1 :
名無し募集中。。。:
探してます
2 :
ちんこ:03/01/08 02:55 ID:GA+GX65N
ちんこあへあへ
3 :
名無し募集中。。。 :03/01/08 02:56 ID:I8vtL11X
なんぼのもんじゃい
4 :
名無し募集中。。。 :03/01/08 03:12 ID:Qwbc+f9s
>>1 探してます、だけじゃワケワカランだろーが!
5 :
名無し募集中。。。:03/01/08 03:15 ID:4Iwym3JR
ルーズは定着したがブルマは絶滅寸前
:::::::::::/ ヽ::::::::::::
:::::::::::| ば じ き i::::::::::::
:::::::::::.ゝ か つ み ノ:::::::::::
:::::::::::/ だ に は イ:::::::::::::
::::: | な。 ゙i ::::::
\_ ,,-'
――--、..,ヽ__ _,,-''
:::::::,-‐、,‐、ヽ. )ノ _,,...-
:::::_|/ 。|。ヽ|-i、 ∠_:::::::::
/. ` ' ● ' ニ 、 ,-、ヽ|:::::::::
ニ __l___ノ |・ | |, -、::
/ ̄ _ | i ゚r ー' 6 |::←
>>1 |( ̄`' )/ / ,.. i '-
`ー---―' / '(__ ) ヽ 、
====( i)==::::/ ,/ニニニ
:/ ヽ:::i /;;;;;;;;;;;;;;;;
次スレ保全
さしみ待ち…
気が早いなw
ルーズって書いてあるからさしみいるのかとオモタのに(ワラ
11 :
山崎渉:03/01/10 04:31 ID:AfnW7l1g
(^^)
12 :
山崎渉:03/01/10 16:50 ID:ihkdfu2Y
(^^)
いるよ(爆藁
↑わざと寒い言い回しをしてみました
( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )
ホ
遅筆・遅漏・遅「しないよ」の三拍子。
しかして、そのどれもが黄金のファソタジーを紡ぎ出す御大将!
ほげん
寂しく保全
t
te
po
(ё)<ニィニィゲトー。
二十歳になってルーズはないニィ。
23 :
:03/01/20 22:45 ID:EpfDdcUA
保全
hoze-
あ、パックリ分かれてる
28 :
山崎渉:03/01/28 14:11 ID:Lb9JAYho
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
なんとなく保全
すまねぇ、なんか俺自身混乱してるるる
だってこの1ヶ月の間に藤本加入、ひょうたん島、6期メソ、分割、ですよ。
その中ではひょうたんが一番ガックシきたよ
UFAは娘。なんて、もうどうなってもいいと思ってるんじゃない?
次は「飯田さんのルーズソックスを拾う仕事」でヨロシク
36 :
名無し娘。:03/01/31 12:51 ID:Xy4Ti8gC
テスト
そろそろ保全しとくか…
【T・E・N】 第101話 安倍と高橋
後味が若干悪かったものの―――モーニング娘。晩餐会はこうして幕を閉じ
た。
石川と加護は、1階の自室に戻ってしまった。
途方に暮れた矢口は、今後の段取りを副幹事の紺野に確認する。
明日の昼頃にはつんく♂邸のお手伝いさんが戻ってきて、そこで同窓会は散
開となる。仕事の関係で各自朝の生活リズムはバラバラであろうという配慮か
ら、豪華なディナーとは対照的に朝食は軽めのパン類で済ますらしい。
つまり、実質これから先は自由時間だ。
好きな場所で、好きなだけ語らい、好きなことをして、好きな時に寝てよい。
特にイベントなどは用意せず、自主性に任せるということになっている。
つんく♂も勝手にワイン庫の酒は飲んでもいいと言っていたし、遊技場も自
由に使って構わないと通達してあった。アイドルだった当時はまだ未成年だっ
たメンバーが多くを占めていたが、今日の参加者は全て成人を迎えているとい
うこともあり、常識を信じ、良識に任せるといったところなのだろう。
―――とはいっても現実問題として、夕食が終わりテーブルの上には参加者
の食器等の洗い物がどっさりと残されていた。これを片付けないことには朝食
は迎えられない。
「もう、紺野も手伝ってくれたっていいのに!」
口を尖らせながら安倍が毒づく。
「あした朝食のときは手伝いますから〜、だって! もう!」
カゴに山積みにされた食器を次々を流し場に沈ませる高橋。
厨房には、この二人が皿洗いに精をだしている姿があった。ジャンケンで負
けた二人。
「あはは、でもあのコは昔っから勉強はできたけど料理とかの家事はからっき
しだったみたいしねぇ」
洗剤を染み込ませたスポンジで次々と皿を洗う安倍。それを手渡され丹念に
泡を流す高橋。
「あと歌も結局うまくならなかったし」
「リズム感ゼロだったし」
「言うこときかないし」
「何考えているかサッパリ分かんないし」
「勝手に他の人のおやつ食べちゃうし」
「マイペースすぎるし」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・でもイイ子だよね」
「・・・うん」
つかみどころのない、それでいて憎めない紺野のことを考えるだけで、石川
の身に起こった悲劇的な話を聞いた後でもなお、どこか救われるような気分に
なったのだ。
さきほどの晩餐で沸き上がった数々の疑問。それに関しては、安倍も高橋も
それぞれ思うところがあるのだが、現役のときさほど深い交流もなかった二人
だけに、この場では波風立たない会話が続いた。
「あ・・・安倍さん・・・映画・・・みました」
「・・・そう・・・アリガト・・・」
「なんか・・・シブいってゆーか・・・素敵でした・・・」
「へへ・・・わたしも愛ちゃんの歌ずっと見てるよ・・・」
「そっそうですか・・・いやあ・・・でもCDなんも売れんでぇ・・・」
「ううん・・・売れてなくても、ずっとモーニング娘。の時よりも愛ちゃんら
しい歌で・・・うん、がんばってるなー嬉しいなーっていつも思ってた」
「えええ・・・いやあ照れるなあ」
「忙しいの? やっぱ」
「うーん、どうやろなぁ・・・最近は曲もあんまり出させてもらえんけど」
「ヒマ・・・? なの・・・?」
「うん、仕事が回って来ないときは・・・まとまってヒマ、かなぁ」
「愛ちゃん、ねぇ・・・お・・・小川・・・のお見舞いに何回行った?」
「小川・・・? マコっちゃん?」
「そう、いまだに意識が戻らない小川・・・さんの」
「・・・」
高橋にとっては予想外の展開だった。
晩餐の席でも、亡くなった後藤・辻の話題には及んだものの、新垣や植物状
態の小川についてはほとんど誰も言及しなかった。高橋ら5期メンバーは娘。
に在籍した時期が短いということもあり、深く語るべきこともないのだろうと
思った。どう頑張ったところで、先輩メンバーの思い入れの数ではかなわない。
それが何故、安倍がそれほどまでに(しかもこの状況で)小川のことを気に
かけているのか、高橋には理解できなかった。
「マコっちゃんの・・・病院には、事故の直後・・・2、3回ぐらいは行った
・・・かなぁ・・・」
「たった2、3回? 最近は・・・?」
「いえまったく」
「なんで? 同期でしょ?」
「ん〜なんでって言われても・・・『あれ』は何回もお見舞いに行っても・・」
高橋はハッと息を飲んだ。
寂しそうな目で見つめる安倍の持つ、洗いかけの包丁の刃先が高橋に向けら
れていたからだ。
偶然かもしれない。
たまたまその時、安倍は包丁を洗っていただけかもしれない。だが、高橋は
蛇に睨まれた蛙のように身体全体が硬直してしまった。
安倍は再び流し台に向き直って、無言で仕事をこなす。
「いや、ええ、あの」
「・・・この同窓会が終わったら・・・一度は小川のお見舞いに行ってやって」
「はい・・・」
「・・・」
「・・・」
そして二人がそれ以降、会話を交わすことは無かった。
【101-安倍と高橋】END
NEXT 【102-紺野と矢口】
餅ベーション下がりまくりだけど
なんとか頑張る
なっち怖え〜
「もう娘。は見ないが、小説は見る」って人が羊にどれだけいるだろう…
更新乙!
仕事しながら執筆もするさしみ乙。
作者さん、更新乙です。
二人の何処か他人行儀な態度や、マコに対する思いなど…。
何かなっちや愛ちゃんの、微妙な心の動きが見えた気がします。
今回のやり取りが、二人の関係にどう影響するのか?
今後の展開が楽しみです。
現実世界では様々な事がありますが、それにめげず頑張って下さい。
さしみたん、乙です
墓前
52 :
おでん。:03/02/05 21:43 ID:GwY5sxVR
漏電。
これから読みます。
ホゼム
さしみタン、マターリがんがれ
ドアの隙間あたりからコソーリと応援してるよ・・・
【T・E・N】 第102話 紺野と矢口
「ねぇ、さっきの話どう思う?」
「話って?」
「ニブいわねぇ、のの・・・いや辻ちゃんのことッ!」
矢口は眉間にシワを寄せながら、居間のソファで向かい側に座っている紺野
に詰め寄る。
紺野はさきほどのディナーの直後に出される予定だった、デザートのチーズ
ケーキを一口頬張るごとに恍惚の表情を浮かべている。その最中のことだった。
晩餐会は終わった。
食事が終わったあともぴったりとくっついている紺野に、飯田は「もう通訳
みたいなことしなくていいから、あなたの好きなようにしなさい」といった事
を伝えて自分の部屋に戻っていった。
もうお休みですか?と紺野がたずねると、会話するためのスケッチブックを
とりに行くだけよ、と飯田は微笑む。ということは、着替えやメイクの直しも
含まれるのだろう。“このドレスにスケッチブックは似合わない”と豪語して
いたぐらいだから。
保田と吉澤は、2階の遊技場へと向かっていった。ビリヤードをするらしい。
ジャンケンに敗れ夕食の後片付け当番になった安倍と高橋は、今ごろ厨房で
せっせと皿洗いに勤しんでいることだろう。
結局食堂の隣室である居間に腰を下ろしたのは、意外にも矢口と紺野のたっ
た二人だけだった。
テーブルの上には5時間前の「おやつの時間」同様、お茶とデザートが並べ
られている。
そして5時間前の「おやつの時間」同様、紺野が幸せそうにそれを食い散ら
かしている。食べることが人一倍好きな性分ということも勿論だが、さきほど
の夕食の終わりのしんみりとした雰囲気から解放されホッとしているという気
持ちも少なからずあるのだろう。
矢口もさきほどそのケーキをひと切れ食べた。安倍がお土産で持ってきた、
老舗「明治の館」ニルバーナの手作りチーズケーキは、ふわっとした舌触りで
確かに絶品と呼ぶに相応しいデザートだった。
チーズケーキにありがちな、食べたあとに口に残るクドさがなくて、さらっ
とした後味。それでいて、いつまでもチーズの風味が心地よく鼻腔をくすぐる。
見た目は白いパンケーキ状だが、今まで食べてきたチーズケーキは何だったの?
と矢口は誰と言うわけもなく訴えかけたい気分になった。
確かに美味しい。
それにしても、あれほどのディナーを食べた後でもなお治まらない紺野の食
欲。昔から女にとって甘い物は別腹とは言うものの、紺野の体調とは別に矢口
はあることが気にかかる。
「・・・紺野? ちゃんと石川と加護の分は残してあるよね?」
彼女の喰いっぷりを見て、果たして残りのメンバー全員の分を残すよう計算
しながら食べているのか、矢口は心配になってきたのだ。
かつてモーニング娘。であった頃に楽屋に置いてあるメンバーのお菓子を、
勝手に食べ尽くしたという「前科」がある紺野だけに。
「あたりまえじゃないですか〜、これは保田さんと吉澤さんから貰った分です
よぉ」
「紺野!」
矢口は、ようやくこの紺野がどんな娘だったか徐々に思い出してきた。
「ねぇ、それよりおかしいとは思わない?
ホントにののなんていたのかなぁ?」
「モグモグ・・・んん〜私もあんまりユーレイとか信じるタイプじゃないです
けど」
「そっかぁ、やっぱ紺野も幽霊だと思うよね?
でも・・・そうなるとごっちんの手紙に出てきた、ののってのが気になるし
・・・ああ、もうわかんない!」
「・・・」
頭を引っかき回す矢口とは対称的に、黙々とケーキをむさぼる矢口。
動と静。陽と陰。昔から様々な意味で正反対だった。
二人だけでいると、そのコントラストがより一層際だつ。
「紺野、あなただけはマトモだと思うから言うけどね、やっぱりなんかこの同
窓会ってキナ臭くない? ここだけの話。なんか久しぶりにモーニング娘。
が集まった!!って感じがしないんだよねぇ」
「んご・・・何が言いたいんですか?」
「いや私の気のせいならいいんだけどね・・・なんだろう、不気味ってのか恐
いってのか・・・もちろん懐かしいとか嬉しいとかもあるんだけど、素直に
楽しめないってゆーか」
「・・・そんなことより矢口さん、石川さんのことは・・・何とも思わないん
ですか?」
口の中に常に何かを含みながら喋っていた紺野が、急にかしこまって投げか
けたその一言に矢口はドキっとした。さきほどまでの幸せそうで虚ろな目とは
うって変わって、上目遣いの鋭い眼光が矢口にまっすぐに向けらていたからだ。
【102-紺野と矢口】END
NEXT 【103-加護と石川】
チーズケーキ職人更新乙。
最後の一行
× 上目遣いの鋭い眼光が矢口にまっすぐに向けらていたからだ。
○ 上目遣いの鋭い眼光が矢口にまっすぐに向けられていたからだ。
今気付いた。イカンなぁ・・・
今に始まったことじゃないけど
さしみタン更新乙!
>>61 更新乙です。
あと「頭を引っかき回す矢口とは対称的に、黙々とケーキをむさぼる矢口。」この
部分もなんか不自然な感じがするのですが間違いですか?
違ってたらすいません。
>>63 頭を引っかき回す矢口とは対称的に、黙々とケーキをむさぼる紺野。
が話しの流れからして正解でしょうね
違ってたら大いにすいません
66 :
nanashi:03/02/09 09:00 ID:wfqP6F36
誤植は、起こりうる。不可抗力。
気にすることなし。
HP上にupするとき、改定すれば、
それでよろし。没問題。
矢口のルーズ・・・・・・・(・∀・)イイ!
68 :
:03/02/09 12:14 ID:MlI76HMe
___
/ \ ____
/ \ /
| ・ ・ | <
>>67氏ねよおめー
| )●( | \____
\ ー ノ
\____/
69 :
名無し募集中。。。:03/02/09 12:24 ID:hr7Mie6C
70 :
:03/02/09 12:28 ID:g4BdrA5a
___
/ \ ____
/ \ /
| ´・ ・` | <
>>69氏ねよおめー
| )●( | \____
\ ー ノ
\____/
71 :
名無し募集中。。。:03/02/09 14:18 ID:hr7Mie6C
72 :
土田雄一:03/02/09 14:22 ID:clfHQukM
土田雄一です!
彼女募集中です!!
僕とヤリたい人募集中です!メールください!!
73 :
名無し募集中。。。:03/02/09 14:34 ID:hr7Mie6C
ID:hr7Mie6C 小説スレageるな
76 :
:03/02/09 15:46 ID:MlI76HMe
-─===─ヽ/へ
iiii彡≡≡≡|≡ヾ ヽ ______ ___ ,-───
彡≡≡≡≡|≡ミミヾ / \ _-=─=- / `
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ミiiiiiヽ \ _-=≡///:: ;; ''ヽ丶/ヾ ヾ .,! !,,!_´,,//_//
\iiiiiiiゞ ─ | / '' ~ ヾ/=/`''~~ /彡-
\iiヽ ── | / |=.| 二 | 三
━━━'/ ヽ━━━ ヽミヽ _,-=- _,-= ヽ| | ヽ| ── \三
⊂⊃,.:: :: ⊂⊃ ヽiiiii ⊂⊃ノ_⊂⊃ ヽ |≡ , 、 || ヽ ,, 、ー ̄ \
::: |iiiii ヽ .|≡_≡=-、___, - -=≡=_ / ⊂⊃ ⊂⊃ |=
|iii| ( о ) | | ,⊂⊃ | | ⊂⊃ |┤ / |/
( ● ● ) .|iiii| /_,,,,;;iiiiiiii;;;,,_ヽ |ヽ二_,( )\_二/ | ( 。つ\
》━━━━《 |iiiii|///;;;;───、ヾ. | /( )ヽ | / 丶ー
》 / ̄ ̄\ 《 |iiiiiiii|:::///\__/ヾヽ| / ⌒`´⌒ | /____」
《《 \ ̄ ̄/ 》》 |iiiiiiiiiii|::// ;; ; ;; 》::::::| / | |/ /
》》  ̄ ̄ 《《 》》》》》iiiii|::《 ;; ;; ;》 ;;》:( |_/ヽ_'\_/ | | |__/ //
《《《《《《《《《》》》》》》》》》》》》》》iii|/ 》 ;;》 》 ;;ミ ヽ 、\_ ̄  ̄/ヽ ヽ -─ /
巛巛巛巛》》》》》》》》》》》》》》IIII ヽヽ《 ;;; 》( \ |  ̄ ̄ _// ヽ_____/_ノ
巛巛巛巛》》》》》》》》》》》》iiiiiii ``《人/ \__ ヽ____/ /≒/-'
兼ねてから噂だったこの小説、今日一気読みしますた。
公式HPで読んだあと勢いで前スレも読破。おかげで休日の大半が
この小説に費やされることに。
なんかよくわからんけどスゴイです。明日から追い続けます。
更新がんがってください。
78 :
名無し:03/02/11 15:19 ID:ki7nArHw
保全
【T・E・N】 第103話 加護と石川
晩餐会を途中退席した、石川と加護。
ヨロヨロとした足どりで居間を抜け、1階の自分たちの部屋(101号室)
にやっとのことでたどり着く。ほんの数十メートルの距離なのに二人とも一言
も喋らず、それはやけに長い道のりのように感じた。
石川が幼稚園児のような、たどたどしい手つきで靴を脱いで長いベッドに横
たわる。加護が車椅子の姿勢から身体をグッと伸ばして、まるで母親のように
シーツをかける。
「ありがと、あいぼん」
そこでやっと石川が、か細い声で感謝の意を伝える。
加護の低い視線からでは、シーツに半分埋もれた石川の表情を確認すること
はできなかったが、その声から察するに先ほどの食堂での錯乱した状態からは、
ひとまず脱したようだった。
この101号室は簡素ながらも広々とした部屋で、2階の客室が狭くて装飾
に凝っているのと比較すると(どちらもそれぞれに魅力的だが)対称的である。
普段はつんく♂邸のお手伝いさんらが、寝泊まりに使っているらしい。(もっ
と遡ると、ホテルだった頃にはスタッフらの部屋だったという)
ふたつあるセミダブルベッドは二人がこの屋敷に来た時には離されていたが、
加護の要望で部屋の隅にピタッとくっつけた。
屋敷に来てから、毎晩ここで加護と石川は手を繋いで寝ている。
加護も正直、石川の不幸は特別なものだと思っているし、この件にどう触れ
ていいのか戸惑っている。
石川とは長いつき合いになるが、事件以来辻の話はそれほど話題に出すこと
はなかった。当然、加護にとっても思い出すのが辛かったし、石川の気遣いも
痛いほど伝わってきた。
だが本人の告白により、石川は仲間を失ったという想いだけでなく「仲間を
産めなかった」という、特殊かつ強烈な自責の念に囚われていたことを加護は
知ったとき、根拠は無いものの「梨華ちゃんを理解できる人間は私しかいない」
と思った。
加護は今まで様々な石川を見てきた。
表情が豊かな石川は、アイドルだった頃は多くのファンを惹きつけた。
そして事件後は、別の意味で見たこともない彼女を目の当たりにすることに
なる。突然怒りだしたり、脈絡もなく泣きじゃくったり。最初は戸惑ったもの
の、情緒不安定という点は加護もある程度は共感できた。自身も現役時代、極
度のホームシックに陥ったことがあるからだ。
もちろん事件前と後とでは自分たちを取り巻く環境も決定的に違うし、単純
には比べられない。
だが、狂気をはらんだ笑顔も含めて―――加護は石川を護ってやりたいと考
えていたし、頼られたいとも思った。そう思わせる何かが石川にはあった。そ
れは例えば、彼女と一緒にいると元々強い(と自覚している)加護の母性本能
が、くすぐられるから―――というのも一因として考えられる。
ポツリ、ポツリと石川も独り言のように次々と語り始めた。
まるで沈黙にならないように、加護に配慮しているかのようでもある。
「もう・・・大丈夫だから」
「どうしよう、せっかくの同窓会をイヤな雰囲気にさせちゃったなぁ・・・」
「泣いても、あの二人が帰ってくるわけでもないのに・・・」
「あとでみんなに謝りにいかなきゃいけないなぁ」
「ポジティブポジティブ! って言っていたのにね昔から」
「でもね、不思議と楽になった気がする」
どんなに人間が変わっても、あるいは変わろうとしても本質が失われること
はない。
加護がそう感じるのは自分の置かれた状況に関わらず相手を気遣う、こうし
た石川を見た時だった。
モーニング娘。に加入したての頃の彼女を思い出す。
自分とて「いっぱいいっぱい」のクセに、加護の心配をしていろいろ手出し
口出しをする。当時は、そんな不器用な石川を正直加護は「ウザい」と思った。
そんな他人の気を揉む前に自分のことをちゃんとしろよ、と。口喧嘩に発展す
ることすらあった(そしていつも言い負かすのは、年下である加護のほうであっ
た)。
でもそれが石川のパーソナリティであると理解したとき、一人でドタバタ奮
闘している彼女を優しく見守ることが、たまらなく好きになった。
石川はどこか達観したような語り口で駆り立てられるように喋り倒したあと
ふーっ、と大きく深呼吸して一言つけ加える。
「よっすぃーが言っていたじゃん、あのとき(武道館爆破事件)のメンバーに
話すことによってなんか毒が抜けるって・・・うん、ここに来てよかった」
先ほどまで涙でクシャクシャになっていた顔を、加護から手渡されたタオル
で拭ったあとにあらわになった石川の表情は意外なほどスッキリしていた。先
ほどまでの沈痛な面影はみられない。
―――非常に穏やかで慈愛に満ちている。
加護はその石川の表情を見つめて、静かに微笑んだ。
それから一転して何かを決意したように、険しい表情で語り始めた。
「梨華ちゃん、のの・・・・のことなんだけど」
「何?」
「多分、のの生きているよ」
「???」
「あのね、ののも今この屋敷に来てる、と思う」
「あいぼんも見たの? ののを!?」
「・・・」
加護は、うつむいている。
考えている。
顔をあげて、石川に諦観の眼差しを向ける。
「ねえ、教えて! ののは本当に・・・」
「梨華ちゃん、落ち着いて。あのね、誰にも言わないでくれる?」
「言わないって・・・何を」
「ののが生きている証拠・・・・見つけたの」
【103-加護と石川】END
NEXT 【104-矢口】
朝っぱらからの更新、大儀であった
褒めてつかわす
85 :
すなふきん:03/02/12 09:31 ID:66w+Sr+p
よくやった。
気になるところで終わるな・・・・
さしみさん、更新乙です。
あいぼんは、何を知っているのか?
