【リレー小説】えなりの奇妙な冒険〜冨樫の遺産編第11部

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406逃げろ、村田!(217/350):03/09/05 02:05 ID:9/d7eqin
松江名「見〜〜つ〜〜け〜〜た〜〜ぞ〜〜、違反者発見!!」
ピ−−−ッッ!
松江名の呼び子が鳴り響き、たちまち大会スタッフ達が大挙して押し寄せ始めた。
スタッフ「いたぞ、違反者だ! 捕まえろ!」 ここに地獄の追跡劇が、再び始まった。
村田「うわあああああああッッ!!」
恐慌状態に陥り、村田が脱兎のごとく逃げ出す。それをスタッフと猟犬たちが追う。
松江名「よし、青山君。私たちも追うぞ!」 青山「オラは関係ないっぺよ・・」
疲れ果てたように呟く青山だが、それは誰にも聞かれる事はなかった。

数分後。村田「フンヌラバ!!」
スタッフたちによる包囲網を、村田が強行突破を試みる。
重戦車のごとき村田の、アメフトじこみのタックルは、それなりに鍛えられたスタッフたちを、軽々と吹っ飛ばす。
スタッフ「ば…化物だ−−−っ!? 俺達じゃ止められん! 先生を呼べ!」
村田(ひいひい・・はあはあ・・ゴメンねスタッフさん。
   でも、僕はこんなとこで捕まるわけにはいかないんだ!)
まだ何の役にも立ってない。捕まる前にせめて1勝でもチームに貢献したい。
その思いだけが、村田を突き動かし、疾駆させる。
だが、その目前に、いきなり道をさえぎる死神が降り立った。
松江名「こらこら逃げちゃダメだよ、これでも私は審判なのでね。規則は絶対だ。
    私は争いは好まない方でねえ、あまり手を焼かせないでくれたまえ」
村田「お願いだ、そこをどいてくれ。でないと、アンタも・・・」
涼し気な松江名に対し、必死な形相で迫る村田。しかし、松江名は。
松江名「いやいや大きいね〜〜君は……」
静かな声だった。だが、それはまさしく嵐の前の静けさに他ならない。
村田(この人……僕と闘うつもりなのか? この細い体で?)
この時、村田の思考はたったひとつであった。松江名を倒してでも、ここを逃げる!
2人の闘気が、メラメラと燃え上がった。空気が戦場のそれへと変わっていく。
後ろで成り行きを見守っていた青山に、ふいに松江名の声がとんだ。
松江名「青山君!」 青山「は、はい!」 思わず律儀に応えてしまう青山。
ギラリと目を光らせ、松江名が自信に満ちた声で言った。
松江名「これから柔術の実戦を見せる!! よく見て参考にしたまえ!」
407松江名先生の格闘講座(218/350):03/09/05 02:36 ID:9/d7eqin
松江名「さて、相手が自分より大きい場合…」 村田「うお−−−っ!!」
捨て身になった村田が、弾丸のようなタックルをしかけた。
対する松江名は涼しい態度を崩さぬまま、平然とこう言う。
松江名「まずは悪い例だ…」 青山「ええっ!? そんな実戦中に?」
常識外れの言動に、青山が驚愕した。しかし、真の驚愕はこの先にあった。
重戦車のタックルが、松江名の細身の体に激突した。
普通なら触れた瞬間に吹っ飛んでしまいそうな、圧倒的な体格差。…のはずが。
村田「ぐぉ−−−−っ!! ぬお−−−−っ!」
100キロを遥かに超える村田の巨体が、しかしビクとも動かない。
なんと松江名は、村田の渾身のタックルを、2本の腕で難なく受け止めてしまったのだ。
松江名「まっ向から対峙してはならない!! 力負けしてしまうからね!!」
青山(負 け て な い じ ゃ ん !!)
村田の突進を力ずくで抑えこみながらも、松江名には青山の方を向いて解説する余裕さえある。
青山(物理の法則的に…松江名先生が動くはずなのに!!?)
村田「う、動け−−−っ!!」 そのとき青山は気付いた。
青山「足の指を…岩のくぼみにひっかけているう〜〜!?」
それは松江名の実戦ならではの技法だった。そして、強烈な握力が村田の肩に食い込んだ。
村田「ぐわあああ・・・・!」 青山「おまえが痛がるのかい−っ!!」
苦痛にあえぐ村田から、ふいに松江名が手を放した。
松江名「よし、次は正しいやり方だアメフト君!」
村田「ぐおおお〜〜〜!!」
すでに、村田に余裕などなかった。目前の得体の知れない怪物に、心底恐怖しているのだ。
恐怖に取りつかれた村田が、力まかせにボールを振り下ろした。
刹那、村田の視界から松江名の姿が消滅した。
村田「き、消えた!? うおっ!!?」 気付いた時には、村田の死角に松江名はもぐりこんでいた。
松江名「入り身のコツは真っすぐ進むように見せて、外に進み、敵の死角を取ることだ!!」
実戦の最中だというのに、松江名の解説は止まらない。そして、圧倒的攻勢も。
松江名「そして、実戦においてだいたい柔術は…」

 ま ず 、 当 て 身 か ら 始 ま る ! ! 
408作者の都合により名無しです:03/09/05 02:58 ID:bsg9QlgR
松江名先生(゚∀゚)キター!!
409松江名先生の格闘講座(219/350):03/09/05 03:11 ID:9/d7eqin
死角からの鋭い一撃が、村田のこめかみを痛打した。
村田「ぽっ…」 
重い衝撃に、村田の頭蓋の中で、脳が激しく揺さぶられる。
アメフトで頑強に鍛え上げている村田の首ですら、殺し切れない凄い威力だった。
松江名「だが当て身はあくまで、敵の注意と体勢を崩す…お と り !!」
青山(いや!! き い て る っ て !!)
村田「くっ!」 
視界を揺らしながら、懸命に村田が攻撃を繰り返す。
しかし、松江名の舞うような捌きに、全ては弾き落とされていく。
松江名「敵の攻撃はスピードに乗る前に半歩出て、力をそらして無力化する!!」
ことごとく攻撃をいなされ、遂に村田がバランスを崩し、前のめりになる。
松江名「そして…」 
村田「ひっ!!」 
青山「ああっ!!」
村田の腕が捻り上げられ、太い足がひっかけられた。

