【陵辱】鬼畜作品を創作して14thプレイ【SM】

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1名無しさん@ローカルルール変更議論中
読みきりでもリレー小説でもいいのでここに書いて下さい。
H描写のみも可。神の降臨、お待ちしてます。

●SS書きの方への注意
・スカトロ、フィスト、切断等のハードプレイは名前欄にその旨を記入する事。
 数レスに渡る作品の場合は、その描写のあるレスすべてに、
 内容の注意書きを直前に入れて数行改行後に投下して下さい。
 (IEブラウザや専用ブラウザなど様々な環境の方がいます!)
・保管の都合上獣姦は扱わない事。(擬人化風味はオケー)
・続き物の場合、簡素な物で構わないのでシリーズ名を書き添える事。
・投下終了の場合それとわかるように明記する
・SS投下時、感想へのレス以外の雑談は名無し推奨

●スレ住人心得
・叩きや煽りには絡まない
・肌に合わないSS、レスはスルーの方向で
・SS投下時は仮でいいからコテハンで
  (※どうしても合わない人がとばせるように)
・特殊なプレイはなるべく注意書きをいれる
  (具体的にネタバレせずとも「濃いめアリ」とか)
・住人をネタにしたSSもどきを禁止

まとめサイト
ttp://web.hpt.jp/yaoi/

まとめサイト@携帯
http://web.hpt.jp/yaoi/i/main.html

☆次スレは950で。立てられない方は前後の書き込みを自粛してください。
☆それ以前に容量オーバーしそうな時は490KB辺りでスレ立てをお願いします。
2http://music5.2ch.net/test/read.cgi/musicjf/1135260799/l50:2005/12/27(火) 07:24:50 ID:hil/K/7+

宇トド「アウッ!アウッ!」

http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1135405390/1
3名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/27(火) 07:26:56 ID:4Sq7ys5R
4http://music5.2ch.net/test/read.cgi/musicjf/1135260799/l50:2005/12/27(火) 07:30:13 ID:hil/K/7+

宇トド「アウッ!アウッ!」

http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1135405390/1
5名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/27(火) 07:31:38 ID:vgGQXdlF
乙です。
6名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/27(火) 08:01:32 ID:3/ltpZZ4
>1さん乙です! 前スレ容量の埋まり方もきれいにいったね〜
7名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/27(火) 09:36:40 ID:5GPHDapj
>>1乙 訂正

http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1131818986/237
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1131818986/481

>作品別のまとめ(BLOG)は今後ほとんど更新できません。

まとめサイトは移転しました。
http://red.ribbon.to/~yaoi/
携帯用は
http://red.ribbon.to/~yaoi/i/
8名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/27(火) 11:04:20 ID:4Sq7ys5R
>>7
>1です。訂正ありがとうございます。
9名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/27(火) 11:13:49 ID:9Ziv6Oei
あぁくやしい。前スレ全部貼れなかった…。
10名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/27(火) 12:21:33 ID:4Sq7ys5R
>>9
前スレしおり乙です。残りのしおりがあるならここかしたらばに貼っては?
11名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/27(火) 13:05:49 ID:D+rdTu4Q
もてたいもてたい!!
そう思いながら色々やった。いい車のったり
水上バイクかったり親の援助でクルーザー買ったり
いい時計したり。気づけば今年30歳
もう終わった!!。ほいでジゴロ抜き素人で
合意の上での軽いおしゃぶり込み計25人。俺の実力じゃどう頑張っても
こんなもんか。いちばん苦い思い出は船かった年に
招待した短髪の友達が俺の狙っていた男の子を
意図も簡単にゲットしてお持ち帰りされたこと。
スポンサーは俺なのに、俺を主役にしないでどうする!!
とかいいつつこないだ船と車を売った。。。。
もうそろそろきちっと社会にでんとなあ。ところで皆の
実績はどうよ?すこぶるすごい成績を期待しながら
12名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/27(火) 15:40:33 ID:Qv7zV5ME
1さん乙です。
保守がてら続きを投下させていただきます。
13覚めない夢 16:2005/12/27(火) 15:41:54 ID:Qv7zV5ME
「嫌だ!嫌……」
朋之は叫んだ。
必死で暴れても、自分に絡みつく腕は離れない。
「朋之!」
揺さぶられて名前を呼ばれる。
それでも朋之は暴れることをやめようとしない。
「朋之、落ち着いて。私だよ」
漸く朋之はその声があの男達ではないことに気が付いた。
恐る恐る目を開けると、朋之は隆一に抱き締められている。
包み込むようなやさしい腕は紛れもない隆一のものだ。
「隆一…さん?」
「怖がらなくてもいい。安心して眠りなさい」
確かめるように呼ぶと、隆一は子供をあやすような仕草で朋之の背中をそっと撫でてくれる。
男達に貫かれたまま、朋之は意識を失った。
次に目覚めたのは自宅マンションのベッドの上だった。
帰りが遅いので心配して様子を見に来た隆一が、店の床の上で全裸で倒れていた朋之をここまで連れ帰ってくれたのだと聞かされた。
何があったのかはそのときの朋之の様子でわかっているのだろう。
何度も男達に浴びせられた精液で、朋之は汚れきっていたはずだ。
14覚めない夢 17:2005/12/27(火) 15:42:46 ID:Qv7zV5ME
だが、隆一は朋之に何も聞かない。
自分が朋之を見つけたときのことを話してくれただけで、他に何も言おうとはしなかった。
男達に輪姦され、汚された自分を隆一は許してくれている。
以前と変わらない愛情が包んでくれていることを、朋之は感じることができていた。
「っ…う……」
朋之は隆一に縋りつく。
溢れてくる涙を止めることができない。
自分は隆一に何ができるのだろう。
こんなに大きな愛を注いでくれている隆一に、どんな風にすれば応えることができるのだろう。
「愛してるよ」
やさしい囁きが耳元を擽る。
啄むようなキスが唇に降りてきた。
「何があっても、朋之は私のものだ。傍にいるから安心して眠りなさい」
やさしい声に導かれて、朋之は眠りの中に入っていく。
隆一が傍にいてくれさえすれば、朋之には何も怖れるものはない。
自分のすべてをかけて隆一を愛していきたい。
朋之は隆一のシャツを握り締めたまま、安らかな寝息を立て始めた。
次に見る夢は、きっと幸せを感じさせてくれる。
15覚めない夢 18:2005/12/27(火) 15:44:02 ID:Qv7zV5ME
朋之がベッドから起きられるようになった時には10日が過ぎていた。
輪姦されたショックで熱を出したせいもあるが、精神的なショックも大きかったからだ。
アルバイトは暫く休ませてもらうことにしたけれど、隆一のおかげで朋之も漸く普通の生活を過ごせるようになるまで回復した。
見知らぬ男達に輪姦されたショックはすぐに抜けない。
でも、何も言わずに慈しんでくれる隆一のためにも早く立ち直ろうと思っている。
朋之が起きられるようになってから更に一週間が経ち、今は穏やかな日々が再び戻ってきている。
風呂を終えた朋之は、リビングに戻ろうとした。
だがドアを開けた瞬間、耳に飛び込んできた声に足が止まる。
風呂で温まったばかりの身体から、体温が引いていくような錯覚が起こった。
隆一はソファーに座って、テレビを見ている。
「嫌だ! 嫌……」
悲鳴のようなその声は、朋之のもの。
テレビの画面に映し出されているのは、男達に嬲られている自分の姿だった。
それがあの夜に撮影されたものであることはすぐにわかった。
喫茶店で男達に輪姦されたとき、ビデオを撮られていたことは覚えている。
その行方は気になっていたが、どうしてそれを隆一が見ているのだろう。
あの男達が隆一にこれを渡したのだろうか。
隆一に何かを言ってきたのだろうか。
16覚めない夢 19:2005/12/27(火) 15:45:06 ID:Qv7zV5ME
「一緒に見るかい?」
朋之に気づいた隆一が振り返る。
まるでただの映画でも観ているような口調に、朋之は強い戸惑いを覚えた。
「何をしてるんだ?ここにおいで」
隆一の態度はいつもと変わらない。
何が起こっているのか、朋之にはわからない。
足を支える固いフローリングの床が、ふわふわとした頼りない材質に変化したような気がしていた。
「どうしたんだ、朋之?」
可笑しそうに言いながら、隆一は朋之の傍に来る。
「おいで。朋之も一緒に見よう」
やさしく誘いかけるように言って、隆一は朋之の肩を抱いた。
朋之は隆一に促されるまま、ソファーに向かう。
どんな状況であろうと、朋之には隆一の手を振り払うことなどできない。
だが、表情は凍り付いたように強ばったままだった。
隆一は朋之の肩を抱いたまま、ソファーに座った。
自分の方に朋之を引き寄せ、満足そうにテレビの画面を見つめている。
画面の中では大きく脚を開かされた朋之が、乳首を舐められ、後腔に指を入れられていた。
朋之はそんな自分の姿を見ていられずに瞳を閉じてしまう。
「もうあんなに濡らしているなんて、そんなに気持ちよかったのかい?」
何気なく尋ねられ、朋之は強く首を振った。
喉が掠れて声が出ないのは、風呂から出てきたばかりのせいではない。
隆一の考えていることがわからなくて、朋之は全身を強ばらせていた。
17覚めない夢 20:2005/12/27(火) 15:46:02 ID:Qv7zV5ME
「朋之は本当にここを触られるのが好きだね」
パジャマの上から乳首に触れられ、朋之は肩を跳ね上げた。
「もう固くなっているよ。自分が犯されてる姿を見て興奮したかな?」
からかうような言い方をして、隆一は乳首を押し潰すような強い刺激を与える。
「や……っ」
朋之は反射的に身を捩ったが、自分を抱きかかえる腕の中から逃れることはできない。
パジャマの上から乳首を嬲りながら、隆一はゆっくりと朋之のパジャマのボタンを外す。
そして乳首から手を離すと、唐突にパジャマを肘まで引き下ろし、朋之の手を後ろ手に縛った。
「隆一…さん?」
朋之は怯えた瞳を隆一に向けた。
「同じだね。あそこにいる朋之と」
可笑しそうに言いながら、隆一は朋之の下肢から下着ごとパジャマのズボンも取り去ってしまう。
「脚を開いて、私にも恥ずかしい姿を見せてごらん」
信じられない言葉が画面の中の男達の声に重なった。
やさしい手が朋之の身体をソファーにもたれさせた。
肌に触れる大きな手の感触も、静かな声もいつもの隆一のもの。
それなのに、朋之がされていることは3週間近く前に見知らぬ男達にされたのと同じことだった。
18覚めない夢 21:2005/12/27(火) 15:47:36 ID:Qv7zV5ME
手を添えられて膝を立てられ、座ったままで大きく脚を開かされた。
「あの子達の言っているとおりだ。縛られて乳首を触られただけなのに、もうここが犯されたがっているね」
露わにされた蕾がヒクヒクと蠢いている。
そこを隆一の指先でそっと撫でられた。
「痛…っ…」
そのまま濡らしもせず潜り込んでくる指の刺激に、朋之は思わず声を漏らした。
だが、内壁はすぐに蠕動を始めて隆一の指に絡みつく。
襞を擦られる感触が、朋之の腰の奥に疼きを芽生えさせていた。
自分が犯されてる映像が流れる明るい部屋で、ソファーの上で縛られている。
そんな異常な状況が朋之の肌をいつもより過敏にしているのかも知れない。
固く瞳を閉じていても、テレビから流れてくる自分の叫びと喘ぐ声に朋之の心が追い詰められる。
隆一は指を抜き差ししながら、朋之の乳首を噛んだ。
「い…っ……」
痛みに朋之の身体が竦んだが、それと同時に内側の指を強く締めつける。
「なるほど。彼らの言った通りだ。朋之は痛い方が感じるのかも知れないね」
感心したように言って、隆一は再び乳首に歯を立てる。
「やっ……ぁ…」
その言葉と痛みに、朋之は怯えた。
「どうして……」
「朋之を感じさせてあげたいだけだよ」
ためらいがちの質問に、隆一は笑みを返す。
いつもならその笑みは朋之に安心を与えてくれる。
けれど、今は怯えを強くするだけだった。
19覚めない夢 22:2005/12/27(火) 15:48:31 ID:Qv7zV5ME
朋之には隆一の心がわからない。
本当は自分に腹を立てていたのだろうか。
あんな男達に犯されて、それを悦んだ朋之など隆一は嫌になってしまったのかも知れない。
すぐにでもやめてほしいと叫びたい。
だが、隆一に嫌われたくないという想いが、朋之にその言葉を出すことをためらわせた。
これがろくな抵抗もできずに陵辱されたことへの罰なら、朋之はそれを受け入れるしかないから。
朋之の意志ではなかったけれど、よがる声を上げながら何度も何度もイカされたという事実は目の前に映し出されている。
心でどれだけ嫌がっていても、身体は男達の行為を悦んでいた。
今更のように、朋之はそのことを思い知らされる。
隆一は一度朋之の中から指を引き抜き、ソファーの上に横たえた。
片足を背もたれにかけられ、もう片方は深く折り曲げて立たされる。
そしてまた長い指が中に入り込んでくる。
内壁を爪の先で抉られ、朋之は悲鳴のような喘ぎを漏らした。
隆一は乳首を歯で玩びながら、空いた手でソファーにかけた脚の腿を撫でている。
与えられる痛みを悦ぶかのように、朋之の乳首は固く尖っていた。
20覚めない夢 23:2005/12/27(火) 15:49:52 ID:Qv7zV5ME
「朋之は私に抱かれるのが好きだね?」
内側に含ませた指をゆっくりと動かしながら、隆一が尋ねた。
「はい……」
隆一の意図を掴めないまま、朋之は弱く頷いた。
「それと同じぐらい、本当は犯されるのも好きなんだよ」
やさしい口調のままで、隆一は信じられないことを口にする。
「違…っ…ぁ……」
朋之は声を張り上げた。
だが、その声は内壁を引っ掻くような指の動きが喘ぎへと変化させてしまう。
「違わないよ。そうでなければ、知らない男達に犯されてあんなに感じるはずがないだろう? 今だって私に縛られて犯されることをこんなに悦んでいる」
言いながら、隆一は勃ち上がる性器を空いた手で撫で上げた。
そして、蜜を零し始めた先端の窪みを爪の先で抉る。
「や…っ……ぁ…」
痛みを伴う快感が全身を貫いた。
こんな風に触れられるのは初めてで、朋之の怯えが強くなる。
それでも、朋之の性器は固さを増していく。
朋之の身体が捉えているものが快感であることが、隆一の目にはハッキリと映っているはずだ。
21覚めない夢 24:2005/12/27(火) 15:50:47 ID:Qv7zV5ME
隆一は最奥の一番敏感な部分を指で突いた。
そうしながら性器の先端を何度も爪で抉った。
乳首を強く噛まれて、朋之はその度に隆一の指を締めつける。
縛られた腕が身体の下で痛みを訴えていた。
朋之は背筋を張り詰め、痛みと快感に翻弄されていた。
その間も、映し出されるビデオからは自分を嘲笑う男達の声が流れてくる。
朋之は自分がどこにいるのかわからなくなってきた。
ここはまだ喫茶店の中で、あの男達が朋之を玩んでいるのだろうか。
自分に触れているのは隆一ではなく、あの男達ではないのだろうか。
朋之はそこにいるのが隆一だと確認するように、そっと瞼を持ち上げた。
朋之の目の前で隆一は静かな笑みを浮かべている。
「正直に言いなさい。犯されるのも好きだと」
わざと痛みを与えるような触れ方をしているのに、隆一が尋ねる声はやさしい。
「朋之?」
「犯される…のも……好きです」
同じ口調で尋ねられ、朋之は隆一が望む答えを口にした。
言った途端に、恥ずかしさで全身が焼け付くように熱くなる。
けれど、朋之は隆一の声のやさしさに縋りつきたかった。
相手が他の人なら、朋之はこんなことを口に出したりしない。
「では、私が君に犯される悦びも教えてあげよう。この3年間で抱かれることの悦びを教えてあげたようにね」
隆一は満足したように言って、性器に与える刺激をやさしいものに変えてくれる。
22覚めない夢 25:2005/12/27(火) 15:51:45 ID:Qv7zV5ME
「返事はしてくれないのかい?」
「は…い……」
もう一度尋ねられ、朋之は消えそうな声で答えた。
「そうじゃない。僕を犯してください、だ」
「僕…を……犯してください……」
促されるままに、朋之は隆一の言ったとおりに繰り返した。
もちろん、それは朋之の本心ではない。
犯されたいなんて、今まで考えたこともなかった。
隆一にやさしく抱き締められることが、朋之の幸せだった。
相手が誰であろうと、犯されたいなんて思うはずがない。
どうして隆一は朋之にそんなことを言わせるのだろう。
「いい子だ。私は素直な朋之が大好きだよ」
愛しそうに囁いて、隆一は瞼の上にやさしくキスをする。
隆一は中を刺激する指の数を増やした。
最奥の敏感な部分を抉られ、朋之は大きく喘いだ。
「そう。犯されることを愉しんでごらん。あそこに映っている朋之のように」
隆一の声が自分を揶揄する男達の声に紛れて聞こえなくなってしまう。
その言葉の意味を、朋之は捉えることができない。
朋之は与えられる快感の中に逃げ込もうとしていた。
朋之にわかるのは、今自分に触れているのが隆一だということだけだった。






今日はここまで
23名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/27(火) 16:14:28 ID:/EP5WzaW
夢さんGJです
続きもワクテカで待ってます!
24名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/28(水) 03:04:02 ID:W7JVfyxv
夢タソGJ!
25Uターン1:2005/12/28(水) 14:46:30 ID:J5T4Gvzx
腿をなでられる感触に、真治は目を開ける。胸に毛布がかけられている。
薄暗い機内には低く機械音が響いている。
仕事の疲れか、狭い部屋なりにいつになく掃除を丁寧にしたせいか、
乗り込むと同時に真治は寝入ってしまっていた。
「お目覚めですか」
声をかけられ顔を上げると、隣の席に30過ぎと見える男がいた。
「あ、はい。すいません」
反射的に謝ってしまいながら、時計を見る。離陸のアナウンスを聞きながら
窓の外を見ていた時から、30分ほどしか経っていない。
「何も。静かにお休みでしたよ。さっき乗務員からもらいましたが……」
いかがですかと、男は個包装になったキャンディを差し出す。
「あ、すいません」
「何も、謝らなくても」
「あっ、いや、これ、なんていうか口癖で…すいません」
照れ隠しに真治は慌ててキャンディを口の中へ押し込んだ。
「学生さんかな」
「いえ、会社員です。まだ2年目ですけど」
ふわりと甘い香りが鼻を奥をくすぐる。笑みをたたえた男の顔を見ながら
女だったらうっとりしそうだなと真治は思う。
「帰省ですか」
「あ、はい。会社、休みに入ったんで……あの、まだお仕事ですか」
ハハと軽く笑い声をたてて男は座席のポケットから冊子を取り出して眺める。
「年中無休ですよ。年の瀬まであくせくして、勤めていた頃が恋しいな」
「あ、もしかして社長さんですか」
にっこりと頷く男の顔を見た瞬間、がくりと機体が傾いた。
26Uターン2:2005/12/28(水) 14:47:32 ID:J5T4Gvzx
「うわっ」
「そうそう。今日は悪天候でかなり揺れると。機内サービスも無いそうですよ」
まじかよ、と真治は心の中で呟く。搭乗がぎりぎりになり、飲み物も我慢してきたのだ。
「ご迷惑でなかったら、これ、どうぞ」
男が小さなペットボトルを差し出す。
「私の会社で扱っているものです。比較的柔らかな水なので、日本人の
好みに合うと思うんですよ。まだ発売前ですが」
「えっと…すいません、じゃあお言葉に甘えます。喉かわいちゃって」
照れ笑いを浮かべながら真治は音をたててフタをひねった。
小さなボトルは一気に空になる。柔らかいといわれた水はすっと身体へ
染み渡る気がした。
「ミネラルっぽくないですね。僕、あの味苦手で、いつもはお茶ばっかです」
「そうですか。それはよかった」
座席のポケットに空いたボトルをねじ込む。俯いた顔を上げた瞬間、視界がゆらりと
揺れるのを感じた。
「あ、れ、けっこう揺れます、ね……」
「そうですね。今日は本当に、よく揺れる」
力なく、背もたれに身体をもたせかけた真治を、男は目を細めて眺めた。
27Uターン3:2005/12/28(水) 14:48:08 ID:J5T4Gvzx
「大丈夫ですか?失敬、衣服を少し緩めるといい」
男が毛布の下に手を入れ、真治のジーンズのボタンを外した。
「す、いま、せん。なんか……急に、眩暈が」
「気にしないで。ずっと揺れているから酔ったのかもしれないね」
(身体が重い……動かない……なんでだ)
真治は気分の悪さよりも、身体の変化に不安を覚える。その時、胸に這う手の
感触にはっと目を見開く。
「なっ、なんですか」
小声で叫ぶと、男が優しい笑顔を向ける。
「失礼、シャツも少し、緩めた方が楽になるかと思ってね」
そういいながら男の手は、真治の肌を直に撫で回す。大きく円を描いていたその手は
徐々に円を狭め、やがて片方の小さな突起に指を乗せる。
「ふ、ざ、けない、で……下さい」
「ああ、顔色が悪いな。私も毛布を借りておいたから使いなさい」
真治の持っていた毛布を胸元まで引き上げ、背中には男が借りたという毛布をかけてくる。
(何するつもりだこいつ!)
不快な思いと同時に、かすかな恐怖を真治は覚える。
「ああ、揺れるなあ。乗務員も来られないからね。少しさすってあげよう」
男は言いながら真治の胸を嬲り続ける。思いとは裏腹に硬く縮むそれを真治は恨めしく思う。
28Uターン4:2005/12/28(水) 14:48:40 ID:J5T4Gvzx
「や、め……」
目の前がぐらぐらと揺れる。男の手が少しずつ下へと這い降りる。真治は少しでも避けようと
膝をきつく合わせ、上体を前へと倒した。すると男は座席の脇から前の客に話しかける。
「申し訳ありませんが、隣の方が気分が悪いそうで。前へもたれさせて下さい」
何言ってるんだこいつ……真治はさらに不安になる。動悸が激しくなり、息が荒くなる。
肩が上下するのを止められないまま、前の座席に頭をもたせかける。
「楽にして、少しさすりましょう」
「いいです……やめて、下さい」
前の客に聞こえると思うと、あからさまに拒否の言葉を吐けない。胸への刺激のせいか、
いきり立ってしまったものが、脚をきつく合わせてもその上へ露わになってしまう。
「少し、温まってきたようですね」
毛布の下で男は真治の脚の付け根を撫で回す。ファスナーは限界まで下ろされ、下着の
開きから中へ指をもぐりこませてくる。指先が濡れ始めた真治の先端を割れ目に沿って上下する。
(なんなんだこの男は、ただの痴漢か、それとも異常者か……)
痺れる頭で真治は必死でこの場から逃れる方法を考える。
男の指が真治の先端から離れる。真治は大きくため息をつく。男の顔を見上げる気力も
ないほど頭がぐらぐらと揺れていた。唐突に、尻を撫でおろす手を感じる。
「なっ、なっ」
「こちらを押してあげた方がよさそうですね。大丈夫、まかせて」
汗ばむ顔をやっとの思いで上げると、男の喉が上下するのが見えた。
「いいです、ホント、やめてくだ、さ、は、あ」
ジーンズの上から忍び込んだ手は、段々と深くなる溝へ割って入る。
29Uターン5:2005/12/28(水) 14:50:42 ID:J5T4Gvzx
男がかけた毛布の下で蠢く指先を見る人はいない。そこは、機内でも最後部に位置する、
窓際の席だった。
前にはかろうじて一人客が乗っているが、最終便にもかかわらずぽつぽつと空席が見える。
悪天候を前もって知った客がキャンセルしたものだろう。到着までの1時間余を、寝て過ごす
客がほとんどで、機内は薄暗い。声を殺した真治の吐息は、低く響き続ける機会音にかき
消される。必死の思いで声を殺す真治の口から、それでも小さく声が洩れる。男の指が
真治の背後から忍び込む。
「なんでっ、なんでこんなっ、あっ、は」
「ああ、まだよくならないか。ほら、これを当てて」
男は強引に真治の口元を布で覆う。息を奪われ、吸い込んだ空気には薬品臭が混じっていた。
真治は眉根を寄せ、必死の面持ちで耐える。男は喉を鳴らし、その顔に見入っている。
「ああ、席を替えてよかった。君を一目見てすぐ、空席を確認したんだよ。エコノミーの狭さも
こんなときは風情があっていいもんだね」
その言葉にも真治は顔を上げる気にさえならない。身体中が火照り、視界はぐらぐらと揺れる。
男の指先が割った入り口はその刺激に慣れ、少しずつその異物を飲み込もうとさえしている。
口元に当てた布キレを、男はそのまま真治の口にねじ込む。異様な状況で、無造作に扱われ
ながら、しかし真治は身体が浮くような感覚を覚え始めていた。
「少し温まって、よくなってきたかな?どう」
布キレを咬まされたまま、額を前の背もたれに押しつける。男の手は再び真治の胸に這いこみ、
小さな突起を嬲り始めた。
「声が出したいね。かわいそうに、ここじゃ我慢だよ。どんなによくなってもね」
背後から忍び込んだ男の指が、更に奥へとめり込む。二枚の毛布に覆われた下で、汗ばんだ
真治の身体は前後から男の指先にさいなまれる。
30Uターン6:2005/12/28(水) 14:53:52 ID:J5T4Gvzx
「乳首摘まれて、ケツから指入れられて、どんなカンジよ。初めてだろう?え?」
言いながら男の指が真治の中で蠢く。見知らぬ感覚を呼び覚まされ、失禁しそうな感覚に
真治は膝をさらに強く合わせる。
「どうしたの。漏れそう?それともイっちゃいそう?漏れちゃったら大変だね」
そう言いながらも男は手を緩めない。指先を曲げてより深くねじ込み、あらゆる壁を撫でこする。
「思ったとおり、いい反応だな。私の一目惚れは外れたことがないんだ」
嬉しそうに微笑みながら、男は両方の手を真治から引き上げる。解放された真治は深く息を吐く。
男は銀色の袋を取り出すと、そこから紅いキャンディを一つ取り出した。指先でつまむと
口に含む。唾液に濡れたキャンディを口から取り出すと、真治の前にかざして見せた。
「これ、よく効くだろう。でもね、もっと効く食べ方があるんだよ」
必死で見上げる真治の目を見つめたまま、男の手が背後に忍び込む。
「んっ、ふ、んくっ」
男の舐めて濡らしたキャンディが真治の窄まりからねじ込まれた。
「おいしいかな?」
キャンディを飲み込んだ窄まりを、男の指先が円を描くように揉んでいる。
「もっと食べたいだろう。これ、我が社のヒット商品」
さも楽しそうに言いながら、二つ目のキャンディをつまむ。眉根を寄せて見上げる真治の
目の前にかざしてから、ゆっくりと背後へ忍び込ませる。
「や、め……」
「あははぁ、二個目も食べちゃった」
また男は、キャンディを飲み込んだ窄まりを執拗に揉む。
31Uターン7:2005/12/28(水) 14:54:43 ID:J5T4Gvzx
「さあて、キミは一体何個食べちゃうんでしょうか」
掌にざらざらとキャンディを出すと、真治の顔を見ながら背後へと手を這わせる。
「やめ…やめろよ…なんで、なんで、こんな、こと」
「なんで?なんでって言われてもなあ」
腸の中で少しずつ溶け出したキャンディが粘液となって窄まりにまとわりついている。
ぬるぬるとした入り口に、次々と紅い玉を男はねじ込んでいく。
「それは、楽しいから」
フフ、と笑いながら、掌いっぱいのキャンディを真治の中へ飲み込ませた。
「さあて」
我慢しきれないという風に喉を鳴らすと、唇をひと舐めする。ごろごろと小さな異物を
飲み込まされた真治の窄まりに、男は手を押し付け力任せに揉む。真治の中で、
無数の小さな球体が、不規則な動きをしながら腸壁を刺激する。
「くっ……はっ、はぁあっあっ」
「声、出していいのかなあ」
真治は痺れる力を振り絞って男を睨みつける。
「なんで……あんた一体っ」
そのとき、機内に放送の声が響く。男も静かに耳を傾けている。
(到着だ、この男から解放される)
次の瞬間、真治は耳を疑った。
―当機は……悪天候のため、羽田へ引き返します―
男がにやりとして、また唇をひと舐めした。
32Uターン8:2005/12/28(水) 15:00:25 ID:J5T4Gvzx
「ああ、大丈夫。時間はありますから」
男は乗務員の申し出を断って、真治を抱えるように支えた。
「ああ、悪天候様様だ。いや私の読みが当たった、と言うべきか…さてと、立てるかな」
「まっ……て」
1時間以上男に苛まれ続け、ほとんど触れられなかった陰茎までも下着の中でぬるぬると
ぬめる。脚に力が入らず、不本意だが男に支えられて歩くしかなかった。
「少し座るか」
搭乗口を出るとすぐ、人気のない待合のシートに二人腰を下ろす。腸の中で徐々に溶け出す
キャンディが、それでもまだ硬さをたもって真治を刺激する。
「あう…」
腰掛けると真治は声を上げる。男はほくそ笑んで真治の耳元で囁く。
「私の部屋に来い。まだちょっと歩くが……それとも手近な、トイレででも出したいか?」
男の言葉に、真治は一番近くのトイレを目で探す。そこまで歩けば、この刺激から解放されるの
だろうか。飴玉の刺激で宙に浮いたようになった身体を、なんとかすっきりさせたかった。
「ト、トイレで……」
男は真治の言葉に、下を向いてククと笑う。蔑むように真治を見ると、頬をつり上げてニヤリとする。
「まったく、初めてにしては随分スキもんだなキミは。我慢出来ずにトイレでやるって言うのか?」
「ち、が…なんで」
「ほら、立てよ」
腕を引っ張られ、強引に立たされる。真治はうめき声を上げる。
「お前のために部屋とってあるんだよ。さっさと歩け」
真治は、状況を理解出来ずにただ首を振る。
「なんで……なんで……こんな」
「どうでもいいだろ。今はやりたくて仕方ないんだろ?な?」
真治はふらふらと首を振る。
「強情だな」
ふっと笑って、男は真治の脇を抱えるように支える。
「ほら、部屋についたらたっぷりかわいがってやるから。しっかり歩けよ」
真治は首を振り続けながら、男に身体をもたせかけ、一歩一歩歩き始めた。

【おわり】
33名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/28(水) 17:07:40 ID:v2Eh92Gg
GJ――――!!!
34名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/28(水) 17:52:44 ID:9LUkfkOs
Uターンさん、最高! こういうの大好きだ…ウマー!
35名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/28(水) 21:50:15 ID:gGISoetW
UターンさんGGGGJ!!
萌え尽きた・・・(*´Д`)
36名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/28(水) 22:53:04 ID:1xlcI8Lh
アダルトショップの社長さん…!ありそでなかった設定に禿萌え(*´Д`)
社長さんには今後も様々な商品を使って欲しい…。
37名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/29(木) 02:51:20 ID:G2f0YN6O
作者さん、Uターン7と8の間って話が抜けてないかな?
38Uターン:2005/12/29(木) 07:39:09 ID:S6Ggqh1t
>>37
>1時間以上男に苛まれ続け
ということで、No.7とNo.8の間は読み手さんに妄想していただくため、
あえて描写していません。
自分では、改行とか線が入ってるようなつもりで書いてしまいました。

誤字訂正 No.5×機会音→○機械音

すみませんでした。
39名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/29(木) 15:05:06 ID:Wl4CXstv
最後が「おわり」だけど、続きを激しく希望っっっ!!
40名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/29(木) 17:19:02 ID:GBxY7JS2
終わり…?(*´д`*)
是非トイレでのプレイも…!!!ハァハァ。
41名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/29(木) 20:06:59 ID:KXifAhf+
私もトイレのプレイも見たい!!ぜひお願いします!
42覚めない夢 26:2005/12/30(金) 00:34:12 ID:tNs79CSu
隆一の目の前で、朋之は着ているものをすべて脱いだ。
リビングの明るい照明の下で全裸になる恥ずかしさで、朋之は顔を上げることができない。
「ここへ来て座りなさい」
命令口調で言われて、朋之は怖ず怖ずと足を動かす。
言われたとおりに椅子に座ると、隆一が朋之の脚を開いて肘掛けの部分にかけさせた。
そんな格好をさせられると、隠されている蕾まですべて隆一の目にさらされることになる。
その恥ずかしさにいたたまれず、朋之は深く俯いてしまった。
「じっとしているんだよ」
隆一は朋之の身体を細いローブで椅子に縛り付ける。
その動きを、朋之は不安げな眼差しで追いかけた。
胸にかけられたロープが後ろに回され、大きく開かされた脚も手も固定される。
朋之はすぐに動けなくなってしまった。
これから何をされるのかという不安に、朋之は声も出せない。
隆一は朋之を完全に椅子に縛り付けると、自分の部屋に戻っていく。
広い背中を、朋之は見つめた。
朋之が輪姦されたビデオを見ていた夜から隆一は変わった。
でも、本当は変わっていないのかも知れない。
いつもの隆一は以前のようにやさしくて、朋之のことを気遣ってくれている。
愛していると囁いて、やさしいキスをくれる。
変わったのは、朋之がやさしく抱かれることがなくなってしまったということだけだ。
隆一はあの夜に犯される悦びを朋之に教えると言った、言葉どおりにしているだけなのだろう。
43覚めない夢 27:2005/12/30(金) 00:35:15 ID:tNs79CSu
隆一は朋之の前で服を脱ぐことがなくなった。
脱がされるのは朋之だけで、縛られ、嬲られ、犯される。
どうして隆一があのビデオを持っているのかも、突然変わってしまった理由も朋之は聞けずにいた。
聞いてはいけないような気がしていた。
でも、本当はその理由を知ることが怖いだけのかも知れない。
隆一は朋之が襲われていたのを知っていたのかも知れないなんて、そんな可能性を朋之は考えたくない。
日常のやさしさだけに縋って、朋之は隆一のすることに従っていた。
言うことをちゃんと聞いてさえいれば、隆一は以前のようなやさしさを朋之に与えてくれる。
逆らうようなことをして、それさえ失ってしまうことになったら朋之は生きていけない。
それほどに、隆一の存在は朋之にとって大きくて大切なものだった。
隆一は黒いケースを持って戻ってきた。
「これが何かわかるね?」
隆一が中から取り出したのは男性器をかたどった器具だった。
実際に使ったことはないが、そのようなものがあるということぐらいは朋之だって知っている。
怖ず怖ずと頷いた朋之に、隆一はやさしく頷いてみせた。
「今日はこれが朋之を犯してくれる。楽しみだろう?」
薄く笑って、隆一は朋之の蕾をそっと撫でた。
隆一はまず朋之の蕾にたっぷりと潤滑用のゼリーを塗りつける。
その滑りを確かめるような仕草で、内側に指が入り込んできた。
「ん……ぁ…」
内側で指を抜きさしされる感触に、朋之は小さな喘ぎを漏らす。
だが、隆一はすぐに指を引き抜き、その代わりにゼリーで濡らしたバイブレーターをゆっくりと朋之の中に挿入する。
「や…あぁ……っ」
ろくに馴らされもせずに固くて大きなものを差し入れられる痛みに、朋之は悲鳴のような声を上げた。
ゼリーで濡らされたそれは朋之の中を傷つけることはなかったが、無機質な塊に襞を無理矢理押し広げられる感触は朋之にとって未知の感覚だった。
44覚めない夢 28:2005/12/30(金) 00:36:18 ID:tNs79CSu
「全部入ったのがわかるかい?」
隆一の問いに、朋之は微かに首を振る。
隆一は笑って、バイブに繋がっているコントローラーのスイッチを入れた。
強い震動が内側の襞を刺激する。
朋之はその感覚に顎を大きく仰け反らせた。
バイブは震動するだけではなく、くねくねと中で蠢き、内側を嬲っている。
指で嬲られるのとは違う快感が、背筋を走り抜けていく。
性器はすぐに勃ち上がり、熱い吐息が朋之の唇から零れた。
「中だけでは足りないだろう?朋之はここを苛められるのが好きだからね」
可笑しそうに言って、隆一は朋之の乳首を爪の先で強く摘んだ。
「っ…」
朋之の肌が大きく震える。
隆一はその姿を満足そうに眺め、今度は小さなローターをケースから取り出した。
乳首にローターを当てると、隆一は胸に這わせてあったロープで固定する。
朋之はバイブの震動に揺さぶられながら、不安に揺れる眼差しを遼一に向けた。
両方の乳首に押しつけられたローターにスイッチが入れられた。
「や…っ…あぁ……」
機械的な振動が固くなった乳首に刺激を与える。
内側に与えられているのとは違うその動きに、朋之は身悶えた。
性器は固さを増し、先端から蜜が溢れてくる。
器具に犯されて喘ぐ自分の姿を隆一に見られている。
その羞恥が朋之の感覚を更に煽っていた。
「気持ちいいだろう?」
甘さを含んだ問いかけに、朋之は首を横に振った。
自分を嬲っているのが隆一の手なら、どんなことをされても構わない。
けれど、ただの道具に犯されて快感を感じている自分を、朋之の心は認められない。
どれだけ身体が熱くなっても、感じているなんて思いたくない。
45覚めない夢 29:2005/12/30(金) 00:37:34 ID:tNs79CSu
「嘘吐きだね。朋之は……それなら、どうしてここがこんなに固くなっているんだい?」
隆一は低く言った。
不機嫌さを滲ませたその声に、朋之は怯えた。
「嘘吐きは罰を受けなければいけないよ。わかるね?」
隆一は朋之の性器の根元に細い紐を巻き付け、そのまま根元をキツく縛ってしまう。
そして今度はやわらかい布で朋之に猿轡を噛ませた。
「暫くそうしていなさい」
冷たく言い放つと、隆一は朋之をそのままにして自室に行ってしまった。
朋之は信じられないというように目を見開いて、その背中を見つめる。
隆一に自分を拒絶するような後ろ姿を見せられるのは初めてだ。
怒らせてしまったという事実が、朋之を打ちのめす。
「ぅ……」
朋之は隆一を呼ぼうとした。
だが、やわらかい布が朋之の声を奪う。
追いすがって謝りたくても、椅子に縛り付けられた状態では動くこともできない。
朋之は何一つ自分では動かすこともできず、乳首と後腔を嬲る無機質な器具の動きに身を任せているしかなかった。
乳首に当てられたローターは単調で強い震動を与える。
内側にねじ込まれたバイブは何種類かの動きで、朋之の襞を嬲り続けた。
強制的に高められる快感に、朋之の限界はすぐに訪れた。
だが、性器の根元に巻き付けられた紐が精の放出を阻んでいる。
どこにもイクことができず、朋之は快感を持て余して身悶えることしかできない。
イキたいのにイカせてもらえないことは今までにもあった。
それは朋之を焦らすためで、隆一はすぐに解放を与えてくれた。
達することができない状態で快感を与え続けられる苦しさを、朋之は初めて味わっていた。
46覚めない夢 30:2005/12/30(金) 00:38:36 ID:tNs79CSu
どうして隆一は朋之をこんな目に遭わせるのだろう。
隆一が自分の何に腹を立てているのかわからない。
このまま隆一に見捨てられてしまったら……。
不安だけが朋之の心に迫り上がってくる。
だが、やがてそれらの不安もイキたいという欲求だけに塗り替えられていく。
朋之は動かない身体を捩ろうとする。
戒められたままの身体が軋んで、痛みを訴えていた。
この苦しさから解放されるためなら何でもいい。助けてほしい。
だが、どれだけ願っても隆一の部屋のドアは開かない。
その苦しみは、朋之にとっては永遠とも感じられる時間だった。
それでも、漸くその時は終わりを告げる。
隆一の部屋のドアが開き、長身が朋之に近づいてきた。
「いい子にしていたかい?」
口を塞いでいた布を外して、隆一が朋之の頬を撫でる。
「もう…許し……」
涙に濡れた瞳で、朋之は隆一を見つめた。
「何を許すんだい?」
わかっているくせに、隆一は殊更にゆっくりと聞き返す。
そっと頬を撫でるやさしい手の動きさえ、今の朋之には肌を嬲るたまらない刺激となっていた。
「イカせ…てくださ……」
「どうしてイキたいんだい?さっきは気持ちよくなかったんだろう?」
必死で言葉にした哀願を、隆一にあっさりはねつけられる。
「気持ち…いいです……」
朋之は慌てて言った。
そう言わなければイカせてもらえないことが、今ならハッキリとわかる。
隆一の望む自分でなければ、見捨てられてしまうかも知れない。
その怯えが朋之の心に広がっていた。
47覚めない夢 31:2005/12/30(金) 00:41:36 ID:tNs79CSu
「もう少しちゃんと言いなさい。イキたい理由を私にわかるようにね」
「……道具…で犯され…て……感じたから…です……」
淡々と尋ねる隆一に、朋之は喘ぎに邪魔されながらも懸命に答える。
「これを気に入ったんだね?」
隆一はやっと笑みを見せてくれた。
そして、隆一は内側を嬲るバイブのコントローラーに手を伸ばす。
「あぁ…っ……」
唐突に中の刺激が大きくなり、朋之は全身を張り詰めた。
強く内側を締めつけた途端に身体の中心を衝撃が走り抜けていく。
朋之は顎を反らして、張り詰めた全身を更に強ばらせる。
朋之を襲ったのは、射精するよりも激しい衝撃だった。
「射精もせずにイクなんて、朋之は余程これが気に入ったようだね」
可笑しそうな隆一の言葉に、朋之は頭を強く殴られたような衝撃を受けた。
射精もせずにイッてしまうことがあるなんて、そんな知識は朋之の中にはない。
自分がそれほどに感じているという事実が、朋之を打ちのめした。
だが、身体を苛む快感は消えない。
無機質な器具はさっきまでと変わらない震動を朋之の乳首と後腔に与え続けている。
「どうしたんだい?私はこれが気に入ったのかと聞いているんだよ」
僅かに固くなった隆一の声に、朋之は我に返った。
「は…い……犯され…て……嬉し…です……」
朋之は素直に、隆一が望む答えを返した。
「お願い…です……もう……」
涙を溢れさせ、朋之は隆一に懇願する。
これ以上このままで放っておかれたら、おかしくなってしまう。
「いいだろう。正直に言えたご褒美にイカせてあげるよ」
隆一は朋之にそっと唇を重ねる。
いつもと変わらないキスのやさしさに、朋之は混乱した。
啄むようなキスをしながら、隆一は朋之の根元を戒めていた紐を解く。
解放されたのと、そこが弾けたのは同時だったのかも知れない。
48覚めない夢 32:2005/12/30(金) 00:43:07 ID:tNs79CSu
荒い息を鎮めるような静かな動きで、隆一は軽く触れるだけのキスを繰り返す。
けれど、朋之の息は収まらない。
胸と内側を嬲る器具はさっきまでと同じ動きで朋之に刺激を与え続けている。
「そんなに気に入ったのなら、このままでもっといいことをしてあげよう。大人しくしているんだよ」
朋之から身体を離し、隆一は黒いケースから先の丸くなっている細い針を取り出した。
それを朋之に見せつけるようにして、その針を消毒している。
喘ぎを止められないまま、朋之はそれを見つめていた。
「これでいい。今度はこの針が朋之を可愛がってくれる」
囁くように言って、隆一は床の上に膝を付いた。
そして、固さを取り戻している性器に手を添えると、その先端に丸い針の先を当てる。
朋之は息を飲んだ。
嫌だという暇も与えられず、その針が性器の中に潜り込んでくる。
「…ひ…っ……や…っ」
朋之は叫んだ。
その痛みに内側のバイブを強く締めつけ、今度は快感が朋之の肌に返ってくる。
隆一はゆっくりとした動きで針を奥まで押し込むと、また同じ速さで抜き差しを始める。
その繰り返しは朋之に痛みを与えた。
乳首と内側から与えられる快感と性器を嬲られる痛みが、朋之の肌に強い熱を生み出していた。
「ゆっくり愉しみなさい。今日は朝になるまで犯してあげるからね」
やさしい声が、どこか遠くで聞こえている。
朝の訪れがあることを、今の朋之には信じることができない。



今日はここまで
49名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/30(金) 00:45:31 ID:cr6vD+GS
夢タソキタキター!GJ!
50名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/30(金) 00:57:52 ID:mEybS0fe
夢さん…萌えるよ!! 朋之タソは体力的に保つのか…?でも保たなくてもイイ…!
一晩中メタメタにされるとハァハァ
51名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/30(金) 18:59:25 ID:9sjkkFoF
検索エンジンで色んなサイト見まわってたら、
以前ここに投下した神のサイトに出会えた記念カキコ゚+.(・∀・)゚+.゚

ごめん、チラ裏の方が良かったかもしれない。
52名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/30(金) 20:28:21 ID:gcJMPLBF
>>7
まとめサイトさま、いつも乙です。
13thの過去ログなのですが、
もしもお願いできるのであれば、
ノートントラップのコードが書かれたレスを、
削除していただけないでしょうか。
まとめていただいているのに、
厚かましいお願いで申し訳ありません。
利用させていただき、とても助かっています。
53名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/30(金) 23:28:50 ID:KfJTRgft
>>52
118@まとめです。
377の1レスだけでいいでしょうか?
メル欄と本文をあぼーんします。
54名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/31(土) 00:26:41 ID:Wd8batwL
>>53
お手数をおかけしてすみません。
598(と保険で599も)も同コードですので、できればそちらも。
年末のお忙しい中、迅速に対応してくださってありがとうございます。
55名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/31(土) 08:49:09 ID:YA/XYWx0
>>54
対処しました。
本文あぼーんしました。
56孤独の宙:2005/12/31(土) 16:55:46 ID:cwLlFehO
どのくらい犯され続けているのか、次第にわからなくなってゆく。
カイは、自分の意識が肉体から遊離してゆくような錯覚を覚え始めていた。
……こんなところで、こんなことしていないで練習に出ないと。
いま、何時だったっけ……。
きちんと体を休めて、体調を整えて、また次の仕事に備えなくては。
ダンサーは一日でも踊らなければ、確実に勘が鈍るのだ。
大勢の人たちの前で踊っていた時の記憶が、ぼんやりと甦る。
けれど、それと同時に気が付いた。
自分がいなくなったところで、どうなるわけでもない。
カイのいた世界はとても狭い。良い評判も悪い評判も、あっという間に広まってしまう。
自分がこんなことになってしまった理由は全くわからなかったが、ここに来てからすでに相当の時間が
経過しているはずだ。
出演するはずだったステージに出られなかったということは明白だった。
無事にここから帰れたとしても、公演中に突然失踪したことで失った信頼を取り戻すのに、
いったいどのくらいかかるのだろう。
カイはダンサーとして才能を認められてはいたが、踊るのがカイでなくてはならない理由などどこにもない。
カイと同程度の力を持ったダンサーなどいくらでもいるのだ。
自分に二度と仕事が回ってこなくなっても、誰も困ったりはしないのだ………。
どうしようもない孤独感と絶望感が押し寄せてきた。
きっと自分は誰からも助けてもらえず、このままここで犯され続けるのだ。
57孤独の宙:2005/12/31(土) 16:58:07 ID:cwLlFehO
尿道に、触手が入り込むのがわかった。
「あう……っ」
細い触手が、狭い尿道の中をこねまわす。
「う……うぅ…」
カイは腰をよじって痛みに耐えた。電流のような強烈な刺激が下半身を突き抜けてゆく。
一体、何をしているんだろう……。
カイは、もはや何も考えられないほどに疲れ果てていた。
ときおり脚の間で何かが動いているのがわかるが、それが一体なんだというのだ。
こんなのは、セックスとは違う。自慰ですらない。
生理的な快感は、確かに得られはする。けれどこんなことが本当に気持ちいいのだろうか……。
それでも、触手は容赦なく後孔の感じやすい部分を解してゆく。カイは喘いだ。
だが、どんなに性感を高ぶらされても、尿道を触手に塞がれているので出すことが出来ない。
解放できない熱が、カイを苛んだ。
(こんなんじゃなくて……もっと、気持ちいい仕方で…)
やがて、ずっ、ずっ、と尿道に入り込んでいた触手が、出たり入ったりを繰り返し始めた。
「う……うぅ………っ…、あ…!」
勢いよく触手が引き抜かれ、カイは射精した。
「あ……あぁ………違う…」
何が、違うというのだろうか。
けれどいまのカイに選択肢はない。
この部屋のなかでは触手のもたらしてくれる快感以外に、もう縋るものが何もなかった。
カイは、再び自分の下半身を襲おうとしてくる触手に向けて、いった。
「…………いい……。自分で、するから……」
58孤独の宙:2005/12/31(土) 17:00:37 ID:cwLlFehO
触手にその言葉がわかったのだろうか。ずっとカイの手を絡めとっていた触手がするりと解けた。
カイは自由になった腕を顔の前にかざし、しばらく見つめた。
やめてくれ、離してくれと、どんなに叫んでもまるで聞いてくれなかったというのに、
あっけないものだった。
(なんでだろう…)
けれど、カイはそんなことを考えても無駄なのだと知っていた。
ここに来てから、誰とも話していない。ここには誰もいない。
自分はいま生きているのだろうか。死んでいるのだろうか。
でも、死んだとしても誰も困らない。ここから逃げ出す意味をもう信じることが出来なかった。
もう疲れた……。
カイは、触手の一本を捕まえると、口の中に入れた。
触手はびくびくと跳ねると、カイの口を犯しはじめた。
カイは自由になった腕を下半身に伸ばすと、自分のものを扱き始めた。
さきほどまで尿道を犯されていたため、そこはしびれたように熱を持っていた。
カイ自身の手で扱かれて、やがて頭をもたげ始めた。
後孔では心配しなくても、触手が働いてくれていた。固く尖った乳首を、触手がこねまわす。
誰もいない。もうどこにも戻れない。セックス以外にすることがない。
この孤独を忘れたい。それにはセックスの快感に逃げるしか、今のカイにはなかった。
一人の人間を堕とす。
それには、その人間を孤独に陥れることが、一番確実なのだろうと思った。
59孤独の宙:2005/12/31(土) 17:03:36 ID:cwLlFehO

   *   *   *
「アルマンド。俺は寝る」
「えぇ?」
モニタを見ていた白銀色の髪の男の片方が、緑色の目を細めて伸びをしながらいった。
アルマンドと呼ばれたほうの男はきき返した。眉間にしわを寄せながら。
「寝るって……まだ八十時間経っていないじゃないですか」
「もうあいつ、落ちたじゃないか。あとは自動制御で充分だろう?」
アルマンドは溜息をつきながら、相手を宥めた。
「主任、眠いのはわかりますけど……八十時間内は一応主任が、半分以上監視していないといけない決まり
じゃないですか」
「大丈夫だよ。見ろよほら」
と、主任と呼ばれた男はモニタを顎で示した。
画面の中では、カイが尻を触手に犯されながら、自慰に耽っている様子が映し出されている。
「それにしても、えらく早く落ちたな。ま、ダンサーっつてたからな。しょせん芸人ってのは、こんなもんか」
「ルールさん……俺はまだ見てますからね。なんかあったら叩き起こしますよ」
「大丈夫だって。じゃ、すまんなー。ああ、そうそう…」
髪をかき回しながら制御室から出て行こうとしていたルールが、突然振り返ってきいてきた。
60孤独の宙:2005/12/31(土) 17:04:34 ID:cwLlFehO
「いまの日付、わかるか?」
「標準日付で……」
アルマンドはモニタの左下に映し出されている日付を読みあげた。
「じゃあ、パスピエ閣下がいらっしゃるのは明後日だな」
「ええ。そうですね。取りあえず商品の確認だけということで、引渡しはまだですが」
「順調に初期調教が進んでよかったなあ……。三時間で起きるから、交替するよ」
「お疲れ様です」
ルールの後ろ姿を見送りながら、アルマンドは呟いた。
「ぜってー、五時間以上寝るぞ、あの人……」
まったく、とろくさい上司を持ってしまうと苦労する。
いっそ、ルールを触手部屋に放り込んで調教してやれば、どんなに仕事が楽になるか……と何度思っただろう。
「天然っつーか、なんつーか…」
アルマンドはモニタに向き直ってカイの様子を確認する。
カイは、いつのまにか疲れ果てて眠ってしまったようだ。
調教対象を不眠不休で仕込まなければならない最初の五十時間はもう過ぎているので、問題はないだろう。
「いまのうちにメンテでもしておくか」
アルマンドは制御室の横の扉から、カイを閉じ込めている部屋へと歩いていった。
61孤独の宙:2005/12/31(土) 17:05:03 ID:cwLlFehO

アルマンドが部屋に入ると、触手はアルマンドめがけて一斉に手を伸ばしてきた。
「あー、よしよし。またあとでな」
自分にじゃれついてこようとする触手をなだめながら、アルマンドは壁に埋め込まれていた制御ボックスの
ふたを開けた。
中の配線をひととおり確認し、つぎに台の脇の配線も確認する。
「具合の悪い奴いるか?」
何本かの触手が伸びてくる。いくつかは内部の線が切れていたり、収縮部が壊れていたりした。
調教が終わるまで個別の修理は無理なので、とりあえずOFFの状態にして収納させた。
アルマンドは、台の上に横たわるカイの様子を見た。
全身が、カイ自身の体液と触手から分泌される潤滑剤にまみれて白く汚れていた。
「きれいにしておいてやれ。また起きたら、やりっぱなしが続くんだからな」
無数の触手が、アルマンドの指示を聞いて、一斉に蠢き始めた。
この触手は対話プログラムを内蔵しているので、人語を解してくれる。
触手はカイの全身を撫であげ、汚れを丹念にふき取っていった。
アルマンドは、自分が開発に携わった製品の働く姿を眺めていた。
アルマンドとルールの働くクーラント社は、この調教システムが開発されたお陰で、ペット業界の
一位にのし上がることができたのだった。
このシステムはペットの初期の躾を、往来よりも格段に短い時間で、それも効果的に行えるようにしたのだ。
(まぁ、それにしてもこいつは確かに早く落ちたとは思ったが……それとも、諦めが早かったのか?)
それでも、しょせん芸人だというルールの言葉には、アルマンドは納得しかねた。
最初の調査の段階で、カイはトップクラスのダンサーだと知っていた。
バレエとかいう踊りがどんなものかは皆目見当もつかないが、伝統的で芸術性の高い踊りであると
きいていた。
そんな業界でトップだったというならば、それはもうただの芸人ではなく芸術家だったと考えていいだろう。
だとしたら、その精神性の高さは並みではなかったはずだ。
62孤独の宙:2005/12/31(土) 17:09:57 ID:cwLlFehO
もしかしたら、カイは屈服したのではなく、いまは自我を眠らせているだけなのではないだろうか。
触手はカイの体を拭き終わったようだ。アルマンドの体中にじゃれ付いてくる。
アルマンドは襟口からもぐりこもうとする触手たちを制しながら言った。
「あー、俺とはまた今度な。お前達も少し休んでろ」
触手はざわざわと擦れるように鳴きながら、台の下に一斉に引っ込んでいた。
調教室を出て制御室へと戻りながら、アルマンドは考えていた。
カイはパスピエのオーダーメイド品として調達したのだった。調教後は、もうパスピエのペットとして
買われていくことが決っている。
このシステムで施された調教は、一生抜けることはない。
だがその上で、何かのきっかけでもともとの情熱を取り戻すのだとしたら……。
「こりゃ面白いな」
どのように飼い主との関係を築いていくのか、想像するのもこの仕事の楽しみだ。
ルールの言っていたように、たしかに一級の素材かもしれない。
いい仕事にしなくちゃなと思いながら、アルマンドはモニタの前に再び腰掛けた。

明後日、パスピエがここを訪れる。

*   *   *
今日はここまでです。
鬼畜スレのみなさんが良い年越しをむかえられますように。ノシ

63名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/31(土) 17:28:58 ID:uedKg5lW
孤独タソ毎度乙です。触手ちょっとカワイスw

職人さん方も住人方もよいお年を。
64覚めない夢 33:2005/12/31(土) 18:40:32 ID:iUvExzPV
朋之の朝は隆一のやさしいキスで始まる。
おはようの囁きと触れるだけの一瞬のキスが、幸せな1日の始まりを約束してくれているような気がした。
だが、朋之がそんな風に感じていたのは、もう随分前のような気がする。
毎朝の隆一の笑顔もキスも以前と少しも変わらないのに、今の朋之には自分がまだ隆一に見捨てられていないことを確認するためのものになっていた。
朋之が男達に輪姦されてから、四ヶ月ほどが過ぎている。
けれど、朋之の日常は以前と少しも変わっていないはずだった。
大学へ行きながら隆一と一緒に暮らす生活のリズムは、以前と同じように続いている。
週に何度か抱かれることが、今は犯されることに変わっているだけ。
それでも朋之にとって、その変化はとても大きなものだった。
道具で犯されたり、時には鞭で打たれたりすることもある。
隆一は朋之を嬲ることを愉しんでいる。
そんな目に遭わされる理由が、朋之にはわからない。
隆一の本心を聞きたいのに、それを言葉にする勇気を朋之はまだ持つことができていない。
朝食を終わらせた隆一は、出勤の準備をしている。
「どうしたんだい?」
不安そうに見上げる朋之に、隆一は笑いかけた。
「何でもないです。俺…ただ……隆一さんが好きだって思っただけで……」
「私も朋之を愛しているよ」
遠慮がちに口を開くと、隆一はやさしい瞳で朋之を見つめてくれる。
頬に手が添えられ、唇が重なった。
深く唇を合わせ、隆一は舌を差し入れる。
やさしく絡みつく舌の動きに、朋之は懸命に応えようとしていた。
65覚めない夢 34:2005/12/31(土) 18:41:52 ID:iUvExzPV
「困ったな。そろそろ時間なのに、朋之を離したくなくなってしまう」
静かに唇を離した後で、隆一は肩を竦めた。
壁の時計に視線を向けると、隆一の出勤する時間が迫っている。
けれど、僅かな時間を惜しむように、隆一は朋之を抱き締めてくれた。
朋之は漸く笑みを浮かべた。
隆一の背中に腕を回し、そのぬくもりを感じる。
自分はまだ愛されていると思っていてもいいのだと、隆一がそんな風に教えてくれている気がした。
「朋之は私のためならどんなことでもすると言ってくれたことがあったね?」
「はい」
髪をやさしく撫でながらの問いかけに、朋之は素直に頷いた。
「今でもその気持ちは変わっていないかい?」
「もちろんです。隆一さんのためなら、俺は何でもします」
確認するように顔を覗き込まれて、朋之は力強く頷いた。
その気持ちが変わるはずがない。
隆一は朋之のすべてなのだから。
隆一のためなら、朋之はどんなことでもしてみせる。
「では私のために、その身体を他の男に差し出すことはできるかい?」
「他の…人…に……?」
口調は何気ないものだったけれど、その内容が朋之を打ちのめした。 
「難しい取引があってね。なかなか話が進まない。その相手はどうやら朋之を私のペットだと思っているようで、一度試させてほしいと言われてしまったんだ」
隆一は苦笑を浮かべ、淡々と説明してくれる。
朋之は呆然と隆一を見つめているしかなかった。
「私にはチャンスなんだよ。朋之が気に入られれば、大きな仕事が手に入ることになる。どうかな?私のためにこの話を受けてくれないか?」
66覚めない夢 35:2005/12/31(土) 18:43:51 ID:iUvExzPV
やさしい眼差しを受け止めきれずに、朋之は瞳を伏せた。
知らない人に身体を差し出すなんて嫌だ。
けれど、隆一のためなら何でもすると言ったのは自分。
その気持ちだって嘘じゃない。
何でもすると言ったのだから、隆一が言ったことだってその中には含まれているはずだ。
自分の気持が嘘でないことをわかっていてほしい。
朋之が本当に隆一が好きだということを。
隆一の役に立ちたい。
自分が行くことが隆一の仕事の手助けになると言うのなら、朋之の選択肢はひとつしかない。
「わかり…ました……」
瞳を伏せたまま、朋之は頷いた。
本当は身を切られるほどに辛かったけれど、隆一の役に立てるならという想いの方が強かった。
「よかった。では、今日から調教を受けてもらうよ。朋之はペットというのがどんなものか知らないだろう?別の言い方をすれば奴隷ということになるんだが……」
「奴隷……」
安心したような隆一の説明に、朋之はほんの少し視線を上げる。
奴隷という言葉の持つ響きに、不安と怖じ気が急速に心の中に広がってくる。
「あちらは朋之をそうだと思っているからね。満足していただける程度になってもらわなければ困るんだ」
隆一の語尾に重なって部屋のインターホンが鳴った。
ここはオートロックのマンションだから、外から来た人ならエントランスに繋がるインターホンが鳴るはずだ。
こんな朝早くから、同じマンションの人が用でもあって尋ねてきたのだろうか。
応対に出ようとした朋之の動きを止め、相手を確認したのは隆一だった。
朋之には待っているように言って、隆一は玄関に向かう。
67覚めない夢 36:2005/12/31(土) 18:45:03 ID:iUvExzPV
朋之は深く俯いた。
さっきの隆一の言葉が頭の中で鳴っている。
見知らぬ誰かの奴隷になる。
それがどういうことなのか、朋之にはわからない。
それでも、込み上げてくる怖じ気とこれから自分を待っている出来事への不安に朋之の身体が震えた。
「入って。朋之を紹介しよう」
隆一の声に、朋之は慌てて顔を上げる。
隆一に伴われて部屋に入ってきた男を見た途端、朋之は無意識に後ずさりしていた。
「坂上新也君だ。新也、この子が朋之だ」
「よろしく」
隆一が紹介した男の顔を、朋之は覚えている。
初対面のように頭を下げている男の顔を、忘れるはずがない。
その男は自分を輪姦したメンバーの1人だった。
あの時にも、この男は新也と呼ばれていた。
表情を強ばらせたまま動かない朋之の傍に、隆一がやってくる。
そして肩を抱いて、新也のすぐ傍に連れて行く。
「彼が朋之を調教してくれることになっている。私は仕事があるので、ずっと朋之についているわけにはいかないからね。今日から暫くは大学も休んでもらうよ。彼に奴隷としての躾をしてもらいなさい。先方との約束の日までに、奴隷としての作法を身に着けるんだ」
「でも……」
隆一の穏やかな説明に、朋之は逆らおうとした。
この男は自分を襲った仲間の1人だということを訴えたかった。
だが、その後の言葉が続かない。
隆一は新也が自分を輪姦した仲間だということを知らない。
それを言っても信じてもらえないかも知れない。
68覚めない夢 37:2005/12/31(土) 18:46:14 ID:iUvExzPV
あの時、新也は最初から最後まで撮影をしていた。
他の連中を煽る声はビデオに収められているけれど、新也本人の顔は映っていない。
連中が新也の名前を呼んだのは撮影が始まる前だから、その名前もビデオには収められてはいないはずだ。
朋之にはそれが新也であることを証明する方法はない。
「彼なら大丈夫。私が信用できない相手に大切な朋之を託すと思うかい?私は朋之の次に新也を信頼しているんだよ」
黙ってしまった朋之の不安を、隆一は調教に対してだと思っているようだ。
安心させるように言って、いつものようにやさしく笑いかけてくれる。
その言葉で、朋之はますます何も言えなくなった。
隆一が信頼している人が自分を襲った相手だなんて、朋之には言えない。
オートロックの暗証番号を教えたという事実が、隆一の新也への信頼を物語っている。
「ちゃんと挨拶をしなさい。私に恥をかかせるつもりはないだろう?」
「よろしく…お願いします……」
隆一に促されて、朋之は頭を下げた。
「いい子だ」
満足そうに言って、隆一は朋之の髪をそっと撫でる。
「では、後のことは頼んだよ。私は行ってくるから」
隆一はソファーの上のビジネスバッグを取り上げた。
玄関に向かう隆一の後を、朋之は追いかける。
「行ってらっしゃい」
朋之は笑顔を作ったつもりだったけれど、不安が表情に表れていたのだろう。
隆一は困ったように笑った。
「そんな顔をしなくても大丈夫。今日は早く帰るよ。成果を楽しみにしているからね」
隆一は触れるだけのやさしいキスを残して、ドアの外に出た。
閉ざされたドアを朋之は暫くの間見つめていた。
だが、いつまでもそうしているわけにはいかない。
リビングでは新也が朋之を待っている。
69覚めない夢 38:2005/12/31(土) 18:47:26 ID:iUvExzPV
重い足を動かし、朋之はリビングに戻った。
腕組みをしている新也の手には細い鞭が握られている。
隆一の部屋から持ってきたのか、テーブルの上にはバイブなどを収めた黒いケースが置かれていた。
「最初に言っておくけど、俺はあの人の指示に従っているだけだ。俺の命令は全部和泉さんの命令だと思って聞け。いいな」
「はい……」
冷たい声音に、朋之は肩を竦ませた。
「調教の内容は和泉さんが決めたものだ。俺はお前のことを全部あの人に報告する」
「はい」
これから起こる事への不安で、朋之の心臓の鼓動が速くなっていく。
「服を脱げ」
簡潔に告げられた命令に、朋之は戸惑った。
「脱ぐんだよ。奴隷の分際で、いつまで服を着ているつもりなんだ?」
言うなり、新也は鞭を振るった。
「ぅあ…っ……」
鋭い痛みが朋之の背中を襲う。
思わず膝を付いた朋之を、新也は足で床に突き倒した。
「さっさとしろよ。もう一度これで打たれたいのか?」
脅すように言われて、朋之は慌てて立ち上がる。
そして、震える手で着ているものを脱いだ。
「脱いだらそこに跪け」
言われたとおりに、朋之は床に膝を付いた。
羞恥を感じる余裕さえ朋之にはなかった。
全裸になった朋之に、新也は手早く首輪を嵌めた。
「今日は顔合わせだから早く来たけど、明日からはもう少し遅い時間になる。お前は和泉さんが出かけたら、その格好で俺が来るのを待っているんだ」
「はい……」
70覚めない夢 39:2005/12/31(土) 18:48:36 ID:iUvExzPV
「はい。ご主人様、だ」
淡々と告げられた言葉に、朋之は頷いた。
だが、鋭い声にそれを正される。
「今から俺のことはご主人様と呼べ。もちろん、お前が差し出される相手もそう呼ぶんだ。調教中はお前は俺の許可なしで立つことは許されない。動く時には犬みたいに四つん這いで移動しろ。いいな」
「はい…ご主人様……」
強くなる不安を隠して、朋之は教えられたとおりの返事をする。
「そうだ。そうやって素直にしていれば痛い目に遭わされずに済むんだ」
新也は微かな笑みを口元に浮かべた。
「腰を上げろ」
犬のように這わされて、腰を高く引き上げられる。
テーブルの上に置かれた黒いケースの中から、新也はクリームの入ったチューブを取り出した。
「ぅ…あ……」
クリームをたっぷりと乗せた指が朋之の後腔に入ってくる。
その刺激に、朋之は肌を震わせた。
新也は何度か指を出し入れしながら、クリームを朋之の襞に塗りつける。
それが終わると、手を洗うために一度リビングを出て行った。
朋之は後腔に違和感を感じる。
そのクリームには催淫効果が含まれているようで、朋之の内側が疼き始めた。
「欲しくなってきただろう?」
朋之の息遣いが変わったのを確認して、戻ってきた新也が薄く笑った。
そして、目の前に男性器をかたどった器具を見せる。
「これを入れてほしければ、まず俺を満足させろ。お前がイクのはそれからだ」
冷たく言い放つと、新也はダイニングの方へ行く。
「どうした。来いよ。ご奉仕させてくださいと言って、俺を口だけでイカせてみろ」
キッチンテーブルの椅子に腰を下ろして、新也は朋之を呼んだ。
後腔の疼きに耐え、朋之は四つん這いで新也の足下まで行く。
その動きは疼く蕾の奥に刺激を与えた。
71覚めない夢 40:2005/12/31(土) 18:50:08 ID:iUvExzPV
「ご奉仕を…させてください……」
小さな声でそう告げると、新也は頷いた。
命じられるまま、朋之は口を使ってズボンのファスナーを下ろし、新也の性器を取り出した。
一度目を閉じて、朋之は決意を固めるように口元を引き締める。
それから、新也の性器を口に含んだ。
だが、新也の足に性器を刺激され、奉仕は途切れがちになってしまう。
鋭い鞭が剥き出しの背中に振り下ろされた。
「っ…ぅ……」
強すぎる痛みに、朋之は呻いた。
「てめーが感じてちゃしょうがないだろ! お前が俺をイカせるんだよ」
叱咤するような声に、朋之は怯えた。
「はい…ごめ…なさ……」
「申し訳ありません、ご主人様と言え」
慌てて謝罪を口にしたけれど、その言葉はすぐに訂正される。
「申し訳……ありません…ご主人様……」
「続けろ。やり方ぐらい和泉さんに教えてもらってるんだろう?俺を和泉さんだと思ってちゃんと奉仕するんだ」
素直に言い直すと、新也は椅子に座り直した。
後腔の疼きに耐え、朋之は新也への奉仕を続ける。
懸命に吸い上げ、舌を動かす朋之を新也は冷たい目で見下ろしていた。
自分が置かれた現実を、朋之にはまだ信じることができない。
朋之は自分が闇に包まれていくような感覚に陥っていた。




今日はここまで。
皆様、よい年をお迎えください。
72名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/31(土) 18:50:25 ID:EwRqNwpG
リアル投下ムッハー!
73名無しさん@ローカルルール変更議論中:2005/12/31(土) 23:09:39 ID:eeaN8n1z
2005年最後にキタキター!
夢さんGJ!ツボすぎる・・・
74 【末吉】 【1772円】 :2006/01/01(日) 03:25:41 ID:gR/uOZsU
職人の皆様、今年もよろ乳首
75バトンタッチ:2006/01/01(日) 04:23:04 ID:C+FdtIXd

「さて、始めっか」

立派なリーゼントを揺らしながら、鋭い目付きの男が目の前で震える少年に歩み寄る。

「く、くんな!」

少年は怯えながらも、必死に男を睨み付けた。
服を身に纏わないその体は、ほどよく日に焼けており健康的に映る。
その首には皮の首輪がはめられていた。
男が身を屈め手を伸ばす。
少年は腕を突っ張り抵抗した。
しかしそれも虚しく、腕を取られると冷たい床へと肩を縫い付けられてしまう。
「嫌だぁっ!放せっ、変態!ホモ野郎!」

大声で怒鳴りながら暴れる少年に、男は呆れたように溜息をつき体を俯けに返した。
「往生際の悪いヤツだな。大人しくしろ!」
大きな手が振り上げられ、むき出しの尻タブへと下ろされた。
「ああっ!!」
小気味よい音をたて、少年の体がビクンと跳ねる。
「戌太、言うことを聞くなら俺もひでーことはしねぇよ。これは決まってた事だろ?」
小刻みに震えながらキュッと唇を噛む少年、戌太に男は優しく諭す。
リーゼントで目付きは悪いとはいえ、根は優しい人間のようだ。
しかし、戌太は頭を振り拒絶した。
「俺は承知した覚えはねぇ!へーこらしきたりとやらに従うお前とは違うんだよ、酉彦!」
この戌太の言葉に彼を組み敷く男、酉彦の表情が変わった。
「……そうか。なら仕方ねぇ。後で泣きごと言っても聞かねーからな」
76バトンタッチ:2006/01/01(日) 04:25:58 ID:C+FdtIXd



狭い部屋に鈍い機械音が響く。
「うぅっ」
戌太は床に四つんばいになり、口には猿轡を噛まされている。
その尻がは、フサフサと毛がついた尻尾が生えていた。
戌太が尻を震わせるたび、パサパサと音をたてて尻尾が揺れる。
尻尾の根元は戌太の尻の間へと続いている。
「さすが、尻尾が似合うなー」
酉彦は酷薄な表情で戌太の裸体を眺め、おもむろに尻尾を掴みグイッと引いた。
「んんっ!!ク、ぅん!」
途端、戌太が背をしならせ喉から悲鳴じみた声を出す。
尻尾は戌太の蕾に埋められたピンクの玩具から生え、引っぱられたことによりズルリとその姿を表した。
半分ほど姿を見せたそれは、激しく振動を繰り返しながら蕾の入り口を刺激する。
「ふぅっ、んん……」
戌太はそのもどかしい感覚に腰をくねらせ、鼻にかかった声を洩らした。
「何誘ってやがる」
酉彦は嘲笑を洩らして戌太の背中から前に手を回し、胸でぷつりと立ち上がる突起を指で摘み上げた。
「うンッ……ぅぅ」
戌太は肩を竦め身を捩る。
その間にも、蕾を犯す玩具は蠢き続ける。
77バトンタッチ:2006/01/01(日) 04:27:29 ID:C+FdtIXd

酉彦はクリクリと胸の突起をいじりながら、抜けかけた玩具を再びすべて蕾の中へと押し込んだ。
そして、戌太の口から猿轡を外す。
「はぁっ、あぁ……」
戌太は安堵する暇なく、胸と尻の刺激に喘ぎを上げた。
「気持ちいいのか?」
酉彦は口端を吊り上げ、開いている手で戌太の中心を撫でた。
「くっ、ぅあッ」
だが戌太から出た声は快感のものでさなく、苦痛に近かった。
「いやっ、酉彦ぉ……お願、解いてッ!」
戌太が悲痛な声で懇願する。
戌太の中心は、根元を細い紐でキツく縛られており、射精したくてもできなかった。
完全にたちあがったソレは、痛々しい程に紐を食い込ませている。
「嫌だね。泣きごと言っても聞かねーっつったろ?」
無情な言葉を放ち、酉彦は中心から手を放し玩具の振動を最強にした。
「ああああッ!!イタ……ッ、なっでも、す…からぁっ!」
強烈な刺激に、戌太はとうとう涙を流して許しを請うた。
「へぇ?じゃあ、ワンって鳴いてみろよ。犬らしくさ」
酉彦はニヤニヤ笑いながら、戌太の首輪を引っ張った。
戌太が驚愕して目を見開く。
78バトンタッチ:2006/01/01(日) 04:28:24 ID:C+FdtIXd
「そっ、なこと」
できない、と頭を振る戌太に、酉彦はまた尻タブに平手を振り下ろした。
「ギャンッ!!」
叩かれた衝撃に尻に力を入れてしまい、ダイレクトに感じた玩具の振動に、戌太は獣じみた声を出した。
縛られたモノが震え、先端から透明の蜜が流れる。
「いい声でなくじゃねーか。その調子でワンって言ってみな」
酉彦が尻を撫でながら囁く。
「……ッ」
戌太はただ唇を噛み締め、屈辱に耐えた。
いつまでも返らない言葉に痺れを切らしたのか、酉彦は紐の食い込む戌太の中心を乱暴に扱き上げた。
「何でもするっつっただろーが!」
「イッ……やめっ、あああッ!!」
ガクガクと体を震わせる戌太に構わず、先端の割れ目に爪を食い込ませる。
焼けるような痛みとイケない苦痛から、戌太は泣きながら声を絞りだした。
「ひっ……ぅ、ワ、ワン……」
「聞こえねーなぁ、もっとでかい声で!」
「ぁ、ワン……ワゥン!!」
四つんばいで首を反らし犬のようなポーズで鳴き声を上げた戌太に、酉彦は満足気に目を細め肉に食い込む紐を解いてやった。
「ああっ!イク、イクッ!!」
やっと解放を許された戌太は、尻を犯す玩具を締め付け白濁とした体液で床を汚した。
「いっぱい出たな」
酉彦は戌太の髪を一撫でし、ズボンのチャックを下ろした。
「さてと、こっからが本番だ」
79バトンタッチ:2006/01/01(日) 04:29:29 ID:C+FdtIXd
蹲るように床に崩れた戌太が、酉彦の猛るモノを目にすると怠い体を奮い立たせずり逃れようと藻掻く。
「何逃げてんだ」
酉彦は容易く腰を引き寄せ、己の欲望をいまだ玩具に犯されわななく蕾に押しあてた。
「やっ、め……お願いだから、それ抜いてくれ!」
逃れられないとさとった戌太は、尻尾に手を伸ばす。
酉彦はその手を掴むと、グッと引き腰を進めた。
「取っちまったら犬っぽくなくなっちまうだろ」
振動する玩具を掻き分け、肉棒が押し込まれていく。
片手を床につき、背をしならせた不安定な格好での挿入に、戌太が悲鳴をあげる。
「やっ、嫌だ……ああッ」
髪を振り乱し喘ぐ戌太。
「っ、スゲ……振動」
酉彦は直に欲望を刺激する玩具と締め付ける肉壁に、愉悦に満ちた表情を浮かべる。
すべてを埋め込むと、酉彦は戌太の腰を掴んで容赦なく突き上げた。
「ぅあッ、あく……あッ、あッああッ!!」
酉彦のカリ首が前立腺を擦り上げ、戌太の口から涎ととともに嬌声がとめどなく溢れた。
酉彦が腰の動きを大きくし、肉のぶつかり合う音が鳴り響く。
酉彦の欲望の横から垂れる尻尾が、パラパラと散った。
80バトンタッチ:2006/01/01(日) 04:33:22 ID:C+FdtIXd



「最低だ!この馬鹿!変態!」
ぐったりと床に寝転がったまま喚く戌太を尻目に、酉彦は服を整える。
「うっせーな。しきたりだっつってんだろが」
めんどくさそうに吐き捨てると、その場に座り込み乱れた髪を撫で付けた。
戌太はまだ納得できないような表情で低く唸る。
「……何で俺の相手が酉彦なんだよ」
「文句言うな!俺なんか申介にヤられたんだぞ」
「え、マジ?!」
不機嫌に放たれた酉彦の言葉に、へばっていた戌太が勢い良く起き上がる。
「へー、酉彦もヤられたんだぁ」
興味深そうに顔を覗き込んでくる戌太から顔を逸らし、酉彦は口をへの字に曲げて腕を組んだ。
「っせーな!毎年この日は前の年のヤツが今年のヤツにバトンタッチするんだよ。おまえも聞いてっだろ」
「聞いてたけど、酉彦にヤられるなんて嫌だったんだもん」
「……失礼なヤツだな」
「だって!ヤられるよりヤりたい!」
きっぱりと言われ、酉彦は心底嫌そうな顔をしヒラヒラと手を振った。
「バーカ、おまえなんかにヤられてたまるか。来年亥紀を可愛がってやれ」
「ゲ!俺にあのマッチョを抱けっての?!」
「ま、頑張れよ」
肩を落とす戌太の頭を撫で、ニッコリと笑う。
「じ、冗談じゃな……っ」
立ち上がろうとした途端、戌太は生暖かいものが太股を伝う感触に動きを止めた。
81バトンタッチ:2006/01/01(日) 04:34:17 ID:C+FdtIXd
それを見てとった酉彦は、ニヤリと笑みを浮かべ戌太ににじり寄った。
「まだまだ元気ありあまってんな」
また床に組み敷かれ、戌太が頬を引きつらせる。
「ちょっ、ちょっと待ってよ!今度は交代……」
「却下」
必死の願いも虚しく、再び戌太の鳴き声が部屋に響き渡ったのだった。


終わり。


酉年から戌年へってことで。獣姦じゃないです。
当てはまる干支の皆様、失礼しました。
皆様よいお年を。
82名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/01(日) 07:16:24 ID:KnygqHbS
あけおめ。
さっそくGJ!面白いなこういうの。
83名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/01(日) 12:07:34 ID:9kw1A6jd
初笑い_| ̄|○ノシ
オチが明るい鬼畜もいいものですね。干支の皆は何気に仲良さそう。
来年も読みたい。
84 【豚】 【508円】 :2006/01/01(日) 12:39:53 ID:A0alj3WG
こんなバトンタッチしてると想像したら毎年ニヤニヤしてしまうよ(*´д`*)
禿しくGJ!!あと、あけおめことよろノシ皆様。
85名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/01(日) 12:55:02 ID:9uGeIQxF
>立派なリーゼント
鶏冠のことかー!!

