あの作品のキャラがルイズに召喚されました part141
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part140
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1212132487/ まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/ 避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/ --------------------------------------------------------------------------------
___ ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
〃 `ヽ . ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
l lf小从} l / ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,. ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
((/} )犬({つ' ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
/ '"/_jl〉` j, ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
ヽ_/ィヘ_)〜′ ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
--------------------------------------------------------------------------------
_ ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
〃 ^ヽ ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は本スレへの投下で問題ないわ。
J{ ハ从{_, ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず本スレではなく避難所への投下をお願いね。
ノルノー゚ノjし ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。
/く{ {丈} }つ やめておいてね。
l く/_jlム! | ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
レ-ヘじフ〜l ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。
--------------------------------------------------------------------------------
,ィ =个=、 ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
〈_/´ ̄ `ヽ ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。
{ {_jイ」/j」j〉 これ以上は投下出来ません。
ヽl| ゚ヮ゚ノj| ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
⊂j{不}lつ ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
く7 {_}ハ> ・次スレは
>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
‘ーrtァー’ ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
システム上の注意事項とマナー上しておく方が良い事
1時間に一定量超える投下は「さるさん」規制に遭うので注意
連投規制には有効な支援レスもこれには何の役にも立たない
文章量(kB)と分割予定数の事前申告をしておけば、規制に伴う代理投下をしてもらいやすい
投稿量カウントも規制も正時(00分)にリセットと言われている
他スレでの実験により規制ボーダーは8.5kBらしいという未確認情報あり
投下時はタイトルをコテハンとする、トリップ推奨
予告でクロス元他必ず説明する(一発ネタ等でばらすと面白くないならその旨明示)
※過去「投下してもいい?・投下します」等の予告から
最低の荒らし投稿を強行した馬鹿と同類認定される恐れアリ
>1乙
「貴様はどこのブタだ」
「に、2ちゃんねるでゼロの使い魔のスレをROMしているブタです!」
「見ろ。貴様のおかげでスレッドが止まっている。わかるか? 貴様のおかげでスレッドが
と ま っ て い る」
「ほんとすいません」
「回避しろ。ブタにdat落ち回避させてくださいと懇願しろ」
「ブ、ブタに回避させてください」
以後余計なテンプレを付け加えてはならない
>>2については、まともな内容なので今後はどうするんだろう…スレ建てする人の裁量?
前スレ
>>965を待ちつつ支援。
>>1 乙
テンプレがダメならテンペラー星人召喚。
さて七万対一を真面目に考察
遠距離魔法で波状攻撃されたら即死
逃げまくっても無理
駄目ジャン・・・
>>1乙
でだ、前スレの826よ
屋上
握手
酒盛り
>>17 お相伴させて戴けませんか?
Lily is Justice!
>>15 七万に真っ向から対峙→目からビーム
完璧
ガンダム2号機
七万だろうがこれでOK
ガンダムX
月にマイクロウェーブ関連の施設あり。
7万?お釣りがきます。
別に7万人撃破しなくても、先鋒に混乱を起こせればいいんじゃ……
あれよ、ナウシカ漫画版でやってた「蟲笛」よ
あれで騎馬隊が混乱すればしめたもんよ
(ヴィンダールヴ?)
「戦争なんかくだらねぇ!俺の歌を聞け!!」
七万熱狂。そして平和的解決!
25 :
17:2008/06/02(月) 23:16:04 ID:ptHVsgz2
>>18 _、_
( ,_ノ` ) n
 ̄ \ ( E)
フ /ヽ ヽ_//
だがあえて「鬼切りの鬼」後ってのもアリかも
まっ、これ以上はスレ違いだし引っ込むよ
|彡サッ
「ドラゴンスレイヤー」という映画の飛竜
大きさも体格もイマイチ感が漂うが
空中から一方的に攻撃する情景見るとあんなのでもハルケギニアの軍隊7万人に勝てそうな気がする
そもそも7万皆殺しにする必要はないって
1割も戦闘不能にすれば進軍を止められ、3割倒せば撤退させられるって聞いたような
よくわからん相手に状況もわからないまま一方的にやられれば普通の人間はパニック起こして逃げ出すから
一番偉そうなのをM82でミンチにすればおk
バジリスクの甲賀弦之介で
・・・さすがに一度に瞳術にかけられる人数には限界があるだろうとは思うが、
原作じゃ複数に同時掛けしてたしなぁ
その辺はルーン補正ってことで
東方の十六夜咲夜を召喚したら…
「おぉ、帰ったかモートソグニルや。して今日の成果は?」
「チューチュー」
「フムフム、ほぅ、何と!ミス・サクヤはPA(ピチューン
のオチしか思い付かん
殲滅なら姉妹スレの旦那がいるじゃあないか
前スレの最後のほうに追加。
なのはシリーズから、何故リニスが召喚されないのか、不思議でならないのは
俺だけだろうか
なのはシリーズとかいいからどうでもいいから
>1割も戦闘不能にすれば進軍を止められ、3割倒せば撤退させられるって聞いたような
昭和20年4月6日の戦艦大和でどうだ?
対空用の三式弾(飛行場破壊に用いてかなり効果的だったらしい)でフルボッコとか
というかわざわざ7万相手に突っ込むこともなかろう
頭が良ければそれ自体を回避する事だって可能なわけで
原作どおりのあらすじを辿らないと気がすまない律儀な人が多いからな
1乙だ
ティーゲルをなんとかアルビオンまで持ってきて、アハトアハトをブチ込むかね(砲亀隊でも可)
轟音とともに敵陣が吹っ飛んで、空中高く放り上げられた敵兵が効力射でバラバラに(ry
>>36 最大の見せ場になるであろう場面をスルーしろと申したか
>>36 うむ。本隊を囮にして、ルイズだけ攫って帰るか。
>>34 大和とか戦艦を呼ぶネタは前からあったが、問題はどうやって動かすかだ。
タイガー戦車なんぞとは訳が違う。
それに海戦のないハルケギニアでは砲台か要塞くらいにしかならない。
そこでB52の大編隊ですよ
>轟音とともに敵陣が吹っ飛んで、空中高く放り上げられた敵兵が効力射でバラバラに(ry
戦車一台だけじゃ効力射撃は出来ないズラよ
フルボッコにする必要ないでしょ
7万人が同時に襲ってくるわけじゃないんだから
適当に各個撃破していけば勝手にこっちの正体を恐ろしげなものと誤解して自壊するよ
正体不明の敵に味方が次々とやられる→まさか先住魔法?→エルフでもいるんじゃないだろうな→敵の敵は味方だからと王党派はエルフと手を組んだらしいぞ!→エルフだって!?冗談じゃねえ、そんな奴らと戦えるか!俺は逃げる!
みたいな感じで
そしたら某ムーミン谷のゴルゴ13呼べばいいんじゃね?
>>39 左様。別段七万鏖殺なぞせずとも、
召喚されし者の人となりを、
その者がルイズ達と如何なる触れ合いをするのかを、
ハルケギニアの住人達とどのような繋がりを紡ぎ出して行くのかをなどは
十二分に語れるものかと愚考致しまする。
遅レスお赦しあれ。
>>40 大体がギーシュフルボッコで力尽き
残った奴らもおマチ戦かヒゲ戦あたりで止まる
七万まで行くSSの割合は虚無に目覚める前のルイズの魔法成功率より低いと思う
>>49 国ごと召還して各種戦闘機&爆撃機で蹂躙なんてのが小ネタにあったな
ていうか、7万戦って勝つのが目的じゃないし
あくまでも目的は足止め、本体やルイズが乗った船が出航すれば成功なんだから
それどころか一方的に殲滅すると逆にルイズの立場がややこしいことになりそうな
つーかハルケギニアって海あったかね
アルビオンの回遊コースだよ
54 :
34:2008/06/02(月) 23:44:13 ID:ptHVsgz2
55 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/02(月) 23:45:50 ID:i8/QbdIa
完結してるSSの殆どは七万までいって切りよく終わってるな。
七万以降までいってるのはさざなみの人ぐらいかなと思うがあれはタバサの冒険寄りだからなぁ…。
ageてしまった。本当にすまない…。
>>55 姉妹スレの星屑しかしらない…
ほとんどはタルブのエクスプロージョン発動で終わってね?
テファが199X年の音威子府から陸上自衛隊第二師団を召喚でおk
>>52 アルビオンは大体海の上にいると作中で書かれているぞ。
超力超神ヤソマガツで7万の軍を蹴散らしたい
あれはヒルコで動いてるけどメンテはいるのかな?
「みらい」のように運用できる人々ごと召喚されていれば、
戦艦大和に大量の風石積んで空中戦艦にすればなんとかアルビオンまで・・・きつそう
アルビオン側が召喚してたら鉄壁の砲台要塞にはなるかも知れんけど
東千歳から第7師団でよくね?
戦車も自走砲も攻撃ヘリもあるぞ
海がなかったら、夜中に外に出されたりしたら死んでしまいますよ。
そんなこと考えてあるとは思えないが。
軍オタどっか行って
たまに一瞬でアルビオンまで行っちゃう話があるけど
高山病で大変な事になるぜ
>62
召喚される側のシチュエーションも大事だぜ!
アルビオン人って、下界の人間よりも心肺が強そうだよな。
アースガルズの人帰ってキター!
wktkしてお待ちしております。
>>57 俺もエクスプロージョン以降のあまり見た事無いな。
お勧めあったら聞いてみたいわ。
>61
スタッフがいても機材がなければメンテはできません
機材があっても資材がなければメンテはできません
さて、ハルケギニアのどこから補給物資を持ってくる?
仮に資源があっても採掘できないし、資源があっても燃料や弾薬、消耗部品を作る技術がないよ
ハルキゲニアでは既存の物理法則は都合よく無視できるのだ。
物理の試験問題で見られる「ただし、ゴム紐はいくらでも伸ばせるものとする」みたいに。
七万、七万言うのが多いがアレでなぜ盛り上がるのかよく考え直せ。
アレはヒロインとの今生の別れだったり、降って湧いた力でなんとなく戦うのではなく
惚れた女を守りたい。
そのために死を覚悟して挑むからかっこいいんだ。
最初から勝つのがわかりきっているキャラで七万とかいっても地雷でしかねーわ。
くだらない雑談するな
タバサがうちはサスケを召還しました
「なんだ薄らボケ」
「うるさい」
ボカン
「叩きやがったな!俺は女だからといって容赦しないぞ?」
「うるさい」
ボカン
「こ、このうすr」
ボカンボカンボカン
>>73 それを言っちゃあ、おしめえよぉ!
でもまあ、その通り。
>>73 傷付いても必死で突っ走って、力尽きてでも止めるのが良いんだよな
どんな状況だろうと、まずは「見せ方」だ。
ここに始まり、ここに終わる。
>>73 ギーシュとの決闘も、やられてもやられても立ち上がる姿がカッコいいのであるな。
>25
それだとメインは柱ちゃんとサクヤさんじゃね?
さて、久しぶりにプレイするとするかな…
ラブやんのかずふさでも七万の軍勢に立ち向かう姿はカッコいいだろうか
>81
最初から戦いません、ルイズを抱えて逃げの一手です
全然関係ないが、ギーシュとの決闘で、人質を取ったり罠を仕掛ける奴というのはいたかな?
よし、とんでもないバカを召喚してみよう
日常会話が成立しないくらいのバカ、正論言っても誰も取り合ってくれないバカを
誰がいるだろう
>>71 物理の試験問題の「但し書き」を召喚しよう。
※ただし、ルイズの胸部の摩擦係数はゼロとする。
※ただし、アンリエッタ女王の脳内は無限のお花畑とする。
※ただし、ギーシュのLP(ライフポイント@ロマサガ)は無限とする。
抜作先生や天地くんでも喚んでなさい
>>83 確か小ネタの方で相良軍曹が地雷しかけてた
>>87 あ〜るくんあっちにコシヒカリのオニギリがありますよ。
>>89 やあ、それはこのスレで「雑談するな」とか言う方々ですね。
>>73 >最初から勝つのがわかりきっているキャラで七万とかいっても地雷でしかねーわ。
始めから勝つと分かってるギーシュ戦
始めから勝つと分かってるフーケ戦
始めから勝つと分かってるワルド戦
で、なんでお前はこのスレにいんの?
>>88 あ、やっぱソースケかあ。
いやね、考えたのよ。
ギーシュが攻撃しようとした時に
「その前にあの塔の上を見るんだな」
とか言う。
塔の上には爆薬を巻きつけられたジャイアントモールが……
さすがに近代兵器で7万の軍勢を焼き払って「見ろ!人がゴミのようだ!」みたいなSSを見るためではないんじゃないかと
(ジャイアントモールを)上手に焼けました!
ところでモグラの肉って美味いのかね?
卑怯だろうが汚なかろうが勝ちゃあいいのよ、勝ちゃあ
みたいなキャラは確かにおもしろうそうだな
誰かいる?
別に7万人の軍勢瞬殺しようが面白いものは面白いと思うけどな
戦闘だけじゃ無いんだし
>97
ガッツ
まぁ、ガッツの場合は卑怯な手段も辞さないが、基本性能が
もはや人間ではないがな…
>>97 おいそこのお前、俺の名を言ってみろ
の人ですね分かります
モグラはさすがに食ったことないなあ。
ネズミなら食ったことある。カピバラって奴。旨かった。
157 :削除申請:2008/02/14(木) 20:56:50 ID:kMFXiYvI
管理人様
以下自作品の削除をお願いします。
(本人証明として、自ブログの方も削除致しました)
長編:1編
「ゼロのgrandma」
短編:2編
「色鮮やかな空へ」
「四系統だけど」
色々とご迷惑をお掛けしました。以降、忘却願います。
夜天の使い魔 第一部
夜天の使い魔 第二部
http://rein4t.blog123.fc2.com/
サイトを送り帰したと皆に説明するルイズ。
↓
周囲から集中非難。教皇の真意にやっと気が付いたアン様ファビョりだす
↓
サイトいないのに耐え切れなくなったルイズがサイトの記憶を消してくれとテファに懇願
↓
消して聖女化(かなりウザイ)。ルイズの変貌ぶりと自身のやった事にテファ涙目。
↓
サイト、夢でブリミルとサーシャ(初代ガンダールブ)と出会う。過去には真の敵が!?
↓
サイトが起きたら世界扉が目の前にあり教皇とジュリオに帰るか帰られないか迫られる。
→・帰らない
・帰る(ジュリオが背後からサイトを銃で殺して使い魔枠を空ける気だった)
↓
ヨルムンの猛攻をタイガー戦車で秒殺するサイト。ハゲ戦車でノリノリ。タバサ弾充填役
↓
ルイズにキスしたら消えた記憶が回復。カーチャンに近況報告メール送って終わり
↓
ノボル執筆遅れてる
以上14巻の流れ
>>93 別に擁護じゃないけど、作品によっては勝ち負け以前にその戦闘すら起こらない
ものもあるんだから、それが絶対とは限らなくね?
>日常会話が成立しないくらいのバカ、正論言っても誰も取り合ってくれないバカ
「ドラドラ子猫とチャカチャカ娘」の金髪
最近実写でリメイクされたのね
知らなかった
なによこれー!」
何度かの失敗の後、ひときわ大きな爆発と共に現れた物を見て、ルイズが、いや、その場にいた全員が目を見張った。大きさに
してゆうに二百メイルはあろうかと思われる、巨大な鉄の塊。押しつぶされて死ぬ者が出なかっただけでも奇跡だった。
その場にいた生徒の何人かが、理屈抜きの恐怖心からそれに攻撃魔法を放とうとする。が、呪文を唱えてもなぜか魔法が
発動しない。気を取り直したルイズが、その物体にコントラクト・サーヴァントを行おうとしても、やはり発動しない。
あまりの異常事態が二度続いて、生徒どころか教師までもがパニックに陥りかける。そこへ学院から他の教師全員と、
学院長であるオールド・オスマンが駆けつけた。しかし、彼らにしても出来ることなどあるはずもない。学院の全員が
途方に暮れる中、その物体はふいに宙に浮き上がると、そのまま彼方へと飛び去って行った。
それっきり何事も無かったため、数ヶ月もたてばこの事件は忘れ去られた。しかし、それから一年余り後、ハルケギニアに
ある変化が訪れる。『銀河帝国』と名乗る国の交易船───マストも帆も無い上、とんでもなく高速な船───が各地に現れ、
勝手に様々な、しかもおそろしく進歩した道具を売り始めたのである。
連発式で、しかも数百メイル先の的を正確に撃てる銃、鉄でも切れ、なおかつ絶対に刃こぼれしないナイフや斧、魔法を
使わずとも遠く離れた場所と話せる道具など、ハルケギニアには絶対に有り得ない物ばかりであった。それを平民でも買える
値で売るのだから、誰もが飛びつかない筈がなく、飛ぶように売れる。
そのことに気を良くした銀河帝国の商人たちは、王家や領主に伺いをたてることすらせず、勝手にハルケギニア中に現れ
ては、様々な進歩した道具を売りまくる。それを白い目で見る者も当然いたのだが、彼らは商売敵どころか、貴族や王家の
意向すら気にもとめなかった。
商売敵である商人や、勝手なまねをされて怒った領主が脅しても、銀河帝国の船は多数の武器を積んでいる上、屈強な男
たちが数多く乗り込んでおり、いかなる脅しも圧力も、実力ではねのけてしまう。無論その男たちは、商売の邪魔をする相手
以外には決して手を出さないのだが……。
業を煮やした現地の豪商が、メイジを雇って報復に出たこともあった。ところがそのメイジまでもが、返り討ちにあって
ズダボロにされてしまう。驚いて話を訊くと、銀河帝国側は、魔法の発動を不可能にする道具すら持っていたという。噂を
聞いて集まった者たちに、銀河帝国の商人は、その道具をすら商品として売り始めた。
>>97 スレ違いだけど、「勝てばよかろうなのだッ!」とかいうヤツが呼ばれるわけですな。
でも呼ばれた瞬間日光に当たって死亡。
>>97 KOFの山崎竜二かな。
使い魔になってくれるとは思えんが。
さて、クズがようやくお出ましか ID:Qlucfjoe
>>97 卑怯番長@金剛番長とか凄い正々堂々の卑怯ぶりだぜ?
>>97 スイフリー
小ネタであったけどこいつの活躍は見てみたい
問題は超描き難い事
>>97 砂ぼうず
おそらく漫画史上でも類を見ないくらいのゲス主人公
あ、ゲームのタイトルなのね。チェック入ってなかった。
・・・・・・てか、ゼロ魔は小説しか知らんのだわ。むう、ゲームもやっておくべきか。
さてと、透明あぼ〜んと。
エルハザードの陣内克彦思い出した。
ルイズ経由でアンアンに取り入って卑怯道まっしぐら、勿論ルーンは胸に出るw
いいキャラしてるから面白そうだな、書き手は大変だろうけど。
>>97 スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐のグリーヴァス将軍
改造手術の影響だけど
>陣内克彦
OVA一期の頃じゃないと冴えてないぜ
>>84 バカといえばドルチル。
7万戦でルイズがヤられてから活躍します。
ハルケギニアに災厄をもたらすようなキャラを召喚してしまい
責任をとるために使い魔討伐を決心するルイズ、て展開はどうか。
空やゾーマ、プレデターなどがいたけど他にいいキャラいるかな?
>>125 ウルトラマンAで書いている人のがそのタイプのSSだな。
>ハルケギニアに災厄をもたらすようなキャラ
黒死病や悪性インフルエンザウィルス
キャラと言っていいかどうかわからんが
そういやバイキンマンが呼ばれて防疫知識が無いハルケギニア滅亡って小ネタあったな
水疱瘡で全滅する……のは火星だね。
なんだっけ 亡国のイージスに出てきたペットボトル一本で東京都を壊滅させる奴
七万に対し大軍を指揮して戦うって展開は今までに見た事が無いな。
俺TUEEEEEEで蹂躙するより面白くなりそうだけど。
地球に攻め込んできた火星人はインフルエンザで全滅だっけ?
>>131 確か小ネタの豹頭がそんな展開だったような。
>七万に対し大軍を指揮して戦うって展開は今までに見た事が無いな。
小ネタのグイン
何時の間にか平民で軍隊作ってた超展開
でもグインならやりかねない
50万人を指揮できる孔明なら7万ぐらい安いもんだな
孔明「ひけっ!」
ワルド「むっ 卑怯者め、逃げるか!」
軍師としてすげーだけじゃなくて発明家でもあったんだっけか孔明さん
コッパゲ氏と馬が合いそうだな
逆に指揮官を暗殺するようなヤツはいないものか。
牙を突きたてろ!みたいに指令が下るとか。
指令を下すときは当然全裸ですね。わかりますw
>>139 勿論指令を下すのはゴシュジンサマだ。使い魔だからな!
全裸のルイズやタバサやキュルケに囲まれて股間を必死に押さえているギーシュの姿が目に浮かぶ
>>138 姉妹スレの小ネタでイルーゾォがレコン・キスタの幹部をまとめて始末してる
予約ないかな?
投下します
いらっしゃいませ
実態を持たぬ、赤いもやのような何かが流れていく。
もやのような何かは、まるで川を流れる水のように、少しずつ少しずつ集まっていく。
それは海に流れ込む大河のようであった。
一つの世界が生まれ、そして滅び、また生まれる。
人間が母から生まれ、育ち、老いて死に、肉体が地球へと還される。
肉体を構成していた素材は大地に吸収され、水となり、草木となり、動物に食われる。
それをまた人間が食し、人間は子供を作り育てる。
それと同じように、あらゆる場所で、あらゆる宇宙で、あらゆる世界が生まれ変わり循環していく。
世界は可能性の数だけ存在しているが、その世界に住む人々のほとんどは、別世界の存在を知らないだろう。
しかし、そんな世界と世界を繋げる空間があった。
世界と世界の狭間、可能性と可能性の狭間にある空間には、無数のアクマが住んでいる。彼らは自分たちの住むその場所を「アマラ深界」と呼び、世界と世界を繋げる道を「アマラ経路」と呼んでいた。
血のように赤いもやは、アマラ経路をゆっくりと流れ、最深部へと集まっていく。
かつて偉大な存在に反旗を翻し、無限の地獄の底へと落とされた堕天使がいた、あ場所へと。
「起きてよ」
ぺし、ぺしと、何かを叩くような音が響く。
「起きなさいってば」
幼さを感じさせる女性の声に合わせて、またもやぺしぺしと音が響く。
「ピクシー、あまり叩いてはいけませんよ」
そんな音の出どこに向けて、声をかける人物が居た。
髪の毛を頭頂部よりやや後ろで纏め、髪の毛がまるで飾り物のような形をしている。
見た目にはふつうの成人男性に見えるが、着ている服も灰色なら、その体も灰色がかっており、人間と言い切ることはできない。
「だって、ずっと寝てるんだもん。いいかげん、起きてもいいじゃない。フトミミさんだって心配でしょ?」
ピクシーと呼ばれた少女は、振り向いてそう言った。
少女と言うには語弊がある、体つきは少女とは言い切れない、胸もそれなりにあるし、ウエストのくびれはサキュバスにも負けないと自負している。
ただ、体は人間よりずっと小さかった、彼女は妖精であり、背中の羽を小刻みに揺らして宙に浮いていた。
ピクシーは、アマラ深界の最奥にある部屋で、いっこうに目を覚まさなパートナーの体に乗って、頬をぺちぺちと叩いていたのだ。
パートナーの体は、マガツヒと呼ばれる生命エネルギーの上に浮いていた、それはまるで静かな海面に浮かぶ流木のようで、微動だにしない。
フトミミと呼ばれた男性は、湖面のようなマガツヒに浮かぶ、飛び石のようなものに乗っていた。
うつむいて額に手を当て、何かを考え込むような仕草をすると、ふと思いついたように顔を上げた。
「アマラ経路の果てに人修羅はいます、かりそめの肉体を持って、そこで心を休めています……帰って来るにはまだ時間がかかるでしょう」
フトミミの言葉を聞いたピクシーは、マガツヒの水面に浮かぶ人修羅の胸へと降り立った。
正座のような格好で座ると、じっと人修羅の顔を見つめる。
「わたしと一緒にいたいって言ったじゃない。もう、迎えに行っちゃおうかしら」
ピクシーはそう言うと、人修羅の胸の上に寝そべって、力一杯胸を抓った。
「ピクシー、あなたは人修羅の身体を守るためにここにいるのですから」
「わかってるわよ。それで、人修羅を迎えに行った仲魔は、まだ人修羅の居る世界にたどり着けないの?」
フトミミが額に右手の指を当て、何かを考え込むような仕草で遠い世界を『観た』いる。
「……おや。すぐ近くにまでたどり着いた者が一人います……これは」
ピクシーがフトミミの顔を見ると、眉間に皺が寄っているのが分かった。
「どうしたの? そんなしかめっ面して……まさか暴走族が一番乗り?あいつうるさいのよね」
「いえ、そうではありません……彼で大丈夫でしょうか」
「?」
■■■
トリステイン魔法学院の夜。
人修羅は勉強がてら、今日のできごとをルイズに話していた。
「それで、ギーシュの使い魔と一緒に鉱物を運んできたの?」
椅子に座って、人修羅に本の読み方を教えていたルイズが、呆れたように呟く。
人修羅はテーブルを挟んで向かい側に座り、手にはハルケギニアの歴史書を持っていた。
「いや、最初はそんなつもりじゃなかったんだ。この間ルイズさんと一緒に、薬草を使った授業を受けたろ? それで自分でも薬草を探したくなって、森の中に行ったんだけど、そこで偶然ヴェルダンデに会ったんだよ」
「………」
ルイズは目を細め、人修羅を睨んだ。
「どうしたの?」
「あんたって、ホントに分かんないわ……」
「何がさ」
「全部よ、全部」
きょとんとした目でルイズを見つめる、ルイズは相変わらず睨むような不機嫌丸出しの目つきで人修羅を見ている。
しばらくそうしていたが、人修羅は何かを思いつき、テーブルの上に本を置いた。
不意にルイズの頬を両手で包み込、自分の方に軽く引き寄せると、小声で呟く。
「そんな顔してるとかわいい顔が台無しだぞ」
たっぷり十秒ほど経過したところで、顔を真っ赤にしたルイズの正拳突きが、顔面にめり込んだ。
「痛い…」
「とっ、当然でしょ!」
ルイズはいつの間にかベッドの上に座り込み、顔を真っ赤にして拗ねていた。
枕を抱きしめて女の子座りをするその仕草は、いかにも年頃の女の子といった感じで、どこか微笑ましい。
人修羅はブフで作り出した氷を顔に当て、殴られた部分を冷やしている。
「マサカドゥスでも防げない打撃……さすがルイズさんだ」
「わけのわかんないこと言ってないで、もう寝なさい」
「わかったよ」
ルイズがランプを消してから数十分後、人修羅は意識をルイズに向けた、ベッドで眠るルイズはすぅすぅと寝息を立てており、熟睡している。
「…………」
のそっ、と身体を起こすと、人修羅は足音を立てぬよう気をつけながら部屋を出て行った。
■■■
「おいっちにっ、さんしっ」
子供の頃に経験したラジオ体操のような、一定のテンポで声を出しつつも、身体はそのテンポを無視するかのごとく縦横無尽に動いていく。
爪で引き裂く、つま先をねじ込む、肘を突き刺し、かかとで蹴りおろす。
最初はビュッ、ビュッと風を切る音がしていたが、速度が上がるに従って音にもブレが出てきた。
バオッ、とか、ブバッ、とか、まるで旗を勢いよく振り回すかのような音が、月明かりに照らされた草原に響いていた。
「ジャッ!」
気合いを入れつつ右腕を振る、それだけで周囲の空気は腕に絡め取られた、空気は捻れを与えられつむじ風となり、つむじ風は集まって竜巻を作り出す。
人修羅の腕一つで作り出される風はすさまじく、風系統の『エア・ストーム』を上回ってもおかしくない勢いであった。
「ふぅ…」
激しく動かしていた身体を落ち着かせ、深呼吸をする。
少しぐらい動いたところで疲れるはずもない、一年や二年動き続けたところで体力や魔力が尽きるはずもない、しかしそれでも、身体は恐怖を感じている。
シンジュク衛生病院の中で目覚め、初めてアマラの道を通った時、得体の知れない化け物に襲われ、俺は動くことが出来なかった。
動け、動け、動け。
殺さなければ殺される、命からがら逃げ出しても追ってくる、どこへ逃げても敵がいる、いつ襲われるか分からない、逃げ道が無くなったとき、戦わなければ生き残れない。
殺せ、殺せ、殺せ。
「ああ、くそ、だめだ。やっぱり怖いや」
”人修羅”になって、強敵と戦い、世界を崩壊させた存在と戦い、堕天使と戦い、ついには唯一の……と戦い、そして生き残った。
それでも、人間だった頃の感性が人修羅の人格を形作っていることに違いない。
どんな力があっても、怖いものは怖い。
勘を衰えさせないために鍛錬をしても、怖いものは怖い。
人修羅は月を見上げて、ふと思った。
「もし、俺よりも強い奴がいたら……もし、ルイズさんを、この学院の誰かを人質に取られたら……」
「考えてもしょうがない、帰ろう」
人修羅はとぼとぼと、魔法学院へと帰っていった。
草原の一角に、雑草が描く直径50メイルほどのつむじを残して。
■■■
「………」
人修羅はルイズの部屋に戻ると、そーっと扉を開いて、中を確認した。
なるべく足音を立てぬよう気を遣いながら、宛がわれた布団にまで戻る。
布団を被ったところで、ごそごそと衣擦れの音が聞こえてきた。
首だけ動かしてルイズの方を見ると、ベッドで寝ているルイズが人修羅の方を向いていた。
寝返りを打ったのだろう、そう思いこみ目を閉じようとしたところで、突然ルイズが口を開いた。
「どこ行ってたの?」
「……起きてたの?」
「質問に質問で答えるのは駄目って習わなかった?」
「ちょっと、身体を動かしてきた」
「ふーん。…なんで?」
「なんでって…そうだな、ハルケギニアに来てから、戦うことがなかったから、ちょっと不安でさ」
「何が不安なのよ。戦うことがないなら、それでいいじゃない」
「うん…それでいいと思ってたんだ。でも、俺は戦いに突然巻き込まれて、この姿になったんだ。だから、平穏がいつ破られるか、破られるその瞬間まで予測は出来ないと思ってる。不安なんだ、俺の力がどこまで通じるのか、どこまで戦えるのかって…」
がばっ、と音を立てて、ルイズが身体を起こした。
「おかしいじゃない、あんた強いんでしょ。先生方が警戒するぐらい強いんでしょ、なのに、何に怖がってるのよ」
「怖いよ、俺は自分の身は守れる。この世界の魔法は、まだすべてを知った訳じゃないけれども、だいたいは防ぐ自身はある。けれども…仲間の身までは守れないんだ、自分の身を守れるからって、仲間を、友達を守れるとは限らないんだ」
「それが、怖いの?」
「怖いよ。ああ、怖い。守れないのも、裏切られるのも、いや、何かを得たその瞬間から、それを失うことが怖くなるんだ。平穏とか、幸福とか、自分の命とか、仲間とか……
俺は別に強くなろうと思って強くなった訳じゃない、失うのが怖くて、守るために戦っていたら、いつの間にかこんな力を手に入れていたんだ」
少しの間、二人の間に沈黙が流れた。
「……ねえ、人修羅は、今は、何を失うのが怖いの…?」
「…ルイズさんとか、この学院で出会った人達、それと元の世界で一緒に戦った仲魔達かな」
「そう」
ばふっ、と音を立ててルイズが横になる。
仰向けになったルイズは、毛布を引っ張って身体の上に乗せると、小声で話し始めた。
「私、病気のお姉様がいるの。ヴァリエール家は私を含めて、姉妹が三人。私は三女で、次女に当たるカトレア姉様はいつも私に優しくしてくれたわ。
でも身体が弱くて領地から出るのは禁止されているし、時々発作を起こして、すごく苦しんでいた……とにかく、私はそんなちい姉さまのことが心配で心配で仕方なかったの。
ねえ人修羅、ずっと聞きそびれていたんだけど、今聞くわね。治癒の魔法って使える?」
「……この世界の人間に使っても効果があるか、分からないけど、使える」
「そう。じゃあ今度、貴方を連れて領地に帰るわ」
「わかった。出来る限り力になる」
「ありがと」
ごそごそとルイズが寝返りを打つ、ルイズは人修羅に背を向けて、枕を抱きしめた。
「魔法学院に来たとき、ちい姉様のために水系統の魔法を覚えたいって、ずっと思っていたわ。
でも、一ヶ月経った時かな、私は失敗続きだったから『水系統なんて危険すぎて教えられない』って、教師から言われたの」
「………」
ごくりと人修羅が唾を飲んだ、ルイズの言葉が、まるで鉛のように重い。
「部屋に戻ったとき、泣いたわ、どうして良いか分からなくて、悔しいとかそんなんじゃなくて、ちい姉さまがこのまま死んじゃうんじゃないかって…そんな事を考えて泣いちゃったの」
「優しいんだな、だから自分を責める」
「そう思う? 情けないとか思わない?」
「俺にはこんな経験がある…俺は両親を失った、もしかしたら生きているかもしれないと思ってトウキョウ中を探したけれど、駄目だった。
俺は絶望からはじまったんだ、生きている可能性なんてほぼゼロの世界だし、そのおかげで諦めるのも早かった。
でもルイズさんは違うよ、お姉さんは生きている、今治癒すれば助けられるかもしれない、だから余計に失うのが怖いんだ。
俺には想像も出来ないぐらい、お姉さんを失うのが怖いんだろう……そんな人を馬鹿にする事なんて絶対に出来ない。」
「…ありがと。もう寝るわ。おやすみ」
「おやすみ」
素っ気ないルイズの言葉には、どんな気持ちが込められていたのか、人修羅には想像しか許されなかった。
ベッドの上で震え、時々嗚咽を漏らすルイズに、どんな言葉をかけてやればよいのか、どんな風に接してやればいいのか、それとも黙っていた方が良いのか…答えは出なかった。
■■■
支援
しえん
一方そのころ、トリステインの隣国ガリアで、サモン・サーヴァントの呪文を唱える少女の姿があった。
離宮として建てられた宮殿の一つ、プチ・トロワで、この国の王女とされる少女が杖を手に持ち、眉間に皺を寄せて、何かを念じている。
「この私に相応しい使い魔よ〜、あの生意気な人形のドラゴンよりずっと強大で雄々しくてご立派な使い魔よ!」
少女は自分の部屋で杖を高く掲げて、力強く振り下ろした。
我は求め訴えるわ、我が導きに答えろ!」
もう一度持ち上げて、振り下ろした。
「………答えろ!」
もう一度持ち上げて、振り下ろした。
「…………答えろーーーー!!!!」
しかし、何もおこらない。
「…ふふふ、はっはっは!こりゃつまり、あたしは使い魔を必要としないって事だね!」
少女は腰に手を当てて、ふんぞりかえりつつ叫んだが、その声はむなしく部屋に響くばかり。
「チクショー!なんだってんだい!ええ!あいつに召喚できてあたしに召喚できないってどーいうこったい!ええ!」
年の頃14歳ほどの少女が、口から炎を出しかねないほど怒り狂い、金貨数十枚から数百枚の価値はありそうなベッドや調度品を蹴飛ばした。
「…なんで、あたしには召喚できないのさ」
ふと身体から力が抜け、床にへたり込む、気のせいか厳しくつり上がっていた瞳からは涙が見えていた。
「うんしょっ」
唐突に、背後から声が聞こえた。
振り向いてみると、そこには青い何かが浮かんでいる。
つんつん、と突いてみようと杖を向けると、その青い何かはぐねぐねと動き出した。
「狭いホー…」
「………しゃ、しゃべった!!!!???」
驚く少女をよそに、青い何かは小さな小さな召喚ゲートを通り抜けようと、身体をぐねぐね動かして、少しずつ姿を現していく。
「んしょっ、ヨイ…しょっ。ふー、なかなか狭い道だったホね!」
小さなゲートから現れたのは、背丈45サントほどの雪だるまだった。
つぶらな瞳に、笑っているような三日月の口、頭には青い帽子のようなものを被っている。
「あ、あんた、なんだい?も、もしかして、使い魔?」
「キミがボクを呼んだホ?今回はマッカ入らずの特別大サービスホね。人修羅を見つけるまで一緒に居てやるホ!」
手を振って答える雪だるまに、イザベラは唖然とした。
なんでこんなちんちくりんな…と思ったが、召喚したことには違いないらしい、それにコントラクト・サーヴァントを交わしていないのにこの雪だるまは喋っているのだ。
とりあえず名前を聞くことにしよう、そう決意したイザベラはわざとらしく咳払いをして、雪だるまに杖を突きつけた。
「ちょっと待て!あんた、ええと、召喚に応じたんなら名前ぐらい名乗るんだよ!」
「ボクはジャックフロストのヒーホーだホね。キミの名前は何だホ?」
「ジャックフロスト?ヒーホー?聞いたことのない名前じゃないか…まあいい、あたしはイザベラ、この国ガリアの王女さ!」
「イザベラ!いい名前ホね、こんごともよろしくだホ!」
右手を挙げて挨拶をすると、ヒーホーはぴょこんとイザベラの膝に飛び乗った。
「ちょっとあんた、いきなり…」
「〜♪」
膝の上でちょこんと座ったヒーホー君を見て、文句を言おうとしていたイザベラだったが、ちょこちょこと動く頭と耳?らしき部分に視線が釘付けになった。
「…い、いいじゃないか」
「ホ?」
−−−−−−
今回はここまでです。
154 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/03(火) 01:37:34 ID:9p0Nrk1G
るろうに剣心の斎藤一 召喚 お願いします。
409 名前:名無しさん 投稿日:2008/06/03(火) 00:42:11 [ RcLocvMg ]
しかし七万七万言う子は七万人が展開するために必要な広さとか考えないのかね
どっかの国の増え続ける大虐殺じゃないんだからやられる為に無条件に順番に突っ込んできたりもしないだろうに
410 名前:名無しさん 投稿日:2008/06/03(火) 01:32:27 [ iLMR1JyI ]
七万やった承太郎でも、スタプラとガンダールヴで獅子奮迅の活躍しても結局負けたよな
仗助が助けに来てからは空中戦力の相手をしつつ七万軍の上空を突破してお城にカチコミで七万の9割以上はスルーしたし
ヒーホー 乙なんだホ
でもイザベラはたぶん14歳じゃないと思うホー
アクマさん乙
イザベラ様羨ましい・・・・
オツカレー
ぐ…俺もヒーホー君を膝の上に乗っけてぇぇぇぇぇ!!!!
タバサの方がイザベラより年下なんだっけ?
あの王家は女がマニア向け発育不良になる血統なんだろうか。
これまでに水野良作品のクロスネタってあった?
>>155 サイトに倒される為にちまちま小出しに出て来た原作は?
メガテン随一の癒しキャラ乙だホー
あとイザベラ様は体型的にはじゅうぶん14歳で通じると思うホ
マンガだと結構スタイル良いんだぜあの人
作者さん、乙です。
でも、そいつを膝に乗せたら霜焼けを起こさないか?
ホツカレ〜
イザベラはタバサよりも年上だったような気が
17か18くらいだったけ?
>>24 新生Fire Bomberのメンバーは
歌とギター→バサラ
歌とベース→ルイズ
キーボード→スカロン
ドラム→マリコルヌ
ですね
わかります
168 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/03(火) 01:59:45 ID:9p0Nrk1G
black cat のトレインはどうかな?
169 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/03(火) 02:00:40 ID:9p0Nrk1G
サムライ ディーパー キョウは?
>>155 ほんの数秒だけ時間を止められる能力の他は、ごく近距離でガチンコするしか能が無いのが承太郎なんだが。
ガンダ持ちのサイトより少しましな程度じゃん。
世の中にはもっとトンデモな対多数用の攻撃力を持ったキャラなんていくらでもいるしな。
一対数万と聞いて、何故かサーディオンを思い出した。
あれは元々一対数万を想定して建造されたチート機体なんだが、それを遥かに
凌ぐ敵の圧倒的な物量によって敗北したっけな。
>>161 シューティングスターが有ります。
(ギャグです)
7万じゃなくて5万ですが失礼させていただきます。
5分後に投下を始めたいと思いますが、大丈夫でしょうか?
かもーん!
パパももちろんOKさ
>>172 ルイズが例の生物惑星召喚、ハルキゲニア最後の日
その身の丈は3メイルほどか。オーク鬼より一回り大きく、トロール鬼やオグル鬼よりは二周りほど小さい。
でっぷりと腹の出た鬼どもと違い、鍛え上げられた逆三角形を連想させるスラリとしたフォルム。その姿は狼が二足歩行に立ち上がったようであり、亜人というよりも獣人といった方がふさわしい。
確かに見たことがない種族だったが、大きさからいって、5メイルのトロール鬼兵士が振るう棍棒の一撃に耐えられるはずがない。
耐えられるはずがないのだ。なのに。
―――ばしゅっ、と血風が舞い、上半身の右半分が丸々吹き飛んだトロール鬼兵士が、地響きを上げて崩れ落ちる。
なのに、なぜ。
―――別のトロール鬼兵士が振り下ろした棍棒が、軽々とその掌に受け止められる。左手に握られている剣が一閃、トロール鬼の首を綺麗に斬り飛ばした。
なぜ、この『鬼』は事も無げに、それらを屠りながら前進してくるのだ。
そう、オークやトロールなど、『鬼』という言葉を使うにはあまりにも惰弱に過ぎる。そう、思わせられる。
目の前のこれこそ、まさに『鬼』。その表す意味に、最もふさわしい存在だ。
―――ゴォゥッ、と風を巻き、背後にいた指揮官のメイジから『フレイム・ボール』の魔法が『鬼』に向かって放たれる。
普通の人間がまともに受ければ、炭の塊になる火の玉。
その光景も、何度も見た。
―――『鬼』が左手の剣を振るう。火の玉と剣とがぶつかり合い……『フレイム・ボール』は、跡形もなく消え失せてしまうのだ。まるで、その刀身が炎を吸い込んでいるかのように。
「ひぎゃあああああああああああああっ!!!」
どんっ。軽い地響きがして、黒き『鬼』の姿が掻き消える。直後、響き渡る断末魔。
ものすごい速度でジャンプし、手前の槍ぶすまを飛び越え、先ほど『フレイム・ボール』を放った指揮官のメイジが叩き潰されたのだ。……文字通りの意味で。
「ば、化け物おおおっ!」
「なんだっ、なんなんだあああーっ!!?」
腕を振るい、脚を振るい、剣を振るい、その度に血飛沫が舞う。平民も、貴族も、亜人も……その前では、全て獲物に過ぎなかった。
自分は、手に持っていた愛銃を構える気も起こらなかった。これまで数多の戦場でメイジを十は撃ち抜いた自慢の相棒だったが……そんなもの、あれに効くはずもない。
「■■■■■■■■■■■■■■■ーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」 」
意識を黒く塗り潰すような咆哮。
自分はその甘美な誘いに抗う気も起きず……幸運な事に、そのまま気を失う事ができたのだった。
§
支援
勝ち気に逸っていた『レコン・キスタ』軍は、急転直下、死地へと投げ出された。
突如現れた、謎の『鬼』が想像を絶する力で暴れまわり、前線の将兵をことごとく薙ぎ倒している、と。
命からがら後退に成功した兵、高地ややぐらからの物見、また風のメイジによる遠見の魔法、それら全てが伝えてくる出来事は、その荒唐無稽な報告が事実である事を示していた。
最前線を担っていた二個大隊のうち、果敢にも(あるいは所詮一匹だと侮って)それに立ち向かっていった者は、平民貴族亜人正規傭兵を問わず、ことごとく死んだ。
勝ち戦にある者は、死にたくないものだ。
死んではせっかくの勝利の美酒を味わう事が出来ない。略奪する宝、戦功への恩賞、武勇に与えられる名誉……それらが惜しくて、命を惜しむ。
利益を惜しみ、命を惜しむ者が、誰構わず死と恐怖を振りまく正体不明の化け物に立ち向かっていくわけがあろうか。
二個中隊、およそ数百の歩兵や指揮官のメイジがその爪にかかり、腕に押し潰され、脚に踏み潰され、剣に首を飛ばされたところで―――勝利を確信し、その先の略奪に思いを馳せてすらいた正面隊の士気は完全に崩壊した。
兵達は犬死にを恐れて散り散りに逃げ出すか、恐怖に気を失うか、やぶれかぶれにニューカッスル城に突撃し、城壁の守りに散らされていった。
そしてその化け物は、今も目に付く者全てに襲い掛かり、殺戮を繰り広げている―――。
§
殺す。
―――爪を振るう。槍を構えていた兵士が六枚に下ろされて絶命した。
殺す。
―――腕を振るう。折れた槍を捨てて脇差を振りかぶった兵士の上半身が、空き缶のようにひしゃげた。
殺す。
―――跳び上がる。着地点にいた銃兵が、足の裏の下敷きになって落としたトマトのように潰れた。
殺す。
―――剣を振るう。飛んできた魔法がその刀身に吸収され、ついでに近くにいた兵士数人が、山刀に刈られる背の高い草よろしく、それぞれ適当なところを斬り飛ばされてもんどりうった。
殺す。
殺す。殺す。殺す。
儚く消える間際に、命の炎が一際燃え上がる。だが、そんなものはどうでもよかった。エルクゥの悦びなど欠片も感じない。
あるのは、ただ炎。それは蝋燭の消えゆく炎ではなく、そのまま本人を包み込んでその身を荼毘に伏す業火。
「かははっ、なんてぇ心の震えだ! いいねぇいいねぇ、主人の仇討ちに震えるハート! 燃え尽きてヒート! ガンダールヴ最後の大仕事だぜえ!!」
漆黒の肌の中に、眩しいほど煌々と光を放つ左手のルーン。そこに握られた剣が景気よく声を出し、目前に差し迫った『ジャベリン』の魔法による巨大な氷の矢を、瞬時に蒸発させた。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■ーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
呼応するようにエルクゥが咆哮を上げる。
だんっ、と血染めのその場から、『ジャベリン』が放たれた方向へとまっすぐに跳躍し―――その風のトライアングル・メイジは、刹那の後に絶命した。
§
軍隊、というのは、人間社会での集落同士が戦う為の組織である。
それが戦う事を想定しているのは、同じ数、同じ種類の人間だ。どれほどの腕があろうと、それが『人間』という枠に収まる以上、一人の達人では十人の雑兵に勝てない。
数の力。そういう理屈だ。
しかし。人ではない、たった一体の超越者と戦うには、軍隊は向かない。千を集め、万を集めても、その『数』という力を発揮出来ないまま無駄に命を散らすだけだ。
ドラゴンの暴君を討つのは、軍隊ではなく、英雄なのだ。
まだドラゴンなら、巨大なドラゴンならば、千の兵士によって一斉に銃を撃つことにも意味があるかもしれない。その巨体には、千の銃弾を集める事が出来るのだから。(逆に言えば、ドラゴンの炎の息も、百や千の兵を一斉に焼く事だろう)
しかし、3メートルしかない少し大きな人型程度には、百人の兵士を殺到させたところで百人が同時に斬りかかれるはずもない。千人でも万人でも、せいぜいそれを相手に発揮される『数』の力は十人分。
その十人分を蹴散らすぐらい、超越者にとっては呼吸をするにも等しい。呼吸の回数が百回だろうと千回だろうと、それは等しく『時間の問題』でしかないのだ。
さらに『数』を増やそうとその外から弓や銃、魔法を撃てば、その近くにいる味方に当たるかもしれない。百人が一斉に囲めるような距離があっても、その人型は跳躍一つで銃の射程など飛び越えてくる。
業を煮やし、使い捨ての傭兵など知った事かと広範囲に及ぶ魔法をぶっ放した貴族などは、化け物の持つ剣に魔法を無効化された挙句、周囲の傭兵達によって逆襲を受け、それを守る兵との同士討ちが始まっている。その隊は、もはや軍としての用を成さないだろう。
前線のそんな混乱ぶりを間近で見ていた後方の隊では、機を見るに敏な傭兵や、戦の経験のない徴募兵が、次々と逃亡を始めていた。
堅城を落とす為に集められた五万の軍。それは、たった一匹のエルクゥに、全くの無力であった。
「……なんという」
ニューカッスル城の天守からは、『レコン・キスタ』軍五万の呆れ返りたくなるように巨大な陣容が一望できた。横っ腹への奇襲など微塵も警戒していない、岬の突端に位置する城の城壁にただひたすら殺到する為だけの、縦に長く伸びた突錐陣。
そして、今まさにその只中で殺戮の神楽を踊り続ける、使い魔の姿。
それを眺めるウェールズには、それを戦いと呼ぶのは憚られた。殺戮か、虐殺か……それとも、狩猟か。見るものを圧倒させる五万の陣は、瞬く間に見るも無残な血の海へと変貌していく。
「今なら、我らごと逃げ延びる事も可能かもしれませんな」
「……かもしれないな」
傍らの侍従の呟きに、ウェールズは重く頷いた。
城壁に張り付いてくるはずだった無数の兵がことごとく血に沈んでいく。もはや前線に展開していた部隊は壊滅状態だった。恐慌状態のままその横を走り抜けて城壁に取り付く兵士も散見されるが、見張りの兵だけで追い散らせる程度だ。
「まあ、逃げ延びる先がない我らには、ここを守るしかないのだがね。我らの名誉ある敗北は、彼に譲ってしまったのだから」
「いや、そうとは限りませんぞ」
「……パリー?」
かつて『鉄壁』の二つ名を欲しいままにした初老の侍従。その衰えぬ鋭い視線が、眼下に広がる五万の軍容の、そのさらに向こうを睨みつけている。そんな気がした。
「殿下、およそ全ての戦いと呼べるものには、一つの鉄則がございましてな」
「ほう。その心は?」
「『攻撃は最大の防御』と言うものです」
§
デルフ止めてやれよw 支援!
