温泉旅行を心待ちにする程、老いぼれて?はいないつもりだが
手にしているパンフに紹介されている『ヒーリング宿』に
興味を覚えた。・・・と、言うようりも、何の目的を持ち合わせずに
汽車へと乗り込んでしまった私は実のところ手持ち無沙汰であった。
(今や死語となった『電車男』並みの活躍など、この田舎路線には
望むべくもないのだが、ある意味、怖いもの知らずの
今の私なら、ファイトクラブの俳優以上にバトルしたかもしれない)
時間を、やや持て余し気味の私は眠気を催す列車の揺らぎに
対抗すべくパンフを隅から隅まで読んだ。そして
他の紹介されている宿とはあまりにも扱いの小さい宿に
会社・・・否、社会全体から全く、自分と同じ扱いを
受けているという憐憫?の情が胸のうちに広がった。
パンフの説明をよくよく読んでみると
それらの宿は一時期、流行り、あっという間に廃れてしまった
『スピリチュアル』番組などで名を馳せた、かの占い師?が
経営していた宿であった事が判った。
世の無常をこれほど端的に現したものはないだろう。
占い師や、かの『スピリチュアル先生』たちの常套句として
自身の事は邪念が入ってしまい占えない・・・などとのたまうが・・・
噴飯ものである。
自分も仕事や人生の選択に失敗した癖に、この時ばかりは
かの占い師先生を笑わずにはいられなかった。
冷やかしついでに温泉に浸かるのも悪くはないと
思い始めた私は、かの宿に逗留する事を心に決め
次の駅で汽車から降りる事にした。
荷物(・・・とはいっても小さな書類鞄だけなのだが)を
手に取り、小さく伸びをした次の瞬間、私はいつの間にか
この車両に乗り込んできた『黒服』の男たちに囲まれ、拳銃を
突きつけられていた。
『・・・博士、また逃げる気ですか?』
言い訳など決して、聞き入れてくれそうにない
冷たい声が車内に響く・・・
私は青くなった。
==========================
またしても某・諜報部宛てに報告が届く
そのあらましは、要約すると斯様であった。
『某日、かの亡命博士、またしても逃亡を図る
コンピューターや機械ばかりの職場環境に問題ありか?
宇宙移民である博士にとって、汚染されたとは言え
自然に触れ合うのが何よりの癒しと考えられ・・・(中略)』
その報告書には博士の齎した画期的とされている
OS技術に関しての疑問点や不審点が列挙され
その論文やデータそのものが捏造ではないか?とさえ
記されていた。そしてその結びに、こう追記されていた。
『かの実験機は蒼を基調とした物になる予定である。 以上。』
(未消化・・・)
>>198の続き
そして、更に信じられない事に奴は
あの『窃盗団』達に直接、会いたいとまで
言い放ったのだ。既にそのスジを通して
手配中であるという。
私は・・・この時ばかりは流石に
奴の酔狂に付き合うことを躊躇った。
しかし、例の薬の件の事もあるので
渋々付き合うことにした。
数日後、何かと世の人々を騒がせ続けた『窃盗団』の
メンバーが奴と私の待つ部屋に入ってきた。
彼らを一目みるなり、一企業人である私は色々と
彼らの身嗜みに注文を付けたい気分で一杯であった。
まず、目上の?人に対してというよりも、部屋では帽子を取れ。
むさ苦しい髭も剃っておけ。
そして、爺芋?とかいうミュージシャン?に似た男
少しは落ち着いたらどうなんだ?多動性の障害児か?
あと・・・そこのギター侍・・・
お前は・・・いや、もういい。
そんな私と窃盗団とのやりとりの一部始終を
Tシャツ姿を卒業した奴は苦笑しながら見ていた。
208 :
次元の次元:2007/05/24(木) 05:26:43 ID:???
