近日公開
このスレは面白くないので すぐに落ちます
3 :
通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 02:40:44 ID:/psEur/k
どういう話だよwww
4 :
1:2006/06/28(水) 02:43:15 ID:qwLJU6ud
すいませんソースも無いのに立ててしまいました。
親切な人どうか削除依頼だしといてください。
お願いします。
5 :
通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 02:47:58 ID:/psEur/k
ガリア大陸に渡ったグエンはネーデルガンダムを量産し・・・
そのネーデルガンダムには何故か黒歴史の異物「月光蝶」が搭載されていた。
ネーデルタイフーンでナノマシンをまき散らす作戦を立案するグエン卿。
そして自分を認めなかったアメリア大陸の愚民に復讐する決意を固めるのだった。
エピローグでポゥがシド爺さんと一緒にいるのは新型?を発掘して立ち向かう伏線なわけか
意外とどうにかなりそうな悪寒
10 :
通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 10:56:50 ID:/psEur/k
面白そうだからage
迎え撃つMSは何が良いかな。
11 :
通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 15:16:45 ID:boAhATVR
やはり敵は外宇宙のNT軍団だろ
逆襲のギャバンでいいよ
13 :
通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 15:50:26 ID:boAhATVR
生き返らすのか?
埋まったところにたまたまDG細胞があって核のエネルギーが色々で復活とかで
実は生きていた展開で
最終話のソシエが哀れだし
ある日のロストマウンテンサイクルにて
シド爺さんがまた新たな黒歴史の遺産を発掘しようとしていた。
助手「シド爺さん!ちょっとこっちに来てくれ、機械でできた棺みたいなのが埋まっているぞ!」
シド爺さん「どれどれ、ん?これは黒歴史時代の生命維持装置のようじゃな。何か書いてある。AD.1999ゴステロここに眠る?ADというのは黒歴史時代のことかな?少し調べてみよう」
助手「シド爺さん、ここに赤いボタンがあるよ!押してみるね。」
カチッ!ウィイーンン!プシュー!
シド爺さん「うわっ、蓋があいた!中の男がうごいている?この男生きておるぞ!」
ゴステロ様「うっ、うっ、うっ!のっ、脳がぁぁあぁ脳がいでぇぇえぇぇ!」
シド爺さん「なっなんじゃこの男は!体の半分が機械!?黒歴史時代の人間は機械人形だけではなく機械人間も作ってたのか?」
ゴステロ様「おい、じじぃ!俺は機械人間じゃねぇ!死鬼隊のゴステロ様だぁ!それよりエイジという男をしらねぇかぁぁ?」
つづく
ゴステロはシド爺さんに一枚の写真を見せた、その写真にはエイジという男とレイズナーという機械人形が写っていた。
シド爺さん「ワシはこのエイジという男は知らんが後ろに立っている青い機械人形には見覚えがあるぞ!」
ゴステロ様「ほほぅ!じじぃ、レイズナーをどこで見たんだぁぁ?」
シド爺さん「ん?レイズナー?この機械人形は冬の宮殿で見た黒歴史の映像の中で顔がそっくりな機械人形が沢山でてきたぞ!確か、この機械人形のことをムーンレイスの連中はガンダムとか言ってたなぁ。」
ゴステロ様「ガンダムだぁ?グラドスのSPTにそんな名前の機体はねえハズだが?それよりレイズナーが沢山?そりゃあマズいぜぇぇ。おいじじい、俺様にSPTを一機貸せ!」
シド爺さん「SPT?機械人形のことじゃな?そこにあるボルジャーノンでもいいなら貸すぞ。」
ゴステロ様「なんか弱そうだなぁこのSPTはぁぁ!しかし早くレイズナーとエイジを殺さなければル・カイン様に怒られちまう!この際贅沢は言ってられねぇ、この機体借りるぜぇ!」
つづく
ゴステロ様「それじゃあ、じじぃあばよ!」
ボルジャーノンでレイズナー探しの旅にでかけたゴステロ様それを見送るシド爺さん。
シド爺さん「何だったのかのう、あの男は。訳のわからん事ばかり言っておった。どことなくコレン軍曹に似た男じゃった。黒歴史は変わった人間が多いのかもな。ほれ!発掘作業を再開するぞ!」
助手「わかったよシド爺さん!本当に人使いが荒いんだからなあ。」
その頃ゴステロは…。
ゴステロ様「なんだこのSPTは!飛行も出来ないしローラーダッシュもできんぞぉぉ!これじゃあレイズナーが倒せん!ん?ここの地下に洞窟があるぞ?それになんだこの大きな機体反応は?降りて調べてみるかぁ」
洞窟を進むゴステロ様、そこにはなんとアルティメットガンダムが埋葬されていた。
コクピットに乗り込むゴステロ、コンソールパネルをいじりまくる。
ゴステロ様「ん?地球の言葉でアルティメットガンダムと書いてあるぞぉ。なんだこれは?こんな化け物SPTは今まで見たことがない、これならレイズナーとエイジをギタギタのボロボロにできるぜぇ!」
新たな機体を手に入れ野望に燃えるゴステロ様、ゴステロ様の旅はまだ始まったばかりなのであった…。
クロスオーバーストーリーじゃねえか
それ以前に何でゴステロなんだよw
まぁゴステロ好きなんだけどさ
そのころエイジアの諸島で100立方キロ以上ある地下遺蹟がグエンが雇った調査隊により発掘されたのだ。
そしてそこに二人の少年と少女と口のある機械人形が発見されたのだ。
その名はエヴァンゲリオン イカリ・シンジ アスカ・ラングレー
また黒歴史時代に宇宙生物への戦いへ赴き、
相対性理論を越えて機械人形と二名のパイロットが百万年ぶりに地球へ帰還するとディアナ・ソレル(キエル)から直に発表された。
その機械人形の名はガンバスター
(´・ω・`)説明の多いスパロボだなぁ・・
23 :
通常の名無しさんの3倍:2006/06/29(木) 23:47:25 ID:HVtdDurj
エヴァと戦わせるならヒゲよりブレンにしてジョナサンに
「エヴァはつぶしたい」って言わせ酔うぜ
あのさ、∀のキャラの話を少しはしそうよ。
グエン「ミスルトゥいけよやー!忌まわしい記憶と共に!」
ニホンのマウンテンサイクルでサイコガンダムを発掘。
>>21 クロスオーバーさせるなら最低限∀のキャラと絡ませろよ。
このバカ
28 :
通常の名無しさんの3倍:2006/07/02(日) 16:55:30 ID:6hZekx3a
アッー!
30 :
通常の名無しさんの3倍:2006/07/12(水) 01:56:21 ID:VCaKdex0
で、結局グエン殿は何でロラン達と戦うんだ?
愛ゆえに
昔まさにこのタイトルで妄想SSを書こうとしていたのを思い出した
34 :
32:2006/07/14(金) 06:04:48 ID:???
2話まで書いてやめたんだな、昔の俺。
1.プロローグ(前編)
「純粋に戦いを楽しめる者こそ!」
「自分を捨てて、戦える者には!」
* * *
そしてホワイトドールは繭に包まれ、イングレッサ領主、グエン・サード・ラインフォードは、遥かガリアの地へ旅立った。
「ローラ、私は……」
聞くところによると、ガリアでも機械人形が発掘され続けられているらしい。
* * *
「でも、あの繭みたいなのの中でも、ホワイトドールは"生きて"るんでしょ?」
メシェーもそういう風な言い方するのね、とソシエは思った。
「そうなんじゃない?」
機械人形は増えたけど、でも今考えると、なんかちょっと凄いことやってたんだな、あたし。ソシエは、意識がほんの半年前のことに飛んでいたので、適当な返事でその場を濁した。
……生きてるって? ホワイトドールが?
「それでさ、あのギンガナムとかいうヤツも、いつか殻をぶち破って出てきたりしてね」
メシェーが面白おかしい声色で冗談を言ってても、ソシエは機械人形のコクピットの閉塞感、そしてその記憶にどうしてもついてくる感覚を思い出してしまえば、ティータイムのお喋りの途中であろうと、忘れようと努めていたことを思い出してしまうのだった。
35 :
32:2006/07/14(金) 06:06:13 ID:???
後編。
〈お嬢さん〉
〈ダメですよ、ソシエお嬢さん……〉
〈ソシエお嬢さんは退っててください!〉
月から来たという、銀色の髪の少年。
ソシエの中では、機械人形とイコールしている少年。それは今アメリアを急速で覆い尽くそうとしている機械文明ともイコールしている。なぜならそれらは、彼の故郷から来たものだから。
次々と発掘される、新型の機械人形――シド爺さんに言わせるとそれは全然新型などではなく、ボルジャーノンの親戚筋らしいのだが――を、その少年なら軽々と乗りこなしてしまうんだろう、とか考えてしまう。
「ロラン……」
会話の文脈とは関係ないこともないのだが、その不意に出た名前に、メシェーは、え? と目を丸くする。
「何やってんだろうなぁ、今ごろ」
自分の話を聞いてなかった事を理解したメシェーは、今度はソシエの側の話に合わせようと、「じゃ、今度会いにでも行ってみようか?」なんて適当な相槌を打つ。
「! ……そうよ! 会いに行けばいいのよ! 手紙も出さないんだから!」
名案を思いついた瞬間には、一気に強気になって、ついでに文句の一つも言いたくなった。
「ロランに会いにいくわ、明日!」
思い立ったら行動が早い性格は、冒険をしていた頃とは変わることはない。
年相応の女性らしく髪を伸ばしてみても。
36 :
通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 22:45:41 ID:NGepkL2n
37 :
32:2006/07/16(日) 13:52:23 ID:???
2話も見つかった。ちょっと手直しして成仏させる。
1.ガリア
「機械人形だというのですか?」
その鉱山をマネジメントしているという男がいうには、この男の主人が持っている土地から、初めて機械人形が発掘されたというのである。
「はい。何しろ我々も『新しい機械文明』の波には乗りたいですからな」
ムーンレィスによってもたらされた月からの技術は、それまでの自動車や飛行機などといった、地球独自の機械文明とは区別され、しかし新しい名称も定着しないまま、単に『新しい機械文明』と呼ばれていた。
「その……機械人形、例えばアメリアで発掘されたのとは違うのですか?」
「もちろん。ここはガリアですぞ。アメリアなんぞとでは比べ物にならない……失礼」
今この男の機嫌を損ねてはならない、うちの鉱山を買って貰わなくてはならない。何しろ、機械人形なんぞ欲しがるガリア人なんかいない。このアメリア人に高く売りつけてやらなくては、と思い直し、男は商談を続ける。
「アメリアでは、先ごろは大変な騒ぎだったとか。なら機械人形もたくさん入り用でしょう?」
「まぁ、そんな所です」
良かった。まだ脈はある。久々の即金で払う客をあやうく逃すところだった。心の中でほっと一息ついた男は名案を思いつく。
「そうだ。何なら見て行きますか? うちの機械人形を」
どうせ、裏庭まで一応運んで、誰も動かせなくて困ってた所だ。そのままこのポンコツを買い取ってもらおう。
「それは興味深い。見せてもらおうか、ガリアの機械人形」
客は嬉々と立ち上がった。
「もちろんです。ラインフォー……」
商談が成立しかけた瞬間、部屋に地響きのような衝撃が走った。いや、これは正真正銘の地響きだ。そして、次の瞬間には、耳を聾するような、少女の声。
「ねーねーグエンー! これ、もらっちゃおうよー?」
その声は外から聞こえる。正確には空から。
そして、窓が何者かに覗かれる。覗かれる? 二階のこの事務所を覗くなんて、どんな巨人だ?
しかし窓の外からは一つ目の目が覗いていた。
一つ目。そして、甲冑のような体躯。
間違いなく機械人形だった。
客であるグエン・サード・ラインフォードはその巨人に向かって叫ぶ。
「メリーベル、よさないか!」
38 :
通常の名無しさんの3倍:2006/07/16(日) 19:48:05 ID:Qos+PS1K
ワクワク
支援
39 :
32:2006/07/19(水) 18:33:18 ID:???
支援されてもこれで全部だよ……と言いたいが、続きを書いてみた。しかし続くかどうかは自分でも知らん。
2.飛行機型の機械人形(前編)
戦争が終わっても、マウンテンサイクルからは機械人形が次々と発掘されている。
戦闘機や装甲車は既に時代遅れになってしまって、本部に小屋が一つしかないような辺境の部隊にもボルジャーノンタイプの一体もあるというのが、今のミリシャなのだ。
ロランのいる山小屋に行くためには飛行機が必要と考えたソシエは、ミリシャの兵器部にヒップヘビーでも借りようと押しかけたのだが、ヒップヘビーはすべて民生用に払い下げる計画があるとかで、稼動状態にあるものは一台たりとも無かった。
「なんだお前? 今更ヒップヘビーなんかに用があるってのか?」
たまたまそこにいたヤーニ中尉(先月、先の戦争での功績により昇進)までもがそういうのだから、ミリシャの今更ながらの機械人形偏重主義というのを推して図るべきであろう。
「だって、機械人形なんてそんなに数、ないんでしょう?」
「ガハハハハハ、お嬢ちゃんはミリシャから離れてしばらく経ってるからなぁ! 今じゃこの俺だって、ボルジャーノンを動かすぐらいなら朝飯前なんだぜ?」
確かに、ウィルゲムで宇宙に上がったときに「地球へ帰る!」と騒いでカプルを操縦して皆を困らせた事はあったが。ヤーニでさえ手足の如く機械人形を動かせる時代になったというのだろうか。
「それに俺だってよ、今じゃ専用の真っ赤な……おい! その機械人形は南の倉庫だ! 違うバカ!」
ドジな新兵が何かミスをしたのだろう、大声を張り上げながらヤーニは兵器部の事務所から飛び出していった。
「それでっ! 何か飛行機はないのっ!?」
なんだか時代に取り残された気分になったソシエは、顔なじみの兵器部の兵士に結論を急ぐと、意外な返答を得た。
「そ、それなら……昨日発掘された飛行機型機械人形ならなんとか……」
「飛行機型? なにそれ?」
詳しいことは飛行場へ、と言うので、ソシエはイングレッサ飛行場へ向かうことにした。
40 :
32:2006/07/19(水) 18:35:08 ID:???
後編。
イングレッサの飛行場は、以前より広くなったようだ。ソシエがここへ来るまでに、空軍設立の噂があるという話も聞いた。
「ええと、第二滑走路、第二滑走路……」
あの兵士に指示された滑走路に行けば、その飛行機型機械人形は既に運ばれてあるというが、見えて来たのは、ホワイトドールが前のめりに倒れ、両足を後へ跳ね上げたような機械人形がそこにあるだけだった。だが、確かにちゃんと両側に翼はある。
「あ、ソシエー!」
見慣れない機械人形に戸惑い立ち尽くすソシエに、飛行服姿のメシェーが呼びかけてきた。
「メシェー、何なのよ、これ」
「昨日発掘された機械人形よ。飛行機みたいだけど……」
ミリシャ所属のメシェーにしても、この機械人形なのか飛行機なのかはっきりしないモノにたいして戸惑いは隠せないようだった。
「でも、操縦席はカプルとおんなじなんだよねー」
「なら、機械人形ってこと?」
でもわかんないやあはははは、と、メシェーもお茶を濁すしかない。でも、カプルと同じ操縦席なら、きっとあたしにも動かせるはず。ソシエはその機械人形の操縦席のある、赤い三角形型をした先端部へと向かった。
「待ってなさいよ、ロラン」
ソシエはホワイトドールと同じ色合いをした、その飛行機型機械人形に乗り込んだ。
>>39 わざわざありがとう。
楽しみにしてるから、気が向いたらまた書いて下さい。
>>39 支援しときます。普通におもしろい!!
続きをよしなに
43 :
32:2006/07/22(土) 18:37:02 ID:???
な、何よっ、別に支援があったから書いたんじゃないんだからねっ!
というわけで3話。プロローグは0話と考えてくれい。
3.仏のホレス
「ああ、一足遅かったようですね」
ソシエが飛び立ったのと入れ替わるように、ホレスの乗った一人乗りの浮遊円盤「ワッパ」が第二飛行場に滑りこんできた。
このワッパ、発掘されるや否や、ムーンレィスや地球人に関わらず大流行し、あのアニス婆さんまでもが愛用する爆発的ヒット商品となっていた。
「可変型の機械人形が発掘されたと聞いたものですから、急いで来てみたのですが……」
ホレスは残念そうな表情を一瞬その丸い顔に浮かべたが、次の瞬間にはいつもの無表情に戻っていた。
「でも、変形するやつって言ってもさ、今じゃそんなに珍しくないんでしょ?」
人型になったり飛行機になったりして、なんだかややこしいからあたしは乗りたくないけどな、とメシェーは思っているのだが、技術者のホレスはかなり興味があったようだ。
「ええ、しかし、それがガンダムとなれば話は別です」
「ガンダム?」
確か、ムーンレィスがホワイトドールをそう呼んでいたような……。
「――って、それじゃ、あれってホワイトドールなの!?」
「いえ、ターンタイプではないでしょう。ガンダムなど、黒歴史には山ほど存在していたらしいですから。――まぁ、私も一目見ておきたかったって程度ですから」
と言い残し、ホレスは、じゃ、これで、と軽く挨拶してまたワッパに乗り込もうとした。これに乗った直立不動のホレスが浮いたまま移動していく様はちょっと可笑しいかも、とメシェーは思った。
「おやおや、これはホレス氏。あの飛行機型を見に来なさったんで?」
後から父ラダラムののんびりとした大きな声が聞こえてきた。
「ええ。しかし一足遅かったようですね」
「ははは。そう気を落としなさるな。実は、もっと凄い機械人形が出て来たんですがね」
「もっと凄い?」
ホレスの眉がピクリと動いた。どうやら興味を持ったらしい。
「また出てきたの?」
「ああそうだメシェー。あの飛行機型と一緒にな、すげえ機械人形が出てきたんだぞ」
いつも笑ってるような顔の父だが、飛行機と機械人形のこととなると殊更嬉しそうに話す。
「聞いて驚け。あのハリー大尉のやつみたいに、全身が金でできてやがる!」
「金で! ならあたしたち大金持ちになれるかも!」
「まぁスモーと同じで純金って事はなさそうですがね、それは面白そうですね。是非私も眼福に預かりたいものです」
「今こっちに運んで来させてますが……ああ、あれだ」
作業用カプルが牽引する台車に乗って運ばれてきたその金の機械人形は、両肩に「百」と書かれてあったが、その文字を読める者は、この第二飛行場には誰一人として、いない。
45 :
32:2006/07/25(火) 20:46:38 ID:???
4話前編。
>>44、カプルは絶対出すぞw
4.地上を走る船
しかし、これほど私にふさわしい機械人形もあるまい。
このガリアで発掘された機械人形を見るたび、グエンはそう思うのであった。
頭は兜のように頭頂部が尖り、顔の十字部の切れ込みには単眼が走る。高名な鋳物師が作り上げたようなボディには無駄がなく、武装はミサイルを発射する丸い盾。そして、あのホワイトドールと同じ〈光の剣〉。
あの日、さんざんこれを乗り回してガリアの住民を驚かせたメリーベルは、新たに発掘された〈とんがり帽子〉の方が気に入ったようなので、これには私が乗りこみ、機械人形たちの指揮を取ることにしよう。
そしていつの日か、私はこれに乗りアメリアへ帰り、ローラを迎え入れるのだ……。
グエンがガリアへ渡る際に持ちこんだ財産のほとんどを費やして手に入れたマウンテンサイクルは、思惑通り次々と機械人形を産み出してくれた。
が、やはりアメリアとは系統が違うのか、ボルジャーノンのような〈一つ目〉はあまり発掘されず、出てくるのは猫か狐の目をしたものや、丸いメガネをしているような機械人形が多かった。
特に〈丸メガネ〉は、グエンが気に入った騎士型機械人形に似合うような槍を持つものが多かった。
そして着々と機械人形が揃い始めたある日、とうとうグエンは城を手に入れる。
それはギャロップのような地上用だが、ギャロップよりも大きく、後部に機械人形を搭載するとなにやら料理を運んでいる盆のように見えた。
「まるで、巨大なトレーだな……」
グエンは新たに得たこの城を、ビッグ・トレーと呼ぶことにした。できれば私専用の機械人形用に似合う馬も欲しい所だが、流石に馬の機械人形など……いや、月で見た黒歴史のデータの中にあった気もするが……。
とにかく、グエンは発掘された機械人形には雇い入れた傭兵を乗せ、グエンはガリアではちょっとした勢力となりつつあった。
「ローラ、私は……」
何度この言葉を繰り返しただろう。
46 :
32:2006/07/25(火) 20:48:44 ID:???
4話後編。前編は長すぎる行が多かったので反省。
ある一室にて。
「地球では、モビルスーツが次々と発掘されているようですね?」
「はい。しかし、少々急激すぎるきらいはありますが」
「黒歴史の技術を良い方へ導くために、ムーンレィスも多く地球に降りているのでしょう?」
「思いのほか、地球に溶け込んでおるようです」
「しかし、ガリアでのモビルスーツの増え方は、やや急激ではありませんでしょうか」
「戦艦のような大きさのものまであるようですね。軍隊を組織しているような国家があるという報告は、受けてはおりませんが」
「国家でなくても、大きな力を持ちたいと思うものは常にいるものです」
「それが、人の性(さが)というものでしょうな」
「もう一度……」ややためらい、そして意を決する。「地球に降りてもらえますか?」
「ご命令とあらば」
言う前までは迷いに迷ったというのに、返答はそれを予期していたかのように落ち着いていた。
「ならば早速取り掛かりましょう。不安の芽は早いうちに」
と言い残し、男は去っていった。
「あなたはいつもそうね、ハリー……」
暗い部屋に女王は一人残された。
47 :
ザクとは違うのだよザクとは:2006/07/25(火) 23:22:33 ID:wK5pYb22
48 :
32:2006/07/26(水) 16:50:33 ID:???
>>47 ごめん。出すMSは3話の時点で大体決めちゃった。
決まってないのは種系(種を黒歴史に含めるか)ぐらいなもんだ。
アッガイ自体は大好きなんだけどなw
>>48 おk把握した。
アガーイタンは出なくとも、続きを楽しみにしてます。
保守
51 :
32:2006/08/03(木) 19:56:20 ID:???
5話。やっとロラン登場w
5.ロラン・セアック
もうかれこれ二時間ほどこの湖の側に座っているが、一匹たりとも餌に魚がかからない。
「はぁ〜あ……」
ロラン・セアックは、六度目のため息をついた。
「ディアナ様に、今日は魚料理ですよって言っちゃったしなぁ……」
つまらない見得を張った結果が、二時間の無駄な浪費と六度のため息。それを思うと、もう一つため息が増えそうだった
が、そうなる前に、町へ出て魚を買って来たほうがいくらかマシだ。
そう思い直し、ロランは釣り道具を片付けようとした。
その時。
微かに、浮きが揺れた。
「…………!!」
はじめは目の錯覚かと疑ったが、たしかにほんのわずかではあるが、浮きは左右に揺れている。
「来た……!」
力を抜きかけた釣竿に、再び力が籠もり、一気に引き上げる。
が、次の瞬間には、拍子抜けするほどの手応えのなさと、何もついてない釣り針が勢い良く跳ね上がるのを見るのみ。
釣り針は、傾きかけた陽の光を反射し、妙にキラキラしていた。
「なんでだよぉ〜」
なぜ、獲物はなにもかかっていないのに、浮きが揺れるのか? ……いや、揺れているのは浮きだけではない。湖面は依然として微かに揺らめいている。
「地震!? ……いや」
この振動は地面から発せられるものではない。ならば、空?
と思い至った瞬間、ロランの体を大きな影が覆った。
「ロラーン!」
上空から耳慣れた声が自分のなを呼ぶ。
「……ソシエお嬢様!?」
ソシエの声は、その影を発する奇妙な飛行機から聞こえてくるのだと理解した時には、その飛行機は適当な着陸場所を見つけ、地面に降り立った。
赤い機首が開き、中から見慣れた飛行服姿のソシエが降り立ってくるのを確認した瞬間、ロランは駆け出していた。
「お嬢様! なぜこんな所に?」
52 :
通常の名無しさんの3倍:2006/08/03(木) 21:03:13 ID:/LLHe9z6
>>51 キターーーーーーーーーー!!
支援します。
53 :
32:2006/08/07(月) 19:13:00 ID:???
6話うp。∀最終話のあのシーンを思い浮かべてねw
6.白い機械人形
「シド爺さん!」
「へぇ〜っくしょい!」
返事をしようと口を開いたらくしゃみが出た午後三時。
マウンテンサイクルが連なる山脈のどこかで、シド爺さんは今日も黒歴史の発掘にいそしんでいた。
実は、最近の機械人形発掘ラッシュの影には、元ディアナカウンターのポゥ・エイジが、シド爺さんの助手になり辣腕を振るっているというのも一因している。
助手のジョセフが育児休暇の間だけという条件での臨時の助手のはずだったのだが、やはりポゥはMSのパイロットをしていただけあって、機械人形が埋まっている層を見つけ出すのが抜群に上手い。
これではわしもそろそろ引退かもしれんな、と思いながら、シドはポゥのさす方向へ首を向けたのだが。
「あ……あれ……」
「ホワイトドールじゃと!?」
ナノマシンの層が露出した谷底からは、白い機械人形の手や足が見て取れた。だが、ホワイトドールは繭に包まれたはず。
「∀じゃないかもしれません。恐らくは、ガンダム……」
「ガンダムじゃと……?」
ともかく、全体を発掘させてみないことにはわからない。
シドは、久しぶりに山師の醍醐味を感じつつ坂道を軽快に駆け下りていった。
――やれやれ。やはり、まだ引退はできんわい。
54 :
32:2006/08/07(月) 19:15:51 ID:???
6話後編。さーやっと話が動き出してきたぞー。
久しぶりに会ったお嬢様は、それでもやっぱりお嬢様だった。
最初は、あの頃とはちょっと変わった髪形から成長や変化を感じ取ろうとしたのだが、口を開けば変わる事はないソシエ・ハイムだった。
「なぜって……急に会いたくなったからよっ」
「それはわかりますけど、でもなんでまたあんなものに?」
ロランにとっては、ソシエが急に現れた事よりも、あのホワイトドールを思わせるような配色の飛行機がなぜだか妙に気になった。
「いいじゃない。今はいろいろ発掘されてんのよ」
「いろいろって……」
相変わらずの態度に、戸惑いつつも懐かしく、どこか安心感さえ思いだしかけた頃に、ロランがもっと大事な事を思い出させる声。
「あら? ソシエさん。お変わりなく」
「ディアナ様!」
「ディアナ様!?」
ソシエはここにディアナがいるのには驚きはしないが、ロランにとっては「なぜこんなタイミングで?」という驚き。
「ロランの帰りが遅く、またモビルスーツの駆動音のようなものが聞こえてしまえば、心配もするでしょう?」
「そうそう。ロランって、いつも心配かけるのよね」
久しぶりに会うというのに、ディアナにはロランに対する以上に自然に振る舞えるのは、やはり姉に瓜二つだからであろうか。
ソシエは初めてここへ来たというのに、まるで自分の家のように落ち着いているのが自分でも不思議だった。
(なんだ。これならバカンスで別荘に来てるのと変わらないじゃない)
あの飛行機を操縦している間には「二人の間に入り込めなかったらどうしよう」と少々悩みもしたが、上空からロランの銀色の髪を見つけた瞬間から、そんな悩みは杞憂であったと安心した。
「実は……ディアナ様。魚が一匹も……」
ロランが帰りが遅くなった理由をディアナに話しかけたその時、また機械人形のお客さんが現れた。
短い足を必死に動かし、丸い体を揺すって走るその機械人形は、三人とも見慣れたシルエットだ。
ミリシャのカプルである。
55 :
通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 19:41:11 ID:FZGbHLRT
職人さん、いつも楽しみにしています。
支援
乙。
57 :
32:2006/08/12(土) 10:57:59 ID:???
第7話前編。ちょっと1行のつもりで書いて、いつの間にやら3部作w
7.白いカプルと赤いメガネ
ドスッ、ドスッ、と、カプルの走りは相変わらず転がった方が早いのでは? と見るものを思わせずにはいられない。
「あれ、カプルじゃない?」
「あらあら、今日は千客万来ですわね」
だがそのカプルは、白く塗られていた。そう、まるでホワイトドールのように。
「あのカプル、なんだかホワイトドールのようですね」
「ロランがそう言うから、ホワイトドールがカプルみたいに丸まったように見えちゃうじゃない」
「きっと、そのように塗ったのでしょう。案外ロランのファンだったりして」
「そんなぁ、ディアナ様ぁ……」
ロランの困惑をよそに、白カプルは三人の手前でその走りを止める。
頭部のハッチが開くと、中からは泣いてるような怒ってるような、なんとも形容しがたい形相のミリシャ兵が飛び出てきた。
「ローラさぁぁぁん!! 助けてくださぁぁい!!」
そのミリシャ兵は、とんでもない事を話し始めた。
「なんでも、今度こそ本当にガリアが攻めてくるってんです」
「ガリアが? どうしてよ?」
「はい。軍を離れたローラさんとソシエさんは知らないかもしれないですが、東の海岸部では既に機械人形部隊が毎日警備をしているという状態で……」
「それで、ホワイトドールの英雄ローラに助けを求めに、こんな山奥まできたというのですね?」
「はい……それで、オラもローラのファンですから――」
その言葉に、ソシエとディアナは小さく吹きだし、ロランは多少顔が引きつる。
「こうして、願掛けにカプルをホワイトドールみたく乗って、ローラさんのお力を拝借できればと思いまして」
「あ、あの……ローラって……?」
「やだなぁローラさん。ムーンレィスなのに地球のために戦ったローラ・ローラさんでしょ?」
「い、いや、僕は……」
「僕なんて男の子っぽい事言っちゃって。あ、普段からそんな男の子みたいな格好なんですね? やっぱ機械人形乗りは違うなぁ」
だれもミリシャ兵の勘違いを訂正は出来なかった。ソシエとディアナは「なんだか面白ろそうだから」という理由で。ロランは「言っても無駄だ」というあきらめによって。
58 :
32:2006/08/12(土) 11:00:40 ID:???
7話中編。暑さと鈴置さんのことで一週間ぐらいうp出来ないかもと思ってたんだけどな。
「でもっ! ローラさんが機械人形に乗れば、ガリアなんて一ひねりですよね!?」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。第一、ガリアが攻めてくるなんて、本当なんですか?」
「どうせ水場争いみたいなもんなんでしょ? ムーンレィスみたいに『領土をよこせ』なんて……はっ」
ソシエは自分の失言に気づき口をつぐんだが、ディアナはそのいつもの穏やかな表情は崩さなかった。
「そうですね。地球人同志が争うなんて、黒歴史を繰り返すだけですものね」
ミリシャ兵も、場が一瞬妙な雰囲気になったのを察したのか、話を急いで戻した。
「そ、それでですね。とにかく、ウチの隊長が、ローラさんを連れてこいって言うんです。オラとしても憧れのローラさんをエスコートするお役目、喜び勇んで受けたってわけです」
「とにかく、僕がその隊長さんの所へ行って、説得してみます。僕はただ、ここでディ、キエルお嬢さんのお世話をしなくてはならない身なんですから」
「あら? 私の事なら構わなくていいのですよ?」
「そういうわけにもいきませんよぉ」
「いいじゃない。ちょっと脅かせば、ガリアの奴らなんかすぐに逃げ返っちゃうわよ」
「そうですね」
「ええぇーっ!?」
ソシエはともかく、ディアナは反対すると思ったのだが、意外とディアナがこの変事に対して冷静なのには驚いた。
「ローラさん! このカプルは自由に使ってください!」
ソシエとディアナの態度から、この思い込みの激しいミリシャ兵は、自分の任務と私的な目標を果たしたものと思い込んだとしても無理はない。
かくしてロランは無理矢理ホワイトドールを(色だけ)模したカプルに乗せられ、ソシエは自分の乗ってきた(奇しくもホワイトドール色の)飛行機に飛び乗り、東海岸を目指した。
丁度あつらえたかのように、その飛行機は機械人形を乗せやすいように上面が平らである。
「行くわよ、ロラン!」
「ソシエお嬢さ――うわっ」
急発進で操縦席でコケたのか、ロランの情けない声を聞いたソシエは、なんだかまた以前に戻ったようでとても嬉しくなっていた。
(やっぱり、私はこうしているのが一番だわ)
59 :
32:2006/08/12(土) 11:02:19 ID:???
7話後編。
ロランとソシエが飛び去り、ミリシャ兵も徒歩でその場を去り、跡にはディアナだけが残された。
が、背後の森から出てくる人影が。
「ディアナ様」
不意に背後から声を掛けられても、驚きも恐れもしないのは、それが最も聞きなれた声だから。
「あなたには二度と会わないはずでしたのに」
「私は会いたくて仕方がありませんでした」
「嘘おっしゃい。あなたは女王様に仕える身ですよ?」
「私にとってはあなたもまた女王なのです」
「私はもう女王ではありません。なのになぜ」
「困ったお人だ。――それよりガリアなのですが」
「心配する程のものではないと言っていたでしょう?」
「いえ、少々やっかいな事態になりまして」
「私にまた兵たちの上に立てと言うのですか」
「兵たち、と言うより、むしろ敵の前にです。あなたが立てば、事態の収拾も早いかと」
「やれやれ。私にまた無理をしろとおっしゃるの?」
「させたくはないのですが」
「わかりました。私も参らなけらばならないようですね」
「それこそが地球と月の平和の為でもありましょう」
「よしなに」
ディアナは一度も振り返らなかった。
61 :
白いカプルキターーーーーーーーーーー:2006/08/12(土) 15:40:45 ID:R+JyYeN1
支援します!!
いつも楽しみにしてます。
職人さん乙
すばらしい作品が見れてうれしい限り
続きがかなりよしなにですな・・・
保守
よしなに保守
このスレ見てるのって少なすぎなんだろうが
職人さんぜひとも続きを・・・・
>>65 そんなことはない。
必要以上に保守をしてプレッシャーをかけないようにしているんだよ。
という訳で、保守なに。
67 :
32:2006/08/16(水) 17:30:19 ID:???
ごめん。毎日暑くてちょっとヤル気起きてなかっただけですw
>>67 よし、俺今から俺の当たってるこのクーラーの涼しい空気を職人さんに送るよ!
電波とニュータイプ的な何かで
69 :
32:2006/08/17(木) 01:13:11 ID:???
よし
>>68の涼しい空気が…koneeeeee!!
というわけで8話前半。画面のはしっこにはきっとアガイも映ってるのだろうと想像してw
8.東海岸の会戦
イングレッサ東部の海に面した海岸。数十メートルの崖が連なり、とても船が停泊できるような場所ではないというのに、ここがガリアの軍隊の到着する地点の最有力候補だという。
その情報がミリシャ諜報部にもたらされてからというもの、この海岸部に機械人形部隊が配備され、ちょっとした前線基地の様相を呈していた。
そしてこの日、海上を警備していた船から「敵影アリ」との報を受け、おもにメジコ領から発掘された機械人形で構成されたミリシャ水際阻止部隊の機械人形・ペスカトーレがずらりと崖の上に並んだ。
「よぉ〜し、阻止部隊、全機配置についたな?」
ヤーニ中尉は、お気に入りの専用の赤いボルジャーノンで前線を鼓舞していた。
「? おい、そこの奴、ちゃんと海の方を向かんかっ!」
この非常事態に不真面目か臆病者だか知らんがけしからん、と、一機だけ海を向かずにこちら側を向いているペスカトーレをヤーニは怒鳴りつける。
「はい?」
しかし振り向いたペスカトーレは、振り向いても同じ形をしていた。
「……お、お前はいい。ちゃんと警戒してろっ!」
そういえば中には前後が同じ形というふざけた機械人形もいて、形が似ているのでペスカトーレ隊に編成した事をヤーニは思い出し、そのまま前線の見回りを続けた。
「いつでも来い。ガリアども!」
今日のヤーニは通常の何倍もの力が湧きあがってくるようだった。
ソシエは、例の飛行機型機械人形でその東の海岸へと向かっている。上にはホワイトドールカラーのカプルを乗せて。
「ソシエお嬢さん、気になってたんですけど、その飛行機って――」
「何よっ? ……あっ、もうすぐ海よ」
ソシエが言うように、モニター前方の遥か遠くに水平線が見えてきた。
「……! この反応、艦隊じゃないですか! なんでこんなにガリアに?」
「そんなのどうでもいいじゃない。あんたの知らない所で機械人形は次々と発掘されてるんだから」
カプルのセンサーも、その信じられない規模の海上の敵影を拾っていた。
しかし、戦艦級のものが3、MSらしきものが数十とは、まるでディアナカウンター降下部隊ではないか。
(これじゃ、またギンガナムとの戦いを、いや、黒歴史を繰り返してしまう……)
また自分が、ディアナを、そしてこの平和なアメリアでの生活を守らなければ、と、ロランはこの時初めて決意した。
70 :
32:2006/08/17(木) 01:14:31 ID:???
8話後半。実はアレはアレだった。
「敵は予想より多いみたいですわね」
「何、予想よりと言っても、戦艦一隻ぐらいなものです」
地図から顔を上げた〈司令官〉に対し、ミハエルは帽子を脱ぎながら応えた。
この水際阻止部隊の指揮を取るのは、表向きはイングレッサ・ミリシャのミハエル准将(ヤーニと共に昇進)という事になっているが、実際はルジャーナ領主代行を務めているリリ・ボルジャーノ嬢である。
「しかし、あのハリー大尉からの情報でなければ、私どもも動かなかったところですぞ」
「月のハリーさんの情報だという事は、ディアナ様も知っておられるはずでしょう?」
「いざとなれば、ディアナカウンターの援軍も見込める、という事ですか?」
「あてにはしたくありませんけどね」
リリにしてみれば、これぐらいの軍事的問題も、ミリシャのみで解決できるという事を、月側に知らしめておきたいのだ。
「それでも、サンベルト領からは有志のムーンレィスが機械人形持参で駆けつけております」
「ああやだ。闘争本能に目覚めたとでもいうのかしら」
現在サンベルト地帯は、アメリアの一つの自治領として認められ、ムーンレィスの入植者たちが暮らしている。
「とにかく、ここはミリシャのみで戦いますわよ」
そして上空に、一筋のビームが走った。
「〈丸メガネ〉は左翼に展開。〈キツネ目〉は右翼。メリーベルの〈とんがり帽子〉は、ミリシャの前衛を威嚇せよ。前衛が崩れ次第、本艦は上陸する」
ビッグ・トレーのブリッジに立つグエンの指示は、ガリアで荒くれ者の傭兵部隊を纏め上げた手腕も頷けるほどに的確である。
「威嚇だって? ミリシャなんか、あたしが一人で蹴散らしてやるよっ!」
メリーベルの〈とんがり帽子〉は、丸い輪のような飛行ユニットに乗り、ビームを撃つたびに両肩に光の輪を発生させた。
「ガリアが仕掛けて来たぞ! ペスカトーレ隊、砲撃開始!」
ヤーニの赤ボルジャーノンの号令の下、一斉に砲撃が始まった。
しかしガリア軍は、巧みにその砲撃をかわし、逆に連携された攻撃を仕掛けてきた。
「奴ら、まるでムーンレィス並に上手ぇじゃねぇか!」
敵の攻撃に舌を巻くヤーニだったが、その間にも一機ずつ確実にペスカトーレは落ちてゆく。
「くそう……。あの〈三日月〉、チョコマカと」
ヤーニは崩壊しつつある前線の中、両肩に三日月のようなものを取り付けた、空飛ぶ機械人形を睨みつけていた。
それは、メリーベルの駆る〈とんがり帽子〉である。
71 :
通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 01:29:48 ID:Ok91o/v4
キターーーーーーーーーーーーー!!
