>>137 訂正
×無理も無い・・・漸(ようや)く?み掛けた
日のあたる場所で
○無理も無い・・・漸(ようや)く掴んだ
日があたる場所の
かきの方はなんとかヲチがつきました
しょんの方は暴走気味です・・・orz
『またかよ』って感じですが、生暖かくヲチして下されば
多分、頑張れまつ・・・スマソ
139 :
かき×7:2006/10/11(水) 03:48:56 ID:???
>>133の続き
「リンゴーン♪リーンゴン♪」
保養施設の間の抜けた鐘の音が鳴り響く。
それは運動場の砂場で戯れている彼らと彼女に
『リハビリ』の時間が来たことを告げていた。
ヘルパーの彼女はより一層高い声を出す。
「ほら!そこの『Bパーツ!』さっさと『Aパーツ』を運んであげてッ!」
「『えーぱーつ』っていうな!!」
『誰が『Bパーツ』だ!誰が!!』
漫画『ヘルプマソ』や『リァル』の読者から抗議のメールが
100通ぐらい来そうな発言であるが、これは彼女なりの
愛情表現なのだろう。その証拠に彼女の瞳は『慈(いつく)しみ』に
満ち溢れていた。そしてこう言っては失礼なのだがその表現は
的を得ていた。『Aパーツ』と呼ばれた盲目の男は両足が無かった。
車椅子を使って移動すべきなのだろうが、残念ながら砂場では
自由が効かない。けれども、この砂場は彼と彼の『バディ』?の
お気に入りの場所であった。その理由は彼らがまだ健康だった頃の
『戦場』の風景によく似ていたからだろうか?
140 :
かき×8:2006/10/11(水) 04:20:58 ID:???
尤も、盲目の彼に車椅子など与えようものなら、飲酒運転並みに
とんでもない事故を起こしかねない。それは彼自身が良く
知っている。何故ならぶっくさ文句を言いながらも素直に
『Bパーツ』の男に抱きつこうとしている行動が証明している。
『おい・・・あんまりくっつくなよッ!!砂が・・・
砂がズボンに入っちゃうじゃないかッ!!』
両腕を無くし、口のきけない『Bパーツ』は胸板にぶら下がる形となった
『Aパーツ』に首を激しく振りながら無言の抗議をする。
しかし、『Aパーツ』も負けてはいない。
「うるさいなぁ・・・はこんでくれないのなら
う@ちのとき、ふいてやらないよ?」
そう、両腕を無くしてしまった『Bパーツ』は自分で尻がふけないのである。
暫し、言い争い?があったものの、目出度く?『合体』した。
自分で動けず歩けない男は、自分で物を持つことが出来ない男と
『合体』したのである。いい年こいたおっさん二人が
『ひとつ』になった瞬間である。
利害関係?という言葉が当て嵌まるのかどうかは判らないが
彼らはこうして協力しあっていた。傍から見れば
『 き ん も ー ☆ 』
以外の何ものでもないのだろうけれども・・・
141 :
かき×9:2006/10/11(水) 04:41:22 ID:???
何度も転びそうになりながら『ひとつ』になった男達と
何度も転びそうな『ひとつ』を支えながら帰ってきた彼女は
漸く、施設のリハビリ室にたどり着く。
重荷?を下ろし、3人が一様に『やれやれ』と一息つこうとした瞬間
鼻腔を激しく刺激する強烈な臭気が無防備な彼らを襲った。
「く、くっさーーーー!!!」
「うへぇ・・・」
『・・・ニムバスの奴、また『裁き』やがったな?』
『Bパーツ』もとい、『レイヤー』の判断は正しかった。
臭いの正体を辿って行けば我々は見る事が出来るであろう。
『騎士』と呼ばれた男のなれの果てを。
味方のMSからの通信が来ている。
そこでは、仲間が必死に今の状況を伝える。
しかし通信はひとつ途絶え、ふたつ途絶え…やがて全ての通信がなくなった。
ウィルはその場を立とうとするが、妹のフリンがぎゅっと腕を掴んで離さない。
「…離してくれ。」
フリンは顔を大きく横に振りながら叫ぶように言った。
「嫌だ!もう!みんな!どうして死ぬの!?」
「…すまない。」
戦力に圧倒的な差があるのだ、自分でも死にに行くのは分かっていた。
しかし、上からの命令が有れば直ぐに行かなくてはならない。
ピリリ…ピリリ…
上からの連絡だ。
「…はい。…はい。…分かりました。」
「…お兄ちゃん?」
「…まだ、生きていられるかもしれないな。」
「どういう事?」
「…脱出する。急げ。」
ウィルは、荷物を整理しようとしたが、既に脱出用の荷物が二人分用意してあった。
「…フリン。」
「…多分、こんな事になると思ってた。」
「助かった。ありがとう。行くぞ!」
二人が部屋を出た瞬間、放送が入った。
『全隊に連絡する。我が隊は、この基地を放棄する事を決めた。
あと一時間後にこの基地は爆破される。
各自、迅速に脱出せよ。』
とにかく走った。
ウィルは二人分の荷物を抱えて脱出機を目指した。
脱出機の前には、一人の男が立っていた。
「…隊長、ウィル・リーバです。」
「はぁ…はぁ…フリン・リーバです。」
「間にあったか、急げ!」
急いで脱出機に乗り込んだ。
貨物室には、たくさんの兵士が乗っていた。
二人もその一部に加わる。