いい歳ぶっこいて、夜な夜なコソコソと『ロボットプロレス』なんかに
興じて喜びあっている『高額納税者たち』に、ポリシーで貫いている
ファッションを貶されて、俺たちは仲良く?不機嫌になった。
全く・・・お前たちだって、中身は俺たちと大して変わらない癖に・・・
何とかの千枚張りとはこの事だ。全く持ってふてぶてし過ぎる。
余りにも腹が立ったので、本来ならば無視する所だが
((仕事が結局、上手くいかなかったという腹立たしさと、
予告状を出し本来ならば、被害者になるべき奴らに
あろう事か同情されてその上、施しを受けているという
屈辱感がプライドを傷つけていた。
しかも、その傷口に塩を塗りこまれた日には・・・))
グラスに注がれた酒を一気に呷ると、ぶっきらぼうに尋ねた。
『で・・・用件は?俺たちに折り入って頼みたいって
いう仕事は一体、なんなんだ?』
何やら物騒な事件が多発している今、実は『銃を隠し持っている』という
凄みをちらつかせながら、俺は奴らを・・・めねつける。
帽子で隠れているとは言え、この眼光で数え切れないほどの
チンピラ達を震え上がらせたのだ。
(本当にどうしようもない、つまらない次元の自慢ではあるが・・・)
すると・・・意外な事に、ついこの間まで遊びに行くような格好で
TVなんかに出て、その『傍若無人』な態度で世の『大人達』の不興を
買ってしまった小太りの『奴』は
少し・・・はにかんだ表情を見せた。
俺は・・・『別の意味』で震えてしまった。
まだ、丁寧な言葉遣いは慣れていないのだろうか?
奴は所々、言葉に詰まり、吃音ながらも必死に『仕事』について
長々と説明をしはじめた。ともすれば『慇懃』すぎると
捉えかねないその態度に、俺達の不快指数はさらに上昇し続ける。
そんな様子に堪り兼ね、隣で聞いていたゼネコン社長が
口を挟む。
『ええぃ!青い色のカメラの時は怒ってないロボットとか
八百長がうまいロボットとかの話はこの際、どうでもいいのだよ!
つまり、あんたらはこの『クスリ』を私達が指示する相手の
飲料水なんかに仕込んでもらいたいのだ!!』
その一言で、奴が婉曲過ぎるほど遠回しに説明していた
『仕事』という名の『犯罪行為』の内容が明らかになってしまった。
かのゼネコン社長は奴の策略?にひっかかったのだ。
きっと・・・かの会社でも奴はこんな感じで話していたのかもしれない。
ゼネコン社長の『しまった』という表情と、奴の『してやったり』という
表情からもそれが伺える。
そして、全ての説明を聞き終えた今、俺達はこの国の某・大臣が
何故、『なんとか還元水』とかいう怪しげなものに
『何百万』もの『カネ』を使っていたかという事が理解できた。
『断る・・・と言ったら?』
『爺芋』と揶揄された奴は、俺以上に不機嫌に答える。
すると、この返答を待っていたかのように小太りな奴は
不敵な笑みを浮かべた。その表情、態度はまさにあの頃の
奴そのものであった。指を鳴らし、控えている部下に合図を送る。
暫くすると・・・部屋に『メイド』の格好をさせられた
『ペコちゃん』が入ってきた。
所謂、『@@@@@@ふじこ』を口で言うと多分、こいつが
一番上手いんじゃないか?と思える程『爺芋』は取り乱し
且つ、早口で喋った。・・・あれでよく舌を噛まないものだ。
俺は妙な所で奴に感心した。
『これが・・・あの高飛車だった女か?