つ ホームランバー
三日月のブーフゥktkr
すばらしいので保守
75 :
通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 19:40:23 ID:ThiXItNO
ギブリーズ外電 逆襲のル・グイン
9話前半。戦闘シーンってむずかしい。
9.ソシエ、飛ぶ
「こんなのって……」
ソシエは、思ったよりも被害が拡大している東の海岸の戦場を目の当たりにして、言葉が無かった。
「こんなの、ギンガナムみたいじゃない」
まだそれほど時間が経っていないというのに、まるで遠い記憶のようだったあの戦いを思い起こされ、ソシエのガリアへの敵意はより明確のものとなりかけていた。
「ソシエお嬢さんのその飛行機には、武装が無いみたいなんですから、無理をしないで下がっててください。僕はここから降下します!」
「いざとなればこの赤い所ごと敵にぶつかるわよ!」
「そんな無茶、二度と言わないでくださいよっ!」
ある意味いつもの二人らしい会話を残し、ロランの白カプルはソシエの飛行機型機械人形から飛び降りた。
「おおっ、ホワイトドール……なのかアレ?」
地面に降り立った白カプルは、一瞬だがミリシャの兵たちにホワイトドールの再来を思わせた。
「カプルじゃねぇか!」
カプル一機で戦況が変化するわけでもない、とばかりに、ヤーニに赤ボルジャーノンはバズーカを撃ちまくる。
「そこの赤いボルジャーノン、援護します!」
「ロランかっ!? それに乗ってるのか?」
「はい! ミリシャのロランは、このままカプルで援護します!」
「助かった!」
カプルだというのに、ロランが乗っているのなら話は別だ。奴ならきっとなんとかしてくれる。
「〈丸メガネ〉、少し出過ぎではないか? 〈キツネ目〉部隊と歩調を合わせろ……あれは、ホワイトドール?」
沖合いのビッグ・トレーも、白カプルの参戦は確認したが、それがこの戦争の目的であるロランが乗っているとまでは、グエンは気づかない。
「……の色をしたカプルか。まったく、ホワイトドールの信仰というものはな」
グエンはビッグ・トレーを前進させた。ペスカトーレ隊は、既に総崩れであった。
9話後半。
ロランの白カプルの両手のマシンガンは、砲身が焼き切れんばかに震え、唸りつづけている。
何機目かの〈丸メガネ〉と交戦しながら、視界の隅に、ソシエのあの飛行機型が旋回しているのが映った。
「まだあんな所を飛んでいるなんて」
ミリシャで共に戦っていた頃と、やはり何も変わっていない。と思うと、そのソシエ機は、何を思ったか海の方へ、つまりガリアの敵が待ち受ける東の海上へ飛んでいったのだ。
「本当にぶつけるつもりじゃ……?」
ソシエお嬢さんならやりかねないと心配になり、ロランはカプルを走らせた。
「偵察だって、立派な戦いよね」
せめて敵の陣容ぐらい探らなくてはと敵陣深くまで飛んで来たものの、ガリアで発掘されたという、〈丸メガネ〉や〈キツネ目〉の機械人形の数は思ったよりも多く、何度か攻撃を受けそうになった。
「ガリアにも、マウンテンサイクルがあるっていうの聞いていたけど、でもこんな大きな戦艦まであるなんて」
グエンが〈ビッグ・トレー〉と呼ぶ陸上戦艦は、本来はギャロップのように地上をホバリングして移動するものなのだが、その三隻はガリアとアメリアを隔てる海などものともせず渡りきり、今ここまで侵攻してきているのだ。
「敵の航空機がここまで飛んで来たというのか。撃ち落とせ!」
その飛行機にソシエが乗っているというのもまた知らず、グエンは機銃による撃墜命令をだした。
「機銃なんて……うわぁぁぁぁっ!」
回避しようとしたのだが、すべての機銃をかわしきれる自信はちょっとなさそうかな、とソシエらしからぬ思いが頭をよぎったその時。
飛行機型機械人形の底が二つに割れた。
78 :
ロラン参戦age:2006/08/20(日) 21:10:23 ID:RxmwfhNY
キターーーーーーーーーーーーーーーー
いつも楽しみにしてます。
79 :
32:2006/08/23(水) 10:55:58 ID:???
十話。可変描写ってむずかしい。……でもどうにか読み取ってくれれば。
10.鼓動
底が割れたと思われた飛行機型機械人形は、その両翼が機体の両側に「立った」かと思うと、機体後部のエンジン部が引き伸ばされ、脚のようなものが文字通りの脚になった。
「撃ち落としたか?」
だがビッグ・トレーからは、機銃の直撃を受け、機体がバラバラになりながら海へ墜落しているように見えない。
「うわぁぁぁぁぁっ!」
ソシエは叫びながら、しかし、両側のモニターに「腕」が映りこんでいるのに気づいた。
しかも左腕には、この飛行機の赤い機首がくっついている。
「何が起こっているの……?」
撃ち落されたのならば海面に激突しているはずなのに、ソシエはまだ空中に浮いている。
グエンもまた信じられないものを見ていた。
「ホワイトドールだと! あの飛行機が!?」
打ち落とした飛行機が、ホワイトドールになって飛びつづけているのだ。
「アメリアにはまだ、ホワイトドールが眠っていたとでもいうのか!」
「何なの? この飛行機、腕が生えてる?」
あまりに唐突すぎて、状況がいまいち飲み込めずにいたソシエだが、この飛行機型機械人形が変形して人間型になっているらしい、という事は理解できた。
「フラットやカプルみたいに形が変わるのね、この子」
なら! と、ソシエはバーニアを噴射させて上昇し、可変に戸惑い、勢いの減ったビッグ・トレーの機銃をかわしつつ、ビッグ・トレーのブリッジの上に降り立った。
「ガリアの人! アメリアに攻め込むなんてバカなことはおやめなさい!」
ソシエはブリッジの中を機械人形越しに睨みつけた。
80 :
通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 22:18:43 ID:mHDRWw/R
乙ガンダムキターーー
支援します。
ZってMS状態だと飛べなくね?
>>81 ∀の機械人形は、黒歴史時代とは微妙に設計が違っているので無問題と思われ。
83 :
32:2006/08/24(木) 02:56:40 ID:???
落ちながら変形し、そしてMS形態でバーニアふかして上昇した、って事です。その辺は説明不足でした。
でも「微妙に設計が違」ってるので短時間なら大気圏内の飛行も可かもw
84 :
通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 03:40:39 ID:7HCNV9XK
乙です。
いつも楽しみにしています。
支援。
85 :
通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 22:13:02 ID:hkfKaJJm
ほしゅあげ
86 :
32:2006/08/29(火) 03:08:01 ID:???
11話。ガリアではドイツ語なのだろうか。
11.騎士の槍
そのホワイトドールに似た機械人形からは、グエンの聞き覚えのある声が最大音量で発せられていた。
「ソシエ・ハイム嬢?」
迂闊といえば迂闊だった。彼女もミリシャの一員としてカプルに乗っていたのだ。いざガリアが攻めてくるとわかれば、真っ先に戦場へ出てくる事は十分予想できたはずだ。
「……グエン様、どうして!?」
ソシエにしてみれば、なぜガリアの戦艦の中にグエンがいるのか解らない。
「グエン様がガリアを率いて来たっていうの?」
ソシエは機械人形ともどもその場に立ちすくんでしまった。しかし、驚きの硬直からいち早く立ち直ったのはグエンだった。グエンは通信機を掴み、叫ぶ。
「甲板長! あれは私の機械人形で追い払う! 機銃は使うなよ」
グエンは格納庫へ走った。
ソシエお嬢さんは撃墜されてなければいいけど……。
ロランは白カプルを走らせる。カプルは確か海の中も平気なはずだ。
「おいロラン、出過ぎじゃねぇか?」
ロランの急変をいぶかしんだヤーニが通信を送ってきた。
「ヤーニ少尉」
「少尉じゃねぇ、今は中尉だ――それより、お前、ちょっと突出し過ぎだぞ」
「わかっています。それより、ソシエお嬢さんが海の方に飛んでいったんですよ」
「そりゃあ、あのお嬢ちゃんだからな――くそぅ!」
ヤーニの赤いボルジャーノンが、ヒートホークで〈丸メガネ〉の腕を切り落とす。
「飛行機ならお得意なんじゃねぇのか?」
「だけど……気になるんですよ」
白カプルは崖から海へ飛び込んだ。
グエンがガリアで最初に手に入れた顔に十字の切れ込みが入った騎士のような機械人形〈クリーガー〉は、手に〈丸メガネ〉と一緒に発掘された(おそらく〈丸メガネ〉専用の武器なのだろう)槍を手に、ビッグ・トレーの上に立った。
「ソシエ・ハイム嬢! ミリシャ共々引いていただきたい!」
ビッグ・トレーの上に立つ〈クリーガー〉は、まさに堂々とした騎士だった。
「グエン様、どうしてガリアなんかに……?」
「私は、アメリアに産業革命をもたらすために戻ってきた!」
ソシエにそう宣言しながらも、心の中では(そして、ローラも)とつぶやく。
「そのために、イングレッサは返していただく!」
「そんな……」
ソシエにはグエンがガリアの戦艦の中にいたこと、そして機械人形に乗り込み今目の前にいること。
そのどちらもが衝撃だった。
「ソシエ・ハイム嬢、そこをどきたまえ!」
〈クリーガー〉の槍が、ソシエの機械人形の首めがけて振り下ろされた。
87 :
通常の名無しさんの3倍:2006/08/29(火) 04:29:08 ID:EQaPAgP/
>>86 キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
支援age
88 :
通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 01:11:51 ID:PlcjqJF6
支援age
89 :
32:2006/09/01(金) 01:56:55 ID:???
12話。いつも支援ありがとうございます。
12.グエン上陸
「シド爺さん、海の方ではとうとう戦いがはじまったみたいだけど……」
「そのようじゃな。今ミリシャから連絡があった。戦艦は三隻だそうじゃ」
まだアメリアでは一隻が発掘中だというのに、ガリアでは三隻も発掘され、実戦に投入されているのかと、ポゥは驚いた。
「わ、私もMSで助けに行きます!」
「まあ落ち着け。そんなに急がんでもミリシャはそう簡単にやられはせんよ」
実はこの瞬間、ペスカトーレ隊は跡形もなくメリーベルの〈とんがり帽子〉及び〈丸メガネ〉と〈キツネ目〉の部隊に蹂躙されているのだが、シドたちには知る由も無い。
「それよりじゃな、今はこのホワイトドールみたいな機械人形が何か調べるのが先じゃろう?」
「は、はい……」
そうは言うが、ポゥは今すぐにでも戦場に駆けつけたかった。
我が方の不利を悟ったリリ・ボルジャーノは、前線部隊の後退と、それが済み次第に被害の少ないイングレッサ・ミリシャのボルジャーノン部隊を殿軍にして本隊の東海岸からの撤退を命令した。
「まったく、アメリアがこんなに強いとは思いませんでしたわ」
意気込んでいたわりに、いざとなると撤退が早いのは、戦闘中にリリの下にガリア軍の指揮官から自分の正体と開戦の目的を告げる使者が来たからであった。
「あの男なら、こんな小競り合いで倒せる相手ではありませんわね」
「しかし、グエン・ラインフォードに力をつけさせるのは得策ではありませんぞ?」
「あなたの言葉だと、より真実味がありますわね、ミハエル准将」
「しかし、ノックスを取られるぐらいは覚悟しておいたほうがいいでしょうな」
「アメリア合衆国の州に治まってくれるなら、いくらでも差し上げますわよ」
90 :
32:2006/09/01(金) 01:59:04 ID:???
12話後半。書きながら展開が変わっちゃったのはここが初めて。
〈クリーガー〉の槍は、見事にソシエの乗るホワイトドールのような機械人形の首を吹っ飛ばした。
頭に操縦席が無ければよいが、と思いつつ首を狙ったが、ソシエの「うわぁぁぁあ!」という叫び声が聞こえ続けているという事は操縦席は無事なのだろう、とグエンは安堵した。
首を失ったソシエの機械人形は海に落下する。
「兵を引きたまえ。私でもこれくらいの事はできるのだ。ガリアの兵が本気を出して侵攻を始めたらこれくらいの被害では済まないぞ」
機械人形に乗っているのだから、これぐらいで死ぬ事はあるまい。しかし、あのホワイトドールに似ているのも気にかかるので、グエンは偵察部隊に引き上げを命じた。
「パイロットは捕虜だが、客として遇しろよ」
一方、海中を進むロランの乗る白カプルはソシエの撃墜には一足及ばず、首のない機械人形が沈んでいくのを目の当たりにしていた。
「この機械人形にソシエお嬢さんが乗っている……? そんな……」
途方に暮れていると、ガリアの機械人形の小隊が洋上のビッグ・トレーから現れた。〈丸メガネ〉とよく似ているが、メガネは丸いというより横に細長く、左腕は鉤爪のようである。
「相手は三体……でも、いまこの状況じゃ……」
水中戦が得意なカプルなら倒せるだろうが、戦闘を起こして敵の旗艦のすぐ近くで目立つのもまずい。
「どうすれば……」
だがロランが逡巡している間に、その三体はソシエが乗っていると思われる機械人形を掴み上げ浮上していった。
「ソシエお嬢さんを連れ去って……!」
気づかれぬように距離を取りつつ、ロランは白カプルでその三体を追った。
ビッグ・トレーは次第に陸に近づいている。
(アメリア……ついに……帰ってきたのだ……)
そしてグエンの率いてきた三隻はアメリア大陸に上陸した。
「メリーベル、帰還しろ!」
アメリアの地を踏んだグエンが発した最初の命令はそれだった。
91 :
通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 02:03:29 ID:PlcjqJF6
>>89 きたーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
楽しみにしてます
支援
92 :
32:2006/09/04(月) 06:15:38 ID:???
次までにちょっと間が開きそうなのでちょっと待っててください。
ちなみに、ガリアのMSは、
丸メガネ=デナン・ゾン
キツネ目=ゾロ、ゾロアット
細長メガネ=エビル・S
とんがり帽子=ザンネック
クリーガー=ギャン
ていうのはちゃんと伝わってるのかなぁ……。
>>92 キツネ目は多いからどれかな?と思ってたんだが他は判った
ゾロか・・・ヘリ運用を上手くやれば、この世界だと超強くない?
あとゾロアットて宇宙用だよな、本来。
>>93 ボルジャーノンと同じく中身は別物ってことでいいんじゃね?
ヴァルヴァロが発掘されたらカニ頭とか呼ばれんの?
97 :
32:2006/09/05(火) 09:32:06 ID:???
>>93 (い……言えない……ゾロアットとトムリアットを素で間違えたなんてとても……)
>>94-95 そ・そうですよね。
>>96 たぶん。でもアメリア人のセンスだと<カニ爪>とかになるのかも。
保守っとくか
待っていた人がどれくらいいたかわかりませんが、13話(前編)をお届けします。
13.グエンの心
アメリア各州のミリシャ連合軍を東海岸の一戦で屠ったグエン・サード・ラインフォードの要求、それは自らのイングレッサ領主への復帰、そして、かつて∀とターンXが戦い、繭に包まれた場所の領有であった。
「グエン・ラインフォードは『月の繭』を欲していると……?」
かつてのグエンの下で軍を率いていたミハエルの心に、グエンは∀の量産を目論んでいるのではないか、と不安がよぎった。
∀とターンXがその活動を停止した場所は『月の繭』と呼ばれ、わずかずつだが巡礼者も増えつづけ、今では第二のホワイトドールの聖地となりつつある。
「たとえそうだとしても」
と、リリ・ボルジャーノはいう。
「∀をあそこから発掘して、量産でもするっていうの? バカバカしい」
「グエン・ラインフォードは、単にモニュメントとして『月の繭』を欲しているのではないのですかな?」
唐突にマリガンが会話に割り込む。その軍属の人間とは思えないような平和的な思考は相変わらずだ。
「だーかーら、あの人がそんなにしおらしいわけないでしょ?」
「そ、そうでありましょうな」
「イングレッサ領は別に元々グエン様のものだからよいとして、この際『月の繭』もおまけしてあげましょ。それでおとなしく引っ込んでてくれるなら安いものですわ」
「ガリアよりこれ以上兵力を送り込んでこないとは限りませんぞ?」
「そうはさせない為にも、海から来るものは厳しく制限させていただきますわ。今日よりガリアからの積荷は制限した方がよさそうですわね」
「『月の繭』を与える代わりに、一切の軍事行動は禁止、という訳ですか」
「そうです。そしてミハエル准将、あなたがそのガリアのイングレッサ・ミリシャを押さえつけるのです」
「私が……ですか?」
「そのかわり、それを条件に付けさせていだだきましょう」
「私に目付けになれと?」
「そうそう、手綱はしっかりと握っていてくださいましね?」
もしかしたら本当にこのリリ嬢はアメリアの完全なる合衆をやってのけ、その初代大統領に就任するのではないかという気が、ミハエルにはしてきた。
(なら、従ってみるのも悪くはない……)
軍人には、有能な指揮官の下で動くのに心地よささえ覚える時もあるというものだ。
13話後編。そして100げと。
MS一機で近づくのは得策ではないと判断したロランは、乗っていた白カプルを断崖のすき間に目立たぬように隠し、徒歩で上陸したてのビッグ・トレーへと向かった。あの艦に単身で潜入するつもりなのだ。
――ソシエお嬢さんが、ガリアにさらわれた……。
こうなったのも自分の責任でもある。何か万一の事があったら、月のディアナ様であるキエルお嬢さんにも申し訳が立たない。
ソシエの乗っていた機械人形をわざわざ海の底から拾い上げたという事は、ガリアにとってもその性能は知りたいのだろうから、パイロットであるソシエもすぐには殺さないだろうという予測も立つのだが、それはただの気休めでもあろう。
そんな思考が、ビッグ・トレーへと走るロランの頭の中を駆け抜けていった。
「キエル・ハイムっていったね、アンタ」
そのビッグ・トレー内部では、まさにソシエへの「尋問」が行われようとしていた。
と言っても、ただ単に敵の懐深くまで単機で飛んで来たというMSのパイロットが、どんな顔なのか見てみたかっただけなのだが。
「あなた、ムーンレィスでしょ?」
ソシエが収容させられたのは、独房ではなく、客船の一室のような部屋。しかも手錠さえ無く、銃で脅されなければこの船の乗客のような扱いだった。
だが、そこに現れたのは、グエンではなかった。
「たしか、月かその途中であなたが機械人形のモニターに映ってたわ」
「そうよ。あたしはギンガナム艦隊のメリーベル。いまはガリアのメリーベルだけどね」
「どうしてグエン様のところにいるの?」
「そんなの……」
いままで高圧的だったメリーベルの顔に、初めて他の感情が影さす。
「メリーベル、ここにいたのか」
部屋の外から、ソシエにも聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「グエン!」
「グエン様!?」
一拍の間はあったものの、同時にその名が呼ばれる。
「ソシエ・ハイム嬢。気分はいかがかな? 決して粗略には扱ってないつもりだが」
ライオンのように伸びた髪を後に撫で付け、口髭を生やしてはいるものの、それは紛れも無くあのグエン・サード・ラインフォードであった。
「グエン様、どうしてガリアなんかに? どうしてアメリアにこんな戦艦なんかで……」
ソシエは立ち上がった。
「これじゃ、あのギンガナムと同じじゃない!」
あの飛行機型機械人形で空から戦場を見下ろした時に感じた思いの丈をソシエはぶつけた。
「あのギンガナムと同じにしてもらっては困る。私はただ、アメリアをもっと発展させようと帰ってきたのだから」
「ならなんで、こんな戦艦なんかで! あんな機械人形の大軍なんかで!」
戦争そしかけようというの? ソシエはそう叫びたかった。
「それは……」
グエンも、そのソシエの気勢にたじろぐ。が、その口は一気に結論に飛躍する。
「愛ゆえにさ」
>>100 乙
尋問シーンの最初は名前書き間違いかな?かな?
職人さん、乙彼。
103 :
32:2006/09/10(日) 07:06:40 ID:???
>>101 そうです。なんか最近初歩的な書き間違い多いな……しかも指摘されるまで全然気づかないっていうw
>>100 > 「愛ゆえにさ」
良くも悪くもグエンらしいセリフだなあ
結局ずーーーーっと夢見てる人だよね、こいつ
105 :
32:2006/09/14(木) 21:02:04 ID:???
14話。本スレで名前消すの忘れて書き込んじゃったw
14.潜入、そして…
「まさかこうも簡単に上陸を許してしまうとはな」
ハリー・オードにとっては、ムーンレィスの安住の地であるアメリアであの男が黒歴史を呼び起こそうとも取れる動きをしているのが気に食わない。
「ターンタイプを欲しているのではあろうが……」
『月の繭』は、いまだムーンレィスの技術者でも「∀とターンXがこの中で眠っている」という事しか解っていない程度なのだが、イングレッサ領の他にその周辺をも領有させろなどと言うのは、どうにも不可解である。
しかしいくら考えた所で、あの男の肚が読めぬ以上、ガリアでMSを発掘してかき集めて帰ってきただけに過ぎぬ、という現実のみを考えるしかないのだが。
ともかく、事態を軽視する余りに月からMSに乗って地球へやってこなかった自分の迂闊さをこそ呪うべきであろう。
一方、こちらはもう一つのターンタイプかと思われた、シド爺さんとポゥが発見した白い機械人形は、サンベルト領のムーンレィス技術者と共に解析した結果、少なくともターンタイプではないという事が解った。
「まぁ、そう簡単にホワイトドールが埋まっておるとも思ってもいなかったがの」
シドにしてみれば、ターンタイプ云々より、やはり黒歴史の謎が解き明かされそうなこの状況の方が少し嬉しくもあった。
「でもシド爺さん、黒歴史では、ガンダムが何度も世界を戦争に導いたって言われてるんでしょう?」
ポゥは今にも泣き出しそうな顔で心配を露にしている。
「そうでもありゃせんよ。ガンダムタイプったって、黒歴史には百も二百もあったってホレスさんが言っとる」
当てが外れても、それが災いを産み出す可能性がありそうでも、とにかく楽観主義なのが山師を続ける秘訣なんだな、と、ポゥは意外な発見をした。
106 :
32:2006/09/14(木) 21:04:12 ID:???
14話後半。ビッグ・トレー内部ってどんな構造なんだろうな……ああ、ナノマシンのお陰で帆船風になってるとかにしよう。そうしよう。
---------
ビッグ・トレーへ近づくのには意外と簡単だった。
兵士による厳しい警戒を覚悟していたのだが、あの激しいMSの戦闘の割には、いざ上陸すると死角だらけの杜撰な警備、時には酒盛りまで始めてしまう始末(この辺はなにやらミリシャ的でもある)で、ロラン一人がビッグ・トレー内部へ潜り込むのは容易かった。
そして内部は暗く、多分ソシエお嬢さんは船底の方の船室か独房のような所へ監禁されているのだろう、と思いそれらしい場所を探しているのだが、一向にそれらしい気配がない。
「いっその事、志願してきたとかの嘘で、ガリアの人を騙せないかなぁ……」
アメリアのミリシャでさえホワイトドールのパイロットはローラ・ローラという事になっているのだから、まさかガリア人が自分の事を知っているわけもないと思えば、なんだか妙案な気がしてきた。
ともかくも適当なガリア兵を見つけよう、と立ち上がったその時。
「おい!」
背後から怒鳴り声。だが続いて「貴様、スパイか!?」と怒鳴られては、つい先刻までガリア兵を騙して情報を聞き出そうとか妙計を考えていたのも忘れ、反射的に走り出してしまった。
「待てぇ!」
こうなる事はある程度予想はしていたが、やはり勝手がわからぬ異国の船の中、逃げられる場所もわからぬまま、本能的に上へ上へと走っていた。
ロランは、とにかく一旦外へ出てしまいたかった。
ソシエにしてみれば突拍子もなく意味も不明な事だが、グエンにしてみれば少々喋りすぎたかな、という認識である。
「愛ゆえに」というその言葉。
ソシエは「なぜ愛があるのなら……!」と叫んでしまいたいが、グエンのその愛の対象が難なのか計りかねている。
アメリアへの愛? イングレッサへの愛? それとも……?
混乱の中で、ソシエは客室の豪華なベッドに座り込む事しかできなかった。
木製のベッドは、アンティークなのか見かけだけの安物なのか、ギシ、と軋む音を立てた。
そんな呆然としているソシエを見て安心したのか、グエンは、まぁソシエ嬢にはわかるまいよ、と言い残し、メリーベルと共に客室を後にしたのだが。
角を曲がるとローラがこちらへ向かって走ってきてくれているではないか!
グエン卿の素晴らしい勘違いベルガギロスwwwwwwwwwwwww
108 :
通常の名無しさんの3倍:2006/09/16(土) 03:43:50 ID:FvRAkUCi
キターーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
支援age
保守
110 :
32:2006/09/22(金) 00:10:44 ID:???
15話前半。……ブライト艦長、カクリコンに続き、ついに∀出演者も……ミラン殿……。
15.ローラ・ローラの海
ただひたすらに、上への階段があれば登り、角があれば曲がりつづけた。
そして、いくつかの階段と角を曲がった先に、一人の男が立ちはだかった。
服装からして、きっとこの艦の重要人物なのだろうとは思ったが、そんな思いを一瞬で頭のどこかに追いやり、今はただ逃げるためだけに頭と体を使うことにした。
ロランと男の距離が縮まる。
男は両手を広げたような気がしたが、加速するロランは急に止まる事は出来ない。
「ユニバァァァス!」
悪いけど! どいてくださいっ!
それは言葉にならず、代わりに口から出たのはムーンレィス独特の叫び声。
そして二人は、ドカッと倒れこんだ。
「……!? ロラン!」
倒れこむと同時に、ソシエの声が頭の上から聞こえる。
「……ローラ……?」
倒れこんだ体の下から、聞き覚えのある声が聞こえた。
「ロラン・セアック!」
そして、ちょっと怒気を含んだかのような少女の声も。
ロランは体を起こしかけると、驚いたようなグエンの顔がそこにあった。
「ローラ! こんなに早く合えるとは!」
と、起こしかけた体をぐいと引き寄せられる。
「ぐぁ、グ、グエン様!?」
「久しぶりだね、ローラ。私は帰ってきたよ、アメリアに」
「ちょ、ちょっとグエン様! なにやってるのよ!」
「グエン! 放しなさいよ!」
「あ、あの、グエン卿……そいつ……スパイ……」
グエンを除いた四人は、この状況を持て余し気味である。
111 :
32:2006/09/22(金) 00:12:26 ID:???
15話後半。出ましたグエン様の超理論。
「グエン様……放して下さいよぉ……」
「ん? あぁ、済まない済まない」
と、立ち上がったグエンは、さぁ、とロランに手を差し伸べる。が、ロランは自力で立ち上がり、グエンに問い掛ける。
「なんでこんな所にいるんですか、グエン様は!?」
いきなりの剣幕にたじろぐ事もなく、グエンは笑い出す。
「まぁまぁ、落ち着きたまえ、それよりローラ。お茶でもいかがかね?」
「グエン! ちょっと、今どういう状況か分かってんの!?」
「メリーベルも。そうだ、今日は天気がいい。ティータイムは屋上でやろう――そこの君、お茶の用意を」
今までロランをスパイとして追いかけ回していたと知ってか知らずか、グエンの奇矯な振る舞いに呆然としている兵士にティータイムの命令を出すグエン。
グエンのペースに完全に呑み込まれた一同は、なし崩し的にビッグ・トレーの屋上に設置されたお茶会に招待される形となってしまった。
「……って、なんで悠然とお茶飲んでんのよ、この人はっ!」
やっと状況についてこれるようになったソシエは、卓をバン! と叩いて立ち上がった。
「ははは。ソシエ嬢は相変わらずだな」
「だからっ!」
「私はねソシエ・ハイム嬢、もしかしたら、こうやって海を見ながらローラとお茶を飲むためだけに、はるばるガリアからやってきたのかもしれないのだよ」
グエンの心の内を知りえる者は、このアメリア大陸に誰一人として、いない。
「……あ。でも、おいしいですよ、このお茶。ソシエお嬢さん?」
――のはずなのだが。
糞ワロタ
GJ
113 :
通常の名無しさんの3倍:2006/09/22(金) 01:23:07 ID:AlH34+qj
ワロターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
支援します。
グエン卿バロスwwwwww
なんかギャグっぽくなってきたな…
ビッグトレーの上でお茶会かよ、これでこそグエン卿だわwww
期待あげ
118 :
32:2006/09/29(金) 01:59:56 ID:???
16話前半。NTBって何の略?
16.ミリシャの兵舎にて
正午の時報と共にテーマ曲が流れ、線画アニメの地球が一回転し、アメリア大陸の形が現れる。
それはイングレッサ、フロリャ、ルジャーナ、そしてムーンレィスの入植地であるサンベルトの各地域にて放送されている、NTB放送の看板番組『お昼のアメリア・ニュース』のオープニングである。
深々と頭を下げたキャスターは、挨拶の後にニュース原稿を読み上げ始めた。
――先日、アメリア東海岸に現れたガリアの軍隊を率いていたのは、前イングレッサ領主、グエン・サード・ラインフォード氏である事が、ミリシャの発表により判明しました。
ラインフォード氏はその軍事力を背景に、アメリア州連合政府に対し、イングレッサ領の返還、並びに『月の繭』周辺地域の領有を主張している模様です。
これに対し、連合政府の代表代行リリ・ボルジャーノ氏は、「イングレッサ領は元々ラインフォード氏のものであり、軍事行動の即時停止を条件に加えるならば、主張の大筋は認める」と、弱腰とも余裕とも取れる発表をしております。
イングレッサ領は、先のギンガナム艦隊との戦い以後は領主不在の為、フロリャ、ルジャーナ、サンベルト各領の分割統治状態でしたが、これによりラインフォード氏が領主へ返り咲く形となりました。
次に、サンベルト領内における小麦の取れ高は、去年と比べ――
「おい、こりゃどういうこった?」
兵舎の食堂に備え付けられているテレビモニターの前は、配膳のカウンターから一番近い椅子であるため、そこを占領するのは、いつも決まってヤーニ中尉である。
自然と毎日お昼のニュース番組を欠かさず観る事になるヤーニだが、しかし今の政府の発表には首を傾げた。
「あんなに手酷くやられたってのに、このまま尻尾まいて領土をくれてやるってのかよ、しかもあのグエン卿に?」
「ま、まぁ、あんな大戦だったにも関わらず、大怪我人はいても、戦死者が一人も出なかったのは、いいじゃねぇですか……」
「バカ、そんなんだからおめぇは田舎モンだって言われるんだ。まぁロランの奴をわざわざ連れてきた功績は認めるがな」
「そ、そう言えば、ローラさんも、あれ以来見かけませんねぇ」
「ローラじゃねぇ、ロランだろ! ――アイツの事だから、また山奥にでも引っ込んじまったんじゃねぇのかぁ?」
そう言うと、ヤーニは昼食の残りを急いで食べ、食堂を後にした。
――以上、私、フラン・ドール・ヨットがお伝えしました。
キャスターがまた一礼してニュースが終わり、人気番組『アメリアのど自慢』が始まると、食堂に散り散りに座っていたミリシャの全員が、モニターの前に集まってきた。
ヤーニ以外のミリシャ兵の、それが唯一の楽しみだった。
119 :
32:2006/09/29(金) 02:02:00 ID:???
16話後半。ギャグSSにはせんよ。でも「ミリシャ宇宙決戦」ぐらいのならアリかとも思ってる。
だがロランも、ただ悠然とティータイムを堪能していたのではない。
(あのソシエお嬢さんが乗ってきた機械人形、あんなに近くに……)
ロランはビッグ・トレー後部のMSデッキに目を向けた。
それはホワイトドールと似ていたためか、それともソシエの乗機だったためか、引き上げられた首のない白い機械人形は、グエンの<クリーガー>の横に並べて立てられていた。
(コックピットハッチが開いているなら……)
ティーカップに口をつけたまま、横目で首のない機械人形との距離を測る。
ソシエお嬢さんとあそこまで走って、機械人形を奪い、脱出する――それが、ロランの目論んでいる脱出計画である。
「お嬢さん」
グエンの目を盗み、小声で呼びかけた。
「どうしたの、ロラン?」
「あそこにある機械人形」
「ああ、あたしが乗ってきたやつね」
「あれで脱出しましょう」
「……わかったわ」
しかし、そんな二人のやりとりを、メリーベルは見逃さない。
「ちょっとグエン、あの二人、なんか企んでるよ」
「構わないさ。なにしろ、一度取り逃がしているしね」
グエンは月から地球に帰って来る前のことをいった。
「あの時は君たちの協力でこの地球へ帰り、アメリアに産業革命起こそうとし、失敗した……。だから、また同じようにローラがこのままおとなしく私の手に戻ってくるとは考えちゃいないさ」
「なら、このまま逃がしちゃうの?」
「逃がしはしない。ただ、一時的に私の手から離れるだけさ――ローラ!」
急に呼びかけられ驚いたが、ロランは何とか平静を保つ。
「……っ、はい?」
「そろそろ、ノックスへ出発したいんだ。お茶会はお開きにしたいんだが?」
「そうですね。じゃあそろそろ……」
と、立ち上がり、チャンスとばかりにソシエの手首を掴む。
「ソシエお嬢さん、走って!」
ロランとソシエは走り出した。
「グエン! 逃げちゃうよ!」
それは、このまま逃がしてしまうのにまだ納得のいかないメリーベルの、なんとかこの状況を受け入れようとする叫びだった。
だがそんなメリーベルをよそに、カップを持ったままグエンは悠然と立ち上がる。
「さて……現在のアメリア、どんな風か、見せてもらおう」
ガリアで私は心に余裕を手に入れたのだ。あの時のような失敗は、二度と、しない。
グエンは誓うように紅茶を口に含んだ。
120 :
通常の名無しさんの3倍:2006/09/29(金) 02:05:23 ID:EJY5+ZNm
昼時アメリア大陸ktkr!!
なんかもう・・・・テレビ関係はすっかりヤーパンの
ようですねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
正暦人はホントのんきだな。
123 :
32:2006/10/03(火) 15:59:32 ID:???
17話です。
17.問題は、これはガンダムかという事だ
コックピットハッチが開け放たれたままの機械人形に飛び乗るまでは、実に簡単だった。
そこに至るまでには、一人のガリア兵の姿もなく、まるで用意されていたかのように昇降機が地面側に降りていたのだ(といっても、コックピットが無人ならば誰かが降りた後なので、地面側にあるのは当然なのではあるのだが)。
しかし、この機械人形はグエンの〈クリーガー〉に首を落とされているのだ。カメラやセンサーが集中している頭部がないとなれば、ハッチを開けたまま操縦するしかない。
前方に限定された視界の中で、それでもロランは脚部に集中したスラスターを吹かし、ビッグ・トレーからの脱出を試みた。
白い機械人形は、頭部が無いことなど問題ではないといったふうに、操縦にはなんの支障も無かった。そして、MSデッキから飛翔するかのように飛び上がり、一瞬でビッグ・トレーから離れる。
「この船、ウィルゲムやアルマイヤーみたいな戦艦みたく、MSを格納するスペースが艦の内部ではなくて良かったですよ」
「ただ機械人形を外に立たせているだけで助かったわね」
「でも、いったいこんなものを発掘させて、グエン様は何を考えていらっしゃるんだ……」
その時、ソシエの耳の底に、グエンの「愛ゆえに」といった言葉が甦った。
でも、このことは、ロランには話さない方がいいのかも。そんな気がしたのでソシエは黙っている事にしたのだが、何も言わないのも変なので、
「ロラン。あたしが来た、ノックスの空港へ行きましょう。あそこならミリシャが大勢いるはずだわ」
と、行く先の提案をした。
「そうですね。まずはこの状況を誰かに伝えないと……」
首無しは、ジャンプを続けながらノックスへ向かう。
124 :
32:2006/10/03(火) 16:02:08 ID:???
17話後半。イングレッサ飛行場=ノックス飛行場って事でw
午後のミリシャ駐屯地。
突然のガリア軍の出現により、軍隊らしく騒然としているのかと思えば、このノックス空軍基地の予定地だけは戦争とは違った類の活気に満ちていた。
この地は、新しく発見されたマウンテンサイクルが近いというだけあって、次々とここに新種の機械人形が運ばれて来る。
それを、ミリシャ兵器部とムーンレィスの技術者、果ては各地の山師までが解析やその見学やら単なる野次馬やらで押しかけてくるので、空軍基地の建設などできる状況ではなく、従って空軍の設立も遅れているという本末転倒な事態が起きているのである。
「この前は飛行機、次は金ピカ、そして今度はこのホワイトドールもどきと来たもんだ」
シドとポゥが発見した白い機械人形は、ホワイトドールによく似ているというだけあって、今までで最も多くの人が一目見ようと押しかけてきた。
「金色の機械人形も驚いたが、やっぱりホワイトドールが発掘されるとなぁ」
などと、ある山師は言う。
やはり白い機械人形はアメリア人の心に訴えかけるものがあるのだろうか。いや既に、ムーンレィスの中では「これはガンダムか?」とも囁かれている。
「ホワイトドールとの関連は今のとこ不明じゃ。ただ、これが黒歴史のいう〈ガンダム〉であることは間違いない」
押しかけた人々を前に、シドはそう説明する。
「〈ガンダム〉タイプは黒歴史史上には数多く存在したといいます。この機体がすなわち、∀のように文明を破壊するようなものではないという事を、皆さんには了解していただきたいのです」
ホレスがそれに続けると、人々の間からは「なーんだぁ」とか「なら安心だな」といった安堵の声が漏れる。
「本当の問題は、これがどの〈ガンダム〉か、という事なんじゃがな……」
シドはホレスにだけ聞こえるような小声で呟く。
「さて、ここが一番MSが多く集まっているという場所だと聞いて来たが」
その時、一人の男がこのノックス飛行場へ辿り付く。
「なにやら騒がしいようだな」
と、その男――ハリー・オードは敷地内を見回す。彼のいでたちは、かつてウィルゲムの発掘現場に潜入した時と変わらず、黄色と黒を基調とした私服に黒淵メガネである。
「一機ぐらいは私に使えるものもあるのだろうが……」
と言いつつも、ハリーの目は一機のMSに釘付けだった。
ハリーは百式(改とかか?)で決まりかw
ローラが乗るガンダムタイプはνだとすごく嬉しい
相変わらず面白いな。職人さんの腕が良いと、読んでて楽しいっ!
127 :
通常の名無しさんの3倍:2006/10/05(木) 01:39:18 ID:tgo4Z/Tf
支援します。
いつも楽しみにしてますよ〜。
128 :
通常の名無しさんの3倍:2006/10/09(月) 20:14:31 ID:Z5Pr1t7z
ここで保守
129 :
32:2006/10/12(木) 11:45:29 ID:???
すんませんお待たせしてしまって。しかも今回あんまり面白くないかも。18話。
あ、でも、後半の展開とかはいろいろ思いついてきた。
18.戦力の決定的な差
グエンの元から脱出するのも、思えばこれが二回目である。
前回は月面にて∀のコアファイターのみ、そして今は首のないMSで。
「でもさロラン、あの時のグエン様、わたしたちをわざと逃がそうとしたんじゃない? 止めようと思えば、簡単に止められたはずよ。それに、あれから一体の機械人形も追ってこないじゃない」
「そうですけど……」
わざと逃がされたのか? だとしたら目的は?