松江名「 投  げ  る  ! ! 」

瞬間、村田の巨体が、大きく宙を舞った。
派手に回転し、大きな地響きをたてて、巨体が地面に叩きつけられる。
凄まじいばかりの投げの威力に、村田はあえなく失神した。
410緊急事態(219/350):03/09/05 03:16 ID:9/d7eqin
青山「す…す…凄いぃ!!」 
松江名「参考になったかね?」
あまりの技の見事さに驚嘆し、青山が駆け寄ってくる。
一方の松江名はやはり泰然としながら、和服の襟元を直している。
松江名「さて、それでは可哀想だが、村田君はプリズンに行ってもらうか……」
大の字になって目を回している村田を見下ろしながら、松江名が溜息をついた。
そのとき!
松江名「!!」
突然、松江名が駆け寄ってきた青山を蹴倒した。
いきなりの暴挙に尻餅をついた青山の頭をかすめるように、弾丸のような何かが突き刺さった。
青山「!!?」
ようやく青山が事態を察知した時には、松江名はすでに臨戦体勢にはいっている。
松江名の視線の向こうに、氷炎の竜巻が渦を巻いていた。
??「ちょうどいい具合に敵がいるじゃねえかよ。さっそくぶっころだ」
それは、乙一にまさかの敗北を喫し、怒り心頭の鈴木リバースであった。
松江名「やれやれ…しつけの悪い獣だ…回りの者に当たったらどうする?第一、ここでは不意討ちは禁止だよ」
穏やかさの中に、真剣のものが混じる。しかし、鈴木リバースは全く意に介さない。
相手が審判だと知ってか知らずか。
いや、例え知っていたとしても、鈴木リバースにはお構いなしだろう。
鈴木(R)「うるせえ、こっちはイライラしてんだ。エラそーに指図するならテメ−から、ぶっころだzo」
松江名「ほう、面白い。やってみたまえ…」
双眸に剣呑な光が滾り、鈴木リバースに向けられた。
そのとき、別の方向から、新たな殺気が風となって吹きつける。
??「これはこれは…何やら面白い場面に出くわしたやないけ」
混沌たる戦場に出現したのは、濃紺のスーツを着込んだ精悍な体躯の男。
チームタフの首魁。猿渡哲也である。
411作者の都合により名無しです:03/09/05 03:16 ID:9/d7eqin
まちげーた。上のレスは(220/350)ね。
412横山の思惑:03/09/05 04:15 ID:9/d7eqin
ここはゴッドハンドの拠点、バベルの塔。
その頂点にて泰然とたたずむ横山に、戦艦ヤマトから急な知らせが届いた。
横山「なんと、十傑集の高橋しんと福地翼が艦を脱走したと?」
このいつも冷静な男にしては珍しく、驚きの為か片眉が吊り上がる。
松本「事実だ。連れ去った者は、梅澤春人」
目の前のモニターには、松本零士からのホットラインが繋がっている。
横山「ほう、KIYUと志しを同じくする者にして、<突き抜ける>を得た者。
   我らが<神>に反逆する、愚者共があの<最終兵器>をね」
羽扇で口元を隠しながら、横山が呟いた。
松本「今なら間に合うぞ。大友にでも追わせるかね?」
それに対する横山の言葉は、松本には意外なものだった。
横山「いえ、放っておきましょう」
松本「なんだと!?」
まさかの返答に、松本は一瞬、横山の正気を疑った。
しかし、横山に限ってそんな事があるはずないと即座に思い直し、松本が咳払いする。
松本<<解せんな。福地はともかく、高橋しんは矢吹艦攻撃時の要。重要な戦力のはずだが?>>
もっともな事を言ってくる松本に、横山は意味ありげな微笑を刻む。
横山「確かにそうです、いや、<そうでした>というべきでしょうか。
   私は思いついてしまったのですよ。あれを単純な戦力として使うより、
   もっと面白い使い方をね」
松本「ほう?」
横山の真意が読めず、松本が怪訝な顔をする。
横山「KIYUと高橋しん。彼らはあまりにも境遇が似ている。
   集英社と小学館。場所は違えど、共に禁忌として封印された者たち。
   彼ら、2つの凶星が出逢うとき、果たして何が起こるのか。
   私はそれを見てみたくなったのですよ」
横山の目に浮かんでいたのは、明らかな狂気の光だった。
だが、それに気付かない松本がさらに問う。
松本「おまえは何を考えている? もしKIYUにヤツの力を利用されたらこちらにとって大きな驚異になるやも知れんのだぞ」
横山「御心配なく。あれは、使おうと思って使える者ではないのです。
   人の手では御し得ず、人の手に余るもの。あれは、<そういうもの>なのです」
413横山の思惑:03/09/05 04:33 ID:9/d7eqin
松本「……それで、私に納得しろと?」
横山「その時が来れば、私の言っていた事が正しかったと証明できますよ。
   ですから、ここは私を信じてもらえませんか、松本さん」
しばらく間があった。やがて、松本が言う。
松本「了解した。そこまで言うなら、追手は出さん。だが、どうするつもりだ?
   おまえの御自慢である十傑集……また2人も欠員が出てしまったぞ」
横山「その点についても御心配なく。すでに目星はついていますよ」
自信ありげにそう言うと、横山が別のモニターを作動させた。
そこに映し出されたのは、白熱する野球の試合風景。D決勝の映像である。
松本「これがどうした?」
すると、横山が羽扇で画面のある一点を指し示した。
横山「彼が、新たな十傑集候補ですよ」
その先に示されていたのは、えなりベンチに座るひとりの男。
誰もが純粋に勝利を目指し戦うなか、ひとり強い憎しみを滾らせる者。
横山「感じますね、ドス黒い怒り、強い憎しみの念を」
わざわざこのような言い回しを使ったのは、彼独特のユーモアか。それともKIYU達に対する揶揄か。
横山の神算鬼謀を秘めた視線の先にある男の名は。
横山「岸本斉史……確か、そのような名でしたね、彼は」
松本「なるほど、大友が以前、自らの後継者に指名した男か。
   だが、あれは失敗したのではなかったか?」
それに対し、横山が静かに首を振る。
横山「いえ、大友さんの<呪印>は、そう簡単には解除できません。
   それこそ同じゴッドハンドクラスの力がない限り、不可能です。
   何より、彼は憎み、呪っている。自分の親愛なる者を殺した男を。
   そして、その男を倒せぬ非力な己を。そういう者をこそ、私は欲しています」
414横山の思惑:03/09/05 04:48 ID:9/d7eqin
松本「で、どうするつもりかね。また洗脳でもするつもりか?」
横山「いえいえ」
とんでもないと言わんばかりに、大袈裟に横山は笑った。
横山「その必要はありません。何もしなくても、彼は自らこちらへ来ますよ。
   彼が仇を憎み、己の弱さを憎む限り、ね。
   私たちは、それをほんのちょっと後押ししてやるだけでいい。
   この試合が終わったら、その役目は大友さんにでもやてもらいますかね」
いったん息をつくと、横山はつづける。
横山「それに岸本君の中にひそむものは、下手するとKIYUや高橋しんを凌ぐかも知れません。
   それ程までに兇悪な怪物を、彼は身の裡に飼っている」
松本「すべてにおいて抜かりはないというわけだな。で、もうひとりは?」
すると、それまで流暢だった横山の弁説が、急に澱んだ。
松本「どうかしたのか?」
横山「……いえ。ですが、<あの者>は色々と問題がありましてね。
   出来れば使いたくなかったのですが、仕方ありません」
その横山の端切れの悪い言い方に、松本はある事に思い至った。
松本「まさか……<奴>を解き放つつもりか。あの罪人……十傑集でありながら、
   貴様や他のゴッドハンドに傲然と牙を剥いた、あの者を」
横山「あの者ならば……高橋しんの後釜には十分すぎるでしょう」
松本「危険だ。奴はかつて、お前の喉元まで後一歩というところまで迫った、
   最凶にして最悪の使徒……だからこそ、先の大戦以来、
   奴は<バベルの塔>の牢獄に封印されているのだろう」
松本の忠告を、横山は一笑にふした。
横山「だからいいんですよ。それだから、いいんです。あの者なら十全の働きをしてくれます。
   それに言ったでしょう。私に必要なのは、まさにそういう者だと」
もう松本に、何も言うことはなかった。静かな目で横山を見ると、
松本「気遣いは無用というわけか。ならば、もう何も言うまい。貴様の差配……とくと見せてもらおう」
それを最後に、交信は終了した。
そして、横山がふうと息をつく。
横山「今宵はいい月だ。このような夜には、<奴>の遠ぼえがよく聞こえます」
その耳に届く声。吹き荒ぶ風の音に混じり、バベルの塔の牢獄にて兇悪な産声があがった。
415作者の都合により名無しです:03/09/05 08:49 ID:TKm05e59
福地君クビ(゚∀゚)おめでd
416闇の風(221/350):03/09/05 10:39 ID:UHj7U01Q
 「ああ、邪魔するで・・・」
あくまで静かに、この一触即発の場へ入り込んできた男、猿渡哲也。
しかしその荒ぶる闘気――いや、凍気と表現するべきか――は、場の全てを刹那に支配した。
あまりに冷ややかな空気は、昏倒した村田さえ慌てて飛び起きるものであった。
 「さ・・・猿渡サンっ・・・」
 「なんや青山、そんなけったいな声出しよってからに。冷汗出てんで」
傍目にこやかにも思える猿渡の表情、しかし青山は硬直しきってしまう。圧倒的な恐怖。
さしもの鈴木信也リバースでさえ一瞬鼻白む程だ。松江名が闖入者に声をかけようとする。
と、その時。好機と睨んだ村田が飛び起き、砂浜とは逆の方向へかっ飛んで逃亡した。
「逃げろぉぉぉぉぉぉ」と涙声で叫びながら。