幸先の良い萌えをアリガd(´∀`)
86ほしの王子様:2006/01/01(日) 14:34:11 ID:sQc2DRER
あけまして
SF近未来もの 俺様攻×従順受です

その牢獄船は決して破る事のできない厳重な警備の下、グロテスクに光輝き宇宙に浮かんでいる。
巨大で頑丈で強情、そんなイメージの要塞に近づく一隻の船があった。
一旦中継船に降り、入船許可が下りるまでにいくつもの審査を受けなければならず、
それが強情と言われる所以だった。
「お久しぶりです、王子」
銀色に鈍く光る柵の向こうで明るい茶色の髪をした美丈夫な青年が言った。
「元気であったか、ユヒト」
「はい、王子もお変わりなく……」
王子は艶やかな黒髪の、おそらくユヒトより年若い青年で、嬉しそうに瞳を輝かせている。
二人を遮る柵はちょうど人の顔ひとつ分しかなかったが、お互いの手を取り合うには充分だった。
「ああ、顔をよく見せろ」
「王子……」
自分の手にキスを繰り返すユヒトの顔を取り、王子はじっくりとその顔を見つめた。
優しげに頬を撫でられて、耐え切れなくなったのかユヒトの瞳に涙が滲んだ。
「ああ、しょうがないな。相変わらずお前は涙もろい」
「申し訳ありませ……」
決壊した堤防のようにボロボロと涙が溢れる。
王子はそれを拭うように唇ですくい上げた。
「王子…」
「さあ、舌を出せ」
「王子!」
ユヒトは驚き顔を赤くしてその柵から身体を離した。
王子は少しむっとした顔をして柵を掴んだユヒトの拳に指を滑らせて確認する。
「どうした、早く致せ」
「そのような……、監視カメラがあるのですよ」
「だからどうした。俺はお前の舌を吸いたいのだ。さあ」
この王子には人に見られて困るとかの常識が備わっていない。
それはとうにわかっていたのに、ユヒトは久しぶりのこの我が侭に困惑した。
87ほしの王子様:2006/01/01(日) 14:34:45 ID:sQc2DRER
しかし主人の命には従わなくてはならない。染み付いた習性だ。
ゆっくりと恥じらいながら唇を差し出した。
「ん……」
まず唇を舌で濡らされ、柔らかい感触を楽しむように緩急をつけて突付かれる。
舌を入れられたのを合図に、ユヒトも舌を突き出さなければならない。
久しぶりの暖かい感触に、ユヒトはカメラの存在を忘れて懸命に舌を使った。
広いばかりの牢獄に、濡れた音が響いている。
身体の中心に熱が集まってきて、ユヒトは思わず柵のひとつに自身を擦り付けてしまう。
「んっ、お…じ……」
一連の作業のように、王子の手がユヒトの胸をまさぐった。
ボタンを片手で不器用に外し、開いた隙間から入り込んだ手がいやらしく身体を這っていく。
「どうした?いつもしていたではないか」
逃げ腰のユヒトに、当たり前の事をしているまでだと言わんばかりの顔で王子は攻めた。
「王子…、お戯れを…。このような所で……」
カメラはどこだろう、そればかりが気になる。
羞恥の責め苦にそれでも感じてしまうのは、ユヒトが王子を愛しているからだ。
弱々しく抵抗してみるが、楽しげに身体を触ってくる王子にはかなわない。
「ああっ、王子!」
唾液で濡らした指がユヒトの乳首を滑り降りた。
ユヒトは思わず喘ぎ、すぐまた恥らうように歯を食いしばる。
柵をぎゅっと握り声が出ないようにと俯き耐えた。
「なんだ、ちゃんと感じているではないか」
ユヒトの膨らみをするりと指で撫で上げ、王子は呆れたように言った。
「ユヒト、服を脱げ」
威厳のある声。王子はぴしゃりと言い放った。
「そんな…!王子お許し下さい」
はあはあと切なげに息を吐き湧き上がる熱に耐えながら、ユヒトは懇願する。
お止め下さい、カメラもあるし警備の兵も控えています。
それに従う相手ではないとわかっていながら。
88ほしの王子様:2006/01/01(日) 14:35:47 ID:sQc2DRER
「恥ずかしいのならば尻だけ出せ」
気を使ってやったぞと満足げに、王子は妥協案を提示する。
これでも彼は譲歩した方なのだ。何を言っても彼はきかない。
ユヒトは仕方なく裸の下半身を晒したのだ。
「隠すでない、こちらに尻を向けろ」
「王子……」
下半身丸出しで顔を真っ赤に染め、敬愛する主人の言葉に従おうとする。
王子にとっては彼が従順であるのが当たり前で、そこに発生する温度差が更にユヒトを高ぶらせた。
「く…ん……」
突き出した尻を広げられ、そこに指を突き入れられた。
「動くなよ」
楽しそうに王子は言い、指をゆっくりと抜いてその尻をぴしゃりと叩いた。
「あっ…王子、これ…」
尻の中に小さな異物感が残り、嫌な予感にユヒトは振り返った。
「例のカプセルを入れた。そのまま少し待て」
「そんな…!」
以前数回使われた事のあるそれは淫剤の座薬だった。
直接アナルに挿入し、しばらく経つとカプセルが弾け淫らな効果をもたらす。
悶え狂った経験を思い出して身震いした途端、もうすでに効果が表れているのを感じた。
そこを中心にじわじわと広がる淫らな効き目。
「効いてきたな、溢れてきた」
それは潤滑油の役目もしてくれる。透明な液体がとろりと溢れ出てくる様は
あまりに卑猥で、さすがに王子もいやらしく顔を緩めた。
「あっ…あ……」
ユヒトの腰がくねり始めた。
王子はじっと見ている。その視線が更に羞恥を煽り、ユヒトは知らずに声を漏らしていた。
89ほしの王子様:2006/01/01(日) 14:36:21 ID:sQc2DRER
「いくぞ」
ちょうど柵の間に来るようにそこを調整して、王子は先端を擦り付けた。
「んあっ!」
ジュプジュプと音を立ててそこに入り込む王子は、あまりの気持ちよさに目を閉じて感じた。
「王子っ!ああー!」
「ユヒト、逃げるな、耐えろ」
腰を引こうとするユヒトを許さずその腰を掴み、王子は自らに引き寄せる。
ユヒトは後ろ手で柵を掴み襲い掛かる快感を受け入れた。
無機質な銀の牢獄に響き渡る濡れた音と喘ぎ声。
反響する声と持て余す快感にユヒトは自分が何人もいるような錯覚に陥った。
「ああー!んああぁ……」
「ユヒト…ああ、良い。よく締まる。お前も気持ち良いか?」
この薬を使うといつもユヒトは狂ったようによがるのだ。
「王子!気持ち、いい…です。ああ!耐えられな……、はあっ…」
生真面目な普段の彼とのギャップが楽しいのだ。
王子は愛しいこの従者の尻を撫で鋭いひと突きをくれて達した。
触ってもいないのにユヒトも達し、白い欲望が床を汚した。
「相変わらずお前の身体は絶品だぞ。この忌々しい柵が邪魔だがな」
自身を取り出し王子はすっきりした顔でユヒトを放した。
薬は持続性があり、この後更にユヒトを追い立てるだろう。
王子には関係のない後処理だ。自分が満足すればそれでいい。
「あ…はぁ…」
床にペタリと座り込み快感の余韻に浸るユヒトは王子を振り返る事ができずにいた。
未だ身体が疼き、達しても熱が治まらない。
まさか王子にねだる事もできず、持て余した身体を落ち着かせる事に集中していた。
自分の放ったものをハンカチで拭いて恥じらいを消す。
のろのろと服を着て溢れてこないように下半身に力を入れて立ち上がった。
「ユヒト、お前は俺のものだな?」
柵越しに辛そうな顔をしたユヒトに手を差し出し、その返答に自信ありげに王子は聞いた。
「もちろんです。私は王子の為にだけ存在する者です」
90ほしの王子様:2006/01/01(日) 14:38:29 ID:sQc2DRER
それは嘘偽りのない本心だった。王子の手を取り口づける。
この手の為なら死んでもいい、ユヒトは心の中で再び誓いを立てた。
「また、必ず参ります。何とか取り計らい、このような場所から王子を助け出してみせます」
投獄されていたのは王子の方なのだ。
この柵を境にして二人の今の立場は大きく違う。
高貴な血筋であるこの王子にはあまりにも不憫な今の状況に、
ユヒトは何度代わってやりたいと思った事か。
「お前が気に病む事はない。今の生活もこれはこれで楽しいからな」
この暮らしを始めて三ヶ月、それなりに楽しい事があったのか王子は思い出し笑いする。
が、すぐにユヒトを真っ直ぐに見つめて、軍服の襟を掴んで引き寄せた。
「あえて不便を申し立てるなら…」
「何でしょう、すぐに改善させるよう努めます」
真面目な顔で、ユヒトは懸命に要望を聞き入れようと必死だった。
それを茶化すように王子はユヒトの耳を噛んで言うのである。
「お前を抱けない事が一番の困り事だ。何とか致せ」
返答にユヒトが困るのはわかっていた。その反応が見たくてわざと王子は茶化すのだ。
にやりと笑って王子はユヒトの胸を突き飛ばし、背を向けた。
名残惜しく、ユヒトは自分の船へと向かう。
見送りの警備兵がにやにやしながら舐めるようにユヒトを見ている。
きっと監視カメラを確認していたのだろう。
ユヒトの身体はまだ熱い。気を抜くと後ろから溢れてしまいそうだった。
搭乗口で一度振り返り、そのガタイのいい警備兵に言った。
「囚人の持ち物検査はしないのか、職務怠慢だな」
あの薬だけは取り上げて欲しかった。
ユヒトは辛い身体を抱えて船に乗り込んだのだった。

☆今回はここまでです
91名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/01(日) 15:20:55 ID:Mo9iwnA9
>>ほしタン
わーーーーーっ!
続きが楽しみですー♪
92名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/01(日) 16:02:25 ID:vNCBAIrI
新年早々豊作で喜ばしいことです

職人さん住人さん
今年もよろしくおながいします
93名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/01(日) 16:56:20 ID:TYW56zn9
>ほしたん
囚人なのに態度でかい王子様モエス
94覚めない夢 41:2006/01/02(月) 10:16:36 ID:8wGqms47
朋之は初老に入りかけた男の上で腰を揺らしている。
中に含んだ男の性器を懸命に締めつけ、より大きな快感を相手に与えるために動いていた。
朋之の性器の根元は戒められ、イケないようにされている。
男を悦ばせるための動きは、そのまま朋之を苦しめる結果となっていた。
これが何人目の男になるのか、朋之はもう数えていない。
この2ヶ月半ほどの間、朋之は知らない男に奉仕することを強いられていた。
週末には必ずだが、平日にも時々連れて行かれる。
一晩で終わることもあれば、2〜3日預けられていることもある。
何日か続けて別の男に差し出されることもあった。
それでも、朋之は相手の男に逆らうような真似はしない。
従順な奴隷であれと、隆一に言われているからだ。
朋之が気に入られれば、隆一の仕事にとってプラスとなる。
だが、相手の意に添わなければ、隆一の仕事がどうなるかわからない。
その言葉を信じて、朋之は新也に教えられたことを忠実に守っていた。
よい奴隷であるようにとそれだけを考えている。
男の精が朋之の内側で弾けた。
朋之が腰の動きを止めると、男の性器が抜かれる。
その動きで注ぎ込まれた精液が零れ、朋之の腿を濡らした。
その感触に、朋之は肌を震わせる。
「ちゃんと私をイカせたご褒美に、今度は君を可愛がってあげようね」
いやらしい笑みを口元に浮かべ、男は朋之を床の上に這わせた。
さっきまで男のものを含んでいた後腔に、太いバイブが挿入される。
「あぁ…っ」
強い震動に、朋之は身悶えた。
戒められたままの性器が張り詰め、肌の下で熱が暴れている。
「銜えなさい。口で私をイカせられたら、君もイカせてあげよう」
「はい…ご主人様……ご奉仕をさせていただきます」
喘ぎに邪魔されながらもそれだけは言葉にして、朋之は男の物を口に含んだ。
この時間が過ぎれば、隆一が迎えに来てくれる。
それだけを思って、朋之は男の為すがままにその身体を差し出していた。
95覚めない夢 42:2006/01/02(月) 10:17:43 ID:8wGqms47
朋之は新也の運転する車で隆一のマンションに帰ってきた。
新也が帰って2人きりになると、朋之は奴隷ではなく朋之に戻ることができる。
「ちゃんといい子にしていたようだね。朋之のことをとても褒めておられたよ」
満足そうに言って、隆一はやさしい笑みを浮かべた。
「次の週末は久しぶりに2人で出かけようか?どこに行きたいか、それまでに考えておきなさい」
朋之の髪を、隆一はそっと撫でる。
「本当ですか?」
信じられないというように、朋之は目を見開いた。
週末は必ず見知らぬ男達にその身体を差し出す。
そんな日々がこれからもずっと続くのだと思っていた。
新也の調教が終わってからは、休みがちではあったが、朋之は大学にも行くようになっている。
その間の日々も以前の平穏さを取り戻していた。
朋之を他の男の元へ預け始めてから、隆一は帰ってきた朋之を以前のようにやさしく抱いてくれるようにもなっていた。
それでも違う男の奴隷として過ごす日々は、朋之の心に暗い影を落としている。
「そのときには朋之のわがままを全部聞いてあげるからね」
そっと朋之の頬を撫で、隆一は朋之に視線を合わせる。
だが、朋之はすぐに瞳を伏せてしまった。
「今…じゃ駄目ですか?」
ためらいがちに、朋之は言った。
「今、ひとつだけわがままを聞いてほしいんです。それだけでいいんです」
怖ず怖ずと視線を上げると、隆一は僅かに首を傾げた。
「言ってごらん」
やさしく促されて、朋之は思いきって口を開いた。
96覚めない夢 43:2006/01/02(月) 10:19:13 ID:8wGqms47
「今夜……隆一さんのベッドで眠ってもいいですか?」
言った途端に、朋之は俯いてしまう。
朋之の甘えを隆一は許してくれるだろうか。
「それは駄目だ」
淡々と言われて、朋之は泣きそうに表情を歪める。
言わなければよかった。
謝ろうとして顔を上げた朋之を、隆一がやさしい目で見つめる。
「それはわがままには入らないよ。私の方から言おうと思っていたんだ」
囁くように言って、隆一は朋之の頬に唇を寄せた。
「いいんですか?」
緊張で強ばった身体から、ゆっくりと力が抜けていく。
朋之は泣き笑いのような表情を浮かべていた。
「愛している……」
静かな囁きと一緒に、唇が重なる。
朋之は隆一の腕に抱き締められていた。
信じてもいいのだろうか。
自分はまだ隆一に愛されていると信じてもいいのだろうか。
他の男に朋之を抱かせるのは、朋之を疎んじているからではないのだろうか。
それは本当に隆一の役に立っているのだろうか。
湧き上がる不安を振り切るように、朋之は隆一に縋りついた。
絡みつく舌の動きに、朋之は身を任せる。
伝わってくるぬくもりだけを、今は感じていたい。




今日はここまで。


あけましておめでとうございます。
今年もたくさんの作品を読ませていただくのを楽しみにしています。
97名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/02(月) 14:40:31 ID:8dhzm7Lj
王子様、イイヨイイヨー。
夢さん、隆一タンの本心が禿しく気になる。
皆様乙です。
98名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/02(月) 15:59:32 ID:ibsU5wGa
乙ですっ!王子モエス。夢さんの続きも気になる!!!!(●´∀`●)
99名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/02(月) 17:32:25 ID:Ij1jZ+5U
夢たん、奴隷教育すっごい萌えます(*´Д`)
続き楽しみにしてます
100名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/02(月) 19:13:39 ID:aY4ZS+n/
健気な朋之タソモエス(*´д`*)夢さん、王子さん続き楽しみにしてるよー。
101覚めない夢 44:2006/01/03(火) 01:46:09 ID:kyC7NetQ
「私が迎えに来るまで、いい子にして可愛がってもらいなさい」
いつもと同じ言葉を残して、隆一は帰っていった。
朋之はいつものように見知らぬ男の元に残された。
隆一が朋之を解放してくれたのは、先週だけのことだった。
だからこそ、隆一は朋之のわがままを全部聞いてくれたのだろうか。
太陽の下で隆一と2人きりで過ごす週末は、もう訪れないのかも知れない。
「随分綺麗な奴隷だな。これならみんなも気に入るだろう」
今日の相手はヤクザの組長である佐久間だった。
朋之は顎を掴まれ、佐久間に顔を上げさせられる。
その動きで朋之は我に返った。
「精一杯ご奉仕させていただきます……僕を好きにお使いください」
奴隷としての挨拶を口にすると、佐久間は可笑しそうに笑った。
「和泉さんに聞いていなかったのか?お前の相手は私じゃない。この家にいる若い連中だ。慣れるまでしばらくは、ここにいる若頭の土井がお前の世話をしてくれる。大人しく言うことを聞いて、みんなに可愛がってもらいなさい」
にこやかな笑みを浮かべて、佐久間は淡々と告げた。
佐久間は迫力のある強面だが、人の上に立つ大きさも持ち合わせているようだ。
「はい。ご主人様」
作法どおりの返事は口にしたけれど、朋之には言われた意味がわからず、何度も瞬きをした。
佐久間の屋敷には部屋住みの若い連中が多く住んでいる。
若い性欲と嗜虐心を持て余している彼らを大人しくさせるために、佐久間は常に性奴を屋敷で飼っていた。
前に飼っていた奴隷が連中に犯し殺されてしまったため、その役目を朋之がさせられることになっていた。
だが、そんな詳しい事情を話してもらえるはずはなく、朋之はわけがわからないままで首輪に引き綱をつけられる。
「これから土井が家の中を案内する。お前が相手をする連中にはこれをひとつずつ持たせてある」
言いながら、佐久間は朋之に真珠のような小さな珠を見せた。
102覚めない夢 45:2006/01/03(火) 01:48:13 ID:kyC7NetQ
「案内の途中で会った者に、口で奉仕をしなさい。それが終わったら、そいつは持たせてあるこれをお前の中に入れる。皆に引き合わせるのは夜になるが、そのときにはこの珠をまだ持っている連中の相手だけをしてくれればいい」
そうでもしなければ、君のような綺麗な子は一晩で壊されてしまうからね。
そう結んだ佐久間の言葉は、朋之には聞こえていなかった。
珠を中に入れることには朋之の内側を馴らすためという意味もあったのだが、その説明も朋之には聞こえていない。
一度にそんな人数を相手にするなんて、考えただけで身体が竦んでしまう。
そういえば、いつもは夜になってから相手の元に連れて行かれるのに、今日はまだ夕方になる前にここへ連れてこられた。
それは相手の人数が多いせいだったのだろうか。
「行きなさい。土井、後は頼んだぞ」
「はい!」
佐久間に命じられ、土井は朋之の首輪に繋いだ引き綱を引いた。
不安に怯えたままの表情で、朋之は土井に引かれて四つん這いのまま歩いていく。
部屋を出てすぐに、最初の男に逢った。
年令は22、3歳といったところだろうか。
部屋住みの連中の中では年長の方だと、土井が朋之に説明してくれる。
土井に気づいた男は、慌てて頭を下げた。
「土井さん!お疲れ様です。今朝、組長が言ってらしたのはそれですか?」
「そうだ。この子は今日からお前達のものだ」
首を傾げる男に向かって、土井は朋之に顔を上げさせる。
「マジっすか?こんなに綺麗なのを、俺達がもらっちゃっていいんすか?」
男の目が輝いた。
「ああそうだ。大切に使えよ」
「もちろんです!こんなに綺麗なのは滅多にないっすからね。長持ちさせるよう、みんなにも言っておきます」
2人の会話を聞きながら、朋之は床の上に視線を彷徨わせる。
さっき組長に言われたときにも感じた疑問が、朋之の中で膨れ上がっていた。
103覚めない夢 46:2006/01/03(火) 01:49:44 ID:kyC7NetQ
隆一はすぐに迎えに来てくれると言っていた。
それなのに、この会話はまるで朋之がずっとここにいるかのようだ。
だが、そんなはずはないと、朋之はすぐにその考えを否定する。
隆一は自分を捨てたりしない。
きっと……。
(隆一さん)
不安に押し潰されそうになり、朋之は心の中で隆一を呼んだ。
「どうした?組長に言われたことを忘れたのか?」
土井の声に、朋之は慌てて頭を深く下げる。
「申し訳ありません…ご奉仕を……させてください」
「俺が一番ってわけだ?ちゃんと銜えろよ」
嬉しそうに言って、男は自分から性器を取り出した。
朋之はそれを口に含んで、いつものように男への奉仕を始める。
不安に押し潰されそうな気持ちを誤魔化したくて、一心に舌を動かした。
口をすぼめて強く吸い上げた後で、括れを舐める。
経験を積まされた朋之の愛撫に、男はたちまち上り詰めていく。
「綺麗なだけじゃなく、こっちも上手いなんて最高っすね」
土井に向かって満足そうに言うと、男は自分でも腰を使い始めた。
口の中で弾けた精を、朋之は全部飲み下す。
そして引き抜かれた男の性器を、今度は舌を使って綺麗にした。
「よかったぜ。今度はこっちを楽しみにしてるからな」
朋之の脚を開かせ、男は蕾の中に自分が持っていた珠を押し込んだ。
珠と一緒に指まで深い場所に差し入れ、内側の襞を擦り上げる。
「っ…あ……」
「いい声で鳴くんだな。ますます楽しみだ」
思わず漏らした声に満足したように、男は笑った。
「行くぞ」
土井に綱を引かれて、朋之は次の男に奉仕するために四つん這いで歩き出す。
これから自分に起こることを、朋之は必死で考えないようにしていた。
104覚めない夢 :2006/01/03(火) 01:50:41 ID:kyC7NetQ
今日はここまで。
105名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/03(火) 11:38:35 ID:A7Htt3en
夢さん乙です!!朋之クンはどうなっちゃうのか気になるッ!!続き待ってます!
106名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/03(火) 14:14:35 ID:ZvrCUETD
夢さん乙!スガーどきどきするよ。どーなっちまうんだ?朋之。カワイソウだけど楽しみっす。
107名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/03(火) 17:26:10 ID:4+pAd2cw
夢さんGJ!
朋之タンどうなっちゃうんだー!(´Д`;キニナルー!
幸せになって欲しいが鬼畜も(・∀・)イイ!
108覚めない夢 47:2006/01/03(火) 21:32:55 ID:kyC7NetQ
朋之はやわらかなベッドの上で隆一に抱き締められていた。
あたたかい腕が朋之にぬくもりを与えてくれる。
「愛しているよ」
囁く声が耳元を擽り、そっと唇が重ねられる。
隆一の腕の中で、朋之は幸せだった。
だが、目覚めたときには隆一はどこにもいなくなっている。
朋之は固いベッドの上で古い毛布一枚を身体にかけられ、鎖に繋がれていた。
それでも、眠るベッドを与えられるということが、佐久間の屋敷で飼われる奴隷としては破格の待遇なのだということを朋之は知らない。
今までの奴隷は借金のカタに連れてこられたり、組にとって不利益をもたらした者達だった。
殺す代わりに性奴にされていたような連中だったから、ベッドなど与える必要を考えられていなかったのだろう。
朋之はそんな連中とは違うからなるべく壊さないようにしろと、佐久間が部屋住みの者達に固く言いつけていたということもある。
だが、朋之が性奴であることに代わりはない。
朋之は毎日複数の男に犯されている。
目が覚めてから意識を失うまで、嬲られ続ける毎日が続いていた。
犯されながら目覚めなくなると、朋之はこのベッドに運ばれる。
昨日浴びせられた精液が、まだ身体にこびりついたままだった。
体調を崩さないように中に残された精液だけは掻き出されているけれど、目覚めたときの不快感は拭えない。
だが、そんなことにも朋之はもう慣れてしまっている。
朋之は毎日決まった時間に目を覚ますわけではない。
疲れ切って眠りについた身体が自然に起きるまで、寝かせておいてもらえることだけは救いになっているのかも知れない。
けれど、それは男達にとっては朋之を長持ちさせるための手段でしかない。
充分な眠りを与えることで、男達は朋之の体力を回復させようとしているだけだった。
109覚めない夢 48:2006/01/03(火) 21:34:23 ID:kyC7NetQ
丸1日眠っていることもあれば、すぐに目が覚めてしまうこともある。
どれだけ眠っても、朋之の身体のだるさと重さが完全に癒えることはなかった。
そんな毎日を過ごすうちに、朋之はここに連れてこられてからどれぐらいの日が経っているのかもわからなくなっている。
「やっと起きたのか?」
部屋のドアが乱暴に開けられ、今日の世話係が部屋に入ってくる。
外はまだ明るいけれど、夕暮れの色が空を染めていた。
ここに連れてこられて暫くは土井が世話をしてくれていたのだが、今は朋之を与えられた連中が交代で世話をすることになっていた。
連中が朋之の存在に慣れ、珍しさがなくなったことで、殺すほどの無茶はしないだろうと判断されたからだった。
一度部屋を出て行った男が、犬用の餌皿に乗せられた食事と水を持ってくる。
「餌だ。食えよ」
ベッドに固定されていた鎖が外され、朋之は床に下ろされた。
犬のように直接皿に口をつけて、朋之は与えられた餌を口にする。
水もそうやって飲まなければならない。
朋之に与えられる食事は、目が覚めた時のこの一回だけと決まっている。
食欲など出るはずもなかったが、残すと罰を与えられる。
与えられたものを口にすることを、朋之は身体にたたき込まれていた。
それも連中にとっては朋之を長持ちさせるための手段だった。
餌の時間が終わると、薬を使って強制的に排泄させられ、その後は中まで身体を綺麗に洗われることになっている。
朋之を浴室に連れて行った世話係は、石けんで濡らした指を朋之の後腔で蠢かせた。
少しずつ数を増やして、何度も抜き差しをする。
それはいきなり突っ込まれて朋之が傷を負わないように、馴らすためでもあった。
「っ…ん……」
中を指で洗われる刺激に、朋之は喘いだ。
「もう感じてんのか?ホント、お前って淫乱だな」
そんな朋之を世話係が嘲笑う。
だが、シャワーで洗い流される水の刺激にさえ、朋之は肌をざわめかせていた。
110覚めない夢 49:2006/01/03(火) 21:35:19 ID:kyC7NetQ
身体を洗い終わると古くて固いタオルで拭かれ、朋之は緩く勃ち上がった性器の根元を紐で縛られた。
そうして朋之の支度が整うと、引き綱に繋がれて男達の待つ部屋へと連れて行かれる。
よろけて足が止まる度に、首輪を強く引かれて首が絞まった。
部屋に辿り着いた後は、また朋之が意識を失うまで犯される時間が延々と続くだけ。
「随分長いお休みだったな。さっさと足、開けよ」
朋之を待っていた男が、乱暴に腰を引き上げる。
「あぁ…っ」
いきなり性器を突っ込まれる衝撃に、朋之は悲鳴を上げた。
「焦るなよ。今日はこいつをじっくり可愛がってやるんじゃなかったのか?」
「るせー!」
からかうような声に怒鳴り返し、男は朋之を揺さぶった。
今の朋之は性奴でさえなかった。
男達の性欲を処理するための道具でしかない。
「っう……」
男は朋之に胸を抱きかかえ、自分の膝の上に座らせる。
更に奥を穿たれ、朋之は短い喘ぎを漏らした。
「今日は可愛がってやるんだろう?いいぜ。このまましてやれよ」
朋之を貫いている男が他の連中を煽るように言った。
そしてみんなに見せつけるような仕草で、朋之の肌を指先で辿っていく。
「っ…ふ……」
朋之は僅かに身を捩った。
じわじわと与えられる感覚に、肌が疼くのを感じていた。
朋之が身悶える姿に、何人かの男が息を呑む。
「早く代われよ!てめーだけで愉しんでんじゃねーよ!」
不満げに言った男が朋之の髪を掴んだ。
そして、口の中に猛った性器をねじ込まれる。
後ろにいる男は朋之の乳首を強く摘んだ。
朋之は肩を跳ね上げ、男のものを締めつける。
111覚めない夢 50:2006/01/03(火) 21:36:16 ID:kyC7NetQ
「いいぜ。腰も使え」
男は朋之の性器を扱き、朋之が自分から動くように仕向けていく。
その間も口での奉仕を休むことは許されない。
後ろにいる男に与えられる刺激は、朋之の熱を確実に高めていく。
腰の奥が熱く疼いて、イキたいという欲求が強くなる。
だが、ここにいる男達をある程度満足させるまで、朋之がイクことは許されていない。
肌の下で暴れる熱をもてあましながら、朋之はひたすら男達に犯され続ける。
「ぁ…や……っ」
最奥の一番敏感な箇所を穿たれ、イケない苦しさに朋之は身悶えた。
だが、朋之が苦しむ姿は、性欲を処理するのと同じぐらいに男達を愉しませるものでしかない。
口を使っていた男が怒張した性器を引き抜いた。
弾けた精が、朋之の顔に浴びせられる。
後ろを使っている男はギリギリまで引き抜いては奥まで穿つ動きを繰り返していたが、唐突に動きを激しいものに変える。
男はすぐに達した。
間髪を入れずに次の男が朋之の中に入ってくる。
今この部屋にいる男の数は7人。
その連中が次々と入れ替わり、朋之の身体で性欲を満たした。
朋之の中で達した男が、身体から出て行く。
支えを失った細い身体は俯せに床の上に倒れた。
何度男の精を受け止めたのかも、朋之にはわからない。
ただ、穿たれる度に高められた熱を解放されることだけを望んでいた。
「っ…う……」
止まらない喘ぎを零しながら、朋之は肩で荒い息を繰り返す。
「こいつ、そろそろイカせてやっていいんじゃねーの?」
朋之の口を使っていた男が足で朋之の身体を表に返し、張り詰めたままの性器を足先で撫でた。
それだけの刺激が、今の朋之にはたまらないものになる。
112覚めない夢 51:2006/01/03(火) 21:37:24 ID:kyC7NetQ
「ん…っ……ぁ……」
苦しそうな喘ぎを漏らして、朋之は肌を震わせる。
「イキたいんだろう?だったら、ちゃんとそう言えよ」
緩く性器を踏みながら、男は言った。
「イカ…せてください……お願いしま…す……淫乱…な……奴隷がイクところを…皆さんで……ご覧…ください」
朋之は苦しさの中から、毎日言わされる台詞を口にした。
それは朋之の意志というより、条件反射のようなものだった。
「どうする?こいつイキたいってさ」
「自分でイカせてやれよ」
性器を撫でる男の言葉に、笑い交じりの声が返ってくる。
朋之は躰を起こされ、壁にもたれて座らされた。
その間も喘ぐ息が途切れることはない。
性器の戒めが解かれ、男達は朋之を取り囲むようにして少し離れた場所に座った。
「自分でイケよ。見てもらいたいんだろう?」
「は…い……ご主人…様……」
からかうような響きの命令に、朋之は苦しそうな返事をする。
朋之は男達がよく見えるように脚を大きく開いて、注ぎ込まれた精液で濡れた蕾の中に自分の指を入れた。
「乳首もちゃんと触れよ。好きなんだろう?」
命じられるとおりに、朋之は片手で自分の乳首を弄り始める。
自慰をさせられる時に、朋之は自分で性器に触ることを許されていない。
後ろへの刺激だけでイクことを命じられていた。
自分で乳首を弄りながら、内側の襞を擦り上げる。
その度に身体の奥で濡れたいやらしい音が響いた。
そんな朋之の姿を、男達は野次を飛ばしながら見ている。
「さっさと指を増やせよ、1本じゃ足んねーだろ!」
叱咤するような命令のとおりに、朋之は中に入れる指を増やした。
113覚めない夢 52:2006/01/03(火) 21:38:15 ID:kyC7NetQ
「何だよ。ショーの真っ最中か?さっさとイッてやらせろよ」
途中で部屋に入ってきた男が、いやらしい笑いを口元に浮かべる。
朋之は言われたとおりに、一番感じる場所を自分で突いた。
男達に高められていた身体は、すぐに限界へと上り詰めていく。
「っ…く……イキ…ます……」
朋之は声を張り上げる。
そう言ってから達するのでなければ、後で酷い罰を与えられるからだ。
男達の目の前ですぐに朋之の精が弾けた。
だが、それは新しい苦しみの始まりだった。
解放の余韻に浸る暇も与えられず、朋之は部屋の中央に引きずられていく。
そして、新しく部屋に入ってきた男が朋之を貫いた。
熱の引かない身体は、すぐに反応を始める。
この後は強制的にイカされる時間が、朋之の意識がなくなるまで続くことを嫌というほどに知っている。
何をされても感じ続ける自分の身体が疎ましい。
だが、触れられれば触れられるほど肌は敏感になっていく。
中を擦り上げられ、口には別の男の性器をねじ込まれる。
そして、手の空いた者達が朋之の肌を嬲り始めた。
乳首をこねるように押し潰され、性器を弱く扱かれる。
尻や腰をくすぐるように撫でられる感触に、肌の震えが止まらない。
容赦なく与えられる快感に、すぐに朋之の精は弾けた。
「今イッたばかりで、もうイッてんのかよ」
嘲るような声が投げられ、何人かの男が声を立てて笑った。
「もっと感じさせてやれよ。こいつは酷くされるのも好きだからな」
言いながら、性器を扱いていた男が先端の窪みを抉るように蕾を立てる。
だが、別の男の性器で口を塞がれているので、朋之には悲鳴を上げることもできない。
114覚めない夢 53:2006/01/03(火) 21:39:14 ID:kyC7NetQ
(隆一…さん……)
朋之は心の中で隆一を呼ぶ。
その面影はあまりに遠くて、隆一の顔が思い出せない。
隆一はいつになったら迎えに来てくれるのだろう。
自分はこのまま捨てられてしまうのだろうか。
何度も思っては否定してきたことがぼんやりと浮かんでくる。
ここへ来る前に遊びに連れて行ってくれたのは、それが最後だったからなのだろうか。
隆一にはもう朋之などいらなくなってしまったのだろうか。
やさしい腕に包まれて眠る日々は、もうきっと戻ってこない……。
朋之は固く目を閉じた。
でも、そんなことを信じたくない。
隆一はきっと迎えに来てくれる。
連中の言うことを聞いて大人しくしていれば、隆一はいつか必ず迎えに来てくれる。
やさしく抱き締めて、愛していると囁いてくれる。
朋之が眠るまで、何度も瞼にキスをしてくれる。
信じることをやめてしまえば、朋之には何の希望もなくなってしまう。
隆一は今でも朋之のすべてなのだから。
朋之がここにいるのは、隆一の仕事のため。
ここで自分が頑張っていれば、隆一はきっと大きな仕事を手に入れることができる。
隆一のためなら、自分はどんなことにだって耐えられる。
(隆一さん……)
心の中で、朋之は隆一を呼び続けた。
朦朧とする意識の中で、朋之は隆一の笑顔を思い出そうとする。
揺さぶられ、高められる熱の中で、朋之はやさしく自分を呼んでくれる隆一の声を探そうとしていた。




今日はここまで。
115名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/03(火) 22:26:21 ID:t2mmfV+4
スレ開くたび夢タソきてるー!GJ!
116名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/03(火) 22:39:36 ID:MsqyidzL
隆一さんー!
早く救ってあげてぇー!。・゚・(ノД`)
117名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/03(火) 22:46:18 ID:wZTd5Ns5
乙です。
ヤクザ相手に何の仕事だと(ry
このままどこまで堕ちるのかwktk
118名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/03(火) 22:47:43 ID:GZ2B72rR
まだ続くんか
119名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/03(火) 23:07:38 ID:Qwexz/5k
そう思ったらスルーで

120名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/03(火) 23:20:14 ID:Yg0ym8Ra
>118
黙ってるほうがいいよ…。したらばで絡まれるよ。あ、承知の上かな。
「困った子が来たわよ、さぁ、どうしてあげましょう」って
盛り上がる姿もおもしろいしね。
私も夢にはうんざりしてるけど、NGワードにわざとしないで
頑張ってますねー、どこまでいくのー、とウオッチしてる。それも楽しいよ。
121名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/03(火) 23:27:21 ID:lbShZRp5
クマーでもいう。
>120
て  め ぇ も し た ら ば
122名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/03(火) 23:56:30 ID:4+pAd2cw
ヌルーするべ。

夢さん仕事早ぇ!
本日2度目のGJ!
自分は楽しみにしてるよー(・∀・)
893も隆一さんも鬼畜だけど一番の鬼畜は夢さんや。
123名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 00:41:26 ID:y499/Wcc
したらばで陰口叩かれちゃうのか・・・
女の多い板って怖いなあ
124名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 00:48:49 ID:KV1r0Tm4
夢たん、鬼畜すぎて・・・だんだん可哀想になってきた。゜(゚´Д`゚)゜。ウァァァン
そんなところがまた(;´Д`)スバラスィ ...ハァハァ
125名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 02:14:43 ID:zp3TxBhX
>123
女の多い板だからじゃないよ。鬼畜の多いスレだからだよ。

従兄が飛行機で帰省してきたのでUターンさんを思い出した。
お正月ネタを考えてみたけどおせちの男体盛り止まり…
継続して投下できる書き手さんはすごいな。
126名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 02:22:26 ID:l/6Eyu+I
夢、正直秋田
そう書こうとしたら同じ意見が多くてビックリ
みんな以外と思ってんだね
夢、早く先進めよ
同じ事の繰り返しでつまんねえんだよ
いい加減気付け
127名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 02:48:08 ID:OKNN2fux
すげーなぁ…
流石、鬼畜スレ…
128名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 03:02:11 ID:tKJhjOZu
洛陽タンお待ちしております。
129名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 03:15:23 ID:HF/KepAs
>>118
早漏な人ですね。

取り敢えず、隆一さん。早く迎えに来てあげてーっ。
130名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 03:16:33 ID:F7ULYcTs
>>126
モチツケageてるぞ

まぁ夢より長かったやつだってあるんだし個人的な批判はあんまよくないとオモ
131名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 07:09:20 ID:a3haKKjJ
朝から気分悪。
キチク度アプして、せっかく、盛り上がって来てるのに、読みたいヤツの事を考えて黙ってスルーしろ!
132名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 08:01:32 ID:fLHNlm4g
続いて欲しい派はここにもいる。
終われ派は見なきゃすむが、読みたい派は夢さんが続き書いてくれなきゃ読めない。
133名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 11:14:20 ID:NjGfaWYP
夢さん本当に本当の鬼畜で大好きです。続き楽しみにしてます。
134名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 11:33:48 ID:sAFF5Asf
自分の嗜好に合わないとすぐ騒ぎ立てる厨は帰りなさいよ。
俺は夢タソの続きを待ってるよ。
135名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 11:53:59 ID:2OvU8VLe
夢さん乙です!!続き楽しみに待ってます!!

秋田とか言ってるヤツはスルーすればいいだけの話。腐った頭でもそれくらい考えれるだろーに。
136名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 11:56:21 ID:iw8Xe7yQ
読みたい派に+1。

糞厨、藻前の存在がつまんねえんだよ
いい加減気付け
137名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 14:25:21 ID:GdSAwzSM
朋之気持ち悪いよ朋之
138覚めない夢 54:2006/01/04(水) 14:47:02 ID:SmHc2zRT
朋之が佐久間の元に連れてこられてから、どれぐらいの日々が過ぎたのだろう。
永遠とも思える時間は終わりを告げることもなく、朋之は男達に犯される毎日を過ごしていた。
今日こそはきっと隆一が迎えに来てくれる。
目覚める度に願う希望はまだ叶えられていない。
それでもその願いだけに縋って、朋之は自分を保とうとしていた。
朋之を貫いていた男が達した。
そして、また次の男が入ってくる。
「もっと締めろよ」
尻を叩かれ、朋之は男の性器を締めつけた。
その刺激で、戒められていない朋之の精が弾ける。
「何だよ。またイッちまったのか?」
「早すぎるんじゃねーの?」
周りにいる男が朋之を笑った。
その声に被って、ドアの開く音を朋之は耳の表面で捉える。
だが、振り返るようなことはしない。
朋之を犯す男が1人増えただけのことだ。
「土井さん!」
澱んだ空気の漂う部屋が唐突に緊張感に包まれる。
部屋に入ってきたのは若頭の土井だった。
「早く終わらせろ」
土井は朋之を貫く男に鋭い声をかける。
「どろどろだな」
男達の精液で汚れた朋之を見下ろし、土井は苦笑を浮かべた。
「お前が終わったら、こいつを綺麗に洗って応接室に連れてこい」
「客ですか?」
「そうだ」
事務的に告げ、土井はすぐに部屋を出て行った。
139覚めない夢 55:2006/01/04(水) 14:47:56 ID:SmHc2zRT
「何だよ。今日はこれで終わりかよ」
土井が出て行った途端に不満そうな声が上がった。
それでも若頭である土井の命令は絶対だ。
朋之の後ろにいる男の動きが、唐突に激しくなる。
土井が言ったことは朋之には救いをもたらす一言だった。
佐久間は時々、自分を訪ねてくる客に朋之を使うことがある。
嬲られ、犯されるという行為は同じでも、相手の人数が少なくなればその分身体への負担は軽くなる。
客が1人で朋之を犯すのであれば、それは休息を与えられるようなものだった。
「っ…」
短い声を漏らして、男が達した。
朋之は2人の男に引き綱を引かれて、浴室へ向かう。
1人が中から精液を掻き出した後は、2人がかりで朋之の全身を手早く洗う。
それから乱暴に身体を拭くと、男達は応接室へ向かった。
性器の根元の戒めは着けられなかった。
朋之は引き綱で引かれたまま四つん這いで応接室に入る。
深く俯いた顔は上げない。
相手の顔など見る必要もない。
相手がどんな男であろうと、朋之自身に起こる出来事は何も変わらないから。
「顔を見せてくれないのかい?」
だが、客に声をかけられ、朋之は弾かれたように顔を上げた。
声さえ出すこともできない。
朋之はただ目を見開いて、目の前の男を信じられないというように見つめている。
「迎えに来たよ。遅くなってすまなかったね」
やさしく言って、隆一はゆっくりと朋之に近づいてくる。
隆一の後ろにはいつものように新也が控えていた。
朋之には信じられなかった。
あれほど待ち焦がれていた隆一がいるのに、それが隆一であることを信じることができない。
140覚めない夢 56:2006/01/04(水) 14:48:50 ID:SmHc2zRT
これは夢ではないのだろうか。
目が覚めたら、また隆一の姿は消えてしまうのではないだろうか。
凍り付いたように動かない朋之のすぐ傍に跪くと、隆一は朋之に視線を合わせた。
そっと抱き締められ、朋之の身体が不自然に強ばった。
「どうしたんだ?朋之。たった3ヵ月会わなかっただけで、私の顔を忘れてしまったわけじゃないだろう?」
穏やかに笑って、隆一は朋之の頬を撫でてくれる。
そのぬくもりは、確かに朋之が待ち焦がれていたもの。
「っ…う……」
開かれたままの瞳から涙が溢れ出す。
朋之は隆一に縋りついた。
「おやおや、子どもみたいだね。佐久間さんにちゃんと挨拶をしなければ、連れて帰ってあげられないよ」
子どもをあやすように言って、隆一は朋之の背中を撫でてくれる。
朋之は唇を噛み締め、涙を堪えようとした。
それから佐久間の方を向いて、深く頭を下げる。
「可愛…がっていただき……ありがとうございました……」
嗚咽を堪えながら漸くそれだけを口にすると、佐久間は笑った。
「こちらこそ……よく頑張ってくれたね。ありがとう」
「また改めてご挨拶に伺います。ありがとうございました」
一度立ち上がった隆一は佐久間の傍に歩み寄り、何か話している。
その間、朋之は深く俯いて、止まらない涙を堪えようとしていた。
話が終わると、隆一は新也が持っていた毛布を受け取って朋之の身体を包み込んだ。
そして、隆一は朋之を抱き上げる。
誰の元に行かされたときにも、隆一は今までそんなことをしてくれたことはなかった。
自分はまだ、隆一に捨てられたわけではなかったのだろうか。
甘えることを許してもらえるだろうか。
141覚めない夢 57:2006/01/04(水) 14:49:38 ID:SmHc2zRT
朋之は怖ず怖ず隆一の胸にもたれ掛かる。
その途端、朋之を抱き締める隆一の腕に力がこもった。
「よく頑張ったね。朋之……帰ったら、誕生祝いもしなくてはいけないな。1ヶ月遅れになってしまったけれどね」
やさしい声が耳元で囁いた。
その途端、また新しい涙が溢れてくる。
自分が1ヶ月前に21歳の誕生日を迎えたことも、朋之は知らずにいた。
でも、隆一はちゃんと自分の誕生日を覚えてくれている。
朋之は隆一に縋りついた。
嗚咽を堪えることもできなくなっていた。
「っ…く……」
子どものように泣きじゃくる朋之を抱いたまま、隆一は佐久間の元を後にする。
新也が運転する車に乗せられても、朋之は隆一に縋りつく腕を離そうとしない。
ただ、声を上げて泣き続ける。
「帰ろう。朋之……私達の部屋に」
静かに囁きながら、隆一はずっと朋之の髪や背中を撫でてくれた。
その手の動きも声も、朋之が焦がれ続けた隆一のやさしさそのものだった。
やっと部屋に辿り着いても、朋之の涙は止まらなかった。
朋之が泣き疲れて眠ってしまうまで、隆一はずっと朋之を抱き締めてくれていた。
そこに以前と変わらない愛が存在することを朋之は信じていたい。
この腕が二度と自分から離れていかないことだけを、朋之は祈り続けていた。
142覚めない夢 58:2006/01/04(水) 14:50:29 ID:SmHc2zRT
自分のベッドに朋之を寝かせた隆一は、涙で腫れた瞼にそっと触れた。
その手を固く握り締め、足早にリビングに戻ると、帰り支度を終えた新也が立ったままで隆一を待っている。
「これで終わりにするつもりはないんでしょう?」
いつになく真剣な目で、新也は隆一を見上げた。
「朋之次第だ」
曖昧に返事をして、隆一は薄い笑みを浮かべる。
「あんたが何をしようと、俺は何も言うつもりはない」
強い口調で、新也は言った。
「あんたは俺の家族にとって恩人だ。兄貴の友達だったあんたは、兄貴が親父から継いだ会社を立て直してくれた。倒産寸前の会社の社長として、今の業績を上げるまでに成功させてくれた。
それで俺達家族は助かった。俺が大学まで行かせてもらえたのも、あんたのおかげだ。
それだけじゃない。あの時会社が潰れていたら、姉さんの病気を治せなかった。手術が受けられなくて、きっと今頃死んでいた……あんたは姉さんの命の恩人でもある」
新也が今更何を言い出したのかと言うように、隆一は僅かに首を傾げる。
隆一にとっては恩に感じてもらうようなことじゃない。
あの頃、隆一は朋之の父親の秘書という仕事を失ったばかりだった。
偶然出会った学生時代の友人の会社を立て直すという仕事は、それまで自分のやってきたことを試すチャンスだと思っただけで、人助けという意味はなかった。
たまたま得た新しい仕事が上手くいったというだけのこと。
朋之には友人と立ち上げた会社だと嘘を吐いていたが、それは新也の家の事情を説明するのが面倒だったからだ。
自分の計画のために、新也の存在を知られたくなかったということもある。
143覚めない夢 59:2006/01/04(水) 14:51:32 ID:SmHc2zRT
「俺は一生あんたについていくって決めてる。だから、汚いことだろうと何だろうと、あんたに言われたことなら何でもやる。あんたが裏の世界で顔の利く人間だってなんだって構わない。でも、あんたは本当にこれでいいのか?朋之は……」
「暫くの間、朋之の世話をしてやってくれないか?朋之が元気になるまでの間でいい。私は仕事を休めないのでね。ただし調教じゃない。やさしくしてやってくれ」
新也の言葉を遮って、隆一は淡々と言った。
それ以上聞きたくないという意志を汲み取ったのだろう。新也は口を噤んだ。
「時間はあんたと入れ違いでいいのか?」
「そうだな。明日だけ少し早く来てくれればいい」
事務的な会話を交わして、隆一は新也を玄関の外まで送り出した。
「今更俺がやさしくしたって、あいつは怖がるだけだと思うけどな」
自嘲するような新也の言葉に、隆一は曖昧な笑みだけを返す。
帰っていく新也を最後までは見送らずに、隆一は朋之の元に戻った。
隆一は朋之の寝顔を見つめる。
やわらかい光に包まれた静かな部屋には、朋之の寝息だけが聞こえていた。
「朋之……」
隆一は無意識に呟いていた。
まだ少し睫に残る涙の雫を、隆一はそっと指先で拭った。




今回はここまで。
144名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 17:18:51 ID:c1v7C9V3
夢さんGJです!
仕事速くて内容も濃くて尊敬します'`ァ'`ァ'`ァ(;´Д`)'`ァ'`ァ'`ァ
145名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 17:37:00 ID:HF/KepAs
キタキタキタ!投下とお迎えキタ!!
取り敢えず一安心だけど隆一の真意が気になる。続きwktk。
146名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 17:43:06 ID:KV1r0Tm4
お迎えキタ━━(゚∀゚)━━ヨ
朋之は素直に喜んでいいのか!?
続きが気になるー。
147名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 20:38:29 ID:EyALjCpz
改行しろや
148覚めない夢 60:2006/01/04(水) 21:25:16 ID:8MHAxXwN
「ただいま」
仕事を終え、帰宅した隆一は玄関から部屋の奥に声をかける。
「りゅーいち!」
コートを脱いでいると、明るい声と共に朋之が玄関まで飛び出してきた。
「こら!駄目だって言っただろ!まだ終わってないんだから。そのままだと風邪ひくぞ」
そのすぐ後をコードレスのドライヤーを手にした新也が追いかけてくる。
まだ風呂から出たばかりなのだろう。
パジャマを着せられた朋之の頬は上気して、髪もまだ少し濡れている。
朋之は新也から隠れるように、隆一の背中にしがみついた。
「こいつ、これが嫌いだから」
ドライヤーを持ち上げて、新也は肩を竦めた。
あの日、マンションに連れ帰った朋之は翌日になっても目を覚まさなかった。
朋之が目を覚ましたのは、それから10日余りが過ぎた頃だった。
そして、目覚めた朋之からは何もかもが消えていた。
記憶も言葉も、今の朋之にはない。
自分が誰なのかもわからなくなっている。
今の朋之はまるで幼児のようなものだ。
長い眠りが朋之から何もかも消し去ってしまった。
ただひとつ、「隆一」という言葉だけを残して。
自分のことさえわからないのに、朋之はすぐに隆一に呼びかけた。
隆一の名前だけを呼び、隆一だけに笑いかける。
隆一が話す言葉だけを感覚で理解している。
そのままの状態で、そろそろ2ヶ月が経とうとしていた。
新也は隆一がいない間、マンションで朋之の世話をしてくれている。
それが今の新也の仕事になっていた。
149覚めない夢 61:2006/01/04(水) 21:26:18 ID:8MHAxXwN
「もういいよ。ありがとう。朋之がドライヤーを嫌いなら、部屋を今より暖めておけばいい。
暖かい部屋にいれば、髪が濡れていても風邪なんかひかないだろう?」
朋之の肩を抱いて、隆一はリビングに入った。
テーブルの上にビジネスバッグと紙袋を置き、暖房を少し強くする。
「ホント、こいつには甘いんだから」
溜息交じりに言って、新也はドライヤーを片づけに行った。
そしてリビングに戻ると、部屋の隅においてあった自分のリュックを肩にかける。
「じゃあ、俺は帰ります。朋之、また明日来るからな」
隆一に声をかけた後で、新也は小さな子にするように朋之の頭を撫でた。
「新也を送ってくる。すぐに戻るから、朋之はここで待っていなさい」
やさしく言い聞かせると、朋之は隆一に言われたとおり大人しく床の上に座った。
「和泉さんの言うことなら、聞くんだもんな」
苦笑を浮かべながら、新也は足早に玄関に向かう。
「でも、最近は俺にもちょっと懐いてきてくれたから……もう少ししたら、俺の言うことも聞くようになるかな」
「新也には感謝しているよ。明日もよろしく」
外に出ようとした新也は、何かを思い出したように隆一を振り返った。
「後悔はないんですか?」
真顔を向けられ、隆一は静かな笑みを浮かべる。
一瞬だけ瞳を伏せ、新也も笑みを浮かべた。
「余計なことを言いました。すみません。じゃあ、また明日!」
明るく言って、新也はドアの外に出て行った。
鍵をかけると、隆一は足早に朋之の待つリビングに戻る。
「りゅーいち!」
隆一が部屋に入った途端、朋之は満面の笑顔を浮かべた。
「待たせて悪かったね。今日はおみやげがあるよ」
隆一はリビングのテーブルの上に置いた紙袋を取り上げ、中の保冷バッグからアイスクリームを取り出した。
150覚めない夢 62:2006/01/04(水) 21:27:09 ID:8MHAxXwN
「来なさい。食べさせてあげよう」
隆一がソファーに腰を下ろすと、朋之が駆け寄ってくる。
そして、朋之は隆一の足下の床に座り込んだ。
朋之は自分から椅子に座ろうとしない。
それは奴隷として扱われていたことの名残なのだろうか……。
ふいに浮かんできた考えを、隆一は頭から追いやった。
「口を開けて。冷たいから少しずつだよ」
木べらで冷たいクリームを掬い、隆一は朋之の口に運んでやる。
このアイスクリームは前に買ってきたときに、朋之がとても気に入っていたものだ。
大きな口を開ける朋之を、隆一は愛しそうに見つめる。
「美味しいかい?」
「りゅーいち?」
尋ねると、朋之は隆一と同じ口調で言って首を傾げる。
嬉しいとき、朋之はいつも隆一を呼んでくれる。
自分が朋之に何をしたかも知らずに……。
朋之の視線に急かされて、隆一はアイスクリームを少しずつ口に運んでやる。
そうしながら、隆一は遠い日々に思いを馳せる。
ほんの2ヶ月ほど前には、こんな静かな日々が訪れるなんて思ってもいなかった。
151覚めない夢 63:2006/01/04(水) 21:28:12 ID:8MHAxXwN
かつて隆一には年の離れた姉がいた。
その姉が働いていたのが、朋之の父の会社だった。
幼い頃から美人だと評判だった姉は、朋之の父親に目をつけられた。
だが、その誘いを突っぱねた姉を、朋之の父親は金で雇った男達に陵辱させた。
それだけではない。
そのときに撮ったビデオや写真で姉を脅し、それでも従わない姉を力で奪った。
それからすぐに姉が自殺した理由なんて、調べるまでもない。
その時、隆一はまだ高校生だった。
だが、それだけでは済まなかった。
朋之の父親は隆一の父が営んでいた小さな工場の取引先に圧力をかけ、仕事を回さないようにした。
工場を潰され、苦労したあげくに事故死した両親と姉の恨みを晴らすことが、隆一の生きる目的となった。
隆一は必死で生きてきた。
様々なツテを頼って、漸く朋之の父の秘書に収まった時にはそれから10年が過ぎていた。
秘書という地位を利用して、朋之の父をどん底に突き落とすために、隆一は更に時間をかけて様々な準備を整えていった。
絶対に失敗するつもりはなかった。
隆一は手始めに収賄事件を作り上げた。
それを皮切りにして、生きていたくないほどのどん底を味わわせてやるつもりだった。
だが、やっと準備が整ったところで朋之の父親は病に倒れた。
罪を全部負わせることができたとはいえ、そのときには朋之の父親は瀕死の重病人だった。
自分が何をされたかも知らずに逝ってしまった。
中途半端に放り出された隆一の復讐の矛先が、一人息子である朋之に向かったのは自然なことだっただろう。
収賄事件を作り上げる際に知り合った佐久間の屋敷で、性奴を飼っているという話を聞いたこともその引き金になったのかも知れない。
152覚めない夢 64:2006/01/04(水) 21:29:01 ID:8MHAxXwN
隆一が朋之を引き取ったのは復讐のためだった。
最初に愛情と幸せを与え、自分に依存させた上で佐久間の元に性奴として売り渡す。
天国から地獄へ叩き落とす方が、朋之に与えるダメージが大きいと考えたからだった。
その後は、佐久間のところの若い連中に犯し殺されてしまえばいい。
そのつもりだった。
唯一の誤算は、隆一が朋之を愛してしまったことだ。
援助を申し出た自分を利用して、踏み台にする。
朋之がそんな人間であればよかった。
だが、朋之は自分を引き取った隆一に惜しみない感謝と尊敬を注ぎ、いつも隆一がどうすれば喜んでくれるかを考えていた。
そんな朋之を、どうして愛さずにいられるだろう。
恋人の関係になってからは尚更そうだ。
素直な愛情を向けてくれる朋之を抱くたびに、隆一は迷った。
だが、ここで隆一が復讐をやめてしまっては姉や両親が浮かばれない。
自分はそれを果たすためだけにこれまで生きてきた。
あの男の子どもである以上、今更朋之への復讐を辞めることは選べない。
だが、朋之への想いを捨てることもできず、隆一は復讐を果たした後で、朋之を手に入れる方法はないかと懸命に考えた。
そして、たったひとつだけ方法があることに気が付いた。
朋之をどん底に陥れ、その心を壊してしまえばいい。
朋之を朋之でなくしてしまえばいい。
そうすれば自分は……。
隆一は新也に朋之を輪姦させ、激しいショックを与えた。
その後は不安と愛情を同時に与えることで、朋之の心がますます隆一に縋りつくように仕向けた。
素直な朋之は、呆れるほど簡単に隆一の罠に陥っていった。
佐久間のところへ行かせる前に他の男に与えたのは、佐久間の元で迎えに来るはずの隆一が来ない苦しみを味わわせるためだった。
あの男達は隆一の取引相手などではない。新也に探してこさせた客だ。
取引相手だと言えば、朋之が逆らえないことを知ってそう言っただけのこと。
153覚めない夢 65:2006/01/04(水) 21:29:50 ID:8MHAxXwN
そして、隆一は遂に朋之を佐久間の元に送った。
佐久間の家の性奴にされた者で、正気を保ち続けられる人間などいない。
それを承知で、隆一は朋之を佐久間に預けた。
ただ、殺さないようにとだけは頼んでいたけれど。
帰り際の新也の声が蘇ってくる。
後悔ぐらいとっくにしている。
泣きじゃくる朋之を抱き締めた瞬間の、愛しさと自分への憤りはどんな言葉でも表せない。
佐久間のところで過ごした日々は地獄だったはずなのに、それでも朋之は隆一に縋って泣いた。
そして、今も。
何もかも失った今でさえ、朋之の世界には隆一だけが存在している。
朋之を新也に襲わせてからもうすぐ1年になろうというのに、朋之が自分を想ってくれる気持ちだけは以前と少しも変わらない。
せめて朋之が自分を憎んでくれれば。
そう考えたことは一度や二度ではない。
だが、朋之は今も隆一だけを慕っていくれている。
これが自分に与えられた罰なのだろうか。
そのことにどんな意味があろうと、これからも自分が朋之を愛し続けるということだけは変わらないけれど。
「りゅーいち?」
朋之がそっと隆一の目元に触れた。
僅かに濡れた自分の指先を見つめ、朋之は不思議そうな顔をしている。
「朋之…愛している……」
息をするように言って、隆一は床の上に膝を付いた。
朋之が待っているアイスクリームのカップをテーブルに載せ、朋之をやさしく抱き締める。
「りゅーいち!」
嬉しそうに言って、朋之は隆一の首筋に縋りついてきた。
154覚めない夢 66:2006/01/04(水) 21:31:02 ID:8MHAxXwN
朋之の心を壊してしまったことで、隆一の復讐は終わった。
この後の日々は、ただ朋之を愛していればそれでいい。
もう辛い目には遭わせない。
可能な限りの幸せを朋之に与えてやりたい。
こんな自分を、朋之は憐れんでくれるだろうか。
「朋之……」
耳元で囁くと、朋之は笑った。
「りゅーいち」
ひとつしか持っていない言葉を、朋之は繰り返す。
隆一は朋之に唇を重ねる。
怖がらせないように、静かに。
縋りつく朋之の腕に力がこもるのを、隆一は感じた。
「愛している。私は…朋之を……」
苦しそうな声が、静かな部屋の中に響いた。
自分が持てる愛情のすべてを込めて、隆一は朋之を抱き締めていた。






――――――――――――――――――――――――
これで終わりです。

155覚めない夢 :2006/01/04(水) 21:31:57 ID:8MHAxXwN
最後まで読んでくださった皆様、ありがとうございました。
長くなってしまいましたことと、
ご不快な思いをさせてしまいました方へお詫び申し上げます。
申し訳ありませんでした。
そして、応援レスをくださった皆様に感謝しています。
毎回とても励みにさせていただきました。
ありがとうございました。

156名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 21:39:47 ID:zOkPXqJt
夢さん、乙でした!切ない終わり方、いいよいいよー
よかったらまた作品投下してくださいね
157名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 21:43:00 ID:J64o7V3c
リアルタイムキタ━(゚∀゚)━!
158名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 21:45:39 ID:J64o7V3c
リアルタイムじゃなかったー!
とにかく乙ですた!
自分は大好きでした。切ないけどいい終わり方ありがとうございました!
159名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 22:02:31 ID:8SvxIXVX
夢さん、ずっと応援していました
ありがとうございました
160名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 22:05:00 ID:5MhgJzq2
夢さん、GJ!
鬼畜だけど綺麗な哀しい愛もあって素敵でした!!
161名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 22:05:38 ID:6nBlFHDM
夢タソ良かったよ! 隆一の業の深さに乾杯だ!
162名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 22:09:05 ID:HF/KepAs
夢さんお疲れ様でした。愛ある鬼畜で良かった(*´∀`*)
最後まで投下してくれて有難う。
163名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 22:13:04 ID:zjkF9joo
夢さん乙!
スレ開く度に投稿してあるなんて素敵過ぎる。
途中朋之タンどーなっちゃうのかほんとドキドキしたよ。
また待ってる!
164名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 22:19:59 ID:2/24niBP
夢タンGJGJー!!
いつも投下楽しみにしてました。素敵なキチクをありがとう。
愛する為に相手を壊すという、新しい萌えに開眼しますた。
切ないけどこれからの二人の幸せを祈ります。乙でした。
165名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 22:34:43 ID:dLfJOyQd
ゆ、夢さん素敵過ぎでしたー!!
途中からの展開に本気でアワアワしたけど最後はいい感じで終わってもらってほんと良かった・・・・。
そして最後の投下分を読ませていただいたとき・・・・・・涙腺緩んじゃったよ・・・・・。
本当に乙でした!!また機会があれば投下してください。
166名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/04(水) 23:58:51 ID:2OvU8VLe
夢さん乙でした!!毎回楽しみにしてました。私も涙腺ゆるんじゃいました…。本当に乙ですっ!そして鬼畜をありがとうございました!!
167名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/05(木) 00:35:36 ID:/S/A6kNp
孤独の宙タンお待ちしています。触手カワエエ(*´Д`)
168名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/05(木) 22:22:48 ID:O1Um+zq9
夢さん、ラスト良かったよ。
救われなかったらどうしようかと心配してました。
またステキな作品を待ってます。
169不覚のF:2006/01/05(木) 22:49:14 ID:zQrRWyn7
〔つづき〕
春の夜風に先に負けたのはFの方だった。
すぐに帰るつもりで薄着でいた自分の体を抱えて渋い顔をした。
「今日のところはここまでだな。花が咲いたら君も誘うよ。直人も喜ぶだろう」
Fは思い切りさわやかに微笑んでやった。第一印象はこんなものでいいだろう。
「会えて嬉しかったよ」
ひらひらと手を振ってFは去っていく。背中に突き刺さるような視線を感じながら。
桐生はその場で固まったまま動けないでいた。
噂の人物は想像していたのとだいぶ違った。勝てない気がした。
砂を噛むほどの屈辱感に襲われた。何故こんなに悔しいのだろう。
桐生は勝ち誇ったFの顔がしばらく頭から離れなかった。
クールダウンさせるように煙草に火を着ける。
だけど煙の中にも彼の顔が見えた気がしてすぐにもみ消してしまった。

暖かな風が吹き、本格的な春の日差しが頬を突いた。
公園の桜にはつぼみがついて、夜桜見物する為の照明の取り付け工事が始まる。
たいしておもしろくもないのに、直人は一人その作業を見つめていた。
もうすぐだ、そう思うと泣けてきた。
「F×××××…」
口にしたFの本名は誰にも聞かれる事はなく、風に消えた。
その名を知るのは彼の父親と、この世界で自分だけ。
あの日、名前を明かしあったあの日、お互いを人質に取った。
口約束のようなものだったが、お互いを縛るには充分だった。
Fに内緒で桐生と会ったその日、直人は一日中犯された。
太陽が大嫌いなFが昼夜を問わず文字通り一日中、直人を犯した。
立派な束縛。直人はFの下で快楽の地獄を見た。
自分はあんなに淫らな人間だっただろうか、思い出したくはなかった。
傷つけられ血を吸われた背中が疼いた。
来週が例の花見と称した大宴会だ。たくさんの人がこの公園に集まるのだろう。
誰も花なんか見やしないのに。

170不覚のF:2006/01/05(木) 22:49:59 ID:zQrRWyn7
「あ、やっと来た」
「ねー、だから言ったでしょ。絶対また風呂場で死んでたんだって」
「竹下、忘れ物…」
「あっ!…どこにあったんですか?」
「玄関…、俺も忘れてっただろう。何で置いてくんだ」
「声かけたじゃん、場所取るから先に行くって。てか遅いよ!」
「寝てる時に話かけたってわかるわけないだろう!」
「返事したじゃん…」
「はいはい、もういいから座って!」
満開の桜の下、花見客がもう引き上げる中やっと主役が登場した。
ふてぶてしく仁王立ちで、夜なのにサングラスをかけている。
竹下はそれをひょいと外してFをシートに座らせ、缶ビールを握らせた。
あまりに偉そうなので変なのに絡まれないようにとの自衛の策だ。
男二人だったこの席には、さっきから珍客が多くて困っていたのだ。
「じゃあ改めまして…」
竹下が杯を掲げたがFがそれを制した。
「待って、あと一人…、ああ今来た」
「え!桐生!?」
とんでもない珍客だ。Fの視線の先に見慣れた人物がいた。
「あれ、この間の…」
竹下も驚いている様子、どうやらこれはF一人の計らいのようだ。
シートを広げたこの場所は、奇しくも直人が桐生に組み敷かれた場所だった。
「すいません、遅れました」
「いいよー、この人も今来たばっかりだし」
はい、と竹下は缶ビールを渡して桐生を座らせた。
「先輩…」
「桐生…」
どこかぎこちない空気が二人の間に流れた。
直人はチラリとFを見るが、視線を合わせずに彼はビールを掲げた。
宴は否応なしに始まってしまった。
171不覚のF:2006/01/05(木) 22:50:42 ID:zQrRWyn7
一通り竹下に紹介し(もちろん大学の時の後輩だと)、彼の作った料理に舌鼓を打つ。
主に喋っていたのは竹下と桐生で、直人は時々愛想笑いをしてその場をやり過ごした。
Fはひたすら無言でグイグイと酒を煽り、悠然とした笑みを浮かべている。
次々と空き缶が並べられ、Fは誰よりも先に酔っ払った。
「へー、いつもカメラ持ち歩いてるんだ。あ、見して見して」
カメラの話題で盛り上がって、竹下はレンズ越しにFを見た。
「結構酔ってるね」
Fは焦点のあってないような目をしていて、だらしなく着崩れていた。
色っぽいな、竹下はゴクリと唾を飲み込み思わずシャッターを切った。
「あっ!やべ」
「いいですよ、どうせ皆さん撮るつもりだったし」
桐生は余裕そうに取り繕ってFを見た。二人の視線は絶対に絡まない。
「現像したら頂戴ね」
竹下はこっそりと桐生に耳打ちした。
辺りにいた花見客はゾロゾロと帰っていく。
酔っ払いの叫び声も歌声も次第に聞こえなくなってきた。
11時を回った、宴もたけなわだ。
「直人」
突然思いついたように、Fがちょいちょいと直人を手招きした。
「なに?てか顔真っ赤…」
いきなり直人にキスしてきた。
「んー!ちょ…んう…」
Fは腕を掴んで離さない。何するんだと直人は必死に抵抗するが、Fの舌に力を奪われる。
突然の光景に、他の二人は驚き固まっている。当たり前だ、無視できない。
「こらこら、そういう事は家に帰ってからやりなよ」
呆れた竹下が注意してやっと気が済んだのか、Fは唇を離した。
「はぁ、はぁ、何考えてんだよ!」
口のまわりの唾液を拭いながら、直人は顔を真っ赤にして怒鳴った。
からかっただけなのか、Fはクスクスと笑って寝転がった。
172不覚のF:2006/01/05(木) 22:51:13 ID:zQrRWyn7
「迷惑な酔っ払いだなー。八神君、僕ツマミと烏龍茶買ってくるから」
竹下は溜め息をついて桐生の腕を掴んで立ち上がる。
無表情が売りのはずの桐生は、悔しそうに顔を歪ませてそれに従った。
見ていられないのだろう。
悪い事をしたな、と直人は見えなくなるまでその背中を目で追った。
「竹下は気を使ったんだ」
Fはそう言って再び直人を呼び寄せた。
「どうだ、お前の見たがってた桜の花は」
小さく息をついて直人はFと同じように寝転がって桜を見上げた。
今日やっとまともに桜を見た気がする。
ひしめくピンクの花びらに圧倒され、直人は綺麗だとつぶやきを漏らす。
「念願叶って良かったな」
上を見上げたままそう言ったFの横顔はひどく優しい顔をしていた。
「お前を追い掛けて世界中を旅してきたけど、この花は圧巻だな…」
「F…」
「だけどそろそろイタリアに帰りたい…」
目を閉じたFの顔に花びらが降り注ぐ。
何を想っているのか、酒で赤みがさしたその顔はまるで普通の人間だった。
直人はFに唇を寄せた。
JJと暮らしたイタリアを夢見るFを、現実に引き戻そうとした。
薄い唇を舌でこじ開けて中をかき回し、唾液を吸いまた流し込む。
「F…」
彼は目を開かない。厚い胸に手を滑らせ、試すように撫で擦った。
ああ、と吐息のような声を出したが彼は戻ってこない。
「F、F!」
直人はひどく焦った。救命救急医師のように身体を弄り回して反応を確かめる。
「JJ…」
しかし残酷にも彼はそう言ったのだ。
「くっ、Fっ!」
直人がF自身を舐めても、たまらず身体を乗り上げても彼は還っては来ない。
173不覚のF:2006/01/05(木) 22:51:47 ID:zQrRWyn7
「ああ、JJ…」
「F!直人だ!」
喘ぐFが口にするのは自分の名前ではない。
残酷な仕打ちに打ち勝とうと必死に切ない腰を揺すった。
「F、あっ…F!俺は直人だ!」
最初の頃、Fが自分の名前を連呼したように直人も同じように自分の名を叫んだ。
泣きながら何度も何度も。俺はJJじゃない、直人だ、直人だ…。
達しながらあの絵を思い出した。
可哀相なJJの身代わり達、君達はいつもこんな辛い思いをしてきたんだな。
「F、愛してるのに…」
ぼやけた視界に桜の花は風に美しく膨らんだ。二人に花びらが降り注ぐ。
フラワーシャワー、思った通りFとこの景色は息を飲むほど美しかった。
「先輩!」
いつ戻ってきたのだろうか、視界の端に桐生がいた。
「カステリット…」
Fが桐生をそう呼んだ。皮肉にも桐生がFをこちらの世界に引き戻してくれた。
思い出したかのように飛び起きて、Fは桐生を睨んだ。
「今日お前を呼んだのには理由があってな…」
Fはゆらりと陽炎のように立ち上がる。
「お前を殺す為だ」
「F!やめろ!」
直人はFの足にすがりつこうと飛びかかったが、Fの残像を掴んだだけだった。
直人の背筋が凍った。桐生が殺されてしまう、そう思った。
「F×××××・エクバーグ、その力を支配する!」
闇の中で凛としたその声が大きく響いた。
「え……」
そう言ったのと、Fの首に桐生がナイフを突き刺したのと同時だった。
鮮血が辺りに飛び散り、Fは地面にガクリと膝を付いた。
「先輩…」
ゆっくりと、桐生は直人を見る。
174不覚のF:2006/01/05(木) 22:53:35 ID:zQrRWyn7
「F、ごめん…。俺がカステリットなんだ」
小さく、懺悔するように直人は告白した。
今なら届くだろうか、俺の心の叫びが。
それは何度も繰り返し、何世代にも渡って行われた無意味な想いだった。