「わざと逃がして戦力の報告をさせて、それで自軍の強大さを相手に印象づけさせようっていう手はあるんだろうけど……」
ロランの呟きは、ソシエへの回答ではなかった。
「あ、あれ。ロラン」
視界を確保するために開け放たれたままのコックピットハッチの外をソシエが指差す。その先には、ミリシャの警備基地らしき施設があった。
『グエン卿、アメリアに帰国 イングレッサ返還さる』
『敵は謎の機械人形 ミリシャの反応は?』
『マウンテンサイクルより白い機械人形 ホワイトドールか?』
ここ数日のノックス・クロニクルの一面見出しは、ざっとこんな記事ばかりであった。
だがそれでも、よほど気の早い人間を除けば、ノックスから疎開しようとする市民はほとんどいなかった。
「それでグエン卿の戦力は、大きなギャロップが三つと、機械人形が三、四十体ぐらいですって?」
リリ・ボルジャーノにしてみれば、あのビッグ・トレーであろうと「大きなギャロップ」でしかないようだ。
「そうですけど、敵のパイロットには、ギンガナム艦隊にいた人もいるようなんです」
「それと、グエン様自らが機械人形を操縦して出てきたわ」
ロランとソシエは、リリやミハエルの前で報告をしていた。
あの東海岸に展開していた阻止部隊は、ヤーニ以外の誰もが怖気づいてしまって「50メートルを越える機械人形がいた」とか「敵はミリシャの十倍はいた」とか「ボルジャーノンの弾はすべてはじかれた」とかいった類の報告しかミハエルのもとには挙がってこなかったのだ。
「しかし、グエン殿までもが機械人形とはな……」
とは言いつつも、あのヤーニでさえボルジャーノンを乗りこなしているのだ、とミハエルは思い出す。
「それぐらいの戦力なら、何もミリシャが連合軍を組んで掛かる相手でもないんじゃありません?」
十倍なんて元から信用できない数だった、と思いながらリリは言う。
「しかしですな。機械人形の性能が違うようですぞ――そうだな? ロラン君」
「はい。〈キツネ目〉は空を飛べますし、〈丸メガネ〉の槍は機械人形を一瞬で行動不能にします」
ロランはミリシャ情報部が戦場で撮ったという、細部の判別も難しいような敵の機械人形の白黒写真を指差しながら説明する。
「それは、アメリアで発掘されてるのとは違うんですか?」
「アメリアには、あのロラン君が乗ってきた飛行機型に変形するもの以外、空を飛ぶ機械人形がおりません」
「例えそうだとしても」
しかしリリは言う。
「機械人形の性能の差が、戦力の――」
だが、図らずも黒歴史上の有名な台詞と同じ事を言いかけた時、執務室を一人の男がノックした。
「リリ・ボルジャーノ代表代行はおられるか?」
「んもぅ、どなたですー?」
話を中断させられてリリが不機嫌になった事を察したミハエルが足早にドアに進み寄り開くと、そこには黒と黄色い線が、いや、私服のハリー・オードが立っていた。
「久しぶりですな、皆様方」
130 :
通常の名無しさんの3倍:2006/10/13(金) 00:52:22 ID:jJGtS/1/
>>129 キターーーーーーーーーーー
支援します。
今北
グエンワロスwww
132 :
通常の名無しさんの3倍:2006/10/16(月) 19:51:42 ID:x9s1X/VH
母ちゃんが黒人のちんぽ不倫に熱中して生まれた子供がグエンで
妻の不倫で精神を病んだ父に掘られ犯されたのがトラウマでホモになった。
ギャン…
134 :
32:2006/10/19(木) 19:28:13 ID:???
19わです。今は嵐の前の静けさって感じ?
19.リリの名案
ハリー・オードは相変わらずなセンスの服装で、リリの執務室へ入ってきた。
「私にも、何か手伝わせて欲しいのだが」
「あなた、月へ帰ったんじゃありません?」
リリの疑問ももっともだという風に頷きながら、ハリーは言う。
「月の方でも、このたびの騒ぎは少々問題になっておりましてな。――といっても、当初は軽視していたのもまた事実ですが」
「それで、貴方が出てくるという事は、月の方でも見捨てておけぬ、と?」
ミハエルが試すように問い掛ける。
「まさかあのグエン殿がアメリアに攻めてくるなど、想像もつきませんでしたからな」
そこでリリは何かを思いつき、月の手は借りたくないのですけれど、と言ってから、この問題を一気に解決する方法を口にする。
「そこで、ロラン君なんですけど」
「はい?」
「だから、またあなたがローラになって、グエン卿をたらしこめばいいのよ」
「えぇーっ!? またですかぁ……? いやですよぉ」
だがその場にいたロランを除く全員が、いい手なんだがな、と漏らす。
「……とにかく、だ。私がここへ来た理由は、MSを都合していただきたいという理由なのだが」
「それなら、好きなのを持っていって構いませんわよ」
ミリシャとしても、最近の機械人形発掘ラッシュは少々持て余し気味だった。なら、MSに乗りなれているハリーに乗ってもらうのが望ましい所だろう。
「ハリー殿が味方になってくれるなら、我々としてもありがたい。早速手配しておこう」
ガリア軍によって一敗地にまみれたミリシャ連合軍は、ハリーの参入によって、再起を図ろうとしていた。
再起を図ろうとしているのは、ミリシャだけではない。
イングレッサ領の北には、まだほとんど手つかずのマウンテンサイクルがあり、再び領主となったグエンは、それらのマウンテンサイクルの調査をガリアから連れてきた技術者や新たに雇い入れたムーンレィスたちに行わせていた。
ガリアの傭兵たちにも発掘作業を命じていたので、対外的には条件どおり軍事的におとなしくしているように見え、州連合政府の目も欺けてまさに一石二鳥であった。
「しかし、これほどのものが埋まっていたとはな……」
ガリア以来のグエンの弱点は、MSの運用であった。ビッグ・トレーは海を渡ることができたが、所詮は地を這う乗り物である。そして何より、ビッグ・トレーの上にただ乗せているだけでは数に限りもある。
だが、このイングレッサ北部には、どこの軍のものか、何隻もの戦艦らしきものが埋まっていたのだ。
らしきもの、というのは、その前後にあろうことか二輪車のようにタイヤが付いていたのである。
「黒歴史には、これに跨る超巨大な機械人形があったとでもいうのか!?」
これにはグエンも驚かざるを得なかった。
バイク戦艦キタコレ
またがるってイデオンでも出そうと言う話ですかww
136 :
通常の名無しさんの3倍:2006/10/19(木) 23:57:15 ID:PYlGtznJ
キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
ローラ再登場期待age
バイクで踏み潰してやれ!
138 :
通常の名無しさんの3倍:2006/10/20(金) 15:12:46 ID:bH8Q1HSC
∀の総合スレってないの?
∀、ターン、ヒゲで検索しても見当たらないんだが
以上ここまでのまとめ。連番はつなげない方が良かったかな?
あらためて32氏乙。
144 :
32:2006/10/23(月) 08:48:33 ID:???
うわぉ。なんかありがとうございます。まとめてくれた143氏こそ乙です。
前後に分けてんのは、単に何行までOKなのかわからないだけなんで。
続きはもちっと待っててください・・・。
埋まってたガンダムとは何か?
周囲の時代から予想すれば ZZ?
もうちょい進んでリ・ガズィ νガン?
大気圏内はつらいがクロスボーン?
月は出ているかとばかりにガンダムX?
大穴狙いでコルレル?
ありえなさそうでありえるのがシャイニング・ゴッド・マスターガンダム?
すみません
上げてしまった
147 :
通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 23:20:50 ID:vt2KZ8ay
>>144 いつも楽しみにしてるお。
無理せずのんびりがんがって下さい。
148 :
32:2006/10/28(土) 02:03:07 ID:???
とうとう20話目。
本編ラストでディアナとキエルが入れ替わってるのはあまり知らされてないって解釈で。
20.置き手紙
黄金の光が、夜明けを向かえた荒野を包んでいた。
その澄み切った光の中を飛び進む、黄金の機械人形。
そして、その右手には陽の光や機械人形と同じ色の髪をたたえる女性がいた。
ディアナ・ソレル。
彼女は今、グエンの真意を確かめるためにこうしてハリーと共にここへきたのだ。
「マウンテンサイクルをこうして発掘しているという事は、やはり野心があってのことでしょうか」
開かれたコクピットハッチから、ハリーは問い掛ける。
「それも、グエン殿に実際に会ってみなければわかりませんね」
愛機であるスモーこそ月に置いてきたままだったが、サンベルト領のミリシャからスモー用のブースターを付けたこの黄金の機械人形〈ヒャクシキ〉は、遠目から見れば金のドレスと銀のスカートを纏った貴婦人にも見えた。
ディアナがこうしてグエンと直接交渉するというのは、リリはおろかロランにも伝えてはおらず、完全にこの二人の独断であった。
「やはり、万が一のことを考えて、ロランにだけでも伝えておくべきだったでしょうか」
「いえ、ロラン君に話せば、必ずついてくると言い出すでしょうし、ディアナ様が動くという事を秘しておかねば、月の政府にも影響が出ましょう」
月のディアナが実はキエル・ハイムだという事を知るのは、ロランやハリーなどごくわずかの者だけである。だが、このグエンとの接触によって、月の女王がキエルだという秘密が地球と月に知られてしまうのではないか、という懸念をハリーは抱いた。
「それも交渉次第ではあるが……」
大人しく引き下がる相手ではないという事は十分に承知している。
いざとなればグエンの暗殺もありうると覚悟し、ハリーは操縦桿を強く握り締めた。
「だだいま帰りました。ディアナ様」
しかし、一人山小屋へ帰ったロランは、そんなディアナの行動をなに一つ知らされていない。
「……? ディアナ様?」
呼びかけてみるが、室内のどこにもディアナの気配は無かった。
また湖の方にでも行っているのだろうかと思ったが、その湖の近くはここへ帰ってくる前に通ったはずだ。
なら、どこへ……? と不信に思う前に、ロランを心配させまいとしたのか、テーブルの上のよく目立つ場所に置手紙があった。
ロランはそれに飛びついて読み始めた。
私は、このたびの騒ぎを収めるため、しばらく不在にします。
といっても、心配には及びません。
実はハリー大尉が地球へ降りてきてくれて、私の力が必要だというらしいのです。
といっても、あなたのことですから、本当に危険になったらきっと助けに来てくれるとも信じています。
よしなに。
「……そんな……」
ディアナ様の筆跡はこんなにやさしい字だったのか、と感動したのも一瞬で、ロランの心には、何が、というわけではないのだが、どこか不吉な予感が拡がっていくのを感じた。
ひとたび不安を感じてしまえば、いつもいるべき人がいないこの山小屋はいつもより広く感じられるものだった。
149 :
32:2006/10/28(土) 02:16:43 ID:???
>>145 物語上で動き出す前にその疑問出されちゃったなw
一応、
1)ガンダムタイプである。
2)シールドを持っている。
3)バックパックにビームサーベルを挿している。
補足)しかしバックパックも実体シールドもないガンダムでも可である。
なぜなら多少はナノマシンが作り変えていたり、別のシールドとは知らずに持たされている可能性もあるだろうから。
4)トリコロールカラーである。
4補足)多少の色は考えない。これもナノマシンの影響。
5)全長は20メートル前後。しかしこれも(略)
以上の条件を満たす〈ガンダム〉って事で、あえてどれとは特定しません。皆様のご想像にお任せするつもりです。
150 :
32:2006/10/28(土) 02:22:28 ID:???
あ、脱字訂正。
誤・サンベルト領のミリシャからスモー用のブースター
正・サンベルト領のミリシャから提供されたスモー用のブースター
ちなみになんで〈ヒャクシキ〉と呼ぶかというと、カプルみたいにコクピットに
「100−SHIKI」とか書いてあったんでしょうw
GJ
ところで百年後でも通用するっていうデザイナーの信念が通ったね。
百万年後みたいな気もするけど。
百式について
「足の装甲が無いようだが」
「あんなのは飾りです」
みたいなやりとりを期待してたのは俺だけで良い
GJ!
よしなに。
154 :
通常の名無しさんの3倍:2006/10/29(日) 00:42:10 ID:eBiErw8F
よしなにうむ投入!!
じゃあ飛行機に変型したのは実はRX-78Eと予想
俺はV→V2と乗り換えて光りの翼発動して
「げ、月光蝶?!」
という妄想をしてニヤニヤしながら続きを待ってる
158 :
32:2006/11/02(木) 11:02:34 ID:???
21話。しかしみんな想像力すごいなぁ。ある意味俺越えてるねw
21.ゼータ・ボルジャーノン!
やっぱりソシエお嬢さんに話さない方がよかったかな、と思いつつも、肝心のディアナ様がいなくなってはどうしようもないので、やっぱりソシエお嬢さんに相談することにした、けど……。
「ハリー大尉が勝手に出てったですってぇ?」
ソシエは思った通りの反応を返してきた。
「ディアナ様のお力で、この事態を収めてくれるらしいんですけど」
不安なのはどうしようもない。
ノックス飛行場は、空軍設立以前に引き払ってしまったので、今はイングレッサとルジャーナの州境に「前線基地」が出来たのだが、敷地が狭くなった分余計に混雑し、ただでさえ狭い敷地をミリシャと発掘者と技術者とが「領土」を主張し合い、お互いに譲らない状況である。
おかげで夜になるとカプルと兵士と発掘機材が仲良く滑走路脇に枕を並べる、という有様であった。
「そんなのわからないじゃない。今のグエン様とディアナ様、話が合うなんて思えないわ」
それにハリー大尉もいるんだから、と付け加えない勢いでソシエは言うのである。
「だから、今からでも僕たちで後を追ってみましょうって言うんです。あの飛行機型なら、機械人形を一体ぐらいは乗せられそうだし」
ミリシャのトップエース二人が組む最小ユニットは、それは確かに一部隊並みの働きに相当するであろう。
「でもあれ、今ちょっと……」
あの飛行機型の機械人形は、ソシエはけっこうお気に入りだったはずだが……。
「どうしたんですか? 一体?」
「ちょっと、一度見てみてよ……」
と、ソシエはロランを格納庫へ連れ立った。
発掘されたてのものや、ミリシャ所属のものと様々な機械人形が並ぶ中で、ひときわ目立つホワイトドールカラーのそれは、ほぼ壁側の中央に立って整備を受けていた。
が、その頭には、なんとボルジャーノンの頭部が取り付けられているではないか!
「何なんですか! これ!?」
「いや、だって、『頭が無いから早いとこなんか付けといてよ』って整備の人に頼んだら、『一晩でやってやるぜ』って頼もしいこと言うもんだからさ……っていうか、まさかこんなもん付けられるとはわたしも思ってないわよ!」
見慣れたボルジャーノンの頭部に、ホワイトドールのような白いボディ。
頭部が違うだけで、これがあのスマートな飛行機に変形するとはとても思えないような不恰好なものに見えてくるから不思議である。
「おう、昨日の嬢ちゃんか。あのさ、機体の名前、登録しておいてくれよなっ」
さらにそこへ、その頼もしい整備兵が通りかかり、ソシエはこの命名の儀式を強制された。
「んもぅ……」
と、確か機体のどこかに〈MSZ−006 ZETA〉とか書いてあったな、と思い出し、ソシエはこの新しく産まれた子供に名前をつけた。
「ゼータ・ボルジャーノン!」
159 :
通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 12:09:47 ID:HC5vneZI
ザク頭ktkr
今日始めて見た
以後粘着させてもらいます
ボルジャーノン!
ageとく
ザク頭のガンダムw
正暦人って愛おしいなあ。次も楽しみにしてます
ザク頭でも変形できるんだっけ?
166 :
32:2006/11/07(火) 21:55:19 ID:???
>>165 実はそれ俺も知りたいw
変形はどうしようかな……。
>>166 ちょっと調べて見たんだがどうやら変形に関しての設定は存在しないみたいな。
∀世界でのMSは皆レプリカで色々本物と違うみたいだしお前さんの好きなようにアレンジしてくれぃ
個人的には変形したZにザクの頭が乗っかってるアプサラスみたいのが見たいなwww
応援してる。頑張ってくれ
ウェイブライダーのシールド部がはずれて隙間からザク頭が見えるという訳か
169 :
32:2006/11/08(水) 09:42:15 ID:???
>>166 わざわざ調べてくれたんだ、ありがと。確かZZでも変形はしなかったと思ってたんだよなー。
というわけで二十二話前半。
22.若き王と不死鳥の領主
不穏な空気というものは、遥か離れた場所にも伝播するらしい。
ここアデスカの地にも、それは感じられたという事は、もしかしたらかつて文明を滅ぼした月光蝶に似た何かが地球を覆っているのかもしれない。
「王よ……」
アデスカの民は、新たなる王を不安げな目で見上げる事しかできないでいる。
「タルカ王よ、まさか、また黒歴史の再来となるのでは……?」
恐れおののく民の中、テペトルは勇気を振り絞り若き王に問い掛けるが、王の答えは沈黙。
「また、巨人が天の枝を取りに来るのではないのか」
「白い悪魔がこのアデスカを荒らしにくるのではないか」
一人が口を開けば、その不安は広がり、民は口々に王に救いを求めるかのように問う。
「――静まるがよい」
若き王は長い沈黙を破った。
「白い悪魔は以前にも現れた。しかし、それは悪魔ではなかったのは皆も知っているはずだ」
今度は民の側が黙りこんだ。
「神話というものは、必ずしもすべてが真実とは限らぬ。聞くところによると、遥か北の大陸では白い悪魔は白き流星として崇められているという」
王の言葉に、アデスカの民は互いに顔を見合わせる。
「それに、先の王と刃を交えたあの少年ならば、白い悪魔も白い巨神となるであろう」
王は諭すように、そして、自らに言い聞かせるかのように語りながら目を閉じた。
「……それが答えか、タルカ王よ」
テペトルのその言葉でこの場を打ち切るというかの如く、若き王は奥へ退いた。
170 :
32:2006/11/08(水) 09:47:35 ID:???
22話後半。たぶんアメリアのテレビ放送は全部生放送なレベルだと思う。
グエンの毎日はノックスと『月の繭』とバイク戦艦が埋まっているマウンテンサイクルの三箇所を行き来で忙殺されている。
その移動には例のビッグ・トレーを使うので、ノックスにいなくても領地を治める事務的な事は移動中にほとんどを済ませることができる。
が、マウンテンサイクルから新型の機械人形や戦艦が発掘されそうだと報告されれば視察に向かい、ムーンレィスの技術者が『月の繭』近くのナノマシンの解析が終了したと聞けば自らの目で確かめに行く。
そんな多忙なグエンをNTB放送が取材したい、と申し出てきたのだ。
「私どもといたしましては、そんなグエン殿の日常を取材したいのです。タイトルだって決まってるんですよ、名づけて『不死鳥の領主』」
NTBの看板アナウンサー(といっても、放送局に一人しかいないだけだが)にして名プロデューサー(これは自称。しかしこれも三人しかいない)のフラン・ドールが立てた企画である。
「ははは。フランさんの頼みでは、断れないな……しかし『不死鳥』とは」
まるで映画の主役のような扱いではないかと苦笑せざるを得ない。
「このビッグ・トレーにもテレビ受信機はあるがね。そういうメディアの充実も、ムーンレィス並みにしないといけない、と私は考えている」
「では、受けて頂けるんですね?」
フランが、その大きな黒目をキラキラさせる。
「私でよければ」
「やったっ! ――よーし、カメラ、手配して!」
「……いや、放送は『月の繭』をバックに行う、っていうのはどうかな?」
「『月の繭』、ですか?」
それは悪くない提案だけど、といった表情でフランは聞き返す。
「私は不死鳥などではなく、ただの蛹だよ」
そういうグエンの表情は、自らを貶めて自嘲する者のそれではなかった。
乙とGJ!ってどっちがいい?
172 :
32:2006/11/08(水) 20:16:14 ID:???
>>171 「(・∀・)カエレ!!」とかでなきゃなんでもいいですよw
>>172 「悪いが、女には興味がないんだ。主人としてしつ
けられるというなら、今からでもいい。ローラをく
れないか?そうしたら考え直してもいい」
174 :
通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 23:01:23 ID:yacwX0/z
Zであります!
176 :
171:2006/11/09(木) 17:06:09 ID:???
このスレを見終わった俺は無意識にCtrl+Dを押していた
これがニュータイプの感覚という奴か!
>>177 171 名前:通常の名無しさんの3倍 メェル:sage 投稿日:2006/11/08(水) 11:43:16 ID:???
乙とGJ!ってどっちがいい?
172 名前:32 メェル:sage 投稿日:2006/11/08(水) 20:16:14 ID:???
>>171 「(・∀・)カエレ!!」とかでなきゃなんでもいいですよw
176 名前:171 メェル:sage 投稿日:2006/11/09(木) 17:06:09 ID:???
>>172 (・∀・)カエデ!!
(・∀・)メシェー
(・∀・)ソシェー
182 :
通常の名無しさんの3倍:2006/11/12(日) 14:43:04 ID:p9Z/YDe/
今北
これいいな。思わず読みいっちまったよ。
頑張ってくれ。
面白いですね。
これからも期待しています。
支援あげ
185 :
32:2006/11/15(水) 10:27:35 ID:???
よ、読んでくれてる人が増えているというの!? 23話。
23.それぞれの、出撃
イングレッサの軍隊は「ミリシャ」を名乗らず、単に「モビルスーツ部隊」と呼ばれている。
その構成人員は、グエンがガリアで集めてきた機械人形乗りやそれを生業とする傭兵たちである。
しかしガリアでも機械人形の発掘はアメリアとほぼ同時期だから、ガリア人でMSに乗れる者のほとんどをグエンは集めてきたといえる。
そして、そのMS部隊は、グエンの移動などに関係なく、常に基地化したノックス飛行場に駐留していた。
「哨戒に出る! 〈丸メガネ〉隊、ついて来い!」
アメリア上陸戦以来、戦いがない事に苛立っているメリーベルは、ほぼ毎日のように哨戒任務と称してMSで出撃している。
だがそのおかげで、州境の例のあの混雑したミリシャ駐屯地を発見し、今日は「哨戒」とは言っているが、そこに先制攻撃を仕掛けるつもりである。
「人に軍事行動の停止を命令しておいて、あんなものを作っているんだから……」
地球人はやはり信用できないんだ、とばかりに、メリーベルは苛立ちながら〈とんがり帽子〉に乗り込んだ。
格納庫から滑走路に出た〈とんがり帽子〉以下、〈丸メガネ〉が長距離ジャンプをすべく飛び立っていく。
長いビームキャノンを持つ〈とんがり帽子〉は、槍を携えているようにも見え、同じく槍状の武器を持つ〈丸メガネ〉と共に、その姿は戦乱を呼び込む尖兵のようであった。
この攻撃作戦は、無論グエンの知るところではなく、メリーベルの独断である。
しかしソシエは、Zボルジャーノンをそれなりに気に入っているようでもある。
なにしろ、カプルほどではないが乗りなれたボルジャーノンの頭部があるとなぜか安心するし、ボルジャーノンといえば、あのギャバン・グーニーがロストマウンテンで乗っていた機体でもあるのだ。
「ギャバン……」
ギンガナムとの戦い以来、機械人形から遠ざかっていたからこそ、今ではカプルよりもボルジャーノンの記憶の方が増幅しているようなのである。
――だが首から下は例のホワイトドールのような機械人形なのだが。
「ソシエお嬢さん、そろそろ出発しましょうよ」
ロランとソシエは、とりあえず脱出の際に置いてきた白カプルを返還してもらうためにビッグ・トレーに出向く、という事になっている。
停戦状態にある今だからこそできるのだが、ヤーニなどはそのままイングレッサを偵察でもしてこい、とまで注文をつけた。
そこで話は進み、ロランにはあの発掘された〈ガンダム〉に乗ってもらおう、という事になった。
他に稼動状態にある機械人形はこれしかない、と整備兵に言われてしまえばそれに従うのしかないのだが、もしかしたら発掘された当初から、ミリシャはローラにこそこの〈ガンダム〉を、との思いもあったに違いない。
「うん……じゃ、行こうか」
以前と同じようにソシエは飛行服に身を包み、Zボルジャーノンに乗り込んだ。
「――ところで、それ、武器は発掘されなかったの?」
「武器らしいのは一緒に発掘されなかったそうです。シールドだけで。でも、別に戦闘に行くわけじゃないから、いいですよね?」
それにいざとなれば、肩にビームサーベルもあるんですから、とロランは言い、〈ガンダム〉は整備台から身を起こす。
ロランの〈ガンダム〉と肩を並べ、格納庫から外で出ていくその二機はミリシャ兵を嫌が応にも興奮させた。
「うおおぉーっ、見ろよ、ホワイトドールが二台も!」
「やっぱりローラはミリシャのエースだぜ!」
それは奇しくも、メリーベルがこの基地へ向かって出撃したのと同時刻であった。
今一度聞くぜ!
乙とGJ!どっちがいいのか!?Σm9っ`・ω・´)
両方言えばいいと思うよ
乙&GJ!
188 :
32:2006/11/15(水) 20:31:34 ID:???
>>186 乙はスレ立てとか、大きなことに対してな印象あるから、どっちかといえばGJかなぁ。
まぁ罵倒や荒氏じゃなきゃ、何でも嬉しいです(`・ω・´)
ちなみに次回は戦闘シーンの風が吹く。かも。
ところでGJってどういう意味?
190 :
通常の名無しさんの3倍:2006/11/16(木) 01:52:01 ID:5N7+7rP8
>>189 ブロッケンGとプロトセイバーJBの略だろ?
>>189 Good-Jobの略だ。ってマジレス返す俺って無粋?
グエンジョナサンに決まってるだろ
青羽剛なんだから…
195 :
通常の名無しさんの3倍:2006/11/20(月) 01:39:40 ID:RJCt4jPq
シャア版なら、GELGOOG JAGER
…って、旧シャア板と書かないと駄目か。
197 :
通常の名無しさんの3倍:2006/11/22(水) 20:37:13 ID:Eun3FVlx
保守しちゃお
198 :
通常の名無しさんの3倍:2006/11/23(木) 01:02:00 ID:Mx//jJ10
保守ジャーノン
199 :
32:2006/11/23(木) 14:21:39 ID:???
ごめんやっぱり戦闘シーンはむずかしい。24話。
ちなみに俺はGJて「がっぷりヤーパン」だと思ってたが、どうやら違うらしいな。
24.ロランの決意
あの東海岸で空を切り裂いたのと同じビームの閃光が、州境の荒野にきらめいた。
「ビームの砲撃!? どこから撃ってきたんだ?」
ロランは初め艦砲射撃かとも思ったが、レーダーには戦艦クラスの反応は無かった。とすれば、MSが高速移動で現れたのだろうか。
「ソシエお嬢さん、高度を下げてください!」
後方のZボルジャーノンのソシエに叫びながら、ロランは〈ガンダム〉をシールドで頭部を庇うようにした。
「敵なの? こんなに早く見つかるなんて……」
ソシエは困惑しながらもロランに従う。
そこへ、敵方と思われるオールレンジ通信が飛び込んできた。
「そこのMS! ミリシャの基地から出てきたのはわかっているんだ! 止まれ!」
命中させようと思えば出来たはずなのだが、メリーベルはそれをせず、第一射は威嚇にとどめた。
いきなりMSそのものに狙いを定めなかったのは、絶対にミリシャと交戦はするな、とグエンに厳命されていたためだが、相手の出方次第ではそんな事も言ってられない。
「……メリーベルさん?」
「あの子なの!?」
その声に驚いたロランとソシエは、交戦の意思がない事を示すべく、とりあえずMSの動きを停止させた。もちろん、何があってもすぐに対応できる状態は維持しているが。
「∀のようなMSまで引っ張り出してきて、それが〈ガンダム〉だっていうのかい」
言いながら、メリーベルの〈とんがり帽子〉が近づいてくる。
「僕達は、グエン卿に会いに行ったキエル・ハイムを追っているだけです!」
「キエル……? グエンに会いに行ったって? それにその声は、ロラン・セアック!」
後に続く〈丸メガネ〉をMSの手で制して、メリーベルは〈とんがり帽子〉のコックピットハッチを開いた。
「なんでグエンに会う必要があるんだい?」
それに応じてロランもハッチを開いて、姿を見せた。
「この状態をどうにかしようとしているんですよ、僕のご主人は!」
必死で訴えかけるロランから、主人に何も告げられずに置いていかれた使用人の滑稽さを感じたメリーベルは警戒を解きかけていた。
「ふぅん……」
だがこいつらが囮で、やはりあの基地で何かの作戦が進行しているとすれば、どうか?
「どうにかするって、どうなんだよ!?」
やっぱり信用できない!
メリーベルはコックピットに引っ込み、〈とんがり帽子〉にその長いビームキャノンを構えさせる。
「やはりここは通さない!――〈丸メガネ〉隊、包囲しろっ!」
その言葉を待っていたかのように〈丸メガネ〉たちは槍を傾け、〈ガンダム〉とZボルジャーノンを取り囲んでいった。
「やっぱり……!」
ソシエのZボルジャーノンも、ビームサーベルを光らせた。
「駄目ですよソシエお嬢さん!」
ここで戦ってしまえば、ギリギリで保たれている平和が崩れてしまう。
静かな地球での暮らしもできなくなる。
ディアナ様の夢が……。
「だけど……」
この機械人形で文字通り押さえつけるしかない。かつて∀でそうしたように。ロランもコックピットに戻る。
やはり武器らしい武器を持ってこなくて正解だった。
ロランは〈ガンダム〉のグリップを握り締めた。
スモーとか∀はアームレイカーじゃないか
201 :
32:2006/11/23(木) 15:10:06 ID:???
>>200 前の話とか読んでもらえれば分かると思うけど、ロランが乗ってるのは∀じゃなくて発掘した「ガンダム」です。
何ガンダムかは謎。
32氏GJ(がっかりヤーパン)!!
毎日10回はスレチェックしてるお。まじがんがれ。
誰かマトメサイトとmixiでコミュニティでも作れwwww
203 :
通常の名無しさんの3倍:2006/11/24(金) 00:46:58 ID:cvgu5iRs
>>199 乙です。
支援します!!
>>202 もうちょっとしてからでも良いと思う。
まとめサイトを作る事で、
>>32さんが「早く続きを書かなくては…」みたいな気持ちになってしまってもいけないし。
204 :
通常の名無しさんの3倍:2006/11/25(土) 19:04:00 ID:xJoNzn5u
いいねえ
32さん乙
保守なに
207 :
32:2006/12/01(金) 12:14:34 ID:???
25話前半。ホントはネタ書いて保守だけするつもりだったんだけど、結局書いちゃったw
25.鈴の音
相手がビームキャノンを持つ長距離戦に特化した機体なら、懐に飛び込むことさえできれば、ビームサーベルしか持たない〈ガンダム〉は逆に有利かもしれない。
それのみを勝機と考え、ロランは〈ガンダム〉のビームサーベルを背中から引き抜いた。
「機動性でも劣るかもしれないけれど……やるしかない!」
∀のものより古いタイプらしい、太いビームの刃が光った。
「ハン、やっぱりやろうってのかい? ロラン・セアック?」
メリーベルの〈とんがり帽子〉が、あざ笑うようにその細い眼を目一杯開かせ、また細い眼にもどった。
「やります! でも、戦いはしません!」
そう、自分と心の中のディアナに宣言し、ロランは気合いと共に〈ガンダム〉のスラスターを吹かせて前方にダッシュした。
「はぁぁぁぁっっ!!」
人でいえば走りのポーズで固定させたまま、背中のバックパックのスラスターからは全推力を吐き出さんばかりの出力で〈ガンダム〉は、翔ぶ。
「何っ!?」
メリーベルには驚く隙も与えず、ロランは〈ガンダム〉のビームサーベルを持った手首を高速回転させた。いつか∀でもそう使用したように。
そして、高速回転するビームサーベルを持つ手首は、それ自体が円い鋭利な刃と化して〈とんがり帽子〉の長大なビームキャノンを下方向から切り裂いた。
下からの切断による衝撃で、半ばで真っ二つに切れたキャノンは上に跳ね上がるが、地面への落着の暇など与えずにさらにそれを真っ二つに斬る。
その空中で二つになったビームキャノンの先端部を、さらに高速のビーム裁きで二つずつに。
合計四つの棒が、〈ガンダム〉と〈とんがり帽子〉の足元に転がった。
「……きっ、貴様っ……!」
一瞬、何が起こったのかわからない程の「曲芸」を見せ付けられ、悪態を吐(つ)く言葉も見つからないメリーベルは、使い物にならなくなったビームキャノンの残骸を投げ捨てて間合いを取る以外に取るべき行動が思いつかない。
「あ、あたしを怒らせたな!」
ようやく結実した言葉も、いかにも小悪党が言いそうなものでしかなかったが、そんな事にすら気づかないまま、〈とんがり帽子〉もビームサーベルを引き抜いたその瞬間。
かすかだが、鈴の音がどこからか聞こえてきた。
リリ……ン、リリ……
208 :
32:2006/12/01(金) 12:17:27 ID:???
後半。まとめサイトは作るかどうかは別として、もしやるんなら誤字脱字は直させてくれぇw
(鈴?)
弱々しいが、それはロランにも聞こえた。
たしかにメリーベルは鈴をアクセサリーでいつも身につけてはいるが、それとは違う、もっと高い音色であった。
「なんだ!? この鈴……あたしのじゃない?」
リーン……やめ……て、リー……もういい、だ、ろう……
「声? 女の人?」
ターンXが起動し、∀がそれに呼び合っているような共鳴がまた起きたのだとロランは思い至ったが、今度はそれに人の声が混じっているように聞こえるのが不可思議だった。
「ロラン・セアック! おまえが惑わせているのかっ!?」
「ち、違います、この鈴の音は、そちらから聞こえるんですよ」
さっきまでにらみ合っていた二体のMSが、今は戸惑い立ちすくんでいる。
リリ……もう、憎しみ合うのは、やめて……リリン
「やっぱり、女の人の声だ」
ディアナともソシエとも違う。キエルでもない。死んだテテスの声まで思い出そうとしたが、やっぱり違う質の声。
聞いた事がない他人の声だが、なぜか聞いたことがあるような気もしてくる。
「くっ、動かないっ」
メリーベルの〈とんがり帽子〉は、光の刃を出さない柄だけのビームサーベルを引き抜いた格好のまま、機能不全に陥っていた。
「どうしたんだ!?……くそっ」
シート横の非常用レバーを引き、メリーベルは〈とんがり帽子〉から脱出し、降伏する気などもちろん無いので、ワイヤーで地面に降り立ち、近寄って来た〈丸メガネ〉の手のひらに飛び乗る。
「撤退だ! 撤退する!」
出撃する前は基地を潰滅させる気でいたのが、たった一機のMSと遭遇しただけで撤退など屈辱の極みだが、〈とんがり帽子〉が使い物にならなくなってしまったのでは仕方がない。
数機でZボルジャーノンを包囲していた〈丸メガネ〉が、潮が引くように退いていった。
「ロラン……?」
〈とんがり帽子〉と共に、ロランの〈ガンダム〉も棒立ちのまま動かないのを不信がっていたソシエだが、〈ガンダム〉がZボルジャーノンの方を向いたので少し安心した。
「大丈夫です、お嬢さん」
無事を示すように、ロランは〈ガンダム〉のコックピットハッチを開いて、その身体を見せた。
「一体、なんだったんでしょうね、あれ」
「なにか鈴の音と……それから声が聞こえたわ」
黒歴史時代の兵器か何かでしょうか、と言いかけて、もし兵器ならば、誰が使用したというのだろうかという当然の疑問が湧いて出た。
メリーベルは自体の異変のおかげで撤退したのだから。
それに、この辺りには、ガリアのMSと遭遇する前と同じく、何の反応もない。
だとすれば、やっぱりあのMSが……?
ロランは荒野に乗り捨てられた〈とんがり帽子〉の不気味なシルエットを見つめていた。
楽しみに待ってた。
というかこのスレはもっと評価されていいはず。
悔やむべくは∀の試聴人口が少ないことか…
とにかく乙ッ!
保守して続き待ってるお
210 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/02(土) 03:25:57 ID:4cnK3brs
211 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/02(土) 05:15:08 ID:OsZWPDyl
最初から見てきた
職人さんGJってなわけで支援保守
「よしなに」って英語だとなんだろ…
★『よしな‐に』
[副]うまいぐあいになるように。よいように。
「―お伝えください」
「よしなに、よろしく」。
英語ださっw
保守
218 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/10(日) 13:29:58 ID:sQ/zAOVC
hosyu
219 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/10(日) 13:33:08 ID:5zgfbCQO
保志ゅ
220 :
32:2006/12/10(日) 16:57:45 ID:???
俺が見たことのある字幕では「get up yes」だった>よしなに
ディアナ初登場のシーンで、グエン達が頭を下げてたから「面を上げなさい」って程度の意味なのかなぁ?
というわけでおまたせしました26話前半。
26.グエンとの会見
イングレッサ領の飛び地となった『月の繭』近辺は、グエンの帰還以前からわずかずつだが人が住みつき始めていた。
∀とターンXが戦った頃は荒野だったのが、今ではナノマシンの影響によるものか、緑が地面を覆っていた。
中には作物を育て始めた者もいるらしく、数台の風車小屋まで建っている。
そののどかな風景の中に不釣合いな車輪のついた戦艦が一隻停泊していた。
それはグエンのガリア軍の新たな旗艦となった、新たに発掘された例の車輪付き戦艦・アドラステアであった。
「黄金の機械人形がこちらに向かっているだと?」
不審なMSがこちらに向かっているとの報告を受けたグエンは、しかし「黄金の機械人形」という言葉を聞き、すぐに思い至った。
「ハリー大尉? 地球に降りていたのか」
やがて黄金の機体は、ブリッジからでも目視できる距離にまで近づいて来ていた。
それは、スモーとはかけ離れたスリムなシルエットだったが、威風堂々と空を飛ぶ様は、間違いなく親衛隊長のハリー・オードの機体であろう。
やがてその黄金の機体から通信が入る。
「着艦許可を求める! こちらは、ミリシャ連合軍のハリー・オードである!」
ディアナカウンターではなくミリシャ連合軍を名乗ってはいるが、その機械人形の手に乗っているいるのは……。
「ディアナ・ソレル!? 女王まで地球に?」
こうなる事はある程度予想もしていたが、実際にこの目にするとやはり驚いてしまったのも事実である。
そしてその黄金の機械人形〈ヒャクシキ〉は、手のひらの人物を気遣うようにアドラステアの脇に降り立ち、艦の下部中央にあるMS格納庫へ歩いて入っていった。
「ついに女王自らのお出ましか。予想よりは少し早くはあるが」
その着艦の様子は、ブリッジのモニターからも確認できたが、グエンは、詳しい話は艦長室で行うと言い残し、ブリッジを後にした。
「さて……月はどのような反応を見せてくれるのかな」
221 :
32:2006/12/10(日) 16:58:53 ID:???