 「むう、アメフト君が逃げてしまったな。やれやれ・・・包囲網をキツくさせるか」
松江名が頬をポリポリと掻きながら、審判用連絡モバイルを懐から取り出そうとした。
しかし、なぜか猿渡がクククと笑い出し、言った。
 「なあに・・・その心配は無用やろ。・・・霊柩車の用意でもしときや」
 「?」松江名は首をかしげる。その横から突然、空気を切り裂くように鈴木リバースが猿渡に襲いかかった。
猿渡はゆっくりとスーツを脱いで、空高く放り投げた。


 「ふう、ふう、ふう・・・・。・・・な、なんとか・・・逃げきれた、のかなあ?」
どれだけ走ったかわからない。村田は自分の知らないどこかに迷い込んでいた。
気づいたら空が赤い。サイレンや放水の音、人の声が風に乗って耳に入ってくる。
山火事の現場に近いらしい。村田はそれに気づき、ドキドキしながら赤い空に背を向ける。

――そこには、マシンガンの銃口をこちらに向けて携えた、見慣れた男の影があった。
――闇とオレンジ色に全身を染められた彼は、なぜか泣いているように思えた。
――村田の相棒にして親友、悪魔と罵られる事も多いが最良の友と信じて疑わない男。

 「あ、稲垣くーん!元気だったかい・・・・」
 
                                 ・・・・斉射音は、火風に千切られ空に吸い込まれていった・・・
417現在454KB:03/09/05 10:45 ID:UHj7U01Q
(´-`).。oO(470KB超えたら新スレに移行致しませう)
同人軍艦内広間──。
そこでは、<ブレードチルドレン>こと城平京、水野英多と高橋留美子が争っていた。
中枢に近いこともあって、高橋は秘石の力を完全には使いこなすことが出来ない。
だが、高橋はそれを差し引いても厄介な敵であることを苦々しく認める。
何度目かの衝突の後。
高橋「でも、ね…」
高橋は歪んだ笑いを浮かべる。
そして彼女は秘石『四魂』を取り出して、それを自らの胸に埋めた。
城平「なっ──!?」
  ド ク ン
脈動する音と共に、高橋の邪悪な気がその濃度を増す。
水野「仕方がありません!止めをさします!!」
少女──水野が銃撃を放った。
その一撃が無防備の体勢をとった高橋の心臓に命中する。だが、関係ない。
一瞬遅れて、城平の弾丸が高橋の頭蓋を砕いた。だが、関係ない。
ただ、高橋が集中して守っていた、秘石『四魂』を破壊することは出来なかった。
黒い“気”が高橋留美子の周りを包む。
城平「馬鹿な…」
妖気に気圧されながらも、城平と水野は中央にいる高橋のほうを向く。
水野と城平は再び銃の引き金を引くが、銃弾がその体を破壊するより早く、
高橋の傷は再生する。
それは、人魚の肉による不死化など問題にもならない。
そこにいたのは。
完全に妖怪化した高橋留美子だった。
高橋「あはははははは…はははははははは………」
城平と水野が見守る中、高橋留美子は哄笑する。

