機動戦士Zガンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・

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1通常の名無しさんの3倍
宇宙世紀0085年、デラーズ紛争によって結成されたジオン残党狩り
グループ「ティターンズ」は連邦軍内で急速に勢力を伸ばしていた。
そんな折、サイド1で宇宙居住者の生活条件向上を求める運動が計画
されている事を知り、上層部はサイド1に監視部隊を駐留させる。

この駐留部隊に参加した士官学校卒一年目の青年・ガリシア・オムは
親友ロストフ・ハイマンや兄達、そしてモンシャ大尉ら良きライバル
でありかけがえのない戦友たちと共にティターンズ結成後初となる
大規模な任務の成功に全力を尽くす。その先に待つ、父の残虐な行為と
それに伴う悲劇も知らず・・・・・・・・・
2通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 23:34:42 ID:???
終了。誤爆多いな
3登場人物紹介:2006/04/03(月) 23:42:25 ID:???
ガリシア・オム
士官学校卒一年目のティターンズパイロット。階級は少尉。
感受性が強くティターンズの思想を正義と強く信じている純粋な青年。

バスク・オム
35歳、ティターンズ実働部隊を統括する大佐。

カタルーニャ・オム
25歳。厳しさと優しさを併せ持った女性で、ガリシアを支える。

アラゴン・オム
29歳。サイド1デモ対策委員会の責任者。階級は准佐。

カスティージャ・オム
24才。軍生活とコロニーの空気に馴染めないガリシアの良きガイド役。
階級は中尉。

アンダルシア・オム
33歳。バスクの妻で地球至上主義を危惧している元連邦軍女性兵。
4通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 23:42:28 ID:???
再開
5スレの基本ルール:2006/04/03(月) 23:50:47 ID:???
基本的には>>1である私が本編を書くことになりますが,皆さんが効果的に
制作・ストーリー展開に参加できるようにいくつかアイディアを
考えました。

・外伝作品として、OVA全13話の規模をイメージしています。従ってだいたい
2スレ分で完結させようと考えています。この長さを考慮したうえで、
他人が書いている最中にその続きを書き進めることが可能な、リアルタイム
リレー小説です。相互の展開に矛盾が生じてもこれを整合性のある形に
まとめて進行させていくことがこのスレの大きな醍醐味です。

・もちろん、どう考えてもその場面で死ぬはずの無い(例えば主人公)
が突然死んだりすれば、揶揄や煽りと見てスルーして下さい。

・ストーリーを面白くするため、また0083とZの間に位置する物語として
設定は重要です。誰でもアイディアを出すことができるので、気軽に
参加して下さい。
6通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 23:54:11 ID:???
おもっきりAOZとかぶってねえ?
7通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 00:03:56 ID:???
>>6
・・・・という意見がでると思ってたが、こちらは30バンチ事件に焦点を定めた
作品である。AOZとの関連性も大事にしたいし、君が詳しいのならどんどん
アイディアを出してくれ。

ちなみに、最終回ラストのセリフは既に決まっている。
ブレックス「再びこのような悲劇を起こさないため、我々エゥーゴは起つのだ」

8通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 00:08:03 ID:???
最後の最後に何のインパクトも無いセリフ言うのな
9通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 00:11:25 ID:???
タイトルがまんまコロ落ちじゃん
もう少しオリジナリティ出せよ
10通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 00:13:03 ID:???
とりあえず、ガリシア・オムとロストフ・ハイマンは改名・設定変更だな。安直過ぎる。
>>3のネーミングセンスも種なみ。
11通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 00:20:46 ID:???
>>8
それをインパクトある響きにするのは君自身かもしれない

「機動戦士Zガンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・」は0083のような
マクロな世界の動きよりも、オム家とハイマン家の家族ぐるみの付き合い、
人間ドラマから毒ガス注入への流れを描く、いわば0080に近い物語である。

