を後にした。
787反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:39:24 ID:d/YP6Vt0



学院の庭をルイズの後に続いて歩いていると
音石はあることに気付いた。

「おいルイズ、学院の門はあっちだろ?
どこにいくんだ?」
「街までは結構距離があるから
乗り物を取りにいくのよ」
「乗り物?」

音石の頭に?マークが浮かび上がると
奇妙な小屋に辿り着き、中からシエスタが出てきた。

「シエスタ?」
「ミス・ヴァリエール。頼まれていたモノは
用意しておきました」
「そう、ありがとう。それじゃあここまで連れてきて頂戴」
「かしこまいりました」

貴族であるルイズの前では
シエスタも給仕としての顔を覗かせており、
いつものシエスタからは想像も出来ない真剣な顔で
ルイズに対処していた。
音石はそんなシエスタにどこか感心していたが、
次に彼女が連れてきた『モノ』を見て、体がぴたりと止まった。

「………馬?」

そう、馬である。二頭のでかい馬。
その小屋は貴族用の馬を置いておく厩舎小屋なのである。

「なあ、まさか……こいつに乗って?」
「そうよ、当たり前でしょ?」

あっさりと返答するルイズに音石の頭と肩はガクッ下がった。
788反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:40:09 ID:d/YP6Vt0
(マジかよ〜、なんかもっとこう……
魔法を使った乗り物を想像してたぜ、
『アラジンの魔法のランプ』に出てくる
空飛ぶ魔法の絨毯(じゅうたん)的なモノをよ〜〜
うわァ〜、一分前のおれ殴りてェ………)

「ちょっとオトイシ。どうしたのよ?」
「なぁルイズゥ〜、オレ馬なんて乗ったことねぇんだけど」
「そうなの?あんたがいたトコって馬がいないの?」
「別にいねぇーわけじゃねぇんだが………」

そこで音石は、シエスタに聞かれると面倒だと判断し
ルイズの耳元で小声で話しかけた。

「オレの世界じゃ自動車や自転車やらの
移動手段があるから、馬なんて普通つかわねぇんだよ」
「そうなの?」
「別に馬がいないってわけでもねぇんだが………、
趣味とかスポーツぐらいでしか生の馬自体みかけねぇんだよ」
「え、じゃあオトイシ。
あんた馬を直接見たのコレが初めてなの?」
「当たり前だ。こんなのテレビぐらいでしか見たことねぇーよ!」

はあっ、とルイズに口から大きな溜め息が出た。

「もう、仕方ないわね。ええっと…確かシエスタだったかしら?
悪いけどその馬たちを門の外まで連れてきて頂戴。
オトイシ、さすがに学院内じゃなにかとあれだし
学院の外で私が馬の乗り方を教えてあげるわ」

(ご親切ありがてぇんだが、すっげー乗りこなす自信がねぇ……)
789反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:40:54 ID:d/YP6Vt0
その後、音石はルイズのご教授の下、
乗馬についてとりあえず基礎から教えてもらい
貴族用の馬だけあってか、馬自身も利口でおとなしく
一時間半かけて音石は少しずつ順応していった。
しかしまあそれでもぎこちないのはお約束。
だがそれでも、わずか一時間半で
馬を走らせる程にまで扱えるようになれるのは、
成長性の高いレッド・ホット・チリ・ペッパーの本体である
音石本人の驚異的な順応性や学習性の高さあってのものだろう。

そんなこんなでやっとの思いで何とか馬に乗って
走らすなどのある程の技術を使えるようになった音石は
ルイズの後に続いて壮大な草原を馬で走らせていた。

「はっはー!乗れるようになっちまうと
意外と楽しいじゃねーか!YES!GO!GO!」
「ちょっとオトイシ!あんまり調子乗ってると
おっこちちゃうわよ!落馬ってとっても危ないんだから!
あ、音石。そこを右に曲がって!」

ルイズよりも先行し、音石は馬を走らせ
はじめての乗馬経験でテンションが上がっており
落馬の危険も顧みず、お構いなしに馬のスピードを上げていた。
しかし音石は知らない。
目的地であるトリスティン城下町は
馬で走らせても三時間かかるほどの距離にあることを……。
790反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:41:40 ID:d/YP6Vt0
そして一方こちらは、所戻ってトリスティン魔法学院。
そこはタバサの部屋である。
彼女は虚無の曜日を読書で費やすことを日課としており、
音石と出会う少し前に借りていた本を物静かに読みふけっていた。

【コンッ……コンッ……】

その静寂を小さく突き破ったのは
部屋のノック音だった。しかし誰かは見当がつく。
学院の教師に呼び出されるような心当たりはないし、
自分の部屋に尋ねてくる人物など『彼女』以外考えられない。
本来ならせっかくの読書の時間を無駄にしたくないので
このまま無視するにかぎるのだが、タバサを違和感を感じていた。
扉のノック音に『彼女』らしい、活発で元気な感じがなかったのだ。

「………どうぞ」

タバサがそう言うと、部屋の扉はゆっくりと開かれ
入ってきたのはキュルケであった。
キュルケを見たとき、表情には出さなかったものの
タバサは内心驚いていた。
キュルケの顔が見ているだけでわかるほど
とても暗い表情をしていたからだ。
いや、表情だけじゃない。目の下にクマが出来ており
よく見ると目元に乾いた後がある。泣いていたのだろうか?
791反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:42:25 ID:d/YP6Vt0
「タバサ……、お願いがあるの…」
「……………何?」

とても暗い声、普段元気活発溢れる彼女からは
想像も出来ない声の低さにタバサは只ならぬものを感じた。
キュルケはタバサのかけがえのない親友だ。
その親友がこんな姿になっているなんて
余程のことがあったのだろうとタバサは察した。

「ルイズと……その使い魔のオトイシが
城下町に買い物に行ったの(シエスタから聞いた)
急いであの二人を追いかけないといけないのよ
だからお願い。貴方の風竜、シルフィードの
力を貸してほしいの、わけは………聞かないで」
「…………………」

タバサは無言のまま部屋の窓を開き、口笛を鳴らした。
するとどこからか青い肌をした竜、タバサの使い魔
シルフィードが現れた。

「ありがとうタバサ」

タバサがシルフィードに跨ると、キュルケもタバサの後ろに跨り
学院から飛び上がった。向かう先はトリステイン城下町……。



一方その二人、ルイズと音石は
トリステイン城下町の大通り、ブルドンネ街に辿り着いていた。

「…………………………………」

そして音石は、その一角の壁に手でもたれかかり
背中の腰辺りをさすっていた。
792反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:43:10 ID:d/YP6Vt0
「もう!言わんこっちゃないわね!
乗馬初心者のあんたがあんな長い距離を
馬でとばしまくったら、そりゃ腰も痛めるわよ!」
「…………面目ない」

さすがに音石も言い返す言葉も見つからなかった。
調子に乗って墓穴を掘ってしまうのは彼の悪い癖である。
実質、三年前の杜王町の一件でも
この癖が原因で散々な目にあっている。
音石自身もこの癖には反省しようと努力してはいるのだが
元々彼の性格上の問題もあってか、なかなか直せるものでもない。
しかし言い換えれば、そこが彼の魅力のひとつなのかもしれない。

「………もしまだ痛むんだったらここで待ってる?
私ひとりで買い物済ませるから………」
「……いや、大丈夫。だいぶマシになった」
「無理してないでしょうね?」
「無理なんてする必要があるかっての」

音石は大きく背中を仰け反ると、背中からポキポキッと
気持ちのいい音がなり、それと同時に腰の痛みを引いていった。

「そう、ならいいわ。それじゃいくわよ!
はぐれて迷子とかにならないでよね」

ルイズが街中を歩き出し、音石もその後に続く。
しかし人ごみを進んでいるうちに音石はあることに気が付いた。

「それにしても随分と道が狭いな。ここって大通りなんだろ?」

音石が向こう側の壁とこちら側の壁を
目で測ってみると、だいたい5mぐらいしかない。
793反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:43:59 ID:d/YP6Vt0

「そうよ、あんたの世界に比べたら狭いかもしれないけど
こっちの世界のわたしたちからしてみれば
コレぐらいが普通なのよ」
「まっ、そんなもんなんだろーな。認識の違いなんて」
「そんなもんなんでしょーね。あ、それはそうとオトイシ!
ちゃんと財布持ってるわよね?まさか取られて無いでしょうね?
いくらアンタでも魔法を使われたら一発なんだから
気をつけなさいよ」
「魔法?おいおい、魔法を使うって事は
貴族なんだろ?なのに盗みなんてするのかよ?」
「貴族にもいろいろいるのよ。
いろんな事情でその地位を追いやられて
傭兵や犯罪者に成り下がる奴もいるのよ」
「つまり没落貴族ってやつか?
やれやれ、この世界の世も末だな」

何気ない会話を繰り返していると
一軒の建物に辿り着いた。服などが飾られてる
ところから予想するとどうやら衣服店のようだ。
なぜ服屋に?とルイズに聞いてみると
どうやら音石のための変えの服も注文してくれるそうだ。

「いらっしゃいませ貴族様」

店に入ると、早速店員がルイズに
貴族相手の丁寧な接客を行いはじめた。
794反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:44:44 ID:d/YP6Vt0
「今日はどのような御用で?」
「使い魔のための服をいくつか注文したいの」
「こちらの御方ですか、かしこまいりました
どのような衣装をご希望で?」
「そこは彼に任せるわ。オトイシ、どんな服がほしいの?」
「そうだな………」