彼には秘密の名前があった。
ノーレン・カステリット、もの心ついた時からその名前を口にする事は許されなかった。
祖父はイタリア人で悪魔払いを裏家業とする一族の出だった。
その血を八神直人は受け継ぎ、日本に生まれてきた。
JJ・カステリットの魂は、巡り巡って自分の血族に戻ってきたのだ。
Fが唯一愛するのはJJだけだと気づいたのは、いつの頃だっただろうか。
何度身体を犯され愛を語られても、心はいつも虚しく乾いていた。
自分はFのものだが、どこまで行ってもFはJJのものだった。
決心したのは直人の前、アレックスだった。ワシントンの桜の前で誓った。
この業に満ちた輪廻の糸を断ち切ろう、自分で終わらせよう。
その一ヵ月後にアレックスは死に、それでもまだ迷いのあった魂は
転生するまでに15年もかかった。
そして望み通りFを殺せる力を持って生まれてくる。律儀にも記憶を持って。
「桐生、ごめん。俺はお前をカムフラージュに使ったんだ…」
直人は当時、未だ踏ん切りがつかなくて犯罪者のようにコソコソとFから逃げ回っていた。
そんな大学生の時桐生と出会い、彼をカステリットに仕立てようと計画する。
初めて身体を重ねた時の事を覚えている。直人は自分から桐生を誘った。
それからFの役割をさせ、Fの代役として欲望を処理してきた。
桐生が霊感や勘が鋭い所があったのは全くの偶然で、
彼をカステリットに見せ掛けるには都合のいいオプションだった。
「本当に、俺は計算高いんだよ」
だけど桐生がナイフでFを刺すなんてのは計算外だった。
「三年前、お前との関係を終わらせたのは身勝手な理由だった」
直人は三年前のある夜、賑わう街でFとすれ違った。
勿論向こうは気付いてなかったが、直人の胸は高鳴った。
175不覚のF:2006/01/05(木) 22:54:42 ID:zQrRWyn7
自分を探しにすぐそこまで来ている、やはり殺せない、愛している、だけど…。
揺れる心の隙間に少しの期待が割り込んできた。
最後に賭けてみよう、本当に自分を愛してくれるかもしれない。
予防線として、直人はFに関する記憶を封じ込めた。
あっさりと桐生を捨て、自分の身体を餌にFを待った。
「な…おと…」
ヒューヒューと喉を鳴らし、Fは搾り出すような声を出す。
耳の奥でうるさく聞こえるのは自分の鼓動だけ。
直人は今何を告白したのだろうか、頭が回らない、視界が暗い、寒い。
「せ、先輩…。どうしよう、刺しちゃいました…」
青ざめた顔の桐生は真っ赤に染まる景色にやっと事の重大さを知った。
少し脅してやろうと思っただけなのに。
「大丈夫、これだけ血がなくなれば朝日が彼を灰にしてくれる」
泣きながら言った直人の声はどこか冷淡だった。
まるで別人のような直人に桐生は駆け寄った。
「まだ助かりますよね!先輩が血を与えれば回復するって前に言ってましたよね?
 死んだりしませんよね!?」
両肩を桐生に揺さぶられながら、直人はどこか遠い目で首を振った。
「もう、いいんだ…」
「先輩…?」
振り返るとそこに転がるFの体が小さくビクビクと揺れ、桐生は悲鳴を上げた。
「桐生、帰ろう」
直人は小刻みに震える桐生の手を取った。
そして一度も振り返る事なく、Fを残してその場を後にした。
最期にずっと見たかった桜を見れてよかった。
彼は死に際も美しく、やはり愛していたんだと直人は確証する。
頭の中で自分を呼ぶFの声がする。
公園を出てから初めて直人は振り返った。
その暗闇が二人の罪を隠してくれているようだった。
176不覚のF:2006/01/05(木) 22:56:19 ID:zQrRWyn7
直人、寒い、心細い、手を握っていてくれ。
Fは真っ暗闇で直人の手を掴んだ。頬にすり寄せ、その温もりを確かめた。
ずっと一緒に居ようと約束したJJの言葉が頭の中で繰り返し聞こえる。
喉は潰れて声にならない言葉を血と一緒に吐き出した。
それが彼の最期の言葉になった。イタリア語だった。
「ずっと一緒に」

次の日の昼中、竹下がFが着ていた服を抱えて家に帰ってきた。
Fの最期を看取ったのは彼だった。
真っ赤な唇だけが動いていて、最期まで誰かを呼んでいるようだった。
自分の血を与えようと落ちてたナイフで腕を切ったが、彼は口を付けなかった。
JJ以外の血は飲まない、Fは死ぬまで約束を守ったのだ。
「灰になったよ…」
手元に残ったのは血だらけの服だけ。
屋敷内は荒い息使いと汗の匂い、嗅ぎ慣れない煙草の匂いもした。
現実逃避するように、桐生は一晩中直人を抱いた。
Fと暮らしたその家で、Fの匂いの残るベッドで、直人は快楽の悲鳴を上げていた。
「んあっ、F…。も…無理…」
直人が口にする名前に竹下はギョッとした。
「直人…」
滑稽にも桐生もFの真似事をしている。
煙草をくわえ直人を激しく突きながらカメラを構えていた。
竹下はそんな光景を青ざめた顔でしばらく眺めていた。
両手に血だらけの服を抱えて、やがてぽつりぽつりと話し出だす。
「いつか、Fさんが話してくれたよ。
 なんであの絵の中の人物達はこっちを見てないのかって事。
 JJは俺を愛してくれたが、彼以降は俺だけが一方的に愛してしまったって。
 いつかこちらを見てくれないかなって言ってた。
 …八神君、彼はちゃんと君を愛してたんだよ」
愉悦の声を漏らして、桐生が何度目かの絶頂を迎える。大きく喘ぎ直人も達した。
177不覚のF:2006/01/05(木) 22:58:58 ID:zQrRWyn7
「全部君の為に言葉を覚えたのにね…。
 こういうのを言葉が足りなかったって言うのかなあ…」
窓から差し込む日が埃をまとって直人を照らす。
直人の目に涙が溢れた。
「なんでそんな辛い恋をするのって、僕聞いた事あるんだ」
竹下も泣いていた。
「何度も諦めようとしたけど、毎回君に会うと不覚にも愛してしまうんだって」
汗と涙が直人をキラキラと飾った。直人は静かに泣いていた。
「彼にはどこに行ったのかな、どこに行ったら会える?」
竹下の言葉は気丈で、何か固い決意のような含みがあった。
しばらく景色が止まった。
やがて直人は思い出したかのように息を飲んだ。
俯いた顔を上げ、真っ直ぐに彼を見て言った。
「きっと…イタリアだ」
その言葉に竹下はいつもの明るい笑顔を直人に返した。
「今度は僕が追い掛けるよ。君の絵も、昨日撮った写真も持っていく」
直人は思わず笑ってしまった。
「そうですね、今度は忘れないで下さい」

〔おわり〕

実は初投下でしたので、空気読めてなかったらすいません
見直したら誤字が多かった申し訳ないです
矛盾してるかもだけどすいませんです
あと明けましておめでとうございます
178名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/05(木) 23:01:32 ID:ZNW1KuJU
うああ、Fタソ乙!!
なんというか言葉にならん! 探して、探し続けて欲しい…!! GJ!!
179名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/05(木) 23:30:16 ID:fI7Guqzf
乙でした!
いつか孤独な二つの魂に真の救いが訪れん事を。
タイトル、改めて秀逸だと思いました。
180名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/05(木) 23:44:46 ID:5U0Hh2nL
>177
乙でございました
あけましておめでとうございます
181名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/06(金) 00:48:18 ID:p5N4dwLW
不覚GJ!!
このスレで初めて泣きそうになった作品を読んだ。
182名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/06(金) 01:23:27 ID:Qq7vVgHW
Fさん、乙でした。
不覚って、そういう事だったんですね…。
183名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/06(金) 01:33:59 ID:vwvBUVFi
F、か、可哀想だ
乙でした…
会えるかな、会えるよね
184名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/06(金) 02:04:39 ID:GBWwTmvq
切ない…(つД`)・゚。
いつか救われて欲しいな。
不覚タソGJ!!!お疲れ様でした。
185名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/06(金) 10:00:48 ID:3uF8cQB1
不覚タソGJ。朝から泣いた…。
ほんとにほんとに乙でした。
186名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/06(金) 14:18:49 ID:tEjv7bW5
不覚タソGJ!!!!
結末が気になるから早く終わって欲しいけど、
楽しみがなくなってポカーンになるから終わって欲しくない…
そんな作品でした。
本気で乙でした!
あけましておめでとうございます。
187名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/06(金) 15:32:15 ID:FTMwf4sd
乙です
なにげに伏線が丁寧に散りばめられていて、良作だと思いました
188名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/06(金) 22:42:15 ID:BaZC5RZ+
不覚タンお疲れ様です!
「不覚にも愛して〜」のところで号泣しちゃいました…
また会えてるといいな。
189名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/07(土) 00:16:59 ID:XofgMukP
職人さん求む
190雪隠詰:2006/01/07(土) 21:16:35 ID:HZi+MWh4
「やっぱ…ムリ、です。ムリ…」
わけもわかぬまま、見知らぬ男に陵辱された。しかもそれは、帰省途中の
揺れる機内での出来事だった。
「もう…ダメだ、限界…すいません、あの、すいません、トイレ…」
真治は陵辱した張本人に、頭を下げて頼み込む。気持ちはどうあれ、
今はこの男にしがみついていなければまともに歩けないのだ。
「だらしないな、ったく。そら、そこのトイレに。ほらしっかり立てよ」
最終便が到着し、がらんとした待合には誰もいない。遠くの通路を
従業員が歩いていくのが見えた。男に抱えられるようにしてトイレに入る。
便座に向かって壁に手をつくと、男が真治のズボンをずり下ろした。
そのままタンクにしがみつくようにして便座にまたがる。人に見られて
恥ずかしいなどという気力は、とうに失せていた。
「実家に電話しろ。きっと心配してるぞ」
不意に男が真治の頬に携帯を突きつけた。ぼやける視界、わななく指で
なんとかダイヤルすると、震える息を整える。
「あ、オ、オレ、真治」
うわずった声をなんとか落ち着かせる。
「うん、キャンセル待ち、してみるけど、うん、うん…」
真治が話している間、男はドア裏に荷物をかけ、なにやら中身を探っている。
191雪隠詰:2006/01/07(土) 21:17:09 ID:HZi+MWh4
「終わったか。どれ」
真治の手から携帯をもぎ取るようにすると、もう一方の手を下へと伸ばした。
「うっああっ」
真治の身体の中身を無造作に指でかきだす。溶け出してぬめるキャンディを
探り当てた指は、うねうねと腸の入り口をかきわけ、その球体をえぐるように
誘い出す。くぽん…と、崩れた紅い玉が水の中へ落ちる。
指でかき出されたキャンディは、表面がゼリー状にぷるぷるとしていた。
「これは腸の中で水分を吸ってね、ちょうどカエルの卵のようになるんだ。
言っただろう、うちのヒット商品。Forbiddenってシリーズで出してるんだよ。
上の口用と下の口用、カラーもいろんなのがある。紅がきれいに出てるだろう」
うっとりとしているような口調で、しかしかすかに笑いながら、男はまたひとつ
指でキャンディを掻きだす。真治の、タンクにしがみつく腕に力がこもる。
「ほら、もう一個だ…ああ、かなりふやけて膨らんでるな。ぐじゅぐじゅだ」
つぽん、と音を立てて二つ目が落ちる。
「私はあの、浣腸っていうのがあまり好きではなくてね。これは、力んで生めば
浣腸と同じ効果があるんだよ。まあ、ほっといても一晩くらい経てば体温で溶けて
液状になるがな。でもこの“産卵”が気持ちいい。スキなヤツはこれだけで
何度もイケるっていうぞ。どうだ?気持ちいいか?」
真治は必死で首を振る。
192雪隠詰:2006/01/07(土) 21:17:43 ID:HZi+MWh4
「ハッハ、まだ意地張ってんのか。しょうがないな。さて…」
男はまた指を差しいれ、真治の入り口に指をかけ、引っ張るようにして徐々に開く。
「はんっんんっんぅ」
「リキめ。ほら、卵産むんだよ」
「ふっんうんっ…はっんっんんっ」
奥のほうでふやけて膨らんでいた玉がムリムリと押し出されてくる。ちゅぽんと音を
立てて紅い卵が便器の中へ落ちる。真治の額に汗がにじむ。全身が粟立つ。
はぁはぁと浅く息をつきながら下腹に力をこめるが、次の卵はなかなか生まれない。
「ああ、膨らみすぎたか。ちょっと待てよ」
男はバッグに手を差し入れ、今度は銀色のパックを取り出した。
「さっき飲んだろう、ペットボトルのを。これもForbiddenシリーズでね、新製品の
“クリア”だ。キャンディはレッド。ちなみに女性用はピンクと…」
男は楽しそうに言いながら、プラスティックの飲み口をひねる。ペットボトルに
入ったものと同じドリンクが、銀色のパックに入っているという。
「さて。尻上げろ、ほら、上げるんだよ」
平手で叩かれ、真治はべそをかきながら腰を浮かせる。
男はドリンクの飲み口を、紅いゼリーに汚され、ねとつく真治の入り口へとねじ込む。
「ゼリー飲料があるだろ。ああいうのより、飲み口が長く作ってあるんだよ。つまり」
193雪隠詰:2006/01/07(土) 21:19:18 ID:HZi+MWh4
ひねるようにしながら、ゆっくりとさらに奥へとねじ込む。真治の耳に口を付けて男が言う。
「こんな風に、使えるようになってるわけだ」
男が銀色のパックを握り締めると、プラスティックの飲み口からぬるい液体がぐじゅ、と
注ぎ込まれる。
「あっはぁあうっ」
「ハッハ、いい声がでるじゃないか。少し我慢しろ。これでスムーズに出てくるだろ」
パックをさらにぐじゅぐじゅと握り締めながら男は笑う。
「ひっいっ」
「まだ我慢だ。奥まで飲みこまないと、卵が中に残るぞ」
ひっ、ひっと声にならぬ声を洩らしながら真治は耐える。
男は真治の後ろにパックの飲み口を突き込んだまま、しばらく腕時計に目をやる。
「まあこんなとこでいいだろう。しゃがめ」
真治がそろそろと便座に腰を下ろすと、男が指を差し入れてくる。
「やっめっ、あっ」
指で端をひっぱるように穴を開かれ、真治は堪えきれぬ力が入るのを感じる。
「ふっんっんんんっ」
ちゅぽん、つぽん、と次々に便器の中へ紅い卵が落ちていく。
一つ一つ、紅い卵を産み落としていく真治のシャツを、空いた手で男がめくり上げる。
194雪隠詰:2006/01/07(土) 21:20:23 ID:HZi+MWh4
「ほら、どうだ。乳首つままれるとたまらんだろ。つながってんだよ、下とここは…」
「いっ…ひっ…」
「どうした、脇が汗びっしょりだぞ」
男は真治の脇に手を差し入れる。脇の下に親指を突きたてながら、中指は乳首をまさぐる
「くすぐったいのと、気持ちいいのとどっちが勝つかな」
ほくそ笑みながら耳元で囁く。真治はあえぎながらも一つ一つ紅い玉を産み落としていく。
「ふっんっ…っく、んんっ」
「いい眺めだ。このまま全部生めば腸の中もきれいになるぞ。浣腸よりずっと素敵だろう」
「んんっく、はっんんっ、んんっ」
やがて卑猥な水音を立てて、真治は腸の中身を放つ。男はそれを丁寧にふき取ると水を流す。
「さあて。これからだ、本当に楽しいのはな」
そういうと男は真治の目の前に肉色の物体をかざしてみせる。
「ソーセージ、好きか?」
真治は首を振る。一刻も早く解放されたかった だが頭を振ると目の前がぐらぐらと揺れた。
男はにやりと笑うと、その物体をぐねぐねとうねらせて見せる。
「さあ、これはどうやって使うんでしょうか」
「もう、やめて、下さい…」
「ただのソーセージと思いきや、ほら、こうだ」

−−−−−−−−−−−−−
今回はここまでです。
195雪隠詰:2006/01/07(土) 21:22:56 ID:HZi+MWh4
スカ有表示を忘れました。すみません!
196名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/07(土) 21:27:12 ID:uIvF/lh7
>>190-194
すみません、おもちゃのアイディアとかすっごい萌えなんですが
モノの描写は無いですがほぼ浣腸プレイだと思うので
できればスカ注意の表示をお願いできませんでしょうか。
ダメな人も多いと思うのですが。

>1
>●SS書きの方への注意
>・スカトロ、フィスト、切断等のハードプレイは名前欄にその旨を記入する事。
> 数レスに渡る作品の場合は、その描写のあるレスすべてに、
> 内容の注意書きを直前に入れて数行改行後に投下して下さい。
197名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/07(土) 21:28:09 ID:uIvF/lh7
う、リロすればよかった。
>190-195さんごめんなさい。
198名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/07(土) 21:29:31 ID:XofgMukP
ぐぐぐぐぐぐぐGJ――――!!!!
まさか続きがあるとは…!禿げ萌えた…
攻め氏の横柄さと強引さが素敵だw
続き期待してます!
199雪隠詰:2006/01/07(土) 21:44:37 ID:HZi+MWh4
ス カ 苦 手 な方は【 雪 隠 詰 】を
N G ワ ー ド にして下さい。
こんなレスで今からでも間に合えばと期待して…

>>196-197さん、こちらこそすみませんでした。
200名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/07(土) 21:55:40 ID:bBoALcQn
社長キタ━━━━(*´Д`)━━━━!!!!
スカ好物ですよハァハァ
今から続きが待ち遠しい…
201名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/07(土) 22:07:23 ID:pulhHHkt
続きキタハァハァ。トイレで凌辱プレイ、しかも妖しい玩具使用って禿しくエロい…。
言わずもがな続きにwktx。
202名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/07(土) 22:41:27 ID:iTbxCuQN
そうか、これもスカだったのか
スカダメだと思ってた私がすんなり読めたので
なにも感じなかったよ。閾値ってひとそれぞれなんだなぁ…

なにより社長GJ!
203名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/08(日) 03:03:43 ID:D5fvbuie
続きあった──────(゚∀゚)──────!!
wkwkwkwk
204名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/08(日) 04:17:12 ID:4MMAP6GB
スカだと気付かなかった
新製品いい仕事しているw

あぁ…続き禿見たいのに放置プレイ
プライドタソとか(´ω`;)
205雪隠詰:2006/01/08(日) 20:46:57 ID:DUMLkTel
男がソーセージと呼ぶ、樹脂製の物体の端には細い二本の管がつながっている。
その先のごく小さなポンプを男が握ると、その物体は徐々に膨らんでいく。
「ほら、おもしろいだろ。縁日でこういうおもちゃあったなってカンジだろ。なあ?」
楽しそうに言う男の目が、しかし笑っていないように見えて真治は小さく身震いする。
「で、こっちから空気を送ると…」
男の手の中の物体を見れば、今までつるんとしたソーセージのようであった
表面がぼこぼこと波打っている。さらに男がポンプを握ると、その表面は
ぼつぼつとしたイボ状の突起を浮き上がらせた。
「中が複層構造になってるんだよ。さっきのだとただ膨らむだけ。
で、こっちから空気を入れるとこのイボイボが出っ張って…」
そこまで言うと男は真治の耳元に口を寄せる。
「スゲーよくなる。なあ、真治」
真治は目を見開いて男を見上げる。
「なっ、んで、オレの、名前」
男は堪えきれないように声を殺して笑い、耳に受話器を当てる身振りで言った。
「バカだなお前、さっき自分で言ったろう。“オレ、真治”。まあ、聞かなくてもすぐ
分かることだがな。お前の実家の番号も保存されたし、逃げようなんて考えるなよ」
真治は自分の間抜けさに呆然となった。目の前で舌なめずりする男に、
これからどんな目に合わされるのか想像もつかなかったが、もう逃げられないのだ
ということだけは、ぼやけた頭で理解した。
206雪隠詰:2006/01/08(日) 20:47:58 ID:DUMLkTel
【スカあり】


男が真治の後ろに、手にしたものをあてがってくる。腸内に残っているらしい
紅いゼリーが、ぬめりをもって肉色の柔らかな棒を誘い込む。
「なっ、あっやめて、やめて下さい、もう、もう、いやだっ…」
腸の中をぬるぬると舐めるように這い回る感覚がある。ニヤけながら真治を
見下ろす男の顔と、柔棒の執拗な動きが相まって、真治を嫌悪感で硬直させる。
「全部入ったぞ。分かるか。ほら、少し大きくしてやろう」
シュ、シュと音がしたと思うと、胃を押し上げられるような気分の悪さが真治を襲う。
「や…め」
「さあて。真治、これ押し出せ」
髪を掴んで顎をそらせると、真治の口元で男が囁く。
「踏ん張って押し出してみろ、気持ちいいぞ」
言いながら男は、真治の後孔に指をかけ、開くようにする。
「あーっあっぐっ…ふっん…んんんむぅっっ」
意思に反して、身体がそれを押し出そうと、真治を力ませる。柔らかな
樹脂の棒が紅く濡れて、真治の出口からその身をよじらせながら姿を現す。
「ハハハぁ、上手だぞ真治。でな、これをだ…」
男は言いながら、樹脂の棒をふたたび真治の中へとねじ込む。
「ひっ…いあっあっ」
207雪隠詰:2006/01/08(日) 20:48:53 ID:DUMLkTel
【スカあり】


「ほら、ほら、どうだ?こんなカンジ、今までにないだろ。ほーら、また全部飲み
込んだ。お前、くいしんぼだなあ真治ぃ」
くっ、と声を殺し、真治はタンクにしがみついて耐える。男の指がまた真治の
後孔に割り込み、そこを無理矢理開こうとする。
「やめってっ…やめて、下さい。もうっすいません、助けてっ…ごめんなっさっ」
ニチニチと粘性の音をたて、濡れた柔棒がその身をよじらせながら出てくる。
「なんでもしますっ、なんでもっ、しますっ、から、かっ勘弁…」
「ああ?なんでもするだぁ?何言ってんだよお前」
男は笑いながら、また真治の“排泄”した棒を、無造作にねじ込む。
シュ、シュと音を立てて空気を送り込むと、真治が身体を仰け反らせる。
「キツ、いっ、あっキッ、つっ、キツイぃっ」
孔を押し広げられ、押し殺した呻きを上げながら真治が何度目かの“排泄”をする。
それが少し顔を覗かせたところで男はぎゅっと握り締め、また乱暴に突き上げる。
「はっあああっ、やめってっあっやめて、くださっあっ」
「すっげえいいだろ、なあ」
ほとんど笑っているような声で真治に言う。真治の目じりに涙が滲む。
「さあて、今度はこれ。なーんだ」
そう囁きながら男は、真治の目の前、タンクの上に男はまた小さな物体を置く。
置いた、と見えてそれは、つるつるとしたタンクの表面にしっかりと吸い付いて
いた。ごく小さなそれは、タコを模したように見える形の吸盤だった。
208雪隠詰:2006/01/08(日) 20:49:58 ID:DUMLkTel
【スカあり】


「私はタコちゅう君、て呼んでるんだ。間抜けだろ。しかしこれが使えるヤツでねぇ」
ちゅっと音をたてて、その吸盤の頂点に人差し指を突きつけると、男は他の指で
器用にそれを扱くようにした。すると吸盤はくるりと裏返って男の指にかぶさった。
「まずは、オーソドックスに」
その指を真治の胸に這わせると、乳首にその吸盤をあてがう。ぐっと押し付けると、
真治の小さな突起はくるりと裏返った吸盤にくわえ込まれた。さらに男は、吸い付いた
タコの頭を指先でつまむ。真空状態になった半球の中で、真治の乳首はきつく
吸い上げられている。真治は、あ、あ、と声を洩らしながらひたすらタンクにしがみつく。
さらに男はもう一つの吸盤も、同じように真治の胸に吸い付かせた。
「どうだ?ずっと吸われてるみたいだろ。後ろいじられながらこれやってると、いい
具合だぞ。乳首も肥大して、ちょっとシャツがこすれただけですんごいだろ、ほら」
吸盤の上を男の手が弾いていく。情けない声を洩らしながらも、真治は抵抗する
力を失っていた。背後では、“排泄”したものを無理矢理押し戻される。その動きは
執拗に続く。真治は、痛みや気持ちの悪さに段々慣らされていく。
「ほら、わかるか。すっごいイボイボ。これ飲みこんでるんだぞ。スケベだなあお前」
気狂いじみた笑い声をたてながら、男の手は無遠慮に真治をいじめつづける。
腸壁の、S字に曲がるあたりを執拗に突かれ、不意に真治は水音を立てて小便を
もらした。情けなさに、目じりから涙がこぼれる。
「洩らしやがって…そんなに気持ちいいか。じゃ、今度は本当にいかせてやろうな」
シャツの上から吸盤を仕込まれた胸を男が無造作にまさぐる。吸い付かれた痛みと、
敏感になりすぎた感覚に真治は唇を噛む。その口からは耐え切れない嗚咽が漏れた。

今回はここまでです。
209名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/08(日) 20:59:59 ID:bgPo/OIT
社長、キタ―――(゚∀゚)―――!!!

ありがとう、ごっつあんです
でも、トイレ広すぎ。あ、多目的トイレですか?
210名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/08(日) 21:36:19 ID:tBdJoQ+w
おもちゃ社長キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!
続きを楽しみにしております

なんか読んでてド/ラ/え/も/ん思い出しちゃったよ……
「タコちゅうくん〜〜!!」←信代の声で
211名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/08(日) 22:09:18 ID:Z5hE0dCe
社長、鬼畜だぁ(*´д`*)ハァハァハァアハァ
212名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/09(月) 01:12:07 ID:09a/ATml
ファミレスでデザート喰いながらここ見ちゃうよ。社長さん、素敵なデザートを有難うw
玩具のアイディアがおもろいなぁ。
213名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/09(月) 11:29:06 ID:Cb5IagNP
鬼畜さとエロさに(*´д`)ハァハァしながら読んでたけど迂闊にもタコちゅうくんで笑ってしまったw
なにはともあれ雪隠詰さんGJです!!
214名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/09(月) 12:12:28 ID:vMUqX4Gz
鬼畜の王道な展開に禿萌える(;´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア
215名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/09(月) 12:58:40 ID:0/aV5yWZ
(●´∀`●)しゃ、社長!GJ〜!!!!!!!!!!!!!!!!
216名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/09(月) 13:24:45 ID:P19fYKmh
スノートイレたんGJ!
あなたが大人の玩具屋さんの商品開発部で働けば、玩具の世界は格段に広がると思われ…(´∀`*)
217雪隠詰:2006/01/09(月) 22:00:19 ID:rkbH+Mr0
執拗に排泄を繰り返させられるうち、真治のペニスからは透明な粘液が
にじみ出してくる。
「お前、すごいな。初めてだろ。素質あるんじゃないか」
濡れた先端を指の腹でゆるく撫でながら男が笑いを含んだ声で言う。
「なあ、気持ちいいんだろ。気持ちいいって一回言ってみろよ。楽になるぞ」
真治は唇を噛み締めたまま首を横に振る。
「いやだ、やだっ、もう、勘弁して、くっ、ください」
「しょうがねえなあ。じゃ、これ使うからな」
男の指先には、先に使ったのより少し大振の吸盤があった。
「タコちゅう君よりでかいだろ?どこに使うと思う?」
背後からぴったりとのしかかったまま、真治の耳元で囁き続ける、いかにも
楽しそうな男の、しかし目だけが冷静なのを真治は視界の端で感じ取った。
―怖い…こいつ、怖いよ…―
「なんで、なんでこんなこと、するんですか、オレ、オレは…」
「はーい、もう戻れない世界へいらっしゃーい、だ」
男は指にかぶせた吸盤を、真治の背後へと忍び込ませる。
「はっ、あっ、あ、あ、あ」
散々柔棒にさいなまれ、ふやけたように慣らされた入り口を、吸盤を挟んだ
男の指がこじ開け進んでいく。突き当たるようにして、吸盤が真治の中に
吸い付いた。
218雪隠詰:2006/01/09(月) 22:01:05 ID:rkbH+Mr0
「じゃ、いくぞ」
露わにしたペニスを、男は突き立ててくる。下から追い立てるようにして
腰を揺らしながら男が言う。
「ああ、“シチュ”決めようや、な。えー上司と部下…違うな。兄弟。そうだ、
異母兄弟なんてどうよ。年離れてるし。よし、お前“後妻の子”な」
―こいつ絶対、頭おかしい…―
真治は、男の言葉を聞きながら、正体の見えない恐怖に身体を
強張らせていた。頭のイカレた男に、逆らったらどうなるか。好き放題
陵辱された挙句、冷たくなった自分が床に転がる絵が頭をよぎる。
誰も通らない、こんなトイレの片隅で、今自分は命の危険にさらされて
いるのかもしれない。そう思った途端、逆らうことは出来なくなった。
「なっ。じゃ、私が“兄さん”だぞ。兄さんって呼べよ」
恐怖で真治は囁くような声しか出せない。
「兄さんっ…兄さんっ」
「どうだ、真治。どんな感じか言ってみろ」
震えながらも、あまりの恥ずかしさに首を振る。
―ばかだ。こんなの、頭おかしいよ、こんなの…―
「だめだろ。イイとかやめて許してとか、なんかあるだろう」
とうとう、真治の頬を涙が伝った。
「やめて…許して、兄さん…こんなの、こんっ…おかしいっ、よっ」
「アハハぁ、真治、気分出すなあ。うまいぞ」
腰の動きをゆるめないまま、笑い声をたてる男に真治は身震いする。
219雪隠詰:2006/01/09(月) 22:01:39 ID:rkbH+Mr0
「兄さんっ兄さっ……あっあっ」
さらに激しく突き上げてくる男の動きに、真治は揺さぶられる。
男が腰を引けば、中で吸盤が真治の中身を吸い上げる。腸壁を吸われる
感覚に、真治はひきつるような声を洩らす。
「おお、いいぞ真治。奥でぶつかってこれは…さすがだな、うちの商品は」
声を殺しても漏れてしまう。兄さん、兄さんと囁くように繰り返しながら、
真治は次第に尻を高く突き出す。
「気持ちいいんだろ。なんとも言えないだろ、これ」
黙って首を横に振る。しかし、真治のペニスからは粘液がたれ、脚の間に
渡るズボンにしみを作り始めていた。
「すごいぞ真治。前がびしょ濡れ。初めてのクセにこんな感じちまうのかよ」
シャツの上から胸をまさぐられ、身体が揺れるほど突き上げられる。
「いい身体してんなぁお前…ほら、イイって言ってみろよ。気持ちいいんだろ」
真治の耳を咬むようにして男が囁く。しがみつかれたタンクはがくがくと揺れ、
音をたてる。霞がかかったような視界が、ぼんやりと紅く染まっていくようにさえ
真治は感じる。今はただひたすら、突き上げてくる熱に身をまかせていた。
「兄さんっ…兄さっ…んっ、あっ、いっイイっ…」
「お客様。大丈夫ですか?お客様!」
突然、従業員らしき男の声が響く。その声は足音と共に近づいてきた。
男の動きが止まると、真治は思わず目を閉じた。
「お客様、こちらでしょうか?ご気分でもお悪いので…」
220雪隠詰:2006/01/09(月) 22:02:18 ID:rkbH+Mr0
無粋なノックがドアを揺らす。しかし男はフンと鼻を鳴らすように笑うと、真治と
つながったまま、ゆっくりとドアロックを動かした。男の身体にぶつかって、
内開きのドアは半端な位置で止まる。警備員らしき若い男が覗き込む。
「どうかなさいましたか。あの、なにか声が聞こえたように思いましたので」
男はドアの隙間から、外の人物に明るい声で返事する。
「ああ、よかった。いや、最終便でね、ほらあの引き返してきた…あれで
着いたんだが、隣の人が酔ってしまってね。ちょっと貧血もあるようなんだ」
「ああ、そうでしたか!では…」
「担架か…いや、車椅子がいい。用意してもらえるかな」
「はい、急いで持ってきますので、少々お待ちください」
若い警備員は慌しく駆けて行った。男は音をたててロックをかける。
「さて、これでお前はめでたく私の手を逃れていくわけだ。よかったな」
男はあっさりとペニスを引き抜いた。
「あ、あ…」
「このまま終わっていいのか?え?真治」
耳元で男が囁く。喘ぎながら、真治はゆっくりと、小さく首を横に振っていた。
男はかすかに目を細めると、一気に後ろから貫いた。
「いっ、イイっ、イイぃっ、はぁあっ」
「もう声は出すな。あいつが来るぞ。“少々お待ちください”だからなぁ」
真治は唇を噛んで必死に声を堪える。それを見て男は鼻で笑う。
「声を我慢するとよさが倍増だろ。どうだ?真治」
男の手が真治のいきり立ったペニスをきつく握ると、一気にこすりあげる。
真治の粘液が飛び散るのを感じてか、男もさらに激しく突き上げた。
221雪隠詰:2006/01/09(月) 22:05:55 ID:rkbH+Mr0
ほとんど人影のないロビーは、ひときわ寒々として見える。
男が女性スタッフと話しているのを、車椅子の真治はぼんやりと眺めている。
「申し訳ない。私は仕事があるので、ここで失礼するが」
「はい。こちらのお客様はわたくしどもが責任をもって…」
荷物を膝の上に抱え、放心している真治に歩み寄ると、男はそっと囁く。
「お大事に。そうだ、仕事のことならいつでも相談に乗るよ」
怪訝そうに顔を上げる真治に、男が微笑む。優しい目をしたまま、真治の手元に
名刺を差し出す。
「うちはDVDも出してるんだよ。なかなかの演技だったぞ。出演する気はないか」
他の誰にも聞かれぬ声で囁く男に、真治は驚いて目を向ける。
「その前に、私の専属になるっていう道もあるがな。まあ、気が向いたら来なさい」
そう言って名刺を裏返す。
「ここにいるから。年明けまで…」
名刺を持つ真治の指先をそっと撫でて、男は背を向けた。
「あ、そうそう」
思い出したように振り向いくと、男は周囲に響くような声で言う。
「たこちゅう君は分で外せよ。いいな」
真治は頬を強張らせて目を伏せる。にやり、として男は手を上げると、長いコートを
ひるがえして真治の視界から消えた。
真治は名刺を両手で持ったまま、裏に書かれたホテルの名をじっと見つめていた。

おわりです。ありがとうございました。
222名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/09(月) 22:12:48 ID:QBMx0KKm
ふわぁ〜!
す、ステキでした社長ー!!
名刺握り締めてホテルに向かう真治君が目に浮かびます。

ご馳走様でした。
223名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/09(月) 22:13:14 ID:RpQ+rI9e
萌え震えた。
その後はやっぱり社長の元にいっちゃうのかな…嫌々だったのが感じ出す様子が萌えでした。
シチュプレイ好きな社長素敵w

終わっちゃうのは寂しいけど…乙でした!
224雪隠詰:2006/01/09(月) 22:32:40 ID:rkbH+Mr0
>>221
>振り向いくと、→ 振り向くと
>分で外せよ。 → 自分で外せよ。
無粋ですが誤字訂正させていただきます。気づいた分だけ。
続編が鬱陶しいと思われた方がありましたらお詫びします。
もう続きはありません。ありがとうございました。
225名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/09(月) 22:43:37 ID:BPCypYMe
>>224
もう続きはありませんって( ´Д⊂ヽ

続き気になります。めちゃくちゃ気になりますよ〜

とりあえず自分では外せないと思います、中のたこちゅう君……
226名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/09(月) 22:56:07 ID:vMUqX4Gz
(゚∀゚)=Зエロイナ!!
掴み所の無い社長のお人柄がとっても気になる。
乙でした。
227名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/10(火) 01:52:43 ID:FVSjsTSm
かなり今更ですが不覚タン乙!とっても好きなお話でした。
読み終わってからじわじわ感動の余韻がくる素晴らしい作品です!本当にGJ!
是非また此処に書いてください。待ってます。
228名無しさん@ローカルルール変更議論中:2006/01/10(火) 06:25:20 ID:EyS9bvU6
社長…
ちょっと基地外っぽいとこが本当にイイヨ…
ぜひ専属になってしまうという続きを(ry
229名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/11(水) 11:27:58 ID:WiQju/z6
せっちんタン乙!
すっごいツボだたーよ(´ー`)b
また待ってる!
230名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/11(水) 22:32:19 ID:WLXn5GCH
神様降臨求。
231孤独の宙:2006/01/12(木) 01:17:22 ID:Ypr5sXSO
前スレから続きです。
※触手描写あります

カイは台の上に四つんばいになり、腰を上げさせられていた。
カイの下半身にはびっしりと触手がまとわりついている。
それらが、代わる代わるカイを犯していた。
「……っ、う…」
すでに腕は体を支えることが出来ず、崩れてしまっている。
内腿をねっとりと触手が這う感触に、カイは背筋を震わせた。
「あ……ああぁっ! う……っ」
悲鳴をあげながら、カイは達した。
もう何回目だろうか……頭の中がしびれて、なにも考えることができなかった。
ぽたぽたと台の上に、自分の出した体液が滴り落ちるのがわかった。
一本の触手が台の上を這い、カイの出したものをからめとる。
そして、カイの口へと突き入れてきた。
「ん、ふ……ぅ…っ」
自分の出したものを舐めさせれ、カイの目に涙がにじんだ。
むせそうになる。けれど、それを拒むことはできなかった。
もう抵抗するような気力がないのだ。
一体ここはどこだろうか。自分はいまなにをしているのか……。
もしかして、自分は死んでいるのかもしれないな、とカイは触手に乳首を舐めとられながら思った。
ここはあの世で、自分は生前犯した罪に対する罰を受けさせられているのではないだろうか。
そうでなければ、こんな目にあわされる説明がつかないではないか。
232孤独の宙:2006/01/12(木) 01:18:16 ID:Ypr5sXSO
※触手描写あります。

「あ、……あぅっ!」
乳首に吸い付かれ、カイは悲鳴をあげた。
反射的に手で払おうとするが、すぐさま触手に巻きつかれて両腕を押さえつけられた。
尻だけを高く突き出した格好で手足を拘束され、触手に犯されている。
あまりにも無様な格好に、涙を零した。
「あ…っ! 痛っ…、や、めろ……」
固く尖った乳首をこねまわされ、押し潰される。
そこはすでに赤く腫れるまで嬲り尽くされていた場所だった。
背筋を走り抜ける電流のようなむずがゆい快感に、カイは喘いだ。
(さっき、痛いって言ったなよな、俺は……)
カイは悲鳴をあげながらも、さっき自分の口に出した言葉を思い返していた。
(痛い、やめろ…か)
後孔から触手がずるりと抜け出し、新しい触手がカイを犯し始めるのがわかった。
触手にも個性があるらしい。
先ほどの激しい責め方をするものとはうって変わって、緩慢な動きでカイを焦らしてゆく。
(「やめろ」なんて、触手相手になに言ってんだかな、俺…)
カイは笑った。触手に人格のようなものを投影してしまう、自分が滑稽だったのだ。
ここにきてから、誰とも話していない。誰とも会わない。
ひたすらこうして触手と交わりつづけている。
いったい、自分は何なのだろう……。
(さみ、しい…)
誰でもいいから、人に会いたい。誰かに話しかけてほしい、触れてほしい。
そうでなければ、自分はきっと狂ってしまう。孤独で、孤独で気が狂いそうだ…。
「さみしい…」
堰きを切ったように涙が溢れ出した。なにかが限界を向かえたのだろう。
カイは声をあげて泣きだした。
「さみしい、ねえ、さみしいよ…」
カイは、自分の腕に巻きついている触手に呼びかける。うわごとのように。
一本の触手がほどけ、カイの唇にそっと触れた。
233孤独の宙:2006/01/12(木) 01:19:46 ID:Ypr5sXSO
※触手描写あります。

体中触手に絡みつかれ、犯されているカイの姿が、モニターに映し出されていた。
アルマンドはクーラント社の一級技術師で、この調教システムの開発に携わった実績があった。
ルールは彼の上司で、クーラント社の注文商品の担当だった。
彼らはふたりともモニターの前に立ち、椅子に座った男と向かい合ってた。
椅子に座っているのは、紺色の軍服姿の男だった。
男は、アルマンドたちと同じような白銀色の髪に、緑色の目をしていた。
軍服はネクタイに開襟型のシングルブレストのジャケットで、腰にはベルトを締めていた。
軍の制帽はいまは脱いでいて、脇に置いてある。銀色の髪が短く整えられているのがわかった。
男は黒い手袋をはめた手を膝の上で組み、モニターを眺めていた。
モニターにはいくつもの角度からカイが映し出されていた。
弱々しい悲鳴が響いてくる。
いまちょうど、カイがイったところなのだ。
「いかかでしょう? 閣下」
ルールは椅子に座った男に尋ねた。その態度はこの上なく慇懃だ。
「ん……。まあ…いいんじゃないか」
閣下と呼びかけられた男は、そう吐き出しながら足を組みなおした。
いかにも気のなさそうな風を装っていたが、ルールは傍らのアルマンドにそっと目配せをする。
どうやら、自分たちの仕事はこの依頼主、パスピエ少将の気に入ってもらえたらしい。
「それにしても…ここまで調教するのにどの位かかった?」
とパスピエが問い掛けた。
「ざっと、二百時間程度でしょうか」
ルールが答える。
「その程度でか?」
パスピエは驚いた。
モニターの中のペットは、すでに触手の思うように感じてしまっているではないか。
カイは先ほど後ろだけで達したときに、気絶してしまったようだった。
アルマンドはパスピエに断ってからモニターに向かい、触手に指示を出す。
触手がカイの体を拭い始めるのが、モニターの映像からわかった。
234孤独の宙:2006/01/12(木) 01:21:55 ID:Ypr5sXSO
「……それにしても、ずいぶん参っているようじゃないか」
「それはそうです。そうなるようにいたしましたから」
とルールが説明し出した。
「地球人は、宇宙の中でももっとも孤独を嫌う種族です。むろん個体差はあります。
ですが、完全に外界と遮断された状態に追い込むと、百時間も精神が持たないのです」
「なるほどな」
パスピエがうなずいた。
「その隙をうまくつけば、いかなる調教も可能です」
地球人のペットは宇宙の上流階級や金持達の間で人気が高く、最高級品の扱いを受けている品種だった。
彼らは感度が抜群なうえに、進化系統が宇宙中のどの種族にも対応しているために、どんな星の人間でも
性奴として飼うことが可能だったのだ。
個体の絶対数は、一つの星に住む種族としては多い方だが、乱獲は禁止されている。
そのため、市場にペットとして出回っている数が少なく、手に入れることが出来るのは一部の特権層に
限られていた。
彼らは繊細なため調教に時間がかかるのが難点とされていたが、クーラント社が開発した調教システムが
この点を克服した。
まずは、精神的に孤独に追い込む。地球人は他の星の人間に比べ、他者を求める傾向が強いのが特徴だった。
そこをうまくコントロールする状況を作り出し、どんなタイプの性奴にも調教することが出来るようにしたのである。
「孤独を嫌う、か……なるほどな」
パスピエは鼻で笑った。
「実に下等な種族だ」
235孤独の宙:2006/01/12(木) 01:23:05 ID:Ypr5sXSO
「ですから、良いのですよ」
とルールがパスピエにいった。
「主人のいうことをよくききます」
パスピエは納得したように頷いた。
「準備が出来ました。こちらにおいで下さい、閣下」
アルマンドはルールの話が一段落したのを見はからい、パスピエに声をかけた。
パスピエは立ち上がると、アルマンドの後ろについて調教部屋へと歩き出した。
ルールは心なしか浮き足立っているようだとアルマンドは思った。
第二領域戦争で、母星を勝利に導いた英雄を目の前にして、すっかり興奮してしまっている。
(なんかなあ…まあ、もういいけどさ)
さっきの説明も、アルマンドがルールに覚えさせたことだった。
開発者の自分のほうが、システムについては詳しいに決っているのだが、パスピエへの説明は
上司であるルールの仕事だ。
うまくいったようで、上機嫌のようだったが。
調教部屋のドアが開いた。
「こちらです」
アルマンドはパスピエを部屋の中央の台へと導いた。
調教システムというのは、触手だけではない。この部屋全体を指していた。
閉ざされた空間で犯され続ければ、大抵のペットの精神は簡単に落ちる。
ただし、その際にただ狂わせるのではなく、うまく感度を最大に引き出さねば商品にはならないのだ。
そのシステムの中枢が、触手であった。
彼らには高度な人工知能が組み込まれていて、自分の判断で対象を調教することが出来るのだった。
(よしよし…あとで、ご褒美をやらなきゃな)
アルマンドは、心の中で今は台の下に引っ込んでいる触手たちに呼びかけた。
開発の際に心を込めて作り上げたのが、触手に伝わったのだろうか、彼らにはアルマンドのことがわかる
ようなのだ。
知能が高いので、ある程度の感情も持ち合わせているのだろう。
236孤独の宙:2006/01/12(木) 01:23:49 ID:Ypr5sXSO
カイは体を綺麗に拭われ、台の上に横たわっていた。
「いまは眠っております」
ルールの言う声がきこえた。
全裸で台の上に横たわる青年を、パスピエは黙って見下ろしていた。
カイは鞭のようにしなやかな、引き締まった体つきをしていた。
それは、カイがダンサーとしてたゆまない努力を続けてきた証拠だった。
均整のとれた骨格を覆う筋肉には一切の無駄がない。
カイの体はまさに、ダンサーとして作り上げられてきた職人の仕事そのものだった。
カイの肌は健康的な小麦色で、滑らかだった。抜けるように白いパスピエたちとの肌とはまったく違う色だ。
髪も、パスピエやアルマンドたちの星ではほとんど見ることのない、黒髪だ。
閉じた目を黒い睫毛が縁取っているのがわかる。瞳も、もしかして黒なのだろうか。
237孤独の宙:2006/01/12(木) 01:24:43 ID:Ypr5sXSO
(誰……?)
カイは眠っていた。
部屋の中の空気が動いたのがわかる。
誰かが、部屋の中にいるのだろうか。
知らない声が、知らない言葉で話しているのが聞こえた。
「お触れになってください。調教に必要なことですから」
パスピエは戸惑った。触れろ、といってもどのように触れればいいのか…。
パスピエは迷った挙句に手を伸ばすと、カイの肩のあたりをちょんと触った。
「閣下、足りませんよ…。頭か、顔を撫でてあげてください。手袋もお外しになって」
「む…」
アルマンドは遠慮なく、必要な要求を口に出す。
パスピエはその強い様子に溜息をつくと、手袋を外した。
しゅっと、布の擦れる音がする。
(誰……)
カイは首をかすかに動かし、音のした方向を向こうとする。
と、カイの額にパスピエの手のひらが当てられた。
……温かい。
優しい、人の体温がじわりと広がってゆく。
人に触れてもらうのは、いったいどのくらいぶりだろうか。
胸が熱くなる。カイの頬を涙が伝った。
パスピエの手が、カイの額を離れた。
(待って…)
いま、この手を失いたくない。
カイはパスピエの手を見失うまいと手を彷徨わせた。
パスピエの手を、必死で掴んだ。
238孤独の宙:2006/01/12(木) 01:26:05 ID:Ypr5sXSO
※触手がでてきます。

「…っ、おい!」
パスピエの困惑した声が響く。
「な…っ、こら、お前何を!」
ルールが驚いた声をあげて、カイをパスピエから引き離そうとした。
だが、カイは動じない。ルールを突き飛ばした。
カイはパスピエの手を顔に引き寄せると、その指を口に含んだ。
パスピエは困惑してすぐさま手を引こうとする。
だが、カイの唇の柔らかい感触に、思わず手を引くのを止めてしまった。
指先を舐めとり、吸い上げる赤い舌が見える。
「……お、い…」
「お前達!」
アルマンドの声に、触手たちが台の横から伸びてきて、カイをようやくパスピエから引き離した。
『あ…いやだ、いや! いかないで!』
何を言っているかは、パスピエ達にはわからなかった。地球の言葉は通じないのだ。
「さ、閣下いまのうちに」
ようやくカイの口から指を解放され、パスピエはルールに導かれ部屋を後にしようとする。
『だめ、待って…お願いですから…!』
カイは仕事で使っていた英語、フランス語でむちゃくちゃに泣き叫んだ。
けれど、パスピエはいってしまう。
手足に触手を巻きつけたまま、カイは台の上に泣き崩れた。
「やれやれ…こんな気力が残っていたとはな。驚いたよ…お前達もご苦労だったね」
アルマンドが話し掛けると、触手がキイ、と音をたてた。
やがてアルマンドもパスピエたちの後を追い、部屋を出て行った。
「待って……」
カイは再び白い部屋の中に取り残された。
「いかないで……」
239孤独の宙:2006/01/12(木) 01:27:23 ID:Ypr5sXSO
※触手がでてきます。


突然カイの見せた反応が、パスピエの気分を害したのではないかとルールたちは気をもんだが、
その心配はないようだった。
パスピエはその日は帰り、四日後にカイを受け取りに来ることに決った。
カイは台の上に寝て、触手たちから最後の仕上げの調教を受けているところだった。
いつものように、後ろを解されながら、ふとカイは聞いてみた。
「俺が……いなくなったら、お前達はどうなるんだ……?
お前達は、ずっとここにいてさみしくないのか…?」
ざわざわと触手がカイの首元でざわめいた。口々になにかを告げているようだった。
カイはそのようすがおかしくて笑った。そうなんだ、と理解したのだ。
「お前達にも、大事な人がいるんだね…」
触手はカイの胸や腕に巻きついてはすべり、戯れる。
カイは自分の体を撫でる触手の手触りを楽しんでいた。
いまは自分にも、大事な人がいる。
あのときの手は、本当になんて温かかったんだろうか…。
思い出すだけで、涙が出そうになった。
あの人にまた会えたら、まずはお礼を言おう。
そして、うんと喜ぶことをしてあげよう…。
やがてカイは自分の主人となる男のことを思い、眠りについた。
…パスピエ。
彼が、一体何を抱えているのかも知らずに。

    *   *   *
今回はここまでです。
240名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/12(木) 06:48:25 ID:ZCbkLi5X
GJ! 詳細で練り込まれた設定に驚きました!
続きが楽しみですwktk!
241孤独の宙:2006/01/12(木) 10:27:12 ID:Ypr5sXSO
訂正です。
231の前スレから続きというのは、今スレ>56-62からの間違いです。
間隔が開いてしまったので、スレ越しと年越しが頭の中でごっちゃになっていましたorz
242名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/12(木) 13:44:19 ID:Z93FTaiK
英雄が何を考えてるのか気になる…
243名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/12(木) 20:25:13 ID:+FNWWXFZ
GJ! 触手カワユス(*´Д`)
244名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/13(金) 00:00:55 ID:j1ayiSy3
触手へのご褒美も気になって仕方ない(*´д`*)続きwktk
245名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/15(日) 17:13:07 ID:BR2TmC7U
玩具社長、気が向いたら降臨希望
246代理戦争:2006/01/15(日) 18:23:18 ID:/7UwqmSl
投下します。
暴力描写、血の表現が出てきます。
生ぬるいですが、嫌いな方はスルーお願いします。
247代理戦争:2006/01/15(日) 18:26:11 ID:/7UwqmSl
いやな話だが、昔から争いは堪えたためしがない。
ある人間はこう言った。「ゴメンで済めば警察は要らない」と。
その言葉から察するなら、争いが静まるには謝罪ではなく国家権力が必要らしい。
では、警察が無ければどうすればいいのだろう。
答えは簡単だ。

相手に「謝罪」させればいいのだ。

【代理戦争】

ここに、マンガ等にはありがちな、治安の悪い世界を一つ紹介しよう。
国家間の長い争いが終わり、復興しかけた世界だ。
政府の手による復興は都市の中央―官僚や身分の高いものが住む場所―から始まり、
都市の外側の身分の低いものの住む場所は今だ手付かずだ。
では荒廃したままかと言うと、どっこい、裏社会の法で仕切られ上手くやっていたりする。

特に元々治安の悪いこの辺りでは、争いの静め方が変わったおかげか、
争い以前よりも組織の抗争が減り、かえって安全になったとも言われる。
ではどう変わったのか。
それは、貴方がこの店に入ればわかる事だ。
248代理戦争:2006/01/15(日) 18:26:59 ID:/7UwqmSl

店に入ると、貴方の五感は酒の匂い、歓声、少し篭った熱気、そして大勢の気配で埋まる。
薄暗い照明の店内では、手前がバー、そして奥で何かイベントが行われているらしい。
進み、背伸びをして中心を覗くと、貴方はきっと驚くだろう。
そこでは、男が男に、公然と犯されかけていたのだから。

正に格闘技のリングとしか言いようの無いものの上で、行為は行われていた。
背が高く、体に厚みのあるガラの悪い男が、細い青年を床に押しつけて笑っている。
青年は悲鳴を上げながら逃れようと腕を突っ張り、体をよじるが、
男は格闘技に精通しているらしく、難なく押さえつけている。
青年は既に何回も殴られた後らしく、体に痣が浮きリングに血がこびりついている。
その血のりを拭くように青年はもがく。
だが男はそれを嘲笑う。おもむろに手を伸ばすと、青年の服を引っぺがしにかかる。
青年の服は動きやすいようにか、比較的軽装だ。
一枚剥ぎ取ると、下のTシャツが見える。もう一枚剥ぐと、下着が現れた。
青年は半狂乱になって抵抗するが男はもう一枚剥いだ。
その下は素肌だった。
男が笑いを激しくした。
観客が吼えた。「やれ、もっとやれ!」「なにやってる!」の2通りに。

観客のうち、男を応援している側と青年を応援する側に分かれることはあたり前だ。
だが、単なる格闘技の興行以上の意味が、ここで行われる試合にはある。
それは代理戦争といわれ、警察の無い世界で争いを静める方法だ。
249代理戦争:2006/01/15(日) 18:27:37 ID:/7UwqmSl
青年にはほとんどあらわになった上半身と、ずりおろされた下半身を
隠すだけの余裕など無い。不自由で痛む身体で暴れ、男の拘束を解こうともがく。
だが男は余裕をもってそれを背中に馬乗りになることで押さえつけ、
逆に青年の髪―染められ、それなりに手入れされた髪だ―をつかみ、顔を上げさせる。
そしてそのまま、リングに数回叩き付ける。
「うっ、ぅぐッ!…ふぐっ…ぅ」
再び男が青年の顔を観客に見せ付けたとき、鼻血と唇からの出血がそれを汚していた。
男の方に賭けていた観客から歓声が沸き起こる。
「ぁ、ア…う…や、やめ」
青年を応援していた客からは罵声や野次が飛び始めるが、それを気にする余裕など無い。
青年は怯えきっている。
「…ゃ、め、て…くれ…」
この男に、雰囲気に、状況に、そして代理戦争という場所に。

それから逃れるためには、一言、ある言葉を言うしかない。

代理戦争とは、争いが起きたときに代理人をたて、公共の場で試合をさせるシステムだ。
貴族の遺産争いから組織の抗争まで、今では広く用いられている。
このシステムには様々な形態やルールの種類があるが、一つだけ共通のものがある。

それは、「ごめんなさい」という謝罪でこの争いに決着がつくということだ。
250代理戦争:2006/01/15(日) 18:28:14 ID:/7UwqmSl
「ん?何か言ったか、オマエ」
男が興奮した面持ちで問う。
もちろん背中に馬乗りになったまま、青年の髪を掴んだままだ。
「ぃ、痛ぃ…や、…め…うっ」
怯え切って上手く表現できない青年。
男はその口許の血を親指で拭い、それを自分の口許へ運んだ。厭らしく舐め取る。
「あぁ、こんな美味い血が垂れ流しだぁ…勿体無い」
青年は一瞬ぎょっとした表情を浮かべ、更に怯えを深くする。
ほとんど泣きそうな顔で口をぱくぱくさせている。
そんな青年の耳元で、男はにやにやと囁いた。
「やめろって言ったってやめねぇよ。今回のルールじゃ、禁止されてるのは殺しだけだ。
いくらだって好きにして良いんだ。ほら」
男は身をかがめて――男の服装は青年に比べ重々しく、少し無理をしたと思われる――、
その頬ごと血をべろりと舐めた。
厭らしいというより、ナイフについた血を舐めるような残酷な舐め方だった。
「こんな風にも」
男はそのまま青年の唇に噛み付いた。

「ぐうっ…ふ、んうッ!」
青年が様々な痛みを訴えてうめくが、男は無関心だ。観客も沸いた。
――別に、客も男同士の絡みが見たい客ばかりではない。
闘犬や普通の格闘技と同じ様に、争いをみると鬱憤が晴れる、というだけだ。
特に弱いものが一方的に痛めつけられるような試合は、その度合いが大きい――
「う、ぅうっ……ぅ…」
251代理戦争:2006/01/15(日) 18:28:57 ID:/7UwqmSl
――この青年は代理戦争専門の選手どころか、全くの素人だった。
なにかの事情で身の自由を奪われ、無理に出されているのだ。
逆に男は一流とは言えないが、サディスティックな試合で人気を博している、プロだ。
そう、これは勝敗が分かっている、完璧な興行試合だった。
組織同士の交流の一環で、こう言う事も行われる。

男は青年の腕を押さえる手を緩め、顔をより向けやすくして本格的なキスに持ちこむ。
先ほどまでと同じ様に、男の舌が青年の舌を嬲りまわしているらしい。
青年は嫌がって顔を背けようとするが、締め上げられていた腕が痺れ、どうにもならない。
唇の隙間から呻き声と吐息を漏らすだけだ。
「ん、ぐぅ…っう、あ」
唇が離れかけ、青年の口の端から唾液が滴り落ちる。
2人分の唾液と、血液が混じったピンクがかった色だった。
だらだらと流れる唾液が指先ほどの水溜りを作るほどになって、男は離れた。
本当に唇をかんだのか、また別の箇所から出血している。
青年は荒い息の隙間に、うわ言のようなものを混じらせている。
「…はぁ、…ぇん、ぁ……は、い…」
わななく唇からは血の気がうせ、涎も拭こうとしない。
「…ん、ぁさい…、ぉめ、んぁ…さい…ゆるひ…て…」
男にも、場にも、青年が何を言っているのか分かっている。
だが、認めない。
「んん?何言ってるのか…聞えねぇなあ!」
背中から退き、襟首を掴んで、青年は膝立ちほどの高さに引きずり上げられた。
無残に出血している顔面が客席にはっきりと露わになる。
「…ぉめんぁさひ…めん…なさぃ…」
「何て言ってるのか分かるやつ、いるかぁ!?」
無論、誰も返答しない。
客はこれからの続きがまだみたいのだ。
青年には気の毒だが、今しばらく娯楽に付き合ってもらう。
252代理戦争:2006/01/15(日) 18:31:59 ID:/7UwqmSl
「なぁ、はっきり言って見ろよ。謝るなら――」
男が青年を引きずったまま言う。いや、囁く。
「――ここで、許してやっても良いんだぜ?
俺の今回の仕事は、純粋に勝つだけでいいんだ…」
青年が僅かに生気を取り戻す。
逆に、場は一気に冷めたような吐息を漏らす。
「言っちまえよ、――それでオマエは」
「許されるんだぜ?」

生気が唇に満ち、理解できる言葉を発す。
「……ごめ、ん…」
「んん?」

「…ご、め、ん…なさ…っぐう!?」
だが、男は青年の口に剥ぎ取った衣服の一部を詰め込んだ。
驚きに思わず男を見返す青年に、蹴りを見舞って再び地に伏させると、
「ま・言わせねぇけどな」
再び場が盛り上がる。逆に青年は愕然として、再び血の気がうせる。
突き倒され、突き落とされた青年の口に、細長い布が轡として噛まされ、
先ほどの布の塊が吐き出せなくなる。
呆然としている間に、腕を後手にまとめて縛り上げる。布なので心もとないが、仕方ない。
そうしてから、気が付いたように抵抗を始める青年をひっくり返し、仰向けにさせる。
青年はなおも後じさって逃げようとするが、男は左足を掴み簡単に引きずり戻す。
自分の腹、太股越しに見える凶暴な笑い顔。
青年は自分の身体に冷や汗が浮かぶのが分かった。
253代理戦争:2006/01/15(日) 18:32:33 ID:/7UwqmSl
残っていた衣服をはがす男の指が触れるたび、怯えて震える。
「……ぅ、ぅ…」
轡と怯えに邪魔されて、まともな声などとっくに出ていない。
だが、男には何となくいいたいことが分かった。
出来たばかりの痣が目立つ身体を撫で回しながら、にやにやと言う。
「ああ、さっき確かに『勝てばいい』みてぇな事言ったよ。俺は」
興奮で充血した目と、恐怖で竦みあがった目が真正面に向き合う。
その間も、男の角の無い手が、剥き出しの青年の肌をなぞり、確かめつづける。
剥いだ下肢から、脚の付け根、腰骨、腹、鳩尾、肋骨の上を通り、
胸、鎖骨の窪み、首、そして頬を包み込むように掌が上がってきた。
そして包み込んだ頭を自分のほうへ引き寄せ、宣告する。
「だけどな、それだけじゃつまんねぇだろ?俺も、皆さんもだよ!」
「なぁ!」
最後の言葉は青年ではなく、客席を見渡すように告げられた。
なんと形容したらいいのか、その場にいる数百人の歓声が同意の意味で返される。
先ほどまで賭けに興じていた者たちも、ここまでくれば勝敗も明らかなために、
一緒になって吼えている。
「…まぁ、そう言うわけだ。せいぜい大人しくしてれば…手加減してもやるよ」
「…………!」
涙目になった青年が弱弱しく首を振ったのが、男の理性の終わりだった。
254代理戦争:2006/01/15(日) 18:33:55 ID:/7UwqmSl
青年の口許には、まだ乾いていない血が付いていた。
それを拭い取り、指にぬるっとした感触を楽しむ。
男は青年の髪と、頭をもう一方の手で鷲づかみながらその傷痕を舐める。
初めて男にそんな事をされたのだろう――ここでは、初めてでないものも珍しくない――、
青年は精一杯反対がわに首を曲げ、避けようとする。
だが男はそこにそんなに執着があったわけではなかったらしい――
逆に無防備になった首筋の筋肉に(胸鎖乳突筋といったか)舌を進める。
「うぅ…!」
そのぬるっとした感触のおぞましさに、青年は悲鳴を上げる。
同時に鳥肌の立つ肌をなぞりながら、男の舌が這い進む。
「硬くなってるなぁ…そんなにこわがるなって…」
全身の硬直した筋肉や動作を楽しみながら、男の愛撫が段段核心に迫っていく。
舌を鎖骨から離し、顔を上げると、青年の頬に舌を這わせる。
べろりと大きく舐めると、顔の小刻みな震えまで感じられて面白い。
まだほとんど何もしていないというのに、既に涙が一筋流れている。
あたり前だ。彼は無理矢理ここに出されただけだ。不条理の極みとも言える。
だが、ここに出てしまった以上、そして「謝罪」が無い以上、
代理戦争は進行するしかない。
男は血と涎を拭った指を青年の胸に這わせる。
大胸筋を、掌全体で皮膚ごと動かすように揉む。性的な動きに、青年が動揺した。
心拍数さえ、上がったのが感じられる。
「…まだまだ序の口……なんだからな。分かってるよな?」
同時に、血塗れの指で、きゅっと乳首が摘まれた。そのまま指の腹で揉みこまれる。
勘弁してくれ、と青年が激しく首を振った。
「う、ぅ…う、ふぇ、ん…ふぁ…はひ…!」
轡越しの、必死の謝罪が遠く聞えた。
255代理戦争:2006/01/15(日) 18:34:32 ID:/7UwqmSl
「う…んぅッ…ふは…ぁ、あっ!」
男と青年の代理戦争――いや、もはや公開調教と化している――は数十分続いていた。
冒頭に与えられた苦痛とは打って変わって、今青年は快楽に喘いでいる。
無論、それはこれから男が自身を挿入する為の慣らしに過ぎないのだが。
男は時折青年の向きを変え、客が飽きないようにサービスしている。
青年は、今は背面座位に抱きかかえられ、
さらに腰を突き出すようにして転ばないようにしていた。
男の片手は脇腹から胸の辺りを這い、時折思い出したように乳首を責める。
桃色と肌色を混ぜた色の突起は、今は男の親指と人差し指の間で硬くとがっている。
こりこりと、硬さを楽しむように指が蠢き、攻め方を変えると、青年は腫れた目でさらに泣く。
男のもう一方の手は股間を這っている。
先走りと男の唾液に濡れた勃起を扱いたかと思えば、気まぐれに移動して
その下、脹らみや会陰を撫で擦る。
今は、これからの事に備えて青年の後孔を3本の指が貫いていた。
赤く腫れて口を開いた孔が太い男の指を飲み込んでいるというよりは、
指の方が無理矢理口を開かせている、と言った印象だ。
だが、青年は今は苦痛のうめきでなく、快楽の吐息を漏らしている。
蠢く指が弱点を攻めているのか、時折ビクッと反応し息をつめる姿が艶めいていた。
クチッと濡れた音がして指の角度が変わる。
同時に青年が目を閉じ、眉根を寄せた。
「ん…んっ…ふぅん…ッ…ん、ん!」
広げさせられた足に筋が浮き、力が篭っている事が分かる。
256代理戦争:2006/01/15(日) 18:35:37 ID:/7UwqmSl
「そろそろ……お客さんも疲れた頃合だろうから…な」
グッ、グッと指を押しこめながら男は囁いた。
青年は聞えているやらいないやら、ただ目をきつく瞑って轡に息を吹きかけている。
だがその頬は、さっき男が舐めていたときと違って桃色に染まっている。
男は青年の胸から手を離すと、今度は足にかけて大きく裂くように広げる。
「―――ふっ、はぁッ――!?」
観客からもおお、と言う声が上がる。
青年の頭の先から尻の孔まで、全てがスポットライトに照らされてはっきりと浮かび上がる。
流石の青年もこのことに驚くが、後孔からの快楽に一瞬で引きずり込まれる。
257代理戦争:2006/01/15(日) 18:37:32 ID:/7UwqmSl
「ングッ、ん、うぅ、ふぐッ…ん、ん…!」
男の抉るような指遣いに、未知の快楽を貪る青年。
「…また…いかせてやるよ…これで何度目だっけか?なぁ」
逆に、青年の痴態に酔い痴れる男。
「そんで、オマエの処女を皆の前で頂いてやるよ」
その狂った雰囲気に飲みこまれ、一体になる観客。きっと、貴方もその中の一人になっているはずだ。
「う、・・・う・・・んううっ!」
内側の指の動きがはっきりと見えるわけでもないが、青年の反応からすると、急所だけを捏ねられているらしい。
首を男の肩に乗せる感じで、思い切り仰け反って喘いでいる。
冷や汗をかいていた全身は逆に火照り、熱い滴りがあらゆる場所から落ちていく。
「ふっ、ふっ、!・・・ふんっ・・・」
激しく蠢く指の上で、青年の肉棒が揺れている。
堅く反り返り、青年の痣が浮かんだ腹に粘りを塗りつけている。
空中に先走りの糸を引くほど、激しい快楽を与えられているのが、そこでよく分かる。
ぐちゃぐちゃになった股間部に、あらゆる視線が注がれていた・・・・・・
「いけ、ほら・・・出しちまえ!」
男が一際強く突き込むと、最大限に刺激された青年の弱点が、悲鳴を上げて限界を迎えた。
「・・・ん、ぐぅッ・・う、はぁッ!」
青年自身から、悲鳴に一瞬遅れるように白濁が迸る。
ぱたぱた、という音と共に飛んだ精液がリングに撒き散らされる。
「・・・・・・本番はこれからだぜ?」
男が、脱力して項垂れている青年の顎をとらえて上げさせる。
潤んで、目元を真っ赤にし、激しい快感の余韻に浸っているその顔には、自身の白濁がべっとりと付いていた。

<中途半端ですがここまでです>
258名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/15(日) 19:29:22 ID:Bm4XJGzl
乙です
公開調教(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ
259名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/15(日) 19:59:59 ID:BWE3CHbF
あげ
260名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/16(月) 00:21:17 ID:NLdQJhOJ
代理戦争モエス!!
衆人環視の中で痛いのからよくなるまで変化を披露モエス。
261名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/16(月) 01:27:38 ID:6hHSmKGN
途中からここが鬼畜スレであることを忘れ普通に楽しんでいた
262名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/16(月) 02:27:47 ID:cg4Voub5
歓声が聞こえるようだ…((∩(*゚∀゚)≡3
禿しく乙!!
263名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/16(月) 11:57:08 ID:/lidDieM
すげぇ、すっげー公開調教!!
まじ、観に行きたいです!GJ!
264名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/16(月) 16:51:58 ID:SaiskCYV
「「「いいぞーもっとやれー!!!!」」」





おもわず一緒に野次飛ばしたくなった。GJ!!
265名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/18(水) 21:01:28 ID:/dwoOlf5
御主人様、保守させて頂きます
266名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/20(金) 00:02:12 ID:eIowHMTt
職人様お待ちしております(´д`)
267名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/20(金) 19:25:21 ID:fPBSgDpz
皆様忙しい時期だもんな。
気長に待ってる!
268名無しさん■投票日決定ルールスレ参照:2006/01/21(土) 05:48:26 ID:3qAw9LIc
投下待ち〜〜〜〜〜〜〜
269代理戦争:2006/01/22(日) 14:52:22 ID:iux2VgT+
投下します。
特に何かの嗜好を含んではいませんが、お嫌いな方はスルー願います。

270代理戦争:2006/01/22(日) 14:53:05 ID:iux2VgT+
「・・・ッは・・・」
男が人差し指と、中指の第一関節を残して、指を引き抜く。
ライトに照らされてぬらぬらと光る指、そのせいで節くれ立った所や、たこのようになった所がより目立つ。
未だに青年の体内にほんの少し残るそれが、その指に刺された青年には凶器のように見えた。
一方その凶器を銜え込む傷口、後孔は、今までの太さと深さになじんだためか、余裕で残りを含んでいる。
だが表面は強い赤みを帯びて腫れて、痛々しい。特に傷ついているような所はないらしいが。
青年は未だ射精の余韻から抜けきれないらしく、
汗に濡れて乱れた髪の下から焦点の合わない目を半開きにし、観客の方を見ている。
後孔の赤みと同じくらいの強い赤みの浮かぶ頬に流れる、彼自身の精液が厭らしく対照的だった。
「・・・ふっ・・・う・・・」
彼は意識していないだろうが、声帯の奥にひっかかった吐息が微かな声になって漏れ出ている。
口元からはそれと別に唾液が垂れ流しになったままだ。
べしゃべしゃに涎で濡れた轡のせいで、その声はよけいくぐもって小さくなる。
男も興奮で頬を染めながら暫くそのままでいた。
ほんのわずか挿入された指先を弄くって、青年の括約筋を玩んでいたが、
青年が落ち着くに連れて表情が意外そうなものを浮かべる。
「・・・何だオマエ、今の状況忘れてるわけじゃないだろうな?」
汗ばんだ青年の尻を前に突き出して、指が含まされたままの後孔を見えやすくする。
そしてそのまま2本の指を広げ、それこそ奥まで見させるように仕向けた。
観客、いや、手を下してこそいないが青年を可哀想な獲物としか見ていない数多くの猛獣が哂い、手を叩く。
男の指と言う凶器で広げられた傷口が、ぱっくりと鮮やかな媚肉を覗かせる。
生々しいピンク色に滑り光るそれは、青年の呼吸とは殆ど無関係に勝手に蠢いている。
271代理戦争:2006/01/22(日) 14:53:41 ID:iux2VgT+
角度を変え、向きを変え、観衆全員へ青年を晒し者にすると、男は青年を床へ転がした。
その拍子に指がすっぽ抜けて、厭らしい音を残して後孔が口を閉じる。