某・大河ドラマの眉毛姫もびっくりだな・・・』
実はあまり、あの女の事を好ましく思ってはいなかった俺は
この時初めて小太りの奴と件のゼネコン社長に感謝したい気持ちになった。
『契約成立ですね・・・。』
『・・・ああ。』
なみなみと酒が注がれたグラスが宙で交わる。
年齢とは不釣合いな『メイド』姿であったが
甲斐甲斐しく給餌に勤しむ『ペコちゃん』を見て
『爺芋』もまんざらではないようだ。
その証拠に鼻の下がいつも以上に伸びている。
『・・・ちゃんとカネは払うんだろうな?後、彼女の解毒剤も』
『勿論です。これであなた達もつまらないマックジョブと
おさらばですね。お侍さんも慣れない肉体労働から解放されますし。』
『拙者は・・・修行のつもりでやっていたのだ。
貧乏浪人の傘張りみたいに云わんで頂きたい・・・』
『こ、これは失礼致しました・・・では、お詫びと言っては
なんですが、手付金代わりにお預かりしていた『刀』を
お返し致します。・・・ご活躍を期待していますよ?』
『・・・かたじけない。』
『これでわが社も安泰だな。はっははは・・・』
『うひょひょひょ・・・』
酒のせいなのかそれとも密かに仕込まれている件の『クスリ』のせいなのか
どうかは判らないが、俺達は陽気に騒ぎあった。しかも、暫く冷や飯しか
食べていなかったので、贅をつくした料理に俺達は舌鼓を打った。
だが残念なことに、良い事には必ず邪魔が入るものだ。
例によっていつものパターンではあるが・・・・
4度目の乾杯をしようとした時、部屋のドアが勢いよく蹴破られ
セレブのパーティには凡そ似つかない草臥れたトレンチコートを着た
『オヤジ』が闖入してきた。そして何度となく聞かされ続けていた
台詞を言い放つ。
『・・・御用だ!!』
※※※※数日後・・・※※※※
今日もまた新しい一日が始まった。
つけっ放しのTVが、またまた・・・とんでもない事件を知らせている。
その中でも目立つのは『少年、少女の凶行』であった。
((嫌だわ・・・またなの?
全く、実の親を殺すなんて・・・そんな恐ろしい事
私達が子供の頃には信じられない事だわ・・・
これもみんな、ゆとり教育のせいなのかしら?))
眉を顰めながら朝の食事の片付けをする。・・・家族が多いと
簡単な朝食とは言え、片付けも楽じゃない。しかもそれが
育ち盛りの子供3人ともなれば・・・大変である。
お皿がガチャガチャ鳴っている。この騒音はいつもなら
単に耳障りなだけなのに、今日はかえってそれが有難かった。
何故ならば、不愉快なニュースを耳にすることがないからだ。
『♪フーンフーンフーーーン・・・♪』
私はいつの間にか鼻歌を歌いだしていた。
つけっ放しのTVを消し、家事に勤しむ。
今日は・・・よく晴れたので溜まっていた洗濯物も良く乾くことだろう。
なんだか嬉しくなっていた。
洗い物を全て洗い終えた時、不意にチャイムが鳴った。
回覧板である。共働きが多いこの地区では良く止まってしまう事も
あるのだが・・・今回は違うようである。
お隣ご近所の奥様たちと他愛のない会話をお茶と一緒に
小一時間程、楽しんだ後で回覧板に眼を通してみた。
=============================
〜@@@地区にお住まいの皆様にお知らせ〜
某月某日 午後@時から午後@時まで
水道管の取替え工事を致します。
その際に水道水が少々、赤く濁る事も
御座いますが、『薬剤』で『殺菌・消毒』済みですので
健康にはなんの心配も御座いません。
@@@保健所
@@@水道局
=============================
ふーん・・・まぁ・・・あんまり関係ない事だったわね。
その日のその時間帯、私は美容院に行ってるし・・・
それよりもボウフラ対策に薬を保健所で配ってくれないかしら?
なんだか怖い病気が流行ってるそうだし・・・なんとか脳炎だったけ?
高熱のせいで幻覚が見えたり、記憶障害がおきたり性格までもが
変わる病気という噂だけど本当かしら?
それにしても・・・どんな『薬剤』で『殺菌・消毒』を
するんだろ??