音石は顎に手を置き、店にある衣装を眺め考えるが
この世界の時代が時代なだけあってか
はっきりいって、これだ!とくるようなモノはなかった。

「オレが今着てる服と同じやつは作れるか?」

音石がそう言うと、その店員は音石に
「失礼」と呟き、音石が着ている服を
手触りで調べ始めた。

「………なかなか変わった作りと材質ですね」
「ワケあって遠い地方から来てんだよ
で、作れんのか?」
「ええ、少し手間取るかもしれませんが
これならなんとか作れるでしょう。
ですが材質が材質のため少々値が張るかもしれませんが……」
「いいかルイズ?」
「ええ、お金はある程度多く持ってきてるから大丈夫よ
でもいいのオトイシ?
せっかくなんだしなんか別の服を買っても……」
「いらねぇよ、それにコイツ(今着てる服)には
けっこう愛着があんだよ。これからなにが起こるかわかんねーし
予備に何着か持ってたって損はねーだろ」
「まっ、あんたがそれでいいなら
もう何も言うことはないわ。
………それじゃ、服が出来次第ここに送って頂戴。」
「かしこまいりました」
795反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:45:29 ID:d/YP6Vt0
ルイズがなにかを書き記したメモと一緒に代金を支払い、
音石と共にその店を後にし、
今度は別の店で枕やモーフを購入し、
服と同じように学院に送るようにと注文した。

やることも一通り終え、二人は現在街を出ようと移動していた。
すると音石はあることに気が付く。

「なあルイズ、この裏路地抜けていけば
近道になるんじゃねぇのか?」

音石の言葉に、ルイズは脳裏にいままで記憶している
この街の構図を展開し、道を辿らせる。

「確かに………、行けるかもしれないわね
事が早く済ませるのには越したことないわ
行きましょオトイシ」

ルイズ自体はその裏路地に入った経験はないが
記憶している街の間取り的に考えると
なかなかの時間短縮になると予想したからだ。
しかしこのような薄汚い路地裏に足を入れるのは
なにがおこるかわからないと抵抗はあったが、
自分にはオトイシという優秀な使い魔がいる。
そう考えると些細なことだと自然に思ったのだ。

そして路地裏を進んでいくと、四辻の道に入った。

「えっと、この道があーであの道があーだから……」
796反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:46:26 ID:d/YP6Vt0
ルイズがその四辻でどの道に進めば
一番の近道になるか考えている一方、
音石はあくびをしながら路地裏の周りを
興味深そうに見回していた。
薄汚い野良猫、道端に散乱しているゴミ屑
そして殺風景な風景。
こうも絵に描いたような路地裏も逆に珍しい。
するとだ、音石の目にとある看板が目に入った。
その看板はファンタジーの剣の様な形になっており
なにか文字が書いてあったが、
生憎音石はこの世界の文字が読めないためルイズに質問した。

「なァなァルイズ」
「ん、なによ?」
「あそこの看板、剣みてぇーな形してっけど
……もしかして武器屋か?」
「あら、よくわかったわね?
確かに武器屋だけどそれがどうかしたの?」
「行ってみよーぜ!」
「はぁッ!?なんでよ!?
あんたなんなに強い能力もってるくせに
剣なんて持ってどうするつもりよ!?」
「別にほしいなんて一言も言ってねぇーだろー?
俺の世界っつーか国にはあんな武器屋なんて
どこにもねぇからよ。興味あんだよ
なあルイズいいだろぉ?ちょっと見るだけでいいからさ〜」
「……はァ、仕方ないわね。
まっ、まだ時間には少し余裕あるし今回は特別よ?」

よっしゃ!と音石は歓喜の声を上げ、
早歩きでその武器屋に向かった。
店の中に入ると、壁に剣や槍が飾ってあり
つぼの様な容れ物にもあらゆる武器が収納されている。
おお!すげェ!っと日本ではまず見れない光景に
音石は興奮を隠せず、店の見渡した。
すると店の奥からどこか胡散臭そうな主人が現われた。
797反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:47:10 ID:d/YP6Vt0
「これはこれは貴族様!
いらっしゃいませ、当店に一体どのようなご用件で?」
「別に用って程じゃないわ、ウチの使い魔が
どうしても見たいっていうから連れてきただけよ」
「は、はァ。さようでございますか………」

店主は内心舌打ちをした。

(ウチの店は見世物じゃなく、商売をやってんだ!
せっかくの貴族の客だってのにこのまま帰してたまるか!
この世間知らずの貴族からたっぷりと金を搾り取ってやる!)

悪巧みを考えている店主の視線がルイズから
店に飾ってある武器を眺め回っている音石に変わる。

(このにいちゃんがこの貴族の使い魔だってんなら
この貴族よりもこっちをうまく口車に乗せたほうが
効率がいいかもしれねぇな……………
見たところ武器に興味があるようだし
うまくいきゃあこの使い魔を通してあの貴族から
ありったけの金を搾り取れるぜ!!)

「お客様、武器に興味がおありで?」
「ん?ああ、俺がいたところじゃあ
剣みてぇな武器なんて売ってねぇからな」
「ほっほー左様で……、どうです?
せっかくですしなにかご購入なさってはいかがです?」
「必要ないわよ」

店主のあくどい接客にルイズが横槍を入れた。
さすがにその言葉に店主も戸惑ったが、
逆にそれを止めたのは音石だった。
798反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:47:59 ID:d/YP6Vt0
「まぁまてよルイズ、このおっさんが
言ってることも一理あるぜ?
せっかく来たんだし、なにか記念に買って帰るのも
悪くはねぇだろ」
「あんたに武器が必要だとはとても思えないんだけど…」
「世の中『もしも』って時がいくらでもあるんだ
その『もしも』に備えとくのもありだと思うぜ?」

音石が言う『もしも』とは
スタンドの射程距離のことである。
レッド・ホット・チリ・ペッパーは
電線などによる発電物がない限り、
その射程距離は一般の近距離パワー型と
ほとんどかわらない。
ついでに近距離の場合の
レッド・ホット・チリ・ペッパーの
パワーの源である電力は音石の
精神力(スタンドパワー)によって補われている。
それ故にこの先この世界でどんなことが
起こるかわからない以上、ソレに備える必要がある。

例えば何らかの原因でまた貴族と対峙したとしよう、
彼らは基本、距離を置いての魔法を行使する。
コレが致命的であり、こちらのスタンドの射程距離に
相手が入らない限り、こちらは打つ手がない。

つまり音石は遠距離に対応できる武器がほしいのだ。
これはSPW財団から聞いた話なんだが
かつて自分が『弓と矢』を使って生み出した二匹の鼠、
その二匹はどうも遠距離のスタンドを使っていたそうだが
仗助はどうもベアリングとライフルの弾を使って
スタンド射程を補い、コレを撃退したそうだ。
その例もなる。用心に越したところで
別に損もないだろうと判断したのだ。
問題はどんな武器にするかだ。
799反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:48:47 ID:d/YP6Vt0
「弓……いや、ナイフとかないか?
こう……投げる用に有効なやつ」
「かしこまいりましたお客様、少々お待ちを」

店の奥に移動した店主は影で音石たちを嘲笑った。

(やりぃー!うまくいったぞ!
この勢いでどんどんせしめ取ってやるぜ!!)

「これぐらいしか置いてありませんが如何でしょう?」

店奥から戻ってきた店主は、
木箱のケースに収納されているナイフを持ってきた。
音石はへぇ…っと呟き、ナイフを手に取り
ダーツを投げるような仕草でナイフを動かした。

「お気に召しましたかな?」
「ああ、なかなかいいじゃねぇか。気に入ったぜ」
「そいつぁよかった。どうですお客様?
そのナイフのついでにこちらの剣も如何です?」

すると店主はカウンターの下から、大剣を取り出してきた。

「我が店一番の業物で、かの高名なゲルマニアの
錬金魔術師シュペー卿の傑作で。
魔法がかかってるから鉄だって一刀両断でさあ
どうです、美しい刀身でしょう?
今ならお安くしておきますよ?」
800反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:49:38 ID:d/YP6Vt0
確かに見事な大剣である。宝石などもちりばめられ
その美しさを引き出している。
しかし少々度が過ぎる感じがある。
その大剣を見た瞬間、特に興味もなく
退屈そうにしていたルイズがはじめて
その大剣に興味を示した。

「あら、ほんとに綺麗な剣ね。一体いくらなの?」
「エキュー金貨で二千。新金貨なら三千ってところでさ」
「高すぎるわ。立派な家と、森付きの庭が買えるじゃないの
もっと安く出来ないの?」
「貴族様ぁ〜、勘弁してくだせぇ
ウチも生活がかかっているんですよ」

(別に剣はいらねぇんだがなぁ)

いつの間にか店主の交渉対象がルイズに変わってしまい
音石は何気なく陳列している武器を1つ1つ見ていると
とある一振りの剣に目が止まった。
鞘の形状からすると日本刀のように反りの入った剣だった。
音石はなにか引き寄せられるかのように
その剣に手を伸ばし……その剣を掴み取った。
801反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:50:23 ID:d/YP6Vt0
「こいつはおどれぇーた、声もかけてねぇのに
俺をこの大量の武器の山から選び取るとは……」