なんか物語の核心に近付きつつ在るようですね。
これからの展開が楽しみです。
更新乙!
めっさ気になるのぉ!
89 :
84*85:03/02/13 00:01 ID:oiIXiL83
朝っぱらから読んでるお前らもな(笑)!
辻が死んだのは第11話で加護本人が確認したのではなかったけか?
この小説の謎解きはどこでやってるんだ?
 ̄ ̄ ̄ξ∋oノハヽ ξ
 ̄ ̄ ̄ ∩川*’ー’)∩ ワーイワーイ
 ̄ ̄ ̄ \ 毛 /
 ̄ ̄ ̄ ̄ 人 Y
 ̄ ̄ ̄ ̄ し.(_)
さしみ交信乙。
今回も井秀樹ですた。
メジャーからのヲファーももーすぐだな。
>>95 アンタヲトナダナ
【T・E・N】 第104話 矢口
「私も、もしかしたら梨華ちゃんみたいに・・・なってたかもしれない」
矢口は、もう無理して一人称に「オイラ」を使うことはない、と思った。
少しでも、あの頃の楽しかった日々に近づければ―――今日は自分のことを
「オイラ」と呼ぼうと、あらかじめ参加前に決めていた。しかし、やはり上辺
だけ繕っても取り戻せないものがあることを、いざ同窓会に出席してみて悟っ
たのだ。
車椅子の加護。声を出さない飯田。笑いながらゴキブリを踏み潰す石川。
先ほどまで夢中でデザートを頬張っていた紺野も、矢口の真剣な眼差しに気
圧(けお)され、一転して佇まいを正し先輩の話に耳を傾ける。
「武道館のあの爆発のとき、私も観客席に吹き飛ばされたんだ。知ってる?」
紺野は突き上げるような目のまま、うなずく。
「そう、あのラスコンは・・・ウチらもお客さんも、みんなハイになってた。
当然だぁね。ライブなんて麻薬みたいなもんだし、知らないけど。
梨華ちゃんはその狂った男どもに犯されたんだ。ち・・・」
最後は声にならなかったが、矢口の唇の動きで何を言おうとしていたのか、
はっきりと分かる。
「ちくしょう」と。
「モーヲタ」
ゴクリ、と矢口は唾を飲み込む。
「当時はね、モーヲタって呼ばれていたけど。まあ、そんな連中のド真ん中に
放り出されたわけよ。なんてゆーわけ? あれ・・・あーゆう人たち・・・
まあファンであることには変わりないんだけど・・・正直、キショイと思っ
てた。こんなコト言ったり、態度に出したりするのダメなんだけど、見るの
もシンドかった。紺野ちがう?」
「え・・・あ・・・はぁ・・・」
「じゃあ、インターネットの掲示板とかで見たことない? ファンが好き勝手
にアタシらのこと書き殴っているの!」
「んん〜当時はまだ・・・中学生でしたから・・・でもちょっとだけ・・・」
曖昧な返事を繰り返しているのは、紺野は嘘をつくことが下手な人間だと自
覚しているためだ。矛盾を指摘されると、しどろもどろになってしまうため、
最初からどちらとも取れる無難な発言に終始してしまう。一種の防衛本能と呼
んでもいい。
実をいうと、紺野は「ちょっとだけ」見たわけではなかった。
ネット上に流布する、自分たちに対する罵詈雑言の数々。ほとんどは根拠の
ない噂ばかり。
賛辞が打ち消され、憎悪や罵声が増幅される闇。妄想と真実が同列に扱われ
る世界。そんな空間が自分の預かり知らぬところで展開されていることも、当
時から十分承知していた。
ゆえに、新垣の加入経緯の「疑惑」に関してもネット上でファンが互いに情
報を補完していたことは、当時メンバー内で話題に出すことがタブー視されて
いたが、内容は熟知していた。
ただ、紺野の場合は自分のココロの中で予防線を張ることができたので、幸
運にも精神的に破綻することはなかった。他人は他人、自分は自分と割り切れ
る性格が多いと言われている血液型Bの特性なのだろう。
「ふぅん、私は結構ね、現役の頃から見てたのネットを。
『矢口うるさいんだよ』とかさんざん言われていてね、勝手にヌード写真に
私の顔だけ当てはめられたりもして・・・コラ何だっけ? ああゆうの?」
「アイコラ」
「そうそう、アイコラ。(って紺野あンたやけに詳しいわね。まあいいわ)
アイコラとか、あと笑っちゃうのが私となっちがエッチしている創作のね、
小説とか」
「・・・そんなのまで読んでいたんですか!?」
「いや、そんな隅々まで読んでないけどサ、よーやるわって感じで。うん。
割と客観的に面白がっていた部分も否定しないし」
「へえ」
「と、とにかくね。脱線しちゃったケド、あのライブの時モーヲタの中に放り
込まれて、そりゃね私も服をはぎ取られたりしたわけよ」
「信じられないですね、自分らの応援しているアイドルなのに・・・」
「わかってないね紺野。あいつらはファンである以前に男なの。野獣よ、野獣」
「野獣って・・・じゃあ矢口さんも・・・」
「・・・思い出したくないけど・・・地獄だったわよ。
今でも夢に出てくるぐらい」
「・・・」
(それじゃあ公になっていないだけで、矢口さんも石川さん同様「一線」を)
と紺野が思った、その時。
「でもね、紺野」
「・・・はい?」
「私の場合はね、梨華ちゃんと違って・・・確かに殴られたり身体中を触られ
たり、そりゃあ非道い目にあったんだけど・・・最後まで犯されなかった。
何故だか分かる?」
「・・・いえ」
「あんな・・・ホント今でも、奇跡に近いと思っているんだけど・・・あんな
状況の中でも、私を庇ってくれるファンがいたの。必死で・・・それこそ命
がけで・・・今となっちゃあどんな人で、何人いたのかさえも思い出せない
んだけど・・・私をケモノの群れから、助け出してくれた人・・・人たち、
かな。人たちがいたの」
「そんなことが・・・」
聞いていた話とは違う。
観客席にまで爆風で飛ばされたものの、奇跡的にほとんど軽い傷で済み(マ
スコミ的には「無傷」扱い)、自力でなんとか逃げ延びた―――それが紺野の
知っているあの事件に関する矢口の顛末の全てだ。
しかし冷静に考えてみると、世間に出回っている「事実」に意図的に歪曲さ
れた部分があったとしても不思議ではない。
人一倍野心の強かった矢口は、ああいった事件が起きた後でも芸能人を続け
る選択をした。そこで重要なのは、あの事件の後処理についての問題。
いくら被害者とはいえ「暴行を受けた」という言葉からは、様々なネガティ
ブな要素が引き出される。それは一部、タレントとしては致命的なイメージも
含まれている。アイドルはイメージを売る商売だ、と紺野も昔担当マネージャ
から諭された記憶がある。矢口の芸能活動の今後を考えて、あえて「無傷」と
いうイメージが浸透するように事務所が仕掛けたということも十分ありえる。
だがこうした表層的な見解にはぐらかされてしまいがちだが、矢口とて暴徒
と化した観客の狂気を間近で見てきたのだ。そして実際に、その渦中に身を置
いていたのだ。
無傷で終わったわけがない。身体も、精神(こころ)も。
「皮肉だよね・・・っていうか、ワケわかんなかったよ。
私が犯されそうになったのも『あんな連中』だったし、私を助けてくれたの
も『あんな連中』だったことが」
―――あんな連中。
キショいとか、
ダサいとか、
くさいとか、
目がヤバいとか、
さんざん矢口が、心の中で忌み嫌っていた連中。
ある意味それは事実だし、実際に武道館事件の時には危険な目にもあった。
だが、それと同時に「そんな連中」に助けられたりもした。だから「ワケわ
かんない」のだろう。
「あとでファンの集団に暴行―――リンチ、だよね。暴行されて死んじゃった
観客の人もいるって聞いた」
「・・・」
「私ね、その死んだ人が・・・私を助けてくれた人なんじゃないかって・・・
ずっと・・・恐くって・・・悔しくって・・・」
大きなソファに腕を組んで、怯えた子犬のように縮こまりながら話す矢口。
「私と梨華ちゃんが、何がどう違ってこうなったのか分かんない。・・・けど」
涙は必死に堪えているものの、鼻をグスグスすする振動で今にも矢口の大き
な瞳から滴がこぼれ落ちてきそうだ。
「別に梨華ちゃんのこと何とも思ってないわけじゃない。可哀想。だからって、
同情したところでどうにもならないの・・・分かるでしょ?
恐いの、色んな意味で・・・あのコを見ていると」
完全に「弱気モード」に突入した矢口。それを見て、この居間に来てから口
数は相変わらず多いのに、武道館の事件の話をなんとなく彼女が避けていた理
由が、紺野はほんの少しだけ分かったような気がした。
あの時あの場所で、石川の身に起きたことを恐らく一番理解してているメン
バーは、今日の参加者の中では矢口に違いない。だからこそ、石川が哀しくも
ガラスのような儚い存在となったことに―――心を痛めているのだ。
矢口言うところの「どうにもならない」はそれだけに重みがあった。いつも
歯に衣着せぬ発言ばかりしている印象の強い彼女とはいえ。
ガチャ。
厨房の扉が開かれた。
皿洗いがようやく済んだようで、安倍に続いて高橋もエプロンを脱ぎながら
ひと仕事終えた顔つきで、ソファでくつろぐ二人に近寄ってきた。
だが、高橋は長距離運転や夕食の手伝い、そして後片付けと疲労がたまって
いるせいか、どこか顔色が芳しくない様子。
「圭ちゃんたちは?」
安倍のその問いに、たった今話し合っていていたウェットな内容を追求され
ぬよう(矢口も悟られないように、わざと潤んだ目を逸らしている)、努めて
明るく冷静に答えた。
「・・・上の・・・遊技場でビリヤードしてます、プッチモニの皆さんは。
ホラ、聞こえませんか? ときどきボール同士がカキってぶつかる音が」
「プッチモニ同窓会ってわけね」
「でも・・・ごっちんのいないプッチモニなんて」
「そ・・・」
紺野は(それを言ちゃあオシマイじゃん)と、矢口の身も蓋もない台詞に危
うく突っ込みそうになった。
【104-矢口】END
NEXT 【105-吉澤と保田】
更新乙さしみ
偶然にもリアルタイムで読んじゃったよ
『書く』と『読む』とのタイムラグのおかげでCMのような気分に・・・
この先の展開に期待しますよ
神出鬼没更新乙。また長くなってしましました。
ところで最近は羊もあまり見ていなかったわけですが、いつの間にか
小説の人気投票なぞをやっていたわけですね。気付くの遅ぇよ。
とはいえ、3月31日までに完結しないと思うので・・・気持ち的には
辞退したいような・・・話が話だけにきちっと完結してから
評価を仰ぎたいところです。
ま、いいか。どんどん書いていこ。
鮪乃さしみホームページ
http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Bass/5818/
さしみタン、更新乙!
漏れは羊のスレはここ関連しか見てないw
さしみタン相変わらずの面白さ!
今回更新分の最後のセリフは自分も加護同ですw
それにしても大丈夫ですか?>3月31日迄って!
保全
6期などという"学徒動員"のような仕打ちにもめげず交信するさしみガンガレ
推理スレが大盛り上がりですが…
>>111 それはさしみが見ないという約束になっているから、
ここで触れるのは無しにしよう
すみません、推理スレってどこですか?
検索しても出てきません。
お願いします・・・。
>>116 さしみは推理スレの存在(と場所)自体は知っている。
さしみは全部書き終わった後の楽しみにとっておこうって
前スレの最後でいっていたじゃん
まぁ知らなかったとしてもさしみ本人が来なければいいわけだから。
っていうか、さしみ来るなよ。
そうなんだよな。
スレッド一覧見て、推理スレが意外に伸びているのを見て驚きを隠せない
さしみなわけですけど、興味はありつつもスルーしてます。
なぜかっちゅうと、俺の性格からしてですね、皆様の推理を弁明するような
ストーリー展開にしちゃいそうなんでね、踏みとどまっているんですよ。
あと、仮にそのものズバリ真相を言い当てている人がいたら、ただでさえヤバめの
餅ベーションがさらに低くなる可能性だってあるわけじゃないですか(w
なので、読んでないっす。
早く続き書かなくちゃ。
でも石川のマシュ〜も見なくっちゃ。
( ^▽^)ノ <グッチャ〜(脳味噌が)
鮪乃さしみホームページ
http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Bass/5818/
>>119 まぁ無理しない程度で頑張って、理想の大人にさしみの名前書いておいたから
>>119 さしみのHP見ると小説が第1章、第2章〜と分かれてるんだけど、
各章のタイトルはあるの?
突然、矢口が観客席に飛び込んで来た!周りは大混乱。さあ君ならどうする?
1.群がるモーヲタどもをぶちのめし、矢口を礼プする
2.1をぶちのめし、矢口を守る
3.1に礼プされる矢口を見ながら(;´Д`)ハァハァ する
127 :
名無し募集中。。。:03/02/21 18:29 ID:F64YwSjw
128 :
127:03/02/21 18:30 ID:F64YwSjw
上げちまった・・・スマソ
0.ここは小説スレでありネタスレではない
131 :
てむぽ#:03/02/23 01:54 ID:N5H3cQwZ
hozen
保全
あややが夢に出てきました。
学校でした。
あからさまにクラスで浮いてました。
女子から嫌われてる風でした。
男子からも距離を置かれてる感じでした。
そんな夢。
明日は国公立大学入学試験前期。
133 :
重しれ:03/02/24 13:52 ID:ZH5yARB4
保全。
さしみたん最高!!
初めから読んでみましたが、実はまだ完結していないのですね…
この小説おもしれーです
頑張って。
135 :
丈太郎:03/02/26 06:56 ID:yInDS0a/
保全
さしみもしかしてBBユーザーなのかさしみ
それともち○こなのか?
>>134 それは、更新終了した前スレならともかく、ここのスレでは微妙に適用されないような気がする
だって、このスレの小説は小説オンリーではないから。
さしみと漏れ達の雑談があってこそのルーズスレだと思う。
作者が機械的に小説をうpするのみなんて、作者もシンドイと思うから。。。
前、さしみが「レスくれたほうが嬉しい」みたいなことを書いてたから、
昔みたいに、みんな遠慮せずにどんどんアホな事を書き込んだほうがいいと思うのよね
長文スマソ。
>>132みたいなのはどうかと思うが。
でも、俺もただうp待つだけのスレは嫌だ。
さっき、ヒサブリにさしみHP逝ってきますた
・・・ブルマとルーズソックスを穿いて体育座りでまってます(´・ω・`)
ま た Y a h o o か !!
141 :
娘。学生:03/02/27 00:14 ID:5S530FXH
さしみさんへ
ステアド撮りました。
こちらにテキストを送っていただければ更新代行いたしますが?
トリップつけました。
メアド書き込んだからあがっちゃった、、、、、、、すいません。
>>141-142 きつい言葉になるが、やめとけ。
漏れ個人の意見としては
この小説は作者であるさしみが書きこむ事に意味がある。
別にさしみがいなくてもいいじゃん?って事にならないとも限らないし、さしみのモチベーションにも影響してくると思う。
あと、可能性としてありえるのは
>>141が100%信用できないという事。
>>141の個人的な理由で更新が滞ったり、文章の紛失や書き換えがないとも限らない。
この小説を読んでる人はかなり多いわけだが、絶対ミスしないと言い切れる自信はありますか?
