【来たれ】ここはパイロット養成所No.4【若人よ】

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>>785
「───!」

(足を引き、バーニアを吹かすグフ。
 伸ばしきった脚部の膝から先を動かしたため、さながらAMBAC。
 急制動とも取れるように、機体が前に回転。
 結果、グフは足から飛びかかりそこにサーベルが振るわれるまでにほぼ180度の回転を達成し・・・

                r,''ヘ_  
              _,,,,_⊂-くノ`ヽ,
          _  〆_゙'ir''⌒"  )
         ξ⊂!  っ》`   く ∠___
         .''\ノ''''‐`` i、 ,ノ  │,-ヽ7=、、 ,,rー'"`-、
           \_゙l、,,,_,/i゙、 ,ノ 〈 ゛  `ヌ⌒ )/=i、 l
                 `゙゙'''"`'ミ--/-,_  ´ /"  `''
                        \ .,,、`lニン-゛
                      \__ノ

 こんな体勢から腰を両断された。回避できず。
 しかし何の因果か両断はされたが上半身と下半身が合わせてジムにのしかかってくる!)
>786
「ちょ――え…!?」

(予想外、だった。
 実際には訓練用のモードになっている為、ビームサーベルに切断能力は無い。
 しかしコンピュータの演算により"切断されたと判定された"機体は
 そのままエスクードへとのしかかって来た。)


「…あのー…大丈夫、ですか…?」

(一応撃墜はしたけれども、今の落ち方は色々とマズかった。)
788青き星より来たる貴公子:2007/09/01(土) 17:27:37 ID:???
>>784
振り返ることすらせず、フィリップは感じ取った視線に導かれるようにシュヴァリエを進ませる。

>>782
「さあ、撃ちたまえ、姿無き猟兵よ。
 この私の美しさを欠片といえど損なう自信があるならば、迷わず引き金を引くといい」

瓦礫の間を歩む機体、巧妙に射線を制限しつつも決して全身を隠すような真似はせず。
青と白の騎士は悠然とした歩みを続けてリヒャルトの引き金を誘う。
>>787
「──はいー、どーもすいません・・・・いやはや。」

(だらりとのしかかってはいるが、上半身だけならまだ生きている判定だ。
 手を地につけ、そのまま押し返し何とかジムの上から上半身をどける。)

「中々アクロバティックとはいかないですねぇ。
 シールド食らっちゃったのも結構まずかったなぁ・・・」

(どうやらその落ち方等は特に意識していないようだ。)
790優男っぽいお兄さん@S4+ ◆SternIiXmU :2007/09/01(土) 17:35:12 ID:???
>784
「そろそろ、だな。」

(周辺を見渡す限り、残っているのはあのデザートザクだけだ。
 戦闘能力は失った様子、ならば次に戦いを挑むのは自分であり。)

「そして、挑んだ瞬間に全てを決める。」

(それが、狙撃兵の美学と言う物だ。)

(ライフルのボルトを操作する、訓練用の実包が薬室に装填され、
 照準は単眼の騎士へと向けられ、単眼の猟兵の指は引き金へとかけられた。)

>788
(その言葉が放たれるとほぼ同時に、重金属の実包が飛来する。

 射速は超音速、発射音の聞こえる前に飛来する弾丸。
 飛んでくる方向は太陽方面、僅かなりとも日光が索敵を狂わせる。
 更に照準はレーザー測量を用いない目視マニュアル照準。
 徹底的に狙撃兵の鉄則に則った、発射タイミング以外は充分過ぎる一撃である。)

「―戦場の美しさ、か。」
>789
「いえ…こちらもかなりビックリしましたよ、縦横無尽って感じで。
 ではとりあえず、撃墜判定だけ頂きます。」

(そう言って、アサルトライフルを拾う。
 左腕のサーベルをその上半身へと向けた。)
>>791
「あはは、打つ手なし、ですねぇ。」

(改めてコクピットが貫かれる判定。
 ボム・ジャグラー、撃墜。)
793青き星より来たる貴公子:2007/09/01(土) 17:53:46 ID:???
>>790
強化されたセンサーが、飛来する音速超過の物体を感知。
認識した時には既に着弾間近のソレを、待ち構えていたかのようにシュヴァリエの背中で爆発が起きる。