すると突然、どこからか低い男の声が聞こえた。
音石は周りを見渡すが、自分とルイズと店主以外
この武器屋にはだれもいない。

「どこ見てんだよ……、あ〜なるほどな
選び取れる筈だぜ。お前使い手か」

音石は耳を澄まし、声の発信源を探ってみたが
その声はどうやら自分が持っている剣から放たれているようだ。

「剣が………しゃべってんのかッ!?」
「おうよ!オレはデルフリンガー様だ!!」
「それってインテリジェンスソード?」
「なんだそりゃ?」
「簡単に言えば魔法で人格が宿ったマジックアイテムよ」
「ふ〜ん。インテリジェンスソードね〜」
「こらデル公!!お客様に変なこと吹き込むんじゃねぇ!!」
「うっせえクソおやじ!!おいお前!
出会ってばっかでなんだが、お前オレを買え!!」
「はっはっは!こいつはおもしれぇー。
剣が売れ込みをしてるぞ!!」
「ちょっとオトイシ、あんたまさかその剣
買うつもりじゃないでしょーね!?
インテリジェンスソードなんてやめなさいよ!!
うるさくてかなわないわ!
それにこの剣、よく見たら錆だらけじゃない
そんなのよりこっちの大剣のほうがよっぽどマシよ!」
「世間知らずの貴族の娘っ子には
俺様のすばらしさなんてわかんねーだろーよ!!
あんな見かけだけのデカイ剣なんかより
オレを買ったほうが絶対得だぞ!!」

剣と人間との口論のなか、音石は少し考え
あるいい方法を思いついた。
802反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:51:09 ID:d/YP6Vt0
「なぁおやじ、この大剣は鉄も一刀両断できるんなら
当然それなりに頑丈なんだよな?」
「え?……あ、ええああそりゃあもちろん!
なんたってこの剣は【パキィンッ!】かの有名な……え?」

店主は一瞬何が起きたのか理解できなかった。
しかし次第に何が起きたのか理解していった。
そう、高値で売りつけようとしていた大剣が
突然真っ二つに折れてしまったのだ。

「どうやらなまくらだったようだな」
「な、な、なァァーーーーーーーーッ!!?
な、な、なんで!?け、剣が勝手に!?」

店主はせっかくの品物が使い物になれなくなった現実に
理解できないまま悲痛の声をあげていたが
ルイズは音石がなにをしたのかしっかりと理解していた。
レッド・ホット・チリ・ペッパーを発現させ
中指で大剣をでこピンするかのように打ちつけたのだ。
その結果、大剣は真っ二つに折れたのである。

「ちょ、ちょっとオトイシ。あんたなんで」
「おいおいルイズゥ〜。剣を買う買わない以前に
オレにはコイツ(スタンド)があるんだぜ〜〜?
仮に剣を使うんなら、コイツの攻撃に
耐えられるような剣じゃねぇと意味がねぇだろ〜?」
「お、おめー、今のは一体?」

手に持つデルフリンガーからも驚きの声が上がった。

「さすがに魔法で作られた剣だけあって
見えるようだな?さ〜て…果たしてお前はどうかな?」
803反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:51:55 ID:d/YP6Vt0
音石のレッド・ホット・チリ・ペッパーは
デルフリンガーの傍に近寄り、
中指を親指で押さえ、でこピンの体勢にはいる。

「え!?お、おい!ちょっとまて…」
【ガァアアアンッ!!】
「いってえええええええっ!!!」

レッド・ホット・チリ・ペッパーの強烈なでこピンで
デルフリンガーの刀身は大きな悲鳴を上げたが
なんと剣は折れることなく、それどころかヒビも入っていなかった。

「………なるほど、上出来だ」
「あ、あんた。時々怖いぐらい無茶するわね……」
「褒め言葉として受け取っておくよ」


「で、でもやっぱりわたしの使い魔として
もっと見栄がいいモノがいいわよ〜、例えばそうね〜…」

するとルイズが許可もなく店の奥に
ずかずかと入っていった。

「え?ちょ、ちょっと貴族様!?」

ショックで落ち込んでいた店主も
ルイズの勝手な行動に我に返り
ルイズに制止の声をかける。
それでもルイズは足を止めず更に店の奥へと入っていった。
自分が貴族であることを鼻にかけているのだろう。
804反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:52:50 ID:d/YP6Vt0
「しっかし汚い店ねぇ〜〜、掃除くらいしなさいよねぇ」

ルイズは自分のことを棚に上げながら
店に罵倒を浴びせ、店の奥の貯蔵庫を見回りはじめた。

するとだ……、散乱してる武器の中から
一本の剣がルイズの目に止まった。
ルイズはその剣を見た瞬間、一直線にその剣に歩み寄った。

「こういった薄汚いところに上等な掘り出し物があるって
以前だれかに聞いたことあるけど、
案外その通りなのね…。この剣、とても美しいじゃない
こう言った剣こそ私の使い魔の持つものとして
相応しいわ…………。でも本当に美しいわね……
いっぺん抜いてみようかしら………」

ルイズはそのままゆっくりと
その剣に歩み寄り、手に取ろうと手を伸ばした。

「ちょっと貴族様!さすがに困りますぜ!!
………ッ!?あァーーやばい!!!
その剣を手に持っちゃだめだァーーーーーッ!!!」

ルイズを止めようと追いかけて姿を現した店主が
ルイズがその剣を手に取ろうとした瞬間、
大声で静止の声をあげた。

しかし…………時既に遅し!!
店主が声を上げたときには
ルイズはその剣を『引き抜いていた』!
店主に続き音石もデルフリンガーを手に
ルイズを追いかけたが音石はルイズの顔を見た瞬間息を呑んだ
その顔はまるで別人で、目には殺気が充満していた。
ルイズはその剣を手に振り返り
音石に向かってある言葉をささやいた。

「お前の命………、貰い受ける」

その剣にはデルフリンガーのように名前があった。
   その名はアヌビス
それ以上でもそれ以下でもなく
それがその剣の名前だった。
805反省する使い魔代理:2010/09/27(月) 12:54:04 ID:d/YP6Vt0
ラララ ラーラーラー なんてすてきな
ラララ ラーラーラー もじのならび!
ラララー それは ラララー それは…
オ・ト・イ・シ・サ・ン!

いきなりこれはひどい!
いやー、金曜ロードショーのバイオハザード見た後
たまたまこの偉大なる曲 ポケモンの「タケシのパラダイス」
見つけちゃって 反省する使い魔かいてる間ぶっ通しで聞いてた!

そんでもってなんか替え歌で音石にしたかったんですが………
素直にごめんなさい、やっちゃったZE!
806名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/27(月) 13:08:15 ID:ijPyE2kt
おお反省さん来ている、そして代理投下も乙です。
しかし音石も環境に慣れてきたのか、別世界なお陰か温和な気がして、これはこれで一つのいい面を見た気がする。
それと、剣、剣と言えばまさか、出てくるのか出てくるのかアヌビス!
そしてそんな危険なもの店に置かずに封印しておけよ武器屋よぉ〜ッ!
乙でした。
807名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/27(月) 14:05:55 ID:ArTdxeZ4
きた!反省も来たこれでかつる!
投下乙!代理投下も乙!
808名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/27(月) 15:37:09 ID:UHyZyGja
このスレでのアヌビスの登場率は異常w
809名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/27(月) 16:02:30 ID:I7Cd5ONY
デルフや地下水みたいに使えるから親和性たけーんだろうな
810名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/27(月) 20:29:53 ID:3LmZAq9e
デルフや地下水との掛け合いも面白いよな
811名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/28(火) 13:36:55 ID:MU8mJYJT
ガンダールブにアヌビス!かつてこれほど相性のいい組み合わせが有っただろうかっ!?
812名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/28(火) 14:10:51 ID:8ETPBenp
ガンダールヴになることでパワーが2倍!
更にそこにアヌビスの力も加える事で2×2の4倍!
そしてデルフと地下水も加えた3刀流で4×3の…12倍だ!!
813名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/28(火) 16:02:02 ID:16WR261I
ウォーズマンレベルでいいんかい
814名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/29(水) 00:27:31 ID:Whnya7Qn
右手にデルフ左手にアヌビス、口に地下水の究極三頭流だッ!
815名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/29(水) 02:57:20 ID:xEkZ6m6K
か、海賊王…!?
816名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/29(水) 03:12:16 ID:SPIdHIkx
だがアヌビスがガンダールヴになったのだ
817仮面のルイズ:2010/09/29(水) 04:04:23 ID:AajhHSol
投下します。
818名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/29(水) 04:12:09 ID:Mmk4Lizu
お、仮面さんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
819仮面のルイズ:2010/09/29(水) 04:14:36 ID:AajhHSol
酒場の女将、コーラの話を聞いたルイズは、一人ラ・ロシェールの町を歩いていた。
”こんな偶然があるのか”と叫びたい気持ちのまま空を見上げ、うつむく。