「どこのお坊ちゃんが何で出させられてんのか、知ったこっちゃねぇけどな、」
観客が息をのむ。これで、青年はやっととどめを刺されるのだ。
男が深く息をついて、自身を取り出す。青年よりも一回りも二回りも大きく、使い込んだ貫禄がある。
「・・・・・・行くぞ」
青年はもうあきらめたのか、脱力して動けないのか、もはや抵抗はしない。
それを良いことに、男は青年の開いた後孔にそれをあてがうと、一気に貫いた。
「ぅむ・・・ん、んふぐ、むぐぅうううぅーー!」
青年の悲痛な悲鳴があがるのと同時に、観客が沸いた。
哀れな獲物が、凶暴な肉食獣にとどめを刺された瞬間だ。
肉食獣は、獲物の媚肉の感触に軽く眉根を寄せて愉しみ、獲物は痛みに呻く。
青年は暴れようと四肢をつっぱるが、縛られたままの腕は痺れ、足は快感の余韻で自由にならない。
男は青年が脱力したままでいるおかげで、大した痛みもなく押し進められている。
それどころか濡れた肉が肉棒にまとわりついて、ほどよく締め付ける感触がたまらなかった。
青年には理性はもはや無かったが、男のたがも外れかけていた。
272代理戦争:2006/01/22(日) 14:55:13 ID:iux2VgT+
リングを、いやその上の人間を見つめる目は殆どが熱っぽく興奮していた。
だが少数、そうでは無い物もある。代理戦争とは本来興行ではないのだ。
審判は勿論、専属の選手をスカウトしようとする組織や企業、敵対しているそれら、そして選手本人による敵情視察等だ。
今日も次に男と争う予定になっている者が、その姿をバーの席から眺めていた。
青年を犯し、興奮しているその背中を。

歳は未成年と思われた。中肉中背で、ぼさぼさのファーがついたパーカーにジーパンという普通の格好だ。
目立つのは右目を覆う布製の眼帯(それで、一時的な怪我などでは無いと思われた)と首に嵌った首輪だが、
そのくらいの格好ならば、やくざ者や品行不良な若者のたむろするここだから、それほど気にされるものではない。
明るい茶色に染められた髪の下で、鋭い瞳がゆるく男を眺めている。

その姿を認めた年増の女性(カウンターの向こうにいて、店の服でないことを見ると、店を仕切る立場なのだろう)が、
ため息をつきながら歩み寄ってきて話しかける。
「・・・もっと真面目に見てた方が良いんじゃないの」
「ん〜ん?」
声をかけられた彼は気のない様子で視線を上げる。
左目がそちらを向かないと見えないために、普通の人間より少し大きく顔を振り向かせて、目をぱちくりさせる。
「何で?」
「だってあんた、明日あいつと試合するんでしょう。ハンデ付きで。
 負けたらろくな事にならないって分かってるんだから、ちゃんと見て研究なさいよ」
「ちゃんとって・・・」
彼は眉をしかめて、そっと舞台を指さした。
「・・・あの試合でなんか学ぶ事ってある?」
「・・・」
273代理戦争:2006/01/22(日) 14:55:57 ID:iux2VgT+
女性は彼よりもっと眉をしかめて、リングのほうを一瞥した。
そのまま彼のほうを向かずに視線を落とす。
「素人じゃ分からないことまで見抜くのがプロってもんでしょ」
「無理に何でも見抜くために見てるんじゃないし・・・」
何となく会話が止まる。女性は彼の前からは離れなかったが、そのまま手作業を始めてしまう。
彼はもう一度舞台へ視線を戻し、暫くまた気の無い視線を向けていたが、
「大丈夫でしょ」
「・・・・・・何が?」
唐突に女性に向かって話しかけた。話しかけられた女性は意図が分からず、少し口を曲げて聞き返した。
彼は目の前のコーラの入ったコップに唇をつけて、そのまま上目遣いで女性ににこっと笑いかけた。
「・・・オレ強いし。それに知ってるでしょ、代理戦争の原理」
女性は一瞬視線をめぐらせて考え、ああ、と赤い唇を開いて息を吐いた。全く興味がなさそうに。
もしくは心底馬鹿らしい、けれど仕方が無いと納得しているかのように。
どちらかは分からないが、とりあえず女性は何とやら言う言葉を覚えていたらしい。
「あれでしょう、・・・あれ、『覇者はいつか誰かに何処かで倒される』とか何とか言う奴」
「そーそーそんなの」
一口コーラを飲んで、唇を軽く舐めながら、
「ほら、彼今勝ったから。次は負けるよ」
「何なのよその胡散臭い予感は」
きゅっときつく眉を寄せて、女性は言う。
「あんた、ろくな後ろ盾も無いし帰るところも無いんでしょ。自分でもうちょっと堅実な方向に生きようとしなよ。
・・・だいたいその格言信じるなら、あんたの方がよっぽどまずいでしょうが」
この女性、彼とは他の客より少しばかり濃く接しているらしい。
視線の先では、争いがそろそろ終盤にかかろうとしていた。
274代理戦争:2006/01/22(日) 14:58:53 ID:iux2VgT+
「ぃい、っあ・・・あ、やぁッ・・・だ・・!」
バックから激しく体を揺さぶられて多少正気が戻ったのか、青年が泣きながら拒否を口にする。
頼りない布の口枷は振動でとっくに滑り落ちて、首のあたりで輪になってはたはたと揺れていた。
後ろ手に青年の腕を縛っている方の布の切れ端はしぶとく残っていたが、少しずつゆるみ始めたらしく
両手の間には10センチほどの隙間が空いてきている。
腕の可動範囲が広がったために肩胛骨の浮きは最初ほど目立たないが、
それでも醜い贅肉一つ付かない背筋がライトに映えて、男の目に扇情的に写った。
「・・・全く・・・いい商売選んだモン・・・だよなぁ?」
青年の腰を、指の跡が残るほどきつく掴んで突き上げながら男が言った。
「俺は、わざわざ・・・お高い女を買うこともねぇ。・・・お前は負けても金が入って・・・ッ、」
「ぁあッ、ヒ・・・ああああ!」
そこまで言ったところで、男自身の先端が青年の感じる場所をえぐったらしい。
青年はきつく身をすくめ、汗を吹き出し、顔をくしゃくしゃにして身悶える。
男も青年の反射的な締め付けに言葉を切り、低い唸り声を漏らす。
つい今し方、指三本を突き込まれてグチャグチャに押し広げられたばかりの穴は
不慣れな刺激に対する堅さを残しつつも柔らかな肉壁で男を刺激する。
「・・・・・・その上こんな、気持ちよく・・・なってんだからな・・・」
言葉の終わりから少しずつ笑いと荒い息が混じり始める。
275代理戦争:2006/01/22(日) 14:59:54 ID:iux2VgT+
男は青年の腰に当てていた指を剥がし、今度は青年の性器にまとわりつかせる。
特に刺激しようとしなくとも、男が握っているだけで振動で擦られているようだが、
男は汗と先走りと精液にまみれた指で高速で扱き始めた。
「う、や!ぁあ、う・・やだ、厭だあ・・あ・ああ、あああ、あぁあああ!」
「ッく・・・」
青年がさっきとうってかわって背を反らして悶える。
男の指と、激しい突き上げから逃げようとでもしているのか、ずるずると前につんのめるように進んでいく。
「んああああ・・・あああっ!」
「逃げてんじゃねぇ、ほら!」
男は青年の髪を掴み、先程と同じように観客に向けて突き出す。
その顔は先程とは違って、赤みを帯び、唾液にまみれ、洟と涙で汚れてひどく嗜虐心をあおった。客が数名か、生唾を飲む。
青年の性器は目に見えてぱんぱんに腫れ、今にも破裂しそうだ。
それを塞き止めるつもりか、射精を促進するつもりか、きつく握ったまま扱く手を止めない。
もう一方の男の手は髪を掴み上げ、観客に顔を向かせたままだ。
不安定な姿勢だろうが、男の全身の筋肉がそれを支えていて危なげはない。
暫く男は自分の快楽を追って突き上げていたが、ふと思いついたように笑った。
「・・・そうだ、このまま頭あげといてやるよ、おい」
「ひ、ぁ!な、何、ィ・・ぃ、いああ、あ!?」
男が青年の髪を掴みなおした。青年の自身を掴む手も握りなおし、改めて高速で扱き始める。
「このまま・・・ぅ、皆さんに・・・見てもらえよ、いく顔を」
青年がぐちゃぐちゃの顔に一瞬の正気を取り戻す。
「ぃ、ひ、ひど・・・厭だぁああ、ああッ」
顔を曲げて男の方を見上げようとして、髪を捕まれたままの痛みに顔をゆがめる青年。
276代理戦争:2006/01/22(日) 15:01:33 ID:iux2VgT+
男は構わず好き勝手に突き上げながらも、青年の性感を引き出すことも忘れない。
勃起しきった性器を乱暴に、かつ一時も休むことなく的確に扱き続けていると、
青年も残り少なかった気力を使い果たしたのか、正気を戻す前のようにぐったりとなすがままに貫かれ始める。
客は客で、男なりのサービスに預かろうと移動したり出入りをしている。
観客は酒によい、雰囲気によい、試合のもたらす嗜虐心への満足に酔っている。
青年は性感に酔い、苦痛に酔い、屈服される屈辱感に酔っている。
男も快感に酔い、苦痛を与える征服感に酔い、腹の底からの勝利感に酔っている。
酔いに任せた勢いが場を一つにまとめた。
「・・・そろ、そろ・・・いくぞ」
「あっ、ああ、い、や、ぁあ」
青年は微かに言葉だけで抵抗しているが、体は抵抗するどころか男に合わせて腰を振っている。
ぐち、ぐちゅ、という音が段々小刻みに早くなり、2人の息が詰めるように早くなっていく・・・

「あ、あ、あ、・・・あああああああー!」
青年の背骨が折れてしまうのではないかと思われる程に反り返って、絶頂を極める。
男の指の隙間から濁った白い液体が漏れるように滴り、全身を震わせる。
男は一息遅れて息を詰め、青年の渾身の締め付けを味わってから放った。
青年がビクン、大きく震えて、中にぶちまけられた事が外からでもよくわかった。
277代理戦争:2006/01/22(日) 15:11:35 ID:iux2VgT+
観客が二人の絶頂に沸く。
それは何十、何百十に重なっているためにはっきりと何を言っているかはわからないが、そのほうが会場の興奮がよく伝わってくる。
沸いた声援は、二人の快感の余韻とともに漣のように引いて行く。
だが、その後の興奮の余韻はなかなか冷めずに、その場にわだかまる。
次の試合が始められずに、会場を仕切る係りが困るほどだ。
その一方で、次の試合を待っていた、バーにたまっていた客が舞台のほうへ押し寄せていく。

作業をしていた女性はふと視線を上げて、舞台のほうを見た。
勝利に酔いきった男がなにやら興奮のままに叫び散らしている姿と、
ぐったりとして全く動かない(気絶しているのかもしれない)青年を、会場係が運び出しているところが見える。
熱気になじめずに視線を戻すと、果たして目の前に先ほどの男はいなくなっていた。
ただ、数口分減ったコーラ入りのグラスが、熱気に汗をかいているだけだった。

(ここまでです)

278風と木の名無しさん:2006/01/22(日) 17:24:32 ID:JJRER0/y
イイヨイイヨー展開が急激に楽しみだよ!(・∀・)
禿げ期待して待つ。代理タン乙!
279風と木の名無しさん:2006/01/22(日) 17:54:28 ID:FC+n6Fye
代理タソ乙!
退廃した雰囲気がたまらんです
続きが楽しみ(*´Д`)
280風と木の名無しさん:2006/01/22(日) 18:11:18 ID:eors6ukH
次の試合にも(0゚・∀・) ワクワクワクワク
281風と木の名無しさん:2006/01/22(日) 21:14:03 ID:0nnsfAhO
キタ━━(゚∀゚)━━ヨ
職人さんによる放置プレイは辛かった。
282風と木の名無しさん:2006/01/22(日) 21:21:07 ID:1vw3I3Ul
代理たん乙です!
ぬぁぁコーラの男イイ!!(・∀・)
次の試合も禿しく萌のヨカンだよぉ〜!
283風と木の名無しさん:2006/01/23(月) 00:57:09 ID:2NGV/gw8
や、やばい…面白い…!
臨場感がハンパじゃないです。
続きを激しく期待!!
284風と木の名無しさん:2006/01/26(木) 05:57:47 ID:g+d0AXhh
続き期待保守
285風と木の名無しさん:2006/01/26(木) 21:13:17 ID:MJVZ+z2T
あげ
286風と木の名無しさん:2006/01/27(金) 00:18:24 ID:PKojY4ZZ
近頃職人さん達は如何したのだろう…。
放置プレイサビシス…(´・ω・)
場繋ぎしたいが個人的に今は無理だしなぁ。
というわけで携帯から保守。
287風と木の名無しさん:2006/01/27(金) 14:28:39 ID:612L6jwn
こんな感じの(しばらく投下の無い状態)放置プレイって
今までもあったの?ここを知ってからまだ2,3スレくらいしかいないんで

こんなの初めてで…怖いよ…。
288風と木の名無しさん:2006/01/27(金) 14:45:28 ID:urRfKZXf
前は2〜3週間投下の無い時もあったと思う
ゆっくり職人さんの降臨を待とう
289風と木の名無しさん:2006/01/27(金) 17:45:30 ID:i1agN0Bd
最近はなかったけど前はよくあった。
荒れた後に職人さん達がひいちゃったりして。
290風と木の名無しさん:2006/01/27(金) 23:34:45 ID:srs87kap
あげ
291記憶の青色:2006/01/28(土) 02:06:49 ID:AuwtKbbd
導入ですので、エロなしです。場つなぎだと思ってください。



 それは突然だった。友人と別れた後、道の角を曲がった途端に訪れた突然の闇。視界を閉ざされ、音も聞こえなかった。次に気付いたときには、どこかマンションの一室の床の上にいた。広い部屋で、趣味の良い家具が配置されていた。

 手を後ろで縄か何かで縛られていた。見上げると、30代前後の男がいた。知り合いじゃない、知らない男だった。僕と目が合うと、男がふっと笑う。その表情が妙にいやらしかった。
『やっと目が覚めたようだな』
『貴方は・・・?』
『名前か?まぁ、今に分かるだろう。それよりも他に何か言うことは無いのか?会いたかったとか、淋しかったとか。俺は待ってたのに、お前は来なかったんだな』

292記憶の青色:2006/01/28(土) 02:08:41 ID:AuwtKbbd
意味が分からない。初対面なのにこんなこと言う男、僕は知らない。     『・・・。』
何も答えない僕に彼はまたあのいやらしい笑顔をむける。だけどその笑顔は何故だか艶のあるもので、僕は生まれて初めて男に見惚れた。

『何も知らない・・・、覚えていないようだな、純』
『なっ・・・、どうして名前を・・・?』
『今に分かる。』
『・・・。貴方が僕をここへ連れてきたのか?俺を縛ったのも貴方なのか?』
『全ておまえが望んだんだよ。従え、俺に、運命に』
男は僕の方に近づいてきて、僕の肩に触れた。その手が僕の着ていたシャツの襟に触れる。僕は目をぎゅっと瞑った。
ビリッと布が破れる音と、ブチッとボタンの飛ぶ音がした。
今日はここまで
293風と木の名無しさん:2006/01/28(土) 04:39:00 ID:KAB2hbrB
うほっw久しぶりの投下(*´∀`*)続きに気体。
294愛染の華(刺青注意):2006/01/28(土) 18:19:37 ID:uxNPXL6d
全裸の少年が敷布団の上に伏臥していた。傍らには初老の男。少年の白い肌に男がゴクリと生唾を呑む。
白磁の如き透明な美しさ、艶やかさを持つ滑らかな、きめ細かい少年の肌に男は欲情していた。
眩しかった。あまりにも眩しかった。少年の身体から発散される色香と体臭に、男は眩暈がした。
神々しいばかりの少年の裸体を目の当たりにした男は、緊張と興奮に額に汗を滲ませ、喉がヒリつくような感覚に襲われた。
骨張っても筋肉張ってもいない少年の細身の身体。若い肢体はしなやかで、男に雄豹を連想させた。
その少年の背中には見事なクリカラモンモンが彫られていた。魅了されたかのように男が食い入るように少年の刺青を見つめた。
男の視界の奥が揺れ、瞳には真っ赤な炎が浮かび上がった。
焔髪を逆立てた憤怒の形相に鮮やかな全身真紅の六臂像。それは正しく燃え上がる愛欲の紅。
愛染明王の刺青である。愛染明王とは愛欲を貪る神を言う。

少年はきつく両眼を閉じていた。ときおり、瞼が震えるのは羞恥のせいであろうか。
美しい横顔であった。天工が彫り上げしその美貌。
まっすぐに通った形の良い鼻梁、切れ長の二重の瞼、曲線の美しい顎。
今は閉じられているが、長い睫の奥には澄み渡った明眸が輝いていた。
295風と木の名無しさん:2006/01/28(土) 23:39:45 ID:UirlSxl9
けものみち乙
296昼休み:2006/01/29(日) 19:55:38 ID:TyCSyUvH
「……名嶋君。悪いけど、この本を物理準備室に戻してきてくれないか?」
入学して半年、担任でもないのに、物理の片桐は何かと自分に用を言いつける。今日も
四時間目が終わったあと、宿題のプリントを職員室まで運ぶのを手伝ってくれと頼まれた。
出ていこうとすると、これだ。内心で苦笑して、名嶋知之は本を受け取った。
「机に置いておけばいいですか?」
「助かるよ。真面目で頼れる委員長って、いいなあ」
片桐が眼鏡を押し上げ、糸のように目を細めた。こうして笑うと、普段は知的すぎて冷たく
見える顔が、瞬時に人なつこく変わる。
「こき使いやすい生徒、でしょう。先生ときたら俺の顔を見るたび、用事を言いつけて」
冗談交じりに言い返すと、片桐は楽しそうに笑った。
「そんなことないって。……これ、鍵。放課後までに返してくれればいいよ」
名嶋は職員室を出た。教室へ戻ったあとは弁当を食べるだけだし、少しの寄り道くらい、
どうということもない。この時、名嶋はそう思っていた。
物理準備室は校舎の北の端にある。科学系の特別教室が集まったこの一角は日当たりが
悪く、普段から人気がない。片桐に渡された鍵を差し込んで、ロックを外し、戸を開けた。
「……?」
奥で、何人かの気配がしたように思えた。しかし大きな棚や積み上げられた段ボールの
死角になって、よく見えない。
「誰かいるんですか?」
声をかけながら名嶋は中へ踏み込んだ。奥を覗いて、息をのんだ。
全裸で床に這いつくばった小柄な少年を、数人が囲んでいる。一人は少年の尻を抱えこみ、
別の一人は髪をつかんで顔を自分の股間へ押しつけていた。
突然の闖入者に驚いて、押さえる手がゆるんだらしい。犯されている少年がこちらを見た。
同じクラスの早野仁実だった。
「あ……な、名嶋君、助けてっ!」
297昼休み:2006/01/29(日) 19:57:09 ID:TyCSyUvH
「ちっ!」
横に立って見物していた一人が、舌打ちをし、素早く動いた。名嶋につかみかかり、奥へ
引きずり込む。
「なっ……放せ! 何の真似……!!」
「うるせェ!」
最初に動いた金髪ピアスに、他の連中が手を貸した。
名嶋は身長178センチ、決して小さい体格ではないし、運動神経もいい方だ。腕を振り払い、
誰彼なしに蹴りつけて抵抗した。
それでも相手が四人もいてはどうしようもない。しかも全員、荒っぽい真似に慣れている
らしい。最初に異変に気づいた時点で外へ飛び出し、人を呼ぶべきだったと悟った時には、
床へうつぶせに押さえ込まれ、ネクタイをほどかれ、両手を背中で縛られていた。
「どうするよ、秋月。完全に見られちゃったよ」
乱闘に加わらず早野をつかまえていた生徒が、最初に名嶋につかみかかった金髪ピアスに
問いかけた。秋月という名前は初めて知ったが、見覚えはある。確か三年生だ。
「名嶋君……名嶋、く、ん……」
早野がすすり泣いているのが聞こえた。
もともと早野は名前ばかりか顔立ちまでも少女っぽくて、男ばかりのこの高校では目立つ
存在だった。親しくもない名嶋の耳にまで、早野が隣のクラスの誰それに告白されたとか、
上級生に抱きつかれていたとかいう噂が、聞こえてきたほどだ。
三年生の不良グループが早野に目を付け、実力行使に出たところへ、自分が来合わせて
しまったらしい。
秋月がそばにしゃがみ込む。名嶋は首をねじ曲げ、その顔をにらみつけて言った。
「こんなことをして、ただですむと思ってるのか」
秋月が面白そうに笑った。名嶋の癖のない黒髪をつかんで、頭を床から引き上げる。
ブレザーの襟に付いた組章を見て呟いた。
298昼休み:2006/01/29(日) 19:57:53 ID:TyCSyUvH
「名嶋ってのか? 1年1組……そいつと同じクラスか。品行方正、成績優秀、先生の
お気に入りの優等生って感じだよな。……そのわりに」
言葉を切って、名嶋の頭を、床へ勢いよく叩きつけた。目の奥で火花が散った。
髪を放して、秋月が言葉を足した。
「センパイに対する口の利き方ってのが、わかってなくね?」
血の味を舌に感じながら、名嶋は言い返した。
「まともな上級生が相手なら、ちゃんと敬語を使う」
「おほっ。気が強いねー。でも自分の立場をわかった方がいいと思うなァ。こんなとこへ
来ちゃって、ただですまないのはお前の方だよ?」
秋月は名嶋をうつぶせから横向けにし、身をかがめて顔を覗き込んだ。
「そこのヒトミちゃんみたいに、女と間違えそうって顔じゃねーけど、綺麗系なのは確か
だし。お前も同じ目に遭ってみる?」
まさか、と思った。一年生の中では背の高い方だし、顔立ちもきついと言われている。
男子校に入学して半年たつが、今まで冗談でも女扱いされたことはない。
だが秋月の目は笑っていない。
他の生徒が話に割り込んできた。
「おいおい、秋月。こいつまで犯っちゃうのかよ」
「一年のくせして俺より背ェ高そうじゃん。……あ、でも確かに美人かも」
「そうだな。お前みたいな顔面クレーターより、勃つな」
坊主頭の三年生が仲間を揶揄してから、シャツの襟をつかんで名嶋を引き起こした。
「さぁて、チューはヒトミちゃんとどっちが上手でしょー?」
「……ん、んぅっ!」
ヤニ臭い唇を押しつけられた。周囲から歓声が上がった。
「うっわ、川内、いきなりかよー」
「やるねえ。どう、お味は?」
299昼休み:2006/01/29(日) 19:59:03 ID:TyCSyUvH
嘲笑を浴び、名嶋の頭の中が白熱した。なぜ自分がこんな連中の玩具にされなければ
ならないのか。男とするような趣味は持っていないし、見世物になる気もない。
力一杯、相手の唇に噛みついた。
「……ぎゃっ!」
川内という名前らしい坊主頭が、電流を通されでもしたような勢いでのけぞり、名嶋から
離れた。勢い余って尻餅をつくのを見て、秋月が笑いこけた。
「バカだなー、川内。思いっきり噛まれてやんの」
「お前……お前が、こいつも犯っちまおうって言うから……!!」
「チューしろなんて言ってねェよ。だけどフェラでなくてよかったじゃん。しゃぶらせてたら、
今頃お前、オカマちゃんにされてたぞ」
どうやら秋月が、この連中のリーダー格らしい。手を放されて再び床に転がった名嶋に
視線を移し、おどけた表情で肩をすくめてみせる。
「お前さぁ、反抗しても痛い目に遭うだけだってこと、わかんねーの?」
「遭わせてみたらいいだろう。徒党を組まなきゃ何もできないくせに。……あ、『徒党を
組む』って言葉、難しかったですか、センパイ? 大勢が集まって何かをすることです。
一人じゃ何もできないヤツの常套手段」
わざと敬語を使って名嶋は言い返した。こんな挑発をすれば当然、殴る蹴るの暴行を
受けるだろう。それでも彼らに頭を下げるくらいなら、リンチに遭う方がずっとましだ。
秋月が薄く笑い、仲間に命じた。
「お前ら、そっちでヒトミちゃんとヤってろよ」
「けど、秋月……」
「俺、こいつがチョー気に入った。可愛がりたいから独り占めさせて。……おらぁっ!」
鋭い蹴りが、名嶋の腹に入った。
激痛に息が止まる。昼食のあとだったら、確実に吐いていただろう。
300昼休み:2006/01/29(日) 20:00:24 ID:TyCSyUvH
鳩尾を蹴りつけられ、背中を踏みにじられる。ブレザーのボタンが外れ、真っ白だった
シャツが靴跡で黒く汚れていく。唇を引き結び、名嶋は苦痛に耐えた。
「秋月……そのへんにしろよぉ。こっちが気分乗らねーよ」
早野を這わせて犯していた誰かが声をかけ、秋月がようやく動きを止めた。疲れたのか、
肩で息をしていた。しかしもちろん名嶋のダメージの方がはるかに大きい。
仰向けに倒れて荒い息をこぼしている名嶋のそばへ、秋月がしゃがみ込んだ。
「悲鳴どころか、呻き声も出さねェのな」
あきれたように言って手を伸ばし、ズボンの上から名嶋の股間をつかんだ。
「……っ!」
「だったら次は、よがり泣きさせてやるよ」
軽く揉んだ。決して乱暴ではない。むしろソフトで巧みな触り方だ。
反応するまいと、名嶋は口の内側を噛んだ。痛みで、下半身の感覚をごまかしたかった。
できることなら、触覚と聴覚を脳から切り離したい。目なら閉じることができるが、耳は
塞げない。早野のとろけるような甘い声が、いやでも聞こえてくる。
「あ、あん、はぁんっ……センパ、イ……ああんっ、もう、許してぇ……」
さっきは助けてとわめいていたのに、あっさり堕ちたらしい。絶対にあんな無様な姿を
晒しはしないと、名嶋は自分自身に言い聞かせた。
手を止めないまま、秋月が嘲笑を浮かべた。
「すげーイヤそうじゃん。そういう顔をされると、かえって萌えちゃうんだよね、俺は」
「迷惑な性癖だ」
名嶋は冷ややかな口調で答えた。
他の坊主頭やにきび面と違って、金髪ピアスの秋月はすっきりした長身で、女に騒がれ
そうな顔立ちをしている。選り好みさえしなければ、校内で下級生を輪姦する必要など、
どこにもなさそうだった。
嫌がる相手を犯すのが趣味なのだとしたら、これほど傍迷惑な話はない。
301昼休み:2006/01/29(日) 20:02:26 ID:TyCSyUvH
「お前……この状況でそういうことを言うかねェ?」
面白そうに笑って、秋月は言葉を継いだ。
「その根性に免じて大サービスだ。『許してください、秋月先輩』って言えたら、やめて
やるよ。たった一言だ、簡単だろ?」
目の奥に、鼠をなぶる猫を思わせる光が見え隠れしている。名嶋の性格では言えるはずが
ないと見越しての誘いだ。仮に自尊心を押しつぶして言ってみたところで、秋月は大笑い
するだけで、決して自分を解放したりはしないだろう。
自分を追いつめることになるのがわかっていながら、名嶋は口を開き、言い放った。
「触り方が下手すぎる。これじゃ本番のテクもたかが知れてるな」
一瞬唖然としたあと、秋月は爆笑した。
「名嶋、お前、いい。歯ごたえありまくり。久々に大物を釣っちゃいました、って感じ。まず一発、
ヤっちゃおうか」
名嶋のベルトをゆるめ、ズボンと下着を一気に引き下ろして脱がせた。
自分のズボンをずり下げたあと、秋月は大きく広げさせた名嶋の両脚を抱え、その間に体を
入れた。名嶋の腰を引きずり上げ、にやりと笑う。
「強情な態度のご褒美で、潤滑液はなし。……ひいひい泣きわめかせたあとで、よがり狂わ
せてやるよ。どんな声を出すか、楽しみだ」
「どっちもしてたまるか。できもしないことを言うとあとで恥をかくぞ、センパイ」
言い返してにらみつけた。秋月は冷笑しただけで答えない。
後孔に、熱く固いものが触れた。
絶対に声を出すものかと、名嶋は歯を食いしばった。

──────────
ここまでです。
302風と木の名無しさん:2006/01/29(日) 20:12:03 ID:xlF7xMgP
長いという絡みから逃れるために通し番号をわざと入れないのは
良い手法ですね♪

今後投稿される方は見習ったらいいよね♪
303風と木の名無しさん:2006/01/29(日) 20:29:18 ID:+6oIsdtg
>昼休みさん
GJ!
たまらなく萌えました
続き期待してます!
304風と木の名無しさん:2006/01/29(日) 21:05:34 ID:qroT9Sxr
投下キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
強気受け禿モエス(*゚∀゚)=3ハァハァ
305風と木の名無しさん:2006/01/29(日) 23:08:51 ID:lvvqjgwz
うおお夏休みタン堪らん…!!
受が超好み、超GJ、超GJ(;´Д`)ハァハァ
306風と木の名無しさん:2006/01/30(月) 01:23:26 ID:IX5JzapM
強気受強気受!!これは犯し甲斐があr(ry
続き楽しみwww
307風と木の名無しさん:2006/01/30(月) 13:02:44 ID:iUzAA2Dt
うわああああ昼休みタン激しくGJ!!!
キタコレ━━━━(*゚∀゚)━━━━!
308風と木の名無しさん:2006/01/30(月) 19:15:07 ID:PDSIlvsD
強気受キタ━━━━━━(*゚∀゚*)━━━━━━!!
309風と木の名無しさん:2006/01/30(月) 22:12:53 ID:iUzAA2Dt
強気受けも最高だけど不良S攻めもたまらん(*゚∀゚)=3ムッハー
口調とか最高にツボだー
310風と木の名無しさん:2006/01/30(月) 23:42:46 ID:ZIxxLJGj
あげ
311ほしの王子さま:2006/01/30(月) 23:49:41 ID:8787J6+m
90の続きです。
PCがあぼーんしまして今更ですがお暇潰しに…

そのコロニーは昼も夜もない。広大な宇宙に繁華街があるとすればそれがここ、
セントラル・テックス。60番目に作られた擬似衛星で通称ロクマルと言われる。
ゲートの手前、5キロもある巨大スクリーンに今日のニュースが流れていた。
「惑星レナルディの皇太子が逮捕されてから4ヶ月が経過しました。
いまだに捜査内容が明かされないままレナルディでは新年を迎え、王室からの情報では……」
ユヒトは船内のスピーカーを切って窓の外の輝きを見た。
何度も繰り返し流れる映像はいつの頃の王子だろうか、場面ごとにヘアースタイルが違う。
たいそうルックスの良かった王子は若者達のファッションリーダーだった。
いつもシックなスーツを着てアクセサリーはシルバーの最高峰、
艶やかな黒髪を真似ようと美容室も大繁盛だ。
上品な言動とニヒルな笑顔、外交ゲームは負け知らず、どこから見ても彼は完璧だった。
「王子……」
ユヒトは最愛の王子の顔を見つめ手を伸ばした。
今はまだ世間も騒いでいるが、そのうち人々の興味は薄れてしまうだろう。
「お可哀相に…」
昨日の王子の姿が脳裏に焼き付いている。髪は不精に伸び、
みすぼらしい囚人服を着て不自由な生活を強いられていた。
体は健康そうだったが心は健やかではないはずだ。
コツンと額を窓に当てた。まだ下半身がうずく。
昨夜散々自分で慰めたのに、王子の顔を見ると反射的に身体に火が点く。
裸の腰を押さえて窓にスモークを貼り頭を振った。
「マスター、間もなくセントラル・テックスに到着します」
頭上から涼やかな女性の声が聞こえた。
「ご苦労様、ラウンドして裏道に着けてくれ」
そう言ったユヒトはクロークを開けてまた彼女に言う。
「アリー、あと空調を下げてくれ、服を着るよ」
312ほしの王子さま:2006/01/30(月) 23:51:55 ID:8787J6+m
ユヒトはたまに王子の真似をして裸で過ごしてみたりするが、
どうにも落ち着かなくてすぐ断念してしまう。
机上の仕事ばかりで貧弱な自分の体が何かに反射して写るのを見たくもなかった。
グレイのジャンプスーツを着て黒いブーツをはいた。ロクマルで軍服は目立ちすぎる。
「マスター、ゲートに到着しました。車を出しましょうか?」
「いや、タクシーを拾う。留守を頼むよアリー」
「いってらっしゃいませ」
ロクマルは不眠症の街だ。ギラギラとした下品なネオンがいつも輝いているからだ。
コロニーの裏側は明るい買い物天国、裏側は不健康な暗黒街、
宇宙のどこまで行っても光と影はあるのだ。
ユヒトはタクシーを降りてひときわギラついた店へと入った。
政府公認の賭博場だ。
濁った空気とタバコの匂い、通された会員制の個室にその男がいた。
「ドクター・ユヒト」
真っ黒な革張りのソファー、小さな照明の下琥珀色の酒を手に嬉しそうに杯を掲げている。
「ケン、あなただったのですか」
ユヒトは心底嫌そうな顔でケンを見下ろしため息をついた。
「会いたかったぜ同胞」
ケンという男が口にする言葉は何もかも人を嫌な気分にさせる。
190センチ近い長身に屈強な体、肩までの金髪を耳の後ろに掛けている。
「それで?」
「まあ座れよ」
実に嫌そうな顔をしたユヒトが愉快なのか、楽しそうに言って酒を勧めた。
本当は同じ空気を吸うのも嫌だったユヒトは、ケンのいれた飲み物にだって手を付けたくない。
かなり間を空けてソファーに腰をおろした。
「あなたに同胞などと言われたくない。裏切り者のくせに」
「ふん、潔癖な事で。皆やってた事だよ」
ケンはニヤニヤ笑いながらユヒトと間合いをつめた。
313ほしの王子さま:2006/01/30(月) 23:53:25 ID:8787J6+m
「それで何の用なんですか、意味深なメールをよこして」
「あんたが欲しがってた情報を持ってる」
ユヒトの眉がピクリと上がった。きな臭い。
「へえ?何であなたが持ってるんですか」
「俺は政府の諜報部員だった。ツテはいくらでもあるさ」
「こんなによく喋る諜報部員がいるわけない」
「わかってるだろう、国はもう滅ぶ寸前だ。俺の独り言なんて誰も気にしないさ」
ケンは自分の言葉に自分で傷ついたようで、グイっと酒を飲み干した。
「取引しようって話ですか?」
「その通り、あんたは王子を救えるカードはもうないはずだ。乗るしかないだろう?」
ユヒトはじっとグラスの氷が溶けるの見た。
苦手な交渉、後はないし乗るしかないのはわかっていた。
王子ならどうするだろう、畑違いのこの取引に自分が優位に立つにはどうしたらいいのだろう。
「何が欲しいんですか?」
「あんただよドクター」
「私は今はなんの役にも立たないよ」
研究の成果は全部国にくれてやった。今の自分には何の価値もない。
「わかってないねドクター。服を脱げばそれでいいんだよ」
ケンの手が延びてユヒトの脚に触った。驚きユヒトはゆっくりと後ずさる。
「意味がわからないな。私なんかの身体が欲しいと言うのか」
自分で言って自分の体温が急上昇しているのを感じた。
ケンの舐めるような視線に背筋が凍る。
声が震えてはいなかっただろうか、今は隙は見せられない。
「何回も言わせないでくれよ。あんたはなんにもわかっちゃいない。
自分がどんなにそそる存在かって事をね」
ケンの手が今度はユヒトの腕に延びた。ギュッと握り服の下の肌を想った。
王子に愛された身体、言葉の響きが実に良い。
「王子は誰がそこに居たって気にせずあんたを抱いただろ。
俺の下で喘いだって今更どうって事ないだろう」
下品でいやらしい言い回しだ。
314ほしの王子さま:2006/01/30(月) 23:54:41 ID:8787J6+m
ユヒトは嫌悪感に鳥肌が立ち、腕を振り払って立ち上がる。
「断る!誰があなたなんかに……!」
王子すらけなされた気がした。吐き気がする。
「そのまま帰ったっていいがな、こんないいネタをフルなんてマジでどうかしてるよ。
あんたの王子は日の目を見れないぜ」
部屋を出ていこうとするユヒトの背中に強気な声が掛かる。
ユヒトは拳を握りしめて立ち止まり、頭をフル回転させた。
これしか方法がないように思える。少なくともケンの声音には嘘の匂いはしない。
何より王子の為だ。しかし…。
「情報が先だ」
試すようにユヒトは言ったが、ケンは笑い飛ばしただけだった。
「服を脱いだらそのつまらない話にも付き合ってやるよ」
ユヒトが条件を提示できる立場でない事はわかっていた。
本来ならこちらから頭を下げてお願いしますと言うところなのだ。
「どうする?ドクター」
ケンはツカツカと歩み寄り、まだ迷いのあるユヒトの髪に指を差し入れた。
電気が走ったみたいな刺激にユヒトの思考が全部飛んだ。
「約束できますか?」
ユヒトの声が震えた。ケンはニヤリと笑う。交渉成立。
「さてと」
ケンはソファーにどっかりと大きな体を沈め、どこかの大俳優のように偉そうに脚を組んだ。
「いつまで突っ立ってるつもりだよドクター・ユヒト」
硬い表情のユヒトにケンは氷のような言葉を浴びせる。
あまりにお綺麗なこの青年が自分を嫌っている事をケンはよくわかっていた。
だから楽しいのだ。
「ドクター、昔を思い出さないか?俺は最初にあんたを見た時の事をよく覚えてるよ」
315ほしの王子さま:2006/01/30(月) 23:56:01 ID:8787J6+m
ここからは俺の独り言だ。適当に聞き流してくれ。
ああ今ちょうどヤツが上着を脱いだところだ。
女じゃないんだからさっさと脱げばいいのに、澄ましやがって。
王子の上で散々よがってんのを俺は見てきたんだぜ。
そう、俺は本当に某機関の諜報部員だったんだ。
ユヒトはちっとも知らなかったみたいだけど。まあ、もともとぼんやりした男だからな。
派遣先が王室の特務情報室だったのはツイてた。おもしろいもんが見れたからな。
あ、その頃はこんなにお喋りじゃあなかったよ?
とにかく俺は嫌でも王族とべったりだったわけだ。
外交にすぐ口を出す生意気な王子とは特にね。
あの日は確かレナルディの衛星で会議があったんだ。
その帰りの船に見た事のない美少年がいるなあと思った。
今目の前でやっと裸になったこいつが10代半ばの頃だ。
「脱いだけど…」
「いいね、俺はあんたのスレンダーな身体好きだぜ。こっちに来て俺の咥えろよ」
あからさまに嫌な顔して笑えるよ。だけど…、ああ、すっげえいい。
てか今現在こいつが俺のアソコを咥えてるこの状況がいいね。
「さすがに王子に仕込まれただけあるな。いっぱい練習したもんなぁ、ロイヤル・トイ」
ユヒトは王子に拾われて軍の科学医療師団に席を置いた。
優秀だし真面目だしであっちこっちで大人気、王子にも気に掛けてもらって
妬みの対象にもなったな。
だけど三年くらい経ったある日、こいつは王子とキスしてた。
すぐ傍で静かにしてたけど、俺は顎が外れそうになったね。
たぶん会話の内容からすると童貞のこいつをおもしろがって王子はからかってたんだろう。
あの時のこいつの焦りよう!
お止め下さい、恥ずかしいです、もう出来ませんってな。
王子のほうはもちろん平気な顔で、もっと口を開けろだの舌を使えだの叱咤してた。
316ほしの王子さま:2006/01/30(月) 23:57:30 ID:8787J6+m
キスだけで毎日一ヶ月は練習してたかな。
そうとう上達しただろうし、辛抱強くもなっただろうな。
王子の舌使いもまた最高にエロいんだよ。
まあだけど所詮はガキのお遊びだ。
だけど10年経った最近までこれをやってたんだから、もう大人の遊びだな。
ユヒトも今じゃ恐ろしいくらいの色気持ちだけどな。
「すっげえ…、ドクター、あんたエロいよ…」
俺の背中が粟立った。俺のを咥えこんでるこいつの顔を見てみろよ。
眉を寄せて涙目で、口元は涎にまみれてめくれた赤い唇が濡れて光ってる。
頬をすぼめて必死に吸ってるけど、舌も休まず中で舐めてる。
ドクター、あんたこれで商売できるぜ。
チュッパチュッパってやらしい音立てて、そんなに美味いか?今飲ませてやるよ。
「んうっ……」
あーあ、吐き出しやがった。可愛げのないやつ。
「次は…、そうだな。自分で自分の身体弄ってみなよ」
「うぇ…、ゲホ、なに…?」
これで終わりだと思ってたのか、必死に頑張るわけだ。
めでたいやつ。ああ、エロいなぁ。あんたも勃ってんじゃないか。
まずは乳首だ、泣き出しそうなヤツに俺は言ってやる。
自分で舐めた指で弄ってみろ。
怒りか興奮か、顔を真っ赤にして可愛いったらないね。
確かあの後王子の授業はキスの仕方から乳首の弄り方にステップアップしたんだ。
いや違う、性感帯についてだったかな、まあいいや。
講義はなし、とにかく体験学習のみだった。
317ほしの王子さま:2006/01/30(月) 23:58:43 ID:8787J6+m
ユヒトの身体をあちこち触りまくる王子の手は嫌味なくらいに上品で俺も見とれた。
我が侭王子、さすがに会議中は勘弁してくれ。
こいつのエロい声で実は皆集中できなかったんだぜ。
最初は乳首には触れずに胸をまさぐるだけだけなんだよ。
熱をそこにかき集めるみたいにじっくり時間をかけて、撫でる撫でる。
そう、今でもちゃんと出来てるじゃないか。
そしてやっと濡れた舌で乳輪をなぞるんだ。唾液をたっぷりつけた指が今は代用品。
「んん……」
感じてきたみたいだな。息が荒いぞ。
乳輪も時間をかけて濡らすんだ。そこで焦らされた震える乳首に触るとどうなると思う?
「つまんでみろ」
その時は王子の卑猥な赤い舌先だった。
「んっ…」
目を閉じて歯を食いしばって耐えてる。王子に抱かれる妄想でもしてるのか。
「俺を見ろ」
よく見ろ、あんたにエロい声出させてるのは俺なんだよ。
「あっ…」
ユヒトは俺を見て絶望を再確認させられて、すぐに目を逸らした。
恥らった顔してるけどあんたの身体は卑猥だよ。
王子の授業は日増しにハードになっていった。
一日目は乳首、次の日は首筋、背中、腰、脇腹、王子は毎日身体の一部だけを攻めるんだ。
自信を持って言える、授業の後ユヒトは絶対一人でシテたね。
セックスしたい年頃だ。性感帯だけ弄られて耐えられるわけがない。
そこから俺は出張でちょっとブランクがあったんだ。
帰ってきたらユヒトは王子に骨抜きにされていたという話。
ごめん、悪いけどこれから手が離せなくなるからこの辺で。
喘ぐヤツの顔があまりにもエロいんでね、俺も本気で取り掛かるか。
以上俺の独白終わり。ケンでした。

☆今回はここまでです。
318風と木の名無しさん:2006/01/31(火) 00:12:29 ID:wnyyx33v
王子様キタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!! 
本人不在なのにエロいよ王子さま。
乙です!
319風と木の名無しさん:2006/01/31(火) 17:17:57 ID:VkNSigp8
王子さま、(・∀・)イイ!!
続きにワクテカ
320風と木の名無しさん:2006/01/31(火) 23:33:01 ID:Kvy5W4JD
age
321風と木の名無しさん:2006/02/01(水) 19:43:26 ID:7qHqDZyV
sgr
322風と木の名無しさん:2006/02/02(木) 22:12:57 ID:8yFmeCyF
age
323風と木の名無しさん:2006/02/03(金) 22:22:57 ID:+u0XxMYd
afg
324風と木の名無しさん:2006/02/03(金) 23:07:43 ID:JHZj/6XI
騎竹たんサイト開設おめでとうage! ヒントはしたらばで!!
325風と木の名無しさん:2006/02/04(土) 21:34:05 ID:yh0kx19W
1 :れいにゃφ ★ :2006/02/04(土) 18:43:13 ID:???0
 鹿児島県警名瀬署は4日、奄美大島の公園のトイレに小学生男児ら4人を連れ込み、
自らのみだらな行為を見せたとして、監禁と県青少年保護育成条例違反の現行犯で、
同県宇検村宇検、公立小中学校の男性教諭森本祐貴容疑者(27)を逮捕した。

 当初は「大便をしていた」と否認していたが、その後「教育者として子供に申し訳ない
ことをした」と話しているという。

 調べでは、森本容疑者は同日午後零時半ごろ、奄美大島の公園で小学生男児(7つ)ら
4人に「トイレを教えて」と声をかけ、公園内の男子トイレ個室に呼び込み施錠、自慰行為を
見せた疑い。
 男児らにけがはなかった。森本容疑者と男児らに面識はなかった。

http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=MYZ&PG=STORY&NGID=soci&NWID=2006020401002348
326風と木の名無しさん:2006/02/07(火) 06:53:09 ID:Eoka98Gi
職人さんたち、まってるよーー
327風と木の名無しさん:2006/02/07(火) 20:50:36 ID:/B2ejhVC
age
328ほしの王子様:2006/02/07(火) 23:46:54 ID:6+XFcinp
王子「様」でした。大量投下します。※触手?が出ます
王子が牢獄船を出たのはその一週間後だった。
王室の出迎えも軍の警備もなく、その出所はうすら寒いものだ。
青く光るユヒトの船だけが静かにそこから飛び去っただけだった。
「お帰りなさいませ、王子」
ユヒトにはコンピュータのアリーの声もどこか緊張しているように聞こえた。
王子がそこにいるだけで流れる空気がまるで違う。
「ただいま、ユヒト、アリー」
ひと仕事終えてきたかのように王子はそう言って、着ている服をぽいぽい脱いでいく。
牢獄船に放り込まれた時に着ていた黒いスーツだった。
ユヒトはそれを拾いながら後ろから付いて歩く。
「知っているかユヒト、あそこでは風呂は三日に一度だけなんだ。
着ている服は毎日同じものだし、靴の紐は自分で結ばないといけないんだ。
変わっているだろう」
異国の文化に初めて触れた観光客みたいに王子は言った。
「シャンプーとかもないんだよ。俺は固形の石鹸てものを初めて見た」
「バスルームにお湯を溜めておきました。お疲れでしょう、ごゆっくりしてきて下さい」
さすがに気の利く王子の従者、バスルームに直行する事は予想がついていた。
スーパーモデルの見本みたいな王子の裸を久しぶりにユヒトは見た。
硬い筋肉に覆われた逆三角形の上半身。
彫刻のようなその裸身があまりに神々しくて直視するのを躊躇わせる。
「まず何処へ?」
下着姿で振り返り、王子は伸びすぎた黒髪をかきあげた。
「ロクマルへ向かいます」
目を伏せながらユヒトは言った。いやな思い出が甦る。
「ケンだな…」
その王子の言葉にハッとなりユヒトは初めて王子の裸の背中を見た。
一を聞いて十を知る。今更ながら王子の優秀な頭脳に感服した。
あらゆる可能性のひとつの繋がりとしてその名が出たのだ。
「王子が出所されたのにはわけが…」
「後で聞こう」
329ほしの王子様:2006/02/07(火) 23:47:34 ID:6+XFcinp
王子はわかっていた。ユヒトがケンと関係した事も。
ユヒトはまるで浮気をした時の様な後ろめたさと、それを取り繕っているかのような曖昧さが匂う。
「王子……」
何のいたわりの言葉もかけてはくれない。
ユヒトの目の前でバスルームのドアが固く閉まった。シャワーの音が二人を隔てる。
何を期待したのだろう。ユヒトはため息を付いた。
大変だったな、とでも言って労って欲しかったのか。
あるいは頬を張り倒されて嫉妬してもらいたかったのか。
「マスター、セントラル・テックスまで5時間と予測します。このままのルートでよろしいですか?」
「あ、ああ。さっきの通りでいいよ。交通量の少ないルートで行こう」
「メールが一件届いています」
クリーニングルームに王子の着ていた服を放り込み、ユヒトは手近にあるスクリーンを開いた。
「ケン…!」
懐かしみたくもない人物だった。
『やあドクター、王子の出迎えは滞りなく?』
余計なお世話だ。待ち合わせ場所はもう決めているのに今更何の用件だ。
『医務室に行ってみな。この間本国まで送ってもらった礼だ』
なんだろう。医務室なんで一ヶ月くらい足を踏み入れていない。
礼?ケンはそんな律儀な性格だっただろうか。
医務室に入り辺りを見渡す。医薬品の棚、生命維持装置、銀色のデスクに医療モニター。
前見た時と変わらないように見えた。
中央の手術台、ブルーのシートなんて掛けていたかな。
何かが下に隠れて少し盛り上がっている。
シートを外すとピンク色の物体がユヒトの目に飛び込んできた。思わず息を呑む。
バスルームの棚に隠しておいたはずの玩具、この間王子に薬を使われて自分を慰める為に使った。
これはどういう意味だ。ケンの嫌がらせか。
「マスター、緊急事態です。バグが発生しました」
いきなり警告音がけたたましく鳴り出し、医務室のドアが閉まった。
「アリー!どうした」
「制御不能です。私はウイルスに乗っ取られています」
330ほしの王子様:2006/02/07(火) 23:48:07 ID:6+XFcinp
ドアのロックする音、警告音は止みユヒトは慌ててキーボードを叩いた。
「アリー!何が起こった、報告しろ」
操作は受け付けない、アリーは沈黙した。
「アリー!」
スクリーンには何かのコードの羅列が写し出されていて、
一瞬暗転したかと思ったらそこに見慣れた顔が写った。
「やあドクター、驚いた?少しの間だけジャックするよ」
「ケン!」
背景からするとどうやらこの部屋で撮られた映像のようだった。
「ちょっとしたお遊びプログラムだよ。俺が作った。
あんたがこの部屋に入ったら作動するようにできてる」
ケンの手にはさっきの玩具があり、楽しそうに振り回している。
「くそっ、何のつもりだ!」
ユヒトはキーボードをがむしゃらに叩いた。
「この間のお礼だよ、楽しんでくれたまえ」
画面の中のケンはそう言ってペニスの形のそれにチュッと口付た。
突然に何かがユヒトの腕に絡み付く。
人の手の様な医療用の擬似手、科学医療の賜物、医療界では欠かせない優秀な助手だ。
「うっ、くっ…何を…」
人ひとり持ち上げるほどの腕力を誇り、精密にオペを行う繊細さを持つ。
太いアームが四本と、指の太さのものから糸の様なものまで様々な役割のコードがある。
普段は神の手だと敬う白いコード達が、今は悪魔のようにユヒトに襲い掛かった。
手術台に乗せられ、大の字に体をくくりつけられた。
「やめろ!放せ!アリー、アリー!助けてくれ」
この船の女神は沈黙したまま、頭上のスピーカーからはケンの囁き声が聞こえる。
「どんな感じだい、ユヒト」
アームは四肢を押さえ込み頑なに動かない。暴れる患者を取り押さえる為だ。
緊急オペの時に難なく衣服を切り取る特技も持つ。
「くっ…」
緻密に繊細に的確に素早く丸裸にされてしまう。
331ほしの王子様:2006/02/07(火) 23:48:52 ID:6+XFcinp
最後の一枚を剥ぎ取られる時にユヒトは観念した。
このマシンの威力は知り尽くしていた。ユヒト自身が設計したのだ。
ピリッとした小さな痛みにユヒトは腕を見やる。
何かの薬品を注射されている。心臓が高鳴った。何だ、何を投与された。
そこに刻まれたシリアルコードを持ち込んだ覚えはない。
何のコードだっけ、思い出せ。
指ほどの太さのコードがユヒト目掛けて寄ってくる。
先端は丸く青い輝きを放っていた。
「つっ…」
肩にそれが触れた。神経系のオペの時に使われる微弱な電気刺激を施すものだ。
身体が強ばる。何をされるのか恐ろしかった。
症状を感じる。徐々に身体の力が抜けていき体温が上がる。
思い出した催淫剤だ、しかも非合法の強力なもの。胸がドキドキしてくる。
「アリー…ア……」
顔にモニターグラスがかけられ、視界を奪われた。
そしてもう何もわからなくなる。身体の症状だけが強く感じられる。
肌の下の神経が飛び出したみたいに敏感だ。
放電コードに撫でられる度にビクリと身体が反応する。
「あああ…」
次第に頭の芯がぶれていく。身体が大きく震えた。
腕の内側、腰、足の裏、試すように放電される。
それは痛みではなく淫らな反応を呼び覚ますものだった。
むき出しの下半身が頼りなく恐かった。
モニターグラスは主に精神医療に使われ、様々な映像を見せてくれる。
しかし視界にはケンの顔、男性器を模した玩具を指さしている。
「そろそろか、あそこが熱くなってきただろう?」
身体中に走る電気の刺激にどこが熱いのかもうわからない。
あっと仰け反った。いきなり右の乳首に濡れた何かが触れた。
ユヒトに鳥肌を立たせると、それはぐるぐると乳首の周りを踊り始めた。
「あんた恐ろしく乳首感じるんだろう。よく王子に服の上から愛撫してもらったもんなあ」
ケンの言う通りだった。ユヒトは乳首が官能のスイッチだった。
332ほしの王子様:2006/02/07(火) 23:49:27 ID:6+XFcinp
延々乳首だけを王子に弄られて、それだけで腰が抜けた事があった。
ふと王子はどうしているだろうと思った。
さっきの警告音も聞いていただろうし、アリーが反応しないのもわかっただろう。
こんな姿を見られたくないと思った。
自分の性器が痛々しく反応しているのを感じる。恥ずかしい。
「あっ!」
大きな声を出し腰が跳ねた。濡れた刺激、乳首の感覚が下半身に直結する。
あ、あ、と声を出しながら甘く腰をくねらせた。
モニターの画面が切り替わる。写し出されたのはひとりの裸の男だった。
アームに手足を固定され、たくさんのコードが彼を取り囲んでいる。
顔の上半分をモニターグラスで囲まれ、その下にある唇から荒い息を吐いていた。
ユヒトは乾いた唇を舐めた。映像の中の彼も舐める、思ったよりいやらしい。
んはっ、と大きく喘いだ。両乳首に互い違いに刺激がくる。
舌の様に濡れた感覚、映像は上半身にズームされ乳首をなぶるコードが見えた。
「あっ、はっ」
目が離せない、プルプルと優しく乳首は撫でられている。
そのリズムに合わせてユヒトの舌もうごめいた。自分で自分を舐める。
次に下半身が撫でられた。内腿に放電とぬめる感触。
カメラはいくつあるのだろうか、コードが接する所を写していく。
ユヒトの目の前に屹立したペニスがアップで迫った。
先端からはすでにトロトロと液が溢れ物欲しげに揺れていて浅ましい。
触れてはいけない、そう思いながらもユヒトは舌を差し出した。
身体がビクリと揺れる。チュッとすする音がした気がした。
コードが先端の谷間を舐めた。ああ、恥ずかしい。未だ羞恥はある。
だけど気持ちがいい、いやらしい、感じている。
ペニスの先端をくるくると撫でられた。腰がひっきりなしに跳ね、あられもない声が出る。
「ああっ、はっ…、あっあっ」
敏感すぎるこの身体が恨めしい、心は反発する。
だけど目を閉じる事ができずにコードの行方を見つめてしまう。
喘ぎが止まらない、腰が疼く。先端を舐める、ヌルヌル、クチュクチュと。
333ほしの王子様:2006/02/07(火) 23:49:57 ID:6+XFcinp
「だっ、だっ…、めっ…」
刺激がもっと欲しいと思った。
脚を突っ張り腰を上下するがその刺激だけでは足りないのだ。
もっと舐めて欲しい、擦って扱いて腰の疼きを鎮めて欲しい。
「もっと…、…っと」
モニターの中の男がもっと欲しいとねだっている。
髪を振り乱し喘ぎ身体中を弄られて喜んでいる。
「んうっ」
尻の狭間にもぐり込む濡れた太いコード、
テラテラと光りひくつくそこにくねりながら入っていく。
「あああー!」
ユヒトはこんなにいやらしく飲み込む蕾を初めて見た。
白いコードは自らヌラヌラとした液体を吐き出し、卑猥に蠢きながら入っていく。
ユヒトはそこから目が離せない。ぐちゅ、という音がじかに耳に届いた。
ユヒトは鈍る聴覚を研ぎ澄ます。なんて淫らな音なのだろう。
あ、と何かに目を奪われた。
中央がくぼんだ形をした吸引コード、滅多に使われない46番コードだ。
駄目だ、と思った。そんなものに吸い付かれたら…。
「はあ!ああっ!」
ペニスはそれに覆われ、とてつもない快感が下半身を襲う。
あっあっとよだれを垂らしユヒトはあられもなく喘いだ。
待ち望んだ姦淫だ。
いつの間にかアームは外され、自由に手足を動かせていた。
ユヒトはそんな事には気づかずにそのまま大の字で身体を波立たせている。
後ろの蕾からグチュグチュと音がする。
細いコードがユヒトの指をぬるりと撫でた。たくさんの舌が指を舐めているみたいだ。
指を舐め、腕を舐め、唇を舐めた。口の中に入ってきて舌を舐めた。
ユヒトは思わずそれを追い舌を絡めた。
「あ…んう…、ん…ん…」
手の平に太い何かがあてがわれた。握るとそれはペニスの形をしている事がわかった。
334ほしの王子様:2006/02/07(火) 23:50:51 ID:6+XFcinp
欲しい、少し迷いそれを口に運び飲み込んだ。
下半身は相変わらずの快感が前後を犯していた。
ペニスをぴったりと包むヌルヌルした穴、穴を犯しうごめくペニス、
自分で自分を犯しているみたいだった。
「結構趣向をこらしたんだぜ、どうだ?自分とやってるみたいだろ」
心を読んだかのようなタイミングでケンの声が聞こえてくる。
次に何かを咥えた誰かの口元が写った。ユヒトの私物、ピンクのおもちゃだ。
手で軽くおさえ美味しそうに舐めしゃぶっている。
精一杯口を開け唾液を垂らし、見え隠れする淫らな舌がそれを濡らしていた。
いやらしいと思った。その舌が自分のものを舐めているのだと錯覚する。
「うっ、んんー!んっんっ」
急に達してしまった。熱い液体が自身を伝う。
はっはっと息を吐きながらカクカクと腰を揺すった。
----------------------------------------------------------------------------
大きな手に両腕を掴まれた。身体が浮き上がる。
「ユヒト」
王子の声だ。モニターグラスを外され目の前にあるのは敬愛してやまない彼の顔。
「何をしている」
「王子……、あ、私は…何を…」
言いながら思い出した。医療用コードに犯されたのだ。
まだ身体がビリビリ放電されてるみたいにビクつく。
後ろから身体の中にも電気を流された。一番敏感な所だ。
ペニスの先も鈍く痛む。さっきまで快感が停滞していた部分だ。
身体が冷えている。身体中が痛い。
腰の辺りがヌルヌルして気持ちが悪かった。
上半身を起こして悲惨な状態の身体を見て手で口元を覆った。
物凄く恥ずかしかった。
「ケンと遊ぶのもいいが目的を忘れるな」
見上げた王子の顔は呆れているような表情で、ユヒトの心は悲鳴を上げた。
「ちがっ、違うんです!」
335ほしの王子様:2006/02/07(火) 23:51:40 ID:6+XFcinp
誤解された。王子が途端に遠くなった気がしてユヒトはすがり付いた。
「やめろ、触るな。お前もシャワーを浴びるんだ。ひどい有様だぞ」
何の粘液か、ユヒトの手で体が汚れるのを嫌って王子は辛辣に言う。
「アリー、この部屋を綺麗にしろ。あと俺の服を用意しておけ、ユヒトは使えん」
ぴしゃりと言い放ち、王子はユヒトを一瞥して部屋を出て行った。
その目はユヒトを奈落の底へ突き落とす。
汚れ物を見るような目だった。
「あっ…」
床に足を付けて立ち上がるとその内腿を白濁の液が伝い流れた。
すでに正常なアリーが背後でクリーナーを動かして掃除に取り掛かっている。
ユヒトはバスルームに飛び込んで、全身をくまなく洗い清めた。
あんな悪戯をしたケンに対して、今は何の感情も沸かない。
王子になすり付けられた侮蔑の切っ先が痛かった。
どうしたんだろう、僕は。本当に心臓が痛い。
どうしてですか王子、どうしてこんなに僕を弱くするんですか。
あなたの言動で一喜一憂させられる、僕はとても弱い人間なんです。
「マスター、バグを全て排除しました。先ほどの事故をトレースしましたが、
船内部からウイルスプログラムを混入されました。
本国のシップ条例に違反しています。訴えますか?」
シャワーの音に紛れてアリーの歌うような声がする。
こんな時でもアリーは律儀に報告してくれる。放っといてほしかった。
「マスター?」
だけどアリーの優しい声はユヒトの背中を押して奮い立たせてくれる。
すべき事をしろ言ってるみたいだった。
「告訴はしない。君を危険な目にあわせた、ごめん。あの男はもうこの船には乗せないよ」
ユヒトは涙を堪えた。王子の身の振り方を考えなければならない。
「ありがとうございます、マスター。
僭越ですがマスターの身体データに乱れがあります。ご自愛下さい」
「うん、食事をとるよ。パスタがいいな。用意しておいてくれ」
☆今回はここまでです
336風と木の名無しさん:2006/02/07(火) 23:57:44 ID:TRK+phDE
リアル投下遭遇。
乙です。職人さん日照りの中ほんとありがとうございます。
触手たまらーん!!


昼休みさんもお待ちしとります。
337風と木の名無しさん:2006/02/08(水) 01:43:54 ID:diwYBck4
メカ触手イイヨー
あんな事があった後なのにパスタが食えるのかw
338オンラインゲーム42:2006/02/08(水) 16:29:41 ID:xt/uiE3V
お久しぶりです。かなり間が空いていますがまたつづき投下させてください。




「アリスを引き取りたい…?無理だ、まだ早い」
ムカイの元にその知らせが入ったのは、アリスのカプセル連続稼動時間が48時間を記録した日の事だった。
「ですが、アリスの視聴モニターを1番に契約して下さったB様の申し出ですよ。あまり無下に断るのも…」
「予約、という形では納得しないのか?」
ムカイ達がカプセルを使って研究している「薬と催眠で人をコントロールする研究」は、最終的に性奴隷を作り上げる結果となっていた。それを売り、その金で研究する。
「以前B様は予約していた子を上司に横取りされているんですよ。だから一日も早く手に入れたいと…」
「ああ、そういえばそういう事があったな…わかった。書類上は予約扱いでいいから承諾しろ」

こんな事を始めたのはもちろん研究のためだった。当初は他のゲームのカプセルを使っても成功率は低く、カプセルに慣れると持続しなかった。
ところが、禁止されたR指定ゲームのカプセルを使うとこれが上手く行った。人は快楽に弱い。生理的なものに慣れも無い。
しかし禁止されたものを使うには裏の社会を知らなければいけなかった。

ムカイは溜め息をついた。
もうわかっていたのだ。この研究が何も生まない事を。
「アリスは…最低でも、もう一週間はカプセルに入らなければいけないだろう」

339オンラインゲーム43:2006/02/08(水) 16:30:36 ID:xt/uiE3V
---

「ん、…んん、ん…」
アリスは岩場に住む怪物に捕らわれたまま、数日間過ごしていた。とは言ってもアリス自身に時間の経過がわかるはずもなく、ここが仮装世界だという事さえ忘れかけている。それは操作されているからであって、アリス自身が忘れたわけではない。
岩場の怪物はアリスを捕らえたまま、休んでは襲い、休んでは襲いを繰り返していた。
(コイツ、俺を、どうする気でいるんだろう…)
怪物が休んでいる間も触手で拘束されているものの、激しい攻めが終わり疲れた体を預けて自分も休んでいた。
ズッ…ズズッ…
「!?」
いつもは静止したまま休む怪物が、今日はいきなり動きだした。また襲われるのかと身構えたが、拘束した触手は動きをみせずただ移動しているだけのようだった。
「何処へ、連れて行く気だ…?」
答えが返ってくるはずもなく、怪物はズルズルと這って岩間の奥へと移動して行った。

しばらく移動していると外に出た。奥にも出口があったようで、目の前には湖が広がっていた。
岩間から出ると同時に怪物の姿もはっきり見る事が出来る。それはグロテスクであまり直視したくない姿だった。大きな裂けた様な口から長い舌の触手が伸びて俺を拘束している。まるでイソギンチャクだ。
「…っ、冷たい…」
怪物はそのまま湖に入り、自分と俺の体を洗い始めた。洗うといってももちろん怪物の長い舌で、舐め回すようにだ。
「……っ、うう…」
怪物にそんなつもりは無いのだろうが、長時間攻められ続けて来た身体は敏感で、どこを撫でられても身体がビクンと反応した。
そんな緩い刺激に我慢が出来なくなり自分から腰をくねらせてしまう。恥ずかしいと思う意思はあるのだが身体が勝手に動く。
怪物は洗う事に専念しているようで、こちらの動きに全く興味を示さない。
「…う、…くっ」
勝手にその気になっている俺自身は堅くなり始めていたが、自由にならない身体では擦りつける事も出来なくてもどかしい。
洗う触手が微かに触れただけでも身体に快感が走った。
その時、顔を洗おうとした触手のひとつに思わずキスをして舌を這わせてしまっていた。
「ん、ん…」
その触手は動きを止め、俺の舌に任せる。人の性器ほどの太さがあるそれに、目を瞑ってしゃぶりついた。
340オンラインゲーム44:2006/02/08(水) 16:31:11 ID:xt/uiE3V
「ん、ん、んう」
喉の奥を突くように頭を動かすと、何かされたわけでもないのに快感が湧き起こり、俺自身が涎を垂らした。もちろん、怪物は前にも後ろにも触れていない。
触手自身も少しずつ口内を動き始めた。舌のような先で喉奥を舐められ、言いようの無い快感が起こる。
「〜〜〜〜〜!!」
ついには口に銜えたまま達してしまった。性器には何もされていないのに。
達して動きを止めた俺の口から触手はずるりと出て行き、他の触手達も一緒になって俺を攻め始めた。前と後ろに触手達が群がる。
「…あああ!」
それは悲鳴ではなくよがり声だった。

---

自分が揺れる動きに合わせてバシャバシャと水音が聞こえる。そうえいばここは湖だった。
冷たい水もほてりきった身体には心地の良いものだった。空は晴れていて陽も射している。
そんな爽やかな景色とは異色な自分に目眩がした。攻めはいつまで続くんだろう。心とは裏腹によがり続ける身体が信じられなかった。
「ふ、ああっ、あ」
何度目かの体勢を変えられた。さっきまでは高く抱え上げられ下から突き上げられていたのだが、今度は顔を下向きにされてお尻を上に向けさせられた。
突起の沢山蠢く触手が双丘を割り入って来る。
バシャ!と水面に、俺の身体を叩きつけるように侵入してきた。
「んああ!ごぼっごぼぼ…っ」
上から押しつけられて身体全体が水に浸かるほど潜らされる。嬌声と共に吐いた息が水の中でボコボコ音を立てて水面へと向かう。
「…!……!」
呼吸することが出来なくなり必死でもがこうとするが、侵入を果たした触手がそれを阻むように律動を始める。締め付けた入り口の中でいくつかの突起が弾け液体を流し込む。
息苦しさと体内をいっぱいにされる苦しさとで、俺は今度こそ本当に死ぬんだと思った。



今回はここまで。
341風と木の名無しさん:2006/02/08(水) 16:40:17 ID:TMImX+Yy
オ…オンラインゲームタソ…大好きです。まさか続きが読めるとは…
342風と木の名無しさん:2006/02/08(水) 18:25:10 ID:q3qZHFTf
キ キ キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!!
オンラインゲームタン待ってたよ!乙です!
343風と木の名無しさん:2006/02/08(水) 18:52:19 ID:eTczS7Q6
マジで!?
マジでオンラインゲームタンなのか!?
うきゃぁぁぁぁぁ!(゜Д゜;
今からバイトなのに興奮がフンガフンガッ(`Д´)
344風と木の名無しさん:2006/02/08(水) 21:32:15 ID:errMJPMv
まってたよーフッカツダー!!(゚∀゚ )三 三( ゚∀゚)フッカツダー!!
これからも気長に待つよー!!
345風と木の名無しさん:2006/02/09(木) 01:47:16 ID:r2d/6Ag7
age
346昼休み:2006/02/09(木) 20:13:18 ID:PxE52jI9
太く硬い怒張が、狭い肉孔をこじ開け、押し入ってくる。
「うっ……」
我知らず漏れる呻き声を止めようと、名嶋は歯を食いしばり、目をつぶり、息を止めた。
そうでもしなければ、体を引き裂く激痛に負けてしまいそうだった。
秋月は体を押しかぶせ、体重をかけるようにして、さらに深くねじ込もうとしている。
「くそっ……力を抜けよ、名嶋! 入らねェんだよっ!!」
苛立ちをむき出しにしたどなり声が聞こえた。
名嶋は目を開けた。秋月が眉間に縦皺を寄せ、瞳を怒らせて自分を見下ろしている。
「それは、『自分はふにゃふにゃで入れられないから、協力してください』の婉曲表現か?」
「てめえっ……!」
「潤滑液なしって言ったのはそっちだ。自分の言葉に責任を持てよ。入ろうが入るまいが、
俺の知ったことじゃない」
侮蔑を込めて言い放つと、秋月の表情が歪んだ。口元だけで作った笑いがその顔に浮かぶ。
「お前、実は頭悪くね? この状況で逆らって、何になるんだよ」
「おとなしくしてれば、何かいいことでもあるのか?」
言い返して名嶋は部屋の奥に視線を向けた。
同じクラスの早野仁実が犯されているのが見える。最初は助けてと叫んでいたから、合意
ではなかったはずだ。けれども今の早野は、抵抗するどころか、よがり始めている。その
反応を面白がられてか、三人がかりで弄ばれていた。
逆らおうと従おうと同じことなら、自らの矜持を傷つけてまで、こんなくだらない連中に世辞を
使う必要がどこにあるだろう。
秋月が名嶋の腰をしっかりと抱えこんだ。
「歯ごたえのあるヤツを犯るのって、萌えっけどさァ。つけ上がられても困るんだよな。
……お前、マジで泣かす」
「う、ぅっ……!」
347昼休み:2006/02/09(木) 20:15:01 ID:PxE52jI9
一気に貫かれた。激痛が脳天まで駆け上がり、名嶋はのけぞった。思わず左右に首を
振った。髪が床に擦れ、砂地を踏むのに似た摩擦音をたてた。
「泣いちゃえよ、名嶋。大声出して泣きわめけばいいじゃん。許してください、先輩って。
そしたら優しくしてやるって。……ほら、どうした! 痛ェんだろ!?」
痛くないわけがない。だが秋月を喜ばせるくらいなら、体が裂ける方がましだ。
必死に声をこらえ続けた。
不意に秋月の動きが止まった。大きな息を吐いたのが聞こえた。終わりなのだろうか。
そう思った瞬間、無意識に体の力が抜けたのかも知れない。
「ぅ……ああぁっ!!」
突然、荒々しく突き入れられ、悲鳴がこぼれてしまった。秋月が楽しそうに笑った。
「終わりと思ったんだろ。バーカ。俺がンな短小のわけないっしょ? 今の『ああっ!』
ての、意外といい声だったじゃん。恥ずかしがらずにもっと聞かせろよ、なあ?」
怒りに体が燃え上がるかと思った。
秋月の揶揄も腹が立つが、それ以上に、気を抜いて悲鳴をこぼした自分自身が許せない。
「泣けよ! 早くゴメンナサイって言っちまえよ、名嶋ぁ!」
秋月の動きが、さらに荒っぽくなった。
入り口ばかりでなく、内側の粘膜までもが摩擦で引きつれる。押し入ってくる熱さと硬さで、
体が裂けそうだ。それでも、もう一言もこぼすまいと、名嶋は固く歯を噛み合わせた。
入れる秋月も楽ではなかったらしい。侵入を終えた時には、肩で息をしていた。
「入っちゃったよ、名嶋ちゃん。……でもまさか、これで終わりとは思ってないよな?」
秋月の眼が、勝ち誇った色をたたえている。
挿入しただけで優位に立ったつもりなら、大間違いだ。自分はまだ負けてなどいない。
決して負けてはいない──名嶋は心の中でそう繰り返してから、口を開いた。
「下手くその自己満足に付き合ってやればいいんだろう?」
348昼休み:2006/02/09(木) 20:16:08 ID:PxE52jI9
「うっわ。可愛くねェ。……そっか、お前みたいなヤツは痛い目に遭わせるより、こっちの
方が効果があんのかな?」
「!」
腰を抱えて引き寄せていたのを放し、秋月は右手を名嶋の下腹部に伸ばした。苦痛の
せいで生気を失っている肉棒をつかむ。
「やめ……!」
思わず、やめろと叫びかけた。秋月が顔を輝かせた。
「お? 今、何か言おうとしたな? 何だよ、『やめてください』か? 何なの何なの、言っ
ちゃおうよ。強情を張ることねェじゃん」
「……何も、言ってない」
「へーぇ、そぉ? じゃ、お触りしちゃっていいわけだ」
指が動き始める。優しく巧みに、名嶋自身を弄ぶ。
「くっ……」
思わず呻いてしまった。
直接触れられる刺激の強さは、さっきズボンの上から嬲られた時とは比較にならない。
意志に逆らって、体が反応し始めるのがわかる。
せめて後孔からの痛みが続いていれば、気が紛れただろうに、苦痛よりも快感で名嶋を
堕とそうと思ったのだろう。秋月は腰を動かそうとはしなかった。
部屋の奥から淫猥な肉の音が響いてくる。早野が、三人がかりで輪姦されているせいだ。
「あぁんっ! 先輩、僕、もぉ……もぉ、ダメ……ひぁ、やぁんっ!」
ふっ、と遠い記憶が、名嶋の脳裏を走り抜けた。
今の早野と同じような、呂律の回らない声。感覚に支配され、理性を失った声。
あれは──母だ。酔った母だ。
色褪せた、けれど決して忘れられない光景が記憶に甦った。
皿やカップの割れる音。壁に映った、踊るように不安定に揺れる影。
349昼休み:2006/02/09(木) 20:18:35 ID:PxE52jI9
『酔ってなんかいないわよぉ。いいじゃないの、少しくらい……放っておいてったら! 馬鹿
にしないで、子供に何がわかるの……!!』
我知らず、呟きが口から漏れた。
「C2H5OH……」
「え、何だ?」
秋月が眉をひそめる。名嶋は答えなかった。
エタノール──酒の主成分の分子式だと答えても、秋月にとって意味はないだろう。第一、
赤の他人に話すつもりなどない。
自分の父は、ひどく女癖が悪い。それが母を酒に走らせたのかも知れない。最初は隠れて
飲んでいたらしいが、次第に酒量が増え、べろべろに酔って暴れるようになった。酔いが
醒めれば、二度と飲まないと泣いて後悔するのに、その決意は三日と続かない。
酒に狂う前の母を知っていればこそ、変容は耐えがたかった。
(C2H5OH……忘れない。俺は、あんなふうにはならない)
自分に言い聞かせた。母や早野のように、酒や快感に狂って理性を失い、我を忘れた見苦
しい姿を晒したりはしない。エタノールの分子式は、自分を戒める呪文だ。
秋月に弄ばれて、よがったりはしない。
名嶋は横を向いた。苦痛で快感を蹴散らすため、強く口の中を噛もうと思ったのだ。だが、
「……っ!」
悪いタイミングで、敏感な鈴口をこねられた。
口の内側を噛むつもりが、下唇を噛んでしまった。
犬歯が当たって、思いがけず深く切れたらしい。血が口元を伝い落ちた。
「名嶋!?」
驚いたような声と一緒に、秋月に顎をつかまれた。正面を向かされる。目を開けてにらみ
つけたら、秋月がほっとしたように瞳を瞬いた。
「舌を噛み切ったかと思ったじゃねェか。口が切れただけかよ」
350昼休み:2006/02/09(木) 20:19:42 ID:PxE52jI9
「……」
「だんまりか。ったく……血が出るほど唇を噛んでまで、我慢しなくてもいいだろっての。
ほんとにバカだな、お前」
名嶋はとまどった。バカだな、と言った秋月の声音に、嘲弄の気配が感じられない。
次の瞬間、当惑は驚愕に変わった。
秋月が上体を倒してきたと思うと、傷ついた自分の唇に、温かく濡れた舌先が触れたのだ。
予想もしなかった事態に、名嶋は身動きを忘れて固まった。
つっ、と軽く傷を舐めた秋月は、頬から口へと舌を動かし、伝い落ちた血をすくうように
舐め上げた。キスに似て、優しげな触れ方だった。
名嶋の中で、驚愕が激怒に変わった。
(こ、こいつ……何を、調子に乗って……!)
こんなふざけた真似を続けられてたまるものか。
首の力で頭部を振り上げ、名嶋は力任せの頭突きを喰らわせた。
「……ぐ!」
まともに額と額が当たった。秋月がのけぞり、頭を押さえる。
名嶋自身も、打ちつけた額が激しく疼いた。頭の中で、蛍光色の渦巻きが火花を散らして
踊っている。それでも男に口元を舐め回されているよりは、ずっとましだ。
秋月が片手で額を押さえたまま、どなった。
「いきなり何しやがる! せっかく入れたのに、抜けるとこだったじゃねーか!」
涙目になっている。相当痛かったらしい。
ささやかな勝利感を味わいつつ、名嶋は言い放った。
「この程度で抜ける貧弱な代物なら、何をやっても無駄だ。さっさとズボンの中へしまい
込んで、一生人に見せないようにしろよ。その方が恥をかかずにすむぞ」
自分も頭が痛むし、つながったままの下半身はそれ以上に痛い。しかし、頭が痛くなった
おかげで、半分勃ち上がっていたのが元に戻ったのは助かった。
351昼休み:2006/02/09(木) 20:22:19 ID:PxE52jI9
秋月が、乱れた前髪を指で梳き、床に何度も唾を吐いた。薄赤かった。頭突きを喰らった
際に、舌か口の中を噛んだようだ。
「マジ、むかつく。貧弱って何だよ。チョー痛がってたくせして」
「そのあと、全然動かしてないな。……ああ、そうか。動かすと、もたないのか」
秋月を見上げて、冷笑してみせた。
「すぐイクと早漏がばれるから、一生懸命に違うことをして、ごまかしてたんだな。……すみ
ませんね、センパイ。コンプレックスを指摘してしまって。俺は気づかないふりをしますから、
どうぞ、長持ちするふりを続けてください」
嫌味ったらしく敬語を使ったのが効いたか、秋月の顔が怒りに染まった。
「可愛くねェにもほどがあるぞ! 泣いて頼んでも、やめてやらねェからな!!」
深く、浅く、変化を付けて、秋月が突いてくる。
「く……!!」
後孔を蹂躙され、名嶋は呻いた。
それでもいいと思った。快感よりは苦痛の方がはるかに耐えやすい。
(負けてやしない。こんなヤツのために、自分を見失ったりは……)
ふと、秋月に唇を舐められた時の驚愕を思い出した。
なぜあんなつまらないことで、身動きを忘れて固まるほど狼狽してしまったのだろう。
わからない。
(……意外だったから、驚いたんだ。ただ、それだけだ)
こんなクズには屈しないと自分に言い聞かせ、名嶋は一層激しくなる突き上げに耐えた。

──────────
ここまでです。
352風と木の名無しさん:2006/02/09(木) 20:41:18 ID:Pzt0iLWf
昼休みタン、……禿萌エス!!!!!!
強気受け極上です……!!!
353風と木の名無しさん:2006/02/09(木) 21:23:54 ID:jyhnQP8Q
ツルっぱげになりますた!!GJ!!