否、それは爆発にあらず。
最大限に踏み込んだフットペダルに応じ、バーニアが大量の噴射炎を以って大気を叩いた証。
生み出された殺人的加速度を一身に受けて青い騎士は砂漠の大地を翔る一本の投槍と化す。
全身を苛むGにも優雅な笑みはカケラも崩れない――常に美しくあれ。
15年前の幼き日に見た幻想を写し取るように、一意専心、弾丸の軌道と交錯する道を、シュヴァリエはまさしく飛翔した。

ガッ

左腕に直撃する弾丸。
肩から先が破損判定を受け、姿勢制御用スラスターの一部もまたその活動を停止。
捩れた運動エネルギーを他のスラスターで咄嗟にフォローする判断力、先遣使節は伊達じゃない。
突き出した槍、大気の壁を貫き穿つ圧倒的な直線運動、爆ぜる地面を置き去りに音速の騎士が狙撃兵に肉薄するッ!

「ハッ!」

馬上兵の突撃そのままに、音より速い槍の穂先がS4へと襲い掛かった。
794優男っぽいお兄さん@S4+ ◆SternIiXmU :2007/09/01(土) 18:08:01 ID:???
>793
無論、それを回避する術など持ちはしない。
位置を正確に特定されている以上、最早偽装も迷彩も意味を成さない。

立ち上がったS4+はセオリー通り、胸部ランチャーから視覚・聴覚へとダメージを与える為、
スタン・グレネードを発射して撤退に移るが、その時既に音速の騎士は彼の眼前にある。

「――一発あれば、充分か。」

それは正しく突撃。
音速での単騎駆けと共に放たれた騎士の穂先は、
今まさに空へと舞い上がろうとした、翼持つ黒き猟兵のカラダを貫いた。
>792
(すみませんね、またやりましょう。と言い残して、純白のジムはその場を後にする。
 軽装の身軽な姿、市街地での戦闘に適した姿ではあったが。


 その数分後、彼女にもやはり撃墜判定が下るのである。)
796青き星より来たる貴公子:2007/09/01(土) 18:19:36 ID:???
>>794
駆け抜け、更に数百メートルほど突き進んだところで漸くシュヴァリエは停止した。
縦一直線に抉れた地面は突撃の軌跡だ。
振り返り、その上に取り残された狙撃用MSに向けて高々とランスを掲げてみせる。

「名前を聞こう。
 そなたの名には我が自叙伝に、敗者として記されるだけの価値がある」

開く回線。
何処までも傲慢で、不遜で、尊大な青年の優雅な笑みがそこにはあった。
797優男っぽいお兄さん@S4+ ◆SternIiXmU :2007/09/01(土) 18:28:25 ID:???
>796
「――――リヒャルト・ユルゲンス。」

(帰って来た言葉は、彼にも聞き覚えがある声で放たれた。

 …余分な攻撃など一切無い、唯の一撃で急所を貫かれた。
 無論悔しい気持ちはある、言うなれば彼の信条とする戦い肩を以って、
 彼は完膚なきまでに打ち倒されたのだから。)
798通常の名無しさんの3倍:2007/09/04(火) 23:04:53 ID:???
保守
799金髪のお嬢様 ◆ACE//nQy3o :2007/09/06(木) 23:01:07 ID:???
夢を見た。

破り捨てられた絵が一枚。
その絵には何の価値も無かった。
子供の落書きにも等しい、技巧のカケラも見られない、ただの下手な絵。
だから、その絵は笑いながら捨てられた。

捨てられて当然なのだ、と私は思った。
笑われるような、嗤われるような、哂われるような、そんな絵だったのだから。

だから、泣きじゃくる子供を私も笑った。
笑って。
嗤って。
哂って。

夢の中の私は、いつの間にか泣いていた。
泣きじゃくる子供の背中を見ながら、涙が零れるのを止められなかった。

*  *  *

「嫌な夢」

兄さんとブリジットのデートを街で見かけた夜、
転寝の中で私はそんな夢を見たのだった。
800見た目幼い整備科生徒 ◆ChrisHeJBM :2007/09/07(金) 22:38:59 ID:???
「へぇーっ……遂にこんな物まで採用したんですねぇ…。」

さして珍しくも無い事だが、養成所の食堂にはテレビがある。
こういう類の物は公共の場に置いてある場合、
そこに映し出される番組もまたパブリックな物になりがちだ。
無難、という事だろう。
そして、今映し出されているのはそうした番組の代表格、
我々の世界でも一般に「ニュース」と呼ばれる報道番組だ。

その画面の中では上等なスーツに身を包んだキャスターが、
火星上に存在する軌道エレベータを有するクレイドルの一つが、
自身の軌道上防衛隊の戦力として"モビルダイバーシステム"を採用した事を伝えていた。

「…これを知ってるってのも驚きだけど、
 扱える人間が居るのかしら…?」
801見た目幼い整備科生徒 ◆ChrisHeJBM :2007/09/08(土) 22:42:04 ID:???