規制ならいつか解けるし、他にもさしみが更新する方法はいくつでもある。
もしかしたら、この書き込めないという状況がさしみにとってプラスになってるかもしれないし、
漏れ達はマターリ雑談でもしながら待っとこうよ。。。
>>143 確かにその通りですね。
ただ、信用いただけないということが、やや気には障ったので。
何なら、信用いただくために、
住所、氏名、電話番号を晒してもいいですが。
とはいっても、読者同士の口論が過ぎると
かつての【保田圭2011】見たいになってしまうんで。
誰かに更新代行なんかしてほしくないと言うのも
仰る通り、あくまで一読者の意見に過ぎないわけだし、
更新代行しますよ?というのも一読者の提案に過ぎないわけです。
僕は『俺のところにメール送れやごるぁ』と強制してるわけではないので。
そんな中で、どんな選択肢をとるかはさしみさんに絶対の権限があるわけで、
誰かが要望を押し付けるようなものではないと思います。
あとでややこしい事になったら面倒だから、あきらめなさい
それにしてもミキティ、容赦ねーな(w
ちょっとヤグが可哀想…
>>147 いや。別に送ってもらわなくてもいいんですよ。
ただ、ちょっと『信用できない』と言う言葉に対して
少々感情的な反発があるだけです。
143の書き方も悪いな。141だって事態を打開しようと彼なりに考えたんだろうから
考えた好意にそのもの対しては、感謝というか敬意を払うというか、
そういう一言があってよかったと思う。
それを説教と詰問だけじゃあ荒れるにきまってる。
141は悪気があったわけじゃないし善意なんだろうが、143が追い込んでしまった。
要するに、143の第三段落(あと、可能性、、、)が、いわゆる典型的な余計な一言だったということだ。
まあ、皆さん、マターリとね。
さしみも更新するつもりならカキコ代行スレにでもお願いするでしょ。
まあ、さしみの春休みだと思って待ってればいいでしょ
でも、このまま完結せずに終了したら、さしみの肛門をふさいでファンタジーを紡げなくするよ!
私は住所、氏名、電話番号を晒してくれたら娘。学生さんを全面的に信じます。
それは、口先だけの薄っぺらな人間じゃないこと、思いつきだけで言い出した訳では
ないことを意味すると思うからです。私は人を信じたいのです。お願いします。
晒すことはかまわんが、このスレではやめれ。
あぼーんされたらかなわん。
晒した住所、氏名、電話番号が「娘。学生」さん本人のものであるという証拠がありません。
もし仮に本人のものだとしてもそれら個人情報を晒すことはあまりにも危険です。
>>153 ここは2ちゃんねるという匿名掲示板です。
さしみさんは自分のHPという媒体もお持ちですし、作品を放棄したわけでもありません。
読者同士信じたいという気持ちは分かりますが、作者さんを煩わせたり、これ以上スレと逸脱した話題で
スレを汚すのはみなが望まないことだと思います。
ここは作者さんが書き込むまで待ちましょう。どうしても気になる方は直接メールで伺ってみてはいかがでしょうか。
>>娘。学生
信用なんか出来るわけねーだろ、アホ。
では、電話番号を推理スレに晒すので、
電話された方にこのトリップキーを教えると言うのでどうでしょう?
それで本人確認ができるはずです
まーここはどっしりと山のように構えてさしみの堰を切ったような怒涛の更新に期待しようではないか
娘学生は帰っていいよ。濡れ達が読みたいのは「鮪乃さしみ ◆VnvDQxEgzk」
が更新したTENなんだよ。
さしみはきっと今頃20話分ぐらいストックしてるはずだから、YBBの規制が解けて
>>158のようになるのを待とう。
>>娘。学生
書き込まれた読者の意見としては、反対派(俺も反対)が多かったわけだか、
どうしても納得できないなら、さしみに直接メールを送ってみれば?
>>娘。学生
だいたい、さしみが書き込めないからって、なんでお前が
しゃしゃり出てくるんだ?意味がわかんねーよ。
165 :
161:03/02/28 18:24 ID:U2g+aJ1W
>>164 いつから?
スレ立ての時結構利用したが・・・
167 :
:03/02/28 21:17 ID:pncCHSOg
>>165 先月くらいかな?
2ch全体で串規制が入った
さしみは今、ルーズフェチからブルマフェチに変わったんだよ。
だから、ルーズスレであるここに書きこめなくなったんだよ。
六期ブルマDVDを手に入れて、どこかのブルマ氏にスレ見つけたらそこで再開するって。
書き込みテスト
おおっ書ける。スゴイよ!マサルさん!(違う)
>>166様に感謝
大変長らく放置して申し訳。
よーしパパ、久しぶりに特盛り更新しちゃうぞー!!(1話だけだけど)
【T・E・N】 第105話 吉澤と保田
「結局プッチは、ごっちんのユニットだったってことなんじゃないかな」
あくまでも対戦相手のその言葉が、さも耳に届いていないがごとく振る舞う
吉澤。スラリと長い足を伸ばし、ビリヤード台の上に多い被さるように身を乗
り出し狙いを定めるその姿は、サマになっていた。普段ニコニコしている顔が、
ここぞという時にキュッと引き締まって真剣な眼差しになるのは現役の頃から
変わっていない。
―――「よっすぃ〜」が「吉澤さん」になる瞬間。
(・・・いや、今は吉澤クン、かな)
カン、カチ、ゴトン。
洗練されたフォームから繰り出される打球。それは見事に手玉に弾かれた7
番のボールをサイドポケットに沈めることに成功。「2代目プッチモニ」によ
るビリヤード対決は、終始吉澤が優勢にゲームを進めていた。
余裕で涼しい顔をキープしている吉澤だったが、保田のチッという舌打ちだ
けは聞き逃さない。
「あらら、ゴメン圭ちゃん〜また入っちゃった」
「〜・・・」
保田はキューの両端を握りしめて、今にも真っ二つに折ってしまいそうな勢
い。が、その露骨な様子を笑う吉澤に気付き、慌てて冷静な表情を取り繕いつ
つ昔話を続ける。
「最初はね、プッチモニってのは紗耶香が中心に仕切っていたわけよ。
私にとって同期だったし、ごっちんの教育係でもあったわけだし」
続けて吉澤は8番のボールをも沈め、テーブルの上は白球と9番ボールを残
すのみとなった。ホンモノの象牙で作られた重量感のある、いかにも・・・な
ボールだ。
「だけどね、紗耶香があんな形で卒業して・・・急にあのコと私、ふたり取り
残されたの。直接の接点があんまりないふたりに。
で、アンタ、よっすぃ〜が加入してきて・・・。あっと言う間にごっちんと
アンタが仲良くなってサ。
あれからかな。何においても、まずごっちんありき、だった」
「・・・」
「あのコが間に立つことによって、私もヨシコの事いろいろ知ることが出来た
し・・・最初はどうなることかと思ったけど、2期のプッチも凄くスゴクい
い感じなった」
「うん・・・」
「ホント、好きだった・・・」
「・・・」
「あのコは華があったしね、存在感ってゆーのかな。誤解しないでほしいのは、
別に嫉妬とか、そうゆうのじゃなくてね。
現役の頃って、妙なプライドがあるじゃん? だから当時は言えなかったけ
ど、私自身もごっちんの大ファンでもあったわけです」
照れ臭そうにはにかむ保田を横目で見ながら、吉澤のショットは正確にナイ
ンボールを捉える。
保田が寄りかかっている台の目の前のクッション(ビリヤードの周囲の壁)
をバウンドして、最後の球は綺麗にコーナーポケットに吸い込まれていった。
「・・・これで2連勝っ」
小さくガッツポーズをとる吉澤。さすがにガッツポーズの名前の「生みの親」
から直接仕込んでもらっただけあり、それすらもサマになっていた。
ずっと吉澤は黙々とゲームに集中しているが、それでも保田の独白に近い
「プッチモニ論」にはずっと耳を澄ませて聞いていた。
「くっそぉ〜、あっち(アメリカにある施設)じゃあ結構勝ってたのにぃ!」
「まだ続けます?」
「あったりまえよぉ!
勝ち負け言う前に、まだ一個も球を穴に落としてないんだから!」
「ハイハイ、じゃあ次は圭ちゃんからのブレイクショットでいいっすよ」
吉澤は、やれやれといった仕草で再びテーブルの上に1から9番のボールを
菱形に並べて「どうぞ」と促す。
保田は先ほどの晩餐会から、吉澤を引き連れて直接この2階の遊技場にやっ
てきた。
ゆえに二人の衣装も晩餐会に引き続き白いスーツに藍色のエレガントなドレ
スと、この高級クラブを思わせる部屋の雰囲気にに非常にマッチしている。
片田舎の山奥という野暮ったい地理的要素から切り抜かれた、ゴージャスな
空間がそこに広がっていた。
保田のぎこちない構えから繰り出されたブレイクショットは、かろうじて黄
色い1番ボールを捉えたものの、そのフニャフニャの弾道は華麗に四散するナ
インボールの第一打の醍醐味とは程遠いお粗末さであった。
当然、一つのボールもポケットに落とすことはなかった。
ムスっとした顔で「なんでよお」と嘆く。
「でもね、圭ちゃん」
吉澤はもうショットの構えに入っていながらも、そう話かける。
「俺とごっちんってさぁ、二人で遊んだりすることが多かったんだけど」
「うん?」
「そこでね、たまに圭ちゃんの話になったりしてたんだけど」
「・・・何て言ってた?」
「ううん。あの、ただ、ごっちんって感情―――キモチを言葉にするのが苦手
なコだったから」
「あはは、分かる。私だってそう。
プッチモニって全員そんなタイプの人間かもね」
吉澤の突いた手玉は、順当に1番ボールをポケットに落とす。
「うん。でね。いつぐらいだったっけなぁ。まだプッチに入りたてだった頃か
なぁ。俺、圭ちゃんのことまだよく分からなかった時期ね、今だから言える
けど、ちょっと私のほうが圭ちゃんをナメていた頃があって」
「・・・」
「ごっちんと二人きりになったとき、圭ちゃんをバカにしたこと言っちゃった
わけよ」
「どんな?」
「・・・それは・・・言えません」
「ふふふっ。そりゃそーだよね。私に対する悪口なんだから」
「すいません。でも、今はまったく・・・」
「フォローはいいから。で?」
「そしたっけね、悪口をポロって言って、俺的にはごっちんも同意するかなー
ってニュアンスで言ったんだけど、スゴーイあのコったら怒っちゃって」
「・・・え・・・」
「何だろ。『ヨシコ圭ちゃんの何を知っているのさ! あんなに頑張っている
人なんて他にいないよ!』みたいな凄い剣幕で言われて・・・。
思わずマジ謝っちゃったもん」
「・・・」
加入してから吉澤が同期メンバー以外で、一番最初に心を開いたのが後藤だっ
た。プッチモニにも加入し、同じ現場で仕事する機会は益々増え、二人の絆は
揺るぎないものとなっていた。
だが一度だけ―――加入して半年ぐらい経過した頃、後藤と吉澤、お互いに
あからさまに険悪な時期があった。幸いにもプッチモニのリリース時期の谷間
であったため、世間的にはあまり目立つこともなく冷却期間を乗り越えること
ができた。具体的にはわずか1〜2週間だけだっただろうか。保田も薄々当時
は気にかけていたが、そろそろ調停に乗り出そうと思った直後に仲直りして、
拍子抜けした記憶がある。
後にも先にも二人が喧嘩しているのを見たのは、その時だけだった。
保田は思春期の女の子の気まぐれだろう、と当時は深く考えることもなく片
付けた。だかまさかその冷戦の原因が自分にあったとは、夢にも思わなかった。
「あんなに怒ったごっちん見たの、最初で最後だった」
「なによ、もう・・・」
今にも球を突こうとしている対戦相手に対して、保田は背を向ける。
「あのコってさ、照れ屋だから言わなかったけど、多分圭ちゃんが思っている
以上に圭ちゃんを尊敬してたんだよ」
「・・・」
「もちろん私も」
「・・・」
「ううん、多分プッチだけじゃなくて他のメンバーもみんな」
「や、やめてよぉ」
「やめないよ」
「あんまり・・・そんなクサいこと言われるの慣れていないんだから、も〜」
「フフフ」
「さんざん昔はみんなイジリ倒していたクセにさ、ふんだ」
「・・・圭ちゃん?」
「・・・」
吉澤からは、大胆に背中が露出している保田の後ろ姿しか見えない。だが、
わずかにその肩が小刻みに震えているのだけは分かる。
「もしかして泣いてる?」
「もう、くだらないこと言ってないで、早く次の打ちなさいよっ。
また、よっすぃーの番なんでしょ?」
「まったく、」
不器用なのは変わってないんだから、と言いかけて吉澤は止めた。
一時期、辻や加護が保田のことを「おばちゃん」と読んでいたことをネタに
していたのを思い出す。それはルックスのことも確かにあったのだが、彼女の
醸し出す朴訥とした雰囲気が、怒ったり強がったりすることでしか愛情を示す
ことのできない田舎のおばちゃんに似ていたからなのではないか、と吉澤は分
析する。
吉澤は2番ボールを弾くものの、惜しくもコーナーポケットの手前で静止し
てしまう。
「ホラ、圭ちゃんの出番ですぞ」
「お! チャンスじゃん」
保田の左目は(もうひとつの瞳は髪に隠れて見えない)真っ赤になっていた
が、吉澤は気付かない振りをしてゲームを続けることにした。このままだと、
自分も貰い泣きしてしまいそうだったからだ。
「ひとつぐらい入れてもらわなきゃねぇ、へへへ」
そうは言いつつも、吉澤はどこか「期待」していた。何かやらかすんじゃな
いか、と。いつも以上に力んで、キューの素振りを何度も繰り返す保田を見て、
その「期待」は膨らむ。
「あっ!!」
保田の叫び声が、ただっ広い遊技場にこだまする。
素振りのつもりのキューの先端にボールが撫でるように触れて、10センチ
程手玉が動かしただけに終わってしまったからだ。
「ぶぶぶっ! 相変わらずなんてゆーか、プレッシャーに弱いですねぇ」
と吉澤は大笑い。してやったり、だ。
「あーもー!!」
と地団駄を踏む保田を見て、しかしながら吉澤は思うのだ。
(・・・ステージ以外では・・・ね)
吉澤は手玉を置き直し、2番ボールを難なく攻め落とす。
「でもさ、ナインボールって最後の9番の球さえ落とせば途中何個落としたか
なんて関係ないんでしょ? 最後に笑ってやるわよっ」
「まあ・・・そうなんですけどね」
9番を落とす落とさない以前に、1個もボールを落としていない保田が吐く
台詞ではないな、と吉澤は言いそうになったがあえて黙っておいた。
そして、テーブルの上に四散しているボールの配置を俯瞰(ふかん)してい
るうちに「ある作戦」を思いつき、これまで“ポーカーフェイス”を装ってい
た吉澤も、思わず口の端が僅かにつり上がる。
その作戦を実行に移すべく、吉澤が勢いよく打った手玉は3番ボールを弾く
ものの、サイドポケットを大きく外れてクッションをバウンドする。
「へへへ、残念でした」
と保田が皮肉な笑みを浮かべたその時。
勢いの衰えない3番ボールは対角線上のサイドポケット付近に鎮座する9番
ボールを弾く。
勝利をあらわすファンファーレにしてはやけに鈍いゴトン、という音と共に
そのまま奈落の底へと吸い込まれていった。
「あっ」
「よしぃっ」
再びガッツポーズのまま、今度は垂直に飛び上がり喜びを全身で表す吉澤。
「えええ? これもアリ? 私負けなの!?」
うろたえる保田だが、負けは負けである。
ナインボールのたった一つの単純なルールである「手玉をテーブル上の最も
若い番号のボールに当てて、9番ボールを先に落とした方の勝ち」には反して
いない。
吉澤は確かにその時点で一番若い番号である3番を当てて、そのボールがポ
ケットの脇にある9番にぶつかりそして―――そのままウィニング・ポケット・
インとなった。
「はいはい、ハスラー吉澤3連勝。まだ続けます? 圭ちゃん」
「サテ・・・と。
そろそろ運動も終わったし、酔いも醒めてきたし、飲み直そうっかな!」
無茶苦茶な論理である。保田はさっさと手にしていたキューを、部屋の片隅
のピンボール脇にあるキューラックに立て掛けて広い遊技場の一角にあるバー
カウンターへと向かった。
「ちょ、ちょっと圭ちゃん。負けたんだから、せめて後片付けしてよぉ!」
吉澤が泣きついたが、既に保田はバーの奧にあるボトルに視線は釘付けになっ
ている。カウンターから身を乗り出して品定めしている彼女にとって、もうビ
リヤードの勝敗のことなど正直どうでもいいように見えた。
「スゴーイ! これ好きなの飲んでいいのォ〜!?」
「負けた方は、勝った人のゆーこと何でも聞く約束じゃなかったっけ〜?