(未消化・・・)
『伝説の女』&『件の割愛部分の補足?みたいな』
かの少年の取調べはあっけなく終わってしまった。
所詮、点数稼ぎの為と言われてしまえば身も蓋もないのだが・・・
しかしながら私が担当している地域にある高級住宅街で
最近、所謂『カツあげ=恐喝・ゆすり』が多発していた。
それでなくても身内の職員達がやらかした『犯罪行為など』によって
威厳や威信というものは地に落ち、汚泥まみれになっていた。
そして本来、善良である筈の一般市民までもが、我々『警察組織』に寄せる
感情が不信に取って代わり、一般的な捜査に対しても非協力的になっていた。
その冠たるものは、非番の警官にたいしての傷害事件であろう。
幸いにも刺された警官は一命を取り留めた・・・との報道発表であったが
それについ先日の珍事?では、酔虎とはいうものの、二十歳そこそこの
女性に『太ももも』噛まれたかの警官は本当に『太もも』の
『部分』だけを噛まれたのだろうか?・・・怪しいものである。
随分と話が横道にそれてしまったので元に戻す事にする。
某日、さる筋から『あの一家』の『長男』が疑わしいとの情報により
『かの少年』を、ここ一週間あまりマークしていたのだが
結局、徒労に終わってしまった。『少年』はシロであった。
事件は再び振り出しに戻ってしまった。
ここで補足するまでもないと思うが、件の『一家』とういうのは
先の大戦で活躍した『英雄たちのメンバー』であった。
そう云う事もあって、我々の捜査に対して露骨すぎるといって良いほど
政治的な圧力が加えられていた。
以前、その一家の『娘』があの『博物館の焼失事件』に実は深く
関わっているとの観測もあったのだが、それさえも結局
揉み消されてしまった。
それどころか、寧ろ、盗みにきた?『テロリスト』に
『貴重な展示品』を渡さぬ為にかの一家の子供達が
機転をきかせ、『火を使い』またもや大活躍したと
大々的に宣伝される始末である。
全く、やりずらい・・・
そんな政府のやり方に愚かにも反抗した為に、世間を騒がせていた
『かの窃盗団』を確保したという大金星をあげたのに
件の『老刑事』は職を解かれてしまった。
政治とはかくも恐ろしいものなのか?
恐ろしいと言えば・・・
『少年の母親』である。
任意同行という優しい?ものであったのだが・・・
かの少年を迎えに来た『母親』は凄まじかった。
噂によると『素手でロボットの指を捻り上げた』という
逸話を持つ『伝説の女』であったそうだ。
なるほど・・・そうだったのか。
納得した。
まるでターミネーターに襲撃されたような感のある
我れらの職場がその伝説を証明していた。
頭にできたおおきなゴブを摩りながら
私は真剣に『ビリー・ブースト・キャンプ』の購入を考えていた。
(未完)
金スレの
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/x3/1177075699/l50 >>200氏に捧ぐ・・・
【真・伝説の女】カマリアのカマってカマって☆【起源編】
『なんて・・・情けない子だろう・・・』
もう一度、私は呟く・・・走り去ってゆくあの子後ろ姿に向かって。
虫も殺せない優しいあの子が、人様に『 銃 』((!!?))を向けて
しかも、なんの躊躇いもなく引鉄を引くなんて!!
どこかのイカレタ国のイノシシ少年じゃあるまいし・・・
久しぶりに会ったあの子は、あの時、まるで何かの
『もののけ』に憑かれたような雰囲気を醸し出していた。
やっぱり『男の手だけ』で育てられたのがいけなかったのかしら?
やっぱり『ママの愛情』が足りなかったからなの?
それとも・・・やっぱり『あの人の血を受け継いでいる』せいだから?
様々な、捨て去った筈の過去の出来事や感情が
ぐるぐると目まぐるしく回っている。
あまりの出来事に呆けたままの私を他所に
銃に撃たれた兵士を介抱する避難所の人たちの騒ぎは
大変なものであった。だが、そんな騒音をも掻き消すように
空に再び、あの子が乗って来た『飛行機』の轟音が木霊した。
『・・・カッコいいなぁ!!』
チョコレートを兵士から貰い損ねた
あの男の子が手を振りながら走り出して行く・・・
我が子ながら、昔から手先が器用だと言う事を
判っていたのだけれども、まさか『飛行機の操縦』までも出来るなんて!
これも『あの人の血を受け継いでいる』という証拠に他ならない。
『なんて・・・情けない人だろう・・・』
初夜を迎え終えた『 新 妻 』の私の感想はそれだった。
実は・・・夫は『 不 能 』であった。
環境ホルモンの影響や電磁波の影響とか
色々言われているのは知っていたけれども・・・
まさか、夫が・・・『 不 能 』だなんて!!
