【総合】漫画SSスレへいらっしゃいpart13【SS】
おもちゃ
休日のためであろう。朝早くから、この公園は子供達による賑わいを見せていた。
忙しく駆け回る子供、遊具を使用する子供、年相応にふざけ合う子供。
欲求こそ同じものの、それを満たす手段は様々であった。
そんな中、一人の少年がある不気味な物を発見した。
紫色で、どことなく湿っている手首。もちろん、まだ幼い少年に分かるハズもない。
「なんだ、コレェ〜?」
少年は最も柔らかい部分に木の棒を突き刺し、それを所有する事に成功した。
手に入れたならば、次は使ってみようとするのが人情というもの。
少年は、これを使った単純で効果の高い悪戯を思いついた。
明らかに異様なその物体を、友達の顔や体に押し付け始めたのだ。
「何すんだ!」
「うわッ」
「ヘンなもん近づけるなよ、バカ!」
当然抗議を喰らうが、こんなに面白いコトを中断する理由などない。
面白がって続けていると、公園内にある異変が起こり始めた。
悪戯していた少年以外、誰も立っていない。
うずくまって苦しがっているか、全く動かないかのどちらかである。
「み、みんな・・・・・・?」
少年は本能で悟った。この状況は、自分の右手が持っている物が作り出したのだと。
事態の深刻さは理解できた。が、それ以上にこの物体に心を奪われていた。
「もっとやろうっと」
少年は公園を走り去っていった。
4 :
世界:04/03/15 01:34 ID:SoDpjSrx
「E〜〜〜〜〜ッ」イコール「エ〜〜〜〜〜ッ」ですね
確認ッ!
お疲れさまです世界さん。新スレ一番乗りですね。
今回はちょっとホラーっぽいw
>>1 乙です。深夜にグッジョブ。
●バキSSスレ しりとりのルール●
・”ん”がついたら、その手前の題から再スタート
・漫画のタイトルONLYでしたが、漫画のネタならもうなんでもいいです。
・濁点の有無は関係無いです 例:ルーキーズ→スクライド
・新スレとともにリセットされます。が、なるべく既出のネタは控えるのが望ましいですね
・ここはSS&しりとりスレです。しりとりだけでなく、キチンとSSに感想をつけましょう
早朝から乙
9 :
8:04/03/15 08:22 ID:7uwkFU0u
スレ立て乙。
世界さん、乙。よくバキだけでネタ続くなw
東京と千葉の県境にあるA寺。
檀家も殆ど無く、普段はほとんど誰も来ない辺鄙な寺である。
そんな寺に、スーツ姿の男が二人、挨拶もなしに入ってきた。
二人とも高級スーツにサングラス、およそ寺には似つかわしくない風体である。
庭で掃除をしていた老住職が、二人の姿を見つけて軽く会釈した。
「こんな時期に珍しいですな。花山の若…いや、二代目。それに木崎さんも」
花山と木崎は寺の裏に、たった一つだけ置かれた墓へと案内された。
大きな石を二つ重ねただけの、いたって簡素な墓である。
墓石には「花山家代々之墓」と彫られていた。
その墓前で、花山はしばらく何も言わずただ手を合わせていた。
「早いものですな。先代の奥方様が亡くなられ、もう三年ですか…」
木崎とともに後ろに控えていた住職が、ぽつりと呟いた。
「木崎」
「はっ」
祈りを済ませた花山の声を聞き、木崎が前に出て薔薇の花束を花山に手渡した。
薔薇の花束。花山の母が一番好きだった花だ。
花山は花束を受け取り、薔薇の花の部分をもう片方の手で握り潰した。
花山の超握力で握り潰された花弁から雫が滲み出て、拳の隙間からこぼれてくる。
その雫、いわば手製の香水を両手に付け、花山は墓石の表面をマッサージでもするように
優しくなでさすった。
「世間じゃ…3月14日はホワイトデーとかいうそうだ」
そう言いながら、花山は墓石全体に薔薇の香をなじませる。
その様子を見て、住職が目に涙を滲ませる。
「懐かしいですな。奥方様が病に伏せっていた頃も、二代目はああしてバラの香を付けて
あげなすった」
木崎は何も言わず、その母子の交流を見ていた。
ホワイトデーに母に会う。
傍から見れば滑稽かもしれない。
しかし、目の前の母子の情の真に通い合う光景は、そんな邪推が消え去るほどに美しい。
この光景を見て尚、それを笑おうとする者はいないだろう。
数分ほどの母との交流を終えると、花山は墓前を離れた。
「戻るぞ」
木崎を呼び、帰りの車を準備させる。
寺の門を出る時に、花山は一瞬足を止め、何かを確認するようにまた歩き出した。
その時の表情は、まるで戦地に赴く武士のようであったと、傍らにいた木崎は思った。
「では、動かします」
花山が車に乗ったのを確認し、木崎が車を走らせた。
行き先は決まっている。東京ドーム。
ここで行われる大会試合に、花山は選手として招待されていた。
大会には興味はなかったが、チャンピオンが彼だと聞いて、参加を決めた。
「刃牙………」
花山は、誰に言うでもなく呟いた。
最大トーナメントが開催される、数時間前の出来事。
(終わり)
一日遅れですが……って、別にホワイトデー関係ないじゃん!
トーナメント開催日って、明記されてませんでしたよね?
14 :
ふら〜り:04/03/15 23:40 ID:Fg4P+LpG
>>1さん
おつ華麗さまです。イメージを一新して、新しい職人さん・読者さんも来易くなったことかと思います。
本年度もまた……もとい、本スレもまた、楽しい場所でありますように。
>>○さん
自販機にめり込んで、血がどろり……うぅむ。原作ではやりようがない、ケンカっぽいスプラッタシーン
ですな。実は私、最初のほうの「伊達と缶コーヒー」が、これまた原作からは想像つかないシーン
だったので強く印象に残ってたのですが、今にして思えば一種の複線だったのかな、と。自販機の存在。
>>世界さん
速さと芸幅の広さが凄まじき世界さん。冷たいホラ〜ですな今回は。「おもちゃ」というタイトルが
また、内容を知ってから見るとひんやり来ます。ちなみに子供が毒手を怖がって投げ捨てる、と予測
しながら読んでしまった私……自分の浅はかさを恥じるべきか、その素直さを可愛いと思うべきか。
あと、確認感謝ですっ!
>>ホワイトさん(仮)
そういえば刃牙との初戦出陣前日でしたか、薔薇の香水をやったのは。で、刃牙と勇次郎の戦いの
前夜、「おふくろが……逝った……」と二人で酒を。この辺のエピソードと、なんだかうまく
溶け合ってますね。しみじみと。で、花山がトーナメントで敗れた相手は、自分と同じく実の親を
亡くしている空手家……あぁ何かこう、勝手にどんどん膨らんでいきます。「しみじみ」が。
>>バレさん
いつもご苦労さまです。まとめサイトがまた一層、厚くなりますね。にしても実際ここまで来ると、
SSそのものだけではなくて、それを書いた時・読んだ時のリアルでのできごとなんかも
思い出されます。まとめサイトがアルバムみたいな感じで。
歴史を綴る人・バレさん、これからもよろしくお願いします!
おお、新人さんか?
よろしく。頑張ってね。
世界さん、ねたを一日3つ、連続で10日という神業に挑戦してくれないかw
あなたなら出来る気がする。
16 :
DIOの世界:04/03/16 03:56 ID:bqQ4jtXq
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-short/dio/06.htm あんたたちに出題しよう。
この世で最も抗えない拷問の道具とは何か? そして最も恐ろしい拷問とは何か?
ま、道具や拷問というには少し語弊があるかも知れない。
ちなみに拷問とは『自白』させる為に発展したものだ。己の罪を。秘密の情報を。
目をくり抜く。性器をエグり取る。内臓を切り裂く。四肢を切断する。
そういう『痛み』によって被拷問者に口を割らせる。それが基本だ。
しかし人間の精神は意外と強い。肉体の痛みは素晴らしい処まで耐え得る事が出来る。
特に、宗教に身を殉じている奴にはな。あ、これ2問目の良いヒントだぜ。
実をいえば、紀元前の昔からそれほど拷問というのは進歩していない。
中世ヨーロッパに道具などの進化はあったが、内実にはほとんど数千年前に完成された。
それ程、拷問というのは権力者にとって為政と合致したものだ。昔も今も。
拷問。それは中世までに極め尽くされている。たった一種類の拷問を除いてな。
少し前置きが長かったな。正解は少し後に教えるとしよう。
どこまであんたに語ったっけ。 ……そうだ、俺のベイビーが生まれた処までだったな。
17 :
DIOの世界:04/03/16 03:57 ID:bqQ4jtXq
カウボーイが俺の目の前で哀れにのた打ち回る。良い姿だ。
だが俺に油断はない。三流とはいえ、未知の能力の持ち主だ。警戒するに越した事は無い。
奴は苦笑して俺を見る。地べたにキスしながら、両手を挙げるポーズでこう言いやがった。
「大したモンだぜ旦那。良いコンビが組めそうだ。これからも宜しくな」
おいおい。カマ掛けるにしたって、もう少しシャレたセリフがあるんじゃねえか?
似合わねえぜプレイボーイ。彼女にベッドで囁くような粋なセリフ、聞かせてみろよ。
そうしたら俺も鬼じゃねえ。ほんの少しだけ長生きさせてやる。
お前が、信じる神様にお祈りを捧げる時間くらいはな。サディステックに笑う俺。
奴の顔が引きつる。とうとう命乞いまで始めやがった。救えねえ。
18 :
DIOの世界:04/03/16 03:57 ID:bqQ4jtXq
「ま、待ってくれ旦那。コンビなんて調子に乗り過ぎた。子分にしてくれっ」
「うるせえよ。あっさり殺してやろうと思ったがヤメだ。どうやら本当にクズだな。
まずその良く回る舌、切り刻んでやるよ」
俺はナイフを振り被る。子ネズミのように震えるホル・ホース。
だがその時、何者かが俺の肩を叩く。まさか? 俺が背後を取られた、だと?
驚愕しながら振り返る俺。だが、誰もそこにはいなかった。
代わりにクソッタレな婆あがこっちを見てニヤニヤ笑ってやがる。不気味な婆あだ。
だが、その時俺は直感する。やはり、この婆あも持っている。俺と同じ能力を。
婆あが顔の中のケツの穴で言いやがった。合格だ、と。続けてこうも言った。
「ひゃっはっは。息子よ、逢わせてやるわい。この世の帝王となるお方を。
我ら親子の永遠の主を。素晴らしい超越者を、全てを支配するお方をなっ」
19 :
殺助:04/03/16 04:01 ID:bqQ4jtXq
ラストに苦労してだらだらになってます。
それからバレ様、いつも保管ありがとうございます。
作品も面白かったです!
小さな世界
自分の妻を殺し、社会のルールに従う事なく傍若無人に振舞う。
そんな鬼のような父親を持ってしまった息子。
運命を悔やむつもりはない。むしろ父親の強さに尊敬を覚える程だ。
きっと世界一不幸であり、幸運だったに違いない。
「あの父親より、ほんの少しだけ強ければいい」
これが少年の最大の目標。だが、それを達成するのは極めて至難である。
仮に全国の男達が持っている野望を、達成難易度順でランク付けしたとしよう。
おそらくこの少年の夢は、その中で最上位に位置するハズだ。
しかし、夢を夢のまま終わらすのでは意味がない。
その少年は、ついに父親との闘いを決意したのである。
戦いは熾烈を極めた。
最高の雄同士の、牙と牙が衝突する。
荒れ狂う闘気、舞い散る殺気、一瞬の油断で全てが終わるであろう緊張感。
全ての事象には終わりがある。
この法則は、親子の死闘にもそのまま当てはまった。息子の勝利、という結果として。
「オヤジ・・・」
「・・・」
「俺の方が、少しだけ強かったな」
「チッ!」
死闘を終え、互いを称え合う二匹のアリ。
その上を、会社をリストラされたばかりの青い顔をしたサラリーマンが通りかかる。
踏み潰された二匹は、走馬灯を見る暇もなく単なる死骸と化してしまった。
21 :
作者の都合により名無しです:04/03/16 15:10 ID:lNzGIyAG
>殺助
いよいよDIOさま登場か。期待してるぜ。
>世界
アリかよwしかし昼に夜によくここまであげてくれるな。感謝。
世界氏、殺助氏乙。
今日VSさん来るな。楽しみ
パオ氏はこのスレではもう書かないの?
まとめサイトで書いてるよ。週に1、2回くらい。
俺もパオ氏に帰ってきて欲しいけど、
彼が帰ってくるとまた荒れるかもしれないからな、このスレ。
せっかく平和になったのに。
うーん、難しいね。
ヤムスレが少年漫画板に来るってよ。
何か邪魔くさいよな。喧嘩にならなきゃいいけど
>>25みたいのが抗争をけしかけるんだろうな。
お前に同意するのは荒らしくらいのもんだ
バキスレ住民・ヤムスレ住民とかぶってる人間は多い。
それなのに戦争煽り厨に乗せられて、関係がおかしくなった。
ほとんどの人間は関係修復を望んでるか、それとも無関心かどっちかだよ。
戦争厨と荒らし以外。
そんな事より殺助氏、世界氏乙。堪能しました。
それとこの雰囲気が続くようならパオ氏帰ってきても大丈夫だと思うが、
やはり危険かな。
>>28 そもそも荒らしの定義を履き違えてるようだが、
荒らそうとする意識のある人間のみを荒らしと呼ぶのではなく、
荒らそうとしたもの、荒らしたもの、結果的に荒らしてしまったものを総称して荒らしと呼ぶんだよ。
ここで明らかにスレ違いの話題や、それに乗って喧嘩を始めたものが全て荒らし。
それが故意であろうとなかろうと関係ない。
だから住人が全員同じ性質でない以上、結果的には荒れる。
お前が言ってるのは「住人なら荒らさない。荒らしてる奴は住人じゃない」という、
1つの願望に似た固定観念で、まさしく「選民思想」に他ならない。
その思想が荒れる要因になるとも気づかず、何時までも異質な住人を排除し続けるその姿勢をまずは改めろ。
しかしそれでも荒らしはなくならない。なぜなら荒らしもこのスレの住人だから。
30 :
28:04/03/16 19:38 ID:ApZBPSTQ
>>29 そうか。ご助言感謝。これから気を付けるよ。ありがとう。
じゃ、気分を新たに再開な。
今日はVSさん来る日か?水曜日だったっけ?
ミキは、今までにない幸せの中にいた。
2週間ほど前、カレシが出来た。彼の名前はヒデ。
きっかけは、女友達に紹介されたことだった。
彼のほうも同じようなきっかけとのことで、それのせいなのか、やけにすんなりと意気投合できた。
そして、3日前にデートを申し込まれたのだった。
デート当日、2歳年上の彼は終始笑顔だった。常に会話をリードしてくれて、ミキにはそれが嬉しかった。
元々、ミキはそう言う類のことが苦手だった。自分でも、内向的な性格だと自覚している。
それだから、自分には恋人なんてものは出来ないと割り切っていた。
現に、17歳になる今日まで異性と付き合うことは皆無だった。
けれど、もう違う。自分は変わるだろう。ようはきっかけなのだ。
夕食を終え、日も沈んだ公園に二人はやってきていた。
大きな噴水を中心として成る、緑地の多い、程よく広い公園である。
草木の香が、噴水の飛沫が、夜の静けさが、二人の男女に心地よい環境を与えていた。
先客のアベックたちがチラホラ見えることを覗けば、完璧に近い。
この海沿いの田舎町のデートスポットとしては上出来である。
ベンチに座ろうと言い、彼は上着から大きめのハンカチを取り出し、それを敷きだした。
いかにも古臭いとミキは思ったが、嬉しさにはかわりなかった。
彼が隣に座っている。それだけで心臓が大きな音を立て始めてゆく。
先ほどから、彼の口数が減っている。
心拍と、二人の後方にある噴水の音だけが耳に入ってくる。
夜の冷たさが、緊張で火照る体には心地よかった。
ミキは、ずっとこうしていたいと思った。ずっと、無言のまま隣り合っていたいと。
彼は、さっきからしきりに腕時計を見ていた。
退屈させてしまっている、とミキは思い、たまには自分から会話を切り出そうと口を開けた。
「それ、イイ時計なの?」
「えっ……ああ、うん。まあ、ね」
彼はすこし驚いたような様子で、慌てた返事をした。会話はそこで途切れてしまった。
話の振りを失敗したのかな。反省をしながらふと前方を見ると、そこには男がいた。
いつからいたのだろうか。3mほど先に、1人の男が立っていたのだった。
街灯に背を預け、こちらをじろじろと、観察するように見ている。そう、見ているだけだ。
「ねえ……」
ミキは隣の彼をつついた。
「え……?」
それで、ヒデもやっと男の存在に気付いたのだった。
覗きか、嫌がらせか。どちらにしろ、相手にはしたくない類の奴だった。
「行こう。」
それだけ言い、ヒデは立ち上がった。寄り添うようにミキも立ち、ベンチを離れる。
「ごめんな、ミキちゃん」
歩きながらヒデが言った。
「ううん」
相返事をしながら、ミキが腕を絡めてきた。
今の嫌な出来事を振り払うかのように、ミキは積極的になっている。
女性特有の柔らかな肉が、腕を通してヒデの脳を刺激する。
二人は、お互いの心拍音を聞いていた。
また数歩歩くと、ヒデが口を開いた。
「ね、ねえ、ミキちゃん。そこで休んでいかない?」
前の茂みを指差し、たどたどしい口調で言った。
「そこ、って…」
そこまで言って、ミキが短い悲鳴をあげた。
消えた。
隣にいたはずのミキが消えた。
腕に当たっていた小さな体が、ない。
今の今まで感じていた、柔らかな感触が殆ど消えうせてしまった。
転んだ、とか、サッと隠れたなんてものではない。いくら暗いといっても、そう簡単に見失うはずもない。
視力は良い方だし、夜目にもすでに慣れている。
茂みに入ったのならば、音がするはずである。しかし、無音だった。
消滅してしまった。これが、この出来事を示す、もっとも短く、もっとも正確な表現に思えた。
そのミキの代わりに、目の前に男が立っていた。先ほど、こちらをじろじろ見ていた男だった。
いつの間に現れたのか。
直視してみると、男というより少年に近いことがわかる。
色が黒い。夜の闇に溶けるほど、というのは少しいいすぎだが、それが地肌だとすれば日本人離れしている色である。
日本人離れしているのはそれだけではない、肌の黒に対照的な、白っぽい美しい髪が緩い光を放っていた。
「か、彼女を何処にやった!?」
まともな答えは期待していなかった。彼女の身に何が起きたのかすら理解できていないからだ。
人が消える。そんなものは、彼の理解の範疇にない。そんなものに、まともな答えなどあるわけがない。
だが、こいつを見たから彼女は悲鳴をあげたのだろう。それだけは理解できた。
「それ、コンドームかい?」
「な……」
しかし、少年が返した言葉は、さらに異常なものだった。
「その腕時計の裏についてるヤツさ」
顔が、かーっと赤くなるのが分かる。
その通りである。友人のアドバイスを鵜呑みにして、そこに貼り付けておいたのだ。何故分かったのか。
ベンチの時に見たのか。いや、時計の裏側など見えるはずがない。
「さっき、何度も気にしてただろ? あれじゃあ、そこにありますよって言ってるようなもんだ」
少年が説いた。
「ああ、もしかして。初めて、ってやつかい?」
自分で行ったことが余程可笑しかったのか、少年がクスクスと笑い出した。
「それじゃあ緊張してあたりまえだよなあ……」
「て、テメェ!」
ヒデが、拳を胸の高さに上げた。さらに、顎を軽く引く。
「俺はボクシングを齧ったことがある」
なるほど、スッと取ったその型はさまになっていた。
常人ならば、いざ殴りあうときにこんなポーズはとらない。
「怪我しない前に彼女を……」
「おまえ、怖いんだろ」
少年の身近な言葉に、ヒデの体が反応を起こした。明らかな動揺。
それを見て、やはり少年は笑い出す。嘲笑である。
「クソ!」
ヒデがパンチを繰り出した。
少年の顔面を狙った、一直線の突きだった。いわゆる右ストレート。
少年のニヤついた顔が、無様に潰れる。鼻骨が砕けるか、前歯が根こそぎ無くなる。
はずだった。
拳には、相手の骨を折る感触も、肉を打つ感触も伝わってこなかった。
空を切った感覚すらない。
それは今まで味わったことのないものだった。
まるで、質量のある暗闇を殴ったような、奇妙な感覚。
別世界。そんな単語が、頭に浮かんだ。
突き出した拳が、少年の顔の前で消滅していた。
「………!?」
声にならない悲鳴が、ヒデの口から漏れている。本人にそれを自覚する余裕は無い。
痛みどころか、拳の感覚がない。腕が、どんどん闇に飲まれてゆく。
「彼女が何処に行ったか教えてやるよ」
消滅が、二の腕にまで達していた。
「ひぃ……」
ようやく出た悲鳴は、わずかなものだった。
「この中さ」
ヒデの周りの景色が消滅した。
木も、街灯も、噴水も、ベンチも、地面も、全てが無くなった。
闇。
今の彼の視界には、それしかなかった。
そしてそれも、じきに無くなった。
実際に公園から消滅したのは、ヒデのほうである。
暗闇の中、それに気付いた者は誰もいない。
「ファイティングポーズが『恐怖のサイン』か……。笑っちまうな」
手にした大き目の『紙』を折りたたみながら、少年は呟いた。
少年――宮本輝之輔である。
はじめまして。さっそくですが書いてみました。
適当に続くと思います。読んでくれれば、それだけでありがたいです。
37 :
ふら〜り:04/03/17 00:07 ID:3izGmHnt
平和で、賑やかで。良くなってきましたよね、ほんとに。
>>殺助さん
おぉ、遂にDIOが……というよりも、殺助さんとこのガイルがどうやって凹まされるのかに注目です。
叛意を含みつつ、なのか心底屈服して、なのか? 今までが今までだけに、楽しみです!
>>世界さん
「あんたが一番弱い生物なら、俺は二番目に弱い生物でいい」を彷彿と。いや、多分刃牙と勇次郎
ではないなとは思ってましたが……よもやアリとは。そして称え合ってるところで「ぷちっ」。哀れ。
>>アメコミさん
スペックあたりが絡むのかと思いましたが、意外でした。ファイティングポーズが恐怖のサイン、
というのはなかなか納得できるモノがありますね。それはそうと絵文両道、お見事です!
リベンジャー
自由の国、アメリカ。
極めて困難な作戦を遂行した兵士達が、ほっと一息つき談笑している。
その時だった。
「あのガキ・・・」
強い怨念と、確固たる意志がこめられた声が、辺り一面に響いた。
その直後、彼らは恐るべき光景を目撃したのだ。
舞台は代わって日本。
夜の公園をデートする刃牙と梢江。その彼らを付け狙うスペック。
しばらくこの状況が続くが、口付けの最中、突如刃牙が殺気を放つ。
スペックも反応し、無防備の二人目掛け拳を振り下ろす。しかし・・・。
「やっと見つけたぞ、このクソガキがッッッ!!」
いきなり現れた巨大な手によって、スペックは無残にも握り潰された。
攻撃は止まらない。地面に叩きつけ、持ち上げ、すり潰し、また地面へ・・・。
やがて巨大な口が、哀れミンチとなったスペックを飲み干す。全ては終わった。
唖然とする刃牙と梢江。そして、花山。
その頃、アメリカでは大パニックが起こっていた。
自由の女神が、勝手に空を飛んで消えてしまったというのである。
「一体、どこへ行ったんだ!」
「太平洋を渡ったとの情報もありますが・・・・・・あっ!」
「どうした? ・・・あ、あれはッ!」
自由の女神は戻ってきた。悠々と飛行しつつ、台座へと着陸したのだ。
「・・・どういうコトなんでしょう?」
「さぁな。神のみぞ知る、と言うヤツだろう」
壮絶な復讐を終えた女神は、その怒りが収まったのか、タイマツを誇らしげに掲げていた。
アメコミさん、世界さん乙。
アメコミ氏…叙情的な書き出しですな。期待してますので、ゆっくり頑張って下さい。
世界氏 …最近の擬人化シリーズ好調ですなwアリに続いて自由の女神かよw
ところでアメコミさんの漫画の元ねたがわからないんだがw
ジョジョ。
宮本輝之輔ってのは、『エニグマの少年』の本名。
ロシアの英雄
大統領をも凌駕する愛国心を認められ、ガーレンは正式にロシア領土となった。
人間国宝というのは存在するが、人間領土というのはこれが初めてだろう。
これからはガーレンの扱いには存分に注意しなければならない。
もし他国の人間が彼に触れれば、それは立派な領土侵犯となる。
また、彼がひとたび海に出れば、彼の半径二百海里はロシアの漁業海域となるのだ。
無断で彼の頭上を飛行機が通り過ぎようものなら、すぐさま国際問題へと発展する。
周囲の人間は大変だが、ガーレン自身も四苦八苦していた。
外国旅行へ行った時など、誰も彼に近寄って来ない。
何よりプレッシャーが凄まじい。常に自分がロシア共和国であるという重圧。
オリンピックでも、最大トーナメントでも、これ程の息苦しさは感じなかった。
争いも絶えなかった。
ガーレンの頭上を通った米航空機が撃墜された時は、戦争寸前まで事態は展開した。
とある日本の漁船は、収穫した魚を「近くにガーレンがいた」というコトで全部没収された。
そのうち、ガーレンはロシアから出なくなった。
ロシア内にいる限り、問題が起こる事はない。
しかし、政府関係者が彼を放っておく手はなかった。
彼はあらゆる外交に利用された。人間ではなく、領土として。
疲れ果てたガーレンは自殺した。日誌にはこう書き記してあった。
「私はロシアである前に、アレクサンダー・ガーレンです」
彼の死は世界中で報じられ、多くの人間の涙を誘った。
42 :
作者の都合により名無しです:04/03/17 20:30 ID:MZ7k4Bxk
「バキ」で検索出来ないとやはり寂しいな。
ま、仕方ないか。
ところで世界氏は超人か?何だこのペースは。
しかも、おんなじ日なのにIDが違うしw
あと、アメコミ作者氏、頑張ってくれ。
良い意味で妙な雰囲気の作風、期待してる。
衰滅
渋川剛気亡き後、渋川流は空前の発展を遂げる事となる。
暗いニュースが跋扈する世の中で、人々は護身の大切さに気がついたのである。
程無くして、渋川流は神心会に迫る勢いを持つ流派と成長していった。
亡き総帥の技術が、より円滑に精密に伝達されていく。
途中で投げ出さなかった者は、例外なく優秀な護身術の使い手となった。
警視庁により、犯罪件数が減少しているという調査結果も出た。
「渋川流柔術が広まったおかげじゃないか?」
渋川流と犯罪の関係を示す明確な証拠は無いが、この説を信じた者も多かった。
つまりそれだけ、渋川流が世に浸透したというコトである。
しかし、繁栄は長くは続かなかった。弟子の数が減り始めたのだ。
世が平和になったため、護身術の需要がなくなったためであろうか。
平穏はいい事だが、渋川流にとっては由々しき事態。
渋川剛気からの流れを脈々と受け継いでいる幹部達は、即座に緊急会議を開いた。
「明らかに脱退者が増大している・・・どういうコトだろうか」
「流行は廃れるモノだ。我が流派も、その段階へ来てしまったのではないか?」
「しかし、これだけ急激となると・・・。調査する必要がありそうだ」
「そうだな。辞めた者と、それとなく話をしてみようか」
幹部の一人が、先月までは優秀な門下生だった男に尋ねてみた。
「ヘタに隠しても仕方ない。単刀直入に聞こう、どうして脱退したのだ?」
「あなたのトコの護身術はね、素晴らしいですよ。ですが、一つだけ問題が・・・」
「何だね? 是非、聞かせてもらいたいのだが」
「上達するにつれ、何故か幻覚を見るようになったんですよ。扉とか大海原とか。
俺の他に辞めたヤツも、みんなそれが原因ですよ」
さんざん迷走を繰り返しつつも、アカギ達はきっちりと麻雀を打っている。
どっこいドラえもん軍団だって負けてはいない。アカギ卓の半荘開始とほぼ
時を同じくして、ドラえもんもメンツを揃えて声高らかに宣言した。
「ドラえもんの愛の麻雀教室、はっじまっるよー!」
「いえーい!まっあじゃん!まっあじゃん!」
のび太が不恰好なガッツポーズを作って、発狂寸前のハイテンションで
ノリに乗っている。
「ほらほら、スネ夫くんとしずかちゃんも、もっと盛り上がって!」
「麻雀だ!麻雀だ!僕のママはセックス中にもザマスザマス叫ぶんだぜ!」
「麻雀よ!麻雀よ!今朝中央線にとびこんだ中年、あれあたしのパパー!」
ドラえもんに言われるまでもなく、メンツに誘われたスネ夫としずかも
麻雀を打てる喜びに全身を打ち震わせている。ドラえもんは再びのび太に
問いかけた。
「のび太くん、麻雀を打てるのがそんなに嬉しいかい?」
「あったり前だろ!麻雀がなかったら、僕なんか何の価値もないただの
ゴミクズなんだからさ!うおー!やるぞー!」
「そうか、それは頼もしいなあ。ところで、君が手に持ってるそれは一体
何だっけかな?」
「はーい!象をも倒す最強ピストル、44マグナムでーっす!」
のび太の顔から笑みが消えた。ゆっくりと両手を下ろして右手の44マグナムを
しげしげと見つめ、そしてガクリと首をうなだれた。
「ドラえもん、さ。今から麻雀を打つのに、どうして鉄砲なんかが必要
なのかな?」
「だから言っただろ。のび太くんの危険回避能力を鍛えるための特訓だって。
なーに、弾が当たったところで頭がザクロになるだけで、たぶん死にゃ
しないって」
「小学生をバカにすんなコンニャロ!死ぬに決まってんじゃねーか!」
しょげたと思ったら、今度は怒り出した。思春期の少年の扱いは本当に難しい。
「あれれ?のび太くんは、ザクロが嫌いなのかな?」
「あんな種だらけの酸っぱい果物、この世から消えてなくなっちまえ!どうして
僕だけこんなタイトロープな麻雀打たなきゃいけないんだよ!」
「それは心外だなあ。僕らだってほら、ちゃーんと武器を構えてるじゃないか」
確かに、のび太以外の三人もこめかみにそれぞれ武器をあてがっている。
しずかは水鉄砲、スネ夫は指鉄砲、ドラえもんは麩菓子。
「わーお!最近のおもちゃやお菓子には殺傷能力があるんですか!お前ら
揃いも揃っていい加減にしろ!しずかちゃんはピューでスネ夫はペチン、
ドラえもんはサクッで、俺だけボガーンなんて納得できっこアリマセーン!」
のび太の怒りは収まらない。のび太の分際でのび太の人権を擁護するのび太の
言い分を黙って聞いていたドラえもんが、ポケットから電気スタンドのような
ものを取り出して雀卓の中央に置いた。
「しょうがないなぁのび太くんは。みんなが平等に撃たれればいいんだよね?」
スタンドの台座から伸びた柄の先には、電球と傘の代わりに手の平のオブジェが
ついている。ドラえもんはのび太の手から44マグナムを引ったくって、ハンマーを
起こしてオブジェに握らせた。
「このスタンドにはセンサーがついていて、麻雀で致命的なミスを犯した人間に
銃口を向けてトリガーを引く仕組みになっているんだ。これなら、全員平等に
危険にさらされることになるだろ、のび太くん?」
「まあ、それなら妥協してやってもいいだろう」
「ほんじゃ、ついでにシリンダー全部に弾こめておくからね」
「ちょっと待て!それじゃロシアンルーレットでも何でもなくなるだろーが!」
「そんなこと言ったらしずかちゃんの水鉄砲はどうなっちゃうのさ。あれは
オートマのようなもんだから、発砲率100%なんだぜ」
「そうよのび太さん。あたしはいつだって命を賭けて麻雀やってんだから。
あんまりなめたこと言わないでちょうだいね」
しずかはそう言って、のび太の顔に水鉄砲をピュッピュと引っ掛けた。なるほど
トリガーを引いた分だけ確実に水を飛ばしてくれる。ロシアンルーレットなど
及びもつかないくらいに危険度は高い。
「いいかのび太。強くなりたかったら、お前も一度くらいは地獄を見ておけ。
俺達だって、こうやって数え切れないくらい死地を潜り抜けてきたんだからな」
スネ夫が指鉄砲をのび太のこめかみに当ててグリグリねじ回した。伸びた爪が
皮膚に食い込んで思った以上に痛い。ずっとやられていると、ひょっとしたら
本当に死んでしまうのかもしれない。
「ね。のび太くんは不公平だって言ったけど、みんなこうやってリスクを
背負い込んでいたんだよ。分かったらちゃんと反省するように」
ドラえもんの麩菓子がのび太の後頭部を直撃した。これはちっとも痛くない。
痛くないが、こびりついた糖分目がけて軍隊アリが襲いかかってくる可能性も
ないことはない。アリの群れに食い尽くされて白骨と化した己を想像して
のび太の体に戦慄が走った。
「そうか、僕にばっかり危ない橋を渡らせようとしてたんじゃなかったんだね…。
僕が悪かった!この通り!」
雀卓に額をこすりつけて詫びるのび太に、ドラえもんが優しく声をかけた。
「分かってくれればいいんだよ。さあ、僕たちの半荘のスタートだ!」
「うん!僕が起家だね!」
闘いは始まった。東一局、親ののび太の第一打、南。
ボガーン!
44マグナムの銃口がのび太に向けられ、轟然と火を噴いた!
>>奇妙さん
本編の前に感想書けばよかったですね。ゴメンナサイ。
自由の女神、人間領土、渋川流。ネタの宝庫ですな。
達人は何で死んじゃったんですかね。やっぱ
幻覚の見すぎなんでしょうか。
凶弾は寸分過たずのび太の眉間を貫き、のび太は断末魔を残すこともなく
綺麗な血の弧を描いて、椅子ごとひっくり返った。即死であった。
そこへセワシが戻ってきた。ドアを開けるなりのび太の死体と対面して、驚愕の
叫びをあげた。
「わー!のび太ー!」
のび太が死んだら自分も生まれてこない。よって今ここにいる自分もこの世から
消えてしまう。混乱と焦燥の極に達したセワシに、ドラえもんが一枚の紙切れを
投げてよこした。
「セワシくん、落ち着いて!そこに書いてあるものを全部買ってきて!」
うろたえながらも、セワシは紙切れに目を通した。ジャガイモ二十個、タマネギ
五個、ニンジン五本、豚バラ肉2,500グラム、カレールー五箱と書いてある。
「こ、これ全部買ってきたら、のび太は生き返るのか?俺は消えずにすむのか?」
「何でもいいから、手遅れにならない内に買ってこい!急げオラ!」
考えている場合ではない。セワシは首の骨が折れるほど大きく頷いて、今入って
きたばかりの雀荘を飛び出して倒けつ転びつどこかへ走って行った。
セワシの姿が消えると、しずかとスネ夫がドラえもんに話しかけた。
「そうよね。この雀荘、カレーの材料とか用意してないもんね、絶対」
「これで夜食の問題も解決だな。ドラえもん、早いとこ麻雀を再開しようぜ」
「あいよー」
ドラえもんはポケットからタイムふろしきを取り出して、死後硬直の始まった
のび太の死体に覆い被せた。ほどなく生き返ったのび太が立ち上がったが、蒼白の
顔面には恐怖の相が引きつり、肩で荒々しく息をついている。
「あー!ビックリした!怖かった!死ぬかと思ったじゃねーか!」
「実際死んだんだってば」
「余計なお世話だバカヤロ!冷静な突っ込みなんかいらねーから、どうして
撃たれたのか説明しやがれ!まさか、最初から字牌を捨てたらいけませーんとか
クソみたいな屁理屈をぬかすんじゃねーだろーな!」
「違う違う。のび太くん、一言の挨拶もなしに牌を切り出しただろ?あれが
マズかったんだよ。対局前にはお願いします、対局後にはありがとうござい
ました。これがマナーってもんじゃないのかい?」
「う………」
思わず返答に詰まったのび太であったが、どこか今ひとつ釈然としない。そんな
こと言ったら、ドラえもん達だって挨拶なんかしてなかったじゃないか。なんで
俺だけ撃たれるんだ?いや、ひょっとしたら他の三人も撃たれたけど、見事な
体さばきで弾をよけちゃったとか…。
「それじゃあ、もう一回最初からやり直すよ。のび太くん、南を手に戻して」
思索にふけるのび太を促して、ドラえもんは膝に手を置いて背筋を伸ばした。
「はい、みんなで元気よく挨拶をしよう!お願いしまーす!」
「お願いしまーす」
仕切り直しの東一局。のび太はおそるおそる南を切り、万一に備えて素早く
回避の姿勢をとった。弾丸は飛んでこなかった。
「いえー!セーフ!」
その後は何事もなく場が進み、八巡目。のび太の上家のスネ夫が二萬を切って
リーチをかけた。
「リーチ」
西白9(5)(1)西
四二←リーチ
ここで振り込んだら44マグナムの餌食だ。先ほどの死の感触を思い出してある種の
エクスタシーを感じつつ、のび太は運命の牌をツモった。
二四五(2)(3)(5)1134東東東 東←ツモ
二萬と四萬、五筒は現物だが、三色が確定していない今の牌姿ではどれも切りたく
ない。と言うより、のび太の目には四枚そろった東しか見えていない。
「カン!」
のび太、迷わず東をアンカン。新ドラ表示牌は北。東がドラになっちゃった!
「うひょー!ドラ四!おめでとう僕!」
ズバーン!
44マグナムがのび太目がけて祝砲をぶっ放した。今度はのび太のどてっ腹に
大穴が開き、赤くて大きな血の花が雀卓いっぱいに咲きほこった。
「ふんむっ」
くぐもった呻き声を漏らして、のび太は椅子から崩れ落ちた。わずかに持ち上げた
手が小刻みに痙攣し、パタリと床に落ちてそれっきり動かなくなった。のび太は
死んだ。そこにセワシが帰ってきた。
「わー!まだ死んでるー!」
のび太の死体を見て金切り声をあげ、近所の24時間スーパーの袋を両手から取り
落としてドラえもんに詰め寄った。
「ドラえもん、カレーの材料を買ってきたらのび太は生き返るんじゃなかったの
かよ!なんかさっきと出血場所が違うんだけど、こりゃどういうことだ!?」
「セワシくん、諦めるのはまだ早いよ。セワシくんが心をこめてカレーを作れば
きっとのび太くんは甦ってくれる筈さ。セワシくん、ぼけーっとしてないで
奥の厨房へダッシュだ!さっさと行けやー!」
「うおー!作るぞー!」
スーパーの袋を両手に抱えて、セワシは厨房に駆け込んだ。マシンガンのような
勢いで野菜を切り刻む包丁の音が聞こえてきた。
「セワシさん、あれはカレーの材料だってちゃんと分かってたわね。自分が
パシリに使われただけってことには気づいてないのかしら」
「セワシってのび太の子孫なんだよな。ってことはただのバカなんだろ、あいつ」
「その通り。料理の腕は確かだから、バカには一生カレーを作っててもらうことに
しようね」
しずかとスネ夫の質問に相槌を打って、ドラえもんはのび太にタイムふろしきを
かけた。のび太は生き返った。一度目の復活に比べて、若干の余裕が感じられる。
腹部の撃たれたあたりをなでさすって、何ともないことを確かめるとホッと息を
ついた。
「いやー、ビックリした。生き返るって分かってても、やっぱり死ぬのはあんまり
いい気分じゃないね」
「ふーん、そうなんだ。今のはどうして撃たれたんだか分かる?」
「さっぱりわがんね。カンの前にカンしまーすって言わなかったから?」
「全然違うよ。他者のリーチ後のカンというのは、実はあんまり褒められた
行為ではないんだ。危険牌回避のためのアンカンとか、自分もテンパイ間近での
カンだったらまだしも、これ字牌だろ?しかものび太くん、現物を持ってる上に
リャンシャンテンだろ?素直に現物を切るか、東を落とすのがマナーなんだよ。
カンすることで、新ドラと新裏ドラで都合二種類もドラが増えちゃう訳だから
リーチ者が一番得をすることになる。ツモられでもしたら、他の三人がカンの
巻き添えを食らっちまうことになるかもしれないんだから。分かったかな?」
「どーでもいいよそんなこと。次はしずかちゃんの番だろ?さっさとツモれや」
ドラえもんの講釈を華麗に聞き流して、のび太は椅子に腰を下ろした。しずかの
ツモから東一局の再開である。
結局、三巡後にスネ夫がアガリ牌をツモってのび太の親は流れた。リーチツモ
ピンフ、子は700点、親は1,300点の支払い。ドラは乗らなかった。
「なんだよ、結局ドラなんて一つも乗ってねーじゃねーか!ドラえもんの
大ホラフキ!マダムキラー!あーあ、撃たれ損だ撃たれ損!」
結果論を都合よく解釈して果てしなく増長するのび太であるが、誰一人として
相手をしてやる者はいない。粛々と東二局が始まった。四巡目、ドラえもんが
リーチをかけた。
「はい、リーチと」
東(1)中6←リーチ
「あーもー、考えるのも面倒くせー」
直後のスネ夫が投げやりに放った四索が、ドラえもんの当たり牌だった。
一二三七七七(7)(8)(8)(8)(9)56
「ロン!リーチ一発だけ、1,300点!」
スネ夫がドラえもんに1,300点払って、東二局終了。次は東三局だ。
「って待てコラ!一発で振り込んだんだから、スネ夫が撃たれないのは
おかしいだろ!」
のび太が判定に不服を唱えて、ガタガタと因縁をつけ始めた。ドラえもんは
あわてず騒がず、愚かなのび太に事情を説明してやった。
「のび太くんはバカだなあ。今の振込みが、スネ夫くんの不注意だとでも
思っているのかな?そんな訳ないだろ。しずかちゃん、手を開いてみて」
ドラえもんに言われた通り、しずかは自分の手牌をのび太に見えるように
表向きに倒した。
一九(1)(9)19東南西北白発中
「げ」
「国士無双十三面待ち。いくらのび太くんでも、この手の恐ろしさは理解
できるよね。しかも、しずかちゃんの次のツモが、ほら」
と、ドラえもんは山からしずかのツモを取って表にひっくり返した。白だった。
「ほら、スネ夫くんが僕のリーチに差し込まなかったら、今頃しずかちゃんの
国士無双が炸裂していたんだよ。十三面待ちは二倍役満のルールで打って
いるから、親のしずかちゃんに僕ら三人が16,000点ずつ払わなくちゃいけない
ところだったのさ。危険を事前に察知した、スネ夫くんの大ファインプレーを
大いに褒め称えなくちゃいけない場面なのに、それをのび太くんときたら…」
「スネ夫のやつ、面倒くせーとか言ってなかったか?」
「そんなことは関係なーい!のび太くん、スネ夫くんにあやまんなさーい!」
「わかったよ!スネ夫ごめん!もうおかしなイチャモンはつけないから、スネ夫も
今度は正々堂々とミスを犯して正々堂々と鉛の弾を食らってくれよ!」
不承不承、のび太はスネ夫に謝罪した。神の慈悲で、スネ夫はのび太を許した。
「わかりゃいいんだよわかりゃ。まったくのび太にも困ったもんだよな」
「あたしが国士無双をアガれなかったのも、多分のび太さんの馬鹿のせいよね。
48,000点は貸しにしておくから、ここにサインしてちょうだい」
しずかの差し出した借用書にしぶしぶサインをして、これで全ては丸く収まった。
さあ、東三局に突入だ。
長々と失礼しました。書こうと思った時に書かないと
いつまでたっても完結しないんであります。
今日はここまで、かな。
進化
0.9も書き続けていれば、いつかは1になる。
愚地独歩は、こんな夢物語を体現した数少ない男の一人である。
菩薩の拳。本当の正拳突き。
人間が生まれた瞬間に形造るという、あの拳。
現状に満足せず、常に前を進む事を考えていた彼にだからこそ、辿り着けた境地。
「やっと1になったンだから、次は2を目指さねェとな・・・」
彼はまだ掘り進む気でいた。武神の待つ、空手という名の鉱脈を。
2から3へ、3から4へ、4から5へ、5から6へ、6から7へ。
独歩の探求は続いていった。
掘れば掘るほど、捧げれば捧げるほど、空手は何かを与えてくれる。
そんな独歩の様子に気づいていた三人。愚地克己、加藤清澄、末堂厚。
無礼は承知で、館長が一人残る部屋を覗き見する事を決意する。
「全く・・・最近のオヤジは何考えてるかワカらねぇな」
「どうせ空手のコトだって、館長にはそれしかないもん」
「加藤の言う通りだぜ。あの人ほどの空手バカを、俺は知らねぇよ」
話していてもラチはあかない。早速、覗き込んでみる三人。
そこには、一人で意味不明なポーズを取る愚地独歩の姿があった。
何とも形容しがたく、直視しがたい、一種の変態にしか見えない怪しい動作を繰り返している。
これは独歩の到達した正拳突きの“10”なのだが、三人が真実を知るハズもない。
「オヤジ・・・。悩みがあるなら、俺に相談してくれれば・・・」
「見なかったコトにしよう、克己さん。いつか必ず、元の館長に戻ってくれるって!」
「そうそう、館長を信じようぜ!!」
がっくりと肩を落とす克己を励ましながら、三人は道場を後にした。
61 :
作者の都合により名無しです:04/03/18 05:24 ID:+DbCVjxt
速報でーす、決定しますた!
■「K−1ワールドGP 2004 in SAITAMA」
3月27日(土)埼玉・さいたまスーパーアリーナ
開場14:30 開始16:30
[第9試合メインイベント・武器以外全て有効ルール/10分無制限R]
範馬刃牙(日本/オーガ・アカデミー)
宮沢喜一(日本/灘神影流古武術)
[第8試合・K−1MMAルール/5分3R]
ボブ・サップ(米国)
ブロック・レスナー(米国)
[第7試合・K−1ルール/3分3R延長2R]
アレクセイ・イグナショフ(ベラルーシ)
カーター・ウィリアムス(米国)
[第6試合・K−1ルール/3分3R延長2R]
アーネスト・ホースト(オランダ)
レミー・ボンヤスキー(オランダ)
[第5試合・K−1ルール/3分3R延長2R]
シャノン・ブリッグス(米国)
トム・エリクソン(米国)
以下略
62 :
作者の都合により名無しです:04/03/18 16:33 ID:EO8ZSUcQ
とりあえず麻雀教室はもう終わっていいよ
VSさんと世界さんはどういう感性をもってこんな作品を書けるんだろう?
俺たちと何か食ってる物が違うんだろうか。
とにかくお二方乙。笑わせて頂きました。
65 :
ふら〜り:04/03/18 19:59 ID:eakEztW8
>>世界さん
質量ともに凄いですね……感嘆感服です。
「リベンジャー」。スケール雄大というか、想像すると凄い光景ですね。「クソガキがッッッ!」
と吼えて襲い掛かってくる巨大な女神様。「無抵抗をいいことに」とはいかなかったスペック、哀れ。
「ロシアの英雄」。ごめん、ガーレン。これは思いっきりツボって、声を上げて笑ってしまった。でも
自分自身がロシアそのもの、って彼自身が言ってたことで……何だか笑ゥせぇるんすまん的な構成かも?
「衰滅」。言われてみればそういうことになりますな。平和になって門下生が減って、幹部たちが
犯罪者役をするのか? とか思ったのですが。ちゃんと原作に沿ったギャグで落ち、お見事っ。
「進化」。絵画や書道などと同じように、極めてしまうと常人には理解できない世界に入ってしまう……
ということですかね。でも独歩のこと、ちゃんと実戦では使えるんでしょう。変態ポーズでも。
>>VSさん
「リーチ後のカン」の話、なるほどなと思いました。ツモられた場合他の二人に迷惑がかかる、
というところまでは考えが及びませんでしたね。
で、のび太以外の人間が攻撃されないことについては、いつもながら徹底的に理不尽で容赦なしと。
これで納得するのび太も、アホなんだか人がいいんだか。……考えるまでもなくアホかと。
66 :
作者の都合により名無しです:04/03/18 20:51 ID:hhAVq0yJ
61 :作者の都合により名無しです :04/03/18 05:24 ID:+DbCVjxt
速報でーす、決定しますた!
■「K−1ワールドGP 2004 in SAITAMA」
3月27日(土)埼玉・さいたまスーパーアリーナ
開場14:30 開始16:30
[第9試合メインイベント・武器以外全て有効ルール/10分無制限R]
範馬刃牙(日本/オーガ・アカデミー)
宮沢喜一(日本/灘神影流古武術)
[第8試合・K−1MMAルール/5分3R]
ボブ・サップ(米国)
ブロック・レスナー(米国)
[第7試合・K−1ルール/3分3R延長2R]
アレクセイ・イグナショフ(ベラルーシ)
カーター・ウィリアムス(米国)
[第6試合・K−1ルール/3分3R延長2R]
アーネスト・ホースト(オランダ)
レミー・ボンヤスキー(オランダ)
[第5試合・K−1ルール/3分3R延長2R]
シャノン・ブリッグス(米国)
トム・エリクソン(米国)
以下略
聖地への道
私は格闘士である。自分で言うのもなんだが、一流の部類に入ると思っている。
こんな私が東京ドーム地下闘技場への参戦を望むのは、当然の段取りと言えるだろう。
方法はただ一つ。徳川光成に認めてもらう以外にはない。
夜も更けた頃、私は徳川家の敷地へと足を踏み入れる。もちろん、無断でだ。
そんな私の殺気を感じてか、十数名のガードマンが素早く立ちはだかった。戦闘開始。
「ちぇりあッ!」
同時に複数の相手をするのは下策。一人一人、確実に倒していく。
かなりの怪我を負ったが、何とか全員を気絶させた。本題はここからだ。
「また来たのかね・・・キミも懲りない男だな」
「加納さん、今日こそアンタを倒してみせるッ!」
加納秀明。地下闘技場正ファイター。これまで何度となく私を撃退した男だ。
私のような一匹狼に、地下闘技場へ繋がるようなコネはない。
そのため、加納秀明の打倒は地下闘技場へ入るための必要条件なのである。
「さて、今日は私の初弾をかわせるかな?」
加納は私の構えを模写する事によって、完璧に私の出す手を読んでくる。
この強固なディフェンスの前に、私は苦渋を飲まされ続けてきた。
だが、策はある。自分の構えからは、絶対にあり得ないような攻撃をすれば良いのだ。
「きえぇッ!」
失敗に終わった。彼の防御術はこんな浅い作戦で破れる程、甘くはなかった。
「初弾ッ!!」
逆に、彼の拳が顔面にめり込んだのが分かる。私は敗北したのだ。
地下闘技場への道はあまりにも険しい。だが、希望がないワケではない。
恐らくあの男、加納秀明は地下闘技場の中でも有数な使い手だろう。
彼を倒せば、きっと私は自動的に地下闘技場の上位へとランクされるに違いない。
むう、オチているのか続きがあるのか微妙な感じだが、
笑えることだけは確かだ。
世界氏は一ヶ月休む→爆発的に作品を上げるの繰り返しだな。すげえ。
ショートとして読んでも面白いし。
休んだ期間中、作品のために取材してるのかな?w
大型休暇のたびに書いてるんじゃない?
夏休み冬休み春休み
>>56 リーチ一発なら2600点だろーがヴォケナス
72 :
作者の都合により名無しです:04/03/19 18:33 ID:oeXaJ4Ze
73 :
4x5:04/03/19 19:42 ID:hliARHoV
>>35の続きです
彼、宮本輝之輔は、今日の今日まで、本になっていた。
比喩でもなんでもない。ありえない話だが、本そのものになっていたのだ。
スタンドを『矢』によって引き出された彼は、ある男たちの殺害を命じられた。
東方仗助とその関係者である。輝之輔を本に変えたのは、その東方仗助だった。
本になって図書館に寄贈されている間、彼は普通では味わえない(それが幸か不幸かはわからないが)体験をしていた。
空腹という概念は無かったが、誰にも読まれず本棚に入れられている間には、寂しさを感じた。
自分にはどんな文がかかれているのだろうと考えていると、ようやく初めて貸し出された。
人に読まれていると、安心感を覚えた。
よくに読み手と目が合ったりして恥ずかしかったが、向こうは気付くわけもない。
じきに、大好きな『観察』をすることを始めた。
しおりを挟まれる時、なぜか性的興奮を得た。
ページが折れた際には、怒りが。破られでもしたときには殺意に近いものが浮かんだが、
どうしようもないのでそれを考えるのをやめ、相手をじっくりと観察をした。
74 :
4x5:04/03/19 19:44 ID:hliARHoV
4回目の貸し出しだったろうか。貸出人は東方仗助だった。
家へ、本の輝之輔を持ち帰り、仗助は自分の部屋に入り、丁寧にカギを閉めた。
「おれって怒りっぽいところあるんだよなあ。キレると手がつけられないっていうかな〜」
そんなことを言いながら、仗助はスタンドの拳を本に叩き込んだ。
本が崩れてゆき、だんだんと人の形を成していった。
「お前を殺す、っていったけどよぉ。お前、気が小さそうだから人殺しなんてやったことないだろ?」
完全に紙と分離し、人間に戻った輝之輔は、頭を抱えたまま、蹲っている。今の一撃が素で痛かったのか。
それを気にもかけず、仗助は続けた。
「そう考えっと、やっぱ後味が悪いわけよ。あれから3週間くれー経ったから、もう反省はすんだだろうし」
そこまで聞いて、輝之輔は無言で立ち去ろうとした。
「まあ、待てって。今、3週間経ったって言ったけどよ、なんも進展無いんだよ。そこでおまえに吉良の情報を聞きたいってわけ」
吉良のこと。輝之輔には、それが何のことなのかはっきりとわかる。
最初は黙っていたが、仗助の「嫌ならもう一回本にする」という脅しがかなり効いたのだろう、
輝之輔は、自分の依頼主のことをポツリポツリと語り出した。
ある日、夕方の公園のベンチに座り、趣味の人間ウォッチングをしていると、何処からとも無く矢が飛んできたこと。
避ける間もなく、それは右目に突き刺さり、死を確信したが、なぜかすぐに傷口はふさがったこと。
再び開いた右目で次に見たのは、中年の親父が写った写真で、しかもその写真が宙に浮いたまま喋りかけてきたこと。
そのときには、自分の頭がおかしくなったかと思ったが、どうせならと思い、状況を飲み込んだ。
その『才能』を使って、仗助を捕獲しろ、と。実験代わりに、まず広瀬康一を狙えとも言っていた。
あとは仗助も知っていることだ。見事返り討ちにあった輝之輔は、3週間近くを図書館の書籍として過ごした。
自分の持っている情報は、それだけだった。
そう話の終わりを告げ、輝之輔は立ち上がった。
本の生活はどうだったかと、仗助が興味本意で聞いてきたが、輝之輔は無視して家を出た。
それが、昼間のことだ。
75 :
4x5:04/03/19 19:44 ID:hliARHoV
輝之輔は、美術系の専門大学に通うため、アパート暮らしをしていた。
そのアパートの部屋が、まだ自分の契約下のままで残っていたことは奇跡的だった。
3週間も動けなかったせいか、体中が痛い。関節痛のようなものがある。
体を休めようと布団に身を投げ出すと、ゴキブリが1ダースばかり湧き出してきたときには心底恐怖した。
そんな環境の部屋に居られる訳も無く、彼は公園へ来ていた。
『矢』に射られた、例の公園である。今座っているベンチも、あの日の物と同じだった。
先ほどまで先客がいたが、すぐに追っ払った。
追っ払うという表現が正しいのやら、その先客たちは、今も彼の隣にいるのだから。
もっとも、彼らは人の形を成していない。二枚の紙になって、ベンチの上に置かれていた。
8割方、ストレス発散である。
わざわざ紙にしたのは、自分がつい昨日迄味わっていた境遇を味あわせようとしてのことかもしれない。
学校を3週間無断欠席した言い訳をどうしようか。
部屋の掃除はどうしようか。
仗助への仕返しはどうしようか。
思いついたら出してやろう。
そんなことを考えながら、輝之輔はベンチに静かに腰掛けているのであった。
「へぇ、おまえ面白いことができるンだな」
不意に、後ろから声がかかった。
語ろうスレ経由で来たので、物凄い勢いで叩かれるかと思いましたが、
ありがたい反応をしてもらい、嬉しかったです。
まだまだ他の連載人の方々にはかないませんが、どうぞ生緩く見守ってください。
◆jxmVRmKxVcがんがれー。
いや、のんびり気楽に書いて下さい。ご自分のペースで。
荒木信者なんで、ジョジョものが増えるのは嬉しい。
>>67 おもしろくない。
その手の作品だと読者と登場人物の認識の差違を
有効に使う必要があって尚且つオチに気を使う必要がのに、
全文でオチを語ってしまってるようになってるから登場人物の一人相撲になってる。
もしそれを狙ってやってるのなら意味不明な上にあまりにもお粗末すぎる。
つまらなすぎる。そろそろネタぎれか?
>>73-75 とりあえず文章がお粗末なのと、日本語の習得が未熟なのが目に付く。
読点を使いすぎだから控えろ。読み返して気づけ。
それに空腹は概念じゃないから。意図的だとしてもわざわざ概念にして狙った効果が不明。
あと文章の流れから仗助が借りたのが4回目ってのが不自然。少なすぎ。
本を借りたのが3人ならもう少しそこを協調すべき。
中途半端な心理描写だけするな。
>世界さん
大変面白い。
この手の作品は読者と登場人物の認識の差違を有効に使う必要があって、
尚且つオチに気を使う必要があると考えがちだが、
世界氏はそれを逆手に取り、全文でオチを語っているように構成している。
その効果により登場人物の二人が魅力が上がっている。
もしそれを狙ってやってるのなら、大変な技量の持ち主だ。感服する。
面白い。まだネタは沢山ありますね?