操縦士が叫んだ。
「隊長!二号機以降、全て脱出完了しました!」
「よし、脱出する!」
強いGがかかる。
不安定な貨物室は、バタバタと人が倒れた。
「お兄ちゃん!」
「大丈夫だ!」
二人は必死で壁にはりつく。
だが突然、強い衝撃が機内を揺るがした。
飛んだと思った矢先の…そして、この浮くような感覚…
「全員何かに掴まれ!墜落する!」
ウィルは叫んだが、機内の雑音でその声は消されてしまった。
そして…
「うわあああ!」
「きゃあああ!」
ウィルが意識を覚醒させたものは、猛烈な異臭だった。
起き上がろうとした瞬間、目の前の光景に唖然とした。
至る所から穴が開き、日の光が射し込む機内…
その光によって見える光景は、死体の山だった。
隣に居た筈のフリンが見えない。
「フリーン!」
ウィルは、必死に近くの死体をかきわけ、フリンの姿を探す。
「…あんた、生きていたか。」
「…え?」
後ろから声が聞こえた。
服装からして、味方の隊員のようだ。
「この参事だ…生きている奴は少ない。生存者はみんな外に居るよ。」
「…ここは?」
「すぐ近くだよ。爆破された基地のな。
敵は爆破に巻き込まれ、大半が死んだらしい。
それにお偉いさんが死んだらしく、敵は一時撤退したよ。」
「妹はどうしたか分かるか?」
「…生きてる。五体満足でな。安心しろ。
あれから2日も経ってるからな、あんたの妹さん、必死にあんたの事起こそうとしてたよ。」
「そうか…」
ウィルはゆっくりと立ち上がった。
隊員は大穴のある方向を指さした後、その方向へと歩いて行った。
「だが、水も食料も少ない。
近くの川は汚染されてて飲めたもんじゃない、食料になりそうな物は生えてない、かなり最悪だ。
今はあんたの妹さんの持ってきた物でなんとかしのいでる。」
ウィルもその後についていく。
「なんとかならないか…」
「なれば良いがな。」
ウィルは、助けてくれた隊員の肩を借りながら、脱出機を後にした。
145 :
通常の名無しさんの3倍:2006/10/18(水) 02:21:52 ID:FtwGUbKj
J('A`)し ゴメンネ流れぶった義理でゴメンネ
老鷹の続き書いてなくてゴメンネ
誰も見てないなんて言わないで傷つくからゴメンネ
適当に思いついたのを書いてみましたゴメンネ
他のスレッドのネタでゴメンネ
ではドゾー
146 :
バソダイ企画部:2006/10/18(水) 02:23:59 ID:FtwGUbKj
マスプロダクト戦隊ジムレンジャー
ジムレッド
正義感あふれる熱血野郎
無茶な作戦も先頭に立って突撃していく
目立たないのが玉にキズ
ジムオレンジ
ジムレンジャーの紅一点
地球生まれのお嬢様で、世間知らず
レッドに惚れているが、普段はツンツン
ジムブルー
冷静沈着なクール野郎
しかしキレると敵味方見境無く襲うバーサーカー
ジムグリーン
実は未来からやってきたレッドとオレンジの子供
自分が生まれる前に死んでしまったレッドを守るためにやってきた
レッドがバカみたいに突撃していくので、とても苦労している
ジムサンバーストイエロー
砂漠からやってきたスピードスター
ホワイトとブラックのツートンカラーの兄がいるらしい
カレーが大好き
ボール博士
地球の平和を脅かすジオッカーを倒すためにジムレンジャーを設立した
巨大ロボ、ジムデオンを開発した科学者でもある
ジムデオン
巨大なジム型ロボ
五人?が中に乗り込み操縦するのだ
必殺技はジムデオンソードとジムデオンガン
147 :
バソダイ企画部:2006/10/18(水) 02:25:54 ID:FtwGUbKj
ジ・オングー
ジオッカーの首領
少年?の頃、事故に遭い両足を失い、そのためにいじめに遭うようになった
いじめてきた奴らを見返すために配下のザクやドムらをつかい、地球征服をもくろむ
ザク
ジオッカーの戦闘員
いつもヤラレ役
掛け声は「俺だってー」
等々
ジオッカーの野望を打ち砕くマスプロダクト戦隊ジムレンジャー
彼らは地球のために今日も戦う!
社員「っていうのはどうです?」
部長「バカか、お前は
おもちゃが売れねーだろうが!」
企画書をバシバシ叩く
部長「機動戦士アッガイとかギニアス大百科みたいな、グッズが売れるの考えてこい!」
部長の机の上にはトリコロールカラーのアッガイや、モフモフしたアプサラスのぬいぐるみがある
部長がアプサラスのぬいぐるみの頭をナデナデすると、
「ギニアスゥ、もう我慢できないナリィー」
と言って真ん中のメガ粒子砲部分のLEDがピカピカ光る
ちなみに他にも喋るらしいが・・・
148 :
バソダイ企画部:2006/10/18(水) 02:46:31 ID:FtwGUbKj
部長「こういうのが必要なんだよ!」
社員「大丈夫です、秘策があります」
部長「ほう、秘策とな」
社員「はい、ジムレンジャーは最終的には10数体になります」
部長「多いな」
社員「はい、多いです
しかし、それこそが秘策です・・・
その10数体のプラモデル等を全てカラーバリエーションで出します!