「もう一度報告を繰り返せッ!」
「は、はっ! 本日一〇一七、ニューカッスル攻略部隊が敵の襲撃を受け、先陣を担っていたハイランダーズ連隊は全滅。連隊長サザーランド侯以下、第一大隊長ランカスター伯、第二大隊長アーガイル伯、全てご殉死なされました」
全滅した隊のは言うに及ばず、後方の隊の傭兵や徴募兵までも逃亡を始めており、被害は今なお増大中、というその報告は、怒鳴り返した幕僚長には全く理解の出来ないものだった。
「敵の戦力は!? あやつら、玉砕覚悟で打って出たか!?」
「は。そ、それが……」
「何だ! わからんのか!?」
「て、敵は、一騎の亜人であるとの事です!」
搾り出すように叫んだ若き伝令の仕官の言葉に、簡素な野陣テントにしつらえられた軍議の場がざわついた。
「貴様、冗談を聞いているのでは―――!」
「詳しく説明しなさい。騎士ノーマン」
「ク、クロムウェル閣下……」
激昂しかかった幕僚長を遮ったのは、中心に座っていた司教服の男であった。いかつい勲章ときらびやかなマントばかりのその中心には、この場にそれ以上ないほど不似合いな、緑色の法衣姿がある。
『レコン・キスタ』総司令官、オリヴァー・クロムウェルが、顔の前で手を組み合わせ、テーブルに肘を付いていた。
その傍らには、真っ黒いローブに身を包み、フードで顔を隠したその秘書が侍っている。わずかに垣間見える口元や体つきから見るに、中肉中背の、青年と少年の境目にある男性、という風情だが、クロムウェル以外の誰も、その顔を見た者はなかった。
「ヘイバーン統幕僚長。怒りは我らの鉄の結束を崩す。冷静に報告に耳を傾けたまえ。疑問があれば、理でもって問いたまえ。彼は年若くして竜に認められた、誠実で誇りある騎士だ。余が保障する。偽報であるかどうかは、彼の責にはない」
「は、はっ」
「さあ、詳細を、我らが同志ノーマン」
にっこり、と笑いかけた司教に、伝令仕官は平伏して答えた。
「手に持った剣で魔法を弾き、風のメイジ以上の俊敏さを持ち、トロール鬼以上の力を振るう見た事もない『鬼』と報告が上がっております。突如としてニューカッスル城門前に現れ、襲い掛かってきたと」
「それが数千の我が軍を殺し尽くしたと? 信じられぬ話だが、間違いはないのだね?」
「はっ。全ての物見が、同じ事実を報告致しました。自分も伝令に飛び立つ際に報告どおりの姿を見ましたが……その勢いは全く衰えず、我が軍を、蹂躙しておりました」
場が静まり返る。その場にいるのは全て軍部の高官だったが、皆、『信じられない』といった表情を浮かべている。
目を閉じて黙り込むクロムウェルの耳元に、傍らの黒いローブの人物が口を寄せた。
丈の長い漆黒のローブが重力に引かれ、二人の顔を隠す。
その裏で、威厳と不気味さを保っていた二人の相好が―――盛大に崩れた。
「どどどどどどーしようサイトくん! そんな化け物の事、知ってたかい!?」
「お、俺だって知りませんよ! ジョゼフの野郎もそんな奴がいるなんて一言も……!」
「さ、サイトくんのマジックアイテムで何とかできないのかい!?」
「一匹でメイジ込みの数千人ブチ殺すような化け物倒せるアイテムなんて貰ってませんて!」
「どーしよ!?」
「どーしろと!?」
「バス降りて歩いてたら」
「後ろからイキナリ!?」
「ところでサイトくん、『ばす』ってなんなのかね?」
「えっと、俺の世界での乗り合い馬車っていうか……って現実逃避してる場合じゃないですってクロさん!」
「だ、だって、どうしろっていうんだい?」
「と、とりあえずあの騎士さんを下がらせて、ここの人達にアイディアを出してもらいましょう。もう間が持ちません」
「う、うん。わかった。―――落ち着きたまえ、同志諸君。指揮官が取り乱しては、兵が不安がりますぞ」
二人が体勢を戻し、ごほん、とクロムウェルが咳払いすると、騒然となっていた軍議の場はさあっと静かになった。
「忠実なる我等が騎士ノーマン、貴重な報告ご苦労であった。貴君のもたらした情報は、必ずや我が同志達を勝利へと導くであろう。下がってゆっくりと休み、次の任務に備えたまえ」
「はっ!」
クロムウェルが何度も頷き、笑顔を浮かべると、伝令の竜騎士は深く頭を下げて退室していった。
「さて、諸君、親愛なる我が『レコン・キスタ』の同志諸君。今の報告を真実だとして、どのような対処をするべきだと思うかね?」
その言葉に、軍議は再び紛糾を始めた。
どのような化け物でも五万の軍勢には勝てまい。いや被害を無闇に広げるだけだ一度全軍を下がらせて正体を見極め選りすぐりの竜騎士で討伐すべきだ。いやいやそれでは王党派に時間を与える事になる宣戦布告破りが他国にばれようものなら我等の正当性が問われ―――。
「……なんとかなりそうっすかね」
「……その化け物って、何者なんだろうね」
「さあ……敵の秘密兵器かなんかでしょうか?」
「報告します!」
「「っ!」」
息を切らせた伝令兵が陣幕に飛び込んできたのは、議論の熱が高まり、ひそひそ話をする総司令官と秘書の顔に落ち着きが戻ってきた時だった。
「何事だ!」
「お、王立空軍の旗を掲げた艦が、この陣に向かい最大戦速にて突撃してまいります!」
その報告に、高官達は先ほどまでの舌の熱も忘れ、文字通り跳び上がって驚いた。
§
「弾薬は全て下に向けて撃ち尽くせよ! 敵の艦など相手にするな! イーグル号、及びその乗員はこれよりその全てを以って『レコン・キスタ』本陣への弾丸となる!」
『鉄壁』の号令に、おぉぉー! と艦中から鬨の声が上がる。
「『鉄壁』の名にふさわしくない荒っぽさだね、パリー!」
「言ったでありましょう、『攻撃は最大の防御』ですとな! それとも殿下には、座して死を待つ趣味がおありでしたかな!」
「まさか!」
機動力を重視した設計の、その最大戦速にて五万の兵を飛び越えていくイーグル号の甲板で、主人と侍従は抑えきれぬ笑みを漏らしていた。
「狙うは総司令官、オリヴァー・クロムウェルの首級のみ! おのおのがた、気張りなされよ!」
どんっ! と腹に響くような重音とともに、敵艦の砲撃が船体を掠めていき、イーグル号が大きく揺れた。
甲板にて杖を構え、楽しくて仕方ないという風に顔を歪めるメイジ達に、取り乱す気配は全くない。
「総員、突撃ぃっ!!!」
怒号と共に、二百余名のメイジ達はマントを翻し、こぞって甲板から飛び降り始める。
その眼下には、開けた地に張られた野陣がある。『レコン・キスタ』軍、ニューカッスル攻略拠点の陣であった。
以上です。支援ありがとうございました。お楽しんでいただければ幸い。
ええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!
サイトぉぉぉぉぉ???????
あなたを、支援します……!
これは面白い事になって来た。
乙です。
オモロ顔のサイトともっとオモロ顔のクロムウェル想像して吹いたw
GJですが……サイトがジョゼフの使い魔、ミュズニトニルンなんですか?
そこの所、笑っちゃいました。
乙、今まで見た中で一番緊張感のないクロムウェルだw
乙。緊迫感が一気に抜けたw
ということはサイトはジョゼフにファーストキスを捧げてしまったのか
ついでに後ろも
エルクゥさん乙
ルイズに喚ばれないとホントろくな目に遭わないな、才人はw
てか09話でそれらしい事タバサが言ってるんだけどね>ヴィンダー才人
>>197 日本から来たとしか言ってなかったはず…って読み返したら
アキハバラ って書いてあったね。 なるほどなるほど。
…
マジックアイテムを使うヴィンダールヴ…だと?
日本の東京辺りから来た人がいる、程度のことしか言ってなかった筈だが。
やっちゃったなというかまさに殺っちゃったな
この後どう転んでも、実物がああでも、恐怖の悪鬼として腫れ物扱いかな
エルクゥさん乙!
ミョズサイトはイザベラ関連のイベントのフラグと思うんだ。
エルクゥさん乙!
取り乱していきなりDo-Daiを歌いだす才人とクロムウェルに笑ったwww
素敵クロムウェルと素敵サイトが……良い!
エルクゥの人、乙!……って1時間半も前だけど。
205 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/03(火) 04:27:27 ID:IQ0KQb8m
タバサ=クシャナだとすると…
ルイズ=ナウシカなのか…?
オーマ=才人なのか……?
サイトがミョズだったのか
ジョゼフがサイトを召喚した話だとたいがいほのぼの話になのでこれは先がよめないな
サイトが召喚された時期がわからないから何とも言えないけど、よくジョゼフの元に居続けてるな、サイト
タバサの母親の事とか知らないのかな?
何気にサイトとタバサがお互いをどういった感じで認識してるかすげー気になる・・・
ミョズ=頭脳派
というイメージがあるので、サイトがミョズなのは意外だ。
人修羅とエルクゥ乙
>アクマ
待ってたぜええええ
人修羅は絶望的な強さと姿の割りに思考が一般高校生なのが良いよね
そしてルイズの鉄拳は万能属性ですね、わかります。さすが虚無
イザベラがヒーホー君、もといフロスト召還とは
「雪風のタバサ」と「雪ダルマのイザベラ」の掛け合いが楽しみです
>エルクゥ
まさか才人がミョズだったなんて
何かルイズに召還された時よりやや過激な印象
ネタとかでジョゼフが才人召還は見た事あるけどマジメにストーリー展開させるとどうなるんだろなー
>「ジャッ!」
いつもの掛け声きたww
ジャアクだったらバランスブレイカー二号になってたな
しかし、レベル70ピクシーはいいとして、なんでこの人修羅はジャックフロストなんて連れていたんだ?
今のところ判明している仲間は、ジャックフロスト、ダンテ、ライダー系の魔人、ピクシー、その他
―――わからない選択基準だ。
ジャックフロストを育てるのに理由は要らない。
ちなみに私は香を使いまくってレベル7かつ能力値オールカンストのジャックフロストを作った事がある。
・・・二周目以降低レベルで仲間に加える為だったが、いざ召喚しようとしたら万単位の金を請求されてがっくり来たのはここだけの話だ。
Do-Daiサイト自重ww
>>210 仲魔の判断基準?そんなの決まってる
プレイヤーの趣味だ!!
お前の仲魔はオネーサマ系か?ょぅじょ系か?狂気系か?
俺はもちろんオニーサマ系だぜ!!
>>213 , '´  ̄ ̄ ` 、
i r-ー-┬-‐、i
| |,,_ _,{|
N| "゚'` {"゚`lリ
ト.i ,__''_ !
/i/ l\ ー .イ|、 や ら な い か ?
,.、-  ̄/ | l  ̄ / | |` ┬-、
/ ヽ. / ト-` 、ノ- | l l ヽ.
/ ∨ l |! | `> | i
/ |`二^> l. | | <__,| |
_| |.|-< \ i / ,イ____!/ \
.| {.| ` - 、 ,.---ァ^! | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
__{ ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ____________|
}/ -= ヽ__ - 'ヽ -‐ ,r'゙ l |
__f゙// ̄ ̄ _ -' |_____ ,. -  ̄ \____|
| | -  ̄ / | _ | ̄ ̄ ̄ ̄ / \  ̄|
___`\ __ / _l - ̄ l___ / , / ヽi___.|
 ̄ ̄ ̄ | _ 二 =〒  ̄ } ̄ / l | ! ̄ ̄|
_______l -ヾ ̄ l/ l| |___|
>うぉ、うぉれはぁぁぁぁぁ癌陀屡憮〜サイトだぁぁぁっ!ずっどぉぉぉぉぉぉぉぉん
属性 狂気の仲魔ばかり召還するルイズはまだですか?
乙ー。
ああ解った、ガリアサイドはギャグ担当かw
ルイズの声聞いたら喜びそうなサイトだな
そろそろ教皇に後ろを捧げたヴィンダーサイトも出そうだな
いやまて、もしかしたら後ろを捧げたのはジョゼフかもしれんぞ
おっと、夜中に投下があったとは…
エルクゥの方、乙です!
まさかのサイト登場!
エルクゥでサイトが登場するとは思ってなかったですよ
断定は出来ませんがミョズなんでしょうね、サイトは
時間破りは誰が提案したのかな〜? サイトだったらかなりえげつない事考えてますよね…
他の方が感想で書かれてますが、ガリアサイドの内情が気になりますね〜
ジョゼフは原作通り狂気に侵されてるのか、サイトは何を考えてジョゼフに仕えてるのか、サイトとタバサの間には何かあるのか?
今後の展開が気になりまくりですよ
エルクゥ無双がかすれちゃうくらいのインパクトでしたw
ていうか、ヴィンダが原作通りジュリオだったとしたら楓が「記すことさえはばかられる」ってことになるのか??
アクマがこんにちはの人、GJ!一日千秋の想いでお待ちしておりました〜。ピクシーもヒーホーくんもいい味出してる!
まさかこんなところでDo-Daiが出るとはw
エルクゥさんもあくまさんも乙でしたー
ところで、ゼロな提督の事なんですが
先日かき込んだとおり、既にラストに向けて、かなり書き進めてあります
ですが、考えていたより長くなりそうなんです。
まとめて投下すると、1スレッド500kbを全部占拠するんじゃないか?ってくらい
こういう場合、どのように投下すべきでしょうか?
@週一回くらいで、規制にかからない程度に小分けにする
A後日、全部書き上げてから一気にまとめて投下してもOK
皆さんの意見を聞かせて頂きたく思います
小分けの方がいいんじゃないかな。
……ほら、いっぺんに投下されても、読むほうも大変だし。
@が無難なんじゃないかと
スレ占拠は他の作家さんたちにも迷惑になりますし、連投規制やさるさんに引っ掛かるしでいいことありませんし
できるなら日刊ペースだといいなあ、この先どうなるだろうって想像する楽しみも味わえるし
頑張りすぎw
1でいいんじゃないかな
サーバーへの負担とか気にしなければ一気にまとめて読みたい所ですが
小分けが無難でしょうね
まあそんなに気にせず思うがままに投下なされるがよろしかろう
耕一の人と人修羅の人にGJ&乙ー。
何故だろう、エルクゥのクロさんには死んでほしくと言うか妙な情が湧いて来たな。
ガリアサイドの中間管理職キャラとして才人と頑張ってほしくなっちまったw
久し振りの人修羅は相変わらず小市民的な人柄が好ましい。
めっさ強いって評判なのに、このテの性格のキャラにはどうも応援したくなる。
>>224 無難に@で
提督の方、執筆お疲れ様です
むむ… 500Kbとはスゴイ量ですね
個人的な意見ですと、小分けの方がいいのではないかと思います
出来上がってる分から投下して、最後に少し多めに… みたいな感じでよいのでは?
1スレ丸々最終回というのも捨てがたいのですが、それだと規制入っちゃいそうですからね
最終回楽しみにしております!
>>220 >サイトは何を考えてジョゼフに仕えてるのか
まあジョゼフがああいう風になった経緯を知れば、少しは同情する気になるかもしれんし
やはりルーン効果もあるのかもしれん
というかジョゼフの『野郎』って呼んでること考えると、なんらかの理由の為に仕方なくって感じかもね?
協力しなきゃ元の世界に帰還するための手伝いしてやらんぞとか
ジョゼフとサイトのファースキスから始まる二人のヒストリー…
うわあああああああああああ
で、どちらが立ちと受けなんだ?
イザベラかタバサに一目惚れしたってオチじゃないの?>エルクゥサイト
というか、そもそもジョゼフがクロムウェル動かしたのってやりがいのあるゲームで暇潰ししたいってのが動機だから、
「魔法がない、科学技術だけで発展している世界」のことを知れば、コッパゲみたいにそれの再現に夢中になって世界征服を放り投げそうな気もする
そういう研究所を作るだけの財力も権力もあるし
>>236 小分けにしてくれ。
興味ない人には苦痛なだけだから。
>232
古代ローマには、十七歳の少年こそが至高という詩があってだな…
>>235 「ゼロの英雄」のジョゼフがンな感じですね
サイトのパソコンにインストールしてあるゲームのせいで
「すごい勢いで時間が潰れる 潰れてはいけない時間まで潰れている」
そうだから
エルクゥ、耕一の姿に意外と冷静だね、王党派
それどころか好機と見るや本陣に切り込むとは・・・
クロさんの命、風前の灯?
9話でタバサが『知り合い』と言ってるから、意外といい関係なのかも
タバサなら敵意がある相手にこんな言い方しないと思うし
『ルパンと銭形』ネタもまんまネタじゃなくてサイトのノーパソに動画があって、それを見たからだったりしてw
ミョズとして召喚されたサイトとタバサのラブロマンス・・・
だったら萌えるw
>>234 攻めか受け、です……。
おーい、出してくださいよ!誰かいるんでしょ、ねぇ!
>>241 土の被った泥臭え墓穴の中で、存分に鳴きやがれ
アクマがこんにちわ読んで非常に喰奴達を呼びたくなったが未だにルーパすら倒せない
仮に2までクリアしたとしてもやっぱりゲームだけじゃなく小説版も抑えたほうがいいかな?
>えんじょいはるけぎにあ
で思うんだが、教皇はサイトが目の前でパソコンでメール打っててもなんも感じなかったんだろうかね?
それはなんだね?
ふ〜ん、ようするに君の世界の色んな人と手紙のやりとりしたり、自由に色々な知識のやりとりできるわけか…
(私の虚無の魔法でこのぱそこんというものを使ってサイト君の世界の知識を手に入れれば対ガリア・エルフ戦に役立つかも…)
で、ネットにはまり込むヴィットーリオ
>>244 たぶん海外ショタ画像サイトをハァハァしながら覗いてブラクラ踏むんだな。
「サ、サイト君!何もしてない、私は何もしてないのに壊れた!!直して!」
>>245 そして壊されてはかなわないとショタ画像サイトを巡る技術が発達するサイト
……駄目だこいつら
アバタールチューナーからサーフを召喚
無口すぎるか?
小ネタを投下させて頂きます。
雄なのか雌なのかも分からないゼロのルイズが召喚したその獣を、便宜上と「彼」と呼称しよう。
彼は非常に弱い命だった。
喧嘩をすればそこらの子供にすら負け、生存競争では常に食われる側。それでも持ち前の幸運と暢気さからのんべんだらりと日々を過ごしていた彼にとって異世界に召喚されたところで何が変わる訳でもなかった。
と言うか異世界に召喚されたことすら気づいていなかった。
だから彼の世界は、のんべんだらりと過ごす日々は少しも変わらない。
いや一つ変わったのは……
「ほら、ごはんよモーグリ」
大切なご主人様が彼に出来たことだ。
ご主人様は彼に色々なものを与えてくれた。
暖かい寝床と、美味しい人参、日課のブラッシング――それと名前。
モーグリと言うのは彼のご主人様の世界の御伽噺で、ある日突然やってきて幸運を置いて行ってくれる黄色い服の妖精の名前らしい。
街で小物売りの露店でそのモーグリの描かれたバッチを彼に買い与えながら彼のご主人様は滔々と説いたものだが、しかしとぼけた彼の頭ではそんなこと覚えていられるはずもなく。
ただご主人様が与えてくれた、ご主人様の匂いのするバッチは彼の宝物になった。
それに友達もできた、これまでにも仲間たちはいたがご主人様の側にいればこれまで恐がることしかできなかったような相手とも友達になれた。
特にウインドドラゴンのイルククゥ――彼女は御主人には風の精霊と言う意味のシルフィードと言う名を貰ったらしい……とは一番の親友だ。
「きゅいきゅい、あなた変わってるのね」
そう言われても彼には分からない、だから彼はいつも通りのんべんだらりと好物の人参を食むことしかできなかった。
「それでも大いなる意思を信じているなら、あなたとシルフィはお友達なの!」
その言葉に返事をしようとしたところで、彼は突然抱き上げられた。
「もうこんなところにいたのね、モーグリ」
つぶらな瞳で見上げれば、そこには長い桃色のブロンドを揺らすご主人様の姿。
「サボってないで練習するわよ! 今度の使い魔品評会には姫殿下が視察に参られるんだから」
鼻息荒く拳を握る彼のご主人様、だが彼は別になんとも思っていない。
何故なら彼の大切なものは“ご飯と友達とご主人様”だけだから、姫殿下が来ようがアルビオンが滅ぼうが彼にとってはどうでもいいことなのだ。
だから彼突き出た二本の歯でポリリと人参を齧る、ハルケギニアでも相変わらず彼はのんべんだらりと過ごしていた。
そんなだから彼の周りには何も起こらなかった。
魔法学院の宝物庫から貴重なマジックアイテムが盗まれようと、トリステイン王国の王女がゲルマニアの皇帝と政略結婚しようと彼にとっては関係なかったから。
だが彼のご主人様にとってはそれは全く違う意味を持っていたのだ。
そんなだから彼の周りには何も起こらなかった。
魔法学院の宝物庫から貴重なマジックアイテムが盗まれようと、トリステイン王国の王女がゲルマニアの皇帝と政略結婚しようと彼にとっては関係なかったから。
だが彼のご主人様にとってはそれは全く違う意味を持っていたのだ。
彼は今走っている。
愛しい愛しいご主人様のもとへ、小さい体で飛び跳ねながら、観ようによっては微笑ましく見えるような動きで転がるように走っている。
ただまっすぐにご主人様のところへ向かうために、胸に刻まれたルーンが導くままに走っていく。
もし彼に人並みの知性があったのなら、ここのところずっとご主人様の様子がおかしかった理由に気づけただろう。
だが使い魔のルーンは彼に人語を解する能力を与えてはくれなかった、だから彼に分かったのは“何故かご主人様が元気がない”と言うことだけ。
だから必死でご主人様を励ましたのに、何故ご主人様は出て行ってしまったのか?
――ごめんね、モーグリ。魔法の一つも使えないご主人様で
彼には分からない、分からない。
――そしてありがとう、私の召喚に応えてくれて
何故“国”と言うあやふやなものに殉じることが出来るのかも、ご主人様が流した涙の意味も。
――ご飯は大丈夫よシエスタにあんたの好物のにんじんをたっくさん預けてあるわ、だから、だから私がいなくても大丈夫よね?
彼には何も分からなかった。
――じゃあね姫殿下をお助けに行ってくる、さよならモーグリ。
幸運のバッチを揺らし、彼は駆ける。
彼が其処に辿りついた時、すべてが終わっていた。
地面に横たわる死体はまだマシなほうだ、砲弾の直撃を受けて肉片となり飛び散った死体もあれば、全裸に剥かれ凌辱を受けたと思しき少女の死体もあった。
傭兵や亜人を主力するレコンキスタの軍勢からすれば当然の光景、だがそれを見ても彼は何も感じなかった。
それはどれだけ惨たらしくともただの死体だ、ならば警戒する必要性など存在しない。
いやそも彼がその光景を惨たらしいなどと感じるはずがない、家畜の屠殺を残酷だと嫌悪する人間はいても惨たらしいと称する人間はいないように、人間の倫理観から生まれた感情は人間同士の間でしか共有できない。
彼にとって大切なのは、ただご主人様のことだけだった。
そして使い魔のルーンは彼の気持ちに答えた。
かつて見た夢のように自分の視界が消え去り愛しいご主人様の見ている光景が彼の眼前に広がる。
或いは答えなかった方が良かっただろう。
――彼の目の前に広がったのは真っ赤で真っ赤で真っ赤過ぎる、鮮烈な赤い血で染まった視界だったから。
彼は吼えた、本来吼えると言う能力を持たないボールのような体に一杯に空気を吸い込み、胸に生まれた訳の分からないものを吐き出そうと吼えた。
これまで自然の摂理に従い、自然のままにのんべんだらりと生きてきた彼はこの日、初めて“憎悪”を知った。
その気持ちに、ルーンは応えた。
胸が疼く、熱く熱く、ルーンを刻まれた時よりもなお熱く、身を引き裂くような痛みを伴って。
胸のルーンは彼に語りかける。
何を語っているかは彼には分からなかったが、何を訴えているのかは彼にも分かった。
記すことすら憚られる力が、とか。
全てを虚無に戻す破滅の力が、とか。
いくつも前置きしておこうとも彼の心のなかに訴えかける言葉の内容は唯一つ。
――力が欲しいか?
そのただただシンプルな内容だけだ。
彼はそれに応じ――そして破滅が始まった。
額から流れる血をハンカチで押さえながら、ルイズはただ呆然とその光景を見つめていた。
側面をレコンキスタの傭兵隊に襲われ、アンリエッタ姫と離れ離れになり、近くに居た騎士に連れられて辿りついた小高い丘。
そこからはいまや惨劇の現場となったタルブの平原を見渡すことが出来た。
「なによ、これ……」
巨大な黒い極光。
それが一度瞬くたび、タルブの平原が削れて行く。
トリステイン軍もレコンキスタ軍も関係ない、邪魔なものはすべてなぎ払うとばかりにその光は幾度も幾度も総崩れになった両軍を飲み込んでは虚無へ返していく。
それは虚無の魔法――エクスプロージョンに酷似していたが、しかしルイズにはそんなことは分からない。
ルイズには心中でただ「何故」と問い続けることしか出来なかった。
そして気づく、あの光は真っ直ぐに自分に向かって進んできているのだと言うことに。
「モー、グリ?」
そこには丸い体を黒に染めた彼女の使い魔がいた。
彼は大切なご主人様のところへ辿りついた。
ルーンが与えてくれた力で邪魔なものを全部全部吹き飛ばして、その体を真っ黒く染めてご主人様に会いに来た。
だがやっと会えたと言うのに彼のご主人様はこれ以上ないほど怯えていた。
ご主人様を脅かす奴はやっつけてやる!
そう思って彼は周囲を見渡す。
最初に異世界から召喚して使役していた恐い魔人を吹き飛ばした。
それでもご主人様は怯えている。
だから次に草原に残っていたわずかばかりの軍隊を吹き飛ばした。
風にたなびく白い花の旗がばらばらになると、ご主人様の怯えはもっと酷くなった。
あたり一面を砂と岩ばかりの更地へと変えて、これで恐いものは何もない。
だから彼は愛しいご主人様の胸に飛び込んだ。
――もう大丈夫だよご主人様、恐い奴らはもういないよ? さぁみんなの待ってる“巣”に帰ろう、そしてご飯を食べてお風呂に入ったら、もう一度ぼくの毛をブラッシングして? あったかいお布団で一緒に寝よう? ぼくはふかふかだから枕にすると気持ちいいんだよ?
そんな彼の心からの願いは、愛しいご主人様の悲鳴で裏切られてた。
そしていくら鈍い彼でもやっと気づいた。
気づいてしまった。
――ご主人様が恐がっているのは、ぼくなんだ。
急に頭が冷たくなって、背後の自分のしたことを振り返る。
生きる者など何も無い、いや形ある死体さえもない。ただ土くればかりのその大地。
――こんな化け物、もうラビじゃないよね。
急に悲しくなって彼は天に向かって吼えた。
――ぼくなんか、消えてしまえ!
その願いは聞き届けられた。
この世界の者達が大いなる意思と呼ぶ存在によって。
彼がマナの女神と呼ぶ存在によって。
「モーグリ!」
恐怖を振り切って抱きしめようとした手は空を切る。
穏やかな光に包まれ、彼はハルケギニアから消え去った。
そして彼は今深い深い迷宮の奥でのんべんだらりと日々を過ごしている。
彼は、死ぬことが出来なくなったから。
消えたいと思っても、ルーンの力がそれを許してくれない。
だから彼は待っている、やがてこの部屋に自分を滅ぼしてくれる者達が来ることを。
大いなる意思の導きのまま、ただまどろみの中時を過ごす。
ただ大切なご主人様と過ごした日々の思い出を宝物として。
彼は夢を見る、主人と共に過ごした午睡の夢のような幸せな日々を。
――眠る彼の耳には、モーグリと呼ばれる幸福の妖精のバッチが今もまだ鈍く輝いている。
聖剣伝説3よりブラックラビ召喚
253 :
零と黒:2008/06/03(火) 14:30:59 ID:cgCgM4K+
以上でございます。
神宮寺三郎召喚。
ミスロングビル改めミソノ・ロングビルを助手に迎え
ギーシュドグラモン殺害事件、オスマンセクハラ事件、コレベールヅラ疑惑、モンモランシー薬物密輸事件などの哀しくも凄惨な難事件を次々と解決していく。
仕事の後はバー・しえすたで煙草を燻らせカミュを一杯。
それがハードボイルドな男の有るべき姿と言えるだろう。
オバカな流れの中で突然の真面目な作品に驚きつつも乙。
ブラックラビ……とにかく強いとしか覚えてないなぁ。
>>255 バグ使って一瞬で倒しちゃったなあ・・・
めんどくさくてまともに闘ったことないや・・・
SS読んだら何か申し訳なくなった
ルイズに召喚→ゼロ魔本編
テファに召喚→天然革命胸と同棲生活
ジョゼフに召喚→ヤンデレヒゲオヤジとアッー!
教皇に召喚→キチガイ宗教団体のボスとアッー!
サイト、美少女か男色かの二択だったんだな・・・・
ブラックラビの人乙。
モーグリにしちゃ歯が二本って変だなと思ったらこう来たか
うまいなあ。
元ネタ知らないけど、ええ話やなぁ・・・
ごめん、これカットやわぁ(By浜ちゃん)
>>257 つーかテファに召喚されたら一生薔薇色じゃね?
森の奥で隠遁生活マンセーしちゃうよ!!
可愛い子供達に囲まれて、朝から晩までおっぱいエルフとハァハァハァ
ブラックラビの人乙であります。
考えてみると被召喚キャラの前史がゼロ魔って言うのは新機軸ではなかろか。
小姑のマチルダ義姉さんに気に入られるよう努めるのも忘れないように!
黒ラビさん乙
>>260 魔獣の人のもそんな感じだったよ。
歌手のキャラを召喚って考えてみようぜ。
ミンメイとかバサラとかシェリルとか星野スミレとか
・・・・・・・・・・なぜかレコンキスタの頭領になってるラクスの画像が脳裏に浮かんだ
半数以上がマクロスか
>>256 テファが最上、次点がルイズ。
ジョゼフも最初はアッーだけどイザベラやタバサとフラグが立つかもしれないだけマシ。
最悪は教皇だな。女っ気の欠片もありゃしない。
サイトを召喚したのがイザベラだった場合、タバサへの劣等感が爆発したイザベラにそのまま殺されかねんな
妙な電波を受信した
ルイズ「あ、アンタも私のことをぺったんこっていうの……」
明久「えー僕はルイズちゃんほど大きな胸はみたことな…ぐほっ!」
ルイズ「覗いたの!アンタ覗いたの!」
明久「僕はAカップ以下に興味はぐはぁ!」
ルイズ「あ、アンタも(ry」
以下無限ループ
>>263 時祭イブ
シャロン・アップル
伊達杏子
バーチャルアイドルが何故か実体化して召喚されました。
アークザラッドからシャンテ召喚と考えて
これまでアークザラッドキャラ召喚が無いのに気づいた
誰か召喚できそうな奴居るかな?
リーザ(とテオも?)はヴィンダールヴが妥当だろうし
アレクは3で「どんな武器も使いこなすハンター」と言われたことがあるからガンダールヴか?
>>263 フラワードリーム・ナナとか黒沢ゆかりとか。
どっちも歌手の癖になぜか戦闘力があるんだよなー。声斬波とか。
>269
そういえばイザベラがサイトを召喚したssって見ないな
イザベラが虚無の場合、ジョゼフは原作通りの狂気に侵された人物になるのかな?
さて、それでは皆さんのご意見に従い、小出しに投下します
まずは、第22話の前半です
予約無いようなので、行きますね
>>274 その場合ジョゼフは虚無じゃない可能性が高いから
弟に比べて能力低くても狂気に犯されるほど歪んではいないかと思われ
しかしその場合シャルロットがタバサな理由無くなるな
ハルケギニアを、今日も朝日が照らし出す。
いつもと同じようにゆっくり顔を出す太陽。森には早起きな鳥たちの歌声。朝靄は木の
葉の上で雫へと変わっていく。生々流転する世の理は変わらならい。
だが、『歴史は繰り返す』という言葉はあるが、実際には一日たりとも同じ事をしていな
い人間達。今日も今日とていつもと違う事をしようと頑張っていた。
特にトリステイン上空では頑張りすぎてる人たちがいた。
第22話 嵐の前後
ウルの月、第四週ティワズ、イングの曜日。
ゲルマニア皇帝アルブレヒト三世と、トリステイン王女アンリエッタの結婚式は、ゲル
マニアの首府、ヴィンドボナで行われる運びであった。式の日取りは、来月…、三日後の
ニューイの月の一日に行われる。
そして本日、トリステイン艦隊旗艦の『メルカトール』号は新生アルビオン政府の客を
迎えるために、艦隊を率いてラ・ロシェールの上空に停泊していた。
後甲板では、艦隊司令長官のラ・ラメー伯爵が、国賓を迎えるために正装して居住まい
を正している。その隣には、艦長のフェヴィスが口ひげをいじっていた。
アルビオン艦隊は、約束の刻限をとうに過ぎている。
「やつらは遅いではないか、艦長」
イライラしたような様子で、ラ・ラメーは呟いた。
「自らの王を手にかけたアルビオンの犬共は、犬共なりに着飾っているのでしょうな」
そうアルビオン嫌いの艦長が呟くと、鐘楼に登った見張りの水平が、大声で艦隊の接近
を告げた。
「右上方より、艦隊!」
なるほどそちらを見やると、雲と見まごうばかりの巨艦を戦闘に、アルビオン艦隊が静
静と降下してくるところであった。
「ふむ、あれがアルビオンの『ロイヤル・ソヴリン』級か…」
感極まった声で、ラ・ラメーが呟いた。あの艦隊が、姫と皇帝の結婚式に出席する大使
を乗せているはずであった。
アルビオン艦隊旗艦『レキシントン』号の後甲板で、艦長のボーウッドは、左舷の向こ
うのトリステイン艦隊を見つめていた。隣では、艦隊司令長官及び貴族議会議員である政
治家サー・ジョンストンの姿が見える。
「艦長…」
心配そうな声で、ジョンストンは傍らのボーウッドに話しかけた。
「サー?」
「例の仕込みは、どうなっているかね?」
「ああ、あれでしたら…」
つまらなそうに答えるボーウッドは、無意識に『ホバート』号へと視線を向けた。
艦隊最後尾の旧型艦『ホバート』号内部では、準備に忙しかった。
乗組員達が脱出用ボートに『フライ』をかけ、総員脱出の準備をしている。艦の各所で
火薬樽への点火も用意されていた。
「連中がこちらの礼砲に答えるのに合わせ、自爆と脱出が行えます。その後、速やかに砲
撃戦へと移行します…予定通りなら、ですが」
「…そうだね。当初の予定通りに行くなら、だがね」
二人は左舷下方に列をなすトリステイン艦隊を見やる。
>>275 来たなチョーさん待ってたホイ
先生!支援お願いしますぜ
どぉれ ゆぅらり
事前の情報通り、トリステインの艦艇数はアルビオン艦隊の半分しかない。最新鋭の巨
艦『レキシントン』号に比べれば、どれも旧型で小さく、大砲の射程も短い。
彼等の当初の予定は、トリステイン艦隊の答砲と共に『ホバート』号を自爆させ、トリ
ステイン側の実弾による砲撃を自作自演すること。これを口実としてトリステインへ奇襲
をかける、というものだ
両艦隊は高度を揃え、並走する形になった。
「とにかく、まずは旗流信号を送りましょう」
ボーウッドの言葉を控えた士官が復唱し、マストに旗流信号が掲げられる。
ほどなくして、『メルカトール』号のマストにも旗流信号が掲げられた。
『貴艦隊ノ来訪ヲ心ヨリ歓迎ス。トリステイン艦隊司令長官』
特に独創性も怪しい点もない、普通の返信だ。
ボーウッドは緊張した面持ちで次の指示を出した。
「よし、礼砲だ!準備でき次第、撃ち方始め!」
どん! どん! どん! とアルビオン艦隊から大砲が放たれた。
空砲ではあるが、巨艦『レキシントン』号が撃っただけで、辺りの空気が震える。
しばらくして、空の向こうから、轟音が轟いてきた。
トリステイン艦隊の答砲は、『レキシントン』号後甲板にも聞こえている。
『ホバート』号乗員は火種に火をつけた。
だが、サー・ジョンストンもボーウッドも、何も言わなかった。
トリステイン艦隊へ奇襲をかけるなら、砲撃戦を準備しなければならない。だが、二人
とも、その命は下さなかった。艦隊最後尾の『ホバート』号は既に火の手が上がってる。
計画では、そのまま艦内の火薬にも火を放ち、自沈するはずだ。
しかし他のアルビオン艦は、全く動かなかった。火をあげている当の『ホバート』号で
すら、火薬庫に火を放っていなかった。
「艦長…今のは?」
クロムウェルの腰巾着と陰口を叩かれる政治家は、信じられないという様子だ。
「答砲、ですな」
ボーウッドは、落ち着いていた。
だがその冷静さが質問者の神経に障った。
「答砲なのは分かっている!だが、今のは…」
「ええ、14発分の音でしたな。左舷に並ぶトリステイン艦隊は、7発しか撃っていない
にも関わらず」
「だから、そんなことは分かってるんだ!しかし、最上級の貴族でも11発しか撃たない
んだ!しかも、後半七発の音は…」
「我らアルビオン艦隊の、右舷上方から、でしたな」
艦長はヒョイと右側を見た。
艦隊司令長官も、ギギギ…と音を立てるかのようにぎこちなく右へ向く。
アルビオン艦隊右舷、上空の雲の中から、戦列艦が降下してきていた。
艦列中、一番大きな艦の舷側大砲から7本の煙が上がっている。答砲7発分だ。
数はトリステイン艦隊とほぼ同数。
いまだ黒い煙が消えきらない艦のマストに旗流信号が掲げられる。
ボーウッドは、その内容を淡々と読み上げた。
「貴艦隊の来訪を心より歓迎す。ゲルマニア艦隊司令長官」
更に続けてもう一本の旗流信号も掲げられた。
「貴艦隊最後尾艦より火災発生。事故と確認。当方、救助の準備在り」
ゲルマニア艦隊の甲板上では、確かに救命ボートが準備されていた。
だが同時に、全艦艇の舷側は砲口が開かれ、大砲がアルビオン艦隊に向けられていた。
左舷ではいつのまにか、トリステイン艦隊も同じく砲門を向けている。
アルビオン艦隊司令長官は、力が抜けたかのように椅子へドスッと腰掛けた。
「ゲルマニア艦隊が…同盟国だが、条約締結したばかり…しかも他国領土内を堂々と…。
やはり、読まれていたな」
「そのようですな、作戦は失敗です。『ホバート』号へ消火指示を出します。『救助不要、
自力消火可能』とだけ返答しておきましょう。それで納得するはずです」
ボーウッドは全くの事務的な態度で周囲の士官に作戦中止と消火命令を下した。
ゲルマニア艦隊旗艦の後甲板では、角付き鉄兜にカイゼル髯の貴族が、悔しそうにアル
ビオン艦隊を睨んでいる。
「くそ…我らが答砲などしなければ、あのまま奴等は砲撃戦に入ったろうに!アルビオン
艦隊を壊滅させる千載一遇のチャンスを、むざむざと!」
隣に立つ恰幅の良い貴族も忌々しげに同意した。
「全くですな!いくら婚儀を血で穢すわけにはいかないとはいえ…口惜しい。命令ではや
むを得ないですが…!」
二人とも拳を握りしめ、逃がした大戦果と手に入れ得たはずの立身出世を力の限りに惜
しんだ。
右舷上方より降下してきたゲルマニア艦隊はアルビオン艦隊の右側に高度を揃えて並走
を始めた。
その様子に、ボーウッド艦長は嬉しげに頷く。
「事前に『トリステインが奇襲を見抜いている』という情報が来て無ければ、我らは両艦
隊に挟撃され敗北していました。作戦は失敗ですが、同時に全滅の危機も回避しました」
腰巾着の艦隊司令長官は肩を落として、だが重責から解放されて安心したように何度も
頷く。
「そして我が国は、『卑劣な条約破りの国』という悪名を轟かさずに済んだのです」
アルビオン親善艦隊は左のトリステイン艦隊と右のゲルマニア艦隊に挟まれるようにし
て、朝日に照らされたラ・ロシェール港、丘の上にある世界樹の枯れ木へと降下を開始し
た。
ヤンの献策に始まり、マチルダのもたらした情報により備えられた迎撃体勢。そしてワ
ルドからの情報漏洩による奇襲作戦中止。
平民と泥棒と裏切り者により今日のハルケギニアは平和を守られた、という事実が歴史
書に載る事はない。
その頃、トリステイン学院でも朝日が校舎を照らしている。
だが、ほとんどの者は既に起床していた。学院で働く下男やメイド、コック達が日の出
前から起きているのはいつものこと。加えて今日は学生も教師も多くが起き出している。
明日の朝には学院の多くの貴族達が婚礼の儀へ出席するためヴィンドボナへ出立する。だ
から朝から準備に余念がない。
驚くべき事にルイズの使い魔も、デルフリンガーに起こされる前に目が覚めていた。た
だし、グータラ執事が勤勉に目覚めたとか、年をとったので朝が早くなったとか言う理由
ではなかったが。
「あのさ…ルイズ?」
ヤンに名を呼ばれても、ルイズはすやすやと寝息を立てていた。
「こら、ルイズ」
プニプニとほっぺたをつついてみる。だけど彼女は、むぅ〜…と不満げな声を漏らして
ますます丸まってしまう。
こういう展開になるとは全く持って予想外!支援
ヤンは主の左耳をキュ〜ッと引っ張った。
「 ・ ・ ・・・、…?…ちょっと、ヤン。何してんのよ」
ようやく目覚めたルイズが、目の前の執事に文句をつける。
「それはこっちのセリフだよ。何故に君が僕の布団の中にいるんだい?」
ヤンは呆れて見ていた。自分の布団の中で丸まっている主を。
ついさっき、寝ていた自分から掛け布団を奪い取ってくれた少女を。
ヤンはルイズのベッドの横に布団を敷いて寝ていた。布団といっても厚手の毛布を二枚
敷いただけだが。もちろん昨夜も布団をかぶって眠りについた。ルイズだってベッドで寝
ていた。
が、何故か今朝は掛け布団を失い、クシャミと共に寒い思いで目が覚めた。自分の布団
はどこに行ったかと左を見れば、ルイズが自分の布団の中で、小さく丸まり寝ている。幸
せそうな顔をヤンに向けて、彼の左腕を枕にして。
そして今、二人はおでこがひっつきそうな距離で向かい合っていた。
鳶色の目をパチクリさせて、え〜っと…と呟く。だが答えは出てこない。
「…何故かしら?」
「目撃者に聞いてみようか」
ちらりと壁に立てかけられたデルフリンガーを見る。ヒョコッと鞘から飛び出して、朝
日に刃を煌めかせた。
「俺っちも声かけたんだけどよ。トイレから戻ってきてヤンの布団に入り込んで、そのま
まグーグー寝ちまって、全然起きなかったんだよ」
ふ〜ん、という感じで聞いていたルイズは、目の前のヤンに視線を戻す。
「で、そのまま寝てたら、寝ぼけて布団をとっちゃったみたいね」
「そのようだね。じゃ、返してくれるかい?」
「もちろん。どーぞ」
といってルイズはヤンの体に、ふぁさっと掛け布団をかけ直した。半分だけ。
残り半分は、相変わらず自分が被ったままだ。
おまけに身体をヤンにすり寄せてくる。
「おいおい、ルイズ…」
「起きるのも面倒だもん。もうちょっとくらい良いでしょ?」
「ダーメ。またマチルダに怒られたら困るからね」
ヤンは左腕をヒョイと引き抜く。とたんにルイズの頭がポテッと落ちた。
むっくりと上半身を起こし、両腕を天に向けてウーンと伸びをする。
「ぶー。ケチんぼ」
ちょっと頬を膨らませたルイズも渋々布団から顔を出す。
二人が起き出したのを見て、デルフリンガーも元気にカチカチつばを鳴らした。
「ま、そろそろ起きとけよ!今日はノンビリ寝てられねーんだろ?」
「そういえばそうだったわね。んじゃ、起きましょっか!」
掛け布団を跳ね飛ばし、ルイズは元気に飛び上がった。
一気に脱ぎはなったネグリジェもフワフワと宙に舞う。
二人が寮塔を出ると、学院玄関に何台かの馬車が並んでいるのが見えた。御者や執事や
メイド風の人たちが、大きなバッグやトランクを積み込んでいる。
食堂ではいつものように朝食の準備が進んでいた。ただ違うのは、早朝にもかかわらず
食堂周囲に貴族達が姿を見せていた事だろう。そして何人かは新調したドレスやマントを
身にまとい、盛んに自慢し合い褒めあっていた。
紫煙
「みんな明日にはヴィンドボナへ出発なんだね」
ヤンの言葉に背中の長剣もツバを鳴らす。
「まったく、よっぽど楽しみなんだなぁ。こんな朝から一張羅を着て歩き回るたぁよ!」
ルイズはヤレヤレという感じで肩をすくめる。
「当然でしょ?姫さまの婚儀に出席出来るのは貴族の誉れよ。それに出席出来る学院の生
徒は、みんな名のある貴族だもの。気合いも入るわよ」
「ゲルマニア旅行も出来るしねぇ!」
そういうヤンも、みるからにワクワクしている。ゲルマニアを見れるのを遠足前の子供
のように楽しみにしていた。
「そーゆー事!特に私とヤンはゲルマニアの偵察も兼ねてるんだからね!浮かれてんじゃ
ないわよ!?」
「おいおい娘ッコよぉ。そんな任務は受けてねーだろ?」
「何言ってンの!このルイズ様ともあろうものが、お気楽に旅行なんか・・・」
そんな話をしながら、二人と長剣は食堂に入っていった。
二人が朝食から戻ってくると、荷物を持ったキュルケが向かいの部屋から出てくるとこ
ろだった。
朝食から戻ってきた二人を見つけ、にこやかに笑顔を向けた。
「あっらー、珍しく二人とも早いじゃないのぉ」
「お早う、キュルケ…もしかして、もう出発するの?」
ルイズはキュルケの旅装と大荷物に目を向ける。
「ええ。トリステイン貴族は結婚式に出るだけだから、お姫さまと一緒にいくでしょうけ
ど、あたしはもともとゲルマニア貴族だもの。一度実家に顔を出してからになるわ」
「ああ、なるほどね」
納得と頷くルイズの横で、ヤンが周囲を見回した。デルフリンガーがヒョコッと鞘から
飛び出す。
「ん〜、ヤンよ。誰か探してるのか?」
「いや、タバサさんを見ないな、と思ってね」
扉に鍵をかけ、荷物に『レビテーション』をかけながらキュルケが答えた。
「ああタバサなら、またどこかいっちゃったわよ。じゃ、ヴィンドボナで会いましょ!」
「オーケー、またねー」「はい、それでは良い旅を」「ねーちゃん、またなー」
キュルケはヤンに投げキッスをして、荷物をフワフワ浮かしながら出て行った。
本塔最上階、学院長室ではロングビルがメモを読み上げていた。
「・・・というわけでして、明日からは一週間、学院は休校となります。式の予定は以下
の通りです。
学院生徒と教員は今日夕方から明日早朝にかけて、順次出発します。迎えの馬車は学院
正門外に停留所を設けておきましたので、そちらに誘導して停めて頂くよう下男達には伝
えてあります。
明日の昼前、大聖堂にて大司教が出立の儀を執り行います。まず陛下が城で詔を述べた
後、サン・レミ聖堂まで行進。そこで大司教が旅の安全と婚儀の祝福を、アンリエッタ姫
とベアトリス殿下へ捧げられます。聖堂や城のホールも席に限りがありますので、これに
出席するのは要人のみですわ。
その後、トリスタニアを馬車にてパレードです。主立った貴族も連れての大行列ですわ
ね。三日間のヴィンドボナまでの道中、ずっとお祭り騒ぎが続く事でしょう。
最後に、ヴィンドボナにて正式な婚儀が執り行われます。この婚儀が終わり次第、オー
ルド・オスマン始め学院生徒はほとんどが学院に戻ります。ミス・ツェルプストーは実家
によるので遅れるとの事です」
「ん、では荷物の準備をお願いするぞい」
「承知致しました。では出発前に、こちらの書類全部にサインをしておいてください」
ロングビルは書類の束を机の上に置いた。
支援でごわす!
