【2次】漫画SS総合スレへようこそpart21【創作】

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1作者の都合により名無しです
元ネタはバキ・男塾・JOJOなどの熱い漢系漫画から
ドラえもんやドラゴンボールなど国民的有名漫画まで
「なんでもあり」です。

元々は「バキ死刑囚編」ネタから始まったこのスレですが、
現在は漫画ネタ全般を扱うSS総合スレになっています。
色々なキャラクターの新しい話を、みんなで創り上げていきませんか?

◇◇◇新しいネタ・SS職人は随時募集中!!◇◇◇
SS職人さんは常時、大歓迎です。
普段想像しているものを、思う存分表現してください。

過去スレや現在の連載作品は>>2以降テンプレで

前スレ
【2次】漫画SS総合スレへようこそpart20【創作】
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1100095372/

まとめサイト  
http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/index.htm
2過去スレ:04/12/05 18:08:20 ID:FMsQt02U
俺達で「バキ死刑囚編」をつくろうぜ
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/01.html
俺達で「バキ死刑囚編」をつくろうぜ 2
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/02.html
俺達で「バキ死刑囚編」をつくろうぜ 3
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/03.htm
俺たちでオリジナルストーリーをつくろうぜ
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/04.htm
「バキ」等の漫画SSスレPart 5
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/05.htm
バキスレだよ!! SS集合! Part 6
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/06.htm
バキ小説スレ Part7
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/07.htm
【総合】バキスレへようこそ Part 8【SSスレ】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/08.htm
【バキ】漫画SSスレへようこそpart9【スレ】 (「少年漫画板」移転)
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/09.htm
【バキ】漫画SSスレへようこそpart10【スレ】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/10.htm

3過去スレ:04/12/05 18:09:25 ID:FMsQt02U
【バキ】漫画SSスレへようこそpart11【スレ】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/11.htm
【バキ】漫画SSスレへようこそpart12【スレ】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/12.htm
【総合】漫画SSスレへいらっしゃいpart13【SS】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/13.htm
【総合】漫画SSスレへいらっしゃいpart14【SS】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/14.htm
【バキ】漫画ネタ2次創作SS総合スレP-15【ドラえもん】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/15.htm
【2次】漫画ネタSS総合スレ16【創作】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/16.htm
【総合】漫画SSスレへようこそpart17【SSスレ】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/17.htm
【2次】漫画SS総合スレへようこそpart18【創作】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/18.htm
【2次】漫画SS総合スレへようこそpart19【創作】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/19.htm
4現連載作品:04/12/05 18:10:43 ID:FMsQt02U
※ほぼ連載開始・復活順 ( )内は作者名 リンク先は第一話がほとんど

ドラえもんの麻雀教室(VS氏)
 http://park14.wakwak.com/~usobare/dora/gateway.html
ドラえもん のび太の地底出来杉帝国(うみにん氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/dekisugi/01.htm
4×5(ユル氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/4x5/1-1.htm
ラーメンマン青年記(パオ氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/ra-men/01.htm
ザク(ザク氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/zaku/01-raou.htm
超格闘士大戦(ブラックキング氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/tyo-kakuto/01.htm
AnotherAttraction BC (NB氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/aabc/1-1.htm
ドラえもん のび太の神界大活劇(サマサ氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/sinkai/01.htm
AoB(仮)(ユル氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/yuru/03-1.htm
ディオの世界(殺助氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/dio/01.htm
5現連載作品:04/12/05 18:11:55 ID:FMsQt02U
アナスイの奇妙な(ぽん氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/pon/04-1.htm
マルチメディアinユーラシア(名無し氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/multi/01.htm
空手小公子愚地克己(メカタラちゃん氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/mekatara/01.htm
スチール・ボール・ラン 1st stage(スチール氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/steel/01.htm
輪廻転生(草薙京氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/rinnne/01.htm
のび太と大ローマ(名無し氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/ro-ma/00.htm
ドクターゲロのほんのお遊び(名無し氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/gero/01.htm
虹のかなた(ミドリ氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/niji/01.htm
帰ってきたドラえもん外伝(草薙京氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/kusanagi/01.htm
だいらいたいさい(ユル氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/yuru/10-1.htm
6:04/12/05 18:18:28 ID:FMsQt02U
初めてバキスレを立ててみた。俺乙。ミドリさんラブ。

でもなんか誘導アドが貼れないんで、
(アドレス欄にこのスレのアドが表示されない。何でだ?)
どなたか前スレに誘導レスを貼ってやって下さい。
7介錯人:04/12/05 18:29:25 ID:YedkgRwx
任務完了!
8作者の都合により名無しです:04/12/05 20:09:21 ID:8o3FIk22
おつかれでする。
9作者の都合により名無しです:04/12/05 20:22:25 ID:gxeQNPCM
      __
          _,-''''~:::::::::::::::::~`ヽ、
        ;x ':::::::::;:::::::::::::::::::::::::::::`;
      ,/:::;:::::;/{:::::;;{::;;;!;i:;:::::::::::::‘,
     i'::::i::::l;;;;t,  ゙ヾr・ャテミj::::::::::i::::::i,
     ヾ、レィr'さ!   ‘';J,!r'1:::l::::::l:::::::i,
       ゙i'`=ツ       l::::l::::::::l:::::::i,
.       ,1 ヽ、     l::::|:::::::::l::::::::!
        メ::i、  '';;^     ,!:::l:::::::::::l;::::::゙l
       i'::::l:::\   ,, ・'´l::::|!::::::::::|:i:::::::゙i
      i'::::{:::::l::::`1´    |::::|l:::::::::::l:::l::::::::゙i
       l:::::!::::l:::::::l     |::::|l:::::::::::|;::::l:::::::::゙i
.      |:::::l::::l:::::::l    l::::|l::::::::::l;ヾ::l:::;/ ̄~゙`ヽ、
      |::::::l::::oゾ      |:::|l:::::::::lノ  /      \
    x'´`;ーア~じ,   ,,vァ|:::|l::::::::l   r        }

お疲れ様です、>>1様。
皆様方、現スレも良い調子で終わると良いですね。
ミドリ様、いつもわたくしを上手に書いて下さりありがとうございます。
ではごきげんよう。
109:04/12/05 20:30:58 ID:gxeQNPCM
ああ、ちょっとズレた。
1さん、誘導レス前スレに張った7さん、お疲れ様です。
後は職人さんの投下を待つばかりですね。

ちなみに>>9は星矢の城戸沙織(アテナ)です。
11作者の都合により名無しです:04/12/05 21:30:50 ID:yCoyDkJb
お疲れ様です>1

職人さんたち、現スレでの活躍も期待しております。
頑張って下さい。
12おちんちん:04/12/06 05:47:40 ID:mQnA+s20
おちんちん
13作者の都合により名無しです:04/12/06 08:03:36 ID:9E4nTuSR
週末ローマさん来なかったか。じゃあ今日明日くらいかな?
NBさんやぽんさん、メカタラちゃんたちが復活する中、
スチールさんは10日以上来てないね。以前は毎日連載だったのに。
ま、今は年末で忙しそうですから年が明けたらドッと来るかな?
それにしてもミドリさん人気あるなw

遅ばせながら1サン乙。
14作者の都合により名無しです:04/12/06 08:37:41 ID:pWPo0bNe
1985さんの新作FLASHが来てるね。
15作者の都合により名無しです:04/12/06 08:41:03 ID:9E4nTuSR
本当だ。何の前触れもないなw
1985さんもそろそろ何か書き出すということか?
16作者の都合により名無しです:04/12/06 10:03:11 ID:QubyXHP0
>>14
「不良選手権」のFLASH?
ナロバンだから落とすのに時間かかるけど、それでも今までのより随分軽いね。

そして>>1乙。
17帰って来たドラえもん外伝:04/12/06 10:04:19 ID:X3vXwHgA
K’達は研究室でマキシマの護衛を続けていた。室内には換気扇の音とキーボードが叩かれる音
しか響いていなかった。スクリーンに映像がめまぐるしく表示されては、消えていく。
「ふーっ。一段落だ。」マキシマが腕を伸ばす。かれこれ10分間、ずっとデータを消し続けて
来たのだ。10分間という時間は短いが、世界でトップクラスのプログラミング技術を持つ彼は
精神力で膨大な量のファイルを迅速に手動で削除してきたのだ。
「どんな感じなんだ?」テリーがマキシマに訪ねる。
「半分は消した。奴らの計画はクローンによる地上制覇だな。」
「データの入っているフォルダからのフォルダへの移動は自動で出来ないのか?」
「それができれば楽なんだがね。残念ながらどのファイルもプロテクトがかかっていてね。
時間がかかる事この上ない。」
 K’はとある不安を感じていた。おかしい。機密ならトラップがあってもおかしくもなんともない。
自分達はおびき寄せられたのではないか? ドアの方を見ても人っ子一人いなかった。
「ん?」マキシマが素っ頓狂な声を上げた。技術者の彼でさえも顔に汗が浮かぶ程の事らしい事は
テリー達にもわかった。
「どうした?」テリーがマキシマに訪ねる。
「データが移動した。誰かが突然に動かした?」
突如、彼らの後ろで物音が聞こえた。三人が振り向くのと部屋の中に投げ込まれた物から煙が出て来るのは
同時だった。
18輪廻転生第二部:04/12/06 10:05:18 ID:X3vXwHgA
17はタイトル変更忘れてました。すいません



「かかかか!ちょろいもんじゃのぉ。お前ら、かかれ!」部屋の前に立つ白髪の老人の声を合図に
十数人程の黒い戦闘服に防弾チョッキを着込んだ男たちがマキシマ達のいた部屋に突入した。
銃声と人のうめき声が聞こえた。博士の鼻腔を血の匂いがついた。殺すなとは言ってある。
重症を負わせただろう。
 「ふははは。ネズミを3匹捕らえたって所じゃのう。」高らかに笑いながら博士が部屋に入った。
煙が晴れてきていた。足元には数人の黒服の男達が倒れていた。武器を使ったとも考えられる。
博士はカチリという音を聞いた直後に、自分の後頭部に冷たい物を押し付けられた感触を覚えた。
「なめてんじゃねぇぞ。こういう事もあろうかと思ってガスマスクを用意しといたんだ。」
煙が完全に晴れた頃、博士がみた物はガスマスクをした3人の男と床に倒れている部下達の
姿であった。
「案内してもらおうか?あいつらの所へ」K’が博士の胸倉を掴みながら博士に言った。
19輪廻転生第二部:04/12/06 10:05:53 ID:X3vXwHgA
その頃、ラルフ達はエンジンルームへと向かっていた。機械独特の低い駆動音が聞こえてきた。
エンジンルームを管理する人間はいないらしく無人だった。明かりは薄暗かったが足場に困ることは無かった。
「この空母のエンジンはでかい。一発やそこらで大爆発を起すほどの爆弾はこちらにはない。だから分散してつける。」
ラルフが提案した。
「さっき確認しましたがここには監視カメラはついていません。」クラークが説明した。
三人は爆弾を設置し終わると、腕時計のスイッチを入れた。
「こちらクラーク、どうぞ。」すると腕時計から庵の声が聞こえてきた。
「こちら庵。今回りに敵はいない。爆弾は設置し終わったようだな。今K’から敵の一人を
捕虜にして道のりを聞き出す事に成功したという連絡が入った。」
「地図を送ってください。」するとクラークの腕時計からホログラムが映し出された。赤い○
のついている所が現在地だとするならば緑色の○の場所が目的地だろう。
「9人では通路が狭い。だから別々のルートを行く。」庵が冷静な指示を出す。
「了解。恐らく、到着は最後になると思いますが・・・。」クラークは失敗の可能性を心配していた。
一足遅ければ仲間がやられる可能性だってあるからだ。仲間が人質にとられた場合の奇襲作戦も
考えられたがそれは危険性の方が高い。
「構わない。最悪の事態が起こった場合は応援を呼んでくれ。」
「了解。」


今回の投稿はこれで終わりです。
20輪廻転生第二部:04/12/06 10:36:29 ID:mQnA+s20
そしてラルフが言った。
「ぬるぽ」


今回の投稿はこれで終りです
21ザクUVS東方不敗(四):04/12/06 16:43:32 ID:QubyXHP0
22ザクUVS東方不敗(四):04/12/06 16:44:19 ID:QubyXHP0
――プルァズマクロォォォォォォ!!最ッ!大ッ!出力ッッ!!
 交差するプラズマクローが閃光を発し、大きく、大きく膨れ上がる。そして指先から迸るプラズマは柱状
から形を変え、ザクの両掌の中でバチバチと音を立て青い球電となる。
 さらに排気口からフォー、フォーと吐息のようなものが漏れ、球電はさらに一回り、二回りと大きくなる。
 『気』を練り上げ、球電と混ぜ合わせているのだ。
――俺の体がぶっ壊れてもかまわない!もっと、もっと力を!
 球電がもう一回り、膨れ上がった。

「はぁぁぁぁぁあああ!!流派ぁ!東方不敗がぁぁぁぁぁぁ」
 金色の機体のただ一点、左拳が黒い気に覆われていく。
 力を溜めれば溜めるほどそれは大きく膨れ上がっていき、ついには直径5メートル程のエネルギーボー
ルを形成する。
「最終奥義ぃぃぃぃぃぃ!!」
 東方不敗は左拳をひき右掌を前に突き出し、構えを取った。

「ふ……二人とも、もの凄い気を放っている……」
 モニター越しに闘いを見守るキテレツが、ノヴァの傍らで言葉を漏らす。
「この勝負、一体どっちが――」
 言いかけるが、ノヴァがその先を遮る。
「来ます!」

――千歩!
「石破!」
――気功!
「天驚!」
『けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇんッッ!!』

 ザクの両掌から青い気弾が、マスターガンダムの左拳から黒い気弾が、同時に放たれた。
23ザクUVS東方不敗(四):04/12/06 16:45:34 ID:QubyXHP0
 ザクの放った気弾を眺め、キテレツが不思議そうに問う。
「ザクさんにあんな武装、ありましたっけ?」
「ザク君は男塾での10年に及ぶ修行を経ても、千歩気功拳を完全に習得することは叶いませんでした」
 ノヴァがそれに答える。
「しかしプラズマ技を使えるようになった今、彼は気とプラズマを融合させることで千歩気功拳を超える
千歩気功拳を生み出すに至ったのです。あの技は言わば『プラズマ千歩気功拳』!」

 東方不敗の石破天驚拳とザクのプラズマ千歩気功拳は衝突すると同時に反発しあうことなく融合し、
一つの火球を造り出した。混ざり合い青くなった火球は膨らみながら過熱していき、両側の崖を溶かし、
岩石をガラス質へと変えながら削る。
 青い火球は徐々に色彩を変えてゆき、ついには緑色になった。

「あれはどういう現象でしょうか?」
「マスターアジアも気とプラズマの融合技を用いているようですね!」
 ノヴァが手に汗を握り、興奮気味に答える。
「両者の技の要諦は、気とプラズマの混合炎を磁力により操り放つものと思われます!二人の放った
プラズマは両側から磁力により閉じ込められていますが、どうやら東方不敗はそれをサイクロトロン共鳴
を利用しどんどん加熱しているようです!色温度から察するに、あのプラズマは既に50万度を超えて
いる!それは自己再生能力を持つザク君、マスターガンダムの両者にとっても必殺の高熱!!
まさに『プラズマ・キュポラ(溶鉱炉)』!!この原理を用いれば理論上1億度以上の高熱を生み出すこと
も可能です!」
 ノヴァは汗のにじんだ手でプリンの乗った皿を取り、一口すくって食べてから続ける。
「拮抗している磁力のバランスがわずかでも崩れれば、パワーの弱いほうが高熱プラズマ気弾をまともに
浴びることになる!しかもこうしてプラズマを挟んで対峙した形になってしまってはスペック・技量共にマス
ターガンダムに劣るザク君の圧倒的不利!」
 プリンの皿をかちゃりと置き、スプーンのみを握ってノヴァが言う。
「ザク君がこの状況を打開する方法は……この私でさえ思いつきません……」
24ザクUVS東方不敗(四):04/12/06 16:47:59 ID:QubyXHP0
 ザクは両手をもって全力でプラズマを押すが、東方不敗は左拳一つで、余裕の表情で相対している。
 ついにはザクの両肘関節がオーバーヒートを起こし、ぶすん、と小さな爆発音を立てて煙を上げる。
――俺は全力で千歩気功拳を放っているというのに……東方不敗は……ッッ!!
 ザクの姿を不甲斐なしと見、東方不敗は笑い声を上げた。
「だぁっはっはっは!そこまでか!貴様の力など、そこまでのものに過ぎんのか!それでも『真苦露西手
意』に立ち向かう戦士か!」
 少しずつ、少しずつ、プラズマ球が崖を削りながらザクの方へと押し出されていく。
 ザクの足元の大地がめり込み、沈む。だがいくら全力を賭そうとも、プラズマ球は確実にザクの方へと
流されていく。
――ぐっ……ああ……
 ザクの両肩から、煙が立ち昇りだしている。
「足をふんばり、腰を入れんかッ!そんな事では悪党のわし一人倒せんぞ、この馬鹿者がぁぁぁぁ!!」
 体を支える両膝がいかれ、折れた。ザクは両掌をあげたまま膝をつき、うめき声を上げる。
――ぬぅ……うおお……
「何をしておる!自ら膝をつくなど、勝負を捨てた者のする事ぞぉぉぉぉぉッッ!!」
 東方不敗が気を高め、一気にプラズマ気弾を押す。ザクは全身をがたがたと震わせながらこれを押し
返そうとするが、抵抗もむなしく、プラズマは確実にザクに近づいてゆく。これを浴びたら今までの闘いが
全て無駄になる。その一念のみがザクを突き動かすが、それも限界が近づいてきている。

「刃牙さん!巻き添えを食う前にここから逃げるナリよ!」
 ザクの後方50メートル地点の岩陰に隠れるコロ助が刃牙に言う。
「俺は、俺はここを動かねぇッッ!!」
「ザクさんが負けたら、わがはい達まで丸焼けになってしまうナリよ!」
「最後までこの闘いを、親父の師匠とザクの決戦を見届ける!この闘いからきっと何かが得られるような
気がするんだッッ!!逃げるなら一人で逃げろッッ!!」
 刃牙のその言葉に触発されたのか、コロ助も覚悟を決め、どこからともなく取り出した鉢巻を頭に巻き
つけ刀を構える。
「なら、わがはいもここを動かないナリよ!!」
25ザクUVS東方不敗(四):04/12/06 16:51:23 ID:QubyXHP0
「立てぇい!!立ってみせぇぇい!!」
――う……うるさいッッ!!
 ザクは最後の気力を振り絞って立ち上がる。がくがくと笑う膝を押さえるさえできないが。
――俺はあんたを倒し、先へ進む!範馬勇次郎を倒すため、さらなる高みへ昇る!!
「ガァァァァァァァァ!!」
 ザクが雄叫びを上げ、プラズマを押し返した。東方不敗はさらに気合を入れてそれを押し戻そうとする
が、その時。
「がはっ……」
 咳と共に喀血が飛び出し、東方不敗は膝をついた。
「ば……馬鹿な……こんな時に発作が……ッッ!!」

「マスターガンダムが膝をついた!」
 キテレツが叫び、ノヴァがその後にスプーンでモニターを指し、次ぐ。
「機です、ザク君!」

「とどめをうてぇぇぇぇぇぇ!!ザク〜〜〜〜ッッ!!」
 範馬刃牙が拳を握り、叫んだ。

――うおおおおおおおおおおおおおおおお!!
 ザクは残された気力を振り絞り、プラズマ気弾を後押しした。抵抗も無くプラズマは一気に奔り、マスタ
ーガンダムを飲み込む。
「ぬあああああああああ!!」
 東方不敗の断末魔の叫びが峡谷に木霊する。
 ザクは拳を握り締め、叫ぶ。
――ヒィィィィィトォォウ、エンド!!
 マスターガンダムが大爆発を起こし、大破した。
26作者の都合により名無しです:04/12/06 17:21:31 ID:oi/0Tdp2
1985よ 糞のカスのようなフラッシュを作っている暇があったら首をくくって下さい
バキスレ以外のフラッシュは迷惑以外の何者でもありません
バレ氏の負担になります 素で氏んで下さい ちょっと褒めてやったからって調子に乗らないで
27ザクUVS東方不敗(四):04/12/06 17:25:21 ID:QubyXHP0
 どこまでも青く、暗い空間。そこを東方不敗は目を瞑り漂っていた。
 そこにはいかなる感覚も伴わず、ただただ、穏やかに静かな空気が流れていた。
『マスター……マスター……』
 頭の中に、直に何者かの声が響く。だが、東方不敗はぴくりとも動かない。
『マスターアジアよ、迎えに来たぞい』
 東方不敗の傍らに、死んだはずの郭海皇が、武天老師が、葉隠朧が、ガイゼリックが現れた。
『すまなんだのう、マスターよ。わしらシャッフルの仲間がお前さんの気持ちに気付いてさえいたら……』
 武天老師が謝罪の言葉を述べるが、東方不敗は「かまわん」といわんばかりにふっと笑みを浮かべる。
『お前はシャッフル同盟の中では私に次ぐ若輩者……。人類の醜さに耐え切れず人類抹殺の道に走った
のも分からぬでもない。ただ、お前は人類の罪の償い方を間違えたのだろう』
 葉隠朧が言う。
『とはいえ、我らシャッフル同盟の取った道が、戦争に加担するというやりかたが正しかったとも言える
わけではない』
 ガイゼリックの言葉が後に続く。
『今のこの世の中、誰もが間違った道を歩もうとしておる。わしらに出来るただ一つの事といえば、新しい
シャッフルの者達を信じることだけではないかのう。マスターアジアよ、その紋章、キング・オブ・ハートの
紋章は、あの者に――』
 郭海皇のその言葉を最後に、シャッフルの戦士達が遠ざかっていき、消える。
 そして東方不敗の意識も混濁の中へと堕ち――

 東方不敗は、ザクの手の中で目を覚ました。


28ザクUVS東方不敗(四):04/12/06 17:27:18 ID:QubyXHP0
――目を覚ましたか、東方不敗。
 ザクが信号を送り呼びかける。
――あんた、最高に強かったよ。病気さえなかったら、まず俺が負けていただろうな。
「……ザクよ」
――男塾に王大人っていう名医がいるんだ。そいつに病気と怪我を治してもらえばあんたはまだ闘える。
今度こそ、俺と一緒に本当の意味で世界を救う方法を――
「聞けい、ザクよ……」
 ザクの言葉を制止し、東方不敗が弱々しく言葉を紡ぐ。病と『プラズマ・キュポラ』の挟み撃ちで、既に
瀕死の状態にあった。
「わしはもう天に召されるときが来たのだ……。それに、わしは己の言葉を曲げるつもりは無い。人類は
地球に巣食う害虫よ……。だがな、お前の言葉を聞いてわしの中に戸惑いが生じたのだ。『地球と人類
は母と子。それを引き裂くなど愚の骨頂』。わしは、道化を演じておったのかもしれん……」
――東方不敗……
「ザクよ……お前にこの紋章を、キング・オブ・ハートの紋章を授ける。この紋章を持つにふさわしい者
は、お前しかおらぬ」
 東方不敗が右拳を掲げると、そこに一瞬キング・オブ・ハートの紋章が浮かぶ。かと思うと、次の瞬間に
はそれが消え、ザクの右拳にその紋章が宿っていた。
――俺の拳に、紋章が……
「わしらと貴様、はたしてどちらが正しいのか。散とお前の闘いの中で明らかになることであろう……。
世界各地に散らばった新しいシャッフルの仲間を集めよ。お前がリーダーとなり、五人で立ち向かえい!
われらが秘密結社『ソドム』に!」
――秘密結社、『ソドム』……それは一体!?
 だが東方不敗は答えず、横たわったまま懐から何かを取り出し掲げ、最期の言葉を放った。
「さらばだ!遥けき彼方よりこの先の闘いを見守らん!」
 かはぁ、と吐息を漏らし、東方不敗は息絶えた。
 東方不敗の手は力なく倒れ、握っていたものがザクの手の中に転がりだす。
 それは、三つの星を内に輝かせる小さなオレンジ色のボールだった……。
29作者の都合により名無しです:04/12/06 17:33:10 ID:QubyXHP0
今回投稿終了。次回よりスパロボ展開。
30蟲師 雲散霧消:04/12/06 19:08:37 ID:icGMUlPb
一つ空けます
31蟲師 雲散霧消:04/12/06 19:20:17 ID:icGMUlPb
 『蟲』というモノがいる。
 それが見える人間と見えない人間とは別れているが、世界の隅々にまでそれはいる。
 それらは生命の中間であり、それ故とても微細、下等なモノだ。
 だが、それらの生態は奇怪極まりない。その奇妙なモノ達を知ろうとしてきたのが『蟲師』。
 蟲が、自らが生きる為起こす常識の量りを超えた現象に、ある者は戸惑い、ある者は恩恵を受ける。
 そんな時、蟲とヒトとの間を仲介しようとする存在が蟲師である。
 これは、ヒトと蟲との世を繋ぐ蟲師<Mンコの物語――


32蟲師 雲散霧消:04/12/06 19:26:30 ID:icGMUlPb

 恐らく、何十年も昔は、豊かな森だったのだろう。
 『光脈筋』というモノがある。例えるなら、それは生命の河。これが流れる土地は富み、動植物の楽園と
なる。この森にも、僅かながらそれが流れていた跡があった。
 だが、今は――

 「ここが、そうか」
 蟲師間で近頃噂の絶えなかった、霧に囲まれた地。成る程、やはりこの霧は『蟲』だ。そして、この蟲は
ヒトに災いを呼ぶ類のモノだ。
 霧の中がおぼろげに見える。村がある。そしてその奥には大きい建物が見える。
 それだけ確認すると、ギンコは蟲除けを体に纏い、霧へと一気に飛び込んだ。

 村には、そこらのそれと変わらぬ営みが存在しているように見えた。
 子供達は外で皆して遊び、大人達は生活の糧となる作物作りに精を出していた。
 そして、霧の近くで遊んでいた子供達が最初に気付き、声を上げた。
 そしてその中の何人かが大人を呼び、程なくしてこの村の住人ほぼ全てがその男を凝視してざわざわと
話し合っていた。
 その男、いでたちは洋装、白髪、緑色の瞳――和装が当然の人々の目には、どれ程奇異に映ったことか。
 (なんなんだ……そんなに珍しいか?)
 ギンコは、心中で愚痴った。

 
33蟲師 雲散霧消:04/12/06 19:30:40 ID:icGMUlPb

 村の人々が驚くのは当然のことだ。何しろ、村が霧に包まれてから、中に入ってきた初めてのヒトなのだか
ら。しかもそれがおよそ一般人とは思えない男である。
 「蟲師のギンコです。早速お聞きしたい。勿論、この霧のことです」
 村長の家に招かれたギンコ。中には彼と村長と、あと数人の村の実力者が座していた。
 「蟲師……? では、この霧はただの霧ではないと?」
 「ええ。これは蟲です。『キリノモノ』という。キリノモノは光脈筋という生命の溢れる光の連なりにくっ付いて生
きる、本来ヒトには害の無いモノです。それが今回は何故かこの辺りに憑いてしまった」
 それは、蟲の営みに突然生じた紛れ。本来の生き方とは外れてしまったキリノモノは、どうやってかは分から
ないが、ともかくここで生きている。
 ギンコは目の前の村長達を見た。皆、大体三十代から四十代といったところだろう。これはおかしい。普通、村
で力を持っているのは人生の晩年を迎えた老人達だ。
 「……気付かれましたか」
 村長は語った。霧に囲まれてから、村の人間全ての姿が変わらなくなった。その上、霧により日が遮られ、昼か
夜かも知れず、時の経過すらもつかめないのだ、と。
34蟲師 雲散霧消:04/12/06 19:34:11 ID:icGMUlPb

 光脈筋の跡から判断するに(光脈筋が森を去った直後にキリノモノが村に憑いたと仮定するなら)時の経過は2、
30年といったところだ。ギンコは、光脈筋の跡をよく見ておいて助かった、と安堵した。何故なら、ギンコもまた霧の
外に出ることが出来なくなっていたからなのである。もっとも、色々と手立てを考えれば出ることも出来そうだが、生
憎この村からキリノモノを払うまで、立ち去る気はさらさら無かった。
 ギンコは調査を続ける。
 「光も射さないのなら、なぜ大人達は農作業などしてるんですか。食い物など、採れんでしょうに。採れたとして、村
の全ての人間を養えるだけの量とは考えにくい」
 「いえ、それが採れるのです。少ないどころか、かつて日が射していた時よりも大量に――」
 この者が――と言って、村長は同席者の1人を指差した。
 「霧に囲まれしばらくして、貯めてあった食物も尽き、この者が苦し紛れに天に祈ったのです。神と言うものが居ら
れるのなら、食物が大量に採れる様にして下さい≠ニ」
 ギンコは、訝しげに、
 「……そしたら、急に作物がどんどん採れる様になったと?」
 「はい」
 キリノモノは、ヒトの願いを叶える? いや、考えられるとすれば、叶えるのではなく、与えているのだ。キリノモノの生命
の糧がヒトだとするのなら、その生命を絶やすことは即ち、自分の生命を絶やすことと同義となる。エサを生かすために、
キリノモノが自分の意志で与えているとしたら――
 「そういえば……先程、言い忘れていたのですが」
 村長が思い出したように口を開く。
 「村が霧に包まれる直前、あなたのように蟲師と名乗った男性が、幼い少女を抱えてこの村を訪れたのです。そして、彼
が村を出た直後に、霧が村を覆いました」
35蟲師 雲散霧消:04/12/06 19:43:42 ID:icGMUlPb
書き込み難い……まあ、無理矢理書き込むのは2ちゃんに良くないとは思うので、悪いなあとは思いますが。

ちなみに『蟲師』がメインタイトルで、今回の場合『雲散霧消』はサブタイトルですので。言うまでもありませんが
エピソードごとに変わります。

本当は終わりまで書こうと思ったんですが、ネタに詰ったのでちょっと冷却期間をw『雲散霧消』を終らせたら、
とりあえず『ゲロ』に集中します。もう少しですんで。

前スレ>>501
正直、疲れてます。寝たい。

>>515
ないでしょう、多分w

>>517
あなたのレスを見るまで気付きませんでした。大して中身の無い連載で長編に入ってしまうのは少々心苦しいの
ですが、まあ、そこそこ書いたな、と。蟲師は、知らない人にも楽しんでいただけるよう頑張ります。つーか、知ら
ない人のが多そうだ……

36作者の都合により名無しです:04/12/06 20:14:36 ID:VhgdxutB
>>17は輪廻転生か。ちょっとびっくりしたw

>草薙氏
なんか、一部とは打って変わっての大抑な雰囲気ですな。世界制覇ですか。
潜入・破壊工作を続けるラルフが、その魔手を阻む希望の星となるのか?
そろそろ肉体のぶつかり合いの戦いを見たいなあ。

>ザクさん
ザクの中に塾長の最強遺伝子が息づいているのですね。千歩気功拳とは。
東方不敗は暑苦しくていいなあ。死んじゃったけどwしかしまだまだ続きますね。
悪の組織と最後のボールwいや、ずっと続けて下さい。楽しみにしてますので。

>ゲロさん
おお、新作!かねてより予告の「蟲師」ですか。新連載、乙!
正直、元の作品はまったく知りませんが、オリエンタルな、呪術風の世界観に痺れました。
孔雀王っぽい作品になるのかな?「蟲師」の能力、どういう物に成るのか楽しみです。

>1985さん
フラッシュ見ましたよ。一作ごとに腕が上がっていきますね。お疲れ様です。
でも、今度はSSで「お疲れ様」と言わせて下さい。待ってます。
37作者の都合により名無しです:04/12/06 20:18:20 ID:VhgdxutB
>>17は輪廻転生か。ちょっとびっくりしたw

>草薙氏
なんか、一部とは打って変わっての大抑な雰囲気ですな。世界制覇ですか。
潜入・破壊工作を続けるラルフが、その魔手を阻む希望の星となるのか?
そろそろ肉体のぶつかり合いの戦いを見たいなあ。

>ザクさん
ザクの中に塾長の最強遺伝子が息づいているのですね。千歩気功拳とは。
東方不敗は暑苦しくていいなあ。死んじゃったけどwしかしまだまだ続きますね。
悪の組織と最後のボールwいや、ずっと続けて下さい。楽しみにしてますので。

>ゲロさん
おお、新作!かねてより予告の「蟲師」ですか。新連載、乙!
正直、元の作品はまったく知りませんが、オリエンタルな、呪術風の世界観に痺れました。
孔雀王っぽい作品になるのかな?「蟲師」の能力、どういう物に成るのか楽しみです。

>1985さん
フラッシュ見ましたよ。一作ごとに腕が上がっていきますね。お疲れ様です。
でも、今度はSSで「お疲れ様」と言わせて下さい。待ってます。
38作者の都合により名無しです:04/12/06 20:20:30 ID:VhgdxutB
ああ、連投すみません。
なんかやたら鯖重いんで何回かボタン押したら
連投になってしまいました。
職人さん、住民の皆様お許し下さい。
39作者の都合により名無しです:04/12/06 21:26:52 ID:CtrSLkAv
蟲師期待できそうだ。原作さっぱり知らないが、雰囲気がとても良い。
和風な話ですね。こういうのはありそうでなかった。

ザクさんも相変わらず面白いし、草薙さんも腕を上げてるし、幸先いいな。
1985さん、SSもお願いしますよ。
40作者の都合により名無しです:04/12/06 22:23:30 ID:pWPo0bNe

>草薙さん
台詞ごとの改行ですごい見やすくなった。
これまで改行が無かったから、だいぶ損してた。
だんだんストーリが緊迫してくるし、いろいろな意味で楽しみ。
しかし>>17はタイトルのつけ間違いか。騙されたと思ったよ。

>ザクさん
最期まで熱かったな、マスターアジア。
新章はスパロボ展開か、マジンガ―とか出るのかな?

>――ヒィィィィィトォォウ、エンド!!
これってGガンの台詞かな? 
ネタが分からないのがもどかすぃ。

>蟲師

     ∧_∧∩ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ( ´∀`)/< 先生!
 _ / /   /   \   元ネタ知りません!
\⊂ノ ̄ ̄ ̄ ̄\  \_______________
 ||\        \
 ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||  
 ||  || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
    .||          ||

でも、何だが自分好みの世界観みたいなので、誰か詳細教えて下さい。


最後にスレ立て乙 >1
41作者の都合により名無しです:04/12/06 22:30:01 ID:NVZMTFqv
>ヒートエンド

Gガン原作において、主人公のドモンが必殺技『爆熱ゴッドフィンガー』を放ったときに、最後に言う決め台詞
赤熱した指で相手を貫いたまま持ち上げ、この台詞と同時に相手は爆発する
42作者の都合により名無しです:04/12/06 22:34:09 ID:NVZMTFqv
>蟲師
詳細といっても、ほとんどの説明は>>31で為されてる。
基本的に一話完結形式で、毎回様々な『蟲』にまつわるエピソードが語られる。
アフタヌーンで連載中。単行本も現時点で5巻まで出ている。
43作者の都合により名無しです:04/12/06 22:53:52 ID:pWPo0bNe
>>41
>>42
アリガトオォォッ!!

早速、マンキ行って読んでくるよ
44作者の都合により名無しです:04/12/07 00:03:28 ID:hoW++i99
いやまさか蟲師のSSが拝める日が来るとは・・・
どマイナーかと思っていたが
考えてみたら色んな雑誌に引き抜かれてるんだもんな。
不思議で面白くて好きだアレ。
45作者の都合により名無しです:04/12/07 08:01:06 ID:+snEr8Zl
>色んな雑誌に引き抜かれてるんだもんな
そんなに魅力ある作品なのか、虫師?一度読んでみよう。

草薙さん、ザクさん、ゲロ作者さん乙。
・草薙さん
展開がいきなりなのは個性みたいな気がしてきたwここ最近緊張感があってGJ!
・ザクさん
ザクの機械的な温かさとアジアの熱血の対比がイイ。スパロボ展開期待してる。
・ゲロ作者さん
ちょっと突き放したような世界観がイイ!でも救いのない話になりそうですなw


ゲロ作者さんはなんか名前を名乗ってくれるとありがたいんですが。
46帰ってきたドラえもん:04/12/07 10:20:50 ID:rjAW+CFS
勇次郎はのび太と刃牙が向かい合っている所を見て先刻交わしたドラえもんとの会話を思い出していた。
のび太誘拐の知らせが入る数十分前の事である。

「ドラえもんよ。お前があのガキを強くするためにつかったあの白い小さな直方体・・・。あれは一体
何なんだ?俺の体の柔軟性と反射神経をコピーしたとか何とか言っていたが・・・。」勇次郎が訝しげな顔でドラえもんに尋ねた。
「あれは22世紀のおもちゃなんです。「ヒーローなりきりセット」とかいって空を飛べるマントとかあるんですけど、アレはその内の
一つなんですよ。」ドラえもんが説明した。
勇次郎が白々しい顔でドラえもんを見た。場に気まずい雰囲気が流れた。常人なら失禁してしまそうな程の真っ黒なオーラが勇次郎から
放たれていた。ドラえもんはそれを見るとごくりとつばを飲んだ。話を持ちかけたのは自分であり彼の欲求も満たしたはずだ。ではなぜ?
「ドラえもんよ。奴と戦れたのは感謝している。ああいう極上の料理はめったに出会えるもんじゃねぇ。
だがよ・・・俺があのガキに丁寧に武術を教えてやっているというのにお前は遊び道具を手渡したのか・・。」
ドラえもんのヒゲは逆立っていた。これは人間が発する事のできる殺気を超えている。魔物か何かのようなモノが取り付かない限り
ここまでドス黒いオーラは出せないだろう。
「あの、遊び道具は・・・道具に触れた人間の能力をコピーできるんです。それを体につければヒーローみたいに強くなれるというものですよ。」
ドラえもんが冷や汗をたらたら流しながら説明する。
「強くなりたければ・・・俺の筋力をコピーすればすむ話だろうが。ケンカでも俺の筋力でただぶん殴ればいい話だ。他の奴らは
”鬼の一撃”と勝手に呼んでいるがな。」勇次郎がドラえもんの説明を聞いてますます不機嫌になった様にいう。
「いえ・・・あれはあなたの様な強靭な肉体を持つ者の筋力をコピーして使った場合は非常に体力を使うものなんですよ。だからもしのび太が
筋肉ムキムキになっても5秒と立っていられませんよ。だからあなたの持つ柔軟性と反射神経をコピーしたんです。体が非常に柔軟になって
神経が非常に鋭くなるだけですから・・。」
「反射神経がいいのはいいが、かなりの精神力を使う事になるぞ?」勇次郎が思いついたように疑問点を指摘する。
「彼の特技を知ってるでしょ。射撃ですよ射撃。彼は看護婦が静脈に注射を打つような気持ちで的に必ず当てるんですよ。もちろん動きながらでもね。」
「へぇ・・・意外な長所があるな。あのガキ、美味くなりそうだぜ・・・。」勇次郎が感心した様にコメントした。
47帰ってきたドラえもん外伝:04/12/07 10:21:41 ID:rjAW+CFS
刃牙は落ち着いて戦法を考えていた。戦法といっても彼にとってはこれは戦闘ではなかった。
これは一種の賭けだ。今目の前にいる少年に触れる事が出来れば奴と戦れる。攻撃ではなくてもいい。
ただ彼に手で触れるだけで勇次郎と戦える。そして自分の中では勝てる確立は百パーセントに近かった。
「だっ!」刃牙が手を出した。掌底で目隠しをした状態だ。そして右の掌底を放つ。もちろん威力は
最低だ。ジャブよりも力を抜いている。だが、刃牙の攻撃は当たる事はなかった。のび太が一歩後ずさったからだ。
「本能みたいだね・・。」刃牙が先程の倍のスピードで再度掌底を放った。だが、当たらない。
さらにもう一度。またしても当たらない。
「んっ!」その後、刃牙は何十発と掌底を放った。だが一発もかすりはしなかった。
刃牙は体が温まって来るのを感じていた。今まではウォームアップに過ぎなかった。
本当の賭けはこれからだ。
「いつまで待たせるんだぁ。バキィ。眠くなっちまうぜ。」勇次郎がニヤけながらあくびをした。
「のび太君といったね。今から拳を君に向ける。痛いかもしれないけどいいね?」刃牙が勇次郎の
挑発を無視してのび太に話しかける。
「はぁ。」のび太はそっけない返事をした。
48帰ってきたドラえもん外伝:04/12/07 10:22:11 ID:rjAW+CFS
 間髪を入れずに刃牙の正拳がのび太の顔面を襲った。体重こそ乗せてはいないが風を切り、風圧だけで
小さい物なら吹き飛ぶ程のスピードの正拳は空を切った。
「!」
刃牙は吐血していた。今までのび太に放った中で最速のスピードで攻撃を放った。だが、のび太の反射神経は
刃牙のスピードのさらに上を行っていた。のび太は刃牙が攻撃を放った直後に刃牙の懐にもぐりこんでいたのだ。
「刃牙さん、あなたの拳、体重こそのっていないが・・・今の僕が食らえば顔面骨折するでしょう。だから
カウンターを取らせていただきました。」のび太が落ち着いた口調で言う。
「終わってはいない!」刃牙がのび太の顔に手で触れようとする。だがそれは叶うことはなかった。
突如、刃牙の体が吹き飛ばされたからだ。コンクリートの壁に激突し、刃牙はまた血を吐いた。
「刃牙よ。この賭け、お前の負けだ!」勇次郎が刃牙に罵声を飛ばす。
「なんだとぉ!」刃牙が負けじと抗議をする。触れれば勝ちとは言われた。だが敗北条件を言われてはいない。
「さっきの拳、お前は自分にとって最速のスピードで放ったはずだ。だが見切られカウンターを食らった。これがどういう意味かわかるか?」
「勇次郎ォ!!」刃牙が勇次郎に最速のスピードで突進した。
「今のお前がこいつに触れるなんて事はぜったいできっこねぇ!」言いながら勇次郎は刃牙に張り手を食らわす。
「がはっ・・・」刃牙は地面に体が触れる前に意識を失っていた。
「成長しねぇガキだぜ。」勇次郎が意識を失った刃牙を見て吐き捨てる様に言った。
「僕、公園でジュース飲んでたら急に後ろから口に布を当てられたんです。そしたら急に気が遠くなって・・。」
「薬品か。仕方ねぇ・・・。さ、今夜も始めるぞ。」
「はい!」

 落日の夕日が勇次郎とのび太を照らしていた。

49帰ってきたドラえもん外伝:04/12/07 10:22:59 ID:rjAW+CFS
今回の投稿は これで終わりです。

再度タイトルを間違えてしまった・・・。俺って進歩ねぇー
50作者の都合により名無しです:04/12/07 13:01:57 ID:JHV6A9rS
新ヌレでも校長みたいで嬉しい限りだす。
でも確かにすちーるタソが来ないですね。
ドウシタンだろ。
草薙タソ、下呂タソ、ザク乙。
草薙氏は腕挙げてますねえ。見事。
下呂氏も同時連載がんばってまつね。
ザクはこのペスを守りナの。
皆さん頑張ってくだちい!
51作者の都合により名無しです:04/12/07 18:43:28 ID:/5bKN9tW
52作者の都合により名無しです:04/12/07 19:07:28 ID:GgAqGltv
のび太えらい強いなw
しかし勇次郎が「ドラえもんよ」と呼ぶのはなんとなくおかしい。
俺は輪廻よりこっちが好きだなあ。出来ればこっちをメインにしてほしい。
もちろん、輪廻も完結させて欲しいけど。

蟲師、評判いいみたいだな。
SSはまだプロローグといった感じだけど、なんとなく味がある。
漫画はそんなに評価高いのか。一度漫画喫茶で読んでみるか。
53ふら〜り:04/12/07 20:22:35 ID:zQ3GpeLA
>>1さん
おつ華麗様に御座いまする。「俺乙」はちょっと吹きました。なんか可愛く面白い。
連載陣も質量共に上昇続きで、20を越えた今、次なる目標は30。快調好調♪

>>草薙さん
庵、どんどん怒チームに馴染んで優秀な兵になってますな。同人誌ではよく、後の二人
(テリーと京サマ)よりはマジメな人間と描かれてますが。のび太はのび太で、ドえらく
強くなってます。能力コピーを除いてしまっても、もうジャイアンぐらい楽勝なのでは。

>>ザクさん
おおぉぉ。東方、何だかどんどん『師匠』っぽくなっている……と思っていたら、こんな
最期を迎えようとは。アレですね、ずうぅ〜っと先の最終戦で、ザクが危機に陥った時、
回想で出てきそう。刃牙もカッコ良かったし、引きもキマッてて、今回は熱かったです!

>>ドクターさん(←御名前ぷりぃず)
ふぅむ。私も原作未見ですが、何だか昔話っぽい雰囲気ですね。外見が変わらない=時が
止まった、ではなさそうであり、願い通りに作物が採れるということから徹底的に最悪な
状況というわけではなく。この微妙な状態からどう展開していくのか、見させて頂きます。
54作者の都合により名無しです:04/12/08 01:08:56 ID:vyfGbKs8
結論:1985は池沼のようにフラッシュ作ってないで、他の職人様の引き立て役になるようにいつも通りにSSを書け
55作者の都合により名無しです:04/12/08 01:42:40 ID:uUMls8dL
こないだ1985をリアルで見た。
キモかった。
56作者の都合により名無しです:04/12/08 03:02:53 ID:4NV/WJ0Y
のび太強くなったな。
もうジャイアンに勝てるじゃん。
これ以上、何を指導するんだ?
57作者の都合により名無しです:04/12/08 08:46:28 ID:OR7yFdcg
蟲師3巻まで読んだ。なんか物悲しい漫画だったけど面白かった。

>ドラ外伝
そのうちのび太がジャイアンを撲殺して高笑いとかするんだろうかw
58作者の都合により名無しです:04/12/08 09:54:07 ID:dH/ousKm
ドラ外伝も神界も年内で完結っぽいな。
一時はドラ一色だったのに、これでドラえもん作品は出木杉だけになるのか。
59作者の都合により名無しです:04/12/08 09:56:19 ID:dH/ousKm
麻雀忘れてた。
60帰ってきたドラえもん外伝:04/12/08 10:16:29 ID:Qy/fv0Ym
ふら〜りさん>>
毎回お褒めの言葉を頂き、大変感謝しております。

 最近思ったんですけど勇次郎って年をとったら渋川先生みたいに格闘技術を
教えるんでしょうか?「ひよっ子どもがぁ!」と叫びながら若手を厳しく指導する姿が
目に浮かぶんですが・・。あるいはCMに出て「いじめ、かっこわるい」とか
「飲酒・タバコは二十歳を過ぎてからだ。」とかいってそうな・・・。勇次郎が言ったら社会が改善されそうですがw
61作者の都合により名無しです:04/12/08 14:18:43 ID:8Holr0zM
>>58
出木杉もクライマックス近そう。年内に一気に全部終わる可能性もあるな。
62みゅう:04/12/08 15:52:14 ID:Vd3xMxWN
途中で投げ出して申し訳ありませんでした。
ちょっと事情があったので。
今書き溜め中なので週末には再開できると思います。
63作者の都合により名無しです:04/12/08 17:45:06 ID:TFlQvcy8
>>62
本物にも騙りにももう期待してないから出てこなくていいよ。
64ムタ:04/12/08 18:43:35 ID:RcJ3RH5p
SSを僕も書きますんで保管してください
65作者の都合により名無しです:04/12/08 19:05:26 ID:HE1QfSND
>>59
おいおい、ローマもあるぞ。
うーん、でも来るっていって来ないなあローマ。あれ騙りだったのかな。
スチールさんとユルさんは投げ出しか?
今年ほとんど絶好調だったが、年末に来て危うくなってきたような。
年末でみんな忙しいだけか?
まあ何作か終わっても不調になるって訳でもないけどな。
職人さん方、また何か新作書いてくれるだろうし。
66作者の都合により名無しです:04/12/08 21:38:19 ID:Fpf7rtkq
年末はさすがに皆さん忙しいか。
パオ氏、魔界編はちょくちょく書いてるけど
ラーメンとジョジョはかなり開いてるね。こっちもキボン
スチールとローマ、復活キボン
67AnotherAttraction BC:04/12/08 23:53:05 ID:FyEDpr0l
前スレ477から
「このクソ女! 次会ったら鼻に爆弾ネジ込んでやるわ!! 死ね、この○○○○○○!!!」
街の入り口、見送る車に中指を立てながらリンスは口汚く罵った。せめてこの位でも言わない事にはどうにも不愉快この上ない、
だから周囲の迷惑になろうと(止める奴が居たらブン殴るが)大声で喚き散らす。
「お、おいリンス、唇読まれてたらどう…」「うっさい!!!」
車○正○調(効果音はJET)で吹き飛ぶトレインを尻目にスヴェンはイヴを見る。
―――青菜に塩、と言わんばかりに沈んでいた。
「イヴ?」
問い掛けても顔を起こさない……どころか彼女の足元に滴が落ちる。

――――イヴは、泣いていた。

この展開を招いたのは自分なのだ。
自分の我が侭で皆を心配させ、しなくてもいい戦いをさせた。あの女に会ってしまったのも自分の責任だし、
その後の不愉快な時間も全て自分が発端――――そう思うと、罪悪感が涙になって零れ落ちる。
そんな彼女を察してか、スヴェンは中腰になってイヴを優しく抱き締めた。………もう、耐える必要も無かった。
「……ごめんなさい…ごめんなさい……ごめんなさい…………本当に、ごめん…なさい………」
謝罪混じりの嗚咽を発しながら、スヴェンの胸に縋り付く。だからこそもう少し強く抱き寄せる。
「…大丈夫」
謝る毎にそれを許した。只その涙を止めたくて、胸を潰す罪悪感を消し去りたくて。
「もういいんだ、終わったから。良くやったよ、本当に…良くやった。泣く事なんて無い、謝る事なんて無い……大丈夫だよ」
胸にすっぽり納まるこの小さな体の震えを肩代わり出来たら、と思う。言葉は言葉でしかないし、他人を本当に癒せるものなど
この世の誰一人持ってはいない。それでも、イヴにはこんな涙は早過ぎる。大人だってこんなのは辛過ぎる。
今の自分に出来る事全てで良いなら何でもしてやりたかった。だから今は―――許す人に。
しゃくりあげる声が小さくなる事を願って、ただ許し……抱き締めた。
それでも謝罪はまるで止まない。
68AnotherAttraction BC:04/12/08 23:53:55 ID:FyEDpr0l
…いっそ自分なんて居ない方が良かった。
そうすれば、トレインが不機嫌になることも無かったろうし、リンスがああも喚き散らすほど激昂する事も無いだろうし、
なにより、あの女がスヴェンの逆鱗に触れる事も無かった。
自分をどれだけ叱咤しても、暗澹たる重い闇が拭えない。
辛かった。重かった。皆の役に立ちたくて付いて来たのに、結局はこのザマ。
そう考えるとトレインに激昂するリンスも、抱き締めてくれているスヴェンも、顔の下で疎ましく思っているかのように感じてしまう。
やはり過ぎた夢だった、元々人ですらない自分に人並みの幸せなど。―――もう彼らの前から消えよう、と思ったその時、

「……ケダモノォォ――――ッッッッツッ!!!!!!」

怒号と共に跳んで来たリンスの飛び蹴りが見事にスヴェンの側頭部に決まった。
更に運悪く、イヴから離れようとしていた時だったため、これまた見事に吹き飛んだ。リンスは鬼神の形相で二人の間に立つ。
「……トレインもだけど、傾国の美女と暮らしてて何もしないと思ったら……そう云う事だったのね、このぺド紳士!!」
そして一転、労わるような声音でイヴに向き直り、
「大丈夫、イヴちゃん? 何もされなかった? アタシが来たからにはもう心配無いからね」
いとおしそうに抱き締めた。スヴェンは怨み満面で立ち上がる。
「…何素晴らしい誤解してやがる、そんなつもりはこれっぽっちも無い! ……大体、傾国の美女って誰だ!?」
リンスはさも侵害、と云った貌で自分を指し示す。対しスヴェンは如何にも「何言ってんだお前?」風な顔で返す。
「―――何よその顔は!! 全世界を踏みにじって良い程の美貌を前にして…おかしいんじゃないの!!!?」
「イヴの近くで教育に悪そうな台詞吐くんじゃない!! お前の影響受けたらどうすんだ!!」
「実に素晴らしい事じゃないのよ!!」
その時、それまで蚊帳の外だったトレインがスヴェンの肩を叩く。
「…トレイン、ちょうど良い。お前もこいつに…!!」「スヴェン」
神妙な面持ちでしみじみと語る。
「…せめてあと十年は待ってやれよ。P○Aがうるさい時期なんだから」
………スヴェンの心の中で、何故か紐か何かが切れるような音がした。
「…よーしいいだろう。お前ら、ちょっとそこ座れ。夜っ引き色々話をしようか」
指の骨を鳴らしながら地面を指し示す。―――勿論素直に応じる二人ではない。
半ば必然で乱闘(古典的な砂煙から節操無く手足や顔が出る奴)になった。
69AnotherAttraction BC:04/12/08 23:54:43 ID:FyEDpr0l
彼ら三人には、イヴの我が侭などまるで気にならなかった。まして疎ましいなどとは微塵も思っていない。
そればかりか皆がそれぞれの形で愛していた。知らぬは彼女一人のみ……先刻までの心中が呆れるほどに。
そんな三人が喧嘩する様を見て――――不謹慎かもしれないが、

――――――生まれて初めて、笑った。


……車の中は重苦しい雰囲気だった。
セフィリアも、ベルゼーも、互いに一言も発さない。
「……セフィリア」
立場を排し、敢えて名前で呼ぶ。半ば不意打ちに近い形で。二人きりの時はいつもこうだ。
「何故私が彼らを降ろしたか判るか?」
対してセフィリアはつまらなそうに言葉を紡ぐ。
「…最も御し易い付き合い方を選んだのですが」
「それがいかんと言うのだ。ジェイドも良く使う手だったが、ここまで悪辣ではなかった」
―――獣同士の付き合い方は単純だ、“屈服させ、支配する”。ベルゼーの朋友、ジェイドが使う際は相手を尊重した上でだった。
しかしセフィリアは違う。効率を追求する余り、相手を粗略に扱う。挙句には相手の人格さえも否定する。
確かにこの方法は早いが、これが示す所は“屈服”ではなく“服従”だ。「関係」は得られても「信頼」は得られない。
「お前には将器も、武才も、智略もある。しかし、惜しむらくは経験が足りん。いま少し人心を知るべきだ」
「………下らない」
吐き捨てた。言葉通り、本当に下らなそうに。
「そんな悠長な事をしている間に、星の使徒は勢力を拡大するのですよ。なればこその効率です、そこに
 余計な物など入る余地が一体何処に?」
…元々実直な女とは知っていたが、父親が死んでとみにそれが浮き彫りになっていく。
重しが取れてなのか、死と言う現実が変えたのか、ベルゼーには判らない。ただ彼女は、酷く無味乾燥になっていた。
今回は失敗したものの、あらゆる行動が計算ずくの上過激である為、クロノス内ではさながら氷の女王だった。
「だからと言って、『クリードを確認次第、ホテルごと燃やせ』と言うのは…」
「ええ、あと一歩でした。惜しい惜しい」
先刻の電話への指示は、およそ非人道的なものだった。“中にいる人間も含めて”だった為に、
部下を経由して聞いたベルゼーは血の気の引く思いだった。もしクリードが一足遅く逃げていなかったらと思うとぞっとする。
「百人殺せば英雄だ」なる言葉があるが、巻き込むのは数に入らないのを彼女は知っているのだろうか。
70AnotherAttraction BC:04/12/08 23:55:29 ID:FyEDpr0l

「そう怖い顔をなさらないで下さい。今回は功を焦っただけの話ですのでご安心を」
……どうやら顔に出ていたらしい。対照的にセフィリアは笑顔だったが、何処か安心できぬ笑みだった。
「……勿論、ハートネット達にも悪い事をしてしまいました。以後は慎むとしましょう」
それを聞いてベルゼーの胸のつかえが少しだけ消えた。――――――だがこの時気付くべきだった、この言葉の真意に。

「そう言えば、セフィリア。最新の情報が一つ」
安心した余裕でふと思い出す。
「…三日後に大都サージュランで開催する世界サミットだが、“星の使徒”が狙っている可能性が有る」
71AnotherAttraction BC:04/12/09 00:14:51 ID:jMNBUzm7
皆さん如何お過ごしですか? 俺? ボロ負けですYO、世の中に(挨拶)。
NBです。
これにて第四話「思惑」終了です。

して、次回のAnotherAttraction BCは―――

大都にて開催される世界サミット。
それは世界中のテロリストの標的にして究極のアンタッチャブル。
最新の兵器、最強の部隊の前に、数多の闘士が屈した不敗の地。
だが、そこに現れたのは―――!!

AnotherAttraction BC 第五話「些事」を乞う、ご期待!!

……早くなれよ、俺。
72作者の都合により名無しです:04/12/09 00:21:04 ID:LNKEEqHd
ナニがあったんですかNBさん?

イブのやり取りヨカタヨー
リンスの登場のタイミングが絶妙。
73作者の都合により名無しです:04/12/09 08:39:07 ID:Rtnca+LX
・NBさん
最初のワンブロック、今までと芸風違いますねw
○○○○○○って…w最初が「く」で最後が「こ」と予想w
イブイブ愛らしいな。描写力が高いから余計に彼女の涙が重く感じる。
原作の高潔なイメージより、どこか壊れた感じですねセフィリアさま。
それでも黒猫1魅力あるキャラに違いないがw

NBさんのコメント、ハイなテンションでノッドな内容にワラタw

74作者の都合により名無しです:04/12/09 10:31:58 ID:zK/h3p5z
NBさん一番人気だな
75作者の都合により名無しです:04/12/09 11:07:36 ID:zK/h3p5z
それにしても、このスレって職人同士の関わりあいがほとんどないね。
長寿スレにしてはめずらしい、そして悲しくもある。
76作者の都合により名無しです:04/12/09 13:43:03 ID:HRqrwY1Z
初期は交流が多かったが、そのせいで馴れ合ってるとか言われたからな。
77作者の都合により名無しです:04/12/09 16:47:45 ID:aAwS+TWH
NBさんお疲れさんです。
セフィリア、原作では綺麗で落ち着きのある佳人、という感じですが
NBさんのSSでは色々と迷いとかが見えますね。原作より深みがあっていいです。
イブもより儚げでいいですね。リンスはやっぱりリンスだけどw

>>75-76
スレ内で仲良くすると「馴れ合いウゼー」とか言い出す奴が必ず出る。難しいね。
78作者の都合により名無しです:04/12/09 17:21:59 ID:URpHyesj
掲示板ではたまに馴れ合ってるやつもいるようだが本スレでは難しいだろな。
79作者の都合により名無しです:04/12/09 19:29:38 ID:/ekVWtqQ
2004年語ろうぜスレSS大賞

部門
ストーリー賞
 今年投下されたSSのうちストーリーがよかったものに投票
ギャグ賞
 今年投下されたSSのうちギャグが面白かったものに投票
中短編賞
 今年投下されたSSのうち完結していてまとめサイトで長編・大長編とされていないものに投票
連載作品賞
 今年投下されたSSのうち完結していないものに投票  
新人賞
 今年SSを投下し始めた作者に投票
大賞
 今年投下された全SSに投票

 投票方法
 一つの部門につき1票だけ。IDを出して投票。それ以外は無効。
 また明らかなネタ投票と判断したものも無効。

 期間;12/11 0時〜 12/12 0時まで。 奮ってご参加ください。
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1102521870/l50
80作者の都合により名無しです:04/12/09 19:51:10 ID:aAwS+TWH
語ろうぜスレ内だけでやってりゃいいのに、何故張るかねえ。
81蟲師 雲散霧消:04/12/09 20:24:21 ID:5Tg35/4G
>>34の続き

82蟲師 雲散霧消:04/12/09 20:25:25 ID:5Tg35/4G

 一通りの調査を終えたギンコは、村の高台で1人考えていた。
 この蟲――キリノモノは、ヒトの『外見の変化』を食うことで生きている。それゆえ、子供が大人になること
はなく、大人が老人になることもない。しかし、ヒトの中までは食うことは出来ない。声も変わるし、思考も変
わる。例えば、見かけが年端もいかない子供でも、野太い声で大人のような物言いをすることも、場合によ
ってはあるだろう。
 先刻話した村長達も、見た目に反してしわがれた、若い者には出せない類の声質だった。彼らは、実際齢
70程の『老人』だ。
 キリノモノの弱点は、分かっていない。ヒトとの遭遇例があまりにも少なすぎるからだ。あれは光脈筋に付き
従って生きているモノ。光脈筋だけにしか興味がないモノだからだ。ヒトは、あれらにとっては非常食のような
ものなのだろう。
 ということは……今ここから引き剥がされたら、キリノモノは死ぬということか? 新たな光脈筋がこの辺りに
生まれぬ限りは――

 
83蟲師 雲散霧消:04/12/09 20:26:17 ID:5Tg35/4G
「なあ、あんた蟲師だろ? 外から入ってきた」
 村の少年――といっても、三十路の男かも知れないが――が、ギンコの背後から話しかけてきた。この高台
には左右に梯子が付いており、少年はギンコの反対側の梯子から上ってきたのであろう。
 「そうだが……」
 「俺はサジという。アンタはこの霧から村を救ってくれようというんだろう? だったら、とっととこの霧を追い払
って、外に出れるようにしてくれよ」
 この村に入ってから、一度たりとも子供の声を聞いていない。この『少年』もまた同様に、大人の男の声をして
いた。
 そういえば、俺がこの村に入ったときに、外で子供達が遊んでいたのだが、あれは何だったのだろう。明らかに
おかしい点だが、とりあえずそこは流して、
 「今、この蟲は必死に生きている。村から離しては、蟲が死んでしまう」
 それを聞いた少年は、
 「何!? お前は人の命より蟲の命が――」
 少年の激昂を遮るように、ギンコは言う。
 「ただの負け惜しみだ。悪かった――この世界は詰る所、強い方が生き、弱い方が死ぬ。今は、この村を覆う霧
の奴が俺らより強い。そういうことなんだ。あんたらに村を捨てる覚悟でもありゃあ、手が無いこともないかも知れ
んが……」
 ギンコの話を黙って聞いていた少年は、落ち着きを取り戻し、諦観を漂わせながら、
 「それは無理だ……年寄り達はきっと反対する」
 「俺も、それはやりたくない。キリノモノがどういった反応をするか読めん。急に食料を失って錯乱し、当たり構わ
ず食べ荒らし、この辺りの生物の均衡を崩してしまうかもしれない。そうなったら、今のように豊かな生活を維持す
ることも難しくなるだろう。なら、不本意でもとりあえず生きる糧に困ることは無い今の生活を……」
 ギンコは、自分の言ったことに呆れたかのように笑った。
 「そんな生活、選べる訳ないよな。時間は着々と進んでいるのに、自分は何も変わらない――いや、変わっている
が、それを実感できない。姿とは、それほどまでに重要だ」
 自分とどこか重ね合わせるようにして、ギンコは言った。
 「俺、大きくなったら町で絵師になろうって決めててさ……昔から、ずっと絵ばっかり描いてた。霧に囲まれてから
もずっと――ずっと描いてるのに、上手くなっているのに、俺はちっとも大きくならないんだ」
 サジは、泣いていた。泣き声は、子供も大人もさして変わらない。
84蟲師 雲散霧消:04/12/09 20:26:59 ID:5Tg35/4G
そういえば、村長達が言っていた。村が霧に包まれる前、蟲師が来ていた。彼がいなくなった瞬間に、村は霧に
包まれた≠ニ。
 何か、関連があると見るのが妥当だろう。
 「サジ。村が霧に包まれる少し前、蟲師が来ていたんだろう。何か知らないか?」
 まだ少し目が赤く腫れているサジに、訊ねた。
 「俺、その人とは話してないが、娘とは少し話したよ。そのときの俺と大体同い年位だったろうから、今はもう大人の
女性になっているのかな……可憐だけど、どこか危うい感じがする子だった」
 「その子は、なんと言っていた!?」
 「えーと……確か、城が……そうだもう少しで、お父さんが私の城を建ててくれるの≠チて――おい!」
 直感だった。しかし、それは人を強く強く突き動かす力となり得る。確信を得れば、もう四の五の言わずにそれに向
かって突き進むのみ。ギンコとは、そういう男なのだ。
 そう、村の奥に見えた大きな建物。あれは城だったのだ。そこには、きっと――いる。
 

85蟲師 雲散霧消:04/12/09 20:31:57 ID:5Tg35/4G
おわらなーい。すすまなーい。つたなーい。つじつまあわなーい。

次エピソードには、もう少しいい感じで纏まったものをお見せできるかな。まあ、今回は、俺が『蟲師』に慣れるため、色々模索
しながら書いてるとこもありますので(多分に言い訳)アイデア自体は、まあまあ気に入ってますが、もう少しうまく消化して説明したいですな。

>>36
孔雀王……俺はそれを読んだことが無いw古い作品でしょうか?