26話後半。支援保守のみなさま、ありがとです。
「グエン殿。ディアナ・ソレルです。お久しぶりであります」
女王の威厳を放ち、ディアナはグエンと面会した。
「これはこれは女王陛下。ご機嫌麗しいようで」
グエンは深々と頭を下げ挨拶する。
「よしなに」
服装こそ市井のものだが、その態度は月の女王と何ら変わるものではない。
「ディアナ様。しかしこの会見は、非公式のものと考えてよろしいな?」
グエンは用件を聞く前に、そのようなことを口にした。
「なぜでありましょう? 女王の言葉に変わるものなどありませんのに」
「しかし、護衛が一人のみとは、月の政府の意向とは思えませんので」
まず外堀から、それも相手の弱いところに付け込んで攻めてくるグエンに一瞬たじろいだが、ハリーがフォローに乗り出した。
「先ほどディアナ様が申し上げたように、女王の言葉に代わりはありません。たとえこの会見が非公式のものであっても」
「ハリー、慎みなさい」
「はっ」
ディアナの叱責に、ハリーは一歩引き下がる。
「しかしディアナ様、いつ地球へ降りられたのですか?」
相手に決定的なダメージは与えず、グエンは話題を変える。
「実は……」
ディアナが本当の事を言いそうになったのを察知したハリーが、一瞬顔を強張らせる。
「あのギンガナムとの戦いの後、地球に隠棲していたのです」
が、ディアナは下手な嘘は却って逆効果と考え、正直に今の状況を話す事にした。
「ほう。ならば、月の政府はどうなっているのです?」
「……今は、女王はキエルさんが……」
「では、今のあなたは女王ではないということになりますね」
「しかし、このアメリアに戦乱をもたらすのは良くない事だと考えるのは、女王でも私でも同じ考えです。その証拠に、ハリーが地球に降りてきてくれたのですから」
「あなたたちが月の使者であるとは認めましょう。しかし、あなたが替え玉を女王に立てて月の民衆を騙している事に変わりはない」
グエンが月の政府を恐れずにアメリアと開戦した理由は、まさにそこだった。
「予想はしていたが、まさか本当にそうしていたとはね。地球帰還作戦を進めていた女王ディアナならば、本人も地球で暮らしていると。だが、月には相変わらず女王がいる――ならば、あの女王はキエル嬢ではないか? 私はガリアで雌伏している間、ずっとそう思っていた」
「グエン・ラインフォード、私はそのような話をしにきたのではありませんよ」
だがグエンはディアナに構わず話続ける。
「以前と同じく、女王がキエル嬢である事を知る者は少ないはず。ならば、月のムーンレィスは何も知らされていない。民衆を欺くとは、まったく、酷い為政者だ」
「グエン! 口を慎め!」
堪らずにハリーが叫ぶ。
「私は本当の事を言っているまでだよ、ハリー大尉。それとも、話し合う前から交渉は決裂かな?」
グエンは余裕の表情を崩さない。
「それに話し合うのならば、私は大賛成だよ――もっとも、大尉もいざとなれば機械人形でなんとかなるとは考えない方がいい」
確かに、着艦した時に見たこの艦の搭載MSは数機程度だったが、このグエンの余裕はどこから来るのだろうか、とハリーは不審に思った。
「見たまえ、この『月の繭』の周りにも、人が住みはじめている」
グエンが急に話題を変え、艦長室の窓から外を指し示した。
ディアナとハリーも外を見る。が、それは、来た時と変わらぬ風景が広がっているのみである。
「それと同じように、次々と機械人形も発掘されていてね」
グエンの言葉が終わらないうちに、麦畑に点在している風車が立ち上がり、機械人形に変形していった。
「ここが隠れた軍事拠点になっている事は、実は教えたくなかったんだが、そちらの出方次第ではそうも言ってられないようなのでね」
胸に風車の羽根を回転させている機械人形が、アドラステアの周りに集結してきた。
「さて……用件を聞こうか、ディアナ・ソレル」
ちょwwwwwwwネーデルガンダムwwwwwwwwww
223 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/10(日) 22:31:14 ID:8PyjvN81
キターーーーーーーーーーーーーーーーー!!
支援します!!
これがネーデルガンダムの正しい運用方法かww
ともあれGJ!
この調子だと、
「遠くに馬が歩いてる→実はデッカイモビルモース」
「デッカイ釣鐘→実は(略)」
とか悪乗り可能だなw
うほ、おもろいな、うほ
227 :
32:2006/12/16(土) 11:19:50 ID:???
27話。ネーデルのMIA、見っけた時にスルーした俺のバカ。くそ〜あん時買っときゃ良かったw
27.ここで臨時ニュースです
準備が整ったので艦長室へ来るようにとの連絡をガリア兵から受け、フランたちNTB放送の撮影隊はアドラステアの艦長室へ向かった。
しかし、外は風車の機械人形がこの艦を取り囲んでいる。
ただのインタビュー番組の撮影だと思っていたが、これは世紀の大事件を撮る事になりそうだ。
フランの予感はそう告げ、急いで放送局に無線で連絡し、臨時ニュースを中継する事にした。
「いいから! こっちの映像を番組に割り込ませて!」
そしてカメラは、艦長室に入る前からその映像をアメリア全土に放映し始めていた。
『番組の途中ですが、ここで臨時ニュースをお伝えします』
艦長室のドアの前にフランが立ち、いかにも現場からの中継といった風の緊張した面持ちでカメラに向かう。
「なんだぁ? 一体」
ミリシャ基地の食堂でテレビを見ていたヤーニも、アメリア各地の街頭テレビに集まる人々も、NTB放送始まって以来の臨時ニュースに驚いた。
『私ども取材班は、ガリアより帰還した不死鳥ことグエン・サード・ラインフォード卿のインタビュー取材を行う予定でしたが……このラインフォード卿の所有する艦の周りが、なにやら慌しくなってきたようなのであります。
これはもしかしたら、ラインフォード卿による休戦協定の破約とも考えられます』
フランがそう伝えると、ミリシャ基地食堂や街頭テレビの周りではどよめきが走った。
『ではこれより、この旗艦の艦長室へ参ります』
艦長室のドアがフランによって開かれる。
そこで、フランとカメラの向こう側の人々は、信じられない人物を目の当たりにする。
ディアナ・ソレルがそこにいたのだ。
「あれ、月の女王様じゃないのか?」
「やっぱりグエンとつるんでやがったのか!?」
「しかし、いつ地球へ来られたのだ?」
「ユニバース! ディアナ様だ! ディアナ様がテレビに映っている!」
アメリアの人々は地球人、ムーンレィスを問わず困惑したが、一部のムーンレィスは思わぬ偶然に歓喜の叫びを上げるものまでいた。
『これは一体どういう事なのでしょうか……!?』
と、とりあえず驚いてみせたが、このままこの人物がディアナである事をアメリア全土に公表してしまって良いものなのかどうか。
ディアナとキエルが入れ替わっているのを知るフランは、一瞬困惑し、アナウンサーである事を忘れ、マイクを持ったまま黙ってしまっていた。
しかし、一時期キエルがグエンの秘書をしていた事を思い出したフランは、これはディアナによく似たグエンの秘書である事にしてこの場を取り繕うと一瞬で判断し、再び喋り出そうとした。
が、フランより先にディアナがカメラに向かい真実を話し始めたのである。
『アメリアの皆様。並びにサンベルトのムーンレィスの皆様。私は、ディアナ・ソレルです』
ディアナは、自分が間違いなく月の女王であると主張した。
「どういうこった!?」
「なんでディアナ様が?」
「ユニバース! ユニバース!!」
アメリア全土に、困惑の風が吹き抜けていく。
おぉGJ。続き頑張ってください。
229 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/17(日) 02:13:21 ID:GS5CPACU
GJGJ!!
支援ヴァーーーーーーーース!!
おもすれー展開だぁ!!!グッッジョォォォォヴゥ!!!!!
と、言いつつ何話まで続くんだろ?
もしや、50話まで・・・!
保守なにうむ投下
232 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 23:15:32 ID:s6tXr7S5
クリスマス保守
233 :
32:2006/12/26(火) 12:14:52 ID:???
28話。ていうか何話まで続くのかは、俺にもワカンネw
とりあえず今日で今年のうp納めかも。皆様よいお年を。
28.グエン最大の武器
風はないのに、胸部の風車は回転を続けている。
グエンの車輪旗艦・アドラステアの周りを取り囲む機械人形は風車小屋から手足の生えた、まるで冗談のような形をしているのだが、その姿が滑稽なだけにより一層の不気味さをはらんで見えた。
『私は今、ガリアより帰還したグエン殿がアメリアに戦乱をもたらさない為に、直接話し合いに来たのです』
テレビカメラが一個の人格であるかのように、ディアナは丁寧に今の状況をそのレンズに語りかける。
だがグエンには、いままで地球で穏やかに暮らしていた反動か、それとも元来女王であるために反射的にそうなってしまうのか、ディアナはカメラの向こう側の民衆を意識しすぎているようだ、と感じられた。
「――グエン殿。いたずらに機械人形を用いて乱を起こしても、ギンガナムのように自滅するだけなのは解りきっているのでしょう?」
ディアナはグエンに向き直り、そして艦長室の窓から風車型機械人形の群れのさらに向こう側にそびえる『月の繭』に目をやりながら語りかける。
「私がこの艦ごと、あの繭に取り込まれるのならばそれまでの男だと諦めもしましょう。だが、今こうして無事でいられるという事は、私は黒歴史によって生かされているのではないかとも思うのですよ」
グエンにはそういう所がある。
冷静に物事を積み重ねて用意周到に事を運んでいるのかと思えば、かつて月からウィルゲムで地球へ戻る際には「くじ運のようなものにも賭けてみたい」と、ミリシャ兵の一部のみを収容しウィルゲムを発進させる、といったような不安定な状況に身を置く。
まるで楽しんでいるかのように。
「貴様……!」
ハリーがいくら睨みつけても、赤いサングラスはその血走った目を隠すのみ。
「さて……この放送を見ているアメリアの諸君」
グエンが初めて、それまでその存在を意に介していなかったカメラに目を向けた。
「ここにいるのは、自らが語るように月の女王ディアナ・ソレルです。ならば、いま月にいる女王は、一体誰なのかという疑問が湧きませんか?」
グエンのアメリア帰還作戦の最大の武器。
それは、ガリアで発掘された機械人形などではなかった。
ディアナの真実である。
234 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/26(火) 20:25:27 ID:sb+rFoxN
と〜し〜を越せ、と〜し〜を〜越せ
ホワイトドールのご加護のもとにっ
>>233 ネタスレを良スレにしやがったw
月の繭に取り込まれ〜の長台詞はトミノ節っぽかった。
漏れには声が聞こえた、ジョナサンの声が。
僕はずっと…待ってた!
_..'y'二ニョ、.._}
,. ‐(フ´ \ _____
ry'´ 〇 _,...へ. /−∀−、 \
7'〇○〇Οー、 ''''''""´ _,..ィ'^', / | ・|・ | 、 \ . 1
ノ""'''''ノ 〇(}'''''""´´ | /. / / `-●−′ \ ヽ l |
|"""'''|─ 、 ─ 、レi |:| l. |/ ── | ── ヽ | ノ l
| { ・|・ | レi | | li |. ── | ── | レ' /
ゝ; l` - c`─ ′ レj | | |li | ── | ── ,. - ' /
ゝ,. `ーッ'___ ノ / イ | ヽ`'┴ー--「 ̄|l-‐‐ ''"´ ,ィ l
`'ー<. ー‐ 彡イ /ノ.| ヽ、_ |__.|| _,,.. イ /┘
. ◆`iュ、___.. イ彡◆/ N l━━(t)━━━━┥
,.へ、.._,,.... -‐j三回三ヨル'j∠..._|___,,,...へ.
おみくじのようなものに賭けてみたかったのさ。
・・・すいません。一度やってみたかっただけです。
ちなみに、あえて富野節っぽく意識して書いている部分もあります。
なので
>>237みたいに言われると、ちょっと嬉しいw
241 :
32:2007/01/05(金) 13:36:12 ID:???
まさか大吉が出るとは思わなかった。そして急展開。29話。
29.宇宙へ!
「かつて、私の秘書にディアナ女王とよく似た女性がおりました。その女性が今、女王として月の社会を統治しているかもしれないのです。ただの市井の女であるのにも関わらず」
グエンが続ける言葉に、ハリーは握った拳をわななかせるしかなかった。
いま飛び掛ってグエンを黙らせるのは容易だが、それをすればグエンの言を認めたも同然になってしまう。それになにより、この場を混乱させてしまえばディアナの身が危険である。
(やはり、単身乗り込んできたのは間違いであったのか……!?)
だが、ハリーが逡巡をよそに、グエンはいきなり話題を変えて思いもがけない提案をし始めた。
「――ところで皆さん。幸いこの艦には宇宙へ飛び出す事もできるようなので、これより私が月へ出向き、月の女王へ真偽を確かめに行ってもよいと思っているのだが、その為に協力してくれる者を私は募りたい」
「なんだとぉ!?」
『な……なにを言い出すんですか、いきなり!?』
「宇宙だって、宇宙だってよ!」
「月に行けるのか?」
テレビ中継を見ていたヤーニ達ミリシャ兵、その放送を送る側のフラン、そして多くのアメリア人。
グエンの唐突な言葉に驚かぬ者はいなかった。
「アメリアの諸君よ! 君たちは、ムーンレィスに月という高みから見下ろされたままで、悔しいとは思わないのか?」
民衆の蒙昧を自らが啓(ひら)かんとばかりに、グエンは両腕をさし伸ばし演説するように語りかける。
「私は、ガリアで、そしてこのアメリアで! 宇宙へと飛び立てる力を手に入れた! ならば地球代表として月に赴き、女王の真相を正し、その上で正式に月と国交を結びたい!」
まさにその場はグエンの独壇場であった。自らにかけられた戦争準備の疑いを晴らすどころか、いきなりアメリア――いや、地球の代表を名乗り、月との正式な国交まで持ちだしたのである。
「もーうっ、月との国交は私がやろうと思っておりましたのに」
テレビ中継を見ていたリリは先を越された不満を口にするが、その表情には若干の余裕も見られる。
「ま、私がまた月まで行く手間が省けただけのことですけどね」
そしてアメリア全土を混乱と驚きの渦に巻き込んだテレビ中継は続く。
『これは驚きました! いままで絶えて無かった、地球と月との正式な国交を結びたいという事です!』
フランは一人気丈にも実況を続ける。
「グエン殿……」
女王である自分が側にいるというのにまるで眼中にないように月政府との事を宣言したグエンに、ディアナも言葉が無かった。
が、すぐに平静を取り戻し、グエンの言に合わせる。
「分かりました。私も月へ参りましょう」
「ディアナ様!?」
「私が月で、女王としてイングレッサとの国交について話し合いましょう」
驚くハリーを手で静止し、あくまで冷静に対応するディアナに、しかしグエンはここで大きく出た。
「イングレッサだけではない。私は、地球代表として月へ行くのです」
グエン・サード・ラインフォードは、メディアの力を使い、半ば強引にアメリア全土に自らを地球の全人類代表であることを既成事実化させたのである。
「よろしいですな? ディアナ・ソレル?」
242 :
つ お年玉【アッガイ】:2007/01/05(金) 21:10:19 ID:x+7UQoki
なんとなく覗いてみたら一気に全話読んじゃった
>>32さん月光蝶GJ
挿絵描きたいくらいです
244 :
通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 01:44:26 ID:LcN2gsJe
>>243 作者さんがおkしてくれるなら、書いてみても良いんじゃね?
逆襲のグェン・・・。
国中の美少年の肛門を全て貫く話でしょうか?
最後は復活した大将に反撃を受け、
登場した男性キャラ全員で数珠繋ぎになってEND
246 :
32:2007/01/06(土) 13:01:13 ID:???
>>243 全然おkですよ。俺には画力がまったくないので、絵描ける人は尊敬しますです
32氏GJ!!
243氏の挿絵も拝見したい
適当なこと言ってすまんね
248 :
通常の名無しさんの3倍:2007/01/11(木) 00:09:40 ID:wMZKhZl2
保守。
俺も挿絵見てみたいです。
挿入する絵…
何でもない
250 :
243:2007/01/11(木) 22:29:26 ID:???
完成次第、晒したいと思います
こういうかたちで
>>32さんを支援できればなぁ、と
決して上手いほうではないので皆さんの御期待に添えるかわかりませんが
ソシエって意外と描くの難しい
しかも髪形変わってるし…
251 :
通常の名無しさんの3倍:2007/01/12(金) 00:52:16 ID:cyT9Se0Y
>>250 がんがれ!!
寒い季節ですから、あまり無理せず、のんびり描いて下さい。
よしなに。
良スレ発見。読み応え十分でした。これからもがんば!
そうか、最終回後だから、みんな大人になってたりするんだよな
今まで御曹司の顔ヒゲなし思い浮かべちゃってたよ
254 :
32:2007/01/16(火) 12:44:14 ID:???
30話。キリがいいのでプチ総集編。
2007年を生きるヒントが隠されているのかもしれない。
30.ノックスクロニクル号外
正暦234X年 X月X日 第000XXX号【号外】
【新生ノックス領主 宇宙行きを宣言】
ノックス領主に返り咲いた「不死鳥の領主」ことグエン・サード・ラインフォード閣下は、先日のテレビ生中継報道特別番組にて「私は地球代表として月のディアナ政権と正式な国交について話し合いたい」と宣言。
そして同時に共に月へ行く希望者も募った。
ラインフォード氏は非公式で地球に来ていたディアナ女王との間で会談をノックス・ミリシャの旗艦にて行っており、その会場に招かれていたNTB放送の取材に対して、その中継を通してでアメリア全土に呼びかけた。
これに対し、非公式会談に出席していたディアナ女王も「国交については改めて月にて話し合いたい」と承諾。会談の場は月へと移行される形となった。
ディアナ女王がいつ地球に来ていたのかは不明だが、女王はラインフォード氏が帰還して以来のアメリアの混乱状態について憂慮しており、その為にお忍びで月から来ていたと思われる。
また月へ行く希望者については、
1、健康なアメリア人であること
2、サンベルト領の帰化ムーンレィス人でも構わないこと
3、逮捕歴のないこと
4、機械人形の操縦技術の有無は問わないこと
などの条件をあげている。詳しくはノックス政庁までとのこと。
あのテレビ中継以来、ディアナとハリーは国賓として遇されていたが、それは形を変えれば人質と変わらない。
「完全に後手に回ってしまいましたな」
「構いません。私の思いが通じるのであれば、それは月でも地球でも変わりのないことです」
「月の『女王陛下』には、なんと申し上げてよいか……」
「すべては私の不備によるものです。月の政府もわかってくれる事でしょう」
「できれば、あなたを二度と宇宙に上げたくはなかった」
「あなたらしくもないですね。――あ、発進したようですね」
旗艦アドラステアの客室が微かに揺れ、この艦が『月の繭』より移動した事を知らせる。客室ともなれば、最も揺れの少ないブロックにあるのであろうが、その微震はディアナにはその心のように大きな揺れと体感させられるのだった。
【州連合代表代行ボルジャーノ氏は歓迎】
先日のラインフォード氏の宣言は、アメリア各州連合政府にも衝撃を与えた。
代表代行のリリ・ボルジャーノ氏は本誌の取材に対して「アメリア人として月との国交は歓迎すべき。私と共に一度月へ行ったことのあるラインフォード氏ならば何らかの結果が期待できる」と歓迎する様子を見せた。
連合政府としては以前から月との国交は検討していたものの、ラインフォード氏の帰還騒ぎにより凍結状態にあったらしい。
この度そのラインフォード氏自らが国交へ赴くということで「グエン殿により出来なかった事を、代わりにそのグエン殿がやってくれるとは(連合政府関係者)」との声も聞かれた。
また政府側も、このラインフォード氏の呼びかけに応じ、数名を国交交渉団に派遣したいとの由。こちらはミリシャからの選出が主となりそうだ。
「というわけで、もう一度月に行ってみる気はございません? ミハエル殿?」
「ご冗談を。私はもう宇宙はこりごりです」
あの地に足がついていないというあの感覚には、とうとう慣れる事はなかったのだなと、ミハエルはあの短いようで長かった宇宙の旅を思い起こす。もう、空を飛ぶ船に乗るのもたくさんだ。
「こ、今度は私も月旅行をしてみたいものでありますなぁ」
「あなたにはミリシャ再編の仕事が山のようにありますでしょう」
「そんなぁ……」
今度こそは我の出番と存在を誇示しかけたマリガンは、いつものようにリリの一言で大人しく引き下がった。
255 :
32:2007/01/16(火) 12:48:01 ID:???
30話後半。たまに自分も書いててヒゲなし御曹司を思い浮かべてることはあるw
【ミリシャの守護神・白いカプル返還さる】
ラインフォード氏とディアナ女王との非公式会談が行われている裏で、ルジャーナミリシャは先の「東海岸の会戦」にて劣勢だったミリシャ連合軍の士気を大いに高らしめた〈白いカプル〉を返還してもらう動きがあったことが×日、本誌の調べにより判った。
白カプルはホワイトドールを模したカラーリングで「東海岸の会戦」時にどこからともなく現れ、唯一機孤軍奮闘し「ホワイトドールの再来」とも一部で囁かれたエース級の機体。
しかし戦闘終了後にはミリシャ側に捕獲されていた模様で、ルジャーナ側としてはなんとしても返還して欲しいと要求していたようだ。
返還にはパイロットだったローラ・ローラ氏が赴いたが、ラインフォード氏がディアナ女王との会談中だったためノックスに駐留していたミリシャを通して行われた。
この返還交渉には、ローラ氏が交渉に赴く道中で捕獲したイングレッサ側の機械人形との交換という形となった。
「なんとか無事に返してもらえましたね、ソシエお嬢さん」
水中航行形態に丸く可変した白カプルを〈ガンダム〉背負わせ、ロランとソシエは帰途へついた。
その様は、白い機械人形が白い球を担ぐという、なんだか奇妙な形になっていた。
「でもあの〈とんがり帽子〉、返す必要はなかったんじゃない?」
ただ敵の兵器をその敵に返す不満以上の奇妙さをソシエは感じているのだが、それが何なのかははっきりと言い表す事が出来ない。
あの鈴の音を聞いているはずのロランは、その事自体を忘れようとしているのか、あの〈とんがり帽子〉の性能自体には触れようとしない。
(お嬢さんは不審に思ってらっしゃるけど……でも、起動チェックだってしたんだ。完全に停止していたんだし……)
修理されてまた使われるかもしれないが、今のグエンとディアナの間で争いが起きるような要素は無くなったのだし、グエンが月に行くとなれば、その間は攻撃など仕掛けられないはずである。
今のロランはそう思いこむしかなかった。
そして……。
(僕も、また月へ行かなくては)
ディアナがグエンの艦に乗ったまま月へ行き交渉するというのであれば、自分もまたそうするしかない。
張り詰めた思いがふと途切れ、ロランは何気なく横のモニターを見た。
そこに、夕日に照らされた〈ガンダム〉の長く大きい影が荒野に伸びていた。それは子を背負う母親のようなシルエットをしていたのが、ロランにはなんだか微笑ましく映る。
「機械人形だって、戦争の道具にするだけが使い道じゃないんだから……」
>>32 乙。ほんといいとこ突いてくるね
ほんと望む∀像だ。
実際はロランもソシエもこう上手くいかなそうではあるけど…そんなのは見たくない…
〉2007年を生きるヒントが隠されているのかもしれない。
このフレーズが凄い懐かしかったww
257 :
通常の名無しさんの3倍:2007/01/17(水) 01:10:53 ID:TkFYP8F1
キターーーーーーーーー
支援します!!
プチ総集編と言いつつ、うまいまとめ方しよる…。
ヤるな、アンタ。
hoshu
260 :
通常の名無しさんの3倍:2007/01/24(水) 02:46:18 ID:ZKzZv3eV
補修用ナノマシン投入
261 :
通常の名無しさんの3倍:2007/01/24(水) 07:27:22 ID:hHUawQKy
今来た。
グレィトヤーパン。
262 :
age:2007/01/24(水) 21:53:07 ID:tlfmlPJJ
続きが楽しみあげ
263 :
32:2007/01/27(土) 15:00:03 ID:???
31話前半です。
31.新たなるノックス
ノックスの象徴であるボストニア城の再建は、グエンが帰還して初めて手をつけた事業の一つである。
戦乱によって破壊の限りを尽くされたボストニア城だが、幸い土台の部分は残っていた。
グエンは再建の為には金に糸目をつけず、また、ナノマシン技術により城は以前と寸分違わぬ外見で異例の早さで再建は行われ、落成はこのたびの『グエン宣言』に合わせたかのようであった。
「見たまえ。あのボストニア城も以前の通りだ」
ガリアの機械人形軍、それを操る操縦者たち、宇宙へ飛び立てる艦、ビシニティ領とボストニア城、『月の繭』、ディアナの秘密、そして、地球全人類代表……。
今のグエンに手に入らないのは、まさにブラックプリンセス・ローラとターンタイプのMSのみであった。
「本当、かつて私たちがダンスパーティを開いた時と同じですわね」
ディアナは、本当にあの頃はまだ平和だったと、地球帰還作戦が始まった当初を想う。
それは、ミリシャとムーンレィスとの間だけではない。
己の心の中こそ平和そのもの――つまり、ダンスパーティごときで地球と月との関係が良好になると思いこんでいたのだ。
(私の認識が甘すぎたのは、わかっています……)
戯れにパーティを開き、戯れにキエルと入れ替わる。
久しぶりに地球に降り立ち、浮かれていなかったといえば嘘になるだろう。
(その為にも、私はこの地球で暮らしていく道を選んだのだから)
女王の役目はキエルと交代したのだ。そう、あのマニューピチの王のように。
その意味においては、デイアナ・ソレルは死んだのである。
「――ディアナ・ソレル?」
意識が己に向けられていないのを察したグエンが問い掛けるまで、ディアナは自分の世界に没入してしまっていた。
「すみません、考え事をしてしまっていて……」
「いえ、私もこのノックスには思うところは多いのですから。――多すぎるほどにね」
「あなたが生まれ育った地ですものね」
「ですが、これからはあなたが住む街でもありましょう?」
グエンは、もうあなたが月の女王ではないのだとしたら、と駒を進めるようにさりげなく付け加えるが、ディアナはそんなグエンの言葉を真摯に受けとめ、返す。
「あなたとの交渉、それが済むまでは私は月の女王でいさせてくださいませ」
ディアナは、この地球と月との国交交渉が女王としての最期の責務としたかった。
264 :
32:2007/01/27(土) 15:01:44 ID:???
後半。そういえば鯖移転した時はちょっとびっくりしたねw
ノックスの門をくぐるのは、アドラステアだけではなかった。
グエンの呼びかけに応じた月へ行こうとする者たちが、続々と集まって来ているのである。
中には自慢の赤いボルジャーノンで乗り込んできたヤーニのように機械人形を持参してくる者もおり、カプルの肩と頭に幌やコンテナをくくりつけ、どう見ても長旅を終えて参上したような者までいる。
「思ったより人が多く集まってるなぁ……」
ロランとソシエは、リリの命令で有無を言わさずこの「イングレッサ月使節団希望者」のミリシャ枠に組み込まれ、ノックスへ派遣されていた。
もちろんロランは〈ガンダム〉を、ソシエはZボルジャーノンを持参しての参加である。
例のルジャーナ州境の基地から荒野を歩きついで、二体はノックス入りをしたのだが、そこには予想を上回る量と種類の機械人形が集まっていた。
「やっぱり、グエン様のところでもガリアから連れてきた機械人形じゃ足りないんでしょうね」
ソシエも辺りを見回して言う。
確かに「乗りなれた機械人形があれば、それを持参して参加のこと」と募集要項には明記されていたのだが、これでは全アメリアから腕自慢の機械人形乗りを集めるようではないか。
「まさか……」
月にはMS同士の格闘娯楽もあるにはあるのだが、まさかグエンはそれに似たような事をやらせようとしているのではないか。
それも、この機械人形発掘ラッシュ以降、アメリア全土どころか海の向こうの国々まで増えに増えた機械人形乗りを集めているのだ。
自然とその中から選考すれば、地球最強の機械人形乗りという事になってしまう。
「あの人は、一体何を考えているんだっ!」
ロランに怒りよりもむしろ呆れの感情が溢れ出た。
ガンダムファイトならぬMSファイトキタコレ
そうだとしたらかなりの燃え萌え展開だな
wktk
ジュアッグとかアッグガイとか活躍するかな?wktk
268 :
32:2007/01/28(日) 01:08:19 ID:???
×ビシニティ領
○イングレッサ領
ですね。いつも誤字スイマセンなぁ
どうもアメリアの地名は覚えづらい。
269 :
通常の名無しさんの3倍:2007/01/28(日) 01:55:28 ID:uql23XmQ
支援しまつ!!
面白いけど、さらに面白くなってまいりました!
便乗ごめんなさい。
御曹司「皆さん、月へ行きたいですかーッ!!」
選手「おおーッ!!」
フラン「最早、当初の目的を大きく外れて、一大イベントと化しつつあります、
月使節団選考会ですが、各領を代表する機械人形が出ると聞いては、
誰が最強か、という事に人々が興味を持つのは仕方無いかもしれません。」
ヤコップ「はーい!オッズは今これだよ!手堅く本命に賭けるもよし!
大穴にでっかく賭けるもよしだよー!!」
ブルーノ「選考会の観覧席のチケットあるよー!早い者勝ちだよー!」
フラン「……えーと、皆さんダフ屋やノミ屋の類には気をつけて下さいね。
では候補の一部を紹介致しましょう!」
・イングレッサの誇るホワイトドールとよく似た機体が大量に発掘された、
通称“エリゾナ・ホワイト(ジム)”の中で、領主のお嬢様の専用機(陸戦用ガンダム)
・お嬢様の心配性の付き人が乗るエリゾナ唯一の黒い機体、ずんぐりした姿から、
黒猪の異名を持つ通称“エリゾナ・ブラック(ドム)”
・サンベルトで発掘された、鶏冠が特徴の通称“サンベルトの闘鶏(ゲルググ)”!!
・フロリャからは、骨董好きの領主が一念発起してようやく一体だけ掘り出した、
通称“フロリャ・ナイト(ギャン)”領主曰く「あれはいいものだ!」とのことです!
・メジコ領は、領の傭兵部隊が発見し、所有する“メジコ・ブルー(グフ)”
「この風、この匂い、選考会というより戦場よ!」
…他にも足の無い“ジャイアント・クロー(ビグロ)”や、
“イエローデビル(ザクレロ)”は空を飛べず断念するとの事です。」
273 :
32:2007/01/29(月) 11:32:07 ID:???
274 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 11:06:58 ID:M8EZp3MY
ほす
275 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 19:28:08 ID:RGPvfaYG
支援用MS投入。
という夢を見た
御曹司は、大陸内外から集まった機械人形の大群を見て満足の笑みを浮かべた。
自分の影響力が未だ健在である事が確認出来たのだ。
“私は今一度、世界に挑む事が出来る”内心の不安は確信変わった。
しかし側にいるディアナは、その野心に燃える御曹司を見て、
逆に不安を募らせる一方だった。
ディアナの不安を他所に、御曹司はミハエル大佐から渡されたリストを見ながら、
一つ一つ候補者を確認してゆく。そこで気になるものを見た。
「サンベルト自治組合?…聞いた事無いな。大佐。」
月と地球の抗争の最中、置き去りにされたサンベルト地帯は空白状態となっていた。
そこで彼方此方の領や勢力が肥沃な穀倉地帯を独占しようとした時、
機械人形を擁した謎の一団がサンベルトの中立を固守したのだ。
以降彼らはサンベルト自治組合を勝手に名乗り、土地の警護に当たった。
そして「サンベルトの闘鶏」とは組合のエース機の仇名である。
折りも折り−サンベルト自治組合の組合長と闘鶏の操縦者が挨拶したいという。
「フン。田舎者共が、自分達の組織を公に認めてもらいたいんでしょうな。」
大佐の嫌味を聞き流しながら、御曹司は面会を許可した。
豪華な執務室に、手拭を頭に巻いた田舎者達がオズオズと入ってきた。
御曹司が挨拶をしようとすると、田舎者達はそれを無視してディアナに近づいた。
「無礼だぞ!」と大佐と護衛の兵が詰寄ると、田舎者達は即座に大佐達を、
叩きのめし、銃を奪った。
「ふがいない!大体ボディーチェックだけで安心というのが甘すぎる!」
闘鶏の操縦者は言い捨てた。
「貴方達は…」ディアナが問うと、
組合長は、手拭を取って月式の礼をした。
「DCのデラーズとガトーであります!ご無礼ながら女王陛下にお願いがございます!」
「何か?」女王に戻ったディアナが問い返す。
「今一度、サンベルト共和国の樹立を正式に宣言して頂きたいのでございます!
やはりフィルのような小物では人はついてゆきません!陛下御自ら宣言されれば、
スペースノイドは一致団結して国を作りましょう!」
ディアナは絶句した。
「サンベルトはスペースノイドの約束の地である!」
サンベルト自治組合とはDCの強硬派が作り上げた組織だった。
力を蓄え、機を狙った彼らは選考会でサンベルト共和国の樹立宣言を、
ディアナ様に迫った。
そして、彼らは僕らからMSを奪った。
誰も助けにいけない。そう思った時ソシエお嬢さんが動いた。
城に飾ってあったコレンさんの愛機「赤プル子」と共に…
次回ターンエーガンダム「建国のボディブロー」
風の方向は定まらない。
…全部嘘です。
279 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 07:55:07 ID:6+6uYjcI
こらこらw
やべぇ、普通に面白かった。
もっと早くこのスレを知っていれば・・・
281 :
32:2007/02/06(火) 12:16:57 ID:???
>>277 上の5行は俺が書くよりも簡潔にあらすじをまとめてて、まさに「私以上に私の心を語って」くれてますw
ちなみに俺設定では、サンベルトはドサクサにまぎれてムーンレィスたちの州になってるって事にしてる。
というわけで32話。ここらで新キャラ投入。
32.獅子の仮面
でも、今のノックスにいるとビシニティの宵越しの祭りを思い出すな、とロランは思った。
あの時も、年頃の男や女たちが一生に一度の晴れ舞台から人生という限りなき旅路へと踏み出していったのだ。
今のノックスのこの活気は、そんな祭りの雰囲気を思い起こさせる。
「そういう意味では、グエン様はわかってらっしゃる」
ロランは〈ガンダム〉のコクピットの中で、人知れず微笑した。
の、だが。
「ローラーンー!」
最大倍率でソシエがモニターに割り込んでくる。
「なにニヤけてんのよ!」
「す、すみませんお嬢様」
もうソシエお嬢さんに怒鳴られると謝るのは習慣になっているな、と思いながらも、
「でも、なんだか思いだすじゃないですか、宵越しの祭りを」
とロランはソシエにもその思い出を分け与えようとする。
「宵越しの祭り……」
ソシエは、ああそんな事もあったわね、といった表情をした。
「……? 懐かしくないんですか?」
「懐かしいけどさ。そりゃあ……」
ロランとソシエがホワイトドールと初めて邂逅した日。
そしてそれは、ソシエの父を喪うきっかけとなった、あの出来事。
ディアナカウンターやギンガナム艦隊と戦っている時でも、そしてあの東海岸の上陸戦でも、空を引き裂くビームの光はソシエの心の片隅にホワイトドールの放ったあの光を思い起こさせていた。
「だって……なんかとっても昔の事みたいだったからさ……」
ソシエの声色が低くなる。
――そういえば、なんだかいろいろありすぎて、ロランと再会してからそんな昔の思い出話とかも話してないな。
なんであたしここでこんな事してるんだろう、と、少々不安になる。
「また機械人形に乗っちゃってさ」
最期のつぶやきは、ロランには聞こえないように小さくなっていた。
「おい……あいつ……」
「あんまりジロジロ見るなよ……」
「でもさぁ……」
各地から集まった命知らずの月使節団希望者でもさすがに異様に映るのだろう。
すぐに他郷の者とも打ち解けられる気さくなアメリア人であっても、誰一人「その男」の周りには寄りつこうとしなかった。
相当鍛え上げられた体躯を持つその男は、腕を組み一人壁にもたれかかっていた。
「なんの真似なんだろうねぇ」
「よせよ。聞こえるぞ」
こういう場合なら気の荒い奴が近づいて腕試しでも申し込むものなのだが、その男の異様な風体を見てしまえば、陰口を聞こえよがしに捨て去るしかない。
その男は、獅子を形取ったヘルメットに、顔は口の部分のみを露出した仮面を被っているのだ。
「仮装パーティと勘違いしてんじゃねぇのか」
「あんな格好してるんだ。サンベルトのムーンレィスなんだろ。目立とうとしやがって」
それでも、中には場の雰囲気なぞお構い無しな人間もいる。
そんなどこにでもいる一人が、男に名を尋ねた。
「あんた、どこから来たんだ? 名前は?」
「それは言えねぇ……だが名前ぐらいは名乗ってやる」
初めて口を開いたその男の声に、周囲が一斉に意識を向ける。
「……レオンだ」
獅子だ、というその答えを聞いて、やっぱ目立ちたがりか、といった失望と安堵と嘲笑がその場に拡がっていき、以後その男に注意を向ける者は誰一人としていなくなった。
だが周りから人が退いていった後も、その男は微動だにせず、ずっと腕を組み壁にもたれかかったままだった。
まさかコレン軍曹か!?
283 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 14:51:35 ID:0xTVPvh+
実は生きていたゼノアとか
284 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 01:10:04 ID:GwYIqWZb
>>277 でガトー出てきたとき思わずキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━
と思ってしまったw思わず続きを見たくなった。
>>281 無理せず頑張って下さい。楽しく見てますよ!
つC
ほっしゅ
ほしゅ
おほしゅほしゅ
たまには上げてみませんか?
期待
292 :
32:2007/02/23(金) 13:21:32 ID:???
すんません33話です。
しかしガンダム無双、ロランシナリオもあんのね。ロランが∀で惑星の調査してんのが、らしくていいなぁw
33.ハリーの脱出
『月の繭』に近づくにつれて緑が次第に減っていき、あとは草木もまばらな荒野となっていくのは、環境再生のナノマシンが何らかの変調を来たしているからであろうか。
黄金の機械人形が、その景色の中を疾駆している。
そしてハリーはただ己を悔やむばかりである。
「ハリー?」
ハリーもディアナ同様グエンにより賓客の待遇を受け、アドラステアに一室を与えられていたのだが、彼はノックスに到着すると同時にこの艦からの脱出を画策し始めた。
密かに脱出を打ち明けられ、なんとか思い留まらせようとディアナはハリーの部屋を訪れたのだが、その決心は揺らぐ事はなかった。
「申し訳ありません。しかし、今私にできる事はしておきたいのです」
「これ以上、何を望むというのですか」
「グエン卿はまだ何か企んでいるのは明白です。それを確かめねばなりません」
「何か企んでいたとしても」
今は月側が下手に動く必要はありません、とディアナは言う。
しかし、ハリーにしてみれば事が起こってからでは遅すぎる。
ガリア軍も鳴りをひそめ、グエン自身も月との交渉に重きを置いている今は会戦の危険はないのだが、ハリーの勘は何かを告げようとしている。
「それでも行くというのですか?」
何かを訴えようとしているディアナの目をみてしまうと、アドラステアからの脱出をためらってしまうだろうと、ハリーは赤いサングラスの中の目をそむけた。
「あまり私を困らせないでください」
そう言うのが精一杯だった。今はディアナの顔を直視できない。
「あなたの心には、キエルさんだけしかいないのですね」
そんな事はない、と反論しようとして、ハリーはディアナに向き直ってしまった。
「ああ、やっとこちらを向いてくれました」
そのディアナの顔は、心底嬉しそうだった。
だが……。
そのディアナの笑顔を振り切って、あの艦を後にしてしまったのだ。
キエルはキエル、ディアナはディアナだと言いたかったのだが……。
「……この騒動のすべては『月の繭』にある」
グエンがそれを放置したまま月へ行くのは、どうにも解せない。
もしかしたら、この今のノックスの状況も――それ自体はグエンの計画の一環には違いないが――果たして単純に地球のMSパイロットを集めるのが目的なのだろうか?