デスクでは学院長が髯を撫でながら秘書の報告と予定を聞いていた。
杖を取り出し書類の上を滑らせ、魔法でサインをしていく。
どすっ
突然ロングビルの足下から鈍い音が響いた。とたんにハツカネズミがちゅうちゅうと悲
鳴を上げて逃げていく。
「相変わらずですわね、学院長」
秘書は物腰柔らかく、床にめり込みそうなヒールをゆっくり元の位置に戻した。
オスマン氏は溜め息をついた。深く、苦悩が刻まれた溜め息であった。
「下着を覗かれたくらいでカッカしなさんな。はぁ〜、昔はお尻を撫でても怒らなかった
のにのぉ」
「昔は昔です。今、私の下着を見たりお尻を撫でたりして良いのは、ヤンだけです」
どこまでも冷静な声で、ミス・ロングビルが言った。
オスマン氏の口からは、あうあうと無様な声なき声が漏れる。
そして、やっとのことで言葉が紡がれた。
「人妻も、ええのぉ」
ロングビルは、無表情なまま机を回り込み、オスマンの横立ち、すぅ…と足を肩幅に開
いて腰を落とす。
バキッ!
「それでは、私は学院長の荷物を揃えて参ります。早く起きて全部の書類にサインして下
さいな」
ロングビルは稲妻のごとき右正拳突きを食らい机に突っ伏したオスマンを残し、学院長
室を出て行った。
アルヴィーズの食堂での朝食が終わり、後片付けも終わろうかという頃、洗った食器を
棚に戻し終えたシエスタがマルトーの前に駆けてきた。
「それじゃ、そろそろミス・ヴァリエールの方に行ってきますね」
「おー、ご苦労さん。いつも悪いなぁ、もう学院のメイドじゃねえのに」
「いいんですよ。お昼にはまた来ますから」
ペコッと頭を下げて厨房を出ようとしたシエスタの腕を、後ろからほかのメイドが捕ま
えた。
「キャッ・・・て、ローラ。いきなり何よ」
「ちょっと!こっち来て、こっち!」
そういってローラは金髪を揺らしながらスズリの広場へ彼女を引っ張っていった。
スズリの広場、女子使用人宿舎裏では、他のメイド数名が待っていた。
「あらやだ、ドミニックにカミーユも。こんな所でどうしたの?」
「どうしたの、じゃないわよ!」
そう叫ぶや、メイド達はシエスタを取り囲む。突然のきな臭い雰囲気に、そばかすが魅
力的な頬に思わず汗が流れてしまう。
ローラが腰に手を当てて、シエスタにズズィと詰め寄った。
「シエスタ、あんた、あの秘書のこと、聞いたぁ?」
「…秘書のことって、もしかして、ミス・ロングビルとヤンさんとの事?」
「そーよ!あの人、アルビオンから帰ってきたら、もう、ヤンさんの女房気取りよ!信じ
られないわ、シエスタを差し置いて!」
ローラは腕組みして、顔を赤くしてプンプン怒り出す。
そして他のメイド達も、口々に学院長秘書と使い間執事の関係について噂話を並べ立て
始める。
「今朝、学院長室の前で聞いちゃったのよ。ミス・ロングビルが『私のお尻を撫でていい
のはヤンだけ』って言ってるの!」
「ほんとに信じられないわよ!淑女の慎みとやらはどこ行ったのかしらね!?」
「ヤンさんもヤンさんよ!あれだけシエスタの世話になったくせに、恩知らずにもほどが
あるわ!」
「やっぱり、あれかしら?ミス・ロングビルって上品ぶってるだけで、ホントは、人に言
えない様な…」
「きっとそうよ!でなきゃ、あのセクハラじじいの秘書なんかやってるハズないもの!」
メイド達の噂話と恋話とどまるところを知らない。
どこの世界でも他人の恋愛事は最高の娯楽。オマケに三角関係、可愛いメイドと美しき
メイジが一人の男性を奪い合うという、ある種禁断のストーリー。しかも見た目の平凡さ
とは裏腹に、異国から召喚されて二ヶ月足らずで富豪になり、枢機卿の覚えも目出度き平
民の高級軍人を。
そして若い女の子達が、こんな面白そうな話を聞き逃すはずもない。
寄宿舎の中にいたり、食堂から戻ってきたメイド達が、次々と使用人宿舎裏へ呼び寄せ
られたかのようにワラワラと集まってくる。一体、彼等の耳はどんな性能を有しているの
かと不思議になるくらいだ。
「ほーっんとヤンさんって、ああ見えて女にだらしないのよね〜」
「そーよそ−よ!シエスタの気持ち、分かってるクセに。ちょっと美人に言い寄られたく
らいでさぁ」
「確かにミス・ロングビルが美人なのは認めるけど、メイジと平民よ!?弄ばれてるって
分かんないかねぇ。いずれ飽きられて、呪いでもかけられてポイッとゴミみたいに捨てら
れちゃうわ」
「真面目そうに見えても、所詮は男よ。いやむしろ、真面目だからこそコロッと騙される
のだわ!」
メイド達は、話の中心にいたはずのシエスタをほったらかして、てんで勝手に憶測を飛
ばしあい、ウンウンと頷いている。
そこで急に一人のメイドが声を上げた。
「あ、そーいえば、アルビオンから帰ってきてからのミス・ヴァリエール!見たかい、あ
の有様!」
その言葉に、女性達はさらに目の色を変えて食い付きだす。
「あー!見たわよ見たわよ!もう、ヤンにベッタリじゃないの!堂々と手を繋いで歩いて
たわ。信じられないわよ、他の貴族達まで目をひんむいてたわ」
「まさか、ヤンって、そっち系の趣味が…」
「いや、それは違うんじゃないかなぁ?ほら、ミス・ヴァリエールっていつも『ゼロ』て
呼ばれて他の貴族にバカにされてたじゃないか。いっつも一人だったし。
ヤンが召喚されたばかりの頃、食堂でつるし上げ喰らってたじゃない。もう他の貴族が
信じられないんじゃないかな」
「あー、分かる分かる!独りぼっちで寂しかった所に、いきなり優しい男がくれば、もう
イチコロよね?ゼロってバカにしたりしないし」
「え〜?でもぉ〜?あれってどっちかと言うとぉ、パパに甘える意地っ張りで寂しン坊な
娘って感じじゃない?」
「甘い!しょせん男は狼、ヤンだって見た目は抜けてても中身は同じさ」
「そーそー!あんなペッタンコなちびっ子でも、いつも一緒にいれば、情も移っちゃうわ
よ!
そして双月が照らす部屋の中、楽しくおしゃべりしていた二人は急に黙り込む。
見つめ合う男と少女、ピンクの髪が妖しく揺れる。
男の息づかいが少しずつ早く、荒くなり、少女は何かに引き寄せられるように男の傍へ
と…」
カミーユが語るピンクの妄想に、周りのメイド達もグググ…と前のめりになって頭を寄
せ合う。だんだんと小声になる艶っぽい話を聞き逃すまいと、皆押し黙り固唾を飲んで聞
き入っている。
「もう!みんな何言ってるのよ!いい加減にしてよ!」
話の中心人物でありながら、話の輪から放り出されたシエスタが強引に割って入った。
が、そのくらいで話を止めるほど同僚達は甘くなかった。
「何言ってるのよ!これはあんたにとっても重要な話なのよ!?」
「そーよ!このまんまじゃヤンさん盗られちゃうんだから!あんた、それでいいの!?」
「三角関係ならまだしも、四角関係だなんて!面白すぎ…じゃない、シエスタはライバル
が多すぎるって話なんだから」
逆に詰め寄られて、シエスタはタジタジ。
このままでは延々と『メイドと執事の純愛に横槍を入れる秘書』『一人の男性を奪い合う
3人の女』という、トリスタニアのタニアリージュ・ロワイヤル座辺りで上演されていそ
うな筋書きに付き合わされてしまう。
彼女は適当な理由を付けて、この場を退散する事にした。
「もう!付き合ってられないわ。私はこれからミス・ヴァリエールの所でゲルマニア行の
準備をしなきゃいけないんだから」
といってプイと背を向けた。
シエスタの言葉に、ローラがふと考え込む。
「ねぇ、あんたって今はヴァリエール家のメイドだから、ヤンさん達と一緒にゲルマニア
へ行くのよね?」
「そうよ!その準備で今日は忙しいの!」
と言って寮塔へ向け、スタスタ歩き出す
彼女の背後からは「頑張りなよー!部屋でヤンに押し倒してもらいなさいよー!」とか、
「ゲルマニア行きの間がチャンス!あの秘書さんがいない間にアタックよ!」とか、声援
というか応援というか、勝手な期待と要望が飛んでくる。
寮塔へ向かいつつ、シエスタの口から独り言が漏れる。
「…言われるまでもないんだから!ゲルマニアでは見てなさいよ、今度はあたしのターン
よ!!」
右拳が固く握りしめられていた。
その頃、最近のメイド達の話題を独占する人物となっていたヤンは、珍しく図書館では
なく教室にいた。教室の後ろに立ち、コルベールの魔法の授業を見学している。火の色と
温度の相関関係について語るコルベールの話を興味深そうに聞いている。魔法も使えない
のに授業に出ている平民の姿に、生徒たちもチラチラと好奇と不快が入り混じる視線を向
ける。
太った少年がルイズの背中をチョンチョンとつついた。
「おい、おいルイズ」
「何よ、マリコヌル」
ヒソヒソ囁くガラガラ声に、ルイズはジロッと肩越しに振り向く。
「あの平民、なんで授業に来てるんだ?」
「魔法の勉強をしに来てるのよ」
「だから、なんでだよ。平民なのに」
「決まってるじゃない。魔法について詳しく知らなきゃならないからよ」
「魔法も使えないのにか?」
二人の囁き声に、周囲の生徒達も聞き耳を立て始める。
「あたし達、枢機卿に軍略を示したり、お姫様の相談に乗るんだもの。父さまなんかヤン
をヴァリエール家のお抱え学者にしようかってくらいよ」
「なっ!その噂、マジだったのかよ」
思わず驚きの声を上げてしまうマリコルヌ。周りの生徒もさわさわとざわめきはじめて
しまう。
「マジよ。だからヤンも戦争とかで使う魔法は詳しく学ばなきゃいけないの。特に火の魔
法は」
コンコンコン
コルベールが杖で机を叩いた。
「もしもし、ミス・ヴァリエールにミスタ・グランドプレ。他の生徒も授業中は静かに願
います」
頭髪の薄い教師に名指しされ、二人とも慌てて口を閉じる。
さらにコルベールは教室の生徒達に向けて語り出した。
「それと、ここは学校です。学問を修めたいという者を拒むような事はあってはなりませ
ん。それが平民であっても、です。学びたい、知識を得たいと望む事は実に貴重で尊い事
です。それがいかなる知識であろうとも、決して無駄になる事はないのです。
ですから、ミスタ・ヤンが魔法を学びたいと言うのであれば、私は心から歓迎いたしま
すぞ」
コルベールに真剣で誠実な目を向けられ、ヤンは深々と礼をした。
支援?
以上、第22話前半終了
後半は、また次の機会に
提督の方、乙でした〜
今日いきなり投下があるとは思ってませんでした
うれしくて下手なダンス踊っちゃうよ、もう!w
艦隊による騙し討ちはやはりありませんでしたか
ワルドが情報流してるから当たり前といえば当たり前ですが、もう一波乱ありそうですね
さしものヤンもワルドが内通者であることには気づいてなさそうですからね
そしてタバサがいないということはジョゼフ絡みかな?
そういえば本作ではタバサがあまり話しに絡んできてませんね?
本好きで知識欲旺盛なタバサなら、もっとヤンの日常にに絡んでくると思ってたんですけどね…
次はずっとシエスタのターンか?w
お美事でござる・・・。
>>292 提督の作者さんがSSを投下したのなら乙せざるを得ません!
次回も期待してますよ!
お、お、お、おつかれさまなんだな
ぼ、ボクはこのえすえすが、おむすびとおなじくらいとてもだいすきだから
書いてるひとには、とてもがんばってもらいたいんだな
こうへんも、とってもきたいしてるんだな
乙したー。
……ヤンに甘えるルイズに萌え死んだ。 _○□=
あ、芦屋さんか塚地かはっきりするんだな。
裸の使い魔召喚もいいなあ
シエスタはヨメ子の子孫でやっぱり…
>>298 たまげたなぁと聞くと、教え子がホ○ビデオに出てたどっかの監督を思い出して困るw
TDNとな?
>>272 「闇の支配者」が呼んばれてしまって、とりつかれたアンアンがハルケギニア統一→
邪魔になるメイジを皆殺しハルケギニア帝国成立→
メイジ全滅によってインフラなど壊滅、各地がカオスに→
元凶であるルイズがレジスタンスとして立ち上がる。
というのは考えた。
>276
ジョゼフが狂気に染まるきっかけは自分が次期王に任ぜられ、それを祝福したシャルルを殺した事
だから、原作と同じように王に任ぜられたら狂気に染まりそうな気がする
魔法が使えようが使えまいが、シャルルへの殺意が発生したらそこで終わりだろうね、ジョゼフは
逆にジョゼフが狂気に染まらなかったとしても、イザベラが虚無だった場合次はシャルロットとの
間で原作みたいな悲劇が起こりそうな気がする…
つ小ネタ「野に咲く花のように」
このままアン様が結婚しちゃったらなぁ
読むのがつらくなりそうだ
>>304 > ジョゼフが狂気に染まるきっかけは自分が次期王に任ぜられ、それを祝福したシャルルを殺した事
> だから、原作と同じように王に任ぜられたら狂気に染まりそうな気がする
その展開には前提として魔法が使えないコンプレックスがあるから、
ジョゼフが魔法を使える場合は弟とこじれる可能性は大分下がると思うぞ。
結局暗殺しちゃう可能性だって当然あるが、兄弟仲円満なままの可能性だって十分ある。
提督さん乙ー
書き溜めが500kb…一回の投下で50kb使っても、10回投下できるのか
週一で投下したら最終回まで二ヶ月半ほどかかるわけか、まだまだ続くじゃないの
309 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/03(火) 18:30:47 ID:9p0Nrk1G
現実→ギーシュ OR ウェールズ 憑依 最強化 ssはどうかな?
いっそ本人がまとめwikiに直接投下でもいいんじゃなかろーか
>>309 ウェールズ憑依は2ch外のサイトで既にあるぞ。
別に最強じゃないし更新も止まってるみたいだが。
>>303 ちょこ(アクラ)を召喚したらやっぱりルイズ側の戦力がインフレするかな?
そしてそのオーバースペック振りにデルフがいらない子にww
乙ー
提督はここの花だからそう簡単に終わられたらつまらないよ。
まさにヤンの死んだ後の銀英伝そのまま。
ボーウッドがビッテンフェルトみたいな性格だったら歴史変わってるかな?
>>309 体験物に良作無しって言われるくらいの地雷要素だってのを覚えておいたほうがいい
>310
まとめサイトの大前提すら守れないクズになれ、と
316 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/03(火) 18:52:24 ID:9p0Nrk1G
>>314 オリキャラ 最強化より現実→助演憑依最強化がましだ
漫画・アニメ・ゲーム すべての作品 技術使用可能
EX) ダイの大冒険,bleach,エヴァ
>>309 現実憑依物は、あまりにイタい出来の作品が多い。
正直お勧め出来ない
>>310 直接投下は厳禁です
ID抽出してみろ、まともに取り合うだけ無駄な最悪SS厨ってわかるから
ID:9p0Nrk1G
山崎竜二を召喚するって誰かいってたが、
彼がガンダだと匕首握った瞬間、
ドリルのときみたいな動きで戦うのだろうか。
一つだけ言わせてもらうと
異世界の知識を身に付けることで、性格が変わり、行動も変わり、能力も変化する
つまり原作でのキャラ設定を否定しているわけだが、それってオリキャラと何が違う?
変身能力を持つオリキャラがそいつを殺して成りすましてるみたいなものだろ
もう提督は別スレ立てて投下すりゃ良いじゃん
銀英厨や革命バカもそこに隔離して安泰
>>322 そーいうことは隔離スレでフガフガ言ってろよ、な。
肥溜めに帰れ。
>>321 能力に関しては仕方ない部分もあるだろう
ガンダと相性が悪い能力だったりハルケギニアの環境が能力の前提条件に響いてたりする奴らもいないわけではないから
行動だって「こういう状況でこのキャラならどう動くか」とかそのあたりつっつくようなスレだし。
性格は……スゲー再現度高くてもなんか言う人は言うしなあ
結局書き方の問題?
>>314 クロス物に良作無しって言われるくらいの地雷要素だってのは知ってるかい?
特に主人公すげ替え物はその中でも最も危険なブツだってことを。
>>326 そこでテファがクロスキャラを召喚ですね、分かります。
>>327 キチガイに触ったら「めっ!(><)」ですよ。
>>323 君は毒吐きを誤解している
本スレでこういう事言うのを詰め込まれても、その、なんだ、困る
>>329 自覚無いのだろうけど、目糞鼻糞で大して変わらんよ
爆熱と提督が真っ先に読めるだけの価値しかないな
このスレ
盛り上がってまいりました
皆様お久しぶりでございます
14巻ショックでプロット練り直さざるを得なくなって間が空いてしまいましたorz
少し短めですが、進路グリーンであれば20時頃から投下開始したいと思います
さあ、早く支援する作業に戻るんだ。
>>326 あえてマジレスするか
さすがにそこまでの地雷要素じゃないが、クロス物自体が地雷要素だとはしっかり認識しているよ
>>333 おk、期待して待ってる
待ってました支援
イザベラ管理人第23話:大切なモノ・中篇
タバサは困惑を抱えながらツェルプストー城の廊下を歩いていた。
廊下の窓から見える庭には、降り止まぬ細雪がちらほらと舞い落ち、もうしばらくもすれば中天へと差し掛かる仲睦まじい双子が下界に降り注がせる光を反射して、幻想的な光景を作り上げている。
だが、タバサはそれらの美景を一瞥さえもせずに目的の部屋へと向かう。当然であろう、そんなものよりも気にかかることがあるからだ。
片時も耕介のそばを離れぬ彼女が何故、こんな場所を歩いているのか?
答えは簡単だ、来客が来たからである。
しかも、その来客はタバサを…いや、”シャルロット”を指名してきた。
加えて、”イザベラの名を出せばわかる”と言ってきたらしい。
確かに、彼女がこの場に現れるのは至極当然と言えよう。
この城には、彼女の使い魔である耕介がいるのだから。そして、二人の間には単なる主従ではない繋がりがあるのだから。
だが、同時にそれはありえないことであった。
今、ゲルマニアはトリステインと交わした同盟に基づいて、連合軍として白の大陸アルビオンへと攻め入っている。
始祖より与えられし王権を脅かすレコン・キスタを打倒するためである。
だが、あろうことかガリアはこの戦いに傍観を決め込んでいた。
王権側、レコン・キスタ側双方から参戦の打診がひっきりなしに来ているらしいが、そのどちらをも門前払いしているのだ。
そんなガリアの王族が、ゲルマニアの有力貴族の元にやってくる…それがいったいどんな影響をもたらすかは想像に難くない。
イザベラは好むと好まざるとに関わらずガリアの王族なのだから、それは致し方ないことだ。
ならば、この城にやってきた来客はイザベラ本人ではありえない…はずだ。
だが、そうであるならばますます腑に落ちないことがある。
大まかな状況は手紙にしたためて送ったから、それを読んでいれば耕介の状況がわかっているはずだ。
耕介の状態は、ハルケギニアの住人が手を出せるものではない。
故に、そばにいるタバサにも、遠く離れたイザベラにも、耕介にしてやれることはないと言っていい。
にも関わらずわざわざ使者を送ってくるなど…考えにくいことだ。
ならば、いったい来客とは何者なのか…?
出口のない思考を弄びながら、タバサは扉の前に立ち止まった。
ここが、来客が待たされている部屋である。
扉をノックするべく片手を挙げ…そこでふとタバサは思い出した。
イザベラは…あのお転婆な従姉姫は、時に”シャルロット”の想像を遥かに超えた行動力を見せていたことを。
今ではもう遠い過去であるあの幼き日。
イザベラはシャルロットと遊び足りぬと、オルレアンの屋敷の警備をするガーゴイルや衛兵を全て出し抜いて湖へと繰り出したことだってあったではないか。
勿論、後で互いの両親にこっぴどく怒られたが、屋敷を抜け出す際のイザベラの手際は異常なほどに鮮やかだった。
そんな彼女が、耕介が目覚めないと聞いて、大人しくしているか?
ということは、この扉の向こうにいるのは…。
いや、ありえない。そう、ありえない。最近のイザベラは世界情勢にも詳しく、自分の立場もちゃんと理解している。
そんな彼女が如何に耕介が心配だからとて、ゲルマニアまでやってくるわけがない。
周囲への影響を測れぬ子どもではないのだから。
タバサはすぐにその考えを頭から追い出し、改めて扉をノックした。
そう、答えは既にこの扉一枚を隔てた向こう側にあるのだ。
今ここでうだうだと考えていてもなんらの意味もない。
支援します。
というか、俺もおかげで未だにプロット作り直せていません。
どうしろってんだ14巻orz
すぐに扉が開き、メイドが室内へと招きいれてくれた。
部屋は相変わらず様々な様式の調度品が混沌を作り出しており、その中央に配された木製のテーブル、それを挟んで二つのソファーが向かい合っている。
その向かって右のソファーに、おそらくは件の来客が座っていた。
来客は、意外なことに見覚えのない15歳程度の少女と、10歳にも満たない幼女であった…いや、予想通りと言うべきなのだろうか?なんにせよ、イザベラではない。
少女の方は、それなりに整った顔立ち、ダークブラウンの瞳と同じ色の髪をポニーテールにまとめ、服装は下級貴族の子女が着ていそうなそこそこに上等ではあるが目を惹くような華やかさはない標準的な白のワンピース。
幼女は、よく見れば少女と顔立ちがよく似ているので姉妹なのだろう。輝くような金髪を三つ編みにし、少女とお揃いの白のワンピースを着ている。
タバサが来たことに気づき、二人がこちらへ目を向ける。
少女の口元には、何故か皮肉げな笑みが浮かんでいる。
その笑みにわずか記憶を刺激されるが…やはり、あの少女に見覚えはない。幼女にもだ。
この来訪者の目的も正体も全くわからないが、とりあえずはタバサも対面のソファーに腰掛けて相手の出方を待つことにした。
メイドがタバサの分の紅茶を淹れてくれる。来客二人の前には既にカップが置かれ、中身が半分ほどなくなっていた。
タバサは視線だけは来客達に向けつつ紅茶に口をつける。だが、いつまで経ってもどちらも口を開かない。
タバサも警戒はするが、自分から動く気はないので、結果的に部屋には凄まじく気詰まりな沈黙が満ちる。
その空気に最初に耐えられなくなったのはメイドであった。
「お、お嬢様方、お茶のお代わりを淹れて参りますね」
引きつった笑顔を浮かべたメイドはポットやミルクを載せたカートを押して足早に部屋を去る。
向かい合った三人の少女は誰も、部屋を出るメイドを一瞥さえもしなかった。
それから1分ほども沈黙は続き…やっと部屋に変化が訪れた。
「ここに来るまでにバレないってのは理解してたけど、やっぱり緊張するもんだね、こういうのは」
少女が口を開いたのだ。
タバサの目が見開かれる。
その声は…間違いなく”彼女”のものであったのだから。
「やっと気づいたかい?そう、あたしだ、イザベラさ」
そう言って、皮肉げな笑みを崩さなかった少女は、悪戯を成功させた悪童のような会心の笑みを浮かべるのだった。
同じ頃、プチ・トロワの主の部屋に鮮やかな青い髪の少女の姿があった。
無論、それはイザベラ以外にありえない。
彼女は、引き出しから取り出した書類を控えていた衛士に手渡した。
衛士はサッと書類を流し読みし、内容を確認する。
「ハ、了解いたしました殿下、このようにいたします。それでは失礼いたします!」
そう言って衛士はキビキビとした動作で退室していった。
その間、イザベラは一言も口を開かなかった。
イザベラは新たな書類を取り出してしばらく読みふけり、今日こなすべき仕事が終わったことを確認した。
「はぁ…終わったぁ…」
その涙交じりの声は、純朴さを隠し切れぬ少女のものであった。
断じてイザベラ自身の声ではない。
だが、この部屋にはイザベラ以外の人物はいない。
青い髪の少女は心底からの安堵のため息を漏らすと、ドレスが皺になるのもかまわずにベッドに飛び込んだ。
「あぁ〜…なんでこんなことになったんだろ…。このベッドやドレスはステキだけど、こんなこと続けなきゃならないなんて、ストレスで壊れちゃうよ…」
己の不運を嘆く情けない声をあげ、少女は頭に手をやる。
頭皮を抑えるように両手で頭を押さえ、手を持ち上げると…その下から、ダークブラウンの髪がこぼれだした。
イザベラの顔で、ダークブラウンの髪を持つ少女は、目尻に涙を滲ませながらあらゆる人間の哀れを誘う声を上げるのだった。
「イザベラ様、早く帰ってきてぇ…」
ツェルプストー城の客室には、絶対零度に達しようかとさえ思える寒風が吹き荒れていた。
「タバサお姉ちゃんこわーい」
三つ編みを編むのが気に入ったのか、解いたり編んだりを繰り返していた、見知らぬ顔で声はエルザの幼女が字面とは程遠い能天気な声で呟く。
そう、この寒風の発生源は言わずもがなではあるがタバサである。
彼女の二つ名は”雪風”であるので、至極当然である。
「もう一度言って」
氷の刃のような眼光と声をイザベラに突き刺したタバサであるが、別に魔法を使っているわけではない。
単に彼女から漏れ出す怒気が寒風のように感じられるだけである。
「ん、聞こえなかったのかい?《フェイスチェンジ》をメイドにかけて入れ替わったのさ。ま、バレないように細工はしてあるから安心しな」
だが、そんな彼女の発する寒風もどこ吹く風、イザベラは悪びれた様子もなくあっさりと言ってのける。
挙句に部屋を見回して「しかし、外観見た時から思ってたけど、ほんとに節操のない城だねぇ。まぁゲルマニアらしいっていうのかもしれないけど」と、タバサの怒りを意にも介していない風。
「……………」
タバサはイザベラに突き刺していた凍てつく視線をやっときって目を閉じ、小さくため息をつく。
来てしまった以上はもう何を言ったところで手遅れだし、一応はバレないように策も弄しているようだ。
これ以上タバサが怒ってみせてもイザベラは何の痛痒も感じないだろうし、こちらの意気が殺がれるだけで何の発展性もない。
要は、このお転婆過ぎる従姉姫を諌めることを諦めたのである。
しかし、まさか…とずっと頭の片隅にこびりついて離れなかった可能性が現実のものになるとは。
行動力があるのはいいが、もう少し「自重」という単語を知ってほしいものである。
「ねータバサお姉ちゃん、もうお小言おしまいなら早くお兄ちゃんに会わせてよー!エルザ、そのためにここまで来たんだよ?」
三つ編みを弄ることに飽きて足をぶらぶらさせていたエルザが業を煮やして催促する。
イザベラも口には出さないが、エルザに何も言わないということは彼女も同じ思いなのだろう。
もはやなるようになれと捨て鉢な考えに至ったタバサは、無言のままにソファーから腰を上げて扉へと向かう。
風の流れで、イザベラとエルザも立ち上がったことがわかる。
タバサは心の中で呟いた。
(イザベラ、前向きを通り越して前のめりになってる)
元々悪知恵の働くイザベラが、耕介と契約を交わしてからそれまでとは別方向に性質が悪くなっている気がする。
喜ぶべきか、嘆くべきか、タバサは数秒悩み…結局は、喜ぶことにしたのだった。
「コースケ…まったく、こっちの気も知らないでぐーすか寝こけて…」
「お兄ちゃん、ほんとに眠ってるだけに見えるね。いつ目を覚ますのかなぁ」
イザベラとエルザが眠る耕介を見下ろし、それぞれに言葉を漏らす。
耕介の頬を撫でて目を細めるイザベラも、無邪気な笑みを浮かべるエルザも、実際に耕介の無事を確かめたことで安堵している。
手紙で命に別状はないということは伝えられていたが、やはり無事な姿を実際に己の目で見たいと思うのは人情であろう。
「…ミカヅキも寝っぱなしなのかい?」
耕介を見つめたまま、イザベラが問いかける。その声は、どこか沈んでいるように感じる。
「3週間前から一度も起きてない」
「…そうか…コースケにも、ミカヅキにも無理させちまったみたいだね…」
タバサからの手紙には、耕介が交戦した相手のことも書かれていた。
”白炎”のメンヌヴィル…傭兵として名を馳せる強力な火のトライアングルメイジ。
10年以上前から数多の戦場に現れては無辜の民も含めた敵全てを焼き払い続けた、”出会ってはいけない”類の相手だ。
その最悪の部類に入る、誇りも倫理もない傭兵メイジが学院襲撃部隊のリーダーを務めていたという。
イザベラは確かに学院襲撃をありうると考えていた。
だが、同時にそれは数ある可能性の一つとしか認識していなかった。
レコン・キスタとは組織であり、組織とは人間の集まり。多数の人間をまとめるには、明確な目標と…そして、何よりも自身を正義と”錯覚”させられるものが必要なのだ。正義を欠いた組織は盗賊の集団に過ぎない。
ましてやレコン・キスタとは貴族連合なのだ、正義を掲げることは何よりも重要。
条約破りの騙し討ちなどという前代未聞の禁じ手を使った直後に、構成員達に組織の正義をさらに疑わせてしまうような真似を重ねるべきではない。
そう…”まとも”な組織ならば、こんなことはありえない。だからこそイザベラは耕介一人で行かせたのだ。
だが、レコン・キスタのトップはまともではなかった。再び、躊躇なく求心力を失うリスクを冒して卑怯な手を使ってきたのだ。
内部分裂してもおかしくないあの組織が未だに組織としての態を成しているのは、ひとえに本物かどうかも定かではない虚無の存在に因っている。
確かに、ハルケギニアの民…特に貴族にとって、虚無とはそれほどに重い意味を持つものだ。虚無を持つということは、始祖の代行者と名乗れるのだから。
少しばかり貴族の倫理にもとるようなことをしようが、「始祖の意向だ」と言われれば貴族達は無理やりに自分を納得させるだろう。
だが、それにも限界がある。貴族にはプライドと誇りがある。それらが”卑怯者”の謗りを受けることを良しとしない。
まるで、レコン・キスタの長クロムウェルには、レコン・キスタという組織を存続させようという気がないように見える。
理由はいくつか考えられる。
単純に、クロムウェルが組織運営に関して何も知らぬ救いがたい愚か者…もしくは狂人だという可能性。だが、クロムウェルは仮にも司祭であった男であり、アルビオンの王族を滅ぼしたのだ、この可能性は低いだろう。
次に、虚無を過信している場合。卑怯者と罵られようが、虚無の力があれば大丈夫だと考えているのかもしれない。
最後に…クロムウェルがただの傀儡であり、レコン・キスタそのものが捨て駒である可能性。いくら卑怯な手を使ってもその責は傀儡が負うのだ、これほどの無茶を重ねる理由も説明できる。
そして…実を言うなら、イザベラには最後の可能性が真実であると考えるに足る情報があった。もっとも、それは最近になって入手したものであるが。
彼女の抱える、おそらくハルケギニア中を見回してもトップクラスに優秀な”諜報員”のもたらした確度の高い情報だ。
もう少し情報を集めて真偽を吟味する必要があるが、イザベラはこの情報をさほど疑っていなかった。
黒幕がいるならば…”あの人”以外に考えにくいのだから。
「あれ…?」
イザベラが哀しげな面持ちで沈思黙考している時、エルザが突然声を上げた。
その声で思索から現実に引き戻されたイザベラも我知らず声を上げる。
「コースケ…?」
どこか安らかな表情で眠っていた耕介に変化があったのだ。
イザベラの声に反応して、扉のそばの壁に背をもたせかけて本を開いていたタバサが跳ねるような勢いでベッドのそばにやってくる。
3人の少女に見守られた耕介の顔は…確かに苦悶の表情に変化していた。
そこは、言葉で表すならば「暗黒」であった。
一筋の光さえもない、真なる闇。人間が根源的に恐れる、人間以外の”何か”の領域。
そこに耕介は立っていた。
まるでタールの海のような世界である。一筋の光もない故に、自身の姿さえも見えない。
何故か、足元の感覚さえもない。触覚そのものがなくなってしまったかのようだ。
ならば、何故”立っている”と知覚できるのかと問われれば…なんとなくそう思ったとしか答えようがない。
自身に肉の体があるかさえあやふやで…だが、耕介はさほどの不安を感じていなかった。先ほどまで見上げていた、青い星を覚えているからだろうか。
とりあえずは状況を把握しようと記憶を探る。はて、自分はいったい何故こんな場所にいるのだったか…?
支援します。
確かタバサのいる魔法学院へ向かっていて…そこまで思い出したところで、突然”衝動”が彼を襲った。
何故なのか、どこから湧いてきたのかもわからぬまま、ただ衝動としか名をつけられぬモノに押されていつの間にやら握っていた御架月を上段から振り下ろす。
霊力を込めた覚えもないのに刀身から白い炎が解き放たれ、中空で何かと激突して炎の華を咲かせる。
「御架月?」
何がなんだかわからないが、とにかく御架月に話を聞こうと声をかける。
だが、彼の無二の相棒の御架月から答えが返ることはなかった。
そうこうしているうちにまたも衝動に襲われ、御架月を振る。
「くそ、なんなんだ!?」
状況がさっぱりわからないが、何らかの攻撃を受けていることは確かなようだ。
だが、それにしてもこの衝動が腑に落ちない。
この暗黒の中から攻撃されて、耕介が反応できるわけがないのだ。
彼の師である神咲薫ほどにもなれば、姿の見えない相手の殺気を感じ取って避けることも出来るだろうが、耕介はそこまでの域には至っていない。せいぜいが相手の挙動からの予測程度のものだ。
しかし現実として耕介は攻撃を受けており、何故かそれに反応することが出来る。
とにかく今は退避と状況の把握が最優先だ。
次の一撃を相殺したら動こうと決断し、衝動に任せて御架月を上段に振りかぶる。
「ハァッ!」
突如、光が満ちた。自身さえも見えぬ暗闇からこれほどの光の中に放り出されては一時的な失明状態に陥りそうなものだが、何故か彼の視覚は明確にそれを捉えていた。
『御架月が振り下ろされる。極限まで研ぎ澄まされ、それでいて強靭なねばりと剛性を与えられて400年間妖刀として人を斬り続けた刃が、今また新たな人間の肉に喰らいつく』
目の前にいたのは、白髪のメイジ。顔に酷い火傷を負い、けれども鍛え上げられた精悍な体を持つ、メイジらしからぬメイジ。
『想像していたよりも、人間の切断というのは簡単なものだった。それだけ御架月が業物である証拠なのか、それとも人間は意外に頑丈だというのが嘘なのか』
その表情は憤怒と憎悪に染まっており、人間というよりも悪鬼と言った方がしっくりくるかもしれない。
『理想的な踏み込みによって全く無駄なく力を与えられた刃は、肩口から入ってあっさりと胸骨を断ち切り、枯れ枝を斬るがごとく杖を叩き斬り、袈裟掛けに人体を二分割する』
男の目には光がない。見えていないのだから当然だ。人体としてなんらの機能も果たしていないはずの器官…だが、それは何よりも雄弁に怒りと憎悪と…そして、死への恐怖を物語っていた。
『この感覚を知っていた。それなりの頻度でやっていることだ。そう、丸々一羽の鶏を捌いたことがある。魚だって自分でおろす。さすがに牛や豚を丸ごと…というのはあまり経験がないが、通っていた調理師学校でやったことはあった』
男の体から血が噴き出る。つい先ほどまで人体を維持するために駆け巡っていた血液は、当然ながら体温と同じ温度で、顔や体に浴びたそれは生暖かかった。
『ならば、これは解体なのだろうか。当然のことながら人間など食べたことはない。食材ではないのだから当然だ。けれど、自分が今やっていることは…』
怒りと憎悪と恐怖に歪んでいた男の顔が崩れていく。既に”これ”は人間としての機能をなくし、肉塊に堕した。ならば、自分が今やったことは…
誰もいない。ここにいるのは耕介自身と、肉塊のみのはずだ。けれど、いずこからか湧き出た”耕介と同じ”声は囁いた。
『お前は、人を殺したんだ』
何が起こったのかわけがわからない。けれど、今もこの手に”あの感覚”がこびりつく。そう、知らない感覚ではない。今まで幾度も経験してきた感覚だ。
故に、その感覚はどこまでもおぞましく…
「うあぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーー!!」
嫌悪のままに、耕介は喉が裂けんばかりに魂切るような慟哭を張り上げた。
支援っス
短めですが、以上で投下終了になります。
支援ありがとうございました!
勝手にジョゼフの虚無は防御系統じゃね?とか安易に考えていたのですが、ものの見事に外して涙目です。
やはりノボル神の深謀遠慮を探ろうなどと浅はかな考えだったようです。
というわけで開き直って俺設定全開d(PANG!!
おつー
お疲れ様でした。
お疲れ様でした。
暴走気味のお姫様ズがよいですな。
>>345 乙!
13巻までは原作に準拠という感じで進めてくしかないよね。
新刊が出るたびに暖めてた設定に反発する設定出されたら泣くw
耕介の人GJ&乙です。
…………こっちの耕兄ィも、殺人童貞捨てちまったか。今後この経験とどう向き合って行くんだろ。
オレ設定の掃き溜めになりそうだねw
さてさて、投下予定も無いようですので
第22話後半を投下いたします
その日の放課後。
既に学院前の臨時停留所には多数の馬車が並んでいた。御者が馬にエサをあげたり、メ
イドが荷物を積み込んだりしつつ、それぞれに主の出発を待っている。
生徒達もほとんどが制服を脱ぎ、そこかしこで新しく仕立てたドレスやマントや煌びや
かな宝石類を自慢し合っている。ゲルマニアへの道中に何か本を読もうかという生徒達が
図書館から本を借りていく。
でも図書館から本を借りていくのは一部の生徒。ほとんどは悪友から借りたりコッソリ
手に入れた、例えば『メイドの午後』『バタフライ伯爵夫人の優雅な一日』『せつなさは夜
の媚薬』等、思春期の若者達なら絶対に興味をそそられる内容の本を密かにトランクの中
へしのばせる。
そしてルイズの部屋では、ヤンが鏡台の前に立つ。
しげしげと自分の姿を見つめる。
後ろも向いて肩越しに鏡に映る背中も見てみる。
鏡に映るのは執事らしい黒の燕尾服に白手袋の男。だが、激しくガッカリして肩を落と
してしまった。
「やっぱり、変だ…似合ってないよ」
ヤンが着ているのは、以前マザリーニへ拝謁した帰りに注文した新しい服。結婚式に着
ていく一張羅、のハズだった。確かに服の生地もデザインもルイズの執事として一級品の
はずなのだ。
ただ、着ている人が一級品に見えなかった。
後ろでルイズが溜め息をついてしまう。
「別にいいのよ。あんたの服なんて誰も見ないんだから」
「そーだぜ!ヤンは娘ッコの引き立て役なんだからよ」
デルフリンガーも似合ってるとか慰めの言葉を言ってくれなかった。
ヤンがしょんぼりしながらいつもの黒服へ着替えていると、ドアがコンコンとノックさ
れた。
「失礼します。シエスタです」
「あ、いらっしゃい。さっそくルイズのドレス、お願いするよ」
そう言って扉を開け、シエスタを招き入れる。ヤンはクローゼットから、同じく20日
ほど前、城の帰りに注文した新しいドレスを取り出した。
「じゃ、僕は外に出てるから」
ヤンはシエスタにドレスを手渡すと、そそくさと部屋を出て行こうとする。
「あ、こらヤン!執事が主の着替えを手伝わずにどうするのよ!」
「僕にドレスの着付け方なんて分からないよ。それに、またマチルダに怒られたらイヤだ
からね。墓参りも今日のウチにしておきたいんだ。
それじゃゴメンだけど、後はシエスタにお願いするね」
「はーい!任せて下さいね」
小さくガッツポーズをするシエスタにルイズの着替えを任せ、ヤンは部屋を後にした。
ヤンは夕暮れ空の下、学院から少し離れた小さな村へ馬を走らせていた。その村の共同
墓地にはヨハネス・シュトラウスの墓がある。
以前は素っ気ない、墓碑銘もない幅広の墓石だった。今はヤンが身分証明書から名前等
を読み取ったので銘を刻んである。帝国語とハルケギニア語の両方で名前と生年月日、そ
して没年が記してあった。
はやっ支援
支援仕る。
墓の前に立ち、しばし瞑想する。
そして鞄からワインを一本取り出して、赤い液体を墓石の上に垂らした。
「いやぁ、遅くなって済まなかったね。最近忙しくて、せっかく手に入れたワインを持っ
てくるヒマがなかったよ」
赤い夕陽の光に赤い液体が照らされる。真紅に彩られた墓石は、彼がハルケギニアで流
した血に染まっているかのようだ。
それは彼の身体の傷から流れたものか、絶望のあまり流した血の涙か。
「僕は神だの死後の世界だのは大して信じてないけど、それでもこれくらいはしていいと
思う。魔法が存在するこの宇宙なら、幽霊や天国や地獄が実在しても不思議はないだろう
しね。
これは、タルブっていう村で作られたワインさ。なんと銀河帝国のワイナリーが作った
ものなんだよ。君や僕と同じ、この世界に迷ってきた人さ」
瓶に栓をして、よっこらせと墓の前に腰を降ろす。
春もそろそろ終わりを告げる季節だが、やはり夕暮れになると風も冷えてくる。
「彼はトリステインの片田舎に流れ着いて、一人の人として幸せな一生を過ごしたらしい
よ。彼の子供達は、今やハルケギニアに名を轟かす立派なワイン職人さ。
君が学院で生き延びる事が出来れば、きっとオイゲンが話を聞きつけて迎えに来てくれ
たろう。惜しかったよ、もう少しだったのに。ブリミルの虚無すら全能でも万能でもない
んだろうさ」
まったくブリミルのバカは…と始祖への愚痴がさらに続く。
ここまでトリステイン魔法学院に虚無関連の手掛かりを集めるなら、ちゃんと最後まで
やり遂げてくれれば良かったのに、とか。亞空間ゲートを6000年維持出来る神話級魔
力の持ち主のクセに、被召喚者がどれだけ被害を受けるか想像出来ない間抜け、とか。
夕陽と地平線が解け合い始めた頃、ようやく神への悪態をつき追えた。
よっこらせ、とめんどくさそうな声を上げて立ち上がり、墓地の入り口へと歩き出す。
「一段落したら、また来るよ。ブランデーでも土産にしてね」
もちろん墓石は感謝の言葉を返してくれたりはしなかった。
乗ってきた馬を繋げた墓地の入り口の木、その横には馬に乗った女性が居た。赤い夕焼
けの中でも、ポニーテールにまとめた艶やかな緑の髪が輝いている。
「やぁ、学院の方はいいのかい?」
「もう今日は出入りする馬車は無いし、旅の準備は終わったから、明日の朝まで一息つけ
るわ。あなたが村へ向かうのが見えたから、追いかけてきちゃったの」
「そっか。それじゃ、一緒に帰ろう」
ヤンは、よいしょっと馬の背に乗る。
二人は並んで馬を学院へと歩かせた。
タルブほど広大ではないけど、黄金色に染まる草原。
遠くに見える学院へ向け、二人は馬を並べている。
何か言葉をかわすでもなく、ゆっくりと道を進む。
規則的な馬の蹄が土を蹴る音の中に、たまにそよ風になびく草の擦れ合う音が混じる。
「ねぇ、あの森」
ロングビルが指さす先には、学院の横にある森があった。
「ああ、あの森、か」
ヤンの頭に、これまであの森で起きた事が流れていく。
「ちょっと行ってみない?」
「そうだね」
二人は、それが当たり前のように森へと馬を向けた。
トリステイン魔法学院近くには、付近の村の人が苺やキノコを取りに来る森がある。
この二ヶ月の間には二人が時折訪れていた。ヤンがロングビルをフーケと見破り、手紙
回収依頼に来たアンリエッタを追い返し、ビダーシャルと聖地について情報交換した時な
ど、密会場所としてこの森を使っている。
森の中に少し入ると、木々が少しだけ開けて空が見える、広場のような場所があった。
「懐かしいわね…ここで姫さんの無様な姿を大爆笑してたっけ」
下草を踏みしめながら、広場の真ん中へ歩いていくロングビル。
「そうだねぇ、さっきの森の入り口では、君と殺し合いになりそうだったっけ」
「もう!そいつは言わないでおくれよ」
「はは、ゴメン」
ヤンは少し笑って、ロングビルの横に立つ。
見上げれば、梢の合間からのぞく空は紅から黒へと塗り変えられつつあった。
「まだ、僕がここに来て二ヶ月しか経ってないんだね。信じられないよ、昔からトリステ
インにいるような気がしてるのに」
「あたしだって信じられないさ。まさか男のためにフーケを辞めて、ただの秘書になろう
だなんてね」
「ホント、信じられないなぁ」
「全くだわね」
二人は、口を閉ざした。
女の瞳は、少々の星明かりと僅かな月光の下ですら輝いている。
男の瞳には、少々の照れが見え隠れしてる。
「ねぇ」
「ん?」
女も少し照れて、顔を伏せる。
そして、上目遣いにヤンを見上げた。
「触れて、くれる?」
男は顔を真っ赤にして、照れ隠しに頭をかく。
ヤンは彼女の背に腕を回す。ポニーテールの髪が手をくすぐる。
ロングビルも男の腰に腕を添える。細くとも引き締まった腕が彼を強く抱きしめた。
そして二人は、互いの唇を求めた。
「・・・ねぇ、ヤン」
男の耳元で、女が囁く。
「ん…なんだい?」
男は、女の背に広がる長い髪を優しく撫でている。
髪も素肌もきめ細かく、汗にしっとりと濡れて瑞々しい。
「んと、あのさ」
男の身体の上で、女はちょっと恥ずかしげに身をよじらせた。
そして、頬を合わせる。
「愛してる」
ロングビルは頬にキスをした。
しえん
男は、少し押し黙った。
そして、ゆっくりと口を開く。
「…僕も」
ロングビルの人差し指がヤンの唇の上に置かれる。
キョトンとした半開きの目が、すぐ横の理知的な瞳へ向けられた。
彼女はヤンの口を指で押さえたまま上半身を少し起こした。大きな胸の圧迫から解放さ
れて、ちょっとだけヤンは呼吸が楽になる。
「ダメだよ。あんたは今、それを言っちゃダメ」
少し哀しげに、苦しげに、女は言葉を紡ぐ。
「あんたは故郷を、女房を忘れようと無理してる」
長い緑の髪がヤンの身体にかかっている。
汗で湿った髪が月明かりで光りを放つ。
「いつか、本当にあたしを愛してくれた時、その言葉を言っておくれよ。それまで待って
るからさ」
ロングビルはヤンの肩に手を置き、唇を重ねた。
ヤンはロングビルを力一杯抱きしめた。
ところで、この森を使用しているのはヤン達だけではない。
近くに住む村の人だけでもない。
「きゅ、きゅい…きゅい〜!」
青い風竜が、かなり離れた茂みの向こうから二人をコッソリ見つめていた。
この森にはタバサの使い魔である風竜のねぐらがある。
木をその牙と爪で切り倒し、天井を拵え、地面には柔らかい藁を敷き詰めてある。傍ら
には飲むための水が張られた飼い葉桶まで置いてあった。
そこからちょっと離れた場所に、風竜と少女の姿がある。
「声が大きい」
青いショートヘアの少女が風竜の口を杖で押さえる。
風竜は慌てて口をすぼめ、身体も低くした。
「きゅい、ゴメンなのね。でもでも、人間って凄いのね!激しいのね!」
ポカッ
杖が風竜の頭を小突く。
「しゃべっちゃダメ」
「きゅい〜…きゅい!」
大きな牙の間から呟きが漏れる。ルーンではなく口語の呪文だ。
我をまとう風よ、我の姿を変えよ
風が風竜の体にまとわりつき、青い渦となる。
それは一瞬光り輝き、すぐに消えた。
後には20歳ほどの女性がいた。青い長い髪の麗人で、素っ裸。雪のように白い肌を星
空の下にさらしている。
そして少女の耳元で囁く
「これなら韻竜ってばれないのね。しゃべっていいのね?」
少女はちょっと首を捻り、そしてコクリと首を縦に振った。
支援
げぇぇ、何というラブコメwwww
シェーンコップやポプランが見たら間違いなく吹くww
そして支援だ!