>>39
雰囲気が気に入られたのなら、原作も薦めますよ。一話完結なので、傑作もあればイマイチなのもありますが。

>>40
詳細を書こうと思ったが、42氏がちゃんとした説明をしてくださったので割愛。

>>44
俺もどマイナーかと思っていたんですが……結構、知ってる人いますね。まあ、アフタ自体月刊誌ではトップ
クラスだし、そのアフタの中でも単行本売り上げが五指には入る作品ですから、当然と言えば当然なのか。

>>45
救い……今のところ、あまりなさそうな感じ。

>>50
まだゲロの更新してないから、同時連載とは言えないですが。それに今のエピソードを終えたらゲロ完結まで蟲
師を書くつもりはないので、同時連載は成立しないかな。

>>52
この評判の大多数は、原作の評価だと思っております。まだまだ。まだまだ。

>>53
>外見が変わらない=時が 止まった、ではなさそうであり、
その通り。ですが、描写ミスがあったことに気付き。文章内でもさり気なく突っ込み入れてますが、流していただければ幸い。
86作者の都合により名無しです:04/12/09 21:01:02 ID:KeW2/KU3
ゲロ作者さんお疲れです。
実は>>45ですが、読んでみたよ蟲師。3巻までだけど。
日本の一昔前みたいな時代設定の、淡々とした滋味深い作品ですな。
結構気に入りました。でも、ギンコって女だと思ってたよw

SSのほうも原作の雰囲気をうまく取り入れてますね。
どこか物悲しくも、じんわり心に染み渡るような作品を期待しておりますぜ。
87作者の都合により名無しです:04/12/09 21:02:57 ID:KeW2/KU3
ちなみに孔雀王というのは、超能力を得た孔雀が動物の世界を支配しようとする話。
ライオンまでは勝つが、アフリカゾウに踏み殺されて終わる。
88作者の都合により名無しです:04/12/09 21:16:18 ID:1auNQ2tQ
>>85
>>52の「評判いいみたいだな」は、>>51の蟲師レビューを見ての感想であって
SSに対するものじゃないのでは・・・
89作者の都合により名無しです:04/12/09 23:55:58 ID:LNKEEqHd
1話目は正直よく分からなかったが、今回は面白かったよ。
原作知らないのが残念だ。知ってたらもっと楽しめるのだろうな。


関係ないけど町中で軍人ガイア発見
http://moepic.dip.jp/gazo/netaren/src/1102582985829.jpg
90ミドリ ◆5k4Bd86fvo :04/12/10 04:31:34 ID:aHsdkCTv
ごきげんよう、皆様。前スレ461からの続きです。



薔薇の館は、高等部校舎の中庭の片隅にある。
館と言っても、教室の半分ほどの大きさの、木造二階建ての小さな建物だ。
一階に一部屋、二階に一部屋。入口を入ってすぐには吹き抜けのフロアがあり、左手側の階段を昇りきった正面には、
紅、白、黄の薔薇を描いたステンドグラスが陽の光を受け、真っ直ぐに階段を照らしている。
急勾配の階段は古いせいか昇る度に軋んだ音をたてて少し怖いけど、初めてここを訪れた頃よりはだいぶ慣れたと思う。
祥子様と出会うまでは祐巳の中で、薔薇の館はシスターの居住区と同率一位の禁忌空間だったのに、「ようこそ」と
言える立場になったことが未だに信じられない。
祥子様と出会うまでは、祐巳は本当に平凡なリリアン生だったのに。
二階の会議室の扉――ビスケット扉を開くと、談笑していた由乃と志摩子さんがこちらを向いた。
「いらっしゃい」
二人が立ち上がって、お客様に微笑む。
由乃が沙織ちゃんを見て、少し驚いたように祐巳に視線を向けた。
祐巳が無言で頷いてみせると、由乃も無言で了承してくれる。…こういうとき、由乃との絆を確認できてちょっと
嬉しくなる。
薔薇の館の会議室は、会議室と言うよりは、ちょっとしたサロンといった趣の部屋だ。
中央に八人掛けくらいの大きな楕円形のテーブルがあり、ビスケット扉の右手奥には小さな流しがある。
今年度から紅薔薇姉妹と白薔薇姉妹、そして黄薔薇さまの五人で使っているのだけれど、今日は、お客様を三人迎えて
いつもより少し狭く感じる。
…つい一ヶ月前までは、五人プラス祥子様、令様のお二人を加えた7人で使っていて、それから一人増えているだ
けなのにもう狭く感じるなんて、少し寂しい気がする。
…こうやって…お姉様がいらっしゃらないことに慣れていくのだろうか。
由乃がお客様達に椅子を勧め、つぼみの二人がお茶の準備を始める。
いつもはなんとなく座る位置が決まっているのだけど、今日は違う。窓を背に祐巳、由乃、志摩子さんの並びで腰掛け、
お客様達は薔薇さま達の向かいにジュネさん、沙織ちゃん、斗貴子さんの順で腰掛けた。…まるで何かの面接みたい。
つぼみの席はそれぞれのお姉様の隣だ。
本当は今日は土曜日のことを聞こうと思っていたけど、今朝の思わぬアクシデントに延期することにした。
多分、この状況で聞ける話ではないと思うし、祐巳以外の誰にも知られない方がいいんじゃないかと思ったから。
その代わりと言ってはなんだけど、噂の新入生二人と転入生一人とお茶をする機会が出来たのだから、よしとしよう。
91ミドリ ◆5k4Bd86fvo :04/12/10 04:32:44 ID:aHsdkCTv
程なくして、テーブルに用意されたティーカップから、瞳子が持参した紅茶が柔らかい香りを立ち上らせた。
いつのもティーバッグティーとは違って、ひとつひとつの手順を丁寧にこなしティーポットの中で茶葉をちゃんと踊らせた、
よそゆきのお茶だ。
「お砂糖やミルクはいる?」
志摩子さんの優しい問いかけに、ジュネさんと斗貴子さんは戸惑ったように「いいえ」と答えた。
沙織ちゃんはクリームを選んだ。…今日の紅茶はアッサムティー。さすがはお嬢様。アッサムティーがミルクティーに最適
であることを知っているらしい。
祐巳も自分のティーカップに、スティックシュガーとクリームを入れる。
この状態に更にもうひとつクリームを入れる瞳子と由乃程ではないけれど、祐巳も結構甘党なのだ。
甘党でない白薔薇姉妹はストレートで飲んでいる。
乃梨子ちゃんがテーブルの上に並べたマーブルクッキーは、令様が偶然にも今日、「山百合会のみんなでどうぞ」と由乃に
持たせてくださったもの。令様お手製なので味は確実だ。
令様は見た目こそ美少年のようだけど、中身はとても繊細で女らしい方でお菓子作りと編み物が趣味というお方。
…由乃とは正反対に近い。
ティーカップに口を付けながら、祐巳はそっと向かいに座るジュネさんを観察した。
沙織ちゃんの方を向いたときに肩から腕に流れ落ちた金色の髪は、サラサラと音がしそうな程に美しい。
日本人とは違う目鼻のくっきりとした顔立ちは、間違いなく美人の部類にはいると思う。特に、緑色の大きな瞳がとても
強い光を放っていて印象的だ。
沙織ちゃんの“お付き”らしいけど、“お付き”って一体何をするんだろう。
…そういえば、瞳子は沙織ちゃんにあまりいい印象を持ってないのかもしれない。瞳子はそういう相手をフルネームで呼ぶ
ことが多いから。
まぁ、敬称が略されてないだけ、まだマシな方かな。
沙織ちゃんをとばし、今度は斗貴子さんを観察する。
由乃より少し長いだけの短く切りそろえられた黒髪は真っ直ぐで、どこか蓉子様を連想させる。
顔を横切る大きな傷は確かに目立つけど、それを隠すことなく顔を上げている姿勢にはすごく好感が持てる。
朝に見かけたときは少しキツイ印象だった瞳も、今は、この状況に対する戸惑いが隠し切れていなくて可愛らしい。
カップを両手で持って息を吹きかけお茶を冷ましている様子は、年よりも幼く見えて、「怖い」という噂が信じられない程だ。
92ミドリ ◆5k4Bd86fvo :04/12/10 04:34:35 ID:aHsdkCTv
お客様相手に、由乃が適当な雑談を始める。
ジュネさんと斗貴子さんの戸惑ったような表情がちょっと面白い。
きっとお説教を受けると思ったんだろうけど、そうは問屋が卸さない。
お昼休みに由乃と志摩子さんと相談した結果、この二人にはあることをしてもらおう、ということになったのだ。
沙織ちゃんが現れたのは予定外だったけど、まぁ、問題はないだろう。
「よろしかったらいかが?」
由乃がお客様達にクッキーを勧める。
いつも「私が」「私が」だった由乃が、こうして下級生に気を遣っているのを見ると、なんだか私たちも年を取った
んだなぁなんて、ちょっと感傷的な気分になってしまう。
「年を取る」なんて言葉を使うにはまだ20年は早いのかもしれないけど。
「学園にはもう慣れて?」
そう由乃がお客様達に尋ねるのが、合図。ここからは、現山百合会による寸劇の始まり。
主役は紅薔薇のつぼみ。脇役は黄薔薇さま。祐巳と白薔薇姉妹はただの観客という、妥当な配役だ。
「…いいえ…まだあまり慣れたとは…」
カチャリと音をさせてカップをソーサーに置きながら、ジュネさんが答える。
その声にも表情にも、状況が掴めなくて戸惑っている様子が全面に出ている。
「黄薔薇さま。そのことについては私もいささか責任を感じておりますの」
瞳子が瞳を伏せ、ほぅ……とため息をついた。
他の人がこの仕草をすると不自然なのに、瞳子だと自然に感じるのはなぜだろう。…素もこうだからだろうか。
「私ってば、ジュネさんと同じクラスで親しくさせて頂いておりますのに、ジュネさんはまだ、リリアンに慣れて
いらっしゃらないでしょう?きっと、私の努力不足なのだと責任を痛感しておりますの」
…さすが、リリアン女学園一の女優と自称するだけのことはある。
自然に、かつ瞳子らしく、我が妹は役柄をこなしている。
「…いつ、親しくなった?」
ジュネさんのつぶやきを完全に無視し、瞳子はおおげさなアクションで「そうですわ!」と両手を打った。
おおげさ、と言ったのはあくまでも他人から見た感想で、瞳子をよく知る者としては、彼女のこの動作が極めて彼女
らしいことを強調しておきたい。
「薔薇のお姉様方。瞳子に、いい考えがありますの」
「なにかしら?」
薄く微笑みながら由乃が尋ねる。
チラリとお客様達に向けた視線をこちらに戻した瞳子は、にっこりと笑った。
「ジュネさんと斗貴子さんに、新入生歓迎会まで、山百合会のお手伝いをしていただいたらどうでしょう?」
93ミドリ ◆5k4Bd86fvo :04/12/10 04:38:28 ID:aHsdkCTv



「……は?」
ジュネよりも先に間抜けな声を出したのは、斗貴子だった。
開いた口がふさがらないといった風の斗貴子の表情に、ジュネは自分の置かれている状況を忘れて、思わず吹き出してしまう。
チラリと黄薔薇さまの視線を受け、慌てて顔を引き締める。
(それにしても…正気なのか?)
自分達に、山百合会の手伝いをしろ、なんて。
山百合会とはリリアン女学園高等部生徒会の通称。
つまりはお嬢様学校の生徒会の仕事を手伝え、と。このカメレオン座の聖闘士・ジュネに。
(ありえない。と言うか、何かが間違っている気がする…)
ジュネがこの学園にいる理由は唯一つ。アテナをお守りする。唯それだけだ。そんな手伝いなどをしている暇はない。
どうやって断るべきか…。
「薔薇さま方。私もお手伝いさせて頂けませんか?」
「……は?」
今度はジュネが間抜けな声を出す番だった。
聞き間違いであることを期待しつつ、隣に座るアテナを伺う。
「決してお邪魔はいたしませんわ」
これぞお嬢様、という感じの微笑みを浮かべつつ、アテナはあっさりとジュネの期待を砕いた。
「…グラード財団の総帥ともなると、お忙しいのじゃなくて?」
表情は笑顔だが目が笑っていない瞳子が、アテナの方を向く。
…なんだか、松平瞳子はアテナをあまり好いていないように感じる。私の気のせいだろうか。
だが、同じクラスであれやこれやとジュネの世話を焼く瞳子の口から、アテナの名前が出たことはなかったはずだが…。
「この制服を着ている間は、私も、ただのリリアン女学園の生徒です」
瞳子の敵意を感じているはずなのに、アテナは完璧な微笑みでそう答えた。
瞳子の縦ロールがピクリと動く。…目が、先程よりも怖くなっている気がするのだが…。
「じゃあ、沙織ちゃんにもお願いしようかな」
不穏になりかけた場の空気を一気に和ませたのは、紅薔薇さまだった。
94ミドリ ◆5k4Bd86fvo :04/12/10 04:42:04 ID:aHsdkCTv
どう形容しても“脳天気”としか言いようのない笑顔で、残り二人の薔薇さまに確認をする。
「いかが?白薔薇さま、黄薔薇さま」
「いいんじゃない?」
「そうね。本人が手伝ってくれるって言ってくれているのですもの。私は構わないわ」
話し合うことすらせずに、三人の薔薇さまはアテナの申し出を受け入れた。
「お姉様?!」
キッと音がしそうな勢いで、瞳子が紅薔薇さまを睨む。
睨み付けられた紅薔薇さまは、身体ごと瞳子の方を向きジッと彼女を見つめてから微笑んだ。
「瞳子」
名前を呼ばれた、ただそれだけで、松平瞳子は完全に敗北をしたようだ。唇を軽く噛み、視線を下へ向ける。
どう見ても瞳子の方が強そうなのに、一体どうしたのだろう。“お姉様”というヤツはそんなにも怖い存在なのだろうか。
「…私の意見は無視なんですか?」
明らかに不機嫌な表情の斗貴子が、薔薇さま達を順に見やる。
「何か不都合があって?」
『文句があるなら言ってみろ』といった感じで、黄薔薇さまが言った。
「不都合も何も不都合だらけ…って、なにをする?」
斗貴子の言葉が不自然に途切れた。…アテナが、斗貴子の腕を掴んでいる。
「斗貴子さん、お受けしましょう。きっと、あなたの為すべき事に役に立ちますから」
「……」
思いっきり眉根を寄せ、斗貴子がアテナを睨む。アテナの言葉の意味を理解したらしいが、かなり疑っているようだ。
不意に、斗貴子と目が合う。
斗貴子があまりにも険しい顔をしていたので、思わず、ジュネは小さく笑ってしまった。
「…何がおかしい」
これ以上ないくらいに不機嫌な表情の斗貴子に、肩をすくめてみせる。
視線をアテナに向けると、アテナはにっこりと笑いながら言った。
「ジュネも、お受けしますよね」
この言葉は、確認ではなく命令だ。軽くため息をつき、薔薇さま達の方を向く。
「手伝わせていただきます」
ジュネの返事に満足したらしい薔薇さま達は、一斉に斗貴子に視線を向けた。
「……わかりました。やります」
どうやら、アテナの言葉を少し信用してみる気になったらしい。
不機嫌そうに一気に紅茶を飲み干した斗貴子の態度がなんとなく可愛らしく思え、ジュネはまたこっそり笑った。
95ミドリ ◆5k4Bd86fvo :04/12/10 04:46:51 ID:aHsdkCTv
今回はここまでです。続きは近日。
読んでくださっている方々、ありがとうございます。
送ればせながら、>>1様、>>9様、ありがとうございます。

今まで怖くてお聞きできなかったのですが、「マリア様がみてる」を読んだことがあるという
方は、もしかして一人もいらっしゃらないのでしょうか…?

ごきげんよう。
96作者の都合により名無しです:04/12/10 08:19:26 ID:1CN22Fvj
お疲れ様、ミドリさん。
正直、「マリア様が見てる」私は読んだ事がありません。
でも原作知らなくても十分楽しんでますし、それでいいと思います。

アッサムティーとマーブルクッキーのお茶会ですか。お嬢様らしいですね。
でもその中でスカーフェイスの斗貴子と、ムチを振り回してたジュネは
確かに異端ですね。沙織は流石にどこでも中心になるみたいですが。
これからも頑張って下さい、ミドリさん。ごきげんよう。
97輪廻転生 第二部:04/12/10 09:14:17 ID:GswJgPbo
K'達は博士と一緒に通路を歩いていた。明かりは薄暗く懐中電灯を使わないと前方の確認は出来ない。
突然、博士がドアの前で立ち止まった。そしてドアの横にある機械の上に手を置いた。するとドアの上にある
緑色のランプが転倒した。
「ここか。」マキシマが博士に尋ねる。
部屋の天井は以外にも広いドーム状であった。恐らく空母の4割はこの研究室で占められているのだろう。
部屋の中央には巨大な氷が置かれていた。だがただの氷ではなかった。その中には二人の男が立ったまま
閉じ込められていたのだ。一人は黒いガクランを着ていて、もう一人はオレンジ色の服を着ていた。
「あれは・・・・ヤムチャと柳田薫!?」K’が気がついたように叫ぶ。
「知っているのか?」テリーがK’に尋ねる。
「柳田薫は俺の古くからの友人だ。ヤムチャという男はつい一ヶ月前に会った男だ。命の恩人でもある。」
突如、部屋の奥のドアが開いた。K’達が驚いてドアの方向を見るとそこには赤いズボンに黒い服を着た
長身の金髪の男が立っていた。男の左目は黒く光っており、男は危険なオーラを纏っていた。
「ようこそ。わが空母へ。出迎えが遅れたかな?」金髪の男が不適な笑みを浮かながらK’達に話しかける。
だが金髪の男の言葉は遮られた。K’が手から炎を出しそれを足で蹴飛ばしたからだ。
「ふっ。」金髪の男は見てから左にゆっくりと動いた。火の玉は壁に衝突し、消滅した。
「これならどうだぁ!」テリーが拳を地面に叩きつけた。直後黄色の光が高速で地を這って金髪の男に
向かっていった。だが光は金髪の男によって踏み消された。
「余興を楽しんでもらおう。もっとも倒せたらの話だがね。」金髪の男が光を避けようともせず言い放った。
「なっ!?」男の言葉が終わるか終わらないかの内にK’達が立っていた辺りの床が抜けた。
「おわぁぁ!」
床の下はダストシュートの様になっており3人はなす術もなく滑り落ちていった。
「いよいよですな。ルガール様。」白髪の博士がルガールに得意そうに言う。顔には狂った様な表情を浮かべていた。
「メインディッシュが来るまで少し時間がかかりそうだが。この分なら楽しめそうだ。」ルガールがニヤリと笑いながら答えた。その姿は自信
に満ち溢れていた。
98輪廻転生 第二部:04/12/10 09:15:26 ID:GswJgPbo
「いつつつつ。」テリーはしりもちをつきながら悪態をついていた。ダストシュートに落とされて
30秒後突然今いる部屋に落とされたのだ。天井から落ちてきた形になったので受身を取る暇すらなかったのだ。部屋はリラックスの為に
使われていたらしくソファーが置かれていた。
「会場へようこそ。お相手いたしましょう。」テリーは背後からの声に振り向いた。声がかけられるまでまったく気づかなかったのだ。
幽鬼の様に気配を消していた男を見据えてテリーは構えを取った。
「来いよ。」テリーが相手をにらみつけて言った。
「踊りましょう。」直後、テリーの視界から相手が消えた。音も無く消えたのだ。目だけで辺りを見回すテリーの背中を衝撃が襲った。
「お前、よく見りゃあさっき氷の中にいた男にそっくりじゃねーか。」体勢を立て直しながらテリーが言う。
「私の名はスピードのプロト2。お見知りおきを。」
「体がガリガリだからスピードか。技術はどうかな!?」
伝説の狼と呼ばれる男、 テリー=ボガードは相手のスピードを見てもなお笑みを浮かべていた。
「その笑み、消してあげましょう!」男が叫ぶのと同時に男の姿は消えた。時折、壁を蹴る音が聞こえた。
 テリーは息を殺した。物音一つ立てず、冷静に周りの音を聞く。
「あなたが幾ら反応しようした所で!私から見れば止まっている事と同じ事!」プロト2の声がした。
だが、テリーは凍りついた様に動かない。まるで止めを刺されるのを待っているかのようにじっとしていた。
「あきらめたのですか!ならば一思いに!」プロト2は叫ぶと同時に壁を蹴り、テリーに対してとび蹴りを放った。
だがプロト2の目にテリーの肩に自分の蹴りが当たった瞬間は見えなかった。なぜなら彼の視界からテリーが消えたからだ。
「外しましたか。だがまぐれです!終わらせますよ!」再度、プロト2の飛び蹴りがテリーを襲う。またしても外れた。
その後、何回も蹴りを放つプロト2だがテリーを捕らえる事は出来なかった
99輪廻転生 第二部:04/12/10 09:17:24 ID:GswJgPbo
「なぜです!この私がなぜ!」プロト2が苛立ちを抑えきれなくなった様に叫んだ。
「生憎耳はめっぽういいんでね。お前がどこにいようが空気がすれる音が教えてくれる。」
プロト2はテリーの顔を見た。そして驚愕した。テリーは目を開けていたのだ。空気のすれる音だけで
判断しているなら目を閉じるはずだ。だがこの男は空気がすれる音を聞きながら目で自分の動きを追っている。
「いいでしょう。なら私も奥義を使わせてもらいましょう。」プロト2の言葉が終わるか終わらないかの内にプロトの
体に異変が起こり始めた。元々細かった体がもっと細くなっていく。
「今こそ、御見せしましょう。我が奥義、神・狼牙音速拳!」プロト2の体が音も無く消える。
そして奇妙な音がし始めた。パン、パン、と音がし始めたのだ。
「この音はジェット機が音速を超える時にする音だ。まさか!」テリーが叫んだ。
テリーは五体全てに何かが当たる感触を感じていた。腹と思えば背中、背中と思えば顔、腰と思えば、腹といった感じで
攻撃を当てられている。
「ふははは!我が神・狼牙音速拳の前に敵などいない!そして俊神と呼ばれるこの私に勝てる者など
いないぃぃ!」プロト2は叫びながら手の形を手刀の形に変えた。そしてテリーに止めを刺すべく
テリーへと空中から突進する。だが、その手刀がテリーの背中を貫く事はなかった。プロト2は自分の顔に何か硬いモノが
当たるのを感じていた。そしてプロト2の体は壁に激突した。
 「バカな・・・この私が・・・」プロト2は吐血しながらもなんとか立ち上がった。今のでかなりの体力を消耗してしまった。
だが今はそんな事に構っている暇はない。目の前の侵入者を排除しなくてはならない。
「音速拳・・か。足から膝、膝から腰、腰から肩、肩かた肘、肘から手首への同時加速を利用して打つ技だな?
なかなかいいアイデアだったぽいが殺気が手に取るようにわかったんでな。カウンターを取らせてもらった。」
「こんちくしょぉぉ!」プロトが叫びながら最速のスピードでテリーへと突進する。35キログラムの物質が音速を超えるスピードで
飛んでくる様なものだ。
 テリーにはその瞬間、時がスローモーションになったかの様に見えていた。プロトの動きが非常にゆっくりに見えていた。と同時に
テリーの脳裏には師匠との思い出が蘇っていた。
100輪廻転生 第二部:04/12/10 09:18:39 ID:GswJgPbo
−−−−−カシャン
 「いいか。攻撃ってのはジャブから始まるものなんだ。ジャブじゃなくても速い攻撃からね。」テリーの養父であり師匠に当たる
その男は説明し始めた。
「え、でも威力がないよぉ。」金髪の少年が抗議した。子供心にも真剣にも闘いというモノを考えていたのだ。
「力だけじゃダメなんだよ。コンビネーションが重要なんだ。相手の動きを見切るという事もね。」
「具体的にはどんなモノなの?」
「動の中の静、静の中の動という言葉がある。」
「いきなりそんな難しい事言われてもわからないよぉ。」
「はははは、テリーが強くなればわかるよ。」
 ーーーーーーカシャン
テリーはそれを見た時、時が止まったような感触を覚えた。背中が凍りついた様に動かなくなり
全身の毛が逆立つような感じだった。目の前に人が死んでいる。自分を育て武術を教えてくれた人が
目の前で。その人が死ぬ間際に言った言葉。
「ギース・ハワードに気をつけろ。」
 ーーーーーカシャン

 「フハハハ!終わりだぁーっ!」直後、プロト2は奇妙なモノを見た。突如テリーが床に握り拳を
叩きつけたのだ。錯乱したのかとプロト2は思った。だが彼はもっと奇妙なモノを見た。
目の前に巨大な光の奔流が出現したのだ。
「おわぁぁぁーっ!」プロト2の体は吹き飛ばされ、壁に激突し、その衝撃は完全に彼から意識を奪っていた。



今回の投稿はこれで終わりです。
101作者の都合により名無しです:04/12/10 11:04:01 ID:mHiytRkY
みなさん乙です

ミドリさん>
原作も読んでいますよ。
独特の空気とリリアン学園の閉鎖性があるため、ギャグもの以外でクロスオーバー出来るとは思っていませんでした。
尊敬しております。
102作者の都合により名無しです:04/12/10 18:20:14 ID:zjY4YvuD

・ゲロさん
いや、原作に近い雰囲気だと思いますよ。あの漫画はなかなかSSにし辛いと思うけど、
淡々とした中の濃さ、見たいなものが良く出てます。人間の時を喰う蟲ですか。
期待してます。原作が一話完結だから、ショートストーリーが何話か連なるのかな?
・ミドリさん
うわあ、読んでないです、原作w 名前は良く聞くんですけどね。今度読んで見ます。
うーん、とびきりの美少女揃いのお茶会でも、様々な思惑が飛び交ってますねえ。
なんか場違いなトキコさん、「ハラワタブチ撒けろ」とか言ってキレ無いだろうかw
・輪廻さん
お疲れ様です。本当に年内に終わらせそうな勢いですね、これもドラえもんも。
しかし、ついに出てきたかヤムチャw すっかり忘れてた、一部はこいつが主役って事。
テリー・ボガード強いなあ。カツミン張りの音速拳をモノともしないのか。


ちなみに孔雀王は退魔師・孔雀が魑魅魍魎の類を密教の秘儀を使い払っていく話。
孔雀は孔雀明王の力を持ち、悪しき神々と戦う話へと突入する。
103サマサ ◆2NA38J2XJM :04/12/10 18:36:30 ID:KgPcKQ+o
あー、ちょっと申し訳ない報告。
現在少々たてこんでまして、執筆が滞っています。
次回投下は来週末以降になると思います。

年末はみんな辛いですよね、ねっ?(言い訳カコ悪い・・・)
104作者の都合により名無しです:04/12/10 19:01:36 ID:zjY4YvuD
年末はみんな忙しいからねえ。他の職人さんも。
また〜り待ってますんで。
前スレの20からの続き

「騒動」

先ほどのメンバーがタイムマシンに搭乗。運転をドラえもんに任せながら
これからの行動を話し合っている。

ジャイアン:「でさ、これからどうしたらいいんだ?」
気勢をあげたはいいけれど、とりあえず何をすべきか分らないジャイアン、ドラえもんに
問いかける。
ドラエモン:「そうだね。まず、居所が分かっている静香ちゃんを探しに行こうと思っているんだ。
      (ミゲルティアの方を向いて)ミゲルティア、静香ちゃんが連れて行かれた場所は
      大体見当がつくよね?」
ミゲルティア:「ああ、十中八九、クラッススの屋敷だろう。以前、私が働かされていた場所だから
       すぐにでも案内できるぞ」
ドラエモン:「OK。じゃあ、僕とミゲルティアが静香ちゃんを助けに行くよ。その間にジャイアンと
      スネ夫にはのび太君の行き先を調べてもらおう」
ジャイアン:「え、どうやってさ?」
ドラエモン:「(首をひねって)まあ、地道に聞き込みをするしかないかな?」
ジャイアン:「ウェ〜」
スネ夫:「で、でもさ僕らがローマをうろついたりして危なくはないのかな?」
スネ夫、ローマでドラえもんと別行動を取るのが不安になったか、心配そうな表情で
ドラえもんを見る。ドラえもん、そんなスネ夫の様子に少し笑いながらも、頼もしげに
こう答える。
ドラエモン:「大丈夫。さっき君らに貸した『剣闘士セット』があるよ(とスネ夫たちの装備を指差す)」
スネ夫:「(ホッとして)そっか、これがあれば安心だね・・・・あれ、そういえば僕が付けている
      のとジャイアンが付けているのって形が違うんじゃない?(ジャイアンと自分の
      装備を見比べる)」
ドラエモン:「あ、言い忘れていた。うんとね、まず、ジャイアンに渡したのが『セクトル剣闘士』
      といって、両手持ちの大剣と大きな兜が特徴な攻撃力に優れているタイプ」
ジャイアン:「おお、すげぇ!俺様向きだな!」
ドラエモン:「うん。で、スネ夫が付けているのが『網闘士』。投網で相手の動きを封じて
      槍で刺す、文字通り網を使うタイプだね。器用なスネ夫にはピッタリだと思うよ」
スネ夫:「へ〜、ちゃんと考えてくれてるんだ」
ドラエモン:「二つとも長所短所があるからちゃんと覚えておいてね」
ミゲルティア:「ドラえもん、私には何も無いのか?」
先ほどから二人を見ていたミゲルティアが少し羨ましそうにドラえもんに尋ねる。
ドラエモン:「いや、この道具は剣闘士以上には強くなれないから、既に凄く強いミゲルティアが
      装備しても、あんまり変わらないよ」
ミゲルティア:「なんだ、そうなのか」
ドラえもんの答えにつまらなさそうなミゲルティア。その横でスネ夫がミゲルティアを
恐怖のまなざしで見つめている。
スネ夫:「(そういえば、ミゲルティアって『剣闘士セット』を付けた僕らを一撃で倒した
      んだよな。まるで女ジャイアン、いや、それ以上だ・・・ガクガクブルブル)」
一人震えているスネ夫をよそに、やがて出口の方からは外界の光が差し込み始める。
ドラエモン:「あ、出口が近づいて来たみたい。皆、用意はいい?」
ジャイアン:「OKだ。オッシャ!行くぜ!」
威勢のいいジャイアンを先頭に一同、タイムマシン出口から外へ。
皆がタイムマシンの出入りからゾロゾロと出てくる。

ドラエモン:「よし、じゃあ、先ほどの手はず通り、君らはのび太君の行き先を調べてくれ」
ジャイアン:「まかせろ!」
スネ夫:「分かった!」
ドラエモン:「ミゲルティアは道案内をお願い」
ミゲルティア:「ウム」

一同、二手に別れる。
ジャイアン達と別れたドラえもんとミゲルティア。ドラえもんがミゲルティアに先導される形で
人通りの多いローマの町を歩いている。

ドラエモン:「(キョロキョロ見渡して)また、随分とぎやかな町だね」
町並みやそこいらにいる大道芸人などを見ながらドラえもんがミゲルティアに喋りかける。
ミゲルティア:「ここはローマの中心地だ。自然に活気も出てくるさ」
ドラエモン:「それに市場にも珍しいものがたくさんあるし・・・(露店を覗きこみながら)小麦、
      ぶどう酒、ビール、陶器・・・え、ガラス製品まであるの!わ、こっちにはウナギや
      タコなんかが売ってる!」
あちこちを見て驚くドラえもんにミゲルティアが笑って、説明をする。
ミゲルティア:「ローマ人は道路工事が得意だからな。まるで網の目のように道路を張り巡らせ、
       世界中からローマにあらゆるものを運んでくるんだ。食料、嗜好品、貴金属、
       そして奴隷・・・。道路を血管とするならば、さしずめローマはその心臓と
       いったところだろう。『全ての道はローマに通ず』さ」
ドラエモン:「へ〜、たいしたもんだね」
ミゲルティア:「ああ、まったくたいしたものだ。ローマ人が得意なのは道路建設だけではない。
       辺りを見てみろ(と手をやる)。公衆浴場、水道管、神殿、噴水、競技場・・・、
       これらは皆、ローマ人が作ったものだ。奴らはこれら石の建築物で後千年までも
       朽ち果てぬ都を作るつもりなのさ(忌ま忌ましげに」
ドラエモン:「(威容を誇る建築群を見まわしながら)へ〜、凄い・・・」
ミゲルティアの説明にひたすら感心しているドラえもん。その前を歩くミゲルティア
がふと立ち止まり、前方を指差しながら言う。
ミゲルティア:「雑談が過ぎたようだな。この道をまっすぐ行ったところがクラッススの屋敷だ。
       急ごう!」
ドラエモン:「うん!」
二人、駆けだす。
109ローマ:04/12/10 20:09:46 ID:dVv/TH+l
今回の投稿終了。・・・期間をあけてしまって申し訳御座いませんでした。
場面4はなんとか書き上げたので前と同じように投稿できると思います。
ただ、その先が・・・。あれですね、下手な伏線って不良債権と一緒ですね。
身をもってしみじみとそう思いました。
110作者の都合により名無しです:04/12/10 20:45:28 ID:zjY4YvuD
おお、やっと復帰してくれたねローマさん。
12月は忙しいから、投稿もみんなスローペースですし
自分のペースでやればいいよ。

いよいよドラえもんたちもローマ殴り込みで、全員集合って感じですね。
やっぱりこのパーティ+ゲストキャラじゃないと盛り上がらない。
これから本当に楽しみです。頑張ってください。

111作者の都合により名無しです:04/12/10 21:29:46 ID:6Ml8AB/R
脚本形式なのに場面(ローマ)の空気が伝わってくる。すげー
それにしても前スレ見たけど、一月ぶりなんだね。
とはいえもう上で言われてるけど、投稿ペースはあんまり気にしなくてもいいと思う。
読み手にとっては無理されて潰れられるっていうのが一番まずいし。

確かに、伏線はあんま張りすぎると処理に困るだろうね・・・
そこんとこを片付けるのに時間がかかるだろうけど、時間がかかっても自分が納得いく形で仕上げてください。
プロの漫画家・小説家でも伏線無視するのは結構いるけど。
112ふら〜り:04/12/10 22:28:18 ID:fKUn23xk
>>NBさん
良いですなぁ。こういうノリが、たま〜にあってこそ、怒りも涙も引き立つというもの
ですよね。頑張れ愉快な仲間たち、と。でセフィリアの姐さんですが、「功を焦っただけ」
って自覚してるところが何だか。キレた思考を落ち着いてできる人、というか。迫力です。

>>ドクターさん
外見だけを食べている、だから声はちゃんと変わる。深いですなこれ。ということは、
年月が過ぎればちゃんと老衰で死ねる。但し外見は若いまま。この設定だけでも多彩な
ドラマが描けそうです。蟲が消えたら消えたでいろいろありそうですし。先が楽しみです。

>>ミドリさん
私も「マリみて」は未見です。が、それでもちゃんと楽しめてますよ。ご心配なく。まあ、
元ネタを誰も知らない、については大先輩ですし私。ふっ。で今回は、何だかんだで
頑張ってる祐巳と、相っっ変わらず周囲を捻じ伏せる(?)沙織が柱ですね。祐巳、健闘。

>>輪廻さん
おぉ、さすがはサウスタウンの英雄。音速拳を知ってて、対処法も知ってて、カウンター
でゲイザーですか。回想の中のジェフ、何か随分柔らかい印象ですね。結局公式には出ず
じまいで、私はやはり天獅子先生のをイメージしてます。……で……ギース様も出ます?

>>ローマさん
うんうん。大長編ドラの味わいの一つ、「旅の雰囲気」が出てますねぇ。で改めて言われて
ますが、ミゲルティアの強さは並の剣闘士以上……そりゃ日本の小学生ガキ大将なんざ
相手になりませんわな。何となく、ピーダーパンのタイガーリリーみたいなイメージです。
113ザク〜ソドム(一)〜:04/12/10 23:35:29 ID:6Ml8AB/R
>>22-28より
114ザク〜ソドム(一)〜:04/12/10 23:36:45 ID:6Ml8AB/R
 東方不敗の遺体はザクの手で埋葬され、マスターガンダムと共に土に返った。
――さらばだ、東方不敗……
 手近にあった岩を墓石として置くと、ザクは両手を胸に当てて簡素なカトリックの祈りの言葉を捧げた。
――東方不敗がどういう宗派に属していたかは知らないが、祈りを捧げるくらいはいいだろう。
 と、その時。
『見事だったぞ、ザクよ』
――え?
 不意に、ザクは虚空から東方不敗の言葉が聞こえたような気がして空を見上げた。が、それが幻聴で
あると気付く――少なくとも、ザクはそう考えた――と、心中で穏やかな笑みを浮かべる。
――あんたは……あんたは悪人なんかじゃなかった。真面目すぎた故に、世界の巨悪を一人で背負い
こもうと必死だったんだ。だけどもう、これからは安らかに眠ってくれていいんだ……
「ザク」
 ふと気がつくと、足元に刃牙とコロ助が並んで立っていた。呼びかけたのは刃牙だ。
「親父の師匠とあんたの闘い、陰ながら見届けさせてもらったよ」
――親父?
「俺は奴らの会話を聞いていたんだが……東方不敗は俺の親父、範馬勇次郎の師匠だったんだ」
 激しい闘いを終えたばかりで疲れていたザクの心に、波紋が広がる。それが果たして怒りなのか悲しみ
なのか如何なる感情なのか、ザクにも分からなかった。
――そうか……。刃牙は範馬勇次郎の血を受け継ぐ男だったのか。そして、東方不敗は奴の……
「俺の事も、憎いか?」
 唐突に、刃牙が問いを発した。
「あんたが親父を目の敵にしてるってことも聞いた。コロ助からな。だったら俺のことを憎く思っても――」
――勘違いするな。
 それがザクの答えだった。
――俺の宿敵は範馬勇次郎だ。息子のお前にまで私怨を燃やしたりはしない。
115ザク〜ソドム(一)〜:04/12/10 23:38:39 ID:6Ml8AB/R
「……そうか。それを聞いて安心したぜ。なんせ」
 刃牙は右拳を胸の前に挙げた。そこに浮かぶのは、クイーン・ザ・スペードの紋章。
「俺とお前は一緒に闘う運命にあるらしいからな」
――お前、それは――
「クイーン・ザ・スペード。郭海皇のじいさんから受け継いだんだ。〜〜ッて、おい」
 刃牙はザクの右手の甲を指した。
 そこにもまた、シャッフルの紋章、キング・オブ・ハートが浮かびあがっていた。
――俺のキング・オブ・ハートの紋章が、刃牙のクイーン・ザ・スペードの紋章と共鳴しあっているのか。
「そうらしいな。俺の拳が熱い。シャッフル同盟ってのは、こうも厚く繋がってるもんなのか……」
「これなら世界中を飛び回って新しいシャッフルの仲間を探すのも簡単ナリね」
「その通り!」
 コロ助の言葉に、突然第三者の言葉が続いた。三人は声の発生源、右手の崖の上に視線を送る。
 そこに立っているのは、袈裟を身に纏い笠を被った僧侶。
――来たか、王大人。
 突如気配も感じさせずに現れた王大人は笠をぬぐと、30mはあろうという崖から飛び降り三人の目の
前にずしん、と立った。
「これからお前は新生シャッフル同盟を結成し、『ソドム』に立ち向かわねばならんのだ」
「あ、あんな高さから飛び降りて平気なのか……あんた……」
 刃牙ただ一人が突然の来訪者に戸惑っているが、ザクはそれを気にも留めずに王大人に問う。
――あんた、『ソドム』とやらを知っているのか?
「うむ。『真苦露西手意』について調べるため男塾の密偵を走らせたところ、秘密結社『ソドム』の存在が
明らかとなった。奴らこそが、真に立ち向かうべき敵である」
――東方不敗が最期に言い残した、秘密結社『ソドム』……。一体、どこまで分かっているんだ?
「ではまず、『ソドム』の構成から話そう。奴らは――」
116ザク〜ソドム(一)〜:04/12/10 23:40:58 ID:6Ml8AB/R
 高さ30m、直径50mという途方も無く大きく薄暗い円筒形の部屋の中心で、六つの影がテーブルを
丸く囲んで座っていた。広い部屋でのこじんまりとした佇まいであるにも関わらず、彼らの発する威圧感
は部屋を一杯に満たし、息苦しいものとしていた。
「よもや東方不敗が敗れるとは……。ザクとやら、意外と侮れん存在かもしれん、な……」
 六人の内の一人、冥法王ベースがつぶやく。黒い軍服の美青年といういでたちだが、言葉を発してい
るのは右手に持っている壮年の男の首の方だった。
「ふん。あんなやつ、やられて清々したわい!あいつはこの藤堂兵衛を敵視しておったからな!」
 藤堂兵衛が憎々しげに答える。顔面を縦に真っ直ぐ走る傷跡が生々しい。
「私もお前が嫌いだ」
 両性具有の超越者、葉隠散が鼻を鳴らして言う。
「お前を見ているだけで吐き気がする」
「な、なんだとこの若造が!」
 散の言葉に怒りを覚え、藤堂兵衛ががたっと席を立つ。そして散を指差し、叫ぶ。
「それが年配者に対する言葉使いか!そもそも貴様如きはこの『ソドム』には不要な存在なのだ!」
「ほう」
 散はあくまで平静でありながら立ち上がり、藤堂と向き合う。
「不要な存在とはお前のことではないのか?この役立たずが」
「ぬぅぅぅぅぅぅぅぅ、言わせておけば!ならばこの場で貴様を血祭りにあげ――」
「やめい」
 二人の間で異様なまでに膨れ上がった筋肉を持つ巨漢、ラオウが立ち上がる。
「それ以上場を乱さば、この拳王が二人まとめて相手してくれようぞ」
 決して大きな声では無かったが、一般人が相手であればそれだけで失禁しかねない、強烈なプレッシャ
ーを伴った言葉であった。
117ザク〜ソドム(一)〜:04/12/10 23:42:55 ID:6Ml8AB/R
「ぬ、ぬぅ」
 藤堂はラオウに圧倒されながら不満そうに腰を下ろすが、散は凛とした態度で優雅に座る。
「冗談だ、拳王。この散が藤堂如きを相手にするわけがあるまい」
 藤堂がきっと散をにらみつけるが、散はそれを気にも留めず流す。
 残る二人、人外の美貌を誇るグリフィスと鋭い目つきの後藤だけは言葉を発しなかった。

――秘密結社『ソドム』はその六人のみで構成されているのか?
 ザクの問いかけに、王大人は首を横に振る。
「否。もう一人、ここに加わる事となる。最も凶悪なる者が……」

『ほっほっほ。相変わらず、あなた方は仲がよろしくないのですね』
 テーブルの中央に実寸大のホログラムが浮かび上がる。浮遊する不思議な乗り物に乗った、宇宙人。

「曰く『帝王』。曰く『宇宙最強の生物』」
――いったい、誰なんだ?
 ザクが拳を握って尋ねる。
「しっかと聞けい。奴の名は――」
 王大人は脂汗を一滴、たらりと流した。

「フリーザ……」
 冥法王ベースがぽつりとこぼす。
『これで全員が集まりましたね。もっとも、私はまだ地球に到着していませんので立体映像で失礼させて
いただいていますが』
 冥法王ベースが、葉隠散が、藤堂兵衛が、ラオウが、グリフィスが、後藤が囲う中で、フリーザは彼らの
威圧感さえ感じることなく、飄々とした態度で言う。
『それでは、これより第三回『ソドム世界会議』を始めましょう』
118作者の都合により名無しです:04/12/10 23:47:17 ID:6Ml8AB/R
今回投稿終了。
後藤は「寄生獣」に出てくる後藤です。当然、この先ミギーも出ます。
ザクSSで出てくる漫画はおそらくこれで全部です。
119作者の都合により名無しです:04/12/11 00:04:08 ID:qDpY7cEW
キャラ選択がナイス。

燃える展開だッ!
120作者の都合により名無しです:04/12/11 00:09:58 ID:C+9vZYT0
ベースって「ハーメルンのバイオリン弾き」か
121作者の都合により名無しです:04/12/11 00:24:04 ID:h39CJpUl
ザクよ、燃え展開現役ナンバー1はあなたかも知れぬな。
萌え展開は圧倒的にミドリさんがナンバー1だけど。

そしてローマさん、お帰り!
待ってたよん。今のままで十分面白いよ。
伏線に囚われすぎると、かえって作品が萎縮しちゃうかも。自由にね。
122作者の都合により名無しです:04/12/11 00:48:35 ID:ou16mli+
フリーザ   DB
冥法王ベース ハーメルンのバイオリン弾き
葉隠散    覚悟のススメ
ラオウ    北斗の拳
藤堂兵衛   魁!!男塾
グリフィス  ベルセルク

だな。
123作者の都合により名無しです:04/12/11 01:13:07 ID:lM6yuLAt
ザクさんは上手いなあ。読み手を意識して、乗せるところが。
毎回本当に楽しみにしてる。

しかし、今夜本当に嬉しいのはローマさんの復活だ。
シナリオ調の書き方最初違和感あったけど、今は却って見易くていい。
いよいよ男気ジャイアンがローマで見られるか?

スチールさん…。本当に信じて待ってるよ…。
マルティメディアさんも最近来ないっすね。
124作者の都合により名無しです:04/12/11 04:20:40 ID:5CaDQY4g
>ローマさん
お久しぶりの乙。のび太と早く合流して、このチームの強さを見せてくれ。
>ザクさん
フリーザはいくらなんでもケタ違いすぎだろwどうやって倒すんだ?w

あとちょっとタイミング遅れましたがミドリさん、ファンなので頑張って下さい。
125作者の都合により名無しです:04/12/11 06:28:31 ID:dRfzCLo5
>>79
なんだか思ってたよりまともに進行してるみたいだな ちょっと意外だった
126作者の都合により名無しです:04/12/11 07:25:38 ID:JsfM1zmc
>ザク氏
ベース…って、まさかケストラーまで出てきたりは…
あれなにげにバーンより強い魔王だからなあ…出てきたら終わるw

>ローマ氏
復活乙です
正直、最初は読み飛ばしてたけど更新が来ない間にまとめで一気読みしたらハマった
いよいよ本格的に動きだしそうな展開で楽しみ
前回までの話
http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/dekisugi/2-05.htm

暗く沈んでしまった少年に、ドラミは懸命に語りかけていた。

「そんなに一人で悩まないで。何も恥じることなんてないのに・・・。
私やワンダー・ガールさんだって、戦いには参加してないわ。
スネオさんだって、ここにいて、みんなの役に立てばいいじゃない!」

懸命に語りかけてくるその声は耳には入っていた。ぼんやりと、それが暖かいもの
であることだけはわかる。氷で創られた茨のトゲのような冷たい鋭利なものでない
ことはありがたかった。しかし、それらは心の奥底にまでは響かない。

足が震えて動かなかった。あの時、弱音や言い訳ばかりが脳裏を埋め尽くしていた。
夢中になっててはっきりとは覚えてないけど、たぶん、それらを全部、さらけだして、
駄々をこねる子供のようにみっともなくわめき散らして、僕はここに残ったんだろうな。
・・・つくづく思う。僕はなんて臆病なんだろう。単純馬鹿のジャイアンはともかく、
女の子のしずかちゃんやリルル、あのドジでノロマでいつも僕が馬鹿にしていたはずの
のび太までもが、いざとなれば勇敢な戦士に変貌してしまう。それに比べて僕は・・・
幾度もの戦いや冒険を繰り返しても進歩がない。

情けなさと、自分自身への絶望と―――――――――

バンホーたちが戦いを開始し始めた、ちょうどそのころ、スネオは自らのふがいなさを
嫌悪し、ただ小さくうずくまり、視線を床に落として葛藤し続けていた―――――――。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ドラミはかぶりを振って呟いた。
「ダメ。完全に落ち込んでるみたいね。今はそっとしておくしかないみたい。」

ロー、そしてワンダー・ガールもまた、スネオの心情を察して気遣っている。
「私は、スネオさんの感覚が普通なんだと思うの。誰だってこんな死ぬかもしれない
戦いなんかやりたいはずがないわ。」
「うーん。普段なら意気地なしって蹴り飛ばしてやる流れなんだけど・・・
戦うのも戦わないのも本人の自由なのよね。私だって、みんな命がけなのに
戦いに参加できないのはみんなに悪い気がするわ。」

ここは、戦闘中のバンホー率いる反乱軍たちの拠点である。
しかし、出陣前と同じ場所ではない。守りが手薄になった今、少しでも危険を回避すべ
く、ドラえもんの持つ携帯キャンピングハウスを使って、一時的に移転したのである。

ドラミとワンダー・ガール、そしてローの女性3人は、戦闘には参加せず、この拠点に
待機していた。もちろん、戦う力のない女性であるからといった理由ではない。いや、
むしろ強力な秘密道具を駆使し、その上頭の回転も早いドラミや、強力なサイキッカー、
ワンダー・ガールが戦闘において役に立たないわけがない。みな明らかに不足している
戦力を割いてまで必要な、この戦いにおける重大な役割を担っているのだ。

ドラえもんたちが無事にメインコンピューターを破壊した場合、すぐにでも地上に救援を
求められるように、この3人は残らざるを得なかったのである。竜人代表としてのロー。
救援要請の際、タイムマシン等を操り、タイムパトロールへの救援要請も可能なドラミ。
にわかには信じ難いこの地底帝国の話を伝える際に、未来世界の警察に対して秘密道具は、
そうそう通用しない。その場合に、超能力を駆使して交渉にあたれるワンダー・ガール。
この3人が絶対に必要なのである。
ふと思い出したように、ローはドラミに問いかけた。
「そういえば、ドラミさん、この黄色いブレスレットの意味は・・・?
兄にも同じものを渡してたみたいですけど。」
見ればその手首には、黄色い竜を象った前衛的なデザインのブレスレットが輝いていた。

ドラミは淡々と答える。
「“おまもり”よ。竜の遺伝子には、竜の遺伝子。今言えるのはそれだけ。
セワシくんがもっとちっちゃかったころ遊んでた子供のおもちゃだから・・・。」
「こ、子供の・・・」
「そう。私たちにとっては子供のおもちゃ。
・・・だけど、あなたたち竜人の一族にとってはひょっとしたら・・・・。」
なにか禅問答の手ほどきでも受けているような面持ちでローは小首をかしげた。

ドラミはやはり淡々と続けた。あいまいに、はぐらかすように・・・。
「そう思って渡した、それだけのことよ。決して過信できるシロモノじゃないわ。
だから、これは単なるおまもり。そのつもりで受け取っておいた方がいいわ。」
「・・・はい。よくはわからなかったけど・・・。」
ローはもう一度黄色い竜のブレスレットを改めて眺めてみた。
しかし、その黄色い竜は、ただなんの変哲も無い微かな光沢を放つだけだった・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一方、そのころ―――――
要塞内の薄暗い一室でカタカタとコンピュータを操作している者がいた。
モニターを眺め、やがて意地の悪い会心の笑みを浮かべる。

「ついに見つけたぞ。反乱軍め。決戦にあたって拠点を移動させたのが裏目に出た
ようだな。女子供が数人残っているだけ・・・か・・・。くっくっくっく・・・!」
ズル木はズル賢い笑みを浮かべながら、薄暗いその部屋を後にした。

そして―――――――続いてその部屋を後にする“もの”。
ズル木が立ち去ったその同じ部屋に潜んでいた、ズル木さえも気付かぬ何者かが―――
この世のものとも思えぬ、声ならぬ静かなうなり声をあげ、ズル木の後を追う。

―――――――ウオオ〜〜〜〜〜〜ン・・・・・!――――――

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「くそうっ・・・!なぜだ!?なぜ体が動かん!」
帝国の上空を舞う飛竜の一団。
その背に乗った悪魔たちの隊長格と思われる男が歯噛みする。

突然、地底帝国を襲った“冬”。その冷気に悪魔たちは、かろうじて持ち堪えていた。
しかし、より色濃く恐竜の遺伝子を引き継ぐ魔竜の受けたダメージは、悪魔たちの
比ではない。飛竜たちは目に見えて動きが鈍り始めた。

そこを狙いすましたかのように反乱軍の砲撃の嵐が彼らを襲う。通常の砲撃ではない。
“空気砲”である。どういう構造なのか、高威力の砲撃を連続して的確に放ってくる。
それも竜に乗って戦場を駆け抜けながらである。飛竜たちは、次々と撃墜され、また
あるいは、撃墜されるまでもなく飛行能力が鈍り、自ら墜落していく竜さえもいた。
また、陸に待機していた飛竜たちは、翼を開くことさえ困難な有様である。

「クッ! これが、我々がはるかな祖先から引き継いだという竜の遺伝子なのか!?
だが、なぜだ!? なぜやつらの操る竜の動きは衰えないのだ・・・!?」

陸上騎竜部隊もまた大きく出遅れている。やはり竜が凍えて動かないのだ。
竜をあきらめ、突っ込んでいく悪魔たちを砲撃を中断した反乱軍が出迎える。

「来たな、帝国兵め!そうら、冷えた体を暖めてやる!」
2人一組となった2騎の若い兵士が、勇ましく飛び出した!各々、その手に一本の
長いロープをつかんでいる。そのまま二手に分かれ、悪魔の一団から大きく逸れると、
今度は裏手に回り込むように再び合流を目指す。

「うわぁっ!」「ぎゃあっ!」
二人が合流したとたんに、帝国の悪魔の一団が、一斉に悲鳴をあげた。
兵士たちの密集する地帯に直径100M以上の円形の泉が出現したのだ。
悪魔たちは、ドボドボと、なすすべなく泉に落ちていく。
最初に飛び出したロープを持った二人が叫んだ。
「はっはっは。見たか帝国兵ども!“温泉ロープ(お徳用)”の威力を!!」

突如出現したそれは、泉ではなく温泉だったのだ。温泉ロープとは、ロープで囲むと
その部分が温泉になるという不思議な道具である。また、お徳用なだけに実に長い。
さらに深さを調節しているため、その深さは、ちょっとした池ほどもある。

次々と温泉に落ち込む悪魔たちを追って、反乱軍の騎竜兵が数組、温泉に飛び込んだ。
突然のことに、焦りもがく悪魔たちに冷静に止めを刺している。よっぽど水中戦闘に
慣れているのか、不自然なほどに手際がいい。まるでそこが水中ではなく陸上である
かのような流暢な動きである。

生き残った飛竜部隊数十名の隊長が、たった数十名の先兵にいいように翻弄されている
現状に怒りを爆発させた。
「おのれぇええ!虫ケラどもめが!目にもの見せてくれるわ!!
――――“科学”の御名において、我が手に舞い集え地獄の業火よ!」
反乱軍の上空で、手に持つヤリの穂先に力を収束させる。

「出でよ! 火竜!!」
ヤリの穂先から、信じられないほどに凄まじい威力の炎が解き放たれた。
その炎は力強い竜の形を成して、反乱軍に襲いかかる。

「ふはははははははははは!」
悪魔の哄笑が地上へと降り注ぐ。火炎竜の直撃を食らった反乱軍の先兵が巨大な炎の柱に
包まれ、燼と化した・・・かに思えた!

しかし、業火がようやく、その勢いを失くし始めたその中から、まるで何事もなかった
かのように、全くの無傷で再び姿を見せる反乱軍の兵士たち。悪魔たちは驚愕した。
「なにぃ!?い、生きているだと!? バカな!!」
「お、お前たち、我に続け!続けええ!!」
背後の部下たちに追撃を促し、自らも再びヤリの穂先に力を収束させ始める。
彼の放つ火竜を中心に、幾筋もの火炎が再び、反乱軍わずか数十名を襲った。
先ほどの数十倍はあろうかという火力に包まれた反乱軍は、そのあまりに
膨大な火勢に完全に飲み込まれ、その姿はかき消えた。

・・・しかし、やはり結果は同じであった。業火の中から何事もなかったかのように、
無傷で再び現れる反乱軍のその姿に、悪魔たちはやはり動揺を隠せない。

「ええい、ならば、水竜よ・・・・!」
「ふっふっふ!無駄だ!!」
悪魔の口上をさえぎり、一人の兵士が高々に叫ぶ。

「“テキオー灯”の神秘の光を浴びた我等には、もはや火炎水流の類はまやかしも同然!!」

テキオー灯。それは、その光を浴びさえすれば、24時間もの間、極寒の地、凄まじい水圧を
誇る深海、果ては太陽の超高熱の中まで、いかなる苛酷な環境にも対応できる奇跡の光である。
そう。反乱軍は、事前に兵士、そして自らの操る竜たちにテキオー灯を浴びせておいたのだ。
環境そのものではない、火薬による爆炎を防げる保証はないが、悪魔の得意とする炎、水流の
類からその身を守れれば、戦局は大いに有利に傾く。

バラバラと轟音が鳴り響く。混乱していた帝国の陸戦部隊、そして飛竜部隊が急遽退却を始め、
代わりに戦闘機の大軍が飛び出してくる。どうやら、悪魔の身に変化しても兵器の扱いだけは
忘れていないようである。

戦況をじっと見つめていたバンホーが、帝国の動きに合わせ、再び口を開いた。
「第2陣、出陣・・・!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
134ドラえもん のび太の地底出木杉帝国:04/12/11 09:00:31 ID:y7ZHYuOB
ふう、ようやく今回分終了です。投稿規制ややっかいですね。
ほんとは昨日の夜投下予定だったんですが、ここんとこ徹夜続き
だったので爆睡してしまいました。最近はちょっと寝ないだけで
疲れすぎ。年はとりたくないものです。

そういえば、今回大きく動くって言っときながら全く動いてないですね。
すみません。たぶんレス番200くらいまでには動いてると思います。

フリーザですか。ハーメルキャラなら魔物化コルネットあたりなら
いい勝負しそうな気もしますね。なんとなく。
たしか裏ラスボス倒したの彼女でしたし。
135作者の都合により名無しです:04/12/11 10:19:17 ID:T6HKPmkz
>ザク
ラオウって確か、初期のザクに負けてたよね?
何か伏線ぽい終わり方だったし、どっかで修行しなおしたのかな。

>出木杉帝国
 ひみつ道具大活躍ですね。
 スネ夫が復活して美味しいところもっていきそうな予感。
というか、そうなって欲しい。

>ローマ
不良債権処理お疲れ様。
何か4人の情景が浮かび上がってきますね。ここまでが導入編かな。


ちなみに孔雀王は、孔雀明王の生まれ変わりのレイという少年が、
他の明王や八大童子の力を借りながら、五大竜王、ルシフェルと戦う話。
136作者の都合により名無しです:04/12/11 10:25:40 ID:6OLtwqdL
ごきげんよう、うみにんさん。

いよいよ決戦の口火が切られましたね。しかし、心配なのはスネ夫。
でも、スネ夫はヒザを抱えて震えているような男じゃない。
ジャイアンが男気を発揮して、自ら先頭に立って味方の士気を上げる侠ならば、
スネ夫はなけなしの勇気を振り絞り、震えながらも自分より強い者に立ち向かう漢。
彼が化ける姿を期待しております。
137作者の都合により名無しです:04/12/11 11:06:51 ID:vllcuwPP
火の魔法くらって平気な反乱軍に燃え。
想像するとすげーかっこいい。
スネオはポップキャラだね。
138作者の都合により名無しです:04/12/11 11:09:59 ID:2owdEzmC
>うみにんさん
スネオの心理描写でまた静かなたちあがりかと思いきや、
めちゃめちゃ激しい戦いになってますねw
まさに最終決戦にふさわしい熱い戦いだ。
なるほど、テキオー灯をそう使ってきましたか。
雪作戦といい温泉ロープといい意外な道具が絶大な威力なのが楽しい。
この勢いならこれから先のドラたちの活躍にも期待大です。
139作者の都合により名無しです:04/12/11 12:39:58 ID:h39CJpUl
うみにんさん乙華麗
超燃えになりつつある流れですな。戦いは本当に始まったばかりで
お楽しみはまだまだこれからですが。

それにしてもミドリさんは人気あるなあ。
ファンクラブ会員bPを勝手に名乗ろう。

>>135
>孔雀明王の生まれ変わりのレイという少年が、
>他の明王や八大童子の力を借りながら、五大竜王、ルシフェルと戦う話
そうだっけ?あってるような違ってるような。もうあんまり覚えてない。
でもゲロさん、この作品は名作だから読んでおいてもいいと思いますよ。
140作者の都合により名無しです:04/12/11 14:39:57 ID:UstgyVgS
>>126
俺が思うにケストラーを遥かに上回るのフリーザだな。でもザクの味方で唯一のDBキャラは今のところヤムチャ・・・。
まさか、よりにもよってこいつがフリーザを倒す時に重要な役割を果たしたりして。
141作者の都合により名無しです:04/12/11 17:17:00 ID:qxFN6xLy
>>135
>孔雀明王の生まれ変わりのレイという少年が、
>他の明王や八大童子の力を借りながら、五大竜王、ルシフェルと戦う話
それって明王伝レイでは?
142作者の都合により名無しです:04/12/11 18:58:34 ID:37cAQTMI
ツッコミをありがとう
143作者の都合により名無しです:04/12/11 19:28:27 ID:9B+GdoS+
一気に決戦気配がスパークしてきたね、出木杉。
このまま一気に盛り上げて、クライマックスでは興奮させて欲しい。
スネオは鍵を握ると見た!