それが逆にコレクション精神をくすぐるのです!」
部長「カラーバリエーションって・・・
機体が違うのもいるだろ」
社員「ジムレンジャー仕様で押し通します!
ジムデオンも最終的には三体合体ぐらいにしましょう!
ジオッカーも使い回しで!」
部長「・・・よし、分かった!」
社員「あ、ありがとうございます!」
数ヶ月後、マスプロダクト戦隊ジムレンジャーは低視聴率でグッズも大層売れ残ったそうな
その後の社員を見た者はいなかったそうな
部長「いいやつだったんだけどな」
アプサラス「消えてなくなれナリー」
【1:1】あーあ
1 名前:通常の名無しさんの3倍:200X/3/32(冥)
バソダイオワタ\(^o^)/
おしまい
今回は「ギニアス大百科」スレッドと「機動戦士アッガイ」に触発されてゴメンネ
>>114 ゴメンネ、カーチャン、ヘンナジカイテゴメンネ
ノウナイヘンカンデオネガイシマス
>>143-144 妹さんの名前でちと吃驚しました。
正直、心臓に悪かとでつ
続き、ワクテカしてまつ♪
>>145-148 こういうの結構好きなんです。
本編の『鷹』の方も頑張ってクダサイ☆
151 :
通常の名無しさんの3倍:2006/10/18(水) 06:53:10 ID:Vz/cjGKk
朝鮮半島防衛戦をやるか。
日本列島の攻防
フォサマグナでジオンと連邦の争いが激化
登場MS
陸戦型ガンダムEZ-8
陸戦型ジム
61戦車
量産型ガンタンク
ジムキャノンU
Pジオング
アプサラスV
ザクUJ
ドムトローベン
グフカスタム
マゼラアタック
登場戦艦
ミデア
ビックトレー
ガウ
ダブデ
ギャロップ
ユコーン
ガンペリー
153 :
通常の名無しさんの3倍:2006/10/18(水) 18:28:15 ID:KmJDZHpK
日本列島の攻防@
宇宙世紀0080
10月18日
「気が付いたか?」
「…ん…ここはどこだ!?」
「ジャブローだ」
気が付いた途端、俺は地球にいた。
5日前…俺はジムでムサイに特攻かけて死んだはずじゃ…ルナツーを守るために…
軍医「名前はなんだ?」
???「俺の名前か?俺はジローだ。ジロー・クレイだ。階級は少尉だ。
ルナツーを守って死んだはずじゃないのか?」
軍医「なーに、ピンピンしてるじゃないか、中将、気が付きました」
コーウェン中将「おお、気が付いたか、ジロー君、きみは地球連邦地上軍日本列島解放軍に転任してくれ。」
ジロー「早速ですが中将、何故私がこんな所に…」
中将「君が特攻かけた時、君は脱出して、漂っていたのさ。だから救出してここに連れてきた」
何…俺は特攻かけた時脱出した、無意識に…
とにかく、日本へ移動になるから、準備した
日本の連邦前線基地は旭川だから…寒いだろ。
出発する前…
中将「君のMSは大型輸送機につんである。それで無事に行ってほしい」
と言われた。そのMSは陸戦型ガンダムEZ-8
陸戦型ガンダムの改修型だ。
出発した。
日本までは24時間あるから、ガウに見つかったらそこで終りだ。
10時間後、輸送機はオデッサに差し掛かった。
A
オデッサは激戦だな。
この戦争は俺にとって憎い
14時間後
日本に到着した
旭川基地
EZ-8をおろしハンガーに入れる。
その後基地長の所に行った。
ジロー「ジロー・クレイ少尉、只今着任の挨拶にきました。」
マイケル「おお、コーウェン中将から話は聞いておる。今日はしっかり休め。」
翌日
仲間を紹介された。
まずシロー軍曹
その次タロー軍曹
最後にアイン伍長
ジローは聞いて、このはいりたてのヒヨコの部隊かよ。と、思った
早速任務が入った。これから第4MS小隊は第5戦車大隊と協力して、札幌を解放せよ、と入った
ジロー「札幌?こっからどこだ?」
アイン「ここからだと、南西です」
シロー「なら、早速行きますか?」
タロー「しかし、戦車大隊か、棺桶だな。」
出発した。札幌には2時間で着いた。
戦車大隊は西から、我々は東から、突入した。
1時間で札幌は解放された。
ジムの整備に札幌でおわれた。さらなる大作戦が始まるらしい。
それは…
フォサマグナ突入作戦
東日本各地で連邦は解放し後は東京だけとなった。
我々はマイケル大佐と共に土浦へと向かった
「お兄ちゃん!良かった〜…う…」
「おい、泣くなよ…」
「だって…お兄ちゃん死んじゃったと思ったの…」
「…まだ泣く時じゃないぞ。無事に帰ってから、存分に泣け。」
「…うん。」
肩を貸してくれた隊員に礼を言い、フリンの側に座る。
ウィルは辺りを見回した。
「…生存者はこれだけか。」
自分を含め、八人の隊員しか確認出来ない。
うち、二人は重傷を負っている。
「肝心のMSも、爆破で全部飛んでしまいましたし…残ってても動くかどうか…」
隊員の一人が言葉を漏らした。
一気に場が冷めた。
その時、辺りがざわめき始めた。
「…敵か?」
自分で言って嫌な気分だ。
「ここは基地のすぐ近くだけど、それでも少し歩くから大丈夫だとは思うけど…」
「だけど、どう聞いてもMSであるのは間違いないな。」
「…こっちに来るよ!」
だんだんと大きくなる足音…その殺戮兵器の近付く音に、全員が恐怖する。