そして、二人は改めて茂みの向こうを覗き見る。
「きゅい、こ、これも任務なのね。きゅいきゅい、ヤンって人を監視するのが、新しく命
じられた任務なのね」
「そう、任務」
「そうなのね、きゅい。お姉さま、だからしっかり監視するのね。さっそく頑張るのね。
しょうがないのね。お姉さまもシルフィも、働き者なのね」
「そう、働き者」
そんな話を囁き合いながらも、青いショートヘアーの少女と青い長髪の裸の女性は、視
線を茂みの向こうから外す事がなかった。
同時刻、聖地。
夜の闇を貫いて、クレーターの中に爆発音が響き続けている。
盆地中央は『門』から湧き出す光を多い隠そうとするかのように、大地が触手を伸ばし
『門』を包み込む。その度に盆地を闇が包むが、即座に土と岩の囲いが吹き飛ばされ、激
しい光がクレーターを照らし出す。大地も負けじと再び触手を伸ばし、『門』から飛び出そ
うとする物体を叩きのめす。そしてまた爆発が生じる。
その光景はクレーター周囲で『門』を監視する、多数のエルフ達にも観測されていた。
半径10リーグのクレーター円周部には、恐らくは各部族から派遣されたであろう調査隊
が幾つも待機している。
彼等は不審と不安に満たされた心を押し隠し、つとめて冷静を装って意見をぶつけあっ
ていた。だが、エルフの理性すらも限界が近いようだ。
「どうなってるの…大地を抉る爆発こそ無くなったけど、今度は門が閉まらないなんて」
「一体、何が召喚されようとしているんだ?どうにかサンプルを採れないものか…」
「バカを言うな!30年前の悲劇を忘れたか!?あの砂漠から引き上げられた超兵器、二
度と見たくはない」
「そうですね、それに、いつ再び『すぱるたにあん』とやらが大爆発を起こすか分かった
物ではありません。調査はしたいですが、近付くなどもってのほかでしょう」
「やはり、早急にヤンとやらを連れてくるべきだわね…私達だけでは手に負えないわ」
「ああ、その件は既に評議会が…。・・・ん?」
「どうした…おや?」
エルフ達は、クレーター中央部を見つめた。
爆発音が、停止していた。
召喚門は閉じていない。
遙か彼方に、小さな丸い光るものが見える。
それはただ光っているだけで、何も出てくる様子はない。
エルフ達はじっと光を見続けた。
だが、いつまで経っても何も出てこないし、『門』も閉じる様子がなかった。
何も出てくる様子のない『門』に、大地も攻撃の手を休めているかのようだ。
「何だ…?」
誰とはなしに、呟き声が漏れる。
一瞬、彼等には『門』が放つ光が強まったのかと思えた。
だが、違った。
門それ自体が膨れあがった。
このSSはフレデリカに監視されています(AA略) 支援
「門が…巨大化する!」
「まさか、例の蛮人が言っていた、『門のサイズの活性化』か!?」
観測者達に動揺が広がり、ざわざわと声が大きくなる。
『門』が、広がっていた。
いや、もはや『門』というレベルの代物ではなかった。
聖地のクレーター中央に、巨大な鏡のようなものが現れた。それは10リーグ彼方から
でも分かるほど巨大な丸い鏡。その直径は、どう見ても数百メイルはある。聖地中央の小
さな光点が突然膨れあがったのだ。
大地の精霊が攻撃を試みた。
だが、重力を生み出す大地は、自らの重力に縛られた。触手が門の下しか届かない。
巨大な鏡は、光を増し始める。それはクレーター周囲を朝日のごとく照らす。
「風の精霊よ!我らを守りたもう!」
「大いなる意思よ、この地を守護する数多の精霊よ。かの悪魔達を退け、生ける全てのも
のを救うことを請い願う!」
調査隊に参加する全エルフが精霊に願いを捧げる。
同時に、聖地周辺の大気が唸りを上げて動き出す。門へ向けて突風が吹き荒れ、エルフ
たちの鼓膜に痛みが走る。門を空気の壁で押さえこもうと、周囲の空気を吸い上げて気圧
を上昇させているようだ。
さらにクレーターを中心に吹き荒れる突風は激しい上昇気流を生み、特大の積乱雲を天
にそびえたたせた。夜の闇を貫く雷光をまとい、門の上空に分厚く重くのしかかる。幾筋
もの竜巻が空から降りてきて、聖地の荒れ果てた土を宙へ巻き上げる。
そんな中、それは現れた。
巨大な光る鏡に、幾つもの黒い点が湧き出す。
何かが召喚ゲートから、ゆっくりと顔を覗かせていた。
雷光が、爆ぜた。
クレーター上空に分厚く滞空する暗雲から、数え切れないほどの雷撃が放たれた。
白く輝く竜達が、鏡から湧き出す何かを噛み砕き、焼き滅ぼすべく襲いかかる。
雨のように降り注ぐ激しい雷光に、聖地は昼間の如く照らされる。
エルフ達の鼓膜を破ろうかというほどの炸裂音がサハラ一帯に響き渡る。
さらには林立する竜巻までもが踊り狂い、鏡へと襲いかかる。
エルフ達は魅入られたかのように、あるいは精神の根源より湧き出す恐怖で身体がすく
んだかのように、精霊達の怒りに討ち滅ぼされる悪魔の姿を見つめ続けた。
はるか遠く、雷光に浮かぶそれらのシルエットは、何か鳥のような姿をしていた。巨大
な鳥だ。他に棒のような形も、まん丸のボールのようなものも、意味不明な表現出来ない
ものも見えた。
それらは鏡から姿をのぞかせた瞬間に雷を喰らい、多くはその瞬間に爆発四散した。
たとえ鏡から出る事が出来ても、竜巻に巻き込まれ、宙に巻き上げられた後に地面に叩
き付けられて砕け散った。
砕け散った残骸の多くは高圧大気の壁に阻まれ、クレーター内部へと弾き返されて落下
していく。大地に落ちた残骸は、次々と地下深くへと飲み込まれていく。
だが 残骸のうちの幾つかは大気の壁を貫き、クレーター外周部に待機するエルフたち
の近くへも落下した。
「あ、危ない!」「逃げろぉ!一旦退避だ!」「まて!何が起きているのか調べぬうちは逃
げてはならない!」
恐怖と義務感からの叫びがあがり、降り注ぐ黒焦げの物体や大きな破片から逃げ惑う。
彼らを守護する精霊も土や風の壁で破片を弾き返し皆を守る。
だが、いくら撃ち落とされようと、地面に叩き付けられようと、悪魔達は尽きることな
く湧き出し続ける。自らの死という恐怖を微塵も感じないかのように、次から次へと精霊
の包囲の突破を図って湧き出し続ける。
どれほどの時間が過ぎたか。
精霊達の怒りは留まるところを知らず、尽きることなく稲妻を撃ち続ける。竜巻も変わ
ることなく荒れ狂っている。
だが、湧き出した悪魔の一つが精霊の手を逃れた。
それは塔の様な形をしていた。鏡から飛び出したそれは、高圧大気の壁を貫き、一直線
に遙か彼方の空を目指し、轟音をあげて逃げ去ろうとする。
雷は幾つも撃ち込まれた。だが意に介する様子はない。何のダメージも受けた様子はな
く、みるみる速度をあげていく。
竜巻が空飛ぶ塔を追ったが、もはや遅かった。空へ向かうそれは竜巻が追いつける速度
ではなかった。
塔が上空を通過した瞬間、下にいたエルフ達の全身を衝撃波が打ち付ける。
そして空の彼方、まだ星空が見える雲の切れ間を貫いて星空へ昇っていった。
しばらくして、悪魔達が湧き出すのはピタリと止まった。
同時に、門は一瞬で縮む。遙か彼方に見える小さな光点を残すのみとなった。
雲は晴れ、竜巻は消え、サハラ一帯に響いた炸裂音も既に聞こえない。
暗い荒野を星の光と静寂が満たしている。
「一体・・・なんだったんだ?」
「・・・さぁ?何か、空の彼方に飛んでいったな」
「とにかく、調査を再開しよう。まずは残骸を集めるか」
「評議会に緊急連絡だ。使いを急いで…」
後には呆然とするエルフ達と、聖地からあまりに遠方へ飛ばされたため、大地の精霊に
飲み込まれなかった細かな残骸が残った。
夜が明け、朝日がクレーターを照らす。
それでも相変わらず中心部にある小さな光点と化した『門』は消失せず、なにも吐き出
そうともしなかった。
第22話 嵐の前後 END
むう、刻一刻とクライマックスに近づいて行ってますな。ヤンの人GJ&乙。あとおマチさん他二名は少々自重してくださいw
これにて第22話、全て投下終了です。
第23話は日にちをあけて投下する事にします
成人倫理規制に引っかかって投下禁止とかされなければ、ですが・・・
いあ、ほんとにストーリー上の必要があったから書いただけなんですよ!
信じてk(ry
>クロス物に良作無しって言われるくらいの地雷要素だってのは知ってるかい?
ドラキュラ紀元とかリーグオブエクストラオーディナリージェントルメン読んだ事無いんだな
かわいそうに
マチルダねーさんに萌え死にそう
タバサ達の任務遂行を応援します。
聖地の穴から飛び出したのははたして?
女のカンで亭主の浮気を嗅ぎつけたおフレデリカさんと逝きたいが
大穴でワープ航法の専門家シャフト技術大将とか
なんとしてもヤンを探し出せという皇帝の命で特別恩赦で釈放されて無理矢理異世界へ
>>368 プロの作品を持ち出してくるとか、アホとしか言い様が無い。
373 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/03(火) 21:55:02 ID:tB+MqS0+
聖地の『門』から空へ向け飛んで行ったのは? 『艦』であることはまず間違いないが……。
塔のような形の艦? まさかブリュンヒルトじゃないだろうな。
だがクロスものである事に間違いは無い
>>372 わざわざクロススレでクロス批判言い出す方がアホだと思うんだが
>>373 扶桑に決まってるじゃないか>塔のような形の艦
「巨大な鳥」で一瞬ガイエスブルグ要塞召喚かと思ったよ
まあ、あんなもん地面から湧いたら、星ごと無くなるわなw
いやいや、山城の方がかっこいいぞ
生存者0だけど
提督に文句言う気は無いが、いちいち繰り返される珍英厨の雑談うざすぎ
なんでも珍とか厨でくくれば済むと思ってる馬鹿よりマシじゃね?
文句言ってるし
322 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/06/03(火) 19:13:39 ID:9E3mWv/q
もう提督は別スレ立てて投下すりゃ良いじゃん
銀英厨や革命バカもそこに隔離して安泰
>>381 取り巻きさえいなけりゃいいんだよ。日頃革命だのうだうだ言ってるカス共もそういうのだろ
こんばんは、第二話が書き上がりましたので投下して宜しいでしょうか? 半頃から投下させて頂きたいのですが
今勢いで書いた小ネタがあるんだが投下おk?
《C'moooon!》
バナナのさパナマ病ってのが流行していて
バナナがヤバイらしいな
パナマ病に感染して大きくて堅い種類のバナナが絶滅したけど
今回のはアフリカバナナにも感染するから
アフリカ超ヤバイらしいな
ハルゲキニアの主食はパンと肉らしいが
トリステインって農業国なのかね?
>>382 さっさと毒吐きに帰ってお仲間と馴れ合ってろ。
こっちに出てくるな。
>>382 そんなにイヤなら2ちゃんブラウザ使ってあぼーんでもすりゃいいだろ。
頭使えよマヌケ
そもそもうざいと断じられるほど銀英の雑談されてたか?
下手すりゃ、ID:9E3mWv/qの場を弁えなえいアンチ工作に費やされたレス数の方が多いんじゃない?
キチガイの行動はホント訳分からんな。
んー……もう少し推敲したいので
>>384さんに投下はお譲りしますね。
>>384さんが終わった三十分後ぐらいに投下させて頂きます。
投下予告が出てるのに雑談を続けるお前らの外道っぷりに脱糞した。
トリップ抜けてたうわぁーい
職人さんの邪魔スンナよ
というわけで風神支援
魔法を使うにはある程度の知性が無いといけない設定でもあるのだろうか
野生のトロールとかオーガが魔法使ったという描写も無いし
ゴブリンウィザードとか居ないのか
なにこのすれ違いっぷりw
>>384さんどうぞ投下しちゃって下さい
398 :
平行世界1:2008/06/03(火) 22:36:44 ID:FU2+h8hd
>>394ありがとう。
じゃあ早速投下。
あの日、使い魔召喚の日。
私の運命は変わった。
目の前にはひとつの星色のお守り袋。
え、失敗?…でも、なにかしらこれ。
そいつに触れたとき、私は気を失った。
気がついたら、儀式の場には私とこいつ以外誰もいなかった。
もしかしてみんな帰ったのだろうか、と思い私も帰る事にした。
「あなた、誰よ?」
疲れを癒そうと思って部屋にはいったら、黒い猫を連れた見知らぬ誰かがいた。
「あんたこそ誰よ。ここはあたしの部屋よ」
「何言ってるのよ。ここは私の部屋よ。さっさと自分の部屋にもどりなさいよ。さ、カゲネコ。夕食をとりに行きましょう」
誰かは出て行き、私は改めて部屋を見渡した。私の部屋と何一つ変わらない。いや、位置から見ても私の部屋でもあるはずなのに!!
「あら、あなた誰?」
いいところにツェルプストーが現れた。しかも生意気にもサラマンダーなんて連れている。
まあいいや、こいつに聞こう。少し癪だけど。
「!ツェルプストー!!いったいこれはどういうことよ!あんたまで!」
「ちょっと、大声出さないでよね!あんた、誰よ」
「わ、私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ヴァリエール!誇り高き「まさか!あのこは十年前に死んだはずよ」…え?」
死んだ?私が?ピンピンしてるじゃない私。この前までギャンギャン言い争ってたのに何寝ぼけてんのコイツ。
「本当に、ルイズ?なら証明してみせなさいな」
「う…ヴァリエール家に行けば「公爵家は没落したわよ。公爵は行方不明、公爵夫人も病で死亡。あと二人の娘達は…ああ、屋敷も不審火で燃えたらしいわね。そうそう、そういえば、ルイズは魔法が爆発になるんだったかしら。みせてちょう…あら、いなくなった」
つーか、提督用に別スレ作ったって革命厨が消えたりはしないよ
革命厨の全てが銀英厨じゃないし逆もまたしかり
提督が移動したからって銀英厨が全部そっちへ着いていってこっちへ出入りしなくなるわけでもない
そもそも前スレだか前々スレだかで革命がどうこう言ってる連中が湧いてた時は提督なんて投下されてなかっただろ
支援
401 :
平行世界2:2008/06/03(火) 22:38:06 ID:FU2+h8hd
うそようそようそようそようそようそようそようそようそようそようそよ
うそようそようそようそようそようそようそようそようそようそようそよ
うそようそようそようそようそようそようそようそようそようそようそよ
うそようそようそようそようそようそようそようそようそよ!!!!!!!
父さまが、母さまが、ちい姉さまたちが!!!
この眼で確かめないと気がすまない!!!
……………………お金は少しぐらいなら手持ちである。行こう。帰るんだ、なんとしてでも…
その後、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ヴァリエールがどうなったかはこのハルゲキ二アでは誰も知らない。知ることはなかった。
だた、屋敷跡を目にしたルイズの表情は想像に堅くはないだろう。
やがて、世界は滅びた。
“時喰い”と呼ばれるもの。エルフ達が“シャイターン”と呼ぶものによって。
だがなんどもその歴史が繰り返されるうち、時喰いは何者かによって“開放”された。
インテリジェンス・ソードを持った彼と仲間の彼らはこう語る。
その化け物の内なる身には、金髪の少女と桃色髪の少女が取り込まれていたという事を。
クロノクロス・星色のお守り袋を召喚
(ケチャを聞きながら書いたwwwww読んでくれてありがとうおまいら)
すまん、何がなんだかさっぱり分からない。
世にも奇妙な物語かと思った。
乙ー
だが、何か本当に勢いと言うか何というか・・・唐突杉。
>>399 ・・・まあ、なんだ。
人のことを厨だのなんだのと言う前に、せめて投下中は雑談はよちまちょうね〜
つか、何のための隔離スレだよ・・・毒吐きに帰れつーの。
文体が昨日のアレっぽい
昨日というかいつも召喚してないパクリネタ垂れ流してる奴じゃない?
ラオウ(ケンシロウと決戦後)を召喚したのを考えたのだが
ギーシュ→カス
ゴーレム→おもちゃ
ワルド→人形
しか思いつかなかった
一番問題なのはどうやったら言うことを聞くかだが
それでは私の方も後十分ぐらいしたら投下させて頂きますね
説明が足りなすぎるのもあるが、これはクロノクロスをプレイして無いと何がなんだか判らんだろうな
星色のお守り袋は平行世界を行き来する為のデバイスで
クロノクロスの主人公はそれでもって自分が10年前に死んだ世界へ移動してた
いや文章力の問題だろう。
ルイズが時を喰らう者に取り込まれた理由がわからん
>>409 なるほど
クロスは一部で黒歴史扱いされてるからやった事無いんだ。
いま思いついたんだが
数千年も体制が続いていたのは
水の魔法薬を飲み水に混ぜて貴族に逆らえないようにしているんじゃないかな
モンモラシ程度にほれ薬が作れるのならば・・・
ほらトリステイン王家って水の精霊と契約しているだろうし
代々アホを輩出しても水の秘薬で平民を支配していたと考えれば
アンアンのアホっぷりにも納得が出来るってもんだ
クロスは音楽のためだけでもプレイする価値はある。
415 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/03(火) 23:09:42 ID:ph3V3SMf
>>407 ギーシュ→モヒカン
ゴーレム→スキンヘッド
ワルド→南斗聖拳モドキ
マリコルヌ→ハート様
これでおk
そう言って風子に顔を向けたのは緑色の髪に理知的な顔をした妙齢の女性だった。
「なにかご用ででしょうか?」
「えっとさ、洗濯場? ってのはどこか解る? 全く人に合わなくてさ、ここがどこだかもよく解らないんだ」
「……学院長室前まで……適当に歩いて来た……と?」
声色が少し変わって口調が第一声とは大分違って聞こえた。額を手で押さえている。どうも相当にショックがあったみたいだ。
「それで、なんのご用でしょうか? 見たところこの学校の生徒ではないようですが?」
そのままの姿勢で数秒過したあと、持ち直したのか最初と同じ調子で聞き返してきた、顔には微笑も浮かんでいる。
「だからさ」
面倒くさそうに答えた風子、手に持った数着の衣類をブラブラと揺らせて続ける。
「これが洗える場所ってどこか解る? できれば案内もして欲しいんだけど」
「水汲み場でしょうか? ならこちらの方になりますが、あなたは平民でしょう? なぜこんなところに?」
「あ〜……使い魔になった……」
心底嫌そうに目の前の女性に伝える風子、これを聞いて風子を見る視線が変わった、若干探るような眼つきになったその人は問いかけの言葉を口に出す。
「使い魔になった……とは、それはまた災難でしたね。それで、何所から来たのでしょうか? 学園の名においてあとでご両親に手紙を出させて頂きたいと思うのですが」
これを聞いてちょっとだけ楽しくなったのか、いたずらを今からする子供のような笑みが風子の顔に上がった。
「――異世界から来たんで、そんな心配は要らないんだよね」
これを聞いて驚かない人間など、世の中にさほどいないだろう、と考えていた風子は眼前の女性の驚いた顔に満足げな笑みを浮かべる。
「それは、また……災難でしたね、それで、誰の使い魔になったのかお聞かせ願えませんか?」
「――ルイズだよ、下の名前はまだ覚えてない、覚える必要もなさそうだし」
ここで目の前の女性はどこか納得した風な表情を見せた。探るような視線を向けるのを止め、どこか同情的になった顔を向けて、話を先に進める。
「それで、洗濯場を探しているのでしたよね? それならばこちらです、ご案内しましょう。あのヴァリエール嬢の使い魔になられたとは、大変ではございましょうが頑張ってくださいね」
「助かるよ、ありがと」
お礼を言った風子の前を通り、そのまま水汲み場の方へと歩き出した。その魅力的なお尻の後について行きながら風子はもう一度お礼を言う、聞きたいことがもう一つあったから、この異世界人の言葉を信用してくれた、その人の名前を知っておきたかったから。
「ありがとう、あんたの名前はなんて言うんだい」
「ロングビルと申します、この学園の長の秘書をやらせて頂いております、それほど長くお付き合いできるとは考えておりませんが、よろしくお願いします。そちらは?」
少し、気だるげに、少し、楽しげに。振り返らず前を歩くその人から、そう答えが返ってきた。そして、聞き返された、聞かれれば答えなければなるまい。
「風子、こっちの世界の言い方なら風子 霧沢! 末永くよろしく頼むよ!」
ラオウだったら奴隷扱いしようとしたルイズを殺すかな?
いや流石に女子供は殺さないか。
支援
「それでは、ここが水汲み場となります、この季節の水は冷たいでしょうが、頑張って下さいね」
「ん、感謝してるよ、時間とらせて悪かったね」
いえいえ、と笑って踵を返したロングビル、その時、大きな、非常に大きな爆砕音が響き渡った、静けさが場を支配して数秒経った、
遠くから生徒達の騒ぐ声も聞こえて来る、風子の側からはロングビルがどんな表情をしているかは解らないが、取り敢えず雰囲気が変わったことぐらいは掴んだ。遠慮げに質問してみる。
「え……っと? 今の音は?」
「……まあ、あなたなら確実にそのうちに解る事です」
ここでいったん言葉を切ったロングビル、盛大に溜息を吐いたあと、こう続けた。
「今は、わたくしがあれの事後処理をしなければならないことだけ、覚えておいて下さいね」
先程は少し楽しげに見えた背中も今は大分煤けて見えた、どうやらこれから来る後始末の面倒臭さにまいっているよう、
「解った、うん、解ったよ、なるべくこーゆーことがおきないように頑張ってみる」
「助かります……それでは私はこれで」
そういってその場を離れ爆心地に向かって歩き出したロングビル、その背中には年齢には似合わない哀愁が漂っていた……。
角を曲がり、その背中が見えなくなるまで取り敢えず見送った風子、一つ大きく声を発し、両手で頬を張り、捲る袖の無い袖を捲った。
「頑張って洗濯てやつをやってみますか!」
風子にとってしたことのない手洗いでの洗濯に苦戦しつつ時間が過ぎて行った。どれだけ時間が経ったのか解らない、けれど今思うことは一つ、
(お腹……減った)
恐らく朝方に召喚され、なれないことをしたため普段より多くエネルギーを消費した風子、洗うべきものはまだ残っているがそれよりも今優先されるのは空腹を満たすことだった。
と、そのときちょうど、メイド服を着たいかにもな女性が風子の目の端に引っ掛かった。
(助かった! これでなにか食べ物が!)
ダッシュで近寄って目の前に立ち塞がる、笑顔を浮かべて聞いた。
「何か食べる物が欲しいんだけど」
立ち塞がれた瞬間、訝しげに風子を見て立ち止まらざるをえなくなった少女は、笑顔をみた瞬間固まり、怯えた顔つきになった。
「ま、賄いの料理でよければご案内しますが、ど、どうでしょう」
「うん、なんでもいいよ、食べられれば、早く案内してくれない?」
少女の顔を見て自分がどんな顔をしているかある程度自覚した風子だったが、あえて表情を作り直すことはしなかった、早く食べ物を胃の中に収めたいため、目の前の少女を脅しつけているこの状況のままでいいや、面倒臭いしとか思った。
足取りのしっかりしていない少女の後ろに付いて厨房らしきところに到着した。
見渡すとどう使うのかよく解らない道具や、見たことのあったりなかったりする食材がところ狭しと並べられている。この場所に着くなりここで待つように言って風子から逃げるように奥の方に消えて行った黒髪の少女の帰りを待った。
やがて奥の方から黒髪の少女が戻ってきた、片手にシチューらしき物が入ったお皿を持っている。
「はい、どうぞ」と、手渡されたお皿を片手に呆然と突っ立つ風子、少女に聞いた。
「いや……ありがとう、しかしよく戻ってくる気になったね、普通はうやむやにして逃げちゃうと思うんだけど?」
「ええ、そうしようかと私も思いましたけど、本当にお腹が空いているんだろうなあ、と思うとどうしても」
柔らかに微笑んで風子を正面から見つめてそう答えを返してきた。こちらも先程とは打って変わった笑みを顔に乗せもう一つ聞く。
「こんな第一印象最悪の女にありがと、優しいあんたの名前はなんて言うんだい?」
「この学園付きのメイドでシエスタと言います、よろしくおねがいしますね?」
ん、こちらこそよろしく、と、返して手近に在った椅子に座った風子は一気にシチューを啜りだした。
>>417 二期のある場面で殺せとか何とか言ってるから怪しいがガキ作ってるしどうだろ・・・
支援
だが「、」がやたら多くて気になる
「美味しかった、ありがと!」
最後の一口を胃の中に収め、目の前に座るシエスタに中身の無くなったお皿を渡した。
「はい、あんなに美味しそうに食べてもらってありがとうございます」
「そりゃまあ、腹が減ってたからねえ」
「これからもちょくちょく迷惑を掛けに来ると思うけどよろしく頼むよ」
「ええ、どうぞ、良い人みたいですし、厨房のみんなで歓迎しますよ」
くすくすと笑って席を立った風子はそのまま出口に向かって行く、後ろ手に手を振りつつ厨房を出る直前、振り返ってシエスタを見た。変わらずニコニコと笑っていた、
(あんたの方が相当良い人だと思うんだけどね)
って言葉は口にせずそのまま外に出た。
その後は特筆すべき事柄もなく夜になった。風子にとって激動であった一日が終わろうとしている。
一つあるとすれば夕食時豪華な貴族達の晩餐を目の前に貧相な料理を出せれたことに切れかけた風子がルイズに「床で食え」と言われて完全にぶち切れ、結局外で夕食を済ませたことぐらいだろうか。
その後部屋に戻ってきたルイズは随分と不機嫌そうにしていたが、今は怒りも薄くなったのか穏やかな顔で机に向かい、紙にペンを走らせていた。
「なあ、そーいやそれ、何書いてるんだい?」
ぼんやりとそれを眺めていた風子がなんとなくと言った風にルイズに聞いた。
「あんたには教えらんないほど高貴なお方に手紙を書いているのよ、こうして昔はよく手紙のやりとりをしたことだし、読まれずに捨てられるる事はないと思うから」
こちらも片手間にのんびりと続きを書きながら答えた。深く聞くつもりのなかった風子はもう一度聞き返すことなどはしなかったため、しばしの間部屋にはルイズがペンを走らせる音だけが響いた。
「ん、こんなところでしょう」
手紙を書き終えたのか、机の上に出してあった封筒を手に取り、手紙を丁寧に折りたたんでその中に入れた後、最後に封筒の裏側に何かを書いて、指を鳴らした。するとどうだろう、部屋の明かりが落ちた。
「さ、今日はもう寝ましょ、あんたも疲れたでしょう?」
「まて、あたしはどこで寝ればいいんだ? 寝る前に何か体が暖められる物くれないと床で寝るとかそーいうことの前に凍え死ぬよ私」
重たげな眼のルイズはそれを聞いてもう一度指を鳴らし、部屋の明かりを付けた。机の横にあるタンスを引き、ごそごそとやった後、取り出した毛布を風子に投げてよこす。
「サンキュ、で結局私はどこで寝ればいいんだい?」
風子が受け取った毛布を片手にルイズに訊ねた。それを聞いたルイズは何も言わず、床を指差した。
「了解……じゃ、お休み」
半ば予想していたのかさっさと適当に床に寝転び、毛布を引被った風子はそれきり何も言わなくなった。ルイズはもう一度指を鳴らし、部屋の明かりを消した後、自分も布団を被る。
数分後、そこには穏やかそうな寝息の音と、寝苦しそうな寝息の音しか聞こえなくなった。
風子にとっての異世界での一日目が終わった。
以上です。
>>422 リズム作り失敗してジバーク
425 :
平行世界:2008/06/03(火) 23:24:34 ID:FU2+h8hd
>>424乙
自分の文章力のなさで内容が分かりづらかったのか。スマソ。
もうちょっと修正してくるわ。
>>409の説明がないと分かりづらい内容にサーセンwwww
ありがとうございます、そちらこそお疲れ様でした
風神と平行の人乙。
そういえば、結構前に、サイトが他の虚無の人に召喚されたらな話が出てたけど、
テファ&サイトの場合、一歩間違えると、
増血鬼かりんのハーフみたいな重い話になりかねんなあ…。
異種間的恋愛についてはまったく問題はないんだけどねえ…。
>こっちの世界の言い方なら風子 霧沢!
せめて片仮名でフーコ・キリサワとかにしようよ。文章的に。
>425
ネタ自体色々と広げられそうな形なのにオチがない。
しかもネタ自体がマイナーだからどういう展開になっているのか分かりずらい。
これだったら世界移動した時の情景を起として、学院中に自分を知っている人間はいないか問い詰めて回る部分を承。
自分を知る自分が誰もいないと知って絶望するところから、最初に出てきたキャラを絡めてホーム側を知る人物が出てきて転。
最後にルイズが一体どうなったのか? と言うのを明かしてから数年後の話に繋ぐ。って感じにしたほうが良かったかもしれん。
それと同じ文字で画面を埋めるのはインパクトがある変わりに単調でチープに見えたりする、よっぽど自信ある時以外は避けるのが無難。
てか此処まで書いて思いついたんだけど時食いになる前のラヴォスと「時の卵」を召喚して、ルイズが世界を救う為に過去や未来のハルケギニアを冒険する話も面白そうだとおもた。
>>429 バターにならないように気をつけながら
スペッキオの周りをぐるぐる回って
ルイズが虚無の系統に目覚めるんですね、分かります。
風子っていうとヒトデの人しか知らないな。
>>430 強くてニューゲームでデルフが増えていくわけですねw
増えるデルフワロタw
でもさ、グランドリームは増えないんだぜ?
>>367 提督の人乙!
食い入るように見つめつつ、顔真っ赤なタバサ&きゅいきゅいが目に浮かぶw
クライマックスへ向けて嵐の前の静けさか。沸き立つ興味に次回が待ち遠しい。
デルフのダウンサイジングって駄目かな?
クロス先のキャラが背丈は才人とほぼ変わらないんだが、女の子で普段の得物が
日本刀(というよりも太刀)だから、両手剣に近いデルフだと得意の剣術が使えないと思うので。
小夜と申したか
>439
良い考えだ。自分は細身の剣が好みなんですよ!
>>438 破壊の杖や龍の羽衣が作品によって変わっているのだから
デルフの多少の変更も良いと思う。
あるSSでは変形ロボになってたし。
>438
太刀とサーベルだと大きさが同じでも使い方違うんじゃない?
>>442 あの話はやりたい放題だったが面白かったな。
>444
いっそのことデルフを太刀にすればおk
剣という本質を外れてないからこの程度の改編はなんてことないだろ
ルイズがペガサスの聖衣(デザインはテレビ版初期)召喚とか考えてみた。
ルイズにガンダールヴのルーンが刻まれて、本来なら小宇宙を燃焼させなければただの重りでしかない聖衣を使いこなせるようになる。
ガンダのおかげで小宇宙に目覚めるが、聖闘士としての基礎訓練を全くしていないので一般人やギーシュレベルのメイジなら数十人相手でも楽勝だがワルドぐらいの強敵には苦戦するとか。
小宇宙と虚無を合わせてギャラクシアンエクスプロージョンを使えるようになったり。
眉毛が濃くなり車田落ちするルイズ
宝物庫に収められていた「黄金の鎧」を着ようとするが鎧に拒否られるフーケ
むしろユニコーン邪武とかウルフ那智とかかませ極まりない奴に活躍の場を・・・
切っ先で頸動脈を切断するデルフ…
スパっと腕を切り落とすデルフ…
賄いを食べて「うまい」と一言いうサイト…
マニゴルド兄貴に再び活躍の場を
かませといったらデっちゃんだろ。ハルケギニアでもp!p!してほしいぜ。
つか、挿絵のサーシャの体格は普通の女の子くらいの身長っぽかったが
デルフ取り回すのに不自由じゃなかったんだろうか
>>455 刀身の表面の姿変えられるくらいだから長さくらいなんとかなるんじゃね?
興奮すると刀身が長くなり冷静になる刀身が短く柔らかくなる
長さと錆は差が有るんじゃないかなぁ
>>457 つまりアレか
ご立派様なデザインのデルフ・・・
461 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/04(水) 01:23:10 ID:9asxFcCn
現実→ギーシュ OR ウェールズ 憑依 最強化 ssを見たい
>>457 「美鳥の日々」の人の読み切り思い出した。
サイトがルイズの左手として召喚されたら笑えるだろーなぁw
当然ジュリオは教皇の右手で、ジョゼフのデコからミョズさんが生えてるとゆー。
>>461 またお前か!ここはクロススレだから他スレに行くよろし。
遅れましたがさざなみの方、提督の方乙です!
>345
お待ちしておりました〜
『前向きを通り越して前のめり』なイザベラ様萌えw
イザベラお行為で、いらぬ気苦労を強いられるタバサというのは珍しい
替え玉にされたメイドの胃に穴が開く前に帰ってやった方がいいのでは?w
>後で互いの両親にこっぴどく怒られたが
あ〜 そういう過去があったんですよね…昔は
>367
可愛すぎるぞ、マチルダさん!
そしてデバガメコンビもなんか可愛いw
きゅいきゅいはともかく、タバサは冷静そうに見えて内心はドキドキしてるだろうな〜w
門から何やら出ましたね
最初のは監視衛星とかかな? 飛び去ったのは艦船だとは思いますが…
ヤンだけでなく周りも色々と動き出したようですね
>>457 ソード・オブ・ユニコーンを思い出した俺は異端。
ビューティフル・ジョー召喚
その華麗な戦いぶりに誰もが「ビューティフル!!」と感嘆する事請け合い
ライトニング・クラウド初見で回避余裕でした
クロノ・トリガーよりクロノ召喚
まだ正体の良く分からないモノを召喚するのって駄目なのか?
いや、正体わかるまで待てば良いんだろうけど、続編まで数年となるとね。
>>467 そういやクイーンブレイド系からの召喚ネタはまだないか?
ギーシュとの決闘→ワルキューレの一撃でただでさえ露出度高い服がさらに破れる→ギャラリー(特に男子)から歓声
ある意味で学園の英雄になるギーシュ
ケティとモンモンからの好感度は地獄の底まで落ちるだろうけどw
モンモンとケティ含めた学園全ての女性から女の敵と認識されるなww
QBで一番人気のロリっこならその辺はクリアされる! していいのかは措いておくとして
>>471 あれはえちぃ戦闘服のお姉ちゃんが真面目?に戦う様をはたからハァハァしながら観戦するものだしなぁ。
ギーシュがワルキューレで服を一枚づつひん剥くように戦うのは普通のエロ展開じゃん。
ので、だれかおマチさんがローブの下に来ている(はず)の戦闘服を絵にするんだ!
「ゴーレムじゃ埒があかないねぇ……だったら直接やるまでさっ(ローブを掴み宙に投げあげる)」
この続きを、さあ早く!
フィオwithソード・オブ・ユニコーン召喚だと…
フィオにガンダールヴついてもソード・オブ・ユニコーンは扱えない気がするんだが。
QBキャラで呼んでも一番問題ないのは…リスティくらいじゃね?あとノワ。
夢さえあ〜れば〜平気さ全て〜
>471
トモエかロリドワーフ、アサシンの人なら露出が比較的少ないから大丈夫だと思うが、
カトレアやエキドナさんあたりはちょっと…
いや待て、今はビキニ鎧の流れなのか?
ならば雷(いかずち)の戦士ライディよりライディを召喚
頼れるお姉さんだし、ビキニ鎧だし、可愛い女の子が好きだから
ルイズは言うまでもなく、キュルケやシエスタ、タバサ、姫殿下と
躊躇わずにゃんにゃんパヤパヤしちゃうな
>>475 ノワはエルフと間違えられないか?ぱんつはいてないみたいだし。
>>474 肉体言語にて仕る…… な、プリンセスを
>>478 間違えられるも何もハーフエルフだしねぇ。
ただ、テファと違ってエルフの方に同族意識を抱いてるそうだけど>ノワ
あとぱんつはいてないは関係なくないかw。
問題ないってのはQB世界の方の影響力って意味で言ってみた。
ほれ、他の面子は有力貴族の子女だったり伝説の傭兵だったり叛乱勢力の尖兵だったりするし。
…そういえば、今月発売の教官と女王様で一旦QB終わるのかな…
きめぇ
Rebisか
そういやラノベのイラスト書いてたな
で、まさかの深見真とのコラボだしな
てかこの人はラノベのイラストも同人と同じノリで吹いたw
でたな拳神雷w
この人はビキニというより紐だからなーw
>>466 なんという語ることもはばかられる使い魔
>>481 きめぇ
これはこれでいいかも……とか考えてしまった自分がきめぇ
>>481 武林か。
本屋で表紙見て最初に確認したのは股間だったなぁw
「あれ?チンコついてない……この絵師って、女の子に片っ端からチンコつけるあの人だよねぇ?」
結局話の途中で生えてきたけどwww
流れは百合だな?
舞HiMEから静留を召喚・・・しても静留がなつき以外を好きになるってのが想像できんな
>>480 なるほど。
>>489 只今連載中。死亡直後に呼ばれたためか、居着くつもりみたい。
詳しくはまとめサイト参照。
>>489 ゼロ・HiMEという作品があってだな
そのうち続きが投下されるらしいから待っていようじゃないか
>>483 どういう流れでその名前が出たのかがレスを読み返してもわからんが…
未だに小説の二巻を待っていたりする俺。まぁ、雑誌展開時の話は全て
追っかけられてはいるのだが。
って書き込み前はリロードしなければいかんだろ自分orz
百合と言えば神無月の巫女
しかし姫子にしろ宮さまにしろお互いしか眼中にないから無理だなぁ…
これはひみことかおんにも言えることだが
また百合かよ
エロパロでも行ってろ
性行為があるとは限らないのに一律に排除しようというのは
同性愛に対する差別だ
でもそれが薔薇だったらと考えると性行為が無くても拒絶しない訳には行かないからなんとも言えない
アベさんは何かよく分からないが無条件で怖い何かだと認識している
いくらヤるだけの漫画とはいえ、第一声が
つなぎのジッパーおろしてイチモツ取り出しながら
『や ら な い か』
だもんな……
このながれは弱王召喚とな?
地上最後のレイヴンとしてはめさせてくれ!
>>499 阿部さんはもう薔薇だとかなんだとかそういうのを超越しちゃってると思うんだ
百合か…
やっぱ初音姉様に。
銀との戦いで傷ついたところをルイズに召喚
しかしルイズには実は秘密が…
ゼロのメイジと馬鹿にされているルイズは夜な夜な学院の不良上級生達に…
>>504 実際にありかねない上、すごい鬱な始まり方だな
>>505 しかし、どう考えてもヴァリエール家と全面戦争です。
王家と教会とヴァリエールには手を出すなと有名
ヴァリエール家の耳に入ったとたん、実家が文字通り跡形も無くなるような危険を
ガキとは言えトリステイン貴族が犯すかどうか
一応の婚約者も魔法衞士隊の隊長だしな。
女王様と呼ばれ、鞭を振るっている、……というのなら……いいですか?
むしろケティぐらいの下級貴族(だっけ?)をヒロインに据えれば…
ルイズは「なんかウチの使い魔と仲いいわねあの下級生」ぐらいの認識で
それなんて、鬼帝様?
実家が何らかの理由で没落してるとかどうだろう?
幼少時の一家アルビオン旅行中に飛空船事故で…つってもカリンさん死にそうな姿思いつかんなあ
いっそ遭難事故でアルビオンのジャングルにルイズのみ落とされ行方不明
10数年振りに見つかった時は野性味たっぷりで言葉も片言に「俺、アマゾン」
とか喋れなくて腕に変な腕輪を…
>510
実際にありかねない上、全く違和感が無いなwww
>>507 そう考えると一巻のマリコルヌは勇敢だなぁと…
グランドプレ家がどのクラスの貴族か知らんが
…無謀とも空気読めんとも言うが
グランドプレ家は叩かれれば叩かれる程に萌える家系と仮定すれば(ry
マリコルヌの一族がマリコルヌと同等のマゾでありマゾ貴族として名を世界に知られていても不思議ではない
つまり下手に叩くとご褒美にしかならないおねだり行為だからヴァリエール家も総スルー
>>513 いろいろ待てw
そういえば今月のマガジンZの表紙はアマゾンだったなぁ。
言葉だけと実際に乱暴してしまうのでは、あまりにも危険の度合いが違い過ぎるだろう
と言ってみる。
>>513 言葉は「うおっうおっ」としか喋れずPボタン連打で電撃を放つんですね
で、その後死にかけた中途半端な男の命を救う、と
判ります
>野生のルイズ
奇面組に痩猪エルザつうキャラがいたな
ガンダサイトより白兵戦能力が高いルイズというのも見たい
大切断でばったばったと偏在ワルドを切り裂いていくルイズを見てサイト&デルフ
「俺達、いらないじゃん」
ギーシュは喋るジャイアントモール召喚で
ギーシュがドリモグ隊長を召喚しました。
ドリモグ隊長は、いろんな意味で当たりだな。
もぐら怪獣モングラーでいいじゃん
ヴェルダンデ以上の使い魔などいないっ!