>>108からの続き

小走りのドラエモンとミゲルティアが大きな屋敷の前へ到着。

ミゲルティア:「ここだ」
ミゲルティアが指差すその屋敷は家というより神殿、小規模の城といった風。
周囲には高い壁、門のところには警備の者が数人うろついており、簡単には
中に入れそうにない。
ドラエモン:「どう、静香ちゃんはいそう?」
屋敷のことに詳しくないドラえもん、ミゲルティアに問いかける。
ミゲルティア:「ここからでは何とも・・・。だが、確かにここにいるはずだ。ちょっと様子を見てみよう」
二人、近くの物陰に身を隠し、そこから警備兵達をのぞき見る。

「どうだい調子は・・・あの件はどう・・・」
「いや、それがな・・・・・・・・・・・・・」

退屈を持て余しているのか、警備兵隊は何やら雑談の真っ最中。しかし、距離が遠すぎて
ドラえもん達のところまでは声は聞こえない。そんな警備兵達を見ながら、ミゲルティアが呟く。
ミゲルティア:「う〜ん、あの会話が聞こえたら良いんだが・・・」
ドラエモン:「よし、まかして!」
ドラえもん、ポケットをゴソゴソとやる。
ドラエモン:『糸なし糸電話〜!』
ドラえもんがポケットから出した物はいわゆる糸電話そのもの。現代ではさして珍しいもの
ではないが、ミゲルティアは不思議そうにドラえもんの出した道具を見つめている。
ミゲルティア:「なんだ、それは?」
ドラエモン:「(自信あり気に)まあ、見ててよ。飛べ!」
ドラえもんの掛け声とともに、糸電話が警備兵達のもとへ飛んでいく。やがて電話は
兵隊達の頭上に。すぐに音声が送られて来る。
「・・・で、捕まえたはいいんだが、なんだか別人みたいなんだ」
「別人って?間違えて捕まえてきたのか?」
「いや、間違えたはずはないんだ。追っていたのは確かにミゲルティアだった
 し、顔も違いはない。ただ、なんていうか、言っていることが変なんだ」
「変?」
「ああ、『人違いだ』とか『私はニホンからやって来た』とか訳の分らんことを・・・」
「おおかた、逃げ出したくてそんな出鱈目を言っているんじゃないか?」
「まあ、そうだとは思うのだが、どうも腑に落ちん」
「おいおい、つまらんことを気にして入るとまたクラッスス様に怒叱られるぞ」
「ハハハ、そうだな。そういえば、クラッスス様はもう元老院から戻られたのか?」
「いや、まだのはずだ。あの方も選挙を間近に控え、お忙しいからな。カエサル様を
 お供にそこら中を飛び回って・・・」

ドラえもん、糸電話から耳を離す。
ドラエモン:「やっぱり!静香ちゃんはここに捕まっているんだ!ねえ、ミゲルティア、今の
      聞いた?」
ドラえもん、静香の手がかりに興奮し、横にいるミゲルティアに話かける。しかし、
ミゲルティアはクラッススの屋敷とは全く別の方向を向いていて微動だにしない。
ドラエモン:「ミゲルティア?」
様子のおかしいミゲルティア。ドラえもん、自分もミゲルティアと同方向へと視線を向ける。

「ガヤガヤガヤ」

ミゲルティアの視線の先にあるのは何やら大勢の人だかり。その群集の真ん中で商人風の
男が少年少女をズラリと並べ、集まった人々に向けて声をあげている。
商人:「さあさあ、見てらっしゃい!ここから遥か東方より連れてこられた奴隷だよ!
    褐色の肌に黒い髪の毛、スラリと伸びた長い足。給仕として使うも良し、
    愛玩用にするも良し。さあ、今ならお買い得だ。どうぞ、どうぞ見てらっしゃい!」
商人の掛け声に引き寄せられたか、一人のローマ人が手を上げて言う。
ローマ市民:「一人買うぞ。そこの奴だ」
商人:「へい、ありがとうございます!おい、お前、ここに来い!」
客に指名された少女が列から引きずり出され、客に見易いよう高台に立たせられる。
『品物』として大勢の視線を浴び、沈痛な面持ちの少女。しかし、そんな少女の様子など
全く意に介さず、そのローマ市民が続けて言う。
ローマ市民:「中身を見せろ!肝心の中身を見なくては値が付けられんぞ!」
商人:「おお、これはしたり!ではではご存分に・・・。オイ・・・(手下達を見て顎で合図する)」
商人の指示により、周りの手下達が少女の衣服に手をかける。少女、服を脱がされまいと、
必死に手下達の手を振りはらう。
少女:「×◎△△×○!!」
手下:「くそ、おとなしくしてろってんだ、この小娘!」
少女の抵抗に手を焼く手下たち。それをローマ市民たちが面白がって囃したてる。
ローマ市民:「いいぞ〜!」
ローマ市民:「ほら、さっさと脱がせ!さもないと買い手がつかないぞ!」
ローマ市民:「ゲハハハ〜」

ドラエモン:「酷い・・・」
先ほどからのあまりの光景にドラえもんが思わず呟く。その横ではミゲルティアが視線を
動かさないまま吐き捨てるように言い放つ。
ミゲルティア:「ローマ名物の奴隷市だよ。戦争が終わるたびにローマ中でこんな
       光景が繰り広げられる」
ドラエモン:「どういうこと?」
ミゲルティア:「(初めてドラえもんの方を向いて)さっきの市場と同じだよ。ローマに戦争で
       負けた者達が『収穫』され、ここローマまで連れてこられて品物と同じように
       売られる、ということさ。この私と同じように」
商人:「貴様!お客様に何をするんだ!」
商人の怒声に二人は視線を戻す。すると、手下達に羽交い絞めにされた少女が
最後の抵抗とばかりに客に唾を吐きかけている光景が目に入る。
少女:「◎×△□○△!!」
少女は何かを叫びながら商人に向けても唾を吐きかける。
商人:「(唾を吐きかけられて)ウ、うわ!どうしてお前はいつもいつも・・・。もう我慢ならん、
    こうしてくれる!」

「バシン!」

怒り心頭の商人、懐から鞭を取り出し少女を打ちすえる。
商人:「貴様が奴隷だということを身をもって教えてくれるわ!」
バシン、バシンと商人が少女の背中を鞭打つ。悲鳴をあげる少女。
ドラエモン:「なんて惨いことを・・・、あ、ミゲルティア!!」
突如、ドラえもんの脇からミゲルティアが躍り出る。ドラえもんの制止も追いつかぬスピードで
商人に近づくやその勢いのまま激しく体当たり。
商人「グワッ!!」
商人が吹き飛ばされる。それを見て叫び声を上げるローマ市民。ミゲルティアは
誰彼構わずそこら一帯で暴れまくる。やがて、騒ぎをききつけた警備兵達が
クラッススの屋敷から続々と駆けつけてくる。
警備兵:「何事だ!!」
ドラエモン:「あ、まずい!ミゲルティア、ミゲルティア!!」
ドラえもん、必死でミゲルティアに呼びかけるが、ミゲルティアに応える様子は全くない。
ミゲルティア:「ウオオォ!!」
ドラエモン:「全然、聞こえていない・・・。どうしよう、どうしよう!?そうだ!!」
ドラえもんがポケットをガサゴソとやる。
ドラエモン:『くすぐりノミとマーマー棒〜!』
ドラエモン:「これで警備兵をくすぐり、その間にミゲルティアを落ちつけて逃げよう!えい!」
ドラえもん、ミゲルティアに『くすぐりノミ』の瓶を投げつける。途端に体をよじり始めるミゲルティア。
ミゲルティア:「・・・フ、フフフ、くすぐったい!止めて止めて!」
ドラエモン:「ありゃ!?間違えた!!」
警備兵:「コラ!お前ら、何をしている!」
不審者に気づいた警備兵達、怒声をあげてドラえもん達に近づいてくる。ドラえもん、とっさに
『マーマー棒』を手にとって、
ドラエモン:「マーマーマーマーマー・・・」
と棒を次々に警備兵達の口に押し当てていく。
警備兵:「あれ、俺たち何怒鳴っていたんだ?」
ドラエモン:「今だ、それ!」
キョトンとする警備兵達を背後にドラえもんは笑い転げているミゲルティアを抱えて
その場から逃走する。ドラえもん、ローマの町を必死に逃走しながらも首を捻って言う。
ドラエモン:「上手くはいったみたいだけど、果たしてこれで良かったのかしら(?顔で)」
149ローマ:04/12/11 20:02:43 ID:jSWOjKqa
今回の投稿終了。
150作者の都合により名無しです:04/12/11 20:18:28 ID:9B+GdoS+
ローマさん2回連続でキターーー!

マーマー棒に笑ったwこんな道具あったっけ?すごくしょぼくていい。
愛玩用の奴隷になるのかしずかちゃん?と思ったけど、
違う人で良かったような悪かったようなw

ローマさん、産みの苦しみの峠は越えたみたいですね。頑張って下さい。

151ローマ:04/12/11 20:23:19 ID:jSWOjKqa
すいません。補足です。一応知らない人たちのために。

『糸なし糸電話』・・・糸が無い糸電話としかいいようがない。分りやすく
言うと空飛ぶ携帯電話みたいなものです。そういや、今の子供って糸電話、
知っているのかな?この携帯全盛の時代、糸電話で遊ぶガキんかいたら
俺、感動で泣いちゃうかもしれない。是非、流行れ。

『くすぐりノミ』・・・これもくすぐる蚤としかいいようがない。確か小瓶みたい
なものに入っていてそれを投げつけて使う。微エロ。

『マーマー棒』・・・この棒を口に押し付けられた人はどんなに怒っていても
怒りが治まってしまう。噂では細木数子も持っているらしい。
152作者の都合により名無しです:04/12/11 21:45:30 ID:dsM2YFCM
まあまあ棒、な!
153作者の都合により名無しです:04/12/11 22:16:10 ID:OBBQ0zGJ
ローマはシナリオタイプの表記法が成功してると思う。
ダイレクトに情報入って読み易い。
いよいよしずかちゃん救出大作戦かな?
ドラ一家勢ぞろいも近いな!
154作者の都合により名無しです:04/12/11 22:16:26 ID:Q3s9Adb7
細かいところだけど,
「マーマー棒」じゃなくて「まあまあ棒」ですよ。
155バキ:冬の街にナイフとゲロを:04/12/12 01:39:01 ID:mipSoKt3
 海王は偉い。中国に住む普通の人は、誰も海王には逆らえない。
「よこせ」
 孫海王が前の席の子供からポップコーンを取り上げた。子供は泣いて取り返
そうとしたが、母親は子供の口をふさいで無理やり椅子に座らせた。
 孫だけではない。除、陳、李、サムワンといった海王が、揃って客席にふん
ぞりかえっていた。試合に敗れた苛立ちも混じって、日頃に増して一般市民に
つらくあたっている。
「ふん」
 長身の除が立ち上がった。後ろの席の客は郭海皇の試合がさっぱり見えなく
なったが、みんな海王に恐れをなして我慢した。
「おら」
 陳が前の席の男性客の頭に土足を乗せた。客は黙って屈辱に耐えた。
「死ね」
 李が前の席の男性客の頭に毒手を乗せた。客は黙って中毒に耐えた。
「やらせろ」
 サムワンが隣の女性客の胸を揉んだ。女性は観念して自らパンツを下ろした。
「どっこらせ」
 突然、孫の目の前が真っ暗になった。自分の膝の上に男が座ったのだとわか
って、孫は怒って邪険に言った。
「邪魔だ! どけ!」
 どかないどころか返事もしない。孫は男の後頭部をぶん殴ろうとして、いき
なり振り向いた男のヒジ鉄をまともに喰らって吹っとんだ。他の海王がいきり
立って男を取り囲んで、一斉に襲いかかった。
「死ねー!」

 海王は偉い。だけど自分より強い人にはもの凄く腰が低い。
「へへー!」
 海王たちは逆に男にボコボコに殴られて、床に這いつくばって永遠の忠誠を
誓った。男の名は愚地独歩といった。
156バキ:冬の街にナイフとゲロを:04/12/12 01:39:42 ID:mipSoKt3
「お前ら、ドリアンがどこにいるか知っているか?」
 海王たちは顔をあげた。そんな海王もいたかもしれないがよく覚えていない。
「ワシのカミさんがドリアンに襲われて行方不明になった。ドリアンを捕まえ
て、カミさんの居場所を聞き出してやるのだ」
 独歩は他の海王への聞き込みのため救護室へ向かった。
「顔の皮貼れー!」
 救護室では劉海王が筋繊維むき出しの顔で暴れていた。
「背骨くっつけろー!」
 楊海王も折れた上半身をグイグイ回して威張っている。独歩は困り果てた顔
の医師を押しのけて劉と楊をこらしめた。二人はあっという間に降参した。
「へへー!」
 しかし二人ともドリアンの居場所は知らなかった。独歩は次の海王を探した。
「試合させろー!」
 毛海王は審判室にいた。テーブルの上で手足をジタバタさせているが、レフ
ェリーは知らん顔してテレビを見ている。こんなデブが役に立つ情報を持って
いる訳がないので、独歩も知らん顔をして審判室を出た。
「認知しろー!」
 試合場では、範海王が親権の書類を持って勇次郎の右足にすがりついていた。
「技パクんなー!」
 郭海皇も得意の消力で勇次郎の左足にすがりついている。独歩は背後に気配
を感じてふりかえった。
「入門しろー!」
 寂海王だった。もちろん独歩は空拳道なんかに入門はしない。
「じゅーみんあー!」
 烈海王もいた。これは訳が分からないので放っておいた。どいつもこいつも
自分勝手な海王ばかりで、独歩はだんだん腹が立ってきた。これでドリアンが
キャンディーくれなどと言おうものなら、もう夏恵なんてババアはどうでもい
いからぶち殺してやろうと考える独歩の前に、ドリアンが現れて叫んだ。
「キャンディーくれー!」
 なんのヒネリもなかった。独歩はドリアンを撲殺して日本へ帰った。
 海王は偉い。バカでワガママで弱いけど、みんな一所懸命生きている。
157バキ:冬の街にナイフとゲロを:04/12/12 01:42:29 ID:mipSoKt3
ギャグ部門?

あのねボクね、トモダチと呑んでベロベロになって千葉駅から
総武線に乗って、寝て起きたら千葉だったの。すごいでしょ。
158輪廻転生 第二部:04/12/12 07:17:49 ID:0bDVKzDG
ギアナ高地ーーー南米の北東部にある高地であり、南にはアマゾン流域の低地が広がり北は低湿な土地であり
地下資源に富んでいる。頂上から見る景色は絶景であり観光客も少なくは無かった。
今、勇次郎とのび太は高さ5メートル程の岸壁を見上げていた。二人がなぜこの場所にいるかは勇次郎の提案
によるものだった。
「のび太よ。今、お前は着実に強くなっている。反射神経と柔軟性がものすごく上がったはずだ。だが
いまだに足りぬモノがある。それが何かわかるか?」勇次郎がいつものニタニタ顔ではなく真剣な顔で質問をする。
「はぁ・・・。経験だと思いますが・・・。」のび太がバツの悪そうに言う。別に彼には
何の問題もないのだが相手が相手なだけに慎重に言葉を選ばざるを得ないのだ。
「一流のスポーツ選手は肉体と精神のトレーニングを行う。常にベストの状態で試合に臨むためだ。」
勇次郎が語り始めた。
「言ってる事はわかりますが・・・どうすれば・・。」のび太はピンとこない。勇次郎に格闘術を
教わってはいるがメンタルトレーニングなど考えた事もなかったのだ。
「のび太よ。お前はちとハングリーさに欠けている。旅の準備をしろ。今からお前をある所に連れて行く。」
「はぁ。」行き先を告げられぬまま、のび太は旅支度を始めた。この先に地獄が待ち構えている事も知らずに・・・。

159帰ってきたドラえもん外伝:04/12/12 07:19:04 ID:0bDVKzDG
158 タイトル変更間違えました。二度目だよ・・。

 のび太は驚愕していた。今勇次郎から言われた言葉に。何より自分の前に聳え立つ岩の壁に。
「今・・・何て?」冷や汗を流しながらのび太が勇次郎に聞いた。
「この岩壁を高さ5メートルの所まで上ってみろと言ったのだ。」勇次郎が平然と言い放つ。
「はぁ。」のび太は言われるがままにピックを使い命綱に捕まりながらよじ登り始めた。
岩には突起があり比較的よじ登りやすかったが、初心者のしかも筋トレをしていないのび太にとっては
かなりの難関であった。
「ぷはぁ!」
結局のび太は3メートルも行かないうちにギブアップした。乳酸が体中にたまり捕まっている事が出来なくなったのだ。
 「お前は肉を食ってパワーを付けた方がいいな。」のび太が地面にへたばっている様子を見て勇次郎は
耐えかねた様に言った。
 次の日からのび太の特訓のメニューは一変した。早朝から柔軟運動、そして稽古。その後朝飯をとった後、稽古。
そして岩登り。夕食に肉を食い。睡眠。
「のび太よ。肉を食らえ。そしてパワーをつけろ。」勇次郎が食事中にのび太に命令した。
「筋肉トレーニングをするだけじゃダメなんですか?」のび太が勇次郎に聞いた。腕立て伏せと
腹筋だけではダメだと言われたのだ。
「肉を食えばそれだけパワーになるし、栄養にもなる。」
「わかりました。」
160帰ってきたドラえもん外伝:04/12/12 07:20:10 ID:0bDVKzDG
一週間後、のび太は2・8メートル地点までいける様になった。それともう一つの進歩があった。
片足に全体重を乗せ、下から上へと飛べるようになったのだ。もっとも登る毎に一回しかできなかったが。
「ゆっくりでもいい。飛ばしすぎると後が辛いぞ。」勇次郎がのび太にアドバイスを送った。
「はい!」
こうして日々が過ぎ、ギアナ高地での2週間は過ぎていった。

 そしてついにのび太が目標の地点まで到達できるのではと思える日がきた。コツを掴んできたらしく。
4メートル地点までなら10分でいけるようになったのだ。のび太は気合が入っていた。前屈の姿勢で立ち
腕を構える。そして正拳突き。
「押忍ッ!」のび太の声が辺りに響いた。
「ここに来て二週間が過ぎた。成果を見せてみろ。」勇次郎が励ますようにのび太に話しかけた。
「はい!」

 のび太はピックを持ち、命綱を付けると岩壁を登り始めた。一歩ずつ着実に体を安定させ登っていく。
10分後、のび太は4メートル地点に辿り着いていた。体力の半分はもうなくなっていた。
ここ二週間で慣れたもののここから先へはきついだろう。突如、右足の下が崩れた。
のび太はバランスを崩しそうになりあわててしがみついた。
「どうした!それで終わりか!」下から勇次郎の怒鳴り声が聞こえる。
負けるわけにはいかないのだ。このまま負ければ自分は強くなれない。何よりドラえもんが
残念がるだろう。
161帰ってきたドラえもん外伝:04/12/12 07:20:51 ID:0bDVKzDG
 不意にのび太の脳裏に元の世界での思い出が蘇った。出来杉が源静と仲が良い会話をしている所、
ジャイアンとの喧嘩での敗北、そして0点のテスト。全てが思い出された時、のび太が考えた言葉ーー
それは「強さ」だった。

「のび太の癖に生意気だぞ!」ジャイアンの怒鳴り声が聞こえる。
「あ、のび太がマンガ持ってる!よこせよ!」スネオが叫びながらのび太からマンガを奪い取る。
「こらのび太!またこんな点数取って!」母がのび太を叱る。

 数々の辛い思い出がのび太の頭を駆け巡りのび太が腕に力を入れた直後、その異変は起こった。
のび太の着ているシャツが破れたのだ。
「こいつは・・・。あの青ダヌキ・・やってくれるぜ。」勇次郎がご馳走を見る目でそれを見ていた。
のび太の筋肉が膨らみ、背中の筋肉が盛り上がっていたのだ。そして・・・その形は「鬼の貌」
と呼んでもおかしくない程のモノであった。
「だっ!」のび太が足で岩を蹴り、上へと飛び移る。のび太の体はあっという間に5メートル地点を超え、岩壁の頂に
着地した。

 数分後、勇次郎が様子を見にいくとのび太が鼾をかきながら寝ていた。
「あの青ダヌキ・・・。知らない事もあるんじゃねーか。美味そうだぜ。こいつはよ・・・。」

 今回の投稿はこれで終わりです。
162作者の都合により名無しです:04/12/12 09:42:45 ID:CJJENwbR
>バキ:冬の街にナイフとゲロを
サムワンがうらやますぃ・・・
千葉→千葉すげー
あと、受賞おめ。

>帰ってきたドラえもん外伝
ギアナ高地・・・Gガンでも修行の場として使われていた・・・
ザクSSといい格闘大戦といいドラ外伝といい、Gガンネタけっこう使われてるね
163作者の都合により名無しです:04/12/12 10:14:32 ID:uK/aQnFT
>VS氏
VSさんの作品は最初の2行でVSさんの作品とわかる。すごいな。
海王軍団はヤクザかどっかの市民団体みたいだw
あとギャグ賞受賞おめ。俺はマルチメディアに入れたけどw

結果そのものをはるのは失礼だから、結果のアドだけ貼っとくか。
ttp://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1102521870/239-242


>草薙氏
のび太もギアナ高地まで連れられていい迷惑だなw
しかし勇次郎がいいおっさんだ。その愛情の1%でもバキに
注いでやればなw あと、投稿前に推敲ね。ざっと見直すだけでいいから。
164作者の都合により名無しです:04/12/12 10:14:50 ID:lG7TY8dz

勇次郎のニタニタ顔を誤ってニダニダ顔と読んでた‥‥
しかも誤りに気がつかなかった‥‥

のび太に鬼の貌か、ダメだ。背中に人面そが付いてる姿しか
想像できねえ
165作者の都合により名無しです:04/12/12 19:11:07 ID:/TxINOwD
>ローマ
奴隷の少女はその場限りのキャラだろうか、それとも仲間に加わるのだろうか?
少女好きだから、ミゲルディアに続いてゲストキャラになって欲しいな。
関係ないけどマーマー棒でボーボボのマーマーディフェンス思い出したw

>バキ
ヤクバレ外伝だ、嬉しい。でも海王軍団て確かに弱い割にえらそうですなw
ほとんどの海王は一般人より少し強い程度の癖に。
ギャグ部門受賞おめ。でもヤクバレさんって九州の人じゃなかったの?総武線て。

>ドラえもん外伝
ここ最近人気出てきたみたいだねえこの作品。俺も割合に好きだ。
それにしても今ののび太ってジャイアンどころか、それなりの格闘家より強いだろw
勇次郎も興味示してるし。ラストバトルはVS勇次郎か?
166作者の都合により名無しです:04/12/12 21:31:23 ID:T/aZPX1F
ヤクバレさん、今年は無理だと言ってたけど書いてくれて嬉しいな。
できれば麻雀の方が良かったけど、今度の短編も面白かった。


スチールとマルチメディアはマダ〜?
167アナスイの奇妙な:04/12/12 21:58:09 ID:rxK7o4Fy
まずはやはり『眼』だろうか。
空条徐倫の後ろへぴたりと寄ってアナスイは考える。
エルメスがキッスを使おうとして逆に自分にダメージを与えているとか。
業を煮やしたFFが男に殴りかかろうとするのをウェザーが止めているとか。
目の前の男はただにやにやと笑っているとか。
そんなことはどうでも良かった。今のアナスイが見ているのは徐倫だけだ。
「アナスイ」
空条徐倫が、小さく呟いた―――彼の名を。
アナスイはびくりとして徐倫を見る。
アナスイの気配を感じたから声を掛けただけなのだろうけど、
どうして他の人間に呼ばれるのと徐倫に呼ばれるのでは違うのだろう。
徐倫の『声帯』に何か秘密があるのかもしれない。
真っ先に『声帯』を『分解』してみる必要が有るかもしれない。
徐倫の顔はどこかしら青ざめて『何か大事なもの』が欠けていた。
こんな徐倫など見たくはなかった。

「……こいつを、どう思う」
意見を求めた。―――空条徐倫が。
FFやエルメスではなく。ウェザーでもなく。
ナルシソ・アナスイに。
徐倫が振り返りアナスイを見上げる。顔のあちこちが切れていた。
「アンタならどうする」
アナスイは徐倫の喉へ伸ばしかけていた手を下げた。
「君もエルメスも奴にはもう何も出来ない。役立たずは下げる」
徐倫が少し笑った。
「アンタなら『悪い予感』に勝てるかしら」
「過去の経験や知識に基づく『予想』が『予感』だと奴は言った。
 ならば『予感を抱かないもの』を使えばいい」
徐倫は怪訝そうにアナスイを見る。
ややしてから少し眼を見開いて、空条徐倫はにやりと笑った。
「アナスイ、アンタ天才だわ」
168アナスイの奇妙な:04/12/12 21:58:49 ID:rxK7o4Fy
「母さんが言ってたわ。親父は仲間だけは大切にしてたって」
徐倫の顔に徐々に、しかし確実に『何か』が戻るのをアナスイは呆然と見ていた。
「親父のことは殴りたいけれど……そういうとこは見習わないといけないわね」
「空条徐倫よゥ、そろそろ『死ぬ予感』でもしてきたのかィ?」
徐倫が男の方へ向き直った。その顔は以前と同じ輝きに満ちていた。
―――アナスイが惹かれた空条徐倫が戻ってきた。
「射程距離内に入った奴の『予感』を実現するのがアンタのスタンド、よね?」
「そうさァ。捕まったら逃れられねえよゥ」

それを聞いた徐倫はいきなり笑い出した。
腹を抱えて爆笑し、涙を流しながら床を叩いている。
未来の夫としてアナスイは徐倫の脳みそを真面目に心配した。
「だ、だからよゥ、く、空条徐倫―――お前らは俺に指一本よゥ……何がおかしいのさァ」
男の顔から笑みが消える。
「……それから、『過去の経験や知識に基づく『予想』が『予感』』なのよね?」
「そうさァ!お前らは自分の過去の記憶で自分の首を絞めるのさァ」
涙を拭い拭い問う徐倫に、男が胸を張って答える。―――不安を取り除こうとするように。
しかし徐倫はさらに笑い続け、床を転げまわって酸素不足でむせるに至りようやく笑いやんだ。
「ぜ絶望して、あ、頭でもおかしくなったんかィ」
男は不安を隠して強気に言う。
「いきなり悪かったわ、安心したら可笑しくなっちゃって」
「安心って―――」
「良かったわ、あたしが抱いたのが『負ける予感』じゃなくて、『自分が何も出来ない予感』で」
「お、同じじゃねえかよゥ」
徐倫はにやりと笑って男に一歩踏み出した。
何を感じたのか男は一歩下がった。
エルメスは唖然としている。
FFはオカシくなっちまった、と呟いている。
ウェザーは男の動向に気を向けつつ徐倫を見守っている。
完全に空条徐倫の独壇場だった。
169アナスイの奇妙な:04/12/12 21:59:26 ID:rxK7o4Fy
「違うわ。あたしが抱いたのは『自分が』何にも出来ない予感。『皆が』じゃない。
 『負ける予感』だったら皆何も出来なかったかもしれないけど」
「へ、どうせそっちの奴らも『悪い予感』を一回抱いたらお終いよゥ」
「抱いたら、ね」
「何を―――」
「もう一度訊くわ。
 『過去の経験や知識に基づく『予想』が『予感』』なのよね?」
ゆっくりと、噛んで含めるように徐倫は言う。
「そうさァ。何度言ったら……」
「良い事教えてあげるわ」
徐倫はまた一歩男に近づく。その分男は後ずさりした。
「確かに私もエルメスもアンタにはもう触れないわね。
 後ろに居る長髪の彼―――アナスイもアンタのスタンドに嵌まるかもしれないわ」
「な、なら俺の方が有利じゃねえかィ」
「残念だったわね。
『過去の知識を無くしてしまった者』と『人間としての経験を持たない者』がここに居るのよ。
 彼らは『予感』を抱かないんじゃあない?」
男は絶句した。徐倫の後ろに居るもの達におろおろと眼をやる。
記憶喪失者のウェザーと。プランクトンのFFと。
二人とも徐倫を見つめていた。
「射程距離内に入った人間の『予感』を実現するのがアンタのスタンドなのよね?
 そろそろしてきたんじゃあない?」
徐倫はまたにやりと笑うと男に囁いた。
「―――『あたし達に負ける予感』が」
170アナスイの奇妙な:04/12/12 22:00:21 ID:rxK7o4Fy
「―――やれやれだわ」
男をのした後、息を吐いて空条徐倫が呟いた。
アナスイはそんな徐倫を今だに呆然と見守っていた。
先程との違いはどうだろう。今の輝きはどうだろう。
やはり空条徐倫の輝きは時間を押すほど増すのだ。
もしかしたら先程の様子も今の感動をアナスイに味合わせるためなのかもしれないとすら思える。
「ありがとうアナスイ、助かったわ」
にっこり笑って徐倫がアナスイに近づいてきた。
その顔が魅力的だったから当たり前の行動として接吻しようとしたら
見事なボディーブローを食らった。
ようやくアナスイにも分かってきた。
これも空条徐倫の愛情表現なのだろう。
世の中には暴力により愛情表現する性癖の持ち主もいるというから。
ちょっと慣れるのに苦労するかもしれないが、その内慣れるだろうとアナスイは思った。

空条徐倫とアナスイが『幸せになる予感』がした。
171ぽん:04/12/12 22:03:07 ID:rxK7o4Fy
終わりました。
反省点は多いですが勉強になりました。

今後は長めの短編書いて二三回で投下が性に合ってるかもしれません。
下手に連載して遅くなると皆さん迷惑かかりますし。

とにかく楽しかったです。
読んでくれた方感想くれた方ありがとう御座いました。
172作者の都合により名無しです:04/12/12 22:39:49 ID:uK/aQnFT
ぽんさん、完結おめでとうございます。そしてお疲れ様。

徐倫、クールだな。その徐倫に対する歪んだ愛情のアナスイもよかった。
最後の幸せになる予感という含みを持たせるラストもよかった。

また、短編長編関わらず何か書いて下さいな。楽しみにしてますので。


173作者の都合により名無しです:04/12/13 00:26:44 ID:GnpKbgw/
ぽんさん、お疲れ様でした。
ラストのキャラは案外へタレでしたが、それがいい感じのラストに
繋がっていて良かったです。天然アナスイに幸あれかし。
前スレ521から

グランゾンはどこからか取り出した剣を構え、一歩踏み出した。
「ドラえもん、何かいい案でもある?」
「・・・とにかく、やるしかないだろ!」
「ないんだね・・・うわっ!」
悠長に話している間に、グランゾンの剣による攻撃がのび太たちを襲う。間一髪でなんとか避けたものの、地面に
クレーターを作り出す程の恐ろしい破壊力だった。とてもではないが、真正面から立ち向かうのは無謀でしかないだろう。
ドラえもんたちは一旦岩山の陰に隠れた。
「くっそお!あんなの反則だぜ!」
ジャイアンは憎々しげに吐き捨てる。
「追撃してこないな・・・。余裕ぶってるのか、じわじわ甚振るつもりか・・・」
魔王もいつになく厳しい顔で呟く。
全員が戦慄と緊張感に押し黙る中、神王が言った。
「・・・一つだけ、手があるかもしれねえ」
「なんですか?」
ドラえもんが聞くと、神王は地面に膝を付いたサイバスターを指差した。
「サイバスター・・・グランゾンより性能は劣るとか言ってたが、あれをもう一度動かせれば対抗できるかもしれねえ」
「で、でも・・・それって、プリムラをまたあれに乗せて戦わせるってこと!?」
のび太は声をあげて抗議する。
「それはないよ!今だってこんなに疲れきってるのに、またやらせるなんて・・・!」
「むう・・・。だが、それ以外には・・・」
「ちょっと待って!・・・ボクじゃ、ダメかな?」
言い争いになりかけたところを、亜沙の声が遮った。のび太たちは一斉に亜沙を見やる。
「ボクの身体にはお母さんから受け継いだ魔力がある。人工生命体の魔力が。それを使えば・・・
あのロボットを動かせるんじゃないかと思うんだ」
「けど、先輩。いいんですか?」
稟が訝るように尋ねる。
「先輩は魔法があれだけ嫌いだって言ってたのに・・・」
「そうだね。魔法は今だって嫌いだよ」
亜沙は静かにそう言った。
「ボクはお母さんから受け継いだこの魔力が嫌いだった。これがあるせいで、ボクもお母さんも苦しんできた。
こんなモノ、失くなってしまえばいいってずっと思ってた。それがダメなら・・・そのせいで身体に負担がかかるとしても、
魔法を使わなければ、普通の人間として生きていけると思ってた。
けど・・・今はそんなこと言ってる場合じゃない。ここでやらなかったら・・・世界も何もかも終わっちゃうんだよ!?
お母さんもお父さんもカレハに楓も・・・みんな死んじゃうんだ。そんなことになるくらいなら・・・
ボクは、人間じゃなくたっていい!」
亜沙は最後は叫ぶような口調で語る。その秘めた想いを感じたのか、誰も口を挟むことはなかった。
「・・・だから、ボクがやるよ」
亜沙はそう言って締めくくった。ドラえもんがしばらく押し黙った後、場を代表するように言った。
「よし!ここは亜沙さんに任せよう!・・・あと、操縦の方が問題だと思うけど・・・それはこれを使えばいい。
<サイコントローラー>!」
「あ、それって、ザンタクロスを動かすのに使った・・・」
「その通り、これを使えばサイバスターを自由自在に動かせる筈だ。ただ、亜沙さんは魔力をサイバスターに
供給しないといけないから、もう一人乗り込んで操縦を担当した方がいいと思う」
「あ・・・それだったら、稟ちゃんに頼んでいいかな?」
亜沙はそう言った。指名された稟は戸惑いを隠せずに尋ねる。
「お、俺ですか?別にいいけど、なんで俺を・・・」
「え・・・。ほ、ほら、このメンバーの中じゃ稟ちゃんが一番付き合いが長いし、安心できるというか・・・
えーいもう、とにかく立候補がいないなら、稟ちゃんに任せる!」
亜沙はちょっとモジモジしながらしどろもどろだったが、最後はきっぱりと締めくくった。
稟は困った顔で頭をかきながらも頷く。
「それじゃあ稟さん、サイコントローラーを渡しとくよ。それと・・・プリムラも乗せた方がいいんじゃないかな?
この状況じゃあ、サイバスターのコックピットの方が外より安全だと思う。サイバスターを動かせても、
他のメンバーの力も合わせなければグランゾンに勝つのは厳しいと思うから、乗り込まないのなら生身で戦うしかない。
けど、今のプリムラの状態じゃあ、生身での激しい戦闘は無理だよ」
ドラえもんの言葉にプリムラは複雑な表情を見せた。
「・・・でも、みんなが戦うのに、私だけ見てるだけなんて・・・」
「そう言うもんじゃねえよ」
プリムラを諭したのは、神王だった。
「戦えねえ身体で無理したって、足を引っ張っちまうだけだ。無理しねえで、きっちり休んでろ」
プリムラは一瞬むうっとした顔をしたが、特に反論せずにその言葉に従う様子だった。
「分かりました。・・・あ、一つだけ、言わないと・・・あまり良くないことだけど・・・」
「どうしたの?」
のび太が聞くと、プリムラは<あまり良くないこと>を話しだした。
「サイバスターは魔力を供給してもすぐには動かないの。私が動かしたとき、起動に20分はかかったのを覚えてる」
「20分か・・・。その間は、なんとか僕たちで頑張るしかないね」
ドラえもんは難しい顔で腕を組みながら言う。
「さて・・・。話はまとまったが、まだ問題はあるよ。いかにしてグランゾンの攻撃をかいくぐり、サイバスターまで
辿り着くか、だ」
魔王がさらに問題を提起した。
「そうか・・・。さすがにすんなり行かせてはくれないだろうからね。なにかないか・・・アザミでさえ想像も
しないような画期的な移動手段。・・・よし、あれでいくか!」
ドラえもんはそう言って小さな瓶を取り出し、稟、亜沙、プリムラの三人に渡した。渡された三人は、訝しげに
手の中の瓶をしげしげと見ている。
「その中身を<サイバスターのコックピットに!>と言いながらぼくに向けて振りかけて!」
三人は言われた通りにドラえもんに瓶の中身を振りかけた・・・。

「はて、中々出てきませんね・・・。恐れをなして逃げる相談でもしてるんでしょうかね?」
アザミはグランゾンのコックピットの中で退屈そうにモニターを見ていた。
「まあ、そんな臆病者ではここまで大それたことも出来ないでしょうから、その可能性は5%未満といったところですね。
なんとかしてグランゾンを倒す手段を考えているんでしょうが、無駄なことです。考えとしては、サイバスターを動かせれば
逆転の芽もありますが・・・のこのこサイバスターに向かったところで、撃ち殺せばいいだけですからね・・・」
そう言ったところで、モニターに目をやり―――さすがのアザミも仰け反った。
モニターに映し出されたのは、大砲のような勢いでかっとんでいく三人の姿であった。
「な、な、・・・一体、何をやったと・・・?」
「よし!成功だ!」
ドラえもんはガッツポーズを取った。
「・・・なんつうか・・・確かにアザミも考えつかないだろうが・・・・あまりに馬鹿馬鹿しいというか・・・」
神王は頭を抑えながら呟いた。
ドラえもんが出した道具は<爆発コショー>。それを誰かに振りかけながら目的地を言うと、振りかけられた人の
クシャミによって目的地までぶっ飛ばしてくれるという藤子先生冗談でしょうという道具である・・・。
「と、とにかく・・・これであの三人を無事サイバスターまで送ることは出来たね・・・。あとは我々が20分間
グランゾンを足止めするだけだね」
魔王は気を取り直して言った。
「ええ、出来ればグランゾンに対して多少のダメージも与えておきたいところです。それについては、ぼくの道具を
フルに使うしかないでしょう」
「でもさあ・・・ドラえもんの道具で、あれにダメージを与えられそうなのってあるの?」
「・・・のび太くん。きみはぼくの道具の全てを知らない。いままで危険すぎて使わなかった道具だってあるし、
秘密にしている機能を持った道具だってあるんだよ」
そう言ってドラえもんは三本の<名刀電光丸>を取り出した。
「この電光丸にも、秘密のシステムがある・・・その名も<卍解システム>!」
その頃、サイバスターのコックピット。
「いたた・・・。ドラえもんの奴、ムチャクチャな道具出しやがって・・・」
「うう・・・お尻が二つに割れちゃった・・・」
「青玉・・・許さない・・・」
三人は無事に辿り着いたものの、頭やらお尻やらをぶつけて不機嫌であった。
しかしながら、とにかく亜沙は操縦席に座る。
「じゃあ・・・魔力を供給するよ・・・」
亜沙が魔力を込めた瞬間、激しい光がコックピットを包む。あまりの眩しさに稟とプリムラは目を閉じた。
そして光が収まったとき、亜沙の身体に変化が起こっていた。
「亜沙の髪が・・・伸びてる・・・」
プリムラが目をみはって言う。
「・・・膨大な魔力を使ったとき、ごく稀に使用者の身体に変化が起こることがあるって聞いたことはあるけど・・・
それだけ、先輩が秘めてた魔力が凄いってことか」
稟はふうっと息を吐きながら言う。
「あとで切っとかなきゃね」
亜沙は苦笑しながら言う。
「・・・しかし、ほんとになんでこんなとんでもないことになっちまったんだ・・・?」
稟は呟き、ここ数ヶ月の自分を思い返す。
神界と魔界の王女様に求婚され、その父親である神王と魔王からやたらと気に入られ、人工生命体のツインテール美少女が
家族に加わり、夏休み間近になって異世界から眼鏡少年と彼を助けにやってきた友人達と青ネコに出会い、三世界全てを
揺るがすクーデターが起きたと思えば、今は巨大ロボットに乗り込み、敵の巨大ロボットとの最後の決戦に挑もうと
している。いったいこれはどういう話なんだ。これが小説なら、大抵の読者は呆れて放り投げているだろう。
「けど・・・現実なんだよな・・・なら、やるしかないな」
そう、これは現実だ。―――なら、自分はこの荒唐無稽の物語を放り投げるわけにはいかない。エンディングまで、
きっちりと見届けなければならないのだ。

―――サイバスター起動まで、あと20分。
179サマサ ◆2NA38J2XJM :04/12/13 02:08:32 ID:gDTuvspj
投下完了。

えー、来週末まで無理とか言いつつ投下出来ました。
どんどん話がムチャな方向に行ってる気がしますが(卍解システムとか、BLEACHファンから苦情が来るかも)、
せっかくなんでムチャなまんま突っ走ろうと思います。

今この後書きを投下しようとしたところで連投規制かかりました。6レスで規制かよ・・・。
こんな夜中にぶち切れそうになりましたよ(怒)
180作者の都合により名無しです:04/12/13 08:11:53 ID:v/QRxO1l
>ぽん氏
まずは連載終了お疲れです。
アナスイの愛情とそれを受け流すようなジョリーンの関係が面白かったです。
次の連載も期待しておりますので、またよろしくお願いします。

>サマサ氏
あったなあ、爆発コショー。どこでもドアでいいじゃんと当時は思いましたが。
しかし万解ですか。ブリーチは好きですが、電光丸にちょっと違和感を感じますw
もうすぐ本当にロボット大戦になりそうですね。迫力ある戦いを期待しております。
181サマサ!:04/12/13 15:26:26 ID:CYAzSTVC
サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!
182作者の都合により名無しです:04/12/13 19:53:38 ID:VxezXqtA
>アナスイの奇妙な
ああ、終わっちゃった。
淡々とした中にもアナスイの屈折した愛情が激しくて好きでした。
お疲れ様でしたぽんさん。また新作でお会いできるのを楽しみにしてます。

>神界大活劇
稟は波乱万丈の人生を送ってますねw
モテモテだから一回位死んでもいいじゃんと思うけど。ロボット決戦間近か。
ドラえもんも一応ロボットだなそう言えばw

登校規制に関してはみんな悩んでますね。
ひどい時には(人大杉とか)5レスで引っ掛かった気がする。
183蟲師 雲散霧消:04/12/13 21:59:23 ID:iqZTPZAf
>>84から続き

184蟲師 雲散霧消:04/12/13 21:59:56 ID:iqZTPZAf
 ギンコは、村と霧との境目に立っていた。ここは最初に入ってきた入り口の反対側。ここを抜ければ、
城に辿り着けるはずである。
 そこには、件の蟲師が、きっといる。幼い姿の娘とともに。
「ま、待ってくれ!」
 息も絶え絶え追ってきたサジが、膝に手を付き呼吸を整えながら、言葉を搾り取った。
「俺も……連れて行ってくれよ」
「何言ってる。危険かもしれんぞ」
「それでも……」
 サジは、両の手をぎゅっと握り締め、
「それでも、俺は見たいんだ。あの子は大きくなったらとても美人になる。その確信が間違っていなかっ
たかどうかを、この眼で。それで、俺も時間の流れをきちんと実感できると思うし……」
「ふーん……さてはお前」
 ギンコはニヤニヤと笑った。
「そんなんじゃねーよ! ……とにかく、俺は行くぞ。どうやってこの霧抜けるのか、考えてんのかよ」
「まあ、払うならともかく、避けて進むだけなら難しくはない。これを体全体に被せろ」
 ギンコはそう言って、人一人包めそうなほど大きな厚手の布をサジに渡した。
「その布には蟲除けが縫い込まれてる。これで体を覆ってしまえば……」
 ギンコは、霧に向かって歩き出す。霧をずい、ずずいと押し出しながら。
「ほら、進める」
「すげえ……」
「大概の蟲はこれでどけてくれる。キリノモノも、例外じゃなかったということだ」

 
185蟲師 雲散霧消:04/12/13 22:00:42 ID:iqZTPZAf

 それから、どれだけ歩いたか知らない。全く変わり映えのしない白一色の景色を見ながら歩いたその時
間は、永遠にも感じられた。
 しかし、終わりのない歩みはない。ギンコとサジは、霧を抜け、辿り着いた。巨大な城の敷地に――
「おお、でかいな」
「なんで、こんなモンがここにあるんだ? 間違いなく、村のすぐそばにこんなのはなかったぞ!?」
 実際目の当たりにすると、やはり驚く。
 この城は、人の手によって造られたものではないように思える。若干だが、蟲の気配が感じられるのだ。
 キリノモノは、人の願いを叶える? 違う、正確にはそうじゃない。
 これはもっと、切羽詰っているモノだ。のっぴきならない人々を、すれすれで救おうと『する』モノ。
「何様だ」
「え?」
 サジの声には応えず、ギンコは厚い蟲除け布を脱ぎ、城内に入る。サジはともかくそれを追い、また布を
脱いだ。 

 城には使用人やらは勿論おらず、ただただがらんどうであった。2人がいるのは、まず間違いなく最上階で
あろう。
 城というものは、得てしてそういうものだからだ。
 そして、ギンコ達は最上階に辿り着いた。その奥に、いた。
「来たか、邪魔立てする蟲師め」
186蟲師 雲散霧消:04/12/13 22:01:44 ID:iqZTPZAf
 頭を剃り上げた、屈強そうな男が、ギンコを睨んだ。その腕の中には、十にも満たないであろう少女が、大
事そうに抱えられていた。
「あの子だ……! 間違いないぞ、ギンコ」
 ギンコは、サジの言葉に頷き、
「邪魔立て……やはり村を現在の状況にしたのはあんたなんだな」
「邪魔はさせない……サトはまだ眠っている、邪魔は……させない」
 男は、うわ言のように「邪魔はさせない」と繰り返していた。
「あんたは、山の光脈筋をどうやってかは分からんが移動させ、キリノモノを村に引き寄せたんだな」
「山の均衡を滅茶苦茶に崩してやった……光脈筋は神経質な奴さ……あれさえいなくなりゃ、あとは俺自身に
蟲誘いの煙をまぶして、この村まで誘い出すだけ……」
 部屋の空気が心持締まったように感じられた。ギンコの表情が強張る。
「…そうか、その娘はもう長いこと生きられなかったんだ。それで、キリノモノの中に入って生の進行を食い止
めようとしたんだな。そうか、そういうこと」
 ギンコは、言葉の端端に嘲笑を混ぜ込みながら言った。
「そうさ……それのどこがおかしい? サトは城に住みたいと言っていた。サトは死にたくないと言っていた!!
親として、子供の想いを叶えようとする、それのどこが――」
「おかしくは、ないさ」
 ギンコは、無表情だが、混沌とした感情を伝えようとするかのように、男を見やり、
「だがな、これはねェんじゃねえか? いくらなんでもよ。あんたは娘の為にと言いながら、村人達を不幸に追い
やってきたんだ。それは蟲師として、いや、人として許される類のモンじゃないだろう。それに……」
 ギンコは、視線を男が抱える娘へと落とした。
「その子は、もう生きてはいない」
「違う。寝ているだけだ。この時の進まない……」
「生きてはいないんだ。本当は気付いているんだろ? 時は確実に進んでいるんだ。例え外見が変わらなくたっ
て、肉体は時を刻んでいる。だから、人は死ぬんだ。病の進行だって、止まりはしない」
「違う。違う。違う……!!」
 その時、城が揺れた。根本から、かすかだが、確かに。
187蟲師 雲散霧消:04/12/13 22:02:37 ID:iqZTPZAf
(…そうか)
 ギンコは確信した。キリノモノが離れるとき、それは――
「その子は、死んだんだ」
――切羽詰った人の想いを、願いを、叶えられなかったとき。即ち、人の生きる希望を繋ぎとめられなくなったとき。
「違うッ!!!」
 城は、自壊し始めた。
 それは、積もり積もった想いが崩れてゆく様に見えた。城は、下の方から霧と化し、ほどなくして、全てが消えた。
そして、キリノモノは、いずこかへと消えていった。

 それは、この世のものとは思えぬ光景だった。
 霧から解き放たれた村人達は、急激にその姿を変貌させていた。子供が大人に、大人が老人に――そして、少女
の死体は白骨に。皆、それぞれがあるべき姿に変わっていったのだ。
 サジは、目を見張るほどの巨躯となっていた。その巨体を震わせて、言う。
「なあ……ギンコ、あの子は、かわいかったろう?」
「ああ。きっと、大人になったらとびきりの美人になってただろうな」
「そう、だよな」
 サジは、それきり何も言わなかった。

「サト……サト、どこだあ」
 年相応の老人となった男は、必死に娘を探していた。娘は、下に落ちている骨だというのに。
「……」
「サト……サトぉ……」
 居た堪れなくなったギンコは、その場を離れた。

 人に限らず、生物は年をとる。時を重ねる。それは極めて自然なこと。
 人も、蟲も――それだけは、変わらない。
 
188蟲師 雲散霧消:04/12/13 22:15:41 ID:iqZTPZAf
『蟲師』とは、「人と蟲とギンコ」の話だと個人的には思っているわけですが、今回は蟲があまり書けなかったなあ。
人も書ききれませんでしたが。ちょっとスケールが一話完結としてはでか過ぎたかも。反省。

あ、今月25日発売のアフタヌーンは表紙が蟲師だそうですよ。人形も付いてないしで買いやすいことこの上ないね。

次回は舞台を一回だけ現代に移し、音の話。考えた後思ったが、サトラレみたいな感じ? その前にゲロを。

一票入れてくれた方に感謝。正直、二回しか更新してない作品に票が入るとは思っていなかったし、ゲロに入る
とは全く思っていなかったんで……次があれば、五票くらい目指します。

>>86
頑張ります。つっても次回は年明けくらいかもですが。

>>87
親切に……集英社の作品で、文庫も出てるんですね。手に入りやすそうだ。読んでみますね。

>>88
日本語は難しいですな。

>>89
原作はもっと上手いし面白いです。まだまだ、全然。

>>102
そうですね、一話完結を、来年の三月くらいまで。10話行くかな? くらいでどうか。

>>112
作者力尽きまして。本当はもう少し書き込みたかったんですが。

雲散霧消、これにて完、と。なんか、あまり終わりっぽくなかったんで、一応。
189作者の都合により名無しです:04/12/13 22:44:13 ID:VxezXqtA
蟲師、好調ですなー。
ギンコの飄々としたところと原作の雰囲気をうまくSSに組み込んでていい!
キリノモノはゲロさんオリジナルかな?とにかく楽しみにしてるので頑張ってね。
でもドクターゲロも投げ出さないでね。
190作者の都合により名無しです:04/12/13 23:18:12 ID:S+d+SH/b
ぽんさんお疲れさんでした。
ジョリンとアナスイの一風変わった恋愛劇、好きでした。
また新作お願いします。

サマサさん、のってますねえ。
巨大ロボ対決の前の踏ん張り、どうなりますか楽しみです。
投稿規制はどうにもなりませんなあ。

ゲロ作者さん、新作リキ入ってますね。
この話、無常感みたいなのがいいですね。原作知らないけど
寂しさと儚さが良いです。次は現代編?どうなるんだろう。

191作者の都合により名無しです:04/12/14 00:53:46 ID:1Ab/jscn
連続投降の規制ってどういう風になってるのかな

間に誰かが書けば早く解除されたりするのか
それとも一定時間内に○レス以上してしまったら
間に何人はいろうが○分たたないとかけないのか
192輪廻転生第二部:04/12/14 06:15:53 ID:E4nA4eQ0
一人の大柄な男が床に倒れていた。男の胸からは血が出ており、体はピクリとも動いていなかった。
男のそばに一人の男がかがんでいた。部屋の中には換気扇が回っており、血の匂い自体はそれほど強くは無かった。
二人の男がいる場所は何らかの機械に囲まれていた。ドアの場所以外は様々な装置で埋め尽くされている。
無線機やレーダー、PC、そして海図を描く道具が置かれている所を見るとここは海図を描く部屋である事は一目瞭然だった。
男は手を目の前の男の体に乗せた。直後、不可思議な男が起こり始めた。倒れている男の体から血が吸い取られ始めていた。
その証拠に、かがんだ男の腕がドクン、ドクンと脈を打つかの様に振動し始めた。そして、倒れている男の体が萎み始めた。
筋肉が隆々した体が小さくなり、骨と皮だけになり、サイズが小さくなり、ついには骨だけとなった。
「悪いな。創り出されてからそんなに経ってねぇが俺たちはチームを組んでいた。でも今の俺はお前が知ってる俺じゃないんだよ。」
プロトの無機質な声が響いた。辺りを見回してみると機材には血がついていない様だった。奇妙な事に
この部屋にはカメラがついてはいなかった。警戒するまでもないという事か。
「プロト3って呼ばれてたな。お前。最後の最後までちゃんとした名前なくてよ・・・。俺はお前を殺してお前の細胞を吸収して
パワータイプのパワーを手に入れた。元々総合タイプとして作られたんだ。もう一人も食って奴を・・・殺す。」
プロト1はドアの方向に振り向いた。彼の赤く光った左目から涙がこぼれた。自分は二人の男の細胞とDNAから作り出された存在なのだ。
恐らく氷の中の二人だろう。プロト2とプロト3は自分と同時期に作られた存在、つまり弟の様な存在だ。
そういう存在を食う事で自分は強くなる。自分の肉体改造、そして仲間殺し。罪は重い。自分達は兵器として作られた。
人間兵器などというモノがこの世にあってはいけない。創造主と刺し違えなくてはいけない。そしてこの船が海底で自分と弟達の墓標になる。
プロト1はドアノブを蹴り飛ばすと部屋から出て行った。
193輪廻転生第二部:04/12/14 06:17:30 ID:E4nA4eQ0
「ルガール様!報告です!プロト1とプロト3が見つかりません。」黒い警備服を着た男がルガールに対して報告をした。
ルガールの脇には銃を持った男が数名並んでいた。薄暗い照明の下でもルガールの顔ははっきりとわかった。この研究室は
広い。広さだけで空母の4割程を閉めている。
「構わない・・・。それより侵入者の方はどうなっている?」ルガールが部下の報告を無視するかの様に聞く。
「我々の仲間が数多く負傷した模様です。ここに来るかもしれません。」
突如、爆音が聞こえた。と、同時に分厚い鉄の扉が吹き飛ばされルガールの傍にいた警備員に直撃した。
男は泡を吹いたまま気絶し、ピクリとも動かなくなった。
「見つけたぜぇ!ルガール!」頭に赤いバンダナを巻いた男が研究室に飛び入り叫んだ。ラルフ=ジョーンズである。
警備員達は一斉に銃を構えた。赤いレーザーがラルフの体を一部分を照らし出す。
「いや、お前達は下がっていろ。」ルガールが警備員達を制した。そしてドアの方向にゆっくりと歩き出した。
「どこへいく?」いつのまにかドアがあった場所には帽子を被った男と青い髪の女の子が立っていた。
もちろん二人とも構えを取っている。
「私達は軍人よ。一対一なんて手段はとらないわ。」レオナが落ち着いた口調でいう。
「かかれぇ!」ラルフの声と3人が飛ぶ瞬間はほぼ同時だった。
194輪廻転生第二部:04/12/14 06:19:05 ID:E4nA4eQ0
K’は背中を壁に押し付けていた。天井からこの部屋に落とされた時、誰一人この部屋にはいなかった。
K’は部屋を見回した。監視カメラがない。気絶していたとはいえ、自分を誰かに始末させるつもりなら監視カメラぐらいあってもいいはずではないか。
K’は壁に背中を押し付けたまま左手でゆっくりとドアノブを回し、ドアを開けた。数十秒待った。何も聞こえない。
そして、外へ出た。右には曲がり角が見えた。そしてまた背中を壁に押し付け慎重に歩く。彼は
角の向こうに人の気配を感じていた。敵だ。こっちの存在はばれていないのかもしれない。あっちも
非常にゆっくりと移動している。息を殺し身動き一つせずただ待つ。こっちに来たらパンチを食らわしてやろう。
ついに相手の影が見え出した。数秒後、K’は炎を纏ったパンチを繰りだした。相手にはガードする余裕すらないだろう。
だが、K’の予想は外れた。桁違いな力で手を掴まれたのだ。
「おいおい、勘違いしないでくれよ。」近づいてきた影の主が笑いながら穏やかな声で言う。K’は安心した。なぜならーー
「お前かよ。マキシマ。」
「おーい。俺を忘れないでくれよ。」二人の耳に聞きなれた声が聞こえてきた。
「テリー。もう合流していたのか。」K’が言った。
「落とされた部屋には誰もいなくてな。部屋をでて廊下を歩いていたら突然轟音が聞こえたので音の方向に行ってみたら
テリーはいたというわけさ。」マキシマが状況を説明した。それを聞いてK’は疑問を抱いた。
3人に分けられたのなら3人の相手がいるはずだ。恐らく一対一のデスマッチだったのだろう。
それが2人が消えた。誰がやったのだ?
「お前がやったのか?テリー。」K’がテリーに聞いた。
「俺じゃない。部屋に落とされた時間はお前達と同じだ。」テリーが答えた。
「この船の中に・・・何かいるな。俺達以外の何かが。」
疑問を残したまま、テリー達はその場を後にした。
195輪廻転生第二部:04/12/14 06:19:59 ID:E4nA4eQ0
ラルフは目が霞んで来ていた。何をされたのかよくわからなかった。ただ一つはっきりしているのは
相手のスピードとパワーが半端ではないという事だった。薄暗い研究室の中でルガールの赤いズボンは
目立っていた。レオナとクラークはもう既に床の上に仰向けに倒れていた。意識があるかどうかは定かではない。
ラルフは立ち上がった。体中に痛みを覚えた。出血や骨折はしていないのが幸運だと言った方がいいかもしれない。
「何突っ立ってんだよォ!」ラルフは叫ぶと同時に飛んだ。そして両足をくっつけた。そのままいけばルガールの後頭部に
足がぶつかるはずだった。が、ラルフは異変を覚えていた。重力下では物体は落下する。だが、ラルフは空中にとどまっていた。
ラルフは自分の足を見た。足が他人の手で掴まれている。しかも両手で。
「まだ意識があったか・・・。私の攻撃を受けて立ってくるとはな。だがこれで終わりだ!」
 ルガールはラルフの足を掴んだまま振り回し始めた。ぶん、ぶんいう音がし始めラルフは空中で
身動きが取れなかった。動けないのだ。それだけルガールの握力が強いのだろう。
「むんっ!」ルガールはラルフを壁へと放り投げた。ラルフが壁に激突するのと同時に鈍い音がして
ラルフはピクリとも動かなくなった。
「良くぞ立った。せめてもの敬意だ。止めをさそう。」ゆっくりとルガールがラルフに近づいていく。
そしてラルフの頭の真上に足を上げた。そして振り下ろした。ラルフの頭が潰れたかーーと思われた。



ーーーーが何かが違っていた。足はラルフの顔の真横に振り下ろされた。鈍い音がして床のコンクリートが
砕けた。ルガールは異変を体で感じ取っていた。突如、体が炎に包まれたのだ。ドアの方を振り向くと3人の男が立っていた。
「何て事だ・・・。あの傭兵の3人組が倒されるとは・・・。」マキシマが動揺を隠せずに言った。
「俺達がお前を止める。ここでだ。」K’が無機質な声で言った。
「前菜はこいつらだけかと思っていたが・・・まだいたようだな。面白い。来い。」ルガールが口元に
不適な笑みを浮かべながらいった。



今回の投稿はこれで終わりです。
196作者の都合により名無しです:04/12/14 08:34:57 ID:k2dZD1IZ
・ぽんさん
余韻の残るエンディング見事でした。アナスイと徐倫に幸あれ。
次回作ゆっくり待ってます。