>◆jxmVRmKxVc
とりあえず文章が読み易く、日本語の習得を十分しているのに気付く。
読点を少し使いすぎだが、今後読み返して気付いてくれるだろう。
空腹は概念じゃないが、意図的にわざわざ概念化して狙った効果が作品に現れている。
あと文章の流れから仗助が借りたのが4回目ってのが不自然。
だがその不自然さが読者を引き付ける。
本を借りたのが3人ならもう少しそこを協調すべきかとも思ったが、
それは考えての事だろう。逆に一歩“引く”事により臨場感を演出したのは大したもの。
少し中途半端に見える心理描写だが、次回への関心を引く効果的なテクニックだろう。
>>78氏はおそらくこういう事が言いたかったのでしょう。少し筆が足りなかったのですね。
いや、お二人ともこれからもがんがって下さい。わたしも大変楽しみにしております。
80が正しいかどうかはともかく、細かい事なんぞ気にしないので。
二人とも頑張ってくださいね。
82 :
80:04/03/19 22:58 ID:xHuw8D8R
すみません、少し調子に乗りましたね。
ま、いろいろな意見が出てくるのは当たり前です。
ですがわたしは応援してますので、
世界さん◆jxmVRmKxVcさん、そして全ての職人さん
(バキスレだけでなく、全てのSSスレの職人さん)
頑張って下さいね。
>>世界
最近頑張ってるのは分かるけどさぁ、空回りしてるだけってのに気づけ。
数書けばいいってもんじゃないんだよ、SSってのは。
あと、VSさんに迷惑かけんな。
>>◆jxmVRmKxVc
お前は絵だけ描いていた方がいいと思う。
文章がダイジェスト調で、読みにくい上に単調だ。
あと、今このスレは職人不足だから褒められただけ。勘違いしないように。
ま、私は世界さんも◆jxmVRmKxVcも楽しんでいますけどね。
いろいろ意見があるという事です。職人さんはお気になさらぬよう。
では、再開しましょうか。
>>83 ある程度は同意できるが、いくつか納得できない点がある。
>数書けばいいってもんじゃないんだよ、SSってのは。
これは完全に同意。 正直な話、質より量を地で行っている。
>>◆jxmVRmKxVc
お前は絵だけ描いていた方がいいと思う。
文章がダイジェスト調で、読みにくい上に単調だ。
あと、今このスレは職人不足だから褒められただけ。勘違いしないように。
完全に同意。
パオがいなくなって実力者が抜けた今、少しでも書いてくれる
職人もどきは重宝されて当然のことかと。
87 :
作者の都合により名無しです:04/03/19 23:40 ID:9UH9VVXJ
正直ここのところの世界はかなりはずしてると思うが・・・
これからへの期待も込めて言わせてもらう。
>>71 ども、ヴォケナスです。
ご指摘の箇所、すでにご報告を受けておりまして
HP上にて修正済みです。ゴメンナサイ。
ついでに、国士13面はダブル役満扱いだと言ったそばから
48,000点で勘定してしまっているクソミスも直しておきました。
何か自分の意見書いたら即訂正されたのにビックリした。
90 :
作者の都合により名無しです:04/03/19 23:51 ID:HjWS+9+Z
所詮は選民スレか
>>89 >>87が駄目だとは思わないが
>>78のはちょっと問題がある。
この差がわからないならこのスレには来ない方が良いと思う。
俺は問題ないと判断する。
これくらい肥やしにできないと惰性に陥る危険大。
>>78≒
>>80 褒貶の方向は逆だが着眼点やSS批評の姿勢が似通いすぎ。
同一人物でなければ
>>80が
>>78にあてこすって文体模写したとしか思えない。
このスレにこの手の批評を根付かせようと頑張っているのかも知れないが
かなり浮いてる気がするよ。タイミングもな。
>>92もそういったことを客観視した上で発言したほうがいい
他所で
>>91について疑問を投げかけていた人間だろうと思うが
レスはレスそのものだけでなくスレの流れとの相対で評価される。
レスそのものや批評の姿勢については賛成するが
あまり足元を見られるようなことをしないように。某職人さん。
ま、2ちゃんねるだからな。
SS書く奴も自由だし、批評するのも自由。
批評ってのは本当は知性と技術が必要で、
ここのはみんな否定・批判だけど。
俺は世界さんのファンだし、4×5さんに期待してるけど、
もしこれで止めるようなら仕方ないな。それも自由だし。
ただ、これだけは言わせて欲しい。
多分お2人のSS待ってる人多いよ。少なくとも俺は待ってる。
ま、頑張って下さい。応援してます。
じゃ、またまた〜り楽しくいこうや。
>>93 実際
>>80が
>>78の文体模写したのか。馬鹿だな俺。
>褒貶の方向は逆だが着眼点やSS批評の姿勢が似通いすぎ。
>同一人物でなければ
>>80が
>>78にあてこすって文体模写したとしか思えない。
この2行を抜いて
>>78に捧げておくよ。馬鹿だな俺。
96 :
93:04/03/20 01:08 ID:OqRgYOWx
確かに馬鹿だな。通りすがりの一言に的外れな深読みしてダラダラ書いてるし。
てか俺もだな。馬鹿な通りすがりだよ。
嗜好
ビスケット・オリバ来日。
毒を駆逐するための猛毒として、米国から降臨した規格外の怪物。
警視庁の味方という事にはなっているが、このオリバもれっきとした犯罪者。
残る死刑囚を捕らえるためなら、何をしでかすか分からない。
そのため、彼の行動には厳重に警戒せねばならないのだ。
しかし、オリバの取った行動は意外なものだった。
日本に来るなりのデスクワーク。
机に向かい、パソコンで死刑囚を調べたり、文字を打ち込んだりしている。
やがて、部屋から出てきたオリバが自信満々に言った。
「これを大量にコピーして、東京中に貼りまくってくれ」
訝しげな顔をしつつ、指示に従う警官達。
紙に書かれた内容は、いずれも劣らぬアホらしいものばかり。
「スプリンクラー握り放題!」
「豹柄パンツ大特売!」
「暗器バーゲンセール!」
そして、いずれのチラシにも以下の言葉を添えておいた。
「参加希望の方は、目印にタキシードを着用し、バラをご持参の上、警視庁までお越し下さい」
作業から一時間後、警視庁に三人の男がやって来た。
シコルスキー、ヘクター・ドイル、柳龍光。いずれもタキシードを着て、バラを持っていた。
期待に胸を膨らませる三人に、オリバは順番にベアハッグ。
事件は解決した。
その日の夜、園田警視正は辞表を提出した。
よっしゃ、来た。嬉しい。
しかし作品量とそのセンスも凄いが、
打たれ強さも素晴らしい。これからも頑張って下さい。
オリバと園田ってねたになりやすいかもね。
100 :
転生:04/03/20 02:09 ID:/tBb/364
アペデマスとヒムの攻防は数分前から五分である。攻撃のアペデマスに対し、防
御のヒム。予知能力で常に先手をとり続けるアペデマス、ヒムが動こうと思ったそ
の位置に剣撃が的確に襲いかかる。ヒムが反撃をすれば出鼻を狙われるか、単
純に避けられるかのどちらか。少しでも防御が緩めばそこに切り込むアペデマス。
ヒムが左こぶしを突き出す、開いた胴に一撃。ヒムが大振りの回し蹴りを繰り出せ
ば、金的。予知能力があるゆえに為せる業。
だが、この戦いアペデマスより若干ヒムが有利である。いくら斬撃を加えてもヒム
にダメージはない。
「この男、ダメージというものが存在しないとしか思えん。いくら攻撃しても痛むのは
こちらの武器だけ」
アペデマスは名刀なでしこの剣を見つめる。その剣は戦う前の美しく輝く姿を失
い、刃は欠け、鏡のような光沢はアペデマスの姿を映し出すこともできなくなってい
た。
「攻撃が全くあたらないお前、攻撃を受け付けない俺。一見互角だが結果は火を
見るより明らかだ」
ヒムの言うとおりだった。アペデマスも軍神とは言え、いずれは疲れ果てヒムの
一撃を受けるだろう。予知能力にも限界がある、二・三秒先を読めるだけでは敵
の攻撃をかわし続けられない。
101 :
転生:04/03/20 02:10 ID:/tBb/364
一家族丸々住む事ができそうなほどの巨体。全身を黒いマントで覆い尽くし、そ
の体は若いのか年寄りなのかさえ分からない。
「よくここまで来たな。人間ながらあっぱれな奴。褒めてやろう。人間化の呪いを止
めにきたか」
「何もかもお見通しってわけかい。今すぐ、呪いを解くのなら許してやってもいい
ぜ」
「ワハハハハ、有難いお言葉だが、それはできんな。人間化の呪いは数万年前か
らあのお方が望んでおられたこと。それに、人間一人で何ができるというのだ」
「一人じゃねぇ、もうすぐ来るぜ。他に二人よぉ」
「ほう、一人は金属人間か? だが、相手のアペデマスは切れぬものは無いと言
われるなでしこの剣の使い手。来るのは死体かも知れんぞ」
「確かに、切れぬものがないって言う名刀が相手ならやばいかも知れないな。だ
が」
アペデマスは相手の防御力を考え、最強の攻撃を繰り出すほかは無いと感じ
た。再び正眼に構え、ヒムの喉の高さに切っ先を合わせる。そして、そのままの体
勢で突っ込む。
「ルシュ王国流剣術奥義、九頭龍閃!」
突進しつつ、唐竹、袈裟斬り、逆袈裟、右薙、左薙、右切上、左切上、逆風、そし
て突き。九つの斬撃を同時に繰り出す。アペデマスの持つ身体能力と予知能力を
最大限に活かした最大の技。突進しつつ、繰り出す攻撃は回避不能。九つ同時に
繰り出される剣撃は防御不能。一撃一撃が必殺の威力を持つこの技を喰らって
生き延びたものは皆無。
最後の突きを放った後、アペデマスは確信する。「殺った」と。だが、
「いや、殺るのはこれからだ」
攻撃を喰らったはずのヒムが起き上がる。左拳には光の闘気が溜め込まれてい
る。かわせない、アペデマスがそう思った瞬間。ヒムのオーラナックルが直撃して
いた。
102 :
転生:04/03/20 02:11 ID:/tBb/364
大魔王デマオンを前にポップは続ける。
「だが、ヒムは金属人間の中でも最高級の硬度を持つ神々の金属って言われてる
オリハルコン製だ。同じ金属でも、人間の扱えるものに比べればその硬度に絶対
的な差が生まれる」
ヒムの攻撃を受けたアペデマス。ふと見ると、剣が砕けている。今の攻撃で砕け
たわけではない奥義・九頭龍閃で砕けたのだ。
「防御不能な九頭龍閃を耐えるとは、間違いない。この男俺より、いや、なでしこの
剣より硬い!!」
「さぁ、いよいよ後がなくなってきたぜ大将」
「……」
アペデマスは砕けた剣の破片を集め、それらを眺めている。剣はオリハルコンを
除けば最も硬いといわれる金属で作られた。その剣がいま、完全に四散してい
る。間違いなく相手はオリハルコン製の金属人間だ。
「素晴らしい」
アペデマスのつぶやき。対するヒムはそれを聞く余裕すらない、剣を失ったとは
言え相手には正体不明の予知能力がある。うかつに攻撃することはできない。ア
ペデマスは何やら一人剣の破片を見つめ考え事をしているようだが油断できな
い。決めるのなら一瞬で。相手の予知能力がどんなものか、見当は付いている。
恐らく、自分の僅かな予備動作を元に動きを知っているのだ。だとしたら、自分は
意識を高め、筋肉の動きを細部にいたるまでコントロールし、無駄な動きを一切な
くした理想的な突きを放つのみ。そう、無拍子といわれる武道の極意を体現する
のみだ。
ヒムは目を閉じ、精神統一を図る。強敵を前にして視界を閉ざすことがどれだけ
危険か。当然ヒムは分かっている。だが、それでも集中力を高め、一撃を繰り出さ
ねばならない。自然、ヒムの体は強張ってくる。全身に力がみなぎってくる。
103 :
転生:04/03/20 02:13 ID:/tBb/364
昂ぶるヒムに不意に声がかかる
「それでは駄目だ」
目を閉じたヒムにアペデマスが優しく声をかける、肩を叩きながらまるで旧知の
友のように。
「無拍子の突きは全身の力を抜き、自然体から始まる。筋肉が硬直しているお前
にはできない技だよ」
格闘戦最強といわれるポーンのヒムを前に、アペデマスはアドバイスをする余
裕。両者共に闘いながら奇妙な空気を感じさせる。三メートルはあろうかという長
身のアペデマス、対してヒムは180cmほど。ヒムの腕が届く間合いはアペデマスに
とって死角。そこにいてこの余裕である。やはり、剣を奪った程度では勝てないの
か。
「ヒム、俺はお前に会えてうれしいよ。数千年間生き続けてきて、これほどの強敵
とは数えるほどしか闘えなかった」
「なにを言ってやがる!」
笑顔を浮かべながら自分を間近で見つめるアペデマスに言い知れぬ恐怖を感じ
るヒム。とっさに間合いを取り、構える。
「怯えるなよ。そうだ、知りたがってたろ。なんで俺がここにいるのか、どうしてデマ
オンの城にいるのか、俺の主は誰なのか? 今なら教えてやってもいいぞ」
「……」
突然の変化にあっけにとられるヒム。そんな彼を無視してアペデマスは続ける。
「俺はな五千年前のルシュ王国で生まれた。主は当然、その国の王、ルシュ国王
だ。当時はバーン軍さえ手出しできぬほど強大な力を持った国家だった。その中
にあって、俺は最強の男として戦のたびに活躍を続けていた。人々に軍神アペデ
マスともてはやされ、その人気は国王を凌ぐものだった。」
104 :
転生:04/03/20 02:14 ID:/tBb/364
「ヒム。お前は、戦士から何をとったら人気が消え、ただの人間になると思う」
「わからねぇ、鎧か?」
「違う、戦いだよ」
「ルシュ王国は魔界征服に向け着々と歩を進めていたが、国王の目は敵国ではな
く自国に向けられていた。国王は有り余る武力のせいで感覚が麻痺していたの
か、それとも単に馬鹿なだけか、あろうことか戦の最中に最も信頼すべき部下に
疑いの目を向けたのだ」
「それがアンタだってのか」
「そうだ。国王の決定は突然に訪れた。日ごろから俺の人気に嫉妬していた王は
俺を唯の人間に落とし、人気を取り去るため俺から戦いを奪う方法を考えたんだ。
それは、ある程度まで拡大された領土をもって、敵国侵略を中断するという決定だ
った。隣国にバーンあり、ヴェルザーありといった状況で突然の侵攻中止命令。そ
して、これからは自然を愛し、自国に与えられた恵みのみで生きていこうという、と
ても一国の王とは思えぬ発言をしたのだ。俺にはすぐに分かったよ。王が本心で
言っているのではなく、俺の人気を削ぐために言ったのだとな。奴の裏を読んだ俺
は、すぐさま謀反を起こした、王に切りかかったんだ。だが、俺のそんな考えさえ国
王は読んでいた。衣服の下に鎖帷子を着込み、俺の攻撃を防いだ。俺は反逆者
となり、牢獄にぶち込まれることになったんだ」
「お、おいお前の話が本当なら自業自得じゃねぇか」
「そうではない。あの後、俺は牢屋を脱獄し、ルシュ王国軍の追撃を逃れながら何
とか生き延びることができた。そして、数ヵ月後。ルシュ王国が他国に侵略した
際、逆に滅んだことを知った。相手がバーンだったか、ヴェルザーだったかは未だ
に知らん。だが、自分から仕掛けたんだよ、あの王はな」
「……」
「つまり、侵攻中断の決定など俺を陥れるためだけの策略だったんだ。俺は主の
嫉妬によって地位を失ったんだ。以来、数千年間、戦いを求め魔界を放浪してい
たんだよ。俺が軍神であるために」
3×4氏 独自のジョジョワールドを展開させて下さい。期待してます。
世界氏 オリバ×園田のコンビでまたやって欲しい。漫画でも好きだこのコンビ。
転生氏 アペデマスって確かターちゃんだったよね?懐かしー。
大好きだった漫画だ。これからの展開、わくわくして待ってます。
色々と大変でしょうが、元気にゆっくり頑張って下さい。
106 :
作者の都合により名無しです:04/03/20 09:31 ID:ZlBnYFNs
新スレでもみなさん、頑張っていますね。
>>ジョジョ
場面転換が分かり辛い。
いつの間にか過去に戻ったりしてるし。
あと上にもあったが、もっと歯切れの良い文章書けないのか?
ふら〜りが「絵文両道」とかほざいてるが、真に受けるなよ。
>>奇妙
あの時点でオリバがスプリンクラーの件を知ってるはずないだろ。
タキシード云々はギャグのつもりだろうが、つまらん。
VSの爪の垢を煎じて飲め。
>>転生
「予知能力」って単語がよほど好きらしいな。
はっきり言って、しつこいよ。
バトル描写なんて殆どごまかしもいいとこだしな。
あと、
>>104なんか台詞オンリーだし。バランス悪すぎ。
もっと推敲してこい。
>>105-106のような、文章読んでなくても書けるようなリップサービスより、
俺のレスの方がよっぽど価値がある。
どう受け取るかは、マンセー環境で育った未熟な職人達次第だけどな。
言ってることは成る程、と思うが、もっと柔らかく言えばいいじゃん
そんなにいきがらなくてもさ
というか、どんなにいい事いってても、最後の三行で台なしになっとるが
あと、そこまで欠点を指摘できるなら、どうしたらもっと良くなるかとかも書いた方がいいと思うよ
その方がさらに価値あるレスになると思うけど
>>109 価値のあるスレというより、職人にとって居心地いいスレだろ?
ふら〜りとかがマンセーばっかしてるから
>>76みたいな勘違いが生じる。
◆jxmVRmKxVcは自分の未熟さにも気づかぬまま、いっちょまえの職人気取り。
世界は駄作に次ぐ駄作で、スレを埋め尽くす。
転生はただでさえキャラがマイナーなのに、ろくな説明もせずオナニー展開に走る始末。
まともなのはVSくらいだ。
そのVSだって、いつどこでコケるかは分からんしな。
あらゆる意味で終わってるんだよ、このスレ。
ttp://www.2ch.net/before.html 頭のおかしな人には気をつけましょう
利用者が増えるに従って、頭のおかしな人もそれなりに出没するようになって来ています。
頭のおかしな人に関わるとなにかと面倒なことが起こる可能性があるので、注意しましょう。
頭のおかしな人の判定基準
・「みんなの意見」「他の人もそう思ってる」など、自分の意見なのに他人もそう思ってると力説する人
他人が自分とは違うという事実が受け入れられない人です。自分の意見が通らないとコピペや荒らしなど
無茶をし始めるので見かけたら放置してください。
・根拠もなく、他人を卑下したり、差別したりする人、自分で自分を褒める人
他人を卑下することで自分を慰めようとする人です。実生活で他人に褒めてもらう機会がないが
プライドだけは高いとか、匿名の掲示板しか話し相手のいない人です。可哀想なので放置してください。
・自分の感情だけ書く人
「〜〜がムカツク」とか自分の感情を掲示板に書くことに意味があると思っている人です。
何がどのようにムカツクのか論理的に書いてあれば、他人が読んでも意味のある文章になりますが、
そういった論理的思考の出来ない人です。もうちょっと賢くなるまでは放置してあげてください。
>>110 そうなんだ。
>>世界
面白い笑いました。オリバ天才ですねw
,.、,、,..,、、.,、,、、..,_ /i
;'`;、、:、. .:、:, :,.: ::`゙:.:゙:`''':,'.´ -‐i
'、;: ...: ,:. :.、.∩.. .:: _;.;;.∩‐'゙  ̄  ̄
`"゙' ''`゙ //゙`´´ | |
//Λ_Λ | |
| |( ´Д`)// <うるせえ、エビフライぶつけんぞ
\ |
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__ | | __
\  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
||\ \
||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
114 :
転生:04/03/20 16:23 ID:/tBb/364
ご指摘ありがとうございます。
皆様が喜んでくださるような作品を書くため
これからも精一杯がんばりたいと思います。
あと、よろしければ
>>107様のお手本を見たいのですが
来週までにあげていただけますか?
115 :
転生:04/03/20 16:32 ID:/tBb/364
誤解の無いようにに付け加えておきますが、
>>114のように書いたのは、実際に何が駄目なのではなく
どうすればいいかを具体的に知りたいからであり、
それ以上の目的はございませんので、ご了承ください。
後もう一つ、上とは関係ありませんが
私生活の都合上、来週からは多くても土日のみアップロードが可能になりますので
そちらもご了承ください。
気にしなくてもいいよ。ID:Rhe5kjCみたいなヤジ将軍はどこにもいるし。
人の欠点をあげつらうばかりで改善案は出さない。一人で俺のレスは価値があると騒ぎ出す。
周りの白い目を注目と感ずる哀れなピエロだ。
誰もまともに読んでないって、あんたのレス。中身、中傷ばかりでスカスカだもの。
それほど文章に造詣が深いのなら、短編でも軽く書いてみてはどうか。
ま、絶対書かないけどね。こういう人はw ごめん、書けないの間違いだな。
俺は転生さんも世界さんも好きだし、4×5さんも期待してる。それで良いよ。
これからも頑張って下さい。
あ、ID:Rhe5kjCさん返答レスはいらないよ。
もう相手にしないし。書いても読まないし。じゃ、もう完全放置で再開ね。
>>110 マンセースレが居心地いいなんてのは思い込み。
きちんと批評してもらった方が職人も嬉しいに決まってる。
職人側も勘違いしているわけではない。
例えば
>>76では、他にどんな言いようがあった?
「どうせろくに読んでないでしょうが、形だけでもマンセーされて嬉しいですよ。でも、今度からは批評もして下さいね」
とでも書けってか?
それこそ叩かれるもとだろうに。
駄作でもないよりはマシだよ。
ついでに言うなら、批判レスもマンセーレスも、レスがつかないよりはマシ。
すごいね。適切な批評をならいいとか言っておきながら
批評したらしたで「手本みせろ」とか無茶苦茶なこと言ってるし。
短所を指摘された事は明らかな事実なのに、そこは黙殺。
とりあえず指摘された部分を見直して推敲する努力くらいすればいいのに。
俺は普段から本を読まんから何とも言えんが、
>>78の指摘や
>>107の指摘は頷ける部分はあると思うぞ。
とりあえず慣れない批評への対応に困るのは構わないが、
結局おかしな反応をして場を荒らしてるのは批評にレスしてる側だと思うけど。
同意できれば頷いて、気に入らないとしても「そうですか。指摘してくれてありがとう」ぐらいで終わらせておけばいいのに。
>118>119
あまり熱くなるなよ
>>119 なんで全てのレスが自分に向けられてると思うの?
自意識過剰って言葉知ってる?
批評じゃないと思ってるならいちいち反応しなきゃいいのに。
>>121 じゃあ誰にレスつけてたんだ?
おまえが書いた内容に該当するようなレスは見当たらないんだが。
どうやら都合の悪いことには目をつぶるらしい。
124 :
転生:04/03/20 18:35 ID:/tBb/364
誠に申し訳ありません。
私の不注意な書き込みにより、雰囲気が悪くなってしまいました。
>>118様のおっしゃることもごもっともです。けれど、一つだけ反論させて頂ければ
私は批評を望んだことはありません。できれば、どう書けばいいのかを
教えて頂きたいのです。私のレベルが低いことは百も承知しております。
であれば、具体的にそれを改善して行くにはどうすればよいのか。
その道筋を示して頂きたいと思って
>>114のようなレスを書いた次第であります。
>>107様や
>>110様のおっしゃることに一理どころか百理ぐらいありそうなのは
承知しているつもりです。むろん、指摘された欠点は今後の反省点とさせて頂き
改良をしていくつもりであります。しかしながら、SSを書く者として目指すべき所
について詳しい説明があった方が私だけでなく、他の職人様も書きやすいとも
考えております。現在パオ様など実力者が素晴らしいSSを書いております。
けれど、どこがどう素晴らしいのかを言葉で説明しろと言われても、不可能ですし
再現しろと言われても無理です。私が望んでいるのは、素晴らしいSSを再現できる
技術を学ぶための道筋を教えてくださいと言うことなんです。
我が儘がすぎることは承知しております。けれど、
>>107様や
>>110様、そのほか
恐らくはほとんどのバキスレ住人の方々が、面白いSSを望んでおられるはずです。
自分も努力していきたいと思いますので、誠に勝手ながら、ご協力をお願いいたします。
なお、遅くなりましたが、
>>107様、
>>110様、ご指摘ありがとうございました。
125 :
123:04/03/20 18:38 ID:84GO7hqN
なんか自分で言っておいて煽り合いをしてる自分に愕然。
とりあえず
>>118が俺の言いたい事だから。
むかついてもスルーしてくれ。
同意できる人がいたらモニターの前で頷いてくれればいい。
元々の原因は78が空気読まずに批評を投稿したことだが、
結局の所、それが有用か有用じゃないかを語っているんだよな。
俺の意見を言わせてもらうと、SS職人の皆さんはこんな事書かれてまで
SS続けると思うの?ここにいる人達は金貰って書いているわけじゃな
いんだからさ、普通はこんな刺々しい事を書かれたらやる気無くすって。
127 :
作者の都合により名無しです:04/03/20 19:54 ID:SMczN75f
やっと書きこめるようになった・・・。
これからも荒らしていくからよろしくね♪
巨人ファン
大学の卒業旅行は、フランスだった。
いよいよ私も社会人。だが、全く気力が沸かない。
やりたい事はないし、やれる事も少ない。ようするに、落伍者だった。
そのためフランスでは目一杯楽しもうとしたのだが、それが良くなかった。
いつの間にか、友人達とはぐれてしまったのだ。大ピンチである。
かと言って、むやみに焦るのも格好悪い。平静を装いながら、私は友人達を探した。
しかし、全く見当たらない。気がつくと、私はとある街道に立っていた。
斗羽正平。マウント斗羽。私の憧れだったプロレス王。
少し不自然なベレー帽を被り、街道を落ち着いた足取りで歩いている。
既に亡くなられたハズだが、現に目の前にいるのだ。
今にも話しかけたい衝動を抑えながら、私はその男を尾行する事にした。
男は何やら画材を買い揃え、どこかへ向かって歩いていた。おそらく自宅だろう。
すると突然、彼が足を止めた。そして、こちらへ向かってきた。バレていたのだ。
こうなっては、もはや言い逃れは出来ない。憧れだった巨人らしき男に、私から話し掛けた。
「あ、あの・・・マウント斗羽さんですよね?」
「彼は死んだよ。私は双子の弟なんだ」
「・・・・・・え?」
一瞬信じそうになる私に、彼は豪快に笑いかけた。
「ハッハッハ! ファンにウソはつけんなぁ、体に染み込んでしまってるらしい」
やはり、この男は斗羽さんであった。生きていたのだ。
私と斗羽さんは、近くの喫茶店へと入った。
頼んだものはコーヒー。自分の心臓がバクバクいってるのが分かる。
何を喋っていいものか。
「え・・・その・・・」
「何故、私が生きているか・・・だろう?」
ズバリだった。あまりに見事に的中したので、更に言葉が出なくなった。
もっとも今思えば、こんなのは当てられて当然だったワケだが。
「私はね、引退したかったんだよ。マウント斗羽から・・・」
色んな事を話してくれた。
巨体ゆえの苦悩、選べなかった人生、プロレスとの出会い、そして別れ。
一般人に比べ、極端に狭かった選択肢。
斗羽さんは、今までの自分の人生を噛み締めるような表情をしていた。
自分には、まだ当分出来そうもない表情だ。
「どうするね、キミは特大のスクープを手に入れたようなものだが・・・」
「言いませんよ。16文キックを喰らうのはゴメンですからね」
私と斗羽さんは笑い合った。そう、斗羽正平と。
斗羽さんと別れた私は、どうにか友人達と再会する事が出来た。
「何か、お前変わったな。顔付きが違うっつーか・・・」
「いや、気のせいだろ?」
日本に戻れば、厳しい社会が待っている。もう甘える事は出来ない。
私が斗羽さんの表情に追いつけるのは、きっと数十年先の事だろう。
しかし、私の身体には自信が満ちていた。
何の根拠もないが、マグマのように熱く煮えたぎるような自信が。
例え、この妙な自信が一時的な錯覚だったとしても、貴重な財産である事は紛れも無い事実だ。
>>107 >あの時点でオリバがスプリンクラーの件を知ってるはずないだろ。
このあたりで貴方の感性が分かった。
話を楽しむ能力を持たないんだなと。
二次創作で設定が矛盾してるのもどうかと思うけどな。
>>118 青いな。
どちらに道理があるかは置いといて
通用するはずもない相手にダラダラ意見を押し付けようとするのは
スレ的には荒らしだよ。
いいかげん場所をわきまえられませんかね
とりあえず「通用するはずもない」の根拠が提示されてないから、考え付いてからまたおいで。
まあまあ待て待て。歌舞伎の黒子に邪魔だと言うような人間に
説教をしてもしょうがない。
136 :
ふら〜り:04/03/20 23:19 ID:AkDHYODF
>>世界さん
「聖地への道」。上には上がいるという言葉が、この加藤には気持ちいいほどよく響きますね。
でも実際、真面目に、加藤ってこれぐらいだと認識してます私。なので気持ちよく楽しめました。
「嗜好」。他の二つはともかく、スプリンクラー握り放題って……そんなものに飢えてるのかシコル?
ちなみにあとの二人だったら、「歯引っこ抜き放題」「キャンディー掴み取り」とかですかね。
「巨人ファン」。……じ〜ん、としました。私も社会人ですので、
>やりたい事はないし、やれる事も少ない。
ちょっと、身につまされるものが。やりたいことはありますが、実際に何をしているかと思うと。でも、
>この妙な自信が一時的な錯覚だったとしても
こういうのを続けて繋げて、生きていく。というか生きていけます。「錯覚」をくれる存在は人それぞれ
でしょうけど、大切ですよね。人、小説、映画、あるいは漫画、ゲーム、アニメなどなど。
>>4×5さん
確か某スレで、ちょっと論争の後に「彼を本にしたのは妥当な罰」と結論が出て、私も同意しました。
なので「あぁやっぱり仗助はお人よし……」な感慨(?)がひしひしと。さて、ラストで出てきたのは?
>>転生さん
>「ルシュ王国流剣術奥義、九頭龍閃!」
なるほど。こういうやり方もあるなぁ、と一応SSを書いたことのある者として感心。私がアペデマス
を知らないのが不覚というか、ちと残念。でもバックボーンがなかなか厚そうで、これから楽しみです!
137 :
ふら〜り:04/03/20 23:21 ID:AkDHYODF
すみません、ちょっと蛇足させて下さい。
私が書いているのは「主観的な感想」であって「客観的な批評」ではありません。ですから当然、
客観性はありません。そしてこれから先も、客観性を取り入れるべく努力する気はないです。
職人の皆様は、お金を貰っていない以上、作品を書く義務はありません。同様に、読者側にしても
給料を貰っているプロの編集者でない以上、客観的で的確なアドバイスをして職人さんを育成する
義務はありません。というか、少なくとも私にはそんな能力はありません。的確なアドバイス、
ムリです。多分、的外れな事しか言えません。
ですから私は、職人さんたちにいろいろ書いて貰いたいという思いと、面白いと思った気持ちを
伝えたくて、レスしています。的確なアドバイスなどは、他の方にお任せして……って、もちろん
面倒だったら引き受けて下さらなくても結構ですよ。お互いに、義務はないのですから。
気楽にいきましょうよ、気楽に。批評も感想も作品も、義務でやったら楽しくないですから(義務的に
作品を書いて下さる職人さんは尊敬してますけどね)。
つーか、批評について批評してどうすんだよ。
批評をどう受け止めるかは作者達であって、外野がとやかく言う必要はない。
黙殺するも良し、真摯に受け止めるも良し、真っ向から受けて立つもまた良し、だ。
何で名無しがあーだこーだ騒いでるのかが理解出来ない。
>>138 ん?読者の一人として批評が正しいか間違っているか言っているんだが。
>>138 単純に、あーだこーだ騒ぎたいからだろう。理解可能?不能?
>>138に必要はないと切り捨てる権限はない。
批評についての批評を黙殺するも良し、真摯に受け止めるも良し、
真っ向から受けて立つもまた良し、だ。
>>138の真面目さから判断して、黙殺が一番向いてると思うけどね。
大事なのは批評なんかじゃなくて楽しむ事だと思うんだが。
他人の作品を重箱の隅をつつくように批判する事の何が楽しいのかさっぱりわからん。
作品に対して「面白かったです」とレスをつけるのは批評などではなくて、
あくまでも楽しませてくれた事に対するお礼だ。
面白くなかった作品にはお礼はせずにただ黙殺する。
もちろん批判などしない。そんな事をしてもちっとも面白くないからだ。
忌憚無き所を述べると、批評なんてご大層な事やりたい奴らはよそへ行って欲しいんだが。
何の為にこのスレが少年漫画板にあると思っているのだ。
とりあえず物事の楽しみ方は千差万別だという事を学ぶこと。
そして自分の感性だけが正しいのだという考えを捨てること。
それが出来たらもう少し人生楽しくなる。
スレが少年漫画板にあるから批評をするなという指摘は意味不明だが、
とりあえず少年漫画板だろうが創作板だろうが同じ2ちゃんにあるということだ。
もう少し冷静になってみればそれが見えてくるよ。
>>142 >とりあえず物事の楽しみ方は千差万別だという事を学ぶこと。
そして自分の感性だけが正しいのだという考えを捨てること。
それ言っちゃうと批評できなくなるよ。批評なんて所詮は個人の趣味だもの。
個人の趣味だから批評が出来なくなるという論法がよく分からん。
とりあえず客観的に観ておかしい点を指摘するくらいは普通に出来るけど。
っていうかそれが批評なんだけど。感想と間違えてるでしょ。
とりあえず批評はOKと思う。
でも、ここの批評は批評の「批(判)」ばかりで「評(化)」が無いんだよね。
マイナス面ばかりをグダグダ書き連ねるだけだし。勿論、改善点も書いてない。
職人のやる気削ぐために書いてるのかと邪推するほどです。
しょせん素人のやるものだから、楽しくやればいいと思いますが。
今までマンセーばかりというのも問題だったけど。
ま。どっちにしても職人さんは気に入らなければ読み飛ばせばいい。
プロでもないんだから、穴があって当たり前。
>>144 つまり客観的に見ておかしいところ以外は指摘しては行けないと?
>>141 何の為にこのスレが少年漫画板にあるのか
141の答えを聞きたい
おれは
>>142とほぼ同意見
ま、作品も批評も荒らしもマンセーも全てバキスレのうち。
それも含めてこのスレが好きなんだが。
基本的に批評(というよりレビュー)は賛成なんだけど、マナーとかは気をつけて欲しい。
それに極端すぎる、ここの意見。100%のマンセーか100%の批判かどっちかだもの。
職人も見ても参考にならんか(マンセー)辛いだけだろう。(批評?)
殺助氏はマダ〜? ディオさま見たいんだが。
批評くらい許容すれば?
しりとり荒らしの何倍もマシだ。
150 :
148:04/03/21 01:10 ID:bTbJJxxl
俺も批評は賛成。
でも見るといきなり「お前」呼ばわりとか、「〜に気付け」とか
そういう口調のが多すぎる。
内容は一緒でも、言い方変えるだけでガラリと印象変わるのに。
職人本人は乱暴な口調に関しても寛容だったけどね
>>150 そういう場なんだってば。
郷に入っては郷に従えとまでは言わないが、郷を知れ。
153 :
148:04/03/21 01:29 ID:bTbJJxxl
>>152 いや、わかってるってそれくらいw
2ちゃんで漫画カテゴリでバキスレっていうトリプルカウンターなんだからw
そうしてくれると有り難いんだがな〜っていう、ただの願望。
ところでパオまとめサイトに来ないな最近。何だかなぁ。
【麻雀劇場EXTRA(3)】
「ドラえもーん、アラブの大統領になりたいよ〜」
「はい、アラブの大統領〜」
ドラえもんは、アラブの大統領本人を出してやった。
「この人がアラブの現大統領だから、直接頼んでごらん。意外と簡単に
オーケーしてくれるかもしんないよ」
「ども、私がアラブの大統領です」
「おいオッサン、僕をアラブの大統領にしろ!」
「わかりました。今日からあなたがアラブの大統領です」
のび太はアラブの大統領になった。翌日、のび太は授業中に居眠りをして
先生に怒られた。
「野比!廊下に立ってなさい!」
日本の小学校の廊下に、アラブの大統領、立つ!
【完】
東三局、親はドラえもん。深夜の雀荘で小学生が麻雀に興じるという悪夢のような
雀卓に、ドラミがやって来た。怨みと怒りで、頭の上のリボンにはミミズまがいの
太い血管が何本ものたくっている。ドタ足を鳴らしてドラえもんに一直線に歩み
寄り、ドラえもんの真っ赤なお鼻をペンチでつまんでのたまった。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん」
「ほが?」
「あのハゲ、ぶっ殺しちゃってよ」
ドラミの両眼は、アカギ卓の江田島をピタリと睨み据えている。
「烈のオッサンをけしかけて色々やってみたんだけど、ガラス板一枚ぶち
破れないわ跳ね返った麻雀牌で自爆するわ、しまいにはあたしに向かって
麻雀の邪魔だからあっちへ行け、だって。麻雀なんかちっとも打って
ねーじゃねーか!あのオサゲ、クソの役にも立ちゃしねえ!お兄ちゃん、
この辺一帯立ち入り禁止区域になっても構わないから、ハゲのドタマに
一発臭いのお見舞いしてちょうだい!」
ドラミのプリティフェイスが怒りと怨みで醜く引き歪み、ペンチを握る手に
一層の力がこもった。
「痛い痛い。ドラミ、鼻が痛いよドラミ。そんなに頭にくるんだったら、自分で
何とかすればいいじゃないか。臭い秘密道具だったら一杯もってるだろ?」
「レディがそんなはしたないもん持ってる訳ないでしょ!かわいい妹の頼みも
聞けないなんて、あんたそれでも男!?このロクデナシ!マダムキラー!」
こんなにヒドイことを言われても、ドラえもんは平気な顔をしている。鼻を
つままれた状態で五巡目の九索を切り出して、気のない返事を繰り返す。
「うーん。でもなー」
「あたしはね、汚い仕事は全部他人に任せる女なのよ!偉いでしょ!大体
お兄ちゃんだって、あのハゲにはずいぶんとひどい目にあわされてるじゃない!
忘れちゃったの!?」
ドラえもんの脳裏に、江田島に受けた数々の仕打ちが甦った。あっけらかんと
した表情にみるみる怒りの影が射し、頭に木の根っこのような極太の血管が
幾筋も浮かび上がった。
「そうだよな。俺たちだって基本的にはハゲだけど、あのハゲを許すわけには
いかないよな。ドラミの言う通りだ」
ドラミの話に、ドラえもんは初めて興味を示した。同時に、兄貴の鼻をペンチで
締め上げるドラミに無性に腹が立ってきた。八巡目の二筒を切りながら、邪悪な
笑みを刻んでポケットから糸のこぎりを取り出して、ドラミの鼻の付け根を
シャコシャコ削り始めた。
「でしょでしょ。ハゲをぶっ殺して、二人で幸せになりましょうよ。でも
あたしはハゲじゃないからね。リボンがついてるでしょ」
「うん。たった二人の兄妹なんだから、仲良くしようね。ところでリボンは
あくまでもリボンだろ。これのどこが髪の毛なんだよ」
「お兄ちゃん、頼りにしてるわよ。どっからどう見ても髪の毛でしょバカ。
ちゃんと血管も通ってるし、切れば血だって出るんだから」
二人の笑顔が引きつっていく。ペンチの圧力とのこぎりの往復速度は、すでに
超人の域に達していた。
「髪の毛から血なんて出る訳ねーだろ。そういうアホな勘違いが、ハゲの
何よりの証拠なんだよ!」
「勘違いのタネすら存在しないパーフェクトなハゲに言われたくないわよ。
悔しかったらタンポポの綿毛でもいいから頭に生やしてみなさいよ!」
「むがー!」
「ぬおー!」
乾いた音を響かせて、ドラえもんとドラミの鼻が同時に床に転がった。すぐに
拾い上げて安全ピンで元通りにくっつけて、二人はがっしりと握手を交わした。
「さ、和解も成立したところで、江田島に正義の鉄槌を下しちゃおうぜ。この
バズーカ砲を使えば最凶死刑囚だってイチコロさ」
「サイキョウ死刑囚ってなによ。のび太さんも同じ事言ってたわね。それって
流行ってんの?まあいいわ。あたしが自分で撃つから、貸してちょうだい!」
自分の手は汚さない筈のドラミが、ドラえもんからバズーカを引ったくって肩に
乗せ、クルリと振り返って銃口を江田島の背中に向けた。振り返った拍子に
バズーカの砲尾がのび太の後頭部を直撃した。
「ぐげっ」
カエルが潰れたような声を出して、のび太が前につんのめった。つんのめった口が
44マグナムの銃口をすっぽりとくわえ込んだ。
「標的、前方のハゲジジイ!照準よーし!右よーし!左よーし!」
ドラミの指がバズーカのトリガーにかかった。江田島店長、万事休すか!?
「ファイヤ!」
炎と白煙のコントラストを切り裂いて、漆黒の砲弾が唸りを上げて江田島の
後頭部に襲い掛かった!
カコーン!
江田島のスキンヘッドは最凶死刑囚よりも硬かった。厚さ30センチの鉄板をも
ぶち抜く未来の砲弾は、江田島の後頭部にものの見事に弾き返され、ドラミの
頭上の天井を突き破って夜空の彼方に飛んでいった。砲弾の行方を見届けた
ドラミが、あまりの事態に口の端をひくつかせている。
「んな、ムチャクチャな…」
ギシッという音がして、江田島の椅子がゆっくりと回り始めた。完全にドラミに
向き直った江田島の耳からは、わずかに煙が立ち昇っている。のそりと立ち
上がってドラミを見て、なぜかニタリと笑いかけ、次の瞬間、
「なーにをするんじゃー!」
耳の煙が爆発的に噴き上がった!怒りの蒸気をたなびかせて、江田島の巨体が
ドラミ目がけて突進した!
「よっこらせっと」
同じ相手に二度もやられるドラミではない。素早く体勢を立て直し、江田島の
ハイパータックルを間一髪で回避した。ドラミの後ろにいたのび太が、ドラミの
身代わりとなってタックルの直撃を受けた。衝撃で、のび太のツモ山が崩れて
雀卓に散らばった。口には44マグナムを咥えたままだ。
「あ。のび太くん、ツモ山を崩した」
「もが?」
ダムーン!
ドラえもんの指摘が聞こえたかどうか。三たび放たれた44マグナムの凶弾を
まともに口で受け止めて、のび太の顔の上半分は跡形もなく吹き飛んだ。
飛び散った脳漿を頭から浴びた江田島だが、おしぼりでひとぬぐいしただけで
キレイさっぱりふき取れた。こういう時にはハゲは便利だ。
「フン!みみっちい脳みそじゃのう!犬のクソかと思ったわい!」
ドラミに攻撃をかわされたことなど意にも介さず、江田島は満足そうに自分の
席に戻っていった。
椅子にもたれかかったままののび太の死体を、ドラミが物珍しそうに右手で
ツンツン突っついている。
「へーえ。のび太さん、死んじゃったのねー。可哀想に。そろそろハゲいじりも
飽きたから、今度はセワシさんのカレー作りの邪魔でもしよっと。バイバーイ」
惨たらしいのび太の死に様にすっかりシラケムードとなったドラミもまた
その場を離れた。片手にどす黒い液体の入った薬瓶をぶら下げて、奥の厨房へ
姿を消した。
のび太の頭がザクロになったのと全く同時にドラえもんが切った十二巡目の
六萬は、しずかの当たり牌だった。ピンフのみ、1,000点ポッキリ。懲罰対象が
同時に発生した場合はよりのび太チックな方を優先、残りは不問に付すという
夢のような裏ルールのおかげで、ドラえもんに銃口が向けられることはなかった。
「のび太くん、東四局が始まるよ。いつまで死んでるつもりだい?」
ドラえもんは背もたれにかけてあったタイムふろしきを、一人で生き返ることも
できない無能なのび太におっ被せた。のび太は蘇った。鼻歌まじりにふろしきを
剥ぎ取って、キレイに折りたたんでドラえもんに返してやった。
「あー、よく死んだ。これで三回目だっけ?ピストルの弾にも慣れちゃったよ。
撃つんですかそうですか、急所を外さないように頑張って下さいねって感じ。
僕なんだか、少しだけ大人になれたような気がするよ」
「そうか、それはよかったねえ。東四局いってみようか」
東四局、親はスネ夫。のび太の配牌に勝負手が入った。
九九(4)(8)6南中中中発発白白
「うひょー!俺の時代がやってきたー!」
二巡目に発ツモ、四巡目に白ツモ。大三元に向けて邁進するのび太の足元に
烈海王がやって来た。うんこ座りで背中を向けて、麻雀牌を床に並べている。
あと数牌で仕掛けの完成というところで、牌のストックがなくなった。哀しげに
首をめぐらして、後ろの卓上に麻雀牌が溢れかえっているのを発見すると
片手で持てるだけの枚数を四の五の言わずにふんだくった。細心の注意を払って
作業を続け、めでたく大四角形が完成した。自分で自分に拍手をして、誰もいない
空間に向かってお辞儀をして、意気揚々と自分の卓に引き上げていった。
六巡目、のび太のツモ。何だか手牌が短くなったような気がする。
「あれ?のび太くん、何だか手牌が短くなったんじゃない?」
「え?どれどれ」
ドラえもんに言われて、のび太は手牌を改めて確認した。
九九(4)(8)6南 西←ツモ
「わーお!七枚も少牌してるじゃーん!」
「そうだね、少牌だね。ということは…」
「ということは!すっかりお馴染みの44マグナムが!」
ドギャーン!
すっかりお馴染みの44マグナムが、のび太の股間に牙を剥いた!
「ひえー!」
のび太は死んだ。血の小便が飛沫をあげて、息絶えたのび太の体を朱に染め
上げた。ドラえもんがタイムふろしきをかけたら生き返った。ふろしきを高々と
放り上げて真正面を見据えたのび太の眼には、これまでにない自信と力強さが
みなぎっていた。
「ドラえもん、僕わかっちゃった!人間って、基本的には何をしても死なない
ようにできてるんだね!もう44マグナムだってジャイアンだって、最凶死刑囚
だって怖くもなんともなくなっちゃったよ!」
「偉い!僕がのび太くんに教えたかったのは、そのクソ度胸だったんだよ!」
危険回避能力なんか、なくても全然構わない。ミスを恐れぬ勇気を身につけた
のび太に、もはや怖れるものは何一つない。
いよいよ南場に突入した。本当の勝負は、これからだ!
乱暴な口調と丁寧な口調、批評として効果があるのは前者らしいね。
(乱暴と言うよりは厳しい口調と言った方が正しいか)
どうでもいいけど。
163 :
作者の都合により名無しです:04/03/21 13:57 ID:EkR9w3pO
2ちゃんなんだから、批評したい奴は批評すりゃいいし、それに文句あるやつは文句垂れりゃいいじゃん。
164 :
殺助:04/03/21 14:26 ID:L0Ugfuqe
>ドラえもんがタイムふろしきをかけたら生き返った
そうか!この手がありましたねw
しかし延々と麻雀教室続けて「クソ度胸」で括られるとは。さすがのび太。
>批評について
存分にやって頂いて構わないと思います。意見は人それぞれですし。
でも今までを見ると粗野な批判だけで建設的な意見は皆無なんで、
僕は多分読み飛ばしますが。作品以外で長文読むの面倒くさい。
別に酷評されようがマンセーされようが、正直どうでも良いんです。
所詮素人だし、好きで書いてるだけだから。
ただ、パオさんやVSさんのご意見は聞きたいです。
トップの書き手からの作品の作り方は参考になりますし。
忙しくて最近書けませんでした。また来週から頑張ります。
>>164 また余計な事を……氏んでくれよ、頼むから。
何でこう、わざわざヤブを突っつくような奴が多いんだ、ココは。
>>殺助
それは見たい。VSさんの批評は確かに見てみたい。
>>162 つまり、上の方で批評していた奴は効果のあるレスができたと?
そうは思えないのだが・・・
>>164 見てみたい。本人はどう思ってるんだろう?
見てたら返事希望。
あと、再三言われていることだが批評する側も素人なんだから、
建設的なことがいえないのは当たり前なのでは?
もちろん、建設的なことを言うために努力してほしいのは分かるが、
ただで書き込んでいる人間が、いったい何のために努力して
人のSSを良くして行かなくてはいけないのか。
場合によっては、気に入らないSSを書く奴をスレから追い出す方が
効率が良いかも知れない。その事を踏まえれば、批評(?)をする人間
だって、「二度と書くなボケ!」ぐらいは書いても良いかも知れんぞ。
それで、その人間の目的が達成できるなら、それも一つの手段だろ。
>>167 気に入らない奴を追い出すための言葉は批評とは違う
文脈を読んでいけば
批評である必要はないんだよね、別に。
殺助氏の意見には賛成。少し書き方に気を使って欲しかったが。
(粗野な批判だけで建設的な意見は皆無と書かれた行は要らない)
今までの批評ごっこを見ると勿論真理も多少含まれているが、
あれ見てやる気を出す職人はいないと思う。むしろ無くすだろう。
だったら読み飛ばしてもらった方が良い。
素人の書く作品には好き勝手言うのを許容し、その素人の批評には
「所詮素人の書く批評だから、建設的な事言えないのは当たり前」
と言うのは筋が通らないように思える。
しょせん2ちゃんだからどんな書き込みがあろうと仕方ないが、
職人は一々反応しなくても良い。勿論、返答レスなんて要らない。
読まないか、読んでも「へえ、そうですか」と思ってスルーすれば良い。
ただ、確かにパオ氏とVS氏の批評は読みたいな。
この2人なら単なる意見だけで終わらず、
トップの書き手としての見方とSSの作成方法論まで書いてくれそうだ。
昔のパオ氏の読んだか読んでないか分からないような
(1985氏とかに向けてたような)ただの「お疲れレス」なら要らないけど。
だから、パオさんかVSさんに、「SSの書き方」を示してもらおう。
そして、テンプレにいれよう。
このスレにいる限り、この二人は絶対なくてはならない存在。
175 :
171:04/03/21 23:49 ID:e3QSLPVX
>>174 >>170はパオさんかVSさんに、「SSの書き方」を示してもらいたい
職人の発言かと思った。違ったけど。
ところで、職人は誰それにレクチャーしてもらいたいって願望あんのかな
両方ともすごい職人と思うけど、
パオ氏は必死で頑張って書き続ければいつか辿り着ける高い山、
VS氏は何かを捨てなければ辿り着けない深海、という気がする。
VSさんのはセンスだからなあ。
積み重ねていれば必ず届くというようなものじゃないな
好き勝手色々言ってますね。
パオ氏の境地には道が見えている。これを続けていけば辿り着けると言う道が。
でもVSさんの境地には道が見えない。どうすれば辿り着けるかわからない。
お前ら、VS氏を褒めているのかも知れないけど、
そんなこと言われてうれしいと思うか?
俺自身も経験があることだが、ある種の才能に関して
周りから努力を否定するようなことを言われ続けると
結構傷ついたものだぞ。
努力は否定していないよ。
99%のパースピレーションがあったとしても
1%のインスピレーションが来るかどうかみたいな
まぁ、間違いなくバキスレナンバー2だわな。
俺ら一般人がVSさんに追いつくにはシャブかヤクしか方法はないわな。
ヤクバレのヤクってそういう意味?
どういう意味?
184 :
作者の都合により名無しです:04/03/22 07:17 ID:Yi6+lE6+
新撰組復活するかもよ。
まあオレは楽しみだが。
>>183 「薬中の人間が書いてるかのようなネタバレ」の意。
ところで、たかだか2ちゃんで同人小説書いてるような奴らにレクチャーされるっていかがなもんかと思うんだが。
信者にしちゃレベルが違うんだろうが、実際同人小説としてはどれも似たようなものだろ。
それぞれが好き勝手書きゃいいよ。
それでつまらなきゃつまらないって言えばいいんだし。
わざわざ
>>173が言うようにテンプレ化までさせようとする意義が全く理解できん
たかが2ちゃん、されど2ちゃん。
どこでも階層は存在し、パオ氏とVS氏が(漫画カテゴリの中では)
最高の職人である事は多くの人間が認めている。
確かに好き勝手書けば良いというのはその通り。完全同意。
だが、2人の書き方を知りたいと思う人間がいるのも事実。
テンプレ化は流石に行き過ぎと思うが、出た希望は認めるべき。
俺も2人がどんな思考でSS書いてるのか知りたいし。
というかそれこそそれはまとめサイトでやった方が良くないか?
188 :
186:04/03/22 12:46 ID:vMzjHMJP
実は俺もそう思う。
実際、パオ氏は魔界編のあとがきで
SSの書き方も書くとかいってたしね。
多分サイトでって事だろ?
まぁ別にやりたい人は勝手にやればいいのでは?
オレは興味ないし。パオとVSがどんな風にSS書いてたってどうでもいいし。
別に特別な感情をこの二人に持ってるわけじゃないし。
職人に対して「尊敬」なんて感情はもったことないよ。
ありえない。人それぞれだけどね。
後今の職人はなぜパオやVSをこうも持ち上げるのだろうか。
尊敬とかするのは勝手だが、毎回のように言わなくてもいい。
特筆した差はないんだから。職人の馴れ合いがうざいと言われても仕方ないですよ。
昔の職人のように、俺は俺。あいつはあいつって感じでいたほうがいいと思うんだけど。
>>186 >どこでも階層は存在し、パオ氏とVS氏が(漫画カテゴリの中では)
最高の職人である事は多くの人間が認めている。
ネタかマジか分からないが、いくらなんでも神格化しすぎ
自分の意見=スレ住人の意見=板全体の住人の意見=カテゴリ全体の住人の意見
と考えるのは気でも違ってるとしか思えないぞ
一度落ち着け
殺助がパオに教えを受けたいというなら勝手にやればいいじゃん。
まとめサイトでパオ様にお願いしてさ。
この話題やめにしない?SSも投稿しづらいぜ。
>>189 なおかつ「お互いに認め合う」ってスタンスが良かったね。
>>170からのパオ・VSマンセーっぷりは、正直気持ち悪い。
いくら何でも言いすぎだろ……と言いたくなる。
批評してやると名無しが偉そうに言いだしたら、住人と職人が怒るのは当たり前だわ。
素人だから的外れの批評でも責任が無いと言い出すのなら荒れるに決まってるわな。
職人と批評者との間に平等な関係は成り立ってないようだな。
好き勝手言われているのに、下手に出まくっている転生作者を見るとそう思った。
的外れとか間違った批評だとかいう意見は腐るほど聞くが、
どこがどう的外れなのかは一回も聞いたことがない。
「お手本を見せてください」
批評そのものが無いのが理想なんだろうけどな。
実際問題、批評者は好き勝手に書けるが、もし作者が少しでも反論したら
あっという間に荒れる。もしくは叩かれる。理不尽だと思うのは俺だけか?
俺はただSSが読みたいだけなのにな。
また自分の好みだけ主張しちゃって〜。
みんなが同じ楽しみ方を持っているなんて理想論どころじゃなくて妄想の域。
ただSSを読むことが楽しい奴もいれば批評する事が楽しい奴もいるしスレを荒らすことが楽しみな奴もいる。
そんな中で「俺はただ〜」とか言われてモナー。
>>195 的はずれと言っている人間は少数派のように思えるが。
実際、批評に関してレスしているコテハンをみれば
殺助は建設的でないと言っているだけで、内容そのものは否定してないし。
転生はありがとうございました。とまで言ってるし、
ふら〜りは、批評した人間については何もふれてない。
今まで見た限り、あまり的はずれだとか間違ったとか言う意見は見たこと無いな。
逆に、中身については正しいと言っている意見が多い。
ただ、その言い方や物腰、フォローの無さなど態度について言及している
ものが多い。
待て、皆冷静になれ。
>>78>>107はどう見ても荒らし。これ以上この話題を続けるのは行けないと思う。
荒らしは無視するのが一番。
>>201 >>195でお前が言っているのは、批評の中身が正しいかどうかについてだろ。
>>200で言っているのは荒らしかどうかについて。荒らしかどうかと言うことと、
的はずれ、間違った批評かどうかと言うことは必ずしも一致しないだろ。
言っていることが正しくても、荒らしになることはある。俺は荒らしだと思ってないけどね。
ていうか、文章力がどうのこうの言ってるわりには、文章力に言及した批評がないよな。
アカギ卓、東四局ニ本場。息も絶え絶えの江田島とジャイアンは、もはや牌を
ツモって捨てるだけで精一杯の有り様だ。たった今戦線復帰したばかりの烈は
筋肉モリモリの元気いっぱいだが、えいやっとツモってきた手には何も持って
いない。そいやっとその手を叩きつけた雀卓には何も捨てられていない。ツモる
真似と捨てる真似。このアクションを、烈は延々と繰り返している。
白林寺の拳法修行も、始めは型の練習から始まった。型を極めたら海王になれた。
麻雀だっておんなじだ。地道な努力を続けて、俺は見てくれの頂点に立つ!
ぎこちなかった烈の腕の振りが、だんだんとスムーズになってきた。フォーム
固めに黙々と打ち込む烈の真摯な姿は、汚れた地上に降り立った女神さながらに
美しい。
でも勝負には全然参加していない。やっぱり実質三人の対局なんである。
「リーチ」
七巡目、アカギにリーチがかかった。一発を警戒する江田島とジャイアンは現物で
ベタオリ、烈は何も切らないので振込みようがない。アカギも一発ツモはならず
再び江田島にツモ番が回ってきた。
「もうワシ、田舎に帰って学校の先生でもやろうかな…」
今にも泣き出しそうな顔で、江田島がポツリとつぶやいた。鍛錬の行き届いた
逞しい胸に、巨大な水戸納豆の藁包みをしっかと抱いて、アカギが怖くてブルブル
震えている。
「ケンカしか能のないクソガキをいっぱい集めて、ゼロ戦の着ぐるみを被って
ブオーンって戦争ごっこやったり、富士山の頂上で殺し合いとかやらせて
お巡りさんに怒られたり…。なんかワシ、雀荘の店長よりそういう仕事の方が
向いてるような気がするのう…」
勝負を忘れて妄想の世界を駆け巡る江田島が、ツモった一筒をロクに確認もせずに
力なくそのままツモ切った。
「ロン」
三四五(2)(3)(7)(8)(9)西西西北北
「リーチのみ。2,000点のニ本場は2,600点」
静かに開かれたアカギの手牌を、江田島はしげしげと見つめている。どんよりと
濁ったその目が、強い輝きを放ち出した。
「ふは」
熱いギョウザを食っているのではない。江田島の口から白い歯がこぼれて、胸元の
藁包みが強烈に締め付けられた。
「ふはははは!トビのピンチを二度までも逃れて、辿り着いた境地がその程度か!
リーチのみなど痛くもなんともないんじゃー!」
江田島の腕力に耐え切れず、藁包みが盛大に爆ぜた!大粒の納豆をまともに浴びて
ベトベトになった羽織をガバチョと脱ぎ捨て、江田島の筋骨隆々の上半身はが
むき出しになった。
「アカギなんぞにビクつきおって、この江田島の臆病者!えい!えい!」
ピンクの乳首を指先で弾いて、江田島は自らに戒めを与える。活力を取り戻した
江田島の全身を強者のオーラが包み込み、周りの景色を妖しくけぶらせ始めた。
江田島、待ってましたの大復活!
江田島 32,100点
烈 31,000点
ジャイアン 27,300点
アカギ 9,600点
ドラえもん卓、南一局。親ののび太が下家のしずかのスカートをやにわに
捲り上げた。
「ややや!しずかちゃん、今日のおパンツは愛川欽也のワンポイント付きで
ございますか!」
「いやーん!のび太さんのエッチー!」
恥じらいながらも艶かしい微笑を浮かべて、しずかがのび太の右耳をジャック
ナイフで削ぎ落とした。ほとばしる鮮血には委細構わず、のび太は床に落ちた
右耳を拾い上げてドラえもんの前でヒラヒラさせた。
「おー痛てー。ドラえもん、タイムふろしきプリーズ!」
「知らねーよバカ。麻雀以外でのトラブルで俺に面倒かけるなよ」
ドラえもんはにべのもない。突き放されたのび太も別段ショックを受けた風でも
なく、耳をゴミ箱に投げ捨てて、第一打を河に切り飛ばした。
「んだよ、ドラえもんのケチ!まあいいや、次はしずかちゃんのツモ番だろ。
さっさとツモれよこのメスブタ!がー!」
「いやーん!のび太さんのいじわるー!」
しずかのジャックナイフがきらめいて、のび太の左耳も地の泥をなめた。両耳を
失ったのび太だが、恐怖や動揺はかけらも見られない。勇気と度胸と鉄石の心で
カイザーロードを突き進むのみである。生ゴミ同然の左耳をゴミ箱送りにして
何事もなかったかのようにツモを重ねていく。
「リーチ!」
五巡目にして、のび太がリーチを宣言した。捨て牌を横に曲げてリーチ棒を
卓上に放り投げたところで、スネ夫がのび太に衝撃の事実を打ち明けた。
「おいのび太、これ麻雀牌じゃなくてカントリーマアムじゃないか?」
「うん!甘くてしっとりしてて、僕の大好物なのさ!」
「んで、こっちのはリーチ棒じゃなくてセロリの野菜スティックだな?」
「その通りだよ!現代人はビタミンが不足しがちなんだから、青物もキチンと
とらないとね!」
パヒューン!キュポーン!
44マグナムのニ連発が、のび太の鼻の両穴に滑り込んだ!
「あーれー!」
巨大な鼻くそと化した鉛の弾はのび太のドタマを貫通し、後頭部に開いた二つの
穴から真っ赤な鼻水を噴き出して、のび太は死んだ。麻雀でのうっかりミスなので
ドラえもんはタイムふろしきをかけてやった。のび太は生き返った。耳も元通りに
なった。
「いえー!復活!」
のび太、奇跡の大蘇生!
「リーチじゃクソが!」
アカギ卓、東四局三本場。豪腕を取り戻した江田島が、先制のリーチをかけた。
ジャイアンとアカギが現物を切り、続く烈が華麗なフォームで今度はキチンと
牌をツモった。恰好だけは一人前になったようだ。流れるような手さばきで
切り出した五索に、ジャイアンがうなされる様に反応した。
「ポン…。俺様の…ジャイアンノートが…」
■■■■■■■ 678←チー 555←ポン
ジャイアンノートを失った哀しみは計り知れない。誰の助けも借りずに麻雀を
打つという未曾有の体験に狼狽を隠しきれず、とにかく鳴ける牌は何でもかんでも
鳴きまくるジャイアンである。
次巡の烈、打南。
「ポン…。ジャイアンノートは…ペペロンチーノで…」
■■■■ 678←チー 555←ポン 南南南←ポン
ジャイアン、南をポン。次巡の烈、打八萬。
「ポン…。戦争…飢餓…バイアグラ…」
■ 678←チー 555←ポン 南南南←ポン 八八八←ポン
ジャイアン、八萬をポン。これで役はなくなった。リーチ以来、江田島はただの
一度もツモることができない。
「いい加減にせんかー!貴様はそれでどうやってアガるつもりじゃー!」
江田島が抜け殻のジャイアンの襟首をつかまえて激しく揺さぶるが、所詮は
抜け殻なので、いくら振っても何も出てこない。次巡、ようやく江田島にツモ番が
回ってきた。しこたま食い荒らされた後のツモは、見るも無惨なクソツモだった。
「こんなもんでアガれるかー!ボケー!」
江田島、ノドチンコを震わせて打一筒。
「ロン」
二二四四九九(1)4477白白
「チートイツのみ。2,400点の三本場は3,300点」
「ぐっ…!」
またもアカギに振り込んだ江田島の眉毛が、怒りでピンと逆立った。乱暴に
手牌を崩して、ブルドーザーのように回収穴に放り込んだ。次は四本場だ。
烈 31,000点
江田島 28,800点
ジャイアン 27,300点
アカギ 12,900点
ドラえもん卓、南二局。しずかの親など何ぼのもんじゃいとばかりに、のび太は
初っ端から飛ばしに飛ばした。
「ポン!」
■■■■■■■■■■ 一(1)1←ポン
のび太、上家のスネ夫が切った一萬をポン。
「チー!」
■■■■■■■ 一(1)1←ポン (7)(8)(9)←チー
のび太、下家のしずかが切った七筒をチー。
「カン!」
■■■ 一(1)1←ポン (7)(8)(9)←チー 中東中中中←カン
のび太、対面のドラえもんが切った東をカン。
「わはははは!どーだ僕の速攻は!恐れ入ったか!」
「恐れ入ったつーかさー」
さも面白げに成り行きを見守っていたドラえもんが、ここでやっとのび太に
話しかけた。
「ポンは同色じゃないと出来ないし、チーは上家からしか鳴けないし、カンに
至っては訳が分かんないよ。のび太くん、その辺はどーなのよ」
「ドラえもんはすーぐムキになるんだから。これぐらいのイタズラ、笑って
見逃せないと大物にはなれないぞ!」
「ふーん。ということは、全部分かってやってたんだ」
「もっちろん!」
キュン!キュン!ムキューン!
一発ずつ撃つのも面倒くせー。44マグナムが、満を持して三発のお仕置き弾を
お見舞いした。
「わほー!」
正三角形にくり抜かれたのび太の胸板の向こうに、ノースウエストのヤニで汚れた
壁が見える。のび太は逝った。タイムふろしきをかけると、のび太は戻ってきた。
「さあ、次行ってみようか!」
のび太、怒涛の再降臨!
アカギ卓、東四局四本場。振り込みを続ける江田島の配牌はしかし、いささかも
衰えを見せることはない。
一二三五六七八九3東東中発
「まだまだー!」
四萬ツモ、東ツモ、九萬ツモ。わずか六巡で高目ハネマンテンパイに漕ぎつけた。
この江田島の快進撃に待ったをかけたのは、やはりアカギだった。
「リーチ」
「ふん!」
アカギ様のリーチを、江田島は鼻で笑い飛ばした。ツモ番が回ってくるや否や
岩のような拳を山に伸ばしてツモ牌を勢いよく引っ張り込んだ。
江田島、ツモ一筒。またしても一筒だ。しかし今回はちと事情が違う。江田島は
上家の烈の手牌にチラと目をやった。
■■■■■■■■■■ (1)(1)(1)←ポン
烈が一筒をポンしている。場にはニ筒が四枚、北が四枚切れている。シャボ待ちも
タンキ待ちもリャンメン待ちもない、国士もない。一筒が当たり牌である可能性は
ゼロだ。こんな一筒など、考えるまでもなく即切りだ!