ではルイズがもぐら獣人召喚で
モグラ×ヴェルダンデで
あるいはルイズが背の小さい工業大学学生を召喚して
某工業大学生×ヴェルダンデで
ギーシュって本編でもピンでキャラ立ってるから、あんまり自己主張する使い魔は設定しにくいよね。
どうせやるなら思いっ切りギーシュと絡まないと。
ギーシュが昔助けたモグラがいて、モグラの国の女王様(ちゃんと人型)が召喚に応じて恩返しに夜伽にやってくるとか。
「それではギーシュ様、失礼致します(すすすっ、とスカートの裾を持ち上げる)」
「う、うへへへ………………………………あれ、女王様? その股間の盛り上がりは……」
「あらあらギーシュ様。それはもちろん、私どもモグラは『掘る』ものですから。大丈夫ですわ、これでも自信がありますの」
アッー
誰もしらんよなぁ
ルイズが幼い頃に何らかの事件に巻き込まれるところから話が始まるパターンとか。
ジャングルに落ちたり、川に流されたり、既にワルドに「痛いよぉ、子爵様ぁ」だったり。
ちびルイズとちびアンアンが才人と遊ぶ話があったよーな
なんかプリンセスメーカーの小説でそんな感じの話があったよーな……。
あっちは王子様だった気がするけど。……もう本も手元にないし、確認はできんが。
>>528 >ワルドティーチャー
ルイズを助ける為に川に飛び込むますが左腕を失ってそれを直後に後悔するんですね
他人が技を出すたびに
「わ、私の左腕がーーーっ!」
と泣くんですね、わかります。
>>531 下半身にグリフォンが寄生してるんですね、分ります。
>>527 ギーシェは声優つながりでスザク召喚を妄想したことがある
しかしそうなるとルイズは凄まじく戦力が充実する上に
オスマンの使い魔がねずみどころの騒ぎじゃなくなる
あとキュルケがかわいそう
声優オタは自分の知っていることをさも常識のように語り出すから困るな・・・
格ゲーキャラとのクロスネタって少ないよね
やっぱりアニメ化や漫画化してる一部作品を除いて内面描写が乏しいから難しいのかなあ
>>536 作品によって設定や性格が違ったりするのも書きにくい原因と思う。
デルフリンガー涙目問題と、武器は使わない素手だ問題、
あと主人公格のキャラだと割と似通った性質対応になる問題が解決できれば……
バレッタぐらいトンガってると差別化されてて良いんだけどねぇ。
神無月の書込を見てソウマ召喚とか良さそうに思えた
基本万能ヒーローキャラだし結構戦闘力有るし
そしてどんなに咆吼して大暴れしても、大事なところは他キャラに奪われる脇役属性とか。
>>513 何故か魔法の妖精ペルシャを思い出した。
乳酸発酵食品っぽい名前のヘルメット小動物とか。
契約しようとしたらすんごい速さで逃げられそうだが。
ルイズは サモン・サーヴァントを となえた
はぐれメタル があらわれた
はぐれメタル はこちらがみがまえる前におそいかかってきた
はぐれメタル は逃げ出した
悪徳貴族どもを毎回フルボッコにする痛快SSってない?
スプリガンからYAMA
「六千年の歴史と現状を見て、ハルゲキニアにメイジは不必要と判断
よって午前ゼロ時を持って世界中の核弾頭を使用し、存在意義の無いメイジを抹殺する」
でも平民もエルフも滅亡するぜ?
>>545 上様で書いてみようか
悪役は例のデブ貴族で
なあに両方とも、ともに滅亡すれば大丈夫だよ。
文明が滅びたためYAMAは剣の文様となって時を過ごすのですね?わかります。
>>538 あー、デルフと素手かー
中平版のリュウなら内面描写といったものは問題ないけどデルフや破壊の杖なんて使いっこないしなあ
デルフをグローブや小手にするのはやりすぎだしやっぱり難しいわ
>>549 ルイズ「この書状が目に入らぬか!」
アンアン「成敗!」
…使おうと思ってるんだが先が長いんだぜ
>>551 なに、デルフを案内役とか相談役と割り切れば良いんよ
後は話進めてアニエスとかに持たせても良いんだし
そもそも「世界中の核ミサイル」が中井というツッコミは禁止ですかそうですか。
何とか仕上がりました。
休みが水曜に移行になったので、しばらくは二〜三週ごとの水曜投下になりそうです。
では八:〇五頃から投下します。
中井じゃねぇよ、無いだよ orz
>>552 「余の顔を見忘れたか」はぜひアンアンかウェールズにやってもらいたいとリク。
あと「三つ醜いこの世の鬼を、退治てくれよう……桃色髪侍!」をひとつ。
素手戦闘キャラだけどデルフ要らない子にしないだろうキャラってことであやかしびとの如月双七とか考えてみたけど
下手すると刀身捻じ曲げられたり両腕両足にくっついたり取り込まれて怪獣大決戦だったり別の意味でデルフ涙目(笑)
まぁそれ以前に双七とすずを離れ離れになんて出来ないからなぁ
冷戦の最中、毎年のように流れてくる核爆弾に
せっせと固定化を掛けて取り合えず保管しておくメイジ
>>558 こええよw
毎年核弾頭が消失するんだぞ?
では投下開始します。
第15話 精霊
朝。
モンモランシーが朝の支度を調えて階下に降りていくと、いたのはペルスランだけであった。
彼女の朝は早い方でも遅い方でもない。学院での経験からするとタバサとナノハは早起き、ルイズとキュルケは遅い方である。前二人は食事の前に出会ったことがあるが後二人はまず自分より前に席に着いていたためしがない。
なのでタバサくらいは起きているのではないかと思ったが、いささか予想が外れたようだ。
「おはようございます。ほかのみんなはまだですか?」
貴族の中には使用人に挨拶するなど口が穢れると思っているタイプも多いが、モンモランシーはそういう垣根の低い方である。というか貧乏貴族が偉ぶっていたら使用人のなり手がいなくなる。
ましてやここは他国の、王族(=自分より格上)の屋敷で、しかも自分たちはある意味押しかけてきている身である。執事といえどもこちらも礼を持って接するのは当たり前である。
朝の準備をしていたペルスランは、モンモランシーに気がつくと姿勢を改めて完璧な礼をした。
「おはようございます、モンモランシ様。朝餉の時間まではもう少し間がありますのでお待ちください。なにぶんにもこの屋敷には私のほかには雇い人が三人しかおりませぬので」
おそらくは料理人とメイド、後庭師だろうとモンモランシーは思った。この三つの職種がないと、屋敷は維持できない。不名誉印は打たれていても荒れ果てた様子がないのは、最低限の人手はあるということだ。
それでもこれだけの来客を迎えたら人手不足なのは明らかだ。執事が自らテーブルクロスを直しているなど、普通の貴族の屋敷ではあり得ない。
「後ほかの方々はまだ寝ておられます。詳しいことはお嬢様方から聞いた方が早いと思われますが、夜半に少々揉め事があったようでして」
「揉め事?」
「はい。なにがあったか少しでも知りたければ、館を出てまっすぐ裏手の方へいってみてください。何かがあったかはおわかりになると思います。丁度朝餉までのよい時間つぶしにもなると思われますし」
今ひとつ要領を得ない言葉だったが、気になったのでモンモランシーは朝の散歩としゃれ込むことにした。いわれた道を歩いていくと、庭のあちこちに咲いている花が目を楽しませてくれる。
さすがは没落しても王弟家、このくらいの余力はあるということか。
いや、あの執事、ペルスラン殿の実力なのだろう、とモンモランシーは思った。タバサ――シャルロットが学院に留学中で、母親は心を病んでいるというのなら、それ以外には考えられない。
彼女は実家の両親やそれを補佐する使用人のことを考えて、少し頭が痛くなった。
「だからこそあたしが頑張らないといけないんだけどね……ん?」
唐突に視界の先が開けた。そこに違和感を感じたのだ。
この屋敷の造りなら、目に飛び込んでくるのは離宮か裏門の筈である。なのに目に入ったのは。
「な、なによこれ。なんでこんな?」
そこは直系50メイルほどの円形をした砂場であった。よく見ると、砂場との境界に、花壇や家の土台のようなものが見え、支えを失って倒れた柱のようなものまで見える。
そう、まるで一定の範囲内が突然砂に変わってしまったかのような有様だった。
――詳しいことはお嬢様方が聞いた方が
先ほどのペルスランの言葉が脳裏によみがえる。
(タバサ、ルイズ、キュルケ、ナノハ、いったい夜中になにしてたのよあんた達は〜っ!)
内心でそんな叫びを上げながら、モンモランシーは今来た道を引き返しはじめた。
来たときの三倍近い速さで。
支援
そして朝食の席で、モンモランシーはなにがあったかを聞かされた。
聞いて目はまん丸、あごはカックンとなってしまったが。
「エルフと喧嘩して、勝ったあっ?」
「まあ、一応、そうなるかしら」
ルイズが何とも微妙な顔で答える。
「事情そのものは私にも判んないのよ。タバサがほら、昨日聞いたいけ好かない王様から、私となのはをそのエルフに会わせろ、っていう任務を押しつけられたらしいんだけど」
「ごめん」
そこに話が及んだとき、タバサが申し訳なさそうに頭を下げる。
「それはいいのよ……逆らえなかったんでしょ? それに結果としたらある意味命令に反抗させちゃったわけだし、あたし達を守ろうとしてくれたわけだし」
「え、それじゃひょっとして、増水の方は口実?」
モンモランシーはそっちのために必要な身の上だったので思わず確認してしまうが、タバサは今度は首を横に振った。
「いいえ、それはそれでちゃんとやらなければならないこと。上が本来必要なこの仕事にかこつけて、ルイズ達をどうにかしようとしただけ」
「あ、一石二鳥な仕事だったのね……あなたも大変ね。こんなやりたくなさそうな仕事押しつけられるなんて」
モンモランシーは心からタバサに同情していた。
「しかたありません。良きにつけ悪しきにつけ、それが組織っていうものだから」
なのはもそういった。言外に気にしないで、という言葉を含ませながら。
「ですがヴァリエール様……あなたの使い魔であるなのは嬢は恐るべきお方ですな。エルフを相手にして打ち勝ってしまうなどとは」
そこにさりげなく言葉を差し込むペルスラン。さすが一流の執事は話題を変えるのも巧みだ。
「ほんとよね。多少は運もあったかも知れないけど、この事は内緒にしていた方がいいわねルイズ」
「当たり前でしょ。いくら使い魔自慢といっても、こんなこと知られたら馬鹿にされるか注目を集めすぎるかのどっちかよ。そりゃあたしだって自慢はしたいけどいくら何でも限度っていうものがあるわ」
すかさずペルスランの言葉に乗ったキュルケにルイズが何とも微妙な表情のまま言葉を返す。自慢だし、自慢したい。だが内容がちょっとまずかった。
その辺の空気を感じて、なのはもちょっと微妙な感じて質問する。
「あの、ご主人様……エルフと戦って勝ったって、そういうものなんですか?」
「そういうものよ」
ばっさりと切り捨てるような豪快さで即答するルイズ。
「なのは、これは覚えておいて。このハルケギニアで、エルフとメイジが戦うときには、相手の十倍の数をそろえるのが常識よ。エルフっていうのはそのくらい強い相手だって認識されているの」
「じゅ、十倍ですか」
さすがになのはも自分のやったことがとんでもないことだと認識できた。
支援
支援
「あたしだってエルフを見たのも、ましてや戦ったのも初めてだけど、伝え聞く話が嘘じゃないのは嫌っていうほどわかったわ。ていうかむしろあれね。自分たちの弱さをごまかしてるほどね」
「五百人のエルフに五千人の軍隊が負けたっていうのは知ってたけど、あの話も話を半分にするべきね。人間の方を」
ルイズとキュルケが、そろって言った。昨日のことを思い出しているのだろう。
「すごいのは判ったわ。何せその舞台があんなになっちゃうくらいだし。エルフってすごいのね……あら?」
モンモランシーがその話題を振ったとたん、何故かほかのみんなが硬直し、一瞬視線がなのはに集まっていた。そのわざとらしさにさすがにモンモランシーにもピンと来るものがあった。
「あのさ、ひょっとして……」
一同が黙り込む。ルイズとなのはあたりは冷や汗がたれているような気がする。
「あの砂場……原因はこっちにあり? 特にナノハあたりに」
「……はい」
観念したようになのはが肯定した。
「相手の守りを打ち破れる魔法を使ったら、その余波というか副作用で」
「そういえばあれはいったい何だったの? 判るのかしら」
モンモランシーにもばれたということでか、キュルケが聞いてくる。
「一応は。あれはご主人様の『爆発』と同じ現象です」
「あたしのあれと?」
ルイズが驚いたように突っ込む。
「はい。ご主人様の爆発は急速な魔力剥奪の反動ですが、私のあの魔法も、似たような現象を引き起こすんです。ただ、ご主人様の場合と違って、私の場合はゆっくりと魔力を分離・集束するんです。ですので爆発はしませんが、魔力を奪われた物質は安定を失って……」
「砂になっちゃう、って訳ね」
ルイズが納得したように頷く。キュルケとタバサも思わず頷いている。が。
「ねえみんな」
一人蚊帳の外だったモンモランシーが、一同をねめつけるかのような凶悪な目つきで睨んでいた。
「なんか随分と突っ込んだ勉強してたみたいね。出来ればあたしにも判るように説明してほしいんだけど」
普段なら気にせず無視するところである。だがこの後に、絶対的に彼女の力を必要とするイベントが待っている。
代表するようにタバサが白旗を揚げた。
「知りたければ教える。でも時間が掛かるしかなり高度」
「それでも。気になったままじゃ精霊との交渉に、落ち着いた心で赴けないわ」
結果午前中がつぶれる羽目になった。
支援
支援
「まとめて報告したら間違いなく特例で学院卒業、そのままお迎えが来るわよ」
「そ、それは気がつかなかったわ……ありがとう、モンモランシー」
なんとかモンモランシーに今までのことを説明し終えた一行が湖畔へと向かう中、モンモランシーは肩をすくめながらルイズに忠告していた。
裕福で身分も高いルイズと違い、モンモランシーはこの先自分の実力と才覚で身を立てなければならない。当然そのための手段は複数模索していた。
もともとモンモランシーは特製の香水を調合できるくらい実践的な技術に長けている。実家の実態なども考えれば、政治ではなく、技術によって領地を支えていくタイプの貴族にならざるをえない。
その辺がルイズとは違う点であった。
ヴァリエール家のような大貴族は、当人がどれほど優れたメイジであっても、実際にその魔力を振るうのは戦争が起きた時くらいであり、それ以外はカリスマ性の一環でしかない。
これはルイズも気がついていないことだが、もしルイズがこのまま系統魔法を使うことが出来ずに最低の成績で学院を卒業した場合、将来待っているのは恥と共に行われる政略結婚ではなく、領内での飼い殺しである。
但し、『飼い殺し』の意味するものはその内容とは大きく違っている。魔法を使えないため、人の上に立つカリスマ性がルイズには大きく欠けることになる。だが、それ以外の能力は、おそらくヴァリエール家の三姉妹の中で、もっとも統治者に向いている。
真面目な努力家で、魔法実技以外はトップクラスの常連なのだから当然ともいえる。
長女のエレオノールは研究者肌の上、性格が激しやすくまた男を寄せ付けない面がある。
次女のカトレアは病弱の上、すでに分家しているため家督を継ぐことは出来ない。
こうなると実質的に公爵の跡を継いで領地を治めることが出来るのはルイズしかいない。
もちろん一番いいのはエレオノールが婿を取ってその人物が統治することである。だが困ったことに釣り合う相手がいない。本来なら王家の次男のような、身分はあっても継承権のいない人物を迎え入れるのがふさわしいのだが、王家も子供は姫一人である。
その上婚約者に婚約破棄されたとなると、もはや結婚は絶望的ともいえる。
結果としてルイズは『魔法の才のない貴族』として領内に留め置かれ、いずれ『公爵家にふさわしい魔法の力を持った』人物を婿として迎え入れたのち、その人物を表に立てて妻として領内の統治を担う、ということになる。
この場合夫に統治の才が必要とされないという点が大きい。それだけ選択肢が広がるということなのだから。
現在婚約中のワルド子爵などはそういう意味で間違いなく最優良の婿になるはずである。
領地は隣で併合も可能、身分は公爵家より低いが実力は折り紙付き。ルイズがこのままならまさに理想の婿である。ルイズの婚約が今でも維持されているのには、こういう深謀遠慮があるのは間違いないであろう。
支援
支援
話を戻すが、こういう事が言えるのはあくまでも裕福な一部の大貴族のみである。モンモランシ家のような経営に失敗している貴族は、領地の維持のためにその魔法を大車輪で使う必要がある。
元々貴族はその魔法の力で君臨している。そのためにはぶっちゃけていえば役に立つ面を見せないと統治が覚束ないことになる。領民に対して魔法の力を還元しないと経営が成り立たない貴族は多かったりする。
必ずしも武力だけというわけではないのだ。
そのためモンモランシーは『役に立つ』魔法の技術を磨くことに余念がない。水系統の魔法は戦闘よりも治療などの支援に向く系統である。自分が作っている香水のように、ある意味化学・薬学に通じる点でも研究は欠かせない。
そういう意味では、モンモランシーはアカデミックな話には造詣も興味もあった。
そんな彼女の前にある意味『魔法の根源に迫る』話題が振られたのである。気にならないわけがない。
そして聞いてみたら……予想を上回るとんでもなさだった。冗談抜きでアカデミークラスだ。しかも架空の理論ではなく、ある意味でそれをタバサが証明してしまっている。
モンモランシーの見たところ、その意味することをきちんと理解しているのはキュルケだけだ。彼女は判っていて黙っている。ゲルマニアという国の性格を考えれば、今は黙っていて、故国で一旗揚げるために役立てようとするのは明白だ。
タバサは明らかにそういう方面には関心がない。彼女にとって魔法は『実用品』だ。
ルイズはこの方面に関しては完璧なまでに世間知らずのお嬢様である。
ナノハはそもそも貴族社会との繋がりがない。
ついでにギーシュは……理解できないのは明らかだった。良くも悪くも彼の思考は女の子にしかない。ついでに実家も軍人気質。タバサと一緒で魔法は実用品だ。
そういった意味で、ナノハが調べまとめた魔法に関する研究の持っている、トリステインにおける危険な側面を理解できた人物は、モンモランシーが初めてであった。
それ故彼女はルイズに忠告した。
「すごい研究ね。あんた、ゼロの癖してとてつもない使い魔引き当てたわね」
言葉に刺はあるものの馬鹿にした様子はない。ルイズも以前とは違い、その違いを見抜けるくらいにはなっていた。
「まあね。ただこうなると自分とのギャップが……」
こんな自虐的な言葉は絶対に言えなかっただろう。モンモランシーもさすがに少し驚いた。
「たいした余裕ね。でもね、今教えてくれたこと、これ、出来るだけ秘密にしておいた方がいいわよ」
「なんで? あたしが自慢する事じゃないけど、すごいと思うけど」
「馬鹿ね。これがまだルイズ、あなたが見いだしたことならそんなこと言わないわ。むしろゼロであるあなたが立身するための武器になるとも言えるわ」
そういわれてルイズも理解した。この研究はルイズではなく、その『使い魔』が成し遂げたことなのだ。
トリステインに限らず、ハルケギニアにおいて使い魔に『人権』などというものはない。なのはの場合普通に扱われているが、あくまでも私的なものだ。その気になったら扱いは平民以下、いや奴隷以下となる。
「まあ実力もあるからそう無体なことはされないと思うけど、ルイズ、あなたこの事がばれたらたぶんアカデミーからスカウトが来て、そのまま飼い殺しにされるわよ」
「うげ」
アカデミーの一言に、ルイズの脳裏に浮かんだのは長姉の姿だった。
そしてモンモランシーの言葉は冒頭に繋がる。ルイズは心底からモンモランシーに感謝した。
支援
支援
支援
支援
支援
支援
「でも、魔力、ね……。いいこと聞いたわ。私もいろいろ思うことはあるから、今までの研究や勉強を見直してみる。ねえルイズ」
「なに、モンモランシー」
「あんたの使い魔に、判らないことがあったら質問とかしに行っていいかしら」
ルイズはなのはの顔を見て、すぐさま答えを返した。
「いいわよ。使い魔じゃなく、なのはってきちんと名前を呼んでくれるのならね。ついでだからタバサ達も習ってるテクニックとか、念話とかについても教えてあげましょうか? どうせほっといてもいずれギーシュから漏れたと思うけど」
ちなみにこれは誤解である。軍人家系のギーシュはああ見えても話すべき事とそうでないことの違いはわきまえている。女に甘い馬鹿ではあっても公私混同はしないタイプだ。
「念話?」
「やって見せた方が早いわね。なのは」
ルイズがそういうと、なのははモンモランシーの手を取った。次の瞬間、
「え、嘘、なにこれ!」
そう叫んだままモンモランシーは黙り込む。覚えのあるキュルケやタバサはにやにやしながらそんなモンモランシーの様子を見守っている。
少ししてなのはが手を離すと同時に、モンモランシーはルイズの方をにらみつけた。
「とんでもない隠し球ね。使い方によってはものすごい武器になるじゃない。それに使い魔を通じてもいけるんですって?」
そういいつつ、腰の袋を開けるモンモランシー。中から鮮やかな黄色に黒い斑点が浮かぶ、小さな蛙が出てきた。
「この子があたしの使い魔、ロビンよ」
「うわ」
一瞬なのはが嫌そうな顔をする。だがそこは大人の余裕で押し込み、そっと蛙に触れる。
ちなみにルイズは見た瞬間後ろを向いた。彼女は蛙が苦手だったのだ。しかも話の流れからして、次に起こることは簡単に予想ができる。そんなモノは見たくなかった。
と、多少の嫌悪感がありつつもなのはが使い魔であるロビンに触れて、フレイムやヴェルダンデにやったのと同じ事をすると、モンモランシーもしっかり狂乱した。
おかげで湖畔に着いたときには、太陽は中天に達していた。
支援
「すっかり遅くなっちゃったわね。これじゃ今日中に学院に帰れないわ。タバサ、もう一泊しても大丈夫かしら」
申し訳なさそうにルイズがタバサに聞く。タバサは表情を変えないまま、首を縦に振りつつ言う。
「それはかまわない。明日休むことになるけど。ただ」
「ただ?」
「明日の夜はフリッグの舞踏会。準備する時間が厳しいかも」
「ああ、それを忘れてたわ!」
キュルケも今になって慌てだした。
「こっちを翌朝出ても、着くのは夕方よね。本当にぎりぎりだわ」
「手遅れ」
淡々と言うタバサを、ルイズとキュルケがにらみつけていた。
ちなみにモンモランシーは使い魔との交信状態に入ったままだ。この辺ギーシュとそっくりだった。
そんなモンモランシーを、ルイズは容赦なく蹴飛ばした。
「ちょっと、そろそろ正気に返ってよ。あなたが頼りなんだから」
「痛いわねルイズ、でもまあいいわ」
とろけきった顔で答えるモンモランシー。ああ、お似合いだったのか、と、今はここにいない男の顔を思い浮かべる残りの面々であった。
「でもまさかロビンと日常会話することも将来は可能だなんて。ギーシュったらこんなことを秘密にしてるだなんて、覚えてなさいよ!」
逆恨みでボコられるギーシュの命運を思って、再び瞑目する一同。
「そうそう、それより本題を済ませないと」
みんなの目つきに気がついたのか、モンモランシーは慌てて取り繕うように言うと、取り出した針で指先をつつき、出てきた血をひとしずく、ロビンに呑ませる。
彼女がロビンに水の精霊を呼んでくるように命じると、ロビンはそのまま湖の中へと飛び込んでいった。
「後は相手がこちらを覚えていてくれれば、姿を見せてくれるはずよ。まあ誓約の水精霊が忘れているはずはないと思うけど、実家が失礼なことをしでかしているから、怒って出てきてくれない可能性はあるわね」
「情けないわねえ」
ルイズか突っ込んだものの、その心配は杞憂だったようであった。程なくして水面があり得ない形に歪み、盛り上がりはじめた。
やがてアメーバーかスライムを思わせるような形で、水面が盛り上がったままになった。その部分は光の反射率が変わるのか、宝石を思わせる七色の輝きに満ちている。
それを確認したモンモランシーが、そちらに向かって声を掛けた。
「私はモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。水の使い手で、古き盟約の一員の家系よ。蛙につけた血に覚えはおありかしら。覚えていたら、私たちに判るやり方と言葉で返事をちょうだい」
するとその言葉に反応するかのように、水の精霊は再びうごめきはじめた。うねるように振動したかと思うと、その一部が天に伸び上がってくる。
やがて一同の目の前に、身長二メイルほどの、七色にきらめく裸のモンモランシーが出現した。
それは見事な芸術品とも言えたが、ルイズ達の第一声は違った。
「ギーシュ、来なくて正解だったわね」
「同感」
「言えてるわね」
「ご主人様、それはかわいそうでは」
なのはすらも口ではそういっていたが、内心が同じなのは表情から丸わかりであった。
支援
人型を取った水の精霊は、しばらくその姿をいろいろ試しているかのようだった。みんなの見ている前で、表情がめまぐるしく変わる。泣き顔、笑い顔、怒り顔など、一連の感情表現の後、無表情になったところで言葉を発した。
「覚えている。単なる者よ。貴様の体を流れる体液を、我は覚えている。貴様に最後にあってから、月が五十一回交差した」
それを聞いて、モンモランシーがほっとしたように力を抜いた。
「水の精霊よ、ここにいるのは我が友。彼女らの言葉は我の言葉、そう思って聞いてほしい」
「了承した、単なる者よ」
モンモランシーは、ルイズ達の方に向き直った。
「これで大丈夫。後は普通に言葉が通じるはずよ」
それを聞いて、タバサが一歩前に出た。
「水の精霊、何故あなたは湖の水を増やしているの? そのせいで湖畔に住む者達が困っている。出来れば止めてほしい」
「それは出来ぬ」
あっさりと水の精霊は言った。
「何故? 水の精霊、きちんと理由を教えて」
そうタバサが言うと、水の精霊は少し静止し、そして言った。
「水を増やすは我が秘宝を取り戻すため。それ以外の意味はない」
「秘宝?」
その言葉にキュルケが反応した。
「そう、我が遙か昔より守り続けてきたもの。それが月が三十ほど交差する前、おまえ達と同じ単なる者によって奪われた。我が水を増やすのはそれを取り戻すため」
「? なんで水を増やすと秘宝が取り戻せるの?」
疑問に思ったルイズが問い掛ける。その答えはルイズの予想を超えていた。
「水は我が体、我が一部。故に我が触れている水が秘宝に触れれば我はそれが判る」
「それってつまり……」
「全世界を水で覆い尽くせば、自ずから秘宝の位置が判る、と」
ルイズの言葉に、なのはが答えた。
「ずいぶん悠長なのね」
「我の時の概念は貴様達とは違う、単なる者よ」
キュルケのツッコミに答える水の精霊。
「我にとって個は全、全は個。時もまた然り、我は常に存在する。一瞬も悠久も、我にとっては等しく単なる時である」
「時間の概念が違いすぎるのね」
なのはがそれを聞いて言った。モンモランシーも続けて言う。
「まとめると水の精霊は二年半前くらいに秘宝を盗まれて、それを取り戻すために水かさを増してるのね。全世界を水没させるまで」
「ほんとに悠長だわ」
呆れたように言うキュルケ。
「でもそれなら」
タバサが水の精霊を見て言った。
「私たちが秘宝を取り返したら、増水を止めてくれるの?」
「もしこの場に秘宝が帰ってくるのなら、それはやぶさかではない」
水の精霊も無表情のまま答える。
「だが増水を止めることは出来ない。そなた達が秘宝を持ち帰るという保証はない」
それを聞いてさすがに困る一同。
その時、なのはが動いた。
「保証は出来ない。不可能かも知れない。でもこの増水のせいで、あなたの言う『単なる者』が大勢困っているの。そのせいであなたに対する敬意を憎悪が上回りかけてる」
水の精霊の視線が、なのはの方を向いた気がした。
「だから約束するわ。私たちがあなたの求める秘宝を探しに行く。この場を動けないあなたの代わりに。だからその間、水位を二年前に戻して。それでは駄目?」
「なのは!」
ルイズがなのはの手を引っ張った。
「水の精霊!」
そして割り込むように叫ぶ。
「つ、使い魔の言動の責任は主人にあるわ! つまり今の言葉は私の言葉。この使い魔はいずれその任務を続行できなくなるわ! だからあたしがそれを受ける。あんたの探している秘宝、我が名にかけて取り返してやるわ!」
「ご主人様……」
なのはがちょっと呆然として言う。
「なのは」
ルイズはなのはのことを睨むと、怒濤のように言葉を浴びせかけた。
「気持ちは判るけど、あんたはいずれあの子のところへ帰らなきゃいけないんでしょ! こんないつまで掛かるか判らない任務を受けるんじゃないの! そういうのは私たち、地元民の仕事よ!」
「……すみません、ご主人様」
素直になのはも頭を下げる。うつむいたその目に水が浮いていたのは気のせいか。
「水の精霊」
その脇でタバサが前に出る。
「彼女の言葉は本当。このまま水が増え続けると、私たちはあなたを討たなければならなくなる。それはどちらにとっても不幸なこと」
「それは確かに不幸だ」
水の精霊も同意したようだった。
「だから信じてほしい。秘宝は私たちが探す。探し出して、あなたに返す。だから、増水を止めてほしい」
水の精霊からの返事はなかった。光が不自然にきらめくところを見ると、長考に入っているのかも知れなかった。
その様子を見て、一同は相談に入った。
「ねね、どうおもう?」
「聞く耳はあるみたいね」
ルイズの疑問にキュルケが答える。
「理解はしているはず」
タバサが冷静に意見を述べる。
「だけど、初対面の私たちを信頼し切れていない」
「家の実家も馬鹿やっているしね」
モンモランシーも肩をすくめた。
「要は私たちのことを理解していただければいいんですよね」
「そうね。キュルケ、たとえばあんたなら私たちにこう言うこと頼んで平気かどうか判るでしょ」
なのはの言葉からルイズはキュルケに微妙な含みのある言葉をぶつける。
「なんか成長したわねルイズ。確かにそれが一番よ」
「だったら簡単な解決方法がありますね」
なのははそういうと立ち上がった。
そのまま湖岸に歩いていき、ぎりぎりの点で立ち止まる。
そして服を脱ぎはじめた。
何事かと思っているうちに、彼女はためらいもなく湖に身を浸しはじめた。
さすがになにをする気なのかが一同の頭にたたき込まれた。
「なのは!」
叫ぶルイズを無視して、なのはは全裸のまま湖の中を泳いでいく。
「うう、冷たい……でも我慢。水の精霊! 今私はあなたに触れているわ! 今のあなたなら、私の心の内などすべて手に取るように判るはず! お願い、私たちを信じて!」
彼女がそう叫んだとたん、突然水面が盛り上がり、なのはは湖岸へとたたき出された。
支援
「なのは!」
「無茶するわね……ほら」
「無謀」
「あっきれた……ルイズ、あんたの使い魔、時々馬鹿ね」
ルイズにひっぱたかれ、キュルケの魔法で体を乾燥させられ、タバサとモンモランシーからはあきれ果てた目で見られているなのはだった。
「水の精霊に触れるっていうのは、命を明け渡すようなものなのよ」
「でもこちらは相手に害意ないですし、水の精霊も私たちを殺す理由なんかはないですから」
平然と答えるなのは。そしてそれにあわせたかのように。
「確かに。なのはと名乗るものよ。そなたの心、確かに受け取った」
水の精霊が、その姿を崩した。そして再び人の姿を取り始める。
「だが意外であった。なのはと名乗る者、そなたがあの者の知り合いであったとは」
水の精霊は、二十代後半と思われる、大人の女性の姿を取っていた。美人だが、それ以上に妙に迫力のある女性であった。そしてその姿を見たとたん、なのはが絶句した。
「なのは?」
ルイズの言葉も耳に入っていないようだ。
一方モンモランシーは、別の点に引っかかって絶句していた。
「嘘、水の精霊が、名前を呼んでる。それに、『そなた』なんて……」
「それがどうかしたの?」
「キュルケ達は知らないでしょうけど、水の精霊って結構傲慢なの。こっちのことは『単なる者』か『貴様』としか呼ばないのよ。名前を呼んだなんて、記録にもないわ。あるのは『名前を呼んでもくれない』っていう記録ばっかりなんだから」
「鍵はあの女性」
タバサはじっと水の精霊となのはを見つめていた。
そして、なのはの口から、言葉がこぼれ落ちた。
「プレシアさん……なの?」
「然り。彼女はプレシア・テスタロッサと名乗った」
水の精霊は、なのはを見つめながら言葉を続けた。
「知りたいのか。ならば教えよう、なのはと名乗る者よ」
ぶんぶんと首を縦に振るなのは。
その姿があまりにも子供っぽくて、ルイズ達もちょっと意外なものを見た気がした。
「それは遙か昔。月が七万回以上交差した昔の話」
七万の言葉に、ルイズ達が仰天した。
「七万回って……」
「五六千年近く前よ。下手すれば始祖の時代だわ」
「しっ、黙って」
モンモランシーがルイズ達の口をふさぐ。
水の精霊は気にもせずに言葉を続けた。
「我の元に、一人の冒険者が訪れた。名をプレシア・テスタロッサと名乗り、我が秘宝を求めてこの地に来た、と語った。
我は秘宝を守るのが定め。冒険者の望みといえども、秘宝を渡すことは出来ぬ。だが冒険者の望みには、出来るだけ応えるのも我が定め。よって我は試練を課した。
試練を果たせば、譲ることは出来ぬが、貸すことは叶うと。
彼女はその試練を見事に果たし、自らの力を証明した。
そして彼女は、悠久なる時の中で唯一、我が秘宝を一時とはいえ所有することを許された。
そして再び月が交差する頃、彼女は約束通り我に秘宝を返却した。
娘が救われた、との礼の言葉と共に」
支援
なのはは呆然としていた。心当たりがありすぎた。
目の前に浮かぶのは十年前、自分が魔導師になったあの事件。
今は親友となったあの子と競い、そして次元の間で元凶を追った日。
そして……親友の目の前で、自らの作り出した次元の間、虚数空間へと消えていったあの人。
フェイトちゃんは言ってた。『すべてを取り戻す』と言い残して、あの人は実の娘の死体を収めたカプセルと共に、虚数空間へ落ちた、と。
私が彼女をその場から救出した時には、もう見えなかったけど。
もちろん、矛盾もある。
プレシアさんはもう少し年上だった。その上体を病んでいて、動くのもつらそうだった。
冒険なんか出来る体じゃなかった。
でも。
彼女なら出来たはず。
私がフェイトちゃんとの決着をつけようと戦ったあの日。
プレシアさんは私がスターライトブレイカーを放って彼女に勝った、その直後に攻撃を掛けてきた。
つまりそれは、彼女があの戦いを見ていたと言うこと。
プレシアさんほどの魔導師なら、私が感覚で組んだ魔法を再現するくらい、たぶん簡単。
もし、あのエルフさん、ビダーシャルさんが言っていた『テスタロッサ』がプレシアさんなら。
スターライトブレイカーを使うのは、不可能じゃないんだ……
でも、なんで?
なんで、『秘宝』を?
なのはは顔を上げ、水の精霊に問い掛けた。
「お聞きします……プレシアさんは何故、あなたの秘宝をほしがったんですか? あなたの秘宝には、どんな力があったんですか?」
水の精霊は、なのはの記憶にあるものより若々しいプレシアの顔で頷いて応えた。
「我が秘宝の名は『アンドバリ』。アンドバリの指輪という。その力は偽りの命を死者に与え、与えたものに従わせる指輪。かつて大いなる者が作り、我にその管理を託したるもの。特別の令無き限り、我が手にあらねばならぬもの」
繋がった。なのはの中で、プレシアと親友の顔が浮かぶ。
プレシアが望んでいたことはただ一つ。実の娘、アリシア・テスタロッサの蘇生。
親友のフェイトは、アリシアの代替として生み出されたクローンだった。
そこから生まれた一連の悲劇には、もう決着が付いている。
だけど。
彼女は死んでいなかった。何故若々しかったのか、その辺は判らない。でも、おそらく……
彼女は乗り越えた。本来の目的地ではなかったかも知れないけど、流れ着いたこの地で、目的としたものを見いだした。
そしておそらく、果たしたのだ。アンドバリの指輪、その力を使い、娘を−−アリシアを復活させることに成功したのだ。
その後なにがあったのかは判らない。何故彼女がエルフと戦ったのかなんかまるで判らない。
ひょっとしたらプレシアさんじゃないのかも知れない。
混乱するなのはに、水の精霊が声を掛けた。
「なのはと名乗る者よ。もし詳しいことが知りたいのならば、『始まりの門』へとゆくがよい」
「始まりの門?」
「単なる者の言葉では『聖地』と呼ばれる場所だ」
「聖地……」
「そこにはすべてがある。そなたの知りたいことはすべて得られるであろう」
そして水の精霊は、さっきから口を挟むことも出来なくなっていたルイズ達に向かっていった。
「単なる者よ。古き友を持つものを信じて、貴様らの望み、受け入れよう。水位は元に戻す。貴様らは必ず我が秘宝を取り戻し、我に返すがよい」
「い、いつまでですか?」
必死になってルイズが言葉を振り絞る。
「貴様の寿命が尽きるまでに」
それを聞いて、一気に全員の気が抜けた。
「ず、ずいぶん悠長ね……」
「水の精霊にとって、時間の長短は関係ないのね。私たちが生きてる間なら、そんなにかわりはないって事ね」
「死なない者に時間は無意味」
「でも驚いたわ。ルイズの使い魔って、どこまでコネがあるのよ」
何とか全員が復帰すると、
「では頼んだぞ、単なる者よ、そしてなのはを名乗る者よ」
水の精霊は、そう言い残すと水の中に消えていった。
「なんかとんでもないことになっちゃったわね」
ルイズはため息を一つつくと、なのはに向かって言った。
「ほら、いつまでも呆けてないで、早く服を着たら? それに事情の方は、これからたっぷりと説明してもらうわよ。幸いというかなんというか、もう一晩泊まることになったから、時間はたっぷりあるしね」
なのはは服を着ながら、十年前のPT事件のことをどう説明したものかと、頭を抱えるのであった。
支援
結局のところ、なのははPT事件のあらましをルイズ達に逐一説明することになった。
ルイズ達にして見れば、それはよくできたおとぎ話を聞くのに近かったかも知れない。
事件を説明するのに、なのはの世界の背景を説明する必要がなかったのも大きい。
管理局に関しては多少説明する必要があったが、『世界の治安を維持する軍隊みたいなもの』で充分通じた。
「すごいお話ね。で、なのははその主役をする羽目になったのね」
モンモランシーがわずかな興奮と共に感想を述べる。
「異界の技術、ね。あなたが魔法の解析とか出来るわけ、判ったわ」
「おおっぴらに言わないでよ」
「言うわけないでしょ」
睨むルイズをいなすモンモランシー。
「でもよくよく考えてみると、なのはってある意味、呼ばれるべくしてここに来たのかもね」
キュルケがおもしろいものを見つけたような表情を浮かべて言う。
「どういう意味ですか?」
不思議そうに聞き返すなのはに、キュルケは少し上を見つめ、いろいろなことを思い出しつつ答える。
「ほら、確か始祖の肖像画が、あなたの親友で、今聞いた事件で知り合った人なんでしょ? で、そのお母さんと思われる人物が、死んだ実の娘とここに流れ着いて、で、お母さんは水の精霊の秘宝で娘をよみがえらせたっぽい」
「そしてエルフの宿敵も同じテスタロッサ。本人か、子孫かは判らないけど、無関係の筈がない」
タバサが後を継いで言う。
「使った魔法もなのはのと同じ。この魔法は私たちには使えないっていうのはなのはが言ったこと」
「そうなのよね。こちらの系統魔法使える人には、使えないのよね」
なのははため息をついていった。
「あ、そういえば一つ聞きたいことがあったの」
「なに、なのは」
「『シャイターン』って、どういう意味なんですか?ビダーシャルさんが、私のことをそういってましたけど」
答えたのはタバサだった。
「古い物語で読んだことがある。本来はエルフの言葉で、意味は『悪魔』の筈」
それを聞いたとたん、なのはががっくりと落ち込んだ。文字通り『orz』というポーズになっている。
「どうしたの、なのは」
心配そうにルイズが声を掛ける。なのはは、
「はは……また、言われちゃった」
どことなくうつろな目で、そう返すばかりであった。
支援
支援
「破れたようだな、ビダーシャル」
ガリアの王は、誰もいない執務室で、そう独りごちた。
エルフは約束を違えない。その彼が今ここにいないと言うことは、結論は一つだった。
そして王は言葉を口にする。自分自身に語りかけるように。
「おもしろい、おもしろすぎるぞ、タカマチナノハ。悪魔と呼ばれる娘よ。そしてそれを呼んだのはおそらく俺と同じ『虚無』の使い手」
そういいつつガリア王ジョゼフは、書斎の本棚の仕掛けを作動させる。この手のものは魔法を使うとデテクトマジックであっさり露見するため、こういう機械式の場合が多い。
ぽっかりと口を開けた隠し通路を通り、彼は目的地……秘密の書斎へとたどり着いた。
本棚の一角に目をやる。そこにはわずかな本しかない。だが、もし知識のあるものが見たら目をむいたであろう。特に敬虔な信徒だったら。
そこにあるのはほとんどが教会から『禁書』『魔書』と言われ、所持することすら禁じられ、発見されたら直ちに焚書されるという曰く付きのものばかりであった。
その中の一冊に目を通す。タイトルに書かれた文字はこう読める。
『プレシア語録』と。
由来は不明、作者も不明なこの書物は、始祖の時代の前後に存在した、プレシアという大賢者の言葉を拾ったものだという。内容は多岐にわたり、この『ハルケギニア』という世界すべてに対して鋭い意見を述べたものだった。
禁書と言われているが、そこに含まれる含蓄は高度にして味わい深く、それどころかジョゼフが無能と言われながらも現実には強い権力を握っている事実の一端を成していた。
彼が情報を重視するのもこの本より学んだことであり、その他いくつもの知恵をここから学んでいる。
何度も読み返したその本を手に取り、破れたエルフに思いをはせる。そしてその口元が、皮肉な笑みに歪む。
そしてまた、誰もいないこの場に、王の言葉がこぼれる。今はここにいないエルフに語りかけるかのように。
「ビダーシャルよ……おまえはエルフが世界の管理者だと言ったな。この書にもそう書かれている。だがな……」
そこでジョゼフは置きっぱなしになっていたワイン瓶の栓を抜き、中身を不作法にも直接瓶から飲み干す。
元々わずかしか残っていなかった中身は、すぐに空になった。
「同時にこの書にはこうも書かれている。この世は『大いなる者の遊戯場』だと。そう、おまえ達が讃える大いなる者からすれば、ここは単なる遊び場に過ぎないのだとな。だとしたら、俺が遊んではいけないのか? 大いなる者とやら」
ジョゼフの笑い声が、狭い室内に響いていた。
支援
今回はここまで。
だいぶ伏線張り&回収が出来ました。
でもまだまだ謎は多いです。
次をお楽しみに。いよいよアルビオン編かな?
支援
>魔砲の人
乙でした。
うーむむむ、そう来ましたか。
しかし、アリシアが蘇ったという部分には思わず納得。
続きを楽しみにしています。
>>559 弾頭消失 Plutonium in Warhead(2)
核弾頭の消失
核暖冬
,.:-一;:、
ミ;;:;,. _,.;:゙ミ
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_,.-';: | ● | '^ー、
,r| ▲ | ,.*。\,r'
.,。 ツィー=ニ彡' ,.。 _j
〜'l つとノ '" {-'
,.;:;u‐―u' ,.。* ._,.-!
さあ好きなのを選べ
王様cv.じまんぐにしたら、結構この作品好きに成れそうかも
魔砲使いの人、乙です
時空間跳躍したら肉体が巻き戻されたか、それともマナの効果か
「何と言う幸運展開」←褒め言葉
魔砲の方、乙です!
プリシアさん、アンドバリを使ったのか…
単純に使ったとなると、あんな感じだろうけど何かの触媒にでもしたのかな?
どちらにせよ何かエルフ達に恨みをかうことになったのかな?
しかし水の精霊がガチで水位を増やしていたらさ
アルビオンにあった場合は高度二千メートル?まで水位を増やしていくんだろ?
それで平民は意思の疎通が出来ないからブリミルの怒りだととかなんとか変な宗教が流行るやもしれん
もしモンモンが惚れ薬作らなかったら・・・
タバサが任務失敗で家が取り潰し?
ジョゼフのアポが何を考えていたのか知らんが
ラグドリアン湖放置してたらレコンキスタに支援するまでも無く
人類絶滅してたんじゃ無いかなぁ
>>601 >ハルケ水没
何か絶体絶命都市2の富坂市とか召喚したくなるな
タバサが死ぬときハルケギニアは沈没する
キュルケに特訓受けさせられてるタバサが浮かんだ。
いや人類絶滅の前に水の精霊を消滅させてたんじゃね?白い悪魔が
>>603 アルビオンが丸ごと円盤生物に飲み込まれるんですね
魔砲の人GJ!
ちょっとだけ。
>>593の冒頭
×破れた
○敗れた
ですよね。
>>553 ああ、そういう使い方もありか
中平版のオロみたい戦闘の解説をやらせたり
608 :
606:2008/06/04(水) 20:53:20 ID:BeYj80eS
>>606 ジブンツッコミ
辞書をひいたら、
一般的でないけど 敗北の意味で「破れる」もありました
サーセン
>>604 つまり親父にも殴られたことのないパイロット召喚ですね、分かります。
610 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/04(水) 21:23:30 ID:sX+5lUej
リュウのハチマキが地面に突き立てられたデルフの柄に巻きつけられてたなびいてるシーンが脳裏に浮かんだ
確かみてみろ!
しまった、sage忘れてた……orz
>王様cv.じまんぐ
ナイスキャスティング過ぎて困るw
くっそwwww
もうじまんぐでしか聞こえねえwwwww
異世界ですら悪魔呼ばわりのなのはさんカワイソスwwwww
ふと「記すことすらはばかられる」ブラッククロニクル=クロニカが居れば、
6000年間ブリミル直系貴族を頂点とした社会構造に変化が無かったネタで遊べるなと思った。
教皇庁の地下で活動する黒の教団とアルビオンに封じられた書の魔獣。
歴史の真実を知ってしまったがゆえに狂ったジョゼフ王。
運命に翻弄されながら愛を歌う歌姫ティファニアの遍歴。
胸に気高き女王の薔薇を掲げて杖を振るう「薔薇の騎士団」団長ギーシュの戦い。
歴史が予言から逸脱する事を許さない黒き予言書の化身クロニカの魔手が、
未来を切り開く白鴉に導かれるサイトとルイズを追い詰めるた時、
魔法を使えないルイズに刻まれた虚無の徴が大いなる力をもって輝きはじめ、
一人では耐えきれぬ強大な力でもサイトと二人なら耐えられると私は信じる―――的な。
しかしサウンドホライゾンはクロニクル・セカンドまで同人での販売だったとゆー罠。
モンモランシーがマルチタスクとコアの分割を会得して凄い薬品を作って家を復興しないかなぁ…
かおすキッチン召喚
フーケがモロにビーフネスポジションに
ゴーレムがマジカルおろし金でゴリゴリ削られたり
ワルドは勿論ケンタウラスポジション
ワルド「そーらパンティだ」ノシ
ギーシュ「よーしいただき…イテー!!」
ワルド「ハハハハハ、残念、ただの石だ」
問題は知名度か…
魔砲の人乙
しかし、いきなり脱ぎますか、なのはさんw
是非とも絵を描いてほしいな
ところでここのSSをねたにして漫画とか同人誌なんかを描くのはやっぱりルール&マナー違反?