・サマサさん
サイバスター起動前の一波乱。王道ですな。ブリーチは好きなのでOK。
サマサさんの作品は小ネタも好きだな。

・蟲師作者さん
短編の連作は大変だと思いますが、雰囲気と物語の展開が大好きです。
でも、ゲロの方もクライマックスですよね。

・草薙さん
クローンの反逆と、テリーたちの奮戦ですか。今回もネタを詰め込んでますね。
ドラ外伝とはぜんぜん雰囲気違うなw
197トグサ:04/12/14 13:52:50 ID:SC7JfnEb
こちらは活気があっていいですね。
頑張ってくだちい。
198ミドリ ◆5k4Bd86fvo :04/12/14 15:34:25 ID:GC1E6MAL
ごきげんよう、皆様。>>94からの続きです。


(とりあえず、成功…かな)
渋々ではあったけど、二人がお手伝いを了承してくれたことに、祐巳は安堵のため息をついた。
ジュネさんと斗貴子さんをお手伝いにスカウトしたのは「学園に慣れていない転入生と新入生に学園に慣れてもらおう」
作戦なのである。
今朝、二人があのように目立ったことをしてしまったのはなぜだろう、と祐巳なりに考えた結果、きっと、二人はまだ、
リリアンに慣れていないからではないかという結論に達したのだ。
なら、紅薔薇さまとして祐巳がするべき事は何か。
あの場を収めた祐巳には、あの二人をあのままにしておけない責任がある。
二人にリリアンを知ってもうためには、手っ取り早く、高等部の中枢である山百合会に関わってもらってはどうか。
幸い、来月の新入生歓迎会に向けて人手が足りなかったところだし。騒ぎを起こしたペナルティとしてもいいんじゃないか。
お昼休みに薔薇の館に山百合会メンバーが集まったとき、そう、提案してみたのだ。
結果、全員一致で賛成。
沙織ちゃんの登場は予定外だったけど、問題はないだろう。むしろ、祐巳としては大歓迎だ。
沙織ちゃんを「沙織ちゃん」と呼ぶのには、やっぱりちょっと緊張した。
そう呼んでいいかと聞いたのは祐巳だけど、呼び名を変えるのは、きっかけが何であれ少し勇気がいる。
不快に思ってる様子はなかったから一安心だけど…。
右隣に腰掛ける瞳子をチラッと見る。…目があったのに、思いっきり逸らされた。ブルンと揺れた縦ロールがその拒絶ぶり
を教えてくれて、ちょっと寂しくなる。
…瞳子は、沙織ちゃんがお手伝いに来ることを、快く思っていないみたい。なんでだろう。
祐巳は瞳子のお姉様なのに、瞳子の考えていることがわからない。
祥子様は祐巳のことを祐巳よりも知っているんじゃないか、と錯覚してしまうくらいに察してくださったのに。
「紅薔薇さま。聞いてる?」
由乃の声に、ハッと我に返る。
右隣から盛大なため息が聞こえた。
せめて、妹の前ではかっこいいお姉様でいたいのに、呆れさせてどうするんだ…。ちょっと落ち込みそう。
199ミドリ ◆5k4Bd86fvo :04/12/14 15:35:53 ID:GC1E6MAL
「今日からお手伝いして頂けるらしいんだけど」
『どうする?』という言葉を省略し、由乃が祐巳に尋ねる。
「…今日はいいんじゃない?」
うん。今日くらいは作業をお休みして、優雅にお茶とおしゃべりを楽しんでもいいと思う。また明日から忙しいのだし。
「そうね」
祐巳の言葉に、志摩子さんも同意する。
紅薔薇さま、白薔薇さまの意見を受け、黄薔薇さまも頷く。
「と言うわけで、今日は私たちの話し相手になってね。あ、乃梨子ちゃん。お茶をいただける?」
にっこりと笑った由乃の言葉に、ジュネさんと斗貴子さんの顔が少し引きつったのは気のせいだろうか。
乃梨子ちゃんを手伝うために、瞳子も立ち上がる。
「あ」と小さな声を上げたのは斗貴子さんだった。
スカートの上からポケットをたたき、次いで鞄の中をごそごそとかき回している。
「どうしました?」
そう聞いたのは沙織ちゃん。
「…忘れ物をしたみたいだ。…多分教室だと思うので、取りに行ってもいいですか?」
最後の言葉は私たちに向けられたモノだ。代表して由乃が答える。
「もちろん。でも逃げちゃ嫌よ」
「そんなことしません」
ちょっとムッとしたように答えた斗貴子さんは、そのままビスケット扉を開いて会議室を出て行った。
「…斗貴子さん、運動神経よさそうね」
「へっ?」
運動神経?今までの会話でそんな単語、でてきたっけ。いつもながら由乃の会話の飛び方は祐巳の予想外だ。
「だって、階段を下りる足音が聞こえない」
「なるほど…」
剣客小説を愛読している由乃としては、そんな細かいところが気になるのだろう。
結構な音で軋むあの階段を、音をさせずに昇り降りした人って今までいたのだろうか。斗貴子さん、すごい。
祐巳はといえば、由乃の言葉にちょっと眉を寄せたジュネさんの表情の方が気になるのだけど。
「どうぞ」
瞳子が、ティーポットから祐巳のカップにお茶を注いでいく。
「ありがと」
そう言って微笑むと、瞳子も少し笑った。…よかった。瞳子が笑ってくれると、私も嬉しい。
妹馬鹿と言われようとなんだろうと、これは紛れもない事実なのだ。
200ミドリ ◆5k4Bd86fvo :04/12/14 15:37:07 ID:GC1E6MAL




薔薇の館を出た斗貴子は、頭の中で状況を整理しようとしていた。
山百合会の手伝いは、きっと今朝のことのペナルティなのだろう。
本来なら、そんなことは無視し任務を優先させるべきだ。
だが、頭の片隅に『この学園に核鉄はありません。でも、ホムンクルスは出てきます』という沙織の言葉がひっかかって
離れない。
それが本当にこれから起こる未来だとは思っていないが、確かに、『警戒するに越したことはない』のだ。
『紅薔薇さまも襲われていました』とも言っていたし、沙織が何かをするにしても、側にいて監視していれば未然に防げる
かもしれない。
そういう意味では、山百合会の手伝いをすることは任務のためにもなるのではないか。
そう考え、どうにか自分を納得させる。
だが…、今までに経験したことのない、ゆったりとしたあの雰囲気は苦手としか言いようがない。
この学園や山百合会のメンバーが嫌いなわけではない。
皆が斗貴子を受け入れようとしてくれているのはわかる。
でも、今まで任務で渡り歩いてきた学校と勝手が違いすぎて、どうしていいかわからなくなる。
中庭を突っ切り、校舎に入る。
忘れ物をしたのは本当だ。教室に、携帯電話を忘れてきてしまったのだ。
教室を出るときにあのようなことがあったせいで、鞄につっこみ忘れたらしい。
リリアン女学園は、携帯電話は持ち込み禁止である。
もし見つかったら、どんな罰則があるのか生徒手帳を読んでいないからわからないが、面倒なことになるのは間違いない。
最悪、没収されてしまったら本隊と連絡を取るのに手間がかかる。
部活見学の生徒が多いのか、一年生の教室が並ぶ廊下には、ちらほらと生徒の姿がある。
一年藤組の教室に入り、自分の机の中を覗き込む。
――――ない。
なぜ。そんなはずは…。
「捜し物はこちらかしら?」
突然背後から声をかけられ、斗貴子は鋭く振り向いた。
斗貴子と同じ制服を着た少女が立っている。短めの髪を無理に二つに縛っている彼女の顔に、見覚えはない。
201ミドリ ◆5k4Bd86fvo :04/12/14 15:38:22 ID:GC1E6MAL
少女が、印籠のように携帯電話を示してみせた。
「…それだ。返してくれ」
少女に手を差し出すと、彼女はさも可笑しそうにクスクスと笑って携帯電話を胸元に抱え込んだ。
「その前に一つ、お聞きしたいことがあるのですけれど」
「なんだ?」
「斗貴子さん、薔薇の館に行かれたのですよね?紅薔薇さまにはお会いしました?」
「紅薔薇さま?」
あの、脳天気なんだか穏やかなんだかわからない、童顔の上級生の顔が浮かぶ。
確か、彼女が“紅薔薇さま”。
後はショートカットの“黄薔薇さま”と、巻き毛の“白薔薇さま”と…。
リリアンの用語はなんでこう、カタカナだらけなのだろう。憶えにくいことこのうえない。
「紅薔薇さまがなにか?」
差しだした手をひっこめるきっかけを掴めないまま、少女に問いかける。
「紅薔薇さまと、どんなお話をしましたの?」
(ああ…)
どうやらこの少女は紅薔薇さまファンの生徒らしい。
一年生の大半が中等部からの持ち上がりのせいか、入学してから間もないにも関わらず“薔薇さま”の事を知っているクラス
メイトは多かった。
なんでも、薔薇さまというのは高等部のアイドル的な存在らしい。
紅、白、黄、それぞれにファンがついているようで、頼んでもいないのに斗貴子に詳しく解説してくれるクラスメイトもいた。
紅薔薇さまは天使の笑顔を持つ、親しみやすいお方で。
白薔薇さまは楚々としたお美しさを持つ、マリア様のようなお方で。
黄薔薇さまは可憐さの中にも凛々しさを持つお方で。
うんざりとしながら聞かされた話を憶えているのは、ひとえに、核鉄の手がかりを必死に探していたためである。
目の前の少女は、そういったファンの一人なのだろう。
「…悪いが、忘れた」
悪いとは思うが、こんな話に付き合ってる場合ではない。
だから携帯電話を、と言いかけた斗貴子は、ぎょっとして少女を見つめた。
少女の瞳から、大粒の涙がぽろぽろと流れ落ちているのである。
202ミドリ ◆5k4Bd86fvo :04/12/14 15:39:02 ID:GC1E6MAL
「ひどいわ、斗貴子さん!!私と紅薔薇さまの間を邪魔するなんてっ!!」
「…は?」
突然の涙と悲鳴のような少女の声に、斗貴子は素直に驚く。
(邪魔?何の?)
なぜ、この会話の流れでそうなるのか。
困惑する斗貴子を睨みながら、少女の涙は止まらない。
「斗貴子さんは私がどんなに紅薔薇さまをお慕いしているかご存じないからそんな事ができるのだわ!私が紅薔薇さまのお顔
を拝見するために毎朝あのバスに乗ったり、休み時間ごとに三年生の教室を尋ねたり、紅薔薇さまと同じリボンを探し回った
りしている私の努力をご存じないから!!」
甲高い声で絶叫され、斗貴子は絶句してしまった。
この少女が、紅薔薇さまを慕っているのはわかった。だが…、言っていることが滅茶苦茶な気がするのだが…。
無言のまま眉間に皺を寄せる斗貴子のことは最早視界に入っていないのか、少女はうっとりと宙を見つめている。
「あぁ…紅薔薇さま…祐巳様…。本当に、薔薇のような、天使のようなお方…。きっと、あなたにふさわしくなってみせますわ…」
頬を染め、どこかにトリップしていた少女の口元が、突然醜く歪んだ。
「なのに…今朝のあの不届きモノはこともあろうに紅薔薇さまに抱きつくなんて…どういう風に殺して差し上げようかしら…」
(……えっ?!)
「でもその前に…」
満面の笑みを浮かべた少女が、斗貴子に視線を向ける。――いや。顔をこちらに向けてはいるが、視線は斗貴子を見ていない。
ぼんやりと焦点の合わない目が、暗く、濁り始める。
「私と…紅薔薇さまを邪魔するあなたが悪いのよ…」
少女の身体が、ゆらりと一歩踏み出す。
反射的に一歩下がった斗貴子は、すぐ後ろの机に行き当たった。
(…まさか)
「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
楽しそうに笑う少女の、身体の輪郭がぼやける。

「ごきげんよう、斗貴子さん」

『さようなら』の意味で使われた少女のその言葉と同時に、斗貴子は己の闘争本能を解放した。
203ミドリ ◆5k4Bd86fvo :04/12/14 15:42:16 ID:GC1E6MAL
今回はここまでです。

原作をご存じの方にお断りしておきますが、最後に出てきた少女は可南子ではないです。
原作をご存じないのに読んでくださっているという方がいらっしゃることに驚きました。
ありがとうございます。

それでは、ごきげんよう。
204ふら〜り:04/12/14 16:32:08 ID:1XdXh0uf
また好調の波がきましたね。職人の皆様、ありがとうございます!

>>ザクさん
ついにでました「巨大な敵組織」! 特撮、特に戦隊好きとしてはこれは嬉しい。その
陣容もさすがの濃さで、これはシャッフル側の残りの面子も楽しみですね。漫画はこれで
全部、となると……さて? ともあれ、まずは王道「仲間を捜す旅」開幕。次は誰が出る?

>>うみにんさん
テキオー灯はまだしも、温泉ロープを戦闘に使ってしまうとは……こういうのも大長編
ドラでたまに見られる光景ですね。うみにんさん、お見事。いろんな作品のキャラが
入り乱れてても、やはり柱はドラだと実感です。スネオも、密かに主役ぽい立場ですし今。

>>ローマさん
もう随分前ですが、冒頭のシーンを思い出しました。生々しい「ローマ」の風景というか
臭い。他の方も言っておられますが、こういう形式なのに描写が巧みというか、情景が
凄くよく浮かんできます。しかしこの光景、ジャイアンなんかが見たらどうなるか……。

>>VSさん
いやあ、全く姿を見せなくなって久しい海王たちの勇姿が次々と思い出され……ませんね。
元々アレな人たちですし。で、やはりというか一番アレな人が今回一番笑えました。
ある意味、全バキ読者の代弁かもしれない「認知しろ」の一言。もう手遅れでしょうが。

>>草薙さん
のび太、本っっ当にどんどん成長してますね。勇次郎の懇切丁寧にして的確な指導の賜物。
勇次郎自身の予想を超えて、のび太が勇次郎にとって「喰いがいのある」男になるとか?
本編、一つ少し残念。ぜひあそこで「ラルフキイイィィ〜ック!」と叫んで欲しかったス。
205ふら〜り:04/12/14 16:33:19 ID:1XdXh0uf
>>ぽんさん
なるほど、こういうカウンターがありましたか……しかしそれよりも、アナスイが最後
まで全っっ然更正というか、変化しなかったのが◎。これからもことあるごとに『分解』
したくなるんだろうなと思いつつ完。未来への想像も楽しい終わり方、お見事でした!

>>サマサさん
いつぞやの稟に続いて、亜沙もまぁドサクサに紛れてコノコノ、なこと言ってますな。
現場にいる面々はそれどころじゃないようですが、読者は楽しい。あと、何気に稟が
ちゃんと「青ネコ」って。直前に「青玉」があるだけに引き立ちます。良かったねドラ。

>>ドクターさん
不老不死もどきを追い求めた結果、不完全コールドスリープになってしまっていた……
というかなんというか、何とも例が出しにくい、微妙な物語・シチュエーションでした。
ゲロの方もですが、ありそうだけど見たことない話、が巧いですね。次も期待してます!

>>ミドリさん
>リリアンに慣れていないからではないかという結論に達したのだ。
の一言で片付けていーのか、な気もしますが片付けてますね祐巳。大物なのか何なのか。
斗貴子はやっぱり、まだまだ沙織(とジュネ)のことを信用してない、どころか敵視して
いる様子。と思ってたら一方的恋敵も現れて……四面楚歌な彼女の未来や如何に。
206作者の都合により名無しです:04/12/14 16:37:27 ID:ncm7eRb0
ふら〜りさんの感想がSS並みのボリュームなとこにワラタ。がんばってるな。
207作者の都合により名無しです:04/12/14 19:03:52 ID:PfFi+JOg
ミドリさんキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
今回も激しく萌えました・・・。
208作者の都合により名無しです:04/12/14 19:32:56 ID:aRHo/PWI
ごきげんようミドリ様キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!

祐巳、現人神を「沙織ちゃん」・・。なんと畏れ多いw
しかし、>私がどんなに紅薔薇さまをお慕いしているか〜で
薔薇なのに百合に突入したかと思いましたw
でも、最後の少女はトキコさんに不覚を取らせるとは。
ここから展開が激しくなるのかな?

知らなかったらいいですが、SS大賞の結果、新人賞次点でしたね。
俺もミドリさんに入れました。惜しかったな。奴さえいなければw
>>127-133続き
バンホーたちの戦いぶりをモニターを通して眺めていたドラたちは、
やんやの大喝采である。

「すげえ!空気砲の乱れ撃ちだ。」
「凄いや。まだ一人もやられてないよ。」
「当たり前だろ!一人だってやられてたまるか!全員生きて帰るんだよ!」
「う、うん。そうだね。ごめんよ、ジャイアン。」

「帝国め。かなり混乱してるな。でもバンホーさんたちの人数は余りにも少ない。
いつまで続くか・・・。」
「侵入するチャンスは、今しかない。できるだけ早くキスギーを倒す。
でなきゃ、犠牲者は増える一方だ。味方も敵も・・・ね。」

「この状況ならなんとか気付かれずに要塞に近づけるだろう。逆にこれで
万が一にも侵入を気付かれちゃ、バンホーさんたちの頑張りが全て無駄になる!
敵の死角まで、一気に突っ切るぞ!」
『おう!』
「“チータローション”!」

超高速の見えない6陣の風が、混乱する帝国を通り抜けた―――――――――――!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ふん。姿形が劇的に変わっても中身はたいして変わらず・・・か。わずか百数名の
反乱軍、いや、そのうちのわずか数十名の先兵程度にあの混乱ぶりか。無様だな。」
「ハッ!この私の名誉にかけ、この事態を収拾して参ります!」

ギラーミンの冷徹な一言に、悪魔の軍団の総隊長らしき男が敬礼し、血相を変えて
飛び出していく。要塞最奥部。ロード・キスギーの御前から―――――
―――――要塞最奥部。
キスギーの玉座の御前には、数人の、いい知れぬ迫力を擁する男たちが集結していた。

ギラーミン、げんごろう、バイキンマン、魔土災炎、八方斎とその部下、風鬼。
キスギー配下の幹部たちである。その中にあって、見慣れぬ風体の者が1名―――
全身を鈍く黒光りする重厚な金属パーツで覆った、いや、覆っているのではない。
全身がこれ全て重厚な金属によって造られた完全なる機械生命体、アンドロイド。
ドクタケ城に出現したゲートを通り、ついに帝国に到着した鉄人兵団の新たなる司令官。
―――――その名を、“魔戦将軍フレイザード”!

悪魔の総隊長が飛び出していった数刻後、最初に口を開いたのは、
マッドサイエンティスト魔土災炎であった。
「やれやれ、頼りない兵士どもだ。ロードよ。ここは、私にまかせてもらえますかな?
フフフ・・・。かねてより研究しておりました例の巨大兵器がようやく完成しましたので。
実験にはちょうどいい機会です。私の“超絶美麗・巨大ロボ・パパンダー・グレート”で、
あの小うるさい竜人ども、ひとひねりにしてくれましょうぞ。」

同じく巨大ロボを操る、バイキンマンが同じ科学者として魔土に対抗心を燃やしたのか
ダダンダンの出動を口に出す。口調は陽気ではあるが、背中に燃えるオーラは本気である。
「はぁーひふぅーへほぉ〜♪ オレ様の改良型ダダンダンもいるもんね。
邪魔するやつは、あ♪ 蹴散らしてや〜る〜♪」」

二人の会話を聞いた八方斎もまた、傍らの風鬼に指令を飛ばした。
「風鬼よ。遅れをとるな。我々の空飛ぶドクタケ忍者部隊の力見せてやれい!」
「ハッ、八方斎様!」

「・・・・・・・・・・・・・・。」
その会話を無言でじっと眺めていた魔戦将軍フレイザードが何か言いたげな様子を見せた。
それに気付いた八方斎が機先を制するように問いかける。
「む?どうなされましたかな?ふれいざあど殿。まぁ、客人はゆっくりなされよ。
とは言ってもこんな状況ですからな。ゆっくりくつろぐ気分にはなれないでしょうなぁ。
いや、まことに申し訳ない。」

「いや、反乱軍の存在は前もって伝えていただいておりましたので、なんら問題は
ありません。それよりも、我等の力を知っていただくいい機会と思いますので・・・。
この戦い、我等鉄人兵団も参戦させていただいてもよろしいですかな?」
「むぅ・・・。何も来たばかりでそんなに張りきらずとも・・・。相手はわずか百人
そこそこの小部隊ですぞ・・・」

八方斎の声を制すかのように、玉座に座るキスギーが厳かに声を発した。
「ふむ。いいだろう。フレイザード殿、八方斎殿、バイキンマン殿、魔土災炎博士。
それぞれに力を見せてくれるというならば、ありがたい。ならば、共闘というのはどう
ですかな?」
「きすぎい殿!そのようなもったいないことをせずとも、わずか百数名の相手なぞ、
私ども空飛ぶドクタケ忍者部隊だけで一捻りですぞ。」

「わずか百数名とはいえ、自らの正義を信じ、命を捨てて挑みくる者たちの、最後まで
決してあきらめることを知らない、その底力、精神力、これが実になかなかあなどりがたい。
その勇敢なる者たちに、圧倒的な戦力差をもって、覆せぬ大いなる絶望を抱かせながら
敗北してもらうのもまた、一興。」
「ふうむ。これはまた、意外と悪趣味な・・・。」

「さすがはキスギー殿。話が早い。」
話を聞いたフレイザードは、さっそく外で待機中の部下に指令を飛ばした。
「ザムザ。兵の8割を率いて出陣しろ。
ふっふっふ、大切な帝国の兵を減らしてさしあげぬように・・・な。」
「へん、あんた自身は出向かないのか?フレイザードさんよぉ。指揮官ってやつぁ、
楽でいいよな。八方斎のオッサンもなぁ。」
フレイザードの言葉にどこかカチンとくるものでもあったのか、
げんごろうがぶっきらぼうにフレイザードと八方斎に毒を吐いた。

「ふ・・・。この帝国では程度の低い山猿まで飼っているのですか。これはご奇特な。」
「なんだと!?てめぇ・・・このオレ様にケンカ売ろうってのか・・・・?」
険悪な形相で、げんごろうがフレイザードに詰め寄った。

しかし、フレイザードはその挑発するような視線を軽く受け流し、冷静に答える。
「フ・・・私が直接出ていくまでもありますまい。それに・・・あの少数で我々に
勝とうと本気で思っているのならば、あれは、おとりにすぎないでしょう。狙いは・・・」

傍らで静かにその会話を聞いていたギラーミンが、ニヤリと凶悪な笑みを浮かべた。
げんごろうもまた、さきほどまでの怒りの形相から、打って変わって口の端を吊り上げ、
歪んだ笑みを形作っている。

フレイザードの言葉を全て待つまでもなく、その場にいる全員が、既に理解していた。
その意味を、そして、げんごろうの言葉もまた単なる暴言ではなく、フレイザードの
実力を測るための誘導であったことも。

相手の真の狙いは、混乱した帝国のその本拠であるこの要塞。
少数の精鋭による内部侵入。つまり――――――
「要塞内を我々が、守護している以上・・・・・・。」
「やつらの狙う箇所は大方、予想ができる。そこさえ抑えておけば、
我々の勝利は揺るがない。」

ギラーミン、げんごろう、魔土災炎、バイキンマン、八方斎、フレイザード、
そして、玉座に座するキスギーのその冷たい仮面の奥――――――――――――。

空間にドス黒いオーラが充満する。稲光にも似た何かが火花のようなものを散らす中、
不敵に、不気味に、凶悪に口の端を歪ませ、笑う帝国の面々。

彼らのその瞳には、たったひとつの共通するものがあった。“狂気”である。
――――――戦闘狂。彼らは、この緊迫した状況を、ただ純粋に楽しむかのごとく
狂った笑みを浮かべながら、その時を待っていた―――――――――。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
215ドラえもん のび太の地底出木杉帝国:04/12/14 21:42:43 ID:+wuR6ECx
今回分終了です。

真っ白な年賀状の束があるのに、いまだ年賀状一枚も書いてない憂鬱な夜に、
版下イラストさえも書いてないのに、なんとなく3D酔いしてしまいました。
止めに回転寿司の生暖かい酢飯を食べてしまって死にそうです。

年内完結はちょっとどころか絶対に無理そうなので、区切りの良いところまで
投下して、続きは来年ということになりそうです。申し訳ありません。たぶん、
あと2、3回は投下すると思います。
216作者の都合により名無しです:04/12/14 22:00:45 ID:aRHo/PWI
お疲れ様でーす。
バンホー、かっこいいですな。強い。
しかしフレイザードかwダイですか。強いなこりゃ。
圧倒的に強いんじゃないですか?

あとストーリー賞おめ。
217作者の都合により名無しです:04/12/14 22:08:46 ID:ncm7eRb0
>ドラえもん のび太の地底出木杉帝国
ストーリー賞受賞おめでとうございます。
何かコメントをどうぞ。
218作者の都合により名無しです:04/12/14 22:38:46 ID:XsevvaOc
>草薙さん
潜入劇、クローン、果てしなき戦い、復讐、破壊工作。ハードな展開ですな。
K’とルガール元ネタさっぱりわからないが、激闘を希望。熱くて濃いやつをね。
次回はドラえもんかな?でも、この2つ年内で終わるか?ゆっくりやればいいよ。

>ミドリさん
今までまったりとしていた展開が、最後に急にアクセル踏み込んだ感じですね。
やはり鍵を握るのは、女神様の城戸シャオリーですか?
でも、激しい展開もいいけどもう少しこの楽園的な雰囲気に浸っていたかった。

>うみにんさん
ジャイアンの全員無事帰還の願いを胸に、戦う戦士たちの前に立ちはだかる
フレイザード。でもこのキャラあまり知らないwしかし強そうですね。
戦闘狂軍団を前に、いかにドラ軍団が敵陣を突破するか。長く連載してね。

>>216-217
巣でやれ。
219ドラえもん のび太の地底出木杉帝国:04/12/14 23:27:01 ID:+wuR6ECx
ああ、補足するの忘れてました。
フレイザードは名前を使わせてもらっただけで、機械生命体と書いてある通り、
純粋に鉄人兵団の一員なので氷炎将軍とは別物です。まぎらわしくてすみません。
昔一度、ザムザとセットで、帝国が生み出した超魔生物としての登場をチラッと
考えてみた名残です。魔戦将軍という呼称にも深い意味はないです。

バンホー以外の竜人兵士の名前や件のフレイザード、ザムザなどの原作にいない
半オリキャラの名前は、全部(たぶん)ダイの大冒険からとらせてもらってます。
名前だけのお遊びですのであまり気にしないでください。

それにフレイザードは確かにかなり強いですが、テキオー灯を浴びて瞬間接着銃のような
有効そうな武器を多く持つドラ一行にとっては、比較的相性の良い相手なような気もします。
もしもメドロ―アが使えてもヒラリマントで跳ね返せそうですし。でもやっぱ強いですね。
そんなこと言うと、ドラえもんに相性の悪い相手なんかいなくなっちゃいますけど。

>>216-217
コメント等、ありがたく読ませていただきましたよ。嬉しくなる言葉もありました。
最近、予定の構想から、ちょっとずつはしょり気味になっていたので、コメントを
読んで反省してます。票がいくらか入ってて、ホッとしたというのが本音ですかね。
でもあまりやって欲しくない企画です。

人魚姫さんですが、こないだコンビニでクリリンと18号のキスシーンが立体化されて
ました。思わず、ゲットしました。これの金色のやつでトロフィー作れそうですねぇ。

フレイザード補足が長くなってしまいました。失礼致します。眠いっス。
220作者の都合により名無しです:04/12/15 01:37:47 ID:fOqCJPu/
何か違和感あるなと思ったら、フレイザードって名前だけでしたか。
ちょっと残念。FFBとか見たかったな。
221作者の都合により名無しです:04/12/15 08:30:26 ID:R/gAuTo7
ミドリさん、ごきげんよう。
今回も楽しませて頂きました。最後でいきなり急展開ですね。
いままでの優雅な雰囲気が大好きでしたが、
それを失わない、かつハードな展開を期待しております。

うみにんさんお疲れ様です。
俺も違和感感じながら、でもあのフレイを思い浮かべてたw
ダイ連載中スレの住人だからかな。
ついにオールキャスト大決戦ですね。ギラーミン頑張れ。(悪役が好きw)

ちなみにうみにんさんに俺は大賞で投票しました。
大好きな作品なので、頑張って完結させて下さい。
でも、急がなくていいからね。ゆっくり楽しみたいし。
ミドリさんにも新人賞に入れたなー。
222作者の都合により名無しです:04/12/15 18:05:42 ID:/uakJDyh
詳細結果発表(総数31票、有効票30票、ID非表示無効票1票)
ストーリー
1位:のび太の地底出木杉帝国(8票)  2位:三年間(6票)  3位:該当無し、ありふれたテーブルの上で(3票)  
サイヤンキラー、DIOの世界、押収のヤムチャ(2票)  
のび太の神界大活劇、虹のかなた、Another Attraction BC、しけい荘物語(1票)

ギャグ
1位:ドラえもんの麻雀教室(10票) 2位:しけい荘物語、マルチメディアinユーラシア(7票)  

該当無し、青龍刀(2票)  宇宙ぶっちぎりのスゲエ奴(別の意味で)、スチールボールラン(1票)

中短編
1位:ありふれたテーブルの上で(13票)  2位:該当無し(12票)  3位:ヤムチャのお話(3票) 

ヤム子、変身(1票)

連載
1位:ザクSS(8票)  2位:のび太の地底出木杉帝国、虹のかなた(4票)  

該当無し、超格闘士大戦(3票)  すごいの?ヤムチャさん、ヤムチャ異星録(2票)  
神界大活劇、マルチメディアinユーラシア、蟲師、のび太とローマ(1票)

新人
1位:NB氏(8票)  2位:サマサ氏、ミドリ氏(6票)  

該当無し(3票)   K氏(2票)   樽漬け氏、サイヤンキラー氏、ヤムスレ92=93氏、青龍刀氏、草薙氏(1票)

大賞
1位:機械仕掛けの人魚姫(14票)  2位:サイヤンキラー(5票)  3位:ありふれたテーブルの上で、のび太の地底出木杉帝国(3票)

虹のかなた、しけい荘物語、該当無し、ザクSS、三年間(1票)
223作者の都合により名無しです:04/12/15 18:11:42 ID:/uakJDyh
賞を逃した方、得票数が少なかった方、今なら間に合います。
SSに費やす時間をもっと有意義なものに使いましょう。
この結果を理由に連載を打ち切っても、誰も責めませんよ。
224作者の都合により名無しです:04/12/15 18:19:38 ID:XclKNcw0
はい。放置推奨。相手しても一利も無し。奴へのレスも俺で終わりにしましょう。
225作者の都合により名無しです:04/12/15 18:20:38 ID:BO1yLMPU
お前みたいなクズは本気で死ぬべきだ。人の困ることをして喜ぶその幼児性には反吐が出る。
お前の親も死ぬべきだ。お前のようなクズを産んだこと自体が罪。親共々死ね。
226作者の都合により名無しです:04/12/15 19:33:13 ID:sYqD8EVH
職人の方々、お疲れ様です。

・ぽんさん
一日遅れですが、お疲れ様でした。叙情感たっぷりの文章、楽しませて頂きました。
なんか幸せの予感を感じる2人ですね。次なる新作はやはりジョジョですか?

・ゲロさん
蟲、すなわち妖怪の類ですが、怖さは感じず寂しさばかり感じます。奥深い世界だ。
ラストの呼びかけは、悲しいものがありますね。人が人たる悲しさというべきか。

・輪廻さん
プロト1は間全体になって強大な力を得ましたか。こいつがラスボスになるのかな?
創造主を倒した後、ラストに関わる? 次はK’とルガールのタイマンからですか。

・ミドリさん
昼下がりの紅茶の似合う世界から、血なまぐさい武装錬金の世界へと突入するのかな?
いよいよゴールド聖闘士とか出てくるのでしょうか。そろそろいくさの気配かな…?

・うみにんさん
正義対悪の構図がしっかりと立てられ、ふつふつと最終決戦の緊張感が漲りますな。
1対1の決戦構図になるのかな?最強の男、ギラーミンが負ける所は想像できない。
227作者の都合により名無しです:04/12/15 21:59:20 ID:nNb3LB0P
黄金聖闘士といえば、
序盤に出てきた沙織さんの車のドライバーはもしかしてアイオリアさんなんですかね?
228作者の都合により名無しです:04/12/15 22:13:40 ID:p+6fsxYB
いくらトキコさんでも黄金聖闘士には適わないな。
いや、蟹か牛ならもしかしてw
乙女とか獅子とか双子相手はどうにもならないか。

うみにんさんもいよいよクライマックスかあ。
すっごい楽しみだ、これからの展開。
でも、終わりが近づくのは寂しー。
229作者の都合により名無しです:04/12/15 23:02:12 ID:fOqCJPu/
>>227
沙織さんのアッシーは邪武が最も適役のような気が。
230作者の都合により名無しです:04/12/15 23:24:48 ID:RQzY0FLj
>>227
確か、「長髪に、男か女か判断つかない程の美形」という描写があったと思ったから、アイオリアではないと思う。
個人的には、シャカではないかと思っているが。
231作者の都合により名無しです:04/12/15 23:35:48 ID:XclKNcw0
>>230
と,見せかけてアルデバラン
232作者の都合により名無しです:04/12/15 23:40:56 ID:nNb3LB0P
リザドのミスティとか意表をついてアルデバランとかでしたら
ミドリさんについていきますよw

聖闘士星矢で聖闘士の長髪キャラっていうと
ヒドラのイチ・瞬・紫龍・ミスティ・ムゥ・アルデバラン・サガ・カノン
シャカ・ミロ・カミュ・アフロディーテ・童虎くらいですが
美形で男か女かわからないという条件だと
ミスティ・シャカ・アフロディーテの三名まで絞れますね
233作者の都合により名無しです:04/12/16 06:50:54 ID:30q3xS3x
>232
瞬も入るんじゃなかろうか
234帰って来たドラえもん外伝:04/12/16 07:05:08 ID:QusXfhhj
のび太達は日本に帰っていた。勇次郎の指導を受け始めてから一ヶ月半が経とうとしていた。
 帰国した次の日、のび太は勇次郎に道場に呼ばれた。
「のび太よ。俺は今までお前に基本を教えて来た。だがこれから一ヶ月半は自分で学ばなければならない。」
「え!」のび太が素っ頓狂な声を上げた。今まで習っていた事が基礎だと言われた事ではなく、自分で進めと言われた事についてだ。
正直、どうしたらいいのだろう?
 「勇次郎さん、それは投げ出すという事ですか?」のび太が途方に暮れているのを見てドラえもんが勇次郎に聞いた。
 「青ダヌキよ。のび太は他の格闘家に比べて絶対的に経験が不足しているのだ。それを埋め合わせるにはどうしたらいいかワカるか?」
 「青ダヌキじゃなくて猫型ロボットです!・・・死にはしませんよね?」ドラえもんが勇次郎をにらみつけながら答えた。
勇次郎を正面から睨み付ける事ができる人間なんてそうはいない。ドラえもんは自分のボディが金属である事から来る安心があるが故に
それが出来るのだ。
 「死にはしない。自分の実力を発揮できればな。」勇次郎がニタニタしながら穏やかな口調で言う。
 「あの・・・どこに行けば?」のび太が冷や汗を流しながら言う。勇次郎とドラえもんの間にある空気は空間が淀んだ様に思える程の
モノだった。以前ののび太だったら失禁していた所だろう。
 「ふっ、日本でそういう場所と言えば・・・飛騨山脈ぐらいしかないだろうよ・・。あぁ?」
 「のび太君。君はこの試練を僕の手助けなしで乗り切らなければならない。いいね?」ドラえもんが物悲しい口調でのび太に尋ねる。
 「わかったよ。」
 のび太が一通りキャンプ用具を揃え、飛騨高山へと向かった。
235帰って来たドラえもん外伝:04/12/16 07:06:01 ID:QusXfhhj
飛騨高山ーーーそこは観光名所であり季節によっては蛍の光が綺麗な場所だ。人間による開発が
日本全土に広がる中、そういう場所もまだ残っていたのだ。だが、今回のび太が行った場所は
観光とはかけ離れた奥深い場所だった。そしてその場所には「夜叉岩」と呼ばれる岩があった。
  「はふう。今夜はここで野宿か。ホッカイロとか貼るカイロとか持って来たし、食料も十分にある。」のび太は夜空を見上げた。
月が出ていないし電気も無いため星空が澄んで見えた。だが、直後のび太は数メートル前方に立つ不審な影に気づいた。
よく見るとるとその影はのび太よりも何倍も大きい体をしていた。
「ガァァ!!」影の主が雄たけびと同時に爪を振り被る。のび太は咄嗟に避けたがリュックは完全に破壊された。何て力なんだろう。
もし当たったりなんかしたらどうなっちゃうんだろう。
「これが勇次郎さんの言っていた経験!」のび太が蹴りを繰り出す。だが影の主はピクリともしない。
ただ前方を見つめていた。のび太は怯まなかった。パワーは無い自分が蹴り一発でこの相手を倒せるはずが無い。目が闇に慣れてきていたので
のび太は影の主の顔を見た。それを見たのび太は背筋に冷たい物を入れられたかのような恐怖を感じた。
左目が潰れた熊であった。
236帰って来たドラえもん外伝:04/12/16 07:07:17 ID:QusXfhhj
「負けるかぁ!」のび太の蹴りが風を切る音が何度もした。そして熊の足へと何発も入る。だがまったく通用していない。のび太は焦りを感じていた。
「目さえ・・潰せれば・・・逃げれる!」のび太の拳が熊の顔に迫った。だが、異変が起こった。突如熊が横に移動したのだ。そしてガルルと唸り声を出した。
正面を見据えながら熊は動かない。のび太が熊の見ている方向に振り返るとそこには熊にも劣らない程の体格の生物が立っていた。
「え?」のび太の声と同時に熊が相手に襲い掛かった。爪を高く振り上げ、引っ掻こうとする。だがその爪は届く事はなかった。腕が相手の力で
粉砕されたからだ。呻き声をあげる熊に対して相手は首筋に噛み付いた。血が熊の首から流れ始め、やがて轟音と共に熊の体は地面に倒れふした。
「嘘・・・。」のび太は自分の目の前の光景が信じられなかった。野生の動物同士の戦闘など写真でしか見た事がなかったからだ。
だがのび太の目にもっと凄惨な光景が入って来た。相手は熊の体を食い始めたからだ。獣が肉を千切り、血をすすぎ、骨になるまで食う。
それを目の前で見た時、のび太は一目散に逃げ出していた。
「はぁっ。はぁっ。はぁっ。」息を切らしながら走る。体は熱くなるどころか背筋に悪寒を感じたままだ。後ろを振り替える余裕すらなく
のび太は走った。突然、顔が何かにぶつかった。
「助けてぇぇぇ!!」のび太は絶叫し、気絶した。




 今回の投稿はこれで終わりです。
237作者の都合により名無しです:04/12/16 08:35:50 ID:eqGpx8nO
>どらえもん外伝
早朝からお疲れ様です。
飛騨山脈といえば、あのバキでお馴染みの獣でしょうね。
(最初のクマ、赤カブトかと思ったけど)
こいつと戦えるとなると、加藤より強いじゃんwカツミンクラス。
のび太、もう十分すぎるほど強いだろw

>>232
美形といえばヒドラのイチ。
「男の勝負はつねに顔で決まる」は名言。
238ラーメンマン青年記:04/12/16 21:20:48 ID:yx6b7NLx
<超人アーリーデイズ   ラーメンマン編 後編2>
http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/ra-men/05.htm

身悶えるような懊悩のラーメンマンの前に現れた幼き少年。
その少年は見るも無残な尋常ならざる傷を全身に負っていた。
背中は軽度の火傷で水ぶくれになっている。腕は酷い擦り傷で皮がめくれ上がっている。
何より、胸に押し印のように刀傷が刻まれているのだ。

ラーメンマンは一瞬、己の悩みを忘れその少年の傍らに駆け寄った。
気丈にもその少年はラーメンマンの姿を認めると、謝謝、と微笑みながら礼を言った。
「礼などはいい。喋るな。すぐ、医者を呼ぶ」
命に別状はないだろう。だが、火急な事態には違いない。
ラーメンマンは少年の姿を改めて見る。哀れな。おそらく、胸の傷は一生消えまい。
そしてこの傷は、決して事故や災害などに拠るものではない。 …おそらくは、何者かに。

沸々と胸奥から沸いてくるものを感じるラーメンマン。怒りである。
天地を焦がすような義憤が、凶暴なマグマのように彼の胸に突き上がってくる。
が、彼は静かに呼吸を整えて自らを律した。

不動心、不動心。なにものにも揺るがぬ強きこころ。この未熟者が、また心乱れるか。

経のようにそう呟きながら、彼は怒りをなんとか納める。
しかし、ふと胸中に疑念が沸く。 ……本当にそれでいいのか、と。
そのなにものにも揺るがぬ強きこころ≠ニやらこそ、
未熟者、俗物と陳や朴念に喝破されたばかりではないか。再び迷霧に陥るラーメンマン。

だが、今はそんな場合ではない。己の悔悟の探求などより先に、この少年の治療が先だ。
「これは酷い。応急の処置だけでもせんと」
何時の間にやら背後には、先ほどその場から立ち去った師・陳 宗明が立っていた。
一切の気配を消す事が、陳にとっては常態になっているのである。
239ラーメンマン青年記:04/12/16 21:21:35 ID:yx6b7NLx
(この消力、今の私には真似出来ぬ。やはりこれが不動心を得た者の精髄…?)
ラーメンマンは突如現れた(としか、思えぬほどの気配の殺し方であった)陳を見て
そう思った。そういえば、一期一会の出逢いをした名僧・朴念も、見事に意を消していた。

(悟りし者とそうでない者の差故? 真の不動心を知る者とそうでない者の差故?
 それとも、物知らぬ若さ故? 私には、気配どころか自分の感情すら持て余す) 
まるで無能者としての烙印を押されたかのような、黒い絶望を感じるラーメンマン。

しかし陳は一切彼に意を介さず、少年に手を伸ばす。掌がぱあ、と白き光を放つ。
「これ坊主、少しはこれで気分が良くなったはずじゃ。さ、医者に行くぞ」
陳は抑揚のない、だがどこか滋味深い声で少年を諭す。が、少年は首を横に振った。
「ここには、名高い超人拳法の拳士がいると聞いてやってきました。
 村を、おいらの村をどうか救ってくださいっ!」

声も絶え絶えの、だがまるで絶叫するような必死の哀願であった。
ラーメンマンはその十(とう)にも満たぬ少年の、静かなる迫力に気圧される。
拳も知らぬ、ましてか弱き子供がこれほどの怒気、哀切を放つ事が出来るのか。
ならば今までの己の修行は何だったのか。
拳は冴え、膂力は満ち、肉体は膨らんでも、私はこの子にも及ばぬではないか。

険差すラーメンマンの顔を見て、口元が少し吊り上る陳。
……ラーメンマンよ、よく見て学ぶが良い。この少年の、見事な不動心≠。

240ラーメンマン青年記:04/12/16 21:22:21 ID:yx6b7NLx
少年は語った。村の窮状を、そしてすぐそこにある危機的状況を。
要約するとこうである。

この世相、悪党が跳梁し、無法者が跋扈するのは極く普通の事であった。
この少年の村も他聞に漏れず、周囲のけだものどもから狙われる事、常であった。
だがこの村は武芸を能くし、自警団を組織しこれを撃退し村の安寧を保っていた。
が、所詮その武は素人の我流拳法である。

村を狙う悪党は、本格的な拳法の使い手を用心棒として雇い、一気に村を急襲した。
その用心棒は、狂獣≠ニして悪名高い郭 春成≠ニいう男であった。
その用心棒の桁外れの力量に、村の自警団は瞬時に崩壊し、悪党は村を蹂躙し始める。
財は強制的に徴発され、見目麗しい女は犯され、反逆した者は殺される。
そして悪党どもの気分次第で、無辜なる善良な村民が拷問されている、らしい。

よく聞く話ではあった。が、だからといって見過ごせる訳でもない。
若きラーメンマンはその少年の話に激怒した。抑えていたものが一気に爆発した。
「許さん」
ラーメンマンは即時出立せんと陳と少年に背を向けた。顔は阿修羅そのものである。
だが、その背に陳が問い掛ける。海の底から響いてくるような、厳かで静かな声で。

「どのような理由であろうと、不動心の本当の意味が掴めぬ限り、超人拳法を使わば
 破門と言ったはずじゃ、ラーメンマン」
241ラーメンマン青年記:04/12/16 21:23:10 ID:yx6b7NLx
広大無辺なる中国の大地。そしてそこに横たわる悠久の歴史。
その無限の地と時においてもなお、超人拳法は別格の存在である。
それを体得した者は、あらゆる民の尊敬と憧憬を一身に集めることになる。

なればこそ、希望者もまた多い。
だが修行を許される者は1000人に一人と言われ、更に皆伝に達する者は
また1000人に一人。
果てしなく狭き門にして、また遠い存在。それが超人拳法なのである。

破門。
その言葉は重く、ラーメンマンに圧し掛かった。超人拳法皆伝は彼の夢である。
また復讐という野望を果たすための、無くては成らぬ道具といっても良い。
それを失うことは即ち、彼が彼で無くなるという事なのだ。

だが。 …オレとこの少年は、そっくりではないか。
幼き頃に馬賊に両親を殺された思い出が彼の脳裏を駆け巡る。憎しみで血が沸騰する。
ここで、少年の為に拳を振るわねば。オレの拳は一生、あの怨敵に届かない気がする。

「告白します、老師。私は、我が復讐の為に、我が欲の為に拳を磨いて参りました。
 復讐を果たしし後、名人達人として、拳の泰斗として世から賞賛を望んでいました。
 あなたの言う通り、私は俗物です。すべて自分の為だけに、私は拳を磨いていた」
242ラーメンマン青年記:04/12/16 21:23:51 ID:yx6b7NLx
ラーメンマンはそう言って陳を振り向いた。まるで悪鬼羅刹の如き顔である。
顔は怒りの為、鬼のように紅潮し、肉体はブルブルと震えている。
「私は、今始めて自分以外の者の為に拳を振るう。自分から、喜んで鬼になる。
 怒りのままに、憎悪が命ずるままに拳を振るう。目の前の者は全て叩き伏す」

そう言って、ラーメンマンは右手首の汗止めを土に置いた。
その汗止めは修行の初期、陳から始めて貰った武具である。別れの合図であった。
「私は俗物です。自分の怒りも制御できず、不動心の意味も分からない。
 だが、これを見過ごして得る不動心とやらなら、こちらから願い下げだ」

憤然と門を出ようとするラーメンマン。その姿を見て陳は思った。
大地に伏していた龍は今、たくましく天に飛び立った、と。
陳は去ろうとするラーメンマンの背中に、静かに、だが優しく語り掛けた。

「これは独り言じゃ。だから誰に聞かれてもわしゃ知らん。
 郭 春成という男は、昔ワシが破門した、元超人拳法の使い手じゃ。
 才長けた男で、独自の拳の万魂拳≠ニやらを編み出しおった。
 肉体に裂帛の気合を満たせ、鋼の防御と万力のような攻撃を
 極意とする拳じゃ。手強いのう。ま、独り言だがな」
243パオ ◆oIVyz8LOXE :04/12/16 21:38:53 ID:yx6b7NLx
ごきげんよう、皆様。

ううむ。人気抜群で私もファンなミドリさんの挨拶を真似したのだが、
薄汚い私も少しは心が洗われるだろうか。無理だろうな。
ああ、触れないといけませんね。


「魔界編外伝・機械仕掛けの人魚姫」に票を下さった方、ありがとうございます。
分析するに、やはり今回の栄誉は魔界編本編の影響でしょうね。
我ながら魔界編のあまりの人気の高さに驚いております。まさか外伝で大賞とは。

ですが、人魚姫はメロドラマなので、本当に大賞に相応しいかな、と思います。
個人的に、一番大賞に相応しいのは壮大な冒険活劇だと思います。
たとえばうみにんさんの出木杉帝国や、サマサさんの神界大活劇や、魔k
244ふら〜り:04/12/16 22:23:27 ID:Sfr1hGMw
>>うみにんさん
うん、私も「妙に大人しいなフレイザード……?」と思ってました。別人でしたか。でも
メドローアもドラには通じず、も確かに真理。案外本人でも大した敵ではなかったかも。
派手な戦闘の影で、裏の取り合いをしてる両陣営。で「取られた」ドラたち。勝てるか?

>>草薙さん
強いぞ、のび太。まず山奥で野宿、って時点で既に充分度胸あるし、勝てないまでも熊と
やりあってる以上並の格闘家を越えてるし、捕食シーンを見てもすぐ気絶せず、逃走できた
のは偉い。で最後のは勇次郎ですかね。ここではサイヤ人編のピッコロと悟飯みたいに?

>>パオさん
おぉ久々のラーメンマンっ! 原作(闘将)でも何度か、老師の問いかけで悩んだり
落ち込んだり、少々グレたりもしてましたが、今回もそれですね。そこから悟り立ち上がり
羽ばたく! ヒーローですねぇ。……で春成。せめてここでは、強く悪くあって欲しい。
245作者の都合により名無しです:04/12/16 22:27:30 ID:AOjwrEq2
パオ氏お疲れ様。
苦悩するラーメンマンと、それを見守る珍の対比がいいですね。
もうそろそろ終わりかな?次の肉物はあるのかな。

関係無いけどコメントハゲワラ
とりあえず大賞おめ。しかしパオ氏までミドリさんファンかw
246超格闘士大戦:04/12/16 22:55:24 ID:d/W75oL7
247超格闘士大戦:04/12/16 22:56:21 ID:d/W75oL7
第21話 「強襲!黄金聖闘士!!」

ポップの最強呪文、メラゾーマの炎がシャカの黄金の身体を包み込む。
どうでぇ…と言わんばかりの少し得意げな表情を浮かべるポップの目線の先には
炎の中で黒くうごめく、シャカの影が写っていた。ドラゴンに効果が無くても
今の相手は人間。業火の中で、生き残れる人間がいるはずがない。
かすかにうごめくシャカの影が、動きを止めてのっそりと地面へ倒れこむ様子を
ポップは待っていた。
だが、そんな淡い期待は「黄金聖闘士」の名と「黄金聖衣」の前に打ち砕かれる。
 「これが君の最大の技か… この程度の炎、私には心地よいそよ風程度にしか感じぬが…」
その言葉と共に、シャカは炎の中から何事もなかったかのように現れる。
数千度はくだらないであろう業火の中にいたにも関わらず、髪の毛すら燃えていない。
火傷のあとすら無いその綺麗な身体を見て、ポップはペタン…と尻餅をつく。
落胆、絶望、恐怖。眼前に光るシャカの身体から感じた様々な感情が、
ポップの腰を支える力を、意気揚々と燃えさかっていた戦意と共に奪っていった。
 「確実だなポップ君。君の小宇宙(コスモ)はもはや戦意を失っている。」
腕についた小さなすすをバっと振り払うと、シャカは両の手の平を自分の胸のあたりで
対にし、その間に小さな球状の空間を作った。直後、その空間の中が光輝き出す。
シャカが、体内を流れるエネルギー「小宇宙」を、向かい合わせた手の平の間に集中しているのだ。
その様子は、本部の目にも確認出来ていたた。あの手の平の中に、言い様のない危険な匂いを感じる。
何がどう危険なのか。それはよくわからない。
だが、多くの死線を乗り越えた武道家なら、誰でも感じるであろうこの感覚。
あの手の平の間の収束しているパワーが解き放たれた時、我々は確実に死ぬ!
腰を抜かしたままのポップをよそに、本部はくるっと向きを変えてシャカに背を向けた。逃走である。
むろん、シャカがそんなみえみえの逃走劇を見逃すわけがない。
 「天魔降伏! 死すべし、餓鬼共よ!」

248超格闘士大戦:04/12/16 22:57:08 ID:d/W75oL7
シャカが向かい合わせていた手の平を、バっと勢いよく開く。抑えこまれてうずうずしていた
小宇宙が開放され、猛烈な衝撃波となって外界へ飛び出していく。
そしてポップと、逃げ出していた本部の身体を包み込み、数十メートル程吹き飛ばした。
 「しかしわからんな…。この程度のヒヨコが、我らの脅威となりうるのか。
  教皇も見かけによらず心配性の様子。…芽は早いうちに摘み取っておいたほうが、確実ではあるが…」
倒れこむ2人を見つめながら、シャカがそう言い放つ。背を向けた状態で技を受けた本部はうつぶせに。
ポップは仰向けに倒れこんでいる。
 「うう…」
小さなうめき声。シャカがその声の方へ首を向ける。ポップだ。
 「まだ息があるのか…死にきれんようだな。往生際の悪い餓鬼だ」
シャカがゆっくりとポップに近づく。当然、ポップに逃げ出す力など無い。
意識も朦朧とし、ダメージで身体も動かない。かろうじてかすかな声を出すことが出来るのみ。
膝を曲げ、倒れているポップの襟元をガバっと掴み、シャカはその首根っこ目掛けて
手刀を構えた。同時に、ポップの目が、うっすらと開く。
ポップとシャカ。一瞬重なり合う両者の目線。シャカは思う。
澄んだ、きれいな目をしている…。100…いや、120%、悪の心など微塵も持っていない…
 「私にはどんな相手でも、その本質が悪であるか正義であるかがわかる…君の目から感じる
 澄んだ闘気。紛れも無い正義の気だ…だが………教皇の命は絶対だ。許せ」
手刀を首に突き刺そうとシャカは腕に力を入れる。しかし、その手はポップの首元数センチの所で
止まる。何度繰り返しても結果は同じだった。首元に到達する…という所で腕から力が抜けてしまうのだ。
 「ハアッ ハァッ… 何故だ…何故手が止まる…!この坊やは、殺さなくてはならないのに!
 いや、正義の心を持つ者を、この私が殺すのか…!?以前の私はどうしていた!?
 悪でない者を殺すなど、決してしなかったはずだ!いかに教皇の命といえども…
 だが…私は…あの時…教皇に…殺せない…うああああああああああああああ」
突然の絶叫、そして頭を抱えてしゃがみこむシャカ。その後数分間、彼は頭を抱えながらも
ポップを殺さんと技を繰り出そうとするが、結局殺すことは出来なかった。
249超格闘士大戦:04/12/16 22:57:58 ID:d/W75oL7
「ポップ…ポップ…」
聞き覚えのある、優しいトーンの声がポップを眠りから覚ました。
目をパチクリさせて、キョロキョロとあたりを見渡すポップ。
うっすらと眼前に見えて来たおおぶちメガネの人物…。その優しい笑みが、ポップを
迎える。そう、彼は今アバンの腕の中にいるのだ。
 「今回復呪文をかけました。しばらくすれば動けるようになるはずです。
  それにしても、一体何があったのだ?胸騒ぎがしてあなた達の所へ急いで戻ったら
  2人が倒れていた…」
 「き、金色の鎧をつけた男はいませんでしたか…?」
 「いえ、私が駆けつけた時には他には誰も…」
 「…そうですか……」
次第に楽になっていく身体とは対照的に、ポップの心は沈んでいた。
そしてその沈んだ心は、涙と姿を変えてアバンの腕にポタポタと落ちていく。
 「ポップ…」
鼻水と涙でグシャグシャになったポップの顔を、取り出した白いハンカチでアバンがぬぐう。
 「アバン先生…もっと、もっと俺を強くしてくれよ。一日こっきりの特訓なんかじゃ
 全然足りねえんだ… もっと呪文もつかえるようにならなきゃいけないし…
 このままじゃ先生の足手まといになっちまう…」
鼻声で必死に訴えるポップの顔を見て、アバンが少し困ったような顔を浮かべる。
 「ポップ、君には才能がある。魔法を知ってから今までの短期間のうちに、
  ほぼ全ての呪文の契約を終えることが出来たのは君ぐらいだ…。
  あとは、時間が解決してくれる。しかし、今の世はその時間すら与えてくれないのですよ…」
250超格闘士大戦:04/12/16 22:59:37 ID:d/W75oL7
同じ頃、妖怪軍団を追っていた浦飯チームは、二手に別れていた。
飛影、蔵馬の2人は浦飯達とは反対方向に向かい、自分達に因縁があるという
妖怪達を探していた。浦飯、桑原もそうだが蔵馬と飛影も数年来の長い付き合いだ。
当然ペアを組むことも多く、飛影も蔵馬にだけは若干気を許している…そんな間柄。 
 「戸愚呂は死んだ。兄も、弟も。鴉は俺が確かに倒した。わからないな。
 俺達に因縁がある妖怪なら、彼らぐらいしかいないが…どう思う?飛影」
 「…黄泉の配下に、死者を一時蘇らせる能力を持つ妖怪がいると聞いた。
  兵力増強の為に、すでに死んでいる妖怪を片っ端から蘇らせているって話だ」
蔵馬の問いに、飛影が淡々と答えた。ポケットに手を入れながら、ぶすっとした
表情で歩く飛影。そしてその少し後ろについていく蔵馬。両者の背格好だけ見ると
まるで駄々をこねた悪ガキと、後ろから見守る親。そんな風にも見て取れる。
地上に出てきたにも関わらず、日本には帰れそうもない。北の方角…日本の
方へ顔を向けた蔵馬が、静かな声で飛影に話を始める。
 「日本にまで、戦火が広まらなければいいが…飛影、雪菜ちゃん、心配ですね?」
 「知らん。俺は自分の事にしか興味がない」
飛影がぶっきらぼうにそう返した。言葉を言い終えた後の飛影の顔を見ながら、
蔵馬がクスクスと笑いはじめる。
 「フッ、顔に出てますよ飛影。それはとてもとても心配だ…とね」
 「…お前はいつも、一言多い…」
荒れ果てた大地の片隅に、僅かに和やかな雰囲気が流れた。
だが、戦場はその和やかさを保とうとはしてくれない。
直後、2人は自分たちのもとへ迫ってくる強大な戦闘力を感知する。
 「飛影…すさまじい気がこっちに向かってくる。それもすごいスピードだ…視認距離まであと数秒」
 「敵さんのお出ましってことか。しかし霊気でもない…妖気でもない…この気は…」
 「ああ、前に一度感じた事のある気だ。あの仙水忍が纏っていた黄金の気…聖光気!
  あの感じに似ている…」
251作者の都合により名無しです:04/12/16 23:11:49 ID:AOjwrEq2
ブラキンさん、バキスレ職人の大敵、投稿規制に引っかかったか?