 ****
同人軍艦エニッ糞上空一万フィート。
魔空艦零寒(ゼロサム)の隔離部屋にて。
そこにはぐるぐるにロープで縛られた美川べるのがいた。
操縦士A「何とか間に合ったな…」
操縦士B「しかしここまでされるまで熟睡する人間もどうかと思うが…」
とりあえず美川を縛り上げた操縦士たちが話し合う。
美川「なんで縛るのよー、なにもしやしねーよー。」
美川はフライパンの上のエビフライのごとく跳ねて暴れる。
操縦士A「信用できるか!」
操縦士B「高河先生も峰倉先生も居ない以上、
   おとなしくしてもらいます。」
美川「…くぅっ、お前らただの操縦士のくせに強気だな。」
操縦士A「そんなこと決まってます。私達だってゼロサムの漫画家なんですよ。」
操縦士B「ただ適当な漫画家が思いつかなかったから今のところ伏字扱いなだけなんです。」
操縦士A「きっと…きっと、今に有名な漫画家の名前を当てられるんだ。」
美川「それってすッごく悲しいぞ」
美川はとりあえず突っ込んでから、続けた。
美川「皆が…私のことを誤解しているよぅ…私はひどいことなんて…しないよぅ。」
美川はつぶらな瞳に涙をためて、操縦士たちにに訴えた。
美川「お願い、信じて…」
操縦士B「そういう自分が童顔かわいい系キャラだと知っている人間の言うことは信用しません。」
美川はきっぱりという操縦士Bに対し、今にも殺さんばかりのどす黒い表情に顔を変えて言い放つ。
美川「じゃあ死ね。」
操縦士B「豹変するの早すぎるぞ!」
操縦士Bが突っ込む。
その突如、操縦士Aの顔面に操縦士Bの鉄拳が炸裂する!
操縦士A「泣いている美川先生を信じてあげないなんてひどすぎるーーーーー!!!」
操縦士B「お前が騙されてどうするーーーーーーー!!!
   ほらよく見ろ、こいつうつむきながら笑ってるぞ!!」
操縦士A「はっ!!ともかく、今は美川先生の出番じゃありません。
   おとなしく…ぐあっっっっっ!!!」
操縦士Aのみぞおちに美川の鉄拳がめり込んだ!
操縦士B「な!いつの間に縄を!!」
操縦士たちの驚愕の声に対し、
美川はつやつやとした鰻の着ぐるみを纏って叫んだ。
美川「私の手にかかれば、この程度の縄抜けなんか造作もない!
   ふふふははは。窮地を勝機に変える奇跡の女が今君の前に!」
美川はヌルついたウナギスーツを脱ぎ捨てると、操縦士たちに向かって言い捨てた。
美川「ちっ!もうお前らなんかに頼まねーよ!あばよ馬糞ども!!」
美川はぱりーんと隔離室の強化ガラスを破ってあっさりとゼロサムの艦内に脱出する!
操縦士A「まぐそーーーーーーー!!?」
操縦士B「駄目だ!私たちでは美川先生を止めることは出来ない!!
   応援を呼ばなければ…!!」
操縦士Aは美川べるのを追いかけることを諦めると、
戦闘に向かったゼロサム漫画家に対して通信を行なった。