「当たれるもんなら当たってみい!チェストー!」
「ロン」
五六七(1)(5)(6)(7)234567
「リーチ一発三色。12,000点の四本場は13,200点」
「チェストー!」
怒りの江田島が、卓の縁に両手を引っ掛けて一気にひっくり返した!素早く手牌を
持ち上げて難を逃れたアカギの額に額を押し付けて、ここぞとばかりに因縁を
つける。
「この拳法バカが一筒をポンしておるだろーが!どうして貴様の手の中に一筒が
あるんじゃい!あんまりふざけた真似をしとると、ハゲ侮辱罪で訴えるぞ!」
法の力を盾にしてわめき散らす江田島の肩を、烈がつんつんと突っついた。
「何じゃい!今は貴様なんぞに構っている…」
烈の手の平に、三枚の一筒が乗っかっていた。先ほどのポンを確保したものだ。
端っこの一枚に爪をかけて一筒のマークをペロリとはがすと、江田島のピンクの
乳首の片方に貼り付けた。マークをはがした後の一筒は、表面ツルツルの白に
なった。
ややあって、江田島は落ち着き払った調子で烈に問いかけた。
「烈くん。君の持っていた一筒は、こりゃニップレスだったのかね」
一筒と白を床に置いて、烈はコクリとうなづいた。
「そうか。ところでワシの片乳首は未だ健在なんであるが、こっちはどうする
つもりなのかね」
肩をすぼめて、烈は江田島を小馬鹿にした表情で首を横に振った。そんなもん
テメーで何とかしろっつーの!死ねよハゲ!
「チェストー!」
「ぶひー!」
江田島の魔拳を顔面に受けて、烈は極楽浄土へ旅立った。烈のイカサマは誰もが
認めるところだが、あいにくこの対局において、烈はアンタッチャブルな存在だ。
だって麻雀打ってねーんだもん。アンタッチャブルの犯した反則に、ルールの
適用など出来る筈がない。アカギの手牌も健在である以上、アカギのアガリには
まったく文句のつけようがない。
「うがー!」
ニップレスを邪険にはがして、江田島が13,200点を耳を揃えてぶん投げた。雀卓を
起こして牌をかき集めて、長い東四局はまだまだ続く。
烈 31,000点
ジャイアン 27,300点
アカギ 26,100点
江田島 15,600点
ドラえもん卓、南三局。親はドラえもん。
「ロン!」
アガリを告げるのび太の鋭い一声が、日曜日の夜のしじまを引き裂いた。
(1)(1)(1)(1)(1)(1)(1)(1)(1)(1)(1)(1)(1) (1)←ロン
「どーだ!これだけ一筒を揃えれば、どうひいき目に見ても役満だろう!
まいったか!」
ズラリと並んだ十四枚の一筒を見せられて、ドラえもん達はしばし声もない。
ややあって、振り込んだドラえもんがのび太に問いかけた。
「のび太くんは、そんなに一筒が好きなのかな」
「うん!三度のスカトロよりも、一筒が大好きさ!」
一点の曇りもない澄んだ瞳でドラえもんをまっすぐに見つめて、のび太は
元気よくうなづいた。
「そうだね。シンプルかつ大胆なデザインだからね。僕も一筒が大好きだよ。
ところで、それだけの一筒を集めるのは大変だったでしょ。一体どこで
拾ってきたのかな?」
「テメーなんかにゃ教えてやんねーよ!バーカ!」
両手をバッテンに組んで、のび太は鼻の穴を大きく膨らませてアカンベーをした。
「それは残念だなぁ。ほんじゃのび太くん、いつものいくよー」
ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!
ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!
自動装填のシリンダーが物凄い勢いで回転して、44マグナムの十四発の弾丸が
のび太の全身を蜂の巣にした!
「うおっしゃー!」
恐怖と苦痛の悲鳴は、いつしか力強い雄叫びへと変わっていた。ボロ切れのように
なったのび太の死体を、ドラえもんがタイムふろしきで力いっぱいひっぱたいた。
のび太のケガは完璧に癒えた。腐れ切ったこの世の中に、僕らののび太が帰って
きた!
「次はいよいよオーラスだね!みんな、俺についてこい!」
のび太、不死鳥のように社会復帰!
転生作者が「下手に出てる」って思ってる人は、慇懃無礼って言葉を知らないのかな?
あのレスは、どう見ても批評家への皮肉だろ。
「素晴らしい批評、どうもありがとうございます。ところで、手本を見せてもらえますか?」
アカギ卓、東四局五本場。ツモを握った江田島の右手が、江田島の顔の前で
ゆっくりと開かれた。
江田島、ツモ一筒。リーチのかかったアカギの捨て牌を、江田島は血走った眼で
じっと睨んでいる。
九三四南六四
四七五(8)←リーチ
わななく右手を静かに下ろして、ツモった一筒を自分の手牌に横付けした。
二二(2)(2)(2)(3)(3)(3)(4)(4)222 (1)←ツモ
「ワシは…」
下ろした右手に牌をつかんで、江田島は再びその手を虚空に掲げた。裂帛の
気合いが全身に漲り、熱い吐息が嵐となって室内に吹き荒れた!
「ワシは雀荘ノースウエスト店長、江田島平八であーる!」
江田島、打ニ萬!ベタ降りだ!
ドラえもん卓、南四局。親はそこいらの誰か。
「リーチ!」
第一打の中を、のび太は颯爽と横に曲げた。ダブルリーチだ。
「のび太くん、絶好調だねえ」
「当ったり前さ!ボクの勢いは、もはや誰にも止める事はできないのさ!」
皮肉とも本音ともつかぬドラえもんの口吻を、のび太は真っ正直に受け止めた。
信じる気持ちが、人を何倍も強くする。のび太はもう迷わない。どんな困難が
待ち受けていようとも、のび太はきっと歩き続けるだろう。前へ、ひたすら前へ!
「ロン」
アカギの一言が、意味を持たぬノイズとして江田島の耳にかすかに届いた。
二二(1)(1)(5)(5)(5)(6)(6)(6)999
「リーチ一発トイトイ三暗刻。ドラが六筒、裏ドラが二萬。36,000点の五本場は
37,500点」
「ノースウエスト、バンザーイ!」
口から泡を吹き出して、江田島は椅子ごと卒倒した。江田島のトビで、半荘は
東場にて終焉を迎えた。アカギ、見事な逆転勝利である。
アカギ 63,600点
烈 31,000点
ジャイアン 27,300点
江田島 -21,900点
「ロン!」
スネ夫の指が捨て牌から離れるのももどかしく、のび太が手牌を一斉に倒した。
六八九(1)(2)(3)(5)(6)(7)(8)(9)北北 (4)←ロン
「ノーテンダブルリーチのみ!子のチョンボは-2,000点と-4,000点!」
ドデーン!
44マグナムは、巨大なバズーカに取り替えられていた。江田島の後頭部には
思わぬ不覚をとったバズーカだが、のび太の五体は完膚なきまでに砕いた。
ドラえもんがタイムふろしきに石を包んでのび太の生首に投げつけた。バラバラに
なったのび太のパーツが見る間にくっついて、のび太は復活した。
「半荘終了!お疲れ様でした!」
「お疲れ様でしたー」
のび太の音頭で締めの挨拶を交わし、麻雀教室は幕を閉じた。
こちらも試合を終えたアカギが、のび太の元にやって来た。アカギを迎えて
のび太は椅子から立ち上がった。ポーカーフェイスにわずかな笑みをたたえて
アカギが言った。
「待たせたな」
「アカギさんはやっぱり強いね。だけど僕だって負けないぞ!さあ、僕らの
勝負の決着を、今こそつけようじゃないか!」
のび太の熱き魂とアカギのクールな闘志が対峙する。アカギの隣には、極楽浄土
から自力で戻ってきた烈が立っている。三者の視線がぶつかり合って、薄暗がりの
雀荘に激しい火花を燃え上がらせた。
のび太の最後の闘いが、今始まる。ノースウエストに打ち付ける大一番の波飛沫は
世界中に散らばるのび太の友人達にも届いていた。
「ワタクシのネタの書き方」
1:仕事とか付き合いとかで人に会う
2:その人が何か面白いこと言ったりやったりしたら覚えておく
3:同時にその人をおちょくる方法を色々考えて、これも覚えておく
4:家に帰って気が向いたら文字にする
5:助詞とか接頭辞とかくっつけて文章にする
ネタ完成。あとは難しいこととか何も考えてましぇん。
225 :
作者の都合により名無しです:04/03/23 01:55 ID:CocBIl7Q
どちらにせよ、批評家がちょっと出たくらいでグジャグジャするこのスレの姿勢は頂けない。
批評家を荒らしと見なす→スルーが正解。
批評家を荒らしと見なさない→程々に付き合うのが正解。
批評家の意図がどこにあったにせよ、今回は完全に術中にハマってしまったと言える。
ふざけ半分の便乗批評が出ても困るので、一応ここらへんでクギを刺しておく。
批評家と呼べるほどまともな奴が一人も出てないので
出てから考えるよ。
まぁ、落ち着けよ。たこ。
たこをこっちにもちこむなよ、たこ。
230 :
作者の都合により名無しです:04/03/23 12:35 ID:49eYAi/V
ドラえもん乙。
この雰囲気で作品アップしてくれる心意気に男を感じます。
面白かった。ありがとう。
たこ
ども。ホームページの方は朝っぱらに修正しましたが
前回の麻雀教室で致命的なチョンボを犯してしまいました。
東四局五本場、江田島ツモの場面。
>二二(2)(2)(2)(3)(3)(3)(4)(4)222 (1)←ツモ
これ、江田島ツモアガっちゃってます。二萬を切って
ベタオリもクソもありません。マジゴメンナサイ。
233 :
ふら〜り:04/03/23 23:04 ID:055/qIu8
>>VSさん
むう。タイムふろしきって、確かにこういう使い方ができますな。不老不死。考えてみたらとんでもない。
で。思い起こせば第一話で、
>よし分かった!のび太くん、まずは麻雀の基礎からみっちり叩き込んであげよう!
だったんですよねぇ。ここまで来て未だ壊滅的なレベルにいるのび太の大一番、結末や如何に?
あと、
>>224。3番が何だか、凄くVSさんらしいというかなんというか……コケつつ笑えました。
前スレで書き込んだものですが、本スレのここで頼ませていただきます。すいません、どなたかバキ対猪狩の巻のせりふここに書いてくれないでしょうか?
自分中学のころそれねたにすごい面白い話つくって友達に聞かせてたんですよ。実際にかなり受けてました。
面倒承知で頼ませてもらうのですが、よろしければお願いします。面白さは保障します
235 :
作者の都合により名無しです:04/03/23 23:29 ID:VDoX4k6r
パロディはいらんよ
>>234 俺の知ってる漫画にその台詞が載ってたよ。
>>234 もしくは立ち読みでも何でもしろよ。他の職人さん達もそうやってネタ集めてるんだ。
少なくともここでそんな事聞く職人は一人もいなかった。分かったら自分で探せ、たこ
殺助来ないな。月曜日くらいに来るって言ったのに。
最近の言動は好ましくなかったが
作品は好きだったので逃げたとしたら残念だ。
>>239 またふらっと復活するさ。
以前もそうだったように。
がんがれ職人さんたち。
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/ / ・ | < たまにはいいだろ
//∀/| \
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| | チンジャオロース
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// ̄ ̄ヽ
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| | ゝ ,|
ヽヽ = /
>-========-、
((())|| ̄/||| ||()ニニニニニニ┃彡ミ彡彡 ┃ (巛ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡)ミ彡ミ彡)ミ彡)
//| || ./ ||,|| ||/ ┗━━━━┛ ,,从.ノ巛ミ 彡ミ彡)ミ彡ミ彡ミ彡)ミ彡)''"
//||. | /. || |||| 人ノ゙ ⌒ヽ 彡ミ彡)ミ彡)ミ彡)''"
// |..|/ . || .||| ,,..、;;:〜''"゙゙ ) 从 ミ彡ミ彡)ミ彡,,)
\.|.|____,||___,| / _,,..、;;:〜-:''"゙⌒゙ 彡 ,, ⌒ヽ 彡"__∧ あ゛〜
\_||;|((二=(<|::::::゙:゙ '"゙ ミ彡)彡'>>XXX)
(二二二/ \|∵∵/\_/() ``゙⌒`゙"''〜-、:;;,_ ) 彡,,ノ彡〜''" ,,ミつ つ
| |'i \_/ ̄ ̄ ̄ ̄ |// ゙⌒`゙"''〜-、,, ,,彡⌒''〜''"人 ヽノ,,ミ 人 ヽノ 熱いよ〜
.| | | ,,,,// "⌒''〜"し(__) し(__)"''〜し(__)助けて〜
| |@ (//)
(((ニ0 ((((ニ0
(⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒
( リストラされたなんて言えないよなあ、、、
Ο (
ο (
∧_∧ 。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
__ ( ・∀・)__
/ \ |
| .| |
| | | | |
 ̄ | | | | ̄\
| | | | .\ マツデチ!! キャッキャッ!!
| |\ \ \⊃ \ ≡≡∧,,∧ ≡≡∧ ∧
 ̄ ∪ ̄.| | | ̄ ̄ ̄|| ≡≡ミ,,>∀<ミ ≡≡(,,・∀・)
| | | || ≡≡ミ_u,,uノ ≡≡ミ_u,,uノ
| | | || "~" """ ::: "~""~" """
| |_ |_ || """ ::: """ ::
|__)_) ‖
/∧ /∧
/ / λ / / λ
/ / λ / / λ
/ / /λ / / /λ
/ / / //λ / / //λ
/  ̄ ̄ ̄ \
/ / ̄ ) ( ̄ヽ λ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ /●/ \● /λ < このスレは有害だ。潰す
/ // ∧ ∧ \ /λ \________
| λ ` ー― ´/ / /| * *
| λV V V V/ / //| + |\ |\ |\ +
| λ| |/ / / //| |_λ|__λ|__λ|\
| λAA/ / ///// + | /λ /λ /λ-λ
| λ/ / / ////| ノ| | /λ /λ /λ /λ
\ / / ///// /\| ノ /λ /λ /λ / |
\ / / //////// | /| ////////////|
―/ / / / / / // // ////////////― | /| ////////////|
_______ _______
| |/// |/// | | |/// |/// | カン違いするなっ!童貞どもっ!
| |// |// | | |// |// | 女・・女はなっ・・・・
| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| 金で買えるんだ・・・・・・!
| | | | | |
/  ̄ ̄ ̄ \ 世の大人どもが本当のことを言わんのならオレが言ってやる!
/ \ 女は金で買える。
( \ / ) (\ /) そこの認識をごまかすチェリーは、生涯女を抱けん!
/ \ \/ / ∧ ∧ \ /
|( ̄  ̄) ● λ ` ー― ´/ ●( ̄  ̄ ) 考えても見ろ。
|  ̄ | |  ̄ λV V V V/  ̄| | ̄ 女なんてものは、持たざる男の人生など、気にもかけやしない。
|( ̄ ̄  ̄ ̄) λ| |/ ( ̄  ̄) 興味があるのは、男の持ち物・・
|  ̄ ̄| | ̄ ̄ λAA/  ̄| | ̄ 彼は何を持っているか、自分に何を与えてくれるか。
| | | λ/ / / /| | それだけだ。無理からぬ・・
人 | | /// ///| |
人 | | ////////////| | とどのつまり女の正体は、男の養分を吸い生き続ける寄生虫。
―/ / / / / / // // ////////////― 恋人に対しても、夫に対しても、体と引き換えに様々な物をしぼり取っていく。
存在する以上、際限なく売春し続ける。
それが・・女というもの・・・・
否定はできまい・・
(\
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(\\
\\\
(\\\\
(\\\\\
\\ |||
( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ | ⊂⊃
 ̄ ̄( ̄ ̄//// ̄\ ∧ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄(//// ̄\\( ゜Д゜) < 氏ねやカス共 ゴルァ !!
".;": (/(/// ̄(つ つ \_____________
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从へ从へへ从 ; ζ | Γ从 | |;:.. |从Γ | | \\ ∠___/|
( ⌒( ⌒ ) ζ | 从Γ | |.:;. |从Γζ.;"._ \\|ΓΓΓ| |
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./ / | これで
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/ /  ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄| どうだ!?
./ /_Λ , -つ \
/ /l|l ゚Д゚l|) ./__ノ  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄
/ \ / / ⊂_ヽ、
.| へ/ / .\\ Λ_Λ
| レ' /、二つ \ (il|l ゚Д゚l|)
| /. . > ⌒ヽ
/ / / へ \
/ / / / \\
/ / レ ノ ヽ_つ
/ ノ / /
_/ / / /|
ノ / ( ( 、
⊂ -' | |、 \
. | / \ ⌒l
| | ) /
ノ ) し'
(_/
249 :
すなわち:04/03/25 00:00 ID:O6e7FIjQ
_,---―---、_
/ || || ``ヽ、
/_.」| ||___/) )/
/⌒`\ ,/ニニニ ニニニ〈< //
/ 、 `V'⌒ ̄|| |「 ̄⌒ヽ) (|l
/ |\ | |レ、|| 5l|l
|三三三三三|λ | <,へ> 〃" ヾ
| ,-┬-、,-ー|\λ /'´⌒``\ ||/⌒ヽ》
| Ч│├┬〈三 λ λ,-―‐-、_\ || l::: ν
| ~_/~/~/~/ ヽ|| ) ⌒` =ヽヾ::(
\____,/`ー-‐,-‐―/⌒ー-、、〃 ヽヾ::\
( 'Д ll迅_ \ \ 流行らせようとして
`l,,,⊆< ⊆,, ||五l三彡 ヽ ヽ
| 5__) 5__)_」|キl λ λ 必 死 な の !!
i千〒┬‐干゙┬┘Η | |
l┼┼┼┼┼┼キカ | |
ヽ土士王王王王夕/| | |
/ | ヽ\__// | |
/ | \___/ / |
/ | \_ ∠二ニニニヽ
\ \__/ ∠_ `ー゙~~~~ヽ
\_/ 〔__〕〕/ヽ⌒\ |
∠__∠__∠___/__(ー' |
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| ! ! ! /
`ーL_,、__,、__/
____
/___ \ ________
/ ( ___ )::ヽ (
/::::/ 一 一\::ヽ ( ジャガー殿!
|::::| ┰ ┰ |::::| < 今、2chでは語尾に
|::::| ⇔ ノ ⇔ |::::| ( 「たこ」とか「せっくす」とか
|::::| " ヽ "/::/ ( つけるのが流行でござるYO
\:\ 口 /:::/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_/(::::\ヽ` //:::)ヽ
/::::::::\:::::):二:(::::/::::::::\
(ミ::::::::::::::::::::):::::::(::::::::::::::::::彡)
(ミ:::::::::::::::::::::::):::::::(::::::::::::::::::::彡)
(ミ::::::::::::::::::::::):::::::(:::::::::::::::::::::彡)
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┣━┃┃//::::::ノ|/∨|/\|\|:::::::::|
┗━ |/|/┼|┼| |┼|┼ ||;;:/|| ______
┃ | | | | | | | | | | |-、| /
┃ ゝ | < __ u _ノ < 流行らせようと必死だよ!この人!!
\ |_____| /| \
>>192 ━ ┃ \____/ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━┛ ___|‐_ ___‐‐‐|__
/|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|__|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|\
あ〜あ・・・
とりあえず
>>241-251を誰か削除依頼してくれないか?
俺は無理だが、ふら〜りさんとかバレさんとか。
こいつこのお題で書けスレも荒らしてたから、
そろそろ削除依頼→アク禁にしてやりたいのだが。
>>252が反応してる時点で依頼は無効。
つうか、「とりあえず
>>241-251を誰か削除依頼してくれないか?」ってのも反応と見なされる。
誰かに頼むんじゃなくて自分で動いたらw
おっす。とりあえずこことお題スレに貼り付けたおかげで
語ろうぜスレの荒らしが止まったぜ。
荒らしってのはこうやって駆除するんだよ。
お勉強になったかな?
257 :
作者の都合により名無しです:04/03/25 21:27 ID:1+PtRSUY
>234
33巻まるまるは無理だろ
258 :
作者の都合により名無しです:04/03/25 22:33 ID:dlj+auXT
勇次郎ってどうして目をつぶしたり鼓膜破ったり皮はいだりするのですか?
ひどすぎます。
>>258 バキの世界じゃそれは勇次郎だけに限らないと思うが
RX-78-2ガンダム
ふら〜りってどうしてコテ名乗ったり職人に媚売ったり皮はいだりするのですか?
ひどすぎます。
>>261 ふら〜りさんは、SS界の天使。
パオさんは、SS界の帝王。
VSさんは、SS界の魔人。
外伝さんは、SS界の覇者。
これを忘れないでおくことだ、たこ
263 :
作者の都合により名無しです:04/03/27 13:20 ID:CsgV+JI6
とりあえず作品が来ることを願って上げとこう。
とくに新作来ないかな。
転生作者が多くても土日って言ってたな。
つまり、今日来られるかも知れないっていうことか。
また、色々つってほしいものだw
265 :
263:04/03/27 13:45 ID:CsgV+JI6
>>264 もういじめるのはやめとけ、
連載陣が減るのは寂しい。殺す助も来なくなったし。
パオはもうこっちへ戻ってこないんだろうか。
盛り下がってると荒らしたくなるのがSAGAだな。
あんな批評書かれたら誰だってやる気無くなるよな。
しばらく待ってみようぜ。
殺助は読んでないっつってたけどな>批評
あれは軽く読んだ上で、意味がないと言っている感じ。
読んでないって言うのは深く読んでその言葉の意味するところの通りにする
必要がないっていういみだろ。
あぼーん
何があるのかは知らんが、連載できる状態じゃないっていう意味じゃないの?
転載しといてなんだが
>多くても土日のみ。
転生と全く同じだなw
平日のこのスレどうすんだよ
あら?
俺なんか悪いことしたのか?
してないと思う。普通に転生作者も本スレに書き込めないって言ってたし。
転載は妥当なところかと、何かの間違いじゃねぇの・・・削除って。
パオ、外伝、VS、夜王、ザク、トモ、バキスレは俺などが
同時期に存在していた頃が懐かしい。
この世で最も抗えない拷問の道具。そろそろ正解を言おうか。
それは『快楽』だ。人間は絶対にこれには逆らえない。
だが『快楽』を道具というのは疑問がある、という奴も多いかも知れない。
確かに快楽というのは反応だ。外部からの刺激により、脳が反射する行為だ。
だが、拷問は自白を強要する為に発展したものだ。自分の意のままに口を割るように。
究極、拷問は他者を自分の思うがままの支配下に置く事を目的とする行為でもある。
その意味で、『痛感』は『快楽』に遠く及ばない。
人間の精神というものは、案外強いものだ。痛感では中々壊せないほどに。
特に宗教など、信念に根ざしたものがバックボーンにある場合、驚くほど強靭になる。
そして『痛感』による拷問には最大の弱点がある。
それは肉体が『死』を選ぶ、というパターンがある事だ。脳が狂う事を選ぶ場合もある。
拷問者が口を割らず死んだ場合、それは拷問を受けた側の勝ちだろう。
その場合、『死』は英雄の天への帰還へと消化するからだ。
だが、『快楽』にはその拷問者側の敗北は無い。
何故ならば、被拷問者が更なる拷問を望むからだ。一例を紹介しよう。
スタンドを会得した直後、あるフランスの田舎娘をレイプした時の事だ。
俺は、レイプの後ゆっくりと肉体を切り刻む事を何よりの愉悦としていた。
女子供が泣き叫ぶのを聞くのは良いものだ。心が洗われる。
クラスメートと数人連れの帰宅、だったらしいその田舎娘。それを今夜の生贄と決めた。
不思議なものだ。女は他に2人いたのに、連れの女にはまったく興味が沸かなかった。
妙に惹かれた。その強い目と美しい髪をした田舎女に。
確か名前は『シェリー』とかいったな。
俺のスタンド、『ハングドマン』が飛ぶ。
連れのボーイフレンド3人と、女2人を瞬く間に切り刻む。生死はどうでも良い。
ただ邪魔されたくなかっただけだ。俺とシェリーのデートを。
ハングドマンはシェリーの脚の腱だけを切る。だがシェリーは俺の思惑を超えていた。
自分の足の痛みを忘れ、仲間の怪我を思いやっているのだ。
まったく人間らしくない行動だ。
あんたたちからすれば、シェリーの行動は人間らしいと思うんだろうが、俺は違う。
俺は修羅場、極限状態での人間の心理を知り尽くしている。
自分の思惟の基準を遥かに超えた現実を目の当たりにした時、人間の行動は決まっている。
パニック状態になるか、その場から本能的に逃げようとするか、どちらかだ。
だがこのシェリーとかいう16、7の娘は違った。
その奇異な現実を受け止め、自分の痛みを後回しにして他者を慮ばかっている。
まるで、このJ・ガイルの人生をそのまま否定されたような衝撃。
このまま、この娘を殺してはいけない。屈服させなければ。
俺は自分の精神バランスが崩れ掛けているのを感じていた。たかだか小娘に。
俺の行動は素早かった。すぐその女の前に姿を現した。
だがシェリーは、俺の醜い顔と両方の左手を見ても怯まなかった。
しかも勘で察知したらしい。自分の友達をこんなふうにしたのは、俺だと。
怯ませるどころか、俺の方が一瞬動けなくなった。その強い視線に。
俺は敗北感すら感じた。スタンドを身に付け、この世の帝王まであと少しの俺が。
この女は、絶対に許せねえ。
俺はシェリーの腹に拳を打ち込んで、彼女を卒倒させ、近くの干し草小屋に連れ込んだ。
シェリーの裸身は今まで見た事が無いほど美しかった。
10代半ばの肉体の絶頂期に加え、そのプロポーションは1000人に一人のものだろう。
俺のペニスは純粋な性欲に張ち切れそうになっていた。
だが俺は耐えた。肉体の充足だけでは満足出来ない。この女を、屈服させるのだ。
ビクンと肉体が震えた後、シェリーは目を覚ました。
一瞬、彼女は状況判断出来なかったらしい。俺を見て呆けた顔をした。
だが直後、目の前にある奇妙なモノを見てギョッとした。
俺のペニスだ。25センチ近い、自慢の代物だ。彼女に俺は短く言った。
「咥えろよ」
シェリーは涙を溜めつつも、顔を毅然と横に振る。そして気付いたらしい。
自分の手足が縛られている事に。それでもシェリーは臆せず首を振る。
俺は張り手を飛ばす。頬から乾いた音がする。シェリーはまっすぐ俺を見詰める。
「警察へ自首して下さい。暴力などに、屈しません」
俺はカッとして何度も張り飛ばした。だがそれでもシェリーは喚かない。
自首して下さい、と暴力に屈しません、を繰り返すだけだ。
ダメだ。こいつをこのままにしては。俺の方が崩壊する。だがどうすれば良い?
そうだ。こいつは自分より他者の事を優先するらしい。ならば……。
俺は彼女から数歩離れ、腕組みをする。シェリーは怪訝な顔をする。
俺は薄く哂う。彼女からすれば不気味だろうが、精一杯の虚勢だ。そして放つ。
俺の最後の支え、『ハングドマン』を。
シェリーの胸に一文字の傷が浮かぶ。彼女は未知の恐怖に始めて叫ぶ。
「分からなかっただろう、何をしたか? 俺は警察には捕まらんよ。絶対にな。
おい娘、もし俺のペニスを咥えなければ、お前の大切な村は全滅させる。
それでも良いのかい、お優しいレディー?」
シェリーの顔に絶望が広がる。逡巡の後、ゆっくりペニスに顔を近付けて来た。
案外思い切り良く、口に含んだ。俺は頭を抑え、無理やり上下させる。
「上手くやらないと、やっぱり村人を殺す。いいな?」
生娘というのは一目見て分かっていた。小刻みに体が震えている。
だが清楚な雰囲気とは裏腹に素質があるのか、彼女のフェラチオはすぐ上達していった。
舌でチロチロ亀頭を舐めさせ、裏筋に舌を這わせ、唾液を沢山出させて思い切りペニスを吸い上げさせる。金玉をまるごと口に含ませ、甘噛みをさせる。
俺はシェリーの手足の縄を切り、その小さな手で俺のペニスを握らせる。指が震えている。
右手でゆっくりとしごかせながら、左手でケツの穴を丁寧に探索させる。
女の口の中に俺の白濁した液体をブチ撒けた後、今度は俺がシェリーの肉体を攻める。
ゆっくりと体の隅々まで舌を這わせる。唇とその咥内、首筋、腋の下、背中、胸、乳首、
ヘソ、太もも、腰、尻、ヒザ裏、クリトリス、足の指まで丁寧に、じっくりと。
処女らしいぎこちない反応に満足し、俺は無理やりヴァギナにペニスをねじ込む。
シェリーの太ももから破瓜の血が流れる。俺の精子と混じり合いながら。
白いものを黒くするのは気分が良いものだ。
だがその時、俺は見た。彼女の変わらぬ視線の強さを。屈服させる事の出来ぬ精神を。
俺は、どんな事をしてもこの視線を奪わねばならぬ、と思った。
事実これより数十分後、シェリーは自らヴァギナを広げて俺のペニスをせがむ程変貌する。
この世で最も抗えない拷問の道具『快楽』による、 最も恐ろしい拷問、『洗脳』によって。
288 :
殺助:04/03/28 01:23 ID:AzWcAsp2
2回分の量です。前回のレスで荒れたみたいなので、作品上げるの躊躇してました。
余計な事はもう書かないようにします。すみません。
乙。気にスンナ
>>奇妙
相変わらずの奇妙さだな。
とても奇妙だ。
>>ホワイト
ホワイトデーだな。
墓の前の場面が最高。
>>実際の拷問
ばばあが相変わらずだな。
ホルホースもまさに原作通り。
>>アメコミ
おもしろい題材だな。
純粋に先が気になるぞ。
>>麻雀
相変わらずの内容おつかれ。
キャラがいろんなこと考えながら麻雀やってるな。
>>魔界編
テンポがいいと思うよ。
とりあえずそのまま行け。
それでは…。
ルイージ
「し」か「じ」
291 :
作者の都合により名無しです:04/03/28 10:57 ID:qh1jWR+e
殺す毛乙。お久しぶりだな。
面白かったけど、なかなかDIO出て来ないな。
ま、なんか書けば色々言われるけど、気にせず頑張ってくれ。
>>278 あれは夢だったんだ・・・。
輝かしい過去は忘れ、今は辛い現実を見据える事だ。
つうか、うん、まぁ、いいや。
ころすけ乙。読んでないけど。
春でなくてもここはこうだからなぁ
>殺助
SSの背景に拷問論という個性が一貫してていいね
295 :
作者の都合により名無しです:04/03/28 18:58 ID:jwttnDvP
>>292 あの頃が異常だったんだよ。今の状態が普通。
みんな勝手な作品を上げてるSSスレなんてそんなものだろ。
殺助乙。俺は面白かったよ。シェリーって確かポルの妹か姉かだったな。
労いレスがもらえてよかったでちゅね>ころすけ
人影もまばらな空港から、一台の飛行機が飛び立った。わずかに白み始めた東の
空を行くチャーター機の窓外には、ミニチュアのような日本の街並みが見える。
三人のSPに囲まれたVIP待遇の男は、その景色にチラと一瞥をくれただけで
すぐに窓から目を離してリクライニングシートに身を沈めた。チャーター機が
太平洋上に差し掛かった頃、機長のアナウンスが機内に流れた。
「クソガキー!起きろー!」
ビックリ箱のようにシートから跳ね起きて、男はサングラスを外して正面の
スピーカーに投げつけた。
「天下のキアヌ・リーブス様に向かってクソガキとはなんじゃー!」
「クソガキをクソガキと呼んで何が悪い!電報が届いたからさっさと読めや!」
コックピットの扉が乱暴に開かれて、亀の甲羅が客席のK目がけてすっ飛んで
きた。Kの頭の上に着地した甲羅から首と手足が伸びて、亀は目にいっぱいの
涙を浮かべて尻から一枚の紙切れをひり出した。Kは膝の上に落ちた紙切れを
拾い上げて、文面に目を通した。
「おー読んだるわい!えーと…」
『のび太くんとアカギがノースウエストで麻雀を打っています。くだらない
映画なんか撮ってる暇があったら応援に行ってやれヘボ役者。
機長より』
「のび太くんとアカギが麻雀勝負!?うへー!」
こりゃ驚いたという顔をして、Kは頭上の亀に電報を返した。おいしそうに
電報を食べる亀をSPの一人が鷲づかみにして、コックピットに力いっぱい
投げ返した。ガラスの砕ける音がして、機内に激しい乱気流が巻き起こった。
「危ねーだろうがクソガキ!飛行機が落ちたらどうしてくれるんじゃ!」
「落ちないように操縦するのが機長の仕事じゃねーのか!テメーこそ、電報
なんか打ってる暇があったら黙って操縦桿握ってろボケ!のび太やアカギが
誰と麻雀を打とうが、俺には全然まったく関係ないんじゃー!」
「なろー!」
コックピットから金属の固まりが飛んできた。操縦桿だった。
「メッセージが電報だけだと思ったら大間違いじゃ!SP!」
機長のご指名を受けた別のSPが、スーツの内ポケットからビデオテープを取り
出した。シートに備え付けのビデオデッキにテープをセットして再生すると
皺だらけの老人がモニターに映し出された。
「キアヌ君、元気?ボスだよー」
「おー、ボス!」
偉大なボスからのビデオレターに、さしも剛腹なKも背筋を一瞬ピンと伸ばして
居ずまいを正した。それも一瞬だけで、すぐにシートにふんぞりかえって股ぐらを
ボリボリかき始めた。
「で、そのボスが俺様に何の用よ?言ってみろや、オラ」
丸めた鼻くそをモニターに投げつけながら、ボスの次の言葉を待つ。
うへー!キター
「今度撮ることになってたキアヌ君の主演映画ね、あれボツになったの。友達の
マンションで一日だけ麻雀打ったら、スポンサーのお金、全部使っちゃったの。
だから、キアヌ君はもうアメリカに帰ってこなくていいの。ほんじゃーねー」
「そ、そんなファッキンな理由で、僕の映画が撮影中止!?うへー!」
ビデオレターはそこで終わった。驚愕の叫びをあげてモニターから顔を上げたKの
満面には、すべてを水に流した爽やかな笑顔が広がっていた。
「ま、中止になったもんはしゃーないわな。しょうがないから、のび太の様子でも
見に行ってやっか」
よっこらせいとパラシュートを背負って立ち上がったKの尻を、三人目のSPが
思い切り蹴り上げた。
「うおりゃー!」
咆哮一声、窓ガラスをど派手に突き破ったKの体が大空に舞った。新たな目的地と
なったノースウエスト目ざして、元きた航路を一直線に引き返していく。
「のび太くーん!今行くぞー!」
遥か眼下で黄色いパラシュートが開くまで見届けて、三人のSPはシャンパンの
ボトルを開けた。飛行機の操縦をオートに切り替えた機長もやって来た。琥珀色の
液体をグラスに注いで、邪魔者が消えた喜びを四人で祝した。
「かんぱーい!」
突風の吹き荒れるチャーター機に、四つのグラスの触れ合う音が響いた。
快適な空の旅は続く。
カウンターの勢いが止まらない。リロードのボタンを押すたびに、100人単位で
来訪者数が跳ね上がっていく。世界各国からの閲覧者の足跡をしるした掲示板は
『typhoon boy』への賞賛と感動の言葉で埋め尽くされている。トップページの
その『typhoon boy』、つまり爆風に巻き上げられた自分の全裸画像に見とれ
ながら、出木杉は笑って手を叩いた。
「あはははは。カウンターの回り方が並じゃないよ。やっぱり僕って生まれ
ながらのキラーコンテンツなんだよね!」
出木杉本人が立ち上げたホームページではない。トップページの右下隅には
『Photo and Created by DORAMI』の文字が燦然と輝いている。
「しっかし、見れば見るほどベストショットだよなぁ、この写真。ただの黄色い
ドラム缶だとばかり思っていたけど、ちょっとドラミくんを見くびりすぎて
いたかな?」
ロボットに対する偏見に満ちた今までの自分を、出木杉は恥じた。憎しみ合った
過去はきれいさっぱり忘れて、ドラミとの清く正しいお付き合いを心から願う
出木杉である。
「そのためには、まずドラミくんのプライベートを徹底解剖する必要があるね。
よいしょっと」
出木杉がリモコンの主電源スイッチを押すと、壁一面のモニター群に一斉に光が
灯った。左半分のモニターには町内全域の俯瞰図が、右半分には大通りの交差点や
居酒屋の店内といった各所の中継映像が、こちらはモニター一台ごとに表示されて
いる。
「さてと。ドラミくんは、どこで何をしているのやら…」
俯瞰図の野比家の位置で、黄色い点が明滅を繰り返している。これがドラミの現在
位置のようだ。右半分中段のモニターに、のび太の部屋が写っている。ドラミは
のび太達と麻雀を打っている。
盗撮趣味の金看板は伊達ではない。何事にも完璧を期する天才少年の出木杉は
町の住民全てに発信機を、町内の要所要所に監視カメラを取り付けているのだ。
昼間、この部屋でドラミに無意識に取り付けた発信機が、こんな形で役に立つとは
思わなかった。意外なラッキーに内心ほくそ笑みつつ、出木杉はドラミの動静を
見守ることにした。
ドラミは居酒屋へ出かけた。ドラミは居酒屋で酒を呑みながら麻雀を打っていた。
ドラミは野比家に帰ってきた。ドラミはのび太の部屋で麻雀を打っていた。
ドラミはまた出かけた。行き先はどうやら駅前の雀荘のようだ。
「あはははは。酒と麻雀と引きこもりの繰り返しだ。リストラされた中年みたいな
生活サイクルだなぁ………おや?」
雀荘に向かっていたはずの青い点と黄色い点の内、黄色い点のみが野比家に取って
返した。青い点はドラえもんだろう。野比家の庭にしばらくとどまっていた黄色い
点が、ふいに駅近くの公園にも現れた。これで黄色い点が二つになった。おもしろ
おかしくモニターに見入っていた出木杉の目が、大きく見開かれた。
「ドラミくんが、二人になった?」
公園に設置された監視カメラは、ドラミとセワシが公衆便所から出てくる姿を
捉えていた。二人連れ立って雀荘へと赴き、先に到着していたドラえもん達と
合流した。野比家の庭の様子は分からないが、黄色い点が動く気配はない。
「あはははは。ドラミくんも、色々と面白いトラップを仕掛けてくれるねぇ。
こうなったら僕、この目で直接確かめに行っちゃうぞ!」
ドラミとの友好親善の野望に燃える出木杉が、椅子から立ち上がってズボンと
パンツをずり下ろした!
「うおー!」
自分の全裸画像で一発抜いて、身も心もスッキリした。慌しく家を飛び出して
出木杉は深夜の町を猛然と駆けていった。
ドラえもん乙。相変わらずの狂いっぷりだw
しかしどう収拾するのか全く見当がつかん、この作品w
305 :
作者の都合により名無しです:04/03/29 00:14 ID:rLdLXOJo
>>304 その狂いっぷりを笑いとして取れるかどうかでこの作品の
人による評価が変わってくるんだろうね。
オレは正直何がおもろいのかわからん。ヤクバレを見てて一回だけ面白かったから
それからずっと見てるんだが。
万人に受ける作品を作るのは無理だろうけど。
あまりにも中途半端な気がする。俺もプロじゃないから細かくは言いません。
合う合わないはあるだろうね。おれは合うから毎回おもろいよ。
真うんことかを別にすれば、ここのSSの中で万人受けから一番遠そうだな。
>>305 >ヤクバレを見てて一回だけ面白かったから
おー、どのネタだろ。差し支えなければ教えていただければ
嬉しいであります。
中途半端なのはねー。ホントにねー。どうもねー。ゴメンチャイ。
>>304 >>306 どもです。どう収集つけるかは、今んとこ全く考えておりません。
ま、どうにかなるでしょう。次で最終回だけど。
万人受けするネタ、書いてみたいですねー。下ネタとかマンガのキャラとか
ちびっとでも使ったらアウトなんだろうな、きっと。
>>308の万人受けに補足。これイチバン重要。
つまんなかったらアウト。
うーん。確かに合う合わんはあるだろうな。
VSさんはある意味異常、ある意味卓越、ある意味逸脱したセンスの持ち主だから。
しかも題材が麻雀だし。
俺はVSさんのセンスの大ファンだし麻雀も大好きだから毎回楽しみだけど。
彼の文章は「卓越したギャグセンス」「妄言の垂れ流し」
どちらにも取れるからな。
俺はドラえもんとかがあり得ない事するのに、どうしても不快に思ってしまうから読めない。
ヤクバレは面白いと思う。
312 :
作者の都合により名無しです:04/03/29 18:02 ID:o/cxrlX0
俺は面白いと思うけどなあ、純粋に。
ただ、VSさんにはやっぱり麻雀とかマニア受けするものでなく、
一般受けするものを書いて欲しいと思う今日この頃。
とりあえず、ラストスパート頑張って下さい。
俺は楽しめない。というか合わん。>VS
ギャグの宿命みたいなもんかと思う。
あるところに。刃牙君という男の子と、梢江ちゃんという女の子がおりました。
何だかんだとあった二人ですが、先ごろめでたく結ばれて(結ばれ方について全国で巨大な反響が
ありましたが、まぁ当の二人は与り知らぬこと)、いまや立派な恋人同士。殊に刃牙君は、
梢江ちゃんを護ることこそ己の使命と定め、もはや梢江ちゃんのナイト様です。
ではその、ナイト様に護られるお姫様はといいますと……
遠くの犬の声以外は何も聞こえない、静かな夜。梢江は二階の自室で、パジャマ姿で
机に向かっていた。お風呂上りなので、その素肌からほこほこと湯気が立ち上っている。
まだ少し濡れている髪を掻き上げつつ、ペンを手に持って何をしているかといえば、日記をつけて
いたりする。もっとも、最近は日記というより手紙と化しているが。出すつもりのない、手紙だ。
ーーあなたが、好き。
長い間、あなたがどうして、毎日毎日あんなトレーニングをしているのか不思議だった。不気味、
とは言わないけれど正直、少し怖いと思ったこともあった。
あなたが連れて行ってくれた地下闘技場。やっぱり予想通り、ううん、予想してたよりずっと、
怖いところだった。あの空間、あなたの対戦相手、そしてあなた自身までもが、怖かった。
けれど……目が離せなかった。あなたが傷つく姿を見ていられない、こんなのバカげてる、
と思いながらも、どうしても目が離せなかった。
どうしてなのか、今でも解らない。本当に全然、解らない。けど、その代わり、はっきりと
解ったことがある。
あなたが、好き。だから、あなたが私を好きでいてくれることが、何よりも嬉しい。あの夜、
そのことを私は、心の底から肌を通して、感じ…………
「……うぅ。や、やっぱり、これ以上は書けないっっ」
梢江のペンが止まった。小さい頃から書き続けているこの日記、その時その時の素直な気持ちを
書き記すことをモットーとしていたのだが、最近はいつも、この辺まで書いて止まってしまう。
毎日同じことを想ってしまうから、毎日そのことを書こうとする。が、書けない。恥ずかしい。
いや、誰にも見せないのだから恥ずかしがることはない。のだが、恥ずかしい。で書けない。
「はぁっ……もう、責任とってよね刃牙君。長年コツコツ続けてきた日課が、滞ってるんだからっ」
怒りテレ笑いとでもいうべきか、微妙な表情を浮かべて梢江は日記帳を閉じた。
いつの間にかもう、時間も遅い。椅子から立ち上がり、そろそろ寝ようかとベッドに向かう。と、
「よう」
そこに、一人の男がどっかりとあぐらをかいていた。筋肉質で、黒ずくめで、バラバラ髪の男。
見たこと、ある。梢江にとって人生最大の夜、祝福するとか何とか言って去って行った男。つまり、
「っっ! ば、ば、ばばばば刃牙君のお父さんっ!?」
「いかにも。地上最強の生物、通称オーガ、年齢不詳のシャイでクールなナイスガイ、範馬勇次郎」
「……とりあえず、シャイには見えないんですけど」
「ノリで言っただけだ。気にするな」
言いながら勇次郎は、ベッドから降り立った。
「お前に一つ、言っておきたいことがあってな。ま、汚いとこだが遠慮せず座れ」
私の部屋なんですが、とか言いながら梢江は椅子に座り直す。勇次郎はその梢江を見下ろして、
「俺は常に、強ぇ相手と戦いたいと願っている。が、俺を満足させるほどの奴は滅多にいない。
期待していた実の息子どもにしても、どいつもこいつも揃いも揃ってカスばかり」
「どいつもこいつも、って」
「ああ。刃牙とジャックだけだと思ったら大間違いだぞ。世界中にバラまいたからな、俺のタネ」
バラまいた、俺のタネ。……梢江が、ちょっと後ずさりつつ、心底イヤそうに勇次郎を見た。
「なんだなんだ、その汚いモノを見るような目は」
「実際、不潔です。というか、最低です」
「……。なかなか遠慮なく言う小娘だな、お前も。否定はしねぇけどよ。だがな、俺なんか
まだまだ可愛いもんだ。城戸のジジイなんか、世界中に百人だぞ、百人。俺ぁギネスブックの
種馬部門に申請すべきだと真剣に思うんだが、問題はそんな部門があるか否かだ。どうよ?」
「どうよ? とか言われましても」
「あのジジイの前じゃ、上には上がいるって言葉がムナしいったらありゃしねえ。俺の場合は
まあ、英雄色を好むってやつだろうが、あのジジイはどう考えても」
「あの。それで、私に何の用なんです?」
ぽん、と勇次郎が手を打った。
「おぉすっかり忘れてた。つまりだな、息子どもに失望した俺は、ならば次をと考えた。
つまり孫だ。隔世遺伝ってのがあるからな。そうなると、母親になる女が重要だ。で、
とりあえず現段階で一番早く俺の孫を生みそうな女のとこに来た」
「……は?」
梢江には、勇次郎の発言の内容が、どうも読み取れない。
「つまりだな。俺の孫イコール刃牙の子。その母親イコール刃牙の妻。そうなるであろう女、」
びし、と勇次郎が梢江を指差した。
「お前だ。違うか? ん? 刃牙の妻そして刃牙の子の母親、だろ?」
「え……そ、その、そんな、いきなり、だって私まだ、」
ぽっ、と梢江の顔がトマトになる。勇次郎は肩をすくめて、
「今更、何をテレてんだ。夜通し、どころか昼夜ぶっ通しであれだけやっといて」
「ほ、ほっといて下さ……えっ!?」
梢江の顔が、一気に白くなって固まった。
「あ、あの、まさかあの時、み、み、み、み、見て……たんですかっ?」
「うむ」
勇次郎は、深々と頷く。梢江の顔が一転、またトマトになった。
「だが安心しろ。撮影なんかはしてないから。写真を撮ったりはしていない」
「あ、当たり前ですっ! というか、ほんとにほんとに、そんなことしてないでしょうねっ!?」
「本当だ。オーガ、嘘つかない。お前と刃牙が、○○○を○○○○○て○○○○○○○した
かと思ったら、すかさず○○○したところなんかは……」
「わきゃきゃきゃきゃああああああああぁぁっ!」
トマトの梢江が、耳を塞いで絶叫する。と、バタバタ足音がしてドアがノックされて、
「ちょっと、どうしたの梢江? ここ開けなさい!」
「え、あ、か、母さん? な、何でもないの何でもっ」
慌てて梢江はドアを押さえる。
「ちょっと、その、ゴキブリが出ただけだから。おっきなゴキブリ。それだけだから」
「ゴキブリ?」
「う、うん。黒くて大きくて害虫なゴキブリ。でも、もういなくなったから。大丈夫だから」
「……ならいいけど。もう遅いんだから、そんなことで大声出しちゃだめよ」
ドアの向こうで、母親が遠ざかっていく足音を聞きながら、梢江はへなへなとへたり込む。
「おい。害虫たぁ随分だな」
「随分も何も、そもそもこんな時間に、女の子の部屋に忍び込むなんて、立派な変態ですよっ」
「うむ、確かにな。が、重要な用件なんだから仕方あるまい。いいか、よく聞け」
ぴ、と勇次郎が人差し指を立てる。
「さっきも言ったが、お前は遠からず刃牙の子を産むだろう。……えい、いちいちトマトになるな
鬱陶しい。で、産まれてくる孫を強くする為にだな、お前に格闘技の修行を積んでもらいたい」
「はい? か、格闘技? 私が?」
「そうだ。範馬家の嫁になる為の試練、とでも思ってもらおうか」
梢江はしばし、呆然として。それから、すっくと立ち上がった。
「バカバカしいっ。今時、嫁になる為の試練ですって? 何十年前のホームドラマですかっ」
「ほう? 俺の言うことを聞けないと?」
「当たり前です! どうして私が、あなたの趣味の為に、格闘技しなきゃならないんです」
言いながら梢江は、窓を指差した。窓から出て行け、と言いたいらしい。まぁ廊下に出て母親と
ハチ合わせした面倒なので、妥当なところであろう。
だが勇次郎は、悠然として動かず。そのまま、ぼそりと言った。
「……オーガ、たまには嘘をつく」
「!」
その一言で、また梢江が真っ白になって凝固した。
318 :
ふら〜り:04/03/29 21:28 ID:u8G6i3XW
純然たる不動のヒロインなんすから、たまにぁ女の子らしく扱ってあげましょうぜダンナ。
とか考えて、書いてみました。
>>殺助さん
シェリー、心身共に凄く綺麗ですね。ガイルと並べての対比、というか絡みの図を想像すると……うぅ。
ポルにとっても自慢の妹で、実は妹以上の感情を抱いていて、それがこんな殺され方(これからですが)
をして、それで復讐の鬼となって旅に出た、と。原作が膨らむというか、色づきます。
>>VSさん
操縦桿が飛んで来て、豪快に墜落でもするかと思ったら、オート操縦の一言で解決。いつもながらの
異次元空間ですな。かと思いきや、殆ど忘れていた脇キャラたちが次々と再登場していく様は、
マジメに「長編の終盤」な盛り上がりを感じます。……それが主人公のラスボス戦を助けに集結、
とかではないところがまた、なんとも。最後まで予想を許さぬ展開、期待してます!
あんた、感想だけでいいよ。
見るに耐えるわ、マジで。
麻雀の極意は腰使いにあり!セワシの教えを心に刻み、のび太のパパの下半身が
唸りを上げる!
「はー!」
パパのエスコートで、ダッチワイフの腰塚さんが夜空に舞い踊る。月の光に
照らし出された腰塚さんの裸体は女神のように清らかで、美しかった。
ダッチワイフだけど。
「いやー、我ながらよく頑張った!パパの麻雀も、人前に出しても恥ずかしくない
程度には上達したかな?」
ダッチワイフ片手の全身汗まみれという、決して人様にはお見せできない姿の
パパが満足そうに微笑んだ。上気した体に、夏の夜風が心地よい。
「ところで、ここは一体どこなんだ?」
パパの目の前には、見渡す限りの大海原が広がっていた。腰使いの特訓に夢中で
今まで全然気がつかなかった。ちょっとそこまでのつもりだった外出が、思わぬ
遠出となってしまったようだ。
「パパ、もう会社なんかやめちゃおうかなあ……」
波濤のうねりと潮風の匂いに誘われて、パパは文明社会からの卒業を考えた。
この辺りに突然小屋とか建てて住みついたらみんなウケるかな、などと適当な
思いつきで第二の人生を描き始めたその時、ひときわ大きな波が沖の彼方に
盛り上がった。
「でっかい波だなぁ。パパの定期預金の何倍はあるだろう………ん?」
凄まじい勢いで押し寄せる波の頭に、何やら豆粒のようなものが見える。波が
岸に近づくにつれて、豆粒の正体も明らかになった。イカダだ。男女とおぼしき
二人の人間がちょこなんと座っている。男は誰だか知らないが、女性の顔には
見覚えがある。のび太のママだ!
「え!母さんが二人になった!?」
腰塚さんとイカダのママを、パパは交互に見比べた。いや、手元のコレはよく
見たら母さんじゃない!腰塚さんを放り出して、パパはイカダに向かって大きく
手を振った。
「母さーん!パパだよー!冷凍庫のアイスクリームの容器に犬のウンコを詰めて
母さんに半殺しの目にあった、のび太のパパだよー!」
陸地に到達する前に、波は崩れた。見事なランディングで岸に流れ着いたイカダ
から立ち上がって、ママと男がパパに歩み寄ってきた。アゴの割れ具合からして
男はおそらく外人だ。ママは普段と変わらぬおっとりした口調で、パパに話し
かけた。
「あらアナタ、お久しぶり」
「お久しぶりじゃないだろう!一言もなしに出かけるもんだから、ずいぶん心配
したんだぞ!そんなことより、隣の男は一体何者だ!?」
「そうそう、アナタにも紹介しておかなくちゃね。こちら、外人さん。海で溺れ
かけたワタシをイカダで助けてくれたのよ」
「どうも、外人です」
外人はペコリと頭を下げた。あまりに流暢な日本語に、パパの怒りは爆発した!
「外人だったらキチンと外人語をしゃべらんか!さ、この腰塚さんをあげるから
さっさと外人の国へ帰りなさい!」
「そんなものいりません」
「ぐぬぬぬー!この外人めー!」
外人に負けてなるものか!パパは足元の腰塚さんを拾い上げ、背中のジッパーを
下ろして外人の頭からすっぽりと覆い被せた。手足の長さも身長も、測ったように
ピッタリだった。
「外人くん!今日からキミは腰塚さんを名乗りたまえ!」
「ワカタヨー」
なんか急にカタコトになった。ママを助けた悪い外人をやっつけて、パパは改めて
ママとの再会を喜んだ。
「とにかく、母さんが無事に帰ってきてくれて、パパは嬉しいよ!」
「晩ごはんの仕度、すっかり忘れてたわね。のび太やドラちゃん達が心配だわ」
「のび太は今、アカギとかいう白髪の兄さんと麻雀を打っている筈だよ。そうだ、
これから雀荘に行って、二人でのび太を応援してあげようじゃないか!」
「そうね、そうしましょう」
「実はパパも、この腰塚さんを使って麻雀の特訓をしていたんだ。特訓の成果を
ママに見せてあげたいんだけど、一緒に踊ってくれないかい?」
「イヤよ」
「よし!とっとと雀荘に行こう!そうしよう!」
パパとママは歩き出した。腰塚さんも後からついてきた。雀荘がどこにあるかは
知らないが、きっと二人はのび太に逢える。二人はのび太の親なのだから。
大丈夫。腰塚さんが保証する。
327 :
作者の都合により名無しです:04/03/30 02:50 ID:BrbEsZQk
VSさん、ここのところすごいな。ラストスパートと思うと寂しいけど。
>パパの怒りは爆発した! ←この表現好きですなあw
ふら〜りさんも大変ですね、色々言われて。
感想だけでなく作品も好きなんで頑張って下さい。
328 :
作者の都合により名無しです:04/03/30 09:35 ID:RjGuer99
ふら〜りは感想書くときくらい名無しになれよ。
頭悪いから黙ってろよ。
ふら〜りさんお疲れ様です。
何であんなタイトルが思いつくのか不思議でなりません。
なんていうか・・・その〜・・・言葉では表現できない何か・・・
とりあえずツマンネ
なんで世界がこんなにもちあげられてるのかがわからん。
更新速いって言ったって一回1レスぐらいなら普通以下だろう。
毎日更新してるって所がすごいのか?
ネタもギャグなのかなんなのかよくわからん。
新聞の四コマ漫画みたい。
ふら〜りさん乙。
蛸江に違和感ありすぎ。
まあ、「刃牙」の頃はこんなだった気もするが。
ふら〜りさん叩きが酷いなあ。
気にせず頑張って。
>>331 四コマ漫画を毎日あげるってすごいと思うが。
コボちゃんとか。
333 :作者の都合により名無しです :04/03/30 18:49 ID:S8+5hiuV
ふら〜りさん叩きが酷いなあ。
気にせず頑張って。
>>331 四コマ漫画を毎日あげるってすごいと思うが。
コボちゃんとか。
335 :
作者の都合により名無しです:04/03/30 19:50 ID:rJo3SLID
4コママンガを毎日考えるのは大変だと思いますよ。
334 :作者の都合により名無しです :04/03/30 19:30 ID:tl/qfVqZ
333 :作者の都合により名無しです :04/03/30 18:49 ID:S8+5hiuV
ふら〜りさん叩きが酷いなあ。
気にせず頑張って。
>>331 四コマ漫画を毎日あげるってすごいと思うが。
コボちゃんとか。
335 :作者の都合により名無しです :04/03/30 19:50 ID:rJo3SLID
4コママンガを毎日考えるのは大変だと思いますよ。
「俊くーん!こっちこっちー!」
「返してくれよお。僕の大事な晩ごはんを返してくれよお」
十人以上の少年がホームレスの俊郎を取り囲んで、豚の丸焼きを投げ合って
いる。垢じみた汚い襤褸を引きずって俊郎は必死に追いすがるが、すんでの
ところで少年は豚の丸焼きを放り投げて、それを別の少年がキャッチする。
この繰り返しだ。夜の公園に他に人影はなく、俊郎に救いの手を差し伸べる
者など現れるべくもない。
「おっと」
少年が手を滑らせた。地面に落ちて軽くバウンドした豚の丸焼きに、俊郎は
しゃにむに飛びついた。ようやく取り戻した豚の丸焼きを、俊郎は誇らしげに
高々と持ち上げた。
「でやー!」
その豚の丸焼きを、目の前の少年に力いっぱい投げつけた!少年は巨大な肉の
塊を顔面でまともに受け止めて、目から血を噴いてひっくり返った。少し
離れた所に立っていた少年が、俊郎を指さしてホイッスルを吹いた。
「俊くん、クリティカルミート!アイブラッドボーナスが加算されて、合計
25ポイント!」
「うおっしゃー!」
少年達の拍手喝采を浴びて、俊郎は大きくガッツポーズをした。別の少年が
茂みに入った豚の丸焼きを拾ってきて、再びパスで回し始めた。
「俊くーん!こっちこっちー!」
「やめてくれよお。僕の豚の丸焼きだよお。お腹がペコペコで死んじゃうよお」
突然、公衆便所の裏手から光があふれ出した。音が聞こえてきそうなほどの
強烈な光はすぐに消えたが、俊郎たちはゲームの手を休めて公衆便所の方を
じっと見つめている。俊郎の傍らにいた少年が、俊郎に言った。
「俊くん。今の光って、ひょっとして例の銅像なんじゃ……」
「そのようだな。野郎共、俺について来い!」
「ラジャー!」
便所の裏には銅像が建っている。幕末の京都の侍を讃えたものらしいが、俊郎は
この銅像が不思議でしょうがない。公園に住み始めた頃からあったような気も
するし、昨日までは何もなかったような気もする。銅像にまつわる自分の記憶が
まるで判然としないのだ。
そんな奇妙な銅像に、異変が起こった!すわ、これは一大事!