コーラは、アルビオンから疎開した少年を一人預かり、酒場の手伝いをさせていた。
少年の名はロバート。彼の父親はラ・ロシェールにほど近い村の出身で、空の上にあるアルビオンに憧れて船乗りの道を選んだ。
輸送船で働くうち、アルビオンの人々との交流が深まり、アルビオンの気風をより好きになっていった。
やがて船で稼いだ金が貯まると、一念発起してアルビオンに古い家を買い、酒場を開いたのだった。
ボロボロの家を改造して酒場にするだけでなく、簡易の地図を酒場に張り出し、町の見所や、酒場、宿屋の場所などを記して好評を得ていった。
そのため、行商人や傭兵の常連客も増えていったという。

だが…、平和だったアルビオンにも戦争の兆しが見えた、レコン・キスタと名乗る貴族の一派が、王家に反逆ののろしを上げたのだ。
貴族派と王党派の争いが激化するに従い、ロバートの父は、船員時代に世話になった酒場の女将を頼って息子を疎開させることにした。
コーラは二つ返事で了承し、ロバートを預かった。が、ロバートは酒場で働くのがいいと言って聞かない。
本来なら戦争に巻き込まれにくい場所へと疎開させたいのだが、父親の背を見て育ったロバートに好感を持ったのも事実だった。
それなら仕方がないと、酒場を手伝わせたのだが、父親の姿を見て学んだのだろう、子供とは思えない要領の良さで酒場を手伝っていた。
その仕事ぶりを見て、女将コーラだけでなく、酒場を贔屓にしている自警団の連中にも気に入られ、可愛がられていたのだが…。

今日の昼頃、自警団の人間が酒場にやってきて、ロバートがスリの疑いで捕まったと知らされたという。

つまりは、ルイズが見かけた少年こそが、スリの疑いをかけられたロバートという少年なのだ。

「あの子は、スリの疑いをかけられて、衛兵に捕まっちまったのさ。あたしはあの子の親をよく知ってる、義理に厚くて、くだらない話でも笑う奴でねえ。あの子がスリを働くような真似するはずがないよ」
酒場の女将コーラは、悲しそうに呟いていた。
コーラの話では、ロバートは12歳になったばかりで、煤で灰色になった帽子を被り、ぼろっちい薄茶色の上下を着ているらしい。

(あの時、私はどうすれば良かったの。時飛び込んで助ければ…『イリュージョン』で姿を誤魔化して…いっそ、『忘却』で何が起こったのか忘れさせれば…)

どの考えも無茶だと解っていても、こうすれば良かった、ああすれば良かったという考えが、自責の念と共に心にあり続けている。

助け出すのは簡単だ、ルイズが持つ羊皮紙は『アンリエッタ直属女官』を示し、アニエスに並ぶ権限を持つ。
これを衛兵に見せ、ロバートの身柄を預かればいい。
しかし…ルイズはこの町の衛兵が、調査対象たるメルクス男爵の管轄下に置かれていることを知っている。
アンリエッタ直属の女官がラ・ロシェールの『何か』を調査していると気付かれたら、証拠を一足早く処分されるかもしれない。




胸に不安を抱えたまま、ルイズは狭い通りを歩いて行く。
フードの下では、痛みをこらえるような悲痛な表情をしていた。

『胸が苦しい』とはよく言ったものだ、心臓を吹き飛ばされてもたいした痛みもない体なのに、胸に突き刺さるような後悔の念は痛みを感じさせるのだから。

ふと気がつくと、汚水の臭い漂う細い通りの一角に、安酒の臭いが漏れるぼろ屋があった。
酒樽の形をした看板には『金の酒樽邸』と書かれている。
「ここか、金の酒樽亭。…どう見ても廃屋じゃない」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
820名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/29(水) 04:17:26 ID:Mmk4Lizu
支援
821仮面のルイズ:2010/09/29(水) 04:18:27 ID:AajhHSol


ラ・ロシェールの町は、戦時中だからこその賑わいを見せている。

明日になれば、造船所で艤装を終えた船がラ・ロシェールに集合し、遠征前の最終調整が行われる。
それが終われば荷物の積み込みが始まり、人員の最終確認が行われ、いよいよ遠征軍は出立となるのだ。
そのための荷物や人員が町に集り、ラ・ロシェールで最も忙しい日が続いている。

街には今、戦争を機に一儲けしようと企む沢山の人々が集まっており、様々な思惑が渦巻いているのだろう。金の酒樽亭もその例に漏れず、戦争で一稼ぎしようとする者が集まってた。
傭兵と言うより、盗賊・ごろつきと呼んだ方がしっくりくる風体の男達が、酒を飲んで、役人や兵士、または娼婦を口汚く罵っている。
そんな中、カウンターで身なりの汚い痩せた男が誰かを待っていた、男はちびちびとエールを飲んでいる。
ルイズの目的はその男だった、他の男達のなめ回すような視線を意に介さず、ルイズは隣の席に座った。
「約束通り、後金を払うわ」
ルイズはそう言って、隣に座る痩躯の男に銀貨を差し出した。
男は目尻に皺を寄せて、こけた頬をつり上げ、にやりと笑みを見せると、素早く銀貨を懐にしまいこむ。
「へへ、あんた、よく解ってるよ」
「ごたくは要らないわ。それで、あの男は?」
「どっかで稼いだのか、ワインと肉を食べて、一番奥の部屋に泊まってるぜ」
「この酒場の?」
「ああ、偶然も偶然、俺とあんたが待ち合わせの約束をした、この酒場さ。驚いたね。だが、手間が省けただろう」
「まあね…」
痩躯の男は笑みを浮かべると、グラスに残った安物のエールを一気に煽った。
「何の用か知らないが、危なそうな奴だ、俺は先に出させて貰うぜぇ」
「ええ、いいわよ」
痩躯の男は、笑みを浮かべながら酒場を出て行った。
ルイズは『財布をすられた男』の後を追わせるため、町をふらつく適当な男に金を握らせた。ちゃんと仕事をする保証など何処にもないので、念のため後金を払うと約束しておいたが、それが功を奏したらしい。
アニエスの話では、仕事を探している浮浪者を使った場合、後金を払うと言えば、5割は仕事をこなし、4割は後金を払う時になって仲間を呼び強盗に早変わりし、残り1割は相手からも金を取ろうとするのだとか。

ルイズは給仕を手招きすると、金貨を一枚渡した。
「つりは良いわ。ここ宿もやってるんでしょ、部屋は開いてる?」
「こ、こんなに… ええ、部屋は開いておりやす」
給仕は金貨に驚いたが、宿賃も一緒だと聞いてすぐに笑みを浮かべた。
「階段の奥に部屋が三つありやして、真ん中と手前の部屋が空いてまさ、自由にしてくだせえ。鍵は中からかけられやす」
「そう」
ルイズはおもむろに席を立ち、階段を登っていった。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



フードで顔を隠した女が階段を上っていくのを見て、酒を飲んでいたごろつきは、仲間同士で目配せをした。
下卑た笑いを上げると、男達は腰や懐に隠したナイフの感触を確認して、席を立つ。
「ちょ、ちょっと、乱暴は困りますよ」
給仕が小声で呟くと、男達は「ここじゃ何もしねえよ、ここじゃな」と言い、階段を上っていった。

「おっと、騒ぐなよ」
二階に上がってすぐに、ごろつきの一人が女を後ろから羽交い締めにした、すかさずナイフを首に当て、動きを封じる。
「…何の用?」
ルイズは、動揺したような様子も見せずに言い放つ。
「間違いねえ、女だな」
「場違いだぜこんな場所によ」
「俺達でちょっと町を案内してやろうぜ」
「どんな顔してるか解らねえぞ」
「いつものことだろ!」
「ハハハ!」
そのうち、ごろつきの一人がルイズのフードをはぎ取った。すると、中から現れた顔が想像以上のものだったのか、おお…と声が上がった。
「こりゃあ上玉だあ」
「肉は付いてなさそうだぜえ」
822仮面のルイズ:2010/09/29(水) 04:19:38 ID:AajhHSol
そのうち一人が胸や体をまさぐり始めた。懐に入れた財布の感触に気がつくと、その重さに驚いた顔をする。
「随分抱えてるなあ。ナイフも持ってねえ…メイジでもねえな、杖もなさそうだ」

奥の扉を叩き、中に居るであろう誰かに声をかけた。
「おい、上玉がおめえに用だとさ。おめえ何やったんだ」
すると扉が開き、中から体格のいい、肌の浅黒い男が現れた。
間違いなく、少年に『財布をすられた』と叫んだ男だ。
男はルイズをつま先から頭までじっくり見定めて「知らねえなあ」と答えた。

「私は貴方だけに用があったんだけど…」
その声は女性にしても高めで、幼さを感じさせる声だった。
それが意外だったのか、男は首をひねった。
「乞食に金まで握らせて、俺を捜させたってか? …おい、外に変な奴はいねえだろうな」
ちらりと目配せをすると、手の空いいていた小柄な男が酒場の外を確認し、あたりに兵士や自警団が居ないかを確認した。
「それらしい奴は見あたらねえ、この女一人で来たみてぇだ」
「こんな場所に女一人で来たのか、何の用でぇ」
男が不機嫌そうに言い放つ、するとルイズは少しばかり苦しそうに、羽交い締めにされた体をくねらせた。

「ん…。仕事を頼みたくて来たのに、こんな仕打ちは困るわ。離してくれない?」
「仕事だと?」
「あんたの腕前を見込んでね」

おとこはにやりと笑みを浮かべて、女の手を取った。
すると、羽交い締めにしていた男も手を離し、後ろに下がった。
「仕事か…へへへ、誰から聞いたか知らねえが、俺を頼るたあいい度胸だ」
男は、部屋へ連れ込もうと、女の腕をぐいと引っ張った。