圭ちゃん!」
「うんうん。じっくり聞いてあげるからこっち来なよ! お酒飲もっ」
カウンターの奧へと即座に移動し、グラスを二人分用意している保田。満面
の笑みを浮かべて手招きをするその姿は、すっかり高級クラブのママにでもなっ
たつもりでいるらしい。
吉澤は呆れたがビリヤードの惨敗でヘソ曲げられるよりマシか、と前向きに
考えることにして、席に着いた。
保田は引き出しをあちこち開けて、アイスピックを探している。
「ゴメン、もうちょっと待ってね」
吉澤は水割りを待たされている間じゅう、ぼんやりと目の前にいるかつての
盟友のことについて考えてみた。
保田の人生をナインボールに例えてみる。
モーニング娘。だった頃の彼女は、確かにセンターポジションで歌ったり、
サビのソロパートを貰ったりするといった目立った活躍はなかった。だが、他
のメンバーが次々とボールを落としていっても、じっと耐えて虎視眈々と勝利
の機会を伺っていた。
グループが解散しようと(ましてやあのような悲惨な形で!)そのスタンス
は変わらず、保田圭であることを見失わないで、そして夢を追いかけることに
野望を燃やしていた。解散というひとつの区切りで燃え尽きてしまうメンバー
もいるのを尻目に、大きなハンディを背負いながらも念願のソロデビューにこ
ぎつけた。
保田は最後の9番ボールをついに攻め落とし、そのたった一球で勝利を掴ん
だ。
―――実際のビリヤードでは、そう上手くもいかなかったわけだが。
「圭ちゃん、あんたスゲーよ。かっけぇーよ」
「なによキモい、やぶからぼうに」
「スゴイ・・・凄いよ。前よりもずっと綺麗になったし」
「ななな・・・なんだか照れるな。よっすぃ〜に誉められることなんて、そん
なに無かったし。ままましてや、綺麗だなんて、そんな」
「そんなこと無いよっ。それにね、みんな圭ちゃんと最後まで仕事やれたのを
良かったと思ってるよ」
「アリガト」
「矢口さんもね、圭ちゃんがいないモーニングなんて、オチの無いギャグ漫画
みたいなもんだって言ってたなぁ、昔」
「なんだかそれってケナしているか、誉めているんだか分かんないね〜」
「誉めているんだって! 圭ちゃんはいじられてナンボなんだから!」
「だから〜、それが誉めてんのかっての!」
「なんかね、さっき食堂で圭ちゃんと再会した時ビビったのよ。
『おお、圭ちゃん綺麗になってる!』って。で、中身も変わっていたら落とし
ドコロが無いじゃん、イヤだなぁ、と思ったけど・・・。
やっぱり今のビリヤードの“ヘタレ”ぶりを見て安心したよ。
やっぱ圭ちゃんは、こうでなくっちゃ!と」
「ハイハイ、ビリヤード大会優勝おめでとうございます・・・と」
反論に疲れた保田は、出来たばかりの水割りをカウンターを挟んで半身で座っ
ている吉澤にぶ然と―――それでいてまんざらでもないといった表情(かお)
で差し出す。
二人は静かに乾杯し、勝利と再会の美酒に酔う。
そして、プッチモニでの思い出話に花が咲かせた。食堂での晩餐以上に同窓
会らしい一場面かもしれない、とお互い感じていた。
吉澤は保田のことを「不器用」「ヘタレ」と表現した。
だが吉澤も含め、ほかのメンバーもまた保田に対しては―――ある意味、不
器用だったのかもしれない。いじったり憎まれ口を叩いたりすることでしか、
愛情を表せなかったのだから。
(なんで、こんな、素直になれない人間ばっかり集まってたんだろ。モーニン
グ娘。ってのは)
話している途中でそんなことを思い脈絡もなくクスリ、と笑う吉澤を保田は
訝しげに見つめる。
結局、ビリヤード台の上に散らかっているボールはいまだに片付けてられて
いないことなど、二人はとうに忘れてしまっていた。
テーブルに残されたのは、色とりどりのナインボールのうち6個のボール。
そして白い手球のみであった。
【105-吉澤と保田】END
NEXT 【106-未定】
さしみ元気出して、さしみ
こんなヘタレなさしみを待ち続けて下さったり、
いろいろ書き込んでくださった皆様にまず感謝。
これからもマターリかつ殺伐とがんがる。なお次回は
「安倍と矢口」か「紺野と高橋」か「保田と吉澤」のいづれかの予定。
YBBが駄目なのかYBBで荒らす奴が駄目なのか。
とにかく書き込めないので今後の方向性を考えました、いろいろとね。
飼育で続けるとか。でもやっぱ羊で続けたいよねぇ。
鮪乃さしみホームページ
http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Bass/5818/
やはり規制でしたか。
とりあえず、この作品は羊でやって欲しい(あのスレもあるし)。
更新乙ですた。
更新キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
とりあえず乙。
漏れとしては、羊で書けるうちは羊で書いてほすぃ
全国からブルマはどんどん姿を消してるが、くじけずにがんがれ
(○^〜^)<更新お疲れ!!
乙〜、さしみさんゆっくりまったり頑張ってね
194 :
山崎渉:03/03/03 06:00 ID:t7g3jo8/
(^^)
195
上げてしまった…すんません。
tesutesu
198 :
丈太郎:03/03/04 09:09 ID:8AKyWvIp
さしみさん、復活おめでとうございます。
お待ちしておりました・・・うう(涙)
ところで「飼育」って何?
さしみタン期待してるぞゴラァ!
始めから現在の最後まで読みましたが、予想以上に面白かったです。
本気で応援してますので、是非続き頑張って下さい。
ありがとうございます。
更新乙。
207 :
山崎渉:03/03/07 10:14 ID:btQsS50Q
(^^)
208 :
丈太郎:03/03/09 06:29 ID:QCu8c5vC
保全sageときます
209 :
名無し:03/03/09 23:07 ID:4zsYJ50t
さしみタンおめ!
更新乙
今日(というか昨日の夕方)このスレ見つけて、一気に読みました!
凄いっす!鳥肌立ちまくりっす!
応援してるんで、頑張ってください!
がんばります。
いやっほう!(石川・矢口・保田)
212 :
丈太郎:03/03/11 17:25 ID:CWLjEjOk
待ってますよ、さしみさん。
いま一番好きな小説なんで(^^)
213 :
:03/03/12 20:24 ID:0iLkXEtg
おいさしみ!!!早く更新してください。
前スレのほうが上がっちゃってるやんけ!
214 :
丈太郎:03/03/13 05:34 ID:nXs1YzQ6
よかった、このスレが生きてて・・・
がんばります。眠い。
さしみねちゃったのねさしみ
前スレ落ちた?(´・ω・`)
218 :
びhぁえ:03/03/14 17:29 ID:+SmCscFD
保全だよ保全。
どんどん保全しなきゃさぁ、このスレも脱兎落ちしちゃうぜ。
219 :
安心しろ:03/03/14 18:24 ID:iQNTgCoL
>>217-218 ex2鯖はスレ数が600超えるまで基本的に圧縮は無い。
前スレ落ちたのは鯖移動の際に500スレに圧縮された為。
無意味な保全はスレを無駄に消費するだけだよ・・・
浪費なんて言われても、半日以上放置されているのをみるとどうにかしたくなる
221 :
山崎渉:03/03/15 19:15 ID:hMl0sx7u
(^^)
222 :
丈太郎:03/03/16 06:50 ID:f2H2LKg5
やばいですよ、さしみさん。
小説スレが次々と殺害されています。
早めの更新希望保全!
【T・E・N】 第106話 矢口と安倍
「なんなんだろね、あのコら。ここで話せばいいのに。感じ悪ぅ」
「まぁ別にいいじゃん。先輩と一緒じゃ、話づらいことだってあるだろうし」
気が付けば、居間には再び安倍と矢口の二人が取り残されていた。
浮かない顔した高橋は、同期メンバーである紺野に何かこっそり耳打ちした
後、彼女を連れてらせん階段から3階へと消えていった。
(やっぱり仲良しグループだったとはいえ、一度バラバラになっちゃうと駄目
なのかな)
と矢口は思う。
せっかくほとんどのメンバーが5年振りの再会となるのに、各々好き勝手に
行動している。昔のワイワイガヤガヤとした楽屋を回想していた矢口にとって、
この現状は拍子抜けも甚だしい、といったところだ。
現役当時は未成年だったメンバーが大半だったが、今日は全員が成人を迎え
ている。とはいえ、その現実を差し引いても―――
(この冷めた雰囲気な何なんだろう)
あるいは矢口が同窓会の臨む姿勢が、そう感じさせているだけなのかもしれ
ないが。
この広々とした―――というか寒々しいといっていいくらいの屋敷に、身を
寄せ合って昔話に華が咲く―――あまり参加に乗り気じゃなかった矢口が唯一
想い描いていた、あるべき最高の形での同窓会。
それは本当に絵空事でしかなかったのだろうか?
「お茶のオカワリは?」
「いや・・・いい」
目の前の仲間が考え事をしている。
眉間に寄せたシワから、ネガティブな思考であることは間違いなかったので、
安倍はとりあえず文字どおり「お茶を濁す」ことにしたが、返答は素気なかっ
た。
仕方なく安倍は自分のカップにだけに紅茶を入れて、輪切りにしたレモンを
中に浮かべた。
「でもなっちさあ、なんで3階に行ったんだろ、あのふたり。
3階って何あるの?」
「物置と・・・あ、あとグランドピアノ! すんごい高そうなの!」
「ピアノ・・・? 演奏でもするのかな?」
「どうだろ、せっかくだからミンナに披露してほしいよねぇ。確か今プッチが
いるホール(遊技場・バー)が吹き抜けになっていて、そこから3階のピア
ノの演奏しているのが見えるんだよ!」
「へー・・え、詳しいんだね、なっち。
この屋敷来たの初めてじゃなかったっけ?」
「・・・うん。いや、まあ、そうだけど。聞いたの、来たことある人から」
視線を慌てて逸らして、ついさっき自分で入れたレモンティーをすする安倍。
相変わらず先ほどの晩餐会に引き続き、かつての安倍に比べて口数は少な目
で基本的には矢口の聞き役に回っている。
「つーか、やっぱ5期メンバーは5期で固まっちゃうわよね」
「うーん、それはや・・・ヤグっつぁんと圭ちゃんも同じなんじゃない?」
「いや・・まあ昔ならそうなんだけど、久しぶりすぎて何だか照れ臭い・・・
じゃないな。何だろ。どこから話していいのか分かんない、みたいな感覚か
な。なっちとカオリもそんな感じじゃない?」
「あ・・・うん、そう言われればそうかな」
「それにあの紺野と高橋ってサ、解散した後もちょくちょくメールとかで交流
あったみたいだし」
「そっか・・・そうだったよね」
「あの二人は進んだ道は違うけど、比較的あの、お互い怪我が軽かったことも
あったし」
「うん・・・だけど同期は、やっぱり心強いよ・・・」
「だよねぇ、なっち。特に5期は・・・あの二人だけになっちゃったし」
矢口の言葉に、胸を押さえて黙り込む安倍。
そこで会話が途切れてしまった。
あまりにも二人で雑談するには広すぎて落ち着かない、というのが矢口のこ
の居間に対する率直な感想である。それに加えて、後藤の手紙や石川の赤裸々
な過去が次々と明らかになり、とてもじゃないが和気藹々と安倍とのお喋りを
続けるといった気分でもない。
だから、なおさらそういった意味でも、高橋と紺野がこの場にいないことが
矢口にとっては苦しかった。特にあの二人なら、先輩に遠慮さえしなければ何
かアッパー系の話題で、盛り上げてくれそうな気がしたのだ。
「ねぇ、なっちはどこにも行かないよ・・・ね?」
「え?」
思い詰めた顔で、問いかけた矢口に対する安倍の返答はこうだ。
「ごめん、私もちょっと部屋に戻っていい?」
「はぁ? どーしたの?」
「え・・・あ、うん・・・オシッコ」
「なら、別に個室に戻らなくても、そこにあるよ」
矢口が指さした先には、つんく♂邸で唯一の個室以外のトイレ。エントラン
スホールへの扉の右手にそれはある。
矢口は例の「Alive」の部屋での出来事があったため、殊更トイレに関
しては神経を使うようになっていた。「Memories」への部屋替えが終
わった後も個室でのトイレはやはり使う気になれず、紺野に教えてもらった居
間に隣接したトイレを使うことにした。
安倍は渋い表情を一瞬見せ、慌てて一言つけ加える。
リアルタイムで更新立ち会ってるよ、感動
よくやるよ、と矢口は感心するが全ての気持ちを言うことは無かった。
スターが一般人を装うことが、快感に繋がるというのも矢口は理解できない
でもない。四六時中芸能人として好奇の目に晒されていれば、時には普通の身
分を求めて顔の見えないネット世界に入り浸りたい気持ちもわかる。
だが、やはり安倍ぐらいのクラスになれば、同じランクの芸能人とリアルな
つき合いがあってもおかしくないし(別に男女関係だけでなく、友人としても)
むしろそうあるべきだと思う。
安倍は現在、女優業を中心に活躍している。自分でない誰かになりきること
が演技者の本分だとしたら、まさに彼女の趣味は実益と合致している。そして
その行為をなんら疑問に思わずに「落ち着く」のならば、女優という職業は確
かに安倍にとって天職というよりほかない。
しかし本当にそれは「安倍なつみ」という人間の本質だっただろうか?
内面世界に閉じこもり、自問自答を繰り返すような性格だったろうか?
かつての“なっち節”ともいえる、一生懸命自分らしさを笑顔でふりまき、
貫き通す彼女を知っている身として矢口は少し寂しい気もするのだった。
そうこう考えているうちに気が付けば、安倍はさっさと2階へ通じる階段へ
と駆け登ってゆく。
「ねえ、ちょっとぉ!」
「ゴメンね、すぐ戻るから」
「なっちったらぁ!」
ゴメン。久しぶりの更新だが間違えた。
>>223-228はナシ。脳内あぼーん強要。
あと
>>227はコロヌ(w
しかし1ヶ月で2話しか更新しないってスゲーよな。
大人って汚いよな。今週は割と更新する予定。ぬんばれ、俺。
では改めて・・・
【T・E・N】 第106話 矢口と安倍
「なんなんだろね、あのコら。ここで話せばいいのに。感じ悪ぅ」
「まぁ別にいいじゃん。先輩と一緒じゃ、話づらいことだってあるだろうし」
気が付けば、居間には再び安倍と矢口の二人が取り残されていた。
浮かない顔した高橋は、同期メンバーである紺野に何かこっそり耳打ちした
後、彼女を連れてらせん階段から3階へと消えていった。
(やっぱり仲良しグループだったとはいえ、一度バラバラになっちゃうと駄目
なのかな)
と矢口は思う。
せっかくほとんどのメンバーが5年振りの再会となるのに、各々好き勝手に
行動している。昔のワイワイガヤガヤとした楽屋を回想していた矢口にとって、
この現状は拍子抜けも甚だしい、といったところだ。
現役当時は未成年だったメンバーが大半だったが、今日は全員が成人を迎え
ている。とはいえ、その現実を差し引いても―――
(この冷めた雰囲気な何なんだろう)
あるいは矢口が同窓会の臨む姿勢が、そう感じさせているだけなのかもしれ
ないが。
この広々とした―――というか寒々しいといっていいくらいの屋敷に、身を
寄せ合って昔話に華が咲く―――あまり参加に乗り気じゃなかった矢口が唯一
想い描いていた、あるべき最高の形での同窓会。
それは本当に絵空事でしかなかったのだろうか?
「お茶のオカワリは?」
「いや・・・いい」
目の前の仲間が考え事をしている。
眉間に寄せたシワから、ネガティブな思考であることは間違いなかったので、
安倍はとりあえず文字どおり「お茶を濁す」ことにしたが、返答は素気なかっ
た。
仕方なく安倍は自分のカップにだけに紅茶を入れて、輪切りにしたレモンを
中に浮かべた。
「でもなっちさあ、なんで3階に行ったんだろ、あのふたり。
3階って何あるの?」
「物置と・・・あ、あとグランドピアノ! すんごい高そうなの!」
「ピアノ・・・? 演奏でもするのかな?」
「どうだろ、せっかくだからミンナに披露してほしいよねぇ。確か今プッチが
いるホール(遊技場・バー)が吹き抜けになっていて、そこから3階のピア
ノの演奏しているのが見えるんだよ!」
「へー・・え、詳しいんだね、なっち。
この屋敷来たの初めてじゃなかったっけ?」
「・・・うん。いや、まあ、そうだけど。聞いたの、来たことある人から」
視線を慌てて逸らして、ついさっき自分で入れたレモンティーをすする安倍。
相変わらず先ほどの晩餐会に引き続き、かつての安倍に比べて口数は少な目
で基本的には矢口の聞き役に回っている。
「つーか、やっぱ5期メンバーは5期で固まっちゃうわよね」
「うーん、それはや・・・ヤグっつぁんと圭ちゃんも同じなんじゃない?」
「いや・・まあ昔ならそうなんだけど、久しぶりすぎて何だか照れ臭い・・・
じゃないな。何だろ。どこから話していいのか分かんない、みたいな感覚か
な。なっちとカオリもそんな感じじゃない?」
「あ・・・うん、そう言われればそうかな」
「それにあの紺野と高橋ってサ、解散した後もちょくちょくメールとかで交流
あったみたいだし」
「そっか・・・そうだったよね」
「あの二人は進んだ道は違うけど、比較的あの、お互い怪我が軽かったことも
あったし」
「うん・・・だけど同期は、やっぱり心強いよ・・・」
「だよねぇ、なっち。特に5期は・・・あの二人だけになっちゃったし」
矢口の言葉に、胸を押さえて黙り込む安倍。
そこで会話が途切れてしまった。
あまりにも二人で雑談するには広すぎて落ち着かない、というのが矢口のこ
の居間に対する率直な感想である。それに加えて、後藤の手紙や石川の赤裸々
な過去が次々と明らかになり、とてもじゃないが和気あいあいと安倍とのお喋
りを続けるといった気分でもない。
だから、なおさらそういった意味でも、高橋と紺野がこの場にいないことが
矢口にとっては苦しかった。特にあの二人なら、先輩に遠慮さえしなければ何
かアッパー系の話題で、盛り上げてくれそうな気がしたのだ。
「ねぇ、なっちはどこにも行かないよ・・・ね?」
「え?」
思い詰めた顔で、問いかけた矢口に対する安倍の返答はこうだ。
「ごめん、私もちょっと部屋に戻っていい?」
「はぁ? どーしたの?」
「え・・・あ、うん・・・オシッコ」
「なら、別に個室に戻らなくても、そこにあるよ」
矢口が指さした先には、つんく♂邸で唯一の個室以外のトイレ。エントラン
スホールへの扉の右手にそれはある。
矢口は例の「Alive」の部屋での出来事があったため、殊更トイレに関
しては神経を使うようになっていた。「Memories」への部屋替えが終
わった後も個室でのトイレはやはり使う気になれず、紺野に教えてもらった居
間に隣接したトイレを使うことにした。
安倍は渋い表情を一瞬見せ、慌てて一言つけ加える。
「あ・・・あのね、メールもチェックしたいなぁ・・・なんて」
「マジ? なっちって本当にメール好きなんだねぇ、車の中でもしてたけど」
「ゴメン・・・どうしても気になるの」
「だからって同窓会に来てまで・・・まあいいけどさぁ、一体どんな人とメー
ルしてんの? まさか彼氏?」
あわてて真っ赤な顔で首を振る安倍を見て、まだこんなウブなところがあっ
たんだと矢口は少しだけ嬉しくなった。
「全然・・・メールだけの友達だよっ。
逆に芸能人の人とかとは、あんまりメールしないの」
「ははぁ、メル友って奴だぁね。相手は知ってるの? なっちってことが」
「ううん、全然。まったくシロート装って・・・って言ったら感じ悪いかな?
でも相手はまったく普通の人だし、私もフツーの人としてメールしてるよ。
今5、6人ぐらいかなぁメル友」
「へえ〜なんか楽しそう。でも身分偽るってストレスたまらない?」
「別に〜、相手が私を安倍なつみとして扱ってくれない方が気分が落ち着くの。
ううん、むしろ私でない誰かを発見したくてメールしているのかもしれない」
「ふうん」
よくやるよ、と矢口は感心するが全ての気持ちを言うことは無かった。
スターが一般人を装うことが、快感に繋がるというのも矢口は理解できない
でもない。四六時中芸能人として好奇の目に晒されていれば、時には普通の身
分を求めて顔の見えないネット世界に入り浸りたい気持ちもわかる。
だが、やはり安倍ぐらいのクラスになれば、同じランクの芸能人とリアルな
つき合いがあってもおかしくないし(別に男女関係だけでなく、友人としても)
むしろそうあるべきだと思う。
安倍は現在、女優業を中心に活躍している。自分でない誰かになりきること
が演技者の本分だとしたら、まさに彼女の趣味は実益と合致している。そして
その行為をなんら疑問に思わずに「落ち着く」のならば、女優という職業は確
かに安倍にとって天職というよりほかない。
しかし本当にそれは「安倍なつみ」という人間の本質だっただろうか?
内面世界に閉じこもり、自問自答を繰り返すような性格だったろうか?