カラテ・アーシタ
35歳。シャングリラからの出稼ぎ労働者。鉱山で働いている最中に反地球連邦
デモに参加する。息子と娘が一人ずついる。

ロストフ・ハイマン
ガリシアと共に士官学校を卒業した親友。彼と違い社会や軍を冷静な目で
見つめている。

ベルナルド・モンシア
酒と女をこよなく愛する「不死身の第四小隊」の一員。軍の規律を理解
しないガリシアを容赦なく扱く。

12通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 00:30:23 ID:???
ツマラン。終了。
13通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 00:38:45 ID:???
>>9>>10
では君達の素晴らしいセンスに代案を任せよう。
(例えば、こういう場合はガンダムシリーズの定番「偽名」という手法で
複数のアイディアを作中に共存させられる。物は考えようだ)

ジャミトフ・ハイマン
地球連邦軍大将。ティターンズ結成以来、初めて世間に大きなインパクトを
残せすためのある野望を抱き、自らサイド1暴動鎮圧に出向く。

ユルゲン・ライヒェンベルガー
34歳。ジオン公国軍のパイロット・士官として一年戦争を戦い、その後はサイド1
30バンチで修理工として過去を隠し平和な生活を送っていた。

グジェゴシュ・ラトー
54歳。30バンチ市長。市民の反感を煽り、「ある利権」を狙っている。
14登場モビルスーツ:2006/04/04(火) 00:50:02 ID:???
RGM−79Q ジム・クゥエル
RGM-79CR ジム改高機動型
RGM-79SR ジム・スナイパーIII
RGM-79SR ジム・スナイパーIII[中距離支援ユニット]
RGM-79SR ジム・スナイパーIII[高機動型]
RX−177ガンダムMk−T一号機(ホスゲン)
二号機(アダムサイト)三号機(ソマン)

15第1話「大地の子」:2006/04/04(火) 00:59:20 ID:???
神は自らに似せて人を作った。しかし、それは他ならぬ人のみが発し得た考え
である。なぜならば人は自らが生物の最も合理的に進化した最終形態だと信じて
疑わないから、神という人智の及ばない御都合主義的な現実逃避先さえ人間を
基準に考える。

それは、人という生き物が決して逃れられない業だ。神という縋(すが)り物が
禍々しく自らの姿形を逸脱したものに描写されては人心を掌握できない。
それは偏(ひとえ)に太古の昔から人々の暮らしの基盤となるべき宗教が土着し
政治と結びついたことによる。宗教と神学は人々に守るべき道徳を教え、
正義と悪という二つの概念を生み出した。

16通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 01:00:30 ID:???
>>13
お前の頭ん中では批評家はみんな芸術の大家らしいなwww
しかも偽名が定番って、アフォですか
17第1話「大地の子」:2006/04/04(火) 01:16:43 ID:???
だから、歴史の中で作家達は神学・神話を扱うにも努めて善悪の二元論を避けてきた。
人心を統制するための政治宗教と純粋なる思想やいまこの現実にある物事の
メタファーとしての神話は異なるものであるべきだ。そうして神話は宗教から
離脱したのである。

優れた神話は、作者の妄想を越えて人々の心に事実・概念として定着した。
ギリシャ神話の巨大な体を持つ神、ティターン12兄妹の一人オケアノスは
海流を司る神として英語の「海」の語源ともなった。これはすなわち、
人智を超えた縋るべき力としての神から、生活や日々の思いへの定着へ
信仰がシフトした事を示してもいる。
18通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 01:17:31 ID:???
wktk
続ききぼんぬ!
19通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 01:18:27 ID:???
センチ系の外伝でもうひとつほしいよね
1stとZの間に
20第1話「大地の子」:2006/04/04(火) 01:24:03 ID:???
ロストフ「起きろ、ガリシア」
ガリシア「ん・・・・・・・・・・・」
ロストフ「お父上は、厳しい方だろう。そんな顔を見られたら修正の一つも
飛んでくるぞ」
ガリシア「いや、少し考え事をしていてさ。マスコミは親父、それと
お前の父さんの思想も理解せず未だに叩き続ける」

ロストフ「ああ。露骨に自分達を大きく見せる名前はセンスがない、って
やつだろう?親父さん、その場で取材してた記者に向かって、それなら
お前が良い名前を考えてみろって怒鳴ったんだよな」
ガリシア「タンザニア・デイリーメールのアフォ・ガート記者にな。
その道40年のベテランジャーナリストのくせに、批評家はみんな良い名前を
考え付く芸術家でなくてはならないのか、てほざきやがった」