火星の機動兵器乗りには、俗にゴミ拾いと表現されるアルバイトがある。
この火星という惑星のあちらこちらには、入植初期に事故や原生生物の攻撃、
そういった諸々の事情から廃棄された都市の残骸や工場施設等が放置されており、
そこから必要な物資を探し出して来て依頼者へと届けるのだ。

『開錠コード確認、ゲート開放します。
 内部には原生生物が進入してるらしいですから、皆さん気をつけて下さいね。』


そうして今、養成所の面々はそんなアルバイトに参加している。
依頼主は先日ニュースでも話題になっていたクレイドル、
依頼内容はとある科学プラント跡から、指定されたコンテナを運び出して来るという物だ。

開放されたゲートの中は広い。
MS二機がすれ違える程の大きさがある。
802     @ザクTtype GL ◆LQUA.mYpRY :2007/09/08(土) 22:57:55 ID:???
>>801

……

【審議中】
「……(今回原生生物との直接戦闘は避けたほうがいいだろうな)

(そういうのは腕の立つ人に任せちゃったほうが良かったりするのが常だし)」

↑こらこら変な議題で審議しない


さておき
放棄されてから年月がたっているらしくやっぱり寂れている
少し暗く見難いが都市建造物が顔を覗かせている
803見た目幼い整備科生徒 ◆ChrisHeJBM :2007/09/08(土) 23:10:18 ID:???
>802
『どうやら奥に行くにつれて、研究所になるみたいですね。
 原生生物といっても小型らしいですが、油断はしないで下さい。』

(彼のザクの足元、ホバートレーラーが付き従っている。
 今はコンテナ輸送用のトレーラーが連結されているが、
 その役目はあくまで彼らのサポートだ。)

『受け取ったデータによると、この奥三百メートル程ですね。
 他所から何か来てしまうかも知れませんから、手早く済ませてしまいましょう。』
804金髪のお嬢様 ◆ACE//nQy3o :2007/09/08(土) 23:15:14 ID:???
暗蒼の装甲を纏った、ガンダムタイプのMS。
カメラアイの上部に縦に走る傷を持つその機体のコックピットの中で、カナデは小さく溜息を漏らした。
機械仕掛けの双眸が捉えた光景がコンピューター処理を施され、
全天周モニターに映し出されている。
荒れ果てたその様は正に廃墟と呼ぶに相応しい代物だ。
朽ち果てた銅像が恨みがましそうに赤い空を見上げている。
その周囲には風化しかけた建築物の成れの果て。
解析されたデータが、それらが開拓初期の未熟な技術で造られたものだと告げていた。

「クレイドルの建築技術すら確立していなかった頃のものね……」

15年以上前。
地球圏で騒乱が相次いでいた頃、既に火星には入植が始まっていた。
瓦礫の山の元は、丁度その頃に建造されたと推測される。
しかしながら少し奥へと進めば、異なる年代の技術の成れの果ても見受けられる。
改築に改築を重ね、とうとう時代に追いつくことなく滅びたその様は、カナデにさえ物悲しさを感じさせたのだった。
805     @ザクTtype GL ◆LQUA.mYpRY :2007/09/08(土) 23:26:23 ID:???
>>803

「研究所か…
…データとか無いと戦いにくいのは確かなんだが仕方ないな( ´∀`)」
検索をかけてみる事にする青年だが

(今回は性質上単独行動は危険といっていいだろう
…最も彼女の言う通りさっさと終わらせたほうが得策なのである、まる)

「…了解。万が一のことがあったらすぐに外部へ連絡できるようにしておいてください。
(まあ、基本なんだろうけど…な…)」

機体の歩を進めつつ青年はそう言う
>>804
『資料によれば、初期に作られたテラフォーミング施設の一部だそうですから。
 都市を作るよりも、星の環境を安定させる事だけを考えていたみたいですね。』

(15年前の戦乱の段階での火星の環境は、生物が何とか繁殖出来る程度の物だった。
 しかし今でこそ一般人が生活できるとはいえ、当時はまだここは異星。
 地球から持ち込んだ植物は一部を除いてロクに育たず、水の確保すらままならない。
 より生存に適した環境を作ろうと、当時の開拓者は正に命をかけていた。)