最近、特に理工系の男性には比較的多いと、同じ病棟で
勤務しているA子の話は本当だった。
長く付き合っていたのに『婚前交渉』を試みないのは
宗教上の理由や人口抑制政策の所為ではなくて
本当は『 機 能 』の問題だったのだ。
それを今まで・・・隠していたのだ。
隠して『 結 婚 』をしたのだ!
私は騙された。
『なんて・・・情けない嫁だろう・・・』
それからというもの、親たちの話題や口癖というものは
『その話』で一杯だった。丁度、世間では、かの『やんごとなき一族』の
『後継者問題』がニュースで持ちきりだっただけに
『石女(うまずめ)』とか『 女 腹 』とかに密かに週刊誌なんかに
こき下ろされていた『なんとか様』の心情が痛いほど判った。
そりゃあ・・・ちょっとは『おかしく』なりますわよ!お母様ッ!!
家事だって疎かになるし、料理は『チン(意味深)』で済ませようとするし
ご近所付き合いだって悪くなりますわよ・・・欲求不満だから。
公務をさぼりがちな『人格障害』のかの人に私は心から同情した。
((本当は・・・私が悪いんじゃないのに!!))
叫びたくても叫べない、言いたいことも言えない重苦しいこの生活に
私はうんざりしていた。
『なんて・・・情けない夫だろう・・・』
夫は仕事に逃げるようになっていた。
世に言う午前様というのは、まだ良いほうで
酷い時には一ヶ月近く家に帰って来ない時もあった。
全く、お前は、おそろいのキチ@イ色のTシャツを着た
『24時間TV』の『アシスタント』か!
そんなんで『地球が救えるのか?』と色々と突っ込みたかったが
如何せん、怒りをぶつける相手が家にいつも居なかった。
・・・愚痴を零す相手がいないのは寂しいものである。
私は寂しさを紛らわす為と年甲斐にも無く
ちょっとした好奇心?も手伝って、夫や親たちに内緒で
『@@@紹介サイト』に登録を済ませた。
『なんて・・・情けない事だろう・・・』
私はこの国がもう滅んでもいいのかもしれないと思った。
老害の某・不倫文学者よろしく流刑地の世界がそこにはあった。
本当はもう、それほど若くはないのに(まぁ、2〜3歳サバをよんだが)
私の職務が『看護婦』というだけで
『ワハハ』と笑いが止まらない程、『お相手』の申し出が来た。
『奔放』な人ならば、それに直ぐ飛びつくだろうが
堕ちたとは言え、ゆくゆくは技術高官に出世する夫の妻の私である。
『ムチャ美』はしない。『ヨロチクビー』などと軽々しく
おどける訳にはいかないのだ。
『なんて・・・情けない時代だろう・・・』
自称、『伯爵』は遠い眼差しで呟いた。
つい先程まで、私に、あんなにも嬌声をあげさせた『 男 』の台詞である。
全く・・・憎らしい。
私は、今、この自称『伯爵』と『婚外恋愛』をしている。
さる協会の首脳でもある『伯爵』は大金持ちの人物に在りがちな
少々、変わった性格の持ち主であった。その一例をあげてみると
先日のデートでも、『ふぉーすが足りない』とか言って
新米シェフ見習い兼、ホール見習いが苦労して運んできた料理に
じゃぶじゃぶとソースをかけてみたり、(味覚障害?@ァン?)