ロストフ「自分が良い名前も考え付けないからって、負け惜しみだよな。
ティターンズ、良い名前だよ。俺は入隊したことを誇りに思う」
ガリシア「そうだけどね。親父のあの性格、いつか悪いことを呼び寄せるんじゃ
ないかって不安なんだ」
ロストフ「フフッ、お前の親父さんなら悪運も修正しちまうさ」
21第1話「大地の子」:2006/04/04(火) 01:33:59 ID:???
「FUCK YOU TITANS! FUCK OUT TITANS!
FUCK YOU TITANS! FUCK OUT TITANS!」
「俺たちゃジオンの残党なんかじゃねぇんだよぉ!!!」
「協力して欲しかったらパンの一つも持ってこいや!!」
「どんなに職が無くてもてめぇらの関連施設だけには行くもんか!!」

アラゴン「落ち着いてください。我々は本日・・・・・うっ!?」
顔に投げつけられた蜜柑を取って頬張ると、その笑顔に暴徒と化した
民衆も少しは、ほうやるな、と落ち着いてきた。
アラゴン「新たなスタッフを迎えるのです。そうすればこれまで行き届かなかった
サービスが充実するでしょう。我々がこのコロニーに毒ガスを持ちこんで
いるなんて噂は、全くのデマなのですから」

「でもよぉアラゴンさん。アンタんとこの親父さんはティターンズの
現場の総元締めじゃねぇか。アンタがそう言ってくれるってことは
本当にこのコロニーは安全なんだろうな」
アラゴンは蜜柑箱から降りて中年男性の方に手を置いた。
アラゴン「その安全を磐石にするために、我々がいるのですよ」
そう言って見上げたインナー・アイから入港するシャトルがはっきり見えた。
22第1話「大地の子」:2006/04/04(火) 02:18:01 ID:???
30バンチの宇宙港はティターンズの封鎖で閑散としていた。ただでさえ暴動で
経済や交易がストップしているこのコロニーに長く留まる理由もない。
ガリシア「あ・・・・・・・・・!」
ガリシアはコンベアで運ばれてきた自分の荷物を受け取ると、前方に懐かしい
姿を見た。二年前から極度に忙しくなり、年に数度しか会っていない。

バスク「久じぶりだなガリシア。元気ぞうで何よりだ」
ガリシア「父さ・・・・・いえ、バスク大佐こそ。お元気そうで何よりです」
相変わらず低くて太い独特の声は形容しがたい、誰にも真似できない響きだ。
ロストフ「お久しぶりです大佐。今後ともよろしくお願いします」
バスク「ンー。君がづいでいでぐれれば息子も安心だろうゥ」

ガリシア「大佐、ここでは・・・・・・・・」
バスク「フッハッ・・・・・・・ぞう気にずるごども無がろう。貴様の配属ば明日付けだ。
だだじ、明日駐屯基地に出勤じだぞの瞬間がら貴様どは親子でも何でもない。
貴様はティターンズの選ばれだズダッブどじで、ごの地球圏の病原体を駆除ずる
宿命を負うのだ」
ガリシア「わかっています大佐。ジオンも連邦の親コロニー派議員も結局は地球への
帰属や主導権が欲しいだけなのです。かつてはジオン公国には確かにそれを訴える
武力と説得力があったかもしれない。けど今の連中は力も無いくせに、人にああしろ、
こうしろ、ここがダメと外野から野次を飛ばすだけ。自分は何も作れないくせに。
結局、誰一人としてジャミトフ閣下の考えるレベルに到達できていないのです」
23第1話「大地の子」:2006/04/04(火) 02:37:49 ID:???
ロストフ「そうです大佐。ガリシアの言うとおり、大衆は馬鹿だから誰かが
何か新しいことを始めたり、突出した主張をすれば微温(ぬるま)湯に冷水を
入れられたように騒ぎ始めるのです。子供のように。所詮、大佐のお考えに
愚民大衆の知的レベルでは追いつけないのですよ。みんな自分に都合のいいこと
ばかり考えて微温湯の中で自分が傷つかない範囲で暮らそうとする。その先を見て、
自分から何か新しいことをやろうとは思いつかない。そういう知恵も力も無いから」