『カナデさんも、そのまま進んで下さい。
 前方のトンネルを下方方向へ、地下へ潜る形ですね。』

>>805
『地形情報は随時転送します、レーザー回線は開いていて下さいね。
 通信の確保はこちらで行いますから。』
807      ◆LQUA.mYpRY :2007/09/08(土) 23:44:33 ID:???
>>804
(★解説すると今回青年がザクTにしたのはいくらかある理由のうち
今回はいわゆる『ガンダム使い』がいることが要因の一つとして上げられる

『ガンダム使い』が居れば大抵注意はそちらへ行く傾向があること、
もし注意云々が行かなくてもこちらの生存率は相対的に高くなるなどのことを青年は知っていた

…要約するとうまくサボれる(?)のである。

……最もサボりの被害を食らう側にとっては大迷惑な話である、そのため素人にはお勧めできないが)


>>806
「わかりました、お願いします」

『レーザーカイセン イジ 』
(★機体アナウンスが告げる
  この機体アナウンスもパイロットサポート機能の一つであるが詳しい説明は別の話) 
808金髪のお嬢様 ◆ACE//nQy3o :2007/09/08(土) 23:46:09 ID:???
>>806
「了解」

短く答え、愛機の足を進めさせる。
比較的固い地盤のおかげか、歩行それ自体には特に配慮の必要は無さそうだった。
熱源探知を行い、内部に差し迫った脅威が存在しないことを確認してからトンネルの中へ。
光学センサーが周囲の明度変化に反応して光量を微調整していく。
MSが悠々と通過できるだけの大きさのあるトンネルだ。
貨物の搬入・搬出にでも用いられていたのだろうかとカナデは推測を巡らした。

18メートルの巨体が生み出す足音が、暗い地下空間に不気味に響いていった。
>>807-808
地下通路を進んで行く、二機のMSとホバートレーラー。
途中で何度か昇降機を使用して、15分程ゆっくりと進んだだろうか。
直線距離にすれば数百メートルだが、実際の移動距離はその倍にもなった。
迷った訳では無いのにこの距離、如何に長大なのかよくお分かり頂ける事だろう。
途中何度か小型の機械生物を確認できたが、差し当たり危険は無いタイプだった。

そして、彼・彼女らはようやく施設の最深部まで到達する。
情報によれば、目的とするコンテナはこの区画に安置されていると言うのだが。




『―――――な、これは…一体…!?』


隔壁を開いて見えた物。
それは地下施設一杯に広がる、とてもとても広大で無機質な海原だった。
機体のセンサーは周囲に広がる潮の香りを教えてくれるが、
その海原はどう見ても、自然の生み出す海のそれでは無い。
波打ち際はコンクリートで造成され、強化プラスチックの天井に覆われた海などあり得るだろうか?
無論、そこに命のきらめき等認めうる筈も無い。

それは最早、娯楽の為の施設とも思えない。
死んだ都市の中にあって、この無機質な海だけが更に異彩を放っていた。
810金髪のお嬢様 ◆ACE//nQy3o :2007/09/09(日) 00:11:20 ID:???
>>809
「……」

突如開けた空間と、その空間を満たさんばかりの塩分を孕んだ莫大な水。
それらは予想外の異質な光景であった。
思わず息を呑むカナデ、しかし次の瞬間には既に彼女の頭脳は冷静に状況の分析を開始している。
何の目的でこのような設備を構築したのか。
火星に地球と同じような海でも作ろうというのか――或いはその、限りなく小規模なコピーを。
波打ち際に不用意に近づき過ぎぬよう距離を保ちつつ、『海』の様子を注意深く観察する。
同時に、ホバートラックから逐次送られてくるデータにも目を通しておく。
未だに遭遇しない『原生生物』。
もしもそれが水棲の場合、不意を打たれて水の中に引きずり込まれれば此方の身が危うくなりかねないからだ。
バックパックにマウントしたビームサーベルと、シールド裏のガトリングガン、
そうした各種武装を再確認しておくことも忘れない。
仮令原生生物相手であっても、それは間違いなく命を落としかねない実戦なのだから――。
811      ◆LQUA.mYpRY :2007/09/09(日) 00:18:41 ID:???
>>809
「嘗ての海を目指したものの跡か…」