俊郎を先頭に、全員が公衆便所の裏へ回った。銅像は消えてなくなっていた。
残された御影石の台座は、月の光を虚しく照り返すばかりであった。
「これは一体……」
呆然と立ち尽くす俊郎の横をすり抜けて、少年の一人が台座に歩み寄った。手に
した豚の丸焼きを台座の上に置くと、審判役の少年が高らかにホイッスルを
鳴らした。
「社長Jr.、ポーク・スタチュー!30ポイント!」
わっと喚声が上がり、社長Jr.と呼ばれた少年は大きく飛び跳ねて喜びを爆発
させた。まさかの逆転を許した俊郎だが、社長Jr.を見てニヤリと笑った。
「やるな!さすがは社長の息子だ!」
俊郎と社長Jr.はもちろん、他の少年にもまだまだ挽回のチャンスは残っている。
銅像の謎は後回しにして、ゲームを再開することにした。
「俊くーん!こっちこっちー!」
「やめてくれよお。食べ物を粗末にするなよお」
ジューシーな豚の丸焼きが夜空を翔ける。公園は、俊郎と少年たちの桃源郷と
なった。
ゲームのルールはいまいちよく分からない。
公園の銅像が消えたのとほぼ同じ時刻、のび太の部屋のゴミ箱もまた光に
包まれた。小刻みに振動を始めたゴミ箱の中から焼け焦げた石灰質の破片が
いくつも飛び出して、空中で寄り合わさって何かの形を作り始めた。
数分後、完全にタヌキの置物の様相を呈した破片の集合体が、開け放した
窓から外に出た。しばらくの間、野比家の屋根の上で周囲を探るように宙を
漂っていたが、やがて目標を定めたかのように動き出した。
タヌキの行く先には、ノースウエストがある。
居酒屋つぼ八の冷蔵庫の扉が、軋みを立てて開いた。黄色がかった冷気の奥に
男の影が浮かび上がり、大きくのびをしながら厨房に這い出してきた。
「あー!サッパリしたっすよー!」
ケンシロウである。バスタオルを腰に巻きつけただけのラフな格好で、裸の
上半身からは湯気が立ち上っている。
「夜勤明けの疲れた体にはサウナが一番っすよね、やっぱ。ビールビール、と」
食器棚に隠してあった自分専用のミニ冷蔵庫から缶ビールを取り出すと、喉を
鳴らしてあっという間に呑み干した。
「ぷはー!ビールサイコー!タダ酒サイコー!」
冷蔵庫は自分のものだが、ビールは店の売り物である。
「それにしてもボク、みんなに体中を噛まれたはずなのに、どうしてゾンビに
なってないんすかね?噛んだ当人達はこんなんなっちゃってんのに」
胸に貼りついた七粒のトウモロコシをはがして食いながら、ケンシロウは冷蔵庫の
中を覗き込んだ。店長を筆頭としたゾンビ軍団は、もはや人間の原型をとどめて
いなかった。サウナの熱気でドロドロに腐った緑の体が混じり合って、もずく
みたいになっている。ゾンビは不死のモンスターなので、そんな状態でも時々
粘っこい液体が蠢いたり意味不明の奇声が聞こえてきたり、うっとおしいったら
ありゃしない。ケンシロウは冷蔵庫の扉を静かに閉めた。
「大体この冷蔵庫、インタビュアーみたいなオッサンが外から鍵をかけたはず
なんすよね。どうして開いたんだろう?うーん……」
ケンシロウは考えた。
「まーいいや。きっとそういう体質だったんすよ。はい、謎はとけたっす!」
ケンシロウは考えるのをやめた。汗ばんだ体をタオルで拭いて服を着て、改めて
店の中を見回した。
「しかしまあ、ひどい有り様っすねえ」
窓ガラスはすべて吹き飛んで、壁には無数の鉛弾がめり込んでいる。テーブルも
椅子も一つ残らずひっくり返って、もはや店というより世紀末の戦場跡である。
「僕まだ一応ここの店員だし、少しは片付けておいてやるっすかね」
サウナ上がりの綺麗な小指で鼻くそをほじりながら、ケンシロウは薬莢だらけの
床を歩いて客席フロアに向かった。独り言の多い男だ。
「よっこらせっと」
手近のテーブルを持ち上げて、元あった場所に下ろした。下ろしたと同時に
金属製のテーブルの脚がクの字に曲がった。テーブルと一緒にバランスを崩して
倒れ込んだケンシロウの手の下で、テーブル板が真っ二つに割れた。
「ん!?」
ケンシロウは、壊れたテーブルと自分の手の平を交互に見た。多少の経年劣化を
差し引いても、こんなに簡単に壊れる代物ではないはずだ。ゆっくりと立ち
上がって、首をひねりながら右手の壁に向き直った。鉄筋コンクリートのぶ厚い
壁だ。握りしめた拳を、その壁に軽く打ち込んでみた。
「あたぁ!」
手ごたえはほとんどなかった。豆腐に箸でも突き刺したかのように、拳はいとも
簡単に壁を貫通した。壁から拳を引き抜くと、開いた穴から隣のビルが見えた。
こちらの穴と同じ高さの窓ガラスが割れて、黒煙がもうもうと上がっている。
ケンシロウの打ち抜いた壁の破片があそこまで飛んでいったようだ。
「な、なんすか!この馬鹿力は!」
ケンシロウが肉体の変化に衝撃を受けたその時、入り口の自動ドアが開いた。
客だ。
「いらっしゃいませー!」
衝撃を受けている場合ではなくなった。サービス業は何と言っても接客一番だ。
猛ダッシュで入り口に駆けつけ、満面の営業スマイルで客に挨拶した。デブと
マッチョの二人組だった。
「お客様、二名様でございますね!当店のラストオーダーは午前四時半となって
おりますが、一体ボクはどうしたらよろしいんでしょうか?」
「そんなこと客に聞くんじゃねーよ。てゆーか、ラストオーダー以前にホントに
営業してんのか?店ん中ボロボロなんだけど」
「もっちろん営業中でございますとも!酒も食い物も何にもなくて、お客様には
地べたに新聞紙かなんか敷いて座っていただくことになりますけど、それでも
全然構いませんよね?」
「構うに決まってんだろ。死ねバカ。おいラオウ、別の店行こうぜ」
捨て台詞を吐いて帰りかけたデブの客に、ケンシロウが後ろから声をかけた。
「あ、デブの方のお客様!」
「んが?」
振り向いたデブの首筋に、ケンシロウはいきなり噛み付いた。
「んがー!」
不意をつかれてのた打ち回るデブの体が緑色に染まっていく。白目になった
眼球が飛び出して牙が頬肉を突き破るに至って、及び腰で事態を見守っていた
ラオウは完全に逃げの体勢に入った。
「あ、黒王号にエサやんの忘れてた。ハート様、オレ先に帰るわ。じゃーねー」
ハート様はラオウを逃がさなかった。背中を向けてエレベーターに乗り込もうと
したラオウの首に長い舌を巻きつけて、一気に手元に引き寄せた。
「わー!ハート様!苦しいってオイ!離せこのデブ!」
ハート『様』なのに『デブ』呼ばわりでは、ハート様が怒るのも無理はない。
耳まで裂けた口を大きく開けて、ラオウの首筋に鋭い牙を突き立てた!
「ひでぶー!」
と、ラオウは叫んだ。ラオウの体も緑色になって、目が出て鼻毛が伸びてゾンビに
なった。仲良く下りエレベーターに乗り込んだハート様とラオウをお見送りして
ケンシロウは小さく何度も頷いた。
「やっぱり僕、ゾンビになってたんすねー。ま、それでも自分を見失わないあたり
ケンシロウの名前は伊達じゃないって感じっすね!」
ケンシロウはめげなかった。バカにつきもののプラス思考で、無敵のパワーと
危険な男の香りを得たことを、むしろ神に感謝した。
「そうだ!生まれ変わった僕をセワシさんにも見せるっす!もうヤンママなんて
だっさい名前では絶対に呼ばせないっすよ!」
新しいトウモロコシを胸に貼って、ケンシロウは窓から飛び降りた。空中で
バランスを崩して頭から地面に激突したが、ゾンビのケンシロウには傷一つ
つかない。すぐさま起き上がって、無人の大通りを走り出した。あっという間に
音速の壁を突き破った。
「おー!すっげーはえー!」
ケンシロウはセワシの居場所を知らない。それでもケンシロウは走るのを
やめない。途中で行き合ったラオウとハート様に笑顔で手を振って、ノース
ウエストとはまるで反対の方角に向かって怒涛の進撃を続けるのであった。
「セワシさーん!どこにいるんすかー!」
まだ途中かな
豚の丸焼きものすげえワロタ
「なにい!野比のび太が、赤木しげると麻雀を打つというのか!」
「は!駅前のノースウエストにて、間もなく対局開始とのことであります!」
「ノースウエストだとお!?麻雀だったら美食倶楽部で打たんか美食倶楽部で!
この海原雄山を、どこまで愚弄すれば気がすむのだ!」
「いや、食事専門のお店で麻雀を打つ方が、よっぽど先生を愚弄していることに
なると思うんですけど……」
「士郎の分際で口ごたえは許さーん!食らえ!」
「カルパッチョー!」
「よし!何はともあれ、ワシらもノースウエストに参るぞ!士郎、車を用意
せい!」
「かしこまりました!ところで先生、ワタクシ士郎様ではなくて、板前の中川
なんですけど……」
「貴様の名前など知ったことではなーい!食らえ!」
「マンゴスチーン!」
誰だよお前ら。
連続投稿規制マジカンベン。今日はこれでオシマイです。
もう少しだけ、第20話は続きます。いつになったら最終回に
取り掛かれるんでしょうか。
ぶっとんでんなぁ、マンゴスチーンw
( ´,_ゝ`)
最近シリアスばっかで辟易してたから、VSさんのギャグは本当に貴重。
VSさん、終わらせないでくれ〜!
>最近シリアスばっかで辟易してたから
他作者貶めるレスが多いよな〜
荒らしなんだろうけどつい反応しちまう。
語ろうぜスレが今面白い動きをしている。お前らも暇なら協力しろ
>>353 >他作者貶める
意識過剰なレスが多いよな〜
厨なんだろうけどつい反応しちまう。
辟易ってのは少し失礼だろ。自由だけど。
でも
>>355は単に叩きたいだけ。浅い人格だ。
さて、人格攻撃が出ましたよ皆さん。どうですかこの展開。
程度が知れるってものだね>人格攻撃
同じ場で相手をしている以上こっちの程度も似たりよったりだが
アカギとのび太が睨み合いを続けるノースウエストの、入り口のドアが開いた。
日本一のグラビアアイドルになった自分の姿を想像して悦に浸っていたのび太は
我に返ってドアの方を見た。
「あー!出木杉くん!」
「あはははは。のび太くん、あれから借金はどこまで膨れ上がったのかな?」
耳の痛い質問には答えず、のび太は出木杉に駆け寄って、その手を固く握り
しめた。出木杉の脇には特大のスーツケースがあった。
「僕の応援に来てくれたんだね!ありがとう!それにしても、随分大きなカバンを
持ってきたんだねぇ」
「あはははは。カバンと刑務所は、大きいに越したことはないからね。ドラミ
くんは、今どこにいるのかな?」
「奥の厨房で、セワシくんと一緒にカレーを作ってるよ!」
「そうか、それはよかった」
ドカーン!
また入り口のドアが開いた。というより、蝶つがいが外れて向こうの壁まで
吹っ飛んだ。騒ぎを聞きつけて、セワシが厨房からやって来た。
「な、なんだ?祭りか?」
「あ!セワシさん!やっと見つけたっすよ!」
胸に七粒のトウモロコシ。入り口に立っているニキビ面は、セワシのよく知る
男だった。
「おお、お前はヤンママ!」
「あたー!」
ケンシロウの黄金の右足が、セワシのみぞおちにめりこんだ!
「げぼー!」
羽毛のようにソフトな中段蹴りだが、生身の人間には充分すぎる威力だった。
ドアと同様に吹っ飛んで、吐瀉物を撒き散らしながら故郷の厨房に帰っていった。
「セワシさん、自分の名前はケンシロウっすよ!今度ヤンママって呼んだら
首筋を噛み噛みしちゃうっすよ!」
ケンシロウの警告が、セワシの耳に届いたかどうか。厨房は不気味なほどに
静まり返っている。
「攘夷じゃー!」
「ブヒーン!」
殺気だった絶叫が、厨房の静寂を一瞬にして破った。食器の割れる音、セロリを
かじる音、天ぷら油の燃える音。ビックリSEの宝庫と化した厨房から、今度は
ドラミと男が飛び出してきた。
「きえー!」
男の振り下ろした日本刀を、ドラミは間一髪、真剣白羽取りで受け止めた。
「あんたちょっと、いい加減にしなさいよ!21世紀の日本で攘夷もクソも
ないでしょ!」
「うっさいボケ!貴様のような不思議生物は、いつでもどこでももれなく
攘夷なんじゃい!」
男が刀を押し込めば、ドラミが刀を押し返す。一進一退の攻防を続ける二人の
傍らの雀卓では、二匹の馬が積み込みの練習にはげんでいる。
「馬ー!遊んでる暇があったら、ワタシに加勢しなさーい!」
「ブヒヒーン」
勝手にじゃれあってろよバカスケ、と馬は言っている。刀の男と同じ羽織を着た
もう一人の男が厨房から出てきて、初対面ののび太に名刺を渡した。
「それがし、こういう者でござる」
「ふーん、HAJIMEさんね。ども、野比のび太です」
「おお、のび太殿!お噂はいろいろ耳にしておりますぞ!」
「え、ホント?」
「嘘でござる」
「ふーん、嘘なんだ」
音もなく、タヌキの置物が窓から雀荘に入ってきた。ただ一人気がついた
ドラえもんが、悲鳴にも似た声を出した。
「先生!」
ドラえもんはがっぱとひれ伏して、窓近くの雀卓に着地したタヌキの置物を
見上げた。大粒の涙が床にこぼれ落ちた。
「先生!生きちょったでごわすか先生!日本の将来も、これで安泰だもっし!」
とってつけたような薩摩弁が、うっとおしいことこの上ない。
「のび太!腰の準備は万全か!」
「パパ!ママ!それにえーと、ダッチワイフ!」
のび太のパパとママ、それに腰塚さんも駆けつけた。
「ヘイのび太くん!アカギにケツの毛を抜かれた気分はいかがなもんだい?」
「Kくん!僕まだケツの毛とか生えてないから大丈夫だよ!」
天井の穴からKが降りてきた。黄色いパラシュートを背負っている。
「野比のび太!貴様の闘牌、しかと見届けてやろう!」
「のび太さん、海原雄山先生のお出ましですぞ!」
「誰だよお前ら」
マジで誰なんだよお前ら。
役者は揃った。ノースウエストに集いし英傑の熱きまなざしは、のび太の
小さな胸の中で、どんな宝石よりもまぶしく光り輝いていた。のび太は声を
震わせて言った。
「僕なんかのために、こんなにいっぱいの仲間が集まってくれたんだね!
みんな、みんな僕の大切な友達さ!ありがとう!本当にありがとう!」
「御託はいいから、とっとと麻雀打てやボケ」
「ワシの、ワシのノースウエストに、こんなにたくさんのカバディが……」
「友達だったら、お金はちゃんと返してよね。あたし忘れないから」
「アカギにボロクソに負けて、のび太くんが小便もらすのだけが楽しみ
なんだよ。今のうちに、水分はたくさん摂っておけよ」
「野比のび太!おお、野比のび太!」
仲間たちの力強いエールを背中に受けて、のび太はアカギを振り返った。
目元に浮かんだ涙を袖口でぬぐって、きっぱりと言った。
「さあアカギさん、対局を始めよう!」
「ああ」
アカギは静かに頷いて、座席に腰を下ろした。のび太はアカギの対面に
座った。無粋な場決めなどは必要ない。真剣勝負の男の居場所は、神によって
すでに決められているからだ。
「当然、僕も打っていいよね。のび太くんのお守り役なんだから」
ドラえもんが、のび太の上家に陣取った。のび太はドラえもんに笑いかけた。
「もっちろんさ!ヤバくなったら僕はさっさと帰るから、その時は後始末を
よろしく頼むよ!」
「途中で逃げたらぶっ殺すからな」
残るは一人。永遠に語り継がれるであろう名勝負の一翼たらんと、百戦錬磨の
精鋭達が次々と名乗りをあげた。
「俺はやらねーからな」
「アタシもイヤよ」
「ワシの、ワシのノースウエストが、いまにも資本主義の生贄に……」
「ママ、麻雀打つ人はみんなカタワだと思うわ」
「ダッチワイフ、コーモンナイヨ。コーモンナイトウンコデキナイヨ!」
「野比のび太!おお、野比のび太!」
できることなら、みんなで卓を囲みたい。しかし勝負に参加できるのはたった
一人だ。後ろ髪を引かれる思いで、のび太は言った。
「申し訳ないけど、最後のメンツは僕に決めさせてもらうよ」
ワガママを押し通す意志の強さも、時には必要だ。のび太は決然と顔を上げて
居並んだ面々をゆっくりと見回した。
さあのび太よ!最終決戦の舞台を彩る四人目の戦士を、選びたまえ!
やっとこさ20話終了。あー、スッキリした。
次回更新より、最終回に突入です。
368 :
作者の都合により名無しです:04/03/31 23:52 ID:G9P+ASF1
狂ってんのかよお前
369 :
作者の都合により名無しです:04/04/01 00:01 ID:rUm1E7AD
>VS氏
最近、凄い投下ペースだな。
あぼーん
わ〜た〜しぼ〜でぃ〜だ〜け〜レディ!
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
377 :
作者の都合により名無しです:04/04/01 14:53 ID:D0WvCqQg
ふら〜り、セックスしよう
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
ふむ、殺助と言いたいわけだなID:0RcCoQWi
383 :
ホルモン:04/04/01 16:52 ID:cuQUl27j
勇次郎を題材にしたSSを書きたいと思ってるんですが
ここ以外にスレを立ててもいいでしょうか?
いけません。ここがいやならSS系かバキ系のスレを乗っ取りなさい
SS語ろうスレでもつおの項目を見て真似したくなったんですね?でも二番煎じは受けませんよ。
386 :
ホルモン:04/04/01 17:56 ID:zFPN5qen
いや真似っていうかね、ここじゃあ蚊カッかけない気がししてdっづえすね。
っわああ話つぃアの思い描いている話はここじゃあ化研しないんですよ
387 :
ホルモン:04/04/01 18:12 ID:zFPN5qen
明後日あたりに立てるんで。
このスレとは違うコンセプトで勝ち残ろうと思ってまんこ。
ぼくちんの活躍に期待しててちょ!
>>ホルモン
激しく期待
>387
ピッピリピー ハイジョーホンハーハイホーヘンヘー!
>366
あれ?
全20話だったんじゃ…
>>391 ども。ホームページの掲示板ではお報せしたのですが
締まりなくダラダラ書いていたら、いつの間にか1話増えちゃいました。
全21話。もうビタ一文増えません。
長いにこしたこたないよ。
がんばれ
394 :
作者の都合により名無しです:04/04/02 19:53 ID:46EquLiC
最近の鬼の更新は最後の輝きか。
ドラ終わっても、早く帰って来いよ、VSさん。
395 :
作者の都合により名無しです:04/04/02 21:16 ID:wy9NEFMS
Mr.Children 11thAlbum「シフクノオト」4月7日発売!
1. 言わせてみてぇもんだ
2. PADDLE
3. 掌
4. くるみ
5. 花言葉
6. Pink〜奇妙な夢〜
7. 血の管
8. 空風の帰り道
9. Any
10. 天頂パス
11. タガタメ
12. HERO
http://www.mrchildren.jp/
>>317 「ま、まさか」
「そのまさかだ」
勇次郎はニヤニヤしながら、折り畳んだメモ用紙を、凝固した梢江の手に握らせた。
「場所と名前が書いてある。ここに行って、この男に修行をつけてもらえ。そして……一週間後だ。
一週間後、その男を倒せ。不意討ちでも何でも、手段は問わん」
「い、一週間で? そんな、ムリです!」
「何言ってやがる。この男に勝つ、なんてのは俺に言わせりゃ甘々過ぎる基準だぞ。だがお前は、
俺と直接戦う訳じゃねえから、その程度で勘弁してやると言ってるんだ」
「で、で、でも、私今まで格闘技なんて全然、」
「できなかったら、一週間後にはネットに流出すると思え。お前と刃牙の痴態が」
「……!」
痴態、ときた。いや、確かに痴態ではあるけれど。でも、だけど、何もそんなにはっきり言わなくても。
「アレが全国に流れたら、さぞ巨大な反響があるだろうな。いやぁ楽しみだ」
「あ、あ、あ、あ、あなたは……鬼ですかっっ!」
「ああ、鬼だ。世界中でそう呼ばれてる」
勇次郎はニヤリと笑うと、窓枠に足をかけた。
「じゃ、いいな? 一週間後だからな? はばないすで〜い♪」
ひらり、と二階の窓から身を躍らせたかと思うと、勇次郎は下に待たせてあったジープの
後部座席に着地して、そのままジープを走らせ去って行った。
梢江の手に、一枚のメモ用紙を残して。
翌日の放課後、帰り道。
梢江は、悩みに悩んだ末、メモに書かれている場所へ行ってみることにした。……あの男、
範馬勇次郎から感じたアホ変態オーラは本物だった。命令に従わないと、本気でネットに流すだろう。
自分と刃牙の、その、あの、何というか、アレを。
『ううっ……』
鞄を持ったまま、制服姿のまま、フラフラと梢江は目的地に向かう。
ほどなくして、その場所に到着した。河原でテントを張り、焚き火の前でカップヌードルを
啜っている男がいる。どうやらこの男が、勇次郎の言っていた者らしい。
梢江は、二、三度深呼吸をすると、覚悟を決めて話しかけた。弟子入り志願です、と。
すると男は、振り向くなり怪訝な顔をして、カップヌードルを置いて立ち上がった。
「これで二人目か。流行ってるのか? お前ら女子高生の間で」
桃色の道着が逆光に映えてカッコよく……は見えない。だって桃色だし。本人も美形とは言い難いし。
「ストリートファイトが、よ」
男の名はダン・ヒビキ、火引弾。へっぽこストリートファイターである。
勇次郎と梢江の、あの夜から数日が過ぎた。今や梢江は毎日、学校が終わるなりレッツ修行である。
校門をくぐって、うぅツライけど行かなくては、と河原に向かおうとすると、
「最近どうしたの、梢江ちゃん?」
刃牙に呼び止められた。梢江が、へろりと振り向く。
「ほら、へろりとしてる。何だか随分疲れた顔してるし、一緒に帰ってくれないし」
確かに、連日の修行で疲れてはいる。正直かなり辛いのだが、やらねば痴態がネットだし。
「ご、ごめんなさい。ちょっと用事があって」
「何か悩み事があるんなら、相談に乗るよ? その、ほら……彼氏として、さ。ほっとけないよ」
「……刃牙君」
刃牙君が、心配してくれている。梢江の胸に、じ〜んときた。嬉しい。
だがそれだけに、知られる訳にはいかない。ヘタなことをして痴態がネット、になれば、
刃牙にだって大迷惑がかかるのである。それだけは何としても避けねば。……彼女として、ね。
「あの、私、大丈夫だから。心配しないで。それと、絶対着いて来たりしちゃだめよ」
「でも梢江ちゃん、」
「いいの。ほんとに大丈夫だから。あ、また明日の朝には、玄米おにぎり持ってってあげるからね」
と言い残して、梢江はぱたぱたと駆けて行った。ぽつん、と残された刃牙はというと。
「この状況で、ほっとく訳にはいかないよな」
梢江を尾行しよう、としたらいきなり頭上から、正確には頭上の木の枝から、人間が降って来た。
「待てい、バカ息子よ!」
ざん! と着地したのは、クソ親父勇次郎。
「愚か者め。お前には、あの子の気持ちがまるで解っておらんようだ。愚か愚か、見事な愚かさ」
「な、何だよ。よりにもよってあんたに愚か者呼ばわりされたら、人間終わりだと思うけど」
「……。二人揃って容赦なく言うな、お前らは。まあいい、そんなことより俺の話を聞け」
勇次郎は、梢江の駆け去った方を向いて、言った。
「あの子はな。お前に内緒で今、ダイエット作戦中なんだ」
「え?」
「食事制限、筋トレ、柔軟体操にランニング。実はこないだ、俺は相談を受けたんだ。
効果的なトレーニングメニューを教えてくれってな。俺のことをお前の口から聞いてたから、
トレーニングについて知識も経験も豊富だと思ったんだろう」
刃牙は、納得できない顔をしている。
「トレーニングに関して、あんたを頼ったって点はいいよ。けど、なんでいきなりそんなことを」
「愚問だな。女としてもっと美しく、もっと綺麗になりたいから、に決まってるだろうが」
「だからどうして急に」
「ええい、だからお前は愚かだと言ってる!」
がしっ、と勇次郎が刃牙の両肩に手を置いて、刃牙の目を見つめる。
「お・ま・え・だ。お前があの子の全てを見、全てに触れたから、だ」
「……え」
言われた瞬間。刃牙の頭、手、口、舌、その他いろんなところに「梢江の記憶」が蘇った。
梢江と同じく刃牙も、ぽっ、とトマトになる。
「で、だ。あの子はお前の為にも、己を更に磨こうと考えたんだ。もっと美しくなった自分を
見て貰いたい、もっと綺麗になった自分に触れて欲しい、とな」
「こ、梢江ちゃんが、そんなことを」
「そーだ。そーゆーことだ。どうだ、筋は通ってるだろ」
「うん……え? 筋が通ってる、って」
ぅおごほんっ、と勇次郎が咳払いする。
「とにかく。女の子のプライバシーを詮索するのは良くないことだ。乙女心だ。違うかバカ息子」
「う、う〜ん。あんたが、そんなまともなことを言うってのは、ちょっと怪しい」
「ふん、勝手に怪しめ。だが言ってることは間違ってないと思うぞ?」
それは確かにそうだけど、と刃牙が考え込む。勇次郎は、ぽん、と刃牙の肩を叩いて、
「彼女のことを信じてやるのも彼氏の努めだ。よって、この件について詮索はせんように。以上」
それだけ言うと、勇次郎は刃牙に背を向けて去って行った。刃牙は少し考えて、
「……信じてやるのも彼氏の務め、か」
結局、梢江の尾行は中止した。
400 :
ふら〜り:04/04/02 21:32 ID:mIeAtE0B
昔の二人はいい子でした。刃牙は先生思いで正義感強かったし、梢江は刃牙との仲を指摘されて
俯きながら頬を染めてたし……まぁ今の二人が「悪い子」とまでは言いませんけど。
>>VSさん
いたんですねぇ、これだけの人数が。今までの長い道のりを思い出させてくれます。VSさん
ご本人も、書きながらしみじみというか、走馬灯のようにというか、そんな気持ちしてません?
で。細かいところで「外人語」ってのが味ありです。ありそうでなかったような。なんか楽しい。
それと。豚の丸焼き、死ぬまでに一度は食べてみたいですな。昔、横浜の中華街で見た記憶が。
hahaha
402 :
作者の都合により名無しです:04/04/03 18:17 ID:5bMXEHCz
ふらーりさんお疲れ様。
のんびりと更新なさって下さい。
ふら〜りの作品の批評をやろうと思う。
めちゃくちゃ厳しいやつを。
本人承諾を求む。
村木
40404040404
今日更新が無かったら頃助、転生は逃亡確定だな
>>405 そのコンビには、もはや何も期待していないのでどうでもいい。
内容もつまらんし。
殺助には期待している
転生は読んでないが完結してほしい
409 :
作者の都合により名無しです:04/04/04 17:33 ID:72+9hzLj
とりあえずあげとくか。
しかし、最近まとめサイトからこっちへくる事が多いな。
以前は逆だったのに。
410 :
作者の都合により名無しです:04/04/04 18:01 ID:QQpC0/1R
411 :
作者の都合により名無しです:04/04/04 19:02 ID:IKyRN6j+
お〜い! 転生!コロ助ぇ!
土日が終わっちまうぞ〜!
転生さん、殺す毛さん、ぜひ頑張ってください!
読まないし面白くもないけど氏ね
413 :
痔:04/04/04 22:06 ID:5EgOOOKH
ドラゴンクエスト5のSSを書いてもいいですか?
ここで。いちおう漫画にもなってるので。
あっちでは場違いな雰囲気だったのでね。
415 :
作者の都合により名無しです:04/04/05 00:44 ID:NQh+WdXE
うんこからバトルまでなに書いてもいいぞ
うんこSS書こうかな。
417 :
作者の都合により名無しです:04/04/05 02:56 ID:5vZVWa2G
書け。好きなだけ。
転生・殺助、死亡確認!
419 :
作者の都合により名無しです:04/04/05 07:37 ID:s2SNqrLZ
>>418 転生氏は4月一杯は入寮の関係で書けないとサイトのBBSに書いてあったよ。
殺助氏はマジで心配だな。
420 :
作者の都合により名無しです:04/04/05 09:12 ID:lRAgb90y
ああ、ガムやるよ
雰囲気だけブラックSSと、パオ劣化縮小コピーが看板とは・・・。
VSさんいなくなったらマジでヤバいな。
422 :
作者の都合により名無しです:04/04/05 19:12 ID:HwIaJMHo
途中までは確かに素晴らしかったこのスレも、パート10以降は糞になったな。
423 :
痔:04/04/05 23:23 ID:D59zvJ1a
痔
殺助は「適当に頑張る」と、保険を掛けてるからな。ある意味卑怯だ。
転生はこのまま復活しない気がする。
425 :
おなら:04/04/06 10:51 ID:LN8iQ1/y
おなら
>>399 刃牙が勇次郎に言いくるめられた、その頃。河原ではいつもの修行が始まっていた。
「まだまだ! 声が小さい!」
「は、はいっ! ……がどぉけん!」
「腰が入ってない! 肩の返しが甘い!」
「が、がどぉけんっ!」
「ほら、笑顔を忘れるなっ!」
「が、がど……」
振り被った右掌を、前方に繰り出そうとしたところで梢江は力尽き、そのまま前方に倒れた。
「ほらほら、どうした!」
「あ……あ、あの、これ、掌から気の塊を飛ばす技、でしたよね?」
ダンに怒鳴られ、辛そうにしながらも、梢江は何とか立ち上がる。
「そういうのって、いきなりできるものなんですか? 私みたいな素人が……」
「黙れ。俺が前に教えた女子高生は、この技を一日で完全にマスターしたぞ。まぁあれは
例外としても、お前だって同じ女子高生。ちっとはカケラぐらいは、撃てるはずだ」
その女子高生って、もしかしてエゲつないバケモノなのでは。というか本当に実話なのだろうか?
「いいか。この技のキモはだな、ひとことで言ってしまえば気持ちだ、気持ち。『やるぞ』って
気持ち。思い出してみろ、お前も」
「何をです」
「『やるぞ』の気持ちの出どころ、すなわち己の原点だ。俺に弟子入りしたいと思ったきっかけ、
何かあるんだろう? それを思いだせ。ただ純粋に、強くなりたいと思ったあの頃……とか」
「はあ。きっかけを思い出す、ですか」
そりゃあもちろん。痴態が。あの夜の。昼夜ぶっ通しの。二人の姿。ネットに流出。反響巨大。
「……そ、そ、そ、そ、そんな……そんなのっ……」
「ほら、その気持ちだ! それを乗せろ!」
「そんなの、そんなの嫌ああああぁぁぁぁっ!」
梢江の脳裏に、勇次郎のニヤリ顔が浮かんだ。その顔に向かって、思わず平手打ちを……
ぽんっ!
コルクの栓を抜いたような、軽快で小気味良い音がした。梢江の掌から、僅かな煙と一緒に。
「え……っ?」
「ほら、できた」
ウソ、みたいだができてしまった。隣でダンが、満足そうに微笑んでいる。
「筋はいいと思ってたんだ。後は闘志の燃やし具合というか、集中力というか。そんなところだ」
「先生……」
梢江が、ちょっと感動してダンを見る。ダンはふっ、と笑って、
「ま、才能を言うなら、あいつには到底及ばないがな」
「あいつって、さっきも言ってた、私の先輩のことですか?」
と言われたダンは、懐かしそうな顔で、遠くを見て言った。
「そうだ。あいつには、俺も随分救われたところがあってな。復讐のことばかり考えていた俺が、
一時とはいえ他人の為に戦ったりしてしまったし。あれ以来、人に教えることの楽しさを
知ったというか。ある意味、あいつへの恩返しとか考えているのかもな、俺」
「あ。それで、私にも技を教えてくれてるんですか?」
「そういうことだ。あいつ、今頃何して……っと、」
ダンは、少し照れたような顔で、ほりほりと頭を掻いて、
「お喋りが過ぎたな。じゃ、今日はこれぐらいにしておこうか」
「あ、は、はい。ありがとうございますっ」
ぺこり、と梢江は頭を下げた。下げたまま、いろいろ考える。
何はともあれ気を飛ばす技、一応できてしまった。何だかこのダンって人、なかなかいい人
らしいし、師匠としても有能らしい。見かけによらず。
……でも。せっかくそういう気持ちになってきたけど、今日は既に六日目。明日は七日目。
勇次郎に切られた、一週間という期限。明日がタイムリミットだ。
「……あの、先生」
「ん?」
梢江は顔を上げて、言った。
「明日、私と試合をして下さい。真剣勝負で」
勇次郎は不意討ちでもいいと言ったが、そんなことはしたくない。となると、まともな試合しかない。
無論、それで勝てる自信はない。が、僅か一週間とはいえ先生に対して、卑怯なことはしたくない。
そんな梢江の申し出に対してダンは、首を縦に振った。
試合であるからには、手加減はしないぞ……と一言添えて。
翌日。あの夜から七日目の、放課後。いつも通り制服姿で河原にやってきた梢江は、
気合いを入れる為にキリリと白いハチマキを巻いた。
スクラップ車の屋根に腰掛けて待っていたダンが、梢江の姿を見て軽い笑顔を見せる。
「似合ってるぞ。ちっとあいつに似ている。ま、どっちがより美人かは、見る奴の好みってとこか」
「へえ。ちなみに、先生はどう思われます?」
「俺か。俺は……」
ダンは、梢江をじっと見て。それから、あの子の姿を思い出して。
「……ふむ。甲乙つけ難い、と言っておこうか。師匠が弟子を差別するのも何だし」
言いながら、スクラップ車から跳び下りた。そして、構える。
「お喋りはこれぐらいにして、と。用意はいいか?」
「はい」
梢江が、ごくりと唾を飲み込みつつ、ダンに続いて構えた。と同時に、
「断空脚っ!」
いきなりダンが、跳びかかってきた。そして強烈な空中三段蹴りを繰り出してくる。
梢江は必死に、何とか三発ともガードした。が、それで早くも両腕が青く内出血して腫れ上がって、
痺れてマヒして使い物にならなくなった。
『い、痛い……っ!』
情けないといえば情けないが、しかし当たり前といえば当たり前である。いくらへっぽこでも、
ダンは現役のストリートファイター。梢江はレッキとしたド素人なのだから。
両腕の激痛に、梢江の目に涙が浮かぶ。だが負ける訳にはいかないと、懸命に堪えて
歯を食いしばり、自由にならない腕を持ち上げて視線を前に向けた。
と思ったら、そこにダンがいない。……足下に体を沈めている、と気付いた次の瞬間、
ダンの全身が跳ね上がった!
「晃龍拳っ!」
体全体を使って放つアッパーカット、晃龍拳。梢江は咄嗟に体を捻って避けた、が、
顎の先をダンの拳が僅かに掠めた。
たったそれだけで、梢江の全感覚が破壊された。足が触れている地面は傾斜し、
目で見ている世界は歪み、腕と顎の痛みはもう、まともに感じられない。
立っているのが精一杯、となった梢江の目の前に、ダンが着地する。そして、
「格闘の道の厳しさ、その身で知れいっ! 真空我道拳っっ!」
ダンの右掌に、眩しい閃光が灯った。それが突き出され、梢江に襲い掛かってくる。
『……怖い……っっ!』
梢江は、女である。女であるならば、その身に危険が迫った時には、悲鳴を上げてしまうものだ。
たとえそれが、どんな女丈夫であろうとも。だから梢江は、悲鳴を上げた。
「た、助けて刃牙く……」
どぼごおおおおぉぉん!
いきなり現れた足の裏が、ダンの横っ面にめり込んだ。そのまま蹴倒し、ダンの上に
馬乗りになって、もうメチャクチャに殴る殴る殴る殴る。
「梢江ちゃんに何しやがったこのクソ野郎おおおおおおおおぉぉぉぉっっ!」
言うまでもなく、刃牙である。瞬く間にマウントパンチ二百連発、ダンをボロ雑巾に変えた。
ダンが重体に陥ったのを確認すると、呆然としている梢江に駆け寄って、
「大丈夫? ケガしてない? ……って、この腕! 許せんっっ!」
激怒した刃牙が振り向いて、ダンをもう五百発ほど殴ろうとする。が、梢江がそれを止めた。
「ま、待って刃牙君、違うの。これは、その、」
と、梢江の背後で車が止まる音がした。振り向けばそこには軍用ジープが止まっており、運転席には
アメリカ人らしい軍人が、助手席には勇次郎がいた。
430 :
ふら〜り:04/04/06 21:12 ID:H3PDiB++
まあその、時期が時期ですし。転生さんとか、はっきりああいう状態だそうですし。
大体、今までだって何度も山谷越えて来たんですし。きっとまた、賑わってくれますよ。
>>村木さん
少し前にいろいろ議論されてましたが、批評するのに承諾なんていりませんよ。ご自由にどうぞ。
もし『承諾あり批評』に拘るのでしたら、ここではなくまとめサイトの方で。それが条件です。
あと、念の為に言っておきますが、承諾あり批評だからといって批評に対してレスはしませんよ。
>>痔さん
ぜひ書いて下さい! 私はDQもFFも旧ファミコンの分しか知らない身ですが、いやだからこそ、
5ネタなら新鮮に楽しめますし、あるいはそれをきっかけに原作に手を出す、とかなるかもですし。
何はともあれ、お待ちしておりますっ。
レスが伸びてるから何かと思えば・・・
なんだお前かよ
432 :
作者の都合により名無しです:04/04/06 21:47 ID:LN8iQ1/y
まったくだ・・・
433 :
排泄記:04/04/07 01:00 ID:xVTYa+Yy
しばしの力みの後、便器を覗いてみる。いわゆる排便チェックだ。
若干の湯気が漂い、とても元々は口から入ったとは思えない異臭を放つ一物。
その名はうんこ。どんなに豪勢な料理も、やがてはこの名で呼ばれることになる。
「少し柔らかいな」
ダブルのペーパーで丁寧に肛門を拭い、トイレの栓をひねる。
うんこは勢いよく流れてきた水によって、便器の奥へと叩き込まれていった。
少し寂しい気もした。
ついさっきまで自分の体内にかくまっていた仲間を、この手で追放してしまった。
時として、立ち止まることによってのみ真実を知りえることがある。今がそうだ。
排泄して、確認して、水で流すという日常的に繰り返す一連の処遇。
余りにも仲間だったうんこに対して酷ではないのか、と。頭に稲妻が走った。
必死に便器に手を突っ込んで、先程流したうんこの救出を試みる。
だが、時すでに遅し。裏切られたうんこは、遠く下水道へと流れてしまっていた。
「くっ……遅かったか」
肛門にこもった熱が、あのうんこの最後の瞬間を鮮明に思い出させる。
手加減なく飛び出してきた流水によって、粉々にされながら露と消えてしまった。
無念だったろう。熱く暗い体内からようやく脱出したというのに、一瞬にして粉砕。
七年間もの潜伏期間があるセミですら、一週間の輝かしい栄光が与えられる。
うんこにはそれがない。栄光どころか、迫害され、すぐさま追放される。
かつては食物として、己の食欲を多分に満たしたであろう功労者に、情け容赦ない攻撃。
「何てことをしてしまったんだ……」
434 :
排泄記:04/04/07 01:00 ID:xVTYa+Yy
過去最大の愚行を犯した自分も憎かったが、何よりも憎かったのは便器だった。
水洗機能など取り付けるから、こういった不測の事態が生じるのだ。
安全装置などの対策を講じるべきなのだ。
近頃の企業は技術の進歩にばかり目を奪われ、まるで足元が見えていない。
「この役立たずがっ!」
つま先で便器を思い切り蹴飛ばした。
便器はビクともしなかったが、足の指が何本か折れてしまった。
「ぐわっ! 痛い……」
激痛で狭いトイレの中を転げまわった。これは罰だ、うんこを軽んじた罰だ。
骨が折れたくらい何だ。大量の水に飲まれるのに比べれば、無痛にも等しい。
「痛くないぞ、全く痛くない!」
痛みをこらえながら、風呂場へと走った。そして目一杯シャワーを浴びた。
うんこの気持ちを少しでも知りたかった。共有したかった。贖罪したかった。
だが、それは不可能な話だ。シャワーと便器では、いかんせん水圧が違いすぎる。
435 :
排泄記:04/04/07 01:02 ID:xVTYa+Yy
数時間シャワーに打たれた後、全裸のまま打ちひしがれた。
この程度の試練では、うんこの苦しみなど到底味わえない。
川に行こうと思ったが、指が折れた足と、冷え切った肉体は、自由に動いてくれない。
「くそっ、なんてザマだ……」
その時だった。あの懐かしい臭気が、周囲を漂い始めた。
「こ、この香りは……!」
「もう止めて下さい。あなたが苦しんでも、我々うんこは嬉しくありません」
顔を上げると、そこには今朝下水道に消え去ったはずのうんこの姿があった。
「よかった、助かったんだね」
「いえ、私はあなたの強い念によって具現化された幻影……いわば幽霊です」
「そうだったのか」
「気にしないで下さい。我々は人間を憎んでなどいません」
「しかし……人間はうんこに対し、余りにも無慈悲すぎる!」
「いえ、それでいいのです。我々の役目は、体から出た時には既に終わっていますから」
「そ、そんな……」
「あぁ、そろそろ時間のようです。あなたはうんこについて真剣に考えてくれた。
それだけで我々は満足なのです。処理場の仲間も、きっと喜んでいることでしょう。
では、さようなら……」
「待ってくれ、もう少しだけ……」
うんこは消えてしまった。春の陽気に溶けていく雪のように、穏やかに消えていった。
最後の瞬間、うんこは優しく微笑んでくれたように見えた。
残ったのは、この冷えた全身を包み込むほんの僅かな温もりだけ。
「……さようなら」
神が降臨なされた
ものども、ひかえい
真・うんこか…。
さてこれを荒らしとするのか否か
正直面白い。
面白い。
これ偽モノだろ。
真うんこはあれでも漫画キャラを織り交ぜてうんこSSを書くからな。
ただのうんこSSじゃつまらないしもろスレ違い。
削除依頼通るからやめときな。
ぶっちゃけ、パオの文章より読みやすいし展開もテンポが良くて
スラスラ読める。
これで題材がうんこじゃなくてまっとうなモノだったら俺は賞賛してるだろう。
どうせうんこじゃ何で駄目なんだ?とか言うんだろうね。
588 :ふら〜り :04/04/07 13:06 ID:???
イク・・・!!
あんっ!あっあっあっあぁぁぁ・・・んっ!!
589 :ふら〜り :04/04/07 13:07 ID:???
すいません、誤爆しました。
590 :ふら〜り :04/04/07 13:10 ID:???
すいません、誤爆しました。
あとこんなのも見つけましたw
>>444 オレは443じゃないが悪名高いマロン板の
SSスレッドを語ろうスレでそれ見かけたよ。
それほど粗末でもなく豪華でもない。ごくごく平凡な結婚式。
しかしそれでも主役の二人はやはり光り輝いていた。
あふれる幸せが見ているだけで伝わってくる。
主役のうちの一人は野比のび太。立派な好青年へと成長した今でも
幼い頃からのそのやさしいまなざしだけは変わっていない。
式の前夜、のび太を祝ったのは小学校時代からの古い付き合いの3人だった。
「うらやましいぞ。こいつ!!もし、しずちゃんを泣かせでもしたらオレが承知しねぇ。」
セリフとは裏腹に穏やかな笑顔でのび太を冷やかしている豪快な男剛田たけし。通称ジャイアン。
「僕らのアイドルだったしずちゃんが・・・とうとうのび太のものになるのか・・・。」
ジャイアンのとなりで同じくはやしたてているパンチパーマの男、骨皮スネオ。
見た目はおっさんかおばちゃんにしか見えないが、のび太と同い年だからまだ若いのだろう。
「僕らのアイドル・・・必ず幸せにしてあげてくれよな。」
そしてやはり絶えない笑顔でのび太のグラスにビールを注いで祝福する
容姿端麗――だがデブではない程度にやや太めか――なる青年出来杉。
一晩を男4人で飲み明かしそのまま結婚式になだれこんだらしく
4人は酒席のノリがまだ抜けきっていないようで陽気に騒いでいる。
もう一人の主役、花嫁は源しずか。先の男4人のアイドル的な存在だった女性だ。
幼い頃から整った顔立ちであったが時を経てさらに美しく成長している。
二人の結婚式は平凡ながらなににも代えられない笑顔に包まれ事を終えた・・・。
結婚式の2次会の最中・・・・出来杉は一人宴会を抜け出し夜道に佇んでいた・・・。
みんなには少し酔いをさましてくるからと伝えてある。
笑顔で闇夜の月に向かって呟き始める。
「・・・・よかったなぁのび太くん・・・。僕らのアイドルだったしずかちゃん。
キミは他の誰でもなく・・・のび太くんを選んだんだね?本当に・・・・本当に・・・・」
突如・・・出来杉の気配が変わる。ゴミ箱を漁っていたのら犬がその変化を敏感に感じ取り
怯え震え出す・・・!出来杉の身体は不気味なドス黒いオーラをまとい髪の毛が逆立つ。
出来杉の顔は冷たく、能面のように冷たく無表情に変化しその両の眼だけが赤く血走っていた。
「クククククク・・・・」
血走った目・・・剥き出しの歯を食いしばりその唇の端から血を流しはじめる・・・。
わなわなと肩を震わせながら不気味に笑い、そして吼える出来杉。
「クソがぁ!!しずか!しずか!しずか!しずか!しずか!しずか!しずか!
なぜだ!?こんなにも愛していたというのに・・・!
この天才であるボクがこんな凡庸なる人生を送っているのは・・・!
キミが平素な幸せを愛するということを知ったからだ!富も・・・!名声もキミのために捨てた・・・!」
髪の毛をかきむしりながら地面に倒れ込む出来杉。
晴天の予報を覆し、あたりはいつのまにか雨が降り始め雷が轟き始める。
巨大な音を立てて雷光が轟く!
「・・・・今からでも遅くはない・・・!ボクは失ったものを取り返す・・・!
富も名声も権力も・・・・・そして・・・・あの幼いころのボクに好意を寄せてくれていたキミも・・・
全て手に入れてみせる!!ククク・・・・クハハハハ・・・・・ア――ッヒャッヒャッヒャッヒャ!!!」
雷雨の中、狂ったように笑いながら闇に飲まれていく出来杉。
そして・・・時は彼らの少年時代へと遡る・・・・・
青い空。白い雲。そしていつもの空き地。土管。
いつもとなんら変わらない光景にはやはりいつものメンバーがそろっていた。
「のび太!今日もオレさまが意味なくいじめてやるぜ!」
太めではあるがゴリラのようにがっちりした体躯。
ガキ大将的存在である少年、剛田たけし。通称ジャイアン。
「全くのび太はいっつもグズなんだから。」
コバンザメのようにそのジャイアンの側につきしたがい、
意地の悪い笑みを浮かべている細身の少年、骨皮スネオ。
そのすねたようにとがった口もととなにかに反発するように伸びた前髪が特徴的である。
「やめろよぉ!ドラえも〜ん!助けて〜!!」
いつものようにその二人にいじめられ笑われている少年の名は野比のび太。まるいメガネをかけ、
運動神経ゼロ。テストはいつも0点。特技は居眠りとあやとりと射撃。甘えん坊。へたれ。
まるでいじめられるために生まれてきたような少年だ。
「やめなさいよ。かわいそうよ。」
そして形だけは心配してるフリをしているが全く止める気配のない少女が一人。
この物語のヒロイン、源しずかである。というより止めるどころか一緒に(心から)笑っている。
泣きながらのび太が家に逃げ帰りなんとなくすることがなくなった残りの3人は
そろそろ家に帰るため解散することにした。いつのまにかあたりは夕日に染まっていた。
----------------
3人が解散した後・・・・・・
4人の少年たちがたむろしていた土管の中の暗闇に・・・・
らんらんと怪しく光る二つの眼があった・・・!
そしてフードをかぶった怪しい人影が土管から這い出す。
なにかを警戒するように辺りを注意深く見渡し・・・
皆と別れたった一人で家路を急ぐしずかのあとを追い始めた・・・・・・!
突然ですがドラえもんを題材にSSを投下していこうと考えてますが
大丈夫でしょうか?
ぜ〜んぜんOK!
正直どんなジャンルのSSになるのか分からないが、
新作が来たのは嬉しい。
とりあえず続きを書きなさい。
「・・・・つけられている・・・!?」
まさか・・・・? いや、しかし間違いない。
今までにものび太や担任の先生のストーカー行為につけ狙われたことはあった。
その時のいやらしい舐めまわすような視線と同種の・・・
いや、それ以上に攻撃的な悪意を感じる。
しずかの危機回避本能が自らの身の危険を知らせる。
しかし、しずかは立ち止まらない。立ち止まれない。
立ち止まれば自分が尾行に気付いたことに気付かれてしまう。
なんとか、人通りのある場所までたどりつきたい・・・
気付かれないよういつもとわずかに進路を変え、徐々に大通りへと近づこうとするしずか。
しかし、結果としてそれがよくなかったらしい。
不審な動きに気付いた尾行者の気配の攻撃色が強まる!
気配は明らかに攻撃体勢に入っている。
(来る!!)
まだ大通りまではかなり距離がある。
しずかは覚悟した。相手の追い足の速度がわからない以上
下手に逃げるのは得策ではない。・・・・迎撃するしかない・・・。
素早く気配の方を振り向く!
しかし、その時すでに尾行者はしずかの眼前に迫っていた!
(クッ!速い!?)
尾行者はしずかのボディを狙って拳を振りかざす。
かろうじて避けるしずか。その瞳には怪しいフード姿の敵の姿が移っている。
「何者なの?いったい何の目的で・・・!?」
問うしずかにフードの尾行者はあくまでも無言で襲い掛かってくる。
「答える気はないようね?ならばこちらから仕掛けさせてもらうわよ!?」
そういうやいなや、凄まじいスピードで尾行者に攻撃をしかけるしずか。
スピードにのった左ストレートをその顔面に叩き込むがその威力は女性ゆえに軽く、
まるで効いていない。が、それはフェイントであった。そのストレートで距離を計って
おもむろにノーモーションの高速ハイキックを繰り出す。テンプルに的確にヒットし
尾行者の体勢がグラつく。グラついた体を打ち倒すべく重いローキックを放つしずか。
・・・と見せかけてその軌道を変化させ無防備な股間へと突き刺す。
これまでに襲いかかってきたのび太や担任を幾度も屠り廃人寸前へと追い込んだ
殺人コンビネーション!しかし・・・・
(!?き、効いてない!?)
たとえもし尾行者が女性であったとしても急所であることに変わりはないはず。
だが尾行者は痛みを感じないのか、なにごともなかったかのように反撃してくる。
(やられる!)
しずかが敗北を覚悟したその時・・・
突如、爽快な炸裂音が響く!尾行者の身体が吹き飛ぶ!
一瞬なにが起こったのかわからないしずか。が、しかし、すぐに気付く。
「これ以上彼女には、指一本ふれさせない!!」
さっそうと登場し尾行者を吹き飛ばした容姿端麗なる少年。
しずかが安堵の表情でその少年の名を叫ぶ。
「・・・出来杉さん!!」
思わぬ助っ人の登場に吹き飛ばされた尾行者がよろめきながらも立ちあがる。
空手の達人、出来杉の打撃は一流のストライカーであるしずかのそれと比べても
スピード・破壊力ともにケタが違っていた。回復は間に合わない。
そして出来杉はそのチャンスを逃すような甘い男ではなかった。
全く無駄のない流麗な体さばきで尾行者を追い詰める。
だが、間近で出来杉の顔を見た尾行者は・・・
「・・・ロード・・・!ダメダ・・・ロードニハ手ハ出セナイ!」
「なに!?ロード?なんのことだ?」
問い詰める出来杉。その瞬間、辺りにもうもうと煙が立ち込める。
「クソッ!煙幕か!」
煙の中去りゆく尾行者。
そのときふいに突風が吹き、その部分だけ煙が晴れフードがはずれる。
わずかな一瞬だけチラリと見えたその素顔は・・・・?
「・・・・トカゲ!?」
出来杉としずかの声がきれいにハモる。
そう・・・。尾行者の顔立ちは人間のそれとは似ても似つかぬ・・・・・
爬虫類の顔であったのだ!
文体がすげぇ安っぽい。
つうか今の時点で既に逃亡臭がするww
一週間持たないと予想する。
ドンッ!
鉢巻をキリリとしめ、鼻息も荒く勇ましくのび太が叫ぶ。
「断固絶対なにがあろうと、しずちゃんを守り抜くぞー!
絶対絶対絶対にぃぃぃぃ!!!」
叫びながら拳を突き上げはりきって部屋中をグルグル回っているのび太。
のび太の部屋に集まっているのはのび太を含めて6人。
しずか。出来杉。のび太。ジャイアン。スネオ。
そして未来の猫型ロボット、22世紀の秘密道具を操るドラえもんである。
部屋には下手な字で『第一回しずちゃん防衛サミット』と書かれた立て看板。
そして同じ字で『しずちゃん防衛血盟軍』と書かれたたすきを身につけた
のび太は、なおも興奮さめやらぬのか狂ったようにわめき続けている。
「のびた くだきき〜♪」
グチャッ
四次元ポケットから無数の釘の飛び出した真紅のバットを取り出し
のび太をブン殴るドラえもん。
「これでようやく静かになった。」
ことを終え、にこやかにそう言うと
ほどよく砕けたのび太を窓から放り捨て会議は再び進行する。
「確かに襲いかかってきたやつはトカゲの顔をしていたんだね?」
「ええ、確かに。」
「タダの爬虫類顔の人間なんじゃないの?松本人志みたいにさ。」
ドラと出来杉のやりとりにちゃちゃを入れるスネオ。
「そんなんじゃないわ!あれは確かにトカゲそのものよ。
絶対に見間違いじゃないわ!」
「しずちゃんと出来杉が言うんなら信用するけど・・・・」
「これが嘘つきのスネオや妄想癖のあるのび太だったら絶対信用しないんだけどな。」
「チェッ。よく言うよ。」
時がたち子どもたちばかりの会議はすっかり緊張感が薄れ始めている。
しかし、そんな中やはり深刻に考え込んでいるしずか。
自らが襲われたということもあろうが、それだけではないらしい。
「・・・・・・・・。」
考え込むしずか。問う出来杉。
「どうしたんだい?しずちゃん。」
「・・・あのトカゲのような顔・・・ひょっとして・・・・」
「心当たりがあるのかい!?」
「どこかで見たことあると思ってたんだけど・・・
ひょっとしてあのときの地底の竜人さんたちじゃないかしら?」
「なんだってー!?」
思わず目を丸くして飛びあがり声をあげる一同。
「まさか・・・・!」
「そうか。いや、でもトカゲ顔の人間なんてそれ以外には考えられない!」
「でも、なんでいまさら? 真実を知った王様たちとは和解できたじゃないか!」
「人は心変わりするものだし、権力者の中にはいまだに地上進出に執着してるやつもいただろう。
ひょっとしたらそいつらがクーデターでも起こして地上制圧に乗り出したのかもしれない。」
「でも、それじゃなんでしずちゃんを・・・?」
「・・・ウーム?さっぱりわからないな。」
「???」
地底王国のことを知らない出来杉一人が話についていけない。
珍しい絵である。とりあえず、ドラえもんが簡潔に地底世界のことを説明する。
「・・・ウーン。にわかには信じられないような話だけど・・・
どうやら本当らしいね。それが本当だとすると・・・・
とりあえず、ことの真偽を確認するには地底世界への入り口・・・。
つまりは多奈川を監視するべきだろうね。」
的確な出来杉の提案に大きくうなずく一同。
「さてと、どうやって監視するかだが、カメラを直接仕掛けにいけば
もし、本当に敵がいた場合、少々危険すぎるな。
向こうも多奈川周辺は念入りに警戒してるだろうしね。
というわけでミニドラにカメラをつけて遠隔操作で監視しよう!」
それからは登下校中は常に出来杉とジャイアンを含む全員でしずかを守り
襲撃に備え、結果2度目の襲撃はなかった。監視カメラの方は当番制で
常時誰か一人がモニターの前にはりつくことになっていたのだが・・・
監視を始めて2週間が過ぎたころ・・・
「・・・・おいおい冗談だろ・・?」
食い入るようにモニターを眺めていたジャイアンが思わず声を漏らす。
しずかの言ったことは見事に当たっていた。
確かに地底の竜人たちは不穏な動きを見せている。
ときおり、多奈川の入り口を見張る衛兵の姿をちらほら見かけていたのだが・・・
この日は様子が違った。
モニターには人間が写っているのだ・・。
人間の数は7人くらいであろうか。
数こそ少ないが、数人の衛兵が敬礼でその客人を出迎える。
「・・・何が起こるんだ・・・?こいつらひょっとして・・・
竜人たちの仲間に引き込まれたんじゃ・・・」
偶然、人間たちのうちの一人がカメラの方を振り向く。
「・・!!? こいつは・・・!?」
突然、ジャイアンの顔色が変わる。その瞳がある一点を凝視する・・・!
そう。人間たちの中にジャイアンはある男の姿を見つけてしまったのだ・・・。
ジャイアンの瞳に静かな闘志の炎が灯る・・・。
静かに・・・静かに・・・・そして、熱く・・・・!
因縁。宿命。一度たりとも忘れたことはない。
2度にわたって打ちのめされ涙を流した倒すべき敵。それは・・・
となり町の暴れん坊、拳で鋼の土管を砕く男・・・
「げんこつ げんごろう」 の姿であった・・・!!
「このままじゃラチがあかねぇ!殴り込みだ!」
「やめろ!落ちつけって!!」
金属バットを振りまわして叫ぶジャイアンを必死で食い止めるのび太たち。
スネオや出来杉・しずかたちもモニター前に顔を揃えている。
「いったい何があったんだ?詳しく話してみるんだ。」
「まずはその時の録画を見てみよう。」
ようやく落ちついたジャイアンも無言でモニターを見つめている。
数人の人間たちを竜の衛兵たちが出迎える場面でみなが一様にうなる。
「・・・どうやらただごとではなさそうだね。いったいなにが起こってるんだろう・・・」
そして、スネオが気付く。
「・・・げんこつ げんごろう!!」
「げんごろうってジャイアンが2回も負けて泣かされたっていうあの・・・?」
ギロリ!! 不機嫌な顔。凄まじい眼力でのび太を睨むジャイアン。
「ご、ごご、ごめんよ。悪かった!」
「そうか・・。だからジャイアン・・・!」
スネオが呟く。
「ああ、敵の中にあいつがいるとわかった以上・・・・
オレは絶対にあいつを倒さなくちゃならねぇ!・・・ガキ大将として!!」
「まあ待てって。確かに不穏な動きではあるけど、
まだ敵と決まったわけじゃないだろ。げんごろうも竜人たちも。」
「じゃあどうするんだよ!!」
たしなめるドラえもんに食って掛かるジャイアン。
「・・・・危険はおかすことになるかもしれないが・・・
地底にはバンホーさんたちもいるはず。思いきって直接乗り込んでみるか・・・!」
決心したように一人呟くドラえもんにみんなの視線が集中する!
一同は顔を見合わせ力強くうなずき合い、そして雄々しく立ちあがる!
「行こう! 地底世界に・・・・!!」
一気にうPしてしまい申し訳ありません。とりあえず今日はプロローグだけ。
あとは明日以降ちまちまと続きを書いては投下していく予定です。
よろしくお願いします。
>>460 ひどい出来ですね。
出来の悪いものをうぷするんだったら
時間を掛けてゆっくりうぷしてください。
しかしひどい状況だな・・
新作来たとたんにこれか。
頑張ってくださいね。職人さん達。
待望の新作なのにいきなり潰すなよ。
オレはけっこう期待できそうだと思うんだが。
気にせず続けてくれい
>あとは明日以降ちまちまと続きを書いては投下していく予定です。
既に投げ出し感満載だな
しかし、このスレホントに過疎だよな。w
新作期待age
VSの連載終了、転生・殺助の蒸発でスレが自然消滅するかと思ってたが・・・
これからはこいつの独壇場になるのか。さすがにやばいかな、もう。
469 :
コピペ:04/04/08 16:36 ID:NJ6P7BcQ
38 名前: ○ 投稿日: 2004/04/08(木) 11:08
心配かけてます。
ちょっと身辺がバタバタしていたのと、
「暁〜」で三面拳が変な追加設定つきで出たことで、
書く意欲がしばし萎えてました。(○代目三面拳って…)
明日か月曜日に続きかけそうです。
>>468 いや、けっこうレベル高くないか?
この後の展開次第ではかなり期待できると思うよ。
がんがれ!>出来杉帝国の人
つか新作1本じゃ寂しいよな。もっと突然SSが大量発生して
あのころのカオス状態戻って来て欲しいな。
続き来ねーぞ。やっぱ逃亡か?
誰 と 打 つ ?
01:ケンシロウ
02:
03:
04:
05:
06:
07:
08:
09:
10:
11:
12:
のび太は、待合室で漫画雑誌を読みふけっているゾンビのケンシロウを
指さした。
「そこのアンタ。漫画なんか後回しにして、ちょっとこっちに来なさい」
「はいー?」
のび太に呼ばれたケンシロウが、飲みかけの缶ジュースをテーブルに置いて
歩いてきた。セワシに言いたいことを言ってしまったので、ケンシロウは
もうこの雀荘には用はない。漫画を読み終わったらさっさと帰って、荒廃した
居酒屋の復興を夢見てクソして寝るつもりだ。
「なんすか?自分ゾンビなんで、もう家に帰ろうと思ってたんすけど」
「どっかで見た顔だと思ってたらアンタ、ドラえもんのビデオレターに
映ってた居酒屋の店員だろ」
ケンシロウのぶったるんだ発言には取り合わず、のび太は言った。うす
ぼんやりとのび太を見つめていたケンシロウの顔が、その時パッと華やいだ。
「ああ、あの時の!ということは、お兄さんがのび太さん?」
「そうだ、僕が野比のび太だ!僕の顔を見忘れたとは言わさんぞ!」
「見忘れるも何も、のび太さんのツラ拝むの、これが初めてっすから」
「うっさいボケ!僕をのけ者にしてさんざん居酒屋で盛り上がって
くれちゃったあの時の怨み、今ここで晴らしてやる!いいからそこに
座りなさい!」
のび太に言われるまでもなく、ケンシロウはのび太の上家に腰かけていた。
真っ白な光を放つ照明の下で、胸の七粒のトウモロコシが一瞬黄色く輝いた。
「そっすよね。自分ゾンビなんだし、偉そうに麻雀講座までやっておいて
雀荘では打ちませーん、帰りまーす、では済まされないっすよね」
「ビデオのアンタは、ピストルを口にくわえて泣き叫んで命乞いをしていた
だけなんだけどな」
「それがカッコイイんじゃないっすか!よーし!ゾンビの名にかけて、最高に
イカした麻雀打つっすよー!」
「ゾンビでもモスビーでもいいから、さっさと始めようぜ」
ケンシロウの闘気が炎と燃える!天に煌く四つの将星が、乱世の覇権をかけて
今、激突する!