バスク「ンン。じがじ、過信ば良ぐないぞ。貴様らばディダーンズどいう選ばれだ
精鋭の中でまだまだごれがら激じい生存競争を勝ぢ抜いでいがなげればならん。
思想に感(がま)げで肝心の技能や実践力を磨ぐのを怠っでば本末転倒だ」
ガリシア「つまり、自分で何か考えて実行しようというのも、結局は愚民大衆の
支持を得られなければ自分の都合の良いエゴに堕してしまうということですね?」

ロストフ「しかし、大丈夫です。我々はこのティターンズの旗の下、誇りと
気概を持って地球圏を死守する覚悟です。言うは易し、行うは難しですが
本日これまで生き抜いてきた思いを忘れるつもりはありません。何せ、いつまでも
親の七光りで一階級上、なんて言われたくありませんからね」
バスク「ぞうだ。閣下と私がディダーンズを連邦軍内で認知ざぜるまでにどれだげ
苦労じだが・・・・まぁいい、ガダルーニャが家で待っでいる。部下に送らぜよう」
24通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 05:33:43 ID:???
○希望抵抗組織
・ジオン軍残存抵抗組織ではなく、連邦軍に接収・吸収された元ジオン軍構成部隊
・構成兵力:MS-06(90%)、その他(10%)、機体色は連邦軍機カラー(グレー?)
・切り札的にビグロを1機、ブースター付きのMS-14を数機希望
25通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 18:29:22 ID:???
自演多発地帯ですねここは
26通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 18:36:13 ID:???
と、いうより、OVA13話で2スレは下手。もしくは、無駄。
OVAを妄想するのなら、戦闘描写や無駄な移動シーンや、設定の説明は
ほとんど省略するべき(必要な描写。例えばシャアザクがキックとか。はしてもいいかもしれんが)
それから心理描写とかは入れてもいいかもしれんが1話あたり7レス(20KB以下)で出来る。
それから台詞の前に名前を入れるならスペース入れれ。もしくは地の文で補完させろ。

それから時間が空きすぎだ。
せめて、続けるのならメモ帳にでも下ろしてから推敲した後にしろ。
もう一つ。地の文が少ない上に、風景が描写されてなさすぎ。
まさか背景真っ黒。なのかもしれんが。
27通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 18:43:44 ID:???
どうでもいいが、>>5!!
>基本的には>>1である私が本編を書くことになりますが,

>他人が書いている最中にその続きを書き進めることが可能な、リアルタイム
 リレー小説です。

???俺にわかるように誰か説明してくれ。
某、ガンダムPとかいうわけのわからないスレみたく、書くのは全部一人(>>1)なのか?
それとも>>1は大筋だけ書いて細かいところを書きたい奴が書くのか?

それからどうせ一人で書くんなら鳥ぐらいつければいいのに。
まぁ、荒らされないという自信があるのならどうでもいいけど
28第1話「大地の子」:2006/04/05(水) 00:07:41 ID:???
ガリシア「すげぇリムジンだ。これは何のコロンだ?」
ロストフ「悪い、俺は化粧水には疎いんだ。ドライバーさん、寮にはどのくらいで
着くんですか?」
※「そうですね、混雑してますが二十分というところですか」
ガリシア「二週間前だったが、マーフィー小隊のヘイズルが襲われたって」

ロストフ「関係あるのか?」
ガリシア「ああ。さっき言ったことは親父の手前、カッコつけたわけじゃないんだ」
ロストフ「知ってるよ。シャトルの中でも聞いたからな」
ガリシア「ジオン残党とデモの結びつきなんかにゃ無駄な憶測はしてないさ、けどね、
マスコミや評論家が問題なんだ。奴らは無責任にそれを事実のように書き立てる」