「…ウィル・リーバはこんな無様に死ぬつもりは無い。」
ウィルは、何か対抗出来るものは無いかと、格納庫に向かった。
兄の突然の行動に、フリンも何故かあわててついて行く。
「お、おい!」
「すぐ戻る!」
隊員の引き止めにも耳を貸さず、二人は真っ直ぐと格納庫に向かった。
蛆が沸き、蠅がたかり、異臭を放つ部屋…
その物体をかきわけながらコンテナを必死に壊すウィル。
壊れたコンテナから使えそうな物を探すフリン。
二人が声に気付いたのは疲れで一旦休憩しようとした時だった。
「二人とも!助けだ!」
一人の隊員がここまで来てくれて、やっと気付いた。
「お兄ちゃん…」
「…」
ウィルは、今自分は何をしたのか…それを考えていた。
とりあえず走った。
「…クソ!俺は何をした!」
「お兄ちゃん!?」
「急げ!」
知らせに来てくれた隊員を追い越し、とにかく走った。
味方のMSとコンテナのような物が見える。
「なにが…なにが平和…なにが自由…」
ウィルの中で遂に我慢の限界が来た。
「こんな戦争に勝って、俺は何を得るっていうんだ!」
「…お兄ちゃん!やめて!」
叫んだ後に聞こえたフリンの言葉が、ウィルに孤独感を与えた。
そして、本部に戻るまでの2時間は…ウィルにとって長い自分との戦いであった。
158 :
通常の名無しさんの3倍:2006/10/19(木) 19:45:57 ID:pIq9240h
B
各地で解放し、我々は土浦基地に入った。
ジロー「じゃあ、ミーティング始めっぞ。何かあるか?」
シロー「東京だけと、クモの巣だけど。敵の中心は霞ヶ関らしい」
タロー「じゃあ、降下したほうがいいんじゃないか」
アイン「ミデアは空間部隊で戦闘機しか受け入れないそうです。」
シロー「ガンペリーがあるじゃないか。」
ジロー「地上部隊は?」
タロー「戦車大隊第13師団とMS大隊第4師団と我々の第6師団です」
我々の師団とは違い、ジムやガンタンク、捕獲したザク、マゼラアタックを使うのが第4師団だ。ミーティングが終わり
ジロー「EZ-8はどうだ?」
整備兵「流石、ガンダムだけに違います。あと、少尉の部隊に新しいMS入れときました。」
シロー「長距離支援型か?」
整備兵「ジムキャノンUです」
タロー「どっち乗る?」
ジロー「スコアで射撃で一掃できるやつだ。だから、タローだ」
アイン「大変です。もう一つの前線基地が奇襲うけました。大佐から出撃命令下ってます。」
ジロー「どこだ?」
アイン「宇都宮です。」
ジロー「ガンペリー行けるか」
戦闘機パイロット「行けます。」
ジロー「じゃあ行くぞ」
我々は宇都宮に飛んだ
>158 pIq9240h
おまえさんの書いてるものは「小説」か?
それとも、ラジオドラマの台本か?
死の危機から生還したウィルは、狂ったように前線に立ち、敵をなぎ倒していった。
その功績から、大尉という階級まで行ったウィルだったが、その顔に笑顔は戻らなかった。
前線は地球から宇宙へと移動したが、ウィルの心は未だにあの事件以来停止していた。
「隊長!大尉が!」
整備兵の一人があわてて隊長室に入った。
「…ほおっておけ、しばらくしたら連絡が」
話の途中で突然通信が入る。
「…私だ。」
『隊長、フリン・リーバです。
ウィル・リーバがこちらに接近する飛行物体を発見し、これを破壊しました。』
ザザ…ウィル…
「…敵は。」
『私の確認した限りでは全員…あ!待って!…おに…』
「…死にたがりとでも言うのかな、あいつには遠くの敵も見えるらしい。」
「…つまり、ニュータイプと?」
…ニュー…タイプ…
「と、言われているな。或いは本当に只の死にたがりで、単に動く物を破壊するだけの機械人間かも知れん。」
「…」
「…すまんが、一人にさせてくれないか?用は済んだだろう?」
「…は。失礼します。」
整備兵が部屋を出た。
「…私はいつまでこんな嘘を続ければ良いのかね?」
部屋の奥から人が出てきた。
隊長はため息をつき、その人の名を呼んだ。
「フリン・リーバ君…」
「私は彼の妹ですから。それに…」
そこから先は隊長の耳に入ってこなかった。
誰にも聞こえない小さな声で…フリンはこう呟いた。
「それに…このテストは必ず…」
ウィルの活躍はめざましく、その正確無比な射撃と、疾風の如くMSを操作する腕に、遂に鬼人とまで言われるようになっていった。
フリンも、度々前線に出ては活躍をするのだが、兄妹の間で会話する事は一切なくなっていた。
既に二人の過去を知る人間は全員死に、何故このようになってしまったかは、この活躍劇で一切が分からなくなっていた。
しかし、二人の存在は一年戦争の終わった翌日に、突然闇に葬られる事になる。
この一週間、ウィルの存在は行方不明とされていた。
風の噂では、あの激戦に鬼人でも敵わずに死んでしまったと言われていた。
ウィルの現在を知る人間…それは、フリンだった。
「戦争は終わったわ…兄を返して。」
最新のMSに乗るフリン。
巨大なMAを前にすると、MSもまるで子供のようだ。
フリンは男と話していた。
『既に返しているさ。君の今見ているものがそうだ。』
フリンは驚いた。
「お兄ちゃん…そこに居るの?」
突然、後ろからビームが飛んで来た。