聖職者でもないのに『 瞑 想 』が好きみたいで良く
目を閉じて歩いて電柱なんかにぶっかったり、溝に落ちたりしていた。
そしてその時の言い訳もやっぱり『ふぉーすに乱れが生じた』とか
なんとか言っていた。
自称、伯爵が口にする『ふぉーす』というものが一体何なのか
良く理解できないけれども、取り敢えず、あっち方面の方は素晴らしかった。
(すごいぞ!伯爵!拍手してやるw)
そして、私は伯爵と付き合い始めてから程なく
『 妊 娠 』した事に気がついた。
・・・もう、お判りであろう。私の子供は夫の子供ではないのだ。
人工授精で『出来た』という事になっている息子に
私は、夫や私をイジメる姑に対する『当て付け』の意味を込めて
『ピノッキオの人形』を買い与えて遊ばせた。
だが・・・仕事馬鹿の夫やその親たちには私の真意が
理解できなかったようだ。
全く、カマってくれない。・・・つまらない。
伯爵は伯爵でやはり金持ちにありがちな薄情さで
あれからなんの便りも寄越さなかった。
再び私は不機嫌になってしまった。
だからと言って某・ニュースキャスターのように
所謂、『路チュー』を『金曜日』される訳にはいかない。
私は慎重なのだ。
そして月日が流れ・・・
私は再び『看護婦』になった。
===============================
結局、負傷した兵士の看護は、私が受け持つ事となった。
『 息 子 』の不始末は母である私がつけなければならない。
当然といえば当然である。
喘ぎ声をあげながら、銃創から来る熱に魘され続ける
その男を診ているうちに、私は
『せめてものお詫びに・・・何か』
などと、自分の歳を考えもせずに、分別も無く思い始めてしまっている
私自身に驚いていた。
(おわり)
228 :
ボール乗りby294@一言 ◆MdIV8u2rpQ :2007/05/31(木) 13:06:10 ID:wOona+jp
急速浮上
>>228氏に捧ぐ・・・
『曹長』
早朝に飛び込んだそのニュースはデスクの血圧を
再び上昇させるのに十分すぎるものだった。
その報せとは・・・自分が担当し、数ヶ月前から
多額の取材費という名の経費をかけて張り付いていた
『スキャンダル』であった。
それが・・・よりによって自分の休暇明けの日に
他誌に(しかもライバル誌に!)すっぱ抜かれてしまったのだ。
元祖、『働きマン』(女だけど)だったデスクは
絞め殺しかねない程の勢いで自分に掴み掛り、まくしたてた。
『この遅@野郎!!おまえが愚図愚図していた
所為でまたすっぱ抜かれてしまったじゃないか!!
このボケ!!カス!!氏ね!!』
好きでこの職業を選んだ筈なのに
女に此処まで罵られると流石に頭に来る。
だが・・・自分は健気にも従順を装う事にした。
昔流れていた某・語学習得学校のCM出演者みたく・・・
その夜、『バンマス』に変身した自分、否・・・俺は
いつもより声を張り上げて『この世の不条理』を歌い上げていた。
『メンバーたち』も心得たもので、こういう日は
((アイツ・・・何か嫌な事があったんだな?仕事で・・・))
と察してくれて、ストレスを発散するべく
何かと暴走しがちなこの俺をサポートしてくれた。
((有難い・・・))
サビの部分を歌い上げる。
お互いに、上手に立ち回れない『不器用な人間たち』ばかりだが
こういう時に慰め、立ち直らせてくれる仲間がいてくれる事に
本当に救われた気持ちになる。
しかしながら・・・哀しい事に、片手間でしかも
馴れ合いでやっていける程、こっちの世界も甘くはなかった。
練習を全て終えた頃、このバンドの真のリーダーである
『総長』が、その重苦しい想いと愁いを俺たちに告げた。
『もう・・・辞めよう。』
それはメンバーの誰もが、心の奥で密かに思っていた事だ。
ただ、今の今まで誰も言い出せなかったのは
自分たちの足掻きが、本当に無駄で終わってしまう事が怖かったからだ。
・・・認めたくない・・・諦めたくない。
だが、その一方で夢を語るのには少しばかり遅すぎる
『現実』がそれぞれの胸を締め付けていた。
どんなに美しいプロのアイドル歌手や大物女優たちも