 ****

同人軍艦の甲板では土塚理弘と峰倉かずやが交戦していた。
土塚「ブルーリングス青精魔陰包──、
   水よ霧となれ!!」
土塚は体中に開いた穴から水を霧として勢いよく吐き出す。
マテリアル・パズル、ブルーリングス──水の魔法使い。
そしてこの魔法は体内に取り込んだ水のマテリアルパワーを変換し、自分の力とする技だった。
峰倉「……む、」
土塚「この霧は俺の結界!一度吸い込んで俺の力とし放出する水の最大魔法だ。
   広範囲に渡り複数の敵をも包み込むぜ!」
峰倉「…フン。」
峰倉は懐中からニューナンブを取り出すと、
霧の中で動く土塚の影に向かって弾丸を撃ち込んだ。
だが、その影は霧の揺らぎと共に掻き消える。
峰倉「──!」
峰倉の背後から、声が聞こえた。
土塚「幻影だ。
   青精魔陰包は<アビャク>最大の技!!
   敵の視界を閉ざし力も奪う!雑魚なら吸い込んだだけでも死ぬ!
   そして俺はこの結界内のことは全て把握できる。手に取るように!
   もう俺に攻撃を当てることも逃げることも出来ないぞ!」
峰倉「なるほど…」
峰倉は小銃をしまうと、片手で印を作り呪文を唱えた。
土塚「させるかよ!
   ここは海上だ!水なんかいくらでも補給できる!
   この水圧弾で…」
土塚は右の掌にある穴に水を集中させた。
そして腕を突き出すと同時にそれを解き放つ!
土塚「ぶッッ潰れらァーーーーーー!!」
10数メートルもの巨大な水球が峰倉を襲う。
 ドオン!!
土塚の水圧弾が甲板を揺るがし、周囲に破壊跡を刻む。その中心に峰倉は立っていた。
唇の端を揺るがせて笑う。
峰倉「それが攻撃か…ならば見せてやろう、峰倉かずやの力をな…」
峰倉は呟いて、自らの術を解き放つ。
峰倉「炎獄鬼!!」
巨大な魔物の形をした炎が出現し、それは霧を裂いて一直線に突き進む!
土塚「何──!?」
あてずっぽうで放ったのだろう。それは土塚の大きく逸れていた。
だが、こらえきれないほどの衝撃が体の脇を通り過ぎていくことを自覚する。
巨大な炎で巻き上がった突風は広範囲に渡って作られた霧をかき混ぜた。
だが、水滴が高熱で蒸発したことで、その部分部分に透明な空間──霧の綻び──が現れた。
土塚「何だと!?」
土塚の位置を見定めた峰倉が間合いを詰めて、拳を突き出す。
それは土塚が直前に張り巡らした水を弾き飛ばし、土塚を甲板の端まで吹き飛ばした。
土塚「うおおおおおおおおっ!!!」
土塚が甲板際の壁に当たり、土塚は苦痛の息を漏らす。
土塚「くそ、拳でここまで出来るなら、銃なんて使う意味あるのかよ…。」
峰倉「さあな、あれは人間だけに使う武器じゃねえんだ。
   普通の相手になら力だけで充分だけどなあ!」
峰倉はさらに襲ってきた。青精魔陰包の効果はまだ続いている。
だが、今度は視覚に頼らずとも正確に土塚の位置を突いてきた。
土塚「なんだとォーーーー!!?」
攻撃を受けて、土塚は跳ね飛ばされる。
峰倉「攻撃を喰らったのなら、傷口からの血の匂いでわかる!残念だったな!!」
マテリアルパワーは無尽蔵ではなく、使う<モード>と土塚自身の強さによってその総量は限られている。
際限なく水の力を使用できるわけではなかった。
土塚(まずい…!!結界の意味がない…戻さなくては…!水を俺の体に戻して、
   俺自身を守らなくては…!!)
土塚は思考を巡らせ、判断する。
土塚「ブルーリングス青精魔陰包!!霧よ!水となり俺の体内に戻れ!!」
だが、その前に。峰倉の一撃が土塚の顔面に当たる。
峰倉「ショウタイムだな…」
土塚の抵抗はそれまでだった。
なすすべない土塚を峰倉の拳が蹂躙していく。
峰倉はぼろぼろになった土塚を片手で持ち上げた。
どんな最後をくれてやろうか──峰倉かずやがもう一方の手で構えたとき、
零寒(ゼロサム)から連絡が入った。
峰倉は構えた手で髪を掻いてから、懐の携帯を取り出す。
話によると美川べるのが零寒(ゼロサム)に乗り込んでいた、というものだった。
峰倉「放っておくことはできねぇか…」
連絡を受けた峰倉は舌打ちする。
峰倉「まあ、しかたねぇな…」
土塚は既にマテリアルパワーを使い果たしていた。
もう水を取り込む力も、制御する力も無い。
峰倉「ほら、お前の大好きな水があるぜ。」
峰倉は土塚の首根を掴んで海際まで引きずった。
峰倉「とっとと還れよ。」
そして、峰倉はそのまま土塚を海へと放り投げた。
423裏切りの戦場(222/350):03/09/05 20:53 ID:4zMg3l/0
猿渡と鈴木リバースが挨拶がわりに数撃を交わし合い、距離をとった。
猿渡「やるやないけ。身体能力だけなら、五聖人以上や。……もっとも、技の方はからっきしやがの」
鈴木(R)「ナメやがって、このジジイが……」
異様な緊張感が満ちたそのとき、落音のような銃声がこだました。
何事かと、松江名と鈴木リバースが周囲を見回す中、猿渡だけは怖気のするような笑みに顔を歪めている。
するとさらに、松江名の通信機が鳴った。数瞬後、通信する松江名の顔が驚きのそれへと変わる。
混乱した松江名は通話を終えると、猿渡が松江名に訊いてきた。
猿渡「どないした?」
松江名「アメフト君……ジャンプスポーツチームの村田君が、死亡したそうだ。
    殺害したのは、スタッフの一人だ。違反者を捕まえようとした所、
    抵抗された為、不可抗力で…とのことだ」
さすがに驚きを隠せない松江名に、猿渡が微笑しながら言った。
猿渡「よかったやないけ。アンタらの仕事もへったの」
何かを言いたそうな松江名だったが、口から出たのは別の事だった。
猿渡「君には聞きたい事があるが、今はいい。それより、私は審判として質問したい。
   君らがやってる『それ』は、試合かね? それとも乱闘なのかね?」
松江名の問いに、猿渡が楽しそうに応えた。
猿渡「どっちかというと乱闘やな。これが試合やと、ワシは2勝になってまう。
   それじゃ面白くないやん。ワシはもうちょっと、この島で楽しんでいきたいよっての。
   それに、そっちの兄さんにも、その方が好都合やろ?」
鈴木(R)「なんだと、テメエ……」
猿渡の揶揄に、鈴木リバースが怒りを露にする。
猿渡「ところで、松江名とか言うたの。どや、アンタも加わらへんか。三つ巴としゃれこもうやないけ」
野獣たちの戦場は、混迷の度を増しつつあった。

一方、その頃。
完全に蜂の巣になった、無惨な村田の死体を、稲垣は見下ろしていた。
通信機を切ると、煙草に火を灯しながら、おもむろに稲垣が呟いた。
稲垣「さてと。そろそろ回収班のスタッフ達が、死体処理に来るな。
   ……だから、今の内にとっとと起きやがれ、この糞デブ!!」
どこか苛立ちながら、稲垣が吐き捨てた。
そのとき、穴だらけになった村田の死体が、蠕動を始めた。
 ****

同人軍艦内メイン通路にて。
高河「逃したか…。」
高河ゆんは呟く。
戦闘のために完全に破壊されて、ほとんど原型を成していない通路。
そして、自身に跳ねた返り血を、高河は交互に見くらべる。
高河「もう少しだったのだけれど。」
まさか原子レベルまで分解して転移する、電送まで出来るとは思わなかった。
高河は大清水さちを追うことも考えたが、
それは必要ないようにも思えた。
高河「これならば、もう…」
先ほどの戦闘で自らが与えたダメージと、
血で真紅に染まった自身の手のひらを見て、囁くように声を漏らす。
そして、高河はしばらく考えた後に踵を返した。