354風と木の名無しさん:2006/02/09(木) 21:27:07 ID:8A+Y46nj
何この応酬。
萌え殺す気ですか。
355風と木の名無しさん:2006/02/09(木) 21:54:23 ID:do4bbwiI
C2H5OH……復唱してみまそたァハァアハア。
356風と木の名無しさん:2006/02/09(木) 21:57:41 ID:MN5EqYh8
うわ〜連続投下嬉しい・・・ウレシナミダ;

秋月タンがちょと気になるわん。
357風と木の名無しさん:2006/02/09(木) 22:47:53 ID:vZqd5bAt
萌え殺された……。
358風と木の名無しさん:2006/02/09(木) 23:48:44 ID:nmoCiWSx
萌えすぎてむせた
359風と木の名無しさん:2006/02/10(金) 00:11:45 ID:CtMRYKYM
萌え過ぎて椅子ごとコケた
360風と木の名無しさん:2006/02/10(金) 01:36:41 ID:9hIt15im
萌えすぎてパソコン我ぶっ壊れた
361風と木の名無しさん:2006/02/10(金) 06:26:11 ID:8xRfRbE2
ちょっとっ!!あんたたち真面目に萌えなさいよっっ!!
362風と木の名無しさん:2006/02/10(金) 22:54:09 ID:m+ZOxZ6w
age
363風と木の名無しさん:2006/02/10(金) 23:17:17 ID:CW0qATrp
あれ、モニターが赤く染まって見えない…。
364風と木の名無しさん:2006/02/10(金) 23:26:49 ID:0ZQ4ZN+u
あなたは赤い部屋が好きですか?
365風と木の名無しさん:2006/02/11(土) 00:08:44 ID:2D35Fyw0
C2H5OHに侵されている自分が通りますよ…


強気受けつるっぱげ萌へ
366風と木の名無しさん:2006/02/11(土) 00:18:41 ID:MPFC5bKd
またサイト持ちさんの出張宣伝ですか
367風と木の名無しさん:2006/02/11(土) 00:27:34 ID:SH+d6960
>>361
真澄ちゃん…!?
368代理戦争:2006/02/11(土) 11:08:16 ID:zLS9D40a
投下します。前半エロ希薄。12個目でケツ流血してます。
苦手な方はスルーして下さい。
369代理戦争:2006/02/11(土) 11:08:52 ID:zLS9D40a
数日経って、再び例の店。
まだクローズの札のかかった、ゆがんだドアの前にちょうど到着した5人ほどの一団がいた。
先日青年をなぶり者にした男と、その女と、取り巻きと思しき若者達である。
「ねぇ、ちゃんと今日も勝ってよぉ〜。せぇ〜いっぱい、応援してるからぁ」
香水の甘いにおいをぷんぷんさせた女が、男の腕にしなだれかかった。
「ぁあ、お前バカ言うんじゃねぇよ。俺が負けるかってんだ」
と、後から不審気な声音で、大荷物をしょった若者が口を挟む。
「で・・・でも、相手はあれですよ、4年間無敗の・・・しかも『異』だって噂が」
「バカ!」
そこへ、少し焦ったように−男の機嫌を損ねる前に、と言うことか−別の若者が口を挟む。
「俺こないだ見たけど、お前とそんなにかわんねぇモヤシだったぜ。
 右目に眼帯してる変な奴で・・・・・・おまえ、そんな奴に我らがモウジさんが負けると思うのか!?
しかも『異』って、単なる噂だろうが、うのみにすんなよ」
「・・・そりゃあ、モウジさんが勝つと思う・・・けどさ」
最初に口を挟んだ若者が自信なさげに荷物を揺らすと、男――モウジ、と言うらしい、彼が手を振った。
「お前が言いたかったのは、油断するなって事だろ?いいさいいさ、わかってる、気にしちゃあいねぇよ。
 ・・・・・・おい、ビール買ってこい」
「油断しないんじゃ無かったのぉ?」
女が口をとがらせると、男はにやっとした。
「何、これくらいのハンデはくれてやるってこった」
「頼もしぃ〜〜!!!」
女がキスの豪雨を降らせると、男はにやつき自信を滾らせて、若者達はため息をついた。
370代理戦争:2006/02/11(土) 11:09:53 ID:zLS9D40a

「方針変更?」
青年は目を丸くして、聞き返した。
場所は店とは全く違う、湿っぽい路地裏だった。
青年は例の茶髪眼帯首輪ファー付きパーカーにジーンズ、そんな格好だった。つまり先日のコーラ男だ。
そこには彼以外にもう一人、黒ずくめの男がいた。
「はい。ボスたっての依頼で・・・勿論その分、少し上乗せさせていただきます」
非常に腰の低い態度の彼は、」どうも青年に代理戦争を依頼したサイドからの伝令係らしい。
「しかし・・・先日の試合でせっかくの商品が傷物にさせられてしまい、これではボスの顔も受取手の方の顔も立ちません。
 なんとしてもお受けいただきたいのです。・・・お願いいたします」
深々と黒ずくめが頭をさげる。そこに大きくため息をつきながら、
「・・・いいよいいよ、そんな頭下げなくても。ちゃんとやるから。
 方針・・・あー、勝つだけじゃだめ、グチャグチャになるまで犯せって方向でいいんだ?」
「は、・・・申し訳ありません」
さらに深々と黒ずくめが頭を下げようとするのを、青年は制して言う。頭を軽く引っかき回しながら、
「いいって。試合前にちゃんと伝えてもらったんだし?
 ・・・問題があるとすれば・・・」
「すれば?」
聞き返されて、青年はにやっと嗤った。先日、バーの女性に向けた笑顔とはだいぶ違った印象の顔だ。
「あーのごついおっさんに勃つかどうかだから。
 ・・・うし、じゃ今日もがんばる。そっちの人にもよろしく。んじゃ」
軽く手を振って青年は路地から離れていった。行き先は、勿論あの店だ。
371代理戦争:2006/02/11(土) 11:10:26 ID:zLS9D40a

『れでぃーっす、あーんど、じぇんとるめん!!』
この会場でおこなわれる代理戦争は、大抵下手くそな外国語の挨拶で始まる。
『今宵も非常に精力的に集まっていただき誠に感激!
 だが精力的すぎて定員オーヴァー、立ち見の人数おおよそ50人、おんぼろバーにはちときつい!
 興奮しすぎには十分注意してくれたまえ!』
すさまじい悲鳴、いや、歓声が上がる。その大きさと言えば先日の試合とは比べものにならない。
『おおっと、会場係がすでに悲鳴を上げている!このまま焦らすと会場が壊れかねない、
 オーケイ、いきなりメインディッシュいっちまっていいか!?』
メインディッシュ、その言葉に観衆がヒートアップする。
いつも重要な試合や人気の選手の戦う試合は後回しにして興奮をあおるのだが、今日はもはやそういったレベルではない。
その意を十分にくんだ相槌を付いた解説の男は、興奮に震える喉を開いた。
『オーケイオーケイ、早速始めちまおう、初めてもらおうじゃないか!
 今夜のメイン試合は人気急上昇中のパワー派と、我が戦場が誇る無敗の王者のマジ試合!一瞬足りと見逃すなよ!
 それじゃ選手入場ー、盛大な拍手を頼むぜ!!』
割れるような−−実際、ガラス窓の一枚や二枚割れたかもしれない。
そのくらい強力な拍手と、耳の壊れそうな激しい音楽が観衆を灼いた。
灼かれた耳のかわりに眼を頼りに観客が辺りを見回すと、2人の影が舞台を挟んで対極に近寄ってくるのが分かっただろう。
一人は最初の肉厚な体の男。もう一人は・・・・・・もう分かっているだろう、例の眼帯コーラ男だった。
2人は気負いのない足取りで舞台に近づいてくる。むしろ、周囲の方が固唾をのみ、緊張していた。
372代理戦争:2006/02/11(土) 11:11:00 ID:zLS9D40a

『西軍、豪腕のモウジ!皆知ってるとおり、ここ半年で超!人気急上昇中のナイスガイ!
 その筋肉モリモリの丸木みてぇな豪腕から繰り出される拳は舞台を何回壊したか!金返せーー!!』
野次の混じった解説に、男はすこし顔ををゆがめた。だが、それは不愉快からではない。
こみ上げる名誉への陶酔が笑いという形で吹き出しそうになって、ごまかしたのだ。
『一方東軍、言わずもがなの鉄壁の王者ハダレ!』
ハダレ。それが青年の名だった。
彼は飄々としたもので、解説に興味がないのか、客に向かって手を振ったりしていたが。
それよりも客の方が解説に興味があるようで、一言一言に過剰なほど反応する。
『誰もが知ってるとおり、この戦場でデビュー以来無敗の最強王者!そのくせ未成年とは全く恐れ入る!
 スレンダーバディから放たれる多種多様すぎるトリックは今日も敵をマットに沈めるのかー!?』
興奮し切った実況を聞いていた男は、フンと笑った
その声に青年が振りかえる。
男は小馬鹿にしたような笑いで、丸木のような腕を見せ付けながら言い放つ。
「そんなマメモヤシみてぇな身体で、死んだって笑ってもやらんぞ」
確かに広いリングの上を遠くから見ると、男の身体の厚みばかりが目立って、青年は薄っぺらに見える。
更に青年は右目を使えない。初めて観覧する者には、弱い者いじめに見えるくらいの差だ。
だがハダレは落ち着いたもので、
「…笑えないのはあんたの方だよ」
「あん?」
何か口汚い言葉を返されると思ったのか、男が鼻白んだ声を出す。が、青年は肩をすくめて
「オレは今日勝ちに来ただけじゃないんだ。
 いらねーサービスして、雇い主の機嫌悪くしたバカのオカマ掘りに来てやったんだよ」
男には意味不明だったらしい。ぽかんとしていたが、青年はそれだけ言うと半身の姿勢をとった。
喚声が――聞える。聞える。聞えない。聞えなくなった。

『ファイッ!!』

ただ、実況の声が、微かに耳に響いた。
373風と木の名無しさん:2006/02/11(土) 11:12:07 ID:hnCe0IR5
連投規制防止支援カキコです
374代理戦争:2006/02/11(土) 11:12:10 ID:zLS9D40a
「らぁっ!」

確かに男、モウジのパワーは物凄かった。一撃が通りすぎるたびに、ハダレの髪が巻きこまれ、後に少しなびくほどだ。
だからといって破壊力だけに頼んだわけでもなく、技がおろそかになっていることも無い。
だがハダレには当たらない。
さっきから顔のすれすれに、何度もリング自体を破壊したようなパンチを通過させながら、
ハダレはそれでも小川の小魚を追いかける子供のように輝く瞳で接敵していく。
「ぅぬん!」
モウジの脳裏に焦りが浮かぶ。
一発も当たらないくせに攻撃してこない敵と言うのも組み合ったことが無い、要するに当たったことの無い敵だったからだ。
「はぁっ!」
もう10はとうに過ぎたパンチを繰り出すと、ハダレは初めて1歩引いて少し左方に顔を振る様にしてそれをよけた。
ハダレの死角が少し増えた。
モウジの頭に、薄気味悪さを晴らすような光が一筋差した。
男は右足を軸として、左足をハダレの右腰に打ちつけようと踏み出した。
からぶったままの右手を引き寄せながら、ハダレの頭が逃げられないように掌を広げる。
そこまで男に準備させてから、初めてハダレの瞳に驚きがうつる、その瞳を見て男の頭に歓喜が沸く。
(やった、俺の勝ちだ、焦らせやがって…)
自分が焦っていたのをごまかそうと沸いてくるのは分かっていたが、止められない。
膝が青年の腰に近付いていくのが、とてつもなくゆっくりとした早さに思えた。その一瞬にさえ焦れる。
「なにィ…」
飛んだのは、男の身体のほうだった。言葉も愕きのあまり、尻切れになる。
男の身体を、青年が投げ転がしたのだ。その場から身体を引くのではなく、左方に転回して背負い投げるような要領で。
一拍遅れて、男の重い体が背から打ちつけられるだん、という音が会場に響き渡った。
観客にもこの顛末は意外だったらしく、おおっという驚きの声が上がる。
訳がわからず、モウジは一瞬天井を見つめたまま呆けていたが、視界の隅に青年が映ると慌てて起きあがる。
先ほどはむせ返るようにその背中から滲み出ていた自信は、霞のようにさっぱり消えていた。
だが、男は再び、吼えながらハダレに向かっていった。
375代理戦争:2006/02/11(土) 11:13:04 ID:zLS9D40a
既に何回投げられ、倒されただろうか。決定打はなかったが、試合はハダレの優勢に明らかに傾いていた。
じっとりとしたいやな汗の浮かぶ、男のその背に向けて、呑気な客から酷い野次が飛ぶ。
「とっとと犯しちまえこの野郎!!」
(うるさい、やれるもんならお前がやってみやがれってんだ!)
――同じだけの雑言を目の前に言う度胸は、モウジにはもう湧いてこなかった。
試合前にモヤシのようにしか見えなかった細い身体が、今は鋭く薄い刃のように見える。
だが、それでも負けるわけにはいかない。名誉も、金も、力も、今もっている自分が全て否定されてしまう。
負けないためには勝つためしかなく、勝つためには相手を倒さなければならず、相手を倒すためには――
「うぉおお!」
モウジは半ばやけのようにハダレに向かっていった。負けないためには攻撃するしかない。
鋭い渾身の拳が突き出され、それがよけられる。
鋭い渾身の拳が突き出され、それがよけられる。
鋭い渾身の拳が突き出され、それは避けられずに受け流され、青年が一歩踏み込む。
モウジがハッとした時には、ハダレの肘がその身体にめり込んでいた。苦悶の声が上がりきる前に、
男の身体は2回の奇妙な震えを見せて後ろへ倒れこむ。一度目は顎に、二度目は肋骨に蹴りを喰らったためだった。
モウジに比べて力も加速も劣るが、それとは違う持ち味が勝負を決めた。
強烈な吐き気と呼吸困難と、更に平衡感覚の麻痺によってのた打ち回る肉厚な身体を前に、
少し乱れた息を吐きながらハダレは笑った。
この間、バーの女将に見せた笑いとは違った、厭らしい、力に酔った笑いだった。
そして、笑顔のままで男の半開きの口に布を押し込み、適当に上着をはいで、手足を縛り、転がすと客席のほうをちらっと見た。
黒ずくめの男が、事務的にうなずくのが見えた気がして、更に笑えた。
376代理戦争:2006/02/11(土) 11:14:17 ID:zLS9D40a

「さァて、どーしようか」
ぐったりと横たわったままの男の肩に足を乗せ、ハダレは思案した。
こんな事をやっているが、ハダレは未成年である。「いたぶる」試合の経験値は低い。
「それになー。別にオレホモじゃないし、特に突っ込みたい気分でもないしぃ。勃ってるけど」
その言葉に一瞬男の視線が青年の股間に向かう。……成る程、ズボンの生地が押し上げられている。
例えば、激しい音楽のライブ等で男性アーティストがそうなるのと同じなのだろう。
極度の興奮状態。青年の厭らしい笑みは、ここから涌き出てきたのかもしれない。
青年はなおも独り言の様にぶつぶつと悩んでいる。
「慣らして入れたら意味無いしめんどいけどなー、流血も面白いもんじゃないし。
 適当に痛くさせて気持ち良くさせてーとか加減良くわかんないしなぁ。かといってオモチャなんて……」
と、ハダレはパーカーとジーンズのポケットを探った。そして――掴み出す。
掴み出されたそれらに、観客と実況とモウジは呆気に取られた。
『何ィィィィ!?さっきまで散々暴れまわっていたハダレのポケットから、出るわ出るわ大人の玩具!
 ここから目視で確認できるだけで10はあるぞ!い、一体どうやって持ち歩いてたんだこの男!
 卑猥です、こっちによこしなさい!』
実況は最初は単純な驚きに満ちていたが、最後の辺りになると笑いが混じっていた。
会場も同様だったが、モウジだけは笑えなかった。笑えるわけが無かった。
その分の笑いを引きうけたように、優しくない笑顔で、ハダレが一つ一つ解説していく。
「んーと。これがスタンダードなやつで、太さが変えられるやつ。こっちパール。なんかすっげぇ震え方するから。
 んでこの瓶、通称惚れ薬。一発でメロメロって宣伝してて、本当だったらしいけど今は製造禁止で、レアものだって。
 でぇ、これ口にはめる奴。こうやって使う」
377代理戦争:2006/02/11(土) 11:15:52 ID:zLS9D40a
ハダレは今解説しかけた轡をモウジの口――布を押し込まれ、吐き気を催している所為で半開きだった――に嵌めた。
締め過ぎるほどに締めて、モウジの抵抗を苦しさで奪ってから、緩めてちょうど良くする。
口に押し込まれた部分に穴のようなものが開いていて、その大きさは青年がそこから布を引きずり出せるほどだった。
そうしてから、ハダレは視線を観客の方に這わせて、問い掛けた。
「この穴どうやって使うか、分かるーー?」

観客が口々に何か応えている。
もしかしたら分からないといっているのかもしれないし、答えているのかもしれない。
少し間を置いて聞いている振りをして、ハダレは大声をあげた。
「せいかいはーー、」
足もとに落して(置いて)いた玩具の一つで、最も細いものを取り上げると、轡の穴に突っ込んだ。
男が嫌がって、もの凄まじい力で抵抗する。
が、ハダレはヘッドロック状態でそのまま前後に無理矢理出し入れする。
「こーやってぇ、噛まれずに強制フェラできまーす」
378代理戦争:2006/02/11(土) 11:16:34 ID:zLS9D40a
おー、と言うテレフォンショッピングのような反応が起こる。
モウジは懸命に舌でそれを押し出そうとするが、玩具が細く口元に余裕があるせいで、
逆に舌を絡めているように見える。
いずれにしても閉じられない口腔には唾液が溜まり、玩具は確実に濡れていった。
ハダレは充分な状態になるのをまってから手を止め、玩具を引き抜いた。
強烈な舞台用のライトがそれを照らし、ぬらりとした輝きを見せる。
それにうっとりしたような瞳を向けると、ハダレは観客席をぐるりと見渡した。
……目に止まったのは、前から2番目の列の金髪の若者だった。特に理由は無い。
「んぁーと。そこの金髪の兄ちゃん」
俺?と自身を指差す彼に頷きながら、ハダレは言った。
「今からオレとじゃんけんして。
 …兄ちゃんが勝ったら、慣らしなしでコレ、この人にぶち込むから」
モウジの顔に驚愕が広がる。
それは細いとは言え、そんなものがいきなり入るのかという恐怖や、
なぜそんな事をされなくてはならないのかという憤りや、
じゃんけんという完全に運任せのいい加減なゲームで俺の運命は決まるのかという絶望の、
それぞれに対する驚きの混じった、実に多様な表情だった。
379代理戦争:2006/02/11(土) 11:17:44 ID:zLS9D40a
だがハダレはそんな事には構わなかった。
今獲物が考えている事など、潰される蟻が家族を心配しているかもしれないと考える事、
それよりもどうでも良かった事だからだ。
「んじゃ、いくよ。さぁーいしょはグー!じゃんけん…」
固唾を飲んで、会場全体が結果を見守る。

『ポン!』

……一瞬、静寂が訪れる。それを実況が破った。
『パーとグー!ハダレの負け、つまり金髪の兄ちゃんの勝利!』
会場が一気に異様な雰囲気に包まれた。
コレから血も辞さないサディスティックな試合になるだろうことが誰にも予想できたからである。
『哀れ昨日まで豪腕の猛者、加虐の立場だった男が、
今夜こんな悲惨な処女喪失を迎えるとは誰が予想できただろうかー!』

モウジはここに来て精一杯暴れた。
縛られているとはいえ、専門の拘束具ではないから、
自分の腕力ならなんとかなるという見積もりがあったのかもしれない。
自分はもう芋虫のように這わされているという油断から、ハダレが不用意になると思ったのかもしれない。
だがモウジにとって恐ろしい事に、その両方ともおこらなかった。
むしろ、興奮に泥酔した瞳のくせに、ハダレは冷静に行動していた。
380代理戦争:2006/02/11(土) 11:18:26 ID:zLS9D40a
暴れる身体の1点――何処とは言わないが、激痛を与えるツボだ――に指を突き込み、
痺れるような痛みに男がひるんだ所を更に関節を押さえて取り押さえる。
男が未だ身に付けているズボンと下着を引き摺り下ろし、腰を引き上げて四つん這いにさせる。
男の尻が上がったところで、その孔の在り処を目で確認する。
そして、文字通り慣らしなしに玩具を突き刺した。
絶叫が会場に響き渡った。

「ぅぐぁがああああああああああ!」
「…やっぱ…難しい…なぁ」
ぐりぐりと容赦なく抉りながら、ハダレは呟いた。
滑らかで細身(本当にこの手の玩具としては細かった)のバイブ。
さらにそれが滴るほどに唾液で濡れていた事、そして何より排泄器官の役目を考えれば、
例え出入り逆でも入りそうな気はしていたのだが。
ハダレの手元には先端2〜3センチで早くも止まってしまったバイブが握られている。
だが一度入れるといってしまった手前ここで終わるのもどうかと思うし、
新たな展開も思い付かない。ハダレは更に腕に力をこめた。
「…お、ちょっと入った…。モウジさん、あんた力抜いてよもうちょっと」
「ぁ、あ、あがっ…」
玩具が2,3ミリずつ、粘膜を巻きこむように突き進んでいくたびに男が苦悶する。
暴れまわっていた身体は大人しくなり、今は筋の浮いた手足が震えるだけになっている。
381風と木の名無しさん:2006/02/11(土) 11:19:40 ID:hnCe0IR5
もう一回規制防止支援
382代理戦争:2006/02/11(土) 11:20:09 ID:zLS9D40a
と、いきなりモウジが目を見開いて、背をピンと伸ばした。
「ああああああっ…!」
「んん?」
ハダレはむしろビックリしてその変化に注目した。
マンガや小説ではあるまいし、性感帯に触れるのはいくらなんでも早過ぎる。
訝しく思っていると、玩具を握る指に生暖かい筋を感じて、思わず手を離した。
「あ、切れた」
指についたものは濁った血液で、どうやらやはり内部が裂けたらしい。
ハダレはわざわざそれを客の方に向かってほら、と掲げて見せた。
「やっぱ無理があった。奥まで入れたら傷広げるだけで、いいことないねぇ」
男のほうはというと、肩で息をつきながら、その場で背をのたうたせている。
その筋肉質な尻からは、赤い筋のついた玩具が尻尾のように揺れていた。
それを見ながらハダレは、
「……どうしようか。ちゅーは嫌だから乳首舐めとピアス開けでじゃんけんとかしようか。
 それとも内臓めくれるまで玩具…いや、これはオレが萎えるし…ふぅん」
頭を掻き回しながら、また独り言をいいながら考えていた。


(また中途半端でつづきます)
383風と木の名無しさん:2006/02/11(土) 16:46:12 ID:brVtgrlb
マッチョ受けキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
384風と木の名無しさん:2006/02/11(土) 17:05:23 ID:pRy/DAZ0
キタキタキタキタ━━━━━━(゚∀゚*)三(*゚∀゚*)三(*゚∀゚)━━━━━━!!
細身の男×たくましい男大好物の私としてはこれほどの萌えシチュない…!
GJ!!
続きを激しく期待してますノシ
385風と木の名無しさん:2006/02/12(日) 03:22:54 ID:PGTUa73Q
ハダレタンのさくさく鬼畜っぷりに禿モエス
386風と木の名無しさん:2006/02/12(日) 03:53:32 ID:KMwy/KCk
あげ
387風と木の名無しさん:2006/02/13(月) 06:04:23 ID:7wahzO4m
ハダレ受け期待の私は少数派かあ。
388風と木の名無しさん:2006/02/13(月) 11:31:56 ID:qICfIjz4
細身×マッチョ
逆は在り来たりだがなんか新しくてイイ
389風と木の名無しさん:2006/02/14(火) 19:28:07 ID:aY9LbFe8
>>387
ちょっと同意。
390風と木の名無しさん:2006/02/14(火) 19:28:45 ID:aY9LbFe8
あげちゃった逝ってくる
391風と木の名無しさん:2006/02/14(火) 22:21:51 ID:FHNrYloK
ハダレ受けなんてありきたりすぎてツマラン
華奢で綺麗な受けはもう辟易だ
392風と木の名無しさん:2006/02/14(火) 22:43:32 ID:eQilkV3U
ガチムチマッチョの暴力受けでも、華奢な激強男を
無理矢理組み敷くのでも、どっちも美味しくいただけます。
393風と木の名無しさん:2006/02/14(火) 23:02:17 ID:hFXbbede
ノシ
どちらもおかずに美味しく白米一升いけます。

394風と木の名無しさん:2006/02/14(火) 23:04:19 ID:gKmTuq/F
801で萌え嫌いなんてしないよ(`・ω・´)
ちっちゃい頃ママに萌え嫌いはだめよって言われたでしょ

395風と木の名無しさん:2006/02/15(水) 08:18:45 ID:bNqzfZDN
たっぷりキチークした後に別の試合でキチークされてほしい
396風と木の名無しさん:2006/02/15(水) 18:49:20 ID:WGBkaz5R
>>394
そんなママに育てられた覚えはありません
397風と木の名無しさん:2006/02/15(水) 19:45:05 ID:lcPktox2
あげ
398風と木の名無しさん:2006/02/15(水) 22:45:17 ID:7iRooB+a
>>395
明日は我身な代理戦争テラオソロシスwww
399風と木の名無しさん:2006/02/17(金) 00:15:59 ID:Cv0ar30K
ちょいと保守
400風と木の名無しさん:2006/02/17(金) 21:09:54 ID:oW5yHKR5
age
401風と木の名無しさん:2006/02/19(日) 03:53:21 ID:vYPAcLJP
ほっしゅ
402オンラインゲーム45:2006/02/20(月) 17:43:15 ID:n/4TRswL
>>340 エロ無しです

ザシュ!!
…と何かが切り落とされた音と、自分を支える触手から意志が消えそのまま水の中に沈んで行くのがわかった。
「…!?」
誰かが、居る。その誰かに沈んで行く身体を引き上げられて、水面の上に持ち上げられた。
「…ごほっ!がぁっ…は、ごほ、ごほっ!」
飲んだ水に咳き込んでいると、下にくわえたままの触手の一部を引き抜かれ、ドロリと液体が流れ出た。
「うああああ…」
力無くその誰かにもたれかかり呼吸を整えると、目の前に怪物の死体があった。
「おいおい、どんだけコイツに嬲られてたんだァ?ずいぶんと流し込まれてんじゃねーか」
下から流れ出るドロドロしたものが水じゃない事はすぐにわかる。俺は助けてくれた相手を見た。
怪物を見た後なら何をみたって驚かないと思っていたのに、その相手の妙な格好に驚いた。
獣の顔に人間の身体をしている。
犬科の動物の顔に、毛深くて大きな胴体、皮膚は硬くてザラザラしいているが簡単な服を着ている。早く言えば狼男だ。
「何とか言ったらどうだ?俺ァ命の恩人だぜ?」
その非現実的な姿に絶句していると、彼は一度俺の身体をザバーっと水に浸けて身体を洗い、近くの小屋みたいな所に連れて行き布で拭いた。
「何だおめー、しゃべれねぇのか?」
「…ありがとう、助けてくれて」
心身共に疲れていたので、首を横に振りそれを言うだけが精一杯だった。
「勘違いすんなよ。俺は助けるつもりでしたんじゃねェ、湖がバシャバシャ五月蠅くて寝れねーから見に行っただけだ」
そう言って彼は服を俺に投げつけて小屋を出て行った。

ピコン、と画面にその服のイラストが出てくる。その服を着るために俺は目の前に手を伸ばす。
「…?」
俺はその行為に違和感を感じたが、疲れた頭ではそれ以上考える事が出来ず、そのまま横になると寝てしまった。
403オンラインゲーム46:2006/02/20(月) 17:44:00 ID:n/4TRswL
---
食べ物の臭いがして目が覚めた。
目を開けると狼男の彼が焼き魚とスープを食べている。どれくらい寝ていたのか、外は真っ暗だった。
「起きたか、食いたいなら食えよ」
身を起こした俺に食事を差し出す。随分と身体が楽になっていた。不自然な程に。
「…ありがとう」
素直に受け取った。顔が顔だけに、食われるのかと思っていたがそんな気は無いらしい。
「で、おめーはどこから来て、どこへ行く予定なんだ」
伯爵の屋敷から来て、行く当てはない。と正直に答えると男は「逃げ出して来たのか」と笑った。
「はっ、逃げ出したと思ってるのはおめーだけかも知れねぇがな。この森はまだ伯爵の敷地内だぜ」
…今なんて言った?思わず口に運ぼうとしたスプーンが止まる。
「やっぱり知らないみてェだな。この森は伯爵のもんで、敷地内には伯爵に飼われてる番人が何人もいるぜ。俺みてぇのな」
「……」
「この森から出るのは無理だ。伯爵に逃げ出した奴隷を捜して連れて来いって言われりゃ俺はお前を屋敷に連れて行くぜ」
思わず立ち上がって逃げ出そうとするが、あっさりと男に腕を捕まれた。
「まぁ慌てるなよ。『連れて来いって言われりゃ』って言っただろ。命令があるまでは別に連れ戻したりしねーよ。まずは食え」
命令が無いなら別に、俺が今逃げたってこの男にとってはどうでも良い事じゃないのか?何故引き留めるんだろう。
引き留めて、命令が下りた時にはきっと俺を差し出すつもりなんだろう。それはわかっていたが何故か俺は、最初からこの男の事は恐く無かった。
どうせ今逃げたって追って来るかもしれないし、逃げるにしても不意を付いた方がいい。
俺はもう一度座り直し、スプーンを手に取った。


今回はここまで。
404オンライン作者:2006/02/20(月) 18:23:49 ID:Z+L1sUbm
ちょっと伺いたいのですが、ここって獣姦は駄目でしたよね?
一応擬人化のつもりなんですが、↑に出てきた狼男とのHは大丈夫でしょうか。
大丈夫なようでしたら「獣姦っぽいので注意」と注意書きして続きを書きたいのですが。
405風と木の名無しさん:2006/02/20(月) 18:37:27 ID:unSxIgs8
オンラインタソ乙! 待ってたよ。
獣姦は以前は保管庫の鯖の関係でだめだったみたいだけど
今は保管庫自体が変わったことだし、上二つ読んだけど
(擬人化と言うことで)自分個人は桶だと思うんだけどなー。読みたい。
406風と木の名無しさん:2006/02/20(月) 20:01:57 ID:Et5wGOj3
ヤッチマイナー
407風と木の名無しさん:2006/02/20(月) 20:07:28 ID:2EUES6Be
あげ
408風と木の名無しさん:2006/02/20(月) 20:08:23 ID:CmnTpS3l
>>404
GJ!喋ってるから擬人化ってことで、いいんじゃない?
「擬人化注意」って書いといたらいいとオモ
409風と木の名無しさん:2006/02/20(月) 22:30:32 ID:19gTn6Z1
アリスタソキタキター

私もこれなら平気かな。喋ってるし、人型みたいだし。wktkして待ってるよー
410風と木の名無しさん:2006/02/20(月) 22:55:09 ID:0/6qIAJG
毛深い男だと思えばいいんじゃないw
411風と木の名無しさん:2006/02/21(火) 00:59:48 ID:PEaxtBxh
オンラインタン乙!
待ってたよー!

書き方(表現)次第だとオモ。
如何にも獣とやってますって感じでいくのか、獣の顔した人間とやってますって感じなのか。
自分は結構どっちも(・∀・)カム!だけどねー。
412風と木の名無しさん:2006/02/21(火) 01:13:11 ID:Pt+4r9S2
オンラインタソ待ちwktk(*゚∀゚)
413代理戦争:2006/02/21(火) 17:44:57 ID:1ArUg+NR
投下します。
流血、ピアッシング等苦手な方はスルー願います。
414代理戦争:2006/02/21(火) 17:46:16 ID:1ArUg+NR
モウジはうつ伏せで転がっていた。
尻の痛みに呻きながら、まだ今自分がおかれた事態が半ば夢であるかのような感じでいた。とびきりの悪夢。
同じような夢を見るならせめて相手が女性であって欲しいと思う位の自由はあったが、体に自由はない。
自慢の手足に自由はないのに、自由である夢を見る自由はある・・・
「さて。んじゃつづけよっか。…えぇとそこのモヒカンのおっちゃん」
その自由も、奪われようとしていた。
「そう、あんたあんた。…今からまたオレとじゃんけんして。あんたが勝ったら…」
ハダレは少し言いよどんだ。余り先のことを考えずに話しているらしい。
「…おっちゃん、長い試合と短いの、どっちが好み?」
青年に問われて、何だか妙に嬉しそうな強面の男が答える。
「そりゃあ長い方だ。抜きに来たわけじゃないから、激しい方がなおいい」
「おっけー」
ハダレはモウジの方に向き直ってから大声で言った。
「次のじゃんけん、オレが勝ったら速攻ここにぶち込むから。
 おっちゃんが勝ったらもう1回じゃんけんして、次負けたら慣らしてから入れる。
 んで、もう1回おっちゃんが勝ったら」
足もとの屈強な男を眺める。
口枷の所為で口が閉じられず、涎が流れっぱなしになって見るも無残である。
輪の真ん中からちろちろと覗く舌は意外と赤みが強くて艶があった。
意外と萎えないもんだなぁ、そんな感想が青年の脳裏に浮かぶ。
415代理戦争:2006/02/21(火) 17:47:18 ID:1ArUg+NR
手は後手に、足は揃えて縛られているため土下座しているようにも見えた。
そして割れた尻の谷間から、血まみれの尻尾が突き出ている。その血はハダレに指にも付いているはずだ。
ハダレはその指を擦り合せて、乾いた血を落す。そんな事さえ楽しかった。
――楽しくて仕方が無かった。
「血だるまにしてから犯す」
会場が息を合わせたように盛り上がる、その気迫といったら、爆発のようだった。
モウジは口枷の奥で何度も例の言葉――「ごめんなさい」を叫んでいた。
だが観客には遠すぎて見えるものではなかったし、ハダレには何故かもっと見えなかった。
「んじゃいくよー、さーいしょはグー!じゃんけん・・・」

「ポン!」

『…これは…パーとぐーで、またもハダレの負け!ということは、もう一度じゃんけんコース!
果たしてモウジ選手は穏便な初挿入を迎えられるのか、それとも…』
「ポン!」
実況などお構いなしに、2人はじゃんけんをした。その結果――
『ぐわー!グーとチョキでまたもハダレの負け!』
「…オレじゃんけん弱いのかな…」
青年はみょうに深刻そうに眉根を寄せ、手を握ったり開いたりして考え込んでいる。
一方、連勝して望み通りの試合を見れることになったモヒカン男は周りの連中とハイタッチなどして喜んでいる。
その様子を僅かに恨めしげに眺めてから青年はもう一度モウジの方を見下ろした。
モウジには最早、最初に登場してきた時の自信や何かは霧消していた。
可哀想なほどに手足を竦めて、あまつさえ僅かに震えている。まるで飼いウサギのようだ。
――代理戦争の場では誰もが狼にもなり、またウサギにもなり得る。
「…今からそんなんだとさぁ」
狼は震える大柄なウサギを蹴り転がして、仰向けにさせた。
尻に生えた短い尻尾が動いたのか、苦痛の鳴き声を漏らす。
その側に膝をついて顔を覗きこみながら、狼が歯を見せて笑った。
「最後までもつかなぁ…」
416代理戦争:2006/02/21(火) 17:48:11 ID:1ArUg+NR
※流血注意
「あ、ぁ…あふぁっ!」
筋肉でできた丸太のような胴が跳ね上がる。
ライトに照らされたモウジの肢体は、透明な液体と赤い液体でぬらぬらと光っている。
透明な液体は何種類もあったが、赤い液体は1種類しかない。血だ。
血は僅かににじむ程度から、数センチの線を引くものまで様々だったが、一様な傷痕から染み出している。
「…結構痛いの弱いねあんた」
例えて言うなら、寿司ネタとシャリ。
それほどに身体の厚みに差のある青年が男に覆い被さり、全身を舐めまわしている。
「それとも血だるまって言われて、サンドバックにされると思った?そういう痛さには強い?」
舐めまわしているだけなら血塗れ、血だるまにはなるはずが無い。
ハダレは上目遣いににっと笑って、目の前の鎖骨に歯をつきたてた。
「うぁッ、あ、あ、あ!」
ぐいぐいと本気で――もしくは血が出る程度に――噛まれて、モウジが身を捩って逃げ惑う。
暴れるたびに歯が食込むのは承知でやっているのか、それとも反射的にそうしているのか。
いずれにしても、ハダレがゆっくりと口を離す頃には傷が広がってしまっていた。
いびつな歯型から、唾液に溶けた血液がゆっくりと流れ出す。
今度の傷は骨がすぐ下にあるから深くなりようも無かったが、なんだか血が沢山出てしまった。
じわっとゆっくりそれが広がっていくのを興味深げに眺めながら、
「オレも。殴られるのはもう何とも無いね」
殴るのもそうだけどね、とも言いながら指でそれを塗り広げる。
鎖骨から、盛り上がるほどに発達した胸筋の間をなぞり、親指でいきなり乳首の近くまで接近する。
417代理戦争:2006/02/21(火) 17:48:47 ID:1ArUg+NR
「ぅう・・・」
ぬるぬるとした指で乳輪をなぞると、目に見えてふっくらと膨らみ始める。
それが面白くて、何度もくるくるとなぞってみると、あからさまに周囲の皮膚と感触が変わっていく。
男の反応が体を傷つけていた時とだいぶ違い、逃げまどうのにも必死さが無い。
ハダレは再び皮膚に口を付けた。
「噛めそーじゃね?こうなると」
「ふぁはっ・・・!?」
反射的に首をもたげてこちらの挙動を見ようとするモウジが見たのは、
赤く濡れた舌で乳輪をなぞるハダレの姿だった。
頂点には触れず、じっとりと入念になめている。
唾液が乾くとそこがすぅっとした様に感じるが、頂点にその感覚がないのが不自然で、気持ちが悪かった。
その気持ち悪さが鳥肌になり、鳥肌が乳首の勃起になる。
「もしかして触って欲しかったりする?」
青年の指が胸を這い、もう一方の乳首に直接触れる。
「は…はひっ…ぁひっ」
先ほどとは違って、乳頭を弄んで楽しんでいる。
褐色に近い、乳毛?の生えた、とても綺麗だのと褒められないそれを人差し指と親指ではさみ、
血液と唾液で滑らせて刺激する。
モウジは痛みとは違った刺激に身体をくねらせる位で、すっかり大人しくなった。
418代理戦争:2006/02/21(火) 17:53:05 ID:1ArUg+NR
――単に恐がっているだけで、暴れると噛まれると思っているからかもしれない。
「あ、ぁあ…ふ、」
唸りながら悶えるその姿を見ながら、ハダレはさっき自分で地面に撒き散らした玩具の中から
茶色い小ビンと、小さな箱と、もう一つを取った。
大きさはそれほどでもない。手で握っても外からは分からないかもしれない。
直方体で、白っぽい色をしているが、色に意味は無いだろう。
横から見ると缶切りのような、変な造型をしているが、凹んだそこには針がついている。
「ねーねーあんた」
ハダレはそれを男の目の前に突き出した。
「これなーんだ」
「ぁ…?」
男がぼうっとした瞳をそれに向けた。見た事が無いらしい。
「知らない?ちなみにオレは知らなかったね。嫌いだし」
男のぼんやりした様子を尻目に、ハダレはその器具のカバーを外して針を剥き出しにする。
もう一方の手には小ビンを持ち、歯でその蓋を開けると、中身を男の胸の辺りにぶちまけた。
「ぅはぁッ…あ、あ!?」
てっきり常温だと思っていたのか、それとも単にぼんやりしていただけか、男の身体が跳ね上がる。
胸の辺りがやたらひんやりとして、刺激臭がして、何より傷にしみるこの液体。
「ふぉ、ふぉへ…!?」
「これ?これは単なる消毒液」
ハダレは中身の激減したビンを振って見せた。ピチャピチャという小さな音が聞こえて、ビンの茶色が揺れた。
そのビンを適当に置くと、青年は男の股間に右足の膝を乗せ、左手で首筋のツボを押さえ、
それぞれを人質に取る格好にして男の身体に乗り上げる。
右手に例の白い器具を持ち、言う。
「オレへの今回の依頼の一部なんだよなぁ、これ。…社章入りのピアス」
419代理戦争:2006/02/21(火) 17:53:59 ID:1ArUg+NR
※ピアッシング注意。
モウジがかっと目を見開いて、しきりにうめく。
が、ハダレの膝に股間を圧迫されて黙る。
「暴れたらとんでもないとこに針刺さるかもしんねぇし。ちょい黙ってて」
オレは何処に刺してもいいんだけど。そう言うと、急に男が大人しくなった。
青年はさっきから触れていなかったほうの乳頭に狙いを定めた。

バネの弾ける音。

「はふぁあ!」
男の身体が弓なりに反って、ハダレの身体を持ち上げる。
「ぉお、流石筋肉ダルマ」
なんか十円入れたら動く奴に乗ってる気分、と面白がりながら、ハダレは素早く小さな箱を開けた。
中には有名な裏組織の、表の社名と社章の入ったシンプルなピアスが入っている。
慣れない手つきでそれをつまみ出すと、青年はたった今開けた穴にそれを嵌めてしまう。
男が痛がるのなどお構い無しだ。
「ぅう、…ううぅ…」
――ハダレの耳、鼻、唇、そのほかにピアスやその穴や跡は見られない。
ピアス開けに関して完全な素人がやったので、男の苦痛は相当なものだっただろう。
実際モウジは試合でも見せた事が無いほどに荒い息をつき、身悶えていた。
涙で濁った、今更縋るような瞳がハダレを見ていた。
420風と木の名無しさん:2006/02/21(火) 18:16:18 ID:UUJG476w
規制支援カキコ
421代理戦争:2006/02/21(火) 19:43:34 ID:1ArUg+NR
ちょっとトラブルがありまして時間が空いてしまいました。
続きを投下させていただきます。
422代理戦争:2006/02/21(火) 19:44:18 ID:1ArUg+NR
「訳わかんねーって顔だなぁ」
ハダレは男の身体の上に乗ったまま、言った。
「もしかして、自分どうしてこんな事されてるのかわかってない?」
「…ふ…」
男は頷いた。
なぜこんな事をされなければならないのか。
この試合は注目の選手と古株の王者がこの代理戦争場の覇権を巡って争う、そんな試合だと思っていた。
双方に依頼してきた組織同士も、親子のようなもので、関係はきわめて良好だ。
怨みの絡んだ試合だと敗者は手ひどく痛めつけられるが、こんな関係でこうされる事は異常だった。
まず彼が自分が敗北するなんてちっとも思っていなかった事は除いて、
彼には訳がわからない事があまりに多かった。
「…あんたに依頼してきたのはA会。俺に依頼してきたのはB社。
 A会はB社の子会社で、きわめて仲良し。ここまでおっけー?」
モウジが頷く。
ハダレは僅かに小声になって、
「B社は製薬会社で、中央にはまともな薬や病院向けの商品を、こっちにはヤクを売ってる。
 A会はB社に何をやってるかっていうと――わかるよな、人身売買」
モウジは必死といっていいほど熱心に首を縦に振った。
「実験用とか、あとは偉い人のご趣味の為に予約を取るのがB社で、実際どうにかしてるのがA会。
 ……一番最近の注文はたった10日くらい前だったらしいね」
男は必死にその物語の結末を考えながら、首を縦に振りまくって入る。
一体、自分が何をしでかしたのか、考えが至らないらしい。
ハダレは説明を続けた。
「……嫌だね。自分が売られるのとか、想像したくもないね。
 で、10日くらい前にどんな注文があって、実際どんなのが届いたかって言うと、さ。
 十代後半の青年で、茶髪で、前も後も初物の『異』を注文したんだって。
 相当高かったらしくて、注文したB社のボスも楽しみにしてたらしいよ」
423代理戦争:2006/02/21(火) 19:45:36 ID:1ArUg+NR
――思い当たる。十代後半で、茶髪で、初物の…青年。
十日前より少し手前。
彼は――
「ところが実際届いたのは傷物。後が使用済みになってたんだって。
 何でそう言う事になったかって言うと…」
そうだ、彼は代理戦争に出させられていた、あの青年だ。彼の相手は――
――そうだ、彼の相手は、この、自分だった。
「なかなか自分の境遇が理解できない彼に、自分の立場を思い知らせるために出した代理戦争。
 初物は守ったまま、傷の残らない程度に殴らせて、抵抗力を奪おうと思ったのかな。
 そこで事前に打ち合わせしておいたはずの対戦相手が勝手に、思いこみで、『商品』を傷物にした」
モウジは心の奥底から震えあがった。
今までのような、痛みに対する表層的な鳥肌でなく、心の表面までもがあわ立つような重圧だった。
あの時、モウジは事前に「勝つだけでよい」と言い含められていた。
だがいざ、あの青年を嬲り出すとついその手が止まらなくなって――
「A会だって怒ったけれど、それにも増して怒りが収まらないのはB社のほうでさぁ。
 でもまぁ、B社のボス個人の問題だから全面戦争にはならなかったんだけど。
 …どうするか協議した結果、事前の打ち合わせすら守れない、犬以下の代理戦争選手を」
んぐ、という唾液を飲む音がして男ののどが上下する。

「痛めつけて観客から観覧料をたっぷり取った後に、売り飛ばす事にしたんだってさ」

モウジの腕から、持っていたはずの感覚や感情というものが一つ一つ抜け落ちていくようだった。
痛みも、疼きも、快楽も、苦しさも、何もわからなくなって、ただ判然としない息苦しさがあった。
呆然と霞む、天井のライトがまぶしかった。
424代理戦争:2006/02/21(火) 19:46:33 ID:1ArUg+NR
その隙に、ハダレは小さな箱からさらにチェーンを取り出して、ピアスの端に括り付ける。
チェーンの反対の端は男の性器に巻き付けて固定してしまう。
チェーンの長さはちょうど乳首と性器を一直線につないでいて、弛みはほとんど無い。
ハダレは手に薄いゴム手袋をはめると、消毒液とは違う瓶――透明なオイルを手のひらに塗りたくる。
そして今さっき無慈悲なピアッシングをしたとは思えない、丁寧な手つきで男自身をつつんだ。
「はぁ・・・」
「あの、半勃ちですよぉー、モウジさーん?」
青年の骨っぽい指を押し返すように、男のものが充血していく。
同時にチェーンがわずかに肌に食い込んで塞き止める。
「ピアス嵌められて感じたりしたぁ?そうなったらそろそろ変態の仲間入りじゃね?」
それとも膝でぐりぐりしてたからかな。と言って、手早く扱いて完全に勃起させる。
いくらそういう試合に不慣れだからと言って、ここは不慣れと言うことはないだろう。
「んっ、んっ・・・んっ」
硬い全身の筋肉を硬直させて快感を受け止める男の耳元で、ハダレが囁く。
「ここにもピアス・・・開けちゃう?」
「ふ、!?」
モウジは忘我の境地から引き戻されて、目を見開いて轡越しに抗議する。
首を必死に振って、抗議と言うよりは哀願の体だ。
それを眺めおろしてから、ハダレは先程の小箱を取って開けて見せた。中身は無かった。
「冗談冗談。それしか無いから」
ホッとしたように首を落とすモウジ。彼自身の先端からはオイルを水増しさせる物が増えてきた。
安心したように項垂れて喘ぐ男のそれを片手で愛撫したまま、ハダレの視線は男の後ろに注がれていた。
もう血は止まっていて、そこは堅く玩具をくわえ込んだままだった
425代理戦争:2006/02/21(火) 19:48:02 ID:1ArUg+NR
↑ここまでです。
426風と木の名無しさん:2006/02/21(火) 21:36:54 ID:wZlNe2FL
代理戦争タン乙ですっ!!淡々とした攻イイッ(・∀・)!!モウジアホスwww
427風と木の名無しさん:2006/02/21(火) 22:24:05 ID:qVUZcNIu
乙、乙、乙ッッッ!!!
体毛一本残さずツルッツルに禿萌え…!
アホな筋肉受け、知的なクール攻め、たまらん。
続きwktkしまくりで待ってます。
428風と木の名無しさん:2006/02/22(水) 01:03:54 ID:WkqqtkEH
代理戦争タソオモシロス!!!!
続きが楽しみでしょうがないよ…!!!禿しくwktk
429ショタ ファンタジー:2006/02/22(水) 03:34:37 ID:S8lTyfgY
この村では生まれた子供の10人が10人とも男児である場合、一番最後に生まれた男児を隣村の山に捨てなければならない。
シイは運悪く、その10人目だった。
彼は自分の置かれた立場をよくよく理解していた。
自分が山へ行けば死んでしまうであろうこと、そして、自分が死ぬことでこの村に女児が生まれるということを。
「シイ、ごめんなさいね…もし私がお前を女に生んでいたらよかったのに…あぁ、お前が精通を迎えたら私はお前を…山に…う…うぅ…」
「お母さん…生んでくれてありがとう…ボクはとても幸せだよ。だから泣かないで。」

汗ばむ夏の朝、シイは13歳でついに精通を迎えてしまった。
彼は母のもとへ駆け寄り、抱きつき涙した。
そして、母と2人、村長のもとへ行きついに自分が山へ行かなくてはいけないことを伝えた。
村長はしきたり通り、女の着物をシイに着せ、隣村へ行くよう告げた。
着物を纏ったシイの姿はとても美しく、女として過ごしてもいいのではないかというぐらいのものだった。
シイは村人の誰からも愛されるような存在だった。
男児を生んだ母たちは皆シイに謝った。
「ボクの生まれ変わりの女児を大切にして下さい」
シイは申し訳なさそうに微笑むと、そう皆に伝えた
シイは涙の止まらない母と最後の抱擁を交わすと、走って隣村の山へ向かった。

『死んだら女の子として生まれ変わるんだから、死なんて怖くない…』

シイは自分にそう言い聞かせて山の中へ入っていった。
死への恐怖が拭いきれないのか、彼の足はガタガタ震え、目には涙さえ浮かんでいた。
430ショタ ファンタジー:2006/02/22(水) 03:35:49 ID:Q4YOUczj
ところがどれほど歩いても何も起こらない。
シイは木陰でぐったりとしていた。
もはや汗と涙で顔はぐちゃぐちゃだった。
肌にべっとりとくっつく着物の感触が気持ち悪い。
いつの間にかシイは眠っていた。

シイが目覚めた時、シイはここがどこだか分からなかった。
それもそのはず、そこは森の中ではなかったからだ。
シイは両手を後ろ手に縛りあげられ、床の上で横たわっていた。
「目が覚めた?」
シイの正面には20代半ばの男性が微笑みかけていた。
「ここは、どこですか?」
シイはおそるおそる目の前にいる男性に話しかけた。
「ここは森の中だよ。シイ君」
森の中にこんな場所が…?ここは小屋…?ボクこれから死ぬの…?
シイが色んなことに考えをめぐらせているのを気付いた男はシイに近付き、彼の肩にそっと触れた。
「シイ君。君は死なないよ。でも、君の一生はね、もう決まっちゃっているんだ。」
男は寂しそうにそう言うと、シイの着ていた着物を剥ぎ取った。
夏なのになんでこんなに涼しいんだろう…なんでこの人ボクの着物を脱がすの…?
「最初だから…優しくするよ。これが気持ちよくなるようになるのが今の君には一番大切なことだから…」
そう言うなり男はシイの唇に自分の唇を重ね、シイの大切な―つい今日精を出すことを覚えたばかりの―真ん中を掴み優しく扱いた。

とりあえずここまでです。突然の投下失礼いたしました。
431風と木の名無しさん:2006/02/22(水) 03:44:13 ID:ZBKmgZsh
シチュ的にも大好物です、ショタさん! ツルツルに剃り上げて続きお待ちしてます!
432風と木の名無しさん:2006/02/22(水) 23:37:19 ID:giRZemZh
ショタさんGJ!
応援してます!
433風と木の名無しさん:2006/02/23(木) 01:00:25 ID:Zr71oJXU
ショタktkr!
434風と木の名無しさん:2006/02/23(木) 02:04:24 ID:ljHbUONc
あげ
435ショタ ファンタジー2:2006/02/23(木) 05:22:27 ID:kz4WlDLy
この人何してるの…?ボク死なないの…?村は…?ていうかなんでこの人ボクの名前知ってるの…?
訳が分からないままシイは男のされるがままになっていた。
シイの口の中に男の舌が割り入って、シイの舌に絡みつく。
シイの体は次第に熱くなり、真ん中のソレは硬くなっていった。
重なった唇の間から時折シイの吐息が漏れる。
シイは知らない。
シイの仕草の一つ一つが男の嗜虐心を煽っている事を。
「だいぶよくなってきたみたいだね。もっとよくしてあげる。」
男の顔はシイの唇から離れると、今度はシイの股間に顔を埋めて、硬くなっているモノを咥えた。
「何をするん――」
さすがにそれはまずいと思ったシイは思わず抵抗しようとしたが、男の冷たい目に怯えて何も言えなくなった。
男は股間から顔を離し、ひどく冷たい目で彼を睨みつけた。
「抵抗すると村は滅びるよ。されるがままになりなさい。」
思わずシイは男の視線から目を逸らし、小さく頷いた。
「いい子だ。」
男はシイの表情を舐めるように見ながら、シイのモノを手で扱き始めた。
自分の置かれている状況が全く理解できずにいるシイは、目に涙を浮かべながら、押し寄せてくる快楽の波に飲まれようとしていた。
男はシイの快楽と恐怖で歪む顔を見て微笑むと、再びシイの真ん中を口で愛撫し始めた。
生温かい男の口の中の感触に、シイは素直に反応した。
シイの意識も体も快楽に支配され、彼は次第に考える事をやめていった。
そろそろか…
男はシイの体から離れ、立ち上がると、部屋の隅の棚から箱を取り、中から紐と液体の入った瓶を取り出した。
シイは突然現実に引き戻され、自分が今までいやらしいことをされていた事にようやく気付いた。
そして、自分がそれを受け入れてしまっていたことにとてもショックを受けていた。
男はシイのもとに戻ると、少し小さくなったシイのモノを手で扱いて大きくしてやり紐できつく縛った。
怯えるシイをよそに、男は瓶からドロッとした透明の液体を手に取り、シイの真ん中の先端に塗った。
「何をするんですか?」
恐る恐る尋ねたシイの質問には答えず、シイの後ろの穴に液体をたっぷり付けた指をそっと一本入れた。
436ショタ ファンタジー2:2006/02/23(木) 05:23:37 ID:kz4WlDLy
「あの、何を――」
シイが再び声をあげると、急に男は勢いよく穴に指を入れ、中を掻き回した。
空いている手でシイのモノを扱きながら男は言った。
「おとなしくしなさい。でないと…めちゃくちゃにしたくなるだろ?」
男は舌なめずりをすると、中がほぐれていないうちに指を一本増やし、シイの中を嬲る。
シイは小さく叫んだ。
「これはお仕置き。分かった?」
シイは何も応えずただただ震えていた。
男は、涙を浮かべて痛みに耐えているシイを満足げに見つめながら、シイの中をたっぷりと掻き回した。
前の快楽と後ろの痛みに体を熱くさせ、頬を赤く染めるシイの姿を見て、男は目を細めた。
二本の指を受け入れるにはだいぶ柔らかくなってきた頃、シイは先端と後ろの穴に異変を感じた。
とても熱い…
腿を擦り合わせ、何か訴えたそうな目で男を見つめた。
あぁ…興奮してしまうじゃないか。
男は舌なめずりをすると、また一本指を増やして激しくシイの中を掻き回した。
シイはまた小さく叫ぶが、その声は快楽をうったえるようなものだった。
男はシイの声の変化を逃さない。

今日はとりあえずここまでです。
437風と木の名無しさん:2006/02/23(木) 06:05:25 ID:UPNje2n0
ショタさんGJ!!
シイ君がすごいエロ可愛いです!
続き待ってます!!
438報復 1/6:2006/02/24(金) 00:25:42 ID:OUpQBpxN
「次、どこ行くよ?」
傍らの友人がだるそうに尋ねるのを、幸太は半ば聞き流した。
正直言って、もうどこにも行きたくなかった。カラオケで4時間、ひたすら歌って飲んで、
また別の店に行って、しこたま飲んで踊って、飛び跳ねた。
その後にどこに行くというのだろう?
実際、連れ立って歩くほかの友人たちも疲れていて、いつもは耳をふさぎたくなるほど
賑やかな連中が驚くほど言葉少なだった。
ゾンビの集団のようにぞろぞろと連れ立って歩く幸太たちを、飲み会帰りと思しき
サラリーマンやOLが迷惑げな顔をして避けていった。
別に目立った迷惑はかけていないつもりだが、恐らく自分たちのような存在は、
いるだけでどこか迷惑なのだろう。幸太は千鳥足で歩きながら周囲を見回した。

「―――今日は、帰るかあ……もう」
ねぼけたような自分の声が、どこか違うところから響いてくるような気がして妙だ。
想像以上に酔いが回っている。
勢いよく頭を振る幸太の背中に、誰かの力ないパンチがぶつけられた。
「おい、何それぇ……今、何時だと思ってんの。11時だよ?何、俺ら、いいとこのお嬢さん?」
「いいとこのお嬢さんは、こんな時間まで遊び歩かねぇよ……」
疲れ果てた声で答えながら、幸太は"いいとこのお嬢さん"、という言葉を内心で反復した。
脳内に浮かび上がってきた姉の顔。
"いいとこのお嬢さん"、で姉を連想するのはいささか図々しいような気もするが、
思い浮かんでしまったものは思い浮かんでしまったのだ。
何とも言えない孤独感のようなものが胸にこみ上げてきて、幸太は舌打ちした。
―――ガキかよ。

「まだ遊び足らねーよぉ……なあ、なんか、物足りねーよなぁ」
周りを見渡してそうねぼけた声で尋ねる友人に、幸太たちは煮え切らない態度を返した。
439報復 2/6:2006/02/24(金) 00:26:56 ID:OUpQBpxN
確かにどこか物足りない気もするが、それよりも疲れきってしまっている。
これからどこかへ出向いてまた遊ぶ、というのは想像できなかった。
ややしばらくして、別の少年が口を開いた。大柄で、耳にピアスをいくつも開けた少年だ。
「―――今日は、とりあえず解散しよ。疲れたし」
それに一様に賛同した周囲に不満げに唇を尖らせ、「物足りない」といった少年も
渋々といった体で顔を縦に振った。

「電車で帰んのタルくねぇ?バスもねーし」
「だから誰か車借りて来いっつったのに」
「拓郎先輩に車回してもらうかぁ?また『お返しは?』だの『お礼は?』だのうるせぇぞ」

帰宅の手段を相談し始めた友人たちのやり取りをぼんやりとそばで聞いていた幸太は、
ふとそばを通りがかった一組の男女に目をとめた。
初めはただ何気なく目をやっただけだった。
―――でも、何か引っかかる。

「『お礼』さあ、オンナ、とか言われたらどうするよ?」
「は?俺らただでさえ不足してんのに」
「じゃ、おめぇ、電車賃節約のために"アヤノちゃん"提供しろよ」
「おま、ざっけんなよ!やっと苦労してメルアド聞き出したのに!」
帰宅手段をめぐって騒ぎ始めた周囲には目もくれず、幸太は離れゆくその男女を
目で追った。―――何か引っかかる。何か。
酔いの回った頭では混乱してよくわからないが、それでも確かに見覚えがある。
男のほうだ。あいつ―――
「どした、コウちゃん。顔、こえぇよ」
モデルみたいに気取ってて、緩いウェーブがかった黒髪に、彫りの深い顔、
いやらしい目つき―――

「幸太?」
いまや、ほとんど輪郭も見えないほど遠くへ離れてしまったその男女が、ふと重なり合った。
口付け合っている。
440報復 3/6:2006/02/24(金) 00:28:24 ID:OUpQBpxN
「おい、コウちゃん。何見つめてんの。お前彼女居るだろ。後で好きなだけ同じ事出来るだろうが」
「独り身の俺に悲しい事聞かせないで」
「マジどうした?知ってんの?あいつら」

やがて姿が見えなくなってからも、幸太は影が消えた方向をじっと見つめ続けていた。
「……なあ、幸太。どうしたんだよ」
「姉ちゃんの彼氏だ」
「は?」
固く握り締めた幸太の拳がかすかに震えている。
周囲の友人たち全員が幸太の様子を眺めていた。
「……何、じゃ、あれ、もう一人のほう、姉ちゃんか?」
それ以上喋ろうとしない幸太にそう聞くと、幸太はゆるゆると首を振った。
幸太の中で、ゆっくりと波が引くように酔いが醒めていくのを感じた。

「あん、の野郎……馬鹿に、しやがって……」
低い声で唸るように罵りの言葉を吐く幸太に、それまで黙っていた大柄な少年が目を細めた。
「―――じゃ、早い話が……浮気現場、か?」
「―――っ、そうなんじゃねぇの?姉ちゃんの彼氏っつってた男が知らねぇ女と
夜中歩いてキスしてんだから。そうなんじゃないすか?」
震える声でまくしたてる幸太のそばで、少年たちは立ち尽くした。
酔いの醒めた少年たちの顔つきは、どこか鋭利な雰囲気を纏わりつかせていた。
「あー……、どうすっかな。拓郎先輩に車回してもらうの、ヤメでいい?」
「俺はそれでいーよ。……どうせ暇だし」
口々に同意する友人たちを振り返り、幸太は怒りに歪む表情をなんとか抑え、余裕の体で眉を上げて見せた。
「―――いや、いい。今日は、とりあえず帰る。手出しすんな」
「何で?それで納得できるわけ?俺らはとりあえず問題ねぇよ。体なまってるし」
これ見よがしに拳を鳴らしてみせた友人に、幸太は首を振って制した。
どこか不満げな友人たちに構わず、幸太は"拓郎先輩"に電話を入れ、拾いに来てくれと頼んだ。
441報復 4/6:2006/02/24(金) 00:30:04 ID:OUpQBpxN
案の定『お礼』を催促された幸太は、「可愛い女の子紹介しますから」、
だか何だか適当にお茶を濁して電話を切った。
―――いきなり彼氏ボコッたら、姉ちゃんに嫌われるかもしれねぇ、なんて言えるか。

その後、幸太は家に帰り着くまで、終始無言だった。

姉に彼氏が居る、と知ったのは今年の夏ごろだ。ちょうど夏休みに入った頃だろう。
いつものように夜遅く帰ってきた幸太は、居間に放置されていた姉の携帯を見つけ、
自分の変顔を撮って待ち受け画面に設定した。
生真面目な姉が赤い顔をして怒るさまを想像して忍び笑いを漏らしながら、ふと
抗いがたい好奇心が湧いて、携帯の中身を覗き見てしまった。
その結果、姉とその男とのキスシーンを収めた写メを目にしたのだ。
脳天を銃弾で撃ち抜かれたような、後頭部を金槌で砕かれたような衝撃が幸太を襲った。

―――まさか!
あのどんくさい姉が?人一倍生真面目で内気で地味な姉が?
恋愛どころか、恋すらした事のなさそうなあの姉が―――?
そこまで驚きにぼやけた頭で考えて、かつて同じ事を言った姉の同級生を完膚なきまでに
ぶちのめした小学生時代を思い出し、首を振った。
画像の角度からして、男が携帯を掲げて自分で撮ったものであろうか。
ほのかに頬を染めた姉は至極幸福そうで、男に身も心も預けきっている様子だ。
―――嘘だろう。嘘だろう。嘘だ、嘘だ、嘘嘘嘘あwせdrftgyふじこ
「軽そうな野郎だな」
混乱しきった脳内に反し、口から出たのは至極冷静な一言だった。
確かに幸太から見ても、男の顔立ちは魅力的だった。さぞ女にもてるだろう。
一見した限りでは、かろうじて姉とつりあうほどには、頭もよさそうだ。

―――自分よりは、恐らく遥かに、頭が良いだろう。
442報復 5/6:2006/02/24(金) 00:31:48 ID:OUpQBpxN
何より、姉はとても幸せそうだ。男の唇に自分のを寄せて、にっこりと微笑んでいる。
それでも、子供じみた嫉妬だとか、独占欲だとかとは違うところで、幸太はこの男がどうも気に入らなかった。
たとえば、この男が姉とはまったく関係が無くて、世界の不幸な子供たちを救うために
多額の寄付金を捧げ、ボランティアとして世界各地で活動しているとしよう。
それでもこの男は嫌いだ。いっそ憎らしいほど。
それが何故かは明確には分からなかった。
あえて言うならば、この男の目つきだ。
いやににやけた、気に入らない目つきだった。

翌日、休日だというのに珍しく早起きをした幸太は、休みといえどいつもと変わらず早起きをして
身支度を整え、勉強している姉をつかまえてこの男の事を姉に問い詰めた。
携帯を姉に突きつけたときに映った自分の変顔の待ち受け画面がひどく間抜けだったが、
姉は幸太の変顔には反応せずに、顔を赤くして怒った。
勝手に携帯を盗み見た事に対して、幸太の姉はしばらく怒っていたが、それでも
厳しく問い詰める幸太に結局は降参した。

この男は大学2年生になったばかりの頃に知り合ったのだという。同じ大学に通う、4年生だそうだ。
大学内でも有名なくらい女性に人気のある先輩だったが、知り合って2ヶ月ほどした頃に
あちらの方から是非にと言われて、交際を始めたらしい。
地味で面白みのない自分を何故選んでくれたのかと姉が問うと、男は
「内側から溢れる気品と知性、内面の美しさは何物にも変えがたい」と答えたのだそうだ。
そこまで聞いて、幸太は内心反吐を吐いた。
―――きれいごと言いやがって、遠まわしに姉ちゃんを"ブス"だとでも言いたげだ。
443報復 6/6:2006/02/24(金) 00:34:05 ID:OUpQBpxN
幸太の贔屓目を抜きにしても、幸太の姉は決して見目悪い女ではなかった。
確かに地味で化粧っけのない女だが、地味ながら整った目鼻立ちの薄幸そうな美しさのある女性だった。
中学、高校と、自分に自信がないと消極的な姉に、幸太はやきもきしたものだ。
確かに真面目すぎる姉を煙たがる者もいたが、姉の上品な立ち振る舞いと
飾らない美しさに惹かれる者も少なくなかった。
そういった"変な虫"を追い払うのが幸太の役目だった。

せめて、もう少し誠実そうなやつを選べば良いのに!