ビームはフリンのMSの側を抜け、ウィルの居るMAに命中した。
…かに見えた。
『攻撃を感知、Iフィールドにより損傷無し。索敵開始…敵を確認…指示を。』
男の通信機越しに聞こえる兄の声。
しかし、その声には生気がなかった。
『消せ。………了解。』
その直後、フリンのMSに向かって嵐のような攻撃が飛んで来た。
必死に回避するフリンだが、一瞬めまいがした。
その瞬間、一発のビームがフリンのMSに命中した。
フリンはバランスを崩し、その場で回転してしまう。
しかし、攻撃は待ってくれない。
もう一発…二発…三発…ビームが次々とMSを貫通した。
そして、一発のビームがコクピットに命中した。
「…あああああっ!」
フリンの右腕が足元に落下した。
しばらくして、血が出始める。
最後の一撃で、その機能の大半を失ったMS…抜けていく酸素と、薄れゆく意識の中で、フリンはこの後に起きた光景をはっきりと見た。
突然何もない方向を攻撃し始めるウィル…しかし、そこには確かに存在していた。
『…クソッ!攻撃してくるな!中止だ!』
『できません。』
『何!…やはり失敗か。あの事件が一番起こってはならない障害だったのか!やむをえん!』
ウィルのMAが光った。
その後の光景を、フリンは見る事が出来なかった。
ただ、何が起きたのか…それはなんとなく理解した。
自分のやった事を後悔しながら、何も見えなくなった目を閉じた。
「…はい。結局、この一年で成功したのは008と124だけです。」
「…えぇ、実験の始末は全て我がジオン公国に。」
「…はい、全ての実験データは、このバックアップ以外にはもう存在しません。」
「…死を偽装する作戦はどちらも成功しました。」
「…ふっ、キシリアも私が死んだと思っているでしょう。もっとも、キシリアも008によって死にましたがな…」
「…その点は問題ありません、10年後の為の準備は既に整っております。」
「…えぇ、ではまた10年後に。レビル将軍。」
ピッ…
終
164 :
37:2006/10/21(土) 06:25:15 ID:???
37です。
混乱を避けるために名前欄にも書き込みます。
これで三話目ですが、これで終わりです。
165 :
第三話:2006/10/21(土) 06:27:27 ID:???
「あんたさ、ボールでザクを三体も倒したんだって?」とフェリペ准尉は親しげに尋ねた。
准尉は人見知りのしないたちだったし、その陽気な性格さゆえに誰とも友達になれる自信があったのだ。
声をかけられた彼は上体をGMのコクピットに突っ込んでカチャカチャと整備していたのだが、腕で突っ伏して顔を出し、
「いえ、一体はゲルルグでしたし、それは他の人が撃墜してくれました。僕はザクを二体やっただけです」と無表情に言った。
そしてもう一度顔をコクピットに突っ込む。
まず准尉は「こいつはつまらなそうな奴だ」と眉をしかめずにはいられなかった。
軍での武勲自慢は誇張されることが常だし、それはほとんどパイロットだけに共有される仲間意識の表現みたいなものだった。
166 :
第三話:2006/10/21(土) 06:29:07 ID:???
初めて会った奴には「あんたどれくらい敵をやったね?」と聞けば話題に困ることはないし、それだけで戦友の気分に浸れた。
同じ趣味を持つものがその話をしたがるように、パイロットはパイロット同士、武勲自慢をするものなのだ。
「俺は素手のジムでムサイを沈めたぜ。空手を習っていてね、それが役に立ったのさ」
と一人のパイロットが言うなら
「俺は地球でクジラを仕留めたぜ」
ともう一人が言う。
早くも会話が終わってしまったので、准尉は「ジムの操作には慣れたかい?」とめげずに声をかける。
彼はさっきと同じ動作を繰り返して顔を出し
「ジムの操作はボールより複雑で難しいですね」と当たり前のことを言った。
彼が再び顔を引っ込める前に准尉は「まあ、そりゃそうだ。なんか分からないことあるかい?」と言って会話を続けようとする。
「いいえ、特に」と彼はそっけなく言う。
「なあ、俺あんたの邪魔してるかな?」
「いいえ、別に」
「そうか、なりゃいいんだ。いや、あんたがカエルみたいにひょこひょこ身体を動かすからよ、嫌われてるのかと思ってさ」
167 :
第三話:2006/10/21(土) 06:30:49 ID:???
准尉は冗談で言ったつもりだったのだが、彼は向き直り「すみません」と真面目腐って謝った。
准尉は慌てて、いやいや、軽いジョークだよと弁明したが、彼は「はあ」とよく分からなそうな顔をするだけだった。
しばらく沈黙が続き、准尉はとっておきの話題を出さざるおえなくなる。
本当はもっと彼と親しくなってからと思っていたのだけれど。
「その機体さ、死んだ友人が乗っていたやつだったんだ」
「はあ」と彼は言った。
「右肩になかなかいかしたペイントがしてあるだろ?」
しかし彼は准尉の期待に応えず「そうかもしれませんね、確かに」とだけしか言わなかった。
彼はいったい何が楽しくて生きているのだろう、と准尉は疑問を抱かずにいられなかった。
168 :
第三話:2006/10/21(土) 06:32:33 ID:???