かつての“なっち節”ともいえる、一生懸命自分らしさを笑顔でふりまき、
貫き通す彼女を知っている身として矢口は少し寂しい気もするのだった。
そうこう考えているうちに気が付けば、安倍はさっさと2階へ通じる階段へ
と駆け登ってゆく。
「ねえ、ちょっとぉ!」
「ゴメンね、すぐ戻るから」
「なっちったらぁ!」
2階東棟の廊下の奧からバタン、と扉が閉め切られる音がしばらくして聞こ
えてきた。
そして訪れた静寂。
とうとう矢口は、屋敷の中央、一番目立つ空間である居間にひとりぼっちに
なってしまった。
身体が小さいせいかもしれないが、その姿はより一層悲哀と孤独感に満ちて
いた。
(なんだよ、やっぱり一人になるのかよ)
がらんどうの居間にポツンと立ち尽くし、高い天井を見上げる矢口。
―――結局ひとりなんだ!
その天井からぶら下がっている、きらびやかなシャンデリアに向かって思い
きり叫びたい気持ちになった。
【106-矢口と安倍】END
NEXT 【107-高橋と紺野】
更新おつ・・・で良いよな?
俺も頃されたりしないよな?
あと
>>227はおとなしくさしみに頃されてください
【今日ひとつかしこくなったこと】
>>233の「和気あいあい」の「あいあい」を漢字にすると書き込めない
それはさておき、おまっとさんでした(愛川)。
ありがとうございます。ありがとうございます。それしか言葉がないです。
がんばります。HPの更新もぼちぼちと。
交信乙!ヽ(´ー`)ノ
のしのしと暗黒な雰囲気がやってくる感じだ
どす黒い舞台で、娘。たちはどう立ち回るのだろう・・・
楽しみです がんばってください
和気藹々
243 :
丈太郎:03/03/16 18:21 ID:JOpRj78Q
更新お疲れ様です。
う〜やっぱり面白い!
和気藹々
書けるな
けど読めんな
今日、漢字を一つ覚えますた。
246 :
名無し募集中。。。:03/03/17 02:39 ID:LA1z/DyN
>>242-244 不思議だね。
でも何度やっても書き込みが反映されなかったんだYO!
今後の話の都合により(それほど重要ではないものの、気分の問題)
屋敷の間取りを一部変更したよ。
具体的に言いますと、2階の遊技場と3階のピアノ室が階段で結ばれて
行き来できるようになりりました。
今まで階段が無かったので、3階に行くにはエントランスホールに面している
螺旋階段を登ってゆくしか手段が無かったわけです。
それだと、遊技場←→ピアノ室が、えらい遠回りになるわけで
不自然だと思った上での変更です。ご了承下さい。
ま、どうでもいいんだけど。
↓参考。
鮪乃さしみホームページ
http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Bass/5818/
>>247 うっかり名無し&ageで書き込んじまった。
スマソ。
>>248 乙。
次の更新はいつ頃ですか?
って別にせかしてるわけじゃなくて、だいたいいつ位か分かると良いなぁと。
いつまでもマターリ待ちますけどね。
念のため保全
252 :
丈太郎:03/03/19 05:54 ID:WHUM3Ap2
…やっぱり保全しておこう。
♪ よ〜く考えよ〜
保全は大事だよ〜
254 :
名無し募集中。。:03/03/19 13:20 ID:QhViNG/z
保全てどーゆー意味。
保田全開
256 :
丈太郎:03/03/19 17:28 ID:2xGeW2oE
>255
こらこら(^^)
和気藹々
コンコンはまだですか?
260 :
山崎渉:03/03/20 04:16 ID:cwFtg7ES
(^^)
私用で忙しいよう
……ゴメン。
昨日の矢口ゲストのマシューは大変よかったです。
戦争がそのうち始まりますが、さしみは実家に帰らせていただきます。
なんとか日曜日には107話を載せたいです。かしこ。
263 :
名前がないのよ:03/03/20 23:05 ID:RLtjn7Dl
待ってます。ずっと待ってます。頑張ってさしみ!負けないでさしみ!
あ〜げ〜ちゃ〜だ〜め〜
以前から気になってるんだけどなんでsageるんですかね?
ちなみに自分は263じゃないっす。。。
267 :
265:03/03/21 06:41 ID:2IK4ngrN
>>266さん
ありがとうございます。参考になりました〜。
確かに荒れそうですもんね〜・・・。
自分もこの小説の一読者として荒れて欲しくないです。
【T・E・N】 第107話 高橋と紺野
紺野は高橋に連れられて、3階の物置までテクテクとやって来た。なぜ自室
ではなく、この部屋を高橋が密談(と言ってもいいだろう)の場に選んだのか
は分からないままに。
2階西棟沿いの渡り廊下の先にあるエントランスホールを見下ろしながらの
(高所恐怖症の人にとっては辛そうな)螺旋階段はこの部屋へと直接繋がって
いる。
つんく♂邸の3階はふた部屋しかなく、ピアノ室と物置。
二人が今いる物置部屋―――他に適当な呼び方が見あたらないので、今は仮
にそう呼んでいる―――には、壊れているものの捨てるには忍びないほど立派
な彫像やアンティーク小物、そして楽器や雑誌などが山積みになって散在して
いる。中には見たこともないような、世界の民族楽器もいくつか見受けられる。
だがこれは5年前写真集の撮影で5期メンバーが訪れた時と、さほど変わら
ない光景だ。ただ、物置ならば整理棚などがあってしかるべきなのだろうが、
多くのガラクタは床に無造作に放置されている。
おそらく最初はリビングか何かだったのだろう。低い天井からは物置部屋に
はもったいない程のシャンデリアが辺りを薄暗いながらも照らしている。2階
の渡り廊下が吹き抜けから見おろせる窓。その先には、外に面しているカラフ
ルなステンドグラス。
1階の居間や2階の廊下からも、見上げるような格好でステンドグラスを鑑
賞することもできるが、3階の窓からだとよりハッキリとその美しさを間近で
見つめることが出来る。ひとつ残念なのは、現在の時刻だと外からの陽光が無
いため本来の荘厳な雰囲気を充分に堪能できないことか。
エントランスホールの吹き抜けとの間にはガッチリと手すりがしてあり、さ
らにその手前には観葉植物がいくつも並べられている。おそらくこれは手すり
から身を乗り出す危険を防ぐためで、同時にエントランスから見上げる分には
ちょっとした飾りにもなる。だがこれといって生活感を連想させるものが無い
ため、基本的にこの屋敷の中では殺風景な部屋に分類できる。置いてある物は
それぞれに魅力的だが、無秩序な佇まいが、この屋敷の一室としてはどこかし
ら違和感があるような印象を与える要因のひとつなのだろう。
物置の隣りは大きな扉を隔ててピアノの置いてある部屋に通じる。そして、
その階段からさらに2階の遊技場へと直接降り立つことの出来る狭い階段で結
ばれている。だが今はそのピアノ室への扉は固く閉じられたままで、広々とし
ている割にはどこにいていいのか分からない居心地の悪い部屋。二人はガラク
タに混じって置いてある古い椅子を埃を払いつつ引っ張ってきて、部屋のほぼ
中央に向き合うように座った。
紺野は踏み台のような簡素な椅子。
高橋は中身のクッションが背もたれからはみ出ている、いわゆる「社長の椅
子」に腰掛けている。
「ごめんね、こんなトコロに呼び出して」
運転や後片付けなどで疲労が蓄積されているであろう高橋。だがそれを差し
引いても、紺野は彼女の顔を見てしみじみと感じることがある。
(なんだか老け込んだな、愛ちゃん)
照明の真下に座っているため、顔の彫りに薄暗く浮き出る影がそういった印
象を与えるというのもあるのだろう。
だが、高橋がこの5年間「元モーニング娘。」という看板に翻弄されながら
ソロとしてブレイクせずに現在に至っているという一種のフラストレーション
が顔に表れている、という解釈もあながち的外れではないように紺野は思う。
「あさ美ちゃん、なんだろね・・・さっきの食堂の話」
「・・・」
軽く首を傾げる紺野。
いろんな話がありすぎた。それぞれに強烈で複雑な想いが交錯し焦点を絞り
きれないのが偽らざる心象だ。
「なんか不気味やわぁ・・・ある程度覚悟はしとったけど、やっぱなんかココ
って変やない?」
「はぁ・・・この屋敷で見たってゆー、辻さんの幽霊の話ですか・・・」
「ううん、それもあるけど先輩もなんだかコワイ・・・あまりにも昔とは変わ
りすぎとってぇ・・・」
「変わり?」
「・・・」
「愛ちゃん、安倍さんと何かあったの?」
「う・・・ううん」
ワンテンポ遅れて頭を振って否定するが、瞳の色は相変わらず沈んだままの
高橋。指をモジモジと絡ませており、戸惑っている様子がよく伝わってくる。
高橋もまた他の多くのメンバーと同じく「思い出」と「推測」と「現実」の
ギャップに困惑している一人なのだろう。
「でも仕方ないよそれは・・・あんな、あんな事件とかあったんだし・・・」
「うん・・・。で、お願いがあるんやけどぉ」
「な〜に?」
「今日恐いから一緒に寝てくれん?」
ペットショップで檻の中から客を見つめる、子犬のような涙目で高橋は訴え
かける。高橋は紺野より一歳年上だが、その瞳はまるで迷子になった幼稚園児
を連想させるぐらい、幼さと不安に満ちていた。
「う〜ん、でも多分、愛ちゃんと私の部屋ほとんど同じだと思うけど、アレ、
シングルベッドじゃなかった?」
「うん・・・チョット、二人で寝るのにはキツいんやけど・・・でも、一人で
寝るのは嫌やよ・・・絶対」
最後だけ強い口調で高橋は言い切る。
紺野も同じ想いを、実は感じていた。
客室の性質上、自分に割り当てられた部屋はシングルルームだが、できれば
飯田らのようなツインに変更してほしかった。特別寂しがり屋というわけでは
ないものの、とりわけこのつんく♂邸で一人床に就いても寝付きが悪そうだと
いうのは、出発前から感じていた。
「う〜ん、確かに私も不気味・・・か。5年前のこともあるし」
「ん? 5年前って?」
「あれ? 愛ちゃん知らない?」
「うん? 写真集の撮影に来た時のこと?」
「そそ。
私ら日帰りだったけどマコっちゃんと里沙ちゃんはお泊まりやったやん?」
「あ〜うん」
「そしたらぁ、何日か後に二人に『どうだった?』みたいなこと訊いたの」
「ああ、この屋敷に泊まったときのコトとか?
確か辻ちゃんや後藤さんも一緒やったっけ?」
「うん・・・そしたらなんか歯切れが悪くて・・・」
「あー私もあんま記憶にないんやけど・・・そういえば、その時の様子がどん
な風やったかあのコら言ったかすら覚えとらんわぁ」
「うん、私が聞いたのによれば・・・なんかこの家で『ユーレイ見た』って話
・・・してた」
高橋は口をアングリと開けて、初めて聞くそのエピソードにしばらく絶句し
た。
「ま・・・マジ? だったら、後藤さんがあのノートに、書いてあったコトと
・・・さっきの話となんか関係あるんやろか?」
「多分・・・あ」
紺野は目を見開いたまま、固まってしまった。
頭の中で記憶のスイッチのひとつがオンになったかのように、パッと高橋を
見つめる目が輝く。
「・・・なんでこんな簡単なことに、今まで気がつかなかったんだろ」
「どうしたの? あさ美ちゃん?」
驚きと不安が入り交じり今にも逃げ出しそうな紺野だったが、ようやく高橋
の視線に答える形で向き直して彼女にひとつの疑問を投げかける。
「ねえ愛ちゃん、あの、その、偶然かもしれないけど・・・。解散したときの
メンバーで、今日の同窓会に参加していない人って誰だっけ?」
「な・・・」
一瞬ひるんだのは、高橋にとっては答えづらい質問だったから。
この同窓会に参加していないメンバー=参加したくても出来ない―――いや
参加しようと思うことすらできない人たちばかりだからだ。
「いいから。一人一人名前挙げていって」
「まず・・・辻ちゃん、あと里沙ちゃん。
あと麻琴ちゃんと、後藤さ・・・あ!!」
「気が付いた?」
大きく目を見開いたまま、素早く首を縦に振る高橋。
「・・・そう。あの日、私たちがこの屋敷に写真集の撮影に来た日。ウチらは
陽が暮れる前に帰ったけど、あの日お泊まりだったメンバーはみんな・・・
なぜか今日参加していない・・・」
「・・・」
参加していない理由は、あきらかだ。
小川以外の3人は、もうこの世にはいないはず。
そして小川もまた、事件から5年を経過した今も病院で生死の境をさまよっ
ている。
「ねえ、これって偶然やよね・・・?」
紺野は、高橋の問いかけにどうしても「イエス」という言葉を返せないでい
た。
(あまりにも出来すぎている)
5年前の7月9日の夜。―――だから正確には5年と2ヶ月半前。
このつんく♂邸で何かがあったことは間違いない。
新垣と小川は、その後会ったときにやけに怯えていた。「幽霊でも見たの?」
とからかったら冗談に受け取ってもらえなかった。それ以上深く追求すること
もなく、忘れ去ってしまったことをこの期に及んで紺野は猛烈に後悔している。
ましてや、地下スタジオから吉澤が発見したというコミュニケーションノー
ト。その中でも、後藤の7月10日の記述には、ハッキリとその夜に彼女を落
ち込ませる程の「何か」が起こったことを示唆している。
それ以上に薄気味悪いのが、その夜つんく♂邸で一夜を過ごしたメンバーは
軒並み今日、解散から5年という月日を隔てて開催された今回のモーニング娘。
の同窓会には参加していないという事実。いや逆説的に、あの夜この屋敷にい
たから参加できない―――つまり、2003年7月9日の夜につんく♂邸にて
起こったとされている何らかの出来事に遭遇していたから、あんな目にあった?
という見方もできないこともない。
言い換えるならば「武道館の事件」と「アメリカでの後藤の自殺」に繋がる、
何らかの出来事が5年前のこの場所で起きた?
もっとも武道館の爆破事件は、今日参加していないメンバーだけをピンポイ
ントで狙ったわけではなく、自分たちモーニング娘。を無差別に殺害しようと
していたとしか思えないのは明かだ。犯人が誰であるかは別として、ハッキリ
とそれだけは断言できる。
だが後藤・辻・小川・新垣が参加していない事実だけが、不気味に自分たち
を圧迫する。
そして今日、紺野らもその4人と同様にここ、つんく♂邸で一夜を過ごす。
元モーニング娘。のメンバーのみで。
多少複雑な事情と過去を引きずりながらも―――みんな、逞しく生きてきた。
今後も重い十字架を背負いながら、それでも歩みを止めるわけにはいかない。
あの武道館の悲劇を乗り越えてきたんだから、大丈夫なはず。残りの人生も。
なのに。
なのに胸に沸き上がる、この不吉な予感は一体何なんだろう。
「一緒に寝ようよ」
高橋のポツリとした呟きに、ハッと我にかえった紺野。様々な思索の末に、
それが今夜のベストな選択であるように思えてならなかった。彼女は、独り言
のように繰り返しつぶやく。
「う・・・うん。愛ちゃんと一緒。一緒ならきっと大丈夫。たぶん」
―――そして高橋とともに一夜を過ごし、夜が明けて、また名残惜しそうに
メンバー別れて、日常に戻る。そうに決まっている。
(そうでなければ困る)
それまで無難な人生の選択を繰り返してきた紺野にとって、モーニング娘。
加入は唯一最大の博打のひとつだった。結果としては、それによって波風の立
たない人生を好む性格とは裏腹に、大きく時代に翻弄される運命を辿ることに
なった。だが、今は5年という月日を経てようやく平穏な生活を取り戻しつつ
ある。
それを失ってしまう障害があるとすれば、万難を排してでも阻止しなければ
ならなかった。
「えーっと、今何時だっけ? あさ美ちゃん」
「うん、9時3・・・40分ぐらいかな?」
「そっか。
私ね、このあと保田さんと二人で話したいことがあるから、10時半ぐらい
になったらあさ美ちゃんのトコロまでいくと思う。その時部屋にいてね」
「うん」
「じゃ、ぜったい・・・」
その時だった。
誰もいないと思っていた隣室から、もの悲しげなピアノの旋律が聞こえてき
た。
【107-高橋と紺野】END
NEXT 【108-保田と吉澤】
279 :
丈太郎:03/03/22 14:08 ID:YOYpWJY+
たまたま覗きに来たら…
ついに謎解きが始まるのか?
紺野の推理が冴え渡る!
なんてな(^^)
280 :
名無し:03/03/22 15:27 ID:oVGkQ0q8
さしみ、更新乙!
とうとう核心に迫ってきたか?おもしろすぎだぜ、さしみ。。。
紺野は今回(第107話)の心理描写で、今後この館で起こるであろう事を
全く予想していないから、KAOまたはTEN、そして事件の犯人或いは黒幕候補から
外れてしまったな…
案外、一番怪しくなさそうな奴が犯人だったりして…という素人臭い推理(?)
は通用しないという事か。
まあもともと、紺野はこのスレの推理でも、KAOやTEN候補にはほとんど挙がって
いなかったから、推理に進展はないけどな…
>>281 その手のカキコは推理スレでやってくらさいませ。
283 :
名無し募集中。。。:03/03/23 00:14 ID:8d9oV7Xy
更新乙!
288 :
:03/03/23 01:27 ID:AJvkaCty
>>287 まぁとりあえず落ち着け。
>さしみ
更新おつ〜。
289 :
丈太郎:03/03/23 07:51 ID:85BnKjRp
僕があんな書き込みしたばっかりに…
みなさんすいません。
丈太郎、いー子なのにね
|
| ・・・イイコ?
|◇´)
|ノ )
| コソーリ
今107話で重大な矛盾ハケーン。
・・・書き直します。すま。
弘B大師の筆卸、じゃなーい、さしみも筆の誤り
295 :
丈太郎:03/03/24 07:17 ID:ouCppn3f
保田
(o・-・)
川 ’ー’川 なんか不気味やわぁ・・・
保300全
保全
つーかさしみリーマンが
>>248みたいな時間に起きてていいのか?←これが書きたかった
さしみ食いてぇぞ( ゚Д゚)ゴルア!
丈太郎、保守ピタルにもウケとけ。
304 :
丈太郎:03/03/27 21:01 ID:w87JK5kI
僕もリーマンですが、割と平気ですよ、乗っちゃうと(^_^)
保田卒業記念
保田卒業記念
307 :
:03/03/29 02:13 ID:TN+OIXdV
308 :
丈太郎:03/03/29 13:11 ID:WmDZ6lyj
>>307 あちこちにリンク貼ってるみたいですけど、何か意味があるんですか?
丈太郎、報知汁。
310 :
丈太郎:03/03/30 08:58 ID:nhAWiN2w
>>309 307は荒らしの一種ってことなんでしょうか?
何でもいいだろ。スレ違いな話題に反応すんなボケ。
丈太郎 うぜぇんだよ。
お前 あちこちの小説スレで クレクレ君したり くだらん書き込みばっかで
厨房すぎんだよ!クソボケ!
>>312 もちつけ。(丈太郎君もレスしないように。)
314 :
:03/03/30 18:37 ID:Chtypekc
さしみ〜。まだぁ〜?
>>313 す っ こ ん で ろ チ ン カ ス
このスレが保田圭2011のスレが荒れ出した時と似てきたような気がするのは俺だけ?