 ****

同人軍艦内──
大清水さちは、足を引きずりながら彼女の研究室へと入った。
動くたびに激痛が走り、そして傷口からは血液が噴き出していく。
だが、その感じる痛みすら、既に脳の許容量を超えているために
緩和された上での感覚であることは容易に予測がついた。
大清水さちは血塗れになりながら、震える手で中央の機械を作動させる。
機械はそれを受けて、光源から光を漏らして明滅した。
それは戦闘のためではない。
それは違うことだった。
エニックスは立て続けに起こった災厄、“Y”、
そして“ラグナロク”によって大きな損害を受けていた。
エニックスを統一し、エニックスの崩壊を招いた危機から立ち直り、
エニックスの作家が矢吹らに使い捨てにされている現実を覆す。
そしてもうひとつ。
調査の結果、分かったことだが、
漫画家たちはかつて何度か大きな戦いをしていて、
そして今後も大きな戦いが待ち受けているということが判明していた。
そのたびに夥しい被害が出ていることも──
だが、“同人軍艦”の本来の姿である『方舟』の機能を使いこなすことが出来れば、
いずれ来る戦いの際にどのような勢力も介入できない、
アジール(避難所という意味だよ)として使うことが出来るはずだった。
分裂したガンガンの漫画家を統一し、
情報を制し、そして綿密な作戦を立てられるユニットが居れば、
それらは成功するはずだ。
そのために作ったプログラム体に対し、大清水さちは命を吹き込む。
プログラム体──ロボット、QUANTUM-QUARTERは眼を開いた。
大清水さちは製造が成功したことに対して安堵した。
プログラム体は大清水さちのほうへ向かって歩いて来る。
大清水が命令を言おうとして口を開いたそのとき──
プログラム体は、装備されていた武器で大清水さちを突き刺した。
「残念ながらあなたはもう助かりません、大清水さち様──」
うやうやしく、告げる。
「あなたの感情は目的にとっては邪魔になります。
私が必ず、あなたのお望みを叶えて差し上げます。例え、どんな手を使ってでも──」
大清水さちは既に血溜りが喉に詰まったことで、声を上げることすら出来なかった。
目の前が霞んでいく。
何を、失敗したのだろう。
どうしてこんなことになったのだろう。
「必ずエニックスを貴女のものに──」
生気のない声が虚ろに響く。
答えを思いつく間もなく。
大清水さちの意識は暗転した。

 ****
426作者の都合により名無しです:03/09/05 21:20 ID:oh0Wopf8
もうすぐ新スレ
427作者の都合により名無しです:03/09/05 21:23 ID:xa0HXlCE
500行かないうちに新スレか
同人軍艦内の通路にて──。
黒乃「どうして、ここがわかった?」
黒乃奈々絵が問う。
峰倉かずやは一匹の蝶を指差して答えた。
峰倉「なんかこいつが教えてくれたんだよ。
   どうも動物に対して、縦線一本で『好き』、横線一本で『嫌い』に分けて
   『洗脳』をかけるとかいう、高河の技らしい。まぁよくわかんねえけどな。」
黒乃「…そうか。で、何の用だ?私の始末にでも来たか?」
黒乃の問いに対し、峰倉は溜め息ひとつついて乱暴に黒乃の腕を持ち上げる。
黒乃「な──」
そのまま峰倉は腕を自分の肩にまで回した。
大柄な峰倉に対して小柄な黒乃、と言う対比で、傍目にはひどく不恰好だろうと思えたが。
峰倉「動けるか?」
峰倉の問いに対し、黒乃が苦々しく答える。
黒乃「…ゼロサムの読者はブレイドの読者とも関わっているだろう。
   ここで私を殺しておけば、少しはシェアに影響すると思うが、な。」
峰倉「くだらねぇこといってんじゃねえよ。
   そうしたくなっちまうだろうが。」
そのまま乱暴に引きずる。
ひどく痛くもあったが、口に出たのはそれとは別種のことだった。
黒乃「助けるのか…何故だ?」
峰倉「さぁな。
   美川が起きたってことで手が足りねぇんだ。
   つまらないこと言ってる暇なんかねぇんだよ。」
峰倉は話を切り上げたと言わんばかりに歩を早めた。
黒乃「…どいつもこいつも甘い…私は、気に入らんな。」
峰倉「結果だろうと、助けてやったんだから少しは感謝しろよ…」
峰倉が半眼で告げる。
その瞳に対して、黒乃はそれを苦笑することで答えた。
続きは次回の講釈で。

 ****
429挫折と始まり(223/350):03/09/05 21:29 ID:4zMg3l/0
それは異様な光景だった。村田の巨大な腹がいきなり裂け始めたのだ。
裂け目は見る見るうちに広がり、やがて完全に広がりきると中からもぞりと何かが這い出した。
??「ひどいよ、稲垣〜〜。いきなり撃ってくるなんて……」
そう言ったのは村田の体内から出てきた小柄な人影であった。
それはアメフトのウェアを着た、小柄で気弱そうな少年であった。
稲垣「うるせえ糞チビ! 着ぐるみがひとつ、駄目になっただけだろうが。
   プリズン送りにならなかっただけ、ありがたく思え!」
??「うう〜、そんな〜。この強化服高かったのに……」
そう、この小柄な少年こそが村田雄介の真の姿。今までの肥満体型は、
実は特殊装甲を仕込んだ、一種の強化服だったのである。
その頑強な装甲は、マシンガンの銃弾ですら中身までは通さないのだ。
村田「それにしても、びっくりしたよ。稲垣がやることはいつもいきなりだけど、今度のはあまりに急だからさ」
相棒に狙撃されたというのに、村田は笑顔のままだ。それは稲垣への絶対の信頼の証である。
稲垣「うるせー仕方なかったんだよ。こうでもしなきゃ、俺は五年以内に死んじまうんだからな」
吐き捨てるような稲垣の台詞に、村田が眉をひそめた。
村田「いったい何があったの? 詳しく聞かせてよ」
そして、稲垣は語り始めた。
430挫折と始まり(224/350):03/09/05 21:29 ID:4zMg3l/0
そして、数分後。
村田「そんな稲垣の命が……あと五年!?」
稲垣「猿渡の糞ヤローはそう言ってやがったぜ、クソ!」
苛立たしげに、稲垣が持っていた煙草を揉み消す。ちなみに、稲垣は一度も煙草を吸ってはいない。
火を点けていたのは、あくまで雰囲気作りの為である。
こう見えても、彼は誇り高いスポーツマンなのだ。
稲垣「奴の言う通りだとすれば、俺は奴に五年殺しを解除してもらうしかねえ。
   その為には、速急に奴の信頼を得る必要があったんだ。だから、オメーを撃った。
   これなら用心深いヤローでも、信用するだろ。死んだ事にすりゃ
   お前も、包囲網から解放されるしな。その強化服は前を閉じておけ。
   そうすれば、奴らには本物との区別なんかつかねー。こいつは精巧に出来てっからな」
村田「うん。でも、情けないな。結局、僕がドジなばっかりに、何の役にも立つことが出来なかった」
稲垣「しゃあねえだろ、すんだことは。それに、間抜けなのは俺も同じだ。
   これでタフを攻撃することは出来なくなった。結局は、猿渡の思い通りだ」
吐き捨てると、マシンガンを背負い、稲垣が歩き出す。
村田「行くの?」 稲垣「ああ…俺の戦いはまだ終わってねー。お前の分まで戦ってくるさ。
   お前も、せいぜい見つからねーように上手く隠れとけよ」
お互いに挫折を噛みしめながら、2人は別れた。