星一号作戦が発令され、准尉が乗っている艦もア・バオア・クーに向かっていた。
その途中、ジオン軍がソーラレイを撃ち、レビル将軍もデギンも死んで、かすかな望みであった講和も流れてしまった。
准尉はやりきれない思いでいっぱいになった。
彼は純粋に軍人としてレビル将軍を好いていたし、それと同じくらい純粋にデギンを敵として憎んでいた。
急に戦意の支えがなくなり、何だか不安になってくる。
誰かに叱咤してほしい、誰かに慰めてほしい、誰かに自分の弱さを受け止めてほしい。
そんな願望を抱えながら艦内をうろついていると、モビルスーツデッキでGMをひたすら整備する“彼”に出会ったのだ。
しかし、明らかな人選ミスだったと准尉は後悔し始めていた。
彼は他人に興味がなさそうだし、孤独を好みそうな人間だ。自分の気持ちなど推し量ってくれないだろう。
それ以上に准尉はだんだんと自分にたいして恥ずかしくなってきていた。
いったい俺は何をしてもらおうとしていたのか。
女みたいに「よしよし」と慰め合いたかったってのか?
169 :
第三話:2006/10/21(土) 06:56:33 ID:???
「講和はおじゃんになっちまったね」と准尉は恥ずかしさを押し隠すように言った。
「ええ」と短く彼は言う。
「残念だったな」
「そうですか?」
「そうですか、ってそりゃ…。こんなクソッタレな戦争さっさと終わった方がいいに決まってるだろ」
「別に講和が成り立ったからってそれで戦争が終わるとは限りませんよ。根本的な解決にはなっていないのですから」
それに…、と彼は続ける。
「僕はまだ終わってほしくありませんね」
「何だって?」
「僕はまだ終わってほしくないと言ったんです」と彼はご丁寧に復唱する。
「ふざけるんじゃねえ」と准尉は思わず怒鳴った。
「戦争が終わってほしくないだと?長く続けばそれだけ人が死ぬってことが分かってんのかよ、お前は!」
「僕がどう願おうと、戦争がそれに応じて実際に長短するわけではありません。的外れな怒りでしょう、それは」
それは確かにその通りだった。しかし一度湧いた怒りは簡単に消え去りはしない。
「お前は…、ハリボテだな、あいつの言う通り」と准尉は嘲笑うように言った。彼が怪訝そうな顔をする。
170 :
第三話:2006/10/21(土) 06:58:33 ID:???
「お前が今乗ってるジムの前の持ち主が言ってたのさ、戦争は人をハリボテにする大量生産機だってな。
お前はそれだよ、戦争に馴染んでいくうちに人間らしさを忘れちまったハリボテだ」
「その人は今?」
「死んだ、自殺だ。戦争の仕組みを終らせるとかわけの分からんことを遺書に書いてな」
彼はしばらく何か考えていた。それから「二つ、言いたいことがあります」と言った。
「まず一つ。その人の言っていることは間違っています。人間は戦争ぐらいで中身のない人間にはなりませんよ。そんなに弱いもんじゃない。
その人がハリボテになったというなら、それはその人がハリボテになりたがっていたからです」
そしてもう一つ、と指を立てて言う。
「僕は生まれたときからずっとこうでしたよ。それでもハリボテである気はないし、戦争でそうなった気もありませんね」
彼はジムを腕で押し、反動でフワリと准尉の横を飛んでいく。
准尉はとっさに何か言い返そうと振り向いたが、急に何もかも馬鹿らしくなって、やめた。
171 :
第三話:2006/10/21(土) 07:00:50 ID:???
戦闘はもう始まっていた。准尉は味方のMSに合流しながら敵の群れにビームスプレーガンを撃つ。
この距離ではまだほとんど当たらない。一定の距離を保ったまま、ほとんど当たらない弾を撃ち合い、じわじわと相手の戦列を互いに崩し合う。
隣のGMが運悪く撃墜された。准尉はムキになって連射する。
30分ほどそうしていただろうか、ついに最後の味方がやられ、准尉は孤立した。
前を向いたまま後退し、威嚇するように射撃をする。
しかし敵も追ってくる。
こりゃ逃げられそうもないな、そう准尉は呟くと、飛んできた敵の弾を避け、一瞬のうちにバーニアの方向を変えて敵に向かっていく。
慌ててバズーカを構え直すザクをすれ違いざまに撃った。
爆破を確認する暇はない。反転し、高速で移動しながら、包囲しようとしてくる敵と撃ち合う。
172 :
第三話:2006/10/21(土) 07:03:11 ID:???