しかしこんなに迷うシャカはシャカじゃない感じw
私を拝め、みたいな感じがよかったな。
黄金聖衣にメドローアは通じるんだろうか?
鞍馬は別に死んでもいいけど飛影は活躍させてほしい。
252超格闘士大戦:04/12/16 23:11:58 ID:d/W75oL7
程なくして、2人の真上を2メートル程の正体不明物体が、猛スピードで通過する。
真上を何かが通過したことは感づいていた。だが、2人が首を上に向けた時
その物体の姿はすでに目線上から消えていた。口には出さないものの、
飛影、蔵馬共にその物体がどこに行ったのかすらも把握できていなかった。
察するに音速…もしくはそれ以上のスピード。
上下左右、どこからの攻撃にも迎撃できるように2人が身構えた時…
スタン…という音が背後から鳴り響き、2人の耳に入る。
その音に反応し、瞬時に後ろに振り返る2人。目に入ってきたのは10メートル程の高さの大岩。
そしてその頂から差し込める太陽の光――否、太陽にすら引けをとらない程のまばゆい
光を身体から発する、黄金の戦士であった。
 「奴か…聖光気の持ち主、そしてさっき上を通った奴の正体は…」
目を細めながら飛影が隣にいる蔵馬に問う。
 「そのようだな。しかし仙水の聖光気とは違う。似ている…というだけで…しかし…強い!」
冷静に言葉を返す蔵馬。同感だ…とでも言うように飛影がこくりと首を動かした。
上から見下ろされている事に、人間は少なからずとも嫌悪感を覚える。それは妖怪でも同じ事。
ましてや好戦的な性格の飛影にとって、今の状況はすぐにでも打破したい最悪な状態。
岩の上に乗る戦士の、狂気に満ちた…しかしこちらを馬鹿にしているようなニヤニヤとした
顔が、飛影の神経をさらに逆上させた。「落ち着くんだ飛影。うかつに攻めて勝てる相手じゃない」
今にも飛び出さんとしていた飛影の利き足の様子を見て、蔵馬がそうつぶやき行動を制す。
 「なんだ貴様…俺達に何か用でもあるのか?」
感情を必死に抑えたような、静かな声で飛影が問う。すると黄金の戦士は突然高笑いを始めた。
 「我が名は黄金聖闘士!水瓶座、アクエリアスのカミュ! ウヒョッ お前達を殺しに来た ウヒッ」
自らの名を名乗ると同時に、岩を蹴り眼下の蔵馬、飛影に向けて突撃するカミュ。
 「黄金聖――ッッ!?」
蔵馬は言いかけていた言葉を飲み込み、その初弾を交わそうとカミュに向って右側へ飛んだ。
対照的に、左側へ飛ぶ飛影。その動きに合わせて、カミュが飛影に向けて目線を固定した。
 「教皇の命令ナノダアアア!!死ネエエエ ダイヤモンド・ダストォォォォォ!!」
253超格闘士大戦:04/12/16 23:12:36 ID:d/W75oL7
254作者の都合により名無しです:04/12/17 00:43:08 ID:q3bcY2Ie
作品期待age
>178より

「よし、みんな。まずはぼくが行ってあいつの動きを止めてくる。ぼくが合図したら一斉に飛び出して、各自攻撃してくれ」
そう言ってドラえもんはポケットから様々な道具を取り出す。タケコプターやスーパー手袋等はお馴染みであったが、
その他は熱線銃、光線銃、ジャンボガン、原子核破壊砲・・・ドラえもんのひみつ道具の中でも最強クラスの兵器の
数々であった。
「さらに・・・<グレードアップ液>!これで、性能がさらに上がる。これだけやればなんとかなる・・・はずだ!
さあみんな、好きな道具を持っていて!」
そして各自が武器を持ったのを確認すると、ドラえもんは岩山の陰から飛び出し、グランゾンと対峙する。
『・・・あなたですか、青ネコさん。私は早いところサイバスターに乗り込んだ三人を止めなくてはならないので、
他の方の相手は出来るだけ避けたいのですが』
「言ってくれるね。ぼくらなんて眼中にないっての?」
『まあ、そういうことです。いかにあなたが不思議な道具を持っていても、このグランゾンを圧倒できる理由も根拠も
ないでしょう?それは確かな事実ですよ』
「どうかな?これを見てから言ってほしいね、そんなセリフは・・・<名刀電光丸>!」
ドラえもんは三本の電光丸の内二本を両手に持ち、残る一本を口に加えた。まるでロ○ノア・○ロである。そして、叫ぶ。
「いくぞ―――   卍    解   !!!!」
直後―――大地を唸らせ、ドラえもんの周囲に謎の物体が現れる。
『ほお・・・これはこれは―――』
一つは、地面から生えた無数の巨大な刃。
一つは、骨だけになった姿の大蛇。その尾はドラえもんの手にした電光丸に繋がっている。
そして最後に、超巨大な鎧武者が出現した。
「<電光丸景厳(かげよし)>、<狒狒王電光丸>、そして<黒縄電光丸明王>!いくぞ!まずは景厳!」
瞬間、地面から生えた刃の姿が消えた―――いや、消えたのではない。無数の刃に枝分かれし、グランゾンへと
向かっていったのだ。それはグランゾンを激しく打ち据え、さらにその巨体に巻きついた。
「お次は―――狒狒王!」
さらに巨大な骨蛇がグランゾンに向かって突進し、その巨体を激しく揺らす。そのまま電光丸景厳の上から二重に
グランゾンに巻きつき、完全に動きを止める。
「よし、みんな!今だ!」
合図の言葉と同時に、待機していたメンバーが飛び出し、それぞれグランゾンに向けて激しい攻撃を加える。
そしてドラえもんは叫んだ。
「止めだ―――明王!」
そして最後に鎧武者がその大刀をグランゾンに振り下ろす。あまりの破壊力に大地が揺れるほどだった。
吹き上がった土煙に隠れて、グランゾンの姿が見えなくなる。
「・・・終わりだ。如何にグランゾンといえど、これでは影も残るまい―――」
ドラえもんはどこぞの狼隊長のようなセリフを吐いた。そして―――土煙が晴れ、グランゾンが再び姿を現す―――
「・・・!そ、そんな・・・!」
『おもちゃにしては中々のものでしたが―――所詮、こんなものですよ』
嘲笑うようにアザミは冷徹な声を返す。
グランゾンには、ほとんどダメージがなかった。表面に細かい傷が多少ついてはいたが、目立った損傷は全く無い。
『はあっ!』
グランゾンの腕が勢いよく持ち上がり、その勢いで巻きついていた景厳と狒狒王が粉々になる。
そして、グランゾンは両手を胸の前で合わせるような体勢を取った。合わせた手の間に、膨大なエネルギーが
凝縮されていく。
「・・・!危ない!みんな、離れるんだ!」
魔王の言葉に、一同は慌ててタケコプタ―を付け、その場から全速で離れる。そしてグランゾンは凝縮したエネルギーを
明王に向けて放つ。
何が起こったのかすら見えなかった。ただ、その攻撃を受けた明王は音もなく消え去った。
グランゾンの前にスクリーンが浮かび、アザミの姿が浮かび上がる。その中でアザミは冷笑し、
宣告するかのように先程のセリフを繰り返す。
『もう一度言ってあげましょう―――いかにあなたが不思議な道具を持っていても、このグランゾンを圧倒できる理由も根拠
もない。それは確かな事実ですよ―――さあ、お望み通りに殺してあげましょう。人間も、人間に与する者も―――全て!』
その言葉に反応するかのように、ドラえもんたちの背筋を冷たいものが走り抜ける。アザミのその言葉は、もはやそれだけで
一種の武器でさえある。凝縮された負の感情をそのまま叩きつけられるような感覚を一同は感じた。
「どうして・・・」
しずかは、耐えられない、といった口調でアザミに問い掛ける。
「どうしてあなたは・・・そこまで人間を憎んでるの・・・?どうしてこんな酷いことができるの?」
『・・・以前もそんなことを聞きましたね、あなたは。殺される理由ぐらい知っておきたいと?・・・いいでしょう、
最後に教えてあげましょうか、幸いにしてまだサイバスターが動き出すまで多少時間はあることですし』
そして―――アザミは語りだした。
『私の故郷は山の中の小さな村でね・・・貧しくとも、自然に囲まれた豊かな場所でした。小さな頃の私は山の中を駆け回る
のが好きでね、泥だらけになっては親に叱られてばかりでした。今でも眼を瞑れば思い浮かびますよ・・・』
アザミはいつになく穏やかな声と顔で喋る。ことさらドラえもんたちに聞かせている、というより、単に自分の過去を
振り返っているだけのようにも見えた。
『父のように逞しい木々が好きでした。母のように優しい森が好きでした。緩やかに流れる川が好きでした。時に厳しい
自然と共に生きる者たちが好きでした―――けれどね。私の故郷は、もはや存在しないんですよ。人間のせいでね!』
「人間の・・・せい?」
『そう。あなたたちも見たのではないでしょうか?文明開発などという名目で無惨に切り倒された木々の姿を』
「あ・・・」
ドラえもんたちは思い返す。神界に来たとき、確かに木々が切り倒されていたのを目にしている。
『私の故郷も同じ―――文明開発とやらで、木々は全て無くなり、森は姿を消し、川は泥に塗れ、自然と共に生きていた
者たちは散り散りになってしまいました』
アザミの顔に、何かが浮かぶ。それは、強いて言うなら憎しみと怒り―――そして、それ以上に悲しみだった。
『人間が科学文明などというものを持ち込んだせいで私の故郷は消え去り、そして今なお自然は蹂躙されていく―――
私は決意しました。必ず人間を根絶やしにすると!』
アザミは叫ぶように言い放つ。それはもう―――悲痛な叫びだった。
「だからって・・・」
しずかはそんなアザミに対し、懸命に言葉を紡ぐ。
「だからって、人間全てを殺すなんて、酷すぎるわ!確かに残酷な人たちだっているけど―――心優しい人たちだって
沢山いるわ!そんな人まで全部を殺すっていうの!?」
しずかのその言葉に、アザミは答えを返す。
『・・・あなたはひとつ、大きな勘違いをしているようです』
「勘違い・・・ですって?」
『そう。私の見てきた限り、自然を破壊する人間たちの多くは、殊更に残酷でも非道でもなかった―――』
アザミはゆっくりと言葉を紡ぐ。
『残酷でも非道でもない・・・心優しい人間こそが、自然を破壊するのです。心優しい人間が、自分の、あるいは自分の
愛する者の豊かな暮らしを守るため、自然を蹂躙する―――そう。心優しいかどうかなんて関係ない。
人間とは誰もが、自然を喰らいながら生きる化物なのです。自然の中に発生した忌むべき寄生虫。それが人間ですよ』
そして―――グランゾンは一歩進み出る。
『だから私は人間を殺す。善も正義も悪も卑劣も関係なく―――根こそぎにするのです!』
そしてグランゾンは手のひらをドラえもんたちに向け―――
「危ない!逃げるぞ!」
無数のエネルギーの弾丸がドラえもんたちを襲った。間一髪タケコプターで空中に逃れたものの、その弾丸の痕には
無数のクレーターが出来ていた。その傷跡は単純な破壊ではなく、まるで空間ごと抉り取ったような―――いや、ような、
ではない。
確かに空間ごと抉り取っていた。ドラえもんたちは知る由もないが、その攻撃の名は<ワームスマッシャー>という。
次元ごと削り取るエネルギーの弾丸を放ち、どんな装甲をも無効化する恐るべき兵器だった。
「あんなの喰らったら―――ひとたまりもないぞ!」
ドラえもんは戦慄とともに叫ぶ。他のメンバーも同じ思いだった。
ただ、しずかだけは他の事を考えているのか、俯いたまま呟く。
「どうして―――あの人は、どうしてあんなふうに言えるの―――!?」
「しずか!今は余計なことを考えるんじゃねえ!」
しずかの様子に、神王は激を飛ばす。
「あいつはもう、人間と人間に味方する奴を殺すことしか頭にねえ!ぼおっとしてたら、あっという間にやられちまうぞ!
説得なんざ―――もう無理だ!戦うしかねえ!」
その言葉にしずかは涙を浮かべる。まるで己の無力さを痛感するように。
そしてグランゾンをじっと見据える。
グランゾン。
その姿はまさに、機械仕掛けの魔王というに相応しい。
259サマサ ◆2NA38J2XJM :04/12/17 00:55:22 ID:+BIQ6c5b
無事投下完了。
ちなみにワームスマッシャーの性能はゲーム本編とは多少異なります。

まあとにかく。終わりが近づくとほんと書いてて寂しくなります。最終決戦が終われば、後は涙涙のお別れと、
大団円を書くだけなんで。
多分一月中には終わる予定。
その後については、一応次回作の構想がありますが、どうなることやら・・・

それでは皆様、ごきげんよう(最後はミドリさんふうに)
260草薙京:04/12/17 08:00:05 ID:/FlvrSzy
どうも。「輪廻転生」と「帰ってきたドラえもん外伝」を執筆している者です。
一身上の都合でネットに接続できないので一月上旬までお休みさせていただきます。

ではでは。
261作者の都合により名無しです:04/12/17 09:08:42 ID:c5sfxseY
>パオ氏
やはり男は苦悩して成長するものですね。部を極めたラーメンマンの若さを
見事に描いていると思います。春成り、強いといいなあ。せめてSSくらいはw

>ブラックキング氏
教皇に操られる最強のゴールドセイントたち。何たって光速で動ける奴らだから
とんでもない強敵ですね。飛影の数倍は早いし。カミュ対蔵馬、飛影楽しみだ。

>サマサ氏
原子核破壊砲は強力すぎwしかし地球破壊爆弾よりはマシか。あれ使えば確実に
グランゾンごと全滅ですしね。でもついに万解出ましたか。通用しなかったけどw
>一応次回作の構想がありますが、
うーん終わるのはすごく残念ですが、次回作も楽しみだ。大団円期待してます。

>草薙氏
20日くらいですか。待ってますので良い充電期間を。

262作者の都合により名無しです:04/12/17 12:13:17 ID:eyaqqCOy
・ラーメンマン
 問答系からアクションに以降か?次回で最終回くらいかな。楽しみにしてる。
・超格闘士大戦
 黄金は強すぎる。どうやって飛影は倒すんだろう?カミュに黒竜波通じるか?
・神界大活劇
 もうすぐ結末近いか。楽しみにしてたので寂しい。どう決着するか期待してる。

草薙氏早く帰ってこいよ。
しかしパオさんもサマサさんもごきげんようか。ミドリさん人気恐るべしw
263ドラえもん のび太の地底出木杉帝国:04/12/17 18:43:42 ID:Wj75fv6J
>>209-214続き
帝国領内に悪魔たちの悲鳴が轟いている。しかし―――――

バンホーは現在の戦況を圧倒的不利と判断していた。間違いなく自軍が押している。
しかし・・・帝国の立て直しが思ったよりもはやい。前回の戦いのとき以上である。

(・・・・なぜだ? 肉体があれほどまでに変化してすぐに、この統制のとれよう・・・
帝国兵は全て・・・なんらかの方法で、キスギーに操られている・・・?)
しかし、推測にすぎないことを延々、考えているヒマはない。
バンホーはただ、冷静に戦局だけを見定め続けていた。

22世紀の秘密道具を得た反乱軍は、序盤の戦いでは確かに帝国を圧倒できていた。
しかし、帝国は自軍とは比べものにならない大軍である。このまま順調に戦い抜ける
ということはありえない。が、それでもこのまま押し続けられなければ、帝国に体勢
を立て直すスキを与えた瞬間に、ダムが決壊するがごとく崩壊してしまうだろう。

まだ帝国には、あのアンパンマンとカレーパンマンが二人がかりでも敵わなかった
巨大ロボットが控えている。いかにしょくぱんマンとて、一人ではひとたまりもない。
ましてや、わずか100数名の生身の兵士では、とても持ち堪えられないだろう。

バンホーはチラリと足元を見やった。そこにはミニチュアの模型のようなロボットが
一体置かれている。いや、ミニチュアではない。それはリルルが連れてきた、巨大
ロボット、ザンダクロス。この戦い、しょくぱんマンと並ぶ、大きな切り札である。
このザンダクロスならば、かのロボットが現れてもしばらくの間は持ち堪えることが
出来るだろう。少なくともドラえもんたちに十分な時間を与えてやれるだけの間は・・・

そう。こちらにも切り札はある。
しかし、もしも・・・もしも帝国にあれ以上の切り札があるとすれば―――――
その時、ゴゴゴゴと轟音が轟き、雪に埋もれていたクレーターが開いた。
前回、あの巨大ロボットが出現したときと、全く同じである。
バンホーはついに訪れたその瞬間に、その全神経を集中させた。
「・・・・む!?来たか!?化物め!」

もうもうと舞いあがる白い粉塵の中から現れたのは、やはり巨大なロボットであった。
しかし―――――――
「・・・・・違う!?あのときのあいつではない!」
そう。それは、アンパンマンたちを苦もなくねじ伏せたあのロボットではなかった。

『はははははははは!パパンダー・グレート!』
帝国に巨大な哄笑が響き渡った。魔土災炎である。その声は小山のように巨大なロボット
の上から降り注いできた。上半身はずんぐりと腹の出たなで肩のパンダのような、奇怪な
フォルム。下半身は上半身を支えるためのバランスを重視したのか極端に太く、短い。
アンパンマンたちを倒したダダンダンになんら見劣りしない迫力である。

「やはり、帝国の巨大戦力はあいつだけではなかったのか・・・!・・・ハッ!?」
“パパンダー”の近くに、先と同じくらいの規模のクレーターが再び口を開けた。
やはり巨大な――――
「クッ・・・今度こそ、あのときの“あいつ”・・・か・・・!」

そう。今度こそ現れたのはアンパンマン、カレーパンマンをも倒した巨大ロボ、
“ダダンダン”!魔土に勝るとも劣らない哄笑が響く。
『はぁーひふぅーへほぉ〜♪ナ――ッハッハッハ!あ♪バイキンマン様参上!!』
続いて要塞の中腹がぐにょりと開き、赤き者たちが飛び出してきた。

『ドクタケ忍者部隊出陣!』
リーダー風鬼の勇ましい掛け声と共に、帝国の宙に赤装束の忍びの一団が舞う。が。
「さ、さささ、寒っ・・・!」
「ちょっとまって・・・上着とりに戻・・・・ギャッ・・・!」
「あーっ!?もう閉まっちまった!早いよ!おーい!開けてくれー!」
飛び出したはいいものの、要塞外の余りの寒さになにやら混乱している様子だ。
リターンしようとして後続と激突して勝手に墜落したりしている者もいる。

しかし、彼らのことは、もはやバンホーの目には全く映っていなかった。
バンホーの驚愕と絶望に見開かれたその目に映っていたものは――――――

パパンダーとダダンダンの飛び出したクレーターの中から、規則正しく歩み出てくる
静かなるメタルブルーの一団。

――――――――――ザッザッザッ・・・・!

静かに・・・しかし、圧倒的な存在感と迫力を持って、それは白い大地を踏みしめる。
厳かに静粛に歩みを進める、その殺伐として、それでいて威厳に満ちた佇まいはまるで、
処刑場に赴く処刑執行人を思わせた。残酷なまでに美しいメタルブルーのその姿は、
雪の乱反射によって神々しく光り輝いてさえ見える。その者たちの名は――――――

――――――――ー“鉄人兵団”!

勇敢に戦い、確かな手応えを掴み始めた者たちの、その淡い希望や自信、
その全てを一瞬にして奪い去る“千億の絶望”――――――――
――――――戦前の予測をはるかに超えた絶望が彼らを襲った――――――――!
267ドラえもん のび太の地底出木杉帝国:04/12/17 18:55:33 ID:Wj75fv6J
短いですが今回分終了です。
268作者の都合により名無しです:04/12/17 19:07:31 ID:rpgXWbMg
敵勢力勢ぞろい。圧巻の一言。
千億の絶望はハーメルンからだね。前のコメントからも察するに、うみにんさんはハーメルン好きなんだろうな。

フジテレビ721の「ゲームセンターCX」って番組で
FC版メトロイドをクリアしてエンディングでサムスを脱がそうって企画があった。
サムス、脱いでも美女かどうかわからんね・・・
269作者の都合により名無しです:04/12/17 19:17:08 ID:6Z5EbVtT
ハーメルンって結構有名なんだな
でもあれって最後のあたりの数巻がどこにも売ってないんだよな
270作者の都合により名無しです:04/12/17 21:50:23 ID:ll9Zdl11
鉄人兵団はやっぱかっこええなー
それにひきかえドクタケワロタ
271作者の都合により名無しです:04/12/17 23:15:50 ID:OInPjyhz
昨日今日は豊作だったな。
でもザクさんが最近来ないな。
スチールさんローマさん、ユルさんも。
ぽんさんは大団円だったから安心したけど、心配だな。
272作者の都合により名無しです:04/12/18 03:04:15 ID:zQLMQHET
>>271
豊作だったな。
草薙氏、パオ氏、ブラックキング氏、サマサ氏、うみにん氏。
みんな自分の個性を発揮してて楽しかった。あと魔界外伝ワラタw

俺もスチール氏は心配だ。急に書かなくなったからな。投げちゃったのかな。
ユルさんは進路のことがすめば帰って来てくれるだろうけど。
ぽん氏もたぶん、新作を引っさげてまた楽しませてくれるだろう。

でも君、ザク氏のことはわざと書いてるだろう?w
273作者の都合により名無しです :04/12/18 05:38:06 ID:ZtFPRAtp
一応、ここまでのまとめ&関連サイト。(次スレ用テンプレ対応)

http://freett.com/bulleta.hp.infoseek.co.jp/../bulleta
274作者の都合により名無しです:04/12/18 15:57:49 ID:43+CQtK6
いい感じにコメディとシリアスが混じってますね。
次回は巨大ロボット大戦かな? だとすると神界と2つ、
ドラ作品で巨大ロボット同士のバトルが見れるわけか。
275作者の都合により名無しです:04/12/18 20:06:19 ID:SvP/3Xhj
ドラえもんといえばザンダクロスから、巨大ロボットはつきものだからな。
276ふら〜り:04/12/18 21:50:25 ID:OhNeHkmX
>>ブラックキングさん
出ました黄金軍団。この二人(私の考えでは)、実力的に最上級と最下級ですが、きっちり
出てますね。「自覚のあるなし」が。で、こういう形での目標というか壁がシャカとは、
ポップ受難。頑張って欲しいところ。あと蔵馬、凍気といえば彼を思い出すか? 凍……

>>サマサさん
異様に迫力あるぞドラ、とか思いましたが、あっさりやられましたね。ここはアザミ強し、
としておきましょう。しかし、以前ちらりとアザミの過去話が出た時から思ってましたが、
決着はどうなるのやら。問答無用でブッ殺すってわけにはいきませんし。大団円、如何に?

>>うみにんさん
ダムが決壊するがごとく崩壊……の、地響きが聞こえてきそうな帝国側の大戦力。今回は
反乱軍側がバンホーたち以外全く出てませんから、余計に差があるように感じます。前回、
その差を埋められるはずの策も見抜かれてましたし、この戦況をひっくり返せるのは……?
277ドラえもん のび太の地底出木杉帝国:04/12/18 22:37:48 ID:iVbP62MN
>>263-266続き
――――“生きて帰ること”――――

それは、決戦を決意したその時に、とっくにあきらめていたはずだった。だが・・・
なんとしても・・・ドラえもんたちがキスギーを討つまでは、絶対に持ちこたえてみせる!
竜人の誇りと魂にかけて、そう誓っていたはずだった。しかし、しかしこれでは・・・・
指揮官として、この先は絶対に口には出せない。しかし、バンホー自身も、勇ましく戦う
兵士たちも、みな心の内に悟っていた。このままでは、捨石になることさえできない!と。

(戦力が―――あまりにも、違いすぎる――――――――!)
バンホーはその絶望を、胸の内にしまい凛と胸を張った。
周囲の者に決然と、指示を出し始める。

「ジャムどの。我々が先に道を切り開きます。ここで待機をお願いします。」
ジャムとバタコはコクリと頷き、重武装を施したアンパンマンカーに乗り込んだ。

「しょくぱんマンどの。あなた一人に大きな負担をおかけしてしまいます。
我々が突っ込んだ後の、空軍のひきつけ、よろしくお願いします!」
「おまかせください!」
しょくぱんマンは力強くうなづいた。UFOに乗ったドキンに声をかける。
「ドキンちゃんは危険なので、ここでジャムおじさんたちと一緒に待機しておいて
ください。いいですか?」
「しょくぱんマンさま・・・お気をつけて・・・・・。」

「いくぞ、みんな! 我等竜人の魂と誇りにかけて絶対にあきらめるな!―――――
――――――――――第3陣、突撃!」
『おおお!!』

その時、ドラミから貰ったお守り、バンホーの右手首につけられた黒い竜のブレスレットが、
淡く、その輝きを強め始めたことには、誰も気付いていなかった・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そのころ、地底帝国から遠く離れた町の郊外では―――――

「う、う〜ん・・・」
「・・・?ここは・・・? 体中が痛い・・・?」
「ウキィ・・・・」

「お、ようやくみなはん気付きはったようやな。」
目覚めた彼らが最初に聞いた、その声の主は恰幅の良い坊主頭の少年であった。
まだ、頭がボーっとしている。なんとはなしに、周囲を見渡せば板張りの壁、床、
質素なコテージの中の一室のようである。下を見下ろせば、そこは白いシーツ。
やはり簡素な木のベッドである。彼らはようやく、状況を把握した。

『・・・パーやん!』
そう、坊主頭の少年はお寺の住職の息子であるパーやんの本当の姿である。
そして、ベッドの上で同時に目覚めた彼らの名は、青、赤、黄のカラフルな
ヘルメットを身につけた・・・パーマン1号、2号、3号!
「パーやん。ボクらは、一体・・・何があったの?」

「まだ、思い出せまへんか?・・・☆バーン!!」
「ウワアッ!」「キャァッ!」「ウキィ―!!」
突然、指をピストルの形に変えて、パーやんは大声で銃声の真似をした。
「パ、パーやん!脅かすなよ!ひどいじゃな・・・・ハッ!?」
「・・・思い出せたようでんな。」
ベッド上の3人の脳裏に稲妻のように黒いシルエットが浮かび上がった。
黒い・・・不気味な・・・幽鬼のような姿・・・

「・・・黒い・・・死神のような男・・・・」
「そうや。あんさんらは撃たれたんや。無敵のはずの“パーマン”が
なすすべもなく・・・ギラーミンというたった一人の男にな・・・!」

「・・・・ギラーミン・・・!!」
1号はくちびるを噛み締め、パーやんの口に出したその名を、繰り返し呟いた。
「外傷はないみたいや。ギラーミンは、いつもの拳銃やのうて光線銃使いよった
みたいやなぁ。こりゃあ、結果として、魔土のおっさんに感謝せなあかんなぁ。
もしも銃弾使われとったら、パーマンセット身につけ取る言うても即死やったかも
しれんで。」
その言葉に改めてゾッとする3人であった。

ふと、なにげに抱いた疑問を口に出す。とくに理由もなく。
「そういえば、パーやん。ここって一体・・・?」
「なかなかしゃれたコテージでっしゃろ?
帝国ではわりと外出も自由やったさかい、こっそりと家建ててましてん。
どや、秘密基地風でいい感じでっしゃろ。食料もたっぷりありまっせ。」
「へぇ〜、地底世界の別荘なんて素敵じゃない?」
パー子は少しだけ嬉しそうだ。ボーイッシュな少女なので、こういう秘密基地的な
雰囲気は大好きなのだ。

1号は、少し気持ちに余裕が出てきたのか、よく見ると、パーやんの顔が少し
変なことに気付いた。異様なほどボコボコに腫れ上がっているのだ。
「パーやん、その顔・・・いったいどうしたの?」
「ああ、これでっか?あー、これなぁ。帝国のげんごろうっちゅーやつにやられ
ましてん。素手で殴られ放題や。いや、ホンマ大変でしたわ。」
「パーやんが!?」
「1対1で!? しかも素手!?」
「はっは。我ながら情けない話や。でもホンマやっかいな敵でっせ。
パーマン以上の怪力の持ち主や。ギラーミンとどっちが大変やろうなぁ。」
「パーマンより怪力って・・・。そいつは人間なの?」

「まぁ、化けモンやろな。その上、魔土のオッサンもまたえらいやっかいそうな
ロボット作ってはるようやし、なかなか状況は絶望的でんなぁ。あっはっはっは」
そう笑いながらパーやんは、突如真剣なまなざしで3人の顔を覗き込み、
ずる賢い下卑た笑みを浮かべて提案してきた。
「どうやろ、みんな。あないな強い敵、勝ち目なんかあらしまへん。
このまま地底で、四人ひっそりと暮らしていくなんてのはどないや?
なぁに、パーマンセットがあれば、向こうもそうそう手ぇは出してこんやろ。
あ、そやそや、もう一回みんなでキスギーの配下になるって手もありますな。」

ベッドの上の3人は、顔を真っ赤にし、烈火のごとく怒り狂った!
「キィー!なんてこと言うのよ!見損なったわ、パーやん!私は絶対イヤよ。
悪人と戦わずして逃げるなんて!ましてや、手下になるなんてとんでもないわ!」
「そうさ。それに僕らが、あきらめたら地上のみんなは一体どうなるんだよ!?」
「ウッキぃー!!」
怒りを露にする3人に、先ほどまでのズル賢い笑みは嘘のようにスッパリ消えうせ、
にっこり笑うパーやんであった。
「わかりました。僕は、その言葉を待ってたんや。
さすがにみんな、パーマンに選ばれただけのことはありまんな。」
「え?」

3人の反応に、ニヤリといたずらっぽい笑みを浮かべてパーやんは言葉を続けた。
「僕ら一人一人の力はちっぽけなもんや。でも、4人みんなが正義の心で一つに
なれば、そりゃあもう、誰にも負けるわけない!それが“パーマン”なんや!」
「パーやん、じゃあ最初から・・・・」
「いいこと言うじゃない。その通りよ!」
「ウッキー♪」

「よーし!それじゃいくぞ、みんな!」
『パワ―――――――――――――ッチ!!』

飛び立った4人は横一列に手をつなぎ、ぐんぐんとスピードを加速させていく。
彼らのまだ知らない、変貌した魔都へと向かって・・・!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
283ドラえもん のび太の地底出木杉帝国:04/12/18 22:55:51 ID:iVbP62MN
今回分終了です。物語が絶望くんのまま新年を迎えることにならなくて
良かったとホッとしております。しかし、長くなってしまったもんです。

年内にタイトル横のレス番で区切りのいい200番まで投下しておきたい
ところですが、落とせなければ、続きは1月中旬以降になるかもしれません。
申し訳ありません。その間にも少しくらい書き溜めできればいいのですが・・・
では失礼します。ごきげんよう
>258より

グランゾンは空中のドラえもんたちに対し、苛烈な攻撃を続ける。
ワームスマッシャーを手当たり次第に放ち、手にした巨大な剣を振り回す。ドラえもんたちもなんとか回避し続けていたが、
ただの一撃でも喰らえば即座に終わりだという状況は精神を著しく磨耗させる。
ジャイアンは息も絶え絶えに怒鳴る。
「ドラえもん!まだ20分たたねえのかよ!?」
「もうすぐ―――もうすぐのはずだ―――うわっ!」
一際力を込めて横薙ぎに振られた剣が凄まじい風を生み出し、空中のドラえもんたちの身体を激しく叩く。
その勢いで一同は地面に叩きつけられた。
「ダメだ・・・全然歯が立たない・・・」
のび太が思わず弱音を吐く。
「諦めちゃだめだ!とにかく地面にいちゃ危ない、また空中に・・・あ、あれっ・・・!タケコプターが・・・」
タケコプターはウンともスンとも言わなかった。仲間のタケコプターも同じらしく、みな焦燥した顔で
タケコプターをいじっている。
「な、なんで・・・?」
「ここまでバッテリーを補給してなかった上に、さっきのあの一撃で、完全にダメになっちゃったらしい・・・」
「そ。そんな・・・こんな時にそんなお約束な・・・」
のび太が言い終わらないうちに、グランゾンが一同に迫る。とにもかくにも今は逃げるしかないと、ドラえもんたちは
一斉に駆け出す、が・・・スネ夫はその場にへたり込んで動けない。
「おいスネ夫!なにボケッとしてんだ!」
「こ、腰が抜けて・・・立てない・・・」
「くそ・・・!バカ野郎!」
ジャイアンは悪態を吐きつつもスネ夫に向かって走る。だが―――グランゾンは既に眼前に迫っていた。
そしてスネ夫もろとも、駆け寄ったジャイアンをも踏み潰そうと、足を上げて―――!
「「うわあああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」」
悲鳴を上げ、二人は目を閉じて、人生の終わる瞬間を待ち受けた。走馬灯なんて、見えやしなかった。
だが―――いつまで経ってもその瞬間は訪れない。恐る恐る二人が目を開けると―――
「早く―――逃げろ!」
神王と魔王がグランゾンの足裏を持ち上げ、支えていた。もちろん生身ではいかにこの二人でもそんな芸当は出来ない。
グレードアップ液によって性能が上がったスーパー手袋があってこそのおかげだった。
とはいえ、それでもグランゾンのパワーはハンパではない。支える二人の顔は苦悶に歪み、汗が止めどなく流れている。
「おっちゃん・・・」
「逃げろっつってんだろうが!」
神王の怒号にようやく身体が動き、ジャイアンとスネ夫はその場から抜け出す。それを見届けた二人は
安堵の笑みを浮かべ―――
次の瞬間、グランゾンによって踏み潰された。
「お、おっちゃん!おっちゃーーーん!」
ジャイアンは喉が裂けるほどの声で叫ぶ。そしてグランゾンが足をどけると、ボロ雑巾のように潰された神王と魔王が
無惨な姿を晒していた。
「ち、畜生!おっちゃんたちになんてことするんだ!」
ジャイアンはグランゾンの足にしがみ付き、ガシガシと殴る。が、軽く振り払われてしまう。
『仲間がやられて残念ですか?心配しなくても、じき会えますよ―――あの世でね!』
「そうはいかないぞ!」
ドラえもんが駆け寄る。
「ドラえもん!早くおっちゃんたちを助けてくれよ!」
「分かってる、ぼくに任せて!・・・よし、まだ生きてる、これなら!」
ポケットから何かを取り出す。それは大きなハンカチのようなものであった。
「・・・あ、違う!これは<物体返還クロス>だ!こんなの今は役に立たない!」
「違うのかよ!何やってんだ、ドラえもん!」
ジャイアンが怒鳴る。ドラえもんは物体返還クロスを投げ捨てる。物体返還クロスは風に舞ってヒラヒラ飛んでいった。
「こっちだ、<タイムふろしき>!」
ドラえもんはグッタリと横たわる二人にタイムふろしきをかける。
『・・・一体何をしているのですか、そんな小汚いふろしきで・・・』
だがアザミも次の瞬間、ギョッと目を剥く。ふろしきをかけられた二人はまるで何事もなかったかのように
むっくりと立ち上がったのだ。
「ふう・・・さすがの俺たちもやばかったぜ」
「まったくだ。かなりクリアに三途の川が見えちゃったじゃないか」
軽口を叩きながら二人は起き上がった。
「おっちゃん!二人とも大丈夫か!」
「ああ、普通なら即死だったが、鍛えてたおかげで助かったぜ」
そんな彼らの様子を眺めるアザミはさすがに驚きを隠せないようだった。
『まさか、あのふろしき・・・あれほどのダメージを消し去るほどの回復機能を・・・?』
動きを止めたグランゾンから目を離さずに、ドラえもんは指示を出す。
「ぼくに少し考えがある。ジャイアンたちはみんなのところに戻っててくれ」
「ドラえもん、大丈夫かよ?」
ジャイアンが心配そうに聞く。これまでグランゾンにはロクにダメージを与えられていないのだから当然だろう。
しかしドラえもんはニヤリ、と笑う。無理矢理作った笑顔だったが、それでも笑えるだけ肝の据わり方が
並のロボットとは違う。
「よっしゃ、ドラ助。何考えてんのかはしらねえが、ここは任せるぜ。タケシ、スネ夫、まー坊、俺らは戻るぞ!」
「了解!」
神王はまだ腰を抜かしているスネ夫を抱え上げ、他の仲間の元へと駆け寄る。その後をジャイアンと魔王が続いた。
残ったドラえもんは、一人グランゾンと対峙する。
『青ネコさん、あなたもしつこいですね・・・あなたの道具ではグランゾンには・・・』
「確かにぼくの道具じゃそいつにはダメージを与えられない。けれど・・・いくらグランゾンでも、自分自身の
攻撃を耐えることは出来るかな?」
謎かけのようなドラえもんの言葉に、アザミはコックピットの中で怪訝な顔をする。
ドラえもんはニヤリと笑い、ポケットに手を入れた体勢のまま、グランゾンの攻撃を待ち構える・・・!
287サマサ ◆2NA38J2XJM :04/12/18 23:09:56 ID:Njaz/2lI
投下完了。で、いきなりの訂正。>285ですが
物体返還クロスじゃなくて、物体<変換>クロスでした。以下訂正個所。

「・・・あ、違う!これは<物体変換クロス>だ!こんなの今は役に立たない!」
「違うのかよ!何やってんだ、ドラえもん!」
ジャイアンが怒鳴る。ドラえもんは物体変換クロスを投げ捨てる。物体変換クロスは風に舞ってヒラヒラ飛んでいった。

まとめサイト収録の際にはお手数ですが、こちらの方に直してくださると幸いです(汗)
バレさん、本当に申し訳ありません。

あと、>284のタイトルも144じゃなくて145でした。
間違いがなんでこんな多いんだ・・・気をつけなくては。
288作者の都合により名無しです:04/12/18 23:25:00 ID:BaH5QZjx
パーマンキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
いいところでキタ━━━━ヽ(☆∀☆ )ノ━━━━!!!!
熱すぎる展開にちょっと感動した。うみにん氏GJ!
289作者の都合により名無しです:04/12/18 23:27:37 ID:BaH5QZjx
と思ったら神界もキテル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
どっちもそろそろクライマックスかな?
290作者の都合により名無しです:04/12/19 08:49:27 ID:bQnf6U/E
>出木杉帝国
絶望の中に突如現れた救世主、パーマン一座。ヒーローお約束の「出」をわきまえてますねw
パーマンとギラーミンの対決フラグ立ったか。ギラーミンに負けて欲しくないようなw

>神界大活劇
タイムふろしきは万能だなあ。神王の男気はジャイアンと通ずるものがあるね。似た者同士。
巨大なグランゾンの前に立ち塞がる?123センチのネコ型ロボット。どんな秘策かな?

お2人とも絶好調じゃないですか。
特にサマサさんはちょっと前は年内書けないかもって言ってたのにw
しかしうみにんさんもごきげんようかw
ではごきげんよう。
291作者の都合により名無しです:04/12/19 13:03:18 ID:ADXItHGW
この際ごきげんようを義務付ければw
ま、言われなくても皆やってくる勢いだが。
292作者の都合により名無しです:04/12/19 13:20:52 ID:3dVOQ844
はっきり言って、輪廻転生の人が受け入れられた事で「このスレは終わった」と感じた。
わざとくさい作者コメント、ぶつ切れ投下、狙ってるっぽい他人の作品直後に投下。
私が投げ出したのもこいつが原因のようなもんだ、ウゼェヨ。
長編に移っちゃったけど未完てのも迷惑だから、バレさんに削除してもらおうとも思ったが、
気が向いたらまた書くかもしれんので、放っとく事にする。
よって名も明かさない。
さいなら。
293作者の都合により名無しです:04/12/19 15:12:57 ID:/VaUFv2I
昨日はドラえもんニ連発でしたか。
出木杉ではパーやんが上手く励まし役になってたし、神界は神王様と魔王様が凄いカッコイイ。
どちらも年上の役回りって感じ。
294作者の都合により名無しです:04/12/19 16:37:01 ID:CeGEgjKK
>>292
クソワロタ
295作者の都合により名無しです:04/12/19 22:18:29 ID:7qLSOwWZ
人少なくなったな、このスレ。
296作者の都合により名無しです:04/12/19 22:47:44 ID:omeFPoct
605 名前:マロン名無しさん 投稿日:04/12/18 15:08:18 ???
年末の上に週末だからみんないないんじゃないのか?
297作者の都合により名無しです:04/12/19 22:49:22 ID:wwdQA2o/
昨日は出木杉、神界でしたか。これでローマと外伝が来てたら完璧なドラえもんデーだったね。
出木杉のパーマンと神界のドラえもん侠客立ちに燃え。これからも頑張って。

>>292
荒らしに変化しそうで怖い。
298作者の都合により名無しです:04/12/19 22:52:58 ID:wwdQA2o/
いや、別に人少なくないだろ。むしろ多いと思うけど。
ていうか何を根拠に少なくなったとか言ってるかわからん。
定期的にあがるレスだから釣られたってことか?

それにしても鯖、重かったな。
また人大杉で書き込めなくなったりするんだろうか。
299作者の都合により名無しです:04/12/19 23:02:54 ID:k2Rok7S/
お、書き込めるようになった?
300作者の都合により名無しです:04/12/19 23:05:12 ID:jIfc+qxr
重い
301作者の都合により名無しです:04/12/19 23:06:36 ID:k2Rok7S/
>>298
ここ数日オレみたいに重くて書き込めなかったやつも多いんじゃない?
うみにん氏サマサ氏乙!
302作者の都合により名無しです:04/12/19 23:11:32 ID:7qLSOwWZ
>298
いや、気を悪くしたんならスマンかった。
いつもに比べてうみにんさんやサマサさんへのレスが少なかったように見えたから。
303298:04/12/19 23:16:03 ID:wwdQA2o/
>>302
こちらこそすみません。
なんか、292のレス見て気分悪くなっててね。(草薙さん頑張れよ)
語調が強くなったのかも。すみません。
304Darkドラえもん:04/12/20 01:10:25 ID:Sv3lwAg6
 先生に叱られ、ガキ大将に殴られ、野良犬に噛まれ──もはや日常と化した苦難を乗り
越え、ようやくのび太は帰宅することが出来た。しかし、そこで待ち受けていたのは、さ
らなる苦難への幕開けであった。
「どうしたのさ、ドラえもん!」
 ドラえもんがうつ伏せのまま動かない。かろうじて意識はあるが、今にも失われそうな
か弱さだ。のび太がその体を揺さぶっていると、机の引き出しが慌しく開いた。
「ドラえもん、大丈夫かい!」
「あっ、セワシ君!」
 現れたのは、のび太の子孫セワシ。タイムテレビか何かで現代の様子を見て、未来から
駆けつけてきたのだろう。セワシはドラえもんを一通り往診してから、残念そうに結果を
伝えた。
「おじいちゃん……ドラえもんは故障しちゃったみたいだ。応急手当てじゃ間に合わない。
今すぐにでも未来へ連れて行かなきゃならない」
 のび太は迷わず、きっぱりと答えた。
「セワシ君、頼むよ! 未来に行って、ドラえもんを直してあげて!」
「……ありがとう、おじいちゃん。でも、今回はちゃんと代わりを連れてきたんだ」
「え、ドラミちゃん?」
「いや、今日は違うんだ。おうい、入ってきていいよ」
 セワシが呼ぶと、机の引き出しから黒い影が飛び出してきた。比喩ではない、紛れもな
く黒いのだ。のび太の目の前に立ったのは、まさしく黒いドラえもんであった。ちょうど、
ドラえもんの青い部分を黒く染色した感じである。ただし、目つきは比較にならないほど
鋭い。
「少しの間、この“黒ドラえもん”がおじいちゃんの世話を担当するよ。それじゃあ、頼
むね」
 セワシは引き出しの中へ消えていった。すると、黒ドラえもんはぼそりと挨拶した。
「よう、野比よ。しばらく厄介になるが……よろしくな」
305Darkドラえもん:04/12/20 01:11:07 ID:Sv3lwAg6
 黒ドラえもんのどす黒い迫力に、ただ黙って正座するだけしかないのび太。
「……で、野比よ。せっかく俺が来てやったんだ、何か悩みはねぇのかい」
「な、悩みですか……。じ、実は今日も0点を取ってしまって……」
「0点ねぇ。で、それでどうして困るんだい」
「今日も先生に叱られたし、きっとママにも叱られるだろうし……」
 落ち込むのび太。すると、黒ドラえもんは四次元ポケットから銃のような道具を取り出
した。渋く銀色に輝いており、普段ドラえもんが出す道具とは明らかに一線を画している。
「じゃあ、ママを殺るか。叱られなくて済むぜ」
「ち、ちょっと! 何を考えてるんだよ!」
「それじゃ、先生を殺ろう」
「お……おいおい! もういい、何でもないよ!」
 舌打ちすると、黒ドラえもんはしぶしぶ銃をポケットにしまった。すると、今度は虹色
をした短剣のような道具を取り出す。
「半殺しなら問題ねぇだろ」
「あるよ!」
「……案外わがままなんだな、野比」
 それはどっちだ、と言いかけた口をのび太は慌てて塞いだ。再び不気味な沈黙が続く部
屋の中に、窓からジャイアンの大声が響く。
「おーい、のび太! 野球に行くぞ!」
 これを聞いた黒ドラえもん。途端に、元々鋭かった目がさらに危険な光を帯びる。
「何だぁ……? あいつ、お前のダチなんだろ? それなのに、何だあの偉そうな態度は。
ここは殺っておかねぇと、示しがつかねぇ」
 またも銃を握り締める黒ドラえもんを必死に押さえ、のび太はジャイアンに「帰ってく
れ」と連呼した。その尋常ならぬ気配を察したジャイアンも、今回は大人しく引き上げて
くれた。
 先程よりも露骨な舌打ちをし、銃をポケットに入れる黒ドラえもん。
 息を切らしつつ、のび太はこんなにも恐ろしい置き土産を残したセワシを恨んだ。
「とほほ、何でこんな危険なロボットを……」
306Darkドラえもん:04/12/20 01:12:19 ID:Sv3lwAg6
 このまま、黒ドラえもんを安全にやり過ごす方法はただ一つ。のび太自身が誰とも関わ
らないことだ。この好戦的なロボットのこと、きっといちいち理屈をつけて人を殺したが
るに違いない。
 しかし、のび太はとことん不運であった。
「のび太、しずちゃんが来てくれたわよ」
 下の階から玉子の声がする。いつもは最も来てほしい客人だが、よりによって一番来て
欲しくない時にやって来てしまった。
「そう言えば、宿題を一緒にやる約束してたっけ……」
 のび太が黒ドラえもんに視線を促す。すると、彼は意外な反応を示した。
「女かい。お前の考えてることくらいお見通しだ。いいぜ、少し消えててやるよ」
 いささかの誤解があるようだが、黒ドラえもんは引き出しの中に入ってしまった。
「た、助かったぁ……」
「何が助かったの?」
 背後には、すでに静香が立っていた。だが、黒ドラえもんの存在には気づいていないよ
うだった。
「いや、何でもないよ。さぁ、宿題をやっちゃおう!」

 夕刻──静香は帰宅し、それを見計らったかのように黒ドラえもんも帰ってくる。のび
太は夢の世界から、一気に現実へと引き上げられた気分になった。
「……やぁ、おかえり」
「くっくっく、タイムテレビでずっと見てたぜ。あの女が源か」
「源……? あぁ、しずちゃんのことか」
「あれが婚約者なんだってな。なかなか可愛いじゃねぇか。もっとも、お前に何かしよう
もんなら殺るつもりだったが……その必要もなかったしな」
 のび太はぞっとした。そして、黒ドラえもんはさらに続ける。
「何も未来まで待つことはねぇ。どうだ、今すぐあの女を奴隷にしてみないか」
「どっ、どういうことだよ……」
 黒ドラえもんは長さ十センチほどの針を出し、こう切り出した。
「この針をあいつの脳天にぶっ刺せば、何でも言うことを聞くようになるぜ。そうなりゃ、
もうこっちのもんだ。くくく、もちろん俺も楽しませてもらうがな」
307Darkドラえもん:04/12/20 01:13:32 ID:Sv3lwAg6
 のび太はついに激怒した。枕を手に、黒ドラえもんに勇敢に立ち向かう。しかし、逆に
押さえつけられてしまう。その眼前には、容赦なく銃口が突きつけられた。
「残念だよ、野比。俺に逆らうなんて二百年早ぇよ……死ね」
 もはや打開策はないと、のび太は覚悟を決めた。が、弾丸は発射されなかった。黒ドラ
えもんの背中に、電撃のような光線が被弾したのだ。
「のび太君、大丈夫かい!」
 そこにいたのは、引き出しから半身だけ出ているドラえもんだった。そして、すぐさま
部屋の中に降り立つ。わなわなと、身を震わせる黒ドラえもん。
「ちっ、ちくしょう! もう帰ってきやがったか……これでも喰らえ!」
「のび太君は僕が守る!」
 銃の撃ち合い。いや、黒ドラえもんは引き金を引くことすら出来ず、ショックガンによ
って倒された。ドラえもんの勝利である。涙を流し、ドラえもんに抱きつくのび太。
「ドラえもぉ〜ん! よかった、帰ってきてくれたんだね!」
 ようやく恐怖から解放されたのび太を、ドラえもんもしっかりと抱き締める。
「うん、危ないところだった。とりあえず、僕はこいつをタイム・パトロールに引き渡し
てくるよ」

 タイムマシンに乗る二体のネコ型ロボット。やがて、黒ドラえもんがむっくりと起き上
がる。ショックガンによる損傷は、全くないようだ。
「こんなもんで良かったのかい」
「上出来だよ。セワシ君とタイムテレビで見物してたけど、迫真の演技だったよ」
「これが俺の仕事だからな。“ロボットのありがたみ思い出させロボット”としてのな」
 全ては嘘だった。ドラえもんの故障も、黒ドラえもんの横暴も──全て。
「これで、少しはのび太君も懲りただろう。もしかしたら、ドラ焼き買ってくれるかもし
れないし……ウシシ」
 卑しく笑うドラえもんを見て、黒ドラえもんだったロボットは呆れるように呟いた。
「お前さんの方が、よっぽどダークだな」

                                お わ り
308サナダムシ ◆fnWJXN8RxU :04/12/20 01:18:18 ID:Sv3lwAg6
お久しぶりです。
土日で書いた、ドラえもんSSです。
変なオリキャラも出ますが、軽く読んでみて下さい。

残念ながら、うんこは出ません。
309作者の都合により名無しです:04/12/20 02:52:58 ID:kKEb4z5+
にくまれ屋のパロディか
310作者の都合により名無しです:04/12/20 03:29:08 ID:PM/+a8oe
ふと思った
マリみてと西原漫画を混ぜたらどうなるんだろう…
311作者の都合により名無しです:04/12/20 08:14:32 ID:BIMOGvM5
>Darkドラえもん
サナダムシさん復活キターーーーーーーー!
まずは復活に喜びました。3ヶ月ぶりくらいかな?
あれから音沙汰ないんでもう来ないかな、と思っちゃった。

内容もニヤニヤしながら読んでました。黒ドラ渋い。
殺す事しか頭にない、本当に役立たずのロボットですな。
そして真ドラもまた黒いw

たま〜にでいいですからまた書いて下さいね。
できれば連載して欲しいけどw
312作者の都合により名無しです:04/12/20 11:23:50 ID:QlYVjj8w
サナダムシ氏復活!
手練の短編SSは読んでいて安心感が(決してこのSSの展開に安心感などないが)あり、緊張感を保ち
ながら画面をスクロールすることができる。
ドッキリ大成功は爽快だった。
うんこは出さないでください。
時々でもこうやってSSを書いてください。できたら新連載とか……

そういや昔オフライン(ノート)で「キテレツ大百科Violence」っての書いたことあったっけな。
平和な日常が一変して地獄絵巻に変わるというSS。
飛び交う血と肉、絶叫、次々と死にゆく友たち、ひたすら書き殴られる暴力描写……
あのノート、どこやったかな?
313作者の都合により名無しです:04/12/20 19:11:59 ID:vJamjphk
サナダムシさんは人気あるからなあ。一時的でも復活してくれて嬉しい。
ダークドラ素敵でした。またなんか書いて下さい。うんこ以外でw
しけいそう物語の外伝とかでも嬉しいなあ。もちろん、一番嬉しいのは新連載ですが。

>>312
>キテレツ大百科Violence
妙に惹かれるものがある。出来たら一度、ここでまた書いてみて下さい。
314ドラえもん のび太の地底出木杉帝国:04/12/20 20:15:02 ID:5XpdaCke
「うわぁっ!」
漆黒の巨大ロボット、ダダンダンの拳が空をきり、かろうじてかわしたものの
その風圧で大きく宙を流されているのは、しょくぱんマン。
なんとか踏みとどまると、思わず、冷や汗をぬぐう。
「危ない危ない。もう少しでマントが破られてしまうところでしたよ。」
『クッソォー!ちょこまかちょこまか逃げやがってぇ〜!』
ダダンダンを操るバイキンマンが地団駄を踏んで悔しがる。

しょくぱんマンは苦戦していた。ダダンダンの圧倒的なパワーの前に、
実に逃げまわるのがやっとの状況である。ダダンダンの強固な防御力の前に、
アンパンマンたちの攻撃がさっぱり効かなかったということは聞き及んでいる。
となれば同威力のしょくパンチでは同じことの繰り返しになるだけだろう。
無理に勝負を焦って、早い段階でやられてしまうことだけは絶対に避けなければ
ならない。今はただ、なんとか反乱軍に危害が及ばないよう、ヒット・アンド・
アウェイで自分にひきつけておくだけで精一杯なのだ。

ザンダクロスもまた、その体躯で圧倒的に上回るパパンダーを相手に苦戦していた。
距離を置いての砲撃など、唯一上回る機動力を生かし、かろうじてパパンダーを
食いとめていたが、こちらはエネルギーに限りがあるため、しょくぱんマン以上に
いつまで持つか予断を許さない状況である。

離れで見守るドキンちゃんとジャムおじさん一行は、彼らの戦いに一喜一憂していた。
「ああー、勇ましく戦うしょくぱんマン様も素敵・・・♪でも、ちょっとなによ!?
バイキンマンのおバカー!しょくぱんマン様を傷つけたら許さないんだからぁ!!」
「がんばれ。しょくぱんマン!バイキンマンさえ倒せば、きっとアンパンマンたちの
居場所がわかるはず・・・!」
「新しい顔とカレーは、準備万端よ!頑張って、しょくぱんマン!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ハァ・・・ハァ・・ギリギリだったな。チータローションの効果は・・・!」
「これで全部かな。この警備の薄さ・・・。本当にみんな表に回ってるんだね。
バンホーさんたちに感謝しなきゃ。」

潜入チームは、なんとか6人とも無事に激戦の中を気付かれぬよう要塞の裏手に
回れたようである。数人の帝国兵が気絶し、横たわっている。どうやら、見張りの
衛兵をきり丸とジャイアンが仕留めたらしい。きり丸は忍者服に似合わぬ西洋風の
剣を一振りその手に携え、ジャイアンは右腕に奇妙なグローブを装着している。

そうこうしているうちに、また新たな悪魔兵が数人現れた。刹那、のび太の持つ
真新しい銃が、彼らが声をあげるヒマさえも与えぬままに、一瞬にしてその数人
全てを打ち倒す。その手際の良さは、まるで射撃ゲームのノリである。

「ヒュゥ―♪ やるじゃねぇか、のび太!見直したぜ!」
「へへへ・・・」
感嘆の口笛を吹くジャイアンに、のび太は照れ笑いを浮かべた。
しかし、ドラえもんの声が会話を切り裂く。
「ゆっくり話し込んでる時間なんてない。急ぐぞ!見取り図通りなら、
あの辺に隠し扉があるはずだ。当然、警備は厳しいだろう。」
続いて、ジャイアンが改めて6人の意志をまとめあげる。
「おう!予定通り、先手必勝でいくぞ!」
『おお!!』

誇り高き、小さな勇者たちの、決死の突入が今、始まった―――――――――!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
317ドラえもん のび太の地底出木杉帝国:04/12/20 20:18:11 ID:5XpdaCke
今回分、というかキリのいいレス番200まで終了です。

年内はこれで最後になりそうなので次回まで少し間があきます。
今年最後のあいさつということで、最後はバキスレで生まれた
あの格式高い名挨拶を最強スレ風にアレンジしてお別れを・・・

ぐごげー
318作者の都合により名無しです:04/12/20 21:15:46 ID:feojNMGZ
うみにん氏お疲れ様。そうか、続きは来年か。早いけどよいお年を。
今回は、戦いに突入したチームの状況確認って感じだったね。
どうしてもキリ番にしたかったかw

しかし、最後の最後ではずしましたなw


あとサナダムシさん復帰おめ。ぜひまた連載をお願いします。

319AnotherAttoraction BC:04/12/20 21:31:27 ID:Ch0LA+Se
70から
―――経済大国アーミックの首都サージュラン。サミット会場の超高層ビル周囲一キロ以内は、最後の要人が建物に入った時点で
陸空全てが治外法権となる。そこに無断で侵害する者はテロリストか自殺志願者しか居ない。事実、警備に当たる軍人全てに
サミット終了までの殺人許可がなされている。しかも装備はOICW(相手をロックオンして撃つAI内蔵小銃)、
人工筋肉スーツ(全身を覆う防弾スーツ内に行動補強用の人工筋肉が入った戦闘服)を基本に、各ポジションに合った武装を
するばかりか、装甲車、武装ヘリ、挙句にアーマードトルーパー(パワードスーツ部隊)までが配置され、不審者の生存を
絶対に許さない。
無論、過去十年間この場所をサミット会場に使ってきたのは装備や人員だけの話ではない。信頼を裏打ちする実績があるからだ。
これまでに数回、武装集団がこの場所に挑戦したが……その全てが失敗に終わった。

在る者は下水道から攻めた―――そこに配置されたアーマードトルーパーに挽肉にされた。
在る者は長期時限爆弾を仕掛けた―――その直後に拘束された。
更に在る者は遠くから巡航ミサイルを発射した―――迎撃型ジャマー「ミラーズコフィン」に掛かり、ミサイルは発射地点に着弾した。
半ば自棄になった者達は、真正面から突っ込んだ――― 一人残らず犬死にした。


「………と、言う事ですよ、ミスタ・ロシュフォール。貴方がたナンバーズが出張らなくとも戦力は足りておりますのでね」
――その会場のビル内で、アーミック大統領ジョン=ブリッジウッドはデスク上の対話型通話機の画像に向かって尊大に言い放った。
『しかし、相手は例の星の使徒。別に戦力が増えて悪い事は有るまい?』
対面用の画像に映るベルゼーの顔は、聞きようによっては愚弄にも等しい言葉を受けてもまるで平静だった。
その事がブリッジウッドの心中を苛付かせるが、おくびにも出さない。
「…ご心配無く。その“星の使徒”のために陸軍第三遊撃隊の出動を要請しましたから」

陸軍第三遊撃隊―――通称“鉄血の狼”。この国が世界に誇る歴戦の勇者達。
これまで幾百の鉄火場に赴き、幾千の地獄を越え、その全てを焼き尽くした彼らの前では悪魔も泣き出す、とか嘯かれる程だ。
まして彼らの指揮官、グロック大佐はその中の最古株。兵として将として申し分無い経験を積んだ猛者中の猛者。
そしてその重厚なる指揮を一丸となって実行する隊員達を前に、あらゆる敵対者が咬み破られた。
320AnotherAttoraction BC:04/12/20 21:32:29 ID:Ch0LA+Se
『…その程度でどうにかなる連中では無いぞ』
「その程度とはご無体な。ターリカの殲滅戦をお忘れか? テロ組織“開放戦友会”掃討作戦は? シャルメ国王暗殺が未遂に
 終わったのは? …全て彼らの働きによるものです。“皆さん”の手を煩わせる事無く、ね」
自慢の口髭を扱きながら嘲りを多分に滲ませる。彼らを自慢するのは毎度の事ながら実に気分がいい。その彼らを動かす
権力と言う最強の力を己が有す事実、それを再認出来るからだ。

『だから、何だ?』

…ベルゼーの返した言葉は、彼の優越感を粉砕するに十分だった。
『それでもまだ足りん。奴らはまったく未知の集団だ、これまでの経験が通用すると思うな』
「………例の“道”とやら…ですかな?」
流石に語尾が怒りに震える。勿論ベルゼーは気付いているが、どうでもいいので敢えて指摘しない。
『それ以上に、クリード=ディスケンスと云う男を舐めるな、と言っている』
聞いた途端、鼻で笑う。       
「何を言うかと思えば……ナンバーズにも成れなかった男が、何か?」
この一言にはナンバーズへの揶揄も含まれている。そもそも彼は、権力者の常で武辺一辺倒の人間を見下す傾向が有る。
そんな彼にとって、ナンバーズも街のチンピラもまるで同じにしか見えなかった(自分の手駒は除く)。
『甘く見るな。クロノナンバーズどころか、長老会も夢ではない男だ』

――――――“長老会”。
それはクロノスの頂点であり世界の頂点。つまるところこの世界における最高権力。そして、彼(ブリッジウッド)の最終目標。
そこに席を許される事は、一国の首相でさえアゴで使える権力を手にするに等しい――と言うより、そこが世界を回している。
世界的な功績を挙げた者のみが列席を許されるらしいが、詳しい事は大統領である彼にも分かっていない。
とりあえず今分かっている事と言えば、忌々しいクロノナンバーズがそいつらの直属という事くらいの物だ。
従って、ベルゼーに説教を食らう事に加え、その訳の判らん殺し屋の青二才が目上になる可能性が有ったという現実が、
ブリッジウッドの腸(ハラワタ)をますます煮え繰り返らせる。
『……だが鉄血の狼に長老会の覚えがある以上、今回はお前の意見を尊重するとしよう。ただ―――』
ベルゼーの意外な言葉にはっとする――ではなく、あっと言う間に心を驕慢に埋め尽くされる。だがそれも束の間の事――…
『戦うな。連中を見付け次第各国の首脳陣を速やかに逃がせ、それだけだ。お前達に戦果は期待していない』
それを最後に通話が切れた。
321AnotherAttoraction BC:04/12/20 21:33:41 ID:Ch0LA+Se
後には耳が痛くなるような静寂のみ。いや、実際頭が痛くなるほど心中怒りに怒っていた。
「……ふざけやがって!!!」
怒声一喝と共にデスク上を薙ぎ払う。ペン立て、水差し、通話機の画面がけたたましい音を立てて床にブチ撒けられる。
ふと、床に転がった今は黒いだけの画面が目に留まる。
「ふざけやがって! あの野郎!!」
普段のカメラへのスマイルも、外交時の知的な相貌もかなぐり捨てて画面を踏み付けた。
「…お前なんぞ所詮はクロノスの鉄砲玉だろうが!!! なのに偉そうにしやがって、私に敬語を使わせやがって!!! 
 私は大統領だぞ!!! クソ! クソ!! クソッタレ!!!!!」
そもそも彼は自分の力でこの地位に就いた訳ではない、議員の親のコネと富豪の娘である妻のカネとでここまで登りつめた。
それだけに、本心では知っている。“自分は無能だ”と。だからこそその事実を権力で埋め合わせようと言うのだが、
実際はそうはいかない。結局それがかりそめの物だと気付いてしまうからだ。
―――…ようやく少し落ち着いた頃、荒い息の中彼は一つの結論に到る。
「……戦って、やろうじゃないか」
仮に連中が攻めてきたとしても…装備は最高、人員は最強、しかもそれが今すぐ戦争を出来そうなほどの数。
誰が勝てる、この最強の布陣に。誰が落とせる、この鉄壁の牙城を。それに万が一の時が有っても屋上のヘリポートから脱出は可能。
それに、奴らを退ければ――――――
「来てみろ星の使徒。私の長老会入りの礎にしてやる」
クロノスが持て余すそいつらを倒せば、長老会は彼を賞賛し、列席を認めるだろう。そうなればナンバーズは己の目下―――。
皮算用と共に笑いが零れ落ちた。


――――――その頃。サミット会場から15キロの地点。この辺りはまだいつもどおりの日常が緩やかに流れていた。
まだうららかな昼下がり、街行く人々の注目を集める一人の男がゆったりと歩道を歩いていた。
その切れ味鋭い美貌に女性は誰もが振り返る。着流す白コートも、上下のラフだがそこはかと無く気品を漂わす服装も、
彼の美に一層の華を添える。それは刀――それも妖刀――の如く剣呑で、人を魅了して止まない。
そして男性は、皆がその男を避ける。同姓であるが故か、その危うさに気付いてしまうのだ。
だが彼は全く気にしない。ただただ真っ直ぐに道を行く。
彼―クリード=ディスケンスは、静かに、だが確実に、サミット会場に向かっていた。
322AnotherAttoraction BC:04/12/20 21:47:28 ID:Ch0LA+Se
今週のジャンプの感想。
ティラノザウルスと頭突き恐竜(名前失念)がテニスをしてた。(挨拶)
登場人物のあの眼……何人かは殺人クリアーしてますよね、絶対。……NBです。
さて、第五話「些事」始まりです。
気付いてる方が居るかもしれませんが、今までそれぞれのパートに分かれて進めていました。
今回は丸々一話クリードパートです。
……コイツに凄みを付加するのがメチャ疲れます。
今回はここまで、ではまた…………………ごきげんよう(流行に乗って)。
323ふら〜り:04/12/20 21:51:42 ID:UTTZLdrf
>>うみにんさん
いい役どころですなパーやん。すっかり中心人物。頑張れよ1号っ。ともあれ復活した
パーマンチーム、四人揃えば足し算でなく掛け算、逆転なるか反乱軍! それと前回は
「騎士の勝利を祈るお姫様」っぽかったドキンちゃん……いつもの彼女に戻りましたな。

>>サマサさん
確かにお約束な「タケコプタープスンプスン」を経て。敵の強大さに傷つく味方、そこで
閃く逆転の秘策……ここで陣頭に立つのがのび太ではなく、ドラなところが珍しい。次回、
キメられるか並じゃないロボット! あとタイムふろしきといえば、確か不老不死…… 

>>サナダムシさん
おひさです〜。余裕ができましたら、ぜひまた連載をば何卒。……で。てっきりこのまま、
何かこう救いがたいブラックなオチに突っ走るのかと思いきや、一応救い(?)のある結末
でした。しかしありがたみを解らせるなら、他にも方法はあろうに。ダークなり、青ドラ。

>>312
可愛いのも好きですが、激痛なのも好きなもので。興味を引かれましたぞっ。

>>NBさん
おぉ久々に魅せてくれそうですな、クリード。の、血塗れ激痛描写。今回はそこに
大破壊、なんてのも加わりそう。相手が人間だけじゃないですからねぇ。しかし
ジョン大統領、哀れ。装備・人員が豪華なだけに、やられっぷりもさぞ……楽しみ。
>286より

「さあ、あの弾丸を撃って来い!撃った瞬間、グランゾンはオダブツだ!」
ドラえもんはグランゾンを前に仁王立ちして、挑発の言葉を吐く。内心は冷や汗ものだった。アザミは、こんな安い挑発が
通用するような相手ではない。
(だけど―――今のアザミなら―――) ドラえもんは心の中で呟く。
そう、ドラえもんは数々の修羅場で培ってきた洞察力で、アザミの慢心を見抜いていた。アザミはグランゾンを手にした
ことで圧倒的な存在と化したが、それがたった一つだけ、大きな弱点となった。それは<驕り>であり<油断>だ。
強すぎるせいで―――足元を見ようとしない。至高ゆえに―――低い場所が見えなくなっている。
(なら―――こんな安い挑発に、乗ってくる可能性は十分ある―――!)
かくして、アザミは―――
『・・・いいでしょう、青ネコさん。撃ってあげましょう。ああ、ちなみにあれは<ワームスマッシャー>というんですよ
―――まあ、名前なんてどうでもいいですけどね』
(やっぱりだ・・・聞いてないことまでペラペラ喋ってる。間違いなく彼女は今<油断>してる・・・
あとはぼく次第だ!)
そしてグランゾンはドラえもんに手のひらを向ける。ドラえもんは―――まだ動かない。息も出来ない緊張感が、
その空間を支配する。
そして―――ワームスマッシャーが放たれた!それと同時にドラえもんはポケットから道具を取り出す―――
「今だ!<どこでもドア>!」
ドラえもんが取り出したのは、どこでもドアだ。そして、行き先は―――
「グランゾンの背後に繋がれ!」
刹那―――開いたドアにワームスマッシャーが入り込む。そしてグランゾンの背後に現れたドアから抜け出て、
グランゾンの背中の装甲に被弾した!
『うああああああっっっ・・・・・・!!』
被弾したワームスマッシャーは、凄まじい破壊力によってグランゾンの装甲すらも破壊した。
予想もしなかった反撃に、思わずアザミは苦鳴を漏らす。グランゾンの頑強なボディがグラリ、と揺れた。
「やったあ!」
のび太たちが歓声を上げてドラえもんのもとに集う。
「なんでえ、あっけねえなあ!」
ジャイアンが満面の笑みを浮かべる―――だが。
『・・・喜ぶのは、早いですよ』
アザミの声が、その場の空気を凍らせる。ドラえもんは驚愕した。あれほどのダメージを受けていながら―――
それでもなお変わらぬ、その冷たさに。
「そんな・・・確かに効いたはずだ!」
『効きましたよ・・・背中の装甲はもうボロボロです。が・・・動力部までは届かなかったようです。それは幸いですが
実に腹立たしい。自らの慢心でこのような痛手を負うとは―――』
グランゾンは体勢を立て直して、ドラえもんたちに向き直る。
『ですが、もう今の手は喰いませんよ―――さあ、覚悟なさい!』
「ド・・・ドラえもん!どうしよう?」
「どうするもこうするも、そう次々策があるはず―――」
その時だった。遠くの方で大きな音がしたのだ。それは―――
「そうか!20分経ったんだ!」
ドラえもんはパチンと指を鳴らした。一同の目線の先には、雄々しく立ち上がるサイバスターの姿があった。
『サイバスター・・・もう動いてしまいましたか・・・!』
アザミは苛立った声を上げる。そしてもはやドラえもんたちは眼中にないとでもいうように、サイバスターに向き直る。
サイバスターの前にスクリーンが現れ、その中に稟、亜沙、プリムラの姿が浮かぶ。
『のび太、ドラえもん、みんな!待たせたな、後は俺たちに任せてくれ!』
稟が力強く言った。
「稟さん!・・・三人とも、頑張って!」
のび太が声援を送る。
グランゾンはそんな彼らに構わずにサイバスターの元へと歩を進めていく―――
『・・・私にはもう何も言うことはありません。この戦いを終わらせ―――私は人間を滅ぼす』
『そうはさせない!俺たちが―――』
『ボクたちが―――』
『私たちが―――』
『『『止めてみせる!!!』』』
そしてサイバスターとグランゾン―――二つの超存在はお互いの剣を振るう。
その剣戟の音が、最後の決戦の始まりの合図であった。
327サマサ ◆2NA38J2XJM :04/12/20 22:55:30 ID:jUCqXY20
ハンパな量ですが、投下完了。

>ふら〜りさん
ずばり、法律違反だとドラに明言させているのに平然と使わせちゃいました、タイムふろしき。
そのことについてフォローする一文を入れるの忘れてたなあ・・・。まあせっかくなんで間違えたまま、
恥を晒しっぱなしにしとこうと思います。

そろそろ本当に終わりが近づいてきました。というわけで、ということもないんですが、
本作での人名とか用語の説明入れときたいと思います。(大多数の人にはどうでもいいでしょうが)

青玉=プリムラがドラえもんを呼ぶときの呼称。ゲーム本編でプリムラが持っているネコのヌイグルミの名前が
「白玉」「黒玉」という、まんまなネーミングだったので、これにちなんで。

アザミ=オリジナル敵キャラ。名前の由来は花のアザミで、花言葉「復讐」。
ちなみにShuffle!に登場する人物にはほぼ全員花の名前がついている。
ちなみにもう一人の敵役グロキシニアも花の名前で、花言葉「欲望」。

サイバスター・グランゾン=スパロボや魔装機神でおなじみのアレ。多少オリ設定が混じってます。
328作者の都合により名無しです:04/12/20 23:06:42 ID:feojNMGZ
NBさんは軍事知識がハンパじゃないね。いつも描写力とともに感心する。
クリードパートですか。でも、この展開はオリジナルかな?