軍隊を組織するだけならば、ガリアから率いてきた私兵だけで事足りる。
「グエンめ、一体なにを企んでいる……?」
ハリーの〈ヒャクシキ〉が、金の風となってアメリアの荒野を駈けた。
ktkr グッジョブジョン
294 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/23(金) 22:44:55 ID:CaRsdL5Y
支援しまつ!!
ほっしゅ
よしなに保守
ほっしゅ
298 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/03(土) 15:18:48 ID:AoDXKZTO
まさか板の下のほうから落ちるとでも思ってるの?
書き込み日時の古い順だぞ
>>298 そういや、昔は上げないと保守にならないと思い込んでる人が多かったなぁ。
久しぶりに見たよ。
知らなかった。。。
■倉庫移動
どの板も、使われてないスレッドを定期的に過去ログ倉庫へ移動しています。
削除されたわけではありません。
倉庫移動の際は書き込み順で残るので、仮にスレッド一覧の下の方にあっても
sageで書き込んでいれば、書き込んだ時間が新しい程残ります。
最新の倉庫は、掲示板のURLの「index.html」を「kako/」に変更すると
探せるようになっています。(スレッド一覧の末尾にも倉庫へのリンクがあります)
302 :
32:2007/03/06(火) 14:31:26 ID:???
34話。ageも保守も、何よりみなさまの書き込みがありがたいです。
PS3買う金もねーんで、最近はPSPのGジェネで∀分を補給しております。
34.奇妙な護衛者
「ハリー殿がこの艦を出られたと?」
しかしグエンの驚きはさほどではなかった。彼には、この程度の事は容易に予想できた。
ディアナを残していったのは少々意外だった。が、ハリーにしてみれば、ディアナ並びに月の政府(つまり、キエルである)をこの時期に危険と不利な状況に置きたくないだろうから、単独での脱出は当然であろうか。
「どうせ出るなら、一言いい残してくれれば、歓迎して送り出したのですがね」
余裕は冗談となって口に出る。
「このことは、月の総意ではありません。あくまでハリーの独断だと、私には言い残しておりました」
「解っていますよ。彼は以前からそういう男でした」
ここでグエンは「窮している敵は追い込むな」という交渉術の基本に則り、話題を変えた。
「ところで、わがアメリアにも、ディアナカウンターレベルの軍隊は欲しいのです」
「なにをおっしゃいます?」
「ハリー大尉の事でもあるんですよ。彼には、いずれアメリア政府に出向なりしていただき、機械人形の指導官にでもなってもらいたかった」
「彼は親衛隊なのですよ」
「わかっています。だからこそなのです。アメリア合衆国軍にも、ディアナカウンター親衛隊並みの強さは欲しい」
「……それで、どこへ攻め込むつもりなのです?」
「侵略などしませんよ。自衛の為です」
しかしディアナには、そのグエンの言葉を真っ直ぐ受け止めることが、どこか出来ないでいた。
「やれやれ……信じてもらえないようですね」
今更『自衛』などという言葉を用いた所で、ディアナに信じてもらえるとも思ってはいないグエンである。
「なら、行動で示した方が早そうですな」
と言い、グエンはディアナをブリッジへと案内した。
ハリーの〈ヒャクシキ〉は『月の繭』の近くまで接近していた。
アドラステアがノックスへと向かった後も、依然として『月の繭』周辺にはわずかな建物と、そしてあの不気味な風車型機械人形が立ち並んでいた。
「まさかこんなものがグエンの主力ではないのだろうが……」
冗談のように頭部は屋根のように尖っている機械人形は、風向きに関わらずこれまた冗談のような大きな風車を回転させている。
そしてその風車たちは〈ヒャクシキ〉に気づくと、侵入者を阻止するかの如く立ちはだかった。
〈ヒャクシキ〉に最も近い位置にいた四体が壁を作るかのように並び、無言で風車を回している。
「やれやれ。近づけさせないつもりか――ならばっ!」
ハリーは〈ヒャクシキ〉のバーニアをフルに吹かし、大きく飛び上がり、前方の四体の後方へ着地した。
そして、機体を反転させ、オールレンジの無線で風車たちに言い放つ。
「私は、ディアナカウンター親衛隊のハリーだ。『月の繭』を調べに来ただけだ!」
その言葉聞いているのか、四体がゆっくりと振り返る。
「危害を加えるつもりはない。この周辺のナノマシンを……!?」
しかし言い終わる前に、向こうが行動を起こした。
四体はその冗談のような胸の風車を取り外し、武器のように振り上げ、こちらへ投げつけてきたのである。
投げつけられた風車が、四個の旋風となって〈ヒャクシキ〉に襲い掛かってきた。
ちょwwwwwwwwww
ネーデルタイフーンじゃないんですね。
ボルジャーノンがザクじゃないのと同様、見た目はネーデルガンダムでも中身は別物か。
そもそもネーデルガンダムなのかどうか。
ムットゥーやズサンみたいな感じかも。
ちょw風車じゃなくてトライブレードだったのかよ!
いわゆる保守とか言うやつ
人が安心して保守れるためにはー!!
保守たいふーん
そして保守
ほしゅ
312 :
32:2007/03/22(木) 03:52:41 ID:???
巻きますか?巻きませんか?35話です。
(ちなみにローゼンメイデンはよくわからん)
35.アメリアに必要な風車
だが、その程度の攻撃など、ハリーにはものの数ではなかった。
〈ヒャクシキ〉を愛機のゴールドスモーの如く軽やかに操縦してみせるのは、その黄金の機体色が気に入ったというばかりではない。
やはり黒歴史時代の機体でも、このMSはかなりの高性能だったのだろう。ハリーはそんな手応えをこのMSに感じながら、警告を続けた。
「もう一度言う。私は、この周辺のナノマシンの調査に来ただけなのだ!」
しかし依然として、風車型の機械人形からは何の返答もない。
「いくら風車のような外見とはいえ、パイロットは搭乗しているのだろうが……いや、あるいは無人機なのか……?」
その可能性は高いのかも知れない。グエンのガリア軍とて、パイロットが豊富ではあるまい。
しかし有人だろうと無人だろうと、とりあえず戦闘の意思が無い事を示すため、ハリーは〈ヒャクシキ〉のビームライフルを地面に放り投げた。
「これで戦闘の意思が無い事を解ってもらえればな」
そのハリーの行為に反応を示したのは、目の前の機械人形ではなく、遥か遠くノックスのグエンだった。
『ハリー大尉、即刻戦闘行為を止めたまえ』
「グエン・ラインフォードかっ!」
『レーザー通信の準備に手間取ってしまってね――そんな事より、騒ぎを起こすのはここにいるデイアナ様も望んではいない。ノックスへ戻ってくるんだ』
〈ヒャクシキ〉の全天モニターの一角に突如現れたグエンからの通信ウィンドウがそう告げ、今度はその隣にディアナを映したウィンドウが開いた。
『ハリー。今は自重してください』
「ディアナ様まで!?」
『とにかく今は、グエン殿と私の思いは一緒です。すぐに引き返してきてください』
「グエン殿がなぜこの『月の繭』にこだわるのか説明して頂ければ、すぐにでも帰還いたしましょう……しかし、この機械人形の群れは一体何なのだ?」
ハリーのその言葉の最後はグエンに向けられた。
『やれやれ……本来その風車は戦闘用ではない事は解っているはずだが――』
あのような奇抜な攻撃を仕掛けさせておいて、よく言う、とハリーは少々腹立たしくなった。
『しかし、これからのアメリアには必要な機能を与えているのだよ』
「風車ならば、麦を引いておればよいのだ!」
その『アメリアに必要な機能』という言葉に本能的な危機を感じ取り、ハリーは〈ヒャクシキ〉に残された武装であるリアアーマーのビームサーベルに手を伸ばした。
『――そうじゃないよ。……まあいい。予定より少し早いが、始めるとしようか』
「一体何を……?」
と怪訝に思い、グエンの通信ウィンドウから外の様子へ目を転じたハリーだが、そこで彼は思わぬ物を目にしたのである。
投げ捨てた〈ヒャクシキ〉のビームライフルが、ナノマシンに侵食され溶けかかっていたのだ。
313 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/22(木) 04:22:01 ID:89QIodgc
キターーーーーーーーーーーー!!
こちらのヒャクシキはワンハンドレッドで
片手だけ赤そうなイメージですね
ほ
わ
っ
つ
ま
321 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/30(金) 23:27:41 ID:alrtCurr
こがれい
ちょw保守でも笑わせんなwwww
しかしこのスレの空気はいいな。
SS氏もセンスあるし。
まぁまったり次の話待ってますよ
そして他にどんなMSか出るかwktkしときますよw
323 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/31(土) 22:57:53 ID:8g03CMoY
ターンBか
プトターンエーか
量産型ターンエーの
画像のありかしりませんか?
ユ
ニ
バ
327 :
通常の名無しさんの3倍:2007/04/06(金) 00:25:27 ID:dqRWiInB
ックドロップ
幾百、幾万、幾億の保守よ〜♪
>>327 ユニバァースッ!!
まぁのんびり待ちましょ
330 :
32:2007/04/07(土) 10:04:28 ID:???
あんまり楽しそうに保守してるんで、出るタイミングを失ったじゃないかw
というわけであの歌をBGMに36話。
ちなみに
>>323よ、6月にあきまんの∀漫画が出るらしいんで、それ読め。
プロト∀は放送当時の電撃ホビーマガジンに乗ってた気がする。
36.月の魂よ
(やはりこの辺りのナノマシンが暴走しているのか……?)
この辺りは確かロストマウンテンとも呼ばれていたはずだが、ロストマウンテンと言っても常にナノマシンが暴走状態にあるわけではない。
やはり、∀とターンXが戦った折に両機から出た繭がなにか影響しているのだろうか。
ハリーの疑念をよそに、風車型の機械人形たちが、グエンの命令を受けて『月の繭』を取り囲むように集まった。
『その風車たちは、こちらからの遠隔操作で動いている。人を乗せた機械人形に長時間乗りつづけていれば、みな溶かされてしまうのでね』
やはりそうか。ハリーは想像以上に恐るべき事態がこの『月の繭』周辺に起こっているのを確信した。
『ハリー大尉も早く立ち退いたほうがいい。どうやらその辺のナノマシンは、戦闘の意思を持つ者を侵食してしまうように変化してしまったらしい』
だから風車や車輪のついた戦艦と、冗談のような兵器ばかり集めていのかとハリーは思い至った。
そしてグエンのその言葉を聞きながら先ほどのビームライフルに目を転じると、それはもう原型をとどめていないほどに溶かされていた。
「貴様、何を企んでいる……?」
さすがに長くここに留まるのは危険だと判断したハリーは、〈ヒャクシキ〉をホバリングさせてその場から離れる。
『私が思っているのは、以前と変わらずアメリアの発展だよ』
と言い、グエンは後を振り返り、支持を出した。
『始めたまえ!』
月の魂よ
グエンの合図を受け、風車型機械人形の胸の風車が回り始めた。
月の魂よ 宿れ 宿れ 宿れ
七色の光を放ち、風車から『月の繭』に向けてナノマシンらしきものが放出される。
我らが魂と 宿れ 宿れ 宿れ
放出されたナノマシンは、次第に『月の繭』を覆っていく。
宿れ 宿れ 宿れ
「グエン! 何をしている!?」
宿れ 宿れ 宿れ
『私はとうとう、∀とターンXという、ふたつのターンタイプを甦らせる術を見つけたのだ!』
アーハッハ アーハッハ 月の魂よ
風車から放たれた七色のナノマシンは、とうとう『月の繭』を覆い尽くした。
『これで、∀とターンXは甦る!』
アラハマン山脈の南。
山師からもロストマウンテンとして恐れられ、誰も近づかなかった荒野の中に、あの戦いの後に不自然な緑の大地が出現した。
次第に人があつまり、作物さえ育ち始めた。
そして、その中央に鎮座する『月の繭』。
それが今、不気味な七色の光を放っている。
GJ!
盛り上がってきましたね〜続きが楽しみ
何この鳥肌もんの進行w
GJということかw
そしてあきまん漫画も遂に出せるようになったのね。
見たことなかったからそっちもワクワクですよ
333 :
通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 20:17:19 ID:jPHRGBlL
>>330 >というわけであの歌をBGMに
ああ、晴れてハレルヤね。
保守
GJです!!
ほしゅ
ほしょ
法主
なんかちゃんと発展とか復興とか考えてるのかなあ、このグエンさまは。
どうも本心が読めんぜ。全てがローラを我が物にするための布石だったりしないだろうな。
アニメ、小説2つ、漫画2つ、と作品によってグエンの性格が微妙に違うから、キャラの思考がつかみにくい。
マガジンZ版のグエンさまは妙にかっこよかったし。
ロランとの決別のシーンとか。
「グエン様、敵です!アグリッパの艦隊が消し飛んで……。」
「違うよローラ、私がやったんだ。」
「……敵です!警戒しないと……。」
「わかっているはずだよローラ、あれは私が撃ったんだ」
「……わかりません!こんなの……わかるはずありませんよ!」
「たった一発で艦隊を消し飛ばしてしまう爆弾……。
このような力に恐れをなした人類は文明の全てを黒歴史として封印したという。
無理も無い話だ。
その末に、先人達がついに成しえたこの平穏な世界。
確かに尊いものなのかもしれない。
だがね。
私はやはりこうも思うんだ。
進歩をやめたその瞬間に、種としての人類はその価値を失くしてしまうのではないか……?
私にはこの地球が巨大な墓標に見えてならない……。」
「……」
「ローラ。
私は人の可能性を求めている。
どこまで高く?どこまで速く? どこまで遠く? 私はそれを見届けたい。
(この台詞のバックにはイングレッサでの進歩の象徴なのか、飛行機が大空を飛んで行くイメージのコマが入る)
我ながら呆れているよ。
まさか自分がこんなにも単純な男だったとはね。」
まあどの作品でもグエン様は基本かっこいいけどな
ネ申キターー
毎度乙です。
ありがたく読ませていただきました。
たしかに「黒歴史の良いところを学ぶ」ってのは間違っては無かったんだろうが
良いところだけ学ぶなんて都合の良いことは無理そうなんだよなぁ
そもそも同盟者がギンガナムで下についてるのがミリシャだからな・・・
しかしギンガナムと結びついてその後どうするつもりだったんだろう?
ギンガナムは戦争したい人なんだから、当然、対地球強硬派だし。
進歩さえすれば自分や自分の領地がどうなってもかまわなかったのかなぁ。
それとも、ギンガナムが月の実権を握って地上を武力征服した後に、
月に委任統治を受けるアメリア大陸で現地指導者にでもしてもらって
改革を進めていくつもりだったんだろうか
343 :
32:2007/04/21(土) 09:57:22 ID:???
実はガンダムシリーズで燃えや萌え抜きで一番好きなキャラがグエンだったりする。
…っていうとモーホー呼ばわりされるんで普段は黙ってますがw
ギンガナムと組んだのは、たぶんギンガナムさえも使ってみせよう、という気概もあったにはあったんでしょうな。
そういう見通しの甘いのが彼の限界なのだが。ノックス崩壊で馬買おうとした時(相場の5倍も出しゃ売ってくれんだろ)みたいな。
ちなみに、今はDVDのある巻(言うと展開がバレるので秘す)を見返すので続きはもうちょっと待ってくだせぇ。
最終回はコレ書き始めてから、劇場版を含め三回ぐらい見てんだけども。
どうでもいいがターンしてもいいアルファベットはX以外では
H、I、N、O、Sだから、このターンタイプはあったと考えられるな。
あろMとWもいれていいか?
345 :
通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 23:48:55 ID:P0Idug+X
>>344 ターンHガソダム…なんかエロいなwww
まぁ、ネーミングとしては、こんなところが妥当じゃね?
H→ハリケーンガソダム
I→インフィニティ・ガソダムZ−0
N→ネオ・トライダガソダム乙MC
S→シャイニングスコーピオガソダム
Oだけ思いつかなかった…。
オガンダム
348 :
通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 01:45:52 ID:UQuD4sN4
>>347 Hを見た時、何故かハリケーンソニックを連想した。
大きいガンダム
>>350 リアルタイムでこれ知ってる奴は30代以上……
>>342 技術手に入れて∀量産とか出来ちまえばどうとでもなるってとこなんじゃない?
見通しが甘いのは同意。
というか、どこか自分の運の強さを試してる節ない?御曹司は。
>>32 アッー!!
まぁなんだ、雑談も嫌いじゃないんだぜ?
353 :
32:2007/04/29(日) 01:32:00 ID:???
お、俺はバカラスなんて知らないからな? というわけで37話。
あとアッーはやめれw
37.天より来るもの
ノックスの広場には、使節団に希望する者たちが急遽集められた。
ターンタイプを甦らせる計画が予定より早まってしまったため、本来なら使節団の選考後に知らしめるはずだったのだが、こうなれば広く一般にも知らしめる方が良いとグエンは判断したのだ。
広場にグエンのイングレッサ・ミリシャの親衛隊ともいえる〈丸メガネ〉が数体現れ、希望者たちは騒然とした。
「とうとう始まるのか?」
「あいつには苦い思いをさせられたからなぁ」
ある者は宇宙への扉が開かれるのかと緊張し、ある者は東海岸での戦闘を思いだすのだが、〈丸メガネ〉はそんな騒ぎをよそに背中からビーム状の旗印を展開した。
「おおっ! なんか出したぞ?」
展開されたビームフラッグは隣の機体のものと繋がり〈丸メガネ〉小隊の上方に大きなビームの幕が出現した。
『ノックスに集まってくれた諸君、私がグエン・サード・ラインフォードである』
巨大ビームフラッグは巨大モニターとなり、そこにグエンの顔が映し出される。
『さて、今は時間が無いので急な話なのだが、私がこのアメリアでやろうとしている事の一つを諸君らにも知って頂きたいので、こういう形での無礼を失礼させていただきたい』
そして画面は『月の繭』を映し出す。
『かつて地球の文明を黒歴史へと封印した∀とターンX、この二つの機械人形は、アラハマン山脈のロストマウンテンに眠っています』
「あ、あれは……!」
それはロランやソシエには忘れようにも忘れられない場所であった。
「グエン殿……」
そして、ディアナにとっても。
『だが今、私はその機械人形たちを甦らせる術を手に入れたのです!』
カメラがズームし、『月の繭』の七色に光る表面を捉える。
「な、何だって!?」
「そんな……そんな事って!」
ロランとソシエは叫びだしていた。
『見たまえ! この七色に輝く繭こそ、ターンタイプが眠るナノマシンの塊。すなわち、このアメリアがさらなる発展を向かえる希望の光なのです!』
グエンの言葉が切れた途端にノックスの広場が沸き立ったのは、どうにもタイミングが良過ぎるのだが、ロランとソシエにはそんな事に気付く余裕などあるはずもない。
それどころか、拍手と喝采の中で、ロランは余りの衝撃に両膝を突いてしまっていた。
「どうして……どうしてそんな事するんですか……グエン様は……」
グエンも月で黒歴史の記録を見、ギンガナムと共に行動し、月光蝶の恐ろしさを知っているはずなのに、そのグエンはよりにもよってターンタイプを復活させると言うのだ。
「グエン様の目的って、こういう事なの……?」
そしてカメラはグエンへと戻る。
『あなたたちが月へ行き、再びアメリアへ帰ってくる頃には、この二体のターンタイプがあなたたちを迎えている事でしょう』
「流石だ! グエン様!」
「アメリア万歳! イングレッサ万歳!」
グエンが導くように両手を広げた時には、その場の熱狂は最高潮に達していた。
『さあ、私と共に月へ行こうという同志諸君! 私は諸君の――』
そこで映像に一瞬ノイズが走り、グエンの表情が一変した。
『ど、どういう事だ!? これは……』
今までの得意の絶頂から逆に、明らかに動揺が見て取れる。
カメラは再び『月の繭』へ戻り、そこにはまず光と轟音が届けられた。
『映すな! 映すんじゃない!』
ノックスの広場には先ほどとは打って変わり、グエンのうろたえた声が響く。
そして、その場にいる全員がビームフラッグ製のモニター越しに見たものは。
『月の繭』周辺に落ちる隕石だった。
その数、七つ。
うおー!すごい展開だー!
ほす
新手期待保守
ワクテカ保守
盛り上がってきたあああああああああ
358 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 05:31:19 ID:kGsAZ1T8
支援保守!!
スモーの出番が欲しい所。
おぺれーしょん・めてお?
『オペレーション・メテオなんてや「めてお」ね〜』保守
ヤダァ( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )キイタァ?
グエン「ローラ!ローラ、ローラ。ローラ!」
ロラン「落ち着きなさい!」バシン
グエン「アッー!」
「おしゃべりグエン」
ユ
ニ
クロ
ノクル
(ノ∀`) アチャー
密談の真相
グエン「ホワイトドールはバラバラにしておけば勝手に足らない部分が生えて増えるのでしょう?これを利用して…」
ギム(地球人には無理か)
ベル(むりだねぇ)
おしゃぶりグエン様
372 :
32:2007/05/13(日) 03:11:35 ID:???
ユニクロって出始めの頃、トランスフォーマーの新しい敵だと思ってた俺、参上。
38話。ついにあの男の正体が明らかに。
38.ライオンハート
『月の繭』の周囲に落ちた七つの隕石は、しばらくの間、黒い煙を上げ燻りつづけていた。
だが、偶然でも数個の隕石がこんなに集中して落ちるものではない。
かつて「献体」として月からフラットで地球に降下した事のあるロランは、その一瞬の映像だけでそれは何かが降下してきたのだと直感した。
そしてそこに、今は月の女王であるキエルの意思のようなものも感じられたのだ。
「ソシエお嬢さん、あれ、ただの隕石じゃないですよ」
「なら、宇宙から……月から来たっていうの?」
突然の状況の急転に戸惑い、ソシエはビーム幕の映像に目を釘付けにされたままである。
『状況を報告しろ! それと、ノックスへの中継は――』
そこで映像が途切れ、後にはビームの幕を収めた〈丸メガネ〉部隊が虚しく残された。
「……行きましょう!」
恐らくグエン以上に今の状況が呑み込めないでいるであろう広場に集う人々の中で、いち早く行動を起こしたのはロランだった。
「そうね。ここにいたって何もわからないんだから」
ロランとソシエは棒立ちになっている人々の輪をかいくぐり、MSを停めてある郊外へ向かおうとした。
だが、まさにその時。
獣のような咆哮が急に起こった。
「う、おおおおおーっ!」
その場の全員がその咆哮の源に注目する。
あの獅子の仮面の男が大きな唸り声をあげていたのだ。
その男の声は大地より湧き上がるような感情を全身から発していた。
「ディ、ディアナ様あぁ!」
或いは泣いているのだろうか、厳ついその仮面には不釣合いなほどに感極まった声でその男は月の女王の名を叫んでいた。
「ディアナ様、って……」
「ムーンレィスなの? あの人?」
あまりの急な出来事に思わず立ち止まったロランとソシエも気を取られていたが、その男がディアナの名を出したのは驚くばかりである。
「ただいま、そちらへ向かいますぜ!」
そしてその獅子の仮面は、周りの人垣を文字通り蹴散らし、ノックスの広場から出ていこうとする。
「……なにあれ」
ソシエならずともその場の全員が呆気に取られているのだが、そんな暇をもかき消すかのように、今度は急に突風が広場に吹き荒れた。
いきなり高速で機械人形が空を飛んできたのだ。
空を見上げたロランの目に映ったのは、とても見覚えのある機体。
「フラット……? なんでこんな所に?」
今のノックスにはアメリア全土から様々な機械人形が集まっているが、どれも発掘されたものばかりで、ディアナカウンターのMSはここには無いはずだ。
しかもそのフラットには脚が無く、変わりに下半身がスカート型ブースターに覆われていて、停止しても地面に着地せずに浮きつづけている。
獅子仮面の男はそのフラットに向かって走っていき、そして脚無しのフラットはそれに応えるように手を伸ばした。
「姐さぁーん!」
男はフラットの手に飛び乗り、獅子の仮面を剥ぎ取った。
その素顔は金の長髪でヒゲを生やし……つまり意外な事に、ロランやソシエのよく知っている人物だった。
「行くよ! ムロン!」
脚無しフラットのパイロットらしき者の声がしたかと思うとそのフラットは急旋回し、来た時と同じく猛スピードでその場を去っていった。
「ムロン? ムロン・ムロンさんなの?」
「生きていたんですか!? レット隊のあのお二人!」
373 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 04:25:24 ID:OB0DH1b8
ムローーーーーーーーーーーーーン!
GJ!
こんな良スレ今日まで見逃してた自分が恥ずかしいぜ!
wktk
ちょwwwwwwwwレット隊キター!!
漏れもあの二人がいっても気になってたから
これはヤバいわw
ちなみにトランスフォーマーはユニクロ"ン"じゃなかったかい?兄さん
レット隊ってさ、ディアナ様は地球人として暮らして欲しいって願ったんだけど
キエルディアナは爺とか2人意外は月に連れてっちゃったんだよねぇ…
「姐さぁーん!」 があの声で脳内再生されたぜええええ
379 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 23:24:26 ID:oJotfmPt
ムロン「エヴァ、発進」
期待保守
保守ついでに、お髭様のプラモがMG100体目に決まったようで。8月とかだとか。
プラモ手に取るところから新しく∀観る人出たらいいなぁ
ユ
ニ
ヴァ
ァ
|
ス
惜しい
そうかしら?
そうとも考えられますけど、ご褒美じゃないんですか?
任務ですよぉ!
ロランの名言
「ソシエお嬢さん、そんな強く握っちゃだめですよー」
「ッッ!・・歯を立てたらダメですってば!」
「あああソシエお嬢さんイキますよ!もう限界です!」
ポゥの名言
「私はなんて不幸な女なんだ・・・またイっちゃった(泣)」
ディアナの名言
「イイイ!イクっっっっ!イクぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅあああ!!!・・・よしなに。」
396 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/24(木) 19:07:05 ID:4A/eGN9P
2点
どのセリフで2点なんだ?ポゥあたりが2点なのかディアナあたりが2点なのか?
トータルでじゃないか?
「ッッ!・・歯を立てたらダメですってば!」
↑2点
間違いない。
アゴナシグエンと俺物語
本スレかどっかで、本編にZが出る案があったらしいって話を聞いて
32・サード・ラインフォードのSSはそれも組み込んでたんだなって分かって更に感心したw
こういうのやるとツッコミどころ多くなりがちなのにあまりないんだよw御曹司の書くSSは
まぁなんだ、続きにwktkしてるってことでw
御曹司は抱かれたいのかね?
抱きたいのかね?
ぶたれたい
404 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/27(日) 17:23:47 ID:FVvknHXV
既にURLの色が変わってたんだぜ?w
なんというか、ロランの良さを分かってないんだぜ?
乳ロランは不可だが乳ローラは可な気が・・・して・・・きた・・・
407 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/30(水) 01:10:17 ID:6fkDdnv3
支援保守。
ガチホモ乙
6月の保守
「もう6月ですか〜
∀の物語の季節って春から(黄金の)秋で
いいのかな?
32さんの物語の季節はいつかな〜」保守。
どう見ても四季描かれてるだろ
410です
えーっと、なんと言ったらよいのか・・・。
413 :
32:2007/06/05(火) 10:42:36 ID:???
>>411は、最終話のラストの間には冬のシーンとかもあった、って意味じゃないかな?
ちなみにこの話は、最終話から半年後なのか1年後なのかは特に想定していなかったりするw
39.七つの星
七つの流れ星は七つの隕石となり、さらにそれは七つの宇宙船という正体を表した。
『月の繭』の周辺に落ちた流星。それは明らかに人工物のような外観をしており、何よりその衝撃派は周囲の風車型機械人形を吹き飛ばす程の威力だった。
ナノマシンを放出していた風車は折れ、グエン秘蔵の機械人形たちは地に倒れた。
その状況を映像で見る事しか出来ないグエンだが、しかし素早くその異変に対応する。
「状況を報告しろ! 風車は何機残っている!?」
アドラステア艦長室の椅子から立ち上がらんばかりに見を乗り出し、レーザー通信のモニターに向かい叫ぶ。
そこに映し出されているのは戦場跡のような混乱と廃墟だった。折れた風車、千切れた機械人形の手足、砕け散った装甲。
その中で、それでも『月の繭』は依然として七色の光を発していた。
グエンは直感する。これは明らかにこのタイミングを狙ったものだ。だとすれば、自分の行為はすべて月に監視されていたというのか……。
「ああ……」
だが思考はディアナの感嘆を拾った耳により中断された。
(キエルさん……とうとうここまで……)
うなだれるディアナにグエンは追い討ちをかけるように言い放つ。
「ディアナ閣下。私は月がこんな事までするとは考えてもおりませんでしたが?」
「私も――とは申しません。ですが、私は隠居した身」
「そんな言い訳が通用する時ではない!」
苛立ったグエンは、一度通信モニターの方を見やり、
「動ける機械人形は全部出せ! 月からの攻撃もあり得るからな!」
手の内を読まれていたという疑念はひとまず頭の隅に置きつつ、留まる事なく指示を出しつづけた。
「そう、月からの上陸部隊による攻撃だってあり得る状況なのですよ。今は」
辛うじて「地球帰還作戦の時のように」というのは言い留まった。
それほどまでに、ディアナはショックを受け憔悴していたのだ。
「――とにかく、私もこの状況を収めなくてはなりません。ディアナ閣下はもう自室に退いていただいて結構」
「……はい。そうさせていただきます……」
ディアナが退室し、艦長室に一人になったグエンは改めて通信モニターを凝視する。
画面の隅から隅まで穴が開くように見詰め、映像から得られる情報はすべて手に入れようとその眼は動き続けた。
「――私に挑もうというのか! キエル・ハイム!」
無意識にそんな事を呟いていた。
だが既に事は成ったのだ。風車型機械人形によるナノマシン散布は半ば成功した。
グエンはいつしか、聖者が地上に降り立つ神を迎え入れるかのように通信モニターの画面に仰々しく手を触れていた。
「だが……私には……ターンタイプが……」
どんなに混乱が起きていようとも、グエン手の中で『月の繭』は妖しく光り続けていた。
待ってましたよ!GJ!
そろそろ来ないかなぁ、と思ってたらキター!
GJ!
本当にいつも御曹司の喋る声が聞こえてくるなw
GJ
417 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 21:56:01 ID:Mjd93Q9A
流石だな!!
支援保守!!
いつも乙です
続き期待保守保守
昨日一日かけて∀全話見直したあとに
このスレ見つけたんだけどマジ神だなwwwwww
支援&定住保守
>>419 今日もう一周するんだw
きっと新しい発見あるよ
421 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/10(日) 21:02:08 ID:mMNzyHMm
>>419 ならば、明日1日かけて地球光と月光蝶を見るんだw
初訪問記念ユニヴァーーーーース!!!
この板初めて来て素朴な疑問なんだけど
IDが表示されたりされなかったりなのは何故?
>>424 メール欄にsageって入れとくとスレが上がらないし、IDも表示されない。
強制ID板じゃなければどこでも同じだよ。
超絶良いスレ発見。
ターンAターン歌いながら保守。
時が未来に進むと♪なんちゃらかんちゃらー♪
>>425 まじですか(; ^ω^)
普段VIPか邦楽男性ソロ板しか行かないんで
わかんなかったです。
ホシュニバース!!
よ
430 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/14(木) 23:52:50 ID:zAI7ti3Z
保守である!!
そうだよなぁ
よしだ
しんだ
なんだ
にんじゃ
そろそろかな〜
wktk
クリちゃんワロタ
御曹司の気持ち歌わせるなwwww
437 :
32:2007/06/16(土) 11:43:58 ID:???
>>435 やっぱこうして見るといい演出多いな〜。背景を歩く∀が軽く手挙げたのに応えるシーンとか。
それはともかくGJ!
続きはちょっと待って。次が丁度40話なんでなんかやりたいんで。
おk、wktkして待つよ。
細かい挙動に演技(実際にはアニメの絵でしかないけれど)があるというか
昨日宮崎観ても思ったんだけど、人間らしさ描いてるんだよな、御禿も
特に作品テーマとマッチして、いい作品になったよな、∀って
>>32 ケツの穴ほぐして待ってるぜw
そういやここ見てる人は∀のプラモは買うのかね?
うpしてくれるならいくらでも待つぜ!
もはや話の続きにwktkするのが日課だからねwww
>>439 ノシ
貴様!ディアナ様の保守と言ったかー!!
保守をほしゅと言うてなにが悪いw
よ
さ
の
あ
き
ま
ん
げ
つ
め
ん
もう飽きた
ならばネタを振りませい!
ネタ振れないから
おとなしく
>>32氏を待っとくw
ハレグゥのハレとロランってどことなく似てないか?
ハレグゥがわからない(; ^ω^)
あれだろ初期の髪の短い時のロランだろ?
人が安心して保守するためには!!
やっぱミリシャの保守はおいしいね
山の端 月は満ち 息づくあなたの保守
464 :
32:2007/06/30(土) 12:03:39 ID:???
待たせたなぁ。というわけで、「四十話記念やりたいことプロジェクト」は「次回予告をつける」でした。
ショボイとか言うなw本編は近日うp予定だからw
『月の繭』に落ちた七つの隕石は、やはり月から来たものだった。
それでグエン様の考えが変わるとは思えないのだから、僕たちは急いで『月の繭』に急がなければならなかった。
今は月の女王であるキエルお嬢様にも考えがあっての事なんだろうけど、月と正式な国交を結ぶ前に戦争になってしまっては、ディアナ様だけでなく多くの人が悲しむだけだ。
次回、∀ガンダム外伝。『カイラス・ギリ、起動』。月からの風が黒歴史を呼ぶ。
>>32 わーい
次回予告を見つつ期待してますよネ申!
次回予告キター、って物凄く物騒な単語が目に入ったんだぜ? >カイラス・ギリ
GJ!!
次回予告でロランの声が聞こえたwww
し、死人は?死人は出しちゃダメなんだぜ?
469 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 23:37:39 ID:jVrnuoCa
イサキ保守
そんなに保守が好きかー!
その股ぐらにロケット保守!
472 :
32:2007/07/04(水) 11:18:57 ID:???
次回予告付けたんだから、「前回までのあらすじ」も必要だろう。というわけで四十話。
空から降ってきた隕石からは、月の女王であるキエルお嬢様の気持ちのようなものを僕には感じ取れた。
レット隊のお二人が生きていたのも嬉しい事なんだけど、グエン様はあの『月の繭』の土地で一体何を企んでいるのだろう。
40.カイラス・ギリ、起動(1)
だが実際のところ、『月の繭』は正に戦場であった。
グエンの指示は細部まで行き届いたものなのだが、肝心の七つの流星に関しては「様子を見ろ」としか言われず、現地のガリア兵たちは警戒態勢のまま全滅寸前の風車型の回収に追われている。
「アドラステアを出航させろ! 目的機は分かっているな!?」
このままノックスに座しているわけにもいかないグエンは、ようやく思い腰を上げた。
月使節団選考会などは即刻中止なのだが、集まった機械人形乗りには絶対にノックスから出るなと厳命し、脱出しようとする者には容赦なく攻撃を加えてもよいとさえ命令した。
集まった希望者たちの中には当然、ロランのように他州のミリシャの機械人形乗りも数多くいる。
つまり、この混乱に乗じてイングレッサ=ガリア軍が他州から攻撃されない予防でもあるが、もし月と戦闘状態になった時にはこの集団をそのままアメリア州連合のMS部隊に仕立てる事も出来るとの思惑もあった。
しかし艦長室からブリッジに指示を出していたグエンは、逆にブリッジから緊急の報告を受ける。
「何……? 月の女王が?」
アメリアでは領主クラスでしか使用できない通信チャンネルで呼びかける者があるというのである。
しかも、発信源は、月。
「キエル・ハイム、ようやくお出ましか」
ついにこの時が来たのか、と感慨に耽る暇もなく、グエンは応対した。
『ごきげんよう、グエン・サード・ラインフォード閣下。お久しぶりですね』
モニターに映る金髪の女性、それは……。
(! ――ディアナ・ソレル!?)
馬鹿な。当のディアナは今このアドラステアにいるはず。先程までは間違いなくこの艦長室にいたのだ。
何らかの偽装をして発信源を月と偽り、ディアナのいる客室から発信しているのか?
だが疑ってしまったのは一瞬。グエンは動揺を素早く隠した。
「女王陛下もお変わりなく」
直接名前を呼ばなかったのは、まだ心の底で相手がディアナなのかキエルなのか判別し難かったからなのだろう。
『あなたもです。グエン閣下』
いざ話してみればいつもの調子が戻るのもグエンである。いきなり核心を切り出した。
「……さて。大層な事をしてくれましたな。これは明らかに我がイングレッサ領に対する領土侵犯、いや、戦闘行為だと受け取られてもおかしくはない」
『イングレッサ領? アラハマン山脈のあの辺りはそうでしたでしょうか?』
知っていてそんな事を言っているのか! と叫びそうになったが、相手がキエルならば知りようもない可能性があると思い止まり、状況を説明することにした。
「かつて∀とターンXが戦った辺りも、我が領土となったのです。しかしこれは、イングレッサだけでなくアメリア全土に対する――」
『あなたがアメリアの事を案じているのならば!』
月の女王は急に声を張り上げた。
『なぜターンタイプを甦らせるのです!』
「…………!」
その剣幕に、グエンは完全に呑まれ、凍りついた。
『あなたとて、黒歴史の映像は御覧になっているのでしょう? ならば、なぜその黒歴史を呼び戻すような真似を!』
もしかしたら、これは本物のディアナ・ソレルなのかも知れない。今までディアナだと思って相手にしていたのは、実はキエル・ハイムだったのかも知れない。
ならば自分は、月の女王にずっと騙されていたというのか……?
頭の中が戦慄で真っ白になったその時、艦長室が大きく揺れ、グエンは床に膝をついた。
恐らく、アドラステアが急発進したためなのだろうが、グエンには正しく世界そのものの揺らぎだった。
「ディアナ、ソレル閣下……」
図らずも、グエンはモニター越しに女王にひざまずく形を取ってしまっていた。
GJ!!
支援
GJ!!
これからどうなるか全く読めんwww
GJですわ
うはーやっぱ面白いなぁ
超GJ
いつの時代も保守は大活躍ですぜ!
もしや・・・ 32サンは素人では無いのでは・・・
あの方では・・・
>>479 何故かそこには触れちゃいけない気がするんだぜ
∠(`◇´) はっ!了解しました
>>480 もとい、
ハッ!“∠(`◇´) 了解しました
矢立肇だな
GJ。
支援します!!
>>32氏のことは触れてはいけないんだと小生は思うんですよね(笑)
なぜなら、32氏は32氏だということだからです
いっそ、OVAにしてほしいんだぜ!
もしやこのSSは下書(ry
GJ。
支援します!! 32氏
この32氏の原作でOVA出たら間違いなく買うわwwww
489 :
32:2007/07/08(日) 22:50:28 ID:???
俺も絶対買うわwwwww
ちなみに私はただの素人ですよ?
>>489 ハッ!“∠(`◇´) 32氏、了解であります
そうだよなぁ買うよなぁ
ガハッガハッハハハ
ハ:保守か!?
ロ:任務です!
ハロ?
>>493 「ハリーの災難」のハリーとロランの掛け合いですw
496 :
493:2007/07/11(水) 01:57:12 ID:???
ネタ書き込みなので、マジレスしてくれなくていいです。
いるなら保守ぐらいしなさいよ!
失礼な名無しだ。
Aはウォドムに転換、Bはニューモデル、ホシュタイプにしておけ!
H O S H U !
保守か!