>>619 基本的にはNGでしょうけど、私の作品には許可出しときます。
その代わり書けたらここで報告は義務でしょう。
元が2次ですから何ともいえませんが。
お絵かき掲示板を利用してやってくれ・・・
作者に了承取れりゃ構わんと思うがね。
まあその「作者に了承を取る」が中々難しいとは思うが。
作者的には自分の文章が絵になるんなら嬉しい人は多いでしょうが、
そりゃゴメンだって人もやっぱり居るでしょうから、
まぁ作者の了承を取るってのは必須でしょう。
作者が良いって言うんなら、もう掲示板住民がとやかく言うハナシでは無いでしょうね。
投下予告。
予定よりも遅れましたが、10時20分に作品を投下します。
もしも蒼天版曹操を召喚したら。
魔砲の人乙ですなあ
絵描いてくれるなのはと呼ばれるものラグドリアン湖で水浴の図を是非…
しかしテスタロッタかあ…
姉妹サイトで完結済みの第二部再会すて似た展開してくれんかなあ
「あなたはテスタロッサを知っていますか」
「……!貴様何故大佐の名を?」
エルフとタルブの村で発掘されたアーバレストとの激闘が…
魔王使い…もとい魔砲の人GJ!
説得力のある展開にニヤニヤし通しですよ。orzする魔王様に萌えたw
ワルドは疲れていた、綿のように疲れていた。
何しろ今の彼は逃亡者なのだ。
この2日間で気の休まる瞬間は少しも無かった筈だ。
王党派による落ち武者狩りを常に警戒しなくてはならないが、かつて味方だった者でも容易に信用する事はできない。
どんなに善良そうな顔をしていても、どんなに熱く友情を誓いあったとしても、例え友情合体(勇者的な意味で)が可能な程の間柄であったとしても、
反乱軍に身を置いていた時点で限りなくクロに近いグレーであると言えよう。
仲間を売って自分だけが助かろうとした者は、ハルゲニアの歴史には数多い。
まして今のワルドの精神状態ならば、自分以外の人間は全てが敵に見えた事だろう。
これではどんなに疲れていても眠る事もできない。
本当なら港に近づくのもかなりの危険を伴った行為である。
何故なら国外逃亡を考えるのなら誰でも港を最初に連想する。
となれば当然、港に近づけば近づくほど落ち武者狩りに警戒しなくてはならなくなる。
しかしながら今まで酷使し続けてきたグリフォンに大陸間を渡る体力は残っておらず、
また時が経つにつれて王国軍が勢力を盛り返していく事を鑑みれば、次にアルビオンがハルゲニアに接近するのを待つ訳にもいかなかった。
さらに食糧は自生している果実等がわずかに手に入ったのみで、
そのわずかな食糧も空を飛ぶことで多くの体力を消耗するグリフォンに与えなければなかなかった。
結果、ワルドもルイズもこの2日間は水以外何も口にしていなかった。
以上の理由によってワルドは疲れ果て、空腹で、しかも睡眠不足だった。
彼の肉体や精神は既にボロボロと表現するのが適当であり、船室に身を隠すと緊張の糸が途切れてしまったのか、深い深い眠りについた。
ルイズは手足の他に口も封じられて、もぞもぞと身じろぎをするのがせいぜいであった。
ギーシュとキュルケが船室に現れたのはそんな時だ。
さて、読者の皆さんにも考えていただきたい。
縛られてもがく美少女(美が少ない女の子)と、その婚約者であるヒゲダンディー(擲弾兵にあらず。ロリ疑惑)。
さて、貴方ならばこの状況下で何を考えるだろうか?
ギーシュとキュルケの場合……
「縛りプレイ?」「放置プレイ?」
ズレているようで方向性はまったく同じであった。
ズレといっても着眼点の違いだけだ。
美少女とヒゲダンディーを見た場合、どちらが先に目に入るかの違いでしかない。
無論縛りプレイには性的な意味を多く含む。
まあ、正直に言ってこんな話は本筋とは全く関係が無い。
真面目な話に入る前の息抜きのようなものだ。
2人を見たルイズは怒るでもなく恥ずかしがるでもなく、しかし必死に戒めを解こうともがき始めた。
流石にこれは何か良くない事でも起きたのかと感じたギーシュはナイフを錬成し、ルイズの戒めを解く。
……さて、もう一度考えていただきたい。
貴方がルイズだったらどのような行動をとるだろうか?
ワルドが眠っている間に船から脱出し、後は野となれ山となれ。
脱出した後、近くの警備兵に通報する。
眠っているワルドを攻撃するというのも、下策ではあるが可なりだ。
しかし、ここしばらく一言も喋れなかったルイズは下策以上に論外な行動に出た。
「前回までのあらすじっ!!」
……文面通りに話した訳ではないが、概ねこのような内容を喋った。
大声で。
最後に一つだけ考えていただきたい。
眠っている人間の近くで大声をだすとどうなるだろうか?
おそらく、たいていの人間は目覚めるだろう。
優秀な軍人であるワルドは一瞬で自分の置かれた状況を理解し、素早く戦闘態勢に移った。
3人が初撃のエア・ニードルを防げたのは奇跡に近い。
偶然、キュルケの視界にワルドが入り、偶然、ギーシュが手にしていた青銅のナイフが刺突を防いだのだ。
そこから先は有無を言わせずに戦闘開始である。
ギーシュが7体のワルキューレを出現させ、ワルドと自分達の間に入らせる。
キュルケも得意の火術で応戦した。
ルイズは……杖が無いので見学。
対するワルドだが、前述したとおり彼は疲れ果て、空腹で、しかも睡眠不足である。
そんな状態で多量に精神力を消耗する大技……ライトニング・クラウドや偏在による連携攻撃を行おうとすれば、
5秒と保たずにブッ倒れてしまうような状態だった。
ワルドはそんな状態だったが、彼と3人(実質2人)との戦いはほぼ互角のまま続いていった。
尤も、満身創痍のヒゲダンディと若くて体力がある2人による戦いなので、先に息切れするのはワルドの方である。
ワルド本人もそんな事は重々承知なのだが、目が霞んで握力も弱まっているのではどうする事もできない。
よって、長期戦になる前に撤退するしかない……と、考えていた。
彼にとって幸いな事に、キュルケは火のメイジで、火術を使わざる得ない程度には戦力が拮抗していた。
この時代の船はごく一部の例外を除いて木製である。
では船室の中で火のメイジが戦うとどうなるだろうか?
答え……燃える。当然の話である。
先ほど長期戦はワルドに不利と書いたが、実はこの戦いは長期戦になりようがない。
もしも長期戦になれば4人とも焼け死んでしまうからである。
人が集まる事は本来ワルドにとって望むことではないが、逃げ出すのには有利である。
5分、10分と過ぎ、徐々に火がまわり、さらに人が騒ぎだしてきた。
「頃合いかな……」
と、ワルドが呟いた。
今ならこの連中を文字通り煙に巻ける。そう判断したのだろう。
そんな時だ。
燃え盛る炎の壁を突き破り、一匹の竜がその部屋に飛び込んできた。
「タバサ! 消火しろ!」
竜の背に乗る男が叫び、多数の氷塊が浮かび上がる。
同じく飛び込んできた少女が杖を振ると、空中の氷が次々と炎に激突していった。
「ソウソウ!?」
ルイズがいち早く乱入した男の名を呼んだ。
「ガンダールヴだと!?」
ワルドが青ざめる。
嫌でも2日前の悪夢が蘇ってしまう。
男……曹操がシルフィードの背から飛び降り、ワルキューレを押しのけ、一直線にワルドに向かう。
ワルドは瞬時に反応し、エア・ハンマーで迎撃を試みる。
「剣で!?」
……受け止めた。
ワルドは驚愕した。
彼の知る限り、剣で魔法を受け止めた者など存在しなかった。
曹操は少しも勢いを緩めず、一気に間合いを詰める。
「受け止め……」
……た。
彼の最後の言葉が発せられるより早く、曹操の剣がワルドの喉元に突きつけられた。
一瞬でも妙な動きを見せれば、死ぬ事になる。
レコン・キスタの乱最後の戦いが終結したのだ。
「ふぅ……最後まで出番が無いかと焦ったぜ」
「殺せ」
それはワルドの意地であり、名誉を守るための言葉であった。
しかし曹操はいともあっさりと剣を引き、鞘に納めた。
「おいっ! オレの出番これだけ……」
……もはや誰も聞いていない。
「姫殿下を見て、先が無いと感じたか?」
曹操が問う。
ワルドは何も答えない。
ルイズが何かを言いたそうにしているが、場の空気に圧されて何も言えない。
「官僚の腐敗に失望したのか?」
曹操が問う。
「そうだと言ったら……どうする?」
逆にワルドが曹操に問う。
「叛く事も、仕える事も、やる事は変わらない。しかしだ!」
ゆっくりとした口調であったが、ワルドは気圧されていた。
それは体調に起因するものではない。
その場にいた全員が曹操の言外の圧力に目を見開いていた。
「もしトリステイン王家が仕えるに足りないのであるならば。この曹操に仕えてみろ」
「何を言っているのアンタは!?」
ルイズがその言葉に反応する。
それは聞き方によっては謀反人ととられてしまう言い方だった。
ワルドも彼女と同じ事を考えた。
だが、その言葉がただの戯れであるとはどうしても思えなかった。
「……本気なのか?」
曹操は無言で肯定した。
ワルドは考える、実に様々な事を。
今後の身の置き方、自身の矜持、曹操の評価……その上で、
ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドはこの日、曹操と主従の誓いを結ぶのであった。
投下終了。
次回はおそらく金曜日の10時30分。
ところで、シエスタとモット伯に関するエピソードを入れたかったのですが、
元々1話で終わらせるつもりだったからか、伏線がまるで足りません。
流石に何の前触れもなく曹操とシエスタが仲良くなってたら拙いかねぇ……
いっそ瞳が三つあって〇〇〇放り出して座って
639 :
619:2008/06/04(水) 22:56:04 ID:uX6by3l0
そうですか、わかりました
全裸でorzしときます
割れぬなら氏、投下乙です。
ただ、一回の投下量が少ないのに、その中に無関係な小ネタを挟んでくると
本筋の方が霞んでしまうので、少し控え目にした方がよろしいかと。
次回の投下も楽しみにしてます。
>シエスタ=水晶
モット伯よりもむしろマザリーニ(去勢済)の嬲りものにされるシエスタを想像したw
「天はあの可憐なシエスタを何故淫猥な鳥の骨の手に送るーッ!!」
投下、10分後くらいによろしいでしょうか?
642 :
銀の左手の人:2008/06/04(水) 23:07:00 ID:YwK00tGE
来た、待ってた人が来た。
どんな時でもあなたを支援!
というか寝る所と食い物は一日目には教えてもらったようだが
トイレの場所聞いてナクネ?
ルイズの部屋の隅で用を足したのだろうか?
まさか貴族用のトイレを借りたとも思えんし
ハルゲキニアの世界ではおしっこもうんこもしないようになるルールでもあるのだろうか
※長らく開いたのでこれまでのあらすじ
ルイズが召喚したのはデカくて太くて固くて黒くてタフなスーパーロボットでした。
で、シエスタをたらしこみ、ギーシュをぶっとばしました。
アースガルズは空気です。
今ウィキを読み直してるよ支援
第6話:「スリーピング・ダーティー」
土くれのフーケ。そう呼ばれる盗賊がいる。
貴族の所有する秘宝、特に希少なマジックアイテムを好んで狙う怪盗であった。
強力な『固定化』の掛けられた壁や扉をものともせず、それらをことごとく砂や粘土に変えて侵入を果たすやり口がその二つ名の由来である。フーケは『錬金』の使い手なのだった。
フーケの手にかかれば、よほど強力な『固定化』の魔法を施した壁でないかぎり、『錬金』によって障害にはなり得なかった。
忍び込むばかりではない。力任せに屋敷ごと破壊する場合はゴーレムを使役するのだった。その身の丈はおよそ三十メイル。城壁すら破壊可能な巨大な土ゴーレムであった。
そしてこの盗賊は一種義賊的な側面を持ち合わせていた。何よりも、平民を狙わないのだった。
無論、そもそも平民が高価な宝物を所持しているということ自体があり得ぬ話ではあるが、貴族に虐げられる衆民にとって信じる物事は楽しければ楽しいほどよい。彼らにもその程度の自由はあるのだった。
貴族にとっては頭の痛い話である。何よりも体面と面目を重んじる貴族に、『盗賊一人に為す術もなく秘宝を奪われた』という醜聞は致命的なものであった。
平民の喝采と貴族の憎悪を一身に受けたフーケの噂は瞬く間に広がり、今や捕らえれば王国騎士である『シュヴァリエ』の称号を得られるほどの存在になりおおせたのだった。
そして、そのフーケが今狙っているものは、トリステイン魔法学院の宝物庫に収められた『破壊の杖』と呼ばれるマジックアイテムである。
「突破口を開けてくれたのはあのゴーレム。そして邪魔をするのもあのゴーレム、か……」
二つの月の明かりを背に受けて、青く長い髪を揺らしながら呟く人影。学院別館の屋根から送られるその視線は、魔法学院本塔五階にある宝物庫を捕らえて放さなかった。
そこには亀裂がある。ルイズとギーシュの決闘の最後に、アースガルズがその拳を叩き付けた場所であった。アースガルズは強力な『固定化』の施された壁を、その豪腕の物理的な破壊力だけで打ち砕いたのだった。
そしてその亀裂を隠すように、アースガルズは屹立していた。どことなくバツが悪そうな佇まいであった。
手当を受けたあと丸一日眠り込んでいたルイズは起きると同時にアースガルズをこっぴどく叱りつけ、教師による修復がされるまで誰もそこに近づけさせぬように命じたのだった。
フーケとしては痛恨である。今となってはあの一日だけが好機であった。
無論、その日には学園に潜り込んでいるフーケにも雑事――他ならぬ決闘の後始末――があったのだが、お宝さえ手に入ったあとは存在が露見しようがどうでもよいはずであった。
鈍ったか、とフーケは己を哂った。
支援
他愛ない喧騒。取るに足らない確執。穏やかな時間。当たり前の朝。緩やかな昼。次の目覚めが約束された夜。
それら全ては、フーケという存在から縁遠いものでだった。
もしかすると、フーケはただただ『チャンスを待つ』時間が過ぎることを望んでいたのかもしれなかった。
ここでは安定した給金が受け取れた。
警吏に脅える事のない生活が送れた。
時期ではない、時期ではないと言い聞かせながら、フーケ己がこの学園に順応していくことを感じていた。
それは恐怖であり、同時に心地良さをもたらすものであったのは確かだ。
地下に巣食う全ての者がそうであるように、フーケもまた人として望むべき輝きがあることを理解していた。そうでなければ、けだものになるしかない。
そして、『時期』は来た。動かねばならなかった。裏切れぬものもあった。
望んだところで手に入るかどうかも定かではない輝きよりも、己の手にある仄かな欠片こそがフーケの守るべきものであった。
「ままならないねえ、何もかも――――うん?」
夜目を研ぐ。真白のシーツを引きずるように広場に現れた人影を、フーケはとらえた。
頭に包帯。腕に添え木。軽く突っかかるような足取り。小柄な体格。夜にも鮮やかなピーチブロンド。
巨人の主、ルイズであった。
アースガルズの足元に辿りついた彼女は、しばらく巨人を見上げたあと、ゆっくりと手を伸ばした。
己の足元に辿りついた主人を見下ろすと、ゴーレムは仕方ないなとでも言いたげに瞳をちかりと瞬かせ、ゆっくりと手を伸ばした。
ほう、とルイズは触れ合った巨大な手にどこか満たされた息を吐き出して、その手に乗り込んだ。傷が痛むのか、ひどく苦労しているようだった。
それが当然であるかのように、アースガルズはその胸の前で主人を捧げ持った。ルイズはこの夜で最も安心できる場所から、世界の果てを眺めた。
それだけだった。それだけで、ルイズは体に残る鈍痛を忘れた。滑り込むように、眠りの淵へと落ちていく。
病室を抜け出したのはまずかったかしらね。わたしを最初に見つけるのはやっぱりシエスタかしら。まあいいわ、シエスタに優しく叱ってもらうのは、悪くないもの――――そんなことを考えながら。
遠い塔の上からその光景を眺めたフーケは柔らかく微笑み、次いでぞっとするほど酷薄な笑みを浮かべた。これは『使える』
くすくすと、暖かさと冷たさの混淆した笑みを零しながら、フーケはゆっくりと己が身を夜へと飲み込ませていった。
■□■□■□
病室を抜け出したのはまずかった。そしてルイズを最初に見つけたのはやはりシエスタであった。
ただし、優しくは叱らなかった。
「お聞きですかミス・ヴァリエール」
「聞いてる。聞いてるわ。聞いてます、二時間も前からずーーーーっと」
「そうですか、もう二時間も経ちましたか。では包帯を替えて薬を塗りましょう。染みるやつを」
「ごめんなさいシエスタごめんなさい」
「アースガルズさんも止めてくださったらよかったのに……」
「えへん。アースガルズは世界で一番主人に忠実な使い魔だからね、当然よ」
「べりべりべりべり」
「痛い痛い痛い! 絆創膏剥がさないでってばッ!」
ルイズの私室。暖かな陽光の差し込む室内。ベッドの上で体を起こしている主人。傍らに控えるメイド。
もはやそこには栄えあるヴァリエール侯爵家令嬢の姿はなかった。しっかり者の姉に――あるいは、母に――叱られているお転婆な少女がいるだけだった。
重病人が失踪したという騒ぎを聞きつけた瞬間にシエスタは駆け出し、そして当然のようにルイズを見つけ出したのだった。もちろんその場でアースガルズもきっちり叱っている。神々の砦涙目。
シエスタはそっと息を吐いた。密やかなそれは、嘆息というにはいささか嘆きが足りなかった。
絆創膏で傷を隠したルイズの頬を、シエスタは撫でた。微かな戸惑いを見せたあと、彼女の主人は目を閉ざしてシエスタの掌に顔を預けた。唇の端に浮かべた微笑みが彼女の心境の全てであった。
シエスタは不意に泣きそうになった。この方は貴族で、メイジで、素直すぎるほどに素直になれない女の子で、そして私の主人。
では私は、この方のいったい何なのだろう。
「私などが、あなたを心配してはいけませんか……?」
「いけないわ。鬱陶しいもの」
高慢な口調で言い返し、それでいて極上の宝石でも扱うような手つきで、ルイズは頬に当てられたシエスタの掌に己の掌を重ねた。強く握り締める。無条件に愛されることに彼女は慣れていなかった。
「嫌いよ、何もかも。同情も、憐れみも、侮蔑も、嘲笑も、わたしに向けられるありとあらゆる感情が嫌い。全てがわたしの足枷よ」
シエスタは何も言わずに、そっと主人を抱き寄せた。
今のルイズの顔色を窺うことがたまらなく不敬に感じた。同時に、この世の誰にも今のルイズの表情を見せたくはなかった。ある種の独占欲なのかもしれなかった。
シエスタの胸元に額を押し当てて、ルイズはくぐもった声を洩らした。でも、とその声は聞こえた。
「嫌いだけどね、シエスタ。嫌いだけど、あんたはその中でもいちばんマシだわ――――ほんとうに、大嫌いだけど」
ますます強くしがみ付いてくるルイズを、シエスタは無言のまま受け入れた。表情は見えなかったけれども、首元まで真っ赤に染めた主人に何かを問う必要などないと思った。
暖かすぎてくすぐったさまで感じるルイズの吐息を胸に浴びながら、シエスタは手を動かした。主人の髪をゆっくりと梳く。陽光が弾け、淡い桃色の輝きが撒き散らされた。
「お嫌ですか。こうされるのは」
「……嫌いよ、子ども扱いされてるみたいだもの。もっとして」
「承りました」
主人についての何もかもを心得たメイドは、それだけでルイズの告げた言葉の意味と、告げなかった言葉の意味と、告げざるをえなかった言葉の意味と、隠したがっている言葉の意味を把握した。
ならばあとには何もいらない。私はメイドでよかったと、この時ほどシエスタが強く思ったことはなかった。
遠くに授業を受けている学生の声を聞いた。さらに遠くに誰かの使い魔の鳴き声を聞いた。そして直ぐ身近に、己の主人の吐息を聞いた。私はメイドでよかった。
「……ねえ、シエスタ。」
「はい、ミス・ヴァリエール」
眠気の混じった声に揺らされて、シエスタはたおやかな感動から立ち戻った。
ふと己の胸元を見ると、ルイズが蕩けるような微笑みを浮かべてこちらを見上げていた。誰も彼もが笑みを返さずにはいられない、そういった微笑みであった。鼻血が出るかと思った。
「シエスタは、アースガルズとおんなじ匂いがするわねぇ……」
そう言って、こてんと再び己に頭を預ける主人を、メイドは丁重が過ぎるほどの態度で抱えなおした。
今のは褒め言葉なのかしらと、そんなことを考えながら。
■□■□■□
夕暮れ。
全ての授業が終わったことを示す鐘が鳴り響いてしばらくしてから、一人の客がルイズの私室に訪れた。
何の手当もせず、赤い線の引かれた頬をむしろ見せ付けるように示す少年。薬すら付けていないのは、少しでもその傷の治りを遅らせることを望んでいるようにしか見えなかった。
彼は男性として洗練された態度で室内からの招きに応ずると、まずメイドに見舞いの品を手渡した。香りのよい花束と、女子がよく好みそうないくつかの果物。
そして最後に取り出された一品にルイズは苦笑し、シエスタは礼儀正しく目を逸らした。それは一回りのクックベリーパイであった。
「それでどうしたのギーシュ。あんた今だいぶ愉快な顔になってるわよ」
「ああ、これかい?」
ルイズの問いに、傷側と反対の頬を指しながら、ギーシュはにっと笑った。誰かに思い切り頬を張られでもしたらしく、くっきりと赤い手形が残っている。
口元を歪めたまま彼はその跡を指でなぞった。傷とは別な意味で、これもまた彼の勲章なのだった。
「ケティに言ったのさ。僕はあらゆる女性の心を潤す薔薇になりたい。君一人のためだけの薔薇にはなれそうにもないが、それでも君は僕を愛してくれるだろうか、とね」
そしたらばちーん! さ。とギーシュはもう一度笑った。
「格好いいんだか格好悪いんだかわからないわね……っていうかあんた全然反省してないじゃない」
「ちなみにモンモランシーには泣きながら縋り付いて許してもらった」
「格好悪ッッ!!」
短く突っ込みを入れたルイズに向かって、それでも尚ギーシュは朗らかな態度を崩さなかった。そこには負の感情など一切存在しない。心の底から今の己を楽しんでいるようだった。
あの敗北が彼の何かを変えたらしかった。情けなくとも気障な伊達男。それが彼が新たに自分に課した立場であった。
ルイズはそれに気付かぬ振りをした。悪くないと思ったからだ。彼女にとってはそれで充分だった。
支援
軽く腕組みをしながらギーシュは言葉を探す。そういえば、ヴァリエールはあの後の顛末を知っていただろうか。
「あとは……そうだね。敗者の責として先生方のところに行ったのだが――――」
「ちょい待ち。あれはわたしの反則負け、よくて引き分けでしょう?」
「莫迦を言うなよヴァリエール。誰が、君が、なんと言おうと、あれは僕の敗北さ。これだけはたとえ君でも譲れないね」
「でも」
「これ以上なにか言うなら、僕は君が怪我人だろうが何だろうが今すぐ決闘を申し込ませてもらうよ。僕の敗北を賭けてね」
「…………わかったわ、降参。あれはわたしの勝ち、そういうことね」
「無論だとも」
客人に振舞う紅茶を用意しながら、シエスタは微かに肩を震わせた。今の会話を大真面目に語る二人の貴族が可笑しかった。
無論、部屋の空気となり、部屋の雰囲気そのものとなるべきメイドは、吹き出すなどといった礼を失した態度などとらなかった。
代わりに砂糖の量を増やし、紅茶の甘さを強くする。喜劇役者めいた二人への、復讐にもならぬささやかな復讐であった。
紅茶は音を立てることもなく、ギーシュの座った卓に置かれた。寝床のルイズには直接手渡される。
ありがと、シエスタ。メイドは深々と頭を下げ、部屋の隅に控えた。彼女らのやり取りを軽く片眉を上げて見ていたギーシュは、カップを手に取ると僅かに掲げ、メイドに向かって微笑んだ。
「ありがとう、シエスタ君」
「いえ」
同じく礼で返したシエスタは、あら、と内心で首をかしげた。ミスタ・グラモンはこういうことで「ありがとう」なんて言う方だったかしら?
シエスタか答えを思いつくよりも先にギーシュはルイズへと向き直った。なんのてらいもない仕草だったが、にやにやと笑うルイズにはさすがに嫌な顔をしてみせる。
こほんと空咳して、ギーシュは話を戻した。
「さて、あの後の話だがね。退学処分だろうが便所掃除一週間だろうが甘んじて受けようと、僕は雄々しく職員室へ向かったわけだが」
「落差のある喩えをしないで」
「話の腰を折らないでくれよヴァリエール。君は少々物事を直接的に表現したがる癖がある。しかも我慢知らずだ。それはレディとして直すべきだと思うよ。
……ああ、いやいや何の話だったかな。そうそう、処分の話だ」
「発言の前半はいくらでも反論したいところだけどまあいいわ。で、処分は。あまりにも重いなら私が直談判に出るわよ、覚悟しなさい」
「それはそれは跡形も残らなさそうな話だ。まあいい、その心配はない。なにしろ両者おとがめなしだ」
「――――は?」
「両者、おとがめ、なし」
「なんで?」
「知るものか」
そこで初めてギーシュは姿勢を崩した。足を組み替えて、椅子の背に体重を預ける。どうやら彼にしてもあまり納得がいっていないらしかった。
なにがしかのペナルティを受けてこそ己の敗北は完成するのだとでも言いたげであった。女子には理解できぬ男としての思考だった。ヴァリエールならば理解できるかもしれないが、と彼は内心で苦笑する。
「なんというか、こう……女性の服を脱がせると、胸に大量の詰め物がされてあったような気分だよ」
「だから妙な喩えをしないでってば!」
「うむ、失礼」
まったく悪びれることなくギーシュは頷き、紅茶を一口。
甘かった。
支援
「まあ、言いたかないが僕らは大貴族だ。落としどころに困ったあげくに有耶無耶になってしまった――――というのが僕の想像力の限界かな」
「ううん……そんなところかしらねえ。なんだか気持ち悪い話だわ」
「はは、やはり君になら僕の気持ちが理解できたか」
「なんの話?」
「こちらの話、さ」
しばらく訝しげな表情を作っていたルイズだったが、まあいいわと首を振り、シエスタに呼びかけた。
「シエスタ、そこの戸棚の上に軍略盤と駒があるの。ちょっと持ってきてくれるかしら」
「うん? 何をするつもりなんだい」
「罰がなくて欲求不満なんでしょ?」
ルイズはちらりと微笑んだ。朝にシエスタに向けたふわりと艶やかな笑みではなく、どこか悪戯な、悪童めいた笑みであった。
「怖いメイドの監視下に置かれて、ベッドから抜け出す事のできない哀れな少女の暇つぶしに付き合いなさい。これ、決闘の勝者からの命令だからね」
「なるほど。敗者としては諾々と従わざるを得まい」
ルイズとギーシュ。二人はこの時から関係を深めていくことになる。ところが不思議なことに、年頃の男女として色気のある話が湧いたことはただの一度もない。
後に、この二人の関係にやきもきすることすら疲れたモンモランシーがぽつりと洩らした一言があるのだが、それは速やかな納得と共に瞬く間に定着することになる。
曰く――――――――『知的な体育会系』
以上です。
いろいろあって、大幅に期間があいてしまいました。
「続きが読みたい」と言って下さった方々、お礼を申し上げます。
あとやっぱりアースガルズが空気
おつかれさまでした。
自分は何時までも続き待ってます!
GJ!
乙です!
格好いいようでいて微妙に締まらない、それでいて小粋なやりとりが素敵です。
乙です
誇りあるルイズ達はいいねぇ
何となくだけどリウイとガンダールブって相性が良さそうだよな
魔術で肉体を強化して武器を持てばかなり強くなるんじゃあないかな
問題は1年もダラダラしてるのに我慢ならないとこかな
リウイのフォーセリアはリウイが頑張らないと滅亡するし
「アンタは不思議な男だね、リウイ」
「お前は不思議な男だな、リウイ」
「貴方は不思議な人ですね、リウイさま」
とか言ってるシーンがありありと想像できてしまうので、絶対に召喚しないでほしい。
おいっす
キートン投下していーい?
リウイに対する女性のリアクションは、惚れるか死ぬほど敵対するかの2択だけ。
作者がそう言ってたんだっけ?
伊藤誠みたいな奴だなあ
遅レスだが、魔砲の人とアースガルズの人、乙!!
魔砲はなのはが師匠キャラのノリだな。ハルケ組がレベルアップしまくり。でも脇ばっかキャラが立ってて肝心のルイズが空k(ry
アースガルズの人の文章は何か色気があってイイな。更新が続いてくれることを祈る。
「…本当に魔法って凄いものだね」
少年に治癒魔法を当てているカトレアを眺めるキートンが言葉を漏らす。自分達の世界ならば、負傷した人間には大なり小なり医療を施すのであろうが、この世界には"魔法"というものがある。
まったくもって、魔法の力に舌を巻く。
「…ふう」
「大丈夫?ちい姉さま」
「わたしは大丈夫。この人も、外傷はほとんど無いから心配ないわ。たぶん、疲労が祟ったのね」
キートンは少年の身なりを観察していた。薄汚れているとはいえ、この少年が着ているのは、現代の衣服…。アジア系の子供だ。"自分"と同じ世界の人間であることに、驚きを隠せない。
「キートン。この人、知ってるの?」
「面識はないよ。だけど…、間違いなく、僕の世界の人間だ」
少年の手を取り、それをじっと眺めているキートンにルイズは話しかける。袖裏のラベルに目を通すと、確かにmade in japanと記してある。だが、キートンが気になったのは、その隣に記してある文字だった。
(2004年…?)
年代が進みすぎている。これが正しければ、この少年はキートンよりも先の時代から、この世界へと連れてこられたことになる。
召還される側は否応無く、この世界に呼び込まれるというのは、あながち間違ってはいないらしい。過去か、或いは未来に存在する生物も巻き込まれているということか。
「あ、気がついたみたい」
「う、うう…?」
「大丈夫かい?」
キートンが少年の顔を覗き込むのと、その少年が叫び声を上げながらキートンの顔面にぶつかって来るのとは、ほぼ同時だった。
鼻を押さえながら、苦悶する二人の姿を呆気に取られた顔で見るルイズとカトレア。
「来るなぁ!離せよ、ちくしょう!」
半泣きになりながらも、枕をキートンの方へと放り投げる。
「落ち着いてくれ、君は日本人か?僕と同じ世界の人間なんだね?」
「え…?あ、そ、その服…」
少年は一瞬、驚いたような表情でキートンを見つめると、今度は本当に大泣きをしながら、しがみ付いた。
嗚咽を漏らし続けていたが、やや落ち着いたのか、キートンの側から離れると、少年は自分から話し始める。
「日本人なんですか?本当に日本人なんですか?」
「僕の父が日本人なんだ…。母は英国人だけどね。心配はいらない。ここには、君を脅かす人間はいないからね」
ティーカップに注がれた紅茶を啜りながら、互いに自己紹介をする。少年の名は平賀才人。同じく平賀姓であるキートンの名を聞いたとき、才人もキートンも大いに驚いていた。
「キートンさんも、その…。この人たちの言葉がわかるんですか?」
「ん?ああ。何故だかわからないけど、会話が出来ている。英語だけじゃなくて、フランス語、ドイツ語、日本語も試してはみたんだが、どれも一様に通じているんだ。漫画みたいだけどね」
「俺も、普通に日本語で話してるし…。どう見ても日本人じゃないですよね、ここの人達って。すごい髪の色だし」
キートンには前々から引っかかっていたことがあった。なぜ、自分達はこの世界の人間と普通に会話などが出来ているのか。自分が"召喚"されたとき、ルイズ始め周りの生徒達の言葉もはっきりと理解が出来た。
(…ま、魔法なんてものがあるぐらいだから、それぐらいどうってことは無いのかもしれないけど)
ルイズは才人と名乗った目前の少年を見ていた。"ヒラガ"という語を聞いたとき、キートンの身内かと思ったものだが、どうやら違うらしい。
しかし、キートンと同じく黒髪、変わった衣服に肌の色だ。もしかしたら、この少年も何か凄い技能を持っているのかもしれない。そう考えると、少しだけ興味が沸いてくる。
「しかし、どうして君がここに?」
「いや、それが俺にも何が何やらで…。電気屋でノートパソコンの修理をしてもらったあと、帰る途中で変な鏡が目の前に出てきて」
「…変な鏡?」
キートンは表情を一瞬曇らせると、ポケットから万年筆を取り出す。そして、側に置いてあった紙きれに絵を描き始めた。描き終わると、それを才人に見せる。
「ひょっとして、こんな形をした鏡じゃないか?」
「あ、ああ!それです、それ!その鏡に触ったら、いきなり引っ張られて、気が遠くなって…」
「ちょっと、どういうことなのよ」
ルイズが口を挟んだ。まさかとは思うが、自分は、この二人を…。
「才人君、いつ頃にこの世界に来たのかわかるかい?」
「この世界って、やっぱり日本じゃないんスか…。ええと、たしか、22日ぐらい経ってたような」
「…22日前は僕がこの世界に来た日だな。まさかとは、思うけど…」
「あ、あんた、なんでこっちを見てんのよ!違うわよ!だいたい、人間を二人も召喚なんて…」
確かに、人間を同時に二人も召喚するなど有り得る話なのだろうか。キートンは才人の手の甲を見る。ルイズに付けられたルーン文字…。"ガンダールヴ"と刻まれたもの。
才人の手の甲にはそれが見当たらない。
(まさか、間違えたってことはないよな)
「だけど、よくここまでたどり着けたね」
「実は、変な奴らに一度襲われたことがあったんです。俺、死ぬかと思ったんですけど」
「けど?」
「ええと、青髪で…。背の小さな女の子が助けてくれたんです。ああ、そうだ!ドラゴンですよ、ドラゴンに乗ってた!信じられないでしょうけど」
青髪の小さな女の子。キートンの脳裏に一瞬、似たような外見の誰かが浮かんだものの、すぐに思い直した。才人の話によると、その少女は食料や水、それに路銀も少々だが分けてくれたらしい。そして、『大きな館があるから、その方角に行け』と言われたのだとか。
「でも、俺…。これからどうしたらいいんスか。平賀さん、帰る方法とか無いんですか?」
「キートンでいいよ。残念だけど、私の方でも元の世界へ戻る手がかりはさっぱりでね…。だが、心配はいらないよ。君を放っておくつもりは…」
「ちょ、ちょっと待ってよ。まさか、あんた。この人を連れて行く気なんじゃ…」
ルイズは動揺する。キートンだけでも学園の同級生や家族から奇異の目で見られっぱなしだというのに、この上、このサイトとかいう男を連れまわしたりなどしたら、どうなるのかわかったものではない。
認めるわけにいかない!それだけは!ぐっと拳を握り締め、キートンを大喝しようとしたが、姉の一言であっさりと打ち砕かれてしまった。
「あら、いいじゃない。一緒に連れていってあげなさいな」
「…へ?で、でも!父様や姉様達が…」
カトレアの微笑みながらの一言にますます動揺する。彼女によると、エレオノールが既に両親に対し、この少年のことを伝えたらしい。なんでも、ルイズの『従者』だそうだ。
自分の婚約が迫っているのもある為、これ以上、両親を心配させたくはないのだろう。結局、姉達の言には逆らえず、渋々ながらも才人の同行を認めることとなった。
ルイズの頭の中は不安でいっぱいである。キュルケ、ギーシュ、マリコルヌ、他の生徒達…。考えただけで気が重くなった。
「とりあえず、今日はゆっくりと休もう。なに、すぐに慣れるさ」
「あんたって…。もう、いいわよ。いいわよ…」
次の日―――
早朝、急使がヴァリエール家の中に飛び込んできた。公爵が使いから書簡を受け取り、それを眺める。もともと険しい顔がさらに険しくなり、深いため息をつくと、宙を仰いだ。
心配になったルイズが父に話しかける。
「父様、何か…」
「ルイズ。姫殿下がお前を呼んでいるようだ」
「姫さまが?」
トリステイン王国王女、アンリエッタの手紙であった。公爵は内心、この手紙については訝しく考えていた。何故、今頃になって自分の娘を呼ぶのか?第一、会いたい理由が何一つ記されてはいないのだ。
まさか、自分の娘に危険なことでもさせようとしているのではないか―――
「父様、わたしは学院に戻ります。姫さまが呼んでいる以上、断る訳にはいきませんもの」
「だがな、目的がはっきりとわからない以上は…」
「行きます!わたし、自分がやれることを精一杯やってみたい!」
今までに無い娘の剣幕にやや気圧され、仕方なく公爵は願いを聞き届けた。様々な荷物が馬車に詰め込まれる。その中には妙に大きな袋もあった。短時間の内に積み込みが終わり、家族の見送りを受けながら、公爵邸を去っていく。
遠ざかっていく馬車を見つめながら、公爵は一人考えていた。娘が物事にあれだけの執心を見せたのは、初めてのことだ
(まさか、これもあの男の影響ではないだろうな)
それが良いことか、悪いことなのかはわからない。各国の緊張が激化している昨今、このトリステインもどうなるかは不透明だ。
せめて、自分の子供達が騒乱に巻き込まれないように祈りたい。公爵は、既に小さくなった馬車の姿をいつまでもいつまでも見つめていた。
「才人君、もういいよ」
馬車の手綱を握ったキートンが後ろに声をかけると、才人が大袋から首を出した。こっそりと屋敷から連れ出してきたのだ。
立場上はルイズの従者ということになってはいるが、やはり家族に余計な混乱を与えたくないというルイズの要望で仕方なく袋に詰め込んだという訳である。
しかし、やはり息苦しかったようで疲弊した顔でルイズを睨んだ。
「あ、あんたね…。やるにしても、もう少しマシな手段ってもんがあるでしょーが。人権とかどうなのよ…」
「文句言うんじゃないの。父様に見つかったら、延々とお説教をされる所なんだから。キートンだって、呼び出されたのに」
座席と荷台の間越しに二人が口論を始める。会って間もないというのに、妙な上下関係が出来ているようだ。
才人の方は異性に突っかかられるのに慣れていないのか、時々顔を赤くしている。見たところ、歳もほぼ同じのようだし、案外気があうのかも知れない。
「だけど、王女様…だっけ?君は交友関係が広いんだな」
「勿論!姫さまとは昔、ご一緒に遊んだことがあるんだから」
「自慢かよ…」
ルイズが荷台から聞こえてきた声の方向に荷物を放り投げると、続けて悲鳴が上がった。すると、お返しとばかりに小包がルイズの方向に投げ返され、それが彼女の顔面に命中する。
たちまち、雪合戦よろしく投射の応酬が馬車内で始まった。
「君達、せめて学院に到着してから喧嘩をしてくれ…」
支援
一方、その頃。
トリステインに向けて進む船が一隻あった。貿易で得た鉱物資源を満載するトゥーロン号は、沿岸部の森林地帯に沿って航行していた。
なぜ、ここまで接近するのかと言うと、船員達の間で妙な噂が囁かれていたからである。『悪魔が船を沈めていく』と。せめて、沈められても助かる様に船長に懇願した結果であった。
しかし、あまりにも距離が近すぎるため、座礁の危険もある。
「まったく、どいつもこいつも腰抜けどもが。ここまで来て、臆病風に吹かれるとは!」
「しかし、船長。他の船舶も沈没していますから…。彼らが怯えるのも無理はないでしょう」
副官が船長をたしなめる。彼は、悪魔云々などは信じてはいない。だが、事故でもないのに、いきなり船が真っ二つになったとか、バラバラになったとか様々な噂話を聞いている。
そのような例がここ最近になって急激に増加している為、副官自身も言いえぬ不安を抱えていた。
そのように考えていると、轟音と共に船の近くに水柱が幾つも上がった。何事かと船員達は戦々恐々し、それぞれが慌てて持ち場から離れ始める。
そんな彼らの姿を見た船長が怒鳴るのと、トゥーロン号の船体が真っ二つに吹き飛ぶのとは、ほぼ同時だった。
海に放り出される僅かに生き残った船員達。悲鳴を上げながら、岸にたどり着こうともがき始める。
「素晴らしい。先生の指導のおかげですな。今月だけで、もう9隻…。おっと、今の奴をいれると10でしたな」
そんな凄惨な光景を眺めていた壮年の男が、傍らにいる黒縁眼鏡の男に話しかける。ローブこそ着込んでいるものの、眼鏡だけは妙に"現代"のような感じを受ける奇妙な男であった。
男は眼鏡を直すと、薄笑いを浮かべる。
「いやいや…。あんた達には命を助けてもらった礼もあるからな。御恩返しとしては、まだ足りないがね」
そう言うと、手の甲をさする。そこには大きな傷の痕がある。まるで、鋭いものに貫かれたような痕だ。壮年の男はそんな傷を見て、気になったのか話しかける。
「ああ、これかね。昔、ちょっと馬鹿騒ぎをしてね」
「なるほど…。おっと、死にぞこない共がこちらに向かってきますが、どうしたものですかな」
「聞くまでもないな。俺は先に閣下の所へ戻るから、砲はいつもの場所に隠しておいてくれ」
眼鏡の男は足早にそこから立ち去っていく。そんな姿を興味と畏怖心が入り混じった目で見つめていた男だったが、やがて茂みの方へと振り向く。
何かの合図のように、手を素早く振り上げると、けたたましい連射音と共に鉛弾の雨が哀れな船員達に降り注いだ。
キートン一行がようやく学院に到着した頃、オスマンとコルベールの二人が出迎えに来ていた。不満を持つ教員らを説得し終えたらしく、学園も落ち着きを取り戻しつつあるようだ。
馬車から降りてきた"3人"の姿を確認したオスマンらは目を丸くする。行く前にはいなかった人間がいるのだから、無理もなかろうが。
「キートンさん、あの爺さんと…。えーと、ハ…。あ、いや、眼鏡をかけた人は誰スか?」
「僕がお世話になっている人達だよ。君はルイズと一緒に先に部屋に戻っていてくれ。色々と説明をしなければいけないから」
そう言うと、キートンはオスマンらを連れて歩いていく。早速、二人から質問攻めにされているようだ。恐らく、自分のことについて、さんざ言われているのだろう。
才人が目の前を見上げると、巨大な建造物が聳え立っている。いかにも、RPGか何かに出てきそうな雰囲気を持った建物だ。
「すげー…、ファンタジーじゃん。って、あたた!」
独り言を呟いていると、突然耳を引っ張られた。慌てて振り向くと、そこにはピンク髪の少女…ルイズが立っており、自分を睨んでいる。そりゃもう、怖い顔である。歴史の授業で習った仁王様みたいな顔である。
「あにすんだよ!」
ルイズは黙って、馬車の荷台を指さす。どうやら、荷物を運べということらしい。
冗談ではない。なぜ自分がこんなこんな、かわいいけどかわいくない奴の荷物など運ばなければならないのか。キートンさんだって、自分の荷物は自分で運んでいたのに。
「あんた、わたしの従者でしょ。荷物を運ばないと、夕食なんかあげないわよ。それと、さっきみたいに主人に対して、ららら、乱暴なことをしし、したら躾もするから、覚えておきなさい!!」
それだけ言うと、肩を怒らせながら、のっしのっしと学院の中に入って行った。残された才人は荷台を恨めしげに見つめる。
「可愛いけど、可愛くねえ…。キートンさん、俺達、生きて地球に戻れるんスか…」
すっかり外も暗くなり、静けさが学院を包み込む夜…。ようやくオスマンらとの話を終え、キートンはルイズの部屋へと急いでいた。
そのとき、廊下の曲がり角から一人の少女が姿を現す。美しい青髪と小柄の体躯を持つ少女、タバサであった。
タバサはキートンに一礼すると、そのまま横を通り過ぎようとする。
「ああ、タバサ。ちょっと聞きたいんだけど…」
「なに?」
タバサは振り向くと、そのままキートンをじっと見る。この少女は、何か秘密を持っている―――。
この少女だけ、他の子供達とは明らかに雰囲気が違うからだ。
「いや…。大したことじゃないんだけど、今日、新しい友達がこの学院に入ってきたからね。君にも、明日紹介するよ」
「…そう」
タバサはさして興味が無いように一言だけ発すると、そのまま自分の部屋へと戻っていった。
「…………」
ルイズの部屋の前へと辿り着き、ドアノブを回す。仲良くやってくれていれば良いのだが…。
ドアを開けた瞬間、いきなり枕が飛んできて、顔面に命中した。何事かと思い、鼻を押さえながら前を見ると、息を荒くしたルイズと才人の二人が睨み合っている。
どうやら、喧嘩の最中だったらしい。想像以上にお互いを嫌っているようだ。
「あたた…。二人とも、喧嘩ばかりしてないで、もう少し仲良くしたらどうだ」
「だって、キートンさん!こいつったら、酷いんですよ!俺に首輪を付けようとするんだから!」
成る程、ルイズの手中には漫画に出てきそうなトゲの付いた首輪がある。御丁寧にも鎖付きだ。キートンは、ルイズが自分にも首輪を付けようと提案してきたのを思い出し、少し身震いをした。
だが、そんなルイズの方にも言いたいことがあるらしい。
「見てよ、わたしの下着!こんなに無茶苦茶にして…!この馬鹿犬ッ!!」
指差した方向には無残な姿となった下着が転がっている。どうやら、才人が破ったらしい。ルイズの主張によると、目を離したらこれなので首輪を付けなければならないということだ。
余程に興奮しているのか、棚の方に走り寄ると中から細い棒のようなものを取り出した。乗馬用の頑丈な鞭だ。あんなもので叩かれたら、さぞ痛かろう。
自分がこれからどうなるのか、予想が付いた才人が青ざめた。
「そのあたりで許してあげなさい。乱暴は良くないよ」
「だって…!」
「一度ぐらいの理不尽は許してあげるもんだ。人間関係は一旦ヒビが入ると、それを直すのに大変な苦労をするものなんだよ。君だって、彼のことを見捨てては置けなかったじゃないか」
ルイズは渋々鞭を棚に戻した。才人の方もキートンに言われ、ルイズに謝る。仲直りはひとまず終わったものの、両者の間には以前、険悪なムードというものが漂っているようだ。
そんな二人を置いてキートンは一人、作業をし始めた。部屋の中に木の棒と布を持って入ってきたのを思い出し、才人が質問する。
「君の分のベッドを作らないといけないからね。手伝うかい?」
「え、でも、それだけで作れるもんなんですか?」
「キートンはあんたと違って、な〜んでも出来るのよ」
ふふん、と胸を張るルイズに対し、才人がまた何か言おうとするのを苦笑しながらなだめ、二人で簡易ベッドを作り始める。そこに騒ぎを聞きつけたのか、派手な下着を身に着けたキュルケが入ってきた。
才人にとっては余程に衝撃的だったらしい。鼻の下を伸ばしながら、彼女を見ている。キュルケも初対面の少年に興味が沸いたのか、色々とルイズに質問をし始めた。
にぎやかな夜が過ぎていく。しかし、ここでの平穏な生活も、トリステイン王国の平和にも影が差そうとしていた。
いじょー
支援ありがたやでごんす
乙
ちゃんとこういう言い争い止めてくれる保護者がいてよかったなサイト
投下乙です。
サイトとキートンが親子に見えるw
投下乙
黒縁眼鏡の男、気になりますなあ
キートンの弟子兼息子として成長したサイトが元の世界に戻り、百合子の事をねーちゃんと呼ぶまでの展開が脳裏をよぎった
>>680 むしろ、帰還後に
「すまん、太一」
「どうしたんだい?父さん、やぶからぼうに」
「今まで隠しておったが、実はお前には腹違いの弟がいるんじゃ。」
みたいな事がありそう。
投下乙ー。
あのソ連の人か・・・
キートンの因縁の相手だな。
キートン乙です
元ネタ知らないけど、興味深い人物だな。キートンって
カリーのせいでコミックを再販できないという悲劇の浦沢作品の主人公です
ジェド・豪士をルイズが召喚して徹底的に護身術をレクチャーされるという電波を受信した
アンガールズ、いいね
凛々しい女の子って、萌えるな
でも、アンガールズじゃなくて、アースガルズですから!残念!