避けて、撃つ。まず避けることが肝心だ。相打ちなんかつまらない。
撃つ。敵の弾、かいくぐり、また撃つ。当たった。
左、マシンガンを構えたザク。シールドを構えながら直角に移動して避けていく。そして、撃つ。
今度は上から、間に合わない。バズーカがシールドに当たって爆発する。
准尉のジムは衝撃で二、三回転し、それからバーニアで態勢を立て直して敵を撃った。
手に汗がにじみ、吐く息は荒くなっていた。
正直に言って准尉はこうして戦場にいるのが嫌いではなかった。いや、むしろ好きだった。
闘いは躯を熱くたぎらせ、感情を解放してくれる。准尉はスポーツ感覚で敵を殺していたし、敵もまたそうだろう。
撃つ、反応、左、また撃つ。避けて、撃つ。
いつまでもこうしていたかった。しかし准尉の寿命が無限じゃないように敵も無限じゃないのだ。
気付くと准尉はレーダーに映る敵をすべて撃墜していた。
闘っている内に大分後方に下がっていたらしく、前方に見えるア・バオア・クーでは光がチラチラと輝いて、戦闘が続いていることが分かる。
一度艦に戻って補給をするか、そう思案をしているとレーダーが敵影を察知する。
173 :
第三話:2006/10/21(土) 07:04:30 ID:???
一機。速い、多分ゲルググだ。
准尉は近づいてくる敵にビームスプレーガンを撃ちまくったが、一つも当たらなかった。
敵はナギナタを構えている。仕方なく、准尉もビームサーベルを背中から抜いて構えた。
近づいてくる。准尉も自ら近付き、正面から向かっていく。
一閃。すれ違い、向き直る。
瞬間、もう一度前に飛び、切り結ぶ。一合、二合、剣を重ねる度にはじき合っては離れ、また振り下ろす。
推進剤が光り、星々が線をひく。かすめた部分が熱で溶け、焼き焦げる。それでも不思議なほど宇宙は静かなのだ。
准尉は近づいてくる敵にシールドを投げつけた。赤い線が走り、一刀両断される。その間へ下に回りこむ。
慌てて向き直る敵に、頭のマシンガンを撃ちながら剣を構えて全速で近づいていった。
たまたま数発がメインモニターに当たった、それで決まったようなものだった。
ジムのサーベルは敵の胸に深く貫通し、ジジジ、と爆発を予兆する雷光を走らせた。
174 :
第三話:2006/10/21(土) 07:20:21 ID:???
ホッと、息をつく。勝った、しかしそう思ったのも束の間、敵のゲルググは准尉のジムを掴んで放そうとしなかった。
どうやら爆発に巻き込んで相打ちにするつもりらしい。おいおい、と准尉は呆れてため息をついた。
そうゆうことばっかしてると嫌われるぜ、なあ?
閃光が走り、衝撃が准尉を襲った。准尉は気を失い、暗闇の中へ唐突に落ち込んでいった。
175 :
第三話:2006/10/21(土) 07:21:29 ID:???
目を覚ます。
ここはどこか、俺はどうしたのか。
准尉はしばらくしてからゲルググの爆発に巻き込まれたことを思い出した。
何とか生きていたらしい。目の前の装甲が熱でぐにゃぐにゃに盛り上がっている。
外はどうなっているのか。まだ戦闘は続いているのか。
メインモニターは完璧に死んでいた。サブはどうか。しばらくいじくりまわしていると、鈍い起動音がして外が映る。
目の前にはリックドムがいて、バズーカを構えていた。
どうやら“残骸”かどうか敵さんが確かめている時に“ちょうど”目を覚ましてしまったらしい。
これで敵は無駄弾の心配をせず、安心して撃てるわけだ。
やれやれ、しょうがない。まあ、お前さんは俺を殺す権利があるよ。なぜならお仲間をたくさんぶち殺してやったからなあ。
准尉は軽く微笑んだ。そして死を前にして冷静でいられる自分を少し誇りに思った。
これで俺も一人前の軍人だろ?え?
176 :
第三話:2006/10/21(土) 07:23:05 ID:???
ふと、リックドムが体の向きを変えた。
バズーカを構え直し、撃ち始める。誰か味方が来てくれたのか。目の前で爆発がおこり、敵は瞬く間に残骸となってしまった。
「良かった、間に合いましたね。回線は通じますか?」
近づいてきたGMが言う。右肩に見覚えのあるペイントがしてあった。
准尉はなんだか応えるのが億劫で黙っていた。
「大丈夫ですか?」ともう一度“彼”が確認する。
「ああ、大丈夫だよ。ありがとな」
「いえ」と彼は言うと、ボコボコになったハッチをGMの力でひっぺ剥がし、こちらに宇宙服で乗り込んできた。
「戦況は?」
「ア・バオア・クーのエンジン部は潜入部隊が破壊しました。
これによって敵の基地機能は実質停止したので制圧は時間の問題でしょう」
そうか、と准尉は言うと、深くシートにもたれかかった。
「今、味方を呼びました、じきに回収しにくるでしょう。准尉はここで待機していて下さい。」
「ああ」
177 :
第三話:2006/10/21(土) 07:25:53 ID:???
「では、僕は基地の制圧を手伝ってきます」
「何だと?」と准尉は言った「よせよ、爆発に巻き込まれるぞ。敵だって最後だ、死にものぐるいで向かってくるだろ」
「仕事ですから」
「仕事だからってそこまでする義理はねえだろ!あとは他の部隊の奴らに任せとけばいいじゃねえか」
不意に、彼が微笑んだ。なかなか悪くない笑顔だった。
「まあ、仕事だからというのはただの建前です。
僕には僕の考えがあってあそこに行きます」
「ふざけるなよ、みすみす死ぬ気か」
「僕は」と彼は言った。
「僕は、死にたい人間が生き残り、生きたい人間が死ぬような世界は狂っていると思います。
あなたは生きたがっているし、僕は違う。つまりそういうことです」
「死にたい人間なんか、いない」
「いいえ、います」と彼は静かに答えた「もう行きます、さようなら。…ええと」
「フェリペだ、フェリペ・ノイマン」
彼はもう一度微笑み、「さようなら、フェリペ准尉」と言った。
宇宙空間をひらりと跳躍し、自分の機体に戻っていく。
「お前はさ」と准尉は言った。彼が振り向く。
「笑うと、なかなか男前だぜ」
彼はニヤリと笑い、それからコクピットに飛び乗って、遠ざかっていった。
178 :
第三話:2006/10/21(土) 07:37:06 ID:???