スレストにオートリアクション
サイボーグコレンvsバイオギャバン
宇宙刑事になって帰ってきたギャバンとか
ごきげんよう、このスレは私がスカートのまま保守しますわ〜
倖田來未@パチンコ
今福井さんの小説読んでるんだけど
TV版と設定とか流れが微妙に違ってて凄い新鮮
保守
ハッ!“∠(`◇´)
507 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 04:28:08 ID:jizkrp+U
今全部読み終わった
32さんの文才に嫉妬しちゃうなぁ…。
というわけで応援しつつ保守(・ω・)/
すまねえ、あげちまった…。
ほーしゅのレスよぉ〜
セ
早く来て欲しいな 32氏さん・・・
512 :
32:2007/07/26(木) 22:01:16 ID:???
ごめん、41話の半分ぐらい書いた所で夏風邪こじらした(笑)
こじらしたかどまい
夏風邪はタチ悪かったりするからお大事にね〜
あと、愛してるぜ!
お大事に( ^ω^)ノシ
気長に待ってまーす
>>512 r'[ニ@ニ] デネブキャンディーだ
/ [ ゚◇゚] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<]
. ,∇つc凵O [>@<] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<]
んと_)_) [>@<] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<]
今福井版∀読み終わったんだけど
TV版と違って最後の最後にソシエに幸せが訪れたんだな
ええ話や( ^ω^)
ほしゅ
そしてグエン様はどのバージョンでも本人の望むような
結末を迎えられないのであった。
かわいそかわいそ
もし今回の参議院選挙に、
グエン様が立候補していたら、
どうなったでしょ?
レイザーラモンHGが応援演説に駆けつけ、まだいたんだあの人、と言われる。
ゲイ能界から多数の応援が駆けつけ
辺りを異様な雰囲気に包み込む
マッキーが歌歌いにかけつけたりな。同業者パワーは凄いよ
それはアッー!倒的な光景だろうね
保守
525 :
32:2007/08/02(木) 15:50:22 ID:???
みんな、すまねぇな。人多杉も解除され、夏風邪もなんとか収まってくれたぜ。
>>515、飴ちゃん頂くぜ、ギャバン隊長!ノ[>@<]
41.カイラス・ギリ、起動(2)
無論、あの七つの流星がただの隕石ではないという事に即座に気付いたのはロランだけではない。
ハリー・オードにしてみれば「それ」がMS用の大気圏突入用ポッドであるのはすぐに判別出来たのだが、直接この地点にMSを降下させるなどというのは、少々早急にすぎるのではと思えた。
この時点でMSの投入など、いたずらに開戦の口実をグエンに与えるだけではないのだろうか。
「私の為に増援、などとも考えられないが」
ディアナ・カウンターを以ってグエンのガリア軍を叩くのであれば、七機程度で一体何が出来るというのだろう。
ともかくも〈ヒャクシキ〉のハリーは、再び『月の繭』に接近した。
「戦闘の意思は無いと散々言っておきながらこの有様では、信用もされないか」
念のためにコクピットのハッチを開け放ち、いつもゴールドスモーでそうしていたように開いたハッチに脚をかけた。
〈ヒャクシキ〉をオートで歩かせたまま、直にその目で周辺の状況をつぶさに観察する。
ガリア兵たちはどうしていいのか分からず、しかし戦闘を仕掛けて来ない事だけは明らかなようなので誰一人としてハリーに手出しする者はいないのだが、実際のところはあの七つの隕石が落ちた事で戦闘意欲が完全に挫かれたようである。
金色の光を放つ〈ヒャクシキ〉は、今は鈍い光を宿している『月の繭』に近付いていく。
ナノマシンが散布された直後のような輝きは失っているが、『月の繭』には確かに光が燻っていた。
そして、それを取り巻くように置かれているのは、降下してきた突入ポッド。
「女王は一体何をお考えなのだろうか……」
答えはそのポッドの中にあるのだろうとハリーが決心したその時。
そこに、七つの大輪の花が咲いた。
すべての降下用ポッドが自動的に開いたのである。
開いたポッドの外殻は花びらのように開いたのだが、花の中央には花弁ではなく、MSがそびえ立っていた。
その七体のMSは背中に畳んだ羽根のようなものと巨大なビームキャノンを背負いどれも同じに見えたのだが、一機のみ明らかに違う特徴――額にV字のアンテナを有していた。
「これは……」
そのV字アンテナを見た瞬間、ハリーは女王の真意をすべて理解した。
「私にカイラス・ギリを使えというのか!?」
あのギム・ギンガナムでさえ使用しなかったカイラス・ギリ砲。
月の女王であるキエル・ハイムは、今ここでハリーにその使用を命じたのだ。
思わず天を仰いだハリーの目に、真昼の青々とした月が飛び込んできた。
「……月が、出ている」
月世界のカイラス・ギリは黒歴史時代のようにその運用には宇宙要塞も宇宙艦隊も必要としない。
このカイラス・ギリの起動・運用には、ただ一人のMSパイロットさえ居ればよいのである。
黒歴史時代には巨大なビーム砲を使用した戦争が幾度かあったが、そのいずれもが戦闘により破壊されたり敵に奪われたりしており、存在自体が敵を刺激するものであった。
そして存在そのものが戦争の原因にもなりかねないと判断したかつてのムーンレィスは、その力を数体のMSに分散させ、ソレル家、メンテナー家、ギンガナム家がそれぞれ分割管理し、起動には三家当主の承認も必要とした。
ここに降り立った七体のMSがそのすべてではないのだが、それを地球に降下させる事が出来たのは、カイラス・ギリの運用を掣肘するべきアグリッパやギム亡き今だからこそである。
ハリーは〈ヒャクシキ〉を降り、七つの大輪の一つ、額にV字アンテナを持つMSに乗り込んだ。
背中の畳まれていた羽根が開き、MSの背後に『X』の文字を浮かび上がらせた。
無人機である残りの六機も同じく背中の羽根を開き、肩に巨大なビーム砲を担いだ。
照準は、グエンのガリア軍などではない。
七つのカイラス・ギリは、『月の繭』に狙いを定めたのである。
御曹司キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
ちょwwwww月は出ているかwwwwwww
これは熱いwww福井も内包するつもりねw
ACE3でもコラボあればいいね
GJ&快復おめ!
百式売るよ!
マジでOVAで見てぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
兎も角GJ!
うぉぉぉおおGJ!!!!!!!!
なんかすげー展開になってきたwwwwww
ハァハァ本当にいい話を書いてくださる!
明日も生きていける気がしてきた
GJ
サテライトキャノンのエネルギーはすべて頂いている!
スモーのエネルギーを頂いたようにな!
分かっているのかハリー・オードっ!
人が作ったものなら、人を救ってみせろぉぉぉおお!!!!!!!!
原爆の日保守
MG祭りで保守
536 :
32:2007/08/10(金) 15:27:59 ID:???
俺もやっとMG買えたよ……
説明書やガンプラ∀のイラストからイロイロものつくりパワーもらってるから。
なんか新たなネタも浮かんで来そうな勢いだ。
いいなぁ俺まだ買ってないや
あ、また今日もMG買い忘れた_| ̄|○
キエルは父ちゃん似で
ソシエは母ちゃん似なんだな
保守
アマゾンでMG注文しちゃった
ウキウキが止まらないwww
今日新宿さくらやの前で販売員のお兄さんの足元にあったMG∀を物欲しげに見ていたのは俺w
542 :
御大将:2007/08/23(木) 00:46:59 ID:???
月光蝶でほしゅ!
志の高さで保守
544 :
32:2007/08/25(土) 22:53:23 ID:???
42話。なにげに
>>533がネタバレでびっくりしたぜw
42.カイラス・ギリ、起動(3)
「異常は無いですか? ソシエお嬢さん」
「はいはい。ありませんよ……それよりロラン、頭、落とさないでよね?」
「分かっていますよ。ちゃんとこうしてしっかり抱えてますから」
ノックスを脱出したロランとソシエは、いち早く『月の繭』に到達すべく、Zボルジャーノンを飛行タイプへ可変させ、その上にロランの〈ガンダム〉を乗せて移動していた。
変形時に余剰となるボルジャーノンの頭部を〈ガンダム〉が抱えなければならないという事意外、特に追撃なども無くノックスを出発できたのは幸いだったが、思うように速度は出せないでいた。
「それでも、機械人形で走るよりは早いんですから」
ホワイトドールを橋にしたり、黒い布で鯨に擬態させたりと、ロランはいつも機械人形を変な風に扱うからなぁ、などと思いつつソシエは『月の繭』へ向けて操縦桿を握る。
「それより、後方は安全なの? ノックスから追っ手が来たり――」
脱出には全く気付かれてないわけではないはずだが、こう何も気配が無いと逆に不安だとソシエが思ったその時。
二人の機体は上空からの高エネルギーを観測し、警告を発した。
「なにこれ? 今度は何なの!?」
「また大気圏外からの砲撃――いや、メガ粒子砲じゃない……?」
それは、『月の繭』から遠くはなれた場所からでも充分に目視できる程の、一筋の光。
青い空を裂くように白い光が一直線に地面を撃った。
「王よ! 天の枝が! アデスの枝が現れたぞ!」
「どうなっているのだ! また天の巨人が、アデスの枝を巡って争う時代が来るのか!?」
同刻。マニューピチ。
その月からの光は遠く離れたこの場所からも見ることができた。
明らかにザックトレーガーの回転により発生する光とは異質なその輝きは、マニューピチの人々を恐怖へ陥れた。
「言ったはずだ。白い悪魔は白い巨神ともなりうると」
新しい王タルカは、アメリアの巨人たち――というより、ロランを信頼している。
あの少年がいる限りは、黒歴史の再来はくい止められるだろう、と。
「アデスの枝により天に登ったあの白い悪魔は、地上に再び平和をもたらしてくれたではないか」
∀とターンXの戦いは、このマニューピチの地にも人づてに聞こえているらしい。
「ならばこそ、黒歴史の再来などはあり得ないのだ」
王の交代時にホワイトドールを直に見ているタルカ王の言葉であるだけに、それはマニューピチの人々の心に一層深く響いた。
「エネルギー充填完了……」
カイラス・ギリのコクピット内のハリーは淡々と発射作業を進めていた。
「照準、『月の繭』。……Gビット全機も照準完了」
六体の無人機もハリー機と同じポーズを取り、七本のカイラス・ギリは『月の繭』にその主砲を向けた。
「これで戦いが終わればよいのだが……」
ハリーは操縦桿のトリガーを引いた。
七本のビームが『月の繭』に向けて放たれ、眩い光が当たりに拡がった。
『月の繭』はその光に包まれ、かつて黒歴史時代この兵器の的となったものがそうであるかのように消失するかに見えた……。
だがその光は、カイラス・ギリ砲によるものではなかった。
七本のカイラス・ギリの集中砲火は七色の光を産み出した。
しかもその輝きは、風車によりナノマシンを散布された時よりも一層増しているようにさえ見え、その形は蝶の羽根を思わせた。
「これは……月光蝶!?」
まさにそれは、繭より蝶が羽化しようとしている様だった。
「繭の中のターンタイプは、まだ生きているとでも言うのか!?」
御大将復活か!?
これはwwwG-Bitといい、タイムリーなw
マニューピチもいいなぁw当時は蛇足なエピソードに感じたけど、∀にはああいうのが大事なんだよねw
そろそろ誰かいまんとこの登場MSまとめてくれないかな?
それはそうと、32氏はMG完成した?
漏れは頭と右腕以外完成したw
ミードモールドのスミ入れが地味に手間でなかなか進まんよ…
ほんと惚れ惚れする立体物だわ
逆襲のグエンでもホワイトドールは再び姿を現すのか…
32氏いつもGJ
見直してみるとこのネタスレだったものも1年もったんだな
昔より∀に詳しくなった自分が改めて読み直してみると32氏のリスペクトっぷりがよく分かる
当時の自分じゃ気づかなかった∀のネタが色々盛り込まれてたし(水争いとか)
読むたびに新しい発見があるよ
続き楽しみにしときます
GJ!!
MG、amazonで2500円まで値下げしてる…
売れてないのかな( ´・ω・`)
549 :
32:2007/08/27(月) 09:12:02 ID:???
>>546 パチ組なら速攻組んだんだけど、スミ入れまでとなるとなかなか暇が取れませんw
スミ色もグレーか黒かで迷ってる最中だし……。
550 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/27(月) 09:41:08 ID:MIwzmCPE
スミ入れ黒はよした方がいいよ
∀にやっちゃうと如何せん重すぎる
薄めにグレー入れるか、汚したかったら茶ぐらいがいいと思う
このスレまだあったのか!
ほっしゅほしゅ〜
hosyu
HO☆SH☆U
捕手!
保守
新劇場版∀ガンダム
―――Coming soon
保守。
新劇場版あるなら福井版のシナリオでやってほしいんだな( ^ω^)
すでに過去のもののホワイトドールは御曹司にくれてやって、
ロランは新たに発見されたオーバーマン・キングロランで。
そういやキングゲイナーの髪の毛はロランっぽいな
ほしゅ
手持ちのMGガンダムズにモンキーダンス踊らせてみた。
∀じゃないと似合わない
ほ
そろそろ新作くるかな〜?
保守
569 :
通常の名無しさんの3倍:2007/09/28(金) 15:56:37 ID:T567Ln5w
次に来たときには新作がありますように♪(*'-^)-☆ミ
570 :
32:2007/09/29(土) 11:49:29 ID:???
正直、ターンXをこの流れで復活させようかどうか迷ってて、復活する話も書いてみたけどどうもしっくり来ない。
期待してた人いたらゴメン。43話。
43.月の光
繭をさらに包み込む蝶の羽根、それはまさに月光蝶を思わせる光だったが、しかしカイラス・ギリの砲撃をも無効化した繭の光は次第に消えていった。
「カイラス・ギリをも弾くビームバリアなど、あるはすが無い!」
だが現にこうやって、七機のMSによる砲撃が無効化されたのだ。
ターンタイプがその機能を完全に修復するには、先の復活時と同程度の時間――つまりこの正暦と同じ年数が必要であろう、とムーンレィスの技術者たちは言っていた。
だが、今こうやってカイラス・ギリの砲撃を弾いたという事は、自己防衛機能だけは復帰したという事なのだろうか?
「いや、だからこそ二千年以上も無事に眠っていられたということなのだろうな」
外敵に対して無防備なただの「繭」ではなく、ありとあらゆる障害から身を守る事ができる。それがこの『月の繭』なのだろう。
ならばグエンなどに手出しできる代物ではなく、これは月と地球で管理すべき遺産なのではあろうが……。
「破壊も無理、ならばグエン卿の手に渡った所でどうにか出来ようというものでもあるまい」
グエンの元にムーンレィスの技術者もいるが、月政府の黒歴史データに触れる事も許されない市井の技術者に一体何が出来よう。
かつてのギム・ギンガナムの台詞ではないが、正に「∀の復元などできるわけがない」のである。
ハリーはMSのキャノピーを開け放ち、手を腰にやり片足を引っ掛けるといういつものポーズで天を仰ぎ見て呟いた。
「しかしキエル・ハイムも大胆な手を使うものだ」
『月の繭』がすべての争いの根源だと考えるならば、その破壊をも厭わないとは。
ディアナにも思いつかない事を考え、しかも禁忌に触れるのにも構わず実行に移し、カイラス・ギリを地球に降下させるとは。
「この始末、私に被れというのか……?」
だがそう言うハリーは嫌な気分ではなく、言いながら自然と口元が綻んだ。
あのキエル・ハイム女王にこうして仕えていると、近衛隊長の仕事もディアナ時代とはまた違った面白さがあるというものだ。
月からのカイラス・ギリの光に衝撃を受けたのは、ロランたちやマニューピチの人々だけではない。
グエンやディアナは言うに及ばずだが、メリーベルはあの月からの光を見た瞬間に、自分の居場所はやはり月だ、と直感してしまった。
考えてみれば、グエンと共にアメリアに来たときからつまらない事だらけだった。
かの「東海岸の会戦」ではビームキャノンは撃っても敵MSには絶対に当てるな。
ビッグ・トレーではいきなり屋上でお茶会になる。
かと思えば、急にアメリアと休戦してガリアにいた時と同じような黒歴史発掘の日々。
挙句の果てには、あのローラに手玉に取られ、〈とんがり帽子〉は機能停止。
まったく、つまらない。
大体、アメリア人は戦争をしたいのかしたくないのか、よく分からない。
「いや、地球人なんて所詮は地面を這いずり回ってるサルだ……」
だがあの月よりの光を見た時、このアメリア大陸がちゃんと月と繋がっている――ちゃんと同じ世界にあるという事を思い出させてくれたのだ。
「だったら」
月へ帰ろう。
あそこでは運河人以下の生活だったけど、こんな所よりはマシだ。
「それもこれも、グエンがバカだからいけないんだ……」
今後の展開にwktkが止まらないwwwwwwwwwwwwww
32氏乙です( ^ω^)
メリーベルの反乱ktkr!!!
再開ktkr
グッジョブしつつ保守
保守
待たせやがって!これからも待つからがんばれよ!
3ヶ月ぶりにきてみたら…
やっぱ32氏、あんた最高だぜ…
マターリ劇場版サントラ聴きながら保守
保守である!
僕にできることは保守するくらいだお(´・ω・`)
捕手
ほ
も
さ
ほもどこさ
にちょうめさ
にちょうめどこさ
保守という名の駄レスの山…
ここももう終わりだね。
589 :
通常の名無しさんの3倍:2007/10/12(金) 12:43:35 ID:5zL6qDi6
んなこたーない。
保守。
ちょっとあんたがったどこさ面白かったのにwww
>>588 おまえここは初めてか?肩の力抜けよ。
とりあえず今のとこ投下は月一ペースだからな。
一緒にゆっくり待とうや。
保守さ
いま、上から全部読んだ
続きをwktkして待つことにしたw
594 :
通常の名無しさんの3倍:2007/10/19(金) 07:27:39 ID:n9DR0kFQ
急に寒くなって風邪も流行ってるようだ。
作者さん&スレ住民のみんなも風邪など召されぬよう。
保守。
ほsっっゆ
ほ
し
ゅ
ほyすだーーーーー
はいはい保守保守
599 :
32:2007/11/04(日) 00:49:51 ID:???
10月は全然投下できなくてすまねぇ……。お詫びといっちゃナンだが久々に前後編。
44話前編。
44.枯れ木に花を
月からの高エネルギー反応と、それに続き「『月の繭』地点にてビーム砲撃反応あり」との観測結果を見てしまっては、ソシエの気持ちが逸るのは当然だ。
だから、Zボルジャーノンの操縦桿を握る手にも力が篭りすぎていたし、こんな時にのうのうと上に乗っているだけのロランの〈ガンダム〉が少し恨めしくもなってくる。
「ねぇ、やっぱり私だけが先行した方が早いんじゃない?」
ソシエは何度目かの同じ提案をするが、ロランはその度に首を縦に振らない。
「急ぐ気持ちは分かりますけど、もうすぐですから……」
だがそれでも二人は確実にアラハマン山脈の『月の繭』に近付いている。
その証拠に、荒野が続いた地面にわずかずつだが草木が目に付くようになってきた。
『月の繭』からのナノマシンの影響である。
「文明を滅ぼしたはずの∀が、こうしてアメリアに実りをもたらすのか……」
月光蝶システムの乱れ? 何もかもを破壊するナノマシンが、なぜ荒野に草木を?
ロランのつぶやきを拾ったソシエの耳に、不意にグエンのあの言葉が甦った。
――それは、愛ゆえにさ。
「……愛、ねぇ……」
「? どうしたんですか? ソシエお嬢様」
場違いな独り言を聞かれたのが急に恥ずかしくなったソシエは、なんでもないわよと言ってロランとの通信を切り、操縦に専念する事にした。
が、数秒後にまたロランの〈ガンダム〉からの通信が入る。
「今度は一体どうしたのよ!?」
さっきの事ならどうだっていいじゃないと思いつつ応じると、思いがけずロランの緊迫した声が聞こえてきた。
「大変です! 後方に戦艦級の反応。多分グエン様の船ですよ!」
「とうとう追いついちゃったのね……」
出来れば先に『月の繭』に着きたかったのだが、このまま速度を上げたとしても、機械人形部隊を展開されてしまっては補足されてしまうのは確実だろう。
「どうするロラン、振り切れないわよ」
「そうですね……」
逡巡する二人に、アドラステアからグエンは呼びかける。
「速度を落としたまえ、ローラ!」
600 :
32:2007/11/04(日) 00:52:06 ID:???
44話後編。「もう終り」てのも叱咤激励と受け止めるが、二丁目とかホモネタはやーめーてーw
その数十分前。
怒れるグエン・サード・ラインフォードはアドラステア艦内の狭い廊下を足早に歩いていた。
目的は、もちろんディアナのいる船室である。
あの「月の女王」からの通信の真意を是が非でも問いただしておきたかった。
「ディアナ・ソレル、よろしいかな?」
ドアをノックするその声にいつもより幾分怒りが篭っているのに気付き、グエンは少し落ち着く事に務めた。
「はい……」
声がすると、そのいかにも黒歴史時代のものらしい、金属製の船室のドアが横にスライドして開く。
「何でしょうか?」
そのディアナの顔は、何かを隠しているようには見えなかった。
「事態は逼迫しています。あまり時間が無いので核心のみをお聞きしますが、今回の件はあなたは関係ないのですね?」
「私は既に月の女王ではありませんし、ムーンレィスにアメリアを攻めさせる命令など、出しようもありませんという事は解っていただきたいのです」
しかし問われる立場のディアナが、逆にグエンに懇願する。
「それだけ解れば結構なのです……実は先程、月の女王から通信が入りましてね」
「! キエルさんが……!」
「やはりキエル・ハイムでありましたか。今の月の女王は」
「しかしキエルさんならば、今の月も治めてくれると信じていたからこそ、私は地球で隠遁する決心もつきました」
その物言いがキエルが女王をしている事の弁護なのか、或いは地球で暮らしている自分を言っているものなのかはグエンには測りかねたが、ともかくも今のディアナにこの事態を解決する気はあるのかと尋ねた。
「こんな私がお役に立てるならば、何でもいたします」
そう言ったディアナの表情は、一瞬だけだが女王に戻った。
「それが、かつての女王の務めですから」
携帯からで失礼。
32氏、乙であります!
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
月曜の朝にいいものを見た
GJ!
ひさしぶりに見にきたら・・・
32氏GJ!
605 :
通常の名無しさんの3倍:2007/11/07(水) 00:14:37 ID:EIUSQhA3
キター!!
支援します!!
ゴッドジョブ
消えたら嫌なので保守。
保守
恋は真夏のように〜
愛され眠る保守
ブッド・キャリアーの中にはガンダムX保守
保守
保守
まだですかね〜
>>613 つ【32氏にも私生活があるんだから、マダーとか言わない】
新作が来たばかりじゃないか
ローラのことでも考えながらまったりまとうではないか?
>>615 こんな所で何やってるんですか、グエン様?
微熱が冷めないまま保守
>>618 いいんだよ、ローラ。
さ、早くおいで。ベッドが冷めてしまうよ
保守
保守
ホ
623 :
通常の名無しさんの3倍:2007/11/23(金) 18:20:50 ID:fWqSwREX
モ
624 :
通常の名無しさんの3倍:2007/11/23(金) 18:38:38 ID:r3w5IunZ
カ
ッ
626 :
通常の名無しさんの3倍:2007/11/23(金) 19:39:14 ID:bwFAT3FB
ト
グエン
バン
ライン踏んでる
ン
美
国
美しい人生よ〜
限りない喜びよ
なぜシゲル・マツザキ?w
しかし彼のターンAターンならば聴いてみたい気もする
月の繭もw
塊魂やってからしげるの歌声が心地いいw
あの声に限りなき旅路なんかも歌わせてみたいw
終わりなきこの旅を歌で貫かん
どこに行っても松崎しげる大人気だなwww
LOVE 繋がりたいんだ
俺と?!
*←アナ○
カモン!ロックオン!
>>643 ヴァーチェ、目標を破砕する。
もう12月か。いよいよ冬も本番だが、32氏も風邪引かないように気を付けろよ〜。
ティエリアならいつでもOKさ!
御曹司共自重しろ
絶対にノゥ!
泣き虫ポゥ!
シドゥじいさん
じいさん自慰産
SEEDじいさん
んちん
ちんち
保守
右四枚〜
保守
保守
ホ守
ホモ
私は何度でも上がるのだよ、ローラ
いい加減にこのスレいらないだろ
さっさと削除以来出してこいよバカどもが。
きっと後で後悔することになるぞ
はっきり言ってキモいんだよ!
とっとと埋めるかなんかしろっての、ageてないでよ!
れっとう感丸出しのホモ野郎の後日談なんていらねえんだよ
たった一度でもカミングアウトしかけたらガチホモだっつうのwww
のーたりんのお前らじゃわっかんねぇかなぁwwwwwwww
?
663 :
通常の名無しさんの3倍:2007/12/14(金) 03:45:19 ID:41Aqq2Bo
たまげた縦とメール欄だなあ
神聖なGEN様のスレを荒らすんじゃねぇぞ
665 :
32:2007/12/14(金) 09:08:58 ID:???
人多杉も解除され、移転して「さて続き投下すっかぁ」と来てみたら・・・
>>661 ちょっと泣きそうになったお(´・ω・`)
でもメル欄見て逆の意味でまた泣きそうになったお(´;ω;`)
感謝のついでに、とり急ぎ45話前半。なんで後半はもうちょっと待っててね。
45.月は生まれ変わる!
ディアナは少し歩み、部屋の中央に置かれた椅子に腰掛ける。
「キエルさんがMS部隊を降下させるような事は決してしないでしょうから、あれは恐らくカイラス・ギリなのでしょう」
「カイラス……なんです?」
まったく月の技術というものは、いつも不思議な発音のものが多いとグエンは思う。
「月の使われざる兵器です」
使われざる兵器! ターンタイプのならず、月にはまだ黒歴史の兵器が眠っているというのか。
しかしグエンは湧き上がる興奮を抑えつつ、真実に近付くために言葉の駒を進める。
「その使われざる兵器とやらを、この期に及んで地球の――しかも『月の繭』のロストマウンテンに降下させたと仰るのか」
一体、月はアメリアに戦争を仕掛ける意思があるのか。今のグエンは、かつてウィルゲムで月に行った時以上の危機的状況に置かれている事をひしひしと感じ始めていた。
だが一方でディアナはとても落ち着き払っており、そんなグエンの怒りや苛立ちを抑えつけるように言う。
「その『月の繭』こそが」
今のアメリアの混乱の元ならば、キエル・ハイムは躊躇いなく消し去る強い意思を持っているのだろう、とディアナは言うのである。
「だからこそ、私はキエルさんに女王の座をも渡そうとも思えたのです」
「…………」
「単に私が地球で暮らしたいと思っていたからではありません。ギンガナム家やメンテナー家無き今、キエルさんは一人で月社会の三つの仕事を纏め上げなければならないのです。そしてその困難を承知もしてくれました」
「……!」
そしてそのディアナの言葉により、グエンはある一つの重大な事を気付いてしまったのである。
キエル・ハイムに全てを任せ、ディアナは地球でのうのうと隠居しているのではない。
これはディアナからキエルへと、月の女王が世代交代したのだとグエンは悟った。
「だからこそ、カイラス・ギリの一部を地球へ降ろしたのでしょう」
これは手ごわい事実だ。想定していた相手が全く違う人間であると気付いたのだから。
キエル・ハイムは単なる女王の替え玉ではない。
新たな時代の月の女王なのだ。新たな女王を得た月は生まれ変わっている!
だがその事実に打ちひしがれてるだけのグエンではない。その口からは、咄嗟に相手を探る質問を無意識のうちに発する。
「……新しい女王は、禁忌の兵器を以って恫喝をするようなお人なのですか?」
だがそのグエンの誘いには乗らず、ただ祈るようにディアナは続けた。
「まずは『月の繭』の破壊……それが無理ならば、地球圏には為す術がありません。ただじっと、二つのターンタイプの復活の時を待つしかないでしょう」
そしてディアナは膝に置いた手を重ねる。
「かつてホワイトドールがそうであったように」
なんか恋空みたいなレベルだなw中学生の作文みたい
乙〜(^ω^)
焦らずのんびりやってください。応援してるお (^ω^)
>>665 32氏キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!乙乙どす
ちょっと早いが来年もよろしくだよ
>>661 あぁ…大漁だったよ…
鯛とか、ヒラメがいっぱい捕れたよ…
>>666はカレイにスルーするとして、32氏乙!!
後編も待ってるんだぜ!!
まつ毛を濡らしたまま保守
ま○毛を濡らしたまま保守
出会い系で知り合った10歳以上年上のオジサンの家へ。
そしたら「これ着て責めて欲しい」と言われて、レンコン掘りというか、
魚河岸の人が着てるような胸まであるゴム長を着させられ、捻りハチマキをさせられた。
向こうは全裸。
まあこんなのもたまにはいいか、と愛撫してたら、オジサンが喘ぎ声の中、喋りだした。
「お、おにいちゃん…お、おかえりなさい…た、大漁だった?ねえ大漁だった??」
…オレは突然の、しかも想定の範囲を超えたセリフにポカーンとしてしまった。
オジサンは素に戻って、「…返事して欲しい」と恥ずかしそうにオレに言った。
プレー再開。
耳とかをなめつつ体中をさわさわと触る
「お、おにいちゃん、大漁だった?」
「ああ、大漁だったよ」
「あぁぁぁあぁすごいいいぃいぃ!、、な、なにが、、ハァハァなにが捕れたの?」
乳首を舌でやさしく舐めながらオレは答えた
「…鯛とか、、、ヒラメがいっぱい捕れたよ」
セリフを聞き、オジサンはびくんびくんと身体をひきつらせた
「はっ!はぁぁぁあんっ!イ、イサキは?イサキは、と、取れたの??」
チンコをしごく
「ああ。でかいイサキが取れたよ。今年一番の大漁だ。」
「大漁っ!!イサキぃぃ!!おにいちゃんかっこいいいいぃぃぃい ぃくううううう!」
実話です。。きっと漁師の人との幼い頃の体験というか、淡い恋心とかが
あったんだろうなあ、といろんなことを考えさせられた一夜でした。
675 :
32:2007/12/19(水) 09:04:02 ID:???
だからホモネタはやめろとw
(しかしこんなコピペを改変しているからと言って、続きを投下しない事のエクスキューズにはならんぞ)
ハイム鉱山で知り合った2歳以上年上の御曹司の家へ。
そしたら「これ着てパーティに出て欲しい」と言われて、パーティドレスというか、
女の人が着てるような胸の開いた服を着させられ、前髪も垂らされた。
向こうは阪神王子。
まあこんなのもたまにはいいか、とダンスしてたら、阪神王子が、喋りだした。
「ロ、ローラ・ローラ、趣味か?ねえ趣味なのか??」
…オレは突然の、しかも想定の範囲を超えたセリフにポカーンとしてしまった。
阪神王子は素に戻って、「…返事して欲しい」と恥ずかしそうにオレに言った。
ダンス再開。
目はディアナ様に吸いつつ本物の目はほかのご婦人を物色する
「ローラ、趣味か??」
「いえ、任務ですよ」
「ユニヴァァァァァース!、、な、なにを、、ハァハァなにを発掘しているの?」
Iフィールドを作動させ渓谷にオートリアクション、セット、索敵しながらオレは答えた
「…黒歴史の遺跡とか、、、カプルがいっぱい掘れたよ」
セリフを聞き、阪神王子はびくんびくんと身体をひきつらせた
「はっ!はぁぁぁあんっ!タ、ターンXは、ターンXは金縛りに出来るの??」
袖を引っ張る
「ああ。ゴールドスモーのエネルギーをすべていただくよ。ゲンガナムのようにね。」
「ゲンガナムっ!!電力ぅぅ!!Iフィールドバリアァァァァ! ユニヴァァァァァース!」
実話です。。きっと月の女王との幼い頃の体験というか、淡い恋心とかが
あったんだろうなあ、といろんなことを考えさせられた一夜でした。
改変w
今追いついた
まったり待ってまつ
チンパンの歴史 Ver.06 ∀側…∀厨 S側…種ファン
MG∀本スレでS側・従米ポチ現れる。
↓
多分、S側・従米ポチが∀批判スレを立てる。
↓
それが我慢出来ない∀側・人物Xが、重複∀批判スレを一日後に立てる。
(後に1000件まで行くも、後継者が出ず消滅)
↓
∀批判スレの中盤辺りから、普通に∀批判している人物をチンパンと
呼ぶ∀側・「チンパン荒らし」が発生。重複駄スレの関係者の疑い。
↓
∀側・チンパン荒らし、のび太AA連続貼り逃げ。
↓
∀批判スレ2スレ目立つ。そこで自分がのび太AA連続貼り逃げした
にも関わらず、∀側・チンパン荒らし、コピペは負け犬の遠吠えと涙目。
↓
過去ログを見ればわかるのに、∀側・チンパン荒らし、火消しに必死。
↓
その直後辺りから、MG運命スレに韓国荒らし発生。やり方がのび太
AA連貼り、∀側・チンパン荒らしと酷似。
↓
それを指摘された途端、急に、運命スレを荒らしたのは、S側人物の
∀批判スレを立てた人物と理解不明な工作開始。
どうして種厨のS側人物がMG運命スレを荒らすのか理解不能な
言い訳に終始。
↓
∀批判1スレを荒らしていた、∀厨のチンパンズ自分たちの荒らし
行為は無視して、必死工作中
↓
無関係な他人との会話をなぜか自分の脳内勝利に結びつけ
電波捏造一人必死な完全勝利宣言www←イマココ
チンパンクンとは・・?真性∀厨にして、運命スレなどを連続荒らししている超迷惑コテ
∀真チンパンクンとは?
MG∀が発売された直後から発生。
MG∀スレ内で、ちょっとした批判にも過敏に反応し、仕方なく
避難的に立てられた、MG∀アンチスレにも遠征。
MG∀アンチスレ内でまともな批判が書き込まれると、相手にチンパン
チンパンといい続け、ついに自分が 真チンパンクン の命名を
受ける。
その後アンチ本スレから遅れること1日、自分がニセアンチスレを
立て、MG∀アンチ本スレを連日荒らし続け、自分のニセスレに誘導。
どうせ批判されるなら、自分の立てたニセスレでという屈折した感情である。
さらにその後、MG運命が発売されると、なぜか異様に嫉妬して、連日
MG運命スレに出没し、韓国人の振りをして荒らし行為。しかしそれが
真チンパンクンの行為であることは、誰の目にも明白なのであったw
32氏何してはるんですかwww
何気にエロ要素を払拭してあるところにこだわりを感じたw
32氏GJ!!
真∀チンパンクン(別名チンパン、チンパンマダー等)の歴史 Ver.06
※∀側…∀厨 S側…種ファン
MG∀本スレでS側・従米ポチ現れる。
↓
多分、S側・従米ポチが∀批判スレを立てる。
↓
それが我慢出来ない∀側・人物Xが、重複∀批判スレを一日後に立てる。
(後に1000件まで行くも、後継者が出ず消滅)
↓
∀批判スレの中盤辺りから、普通に∀批判している人物をチンパンと
呼ぶ∀側・「チンパン荒らし」が発生。重複駄スレの関係者の疑い。
↓
∀側・チンパン荒らし、のび太AA連続貼り逃げ。
↓
∀批判スレ2スレ目立つ。そこで自分がのび太AA連続貼り逃げした
にも関わらず、∀側・チンパン荒らし、コピペは負け犬の遠吠えと涙目。
↓
過去ログを見ればわかるのに、∀側・チンパン荒らし、火消しに必死。
↓
その直後辺りから、MG運命スレに韓国荒らし発生。やり方がのび太
AA連貼り、∀側・チンパン荒らしと酷似。
↓
それを指摘された途端、急に、運命スレを荒らしたのは、S側人物の
∀批判スレを立てた人物と理解不明な工作開始。
どうして種厨のS側人物がMG運命スレを荒らすのか理解不能な
言い訳に終始。
↓
∀批判1スレを荒らしていた、∀厨のチンパンズ自分たちの荒らし
行為は無視して、必死工作中
↓
無関係な他人との会話をなぜか自分の脳内勝利に結びつけ
電波捏造一人必死な完全勝利宣言www←イマココ
∀真チンパンクンとは? (別名チンパン、チンパンマダー等)
MG∀が発売された直後から発生。
MG∀スレ内で、ちょっとした批判にも過敏に反応し、仕方なく
避難的に立てられた、MG∀アンチスレにも遠征。
MG∀アンチスレ内でまともな批判が書き込まれると、相手にチンパン
チンパンといい続け、ついに自分が 真チンパンクン の命名を
受ける。
その後アンチ本スレから遅れること1日、自分がニセアンチスレを
立て、MG∀アンチ本スレを連日荒らし続け、自分のニセスレに誘導。
どうせ批判されるなら、自分の立てたニセスレでという屈折した感情である。
さらにその後、MG運命が発売されると、なぜか異様に嫉妬して、連日
MG運命スレに出没し、韓国人の振りをして荒らし行為。しかしそれが
真チンパンクンの行為であることは、誰の目にも明白なのであったw
683 :
通常の名無しさんの3倍:2007/12/20(木) 19:36:22 ID:KuCl9Ac1
ちょwwwww∀ガンダム投売りwwwwwwwwwwwwww
機動戦士ガンダムダブルオーと仲良く投売りwwwwwwwwww
MG100体目記念が壮絶失敗wwwwwwwwww
発売直後に買ったけど
モケケwwヒゲ最高wwww超動くwww
って感動出来たから
別に今投げ売られててもきにならないのだ
∀真チンパンクンとは? (別名チンパン、チンパンマダー等)
MG∀が発売された直後から発生。
MG∀スレ内で、ちょっとした批判にも過敏に反応し、仕方なく
避難的に立てられた、MG∀アンチスレにも遠征。
MG∀アンチスレ内でまともな批判が書き込まれると、相手にチンパン
チンパンといい続け、ついに自分が 真チンパンクン の命名を
受ける。
その後アンチ本スレから遅れること1日、自分がニセアンチスレを
立て、MG∀アンチ本スレを連日荒らし続け、自分のニセスレに誘導。
どうせ批判されるなら、自分の立てたニセスレでという屈折した感情である。
さらにその後、MG運命が発売されると、なぜか異様に嫉妬して、連日
MG運命スレに出没し、韓国人の振りをして荒らし行為。しかしそれが
真チンパンクンの行為であることは、誰の目にも明白なのであったw
真チンパンクンは、自分の行動が親にも見せられない恥ずかしい
行為だと気付き始めたのか、荒らしたあとに「すまぬ」と一言謝罪を
繰り返すようになった。チンパンから真人間への進化の第一歩なのか?