317 :
鮪乃さしみ ◆VnvDQxEgzk :03/03/31 07:57 ID:nh8dsjna
やべえ、モチなんとかが全然沸き上がらず
それでも24時間以内には更新するので、ヤバイヤバイよ(矢口)
しかもageているし大変ごめんなさい
さしみしっかりしてさしみ
320 :
丈太郎:03/03/31 11:26 ID:rW5NGQRA
がんがれさしみ〜読者は待ってるぞ〜
322 :
鮪乃さしみ ◆VnvDQxEgzk :03/04/01 07:19 ID:IpPeeffY
っていうかまたageちまったよ、スマン…
矢口のルーズソックスの匂い。
【T・E・N】 第108話 保田と吉澤
「で、なんでオトコになったの?」
何杯かの水割りを酌み交わすうちに再び二人に酔いが回ってきた頃、ほろり
と保田がつぶやいた。完全にリラックスした二人が、カウンター席で隣り同士
に座り昔やらかした失敗などの思い出話に華を咲かせながらも笑い声がフェー
ドアウトしていった、その時だった。それでいて保田のキリッとした視線の先
は、頬を赤らめた吉澤を確かに捉えている。
吉澤は鳩が豆鉄砲を喰らったかのように目を丸くし、その場―――2階遊技
場の一角、バーカウンターが水を打ったように静まり返ったようになりかけた、
次の瞬間。
「あははっ」
ホクロの点在する吉澤の頬肉が、キュッとつり上げる。
「ねえ、なんでなの」
「あはははははははははははは!!!」
吉澤はこれでもかという位、腹を抱えて笑い転げる。
これ程の大爆笑は、保田もリアクションとして予想していなかった。
「ナニ? 何がおかしいの?」
「はははは、だって」
「だって何よお!」
「だって、そんな事ストレートに聞いてきたの、メンバーで圭ちゃんが初めて
だもん!」
(ああ、そっか)
その言葉に、保田は自分たちが世間的にも今日集まったメンバー的にも「異
端」であることを改めて実感した。
女という性別を捨ててまで男になろうと、普通なら考えるだろうか?
顔を失っても歌手を目指そうなどと、常人は考えるものだろうか?
「なぜ男になったの?」
保田は何気なくその質問を投げかけたが、他のメンバーだったらどうだろう?
と考えてみる。かつて家族のような存在だったとはいえ、現在の吉澤の生き方
を支持こそすれども心情まで理解しようとまでするメンバーが果たして他にい
るだろうか?
だが「異端」である保田は、同じく、いやそれ以上に「異端」である吉澤に
強く興味を抱いた。
「・・・さあ・・・なんでかなぁ」
一時期はひいひい息苦しそうにしていた吉澤もようやく笑いが収まり、あら
かじめ準備していなかった答えを見つけるべく頭の中をグルグル回転させてい
る。その時間稼ぎのような返事。
「はぐらかさないで。私はもしかしたら・・・」
「梨華ちゃんのことだね」
「・・・うん」
ようやく吉澤の口から、保田が聞きたかったその人の名前が出た。
晩餐以降、石川の話題を二人とも避けるように思い出話に浸っていたが、そ
れはあまりにも不自然というものだ。保田にとっては、後輩であり教育係でも
あり、友人でもあった石川。吉澤にとっては同期加入でもあり、歳も近く性格
が正反対ゆえに深く結びついていた親友。
だが、武道館での事件以降彼女らを取り巻く環境は大きく変わった。ただひ
とつ言えることは吉澤と保田は5年振りの再会であったということだけ。
「よっすぃーはこの5年間、あのコと連絡とってたの?」
「いや・・・5年なんてあっという間。長い長いと思いつつも、振り返ると短
すぎる時間だったから」
「・・・同感」
「だから梨華ちゃんには・・・悪いけど、あんまり会ってどうしようとかね、
そーゆーの考えつかなかった。自分のことで精一杯で」
「ふぅん」
保田は飲み終わったグラスの水滴を利用して、カウンターテーブルに深い意
味もなくハートマークを描く。
「でも私が思うに・・・心の中ではどっか石川の存在がよっすぃーの中に引っ
かかってたんじゃないかと・・・ワタクシ思ったのですが、その辺どうなん
でしょうね?」
「う〜ん、つまり圭ちゃんはこう言いたいわけ?
俺は梨華ちゃんのためにオトコになった、と」
「いや、そんな単純なことで決意できるような問題じゃないとは思うけど。
ただイッパイあるだろうオトコになった理由の中に石川があってもおかしく
ないんじゃないかって思ってたんだ」
「・・・」
「私・・・別に、よっすぃーの気持ちとかはどうでもいいんだけど」
「どーでもいいって、どうよ?」
「ゴメンゴメン、どうでもいいってわけじゃあないんだけど、ただ・・・さっ
きの石川見た?」
「・・・」
先刻の石川の悲痛な告白と、その直後のあまりに落差のある笑い声。
儚い存在となってしまった石川に、誰もが哀れみの目を差し向けた。その中
で唯一、吉澤だけが何かを行動に移そうとしていた。
石川を護って―――
「護ってあげたいと思った」
「・・・やっぱりね」
「だって・・・あんな・・・梨華ちゃんがあまりにも・・・」
「分かるよ」
頑張れば頑張るほど、空回りすることの多かった現役時代の石川の心の支え
になっていたのは、他ならぬこの二人だった。
彼女を知り尽くしているからこそ、あんな姿を目の当たりにして心が痛まな
いわけがなかった。
「ワタシ思うんだけどね、石川には加護以外に、もうひとり大きな支えになっ
てくれる人が必要だと思うの」
「なんで?」
「うーん、石川と加護って・・・確かにあの事件含めて波乱バンジョーの人生
だったと・・・そう思わない?」
「・・・」
「あ、よっすぃーその目! まるで(ワタシとアンタもそうじゃん)みたいな
コトを言いたげな目!」
「・・・」
「そ、そ。ウチら皆そうなんだよね。でも、石川と加護ってさ特に・・・なん
かあの二人だけの世界に閉じこもっているような」
「閉鎖的」
「お! ヨシコも難しい言葉使うようになったじゃん」
「別にいいから。何が言いたいンすか?」
「うん。なんかね、その、加護にしろ石川にしろ、二人で支え合っているのは
十分伝わってくるわけね、精神的にも肉体的にも。でも、昔スターだったこ
とが大きな足クセになってあまり世の中の流れに乗ってないと思うのね」
「圭ちゃん、それを言うなら“足クセ”じゃなくて“足枷(あしかせ)”じゃ
ないの?」
「ん? そうなの? まあいいや。
そんでね、確かにあの二人の心の傷ってさ、スゴク深いと思うのよ。だけど
ね、あの事件から5年。人生はこれからも10年20年と続いていくわけじ
ゃない?」
「つまり?」
「あの二人・・・特に石川に今必要なコトは、この広い広〜い世の中でいろん
なイロ〜ンナことを体験した人が側についていてやることなんじゃあないか
な、と思ったわけよ」
「広い世の中・・・いろんなこと・・・体験した・・・人」
「そう、例えば」
「圭ちゃんとか」「よっすぃーとか」
二人がお互いの名前を言い合った。
吉澤が照れ臭そうに視線を逸らすのとは対称的に、保田はニンマリとしなが
ら彼女の表情を観察する。
「よっすぃー、やっぱり、あンたが石川の側にいて、あのコの心の傷が化膿し
ないウチに、少しづつでもいいから癒してあげるべきなんじゃないかなって」
「・・・」
「あなたが男になった理由。それは分からない。っていうか、たとえどんなに
ヨシコ本人が丁寧に口で解説してくれたって、ワタシには理解できないと思
う。あ、誤解しないでね。別に否定しているわけじゃないから」
「わかってるって」
「だけどね、私の心の片隅にもしかしたら・・・よっすぃーって石川を護るナ
イトになるために男になったんじゃないかなって・・・ゴメン、一方的な思
いこみなんだけど」
また保田は大笑いされるのを覚悟の上で、語った。
しかし予想に反して吉澤は口を尖らせたまま黙り込み、氷だけとなったグラ
スを揺らしてカラカラ鳴らすだけ。
保田がテーブルに水滴で描いたハートマークはほとんど蒸発し、消えかけて
いた。
モーニング娘。とは、愛とかLOVEとか、そういったキーワードを象徴的
に彩っていたグループだったように今にしてみれば思う。ひどく無自覚なまま
繰り返せば繰り返すほどに、軽く、薄く、陳腐になってゆく言葉。
マイノリティな世界で普遍的な愛に憧れつつも、自分にはもう普通の恋愛な
ど許されないことを悟った。あの事件で殊更その想いが強くなった。
私たちに残された愛のカタチは一体何だろう・・・保田はずっと考えていた。
そして5年振りに再会した、吉澤と石川。
この屋敷この日の出会いが、二人の今後の人生を大きく変えるような気がし
た。そしてその二人の間に芽生えるものが愛なら、どんなにいいことか。
そう思った。
「ゴメンね、変なコト言って。でも・・・やっぱモーニングの頃からそうだっ
たけど・・・あンたと石川って不思議な関係だったから・・・なんてゆーの
かな、じゃれ合っているんだか、けなし合っているんだか第三者から見たら
分からないよーなトコがさ。ただ・・・一番あのコが頼りにしいていたのは
間違いなく」
「いいよ」
「え?」
「もう、いいって」
「いいって何が?」
「もうそれ以上言わなくても。やっと分かった。
俺は梨華ちゃんのことを・・・」
その時だった。
誰もいないと思っていた3階から、もの悲しげなピアノの旋律が聞こえてき
た。
二人は振り返ってピアノ室を見上げる。
黒光りするグランドピアノを前に、悠然と曲を奏でる飯田がそこにいた。
【108-保田と吉澤】END
NEXT 【109-矢口】
更新乙
でいいよね
更新乙
ぶっちゃけ、かなりスランプ気味のさしみですが皆様いかがお過ごしでしょうか。
「いしよし」ってのは娘。小説の中でも黄金パターンだから逆に難しいですね。
今回はかなり一発書きに近い状態でしたので、読み返してみて変なところありまくり
かもしれませんが、例によって変なところは後から書き直すので(w
駄目人間まっしぐら。
新曲はいいよね。
仕事いってきます。今から。
交信乙です
338 :
:03/04/01 09:39 ID:nJtZ3cGY
otu
お疲れさまです。お仕事の方も頑張って下さい。
お疲れ。
107話目書き直すんじゃなかったの?
341 :
〜:03/04/01 14:51 ID:zp3kNT1y
前の話を書き直すより、先が読みたい。
342 :
丈太郎:03/04/01 20:07 ID:eo0gSebe
更新お疲れ様です。
何て言うか…佳境だからこその産みの苦しみ?
さしみ頑張れとしか言えないです。
さしみ、更新乙!
( ^▽^) <更新乙です
さしみ更新乙彼!
自分もいいと思うぜ>新曲
346 :
名無し募集中。。。:03/04/02 20:41 ID:7WX1uGg+
いしよしマンセー!!!
まさかこんな名作の中でいしよしが見れるとは思いませんでした!
( ^▽^)<よっすぃーラヴ♪
kousinn otu
348 :
名無し。:03/04/03 02:15 ID:dElGEAWg
個人的にはこの小説に出てくるカップリングは
俺的に全部あり。
特に加護と石川最高。
最近絡み少ないんだよなぁ、この2人。
かつてはお泊りの仲だったのに・・・。
349 :
誰すか?:03/04/03 02:17 ID:dElGEAWg
小説スレからサイトへ飛んで103話まで読んでココにきました
90話の葉書のとこから怖くて部屋の明かりを着けて読みました
107話も怖くてトイレに行けません、、、しかし久しぶりです
終わって欲しくない小説を読むのわ。
<<351
激しくワロタ
この人って芸能人でつか?
>>351 さすがはさしみ。次の小説のネタが決まったな
>351のプロフィールみると結構な番組に出たことあるみたいだね。
「こんこん」って2ch周辺だけの呼び方だろ
さしみ頑張れ
夢実現まで日が無いぞ
”さいたま”の競艇選手といい、2ちゃんねらーを売りにしたタレントが出るご時世か。。。
なんだかなぁ・ ヽ( ´д`)y━~~
ののたん、「ten」だけ正解
もしかしてここ読んでる?
水原というのは羊を読んでるのか?
それともさしみのHP?
【T・E・N】 第109話 矢口
矢口は広い居間に一人になって、ようやくソファに頼りなさげに寄り掛かっ
ている黒いボストンバックが目についた。保田が持ってきた荷物だ。
(そういえば、圭ちゃんはどこで寝るんだろ)
石川の話では、当初(とはいっても、彼女自身保田がこの屋敷に来るのを知っ
たのは今日の午後になってから、高橋の一言がきっかけだった)客室の空き部
屋である208号室(Memories)に急遽、保田の部屋として割り当て
る予定だったと言っていたが、それは矢口が無理をお願いして変更してもらっ
た。
(となると、現在の空き部屋は本来私が入る予定だった203号室・・・)
2階東棟の3部屋あるうちの一つ。何の変哲もないシングルルーム。しかし
矢口がこの屋敷に来て、しばらくしてその部屋で背筋が凍るような「ある不気
味な事件」が起こった。
トイレの浄水が赤く染まるという―――
(とにかくあの部屋には近づきたくない)
矢口はかつて自分が腰を抜かした、その部屋の方角をじっと見上げる。
安倍は現在、その部屋の対面にあたる202号室にいるはずだ。よく平気で
一人でいられるな、と思う。
もっとも、安倍はあの真っ赤に便器が染まった現場を直接目撃したわけでは
ない。この「事件」を知っているのは矢口と吉澤と安倍。吉澤は偶然悲鳴を聞
きつけて、部屋へと駆け込みユニットバスで追いつめられた鼠のように怯えて
いる矢口を発見した。それと同時に血まみれ?の例の便器も見たのだが、安倍
は伝聞でしか知らないはず。その辺の認識の違いはあるのかもしれない。
矢口は、脳天気な安倍の性格を知っている。お花畑が咲いている頭の中は5
年を経った今でも健在だな、とそうであってほしいと願う希望も含めて思った。
(でも・・・そうなると圭ちゃんが自分の代わりに203号室に泊まることに
なるの?)
矢口は複雑な気持ちになった。
あらかじめ話を聞いて知っていたとはいえ、5年振りの再会となる保田の変
わりようには目を見張った。
女の命ともいえる顔をあの武道館の事件で失った。
失ったのに、内面から溢れ出るあのオーラは何だろう。
違和感。
イヤな雰囲気ではなくて、でもかつて自分の知っていた庶民的で素朴な保田
がどこか遠くに行ってしまったような気がして矢口は寂しくなった。ギラギラ
した野望は当時も今も双方ともに持ち続けているのに―――少なくとも矢口は
そのつもりだし、保田に関しては言うまでもない―――他のメンバーに対する
想いと同様「置いてきぼり」にされた感は否めない。
特に矢口と保田は同時加入の2期メンバーとして苦楽を共に分かち合った仲
だ。第1次追加メンバーとしての風当たりの強さは、その後の慣例化した増員
とは明かに異なっていた。オリジナルメンバーからの、冷たい態度に耐えなけ
ればならなかったし、ファンの間では増員反対の署名運動が起こっていたこと
も後になって知った。それほどの拒絶反応に耐えつつポジションを確立していっ
たのだ。
時には影に隠れて先輩メンバーの文句をお互い吐きつつ、当時まだ在籍中だっ
た市井と枕投げをした日々。
テレビで目立てないといった些細なことから、将来に対する漠然とした不安
まで何でも相談し合った日々。
(圭ちゃんはまだ知らない・・・この屋敷には何か・・・分かんないけど何か
普通じゃないコトが起こりそうな・・・そんな気がする)
そして矢口も、少なくともこのつんく邸で一泊はしなければならない。
(寝れるわけない、一人でなんて)
たとえ部屋替えしたとしても・・・そして職業柄コンサート等のイベントに
よる地方での宿泊に慣れていようとも、矢口はこの屋敷では安眠どころか寝付
くことさえ困難なように思われた。
ほんの数時間前の、あの真紅に染まった便器の内側の画が脳裡にこびり着い
て離れないのだ。
部屋にあるのはシングルベッドだが、矢口ほどの小さな身体なら無理矢理で
も二人で寝ることも可能な気がした。
問題は、その一緒に寝る相手が誰であるか、ということ。
消去法的に石川・加護・飯田たちは最初から除外しておく。タンポポの面々
とはラジオなどで仕事する機会も多かったが、現在の彼女らは独特の世界観と
雰囲気を自らもう成立させており、立ち入る余地は無いと矢口は感じている。
―――安倍はどうだろう。
ここの人里離れた屋敷まで一緒に車でやって来た。つき合いも長いが、不思
議とここ数年はそれほど親密な関係にはならなかった。さきほどの食事が終わっ
たあとの態度でも感じられたが、どこか違う一段高いステージから話しかけら
れているような疎外感。
(なっちは・・・うーんキープかな)
―――吉澤は。
無理だろう。嫌いなキャラクターじゃないが男になってしまった。添い寝に
応じてくれるだろうが、やはり万が一でも間違い(どんな行為をもって「間違
い」なのかはよく分からないが)が無いとは言い切れない。
(よっすぃーは・・・隣りの部屋同士になるけど、やめとこう)
―――じゃあ5期メンバーの二人は?
先輩の立場を利用して、付き添ってもらうことも可能だろう。紺野と高橋、
どちらか一人でいい。
(紺野にしよっかなぁ・・・でも)
―――そうなると保田は、そのままスライド式に203号室に宿泊することに
なるだろう。
トイレから赤い液体が溢れ出たあの部屋に。それには矢口の良心が少なから
ず痛む。
あの現象は確かに恐怖体験ではあったが、自分の思い過ごしということもあ
りえる。それを差し引いても、理由を伏せたまま本来自分が使うはずだった、
薄気味悪いあの部屋にかつての盟友を泊まらせるのは人間・矢口真里のポリシー
に反していると思った。
(圭ちゃんを誘ってみよう)
矢口は、保田と一緒に寝てくれないか頼み込む決意を固めた。
保田がいるはずの2階のバーへ向かうべく、階段の半ばまで登ったところで
メールをするために自分の部屋に戻っていたはずの安倍に遭遇した。
「あれ? なっち、やけに早いねぇ。もうメールや電話終わったの?」
安倍は静かに首を振る。
「ううん、あのね・・・無いの」
「無いって、何が?」
渡り廊下から見下ろす(矢口は誰かを見あげること、そして見下ろされるこ
とに慣れていた)安倍の表情は泣くとまではいかないまでも、暗く沈んでいた。
「部屋に置いてあったね・・・携帯電話が・・・」
「なっちのって・・・あのゴツイ衛星対応の?」
「うん、その衛星ケータイが・・・どこ探しても無いの」
【109-矢口】END
NEXT 【110-保田と飯田】
更新乙!
リアルタイムに激しく感動!
さしみ更新乙、がんがってモチなんとかageてこ(´Д`)
更新乙
5/4か…じゃあ濡れは6期じゃなくてさしみを見に行くよw
更新おつ
更新乙
水原の個人HPのリンクにさしみのHPが。。。。( ゚Д゚)スゲェ
378 :
丈太郎:03/04/08 07:53 ID:xJylWPJG
水原がヲタでもウチらには関係ないですよ
アイドルがモーヲタカムしたからって釣られすぎ。
水原、「小説読みたいよー」発言
ネットに繋がった瞬間ビビルだろうな
自分のことが話題になってて
うかつだよなモヲタは基地外多いのに、たぶんマジびびってガクガクブルブルだよ。
ちょっと心配になったので保全
だれもおらんので保全
389 :
七死:03/04/12 22:47 ID:jfrs73Vf
sage保全
390 :
七死:03/04/12 22:50 ID:jfrs73Vf
スマソ、あげちまった。
回線切って首吊って氏のう…。
391 :
丈太郎:03/04/13 06:26 ID:EOvyDLf6
>>390 まあまあ。さしみのモチベーションupをマターリ待ちましょう。
というワケで保全。
川 ‘〜‘)ノ保
393 :
:03/04/13 18:46 ID:1PGCj713
水原なんちゃら、別にかわいくもないな。
>>393 もちろんおまいの彼女の方がかわいいYO!