「待ってよ、ここじゃ声が漏れちゃうわ。下に聞かれたくないもの」
「おっ、なんだ、その気じゃねえか…へへへ。 じゃあちょうど良い場所があるぜ、そこへ行こうじゃねえか、な」

ルイズは男に手を引かれて階段を下り、裏口から外へと連れ出された。
仲間らしきごろつきが周囲を囲み、逃げ道を塞いでいる。

その様子を見ていた酒場の給仕は、はっとして頭を振ると、小さなグラスにエールを注いだ。
「何も見てない。何も聞いてない」
そう呟き、一気にあおった。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



男達に手を引かれて辿り着いたのは、酒場の裏にある洞窟。
広さは、小さな馬車なら縦に二台、ヴァリエール家の使うような大型の馬車では一台入れて多少余裕がある程度だった。
中には木箱や煉瓦などが積み上げられ、倉庫として使われているのは間違いないようだった。
似たような横穴は町の所々にあり、倉庫としてだけでなく、家の一部としても使われている。

「おい、塞げ」
手を引いていた男が命令すると、ごろつきの一人が奥のランプに火を灯し、横穴に並べられた木箱を入り口に積み上げた。
「ずいぶん準備がいいのね」
さして慌てた様子もなく、女が呟く。
「へへへ、声を上げるにはもってこいだろ、ここなら叫んだっていいんだぜ。どうせ表までは響かねえ」
男達はルイズを囲むと、下卑た笑みを浮かべている。

ルイズの位置は洞窟の一番奥、正面に浅黒い肌の男、その右二人、左に一人、入り口の前にはもう一個のランプを持った小柄な男が一人。

五人の男が、か弱い女を囲む、最悪の構図であった。

823名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/29(水) 04:20:07 ID:cdEbuCvE
支援のビート!
824仮面のルイズ:2010/09/29(水) 04:20:22 ID:AajhHSol
「そうねえ…あ、さっそく一つ教えてほしいのだけど、あの乞食に尾行させたことを知ってたわよね。あいつも仲間なの?」
ルイズがそう質問すると、浅黒い肌の男は、得意げに話し始めた。
「あんな乞食何でもねえや。 小遣いほしさに『女に頼まれて後をつけてる』って、わざわざ言いにきたんだ」
別の男が後を続ける。
「いけねえなあ嬢ちゃん、乞食を使うにはもっと頭を使わねえとよ」
ハハハ!と笑い声が洞窟に響いた。

「そうだったの…人を軽々と信用するものじゃないわね」
「そういうこった」
「それじゃあ、仕事の話をしたいんだけど」
ルイズが懐に入れた財布を取り出すと、男達はナイフを取り出してルイズに向けた。

「…なんのつもり?」
「自分で言ったろ、軽々と信用するもんじゃねえ、ってな。…さあ財布をこっちによこすんだ。そうすりゃ命は助けてやる」
「……」
ルイズは鈍く輝くナイフを見つめ、仕方ないわねと言って財布を投げた。
ガシャッと重い音を立てて財布が落ちる。手近な男がそれを手に取り、中身を確認すると歓声を上げた。
「うおおおおおっ、金貨だ、金貨だ!た、たまんねえ!」
「本当か! 何枚だ、何枚入ってる!」
「新金貨か、エキュー金貨か? どっちにしろ当分遊んで暮らせるぜ、へへへ」

浮かれているごろつき達を見て、「全部渡すつもりじゃ無いわよ」と呟くと、浅黒い肌の男は訝しげな視線を向けた。
「おい、何の仕事を頼むつもりだった? こんな金まともじゃねえぞ」
ずい、と男が近づいてナイフをちらつかせた。
「あら…仕事を頼むんだから、多いに越したことは無いでしょう」
「なめやがって、これだけの金が手に入るなら、仕事なんかせずに強盗に早変わりだ。それぐらい解って近づいたろ。いったい俺達に何をさせようとした」
男が凄んでみせるが、ルイズはさして意に介した様子もなく笑みを浮かべるばかり。
「仕事のついでに、相手して欲しかったのよ。ああ、五人もいれば…満たされそう」
男達の目には、それはそれは妖絶なものとして映っただろう。
ランプの明かりに照らされて悩ましげに舌なめずりをしたルイズに、身が震えるほどの何かを感じたのだ。

「た、たまらねえ」
一人がナイフを木箱の上に置いて、ルイズへと近寄った。
肩を掴み、服に手をかけようとしたところで、身をよじってそれを躱す。
「今更逃げられねえぞ!」鼻息を荒くして叫ぶ。
「破かないでよ、自分で脱ぐわ」

フードつきの上着に手をかけ、一つ一つボタンを外していく。
上着を脱ぎ捨て、インナーに手をかけたところで、ツバを飲む音が聞こえた。

ルイズの体は豊満とは言い難いものの、しなやかさと力強さを兼ね備えた肉体には独特の美しさがあった。
ランプの明かりに照らされて浮かび上がる陰影は、体力の有り余った若い踊り子を思わせる、その肉体をこれから蹂躙するのだから、体が震えるような興奮を感じるのもごく自然なことだ。

「………………」
そこで一人の男が、何かを呟いているのに気がつく。
(なんだ、この女は、気でもおかしいのか)
下着を脱ぎ捨てて、裸体を晒したところで、ぼそぼそとした呟きは終わり、女が両手を前に差し出した。
抱きしめられるのを待つかのようなその仕草で、胸の谷間に見える陰影が強調され、肩幅はより小さく見える。男達の劣情を誘うには十分だった。


だから彼らは、ルイズの掌に、腕の骨と一体化した『杖』がせり出してくるのを認識できなかった。

ズルリ、と粘膜がこすれ合うような音が聞こえた次の瞬間、彼らの意識は性欲もろとも消え去るのだ。

「……”忘却”」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

825仮面のルイズ:2010/09/29(水) 04:20:59 ID:AajhHSol

もし、この光景を誰かが見ていたら、恐怖のあまり叫びを上げるか、何が起こっているのか理解できずに呆然としただろう。

女の髪の毛が生き物のように動いたかと思うと、数十本が縄のように纏まって、浅黒い男の頭に突き刺さった。
「あ゛っ、あ、は  あ お 」
植物の新芽のようにも見える小さな肉腫が頭に入り込んでいくと、男は声にならない声を上げてよだれを垂らし、白目をむいて体を震わせた。

他の男達も同じように肉の芽を刺され、同じように体を震わせていた。
肉の芽は頭蓋に穴を開け、脳に進入し、喜怒哀楽の感情を探り、脳細胞の隙間へと入り込んでいく。
ものの三十秒もしないうちに、男達の体から力が抜け、その場にへたり込んだ。

「あ、あ、あああ」

男達の目には先ほどまでの卑しさはなく、畏れと憧れを湛えルイズを見上げていた。
ランプの明かりが逆光となり、男達からはルイズの表情を伺うことはできない。

ただ一つ解るのは、闇夜に動物の瞳が輝くように、ルイズの瞳が爛々と輝いている事だけだった。


「さあ、教えて。貴方は今日の昼、財布をすられたフリをしたかしら」

「は、はい。おれは、小汚いガキに財布をすられた事にして、一騒ぎしたら町から離れるつもりでございやした」

「ふうん…?誰かに頼まれでもしたのかしら」

「そう、そうでございやす。一昨日、宿を探していたら、貴族らしき、マントを着けた男に頼まれやした。『難民のガキを一人、スリの罪にでっち上げたら、すぐこの街を出ろ』と言われて、金払いが良かったんで、引き受けやした…」

「そいつは、何処の誰?」

「ま、まったく、聞いて、おりやせん」


裏で糸を引くメイジが居ると解れは、少年を牢屋に入れておく必要はなくなった。
しかし問題は別にある、少年の名誉回復と、裏で糸を引くメイジの存在である。


「…あんた達、心当たりはある?」
ルイズは男達を見渡した、すると入り口の手前にいた小柄な男が、そそくさとルイズに近寄って跪き、声を上げた。

「こ、心当たりはねえですが、あ、あっし達にお任せ下されば、町中ひっくり返してでも、貴族の屋敷でも探してごらんにいれやす! 姉御のためなら命なんて惜し く 」


パゴッ、という音が響いた。水袋を破裂させたような、煉瓦を砕いたような音であった。
数秒遅れて、水たまりに倒れ込むような音が、どちゃっ…と響く。
ルイズの手は紅く染まり、足下には、首から上を失った小柄な男が倒れていた。