『年齢』には勝てないというのに、自分たちだけは
『特別』と思ったままでいたかったのだ。
・・・ど素人のくせに。
スタジオを出ると既に日が昇ろうとしていた。
『・・・綺麗だな。』『嗚呼』
『新しいスタートに相応しいな。』
メンバーだった仲間たちは感慨に浸る。そして、やおら俺の方を
振り向くと口々に別れを告げた。
『じゃあな!元・バンマス!』
『総長がやっと言い出してくれて助かったぜ』
『もう帰ってくるなよ!ヘタクソ!』
『・・・カネはちゃんと返せよな?』
俺は・・・否、自分はここでもクビになってしまった。
(おわり)
独り言・・・
割愛部分・・・血管を這い進む植物のネタ&夢で観た映画のネタ
((『いばら』に絡め捕られ
『ラオコーン像』のように悶絶する自称・救世主))
ビジュアル化・・・HRギーガっぽくする為に修行・・・中?みたいな
はぁ・・・できたらいいなぁ・・・
『クサっ!!』
・・・私は思わず毒づいた。
『生と死の狭間で・・・戦場に咲く恋』
な〜〜んて『論文?』のお題に照れ臭さを隠しきれずに。
私は現在、就職活動の真っ最中である。
ちょっぴり恥ずかしい話だが、父の稼ぎでは
とてもカレッジには通えそうにもない。
夢を完全に諦めるつもりはないけれども、今日の社会では
夢を見るのにもお金がかかるのだ。現実は悪魔でもシビアである。
とはいうものの、将来は福祉関係の仕事に就きたいと思っているので
学歴や資格を取る為に時間を割くより、サブカルチャーのコミック
『ヘルプマソ』にも描かれている様に少しでも早く現場の空気を
体験して『スペシャリスト』に私はなりたかった。
そこで・・・私はまず手始めに、業界NO1のシェアを持つと
喧伝されている派遣会社にエントリーすることにした。
噂どおり手続きは本当に簡単だったのだがやはり罠?が仕掛けられていた。
本当に会長の趣味かどうか解らないけれども、先ほどの
臭過ぎるお題の論文を提出しなければならない羽目になってしまったのだ。
とほほ・・・
このお題に関して、会長が論ずる所によると、曰く
『究極のジレンマは尊い自己犠牲を生み、魂の昇華に繋がる』・・・だそうだ。
まだまだHPには長々と講釈が続いていたが、3行で読むのを止めた。
ぶっちゃけて言えばどれだけ赤の他人に尽くせるかという事なのだろう。
・・・それならば自信がある。うん、間違いない。
名前の事でやたらとトラブルを巻き起こす
『 彼 』と長年付き合っているのは、伊達じゃないのだから。
論文の構成を捻りながら私は『 彼 』を待つ。
今日もこの分だとデートをすっぽかれそうな予感がする。
・・・なんでも、すぐ近くの港に大きな船が来るそうだ。
なんとなく街全体が騒がしいのはその所為だろう。
ちょっぴり不安を感じながらも、私は
件の会長の毛髪と頭皮のことも心配していた。
(おわり?)
『蛇足』
私が名前や経歴を偽り、密かに携帯小説サイト『野ぶどう』に応募し始めて
既に、3年が過ぎようとしていた。今回の『お題』も私が以前から
暖めていた構想にちょっとした刺激が欲しくて、悪魔でも『参考』程度に
『作品』を覗いてみたいと思ったからだ。誓って『盗用』するつもりはない。
第一、ど素人如きに、この私を唸らせる作品など書ける筈もないのだ。
断言できる・・・。
そう言えば・・・ずっと以前に、エントリーしてきた男の
『カイトライダー』という作品を斜め読みしたのだが、そのオチが
凧に乗った蛸人間の話だったという・・・映画の『なんとか惑星』の
パクリだと気が付いて速攻でウィルスを送りつけてやった。
ちょっぴり大人気なかったと今では反省をしている。
さて・・・今回も沢山エントリーされている。
我ながら臭いお題とは思ったのだが、案外と言って見るものだ。
どれどれ・・・?ほう・・・現役女子高生からも来ているな♪
名前から察するにチャイニーズ系か?『ふぁ=ゆ@りぃー』か・・・
どれ・・・読んで見るとするか・・・つまらなかったら
3行で読むのを止めてやる。
==============================
『べ、別に貴公の為にやっているんじゃないんだから!