一一フィールドでプレーする誰もが必ず一度や二度、屈辱を味わわされるだろう
一一打ちのめされたことがない選手など存在しない
一一ただ、一流の選手はあらゆる努力を払い、速やかに立ち上がろうとする
一一並の選手は少しばかり、立ち上がるのが遅い
一一そして敗者はいつまでもグラウンドに横たわったままである

               一一テキサス大フットボールコーチ  ダレル・ロイヤル
431作者の都合により名無しです:03/09/05 21:31 ID:oh0Wopf8
ストップヾ(´Д`)ノシ

誰か有志の方新スレよろしくお願いします(ウチは無理みょ)
432作者の都合により名無しです:03/09/05 21:43 ID:RDjg1iwy
ホスト規制が出て立てられませんでした…↓お願いします。
433作者の都合により名無しです:03/09/05 21:44 ID:P/XBAQlM
じゃあ俺がギコナビスレ立て機能のテストに立ててみます。
434作者の都合により名無しです:03/09/05 21:53 ID:RDjg1iwy
よろ。
435作者の都合により名無しです:03/09/05 21:54 ID:P/XBAQlM
【リレー小説】えなりの奇妙な冒険〜冨樫の遺産編第12部
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1062766295/l50
勃ちました。
436作者の都合により名無しです:03/09/05 22:35 ID:oh0Wopf8
感謝!では恒例の≪今回のまとめ≫お兄さん降臨待ち↓
437作者の都合により名無しです:03/09/08 00:33 ID:XYY5JnDn
えなり「行くぜ!俺の魂!えなり真拳!!
    安西?戸田?荒木?島本? そんな奴等は見えやしね―――!!
    このスレの主人公はただひとー――り! 俺だー!!」
えなり姉「ううっ、かわいそう…、でもまあそれはともかく(酷)まとめでーす。」



438作者の都合により名無しです:03/09/08 00:34 ID:XYY5JnDn
 第11部のエトセトラ。(ギコナビなどでレスが表示されます。)

>9 >10 野々村の覚醒。
>12 >13 >14 恐怖、シリアスモード!えなりvs鈴木。前編。 (Cブロック141)
>16 >17 荒川と伊藤。
>18 >19 >20 >21 常世と現世の狭間で。森川ジョージの決断。
>23 >25 >26 満月の下で…。 岡村VS川原。 (Cブロック144)
>27 >28 月輪。村田の叫びと裏御伽チームとその他の人。 (Cブロック146)
>30 >31 >32 預言の守護者。 米原登場。
>33 >35 >36 >37(訂正 >38) 血で血を洗う決戦!荒川VS伊藤。
>43 >44 >45 >46
>47 >48 >49 >50 >51 恐怖、シリアスモード! えなりvs鈴木。後編。 (Cブロック155)
>52 >53 >54 >55 >56
>57 >58 >59 >61 >62 悽愴なる戦い。 井上VS橋本。 (Cブロック165)
>66 >67 >68 >69 >70 荒川VS伊藤。 (69、70の訂正 >78 >79 >82)
>71 >72 >73 御伽草子。ファンタジー戦士。 (Cブロック168)
>74 >75 テニス対決。美技vs超技。 許斐VS石渡。 (Cブロック170)
>76 >77 >80 やきう。 怪物対決。前編。
>83 >84 >85 荒川VS伊藤。最終。
>86 >87 >89 >92 やきう。 怪物対決。後編。
>94 >95 第3の男登場。 (訂正 >96)
>97 クリ島犯科長 (Cブロック171)
>98 >99 その頃の矢吹。 瀬口登場。
>100 >101 大友の乱入。
>105 その頃のガンガン。 夜麻みゆき復活。
>107 エマージェンシー前編。
>108 >109 カムイと夜麻とお子様軍団。
>110 エマージェンシー後編。
>112 山奥。
>113 閑話茶飲み話。 梅澤と福地。
>114 >115 >116
>117 >118 >119 十傑集、乱舞。
439作者の都合により名無しです:03/09/08 00:34 ID:XYY5JnDn
>122 >123 神崎の知謀。
>124 >126 >127 >128 吸血鬼と魔人。
>131 >132 閑話茶飲み話。 つづき。 高橋しん登場。
>133 >134 ときめき夜の筋肉祭。 恐怖のマスクマン対決。 (Cブロック173)
>135 勝利の五人!
>136 やきう。 富沢の悲劇。
>139 >140 >141 サクラテツ回答編。
>142 リングに駆け抜けろ夏。 にわのVSヒラマツ。 (Cブロック174)
>144(訂正 >145 >146) 魔人vs不死の王。
>147 >148 サクラテツ解答編。
>151 >152 >153 >154 >155 珍道中の始まり。 梅澤と福地と高橋しん。
>159 どまんなか。 (Cブロック175)
>161 >162 >163
>164 >165 >166 やきう。 最凶生物暴走!!
>167 来た!
>168 島の動き。 (Cブロック176)
>172 通路にて。前編。
>173 逃亡者たち。
>174 野球関連。 そこでえなり。
>176 >177 >178 >179 ドラクエ・ワールド発動! 神崎VS萩原。
>180 >181 その頃のKIYU陣営。
>182 通路にて。後編。
>184 >185 >186 >187 >188 ドラクエ・ワールドの死闘。 神崎VSカムイ。
>189 悲惨な大友。
>190 交錯する魂。 (Cブロック177)
>191 ビクトリーファイブVS評議会。 戦闘開始。
>192 >193 >194 >195 >196 Bブロック区画。 悪夢、再び!幻影の女。
>200 >201 >202
>203 >204 >205 Bブロック区画。 ひとまずの戦いの終幕。
>206 ビクトリーファイブVS四霊+1。
>207 えなり真拳炸裂!
>208 >209 >210 新沢&安永プロレス中継。 (Cブロック180)
440作者の都合により名無しです:03/09/08 00:35 ID:XYY5JnDn
>211 >212 >214
>215 >216 >217 >218 四霊VS勝利の五人!
>219 鳥山の打席。
>220 >221 四霊VS勝利の五人! 長谷川VS岩瀬。
>222 >223 >224 >225 >226 やきう。 檻の中の獣たち。
>227 >228 >229 >231 突然ですが。 (これまでの状況テンプレ。)
>233 >234 >235 >236 旅景色。
>239 四霊VS勝利の五人! 長谷川VS岩瀬。
>245 >246 >251 浜岡VS板垣。
>253(訂正 >254) 四霊VS勝利の五人!有賀VS四霊。
>255 月面の波紋。 (Cブロック181)
>256(訂正 >257) >258 >259 四霊VS勝利の五人!四霊、最後のひとり登場。
>260 >261 >262 対決近し! Aブロック関連。
>263 >264 >265(訂正 >266) 月と夢物語。 (Cブロック184)
>267 対決近し! Aブロック関連。
>268 勝利の五人VS四霊。
>270 >271 やきう。
>272 >273 >274
>275 >276 >277 矢吹とえなり姉のエトセトラ。中編。
>278 やきう。 浜岡という男。
>279 >280 矢吹とえなり姉のエトセトラ。中編。
>281 >282 矢吹、偵察隊を派遣す。
>283 矢吹とえなり姉のエトセトラ。中編。
>284 やきう。 本塁を賭けた死闘。
>285 >286 矢吹とえなり姉のエトセトラ。中編。(中間まとめ >287)
>289 しげの対曽田。
>291 >292 勝利の五人VS四霊。
>294 海の闇。 (Cブロック185)
>295 >296 >297
>298 >300 >302
>303 >305 >306 勝利の五人VS四霊。 (300訂正 >301)
>308 >309 >310 >312 やきう。 戸田vs岡田。
441作者の都合により名無しです:03/09/08 00:36 ID:XYY5JnDn
>313 >315 アウターゾーンとの遭遇。
>317 その頃のスポーツチーム。 (Cブロック186)
>318 >319 勝利の五人VS四霊。
>321 >322 >323 >324 >325 蹴殺。高橋VS乙一。 (Cブロック191)
>326 >327 やきう。 巨頭激突!!
>328 >331 鈴木(R)VS乙一。 (Cブロック193)
>332 >333 やきう。 巨頭激突!!
>334 鈴木(R)VS乙一。 (Cブロック194)
>335 >340 >341 >342 >343(訂正 >344) やきう。 巨頭激突!!
>345 やきう。 現在の状況。
>346 >347 >348
>349 >350 >351 リングに駆け抜けろ秋。 にわのVSヒラマツ。 (Cブロック200)
>353 >355 鈴木(R)VS乙一。 (Cブロック202)
>356 異種テニス対決。 許斐VS石渡。 (Cブロック203)
>358 >359 >360
>361 >363 >366 鈴木(R)VS乙一。 (Cブロック209)
>374 >377 >382 >383 異種テニス対決 許斐VS石渡。 (Cブロック212)
>386 野球。 岡田VS戸田。尾田VS山口。
>388 水島と松島。前編。
>391 超起動異次元珍走男。 (Cブロック213)
>392 >393 参考にどうぞ。。
>394 >395 猿渡の力。 (Cブロック215)
>396 >397 >398 >399 矢吹とえなり姉のエトセトラ。中編。 (状況 >400)
>402 やきう―加速する時(0/10)
>404 水島と松島。後編。
>405 >406 >407 >409 >410 地獄の再開。 松江名先生の格闘講座。 (Cブロック220)
>412 >413 >414 横山の思惑。
>416 闇の風。 (Cブロック221)
>418 >419 >420 >421 >422 矢吹とえなり姉のエトセトラ。中編。
>423 裏切りの戦場。 (Cブロック222)
>424 >425 >428 矢吹とえなり姉のエトセトラ。中編。
>429 >430 挫折と始まり。 (Cブロック224)
442作者の都合により名無しです:03/09/08 00:56 ID:XYY5JnDn
えなり姉「ミスがあったら訂正キボンです。」
443作者の都合により名無しです:03/09/08 01:08 ID:D08EBGnp
まとめさん、大変乙です!(ズパッ)
444おつかれさまです:03/09/08 01:11 ID:8VIIGjwY
(´-`).。oO(赤い月は鬼同士の対決を煽って自分の"息子”(本宮)に最終的に鬼退治させて
      彼を人外の力に目覚めさせようとしてるんじゃないかなと今思った赤い月出した人)
445リンクちぇき:03/09/08 01:30 ID:8VIIGjwY
>196 悪夢、再び!幻影の女。→>198
>331 鈴木(R)VS乙一。 (Cブロック193)→>330
446作者の都合により名無しです:03/09/08 01:33 ID:8VIIGjwY
>374 >377 >382 >383