「わたしを姉御と呼ぶな」



……そう呼んでいいのは、一人だけ……



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

今回はここまでです。
826名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/29(水) 04:23:06 ID:Mmk4Lizu
に、肉の芽だけに憎めないw
仮面さんお疲れ様でした
827名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/29(水) 04:29:23 ID:cdEbuCvE
乙でした
828名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/29(水) 04:43:30 ID:jDIvcbSq
お前ら何dこんな時間に起きてるんだw
829名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/29(水) 14:04:19 ID:LawE185U
乙ッ!
ブルリン懐かしい…
830名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/29(水) 15:59:08 ID:rRQDRs3G
うわぁあ来てたああああああ!! 原作でもブルりんがこんなふうに慕われてたらなぁwww
乙です。
831名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/29(水) 20:08:05 ID:Jgk7Wo1p
改めて仮面のルイズを読んでるのだが、やけに誤字脱字が多い気がするのだが気のせいかな
832名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/29(水) 23:04:49 ID:gSRIfl9C
辞書片手に報告してみたらどだね?
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9292/1183555798/
833名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/30(木) 17:29:27 ID:mvZiTfhO
最近は活気あるねぇ
834名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/30(木) 17:30:19 ID:juRnp8C6
乙!
ブルりん……
835名無しさん@お腹いっぱい。:2010/09/30(木) 17:39:36 ID:RrX0IeZn
いつの間にかいっぱい来てた
836名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/03(日) 23:59:39 ID:bvA40px1
おおお!いつの間にか仮面さん来てた!
肉の芽のカッコよさとブルリンの思い出に思わず震えたわ
837名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/05(火) 16:48:09 ID:G44Pw67q
仮面さんもう投下ないと思ってたから凄いうれしいです!
相変わらず惹かれる文章で続きが気になってしょうがない!
838反省の人:2010/10/05(火) 22:13:02 ID:98ljwgjR
今日の朝、携帯でゼロの奇妙な使い魔を覗いていたら
まとめサイトのほうに最新話を投稿してくださっていたんですが
本文に名無しさんとかの名前や年月曜日が入っている欄まで
一緒に本文に入っちゃっていたんですが(私の記憶違いでしたらごめんなさい!)
誰か様がご修正していただいたようです。ありがとうございます!

なんだかんだで「反省する使い魔!」も十話突破!
ここまで続いていられるのもみなさまのご意見ご感想あってこそです!
作文に関しては全然駄目なわたしですが
いままで応援していただいて本当にありがとうございます!
これからも頑張りますんでどうかよろしくお願いします!

改めて「反省する使い魔!」なのですが
この作品は刑務所に入ったことによって
生まれ変わった音石の人間としての新たな成長をテーマとしています。
つまりぶっちゃけた話、きれいな音石をテーマとしているわけですが
できればもっと悪役らしい音石が見たかったという方にはお詫びします。

それでは次の話も完成出来次第投稿致しますので
それまで気長にお待ちくださいね。  それではまた!ノシ
839名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/05(火) 22:33:36 ID:tulFD7Tg
>>838
反省の人お疲れ様です。
何かを切っ掛けに、人が変わるのはあり得る事だと思いますが、納得のいくように文章化するのはいろんな葛藤もあるのかと思います。
音石なんて、酷いことをした分、なかなか酷いこともされているので、ハルケギニアでリセットされたかのように人が変わった姿もありだと思いました。
次ぐ気が楽しみです、頑張って下さい。
840名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/06(水) 00:13:20 ID:z8w2jwvD
反省は結構楽しみにしてる
841名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/11(月) 01:09:40 ID:+LgLFpE2
反省の人と仮面さん乙です。
ここも活発になってきましたね。
荒らしに困っていた姉妹スレ(あのキャラスレではない)や別板の姉妹スレは過疎気味みたいです。
そっちの方も私は応援しています。
842名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/14(木) 02:12:11 ID:c84lSz2k
ティファニアのおっぱいに潰される夢でも見てアイデアを出すか…
843名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/14(木) 20:52:49 ID:0wQ++Anp
プロット書くだけで満足してもう8キャラ目
今日も僕は元気です
844名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/14(木) 20:58:36 ID:+wmGT6Yv
俺は妄想だけでお腹いっぱいでプロットまで手が回らないわ
845名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/15(金) 03:51:27 ID:bDE1k7Bs
新スレ立ったけど、今日は…
846名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/15(金) 03:52:22 ID:bDE1k7Bs
誤爆しました、すみませんです
847名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/15(金) 22:30:17 ID:2irft4op
仮面おつ

6部半ばで放置してたジョジョを全部よんだけど神父強すぎだろw
848名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/15(金) 22:32:33 ID:BpPeLvFD
ラスボスだしな
849名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/17(日) 20:59:35 ID:aEEafhQp
何気にジョジョキャラで1番絡めにくいのは仗助やジョルノだと思う

能力の応用力が高すぎるせいで楽勝なバトルが多くて物語が面白くならない

ジョルノに限ってはフーケのゴーレムに触れれば終わりだしw
850名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/17(日) 22:04:30 ID:bMJr2F3o
第4部ならトニオ召喚してカトレアやタバサの母ちゃん治療したり
リュリュと食材探しの旅に出かけたりというのがお手軽
851名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/18(月) 01:02:43 ID:kKiX2mO0
前者ならまとめにあるね
後者もディ・モールト面白そうだ
852名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/19(火) 00:43:08 ID:bRxxV6Ko
ああ………
リゾットの話しの続きが読みたい……
いいところで止まっているのが気になって仕方がない
853名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/19(火) 00:46:28 ID:yBNp23gp
僕はエンポリオの続きがみたいです
854名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/19(火) 01:43:56 ID:gd7rSbPA
億康の続きが読みたい
855名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/19(火) 05:58:05 ID:7m7AwQO9
アニキイイイイイイイイイイイイイイイイ
856名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/19(火) 10:06:01 ID:E7a+oGGB
ホルホースが・・・
それより新規さんのが読みたい。キャラは被ってもいいんじゃよ・・・
857名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/19(火) 12:29:38 ID:KGQ5YalB
じゃあダリオを召喚してルイズとの間にディオが生まれる話を・・・
858名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/19(火) 14:27:38 ID:+m8bmTrU
ヴァリエールの一族として生まれて貧乏で心が捻じ曲がってないディオ様・・・
最強だな
859名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/19(火) 17:08:13 ID:wjqzFrp/
ジョセフは次かその次で完結するのかな?
すげぇ気になる
860名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/19(火) 17:23:47 ID:/LIjLy8w
>心が捻じ曲がってないディオ様・・・
何故かビーティの顔が思い浮かぶw
短編集で成長後の姿がちょこっと描かれてたがまんまディオだったし
861名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/19(火) 22:12:35 ID:/BM8Ir+u
今月号のウルジャンを見て、無性に始球走の続きが読みたくなった。
862名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/19(火) 22:40:16 ID:wy8RtfD9
それより大統領だろ
863名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/19(火) 22:57:40 ID:9dDHn5i6
「砕けない使い魔」なんかも続き読みたいなあ…
ジョースケは扱いにくいのかも知れないが、
それだけに期待大というかうまくやればガンガン面白くなりそうだ
864名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/19(火) 22:59:29 ID:yBNp23gp
スターダストの続編をだな
865名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/19(火) 23:14:56 ID:BWs4i+zX
僕はゼロの変態ちゃん!
866名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/20(水) 22:02:39 ID:O9DsY6SP
名作多いから困るな
867名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/20(水) 23:49:24 ID:xiq3b9Se
語るスレの仮面のルイズのレビューでジョジョに手を出す勇気が湧いた
近いうちに全巻揃えてくる
他のジョジョ×ゼロ魔SSのオススメを教えてくれ
868名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/21(木) 00:25:31 ID:+7wIpQtm
>>867
犬だな
ジョジョじゃないけど
869名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/21(木) 00:37:07 ID:uqfr9nM8
>>867
銃は杖よりも強し
870名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/21(木) 18:21:03 ID:nJgpW6S0
>>867
ゼロの兄貴、未完結だけど
871名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/21(木) 20:22:45 ID:CgcJbfMa
兄貴の続きも期待したいねえ〜
872名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/21(木) 22:12:20 ID:V41gO7DI
>>867
アヌビス神は抜かして欲しくないね
873名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/22(金) 01:50:34 ID:v7PfQ3Db
タバサの大冒険
あんまり話題にならないけど、すげーイイと思うんだよ
874名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/22(金) 03:04:35 ID:xO3VQ7sL
続きが読みたいのはリキエル
ずっと待ってます
875名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/22(金) 03:31:42 ID:OoRQ2Iuj
ディアボロの大冒険もディモールトいいんだが…
肝心のゲーム本体がもうダウンロード不可な代物だからなあ

でも続きは是非読みたい
876名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/22(金) 03:39:46 ID:v7PfQ3Db
完結済みなのが不死の使い魔だっけ
あれも良かった
大冒険のおかげでギャグキャラが定着したよなw