わっ・・・和平の為にやっているんだからねっ!!』
かの公国の首魁の言葉は通訳を介しているとは云え、明らかに
俗に言う『ツンデーレ』していた。恥ずかしながら独逸語の素養が
全く無い私でもその雰囲気が理解できた。先の大戦で完膚なきまで
叩きのめされ、破れたうえに虜囚の身までになってしまった私を
侮った上での感情なのかどうかは判らないが、厳つい風貌の公王が
これほどまでに哀れみを感じ、まさに窮鳥を救わんとする為に
『なんらかの工作』をしてくれると云うのだ。
『だ・・・だんけ・・・有難うございます・・・』
これが『敵に塩を送る』という事なのだろうか?
いったい・・・どんな企みが隠されているのだろうか?
私は、少々困惑しながらも礼を言った。
==============================
・・・なんなんだこの『腐女子』チックな流れは
確かに『お題』に沿ってはいるようだが・・・
マ・・・マニアックすぎるだろ!!
3行で読むのを止めるつもりだったが、オチがやっぱり気になったので
最後の部分だけを読んでみてみる事にした。
=================================
『公王からの通信は・・・和平交渉について
是非、お話したいとのことです。』
部下の報告は、私に一年前の出来事がまるで昨日に
あったかのような錯覚を感じさせた。
この一年間、大切なものを・・・掛け替えの無いものを
お互いに余りにも多く亡くして来たので、敵同士、しかも
首魁同士という立場とは云え、この傷付いた心を老いた身で
独りで抱え込むのは辛過ぎた。少しでも分かち合う相手が欲しかったのだ。
『そうか・・・つらいのだな・・・』
私は誰に聞かせるのでもなく、自分の正直な気持ちを
呟いていた。今回は『のばぁあ』の講師抜きで話せるかもしれない。
(おわり)
================================
・・・ちっ・・・やっぱり『やおい』だったな。
『アーーーーッ!!』とか『何をする!?』という様な展開を期待して
いたのだが・・・・肩透かしもいいとこだ・・・
なんだかどっと疲労感が襲ってきた。事業を手放す羽目になってしまった
あの不祥事?や醜聞?よりも疲れたかもしれない。
やっぱり3行で読むのを止めれば良かった・・・orz
私は・・・彼女に『不採用』の通知を出すことに決めた。
(おわり)
『新型』
実は・・・私は機械とかパソコンとかはあまり詳しくない。
『操作』だけは人並み以上に出来ても、その構造とか
仕組みについての話となるともうお手上げである。
だから自分で『ロボットペット』を組み上げたという
『あの少年』に勝てないのかもしれない。
それ故、部下を手伝うつもりが『邪魔です!どいてください!』
などと言われてしまうのだろう。
・・・このままではいけない。
このままでは、なんとかの稲妻みたいに
色んな所でネタにされてしまう!
それは、流石にかっこ悪い。
私は手始めにチンプンカンプンながらも
『せかんどらいふ』というものに挑戦する事にした。
なになに・・・説明書によると『電脳めがね』というものが必要らしい。
なんだ・・・サングラスじゃ駄目なのか・・・
マスクも外さないといけないなぁ・・・やれやれ。
一時間後・・・
私は電脳空間で敵?に追われていた
何でも奴は郵政省の回し者らしい・・・よく判らんが。
はじめての『せかんどらいふ』にこんな目に合わなければならないとは
なんて運が悪いんだ・・・しかも、腹立たしい事に奴の真っ赤なボディは
私のお気に入りの色と被っている上に、小さな子分?ロボットを奴は
飛ばして四方八方から襲い掛かって来るのだ。
私は必死で抵抗し、逃げ回ったが電脳空間を知り尽くしている
奴から逃げ延びるのは多分、無理なのだろう。
『これが『新型』の威力なのか!?』
私は部下が、かつて死の間際に言い放ったと伝え聞く
その台詞を思わず口走っていた。そうこうするうちに
袋小路に追い詰められた私は、勝利を確信した『新型』の
『ウィルス駆除プログラム』の雄たけびを耳にする。
『ぼく、ささびーぃ!!』
(おわり)