青年は一言だけ言いコンソールとかを操作し始める

『システム キドウ』
戦闘システムをアイドリングから切り替えた事を機体アナウンスが告げる

180mmキャノンとGMシールドを構える
マシンガンや格闘、及び補助武装もスタンバっておく
>810
『少し待って下さい、もう少し資料を確認してみる必要がありそうです。』

トレーラーの内部では、周辺警戒と
同時に周囲の不可解な光景への答えを模索する作業が始まっているらしい。

しかしカナデが見る限り、その海はとてつもなく穏やかだ。
何といっても生命の営みという物が感じられない。
天井に備えられた採光用の光ファイバーから降り注ぐ日光、
広大な空間を支える、海中から突き出した柱。
そうした全てが、余りにも穏やか過ぎた。

しかし、生命の営みが無くとも危険はある。

『―――!?
 警報、水中より浮上する物体、2!!』

>811

そうして彼らの目前にあらわれた物。
それは作業用のハイゴッグの外装を被った、機械生物の様な何か。

そう、まるで機械生物が…ハイゴッグを取り込んだ様にも見える。
しかし動きはそう機敏では無さそうだ。
813金髪のお嬢様 ◆ACE//nQy3o :2007/09/09(日) 00:39:15 ID:???
>>812
「了解――ッ!」

穏やかな――其処の性質を考えれば「不気味なほどに」と形容したくなる程の――静寂を、
水面に迫る二つの大きな影が今、まさに引き裂こうとしていた。
『彼ら』が浮上を開始すると同時に、スカーフェイスの熱源探知にも反応が現れる。
更にはブラッドハウンド改から送られたエマージェンシー。
あらゆる情報、その全てがこの瞬間、水面から飛び出した二つの異形を危険な存在だと示している。

「……目的のコンテナの位置、分かる?」

回線越しに問う。
カナデにとって、今回のミッションは達成そのものよりも付随する戦闘にこそ意味があった。
だからこそ、余計な事柄は他者の手で素早く済ませて貰いたい。
金銭面でも成績評価の面でも、此処で功を狙う必要など彼女には無い。
全ては技能の証明――その為にも、戦闘に余計な要素を差し挟みたくない。
>>813
『北東方向の隔壁内、格納庫の中の様です。
 こちらで回収を済ませますので、カナデさん達は敵機を。』

北東方向、つまり彼・彼女らが入って来た隔壁の丁度反対側だ。
こういう場合、ブラッドハウンド改の様な立場でのセオリーは幾つかある。
今来た道を引き返して戦闘の終結を待つか、先行して目標の確保を優先するか。
今回の様に元から想定されていたアクシデントの場合、救援を呼ぶのはナンセンスだ。
よって、クリスはブラッドハウンド改を目標の格納庫へと直進させる。

『敵機体のデータ解析、終わります!』

と同時に、敵機体の簡単なデータが送られて来る。
外見や熱量探知から想定した物だが、
どうやらハイゴッグの腕部ビーム砲は残っているらしい。
胸部のマシンキャノン二門も使用可能な様だが、
腕に取り付けられた追加イオンジェットのおかげで動きは鈍い。


だがしかし。
浮上して来た内の一機が、突然カナデのスカーフェイスへと殴りかかる。
鈍重そうな外見とは裏腹に凄まじい速さで襲い掛かる右腕のクロー。
…腕のジェットを噴射して、拳の速度を上げているのだ。
815     @ザクTtype GL ◆LQUA.mYpRY :2007/09/09(日) 00:56:52 ID:???
>>812
「来たか…厄介なことになったか」

>>813
(★実はスタンばったのは彼女の真似に過ぎないのであることを付け加えておこう)

「…(通常なら彼女を囮にして目的物回収したいとこだけど数が少ないし俺の技量じゃ難しいね)」

しかも相手についても面識はそんなに無いし連携はおろか支援が関の山。


>>814
状況は移り変わっている
こちらが出来る事といえば自機の位置取りに注意して援護するぐらい
「(…まあどちらかを優先させるかといったらホバートラックなんだけどね)」

邪魔になら無いようにもう一方のほうの正体不明機に180mmキャノンを打ち込む
816ハイゴッグの様な不明機:2007/09/09(日) 01:00:49 ID:???
>815
至近距離という事もあり、180mmキャノンの砲弾は正体不明機の装甲を抜ける。
咄嗟に防御に用いた左腕は吹き飛ばされ、その戦闘能力を奪ったかに見えたが。