ディアボロの大冒険はググれば拾えるはず
ジョジョファンならかなり楽しめるよな
877名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/22(金) 03:58:38 ID:OoRQ2Iuj
ゲームのほうはボヘミアン手に入れて天国で西戸ハウス拝んだあたりで止めちゃったなあ…
どーせそれ以上やっても色紙やレアコミックが手に入るくらいだろうしあんまりやり込み好きでもないので
でもすごく愉しいゲームだったけどね、フリーにしては、とかじゃなくて本当に
作者の方に僕は敬意を表するッ!
878名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/22(金) 22:26:10 ID:ENQWQMqT
ディアボロの後発売された本家のシレン3には唖然とさせられたな・・・
ローグ系でもこける事があると言う良い戒めだった・・・。
879名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/22(金) 22:29:16 ID:C8AlKkvT
シレン3は未だ出てないないだろう何言ってるんだ?
880名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/22(金) 23:50:55 ID:4P6ixi5/
881名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/23(土) 02:34:46 ID:ryz+zUHI
なんでシレンは3を出さずに4を出したんだろう……
882名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/23(土) 03:22:27 ID:r0/WkICl
>>849
後ジョルノは親父譲りのどや顔が得意だしな
883名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/24(日) 13:58:03 ID:zQIpyEUx
ボスとカトレアのキャッキャウフフを妄想するだけでおなかいっぱいでゲソ
884名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/26(火) 17:09:19 ID:p5AUh3HB
エルザとDIO様の話とかねーかな
885名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/26(火) 17:10:04 ID:p5AUh3HB
おっと
886名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/27(水) 22:38:49 ID:pXWjULqG
久々に帰ってきたが続き書こうかな
なんかもう、どの伏線張ったか、とか全然覚えていないけど…
887名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/27(水) 22:40:15 ID:pXWjULqG
やっべ、sageがついてねえ…
888名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/27(水) 22:50:28 ID:rohwmuAD
荒木先生は複線も設定もすっ飛ばすぜ?
889名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/27(水) 22:57:11 ID:pXWjULqG
本家本元の表現したい事を表現しきってしまえば
それまでに張った伏線など飾りです、を自で行くのは逆に難しいわwwww

うーん、とりあえずもう一度自分の作品を読み直して
それと、モチベーション的な問題から書きためじゃなくて即興で書いて投稿してもいいだろうか
無論、文章の推敲はさすがにするが
890名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/27(水) 23:20:18 ID:Kcl05ZAt
いいんじゃないかな?書き易いように書くのが一番だろ。 それはそうと、イギーと3部以外のジョジョキャラをセットで召喚する話なんてのを読んでみたいと思う今日この頃。
891名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/27(水) 23:35:59 ID:Q/Lw/IZ4
とりあえず俺は期待してるぞ
892名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/28(木) 06:54:22 ID:BIsxck1C
どの作品の作者さんだろうか…楽しみにしてるぜ
893名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/28(木) 17:50:42 ID:sL82uLm8
うおおおおおおおおすげー待ってるぜ!
894名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/28(木) 23:32:09 ID:v/P8VFeJ
やれ…やるんだ……
俺はお前を…見守っている…ぜ…
895名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/29(金) 04:05:07 ID:16RlV7Ht
応援する
レスにジョジョネタを混ぜる
両方やらきゃならないのが『支援』の辛い所だな
896名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/30(土) 08:47:44 ID:3aGzrsVz
がんば
897名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/30(土) 20:25:29 ID:Oy/07qXO
ジョジョキャラの場合はワルドに苦戦、敗北するパターンが多いような気がする
ぶっちゃけワルドってそこまで強くないだろ
898名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/30(土) 20:33:31 ID:sJKDTDjQ
ワルドっていうか遍在が神性能すぎる
899名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/30(土) 20:40:12 ID:khs3blUS
苦戦しないで無双してもつまんないから多少ワル坊強化してるんでしょ
900名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/31(日) 00:17:21 ID:wcESOice
スタンドを知られたくないって理由が多い気がする
901名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/31(日) 00:38:48 ID:Ed/GrSs/
ワルドがスタンドを習得したらスタンドも増えるのだろうか
902名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/31(日) 02:53:04 ID:Owq3ChRz
SBRの11人みたいになるんじゃない?
903名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/31(日) 03:27:37 ID:wcESOice
・・・・・・なんつーかあんまり変わんないなw
904名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/31(日) 03:29:47 ID:LIvSvwho
しかし全部実体
905名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/31(日) 16:25:14 ID:5Ix5O0GT
偏在がスタンド化
本体にダメージがいくようになる
906名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/31(日) 19:07:27 ID:r2P6mcTd
「これだけはやりたくはなかった・・・・・・。痛そうでな・・・。
もろに自分の偏在に『エア・ハンマー』なんてな〜〜〜ッ」
907名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/31(日) 20:36:11 ID:7LBzTYp+
ジョジョにおいて強さだけが重要な勝利ファクターって訳じゃないからな
むしろジョっジョ方式で進むと苦戦しない敵のほうが少ない
908名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/01(月) 13:56:58 ID:SDhQHI1Y
覚悟と閃きと気高さが勝利条件
909名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/01(月) 20:05:02 ID:4CYpb5+R
ところで今思い出したんだが、仗助VS音石戦ではレッチリが海の中に叩き落された事で
電気エネルギーがスタンドから散っていたんだが
あれ、ゼロ魔の水魔法をぶつけられても同じような事になるんだろうか?
だとするとモット伯戦で大苦戦とかありそうだがw
910名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/01(月) 20:07:44 ID:uyz7Opxi
塩水じゃなけりゃいいんじゃね
911名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/01(月) 20:10:41 ID:4CYpb5+R
純粋な水なら電気が通らないらしいけど……ああ、魔法の水だから純水の可能性有るな
912名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/02(火) 07:56:29 ID:JVm61smP
純水じゃなくてもぶつけられる程度の量なら平気じゃね?
海は広いから拡散しただけで
913名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/02(火) 08:54:18 ID:Wum4LHHX
海に落ちるってのがヤバイんであって
ビショビショになるくらいなら問題ないと思うの
914名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/02(火) 18:20:32 ID:2A1YgWce
それもそうだが、言いだしっぺの妄想としては
こんなの大した事ないと余裕かまして水の魔法を一撃喰らったら
ダメージはともかく、なにか脱力感を感じて
気づいたらザ・ハンド戦みたく赤茶色になってピンチとか盛り上がりそうなんだが

あとザ・ハンドに蹴り数発喰らってスタミナ切れみたいになってたとこみると
長期戦だとかなり不利っぽいようだけど
915名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/02(火) 22:35:38 ID:/eNiXNLA
遠距離操作の上、頸動脈から血が吹き出すくらいの勢いで電気を消耗していると考えれば良くもったと思うけど?
916名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/03(水) 01:57:26 ID:2oqfhITt
中々特殊なタイプのスタンドだしな
流石中ボス
917名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/03(水) 02:00:15 ID:2oqfhITt
sage忘れごめんぬ
918名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/03(水) 16:55:14 ID:n5D0CFNe
ss読んでて思ったが、何か皆最後の方になると丸くなりすぎてないか?
下手するとキャラ改変の域まで行ってる奴もいるんだが…
919名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/04(木) 03:46:44 ID:JpfhkzFD
最後の方に行くと、だろ?
人は変わるもんだ、ゼロ魔のキャラと関わり合って時間が経っても全く変化がないとすればその方が不自然じゃないか?
黒いキャラも時間が立って多かれ少なかれ丸くなって行くのは別に不自然はないと思うが
920名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/04(木) 03:48:56 ID:JpfhkzFD
ゼロ魔主人公のルイズやサイトだって初期と今ではほぼ別モノだろう
でもそれはキャラ改変とかじゃなく、成長と変化の結果だよね
「成長」することならジョジョキャラがひけをとるワケがないッ!
921名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/04(木) 05:11:59 ID:QI1yK/Ii
油断してるとすぐデレてしまうのでツンデレは制御が難しいぜ…
お前さん、今はまだツン期ですよと言い聞かせる気分
922名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/04(木) 07:53:23 ID:JOjlILvg
>>918
そりゃぁジョジョ一部とか二部とか三部とか四部とか五部とかの悪口なんですかッ!?
923名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/04(木) 09:20:42 ID:TjsoNtCZ
>>922
その発言はFFやジョニィへの冒涜と受け取った
924名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/04(木) 11:44:03 ID:zFR4trVm
兄貴も最初はギーシュ始末しちゃったりしてたけど
後半は随分丸くなったよね、兄貴は冷酷でも優しくても格好良いな
925名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/04(木) 16:24:03 ID:U8ZTxek1
>>924
んで作者氏はかなり後になって殺したの後悔してたなw
926名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/04(木) 20:14:27 ID:1g2htFX4
そのせいか、聖帝の方ではギーシュ活用してたなw
927名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/05(金) 02:23:01 ID:r/jJ7F0g
>>923
途中で疲れた
928名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/05(金) 15:02:25 ID:6VRDuY5c
なにっ、聖帝の人と兄貴の人は中身同じだったのか!?
929名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/06(土) 08:46:18 ID:jJmpDiJJ
なん・・・だと!?
930名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/06(土) 08:58:10 ID:ssXoLdqV
そりゃここから向こうが派生したんだから他にも色々いるだろ
アヌビスと爆熱の人が同じだったのも結構知れてるし
931名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/06(土) 23:29:28 ID:ZUmkbx6H
兄貴と聖帝の共通点は、どちらもSっ気たっぷりの主人公と、傍弱無人っぷりに心労を抱えるルイズ。
そして、扱き使われる苦労人のおマチさんだなww
932名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/07(日) 00:29:12 ID:BEoYzOAj
リゾットの中の人はまだ現役なのかなあ…
続きを物凄く期待してるんだが…
兄貴の人もこっちの続きも是非書いて欲しいなあ…
933名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/07(日) 02:53:31 ID:jrMBtg8o
それもそうだが、ジョセフの続きをだな…
934名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/07(日) 09:29:26 ID:8FrT/4E0
投降します
935名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/07(日) 11:02:20 ID:GEC6B2VD
登校しました
936名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/07(日) 11:42:12 ID:Yqeq9+ol
そ・・・そうきたかぁ・・・
937名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/08(月) 02:08:53 ID:XclrR6Ar
>>930
マジかよ…
ますます爆炎が読みたくなってしまったじゃあないか…
938名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/08(月) 03:56:46 ID:2rwkzbDJ
案外、このスレの中でも二つ以上の作品を掛け持ちしてる人がいたのかもしれないな
あああ続きが読みたい…ッ!
939名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/10(水) 23:15:05 ID:mp2n8VXm
キュラキュラキュラキュラ・・・・・・
940名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/11(木) 00:20:19 ID:PyU+35ev
今、SSを書いててちょっと気になったから聞きたいんだけど、
原作とアニメ1〜3期で内容が違うけど
投下するSSはやっぱ、原作準拠のルートじゃないとまずいだろうか?