サマサさん、ついにグランゾン対サイバスターの最終決戦っぽい感じですね。
まだちょっと続くんだろうけど、なんか寂しいなあ。
329作者の都合により名無しです:04/12/21 08:34:45 ID:AuglR9W4
>うみにんさん
みじかっ!でも、今どのキャラクターがどのように奮戦しているかわかりました。
ジャイアンはやっぱりリーダーですね。キチンと要所で締める。来年も頑張って下さい。

>NBさん
おお、原作よりはるかに設定と描写が緻密でイイ!(褒め言葉にならないのが何だがw)
ブリッジウッド、見事にカマセ臭を漂わせてますね。次回はたぶん虐殺劇w

>サマサさん
ドラの道具を意外な形で使うのが上手。タイムふろしきといい、どこでもドアといい。
てっきりひらりマントかと思った。ついにロボット大戦、楽しみだ。
330真・うんこ:04/12/21 09:58:29 ID:umEJyf3x
いいうんこ出してますか?みなさん。
今度こそ真面目なうんこを書きますので連載していいですか?
331作者の都合により名無しです:04/12/21 19:09:11 ID:SZ9vmNwP
出木杉とも来年までお別れか。連載再開楽しみにしてます。
サマサさんとNBさんは、もう一度くらい年内うぷしてくれるのかな?
とにかく、お三方乙です。
332作者の都合により名無しです:04/12/21 20:12:52 ID:1tVd5JY/
年末年始は職人は減るだろうね。
333ザク〜ソドム(二)〜:04/12/21 22:29:09 ID:Eaz4NrsG
>>114-117より
334ザク〜ソドム(二)〜:04/12/21 22:29:48 ID:Eaz4NrsG
――宇宙最強の生物フリーザ。そんな奴が地球に来るというのか……。だが、何の為に?
「うむ、そこなのだが――」
 ザクの問いに答えんとした刹那、王大人はザクの頭上に浮遊している、太陽光を反射する『何か』の
存在に気付いた。
 光を反射しているのはレンズらしきものであり、その小さな本体からはアンテナがちょこんと飛び出して
いる。
 あれは……まさか!
「いかん、ザクよ!お前の頭の上に監視カメラが!」
――え?
 王大人の突然の言葉に反応しきれなかったザクは一拍遅れて頭上に目をやるが、そのときには既に、
監視カメラらしき浮遊物は消えていた。
「なんということだ……」
 王大人が唖然としながら空を仰ぐ。
「我々は奴らに監視されておった」

『カメラ、みつかってしまいましたね』
 フリーザは、さほど驚いてもいないような様子でこぼした。
「ふっふ、良いではないか」
 藤堂兵衛が笑う。
「ザクの一連の武者修行、東方不敗との闘いのデータは十二分に収集できた。これでザク対策は完璧
だ!そして皆よ、監視カメラを飛ばすという案はワシのものだったということを努々忘れるでないぞ!」
「言いたいことが済んだら口を閉じろ、藤堂」藤堂に対面する位置に座る葉隠散が顔をしかめる。
「臭い息がここまで漂ってくる」
「貴様ッ――」
 手をついて立ち上がろうとする藤堂を、隣に座るラオウが右手で制する。
「先ほどの俺の言葉を忘れたか、兵衛よ」
335ザク〜ソドム(二)〜:04/12/21 22:31:26 ID:Eaz4NrsG
 鼻を鳴らして藤堂兵衛は席に着く。一見平静を取り戻したかのように見えるが、その瞳には怒りの炎が
かすかにちらついている。
(せいぜいほざいてるがいいわ、若造共が。最後に笑うのはこの藤堂兵衛なのだからな!)
『今回のソドム世界会議での議題は二つあります』
 何事も無かったかのようにフリーザが切り出す。宇宙の帝王にしてみれば、所詮はアリ同士の喧嘩に
過ぎないのだろう。
『一つはあのザクとやらについて。まずそちらの方を検討していきましょう』
 普段から険しい拳王ラオウの表情が、より一層険しいものとなる。
(……ザク)
『藤堂さんの提案のおかげで彼については随分戦力の分析ができました。加えて『あの地球人』の情報
提供もあり、我々共通の敵となるであろうザクに関してはほぼ完璧にデータが揃っています。その上での
私見なのですが――彼は私たちソドムに立ち向かうにはあまりに弱々しい存在ではないでしょうか?
情報提供者の地球人はザクがあたかも私たちにとって大きな壁となりうるというような事をおっしゃって
いましたが、私にはとてもそうは思えないのです』
「奴を甘く見るな」
 ラオウは低く唸って一言口にした。
『ほっほ、そういえばラオウさん、確かあなたは一度――』
「ザクは単体では脅威とはなりえない」
 フリーザの言葉を遮ったのは、人の発するものとは思えない、耳に心地よい凛とした声だった。
 輝かしい銀髪をなびかせ白い甲冑を身にまとう、『白い鷹』グリフィスである。
「ザクは自己進化を経、プラズマ技を習得し、東方不敗マスターアジアを一対一の勝負で破った。だが、
東方不敗が敗れたのには要因が二つある。一つは、彼自身が病に犯され本来の力を十分に発揮でき
なかったこと。もう一つは、彼の前に立ち塞がったのがザク一人ではなかったということ。つまり」
 グリフィスはそこで間を置き、それから続けた。
「ザクを支えたシャッフル同盟の存在があったということだ」
336ザク〜ソドム(二)〜:04/12/21 22:33:38 ID:Eaz4NrsG
「シャッフル同盟さえ現れなければ、東方不敗は本来の目的、範馬勇次郎の量産を実現して地上を制圧
していただろう。それが成し得なかったのは、シャッフル同盟の介入があってこそ」
『なるほど。つまり、私たちの敵はザク一人ではないというわけですね?』
「シャッフル同盟は絆を剣とし、結束することで互いの力を何倍にも高める。その厄介な力は新生シャッ
フル同盟にも受け継がれることだろう。監視カメラが拾った音声から判断できる新生シャッフル同盟の
メンバーは、範馬刃牙、葉隠覚悟、ガッツ――」
 散には、今まで流れるように続いていたグリフィスの声が、一瞬そこで滞ったように思えた。
 ほんの、刹那の間。
「ヤムチャの四人」
『ほう、全てザクが武者修行の時に一度手合わせした面子ですね』
「監視カメラが最後に拾った僧侶の言葉からすると、ザクはこれから新生シャッフル同盟のメンバーを
集めるため世界各地を駆け回るらしい。新生シャッフル同盟が手を組んだら我々も東方不敗の二の舞と
なりかねない。彼らが結束する前に、各個撃破していくのが上策だろう」
『ふむ、おおかた同意します。東方不敗の二の舞となりかねないという点は同意しかねますが。ところで、
ザクが一度闘った敵とあらばデータも揃っているはず。ザク以外の四人の戦闘能力はいかほどのもの
でしょうか?』
「それに関しては私がデータを分析した」
 葉隠散が口を出す。
「現在のザクの戦闘能力を100とすると、範馬刃牙は10、ガッツは50、覚悟は強化外骨格『零』を纏え
ば90はいくだろうが、今はおそらく私の腹心、血髑髏が『零』に宿る英霊を昇天させたはず。生身の覚悟
ならば60程度。そしてヤムチャだが……奴は120にはなるだろう。最も、その力のほとんどを当人は
引き出すことができていないようだが」
「範馬刃牙は……フン、捨て置いてもよさそうだ、な……」
 ベースが不気味な声でつぶやく。
「ガッツにはグルンベルドをぶつける」
 グリフィスが冷たく通る声で言う。
「奴にはそれで十分だろう」
337ザク〜ソドム(二)〜:04/12/21 22:36:21 ID:Eaz4NrsG
「万が一、覚悟が血髑髏を破ったならば」
 散が口元を歪める。
「ボルトに相手をさせよう」
『では、残るはヤムチャとやらですね?ザクを上回るパワーを持つ敵となると、あなた方の部下では手に
余るでしょう。本来別の目的を持たせているのですが……先兵として地球に送り込むサイヤ人、ベジータ
とナッパにヤムチャの相手をしていただきます。下等な種族ですが、地球人を屠る程度のことは他愛も
無いはずです』
 そこまで言って、フリーザはぽんぽん、と手を打ち鳴らした。
『ザクと新生シャッフル同盟に関してはそれで良いでしょう』
 口を開くものはいない。同意、という意思表示だ。
『ならば次の議題に移りましょう。二つ目の議題は――』
 フリーザは右手の人差し指をピン、と立てた。
『ドラゴンボールに関して、です』
338作者の都合により名無しです:04/12/21 22:40:42 ID:Eaz4NrsG
今回投稿終了。今年はこれが最後かな?
昨日発売(再版)の「悪鬼御用ガラン:山口貴之」を買った。修正酷すぎ。
339作者の都合により名無しです:04/12/21 22:45:58 ID:Eaz4NrsG
>>313
キテレツ大百科Violence、ノートがみつからない・・・。
記憶を辿って書き起こしてみようかな?ほとんど内容覚えてないけど。
340作者の都合により名無しです:04/12/21 22:47:46 ID:ksDLvY7i
ザク氏GJです。
ヤムチャ、ザクより強いんですか。
以前の戦いぶりだと、5くらいしか引き出せてないようですね。
バキ10ってw 病気の時でザクタンクに勝ってるのに。
(それだけザクがレベルアップしたのかな?)

>>338
酷いって、どんな感じですか?
341作者の都合により名無しです:04/12/21 23:16:26 ID:Eaz4NrsG
>>340
女性の死体発見シーン、女児の頭かち割りシーン、主人公の妹が食われるシーンが真っ白け。
342作者の都合により名無しです:04/12/22 02:17:19 ID:uGR4ng08
ザク氏更新乙です。

>散には、今まで流れるように続いていたグリフィスの声が、一瞬そこで滞ったように思えた。
しかしグリフィスの声が止まったのはガッツのせいかヤムチャのせいかw
343作者の都合により名無しです:04/12/22 09:31:32 ID:5aksixbh
ザクさん乙。フリーザは強すぎでどう収束させるのか注目してる。
連載賞受賞おめ。

>>339
なんとかがんがれ。勝手だけど楽しみにしてます。
344作者の都合により名無しです:04/12/22 10:22:27 ID:xlXs/JcS
>>343
>>339のIDでこのスレを検索すると…
345作者の都合により名無しです:04/12/22 11:20:56 ID:yy0VLDCP
>>344
いや、検索もなにも・・・w
346作者の都合により名無しです:04/12/22 20:05:52 ID:PFQVw4wr
ザクさんアクティブだなw

さすがに、年末年始はぐっと少なくなるか。
もうすぐこのスレ二周年なんだけどな。
347作者の都合により名無しです:04/12/23 10:38:48 ID:bdgE1K5p
あげ。
さすがに今年はみんな打ち止めか?
348作者の都合により名無しです:04/12/23 12:46:23 ID:MN7v2f22
大晦日の夜10時くらいにミドリさんが来て
「ごきげんよう」で年を越すのが理想といえば理想。

でも、もちろんほかの職人さんも大歓迎!
年末年始こそ読みたい気がする。家でゴロゴロしながら。
349作者の都合により名無しです:04/12/23 14:28:59 ID:MrhFN2+Z
>年末年始こそ読みたい気がする。家でゴロゴロしながら。
・゚・(つД`)・゚・ 
350オムニバスSS:04/12/23 21:23:35 ID:FdC4/rMW
ヤムチャ

「俺、やめるわ」
ヤムチャはZ戦士を辞めた。
不条理な戦闘力のインフレについていけなくなったからだ。
仲間達との力の差は広がるばかり。
彼はドラゴンボールの世界を去り、別世界へと戦いの場を探して旅立った。


――半年後、彼はチャンピオンになっていた。
場所は東京ドーム地下闘技場。
ヤムチャはかめはめ波と操気弾を武器に、独歩や烈海王、チャンピオンのバキにも圧勝。
地上最強の生物と言われる範馬勇次郎すら秒殺してのけた。
たちまちヤムチャは稀代の天才格闘家として光成翁に目をかけられることとなり、
そのまま表舞台に進出することになった。

徳川光成の後援もあって、数年後には世界のトップ格闘家にのし上がったヤムチャは
ファイトマネーによる膨大な資産と3人の奥さんを貰い、15人の子を為した。
更に20年後、41人に増えたヤムチャファミリーの撮影会が行われた。
親族に囲まれたヤムチャは、始終笑顔に包まれていた。

やがてヤムチャもこの世を去った。
彼の葬儀には、親族とマスコミ、そして数万人のファンが参列し、涙を流した。
黒曜石で作られた特注の墓碑には、彼の遺書に従って

『現実から逃げた卑怯者 ここに眠る』

と書かれていた。
351作者の都合により名無しです:04/12/23 21:53:45 ID:ndynSak7
オムニバスっつうからにはまだ他の話があるんだろうけど・・・
今日はそれで終わり?
352作者の都合により名無しです:04/12/23 22:11:58 ID:+TQqe4dP
世界さんのショートを彷彿するものがあるな。
乙。続きを期待してるよ。ヤムチャはどこまでいってもヤムチャかw
353バレ ◆sssssssDAo :04/12/23 22:14:58 ID:FdC4/rMW
ひとまず今日は一作だけです。
1日〜2日に1話の割合で、正月頃まで投下の予定です。

ははは…誤爆しちゃった。疲れてますね。
354ふら〜り:04/12/23 22:39:55 ID:bE2qSsvB
>>サマサさん
コ、コロンブスの卵的発想……ある意味無敵の兵器でした、どこでもドア。それも含めて、
ここまで活躍してきたドラたちですが、最後はShuffle! チームに譲る模様。
で「青玉」の由来。あれはあれで彼女なりの愛情表現だった……と。何だか、ほのぼの。

>>ザクさん
敵組織お目見え時のお約束とはいえ、なかなかナメられてますね、主人公チーム。まぁ
こんなメンツが相手とあっては、仕方ないかもしれませんが。意外とヤムチャの評価が
高めなのに少しびっくり。最初の刺客相手に、活躍できれば今後の見通しも明るい……?

>>バレさん
そうですよねぇ。ヤムチャだって別作品・異世界に行ってしまえば、ほぼ間違いなく
最強クラスのキャラのはず。いつも周囲にいる連中が異常過ぎるだけで。あと墓碑銘は
なかなかカッコいいと思いました。死に臨んでの、彼なりの矜持というもの……ですかね。
355作者の都合により名無しです:04/12/23 23:20:40 ID:c9Uc41zi
ふらーりさん人気低迷してますが頑張ってください。
356作者の都合により名無しです:04/12/24 00:04:35 ID:jabf9Crb
自嘲でよかった>卑怯者の墓碑銘
357作者の都合により名無しです:04/12/24 09:19:32 ID:RhQMlYGW
2年前の12月27日がこのスレの誕生だけど、
その日くらい誰か来ないかなあ。
358作者の都合により名無しです:04/12/24 13:48:59 ID:CkEywEEc
それより、今日はX'masだよ。
359作者の都合により名無しです:04/12/24 15:39:10 ID:3JYbGHbH
イブでんがな
360作者の都合により名無しです:04/12/24 16:33:38 ID:GOPQZM5D
仕事がえりに彼女とディズニーシーに行って
近くのホテルでセクースしてきまつ
361作者の都合により名無しです:04/12/24 17:51:56 ID:CkEywEEc
仕事で帰れない〜
こんなのイヴじゃない
362作者の都合により名無しです:04/12/24 19:21:29 ID:CuFnrRl4
やっぱりここの住人の年齢層は、他の漫画板のスレより一回り高そうだな。
しかし年末まであと2つか3つ来ればいい所か。

誰か、常連職人がいない隙に天下を取ろうという新人はおらんのか?
俺はちょっとワードパッドに書いてみたけど無理だった。
面白いとか以前に文章にならない。結構難しいもんだな、SSって。
363作者の都合により名無しです:04/12/24 21:10:06 ID:/lETbLIM
天下を取ろうとかいう発想自体がとんでもなく馬鹿っぽいなw
364オムニバスSS:04/12/24 21:29:59 ID:IACVvIZS
投下します。
365オムニバスSS:04/12/24 21:31:25 ID:IACVvIZS
絵本風です。

「最後のクリスマス」

あるクリスマスイブの夜。 空からサンタクロースが舞い降りてきました。
昔は元気に世界中を飛び回っていたサンタですが、最近は年老いて、歩くのもやっとです。
「年で最近は神通力も弱くなった。この稼業も今年で終わりにしよう‥‥」
サンタはそう考えていました。

                           γ⌒\
                           /    ヽ,
                            ⊂ニニニ⊃○
                          (´m` .),
                           (二:二|)\
                           |_|__|   )
                          (_(__) ̄'
                     ______∧_______________
                   /                              .
                   |  今年で最後というのに、今の私の力では一人しかプレゼント出来ない…
                   |  よし、今年は世界で一番不幸な人にプレゼントをあげよう。
                   \
                      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「しかし、どうやってその不幸な人を探し出そうか‥」
そう考えていると、どこからかエンエンと泣き声が聞こえてきます。
これは何か不幸なことがあったに違いない、とサンタは声のする方へ駆けつけました。
366最後のクリスマス:04/12/24 21:33:24 ID:IACVvIZS
         ' ‐ 、       
,ィ''i" " ' ' ‐ .、_  "'.、       泣き声の主は柳龍光でした。
 ,i'       ."' ' " ,"i,      泣いている訳を聞くと、散歩中にホームレスに因縁をつけられ、
ノ    ,,,,,        'i      暴行を受けた挙句、腕まで切られたという事でした。 
  ,.ィ''",___`'、  .ヽ、  ,ィヽ    「おお、それはかわいそうに。
.  l ィ' ',、-.ミ, '‐、_ノノ : i_ィノヽ    私はサンタクロースじゃ。
  .i:: .,{  ・}`'‐-.' ノ,i・ .)     そんな酷い目に遭ったお前は、世界で一番不幸に違いない」
  ヽ ( ´='',:ヾ   ' 、.'‐'ヽ     
    "‐, ,i"   ,,ィ  '`i,    しかし、柳は首を横に振りました。
ヽ    ,' ノ / ;::'",r'.r' 'ヽ !.、   「いや、私は腕を切られただけのこと。もっと不幸な人物がいる。
'‐、 ヾ" ,,r'~/./ / l,__,...、 .,!.  全身に刃物を突き立てられ、血を流して今も苦しんでいる」
,l ''‐、`'' .:' / /  ,.,、r ;、、 ニ,  
..ヽ  `),  .: .:   /‐'"  ̄ 7/  「おお。それは不幸なことだ」
..} ィ ヾ 、; .{ .{  ./::: :::: : : //   サンタはそう言って、その不幸な人の場所を聞きました。
  .l  ヽ l 'i 'i, ,/i ::  : .:''i   「その角を右に曲がった先にいる」
"'i 'ii, ,ィ' ヽヽ :ヾ : : . : i.    
. / ii,  i ,, i ,i l;, ; :, ,: ノ 
ヾ  ii i `i,i '' 血 ‐、 ;; (     
    lii;;   i # 血血'‐、ッ i,      
   ,,r''   ''、血血血-、‐i,
367最後のクリスマス:04/12/24 21:35:34 ID:IACVvIZS
         ┃┃
━━   ━╋━    ━━┓━━┓━━┓━━┓━━┓━━┓
━━  ━╋━ ╋┓  ┃   ┃   ┃   ┃   ┃   ┃
━━.     ┃   ┃   ┃   ┃   ┃   ┃   ┃   ┃  
    ◎、=二ーフ     ; ;        _      ◎       柳に教えられたところにサンタが行くと、ドイルが叫んでいました。
 ;:.:,; ` へ  ` ̄      ;         >二==□ヾ       「ミギャアアアアアアア!!」
  /,,ゝ,l_\\;―― ,---、____  ◎、=ゝ       / /; ゞ     確かに柳の言っていた通り、全身ナイフが刺さって血だらけです。
   i" ミ ||\(:::  ll |`ー-___丶 ` ,ヘヽ; , ―--/ /、;      サンタが理由を聞くと、怪しい中国人の通り魔に遭って、
  i"  ミ⌒ー--´ヽ :ll |     ヽヽ` 、\\/:::::::::::::::::::::::\      全身を刃物で刺されたという事でした。 
  ii   >⌒    ´  ヽ   ,-‐‐| ||  ) /::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ  
  i  ミ ||: (∧::    丶、/___/, /\l:::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::ヽ     「おお、それはかわいそうに。 私はサンタクロースじゃ。
  i  ソ||:  l (|:::          /|  |:::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::人 ◎   そんな酷い目に遭ったお前は、きっと世界一不幸に違いない」
  "i  ゝヽ ヽl::;          /  |  |::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::l:∠/ヾヾ  しかし、ドイルは首を横に振りました。
  ヾ, ヽ,              _/    /::::::::|::::::::::::::::::::::::::::://::::丶丶 「ノォ。こんな怪我はすぐに治る。近くにもっと不幸な人がいる。
   ヽ,  "-),,  :: _- ―´     /:::::◎_:|::::::::::::::::::::::::://:::::::::::::::   ソイツは虐めによって体だけでなく心までボロボロにされてしまった」
    ミヾ_,,  ((二ノ\_ヽ_--―´::::ノノ\\:::::::::::::::::::::~~::l::::::::::::::::::
   ヽ   "ヾ ,― ̄    :::::::::::::::: ̄/:::::::\\:::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::  「おお。それは不幸なことだ」
   ◎〃二二二)::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::   サンタはそう言って、その不幸な人の場所を聞きました。
    メ ;   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::   「この先の公園に立っている」
368最後のクリスマス:04/12/24 21:38:30 ID:IACVvIZS
    ゝ'´l`ヽ´ノ 人 ノ`ヽl-ノノ/lフ`l、         ドイルに教えられた公園へサンタが行くと、一人の男性が立っていました。
   ミ'´( /`l /|  ノ //⌒l、二 フ ノ|`l        シコルスキーでした。
  ,イ\  l ノl ト、_,-'´     ̄`ヽ、二`l       「ふしゅ、ふしゅる‥」意味のない言葉をずっと呟いています。
  l`-、_  / |_,-'´    ,-‐==-、_ \ニ|、       不良少年のリンチや集団での拉致と虐めを受けて、心を病んでしまったのです。
  `lフ―‐'‐'´     //´__     `lニニ|      「おお、これはかわいそうに。
  ∨ , u      / /´ lニ―-=l u `lニ|      お前は、世界で一番不幸に違いない」
   | / ニ、―、  `ノ  ` 〇__ノ    |ヲヽ
   Y´ ,-=、\              | /、|     ふ、ふしゅる・・・
    | l l´〇ノ  |        u     |`ゝl
    `ヽヽ-'´  ノ  ― 、         \/
     |    `l  )-、ノ     u  ;;;;;;;||            ふしゅるる・・・・・
     l-|     `-'' ,,,,,,,,,,:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;フ;;;;;;;; |-'ヽ、
     `l `l, u  ,,::;;;;;;;;;;; ,-―-,-/ /;;;;;;;;;;;/   `l,        しかしシコルスキーは首を横に振りました。
     \`l ,,,:::;;;;l ̄二, -‐'´ノ,,,,,,,::;;;;;;;;;;/    \-―    「ふしゅ、ふしゅる(俺はまだ自由がアルさ。身近にもっと不幸な奴がいるよ。
       \l;;;;; ̄`l、´_, -''´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ        `ー、     奴は病気でもう動くことができない。帰る所もない、
        \;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/       |      身よりも一人もいないんだ)」
         |`l、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ |        /      「おお。それは不幸なことだ」
           | `ヽ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ  |       |  /    サンタはそう言って、その不幸な人の場所を聞きました。
         l   `l、;;;;;;;;;;;;;__ノ   |       |  /    「ふしゅるるる(この先の病院にいる)」
369最後のクリスマス:04/12/24 21:40:00 ID:IACVvIZS
                 _
          __    /::::::::
____ , - ´    ̄ `ヽ、:::::::::::           サンタが病院へ行くと、一人の老人が寝込んでいました。
:::::::::::::::::::/    ,-´ ̄  丶::::::::::::::::::        スペックという老人です。
:::::::::::::::::/    / ,-´ ̄    ヽ::::::::::::::::::      ヤクザに喧嘩をふっかけられて大怪我をし、それからずっと入院しているのです。
:::::::::::::::/ / ̄`/   / ̄`   )::::::::::::::::      家族もいないので、見舞いにくる人もいません。
::::::::::::::| / ̄`    |/o~ ヽ  ( :::::::::::::::::     「おお(略)、お前は、世界で一番不幸に違いない」
::::::::::::::|  / ̄`\   l `ー ´   )/ ̄  
::::::::::::::|  ( / ~oヽヽ  ヾ     ヽ、        しかし、スペックは首を横に振りました。
::::::::::::(ヽ   `ー ´ ヽ   `)ヽ- 、, /|         「オレはこんな状態だが、望んでいた敗北を得られて満足ダ。
 ̄ ̄/ヽ | /     /(_,-´   ,/ |/|          世の中にはもっと不幸な奴がいる。オーガという奴ダ。
   ヽ ヾ |    /  __,-‐/   |        ソイツは強すぎるから、闘う相手がいない。敗北を得ることも出来ナイ。
    ヾ ヽ\_ ー=―― ´   、  |ヽ        きっと世界一不幸な奴ダ。奴に敗北をプレゼントしてクレナイカ?」
     `丶_ヽ  /\  /     `l |ヽ  /:::::::::   
\_     ヽ \/  l (  ) ,l | ヽ/:::::::::::   
:::::::::::\    | \     ヽ    _/  l:::::::::::::::::   「おお。貴方でさえ不幸と言うのだから、彼が世界一不幸な人に違いない!」
::::::::::::::::丶__|   `ー 、    _,-´   /:::::::::::::::    サンタは言いました。
::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ     `ー ´     /::::::::::::::::::   
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 「私が、そのオーガさんの願いを叶えてあげましょう!」

サンタクロースは、喜び勇んで病院を出ていきました。
370最後のクリスマス:04/12/24 21:40:52 ID:IACVvIZS
 それからどうなったのか、誰にも分かりません。

 しかし、その年より、サンタクロースの姿を見た人は誰もいなかったということです。



 クリスマス中止のお知らせ
http://ss-master.sakura.ne.jp/images/christmas.jpg
371バレ ◆sssssssDAo :04/12/24 21:43:44 ID:IACVvIZS
元ネタは2chのどこかのスレのAAです。

それでは、仕事へ行ってきます。
372作者の都合により名無しです:04/12/24 22:09:09 ID:6s3tN8+3
バレさん乙!
AA付きのSSとは珍しい・・・そして旬のネタを使ったブラックなオチ。見事。
しかしドリアンはどうした?
373作者の都合により名無しです:04/12/24 22:10:49 ID:CuFnrRl4
バレさんは24時間仕事してる気がするなあ。
乙です。スペッコが面白かった。

でもこのAAラッシュ、保管どうするんだろう。


374作者の都合により名無しです:04/12/24 23:04:55 ID:Y3zAi6C+
まあどこかのスレといってもここと呼称同じスレだからなあ
375作者の都合により名無しです:04/12/25 15:09:17 ID:WjC2QyW9
携帯派の俺には、昨日のSSは、何がなんだか解らなかっただ
376作者の都合により名無しです:04/12/25 15:33:09 ID:VGuOt+nx
お疲れ様ですバレさん。
あげます。
>326より

サイバスターとグランゾンの戦いは、熾烈を極めた。激しく剣を振るい、時には直接殴りあう。
大地を踏みしめる度に地鳴りが響き、遠くで見守るドラえもんたちは悲鳴をあげる。
「な、なんて戦いだ・・・」
ドラえもんはもはや感心を通り越して呆れたような口調で言った。
「勝てるかな、稟さんたち・・・」
不安そうなのび太を、ジャイアンが力強く窘める。
「バカ、勝たなきゃ世界の終わりだぞ!勝つに決まってらあ!なあ、おっちゃん!」
「ああ。・・・今んところは、サイバスターの方が優勢だな」
神王はジャイアンに同意しながら、戦況を述べる。
確かに性能はグランゾンの方が圧倒的に上だった。だが、グランゾンは先程のダメージが残っている上に、
パイロットのアザミは操縦と魔力供給を同時に行わなくてはならない。
魔力供給を亜沙がやってくれている上に、操縦している稟はサイコントローラーによって思いのままに
サイバスターを操れる。
その差が、グランゾンを追い詰めていた。
そして、何度目かになる激突―――
「やったあ!」
一同の歓声が響く。サイバスターの剣が、グランゾンの剣を弾き落としたのだ。その勢いでグランゾンは後退し、
背後にあったドラえもん城に背中をぶつける。
今グランゾンは剣を失い、もはや背後に逃げることも出来ない。
まさに千載一遇のチャンス!
『ここで終わりだあっ!』
稟は叫び、グランゾンに止めを刺すために剣を振り上げ―――
『なるほど―――確かに、このままではまずい』
だが、アザミは余裕たっぷりに呟き―――
『しかし、こうすればどうですか?』
グランゾンの手のひらを、ドラえもんたちのいる方向に向けた。
「あ―――!」
向けられた側である一同は言葉を失い―――
『―――みんな!』
『り、稟ちゃん!どうするの?』
『りん・・・!』
『・・・仕方ない!』
稟たちは意識をそちらに向け、ドラえもんたちの盾になれるようにサイバスターを全速で移動させる。
『―――愚かしい』
そしてグランゾンはワームスマッシャーを放った。
それはドラえもんたちを守るべく一同の前に仁王立ちしたサイバスターの脚部に被弾し、完全に破壊した。
『・・・みんな・・・無事か・・・?』
「稟さん・・・そんな・・・ぼくらを守ろうとして・・・」
『だから愚かなんですよ―――』
アザミの冷たい声が響く。
『あのまま仲間を放ってグランゾンを攻撃すれば、勝てたかもしれない―――なのに、ちょっと仲間が危なくなれば、
あのような行動―――そんな甘い心がけで、グランゾンに勝てるなんて―――本気で思っていたんですか?』
過去形だった。過去形で―――語られてしまった。
「く、くそお!なに言ってやがる!仲間を助けるのなんざ、当たり前じゃねえか!」
ジャイアンが叫ぶ。仲間をないがしろにするようなアザミの発言は、乱暴者だが仲間思いの面もある彼には
受け入れられるものではなかった。
『・・・だから、あなたたちは負けたんですよ。この私にね―――
さあ、終わりです。最後にこのグランゾンの最強の攻撃―――縮退砲で葬ってあげましょう』
その言葉と同時に、グランゾンの胸部に凄まじいエネルギーが集中していく。
縮退砲。それがどんなものかは分からなかったが、とにかくとんでもないものであるということは理解できた。
「くっ・・・ドラえもん、なにかいい道具ねえのかよ!?」
「え、ええっと。あれでもない、これでもない・・・!」
ドラえもんは派手に道具を撒き散らし―――やがて、がっくり膝をついた。
「なんにも―――ない・・・」
「そ、そんな・・・ほんとになんにもねえのかよ!?」
ジャイアンは絶望を押し殺したような顔でドラえもんの肩を掴み、揺さぶる。
「もう・・・本当に打つ手がない・・・」
ドラえもんは、生気を失った顔で答えた。
「畜生・・・ここまでかよ・・・シア・・・すまねえ・・・」
神王はワナワナと肩を震わせ、地面を激しく叩く。悔しさに、涙さえ浮かべていた。
「本当に―――ここで終わっちゃうの・・・?」
しずかは呆然と呟く。
「・・・完敗、か・・・!ネリネちゃん・・・もう会えそうにないね・・・」
魔王はどこか悟ってしまったようにグランゾンを見ている。
「どうして―――ここまで、こんなに頑張ってきたのに―――!」
のび太はドラえもんと同じように膝をつき、泣いた。―――結局、自分はなにもできなかった。
なにもできないまま―――こんなところで終わってしまうのか。
涙に濡れた目で、グランゾンを見やる。
ドラえもん城を背にして立つグランゾン。
かつての者たちはその恐るべき姿を見てこう名付けたのだろう―――
機械仕掛けの魔王、<機魔王>グランゾンと―――
「・・・ママ、パパ、ごめんね・・・ぼく、帰れないよ・・・」
のび太は絶望感に押し潰され―――そう呟いた。
380サマサ ◆2NA38J2XJM :04/12/25 16:54:26 ID:nZfNVS8R
投下完了です。
そして次回、ついに決着です。
逆転のヒントは所々に散りばめてあります。

ところで最近ミドリさんの影響でマリみてを読み始めました。
3巻まで読みましたが、先代白薔薇さまの佐藤聖さまがすごく好きです(他の女の子たちも好きですが)。
次回作にはマリみてキャラ出そうかな・・・。
それでは、ごきげんよう。
381作者の都合により名無しです:04/12/25 16:59:43 ID:VGuOt+nx
サマサさんお疲れ様です。年内は今回が最後かな?
逆転のヒントってどこだろう?
ジャイアンをビッグライトで大きくしたら戦えるかな?
しかしドラえもんはいつも肝心な時にパニくるな。
次回決着ですか。いよいよ、最終回が近いんですね・・。
382作者の都合により名無しです:04/12/25 19:14:31 ID:7bOmejYV
神界大活劇の決戦も次回決着、大団円も近しか。
ずっと楽しませてくれて、なおかつ完結させてくれるのはありがたいけど、
なんだか終わるのは寂しいな。次回策もぜひ期待してますよ。
383B氏の平穏な日常或いは家出:04/12/25 23:17:42 ID:8Q0PRFPQ
「俺様って天才ッ」
俺様はいつもの如く高笑いした。
ちなみに周囲には誰もいない。当然である。俺様自身に聞かせるために高笑いしているのだから。

そう。
俺様は天才なのである。
まあ世界一かどうかは分からないが、少なくともこの近辺で俺様以上に
数々の機械を発明し実用化し、なおかつ炊事掃除にお洗濯までこなせるという奴など他にはいない。
が。
どうも周りの奴らは俺様の凄さを分かっていない。
それどころか軽く扱われすぎている気がする。
その最たる例が―――
「ねえねえ、シュークリーム食べたい」
……彼女である。
384B氏の平穏な日常或いは家出:04/12/25 23:19:22 ID:8Q0PRFPQ
「この間食べたでしょ」
「あんなんじゃ無いわよう」
彼女はぷうっと頬を膨らませる。
あんなんとはなんだあんなんとは。旨いと言ってた癖して。
大体クリームをあの味するのにどれだけ苦労したのか分かってんのか―――
と思ったが俺様の心の内に留めて置くだけにする。なにしろ俺様は天才なのだ。
「村にね、すっごいシュークリーム職人が来てるんだって」
彼女は大きな目を輝かせる。嫌ぁな予感がした。
「独り占めできたら幸せだろうなあ美味しい美味しいシュークリーム。そう思わない、B?」
来た来た。来ましたよいつものが。
「シュークリームかあ……」
「あたし達で独り占めしましょ。……ダメ?」
彼女は俺様の顔を覗き込む。俺様はつと眼を逸らした。
そんな顔すれば騙されると思ったら大間違いだ。
「何でいつも俺様が」
「な・に?―――いいから行って来なさいよ、B!」
彼女が怒鳴った。痺れが切れたのだろう、相変わらず短気だ。
―――はいはい。行けばいいんでしょ行けば。
385B氏の平穏な日常或いは家出:04/12/25 23:19:56 ID:8Q0PRFPQ
かくて。
俺様はいつもの如く村に来ていた。
俺様の城から村まで愛車をかっ飛ばせば直ぐである。
ちなみに当然愛車も俺様のお手製である。天才だから当たり前なのだ。
目的の職人はすぐに見つかった。村の餓鬼どもが群がっている。
職人をあっさり愛車のアームで捕まえる。
それだけでは詰まらなかったのでシュークリームにがっついていた餓鬼を愛車で追い回してみる。
すると、
「待て!」
奴の声がした。
ああ、やっぱり。来ると思っちゃいたがやっぱり来やがったか。
「弱いものいじめは許さないぞ、B!」
相変わらずの正論だ。ああお前は正しいさ。Aの野郎はどうせいつも「正しい」のだ。
しかし。
「弱いもの」ってのは何を基準に言ってやがる。
認めたくは無いがパシリに使われている俺様は弱いものではないのか。
認めたくは無いがAにいつも負ける俺様は弱いものではないのか。
そんな俺様をいじめるお前は弱いものいじめではないのか。
などということが一瞬頭をよぎるが勿論口にはしない。
「出たなぁ、今日こそギッタンギッタンにしてやるッ」
かわりにもはやお定まりの台詞を口にして俺様は愛車のハンドアームを全て出した。
このコンパクトな愛車にコレだけのアームを取り付けることは出来るのは
少なくともこの界隈では俺様くらいなものだろう。やはり我ながら天才である。
386B氏の平穏な日常或いは家出:04/12/25 23:20:32 ID:8Q0PRFPQ
天才たる俺様は当然策も練っている。いつも一つ覚えのAに負けるのが不思議なくらいだ。
「食らえA!」
隠し持っていたバケツ一杯の水を―――当然この愛車に隠し持つには物凄い技術が必要なわけだが―――、
ざんぶとAの頭から掛けてやる。
「うあぁ……」
とたんにAのテンションは低下した。地面にへたり込んでいる。
Aは普段はマッスル自慢である癖に頭が濡れるととたんにやる気が低下する。我侭な奴だ。
まあ闘いにおいて相手の弱点を突くは必定、Aが我侭なのがいけないのだ。自業自得である。
あとはAの野郎を殴り飛ばせば目出度く俺様の勝利……なのだが。
「A!!」
来たか。おいでなすったかAのお仲間が。
いつも。
いつもいつもそうなのだ。
最初は俺様の練られた策により俺様が優勢なのだ。
が、絶対に途中でお仲間が加勢に来る。
お前ら俺様が独りなのが見えんのか。一対複数なんて恥ずかしいと思わんのか。
ひきょーーーものぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーー
などと叫ぶことは俺様の自尊心が許さない。
あっというまに仲間の手助けによりAのやる気が復活する。筋肉馬鹿、復活。
水をもう一杯持っておけばいいことくらい分かっている。
が、一杯持つのにどれだけ苦労すると思っているのだ。二杯なんて無理だ。
くそう、俺様はこれだけ頭を捻って苦労し努力しているというのに。
「食らえ、B! Aパーンチ!」
自らの名をつけるという恥ずかしすぎるネーミングのパンチに俺様は城まで吹っ飛ばされた。
ああ神様―――頭脳は筋肉には勝てないのでしょうか。
387B氏の平穏な日常或いは家出:04/12/25 23:21:39 ID:8Q0PRFPQ
「ただいまあー」
俺様はボロボロの身体を引きずって城に戻った。
「また負けたのぉ!?」
彼女は失礼極まりない言葉を口にする。誰の為に行ったと思ってるのだ。
「で、シュークリームは?」
そうですか。分かっちゃいたけどそうですか。やっぱり俺様よりシュークリームなのね。
……このボロボロが見えんのか。
俺様の様子でやはり土産など何も無いと悟ったのか彼女はぷっくり脹れる。
「んもー、役立たず!」
彼女はそのまま寝室へと行ってしまった。
俺様は打ち身や切り傷を一人で手当てしながら、思わず天を仰いだ。

ああ神様。
―――天才は何時の世も認められないものなのですね。
388ぽん:04/12/25 23:24:14 ID:8Q0PRFPQ
メリークリスマスです。

思いつきでバイキ●マンの話を書いてしまいました。
改行が多すぎるとのことで、レス数が増えてしまってすみません。
ちなみに前編ですので近いうちに後編も書こうと思います。
389作者の都合により名無しです:04/12/26 00:22:12 ID:88scgZHH
>ぽん氏
ぶっちゃけつまんない
390しけい荘物語・番外編:04/12/26 00:45:33 ID:GwLh6iCH
第一話「親の心子知らず」

 都内にひっそりと佇む木造アパート「しけい荘」には、六つある部屋それぞれに個性豊
かな住民が暮らしている。
 本部率いるホームレスとの団体戦から早半年。アパートの運命すら左右した大事件だっ
たにもかかわらず、彼らの生活が改まることはなかった。相変わらず、いい加減かつ真剣
に過ぎていく毎日。無為なのか、充実しているのかすら判別がつかない。
 「しけい荘」の大家オリバは危惧していた。このままでいいのか、と。
 オリバの親心は、彼の足をとある怪しげな中華風の旅行代理店へと運ばせた。そこで目
に入った一枚のチラシ──中国拳法体験ツアー──オリバはこれしかない、と確信した。

 午後七時過ぎ──オリバは101号室へと全員を呼んだ。十人十色ならぬ五人五色の顔
色を表しつつ、住民が次々と部屋の中に入ってくる。彼らの心にあるものは湧き上がる期
待感か、はたまた抑え切れぬ不安感か。どちらにせよ、このアパートに住むからには絶対
に守らねばならぬ暗黙の戒律があった。
 ──オリバに逆らってはならない。
 本人の意志など関係ない。部屋に来いと言われたら、行かなければならない。たとえ何
が待ち受けていようと、胸にクレーターが空くよりはマシなのだから。
「いやぁ、待っていたよ諸君」
 地球温暖化を促進させているのではないかと錯覚させるような、暑苦しいオリバの笑顔。
半円を描くように座する五人。緊張が走る。
「余計なお世話かもしれんが、君らの生活を見るたび私は不安になるのだよ。もしも、ま
たホームレスとの一件のようなことが起こった時、果たして以前のように解決出来るのか、
とね……」
 単なるいざこざを、スペシャルマッチにまで仕立て上げた自分の責任は完全に棚に上げ
ている。これぞ地上最自由。もちろん、そのことを口にする者はいない。
「そこで、君たちには明日からこのツアーに参加してもらうことになった」
 オリバが突き出したのは、先程のチラシ。真っ先に反応を示したのは、意外にもドリア
ンであった。
391しけい荘物語・番外編:04/12/26 00:46:09 ID:GwLh6iCH
 二メートルを超える巨体で立ち上がり、らしくない懇願を行うドリアン。
「お、大家さん! そのツアーだけは勘弁してもらえないか……!」
「別に強制ではない。それぞれ予定もあるだろうし、好きにしてくれてかまわんよ」
 柔らかなスマイルを見せるオリバだが、その膨らんだ右腕は明らかに臨戦態勢だ。ドリ
アンも生命の危機を悟ったのか、しぶしぶ妥協する。
「……分かったよ。行けばいいんだろう」
 一方、他の四人はわりと乗り気であった。元々このアパートには、腕っぷしには自信が
ある者が揃っている。こういう企画を、心のどこかで望んでいた部分があったのだろう。
「決まりのようだな。では、明朝五時に出発だ!」
 はりきって、自室に戻っていく住民たち。そんな中、ドリアンの表情は終始沈んだもの
であった。

 朝日が心地よい光を放ち、小鳥たちの穏やかな談笑が聞こえる──そんな早朝。
 アパートの狭い敷地内には、一人で十人分の存在感を醸し出す男たちが五人も集まって
いた。五時過ぎに遅れて登場するは──つまり遅刻したのは、やはりシコルスキー。
「夜遅くまで小説を読んでたら、寝坊しちまって……すまないな」
 オリバが捕まえる。
 ドリアンが蹴る。
 ドイルが斬る。
 スペックが殴る。
 柳が空掌で呼吸器を塞ぐ。
 眠りから目覚めたばかりのシコルスキーだったが、再び遠い世界へと旅立っていった。
392しけい荘物語・番外編:04/12/26 00:46:40 ID:GwLh6iCH
 それから十分後、六人は近所のグラウンドにいた。普段は草野球チーム御用達の広地で
あり、きちんと整えられている。ちょうど中心付近に、手持ち無沙汰で立ち尽くす六人の
怪物。スペックが尋ねる。
「オイオイ大家サン。コンナ所デ、中国拳法ッテノヲ体験スンノカイ?」
「ふふふ……まぁ、耳を澄ましてみたまえ」
 遥か彼方から、風を切るような轟音が響いてくる。音源があるのは地上ではなく──空。
「マサカ、コノプロペラ音ハ……!」
 一機のヘリコプター。機体には、仰々しく「中華人民共和国」の文字。グラウンド上空
に静止すると、激しいローターの音色を轟かせながら豪快に着陸した。
「ようこそ、しけい荘御一行様でございますね」
 操縦席から降り、深々と一礼するパイロット。おそらく中国人なのだろう。
「二泊三日だけだが、世話になるよ」
 オリバが助手席に座り、五人も順々に搭乗する。すると、目的地すら告げぬままにヘリ
コプターは出立した。巻き上げられた風により、整備されていたグラウンドはすっかり荒
れ果ててしまった。
 ──いざ、中華の神秘へ。

 ヘリコプターは都会を離れ、郊外を通過し、深い山奥へと向かってゆく。
「我々を満足させられる中国拳法の道場が、国内にあるとは信じがたかったが……。なる
ほど、こんな奥地にあるとはね……」
 くるりと柳が振り向くと、シコルスキーが青ざめていた。調子に乗って騒いでいたため、
ヘリコプターの振動で酔ってしまったのだ。すかさず、柳はシコルスキーの口と鼻へ空掌
を打ち込んだ。気絶させれば最悪の事態は回避出来る。が、これは逆効果。
 彼が必死に体外脱出を阻止していた“モノ”が、真空に吸い寄せられてしまったのだ。
「うわぁぁぁぁ! 何をするかッ!」
 自分の右手に起こった惨状を知り、珍しく取り乱す柳。ドイルが体内から雑巾とモップ
を取り出し、どうにか場を収める。
「こらこら、遠足に来てるんじゃないんだ。そら、もう到着したぞ」
 オリバに促され、窓から下界を見下ろす一行。深い森林の中に、ぽつんと建立されてい
る寺がそこにはあった。
393サナダムシ ◆fnWJXN8RxU :04/12/26 00:56:41 ID:GwLh6iCH
また最凶アパートの連中を書かせていただきます。
どうぞよろしく。
394作者の都合により名無しです:04/12/26 02:28:21 ID:ZURoPlxl
>B氏
「Aパンチ」で、誰のSSか分かりました。
前編だけでも充分完結してますよね。後編でBがどのように動くのか、
「近いうち」を楽しみに待っています。

>神界
ここから大逆転ですか。
物質変換クロスがキーアイテムだと思いますが、ドラえもん達は存在を忘れてそうですね。
サイバスターの破損はタイムふろしきで直せるのかな?

最後に、しけい荘復活キター!!
395作者の都合により名無しです:04/12/26 03:26:34 ID:YsmT7bL+
おい、何かバキアニメ掲示板に花山VSオリバの短編小説が書かれてあるぞ
396作者の都合により名無しです:04/12/26 06:54:58 ID:bK28gmla
サマサさん、ぽんさん、そしてサナダムシさん、お疲れ様です。
サマサさんはエンディングが近いけど、ぽんさんとサナダムシさんが
復活してくれたのは嬉しいです。
ぽんさん、最初元ネタわからなかったですw後編もお待ちしてますね。
変な煽りとか気にしないで下さい。頑張れ。
サナダムシさん、ついに帰ってきましたか!この変な連中がまた見られるのは
嬉しいです。これからも頑張って下さいね。
397勇次郎:04/12/26 08:26:32 ID:F87dHJ1Z
俺ともなれば2人の実力をほぼ知ってる、どこでどう攻撃を繰り出すか、どのコンマ何秒で避けるか、知ってる。そして知っている限りのそれらから推測するとこうなる


試合開始

シュッ オリバがつっかける、だが、それよりも早く花山が突っかけていた。
ドカッッ
花山の動回し回転蹴りが胸に炸裂、しかしオリバは極限にまで胸を固めていた為、跳ね返してしまう、花山はドサっと尻餅を付く。
オリバは立ったままだ。立ったまま、跳ね返してしまったのだ。無論ダメージは無い。
オリバ「立てよ・・・」
花山がのっそりと起き上がるのを上から不適な視線をやり、ずっと見ているオリバ。
花山は立ちあがり、パッパと、服についた埃をほろう。
次の瞬間オリバが今度こそつっかけていた。早い、あまりにも早いが、あまりにもストレートな攻撃だった。
力任せの右パンチが花山の首元へ目掛け飛んでいった。瞬速で。
それはやはり、当たった。花山は避けもしない、いや、避ける前に早いパンチがあたっていたかもしれない、いや、それだったとしても尚、花山は自分から避けようとは、しなかっただろう。

ドッ!
オリバのパンチが花山の首元にヒットした。ねちゃり。ゆっくりと拳を抜く。
オリバ「ふん・・・ボウヤ、ヤハリ、ミコミガアル・・・」
観客がざわめいている、実況が叫んでいる。
オリバの臍の中に、指が、入っていたのだ。指の最後まで、花山の右手人差し指が、オリバの臍に刺さっていた。

会場隅で観覧しているバキがぼそりと口を開く
バキ「いくらオリバさんの鋼の肉体でも、そこまでは鍛えられない・・」
勇次郎「そうだ、しかし、あのお坊ちゃんも器用な事をしてくれるじゃねぇか」

そして2人が、同時に繰り出した攻撃の手を、同時に引き抜く。
オリバの臍からはポタポタと血がたれている。花山の首は外から見てもわかる程に、首の骨が砕けているように見える。
398勇次郎,:04/12/26 08:27:58 ID:F87dHJ1Z
オリバ「ナンダカな、アノ人ソックリダナ・・・」ふいにオリバが喋る
花山「・・・」
オリバ「台湾デネ、アンタのモット小さいバージョンと言った方がイイカナ、戦ったンダヨ」
花山「・・・・」
オリバ「ダガ、アンタはアノ人ホドスマートジャナイ・・・・」
2人の間合いが間合いの中へ突入する。
花山が膝蹴りをオリバへ入れた。ドッッッ!
オリバは一瞬よろけるが、やはり鋼の筋肉がそれを吸収してしまう,攻撃を当たる瞬間に避け、吸収してしまうと言う技があるが、オリバのそれは、違った吸収だった。筋肉吸収と言おうか。
オリバの攻撃、叉しても強烈な左パンチが直に花山の顔面を襲った。
ドピュッ
花山の鼻から大量の血がほとばしる。オリバの左目に、返り血がかかる。
399勇次郎,,:04/12/26 08:29:41 ID:F87dHJ1Z
花山はそれでも1ミリたりとも後ろへ引かなかった、先程からずっと白目だ、白目を向いているのではない、通常の状態で白目で居るのだ。続いて花山は無造作に、オリバの頭を掴み、力を入れる。どうやら、花山は、オリバの頭を、後ろへ180度回そうをしているようだ。
観客の一部から悲鳴があがる。
グググ・・・ オリバは首に、左に力を入れている。花山は、手を、右へ力を入れている。お互いがお互いを、そうさせまいと必死でこらえ、耐えているのだ。

バキ「凄い・・・あのオリバさんの首の異常な筋肉、そして花山さんの腕力、お互いが次元を超えた力の持ち主な為に・・・」
勇次郎「固まってる。だろ。」
バキ「・・・・」
勇次郎「お互いが同じ程の力だった時のみ、こういう現象が発生する。滅多に無い事だ、バキよ、よぅく見ておくんだな・・・」

ここで花山は、フッ。腕の力を「一瞬」抜いた。
グルン。オリバの頭が、勢いがあまり逆側、つまり花山が回そうとしていた側である右側に一気に回った。真横を見ている状態だ。
そのまま0.1秒の後、花山が腕をオリバの首を掴み、力を入れた。
その間実に、0.6秒。
花山は、一瞬力を無にゆるめ、その一瞬後に力を再度、最大限にまで高めたのだ。

グググ・・
オリバ「シマッ・・・」

その時、誰もが予想も付かなかった信じられない出来事が起こった
400勇次郎,,:04/12/26 08:31:00 ID:F87dHJ1Z
むち・・・むちり・・・・プリチッ

オリバ「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ」


バキ「そ、そんな・・・・ありえない・・・」

勇次郎「・・・・・」

観客は半分どよめいている、もう半分は、気絶している。気がつけば実況の声も聞こえない。勇次郎も目を見開き、驚きの表情を見せている。バキは顔中汗がダラダラと流れている。喋れない程に。

それでは、オリバの身に一体何が起こったのか、説明しよう。
オリバの首が花山の絶大的な力、そしてその時の知恵により、不覚を取り、回されてしまう、もう斜めの角度まできている、あとちょっとで、オリバの首が真後ろへ向く形になる。
ギギギギ・・・・ギギギギ・・・・
嫌な音が、かすかに聞こえてくる。

そして

ムチ・・・・ムチムチ・・・ブチリッ

何の音か分かるだろうか。これは、骨が折れた音では当然無い。
そう、肉が切れた音である

バキ「骨が折れる前に先に、肉が切れるなんて・・・」

誰もが骨を折ろうとしている、そしてこれが実行されれば骨が折れると思っていた。観客も、バキ達も。そして、鬼も・・・。
オリバの首が真後ろへまもなく到達しようとしたその時、肉が切れ始め、まるでオリバの首周りをナイフで切ったかのように、周り一帯がブチ切れ、弾けた。
ピュッ シャワーのように血が360度全体へ迸った。
401勇次郎,,:04/12/26 08:33:56 ID:F87dHJ1Z
その時会場で、特別医として試合を観覧していた鎬紅葉はこう語っている。
「えぇ・・・あれは、信じられる信じられないの世界じゃないんです。
しいて言えば、現実に起こりうる事なのだから、この事実は信じるしかないのでしょうが・・・」
「試合後、オリバ氏の首を当然、僕が見た訳なのですが、首周りが破裂していました
それは例えて言うならナイフで1センチ程切ったぐらいなので、命に別状は無かったのですが、首周りの肉が弾けた時の痛みを想像できますか?
それに、傷が浅いとは言え、当然頚動脈も切れているんです。あれから試合終了までの1分間、オリバ氏はずっと血を流し続けていました。」
オリバの首が切れてからの1分間

「それはもう、酷いものでしたよ、花山君はああいう自体が起きても、顔色ひとつ変えなかったんです。そのまま、花山君はオリバ氏の顔面へ
拳を何発も、何発も、思いきり、撃ちこんでいました。えぇそうです、重傷を負った首の上にある顔面をです。 考えたくもありません。
そして更に考えたくもない事が起こりました。花山君はあの両腕で、オリバ氏の「その首」を、わし掴みにし、思い切り力を込めました。」

バキ「首に、握撃・・・・・」
「あの時のバキ君の表情は忘れられません。それ以上に花山君の行動が忘れられないですね。オリバ氏の顔にどんどん血が上ってきて
その血が降りる時には首の切れた部分から血が出てくるんです。
徳川さんはそれでも試合を止めさせてくれなかったんです、ここで医者の出る幕じゃないと。
僕は徳川さんを殴りました。2発もです。あの人は、試合を笑いながら見ていたんです。僕だって医者でありながら挌闘家である以上全てを知っています
ですがやはり僕は、医者なんです。。。」
紅葉「花山君は平然な顔をしてまだ首を絞めつけていました、もう限界だ
このままでは死んでしまう、オリバ氏が死んでしまう。僕は自分からゴングの元へ行き鳴らしました。そして急いでかけ付け二人を引き離し
僕はすぐにオリバ氏の手当てをしました。
その時僕が下から見上げた花山君の顔は、笑ってもいなく、興奮するでもなく。ただ、無表情のままでした。」

『それが、花山薫なんですねぇ・・・』
402作者の都合により名無しです:04/12/26 10:05:20 ID:xCLdXc3m
>しけい荘物語・番外編
キター!
懐かしいな、この面々。何ヶ月ぶりだっけ?
ドリアンが嫌がるということは、体験する流派はアレかな?嫌がる理由はわからんが。
シコルが読書好きってのは細かい。
実際バキ本編で出てた短編小説うんぬんのくだりはシコルの事じゃないだろうけど。
しかし、連続ものになりそうな雰囲気だから番外編というよりも「2」でよいのでは?とも思う。

ちなみに>>397-401はコピペのようだ。
403作者の都合により名無しです:04/12/26 10:17:50 ID:/VvKrvnn
>>402
だろうね。>>395見ていやな予感がしてた。全く関係のない物を貼付けるなよ。
404作者の都合により名無しです:04/12/26 15:50:33 ID:dFHEjhvV
>>388
ぼんさん、面白かったですよ。変な人は気にせず続編頑張ってくださいね。
期待してます。個人的に報われるB氏も見てみたい。
405ふら〜り:04/12/26 19:27:46 ID:5gxZxogJ
>>バレさん
予告通り「絵本風」で進めていきながら、最後に待ってた悲惨オチ。神通力をもって
しても、オーガには通じなかった、と。でも死刑囚たち、「俺よりあいつを頼む」と口を
揃えているあたり、いい連中だなぁと思ったり。だからサンタさんが来てくれたのか?