とりあえずこんだけ。
ハンター試験合格。
幾多の試練を掻い潜り、幾人もの受験生を蹴落とし、ついにライセンスを獲得した。
私の志望はブラックリストハンター。
数あるハンターの中でも、特に高度な戦闘能力が要求される。
だが、喜びは束の間だった。次なる試練は、念能力の開眼。
ハンターとして最低限の能力を身に付けるための、いわば裏ハンター試験だ。
「……よろしくお願いします」
私の師匠となったのは、糞尿に似た臭気を放つ異様な男。
服か布か判別しがたい物を身に纏い、口の周りは常に唾液で湿っている。
だが、その実力は計り知れない。私の渾身の拳打を、指一本で受け止めてしまった。
師匠によれば、この芸当も念さえ習得すれば簡単に再現できるという。
「では、始めようか」
「はいっ!」
私が師匠に認められる程のオーラを身に付ける事が出来たのは、それから半年後のことだった。
とある朝、いつものように髪の毛をかきむしり大量のフケを散らす師匠。
そして、その飛ばしたフケを当たり前のように口へ放り込む。朝飯なのだ。
自分の肉体から出した物質を、極力食料として利用する。それが師匠のライフスタイル。
半年もの間、師匠と寝食を共にした私だが、未だに彼の習慣にはついていけない。
「さて、今日はお前の資質を調べてみよう」
「資質……ですか?」
「念には六つの属性がある。強化、変化、具現化、特質、操作、放出……」
「なるほど。でも、それをどうやって知るんです?」
「これを使う」
師匠は巨大なうんこを目の前に差し出した。
まだ新しいのか、手を近づけると熱を持っているのが分かる。
「やり方は簡単だ。これに両手を近づけて、練を行うだけでいい」
「へぇ……」
この選別法は、直腸流に代々伝わる「検便」というもの。
強化系ならばうんこの量が増える。変化系ならばうんこの味が変わる。
具現化系ならばうんこに不純物が発生。操作系ならばうんこが振動を起こす。
放出系ならばうんこの色が変わる。そして、これ以外の変化は特質系に属するという。
「まぁ、とにかくやってみろ」
「分かりました」
私は両手をうんこにかざし、持てる限りの力で練を行った。
数秒間行ったが、何の変化も生じない。その代わり、私の心に焦りが生じ始めた。
「し、師匠……!」
「慌てるな。一つだけあったろう、見た目では判別できない変化が」
「あぁ、味が変わるというやつですね」
「その通り」
「じゃあ、僕は変化系ということで……」
「待て。特質系の可能性もあるから、きちんと確かめねばならない」
「確かめる、と言うと?」
「決まってるだろう。食うんだよ」
私は泣きながら拒否した。いくら自分のためと言えど、うんこを食すなどとんでもない。
「いいですよ、わざわざ確かめなくても……」
「何を言っておる。自分の系統も分からぬまま念能力を扱うのは危険すぎる!」
もっともな主張なのだが、とても従う気にはなれない。
どうにか事態を打開するため、あれこれと逃げ道を模索してみる。
「いいから味を見てみろ! うんこの味でなければ、お前は変化系なんだ!」
「いや……でも、今あまり腹減ってないんで……」
「ガタガタ言ってねーで、うんこ食えばいいんだよォ!」
「い……いやだ……いやだァ!」
数分間の取っ組み合いの後、私は師匠にマウントを取られてしまった。
勝負は決した。潔く観念し、うんこを口の中へ招き入れるしかない。
「よし、入れるぞ」
まず唇を、生暖かく粘着質な感触が襲った。次に、それが歯に触れたことが分かる。
歯に達したら、今度は舌だ。味覚を司る聖域に、未知なる脅威が降臨する。
「お、美味しい……!」
最終回ですか・・・
残念。
もっとあなたの世界を楽しみたかった。
前回は漫画に関係ないSSですいませんでした。
今回はキャラは絡んでいませんが、設定は絡んでいます。
またもや神が降臨なされた
ものども、ひかえい
LIVEか
麻雀は終わって正解。面白くない。
うんこなにげに面白いな。w
でも今黒糖フークレエ食ってるからちときつい。
485 :
作者の都合により名無しです:04/04/09 12:57 ID:uzc1i3Fr
麻雀終わりだってのにまともなレスが一個もないのな。
>>480はメール欄見ればただの煽りだし。
終わったな
なにさあなたなんてきらい おんなごころがわかんなきゃ
およめさんには なってあげないぞ
おしい。あとちょっとで777だった
東一局、ドラは九索。起家のドラえもんの第一打、南。ケンシロウが笑顔で
ドラえもんに話しかけた。
「自分ね自分ね、実はアカギの中学時代の同級生なんすよ」
「ふーん。分かったからさっさとツモってね」
アカギはすでにツモを終え、ケンシロウのツモ番だった。ドラえもんの
無愛想な返事に動じることもなく、ケンシロウはツモ山に手を伸ばしながら
トークの矛先をアカギに向けた。
「ホント、アカギに会うのも久しぶりっすねー。元気だった?」
「まあな」
これまたにべもない受け答えのアカギだが、ケンシロウは一向に気にしない。
ツモ牌をロクに見もせず切り捨てて、会話を続ける。
「今、何やってんの?麻雀でメシ食ってんの?アカギってタイトルの麻雀漫画が
売ってるけど、あれのモデルってやっぱアカギ?」
「さあな」
「あははは、違うに決まってるっすよね。アカギ、あんなにアゴはとんがって
ないっすもんね。あ、時たま敬語が混ざっちゃうけど、気にしないで。これ
口癖っすから」
「ああ」
「そうそう。アカギが転校した後、校庭にアカギの銅像を建てたんすけど
知ってた?」
「いや」
「ざーんねん!あの銅像、去年ぶっ壊れちゃったんすよね。素材がサツマイモ
だからカラスが突っついちゃって。アカギにも見せてあげたかったなー」
「そうか」
「こないだね、アカギに一番しつこく言い寄ってた女子とバッタリ出くわし
たんすよ。どこで会ったと思う?」
「リーチ」
「はずれー。なんと、歌舞伎町のゲイバーで……え?リーチ?」
いつの間にやら九巡目だった。ケンシロウは独り言に限りなく近いお喋りを
一旦やめて、アカギの捨て牌を見やった。
(1)東3西白9
一西四←リーチ
「いやー、リーチすか。アカギは相変わらずクソみたいな麻雀打つっすねー」
世にも見苦しいイチャモンをつけながら、ケンシロウは自分の手牌を確認する。
(2)(2)(3)(4)(4)(5)77889南南 (3)←ツモ
無駄話の片手間に麻雀を打っていた割には、キッチリテンパイに仕上げている。
五萬を切れば高目ピンフリャンペーコー、現物の九索を切ればチートイツの
テンパイだが、ドラもなにもない1,600点まで手は落ちる。
「こんなの考えるまでもないっすよね。麻雀でいくら振り込んだって別に死にゃ
しないんだから、こっち切るに決まってるっすよ!」
さすがアンデッドは言うことが違う。白魚のような指先で五萬をつまみ上げて
しなやかなフォームで河に放擲しようとした、その時。
「待てーい!」
ケンシロウの背後から伸びた大きな手が、ケンシロウの腕を掴んだ。爽やかに
振り返ったケンシロウの目の前には、ギョロ目とゲジ眉とバカアゴと、そして
眩いばかりのハゲ頭があった。
「アカギ相手にそのようなヌルい牌を切るなど、この江田島平八が許さーん!」
アカギにボロ負けのショックからようやく立ち直った江田島店長が、ケンシロウの
暴走に待ったをかけた。江田島はなおも吼える。
「アカギのリーチは、貴様の首を狙う死神の鎌だと思え!貴様の持っている五萬は
死神に抗する光の盾だと知れ!盾を捨てれば、貴様は死ぬんじゃ!麻雀に命一つ
賭けられぬ腰抜けに、ノースウエストの敷居をまたぐ資格はないんであーる!
分かったか!分かったら、ワシの袴の裾を捲り上げてキンタ」
「余計なお世話っすよー」
ケンシロウが軽く腕を振り回すと、江田島の巨体はピンポン玉みたいに
吹っ飛んだ。
「むごー!」
江田島は壁に激突した。江田島の豪腕によって無数の客の人型を刻み付けてきた
壁面に、江田島自身の人型が新たに加わった。ケンシロウの背後で揺らめいていた
江田島の残像がフッと哀しげな笑みを浮かべて、消えた。
「切る前に五萬だって言われちゃったら、切るしかないっすよね。よっと」
そりゃそうだ。江田島のバカに正体をバラされた薄幸の五萬を、ケンシロウは
腹ボテのソープ嬢のように簡単に切り捨てた。
「ロン」
五六六七七(6)(7)(8)23488
「メンタンピン一発イーペーコー。8,000点」
「はいよー」
五萬をロン牌と睨んだ江田島の読みは的中した。振り込んだケンシロウは
8,000点を支払ったが、別に死んだりはしない様子である。こちらも
ケンシロウの宣言通りだ。ケンシロウと江田島のファーストコンタクトは
まずは痛み分けといったところか。
「全然分けてないんじゃー!」
江田島が壁から体を引っぺがした。腕力で負けた屈辱と怒りで、体中の傷口から
ジェットのように血を吹き出している。
「痛いのはワシだけなんじゃボケ!こんな不公平は許されんのじゃボケ!
貴様も痛い目に合わせないと気がすまんのじゃボケ!」
ボケを連発して、血煙でムンムンの頭頂部をケンシロウに向けて突進した!
「ボケさらせー!」
カプッ。
ケンシロウの大きく開けた口が、江田島のキンカ頭にザックリと歯を立てた。
時が止まった。前傾姿勢のまま微動だにしない江田島の流血が赤から緑に
変わり、双眸が狂ったような光を放ち出し、口から瘴気を吐き出して、
「ごがー!」
江田島、ゾンビの仲間入り!正気の時でさえ世間から危険人物呼ばわりされた
暴力と唯我独尊の化身が、ゾンビの力にものを言わせてメチャクチャに暴れ
始めた。もう誰にも江田島を止められない!
「さ、麻雀の続きっすよー」
ケンシロウに止めるつもりは毛頭ない。他の三人にも全然ない。素知らぬ顔で
東二局の闘牌を開始した。
「ケンシロウ君、強いねぇ。一体どうしちゃったの?」
「いやあ、自分ゾンビっすから」
ドラえもんとケンシロウの何気ないやりとりの横で、野太い悲鳴があがった。
「ほげー!」
ジャイアンの声だ。ジャイアンもゾンビになったらしいが、四人は麻雀を
続ける。
「チー!」
「のび太さん、いきなりドラがらみのチーすか?参ったっすねー」
「へへへ。僕だってやられてばっかりじゃないんだぞ!見てろよ!」
「悪いな。ポンだ」
「ざーんねん。ポンとチーがかぶった場合はポンが優先だから、のび太くんの
チーは無効だよ」
「あー!アカギさん、そりゃないよー!」
「ククク……」
「ばおー!」
ISAMIが絶叫した。刃物を持ったキチガイがゾンビになった。
「リーチだコンニャロ!」
「へー。のび太くん、リーチか。チーしなくてよかったじゃない」
「うっさい!一発でツモあがって、ドラえもんに吠え面かかせてやる!」
「そんじゃ、一発を消しとこうかな。チー」
「ひでー!」
「てー!あちょー!」
烈の雄叫びが大気を震わせる。この男の場合、声だけではゾンビになったのか
そうでないのかよく分からない。普段からバカだから。
「カン」
「おー、アカギのアンカンっすか。ひょっとして、その八索がのび太さんの
ロン牌とか、そういう事?」
「ぐほー!」
「うへー!ケツが痛いケツが痛いケツが……ドシー!」
「ククク……」
「カンドラが八索だってさ。冗談じゃないよ。ケンシロウ君、責任とってよね」
「ぐるろー!」
「あはははは。ばははははー!」
「いやーん。げぼはー!」
「なんで自分が責任とらなきゃいけないんすか。まあいいや。八索が四枚
見えたんだから、これはさすがにないっすよね。はい、九索」
「母さん!母さーん!ババー!」
「ババアですって!?ボボー!」
「たー!とー!」
「らららー!」
「れれれー!」
「どみそー!」
「SEXー!」
「ローン!リーチ純チャンドラ3、12,000点!イエーイ!」
「やかましっすよー!」
ケンシロウが雀卓をひっくり返した。激しいイラ立ちの相が顔にクッキリと
表れている。
「アンタ、ハネ満振り込んだのが悔しくてウヤムヤにしただけだろ。12,000点
払えよ、オラ」
「うるさくて麻雀に集中できないんすよ!あんなもん、振り込んだ内に
入らないっすよ!」
「入る入る、全然入る。さっさと払えって」
のび太の執拗な催促にも屈せず、ケンシロウは声を荒げてまくし立てる。
「こんなやかましい雀荘、自分初めてっすよ!どうして店長は一切注意を
しないんすか!?あの店長、狂ってるとしか思えないっすよ!」
「店長を狂わせたのは誰だ」
「自分じゃない事だけは確かっすよ!」
ドラえもんの突っ込みを完全無欠に否定した。白を切るのも、ここまで
断定口調だとかえって清々しい。
「みんな、外に出るっすよ。落ち着いて麻雀が打てるいい店知ってるんすよ」
「まさか駅前のつぼ八じゃねーだろーな」
「はははは、そんな訳ないじゃないっすか」
「新しい店に着いたら速攻で12,000点払えよ」
「はははは、どーっすかね。さあ、行くっすよ!」
疑いの眼差しのドラえもんとのび太、それにアカギを引き連れて、ケンシロウは
ノースウエストに別れを告げた。明け方の街並みを練り歩いて、駅前のつぼ八に
到着した。
「やっぱりつぼ八じゃねーか!こんな廃墟で麻雀が打てるかバカ!」
ドラえもんがケンシロウに飛びついて耳の穴にドライバーを突っ込むが
ケンシロウは平然としている。
「まーまー。場所代だって取られないし、静かでいい環境っすよ。ゾンビの
自分が言うのも何ですけど、はっきり言ってオススメのスポットっすよ」
ゾンビが言うのだから間違いない。と考えているのはケンシロウ一人であるが
別の店を探している時間はない。何はともあれ、ケンシロウと三人はつぼ八へ
通じるエレベーターに乗り込んだ。
エレベーターの扉が開くと、そこは一面の地獄絵図だった。床に転がった
薬莢を指先で弄びながら、のび太は陰気にひとりごちた。
「居酒屋は戦争跡みたいになっちゃってるし雀荘はゾンビのパラダイスだし、
この街はバイオハザードかっつーの」
「のび太くん、そんな文学表現はどーでもいいから、こっちに来て準備を
手伝ってくれよ」
何だかんだ言いつつも、ドラえもんは舞台のセッティングに余念がない。
床のゴミを部屋の隅に寄せて、雀卓として使えそうなテーブルと四脚の
椅子をフロアの中央に据えた。アカギがノースウエストからくすねてきた
雀牌セットをテーブルの上に広げて、136牌揃っているか、牌にキズが
無いか入念にチェックする。アカギは無言でうなずいた。チェック完了だ。
「はい、みなさんお疲れ様でしたー」
ケンシロウが笑って手を叩いた。汗一つかいていない素敵な笑顔だ。
「お前、何にもしてなかっただろ」
「そうだ、ひょっとしたらビールがまだ残ってるかもしれないっすね。
ちょっと見てくるっすよー」
>ドラえもん地下帝國
「続きは明日以降」と言ってから2日たったぞ?
続きはまだか? ちまちまで良いから続けて欲しい。
>サナダムシ
文章力あるな。
普通の題材でも面白いSSを書けそうなんだが。
何故そこまで糞にこだわるのか?
ドラえもんの追求をかわすように厨房へ向かったケンシロウの足が、通路の
中ほどでピタリと止まった。ドラえもんものび太もアカギも、ケンシロウの
視線の先を追った。通路の奥には、闇がたれこめるばかりである。
「……誰か、いるんすか?」
能天気なケンシロウが、珍しくシリアスな声音で問いかけた。行く手の闇は
何も答えない。氷のような静けさが未来永劫続くかと思われた、その時!
「きしゃー!」
厨房からは、ラオウ!
「でぶー!」
反対側の便所からは、ハート様!二匹のゾンビが、四人の前に立ちはだかった!
嗚呼!流浪の果てに辿り着いた新天地も、ゾンビの魔の手から逃れることは出来
なかったというのか!
どうする、のび太?
どうする、ケンシロウ!?
ケンシロウもゾンビなんだけどね。
502 :
500:04/04/10 00:39 ID:lWurf3UR
スマソ>麻雀
>>502 とんでもねっす。
それより。麻雀教室早く終わっちまえ同盟の皆様に、大変
残念なお知らせがございます。
麻雀教室最終回は、その12まで続きます。ゴメンチャイ。
最終回その1、まだまだ続きます。
504 :
500:04/04/10 01:07 ID:lWurf3UR
それは嬉しい。
が、ちょっと続きすぎな気がしないでもナイ
VS最高w その調子でドラゴンボールよろしく長々と続けてくれ
>>488 >吊られた死体に猛獣が群がる画像
これ、どうにかして見られないかね?
メチャクチャかわいかった覚えがある。
>>504 いやね。誰に言われるまでもなく、当の私がイッチバン
ダルいと感じているんですわ。多分。マジで長げーよ。
フライングで作ってしまった最終回用の選択肢を
穴埋めすっぞ!という使命感9割ぐらいで書いてます。
どうしよ。その2、その3と調子に乗って延々と続けて
いったとして、別にウザくねーから勝手にやってろって方は
どれくらいいらっしゃるんだろーか。
皆無、ゼロ、オールやめちまえだったら、いさぎよく
シャッポを脱いでその1だけで終わらせちまいます。
以後はホームページでポチポチと更新。いえー。
今のスレの状態では、いてくれた方が有難い
今の状況を見てると、批判に反発して引き伸ばしをやってるようにしか見えんな。
「書いてやってるんだ」スタンスになると良くない結果が生じるのが、SSスレの常だし。
まぁ、俺は読んでないから何とも言えんけど。
スタンス云々は自分でもよく分からんのですが、最終回に
ついてはかなーり早い時期に「マルチっぽくするですよ」と
決めていたんであります。「何を切る」から「誰と打つ」に
変わったけど。
そこに到達するまでの道のりが長げー長げー。連載中に
免許の書き換え時期がきちゃうとは思わなかたよ。
捕捉。
>>509 >まぁ、俺は読んでないから何とも言えんけど。
ここ爆笑。
>>507 諸行無常と言って
今日までうざくなかったのが明日からうざくなることもあるが
俺は今んとこ続くのは大歓迎だよ。
このスレには今まともな読者いるのか?
SS読む気もないただの煽り連中しかいないような気がする。
514 :
作者の都合により名無しです:04/04/10 22:14 ID:L+mP6ah6
>>513 ちゃんと読んでるよ。
昔のこのスレの勢いを懐かしみながら。
515 :
作者の都合により名無しです:04/04/11 00:05 ID:yZn8aHMg
まともな奴はサイトの方にいくだろうな。
それ考えるとここの雰囲気は仕方ない気がする。
「いやいやいやいやいや」
たちまち元のマイペースな馬鹿に戻ったケンシロウが、テーブルの空いた席に
腰を下ろした。他の三人は、すでに山積みを終えて対局再開を待ちかねていた。
「この人たち、さっき知り合った自分の友達っすから。なーんも心配
いらないっすよ」
「全然心配なんかしてねーから、さっさとサイコロ振れや。おめーの親なんだよ」
ドラえもんはそう言って、ケンシロウにサイコロを投げつけた。もう麻雀が
打ちたくて打ちたくてオーバーヒート寸前といった表情である。
「あ、そっすか。もう東三局なんすねー」
「さっきの12,000点は、アンタの点箱から勝手にもらっておいたからな」
「はははは、ウソウソ。そんじゃ、始めるっすよー」
何がウソなのかは分からないが、ケンシロウはのび太に莞爾と笑いかけて
サイコロを宙に放った。そのサイコロが、テーブルの上で目を出すことは
なかった。
「ごげごー!」
ラオウがテーブルを力いっぱい蹴倒した!むき出しになった床の上にケンシロウの
投げ上げた二つのサイコロが力なく落ちて、乾いた音を店内に虚しく響かせた。
テーブルと一緒に窓際まで転がっていったケンシロウが、テーブルの脚を持って
戻ってきた。暗黒の未来に麻雀の光を灯す、希望のテーブルの成れの果てだ。
「友達にしては、ずいぶん手荒い歓迎だねえ」
のび太が皮肉たっぷりにケンシロウに言った。無論、皮肉なんぞにいちいち
心を痛めるやわなケンシロウではない。
「まったくっすねー。親しき仲にも礼儀ありって言葉、知らないんすかね
コイツラ。お仕置きに、一発キツーイのかましとくっすよ」
手足の指を鳴らしてラオウとの間合いを詰めるケンシロウに、ドラえもんは
素朴な疑問を投げかけた。
「あのさ。ケンシロウ君が強いのは、ゾンビになったからなんだよね」
「ん?そっすよ。自分ゾンビっすから」
「あのゴツいのとデブの二人組み、あれもゾンビなんだよね」
「その通りっすよ。自分がゾンビにしてやったんすよ!」
ケンシロウはグイと胸をはった。七粒のトウモロコシが筋肉の動きに合わせて
胸の上で躍動した。
「ということは、あの二人もパワーアップしてるんだよね。ゾンビ二匹を
相手にケンカして、ケンシロウ君、勝てる?」
「あ」
気づいた時にはもう遅かった。ラオウの人智を超えたウルトラアッパーが
ラオウに向き直ったケンシロウのアゴに深々と突き刺さった!
「ぶひー!」
笑っちゃうぐらいに吹っ飛んだケンシロウの体を、ハート様のビール腹が
優しく受け止めた。腹の上でバウンドしたケンシロウに、全米を震撼させた
ハート様ラリアットが炸裂した!
「ひでぶー!」
と断末魔の尾を引いて、ケンシロウは再び宙に舞った。先刻のラオウといい
ハート様は人にひでぶと言わせるのがお好きなようである。
世界中の人々の夢と期待を乗せて、ケンシロウは厨房まで飛んでいった。
派手な激突音がドラえもん達の耳まで届いて、それきり沈黙が広がった。
数瞬後、沈黙を破る足音と咆哮が入り口のドアを破って押し寄せてきた。
ノースウエストのゾンビ軍団だ!ラオウとハート様も合流して、陣容に
一層厚みを増した生ける屍の群れが、ドラえもん、のび太、アカギの
三人をぐるりと取り囲んだ。固い絆で結ばれていた仲間達の無惨な姿を
目の当たりにして、のび太の心中はいかばかりか!?
「誰でもいいから、メンツに入ってくれよー。麻雀打ちてーよー」
のび太、慟哭!すがるような目で周囲を見回し、手当たり次第に声をかけてみる。
「パパ、麻雀やらない?」
「うがー!」
「ああそう、ゾンビなのね。ドラミちゃんはどうかな?」
「げろー!」
「なんでロボットなのにゾンビになってんだよ。ほんじゃジャイアンは?」
「ほげー!」
「ゾンビになってもほげーかよ。芸がねーな。Kくんは?」
「うへー!」
「絶対言うと思った。バーカ。烈くんはどーよ?」
烈がゾンビの輪の中から進み出て、のび太の耳元で何やら囁いた。
「なに?今日は腰に違和感があるから打ちたくない?烈くん、ゾンビには
なってないの?」
烈はコクンとうなずいた。
「へー、そうなんだ。何で?」
烈は哀しそうに首を横に振った。
「分かんないんだ。じゃあさ、なんでゾンビじゃないのにゾンビと一緒に
行動してんの?」
烈がのび太の質問に答えようとしたその時、柔らかな音色がのび太の耳朶を
打った。パイプオルガンの奏でる、心に染み入る荘厳なメロディだ。
メロディは厨房から流れてくる。ケンシロウはまだ厨房にいるはずだ。
「のび太くん。メンツも揃わないみたいだし、厨房に行ってみない?」
「そうだね。ケンシロウの奴、向こうで隠れてやらしい事してんのかも
しんないしね」
のび太とドラえもんは厨房へ向かった。他にすることがないので、アカギと
烈も二人の後を追った。なぜかゾンビ軍団もついてきた。
厨房は光に満たされていた。賛美歌の鳴り響く部屋の中央で、ケンシロウが
膝をついて呆然と虚空を見上げている。駆けつけた全員が、ケンシロウの
見つめる先に首を向けた。
純白のローブを身にまとった男性が、宙に浮かんでいた。慈愛のこもった
眼差しでケンシロウをじっと見下ろしている。
神々しい、ではない。オリュンポスの頂から舞い降りたかのような、神の
御姿そのものであった。
「て、店長!」
「店長?」
ケンシロウが神の名を呼んだその声に、ドラえもんは小首をかしげた。
「店長って、セワシくんが冷蔵庫に放り込んだあの小太りのオッサン?
こんなにもったいつけた面してたっけか?」
「どっからどう見ても店長じゃないすか!店長ー!死んじゃったんすかー!」
大粒の涙を零して泣き叫ぶケンシロウに、神は優しく微笑みかけた。
「死んだのではない。生まれ変わったのだ」
「生まれ変わった?一体何に生まれ変わったんすか?」
「ゾンビとしての生涯を全うして、私はゾンビの神になったのだ」
「ゾンビの神様?全然有り難くなさそうだね。ちゃんと服とか洗濯しろよ」
のび太が神のローブをツンツン引っ張って挑発するが、神はそんなことでは
怒らない。
「時にケンシロウよ。そなたの体内にもゾンビの血が流れていることは
存じておるな?」
「もちろんっすよ!店長が自分をゾンビにしてくれたんじゃないっすか!」
「そうなの?コイツ悪いオッサンだなー」
のび太は神のケツに何度も浣腸を打ち込んだ。神の大いなる慈悲は、のび太の
罪深き愚行をまたも赦した。
「うむ。にもかかわらず、そなたは人であった記憶を失うことなく、正しき心を
保ち続けておる。何故だか分かるか?」
「全然わかんねっす」
「すべての答えは、胸の北斗七星にある!」
神はケンシロウのはだけた胸元を指さした。神の言葉に導かれるように
七粒のトウモロコシが突如らんらんと輝きだした。
「こ、このトウモロコシに、どんな秘密があるんすか?」
「北斗の星を象った七粒のトウモロコシこそ、一子相伝の居酒屋店長の証!
ケンシロウよ。私はこの居酒屋の未来を、そなたに託したのだ!」
「マジっすか!」
ケンシロウはガバとひれ伏した。店長直々の大抜擢を受けた感激よりも、店長の
証を失った神の運命を悟って、ケンシロウは全身を針で貫かれた思いがした。
「それじゃあ、店長がゾンビになっちゃったのは、ひょっとしてトウモロコシを
自分に譲ってしまったから……」
「気に病むことはない」
神から発する聖なる光が、ケンシロウの影をひときわ強く照らし出した。
「新たな時代が動き出す、その瞬間を見届けることができた。私はそれだけで
幸せだ。ケンシロウ、お客様を愛する、いい店長になれよ」
「店長ー!」
わななく腕を神に差しのばしたケンシロウに、のび太が尋ねた。
「ところでさ。そのトウモロコシって、食えるの?」
「え?そりゃもちろん食えるっすよ。だってこれ、ただのコーンバター
なんすから」
「どれどれ」
のび太はケンシロウの胸からトウモロコシを一粒はがして、口に入れた。
「ああホントだ。こりゃつぼ八のコーンバターに間違いないね」
「のび太さん、一粒だけでお店まで分かっちゃうんすか?通っすねー。
自分も食っちゃおうかな」
ケンシロウとのび太はコーンバターに舌鼓を打った。あっという間に七粒
全部なくなった。
「店長、クビー!」
神の裁きの雷がケンシロウに落ちた!
「ぐはー!」
ペッと唾を吐いて中指をおっ立てて、神は消えた。ケンシロウは意識を
失った。
「ユリアー!」
ケンシロウは跳ね起きた。半開きの寝ぼけ眼で左右を何度も見回す。どうやら
客室フロアに運ばれたようだ。額の汗をぬぐい、大きく息を吐いた。
「なんだ、夢っすか……」
「ユリアって何だよ」
背後からドラえもんの声がした。店内には何台ものテーブルが整然と並び、
ゾンビと人間とロボットが種族の垣根を越えて仲良く麻雀を打っていた。
「自分だって知らねっすよ。ユリア?豚の名前か何かっすかね?」
ケンシロウはドラえもんの問いに答えた。答えた直後に、バネ仕掛けみたいに
立ち上がった。
「そうだ、店長は!?店長ー!本当に死んじゃったんすか店長ー!」
しばらくテーブルの合間を縫ってバタバタ駆け回り、やがて厨房の冷蔵庫に
思い当たって一目散にすっ飛んでいった。のび太が背後のテーブルの
ドラえもんを振り返って話しかけた。
「あのさ。ケンシロウ君が完全ゾンビにならなかったのって、トウモロコシの
おかげだったんだよね」
「そうだね、オッサンがそう言ってたね」
「トウモロコシは無くなっちゃったけど、ケンシロウ君はまだ正気みたいだね。
どうしてなんだろう」
「さあ。バカだからじゃねーの?」
「そうか!バカだからか!」
のび太は正面に向き直った。対面で麻雀牌の匂いを嗅いでいる烈に笑いかけた。
524 :
作者の都合により名無しです:04/04/11 00:45 ID:yZn8aHMg
最近のVS氏はすごいな。鬼気迫る。ファンとしては嬉しい。
「烈くん、聞いた?バカはゾンビになっても正気のままなんだってさ。だから
きっと烈くんもゾンビになってるんだよ。仲間外れにされてた訳じゃないのさ。
よかったね!」
麻雀牌をわさび醤油につけながら、烈はコクリとうなずいた。
「みんなー!これ見て下さいっすよー!ちょっとー!」
ケンシロウがわめき散らしながら帰ってきた。つくづくうるさい男だ。
右手に小さな包みを持っている。全員がケンシロウに注目したのを見計らって
包みを解いて左手の上で逆さに振った。小さな黒い粒がいくつもこぼれ落ちた。
「冷蔵庫の中に、この包みがあったんすよ。中身はなんとスイカの種!」
「スイカの種ぇ?」
のび太がうさん臭そうにケンシロウの言葉を反芻した。
「そうっす、スイカの種っす!これきっと、店長の生まれ変わりに違い
ないすよ!」
「生まれ変わりって、店長は神に生まれ変わったんだろーが」
「だから!さっきまでは神だったけど、その後スイカの種に生まれ変わった
んすよ!」
「ふーん。ものすごく格落ちしちゃったんだね、店長。可哀想に」
「店長のメッセージ、確かに受け取ったっすよー!」
フロア中央のテーブルを対局中のゾンビごと蹴散らして、ケンシロウは
床を手刀でほじくり返した。耐火建材のむき出しになった床の穴に
スイカの種を一粒落として、粉々になった床タイルを上からふりかけた。
「種が芽吹いて茎を伸ばして、やがて立派なスイカを実らせる。今は荒れ果てた
死の土地だけど、いつの日か緑豊かな居酒屋を復興させてみせるっすよ!」
「居酒屋に種を撒いてどうすんだよ。だいいち芽なんか出る訳ねーじゃねーか」
「そんなことないっすよ!だってこの種には」
ケンシロウは窓際に歩み寄った。ドラえもんのまぜっ返しにかぶりを振って
窓枠に手をかけて天を仰いだ。
「店長の熱い思いが、こもっているから……!」
「アホか」
「ヤンママ!ここにいたか!」
入り口の自動ドアが開いて、セワシが店に入ってきた。そういえば、ゾンビ
軍団にセワシの姿はなかった。フライパンとワイングラスで完全武装を施して
徹底抗戦の構えである。
「ゾンビに堕して人心を脅かすヤンママめ!このセワシ様が成敗してくれる!
ヤンママ、尋常に勝負だ!さあ来いヤンママ!」
「だからヤンママじゃないっすって。えい」
ケンシロウはセワシに噛み付いた。セワシの頭の上のワイングラスが床に落ちて
涼やかな音を立てて割れた。
「むじょー!」
セワシはゾンビになった。セワシの孤独な闘いは終わった。
「セワシくーん!アカギさんの卓がメンツ割れしてるから、今すぐ入って
おくれよー!」
「むじゃー!」
水滸伝の108人揃っちゃった後みたいな虚しさがかすかにある
13万文字が13億文字になってもかまわんから
小さくまとめず、はっちゃけてもらいたい。
ゾンビのセワシは嬉々としてアカギのテーブルについた。一度は灯の消えた
つぼ八に、象牙の牌の軽やかな音と活気溢れるざわめきがこだました。
「エドゥー」
「ISAMIさん、それじゃポンだかチーだか分かんないよ。キチンと発声しろよ」
「エドゥー!」
「わー!分かった!ポンは認めるから刀はしまえって!危ないって!」
人々の息吹と未来への希望が、ここにはある。自分はこの居酒屋を守るために
生まれてきた。居酒屋のために闘い、居酒屋のために死す!
決意も新たに、ケンシロウは明け方の空に向かって大きく叫んだ。
「よーし!スイカの種を、撒いて撒いて撒きまくるっすよー!」
「ふしゅるー!」
「その手は九萬でもアガれるな。フリテンだ」
「ふしゅるー……」
「ククク……」
東の空に太陽が昇った。透き通るような白い光が、徹夜明けの疲れた体を
そっと優しく包み込んだ。
駅前居酒屋つぼ八に、新しい朝がやって来た。
ドラえもんの麻雀教室 最終回その1 了
530 :
524:04/04/11 00:56 ID:yZn8aHMg
ところでVS氏、一部の一話の書き出しが変わってますね。
前のしずかちゃん売春の出だしが最高だったのに、
なぜ中途半端なハートウォーミング誕生日ネタになったんですか?
正直、あのパートのグレードは元のネタより遥かに落ちてる。
それに後のストーリへと繋がるのびたと仲間たちの「狂気」に
整合性が薄くなってしまってるし。
なんか、ヤヴァい事ありました?
531 :
作者の都合により名無しです:04/04/11 00:56 ID:GzgxdkZL
既出だったら悪いんだけどちと質問
バキの死刑囚編でさ、遊園地でドリアンがドッポ(加藤)に敗北するじゃん
その後ドッポの家でドリアンが奇襲するシーンだけど
出てこないけど夏恵ってどうなったの?
スレ違いスマソ
ご愛読ありがとうでありました。と、申し上げておきます。
最終回その2以降は、ひとまず様子を見ようかと思っております。
その4、その7、その10、その12はバキスレにもアップして、その他は
ホームページのみの掲載、というのが現時点での予定であります。
>>530 あらら。そうおっしゃって下さる方もいらっしゃるのか。
これはですね。何を血迷ったのか感想のメールを送って下さる方が
チラホラいらっしゃるのですが、ブッチギリ人気ナンバーワンのご意見が
「しずかちゃんの売春で引いた。死ね」
という、それじゃあその後は読んでないんすね的なお叱りでありまして。
思わず書き換えてしまいました。うーん。1話に関しては、もう少し
練り直してみますです。
534 :
530:04/04/11 01:08 ID:yZn8aHMg
>>533 そうでしたか。
確かにあの出だしはしずかちゃんの入浴シーンで
心ときめかせた人がご立腹するかも知れませんな。
最終回シリーズ(?)楽しみにしてますんで、
頑張って下さい。
これって、朝日でゾンビ全滅ってことですか?
>その4、その7、その10、その12はバキスレにもアップして、
凄い中途半端ですね。
HP掲載分には、やばめのネタでも書くのでしょうか?
(イラクネタとか)
>>535 >これって、朝日でゾンビ全滅ってことですか?
あー。Kがキアヌ・リーブスじゃなくてジョージ・クルーニーだったら
そのオチでもよかったかもしんないですね。あれは吸血鬼だったけど。
やばめのイラクネタを書いたとして、当局からクレームついたり
するんでしょうか。読んでいるという事実にまずビックリしちゃう。
>>536 >読んでいるという事実にまずビックリしちゃう。
お節介がチクる線ならありえる
538 :
うみにん:04/04/11 08:51 ID:B0Wmw5Vu
肉スレ職人ですがSS投下してもいいですか?
普通自分のことを「職人」だなんて言うもんかねぇ
つか本物か?
>>541 普通に偽物だろ。本物だったらうみにんクラスならオレは歓迎するけどな。
肉スレ巻き込んでスレ復興の起爆剤になってくれるかもしれん。
荒らされてメタメタになる確率の方がはるかに高いけどな。w
お題スレでベルセルク書いた者です。補完ありがとうございました
「嗚呼、射精寸前」男悶絶。「口内発射可?」
「不可」女曰。「貴殿射精場所即我膣内」
女舌技停止。萎縮物即硬直、聳立。先端、先走汁有。
「騎乗可?」女訊。男頷了解。
女、硬直物添手、潤滑繁茂地帯誘導。
「嗚呼」女悶。「我膣内、巨大硬直物挿入完了」
女下半身躍動開始。一、二、三・・・
「嗚呼」男短声。「謝罪」
女呆然、運動停止。「貴殿既射精!?」
「汝舌技巧妙故。御免」
「最低!! 三擦半男!!」女絶叫。「亀頭鍛錬不足!!
貴殿包茎手術経験者!?」
「何故汝知其事実??」 男墓穴。
以後、男、性交時避妊具二重着用
>>429 勇次郎は、満足そうな顔でジープから降りると、梢江に近づいていく。そして、
「見てたぜ。手段は問わねえって言ったからな、立派に合格だ♪ ほれ、約束のブツ」
ポケットから写真のネガを取り出し、ぴっ、と梢江の足下に投げ捨てた。
刃牙にボコボコにされたダンを見て、足元のネガを見て、その二つを何度も何度も見て、
梢江は動けないでいる。刃牙を責める訳にはいかないし、ここでこのネガを素直に受け取ったら
ダンに対して酷すぎるし、だがそれを拒否したらそもそも何の為に……。
深刻の極地みたいな顔をしている梢江に、刃牙が心配して呼びかける。だが梢江は反応しない。
そんな場面を背にして、勇次郎は悠々とジープに向かう。呆れ顔のストライダムが、溜息をついた。
「で? 結局のところ君は、何をしたかったんだ」
「どっちに転んでもOKな、我ながら素晴らしい計略だ。あの小娘が、順当に強くなってくれる
ならそれで良し。そうならなければ、見ての通りの展開だから、これもまた良し」
「この展開の、何がいいんだ」
勇次郎が、すすっと後退してジープから離れた。
「どうしたユージロー?」
「いやなに、ジープが巻き込まれて壊れちまったら、帰りの足が」
と言いつつ、勇次郎がぺこりとお辞儀した。その上を、斧のような廻し蹴りが唸りを上げて通過する。
刃牙である。こめかみに浮き出た血管がブチ切れてしまいそうな顔をして、
「ゆううううぅぅじるああああああああぁぁっ!」
吼えた。その手には、握りつぶされた先程のネガがある。どうやら、コトの次第を知ったらしい。
「これで何度目の決意かもういい加減覚えてないが、今度こそ今度こそ、本当にブッ殺すっっ!」
「おぉ。久々にいい匂いさせてるな、刃牙。どうもお前、最近は普通の『彼女がいる男の子』に
なってしまってて、俺としちゃ若干つまらないと……」
「ほざけええええぇぇっ!」
刃牙が勇次郎に襲い掛かり、勇次郎がそれを迎え撃つ。そこに、
「刃牙君、伏せてっ!」
刃牙の背後から、声がした。反射的に刃牙が伏せると、その頭上を光の弾が通過して勇次郎を襲った。
「ぅおっ!?」
勇次郎が、両腕でガードする。結構な衝撃が、勇次郎の体を揺らした。
見れば、刃牙の後ろに、掌を突き出したポーズの梢江がいる。
「刃牙君、前に言ってたよね。お父さんを倒す為に修行してるって」
「こ、梢江ちゃん?」
「私も……私も今日から、お手伝いさせてもらうっ! がどぉぉけんっ!」
梢江の放った気の塊が、再び勇次郎を襲う。勇次郎がそれをガードする。梢江は叫ぶ。
「ほら、刃牙君! 合わせてっ!」
「わ、解ったっ!」
戸惑いつつも刃牙は、体勢の崩れた勇次郎に連撃をしかける。梢江も後ろから気を放って、
懸命に刃牙の援護をする。
勇次郎は、そんな二人の連携攻撃を、心底楽しそうに受け止めている。
そして、ストライダムは。ジープの運転席から観戦しつつ、愛用の葉巻に火をつけた。
「なるほど、こういうことかユージロー。相変わらず手段を選ばんな君は。……君に
言わせれば、当主と息子とその妻と、次世代範馬家の一家団欒の図、なんだろうな。これが」
憤激して勇次郎に襲い掛かる刃牙。楽しそうに応じる勇次郎。そして、そこに違和感なく
加わっている第三の男、もとい女、梢江。ストライダムは、そんな光景を見て思った。
『グッドラック、ミス・コズエ。……ミセス・ハンマになることが、君にとって幸せなことか
どうかは、正直保証しかねるがね』
ストライダムの吐き出した葉巻の煙が、澄み切った青空に吸い込まれていく。
その空の下、三人の声がどこまでもどこまでも、元気よく響き渡っていた。
「くたばれクソ親父っっ!」
「わはははは! わははははっ!」
「しんくぅぅ、がどおぉおぉけんっっ!」
……範馬家とその関係者に巻き込まれたばっかりに、いらん災難を背負い込んだ一人の
ストリートファイターに、合掌。
547 :
ふら〜り:04/04/11 18:18 ID:0TwXOa2A
すみません。研修が忙しくて、空いてしまいました。明日から新職場、不安と緊張の渦中です。
>>出来杉帝国さん
竜の騎士は、魔界大冒険と並んでかなり好きな作品なので、嬉しいです。期待してますよ〜。
あと、出来杉が太めっていうのが、細かくて感心しました。最近の劇場版は知りませんが、
大昔の原作中に出てきた「結婚前夜」では確かにそうなってましたね。劇場版のもそうだったん
でしょうか?
>>サナダムシさん
他の方も言っておられますが、文章力は高いと思いました。便だけに拘ってこれだけ書けると
いうのも……何というか、コダワリなんですねぇ。
ちなみに、便と尿は臭いの質こそ違えど、「臭いの鋭さ」ではそう大した違いは無かったりします。
無論、処理時の厄介さは比較になりませんが。以上、介護実習時の排泄物に関する感想でした。
>>VSさん
物凄いペースですね。個人的希望を言わせて頂くと、書き溜め小出しにして、期間そのものを
伸ばして頂いた方が嬉しかったりします。楽しみが長くなるので。
で。いつの間にやらゾンビケンシロウが殆ど主役ですね。感染させて仲間を増やすわその中に
塾長がいるわで、普通はどんな作品でもザコ役な「ゾンビ」なのに大活躍。侮り難し。
>>うみにんさん
ご本人かどうかは判りませんが、書いて下さるのは大歓迎ですよ。お待ちしております。
世界さんは、また充電期間でしょうか。転生さんはああいう状況だからとして……
殺助さ〜ん! お時間ありましたら、どうか書いて下さぁぁい。
548 :
うみにん:04/04/11 18:50 ID:2j8slvPW
本人ですよ。w スマソ。「肉スレのSS書き」だね。
お言葉に甘えて短編ですが投下します。
199X年。世界はヤムの炎に包まれた。
邪悪ブウを打倒し平和を取り戻したかに見えた地球。
しかし・・・なぜか突然ヤムチャが謀反。どこからか最後のポタラを
見つけ出してきたヤムチャは比較的実力の近い天津飯を急襲。
むりやりポタラを身につけさせ合体してしまったのだ。
ヤムチャとしてもうれしい誤算だったのだがそのヤムチャの邪な野望が
強大なパワーへと変換されサイヤ人たちをも上回る実力を身につけてしまったのだ。
「うはははは。なんという凄まじいパワーだ!誰にも負けるはずがない!
俺は今究極のパワーを手に入れたのだ---!」
その日から彼は自らを拳王ヤム飯と名乗り暴走を始める。
世界中の女とチャオズを我が物とするため、邪魔なZ戦士たちの抹殺を開始しはじめた・・・
その歪んだ意思のなせる強大なパワーの前には、平和ボケすることなく
さらなる鍛錬を重ねていた悟空・ベジータ・ウーブら超戦士たちですら歯がたたず
まずはチャオズが犠牲となった。
泣きながらシャワーを浴びるチャオズの姿に心を痛めるZ戦士たち。
「おのれ・・・!拳王め!チャオズの仇はきっととってやる!!」
しかし、狙われているのはチャオズだけではない。
まだ若い18号を奥さんにもつクリリンなどは特にうかつに動けない。
ブルマを守るべく真っ先にヤム飯に挑み玉砕したベジータは猛特訓に明け暮れていた。
「あの野郎!人の妻をよくも!絶対に許さんぞぉーーー!!」
ーーーあんな年増ババァ興味ねーよ。つーかそいつの一番若くて美味しかったころは
お前より先にもうオレさまが食っちまってるんだよ。バァーカ!ーーー
ヤム飯の嘲りがベジータの闘志にさらなる火をつけた。が・・・
「やつは・・・強過ぎる!このままでは奴が女どもを食い終わる前に
修行が間に合わん!!」
「苦労してるようだな。ベジータ。」
ふいに背後に現れた人影。
「ふん。貴様か。瞬間移動とは悪趣味な特技だな。
貴様もチチが心配で特訓してるのではないのか?」
「まぁチチはもうピチピチしてねぇしそういう意味では心配してねぇよ。
だが・・・・ブラちゃんはあぶねぇぞ!」
目を見開き驚愕。あからさまに動揺するベジータ。
「なんだと?まさか。ブラはまだ幼児だぞ。」
「忘れるな。ヤムチャの女好きに天津飯のチャオズ好きが加わったんだ。
これでロリコンじゃないと考える方が不自然だろう。」
「う・・・うぐ・・・・!しかし、今のままではやつには勝てん。」
「そうだな。だが・・・とっておきのいい方法があるんだ。」
「・・・フュージョン・・・か?あんなみっともないポーズできるか・・・・・
と言いたいところだが・・・・ブラが狙われているというのなら・・・・ク・・・・・」
「いや、多分オラたちがフュージョンやポタラで合体したとしても
ヤム飯には勝てねぇ気がする・・・!」
「じゃあ、どうするというんだ!?なにか手があるのか!?」
「実はオラはヤードラット星でフュージョンを越える究極融合技を知った・・・。」
「なんだと?」
「だが・・・この技は危険すぎる。戦闘タイプのヤードラット星人たちですら
この技の完成には程遠いところで再起不能。最悪な場合死に至ったらしい。
正直オラたちサイヤ人でも耐えられるかどうか・・・・それでもやるか?ベジータ」
「・・・・ふん。面白い。俺たちサイヤ人に不可能などない!
さっさと教えろ!カカロット!その究極の融合技とやらをな。」
「ふふ・・さすがベジータ。そうこなくっちゃな。
じゃあ、今からポーズの基本をやるからしっかり見といてくれよ。
このポーズは本当に負担がかかるからな。何度も見せられる代物じゃない。」
「こうだ!まずは服を脱ぎふんどし一丁になる!」
一瞬にして衣服を剥ぎ取りふんどし一丁となる悟空。
血色よいでん部をプリっと突きだし左右に振り始める・・・・
「おしーりふーりふーり・・・・」
突如、気迫でカッ!と目を見開き続ける悟空!
「もんがもんがー!!!」
前後に超高速で腰を!ケツを!繰り返し突き出し始める!
「・・・・・・・・!!」
呆然とした顔でその技を見つめるベジータ。
「・・・・な・・・なんという凄まじい腰使いだ・・・!
まさかそれをオレにもやれと・・・・!?」
「・・・まだこれは技の基本にすぎない。
実際にはもっともっともーーーっと!ハードな腰使いだ!」
「馬鹿な!そんなことをすればいかにオレたちサイヤ人の腰とて
ひとたまりもないぞ・・・!?」
「大丈夫!毎晩あのブルマの相手を務めてきたおめぇなら絶対できる!
そう思っておめぇに話をもちかけたんだ!こればっかりは普段ビーデル相手の
ノーマルなのに慣れてる悟飯じゃちょっときついだろう。そしてオラも
ブルマほどではないが、チチのほかにランチさんや18号や悟飯のクラスメイトたちとも
同時にかけもちという過酷な修行をつんで来ている!きっといけるさ!」
「いくぞ!おしーりふーりふーり・・・もんがもんがー!!」
「ぐはぁっ!」
「大丈夫かベジータァーー!・・・うっ?・・・・ごふっ・・・!」
血反吐を吐きながら咳き込むベジータ。それを心配し駆けつけながらも
やはり自身もそうとうなダメージを受けていた悟空もまた倒れ込む。
「ハァ・・・ハァ・・・・カカロット・・・このままじゃ身体がもたん・・・
一発勝負だ!一発で全てをかけるぞ。真の融合ポーズを教えろ・・・」
「ハァ・・・ハァ・・・ああ・・そうだな。その方が・・・良さ・・そうだ・・
今の基本ポーズをもっと高速でやるんだ!ケツ振りまでは今と一緒でいい。
問題は腰突きだ!秒間三億突きの腰突きだ!覚悟はいいな!?ベジータ!!」
ゴクリ・・・思わずつばを飲み込むベジータ。額には大量の冷や汗が光る!
「くそったれが!貴様こそやりきれるんだろうな?そのポーズを!!」
「ああ・・そして最後は突き出したオラとおめぇの股間を合わせて完成だ」
「・・・え?」
「いくぞ!!おしーりふーりふーり・・・・・・・・・・・・・・・・!」
「と、突然そんなこと言われても・・・・・く・・くそがぁ!
おしーりふーりふーり・・・・・・・・・!」
『もんがもんがもんがもんがもんがもんがもんがもんがもんがもんがもんがもんが・・・・
・・・・・もんがもんがもんがもんがもんがもんがもんがもんがもんがもんがぁあ!!!』
「もん・・・・かふっ・・・・!?」
「が・・・・・は?か・・・?げふぁ・・・・?」
パタリ・・・・
蒼白な顔をひきつらせ、よろめき倒れ伏す悟空とベジータ。
その見開かれた眼に輝きがうしなわれる。チアノーゼの症状か顔は紫色に変化。
不自然にいびつに歪んだ腰を天に突き出す格好でピクリとも動かなくなる。
あたりに血だまりが広がり冷たい木枯らしが静かに戦いの終わりを告げた。
そう・・・二人は戦いに破れたのだ・・・。
強大な敵ヤム飯。もはやその野望を止められるものなど存在しない。
世界は・・・ヤム飯によって創りかえられる。
第一部 完
553 :
うみにん:04/04/11 19:06 ID:2j8slvPW
とりあえず終了です。失礼しました。あんまり書く時間はないですが、
そのうちこつこつと長編の方も落としていきたいと考えております。
よろしくお願いします。
乙。
肉スレのついででもいいので頑張ってね。
なかなか楽しめた、乙。
こういうサクッと読める感じのSSは好き。
>>75の続きです
後ろを振り向く間もなく、声の主は輝之輔の隣に座ってしまった。
ちょっと見れば、ベンチに座する男が特徴的な格好をしているのがわかる。
巻き毛と言うのだろう。男の頭では、青白い髪がシダ植物のような螺旋をいくつも描いている。
男は大きな縁の眼鏡をかけており、その顔つきは彼が外国人であることを示していた。
不恰好なほどのフレームの下の肌は、白く美しかった。見慣れた白人のそれよりも幾分白い。
だが、弱弱しいといった印象派まるで受けず、男の顔自体はといえば美形というより無骨な顔つきをしている。
口は常に機嫌を損ねているかのように歪んでいた。
レンズの奥をふと覗いた輝之輔は、思わず視線を反す。
ピンと張り詰めた水のように冷艶な肌の中で、それよりもまた冷たい燐光を両の目が放っていた。
ギョロリと大きな眼球に対し、瞳が小さい。その眼光にはどこか『こわい』ものがあった。
温度を感じさせない爬虫の目である。薄明かりの中でもそれがわかる。
反らした視線は、何時の間にか『紙』を弄んでいる男の手を捕らえた。
「それに触るんじゃない!」
咄嗟に男の手からそれを奪い戻す。
一瞬、玩具を取り上げられた幼児のような表情が男に浮かんだ。
自制心などない、無垢な殺意を剥き出しにする爬虫の子の顔。
自分の片目が閉じられたことを輝之輔は自覚しなかった。
557 :
4x5:04/04/11 23:08 ID:+vdlQWut
「ちっ……」
舌打ちをし、上着のポケットへ手を伸ばす。何かの紙を掴み、握り拳のまま男の目の前に持っていった。
「興味本位で話し掛けてんなら、失せろ」
す、と輝之輔の手が開いたかと思うと、輝之輔の掌の中にナイフが出現していた。
切っ先は男の目の前へ。
ビビれ。
ほんの微かでいい。
恐怖の『サイン』さえ捕らえればエニグマの攻撃は完成する。
特殊な趣味により発達した彼の観察眼であったが、だがしかし、男の変化を捕捉することは無かった。
男はまるで動じない。時折鈍い反射光を放つ刃を前にして、まさしく男の眼中にそれはないようだ。
どんな者だろうと顔の前に物体を不意に放られれば回避行動を取るなり、その物体を捕捉するなりと
何らかの反応を見せる。それをしないというのは恐れ知らずという名の馬鹿に過ぎない。
だが、この男の異常さをただの馬鹿と形容して済ませてよいものか。
今回にいたっては、眼前の物体というのがナイフなのだから。
輝之輔はどうしようもなかった。そのまま刃で切りつけるわけにもいかない。
焦りと不安からか、無意識のうちに輝之輔の背後に『スタンド』が浮かび上がった。
全身を影で包んだ、黒子のようなスタンド『エニグマ』。
その名を体言するのか『?』を全身にちりばめたデザインをしている。
『観察』が終了するまでは殆ど姿を表すことのないスタンドであるが、
ことの異常さに輝之輔の精神が乱れたことにより、その『ヴィジョン』が出現した。
ふと、男の視線は輝之輔の後方の闇へ伸びていた。
そう、後方へ。
男が新しい玩具を見つけた。
558 :
4x5:04/04/11 23:09 ID:+vdlQWut
「見えるのか……?」
視線に気付いた輝之輔が恐々問くが、男は答えない。じっと『玩具』を見つめていた。
「おまえも『矢』に刺されたクチなのか……? 」
その言葉を聞いて、初めて男に変化が見られた。
エニグマに向けられていた視線が移動し、輝之輔の顔面へ真正面からぶつかってきた。
目を反らせずに、男の変貌を輝之輔は直視する。
ただでさえ巨大な眼球が更に大きく見開かれ、それに反比例して瞳が収縮し爛々と輝く。
やはり青白い冷光だが、その奥には情熱とも言うべき熱っぽさもあった。
歪んだ口の両端が、次第に釣りあがってゆく。
輝之輔は戦慄した。
男の表情もその理由に含まれるが、なにより昼間に自分が何をしたのか思い出したのだ。
情報を漏らした自分を始末しに来た『写真の親父』の刺客なのかもしれない。
狩人が狩られる者と化した今、輝之輔の心はピキピキと音を立てて凍りつき始め、
新たに恐怖心というものが膨張してゆく。
「ま、まってくれ、オレは『吉良』の情報なんて……」
そこまで言って輝之輔は口篭もった。
当の男の口から漏れているのは、笑い声だった。
含み笑いから徐々にそのトーンが上がってゆく。
「なんの手がかりも掴めなくて……しょうがねえから涼みに来た公園にオマエがいた」
最初の反応から一変、子供のような歓喜の表情で男が語りだした。
「そうしたらおまえはスタンド使いで、しかも『矢』のことを知ってるときたらよぉ……」
そこまで言うとまた笑い出し、一息ついたかと思うとこう言った。
「俺ってツキすぎだよなあ?」
男の目が爛々と光る。彼が見つけたのは『玩具』ではなく『宝物』だった。
「な……なにを言ってるんだ?」
状況を飲み込めない輝之輔の耳に届くのは低い笑い声だけ。
「オレは何の情報も漏らしちゃいない……」
「ああ、これからそうしてもらう」
男から笑みが消え、輝之輔の前には無慈悲な冷血動物の顔が現れた。
そして輝之輔の両の瞼がゆっくりと落ちた。
559 :
4x5:04/04/11 23:12 ID:+vdlQWut
と、輝之輔が立ち上がった。
男も腰を上げるが、輝之輔は既に走り出している。
振り向く余裕もなく、ただただ両の足を動かし逃げた。
そして確実に追い縋って来る男の足音。湿った地面を蹴る音がだんだんと迫ってくる。
輝之輔は、またもポケットに手を突っ込むと、中身を手当たり次第に投げつけた。
幾枚の『紙』が中に投げ出され、勢いで散り開く。
自転車、ラーメン、手帳、パイプイス、そして先ほどの女性。
様々なものが『紙』から具現化し、男に降り注ぎ衝突する。
「クソが!」
時間が稼げた。男の罵倒を背に公園の入り口を過ぎ道路へ出る。
距離にして10メートルそこそこの生と死を分ける道。
今の彼にとっては誇張ではすまない。
公園を出て町に紛れ込めば異邦人を巻くのは容易い。
アスファルトを蹴り、チェイスがまたスタートする。
追跡を少しでも防ぐ為、人通りの多い道を通り、曲がり角に来るたびに曲がった。
男らしき足音は追ってこなかった。無事撒くことが出来たのだろうか。
回り道の後、通常の2倍近くの時間を労してようやく見慣れたボロアパートの前へ到着した。
その目には涙すら浮かんでいたが、薄く汗ばんだ体には夜風が気持ち良かった。
ゴミダメと化している部屋のドアが、楽園への扉にすら感じられる。
ゴキブリだらけのベッドでもいいから、そこに飛びついて眠りにつきたかった。
そして、明日にでも部屋の掃除をしようと思いたった。
560 :
4x5:04/04/11 23:14 ID:+vdlQWut
老朽化の進む階段を不快な金属音を立てながら昇り、部屋の前へ。
何の気も無くノブに手を伸ばし、捻ればドアが開いた。今まで幾度となくくり返した行動である。
だが……開いた……?
ドアにはカギをかけていたはず。
ノブを握ったままそう思う。
その瞬間だった。
内側からドアノブを握り返された。
それから掌に何かを感じたが、それはホンの一瞬で、すぐに何も感じなくなった。
手首から先が動かない。ドアノブにピッタリと接着されてしまったかのように。
「金属はよく『冷える』ンだぜ……ミヤガワテルノスケ…」
ドアの向こう――自分の部屋から、片言交じりの日本語が聞こえてきた。
その口調。そのトーン。
先ほど耳に残った音声がアタマの中で再生され、知りたくない解答をたたき出した。
る。間違いない。先ほどの公園の外国人である。
何故名前を。
輝之輔の心の疑問に答えるように、男が続ける。
「ミヤガワテルノスケ、19XX年生まれ。住所、Sシ モリオウチョーX―XX……」
中の男が読み上げたのは、まさしく輝之輔のプロフィールだった。
「こんな手帳を落としてンじゃあなぁ、本末転倒ってやつだぜ。ミヤガワテルノスケよぉ!」
公園で男から逃げ出す際に、無我夢中で投げ捨てたポケットの中身。
不幸にも、その中に生徒手帳が含まれていたのだ。
そして、男の高笑いがまたも聞こえてきたかと思うとドアが内側から開いた。
隙間から、あの爬虫の顔が覗く。強烈な笑みを浮かべながら。
「うわああああああぁぁぁぁぁぁ!!」
輝之輔の叫び声が夜の空気を震わせたが、それも数秒と続かずに夜の闇に散った。
アパートの狭い廊下の残響が程無くして消滅すると、そこに夜の静寂が戻った。
ギ……面白いぞこれは!
562 :
うみにん:04/04/11 23:36 ID:2j8slvPW
お?
>>554>>555 サンクス!マイペースかつスローペースでがんがりやす。
ふらーりさんも歓迎してくれてありがとう。では・・・
563 :
作者の都合により名無しです:04/04/12 00:10 ID:m9D6CSPS
おお、うみにんさん・4×5さん乙。
いい感じで盛って来たね。
あと殺助氏と転生氏と○氏たちが復活してくれればなあ。
大僧正さんたちも。
拳王伝は、出来ればヤムスレに書いて欲しかったな。
あそこ、崩壊寸前だから。
565 :
作者の都合により名無しです:04/04/12 08:12 ID:7SNooZJZ
もうバキスレヤムスレを合体して、
ひとつにすればいいと思うのは俺だけか?
どうせここはもう総合SSスレになってるし。
愛称は「バムスレ」か「ヤキスレ」にして。
とにかく、うみにんさんと4×5さん乙。
楽しかったよ、お2人とも。
566 :
作者の都合により名無しです:04/04/12 08:20 ID:7SNooZJZ
なぜ麻雀教室の最終話がその12まであるか
VSさんのまとめサイト見て初めて分かった。
まさかマルチエンディングとはね。やるなVSさん。
568 :
作者の都合により名無しです:04/04/12 19:57 ID:alebHAuA
VS氏の短編ものが読みたいなあ。短編だけどシリーズ化してあるやつ。
バキ本スレのヤクバレとか、3語スレの俊君シリーズみたいなの。
それからうみにん氏初掲載と、4×5氏の復活は嬉しかった。
「で、どうやって侵入するんだ?」
「アレでいいじゃない。アレ、ほら前に使ったことのある・・・
透明人間目薬!あれで潜っていけば・・・」
ジャイアンの問いに張りきって提案するのび太であったが、
「無理。水中じゃせっかく透明になっても人の形の透明な塊に見え
ちゃうだけで意味ないよ。不自然な水の振動だって伝わるし。」
あっさりドラえもんに却下される。
「別の場所から近づいて地面を掘り進んでいけばいいじゃないか。のび太くん。」
代わって提案する出来杉。
「そうだね。というよりそれしかなさそうだ。
で、どうやって気付かれずに近づいていくかだが・・・。
とりあえずカメレオン帽子を使うことにする。」
「透明人間目薬は?陸上なら使えるじゃん。」
しつこく自分の(たいしたことない)案をアピールするのび太。
「透明人間目薬は潜入するなら他にもたくさん使い道があるのに、
無理に今使うこともないだろ。」
「ふうん。でも、地面を掘って侵入するんなら別に多奈川周辺に
こだわる必要はないんじゃないの?ほかの場所から潜れば。」
「あごのほねくだきき〜♪」
バキャアッ・・・!
鎖のついた巨大な鉄球でのび太のあごを粉砕するドラえもん。
「・・・・簡単に言ってくれるな。地底世界までの地面の厚さは薄いっつっても
実際には相当の厚さなんだぞ!ボクの道具もそこまで万能じゃないんだ。
我慢しろ!つかうっとうしいことばっかしゃべんなやクソノビが!」
「ば、ばばっが・・。(わ、わかった・・)」
のび太を黙らせ一行は進む。
カメレオン帽子と呼ばれる白い帽子。それは見る間に巨大化し
一行を包み込む。そしてそのまま地面へと沈み込み辺りの景色に同化する。
「さ。これで僕らが歩けばカメレオン帽子も一緒に進む。
さあ!みんな進むぞ!地底世界の入り口近く。多奈川のほとりまで!!」
無事に多奈川のほとりまでたどりついた一行。
「さて、ここからはこの地底探索機に乗りかえていくぞ。準備はいいか?」
『おう!』
声を合わせ探索機に乗り込む一同。
「前はもっと小さかったのに今度はでっかいねえ。」
「奮発して買い換えたんだ。最大10人乗りで防音機能付きの最新型だよ。」
「へぇ〜。」
「とりあえず、最初は万が一にも見張りに気付かれないように
ゆっくりもぐるけど途中から加速するからそのつもりで!じゃあ、いくよ」
一行はゆっくりと地中を掘り進んでいく。やがて・・・・
「そろそろ加速してもいいだろう。みんな!しっかり座席につかまって!」
『了解!』
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
探索機は凄まじいスピードで地中を駆け抜ける。しかし・・・
「ひゃあ!?ちょちょ、ちょっと、とと、飛ばしすぎな、なな、なんじゃ?」
「・・・・・・(汗)」
「・・・・? ドラえもん・・・?」
「ごご、ごめぇんんよぉお!こ、壊れちゃった!」
「なんだとぉ〜!?」
「てめぇはいつもいつも欠陥商品ばっか出しやがって・・・!!」
とたんにあわてふためく機内の一同。やがて口々にお互いを罵り合いはじめる。
が、しかし・・・・
「・・・・でもまぁ・・・いつものことだよな。」
「慣れちゃったよな。このパターン。ま、あわてふためく演技はこんなもんかな。」
『はっはっはっはっは』
「そ、そうなのかい?」
急に冷静に笑い出す一同に顔をひきつらせて出来杉。
そして・・・
ドカァアア・・・ン・・・!!