アニメはDVD全巻持ってるからいつでも見返せるんだけど、
原作のラノベは1巻しかないから、ちょいと困ってて…

ご意見を頂けると嬉しいです。
941名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/11(木) 00:41:32 ID:6QiEhdeF
俺はアニメ準拠でも問題ないぞ!
自信を持って思う存分書いてくれ

ついでに前スレにあったのを貼っとく

823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/15(火) 18:08:43 ID:yTpnXDcP [sage]
アニメと小説の大まかな違い
・アニメだと香水の瓶を拾うイベントが起きない
・アニメでは空賊イベントが起きない
・アニメでは宝探しイベントもない
・日食に飛び込むと帰れるというのはアニメだけの設定
・変態紳士モット伯とアニエスの部下ミシェルはアニメだけの登場
・学院の同級生達(除く水霊騎士団)が出てくるのは基本小説の方
・アニメにしかないアイテムやモンスターがいる
・小説とアニメではカトレアの病状の重さが大分違う
・ギーシュとキュルケが先住魔法を使う(DVD版では修正されたらしいとの噂)

ゲームとの違い
・ゲームオリジナルキャラ(才人のクラスメイト、獣人、夢魔、小国の王女)が登場する
・マジックアロー、ヒロイズム、メテオ、ヒールなどの汎用性の高い魔法をルイズが使う
・二段斬りや風月斬りなどの卓越した剣技を才人が使う
942名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/11(木) 00:41:53 ID:qWmx8u5t
アニメ版は全体的に無視した方がいいぞ、設定が破綻してるから
モットやミシェルは使えるけども

さあ今すぐ原作を買ってくるんだ
943名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/11(木) 00:48:17 ID:6QiEhdeF
うはwwwはやまっちまったかw
まあ、破綻してたのは完全に同意だな3期の最後らへんとか…
944名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/11(木) 03:53:59 ID:y59AcWe0
なんで病気の症状の重さが変わったのかと
どっちが重いの?
945名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/11(木) 10:49:38 ID:b6UGxY/6
原作は実家からろくに出られんほど重い
アニメは学院まで来て普通に生活を送れるほど軽い

>・ギーシュとキュルケが先住魔法を使う(DVD版では修正されたらしいとの噂)
どう修正されたのか興味あるが
スクウェア級(最低でもカッタートルネードと同等以上)の魔法を使ってた点は修正されてないんだろうな
946名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/11(木) 17:15:43 ID:OhGmVZSs
ようは詠唱に精霊の二文字がはいるかどうかだろ
ブリミルに差し替えればいいだけだし
947名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/11(木) 17:20:58 ID:JBZ3n88M
アニメと原作の違いが酷いといえばオーフェンはやばかったな・・ぶちきれたわ
948名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/11(木) 17:28:35 ID:aPDpEy1L
映像作品にはなってないだろ、オーフェン
949名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/11(木) 19:43:51 ID:4lfqFZlQ
>>937
爆熱と爆炎じゃ別物だってばよ
950名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/11(木) 23:10:09 ID:wlfoNxma
指とハゲぐらいの違いが
951名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/12(金) 00:17:01 ID:Xrqfsj1q
>>950
どうでもいいが、950はお前なんだから新スレ頼むぞ。
952名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/12(金) 00:22:03 ID:yvf/gANY
あ、ホントだ見てなかったw
ウンコしたら立てますね
953名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/12(金) 00:28:37 ID:heYxhMUA
ひ、卑猥ですわぁ
954名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/12(金) 00:29:02 ID:yvf/gANY
955名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/12(金) 04:52:27 ID:a9uL3nzK
むぅ・・・まだスレが結構残ってるんだな
何か面白い雑談のネタフリでも出来れば・・・
956名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/12(金) 06:13:29 ID:g27ht/Ru
なあ 好奇心で聞くんだが ………DIO、君が読んだ中で、
「もっとも面白かった作品」
ってどんなヤツだい……?
このスレの作品でもいいし……姉妹スレの作品でもいい…
957名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/12(金) 06:47:49 ID:ZUtvM9pv
お前はそういう議論で必ずのけ者にされる連中の胸中を考えたことがあるのか?
958名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/12(金) 09:55:14 ID:2Dp3m1kY
ないな、やれ
959名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/12(金) 10:16:36 ID:4LThpkqq
>>954
スレ立て乙
960名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/12(金) 15:31:37 ID:hzdTzqg1
過疎ってるな
961名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/12(金) 19:10:04 ID:eJKd6Udh
過疎っても慌てない騒がないのが よく訓練された
962名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/12(金) 19:32:52 ID:FKFCVbnP
スタンド使いか
963名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/12(金) 19:34:34 ID:1IEKjQuL
貴様がボスの・・・
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨…
964名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/12(金) 20:51:53 ID:yOx41c3q
>>956
お前は今まで読んだSSの数を覚えているのか?
965名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/12(金) 22:34:03 ID:jK+i3ZtV
ふと思ったんだが
ジョジョキャラで髪が一番長そうなのって誰だろ?
あ、ラブデラックスとブラフォードはナシの方向で
966名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/12(金) 22:37:13 ID:1IEKjQuL
カーズ様?
967名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/12(金) 23:58:38 ID:FKFCVbnP
「おれの名はガンダールヴ」
「ヴィンダールヴ」
「ミョズニトニルン」
「リーヴスラシル」



「血 管 針 攻 撃 !」
968940:2010/11/13(土) 00:13:32 ID:LJMLKRkn
>>941-942
遅くなったけど、返答サンクスです。
アニメの内容はアレだけど、キャラとかは使っても大丈夫そうなんですね。
二人とも貴重なご意見ありがとう。

もらった意見を参考に、ジョジョ魔SSを書いていこうと思います。
投下する日が来た時にはよろしくお願いします〜。
969名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/13(土) 00:22:06 ID:/3ULorh3
投下するときは支援するぜ
970名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/13(土) 07:33:01 ID:QimoLX2V
>>967
名だたる英雄が集まってそれかwwwww

>>968
敬意を表しつつまってる
971名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/13(土) 08:22:41 ID:a49IwMI0
>>968
ジッパーの隙間から応援してる
972名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/14(日) 17:55:29 ID:FttC5ZAI
>>968
岩と同化して期待してる
973名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/14(日) 20:23:21 ID:NrXHJQvd
>>968
栄光は・・・・・・ ・・・・・・おまえに・・・ ・・・ある・・・・・・ぞ・・・やれ・・・・・・やるんだ・・・968
オレは・・・・・・・・・おまえを 見守って・・・・・・いるぜ・・・
974名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/16(火) 21:49:04 ID:2+exUuTH
>>968
地下の記憶と共に見守ってる
975名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/17(水) 09:59:56 ID:D9B0gngB
この残りスレちょうどいいな。帰ったら書き込もう。
976名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/17(水) 21:49:01 ID:l7sGA4b1
期待
977名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/17(水) 23:19:49 ID:oeQMhA9H
ゴクリ…
978名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/17(水) 23:54:25 ID:RfYiHd1l
>>975
パンツを脱いだぞ!これからどうすればいい!?
979名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/18(木) 16:52:28 ID:v29hTstU
>>978
欲しがってそうな奴にあげるんだ
980名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/18(木) 19:00:39 ID:6kcxyAKa
>>978が梨央ちゃんで脱いだのがパンティーなら俺がもらっておくんだがな。
981名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/18(木) 19:39:07 ID:RylnnglY
なんかお前のパンティだって書いてある女物のパンツが机の上に置いてあった
怖い
982名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/19(金) 04:53:26 ID:jGZbXT3a
>>980
待て、そのパンティはミキタカが変身した奴だ
983名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/19(金) 07:02:53 ID:VOPqNRRW
>>980
貴様、吉良に爆破された男かw
984名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/19(金) 16:02:28 ID:x9T2dN18
>>978
自殺しそうな奴に脱ぎたてでプレゼントしろよ
985名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/19(金) 18:27:03 ID:3iOO+Ovj
>>983
ふと思ったが、もしアイツがなかなか触ろうとしなかったら吉良は空気弾撃てなかった気がw

「…欲しいけど、そんな破廉恥な事できない!」モジモジ

吉良 『……早く触れよ!ああ、上司に今日休むって電話しなおさなくちゃ!!』

仗助 「…吉良の野郎はまだ来ねーのか?」
早人 「…はい。」
億泰 「…ん?俺なんでこんなとこにいるんだ?」
986名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/19(金) 22:23:39 ID:jGZbXT3a
吉良以外にサラリーマンのスタンド使いって誰かいたっけ?
987名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/19(金) 22:44:45 ID:odYlGKeN
988名無しさん@お腹いっぱい。
乙は一応サラリーマン?