396 :
丈太郎:03/04/15 08:09 ID:eg+JMpSd
保全
今日の夕飯にさしみを食った保全
>>397 何て事を!
また奴の痔が悪化したらどうするんだよ!
(〜^◇^)<寝る場所はどこなんだYO!
ミス板で紹介されていたのでこの小説を知り、一気に読みました。
娘。は一応顔と名前は一致する…程度だったのですが、引き込まれます。
作者さんマイペースで頑張って下さい。
>>400 >ミス板で紹介されていた
どこで?
url教えてほすい
さしみはどんどん有名人になってるな
今日の晩飯はさしみの予定だよ保全
405 :
:03/04/18 22:27 ID:I2PVO7R3
さしみ〜 さしみ〜 今〜咲き誇る〜♪
406 :
丈太郎:03/04/18 22:58 ID:UG4/ueIL
上げない方がいいと思ふ…
407 :
菅崎茜:03/04/19 00:24 ID:LeckIm5z
川*・-・)
( ^▽^)<ほ
さしみまさか一週間更新無しってことは無いよなさしみ
ストーリーが展開しないうちに推理スレで的を得たレスがあったら
そりゃ書けなくなる。ネタばれのようなもんだ。
って今のところどうなのか分からんけど、
推理スレもほどほどにしないといけないかもしれないな。
>>411 いや、それ問題じゃないの?
さしみは「推理スレは見てない」事になってるんだから。
まさかタイーホ・・・
あんまりマンセーされすぎると書きにくくないかな?
さしみの構成力、文章力、表現力のすばらしさは確かにプロ並みだけど、
まだ事件起こってないしミステリー作家としては未知数なわけだし。
それにもしかしてこれからサスペンス風とかホラー風の軽いミステリーにする予定で
みんなが本格推理を期待してるから書きにくいとか?
415 :
山崎渉:03/04/20 01:48 ID:R17+Sv0U
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
まぁ、マターリ待ちましょう。
過剰な期待が作家のヤル気を削ぐことは往々にしてありますし。
>>414 >さしみの構成力、文章力、表現力のすばらしさは確かにプロ並みだけど、
それ誉めすぎ。文章力と表現力に関しては。
本人のためにも良くない。
418 :
417:03/04/20 03:31 ID:bV9ySi9Z
ゴメン。
その、プロ並みの「プロ」に、ライトノベル作家が含まれているのなら、前言撤回するわ。
そいつらよりは上手し。
419 :
山崎渉:03/04/20 07:01 ID:Y993GD5z
(^^)
おまたせ。
長いこと音信不通で正直スマンカッタ。
えーと、色々弁明はあるけど、とりあえず連載は続けますんで。
とりあえず2話更新します。
【T・E・N】 第110話 保田と飯田
むしろこのバー、この雰囲気で、あれだけ愛している音楽が今まで無かった
のが不自然なくらいだった。でももしジュークボックスが音楽を奏でていたら、
果たして飯田はピアノを弾いただろうか?
偶然が必然を待っていたのか、必然が偶然を誘ったのか。とにかく今、飯田
はピアノを弾いている。
「いつのまに・・・」
吉澤はそれ以上、演奏が終わるまで何も言わなかった。
決して飯田の演奏の巧さに聴き惚れていたというわけではない。実際、所々
音を外したり、リズムが狂ってしまう場面も多く見受けられ、お世辞にも華麗
な響きとは言えないレヴェルだ。
それでも、不思議と強く惹きつけられた。
何があろうとも、いま演奏の妨げだけになるものがあれば、吉澤は徹底的に
排除しようとするだろう。
保田と吉澤、二人の今の状態を的確に表現できる言葉があるとしたら「唖然」
や「茫然」といった類になるのではないだろうか。そのふたつに圧倒的なピア
ノの迫力に圧されての「萎縮」も加えていい。
(何の曲だろう)
吉澤・保田にとっても聞き覚えの無いメロディ。クラシックでもジャズでも、
ましてや娘。の曲のアレンジでもない。
ただひとつ言えることは、音楽によって感動するということは小手先のテク
ニックだけではない「何か」があるということ。飯田の魂を振り絞っているか
のような旋律を聴いていて、吉澤はそう思った。
「よっすぃー・・・覚えている?『なんでも鑑定団』のときのこと」
保田に小声で耳打ちされて、吉澤は(突然何を言い出すんだこの人は!?)
と訝しげな表情で見つめる。
だがピアノと自分たちの関連性を思い出し、納得した。
あれは確かモーニング娘。現役の頃、鑑定バラエティ番組にリーダー、サブ
リーダー、そして吉澤という珍しい組み合わせで出演したときのことだ。
吉澤は先祖代々伝わる掛け軸がニセモノと鑑定され、さんざんな結果にうな
だれていた(ちなみに吉澤は遠縁にオリンピック金メダリストがいたり、ノー
ベル賞受賞者がいたりと、妙に血筋がいい)。残りの二人は他の出演者が出品
したアンティークピアノ(無論これは本物)で「猫踏んじゃった」を演奏する
という余興でお茶を濁した。高級な逸品に安っぽい演目というミスマッチが妙
におかしかったのを覚えている。
その時のことを保田は言いたかったのだろう。
ポロン。
飯田が天を仰いで、肩に溜めていた息をふうっと静かに吐き出す。
数秒が経過し、吉澤はそこでようやく演奏が終わったことに気付いた。
ほんのささやかな時間だったが、胸の奥から沸き上がってくるほのかな感動
を精一杯の拍手に変換し、壇上の飯田に贈るふたり。
飯田は特に誇らしげというわけでも、照れ臭そうにしているというわけでも
ない。自分一人のために演奏し、それにある程度納得しているといった面持ち
のまま、天井を見つめていた顔を保田と吉澤にも向ける。そして部屋の奥へも。
(・・・でも、この人そんなに上手かったかなぁ)
演奏が終わり冷静に考えてみて、その一点だけ吉澤は気になった。
だがそれよりも、遊技場で立ち尽くしながらじっくりと聞き入っていた保田
と吉澤の二人以外にも割れんばかりの拍手が沸き上がっていることに驚いた。
3階より聞こえてきた。
「何? 誰?」
急いで遊技場とピアノ室を結ぶ階段を駆け上がる吉澤の視界に飛び込んでき
たのは、ピアノ室の奧の椅子にちょこんと座っていた紺野と高橋。下のバーか
ら見上げている分にはピアノが視界を遮り見えなかった。いつの間にか5期メ
ンバーの二人も、ピアノ室で飯田の演奏を聴いていたのだ。高橋に至っては感
極まって瞳が潤んでいるが、それでも拍手を止めようとはしない。
「スゴい・・・よかったよぉ」
飯田は照れ臭そうにはにかんで、ピアノを取り囲むようにして拍手を送る4
人に一人づつ丁寧に会釈する。
紺野も感激はしているものの、吉澤と同じく頭の中に疑問符を抱えているよ
うな顔をしている。もっとも紺野は表情を「作る」のが元々苦手なのだが、心
に引っかかるものがあるのは確かなようだ。
飯田は何も言わずにピアノを閉じて、感激しているメンバーの間を縫うよう
にくぐり抜け遊技場への階段を降りていった。4人は顔を見合わせる。
「照れてんのかな」
「さあ?」
「でも・・・上手だったよね」
「うん・・・」
「もっと聴きたいよね」
当たり障りの無い感想を交わし合う4人。あの飯田の様子からすると、本当
にピアノの腕を見せつけようとか優雅な空間を演出しようといった意図はなく
「ただ自分が弾きたかったから弾いた」だけのように見える。それはそれで潔
い。そして、そんな演奏に対してあれこれ批評するのは甚だ野暮ったいことで
あるという共通認識も4人の間で無言で成立した。
保田はグランドピアノに肘をつき寄り掛かりながら、白スーツの吉澤の肩を
じゃれ合うように突っつく。
「よっすぃー・・・あンたやっぱり石川んトコロ行って、ちょっと自分の気持
ちをありのままに伝えてきなさい」
「・・・」
保田に言われなくても最初からそのつもりだった。ゆっくりと頷いて、階段
を降りていく。
「ん? 吉澤さんの気持ちって何ですか?」
「紺野・・・ええっと〜まあ、よっすぃーはどうでもいいんだけどね。あのね、
私あのコと」
保田はバーカウンターに澄まして座っている、先程までピアノを弾いていた
女を指さす。
「ふたりきりで話をしたいの。だから・・・」
「ええ〜」
高橋が情けない悲鳴をあげながら、顔を歪ませて割り込む。
「わたし、私も保田さんと話したかったんにぃ〜!」
「ゴメンゴメン。高橋は後にしてくれる?」
「そんなぁ〜」
「まあまあ、夜は長いんだし。終わったら高橋の部屋行くから」
「ぶうっ」
口を尖らせて不満をあらわにする高橋の頭を、保田は優しく撫でてあげた。
「それじゃあ・・・待ってますよう。絶対来てくださいね、大事な話なんです
から」
「ごめんね」
その言葉を残して保田はいわゆる“ケメコ走り”で階段を駆け下りていき、
カウンターの向こう側に回り込んで飯田のためにカクテルを作る準備を始める。
その様子をピアノ室の手すりに肘をついて、見守る高橋と紺野。保田はいか
にも嬉しそうだが、二人の位置からは飯田は背中を向いているので表情を確認
できない。ただ、衣装は夕食のときとは違ってパンツルックに襟の大きな白い
ブラウス。肩から腕にかけてのシースルーが一層色香を引き立たせ、この独特
のフェロモンは、たとえこれから5つ歳を重ねても到底かなわないだろうな、
と高橋は溜息が漏れそうになった。
【110-保田と飯田】END
NEXT 【111-紺野】
引き続き111話。
いや、決して110話が長くなりすぎたので
無理矢理分割したのではなくてですね。テヘ。
【T・E・N】 第111話 紺野
「愛ちゃん・・・保田さんとの話って・・・何?」
惚れ惚れと飯田を遠目に見守っている高橋に対して、腫れ物に触るかのよう
に慎重に尋ねる紺野。
「ん〜ふふふ、私ね、保田さんと・・・一緒に曲創るんだ」
「えっ、そうなの?」
「ウン、ずっと・・・ずっとメール歌詞とか送り合ってて・・・もうちょっと
でカタチになりそうなんよ」
「すっ・・・ごぉい」
誇らしげに口をキュっと結んだ高橋の表情は、まるで、長い間片思いだった
先輩にようやくラヴレターを届けた少女のように瑞々しく輝いていた。
もしかしたら高橋は紺野が思っている以上に保田を神格化し(という表現が
大袈裟に感じないくらい)心の底から慕っている―――と感じさせるには十分
だった。
そこで思い出したのは、元モーニング娘。で紺野らが加入前に脱退していっ
た、ある一人のメンバー。
詳しい事情は紺野も知らないのだが、グループの絶頂期に不明瞭な理由で卒
業を表明し、表舞台から消えていった市井紗耶香。人気が急上昇している中で、
突然芸能界から消えていったがためにファンの幻想がどんどん肥大化していっ
た。そしてその期待が頂点にまで達したその時、復帰を果たした彼女を待ち受
けていた残酷な結末。シンガーソングライターを目指して娘。を辞めていった
彼女だったが、結成されたユニットの活動は痛々しいぐらいに売り上げを落と
していった。
結局市井はファンの過剰な期待に押しつぶされたのだ。他の誰でもない、過
去の自分自身に負けたのだ。その屈辱感から、復帰してから活動を続ける中で
一時的に芸能界からドロップアウトしたこともあった。
モーニング娘。の壮絶な最期の影に隠れがちだが、そういった芸能界特有の
泥臭い悲劇も存在していたことを忘れてはならないだろう。
保田のそれとは状況が違うにしても、高橋の中で彼女に対する期待が高まれ
ば高まるほど(逢えないがゆえに膨張する幻想!)、それが裏切られたときの
ショックは大きいのは市井の例を挙げるまでもなく、容易に想像できる。
目を輝かせながら保田の話をする高橋を見ていると、紺野はふとそんな不安
に駆られるのだった。
「ねえ、そういえばあさ美ちゃん、なんか元気ない・・・? 目が暗いよ」
「あ・・・うん。気付いた? いや・・・なんか気になることがあって」
「気になるって・・・何?」
「この部屋」
「部屋?」
そう言われて高橋は今自分たちがいるピアノ室をグルっと見回す。
黒光りを称える重厚なグランドピアノ。
古びた楽譜―――多分、つんくの集めたものではなく、元からこの屋敷に眠っ
ていたものだろう―――が敷き詰められた棚。赤い絨毯。シャンデリアではな
く、シンプルなライト。観葉植物。ミニソファ。
「この部屋がどうしたん?」
「う・・・ん〜、具体的にどうってコトは分かんないんだケド・・・なんか変
じゃない? 5年前に来たときと雰囲気違ってない? 愛ちゃん」
「あ・・・確かにそうかも。何か違う。なんでやろ」
「他の玄関とか居間とか個室とかは5年前とほとんど一緒なのに・・・この部
屋だけ、なんか中に入ったとき違和感が・・・う〜ん、何が違うんだろあの
時と」
「ああ、私この部屋で写真集の撮影したわ、そういえば!
ピアノの位置が少し違うかも」
「ピアノ? 位置?」
「うん、確かね、ピアノ置いてあったの〜もうちょっと階段寄りやったような
気ぃするもん!」
「ああ、そうかも。そっか写真集か」
紺野はこの部屋に入った瞬間から感じていた違和感を、飯田のピアノ演奏中
もずっと拭えないでいた。確かに高橋の指摘通り、5年前に比べてピアノの置
いてある位置が微妙に異なっているような気がする。
いや、この部屋でどこが具体的に何処が違っているかということが問題なの
ではなく―――「なぜこの部屋だけ変わったように感じるのか」ということに
対して、大きな疑問符が紺野の頭の中に浮かぶのだった。
この山奥の洋館だけ、世間の時の流れを断ち切ったかのように、何処を見て
も5年前のまま。屋敷の外観はもちろんのこと、エントランスホールから居間
を抜けて食堂。厨房。赤いカーペットが敷き詰めてある階段を登り客室。もち
ろん細かい点、例えば小物やシーツの色などは5年という月日が流れれば変わっ
ていても全くおかしくない。
だが屋敷全体に漂う一貫した雰囲気は統一されており、それがピアノ室にお
いてのみ前回訪れたときとは違ったカラーで彩られているような気がしてなら
ない。
「ねぇ? だから何?」
―――そうだ。確かにだから何なんだろう。
紺野はその違和感によって奇妙な不安に支配されている自分自身に対して、
戸惑っているのだ。自分に置き換えてみれば、いわば実家に帰省した際に妹の
部屋が模様替えをしていたようなもので、それが重大な異変と感じること自体
おかしい。実家の何部屋かあるうちのひとつが、しばらく見ないうちに壁紙を
張り替えた。現象としては、その程度の出来事に過ぎない。
それでも紺野の胸の内に沸き上がる、あのピアノの部屋には「何かがある」
あるいは「何かがあった」という根拠のない確信。
―――幽霊? それが部屋の違和感と何か関係が―――
どうにも煮えきらない紺野は、高橋にとあるひとつのアイデアを伝える。
「ねえ、愛ちゃん・・・最後の写真集ってココにあるのかなぁ」
「この屋敷でウチらが撮ったヤツ?」
「うん、なんかハッキリこのピアノの部屋のどこが変わったか確かめたくなっ
ちゃった」
「はぁん? 確かめてどうすんの?」
「いやなんとなく・・・」
「別にいいやん〜疲れているのにそんなことせんでも。私部屋戻っているから
・・・あさ美ちゃんは?」
「うん、その・・・写真集探すわ」
「そ、そう・・・でもさっきの約束忘れんといてよ!
10時半に部屋におってね!」
「はぁい」
そして高橋は物置の扉の向こうに消えていった。螺旋階段経由で2階の自室
(205号室)に戻ったのだろう。去り際の高橋の目は(一体何考えてんの?
あさ美ちゃん)といった困惑の視線を投げかけていた。
紺野はとりあえず手始めに楽譜が並べられている棚の中から、例の「解散記
念・モーニング娘。ファイナル写真集」を探すことにした。
―――ここが終わったら、物置。居間の棚。でも一番置いてある確率の高そ
うなのは、つんく♂の自室の隣りにあるらしい書斎。でも1階西棟は鍵で締め
切られている。石川にマスターキーを借りなければ・・・それでも無かったら。
いや無い可能性も大いにあり得る。なんせ紺野自身、その写真集を自分の部屋
には置いてないわけだから。自分らが出したCD、写真集、グッズなどは照れ
臭くて目に付くところには起きたくない主義なのだ。つんく♂もその例外では
ないかもしれない。でもあの頃の屋敷の姿をビジュアルとして残してあるのは、
恐らくその写真集しかない。
無ければ無いで、実家に帰れば同じ写真集が置いてある。この同窓会が終わっ
てからでもいい。確認はできる。でも、なるべくなら、今ここでその違和感の
原因を確かめておいたほうがいい。いいに決まってる。なんだろうこの理解不
能な情熱は。とにかく胸の中で渦巻いている灰色の雨雲が完全に晴れるには、
その写真集が必要不可欠だ―――
ここまでいろいろ考えて、紺野はなぜそれほどまでに根拠のない義務感に駆
られるのか、その理由を自分自身に問いただした。
(ばかばかしい)
―――高橋の言う通りだ。調べてどうなるという問題でもない。せっかくの
同窓会なのに何をやっているんだ私は。ここを調べて、それでも見つからなかっ
たら2階へ降りる階段の途中で投げ出して、そのまま寝てしまおう。
紺野はそう誓った。心に強く誓った。
―――誓いながらも、なお物置に散乱している雑誌類をひとつひとつ丹念に
ひっくり返して調べるのだった。
【111-紺野】END
NEXT 【112-安倍と矢口】
もうすぐ連載開始から1年か…
開始は2002年5月19日、さしみ大変だろうけどがんばれよ。
5/5か…結末が楽しみなような、なにか寂しいような…
ラストスパートだな。さしみがんがれ!
もう1年か。漏れは初代スレの1から見てるが。
とにかくさしみがんがれ。
まさか市井の出番がこういう形で来るとは・・・
ともあれ乙。
さしみばんがれ。
更新されとるな。乙。
飯田の理由がさしみのモチベーションの表れであって欲しい
そして灰豚は消えてるね…
水原に悪いことしたかな、、、
もうすぐ終わっちゃうの? ・゚・(ノД`)・゚・
ん〜、さしみさん
そろそろHPの鏡餅は片付けたほうが、、、
お忙しいでしょうけど
449 :
:03/04/24 12:58 ID:9fGkVyHN
きっとさしみタソの家にはカビの生えた鏡餅があるに違いない。
>>449 やめれ。さしみのHPにカビだらけの鏡餅を置かせるつもりか。
保田
毛メコ
IDがTEN
読んでるよー。更新待ってるよー。
御膳
453は神!!!スゲ――――!!!