「むきゅぅ〜・・・」
「いててて・・・つ、着いたのか?」
「おぉ〜い!みんな無事かぁ?」
ぐしゃぐしゃになった探索機の中から舌を出してグロッキーになりながら
ドラたちが這い出てくる。みんな、なんとか無事でいるらしい。
「凄い衝撃だったけど・・・敵に発見されてないだろうか。」
「まっすぐに、降りてきたから壊れた影響で蛇行してなきゃちょうど、
ここは僕らがバギーをすっ飛ばしたあの広場付近のはずなんだけど・・・」
あたりをみわたすと地底の擬似的な空が見え、その下に地面が見える。
白いもやのようなものがかかっていて、ぼんやりと・・・なにやら
黒い山のようなものが見えるが、よくわからない。
一行は地底のかなり大きな空間のはしに高くそびえる山の上の
崖のような場所に落ちてきたらしい。用心しながら崖の淵へと近づく一行。
やがてもやの切れ間に一行の誰もが目を疑うような光景が広がる・・・・!!
『!!? こっ・・・これは!?』
視界に入ってきた驚愕の光景。それは黒い山などではなかった!
地底の大空洞にかつてはなかったはずの・・・巨大な軍事施設・・・・・
いや、”軍事都市”が完成していたのだった!!
572 :
作者の都合により名無しです:04/04/12 20:58 ID:alebHAuA
おお、なんか一気に盛り上がってきた。嬉しい。
出来杉王国作者氏乙。
なんかスケールの大きな話でいい。
------------------------------------------------------------
淡い色の髪の毛が風になびく。
その大きく見開かれたブルーの瞳の中を突風のような何かが吹きぬける。
少女はその透き通るような瞳を大きく開いたまま独りごちる。
「・・・・感じる。感じるわ・・・・!
この地底世界に・・・のび太さんが来ている・・・・・!」
小高い丘の上から虚空を見上げ呟く美しい少女。
少女は崖の上から身を投げだし・・・そのままふわりと宙を舞う。
「ふふ・・あなたも会いに行きたい?」
あたりには誰もいない。しかし少女は語りかける。と・・・
ゴゴゴゴゴゴ・・・重厚な音をきしませて"丘”が動く。
そう。少女が先ほどまで立っていたのは丘と見間違うほどの
巨大な人影であったのだ。
「こんなところに来るなんて・・・。なにかあったの・・・?
なにか胸騒ぎがする・・・お願い・・無事でいて・・・のび太さん・・・!」
そして大小二つの人影はそのまま地平の彼方へと・・・消えていった・・・・
------------------------------------------------------------
>>572 サンクス!
次に全く別の短編をはさんで、またちょくちょく続きを書いていきますね。
スローペースになると思いますがよろしくお願いします。
575 :
作者の都合により名無しです:04/04/12 21:27 ID:pwtbgnXt
576 :
ふら〜り:04/04/12 22:49 ID:EOk73DdM
新しい方が続々で、賑わってきましたね。めでたい♪ これで旧来の方たちも再開して下さると、
もっと嬉しいところです。
あと
>>565さんには賛成です。困難とは思いますが、何とかならないものでしょうか。
>>うみにんさん
モンガーとはまた、楽しくも懐かしい。悟空はまだしも、ベジータがやってるところを想像
するとなかなか壮絶です。しかも悟空と仲良く。で血だまり。……スゴい図ですな。つくづく。
>>4×5さん
今まで恐怖を武器に戦ってきた……というか恐怖でもって敵を潰してきた輝之輔が、今度は自分が
恐怖に押し潰されてしまう、と。因果と言いましょうか、味わいあります。
>>出来杉帝国さん
広がってますねぇ世界が。一緒に期待も広げつつ、読ませて頂いております。地底都市に謎の美少女、
なんてファンタジーをしつつ、麻雀教室よろしくヒドい扱いのび太。こういう面も「広い」ですよ♪
>>575さん
プロローグの、「さっきまで心配してくれてた人がいつの間にかサラリと死んでた」は結構キました。
が、しかぁし。気持ちは解りますがこういう作品で、「数時間」とかは御法度にござるぞ。「数刻」など
と書くべき。異世界モノや歴史モノでは、度量衡の類は作者の頭を悩ます問題。お気をつけめされい。
……あと、
>>575の一行目が隅から隅まで解らないので、できれば解説を何卒。
>>567 オー。オー。オー。
修正いたしました。どもです。
>>ふら〜り
ヤムスレとバキスレを合体する?
落ち着いてるヤムスレをまた変な方向へ持って行くな。
むかつく。
>>
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/215/1-7.htm (あらすじ)桃達が入塾する三年前の話。
教官を殺害し男塾を飛び出した伊達は、途中で『雷電』と名乗る奇妙な僧に出会う。
雷電との問答を通じ、本来の己を取り戻した伊達は、雷電とのリターンマッチに
勝利する。
ピト。
……?
頬に何か冷たいものを感じ、雷電は目を覚ました。
「ん…む」
頭の痛みをこらえつつ、上体を起こす。
辺りは既に薄暗くなっている。かなりの時間、気を失っていたらしい。
「奴は……」
そう呟いた雷電の目の前に、突如コーヒー缶が現れた。
「飲め」
横に座っていた伊達が、コーヒー缶を差し出していた。
伊達の横には既に空になった缶が数本、散らばっている。
雷電はやや遠慮がちに、目の前に差し出されたコーヒーを受け取る。
冷たい。
さっきの感触はこれか、と雷電は思った。
「頂こう。かたじけのうござる」
礼を述べる雷電に、伊達は気にするな、と横に倒れている自販機―先程の闘いで、雷電が
頭を叩き付けられた自販機である―を指差す。
自販機は伊達の投げの衝撃で真中の部分が完全に陥没しており、周囲にはジュースや
コーヒー缶が散らばっていた。あそこから盗ってきたのだろう。
伊達は、悪びれる様子も無く言った。
「お前が立てた手柄だ。遠慮せず飲め」
580 :
○:04/04/13 01:35 ID:PQVR4g2m
1レスで勘弁。
間が空いたせいか、文章が書けない…
明後日ラストまでアップします。
SS職人に何があった
シンクロニシティというやつか
地底帝国は今までになかったドラSSだな。
ギャグに加え、大長編としての盛り上がりも見せている。
長官SS…敵キャラにスポットライト、感動巨編。
ドラヤム…原作の雰囲気重視、正統派。
麻雀教室…ギャグのオンパレード、過激派。
出来杉帝国の作者どうやらうみにんっぽいな。
言われてみればそれらしいところもある
ヤム飯 ブラックホールvsゲッパーランド的
出木杉 ウォーズマンvsガゼルマン的
>>584 それはよくわからん。w
つーか肉スレ読め。うみにんがコメント出してるぞ。
>>578 その落ち着いたヤムスレでそう言う話が出ているからなあ。
587 :
毒パン:04/04/13 19:59 ID:4W/rAEa+
−1−
学校から遠く離れた森の中でミミコ先生の死体が発見された。
発見者はカレーパンマン。パトロール中に偶然見つけたのだという。
パン工場。いつも通りにパン作りに励んでいたジャムおじさんのもとへ
警察が押しかけてきた。
「馬鹿な!?うちのアンパンマンに限ってそんな・・・?」
「しかし、被害者を解剖し調べてみたところ胃の中に明らかに
アンパンマンのかけらと思われる毒物が・・・」
アンパンは逮捕された。
「ボクは無実だ!確かにあの日おなかをすかせたミミコ先生に
ボクの顔を食べさせてあげたけど。ボクの顔には毒なんてない!」
「調べろ」
必死に無罪を主張するアンパンであったが、主張は無視され鼻をもぎとられる。
「結果が出るまで牢にぶち込んでおけ」
「うう・・・くそう・・・顔が欠けて力がでない・・・・」
薄暗い牢の中で一人、欠けた顔のままぐんにゃりしているアンパン。
外の様子は見えないが、もう一晩はたっただろうか。
視界がかすむ。と、そのとき鉄格子が開いた。
「出ろ。仮釈放だ。」
そのころ、トースター山のふもと、幻の食パン工場では・・・
「おろせぇー!おろせぇー!!」
しょくぱんマンが血走った眼で身ごもったドキンを蹴り続けていた。
588 :
毒パン:04/04/13 20:09 ID:4W/rAEa+
−2−
各方面に絶大な権力を持つジャムおじさんの力で一時釈放されたアンパン。
しかし・・・もぎとられた鼻からミミコ先生の胃から出たカケラと同じ毒物、そして
同時に覚せい剤までも検出されてしまったのだ。
「これまでのヒーローっぷりは全て覚せい剤による幻覚・・・?
ひょっとしてオレたちはアンパンに洗脳されていたんじゃないのか?」
世間は完全にアンパンマン及びその創造主であるジャムを疑い出した。
事態はジャムの権力を持ってしても収拾がつかなくなり始めていた。
再びアンパンは逮捕された・・・。
強大な権力によって自身の逮捕だけは免れたものの
このままではジャム自身の名誉にも傷がつく。
「これはきっとバイキンマンの陰謀だ!安心しろアンパンマン!
わたしは裁判を起こすぞ!きっとわしらの無実を証明してみせる!」
力強く宣言したジャムは、その日から証拠探しに奔走した。
金に糸目はつけず時には軍隊さえも動かした。
そして、ついにアンパンは裁判の時をむかえた・・・!
そのころ食パン工場では・・・
「ハハハハハハ。青い空。白い雲。まるでボクの心のように美しいー!」
美女をはべらせ豪遊するしょくぱんマン。
ドキンはその資金を調達すべく、昼夜いかがわしい仕事に出ていたのだが、
稼いでも稼いでも追いつかない食パンの激しい浪費ペースに、
ついには、闇金に手を出す寸前にまで追い詰められていた。
589 :
毒パン:04/04/13 20:12 ID:4W/rAEa+
−3−
「有罪」
裁判は終わった。
アンパンは有罪を言い渡され死刑を宣告された。
多くの人々が見守る中、死刑台へと歩を進めるアンパンマン。
かつてはヒーローだった男の末路にシンと鎮まり帰る観衆。
その沈黙を打ち破ったのはある少年の間延びした声であった。
アンパンマンに向かって空き缶を投げつけながら・・・
「この毒パン!」
カバオであった。
間延びしたしゃくにさわる声。見ているだけでイライラし殴りたくなる顔。
それらを眺めながらアンパンマンはとても悲しそうな顔をした。
今まで命を賭して守ってきたものたちからの、これが答えなのか?
そう訴えているような気がした。
その後、ジャムはバタコに手を出し性犯罪者として投獄された。
ドキンは金策に追われ今は精神病院で穏やかな時を過ごしている。
カレーパンは相変わらずさえない。
後にジャムはこう語る。
「ええ・・・あのときはつい・・・ムラムラきてしまったんです。
抑圧されていた欲望が一気に爆発してしまったというか・・・」
END
590 :
うみにん:04/04/13 20:21 ID:4W/rAEa+
お目汚しスマソ。
各キャラの声はアニメと全く一緒と思ってくださいませ。
長編ドラの方は完結までどのくらいかかるのか見当もつきませんが、
なんとか最後まで書ききりたいと思います。
591 :
作者の都合により名無しです:04/04/13 20:43 ID:MOHHVvJQ
4×5氏、○氏、うみにん氏お疲れ様。
数日前までの廃れっぷりがウソのような盛況ぶりだ。
VSさん孤軍奮闘だったからなあ。
職人方、仕事や学業の支障の無い範囲で頑張ってくだされ。
>>578 合併の件はヤムスレ管理人の病的氏も問題提起しているぞ。
俺はどっちでもいいけど、どっちかといえば賛成かなあ。
そろそろ和解も出来るだろうし、基本的に両スレ好きだし。
592 :
作者の都合により名無しです:04/04/13 22:04 ID:lFLzRmz7
おお、うみにん氏ここんとこ連投乙。
肉スレは読んだ事ないけど、(2世がわからないので)
噂通り実力者ですな。これからも頑張って下さい。
殺助氏や転生氏、大僧正氏も復活してくれないかな。
○氏も復活してくれた事だし。
593 :
作者の都合により名無しです:04/04/14 00:06 ID:HYmxI0uv
いろいろと動きが激しいなあ。
各スレの職人の交流は喜ばしい。
合併したら荒らし再開します。お楽しみに。
合併しなかったら荒らさないのか
今は遊び場を潰さないための潜伏期。
活性化したら荒らし再開。
要は生かさず殺さず、これよ。
そういえばしりとり(ry
598 :
ふら〜り:04/04/14 16:04 ID:t5IZlHki
何だかどんどん、いい雰囲気になってますね。このまま盛り上がって欲しいところです。まだ問題は
あるにせよ、やはりできれば合併して、より多くの住民・職人で「いい雰囲気」になれれば最高かと。
私自身は、またしばし書き込みしにくくなりますが、続けて読ませて頂きますので。職人の皆様、
どうか頑張って下さい。
>>○さん
銘酒を一献……ではなくコーヒー一缶で語り合う漢たち。舞台、というか背景が普通の街中ですから、
これはこれで絵になりますね。「お前が立てた手柄」はヒットしました。楽しいぞ伊達。
>>うみにんさん
徹底的に救いのカケラもなく、ダーク一直線に突っ走ってますな。ドキンちゃんのいかがわしい
仕事というのは、ちょっと見てみたかったりして。あとタイトルが、軽くて重くていい感じです。
うみにんさんいいねぇ!カバオワロタよ。
芸風も広いからお題フリーの方が向いてるんじゃ?
しばらくと言わず長期参戦キボンヌ!
他にも肉スレから誰か来ないかな?
>>599 いや、あっちはあっちで人足りてないから。
一歩間違えば荒れるようなこと言うなよ
601 :
作者の都合により名無しです:04/04/14 18:04 ID:mcShjyE5
SSスレは全体的に職人不足だな。
過去の職人たちは十数人消えてるし。
一発バクチで合併してパート1からスタートってのもありかもね。
ま、ここに限らずヤムスレも肉スレも長官スレも盛って欲しい。
>毒パン
VSのような長編の中、こういう短編があるといいな。
内容は結構ダークだけどw
しょくぱんマンが一番美味しい思いしてるな。
○さん、復活おめ。でも1レスは少なすぎ。
まとめサイト見たら1話でもコーヒー飲んでるな、伊達。
そんなに好きなのか?
603 :
作者の都合により名無しです:04/04/14 22:42 ID:+pQ5i4Bw
○さん復帰したところで大僧正さんも復活しねえかな。
殺すけは本当に投げたのか?
今なら雰囲気いいから復活しやすいぞw
604 :
作者の都合により名無しです:04/04/15 08:11 ID:b2Ywc8gk
昨日はここには誰も作品上がらなかったな。
サイトにはパオさんが来てたけど。
出来れば毎日作品みたいっていうのはわがままかな?
ま、どのssスレも職人不足だしな。とりあえず職人応援あげ
今日こそSSうPキボン。
このさい真・うんこでもいいぞ。w
「でもいいぞ」
607 :
作者の都合により名無しです:04/04/15 21:47 ID:BwzAVfRT
バキスレはバーと作品着てぱったり来なくなっての繰り返しだからな。
詳しく言うと、荒らされ・沈黙・復活・隆盛・荒らされの繰り返し。
今回荒らされが少ない分マシ。
でも他スレでもSS着てないよね。裏返せばこれが普通の状態なのかも。
今は春先で忙しいから
真面目な学生や社会人はSS書くヒマなんてなかなかとれませんよ
いかに善意の気持ちであっても、これだけの目に遭っても、これだけ多くの政府の人たちが寝食忘れて努力して、なおかつそういうことを言うのか。自覚をもってもらいたい
3バカへの誤爆ですか
611 :
作者の都合により名無しです:04/04/16 18:00 ID:BD6naj0m
本当に一気にくるとしばらく来ないなw
>>611 作品が来ないと騒ぎ続けていると職人に責任感が生まれる。職人自身の
意思では無いので作品が来ると責任感が薄まり作品が来なくなる。
作品が来ないと騒ぐのは逆効果。じっと待って職人の意思で書かせるべき。
明日は土曜日だから一気にくるかもよ?
614 :
作者の都合により名無しです:04/04/16 21:09 ID:dEIluvif
そうだな。
普通の堅気は平日に書けないな。
何気にパオは好調に連載続けてるな。
VSは水曜日に来なかったな。
じっくり待とう。
しかしどこも職人不足だな。
ところでトモはヤムスレでの発言通りに
新撰組リライトしてくれるのかな?
615 :
作者の都合により名無しです:04/04/16 23:37 ID:t9Gun/9e
>>614 最近のパオさんは確かに好調だな。のびのび書いてる感じだ。
新鮮組はさすがに難しいんじゃないか?書いて欲しいのは山々だけど。
それにしても合併話は立ち消えた感じだな。それで良かったのかも知れない。
こことヤムスレは仲の悪い兄弟って感じだから、色々難しいだろう。
週末作品期待あげ
最近のパオ氏は確かに面白いが、とらの描写は違和感がありまくる。
下手過ぎ。他のキャラはうまいのに。とにかく雄山を早く出せ。
VS氏や○さん、うみにんさん、転生さんやふらーりさん、
4×5さんやエニグマさんや殺助さんなど職人さんの土日の降臨を願って寝よ。
>4×5さんやエニグマさんや
いっしょや、いっしょ。
美食倶楽部、海原雄山宛に一枚の挑戦状が届いた。
挑戦の主は日本料理会の頂点に君臨すると言われる味皇こと村田源ニ郎。
その男がついに!
至高のメニューを提唱する美食倶楽部に料理対決を挑んできたのだ。
「ふむ・・・味皇か。そろそろ決着をつけるべき時なのかもしれんな・・・」
「それでは挑戦をお受けになるのですね。それでは対決の段取りはこの
味皇料理会イタリア料理主任、丸井が引き受けさせていただきます。
勝負の方法ですが、ある会場を使ってその場で即興で料理を作っていただく3番勝負。
お題は任意の審査員の方に考えていただき、1勝負につき料理人は一人だけ。
同じ料理人は他の勝負には出れません。食材は味皇料理会が責任をもって
最高のものを用意致します。また審査員に関しては公平を期す為、
中立の信頼できる人材を用意させていただきます。いかがでしょう?」
「かまわん。味皇料理会の村田氏のことは尊敬し、信頼している。
全面的にお任せしよう。」
ここに・・・味皇料理会vs美食倶楽部の壮絶な美食3番勝負が始まった・・・!
3番勝負当日。舞台となる会場には既に日本、いや世界中の
高名な料理人、食通たちが集まっていた。
その異様な空気の中、厳かに勝負は開始される。
「一番勝負!お題は・・・カレーライスです!」
どよめく場内。
「カレー?これだけの一流の料理人や食材を集めておいて
お題があのカレーライスなのか!?」
どよめきがやまぬ中、味皇料理会陣営から一人の少年が歩み出る。
「カレー勝負やと?カレーと言えばワイの出番やな!なあ?味皇はん!」
不敵な笑みを浮かべ前に出てくる少年。まだ中学生くらいであろうか。
トレードマークの八重歯がキラリと光る。
「ワイの名は・・・天才少年料理人!“カレーの貴公子”堺一馬や!!」
「ふ・・・この海原雄山率いる美食倶楽部にカレーをつくらせようとは・・・」
「そうですよねぇ(汗)。おい!主催者!いくらなんでも
海原先生にカレーをつくらせようなんて失礼じゃないかね?」
と、進行役に文句をつける雄山のとりまき。帝都新聞の者だろう。
しかし、雄山はそれを制し・・・
「いや、カレーとはまさにインド料理の真髄であり頂点。よかろう。この雄山、
皆様にその真髄に迫る至高のカレーをごらんに入れて差し上げよう!」
「え?あ、はい、そうですよね。さすがは雄山先生!ハハハハ」
「こちらの調理は美食倶楽部、岡星良三が担当する。」
「ふん。美食倶楽部の有望株か。相手にとって不足はないわい!」
八重歯(自称キバ)を光らせ不敵に吼える一馬。
〜 一番勝負・堺一馬vs岡星良三 〜
「ほう・・・?」
鼻腔をくすぐる刺激的な芳香。
出てきたカレーはごく普通のチキンカレー。しかしその実、様々な工夫が凝らしてある。
年老いて成熟したうまみを持ったシャモをこれ以上ないやわらかさに仕上げ
なによりも何十種類にも及ぶスパイスの絶妙なバランス。
堺一馬の作るカレーはなるほど、超一流のものであった。
これほどのカレーを作れる料理人はそうはいないであろう。
その味わいは審査員だけでなく、海原雄山をもうならせる。
「ハ――ッハッハッハァ!
わいのこの“神の舌”で調合された完璧なスパイス配分!
カレー勝負でわいが負けるわけあらへん!!」
「それでは、こちらの料理を食していただこうか・・・。」
雄山が至高のメニュー側のカレー登場を促す。
「ム!?」 味皇が目を見開く。
おおおお! 審査員が、そして立会い人全てがどよめく。
「な、なんのつもりや!?美食倶楽部!」
一馬も動揺を隠せない。
ウェディングケーキでも入っているかのような巨大なシルバーのケース。
あっけにとられる一同を尻目にテーブルの中央へと運ばれたカレー。
フタを開けると・・・
芳しい香りとともに皿に乗った一人のインド人。
「冥王島十六闘士が一人、ラーマ・ヨガの達人
タージ・マハールさんだ。」
「なにぃいい!?」 「まさか・・!?」 「あぐぐぐ・・・!」
「なんという力強く大胆な料理であろうか・・・!
まさかこの大一番でインド人そのものを料理として出してくるなんて・・・!」
驚愕する一同に落ちついた声音でハッタ・・・いや、解説を始める雄山。
「カレーといえばインド。インドといえばカレー。
わかるな?カレーとは言わばインド人そのものなのだ。
ここにいるマハール氏は毎日、最高のカレーのみを食べ続け
その四肢のすみずみにまでカレーが行き渡っている。
そして、伝説の拳法ラーマ・ヨガを極めた戦闘のエキスパートでもある。
ゆえに彼こそが至高のカレーなのだ!」
「コンナコトモデキマース」
顔面から胴体・頭蓋骨に至るまで人体の常識をはるかに超え
全身自在にぼっこんぼっこんへこましてみせるマハール。
さらには髪の毛や爪をも自在に伸ばしたり縮めたり。実にキモい。
雄山と対立する究極のメニューの担当者、栗田と山岡も思わず賛辞を贈る。
「まさに天衣無縫。・・・さすがは雄山氏だわ。なんて力強い料理・・・。」
「それだけじゃない。あのマハール氏を盛る唐人先生の備前の大焼きの器。
見事に調和し、マハール氏と器、お互いを高めあっている・・・!」
「それでは審査員のみなさん。評決を・・・!」
「クッ!評決なんぞいらん・・・!」
「え?」
「・・・わいの・・・完敗や・・!」
「うむ。堺一馬。その潔さやよし!」
負けた一馬を責めることなく満足そうな表情を浮かべる味皇・村田源ニ郎。
3番勝負第一試合。まずは美食倶楽部が先勝・・・!
うみにん氏か?
今度のは面白いな。
623 :
うみにん:04/04/17 01:23 ID:AudkDSBW
うああっ スマソ。
今ヤフーでググッたらタージ・マハールじゃなくて
ラジャ・マハールだった。脳内変換お願いします。
言わなきゃわかんないのに
>>579 雷電は何か言おうとしたが諦め、大人しく目の前のコーヒーを飲む事にした。
二度の闘いで疲れていたのだろう、妙に美味しく感じられる。
互いに半分ほど飲み終わった頃、雷電は、さっきから頭に浮かんでいる疑問を口にした。
「伊達殿よ……ひとつ聞いても良いかな?」
「何だ?」
「何故…拙者の動きが読め申した?」
先の闘い。
最初の時と比べ、余りにも伊達の動きが違いすぎた。
伊達の心の闇が晴れ、動きに迷いが無くなったのは分かる。
しかし、それだけではあの一方的な展開にはならないはずである。
「お前が弱いからだ」
伊達は一言で言い捨てた。
「膨大な戦術知識を生かして相手の流派・技量・攻撃パターンを読み、気の流れで相手との
間合いを読む。それがお前の戦い方だ」
伊達の分析を、雷電は黙って聞いている。
話は続。
「この戦法には欠点が二つある。一つは知識に頼りすぎる為、予想外の事態に対応できない
こと。もうひとつは、相手の行動に対応した動きをする為、自分の攻撃パターンが固定化
されやすいことだ。一言で言えば、貴様の闘い方には柔軟性が無い」
知識に溺れたな、と伊達は最後に付け加えた。
「『智者は智に溺れる』…成る程、それがしの完敗でござる」
雷電は得心した表情で残ったコーヒーを一気にあおると、空になった缶を横のクズかごへ
投げ捨てた。
「では、そろそろ立ち去るとしよう。貴殿ほどの技量を我が元へ呼べぬのは残念だがな」
そう言って立ち上がる雷電。
そこに伊達が意外な言葉を返してきた。
「行ってやろうか?」
思わぬ伊達の同意の言葉に、雷電は一瞬耳を疑った。
「本当でござるか?」
聞きなおす雷電に、伊達はああ、と答えた。
「てめえと話すうち少しだが興味が沸いた。正確に言えば、雷電を従わせるボスにな」
闘いは敗れたものの、雷電は十分組織を束ねるだけの力と才を兼ね備えている人物である。
それを従わせている程の組織の首領。伊達は少なからず興味をそそられていた。
ただし、と伊達は付け加える。
「てめえのボスが期待外れだったら、俺はそいつをぶちのめし、さっさと帰らせてもらうぜ」
要するに、伊達はボスの品定めがしたいのである。
雷電は軽く頷き、伊達の言葉を受け入れた。
「それで構わぬ。適わぬ時は所詮、そこまでの縁であったということよ」
「そうだ。で、てめえの組織は何と言う?」
「?」
伊達の質問に、雷電は少し困ったような表情を浮かべた。
「どうした?」
「…名については、最初に申し上げたはずでござるが」(
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/215/1-1.htm参照)
「そうか、忘れた」
と伊達は言った。正確には忘れたのではなく、単に『聞き流していた』のだが。
雷電は伊達に向き直り、改めて名乗りをあげた。
「拙者の組するは『東京豪学連』‥‥我は東京豪学連参謀長の雷電と申す」
ピクッ。
その名前に伊達も反応する。
『東京豪学連』
全国の不良校の荒くれ共や半端者、前科者を集めた一大組織。総長を頂点として千人以上の
構成員で固められており、その戦力は男塾に匹敵すると言われている。
「まさか、あの豪学連とはな…」
伊達の顔に不敵な笑みが浮かんだ。
「面白い。雷電、早えとこ豪学連まで案内しろ」
「分かり申した……しかしその前に」
雷電は立ち上がり、横の路地へと歩いていった。その先に倒れている自販機の前まで行くと、
雷電は懐から百円玉を数枚取り出し、自販機の横に置いた。
一枚は自分の、残りは伊達が飲んだコーヒー缶の分である。
「それでは、行くとしよう」
「ケッ。やっぱり、てめえとは馬が合わねえな」
そして、二人は大通りへと姿を消した。
時は2月15日の夕暮れ。
―1― 終
628 :
○:04/04/17 01:40 ID:eXWwHMF0
ひとまず終わりです。
アップして気づいたけれど、書き損じが多いなあ…
いつ2章書くかは未定です(書きたいけれど時間が取れない(泣))
>うみにん
単純に味皇対海原と思ってたが、マハールとは予想もしなかった。
しかも勝ってるしw
両作者乙。
両作者乙。
632 :
作者の都合により名無しです:04/04/17 13:54 ID:bec7Qylx
うみにん氏、○氏おつかれ。
堪能しました。しかし週末になるとやはり来るな職人方。
633 :
ふら〜り:04/04/17 20:37 ID:G/1l0UTO
時間の都合がついたので……って前にもあったこんなこと。やはり書かずにいられない。
>>うみにんさん
来られて早々、内容・ペースともに快調ですね! 嬉しいです&感謝です。
アレで負けを認める一馬の漢気(か?)と、カタカナ喋りのマハールが可愛い♪ でも「四肢の
すみずみにまでカレー」を見て「天地を喰らう」孔明の初精云々を思い出した私は汚れている。うぅ。
>>○さん
ご復帰されましたか。お忙しいようですが、頑張って下さい。私も転職したてでツライ日々してます。
で。相変わらず渋い空気が漂ってますねぇ。ボスをぶちのして帰る、とあっさり言い切る伊達と、
律儀にコーヒー代を払う雷電。二人とも「らしさ」が良く出てると思います。普通の街中なのに。
ところで豪学連の名前……?(既にご説明されてたらすみません)
634 :
作者の都合により名無しです:04/04/18 01:21 ID:pWSO8jGg
うみにんさんは実力者だな。噂通りの。
今度肉スレも読みに行こう。2世は正直嫌いだけどw
丸さん、一章完結乙。
パラレルな感じの伊達や雷電が素敵でした。2章も期待してます。
635 :
作者の都合により名無しです:04/04/18 02:59 ID:Tp7BtO/a
トモ氏は本当に新撰組を書き直してくれるのだろうか…
それは無理でも、せめて完結させてくだせえ
ヤムスレでの作品が終わった後で。
○さん、うみにん氏乙。
これからもお2人の活躍に期待。
636 :
作者の都合により名無しです:04/04/18 17:38 ID:pWSO8jGg
職人来るとすれば夜かな?
昨日は○氏にうみにん氏にサイトにパオ氏が来てたから嬉しかったけど。
期待上げ。
うみにんって情けないね・・・
横山先生亡くなってたんですね‥‥全然知らなかった‥
誰か横山作品でSS書いてくれないかなあ。
横山先生が無くなったのはショックだけど、
年代が古すぎないか?
でも、週間少年漫画板のバキ本スレでは良くネタにできてたな。
あのAA職人は毎度毎度すげえ。ドリフやらドラクエやらも手の内だし。
バビル2世とかでSS書かれてもようわからんなぁ。
名前は聞いたことあるけど。横山光輝と言えば
吉川英二の漫画版書いてる人ってイメージしかない。
641 :
対決:04/04/19 01:00 ID:OHqvp7Ni
電車の中、突如押し寄せる便意。脂汗を浮かべる私の前に、二つの選択肢が現れた。
一つは次の駅で電車を降り、すぐさまトイレへ駆け込む。
そしてもう一つは、このまま目的の駅まで便意を我慢する。
通常ならば、迷わず前者を選ぶ場面だろう。しかし、今日は状況が異なる。
遅刻寸前。今日は彼女との初デート、遅れて行くことは許されない。
精一杯のお洒落をし、普段は不潔な体を完璧に洗浄した。全ては彼女のためだ。
ここまで念入りに準備したのだ。最後まで青写真通りの展開で事を運びたい。
「仕方ない。あと五駅、耐えるしかねぇな……」
肛門の筋肉に全神経を注ぎ、直腸で息を潜めている魔物の出現を抑える。
中吊り広告や外の景色をいくら眺めても、この強烈な便意は消えそうもない。
電車の振動も魔物の味方だ。体が揺らされ、集中力を乱されてしまう。
一駅を通過した。さっきまで閑散としていた車内の人口密度がやや上昇した。
その中には魔物と格闘する私を、変な目で見つめる者もある。
だが、気にしてなどいられない。何しろ恋がかかっているのだから。
握り拳にも自然と力が入るというものだ。
二駅通過、残り三駅。ここに来て、急速に便意が収まり始めた。
力を抜いてもまるで苦しくない。どうやら魔物は電車内での決着を諦めたらしい。
安堵の吐息をつき、心の中でひそかに勝利を祝福する。
安全を愛しく思う瞬間とは、自分が危機から解放された瞬間にあると、改めて思い知った。
642 :
対決:04/04/19 01:01 ID:OHqvp7Ni
やがて、三駅目を突破する。依然として体調に問題はなし。
このまま電車に乗っていれば、デートには間に合う。トイレも目的地で寄ればいい。
「ふぅ……どうやら耐え切ったみたいだぜ」
クールダウンの意味を込めて、腹部をゆっくりと右手でさする。
つい先程までの激痛が嘘のようだ。
四駅目。ここは少し大きめな駅であるため、乗り込む人の数も多い。
立っている場所を選べなくなってしまったが、特筆すべき問題ではない。
どうせ次の駅で降りるのだから。五分ほど我慢すればいいだけの話だ。
だが、私が彼女とのデートプランを暗唱している時にそれは起こった。
「ぐっ……!」
魔物の再来。私の意識が便意からデートに向かう一瞬を突いた、見事なまでの不意打ち。
まず攻めに攻め、抵抗を受けたら素直に一度退く、そして油断した敵を一気に叩く。
この魔物、戦いにおいての駆け引きを知り尽くしている。紛れもない強敵だ。
到着を知らせる車内アナウンスが流れる。駅までは二十秒といったところ。耐えてみせる。
身体中から滲み出る汗を感じながら、肛門を全身全霊で収縮させる。
ついに目的地である駅へと到着した。
頭の中で、駅内トイレへの最短距離を再確認する。ドアが開く。私は飛び出した。
エスカレーターを駆け上がり、一心不乱にトイレを目指した。
両脚と肛門に集中力を均等に振り分けるのは、並大抵の作業ではない。
「よし、あと少し!」
トイレの入口が肉眼で確認できた。清掃中ではない。残り数メートル、全力疾走あるのみだ。
しかし、これは失策であった。お留守になった肛門で、魔物の眼がギラリと光る。
643 :
対決:04/04/19 01:02 ID:OHqvp7Ni
出てしまった。一度噴出した土石流は、もはや何者にも止められない。
数秒間に渡り、魔物の乱舞は続いた。尻の周りに生暖かい感触が広がる。
私は心底絶望したが、若干の恍惚を覚えてしまったのも事実だ。やはり排泄は気持ちいい。
「や、やっちまった……」
目の前が真っ暗になった私の耳に、聞き覚えのある声が入り込んでくる。
「あら、バクテリアンさんじゃない」
彼女だった。どんな言い訳をしても、この立ち込める異臭は隠しようがない。
素直に白状する事こそが、自分のためにも彼女のためにもなる。
「正直に話すよ、実はうんこを漏らしてしまったんだ!」
「そうだったの」
「虫のいい話だけど、許してはもらえないだろうか?」
しばしの沈黙の後、彼女は意外な返事をした。
「なに言ってるのよ。私はあなたの他を寄せ付けない不潔なところに惹かれたんだから。
もし普通の格好でデートに来たら、すぐにでも別れるところだったわ」
結果オーライとでも言うべきか。バクテリアンに幸あれ……。
誰しも体験があるであろう腹痛との闘いをテーマにしました。
あの世界に電車があるのか、バクテリアンが今何をしているのか、はなはだ謎ですが。
ふーん
久々に神が降臨なされた
ものども、ひかえい
相変わらず見事な筆致ですな
647 :
作者の都合により名無しです:04/04/19 17:58 ID:IW1Wqd/a
>>576 ご意見ありがとうございます。
あの一行目ですが、箱館の弁天台場って所に新選組の大部分がいたんですが、
箱館の街を官軍に占領されてしまった為、五稜郭と分断されてしまったというわけです。
今度から、脳内処理しないよう気をつけます。
でも天下の山風は平然と「5メートル」とか書いてたからなあ・・・
眼下に広がる光景。それは圧倒的であった。
近未来を思わせる広大で美しい都市。
しかし、そこに生活感は全くなく、むしろ殺伐とした空気さえ漂っている。
大型の輸送トレーラーの一団が行き来し、戦闘機にも似た飛空艇が飛び交う。
ちらほらと見える人影のほとんどは、この光景にはあまりにも不似合いな
中世の騎士のような恰好をしている。間違いなく地底世界の竜騎士たちだ。
そして・・・いやでも注目を余儀なくされる・・・・
都市の中心部に黒々とそびえたつ巨大な建造物。
その威容はまさに要塞。のび太たちがこの都市を一目で“軍事都市”と
感じたのはこの漆黒の要塞の存在があったからであろう。
SFに出てくる要塞のようなわかりやすい武装や対空の砲台こそないが、
その攻撃的な威圧感はただごとではない。
そして、その周りに広がる広大な敷地に、小さくてわかりにくいが
人の集団と集団がもみ合っている様が見える。どうやら、軍事演習場らしい。
軍隊特有のピリピリとした緊張感と規律のようなものが遠目にも感じ取れる。
「なぜ突然こんな都市が・・・!?」
「ちくしょう!やっぱあいつら地上に戦争しかける気なんだ!
くそっ、竜人どもめ!直接乗り込んでぶっ飛ばしてやる!」
「ま、まま、待ってジャイアン!」
前が崖だということも忘れて飛び出すジャイアンを
あわてて止めるドラえもんたち。
「あわてないで!落ちつこう。幸い、さっきの衝撃音は向こうまで届いてないようだ。
今のところボクらは見つかってないらしい。まずはじっくりと対策を練ろう。」
出来杉の発言にうなずくドラたち一行。崖の上での作戦会議が始まった。
650 :
作者の都合により名無しです:04/04/19 19:08 ID:rKGsH0eb
乙。ところでサナダムシさんてお題スレで書いてた人?
(お題スレ落ちちゃったからわからない)
もしそうなら、あそこで書いてた人がどんどんここに来ないかな。
「これでよし、と。」
監視カメラを設置し終えたドラえもんが一息つく。
「カメラは要所要所に向かって設置してある。
モニターの画面は16分割してあるから大体の動きは監視できるはずだ。」
「よし、じゃあまたみんな交代でモニターチェックしようぜ!」
「あ、モニターは移動しても大丈夫だから活動拠点はいつでも変更できるよ。」
「ん〜、それじゃあ相手の動きを一望できるよう、もう少し見晴らしのいいところに移動するか。」
「そうだね。そうしよう。」
「ちょっと待って!」
出来杉が話のまとまりかけたみんなを呼びとめる。
「動くならもう少し様子を見て。下手に動けば敵に見つかりやすい。
見晴らしのいいところに移動するのならなおさらね。
相手の動きを見切った上でこちらも万全の準備で行動しなきゃ。」
「ご、ごもっとも。」
目を丸くキョトンとしながらドラえもん。
「まずは最初にするべきこととして・・・
今のうちに武器として使える秘密道具の分配をしておかないか?
これからは各自自分の身は自分で守る必要がありそうだ。」
『うん。』
「非常食も各自携帯しといた方がいいね。 原則としては常にみんな
一緒に行動するとしても、実際いつ不測の事態に陥るかはわからない。
敵の襲撃かなにかで万一バラバラに分散してしまったときに、
食料がなければ飢え死にしてしまう。」
『はい。』
出来杉の冷静な提案にただ無表情に目を丸くしてコクコクとうなずく一行。
結局、秘密兵器と非常食の分配後、
その場でしばらく相手の動きを観察することで話はまとまった・・・。
「いやあ、出来杉くんがいると違うなあ。」
「いつもなら秘密道具の準備が整う前にトラブってパニクってパターンだよなあ。」
いつもは傍若無人なジャイアンや嫌味なスネオも出来杉に対してはいつも
賛辞を惜しまない。誰もが天才と認める人間への尊敬というものであろうか。
「さて、最低限の準備は終えた。あとは向こうがどう動いてくるか。
もしも完全に敵だと判明すれば警察や軍隊に知らせる必要があるね。」
が、事態は迅速に変化した。
突如重々しい音楽が鳴り響き、竜人たちの動きがあわただしくなる。
「な、なんだなんだ!?」
あわててモニターへと集まる。
「ここだ!この画面をアップして!はやく!」
出来杉が叫ぶ。
軍事演習場。
演習を終えたのか竜騎士たちが集まり、ある方向に向かって整列する。
すると・・・演習場上空から一隻の軍艦が舞い降り、一人の人物が歩み出てくる。
不気味な仮面。以前、戦ったことのある精霊王ギガゾンビを思い起こさせる。
その男が右腕を天に差し伸べるや、竜騎士たちが一斉に同じ単語を叫び出す。
「ロード・キスギー!」「ロード・キスギー!」「ロード・キスギー!」
「鎮まれ」
ロード・キスギーと呼ばれた男の一言にピタと鎮まりかえる竜騎士団。
完璧に統率されている。
「・・・なんて不気味な仮面・・・・。」
「この男がこの軍事都市の親玉か!」
「なにが始まるんだろう・・・。まさか・・・今からもう地上に侵攻開始とか・・・?」
いい知れぬ緊迫感の中モニターに集中するドラたち。
モニターの中の演習場はさらなる動きを見せ始める・・・!
ドラえもん のび太の地底出来杉帝国の続き。
前回最終話は
>>573です。(第一話は
>>446〜)
「あれは!?」
仮面の男の後ろから数人の人間が降りてくる。
人数は7人。全員竜人ではない。
顔の表情は影になって見えにくいが、れっきとした人間の顔をしている。
そのまま演習場へと降り立ち竜騎士団と向かい合う7人。
「みんな見て。ほら、あの人の顔・・・ひょっとしてズル木さんじゃないかしら?」
「なんだって? ・・・本当だ!ズル木のやつだ。」
「しばらく見ないと思ってたら・・・なに考えてやがるんだ?」
そう。その7人のうちの一人はかつてのび太たちのクラスメイトであった
ズル木と思われる人物。
しかし、ジャイアンと出来杉は蒼白な顔で全く別の男を注視していた・・・
「げんごろう・・・!」
ジャイアンが思わず口に出す。かつて2度に渡って破れ、涙を飲んだ倒すべき敵。
他が目に入らなくなるのも無理はない。
その呟きに思わずスネオもジャイアンの気持ちを推し量る。
「・・・・・ジャイアン・・・。」
「みんな。それよりもこの男・・・!」
出来杉の指差す先には一人の太った男。その体型はジャイアンに似ている。
確かに7人の中でも一際目立つ、両眼を覆うほどに深くかぶった緑色の
奇妙なヘルメット。その眼の部分が大きくくりぬかれ視界を保っている。
時代遅れのヒーローのような滑稽なマント。実に奇抜なファッションである。
真っ青な顔で出来杉が続ける。
「文献で読んだことがある。あの恰好はひょっとして伝説の “パーマンセット”!
ボクの推測が正しければ・・・相当にやっかいな相手になるかも知れない!」
出来杉帝國の人、乙。
パーマン4号かな、たぶん。
乙。
ヤムスレのドラえもん作者とは違うの?
巨大な砂漠。はげしい砂嵐が吹く中に、巨大な塔の遺蹟『バビルの塔』。
その遺蹟の中で眠る少年が、ふいに、ばっと身を起こす。
「バビルさま、どうしました?」
少年の傍らにいた黒豹が人間の言葉で話し掛ける。
バビルと呼ばれた少年――バビル2世――は答えた。
「テレパシーだ」
たった今、彼の脳裏に強力なテレパシーが届いたのだ。
いや、それは『強力』などというレベルではなかった。一瞬にして全世界を走り、テレパシー能力を
持つ者は、バビル2世同様とびあがって驚いたことだろう。今のテレパシーはそれほど巨大だった。
これほど強力なテレパスを発することは、バビル2世にすら不可能である。
(ヨミの仕業か―――?)
バビル2世は両目を閉じ、このテレパシーの探知を試みた。
その時気付いたのだが、このテレパシーは論理的な思考の形態を成していない、まるで赤子の泣き声
のような感情的なテレパスであった。
こんなテレパスは、たいてい無意味なものが多く、そこから何かを得ることは非常に難しい。
しかし優れた超能力者であるバビル2世は、このテレパシーの奥底から一個の強力な『意志』を感じ取った。
『『『 俺が地上最強だ!!!!! 』』』
それは非常に強大かつ単純明快な意志であった。
バビル二世はゆっくりと目を開けた。余りに強大な意志を受けた疲れか、額には汗がびっしりと
浮かび上がっている。
心配した面持ちで黒豹――ロデムはバビル2世を見た。
「バビルさま‥」
「ロデム‥こいつは僕の予想だが、あるいは宿敵ヨミより恐るべき相手が現れたかもしれない」
この異変を感じ取ったのは、彼のような超能力者だけではなかった。
超能力はなくとも、一個の人間として常人以上の危機判断能力を持つ人種、いわゆる政治首脳と
言われる人は、皆この『意志』を無意識に感じ取った。中でもアメリカやソ連、中東諸国などの
各国首脳はその思念の余りの巨大さ・凶悪さに恐れを覚え、一斉に核の保有を決意したという。
まさに全人類、全超能力者にとって史上最悪の日であった。
時は数十年前。
『地上最強の生物』範馬勇次郎が誕生した日の出来事である。
――この日、地球上の全て生物の強さのランクが1つ下がった――
結局、自分で書いてみました。
ドラえもんネタのSSを考えたのですが、さすがにまずいよね。
連載作品の中の三つがドラネタってのは。
しばらく待ちます。
>>660 いっこうにかまわんよ
SSは熱い内に投下したほうがよいよ
次スレはスレタイにドラえもんいれるか?
【バキSS他】漫画SS総合・新しい物語を書こうぜpart14【ドラえもん】
【バキSS他】漫画二次創作SS総合スレッドpart14【ドラえもん】
663 :
作者の都合により名無しです:04/04/20 08:04 ID:2QPnDrUu
おお、大集合って感じになってきたね。よい感じだ。
サナダムシさん、出来杉王国作者さん、バビル2世さん、乙。
実力者が3人も着たというのは嬉しいね。
>>660 全然かまわないと思う。むしろ大歓迎。
>>662 長すぎて入らないんじゃないか?
【漫画総合】自由創作SSスレpart14【バキ・ドラetc】
なんか難しいな、考えると。
>>662 特定の作品を入れる意味が分からない。
なんでわざわざ門を狭くするの?
このスレはお前らの所有物じゃない。
>>664 ↓
36 :マロン名無しさん :04/04/18 00:54 ID:???
前スレにも書いたが漫画系板の住人が集まるきっかけは
好きな漫画やキャラの名前などを含んだスレタイを見つけたとき
なのではないだろうか。
スレタイが漫画SSスレだけでは2次創作を読みたい人がいても
恐らく気付かれにくいと思われ。
となると、バキスレは今のスレタイでは新規の住人はあまり見込めない
だろうからどういう内容のスレなのか宣伝が必要なのではないだろうか。
どっちにしろ漫画総合って書いてあるじゃん。別に門を狭くしてはいない。
特定作品の名を入れない方が門を狭くする場合もある。
【漫画SS】だけじゃ新規の連中は絶対気付かないだろ。
そもそも新規の人のほとんどはSSの意味がわかんないんだもん。
サナダムシ氏が認められてきたので、自分もうんこSSを書こうと思います。
やっぱりバレ氏はサナダムシ氏のSSを保管してないんですね。
うんこSSだからでしょうか。
もう何度も言われてきた事ですがあえて言わせて頂きます。
なぜうんこSSが差別されなければならないのでしょうか?
サナダムシ氏のなんかは、技量もすばらしいしバクテリアンという
ちゃんとした漫画キャラも出てきます。なぜでしょうか。
サナダムシ氏が本当はここの職人の誰かで、我々うんこSS好きを
煽っているというのなら話は別ですが。
改札はホームの上にしたほうがいいかと。一つで済むし。
ま、エスカレーターの件といい、市が思い腰をあげると思えんが・・・
>>669 合併はいったん様子見になったんじゃなかったっけ?
人増やすのが目的ならキーワード【ヤムチャ】はぜひ
いれたいとこだけど、それはまずいだろ?
新スレの
>>1にヤムスレをリンクすればいい。
高校時代のことなんですけど、どうしても行きたかった大学に
落ちてしまいました。
滑り止めみたいなつもりで受けた大学は合格を貰ったんだけど、
本当に行きたかった学部ではなくて・・・
浪人して行きたい大学をもう一度挑戦しようか、それとも
親に余計な負担をかけないように受かった大学へ行こうか
迷っていました。また来年失敗するかもしれない・・・
そんな臆病な気持ちもあって
それで、仲の良かった友達に相談したんだけど、
結局愚痴とかばかり言ってしまって・・・
それをずっと黙って聞いててくれました。
そして帰り際に一言だけ
「や
― 4 ―
凄絶な一番勝負の余韻さめやらぬうちに、二番勝負のお題が発表される。
「2番勝負!お題は・・・寿司です!」
ザワリ・・・やはり観衆がどよめき、お題の意図を探るべく熱く語り出す。
「寿司といえば、言うまでもなく、最も重要なのは熟練の寿司職人の技術!」
「しかし、それは、お題を掲示した主催者側も審査員も重々承知のことだろう。」
「しかし、味皇料理界・美食倶楽部ともに専門の寿司職人は在籍していないはずだぞ・・・」
「となると、これは・・・・」
「ネタの斬新さ、奇抜さを競う創作寿司 ”工夫” 対決か!!」
観衆の視線がある方向を指し示す。
スポットライトの中、先の堺一馬と同じように腕を組み不敵に笑う少年の姿。
うれしそうに丸井が叫ぶ。
「 ”工夫” そして寿司といえば、味皇様との寿司勝負に見事引き分けた陽一じゃい!
ついに出番だな! “ミスター味っ子” !」
しかし、会場の空気を断ち切るかのごとくおもむろに味皇が言葉を発す。
「いや、この勝負。味皇料理界代表は“素材の魔術師”中江兵太とする!!」
「え?オレですか?」
「なにいぃい!? “工夫”と言えばミスター味っ子じゃねーのかよ!?」
味皇の一言にギャラリーからも不満の声があがり陽一たちもまた狼狽を隠せない。
「な、なんでオレじゃダメなんだよ。」
「味皇様、確かに中江くんは陽一をも超える実力者ですが・・・」
味皇は答える。
「理由がわからないかね。」
― 5 ―
「陽一くんとの寿司勝負で私と引き分けたのは実質中江くんの“目利き”。
この勝負は小手先の工夫ではない。本物の“目利き”のみが勝敗を分けるのだ。
不服かね?ならばあえて言おう・・・!陽一くん・・・!キミの料理は・・・
油ギットギトでしつっこいのだよ。つまり、言うなればデブの作るデブ好みの
脂ぎった料理というわけだ。わかるね?」
雷に打たれたような顔で凍りつく陽一。
「どんよくに肉汁ばかりを追い求め、工夫といえば肉汁・肉汁・肉汁・・・!
そんなものが果たして料理と呼べるだろうか?」
「ハッ!?そう言えば俺もまたデブ・・・!」
驚愕の事実に気付く丸井。
「あと、こんな大舞台でふりかけだのインスタントコーヒーだの使われたらさー。
見てるだけでもちょっち恥ずいしー。」
軽い口調で言いたい放題の味皇にうっすらと涙を浮かべながら去りゆく陽一。
そして・・・味皇の言葉通り、中江兵太はまさに神に選ばれた者の目利きで
最上のネタを選び・・・普通に寿司を握り・・・普通に勝利した。
一馬に続き本物の天才少年料理人の出現に負けた海原雄山も大満足。
そのころ泣きながら走り去っていった陽一は、心の傷を癒すべく
日本唯一の出張料理人、久島建夫の元へと向かっていた。
2番勝負は味皇料理界が制し、一勝一敗。勝負は怒涛の最終戦へと続く・・・!
― 6 ―
凄絶な一番勝負の余韻さめやらぬうちに、二番勝負のお題が発表される。
「2番勝負!お題は・・・寿司です!」
ザワリ・・・やはり観衆がどよめき、お題の意図を探るべく熱く語り出す。
「寿司といえば、言うまでもなく、最も重要なのは熟練の寿司職人の技術!」
「しかし、それは、お題を掲示した主催者側も審査員も重々承知のことだろう。」
「しかし、味皇料理界・美食倶楽部ともに専門の寿司職人は在籍していないはずだぞ・・・」
「となると、これは・・・・」
「ネタの斬新さ、奇抜さを競う創作寿司 ”工夫” 対決か!!」
観衆の視線がある方向を指し示す。
スポットライトの中、先の堺一馬と同じように腕を組み不敵に笑う少年の姿。
うれしそうに丸井が叫ぶ。
「 ”工夫” そして寿司といえば、味皇様との寿司勝負に見事引き分けた陽一じゃい!
ついに出番だな! “ミスター味っ子” !」
しかし、会場の空気を断ち切るかのごとくおもむろに味皇が言葉を発す。
「いや、この勝負。味皇料理界代表は“素材の魔術師”中江兵太とする!!」
「え?オレですか?」
「なにいぃい!? “工夫”と言えばミスター味っ子じゃねーのかよ!?」
味皇の一言にギャラリーからも不満の声があがり陽一たちもまた狼狽を隠せない。
「な、なんでオレじゃダメなんだよ。」
「味皇様、確かに中江くんは陽一をも超える実力者ですが・・・」
味皇は答える。
「理由がわからないかね。」
675 :
作者の都合により名無しです:04/04/20 18:15 ID:0XH1OxRX
>>672-673 うみにん氏乙。最近ハイペースで発表されてうれしい限り。
確かに中江は最強だった気がする。ガキ料理人の中で。
ところで出来れば>>○○みたいな感じで、前回までの分へ
すぐ飛べるようにしてくれませんか?
その方が前回分を読み返しやすいし、他の作品群と区別しやすいし、
674みたいなコピペにも迷惑掛けられずにすむから。
出来れば、他の職人さんたちもお願いします。
盛り上がってると荒らしたくなるからあまり騒がないほうがいいですよ。
俺たちって、そんなにSSスレを熱心に読んでるわけじゃないから。
だいたい住民のレスの中に「最近盛り上がってきたね」とか書いてあったら
チャンスだなとか思うわけですよ。だから過疎ってても盛り上がってても
騒がないほうがいいですよw
677 :
うみにん:04/04/20 18:45 ID:rjTUz51f
>>675 すみません。
>>672-673 は
>>619-621 の続きです。
完結編ももうできてるので週末までには投下します。
ドラの方が思ったより長くなりそうで、いつ終わるか見当もつかないや。
予定ではとっくに通過してるはずのところに今だ辿り着いてない状況。ウヒー
>>うみにん
ドラえもん出来過ぎもお前が書いてんの?
>>678 きづいてなかったの?漏れはうみにんが書いているとわかってたぞ
長編・短編・リレーバトルとうみにん氏頑張るな。
久し振りにここまでSS魂を持った職人を見た。
野比家で世話になっている居候、ドラえもん。
のび太の部屋でドラ焼きを頬張りながら、漫画を読んでいる。彼の日課である。
「ドラえも〜ん!」
甲高く響き渡るのび太の叫び声。これも日課の一つだ。
「やれやれ、またか……」
ドラえもんは漫画を置き、お茶をすすると、すぐに待ち受け準備に入った。
部屋に息を切らして飛び込んでくるのび太。いつもとは少し様子が違う。
「ぼ、ぼ、ぼ、ぼく、いいこと考えちゃった!」
「なんだい?」
少しいやな予感がした。のび太は悪い意味で常識の枠内で括れない人間だ。
そのため、例え本人が「いいこと」と言っていても、本当にそうとは限らないのだ。
「これ見てよ!」
のび太はランドセルからティッシュペーパーで厚く包まれた何かを差し出した。
訝しげな顔をしつつ、ドラえもんは丸い手でペーパーを外した。
うんこだった。予想外の汚物登場に、思わず身をのけぞらせるドラえもん。
新手の嫌がらせかとも思ったが、のび太の顔は真剣そのものである。
「なに考えてるんだ! こんなもの持ってきたりして!」
「ふっふっふ。ドラえもん、タイムふろしき出してよ」
のび太の真意を読みかねたドラえもんは、素直にタイムふろしきを取り出した。
「こんなもの、どうするんだよ?」
「こうするのさ」
のび太はうんこにタイムふろしきを被せた。唖然とするドラえもん。
数秒間経ち、ふろしきを外す。すると、そこには数枚の食パンが現れた。
「こ、これは……!」
「ね、すごいだろう? これはぼくが今朝食べたパンだよ」
ドラえもんは今朝、のび太が食パンを食べたことを知っている。
のび太の意図はどうやらここにあった。つまり、一度食べた物の復活である。
「こうすれば、いくらでも好きな物を食べられるよ!」
「……あのねぇ、のび太君」
ため息をつきながら、ドラえもんは諭すように言った。
「さっきまでうんこだった物を、君は食べられるのかい?」
「えっ」
「確かにそれは食パンだけど、さっきまではうんこだったんだよ?」
「うぅ……!」
冷静になって考えてみると、確かにそうだ。
この食パンを見ると、どうしても茶色く異臭を放つあの物体を連想してしまう。
例え品質には何の問題もなくとも、これまで培ってきた道徳観が邪魔をするのだ。
うんこから変化した食物など食べられるものか、と。
「や、やっぱりダメかぁ……」
よくよく話を聞いてみると、今日学校の授業で消化器官について習ったそうだ。
そこで、のび太は思いついた。元々は食物だったうんこを、再利用する方法を。
「いいアイディアだと思ったんだけどなぁ……」
珍しく名案を編み出したと思い込んでいたのび太。
普段が普段のため、その全てを否定されたショックは大きい。
「あーあ、ぼくってつくづくダメだなぁ」
首をだらりと下げ、うな垂れるのび太。そんな彼の肩に、ドラえもんはそっと手を置く。
「そんなことないよ」
「で、でも……」
「確かに失敗だったけど、自分で考えて行動したそのチャレンジ精神は立派だよ。
それに、食べ物を大切にしようという心を持っている君は、決してダメなんかじゃないよ」
ドラえもんの励ましに反応し、顔を上げるのび太。そして、二人は熱い握手をかわす。
そんな彼らの友情を祝福するように、窓の外からさわやかな風が舞い込む。
そよ風によって吹かれたタイムふろしきは、放置してあった食パンにそっとかぶさった。
やがて、部屋にはあの忌まわしい悪臭が……。
「うえっ! なんだろ、この臭い!?」
「さっきのうんこだよ! ちゃんとパンを片付けないから!」
「ふろしきを片付けなかったのは、ドラえもんだろ!」
「何でぼくのせいにするんだよ、君があんなこと思いつかなければ……」
「きみこそ、立派だって言ったじゃないか!」
「そんなの、ウソに決まってるだろ!」
こうなれば、罵り合いが取っ組み合いに変わるのは時間の問題である。
やはり、こうなってしまうのか。いや、この方が二人らしいのかもしれない。
うんこSSは純粋に好きです。永遠のテーマですし。
ドラえもんも「ナウマンゾウのウンコ」発言をしてるので、あながち無関係ではありません。
サナダムシさんはいつも素晴らしいSSを書く
>684
ギリギリOKのレベルかな。
>味皇料理界vs美食倶楽部
確かに味っ子の料理は、脂っこいのばかりだったなあ。
何かのフライ勝負の時、御飯までフライにしてたっけ。
当時はあれでも旨そうに思えたが・・
サナダムシ氏乙。
あなたは真・うんこ氏とはどんな関係なのですか?
うんこSS好きの私としては非常に気になる所であります。
桜の季節はとうに過ぎた。緑の葉っぱが生い茂る四月半ばの桜の木の下で、
ヤムチャはゴザと弁当箱を地面に落としてガックリと膝をついた。
「オレの……オレの桜が……」
「ヤムチャ様、お花見がしたいんだったらもっと早く言って下さいよ。そんな
ノンビリした性格だから、彼女を宇宙人ふぜいに寝取られちゃうんですよ」
傷心のヤムチャを労わるように、召使いのプーアルが慰めの言葉をかけた。
「うっさいボケ! 桜は今が満開だなんて大見得切ったのはテメーだろ! 化
け物猫の分際でご主人様の恋路に口出しすんな!」
「信じる貴様がアホなんじゃ! 引きこもってばっかいっから世の中の流れに
置いてかれるんだよ! 葉っぱがついてるだけ有難いと思っとけや!」
ヤムチャは決して引きこもっている訳ではないが、いちいち反論している場
合ではない。愛情たっぷりの自作弁当を無駄にしないためにも、なんとしても
花見を決行しなければならない。
「よし、桜の花を探しにいくぞ!」
「かしこまりました! ヤムチャ様、ボクに任せて下さい!」
自信満々のプーアルに案内されて、ヤムチャはマクドナルドにやって来た。
「おい。マクドナルドに桜なんか咲いてるのか?」
「金を払えば売ってくれるかもしんねーだろが。いいから聞いてこいや」
コロコロと口調の変わるプーアルに促されて、ヤムチャはカウンターに歩い
て行った。
「いらっしゃいませ!」
筋金入りの営業スマイルで応対する女性店員に大いばりで注文した。
「桜の花を売れや」
「え?」
「はいダメー!」
ヤムチャのかめはめ波がマクドナルドの厨房を吹き飛ばした! ポテトとハ
ンバーガーと店員の血しぶきが宙を舞い、大輪の花となって店内いっぱいに咲
き誇った。しかしその中に桜の花はなかった。
「やっぱり売ってなかったじゃねーか。他の店行くぞ」
「へーい」
ヤムチャとプーアルは店を出た。次は交番を訪れた。
「やっぱ、困った時はポリス頼みだよな」
「そうですよヤムチャ様。ポリスに聞けば、なーんだって答えてくれるんです
から。知らないなんてふざけた事ぬかしたら死刑ですよ」
「死刑執行はお前に任せたぞ。おーい! ポリス出て来ーい!」
交番の引き戸を激しくノックすると、中年のポリスが顔を出した。タップダ
ンスの練習をしていたようで、靴の裏にスプーンをくくりつけている。相当暇
を持て余しているようだ。
「あん? 何か用か?」
「こ、これは!」
ヤムチャはポリスを突き飛ばして、奥の机に駆け寄った。机の上には警察手
帳が無造作に置かれていた。手帳の表紙には、言わずと知れた桜の代紋が燦然
と輝いていた。
ここで解説しよう。一般に『桜の代紋』と呼ばれている警察のシンボルマー
クは、実は桜をデザインしたものではないんだ。正しくは『朝日影』といって
東天に昇るかげりのない朝日の清らかな光を表しているのさ。元々は陸軍のシ
ンボルマークだったんだけど、昭和23年に警察の正章として採用されたんだよ。
みんな、勉強になったかな?