>>サマサさん
>逆転のヒントは所々に散りばめてあります。
ぐぁう。そういうこと言われると、気になって探しまくって、でも結局見つからずと
いうことになるのがいつもの我がパターン。……今回もそうです。気になるっっ。
ドラはお約束パニック、サイバスター重傷、のび太に何があるわけでなし……うむむむむ。

>>ぽんさん
世界一かどうかはわからないが、とか炊事掃除にお洗濯まで、とか、謙虚で家庭的なB氏
にちと萌え。彼女に頼まれると(別に暴力振るわれてるわけでもなく)嫌と言えないのも
可愛い。こうしてみるとA氏より遥かに、サイドストーリーとかできそうですねB氏って。

>>サナダムシさん
雄ぉっ! 待っておりました、しけい荘! 皆本当に相変わらずで……特に、主人公格の
シコル。悲鳴も何もなく当然のようにボコボコのボロボロで。「しけい荘のシコル」に
再会できたことを実感させて頂きました。次回から海王たちですかね? 楽しみですっ。
406作者の都合により名無しです:04/12/26 20:24:31 ID:FiKMtfdb
ぽんさん、書くたびに筆が充実していきますな。
後編も楽しみにしてますよ。後編は年明けかな?
でも最後のレス見るまで俺も何の漫画かわからなんだw

サナダムシさん、キターーーーーーーーーーーー!!
でも番外編というより、「帰ってきたしけい荘」とか、
「しけい荘物語2」って感じですね。今度は勇次郎出して下さい。
407オムニバスSS:04/12/26 22:39:17 ID:ZURoPlxl
「生き方」


本部以蔵は逃げだした。現実から。

かつては格闘家として最強を自負していた。
しかし度重なる敗戦にプライドを崩され、弟子には見限られ、活躍の場さえ無くなり、
いつしか彼は格闘の世界から足を洗ってしまった。

ある日、本部は立呑み屋で一人の男と意気投合した。
男の名はヤムチャと言った。
彼もいわば本部と同じ『負け犬』だった。
しかし話しているうちに、己と彼との間に大きな隔たりがあることに気づいた。何より、
彼はまだ自分の人生を諦めていなかった。
サイヤ人という敵との闘いに備えて、日々訓練しているらしい。
「俺が地球を救うんだ!」と、ヤムチャは熱のこもった声で語っていた。

本部は無言で席を立ち、そのまま店から逃げ出した。まるでドブ鼠が太陽の光を嫌うように。
今の本部にとって、彼が余りに眩し過ぎたから。
自分の存在価値がすべて否定された、そんな気持ちだった。


1年後、呑み屋の親父から、ヤムチャが死んだと聞かされた。
例のサイヤ人との闘いであっけなく命を落としたそうだ。
「いわんこっちゃない」
本部は薄く笑い、焼酎をあおった。

「やはり私には、今の生活が似合っている」

(了)
408輪廻転生第二部:04/12/26 22:44:00 ID:DksJl46L
事情が変わりましたので投下します。
409輪廻転生第二部:04/12/26 22:44:58 ID:DksJl46L
薄暗い明かりの下、3人の男が立っていた。男達の周りは各々が発する闘気によって歪んでいる様に見えた。
「正気か?奴等は3人がかりでも勝てなかったのだぞ?」ルガールが挑発するような口調でいう。口元が微妙に上がっており、
その様子は自分の勝利を確信している様であった。
「知ってた?あの人達に取って見れば肉体戦なんてお遊びなんだよ。軍人だからね。武器を持つ方が本職なんだよ。」K’が
余裕ぶった口調で言った。
「だから?」
「二人で十分だ。」
ゆっくりと近づく二人。そしてテリーの蹴りとK’のパンチが同時に放たれる。だが当たらなかった。ルガールが横に避けたのだ。
挟み撃ちにされたら回避の可能性は低くなる。だがルガールの場合は例外だった。まるで空気の
流れを読むかの様に避けている。
 「だっ!」蹴りを放ちながらK’は思った。こちらは今のところジャブのスピードで攻撃をしている。
にもかかわらず、さっきから一発も当たっていない。今自分はルガールの背を見ている。ならばーーー
 「はっ!」テリーがパンチを繰り出す。それは彼の出せる最高のスピードであった。
 「ちっ。」避けきれなかったのかルガールがガードを固め、一瞬体の動きが止まった。
 K’はそれを見逃さなかった。千載一遇といっても良い程の好機。
「オラオラオラオラ!」K’の拳が打ち込まれる。一秒間に2発のストレートが入る。十発を超える頃
その拳に炎が纏い始めた。そして爆発が起こった。
「オラ!」ルガールの体が吹き飛ばされ、壁に激突した。
 K’は安心していた。手ごたえは十分にあった。5秒間もストレートをまともに食らい続けて立っていられる人間などいない。
ましてや炎も付けておいた。奴はもう立てない。
 「帰るぞ。テリー。」K’が背を向けた時だった。異変は起こった。体が風に包まれたのだ。そして
K’の体は振り返る間もなく吹き飛ばされていた。
410輪廻転生第二部:04/12/26 22:46:17 ID:DksJl46L
「ぐ・・・。」テリーはガードの上からもダメージを感じていた。高速移動からの攻撃。見えて5発だった。
ジャブとストレートの間の威力のパンチが5発飛んでくるのだ。さっきの戦いの奴は音速で移動してきた。だが
殺気に満ち溢れていた為カウンターのタイミングを計る事は容易だった。だが今回は違う。完璧に意を消されているのだ。
「うーん。パワーが足りないねぇ。私にとってはシャワーを浴びる様なモノだったぞ。いいマッサージだった。」ルガールが壁に激突したのにもかかわらず
スタスタと歩いてくる。見ると体には傷一つすらついていない。テリーは焦りを感じていた。さっきのK’の技は奥義のはずだ。
なのに目の前の敵はダメージを負った感じすらない。やはりアレしかないか。最後の策を使うしかあるまい。
「吹き飛ばすだけの技だな。まったくダメージが感じられない。ぬるすぎるぜ。」口元に薄ら笑いを浮かべながらK’が言った。
 だが彼の口からは血が出ていた。攻撃そのもののダメージは少なくても壁に向かって吹き飛んだのだ。
「減らず口だけは達者だな。まるで空気が読めないタイプの人間みたいだ。」ルガールが侮蔑の目でK’を見た。
「クローンだか何だか知らんがお前の妄想は下らない。」
「下衆は黙っていろ。」再度ルガールとK’がぶつかり合う。拳と拳。足と足。炎と刃。打ち合いの後、両者は離れた。
二人の服は破れてはいたがダメージは無だった。
「前菜だと言うのに・・・。メインディッシュが来るまでの料理というのに。」
二人の間に数秒程沈黙が流れた。K’はゆっくりと息を吐き出した。そしてルガールの後ろへと回り込んでいたテリーに叫んだ。
「テリー!こんなつまらない小説を書くような人間にはあの技しかねぇ!」
「本気で私を殺れると思っているようだな。お前達などカスにしか過ぎない。」言い終わるとルガールは腕を組んだ。
K’の手に炎が灯った。同時にテリーは走り出していた。手に気を集め凝縮させる。
「終わりにしようぜ。」K’がつぶやき、その直後にルガールに向かって突進した。ルガールはテリーの方向を見たまま腕を組んでいた。
まるで向かってくるのがわかっているかの様に。
「だぁっ!」テリーが両手を握り合わせてしゃがみこむ。直後、テリーの体から真上にむかって光の柱が出現した。その柱は
空母の天井を破壊しテリーの半径一メートル以内の物を消滅させた。
 
411輪廻転生第二部:04/12/26 22:47:01 ID:DksJl46L
 テリーが目を開けた時、ルガールの姿は目の前にはなかった。安心したのも束の間、彼は異常に気がついた。K’の姿もなかったのだ。
巻き添えを食らったのかと思ったがすぐにその考えを消した。ルガールは腕を組んでいたしなによりあのタイミングでは掴みようがない。
ふと前方の壁を見ると大きな穴が開いていた。いつ付けたのかわかりはしない。
「終わったか。」テリーは部屋を後にしようとした。後は草薙達を探すだけだ。突然彼は肩に切られた様な痛みを感じた。暖かい物が腕から
流れ落ちてくる。テリーは振り返らずにしてその原因がわかった。
「生きていたのか・・・・ルガール。」テリーは大技を使った後であるにもかかわらず目の前にいる巨漢の顔を睨み付けた。
「前菜であると言ったのが聞こえなかったのかね?」ルガールはさっきとまったく変わらない姿で立っていた。そしてテリーは腹にハンマーで殴られた
様な衝撃を覚えた。ルガールが俊速の蹴りを放ったのだ。
「ぐ・・。」テリーは眩暈がして来ていた。精神力の消耗に加えてこれだ。本当に今日はついていない。なによりこいつはあのギース=ハワードより強力だ。
勝てないのか。自分は。
「なぜ私がここにいて彼の姿が今見えないのか教えてあげよう。君が彼を吹き飛ばしたのだよ。」ルガールが不気味な笑いを浮かべながら言った。
テリーは絶句していた。自分がやったのではない。ルガールが何かの技を使ったのだ。
「説明してあげよう。君があの柱を出した時、もう既に私は後ろに空中で一回転していたのだよ。彼の拳が背後に迫っていたのでね。
彼としては君の拳で私の動きを止めた後、君の柱で吹き飛ばすつもりだったようだが・・・裏目に出たな。フフフフ。」
「そしてあいつはカウンターで俺の技を食らったわけか・・。」テリーは言い終わると同時に壁にあいた穴の方を見た。そこにはK’の姿があった。
息をしているかしていないかはわからなかったが確かな事が唯一つだけあった。腕の骨が剥き出しになっていた。それを見た直後、テリーは自分
が叫んでいる事に気が付いた。そして思うよりも早く体は拳を床にたたきつけていた。そして光の奔流がルガールを襲った。
再びテリーが目を開けた時見たもの。それは自分の肩がルガールの手に掴まれている瞬間だった。
  無数の拳、蹴り、肘、ヒザがテリーを襲った。口から血を吐き、腕は青紫色になっており、足は立っているのがやっとだった。
「hahahahahahaha!!!!」ルガールの笑い声を聞いた直後、テリーは後頭部を殴られた様な感触を覚え、視界が闇に覆われていくのを感じた。
「今の光はなんなのかね?受け流せたのだが?」ルガールはうつ伏せに倒れたテリーの姿を一瞥すると足をテリーの頭の上に置いた。
 マキシマが飛びかかろうとしたのとルガールがテリーの顔を蹴り飛ばすのが同時だった。
「二人は終わった。残りの前菜はお前だ。」マキシマを正面から睨み付けルガールはゆっくりと歩いていく。
「ちっ!」舌打ちしてマキシマは構えを取った。
412輪廻転生第二部:04/12/26 22:48:08 ID:DksJl46L
「待てよ。」どこからともなく大きい声が室内に響いた。ルガールは後ろを振り向いた。氷の傍に一人の男が立っていた。
ルガールは男の姿を見ると口角を上げた。
「プロト1か。両手の血を見ると彼らの始末に成功したようだな。メインディッシュが来るのを待って損したな。プロト2と
プロト3はどうした?」
プロト1はルガールの問いに答えなかった。一瞬の静寂の後、プロトは氷に炎の纏った拳を叩きつけた。氷にわずかなヒビが入った。
「何をしている?氷を割れといった命令はしていないぞ?」ルガールが眉を潜めてプロト1に話しかけた。
だがプロト1は答えなかった。拳を氷にくっつけたまま押し黙っている。そして氷に大きな亀裂が入り溶け出し、氷はガラガラと崩れ始めた。
「スキあり!」マキシマがルガールの背中に飛び掛り、ジャーマンスープレックスを極めようとする。だが、ルガールの体は動かなかった。
体制でいえばルガールの体がマキシマの上にある状態だ。そしてルガールはマキシマの腕を力で振りほどいた。
「バカなっ!この俺が!」マキシマは叫んだ。100kgもある自分をこの男は片手で持ち上げている。草薙達でもこの男に勝つのは難しいであろう。
ならばかすり傷でも負わせなければなるまい。マキシマが持ち上げられた状態から腕を振り上げようとした。
 だが、マキシマの腕はルガールに届く事はなかった。ルガールがマキシマを持ち上げたまま猛スピードで走り出し、壁にマキシマを叩きつけたからだ。
「ごふっ・・・。草薙・・。」血を吐きながらもマキシマは言葉を口にした。
「まだしゃべる元気が残っていたのか。ならば。」ルガールが両腕を広げる。するとルガールの両手に白い光が浮き出た。気の塊であった。
そしてルガールは後ろに回した両腕を合わせた。直後、ルガールの両手から巨大な青白い気弾が発射されマキシマに激突した。
「前菜は食べ終えた。・・・さて話を戻そう。プロト1、君は何しに来たのかね?氷を壊して・・。」ルガールが淡々とした口調で答えた。
「自分の身を心配した方がいいな。」プロト1は吐き捨てる様にいった。プロト1は体温が上昇しているのを感じていた。この男を生かしておくわけにはいかない。
殺す。絶対に。
413輪廻転生第二部:04/12/26 22:48:39 ID:DksJl46L
「ほぉう。彼らが来るというのかね?ここに。」ルガールがせせら笑う様にいった。余裕から来る笑みである事が見て取れてわかった。
「違う。来る前にお前はここで死ぬ。」プロト1が重々しい声で言った。ルガールの前に仁王立ちで立っている。
「言葉を慎め。クローン如きがこの私に勝てるとでも思っているのか?」先程とは打って変わった口調でルガールが呟いた。
「俺は自分の兄弟をこの身に吸収した。彼らの肉体は滅んだ。だが彼らは俺と共にある。」プロトが眉間に皺を寄せルガールを睨みつけ
ながら言った。
「私を倒した所でお前は・・・。」ルガールは言葉を言い切る事ができなかった。パン、という破裂音の様な音が聞こえると同時に体が
壁に向かって吹き飛ばされたからだ。
「どうした?次ヘマをしたら殺すんだろう?勝手に創っただけじゃなく、お前の方が弱いなんてね。」プロト1はカラカラと笑った。
それはまるで復讐の狼が浮かべる笑みであった。
「兵器が・・・正義漢気取りなどと!」ルガールは吐き捨てるように言うと地を這う青白い光をだした。光はプロト1の足にむかって
まっすぐ向かっていった。だがプロト1は避けようともしなかった。まるで木偶の様にそこに立ち尽くしていた。
「こんなモノが・・・。」プロト1は足元に迫ってきた光を足で踏み潰した。床には小さい穴が空いた。
「少しは出来るようだな・・。最後の前菜の様だな。フフフ。」ルガールは不敵な笑みを口元に浮かべた。
「俺は正義の味方じゃない。俺は俺の味方だ。もし彼らがこの闘いの邪魔をするなら消すさ。お前とこの船もろともな。
前菜だとか何か言ってるけどさ・・・命の危険を前にしてそれはないだろ?」
「下らんな。」

 ルガール=バーンシュタイン対人造人間プロト1。二人の間にはドス黒いオーラが渦巻いていた・・・。
414輪廻転生第二部:04/12/26 22:49:38 ID:DksJl46L
今回の投稿はこれで終わります。
次の投稿は年が明けてからになると思います。
415バレ ◆sssssssDAo :04/12/26 22:51:16 ID:ZURoPlxl
前々回とヤムチャの性格が違いますね。
個々のSS同士で話や設定の繋がりは全くありませんので、
今後も似たような事があるかもしれませんが、ご勘弁ください。
(なるべく無いようにします)
416バレ ◆sssssssDAo :04/12/26 22:56:52 ID:ZURoPlxl
しまった。
ちんたらレス書いている間に、草薙様が投下されてましたか。
失礼しました。
>>415>>407へ向けてのレスです。

417しけい荘物語・番外編:04/12/27 01:12:51 ID:MsqhqeH4
第一話>>390
418しけい荘物語・番外編:04/12/27 01:13:36 ID:MsqhqeH4
第二話「脅威なる四千年」

 ヘリコプターが大地に降り立つ。ローターが木々を揺らし、落葉を宙へ巻き上げる。
 オリバら一行を迎えてくれたのは、今にも崩れ落ちんばかりの古びた寺。
「さぁ、みんな降りたまえ」
 我先にと機体から出てくる住民らだが、ドリアンだけはこそこそと隠れるように移動す
る。
 しばらくして、門が内側から開いた。立っているのは、いずれも強靭な気配を漂わせる
十一人の猛者たち。
「フォッフォッ……よくぞ参られた。我が“海王寺”にて中国拳法の深遠、とくと体験な
されい……」
 劉海王と名乗る老人(もっとも、肝心の肉体は衰えていない)が、歓迎の挨拶を表す。
 ここで、ふとシコルスキーがあることに気づく。スペックの陰で背中を丸めているドリ
アンについてだ。
「カイオウ……? そういや、ドリアンの姓も海王だった気が……」
 慌てたドリアンが裏拳でシコルスキーの顔面を粉砕するが、時すでに遅し。劉海王が静
かな驚きを示しつつ、じりじりとドリアンに詰め寄る。
「怒李庵海王、やっと見つけたぞ」
「お、お久しぶりですな、老師」
「ペテン師になる、と寺を逃げ出したのはいつだったか……」
「ちょうど五年前ですな」
「そうじゃったか、フォッフォッ……」
「そうでしたなあ、ハハハハハ……」
 同時に拳が発射される。二つの巨大な拳はぶつかり合い、火花を散らし、五分と五分の
まま激突を終えた。今の感触を反芻するように、ゆっくりと頷く劉。
「ふむ、腕は衰えていないようじゃな。よかろう、逃亡の件は水に流そう。おぬしのこと
は客人として扱う」
「……ありがとうございます、老師」
 袂を分かった師弟。だが、その清算は紛れもなく師弟の絆によって成された。
419しけい荘物語・番外編:04/12/27 01:14:34 ID:MsqhqeH4
 「海王寺」の歴史。元々は山奥に捨て置かれた廃寺で、彼らがここを住処にしたのはお
よそ十年前。海王寺という名も、勝手に名付けられたもの。しかし、彼らとて最初からこ
んな辺境に身を移したわけではなかった。
 中国拳法を普及させようと、大勢の弟子を引き連れ、来日した十二人の海王。
 しかし、普及は上手くいくどころか、逆に彼らは人里から追いやられていく。釣り堀の
水上を疾走したり、公道に寝転んでわざと腹筋を車に轢かせたり、売り物の指輪を引きち
ぎる、などの演武が不評だったためだ。
 派手な演武により金を使い果たしたため、中国には帰れない。結局、十二人に残された
道はたった一つ。遠く山奥で修行をしつつ、弟子を通じて下界から細々と一般人を招くし
かなかった。
 ドリアンがこの寺を飛び出したのは、さらに五年後──そして、現在へ。
 
 早速、劉率いる十一人はしけい荘一行を寺の中へと案内する。
 とある一室に、五つ並べられた巨大な岩。一見単なる岩だが、劉が説明する。
「まずは打岩。この岩を己の五体のみで削り、より球形に近づけるという修行じゃ」
 待ってましたとばかりに、岩と対峙するオリバたち。
 いきなりオリバは、持ち前の破天荒なパワーで岩を一撃で粉々にしてしまった。
「フォッフォッ……わしも永く打岩を見てきたが、岩を初弾のみで粉砕したのはおぬしが
初めてじゃよ」
「ふっ、それじゃ満点かな」
「いや、零点じゃ」
 ドイルは仕込み刃で岩を切り刻むが、硬い岩の前になかなかはかどらない。
「爆薬の使用はアンフェアだろうか」
「当たり前じゃ」 
 ここで活躍するは、やはり海王の名を継ぐドリアン。自然石そのものであった岩が、み
るみる人工的な丸みを帯びていく。柳もドリアンにこそ及ばないが、なかなか達者だ。ス
ペックも荒削りではあるが、無呼吸連打で岩を順調に破壊していく。
 シコルスキーは一人だけぽつんと取り残されてしまった。
420しけい荘物語・番外編:04/12/27 01:15:27 ID:MsqhqeH4
「あの、俺の分は?」
 劉に尋ねるシコルスキー。
「そうじゃった、おぬしには特別メニューを用意しておる」
「本当か!」
「烈海王と試合してもらう」
「……は?」
 突如、シコルスキーは強烈な視線を感じた。そちらを向くと、十一人の中にいる三つ編
みの拳法家が、凄まじい形相で睨んでいる。シコルスキーは本能で知った。戦えば、まず
間違いなく無事では済まない、と。
「いや、試合より打岩をやりたいんだが」
「斗ッ!」
 問答無用。シコルスキーと烈との果し合いが強引に開始された。
 多彩かつ鋭利な打撃が、間断なく肉体に突き刺さる。スペックの無呼吸連打に比べれば
間は空くが、一撃一撃のヒットポイントは完璧に急所を捉えている。
 後手、シコルスキー。申し訳程度のハイキックで応戦するも、脛に肘を合わせられる。
「ぐわッ!」
 激痛に、悶絶してる暇などない。人体でもっとも鍛えにくい部位の一つ、咽喉につま先
で蹴り込まれた。泡を吹き出しながら、シコルスキーも懸命に反撃する。が、打撃は届く
ことなく全て捌かれてしまう。
「破ッ!」
 再びノド蹴り。失神必至のダメージを負うも、伸び切った蹴り足をシコルスキーは捕え
た。ここから流れを変え──否。
「かあァッ!」
 烈は足一本でシコルスキーを持ち上げ、全身全霊の力を込め床へ叩きつける。
 さらに倒れたシコルスキーに追い討ちせんと拳を握るが、すでに彼からは意識が抜け落
ちていた。
 ──シコルスキー、完敗。
421サナダムシ ◆fnWJXN8RxU :04/12/27 01:19:50 ID:MsqhqeH4
確かに「番外編」というより「続編」ですね……。
ですがまぁ……このままいきます。
大して長い話ではないので。

ではまた。
422作者の都合により名無しです:04/12/27 02:49:26 ID:J9dClmja
しけい荘はなにげにバトル描写が上手いね
そこがギャグ部分をより引き立ててイイ感じ
423作者の都合により名無しです:04/12/27 07:13:44 ID:uMv7qQNJ
バレさん乙。
本部は確かに話が合いそうだな、ヤムチャと。両方とも負け犬同士で。

輪廻さん乙。
元ネタ知らんがKとルガールって強いな。バトルは勢いがあってイイ。

サナダムシさん乙。
前作前半のシコルを引き継いでるwでも話短いのか。ちょっとショック。
>379より

のび太が膝をついた、そのときだった。
突如一陣の風が吹き、それによって運ばれたなにかが、のび太の顔にまとわりついたのだ。
「な、なんだ・・・これ・・・」
手に取ってそれをまじまじと見る。それは―――
「・・・物体変換クロス!?」
そう、それはドラえもんが投げ捨てた道具―――物体変換クロスだ。そしてその効能を思い出したとき、
のび太の脳裏に一つのアイディアが浮かぶ。
それは、まさに天啓の如く。
そしてのび太はズボンのポケットをまさぐり、何かを取り出す。
「あった・・・」
それは、タケコプターだった。ついさっき壊れたものではなく、全てが始まったあの日に、ドラえもんから借りたまま、
ズボンの中に押し込んでそのまま忘れていたものだ。当然、無事に動くはず。
のび太は涙を拭い、二つの道具を手に立ち上がる。
「のび太くん・・・?」
「ドラえもん・・・ぼく、行ってくる!」
「い、行ってくるって・・・何を・・・」
ドラえもんの返事を待たずに、のび太はタケコプターでまずはサイバスターの元へ向かう。
そして、中にいる三人に呼びかける。
「三人とも、聞こえてたら、そのまま聞いていて!」

「・・・のび太か?」
三人は顔を上げて、モニターを確認する。そこには確かにのび太がいた。
のび太は続ける。
「いい?今から、サイバスターをグランゾンの背後に送るよ!」
「なにぃ!?それはどういう・・・」
「背後に送ったら・・・グランゾンを全力で攻撃して!」
のび太はそれだけ言うと、モニターから消える。どうやら、上の方に回ったらしい。
「のびちゃん・・・何をするつもりなんだろ?」
「・・・分からない。けれど・・・」
プリムラは言う。
「けど、私は―――のび太を信じてる」
その言葉に、稟と亜沙も顔を見合わせて、ふっと笑った。
「そうだな―――俺も、信じてるよ」
「―――ボクも!」
そして三人はモニターに向き直り、ただ、その時を待つ。

のび太はサイバスターの頭上でタケコプターを止めて、グランゾンを見据える。
『今さら何をしたって無駄ですよ―――もうあなたに打つ手など―――』
「ある!」
アザミの声を遮り、のび太は宣言する。そして手にした物体変換クロスを、サイバスターの頭部に被せた。
「いくぞ―――ドラえもん城に、かわれ!」
その瞬間、驚くべきことが起きた。サイバスターが瞬時に消え去り―――かわって、城が出現した。
それはついさっきまでグランゾンの背後にあったはずのドラえもん城だ。
『な・・・』
アザミは驚きの声を上げかけたが―――それは背後から突如襲ってきた衝撃によって途絶える。
ショックに口をパクパクとさせてモニターを確認する―――
グランゾンの胸部に、巨大な剣がグッサリと刺さっていた。
『あ、あ、あ、あ あ あ ああああああああああああ!!!』
訳の分からない悲鳴を上げて、今度は背後のモニターを確認すると、そこにはサイバスターがグランゾンの
背中に剣を突き立てている場面が映っている。
混乱した頭で、何故こうなったのか考える。
まず―――あの子供が、サイバスターに何か布切れのようなモノをかけた。その後サイバスターが自分の背後に―――
その前に背後にあったはずの城はサイバスターのいた場所に―――
つまりは、位置を入れ替える道具だったのか?それならば―――それならば、サイバスターは悠々よグランゾンの
背後に回ることが出来る。
さらにサイバスターの破損は脚部のみ。移動は不可能ではあるが、攻撃だけなら十分可能だ。少なくとも、グランゾンの
ボロボロになった背中の装甲を打ち破るくらいなら―――
そして、この攻撃は、グランゾンの動力部を完全に破壊してしまった―――
そこまで考えたところで、アザミはゲフッと血を吐いた。視界がぐるぐる回る。
無理に弄繰り回した身体、グランゾンを動かすための無茶な魔力供給、そしてグランゾンが破られたショック―――
『まだ・・・こんなところで・・・終わるわけに・・・』
苦し紛れにメチャクチャに操作してみるが、2歩、3歩とぎこちなく動いただけで―――6歩目で、グランゾンは
大地に倒れ、完全にその機能を停止した。

「どうなったんだ・・・?」
一同はサイバスターに駆け寄り、ひとしきり目の前で起きた逆転劇を喝采して、グランゾンに目を向けた。
と、グランゾンから這い出てきた人影があった。
紛れもなく、アザミだ。口元から胸にかけてべっとりと血に濡れ、服もボロボロでありながら―――
その目には、変わることなき冷たさがまだ宿っている。
「まだ・・・まだです!」
アザミはぜえぜえと息をしながら、言い募る。
「こんなことで、決着がついたとでもお思いですか?まだ・・・勝負は・・・!」
「終わりだよ、もう」
ドラえもんがその言葉を遮る。アザミは次の言葉を待った。
「あなたの負けだ、アザミ!」
その言葉にアザミは―――何故か、ふっと笑う。まるで、そう言ってほしかった、とでも言うように。
「ええ、そうですね・・・。そう・・・」
アザミの身体が、グラリと揺れた。
「誇りなさい。あなた方の・・・勝ちです」
そして―――アザミは倒れた。
今ここに―――戦いは、幕を閉じたのだ。
誰もがそう思ったときだった。破壊されたはずのグランゾンから不気味な音がしたのだ。
「な、なに・・・?」
のび太がそう言った瞬間、グランゾンの一部が爆発し―――その破片が倒れたアザミに降りかかり、同時に起こった
土煙で、その姿が見えなくなる。
そしてそれでも、グランゾンから漏れる不気味な音は止まない。
「まずい・・・」
「な、何がまずいんですか、魔王さん?」
ドラえもんが聞くと、魔王は汗を浮かべた顔で語った。
「グランゾンは縮退砲とやらを撃つためのエネルギーを溜めたままで破壊された―――行き場を失ったエネルギーが
暴走して、自爆しようとしているんだ!」
「じ、自爆―――!?」
「すぐに逃げないと―――この辺り一帯、消滅してしまうぞ!」
「そ、そんな・・・逃げるって言っても、どうやって・・・」
慌てふためくドラえもんにのび太が提案する。
「ドラえもん!そういやサイバスターって鳥みたいになれたんじゃない?あれで・・・」
「サイバスターは半壊してるじゃないか!なれるかどうか―――」
「復元光線で直せばいいじゃないか!」
「あ・・・」
どうやらすっかり忘れていたようだ。早速復元光線でサイバスターを直すドラえもんであった。
「稟さん!とにかくサイコントローラーに<鳥になれ>と命令してみて!」
実にアバウトなアドバイスを行うドラえもんであったが、どうにかサイバスターはあの大鳥の姿になった。
「よし!みんなコックピットに乗り込め!あせらず、ガキから先に乗れ!」
神王が号令役になる。こういう時は実に頼もしい御方であった(ガキから先にとは言っても、この場には神王と魔王以外
ガキばかりであったが)。
しかし―――のび太はあることに気付いた。
「・・・しずかちゃんは!?」
そう―――しずかの姿は、そこになかった。
428サマサ ◆2NA38J2XJM :04/12/27 15:36:05 ID:uYM57T2j
投下完了。そして、お詫び。
前回後書きで「ヒントは所々に〜〜〜」と書きましたが、今回分書いてから、
あの程度の描写で答えに辿り着ける人なんて相当少ないだろうということに気付きました(爆)。
まだまだ未熟者、精進いたします。

戦闘そのものは決着しましたが、まだもうちょっと続きます。
429作者の都合により名無しです:04/12/27 18:00:37 ID:0ld05beY
グランゾン破壊した時点でもうやばいだろうが
430作者の都合により名無しです:04/12/27 21:47:32 ID:uHpRm0HB
>神界大活劇
>答えに辿り着ける人なんて相当少ないだろう
絶対に読めないってw

でも乙。楽しかったよ。アザミ、案外潔く散りましたね。
うーん、でももうすぐ終わっちゃうのか。神王結構気に入ってたなあ。
エンディングまでもう少し。最後まで頑張って下さいね。
431作者の都合により名無しです:04/12/27 22:22:38 ID:YjOZkUQp
サナダムシさん、相変わらずシコルはオチ担当ですね。
あの大会がこの番外編のメインになるのか?

サマサさん、グランゾン破壊しましたか。ボス撃破で
いよいよ終幕近しか。寂しいな・・。

バキスレ今日で2周年だね。おめでとう。
今日はパオさんに来て欲しかったな。
432サマサ!:04/12/27 23:16:15 ID:0ld05beY
サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!
433しけい荘物語・番外編:04/12/28 00:15:39 ID:rlATNHqB
第二話>>418
434しけい荘物語・番外編:04/12/28 00:16:42 ID:rlATNHqB
第三話「牙を剥く海王」

 初日は打岩のみで鍛錬は終了。中国に伝わる薬膳料理が夕食に出され、おそらく過酷を
極めるであろう二日目に備える。
 寝室にて、オリバがプリントを見ながら明日のスケジュールを発表する。
「まず早朝に金剛拳。午前中は龍王拳、三合拳、薬硬拳の講習会だ」
 初耳の流派による揃い踏み。どんな訓練になるかすら、想像もつかない。
「午後は節拳道、受柔拳、ムエタイ、空拳道、拳王道、ぞれぞれの海王の方が指導してく
れることになっている」
 さすがに岩を叩いただけでは物足りないのか、住民たちはこのラインナップに胸を躍ら
せる。ただ一人、シコルスキーを除いて。
「ふぅ……」
「おい、まだ敗北のことを気にしているのか。これから強くなって、あの烈とやらを見返
せばいいじゃないか」
 励ますドイル。年齢が近いドイルには、気落ちするシコルスキーの気持ちが痛いほど分
かっていた──つもりだった。
「いや、敗北は別にいいんだ。もうとっくに慣れている」
「じゃあ、何で落ち込んでいるんだ」
「打岩を……やりたかったんだ」
「そうか……」
 いささか呆れたドイルの胸から噴射した火柱が、シコルスキーを包み込むのは時間の問
題であった。
435しけい荘物語・番外編:04/12/28 00:17:32 ID:rlATNHqB
 翌朝、オリバに叩き起こされた一行は、金剛拳担当・楊海王が待つ中庭に出る。
「ハッハッハ! 存分に叩きたまえ、叩き尽くしたまえッ!」
 中庭には、半裸で自らの肉体を誇示する楊が立っていた。金剛拳の名が示す通り、彼の
全身はまさしくダイヤモンド。永年に渡り、肉体を苛め抜いた成果だろう。生半可の力自
慢では、金剛と化した肉には通じまい。
「まずは、私がやろう」
 ずいとオリバが前に出る。言うまでもなく、彼は世界一の力自慢だ。すると突然、楊が
自信に満ちた態度を崩す。心なしか、額には汗がにじんでいる。
「えっ……ちょっと待て! 叩く人間は、こちらから指名する」
「ほう、誰かね」
「そこの日本人だ。いくらでも叩いて構わんぞ!」
 選ばれたのは柳。もっとも非力と思われる柳を選んだのは偶然か、それとも……。
「分かりました。では、全力で打たせてもらいますかな」
 柳の右腕から急速的に力が抜けていく。まるで水のように、関節が失われたように、脱
力していく。
「むんッ!」
 右腕が消失した──と、同時に楊海王の左肩に抉るような跡が作り上げられていた。
 鞭打。声にならぬ叫びと共に、庭中を駆け回る楊。鍛え抜いた肉体も、絶対的な痛みに
対しては無力であった。やがて平静を取り戻した彼は、全身にしたたる汗を拭おうともせ
ずに怒号を発した。
「て、手加減したまえ!」
 全く非はないのだが、楊の迫力に圧倒されて頭を下げる柳。
「……す、すいません」
 楊は機嫌を損ねたのか、六人を放ってどこかへ去ってしまった。非常に後味の悪い空気
が漂う中、誰かが切り出した。
「朝飯にしましょうか」
436しけい荘物語・番外編:04/12/28 00:19:34 ID:rlATNHqB
 朝食を済ますと、続いては龍王拳。担当を務める除海王は、海王の中でもっとも背が高
い。そんな彼が闘争において重視するのは、やはりリーチであった。
「拳法を制するには、射程を制するのが手っ取り早い。その射程距離を決定するのは、当
然ながら手や足の尺度だ。手足の尺度は高さに比例するから、つまり身長さえ伸ばせば強
くなれるというワケだ」
 除海王は一人一人に大きな壺を手渡す。その中身は、何と十リットルもの牛乳。
 もはや接待だった。楊海王のように機嫌を損なわれると面倒なので、黙って牛乳を飲み
干す六人。ちなみに龍王拳の講習は、これだけで終わった。

 牛乳が古かったのか腹を下しつつ、オリバらは次の海王が待つ部屋へ向かう。
「来たか、俺は三合拳を担当する陳ってもんだ」
 陳海王。やや華奢な外見だが、先の二人よりも危険な闘気を放っている。
 自己紹介もそこそこに、三合拳の実演が行われる。
 気・拳を融合させた従来の中国拳法に、さらに「地」を加えた拳法。それが三合拳だと
いう。陳による大地を駆使した直突きは、確かに相当の威力を誇っている。
 これまでより充実した講習なのは確かだ。が、陳には一つ欠点があった。
 陳を真似るように、三合拳の型を反復する一行。なかなか上手くいかない。
「お前ら、全然ダメだな。話にならねぇ、才能がないとしか表現しようがねぇやな」
 この陳海王、非常に口が悪い。ただでさえ朝から理不尽な特訓を受けてきた六人に、火
と油を同時に注ぐような罵声。一挙手一投足のたびに、文句が飛ばされる。
「ふん、所詮は異国人のゲストか。貴様ら如きに、我が三合拳を理解することなど最初か
ら不可能だったようだな」
 吐き捨てるように嘲りを浴びせる陳。この態度に、ついにスペックが我慢の限界を超え
てしまった。
「気ダトカ、大地ダトカ、ソンナモン面倒クセェヤッ!」
 破神の怒りが凝縮された、気も大地も無視した単純なる豪速の鉄拳。
「三合拳に、そんな打撃が通じるとでも──おべッ!」
 通じてしまった。壁にめり込んだ陳からは、一言の罵声も発せられることはない。
「怒リ・好キ勝手、ソシテ拳。コレガ俺ノ三合拳サ」
 スペック流三合拳、完成。
437サナダムシ ◆fnWJXN8RxU :04/12/28 00:24:06 ID:rlATNHqB
海王が牙を剥きました。
438作者の都合により名無しです:04/12/28 01:11:26 ID:1Yp1w7dK
>しけい荘
次々と牙を剥き出しましたね、海王達。
もっとも全て引っこ抜かれたようですが。
特に楊海王のキャラが面白い。確かに金剛拳と鞭打は相性悪そうですね。
439虹のかなた:04/12/28 02:52:45 ID:yTf/ISfE
ごきげんよう、皆様。>>202からの続きです。


「お姉様?」
今まさにティーカップに口を付けようとしている状態で止まってしまった祐巳を、瞳子が覗き込んだ。
「どうかされました?」
ハッと我に返った祐巳は、心配顔の瞳子に慌てて笑顔を向ける。
「なんでもないよ」
瞳子はまだちょっと疑い気味のようだけど、それ以上は詮索せずにジュネさんとのおしゃべりに戻っていった。それを見届け、
そっとため息をつく。
(なんだったんだろう…今の)
何と言えばいいのだろう。突然に、背筋を気持ち悪い何かが這い上ったような気がした。…悪寒とでも言うべきか。
あぁ、そういえば、今朝もバスの中で同じような悪寒を感じたっけ。
ピリピリと肌を刺す空気の鋭さは増すばかりだけど、室内にはなんの変化もない。
瞳子がジュネさんに一方的に話しかけているのを乃梨子ちゃんが呆れ顔で見ていて。
由乃が沙織ちゃんを質問攻めにしているのを志摩子さんがほほえましく見守っていて。
薔薇の館の会議室には、何も変わったところはない。
「ジュネさんはロザリオを沙織さんにお渡しする気はありませんの?」
飛び込んできた瞳子の言葉に、祐巳は一気に現実に引き戻された。
「ロザリオ?渡すと何かあるのか?」
ジュネさんが不思議そうな顔をしている。…もしかして、ジュネさんは知らないのかな。
「まぁ、私としたことがまだご説明差し上げてなかったのですね。失礼いたしました」
大げさに驚きを表現した瞳子が、一つ咳払いをする。
「我がリリアン女学園高等部には、姉妹制度という、伝統的な習慣がありますの。一人のお姉様が一人の妹を、清く正しい
学園生活を送れるように指導するものなのですけれど、二人が姉妹となるのに欠かせないのがこのロザリオですのよ」
そう言って瞳子は、自分の胸元からロザリオを引っ張り出してジュネさんに見せた。
「上級生が差しだしたロザリオを下級生がお受けすれば、二人は姉妹の契りを交わしたことになりますの」
瞳子が首にかけているロザリオは、もちろん祐巳があげた物だ。
祐巳は祥子様から、祥子様は蓉子様から頂いた物だから、もう四代続いていることになる。
姉妹の契りに使うロザリオは、お姉様から頂いた物でも新しく購入した物でも、どちらでも構わないとされている。
現に、由乃のロザリオは、令様が由乃のために購入した物だそうだ。
ちなみに白薔薇姉妹のところは、聖様のお姉様の頃から受け継がれている物で、今は乃梨子ちゃんの首に掛かっている。
440虹のかなた:04/12/28 02:53:20 ID:yTf/ISfE
「…へぇ…」
瞳子の熱弁に反比例するように、ジュネさんはあまり興味がなさそうな様子。
「ジュネさんもお姉様か妹をお作りになればよろしいのに。そうすれば、きっと今以上にリリアンが好きになりますわ」
「その前に、紅薔薇のつぼみの妹(ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン・プティ・スール)の誕生が先じゃなくて?」
横やりを入れたのは由乃。この顔はどう見ても瞳子をからかう気満々。
「…その前に、黄薔薇のつぼみ(ロサ・フェティダ・アン・ブゥトン)の誕生が先だと思われますが」
期待通りにきっちりと反応した瞳子が、キッと由乃を睨む。
あぁ。なんか、瞳子のこういうところは祥子様に似ている気がする。相手はからかっているだけなのに、全力で反応してしまう
ところが。
それに祥子様も瞳子も、他人に認知されている性格と身内に認知されている性格がかなり違う。
清廉潔白でお嬢様の代名詞の様な祥子様は、かなり気が短く、時折ヒステリーを起こされる。
無邪気で甘えん坊と思われている瞳子は、結構意地っ張りでそのくせ慎重だ。
その間に入る祐巳は、自分ではあまりそういう二面性はないと思っているのだけど。自分の考える自分と、他人の考える自分に
どれだけの差があるかは祐巳には計りようがない。
(祥子様と瞳子の違いと言ったら…瞳子は自分が気にしていないことには反応しないってところかな)
祥子様は、自分が馬鹿にされていると感じると何を置いても反応してしまう方だったけど、瞳子はそこまではしない。
…て、ことは。瞳子は、妹を作ることを意識しているんだ。
瞳子に妹が出来ることはとてもいいことだと思う。瞳子にとっても、山百合会にとっても。…でも。
(まだ、できれば二人でいたいな…)
それが今の祐巳の正直な気持ちだ。瞳子に今、急に妹を紹介されたりしたらきっと焦って、みっともなく瞳子の妹にヤキモチを
焼いたりしてしまうと思う。
そんな醜態を妹に晒すことだけは避けたい。
お姉様は祐巳に「妹を作りなさい」と仰ったとき、どんな気持ちだったのだろう。
祐巳にはまだ、瞳子にそう言う勇気はない。時間が経てば、自然にそう思えるようになるのだろうか。
(…あれ?)
ふと、気付く。
いつの間にか、悪寒はすっかり消えていた。変わりに祐巳を包むのは、春の日差しのような暖かい空気。
相変わらず、室内には何の変化もない。
そっと視線を巡らせると、沙織ちゃんと目が合う。
にっこりと微笑まれた瞬間に空気の暖かさが増したのは、祐巳の気のせいだろうか。
時刻は午後四時。
斗貴子さんは、まだ戻らない。
441虹のかなた:04/12/28 02:57:26 ID:yTf/ISfE



何気なく窓の外に視線を向けたジュネは、一瞬だけそこに見えた異様な光景に、危うく持っていたティーカップを落としそう
になってしまった。
周囲の人間に気づかれる前に、慌てて自分を取り繕う。
(今のは…まさか…)
一瞬窓の外を過ぎった影の一つは、多分、津村斗貴子だったと思う。
では…人の形を為していなかったもう一つの影は…。
(もしかして、あれが…?)
ホムンクルス…人造生命体というヤツなのだろうか。
チラリとアテナの顔色を窺うと、まるでジュネの考えていることがわかるかのように、コクリと頷かれた。
一瞬だったのではっきりとはわからなかったが、何本もの巨大な触手の影が見えたように思う。
窓を開け、外の状況を確認しようと腰を浮かした時
「ジュネ」
アテナの声がそれを阻んだ。
(…あぁ…そうだった…)
不自然にならないように座り直す。
そう、たしか、一般人にホムンクルスの存在を知られてはいけない、と言われていたのだ。
ホムンクルスは人間社会にとけ込もうとする。理由は明快。その方が食事がしやすいからである。
故に、ホムンクルスは、己の存在を知った人間を決して生かしてはおかない。
土曜日に城戸邸で、斗貴子がそう説明をしていた。
だから、この件に関わるな、と鋭い瞳で睨んでいたっけ。最も、その忠告もアテナに笑顔で拒否をされてしまったのだが。
442虹のかなた:04/12/28 02:58:00 ID:yTf/ISfE
(…って!そう説明した本人がこんな目立つことをしてどうするんだ!)
今更だがこの状況のヤバさに気が付く。
今この瞬間にも、この室内にいる誰かが窓の外を覗けば見つかってしまうというのに…!!
「大丈夫です」
アテナが、ジュネ一人だけに聞こえるように囁いた。
「聖域の応用なのだけど、気が付きましたか?」
そう言われて注意深く辺りを探ると、微かにアテナの小宇宙がたちこめているのがわかった。
聖域には神話の時代からアテナの聖なる小宇宙が立ちこめていて、結界の役割を果たしている。
外敵から聖域への侵入を防ぐためだが、一般人を聖域から遠ざけるのにも一役買っているらしい。
つまりは、この辺りも同じ状況と言うことか。
そっと安堵のため息を漏らすと、アテナがクスクスと笑い声を立てた。
「ジュネってば、随分と斗貴子さんを心配しているのですね」
心配?津村斗貴子を?…よくわからない。ただ、妙に気にかかることは確かだ。
チラッと視線を窓に向ける。ここは二階だから、地上の様子が窺えない。…斗貴子は無事なのだろうか。

「斗貴子さん、遅いわね」

何気ない白薔薇さまの一言に、ジュネの心臓が一つ、高い音を立てた。

443ミドリ ◆5k4Bd86fvo :04/12/28 03:10:14 ID:yTf/ISfE
今回はここまでです。
前回から間があいた割には少量です。読んでくださっている方々、申し訳ありません。
展開は遅いですが、一応、何気ないセリフにも、ラストに向けて意味を持たせています。
年末年始は身辺が忙しく思うように時間がとれませんが、できれば、年内にもう一度お邪魔させて頂きたいと思っています。

>>380 サマサ様
私も聖様は大好きです。書き手としても、ご登場頂くだけで、その場面を一気にマリみての空気に染めてくださるのでとても書きやすいお方だと思います。
完結を楽しみにしています。

それでは皆様、風邪など召されませんように。ごきげんよう。
444作者の都合により名無しです:04/12/28 07:35:06 ID:YqWiP9vH
ミドリさんごきげんよう。

なんか、いよいよリリアンに本格的に黒い影が動き始めましたね。
でもそんな非常事態でも、決して崩れない沙織はさすが女神。
でも姉妹制度ってやっぱり妖しい響きですなあw
445作者の都合により名無しです:04/12/28 08:59:35 ID:r8JnKQs5
サナダムシさんもミドリさんも乙!そしてごきげんよう。

>しけい荘牙を剥いた瞬間あっさりやられていく海王たちにWAROTA。
確かに烈以外の海王って死刑囚たちより弱そうだもんな・・・。

>ミドリさん
前回ラストからうって変わってほのぼのムード・・・その裏で斗貴子さんは必死に戦っております(泣)
しかしまさかジュネと斗貴子さんの姉妹フラグが立ったと見ていいんでしょうか?
446作者の都合により名無しです:04/12/28 14:21:31 ID:1Yp1w7dK
ジュネと斗貴子では、どちらが妹になるんでしょう(やはりジュネかな?)
あと、女神が誰と姉妹になるかが気になりますね。

年末なのに、作品が多いですね。
ロム側としては嬉しい限りです。
447作者の都合により名無しです:04/12/28 18:28:45 ID:qif3Nosl
いや、書き込んでる時点でROMとは言えないのでは……
448作者の都合により名無しです:04/12/28 19:14:22 ID:ordnqZ1i
おっ、しばらく見なかったら、しけい荘が復活しているぢゃないか。

しけい荘 復活!

しけい荘 復活!

しけい荘 復活!
449女の子らしい胸……その理由:04/12/28 19:50:25 ID:Idy/8kzs
清く貧しくガラッパチ。神余響子(かなまり きょうこ)は、そんな少女である。
病身の母を一人で支え、介護と仕事に忙殺され、仕事が忙しければヘルパーを雇い、その
料金を稼ぐためバイトをして、と。正に「貧乏暇なし」そのものな人生を歩んでいる。
古着屋で買って来た無地の作務衣とカンフーシューズ、自分で切るのが楽という理由で
伸ばしっ放しの髪をなびかせ、勤労の日々を送る響子。同僚はそんな彼女を見て、よく
「響子ちゃん、せっかく可愛いんだからもっと女の子らしくしなきゃ」とか言うが、
んな暇も金も気もないのだ。響子には。
そんな響子の本職は、超能力者問題秘密対策委員会、通称『チョーモンイン』の
エージェント。世の平和を乱す超能力犯罪者たちを捜査、摘発する専門家である。

「……では、よく聞いて下さいね神余」
チョーモンイン日本支部のオフィス。響子は今回、特別ボーナスの支給に釣られて、
ある特殊任務を授かることとなった。直立不動の彼女の前で、金髪巻き毛に赤いリボン、
ふりふりドレスに黄金細工のチョーカーがキラリ、というエレガント・ゴシック・
ロリータの化身みたいな幼女がチーフ席に着いている。
彼女、もとい彼の名は神威 マモル(こうたけ まもる)。こう見えて響子の直属上司
だったりする。自称はコンスタンツェなのだが、誰もその名で呼んでくれないのが悩み。
そのマモル君が、チーフ席で愛用の手鏡を覗き込みながら、任務の説明を始めた。
「この任務は、本来我々の管轄外なんですよ。超能力が存在しない、ある異世界の件
でしてね。ただ、超空間管理課によると、その世界に一人だけ、超能力者としか思えない
危険人物がいるらしいんです。で、その人物を調査して欲しいと依頼がありまして」
「てことは、超能力者であればいつも通り『補導』する訳ですか。そうでなければ?」
「放置です。完全に我々の管轄外である、と証明できたことになりますからね。神余の
役目は、その世界に行ってその人物に接触すること。超能力観測装置の照準を神余に
合わせておきますから、少々会話でもしてくれれば、それでその人物も観測できます」
と言ってマモル君は、机の上に置いてある紅い宝石つきのブレスレッドを指した。これは
チョーモンインに1〜2個しかない、滅多なことでは使われない最高級の道具である。
450女の子らしい胸……その理由:04/12/28 19:51:16 ID:Idy/8kzs
「転送ブレスレッドです。これでその人物の世界へ行けますから。でも、一度使うと
エネルギーチャージの為、二〜三日は帰って来られませんので、忘れないように。あと、」
と言ってマモル君、今度は引き出しから封筒を取り出した。
「超空間管理課から廻ってきた資料です。見ておいて下さい。……くれぐれも気をつけて」
「はいっ」
こうして響子は、最低限の生活用品を肩掛け鞄に詰め、一人、異世界へと旅立った。
それを見送ったマモル君は、超空間管理課からの依頼書を見て呟く。
「それにしても、データが少ないですね。一応、追加資料の請求をしておきましょうか。
まあ、神余なら大丈夫でしょうけど。この男が、多少厄介な人物だとしても」
その依頼書には、髪を波打たせた大柄な男の写真が貼り付けられている。
そしてその下には、その男の名が書かれていた。……範馬勇次郎、と。

転送ブレスの明滅が収まり、宝石の色が紅から蒼に変わり、響子は亜空間から抜け出した。
とん、と着地してみると、そこはごく普通の静かな住宅街だった。響子が暮らしている
街と、なんら変わりはない。が、ここはもう誰一人知人のいない、異世界なのである。
「さて……と。よぉし、やるぞっ」
さすがに緊張するが、とりあえず響子はチーフから貰った封筒の中身に目を通してみた。
範馬勇次郎とやらは神出鬼没の放浪野郎で、正確な居所は掴めていないらしい。が、強い
格闘士の噂を聞きつけると挑戦せずにはいられないタチなので、それで釣ることが可能。
「オレがそういう存在になって、奴の方から接触してくれるのを待つ、か。ふむふむ」
封筒の中には、響子の転送ポイント近辺に在住している格闘士たちの資料が入っていた。
響子はそれを見ながら、街を歩いていく。
「とりあえずこの近くにいる奴は……あ、いたいた。あいつだな」
響子が足を速める。目標は、五十歳くらいと見られる袴姿の男。資料によると
古流柔術の継承者で、数多くの空手家たちを壊してきた猛者らしい。
だが、なぜかダンボールを山積みにしたリヤカーの脇に腰掛けて、やれやれと
汗を拭いていて。どーにもホームレスにしか見えない。珍妙である。
とりあえず響子は、その男に近づいて声をかけた。
451女の子らしい胸……その理由:04/12/28 19:52:05 ID:Idy/8kzs
「あんた、本部以蔵さんだろ。オレと勝負して貰いたいんだが」
唐突に呼ばれて振り向いた本部は、自分でも解るぐらい、満面に訝しさを浮かべた。
それはそうだろう。どう見ても中学生ぐらいの女の子(野暮ったい作務衣姿)が、
本部流柔術継承者たる自分に、いきなり挑戦してきたのだから。
「聞こえなかったか? オレと勝負して貰いたいんだ。あ、そういえばあんたは
柔術家だったな。なら、」
響子は、まるで握手をするように、右手を差し出した。
「ほら。この手、握れるかい? 握る勇気が、あるかい?」
「……な」
さすがに、訝しさを怒りに変えて、本部は立ち上がって響子を睨みつけた。
「お嬢ちゃん。一度だけいう。今すぐここから立ち去るがいい。さもないと、」
「いいから、この手を握ってくれよ。まだ先がつかえてるから、オレは忙しいんだ」
そう言って突き出された響子の手は、白くて細くてしなやかで。片膝ついて、恭しく
接吻などしたくなるくらい綺麗。などと、本部はちょっと思ってしまったが。
さすがに、それはやらない。今はやはり、怒りの方が勝っている。
「忙しい、と来たか。まあそう言わず、ゆっくりするがいい。病院のベッドでな!」
本部は、響子の手を握った。そしてそのまま、間接をキメ……
「えっ!?」
響子の手を取った、次の瞬間。本部の体はくるりと回転して、宙を舞っていた。そして
何が何だか解らぬ内に、くるくる廻って、ずでん、と落ちた。背中から、地面に。
仰向けに倒れたまま、呆然としている本部を見下ろして、響子が言う。
「まだやるかい」
やらいでかっ! とばかりに本部が跳び起き、再び響子の手を取る。が、
「ぬおおぁぁあっ!?」
またもや、くるくると廻って、ずでん、と落ちた。響子の左手はポケットの中、
両足は微動だにしていない。完全に右手一本で、本部を手玉に取っているのだ。
「こ、こんな、こんなっっ!」
本部は何度も何度も挑みかかり、そして何度も何度も投げられた。
452女の子らしい胸……その理由:04/12/28 19:52:55 ID:Idy/8kzs
『い、痛そうだな』
こういった生々しい格闘経験のない響子は、本部を投げまくりながら、心中では本部に
同情していた。
実はこの投げまくりのタネは左手にある。響子はポケットの中で、簡易超能力実践キット、
略してカンチョウキと呼ばれているカードを握っているのだ。
一見テレカのようなこのカードは、チョーモンインのエージェントに支給される道具で、
握って念じれば「残り度数」がある限り各種超能力が操れるというもの。しかもこれは、
今回特別に支給された、度数無制限の強力バージョン。響子はこれを使って念力、
サイコキネシスを発動させ、本部を投げているのだ。早い話が、インチキなのである。
そうとも知らず本部は、必死の形相で響子の手を握っては投げられ、握っては投げられ。
……やがて、三十回ほども投げられた頃、とうとう本部は倒れたまま、動けなくなった。
こほん、と咳払いなどしてから、響子は尊大ぶった演技をして言う。
「終わりかい、本部さん」
砂まみれになった本部は、答えられない。
「オレの名は、神余響子。せいぜい噂にしてくれ。じゃあな(うぅ……ごめん)」
本部にクルリと背を向けて、歩き出す響子。すると、
「う、う、う、う……うわあああああああああぁぁぁぁっ!」
突然聞こえた叫び声に、響子は驚き振り向く。そこでは本部が、恥も外聞もなく
ただひたすら、豪快に泣き喚いていた。
「わしは! わしは! わしは! わしのこれまでの人生は、一体何だったんだっ!
解説者だのホームレスだのと囁かれていると思ったら、とうとうこんな娘っ子にまで、
ほいほい投げられまくって惨敗してっっ!」
五十台の、袴姿のオヤジが、路上でのた打ち回りながら泣き喚く姿。通行人が何人か、
不気味がって逃げていった。
で、加害者たる響子はというと。
453女の子らしい胸……その理由:04/12/28 19:53:49 ID:Idy/8kzs
『……ぐ』
ぐさっ、と来て固まってしまっていた。良心の呵責。マジメな武術家の誇りを、
インチキ投げで深く傷つけてしまった、と。本部の涙と泣き声が、響子の心を
ざくざく刺しまくる。
『悪いことしたかな……でもオレはオレで仕事が……母さんが……でも……っ』
立ち尽くす響子。と、ひとしきり泣き転がった本部が、くるんと体を回転させて
体を起こし、響子の足下にぴたりと正座した。
「失礼。確か神余殿、と申したな」
「え? あ、ああ」
本部は、砂と涙と鼻水を拭きもせず、いきなりその場で土下座した。
「不詳、本部以蔵。本日只今より、修行を一からやり直す覚悟を決め申した。神余殿、
なにとぞなにとぞ、このわしを貴女の門下生の端くれに加えて頂きたい!」
「……え…………ええええぇぇっ!?」
454ふら〜り:04/12/28 19:55:02 ID:Idy/8kzs
>>元ネタ
まとめサイトにあります「超能力者 空条承太郎」と同じ、「神麻嗣子の超能力事件簿」。
西村京太郎等と同列に並んでいる一般推理小説です。が、並み居るラノベヒロインたちを
押し退けて、私にとって「小説界最萌えキャラ」なのが嗣子ちぁん。短編集もあります
ので、機会があればぜひご一読を。(漫画化もされております。私は未見ですが)
尚、原作をご存知の方へ。タイトルを見ての通り、響子ちぁんのアレにまつわる
物語ですので、アレに関するコメントはお控えください。

>>バレさん
確かに、少なくともあの時のヤムチャ(サイヤ人戦前)ならこれぐらい前向きだったかと。
最後、本部がヤムチャの生き方をためらいなくバッサリ斬ってるところが、無情ですな。
ドブ鼠と太陽……でも眩しいと感じてること自体、やはり憧れは感じてるのでは? とか。

>>草薙さん
ルガールってのは、ど〜しても、ゲーニッツやギース様なんかより格下っぽく見て
しまうのですが……草薙さんのルガールは圧倒的でいて淡々としてて、説得力ある威厳
を出してますね。これならギース様より強そうです。さぁて、太刀打ちできるかプロト1。

>>サナダムシさん
相っ変わらず、シコルが可愛い。他の面々、特にドリアンなんか気合いの入った武道家
ぶりを披露してるのに、一人だけ問答無用ボコボコとは。で敗北に慣れてるし。他では
ぺこりと頭を下げる柳、やっぱり一番短気でダダっ子なスペック、なんかも楽しいです。

>>サマサさん
おぉ鮮やか! こういう逆転撃、いや逆転劇は大好きです! 加えて当然のように「ガキ
から先に乗れ」の一言。こういうのも好きです。とか思ってたらいきなり流血のアザミ。
まさかこれで終わりか彼女? と思いきや……頑張れ、ちと影薄かったドラ側ヒロイン! 