おめ!!
459 :
sage:03/04/28 00:36 ID:UJvuBhh4
保守!!
460 :
sage:03/04/28 00:41 ID:UJvuBhh4
sage間違えた・・・
鬱だ逝ってきまつ。
鏡餅あいぼん
462 :
sage:03/04/29 23:34 ID:9cryVpaO
sage
↑IDで9人の娘。(TENを除く?)が泣いているのか・・・。
↑すごい暗示だ。
さしみ、もうそろそろ更新してくれ。
いつ完結するのかくらいはそろそろ明確にしてくれ。
ぢゃないと、気になって気になって、毎日羊版を見にきてしまうではないか。
465 :
丈太郎:03/04/30 03:56 ID:5oreIBL4
>>464 同意。
さしみさんのモチベーション復活期待。
しかし、このスレだけはいつも中位にありますなあ。誰が上げてるんだろ?
気ぃそらすことすんなhage
さしみはすっかり駄目になってしまいました。
でも小説は書いてます。続けます。必ず完結させます。
GW中も仕事してますが、なるべく早い内に軌道に載せます。
楽しみにしていただいている方には大変申し訳ない。がんがります。
469 :
:03/04/30 12:52 ID:uG/23OpE
がんがれ。応援しているよsage
みんなどうこう言っても、ずっと待ち続けてるいい奴らwばかりなんだから
納得いく作品を書いてくだされ。
いや、良い作品を書き続けてるさしみが良いヤツなんだろ
まぁ、マターリ待ってるさ
シアターの馬鹿作者みたいになるのだけは勘弁な
けめこ汁
最近初めてここを知りました。
昨夜から読み始めて気付けばこんな時間・・・
とてつもない面白さに感動しています。
さしみさんマイペースに頑張ってください。
けめこ汁大盛りで
やべえ
5月5日SSA最終逝くかもしんね
チケットまだ手に入れてないけど、まあなんとかなるだろう
すまん、5/5日までマジヲタ活動させて。ごめん。
今日か明日、あと1回ぐらいは更新するよ。
この世に生を受けて19年間。
同じ年代の奴らよりはそれなりにいろんな本を読んできたつもりだが
これほど鬱になった小説はなかったなぁ。
川*‘〜‘)ノほ
さしみたんやっぱマジヲタだったのねw
【T・E・N】 第112話 安倍と矢口
“現在おかけになった衛星通信は受信者側が電源を切っているか、地下などの
電波が届かない場所にいる可能性があります。留守番電話サービスにお繋げ
致しますので・・・”
受話器の向こう側から無機質なテープ案内による女の声が流れる。
矢口は留守録の「ピー」という音が鳴る前に慌てて居間にある階段脇の受話
器を置いた。そう、いかにも上品と悪趣味が同居しているような金色の装飾の
ついた白い派手なデザインの電話。まあこの古い屋敷の雰囲気に合っていると
いえば合っているのだが、初めて見たときは矢口は思わず失笑してしまった。
「やっぱり繋がんない」
矢口は自分の携帯電話(安倍の電話番号を調べる際にアドレスを検索するた
めに必要だった)をパーカーのポケットに仕舞いつつ、首を振る。傍らの階段
の上から不安そうな目で一連の動向を見守っていた安倍が、手すりに寄り掛か
る格好でついていた頬杖を外して踊り場から見下ろす。
上の遊戯室からは、誰が弾いているのか分からないピアノの音が漏れ伝わっ
てくる。もの悲しげな旋律。
あたかも、安倍の絶望に打ちひしがれたその状況を助長するようでもあった。
「うっそぉ〜、どーしよぉ」
「なっち、来るときの私の車の中に忘れてきたんじゃないの?」
ぶるぶる。
下唇を突き出しながら首を振る安倍。
「違うよう。この屋敷に来てから、いっぺん部屋の中で電話しようとしたもん。
そしたら、あのヤグっちゃんの叫び声がしてきて・・・」
「・・・(あの時か)」
矢口がこの屋敷に到着し客室(203号室)に篭って、過去と現在のギャッ
プに悶々と苦悩している時にあの「血まみれに染まった便器事件」に遭遇した。
騒ぎを聞きつけて部屋になだれ込んだ吉澤に、その一部始終を見られた。そ
れからしばらくして、廊下を挟んで向かいの部屋(202号室)にいる安倍も
様子をうかがいに来てくれた。安倍は下の居間にいる他のメンバーに釈明して
くれたりと、騒ぎが大きくならないように尽力してくれた。
あのフォローはかなり的確だったし、矢口は心の底から感謝している。
「あの時は、確かにバックの中に入れておいたのに・・・」
「ねえ、なっち。携帯だから常に持っていなくちゃダメだよ。どうせどっかに
置き忘れているとかじゃない?」
「あんなゴツイの持ち歩けないよ!」
確かに安倍の持っている衛星受発信の携帯電話は、小型化が極限まで進んだ
現在の一般に普及している携帯電話に比べるとかなり大きい。子供の頃遊んだ
トランシーバーのオモチャを連想させるぐらい“スタイリッシュ”というキー
ワードからかけ離れたシロモノだ。
ただ都会に住んでいる分には、普通の携帯電話の電波が届かない場所なんて
ケースあまり無く、もっぱら衛星携帯電話は世界各国を飛び回るビジネスユー
スのため、デザインはあまり重要視されていないだけなのかもしれないが。
「はぁ、まあそうだよね。おっきいもんね・・・あの携帯」
「あーどうしよう〜マネージャーさんから怒られる〜」
「そうそうなっち、最後に使ったとき電源切った?」
安倍が持ってきたはずの衛星対応の携帯電話が忽然と消えたと聞いて、まず
矢口が行動に移したことがその番号をかけてみるということだった。幸いにも、
この山奥にある洋館は携帯電話の電波が届かない割には、固定電話の回線は引
いてある。(ゆえにインターネットも可能らしい)
その電話から、安倍の衛星携帯電話にかけてみれば―――もし繋がれば呼び
出し音が鳴って、その在処が分かると思ったが、見事に肩すかしを喰らったと
いう結果に終わった。
「ううん、撮影中じゃあるまいし別にそんなことする必要ないもん」
「じゃあバッテリーが・・・」
「昨日充電したから少なくともあと3日ぐらいは持つはず・・・だよ」
「う〜ん・・・絶対なっちのお得意のボケだと思うんだけどなぁ。トイレに忘
れてきたとか」
「も〜違う! 違うよ!」
「とにかく探そう・・・もう一度なっちの部屋を隅々まで探せば見つかるかも
しんないよ」
「・・・と思ってさっきまで探していたんだけど無かったよ。
トイレとか、ベッドの下まで探したけれど見あたらなかったの!」
「じゃあ、どこかで落としたのかしんない。ホラ、よっすぃーとこの屋敷歩き
回ったじゃん」
「う、うん。でもあの時は確か持って出掛けた記憶無いんだけど・・・ってい
うか、ここに来てからバッグの中にずっと入れておいたはずなのに・・・」
「・・・そうなの?
それじゃあとにかく私も手伝うから、この屋敷の中でなっちが行ったところ
を探そうよ」
「・・・」
矢口は思い当たることはすべて言った。順を追って考えてみる。
矢口が運転しているときに、確かに安倍は衛星携帯電話を使ってパソコンで
メールチェックをしていた。矢口がゴッツイ携帯を見たのはそれが最後だった
が、携帯電話を持ってきたのは確かだ。屋敷についた。確か午後4時集合予定
だったが、遅れて実際には5時10〜15分前ぐらいになってしまったと記憶
している。特に寄り道もせずに自分の部屋へと向かった。
そして―――あの「事件」が起こった。
203号室に安倍と吉澤が駆けつける。結局原因は曖昧なまま部屋を替えて
もらうことにした。矢口は203号室の後始末をしたり(心細いので、紺野に
そばにいてもらった)、引っ越しのためにいろいろ動き回っていたような気が
する。安倍はその間吉澤を伴って裏庭などを散歩していた。
本人は携帯を部屋に置いてきたと言い張っているが、矢口はもしかしたらそ
の散歩の時に携帯を落としたのではないかと睨んでいる。
「じゃ、なっち。裏庭に行ってみる?」
「盗まれた」
「・・・?」
「盗んだんだ、誰かが」
やおら安倍は、重々しく口を開いた。
「なっ・・・」
「そうでなきゃ・・・それ以外考えられないんだもん」
「え・・・? あ・・・でもそんなことするなんて」
「誰? 誰だろ、ねえ」
安倍の鋭い視線が矢口に突き刺さる。
「き・・・決めつけることないじゃん、なっち。そんなことする人なんて今日
ココにいないよ! みんな仲間で―――」
「誰でも盗むチャンスはあったはずだよね」
「・・・!!」
―――まさか―――まさか、なっち私を疑っている?
誰か盗んだ、という発想は矢口には無かった。
だが、この屋敷の客室は内側から鍵を掛けられるものの、個室別の鍵を手渡
されているわけではない。テレビ局やコンサート会場の控え室とは違い、現在
この屋敷には気心の知れた仲間しかいないのだ。ゆえに中に人がいないときは、
誰でも他人の部屋に出入りできる状況ではある。
(・・・確かに状況だけ見れば―――なっちがよっすぃーと散歩していたとき、
夕食のとき、夕食が終わってなっちが皿洗いしているとき―――誰でも留守
の間になっちの部屋に入ろうと思えば入れたけど)
屋敷に来ているこの同窓会のメンバーの誰かが安倍の携帯を盗んだと仮定し
て、そういった行為自体ももちろん悲しいのだが、それより即座に「盗まれた」
と発想する彼女に矢口の背筋に冷たいものが走る。
かつては頭の中がお花畑のようだと安倍のことを形容した矢口。その色とり
どりの花は今でも咲いているのだろうか?
「あ、ありえない、よぉ」
矢口はしどろもどろになりながらも、必死に声を振り絞る。
確かに誰もがアイドルだった頃と比較して、現在置かれている状況はかなり
異なる。ある者は身体的にハンディキャップを背負い、またある者は一般人に
戻り、ある者は再び歌への夢を追いかけている―――そして、大きな挫折を味
わった者もいる。でもそんなバラバラの人生を送ってきたメンバーにとって、
最後の共通意識が「お互いを信頼する」ということではなかったのだろうか。
それさえも、その最後の砦さえも揺らいでしまったら、この同窓会に参加す
る意義は限りなくゼロに近づいてしまう―――そんな矢口の複雑な感情が絡み
合って、その場でただ安倍の強い眼差し受けとめることに精一杯だった。
―――とそこで矢口はふと、とあるメンバーの存在が脳裡をよぎった。
辻希美。
「オレ見たもん、ののを。今日。この屋敷で」
先程吉澤が晩餐会で宣言した。
あの時は逆上して自分を見失ったが、今ではこの同窓会に正式に参加してい
る以外のメンバーが屋敷に実は潜んでいる、という奇想天外な発想ももしかし
たら「あり」なのでは、と矢口は思った。
別に辻でなくてもいい。
それこそ座敷童子といった類の妖怪でもいい。
辻に似た、私たちの知らない誰かがイタズラをして、驚かせようとしている。
それだけのことであってほしいと思った。矢口がこの屋敷に来て自室で起こっ
た信じがたい出来事や、安倍の携帯電話がなぜか消え去ったこと。それが全て
第三者の仕業だとしたら。
自分らが認知していない“誰か”がこの屋敷のどこかにひっそりと息を潜め
ているという仮説は、客観的に考えるとかなり不気味だ。それでもかつてお互
いが最も信頼を寄せていた仲間同士が疑心暗鬼に陥るぐらいならば、テレビの
バラエティ番組のようにドッキリ企画で騙されたというオチが待っているほう
が、いくらか救われる。
とにかく安倍のその疑念だけは早急に消し去らねばならない、と矢口は思っ
た。
「あのね・・・その・・・とりあえずこの屋敷に詳しいはずの・・・あいぼん
と梨華ちゃんに相談しよ・・・ね? それからでも遅くはないと思う」
悲痛な告白により晩餐会を途中退席した加護と石川。
あれから1時間も経ってないが―――だから精神的に落ち着いているかどう
かも分からないが―――同窓会が始まる1週前から滞在し、この屋敷の構造に
一番詳しいのはこの2人に他ならない。彼女らにとりあえず相談して、今後の
展開を決めてみる。いや、それより今の安倍と二人きりでいるのが、いたたま
れなくなったというのが偽らざる矢口の今の心境だ。
今の安倍の視線を分散する。それが矢口の本当の狙いだ。
「でもアノ二人に相談したところで見つかるかなぁ、ケータイ」
「とりあえず・・・ね。行ってみよう」
有無をいさわず、矢口は1階東棟への扉へと走った。安倍が渋々でもついて
来てくれることを期待しつつ。
その進んだ先の101号室は、加護と石川の相部屋。二人に相談したところ
で、あまり決定的な解決には繋がらないであろうことは、矢口にも容易に想像
できた。それでも安倍と二人きりでいると、どんどん望まない方向へと傾いて
いくような気がしたのだ。
ああ見えて、しっかり者で器用な加護。彼女なら何とか現状を打破してくれ
るのでは。
だがその考えが甘かったことを、矢口は101号室の扉を開けた瞬間に知る
ことになる。
【112-安倍と矢口】END
NEXT 【113-矢口と加護】
>>さしみ
乙。
連休中の更新はこれが最後。
って全然ストーリー的に一区切りじゃないやん。駄目やん。
今年の8月8日って小説の中では解散しているんだよね。
でも明後日もある意味娘。にとって、大きな節目。
ということで、さしみさいたま緊☆急☆来☆襲・決定。
レポとか色々待て! モチが上がりますよーに(パンパン)
応援してくださる皆様ありがとうございます。がんばります。
更新乙。
さしみ乙よ
497 :
七死:03/05/03 22:04 ID:qAj3uWjd
保全
498 :
丈太郎:03/05/04 00:01 ID:9wTBysOg
保全ほぜん保全
さしみたん、更新お疲れ!
仕事で行けない私の分も、しっかりヤスの最後を目に焼き付けてきておくんなまし。
ほ、ホ、保
交信乙〜
保全
ほぜむ。
保全
田て
のは
た
め
ダーヤスマンセー 保全
さしみ@東京出張中。。。inネットカフェです。
昨日の4日さいたま昼観戦してきますた。
そして今日夜ファイナルもアリーナ席で観てくる次第。
6期面の初ステージと保田のファイナルを見届けてくるってわけですよ。
昨日の時点でもう涙腺がユルユルだったので、今日なんかも保田の「チュッ」を
泣きながら「オエェ〜」ってしちゃうと思う。客観的に見るとかなり無気味。
そんなマジヲタ全開のさしみなわけですけれども、よい子のみんなに一言。
爆破すんなよ。
>>506 俺の分まで見届けてくれな
>爆破すんなよ。
(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
382 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:03/05/05 18:58
>>329 さてと・・・爆破スイッチを新垣が弾け飛ぶタイミングで
しかしこれで実際に爆破事件なんか起こった日にゃ、この小説は
インターネット上の歴史に残る大々々ベストセラーネット小説に
なる事間違いなしだな。
無事ラスコン終わったみたいだね。
盛り上がったらしいから、さぞかしモチベーション上がったことでしょう。
漏れはてっきりさしみたんが爆弾を仕掛けにいったものだと(ry。w
ただいま(そしてこれから仕事だ)。
さいたま参加した皆様乙。
赤いよ。赤く染まったよ・゚・(ノД`)・゚・。
↑炎で赤くなったわけではない
さ、気合い入れようバシッ(顔面セルフ張り手)
しかし疲労。
さしみおかえり
さしみお疲れさしみ
気長に続き待ってるよ
保田
全開
保全
漏れも行ってきた
真っ赤だったな・・・
ひたすら爆破が起こらないように祈ってたのは漏れだけ?
漏れも行ったけど、なんかライブ行くたびに
この小説思い出すw
ダーヤスマンセー!
保全
保(田、毛穴)全(開)!
本人もかよ(w
523 :
名無し募集中。。。:03/05/07 19:06 ID:knw0iqj8
♥
524 :
名無し募集中。。。:03/05/07 19:11 ID:knw0iqj8
♥
525 :
名無し募集中。。。:03/05/07 19:19 ID:knw0iqj8
(^▽^)つI
( T▽T ) <
(●´ー`)<
川 ’ー’川<
( ‘д‘) <
从 ‘ 。‘从
川σ_σ|| <
( ´D`) <
( `.∀´)<
( ・e・) <
从 ~∀~ 从<
(0^〜^)<
∩(゚∀゚∩)age
sage
続きはまだですか?
528 :
10:03/05/09 01:00 ID:RxrtTY+9
保守
530 :
527:03/05/09 07:50 ID:0JX8H9rb
さしみは特定のメンバーのヲタなのか?こんな小説書いていてガキさんのヲタだったら笑えるなぁ
捕手
保田さんは今何をやっているんですか?
>532
さしみはガキさんは好きではない。(容認派ではあるらしい)
だれヲタかは不明だが好きではないガキさんがあの扱いということを考えると
さしみは結構単純なのか?
保田ヲタ説有望らすぃがののヲタかも?
これで「DDです」とか言われた日には日本中の会場が爆発するぞ。
DDって何?
Dokodemo
Doa
>>537 ( ´ Д `)<だいじょぉぶ きーっと
だいじょぉぶ
川*’ー’川 <保全やよ
542 :
中国風光:03/05/11 07:29 ID:wqD1G5N1
>>537 Direct Drive(オーディオ用語)
Doki Doki(違うって)
Domoto Dodai?(堂本どうだい?)
Dimension & Dimage X(DELL Dimensionとミノルタ Dimage X)
Damascus Done(ダマスカス攻撃準備完了)
US、次の標的はシリアか…?
そろそろマジレスしていいかな?
↓の人頼む
D どう
D でもいい
さしみのコンサレポを読む前にハロモニケメ卒スペが放映されてしまったワケだが…
DDガールズ
無念。だがハロモニはヨカタ。泣いた。
つーか休み中何もしてませんでした。スマヌ。
( T.∀T)y-~~<やっぱさしみはヤスヲタだったのね・・・長く情熱的に出番を下さい・・・
保全
さしみの書く保田は現実より知的、冷静、大人すぎ。
現実の保田は自分から面白いことを言えないいじられキャラ。
恐らくさしみは複数のメンのヲタでその中でも保田が一番という事でしょ。
まぁ、美人になったとか言う時点で(ry
ほの痔
557 :
丈太郎:03/05/14 05:09 ID:ZfNTrQtj
とりあえず保全
558 :
名無し:03/05/14 23:07 ID:bFSzTJOR
保全
ホ・ゼ・ン
さしみさん、早く降臨してね。
待ちわびてますよ。
保全
田
全
開
脚
前
転
倒
立
ヽ(`Д´)ノ
(;´Д`)
ヽ(´ー`)ノ
573 :
:03/05/17 21:27 ID:XoivyhZM
( ‘д‘)y-~~~
がんばります。さしみは毎日仕事しすぎだと思う。
でもさいたまは良かった。(浦島太郎状態)
仕事しすぎのさしみガンガレ
漏れも同じ
もう21日間連続勤務