「知るかボケー!」
余計なお世話だとばかりに、ヤムチャは全身からエネルギー波を放出した。
交番の屋根から火柱があがり、机と一緒に巻き上げられたポリスのスプーンが
青空にきらめいて、官憲の威光を万民に知らしめた。
「やっぱり桜の花なんて咲いてないんじゃないか?」
「ヤムチャ様、あきらめたらいけませんよ! とりあえず、あそこで作戦会議
を練りましょうよ」
プーアルは交番の向かいのビルを指さした。ビルの屋上には半円形のドーム
がしつらえてあった。
「何だありゃ?」
「プラネタリウムですよ! さあ、都会の天体観測としゃれこみましょう!」
男二人でプラネタリウムに入った。照明が落ちて漆黒の闇となったドーム内
に、満天の星が投影された。プラネタリウムの奏でる銀河のシンフォニーは、
見る者すべてを幻想と森厳の世界へ誘うのであった。
「キレイだなあ」
「そうですね、キレイですねえ」
「だけど、これは桜の花じゃなくて、ただの星もどきなんだよな」
「そうですね、ただの星もどきですねえ」
「ドーン!」
ヤムチャの操気弾がドームの天井を貫いた! 凶気の彗星によって無数に開
いた天井の穴から太陽の光が差し込んで、ドーム内の様子が明らかになった。
周りのカップル全員、素っ裸で青姦プレイの真っ最中であった。
「お前らもドーン!」
最大出力のかめはめ波をぶっ放した。星屑になったカップル軍団に中指を立
てて、ヤムチャとプーアルは悄然として表に出た。
日曜日の繁華街は、うら若き少年少女や家族連れでごった返している。どい
つもこいつも心から幸せそうな顔をしてやがる。ヤムチャの胸に、どす黒い嫉
妬の炎が燃え上がった。
「うおー! もう桜と名がつけば何だっていいんじゃー! 花見すっぞー!」
ヤムチャは歩行者天国のど真ん中に屋台を出して、炭火を起こしてウナギを
焼いてウチワで猛烈にあおいだ。
「童貞の男はいねがー!」
ウナギの匂いにつられて、大量のチェリーボーイが集まってきた。続いて、
先ほどのポリスから失敬してきた警察手帳も炭火であぶり始めた。
「お巡りさーん! 警察手帳が大ピンチでーす!」
スプーンの金属音を響かせて、大量のポリスがやって来た。全員タップダン
スの練習中だったらしい。ヤムチャはさらにポケットからハンバーガーを取り
出して、地面に叩きつけて足で何度も踏みつけた。
「うえーん! おいしいおいしいハンバーガーを落っことしちゃったよー!」
お客様の悲痛な叫びを聞きつけて、日本中のドナルドが空を飛んでやって来
た。ドナルドは桜とはさして関係がないが、原色バリバリのカラーリングが何
となく春っぽいので一応呼んでみた。
チェリーボーイ、桜の代紋、ドナルド。春を彩るオールキャストに囲まれて、
ヤムチャとプーアルのお花見が始まった。アスファルトの道路にシートを敷い
て、紙コップにビールを注いで弁当の包みを解いた。
「いただきまーす!」
うららかな春の陽射しの下、ヤムチャとプーアルは嬉しそうに微笑みあって
時期はずれの桜を眺めやった。
なんかあんまりキレイじゃなかった。
弁当もあんまりウマくなかった。
乙。
VSさんですね?
漢の体臭むせ返る中では、さぞマズイ弁当だったでしょうね。
麻雀は一時休止ですか?
もはやヤムスレの存在意義がないと言うことを暗示したすばらしい作品
拳王伝もヤムチャだしなあ。
合併せずともヤムチャSS増えまくりそうな勢いだ。
なんでバレはサナダムシ氏のSSを保管しないの?
697 :
作者の都合により名無しです:04/04/21 18:24 ID:TUJos+1d
VSさん乙。VSさんの短編はヤクバレといい
昔のVSシリーズといい俊くんシリーズといい、みんな大好きだ。
でもヤムチャはネタにし易そうだな。俺も書いてみようかな。
いっそ専用スレが出来ればいいのにね。でも別にここがあるからいいか。
697は釣リなのか。
699 :
作者の都合により名無しです:04/04/21 23:05 ID:WBu618xQ
普通に釣りだろう。
ま、ヤムチャだろうがドラゴンボールネタだろうがここに書きたい人は書けばいい。
俺はここだろうがヤムスレだろうが作品読めれば構わない。
VS氏おつ。おもろかった。でも麻雀の続きはァ?
700 :
作者の都合により名無しです:04/04/22 07:55 ID:aIOFERIN
700げと
早朝あげ
4万ヒットおめでとう。
>>699 職人もスレを選ぶ権利はあるからな。
過疎ってるスレよりもこっちで書いたほうが反応もいいし、やりがいがあるだろう。
702 :
作者の都合により名無しです:04/04/22 18:14 ID:+C+bpz0g
クリリンと18号の短編を書いています。
でもSS童貞なので、お見せするのが怖い。完成したらよく考えてみます。
うぷするかどうか分かりませんが、上げたら生温かい目でお願いします。
いいんじゃないかな。
つーか18号クリリン好きなので。ぜひともキボン。
704 :
ふら〜り:04/04/22 18:30 ID:2qSHZtxc
>>サナダムシさん
「対決」
誰しも体験がある、ですか。確かにそうでしょうなぁ。というか、ない人は幸せ。羨ましい。
にしても臨場感のある作品ですね。あんなことこんなことを思い出してしまいました……。
「のび太の思いつき」
こういうリサイクル話は、マジメなSF関係の小説あるいは考証本などで何度か見たことが
ありますが。タイムふろしきだと、一瞬ですからねぇ。生前の面影が強すぎますな、やはり。
そういえば昔、究極の選択ってのがありましたね。カレー味の……
>>638のバビルさん
確かに、彼は感じたでしょうね。こうなったらいっそ、戦って欲しいところですな。超能力少年
&三つのしもべ対地上最強の生物。時間経過は無視して、ヨミもとりあえず無視して。
>>うみにんさん
読んでて気付いて、感想で書こうと思ってたことを作中で言われてしまいました。いつも大長編
では殆ど出てこない出来杉君が参加してると、こうなるんですねえ。でも出来杉君みたいな子に、
ガキ大将が一目置く、というのはなかなか微笑ましい。……古き良き時代の子供たち、です。
短編と長編の同時進行、お見事です。「いつ終わるか見当もつかない」とは心強いお言葉です♪
それと。単純に「読んでて感じる美味しそうっぷり」だけを比べれば、美味しんぼよりは
味っ子の方がだいぶ上です。私としては。バキのおじややステーキや刺身なんかも相当ですが。
>>VSさん(?)
なまはげなヤムチャよりも、口調が変わるプーアルよりも、「愛情たっぷりの自作弁当」が
何だか心に染みます。しかもうまくないし。さすがヤムチャ。ウナギはどーした。
>>702の18号さん
私も
>>703さんと同じく、あのカップルは好きなので、楽しみにしてますよ〜。
>>702 頑張って書き上げてください。
ひょっとしたら、スレ始まって以来の恋愛SSになるかも。
706 :
作者の都合により名無しです:04/04/22 18:56 ID:fXYOIGQh
過去に祭られた自作自演バカおばさんが
誰もいなくなったとおもい、こっそり弁解するも
すぐに見つかり再び大暴れ中
「電話で話したい」発言まで飛び出す展開
42番のレスで「そもそもこのスレの趣旨自体語る事が間違っている」と発言しておいて
自分が叩かれ、立場を悪くすると「134番のレスで「スレタイのテーマについて話そうよ」と呼び掛けるミラクルオバサン
http://life3.2ch.net/test/read.cgi/female/1080442734/ 名前欄「42」ID:sjK63Hp/
一部紹介するとこんな感じ。続きをお楽しみになりたい人はGO
225 名前:42 投稿日:04/04/22 18:44 ID:sjK63Hp/
自分で自分が馬鹿なのかってわからなくない?
235 名前:42 投稿日:04/04/22 18:54 ID:sjK63Hp/
まあいいやー、わたしは全然間違ったこと言ってないし。
ドラえもん のび太の地底出来杉帝国の続き。
前回最終話は
>>654です。(第一話は
>>446〜)
708 :
702:04/04/22 18:59 ID:+C+bpz0g
ありがとうございます。でも3レスくらいの短い作品です…
土曜アップを目標に頑張ります。
うみにんさん、割り込み失礼。
楽しみにしてますので頑張って下さい。
「”パーマン”っていったい・・・?」
モニターからは目を離さずそのまま出来杉の話を聞く一同。
「ネッシーとか雪男とかの話は聞いたことあるだろ?
それほど昔の話でもないのに既に伝説と化している生物たち。
それと同じように裏の世界では有名な都市伝説さ。
ただし、ネッシーやなんかとは違ってかなり信憑性は高いとされている!」
「そいつらって凄いの?」
「なんでも普段は通常の人間と同じくらいの能力らしい。
だけど、“パーマンセット”を身につけると・・・
そのスピード・パワー・身体能力の全てが、6666倍にも高まるんだとか・・・!」
『 6666倍!? 』
あまりの数値に思わず飛び跳ねるドラたち。
「そ、そんなむちゃくちゃな。そんなやつが敵に加わってるんだとしたら・・・。」
「勝ち目なんてあるわけないじゃん!?」
とたんに弱気になる一同に、さらに追い討ちをかけるような出来杉の発言。
「まだ彼が本当にその伝説の“パーマン“なのかどうかはわからない。
だが・・・・あの恰好は確かに文献で読んだ通りなんだ。恐らく、かなりの確率で・・・
彼は伝説の“パーマン“のうちの一人・・・!」
「だけど一番恐ろしいのは、“パーマン”が一人とは限らないということ。
そして・・・こいつがこの7人の中で特別なのではなく、7人全員が
伝説の“パーマン”と同等の力を持っている可能性も考えられること。」
冷静に話す出来杉だが、その顔面からは無数の冷や汗が滴り落ちている。
凍りつくドラたち。
「あの女のコ、かっわいいなあ。ボクの好みだ。」
デレデレと舌を出しながら呑気なことを呟いてみんなにしばかれるのび太。
が、確かに7人の中になぜか奇抜なヘアスタイルの女のコが混じっている。
そして、モニターの中では仮面の男 “ロード・キスギー” が竜騎士たちへと
なにかを語りかけ始めた。
「紹介しよう。地上世界からはるばるやって来てくれた勇者七名を!」
知っての通り。彼らは地上世界を離れ、我々の地底帝国の一員となった。」
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
怒号のような歓声。そして拍手。
モニター前のドラたち。
「みんな!聞いたか?やっぱりあいつら裏切ったんだ!」
「あの口ぶりだと、やはり地上を敵視しているようだ。
やつらの目的はやっぱり再び地上との戦争なんだろうか・・。」
歓声と拍手がおさまりキスギーが言葉を続ける。
「彼らのずば抜けた能力はわたしが保証する。そこで・・・・
本日をもって彼らを我が地底帝国竜騎兵団の将軍職に任命する!!」
ザワリ・・・ 一瞬の沈黙のあとざわめきが広がる。
竜騎兵団と呼ばれた竜騎士の軍団。その中でも部隊長(ここでは将軍と
呼ばれているらしい)と思われる竜騎士の一人が抗議の声をあげる。
「恐れながら ロード・キスギー様! その者たち確かに一流の武人なので
ありましょう。しかし、彼らはあくまでも敵である地上の者。いつ、また裏切る
やもしれません!昨日今日やって来た地上人に突然、将軍職を与えるという
ロードの処置には承服致しかねます!」
抗議の声を聞いたロード・キスギー。しかし、それもまた予定通りと言わんばかりに・・・
「ふ・・・・。その抗議、しごくまっとうなもの。そなたに限らず納得いく者など
一人もおるまい・・。ふふふ・・・そこでだ!」
不気味に含み笑いをしながら一瞬間を置くキスギー。
「今からこの七名とそなたの指揮する竜虎部隊とで決闘を行うというのはどうかな?
彼らが勝てば将軍職につくことを認める。そなたらが勝てば認めない。
わかりやすくて良いだろう。」
(・・・キスギー様はもしや、こやつらに騙されているのでは・・・?真相はわからぬが・・・
国家の憂いをなくすにはここで決闘に乗じて殺してしまうが良策やもしれんな・・・)
しばしの沈黙。やがて将軍は口を開いた。
「・・・・わかりました。ならばこの国のため戦いましょう。地上の者たちよ!
この戦いで死ねば、そなたらの力その程度のものであったということでよろしいか?」
「かまわねぇぜ。」
七人の中からズズイと歩み出る者が一人。げんごろうだ。
「こっちはオレ一人で十分だ。そいつら全員でかかってきなよ。
部隊の一つや二つわけなく潰してやるぜ!」
「馬鹿な!たった7人の地上人ごときを相手に軍隊など不用!
我等が精鋭7騎で蹴散らしてくれるわ!」
モニター前のジャイアンの目がつりあがり髪の毛がわずかに逆立つ!
「・・・げんごろう!!」
「おい!ジャイアン!落ちついてくれ!頼む!」
今にも爆発して飛び出してしまいそうなジャイアンを必死に止めるドラたち。
必死にジャイアンを抑えつける間にも竜虎部隊の精鋭七騎と七人の地上人は対峙する。
不敵な笑みを浮かべながら一人歩み出るは
“素手で鋼の土管を砕く男” げんこつ げんごろう!
― 誰よりも強く・・・・! ただ強く!! ―
「な、なな、なんだこいつ!?」
「素手で人を紙くずみてぇに引き千切ってやがる・・・!」
「あれと戦う? ボクは絶対ごめんだね。」
竜虎部隊精鋭、その名に恥じず全員かなりの体格を誇っている。
おそらくは相当な実力なのであろう。しかし、その全員が・・・
その実力を垣間見せることなく、げんごろう たった一人に次々と打ち倒されていく・・・!
その四肢を無残に・・・引き千切られて・・・
「あの野郎、絶対ゆるさねぇ!!」
突然、顔を真っ赤にし、タケコプターを頭に飛び出していくジャイアン!
「あ〜っ!? バカジャイアン!!」
「クッ!先に秘密道具を分配したのが裏目に出たか!」
>>672-673の続き。これで完結です。
>>702さん、ありがとうございます。その二人は
ドラゴンボールの中でピッコロさんの次に好きな二人です。
楽しみにお待ちしています。
― 6 ―
最終戦。両陣営の代表は既に決まっている。
味皇料理界代表! “味皇” 村田源二郎 !
美食倶楽部代表! ”美食王” 海原雄山 !
他者を寄せ付けぬ圧倒的なオーラ。荘厳なる威圧感。
料理界の両巨頭、その神技が今まさにベールを脱ぐ予感!
料理界の超一流が集ったこの会場は今、
誰一人たったひとつの瞬きさえ許されない神の御前と化した。
「・・・この二人の対決にもはや、お題などというチンケなものは必要ないでしょう!
それぞれ、ありとあらゆる食材の中から最高の素材で!最高の料理を!
創りあげていただきましょう!!」
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
観衆の興奮がピークに達する!
着物を豪快にモロ肌脱ぎに脱ぎ去り、その鍛えぬかれた上半身を露にする
海原雄山。無数の傷跡がそのくぐり抜けてきた修羅場を物語る。
同じく着物を脱ぎ去り、やはり戦闘スタイルとも呼べるコスチュームに身を包む
“味皇” 村田源二郎。一瞬にしてフェンシングのような全身タイツ姿に変貌する。
見守る一同。
この二人の姿、等身大に見えていたものは果たして何人いたのであろうか。
発される凄まじい気迫に、二人の姿が巨大な化け物のように思える。
「味皇・・・雄山・・・・でかい・・! なんて巨大な・・・・・!!」
山岡司郎がかろうじて発したその言葉を合図にするかのように・・・
最後の・・・そして宿命の対決の火蓋は切って落とされた!
― 7 ―
「良三!まな板にハモを用意しろ!」
「はい!」
「だぼーれっぷーけん!」
おもむろに振り上げた雄山の右腕が空を切り裂き、
蒼き風の波動がまな板、いや厨房ごとハモを切り裂く!
その衝撃の余波がそのまま味皇に襲いかかる!
「危ない!味皇様!」 丸井シェフが叫ぶ!
しかし、それを片手で受け止め、無言で握りつぶす味皇!
その頬にかすかに切り傷が浮かび、味皇はニヤリと笑う。
「ふ・・・この私に傷を負わすとは・・・・なかなかやるな・・・海原雄山!!」
その周囲には飛び散った波動の流れ弾を食らう者たち!
“皇帝陛下の料理番” 劉虎峰!負傷!老師!死亡!
「垂目!松茸を焼くぞ!」
「はい!」
「ふははは!ぶりっつぼぉ〜!ぶりっつぼぉ〜!!」
その両の腕から球状の炎の塊を連発して打ち出す味皇。
「仕上げだ!そぉ〜れ♪ 超!必殺!忍蜂〜〜〜!♪」
自らも炎を身に纏い、松茸を見事な火加減で焼き上げつつ
そのまま雄山へと体当たりをかます!
「ふふ・・貴様こそあいかわらずの技のキレ・・・!」
やはり余裕の笑みを返す雄山の傍ら、飛び散った炎の渦に巻き込まれ…
“東西新聞社主”大原さん!重症!食通、ハゲの京極さん!火葬!
「上段当て身投げ!」「なんの!投げ回避!」「ドリル!」
「レイジング・ストーム!!」「超火炎旋風棍!」
「鳳凰脚!」「パワー・ゲイザー!」
「・・・ッ!」「・・・ッ!」
「・・ッ!」「・・ッ!」
― エピローグ ―
人知を超えた戦いは三日三晩続き、あたりは焦土と化した・・・・
そして、二人は死傷者10数名、及び公民館破壊の罪で逮捕された。
そして・・・
「なんだこの料理は!? 私を誰だと思っている!?
ここでは、こんな料理の基本も知らぬやつを雇っているのか!!」
「うるさい。黙って食え。」
鉄格子の向こうの警官が冷たく答える。食事時間の度に
繰り返されるこのやりとりには、さすがにうんざりしている様子だ。
遠い目をした雄山が臭い飯食いながら味皇に語りかける。。
なぜか二人とも体操座りだ。
「味皇よ・・・。ちょっと・・・調子乗り過ぎちゃったね。」
「うん。そうだね。」
そのころ・・・
久島建夫のたくましい腕に抱かれ穏やかに眠る”ミスター味っ子”味吉陽一。
その微笑を浮かべた満足そうな寝顔には、しかしうっすらと涙のあと。
Good night ! 陽一!
味皇料理界vs美食倶楽部 完
716 :
うみにん:04/04/22 19:30 ID:XudoGJH7
>>704 ふら〜りさん、いつも感想ありがとうございます。
バキスレの過去のSSをまだ読んでないのでこないだまとめサイトで
タイトルに惹かれるままに短編をいくつか読ませてもらいましたが
誰かギース・ハワードvs勇次郎なんて書いてないかなぁ。
などと思いながらふら〜りさんの「雑魚キャラ勇次郎」を読むとビンゴ!
ギースネタでした。しかも圧勝だったのでかなり嬉しかった。
かっこいいナイトメアギースのマジバトルも希望。w
717 :
作者の都合により名無しです:04/04/22 20:47 ID:ZQqmjHvf
>うみにん氏
お疲れ様です。最近エンジン全開ですな。
>702氏
おー楽しみにしてます。
このカップル好きなんだ、悟空×チチなんかよりずっと。
でも、プレッシャーに感じないでねw
うみにん氏のおかげでバキスレ盛り上がってきたなぁ。
まさに救世主。続き期待しています。
>702
ドラゴンボールSS好きなので楽しみにしています。
×来
○木
誰 と 打 つ ?
01:ケンシロウ
02:ISAMI組
03:
04:
05:
06:
07:
08:
09:
10:
11:
12:
ノースウエストに集まったカス共の品定めをするのび太の目の前を、一陣の
風が吹き抜けた。右から左へ、左から右へ。時おり激しい火花を散らしながら
風は雀荘内を所狭しと暴れ回る。
浅葱色の風が言葉を発した。
「死ねー!」
黄色い風がそれに応える。
「貴様こそ死ねー!」
風はISAMIとドラミであった。ISAMIの日本刀とドラミのビームサーベルが光
芒を描いて交錯し、攻守が目まぐるしく逆転する。雀荘のマナーもへったくれ
もなく死闘を繰り広げる二人を、ドラえもんとのび太は実に面白そうに眺めて
いた。アカギは麻雀さえ打てればそれでいいので、誰が何をしていようと別に
興味はない。
「あのオッサン、麻雀打てるのかな?」
「さあね。本人に聞いてみたら?」
ドラえもんものび太も、ISAMIとはこれが初対面である。ドラミに怨み骨髄
であることは察しがついたが、麻雀の実力は依然として未知数のままだ。のび
太はISAMIへのアプローチを試みた。
「オッサーン。ボクら今から麻雀打つんだけど、一緒にやるー?」
「うおー!」
ISAMIは全然聞いていない。ドラミに対して一心不乱に刀を打ち込んでいる。
「うおーだって。ここが雀荘だってことも理解してないんじゃないか?」
「何か投げつけてみたら、危険を察知して反応するんじゃない? 刀持ってる
んだし」
「そうだね。よいしょっと」
ドラえもんはポケットから特大のピザを取り出して、ISAMI目がけてぶん投
げた。トマトとチーズの素敵なハーモニーが、ISAMIの背後から襲いかかる!
「攘夷じゃー!」
ISAMIは振り向きもしなかった。ピザは見事に命中し、溶けたチーズでISAMI
の後頭部にペッタリと貼りついた。ISAMIはピザなどお構いなしに、バカの一
つ覚えで日本刀をメチャクチャに振り回してドラミを追い回している。
「切れよ」
「食べやすい大きさにカットしろよ」
大事な夜食をムダにして不満タラタラのドラえもんとのび太の前にHAJIMEが
やって来て、アカギを含めた三人にチョンマゲ臭い頭を下げた。
一つエンディングを書いたら、後を続けるのがすっかり
面倒くさくなってしまいました。電車も社内もクソ暑いし。
自分を追い込むためにもさわりだけアップ。
>>ドラえもん
その気持ち良くわかります。何でも目的の場所まで来ると面倒になますよね。
一ファンとしては是非ともEDを書いて欲しいのでこれからも頑張ってください。
725 :
作者の都合により名無しです:04/04/23 07:59 ID:hdEF/+2u
>>702 おお、ぜひともお願い。エロエロでもラブラブでもいいんで。
>うみにんさん
ドラ盛り上がってきましたね。長編は大変でしょうけど、頑張って下さい。
>VSさん
や〜っときたw それにしてもマルチエンディングとは新趣向。
塾長か烈と打ちたいなあ。
727 :
うみにん:04/04/23 17:18 ID:aL9deDvC
ドラえもん のび太の地底出来杉帝国の続き。
前回最終話は
>>711です。(第一話は
>>446〜)
ドラたちがあわてふためいてる間にもジャイアンはスピードをあげ演習場へと近づいている!
「やいやい、げんごろう! それ以上の暴虐はこのジャイアン様がゆるさねえ!」
しばし、怪訝な顔のげんごろう。やがてニタアッと大きく口を歪め・・・
「・・・そうか、お前か。ようやく思い出したぞ。」
迫り来るジャイアンを冷静に見つめながらロード・キスギー。
「・・・・・・・・。ほぼ “予定通り” の時刻だな。だがやはり若干の誤差はある・・・か。」
「おもしれえ! また返り討ちにしてやるぜ!」
嬉々として迎え撃とうとするげんごろう。しかし、それを手で制す男。
緑ヘルメットの男である。
「ここは、わてにまかしなはれや! ロードはん。時給は奮発しとくんなはれよ!」
そのままふわりと中に舞いジャイアンを迎撃に向かう緑ヘルメット。
『あ――ーーーっ!?タケコプターもなしで飛んだ!?』
驚愕するドラ一行。
「あのマントだ! ”パーマン” は身につけたマントで自在に空を飛べるという!」
「じゃあ、やっぱりあいつは ”パーマン”!?」
「ジャイアンが危ない! え、え、援護射撃なにかないかなにかないかない!?」
「落ちつけ! どらえもん!」
「あった! 空気大砲ー!! ってあんなとこまで届かないよ!」
「のび太を飛ばせ!」
ドラたちが大砲にのび太をつめてる間、空中で対峙しているジャイアンと緑ヘルメット。
「そこをどけ! オレが用があんのはげんごろうだけだ!」
「そら、きけまへんな。わても時給がかかっとりますさかい。・・・・ムッ?」
緑ヘルメットの視線の向こう。ジャイアンの背後にキラリと光るものが見える。
ようやく空気大砲の砲身におさまったのび太が発射されたのだ。
『いけ――――――――っ! のび太! 砕け散れ―――――――っ!!』
「いいいいうひやぁあああああああああああ!?」
「ウヒー ウヒョ― ウハー」
緑ヘルメットの視線。ジャイアンの背後から迫り来る弾丸のような人影。
それは涙・鼻水・鼻血、様々な体液を撒き散らし奇妙な叫びを発しながら突っ込んでくる
メガネの少年の姿であった!
失神寸前ののび太が弾丸となって緑ヘルメットを襲う。
ガッシとそれを受け止める緑ヘルメットと笑うのび太。
「ウヒヒヒヒヒヒ・・・・」 のび太は完全に壊れている。
ベタア・・・。のび太の出した体液が衣服にはりつき緑ヘルメットが心底不快な顔を見せる。
「うわあ・・・。かなんなあ。ロードはん、クリーニング代も出してくれはるやろか。」
「でかした。のび太! そいつはまかせたぞ!」
「あっ?ちょっとまちなはれや、あんさん!! うわ、きちゃないあんさんも離しなはれ!」
緑ヘルメットがのび太の体液に手間取っている隙に、げんごろうへと向かうジャイアン。
そのときすでにタケコプターを身につけた出来杉とスネオはジャイアン救出に
飛び出していた。それぞれ武器を片手に猛スピードでジャイアンを追う!
「ああ――!?ジャイアン!?」
出来杉とスネオがようやく戦いの場に辿り着いたその時、
ジャイアンはすでに大地を血に染め倒れ伏していた。
「う・・うう・・・」
うめき声が聞こえる。かろうじて生きてはいるようだ。
が、絶望的な状況に変わりはない。
「ま、まずいぞ。これは!しずちゃん、必ず戻ってくるからそこで待ってて!!
みんな!今助けにいくぞ―――――っ!」
のび太たちの窮地に決死の覚悟で飛び出すドラえもん。
不安そうに見送るしずか。しかし、表情を引き締め武器を手に取り一人呟く・・・。
「みんな戦ってる・・・わたしも、自分の身は自分で守らなきゃ・・・!!」
「ジャ・・ジャイアン・・・ウッ?」
ドサリ・・・! ジャイアンに気をとられていたスネオが突然、その場に崩れ落ちる。
その背後にはピストルのような武器を抱え不気味に笑うズル木の姿。
「油断大敵・・・ってわけだよ。スネオくん。」
「ひ、卑怯だぞズル木くん!!」
声を荒らげ抗議する出来杉。しかし、その背後から別の人物の声。
「あなたは私が捕らえてあげる。」
「うっ? か、体が・・・動かない?」
7人のうちの一人、奇抜なヘアスタイルの少女が出来杉の動きを奪う。
が、少女は出来杉には指一本触れてはいない。
「・・・!? ちょ、超能力・・・・!?」
「ふふふ・・・。さあてどうかしら・・・」
クスクスと笑いながら続ける少女。
「あなたたちのことはロードから聞いてるわ。観念なさい。」
「・・・!? 知っている!? ボクらのことを・・・? なんで・・・ウッ・・・・?」
また違う誰かにゴルフクラブのようなもので殴られ気を失う出来杉。
ジャイアン・のび太・スネオ・出来杉・・・
飛び出した者たち全員があっという間に捕らえられてしまった・・・!
そのまま帝国のボスであるキスギーの元へと引きずられていく・・・!
「み、みんな・・・すまねぇ・・!オレのせいで・・・!」
意識を取り戻したジャイアンがあたりの状況に後悔と呵責に声を発す。
同じく緑ヘルメットに地上に連れ戻され、ようやく正気を取り戻したのび太。
「安心して・・・・ジャイアン。まだ・・・まだ・・・ドラえもんがいるよ。ドラえもん・・・・・!
ドラえもぉ〜〜〜ん!! なんとか・・・なんとかしてくれぇ〜〜〜〜〜っ!!」
絶望の叫びではない。信頼の叫び。希望の叫び。
ドラえもんならきっとなんとかしてくれる! のび太はそう信じきってきた。
「そうだな。・・・まだドラえもんがいる!」
「ドラえもんが・・・」
つられてニヤリと笑うジャイアンにスネオ。その瞳には希望の光が戻っている。
「なんだ?こいつらの目・・・。全く絶望してない、すかした目・・・・
この状況で・・・一体何にすがってやがるってんだ!? クソ面白くねえ!」
吐き捨てるげんごろう。腹いせにジャイアンの腹部を蹴り上げている。
「ごふっ・・・。ドラえ・・・もん・・・・!」
絶大な信頼。希望。全ての思いを込めてのび太たちが叫ぶ!
『ドラえもぉ〜〜ん! 助けてくれぇ〜!!』
刹那! その思いに答えるかのようにどこからともなく勇ましい効果音!
――― パッパラ♪ パッパ♪ パーッパパ―――ッ!♪ ―――
決死の形相で戦場へ飛び込んできたドラえもん!
その手に抱えたなにかをのび太たちに投げつける!
「のび太!ジャイアン!スネオ―――!!これを飲め―――――――――――っ!!」
732 :
作者の都合により名無しです:04/04/23 18:47 ID:uX/SbkNL
うみにん氏乙。これからも頑張ってくれよん。
>>702 そういえば俺もマロンの「クリリンと17号を妄想する」スレの住人だ。
あの金髪にキツイ目線、端正な顔立ち最高だよな。
そろそろ叩くとこ叩かない?いつまでも甘やかしておいても為にならないと思うんだけど。
実際、明らかに質が落ちてきてるし。手抜いてるの?
カラン・・・目の前に落ちてきたそれは小さなビンであった。
中になにかの液体が入っている。
窮地の三人はドラを信じて迷わずそれを一気に飲み干す。
すると・・・
「あ、あ、あ? うわあ――――――・・・!?」
ビクンッ!突如のび太たち3人の体が謎のオーラをまとって跳ねあがり
なにか見えない引力に導かれるように高速で引き合い、ぶつかり合う!
一瞬の光。視界をさえぎる粉塵の中、“それ”は姿を現す。
鍛えぬかれた蒼い筋肉。邪悪な闘気。6本の強靭な腕を持つ威容。
それらは地底帝国の猛者どもをもたじろがせるに十分であった。
そしてドラの解説が始まる。
「これがボクの切り札のひとつ“アシュラ・ドリンク”。
伝説の超人の名を借りて創られた22世紀のとっておきの高級ドリンクさ!!
3本セットで3人で飲めば・・・・・
合体して伝説の悪魔超人”アシュラマン”の力を得ることができるんだ!!」
“伝説の悪魔超人”その頭部。三つの顔がグルグルと周り自己紹介を始める。
『“のび太面”笑い! “スネオ面”冷血! “ジャイアン面”怒り!!』
3本の右腕を無造作に振り上げ・・・超高速でスウィングさせる!
『 たちゅまき じゅごくー!! 』
激しい叫びとともに生み出されたのは巨大な竜巻!
真空の渦が地底帝国の猛者どもを巻き込み、軒並み吹き飛ばす!
「おっと、かなんなぁ。なんやそれ?」
「なんだってのよ?いったい?」
宙を舞い竜巻を回避する緑ヘルメットと謎の少女。しかし、
空を飛べないげんごろうらは直撃をくらい、そのまま遠くに吹き飛ばされる!
『やった!!』
「アシュラ・ドリンクの効果はたったの1分!みんな逃げるぞ!!」
『おう!』
再び元の3人に戻ったのび太、ジャイアン、スネオ。
出来杉を加えた5人は、それぞれタケコプターで一目散に脱出を図る。
「追え・・・。」
冷静に緑ヘルメットら含む竜騎兵団に命令を下すロード・キスギー。
「ただし、わかっておるな・・・! “あの二人” だけは傷一つ負わすことは許さんぞ!!」
『ハッ!』
「わかってまんがな。ロードはん!」
竜騎兵団が、7人の地上人らがそれぞれドラたちの追撃を開始する。
そして・・・竜巻の直撃を受け遠くまで吹き飛ばされたげんごろう。
ガレキの中からムクリと起き上がり・・・屈辱にわなわなと体を振るわせながら・・・
「ちくしょう・・・ゆるさねぇ!絶対にゆるさねぇぞ!あいつらぁ―――!!」
必死に逃げるドラ一行。一人待っていたしずかを連れて
全速力でガムシャラに飛ばしている。竜騎兵団はさすがに追ってこれない。
そんな中、ただ一人遅れずについてくる緑ヘルメット。
そして、その後方からは少し遅れて戦闘機の大群が!
そのうち全員のタケコプターがオーバースピードに悲鳴をあげはじめる・・・。
「ド、ドド、ドラえもん・・・。タケコプターが・・・!」
プスプスと煙を出し始めたタケコプターを指差し各自、異常を訴える。
無言で首を振るドラえもん。
「こうなったらしょうがない。いったん地上に降りてバラバラに分散して逃げよう!
万一誰か捕まっても後で助けにいけばいい!全滅だけはなんとしても避けなきゃ!」
「くぅ――っ・・・結局それしかないのかよ。」
「でも一度捕まったら命の保障なんてないぞ!?」
「タケコプターもなしでどうやって逃げきるんだよ!?」
「ボクはこういう緊急時にうまく逃げれる道具はほとんど持ってないんだ!
みんな手持ちの秘密道具だけでなんとかしてくれ!」
なかばやけくそで叫ぶドラえもん。
「各自コンビを組め!!しずちゃんは出来杉くんと!
スネオはジャイアンと!のび太くんはボクと!それ!分散するぞ――――っ!」
「OK。しずちゃんはボクが守って見せる・・・!」
「神様・・・」 「パパ―!ママ―!」
「みんな泣くな!!こうなりゃヤケだ!せーの・・・・!」
『それ――――――っ!!』
意を決して分散して逃げる一行。
緑ヘルメットは出来杉・しずか組に狙いを定めたらしい。
他にはわき目もふらずにこの二人だけを追う。
「あんさんらが一番報酬がでかいからなぁ。このパーやん、絶対に逃しまへんでぇ〜!」
ジャイアンとスネオは手ごろな森を見つけその中に逃げ込む。
「わ――――ーっ!? なんでなんで!? なんでいつもボクだけ・・・!?」
無数の戦闘機部隊がなぜか一斉にのび太だけを目掛けて追ってくる。
部隊の後列には小型の戦艦までも・・・
「あ――っ!? のび太! 今助けに行くぞ!!」
ヒラリマントを手にのび太を追うドラえもん。しかし・・・
チュンッ・・・!戦闘機からの攻撃がのび太のほおをかすめ・・・・
「あっ!?ドラえもん!?」
ドラえもんに命中する!
声もあげずに落下していくドラえもん。
そして・・・背後から巨大な爆撃音!凄まじい衝撃!
のび太は意識を失い・・・そのまま地底の大地に向かってゆっくりと・・・落下していった・・・・。
.........................................................................................................................................................
738 :
作者の都合により名無しです:04/04/23 19:53 ID:uX/SbkNL
マジで凄いなあ、最近の怒涛の連投は。
うみにんさん、雑音とか気にしないで頑張ってね。
出張されるそうですが、気をつけて。
あー、また一気に投下してしまい申し訳ありません。
もう少しでようやく一区切りできそうです。
区切りというかようやくスタートラインというか。先は長い。ヒー
>>732 ありがとうございます。マタ―リ行きます。
>>733 手抜きじゃないですよ。いつもこんなもんです。
出木杉はでないの?
学生とかは時間がいっぱいあるからいっぱい書けていいなぁ
いや、別に叩いてるわけじゃないよ%
学生でも書く時間そうそうないよ
うらやましいよ
743 :
作者の都合により名無しです:04/04/24 14:17 ID:nFZz+Ij6
うみにんさんの最近の更新量は本当に凄いなあ。
内容も満足だ。出張頑張ってね。
>>737 一言言う。おめえはこのスレに書くな。
おめえのレスなんぞ待っているヤツはこの世にいねえが、
ここのSSを読んでいる人は沢山いる。
なにが悲しくてそんなレスをつけるのか知らんが、ここはおまえが来るスレでは無い。
いや、おまえの様な、クズレス書くだけの低い人間性のヤツが書き込めるスレはどこにも無い。
人を不快にするレスしか書き込めないならマジで読むだけにしとけ。カキコするな。
以後、知能と人間性の低いヤツのレスは無視をする。ま、小学生相手にしてもしょうがないね。
>>744 釣りなのか単なるレス番つけ間違いなのかは知らんが
事を荒立てるのはよしてくれ。
747 :
作者の都合により名無しです:04/04/24 23:18 ID:nFZz+Ij6
>>746 パオ先生が荒らしにキレた時の伝説のレスですなw
まだこれを持っている奴がいるとは。
うみにんさん、気にしないで頑張ってね。
今日は投下なしか。
日曜は来るかな。
>>702でクリリンと18号の物語を書くといった者です。
もし期待している人がいたらすみませんm(_ _)m
予定の半分くらいしか書けなくて…。
しかも文章も内容も恥ずかしいレベル。
でも頑張ってなんとか必ずうぷしますので…。
お目汚しになると思いますが、その際には宜しくお願いします。
SSって難しいですね……。
ゆっくりでもいいですよ。
頑張って下さい
>749
コテハンつけて気合十分のようですね。
最初は難しいかもしれませんが、頑張って下さい。
転生、殺介両名も復活を!
>>749 コテ犯までつけて気合い十分なのはわかるんですが。
こういう人に限って結局書かなかったり途中で辞めたりするんだよね。
ちゃんと書き終えてから色々言ってくださいね。
書けそうにもないなら書かないでいいですからね。
ここはそんなに気楽に書けるスレじゃないんで。気楽に書きたいなら
某ヤムチャスレに行ってくださいね%
別に途中でやめても何の問題もないよ。
書きたいなら書く、やる気がなくなったらやめる。
特に「やめます」なんていう必要もないので、まったく続ける気がなくても気軽に書いていってほしい。
>>752のことは気にしないでくださいね。
465 名前:マロン名無しさん 投稿日:04/04/25 00:59 ID:???
>>451 異聞録は
「。。。」と○○は言った。
「・・・\\...」と言った。
○○へ向かった。
と何か文章が単調なんだよな。本スレで言ったらキレてやめるから言わないけど。
>>749 つーか半分だけでも投下してくれよん。
続きはその後でゆっくりじっくり書けばいいじゃん。
結果、なんらかの理由で続き書けなくなって未完で終わっても
残念ではあるけどそれはそれで仕方ないし。
>>755 俗に言う「予防線を張る」というやつだな。
自信がないほどやる前にごちゃごちゃ言って精神的ダメージをなくす。
終わったあとにごちゃごちゃ言うのは主張したがり。
メロンパンよ!恐れるな!SSは勢いが大事だ!
757 :
ふら〜り:04/04/25 15:33 ID:1WgSXo1P
>>うみにんさん
本当に凄い更新速度ですね。でも、ゆっくりになったらなったで、読者としては楽しみが伸びる
というもの。ご無理の無いペースで、頑張って下さい。
「味皇vs美食」
そう来ましたか。他のはともかく、雄山の忍蜂だけは……想像しながら読んでたもので、
声と衣装が中途半端に重なって……ちょいとキましたよ。
「出来杉帝国」
そういえばタケコプター、しょっちゅうオーバーヒートだか燃料切れだかしますよねえ。
うみにんさんとこでも例に漏れなかった、と。所詮は安物子守りロボットの所持品か。あと、
アシュラドリンクの出番がこれだけなのは勿体ない。ぜひ再登場or別バージョンドリンクを。
>>VSさん
改めて
>>720を見ると、ドえらい分量……人数が多くて、それぞれが個性的で、そしてVSさんに
根性があるからできること、と思い知る気分です。暑さに負けず面倒臭さにも負けず、さすがです。
で。新撰組の知識に乏しい私としては、ISAMIと言われると現役大河ドラマの彼が思い浮かび
ます。彼が、ドラミのビームサーベルと斬り合ってる姿……なかなか、壮絶なものが。
>>メロンパンさん
宿題でも仕事でもないのですから、焦らず恐れず書いて下さい。そして、この場所で見せて下さい。
ゆっくりと、待っております。
タケコプターのプスンプスンは大長編のお約束だよね。
ないと寂しいくらいだ。
確か、ドラえもんの持つタケコプタ―は安物で、普通のタケコプタ―は四枚羽根なのに
ドラえもんのは二枚羽根しかないと、テレビで見た記憶がありますね。
メロンパンさんいい意味で適当に頑張ってね。期待あげ。
761 :
作者の都合により名無しです:04/04/28 07:50 ID:rEbYV7RQ
誰か来いよあげ
GW前ですし、皆忙しいのでしょうな。
それでも今夜こそは来てくれると期待。
763 :
左の拳:04/04/28 17:03 ID:5Fnbtk2u
生まれて初めての笑顔。少年がそれを見せたのは、この時だった。
敵対する組織との抗争で、反町と二人で数十人を叩きのめした後。二人は、顔を見合わせて、
ニィ……と笑いあったのだ。その至福の時に、少年の耳に聞こえていた音は、辺りに転がる
敵の呻き声だった。だから。
だから彼は、誰かの上げる呻き声が、好きになった。
そして少年は、大人になった。この薄汚れた繁華街で、恨みと怨嗟と大都会のノイズの中、
平穏な血塗れの日々が永遠に続くと信じて……山崎竜二、22歳。
大阪、キタの高級マンションの一室。ここに反町と、その舎弟にして居候の山崎が住んでいる。
反町の喧嘩空手を習得し、自己流のアレンジを加えた山崎の強さは、今や大阪を越えて全国に
響いている。暴力の世界に於いては「西の反町、東の花山」と謳われてきたが、山崎は既に
その反町を凌いでいる、とのもっぱらの評判である。
そんな山崎を反町は頼もしく思い、山崎は山崎で反町を兄とも父とも慕っているので(孤児だった
のを反町に拾われたので、もともと家族のようなもの)、未だに同居しているのである。
「じゃ、おやすみっす」
「おう」
真夜中。反町が寝室に入ったのを見届けて、山崎も自分の寝室に入った。
今、山崎は毎日幸せに暮らしている。今日も今日とていつものように、反町と共に拳を血に
染めまくった。骨の軋む音、筋の切れる音、みんな大好きだ。あぁ至福。楽しい楽しい。
……の、はずなのだが。山崎は、憮然とした顔で自分の左手の平を睨みつけて、言った。
「おい」
もちろん、返事はない。それでも山崎は、呼びかけ続けた。
「おい、って言ってんだろ。こら。……シカトしてんじゃねぇっ、ヒダリィ!」
すると。山崎の左手の中指の先に、目ん玉が出現した。同時に、手の平には可愛らしい唇が現れる。
そして左手全体から山崎の感覚が奪われ、そこに新たな、別個の感覚……いや「意識」が生まれた。
「んもぅ、りぅちゃんってば。こんな遅くになんなの? 夜更かしするとお肌が荒れちゃう」
推定年齢十五歳ぐらいの、いっそブキミなほどに可愛らしい女の子の声で、山崎の左手が喋った。
764 :
左の拳:04/04/28 17:04 ID:5Fnbtk2u
山崎は憤怒の表情でその左手と向かい合って、ドスを効かせた低い声で言う。
「一つ、いい加減その声やめろ。さぶいぼが出る。二つ、お肌の荒れを気にするという生活態度を
改めろ。俺はヤクザで、お前はその手だ。三つ、りぅちゃんて呼ぶな。どういうセンスしてやがる」
「それ全部、イ・ヤ・よ。あたしにはあたしの生活ってものがあるし、主義主張があるもん」
「てんめえぇえぇえぇえぇ……っ!」
山崎は、自分の左手相手に本気で怒っている。彼女(?)の名はヒダリィ、寄生生物である。
本来は山崎の脳を乗っ取る予定だったのだが、耳の穴から入りかけたところで引きずり出され、
死闘数分の末、結局左手に居つくことになったのである。もちろん山崎は嫌がりまくりだ。
「てめぇ、今日もさんざん勝手に動き回りやがっただろ! さっきの出入りの時に!」
「だって、りぅちゃんのカラダはあたしのカラダ。キズモノになったらヤだもん。正当防衛よ正当防衛」
「それが勝手だって言ってんだっ! どこの世界に傷をイヤがるヤクザがいるっ!? 第一、もし
お前のことが兄貴にバレたらどうするつもりだっ!」
こんこん、とドアがノックされて。兄貴、こと反町が入ってきた。
「どうかしたのか竜二。さっきから一人で、何を賑やかに騒いでる?」
「あ、兄貴っ」
慌てて山崎は、左手を後ろに隠す。
「な、なんでもないんす。ちょっとその、今日ブチのめした奴らについて、いろいろ考えてて。
いやぁ、弱かったなあと。あれでもヤクザかと。情けないぞと」
「? また妙なことを。だがまあ、お前と比べられるのは気の毒ってものだがな」
反町が軽く笑った。すると山崎は、でかい図体をちぢめて恐縮する。
「そんな、俺なんかまだまだですよ。兄貴には全然及びませんし」
「と言ってくれるのは有り難いがな。お前はもう、俺より強くなってる。特に、お前の左はいいな」
ぴきっ。山崎の顔が、引きつって硬直した。
「今日も、正直言って目を見張ったぞ。肘や手首の間接を無視して縦横無尽、長さまで伸びてた
みたいだった。まるで別の生き物……そう、左手だけ独立した生物だって言われても納得できる」
「あ、あはは。あはははは」
山崎、汗たらたら。
765 :
左の拳:04/04/28 17:05 ID:5Fnbtk2u
「そ、そんなこと、あるわけ、ないじゃないっすか」
「ははっ、当たり前だろ。そんなバケモノがいる訳ない。冗談だ、冗談。……じゃ、な」
ぽん、と山崎の肩を叩いて、反町は部屋を出て行った。
山崎は、力が抜けてぺたりとへたり込む。
「……ヒダリィ。頼むから死んでくれ。消えてくれ。この世からいなくなってくれ」
山崎の左手は、きっぱりと答える。
「イ・ヤ・よ。あたしにだって生きる権利はあるんだからね。大丈夫、りぅちゃんのことは
護ってあげるから。知ってるでしょ? あたし、強いんだから」
「お前なんかいなくたって俺は充分強いし、むしろお前がいるせいで、俺はデンジャラスな
生活を強いられてるんだが」
「そろそろお肌が荒れるから寝るわね。おやすみ、りぅちゃん♪」
「ってこら! いきなり話をブチ切るんじゃねえっっ!」
「寄生生物は合理的なのよ……くぅ」
「お、おい、こらっ!」
左手をぺちぺち叩く山崎。痛い。ヒダリィに奪われていた感覚が、戻ってきている。
どうやら、ヒダリィが熟睡したらしい。のび太なみの寝つきの良さである。
「こ、こ、このアマぁっ!」
歯軋りして悔しがる山崎。いっそ切り落としてやろうかと、何度思ったことであろう。
だがそれをやると自分が左手を失うことになるし、何より兄貴にどう説明できるというのか。
でも置いといたら置いといたで、いずれバレて兄貴にバケモノ呼ばわりされるかもだし。
「あぁ〜畜生っっ! 何で俺がこんな目に! 俺、なんかバチ当たるようなことしたかっ!?」
と悩み苦しむのが、ここ最近の山崎の日課であった。……まだ彼の日常は、平和であった。彼なりに。
766 :
ふら〜り:04/04/28 17:07 ID:5Fnbtk2u
夜勤明けに、久方ぶりの献上です。
山崎は一人でギース機関の支部(巨大暴力団の事務所)を潰しまくっており、反町はその師匠。
という訳で、花山と並び称したことはお許しを。
767 :
作者の都合により名無しです:04/04/28 17:11 ID:M0Lss8hh
乙。
でも元ネタ(反町とかのほう)がわからない。。。
>>627 あらすじ:教官を殺害して男塾を飛び出した伊達は、謎の男、雷電と出会う。
雷電が東京豪学連の参謀長であることを知った伊達は、その本拠地へ行く事にした。
―夢想(歪)―
向かってくる他の少年を殴り、怯んだ所を更に張り倒す。
傍にあった石を掴み、倒れた相手の頭部に叩きつける。動かなくなるまで、何度も。
伊達の心は極限の飢えが支配していた。
完全に動かなくなるのを待って、相手の懐から食料を奪い、噛り付く。飢えが満たされる。
胃が満ちると同時に、人間としての正常な感覚が戻る。
こみ上げる嘔吐感を必死で抑える。その時、自分が殺した少年と目が合う。
その少年の顔が、飛燕の顔へと変わる。
驚く伊達。周囲を見る。
周囲にいたはずの少年が皆、飛燕の顔をしていた。
………
……
「駅についたでござる」
雷電に揺さぶられて、伊達は目を覚ました。
どうも、うたた寝をしていたようだ。
(チッ…また夢に見たか)
―2―
九段下・靖国神社――
先の闘いから四時間後。
地下鉄で「九段下」駅を出た伊達臣人と雷電の二人は、駅前の靖国通りを歩いていた。
視界の先には、夜空に混じり靖国神社の大鳥居が見えている。
靖国神社。明治二年に明治天皇の命により建立。戊辰戦争から大東亜戦争までの、国内外の
戦乱に殉じた日本の軍人、いわゆる国に尽くした英霊が祀られた神社である。
伊達自身は神仏は信じてはいないが、靖国神社への参拝は男塾の月間行事であったので、
何度か来たことはあった。
靖国神社の大鳥居をくぐり、雷電はそのまま正門へと歩いていく。
「おい、どこへ連れて行く気だ?」
伊達は雷電に問いかけた。
雷電は歩みを止め、伊達の方を振り向いた。
「この先に我が豪学連の拠点があり申す」
「どういう事だ? まさか、靖国神社が豪学連の本拠地だというんじゃないだろうな」
訳が分からない。
伊達も何度かここを訪れているが、神社の敷地内に荒くれ者の拠点と出来るような場所など
どこにもない。あったとしてもすぐに警察などに撤去されるだろう。
「口で申した所で信じられぬであろう。ともかく、行けば分かり申す」
それだけ言って、雷電は再び歩き始めた。伊達も不承不承ながらついて行く。
771 :
○:04/04/29 23:15 ID:zN2Cy64y
投下は来週の予定でしたが、余りに寂しいので。
続きはGW明け。
靖国神社?
また微妙なところを‥
773 :
ぽん:04/04/30 01:50 ID:By4K+d6K
すみません、新人がいきなり投下は可能でしょうか?
駄目でしたらスルーしてくださいすんません。
ドラゴンボールの、フリーザ編の後くらいの話です。
ブルマがヤムチャからベジに走ったわけを考えてみました。
別にヤムチャが好きなわけじゃないのですが・・・
理屈くさい話ですみません。
774 :
ぽん:04/04/30 01:51 ID:By4K+d6K
カプセルコーポレションのある一室に向かいながら、ブルマは軽くため息をついた。
やはり、未だに恋人との別れを引きずっているらしい。
きっぱりと割り切ったつもりだったのだけれど。
そもそも振ったのはこちらなのだけれど。
大体、彼がいけないのだ、とブルマは思う。
彼が変わってしまったりするから。
彼―――ヤムチャは、一言で言うと「良い人」なのだろう。
彼は弟分であったはずの孫やクリリンが彼を遥かに上回る力を身につけても、
妬まず嫉まず、かといって卑屈にもならず、ただ淡々とひたすらに修行に勤しんでいた。
何も思わなかったわけではないだろうと思う。
きっと悔しかったろう。情けなかったろう。
孫は元々戦闘民族サイヤ人なのだそうだが、
クリリンは同じ地球人なのだから。
それでも彼は不平不満を一切表さず、現実を、そして自分を把握して、
唯ひたすらに自己を高める努力を続けていた。
そしてブルマは、そんな彼が本当に好きだったのだ。
775 :
ぽん:04/04/30 01:52 ID:By4K+d6K
彼が変わったのここ最近のことである。
きっと、死後の世界を見てしまったからだとブルマは思っている。
あの世は、物語などで言うようなひどい世界なのでは無いらしい。
だが、あの世はあの世であって、結局死者の世界なのだ。
今回ばかりは幸いこの世―――生者の世界に戻ってこれたけれど、
彼に二度目は残されていない。
自分の存在は確かにあるのに、この世には存在しなくなってしまう……
そんな恐怖はブルマにはわからない。死んだことが無いからだ。
しかし一度は捨てた命、それが戻ってきてしまったら
二度目に捨てる気にはなれないのは無理からぬことなのだろう。
闘いにおいて、弱者=死、敗北=死である。
死にたくないのなら強くなければいけないし、常に勝たねばいけない。
しかし。
彼より強いクリリンですら死んだ。孫ですら死に掛けた。
彼がもう一度死なないと何故云えるだろう。
そうして彼は「弱く」なってしまった。
それでも、ブルマは気にしなかった。
もともと、戦わざるを得ない状況とはいえ、
友人たちが闘いで血を流し苦痛に呻く姿は好きではない。
天下一武道会ならばスポーツのようなものだからいいけれど。
生死をかけた戦いなどしないでいてくれるのが一番だ。
776 :
ぽん:04/04/30 01:53 ID:By4K+d6K
しかし、多分ヤムチャは変わってしまった。
「強い」彼の仲間たちが眩しく見えるようになった。
「弱い」自分に恐れを抱くようになった。
人の上下を意識するようになった。
その上ヤムチャは、ブルマにまで眩しさを感じるようになってしまったのだ。
確かに、ブルマに付いているオプションは多い。
世界に名だたるカプセルコーポレーションの令嬢で。
当たり前のように金持ちで。
当たり前のように天才で。
当たり前のように美人で。
世間の人々から羨ましがられる要素は多い。
そんなこと、ブルマの本質には何の影響も無いのだけれど。
ヤムチャにはそんなことも分からなくなってしまったのだろう。
それからヤムチャは浮気をするようになった。
地位も金も顔も頭も、「そこそこ」な女を選ぶようになった。
自分に見合った女を選んでいるつもりなのかもしれない。
ブルマが重たくなってしまったのかもしれない。
だからブルマは別れを決意した。
それらしく浮気現場に踏み込んで、
ブルマらしくぶち切れて見せて、
駄賃代わりにヤムチャの頬を張って、それで別れた。
多分一番良い方法だったとは今でも思う。
昔からの友人として付き合うならば
彼も妙な引け目など感じたりはしないはずだ。
ふう、ともう一度ため息をつきブルマは頭を振った。
今更考えても仕方の無いことだ。済んだことなのだから。
777 :
ぽん:04/04/30 01:56 ID:By4K+d6K
部屋の一室に入ると、居候の癖にやたらと偉そうな元王子が外を眺めていた。
このところ彼はよく外を眺めている。というより空を見ているのだろう。
……あの方角に、あの惑星はあるのかもしれない。
仲間を喪い。
故郷を失い。
プライドまでも失って。
孤高の元王子は今何を考えているのだろう。
どことなく彼の横顔が寂しそうに見えたのは、ブルマの思い込みだろうか。
「女」
外から目を話さずにべジータは口を開いた。
相変わらずこの偉そうな居候は人の名を呼ぼうとしない。
「用が無いないなら出て行け」
ここは、ブルマの家なのだが。食事の用意が出来たから呼びにきたのだが。
最近はこれも虚勢なのだと分かるようになってきた。
何もかも失って、こうして彼は自分を保っているのだろう。
「ねえべジータ、良いものをあげようか」
なんとなく似ている、と思った。―――ヤムチャに。
「ふん、地球でもくれるのか」
相変わらず振り向きもせずに、居候は言った。
人がこの距離に居るというのに。
ブルマは、べジータの頬にくちづけた。
これまでとは違った詩的な感じのSSですね。
もしや女性の方ですか?
個人的にはこういうのもアリです。
楽しませて頂きました。
779 :
転生:04/04/30 11:35 ID:oJZ7gQBA
皆様お疲れ様です。一ヶ月見ていない内に新作も出たようで
嬉しい限りです。わたしもがんばります
780 :
ふら〜り:04/04/30 23:14 ID:ZG5gG9Ym
>>○さん
靖国神社……う〜ん。素直に(?)考えると地下の秘密基地、なんて発想が浮かびますが。まさか?
あと、冒頭の悪夢。石を使って「叩きつける」のが何だか生々しいです。素手じゃない、という点が。
>>ぽんさん
初めまして! 可愛い、というよりは「女らしい」それも「大人の女らしい」ブルマですね。
ヤムチャを好きになった理由、別れるに到った理由、そしてベジータに意識が向いた理由。それら
全部について「大人の女らしさ」を感じます。……何と言うか、いい雰囲気ですよ。艶もあって。
>>転生さん
お久しぶりです。寮生活には慣れられましたか?
時間、気持ち、その他諸々に余裕が出来ましたら、また書いて下さい。お待ちしておりますよっ。
>>768 ゲーム「餓狼伝説」シリーズの漫画版、天獅子悦也先生の描かれた一連の作品が元です。
ちなみに冒頭の一段落は山崎の個人ドラマCDから引用してます。大っっ好きなんですよ、山崎♪
>>バレさん
毎度お世話になっております。すみませんが、「左の拳」補完時に修正をお願いしておきます。
最初の方にある「22歳」ですが、私の勘違いでした。正しくは「20歳」です。
どうかよろしくお願いします。
中国でも最高峰の拳法家のみに与えられるという、海王の称号。
当人にとって名誉なのは無論だが、海王を輩出した道場にとってもまた名誉なのだ。
多くの東大合格者を出した予備校が絶賛されるのと似ている。
中国西北部に位置する甘肅省。その奥地にぽつんと存在する雲硬寺。
中国最弱とも言われてきた雲硬寺だが、ここに一筋の光明が差し込んできた。
二千年もの歴史を持つ雲硬寺に、ようやく初の海王が誕生したのである。
逞しい髭を携えた老人が、全裸で中腰となっている若者に感嘆の声を上げる。
「糞海王よ、君は我が寺の誇りであり名誉である!」
若者の名は糞海王、かつての名は糞尿道。雲硬寺の希望そのものだ。
だが、当の海王は全身を震わせるのみで、その言葉自体には反応しない。
「門下から海王が出たとなれば、風前の灯火であった雲硬寺は再び栄えてゆくだろう。
中国全土から弟子を集め、賞賛を浴びている、あの白林寺のように!」
老人の声には、長年に渡って熟成された嫉妬と憎悪とが練り込まれている。
最弱の拳法寺として、これまで幾度となく苦渋を飲まされてきたのだろう。
「そして、近年開催される大擂台賽。そこで君が優勝すれば……完全復活だ!」
拳を力強く握り、眼を血走らせながら、老人が絶叫する。
「老師……」
海王が応じる。若々しく歯切れのよい声だが、重々しい響きをも醸し出す深い声。
「貴方の期待、必ずやこの糞が応えましょうぞっ!」
同時に、海王の肛門から大量の汚物が捻り出される。その量、およそ五十キロ。
雲硬寺の鍛錬の基本は「排便を抑える」ことにある。
時に針のように、時に津波のように、押し寄せる便意。その拷問にひたすら耐える。
やがて、蓄積する食物量が肉体容量を超えた時、初めて排泄するのだ。
常識を遥かに上回る排泄時の恍惚感は、まさに通常の中国拳法に伝わる復元に近い。
いや、それによる身体能力の向上効果は復元以上。つまり脳内麻薬以上だろう。
しかし、この鍛錬法は余りに非常識、かつ多大な忍耐力を要する。
それゆえ、先の理論を実現できた者は殆どおらず、机上の空論と揶揄されてきたのだ。
糞尿道はその理論を体現した。寺が提唱してきた幻を、具体的な物質に変えたのだ。
数々の擂台に出場し、数々の難敵を打ち倒し、数々の名声を獲得していった。
海王授与の一番のきっかけは、悪漢に襲われていた武術省の役人を救ったことだろう。
こうして、糞尿道は若くして中国の守護神の一角に選ばれたのだ。
「老師、見ていて下され。中国武術史に雲硬寺の名が刻まれる瞬間を」
海王は地面に寝そべる巨大な汚物に、独特の呼吸を行ってから拳を打ちつけた。
汚物は粉々に四散し、その場に残ったものは海王の拳のみ。
「中国を跋扈する愚かな武術家全て、この汚物のように浄化してみせましょう」
「ふっふっふ、海皇は近いぞ。糞海王!」
そして、糞海王は香港へと発った。この地で行われる小規模な擂台に参加するためだ。
海王になったとは言え、雲硬寺の世間一般での認知度はまだまだ低い。
こうした修行をかねた売名行為は欠かせないのだ。地道な営業努力なのである。
だが、寺のためとは言えど、海王本人はあまり乗り気ではなかった。
わざわざ低レベルな闘いに首を突っ込むことを、海王としての誇りが許さないのだ。
雲硬寺の復興、拳法家としての自負、二つから板挟みになった糞海王は悩んでいた。
「ふぅ……」
心中複雑のまま、海王は滞在しているホテルを後にする。
香港。広東省に位置する活気に溢れ、生気に満ちた大都市。
糞海王はこの街を歩く、ただ歩く。これまで探しあぐねていた何かを求めて。
やがて、海王は一つの背中を見つけた。闘気を具現化したような、畏怖すべき背中。
気がついた時には、海王は背中に惹かれていた。尾行していたのだ。
背中は徐々に人気の少ない場所へ移り、とある地点で見えなくなってしまった。
「しまった、見失ってしまったか……!」
「ここだ」
背中の主は、糞海王の背後に立っていた。海王は反射的に間合いを空ける。
相対する二人の間が、陽炎のように揺らめく。
「油断ならぬ奴よ。いつの間に、私の背後へと回ったのだ」
「なにか用か」
「おいおい、先に質問をしたのは私……」
「用がないのならば、帰らせてもらう」
一方的に会話を断ち切ると、相手の男は素早く踵を返してしまった。
このような侮辱とも取れる行為を、海王ほどの者が見過ごせるはずがない。
直後、地面を抉るほど力強く踏み込み、強烈な突きで男の背骨を狙った。
だが、拳が当たる寸前に忽然と背中は消えた。
「どこへ……ぶっ!」
相手の飛び後ろ廻し蹴りが、海王の顔面へ綺麗にめり込む。鈍器以上の衝撃だ。
揺れる視界の中、海王は男へと突きの連撃を見舞う。が、全て捌かれる。
海王が体勢を崩したところへ、高速の直突きによる胸部への一撃。
肺を押し潰されるような衝撃が走った。呼吸を乱し、冷や汗を流す糞海王。
「やるな、只者ではない……」
引きつった微笑を作りつつ、海王は相手の男を称える。
体内では闘いに特化した脳細胞達が、必死に勝利を模索している。
「闘いの最中にする提案ではないのだが、排便の時間をもらっても良いだろうか」
「かまわん」
「ありがたい……!」
海王は中腰となり、全身の筋肉を硬直させた。雲硬寺の秘伝を解放する時なのだ。
頭脳が、肉体が、細胞が、本能が、全てが、排便に向けて動き出す。まもなく発射。
肛門を脱出した大汚物は、ズボンを突き破り地面に激突した。
この世のものとは思えない絶大な快感が、全身の隅々へと行き渡ってゆく。
「倒すべき敵に対し、一片の好機を与える。確かに美徳と呼べるものかもしれんな。
だが、こと闘争に関してのみ、この美徳は単なる愚行と化す!」
先程までの焦燥とは一変、邪悪な笑みを浮かべる糞海王。
身体能力を大幅に伸ばした海王。もはや自分の勝利を全く疑っていない。
「後悔せいっ!」
海王が拳を出す、男も若干遅れて拳を出す、二つの兵器は正面衝突した。
砕けた。糞海王の拳が粉砕され、五指はあり得ぬ方向へ曲がっている。
「えっ……!?」
この状況が信じられない海王、その呆けた顔にハイキックが炸裂。
両手を前へぶらりと垂らし、海王は顔面から堕ちた。糞海王、まさかの敗北。
海王を倒した男は、別段変わった様子もなく来た道をそのまま戻ろうとする。
「待ってくれ……君の名前を教えて欲しい」
無意識との狭間にいる海王から発せられた、最後の質問であった。
「烈海王」
「各地で蛮勇を奮っているという、あの天才か! こんな所にいたとは……」
表面上の格は同等ながら、武術家としての格の差は歴然だった。
この現実に絶望したのか、あるいは満足したのか、糞海王は意識を失った。
数日後、彼は単なる一拳法家に生まれ変わった。海王の称号を返上したのだ。
名誉を失った代わりに、彼は心に輝きを手に入れたのだった。
私と真・うんこ氏の関係は、そう大したものではありません。
誰も来ないsage
>転生
頑張って下さい。できればGW中に投下きぼん。
ぽんさんは新人か?