立ち上る煙の中、オレンジのモノアイが妖しく光る。
そして次の瞬間には、煙の向こうからザクへ向けてメガ粒子砲が飛んで来た!
817金髪のお嬢様 ◆ACE//nQy3o :2007/09/09(日) 01:11:16 ID:???
>>814
「さっさと済ませなさい」

緊張感を孕んだ声で促し、じりじりとハイゴッグもどきとの間合いを計る。
転送されてきたデータの信憑性を疑うワケではない。
だが、如何に元となった機体が判明しているとは言え、原生生物に取り込まれたアレは最早別物と考えるべきだ。
ただのハイゴッグを相手にしていると思ってしまえば――

「っ!」

突如として加速する爪の一撃への反応が遅れてしまっていただろう。
だが、カナデは間に合った。
彼女の選択は「受け止める」ではなく「払い除ける」。
爪撃より一瞬遅れて動き始めた左腕のシールドが、表面の微妙な曲面を最大化するように弧を描く。
その軌道に沿って受け流される爪。
同時に踏み込むスカーフェイスの足。
右腕は既にビームサーベルへと伸ばされ、引き抜くと同時に伸びきった腕へと灼熱の刃を振り下ろしていた。
818      ◆LQUA.mYpRY :2007/09/09(日) 01:17:08 ID:???
>>816
「!!!」

回避が遅れてしまうが
いつもの癖で致命傷は避けた
機体コンディションの確認をすばやく行う
…シールドは使い物にならなくなってしまった

「耐ビームコーティングシールドで助かったか…」
地味なアップグレードのおかげである

それでも十分に危険であることに変わりは無い
足を止めないほうがよさそうだけど的にもなりやすい
でも左腕は異常無しなので開いた左腕にマシンガンを持たせ
マシンガンから先に放ち、続いて180mmを一発、マシンガンのほうのグレネードを一発、
そしてもう一発180mmを放つ
819ハイゴッグの様な不明機A:2007/09/09(日) 01:19:49 ID:???
>817
伸び切った腕を切り落とされ、生物的な叫び声を上げる不明機。
痛い、のだろう。
切り口からは鉄分を多分に含んだ赤い液体が流れ落ちていたし、
ビームの熱で焼かれ塞がれた切断面は、正しく肉と機械の融合体だ。

「グォワォォォォォォォォ!!!」

再び嫌な叫び声があがる。
格闘戦に持ち込んでいる以上、二機の距離は至近距離だ。
突然、不明機の胸部マシンキャノンが火を噴いた。
しかし放たれたのは銃弾ではない、ビームだ。
恐らくは体内で生成したエネルギーを攻撃に転用しているのだろう。
丁度、体内から高圧で水を噴射する事で攻撃を行う生物が居る様に、だ。
820ハイゴッグの様な不明機B:2007/09/09(日) 01:26:27 ID:???
>818
煙が晴れてみれば、そのビームを放った当事者は激昂していた。
怒り狂っているという訳ではないが、獰猛さは隠そうともしない。

そして獰猛さを隠そうともしない生物とは、
単純でありながらも凄まじい動きをする物だ。

放たれたマシンガンが、着込んだ装甲を穿つ。
装甲防御は決して優れているとは言えないハイゴッグだ、
ザクマシンガンでも容易に貫く事が出来る。
しかしこの生物の動きはまだ止まらない。
二度も食らわぬとばかりに放たれたキャノン砲を右へ左へと回避して見せて。
ザクTに覆いかぶさる様に飛び掛って来た。

「きしゃあ」

そしてその時、モノアイの下の装甲が少しだけ割れたのがリュートには見えた。

あぁ、それは口だ。
821金髪のお嬢様 ◆ACE//nQy3o :2007/09/09(日) 01:40:07 ID:???
>>819
モニター内で上昇する数値の表示=敵機の表面温度=次なる活動の兆候。
温度上昇部位/胸部へ収束する兆し/それを感知する集中力。
留まれば確実に直撃を受けていたその攻撃、
しかし振り下ろした腕を戻すより早く側面を向けたまま前へ一歩/無数の熱弾がバックパックの後ろを通り過ぎる。
想定の範囲、それより少しばかりの余裕。
駆け引きにおいては常にタイトロープを渡ってこそ、一番分かりやすい、彼女の求める「証明」となる。
残ったもう片方の腕で押さえ込まれていたなら危うかった――
危ういからこそ、対処も既に考案済み/披露する機会は失われ/故の、若干の余裕。
その一斉射撃が終わらぬうちに返礼とばかりにシールド内側のガトリングガンを向け、トリガーボタンをカナデの指がぐっと押し込んだ。
連続する発射音、回転するドラム、次々と供給される鋼鉄の弾丸。
分間36000発の弾丸の嵐が、一斉射撃を終えたばかりの胴体へと叩き込まれた。
822     @ザクTtype GL ◆LQUA.mYpRY :2007/09/09(日) 01:43:25 ID:???
>>820
「成る程…」
エサを見つけたと言わんばかりである