ロストフ「そう。人に対してやれ、やれと言って自分は何もしない。何も
できない、やる能力が無いから。参考にはなっても実利にはならない」
ガリシア「正直に言えばいいだけなのさ。自分達は人が何かやった後にそれに
対してああだ、こうだ評論するだけで自分らは何も作る能力がないってさ。
それだったら、自分を晒して血を流して戦ってるジオン残党のほうがまだマシさ」
29通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 00:20:51 ID:???
いやよく練ってあると思うよ
続きが読みたいね
30第三十話「土星帰りの女」:2006/04/05(水) 00:29:39 ID:???
古ぼけて内部調整機能に支障をきたしているコロニーでも、ちゃんと内壁は
真っ暗になるようだ。寮はコテージのように煌びやかな照明を灯して周囲の
草花や木々と共に夜闇に映えていた。
カタルーニャ「二人ともおめでとう!明日からティターンズの一員なのね」
ガリシア「姉さん、久しぶりに会ったのにそれはないだろう」

ロストフ「お久しぶりです。コイツ、寂しくてカタルーニャさんの温もりに飢えて
いるんですよ。それより・・・・・・・・これ、シチューの匂いですか?」
カタルーニャ「ええ。数時間後、父さんや兄さん達、ジャミトフ閣下もお出でに
なるわ」
ガリシア「ジャミトフ閣下が!?」

カタルーニャ「父親って、息子が就職を決めれば嬉しいものなのよ。あの父さんが、
よ?知り合いみんなに大はしゃぎして、息子が三人ともティターンズだぞ!って
電話して回ったのよ。嬉しそうだったわ」
ロストフ「へぇ、大佐がね・・・・・・・・・」
カタルーニャ「貴方のお父様も。早く顔が見たいって言っていたわ」
31通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 00:33:13 ID:???
とりあえず…
>>26-27は無視かよ!!
SS書きとして最低限、読み手に配慮ぐらいしろよ!!
と、新板で書いてる俺が忠告
32第一話「大地の子」:2006/04/05(水) 00:39:58 ID:???
ガリシア「姉さん、これ読んでいい?「土星帰りの女」!面白いんだよね」
カタルーニャ「そう?でも、その作家さん売れ始めて忙しくなったから、よく
相互のお話やタイトルを間違えたりするのよ。アシスタントともよく喧嘩する
らしくってね・・・・・って、食べながら本を読むのはやめなさい!」
ロストフ「おいガリシア、それよりこれ見ろよ!」

二人はカタルーニャの忠告も聞かずシチューやホウレン草のバターソテーを
片手でつまみつつもう片方の手で書物に手を出していた。
ガリシア「カミーユ・ビダン、JrMS選手権二連覇!?すげぇな」
ロストフ「ああ、俺らなんて二回出場して地区予選落ち。しかもこいつは軍属
じゃなくて民間人らしいぞ」

アラゴン「そうだ。いつまでも親の七光りで一階級上とは言われたくないだろ?」
ガリシア「兄さん!」
ドアを開けて入ってきたアラゴンはダイニングの小灯をダイヤルで微調整すると、
ガリシアの横に来て唐揚げを一つ口に入れた。
アラゴン「それより聞いたか、アスワンのT3小隊の話?」
33通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 00:47:07 ID:???
○希望事項
・前編7話、後編6話構成
・見所は計4回ぐらい
・サラミスから発進するMS-06部隊の描写(11、12話あたり)
・コロンブスから発進するビグロ、ゲルググ・ブースターの描写(11、12話あたり)
で、お願いします。
>>1、がんばれ。
34第1話「大地の子」:2006/04/05(水) 01:15:44 ID:???
ガリシア「知っているよ。25バンチでジオン残党と交戦したって」
アラゴン「やれやれだ。テストと言ったって、もう少し穏便にやるもんだ。
不自然だと思わないか?ウェス・マーフィー大尉のリーダーシップがなけりゃ
連中は未熟なただの若造どもだ。そんな連中に重要な輸送艦を警護させるとは」
ロストフ「そんなに大事な物なんですか?」

ジャミトフ「大事な物だ。アスワンに続いてこの基地にも配属されるハイザック五機」
ロストフ「・・・・・・・・・・・・・・父さん!」
バスク「親を差じ置いで食べ始めでいるどは無礼な息子達だな」
カスティージャ「カンベンしてやってください、父さん」
カスティージャは脚に重厚なギプスを巻き松葉杖を突いていた。