幸太の不平不満は破裂するほど溢れたが、姉がこの上なく幸せそうなのを見て、
幸太は何も言えなかった。

夏休みも終わりに近づく頃、ついに姉はその男を連れてきて両親に紹介した。
彼女が出来ようと彼女が変わろうと一切家族には報告しなかった幸太にとって、姉の行動を
意外に思うのとともに、姉の想いの真剣さを悟った。
父は口をひん曲げて大事な一人娘の"ある意味での"巣立ちを惜しみ、母は真面目で内気な姉が
美貌の男を連れてきた功績を祝した。
そして幸太は、実際に見た男がやはり気に食わないのを再確認した。
実際に見た男は写メより遥かに魅力的で、背がすらりと高く、話術も巧みに両親の心を打ち解けさせた。

嫉妬、独占欲、それらが大いに感情を左右しているだろう、それはしっかりと自覚している。
それでもなお、この男がどうしても気に食わない。
いっそ、憎らしいほどだった。
***************
まだ導入部なのでエロス鬼畜なしでスマソ。
今回はここまで
444風と木の名無しさん:2006/02/24(金) 03:36:35 ID:0q8fw3lA
ふじこりワロスwww
誰が餌食になるのやら続きwktk(*´д`)ハァハァ
445風と木の名無しさん:2006/02/24(金) 13:15:48 ID:EgNG01dy
おぉぉ、誰が受け攻めなんだ…?
wktkwktk(*・∀・*)
姉ちゃん大好き幸太君カワイス
446風と木の名無しさん:2006/02/25(土) 00:27:18 ID:ZCY7A5ii
447珍米:2006/02/25(土) 01:27:20 ID:efKBRaRn
                                        ,;-‐-、
            ,;-‐'゙、^:^ー、.                      i' / ;' ;゙゙ヽ、
          / 、 r、.゙:、゙i ヽ!         ┬           `'゙゙、/_r  ヽ、
         /  i゙ー'^ー'‐'‐'   ,,-−'' ̄ ̄珍米 ̄''−,,,          `i   ゙:、 珍米張り切っちゃうよ!
         /   ,;!        / :ィ≠ミヽ)  f ィ'下:::テz_ヽ         |   ゙:、
       . /   ,;: |       r'  iノjr1` i;;  i ヾで辷ノ  ヽ.       |    ゙i
       /   ;;'_,!     :::r'7 ::.  ヾ=' ''=-=''' ^ ̄´   ヽ..      _,!    ゙: 
      .,ノー‐‐'''''" ゙7'ー    :| ::   _―‐ 、,,_,,----..     ゙) ゙; ⌒`i::゙ヾ、___,,!
      i'::::::ヾ;;::::::::     ゙: ヽ`l  /´ _..,,     _..、丶   /,;i'    :::::::::::::;;ノ
      .゙ヾ;;:::::゙、::::;  ミ   ヾ,l  丿 / ! i` T"i  ! i ヽ  ヒ -''゙ 彡  ::::::;;;/
///    `゙゙゙''ヾ;;!_ 彡 "l,_l  丿 /‐'" ̄ ̄ ̄`'''ヘ  i  ゙レr゙,, ミ  -‐'"    \\\
      .       ,´:::::::::  ヽ":/ _../         ゙、 `−,_i ,!、":::::::;;ヽ、
\\\       /`-_::、N l :゙、 `、,-−‐-;,.,;−‐ー,,′/,フ ノ (::::::::::;;;;;-ミ、    ///
             " ,,゙   i |_i"  ゙、 ゙、        / / i l"   i´  ',  i,,
           .i  ":::: /  |   ヽ i        / /  .|'"    ヾ   ゙,,  i,
           i  :::/   .{     i 工エェェエ工 /  |      \   '; _i
          _/," :::/     '、  ゙l; : ゙ー 、,,_____,,....‐''´, ノ         '、` _ ̄,⊃
       _,,=='´ "::::,'     / \ ゙l;:      ,,_;,ノ \         ヾヽ ':;ヽ
      ,と二_  ,ノ     /   /`''-、`'ー--─'"-ヽ、  ヽ        `´´´
448風と木の名無しさん:2006/02/25(土) 18:18:19 ID:8iuOAJ6T
鉄道路線板 fushianasanを入れると

名鉄600V線を語ろう part.13
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/rail/1131770847/761-772
449黄昏図書館 1/4:2006/02/26(日) 01:21:22 ID:JVw+3Q2h
空気を読まずに、初投下。
導入なのでエロ少なし。但し、暴力・流血・輪姦の予定あり注意。
五人×秀才少年(余裕ぶったせいで窮地に追い込まれるタイプ)
こんなモノで良ければドゾー(・∀・)↓


とある中学校の片隅にある図書館は、秀一のお気に入りの場所だった。
ついこの間建てられた新校舎に、新しく図書室が設置された為、利用する人が殆どいなくなったからだ。
元々、人付き合いが苦手である秀一にとって、この静かな空間は、ひどく居心地が良かった。
だから、毎日の放課後を其処で過ごすようになるまで、さほど時間は掛からなかった。

広葉樹が色付き始め秋の訪れを感じさせる、そんなある日。
その日の放課後も、秀一は図書館で勉強していた。
他にする事も無いので、何時の前にか、試験前でなくとも此処で勉強するのが、習慣になっていたのだ。
そのお陰か、秀一の成績は、常に学年トップだった。
・・・だが、秀一はまだ気付いていなかった。
それを心良く思わない者達がいる事に。

ふと人の気配がして、秀一は顔を上げた。
逆光になっていて誰かは判らないけれど、何人かこの図書館へ入ってきたようだった。
この数ヶ月間、そんな事はなかったので、秀一は多少驚いた。
しかし、殆どの蔵書が図書室へ運ばれたとは言え、この図書館にも本はある。
向こうで見つからなかった本でも捜しに来たのだろう、と秀一は思い、すぐに自分の勉強へと戻った。
そのせいで秀一は、侵入者達が後ろ手でドアの鍵を閉めた事に、気が付かなかった。

「へ〜え、流石は秀才様。俺達の事なんか、眼中に無しですか。」
「こんな所で、秘密のお勉強とはね。道理で、誰も敵わないわけだ。」
明らかに自分へと向けられた嘲笑に、秀一は声の主を見上げた。
何時の間にか、五人の男子生徒に取り囲まれている。
その誰もが、明らかに敵意を持った目で、秀一を見下ろしていた。
450黄昏図書館 2/4:2006/02/26(日) 01:23:54 ID:JVw+3Q2h
(こういうのは、無視するに限る、か?それとも・・・?)
秀一が考えている間にも、五人は口々に勝手な事を言い続ける。
「俺達なんかとは、会話する気もねぇってか。」
「ホント、ムカつくよなー!」

相手は五人。
対する秀一は、身体も力も弱く、体格も決して良い方ではない。
喧嘩しても、怪我をするだけなのは目に見えている。
秀一は、この場を何とか丸く収める為に口を開いた。
「・・・俺が何か勘に触る事をしたなら謝るよ。ごめん。」
だが、五人の反応で、それが無駄だった事がはっきりと解った。
「うっわー、何だそれ。ふざけてんのかよ?」
「もぉいいから、こいつシメようぜ?」
「さんせ〜い!!」
言うが早いか、一人が秀一を殴り倒した。
そのまま、全員で殴る蹴るのリンチへと移っていく。
(こいつ等・・・最初っから、これが目的か!)
秀一の茶色掛かった髪が床に散らばり、白い肌が赤く腫れあがる。
殴られた時に切れたのか、口の中に血の味が広がった。
古い木造の床が、殴られている者に代わって悲鳴を上げる。
(くそっ、何でこんな目に・・・!!)
五人掛かりでのリンチに、秀一は満足に抵抗する事も出来ない。
ただ、嵐が過ぎ去るのを待つしかなかった。
451黄昏図書館 3/4:2006/02/26(日) 01:24:45 ID:JVw+3Q2h
「あれ、動かなくなっちまったぞ?」
「もう終わりかよ、ダッせぇなぁ。」
何と言われてもいい。やっと開放される。
そう思っていた秀一は、次の言葉に愕然とした。
「なぁんか物足りねぇな・・・。そうだ、こいつ剥いてみるか。」
「それ、いいな。俺さんせ〜!」
(なっ・・・・・・嘘だろ!?)
秀一が混乱している間にも、十本の手は秀一のシャツを脱がせに掛かる。
(マズい、何とかして逃げないと・・・!!)
脱出方法を考える秀一の視界に何かが入った。
シャーペンだ。殴り倒された時、床に落ちたらしい。
秀一はそれを掴むと、自分を押さえつけている手の甲目掛けて、全力で振り下ろした。

「痛ってぇっ!!!」
突然の叫びに、五人の動きが止まる。
その一瞬の隙を突いて、秀一は五人を振りほどき、入り口に向けて駆け出した。
シャツの釦は全て外されていたし、全身を動かす度に鈍い痛みが走る。
でも、あと少しで逃げられる。

手がドアに触れた瞬間、秀一の視界がグルッと回った。
床に頭を強かにぶつけて、ようやく、シャツの襟首を掴んで引き戻された事に気付く。
「なめやがって・・・ッ!絶対、後悔させてやるからな!!!!」
痛みを堪え薄く開けた視界に、片手を血に染めた男が写って。

秀一は、初めて其所で『恐怖』した。
452黄昏図書館 4/4:2006/02/26(日) 01:27:24 ID:JVw+3Q2h
ビリイィッと嫌な音がして、シャツが引き裂かれる。
恐怖心を打ち消す為に足掻いても、何の妨げにもならない。
上半身が外気に晒され、肌が粟立つ。
ぶつけた頭が、割れるように痛い。殴られた腕も。蹴られた足も。
それでも、怯えを悟られたら負けだという気持ちが、秀一に毅然とした態度を取らせた。
「一体、何のつもり?脱がせれば、俺が後悔するとでも思ってるの?」
当然、その態度は火に油を注ぐ形となる。
「バーカ、これからが本番に決まってんだろうが!」そう言ったのは、片手を怪我した男だった。
ポケットを弄り、取り出したのは・・・・・・カッターナイフ。
「あーあ、こいつマジで五反田怒らせちまったよ。」
「・・・流石に、刃物はマズくね?」
「安心しろ、春日。どーせ、此処にゃあ誰も来られねぇよ。」
「それもそっか。」
(俺、殺されるのか?・・・いや、落ち着け。あんな物で人を殺せるわけが無い。大丈夫だ。)
平静を崩さないよう、自分自身に言い聞かせる。

そうやって取り戻した冷静さのお陰で、ある事に思い当った。
(さっき、『五反田』って言ったな。あと『春日』、だったか?ひょっとして・・・・・・。)
この二つの名前には、覚えがあった。
模試や定期テストの度、廊下に張り出される成績優秀者の名簿。
自分の下に並んでいる、幾つかの名前。
おそらく、残り三人の名前も、其処にあるのだろう。
(なるほどね。勉強で勝てなかったら力尽く、か・・・。解り易いよ。)
余りに単純過ぎる。秀一は、怒るのを通り越して呆れ反った。
だが、それなら話は簡単だ。
こいつ等の期待通りの反応なんてしてやらない。喜ばせて堪るか。
(抵抗なんかしなくても、俺は負けないよ。精々、悔しがればいいさ。)
秀一は、冷笑すら浮かべながら、五人を睨んだ。
――抵抗しなかった事を悔やむ様になるなんて、この時は想像もしなかった。


今日は此処まで。
453孤独の宙:2006/02/26(日) 02:22:32 ID:+PPgtkxC
間隔開いてしまってスマソですorz
     *   *   *

「あ……あああぁっ!」
仰向けにされた青年が、悲鳴をあげた。
大きく広げさせられた足を抱えられ、男のモノで貫かれる。
男の責め方は荒々しく、青年は涙を流している。ほとんど快感を感じる余裕もないようだ。
青年は全裸で、首には首輪をはめられている。首輪は白っぽい材質で出来ていた。
金属ではない。恐らく、セラミックの一種だろうと思われた。
首輪は曲線を多く使った優美な装飾を施されていた。一目で高価なものだとわかる。
だが、それが首輪であることには間違いない。
それは紛れもなく青年が、いま彼を抱いている男の所有物に過ぎないということを示すものだった。
ときおり青年の筋肉が緊張し、痙攣する。
青年は――いや、カイは苦痛に涙を流した。
パスピエはカイの快楽などまったく気にも留めていない。
ろくに慣らしてもくれないのだ。
それでもカイの身体は中にいる男に絡みつき、締め付けてしまう。
その身体の反応がたまらなく淫らに思えた。
自分は、こんな人間だったのだろうか。
カイにはいままでにも男の恋人がいたことが何度かあったし、男性経験がないわけではなかった。
けれど、それまでといまとは、身体の反応がまったく違う。
ああ……あれだ、とカイは理解していた。
白い部屋での触手たちを思い出す。
あの、触手たちのせいだ。あの閉ざされた空間で、身体を変えられてしまったのだ。
わけもわからないまま裸にされ、触手に秘部を暴かれた。
休む間もなしに、気が狂う寸前まで触手に犯され続けたのだ。
いまでも太腿をねっとりと這う感触や、後孔に何本も入り込んできた触手の感触が生々しく残っている。
思わずそのことを思い出し、後孔を締め付けると、パスピエが低くうめいたのがわかった。
454孤独の宙:2006/02/26(日) 02:23:12 ID:+PPgtkxC
「あ……あぁ…」
カイはシーツを握り締め、喘いだ。
体内に、熱いパスピエの体液が注がれるのがわかる。
パスピエは何度か深く息をつき、カイの中から出て行いった。
引き抜かれると、尻の間をねっとりと体液が伝い、落ちてゆく。
けれど、カイの身体の熱はおさまらない。
カイの根元には、首輪と同じような装飾を施された輪がはめられていたからだ。
輪はきっちりとカイの根元にはまり、カイが自分の意志ではいけないようにしてあった。
これを制御できるのはただひとり、カイの所有者であるパスピエだけなのだ。
パスピエは解放できない熱に喘ぐカイを冷たく見下ろした。
「は、いきたいのか? 贅沢な奴だ」
パスピエはカイを握り締め、乱暴に扱きだした。
「あ……や、ああぁっ!」
ただでさえ辛い状態に刺激を与えられ、カイは両手でシーツを握り締めて耐えるしかなかった。
その両手首にも、両足首にも首輪と同じような白い輪がはめられている。
全裸であっても、その輪だけはとることを許されない。
それは、身体のすべてがパスピエのものであるという証だった。
パスピエはカイの後孔に指を差し込んできた。
カイは小さくうめく。まだ、前は解放させてもらえない。
カイの中に残された精液がかき回され、ぴちゃぴちゃと卑猥な音を立てて零れ落ちてゆく。
やがて内壁が、パスピエの指を締め付け始めるのがわかった。
455孤独の宙:2006/02/26(日) 02:24:32 ID:+PPgtkxC
「お前がこんな淫乱だとは思わなかったな。さすがは地球人のペット殿だ」
それは……と、カイは感じさせられながらも思った。
それは、パスピエに満足してもらえているということだろうか。
カイはいま、恥じらいや身体の苦痛は感じても、屈辱は感じていなかった。
パスピエに嬲られるのなら、どんなことでも受け入れる。
自分は、彼に従順だろうか。ちゃんと彼を喜ばせてあげられているのだろうか。
まだカイはパスピエの星の言葉がわからないので、パスピエへの思いはこうして伝えるほかに、ない。
ないのだった。
「……っ、ん…」
カイは四つん這いになり、パスピエの指の動きに耐える。
かちり、と音がした気がした。
「あ……、んんーっ…」
カイの前にはめられていた輪が緩められたのだ。
後攻の指の動きが激しくなる。
それと同時に、パスピエのもう片方の手がカイのものを包み、扱き出した。
「あ…あぁ、あ……んぅ…」
嬉しかった。パスピエに愛撫してもらえているのだ。
後ろだけでいくことを強制されるかと思ったのに。
もし、そうだったとしても、自分は喜んでそれに従っただろうけれど。
細い悲鳴をあげ、カイは限界を迎えた。
456孤独の宙:2006/02/26(日) 02:25:56 ID:+PPgtkxC
パスピエはまだ解放の余韻から醒めないカイを抱えあげ、膝の上に乗せた。
今度は後からだ。後攻に熱い昂ぶりがあてがわれ、パスピエの腕が身体から放されるのを感じた。
身体がゆっくりと沈んでゆく。
「ああぁっ!」
自分の体の重みで、よりいっそう深くパスピエに貫かれる。
後から抱えられているので、パスピエの顔が見えない。けれど、首筋にパスピエの息がかかる。
熱い、荒い息遣い。それが、パスピエがここにいるという証だった。
「あ、あぁ、やぁ……ぁ!」
背後から手を伸ばされ、乳首をつままれる。固く尖った先に爪を立てられ、カイはのけぞった。
手首がシーツにあたり、はめられている輪の感触を思い出す。
全裸で、首輪や腕輪だけをはめさせられ、さらに根元を拘束されている。
それがどんな淫らな姿か、いまさらのように思った。
「あ、あぅ、あぁ……っ」
今度は前をせき止められていない。奥深くを抉られ、カイのそこはあっさりと弾けてしまった。
「簡単にイくものだな、つまらん奴だ」
主人のその声が、不機嫌を伝えてるものであることに気づき、カイは我に返った。
今度は自分から腰を動かしパスピエに奉仕する。
何度も腰を往復させ、締め付けると、やがてパスピエが再びいくのがわかった。
カイはようやくパスピエから解放され、ぐったりとシーツの上に身を投げ出した。
パスピエは疲労のため動けないでいるカイの頭を優しく撫でる。
低い声で尋ねた。
「お前は私を愛しているか?」

    *   *   *
今回はここまでです。
457昼休み:2006/02/26(日) 12:28:29 ID:/2RlZ/wB
>>351の続き

「ちっ……少しぐらい、声を出したらどうなんだよっ。ええ!?」
荒々しく激しく腰を動かしつつ、秋月が舌打ちをした。
自分の中で、肉を斬り裂き、突き刺すように怒張が暴れているのを感じる。痛い。苦しい。
秋月に向かって揶揄したように、本当に貧弱であってくれたら、どれほどよかっただろう。
それでも名嶋は耐え続けた。
やがて、秋月が動きを速めた。
「ぅ……くっ!」
呻き声と同時に、熱い液体が自分の中に広がるのがわかった。
そのまま何度か荒い息を吐いたあと、秋月が体を離した。仲間に呼びかけている。
「次、誰が犯る? たっぷり中出ししたから、すべりはよくなってるぞ」
「いい。俺、こっちでもう二発出した」
「俺もあんまり……もっとオンナっぽい顔したヤツの方がいいや」
「何だよ、川内。実は噛まれたから、ビビってんじゃねーの? じゃ、俺が犯るわ」
笑いながら立ち上がったのは、ニキビ面だ。
「おー、犯っちまえよ、安井。頭突きを喰らわないよう、俺が押さえててやっから」
秋月が名嶋の頭の方へ回り、仰向けにして両肩を床へ押しつけた。背中で縛られた両手が、
自分の体重を受けて痛み、名嶋は顔をしかめた。
視線を上げると、逆さまになった秋月の顔の中、明るい茶色の瞳が面白そうに笑っている
のが見えた。
「二人目のお客様、ごあんなーい。何か言うことあるか、名嶋? ゴメンナサイとかさ」
「一人目の下手くそに言っておけ。『もう少しがんばりましょう』って」
小学生の通知表のような言い回しで返事をしたら、秋月がむくれた。
「うわ、むかつく」
458昼休み:2006/02/26(日) 12:30:12 ID:/2RlZ/wB
本当は秋月が上手なのか下手なのか、名嶋にわかるはずもない。初めてだからだ。
しかしこの場は下手と罵っておくのが妥当だろう。
ふと、秋月の手で自分自身を弄ばれた感覚が甦った。
あの時は、意志に反して勃ちかけた。いくらエタノールの分子式を頭の中で繰り返しても、
しごかれ続けたら危なかったかも知れない。
しかしそれ以上に動揺させられたのは、自分の唇を舐め上げた、秋月の舌──。
(……くだらない)
忌々しい記憶を振り払い、名嶋は安井に視線を移した。秋月が押さえていると思ってか、
無防備に自分のそばへ近づいてくる。
もしやいけるかという思いが心をよぎり、名嶋は片脚を思い切り跳ね上げた。狙ったのは
股間だ。
「うわっ!?」
悲鳴をあげて安井が飛びのく。
失敗した。
運動神経はいいつもりだが、体の節々が痛んだせいで、うまく蹴り上げられなかった。
それに殴り合いの喧嘩はほとんどしたことがない。間合いを読み損ねたようだ。
「何だよ秋月、押さえててやるって言ったじゃん!」
「アホ、俺に何本手があると思ってんだ!? てか、この体勢で足まで押さえられっか!
そのぐらい自分でやれ!」
どなり返された安井が、何かぶつぶつ文句を言ったようだった。かといって、正面切って
秋月に反抗するほどの度胸はないらしい。今度は用心しいしい名嶋の脚を抱え、間に体を
割り込ませてきた。こうなっては蹴り上げるわけにもいかない。
はっきり聞こえるように舌打ちをしてみせ、名嶋は安井を見据えた。相手が落ち着かない
表情になって目を逸らしても、にらみ続けた。
何かが下半身に当たるものの、熱さも硬さも感じない。安井が具合悪そうにもぞもぞする。
459昼休み:2006/02/26(日) 12:31:52 ID:/2RlZ/wB
「どうしたよ? さっさと犯れっつってんだろ」
「わかってる、わかってるよ、秋月。すぐに……」
名嶋は失笑した。自分が反撃を試みたり、にらみつけたりしたせいで、萎えたらしい。
ここはぜひとも安井を、ひいては秋月を嘲笑ってやるべき場面だ。焦る安井を見上げ、
名嶋は言い放った。
「気の毒に。役立たずか」
「ち、違う! くそっ、この……」
一層焦る表情になった安井から、逆さまの秋月の顔へ視線を移して、問いかける。
「We have piped to you,and you have not danced. 意味はわかるか、センパイ?」
「……日本人なら日本語を喋れ」
「英語ができないヤツの常套句だな。教えてやるよ、落ちこぼれ。『私達は笛を吹いた。
あなた方は踊らなかった』だと、不正解。慣用句だから『笛吹けど踊らず』と訳すんだ」
皮肉だと理解したのか、秋月の眉根に縦皺が寄った。構わずに言葉を続けた。
「お前一人で嬉しがってるだけで、皆は気が進まないみたいだぞ。自分が思うほど、リー
ダーシップはないんじゃないのか?」
「……もういい。安井、どけ」
秋月が仲間に言い、立ち上がった。
予想はしていた。これだけ言えば、また殴られるか蹴られるかするに違いないと。
しかし他の連中は自分を犯す気はないようだから、輪姦だけは避けられそうだ。どうせ
痛い目に遭うなら、些細な意趣返しにすぎなくとも、好き放題言った方が気が晴れる。
だが秋月は蹴ってはこなかった。
にこにこと、むしろ無邪気なといってもいい笑顔で、名嶋を見下ろす。
「言うねェ、名嶋。大勢のワルに囲まれてもボクは平気ですってか? カッコイイじゃん。
一匹狼みたいで。でもちょっと、センパイへの敬意がなさすぎ。……だからお仕置きに、
その生意気な口を塞ごっか。名嶋ちゃんの尺八演奏」
460昼休み:2006/02/26(日) 12:33:51 ID:/2RlZ/wB
馬鹿か、と思った。さっきからの自分を見ていれば、結果はわかりそうなものなのに。
下がっていた安井が狼狽の声をあげた。
「やめてくれ、秋月! 俺はいやだ、絶対噛まれるって!」
「誰がお前にって言ったよ」
蔑みの色を浮かべて言ったあと、秋月は部屋の奥に顔を向けた。名嶋もそっちを見た。
用済みになったらしい早野が、制服を着ている途中だった。秋月が呼びかける。
「ヒトミちゃん。お前、犯られるばっかでつまんねェだろ? クラスメートの名嶋クンに、
くわえてもらえ」
名嶋も愕然としたが、早野はそれ以上に驚いたらしい。
泣きそうに顔を歪め、秋月と床に転がされている名嶋を見比べて、首を左右に振った。
「む、無理……無理、です。僕……」
「犯れって言ってんじゃねェよ。口に突っ込むだけでいいんだ」
「でも……そんなの。名嶋君に、そんなの……」
「あ、そう?」
相変わらず明るい口調で言って、秋月は名嶋の右脇腹を踏みにじった。蹴られた時に肋骨
を傷めていたのか、激痛が走った。名嶋の口から苦痛の呻きが漏れた。
「手間をかけさせんなよ、ヒトミ。お前はこいつみたいなバカじゃないよな?」
早野が青ざめた顔で立ち上がった。
ズボンのファスナーに手をかける。指が震えて、うまく下ろせない様子だった。
秋月が笑った。
「おりこーさん。……さてと、名嶋。どうする? いやなら噛めばいいし。ヒトミがどう
なろうが、俺は痛くも痒くもねェもん」
言葉に詰まった。確かにそうだろう。脅されて行動している早野に傷を負わせても、何の
意味もない。
「お口はヒトミに任せるとして、こっちはこっちでやろっか、名嶋。次は後ろからで」
461昼休み:2006/02/26(日) 12:36:46 ID:/2RlZ/wB
秋月が名嶋の体をひっくり返し、腰を引きずり上げた。後ろ手に縛られているので、手を
ついて上体を支えることができない。顔を床にこすりつける格好になる。
その名嶋の前に、ズボンと下着をずらした早野が座り込んだ。
「ご、ごめん……ごめんね、名嶋君。でも、僕……ごめん」
他の連中がはやし立てた。
「ぐずぐずすんな、ヒトミ。さっさとくわえさせろ」
「クラスメートだろ? 仲良くしろよなー」
「お前がイクまで、そいつにしゃぶらせろ。途中でやめたら殴るぞ」
早野が名嶋の頭を抱え、座った自分の膝に乗せて下腹部へ押しつける。輪姦される間に
射精したらしく、青臭いにおいが名嶋の鼻に突き刺さってきた。不快さに吐きそうだ。
だが、なすすべはなかった。
怒りに身を焼く思いで、名嶋は、早野のまだ幼さの抜けない性器を、口に含んだ。
「名嶋、どーよ? おいしいっすか?……あ、そっか。優等生ちゃんはお行儀がいいから、
口に物を入れてる時は喋らねェんだ」
明るい声で嘲笑し、秋月が名嶋の腰をしっかりと抱えた。
「さっき俺に、徒党を組まなきゃ何もできねェとか言ってくれたっけ? でもな、徒党を
組んだら、こういうエゲツナイやり方ができるんだよ。覚えとけ。……ほらっ!」
再び押し入られた。荒々しく、動かされる。
塞がれた名嶋の口から、呻き声が漏れた。不快、嫌悪、屈辱、苦痛。どこまで自分は
耐えられるのだろうか。エタノールの分子式など、何の役にも──。
(……どうしたんだ、俺らしくもない!)
弱気になりかけたことに気づいて、慌てて名嶋は己を叱咤した。負けたくない。絶対に
負けたくない。
けれどもその時、秋月の手が、名嶋自身をつかまえた。

──────────
ここまでです。
462風と木の名無しさん:2006/02/26(日) 13:00:48 ID:U69cMlB9
乙乙!
精神的に屈服していく(堕ちる)の大好物だー!!
けなげなカイタソが報われなそうなのがイイ!

そして堕ちない名嶋タソもモエス…!
踏みにじられる屈辱にうちふるえるといいよ。

日曜の昼からありがとう! これから出かけるのにどうしてくれるこの萌え
463風と木の名無しさん:2006/02/26(日) 17:27:31 ID:h7Vljcha
ダンサーたんも名嶋たんも禿萌過ぎて禿萌過ぎて(;´Д`)ハァハァ
464風と木の名無しさん:2006/02/26(日) 17:54:35 ID:PuOt8tlA
なにこの大豊作。(*´д`*)ハァハァ

名嶋くん超がんがれ名嶋君。
強気受け大好物だ。
465風と木の名無しさん:2006/02/26(日) 20:21:43 ID:EsHCfM8g
秋月タソが好きだ(*゚∀゚)ムッハー
466ほしの王子様:2006/02/26(日) 22:37:17 ID:Jt2hCbYe
>>335の続きです。大量投下します。
ロクマルは相変わらず殺伐としていた。
ユヒトは心なしか前に来た時より明るい雰囲気だと思った。たぶん王子が隣にいるからだろう。
ケンに指定されたクラブは陰湿さを寄せ集めたみたいな最高に治安の悪い最低の店だった。
王子は革のジャケットにパンツ、ユヒトは黒のスーツ。
王子はとにかく目立つので露天でサングラスを買い、顔を隠してもらった。
こんなに下劣でアングラな店は王子はもちろんユヒトは初めて入った。
王族をこんな所に連れてこさせるなんて失礼極まりない。
「お久振りです、王子」
あからさまにうやうやしくケンは一礼する。
隅の一角にあるブース、暗がりで音楽のやかましい店内ではまだまともに会話ができる。
「楽しい所だな、ケン。これはお前の嫌味か」
そう言った王子の顔はなぜか明るい。
「申し訳ありません。逆に目立たないと思いまして」
軽やかにケンは笑う。
「ドクター、ご苦労だったな。どうしたんだ、元気がない」
いやらしくケンはユヒトを見る。
つい数時間前の自分の醜態を思い出してユヒトはカッとなった。やはり告訴してやる。
「くそったれ」
「下品な物言いをするもんじゃないよ。随分楽しんでくれたみたいじゃないか」
「誰のせいだと…」
ガンっと大きな音がしてそこで二人は肩をすくめた。
ソファーに腰を下ろした王子のブーツがテーブルに乗っかっている。
苛立たしそうにこちらを見て王子は言った。
「痴話喧嘩は後にしろ。ケン、話せ」
ケンは大袈裟にリアクションをとって腰を下ろして話を始めた。
「まずひとつ、今のところ王子がレナルディに帰る事はできません」
「わかっている。俺の席は空いてはいないはずだ」
「さすがだ。相変わらず話が早いですね」
467ほしの王子様:2006/02/26(日) 22:37:55 ID:Jt2hCbYe
ケンは彼なりに王子を敬っている。理由を話す手間が省けた、そう言って話を続けた。
「そこでひとまず王子のお身柄をサックス公に委ねていただく事になりました」
「なるほど、サックス叔父か…」
サックス公の統治する星はレナルディと従兄弟星だった。
サックス公は大変王子をかわいがり、自分の息子たちより優秀な王子に過度に目を配っていた。
逮捕された王子を一番に擁護し、何かにつけてユヒトに身辺の報告をねだった。
「よろしいですか?」
「なにがだ。そうするより他に方法がないあのであろう」
「結構です。善は急げ、それでは王子にご紹介したい人物がおります」
王子は首を傾げてケンの背後を見やった。
「さっきかからチラチラと俺を見ているあのガキだろう」
えっとユヒトは慌てて王子の視線を追った。
頷くケンの背後にはとてつもない美少年がこちらにやってくるのが目に入った。
赤い液体の入ったグラスを手にして、人の波をスルスルと掻き分けて来る。
「ライトです。年は若いですが優秀な運び屋グループのリーダーです」
年の頃は17、8、ニッコリと笑った顔がまだあどけない。
染めているのか不自然な銀色の髪をしていて、不思議とそれが似合っていた。
人形のように小作りでかわいらしい顔。
いかつい護衛を二人引き連れて、ライトは華奢な体を王子の隣に滑り込ませた。
「ふーん、あなたがレナルディの…」
まだ声も高い。ライトは王子のサングラスをひょいと外して、彼の黒髪に指を絡ませた。
「なっ……!」
いきなりのその失礼な行動に、ユヒトは言葉を失った。
「ライト、失礼だぞ。慣れ慣れしい」
ケンもさすがに顔をしかめて彼を叱った。
「おい、ケン。なんだこのガキは」
「テレビで見たのとおんなじだ。カッコイイ」
ライトは無邪気に言った。
「こら、ライト!」
「ああ、ごめんね。対象物が人間の場合、きちんと検分するのがうちのルールなんだ。
脳みそ持った品物が一番やっかいだからね。以前酷い目に合った」
468ほしの王子様:2006/02/26(日) 22:39:23 ID:Jt2hCbYe
「ライト…」
呆れてケンはうなだれた。なんて恐れ多い行為だ。
二人は王子に対してこんな言動をする人間を初めて目にして、呆気に取られていた。
王子が怒りだすのではないかとハラハラしていると、以外にも彼はくっと笑った。
「品物と言われたのは初めてだ。お前おもしろいな」
「ごめんね、運び屋の悪い癖だね」
悪びれもせずにライトがおどけてみせたその瞬間、パーンと王子の平手が飛んだ。
護衛の男達が一瞬で殺気立つ。ユヒトとケンは慌てて腰にさした銃に手を掛けた。
「それで俺は合格かな、お嬢ちゃん」
一瞬の後、ライトは王子に張られた頬を押さえて笑った。
「僕も殴られたのは初めてだ。気に入ったよ。あなたを無事に運んであげる」
どうやら交渉は成立したらしい。
大丈夫なのか、とユヒトはケンを見ると彼は曖昧な苦笑いをしているだけだった。
「ひとつ条件があるんだけど」
やっと落ち着いたと思ったら、ライトはこんな事を言ってきた。
「金か?」
今度はケンが困る番だった。この前本国で回収した資金には限りがある。
ライトはそんなのどうでもいい、と言って王子をただうっとりと見つめていた。
「あなたに僕を抱いてほしい」
ユヒトの血が沸騰する。なにを言うのだこいつは。
「抱きしめてほしいのか?」
王室行事中、参道でハグを求める子供達は多かった。王子にはそれと大差ない言葉のようだった。
「それってジョーク?僕をファックしてって意味だよ」
「おいおいおい…」
「いい加減にしろ!そんな事許すか!」
ケンの声をユヒトの叫びが塗りつぶした。頭に血がのぼる。
「品物には手を出さないんじゃなかったのか。第一お前、失礼すぎるぞ」
ケンが付け足した。
「もちろん手は出さないよ。手を出してもらうのさ」
そんなの屁理屈だ。
469ほしの王子様:2006/02/26(日) 22:41:14 ID:Jt2hCbYe
「身の程を知れ」
そう言ったユヒトの声は自分でも驚くほど嫉妬の色が濃かった。
「身の程を知るのはそちらの方だよ。今この界隈で話題の重要人物だ。
あらゆる組織や機関が競って動き出す事は必至だ。こんなハイリスクを背負って二週間宇宙を旅するなんて、
僕ら以外どこもやってくれないよ。しかも絶対隠密行動でね」
ライトは頭はいいようだった。
しかし人の足元を見てこんな品のない条件を出すなんて、ユヒトには考えられない事だった。
王子を見るとただ悠然と微笑んでいるだけだった。
「こちらにも条件がある」
静かに、威厳の篭った声で王子は言った。
「この二人と船を一隻連れて行く」
「えっ、あなた一人だけの約束だったはずだよ。そんなに荷物は積めな…」
いきなりライトの唇を王子が塞いだ。二人は熱い口付けを交わす。
驚いて見開いたライトの瞳はやがて潤み、応えるように体の力を抜いた。
クチュリと音がしてユヒトの頭は真っ白になった。
「ケンとどんな約束をしたかはわからんが、これからは俺とお前の話になる」
ライトの首をさらさらと撫でて王子は言った。
ソファーに体を預けたライトの股間に手を這わせる。
「若いな」
王子にとって交渉の駆け引きは楽しい遊び以外の何者でもない。
「わかったな、ライト。お前は俺の条件を飲むしかないんだ。わかったら舌を使え。それくらいできんのか」
そして再び口付ける。ライトはもう逆らえないだろう。
自分の欲を交渉のネタに使うなんて、ケンと一緒で浅はかだ。
二人は舌で糸を引き唇を離した。
王子が何事かをライトの耳に囁くと、彼は途端に顔を真っ赤に染めた。
王子は立ち上がりユヒトとケンを隅に促した。
「出発は?」
「よろしいのですか、王子」
「お前が紹介したんだぞ。腕は確かなんだろう?」
「ですが…。こんなに変なガキだとは思わなくて」
470ほしの王子様:2006/02/26(日) 22:43:09 ID:Jt2hCbYe
「別に俺が掘られるわけではないんだ、あのガキをヒイヒイ言わせればいいんだろう。楽勝だ」
どこでそんな物言いを覚えたのだろうか。
あの牢獄船が王子を変えたのだとしたら、とユヒトは悲しく思った。
「どうしたユヒト、お前とアリーを連れて行けるんだぞ」
王子はそう言ってユヒトの顔を覗き込んだが、どうしても笑顔を作れなかった。
------------------------------------------------------------------------------------------------
彼らの船は小島ほどもある大型船だった。
エンジンは最高、対戦船の攻防力にも長けていて隙のない印象を受けた。
クルーは30余名。彼らの仕事は運び屋だけではないようだった。
あえて知りたくもなかったが、クルーのいかつい面々にそれは容易に想像できた。
宇宙海賊、という言葉がユヒトの頭をよぎる。どちらが本業かわからないが
とにかく今回は王子ら一行を運ぶ事を最優先としてくれているようだった。
「なかなか良い船だな」
王子はどんな場所でも堂々とくつろぐ事ができる特技を持っていた。
たとえそれが敵地であっても、その威厳と風格は少しも色褪せない。
「気に入った?」
ライトは自分より遥かに年上のクルーに紅茶を持ってこさせ、ポットを傾けた。
上品に紅茶を飲む王子に、ライトは無遠慮な視線を送る。
そして王子の膝に手を置いてスルスルと撫で上げた。
ユヒトはたまらず立ち上がる。約束通り二人が睦み合う姿を見たくはなかった。
「どこへ?」
王子の唇を指でなぞりながらライトは楽しそうに聞いた。
「格納庫に、アリーの…、船の調子を見に」
目を逸らしながらそう言って、ユヒトはゲストルームを後にする。
ケンも黙って部屋を出る。王子とライトだけが部屋に残された。
「ねえ、あの二人は王子の召し使いかなんかなの?」
二人きりになった途端、ライトは猫のように王子に甘えてきた。
「あの綺麗な顔した方、王子を僕に取られて悔しがってた」
そう言ってクスクスと笑うライトの口を王子の唇が塞いだ。
「ん…、ここで?」
471ほしの王子様:2006/02/26(日) 22:44:20 ID:Jt2hCbYe
唾液の行き交う隙間からライトは言った。
「俺の体を勝手に触ってきたのはお前の方だ。それで、お前は俺をどうしたいわけだ?」
王子は苛立っていた。それはライトにも誰にもわからない程度に彼の中に隠されていた。
「俺とヤりたいなら、さっさと服を脱げ」
「そんなに慌てないでよ。王子も脱いで…」
ライトの瞳は欲望で輝いている。いやらしく唇を舐めて王子を誘った。
「あっ、ん…」
ライトの嬌声が高らかに上がる。
この船で一番豪華だというこの広い空間に、ねっとりとした淫猥な空気が流れた。
------------------------------------------------------------------------------------------------
格納庫はただひたすらに広く、自分の船までの途方もない距離をユヒトは延々と歩いた気がした。
青く美しい容姿をしたアリーを見てほっとする。なだらかな曲線を愛しげに撫でてくるりと一周する。
コントロールルームに入ってアリーに呼びかけ彼女の体調に変化はないか確認するのだ。
「マスター、王子がいらっしゃいました」
窓の外を見るとこちらにやってくる人影が見えた。
ユヒトは一瞬腰を上げたが、思い直したように再びシートに身を沈める。
何を話したらいいのだろうか。再会してからまともに会話をしていなかった事に気づく。
「ユヒト」
振り返る事ができない。子供の様にいじけているみたいでばつが悪かった。
「ユヒト、なにを拗ねているんだ」
王子はそう言ってユヒトの肩に手を置いた。
「拗ねてなんか…、いません」
「そうか?だったらなぜ俺の側を離れた。こちらを見ろ」
前に回りクイっとユヒトの顎を取って王子は優しく撫でる。
ユヒトは泣き出しそうな目で王子を見て、それからゆっくりと視線を外した。
王子の大きく開いた胸元がなまめかしかった。いつの間にか着崩れている。
「心配するな、あいつにはまだ突っ込んでない。つまらんガキだ。勝手に一人でイってしまった」
王子の巧みな指使いで早々に達してしまうライトの姿が思い浮かぶ。
ユヒトは益々嫉妬する自分の心を鎮めることができないでいた。
「かわいいやつ」
472ほしの王子様:2006/02/26(日) 22:46:14 ID:Jt2hCbYe
そう言って王子はユヒトの唇をなぞった。その人差し指をユヒトの胸まで滑らせた。
あっとユヒトの声が出る。王子の指はユヒトの乳首を探り当て、シャツの上からこねてみせた。
「なぜ勝手に俺から離れた」
「申し訳ありませ…」
「ユヒト、お前は誰のものだ」
指で左右にこすられてユヒトの乳首が存在を示すかの様に浮き上がる。
「言え、誰のものだ」
「…じの、私は、王子のもので…す…」
ユヒトの手が肘掛をぎゅっと握った。ピンと起ってしまった乳首を優しく押し潰される。
王子の指だけでユヒトは身体を熱くさせられしまう。
「お前の身体は誰のものだ?」
「私の、んっ、身体は王子のもの、です…」
ニヤリと満足げに笑い、王子はユヒトの指を口に含んだ。
指の股の薄い皮の部分まで舐められてユヒトは身をつませた。
「ん、俺が舐めているこれはなんと言う?」
「ゆび、です…」
「これは?」
クリっと乳首を摘む。
「ああっ、ちくび…です」
とろけた目でユヒトは片方の手で口元を隠した。恥ずかしかった。
「立て」
王子は自分のシャツのボタンを引きちぎってユヒトに命じた。
王子もまた興奮し、野獣のようにギラギラと目を輝かせていた。
コントロールパネルに浅く腰をかけ、ユヒトを強引に引き寄せた。
「舌を出せ」
んうっと仰け反りユヒトは王子の舌に舌を絡ませて感じ入った。
背中から腰まで痺れるような快感が走る。
舌でお互いの唾液を交換し、硬くなった下半身をすり合わせた。
すっと王子の指がユヒトの背中を這った。
「ここは、なんと言う」
「せなか」
473ほしの王子様:2006/02/26(日) 22:47:27 ID:Jt2hCbYe
「ここは?」
「こし…ああっ」
「俺のものだという証拠を示せ。ここ、は?」
低く響く王子の声が、ゾクゾクとユヒトの鼓膜を震わす。
王子の胸に身を預け、ユヒトの腰は軽く浮いている。
なだらかな双丘の狭間に王子の中指が突き立てられていた。
「アナルだユヒト。これも俺のものだ」
トントンと軽く指でそこを叩かれる。
「アナル…」
ユヒトを羞恥が襲う。恥ずかしくてたまらない。
「さておさらいだ」
そう言ってユヒトのシャツは派手に切り裂かれ、王子はそこに舌で示していく。
「ふっ、さこつ…、かた…」
チロチロと皮膚を舐め、時に王子は満足げに笑う。
「あっ、むね…、わきばら、ち、ちくび…。ああ王子、も…あ、ちくび、ちくびっ。ちくびです…」
ユヒトは乳首が恐ろしいくらいに感じるのだ。それを知っていて王子は攻める。
唇で優しく噛み舌で上下に震わせる。
チュパっと音を立てて吸い付く度に、ユヒトは艶のある声を出す。
小さな弱点は固く尖り、王子の悪戯にいじらしく応える。カクリとユヒトの膝が折れた。
「力が…」
立っている事ができません、とユヒトはその場に崩れ落ちてしまう。
「俺のものを出せ、手は使うな」
ユヒトのちょうど目の前に膨らんだ王子の股間があった。
ゴクリと唾を飲み込みユヒトはその作業に取り掛かる。簡単ではなかった。
唇と歯を器用に使い、革のパンツの留め金を外す。
歯に力をこめる度、ふっ、んっ、と鼻にかかった吐息が漏れた。
なんとかジッパーを下ろす頃には、王子のそこはユヒトの唾液でしとどに濡れていた。
四苦八苦している従者の様子を王子はただ楽しげに見下ろしている。

☆今回はここまでです。ぬるくてすいません。
474風と木の名無しさん:2006/02/26(日) 23:06:40 ID:gNph+G/Y
>ぬるくてすいません

鬼畜と思って投下してる?
475木の葉と大樹:2006/02/27(月) 01:21:43 ID:3XakqUMY
――木の葉は、自分が男しか愛せないということを自分が物心付いた頃から自覚していた。
目で追ってしまうのは、常に自分より年上で、体の大きな少年――あるいは青年。
彼等のようなタイプの男こそ、自分の理想であった。
体も小さく、痩せて貧弱で、少女めいた顔立ち故の渇望であろうか。
木の葉が恋をする相手は、例外なく自分より体の大きな相手だった。
何故男しか愛せないのか、それは自分にも分からない。
両親は非常に仲むつまじく、女性不信になるような出来事にあったこともない。
なのに木の葉は、決して女性を愛することは出来ないのだった。
だけど木の葉は、そのことについて深く思い悩んだことはない。
“そういうもの”だと思っているからだ。
木の葉が思い悩むとすれば、どう同性に恋を告白するか。
その一点のみであった。
木の葉にとってはそれこそが、最も重要な事柄であった。
初恋の相手は、近所に住む小学六年生のお兄さんだった。
当時4歳だった木の葉は、一生懸命雑草で作った花束を渡して「好きです」といったのだ。
しかしその少年は木の葉の頭を撫でて「ありがとう」と、そう言ったきりだった。
その後も冗談と取られたり、気味悪がられたりで木の葉の恋が実る気配はなかった。
故に木の葉は、思いを告げるのを止めた。

――もしも、どんな手を使ってでも手に入れたい相手が出来たならば――

恋を告げるのを躊躇ったりはしないだろう。
そう、木の葉は感じていた。
476木の葉と大樹:2006/02/27(月) 01:22:46 ID:3XakqUMY
大樹と出会ったのは、木の葉が中学三年生の時であった。
高校を受験するに当たって、志望している高校には今の成績では厳しいと教師に言われたの
だった。
そこで両親が雇った家庭教師。
それが、大樹であった。
大樹は大学三年生。
体付きも大きく、精悍な顔立ちをしている。
正直そうで真っ直ぐで、人を疑うことなんか知らないという目をしていた。
高校時代は柔道部だったと言っていた。
やや細身ではあるがなるほど、がっしりとした体格である。
まさしく木の葉の理想にぴったりであった。
家庭教師としても申し分なく、分かり易く丁寧に説明してくれるし、褒めるところはしっか
りと褒めてもくれる。
木の葉が恋に落ちたのは、必然と言えよう。
大樹に褒められたくて、木の葉はそれこそ必死で勉強した。
分からない部分はどんどん質問し、木の葉の成績はぐんぐんと伸びた。
志望校のランクを上げるにまで至り、木の葉はすっかり大樹に心酔していた。
両親も無論のこと大樹を気に入り、大樹が家庭教師に来る日は皆で歓迎した。

……だが、そんな日々にも必然的に終わりは訪れる。

木の葉の卒業と同時に、大樹は家庭教師の役割を終える。
木の葉はそのことをよく知っていた。

――どんな手を使ってでも手に入れたい相手――

大樹はまさしく、そんな相手だった。


※ここまでです
477風と木の名無しさん:2006/02/27(月) 01:36:37 ID:aiGfRFLA
>>474全て鬼畜は難しくね?とりあえず前回のケンに強制エチーと触手は
鬼畜に入るとオモ

ほしの王子たん乙です!!豊作(´д`*)
478風と木の名無しさん:2006/02/27(月) 01:48:04 ID:/x/G3Sav
>1
>・肌に合わないSS、レスはスルーの方向で
479風と木の名無しさん:2006/02/27(月) 02:30:15 ID:LvVMFwL7
木の葉たんGJ!
ワクテカ
480風と木の名無しさん:2006/02/27(月) 07:08:39 ID:kIxb/2P/
a
481風と木の名無しさん:2006/02/27(月) 07:13:06 ID:O1DS53E9
【裁判】 "卑劣" 男子中学生ら3人に、神社で強制わいせつ致傷→29歳男に懲役4年6月判決
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1140868843/
482風と木の名無しさん:2006/02/27(月) 10:21:53 ID:B5dw8+iB
ほしのタン、誘い受けは荒れるもとだよ
483風と木の名無しさん:2006/02/27(月) 23:14:12 ID:Vn7semPc
おら雑食だからなんでもいただくだよ
484風と木の名無しさん:2006/02/28(火) 00:30:03 ID:qoqdmKVZ
職人さんも大変だなw
485木の葉と大樹:2006/02/28(火) 01:03:35 ID:h3Zlb+/y
木の葉の父、針葉は鍼灸師だった。
それ故に木の葉の家には針の本を始めとして、医学書の類が山とあった。
医学書を絵本や漫画代わりに育った木の葉は、人体の構造についてほぼ完璧に知り尽くして
いた。
木の葉にとって人の身体というのは、もう一歩踏み込んだ先にある。
どういうことをすればどういう反応が返ってくるのか。
どうすれば人は快楽を得るのか。
そんなことばかりを夢想するのが常だった。
その視線の先にいるのが、大樹である。
時は2月の終わり。もう間もなく月が変わる。
そうなったら、大樹はもう家には来なくなるだろう。
大樹は自分のことを「最高の教え子」だと言ってくれた。
違う。そんな称号なんか要らない。
自分は、ずっと大樹の傍にいたいのだから。
「……先生」
問題を解く体勢で机に向かいながら、木の葉はそっと大樹の名を呼ぶ。
「なんだい木の葉。分からない問題でもあるのか?」
「はい……」
眼鏡の奥の目を細めながら、大樹が問題集を覗き込むのを見る。
無防備な首筋。
とても美しいラインを描く、喉仏。
そこに木の葉は、無造作に隠し持っていた針を当てた。
「動かないで貰えますか」
「……?木の葉……?」
486木の葉と大樹:2006/02/28(火) 01:03:56 ID:h3Zlb+/y
何が起きたのか分からないといった様子で、大樹が硬直する。
木の葉は、皮膚に当てた針の先端をそっと潜り込ませた。
「……痛くはないでしょう。感触も感じないはずです。正確にツボを貫いていますから」
言いながら、慎重に椅子から立ち上がる。決して指先を動かさぬように。
「ただし、下手に動けば致命傷となる……頸動脈を切り裂いて」
大樹は声も出せない様子で眼球だけ動かして木の葉を見た。
その目にはとても強い、驚愕があった。
「……教え子にこんな目に遭わされるなんて、想像もしてませんでした?……でしょうね」
木の葉は口元に笑みを浮かべ、そっと針を抜いた。
そしてその針を、大樹の目の前に持っていく。
「……目を潰されたくなかったら、大人しくしていて下さいね」
卑怯、卑劣、そういわれたとしても構わなかった。
細身で身長も足りない自分に出来ることなど高が知れている。
それなら、自分に出来ることを最大限に利用するだけだ。
手早く、それでも慎重に針を刺す。
刺されば急所。死ぬ可能性も十分にある。
「動かないで下さい。……僕もあなたを殺したいわけではありません」
それは警告。
そう言い置いて、木の葉は大樹の両手両足を縛り上げ、決して動けぬように拘束した。
「……どういうつもりだ、木の葉」
大樹が自分を睨み付けてくるのを、木の葉はただ真正面から見返した。
「……先生が、欲しいんです」
487木の葉と大樹:2006/02/28(火) 01:04:25 ID:h3Zlb+/y
今回はここまで
488風と木の名無しさん:2006/02/28(火) 12:03:49 ID:SeiXT20c
うわあ年下攻め萌え
489風と木の名無しさん:2006/02/28(火) 14:50:13 ID:9V1Ma9VL
何この豊作(*´д`)ハァハァ
490風と木の名無しさん:2006/02/28(火) 18:51:57 ID:CcwG5/WL
うお、木の葉タン大樹タン萌え…!
wktk
491風と木の名無しさん:2006/02/28(火) 21:47:18 ID:jBC0qEXh
あげ
492オンラインゲーム47:2006/03/01(水) 19:01:18 ID:t8LkLqBx
※獣擬人化H注意

「行く当てがねェとは言うが、お前はこの森から出たいんだろう。協力してやってもいいぜ」
男がいきなり申し出た。
「出るのは無理だと言ったが、それは俺ら番人の目をかいくぐって出るのは無理だっつー事だ。だが俺が協力してやれば無理じゃねぇ。たぶん」
それは願ってもいない申し出だったが、男の意図が読めなくて返事をし損ねる。
「ただしタダとは言わねェぞ」
やっぱり、無償で俺の手助けをするつもりではないらしい。
「俺もこの森で人と会うのは久し振りなんだ。だから、ヤらせろ」
「…は?」
「俺がこの森から出してやる代わりに、それまでお前の身体差し出せってんだよ。俺はどっちでもいいぜ?
ただ断るなら、伯爵の命令があればすぐにお前を差し出す。…さぁどうする?」
‥…━━select━━…‥
●どちらを選びますか
 協力してもらう
 断る
‥…━━━━━━━…‥
目の前にまたあの画面が現れた。
俺は、手を伸ばして「協力してもらう」を選んだ。
---
「ん、ん…うぁ」
条件を呑んだ俺に男は襲いかかり、全身を長いザラザラした舌で舐め回す。
今までにした事のないキス。顔が獣なんだからあたりまえだ、柔らかい唇なんか無くて毛に覆われた皮膚と、剥き出しの歯が当たる。
その代わりに弾力のある長い舌が口の奥まで入り込む。荒々しい、文字通り獣の口づけに俺は興奮していた。
「はっ…」
首を仰け反らせると舌を這わし甘く噛み付いてくる。このまま噛み千切られたら死ぬかもな、とは思いながらも、俺はこの男を何故か恐いとは思わなかった。
今までと違いこの男は俺の意志を確かめた。脅しは入っていたが一応無理矢理じゃない。それでも別に好きあってるわけじゃないし俺は男だ。
興奮してしまっている俺自身に困惑しながらも、その理由を探すように考えていた。
493オンラインゲーム48:2006/03/01(水) 19:02:19 ID:t8LkLqBx
「おめぇなかなか美味いぜ。男でもこんなに美味いもんなんだな」
はぁはぁと荒い呼吸をしながら喋る男を見て、相手も興奮している事を知り嬉しく思った。変な高揚感がある。
「舐めろ」
と、自分のものを取り出して顔に近づける。俺はそれの大きさに目眩がした。
「ん、ううっ」
これが俺に入るのかと思いながら丁寧に舐めると、それは段々大きくなって来る。…本当に入るのか?
しばらくすると男は俺の口から乱暴に出ていった。
「…やっべぇ、もうちょっとで口の中に出す所だった。やっぱり最初の濃いやつは、中に出さねーとなァ」
大きいそれをくわえていた口は、顎が疲れて開いたままだった。その口に太い指を入れ唾液を絡ませると、俯せに倒され腰を上げさせられた。
「うぁ…、く…っ」
谷間を割って指が入って来る。
「昨日まで怪物に嬲られてたくせに、ずいぶん狭ぇな。俺のが入るか?」
触手の攻めは辛かったが、触手自体が液体でぬるついていたため、挿入時の圧迫感はあれど痛みはあまり感じなかった。
が、この男は指を入れられただけで激痛が走る。
「唾液だけじゃ滑りが足りねぇ…アレ使ってみるか」
男は指を抜いて離れると、十円玉くらいの大きさの紫色の実を持って来た。見るからに怪しい色だ。
「なんだそれ…?」
「この実を体内に入れると、液体が分泌されるんだ。男でも中が濡れる」
「はぁっ?何…うあっ…!」
言うと片足を持ち上げ、実を入り口に当ててくる。四つんばいになっていたためバランスが崩れそうになったが男に支えられ、腰をもっと高く上げさせられた。
「ん」
男の指と一緒に実が飲み込まれた。その実は熟していてすぐに潰れ、男の指が塗りつけるようにぐるりと動いた。
「んん、何だコレ…」
実を擦りつけられた中が熱い。もう指は抜かれていて、中に刺激は無いはずなのにジンジンと皮膚が蠢く。
「う、あ、あ」
身体が熱くてじわりと汗をかいている。そして中も、腰を上げているせいで零れはしないが実の果実だけではない潤いが確かにあった。
494オンラインゲーム49:2006/03/01(水) 19:08:32 ID:t8LkLqBx
「そろそろいいか…力抜いてろよ?」
男のものが押し当てられる。くちゅ、と濡れた音がしたと思ったら、そのまま挿入してきた。
「ん、く、うう…」
潤いはあるが、大きいそれは一気には入らない。広げられる圧迫感と、ぬるりと壁を
擦りながら入ってくるものの感覚で、俺は苦しいのか気持ちいいのかわからない。
ゆっくりと全部入れ終わると、男は大きく息を吐いた。
「キッツイな、…だがぬるぬるで気持ちいい」
「…ひっ…!」
男はすぐに動き始めた。動くたびに水音がするほど、中は濡れていた。
「あっ、あっ、あっ、すごっ…」
「気持ちイイかァ?」
何だコレは。今までで一番気持ちが良い。頭が飛びそうだ。
「きもち、いっ、あ、ああっ…」
「かなりよがってやがるな、中の濡れ方が、尋常じゃねぇ…」
あまりに気持ち良くて、喘ぎじゃない余計な事まで言っている。
男は律動を激しくしながら、背中を長い舌で舐めた。
「ひっ、あ、あっ」
「うおっ、イイ締め付けだ…」
今度は小刻みに良い所を突いてくる。
「あ、っ…あああ!!」
達してしまった。が、男は俺が達きながら締め付ける中を激しく動き出した。
脱力している俺なんか関係なしに、自分の思うまま突き上げる。突く力が強まってきて、男もそろそろ限界なんだと知る。
「…うあ、あっ?」
びゅる…と、中に吐き出されると同時に、入り口が急に広げられる。男のものが奥深く入ったまま、付け根が広がり抜けなくなってしまった。
男は背中に覆い被さり耳元で息を荒くしながら言った。
「…悪ぃが、俺のは出尽くすまで抜け無ぇぜ。こっからが長ぇが、まだへばんなよ」




今回はここまで。
獣姦についての質問に答えて下さった方々、ありがとうございました。いちおう肩から下は人間と思って書いてます。何かまずければ言ってやって下さい。
495風と木の名無しさん:2006/03/01(水) 19:16:43 ID:ZICCLCC7
まずくないYO! 美味しく頂きました! 狼さんはワンコタンと同じ仕組みなんでつねハァハァ…!
496風と木の名無しさん:2006/03/02(木) 16:05:57 ID:P12CV9h/
アリスタソ来てた〜!
今回も萌えまくりました。
次もwktk
497代理戦争:2006/03/02(木) 18:00:32 ID:Ui2VSW1A
投下します。
ほんのわずかですが血の描写があります。
苦手な方はスルーでお願いします。
498代理戦争:2006/03/02(木) 18:01:04 ID:Ui2VSW1A
その日の店の混み様には誰もが辟易していた。
今散々に嬲られているモウジのファンも、そうでないものも、
今散々に嬲っているハダレのファンも、そうでないものも、
いつもこの辺りに溜まっているものも、次の試合の席だけ取れたものも、とにかく全員が。
この混雑を予想して、店の方でも会場を整え、普段は従業員用の通路である2階部分を
解放して客を入れ、バーの椅子の配置すら工夫して席数を増やしたというのに、
それでも見えないと騒ぐ客がいる事は驚きであり、うれしい悲鳴をあげたくなる事態だった。
飲食物の注文もいつもの倍ほどの数が押し寄せ、てんてこ舞いの状態だ。
店を仕切る女性――先日、ハダレとコーラ越しに話していた女性だ――は、
普段は落ち付いて、客の相手をしながら酒を作ったり、会計をしていた。
だが今日はせわしなく、会話などほとんどできずに仕事をしている。
ウエイトレスの手が足りずに、自分で席まで酒を持っていく事すらあった。
「いやぁ、奴さんが試合すると儲かるけど大変だな」
そう言って慰めて――労わってくれる客もいたが、ほとんど生返事位しか返す余裕が無い。
かといって、客や従業員の手前、表立って溜息をつくことは憚られる。
そう言うわけで、彼女は足もとの棚から物を取り出すついでに、深いため息をついた。
この数時間で胸のそこに澱の様に溜まった疲労感が口から吐き出される感じがする。
しかし疲労感のほとんどは逆に全身に回り、もう立ちあがりたくない気すらおこさせてもくる。

女性はもう一度溜息をつくと、反動をつけて立ちあがった。
その勢いで幾杯かの酒を作り、ウエイトレスを呼ぼうと店内を見まわすと、
溜息をつく前は気が付かなかったことに気が付いた。
499代理戦争:2006/03/02(木) 18:01:36 ID:Ui2VSW1A
店のそこかしこに、見た事の無い客がいた。
いや、それだけであれば、いつもは代理戦争に縁の無い知り合いを
常連が引っ張ってきたのかとも思えない事も無い。
だがそういった客が積極的に周りと会話するのに対して、その見なれない客達は
ほとんど周囲と会話することなく、値踏みするような目で戦場を眺めていた。
周囲もそう言う雰囲気を察したのか、何処と無く雰囲気の濃淡のようなものが
女性には見て取れた。
女性はなおも手を休めずに仕事を続けながら、考えた。
こう言った状況は、果たして良い事の前兆か、悪い事の前兆か。

――その時、ウエイトレスの一人が酒のビンを落して割り、けたたましい叫びをあげた。
どうやら体格のいい客に押されてよろけたらしい。
周りの男たち――女性客はこんな所で酒を飲みながら観覧したりしない――は、迷惑そうにしながらも
掃除をするウエイトレスのミニスカートから覗く下着を見て、にやにやしている。
呆れながら、その騒ぎの始末をしようと、モップを片手にしながら女性は言った。
「まったく、あんな所通ったらビンも割れるって気がつかないのかね」
3年も勤めた価値があるのかね、と小さく愚痴を零しながら、また呆れる。今度は自分に。
彼女は45年も生きてきた、それなのに自分の店の今の状況が、一体どんなビンを割るのかさえ分からない。
45年も生きてきた価値があるのかね、と更に小さく呟きながら、女性は掃除に励んだ。
500代理戦争:2006/03/02(木) 18:02:14 ID:Ui2VSW1A

「あぶぁっ!!」
モウジは突然の痛みに、緩みかけていた頭に火花が散るのを感じた。
殴られて、拘束されて、ピアスまで開けられて、それで頭が緩むというのも有り得ない話しのようだが、
自分の余りの失態の大きさ、或いは愚かさに半ば呆然としていた為に、それは事実になっていた。
モウジは必死に仰向けの身体の首だけ起こして、痛みが襲う方を見ようとした。
――そこまでして、彼はやっと自分の乳首と性器に痛みが襲っているのを理解した。
「いや、何かあんま気持ち良さげにされてると、こっちの立場がさぁ」
モウジの右足の脛に自分の足を乗せて――必然的に、繋がった両足を押さえている事と同じになる――、
男の使い込まれた性器を扱く青年を見て、男の顔が歪む。それはもう、怯えた風に。
青年のゴム手袋に包まれた指には、乳首のピアスから性器を結ぶ細い鎖が摘まれていた。
それを引っ張ると、未だろくに血も止まらない乳首と、根元を押さえられた性器が同時に痛んだ。
痛むからといって仰け反ると、更に強い、どちらかが千切れそうなほどの痛みが彼を苛む。
「まーオレも不慣れだし、あんま抵抗されると困ったんだけど…」
その痛みを与えながらも、開いた手で男のものを扱いてやる。
ゴム手袋越しの性器の感触というのは、嫌悪感も無く、適度に弾力があって面白い。
素手で自分のをやるのとは全く違う。
「…マジでMっ気あんじゃね?もう汁だくー」
「ふ、…ぅぐっ…」
ハダレが先走りに濡れた手を観客に向けて広げて見せる。
嘲笑されたモウジは、快感と痛みが中断されて僅かに取り戻した理性で屈辱を感じた。
501代理戦争:2006/03/02(木) 18:03:11 ID:Ui2VSW1A
あの観客達の中には、さっきまで自分に媚びていた女と、顎で使っていた後輩がいるはずなのだ。
彼等は今何を思っているのだろう。だらしない奴だ、あんな奴を頼っていたのだと呆れているだろうか。
それとも暫く拠り所になってくれた惨めな男に嘲笑を贈るのだろうか。
それとも、まさか悲しんでいたりすることは――あるまい。
「なァに考えてんですかー?」
「!ふぁあッ…あ、あ」
青年の引く鎖に思考を引きずり戻されて、男が身体を仰け反らせた。
のた打ち回る様を見下ろして、嬉しそうなハダレは言った。緩急をつけて鎖を引きながら。
「あんま考え事してると、もっとすげぇ事するよ?
 …あ、もしかして家族とか、恋人とか、そーいうこと考えてた?」
男の乳首はピアス穴を広げられ、新しく血の筋を脇腹へと描いている。
それ以外の傷からの血は大方止まっていて、皮膚に複雑な絵を描いていた。
――ハダレは、そのうちの一つに爪を立ててこじ開けた。
「…は、ぁ、…んがぅっ!」
男の身体が一際大きく仰け反って、青年は何もしていないのに勝手に乳首への苦痛を味わっている。
一方、青年の手で扱かれつづけている性器は、苦痛の刺激の度にビクビクと震えた。
もうイキそうなのかもしれない。
ハダレは容赦無く、無造作にそれを刺激しながら言った。
手付き以上に容赦の無い言葉を。
「もう考えない方がいいんじゃね?
 …オレがあんたとつきあいがあったら、こんな痛いことするたびに感じる変態とは縁切るもん。
 それとも、B社に楯突いてまで誰かが守ってくれる価値を、自分が持ってると思う?」
502代理戦争:2006/03/02(木) 18:05:29 ID:Ui2VSW1A
「うう…ぅふう」
男の眉が歪んだ。
ハダレの言葉は勝者の言葉であり、反論したい内容を多分に含んでいたが、
同時にここでの正論であった。
勝者はいつか倒される。倒れた勝者には誰も見向きもしない。勝てない勝者に価値はない。
「誰もそんな価値持ってねぇんだよ」
青年はほんの少し真顔になって言い放つと、スパートをかけた。
「はぅ、あぅっ、ぁ!ぐ…あふっ」
弱く鎖を引いて萎えない程度に痛みを与えながら、性器は激しく扱く。
クチャクチャと、粘液質な音が男の悲鳴――或いは嬌声と混じって、更に観客の喚声と混じって消えていく。
「ぁ、あ、ぁ、あ…」
男のうめきが単音になり、単調になり、切羽詰る。
ハダレは身体をかがめて、ピアスごと乳首を強く吸いながら、最後の一扱きといわんばかりに強く性器を擦った。
途端に、男の分厚いからだが反った。鎖がピンと強く張って、乳首を下に、性器を上に引っ張った。
――どうやら、果てたらしい。
「ぅふぁああ――――!」
口枷に阻まれて、不明瞭な発音になった叫びが迸った。
だが、その絶叫は妙に長い。
「ぁ、あー!は、ああっ、あー!」
「あーぁ、あんま仰け反るから、出せなくなっちゃうんだって」
ハダレは手の中の性器を見ながら言った。
ビュクビュクッと痙攣しながら、男の粘ついた白濁が、勢い無く小刻みに吐き出されている。
503代理戦争:2006/03/02(木) 18:06:03 ID:Ui2VSW1A
男が強く仰け反ったために性器の根元が強く拘束されて、いった瞬間に塞き止められてしまったのだ。
身体から力が抜けると鎖が緩み射精できるが、
その刺激に身体を強張らせると再び射精阻害されてしまう。
悪魔のような仕掛けだった。いささか原始的だが。
男がのた打ち回っている間に、ハダレは観客席の方を見た。
こんな仕掛けを渡して、男を嬲りまわせと依頼してきた、A会の監視役がどこかにいるはずだからだ。
所詮こちらはいかに強くあろうと、相手が仕事をくれなければ日干しになって死ぬしかない。

監視役の顔色をうかがって、特に不満そうでなければもう終えてしまおう、
そう思って客席を見まわすハダレの眉が僅かに疑問に歪んだ。
(…なんか…あからさまに、変な奴がいる…)
勿論、仮装しているやつがいるとか、そう言う事ではない。
明らかに周りの観客とはテンションや雰囲気の違う、『客以外の人間』がいるのだ。しかも一人二人ではなく。
例えば監視役のような、何かの意図を持った雰囲気の人間が代理戦争にいる事は自然な事だ。
代理戦争は組織の存亡にさえ時にかかわるから、これはいい。
ところが今日は同じ意図を持った、同じ雰囲気の人間が沢山いるような感じだ。
これは常にない事である。
504代理戦争:2006/03/02(木) 18:06:35 ID:Ui2VSW1A
(このおっさんの値段付けに来た?…いや、そんなに皆欲しがる筈ないし。なんだこれ)
ハダレは僅かに緊張した。いつもと違う事は、どんなに些細な事でも気に留めておいて損は無い。
それが、彼が戦場に立つようになってから――いや、ここに来てから学んだ事だった。
だが、客席を探ってばかりもいられない。
監視役は早く次に進め、と言っている。こちらが気を使ったのが馬鹿みたいに。
(…まぁ、あんまお客さん待たせると退屈するし。おっさんも冷めちゃうだろうし、
 終わってから気にするか…)
ハダレは僅かに溜息をついて、視線を戦場に戻した。
そこには更に無残になった男、モウジの姿があった。

両手を後に、足を伸ばしたまま縛られ、口枷で話す術を塞がれ、尻尾が生えているのは変わらない。
男の上半身は噛み傷や引っかき傷で彩られ、赤い線と僅かな白濁が抽象画のように渦巻いている。
片方の乳首には金色の、B社の社章の刻まれたピアスが嵌められていて、
そこから同色の鎖が性器まで伸びている。今は萎えた性器の根元に、赤く鬱血した線が残っていた。
顔はこじ開けられたままのあごから涎が止まらず、見苦しかった。
その瞳は最初の自信に満ち、こちらを見下しすらした光はない。
汚い涙を流し、媚びるような目になっている。
505代理戦争:2006/03/02(木) 18:07:48 ID:Ui2VSW1A

ハダレにはそれが見るも汚らわしい嫌なものにも見えたが、
同時に、慈愛にも似た愛しさがこみ上げてくるのを感じた。
その惨めな姿は、相手と自分の圧倒的な力の差を感じさせるものであり、陶酔を招くものであったからだ。

ハダレは男と視線を結んだまま、ゆっくりと立ちあがった。
次に何をされるのかという共通の疑問の末に浮かんできた感情――不安と、怯えと、嫌悪と、期待。
それに口では答えずに、行為で答えてやろうとハダレは思った。
男の身体の下につま先を入れて、かなりの力で蹴りながらひっくり返す。
くぐもった呻き声を上げながら、逃げるように、半ば自分でうつ伏せになった男。
その鼻先に膝をついた。
見上げてくる男に、ハダレはにっこりと笑いかけて告げる。
「舐めて」

――突き出されたゴム手袋の指には、最初のオイル以外に、
男の2種類の体液がたっぷりと絡んでいた。

モウジはかっと目を見開いた。
信じられないとでもいいたげに、顎をがくがくと動かすが、口枷が発音を阻む。
「ぁう、う…」
「舐めて。簡単じゃん」
ほらほらと青年が指を突き出すと、その分男の頭が背けられた。
一丁前に気持ち良くさせられておきながら、こちらからは奉仕できないという姿勢らしい。
「ほーらー」
ハダレの骨ばった指には、根元まで透明な先走りと白い精液が絡んでいる。
異臭さえするそれを、どうやって口に含めというのか。
506代理戦争:2006/03/02(木) 18:08:20 ID:Ui2VSW1A
男が縋るようにハダレを見上げる。首を横に振りながら、のたうって顔を背けようとする。
何も言わず、ハダレはその首根っこを掴んで引き戻すと、その口に指を突き込んだ。
「ぉごっ…!」
「舐めろ」
吐き戻しそうな不愉快な音を立てたモウジには構わず、指を殆ど根元まで差し入れて待つ。
苦悶する男が、殆ど無意識に指を押し出そうと蠢かせる舌の感触が、疲れた指に心地よかった。
濡れた感触はあるのに、指そのものに湿り気を感じる事は無い。
そのくせ、舌がどれだけ熱いかとか、這いまわる動きの一つ一つまで分かる。
……ハダレは、ゴム手袋を発明した誰かにちょっとだけ感謝した。

暫くすると、モウジは観念したように指を舐めてきた。
さっきのきつい一言で、殆ど絶望したような表情になっている。
かといって、積極的に身を落す訳でもなく、実にまだるっこしい舌遣いで、とろとろとろとろ舐めている。
ハダレは言ってやった。
「…んー、もうちょっと思いきり良く舐めれば早く終わるかも」
――途端に舌遣いが早くなると言う事は、男はこの舞台を早く降りたがっているということだろう。
だがこの戦場から降りても、彼には以前のような勝利者の日々は戻ってこない。
B社に引き渡されるか、A会が始末するのか、それとも第三者に金で買われるなりするのか。
彼の将来などハダレに関係は無かったが、
その末路は代理戦争にかかわる1人として、哀れみと悪寒を感じざるを得ない。
モウジというこの男は、つい十日前までこんな盛況と栄華の中にいた。

――ハダレという人間は一体いつまで勝利者でいられるのだろうか。
507代理戦争:2006/03/02(木) 18:08:58 ID:Ui2VSW1A
…もーいいや」
ちゅぽ、という粘ついた音を残して青年の指が引きぬかれる。
うん、きれいになったと言うと、男が安心したように肩を落す。
白い精も透明な先走りもすっかり拭われて、唾液だけが残っている状態を、果たしてきれいといってイイのか、
それは怪しかったが。
ハダレはキレイに出来た褒美を与えるような、優しい声色で言った。
「じゃーこっちも頼むから」
男の鼻先には裏腹に、たった今取り出した、しかし怒張したハダレの性器が突きつけられていた。

男の顔が、しかめたついでに泣きそうになっていた。
匂いはむしろ、さっき舐めさせられた指よりは薄かった。
大きさも身体相応というか、男のそれよりも一回り、もしかしたらもう少し小さく、色素の沈着も少なかった。
それでも、それを銜えるのは憚られて、男は青年を見上げた。
「ん?ダメ?」
必死に首を縦に振る。
「えー、折角だから舐めとかない?」
まるで行き付けの店で一杯の酒を余計に勧めるような口ぶりに、男が狂ったように拒絶する。
なだめるように、青年は男の頭に手を置いた。ちっとも困っていない口ぶりで、困ったように言った。
「舐めておかないとさー、血で滑り良くするしかないんだけど」
「………ぅっ……」
尻の痛みを今やっと思い出したのか、モウジは詰まったような声を出す。
その記憶を鮮やかに蘇らせてやるために、ハダレは尻をずらして身体を乗り出し、
モウジの尻から生えている玩具をつついた。
「ぁっ…う、ぁ」
怯えて手から逃れようと身をくねらせる男。
それを追いかけて、ハダレは玩具に手をかけ、力をこめてそれを引き出す。
「あああ、ぁがぁああー!」
筋力がよほど強いのか、渾身の力をこめても抜き出す事は出来なかったが。
長くなった尻尾から手を引きながら、ハダレは悶える男にもう一度だけ言った。
「折角だからさぁ・・・舐めとけば?」

・・・モウジはなお暫く、震えていたが、やがておそるおそる顔を近づけていった。
508代理戦争:2006/03/02(木) 18:09:31 ID:Ui2VSW1A
↑すいません、ここまでです。
509風と木の名無しさん:2006/03/02(木) 20:25:22 ID:iCT4D0ik
代理戦争タンGJ!
いやもう続きが気になってハァハァしっぱなしだ。
510風と木の名無しさん:2006/03/02(木) 20:45:36 ID:LeUJZTeT
age
511風と木の名無しさん:2006/03/02(木) 22:07:16 ID:i65izkgh
GJGJ!!
ハアハア
512風と木の名無しさん:2006/03/03(金) 00:16:05 ID:ObnF7/bE
マッチョ戦の後ハダレどうなるのやらwktk
513風と木の名無しさん:2006/03/03(金) 00:24:15 ID:3haOqAmZ
代理戦争の人、今までもよく書いてくれてる職人さんでしょ。
サイト、したらばで宣伝してた人だよね。
サイト作っても、やっぱりここが好き?
514風と木の名無しさん:2006/03/03(金) 00:34:55 ID:4p2MKG9a
雪隠詰めとか冷蔵庫とかブリーダーの人か
515風と木の名無しさん:2006/03/03(金) 01:13:44 ID:MpqeVjzW
決め付け、イクナイ!!
読み込んでるわけじゃないから私にはわからんけども。
とりあえず
つしたらば
516風と木の名無しさん:2006/03/03(金) 08:11:18 ID:txlpO+Eq
そうだ、決めつけイクナイ!
つーか、サイト持ちに「来るな」言ったら、書き手減るだろーが。
公共の利益に反しますヨ。
普通に投稿されるモノはとやかく言わずに萌えだけに従って楽しみましょうぜ。
517風と木の名無しさん:2006/03/03(金) 08:25:39 ID:q+RFIncu
ももも萌え……!!
やばい、モウジたんもハダレたんも萌えるハァハァ
怪しい客の存在が気になる…
恐ろしい世界だ、代理戦争…!