この手の手合いの場合本能に従って動いているが判断が合理的なのも…

「…やばいか?!」

―キャノンを投げ捨てる

でも口をあけたということはある意味口から何か出てくるかわからないから危険といえばそうだし
コレが生物であるならばチャンスであるとも言える

「分の悪い賭けにならざるを得んが…」
命中率が下がるので右手にマシンガンを、左手にナイフを構えしっかり“口”を狙って…
口が大きく開いたところにグレネードを放ち更にマシンガンを放つ
823ハイゴッグの様な不明機A:2007/09/09(日) 01:49:13 ID:???
>821
振り向く動作が遅い、それは本能を超えた判断が齎した必然。
当然のことだ、理性は本能によって打ち破られる。
しかし本能を押さえ付け、圧倒するのが理性を司る知性の力。

その力はこの時、分間36000発の弾丸の嵐へと凝縮されている。
金属が熱い銃身から吐き出され、有機物と無機物を磨り潰して行く光景。
およそ6000発ほどを打ち込まれた時点で、
その生物はそんな"よく分からない何か"へと変貌を遂げていた。
824ハイゴッグの様な不明機B:2007/09/09(日) 01:55:01 ID:???
>822
飛び掛る、空中で姿勢を制御する術は持たないらしい。
何故ならそうしないから。或いは出来ないのか。
そして結論から言えば、口から何が飛び出してくるのか彼に分かる事は無い。

何故ならそう、簡単な事だ。


多分に彼の幸運、という事もあるだろう。
放たれたグレネードは飛び掛るその体、開かれた口内へと飛び込んで。
「けぷら」
その顔の様な部分ごと、その周囲を吹き飛ばしたのだから。
しかし残念な事に完全とはいかなかったらしい。


吹き飛ばした残骸が、彼のザクへと落ちて来た。
825金髪のお嬢様 ◆ACE//nQy3o :2007/09/09(日) 02:08:44 ID:???
>>823
ジャスト・テンカウント。
回転する銃身と、ハイゴッグもどきの活動と、共に10秒丁度で停止する。
排出された薬莢はベルト状のマガジン内部へ再度回収され、
地面には先ほどまでの銃撃の痕跡を示すものなど一つも残されてはいない。
火星において金属もまた貴重品である。
故に空薬莢といえど捨ててしまうワケには行かない為、このような機構が組み込まれることが多い。
そして、カナデのスカーフェイスもその例外ではなかったということだ。

「……」

鉄くずと肉とを合挽きにしたような塊へと成り果てた敵機が、ゆっくりと地響きを立てて崩れ落ちるのを一瞥する。
その目で最後にもう一度状況確認。
2機とも相手にするつもりだったが、もう1機も既に撃破されたあとだった。
確認と同時に、カナデの瞳の色が青紫から青へと戻る。
視神経への過度な負荷で増加していた眼球の血流量が、通常時のそれへと戻ったことを示している。
SEEDの発現などでは決して無いその変化。
ソレの意味するところこそ、カナデ・ノースウィンドの唯一の武器。

「後は回収完了を待つだけね……」

冷や汗一つ滲まぬ顔で、涼しげに彼女は呟いた。
826      ◆LQUA.mYpRY :2007/09/09(日) 02:14:17 ID:???
>>824
「…(完全に飲み込ませられ無かったか)」

どうやらやり方かタイミングが悪かったのかただ本能だけでなく、
完全に飲み込まなかった位の区別が出来るのかはわからなかった

「よっと」
グレネードの爆発により動きも若干変わり
生きているのか死骸なのかは分からないが
完全に破壊し切れていないということとコレがどんな物を持っているかわからないので
ブーストを使いつつひょいっとかわす