戦争が終わり、協定が結ばれ、ゴタゴタが一段落した後、フェリペ准尉は他の奴らと同じように長期休暇をとって家に帰った。
フェリペには妻がいて、二人暮らしだった。
呼び鈴を鳴らすと、妻がドタバタと派手な足音を立てながら走ってきて、フェリペに飛びつく。
妻はしきりに戦争のことを知りたがったが、フェリペはあまり喋らなかった。
もちろん、スポーツ感覚で人を殺していたことも、死を前にして妻のことなど少しも思い浮かばなかったことも黙っていた。
夕食が終わり、ベッドで妻と抱き合っていると、ようやく平和であることの実感が湧いてきた。そうして眠りにつく。
真夜中、フェリペは急に目が覚めた。身体がブルブルと震え、それはいつまでも止まらなかった。
しばらくして、自分が泣いているのだとようやく気付いた。
179 :
第三話:2006/10/21(土) 07:38:37 ID:???
「どうしたのよ」と目を覚ました妻は驚いて言った「いったい何を泣いているの?」
分からないんだ、そう言ってフェリペは泣きながら首を振った。
「話してよ、何か悲しいことがあったんでしょ?」
フェリペは妻を泣き濡れた目で見つめた。そして今はもう平和なんだともう一度思った。
「俺の命を助けてくれたやつがいたんだ」とフェリペはしゃくりあげながら言う「でも俺はそいつのことを何にも知らないんだよ」
妻はフェリペの背中を優しく撫でた。
「本当に何にも知らないんだ、俺は。あいつは宇宙で散っちまって、もう墓参りすることすらできないんだ。
名前すら知らない。あいつだってさ、あいつだって今生きててもいいはずだったのに」
何も知らないんだ、ともう一度フェリペは言った。なんにも。
180 :
第三話:2006/10/21(土) 07:40:58 ID:???
フェリペは妻の太ももに顔をうずめ、ひとしきり泣いた。
本当に赤子のように泣いた。
それから急に顔を上げ、ふと思い出したように「なあ、早く俺の子供を生んでくれよ」と言った。
妻は少し驚き、それから顔を赤らめて、ええいいわ、と頷いた。
本当に?とフェリペは尋ねる。
ええ、本当よ。活きのいい子をたくさん産んであげるから。
たくさん?
ええ、たくさん。だからもう寝なさい。ね?
そうか、良かった。
そう呟くと、彼は夢の中にゆっくりと落ちていった。
妻は彼の鼻にキスをし、電気を消した。
ホシュ('A`)
しばらく来ないうちに
新作たーくさん(;・д・)スゲー。。。
隠れて読みますw
その夜、人が普段あまり踏み入れる事の無い
とある倉庫の一室で、妖しく
艶っぽい喘ぎ声が小さく木霊していた。
『い、いやぁ・・・ら、らめぇッ・・・!!』
「そんな事言って・・・本当は嬉しいんだろ?」
『ち、違う・・・違うもんっ!!』
「でも、ほら・・・こんなに・・・」
『ああッ!?だ、だめッ!!み、見ないでッ!!』
「なーにが『見ないで!』ですか!?二人ともいい加減にしてください!!」
若い女性の声が響き、明かりが点けられる。
倉庫の隅々までもを照らす光によって
我々ははっきりと認識する事が出来るだろう。
何かの作業用と思われるロボットに
マツケンばりのスパンコールと『ラメ』が
施されているのを。
【ロマンス】シャリア=ブルのブルった話【グレー】
なんでこんな所でこんな事やってんだろう・・・
私の人生は一体どこで間違ってしまったのだろうか?
鏡に映るやつれた自分の姿を見て今朝もまたそう
思わざるを得なかった。
「左遷か・・・」
白髪を抜きながら呟く。
妻とは@年も会っていない。娘は私の顔を覚えているだろうか?
木星圏というとんでもない僻地に飛ばされ
開発事業団の要職に席をおくものの、この待遇は
『島流し』と何ら変わらない。今となってみれば大昔、私がまだ高校生の時分に
『世界史』で習った俊寛の心情が痛いほど解かる。
なかなか期待できそうだからあげておく
>>136>>137の続き
女のボヤキと愚痴は止まらない。
こうなるとヒステリーだ。結局、姉さんと呼ばれる
女上司?の八つ当たりの標的にされてしまう
この船の乗員達と、副官の男の苦労が偲ばれた。
「芸術、文化功労者の賞ってのもみんな70すぎの
じじいや、ばばあしか貰っていないじゃん!!秋の褒章だってさぁ
みんな棺おけに近い部類の人ばっかじゃんか!!キィーッ!!」
まるで、関西芸人のネタのように髪を振り乱し
半狂乱になる女の姿を見て
(あんたも十分、ばばぁだよ・・・)
と、副官の男は思わず・・・口走りそうになってしまった。
(たぶんつづかない)