続き激しくwktk。
518風と木の名無しさん:2006/03/03(金) 10:35:25 ID:0CBIGv/v
ハダレたんのこの軽い攻め口がたまらん
でもやることは鬼畜イイヨイイヨー(゚∀゚)
519風と木の名無しさん:2006/03/03(金) 20:42:46 ID:w46rPoM7
あgふぇ
520風と木の名無しさん:2006/03/03(金) 21:59:47 ID:BHUgd6k7
決めつけはイクナイが、サイトがあるなら知りたいもんだよ。
雪隠詰めかなりモエス
521風と木の名無しさん:2006/03/03(金) 22:15:14 ID:yV/Zj8NE
>520
サーチ行って舐めるように検索して来い。
522代理戦争:2006/03/05(日) 13:28:43 ID:NRxVKYuI
私は雪隠詰め等の作品を投下した方とは別人です。
以前一度だけ投下したことはありますが、サイトは持っていません。

続きを投下させていただきます。
エロ無しシーン、嘔吐表現を含むシーンがあるので
嫌な方はスルーして下さい。
523代理戦争:2006/03/05(日) 13:29:38 ID:NRxVKYuI
やがてその先端を口に入れようと言うところで、男のペースを無視して喉奥まで突き込まれた。
モウジは咽喉の奥まで犯され、思わず歯を合わせようとしたり吐こうとする。
だが男の口は例の口枷で全く閉じないようになっている上に、
強制フェラチオさせられるように真中に隙間があるため、ハダレには何の抵抗も伝わらない。
逆に吐き出そうとする頬の肉の動きや、押し返そうとする舌の感触がくすぐったかった。
「別にいかそうとしなくてもいーけど、…ちゃんと舐めとけば流血はしないかもね」
「…ぅえっ…ぁぶっ…」
一方モウジは吐き気を収めるだけで精一杯だった。
殆ど咽喉一杯まで入れられたハダレ自身の質量が、まずいけなかった。
その上独特の匂い、感触、そして何より同性に奉仕させられているという心理的なものが、
男に生理的嫌悪感を拭わせないし、心を殺してこの場をすごさせなかった。
これで動かされたら本当に吐いてしまうのではないだろうか。
「ほーらー、ちゃんと舐める」
「うっ…うぐっ…」
いや、きっと青年はこのまま何もしないでおけば、こっちの頭を動かしてでも奉仕させる。
または「しょーがねぇな、希望通り痔持ちコースにいっとくか」とかいいながら、
そのまま尻に挿入しそうだ。
仕方が無い。
ハダレが男の頭に置いた手に力をこめるより前に、男はそれに舌を這わせた。
目尻には、吐き気のためか、涙が光っていた。
524代理戦争:2006/03/05(日) 13:30:14 ID:NRxVKYuI
「ん…ッ…やっぱ血塗れはエンリョするよなー…ぁ」
瞬間、ほんの少しハダレの息が上がる。
思えばこれだけの長丁場で、彼の体に肉体的な快楽は今までなかった。
散々モウジをいたぶって遊んでいたのと、試合に出ると否応無く興奮してしまうのとで
精神だけは高揚していて、心臓がばくばくと早く打ってはいた。
だが依頼者から課せられた仕事――ピアッシングや射精阻害だ――があった事と、
あまり肉体的な生々しい快感が先走って与えられるのを好まない、
そういう彼の嗜好の影響でそういう段取りになっていた。

「うぐ、ぅ…う、むぅ」
「…もちょっと…丁寧に舐めないと…っ…痛いんじゃない…?」
涙目になって「早く抜いてくれ」と訴える男に、直接脳を揺さぶり体温を上げ頬を火照らせる快感を
その身に与えつづける事を強要する青年。
モウジの見上げる青年の片瞳にはとろんとした欲望の光が宿っている。
まるで霧の真中に灯りを置いたようだ、と男は思った。
――思っただけで、すぐに吐き気にかき消されて忘れてしまって、一生思い出す事も無かったが。
男の、今まで女性や、或いは男性を快楽の地獄へ引きずり落した舌が、
一心不乱に青年自身へ唾液をまぶす為に蠢き、自らを貶める。
その行為は青年が止めるまで、当然のように続けられた。
525代理戦争:2006/03/05(日) 13:31:11 ID:NRxVKYuI
「んがぁッ…」
こぷ、という人が水をいれた器を傾けるような音とともに、ハダレの性器が姿をあらわす。
ハダレの火照った表情とは逆に、モウジの顔は涙で彩られ、屈辱に震えている。
まるでこの世の辛酸を一瞬で舐め尽くしたかのような姿に、
ハダレは心底見惚れているかのような表情で告げる。
「…もうすぐ終わるからさァ…」
いいながら、男の頭側から尻側まで移動する。
そして材木に刺さったままののこぎりでも抜き出すように、無造作に足をかけて――
――一気に玩具を引きぬく。

「がぅあっーーー!」
色気の無い獣じみた悲鳴。それに重なるように沸きあがる歓声。
誰かも言っていたが、観客は別に
性欲を満たすためにここに来ている訳ではないのが普通だ。
もちろん一部の同性愛者や、同性の行為を傍観するのを好むもの、
そういった代理戦争の一面を目当てに来るものが全くいないわけではない。
だが大多数の観客はそれ以外のものを求めに来ている。それは何か。
526代理戦争:2006/03/05(日) 13:31:51 ID:NRxVKYuI
「は…ぃッ…」
泣きながら、これだけは、と拒絶するように逃げようと蠢くモウジの四肢。
それをハダレはあっさりと押さえつけ、調節し、
「んあああーーー!!」
ぬめった性器を押しこんだ。
後は男の都合などお構いなしに、血と唾液で慣らしながら勝手に動く。
断末魔にも似た声が、一杯の人で溢れかえる会場自体をビリビリと震わせる。
その声に、その姿に、観客席がまとまって狂気に侵された様に沸いた。

人が抱く最も後ろ暗い喜び、それは他を蔑む心に他ならない。
整った顔立ちに優越感を持ち、ほんの少しの学歴に誇りを持ち、
他人の背が低いといってはそれを突つきまわし、身分が卑しいといっては貶め、
自分より明らかに強い者が惨めに嬲りまわされる姿を見て全ての憂さを晴らす。
それが代理戦争の価値であり、人々が求めてやまない、娯楽の真髄だった。

今も丸木のような強い肉体を持った男を、
細い――より弱そうで、自分たちに似た――青年が散々に犯し楽しむのを、
観客は同調するように、食い入るように眺めて興じている。
ここの代理戦争会場で争うのは、せいぜい荒廃したこの地域を拠点にした組織同士で、
観客の絶対数も少ない事から、この代理戦争場では命を賭けた試合は禁じられている。
その所為で、この戦場での敗者の肉体に食込むのは武器ではなく、
性器や玩具の類である事が殆どであるが、それでも観客が飽きる事は無い。
大切なのは、強者がずたずたにされて打ち捨てられる、その姿。
誰もがずたずたにする方と自分を重ね合わせて、快楽を得る、その絵だった。
527代理戦争:2006/03/05(日) 13:33:30 ID:NRxVKYuI
「あーッ、あ、ッが、あぁっ」
男の体の方向を時折変えて、客につまらない画面だけを見せまいと、
ハダレは考えていたが、それは杞憂だったようだ。
わざわざ誘導せずとも勝手に苦しみ悶えて暴れまわるので、
抜けないように注意さえしていれば男の向きは勝手に変わった。
「…んッ…せっかく…濡らした、のに…」
ハダレは男を押さえつけながら犯すのに辟易していた。
辞書を与えれば「セックス」だの「性器」だのに赤ペンで線を引きたがる年頃であるし、
この男とハダレの間には何のかかわりもないから、
どうしたって行為がハダレの快楽だけを追うものになるのは仕方の無い事だ。
だがさっきまで自分の尻の穴に何か入れることなんて考えていなかった男の体には、
それはきつすぎた。
苦痛の余り、体が勝手に逃げ惑うのも無理からぬ事とも言える。
事実、男の中は決して緩む事は無く、ぎちぎちに緊張したままだ。
「力…抜いて。オレ終わる…頃には、去勢されそ…」
だが男はかぶりを振って、中には変化が無い。
――ハダレは転がっていた新たなビンに手を伸ばして、苦心して捕まえた。
「仕方…ない……か…」
中身の半分を男の口枷の真中にぶちまけ、残りの半分の半分を結合部に、
最後の残りを掌に取ると、そのまま男の性器を扱き出した。
「ふぁッ…!?」
「…心配ッ…ない。ちょっとぶっ飛ぶ…だけ」
何をした、とでもいいたげな表情で振りかえるモウジに、
ハダレは答えてやった。どうしても快楽で息が上がりがちになる。
「B社お得意の…ん…薬。すぐ効く」
528代理戦争:2006/03/05(日) 13:36:28 ID:NRxVKYuI
そういいながら、ハダレは自分自身に薬が染み渡り、ほんの少しずつ興奮が高まるのを感じていた。
結合部に垂らした分が効いてきたのだ。
「…ぁ……ぁッ…」
自分のペースで腰を動かしていると、思わず吐息に小さな喘ぎが混じる。
このまま1人だけ興奮していたら格好悪いのでモウジを見遣ると、
よかった、彼の方が興奮しているようだった。
「ぅあっ…んぅ」
ハダレの手の中にある性器が力に満ちてくるのを感じて、ハダレは一息ついた。
ついで、モウジの中も僅かにゆるんで、いい具合に仕上がって来ていた。
「…んぐッ!」
だがその背を反らす度にピアスと鎖が彼を苛む。
壊れたようにぼろぼろと涙を流す男を見下ろしながら、ハダレは言った。
「…あんまし…っそうしてると…乳首千切れちゃうかもしんないよっ…」
「ぅう…」
男が怯えたように一瞬身を竦めるが、数回も突き上げてやるとすっかり忘れて
思いっきり背中を反らせては身を縮め、の繰り返しだ。
ハダレは笑った。
男の中に刺激されている自身が気持ち良かったから。
男を嬲って生まれる歓声が気持ち良かったから。
男の精神を引き裂き、肉体を破壊し、両方をゴミのように踏みにじる行為が気持ち良かったから。
そしてその結果証明された、自分の持つ力と、その力を持つ自分に酔う事が楽しかったから、笑った。
529代理戦争:2006/03/05(日) 13:37:45 ID:NRxVKYuI
リングを、いやその上の人間を眺める目には熱っぽくないものがあると言った。
代理戦争の勝敗には、昔の司法による裁判と同じく、様々なものがかかっているからだ。
譲れない主張があるならば、昔は相手よりも優秀な弁護士を雇った。
今では、強く賢く、相手よりも優秀なものを雇うものだという認識である。
殊に――今まで、ただの一度も負けた事の無いものを相手取るなら、更に慎重になるべきだった。
そして慎重に慎重を重ねて選ばれた男が、その姿をバーの席から眺めている。
ハダレという青年が、男を犯して楽しんでいるその背中を。
皮肉にも、かの青年が以前男を眺めていた席で。

歳は二十歳半ば程だろう。
背が高く、モウジのような目立つ筋肉は無いが、かといってハダレのように細いわけでもない。
目を引くのはその男が全身黒ずくめな事だった。
着ている物は愚か、少し長く垂れている髪も、瞳も、真っ黒といって良かった。
――試合が終盤に差し掛かり、観客が舞台に注目してオーダーが減り、
やっと人心地ついた女性がカウンターに戻ってきたときに、真っ先にその男が目を引いた。
思わず、話しかけてしまった。
「…なんだい、余り盛りあがってないわね」
男は視線から先に振りかえり、ついで顔全体を女性に向ける。
その顔は、この辺りの人間が起伏の激しい顔立ちをしているのと対照的に、のっぺりとしていた。
無表情で、主張の激しさは無く、ただ瞳の黒が映える、凛とした雪景色のようだ。
――彼女は、男のその顔を、素直に綺麗だと結論付けた。
530代理戦争:2006/03/05(日) 13:38:31 ID:NRxVKYuI
「いいわよ、『仕事』なんでしょう?分かってるわよ」
「…ああ」
短い返答。だが、気を悪くした様子は見えない。
「ここで戦ってる中でよく話す子がいてね。その子がそういう目で試合を見てるのよ。貴方、ここは初めて?」
「……そうだ」
「代理戦争をした事はある?」
「ある」
「…貴方、強いの?」
調子に乗って質問してしまったが、男が機嫌を損ねる事は無かった。
「勝つということが強いということならば」
女性は彼が以外と饒舌である事にも驚いたし、その返答にも驚いた。
彼女の知る限り、負けた事の無い人間は例の青年――ハダレしかいない。彼とは随分、タイプの違う人間だ。
だが、自分が強いということを淀み無く口にできるというその心根は似ていなくも無い。
女性は年下の男たちを見守るような心地で手作業をしていた。
――その手がふと止まる。
「…貴方、次に『仕事』なの?」
「ああ」
「この試合を見にきたの?」
彼女は自分が動揺している事に気がついた。
肩入れするわけではないが――女性はハダレという青年を悪く思ったことは無いし、
不敗神話を持っても、最初と変わらない屈託の無い笑いを浮かべる心根を、好ましくさえ思っていた。
「そうだ」
「…じゃ、貴方の相手って」
女性の手が震えて、ガラスのデカンタを落としそうになっていた。
531代理戦争:2006/03/05(日) 13:39:50 ID:NRxVKYuI
「あ、アッ…ふぁ゛っ!ふっ!」
男の歯の裏が口枷に当たるのか、カチカチという音が突き上げるリズムと同調して聞こえる。
歯を食いしばろうとしているらしいが、無駄である。
声も唾液も、グチャグチャに踏みにじられた「モウジ」という人格さえも、
ぽっかりと開いた口腔から零れて行く。
「…ッ…も…人間辞めてる…なぁ…モウジさん?」
今のモウジという男は薬に惑わされ、ハダレに蹂躙されて、
凄絶なまでの姿で快楽を追っていた。
幾多の敵を睨み据えた眼がとろんと濁り、幾多の舞台装置を破壊した手足は拘束され、
ハダレの腕がどうにか回るくらいの太く強靭な腰は青年に合わせて揺れている。
その体の下では、青年の掌に包まれ、鎖で根元を拘束された性器が暴れていた。
「いく?」
「んぐぅ!ふ…んッ!」
男の頭は、確かに縦にゆれた。
ハダレは自らの快楽を追って激しく動き出した。
結合部には腸液と薬と血液と先走りの混じった泡が立ち始めている。
「んーッ…ぁあーッ!」
勿論それだけでは、尻の具合等お構い無しに突っ込まれた男がいけないだろうから、
ハダレは男の性器を、二の腕の筋力の限りに素早く扱いてやった。
「あぁ、あ!ん…あがッ…あー!」
そうすると、男の中がぎゅうっと締まって、ハダレ自身を愛撫する。
体を鍛えているとこんな所まできつくなるのか、と揶揄しても、もはや男は聞いていない。
笑ったのは観客だけだった。
ハダレは後一押しとばかり、指に鎖を絡めて引きながら、先端に爪を滑らせた。

「ああ、ふぁ…あ、ああああ――!」
532代理戦争:2006/03/05(日) 13:40:35 ID:NRxVKYuI

男はその予期せぬ刺激で、絶叫を上げた。
発達した背筋がその背筋を異様なほどに反りかえらせる。
拘束していた四肢がぎしぎしと、つり橋のような音を立てて突っ張る――
「くぅッ…!」
直後、ハダレは吐精した。
男の内部にぶちまけられたそれは、モウジに熱い感覚をもたらして、拡散していった。
薬の所為か、男の締め付けの強さの所為か、一瞬目の前が真っ白になる。

――掌に広がった、少量の生暖かい液体で、モウジが達したのだと知った。
荒く乱れた息を吐きながら、終わった事を悟る。
「……ふぅ……」
男の性器から手を離し、体を起こして、抜き出す。男は全く反応を見せない。
抜き出した穴からどこか赤じみた精液がどろどろと流れ出てきた。真後ろにいた客がおお、と声をあげる。
身繕いをして立ちあがると、自分と同じ様に観衆も興奮の余韻に浸っているのを全身で感じた。
よかった。今日も、観客の娯楽を提供する程度の価値を自分は持っている。
ハダレは一つ深呼吸をすると、四方に向けて手を振った。
賞賛の言葉が津波のように押し寄せる。
実況もなにか、今日も勝ったとか、最高の試合だったというようなことをわめいていた。

――興奮という枷が外されると、疲労感を覚えた。
後始末はスタッフに任せて、ハダレは控え室へと向かった。その背に、名残惜しむような視線を背負って。
533代理戦争:2006/03/05(日) 13:43:51 ID:NRxVKYuI
※嘔吐表現あります



会場と廊下を隔てるドアを閉めると、ハダレを疲労どころではない虚脱感が襲った。
少しふらつきさえしながら、最奥のいつも使っている控え室に向かおうとして、
――途中のドアを開けて駆込む。そこは手洗いだった。
一番近くの個室に飛びこむと、そこで青年は胃の内容物をすべてぶちまけた。先ほどの吐精のように。
耳が侵され、喉と鼻が灼かれ、目の端が涙で濡れた。
不愉快な五感への刺激に、目の前が暗くなった。

洗面台で口や鼻をゆすぎ、後始末をしてから控え室に戻る。
控え室は、選手ならともかく、依頼者が鉢合わせるのは良くないだろうという気遣いで、
狭いのがいくつも備わっている構造になっている。
ハダレには帰属する組織も、帰る家も無い。
だから、試合があった日は店――主にあの女性の――の厚意で、
大抵最奥の控え室に泊まらせてもらっていた。
今日も、備え付けの長椅子の上に毛布がおいてある。
そのまま倒れこみたい衝動に駆られたが、
モウジとかいう男の体液を纏ったままだという事を思い出して、おぼつかない足取りでシャワー室へと向かった。

もどかしい手付きで全ての衣服を剥いで、最後に眼帯を外す。
完全に生まれたままの姿で冷水を頭から浴びて初めて、ハダレの心は戻ってきた。
興奮や陶酔や高揚はアルコールのようなものだ。
人にもよるが、泥酔すれば際限無くその人間の本性を暴き出す。全てに勝る快楽で人を依存させる。
そして醒めてしまえば後悔しか残さない。
534代理戦争:2006/03/05(日) 13:44:23 ID:NRxVKYuI
ハダレは試合中の自分を思い出した。
調子に乗っている奴の鼻っ柱を叩き折った事はまあいいとしよう。
その後、抵抗できない相手に暴虐の限りを尽くし、逃げ惑い哀願する男を苦痛に悶えさせ、
あまつさえ犯して精神が壊れていく様を、彼は心の底から楽しんでいた。圧倒的な力の差を気持ちよがっていた。
楽しむくらいなら観客が「見て」やっていることと同じだ。
だが彼等が後ろめたい喜びであると、その感情を理性下に置いて楽しんでいるのとは違って
自分は、これが試合でなければ、何をしでかしたか分からない……理性が下敷きになっていた。
ハダレは空恐ろしく思った。
痛いくらいの冷水で頭を芯まで冷やしながら、震える手で右眼を押さえる。指先は冷たい。
だがそれ以上に、皮膚では感じない寒気を憶えて、ハダレはぶるっと体を震わせた。

控え室に戻ると、依頼者に渡され、試合で使った道具がボール箱に詰められて置かれていた。
スタッフには申し訳無かったが、見るだけで気分が悪かったので蓋をして、部屋の隅に追いやった。
それ以外に変わった事は無いかと見ると、長椅子の上に依頼完遂の証明書が置かれていた。
その紙を薄汚れたバッグに詰め込み、それを枕代わり(盗難防止策だ)にして、
ハダレは椅子にぐったりと横たわって毛布に包まる。
会場ではまだ試合をやっているらしく、歓声が聞こえる。バーの賑わいも目に見えるようだ。
それを子守唄に、ハダレは目を閉じた。視覚が現実から遮断される。
――翌日、日が高くなり、顔なじみのスタッフに悪ふざけで蹴り起こされるまで、
彼は途切れることなく深い眠りについていた。

↑ここまでです。
535風と木の名無しさん:2006/03/05(日) 14:17:27 ID:XtCqLY4E
sugeeeee!GJ!
次の試合は…うわー、ハダレ超逃げてー!
536風と木の名無しさん:2006/03/05(日) 16:00:59 ID:1j/xSU1A
モウジたん、望郷編きぼんぬ
537風と木の名無しさん:2006/03/05(日) 16:24:50 ID:RVGhqEhF
明日は我が身な代理戦争…予想が現実に!!
堕ちていくモウジと自己嫌悪なハダレタンにムッハー(*゚∀゚)=3
538昼休み:2006/03/05(日) 17:18:37 ID:hUQAag5T
>>461の続き

背後から、秋月の楽しそうな声が聞こえた。
「さっきは中途半端になっちまったし。お前も痛い目を見るだけじゃ、つまんねェだろ?」
何か言い返してやりたいが、口を塞がれて声は出ない。
「ごめん、ね……ごめんなさい、名嶋、く、ん……」
早野が泣きそうな声で呟いた。
女のように横座りになって、名嶋の頭を自分の下腹部に押しつけている。
見物に回った連中が、射精するまではやめるなと脅していた。拳を振り上げられただけで
顔を青くするほど早野は気が小さい。だから一秒でも早く終わらせたいのかも知れないが、
髪をつかまれ顔を揺すられるのは、かなり迷惑だった。
かといって、いつまでも終わらないのも厄介だし、早く済ませるために舌を使うつもりは
毛頭ない。噛まないように力を加減するだけでも、気を遣う。
(……勝手にしろ)
こちらはこちらで、手一杯だ。
自分が不能ならよかったのにと願ったのは、生まれて初めてだった。
秋月の指使いは、壊れ物を扱うように繊細だった。そして腹立たしいことに、巧みだ。
名嶋が自分でも知らなかったポイントを探し当てて、そこを集中的に責めてくる。しかも
左利きらしく、右利きの名嶋が自分でする時とは、指の当たり具合が違う。それが今まで
味わったことのない刺激になる。
頭の中でどんなにエタノールの分子式を繰り返しても、体の反応は止められなかった。
「どうしたよ、優等生。落ちこぼれの不良にレイプされて、感じちゃってんの?」
秋月が笑った。
悔しいが、意志とは関係なしに、勃ってきていた。
後孔を突き上げる動きも、一回目とは違う。秋月が愉しむよりは名嶋を感じさせることを
優先すると決めたらしい。
539昼休み:2006/03/05(日) 17:19:41 ID:hUQAag5T
こんなものを快感とは認めたくない。認めたくないのに、えぐられるたび、体を弱電流に
似た刺激が駆け上がり、背中が反り返る場所がある。
当然、秋月は反応に気づいているだろう。そこを集中的に突いてくるのが、その証拠だ。
(くそ……こんなヤツに)
さっきは唇を噛み、痛覚で快感をごまかそうとしたが、今度はその手が使えない。
早野に大怪我をさせてしまう。
「ごめんね、ごめ……ん。名嶋、君……ごめん……こんな、こと……」
頭上から早野の謝罪が降ってくる。正直、うるさい。媚びに似た甘さが声ににじんでいて、
どうにも耳障りだ。
同じクラスというだけで親しくはない。少女めいた顔と振る舞いに惹かれてか、同級生や
上級生が早野にまとわりついて、ご機嫌取りをしている場面は見たことがある。けれども
名嶋は興味がなかった。今でも、どうでもいい相手だと思っている。
ただ、口の中で体積を増した肉棒が邪魔なのと、声がうるさいのが──。
「あぁっ……名嶋くぅんっ!」
声が一際、甲高くなった。名嶋の口の中で、肉の棒がびくっと震える。
射精される、と思った瞬間、体が嫌悪と不快に支配された。本能的に顔を動かし、肉塊を
吐き出そうとした。早野としても、口の中へ放つのは気が引けたのかも知れない。名嶋の
顔を押さえていた手を放し、腰を引いた。
「……っ!!」
肉棒が口から引き抜かれたのと、熱い液があふれ出したのが同時だった。早野の性器は、
口元から頬、右目、前髪と、名嶋の右半面をまんべんなく汚して、離れていった。
言葉が出なかった。
精臭が鼻孔に突き刺さってきて、吐きそうだ。息をするのもいやになる。
自分の顔は、横座りになった早野の足の上に載ったままだ。先端に白い雫をまとわりつか
せた性器が見える。甘ったるい早野の喘ぎが耳を打った。
540昼休み:2006/03/05(日) 17:21:39 ID:hUQAag5T
見物人の嘲笑が、名嶋を包んだ。
「やるじゃん、ヒトミちゃん。顔面シャワーかよ」
「あーあ。べったり付けちゃって。目にも入ったんじゃねーの?」
名嶋は、砕けそうなほど強く奥歯を噛みしめた。無様な姿を人目にさらす屈辱には、そう
でもしなければ耐えられなかった。口の中に射精されたのなら吐き出せる。だが顔では
どうしようもない。睫毛にも粘りついて、右目を開けることができなかった。
「……ご、ごめんなさいっ! ごめんね、名嶋君!」
早野が慌てふためき、シャツの袖で拭き取ろうとしたが、秋月が止めた。
「そのままにしとけよ。めったに見らんないだろ、生意気ちゃんの顔射された顔なんて。
……それにしてもヒトミ、お前、早すぎね?」
その言葉を受けて、矛先は名嶋から早野に向いた。
「そういや、俺らにマワされてる間にイったから、三回目か。にしちゃ早かったよな」
「こいつ、そんなにフェラがうまいのか?」
「そうは見えねーけど。……何だよ、ヒトミちゃん。顔が赤いじゃん。もしかしてこいつに
しゃぶられるのが嬉しくて、すぐにイったわけ?」
「ち、ち、違います!! 僕、別に名嶋君を好きなわけじゃ……そんなこと、全然……!」
身の置きどころがないようにうなだれていた早野が、顔を上げて叫ぶ。声が裏返っていた。
爆笑が起こった。
「おいおい、ヒトミちゃん。誰も好きかとまで訊いてないじゃん」
「自分から言うか? あーあー、ますます真っ赤だよ」
「参ったね。カップル成立ですかぁ?」
名嶋は眩暈を覚えた。悪い冗談だと、思いたかった。
しかし早野は耳まで赤くなり、細かく体を震わせて涙ぐんでいる。ちらちらと名嶋の顔に
落とす視線が、物言いたげだ。
(……ふざけるな!)
541昼休み:2006/03/05(日) 17:23:03 ID:hUQAag5T
早野に興味はない。というより、男に興味はまったくない。同性からの友情を超えた好意
など受け取る気はなかった。まして今この状況で知らされても、腹立たしいだけだ。
名嶋は首を振り、早野の足に載っている自分の頭を床に落とそうとした。これ以上接して
いたくなかった。
手を差し伸べて頭を支えようとした早野と、視線が合った。にらみつけて、名嶋は言った。
「触るな」
早野が泣きそうに顔を歪めて手を引き、座ったまま後ずさった。
名嶋の頭が床に落ちた。秋月が面白そうに笑う。
「あーらら。ヒトミ、フラれたか。そう冷たくすんなよ、名嶋。同じ掘られ仲間だろ?」
殺意を覚えるような台詞に、チャイムの音が重なった。昼休み終了が近いことを告げる
予鈴だ。
「んー。午後はこの辺の教室、使うのかな? 人が来ちゃ面倒だし……よし、終わりだ。
ヒトミ。お前はもう用済みだから、服を着ろ」
そう命じ、秋月は腰の突き上げと手の動きを速めた。上体を傾けて名嶋の耳元に口を
寄せ、囁いた。
「タイムアップだ。終わってやるよ。あとはヒトミと傷の舐め合いをするもよし、一人で
泣くのもよし。好きにしろよな。……もちろん、初体験で忘れられなくなったつーなら、
俺にすり寄ってきてもいいし?」
「誰が、お前なんかに!」
「とか言って、ここはもう暴発寸前なんですけど?」
「くっ……!!」
「セーエキまみれの顔で意地を張ってないで、気持ちいいって認めちゃえよ。今時、スト
イックな優等生なんて流行らねェって」
名嶋は答えずに、歯を食いしばった。体が意志とは無関係に反応している。
突き上げられ、しごかれるたびに、快感が脳天まで走り抜ける。
542昼休み:2006/03/05(日) 17:25:14 ID:hUQAag5T
(畜生……C2、H……)
どうしたのだろう。思い出せない。自分を戒めるはずの呪文が、思い出せない。
口をつぐんでいることが、自らの矜持を守る最後の砦だった。しかし、
「耳たぶだけ赤くなってっぞ。可愛いじゃん。名嶋」
そう言って秋月が耳を軽く噛んだ。
「はぅっ!」
自分の弱点が耳だなどとは、知りもしなかった。顔がのけぞり、声が漏れる。
そして、力が抜けたその瞬間に、勝負はついた。
「う、くうぅっ……!!」
ほとばしらせた。わずかに遅れて、秋月が自分の中に射精したのがわかった。
敗北感が全身を浸す。腰をつかまえていた手を放され、名嶋は横ざまに倒れ込んだ。
体を支える力は残っていなかった。
秋月が立ち上がる気配がした。身繕いする物音と、勝ち誇った声が降ってきた。
「結局、俺にやられてイっちゃいましたね、名嶋クン? またしてほしくなったら言えよ。
俺が暇で機嫌のいい時なら、相手をしてやるからさ」
名嶋を嘲笑ったあと、秋月は仲間に声をかけた。
「さてと、何か食いに行こうじゃん。腹減ったよ、俺」
校則違反の派手なスニーカーが、戸口へ向かうのが見える。
このまま行かせてはならない。勝ち誇ったまま立ち去ることなど、許さない。
後ろ手に縛られた不自由な体で、起き上がろうともがいた。早野がそばに膝をつき、手を
貸した。それには目もくれず、名嶋は秋月の背中に言葉を投げ付けた。
「泣きわめかせたあと、よがり狂わせるとか言ったのは、どこの誰だったかな」
秋月が足を止め、振り返った。その顔をにらみ据えて、名嶋は言った。
「忘れるな、落ちこぼれのセンパイ。お前は俺を泣きわめかせることも、よがらせることも
できなかった。……お前は何も、できなかったんだ」
543昼休み:2006/03/05(日) 17:26:48 ID:hUQAag5T
明るい茶色の瞳に、研ぎ澄ました剃刀にも似た光が走った。名嶋は目を逸らさない。
視線を外したのは、秋月の方だった。
だがドアを開けながら、秋月は片方の口端を引き上げて笑った横顔を見せ、一言呟いた。
「負け惜しみ」
「!」
自尊心を粉砕された名嶋と、おろおろしている早野を残し、秋月達は出ていった。
「な、名嶋君……ごめんね、ごめんなさい。でも、僕……ごめんね」
早野が名嶋の顔にこびりついた精液を拭い取ろうとする。名嶋は体をひねり、ネクタイで
縛られた手を見せた。
「顔なんかどうでもいい。こっちをほどいてくれ」
「あ……う、うん。大丈夫? いっぱい、殴られたり蹴られたりして……痛くない?」
「別に」
大丈夫なわけはない。脇腹、背中、太腿など全身が痛む。しかしそれ以上に今は、早野と
喋りたくなかった。素っ気なく答えて、服を身につけ、顔にかかった精液を拭った。
なのに早野は、そんな名嶋の内心に気づかないらしい。
「僕……誰にも喋らない。名嶋君が三年生にこんなことされたって。絶対秘密にするよ。
僕も同じ立場だもの。安心して……ね?」
仲間意識がにじみ出た目つきに、虫酸が走った。傷の舐め合いをするくらいなら、死んだ
方がましだ。
「俺はこんなことを人に喋り散らす気はない。仮に俺がやられてなくて、見ただけの立場
でもだ。……お前が喋りたければ、勝手にしろ」
距離を詰めようとしたのを、はねつけられたことを悟ったらしい。早野の両目にたちまち
涙の粒がふくれ上がり、頬を伝い落ちた。
「やっぱり、怒ってるんだね。僕が、顔にかけたりしたから……だって、怖かったんだ。
あの人達が脅すから仕方なく……ごめんね。許して。本当に、僕……」
544昼休み:2006/03/05(日) 17:28:35 ID:hUQAag5T
延々と続きそうな繰り言にうんざりして、名嶋は遮った。
「ぐずぐず泣くのはやめてくれるか、早野。お前を責めるつもりはない」
「じゃあ……」
「だからって慰めるつもりもない。まして仲間扱いは真っ平だ」
名嶋は壁にすがって立ち上がり、戸口に足を向けた。早野が涙声で何か言ったけれども、
無視した。聞きたくもなかった。


誰もいないシャワールームで、名嶋は一人、水を浴びて全身をこすった。
着替えはなかったが、体中に粘りついた厭わしい感覚を洗い落とさないことには、とても
我慢できなかったのだ。
負けはしなかったと、思いたい。
触られ、後孔を犯され、口にまで性器を押し込まれたとはいえ、病気などで医者へ行けば、
他人に下半身を見られ、触られることもある。それと同じことだ──そう思おうとした。
(俺は泣きわめきも、よがりもしなかった。負けてなんか……)
自分にそう言い聞かせても、胸の重苦しさは晴れない。
『忘れられなくなったつーなら、俺にすり寄ってきてもいいし?』
シャワーの音に混じって、秋月の言葉が耳の底で反響する。
確かに、忘れられない。この悔しさは。
どうにかして秋月に思い知らせてやりたい。
だがそれは結局、憎しみという形で秋月に囚われたことになるのではないか。
(忘れてしまうのが、いいのか……?)
何もなかったような顔で、今まで通りの生活を続ける──できないことではないだろう。
アル中の母と、浮気性のくせに世間体を気にする父の間で、自制心は鍛えられている。
(そうだな。あんな連中のために、時間を浪費するのはもったいないし……)
545昼休み:2006/03/05(日) 17:31:32 ID:hUQAag5T
方針が決まると気持ちが落ち着いた。
シャワーを止めた。タオルがないので、シャツを固く絞っては水気を拭うことを繰り返す。
ふと手が口元に当たって、痛みが走った。
(そうか。自分で噛んだんだ。あの時……あの、と、き……)
不意に、今再び体験しているほどの鮮やかさで、記憶が甦った。
『バカだな、お前』
不思議に優しかった声。明るい茶色の瞳を流れた、安堵の色。頬を伝った血をすくい上げ、
唇を舐めた舌の感触。温かく濡れていた。いたわるような仕草だった。
鮮明すぎる記憶に、体が震える。
落ち着いたはずの心が、かき乱されていく。
(冗談じゃない……なんで、こんな……!!)
なぜこんなにもはっきりと覚えているのか。焼き付いてしまったというのだろうか。
(いやだ。俺は負けたくない。あんなヤツに、負けたくないんだ……!!)
名嶋は腕を伸ばしてもう一度シャワーの栓をひねった。
拭いたばかりの体に、水が勢いよく降りかかる。
目を閉じて、名嶋は思った。頬を伝っているのは、ただの水だ。涙のわけはない。
(俺は、秋月に負けたりなんかしない)
忘れなければならないと思った。記憶に囚われたら、つながれる。けれど犯された感触や
嘲弄の言葉は忘れられるとしても、この唇に残った記憶は──。
(……忘れろ。忘れるんだ)
胸が苦しい。自分に言い聞かせて、名嶋は水を浴び続けた。シャワーの冷たさが、秋月の
舌の感触を消してくれるよう願いながら。
シャワールームの水音は、いつまでも続いていた。

──────────
終わりです。投下させていただき、ありがとうございました。
546風と木の名無しさん:2006/03/05(日) 18:20:53 ID:jncoYiuM
ハァハァハァ……!!代理戦争タンGJ!!超GJ!!萌えた…
それ以上に次回の試合の詳細が気になって仕方ない…!
まさに明日はわが身。観戦するだけなら是非観てみたいww
自己嫌悪ハダレタン、カワイソス…
次回もwktkで待ってる。正座して待ってる。
547風と木の名無しさん :2006/03/05(日) 19:07:58 ID:jJ00r5s/
代理戦争タン乙です!
ハダレの今後が気になる気になる!

昼休みタン乙でした!
名嶋タンと秋月タンに(*´д`*)ハァハァさせてもらいました!
548風と木の名無しさん:2006/03/05(日) 19:16:03 ID:+yoeQ9Dq
昼休みさん乙!!!
549風と木の名無しさん:2006/03/05(日) 20:49:33 ID:3cqYU3lc
昼休みタン乙です!
意地の張り合い大好物なんで、そりゃもう楽しませていただきましたとも。
ぜひとも続き…続きをプリーズ!
550風と木の名無しさん:2006/03/05(日) 21:03:59 ID:mlk1CVSY
昼休みタン乙!超乙!
まだまだ先の長そうな二人にハァハァです・・・(´д`*)
551風と木の名無しさん:2006/03/06(月) 00:31:13 ID:2pa4/p41
ハダレタンの尻の安否が!(*´д`)ハァハァ

昼休みタン乙でした!
GJ過ぎて名残惜しいよ物凄く名残惜しいよ
552風と木の名無しさん:2006/03/06(月) 01:19:22 ID:3Z+KoS3k
ひ、昼休みさん乙でした!!!!
終わり?終わっちゃうの?
二人のこの先も気になるけど、ほんとにGJでした!
続き読めるなら、いつか読ませて頂きたいな。
553風と木の名無しさん:2006/03/06(月) 14:25:08 ID:TkP5Eiz6
代理戦争たん乙。
素のハダレたんカワイソス・・・

昼休みたん乙でした!
GJ過ぎます・・・続きが気になるけど、お疲れ様でした。
554風と木の名無しさん:2006/03/06(月) 20:46:03 ID:uOZdeLGu
あげ
555風と木の名無しさん:2006/03/07(火) 07:21:25 ID:WbTC47UV
>>438-443
『報復』の続き、はげあがるほどお待ちしてます。
556ほしの王子様:2006/03/07(火) 22:38:39 ID:ovSDNPR6
>>473の続きです。
「はっ」
王子の大きなものがユヒトの顔を殴った。
「舐めろ」
前をくつろげるのに少し手を貸し王子は命じた。迷いもなくユヒトはそれを頬張った。
王子の腰に力が入り、周辺の筋肉の強張りを感じる。
懸命に舌を使い頬をすぼませるユヒトの髪を王子が撫でた。
ユヒトが見上げると黒髪の一筋を首に絡ませ、喘ぐ王子の顔がある。
目を閉じ、ユヒトの口淫に時折声を出す。
王子が感じている、ユヒトの心は喜びで奮え立ちまたひたすら顔を揺すった。
程なくして王子は小さく喘ぎユヒトの口の中で達した。
未だ慣れないその味も王子のものだと思うとこれほど美味しいものはない。
ユヒトはそれを全て溜飲する。
「さすがだユヒト、ライトとは比べ物にならない」
ライト、再びユヒトの心が沈んだ。
彼にも咥えさせたのですか、と言おうとして口をつぐんだ。
「脱げ」
ピリッとした命令が下る。恥ずかしげにゆっくりと、ユヒトはそれに従った。
マシンに嬲られたのが一ヶ月も前の事のように思えた。
あれほど精を吸い尽くされたのにまだ身体が疼く。王子の前だからだ。
「トロトロだ。卑しいなお前の身体は」
ユヒトの先端に光る先走りを見て王子が嘲笑する。
いつまで経っても裸に慣れないユヒトは王子の視線だけで感じてしまう。
思わず顔を背けひじ掛けに身体を預けなんとか耐える。
「さてと…」
腕組みして王子は上から下までユヒトの身体を検分する。
相変わらずつるりとした肌をしている、と言ってやる。
ユヒトは口元を手で覆って隠した。恥ずかしい時の彼の癖だった。
「ケンに抱かれたんだな」
キュッと乳首を摘まれた。それは、とユヒトは仰け反りながら言う。
「言い訳は聞かぬ」
557ほしの王子様:2006/03/07(火) 22:40:09 ID:ovSDNPR6
ユヒトの胸に爪が立てられた。
「王子…」
「感じたか」
答えられずにユヒトはただ喘ぐ。
「は、慰めてもらってよかったな」
くっと自身を握られる。先端を親指でヌルヌルと撫でられた。
とろけるような快感にユヒトの頭は白くなる。
「王子、あっ…」
責めないで下さいと、ユヒトは泣いた。
弁解の余地はあるのか、全て王子の為にしかたなしにケンに抱かれたのだ。
「俺は阿呆ではないがな、今一度確認する必要がある」
そう言って王子は握ったものをやわやわと擦った。
「これは、誰の何だ?」
ひじ掛けに両手を付いて上半身を大きく仰け反らせ、ユヒトは吐息を漏らす。
「言え、ユヒト。お前はケンのものなどではないだろう」
「はい、これはっ、王子のもので、す…」
「俺の、何だ」
「あっ、く…、王子のペニスです」
いけません、私は達してしまいそうです。ユヒトは声にならない叫びを上げる。
「ケンにも触らせたか」
「いいえっ、いいえ…」
「じゃあ、どうしたのだ」
「自分で…」
ケンはユヒトに目の前で自慰をさせた。確かに触れさせはしなかったが結局欲望に犯された。
ユヒトの後ろめたさを感じ取り、王子はなおも攻める。
上品な柔らかな手でユヒトのものをクチュリクチュリと擦り上げた。
眉根を寄せてユヒトは耐えようとする。
「イクなよ」
意地悪な王子の攻めは続く。イク、とユヒトは小さく白状した。
「俺のものが勝手にイクか」
「お…おうじ…、駄目で、す…」
558ほしの王子様:2006/03/07(火) 22:41:49 ID:ovSDNPR6
残酷にも王子はイクなと言う。ユヒトは懸命に堪えたが、それはとうてい無理だった。
んん、とカクカク腰を揺らしてユヒトは負けてしまった。
それでも吐き出したものは少量だったが、王子の指を卑しく汚した。
ふーんと目の高さまで指を掲げ、王子はユヒトの放った白濁を三本の指でこねている。
「チッ…。イクなと言ったろう?」
「申し訳ありません…」
その指を顔に撫で付けられてユヒトはうつむく。とてつもないミスを叱責されている気分だった。
「尻を」
ユヒトは羞恥と戦いながらおずおずと王子の前に腰を突き出した。
両手を椅子のひじ掛けに置き力の入らない身体を支える。あ、あ、と勝手に腰が踊り声が出る。
「もっと足を開け」
恥ずかしい、だけど従わなければならない。ユヒトは両足をじりじりと開いた。
「あっ」
濡れた王子の指が狭間に差し込まれた。顔を上げユヒトは目を見開く。
「ほら、入るぞ…」
細長い王子の指は潤んだ音をさせて根元までそこに入り込んだ。
「ここに、ケンも入れたか?」
冷めた声。くっと中で指が捻る。ザワリとユヒトの背中を快感が這った。
「…はい、んっ…」
中の壁を指の腹がさわさわと撫でる。んうっとユヒトは背を弓なりに反らした。
「言ったろう、ここだって俺のものだ。何を勝手に使っている」
王子の声には興奮と怒りの色が滲んでる。その声音にユヒトは興奮する。
「申し訳…ありません…」
そう言いながら、ユヒトはもっと束縛してほしいと思っていた。
「言え、この淫らな穴は誰の何だ」
クチュと音がして指がもう一本差し込まれる。
それは中をいやらしくかき混ぜさらにユヒトを淫らにさせた。
「あっ、王子の…アナルです…。あっ、待っ…!ダメ…、ダメです…」
何かがユヒトを包み込む。湧き上がる快感だった。
王子の指が器用にそこばかりを狙い、ユヒトはこらえられずに椅子に縋り付いた。
559ほしの王子様:2006/03/07(火) 22:43:01 ID:ovSDNPR6
「言え!」
王子の空いた片手はユヒトの乳首をふるふると撫でる。
「王子のっ、アナルです…。お…あっ、アナ…」
「イイ、か?」
「あああー!ダメです!あっ」
よいのかダメなのか、ユヒトは必死に首を振る。
「いやらしいなお前は…」
うっとりと王子はその痴態を眺め笑う。ユヒトは再びいきり立った自身を椅子に擦り付けた。
それを王子は押さえ込みユヒトに落胆の喘ぎを出させる。
指が抜かれ王子はそこに自身をあてがった。ピクリとユヒトが震えた。
「ああー、ああっ!」
ぬぬぬと蕾を圧し開かれる。マシンに嬲られた時の映像がユヒトの頭を過ぎった。
あんな感じに今肉の輪が開いているのだろうか。浅ましくいやらしく。
そろそろと王子の全てが潜り込む。王子の長い長いため息が漏れた。
「ユヒト、お前がまとわりつく…。熱い…」
ぐっと腰をつかまれて前後に激しく揺さぶられる。
「あっあっあっ」
ユヒトは奥を付かれる感覚に喘ぎが止まらなかった。
中が、奥が、気もちがいい。背後で王子も歯を食いしばり快感を貪っている。
ユヒトは椅子に縋り付きながら、いやらしく腰をくねらせて王子が達するのを感じていた。
はあはあとすぐ耳元で王子の息遣いが聞こえ、吐息がユヒトの髪を揺らす。
ユヒトの髪に顔をうずめて王子はキスをする。
「中に出してしまったぞ、わかるか」
ユヒトの尻を親指で広げながら王子はそこから自身を抜き去った。
しばらく親指で蕾を閉じたり広げたりと弄び、溢れてくる白濁を眺めた。
「お前もまだイケるだろう。自分でして見せろ」
靴の紐を結べ、とでも言うように王子は事もなげに言い放った。
「えっ…」
確かにユヒトはまだ張り詰めたままだった。けれどそれは実現しがたい命令だった。
肩越しに振り返ると、王子は腕を組み平然とした顔で促している。
560ほしの王子様:2006/03/07(火) 22:44:33 ID:ovSDNPR6
「そ、んな…」
「どうした。ケンの前でもしたのだろう。致せ」
ユヒトはケンに犯された時の事を思い出した。口で彼を受け止め、自分は己の手で達した。
ケンの見ている前で乳首を弄り身体を開きすりあげて達した。
なんて恥ずべき事をしてしまったのだろう。途端に羞恥に襲われる。
「椅子に腰かけてもいいぞ」
王子はうざったそうに髪を後ろに撫で付けながら言う。
王子の命令は絶対。観念してユヒトは椅子に腰を降ろす。
「致せ。そのままでは辛かろう」
腹に付くほど反り返ったユヒトのペニスに王子は視線をやる。
「い、いえ、僕…私は大丈夫です…」
震える声で言いながらあっと声を漏らしてしまう。
後ろから王子の吐き出したものが溢れ出てくるのを感じた。
排泄の時に感じる快感に似ていて、ユヒトは困惑し身体をふるふると揺らした。
「早く」
諦め半分、ユヒトはそこに手を延ばした。握ったそれは熱く硬い。
「そうだ、すりあげろ」
王子が淫猥な高みまで導いてやる。
「恥…ずかしい、です…」
王子が見ている、淫らに乱れてしまう。
ユヒトは空いた方の手を軽く口元に添えて声を出すまいと耐える。
しかし一度握ってしまえば後はなし崩しだった。あっはっと喘ぎながら手を上下に動かした。
「王子…あ、ん…。見ないで下さ…」
淫猥な姿を晒して自分を追い立てる。見ないで下さい、とうわ言のように繰り返し、喘ぐ。
そこを擦る度にクチュクチュと淫らな音が響く。ユヒトはもう止まらなかった。
「アリー、見ているか?ユヒトがイクぞ」
王子はそう言ってユヒトが達するのを見守った。
彼が従順である事実を確認すると、王子は満足してユヒトに背を向けた。
その事実がわかればそれだけでよいのである。
「さてもう寝る時間だ。ユヒト、朝になったら風呂に湯を貯めておけよ」
561ほしの王子様:2006/03/07(火) 22:45:53 ID:ovSDNPR6
上機嫌で王子は船を後にする。
面白い一日だった。明日はこの島船の探索に出かけよう、ライトに案内させてユヒトと一緒に。
脱力しきったユヒトを一人残して王子はそんな事を考えていた。
ユヒトのすすり泣きなんて聞こえはしなかった。
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やあ、久しぶり。俺の名前はケン、近況を報告しようと思う。
なぜか王子と一緒に宇宙を旅して一週間が経った。
当初の予定では王子を先に惑星サックスまで届け、俺とユヒトで後からダラダラ追いつくはずだった。
王子に遅れること一ヶ月、ユヒトと自堕落な航海をと目論んでいたのに。
あのクソ王子はどこまで独占欲が強いんだか。
おかげで俺はこき使われて寝ずの情報収集。死にそうだ。
この巨大な島船について少し話そう。まあ航海は順調だ。追っ手もないし。
船のリーダーは、ライトというこれまたクソガキ。
この島船ではライトは絶対的な存在らしい。クルーは皆男。
下は10才の少年から上は40才のベテランまで皆が彼にかしずいているわけだ。
男所帯の中で非力で弱弱しいだけの彼が敬われるには理由があった。
最近世代交代したらしくライトは先代の子だった。
かなり出来た人物らしく、ライトはその親父の若い頃にそっくりなんだと。
容姿が?とクルーの一人に俺が聞くと、中身がそっくりなんだとそいつは答えた。
そんな馬鹿息子の所業がこれじゃ、親父もたいした事なかったんだな。
最近じゃうちの王子にべったりでめんどくせー事になってんだよ。
引きこもりの俺はたまに気分転換によく食堂に出入りしている。
この船の雰囲気がよくわかるからな。空気が悪いのは仕方がない。
ライト信者のクルー達がイラついているからだ。気持ちはわかるけどな。
自分達のリーダーが突然現れた偉そうな男に骨抜きにされてるんだ。
そりゃ反感買うよな。俺まで目の敵されてて困るよマジで。
王子は正規の客人だし?ライトが庇うもんだから特別危害はない。
金魚のフンみたいなユヒトの扱いなんかは悲惨なものだ。クルー達の非難の恰好の餌食だ。
しかもリーダーが率先してイジメをやってんだから酷いもんだぜ。
ほら、また始まった。めんどくせー。
562ほしの王子様:2006/03/07(火) 22:47:02 ID:ovSDNPR6
「あっ!」
けたたましい派手な音が広い食堂に響いた。
トレイごと床に食器がぶちまけられていて、ついでにユヒトも転がっている。
銀髪の美少年、ライトとそのお付き達が彼を取り囲んでいた。
「やあユヒト、王子はどこ?」
邪悪な笑みでユヒトを見下ろして言った。性悪。
「聞いてる?僕の王子はどこ?」
「うあっ」
ライトがユヒトの頭を踏み付ける。続いて男達の嘲りが辺りに響く。
「お、温室に……、いらっしゃいます」
苦痛に顔を歪めてユヒトが言うとライトは今一度彼を踏み付けた。
「そう、ありがと。僕ちょっと王子と遊んでくるからここ、片付けておいてよ、役立たず」
ライトの手にしたグラスから水がこぼれ落ちる。
バシャっとユヒトの頭に降り注ぐ。辺りはびしょびしょ。
ライトは楽しそうに笑いながら行ってしまった。お前が片付けろよ。
「ちっ、鈍くせーな。おら、この辺片付けとけよ」
残ったクルーの4、5人がまだユヒトを囲んでいた。
「ばーか、食事が済んでねーだろ。這いつくばって食えよ」
「あんたの王子が豪華なもん食ってるから庶民に皺寄せがきてるわけ」
「そうそう、貴重な食料無駄にすんなよ。全部食え」
そう言って男達はユヒトの背中やらわき腹やらを蹴ってく。
びちゃびちゃの床に顔を擦り付けられて、小さくユヒトの呻き声が聞こえた。
俺の方からは奴の顔は見えねーな。馬鹿か、抵抗しろ。
殴打の音の後ピチャ、と濡れた音がした。
「ほんとに食ったぜ」
男達の笑い声がする。食ったんか!あいつ、床に落ちたもんよく食えるな。
馬鹿じゃねーのか、見ちゃいられん。
「おい」
と俺の投げたプラスチックの皿が見事に男の間抜け面にヒットした。
俺ってすげーじゃん。
563ほしの王子様:2006/03/07(火) 22:50:25 ID:ovSDNPR6
「なにしやがる!」
男達が一斉にメンチをきってくる。怖い怖い。
「よってたかってみっともねー真似してんじゃねーよ」
自慢じゃないが俺のガタイはいい方だ。
今この部屋にいる人間の中では一番体格がいいわけだ。
Sクラスのエージェントだったんだぜ。たいていの武術は体得している。
頭でっかちで勉強バカのユヒトとは出来が違う。
「俺は今ここでお前らを殺す事が出来る。しかしなあ、よく考えろ。
それじゃあ誰がここの床磨きをするんだって話になるわけだ。
わかるな?ん?ガキみてーな事してんなよ。この船でガキは一人いりゃ十分だろうが」
奴らに近づいていって俺は見下ろしてやる。
ついでに手にしたフォークを曲げて放った。けっ、びびりすぎだぜ。
「ほらユヒト、お前もみっともないぜ。行こう」
俺の拙い脅しが効いたのか凍りつく面々。お粗末さまです。
奴らを尻目にぐっちゃぐちゃのユヒトの手を引く。うっ、汚ねえこいつ…。
「お前ら、ちゃんと掃除しとけよ」
最後に男達に念を押す。取りあえずこいつらはもうユヒトに手出しはしないだろう。
いや、イジメに拍車をかけるか?まあいいか、知らん。
「来いよ」
俺の部屋につくまでユヒトは喋らなかった。えらく暗いなこいつは、なんなんだ。
いつもなら俺を見るなり烈火の如く怒り出すのに。
俯くユヒトを俺の部屋に無理やり押し込んだ。なんかコンソメ臭い。
バスルームに放り込んで服もクリーニングしてやる。
俺って結構面倒見はいいんだぜ。下心もなくはないが。
憔悴した顔でユヒトはきれいになって出てきた。
ありがとう、とだけ言って出て行こうとするが俺は許さない。
「待て待て、待てって」
泣いてんじゃねーか。すーぐ泣く。
「おい、さっきのはなんなんだ」
俺はため息混じりに聞いた。
「王子はこの事知らないのか」
564ほしの王子様:2006/03/07(火) 22:52:55 ID:ovSDNPR6
イジメの事だ。ユヒトは小さく頷く。頼りない、王子の一番の側近がこの有様とは。
「おい、脱いでみろ」
さっき着たばかりの俺のダボダボのトレーナーを脱げと命じる。
別に色っぽい意味じゃないんだが、ユヒトはあからさまに嫌そうな反応をする。
俺はめんどくさいから無理やりめくってやった。
「やっぱり…」
ユヒトの身体は傷だらけだった。さっきできたものばかりじゃない。
青や紫色の痣、切り傷擦り傷ミミズ腫れ、見事に普段見えない箇所だけ。
海賊ってのはマフィアと一緒だな。
まだ新しい傷が開いて血が滲んでいるものもある。
「手当てしてやるから脱げって。医者の不養生だ。や、なんか違うか?」
ユヒトはおとなしく従った。この俺におとなしく、だぜ。
いつもと様子の違うユヒトは、椅子に座ってまだ泣いている。
そんなに悔しかったなら、抵抗なり王子や俺に言うなりすればよかったのに。
「つっ…」
消毒液が沁みるのか、ユヒトは顔を歪める。なんか痩せたか。
以前裸を見た時よりほっそりとしている。首だってなんだか筋張っているし。
「あっ」
俺は気づいてしまった。
「王子は、あんたを…」
はい、とユヒトはまた俯いて涙を流した。
「…抱いて、下さらないんです」
そうだ、ユヒトをひんむいたら王子だってこれに気づくはずだ。
「ライトか」
「…はい。毎晩、ライトをお召しになるんです。私の目の前で彼を犯すんです」
王子が教育好きなのを忘れていた。しかもユヒトに見せ付けていたとは困ったもんだ。
それで自棄になったユヒトは甘んじてイジメを受け入れていたのか。
「はーん?」
そほどショックだったのだろうが、俺にとってはなんだか阿呆らしい。
ハラハラと涙を流すこいつはまるで悲劇のヒロイン気取りだ。
☆今回はここまでです。
565報復2 1/8:2006/03/08(水) 18:24:26 ID:3zJYldAs
>>443の続き
マイペースでスマソ

―――大学生で一人暮らしの男が、こんなでかいマンションに住むとか、有り得るのか。
松田 達彦、と表札の掛かったドアのチャイムを乱暴に押しながら、幸太は眉を不快げに顰めた。

いいとこの坊っちゃんが、親の脛かじって伸び伸びと美味しい一人暮らしってところか。

親不孝だの、親の脛かじりだの、幸太も人のことはとやかく言えない立場だが、それでも
そんな情けない男が姉の彼氏などというのは許せない。
―――その上、二股だとは―――
先ほどから限界まで昂っている怒りが頂点を突き抜けたような気がして、幸太は歯軋りした。
ああ、ダメだ。もし今顔を見たら、確実に殴り飛ばしてしまうかも―――
「はい、松田です」
ややあって、ドア横のスピーカーらしき物から声が漏れた。
幸太はぎろりと憎憎しげに目を剥いて、スピーカーの上に取り付けられたカメラを睨みつけた。
「あはは……幸太くんか。待っててね、今開けるよ」
「とっとと開けろ、クソ野郎」
「……あれ、何か怒ってる?」
「ごちゃごちゃうるせぇよ、早くしろ」
ガチャリ、とスピーカーから電話を切るような音が漏れ、しばらくしてドアが開いた。
「いらっしゃい。とりあえず入って」
にっこりと穏やかな笑みを浮かべて幸太を招きいれた松田に一瞥をくれ、幸太は
乱暴に靴を脱ぎ捨てて中に入った。―――ともすると、幸太の家より広いのではないか、と
思われるような広々した部屋の全景に、幸太の胸は苛立った。
「親の脛かじって優雅な生活か」
吐き捨てるように呟いた幸太に苦笑して、松田はソファをすすめた。
566報復2 2/8:2006/03/08(水) 18:25:19 ID:3zJYldAs
「コーヒーと紅茶、どっちがいい?オレンジジュースもあるけど。
飲み物はそれくらいしかないな、悪いけど」
「いらねー」
「そう、わかった。さて、と」
艶やかな皿に入った色とりどりのクッキーを差し出して、松田は赤い紅茶を口に運んだ。
「どうしたの?急に。お姉さんに僕の家を聞いたのかな」
見たこともないクッキーと、優雅に紅茶を飲む松田を苦々しい表情で見比べて、幸太は鼻にしわを寄せた。
この男は何気取りなんだ?自分を貴族か何かと勘違いしてるのか?キモい……
ヘタにさまになっているのが余計にキモい。
幸太はチッと舌打ちをして、真正面から松田を睨み付けた。

「単刀直入に言うけど。あんた、昨日の夜、誰と歩いてたんだ」
それまでにこにこと微笑みながら紅茶を口に運んでいた松田の表情が、わずかに反応した。
幸太はその変化を見逃さなかった。とりなすように微笑んで、松田が首をかしげる。
「昨日の夜か……僕は家に居たよ。レポートを仕上げてた」
無駄に長い脚を組みなおし、松田は額に垂れたわずかにウェーブした黒髪をかき上げた。
「どうして?」
「いちいちキモいんだよ、てめー。そういう誤魔化しとかウザイからやめろ。
俺、見たんだから。無駄なんだよ。いいからとっとと言えよ、昨日一緒にいた女が誰か」
一瞬、形のいい松田の唇がにやりと意地悪く歪んだ。幸太の背筋が嫌悪でぞっと粟立つ。
すぐに人の良さそうな笑顔を顔に貼り付けて、松田は不思議そうな表情を造った。
「本気でわからないな。僕は昨日の夜はずっと缶詰でレポートを仕上げてたんだよ。
出かける時間なんかなかったよ」
人違いだろう、と付け加えて、松田は長い指にクッキーをつまんで口に運んだ。
567報復2 3/8:2006/03/08(水) 18:26:03 ID:3zJYldAs
幸太はひくひくと痙攣する頬を指でつまみ、唇を噛み締めた。
怒りで全身が震える。大げさに表現すると、怒りのあまり、内部から発火しそうだった。
「……俺、見たって言ってるだろ?しらばっくれても無駄なんだよ。てめーの言い訳はどうでもいいんだ。
昨日の夜、11時頃だよ。一緒に歩いて、キスしてた女、誰だよ。言えよ」
「……なんか、幸太くんに浮気を責められてるみたいだな」
からからと笑い出した松田に飛び掛るのを、幸太はすんでのところで押しとどめた。
こいつの口から吐かせるまでは、まだだめだ。姉を納得させないと。

拳を震わせて歯を食いしばる幸太を、松田は笑みを浮かべながら眺めていた。
その笑みからは、先ほどまで浮かべていた人のよさそうな雰囲気は感じられない。
幸太の感情がそう見せていたとも考えられるが、それにしても、松田の表情はどこか陰険だった。
「人違いだとしか言えないな。幸太くんも、お姉さんを大事に思えばこそだろうけど……
信じて欲しい。僕は幸太くんのお姉さんである幸子さんを、心から大事に想ってるんだよ。
裏切れるわけない。あんなに大切に想ってる人を」
「口では何とでも言えるんだよ。いい加減にしろよ、ぶっ殺すぞ!」
「幸太くん、落ち着いて。信じてくれ。僕は確かに―――」
「……っ、な、んだよ!てめぇ、触るな!どけ!殺すぞ!」
いかにも誠実そうな顔をして、松田は切々と幸太の姉への想いを訴えた。
熱意のままに幸太の肩に手を乗せ、そのまま体重を預けてくる松田にうろたえ、
幸太はついに拳を振り上げて松田の頬を殴りつけようとした。
それを軽々と手のひらに受け止めた松田は、ソファの上に押し倒した幸太の上で、にっこりと微笑んだ。
「ねえ、信じてくれよ。僕は、確かに―――」
「ちくしょ……っ、キモいんだよ!どけ!本当に殺すぞ!」
気の狂った獣のように暴れる幸太を押さえ込み、松田は額に垂れた髪の毛を顔を振るって払いのけた。
568報復2 4/8:2006/03/08(水) 18:26:49 ID:3zJYldAs
「―――確かに、僕はあの後、あの女とセックスして楽しんだよ」

幸太の目の前すべてが松田の茶色い瞳で埋め尽くされるほどに顔を近づけて、松田はおかしげに囁いた。
幸太の頭の中が、一瞬真っ白に塗りつぶされる。
その後を塗り替えるように一色に押し寄せてきたのは、純粋な憎悪と殺意だった。
「てめぇ、本当に殺す」
怒りにむしろ蒼白になった幸太が静かに呟くのを、松田は楽しげに眺めた。
「もっと詳しく聞きたい?あの女を僕の家に連れ帰って、シャワーを浴びるのももどかしく
服を剥ぎ取って、あの女のあれに僕のを突っ込んだんだよ」
気を失いそうだった。脳内の血管が切れて失神しなかったのが不思議なくらいだ。
「あぁ、幸太くんには過激すぎたかもしれないね。ごめんねぇ。まだ子供だものね」
言いながら押さえ込んだ幸太の頬に口付け、松田は幸太の下腹部にそっと手のひらを這わせた。
「僕がいろいろ教えてあげようか……」
「こ、ろす、本当に殺す」
幸太の体が跳ねた。驚いてバランスを崩した松田を跳ね飛ばし、床に倒れた松田に
馬乗りになって殴打を浴びせた。本当に殺してやるつもりだった。
松田の鼻血や、拳をかすめて切れた松田の頬の血などがピッと勢いよく周囲に飛び、
幸太の拳やシャツを赤く染める。
夢中で殴り続ける幸太の下で松田が素早くテーブルに手を伸ばし、クッキーの載った
色鮮やかな大皿をひっつかんだ。
ざらざらとクッキーがテーブルや床に零れ落ちるのを目の端に見た気がしたが、
次の瞬間目の裏で弾けた閃光に、幸太の思考は奪われた。
倒れる寸前、大皿を手にした松田が、血まみれの顔で笑うのがぼやけて見えた。
569報復2 5/8:2006/03/08(水) 18:27:29 ID:3zJYldAs
「幸太くん?起きて、これ見てごらん」

ひどく重い瞼を押し上げ、幸太は唸った。
ぼやけた視界に、何か紙のようなものが映った。―――写真……だろうか……?
目覚めたと同時に、鈍痛と鋭痛が交互に額の上辺りを責め苛むような感覚に襲われた。
「い、ってぇ」
「ああ、やっぱり痛いか。悪いね。案外君がやんちゃだったものだから」
誰だろう―――――

急かされるままに顔を上げ、目を開けて目の前のものを見た幸太は、すんでのところで
悲鳴を上げそうになったのを堪えた。
傷だらけの顔を絆創膏や包帯で乱雑に保護した松田が嬉々として掲げているのは、
肘掛け椅子に座らされて脚を左右に大きく広げた幸太の写真だった。
すべての衣服を取り払われている。
気を失っている間に撮ったのだろう。それで、幸太は今現在の自分の状況を知った。
写真と同じ格好をさせられている自分。
痛む頭が混乱し、うまく考えをまとめられなかったが、幸太はうつろな目つきで松田を睨んだ。
「てめぇ、姉ちゃんにもこういう事、やってんのか」
幸太の言葉を聞いて、松田はさもおかしげに笑った。写真をテーブルに置き、腕を組んで幸太を観察する。
「きみ面白いね。そういう状況でまだお姉ちゃんの心配するわけだ」
「……何、言えるっつんだよ、この状況で。……ああ……てめぇ、ホモだったのか?……」
朦朧とする頭で思いついたことすべてを口にする幸太の危うい脆さを、松田は愛しいと感じた。
「ホモ……?うーん……ちょっと語弊があるな。バイって、君わかる?どっちでもイケるってこと。
好みの子ならね」
570報復2 6/8:2006/03/08(水) 18:28:38 ID:3zJYldAs
にやけた目つきで幸太の露出した下腹部を眺めているのが幸太にも分かったが、
別段羞恥も嫌悪感も感じなかった。
ただ、頭の痛みとだるさにも似た倦怠感がつらい。

「幸太くん?寝ちゃだめだよ?あぁ、しまったな。思い切り殴りすぎたか」
軽く頬をはたかれて、幸太は目を開けた。頬のほうまで垂れてきていた血を松田がぬぐっている。
小鼻の辺りにこびりついているらしい血がくすぐったくて、思わずそれを掻こうとした時、
幸太はようやく両腕が後ろ手に縛られている事に気づいた。

「お前さあ……」
ぼんやりとした幸太の声に、松田は耳を傾けた。眠たげな幸太の顔がひどく幼く見える。
「自分が何してんのか、わかってねぇだろ……」
「わかってるよ。きみこそ、自分がこれから何されるのか、わかってないんじゃない」

幸太の額に包帯を巻き終えた松田は、丸い形をした薬入れのようなものから、
何かぬらぬらしたものを指先にまとわりつかせた。
また目をつぶってしまった幸太に忍び笑いを漏らし、松田はぬめる指先で幸太の
萎えきった陰茎を弄び始めた。ぬらぬらと照り光り始めたそれを滑るように愛撫する。
幸太の腰がびくんと跳ねた。
「……さ、わってんじゃねぇ、キモい、んだよ……さわんなっ……」
「嘘言え。見てごらん、硬くなってきてるじゃないか……自分でわかるだろ?」
「わかんねぇよ……ちくしょ……っ……、てめ……ころす……っっ」
確かに、ぬらぬらした松田の指で擦られるたび、幸太の腰は震え、弄ばれている部位の硬さは増していった。
「……、……っっくぅ、っ、」
「自分でするよりよっぽどイイだろ?幸太くん……」
幸太は声を漏らすまいとするのに精一杯で、とても憎まれ口を叩くような余裕はなかった。
湿った音を立てて昂ったそれを責め立てる松田の指に、幸太はなすすべもなく身悶えた。
571報復2 7/8:2006/03/08(水) 18:29:58 ID:3zJYldAs
松田の、吐き気がするぐらい整った顔が、楽しげに幸太の顔を見上げている。
「可愛いね、幸太くん……きみ可愛いから、ここも……もしかして」
意味ありげに囁きながら、松田はぬめついた指で幸太の窄まりをまさぐった。

「て、めっ……、……やめっ」
「あれ、固い手ごたえ……もしかして初めてかな。幸太くんなら経験あると思ったんだけど」
にちゅ、といやな音を立てて、窄まりの入り口に松田の指が少しだけ入った。
幸太の全身に鳥肌が走る。どうせなら、また気を失ってしまいたいと幸太は思った。
「ふうん。ますます愉しいね」
そう囁いて、松田は握りこんだ幸太の陰茎を激しく擦りたてた。
声を出すまいと噛み締めた唇から、かすかに血の味がする。
唇を噛み裂くほど堪えて声を出すまいとした幸太の努力も、達する瞬間は声を抑え切れなかった。
かすれた喘ぎ声を漏らした瞬間、松田の手のひらが幸太の白濁で濡れた。

幸太の目尻が悔し涙で濡れ、怒りに染まる。
松田は汚れた手のひらを幸太に見せ付けるように目の前に掲げ、微笑んだ。
「……幸太くん、可愛いね……感じやすくて、こんなに可愛い。不思議だな。
あんなに悪そうな連中と一緒にいて、一度も襲われなかったなんて」
「んな事考えてんのはてめぇぐらいだよ」
憎々しげに吐き捨てた幸太に苦笑を漏らし、松田は汚れた指先で幸太の顔に触れた。
己のもので顔が濡れ、幸太の表情が嫌悪に歪む。
幸太は顔を左右に振って抵抗した。
「てめぇ、きたねっ……やめろ、殺すぞ!」
「きみの出したものじゃないか。僕に扱かれて、お尻振りながら出したものだよ。
気持ちよくイけたから、味も格別だろうね……味わってみる?」
濡れた指先が唇に触れた瞬間、幸太はそれにすかさず噛み付いてやろうと顔をこわばらせた。
不穏な空気を感じ取ったのか、松田の指はすぐに離れていった。

「残念。これじゃフェラチオもさせられない」
「やってみろよ。カマにしてやる」
572報復2 8/8:2006/03/08(水) 18:32:05 ID:3zJYldAs
「ああ、やっぱり可愛いな。―――あの女より、きみのお姉さんより、ずっと興奮する」

瞬間、全身をぞわりと波打たせるような怒りが燃えた。
己を縛るこの縄さえ引きちぎってしまえそうだと思えたが、そうはならなかった。
縛られた手首や脚が赤く擦れ、痛みを訴えるのみだったが、幸太は抵抗を続けた。
こんなものさえなければ、目の前の男を八つ裂きにしてしまえるのに。

暴れる幸太をよそに、松田は幸太の開いた脚の中心にしゃがみこんだ。
萎えた幸太のものを再び弄りだし、震える幸太の顔を見上げる。
「きみが舐めれないんじゃ、しょうがないな。今日は僕が舐めてあげる」
そう言って上目遣いに微笑んでみせた松田の顔はぞっとするほど艶かしかったが、
今の幸太には嫌悪感以外の何物も感じない。
「や……めろ、腐る……っ、やめろ!」
「腐る?失礼な。どうせ僕に舐められてまたイッちゃうんだから、素直によがってろよ」
言うなり突き出した赤い舌がまず松田の上唇を舐め、次いで松田の目の前のものを舐め上げた。
ぞわっとした気味の悪い感覚がそこを中心に全身に広がり、幸太は四肢を震わせた。
「……っ……ぅ、っん……!」
松田の舌は熱く、腹立たしいほど滑らかだった。
それが別の生き物のように幸太のものの上を這い回り、萎えていたはずのそこが
にわかに硬さを帯び始める。
いたずらにそこかしこを舐め回す松田の舌の動きに合わせて、自然と腰が動く。
「ほら、もうガチガチだ。ここ、きみの先走りで溢れてる」
敏感になったそこにわざと熱い吐息を吹きかけるように囁いて、先端に舌を這わす。
椅子の上で跳ね上がった幸太の腰をつかまえ、松田は反り上がったそれを喉奥まで銜え込んだ。
------------------------------------------
今回はここまで
573風と木の名無しさん:2006/03/08(水) 19:08:23 ID:kQPaKbpA
報復タンGJ!
受はこっちだったのか…
続きをwktkで待ってます
574風と木の名無しさん:2006/03/08(水) 21:44:29 ID:3hxeas1R
あげ
575風と木の名無しさん:2006/03/08(水) 22:11:07 ID:gFSu95/d
王子様もうもうもうもぅもぇ。続き待ってます。
576風と木の名無しさん:2006/03/08(水) 22:44:06 ID:MVmVbFY7
報復さん、タイトルの意味が激しく気になる…!
乙です。
577風と木の名無しさん:2006/03/08(水) 22:58:54 ID:BTJA90pY
報復さんこっちが受けでまじ嬉しい。
すげー精神的にも走召鬼畜だ!
ゆっくりでいいから続き待ってるよ!
王子様もこういう切ない感じの好きです。乙!
578風と木の名無しさん:2006/03/09(木) 09:42:15 ID:RfUH4kot
王子様お待ちしておりました!
579風と木の名無しさん:2006/03/09(木) 22:46:19 ID:+oZJtwPV
あげ
580報復3 1/7:2006/03/10(金) 03:42:01 ID:+kx3WFLw
>>572続き

「は、ぁ、あっ!……っん、あ、っ……あっ」
そのまま強く吸い上げられ、四肢を痙攣させながら、松田の口内へ射精した。

ゆっくりと弛緩していく四肢を愛しげに眺めながら、松田は口内の白濁を飲み下した。
ぐったりと椅子の上で頭を垂れていた幸太にもそれが分かったが、どうでもいいと思った。
松田が面白がるように唇の白濁を舐め取るのも、指先にこびりついた飛沫を幸太の
頬辺りになすりつけるのも、どこか他人事のように感じられた。

幸太のすべらかな肌をゆったりと撫でながら、松田は熱っぽい声音で幸太の耳元へ囁きを吹き込んだ。
「本当にきみは可愛いね」
「ん、ぁ……っ……、……っっ、くそっ」
幸太の胸の突起に啄ばむように口付け、下腹部に手を這わす。
赤くなった突起を一舐めして、松田は口角を吊り上げた。
「……初めてだしね……。なるべく痛くしないように、気をつけるよ」
言いながら幸太のものを乱暴に扱き始め、幸太は腰を震わせた。


先ほども使っていた丸い形をした薬入れから指を掬い上げると、松田の指が
油に濡れたようにぬらぬらと照り光っていた。
けれど、液状の油よりずっと粘着性が高そうだ。
ぬめぬめと照り光る指先は楽しげに幸太の鼻先でひらひらと踊り、次いで幸太の
開いた尻の谷間へと潜り込んでいった。
途端、幸太の目尻が赤く染まり、下肢が達する瞬間のように強張った。

松田の指の在り処が湿った音を立てるたび、幸太は頭を振って足の指先をぎゅっと握り込む。
指の動きに合わせて自然とうごめく腰を揶揄され、幸太は唇を噛み締めた。
「それほど痛くないだろ?ほんとは女性用のなんだけどね。まあ効き目は同じだろう」
581報復3 2/7:2006/03/10(金) 03:44:55 ID:+kx3WFLw
「や、め……ろ、くそっ……!」

確かに、薬の効き目か、松田の熱心な"慣らし"のおかげか、
それほどの痛みは感じなかった。ただ、不快な違和感と、胸の焼けるような屈辱があるだけだ。
悔しげに唇を噛む幸太をよそに、入り口付近を探るように蠢いていた指が唐突に
ぬるりと奥深くまで滑り込んだ。

痛みとも、重圧感とも言えぬ奇妙な感覚が幸太の尻を苛む。
「ああ、すごい……幸太くん、わかる?僕の指に吸い付いてる」
感嘆した松田の囁きを半ば聞き流し、幸太は首を振った。もうやめろ、気が済んだろう。もうやめてくれ。
そう訴えようとした唇は、耳障りな息遣いを漏らすばかりだった。