>>685 ちょwww
アンガールズってwwwwwwwww
アンガールズ召喚見てぇw
ルイズに召喚されなかった片割れもジョゼフか教皇に召喚させてさ。
実在の人物呼ぶのはアウト。
キートンの人乙です。やっぱり元ネタ知らないけど・・・
しかし、「22日ぐらい」か。
ぐらいという割には、ずいぶんと正確に記憶してるな。
日記でも付けていたのだろうか?
>>689 ネタをネタと(ry
┐(´д`)┌ ヤレヤレ
細いチンチンネ=
実在人物は故人限定ならいいのでは?
暗殺直後の「ハゲの女たらし」召喚。使い魔からトリステイン影の副王(本人否定)に成り上がるまで。
>>689 お笑いユニットではなくアンアンの手足になって働く美少女忍者集団ってことでひとつ。>アンガールズ
『風林火山』から山本勘助召喚みたいな例もあることだし、
何らかの作品になってるなら良いと思う。
>>693 せいぜい召喚シーンで話が終わる一発ネタどまりだと思うが
>>695 やたらと忍んでない原色で丈の短い服をアニSさんが着て顔を赤くするんですね、解ります。
・・・・なんかみなぎってきたッ!!!
書くのは勝手だが自分でブログなり作ってそこで発表してくれ
トラブルに巻き込まれるのはまっぴらだ
何かの戦国武将をネタにしたフィクションを出版したら、遺族が無断で使うなって作者を訴えたとか言う話を聞いたことがあるし
ただでさえ二次創作はグレーゾーンなんだから気を付けようぜ
戦国武将の「遺族」って?
何代前だよそれ、バカじゃねぇか
随分と気負ってらっしゃることで
>>700 大陸の方には「私は曹操の子孫です」とか言って認定されてるる人がいるんだよ……
その内、横山三国志や蒼天を訴えやしないかと危惧してるんだけど。
しかしながらいつも宮本武蔵関連で
やられ役の吉岡一族には同情するがな。
またご先祖様か!!って感じで冗談半分で苦笑いしてたぜ
なんかの番組で
THE落武者から明智光秀召喚とか考えてたけどやめた方がよさそうですな
どM
相性バッチリだなw
某所では、実在の人物「菅野直」帝国海軍航空隊大尉(第343航空隊301飛行隊新撰組隊長、
紫電改にて米軍機48機撃墜で有名、「紫電改のタカ」のモデル)が愛機ごとハルケギニアに召喚
されてたな。
>>699 あのさ、カエサルの自称子孫がこんな所を見ると本気で思ってるのか?
アホすぎるわ。
まあ、一般書籍や映像作品じゃあるまいし、2chのSSにわざわざ文句言うほど暇な人もそうはいないと思うから気にする必要はないと思う(´・ω・`)
>707
某所というのを出来れば教えてくれまいか
>>703 どんな無茶な理由でも裁判起こすだけなら自由だからね。
でもそんなトンデモ訴訟まで気にしてたら何もできないよ。
>>710 ヒント:
ゼロ○才人 第三部 をキーワードに検索されたし(あえて一文字隠す)。
とりあえず、「ノンフィクション」としないかぎり名誉毀損が成立すること
は無いよ。
告訴は誰でも出来るけど、有罪になることはないちゅか、刑法にそうある。
やばいのは事実か事実でないかはおいといて、対象人物の名誉を傷つける内
容を事実として吹聴すること。
(本当のことでも罪になるので注意)
つまりこういうことだな。
このAARは、第二次世界大戦あるいはその後の歴史に関わった、
いかなる国や民族、集団あるいは個人をおとしめる意図も持っていません。
ときに過激な表現が出てくることもありますが、
それはあくまでゲームの内容を明確に説明するためのものですので、あらかじめご了承ください。
……違った、こっちだ。
この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。
嘘だ!!
とそれでも、逝っちゃった人には言われるわけかw
以前あったルーデル閣下召喚はやっぱり、アウト?
717 :
ね:2008/06/05(木) 15:05:52 ID:N7Hc3zPE
まぶらほから
「ふふふ、このウェールズ王子の手紙を転売すれば一万エキューは堅い!」
「ちょちょっと仲丸手紙返しなさいよ!」
「ふふふ仲丸だけに得はさせないぞ!」
ボフン
誰かが仲丸ごと手紙を燃やしただ
「それじゃ仕方ない!ウェールズ王子を誘拐して身代金を貰おう!」
「な、なんて奴だ」
猿轡をしてふがふが言っているウェールズを担ぐと
さっさと船をハイジャックしてトリステインに逃げ出す仲丸
「あれ、みんなどうしたの」
ギーシュが穴から顔を出すがルイズは唖然
ワルドは呆然
王様は腰を抜かして失禁している
>>716 ソ連軍戦車のいない世界に召喚したりしたら閣下が泣きます。
よってアウト。
この作品の登場人物は全員18歳ですね
一瞬、
この作品の登場人物は全員18歳で氏ね
に見えた。
>>707 何というか・・・すごい内容だ
邪鬼眼銀髪SSとか軍事系とかやばすぎるな・・
ルイズのコンプレックスを刺激するキャラクターが召喚される、のは散々やりつくされているが、それだけ人を轢きつける物が在ると言うことだろう。
顕著なのは魔法を使えるとか、魔法を必要としない体躯の持ち主であるとか、頭脳戦に秀でているなどか。
……無限のフロンティアをプレイしていて思ったのは、誰を召喚してもとんでもない事になると言う事実か。
外国の童話とかはどうだろうか?
けっこう欝とかヤバイ内容の作品が多いんだが
いろいろ見てきたが人修羅最強だな。
いや、コルベールの頭のテカリ具合に勝てそうな使い魔は未だ呼ばれていな(ry
数百年前の人物でも江戸時代あたりまで家が存続してると
ご先祖様って分かるからなぁ
うちの近くには井伊さんの家があるし
石田三成の傍系の子孫が先祖の無念を晴らすんだって立てた
インチキ臭い城がある。
>>725 天津飯でも呼ぶか? 三つ目だし、ヤムチャ程ヘタレじゃないし、いざとなれば空気に出来るし……
ED後の人修羅の戦闘能力ってどのくらいなんだろ?
>>728 アバチュに出てきた状態ならラスボスを超えた鬼畜。
極限まで育てたパーティでも勝負はリアルラック次第。
>>729 あー、あの最強の使い魔を忘れていたとは、不覚。orz
>>722 無限のおっぱいに嫉妬するルイズですね、わかります
餃子でも呼ぶ?
「ほどほど」の中では頂点と言える戦闘力あるし
懐いた相手には忠実だし
問題はルイズがどうやって懐かせるか、だが
……ああ、チャオズか。
「ぎょうざ」と読んで、「食い物召喚してどうするんだよ」と思った。
食い物召喚・・・・・・
ミサトカレー召喚・・・・・・
あれは単に微妙なだけだろ。
うしとらって凍結?
うしとら検索していったら辿り着いて、初見だがとても面白かったんだけど
739 :
685:2008/06/05(木) 16:45:24 ID:12lhVQMt
うわっ恥ずかしー読み違えていた
指摘されてみると何で違和感がなかったのか不思議
メガテンネタだとルイズ本人が戦うパターンにも出来るんだよな。
悪魔アモン(瀕死)を召還してルイズがデビルマンになっちゃうとか
ハンドヘルトコンピュータを召還してデビルサマナーになっちゃうとか。
ボンボンのデビチルから刹那(修羅ver)召喚ですねわかります
一昔前のボンボンは「本当に小学生向けか?」と思うほどエログロな
漫画が多かったよな。夏や冬の増刊号でのガンダム読み切りとか、
バイオハザードの宣伝漫画とか。特にガンダム読み切りは兵士の
苦悩とかが描かれてて子供に分かるとは思えなかった。
今でもジョニー・ライデンの漫画は俺の中では神作品です。
亀仙人が来ればルイズを鍛え抜いてくれそうだけどな
お色気シーンも豊富で、中期以後のちょっと重たいDBが口に合わない人にもオススメ
>>740 >COMPを召喚してデビルサマナーに
これは無理だと思う。
少なくともこれが何なのかハルケギニアの人たちには初見ではまず理解出来ないだろうし、
そもそもCOMP自体は基本的に武器でもマジックアイテムでもなんでもないから、ガンダや
ミョズのルーンでもどうしようもない。
ナメック星でフリ−ザに爆発させられたかの様に見えたクリリン
実はアレ、ルイズによる召喚魔法だったとかで
ツンデレも嫌いじゃなさそうだし
>>743 前の日の夜にビジョンクエストやらせれば概念が判るんじゃね?
>>740 >>743 COMPの使い方を説明できるキャラを召喚して、
COMP自体は学院の宝物庫に置いておけばいいんじゃね?
スティーブンを召喚すれば
>>741 つまりデッドゾーンからあのクリーチャーじみたなにか召喚ですねわかります
……サイズがヤバい上に対峙した人間の望む光景を見せて取り込む化け物とか明らかに四人目だよな
>>744 見せ場も日常のギャグパートも書きやすそう
ちゃんと書けばクリリンはかなり面白いと思う
いえいえ車椅子の天才の方です。
>>748 ジョゼフがシャルル殺しのトラウマ刺激されてヨルムンガンドで特攻、
「地獄に落ちろって…言ってみろぉおおおお!!」とブチ切れるわけですね、わかります。
ジョゼフをコルベール先生に置き換えるのも可。
ifの主人公のSS復活してくれないかな。あの慇懃無礼さが良かった。
メガテンの悪魔は生体マグネタイトの設定を改ざんしないとルイズが干からびますよ
ご立派様みたいに適当な所で還るべし
強さ的に3×3アイズの八曇あたりは
ちょっと前に八雲人間バージョン召喚を考えてるって言ってた人がいたな。
>>757 初期ならそうでもないだろ、不死身なだけで能力は一般人だし。
不死身な分だけ無茶がきくサイト、ぐらいのもんだろ。
空想科学大戦シリーズからDr.猫柳田教授を召喚。
科学で解明できないものを見たらパニックを起こしそうだが、無理やり科学で再現するかも。
「科学の壁じゃぁーっ!!」
どころじゃない。
理性の壁じゃぁーっ!
そもそも召喚されたとたんに理科雄チックな科学的法則によって死ぬのかも知れん・・・
ドットメイジでもできる錬金なんか、科学法則に反しまくってるが
>>762 突如、気球の操作をしていた猫柳田の体は光速を得て地面目掛けて飛翔し大気を引き裂き大地を貫いた。
彼は知る由もないことだが、遥か彼方アルファケンタウリから彼を引き寄せる力が働いたのだ。
光速で飛翔する猫柳田と衝突した地球は太陽系ごと砕け散った。
一方ハルケ。
結局使い魔を召喚できず、閉じることのないまま開かれた銀の鏡を学院に残しただけでルイズは退学になっていた。
しかし5年後、研究に行き詰まって散歩をしていたコルベールはルイズが残したサモンサーヴァントの鏡が輝くのを見た。
慌てて駆け寄ったその時、使い魔となるべきだったものが飛び出した。
アルファケンタウリに存在していたブリミル文明、そしてルイズは、周囲の星系ごと砕け散った。
とまで考えたが、「人間大の質量が光速で飛んで行く」以前にハルケの魔法も科学的に考察しないといけないし……考えるのやめ。
博士呼ぶなら一度は呼びな 岸和田
ブラッディロアから心意六合拳の達人ロンを召喚
ああ、デルフ涙目になるから無理か
獣化とかおもしろそうなんだけどなあ
さてさて、こんだけの投下は、いい加減しつこいんじゃないかと思えてきましたが
予約ないようなので、第23話前半を投下しますね
「そうか、アルビオンの艦で、火災が…」
トリステインの真の支配者とも噂され、鳥の骨と呼ばれるマザリーニ枢機卿が城の廊下
を歩いている。彼の後方からは何人もの小姓や侍女、それに騎士がついてきている。
魔法衛士隊の制服の上にマンティコアの大きな刺繍が縫い込まれた黒いマントをまとっ
た騎士が報告を続けた。
「その後、両艦隊が挟み込み砲口を開くと『救助不要、自力消火可能』とだけ返答があっ
たとのことです」
「ふむ、砲門を向けられた事には何も言わず、か」
「はい。潔く奇襲作戦は中止したようです。ですが軍内部からは、みすみす勝利の好機を
逃したと不満の声が聞こえます」
騎士は羽根飾りの付いた帽子を手にしながら、不服げに問いかける。羽根飾りが付く帽
子は隊長職を示すものだ。
ぞろぞろと部下を引き連れた枢機卿は、しばし黙って廊下を歩き続ける。
廊下の壁や柱には様々なレリーフが施されている。一定の間隔で薔薇を模した金の燭台
が並び、アーチを描く天井には妖精や幻獣をモチーフにした絵画が描き込まれている。絵
画の周りを縁取る額縁を模したレリーフすらも微細で華麗な彫刻だ。
冷たく磨き上げられた石の廊下を沢山の足音が進んでいく。
青地の上に鍍金したブロンズで装飾された壷が置かれたコンソール(壁に取り付けられ
た机)の前で、枢機卿は足を止めた。
「ゼッサール、お主はどう思う?」
厳めしい髭面の男は、大きな体躯をちょっと縮めて考えを述べた。
「恐れながら、戦争を回避すべきという点は猊下と同意見です。
確かにゲルマニアとの同盟はなりましたが、それでもようやく艦艇数は同数。合同演習
も経ていない現状では連携も拙く、艦もアルビオンの最新鋭艦『ロイヤル・ソヴリン』級
に比べれば小型旧式」
枢機卿は壷に生けられた百合を愛でつつ、黙って騎士の言葉に耳を傾ける。
ゼッサールは話を続けた。
「確かに敵の奇襲に対し、さらに奇襲を仕掛ける事が出来れば、大打撃を与えた事は疑い
ありません。ですが、我らもただでは済みませぬ。相応の被害は避けられぬでしょう」
「そうだな…まぁ、軍事的にはそんな所だ」
「また、小官としても姫殿下の婚儀を血に染めるような事は望みません。この点について
は軍の主戦派でも意見が一致しています」
「そうか、それならよい。報告後苦労だった」
騎士は大きな体を90度近くまで折り曲げて礼をした。
マザリーニは窓から外をのぞく。
窓の向こうには朝日に照らされた城下町が見える。さすがに街の喧騒は届いてこない。
だが既に多くの人が大通りや中央広場に繰り出しているのが遠目にも分かる。
通りは色とりどりの布と花で飾られ、塔の上には一つ残らず旗が翻り、気の早い連中が
撒いた紙吹雪が風に乗って街の上を舞っている。
視線を下に向けて城内を見れば、グリフォン隊はじめ全騎士隊が、汚れ一つ無いマント
を纏って行進の準備をしている。城の侍女達も走り回り、ヴィンドボナまでのパレード準
備に大わらわだ。四頭のユニコーンに引かれるアンリエッタ姫専用馬車も輝かんばかりに
磨き上げられ、朝日にキラキラと輝いている。
その時、廊下の向こうから、一人の衛士が丸められた羊皮紙を片手に駆けてきた。
「失礼します!立った今、ウィンプフェン領より早馬にて緊急報告がなされました!」
「ほう、何事か?」
枢機卿の堂々とした声に敬礼で答え、衛士は羊皮紙を伸ばして内容を高らかに読み上げ
た。だが、その報告を読み上げるうちに、衛士の声はどんどん小さく自信のないものへと
変わっていった。
支援仕る
「今朝未明、ウィンプフェン領北西にて謎の落下物が多数発見されました!それは…え?
えと、…焼け焦げた、巨大な金属の壷や樽…の様なもの、とあります。その表面には解読
不能な文字と、意味不明の絵が多数記され、それらは恐らく一つの物体がバラバラにされ
て壊れたものと推測される、との事です。
あまりに巨大かつ信じがたい程の重量物のため、多数のメイジが『レビテーション』を
使用しても移動させる事は不能。ただ、それらをつなぎ合わせた場合、全長100メイル程
の金属製の筒のようなものになる、と想像される…。
枢機卿におかれましては、急ぎアカデミーによる調査を依頼したき所存。
…報告、以上であります!」
衛士は報告を終え、一礼した。
報告を聞いていた枢機卿とゼッサールは首を捻る。
「猊下、一体何なのでしょう?」
「ふむ、分からんな…ウィンプフェンには、婚儀が終了次第アカデミーより調査隊を派遣
するので現場を保存せよ、と伝えよ」
「はっ!承知致しました!」
衛士はもと来た方へ走っていった。
「何かは分からんが、まぁ、婚儀の後だ」
隊長は小さく頷いた。
マザリーニは窓の外へ視線を戻し、もうすぐ始まる婚礼パレードの準備が進む外の風景
を見渡す。
「戦争は誰も幸せにせぬ」
やせ細り老け込んだ男の小さな呟きは、周囲に控える誰の耳にも届かなかった。
第23話 ロイヤル・ウェディング
城の正門前、豪奢な馬車が次々やって来て、重々しく着飾った人々を吐き出していた。
ルイズ達が乗る馬車も赤絨毯の前に停車した。
「ふぅ〜、やっと着いたわ」
ルイズは手足をうにぃ〜っと伸ばす。
「さ、それでは参りましょう!」
シエスタはルイズのドレスや髪飾りを手早く整える。
「いやぁ、緊張するなぁ。ルイズのお母さんにお姉さん達か、失礼の無いよう気をつけな
いとね」
ヤンの言葉にデルフリンガーがツバをカチカチ鳴らす。
「まったくだぜ!おめーはちょっと抜けてる所あるからな、ピシッとしなよ!」
「そーね、デルの言うとおりだわ。気をつけなさいよ!」
「ふわぁ〜い」
ヤンも着慣れぬ燕尾服に窮屈な思いをしつつデルフリンガーと荷物を手にする。
三人と長剣一本が馬車を降りると、赤絨毯の両脇にはズラリと衛兵が整列していた。
赤絨毯の向こう、城の中には華麗なドレスや煌びやかな宝石で着飾る婦人達が見える。
それをエスコートするのは豪華なマントをまとう美髯の紳士達だ。
衛兵達の後方で何十人もの楽団がクラシック調の音楽を奏で、来訪者を迎えている。
見上げれば城も、城壁には国旗が掲げられ、色とりどりの花が飾られ、そこかしこから
楽士の奏でる陽気なメロディが聞こえてくる。
朝靄が立ちこめる早朝、城から来た迎えの馬車に乗り込んだ一行。
同じくトリスタニアへ向かう人々の群れや、彼等を目当てにした露天商や、街道を警備
する兵士達を横目に見つつ、ようやく城へ到着した。何しろ国中から見物人の平民達や婚
儀に参加する貴族達と豪商の馬車が城と城下町へ向かう。警備もハンパではなく、街道は
大混雑だ。
道中ヤン達は「んもー!早く着かないと式典に遅れちゃうじゃない!」とカリカリする
ルイズをなだめっぱなしだった。
そんなルイズのお守りからようやく解放されたヤンは、ルイズの後ろをついてフカフカ
の絨毯を踏みしめて城の中へと歩いていく。
大きく頑丈そうな扉をくぐり城の中へ入ると、豪奢で優美な紳士淑女の方々が上品に歓
談していた。よく見ると魔法学院の生徒や教師もちらほらと見える。ヤンは壷や絵など、
城内の飾り付けに目が釘付けだ。
扉をくぐった正面玄関ホールの壁には、天井から大きな絵が幾つも下げられていた。
「…?」
天井から下げられている絵をジッと見るが、何か妙な感じがする。沢山の花で飾られた
額縁に入った絵なのだが、何かおかしい。現実味がない。
物珍しげに周囲へ目を奪われてるヤンに、ルイズが眉をしかめて振り返る。
「ちょっと、ヤン。何キョロキョロしてるの?」
「え?あ、うん。あの絵なんだけど、額縁が…あれ?」
ヤンの背の長剣がピョコッと飛び出た。
「おいおい、何言ってンだよ。ありゃ額に入った絵じゃねーよ。タペストリーだ」
「え?」
ヤンは足を止め、天井から下げられ壁を飾っている絵をよく見てみる。
それは馬に乗って猟場を進む騎士と貴婦人の絵で、その絵の周囲には額縁があり、額縁
周囲を花が飾っている…という絵が描かれた特大タペストリーだった。よく見ればその他
の天井から下がる絵も同じくタペストリー。
「へぇ〜、絵と額縁と飾りの花束までが一つの絵なんだ」
「ええ、面白いでしょ?」
急に右から声をかけられた。
ヤンが横を見ると、ピンクの長い髪に鳶色の瞳を持つ女性がとろけそうな微笑みを浮か
べている。
「あれはフィヨー・ド・サン=マルタスの『猟場の伯爵夫人』、その横が『アモールの武
器を取り上げるレクジンスカ』。ここに下げられているのは全部で一つの連作なのよ」
「ちいねえさま!」
喜びに顔を輝かせたルイズが女性の胸に飛び込んだ。
ルイズそっくりながら、穏やかで優しい雰囲気と丸みを帯びた大人の女性の空気をまと
う女性がキャッキャとはしゃぎながらルイズを抱きしめる。
しばし抱き合っていた二人だが、ようやく女性がルイズを離しヤンとシエスタを見た。
「まぁまぁ二人とも、みっともない所をお見せしましたわ」
そしてヤンに寄ってくる。
ヤンは胸に手を当て恭しく礼をした。シエスタもメイド服のスカートをつまむ。
「初めまして、カトレアお嬢様。私はヤン・ウェンリーと申します」
「お初にお目にかかります。シエスタと申します。先日ミス・ヴァリエールにメイドとし
て雇用されました」
自己紹介をされたカトレアもスカートの裾をつまんで礼をした。貴族が平民に礼をする
という行為に、二人はギョッとしてしまう。
「初めまして。私はルイズの姉のカトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・
ラ・フォンティーヌです。妹がお世話になっておりますわ」
「フォンティーヌ?」
ヴァリエールじゃないの?と、ヤンの頭上にクエスチョンマークが飛び出た気がする。
ちょっと失礼な使い魔のリアクションにもカトレアはニッコリ笑って答えた。
「私は魔法もろくに使えないほど病弱で、ヴァリエール領からも出た事が無いの。領地を
出たのは今回が初めてよ。父さまは、そんな私を不憫に思って領地を分け与えて下さった
の。
だから正確にはヴァリエール家じゃなくて、フォンティーヌ家の当主になりますわ」
「それは、知らぬ事とはいえ失礼しました」
ルイズとは似ても似つかぬ穏和で寛容かつ謙虚な対応に、ヤンは心から恐縮して頭を下
げた。
カトレアは頭を下げるヤンに歩み寄り、優しく手を取った。
「そんなにかしこまらないで下さいな、先生」
「せん…せい?」
ヤンも、横で聞いてるルイズもシエスタもキョトンとしてしまった。
「あの、ちいねえさま。ヤンは先生じゃないんだけど」
カトレアはコロコロと楽しげに笑う。
「あらあら!もう話は広まっていますよ。ルイズが使い魔を呼ぼうとして、うっかり異国
の元帥にして軍最高司令官を教師兼軍師として召喚したって」
「げ、元帥って…」
ルイズとヤンは冷や汗をかいていた。シエスタはヤンの顔を黙ってジッと見る。
ルイズは、噂に尾ひれ背びれがついたわねぇ…と呆れて。
ヤンは、何故バレたんだ?自分の正確な地位や階級は誰も知らないはずなのに、もしか
してつい最近、他にも『迷い人』が現れたのか!?、と。
ヤンの階級は元帥。宇宙暦799年に同盟軍史上最年少の元帥に昇進している。地位は、
最終的にはエル・ファシル独立政府の革命軍司令官でありイゼルローン要塞司令官であり
イゼルローン駐留艦隊司令官。同盟軍所属時代は第13艦隊司令官であり、1艦隊の司令
官に過ぎない時期もあった。軍の正式な最高司令官になったのは、エル・ファシル独立政
府に所属して以降で宇宙暦799年の12月(文民統治の形式上、エル・ファシル政府主席
ロムスキー氏が軍事委員長という上官の地位にあったが)。
ちなみにハルケギニアでの現在の暦は宇宙歴換算だと、宇宙暦800年の8月辺り。もっ
とも、召喚による時空転移時に時間軸がずれた可能性もあるので、正確なところはヤンに
は分からないが。
つまり、ヤンが元帥であり軍最高司令官だと分かるには、少なくとも宇宙暦799年以降
にハルケギニアへ転移してこなければならない。
そんな期待と不安が入り交じるヤンの脳裏に、続けて別の女性からの声が届いた。
「あなたは先日、父さまに二つ名を名乗ったわね?『2秒スピーチ』と」
その棘のある女性の声に、ヤンは聞き覚えがあった。ルイズも緩んでいた頬が一瞬で引
き締まる。
「え、エレオノール姉さまも。お久しぶりです」
「久しぶりね、元気そうで何よりだわ」
そこには理知的かつ厳しそうな瞳に公爵と同じブロンドを持つ長身の女性、エレオノー
ルが歩いてきていた。
縮こまりながらも挨拶をするルイズに、エレオノールは一瞥をくれるのみ。
そしてメガネ越しに鋭い視線をヤンへ投げつける。
その刺すような目に、ヤンも腰がひけそうになるが、なんとかこらえて頭を下げる。
「お久しぶりにございます、エレオノール様。…確かに私は公爵に、かつて私が『2秒ス
ピーチのヤン』と呼ばれていた、と語りましたが、それが、な、に…か?」
ヤンは質問をしながら、自分が余計な事を言ってしまった事に気が付いた。二つ名が『2
秒スピーチ』とは、どういう事か。
まず、スピーチをしなければならない公的地位にある。
2秒でスピーチが終わるなんて通常有り得ない、非常識だから二つ名になる。
規律を重んじる軍で、しかも政府や軍の式典で、非常識なスピーチは普通できない。
非常識な事が出来るのは、当人を軍規や法規をもって諫める人物がいないということ。
つまり階級も地位も最高位か、それに匹敵する実力が必要。
そして、この二つ名は嘘やジョークにしては迂遠過ぎる。真実の可能性が高い。
規律ゼロの私兵集団の首領とかには見えない。それだけはない。荒くれ者を束ねるどこ
ろか、逆に締め上げられそうだ。
エレオノールがビシィッとヤンを指さした。
「…つまり!あなたは『ふりーぷらねっつ』とか言う国の、軍最高司令官ね!階級も最高
位の元帥!!」
ルイズとシエスタは一瞬呼吸が止まる。そしてヤンを見上げる。
小さな主のグータラ執事は、見ていて目を覆いたくなるくらいオタオタしていた。
「まぁまぁ。凄いんですねぇ」
カトレアは朗らかに手を叩いていた。
「おでれーたな!マジなのかよ、ヤン!」
長剣は鞘から飛び出さんばかりの勢いで飛び出した。
油を絞られるガマのようにダラダラと汗を流したあげく、ガックリと肩を落とした。こ
こまでの狼狽を見られてしまっては、白状したのと同じだと諦めるしかなかった。
「そ、そんな大層なモノじゃあ、無いんです…負け戦が続いて、国も滅んで、不正規隊と
いうか独立愚連隊というか、敗残兵を連れて逃げ回ってただけですから」
それでもヤンは、必死に『真実』を語る。
ハルケギニアでは『平民が最高司令官』なんて信じてもらえないと思っていた。第一、
故郷に帰れなくなってしまったが、ようやく軍から身を引いて平和な生活が出来そうでも
あった。せめてこのまま平穏な生活を続けたかった。うっかり再び軍に放り込まれては、
たまったものではない。
第一、負け戦だったのは本当だ。といっても、敗北が決定してから指揮権を譲渡された
り、ヤンが戦術的に勝利したが政府が戦略的に敗北した、という様な話なのだが。
そんなヤンの内心を知ってか知らずか、エレオノールは腕組みしてウンウン頷いた。
「当然だわ。その若さで、しかも覇気の欠片もない鈍そうな平民が指揮するとあっては、
負けて当然でしょう。『ふりーぷらねっつ』とやらも、大した国では無かったんでしょう
ね」
かなり酷い事を言われたヤンだが、怒るどころか「ええ、まぁそうなんです」と、情け
なく愛想笑い。その様にルイズもシエスタもデルフリンガーも「なーんだぁ」「うーん、
やっぱりそうですよね?」「はは、まぁそーだろーよ!」と呆れてしまった。カトレアだ
けは変わらぬ笑顔でヤンを見つめている。
「さて、そんな余談はよいのです。父さまも母さまもお待ちですわ。行きますわよ!」
毅然とした態度で先導するエレオノールに連れられ、一同は城の奥へ向かった。
そんなルイズ達を城の入り口から見つめている二対の青い瞳がある。
警備の兵士が青い瞳と青いドレスの二人組の所へ駆けてきて敬礼する。
「失礼致しました!ガリアからの大使と確認できましたので、お通り下さい!」
青いショートヘアの少女と青く長い髪の女性は城の中へと入っていた。
支援
敬礼した兵士に、別の衛士が胡散臭げに小声で声をかける。
「おい、なんだい?あの二人組」
「ガリアの大使。ちゃんと招待状持ってた」
「…あれが?どうみてもお上りさんの田舎者と、その妹だよな」
「でも、あの青い髪はガリア王家の特徴だ」
そんな怪訝な視線を背中に受けつつ、青く長い髪の女性はキョロキョロとせわしなく周
囲を見回り、ウロウロしようとしたところを妹らしき人物に杖で叩かれていた。
国中の貴族とその配下達でごった返す城の中、ヴァリエール家には控え室が用意されて
いた。勢揃いしたヴァリエール家の面々を前に、執事のジェロームが式典の予定を説明し
ていた。
「・・・でして、これより正面ホールにて陛下が全貴族に対し詔が賜られます。
その後姫殿下はベアトリス殿下と共に、馬車にてブルドンネ街を通りまして、中央広場
のサン・レミ聖堂へ向かわれます。
聖堂で大司教より道中の安全祈願と婚礼への祝福を受けましてから、ゲルマニアへと向
かわれます」
上座の肘掛け椅子に鎮座する公爵と公爵夫人、そして三姉妹が和やかな空気の中で執事
の話を聞いていた。シエスタとヤンは他の執事や召使い達と共に壁際で立っている。白の
鎖編みで刺繍された青い布地と、金の装飾がなされた立派な肘掛け椅子に座る公爵夫妻。
その威厳は相当なものだ。他者を常に傅かせてきた支配者階級のオーラを全身に纏ってい
る。
特に公爵夫人のオーラが苛烈だ。
炯々とした光を湛える鋭い眼光を持つ、四十過ぎの女性。髪は桃色だが、纏うオーラの
色は桃色からはほど遠い。金色か、焼け付くような熱を帯びた白だろう。エレオノールを
遙かに上回る威圧感を放っている。
とはいえ、目出度い婚儀を前にして、さすがに夫妻の表情は柔らかかった。水辺で戯れ
る白鳥がデザインされた銀のワインクーラーで冷やされたワインをグラスに注がれ、ゆっ
たりとくつろいでいる。
「さて、式典の席の事だが」
公爵が低いバリトンの声を響かせた。
「残念ながら、トリステインの全貴族が出席出来るような広さは、城の大ホールにも聖堂
にもない。なので出席者は厳選せよとのお達しだ。それとカトレアは身体の事もあるし、
エレオノールはアカデミーの仕事がある。領地も空にはできん」
カトレアは僅かに頷く。エレオノールはクイとメガネをかけ直す。
「このため、大ホールにはエレオノールとカトレアが出席せよ。その後エレオノールはカ
トレアを屋敷へ送れ。後はアカデミーに戻るがよい」
「承知致しました」「エレオノール姉さま、お願いしますね」
年上の姉二人はすぃっと頭を下げる。
公爵は顔を見合わせる姉二人から、視線をルイズへ移す。
「聖堂へはわしとカリーヌ、それにルイズが出席する。その後はヴィンドボナまで馬車の
旅だ」
「分かりました。ゲルマニア旅行、楽しみですわ!」
はしゃぐルイズはカリーヌの峻烈な眼光に射抜かれ、即座にしゅん…となった。
次いで婦人の眼光はヤンを射抜く。
ヤンは一瞬で手に平に汗をかいてしまった。
「ウェンリー、とやら」
「は、はい」
背筋にも冷たい汗が流れるのを感じる。
「そなたのもたらしたダイヤの斧、見事な逸品でした」
「恐れ入ります…そういえば、アカデミーに送られてからはどうなりましたか?」
支援
シ・エーン…まさにノブレスオブリージュ
その言葉に、エレオノールが胸を張った。
ヤンの横に立つシエスタの目は、その胸が詰め物だと見抜いてしまったが、そんな事は
長女の知らぬ事。
「もちろんダイヤの取り外しに成功しましたわ!まったく、『ブレイド』ですら切れぬの
で苦労したわ。一ヶ月かけて、極微小の『錬金』で接合部を切り離しました。
彫金師に送った後の事は良く知らないのだけれど、確かティアラにしたとか」
自慢げに語るエレオノールだったが、あれが実際に血にまみれた斧だと知ってるヤンに
とっては複雑な想いだ。そんなものを頭上に戴いて不吉じゃないかなぁ、と。しかもその
血は麻薬で汚染された地球教徒のもののはず。
「まだ何か聞きたげだな?」
ヤンの様子に公爵が不審を感じたらしい。さて、まさか今頃になって血濡れのティアラ
です…とも言えない。別の事を聞く事にした。
「あ、いえ、実はアルビオンの親善艦隊はどうなったのか、と…」
「ふむ、それか。それなら・・・」
公爵は皆に先日のラ・ロシェール上空での一件を語った。内容は枢機卿が受けたものと
同様。
ヤンもルイズも真剣に話を聞く。
聞き終えたルイズは誇らしげに胸を張った。
「どうやら本当に奇襲をかけようとしていたようですね!礼砲で艦が撃沈だなんて、自作
自演にしても程度が低すぎるわ!」
ヴァリエール家の人々も、まったくですわね、お手柄ねぇルイズ、等にそれぞれの感想
を述べ合う。
そんな中、ヤンだけは顎に手を当てて考え込んでいた。
「あ…いえ、待って下さい」
末娘のお手柄を率直に褒めていた公爵夫妻も姉たちも、他のメイドや執事もヤンへ視線
を集中させた。
「彼等は、砲口を向けられた事について何も言わなかったんですね?その点を逆に非礼だ
と咎める事も出来たのに」
「うむ。奇襲作戦を中止する以上、奴等は単なる親善艦隊であり大使一行だ。外交関係を
こじらせないため当然の事と思うがな」
公爵の判断は、枢機卿と同一のものだ。特に不審な点はないように思える、と公爵婦人
も三姉妹も考えていた。
だが、ヤンはますます考え込んでしまう。
奇襲作戦のために不可侵条約締結を謀る連中。貴族ではないため名誉に拘らず、故に策
謀を躊躇わぬクロムウェル…。かの新皇帝の人となりから見て、僅かな矛盾を感じてしま
う。
「素直、過ぎませんか?」
「素直、過ぎる…とは?」
ヤンの質問に、公爵は質問で返した。
「はい。まるで、奇襲作戦を見抜かれている事が前提かのように、あっさりと手際よく作
戦を中止させています。そのわりに艦には火を放ってます。まるで、中途半端にこちらの
情報を得ていたかのようです」
「口を慎み給え」
ヤンを窘めたのは、ジェロームだった。
「君が言ってるのは、トリステイン城内に裏切り者がいる…という事だね?」
「はい」
何のためらいもなく肯定したヤンに、ジェロームの方がたじろいだ。
「し、新参者としての謙虚さが欠けるようだ。恐れ多くも城内に王家へ弓引く者がいるな
どと。しかも、単なる憶測ではないか!」
「ジェローム。あなたも口が過ぎますよ」
今度は公爵夫人がジェロームをたしなめた。恐縮して一礼する古執事から、飄々とした
態度を崩さない新執事へ視線を移す。
「ウェンリーよ。あなたもゆえなく他者を貶めるがごとき言葉、慎みなさい」
「失礼致しました」
ヤンも深々と頭を下げる。
だが、今度は公爵が髯を撫でながら考え込み始めた。
「ふむ…かのレコン・キスタは国境を越えた繋がりを持つ。始祖への信仰心から、いつま
で経っても『聖地奪還』に動かぬ王家に業を煮やした貴族や僧侶が…という事は十分考え
られる事だ。
それに、貴族の地位を剥奪され平民に堕とされたメイジや、家名が低く領地も無い故に
日々の糧にも事欠く下級貴族はトリステインにとて多い。金に目がくらんでも不思議はな
い」
ルイズもヤンもシエスタも、聖地奪還という言葉に眉をしかめる。聖地が厄災の元だと
知っているものの、それを公にする事も出来ないもどかしさを感じてしまう。
支援
「まぁ、とはいえ、誰が裏切り者かまでは分からぬであろう?」
「はい、残念ながら。
それに諜報活動は政戦両略の基本です。城内かどうかはともかく、トリステイン国内に
もゲルマニアにもアルビオンの間者や協力者がいる事は当然でしょう」
「そうだな。
それに、既に危機は去ったのだ。もはや同盟はなり、ラ・ロシェールにはトリステイン
とゲルマニアの両艦隊がいる。両艦隊はゲルマニアへ行き、合同艦隊パレードをヴィンド
ボナ上空で繰り広げる予定だ。
アルビオン艦隊も大使のサー・ジョンストンを降ろして、すぐにアルビオンへ帰ってい
る。その大使とて、艦隊司令長官及び貴族議会議員の政治家ではあるが、貴族一人に警護
数名。伝令用の風竜を一騎連れているくらいだ。
この状況で、奴等に打つ手はなかろう。当面は我が国は安泰だ」
「そうですね…確かに、純軍事的にはアルビオンは手詰まりです。建国して間もなく、国
内も外交も急ぎ安定させねばならない時期ですから、しばらく軍事侵攻はないでしょう。
ですが、次の策略を既に考えてあるから、礼砲による撃沈という演技をあっさり諦めた
ということも考えられなくはないです」
次の手、と口にしたヤンにはさしたる意味は無かったかもしれない。単に可能性の問題
としてあげたのだろう。
が、ヴァリエール家の人々はそれぞれに多様な反応を示した。
カトレアは「あらあら、先生は心配性な人ですねぇ」と少し困った顔をする。
エレオノールは「ふん、よく舌のまわる狐だこと!」と露骨に嫌悪を現した。
公爵夫人は黙ってヤンを見つめている。射抜くような眼光はそのままに。
ルイズはちょっと頬を膨らませる。目出度い婚儀の席で余計な事言わないでよ、という
感じだ。
公爵は一言、「続けよ」と命じた。
ヤンが小さく一礼し、さらに話を続けようとしたところ、部屋の扉がノックされた。城
の侍女が「失礼します。時間ですので、正面玄関ホールへお越し下さい」と告げる。
公爵はゆっくりと優雅に立ち上がった。
「ふむ。興味深い話ではあったが、もう時間がない。ウェンリーよ、念のために聞くが、
おまえの懸念は切迫したものか?」
「いえ。可能性としては極めて低いものです」
「ならば、またにせよ。ともかく、姫殿下の婚儀だ!皆、粗相のないようにな!」
一同は公爵の号令を受け、貴族の威厳と風格をもって部屋をあとにした。
支援
前半はここまでです。
ああ、お腹空いた
お疲れ!
俺はさっき納豆巻き作って喰ったよ。
GJ!
俺は鯖の味噌煮定食!
乙です
最近納豆喰ってない……
>>765 ブラロアならファングとか良いんじゃないか?
一応原作中で武器使った事もあるし
キートンさん乙!
大人の仲裁があるだけでこうも喧嘩別れしにくくなるとはな〜
流石のヤンもクロムウェル(その裏のジョゼフ)の性格を把握してないから
その動きの読みに対して自信がそれほどないみたいだな。
さて、予約もないようですし、規制も外れたでしょうし
飯も喰ったし風呂も入った。さて寝るか
・・・の前に、後半を投下していきます
城の大ホールは既にトリステイン貴族と彼等に使える召使い達でごった返している。
エレオノールがカトレアとお供数名を連れてマリアンヌ陛下の詔を拝聴すべくホールへ
向かった。
公爵夫妻とルイズは姫殿下や枢機卿に続いて馬車でサン・レミ聖堂へ向かう。なので城
の正門へ。彼等の共はジェローム以下ヴァリエール家の執事と召使い数名、それに警護の
メイジ達が務める。
で、残った配下の者達と、新参のルイズ専属の執事と召使いであるヤンとシエスタは、
てくてくと城をあとにした。
「やれやれ、僕らは歩いて中央広場か。結婚式って、どこも儀式や演出が大変だけど、さ
すがロイヤルウェディングは桁外れの大変さだねぇ」
「しょーがねーやな!見ろよ、周りを。街道もどこも貴族やら平民やら馬やら馬車やらで
一杯だぜ!おめーら平民まで馬車や馬を使ったり、パレードに参加したら、もう誰も通れ
なくなるぜ!」
背中のデルフリンガーの言うとおり、もう街は押すな押すなの大混雑だ。
パレードが通る大通りには、既に警備の騎士達と見物人が陣取っている。裏通りには露
店が並び、大道芸人が芸を披露している。酒場は満席、宿屋は満室。
当然、混雑緩和のため、一般人の馬車・馬の乗り入れは厳禁。街の入り口の駅も馬と馬
車で満杯。
城から下ってきたヴァリエール家の使用人達も、街に入る前に気合いを入れていた。
使用人達の一番後ろで、シエスタはヤンの手をキュッと握る。
「ちょ、ちょっとシエスタ…」
「この大混雑じゃ、はぐれかねませんよ。さ、急ぎましょう!」
ニッコリ笑いつつも強引にヤンの手を引いていく。
ヤンは、やれやれ…と呟きつつチクトンネ通りを通って中央広場へ向かった。
「あ!ここですよ、ここ」
「ああ、ジェシカさんが言ってた『魅惑の妖精亭』だね」
ヴァリエール家使用人一行の後ろをついていく二人の視界に居酒屋が入った。見た目は
ごく普通の居酒屋だ。街のお祭り騒ぎはここにも届いているようで、中から酔っぱらいの
下手な歌声や乾杯の音頭が響いてくる。
「ちょっと。ジェシカに挨拶していきましょうよ!」
そう言ってシエスタはヤンを居酒屋の中へと引っ張る。引っ張られるヤンは少し困り顔
だ。
「ちょ、ちょっとシエスタ。はやく聖堂に行って公爵夫妻をお迎えする準備をしないと」
「大丈夫じゃねーか?偉い人の演説とか、パレードとかはそーそー簡単に終わらねーモン
だろ」
「ん〜、そうだねデル君。じゃ、ちょっと挨拶していこうか」
二人は他の使用人達に「後で追いつきますから」と声をかけ、居酒屋の中に入った。
居酒屋の中は凄い熱気だ。
沢山の男達が朝から飲み倒しているのだろう。そこかしこでグデングデンな酔っぱらい
が給仕の女の子にちょっかいをかけようとしてスルリと逃げられている。
で、給仕の女の子達の姿も熱い。ヤンとしては目のやり場に困る。胸を協調したデザイ
ンの服、スカートの丈も短くて白い脚が輝いてる。可愛い女の子がきわどい格好で飲み物
を運んでくるのが人気の店だった。
よく見るとテーブルの上にはハルケギニア料理に混じって、餃子やホットドッグも並ん
でいた。どうやら新メニューとして受け入れられたらしい。
私怨砲撃開始!!
店内に入った二人に、すぐに元気な声が飛んできた。
「あっらー!?シエスタに、ヤンさんじゃないの!いらっしゃーい!!」
お盆を片手に駆けてきたのはジェシカ。
「久しぶりー!ちょっと近くを通ったから寄ってみたの」
「あ、あの、お久しぶりです…」
ヤンは、思わず目を逸らした。何故なら、ジェシカは普段着だったタルブの時とは異な
り、大きな胸を強調、というか胸元が大きく開いて谷間を見せつける服装だったから。
赤くなるヤンをみて、ジェシカはニンマリと笑ってしまう。
「あらあら、どうして目をそらしているのかしらぁ?挨拶は相手の目をみてしないと、失
礼ですよぉ?」
言われたヤンは視線をジェシカに戻した。それでもやっぱり視線が下にストンと下がり
そうになる。
ぎゅにっ!「んぎゃ!」
シエスタに手をつねられた。
「あっらぁ〜ん?あなたが噂のヤンさんねぇ!?お噂は娘から聞いてますわよぉ〜」
珍妙なイントネーションの男の声も飛んできた。
声の方を見た瞬間、やっぱり目を逸らしてしまった。ジェシカとは正反対の理由で。
ボディービルダー級の体格なのにオネエ言葉。肌にピチピチの紫な衣装。クネクネした
物腰。…見事なまでのオカマ。
シエスタが少し苦笑いしながら、オカマを紹介してくれた。
「こちらは私の叔父で、ジェシカのお父さんのスカロンです」
紹介されるが早いか、スカロンはヤンに腰を振りながら近寄ってくる。ヤンはじわじわ
と後ずさっていく。
「はぁじめましてぇ!あたくし、この『魅惑の妖精亭』の店長、スカロンですぅ。あたく
しのことは、お店ではミ・マドモワゼルと呼んで下さいねぇ!」
ヤンの頬が引きつる。必死に作り笑いをしようとして、失敗したようだ。
「は、初めまして、ヤン・ウェンリーと言います。スカロンさん…」
「イヤンイヤンッ!ミ・マドモワゼルですぅ!」
ヤンの目は、違う意味で大きなスカロンの胸に視線が行ってしまう。見事な大胸筋が華
麗にビクビクと上下していたから。
「み、みす…み・まど、もわ…ぜる」
「トレビア〜ン!」
スカロンは満足して微笑んだ。
そしてヤンの背に手を回す。触られたデルフリンガーが「やめてー!」と叫んだが、ヤ
ンの耳には入らなかった。そんな余裕は無かった。
「せぇっかくいらして下さったんですからぁ、ゆっくりしていってねぇ〜ん!新メニュー
の味見とかもしていって欲しいしぃ〜」
といって店の奥へと連れ込もうとする。
その筋肉に相応しいパワーで引きずられそうになったヤンは、色んな意味で身の危険を
察知した。背中にもアリが行列しているかのような気色悪さが走り抜ける。
「す!すいません!僕らは、その、中央広場へ!サン・レミ聖堂へ急いで行かなければな
らないんです!」
「あっらぁ〜ん?でも、ちょっとくらい」
「ごご、後日!日を改めて伺いますので!今日はこの辺でぇっ!」
叫んだヤンはシエスタの手をひっつかみ、逃げるように店を飛び出した。
後ろから聞こえる「またきてねぇ〜ん!待ってるわよぉ〜」という言葉は、故意に記憶
から抹消した。
提督の人乙でした!