真チンパン、とうとう自分の低脳がチンパン並みであるのを暴露。
人間様の考えた年表を必死に真似するも、いかんせん知能が追いつかず
自作自演の脳内賞賛を繰り返している始末。これが人間とチンパンとの
差なのであろうか?まさにサル真似。
真チンパンのファビョダンス&必死な抵抗&涙の土下座謝罪が見れる
のはこのスレだけ!
http://hobby10.2ch.net/test/read.cgi/mokei/1192009382/ http://hobby10.2ch.net/test/read.cgi/mokei/1198231029/
真∀チンパンクン(別名チンパン、チンパンマダー等)の歴史 Ver.08
S側・従米ポチが∀批判スレを立てる。
↓ ※∀側…∀厨 S側…種ファン
それが我慢出来ない∀側・人物Xが、重複∀批判スレを一日後に立てる。
↓
∀批判スレの中盤辺りから、普通に∀批判している人物をチンパンと
呼ぶ∀側・「チンパン荒らし」が発生。重複駄スレの関係者の疑い。
↓
∀側・チンパン荒らし、のび太AA連続貼り逃げ。
↓
∀批判スレ2スレ目立つ。そこで自分がのび太AA連続貼り逃げした
にも関わらず、∀側・チンパン荒らし、コピペは負け犬の遠吠えと涙目。
↓
過去ログを見ればわかるのに、∀側・チンパン荒らし、火消しに必死。
↓
その直後辺りから、MG運命スレに韓国荒らし発生。やり方がのび太
AA連貼り、∀側・チンパン荒らしと酷似。
↓
それを指摘された途端、急に、運命スレを荒らしたのは、S側人物の
∀批判スレを立てた人物と理解不明な工作開始。
どうして種厨のS側人物がMG運命スレを荒らすのか理解不能な言い訳
↓
∀批判1スレを荒らしていた、∀厨のチンパンズ自分たちの荒らし
行為は無視して、必死工作中
↓
無関係な他人との会話をなぜか自分の脳内勝利に結びつけ
電波捏造一人必死な完全勝利宣言
ついにチンパンの頭が壊れ、荒らしながら「すまぬ」と謝罪中
自分の電波捏造が崩れ始めた自信の無さの現れの謝罪だろうか?
↓
チンパン、人間様の作りし年表を必死に真似するも、やはりサル真似
レベル。いつになれば進化の階段を上がり、人間になれるのか?
そろそろ保守
人が、安心して保守するためにはっ!!
そのためにはゲイが必要なんだ!
荒んだ心にホモネタは危険なんです!!
レズネタなら!
なろぉ!
やえぇ!
だらぁ!
新春に晴れ着姿のローラが来ると聞いて飛んできました
去年から前編のまま放置してて……その……スマン。
そしてみんな、あけましておめでとう。
695 :
32:2008/01/01(火) 23:30:52 ID:???
豚…orz
この…豚野郎が!!
32氏あけおめw
このスレ放っておいてもローラ萌えで盛り上がってるからマイペースでね
あけおめー
ゆっくり、待ってるんで焦らずがんばってくだしゃい
正月あけた保守
699 :
通常の名無しさんの3倍:2008/01/06(日) 15:54:45 ID:V+gCRbjN
保守をするならageてみせよ
保守る
∀にVのMSとは素晴らしい。
保守しよう。
その内、「俺がガンダムだ」とか言い出す変人キャラ(物語には絡まないのに、事あるごとに出てくるwww)とか出てきそうだなwww
>>702 ディアナ様の射撃の師匠とかで
ロックオン出てきたりww
一方ギンガナム隊は模擬戦だった。
>>704 あいつら、リアルで模擬戦二千勝だよなwww
「小生はぁ!」
「模擬戦でぇ!」
「スペシャルでぇ!」
「二千回なのである!!」
そしてバラバラになるターンX
しかし御大将にマヒローは合わないなw
ディアナソレルの名のもとに狙い撃ちます!
1週目
ロラン「僕がガンダムです」
ソシエ「何、訳のわからないこと言ってるのよロラン」
2週目
ロラン「僕は…ガンダムにはなれない…」
阪神王子「気でも狂ったのか?」
3週目
御大将「地球人に∀の復元なんてなぁ!!」
御曹司「私がガンダムだ」
御大将「……(こんなもの模擬戦では想定外だぞ)」
ネタわかんね
ダブルオー?
なんかちょっと前から無理やりダブルアッーネタ絡ませようとしてる奴いるな
上手くもないし面白くもないから無理しないでもいいよ?
私のローラの菊門の話をしているな?貴公らは?
715 :
32:2008/01/20(日) 07:24:21 ID:???
年をまたいで引っ張った45話後半です。
ちなみに00はけっこう楽しんでます。好きなキャラはグラハムなんだけど、どうして俺の好きなガンダムの男キャラはこうもホモキャラにされる奴ばっかりなんだ……w
そして現時刻。
『月の繭』へ急ぐロランとソシエはグエンのバイク戦艦に補足されていた。
「追い付かれたわよ、ロラン」
グエンのタイヤ付き戦艦は予想よりも早く、その差は見る間に縮んでいった。
「ローラ、何も君一人が急ぐ事はないのだよ。『月の繭』は無事であるし、なによりディアナ様もこちらでローラの事を待っていらっしゃる」
これ以上ディアナを問いただしても無意味と悟ったグエンは話を切り上げ、アドラステアのブリッジに戻った。
そして「ノックス方面より高速で『月の繭』に向かっている機体あり」との報告を受けたグエンは、その機体を追尾するルートに艦の梶を切らせた。
「どうするの? ディアナ様を人質に取ってるわよ」
「人質なんかじゃありませんよ……」
グエンがそんな単純で陰湿な手段を使う人間ではないというのは知っているし、元々はグエンの賓客としてアドラステアに乗船していたのだから、あそこにディアナがいるのは当然ロランも知っていた。
だからノックスから脱出する形で急行できたのは、ディアナに危害が及ばないと判断したからでもあった。
「あの艦に行きましょう、ソシエお嬢さん」
今から最大出力で飛ばしたとしても振り切れるものではないし、行き着く場所が同じなら逃げ回る意味もない。
「……わかったわ」
ソシエは速度を調整するフットペダルの踏み込む足の力を弱めた。
〈ガンダム〉を乗せたゼータ・ボルジャーノンの速度が緩やかになっていき、アドラステアの艦首と並ぶ。
「どうやら分かってくれたようだね。わが艦は君たちを歓迎しよう」
そのグエンの言葉と共にアドラステア下部中央のMS格納庫の扉が開く。
「この艦はやや特殊な構造をしているが、着艦はできるな?」
開かれた格納庫の中から、〈丸メガネ〉や〈キツネ目〉といったガリアで発掘されたMSの感情の無い眼がこちらを睨んでいた。
「ここの機械人形って、いつ見ても苦手なのよね」
これでは気味の悪い像が置かれた洞窟に入っていくようなものだ、とソシエは思いながらも難無く着艦した。
「ようこそアドラステアへ! ブリッジに上がって来たまえ。ディアナ様も歓迎していらっしゃる」
ロランとソシエを睨み見下ろすガリアの機械人形とは裏腹な、グエンの嬉しそうな声が格納庫内に響いた。
キタ━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━━( ゚)━━( )━━(゚ )━━(∀゚ )━━━(゚∀゚)━━!!!!
御曹司が喜んでる様子が伝わってくるwww
GJ32氏wwwww
>>715 キタキタキタキタひ〜らりひらひらひひらりら〜
32氏乙です!!
(^ω^))おつおつ!
32氏オッスオッス!
乙。
乙だと言っている!
心の海見つめて保守
アウラ保守
守保守
イサキ保守
下がりすぎあげ
あげるいみがわからん
気分的なものだよ
そうか、ごめん保守
そんなdat落ち、私の保守で押し通す!!
↑声出してワロタ
うわーこんなのあるんだ
深い世界だな・・・
保守
739 :
通常の名無しさんの3倍:2008/02/24(日) 02:27:22 ID:Q3ypVaZf
ほせゅ
保守
742 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/03(月) 02:23:21 ID:Wt6dQjxr
花粉症の季節になってきたが、32氏は大丈夫かな?
季節の変わり目は体調を崩しやすいから、無理せず気を付けて下さいね〜。
という訳で、保守。
保守させていただきます!
ホ
モ
747 :
32:2008/03/16(日) 00:15:03 ID:???
保守してくれてるみんな、すまねぇ。
長らくお待たせしました。46話前半をお届けします。
46.メリーベル、出奔
見た目はこの上なく奇異な戦艦だが、このアドラステアの艦内はいたって普通の黒歴史時代風の戦艦である。
(宇宙戦闘用の戦艦だとでもいうのだろうか……でもなんでタイヤなんだ?)
とはいっても、一体どんな目的で戦艦にタイヤなどを付けたのかは黒歴史時代の人間にでも聞かない限りは知る由も無いので、ロランはその疑問を頭の隅に追いやった。
「行きましょう。ブリッジへ」
だがソシエがゼータ・ボルジャーノンのハッチを開き、コクピットから身を乗り出しながらロランを促したその時。
格納庫内に立つ数機の〈キツネ目〉の目が開かれ、その目から放たれる赤い光に辺りは染まった。
「な……なんなんですよ!?」
「やっぱり罠だったの!?」
先ほどの歓迎するグエンの声など無かったかのような、それは血のような赤さだった。
その赤い光のすべてが二人に注がれる。
「ロラン・セアック! おまえはいっつも邪魔してっ!」
メリーベルの〈とんがり帽子〉が一歩足を踏み出し、身をかがめてロランとソシエを睨みつけた。
ガリア産のMSが持つその瞼が上下に大きく開かれ、眼球とでもいうのだろうか、赤い眼の中央に位置する黒いセンサーに射すくめられた。
「メリーベルさんでしょ、なんだっていうんです!?」
「おまえがいなければ……私はっ……!」
〈とんがり帽子〉の顔が、ロランに近づいていく。
そして、その手がロランを掴もうと伸びたその時。
「メリーベル! やめたまえ! メリーベル!」
それを制するグエンの声が格納庫内に響いた。
「メリーベル!……まったく……!」
ブリッジからの言葉では無駄だと悟ったグエンは通信機を投げ捨て、自ら格納庫へ走った。
748 :
32:2008/03/16(日) 00:16:27 ID:???
46話後半。00のスレも面白そうだったけど、落ちちゃったみたいね。
「う……うわぁ……」
MSに囲まれ逃げ場もなく、ロランは本能的に身をすくめる事しか出来ない。
が、〈とんがり帽子〉はそのグエンの声で我に返ったのか、それ以上動く気配は無かった。
(グエンもか……グエンまでも……)
この場にいる全員から私は拒絶されている。
誰もが私を邪魔だと思っているのか。
ならば……。
「グエン……邪魔してっ……地球なんて……」
「え……?」
かすかにメリーベルのMSから漏れ聞こえた声は消え入りそうなほど小さく、おそらくそれは最も近くにいたロランにしか聞き取れなかっただろう。
そして声が聞こえた事で気のゆるんだロランは、逆に〈とんがり帽子〉の方へ足を踏み出そうとした。
「メリーベル、さん?」
「ロラン、危ないわよ……」
ソシエの危惧する声も聞かず、MSへ足を踏み出す。
「どうしたんです? メリーベルさ……うわぁっ!」
だが呼びかけようとしたその時、かがんだまま今まで動かなかったMSが、急に背を伸ばした。
「おまえたち! 行くよ!」
先ほどまで掴みかかろうとしていたロランなどいないかのように無視し、メリーベルは周りの〈キツネ目〉に号令し、開け放れたままの格納庫のハッチから飛び出していった。
「うわっ、な、何!?」
ロランとソシエは次々と発進するガリアのMSの風圧に翻弄される中、遠くからグエンの叫び声を聞いた。
「メリーベル、どこへ行こうというのだ? 戻ってきたまえ!」
「グエン・ラインフォード!」
そのグエンの声に反応してか、〈とんがり帽子〉が空中で振り返った。
「我々は、貴様のやり方に叛旗を翻す! 我々は独自にアメリア進行作戦を開始する!」
ガリアのMSの中の一機が持ち出したものか、〈とんがり帽子〉は丸い円盤のような台座に乗り、高らかに宣言した。
「何を言っているんだ!? 戻ってくるんだ、メリーベル!」
「そんな事、できるわけないでしょう!」
「アメリア進行作戦だなんて……そんな……」
〈とんがり帽子〉の周りには、アドラステアから発進したガリアのMSが次々と集結していく。
「メリーベル、今すぐ〈とんがり帽子〉から降りるんだ!」
「グエン! その物言いもやめろ!」
撃つつもりはないのだろうが、メリーベルは〈とんがり帽子〉のその長い銃口をグエンの方へ向けた。
「このモビルスーツの名前は、ザンネックだ!」
そういい捨て、メリーベル以下十数機のガリアのMSたちが、遥か彼方に飛び去っていった。
「……ひどい歓迎の仕方ね、まったく」
騒ぎが収まり再び静かになった頃、腕を組みながらソシエが皮肉を口にするが、グエンには届いてないようだった。
「グエン様……?」
「あ……ああ、歓迎しよう、ローラ」
ロランが呼びかけると我に帰ったようだったが、しかしグエンは思いのほか強く衝撃を受けているようだった。
32氏乙です。
種とのクロススレも落ちたまま職人さん消えちゃったし、今時流行んないのかな……
32氏乙です。次回を楽しみに待ってます。
キタ━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━━( ゚)━━( )━━(゚ )━━(∀゚ )━━━(゚∀゚)━━!!!!
>>32氏乙
月繭読み返してみたが、グエン卿のおじいさま性癖が素敵すぐる
753 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/25(火) 08:09:04 ID:33xLYymL
hosyu
今、初めから読ませて頂きました。
僕は正直になろうと思います。
とても楽しかったです。
このスレにはageるだけの価値があると思います。そう感じました。
>>32さんには、今後とも頑張っていただきたい。
そんな願いを込めて……
ユニヴァァァアアス!!
>>748 32氏の話、読んでてすっげぇwktkだぜ!!
そういや、種は黒歴史入りしてるけど、俺ガンダムは黒歴史扱いなのかな?
32氏的にはどういう解釈なの?
俺ガンダムって「俺がガンダムだ」?
それとも「俺の考えたカッコいい最強のガンダム!」のこと?
普通は後者を指すとオモ
そもそも黒歴史入りとか明言しちゃえるのが
黒歴史ってどの黒歴史
知らん
本編が出来た時に生まれてなかった作品を黒歴史入りしてるとか言ってるんだし
あきまん漫画なんか存在自体が黒歴史だろw
761 :
32:2008/03/27(木) 12:20:03 ID:???
一時期、種を黒歴史に入れるか(あくまでこの話の中でだけね。∀の公式設定とかは別で)悩んでたけど、
悩んでる間に00なんてのが出てきたりで、じゃあサンライズだったかバンダイの言うように「映像作品だけ」にしようかとも思ったんだが、
……レッドゼータのアレとかイボルブはどうなのよ、そもそもZは新旧どっちだ? Gセイバーは、ガイア・ギアは……ユニコーン???
と、キリが無いので、一応この世界観は「∀のTV版のみ」という姿勢を取らせていただきます。つまり黒歴史はXまでは確定。
ちなみにTV版のみだから、ロランは剣で戦ったことあるけど、ギンガナム投げなんかしないし、グエンのお爺様が素敵かどうかはワカランし、
コレンはアスクレプオスには乗ってません、って事で。
……でも話的にフリーダムやエクシアが必要になるってんなら出すかもなw
>>761 ごめん。
実はデュナメスかオーバーフラッグの登場を1人wktkして待ってたりwww
あくまで俺の個人的なwktkだから、全然気にしないでくれて良いんだけど。
月の繭の「無限の翅模様」が「グエンのアレもよおす」と聞こえるようになりました。どうしたらいいですか?
御曹司を想像しながら
シコるしかないでしょう
>>761 実はブラックドールとか隠してたりして。
サイコはありだな
でもそれやると32氏の心的負担が大きそうw
むしろアイアンギアを
黒歴史が眠っている内に正暦にでもなったというか!
ローラローラ言いながらあたしのケツ掘るのやめろ!
普通にダメ親父www
メリーベルも大変だな
ほしゅ
逆襲のグエン第4話 「メリーベル、痔になる」
逆襲のグエン第6話 「メリーベル、神経性胃炎」
775 :
32:2008/04/11(金) 08:04:42 ID:???
逆襲のグエン実話「32、風邪をこじらす」
正直スマン……
逆襲のグエン第保守話「32氏の災難」 風邪の居所は風邪次第。
…くれぐれもお体は大切に。
>>776 うまいなw
32氏
待っててやるからゆっくり治しやがれですぅ
最近暖かくなってきたね保守
たまには上げるということも、必要なのです
汚いメ欄だなあ
お前初めてか、力抜けよ
まさかのスパロボ再登場おめ
保守
携帯で少ない時間使ってちょこちょこ読ませていただきました
32さん凄いねえ
世界観をよく再現してるって言うか、キャラをよく理解してるって言うか
∀に対する“愛ゆえに”ですね
784 :
通常の名無しさんの3倍:2008/04/23(水) 12:36:31 ID:uvB++ZsD
保守あげ
支援します
32氏お大事に。
保守。
たまたま思いつきでぐぐって辿り着いた。
運命と32氏とスレ住人に感謝。そして保守(になるのかなsageでも)。
788 :
通常の名無しさんの3倍:2008/04/30(水) 21:56:56 ID:t9Hx3dWe
月の繭を歌いながら保守
790 :
通常の名無しさんの3倍:2008/05/05(月) 09:39:25 ID:07bOo+by
保守します
ほ?
保守していいのかな?
793 :
通常の名無しさんの3倍:2008/05/06(火) 20:45:38 ID:4gf82k6B
保守
よしなに保守
ほす
久しぶりにDVD見返してるんだが、ロランとディアナがいきなり踊りだすあのシーンはやっぱ謎保守
ローラ・ローラ
ららるー
保守
803 :
通常の名無しさんの3倍:2008/05/15(木) 23:00:09 ID:W9XyW4NI
ディアナ「こんなところに文字が…(グエン&ローラ)ロラーン
又グエン様が来てたようですよっホラっ!ここ」
ロラン「又ですかーこんなところに落書きまで!!」
ディアナ「おかわりないようで」
ロラン「困ったお方ですねーグエン様は」
804 :
32:2008/05/16(金) 09:25:23 ID:???
ラストで踊りだすのは24話「ローラの遠吠え」だね。でもあの辺りはキャラ名入ったサブタイトルが続くから区別し辛いですね。
自分の中にロランやディアナ、グエンたちをまた呼び起こそうとDVDを見返したりして充電しております。
手ぶらもナンなんで外伝の外伝。
46.5話 エイジアの響き
「歓迎といえば、あの時のお茶会で出されたお茶はおいしかったですわね」
この艦には半ば監禁状態だった事もあるというのに、こんな時にこんな事を思い出すのはディアナらしい。
「お茶……?」
こんな時にお茶の味なんて、とロランは言いかけたが、そういえばあの時グエンは「ガリア土産だ」と自慢していたような事をおぼろげに思い出した。
「あのガリア土産だっていうお茶ですか?」
「そうです。でもあの香りはアメリアのものでもガリアのものでもありませんでした。おそらくエイジアのお茶なんでしょうね」
エイジア――その遠すぎる土地の響きの中には、ロランの想像もつかない多くのものが含まれている。
(その地にだってこんな戦艦や機械人形が埋まっているのだろうか……いや、それとも、僕やディアナ様みたいに静かに暮らしているのかもしれない)
「一度行ってみるのもいいかもしれませんね」
「そうですね。ディアナ様」
機械人形にディアナ様を乗せて地球一周もいいかもしれない。とロランは思ったが、今はとりあえずそれは頭の片隅に押し込んでおく事にした。
805 :
通常の名無しさんの3倍:2008/05/16(金) 11:17:23 ID:/fk222a0
当時も感じていたんですが…「なんでこの話の時の絵はオカシイの〜」って今見ても
もがっかりするシーンがありますがグエンよりロランの方が色黒(?)なんですね!
グエン「ローラ君は何故に〜ローラ(中略)この愛をささげるうぅぅローオーラー♪」
ロラン「よしてください!」
メリー「まぁまぁ〜」
メリー・キムさん?
逆襲まで後10年ぐらいかかるとして〜グレンもロランも三十路ぐらいかぁー!
三十路過ぎのいい年こいたロランとグエンが
隕石押し上げながら口げんかですね、わかります
ロランはアムロ程不器用じゃないよねw
御曹子だってシャアほど変態じゃない!
隕石の回りでロランの尻を追い掛ける御曹子と逃げるロランの痴話喧嘩が繰り広げられると。
で、キエルのディアナが「もう・・・カイラスギリ撃っちゃってww」で終了とww
ローラ・ローラ
ガリヤには何が埋まってるんでしょうね。
ガリアってそもそもどこなのかね
この世界を引き写すならフランスあたり
日本人の感覚で言うところのヨーロッパ
イナクトやヘリオンだな...
820 :
通常の名無しさんの3倍:2008/05/22(木) 19:11:46 ID:zHeV1zq9
はっきり言ってロランで抜けます。
ディアナ「グエン様中々逆襲にお見えに成らないですね」
ロラン「奥さんやお子さんのためにお忙しいんでしょうね〜
僕達みたいに!」
ラストのグエンは本当にカッコイイ感じになってましたね!グエンとメリーベル
は何故か予想的中で驚きました当時。
所帯持ちの逆襲者って一体…!
所帯ではないでしょ
傷の舐め合いだろうし
でもメリーベルって世捨て人になる程被害被ってないよね
アイドルと凄腕マネージャーにも見えました。
続きが楽しみです
保守
メリーベル『ギューンギューン♪ギラーギラー♪私の彼は○○野郎〜♪』
ズキュウウウウウウウーン!
ロラン「(何だろう?今の銃声は…)あれっディアナ様そこにいらしゃったんですか?」
ディアナ「はい」
ロラン「今日のスープ美味しいですよ(何だか焦げ臭い匂いが)」
ディアナ(ふふっ又私の勝ちですね!グエン様)
グエン「おのれディアナめーあの杖が銃だったとは何時も眉間ばかり
ねらいおって。」
829 :
通常の名無しさんの3倍:2008/05/30(金) 02:14:50 ID:/tDaLmyl
830 :
通常の名無しさんの3倍:2008/05/31(土) 15:13:34 ID:V3cG6/ny
AD「はいメリーベルちゃん良かったですよー」
メリー「ありがとうございまーす♪(全くグエンの奴又ストーキングか?)」
保守
メリーベル「お前の旅費稼ぎさせでんじゃねーよ!」
メリーベルは転生してコナになりました
ローラローラ言いながらあたしの(ryといい何このメリーベル哀れ設定w
本当はローラに辱められたい御曹司。
ほしゅ
グエン「ローラ私を泣かせ!いためてくれー!」
ローラ「いやですよ!」
そりゃぁ、いやだわなぁ
ゴルベーザに頼め
グエン「わなわなー」
842 :
通常の名無しさんの3倍:2008/06/10(火) 00:06:30 ID:h2pSrQPX
グエン「ローラ!この鞭とローソクで!」
ロラン「嫌だって言ってるでしょーグエン様ー」
グエン「ボーナスはずむよローラ〜」
ロラン「むむむ…」
ほしゅ
844 :
通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 11:53:31 ID:sM/xamQ+
ほ
も
/ チ |/ ! l ! | {
ィ´ーケ __ lイ ハ l `ヽ
∠ヽ 7 _ - .、 / ̄`ノイ
ハl ! '´  ̄ 二`、ー 、 /-_ !/
l { ! | <T::丁 ゝ ! イ:::レ'` リ
ヽ、ヽミ  ̄ l  ̄ l
!ヽ` l | l
`)`ハ l l
`Y ヽ - / /
_/{ ヽ 、__ , /
´/l!ヽ ヽ ー − ´ /
. l ll ヽ. \ / `丶、
! ヾ、 \ \ /ノ ヽ` ー- ._
ヽ ヽヽ `丶、 ` ー― / ヽ
では私の出番だな
む
ふ
ふ
どんな連レスだよw
に
や
り
グエン様の野望。
もう続きは無いのだろうか?
856 :
32:2008/06/27(金) 10:52:12 ID:???
カイラスギリとかメリーベル離反とか生きていたレット隊とか、大風呂敷広げ過ぎて収集つかなくなったんでどうしようか考えてたら何ヶ月も経ってしまってスマン。
なんとかロランたちを宇宙にいかせたいんだ……。
多少強引でもいいんじゃないかね
面白ければ
御曹司保守ばかりでも仕方ない
32氏がやる気起きるように俺らが今後の展開予想したりすればいいんじゃないだろうか
32氏は義務ではないし気が向いた時に描けばいい。どうせ次スレも立つだろうww
宇宙に行くには月とかに誰か人がいるか行くかしないとダメじゃないか?
今出てる中だとメリーベルしかいないけれどw
キエルさんと赤眼鏡ぐらい?月にいるのは
モンチッチが月の大学にいるって漫画ネタだっけ
32氏様焦らないで良いですからね少々つじつま合わなくなっててもおk!
保守
が
863 :
通常の名無しさんの3倍:2008/07/03(木) 21:29:56 ID:f8up/1Bs
ぬ
通算六週目見てるんだけど何度見ても面白い
俺飽き性なのに不思議!
保守
867 :
32:2008/07/14(月) 13:52:14 ID:???
六回も読み返してくれてるなんて、なんか凄く嬉しい。
ちょっとずつだけどまた書き始めてるんで、どうか諦めないで待っててください。
保守してるみんなもありがとう。
とりあえず今は報告だけ。スマン
868 :
通常の名無しさんの3倍:2008/07/14(月) 14:08:06 ID:XYrT5UGi
支援age
ファイトーいっぱぁーつ御曹司。
諦めません読むまでは…。
保守sage
872 :
32:2008/07/22(火) 00:50:49 ID:???
皆様長らくお待たせしました。第二部再開です。といっても以前より投下ペースは落ちると思うけど。
途中の色んなものをすっ飛ばして宇宙来ちゃった……どうしよう。
47.金の船、浮かぶ
地球のみなさん、お元気ですか? 先ほど僕たちはザックトレーガーから離脱し、いよいよ本格的に月へ向かいます。
ザックトレーガーというのは、地球の軌道上(軌道上というのは地球の引力が及ぶ範囲の……つまり空のそのまた上のことです)に存在する中継基地で、そこは常に回転しており、その遠心力を利用して月へ向かう推力を得ようという場所です。
遠心力というのは……
…………
宇宙という概念を知らない者にそれを説明するのは、なんて骨の折れることなんだろう、と、ロランは筆を置きながらため息をついた。
しかしその金色のペンは、ロランの吐いた息を吸ったように浮き上がり、同時にロランの体もふわりと浮いた。
グエンのガリア艦隊の旗艦アドラステアの一室。
あの『月の繭』での一件以来、ちょっとしたいざこざもあったが、グエンとアメリアと月の政府の三者間に走った緊張は、ロランが月へ和平使節として赴く事により、急速に緩み始めていた。
(僕が月へ行くと言い出したら、グエン様も急におとなしくなっちゃうんだから……)
そう思いながらもロランは久しぶりの無重力の浮遊感を楽しみつつ、目の前まで浮いたペンを摘み、指先に少し力を加えて放した。
金の魚がロケットのように壁へ向かって泳ぐ。
以前からアメリア連合政府は月へ使者を送る事が決まっていたのだし、これでやっと元の予定に戻ったともいえる。
(今度の月旅行は何も起こらなければいいんだけど)
以前はミリシャの反乱騒動に始まり、ギンガナムとの戦いの幕開け、そしてミスルトゥの落下と爆破と、本当に色んな事が立て続けに起こった。
黄金のロケットは室内に置かれた観葉植物の鉢を通り過ぎ進む。
しかし今はギンガナム艦隊も無く、アメリアとムーンレィスの関係は良好であると言えるし、そもそも良好にするための使者なのだから、以前のように戦いの連続の危険な要素はない。
この38万4400kmの旅は、あの漂う金の船のように穏やかな航海になりそうだ。
激しく乙!
生きていたレット隊の二人がいつ出てくるかが楽しみ
乙乙
乙!!!
待った甲斐があった!
猛烈に感動そしてああああああああああああああああああああああああ!!
乙乙乙であーる。
保守
保守
保守
保守
ここまで保守する必要あるの?
保守で埋まっちゃうよ。
ザックトレーガーってネーミングも好きだけどあの近づいて来る時の効果音が最高。
あれって下部は成層圏に入ってくるの?
だったら実際に音もするんだろうな
姉さああああ〜ん出番ですよ〜。
俺も書いてみたくなったので投下させてくださいw
主人公はオリジナルですが何かの伏線に使えたらいいかなーってことでこの名前です。
#1
「すみませーん、誰かいませんかー?」
春の暖かな昼下がり、ハイム邸に一人の少年がやってきた。
「どちらさんだい?」
丸顔でどっしりした体格のジェシカが少年の前に立ちはだかった。
「ディラン・マッケイといいます。使用人募集の張り紙を見て来ました」
「…ディラン?」
切ないような表情を見せたジェシカから、主人を呼んでくるからここで待つようにと
通された応接間で、ディランは少しばかり緊張して主人の到着を待った。
しばらくした後、コンコン、とノックが聞こえると長く綺麗な髪をした若い女性が入ってきた。
「こんにちわ。この家の当主、ソシエ・ハイムよ」
「はっ、はず、はじめまして!ディラン・マッケイといいますっ!」
鉱山主の娘ということでどんな強面が出てくるかと思えば
想像とは真逆の容姿をしたソシエと対面して、ディランは動揺して噛んでしまった。
「ふふ、そんなに硬くならなくていいわよ。あなた生まれは?歳はいくつ?」
「15です。ルジャーナから来ました」
「そっか。私の5つ下ね。自動車の運転は出来る?」
「はい。田舎で両親の仕事の手伝いで毎日運転していましたから得意です!」
「そう、じゃあ決まりね。明日からよろしくねディラン」
「こちらこそ、ソシエさま」
優しそうな人だな、と安心して応接間から出ていくソシエを見送ると
入れ替わりに来たジェシカが使用人小屋へ来るようディランに促した。
「ここがあんたの部屋だよ。隣はあたしの部屋だけど覗くんじゃないよ!」
そんな趣味はありませんよ、と心に思いながら据付けられたベッドに横になり
窓の外の、太陽に照らされ青々とした木々を眺めながら
ディランは新しい生活に胸を躍らせていた。
それからそれから〜?
888 :
886:2008/08/09(土) 13:22:35 ID:???
書くの遅くてごめんなさいw
#2
カーン、コンコン、カーン。
使用人小屋の裏に薪割りの音が響いている。
「それが終わったらこっちの洗濯を手伝っとくれ!」
ヘトヘトになっているディランにジェシカの容赦の無い指示が飛ぶ。
「あんたが来る前にサムってのがいたんだけどね
ひどいぎっくり腰で田舎に引っ込んじまったから、薪割りも炊事も洗濯も掃除も、全部あたしがやってたんだ。
こんなのはやってれば体力ついて楽に出来るようになるんだよ。慣れるまで精一杯がんばんなせ」
ジェシカはそう言うと
洗濯物がてんこ盛りになっている籠をひょいっと担いで物干し竿の方へ去っていった。
父さん、母さん、僕はここでやっていけるんでしょうか?
ディランは額から流れ落ちる汗を拭いながら遠くの空を眺めた。
やっとの思いで午前の仕事を終えて使用人小屋で昼食をとっているとソシエがやってきた。
「頑張ってるみたいね。行きたいところがあるから食事が終わったら車を出してちょうだい」
昼食をたいらげて運転手の制服に着替えたディランはソシエを車に乗せて走り出した。
「あの、どちらまで?」
「お姉さまの所よ。この道をずっとまっすぐでいいわ」
ひたすら長い一本道を走り続けていたらふと思うことがあり、ディランはソシエに尋ねた。
「ソシエさま?」
「なに?」
「僕を面接したあの日、なぜその場で僕を採用なさったんですか?ジェシカから他にも何人か応募者がいたって聞いたんです」
「……聞きたい?」
ソシエは少し間を置いて話し始めた。
「私の亡くなったお父様の名前もディランって言うの。だからなんだか懐かしかったのよ。それに…」
「それに…なんです?」
「あなたがどっかの誰かさんに似てたからよ。それだけ!」
その「どっかの誰かさん」が誰なのか、その人物がソシエとどういう関係なのか
今の自分には知る由も無く、ディランはただ車を走らせた。
しばらく進むと大きな湖が現れ、その畔に一軒の家が見えた。
「あそこがお姉さまの家よ」
家に近づいていくと表で薪割りをしている青年が車に気がついて手を振った。
「ソシエお嬢さーん!」
ディランはバックミラー越しに後ろの座席を見ると
優しい眼差しで青年に手を振り返すソシエがいた。
焦らん良いからね〜。
890 :
886:2008/08/09(土) 22:56:17 ID:???
昼寝したら今まで寝てしまいました〜
#3
「元気そうじゃない?ロラン」
「ソシエお嬢様こそお元気そうで」
「そのお嬢様っていうのやめてくれない?私はもうそんな歳じゃございません」
「…そうですよね。あはは」
車の中から二人のやりとりを見ていたディランにソシエが手招きした。
「先月うちで雇った新しい使用人よ」
「ディラン・マッケイです。初めまして」
「ロラン・セアックです。よろしくね」
二人は握手をして、ソシエと共にキエルの寝室へ向かい
ノックをしてドアを開けた。
「お姉さまお久しぶりです」
ベッドの上にはやつれた表情のキエルが横になっている。
ハイム邸に飾ってある写真とは違うキエルを目にして、ディランは少し顔を曇らせた。
「あの子、うちの新しい使用人」
「ディラン・マッケイです。初めましてキエルさま」
「まあ、お父様と同じ名前ね。よろしくディラン」
キエルはとても優しげな笑顔をディランに向けていた。
お姉さまと二人で話がしたいから二人は出てってちょうだい、というソシエの言葉により
ロランとディランは揃って退出した。
「すまないけど薪割りを手伝ってくれないかい?雲行きが怪しいから早く済ませたいんだ」
今日は何本薪を割ればいいのかな。断るわけにもいかず制服を脱いで手伝うディラン。
カーン、コンコン、カーン。
「あの、ロランさん」
「なんだい?」
「ホワイトドールのパイロットのローラ・ローラって…ロランさんのことなんですよね?」
「参ったな…その名前もう呼ばれることないって思ってたんだけどなぁ」
「ああ、やっぱり!僕昔ルジャーナでホワイトドールが戦っているのを見たことがあるんです!
嬉しいなぁ、僕すごい憧れていました」
こんな所でローラ・ローラの名前を聞くなんて、と少しウンザリしたロランは
意識して違う話題に変えたくなった。
「君15歳なんだってね。そろそろ成人式の季節だから行ってみたらどうだい?
ソシエお嬢様には僕から言っておいてあげるからさ」
ありがとうございます!
そう言うと、晴れてこの街の人間になれること、そしてそれを憧れのロランに薦められた嬉しさで
薪割りの疲れも消え去ったディランなのであった。
891 :
886:2008/08/10(日) 00:29:27 ID:???
初めてこうゆうの書くけど、50話近く書いてる32氏の苦労がわかりましたww
#4
「ディラン、上着を脱いで背中をこっちへ向けなさい」
ディランは恥ずかしさに頬を赤くしながら
言われたとおり半裸になってソシエ背中を向けた。
「宵越しの祭の始めに、聖なる刻印を授かる儀式があるの。
ここと、ここと、ここと、ここらの六ヶ所にアザをつけるのよ」
「その聖痕って指で押してつくんですか?」
「ふふ、つくわけないじゃない。男の子はこれ以上知らずに行くものよ」
ソシエが用意してくれていた祭の装束に着替えたあと
二人はマウンテンサイクルの麓の会場へと向かった。
「私はやぐらの上で見てるから。楽しんできなさい」
ホワイトドールのご加護のもとに!
ホワイトドールのご加護のもとに!
若者達の渦巻く熱気と歓声の中
ディランは神輿を担いでマウンテンサイクルを登っていった。
「ソシエ来てたんだ!」
ソシエの姿を見つけるなり、メシェー・クンが嬉しそうに駆け寄ってきた。
「うちの使用人の付き添いなの。メシェーはどうして?」
「父さんから祭の手伝いしてこいって言われてさ。
今年はホワイトドールの遺跡もミリシャに借りたモビルリブで作り直したんだよ!」
「ムーンレイスの彼は一緒じゃないんだ」
「父さんが男同士飲むんだーってホレスさんのとこに連れてっちゃったよ」
「へえ、仲良いのね」
新成人の一団の最後尾も見えなくなり、見物に来ていた大人達には解散のムードが漂っていた。
「ねえソシエ」
「何?」
「今更どうってことないんだろうけどさ、こないだノックスでグエン・ラインフォードを見たんだ」
「…」
「ロランやお姉さんのこともあるし、気をつけたほうがいいのかなって」
「ありがと。メシェー」
ノックスの外れにあるホテル。男がフロントに電話をかけている。
「何か軽く食べられるものを二人分用意してくれたまえ」
男は酷く疲れた様子でソファーに腰をかけた。
「元領主とはいえ、どん底まで落ちた私にはここは流石に風当たりが強いようだ」
「そんなのわかりきってることじゃない。御曹司殿」
「その呼び方はやめてくれたまえ。メリーベル。しかしあれを甦らせることができれば
またあのボストニア城を我が居城に出来よう」
「そのために技術者達を懐柔して研究させてたんだから。出来るよ!グエン・ラインフォード」
「何度沈もうと必ず日を昇らせてみせるよ。私は」
眠い…でもわくわく。
893 :
886:2008/08/10(日) 01:26:43 ID:???
>>892 明日五時から熊本に遊びに行くので今日はココまでですw
また書き溜めてから投下しますねノシ
894 :
32:2008/08/10(日) 02:02:24 ID:???
俺も期待してるw
職人がもっと増えてこのスレが活気付くといいな。
んだんだ!!わしは来週熊本行きます。
896 :
886:2008/08/10(日) 19:35:40 ID:???