幸太の"感じる場所"を探りながらじっくりと内部をほぐす一方で、松田は薬入れから
何度も潤滑油を補充し内部に塗り込める作業を繰り返した。
幸太の奥深くを苛みながら、もう片方の手は熱心に幸太の乳首や半勃ちの幸太のものを愛撫している。
内部に十分すぎるほど塗り込まれた潤滑油が熱を持ち、幸太の内部を火照らせた。
"女性用"だと、松田は確かに言った。おそらく媚薬の一種だろう。
時々買う雑誌にそういったものの広告を見たことがある。幸太はそれらの記事をぼんやりと思い起こした。
過去に何度か使ってみたいなと思ったこともあったが、まさかわが身をもってそれがどういうものかを知るとは。

火照る内部を掻き回す松田の指の動きに合わせて動いてしまう腰に、幸太は唸った。
いくらか溶けて液状になった薬が内部から溢れ、谷間を伝って椅子に零れ落ちる。
潤った幸太の窄まりをなおも熱心にほぐしながら、松田はようやく幸太の"感じる場所"を探り当てた。
そこを擦り、何度も突くと、半勃ちだった幸太のものが反り返り、先走りを漏らし始めた。
582報復3 3/7:2006/03/10(金) 03:46:44 ID:+kx3WFLw
松田の意地の悪い責めがそこを中心に続けられたが、
幸太のものの先端が糸を引くほど潤った頃、ようやく頃合を見て濡れた指を引き抜いた。

「……ああ……すごい。僕の指に吸い付いて離さない。まだ銜えていたいって」
そううっとりと囁きながら焦らすようにゆっくりと指を引き出す松田に一瞥をくれて、唇を噛んだ。
今度は幸太にも分かった。
内部の壁が、松田が指を引き抜くのに合わせて引き攣れるように引き出される。
松田が指を動かすたび鳴り響く湿った音が酷く耳障りだった。

「ねえ、幸太くん。わかる?」
再び指がもぐりこんでくる。今度は3本だ。幸太は息を詰めた。
幸太の感じる場所をわざと責めるように指を突き入れながら、松田はにっこりと微笑んだ。
「きみ、お尻でこんなに感じてるんだよ」
松田の囁きとともに、松田の指先が幸太の先端をつぅっとなぞった。
ぶるりと震える腰を揶揄して、松田は幸太の目の前に指を突きつけた。
「指でこんなになってるんだ。……そろそろ物足りなくなってきた?」
悔しげに鼻にしわを寄せる幸太をよそに、松田は突きつけた指を再び幸太の内部に納めた。
空いた手で器用にするするとベルトを取り、身につけていたジーンズをぱさりと足元に落とす。
幸太は目を固く閉じた。―――終われ、さっさと終われ―――

次の瞬間、指がするりと滑り出ていき、そのしばらく後に
指とは比べ物にもならない重量のものが押し入ってきた。

「――――――あぁああっ」
「……っあ、れだけ慣らしたんだけどな……、やっぱり狭っ……」
「あぁああ、ああっ!痛、痛ぇ――――っっ」

天と地がひっくり返った――――
幸太の頭の中は真っ白に染まり、何もかもが瞬間的にわからなくなった。
とにかく痛い。突き上げられるたび太股に食い込む縄や椅子にぶつけられる尻、背中。
583報復3 4/7:2006/03/10(金) 03:47:51 ID:+kx3WFLw
そして何より、松田の硬く勃起した剛直をねじ込まれた窄まりが軋み、
引き攣れるような激しい痛みが電流のように巻き起こった。
松田は幸太の感じる場所を狙って突き上げているようだったが、
苦痛のほうがそれに圧倒的に勝った。腕も痛い。背中も尻も脚も。
殴られた頭も痛い。何もかもが苦痛だった。

「……っ、あっ、ぃ、あぁああっ……痛ぇ、痛え、ぇ……!畜生、痛ぇよ―――っ」
「ああ、ごめん……でも幸太くん、やっぱり……イイ、よ」
萎えてしまった幸太のものを優しい手つきでしごきながら、松田は腰の動きを止めた。
突き上げが止まると、全身を責め苛むような苦痛は緩和された。
とはいえ、内部にすべて納められた松田の剛直はそのままだ。
幸太は息の詰まるような重圧感と痛みに耐えた。

「でも、血は出てない……みたいだね。慣れるまで、ちょっとこうしてようか……」
幸太の耳元で囁いて、言い終えたと同時に柔らかな耳たぶを舐めた。そのまましばらく、
幸太の耳を舐め、甘噛みしながら、萎えた幸太のものを熱心にしごいていた。
「んん……、っっ……ぅ、く」
「はは、勃ってきた。やっぱり感じやすい」
「も……頼む、…………っ、く……終わらせ……」
ダメだよ、とごく小さな声で囁いて、松田は繊細な手つきで
幸太の額にはりついた前髪をかき上げた。
松田が動くたび、剛直を受け入れた場所が軋む。

頃合を見て再び動き出した松田に恐怖を覚え、幸太は首を振った。
「もうやめろ、頼む……痛いんだ、痛っ……ちくしょ、痛いんだよ……!」
「ごめん……あんまり痛くないようにしてるんだけど」
「やめろ、やめろ!動くな!……痛ぇっ、痛……っっ!動くな、っ……頼むから……っ」
懇願する幸太に根負けしたのか、松田は再び動きを止めた。
苦痛に縮こまる幸太を椅子ごと抱きしめ、頭を撫でながら、松田はかすかに忍び笑いを漏らした。
584報復3 5/7:2006/03/10(金) 03:49:11 ID:+kx3WFLw
「本当、可愛い。大丈夫だからね、なるべく優しくするから」
汗に濡れた幸太の髪に口付け、なだめるように頭を撫でる。
ぐったりと頭を垂れた幸太は疲れ果てた目で松田を見上げ、
「死ね」と一言だけ呟いて目を閉じた。

再び松田が動き出したとき、ぼんやりしていた幸太の意識を
聞きなれた音楽が引き戻した。
重い瞼を押し上げ、音の在り処を探る幸太の目の前で、怪訝そうな松田の顔が、
何か合点がいったような晴れ晴れした表情に変わった。
乱暴に自身を抜き取り、その刺激に震える幸太をよそに、松田は床に散乱した
幸太の衣服の中からジーンズを引っ張り出し、その尻ポケットを探った。
けたたましく音楽を奏でる携帯を取り出して、松田は画面を覗き込んだ。

「着信……"綾菜"?へえ?幸太くんの彼女かな」
「て、め!触んな!手、離せよ!」
ざあっと音を立てて全身の血が引いていくのがわかった。何て最低なタイミングだろう。
考え込むように携帯を眺める松田に、幸太は「切れ」と繰り返し叫んだ。
―――頼むから放っておいてくれ。

幸太の懇願に、松田が従うはずがなかった。
二つ折りの携帯を開き、通話ボタンを押して、松田は手に持った携帯を幸太の耳に押し付けた。
『もしもし?コウ?』
耳慣れた恋人の声を耳にして、幸太は脱力した。どうしてこのタイミングで―――
自分も会話の内容を聞こうと耳を近づける松田を嫌がって、幸太は首を振った。
それでも携帯は松田が持っているのだから、無駄な抵抗だ。幸太は唇を噛んだ。
「……ん、どうした?」
「素っ気ないね。可愛い彼女なんでしょ?もっと愛想よく答えてあげたら」
小声で幸太のもう片方の耳に囁いた松田を睨みつけて、
幸太は松田からなるべく顔を離そうとした。
585報復3 6/7:2006/03/10(金) 03:51:47 ID:+kx3WFLw
『うん。あのさ、もうすぐ冬休みじゃん。前々から、どっか行こうねって言ってたでしょ?
幸太はどこ行きたいのかなーって思って。希望を』
「ん、なの今考える事か?学校で話しゃ、いいじゃん」

ふと目に入った松田の顔がひどく愉快そうで、幸太は唇を再び噛み締めた。
ひどい屈辱感だった。乾き始めていた唇の傷が再び開き、血が滲む。
こうして幸太が電話で話している間にも、松田は幸太の乳首や陰部を愛撫している。
努めて声に変化を出さないようにしながら、幸太は全身を苛む快感に耐えた。
『そりゃそうだけど。一応。早めにいろいろ決めといたほうが楽じゃん』
「……だけど、俺、さあ、今ちょっとキビしいから、ちょっと話せねぇっぽい、……悪い、今度にして」
『え、どうしたの?』
「……"男に犯されて、今あそこ扱かれてる"って、教えてあげたら」
耳を携帯に寄せて盗み聞いていた松田がそううそぶくのを一瞥して、幸太は震える息を吐いた。
「ん……ちっと、……うん。悪い。だから、こん…………っっ、っあぁ!」
唐突にねじ込まれた松田の剛直に、幸太の背骨が軋んだ。
そのまま始まった突き上げに揺さぶられ、幸太の呼吸が弾む。
幸太は唇を噛んで声を堪えようとした。

「……っ、っっ……ぁ、っっ……!!ア、アヤ、ごめ……っ、こん、ど……こんど、にし、……っっあっ」
『どうしたの?コウ?大丈夫?具合悪いの?』
「"お尻犯されてる"って教えてやれよ。ほんとのこと」
そう囁く松田の声音は本当に愉快そうで、この事態を心の底から楽しんでいるようだった。
突き上げながら、携帯を持っていないほうの手で幸太の半勃ちのものを扱く。
幸太の腰は刺激に堪えきれずに悩ましげに揺れた。
噛み締めすぎて血が溢れた唇から、一筋の赤い線が顎まで伝っている。
『コウ?幸太?大丈夫?具合悪いなら、む―――』
恋人の心配そうな声は途中で唐突に断たれ、
松田は幸太の耳に押し付けていた携帯をそっと床に置いた。

「ずっと持ってるのは大変なんでね。両手できみに触れないし」
586報復3 7/7:2006/03/10(金) 03:55:04 ID:+kx3WFLw
結局、松田の蹂躙は朝方まで継続して続いた。
椅子に縛られたまま延々と犯され、ついには尻の刺激だけで幸太は射精した。
その後は魂の抜けたように脱力し、拘束されていた縄を解かれても抵抗らしい抵抗はしなかった。
無抵抗の幸太を玩具のように好き勝手に扱って、松田はさまざまな体位を実験的に
試してみては幸太を何度も楽しげに犯した。

底なしの体力で幸太を犯し続け、松田はようやく幸太を離した。
誘導されるまま風呂に入り、体液まみれの体を洗い、身支度をして出て行こうとした
幸太を呼び止めて、松田は人のよさそうな笑みを浮かべながらそっと幸太を抱きしめた。
「きみも途中から気づいてたと思うけど……、カメラ。
犯されて泣きわめくきみの顔も、恥ずかしいところも、全部映ってるよ。写真もあるし……。
陳腐な手だけど、きみ素直じゃないから、こうでもしないと抱かれてくれないだろう?」
囁きながら幸太の耳や頬に口付ける松田をぼんやりと眺めて、幸太は眉を顰めた。
最後にそっと唇に口付けて、松田は幸太を送り出した。
「頭の傷は、なんとかごまかしておいて」と付け足して。

ぼんやりした顔で早朝の人気のない通りを足を引きずりながら歩いていく幸太の姿は、
さながら正気を失い彷徨い歩くゾンビのようだった。
犯されつくした後孔が軋むように痛む。幸太は顔をしかめながら千鳥足で歩いた。

ふと思い立って、携帯を取り出す。午前4時。とんでもない時間だ。
舌打ちしながらメールを打ち、綾菜に送った。
"昨日、ごめん。吐き気がヤバくて。今日ガッコ休むわ。サボリじゃねーぞ。"
ひどく眠たい。ともすれば路上で寝入ってしまいそうになるのを何度か奮い起こし、
幸太はようやく家路に着いた。
----------------------------------
今日はここまで
587風と木の名無しさん:2006/03/10(金) 04:55:26 ID:Z//peuZP
こんな時間まで2chやっていた甲斐がありました。
さあこれからどうなるのか激しくwktk!!
幸太くん超ガンガレ。
588風と木の名無しさん:2006/03/10(金) 11:06:38 ID:2kUr4RoF
痛い痛い叫びまくっちゃう幸太に萌えた(*゚∀゚)ムッハー
589風と木の名無しさん:2006/03/10(金) 17:50:39 ID:821I/HD2
幸太また会うのかい幸太(*´д`)ハァハァ
590風と木の名無しさん:2006/03/11(土) 00:18:50 ID:w6TqhErB
も、萌へた…
幸太くん可愛いよ幸太くん(*´Д`*)ハァハァ
「痛い痛い」叫びが何とも言えず萌える…
また会っちゃうのか?会っちゃうのか…?
( ゚д゚)
(゚д゚ )
( ゚д゚ )アッチャウノカ…?
591風と木の名無しさん:2006/03/11(土) 00:43:10 ID:xpZuLgHj
>>590こっち見んなw
592風と木の名無しさん:2006/03/11(土) 00:43:49 ID:mXLI7LEk
>590
こっち見んな
593風と木の名無しさん:2006/03/11(土) 01:04:45 ID:y4Zoo0m4
ほぼ同時に突っ込まれた>>590に嫉妬。
594風と木の名無しさん:2006/03/11(土) 01:36:12 ID:We7FxqA7
>590に嫉妬する>593をお慕い申し上げる
595風と木の名無しさん:2006/03/11(土) 10:52:51 ID:UcjV3GkI
報復さん今のところすごい好みだ!!調教して欲しいな〜
596風と木の名無しさん:2006/03/12(日) 20:07:41 ID:BxdbGu4c
age
597風と木の名無しさん:2006/03/14(火) 16:14:17 ID:L0QKez7X
a
598代理戦争:2006/03/14(火) 17:11:54 ID:AxMRJNbQ
投下します。今回殆どエロ表現ありません。長いです。
お嫌いな方はスルーして下さい。
599代理戦争:2006/03/14(火) 17:18:57 ID:AxMRJNbQ
「お楽しみ頂けましたか?」
唐突に囁かれるように尋ねられて――酔いを覚まされたような気分で、黒服の男は振りかえった。
男は、若い。ただ剣呑な眼差しはたっぷりの威厳を持っている。
一方話しかけた男は、やや怯えるような卑屈な態度で彼に接していた。
「楽しめたかだと?」
話しかけた男の身が竦むほどに睨みつけて、彼は言った。
「あのでくのぼうの大男が高価な商品を傷物にしたからと言って、
 処罰だか腹いせだかで組まれた試合など見て、私の胸がすくとでも思うのか、君は?
 残念ながら、これからボスの御気に召す商品を手配する手間を考えれば、逆に腹が立つのだが」
「も……申し訳ありません…」
「それにあんな筋肉だらけで色気の無い、育ちすぎた馬鹿者を買い取る者がいると思うかね?
 私は一部のフェテイッシュな人間しか思い当たらない」
鷹揚な、丁寧な口調とゆったりした口調のまま、突き出す言葉の刃は鋭い。
話し掛けた方の男はもう死人同然の顔色で、ひたすら謝る。

若い男は彼に救いの手でも差し伸べようとするように言った。
「償う方法は少ない――つまり、少ないと言う事は、あるということだ」
怯えた男がほんの僅かな望みを託して、若い男を見上げる。そこで、教えてやった。助かる方法を。
代理戦争で助かるには、敗者を犠牲に差し出して逃げるしかない。
同じ様に、自分が助かるためには、誰かを犠牲にしなければならない。
600代理戦争:2006/03/14(火) 17:21:14 ID:AxMRJNbQ
――昨日は明け方近くまでこき使われ、睡眠も朝食も無しの出勤となった。
1週間前からの新しい店員であるコモリは欠伸をしながら店の戸を開けた。途端、
「欠伸してるんじゃないわよ」
「うひゃッ…すみません」
女性に頭を小突かれて、肩を竦めた。細い若者で愛嬌があるが、れっきとした元チンピラだ。
「ひゃぁ、すごいですね。昨日の盛りあがりったら、正にツワモノどもがなんとやらーって」
確かに、店の内装は今まで彼が見たことの無いほど乱れていた。
酒ビンは転がったままで、椅子はひっくり返っているし、忘れ物までそのままだ。
「あの子が試合するといつもこうなのよ」
「はぁ…じゃあ、その元凶を起こして手伝わせましょっか」
「お願い」
店員の提案に、女性がゴミをひろい、溜息をつきながら答えた。

最奥の控え室にそっと入ったコモリは、まずは声だけをかけた。
「ハーダ―レーっちぃー。起きて」
……全く起きないので、ねぇねぇと声をかけながら近寄って揺さぶる。
身じろぎはするが、眼が開こうとしないハダレの様子に、コモリが溜息をついた。
傍らに腰掛けて揺さぶりながら、せっかくだからと百戦錬磨の戦士を真近で観察する。

長椅子からこぼれた右足は細いのに筋肉が目立ち、傷痕が幾つか見られる。いかにもそれっぽい。
一方毛布から覗く寝顔は、あどけないとすら言える。
整っただとか美形という言葉とは縁遠いが、欠点のある顔立ちではない。
(こいつ本当に昨日、あんな顔した奴なのかね?)
彼は店のスタッフとして、清掃や人員整理の為に試合中の会場で彼を見ていた。
その時の人相はこの世のあらゆる欲望を剥き出しにしたような、酷薄な顔をしていた、筈だ。
(信じられねぇよ…)
601代理戦争:2006/03/14(火) 17:23:19 ID:AxMRJNbQ
なおも眺めていると、彼は違和感を感じて――納得した。
ハダレの右眼が眼帯に覆われていなかったためだ。傷の無い、滑らかな瞼がぴくぴくと動いている。
(何だ…なんでもないじゃん右眼。何でこんな仰々しいものやってんだっつの)
何となくほっとしたような心地を抱いて、体を起こす。――起こす?
コモリはそうして初めて、ハダレの寝息が聞こえそうな距離で観察していたことに気がついた。
いや、実際聞こえていた。時々漏らす、鼻にかかったような声まで。

何故かは分からないが気恥ずかしくなって――思わず、長椅子をひっくり返していた。
不意を突かれたハダレは成す術もなく転倒し、素早く辺りを見まわす。
「おはよーハダレっち」
「は、…お前か!あーもー、何すんだよ…ふざけんな!」
しどけなく全身を放りだして噛み付くハダレの双眸を、コモリはじっと見ていた。
それは左右で何の変哲も無い。ただ引きこまれるようにじっと眺めてしまうのは、相手が彼だからなのだろうか?
「コモリ?……ぁ」
返答の無いコモリの顔を覗きこもうとして――ハダレは初めて視界の変化に気がついた。
ぱっと顔の右半分を手で覆い、慌てたように辺りを見まわして眼帯を探す。
どこか不機嫌そうに、急いでそれをつけるハダレに男は言った。しごく、申し訳なさそうに。
「…なぁ、俺、お前のそれ、筋モンのおっさんと同じ理由だと思ってたのよ。…でもお前、眼ぇ何でも無いじゃん」
ハダレは立ちあがって毛布を畳み、椅子を直した。まだ眠い。背を向けて、カバンを拾う、その背中に問われる。
「ハダレっち、お前、何をそんなに見せたくないのよ」
――たっぷり数秒を待って、ハダレは振りかえった。まだ寝ぼけたような雰囲気をまといながら、
「…別に。見たくないだけ」
それだけ言うと、部屋を出ていった。コモリは唇をまげて佇んだ。
602代理戦争:2006/03/14(火) 17:26:30 ID:AxMRJNbQ
コモリが掃除を終えて戻ってきた頃には、ハダレは女性と話しながら朝食(昨日の残り物だ)をとっていた。
だがいつもの和やかさは無い。コモリは自然に聞き耳を立てる。
「んで、話をまとめると…そいつは昨日、オレを観てた。
 そいつが言うには、そいつ自身はとっても強くて、オレに勝つ自信があると。…ふーん」
「あんたそっくりよ。自分の事強いなんて、普通言えないでしょう」
女性がさも当然のように言うと、ハダレは反抗する様に肩を竦めた。
「みんな言うよ。逆に代理戦争に出る奴が「オレは弱いです」って言えるか。
 魚屋が『うちの品物は腐ってます』って看板出すのと同じじゃんそれ」
「なに、ついにハダレっちが負けるって?」
コモリがゴミ袋を下ろしながら口を挟む。迂闊にも。―とたんに2人に睨まれて、明後日の方を向く。
「縁起でもないわね。本当に負けたら給料下げるわよ」
「えー!勘弁してくださいよぉ、もぉマイナスになりそうなんですから」

2人のコメディのような会話を聞きながら、ハダレは一人心中で苦くうめいた。負ける。
ハダレも最初は強制的に、負ける事を前提にして試合に出させられていた。
自分でもそれは妥当だと思っていた。――ただ、近い将来リングの上で与えられる苦痛が恐ろしかった。
だから彼は死に物狂いで戦ったし、容赦を忘れ、相手が自分と同じ人間であると思うことを止めた。
その事は誰に責められてもおかしくない一方で、誰も責めることが出来ない事だ。
だれもが、ここでは似たようなことをしているのだから。だが――
ハダレは右眼を押さえた。胸の底が酸っぱくなるような感覚を覚えて、立ち上がる。
「…出かけるの?」
女性の声は穏やかで優しかった。彼を言外に、声音で気にかけていることを表す、それに感謝する。
ハダレはにこっと笑った。また普通に笑えることもありがたい事だと思う。
「その『強い奴』のこと調べに行ってくる。……負けないように、さ」
603代理戦争:2006/03/14(火) 17:30:53 ID:AxMRJNbQ
A会からの依頼が来る前に、ハダレは出来る限りの人脈を辿り情報収集に当たった。
だが目当ての『敵』の映像やデータはおろか、名前も手に入らない。

「おっちゃん出し惜しみすんなよー、ハダレさんが負けてもいいのかよー」
流石に3日目、10軒目ともなると焦ってきた。ハダレが唇を尖らせて言う。
「お前さんに賭けてりゃ勝手に金が増えるんだぜ?潰してたまるかってんだ………ええい、ちょっと待ってろ」
煙草に燻製にされた狭い部屋をひっくりかえす主人に、ハダレは溜息をついた。
「相手だってオレのこと調べてるんだろーから、顔合わせたかも知れないんだけど。自称『凄腕情報屋』さんー?」
それを聞きとがめたのか、
「うるせぇ。名前もわかんねぇ奴なんか調べられるかそもそも。今探してっから………
 ………………………………………………くそ、ランキング表はどこいった!?」
「……また来るよ。連絡して。じゃ」
崩れてきた資料から首だけ突き出して叫ぶ主人を置き去りにして、ハダレは部屋を出た。
終戦後、補強もされていないアパートの2階から降り、次の目的地へと足を向ける。

――ふりをして、後をつけてきた者の方へ向き直って襲いかかる。
その辺を歩いていそうな格好の若者が、驚愕の表情で逃げ出す。
見間違いではない。何度も後ろを確認したが、ずっとつけられていた。その距離、20メートル弱。
「待て――」
ありきたりな台詞を吐きながら、ハダレは殆ど全速力で追いかけた。だが、追いつけない。
素人臭い表情とは裏腹に、その逃げ方はいかにも濃慣れたものだった。
大通りに出る前に差は広がりきって、結局若者は逃げていった。
溜息と深呼吸を兼ねた、深い吐息で呼吸を静めた。肩も沈み、気持ちも沈むようだ。
「……何なんだよもー…意味深なことするなら、ノされて全部白状するくらいしろっての…」
無茶苦茶な事を言う。呼吸を静める。そして次の目的地に向かう。
ハダレに出来る事は、起こっている異常に対してあまりに少なかった。
604代理戦争:2006/03/14(火) 17:37:07 ID:AxMRJNbQ
――プツ、と小さな音がして映像が再生される。
「えぇ、それは次、貴方に戦っていただく敵の映像記録です。全てお渡しします」
目で問う黒ずくめの男――そして、それに答える先日の叱られ男。顔色は、いまだ青ざめている。
「他に入用なものも何でも。この部屋も御気に召さなければ、余所に手配致しますが」
早口にまくし立てる男の声を、黒ずくめの男は半ば聞き流していた。

始終辺りのやくざ者達が気になって仕方ないが、映像の再生に専用の機器が必要だ。
ここを出て行く事はデメリットにしかならない。
だが余り世話になるのもまずい。「いずれ対立する敵」に頼るわけにもいくまい。
「…失われた信用は…償うしかないのですよ……上回る商品で……」
対立した時に頼れるものは何か。黒ずくめは傍らのそれを撫でた。それ。
それとは、長さ1メートルを越え、2メートルを下回る長さの、何か棒状のものをいれた袋だ。
彼の守りであり、武器であり、絆であり、裏切りだった。手放せない。

「……われわれも手放したくはないのですがしかし……」
心の中を読まれたような気がして、黒ずくめは顔を上げた。それを興味と勘違いしたのか、男はさらに早くまくし立てる。
「……で、…なもので……えぇ、貴方は勝つだけでいいのです。鉄壁の王者、ハダレに」
605風と木の名無しさん:2006/03/14(火) 17:39:45 ID:zuWRyfrN
連投支援ぱぴこ
606代理戦争:2006/03/14(火) 17:42:49 ID:AxMRJNbQ
黒ずくめの男はそこで頷いて見せた。相手がほっとしたように頷き返す。
「……といっても……自己流の…鍛えられた事のない…まさになまくら刀のような…」
「悪いが」
無駄話に入った事を察知した黒ずくめが平坦な声音で遮った。だが、それは突きつけられた刃のように鋭い。
叱られ男はまた死人のような顔色になった。
「私は一切の油断をしたくない。貴方は、敵は鍛えられたことのない鈍らの刃物だと言った。
 だが、ここで斬れないものはなかったのでしょう?ならば今はその切れ味を――」
黒ずくめは先ほど渡された映像を指し、
「見ておくことが先決であり、その刃物の由来だの行き先を語るより遥かに有益では?」
「しっ………失礼しました」
叱られ男はばたばたと慌てて出ていった。逆に失礼なほどに手早く。

黒ずくめは無関心そうに、視線を試合の映像記録へ戻した。
その無表情な黒瞳には仄かな光があった。まるで、名刀の照り返しでも受けたかのように。
607代理戦争:2006/03/14(火) 17:44:46 ID:AxMRJNbQ
――時間というのは無慈悲だし、慈悲に溢れてもいる。
夏休みの宿題を最終日にする子供達にとって、残された時間は1日だ。が、急に1時間後になったりもしない。

同じだ。
ハダレにとっても、敵にとっても、今日が今日であることに変わりはない。
結局、ハダレは敵の情報を得られずに終わった。
敵が自分を誇張して吹聴していると、情報がひっかからないことがあるのだが、今回もそんな事だろう――
各種の情報屋はそう言ってハダレを送り出した。だが妙に引っかかる。
もしかしたら、それは前回の試合の怪しい客や、跡をつけられていたという異変に対してかもしれないが。
何も知らされず、いいように行動させられる事への不安な不愉快さは、昔は試合のたびに味わっていた。だが、
「…まさかここまで来てまたこーなるとは…」
ハダレは深い溜息をついた。不安でたまらない。恐怖が緊張に変わり、胸を突き上げる痺れに変わる。

ハダレは右眼を押さえた。殆ど無意識に。その時、
「ハダレっち。……時間」
コモリが言いづらそうに呼びに来る。
「……ハダレっちは負けないでしょ。ガンバレ」
明らかにフォローされている自分に苦笑しながら、ハダレは控え室を出た。
出た瞬間から、ハダレは王者になる。豪華なマントも、宝石のついた玉座も用意されていない。
ただ重たい「無敗」の銘の冠を被せられ、戦場に居場所を持ち、帰り道は血染めの絨毯が敷かれた王に。
608代理戦争:2006/03/14(火) 17:47:31 ID:AxMRJNbQ
『れでぃーっす、あーんど、じぇんとるめん!!』

今日も会場は辟易するほどに混雑していた。
客は半ば勝手に盛りあがり、実況は自身と共に会場のボルテージを上げ、
バーは賑わい、女性は忙しく歩き回り、全くいつものように。
『今宵もこの戦場を壊さないよう、十分に注意して盛りあがってくれたまえ!
 …それではいつものように、王様の試合から始めさせてもらうぜ。選手入場ーー!』
…実はその後まだ実況は喋っていたのだが、拍手と歓声に、残りはかき消されて聞こえなかった。
これもいつものことだ。では、いつもと違うことは?

ハダレは唇を舐めて舞台に上がった。舐めすぎた上唇がひりひりしていた。
いつものように、気負い無く相手を見据える事が出来ない。握り締めた掌がいつもより汗ばんでいる。
胸を突き上げる緊張はいつものように興奮に変わらずに、そのまま心臓を揺さぶる。どくどくと。

『東軍は誰もが知ってる王者、ハダレ!彼の不敗神話を止められる奴は最早存在するのか――!?
 一方西軍――』
そこで実況はちょっと驚いたような声で紹介した。
『おお、なんと――こんな事がありうるのか!?西軍のその男も勝率100%、つまり無敗の王者!』
ハダレは反射的に顔を上げていた。出来なかったのが嘘のように。
その男を見つめ、脳に実況の意味をゆっくりと浸透させる。
『要するに――今日は負けた方が自分の神話を失うってことだ!
 近年希に見る大注目の一戦、果たしてその足で最後まで立っているのはどちらか―――』
609代理戦争:2006/03/14(火) 17:49:33 ID:AxMRJNbQ
実況や歓声はうるさいはずなのに、ハダレには最早聞こえなかった。目の前の男が全てで。
その男は黒ずくめで、髪や瞳も漆黒だった。
髪が少し長くて陰気に見えそうだったが、凛とした涼しい顔立ちは無表情以上でも以下でもない。
背は高いが、それだけでは生み出せない威圧感を感じる。――まるで、鍛えられた刃物を突きつけられたような。

ぼそっとした声が、何故かハダレの耳に届いた。――届いてから、男が言ったのだと知る。
「武器は観衆の興を削ぐな。こちらも素手で行こう」
そして手に持っていた袋詰の棒を捨てる。
ハダレはそれを目で追った。それは舐められているという事だろうか?
険悪に問う視線の意図は男に伝わったらしい。男は平坦な声音で言った。
「鉄壁の王者。無敵の戦士か。
 お前の戦術は熟知している。――それでも俺にお前を舐めさせるなというのは高望みか?」
『――西軍の男、その名はウスライ!』
その男――ウスライの双眸がちらりと揺れた。ハダレはその波紋を欲望だと思った。
敵の欲望に屈服する結末は恐ろしかった。だがここまで来て、ハダレの何処かに同じ様な欲が生まれるのを感じた。

ハダレは小さく、舌先でその男の名を転がした。ウスライ。
――そして、その男に向かっていった。
610代理戦争:2006/03/14(火) 17:51:35 ID:AxMRJNbQ
観客は息を飲んだ。今までこの戦場で見たことのある戦いより、それは激しかった。
だが一度読んだ事のある本のように、どこかで結末は理解していた。
ハダレの突き出した拳がウスライの左腕で受けとめられ、引っ込むより先に腕を握って引き寄せる。
関節と逆にねじられる前に腕を反転させ引き抜き、死角からの拳を青年の膝が受けとめる。
そのまま押し返し、反作用でハダレが1歩引くのに合わせて男が踏みこみ、軸足を狙う。
だがその頃にはハダレの軸足は入れ替わり、反対の足が反動をつけて蹴り上げられ――

男の頭の横で払われた。観客がおおっとざわめく。
「……高望みだった?」
「いや…」
男は小さく呟きながら肘を突き出す。胸部狙いのそれを受け流しながら、逆にそれを絡めとることを考える。
だが危険だった。敵もそれを読んで、逆の掌底をこちらの腹部に当てる事を狙っている。
どちらを避けるべきか。迷って――ぱっと大きく飛び退く。間を開ける。膝で衝撃を受け流す。
そして間髪いれずに制動をかけ、低い体勢から男の脚を狙って切り裂くような回し蹴りを放つ!
飛び退いたハダレを追撃するべく半歩踏み出していた男には有効なはずだった。しかし――
「……そうらしい」
男はぼそりと言い放つと、その蹴り足を踏み砕いた。
「ッあ…!」
左足首を潰され、ハダレがうめく。
高速のために、男も正確にその脚を潰せなかったのが幸いだった。だが衝撃は大きい。
今度こそ大きく間を開けると、両者の動きが止まった。視線を絡めたまま、数メートル離れて、荒い息をつく。

ハダレは自分が不利だと分からないほど、愚鈍ではなかった。例えば、モウジのように。
自分の息が敵より数段荒れている。普段こんなに長引かせないため、スタミナの限界が見えてきていた。
また神経も磨り減っている。ここまで自分に迫る――或いはより強い敵が、最近いなかったためだ。
更に左足首は完全に捻挫しているようで、足技に心配の種が蒔かれた。
611風と木の名無しさん:2006/03/14(火) 17:52:45 ID:/DnthLGt
いちおう連投支援
612代理戦争:2006/03/14(火) 17:54:10 ID:AxMRJNbQ
だが、認めたくない。認めてしまったら、自分が否定されてしまう。
負けないためには勝つためしかなく、勝つためには相手を倒さなければならず、相手を倒すためには――
「何故笑う?」
そこまで考えて、ハダレははっとウスライを見なおした。何の事だろう。
ウスライは出来の悪い生徒に教えるように、ゆっくりと、しかし強く言いなおす。
「お前は今絶対的に不利だ。敗北すればろくでもない事になる。それなのにお前は何故笑っていられるのだ?」
ハダレは思わず顔に触れていた。触れたからといって自分が笑っていると、見るほどに分かるとは思えなかったが。
「自覚がないのか。ならば教えてやる。お前はリングに上がってから、ずっと笑っていた」
ウスライに告げられるたびに、青年は顔を撫でた。何度も。信じられないというように。
「最初は余裕があるのかとも思ったが、どうも違う。
 代理戦争の勝利者が浮かべるたぐいの、嗜虐心から来る笑いかとも思ったが場にそぐわない。
 しまいには負けが嬉しいのかとも考えた」
男は肩を竦めた。
「馬鹿な話だ。だが、そこまで考えてから結論付けなければならない答えを俺は持っている」
「…顔面神経痛は無いから、念の為」
青年は顔から手を離して、構えに戻った。話の行く先が分からないので、いつ話が終わるのかも分からない。
だが――話は存外早く終わった。

「……お前、『異』だな」
ぼそりとした声に、ハダレの眼が強張る。
……次の瞬間ハダレの鳩尾に拳が突き刺さり、その体が軽く「飛ん」だ。数メートル離れた床に叩きつけられる。
苦悶するまもなく、男が近付く。
ハダレは立ちあがれない。吐くような咳を繰り返しながら後ずさろうとするが、意味は無い。
観客の悲鳴が起こる。あってはならない事態に。
『ああ、どうしたことだ、まるで悪夢!我等が王者ハダレがたった一発のパンチで起きあがれない――!』
実況も悲鳴混じりの解説を重ねる。
ウスライはそれらを背に、ハダレの間近まで無造作に近寄った。
613代理戦争:2006/03/14(火) 17:59:16 ID:AxMRJNbQ
「ッぁ…、ぃ…」
しまった、と思う。殴られた事よりも、その隙を作ってしまった事に対して。
――これでは、肯定しているのも同然ではないか!
必死に脅威から逃れようともがくが、男が歩く速度より勿論遅い。簡単に腕をねじり上げられ、のしかかられる。
(犯される…)
今更ながら、ハダレの頭を恐怖がよぎる。初めて代理戦争に出た時から、振り払ってきたおぞましい妄想付きで。
男が他の戦場でどれだけ寛容だったか知らないが、それを避ける道理は無い気がする。
(嫌だ…ふざけるな!)
まだ、脚が残っている!
背中にかかったウスライの重心の位置からその姿勢を予測し、男の左足が床に膝をついていることを考える。
ハダレが何かしようとしているのをウスライは感じとって、腕をより深く固定する。
「あああッ!」
青年の口から、初めてに近い苦悶の声が上がる。
もう一息で肘が壊れるだろう。
だが――肘だの腕一本の骨折と全人権のどちらが大切だと言うのだ?
ハダレは痛みを迎え撃つ覚悟で、両足を男の左足に絡め、膝を逆に曲げるべく渾身の力を込めた――

「で?」
平然としたウスライの声がした。――愕然と振り返る。効いていない!
「何の為にお前の脚を捻挫させたと思う?
 これが答えだ。自分の足の痛みに気が取られて、本当に渾身の力で技をかけられないだろう」
むしろ哀れむほどに優しい解説を加えられて、ハダレの顔色は興奮から絶望へと変わった。
614代理戦争:2006/03/14(火) 18:01:51 ID:AxMRJNbQ
男はそれを見て取り、青年の耳だけに聞こえるように囁いた。
ぼそりとした声音と熱い息がハダレの耳殻を舐める。ハダレの背筋が震えた。
「『謝罪』はするな。伝えなければならない事がある」
ウスライの空いた片手がこちらの脇腹より少し下に付かれている。
時折、めくれたシャツの下の地肌がそれに触れる。それが気になった。
「俺と代理戦争をしていると言う時点で、言うことを聞くとも思えないが。とりあえず聞け。
 ――お前は数日の間に裏切られる」
ハダレの左目が、かっと見開かれる。何を言うのだ、とばかりに。
「お前の体――いや、『異』も含めて狙っているものがいる。
 全て話す時間は無いし、俺にも把握し切れない所がある。だが伝えた」
ハダレはさっぱりと訳がわからない、と言った顔をしているが――実の所、別の事が気になっていた。
絡めたままの脚の間が微妙に、男の膝で刺激されて弱い興奮が持続していた。
脇腹の辺りは、触れるか触れないかの距離にウスライの腕がある。なぞられる感覚にぞくぞくする。
さらに先ほどから耳に直接注ぎこまれる声が続いていた。
こんな時に位、そういう感覚を忘れさせてくれてもいいではないかと、ハダレは思った。
だがその赤くなった耳元で、ウスライはぼそぼそと話を続ける。
「出来れば俺を頼って欲しい。だがお前がそうするとも思えないな。
 アドバイスするとしたらこんな所か――『誰も信じるな』」
ウスライはそこまで言って、やっと囁きを止めた。愛撫のようなそれが止んで、ハダレが改めて男を見上げる――

いや、何故見上げられるのか?
「仰向けにされた」ハダレが完全に疑問を浮かべ終えるより早く、ウスライの拳が叩きこまれていた。
青年の細い体には酷な行為だった――あっけないほどにすぐ、気を失う。
実況も、観衆も、店員たちも、何も言えない。恐ろしいほどの静寂。埃の落ちる音さえ聞こえそうな。
――それが、ウスライがもたらした王者陥落の瞬間の結末だった。

↑ここまでです

615代理戦争:2006/03/14(火) 18:40:13 ID:AxMRJNbQ
120秒規制により大変時間がかかってしまいすみませんでした。
連投支援カキコありがとうございました。
616風と木の名無しさん:2006/03/14(火) 18:59:23 ID:zuWRyfrN
巧妙だなぁ〜。ハダレの連勝はスタンド効果?
617風と木の名無しさん:2006/03/14(火) 20:17:40 ID:VfvRMofS
あげ
618風と木の名無しさん:2006/03/14(火) 21:18:28 ID:pfLeURtO
ハダレ受け待ってました!
今までとちょっと違う鬼畜の予感…。
619風と木の名無しさん:2006/03/14(火) 22:37:46 ID:ibwph7lU
禿げた…。
ハダレたん、どうなるのか!?
620風と木の名無しさん:2006/03/15(水) 02:22:18 ID:hOQDuL50
戦争キター やばい萌える
621風と木の名無しさん:2006/03/15(水) 22:03:54 ID:pvSyAT8j
本命キテター!
622風と木の名無しさん:2006/03/16(木) 02:03:50 ID:g8dsW7/K
あと1/3で終わりだむう
でも終わらないだむう
623風と木の名無しさん:2006/03/16(木) 02:04:39 ID:g8dsW7/K
ゴバーク
624風と木の名無しさん:2006/03/16(木) 13:08:50 ID:L1YTXTCw
むぅ
625風と木の名無しさん:2006/03/16(木) 16:33:13 ID:w01yK/qh
保守だむぅw
626風と木の名無しさん:2006/03/17(金) 10:19:02 ID:Bwf0Gdqy
ハダレ大好きむぅ
627風と木の名無しさん:2006/03/17(金) 16:23:43 ID:j/1ek7xj
投下待ちだむぅ
628風と木の名無しさん:2006/03/17(金) 18:30:04 ID:zlUOzbcD
ウスライ萌えふぅ
629風と木の名無しさん:2006/03/17(金) 20:15:05 ID:FuQwCeXX
>628
一人だけふぅになってるむぅw
630風と木の名無しさん:2006/03/17(金) 21:14:09 ID:uer7oMzB
なんだこの流れw
631風と木の名無しさん:2006/03/17(金) 21:31:10 ID:j/1ek7xj
どこの板なのか気になって眠れないむぅor2゙
632風と木の名無しさん:2006/03/17(金) 21:32:33 ID:j/1ek7xj
どこの板なのか気になって眠れないむぅor2゙
633風と木の名無しさん:2006/03/18(土) 10:31:42 ID:sVQIDLdB
あげ
634風と木の名無しさん:2006/03/18(土) 10:59:54 ID:prXiVsar
>>631-632

ケツ振ってるむぅww
635風と木の名無しさん:2006/03/18(土) 18:31:27 ID:xBmR27LM
ムームー星人思い出した
636風と木の名無しさん:2006/03/19(日) 19:06:41 ID:tM/6lpCS
あああああ
637風と木の名無しさん:2006/03/20(月) 22:46:43 ID:dVQZjSSv
ほしゅ
638風と木の名無しさん:2006/03/21(火) 02:36:55 ID:1/TAaPRO
投下ないな〜
639風と木の名無しさん:2006/03/21(火) 06:24:11 ID:LpIWJX5w
投下の無い時期からして、やっぱり書き手がみんな某大作RPGにはまってるんだろうか・・・・
640風と木の名無しさん:2006/03/21(火) 06:26:16 ID:LpIWJX5w
失礼。あげてしまいました
641風と木の名無しさん:2006/03/21(火) 13:36:04 ID:5A+I8GHN
一応春の祭りもあったしね>19日
642風と木の名無しさん:2006/03/21(火) 16:08:44 ID:V7WpfYUG
つか件の超大作RPGの新作にはまってる奴っているの?
643風と木の名無しさん:2006/03/21(火) 17:46:23 ID:OpsNlEh3
>642
呼んだ?

19日があったからなだけだと思うけどね。あと春は忙しいよ。
644風と木の名無しさん:2006/03/21(火) 19:02:00 ID:HVP5cT4Y
期末という名の鬼畜がいるのさ・・・
645風と木の名無しさん:2006/03/21(火) 19:13:02 ID:vnhuUVWj
期末?
まー、年度末なら忙しいだろうしね。
646風と木の名無しさん:2006/03/21(火) 20:03:01 ID:gudvDCda
   \      ☆
             |     ☆
おらっしゃー   ⌒ヽ   /      ボカ
    \  (´⌒  ⌒  ⌒ヾ   /
      ('⌒ ; _, ._  ⌒ ::⌒ )      ボカ
     (´  ( ゚∀゚)      ::: ) /
  ☆─ (´⌒;:    ::⌒`) :;  )
     (⌒::   ::   )Д`) >>644 ) 
    / (       ゝ  ヾ      ) 
647風と木の名無しさん:2006/03/21(火) 20:11:51 ID:Etm5xooN
エロスレに通いつめて、必死にエロネタ書いては投下する
中高生か… (しかも確実に17以下)
ぞっとしないね…
648風と木の名無しさん:2006/03/21(火) 20:15:26 ID:zMm/f19w
どうでもいいが今日から春休みじゃないのか。期末?
649風と木の名無しさん:2006/03/21(火) 20:47:47 ID:MlkvVSUQ
会社勤めしてて普通に言うよね。半期ごとの期末。
学期末って意味で言ったの?>644
650風と木の名無しさん:2006/03/21(火) 21:22:58 ID:0MxEZ0EE
>>644じゃないけど、うちの会社でも「期末」って普通に使うなぁ。
期末は忙しいとか、期末終わったら○○しない?とか。
言葉としては、学生の定期試験って意味もあるだろうけど…
651風と木の名無しさん:2006/03/21(火) 21:50:32 ID:jbtDrK1K
17といっても小学生で初体験の時代だもの
652ほしの王子様:2006/03/21(火) 22:19:00 ID:LwK24gQw
ぶった切って投下します。>>564の続きです。
「王子が私じゃない違う誰かを抱いているところなんて見たくなかった…」
よほどショックだったのだろう、ストレスで痩せてしまうほど。
しかしもともとそういう取引条件で王子は承諾したのだし、彼のはただの遊びだ。
それでいちいち騒ぎ立てるなんて、こいつはよほど王子に依存していると見える。
なんだか苛々してきたぞ。
「手を出せ」
「えっ?」
なんの疑いもなく両手を差し出すユヒト、俺は手の平から手首まで包帯でぐるぐる縛ってやる。
ただ黙ってそれを見ているこいつはやっぱり間抜けだ。
部屋の天井にそのまま吊るしてやっと事の意味がわかったらしい。
「ケン!何を!」
馬鹿だ、もう遅い。
「いい眺めだ」
綺麗な男が吊るされている姿って、官能的だと思わないか?
なんのかんのとわめき散らすユヒトの口に包帯を丸めて突っ込んでやる。
さて、やっぱりここからだな。
「んうー!」
ユヒトの弱点、乳首をペロリと舐めてやる。いつものように感度がいい。
「王子にいつまで黙ってるつもりだ?」
クリクリと摘んでやると、唾液でぬめるそれは俺の指から逃げる。
「言ってやれよ、国はもう滅んだってな」
塞がれた口から漏れてた喘ぎ声は、やがて艶のある声に変わっていく。
ユヒトは必死に逃げようと上半身を反らしたり左右に捻ったりと忙しい。
しばらくすると今度は下半身をくねらし出す。正直な身体。
「王権は崩壊しレナルディの半分は焼け野原、ム所から出たばかりの皇太子は行方不明。
俺のいた組織が情報操作してるからまだニュースは回ってこないけど…、時間の問題だな」
救急箱の中にピンセットを見つけた。先端をユヒトの乳首にあてがって牽制してやる。
ビクリと震える身体を俺の冷えた手で撫でてやる。
これはこれで気持ちが良いらしい。あんたってほんと乳首モロ感、エロい顔。
「…なあ、いつまでも隠し通せる問題じゃないんだぜ。先延ばしにしたって事実は変わらない」
653644:2006/03/21(火) 22:19:24 ID:EmRBcvoY
期末って言わない?
だってうちの年度末は九月だし…
なんかお騒がせしましたね…
654ほしの王子様:2006/03/21(火) 22:19:54 ID:LwK24gQw
俺が苛つく理由はこれだ。俺達だって国を亡くしたホームレスだ。
生き残りの王子の重責に比べたらカスみたいなもんだけど、愛国心は捨てれない。
ましてや何も知らない王子が偉ぶってるだけじゃ何も救われない。
「んうっ…、ん…」
冷たい刺激がイイのかユヒトは大きく喘ぐ、こんな小さな突起にこいつは苦しめられてるんだ。
積極的に虐めてやりたいよな。唾液でビチョビチョになった包帯を口から外してやる。
じっとりと濡れたそれは糸を引き、甘い声を誘い出した。
「あっ、ああっ!」
「甘やかしてばかりじゃなんにもなんないぜ?」
俺はレナルディの一人の国民として王子を愛し敬っている。
王子が悲惨な今後を送るのは忍びないと思っている。
国は亡い、ちょうど王子が牢獄船を出た位の時期にそれは確かなものになった。
あの界隈ではまだニュースが届いていなかったのは幸いした。
王子に知られないようにかなり気を使ったつもりだ。だけど限界だよな。
「ケン…、降ろせ…」
「だったら王子に知らせてもいいか?」
冗談っぽく言ったけど、俺は本気だ。じっとこいつの目を覗き込む。
手はズボンの上から股間を握ってやる。なんだかんだで感じてんじゃねーか。
「…王子には、まだ…、知らせないで…。あっ、何を!ケン!」
ユヒトのズボンだけ、ゆっくりと下ろす。
紺色の下着の中で苦しそうにしている自身を指で圧してやった。
「わかってんのか、あと一週間だぞ」
同時に乳首を舐め上げ派手に音を出してすすってやる。俺が感じてしまうな。
「息が荒いぞ」
悔しそうに顔を歪めてユヒトは快感をこらえているようだった。
「あと一週間でサックスに着くんだ。王族でなくなった王子は極端に言えばただの外国人。
身の振り方しだいでは命も危ないぞ。王権復古を望む団体、宗教団体、アンチ、
政府や軍の生き残りだって縋り付いてくるだろうし、諸外国財団のサルベージその他諸々…。
俺は王子に個人的に雇われた身の上だからな、できるだけの事はするがあんたはどうしたい?」
俺は喋りながら乳首を吸う、挟む、舐める。愛撫に順じて悩ましく身体をくねらす姿が面白い。
655ほしの王子様:2006/03/21(火) 22:20:52 ID:LwK24gQw
「あっ、…やと、雇われ…?」
「そう、あんた何にも知らないのな。なんで俺が国を裏切ったか…。
まあ済んだ事だが、俺達は王子が投獄する前に契約した」
「ああっ、んん、んあ…はあ…」
「それで、あんたはどうしたい?」
聞いちゃいないか。よだれを垂らして喘ぐ吊るされた男、俺の背中もゾクゾクする。
下着のシミが大きくなった。漏らしたか。
「あはっ、はっ!ああ!止めろっ、ケン!くっ…」
カクカクと連続した腰の動きを見せる。イっちまったらしい。乳首しか弄ってないぜ?
「サックスに着くまで王子をただ崇め奉るのか?あんたの考えはさっぱりわからん」
「はあ、は…。ケン…あなたには、わからない…」
吊るされた男は乳首を弄られ喘ぎ下着を濡らして、それでも気丈に俺を睨む。
あまりにも滑稽で嬉しいね。
「あんたの想いなんぞは宇宙レベルの国際問題に比べりゃカスみたいなもんだ…」
俺はユヒトの下着に手を掛けた。チラリと奴を見上げると未だ恥じらいながらやめろ、と言う。
別にこれを剥ぎ取ろうなんて思ってないさ。ちょっと除かせてもらうだけだ。
「あーあ、ドクターだらしないぜ。びちゃびちゃだ…」
下着の中ではユヒトの放ったものが糸を引き白濁が溜まっていた。むっとする雄の匂い。
陰部の毛が濡れて茎に絡みつき、正直言って卑猥な画だな。
ユヒトにありのままを教えてやると、悔しそうに涙を流し恥ずかしがった。
「あんたの好きにしろよ」
王子には黙っててやるよ。あんたの身体と引き換えだ。
ユヒトにびっしょり濡れた下着を着けさせたまま、後ろの蕾に小さなローターを差し込んでやる。
進歩したのは医療や科学だけじゃないぜ、アダルト界だって目覚しく発展している。
自動で潤滑油を吐き出しながらそれは潜り込む。
「ケン!やめっ…、あ…」
俺は後ろに回ってユヒトの下着をキュッと持ち上げて尻に食い込ませてやった。
いずれユヒトの一番感じる箇所を探り当て、そこを集中的に攻めるだろう。
利口なおもちゃだ。中が感じるってどんななんだろうな。
俺にはわからんがかなり気持ちがいいらしい。こいつがいい例だ。
656ほしの王子様:2006/03/21(火) 22:22:34 ID:LwK24gQw
時々呻きながらユヒトは汗で光った身体をゆっくりとグラインドさせる。
口は僅かに開かれ顎まで唾液が伝っている。目は俺を見ているようで何も見ていない。
体内を這うローターに意識を集中させているのか、困ったような怯えた表情。
「あっ!」
ビクンと一際大きく身体を揺らし目を見開く。キタらしい。
「あああー!」
細い身体はピンと張り詰めた。余裕をもって床で踏ん張っていた足がカタカタ震えた。
縛られた腕は前に突き出し、尻は後ろに突き出す。ずいぶん色っぽいポーズだな。
「ケ、ケン…、お、ねがい…ああ!外し…とめて…」
これが嫌なら俺のものでも突っ込んでやろうかな、そう思った。
ところが部屋のスピーカーからコール音が鳴った。チッ…。
「ああっ、ああっ、ケ…も…ダメ…んああ!」
背後でユヒトの素敵な喘ぎ声が聞こえるがまず無視だ。
「なんだ船内呼び出しか。ユヒト、王子がお呼びだぞ」
「あああ!」
振り返るとちょうどユヒトが達したところだった。
俺のお楽しみは次の機会か…。少し気落ちしながら言ってやる。
「さて、殿下のご機嫌伺いに参上しようか」
--------------------------------------------------------------------------------------------
温室栽培ドームは暖かかった。かしこまったスーツなど着込んでいては不快に汗をかいてしまう。
二人は薄着の略装でドームへ続く扉を開けた。ムアっとする高気温、今が一番暑い時間帯だ。
「二人は仲がいいな」
並んで歩くユヒトとケンはお互い顔を見合わせた。そちらこそ、と嫌味を言いたくなる。
王子はカウチに横になりライトに奉仕させていた。
裸の上半身を船内太陽光に晒し、股間に押し付けられたライトの頭を緩やかに撫でている。
「座れ。ケン、政府側の動向に何か変わった事はないか?」
「いいえ、相変わらず王子のご帰還を願う文書が送られてくるばかりです」
「そうか」
政府とは名ばかりの生き残りの駐在機関、そんな文書は届くはずもなくケンは嘘の報告をする。
カウチの向かいのテーブルに座った二人はいつものような手順で報告をする。
傍らでライトの口淫が漏らす湿った音を聞きながら茶をすすった。
657ほしの王子様:2006/03/21(火) 22:23:51 ID:LwK24gQw
ライトは汗でシャツを透き通らせ懸命に頬をすぼませている。
ユヒトはぼんやりとそれを見つめていた。
できる事ならそのお役目を取って変わりたいと願いながら。
王子は時折吐息を漏らして満足そうに目を細める。
「サックスからの連絡は?」
「特にありません。今の所予定に変更がないので、迎えの準備も滞りないと思われます」
「それが予定に変更が出そうだ」
うっと身をつまらせて王子は欲望を吐き出した。
ライトの身体もビクリと震えてそれを飲み込んでいる。ふしだらな二人。
「こいつらの基地を置いている星が近くにあるんだそうだ。
そこへ寄らせて欲しいと言ってきた。ライト」
説明を促されてライトは立ち上がる。
口の端から零れた液を指で拭って威嚇するようにユヒトを見下ろす。
「食料も燃料も十分なんだけど、左翼に不備が出たらしいんだ。
まあそれでもサックスには行けるんだけど、メンテついでにクルーの入れ替えもしたい」
ユヒトとケンは目を合わせて頷いた。願ったりの事態だ。
「遅れの予想はどのくらい」
「三日ほどだそうだ。近くの衛星で修理をして停滞、俺は星に降りてみる。
他銀河の惑星を見てみたい。ケン、あちらさんには適当に言い訳しておいてくれ」
ようは王子のちょっとした我侭で寄り道をしようという事だ。
形だけケンは意義を唱えた。そんなに遅れてはサックス側に迷惑がかかる、
後々に支障をきたすかもしれない等々。
もちろん王子は立派に我を通し、うるさいとケンの意見を跳ね除けた。
ライトの要求が通ったようなものだ。彼は勝ち誇ったような顔で笑みを浮かべた。
「遅れるのはこの際構いませんが、王子がお出かけになるのはいささか…」
優秀なレナルディの護衛兵がいるわけではない。
ユヒトは海賊達の根城に王子が出向くのは反対だった。
「心配性だなユヒトは、大丈夫だ」
ですが、と食いつこうとするユヒトの体内で異変が起こる。
忘れていた存在が一瞬ブルッと震えた。
「……!」
658ほしの王子様:2006/03/21(火) 22:25:10 ID:LwK24gQw
ユヒトは言葉と身をつまらせる。例のケンの私物は未だユヒトの体内にあったのだ。
「ユヒト、俺も付いていくから大丈夫だよ」
ポケットの中のリモコンを弄りながらケンが白々しく言った。
黙っていろ、という意味だった。
「じゃあ決まりだね。ブルー進路変更だ、我が家に帰るよ」
ブルーとはライトの親衛隊の一人である。その名がイメージするように冷淡で涼しげな男だ。
ライトは嬉しそうに部下にそう命じ、王子に向き直った。
俺も早速、とケンはドームを後にする。そんな、とユヒトがケンを目で追う。
どうすればいい、一瞬で熱くさせられた身体を椅子に貼り付けてユヒトは驚愕する。
「ねえ、王子…」
シャツをはだけ王子の足を撫でながらライトは甘い声で王子を誘った。
ズボンの上から己をさすり白い上半身を自分の手で抱く。
すぐこれだ、と王子は呆れたように言ってライトを触ってやる。
淫乱に仕上げた真新しい遊び相手に一時の退屈しのぎ、
王子にとってはそれだけの存在でも見事にライトを増長させた。
ユヒトの目の前で王子に抱かれるのがライトのステータスになっているようだった。
ライトはユヒトが嫌いだった。
王子に付いて回るだけで器量以外何の取り柄もない。
王子が彼を擁護し可愛がっているのもまた気に入らない。
役立たずのユヒトが打ちのめされれば、それはそれは清々しいのだ。
「困ったやつだな、朝抱いてやったばかりだろう」
「王子が僕にこんな事をさせたんじゃないか。もっと触って…」
二人のやり取りにユヒトは目も当てられないでいる。
ギュッと拳を握ってティーカップを睨んだ。それでも無心ではいられない。
ケンが去った後、明らかに中の玩具の存在を感じる。
ケンが何かしたのは明白だ。どんどんと膨張し中を圧迫される。
「くっ…」
喘ぐライトの声に紛れてユヒトは小さく呻いた。
前立腺を圧され、それが鼓動するような動きを感じさせる。
ザワリと背中に虫が這うようで、ユヒトは耐えきれず天を仰いだ。
「んああぁっ」
ライトの声にビクリとする。見ると王子の上に乗って喘ぐライトのしなやかな身体。
659ほしの王子様:2006/03/21(火) 22:26:29 ID:LwK24gQw
内外の卑猥な環境のせいで余計に身体が熱くなる。
椅子に尻を押し付けてなんとか刺激を霧散させようと努力はするが、余計に感じてしまう。
猛り始めた自身が苦しい。
下着は先ほどケンに嬲られた時のまま、じっとりと濡れていて気持ちが悪い。
二度も達したのにくすぶるこの身体が憎らしいと思った。
しばらく王子の相手にされないで放っとかれた結果がこれだ。
もじもじと腰を揺すり、じわじわと足が開く。ダメだ…、小さく言ってユヒトは立ち上がった。
「ユヒト?」
後で何と叱責されてもいい、とにかく何とかしたい。
王子の呼び掛けを無言で振り切り、出口に向かってユヒトは歩き出した。
「あっ…」
交差する足の動きでさえも前立腺を刺激する。逃げ場がない。
カクリと膝が折れ、ついにユヒトはその場にしゃがみこんだ。
「ユヒト!」
ライトを跳ね除け王子は慌てて駆け寄った。
「どうしたユヒト!?」
肩を掴まれてユヒトは感じた。自分の身を案じる王子に不謹慎にも感じたのだ。
肩を擦る王子の手の温もりに、すぐ耳元で聞こえる声にユヒトは快感をつのらせた。
「かはっ…」
片膝を付き着衣のまま、近い王子の存在を餌にユヒトはイってしまった。
「ユヒト、具合が悪いのならそう言え」
「申し訳ありません…、下がらせていただいても…」
「当たり前だ、部屋まで連れて行く」
と王子に腕を取られてユヒトは立ち上がったが、まだ腰が抜けている。
このまま縋り付いていたいと一瞬邪まな考えがよぎったが、気持ちを奮い立たせる。
一人で歩けます、大丈夫です、と内心焦りながらも気丈に振舞った。
気付かれてはいけない、身体の傷もケンとの情事も、淫らな自分も。
ユヒトは笑顔を取り繕い王子の手にキスをする。
こんな私を心配して下さってありがとうございます。心の中で言った。
☆今回はここまでです。
660644:2006/03/21(火) 22:31:00 ID:EmRBcvoY
うわごめんなさい王子様!
あーもう泣く(つД`)
皆さん重ね重ね申し訳ない
661風と木の名無しさん:2006/03/22(水) 00:15:52 ID:zkj8m8p0
星王子GJ!!久しぶりの投下ムッハー(*゚∀゚)=3ユヒトはこの後、心配してくれた
王子に可愛がられるといいよ(・∀・)!!そして進化したオモチャも使われると
662風と木の名無しさん:2006/03/22(水) 00:31:05 ID:jhHNCO5F
王子タソGJ!!!
ユヒトの健気さに涙。





一般に会社等での会計期間は第○期と表記されまして、経理・会計的にも
「期末」という言葉を使いますので、644タソは絡まれるような厨発言を
してませんよ。
まあコレも含めて644タソに絡んだ人も雑談スレでやればよかった流れですね。


663風と木の名無しさん:2006/03/22(水) 12:14:07 ID:tVwiMkxV
王子様グッジョォォォォォブ!!
664風と木の名無しさん:2006/03/22(水) 19:46:36 ID:b0kBaGN9
あげ
665風と木の名無しさん:2006/03/22(水) 20:15:59 ID:tfhuqgH3
またvipきてるね
666風と木の名無しさん:2006/03/22(水) 20:24:42 ID:b0kBaGN9
あげあげ
667風と木の名無しさん:2006/03/22(水) 22:42:33 ID:J+PjdEs9
489バイト
668風と木の名無しさん:2006/03/22(水) 22:46:00 ID:Xk5UBSbm
>>660
気にしなさんな(´∀`*)ノシ
669風と木の名無しさん:2006/03/23(木) 10:02:25 ID:LH24yDx/
初めてこんなスレ見たわ…orz
やばいユヒトに萌え殺される…wwこんな文章力のある★たんにやや嫉妬w
脳内では少し眼鏡がズレつつ、責められるユヒトに萌。
670風と木の名無しさん:2006/03/24(金) 02:28:38 ID:CpgoW+4/
490KBです。
そろそろ新スレですか?
671風と木の名無しさん:2006/03/24(金) 12:59:38 ID:0Q76a4jq
安心して投下出来るように立てた方が良いかもね
672風と木の名無しさん:2006/03/24(金) 18:12:20 ID:Gjg115pk
じゃあスレ立ていってきます
673風と木の名無しさん:2006/03/24(金) 18:23:56 ID:Gjg115pk
【陵辱】鬼畜作品を創作して15thプレイ【SM】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1143191870/l50
674風と木の名無しさん:2006/03/24(金) 22:20:50 ID:9NipfhA7
age
675風と木の名無しさん:2006/03/25(土) 01:42:27 ID:YUJv8u1v
676風と木の名無しさん:2006/03/25(土) 14:47:02 ID:Bvkux8VL
うぅ
677風と木の名無しさん:2006/03/25(土) 14:48:00 ID:Bvkux8VL
さて
678風と木の名無しさん:2006/03/25(土) 22:15:31 ID:sYKEBxel
みなさん
679風と木の名無しさん:2006/03/26(日) 11:42:57 ID:E/8wOCW7
幸せに
680風と木の名無しさん:2006/03/26(日) 17:04:41 ID:JHYI8hDx
エエェどう考えても早杉だろ…
681風と木の名無しさん:2006/03/26(日) 19:23:45 ID:wt5GEm3h
>>680
そーろー?
682風と木の名無しさん:2006/03/26(日) 22:11:10 ID:cwcCk0rL
丁度よかったと思う。
中途半端にスレまたいで投下始まったらややこしいもの。
683風と木の名無しさん:2006/03/26(日) 22:24:13 ID:o4lDqJxD
いきなり大量に来たね。
梅代わりにこっちで言ってみる。
代理戦争タン超乙!エロ少な目でも激しくGJ!
684面会 1/6:2006/03/26(日) 22:26:14 ID:wPePNhlm
梅がてら、投下いたします。
容量計算したので多分大丈夫かと。

アイマスクとヘッドフォンを取っても、少年は直ぐには反応しなかった。
緩慢な仕草に焦れた職員が、乱暴に腕を取ると、あっ……と小さく肩を震わせる。
「触れるな」
豪奢な執務室の主である役人が咎め、手を引かせる。
「客人、こちらへおいで頂くためには段取りがあり、
目隠しや耳栓など色々と煩わしいことで申し訳なかったが、
これも全て、場所を分からぬようにするのは貴方の身を守るためだ。
決して罪人扱いしているわけではない。その点はご理解いただきたい」
役人の物言いは恫喝した物ではなかったが、少年の緊張はなかなか取れない。
無理もない。ここは日本ではないのだ。
正確には日本国内の領土だが、治外法権にある館に入るのは初めてだった。
役人は少年には分からぬ言語を扱い、少年を連れてきた職員を下がらせる。
「さて……」
役人が腰を下ろすように勧め、少年がぎこちない様子で従う。
「貴方は罪人ではないのだが、これから貴方が面会する人間は、罪人だ。
よって、身体検査をさせていただきたい。ご協力いただけるね?」
少年は、こくりと頷く。
立ち上がり、身につけた衣服をソファーに落とした。
役人がじっと見つめてくる視線が熱い。
全裸になると、役人は立ち上がり、少年へと近づいた。
少年の、だらりと下がった手がきゅっと握り拳を作る。
685面会 2/6:2006/03/26(日) 22:26:59 ID:wPePNhlm
役人は全裸の少年には見向きもせず、脱ぎ捨てられた衣服を手に取ると、
シャツやズボン、ベルト、下着に至るまでじっくりと細部を検分する。
少年の頬がうっすらと赤くなる。
ソファーの下に用意されていたスリッパに気がつくと、靴を脱いで靴下も取った。
スリッパに履き替える。
役人が間近で、線の細い少年を見下ろす。
「髪の中を調べさせていただこう」
役人は大人しく身を任せてくる少年の頭を手に取り、頭皮や耳の中まで覗き込んだ。
ややあって膝をつき、少年の顔を同じ目の高さで静かに見つめ、顎に手をかける。
「口を開いて」
少年は震える唇を、それでも彼の限界まで大きく開けた。
指示に従って舌を出し、問われるままゴム手袋の長い指を迎え入れ、口中をくまなく曝す。
数分後えづく少年を尻目に、役人は塗れたゴム手袋を屑籠に捨てた。
職務に忠実な役人は、新しいゴム手袋を今度は両手に装着する。
「肛門の中を開けて見せていただきたい」
少年は頷き、低いテーブルに片手を付いて足を広げ、尻を役人へと向ける。
もう片方の手で尻肉を掴んで、そっとうしろの様子を伺うと、
途端に衝撃が彼の体を襲った。
男の愛撫に慣れているのとは違う、かといって医者のような繊細な手つきでもなく、
執拗に体内を探り、体内に異物を運び込もうとしているのではないかと調べを進めていく。

少年は、ここに来るまでに何度も言い聞かせられた言葉を思い返していた。
ここは、日本ではない。だから、殺されても誰も罪は問われないし、
誰も彼を探しに来ない。
客人扱いにはなるだろうけれど、過度は期待はしないように。
従順であれ、さもないと帰れなくなるよ、と。
686面会 3/6:2006/03/26(日) 22:27:38 ID:wPePNhlm
「ご協力ありがとう」
役人の言葉は礼を失していない。
靴下と靴以外の着衣を進める物腰は柔らかだ。だが、目線がいつも鋭い。
少年は体をふらつかせながら、許された下着を身につける。
後ろの刺激で緩く立ち上がった前方を押し込めて、ふと顔を上げると、
かの役人が軽蔑と幾分かの憐憫の眼差しで見ているのに気がついた。
体が凍える気がする。
なんとか衣服を整えて案内のまま別室へと赴く。
どうせ、この衣服は直ぐに又取ることになるのだけれど。

再びアイマスクをとると、部屋の中は先ほどとは遠く、物寂しかった。
リノニウムの床に、片隅に洗面所の下にあるのは便器であろう、微かな異臭が籠もる。
窓がない。
四隅には監視カメラがおかれて、中央のけばだった毛布はこんもりと、
中に人が入っていることを示していた。
役人は厳しい言葉で少年には分からない言葉を発する。
職員や少年に対するのとは違う、憎しみさえ感じるような語気だ。
毛布がゆっくりと形を変えて中から人が姿を現す。
少年はひ、と小さく叫びを口中に押し止めた。
決して醜いというわけではない。年齢は30くらいか。
髪も、髭も、乱れ、どんよりとした眼で欠伸をする様子は、怪物のように思えた。
役人が咎めるように怪物になにやら言い、少年を突き出すようにして部屋を出て行く。
がちゃがちゃと鍵のかかる音がして、少年は取り残されてしまった。
687面会 4/6:2006/03/26(日) 22:28:13 ID:wPePNhlm
「おい」
役人より流暢な言葉で部屋の持ち主は少年を呼ぶ。
ぎこちなく歩み寄ると、毛布を背から落として男が胡座をかいて少年を招く。
すっぽりと身に収まってしまうと、意外に石けんの清楚な臭いがした。
監視カメラへと見せつけるように少年を抱き、頬や、首筋に唇を這わせながら
少年の身に付く物を一枚ずつ剥ぎ取っていく。
『オヤジから話は聞いているな。俺は男色の趣味はない』
一糸まとわぬ姿にされ、耳元の微かな囁きに少年は言葉に顔を上げる。
毛布をかけられ、床に寝せられて、声は出すなと言われて口だけで言葉を作る。
『お前、どこに隠してきた』
『前に……』
『あぁ?』
『僕の、ここの中に……』
いぶかしる男から僅か身を引くと、少年は先ほどより緩く勃ち上がっている性器を
手にとって男に指し示す。
『この中に仕込んできたって言うのかよ』
男が少年の性器を掴んで、先端を覗き込む。
無造作だが、尿道に細長い異物を仕込んできた少年には痛みが過ぎて、
男の手を押しとどめて少年は目を潤ませ、懇願する。
『大丈夫です。少し待っていただければ、お渡しできます』
男が面倒くさそうに少年から離れる。
意志は通じたらしい。
毛布を被って男にだけ見せるようにして少年は足を大きく広げて、自分の指で
後孔へと差し入れて内部から自分へ刺激を与える。
この日のために何度も練習したのだ。
奥まった異物を、後ろの刺激だけで先走りを出させて、押し出すことを。
688面会 5/6:2006/03/26(日) 22:28:46 ID:wPePNhlm
初めての場所で、初めての人間相手に練習の成果は出ない。
痛いほど勃起はしているのに、少年の前方の途中で引っかかったように出てこない。
何度も自分の善いところへ擦りつけて、先ほどから少年は時間の経過に焦りを感じる。
男が少年の腕を取って体を引き寄せる。
『呼んでいおいて、かわいがらないのも不自然だしな。鳴け』
よりによって少年の前方を扱き上げながら男が笑い、監視カメラへと見せつける。
ちぎれそうに、痛いのに。
涙をこらえて少年は言われるまま喘ぎ、強請るように男に身を擦りつける。
涙を舐め上げ、耳朶に口付けて男が全くぬめらない先端を撫でながら、
少年の耳元へと息を吐く
『出せないなら、噛み千切るぞ』
よく考えたらそっちが俺の趣味に合うし、あいつも納得するだろう。
と男が呟く。あいつ、とは連れてきた役人のことか。

少年は、従順であれという言葉を破って男から体を引き、膝をついた。
はっきりと口に出す。
「お願いです。お情けを下さい」
そうして男の持ち物に頬ずりをして口に含む。
泣き声だった。
何度も強請りながら、充分に湿らせて、男を見つめる。そして体を開く。
「仕方ないな。お前が動けよ」
「あぁっ……」
堅い床で、片足の足首を掴み上げて男は少年の背後に挿入する。
斟酌無い突き上げに、それでも少年はよがって腰を揺らす。
目的を忘れるほど滅茶滅茶にして欲しかった。
恐怖と緊張で固まっていた少年がだんだんと喜びに体を開花させていく。
その狂態は思いもかけず男の興味を引いたらしい。
689面会 6/6:2006/03/26(日) 22:29:47 ID:wPePNhlm
ぐっと男の怒張が脈打って膨らむと少年は一層よがって、喘ぐ。
戯れに腰を引くと強請って押しつけられる。そして内部は誘って蠢くのだ。
少年の体は細く、頼りないのに、驚くほど体の反応は雄弁で淫らだった。
幽閉生活の長さに、性欲を忘れていた男は感覚を取り戻していた。
二度、欲望を少年に注ぎ込んでいる。
男は目的を忘れていたように見えた。
少年もそうだったかもしれない。
少年の身を起こして、自分の膝に座らせて、間近で喘ぐ顔を鑑賞する。
最初にそうと言ったからか忠実に少年は鳴いてその喜びを男に伝える。
いつしか少年の前方からは、滴が零れていた。

確認して男はすっと目を細め、少年の体へ三度目の精を注いで身を抜く。
少年が足を広げたまま内股を震わせて潤む目で男を見つめる。
「まだ足りないというのか」
尻や太股を精液でぐちゃぐちゃにした少年の体を寝かせて、ぽかりと空いた
後ろの窪みへと指を差し入れる。
「あれだけしてやったのに、まだほしがっているのか。淫乱め」
泣きじゃくる少年の前方を咥えると、いや、と甘えた声がする。
構わずごりごりと長い指を、少年の一番感じるところに欲しいだけ
くれてやりながら男が少年のはち切れそうな中心を吸い上げる。
解放は近い。
口中で震える下肢を歯で固定して抑え、ゆっくりと先端に舌を割り入れてやり、
少年が尿道に隠してきた異物を取り出す。意外と太い。
ぐっとそれを歯で掴んで奪い去る。

少年が前も後ろも濡らしたまま、股間に手を当てて泣いている。
体の熱は解放されたが、仕事はこれで終わりではないのだ。
再び異物を回収することを考えると気が遠くなった。

──────────
終わりです。
690風と木の名無しさん:2006/03/26(日) 22:34:38 ID:Bwl7mnfd
埋めに使うなんてもったいない小説、おいしくいただきました。
691風と木の名無しさん:2006/03/26(日) 23:48:23 ID:3n8uS+zQ
乙。
692風と木の名無しさん:2006/03/26(日) 23:56:03 ID:QzpClFro
GJでした。
693風と木の名無しさん
しおり作ってみました。

覚めない夢>13-22>42-48>64-71>94-96>101-103>108-114>138-143>148-154
Uターン>25-32訂正>38
孤独の宙>56-62>231-239>453-456
バトンタッチ>75-81
ほしの王子様>86-90>311-317>328-335>466-473>556-564>652>654-659
不覚のF>169-177
雪隠詰>190-194>205-208>217-221訂正>224
代理戦争>247-257>270-277>369-372>374-380>382>414-419>422-424>498-507>523-534>599-604>606-610>612-614
記憶の青色>291-292
愛染の華>294
昼休み>296-301>346-351>457-461>538-545
オンラインゲーム>338-340>402-403>492-494
ショタ ファンタジー>429-430>435-436
報復>438-443>565-572>580-586
黄昏図書館>449-452
木の葉と大樹>475-476>485-486
面会>684-659