俺は洗い物してきます・・・
siennn
言った側から後編来てた支援!
息を切らして逃げてきたヤンは、ようやく中央広場に到着した。
広場の反対側に見えるファーサード(聖堂正面入り口)はアーチ状の上部に沢山の彫刻
が飾られ、窓の上には聖人像が並んでいる。ファーサードの向こうにある身廊(聖堂入り
口から祭壇までの空間)の天井には、見上げるような尖塔が幾つも見える。
大通りから噴水周囲、そして聖堂にかけては警備兵によって群衆が排除され、人混みの
中にぽっかりと無人の空間が広がっている。
もちろんそれ以外の空間はお祭り騒ぎで埋め尽くされている。露店で買ってもらったお
菓子を頬張る子供達を連れた夫婦、パレード到着を待ちわびる若いカップル、聖堂へ祈り
を捧げる老人達。中央広場周囲の石造りの建物も、全ての窓から沢山の人が顔を覗かせて
いた。屋根に登っている元気で向こう見ずな若人達もいる。
よく見るとカゴの様なものを持った人が塔や上層階の窓にちらほらと見える。パレード
到着に合わせて花吹雪か紙吹雪を撒くのだろう。
空を見ると、数え切れないほどの竜が編隊を組んで飛んでいるのが見えた。
「へぇ〜、竜騎士隊だね?あんなに沢山いるのは初めて見たなぁ」
手で陽光を遮りながら見上げるヤンと同じく、眩しそうにシエスタも空を見上げた
「首都警護竜騎士連隊ですね。それと、クルデンホルフの空中装甲騎士団(ルフト・パン
ツァー・リッター)も、かな?パレードを空から警備しているんでしょう」
「つーか、あれもパレードの一環なんだろーな」
デルフリンガーの言うとおり、編隊を組んだ竜騎士隊は悠々と城の上を旋回している。
街を監視しているような素振りは見えない。
二人は警備の人々にヴァリエール家に仕える者と告げ、聖堂敷地内に通された。他の使
用人達に一礼して、聖堂横で待機する。
「さて、あとはパレードが来るのを待つばかり。公爵の馬車が来たら、皆でお迎えしたら
いいんだね?」
シエスタも頷いて、聖堂での予定を説明する。
「そうです。といっても私達は教会内には入りませんので、入る時と出る時に整列して礼
をするだけで終わるでしょう」
「やーれやれ!たったそんだけのために、こんな沢山の使用人を連れてくるたーよ!貴族
の見栄ってやつぁ大変だね」
デルフリンガーの指摘は正しく、教会敷地内には沢山の使用人がたむろしてる。パレー
ドに参加している貴族達の配下だろう。
「こらこらデル君、そういう事は小声でコッソリ言うものだよ。しばらく黙っててくれな
いかな」
「へぇ〜い。ま、しっかりやんな」
デルフリンガーはチンッと音を立てて鞘に収まった。ヤンの背中が急に静かになる。
さて、待つのは良いのだが、なにせ贅を尽くした雅な婚礼パレード。国民へのお披露目
もあるので、やたらノンビリ進んでくる。
なので、教会で待ってる人々はヒマだ。他の使用人達も手持ち無沙汰。
シエスタは暇つぶしに、ヤンの話の続きを聞いてみる事にした。
「ところで、ヤンさん。先ほど城で話してた事なんですけど」
「ん?ああ、あれかぁ」
「一体、どんな事を言おうとしてたんですか?」
「う〜ん、確かに考えられる手はあるんだけどね・・・」
尋ねられたヤンは腕組みして考え込んでしまう。
「なんというか、まともに考えると有り得ないような手なんだよ。考えすぎというか、さ
すがに気にする事はないと思うよ」
そう言って頬をポリポリとかいてしまう。
sirn
シエーン・カンバーック!!
「ふぅ〜ん。でも、ちょっと教えてもらえませんか?」
大きな瞳で見上げてくるシエスタに、今度は頭をかいてしまう。
「そう言われてもなぁ…うーん、笑わないで聞いてくれるかな?」
「ええ、もちろんです!とっても気になりますよ」
「まぁ、そう言ってくれるなら…」
というわけで、ヤンは語り出した。どうにも荒唐無稽な、というか杞憂とも言える懸念
を。
そもそも聖地奪還運動と王権は本来矛盾しない。なら何故レコン・キスタは王権打破を
唱えたのか。
王家は聖地奪還をせず、城の中で惰眠をむさぼり始祖への信仰を蔑ろにし、挙げ句の果
てに王家同士で延々と無意味な小競り合いを続けて、国を疲弊させるばかり。『こんな怠
惰で無能な王家は廃し、有能な貴族による共和制をもって新たなる統治を築こう。そして
我らの聖地を奪還しよう』…これがレコン・キスタの大義名分だ。
だが、ただ王家を排除しただけでは、国民の寄って立つ基盤が無くなる。国の中心たる
カリスマを失ってアルビオンは空中分解を起こす。有力貴族同士が権力闘争を繰り返す群
雄割拠の時代に突入する。完全に王家を排除するのは得策でない。形式だけでも王家を残
しておくべきだ。
だが、王家を残しておくと今度は王政復古の可能性も残してしまう。王家による統治の
正当性を唱え、レコン・キスタへの不満分子が集結してしまう。そしてレコン・キスタを
排除した上で、飾りの王を頭上に戴くだろう。
なら、王族自身が聖地奪還運動に同意してくれると都合がよい。レコン・キスタの重臣
として残しておけばいい。十分に貴族連合内で重用して反逆の意思を削ぎ、同時に実権を
出来る限り与えず飼い殺しにしておく。そんな地位を受け入れてくれる王家の者がいれば
最高だ。
が、そんな都合の良い王族はいなかった。だから彼等はアルビオンでウェールズ皇太子
を生かして捕らえた。説得し、脅し、洗脳し、操り人形とするために。
そして、これらは全てトリステインにも当てはまる。
いや、アルビオンではモード大公投獄という政治的失敗が存在した。そこを反王家派貴
族につけ込まれたのだろう。だがトリステインでは王家が国民の支持を失うような目立っ
たスキャンダルが無い。レコン・キスタが侵略してきても王党派の反抗は激しく、統治に
困難が生じるのは疑いない。トリステインの平定にまごつくと、今度はアルビオンで王党
派が息を吹き返しかねない。
レコン・キスタはトリステイン王家内の協力者を必要としている。政治的地位を求めず
聖地奪還運動に共鳴してくれて、国民の人気も高い飾りの王族を。
紫煙をくゆらせる
シエンスタ
「あの…それって、まさか…」
ここまで聞いて、シエスタは話の結論に気が付いた。恐る恐る尋ねてくる。
ヤンはちょっと周囲を見て、誰もヤンの話に耳を向けてないのを確認してから、黒髪か
らのぞく少女の耳に囁いた。
「そう、彼等はアンリエッタ姫が欲しいんだよ」
シエスタはゴクリと音を立ててツバを飲み込む。
ヤンの背中で剣がカチ…と控えめな音を立てた。
「んじゃ、ヤンよ…あいつらが仕掛けてくる策って…何だ?」
「何だと思う?」
「姫さんの、誘拐?」
「それもアリだね。でもそれだと、レコン・キスタは国際的非難を受けるよ。傀儡にする
にも色々と支障が出るし。もっと良い手を使わないとダメ」
今度はシエスタが周りを気にしながらヤンに耳打ちする。
「あの、まさか…アンリエッタ姫がアルビオンに、レコン・キスタに走る、とか?」
「そのとーり」
軽く答えたヤンだが、少女と長剣のまとう雰囲気は重い。
そんな二人を見て、ヤンはクスクス笑い出した。
「やだなぁ、そんな真面目に考えるほどの事じゃないよ」
「え、でも…」
シエスタは少し不安げだ。
「いくらなんでも、もう結婚式の最中だよ?アンリエッタ姫の説得なり何なりするには、
時間が無さ過ぎたのさ」
「あー、そだよな?この状況で、姫さんがアルビオンへ走るなんて、あるわけねーわな」
長剣はツバを鳴らして同意した。シエスタは肘でヤンの脇をつつく。
「もう!脅かさないで下さい!」
「はは、ゴメンゴメン。でも、良い暇つぶしになったろ?」
ヤンが指さす先には、群衆の歓呼の響きを受けて街道をしゃなりしゃなりと進んでくる
パレードの先頭が見えていた。
中央広場にはグリフォン隊・ヒポグリフ隊・マンティコア隊が警護する馬車の大行列が
行進してきた。聖堂の鐘も鳴り響き、呼応するように町中の鐘も鳴り出す。
ファーサード前に停まる豪奢な馬車からは、トリステインの国政を預かる重鎮達が赤絨
毯の上に降り立つ。その中にはオールド・オスマンとロングビル、そしてギーシュの姿も
あった。生憎ヤンの姿には気付かず、そのまま聖堂に入っていった。他にも、姉のような
女性を連れたタバサの姿も見かけた。タバサはヤンをチラリと見てから教会に入っていっ
た。
ヴァリエール家の馬車を待ちながら、ヤンはさっきの話の続きを考える。
マーテルのVSOPをソーダで割りながら支援
@@@@
はい、4円
ルイズの話では、アンリエッタはウェールズへの想いを振り切れてはいない。
ウェールズはレコン・キスタに捕らえられ手紙も発見されたので、両者の関係はアルビ
オンでは周知の事実。
もし、ウェールズを慕って姫がアルビオンへ走ったら…?
バカバカしい、とヤンは下らない憶測を振り払った。
確かにアンリエッタ姫は恋文の一件から、典型的門閥貴族の思考を持つと見ている。自
己正当化と陶酔と浅慮については目を覆わんばかりだ。しかも悪気がないのが一番手に負
えない。
おまけに、この段階でアンリエッタ姫がアルビオンへ走れば、同盟が反故になってアル
ビオンが攻めてくるどころではない。激怒したアルブレヒト三世が宣戦布告する。トリス
テインはアンリエッタ姫派とマリアンヌ王妃派に分裂する。王家は国民の支持を失う。新
教徒が反乱を起こす。
だが、そんなことはアンリエッタ姫だって分かっている。それはルイズの話からも確か
だ。それに、いくら政略結婚の駒として育てられ、政治的教育も実権も与えられず、蝶よ
花よと育てられた世間知らずだとしても、だからこそ国のために身を捧げる事だけは教え
られていただろう。
第一、ルイズからの報告でウェールズ皇太子が正常な状態に無いであろう事は知ってい
るはずだ。この段階でウェールズの名を持ち出されても、レコン・キスタを信用するはず
もない。
「我ながら、バカな事を考えたもんだなぁ…まるで御伽噺みたいな話だ。ちょっと浮かれ
て調子に乗ってたかも知れない。まったく、お城で公爵に話してたら、大恥かいてた所だ
よ」
聖堂の鐘が鳴り響き舞い散る花吹雪と紙吹雪の中、ようやくやって来たヴァリエール家
の馬車に頭を下げながら、ヤンは公爵夫人の忠告に従って口を慎むとしよう、と心に刻ん
だ。
sien
そして多くの馬車から降り立った貴族達が聖堂に入り込んだ後、大歓声に包まれてユニ
コーンにひかれたアンリエッタ姫の馬車が到着した。
目も開けづらいほどの花と紙が舞い、騎士隊の杖がしゃんっと小気味よい音を立てて掲
げられる。
花のように見目麗しい王女は、輝かんばかりの白いウェディングドレスに身を包む。そ
の頭上にはキラキラと輝くティアラがあった。ローゼンリッターの斧から取り外した炭素
クリスタルの刃を銀の本体を飾り、その周囲も光を乱反射する色とりどりの宝玉がちりば
められている。
その後ろから、もう一人の少女が降り立った。見事な金髪を左右に垂らした、背の低め
な少女。だが気の強そうな瞳が爛々と輝いてる。ベアトリス・イヴォンヌ・フォン・クル
デンホルフ殿下だろう。王女ほどではないが赤い華麗なドレスに身を包み、栄誉ある巫女
の大役を仰せつかった誇らしさに胸を張っている。
二人の少女は大観衆の歓呼を受け、周囲の騎士と召使い達に傅かれ、聖堂の中へとゆっ
くりと進んでいった。
甘かった。
ここがファンタジー世界だと忘れていた。
いや、別にハルケギニアはファンタジーじゃない。
確かに魔法はある。だがこれは、違う宇宙であるので違う物理法則が働いているためだ
ろう。だからこそヤンの宇宙では絶対ありえない『召喚』『錬金』が人力で容易くできる
のだ
ハルケギニアは魔法という技術を基礎とした歴とした文明社会だ。決して御伽噺の世界
ではない。人々は毎日を笑い、泣き、怒り、裏切り、戦い、信じ合って生きている。人間
としての根本はヤンの世界と何ら変わるところはない。
だが、やはりファンタジー世界だ。
トリステインが、ではない。魔法が、ではない。パラレルワールドが、ではない。
真のファンタジー世界は、そんな所にはなかった。
あの女の頭がファンタジーだったんだ!
中央広場、サン・レミ聖堂前、正午。
大司教の祝福を受けて後、聖堂から出てきたアンリエッタ姫がいた。
凍り付いた空気の中、群衆や警護の騎士達や並み居る貴族達の視線が彼女に集中する。
一般群衆の中から警備を華麗にすり抜けて、ふわりと聖堂から出てきたアンリエッタと
ベアトリスの前に降り立ったのは、凛々しい金髪の若者。
誰からともなく「ウェールズ…」「…皇太子…?」という呟きが漏れた。
アンリエッタ姫は、しばし皇太子と見つめ合う
そして、二人は互いに向けて歩み寄り
熱い抱擁と共に
口付けをかわした。
第23話 ロイヤル・ウェディング END
ブランデーのツマミはチョコレートが一番だね支援
アン様ダメっ娘フラグのビンコ勃ちっぷりに吹いたw
そして、提督を支援!
これで後半も終了
眠い、最近寝不足なんです
最近寝付きが悪いんですよ
ドリエルEX飲んで早寝しますね
提督氏、投下乙です。
支援しつつアン様のダメっ娘フラグに突っ込みを入れたと思ったら、当人は既に公衆の面前でキスをしていた…!
な…何を言ってるのかわからねーと思うが(ry
アンリエッタ誘拐エピソードキターーーー\(>∀<)/
お疲れ様でした!
提督の人乙
>あの女の頭がファンタジーだったんだ!
吹いた!!
いやースイーツ(笑)スイーツ(笑)
提督乙!
ヤンの予想の斜め上をいくアンアンw
提督乙……っって
おまえ何をやってるんだ
アンリエッターーーーッ
オツムがファンタジーなのはともかく
理由を言えーーーーッ!!!
 ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
::::* *ヽ
U:::* *|
):(〆”!!
::::' Ω)》)
∪"υ i|フ
司 __/v
~~/∠
アンアンはヤンにとってのトリューニヒトだったんじゃ
ヤン「あ〜ktkrまた〜予想斜め上で〜あぁ〜ため息ぐらい〜つく権利はあるさ」
いや、本当に死んだ方が良いなこの王女は・・・
マザリーニは血圧が上がって脳卒中で倒れるんじゃね
821 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/05(木) 21:15:30 ID:/CprkQIX
提督の人乙です
よりにもよって公衆の面前で仕出かして、目撃者多数
どうするトリステイン? どうなるトリステイン?
提督のかた、乙でしたw
しかしこれ、とっさに偽物説ぶちあげてその場で殺っちゃたほうが良くないか?
姫様の御姿を偽る無礼者を処刑しろーってさ
いいえ、ケフィアでした
>>811 レコン・キスタ側も夜陰に乗じて誘拐に比べると随分華麗な一手で来ましたな。
衆目の前で既成事実作ってしまうとは。
>あの女の頭がファンタジーだったんだ!
これが秀逸w 脳内で本気orzするヤンが見えるよう。
アン様のあまりのらしさに顔が笑ったまま戻りませんわ。
駄目だこの脳味噌が無限のアァンタジーな馬鹿姫、早く何とかしないと……。
アンリエッタがトリューニヒトを召喚したらどうなっちゃうんでしょ?
この展開は…マザリーニ憤死ですね。わかります。
やっぱ専制政治はトップ一人がアホなだけで全てをぶち壊しちゃうなw
提督の人乙
>>825 甘い口車でアンリエッタを付け上がらせる最悪の奸臣になる姿が目に見えるようだ
病床からヤンを呼ぶマザリーニですね、わかります
っていうか脳溢血で死んだかな?
829 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/05(木) 21:27:22 ID:Kjvt6fDn
もしかしてこれで、トリステイン王国そのものがヤンの軍事的才能にすがらざるを得なくなる、
という展開なのか? ひょっとして?
を、しかしヤンが以前王宮内でアルビオン側の奇襲作を予言したのは、王宮内にアルビオン側のスパイがいることを見なしての策だったと思っていたのだが、深読み過ぎたか
>>829 あれですね
トリステイン軍臨時戦略顧問に推挙されるのですね
14巻じゃひたすら無能なとこしか見せなくて株下げてたけど、
これだけの駄目っぷりを見せられると逆にアン様が好きになってくるから不思議だ。
上に立って欲しくない為政者ダントツNo.1ですが。
提督の人、乙。
>>807-808の大きな改行を含む箇所と、アンアンのビッチっぷりに夕飯吹きそうになったwww
一度ビッチの意味を調べてみることをお勧めする
ビッチじゃないよな。
むしろ、一途すぎるだけだ……
単純に彼女にするならいいんだがなぁ、アンさま
まあ結婚式直前に他の男と抱き合って口付けを交わしてるんだから、相手にしてみれば尻軽女だな
提督の人、乙です。・・・・?
・・・・・・!!アン様何やってんだぁ煤K□゜!!!!!)
ここで逆転ホームランの秘策。
実はこのウェールズ王子っぽい人はアンアンのサモンサーヴァントで呼ばれた使い魔で
このキスはただのコントラクト・サーヴァントだったんだよ!!
な、なんだってー!!(AA略
無茶苦茶にも程があるなw
みんな!ひどいことを言わないで!
アンリエッタちゃんはちょっとばっかり他の人より「後先考える能力」が足りないだけだよ!
……致命的なレベルで。
>>836 結婚式ではないが実際2人で会おうとしていたところに
もう1人男が現れてぶっちゅしてるシーンを思い浮かべてみろ。
俺の場合男じゃなく女だったが両方とも殴り倒して帰った……。
ヴィクター・グラブス機長が「Goddemn...That son of a bitch is coming!」と叫びそうだな
提督の人乙
俺今までアンアンが嫌いだったけど・・・何か好きになってきた。
ここまで馬鹿だと愛が芽生えてくるw
絶対お近づきにはなりたくないタイプだけどなー
GJ!
これ下手したら、ゲルマニアどころかトリステインにも切り捨てられるんじゃね?>アン様
「女は行動力よ」 by クルル(マール王国の人形姫)
>>839 アン様はゼロ魔でも上位に入る好きなキャラですよ?
王女としての能力より、狂言誘拐で娼婦のまねごとしてる時の方が様になるとか
素晴らしすぎる。
>844
ルイズが剣の誓い三人衆を召喚する電波を受信しました
>>825 トリスティンにしゃぶりつくすだけの魅力はないから速攻レコン・キスタかゲルマニアに走るだろうな
>あの女の頭がファンタジーだったんだ!
あたまからっぽのほうがゆめつめこめる、とそんな言葉が脳裏をよぎったw
提督の人乙
悪い子じゃないんですよねー。
きっと花としての教育しか受けてこなかったんですよね。つまり飾り物。
それが王位に就かざるを得なくなって、無駄に行動力を発揮しようとして失敗してる。
んー、ちと違うか。
しかしまあ、アンリエッタならこれぐらいやらかしかねないな、と思えるのが恐ろしい
つまり提督氏はスゴイってことさ?
まあ・・・ゼロ魔本編でもダメダメ人間だからな。>アンアン
マザリーニとルイズ父はストレスで死ぬんじゃね?
アンアンが超絶有能で恋愛に興味皆無な鉄の女だったらもう原作改変ってレベルじゃないしな
というか、「愛する人と引き裂かれた悲劇のヒロイン」になったつもりでそんな自分に酔ってるだけ
で、結婚式直前に「愛するあの人が、そんな私を迎えに来てくれた!」と思い込んで有頂天になって王族としての責任とか何もかも頭から吹っ飛んだんだろう、きっと
◎(●皿●)◎<見ろ、これが王族だ!
、--‐冖'⌒ ̄ ̄`ー-、
/⌒` 三ミヽー-ヘ,_
__,{ ;;,, ミミ i ´Z,
ゝ ''〃//,,, ,,..`ミミ、_ノリ}j; f彡
_) 〃///, ,;彡'rffッ、ィ彡'ノ从iノ彡
>';;,, ノ丿川j !川|; :.`7ラ公 '>了 なに?皇帝と結婚しないとレコンキスタが攻めてくる?
_く彡川f゙ノ'ノノ ノ_ノノノイシノ| }.: '〈八ミ、、;.)
ヽ.:.:.:.:.:.;=、彡/‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一ヾ`~;.;.;) 姫 それはレコンキスタに逆らおうとするからだよ
く .:.:.:.:.:!ハ.Yイ ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|ィ"~
):.:.:.:.:|.Y }: :! `二´/' ; |丶ニ ノノ 逆に考えるんだ
) :.: ト、リ: :!ヾ:、 丶 ; | ゙ イ:}
{ .:.: l {: : } ` ,.__(__,} /ノ 「あげちゃってもいいさ」と
ヽ ! `'゙! ,.,,.`三'゙、,_ /´
,/´{ ミ l /゙,:-…-〜、 ) | 考えるんだ
,r{ \ ミ \ `' '≡≡' " ノ
__ノ ヽ \ ヽ\ 彡 ,イ_
\ \ ヽ 丶. ノ!|ヽ`ヽ、
\ \ヽ `¨¨¨¨´/ |l ト、 `'ー-、__
\ `'ー-、 // /:.:.} `'ー、_
`、\ /⌒ヽ /!:.:.|
`、 \ /ヽLf___ハ/ {
アン様はどうしようもなく「ダメな子」でこそ輝く。
原作でもSSでも見事な駄目王女シーンがあると嬉しくて(;´Д`)ハァハァしてしまうよ。
マザリーニに贈りたいとある名言
軍人は4つに分類される。
有能な怠け者。これは前線指揮官に向いている。
理由は主に二通りあり、1つは、怠け者であるために部下の力を遺憾なく発揮させるため。そして、どうすれば自分が、さらには部隊が楽に勝利できるかを考えるためである。
有能な働き者。これは参謀に向いている。
理由は勤勉であるために自ら考え、また実行しようとするので、部下を率いるよりは参謀として司令官を補佐する方が良いからである。また、あらゆる下準備を施すためでもある。
無能な怠け者。これは総司令官または連絡将校に向いている、もしくは下級兵士。
理由は自ら考え動こうとしないので、参謀や上官の命令どおりに動くためである。
無能な働き者。これは処刑するしかない。
理由は働き者ではあるが、無能であるために間違いに気づかず進んで実行していこうとし、更なる間違いを引き起こすため。
>>852 不老不死伝バンパイアの篤彦みたいな奴なんだと思う。
誰かの為と言いながら本当は自分のことしか考えていない
ヤンの気が弱すぎるような、
ラインハルトと会談の時は、元帥への誘いを蹴って堂々と自分の主張をし、
ジェシカが危険なときはトリューニヒト邸に安全の
保障の交渉に行ってるのでヤンはもう少し胆力があるかと。
自分が原作じゃ絶対にありえそうもないハーレムな状況にいるから落ち着かないんだろう、きっと
>>859 ありゃすぐにでも年金生活したかったからだろう
主張のほうもラインハルトが「説得しようとしているのか?」
っていったら慌てて言い訳してたし。
>>856 ゼークトの組織論だな〜……極論だけどな。
今のヤンは民主主義が根づくことないファンタジーな世界にいるんだからしょうがねーや。
ヤン提督いろいろな意味で乙
・・・ところで聖堂にいるはずのゲルマニア皇帝はどうなったんやろ?
まさか・・・殺されてる!?
いや、皇帝は本国でアンアン待ってるんじゃね?
エルフがヤンを聖地に招聘しようとしていることをワルドが知ったらどう思うかな?
いくらなんでも一人で来いとは言わんだろうし護衛の一人や二人…
ルイズも付いていこうとするだろうから
>>859 トリューニヒト邸への交渉はアニメ版だけで原作にはないよ。
提督の人乙。
アンリエッタなら実際にやりかねない行動で
違和感がまったくなかったよ。
>>852 あっちゃんみたいな人間なら、むしろ国王としては最高だろう。
目標達成のために手段を選ばず、自分も他人も賭け札に出来て、
自分の行動が皆のためと信じることも信じさせることも出来るなんて。
むしろ「政治家に一番なっちゃいけない人間は善人」だって言葉こそ、
善良な普通の少女が女王になってしまったアンアンの悲劇を表現する言葉だよ。
こうなったらこれを呼ぶしかない
っサッチャー
870 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/05(木) 22:39:34 ID:/CprkQIX
しっかし、今回のアンアンをルイズはどう思うのかねえ?
ヤンとしばらく一緒に居て多少は賢明さが増して、
原作の盲目過ぎる忠誠心は無くなってると、無くなってると、
……だめだ、想像出来ん。
>>868 政治の世界に携わるのならば
他人の善意は信じてはならず
自分の悪意は隠さねばならぬ
てなわけですね
>864
今は「王都トリスタニアで出発前の祝福を受ける儀式」の段階
>>868 いや、この痴性は普通ってレベルじゃないのでは。エウリアンやAVスカウトにホイホイと引っかかりそう。
「思慮が足りない」と「善良」をイコールで結んじゃいけないと思う。
アンリエッタは例え只の平民だったとしても「伝説」を打ち立ててるだろうな。
日常系エロゲーの駄目ヒロインの如く。
いや、アンアンが平民だったら、別に「卒業」とか「ちいさな恋のメロディ」のヒロインと変わらん行動だと思うが……
「私の武勇伝が聞きたいか?」
提督の人のラッシュもすごいが、最近は爆熱とか名作の復帰が相次いでいて毎日目が離せない。
つかもしアンリエッタが銀英伝のルビンスカヤみたいな女だったらこれはこれで…
これでるいずととらの人が復活すればな・・・
せっかく3期できゅいきゅいの人型が出てくるのに。
海皇紀よりファン・ガンマ・ビゼンを召喚
人間的にでかすぎてどう動かしていいか分かりません
「食べる穀物がないのなら、肉粥を食べればよいではないですか」とか言い出すアン君
漢風諡号があれば「恵」「幽」「氏v「昏」「哀」とか。王号剥奪級かも知れぬ
皆さん言っていますが、アンリエッタ姫の行動に全く違和感が無いのが凄い。
普通、こんな事を書けば二次創作を見て人物像がぶれている、なんて思われそうなのに原作であんな行動をとっているから……ねえ?
リュリュ「パンが無いなら代用肉を食べれば良いじゃないですか」
>>880 晋の恵帝は確かに
「米がなければ肉を食べればいいのに」
発言があるけど、自分を庇って死んだ警護の血に染まった自分の着物を
「これは忠義の士の血だ、このままにせよ」
となかなかいい事も言っているからねぇ。
アンリエッタがそこまでの名言を吐けるか。
まぶらほからMMM
モッド伯「このシエスタから聞いた話によると君はメイド好きだそうじゃないか、わしももう年じゃし後継者になってくれんか」
「そうはいっても平民にメイドは養えないんじゃ」
ちろりとルイズを見るサイト
「わ、わかったわよ使い魔のメイドなら私のメイドみたいなもんじゃない!全部まとめて面倒見るわよ」
そうは言っても部屋に入りきらないので
街にメイド喫茶を出展
魅惑の妖精亭とは客層が被らないのか
繁盛しているようれす
おわり
実際に旱魃・飢饉が起きてる地帯に援助に行った国連だかの連中が
自分らはステーキとかワイン飲み食いしながらそんなこと言ってたなんてのは聞いた事があるな
アンアンの無能は周りのせいでもあるよね。
原作のゾンビ王子の話も、普通なら主人公か親友に
ひっぱたかれて説教されそうな展開なのに
「姫様お可哀想」で終わっちゃってるからな。
アンリエッタは立憲君主制議会制の中では
国の客寄せパンダとして最適だろうな。
君臨だけさせといて統治はさせないヴィクトリア女王的な
お前等アン様を叩くな。愛でろ。
アンアンがアレなだけならともかく
回りもフォローできないというどうしようもない状態だからな
鳥の骨が心労で倒れる日も近い
今日からマ王からユーリを召喚
ギーシュとの決闘でマ王モードになってギーシュを吹き飛ばし
フーケ追跡でマ王モードになってゴーレムをふっとばし
アルビオンでマ王モードになってレコンキスタを消し飛ばす
アンリエッタ並に考えなしの子ですがどんな難問も切り抜けてくれます
こうなると、『あまつき』から主人公の六合鴇時を召喚してみたくなる。
作中では「愚かだが馬鹿ではない」との言葉をもらってますからね……
でも、やらかし姫は大好きだぜ?
じゃあ大人気のアンリエッタ様に、暴走を助長する強力な使い魔を召喚させればどうじゃろ
まさに傾国の使い魔になるが
……白面?
>>888 叩き、即ち闘(バトル)!!
叩き、即ち愛(ラブ)!!
そういえば侍の使い魔の最新話が
まだwikiに登録されてないけどどうしたんだろう
>892
小ネタにある白面召喚の続きを期待してるのは俺だけでいい…
ついでにギーグとカトレアの話も。
>>894 暗い暗いと言うよりも、進んで明かりをつけましょう
>885
でもそういう連中は飢えた人々に肉だの卵だの牛乳だのをくばってるんだぜ
幼女の貞操と引き換えに
性的虐待:PKO要員らが子どもに 英NGOが報告書
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080528k0000e030013000c.html 【ニューヨーク小倉孝保】英国の非政府組織(NGO)「セーブ・ザ・チルドレン」は27日、
途上国の紛争地域などで活動する国連平和維持活動(PKO)要員やボランティア組織の活動家が、
子どもに性的虐待をしていたとする報告書を発表した。国連の潘基文(バンギムン)事務総長は
「極めて深刻な問題だ」として徹底した調査を約束した。
報告書によると、カリブ海のハイチやアフリカのスーダン南部、コートジボワールで活動する
PKO要員らが、地元の女児・少女に性的行為を強要していた。中には、援助食料を支給する
見返りに性的関係を迫るケースもあり、最も幼い被害者は6歳の女児だったという。
調査の中で「セーブ・ザ・チルドレン」のスタッフ数人も17歳の少女と性的関係を持ったことが
判明し、解雇処分にしたという。
このアンアンはなんという愛すべき馬鹿
パンが無いのならソイレント・グリーンを食べればいいのに。
失礼しやした。
宇宙海賊コブラを召喚。
ルイズいじめだろうがタバサママンだろうが
あらゆる鬱展開をブレイクしてくれる。
>>897 ピョコラ様を・甲斐甲斐しく・お世話したい まで読んだ。
>884
メイド喫茶の本場は、実は(というか周知の事実だが)イギリス。
上流層の屋敷を辞めたメイドが一般のレストランなどで、メイド服姿で
給仕などをするのが好評だった。メイドの雇えない庶民にとっては
手軽に上流層気分が味わえたからだとか。
パンが無いのなら私のパンツをお食べ
>>896 不死身探偵オルロック思い出した
「暗いと不平を言うよりも飯食わせろ。おっぱいはー、余の為にあるんやでー」
「「暴君だ!!」」
>>900 コブラらしい台詞回しが出来るなら・・・。
寺沢先生の凄いところは女性は皆Tバックにする事じゃないんですよ〜。
コブラは結構ヒロインの死亡率が高いぞ。
>>894 サブタイトル決まってないからじゃないか?
>>892 そのうちアンアンもあの睨め上げるような目になって「駄目で…あろ?」とか言ったり
クロムウェルの目の前でアルビオンを吹っ飛ばしたりするようになるんだな。
「ちくしょう……なんて…嬉しそうなカオだ…」
>>895 お前を一人にはしない
>>906 台詞回しが絶妙なキャラって二次創作難しいよね。
ブラックラグーンから召喚したいと思ったけど
やっぱりあの台詞回しを真似できないので断念した。
グレンラガンからロシウ召喚。
為政者としては最高だからトリステインを凄まじい大国に出来そうだ。
十人の人間がいるとして、一人を犠牲にして九人を助けるか、九人を犠牲にして一人だけを助けるか、どちらかしか選べない場合、私情に流されずどんなに大切な者であろうと犠牲として多くを救う決意と覚悟がある。シモンを死刑にしようとした時のように。
俺はキャラの特徴を掴む為に、そのキャラの台詞を書き写してたりする。
そうすると「ここの受け答えはこうなるだろうな」って感じですらすらっと
思いついたりする。
三部からのロシウ召喚するとどのタイミングで召喚しても元の世界が色々マズイな
提督の人、乙です。
アンアン。駄目だこいつ。
いやまぁ、判ってはいるんだよ。
この人は単なるお姫様で、世間知らずなだけだってのは。
しかし頭の中がファンタジーってw
・・・まぁ、これに比べれば、ルイズの方がまだましだなぁ。
良かったねヤン、ご主人様がルイズで。
ラル様のヒートロッドがわたしのジャブローにィィ!
提督の人 GJ
最近本スレ離れていたけど ゼロな提督を早く読みたいがためだけに戻ってきてしまったw
しかし、もしイザベラに召喚されていたらジョゼフとのやり取りがスゲー面白そうだなぁとふっと思ってしまうw
ケータイ捜査官から、ケイタとセブンを召喚。
使い魔の使い魔。と、言うネタを考えたけど、
ネットワークシステムが無ければ、FBって単なる役立たず…
提督GJ!
毎回思うけどヤンがルイズの世界に行ったらどうなるかってシミュレーションがキッチリしてて凄いなぁ…
それにしてもアンリエッタは原作より政治的権限が少ないのにここまでやらかすとは驚きだな。
またしてもヤンが立ち回らなければならない訳か……
920 :
908:2008/06/05(木) 23:54:22 ID:8+K5TYwX
と思ったら結構サブタイ案出てたのね
「お前が親友だと思っても、相手もそう思ってるとは限らない。」
「悪いことをしてる奴に限って自分が悪い事をしてるとは思わない」
「偉い人は常識とか足なんて飾りだとかがわかってない」
「情けは人の為ならずというが自分の為になった例しもない」
「女の趣味に口を出すのもなんだと思うが他人がどう思うか考えた方が良いぞ。」
以上サブタイトル候補
>>915 ルイズはアンリエッタに比べて権力がないだけで、同じくらい「頭の中がファンタジー」だぞ。
正直マルコメの方が人間として遙かに上。
>>900 ガリアにはクリスタル・ボーイですね
わかります
朋友ギーシュに到っては、さんを付けろコノヤロウ!と言いたくなる良キャラ。
ファンタジーというより今まで散々バカにされてきたコンプレックスで
ちょいと歪んでいるトコがあるって感じじゃないかな。
アンアンの場合は親だか教育係が方針を間違えたか
予定が狂ったかじゃないかな。
何とか王子をこさえるつもりが結局出来なかったのかな?
ルイズはサイトの記憶消して、出会いによって変わる前の性格みせちゃったから
ファンタジーというよりDQNの娘としての本性が…。
ゲルマニアに嫁にいかせる予定だったから女王とかにする気なかった
↓
アンアンママが喪に服したまんまでやる気ないから女王になった
ハーレム要員以外のほうがまともな奴が多いっつーのが何というか
>>924 中世ヨーロッパあたりじゃ、王の継嗣がいない場合公爵家から養子をとるのが習いらしいが、公爵家も娘ばっかだものなあ。
いや、ヴァリエール以外の公爵家はどうか知らんが。
>>922 ふたばちゃんねるのせいでロクな印象が無いw
>924
アンアンには王位を継がせるつもりが無かったのは間違いない。
王子が生まれればそれで良し。
生まれなかったら、アンアンがトリステイン貴族の有力者の息子、
もしくは他国の王族(但し傍系)から婿を迎えて、その息子を
皇太孫にするつもりだったんじゃないかなぁ。
ただ、王が思ったより早く亡くなったため、まともな教育を受けた継承者がいなくなってしまったと。
>>900 タライと洗濯板でルイズの下着をブツクサ言いながら洗ってるコブラが
ありありと想像できるところが怖いw
でも何故か格好悪く見えないところがコブラらしいというかなんというか。
たしかにアンリエッタはビッチではないですね
それにしても
あの女の頭がファンタジーだったんだ!
これは名台詞!!
ああ、トリスティンの国家機密漏洩罪になりかねないくらい名台詞だ
早乙女ジンを召喚
生身でもバリバリ戦えるし剣術もいけるから結構いいんじゃない?
問題はブロディアをどうするかだけど
同性でも思わず惚れるような、凛々しい王子様系の美少女(ここが重要!)を
召喚したらルイズはどんな反応を示すんだろ?
やっぱ原作通りに才人と同じなのだろうか。
公衆の面前で鞭を打ったり、首輪に繋いだり、地面に這い蹲らせて
犬のように食事をさせたりと妄想が止まらん!
こりゃあまりの刺激の強さに学院の男子が前屈み必至か。
フェデリコ召喚
>>936 美少女風の美少年でないあたり、貴君とは趣味が合わないな。
アンアンを精神的に鍛えたい?
ならばソウルイーターからエクスカリバーを召喚すれば、精神的にはかなりタフになれる……多分
>>938 レンタルマギカのオルトヴィーン呼んでみる?
体中にルーン文字刻まれて傷だらけだったりするが
覚悟のススメより葉隠覚悟召喚!
美形だし・・・
長編見たい
>938
>美少女風の美少年
それもまた倒錯的な嗜好ですが、性別の組み合わせとしては
結局はヘテロであり、男女間という点では何ら目新しさはありません。
同性同士であるからこそより一層倒錯的かつ背徳的な悦びが
齎されるのではありませんか!
うん、もうそろそろ自重しよう。酔っ払いの戯言と思って受け流してくれ。
美少女風の美少年というと
マシロくん(マンガ(サトケン)版舞乙HIME、召喚済み)か準(はぴねす)、
ブリジット(ギルティギアシリーズ)、
探せばまだいるだろうけど人としてこれ以上近づいてはいけないような。
>>944 しかしその戯言の中にこそ美学があるんだ。君はいいことを言ったよ。
>>943 漫画ロワの覚悟とルイズはいい感じの雰囲気になってたな。
結構相性はいいのかもしれん。まあ書き手のおかげと言われればそれまでだが。
>>945 ブリジットはしばらく男の子と気が付かなかったから
兄に聞かされたときはかなりショックだった……
>>821 しかも上流階級の方々なので皆殺しにして口封じは不可能!
五万も七万も戦術神風で楽勝ですね。わかります
>>943 ギーシュ相手に加速削減走を使うわけですね
わかります
ファーーーーーー
今までまとめだけ見てたけど提督の人の最新話見てこれだけは言いたくなった。
この姫つかえねええwwwwwwww
958 :
sage:2008/06/06(金) 07:02:09 ID:Ghrt4s+0
>凛々しい王子様系の美少女
楽園の魔女たちのファリスとかマリみての令さま辺り?
やっぱり可愛い男の子キャラといえば
ギルティのブリジットとセンコロのツィーランだわねえ
後者はマイナーだけどな
アンリエッタが板垣重政(マーダーライセンス牙)を召喚しました。
何発殴られるのやら(お尻ペンペンになるかもしれないけど)。
才人君も女装が似合いそうだと思った私はきっと狂っている。
>>958 令ちゃんはああ見えてかなりのヘタレだから、強気に出る奴が相手だと押される一方なんだよな
ルイズに反抗もできずこき使われる姿が目に浮かぶ
うーむ、美少女風の美少年と聞いて「処女はお姉さまに恋してる」の瑞穂しか思いつかない俺は死んでいい。
マージ〜MARGINAL〜の糾くん。
緑髪の美少年だがメイド服を問題なく着こなす本作品最萌キャラ。
提督の人乙です。
今回の話のヤンには、チョイと違和感を感じた。
自分の主義・主張や意見は曲げないよ、原作のヤンなら…。
原作でも意固地に自分の(ヤンが嫌いな言葉だけど)信念貫いて、テロによって暗殺されたようなものだもの。
それにヤンは何気に子供っぽいところもあるしね(苦笑)
アンアンは恋愛経験値が低過ぎる&女王としての自覚がないから、間抜けな行動に走るんだろうな。
人間らしいと言えばらしいので、嫌いじゃないんだがね。
しかし、アンアンのお陰で、話の先が読めなくなってきたのが面白い!!
どんな展開になるのか、期待しておりますよww
美少女風の美少年と聞くと、銃刀のアネスさましか思い浮かばん
あの白いおみ足とチャイナドレスのスリットから覗く太股が俺の理性を狂わせるんだ!!
美少女風美少年といえばブラックラグーンの双子の片割れを思い浮かべた俺は異端なんだろうかw
楽園のファリスは確かに周囲から美少年と思われる美少女だが、召喚したらルイズ大変だぜ?
火の魔法が使えるわ、千人抜きできる剣士だわ、そのくせ性格穏やかな人格者だわ……
原作終了後召喚だと上級魔術師で世界を滅ぼす剣まで持っているとゆー。
>967
そうなるとルイズの将来は二択になるな。
ファリスを見習おうとして努力するか。
虚無が使えるようになり、今までのフラストレーションを晴らそうとするかのごとく暴走するか。
>>960 原作でメイドコスしてるだろ。シエシエより可愛いそうだ。
>>949 デザイナーに「実は男です」と伝えずにデザインしてもらったそうだからなー。>ブリジット
というかまあ、初期段階ではちゃんと女性>当然女性としてデザイン>石渡太輔が設定を変更(でもデザイナーにはそのことを伝えず)という過程だったらしいが
投下乙!
MASTERの人と言い、提督の人と言い、最近は俺に嬉しいサプライズが多いなぁ。
亀レスだが餃子って見て某少女マンガの兄貴を思い出したのは内緒だ。
>>745 貴様のせいでソウルハッカーズ×ゼロ魔のクロス(召喚モノにあらず)を思いついてしまったぞ、どうしてくれる。
>>840 俺女か。彼氏が他の女選ぶのもわかる気がする。
>>974 え? 俺は女同士でらぶらぶしてるのを目撃してしまったと認識したが。
それはさておき、提督の人乙ー。
「あの女の頭がファンタジーだったんだ!」は名言ですね(苦笑
原作でも、自分が何をやらかしたか、絶対理解してないもんなぁ……。
普通なら首が物理的に飛ぶか、流石にそこまではいかなくても
公の場から遠ざけて幽閉モンだと思うんだが……。
>975
百合NTRなんて羨ましいな
公の場から遠ざけられて幽閉されてレイプ目になるまで調教されるアンアンと申したか
乱心ということで座敷牢に閉じ込められ
皇国の守護者の佐脇と同じ治療を受けるアンアン様
痛くなければ覚えませぬ
>>973 キュルケ「ファイヤーボールは私の美学!」
サイト「GOでやる気がでたぜぇぇぇ!!」
とか言うのか
>>973 キュルケは獰猛
サイトは愚鈍
タバサ「ウィンディ・アイシクル? 許容範囲」
そしてルイズは意外とセクシー
イザベラは国際問題にならないようカステルモールにフェイスチェンジ使わせてから耕介のところへ行ったというのにアンアンときたら…いいぞそれでこそアンアンだもっとやれw
しかしトリステインは本編よりもヤバい状況に置かれてしまったな
だってこれってゲルマニア側にとんでもなく失礼というか大恥をかかせたわけだから
(もっと上手い言い方があるのだろうが思いつかんorz)
最悪、国交断絶されてもおかしくないというかレコン・キスタの存在が無ければ宣戦布告されても文句が言えんw
そうなったらアンアンの国民からの評価は流石にガタ落ちだろうが
レコンキスタ・トリスティン連合vsゲルマニアの戦いになるんだよ
実はあの直前に不審者が忍び込んでいて、アンアンはそいつの精神操作を受けていたんだってことにするくらいしか思いつかん
ウェールズが敵対していたレコンキスタの忠実な傀儡となっていたのがその証拠だって強弁して
すると警備主任には気の毒だが遺族の面倒は見るから国のために死んでくれということになるか
>>985 そういえば銀英伝でもあったね
オーベルシュタインが皇帝をわざと同盟に亡命させてその責任を取らせたんだっけ?
987 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/06(金) 12:48:55 ID:J3wkdHiU
はっきり言ってこの王女、「私情で国を売った」として、臣下に殺されても文句は言えませんな。
>>983 「お可愛そうな姫様がやっとウェールズ王子と会えた!」
みたいになって、何故か姫擁護の世論ができそうな気が。
そして頭を抱えるマザリーニ卿とヴァリエール公&ヤン。
>>984 ヤンが何もしなければその展開は十分考えられるな。
ウェールズ様がレコン・キスタに協力→ならトリステインもレコン・キスタに協力
は普通に言うだろうし。
まあなんにせよ、これ以上アンアンに何かされたらこまる、というよりもう人前に出せないよなぁ。
ウエストウッドとかで年金付き隠遁生活でもまだいい方だろうなぁ。
>>968 確実に暴走だな。
原作設定で、「非常に沸点の低い癇癪持ち」「劣等感の塊」「突発的な事に関しては自分の感情最優先」「現実を見ない」「狭い意味での貴族至上主義」だからな。
意外と一巻の時点からある意味学園内で一番「平民を認めていない(蔑んでいる)」しな……。
>>990 所謂「溝を掘ってその溝より高いと安心する」タイプだからなあ。<1巻ルイズ
貴族としてのアイデンティティであるはずの魔法が使えなくて、
しかもそれで散々に蔑まれてきたから、自分が貴族である(=平民より上である)ことを
常に再確認しておかないと不安でしょうがないみたいな印象は受ける。
才人への過剰な虐待も、要するに
「使い魔は自分より下ということを常に確認しておかないと安心できない」
からだろうし。
平民を蔑んでるのもむべなるかな。
ファリスってなりゆきとはいえ騎士になってるんだよなあ。
>美少女風美少年
少年というには辛いが、『前略・ミルクハスウ』の菊川涼音というのは?
ゆ・・・ゆびさきみるくてぃー
こうなったらアンアンもルイズも両方とも女装美少年だったってことでいいじゃない
ブリジット召喚。
ルイズがブリジットが男だって言うのを信じなくて、
確かめようとしてひん剥いて、それに恥ずかしがるブリジットに嗜虐心をそそられて、
ここには書けない展開まっしぐら。
1000ならぴことちこ召喚
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。