「…(終わったのか?)」
コレがどんなのかわからないから油断は出来ないと言っていい
もしかしたら原子レベルで分解しないと駄目かもしれないのか分からない

しかし今のうちにぐずぐずになって固まったシールドの残骸と180mmキャノンとかを回収しておく
『こちらブラッドハウンド、目標コンテナを回収しました。
 これより帰還しますので、各機はそれぞれトレーラーに分乗して下さい。
 それと先ほど連絡がありまして、
 帰りは周辺で警戒中だった機体が警護してくれるそうです、お疲れ様でした。

 …しかし中々面白い物が入ってましたよ、コンテナ。』

(と、戦闘が終わってややあってそんな通信。
 見てみれば格納庫から戻って来るホバートレーラー、
 非常に大きなホバーベッドを何個も連結して、巨大な荷物を輸送している。

 その内の一つには"Experimental type Diffusion beam cannon"。
 そしてまた別のコンテナには"MSM-07Di"の刻印が刻まれていた……。


 この施設が一体なんだったのか、それを彼・彼女達が知るのは…またもう少しだけ後の事である。)
828紅き地の底に海原を見た:2007/09/11(火) 21:32:33 ID:???
「――つまり、あそこは」
『そう、君達に知らされていた通りの場所でしか無いのさ。
 初期の火星のテラフォーミングに於いて最も重要視されたのは大気の改造と水源の確保だ。
 しかし火星には多量の氷が存在していたが、それだけでは駄目だ。
 水源は決して凍結せず、それで且つ惑星改造に利用されなければならない。』

「その答えが、あの人工の海だったんですね?」

(養成所の格納庫の中、事後処理を行いながらクリスはそんな話を聞く。
 相手は養成所の教官で、火星の開拓史に詳しいと評判の人物だ。
 帰還早々、パイロット達を見送って直ぐに話を聞けたのは幸いだったと思う。
 そして教官が、あの施設の事を知っていた事も。)

『その通り。
 君達の世代では余り知られていない事かも知れないが……
 惑星改造をするに当たって環境を地球に近づける為には、
 豊富な海水の中で大気の構成物質を生成する生き物…所謂プランクトンや海藻が有効だ。
 地球にしたってその七割が海だ、想像は出来るだろう?
 君達が向かったあの施設は、火星の北極から持ち出した氷を用いてそれを実現した物だろうね。
 センサー類でも検知は出来なかったろうが……
 あの水中にはそういったナノマシンが沢山だ、ムーンレイスの技術を使っていたと思う。』

「なるほど。
 つまりあそこは大気を改造する為の施設で、あの海はその根本。
 しかもまだ活動を続けている、と。」

『うん。
 ナノマシンの寿命は一世紀は確実に保つし、光源はあったんだろう?
 君達が引き揚げて来た物資に関しては大方……過去に防衛か試験か…
 とにかうそういった名目で運び込まれたまま、放置されていたんだろうね。
 君達が被害を蒙る様な事は無いだろうし、今回は良い社会見学だったと思えば良い。

 火星で海が見られる場所なんて、レジャー用のクレイドル以外では殆ど無いんだからね。』


(そんな会話。
 件の海の謎はこれで解けた訳で、当面の疑問点は消えたといっても良いだろう。

 因みに、依頼の品は既に依頼主が回収を行っている。
 ガウ空中空母三機をクレイドルに到着させての航空輸送、贅沢な話だ。
 そしてその贅沢さに裏づけされた様に、且つ何か裏がある事を匂わせる様に、
 この仕事の参加者にはボーナス込みで報酬が支給されたのであった。)
829通常の名無しさんの3倍:2007/09/14(金) 22:14:31 ID:???
hosyu
830通常の名無しさんの3倍:2007/09/15(土) 23:14:03 ID:???
野郎共!新スレだ!

【仕事しろ】ここはパイロット養成所No.5【断る】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/x3/1189864470/l50
831通常の名無しさんの3倍:2007/09/15(土) 23:41:14 ID:???
最終書き込みならばエレナさんが水着でポロリ大公開!
ニムルートのスレンダーボディとくんずほぐれつ姉妹の絆!!
832通常の名無しさんの3倍:2007/09/15(土) 23:54:02 ID:???
>>831
残念だったねぇ!

あ、俺が最終ならアイアンマスクの素顔をうわなにをgyふじこlp
833通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 00:11:00 ID:???
最終書き込みならゲームが仕組まれる
834通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 00:16:19 ID:???
埋め
835通常の名無しさんの3倍
こういうスレ旧シャアにもあったんだw新シャアのジンスレとかに似てるなw