結構書き慣れてそうだが
深夜3時。
繁華街からやや外れたこの○○町では、人影もなく、車も殆ど通らない時間帯。
そんな時間に、ただ一台のトラックが、某大手銀行の前に停車していた。
トラックの前にいる男が、周囲に人がいないことをしきりに確認し、トラックの荷台に積んである
ショベルカーへ合図を送っている。
「いいぞ、今なら誰もいない。さっさと運んでしまえ」
ショベルカーを操縦している男が言った。
「銀行がどんなにATMに防犯対策をやったところで、ATMごとショベルカーで運んでしま
えば同じさ」
男は、再度ショベルカーの中の男へ、「行け」と合図を送った。
合図を確認し、ショベルカーの男はかすれた低い声で「やるぞ」と言い、目の前のATMの機械へ
ショベルカーのアームを振り上げた。
しかし、アームを振り上げた瞬間、ATMがゴトゴト動いたかと思うと、現金の受け取り口から
突然、にゅっと人間の腕が飛び出してきた。
「?」
男が一瞬何が起こったか分からないでいる間に、受け取り口からは人間(?)らしき物体が、
スルスルとまるで蛇のように這い出てきた。
「ひっ!」
横で見ていた男が情けない声をあげる。これまで幾度も危ない橋を渡ってきた強面の男も、
流石に驚きを隠せないようだった。
全身をATMから抜き出すと、その謎の人物(人間だったようだ)はすっくと立ち上がり、
男達を睨みつけた。
「私ハコノ銀行ノガードマンダ…」
そう言ってムエタイのファイティングポーズをとる。
「オマエタチニ金ハ渡サナイ…」
この人間の名はデットラニ―・シットパイカー。
かつて地下トーナメントで範馬勇次郎に全身の骨を砕かれたのだが、災い転じて福となす。
お陰で今の彼はヨガ行者を凌ぐ軟体術を手に入れていた。
その才能を銀行に買われ、強盗対策として日々ATMの中に潜んでいたのだ。
「ムエタイノ誇リニカケテ、オマエ達ヲ捕マエル!」
今ここに、ショベルカー VS ムエタイ の異種格闘技戦が始まった。
791 :
?:04/05/02 00:33 ID:X6JnRNaG
続きはないです。
ぽん氏オモロイ。
これからも頑張って。
793 :
作者の都合により名無しです:04/05/02 09:41 ID:hnXwfVBJ
GWか…。
795 :
ぽん:04/05/02 23:39 ID:k/KRUbz8
なんか沢山の暖かいレスを戴きありがとうございます。
2ちゃんなんで、ブルマウザイとか氏ねとか言われる覚悟をしてたのですが・・・
嬉しいです。ここの皆さんお優しいですな。
自分は全くの新人であります。
二次創作で文章書くなんて十年以上前に幽白を中途半端に書いて以来です。
PBBBSでちょろちょろと書きましたがどれもたいした量ではなく、中後半端ばかりです。
なので所々日本語や構成がおかしいし、文章も巧く繋げられていないのですが・・・
数日前に偶然このスレを発見し、居てもたっても居られなくなり書いてしまいました。
文章書くこと自体は好きなので。
実は一回で書き逃げしようかと思っていたのですが、
単純な性格なのでネタが有ったらまたお邪魔させて戴こうと思います。
ちなみにヤムチャスレは初めて知りましたが、
こんなヤムチャが振られるだけの、しかも本人が出てこない話で
お邪魔しても良いものやら・・・・・・
クリリン&18号のお話の方、楽しみにしております。
そういえば自分も昔妄想したことがありました。
>ぽんさん
また来てくださいな。
ヤムスレもヤムチャ以外が主人公のSSもたまにあるので、
別にいいと思うよ。たぶん。
?さんも乙。
最初ネタが分からなかった。
>>795 こら〜〜っ!逃げるな〜〜〜っ!
いや、嘘です。
好きにやってください。逃げたら許さないけどw
798 :
左の拳:04/05/03 15:09 ID:NPPl6u+f
>>765 「竜二。沖縄へお帰り。ここはお前の住むところじゃないのよ」
意志の強そうな顔をした少女が、山崎に語りかけた。青い服を着て金色の大地に立つのが
似合いそうな少女である。山崎は、その少女の顔をちらりと見て、
「……島本○美の声で喋るのはやめろ。つーか、そもそもブキミだと思わねえのか、それ」
「そう? 小粋なパーティージョークのつもりだったんだけど」
意志の強そうな少女の顔、というか生首が、ぐにょぐにょと変形して山崎の左手に戻った。
彼女(?)は山崎の左手に宿る寄生生物、ヒダリィである。
「にしてもりぅちゃん。反町さんって守備範囲広いわよねえ。菅原○太から田村ゆ○りまで。
いっつも、りぅちゃんと一緒に観てるよね」
「俺と観てる、というより俺に観せてくれてんだよ。俺が何にも知らねえから」
山崎が、ふと寂しそうな顔を見せた。沖縄で生まれ、捨てられ、米軍基地周辺を這いずり回って
生きてきた幼い日々。学校とか、友達とか、もちろん信頼とか愛情とか、何も知らずに生きてきた。
「生き抜くこと」以外に意識を向けるなど、一瞬もなかったあの頃。反町に会わなかったら、今現在も
何も変わらなかっただろう。そう、反町が居なかったら。もし今からでも、居なくなったら……
ぶんぶん、と山崎は首を振った。そんなこと、あるはずがない。反町は誰よりも強いのだ。そして、
今、自分を信頼してくれている。殺されたり、勝手に居なくなったりなど、するはずはない。
『兄貴は、ずっといるんだ。ここに。俺のそばに、ずっと』
「そうだぞ竜二。俺はお前を離しはしない」
「っ!? あ、兄貴っっ!?」
突然、反町の声。山崎は心臓がでんぐり返りそうになりながら、目を見開いてそっちを見た。すると、
「ウケた? りぅちゃん、なんだかそれっぽい脈拍と発汗だったから、推測でドラマってみたけど」
左手が、反町の生首になっていた。にこぱ、と笑って喋るその声は、推定年齢十五歳の少女のもの。
……次の瞬間、山崎は大口を開けて自分の左手、反町の生首、つまりヒダリィに咬みつこうとした。
ヒダリィは慌てて左手に戻り、親指と人差し指とで山崎の上下の歯を受け止める。
「お、お、落ち着いてりぅちゃん。軽いジョークだってば、ジョークっ」
山崎は口を離して、
799 :
左の拳:04/05/03 15:09 ID:NPPl6u+f
「ヒダリィ。よおおぉぉく、聞け。他の何をやっても、俺はただ怒るだけで済ます。だが、今度
兄貴ネタをやったら、もう後先考えずにお前を切り落とす。解ったな!」
「は、はいっ。もうしません。二度としません。顔も声も真似しません。絶対に」
ぴ、と人差し指を立てて、ヒダリィは了解の意を示した。
「……喜んでくれると思ったんだけどな。男心って複雑ぅ」
「何か言ったかっ!」
「い、いえ何も」
などと賑やかにやっていると、こんこん、とドアがノックされて。反町が入ってきた。
「ちょっといいか、竜二」
反町は今日も、高級スーツとサングラスでビシッとキメて、刃のような殺気を纏って、いかにも
暴力団幹部らしいムードを撒き散らしている。山崎が、いつ見ても惚れ惚れする男っぷりだ。
だが、今日に限って、何かおかしい。何か変だ。どこか、違う。
「竜二、よく聞いてくれ」
神妙な顔で、一歩、山崎に近づく反町。……やはり妙な雰囲気だ。
「今まで俺は、喧嘩のやり方をはじめとして、お前にいろいろ教えてきた。お前が、この世界で
生き抜いていく為に、必要だと思ったからだ。いいか、生き抜いていく為に、だ。それを忘れるな」
「兄貴?」
「あと、お前とはいろんな映画とか観たな。だがああいうのは全部、絵空事。フィクションだ。
単純に楽しむのはいいが、自分を重ね合わせるな。ヤクザものの義理とか、ヒーローものの正義
とかな。あれはあれ、だ。現実には、自分が生き抜くことこそが第一だ。いいな」
「な、何言ってんだよ兄貴?」
「話はそれだけだ。あっと、それから今日一日、絶対に家から出るなよ。解ったな」
「あ、兄貴、ちよっと待っ……」
山崎の言葉を無視して、反町は部屋を出て行った。そのまま、マンションから出てしまう。
ベランダから見下ろすと、車を出していた。方角からして多分、組の事務所に向かうようだ。
「どうしたってんだ、兄貴は。何が言いたかったんだ」
800 :
左の拳:04/05/03 15:10 ID:NPPl6u+f
「……りぅちゃん。気持ちは解るけど、ちょっと落ち着いて。心臓に悪いわよ」
ヒダリィは、山崎の言いようのない不安を、鼓動や呼吸から直に感じていた。
「大丈夫よ。反町さんは誰よりも強い、ってりぅちゃんが一番良く知ってるでしょ?
そりゃ、さっきのはちょっと、まるでお別れみたいな言い方だったけど」
「!」
「でもほら、最近は組でも穏健派が主流を占めてきてるし。りぅちゃんや反町さんにとっては
不満かもしれないけど、これからは出入りとかも少なくなっていくわよ。だから大丈夫。ね」
「……」
ヒダリィに何を言われても、山崎の不安は静まりはしなかった。
が、反町に家を出るなと言われた以上、追いかけたりはできない。山崎は仕方なく、悶々と
一日を過ごした。不安、不安、不安、不安に包まれて。
……結局その日、反町は帰ってこなかった。不安で破裂しそうになりながら、翌日事務所に
赴いた山崎は、そこで聞かれることになる。
長年続いていた抗争の手打ちをする為に、反町が一人で責任を取らされ、既にその身柄は
敵対組織に渡されたと。昨日の内に、その全てがもう終わってしまった、と。
反町は、生贄にされたのだ。抗争の長期化を望まない、穏健派幹部たちと組長の手によって。
801 :
ふら〜り:04/05/03 15:12 ID:NPPl6u+f
盆も正月もGWも関係ない私。再び夜勤明けに参上しました。
>>サナダムシさん
毎回、同テーマでよく続けられますねぇ。で、海王間における実力差は「凄くある」と原作中でも
描かれておりますが……にしても、誰が糞氏に授与したのやら。本人の心根は立派ですけど。
>>?さん
昔読んだホラーマンガで、全身の骨を砕いて下水管に入るというのがありました。それを思い出して、
ちょっと「う」となりましたよ〜。各地でいろんなネタにされてる彼ですが、ガードマンとはまた。
異種格闘技戦、見てみたいです。あと……勇次郎に砕かれたのは、ジャガッタ氏の方ですよ。
>>ぽんさん
幽白でも、クリリン&18号でも、はたまたそれ以外でも、ぜひまた書いて下さい。待ってますよっ。
802 :
?:04/05/03 16:33 ID:PRiPigWa
>801
はうあっ! しまったぁ〜!
804 :
うみにん:04/05/04 00:44 ID:hM9CmFJk
いろいろSSが来てますねぇ。お疲れ様です。
バキネタわからないのがつらいですが餓狼ネタとDBネタが来てて嬉しい。
>ふら〜りさん
餓狼好きなので山崎も反町もばっちり知ってますよ。
ただヒダリィがわからない。オリジナルキャラですか?
それとも最近のKOFでの設定?KOFだと別人っすからねぇ。
ビリー好きなので気が向いたらいつかかっこいいビリーを
よろしくお願いします。
>ぼんさん
>その上ヤムチャは、ブルマにまで眩しさを感じるようになってしまったのだ。
ぎゃあー!ついつい自分と重ね合わせて見てしまう・・・!
この子ならもっといい男とだって付き合えるのになーなんて
思っちゃうんだよな。これがまた。死に絶えます。
ヒダリィ→ミザリィ
>>806 ほんまや
それもはいっとったんかいな。
うみにんさんや転生さんも復帰が近そうですね。嬉しい。
主人公は、一見どこにでもいそうな普通の男である。
しかし、彼には目的があった。
背中に異形の肉を持つ『地上最強の生物』。この男を倒すことが、
物語の最終目的である。
作品は徹頭徹尾常に戦いで彩られており、そのアクションの表現はかなり秀逸。
もちろん、個性溢れた敵との戦いも魅力の一角である。
地上最強の生物と相対するがための戦いの中、主人公は幾度も死にそうな目に
あうが、主人公の特権で、その都度ご都合主義により復活する。
他にも常識的に考えて納得のいかない場面は多々あるのだが、それでも作品の
面白さゆえか、その事にけちをつける人は殆どいない。
兄弟がいるが、主人公に比べ扱いがぞんざいな気がする。人気は兄の方があるだろう。
割と息の長い作品なので、結構ファン年代層に幅があると思われる。
年配の方は初期の作品「マリオブラザーズ」を懐かしむ方もいるのでは。
810 :
?:04/05/05 00:12 ID:48kc8zcX
なんだ突然?
ここでやるのはスレ違いではないかな
>>810は元々マロンのスレから派生したスレだから
漫画オンリーでやりたかったらマロンに立ててくればいいのでは。
812 :
?:04/05/05 01:48 ID:48kc8zcX
たまたま見つけたのですが、元はマロンのスレだったのですね。
そんな経緯とは知りませんでした。
単発なのでコレきりということで。
職人の皆様お疲れ様です。上げとこ。
?さん、凄まじい更新ぶりですね。
GWくらい、SSから離れたほうがいいですよ。
>>814 予定がないんだからそういう事言うなよw
SS書いてテレビ見て、飯食って寝るって感じじゃないの。
まぁ別にいいけど。
>>814 凄まじいどころか
>>812はSSじゃないだろ。大丈夫ですか?
たまに自分の行動パターンでしか世間を判断できない厨がいるが
GWくらいと言っている人はGWくらい2ちゃんから離れたほうがいいです。
>>816 マジレスすると、そんな釣りに釣られた君の頭がおかしいと思いますが。
大丈夫ですか?
「そら、喰えよ」「押忍」
ジュウジュウと、本能に訴えるシンプルでおいしい音が目の前の鉄板から響く。
それを白い煙が包む。隣の座敷からは子供のはしゃぐ声やグラスの鳴る音。
炙られた肉から落ちる脂が鉄板の熱で蒸気となり、それが更に食欲を誘う。
そうした音と匂いと煙に包まれながら、東郷総司と伊達臣人は二人で焼き肉を食べていた。
場所は東京下町の某焼き肉店。
夕飯時だけに店内は盛況で、店はサラリーマンや家族連れでごったがえしていたが、学ランを
着た男が二人、卓を囲んでいるというのは、店内でも異様な光景であった。
もっとも、二人はその事実には気付いてない様子だが。
「くだらん事で気にするな」
伊達臣人はビールを煽りながら、テーブルの向いに座る後輩に答えた。
「でも、あそこでミスしなければ勝てたのに。残念ですよ」
東郷も一緒にビールを煽った。口中に苦味が広がる。
今日は男塾で学年別の槍術の大会があった。
東郷総司も当然出場した。結果は‥‥1号生3位。
結構いい成績なのだが、東郷の心は沈んでいた。
「スイマセン。折角、先輩から色々と手ほどきを受けたにも拘らず、優勝できなくて…」
入塾の時。ひょんな事から東郷は伊達に目をかけられ、放課後や昼休み等の時間、伊達から
槍術を始めとする武術の手ほどきを受けていたのだ。
それだけに東郷は優勝の自信があったのだが、準決勝で敗れてしまった。
序盤はこちらが優勢だったが、試合終了ギリギリでポイントを返され、そのまま判定負け。
三位決定戦には勝ったものの、悔しさは晴れなかった。つい口からも愚痴が出る。
「しかし、あれは駄目でしょう。本物の槍を使った真剣勝負なら、最初の小手であいつの手首
は折れてるはずなのに、姿勢が悪いとか言って無効にしやがって‥‥
先輩もそう思いませんか!?」
「『試合』とはそういうもんだ」
東郷は伊達に同意を求めたが、伊達は冷たく言い捨てた。
「所詮、試合なんてのは字の如く『試し合い』でしかないんだ。意味など無い。武術の本質
てのは本番で勝つ事。試合で幾ら勝っても自慢にもならん。。。何度も言わせるな」
「でも‥やっぱり頂点を取れなかったのは悔しいですよ」
東郷は伊達先輩の言葉と視線から逃れるように、ジョッキに残った中身を一気にあおった。
820 :
?:04/05/06 00:53 ID:/Q30rNqg
>814-816
それぞれ耳が痛いですね。
822 :
作者の都合により名無しです:04/05/06 21:34 ID:xgKTqTfa
変なやつが一杯いるなあ。
職人さんたちガンガレ
グラップラーバキって最初はただの気色の悪い漫画だと思っていたのだが
じっくり読んでみると普通におもしろいたな。
あれだけ強そうな化け物5人が東京に集結ってだけでもわくわくしたんだが
男塾でいう江田島みたいな館長が出てきたりでもうだめっぽれ。
「ふむ・・・、やはり“予定”と多少のズレはあるようだな・・・。しかし、それでいい・・・」
ロード・キスギーは要塞の玉座に戻り、一時の休息にまどろんでいた。
と、休息をさえぎる従者の声。
「ロード・キスギー様・・・」
「何用だ?侵入者を捕らえたのか?」
「いえ、ロードに面会を申し入れている者がおりますがどういたししましょう・・・?」
「通せ。」
(何者だ・・・?まだ、この地底帝国のことは地上には知られてないはずだが・・・)
地上世界制圧。野望ではない。その大いなる”目的”のため、
地上へのコンタクトは最小限にとどめ、情報の漏洩には細心の注意を払ってきた。
もちろん、セキュリティは万全である。仮に自身の命を狙う暗殺者であったとしても
キスギーに危険はないであろう。
「はぁーひふぅーへほぉー♪
あ、オレさま、バイキンマン♪ あんたがロード?」
妙に軽い口調でやってきた小柄な男は黒い身体に蝿のような小さな羽。
剥き出しでギザギザの下品で大きな歯。
まるで子どもの絵本の中の虫歯菌のような姿の小男であった。
「どうやってこの帝国のことを知った?」
「オレさまバイキン城の王様なんだけどさ〜。
今アンパンマンていう、めちゃくちゃ嫌なやつと戦ってるんだよね。
それで少し戦況悪くなっちゃって、地中に潜ってめちゃくちゃに逃げてたら
偶然ここについちゃったって〜わけ。そこでお願いがあるんだけどさ〜。
ちょっとアンパンマンやっつけるのに手ぇ貸してくんない?王様同士協力してさあ。」
「アンパンマン? 聞いたことはある。
この時代において、あのパーマンたちをも超えるパワーを持つ英雄たちの伝説を・・・!
ふむぅ・・・まさか本当に存在していたとは・・・!」
ドラえもん のび太の地底出来杉帝国の続き。
前回最終話は
>>737です。(第一話は
>>446〜)
「この時代?」
「こちらの話だ。しかし、その話が本当だという証拠はあるのか?」
「証拠? 証拠ねぇ・・・そうだなぁ。うーん・・・」
その時。会話の流れを全て断ち切り現れた人物・・・
「わ・た・しは誰?♪ だぁ〜〜れ〜〜〜?♪」 「知らない。知らない。しら〜ない〜〜♪」
「わ・た・しは誰?♪ だぁ〜〜れ〜〜〜?♪」 「知らない。知らない。しら〜ない〜〜♪」
悪趣味な毛皮のコートを纏い、なんか変な歌歌いながら登場した一人の女。
バイキンマンに似た恰好で、こちらは赤い。小悪魔的な女の子といった風情だ。
悪趣味でゴージャスなコートはその童顔には果てしなく似合っていない。
とりまきなのか、妙なミトコンドリアのような物体が3匹歌に合わせハモっている。
「わたしはドキン。バイキン城の お・ひ・め・さ・ま♪ こいつらはカビルンルンね。
バイキンマンの言ってることは本当よ。あなた、地上を制圧したいそうね?
それならアンパンマンたちは絶対将来邪魔になってくるはずよ。
今のうちに力を合わせて消しちゃったほうがいいんじゃない?」
「姫ってあーた・・・」
「なによう!文句あんの?クソバイキンマン!!」
「いえ、ないです。」
「まぁ、良いだろう。協力してやってもいいぞ。
もちろんり貴様等に何ができるのか見せてもらってからの話だがな。」
「お?話が早いねぇ。ちょっと待ってな!今、オレさまの発明品もってきてやっから!!」
小走りに駆けていくバイキンマンとドキン。それらを目で追いながら・・・
「あんなやつらは“計画”には存在しなかった・・・。これも一興か・・・。
大きく“歴史”を変えるには・・・案外あんなやつらが必要なのかもな。
ふふ・・・ふはははははははははははは!」
狂ったように笑うロード・キスギー。単なる酔狂な独裁者なのか、それとも・・・。
その脳裏に描く“計画”、そして“歴史”とは?
.........................................................................................................................................................
そのころ・・・
のび太は暗い闇の中を当てもなくさまよっていた。
ドラえもん。しずかちゃん。ジャイアン。スネオ。出来杉。みんないない。
はぐれてしまったのだろうか。もう幾度繰り返しただろう。声を限りに叫ぶ。
「おぉ〜い! ドラえもぉ〜ん! しずちゃぁ〜ん! みんなぁ〜! どこぉ〜!?」
ザァ――・・・ ・・・ ・・
ふと、突然水の音が聞こえる。かなり近い・・・。
「・・・・う・・・うう・・・ん・・?」
「のび太くん!!」
なんだろう。女のコの声だ。どこかで聞いたことがあるような気がする。
ふと目を開くと、そこは美しい川辺。きれいな花が咲き乱れている。
水しぶきが頬に当たるほどに水辺に近い。
「・・・? あれ? ここは・・・?」
「よかった・・! 気がついたのね? 大丈夫? もう痛くない?」
吸い込まれそうに大きなブルーの瞳。淡いピンク色の髪が風になびく。
意思の強そうな、それでいて優しげなまなざしはちっとも変わっていない。
のび太はその少女に翼の生えた可憐な天使の姿を重ね見て少しドギマギする。
ぼび太はその少女が誰なのか知っている。忘れるはずがない。
祖国のため、のび太たちを救うため、気高く可憐に消えていった優しい天使。
「 キミは・・・・!? 」
まだ信じられない様子ののび太に少女はニコリと微笑むと・・・
「・・・・久しぶりね。のび太くん。」
「 キミは・・・・・ リルル!? 」
828 :
うみにん:04/05/07 21:24 ID:oFrueNNe
久しぶりの更新ですが、この展開、我ながらやっちゃった感がありありと。w
まぁ頑張ります。
おもしろかった。シンプソンズが。
お疲れ>うみにんさん
バイキンマンとの合作は、春休み子供映画でやったら
受けるネタでしょうね。(もうやってたっけ?
続きに期待sage
832 :
ふら〜り:04/05/08 10:12 ID:6XC/CpMi
>>800 組長室。山崎は呼び出されて、今ここに立っている。
「という訳でだな、竜二。これで反町の握っていた権利は全てお前のものだ。しっかりやれよ」
ドクン、と山崎の心臓が、大きく脈打った。
『こいつが、兄貴を殺した。兄貴を売り渡した。こいつが。コイツガ。コ・イ・ツ・ガ……』
山崎の胸に炎のような、いや溶鉱炉のような感情が渦巻く。
だが同時に、反町の言葉も蘇ってきた。昨日の、別れ際の、反町の最期の言葉。
反町が何を言いたかったのか。今ならよく解る。「早まったことをするな、生き延びろ」だ。
山崎にとって、反町の言葉は絶対だ。反町が命令するのなら、拷問でも懲役でも喜んで受ける。
どんな苦労も苦痛も耐えられる。死ぬことだって平気だ。その反町が、「生きろ」と言っている。
『ぐぐっ……あ、兄貴……お、俺は、俺は俺は俺は俺はどうすりゃいいんだよっっ……!』
両の拳を握り締めて、震わせて、山崎は必死に耐えた。湧き上がってくる、狂おしいほどの憎悪を
抑えに抑えた。目眩がする。吐き気がする。頭は割れそうに痛い、胸は焼けそうに苦しい。
だがここで爆発してしまったら、それは反町の言葉に逆らうことになる。それはできない。
「何だ竜二? どうした、嬉しくないのか?」
『! や、野郎おおぉぉ……ぐ、ぐ……っ!』
何年ぶりだろうか、もう覚えていないほど久しぶりに、山崎の目に涙が浮かんだ。その時。
「ぶぐぅえっ!」
組長が、何者かに殴り飛ばされた。いや、何者も何も、今ここには山崎と組長の二人しかいない。
ということは? はっ、として山崎が自分の左手を見ると、拳に血がついていた。
「おやっさんよぉ。よくも反町の兄貴をハメてくれたなぁ……ヒィーッ、ヒッヒッ……」
狂ったような声が聞こえる。それは山崎の口からではなく、山崎の左手から発せられた、山崎の声だ。
無論、手から声が出るなどという常識は、組長にはない。なので組長は、それを山崎本人の声と
錯覚した。涙を溢れさせて、激怒しつつ困惑しているような、めちゃくちゃな顔をしている
山崎の声だ、と思い込んだ。
「りゅっ、竜二? お、お、お前、何を」
「うるせぇよ。兄貴はよぉ、この俺の左の拳を、褒めてくれたんだ……ヒッヒッヒッヒッ……」
833 :
左の拳:04/05/08 10:13 ID:6XC/CpMi
「ま、待て、落ち着け! 正気に戻れ、竜二!」
「心配しなくても、簡単にぁ殺さねぇよ。まず両膝の健を切って、両膝の皿を叩き割って、
それから、それからぁ……ヒャアッハッハッハッハッ!」
組長は、この世のものとも思えないほどに狂ったその声が、山崎自身の声だと錯覚したまま、
山崎の左手によって無残に屠られた。
だがその錯覚は、山崎自身にも及んでいた。血に塗れていく組長の顔と体を見ている内に、山崎の
意識はその声の中へと眠るように引き込まれていき……自分の意識と左手の意識が混ざり合い……
気がついた時には、駆けつけた組員たちをも全員、半殺しにしていた。
真夜中、香港へと向かう貨物船の中。船倉に潜り込んだ山崎は、木箱に腰掛けて左手を見ていた。
「……なぜ、あんなことをした?」
「見ていられなかったから」
窓から差し込む微かな星明りの中で、山崎の左手、ヒダリィが静かに答える。
「りぅちゃん、あのままだと絶対に壊れてた。反町さんの影を背負ったまま、組の人たちへの恨みを
どんどん膨らませて、いずれ壊れてた。それを発散、開放させるには、ああするしかなかったのよ」
「けっ。精神科のカウンセラーかよ、お前は」
「……反町さんの部屋には、いっぱいいろんな本があったから。実はあたし、夜中にこっそり、
にょいんと伸びて忍び込んで、いろいろ読んでたのよ」
びくっ、と山崎の体が震える。
「てめえ、俺が壊れるから、とか言ったな。だが兄貴の言葉に逆らったことはどう説明する気だ。
俺は、自分が壊れようがどうなろうが、兄貴には逆らいたくなかったぞ」
と山崎が言うと、ふぅ、とヒダリィが溜息をついた。
「現代国語のテストで言うところの、長文読解力ゼロね。さすが学校行ってないだけあるわ」
「何ぃ?」
「反町さんが言ってたのは、組に従えってことじゃないわ。生き延びろってこと。だったら、
あたしの行為は二重に問題ない。一つには、あのまま組にいたら、仮にりぅちゃんが壊れなくても、
いずれ消されてたわ。目障りな武闘派として、反町さんみたいにね。そして第二は、」
834 :
左の拳:04/05/08 10:15 ID:6XC/CpMi
ぐっ、とヒダリィが、拳を握り締めた。
「りぅちゃんのことは、あたしが護ってみせる。そりゃ、反町さんの代わりは無理だけど」
「……」
山崎は、何も言わずにヒダリィを見ている。
「第一、前にも言ったでしょ。りぅちゃんの体は、あたしの体。りぅちゃんの命も、あたしの命。
遠慮はいらないわよ。だから、一緒に生き延びましょ。どこまでも。ね?」
一緒に生き延びる。どこまでも。山崎にとってそういう言葉は、反町とのものとして、胸に刻んでいた。
だが今や、その反町はいない。どんなに呼んでも叫んでも、応えてくれない。もうどこにも、いない。
「ヒダリィ。頼みがある」
山崎はヒダリィから目を逸らし、少し俯いて言った。
「前に兄貴ネタはするなと言ったが、最初で最後だ。一回だけ、やってくれ」
「……いいわよ」
が、反町の顔になるべく、ぐにょぐにょと変形しかけたヒダリィを、山崎は止めた。
「待て。顔はいい。声だけでいい。俺はこうして、下向いてるから」
「え。いいけど、何て言えばいいの」
山崎は、一つ、二つ、深呼吸をして、それから小さな声で、だが思い切った口調で、言った。
「『俺はもういない』って、はっきり言ってくれ。……でないと俺、明日の朝にでも捜索の旅に
出ちまいそうだ。世界の果てまでも、兄貴を探しに行きかねねぇ」
「りぅちゃん……うん、解ったわ」
この夜。山崎は、暗い船室の中で、反町に永遠の別れを告げた。
こうして日本国中の組織を敵に回した山崎は、香港の暗黒街を舞台に暴れ回った。まるで
別の生き物のように動き、獲物を的確に破壊する山崎の左の拳は「蛇」と呼ばれ、
闇の住人たちにとって恐怖の的となっていく。
彼が秦の秘伝書を知り、秦兄弟と出会い、アメリカ・サウスタウンに渡り、そして
人類の存亡を賭けたオロチの戦いへと巻き込まれていくのは、まだ先の話である。
835 :
ふら〜り:04/05/08 10:20 ID:6XC/CpMi
>>?さん
「誤解を招く〜」
徹頭徹尾戦い……って、まぁ言われてみれば確かに。ゴリラとの間接的戦いに始まり、
亀蟹蝿氷との直接的戦いを経て、悪役(ではないけど敵キャラ)もやって。キャリア豊か。
ちなみに勁文社の漫画版ゲームブックでは、剣と拳とファイアーボールで戦ってました。
「焼肉」
おいしそう。音と匂いがおいしそう。実はこないだ焼肉食べましたが、また食べたくなりました。
で。男塾って授業で武術やってますから、中間・期末テストの如く武術大会があってもおかしく
ないわけで。伊達や桃や邪鬼たちを相手に、定期的に武術大会……過酷だ。
>>うみにんさん
絵本の中の虫歯菌って、まんまでんがな! と思わず突っ込みが入りますな。しかしこうなると、
アンパンマンとドラたちとの接触も? おぉ楽しみ。共に、地上と児童を護るヒーローですしね。
そしてリルル。確か映画の宣伝で、何度も何度もしずかちゃんの絶叫を聞いた記憶が。懐かしひ。
otukaresama
GWを境に、人がめっさ減ったね
あげとくよ。
839 :
作者の都合により名無しです:04/05/09 14:47 ID:g0GGxZ5B
うみにんさん ふら〜りさん乙。
VSさんまだかいな?
むかーしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでおったそうな。
いつものようにおじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯にいくと・・・
おばあさんの洗濯していた川の上流から・・・
どんぶらこっこ、どんぶらこっことジャムの入った大きなビンが流れてきました。
おばあさんは眼を光らせよだれをたらしながら会心の笑みを浮かべると・・・
「チェストォ――――――――――――ッ!!」
あっという間に裸になって泳いでビンを奪いにいきました。
「じいさんや、こりゃあ神様のおめぐみだべぇ。」
「ほんにひさしぶりのごちそうじゃあ。」
持ち帰ったジャムのビンを眺め、嬉々としてよだれをたらしながら
フタを開ける老夫婦。いざ食べんと覗き込むと・・・・
中にはジャムでベトベトのオッサン顔の赤ちゃんがいました。
――――うわぁ・・・! こりゃ食えねぇ・・・!――――
二人は心底がっかりしました。そして同時に赤子を激しく憎みました。
赤ちゃんはオッサン顔の赤ちゃんというよりも、もうどっちかというと
98%くらいはオッサンでした。オッサンはオギャ―オギャ―と泣き出しました。
仕方ないのでいやいやながら老夫婦はオッサンを育てることにしました。
ジャムから生まれたのでジャム太郎と名づけられた赤子はすくすくと成長し、
やがてまんまるテカテカに脂ぎった100%立派なオッサンになりました。
「おじいさん、おばあさん、私は旅に出ようと思います。聞けば最近、鬼が島の鬼が
悪さをして大変だとか。世界の平和を守るためには悪者をこらしめる英雄が必要です。
なので私は世界を救う英雄を育てるためパン職人になります。」
「・・・・は?」
「・・・パン職人?」
おじいさんとおばあさんはついにジャム太郎がトチ狂ったと思いました。
なので、もとから憎かったし、とっとと旅に出てもらうことにしました。
ジャム太郎が旅に出てから数年がたったある日、
おじいさんとおばあさんの元へ1通の手紙が届きました。
それはジャム太郎からのものでした。
――おじいさん、おばあさん。快く旅に出してくれたこと感謝しています。
わたしは今、とある妖精の国で小さなパン工場を営んでいます。
この間世界一のアンパンを作ろうとしたらかまどに「命の星」が落ちてきて
アンパンマンという英雄が生まれました。同じ方法でカレーパンマンという
地味なさえないやつも生まれましたが、まぁぶっちゃけ失敗作です。
とてもいい国なので今度おじいさんとおばあさんをぜひ呼ぼ・・・――
おじいさんとおばあさんは手紙を途中でびりびりと破り捨てました。
そして思いました。妖精の国かよ。こえーよ。かかわりたくねえよ。と。
終わり
842 :
うみにん:04/05/09 23:10 ID:Y2Zx40gX
補足トリビア:
アンパンマンワールドの住人はホントにみんな妖精です。
カバオもチーズもみんな妖精です。(作者・やなせたかし談)
アンパンマンとカレーパンマンはジャムおじさんがつくりました。
ロールパンナも。(妹のメロンパンナの方が先に生まれた。)
しょくぱんマンだけは別でトースター山から星が生まれるように
生まれて飛び出したのだそうです。(作者・やなせたかし談)
だからどうしたな話スマソ・・・。出来杉は早めに更新します。
頑張ってくれい
ごめん、つまんない。
はっきり言うね。批評は出来ない。でももっと面白い物が書けるはず。
別に面白さを狙ったってわけでもないだろ。進塁打ってとこか。
そうか?
個人的には良かった。
でも、もっと面白いのも書けると思う。
いや面白すぎるよ。うみにん氏。いやうみにん様。
このスレで一番の職人様だと思う。このレベルを保ってください。
つまらんとか言ってる奴は頭腐ってるんじゃない?
俺は読んでないけど。
848 :
作者の都合により名無しです:04/05/10 17:56 ID:IWWPpmiy
やはりパオは偉大だったという事か…
いや今の職人さんも好きだけどもね。
ドラえもん のび太の地底出来杉帝国の続き。
前回最終話は
>>827です。(第一話は
>>446〜)
いろいろとレスサンクスです。実はジャム太郎だけでなく「ハム太郎」と
「岬太郎」もいっしょに書いてたり・・・。怖くてうPできんかったけど。
大きなブルーの瞳。淡いピンク色の髪の毛。意思の強そうな、それでいて
優しげなまなざし。少女はまるで天使のような微笑みを浮かべて口を開いた・・・。
「・・・・久しぶりね。のび太くん。」
「・・・リルル!! なんでこんなところに!?」
「それはこっちのセリフよ・・・。っていいたいところだけど、
そうね。不思議よね。本当は私は遠くメカトピアにいるはずなんだものね。」
「どうしたの?観光?今はメカトピアは天国のように生まれ変わってるんでしょ?」
「・・・残念だけど・・・。私たちの祖先であるアムとイブの競争本能をなくしても
戦争はなくならなかったの。以前の滅亡のときよりも少し遅くなっただけで、
結局、私たちの国は滅びたわ。そして、かつての鉄人兵団たちと同じように
住みやすい地球に狙いを定め侵略しようとする者たちまで現れた・・・。」
「・・・そんな・・。それじゃまたいずれ同じことが・・!?」
「・・・ううん。きっと同じにはならないと思う。なんでそう思うのかって?
そんな状況の中でなぜか私だけ・・・この地球上でのび太さんやしずかちゃんの記憶を
持ったまま生まれてきたの。最初はプログラムのミスかと思ったんだけど、
事実を調べるうちに確信が持てたわ。この記憶が本物だってことが・・・。」
「わたしがのび太さんたちの記憶を残したまま生まれたわけ。
きっと神様がメカトピアを救うために、そうしてくださったんだと思うの。
だから、私は彼らが地球侵略を実行に移す前に地球にやってきたの。
そしたら偶然、この地底世界を発見して・・・。ここでなら地球の人間たちと争うことなく
新たな理想のメカトピアを築けるんじゃないかと思って・・・。」
「リルル・・・。そうさ。きっとそうだよ。リルルはだってメカトピアの天使なんだから!!」
「ふふ・・ありがとう。のび太くん。・・またあなたに会えてよかったわ。」
「・・・え?あ、あの、その、ボボ、僕もまたリルルに会えて・・・その・・・」
リルルの言葉に真っ赤になってあさっての方向を向いて戸惑うのび太。
「のび太さんこそ、こんなところでどうしたの?
戦闘機の大群に追われてるなんてただごとじゃないわ・・・!」
そう言われてようやく気付くのび太。
「そうか!僕は・・・あのとき・・・。・・・ハッ!?
それじゃあ・・・僕を助けてくれたのはリルル!?」
コクリと頷き・・・そしてすぐにかぶりを振ってリルル。
「ふふ・・正確にいうと私じゃないわ。
ここの周りを敵から見張っておいてもらったんだけど・・・
・・・おいで。ジュドー!」
リルルの呼びかけの数秒後、突如のび太の周りが暗くなる。
あたりをおおう巨大な影。そして、その影の主は・・・ズズズゥ・・・・・ン・・・!
重い地響きを立ててリルルの側へと舞い降りた!
「ザンダクロス!!そうかあの時、後ろから聞こえた爆撃音はキミだったのか!?」
リルルにジュドー、そしてのび太にザンダクロスと呼ばれたその小山のような人影は
かつてのび太たちと共に戦ったことのある超巨大ロボット・ザンダクロスであった。
リルルいわく、土木建築用ロボットということらしいがアニメに出てくる
戦闘用ロボットのような重厚なデザインはとても土木用ロボには思えない。
実際、その戦闘力の凄まじさは鉄人兵団の大軍をもたった一体で後退させたほどだ。
のび太はリルル、そして強大な戦闘力を持つザンダクロスとの再会に
失いかけた希望を取り戻した。その両の眼に力が漲る!
「ザンダクロス・・・。そうだ。キミがいればドラえもんたちを救出しに行けるかもしれない!
リルル!ザンダクロス!危険な目にあわせてしまうかもしれなけど・・・。頼む!
僕たちに力を貸してくれないか!?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「うふふ・・・。二人っきりで旅するなんてまるでデートしてるみたいね。」
ボンッ!唐突なリルルの発言に顔を真っ赤にして破裂するのび太。
二人は散り散りになった仲間たちを探し出し合流するため出発したのだった。
「デ、デデデデートだなんてそんな・・・じょ、冗談が好きだなぁリルルは・・!!
アハ、アハハ、アハハハ―ア!」
「あら?私は本気よ。ずっとのび太くんとこうやって二人きりでお話したかったんですもの。」
「そ、そうなの?でで、でもデートだなんて、おお、大げさな。ザンダクロスだっているし。」
リルルの真っ直ぐな瞳にドギマギして、どうしても目を合わすことができないのび太。
「ね?このまま二人で逃げてしまわない?ドラえもんたちはきっと無事だと思うわ。
だから・・・二人だけで幸せにくらしましょうよ。そのほうがきっと楽しいわ。」
「・・・・・・リルル?」 思わず呟くのび太。一瞬の沈黙。そして・・・
「うふふ・・・冗談よ。しずかちゃんたちは私にとっても大切な人たちだから・・・。
さ、行きましょう。なにか手がかりだけでも見つかるといいんだけど・・・。」
散り散りになったあの場所。警戒しながら近づいたのび太たちであったが
結局、敵の部隊に遭遇することはなかった。しかし、同時にやはり
仲間たちの消息はつかめない。途方にくれるのび太とリルル。だが・・・
「ひとつだけわかったことがあるわ。」
「え?」
「恐らく敵は武装レベルはともかく兵士の数自体はそれほど多くはないってこと。
そうじゃなければ見張りの部隊ひとつ置いていかないなんて不自然すぎるわ。」
「子供だからって甘く見てるのかもよ。」
「いえ、自在に空を飛び軍隊から逃げ切った者が少なくとも一人はいる。
つまり、のび太くんのことね。しかも・・・やったのは私たちだけど・・・
戦闘機部隊を壊滅させたんだから甘く見てくるなんてことはないと思うわ。
むしろ、正体がわからないだけにかえって警戒してるでしょうね。」
「ふぅん。言われて見ればそうかもね。」
結局、その日はなんの進展も見せないまま夜になった。
いや、リルルとザンダクロスという心強い仲間を得ていくらかの希望はある。
いろんなことがあって疲れ果てた体。
しばらく気絶して眠っていたとはいえ、やはり休息を欲している。だけど・・・
となりでしずかに寝息をたてているリルルにドキドキしてとてもじゃないけど眠れそうもない。
リルル・・・きっと、のび太が気絶している間寝ずに看病していてくれたのだろう。
こうやって眠っている姿を見ると改めてとてもロボットとは思えない。
リルルの言った一言が妙に気になる。
――ね?このまま二人で逃げちゃわない?二人きりで・・・・――
いけない。ブルンブルンと雑念を振り払う。
しかし、もちろん眠れない理由はそれだけではなかった・・。月明かりに想う。
戦闘機に狙撃され落下していったドラえもんの姿が目に焼き付いて離れない・・。
きっと無事だと信じていたいが・・・冷静に考えて無事である確率は果てしなく低いだろう。
相手にこちらを殺す気がなければいいのだが・・・。心配なのはドラえもんだけではない。
散り散りに分散して逃げた仲間たち。
「しずちゃん・・・しずちゃんは大丈夫だろうか。
ちょっと悔しいけど出来杉がついてるからきっと大丈夫だろうな。
あいつ頼りになるもん。・・・・でも・・・あいつがしずちゃんと二人っきり・・・」
再びブルンブルンと頭を振り気持ちを切りかえるのび太。
「余計なこと考えちゃダメだ。今はしずちゃんの無事が一番大事なんだから!」
「・・・そう言えばジャイアンとスネオは無事かなあ?追っ手はいなかったみたいだけど・・・」
最後についでのように思いついた二つの名前。しかし、もちろん大切な仲間に変わりはない。
全員の無事を祈りながらのび太は・・・いつのまにか・・・深い眠りについていた・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
すいません。ホントすみませんが、いろいろと大幅に勘違いしてたので
>>850の出来杉帝国33を改訂します。申し訳ないです。
大きなブルーの瞳。淡いピンク色の髪の毛。意思の強そうな、それでいて
優しげなまなざし。少女はまるで天使のような微笑みを浮かべて口を開いた・・・。
「・・・・久しぶりね。のび太くん。」
「・・・リルル!! なんでこんなところに!?」
「それはこっちのセリフよ・・・。っていいたいところだけど、
そうね。不思議よね。本当は私は遠くメカトピアにいるはずなんだものね。」
「どうしたの?観光?今はメカトピアは天国のように生まれ変わってるんでしょ?」
「・・・残念だけど・・・。私たちの祖先であるアムとイブの競争本能をなくしても戦争や
差別主義、そして奴隷制度はなくならなかったの。結局、同じように・・・
私たちの国は間違った道を歩み始めたわ。そう。ロボット至上主義が生まれたの。
一部のロボットたちの中には既にかつての鉄人兵団たちと同じように新たな労働力、
奴隷階級として地球の人間に狙いを定め侵略しようとする者たちまで現れた・・・!」
「・・・そんな・・。それじゃまたいつか同じことが・・!?」
「・・・ううん。きっと同じにはならないと思う。なんでそう思うのかって?
そんな状況の中でなぜか私だけ・・・この地球上の・・・あの時の、のび太さんや
しずかちゃんたちの記憶を持ったまま生まれてきたの。
最初はプログラムのミスかと思ったんだけど、事実を調べるうちに確信が持てたわ。
この記憶が本物だってことが・・・。そして・・・以前のメカトピアとは少し違うの。
今のメカトピアには私たちと同じ他人を思いやる心を持ったロボットが大勢いるわ。
だから、きっと・・・人間たちともうまくやっていける!」
「わたしがのび太さんたちの記憶を残したまま生まれたわけ。きっと神様が・・・
私をメカトピアと地球を救う架け橋にするために、そうしてくださったんじゃないかと思うの。
だから、私は彼らが地球侵略を実行に移す前に地球にやってきたの。
そしたら偶然、この地底世界を発見して・・・。ここでなら地球の人間たちと争うことなく
共存できる新たな理想のメカトピアの礎を築けるんじゃないかと思って・・・。」
「リルル・・・。そうさ。きっとそうだよ。リルルはだってメカトピアの天使なんだから!!」
「ふふ・・ありがとう。のび太くん。・・またあなたに会えてよかったわ。」
「・・・え?あ、あの、その、ボボ、僕もまたリルルに会えて・・・その・・・」
リルルの言葉に真っ赤になってあさっての方向を向いて戸惑うのび太。
スレを読みにくくしてしまい申し訳ありません。
以後、重々気をつけます。
乙。小悪魔風のリルルがいい感じですね。こっちまでドキドキしてしまう。
オレはロリコンじゃなかったはずなのに。w
ワクワクしてきた。
もはやドラ長編って感じではないな。中途半端。
もう期待しない。
861 :
作者の都合により名無しです:04/05/11 08:39 ID:kdrB4l2E
頑張れ。俺は好きだゾ。応援してる。
862 :
作者の都合により名無しです:04/05/11 20:46 ID:G/RWU3iF
頑張れ。俺は好きだゾ。応援してる。
863 :
作者の都合により名無しです:04/05/11 21:25 ID:9WPNas0Y
頑張れ。俺は好きだゾ。応援してる。
今夜は無しかな?
865 :
作者の都合により名無しです:04/05/12 05:48 ID:LjoN70Jj
頑張れ。俺は好きだゾ。応援してる。
866 :
DIOの世界:04/05/12 19:53 ID:WY8ycP01
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-short/dio/08.htm 俺の目の前で美少女が声を殺して哭いている。
名をシェリーという聖女だ。いや、聖女だった、と言う方が正しいか。
今、その美しい聖少女の股間から細々と血が流れている。
それは通りすがりの醜い男に弄ばれた、堕落の刻印だ。
俺の背筋をゾクリとした美快感が走る。
分かっているんだぜ。もう演技は止めなよ。
俺の放出したばかりのペニスがまたムクムクとエレクトしてきた。
シェリーは恐怖で目を瞠る。だが、俺は恐怖の中の僅かな光を見逃さない。
「欲しいんだろ?初めての快感だったんだろ、お前にとって?」
俺は少女の顔を無理にまっすぐ俺に向けさせた。少女は顔を背けようとする。
「シェリー。お前は俺に応えるんだ。俺が腰を振ればお前もそれに合わせる。
俺の動きにリズムを合わせるんだ。でないと村人を殺す」
シェリーは凍りついた表情で俺を見る。だが、俺は見破っている。
それも彼女の演技だということを。無意識の胡散臭いモラリスト気取り。
その証拠に。さっき無理やり俺のペニスを挿入した数分後。
この女は動かしていたからだ。腰を。自ら。僅かに、だが確実にだ。
867 :
DIOの世界:04/05/12 19:54 ID:WY8ycP01
優しい前戯はもう必要無い。俺は荒々しくシェリーの口を吸った。
美しい16歳の、ほんの5分前まで処女だった聖女の舌が遠慮がちに動いた。
だが、一度動けば後はもう止まらなくなっていた。
蛇のように舌を絡め合い、唾液をすすり合う。歯の裏側まで舐めてきた。
退屈していたんだろ?この田舎町で。善良な振りをしながら、股を濡らして。
おそらく少女はこう思っている。私がプレイに応えないと村人が殺される。
だ・か・ら。私は自分を犠牲にしてこういう事をしているんだ、と。
自分に言い訳をしながら舌では、肉体では快楽を楽しんでいる。
ざまあみろだ。この世に聖人など存在しない。悪人は腐るほどいるがな。
俺は丁寧に乳房を弄んだ。乳首を丹念に転がし、優しく舐めてやった。
シェリーの息が荒くなる。理性の堤防は決壊寸前らしい。
ヴァギナを指で細かく探索し、クリトリスを剥き、そのまま強めに吸い上げた。
「ああああっ、あっ」
甘やかな声を上げ始めるシェリー。もう肉体は拒否していない。愛液が溢れる。
指で、舌で徹底的に性器を責めつける。イク寸前で俺は責めを止めた。
シェリーが俺を見る。だが、今までの憎しみの眼差しとは明らかに変化していた。
868 :
DIOの世界:04/05/12 19:55 ID:WY8ycP01
「途中で止めてすまなかったな。せっかく上の口も下の口もダラダラなのによ」
「そ、そんな。私は村人の為に」
「そうだ。村人の為だ。だから四つん這いになってケツを突き出せよ」
シェリーは素直に応じた。村人の為だそうだ。ヴァギナは洪水状態なのによ。
ペニスを一気に突き入れてやった。電流が走ったように弓反りになる聖少女。
俺は根元までペニスを突き入れた状態のまま、しばらくそのまま静止していた。
シェリーがよだれを垂らしながらこちらを振り返る。既に目の焦点は合っていない。
「どうした?好きにして良いんだぜ?村人のためだ」
「村人の、ため」
その言葉を最後に、彼女から意味のある言葉は途絶える。甘い喘ぎ声が響き続ける。
腰を激しく振り、グラインドさせ、俺のペニスを貪る快楽玩具の出来上がりだ。
聖少女は、完全に堕ちた。俺の手の内に。
止めに俺はアッパー系のヤクを彼女のアソコに刷り込んでやった。完全なる洗脳支配。
それから二晩ぶっ続けで、シェリーは俺のペニスを狂ったようにしゃぶり続けた。
既に彼女の頭から村人の事は消えている。あるのはセックスの快楽だけだ。
869 :
DIOの世界:04/05/12 19:56 ID:WY8ycP01
腰を振り続ける少女とは裏腹に、俺は白けてきた。もうこいつは聖女じゃない。
もう汚しようがないほど、俺が汚してやったからだ。クソ便器には用は無い。
3日目の朝。仕切りにシェリーはおねだりを始めた。
俺のペニスを指でしごき、チロチロと亀頭を舐めながら、上目使いで娼婦のように。
「ねえ、またあの粉オマンコに刷り込んでよ。そしてまたおっきいのちょうだい」
3日前の凛とした聖少女の面影は欠片も無い。何故か俺は哀しくなった。
そしてスタンド・吊られた男が彼女のペンダントに乗り移り、シェリーの首が飛んだ。
最後に「兄さん」とシェリーが言った気がしたが、俺の空耳だろう。
『快楽』による『洗脳』。
俺は聖少女を堕落させた事により、その行為に絶対的な自信を持っていた。
だが、肉体的な快楽やヤクによる洗脳など、最も浅ましい事と俺はすぐ知る事になる。
生涯の主人となる、DIO様との出逢いによって。
870 :
殺助:04/05/12 19:58 ID:WY8ycP01
ガイル編は終わらせます。
復活わーい
ドラえもん のび太の地底出木杉帝国の続き。
前回最終話は
>>850-856です。(第一話は
>>446〜)
すいません。遅まきながら「出来杉」を「出木杉」に。
下の名前を現在の公式設定に合わせ「英才」に変更します。
「お腹へったよ〜。死ぬ〜」
森の中。早くも非常食を食べ尽くしたジャイアンとスネオ。もっともバッグも
何も用意してない状態だったので元々微々たるものではあったのだが。
泣きごとを言うスネオに対し、ジャイアンはじっと無言を貫いている。
そう言えば大食いのジャイアンがさほど非常食には手をつけていない。
やはりこの窮地に責任を感じているのだろう。
と、スネオがふいになにかを思いついたかのようにソワソワしだす。
「ねぇ、ジャイアン・・・。そういや、すっかり忘れてたけど地底世界の森って
普通に恐竜とかいるんだよな。ひょっとして追っ手が来ないのはそのせいとか?」
「落ちつけスネオ。武器は手元にある。追っ手なんかより恐竜の方が100倍ましだぜ。」
と、その時なんの前触れもなく・・・・上空の茂みが大きく揺れて音をたてる。
抱き合いながら飛びあがって驚く二人。
「ひゃあ!? きょ、きょきょ、恐竜!?」
「どうしたの?おなかが減ったならボクの顔をお食べよ。」
「!?」
突如、上空からの声。あわてて見上げれば・・・
フワリと舞い降りてくる一人の大きなまんまる頭。
ひらめくマントが“あの男”を連想させる。
「パッ、パパパ “パーマン”!?」
「やい!てめぇ!あいつらの仲間だな!? ぶったおしてやる!」
おびえるスネオと腕まくりして威嚇するジャイアン。
しかし、まんまる頭は少し困ったような顔をして・・・
「パーマン?ボクの名前はアンパンマン。キミたちに危害を加えるつもりはないよ。
ずいぶん疲れてるねぇ。そうだ!ジャムおじさんのところにおいでよ。
この近くにキャンプ用のアンパンマンカーがあるから休んでいくといいよ。」
思わずキョトンとした顔で間の抜けた声を出すジャイアンとスネオ。
「・・・・へ?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コトリとテーブルにお茶を置く少女。
少女といっても顔の造形が少々人間離れしている。
と言ってはこの少女に失礼か。彼女たちにとってはこれが普通で
地上の人間たちこそ人間離れして見えるのだ。
そう。彼女は地底世界の竜人の少女。少女の名はロー。
この竜人世界の美的基準ではそうとうの美少女にあたるらしく、
地上の人間から見ても不思議と実に可愛らしく思える。
テーブルに座っているのは・・・
しずかと共にパーやんに追われていたはずの出木杉英才。
どうやら無事、逃げ切ることができたらしい。
「いつもありがとうございます。ローさん。」
「いいんですよ。わたしにはこれくらいしかできませんから。」
と、やはり同じく竜人。しかし、こちらは体格もよく青年といったおもむきだ。
甲冑をまとったその姿は軍事演習場で見た竜騎士の将軍たちを思わせる。
気さくな様子で出木杉に語りかける竜騎士。
「やぁ、体はもういいのかね。」
「はい。僕はもう大丈夫です。ただ・・・まだ彼女の方が・・・。」
「ふむ。無理もない。ゆっくり休むといい。」
「本当にありがとうございます。あなた方に助けていただかなければ僕らは今ごろ・・・」
「気にする必要はない。むしろ、謝らなければならないのは私たちの方だ。
一部始終を我等は監視していた。本当はキミの仲間たちも全員助けるべきだったのだが・・・。
我々の戦力ではキミたちを助けるだけで精一杯だったのだ・・・。」
「いえ、そんな。あの恐ろしい“パーマン”を撃退してくださっただけでも・・・
ドラえもんたちの安否は気がかりですが、本当に感謝しています。」
「そのドラえもんくんだが・・・監視の者からの報告では・・・
戦闘機部隊に撃墜されてその後敵兵に連れ去られたとか・・。」
「・・・!!ドラえもんが・・・!」
「ドラえもんくんの秘密道具は我々反乱軍にとっても切り札となりうる存在。
なんとしても救出したかったのだが・・・。力及ばず・・だ。すまない。」
「いえ、仕方ないですよ。ただ・・・そうなると・・・もしも無事生きているならドラえもんの
救出は必須として・・・その前になんとかジャイアンやのび太くんたちと合流して
戦力と前もって分けておいた秘密道具の確保が最優先課題となってきますね。」
「ああ、キミの仲間たちの行方はいま、人員を配して捜索に当たらせている。
そして、これはいまいち不確かな情報なのだが、その後巨大な人型の化け物が現れ、
戦闘機部隊を全て撃墜。その後のび太くんを連れ去り遠くへ飛び去っていったとか・・・。
謎の空を飛ぶ少女がいっしょだったとか情報が錯乱していていまいち状況が把握できない。
しかし、のび太くんが無事でいる可能性はかなり高そうだ。」
「そして、ジャイアンくんたちだが、ことが落ちついた後、一応彼らが逃げ込んだ森に
人を送りこんではみたのだが・・・やはりもう誰もいなかった。
上手く逃げ延びたのか、それとも既に捕まってしまったのか・・・。」
「・・・・そうですか。」
現状を知らされ、わずかに落胆の色を見せる出木杉。覚悟はしていたものの
いざ、こうやって具体的に聞かされるとやはり気は重くなる。そんな出来杉の落胆を
感じ取ったのだろう。一瞬の沈黙。そして、竜人の青年はひとつの提案を試みる。
「そこでお願いがあるのだが。戦力の確保。秘密道具の奪回。イコールそれは
キミの仲間たちの救出ということでもある。お互いの利害は一致するところだろう。
そして、キミの頭脳の優秀さは以前、のび太くんたちから聞いている。
そこで・・・・・反乱軍の参謀として我等に加わってはもらえないだろうか。」
「・・・僕なんかの力でよろしければ、喜んで・・・。」
ガッシと固く握手する出木杉と反乱軍リーダー・竜騎士バンホー。
潜伏し機を伺っていた反乱軍が・・・出木杉を参謀に加えついに・・・・・・
沈黙を破り、今まさに動き出したのだ・・・!
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「注文通り、あの二人、逃げるふりして反乱軍に“引き渡して”来ましたでぇ。」
ロード・キスギーのもと、気安いマイペースな関西弁で語りかける男。
緑ヘルメットの男“パーマン”である。
「うむ。ごくろうであった。パーやんよ。」
ねぎらうキスギー。どうやら、緑ヘルメットの名はパーやんというらしい。
「しかし、けったいなことしまんのやな。すぐにでも連れてきて“計画”に移ればよろしいものを。」
「それもまた“計画”のうち・・・必要な回り道なのだ。あの二人に決定的に足りないもの。
それは共に生死をかけて戦いぬいた経験。彼らがより強い絆を得るために必要な過程なのだよ。」
「ふぅん。そんなもんでっか。もっとおだやかな絆もありそうなもんでっけどな。」
「しかし、やつらバラバラに逃がしてしまって大丈夫でっしゃろか。もし、一人でも
生き延びて地上のやつらに地底都市のこと伝えられたらやっかいでっせ。わてらの
地上制圧作戦はあくまでもゲリラ戦が前提や。地上の国家と真っ向勝負ともなれば、
そらもうさすがに勝ち目はおまへんで。」
「心配はいらん。考えてもみろ。警察や軍隊があのような子どもたちのいう突拍子もない話を
信じると思うか?それは同じく地上世界では一人の子どもに過ぎないお前ならよくわかるだろう。
しかし・・・どちらにしても現状のやつらには我等との接触なしに地上へ戻る術はない。
必ず、ここに戻ってくる・・・。この城にドラえもんがいる以上・・・・な・・・!」
ニヤリと笑いある方向を見据えるキスギーとパーやん。その視線の先にあるものは・・・
宙吊りにされた小さな鳥かごのような檻の中、瞳孔が開かれ機能が停止されたまま・・・・・
焼け焦げ倒れ伏すドラえもんの姿であった・・・!
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次の更新は間があくと思います。最近ミスが多いなー。
>>875(38)の「パーやん」は「“パーマン”」です。
別にあまり変わりませんが一応まだ名前は不明のはずだったので・・・。
次スレよろ
↓
勝手に↓のタイトルで立てたけど、良いよな?前から提案しようと思ってたスレタイなんだけど。
【漫画】創作ストーリースレへようこそpart14【SS】
誰か誘導張って下さい。何故かスレは立てれても誘導が張れない。
殺助さん復活おめでとう。エロいな。
うみにんさん、最近エンジン全開ですな。
出来杉については謎のネーミングだな。藤子F先生が天国へ行かれた今となっては。