>>ミドリさん
ほほう。ジュネは視認するまで気づかなかったモノに、祐巳は気配で気づいていた、と
いうこと……いつか何とか戦闘能力を手に入れて、参戦する日は来るのか? 妹に嫉妬、
とか考えてる彼女が、ジュネたちと同列に並んで? ……個人的には結構燃えます、コレ。
455作者の都合により名無しです:04/12/28 19:58:23 ID:FjuusAX5
ふらーりさん乙です。
響子さんといえばめぞんの響子さんくらいしか知らなかったなあ。
ふらーりさんは本部が好きですねえ。しか小説かよ!w
でもたまには、メジャーな作品をお願いしますw
456455:04/12/28 20:06:18 ID:FjuusAX5
あ、あと遅ばせながら祝・復活しけい荘。
個人的に大好きなSSだったので嬉しかった。
最近、「投げ出しか?」って好きな作品も出てきてるから
サナダムシさんの連載再開はなによりも朗報だ。
もう一度この連中のドタバタ劇が見れるのは嬉しい。
でも、そんなに長くないのか。チョト残念。

ミドリさんごきげんようです。
またーりと緊張感の対比がよいですな。
俺も沙織さんやトキコさんと兄妹制度組みてーなーw
ジュネってすっかり忘れてたからどんなキャラか
星矢のコミックス読み返したら、沙織さんより美人じゃんw
457作者の都合により名無しです:04/12/29 07:33:19 ID:eSxkY5oL
ふら〜りさん、新連載お疲れ様です。
相変わらず元ネタわかりませんがw頑張って下さい。
>427より

「・・・まさか!」
のび太は叫ぶなり、グランゾンに向けて走り出す。
「ちょ、ちょっとのび太くん・・・」
「すぐ戻る!」
そう言ってのび太は走り去っていく。
「のび太!・・・ドラえもん、これを返しとく」
稟はドラえもんにサイコントローラーを握らせる。
「俺も―――行ってくるよ」
稟の言葉に、ドラえもんは驚いた表情を見せる。
「稟さん!それならぼくも・・・」
「いや・・・あんまり大勢で行ってもまずい。大丈夫、すぐに戻るよ」
稟は一瞬だけ安心させるように笑い、のび太の後を追っていった。
「ど、ど、どうしよう・・・」
「落ち着けよ、ドラ助」
パニックを起こしかけたドラえもんを制したのは、神王だった。
「とにかく今は―――あいつらが帰ってくるのを待とう」

「ふふ・・・惨めな最期ですね、まったく・・・」
アザミは倒れたまま、自嘲気味に呟く。脚が、動かない。
さっきの爆発で飛んできた大きな破片が脚に直撃し―――完全に骨を砕いてしまった。
その破片が未だに脚に乗っかっている。
その上、爆発のショックで発火した破片によって、辺りは火に包まれ始めている。
「・・・こんなふうに死ぬのが、私にはお似合いですかね・・・」
そう呟いた時だった。
「勝手なこと・・・言わないで」
誰かがそう言った。幻聴かとも思ったが、やけにはっきりした声だ。声の方に目を向けた。
おさげの少女が、そこに立っていた。
「・・・何しに来たんですか。あなたの手で、私を殺しにでも?」
「違うわ」
少女―――たしかしずか、とかいう名前だった―――はそれを否定し、アザミの上に乗っかった破片を
どかそうとし始めた。
「あなたを―――助けたいの」
「―――なんですって?」
アザミは心底驚いた様子だった。
「情けをかけるつもりですか?そんなもの―――」
「そんなんじゃないわ」
破片をどかそうと奮闘しながら、しずかは言い募る。
「そんなふうに、心も身体も傷ついて―――ボロボロになった人を、ほっとけないわ。それに―――あなたはまだ、
人間を憎んでいるんでしょう?」
「・・・・・・」
「何かを憎んだまま死んでしまうなんて―――あんまりすぎるじゃない!」
涙さえ流して、しずかは語る。
「生き残りなさいよ!生きて―――もっと別な道を進めばいいじゃない!」
「・・・勝手な理由ですね」
「そうよ。勝手よ―――勝手にやらせてもらうわ」
そう言いながら、破片をどかそうと試みる。しかし、女の子一人の手ではどうにもならない。
だがそこに突然、誰かの手が添えられた。
「・・・のび太さん!」
それは、あの眼鏡の少年―――のび太だった。彼もまた額に汗を浮かべて、破片をどけようと必死になっている。
何故助けるのか。その理由をしずかに聞こうともせず、アザミを助けようとしている。
その姿はアザミの心を深く抉った。
―――何故、こんなふうに、自分たちを殺そうとしたような奴を助けるために必死になっているんだろう?
―――人間という生き物が―――分からない―――
二人がかりでも、破片は持ち上がらない。そうこうしているうちに、火の勢いが強くなってきている。
「ううっ・・・」
呻き声を上げるのび太。
そしてそこに―――三人目の手が添えられた。
「よお―――俺も手伝うぜ」
「稟さん!」
あの土見稟という少年まで現れた。三人がかりで、ようやく破片がどけられる。
そして稟がアザミを担ぎ上げ、のび太としずかが脇から支える。
「よし、行くぞ!」
四人は炎の中を進みだした―――

「よし!やっと帰ってきたか!」
ドラえもんは四人をサイバスターのコックピットに招き入れる。
アザミの姿を見て、ジャイアン辺りは露骨に顔をしかめたが、今は文句を言っている場合ではないと思ったのか、
特になにも言うことはなかった。
「では、発進!」
大鳥となったサイバスターは空へと飛び上がる―――しかし。
「どう考えても―――定員オーバーだよね・・・」
亜沙が息苦しそうに言う。11人もの人間が入ったコックピットは、実に狭かった。
アザミを叩き出せ、とまで言われなかったのは幸いであった。

サイバスターは丘の上に降り立ち、一同は遠くの方で未だに噴煙を上げつづける決戦場を眺める。
「これで―――本当に終わったな」
そうだ―――これで終わった。稟は深く息を吐いた。と、稟の手を誰かが握る。
プリムラだ。その後ろには、のび太と亜沙もいる。
「りん―――帰ろう」
「稟さん、帰ろうよ」
「そうだよ、帰ろう。ボクたちの世界へ」
稟は三人に笑いかける。
「ああ、そうだな―――帰ろうぜ、みんなで!」
そう―――もう、戦いは終わった。
この後にするべきことなど何もない。
この跡でするべきことなど何もない。
この痕へするべきことなど何もない。
あとはもう、なるようにしかならないのだ。
こうして戦いは終わり、彼らは日常へと帰っていく。
残してきた者たちの元へと帰り着いた彼らがいかに再会を喜びあったかは、書くほうが野暮というものであろう。
その辺りは各自、ご自由に想像していただきたい。

大混乱に陥っていた世界も、危機が去ったという報せを聞いて、次第に落ち着きを取り戻していった。
その陰で大いに活躍した少年少女たちについては、本人たちの希望もあり、完全に伏せられた(この世界でも
マスコミとはやっかいなものだからである)。

アザミ以下、生き残った反逆者たちは全員投獄され、法の裁きを待つ身となった。アザミは意外なほど大人しく、
全ての行いを語ったという。果たして彼女がどんなことを考え、そのように大人しくしていたのか、
誰も知ることはない。

―――そして。
のび太たちと稟たちの別れの時が、近づいていた。
462サマサ ◆2NA38J2XJM :04/12/29 10:47:04 ID:difcb6Yt
投下完了。
ちなみにこの後に〜〜〜の下りは西尾維新「サイコロジカル(下)」より引用。
どうしてもこのフレーズで締めくくりたかったので。

次回、奴の歌が響きます。お楽しみに。
463作者の都合により名無しです:04/12/29 18:38:32 ID:aR2Rj+AE
サマサさんお疲れです。
ハイペースですね、更新。エピローグが近そうだ・・。
のびたたちは帰るべきところへ帰っていくのですね。
今回、詩的で素敵でした。最後まで頑張って下さい。
464作者の都合により名無しです:04/12/29 20:09:34 ID:hlhs3DHb
ふらーりさん、相変わらず元ネタはわかりませんが楽しめました。
続き期待してます。
題名見て、よからぬことを期待してしまいました。

サマサ乙。
465作者の都合により名無しです:04/12/29 20:41:49 ID:z3B6aVOH
>>464
>題名見て、よからぬことを期待してしまいました。
ワラタ

オレもちょっと期待したw
466作者の都合により名無しです:04/12/29 21:07:38 ID:rucAbequ
>神界大活劇
お疲れ様です。いよいよラストが近づいてきちゃいましたね。寂しい。
しずかちゃんの母性がツボでした。次回ジャイアンシチューかぁw
しかしサマサ氏は西尾維新好きですね。
一度も読んだこと無いけど、読んでみるかな。
467AnotherAttoraction BC:04/12/29 22:18:30 ID:y/bSU3eA
〈文章が難産な為、意味無く人物解説〉
トレイン=ハートネット……
物語の主人公。かつて世界平和維持機構〈クロノス〉に身を寄せていた際は皆殺し専門の殺し屋。
その後、秘匿戦闘部隊〔時の番人(クロノナンバーズ)〕に所属。
イレギュラーナンバー“13”の栄誉を得たが、理由有って逐電。今は掃除屋(賞金稼ぎ)。
金銭感覚ゼロの為、相棒には散々に迷惑をかけている。 
銃の名手。愛銃“ハーディス”は超金属オリハルコン製のリボルバー拳銃。神業級の銃技と格闘術でゴリ押しを得意とする。
基本的に食欲と睡眠欲に忠実、その上でのんべんだらりが彼の生き方(但し根っこはかなり熱い)。                                    
しかし、クロノスに所属時は冷酷にして非情。何が彼を変えたかは今後をご期待。 
なお、原作の彼の必殺技、レールガン、黒爪及び黒バッテン、最終奥義「電波説教」は絶対やらない事をここに誓います。
そして、彼の愛銃は俺式ビックリドッキリ銃になる予定です。


スヴェン=ボルフィート……
トレインの相棒。準主人公。元は何処かの犯罪抑止機構の一員。ワケアリで退職後、掃除屋。
トレインと組んだ経緯は今後をご期待。
倹約家で几帳面。なので相棒の無駄金振りに辟易する事もしばしば。
彼の銃は種類別を一挺ずつ(どんなかはまだ不明)。トレインと違って理詰めで相手を追い詰める。
基本的に冷静な策略家。だが「目下に優しく」は紳士を語る彼の心情。
原作ではパンチの効かない男でしたが、アタッシュ・ウエポン・ケースも含めて厚みの有る奴にする予定です。                          
468AnotherAttoraction BC:04/12/29 22:19:53 ID:y/bSU3eA
リンスレット=ウォーカー……
一応ヒロイン(…かな?)。このSSで一番設定を変えたキャラ。
原作の泥棒請負人(ネーミング酷ェ)ではなく怪盗にしました。……この設定ちゃんと使えるかな……。
トレイン達に儲けの匂いを感じて付いて来た守銭奴。
派手好きで先天性浪費家。金は「奪うか貢がれるモノだ」と心底信じる困った女。
体操選手並みの身体能力と泥棒七つ道具で変幻自在に戦う。
基本的に傲慢、快楽主義、キレ易い。しかしイザと云う時の正義感が彼女を単なる金の亡者に終わらせない。
原作では戦わない人でしたが、このSSではバリバリの武闘派でいきます。


イヴ……
サブヒロイン…の筈だがメインぽい存在感。
ある武器商人の研究所で実験段階にあった汎用生体兵器の最終モデル。
体内にあるナノマシン生成器官で様々なタイプのナノマシンを創り出すことで、「フレキシブルな兵器」のコンセプトを見事に体現。
しかも潜伏の為に普通に成長する様に作られている。
因みに、彼女の過去は原作のでいい事にします(メンド臭いからじゃないぞ! ホントだぞ!!)。
手の平から出す種々のナノマシンと、ナノマシン製で自在に動く髪が彼女の武器(髪で造る刃は全て神剣フラガラ…ゲフンゲフン)。
今の時点(第四話)ではまだイマイチ自分を形に出来ていないため模索中。スヴェンに憧れに似た好意を寄せる。
原作では悲哀のカケラも無え電波メスチビでしたが、「悲哀」の部分を色々いじくって出す予定です。
469AnotherAttoraction BC:04/12/29 22:21:42 ID:y/bSU3eA
クリード=ディスケンス……
この物語のラスボス。多分今後が一番苦労するキャラ。
かつてトレインと共にクロノスに所属していた殲滅要員。クロノナンバーズ最有力候補だったらしい。
クロノスから逃げ出し、たった三年で一派を形成した将器と、逃亡の際追撃したナンバーズを返り討ちにした武才を併せ持つ。
以前はトレインとチームを組んでいたが、あるイザコザが元でトレインの方から一方的に断絶される。
今は反クロノス組織“星の使徒”の指導者。そこにトレインを引き込みたがっている。
とある流派の剣術の達人。謎の異能の力〈道〉によって作り出した三本の刀で戦う。
熱狂にして怜悧、大胆にして緻密、そして何より極悪非道。だがそれだけに凄まじいカリスマ性を有す。
……ええ、そう、カリスマ性。難しいんですよこれが。何せ原作じゃ刀持った通り魔にしか見えないから。
ディオ、ラオウ、バーンの三強(〜様が自然に付くよね)は無理だとしてもせめて志々雄くらいにはしたいな―――…と。
470AnotherAttoraction BC:04/12/29 22:32:55 ID:y/bSU3eA
………なんか荒らしっぽいな俺(挨拶)。
待ってる皆さん(待ってねぇかな?)すいません、NBです。マジ難産です。
今年中にはちょっと無理っぽいので前もって書いた人物解説を少しだけ書きます。
進行上今バラせる連中はこれだけです。
――――つうか、何やってんでしょう俺。
471作者の都合により名無しです:04/12/29 23:25:16 ID:hlhs3DHb
ふらーり、サマサ共に乙。
来年もよろしくな
472バレ ◆sssssssDAo :04/12/30 01:56:42 ID:8v7Tt+gt
投下します。
ネタは男塾(魁!の方)
473オムニバスSS:04/12/30 02:01:42 ID:8v7Tt+gt
「若気の至り」


男塾校庭の片隅に建てられた慰霊碑。
その前に、剣桃太郎と伊達臣人の二人は立っていた。
『驚羅大四凶殺之碑』と書かれた碑文に桃は手を置いた。
「ここに来ると思い出すな…初めて会った時を」
「ああ…」
二人はかつて男塾最大の苦行、『驚羅大四凶殺』で大将戦を闘った相手同士である。
その時のことを思い出しているのだ。
「あの時のこと、覚えているか」
「ああ…」
「俺も覚えているぜ。お前の鎧カブト姿」
「あぁ?」
「『フフ、これぞ豪学連戦時の衣装なり』って、俺は相当な電波を感じたぜ。なあ?」
「ぁ、ぁぁ…」
「知ってるか? あの時近所のガキがお前の写真撮りまくってたの。
きっと今もネットで流れてるぜ」
「………」
「その写真の一枚が、翌日にスポーツ新聞で記事になったんだよな。
まあ東スポだから、誰も信用しない…」
「………」

桃の回想は、その後もしばらく続いた。
伊達は「後悔先に立たず」の意味が理解できた気がした。
474オムニバスSS:04/12/30 04:40:55 ID:8v7Tt+gt
寝る前に、もうひとつ投下します。
475オムニバスSS:04/12/30 04:41:59 ID:8v7Tt+gt
【ドラゴンボール】


人は私を『神龍』又は『ドラゴンボール』と呼ぶ。
人は私を探し出す。願いを叶えるために。
私は神によって作り出された存在。
その存在意義は、ただ人の願いを叶える為だけにあった。
神の手で生み出された日から、私は地上へ降り、人の願いを叶えつづけた。

「たやすいことだ」私は毎度、こう言って願いを叶える。
「さらばだ」私は毎度、こう言って立ち去る。
願いを叶える。
立ち去る。
願いを叶える。
立ち去る。
願いを叶える。
願い。
願い。
‥‥
永遠に続く繰り返し。
次第に倦怠感が雪のように積もってゆく。
――いつまで続くんだろう。
――いつまでも続くんだろう。
そう思い始めてきた頃、一人の男が現れた。
男は全身緑色の肌をしており、何となく雰囲気が神に似ていた。
私はいつものように願いを叶え、いつものように別れを告げた。
「願いは叶えた。ではさらばだ」
「―――残念ながら、そうはいかんな」
男がそう言った刹那、男の口から放たれた怪光線が、私の身体を貫いた。
476オムニバスSS:04/12/30 04:44:02 ID:8v7Tt+gt
肉体が破壊され、力が急速に失われていくのが分かる。
私は思った。
このダメージによって私は、ただの石ころとなるだろう。

‥ありがとう。

ようやく、束縛された人生を終えることが出来る。
これまで他者の願いを叶え続けてきた私の、最も欲しかった一つの願い。
それが今、叶えられた。
ピッコロ大魔王よ。
私を『死』へと解放してくれた君に、心から感謝したい。

私はそう心中で呟き、静かに目を閉じた。
‥‥‥
‥‥
‥‥
‥‥
‥‥

数日後、ソンゴクウが天界にやってきて、神によって私は復活させられた。
この時の私の心。
一体なんと表現すれば良いだろうか。
(了)
477バレ ◆sssssssDAo :04/12/30 04:48:03 ID:8v7Tt+gt
>NB様
登場人物紹介を追加しました。こんな感じで宜しいでしょうか?

>サマサ様
ついにアザミとの闘いも終焉ですね。
子供達の純粋さは、アザミの心にはどう映ったのでしょう。
「この後に〜〜〜」の言い回しはイイですね。
西尾維新ですか、正月にでもちょっと読みたくなりました。

のび太のアイディアは思いつきませんでした。
<物質変換クロス>って、そういう道具だったんですね。
<物質変換ライト>と勘違いしてました。


あと、大変遅くなりましたが、しけい荘復活おめでとうございます。

478作者の都合により名無しです:04/12/30 07:12:07 ID:jk7ukG9Z
>NBさん
>なんか荒らしっぽいな俺
んな事ないですよ。俺は一番この作品を楽しみにしてる。
描写も抜群にうまいし、何よりしょぼい原作をこれだけ書き込めるのは
あなたくらいだ。本当に楽しみにしてますよ。
ところで今回の人物紹介、主役を忘れているんですけど。セフィリア。

>バレさん
いつもお疲れ様です。来年も体にお気をつけて頑張って下さい。
今回のショート、シェンロンのやるせなさが結構ツボでした。
ショートは毎回ネタ作りが大変でしょうが、のんびりと続けて下さい。
できれば、長編カテゴリ目指してw

ちょっと早いですが、来年もバキスレ隆盛しますように。
479作者の都合により名無しです:04/12/30 12:46:58 ID:6RcBdSDx
>NBさん
丁寧な人物設定は嬉しいけど、いちいち「原作では〜〜〜」と
こきおろしてるのはどうかと・・・
いや、こきおろされても仕方ない原作だとは分かってるんですけどね。
それでもその原作があるからSSが描けるわけで、尊敬しろとまでは言わずとも、
そんなこきおろさなくてもいいんじゃないかと。
なんとなく「俺はこんなクソ話をこんなに上手くアレンジできるんだぜ〜」と言ってるように聞こえたので・・・

長文の上批判みたいなことしてすいません。
480作者の都合により名無しです:04/12/30 17:42:02 ID:15SWlVan
確かにNB氏の黒猫は原作よりカッコいいからな。
NB氏のサービス精神がちょっといき過ぎたってだけだろう。
まあ、また〜りと物語を見守ろうよ、479さん。
NB氏、連載再開お待ちしておりますよ。よいお年を。

バレ氏、ここんとこ連投されてますね。
男塾やドラゴンボールへの愛着がにじみ出てる感じです。
なんとなく世界さんのショートにも似てますね。よいお年を。


481作者の都合により名無しです:04/12/30 18:03:10 ID:6RcBdSDx
>480
うん、ちょっと熱くなりすぎた。
NBさんのSSは好きだから、これからも楽しみにしてる。
482作者の都合により名無しです:04/12/30 18:48:33 ID:yeOd7BFn
取りあえずバレ氏&職人の方々よ、年末年始ぐらいはスレを忘れて休んでくれ。
483ドラえもん外伝:04/12/30 19:21:58 ID:ibHdpJqX
のび太は目を覚ました。目を開けた直後が自分がどこにいるのかよくわからなかった。周囲を見回して気付いた。
ここは木造の小屋だ。自分はベッドに寝かされているらしい。
「起きたかね?」その声にのび太はびっくりして振り向いた。ドアの横に大柄な男が立っていた。男は食器を乗せたトレイを持っていた。
「助けてくださってありがとうございます。あなたは?」のび太が聞いた。
「私は安藤玲一。君の名は?」安藤がベッドの傍にトレイを置きながら言った。
「野比のび太です。」
「そうか。朝メシを食ったら帰りたまえ。ここは子供が来る様な所ではない。」安藤が淡々とした口調で言った。それはここの
住民であり野性の動物の恐怖を知っている人間だからこそ醸し出すことができる口調であった。
「僕は・・。」のび太が今までの経緯を安藤に説明した。子供の言葉だから信用されない可能性は十分あった。だがのび太は
真剣に安藤の目を見つめた。
 安藤はのび太の話を聞きながらのび太の目をじっと見つめていた。
「お前の目を見る限り、その話は嘘ではなさそうだ。だがここで一ヶ月野宿というのは無茶がありすぎる。そうだな、
ここで一ヶ月半、俺の仕事の手伝いをしろ。」
「ありがとうございます!」のび太が目を輝かせていった。少なくともここにはいられるようだ。
「俺は山岳隊員だ。薪割りを毎朝やってもらう。」
「よろしくお願いします。」のび太はベッドから降りると安藤に向かってお辞儀をした。
484帰ってきたドラえもん外伝:04/12/30 19:23:27 ID:ibHdpJqX
 483のタイトル間違えました。3度目だよオイオイ。

数日経った頃、ある日の朝に安藤がのび太に話しかけてきた。
「のび太って言ったな。勇次郎も若い頃ここに来た事がある。その時は夜叉猿という獣と戦ったらしい。もちろん勝ったがね。」
「あの人もですか・・・。夜叉猿って?」のび太が驚愕すると同時に聞いた。ひょっとしたら数日前自分が遭遇したあの獣は。
「夜叉岩という岩がある。古くからある岩らしくてな。今でも昔の武芸者は夜叉猿に挑戦したという伝説が残っている。」
のび太の顔に冷や汗が流れて始めた。この前、あの巨大な獣の後ろにキラッと光ったモノ。あれは・・。
「あの・・・その岩の入り口付近に地面に刺さった刀がありませんでしたか?」のび太の声は震えていた。
「俺は遠くからしか見てないがね。この山に住んでから数年経つが・・・あの岩には近づかねぇ。あったな。」
のび太は左手の指先から感覚がなくなっていくのを感じていた。間違いない。自分は夜叉猿を目撃した。自分のバッグはあの場所にあったとしたら
自分の匂いは覚えられているだろう。間違いなく。
「安藤さん・・・実は僕・・・夜叉猿を見たんです。夜でしたが・・・。」のび太は勇気を振り絞って言った。
「そうか。安心しろ。夜叉猿はめったに人には近づかない。自分の巣から縄張りまでの距離しか動かない。範馬刃牙というガキも
奴の父親と戦った。奴の勝ちだったよ。」安藤は安心させる様に言った。
「縄張りってどこらへんまでですか?」のび太はホッとため息をつくと言った。
「わからんな。まあ野菜がある所は縄張りではないから。安心しろ。」

485帰ってきたドラえもん外伝:04/12/30 19:24:10 ID:ibHdpJqX
その日の昼、のび太は少し遠出をしてみた。散歩と呼べるモノではなかった。絶えず周囲を警戒し足音を消し進める。安藤から聞いた話では
かつて「ビッグボス」という称号を手に入れたCIAの諜報員がいたらしい。その諜報員は「スネーク」と呼ばれており、噂によると
CQCという格闘術を会得していたらしい。体が少しかがめ、ゆっくりと歩く。またある時は背中を木に押し付け気配を消し警戒する。
さながらサバイバル訓練の様な物だ。のび太はありとあらゆる工夫をして遠出をした。つまり偵察の様な物だ。
 突如、のび太の目に非常に不自然なモノが飛び込んできた。それは木の下で座禅を組んでいる人間の姿であった。のび太にとっては
異様だった。この人里離れた場所で瞑想している人間がいる。のび太はその人間の顔に見覚えがあった。微妙に赤がかった髪に白い肌、
左上唇の上にあるほくろ。範馬刃牙の姿であった。のび太は刃牙の瞑想が終わるまで待った。のび太が
刃牙を発見してから一時間後、ついにのび太は刃牙に話しかけた。
「刃牙さん!?」あたかも今見つけたかの様に装い話しかける。
「のび太君!?」刃牙は驚いていた。安藤と自分以外いなさそうなこの場所になぜのび太がいるのか?
「あなたはここにトレーニングをしに?」のび太が聞いた。
「いや、友達に会いにね。君は?」刃牙は当然に質問をした。ここは小学生が来る様な所ではない。
「僕は安藤という人に会うためにここに。ここに安藤さん以外に住んでいる人っているんですか?」のび太は嘘をついた。刃牙と範馬勇次郎の関係は知っている。
下手に刺激するべきではない。
「いや、人じゃないよ。人間の年齢でいえば・・・50歳ぐらいだけど。ついてきてごらん。」刃牙がのび太に手招きをしながら歩き出した。
のび太は警戒を解いた。刃牙がいれば大丈夫だろう。筋肉と経験は彼の方が上なのだから。この時、のび太はどんなモノと出会うのか予想だにしなかった。
486帰ってきたドラえもん外伝:04/12/30 19:25:03 ID:ibHdpJqX
今回の投稿はこれで終わりです。
487作者の都合により名無しです:04/12/30 20:52:43 ID:ItEomF5i
NBさんの戦闘シーンの達筆は知られたところだが、俺はそれより会話のやり取りが好きだ。
特にセフィリアとスベンの腹の探り合いみたいな駆け引きはよかった。
たぶんSSをまじめに書いておられる分、後書きとかで弾けちゃうんだろうなw

草薙さんお疲れです。のび太引っ張りまわされているな。お気の毒だw
安藤さんってもっとワイルドな話し方だった気がする。口臭がきつそうな感じの。
のび太、もう永田さんなら10秒で倒せる位強いだろwヒョードルより強いかも。
あと、よく同じミスするなw 慌てずに頑張ってな。

488作者の都合により名無しです:04/12/30 20:57:10 ID:ItEomF5i
ていうか、あと50KBで次スレかよ。
職人さんたち年末なのに頑張りすぎだw俺としては嬉しいけど。
しかし、明らかに投げ出しくさい作品とかどうするの、テンプレ?
489作者の都合により名無しです:04/12/30 21:01:10 ID:41TGpH25
NB氏気長に頑張って下さい。来年も期待してます。
草薙氏、のび太振り回されてますね。来年もよろしくね。
それにしてもザクさん、ぽんさんはどうしたんだろう。
490作者の都合により名無しです:04/12/30 21:30:40 ID:iCUZ6fac
>>489
いい加減死ねよ
491作者の都合により名無しです:04/12/30 21:33:23 ID:ItEomF5i
>>489
もうそのネタ秋田よ。
ザクさんやぽんさんの名前じゃなく、他の方の名を入れるべきだ。
ネタにマジレス我ながらカコ悪いが。

じゃあ、バキスレ住民のみんな、よいお年を。
年明け3日まで俺は2ちゃん見れないけど、年が明けてスレ開いたら
作品いっぱい立ったりすると嬉しいな。
しばらくご無沙汰のマルチやスチールやローマとかが着てるとなお嬉しい。
ユル氏は、進路問題で厳しいかな?

ではよいお年を。
492虹のかなた:04/12/31 02:13:46 ID:MlD7xREP
ごきげんよう、皆様。>>442の続きです。



それに気が付いたのは、祐巳だけではないようだった。
志摩子さんの言葉に、一瞬、ジュネさんの表情が曇ったのだ。
「確かに遅いですわね」
志摩子さんに答える形でそう言った瞳子の視線はジュネさんに向いている。
一方のジュネさんは、眉間に皺を寄せたまま口をつぐんだままだ。
「迷子になるはずはないんだけどなぁ」
校舎から薔薇の館まではいくつかのルートがあるけど、そのどれも迷子になりようがないほどにわかりやすい。
斗貴子さんは祐巳と違ってしっかりしてそうだし、あの道を間違うことはないような気がする。
「何かあったのかしら」
志摩子の問いかけは、その場にいる全員に向けられたモノ。志摩子さんの憂い顔につられるように、祐巳もだんだん不安が
増してくる。
「見てきましょうか?」
乃梨子ちゃんが椅子から腰を浮かせた。
「きっと、お友達にでもばったり会ってしまって話し込んでいるのだと思います」
妙な説得力を持った沙織ちゃんの言葉に、乃梨子ちゃんは浮かせた腰をもう一度椅子に落とした。
「そうかな?」
「ええ」
なぜそう言い切れるのかはわからないけど、沙織ちゃんは確信を持ってそう答えた。
ジュネさんの表情が今度は複雑に曇る。
それに気が付いたのは、今度は、祐巳だけだった。




493虹のかなた:04/12/31 02:16:44 ID:MlD7xREP
斗貴子は、中庭で少女と対峙していた。
少女と言うよりは…元・少女。人外のモノへと姿を変えた彼女は、焦点の合わない瞳を斗貴子に向けたまま、抑揚なく笑い
続けている。
数分前、一年藤組の教室で彼女がホムンクルスへと変貌を遂げた瞬間、斗貴子は空いていた窓から外へと飛び出した。
待機モードのバルキリースカートを制服の下に隠したまま、彼女が追いかけてくるのを待つ。
――まだ、ただの人間だと思わせておいた方がいい。
教室の外には何人かの生徒がいた。この場で戦って、彼女たちを巻き込むわけにはいかない。
幸い外に人影はない。どこか戦いに適した場所まで誘い込まなくては。
少しの間をおいて、彼女が窓から現れる。
(…一体、何のホムンクルスだ)
彼女のウエストから制服を突き破って、大きな赤い花弁のようなモノが生えている。
三枚のそれが少女の胸元までを覆っていて、まるで花の中から上半身が生えているような感じだ。
辛うじて吊られているスカート中で何かが蠢いているのが確認でき、斗貴子は表情を険しくした。
元・少女が完全に追いついたのを待って、校舎に背を向けて走り出す。
ズルズルと重い物を引きずるような音をたて、彼女は斗貴子を追う。
一定の距離を保って走っていた斗貴子の背後を目掛け、何か鋭い物が風を切った。
散らされた数本の髪の毛を宙に残し、反射的に横に飛び退く。
そこで初めて、斗貴子は後ろを振り返った。――そこは、中庭だった。ちょうど薔薇の館の入口の真裏となる。
斗貴子と向い合った彼女は、途絶えることのない笑い声を発し続けたままだ。
彼女のスカートの中から、緑色の大きな葉が伸び、ゆらゆらと揺れている。
その様子から、斗貴子はようやく彼女のベースとなった生物に思い至った。…赤い、チューリップ。光沢を含んだ絹のような
花弁と大振りの葉。多分、間違いないだろう。
チューリップは斗貴子も知っているほどの有名な花だ。およそ戦闘や迫力などとは無縁の可愛らしい花だが…ホムンクルスと
なるとこうも気味が悪いモノになるとは…。
口元を歪ませたまま笑い続ける彼女の瞳は、食料を目前にし、暗く輝いている。
494虹のかなた:04/12/31 02:17:37 ID:MlD7xREP
「…一つ、聞きたいのだが」
「なにかしら?私の邪魔をしたことを謝りたいの?」
「…オマエを造ったのは誰だ?」
ホムンクルスは自然発生するモノではない。チューリップをベースとしてホムンクルスの本体を造り、それをこの少女に寄生
させた人間がいるはずなのだ。
元凶はそいつだ。なんとしても探し出さなくては。
「まぁ。どうしてそのようなことを気にされるのかしら?あなたは今から私に食べられてしまうというのに」
クスクスと笑い続ける声が、ひどく耳に障る。制服のスカートを握りしめる斗貴子の両手に力がこもる。
「答えないのならば…」
斗貴子のスカートが、勢いよく翻った。
「…答えてもらうまでだ!!」
一気に戦闘モードとなった処刑鎌が、その刃を伸ばす。
広げられた四本の鎌と斗貴子の尋常ではない気迫に、少女の笑い声が止まる。
「それは何ですの…?」
「こちらの質問に答えてもらおうか」
斗貴子には、この少女の疑問に答える気は全くない。ホムンクルスを相手に会話など必要はない。
「…あなた、何者ですの?」
やっと斗貴子が“普通の人間”ではないと気が付いた少女の瞳が、暗い光を帯びる。
風を切って緑色の葉が斗貴子へ襲いかかる。“普通の人間”には、まず避けることが出来ない速さ。
地面と水平の角度で動くそれは、切れ味を確かめるまでもなく研ぎ澄まされた刃と化していた。
斗貴子は、少女を睨んだまま動かない。
食料を手に入れたことを確信し、少女は再び微笑んだ。が、次の瞬間、その微笑みは驚愕に凍り付く。
高い金属音を立てながら、葉が鎌に受け止められたのだ。
驚きに見開かれた少女の目を真っ直ぐに睨みながら、斗貴子は再度問いかける。
「オマエを造ったのは誰だ?素直に吐くのなら楽に殺してやる。…吐かないのなら…」
再び斗貴子を目指した葉が、一閃で両断される。
「……地獄の苦しみの中で殺してやる」
狂気と紙一重の殺気を含んだ斗貴子の瞳に、少女の身体は震え始めていた。ホムンクルスとなってから初めて体験する…恐怖。
獲物と捕獲者。その立場は完全に逆転していた。
495虹のかなた:04/12/31 02:22:05 ID:MlD7xREP
「斗貴子さん…あなた…何者なの…?」
涙で滲んだ問いかけを無視し、斗貴子は地面を蹴った。真っ正面から少女へ向かう。

「来ないでえええええ――――っ!!!」

少女の悲鳴と同時に繰り出された数枚の葉が、斗貴子の行く手を阻もうとする。が、それらは全て、斗貴子に触れる前に両断される。
速すぎる鎌の閃きに、少女がそれを認識した時にはもう、斗貴子は彼女の目前にいた。
刃物が血肉を切る独特の音と共に、少女の上半身と下半身が切り離される。
地面に横倒しになりながら絶叫する少女の肩に、一本の鎌を突き刺す。溢れ出た血が、赤い花弁に深みを与える。
更に絶叫を高くした少女を、斗貴子は冷ややかに見下ろした。
「もう一度だけ聞く。オマエは誰に造られた?」
「わ…わたしは…」
涙と血を吐きながら少女が斗貴子を見上げる。その目が何かを捕らえ、再び少女の顔に笑みが戻る。
少女の視線を辿り、振り向いた斗貴子の鼻先を何かが掠めた。
(…弾丸?!)
小さな、目で捕らえきれない速さの何か。一発ではない。地面には少なくとも数個の弾痕がある。
間を置かずに襲う第二弾を、横に飛びかわす。
地面に横たわっていた少女が、くぐもった声を上げた。
(やられた…!)
一発の弾丸が少女の額を打ち抜いている。血で染まる額にわずかに残る、章印。――ホムンクルスの、致命傷である。
少女の身体が、塵となって消え始める。
(口封じか…)
ぐるりと辺りを見渡すも、敵の気配は感じられない。
(どこにいる…)
右側から空気を裂くわずかな音を感じ、斗貴子は後ろへと飛び退く。だが、その着地点にはすでに新たな弾丸が放たれていた。
(避けきれない…!!)
496虹のかなた:04/12/31 02:23:10 ID:MlD7xREP
怪我を最小限に抑えようとする戦士としての習性から、バルキリースカートが鎌首をもたげ直撃を免れようとする。
不意に、斗貴子の視界に影が差した。
風を切ると言うよりも、空間を切り裂くような鋭い――――音。
一瞬のうちに弾き落とされた無数の弾丸が、パラパラと地面に落ちる。
斗貴子の視界を遮るのは、深い色の制服。

「…遅いから迎えに来た」

斗貴子を振り返りもせずにそう告げたのは、高等部で唯一の金色の髪の生徒――ジュネ、であった。


497ミドリ ◆5k4Bd86fvo :04/12/31 02:24:29 ID:MlD7xREP
今回はここまでです。

それでは、ごきげんよう。よいお年を。
498作者の都合により名無しです:04/12/31 10:44:51 ID:q4AwtOG6
ミドリさんごきげんよう。

斗貴子さんと謎のホムンクルスとの戦い、いよいよスタートですか。
(謎の銃弾とジュネさんにより中断されましたが)
ついに何かが動き出しましたね。チューリップの元少女は少しかわいそう。
でも、>彼女のウエストから制服を突き破って〜 からの描写はなんかHだw

よいお年を。
499作者の都合により名無しです:04/12/31 13:05:11 ID:6iKtvG1t
ミドリたんお疲れ様。
今回は萌えではなく燃え展開ですね。
ジュネとトキコはその内戦いそうな雰囲気。
来年までごきげんよう。
「カンパーイ!」
乾杯の音頭とともに、ドリンクの入ったグラスが高々と持ち上げられ、あちこちでグラスが触れ合う音がする。
ここは日の暮れかけた無人島―――のび太たちが遊びに行ったあの場所だった。
そこで今回の一件に関わった人々が集まり、ささやかながら賑やかしくパーティーを始めていた。
みんな楽しそうでいて、どこか寂しそうでもあった。
何故ならこのパーティーは祝勝会であると同時に―――のび太たちとのお別れ会でもあったから。
あの戦いから既に一週間以上が過ぎていた。その間の調査により、アザミの言葉が正しかったことが証明された。
いわく―――<サイバスターを使えば次元断層を作れる>。
すなわち、のび太たちは元の世界へと帰れるようになったということだった。だがそれは―――この世界から、
のび太たちがいなくなるということだった。
だからこそのこのパーティーである(無人島を選んだのは、サイバスターを人目のつく場所には置けないという
配慮であった)。
最後ということで、みんな無礼講に振舞っていた。
スネ夫は多少大げさに今回の一件の顛末を女性陣に自慢げに話していたし、神王は既に樽一つ分の酒を空にしていた。
のび太とドラえもん、そして稟は三人で何かと他愛のない話に興じている。
亜沙は一緒に呼ばれていた母親とぴったりと寄り添うようにしていた。
魔王とジャイアン、そしてプリムラは、何故か姿が見えなかった。
そして、しずかは―――
「よう。何暗い顔してるんだ?」
「あ・・・神王さま・・・」
神王に話し掛けられしずかは顔を上げたが、そのまま黙りこくってしまう。
「・・・アザミのことを考えてたのか?」
「・・・はい。結局、どうなるんでしょうか、あの人・・・」
神王は少し迷っているようだったが、答えた。
「あれだけの事をしたからな・・・。多分、生きてるうちに外には出られねえだろう。・・・というより、
後一年身体が持つかどうかもあやしい」
「それって、どういうことなんですか?」
「あいつは、自分の身体に魔力強化のための処置をムチャクチャに施しててな・・・そのせいで既にボロボロだ。
だからまあ・・・長くはねえ」
「・・・・・・」
しずかはまたしても黙り込んでしまう。そんなしずかに、神王は続ける。
「なあ・・・自分が余計な事をしちまった、なんて思ってるか?」
「・・・・・・」
神王は黙り込んだままのしずかを見てふっと笑い、言った。
「アザミの奴は、そう思ってないみたいだがな」
「え・・・?」
「あいつに会いに行ったらな・・・お前に伝言を頼まれた。自分で確かめてみな」
そう言って神王は胸元から手紙のようなものを取り出す。しずかはそれを読んだ。
<私はこれから先も、自分がしたことを後悔することは恐らくないでしょう。しかし、いつか―――ほんの少しの確立ですが、
後悔することがあるかもしれません。あの時死んでいたら、きっとその僅かな可能性も無くなっていました。
だから―――あなたたちが助けてくれたことを、感謝します。ほんの僅かでも―――可能性を示してくれた事に>
「・・・アザミ・・・」
「あいつはあれでも、お前らに感謝してる―――それでいいじゃねえか」
「・・・はい!」
しずかは暗さを吹っ切ったような顔で、元気良く答えた。
神王はニッと笑い―――
「さて・・・そろそろ奴らの準備が終わったかな・・・俺もちょっと行ってくらあ」
そう言って、どこかへ行ってしまった。
「・・・そう言えば、タケシさんたちはどこに行ったのかしら・・・?」
その答えは、じきに明かされることになった―――
「みんな!ちょっと聞いてほしい!」
突然の大声に皆がそちらの方を向く。そこに立っていたのは、ド派手な衣装に身を包んだジャイアンと魔王、
そして神王だった。ジャイアンと神王はマイクを持ち、魔王はギターを持っていた。
「俺たちはもう今日を最後にサヨナラしちまう―――そこで俺は考えた。俺に出来ること―――
それは歌うことだけだ!」
「「「「ドハアアアアアアアーーーーーーーーーっっっっ」」」」
のび太、ドラえもん、しずか、スネ夫の四人は、飲んでいたドリンクを盛大に吐き出した。
「そして今日はスペシャルゲストとして、神王のおっちゃんが俺と一緒に歌い、そして魔王のおっちゃんが
ギターをやってくれることになっている!」
その言葉に反応したのは、彼らの娘であるシアとネリネの二人であった。
「お・・・お父さんの歌・・・!?」
「お父様の・・・ギター!?」
そんな四人と二人の様子を見て、稟は底知れぬ悪寒を感じた。何か―――恐ろしい何かが、起ころうとしている。
「歌だって。楽しみだね、あーちゃん」
「そうだね、お母さん」
何も知らない亜沙と亜麻の母娘は、楽しそうに笑う。
「よおしいくぞ!俺たちの歌とギターを聴けエエエエエ―――――――!!!」
ジャイアン、神王、魔王。ある意味で人間、神族、魔族それぞれ最恐の三人のコンサートの幕が上がった―――

―――三十分後。
「ふう―――歌ったな」
神王が汗を拭きながら満足げに言った。
「そうだね。いや、気持ちのいい演奏が出来た」
魔王も楽しげに笑う。
「いやあ、おっちゃんたちがあんなに歌とギターが上手いなんて思わなかったぜ」
ジャイアンは二人を称える。そこでやっと三人は気付いた。
「ところでなんでみんな泡を吹いて身体を痙攣させながら倒れてるんだ?」

――――――――――――合掌。
503サマサ ◆2NA38J2XJM :04/12/31 13:36:50 ID:pn2JkvIF
投下完了。
そして開幕、最終章。あと三回の投下で終わる予定です。

ちなみに神王が音痴だったり、魔王のギターが凄まじいという設定はありませんが、
どう考えても神王は音痴だと思っています(笑)

それではごきげんよう。よいお年を。
504作者の都合により名無しです:04/12/31 14:19:10 ID:6iKtvG1t
そうかあ。あと3回ですか。寂しいな。
賑やかで、それでいて儚げなパーティにふさわしい
歌声で締めましたかwサマサさん、よいお年を。


新年早々次スレっぽいなw
505作者の都合により名無しです:04/12/31 16:24:14 ID:93EUsaYH
サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!
サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!
サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!
サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!
サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!
サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!
サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!
サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!
サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!
506作者の都合により名無しです:04/12/31 17:27:23 ID:DLZt8Sr8
見事にジャイアンの歌に耐えたのか、凄いな魔王と神王。
507女の子らしい胸……その理由:04/12/31 18:52:22 ID:FQTO7GGa
>>453
砂と涙と鼻水にまみれ、土下座し懇願する本部。その姿は痛々しいの一言だが、
「わ、悪いけどオレ、そういうのは……ごめんっ!」
ぴゅう、と響子は逃げ出した。すかさず本部は立ち上がり、追いかけようとする。と、
「待たれい、本部さん」
聞き馴染んだ声に、呼び止められた。振り向けばそこに、渋川がいた。
「あの子に弟子入りする、とか言うとったが。やめられよ」
「な、なぜですかっ! 渋川老だってご覧になられたでしょう? あの子の技を!」
「ああ、見た。先に言うておくが、おそらくわしが本部さんと同じように投げ合っても、
勝ち目はないな。間違いなく、同じようにころころ投げられるじゃろ」
淡々と語る渋川の言葉に、本部の目がこれ以上ないほど大きく大きく、見開かれた。
「しかしな本部さん。あの子の技は、わしらの知る柔術ではない。おそらく仙術か何か、
そういった人外の力じゃ。教わってできるものではない。加えて、あの子の相じゃ」
渋川は空を見上げて、そこに響子の顔を思い出し、描いた。
「あの子の運命には、べったりと張り付いておる。深く暗い闇が。巨大……というより、
醜くおぞましい何かが、の。おそらく、わしらではどうにもできぬ遠い世界のこと。
酷なようじゃが、あの子には関わらぬ方が良い。じゃがな、案ずることはない」
渋川が、前に向き直りながら言った。
「あの子には、張り付いた闇の反対側に、光が寄り添っておる。深き闇に抗しうる、
強き輝きを持った光がな。おそらくはあの子の朋友という形で……って」
渋川の正面。そこには、もう本部はいなかった。
本部はその頃、既に響子を追って、駆けて駆けて駆けまくっていたのである。
『渋川老が、ご自身で認められた! 神余殿には勝てぬ、と! これはもう絶対に、
何が何でも神余殿の弟子となり、その技を学ばねばなら……ぬおっ!』
いた! 前方約二十メートル、標的・神余響子発見! 向こうもこちらに気づいた!
「も、本部さんっ!?」
「神余殿っっ! 逃がしませぬ、逃がしませぬぞおおおおぉぉ!」
壮絶な追いかけっこが、始まった。
508女の子らしい胸……その理由:04/12/31 18:53:00 ID:FQTO7GGa
紅い夕陽に照らされる、落書きだらけの刃牙ハウス。刃牙が、スーパーの袋をぶら下げて
帰ってきた。いつものスーパーの、閉店間際の割引セールで買い込んで来たところだ。
「いやぁ大漁大漁。こんなにコロッケが残ってたなんて、今日はいい日だ」
ホクホク顔の刃牙が、鍵を開けて家に入ろうとすると……
「あ〜もう、しつっっこいっ!」
作務衣姿の女の子が、長い髪をなびかせて、通りを全力疾走してきた。刃牙には
目もくれず、そのまま刃牙の後ろを駆け抜けて走り去っていく。直後、
「神余殿ぉ! 神余殿ぉぉ! か〜な〜ま〜り〜ど〜の〜おおおおぉぉっ!」
その女の子を追いかけて、本部が走ってきた。これまた刃牙には目もくれず、
神余とかいう女の子をただただ追いかけ、土煙を巻き上げて走り去っていく。
「な、何なんだ。何が起こってるんだ?」
刃牙が呆然と立ち尽くしていると、またあの女の子が走ってきた。どうやら
この辺りをグルグルと追いかけっこしているらしい。
とりあえず、刃牙は家のドアを開けた。そして手招きする。
「えと、神余さん? よくわかんないけど、一旦ここに隠れて。早くっ」
本部に追われている女の子は、一も二もなく刃牙の誘いに応じて家に跳び込んだ。
刃牙は素早くドアを閉めて、そしらぬ顔で口笛を吹く。
間もなく、本部が走ってきて、
「むぅ。見失っ……お、刃牙。今この辺に、作務衣を着た女の子が来なかったか?」
「その子ならあっちに行ったよ」
「そうか、かたじけないっ!」
刃牙の指したデタラメな方角へ、本部は疾走していった。
それをしかと見送ってから、刃牙は家に入る。先程の女の子は、律儀に玄関で立っていた。
「もう大丈夫だよ。ああ、上がって上がって。しばらくここにいた方がいいだろ」
「ありがとう」
女の子は一礼すると、カンフーシューズを脱いで上がり込んだ。刃牙もそれに続く。
「神余さん、でいいのかな。どうして本部さんに追いかけられてたの?」
「それは……」
509女の子らしい胸……その理由:04/12/31 18:54:02 ID:FQTO7GGa
言えない。チョーモンインのことは一般人には秘密だし、それを隠して喋ると、響子が
本部を実力で負かしたという話になってしまう。そういう噂を広めて、範馬勇次郎を
おびき出すのが任務ではあるのだが、あの本部の落ち込みぶりを見てしまうと。もう。
などと思い悩み、響子が返答に窮していると、刃牙が先に話しかけてきた。
「あのさ。君を追いかけてた人、本部さんっていうんだけど、その……悪い人じゃ
ないんだ。何があったか知らないけど、多分誤解とかすれ違いとか、そういう」
「いや」
響子が、力なく首を振った。
「誤解なんかじゃない。確かに、本部さんは悪くないよ。オレが悪いんだ」
特別ボーナスに釣られて、一もにもなく引き受けたこの任務。だが考えてみれば、
インチキ技で武術家の誇りを傷つけしまう、という展開は読めたはず。
なのに、そんなことも考えずに、自分は。軽々と。気軽に。軽率に。
「そうだよ、オレが悪いんだ。金に目が眩んで……うぅ、やるんじゃなかった」
だが今更帰れないし、けど任務続行も困難。響子は深刻に、本格的に落ち込み始めた。
で刃牙は刃牙でそんな響子に、何をどうしていいやら解らず、困る。脊髄反射で
匿ってはみたものの、悩める女の子を励ます術など、持ち合わせていないわけで。
「え〜と、その。とりあえずもう遅いし、家まで送ろうか? 家の人が心配してるだろ」
「家の……あ、定時連絡の時間だ! ごめん、ちょっと失礼」
響子は肩掛け鞄の中から、携帯電話のような機械を取り出した。
これもカンチョウキと同じくチョーモンインの道具、『モドキ』。超能力観測装置への
アクセスや、異世界との通話などが可能な通信機である。
「もしもし、神余です。あの、母さんの具合は? ……っ!? そ、それで? ……はい、
食事は冷蔵庫の……ええ、くれぐれもそれ以外は……ん? もしもし? もしもし!?」
モドキを耳から放して、見てみる響子。『圏外』と出ている。
「! く、くそっ。この世界ってそんなに辺鄙な空間だったのか?」
どうやら元の世界に戻らないと、通信はできなさそうだ。だが転送ブレスはまだ
使用不可。転送システムのエネルギーチャージに、おそらくあと二、三日はかかる。
響子が頭を抱えていると、今の通話を聞くともなしに聞いていた刃牙が、訊いた。
「母さんが、入院でもしてるの?」
510女の子らしい胸……その理由:04/12/31 18:55:06 ID:FQTO7GGa
「ああ。今、サナトリウム(療養所)に入ってるんだ。ちょっと特殊というか厄介な
病気でさ、介護をヘルパーさんに任せてる日は、こうして確認しないと不安なんだ。
できれば自分がずっと着いてていたいけど仕事が……って、ごめん。グチを聞かせたな」
響子は焦りを冷ましつつ、ばつの悪い顔をして、刃牙に向き直った。すると刃牙は、
「…………か、か、神余さんっっ!」
いきなり、がしっ! と響子の両肩を掴んだ。その両目は、うるうる潤んでいる。
「な、なんだよ。どうしたんだ、急に?」
「介護とか仕事とか、大変だろうけど……母さんのこと、大切にしてあげてねっっ!」
どっ、と刃牙の目から涙が溢れ出た。どうやら自身の体験というか経験上、
こういう母親絡みの話には弱いらしい。自分は何もできなかった、という思いか。
「そうだ神余さん、何か俺に手伝えること、ない? あったら遠慮なく、」
「い、いいよいいよ。あ、匿ってくれてありがと。オレそろそろ行かないと」
だったら送っていく、という刃牙の申し出を丁重に断って、響子は刃牙ハウスを出た。
刃牙は玄関先に立って、涙の向こうに響子の姿が見えなくなるまで、見送る。
「いるんだなあ、現実に。ああいう女の子が。そうか、それでお金も暇もないから、
あんなに地味というか飾りっ気のない服で。おしゃれなんかできなくて。うぅ、いい話だ」
と刃牙が、家に戻ろうして……ふと、足を止めた。
「ん? そういえばどうしてあの子、本部さんに追いかけられてたんだ?」
・神余さんは、母親の病気でお金に困っている。「金に目が眩んで」とか言っていた。
・改めて思い出すに、服装こそ地味だったが神余さんは結構、いやかなり、可愛かった。
・むしろ本部さんぐらいの歳になると、ハデな子より素朴な子を好むという傾向もあろう。
・重ねていうが神余さんはお金に困っている。で何かをした。だが後悔していた。深刻に。
・そしてその神余さんを、目ぇ血走らせて鼻息荒い本部さんが追いかけていた。
・ということは……もしや神余さん、お金目当てで本部さんに近づいて……
「っっっっ!」
刃牙の頭の中に、十八歳未満お断りなストーリーが、映像が音声が、浮かぶ。次の瞬間、
と、今度は刃牙が目ぇ血走らせてダッシュ! した。目標は本部以蔵、緊急レベル特A!
「ダメだ本部さん、絶対、絶対ダメっ! 格闘士として、いや人間として、
というか男として、やっちゃいけないことがあるっっ!」
511ふら〜り ◆XAn/bXcHNs :04/12/31 18:56:51 ID:FQTO7GGa
>>サマサさん
どうなるかアザミ、どうなるか……とハラハラしてましたが。こうなりましたか。ドラに
してはなかなか、シビアな感じですね。手紙の中の、「感謝」の一言が微かに救いです。
そして。やっぱりこれも外せない、彼の歌。気持ち良さそうな三人の顔が目に浮かびます。

>>バレさん
伊達は本当に、塾長の言葉通り「お山の大将」したかったのか、あの生活で満足してた
のか、先代総長もあの鎧着てたのか、蛇徹槍はどこへ? などなど、謎は尽きませぬ。
で。確かにそういう存在ですね神龍。彼の気持ちなんて考えたことありませんでした。

>>草薙さん
「安藤さんや刃牙と対等に会話するのび太」という図に慣れつつある、というのは何だか。
勇次郎も刃牙も夜叉猿に勝っている、と聞かされた訳ですが、さすがにそれだけで対抗心
燃やすほどではないですね、のび太。けど刃牙が一緒では、戦えなさそうな気もします。

>>ミドリさん
一方的圧倒的そして高圧的、ですな斗貴子。戦闘力のみならず、吐いても吐かなくても
殺す、とか怖過ぎ。それが一転して、ピンチか? と思ったところで……ジュネが
カッコいい! 沙織に密かに命令されて嫌々、かもしれませんが、いよいよ共闘為るか?

>>NBさん
そこまで言われると、さすがにいい加減……原作に興味湧いてきました。いずれ
読んでみたいと思います。

では皆様、よいお年を! 
512作者の都合により名無しです:04/12/31 21:31:20 ID:t1q66n/A
現在423KB

それにしても
>そこまで言われると、さすがにいい加減……
「しつこい」とか「うざい」と続くかと思った。
513 【小吉】 :05/01/01 02:36:24 ID:6kb3M4tW
ミドリさん、サマサさん、ふらーりさんお疲れ様です。
そして住民職人の皆様方、あけましておめでとうございます。
去年はほとんどペース落ちずに作品が投稿されましたね。
今年もこの調子が続くといいですね。
514うみにん:05/01/01 02:52:54 ID:a2CguIWx
新年あけましておめでとうございます。
しけい荘の復活おめでとうございます。
人魚姫、しけい荘、オートマティックレイバー、そしてサマサさんと
長編が続々完結していきますね。乗り遅れないよう頑張ります。
(ひょっとして、もう乗り遅れてる?)
515 【小吉】 【666円】 :05/01/01 13:52:26 ID:GJPqKCX5
バキスレの運勢と今年のお年玉
516 【だん吉】 【1015円】 :05/01/01 15:13:02 ID:wz5fdbpE
↑が微妙なんで大吉を狙ってみるテスツ
517テンプレ1:05/01/01 19:00:08 ID:6kb3M4tW
【2次】漫画SS総合スレへようこそpart22【創作】


元ネタはバキ・男塾・JOJOなどの熱い漢系漫画から
ドラえもんやドラゴンボールなど国民的有名漫画まで
「なんでもあり」です。

元々は「バキ死刑囚編」ネタから始まったこのスレですが、
現在は漫画ネタ全般を扱うSS総合スレになっています。
色々なキャラクターの新しい話を、みんなで創り上げていきませんか?

◇◇◇新しいネタ・SS職人は随時募集中!!◇◇◇
SS職人さんは常時、大歓迎です。
普段想像しているものを、思う存分表現してください。

過去スレや現在の連載作品は>>2以降テンプレで

前スレ
【2次】漫画SS総合スレへようこそpart21【創作】
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1102237585/
まとめサイト  
http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/index.htm

518テンプレ2:05/01/01 19:01:23 ID:6kb3M4tW
俺達で「バキ死刑囚編」をつくろうぜ
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/01.html
俺達で「バキ死刑囚編」をつくろうぜ 2
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/02.html
俺達で「バキ死刑囚編」をつくろうぜ 3
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/03.htm
俺たちでオリジナルストーリーをつくろうぜ
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/04.htm
「バキ」等の漫画SSスレPart 5
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/05.htm
バキスレだよ!! SS集合! Part 6
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/06.htm
バキ小説スレ Part7
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/07.htm
【総合】バキスレへようこそ Part 8【SSスレ】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/08.htm
【バキ】漫画SSスレへようこそpart9【スレ】 (「少年漫画板」移転)
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/09.htm
【バキ】漫画SSスレへようこそpart10【スレ】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/10.htm
519テンプレ3:05/01/01 19:02:06 ID:6kb3M4tW
【バキ】漫画SSスレへようこそpart11【スレ】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/11.htm
【バキ】漫画SSスレへようこそpart12【スレ】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/12.htm
【総合】漫画SSスレへいらっしゃいpart13【SS】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/13.htm
【総合】漫画SSスレへいらっしゃいpart14【SS】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/14.htm
【バキ】漫画ネタ2次創作SS総合スレP-15【ドラえもん】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/15.htm
【2次】漫画ネタSS総合スレ16【創作】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/16.htm
【総合】漫画SSスレへようこそpart17【SSスレ】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/17.htm
【2次】漫画SS総合スレへようこそpart18【創作】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/18.htm
【2次】漫画SS総合スレへようこそpart19【創作】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/19.htm
【2次】漫画SS総合スレへようこそpart20【創作】
http://ss-master.hp.infoseek.co.jp/kakorogu/20.htm
520テンプレ3:05/01/01 19:06:09 ID:6kb3M4tW
※ほぼ連載開始・復活順 ( )内は作者名 リンク先は第一話がほとんど

ドラえもんの麻雀教室(VS氏)
 http://park14.wakwak.com/~usobare/dora/gateway.html
ドラえもん のび太の地底出来杉帝国(うみにん氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/dekisugi/01.htm
4×5(ユル氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/4x5/1-1.htm
ラーメンマン青年記(パオ氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/ra-men/01.htm
ザク(ザク氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/zaku/01-raou.htm
超格闘士大戦(ブラックキング氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/tyo-kakuto/01.htm
AnotherAttraction BC (NB氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/aabc/1-1.htm
ドラえもん のび太の神界大活劇(サマサ氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/sinkai/01.htm
AoB(仮)(ユル氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/yuru/03-1.htm
ディオの世界(殺助氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/dio/01.htm
マルチメディアinユーラシア(名無し氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/multi/01.htm
521テンプレ5:05/01/01 19:07:03 ID:6kb3M4tW
空手小公子愚地克己(メカタラちゃん氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/mekatara/01.htm
スチール・ボール・ラン 1st stage(スチール氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/steel/01.htm
輪廻転生(草薙京氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/rinnne/01.htm
のび太と大ローマ(名無し氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/ro-ma/00.htm
ドクターゲロのほんのお遊び(ゲロ作者氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/gero/01.htm
虹のかなた(ミドリ氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/niji/01.htm
帰ってきたドラえもん外伝(草薙京氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/kusanagi/01.htm
蟲師(ゲロ作者氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/gero/01.htm
オムニバスSS劇場(バレ氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/bare/16.htm
B氏の平穏な日常 或いは家出(ぽん氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/pon/05.htm
しけい荘物語・番外編(サナダムシ氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/sikei/extra-01.htm
女の子らしい胸……その理由(ふら〜りさん)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/furari/14.htm
522テンプレ作った奴:05/01/01 19:13:41 ID:6kb3M4tW
間違いないかな?
正直、結構間が空いている作品もあるけど、
連載作品2レスで収まるので今回は入れました。
「だいらいたいさい」は続き物かどうかわからないので
今回は外しました。すみません。
523作者の都合により名無しです:05/01/01 19:40:39 ID:GJPqKCX5
蟲師は完結してるんじゃない?
確か3ヶ月くらい更新の無い4×5もはずしていいと思う
524テンプレ作った奴 :05/01/01 20:49:57 ID:6kb3M4tW
蟲師完結かなあ?
ワンエピソード終わっただけだと思ったけど。
俺結構好きなんだよねこの作品。原作もSSも。
ユル氏の両作品(4×5とAoB)については、
確かに両方とも軽く2ヶ月以上たってるんだよね。俺も困った。
でも、「だいらいたいさい」が一ヶ月前に掲載されたからとりあえず。

まあいいや、次スレ立てる人に任せるよ。
525作者の都合により名無しです:05/01/01 21:59:11 ID:T3P9Yv52
俺が立ててみる。
立てられないときはよろしく。
526作者の都合により名無しです:05/01/01 22:11:35 ID:T3P9Yv52
すまん、なんか変な表示が出て立てられんかった・・・。
よろしく頼む。
527作者の都合により名無しです:05/01/01 22:22:22 ID:gDTqOmMR
じゃあ俺がチャレンジしてみる。
少し早い気がするが、元旦に立てるのは目出度いからな。
528次スレ誘導:05/01/01 22:32:11 ID:gDTqOmMR
【2次】漫画SS総合スレへようこそpart22【創作】
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1104585872/l50

とりあえず3ヶ月更新無いユル氏の作品も
蟲師も、しばらく来てない作品もテンプレに入れた。
次スレ内でユル氏やスチール氏(調べたら11月8日以来来てない)が
来なかったら(もしくは連絡無かったら)テンプレから外す、でいいんじゃない?
529作者の都合により名無しです:05/01/01 22:36:52 ID:gDTqOmMR
>>527
2並びですごいね>時刻

立てたはいいが、三が日は流石に作品来ないか?
少し焦ったか?まあいいや、正月だしな。

>うみにん氏
あけましておめでとうございます。
そんなに急がなくとも、長く楽しませて欲しいな。
530作者の都合により名無しです:05/01/23 03:28:17 ID:iY+ox/Ga0
保守
531作者の都合により名無しです:05/02/03 15:04:14 ID:184ALGiZ0
532作者の都合により名無しです:05/02/03 15:05:01 ID:184ALGiZ0
誤爆スマソ
533作者の都合により名無しです:皇紀2665/04/01(金) 05:13:39 ID:6SOjoun10
馬鹿が見る
534作者の都合により名無しです:2005/06/30(木) 00:19:03 ID:pVcd1A/70
バキスレだらけだな下のほう
535作者の都合により名無しです:2005/08/31(水) 09:00:22 ID:14/OHXHq0
かち
536作者の都合により名無しです
ふむ