32氏へのレス見てて思ってたけど
やっぱりここの住人さんは温かいなぁww
熊本から帰ったのでとりあえず書いてた分を投下です
#5
宵越しの祭も終わり、早朝にディランが祭の装束のまま帰宅すると
朝食の準備をしていたジェシカに迎えられた。
「おやおや遅いご帰宅だねえ。その様子じゃ良い子と過ごせたんじゃないかい?」
宵越しの祭でペアを作ると
お互いに聖痕を授け終わったあと行為に及ぶのが太古の昔からの習しであり
そのことでジェシカに冷やかされると、ディランは頬を赤くして目線を逸らせた。
「なんだか身も心も大人になった気分です。ビシニティの成人式ってああいうものだったんですね」
「それじゃあ大人になったディランには、この朝食を奥様とソシエじょっちゃまのとこに持ってってもらおうかね。
冷めちまうから早いこと着替えておいで」
「わかりました!」
朝食を載せたワゴンを押して食堂へ入るとハイム婦人とソシエが着席していた。
「おはよう。宵越しの祭、どうだった?」
「おはようございます。おかげさまでとても楽しかったです」
「そう。私の時は色々あって悲しい思い出しかなかったから。良かったわ」
沈んだ表情のソシエを見てハイム婦人が口を開く。
「顔を上げなさい、ソシエ。朝からそんな暗いこと言うんじゃありません。
あなた達の働きで平和が訪れたことを、お父様はきっと喜んでいらっしゃるわ」
今朝ソシエに元気が無いのは、亡くなられた旦那様のことだけじゃないのかもしれない
ふとそう思ったディランは少し心配してしまった。
昼になりハイム邸に来客があった。
「シド・ムンザだ。ソシエのお嬢ちゃんはいるかい」
「シド爺さんじゃない。どうしたの?」
「ちょぃと仕事の話でな」
鉱山の経営を継いでいたソシエは、ミリシャを通じてシドの発掘隊に援助をしており
その見返りに発掘された機械人形を使って業務を行っていたのだった。
「ポゥに発掘のセンスがあってな、最近続々と出てきておるんじゃ。
人手も足りんし誰か若いのを貸してもらえんだろうかと思って来たんじゃよ」
「いるにはいますけど…すぐに返してくださいよ」
「わかっておるわかっておる」
ディランが二人のいる応接間に呼び出された。
「失礼します。なんでしょう?」
「こちらミリシャの発掘隊のシド爺さんよ。あなたにはシド爺さんの仕事の手伝いをしてもらいたいの」
「シド・ムンザじゃ。ほぅ、どことなく昔のロランに似とるの。こりゃ期待できるな」
「いいんでしょうか…ソシエさま」
「いいのよ。機械人形に乗れるようになれば出来ることも増えるし」
「それじゃあ明日からよろしく頼むぞ。ディランとやら」
自然な感じで面白いよ。
うん
続きが楽しみ
ロランが「ファンネル!!」とか言ってるのがみてぇな
保守
ロラン「ファンネルさん達、頼みますよォー!」
901 :
886:2008/08/12(火) 11:53:49 ID:???
amazonの野菜生活祭りで36本注文してたのに
今朝キャンセルメールが来ててガッカリしましたw
#6
ビシニティの外れにあるマウンテンサイクル。
ホワイトドールが出土した土地として有名になり幾度となく掘り返されたが
まだまだ出てくる可能性があるとして引き続き調査・発掘が行われている。
シドから渡されていた機械人形操作の電子手引書を読みながら
薄暗く足場も不安定な洞窟の中、ディランははぐれないよう
案内する小さな背中についてまわっていた。
「ホワイトドールがあったからなのか知らんが
ここは他のマウンテンサイクルと比べて埋まっておる機械人形が多い。
そろそろ隠居しようと思っていたんじゃが
悪い輩が掘り返して悪用しないよう最後の一機まで掘り返すように
と上から御達しが出ての。まだまだ休ませてはもらえんのじゃ」
暗い洞窟を抜け、外界の眩しい太陽の光に眩んでいると
機械人形の手のひらの上に立ち、大声で発掘隊員に指示を飛ばす女性がいた。
「ここでは機械人形に乗れなければ仕事にならん。あそこにいるポゥに習え。
元々ディアナ・カウンターの士官でな、指導は厳しいが根は優しい女じゃから心配いらんぞ」
シドが無線で呼ぶと、ディランの目の前に機械人形の大きな腕を下げてポゥが降りてきた。
「ソシエ嬢ちゃんのとこから借りてきた新入りじゃ」
「ディラン・マッケイです」
「ポゥ・エイジだ。早速だが訓練に入ってもらうぞ。人手が足りないからな」
あれを使え、とポゥが指した先を見ると一機の白い機械人形が立っていた。
「ホワイトドールだ!」
「あれが最初に出てきたときな、ガンダムタイプだ!って大騒ぎになったんじゃが
ホレス氏によるとどうも少し違うようでの。わしらはヒゲナシと呼んでおる」
“ヒゲナシ”はホワイトドールと良く似ていたが
トリコロールカラーではなく両肩・胸部分が赤く塗られていて
ヒゲの無い顔にゴーグルをかけたような外見だった。
ディランがコクピットに乗り込むと、同型のヒゲナシに乗ったポゥから通信が入った。
「手引書の10ページくらいは読んできてくれただろうな?横移動は難しいぞ。まずは私が手本を見せる」
「お願いします!」
「まず準備運動!」
【ヒゲナシ】良いネーミングです♪
ジムのことかwwwwwwwwwwwwwwwwww
良いネーミングセンスwwwwwwwwwwww
904 :
886:2008/08/13(水) 17:33:21 ID:???
うはwwww喜んでもらえて光栄wwwwwwwwwww
#7
ディランがシドの元へ行くようになって数日が経ち
その日も意気揚々と出て行く後姿をソシエは見送っていた。
「あの子なんだか楽しそうね。でもうちの仕事もちゃんとやってもらわないと困るわ」
窓際に立って愚痴をこぼすソシエの後ろで
ジェシカがホウキを手に慌しく掃除している。
「新式の機械人形に乗れるってんですから
15くらいの男の子だったら嬉しくて仕方ないんでしょうや。
あの子がいない間の家事はこのジェシカがきちんとしますから
安心しておくんなまし。ソシエじょっちゃま」
ディアナ・カウンターとの戦争に突入した折
真っ先に複葉機からカプルに乗り換えて戦った自分自身を思い出し
そのときの自分と、機械人形を操ることに楽しみを見出したディランを重ね合わせ
ソシエは少し困ったように笑みを浮かべた。
「私も似たような感じだったわね」
二人が思い出話に花を咲かせていると
開け放れた窓の外から単発エンジンの排気音が聞こえてきた。
「迎えが来たわ。ちょっとノックスまで行ってくるから」
「雲行きも怪しいですし、気をつけておくんなましね」
ジェシカに詳しい場所を告げてソシエが玄関へ出ると
側車付きバイクの上に跨って、どうだ、と言わんばかりに腕組みをするメシェーがいた。
「えへへ、格好良いでしょこのバイク!」
「どうしたのよこれ」
「父さんが趣味で持ってたの。勝手に乗ってきちゃった」
「いいの?私知らないよ」
「いいのいいの。娘のやることには甘い父さんだから」
「ふふ、それじゃお願いね」
ソシエが側車に乗り込んだことを確認し
メシェーはスロットルをニ、三度捻ったあとノックスへ向けて走りだした。
「ねえソシエ?」
「なに?」
「今更会って何を話すのさ。第一、まだノックスにいるかもわからないんだよ?」
「いないのならそれでいいわ。ただもしもまだノックスにいるのなら
直接会って確かめておかないといけないことがあるの。そうしないと私の気が治まらないのよ」
「そっか。わかった」
二人はグエン・ラインフォードが泊まっていたというホテルの前に着くと
現れるかどうかも定かではない男の姿を待ち続けた。
905 :
886:2008/08/13(水) 17:36:47 ID:???
今日は一気に二話投下です。
#8
「***号室のグエン・ラインフォードだ。八時には戻る」
髪を下ろし、控えめなメイクを施して秘書然とした格好のメリーベルを連れて
グエン・ラインフォードがホテルから出てきた。
髭を生やし、長髪になっていても、その堂々とした立ち居振舞いから
長らく行動を共にしていたソシエとメシェーには一目瞭然だった。
「ソシエ…」
「わかってるわ」
少し離れた場所から見ていた二人には気付かなかったらしく
グエンとメリーベルは二人に背中を向けて歩き出していた。
ソシエは駆け寄り、声をかけた。
「グエン卿!」
グエンは足を止め、懐かしい声のする方向へ振り返った。
「お久しぶりですグエン卿」
「誰かと思えば、ソシエ嬢じゃないか」
「どうしてイングレッサへ?」
「私は今ガリアで商社を経営していてね。商談の為にここへ来たんだ。
自分が捨てた街へ帰るわけだからどんな逆風にも耐える覚悟はしてきたつもりだよ。
しかしかつては自分の物であったし、知り尽くしている。
商売をするには恰好の場所だとは思わんかね?」
「…ひとつ聞いてもよろしいでしょうか」
「なんだね」
「ロランへの気持ちは…もう」
「はは、もう無いさ。あれは一時の気の迷いだと思ってくれたまえ。私も若かったんだ」
二人は挨拶をして別れた。
「一時の気の迷い…か」
視線を落とし怪しげな笑みを浮かべ、グエンはメリーベルと共に薄闇の街へ消えた。
いつしか降りだした雨は、ソシエの心の曇を流してくれているようだった。
「気持ちは晴れた?」
「そうね、おかげさまで。ソフトクリームでも食べたい気分だわ」
「いいね!雨宿りついでに食べようか」
雨はだんだんと激しさを増してきて、二人が帰路に不安を抱いていると
ディランが車に乗ってやってきた。
「ジェシカに聞いてお迎えにきたんです」
「ありがとうディラン。はい、あなたも食べなさい。美味しいわよ」
ソシエの少し元気を取り戻した様子に安心したディランは
二人の若い女性に挟まれるように仲良く並んでソフトクリームを食べたのであった。
第一部・完
うふふふ…可愛いねーディラン。
907 :
886:2008/08/13(水) 20:53:53 ID:???
>>906 ディランは地球に降下してすぐの頃のロランを
白い肌&栗毛にしたイメージですw
一応主人公はディランだけどソシエ好きなので
ソシエがハッピーエンドを迎えられる感じで進めていきたいと思っていますwww
あれっ?続きはーっと焦らない焦らない。
909 :
886:2008/08/19(火) 22:53:53 ID:???
遅くなりました〜。仕事も始まったんで投下スピードが落ちるかも。
第二部開始です。
#9
ディランがハイム邸にやってきて数ヶ月、季節は夏になっていた。
機械人形に乗ることにそれまでにない刺激を感じていたが
発掘隊の仕事も一段落し、そしてソシエからの申し入れを覚えていたシドの命により
お役御免となったディランは発掘隊の次の調査には同行できず
ハイム邸で以前と同じように使用人として暮らしていた。
肌がジリジリと焼ける感覚を気にも留めず、褐色の腕を振り下ろし
薪割りをするディランの背中にソシエが声をかけた。
「卵がきれちゃったからここでもらってきてくれない?」
ソシエはそう言うと簡単な地図を書いたメモを差し出した。
「酪農家のクーエンさんっていってね。
前に困ってるとこをロラン達と助けたときからの付き合いなのよ」
憧れの気持ちから、ソシエの頼み事を最優先とするディランは
託された使命を完遂させたあとのソシエの笑顔を見るべく
残りの薪割りを渾身の力で終わらせてハイム邸を飛び出していった。
青春真っ盛りが風のように去った後、入れ替わりに
真実を世の中に伝えることを使命とする女がハイム邸を訪れた。
「ソシエさーん!」
「フラン・ドールさんじゃない!どうしたの」
「ドンキーでいっぱい貰ってきたからお裾分けよ」
フランは乗ってきたバイクの後ろに括りつけたカゴの中からバケットを二本取り出し
服でバタバタと掌を拭いて待ち構えたソシエに差し出した。
「これからロランのとこに行くところだったから
ついでだし久しぶりにソシエさんの顔も見ていこうかなって思ったのよ」
「あーら、ロランのついでの女は相も変わらず元気ですよーだ」
「ふふ、ごめんなさい。ところでソシエさん」
「なーにフラン・ドールさん」
「…前にノックスでソシエさんとグエン卿が会ってるのを見かけたんだけど、何を話してたのかなぁって」
「ああ…あれはばったり会ったから挨拶してただけよ。それがどうかしたの?」
「えっ、いや、なんでも無いのよ!
ただあんなとこであの組み合わせだったから珍しいなって思ったのよ!あはは…」
「あやしい。私の勘は衰えてませんからね」
「あはは、やだ、もうこんな時間だわ。そろそろ行くね!」
慌てた素振りでバイクに跨るとフランは挨拶もそこそこに去った。
それ以上詮索することも出来ず、何かを誤魔化されて少し気を悪くしたソシエは
もらったバケットに乱暴に噛りついた。
「なにさ…。美味しいじゃない」
保守である!
911 :
通常の名無しさんの3倍:2008/08/24(日) 21:04:05 ID:R3RgehoB
ホシュ
912 :
886:2008/08/28(木) 22:50:12 ID:???
ある友人から久しぶりに会おうって電話があって
俺最近幸せな生活が送れてるんだよね、その秘訣を会ったとき教えてあげるよ
って言われたんですが、コレは間違いなく怪しい宗教に勧誘フラグですよね?ww
#10
「まさかここにもう一度来ることになるとはのぉ」
かつて起きた核爆発によって出来た広大なクレーターの淵から
防護服に身を包んだシドが下を覗き込んでいる。
「もはやあの時の爆発で埋まってたものなんて
全部燃えてしまっとるんじゃないのか?なぁポゥ」
「ホワイトドールのナノマシンが機体を自己修復していたのを考えると
他にもそんな性能を持った機械人形があってもおかしくありませんからね。
まだまだ調査して掘り返す価値はありますよ。この土地には」
ポゥも同じく防護服を着込み
ヒゲナシのコクピット内でお互いの防護服に内臓された無線で会話をしていた。
話の途中レーダーに目をやると一つの大きな光点が映し出されている。
「シドじいさん!ここから少し離れたところに
ターンタイプの繭があるんです。行ってみませんか?」
ポゥからキラキラとした眼差しを向けられて
ディアナ・カウンターから離れてしばらく経っていても
ターンタイプとの戦闘を経験し、その脅威の終焉の地に舞い戻ったことで興奮しているのか、とシドは思い
笑顔とともに「ああ」とだけ口にした。
シドを大きな掌に乗せ、飛び出さないよう体を両手で覆うようにして
ポゥは全長18メートルの巨人を最大推力で飛翔させた。
切り立った岩山をいくつか越えると怪しく光を放つ巨大な繭を
目視出来る距離までたどり着き、繭を囲むように立っている
技術者達と作業用のボルジャーノンも確認することが出来た。
「まるで今にも羽化しそうじゃな」
「ギム・ギンガナムに羽が生えて出てくるって言うんですか!?やめてくださいよそんなの」
ははは、と笑いあう二人のもとへ一機のボルジャーノンが走り寄ってきた。
両腕でマシンガンを構えながら。
「関係者以外、繭から半径10km以内の立ち入りを遠慮して頂きたい!」
「おいおい!わしらはミリシャの発掘隊じゃ!このヒゲナシが見えんのか」
「聞こえなかったか!」
ボルジャーノンのパイロットはヒゲナシの足元へ一発撃ち込み
瞬間、発砲音と巻き上げられた砂埃に驚いたシドがヒゲナシの掌の上で尻餅をついた。
「シドじいさん行こう!向こうの技術者達の様子も何だかおかしいんだよ」
「あいたた…そうじゃの、離れよう」
ポゥはシドがヒゲナシの大きな指にしがみついたのを確認すると
繭を背に今度は逃げるために最大推力で飛んだ。
「なんだっていうんだ!発掘隊ってミリシャじゃこんな扱いなのか!」
瞳に涙を浮かべながら、後方の繭の映像をスクリーンに呼び出すと
先程より活発に輝く繭に照らされ、怪しく光る技術者達の姿が映し出された。
勧誘が始まった瞬間、延々とラーセッセラッセッセ歌い続ければおk
ほしゅ
915 :
通常の名無しさんの3倍:2008/09/06(土) 20:17:52 ID:Z489tsff
すごくおもしろいんだけど
まとめサイトとか無いの?
一度そういう流れになったけど結局作ってないよね
917 :
通常の名無しさんの3倍:2008/09/11(木) 23:35:25 ID:B/pAUE2I
保守
このスレ自体が纏めサイトみたいなもんだからな
919 :
通常の名無しさんの3倍:2008/09/16(火) 00:23:42 ID:gi9vUR7n
間が空いてすんません
あとの展開をどうするかちょっと悩んでたもので遅れてしまいました><
短いですけどどうぞ
#11
団子をピラミッドのように積み上げた皿を片手に持ち
ロランがディアナの寝室のドアをノックした。
「失礼します」
ベッドに横たわっていたディアナはゆっくり上体を起こすと
ロランに向き直って礼を言い、団子の皿を受け取った。
「ごらんなさいロラン、今日は一段と美しいですよ」
「本当に。でも先月もしたばかりなのに
ディアナ様はよほどお月見がお好きなんですね」
「お月見というのは八月の十五夜、九月の十三夜に二度行うのがエイシアでの慣わしだそうです。
ミドガルドに捕らえられた際、ジャンダルムからミスルトゥに向かう船の中で
レット隊のお二人から教わったんですよ」
「レット隊…あの二人無事だったんでしょうか…」
ロランは自身の問いかけを気に留めない様子で月を眺めたままのディアナを
長らく安否がわからない二人への心配を胸に、答えを求めるように見つめた。
「私にはあの二人が死んだとは思えないのです」
「何故です?」
「共に過ごした時間はとても短いものでしたが、あの二人は本当に私を心から慕ってくれました。
乗っていた機体も発見されていませんし、こうして月を眺めてお団子を食べていると
いつの日かひょっこり訪ねて来てくれるような気がするんです」
ディアナはロランへ目を向けて続けた。
「ですから気に病むことはありません。いつかまた会える日を楽しみにしていればいいのですよ」
ディアナから諭され、明るい表情を取り戻したロランは
精一杯の笑顔をディアナに向けて答えた。
「そうですね!」
二人のお喋りは続き、夜も更けたところでロランが就寝を促してお月見は御開きとなった。
寝室を出て、シンクへ運んだ皿を片付けていたロランは
この穏やかな時間がずっと続いてくれたら、と台所の窓から見える満月に心から願っていた。
ゆっくりで良いですのでこのままでおK!面白いですよ!
他のスレは同じ話ばっかりしてるので…。
>>920 >他のスレは
これには苦笑せざるを得ない
922 :
通常の名無しさんの3倍:2008/09/19(金) 01:28:24 ID:gM4DKMLR
なんで下げてんの
923 :
通常の名無しさんの3倍:2008/09/21(日) 00:50:28 ID:+ObaFhNa
是非レット隊の復活を!!
924 :
886:2008/09/21(日) 22:36:15 ID:???
パソコンの調子がおかしい…
#12
「あれま!ロランじゃないか!こんな朝早くにどうしたんだい。
元気にしてたかい?ちゃんとご飯食べてるかい?
ああ、それとキエルじょっちゃまはお元気にしてらっしゃるのかい?」
使用人小屋で朝食の準備をしていたジェシカは
早朝、現れた懐かしい訪問者を驚きと嬉しさのあまり
次々と質問攻めにした。
「ちょっとちょっと、そんなにいっぱい聞かれても。元気でしたよ。
今日はディラン君を借りにきたんです」
近況を報告しあっている二人のもとに、支度を済ませたディランがやってきた。
「おはようございます!ロランさん」
「ディラン!なんでロランが来ること言ってくれなかったんだい。
わかってたらロランの分も朝食作って待ってたっていうのに」
「まあまあ、僕が急にソシエお嬢様に頼んだことですし。
おはようディラン君、じゃあ行こうか。ジェシカ、またね」
ディランはロランが乗ってきていた車に乗り込んだが
これから行く先のこと、することをソシエから聞かされておらず
走り出すと早々にロランへ尋ねた。
「ロランさん、今日僕は何をすればいいんですか?」
「ノックスにドンキーってパン屋があるの知ってるよね?
僕そこの大将夫婦と、そこのおばあさんとは色々縁があって年に一度収穫を手伝ってるんだ。
今年は豊作だから人手が足りないらしくてさ。そこで君を呼んだんだよ」
ロランとドンキーの社長であるキース・レジェとの関係は
ロランのファンであるディランは既に知っていた。しかしムーンレイスの地球降下作戦の折り
地球側と月側との中立地帯を作り、アメリアの平和に貢献して歴史に名を残したその大人物と
こんな思わぬかたちで会うことになるとは思っていなかった為、ディランは冷や汗をかいた。
「収穫が終わったらおばあさんがハーブ料理をご馳走してくれるはずだから、楽しみにしてるといいよ」
ロランはしばらく車を走らせ続けたのち
広大な小麦畑に囲まれた、丘の上に建つ小さな家の前で停車した。
「ヒヒーン!ブルブル〜!」
「やあドンキー、久しぶりだね。アニスばあさんはいるかい?」
「ヒヒーン!」
「ロランかい、よく来てくれたねぇ。おや?そっちのあんたは初めて見る顔だ」
「初めまして、ディラン・マッケイです。今日はよろしくお願いします!」
「ふんっ、若いのにしっかりした挨拶じゃないか。関心な子だねぇ」
「おばあさん、キースはまだ来てないんですか?」
「仕事が立込んでるとかで遅れてくるそうだよ。まったく、こんなか弱い老人を待たせるなんて不届きな婿だ!
日が暮れる前に終わらせたいから早速初めてもらうよ。ほれっ!ほれっ!」
アニスばあさんは二人に鎌を手渡すと、自らも年齢を感じさせない力強さで刈入れを始めた。
ディランはキースとの対面に少しの猶予が出来たことにホッと胸をなでおろしていた。
925 :
通常の名無しさんの3倍:2008/09/22(月) 12:36:50 ID:0xNXs/ci
このスレパー速行かないの?
スパロボ発売日保守
黄金の秋ですね保守
保守
栗が今年は安くて旨いよ保守。
家で死ぬほど採れた
御曹司のスレは本スレ♪良スレでんなー保守。
ホモネタも誰か書いて…無理か。
933 :
886:2008/10/15(水) 23:20:41 ID:???
ホモネタは…無理だwww
>>930 マロングラッセ食べ放題じゃないですか羨ましい
#13 前編
見渡す限りに広がる黄金の麦畑を前に、ディランはため息をついた。
「ハァハァ…こんなの、僕らだけじゃ終わらないんじゃないですかぁ?ハァハァ…」
長時間中腰で鎌を振るっていたせいで痛んだ腰を、しかめた顔でトントンと叩きながら
自分をこの苦行へと導いたロランへ少しばかり恨みをこめて言った。
「ハァハァ、もうすぐキースが刈入れ機を持ってきてくれるはずだからそれまでの辛抱だよ。
それにしても、夏は終わったってのにまだまだ暑いね…」
「こら!何無駄口叩いてんだいそこの二人!ロバに負けるなんて近頃に若いもんは本当にだらしないね!」
若い二人に怒号を飛ばすアニスばあさんの後ろで
麦の束を満載したリアカーを引きながらドンキーが勢い良く尻尾を振って笑っている。
「アニスばあさん、ちょっとだけ休憩しませんか?
ほら、ディラン君も今日が初めてで少し疲れてるみたいですし。ね?」
ロランからの目配せに気付き、アニスばあさんに向けてわざとらしく疲れた様子を見せるディラン。
「まったく…しょうがないねえ。
じゃあちょっと早いけどお昼にするかね。用意してくるから待っといとくれ」
家に入っていくアニスばあさんの背中を見送ると、二人はお互いの顔を見合って笑った。
昼食が出来るまでの間、裏手の日陰で休んでいるとピックアップトラックに刈入れ機を積んだキースがやってきた。
「遅れて悪かったなロラン。そっちの君は?えーと」
「デ、ディランです!はじめまして…」
「ディラン君はね、平和の使者のキースに会うのでずっと緊張してたんだよ」
「やだな、俺はただのパン屋だよ。キース・レジェだ。よろしくな」
「よ…よろしくお願いしますキースさん」
934 :
886:2008/10/15(水) 23:21:55 ID:???
一気に書き込めなかったので半分ずつです
#13 後編
三人の談笑に気がついてアニスばあさんが玄関から顔を出した。
「キース!あんたどこで油売ってたんだい!罰として昼食は抜きだよ。働かざるもの食うべからずだ」
「そんなあ、お昼からバッチリ働くから食べさせてくださいよ!」
「ふんっ、やる気はあるようだね。それとロラン!ソシエの嬢やから電話だよ」
「はい…何だろ?」
トラックの荷台に積まれた刈入れ機は一人で降ろすには大きすぎたため
ディランはキースに手伝いを頼まれた。慣れない農作業で腰は限界だったが
大人物・キースの頼みを断ることが出来ず、フラフラの足で刈入れ機を抱えた。
よろめきながら地面に降ろし終わると、家の玄関からロランが顔色を変えて飛び出してきた。
「トラック借りるよ?キース」
「どうしたんだよ慌てて」
「ソシエお嬢さんからの電話で
フランからグエン卿とメリーベルさんが僕の家に向かってるって連絡があったらしいんだ。
何か凄い嫌な予感がするんだよ。キエルお嬢さんを一人にしておくのが心配なんだ」
「ふう…お前は昔からキエルさんのことになると熱くなるよな」
「ごめんよ。ソシエお嬢さんも向かうみたいだし。すぐに戻ってくるから」
「(…ソシエさまも行くのか)ぼっ、僕も行かせてください!」
「わかった、急ごう」
「待ちな!そこの二人!」
いつの間にか玄関口に立っていたアニスばあさんが、二人に何かを放り投げてきた。
「用心の為に持っていきな。ロランの慌てぶりからしたら多分悪いやつなんだろう」
「あ…ありがとうございます!アニスばあさん!」
ロランはすりこ木、ディランはコショウの小瓶を持って走り出した。
食べ放題してました…「ハァハァ」でどきっともした…。
936 :
通常の名無しさんの3倍:2008/10/22(水) 14:27:56 ID:lrSt3s3S
支援
937 :
通常の名無しさんの3倍:2008/10/26(日) 03:55:57 ID:44y/i/32
あげ
938 :
通常の名無しさんの3倍:2008/10/28(火) 01:54:43 ID:fTyBkW+J
書かないのかよ
939 :
通常の名無しさんの3倍:2008/10/28(火) 03:25:15 ID:cZJa9aPi
>>32氏はまだかー
ずっと書かないからみんな居なくなっちゃたぞー
940 :
名無し:2008/10/28(火) 11:40:43 ID:???
ガンダム=カス
941 :
32:2008/10/28(火) 13:52:53 ID:???
>>939 おうよっ!(コレン風に)
……って、みんな俺の事忘れてないよね?(ちなみに前回のは
>>872)
お久しぶりです皆様方。間が空きすぎたけど48話です。
48.航路をさえぎるもの
重力の無い空間を進んでいた黄金のペンは壁に当たるかと思いきや、力の加減を誤ったのか、その進路は船室の出入り口へ向かっていた。
「いたっ」
しかも折悪く、丁度そのドアが微かな機械音とともに開き、船室に入ってこようとしていたソシエの額にコツンと当たったのである。
「もー、ちゃんと片付けなさいよ。宇宙では色んなものが浮かぶって、知ってるんでしょ?」
――お嬢さんに大変失礼な事を!
「だ、大丈夫ですか!? ソシエお嬢さ――うわっ」
言葉と同時にロランは飛ぶように立ち上がろうと……したのだが、余りの事にここが無重力下だと忘れていたのは、地球暮らしが長かったのもあるのだろう。
勢い余ってバランスが取れず、ロランの体は前のめりに回転してしまった。
「おっ……お嬢さ……ん、申し、わ、け……」
ペンを当てた事とこの無様な醜態の両方を詫びようとしているのだが、そのロランの必死さはソシエにはとんでもなくおかしく映る。
「なにやってるのよ。宇宙では気をつけないとすぐ回っちゃうでしょ」
さっきからどちらが地球生まれなのかわからないような言葉を浴びつつ、縦方向に二回転半はしただろうか。
ようやく床に片手を突き、その反動で立ち直すと、ロランの目にソシエの笑った顔が目に飛び込んで来る。
その笑顔に安堵したロランは、ようやくまともに話すことができた。
「すみません、ソシエお嬢さん」
そんなのはもうどうでもいいの、と、ソシエは自分の額を小突いた金色のペンをロランに渡しながら本来の用件を口にした。
「この船にぶつかりそうなものがありそうなのよ」
「ぶつかりそう?」
「宇宙って、石っころがたくさん浮いてるんでしょ? そういうのが、航路を邪魔しそうなんだって」
この宙域で隕石の類と聞いて、ロランは真っ先にミスルトゥの破片を思い出した。
もしそうなら、何としても事故は防がなければならない。自分がミスルトゥを爆破させた責任があるのだから。
それに、今後の地球と月との安全な航路を確保する為にも。
「機械人形ぐらいの大きさで、それほど大きくはないらしいんだけど……」
この時のロランは、小惑星の破片ならMS程度の大きさのものでも珍しくはないだろう、としか思っていなかった。
「とにかく、取り除きに行きましょう」
「そうね。私も行くわ」
このアドラステアにはグエンがガリアで発掘した機械人形の他に、例の〈ガンダム〉とゼータ・ボルジャーノンもアメリアの機械化文明の象徴として搭載されているのである。
「丁度いいわね。撮らせてくれる? アメリアの新ホワイトドールが動いてる所」
どこから聞きつけたのか、会話に割り込んでくる聞きなれた声が唐突に聞こえてきた。
この艦に和平使節団として乗っているのは、無論ロランとソシエだけでなない。
フラン・ドールは、アメリア初の、いや、正暦初の宇宙中継という大役を果たす為に同行している。
「月まで暇でさー。以前はバタバタしてたけど写真だったし、やっぱ映像で大宇宙を撮りたいじゃない?」
それに、アメリアの新たなホワイトドールが人々の役に立つ様を知らしめたい、というのである。
「いいじゃない。わたしたちの機械人形だって人様のお役に立ってみせるんだから」
「危険の無いようにブリッジから撮影するだけだから、ねっ?」
とまで言われれば、特に断る理由も無いので、ロランたちはその様子をフランに撮影してもらう事となった。
942 :
32:2008/10/28(火) 13:54:43 ID:???
長すぎると言われたので48話後半(ていうか残り)。
レット隊はここで出せばよかったと書いててちょっと後悔。
・・・ ・・・
「航路上の隕石を取り除きに行きます!」
格納庫内にいた数名のガリア人にエア・ロック内に入るように促しながら、ロランはノーマルスーツのヘルメットを被った。
そういえば、こうしてMSで宇宙に出るのも久しぶりだな、と、ヘルメットのバイザー越しに見るコクピット内の風景を見て思い出す。
「ロラン・セアック、出ます」
「ソシエ・ハイムも出るわ。目的はお掃除よ」
格納庫のハッチが開き、夜空とは比べ物にならない夜の闇と星の海が広がっていく。
脚を一歩前進させれば、ロランの〈ガンダム〉は完全に重力と無関係な存在になった。
とは言っても、これは以前のように戦闘などない出撃。隕石を掴んで軌道をずらせばいいだけなのだから。
地球降下作戦の献体候補生の頃には嫌というほどやらされた作業である。
「あれですね、ソシエお嬢さん」
何も遮る物の無い宇宙空間だからこそ、小さい物でも短時間で見つける事が出来た。
「間違いないわ」
目標物の軌道を合わせ、修正し、徐々に近づいて行くと、どうもそれは隕石などではないように見える。
ミスルトゥの破片ではない事にロランはホッとしたのだが、同時にそれが人工物である事に新たな緊張も生まれた。
もし、これが何かの事故だったりしたら……。
ロランは〈ガンダム〉を、慎重にその物体に近づけていった。
943 :
通常の名無しさんの3倍:2008/10/28(火) 16:42:59 ID:GiKiQ6pn
支援!
944 :
886:2008/10/28(火) 19:56:08 ID:???
乙です!!
やっぱ32氏にはかなわねえwww
キタ━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━━( ゚)━━( )━━(゚ )━━(∀゚ )━━━(゚∀゚)━━!!!!
946 :
通常の名無しさんの3倍:2008/10/29(水) 12:41:40 ID:i+G7i6zk
レット隊支援上げ!
まとめサイトできれば良いのに
948 :
通常の名無しさんの3倍:2008/11/01(土) 06:13:41 ID:8YA/fsC5
お前が作ればいいのに
超大作が2本連載中のスレ…すばらしい!
スペースオペラ。
951 :
通常の名無しさんの3倍:2008/11/05(水) 10:39:42 ID:2eC2YikO
あ
∀ガンダムのアンチがたまに他の∀スレに書き込んでくるけど
そんな事して何が楽しいんだか病んでるよなっ実際!ここは大丈夫で安心できる。
スペースファンタジー。
スペースランナウェイ。
コズミックサイクラー。
久々にホ守
スペースエンペラー。
958 :
通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 02:04:11 ID:xi3SC8j+
眠れないぐらい続きが気になる保守
959 :
886:2008/11/19(水) 07:49:12 ID:???
転職でバタバタしてるので
うpはもうしばらくかかりそうです
960 :
通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 08:11:28 ID:uTYNvVAS
そうですか、がんばってください
961 :
通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 13:48:19 ID:XI+7GOxF
ご両人のSS、楽しく拝見しました…続き、楽しみに待ちつつホシュバース!
宇宙世紀。
963 :
通常の名無しさんの3倍:2008/11/28(金) 17:33:36 ID:Bdzlch0L
保守だよ
充電期間は必要だなー兄弟。
うおおおおおおおおおおおおお
続きはまだかあああああああああああ!!!!!!!!
966 :
32:2008/12/04(木) 17:21:17 ID:???
すぐ続き書けると思ってたけど、なんか年末で色々忙しいんだ……
967 :
886:2008/12/05(金) 01:03:46 ID:???
俺も今無職だけど面接とかで動くこと多いし
頭の中がいっぱいいっぱいなので
余裕出来るまでもうちょっと待っててくださいね
がんばって二人共!!
ターンエーターン!ターンエーターン!ターンウエー。
970 :
886:2008/12/06(土) 23:03:51 ID:???
まだ再就職先決まってないけど
諸々ひと段落したんで投下しますねー
早く景気良くなんねえかな
#14
昼過ぎ、ディアナが台所に出てくるとテーブルの上に
"刈入れが終わり次第すぐに戻ります"と書かれたメモと共に昼食が置かれていた。
「あの子ったら。たまにくらいのんびりしてきたら良いのに」
ディアナはメモを見て呆れたように独り言をつぶやいた。
しかし言葉とは裏腹に、冷凍睡眠を繰返した長い年月を経て自由が利かない身体となった今
どんなときであろうと自分のことを気にかけてくれる存在は彼女にとって大きく
共に過ごす時間はかけがえのないものだった。
ディアナはメモに書かれた文字を愛しそうになぞると席に座り、用意された昼食をとった。
「ごめんください」
玄関から聞き覚えのある声が響いた。
いくらあの男でも私がディアナであることは知るまい
「山荘で隠居しているキエルさん」にも用は無いはずだから目的はロランだろう。
悟ったように目を閉じて深呼吸をし、意識して冷静になって、ディアナは玄関へ向かった。
「どうぞ、お入りくださいまし」
玄関のドアが静かに開き、グエン・ラインフォードがメリーベルを連れて入ってきた。
領主時代と変わらぬ自身に満ちた瞳を不気味に輝かせながら。
「突然伺って申し訳ない。お久しぶりです、キエル嬢」
「お久しぶりですグエン卿。戻っていらしたのですね」
ディアナは二人を応接間に通し、相変わらず自信に溢れたそぶりで話すグエンの身の上話を聞いていたが
招かれざる客への不信感は一向に拭えず、たまらなくなったディアナは真意を問いただした。
「グエン卿が商談のためにイングレッサへ戻ったことはわかりました。
ですが隠居の身の私のところへ来る理由はありません。目的は別の事なのでしょう?」
「参ったな。そう、キエル嬢、あなたにお願いがあるのです」
「ロランですか」
「ええ、私にロランを譲ってもらいたい」
その頃ロランは得体の知れない不安を胸にトラックを走らせていた。
ディランは隣でコショウの瓶を両手に握り締め、わけもなく興奮していた。
グエン様がロランって言うのが何か新鮮。
972 :
886:2008/12/07(日) 00:09:25 ID:???
俺やっちまったなあwwwwww
そこはローラで脳内補完しておいてください
あっ何だかグエン様的な何かと思ってしまった!了解!
時が未来へ進むと誰が決めたんだぁぁぁぁ。
975 :
886:2008/12/09(火) 01:57:05 ID:???
ああ…無職で気が滅入ってるうえに風邪ひいちゃった
早く内定もらいたい…
僕のSSもそろそろ終盤です
#15
「グエン卿が私欲の為に動くお方だということは
あなたがギム・ギンガナムと手を組んで共に地球へ降りた一件以来承知しています。
今回も何か企みがあってのことなのでしょう?」
嫌悪感を露にしたディアナの言いぶりに怯まず
受け流す余裕を見せつけるがごとく、グエンは五本の指で長髪を掻きあげて笑った。
「あはは。私はどうやら嫌われているようだね。
キエル嬢、あなたは先の戦争でディアナカウンターを統率してからお強くなった。
まるでディアナ・ソレルとお話しているようだよ」
「…グエン卿、私は如何なる理由があろうと
あなたにロランを渡すつもりはございません。どうかお二人共お引取り願います」
はっきりした意思表示をし、目線を落として沈黙しているディアナを見ても
グエンは席を立とうとせずに話を続けた。
「三年もの間、ひとつ屋根の下に暮らしたローラへのあなたの気持ちを考えれば
私に渡したくないのは当然でしょう。ですが私にはあなたの言う企みがあるのです」
ディアナはグエンを睨みすえた。
「私にはロストマウンテンに眠る二機のターンタイプを甦らせる用意がある」
「今何と…?」
「今頃懐柔した技術者達が再生の最終段階に取掛かっている頃でしょう。
ガリア側は月の技術力を手に入れたアメリアの急激な発展に危機感を持っています。
そこで兵力の増強を望むガリアに、文明を終わらせたほどの力を持つ
二機の機械人形を持ち込めば私は巨万の富を得ることが出来る。
ローラには再度ホワイトドールのパイロットとして乗ってもらうのですよ」
グエンの常軌を逸した発言も、ディアナには彼がこの家を訪れた意味を考えれば予想できていたため
さほど驚くことではなく、その様子を見たグエンは不思議に思い顔を強張らせた。
「それで、あの戦争嫌いのロランがあなたの考えに応じるとでもお思いか?」
「各国のパワーバランスを考えればアメリアの一人勝ちにさせておくのは危険なのですよ。
戦争を起こさせないため、という大義名分があればローラがホワイトドールに乗る理由が生まれます。
平和を望む彼なら自ら乗ることを躊躇わないでしょう。それに…」
玄関にトラックが停まった音に気付いてグエンが話を中断すると
ディアナはそれまで抑えていた感情を吐き出すように激昂した。
「愚かな…!そんなことの為にあの子の気持ちを利用しようとは。
冬の宮殿で見た黒歴史の映像をお忘れか?
そなたのせんとする事は黒歴史時代に逆行しているだけだと何故気付かないのですか!
それとも元領主ともあろうお方が、積まれた大金に目が眩んだ只の亡者に成下がったか。恥を知るがいい…!」
976 :
32:2008/12/09(火) 08:31:28 ID:???
そう来たかっ!
俺もがんばらなきゃ。
歩き続ければ目の前に今こそ扉は開く〜♪
978 :
886:2008/12/09(火) 20:17:21 ID:???
>>976 なるべく32氏の話とかぶんないように
考えてたらこうなりましたw
>>977 あの曲聴くと希望が湧いてくる気がします
もれもディアナ様になじられたい…。
保守
次スレどする?
まとめどする?
981 :
886:2008/12/11(木) 01:31:40 ID:???
二作品有るから編集めんどくそう
とりあえず作品別話別にまとめればいいんでね
984 :
886:2008/12/11(木) 01:51:26 ID:???
色々わかんないので試行錯誤してみます
時間いっぱいあるしw
985 :
886:2008/12/11(木) 03:42:13 ID:???
とりあえず形になりました……
32氏へ
そのまんまコピペしただけなので
改行とか加筆とかあればよろしくおねがいします
みなさんへ
色着けたりとかセンス無いので
暇な人は適当にイジってくださいw
987 :
32:2008/12/11(木) 15:13:55 ID:???
988 :
886:2008/12/11(木) 19:10:15 ID:???
今回ひたすらコピペ作業してて、前・後編わかれてるのも含めて48話も書いてる
32氏のヒゲ愛は凄いと思いましたww俺なんて足元にも及ばねえwwww
32氏もみなさんも今年の風邪はキツイんで気をつけてくださいねー
埋め
1000なら今年中に2人とも完結まで書ききる
補修め
うめないとおちおちだぉ
992 :
通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 14:57:21 ID:c7EK/46D
ユ
993 :
通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 14:58:32 ID:c7EK/46D
ニ
コ
|
次スレ立ててくれた人&このスレの住人 乙です。
あとまとめサイト作ってくれた人、多謝。
ディアナ様、埋めますよ。
よしなに
(訳:早く埋めなさい、ロラン)
998
埋め
1001 :
1001:
あなたの来るのが遅すぎたのよ・・・
このスレッドはもう1000を超えたわ・・・
, -v-、
( _ノヾ )☆.。.:*・゜ ☆.。.:*・゜
O ・_ ・ノ)
/^ ¥ ^\ ∧_∧ 新スレを立てればいいじゃないか
7 ヽ~~ ☆.。.:*・゜(・∀・ )
'〜〜〜' ⊂ ⊂ ) ☆.。.:*・゜
U U (_(_つ シャア専用classic@2ch掲示板
☆.。.:*・゜ ☆.。.:*・゜
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