(゚□゚)211が2個ある〜!!また時計直しかよぅ
447作者の都合により名無しです:03/09/08 19:34 ID:D08EBGnp
そういや、「赤い月」って元ネタあるのかな?本宮作品?
448作者の都合により名無しです:03/09/08 20:18 ID:y33jGcEa
特にはないけど
赤い月ゆーたら不吉の予兆って感じで。
まさかあーなるとわ(汗
どっか漫画ネタないかなあ・・・
449作者の都合により名無しです:03/09/08 21:42 ID:hTyseSL3
>>445-446
リンクちぇき乙彼。
450調べたら:03/09/08 21:44 ID:y33jGcEa
 「そしてふたりは、赤い月の祭壇で結ばれ、幸せになりましたとさ……」

らぶひな出たよ_| ̄|○

しかも意味違うし_| ̄|○
451つづき:03/09/08 21:48 ID:y33jGcEa
見つからない・・・
冨樫の嫁の漫画ぐらいなら使えるかな・・・

って裏御伽メンバーは学ランヒーローに変身するのか_| ̄|○
452作者の都合により名無しです:03/09/08 21:51 ID:D08EBGnp
すげえ展開だ……それでこそ裏御伽w
453作者の都合により名無しです:03/09/09 09:25 ID:RosH72Re
月の国に住んでるお姫様(嫁)
出そうかなと思っていたら月破壊。

実際月がないと潮の満ち干なくなるし地球は滅びるから
なんとか嫁に復活させてもらわないとなあ・・・
番外編ゆー形でいいでしょうけど
454おまけ:03/09/10 15:26 ID:8WBOhoYR
赤い月関連で本宮さんが「赤い龍の子供(金太郎)」なんて話を書いたのですが、
そおいやタイトルだけ知ってる『赤龍王』なんてのがあったな誰のだろうなと思って
調べてみたら本宮さんの三国志漫画(しかもジャンプ?)だったのね偶然って怖いねビクーリ
455作者の都合により名無しです
三国志じゃなくて楚漢だよ、どうでもいいけど