楽しい夜だった。両夫人を除いて久しぶりにオム家・ハイマン家水入らずの
晩餐である。もちろん連邦軍の要人を警護するためこの寮には金属反応式の
小型レーザーも庭に配置されているのだが、そんな事も忘れさせるほどの・・・
ガリシア「すげぇな。バスク・オム大佐とジャミトフ閣下と一緒に夕食・・・」
ロストフ「ああ。あの二人、近寄り難いオーラ出してるけど・・・」
35通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 01:21:40 ID:???
何となく見始めた名無しです。
なんか色々言われていますが、とにかく・・・
途中で投げ出さずに完結することを望みます。
361:2006/04/05(水) 01:52:30 ID:???
では、そろそろ真剣に応対しましょう。>>27さんの言うとおり私はガンダムPrincess
を書いてる者と同一人物ですが、あちらは最近過疎っててほとんど1レスも返って
こないうちに一話分書き終えられることが多いのでそれに慣れてしまったのです。

>>35
心配すんな。ガンダムPrincessはもう三十話、二ヶ月以上もやってんだぜ?
二作掛け持ちは辛いがやってみせるさ。

>>33
了解した。がんばる。

>>31
忠告ありがとう。お互いがんばろう。

>>29
どこらへんを見てそう評価してくれたのか、参考までに聞きたいですね

>>27
落ち着いて。前の奴が書いた続きを誰でも勝手に書き進められるってこと。
内容が矛盾すれば次の内容で整合性をつけるだけ。

>>26
わかった。これからも厳しい指摘を頼む

>>24
わかりました。
37通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 03:07:23 ID:???
>>36



これは、ひどい
38通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 07:09:39 ID:???
自分のHPでやれよこういうのは
39第1話「大地の子」:2006/04/06(木) 04:40:11 ID:???
宴もひと段落した。バスクとジャミトフは相変わらず硬い表情を崩そうとは
しないが、息子達から昔の笑い話を持ち掛けられればなけなしの笑顔を見せ、
その度に赤ワインをちびちびと口に入れていた。しかしいつからか二人は
息子・娘達から離れてテーブルの隅で何やら書類とペンを持ち出し重そうな
会話をしていた。

ガリシアは人一倍強い好奇心で、空気を読んで自分達だけの会話にシフトした
兄達と適当に話題を合わせつつも二人の口から副流煙と共にこぼれる小さな声の
中から必死に単語を拾う。その中で何とか聞き取れたのは「アナハイムが・・・」
「ガンマ・・・・」「ブレックスの・・・・」というものであった。当然、何のことやら
さっぱり判らずそのうちガリシアは興味を失った。

カタルーニャ「さ、皆さん。そろそろ御開きにしましょう。今日は弟達の門出を
祝福に来ていただきありがとうございました。では最後にお父様、何か?」
バスク「ンー。ぞうだな、オホン・・・・・・・・締め括りどじで不穏当な話題になるが、
先日の25バンヂの戦闘どいい、ジオン残党ば間違いなぐごぢらの行動を見だ
反抗を計画的に起ごじ始めでいる。が、我々の任務ばゴロニー内部の反乱を
鎮圧ずるごどでありアズワンのデズドヂームどは違う。実戦ば既に始まっでいるのだ。
ぞれを肝に銘じ二人ども明日がらよろじぐ頼む。今日ば楽じがっだ。解散」
40第1話「大地の子」:2006/04/06(木) 04:55:00 ID:???
ガリシア「・・・・・・・・・・・・・・・・・兄さんは、もう寝た?」
カスティージャ「アラゴン?寝たみたいだ。寝付きはいいから」
ガリシア「俺、こんなこと・・・・・・・・・・アラゴン兄さんに話したら例えプライベート
でも修正されるんじゃないかって思ってて、言えなかったんだけど」
カスティージャ「何だよ、言ってみろ」

ガリシア「怖いんだよ。タクシーの窓から、本気で怒ってる人達を見たり兄さんの
脚のギプスを見たりしたら。一年戦争に比べれば小さいかもしれないけど、
俺にとってもう戦争って始まってるんだ。カール先輩がうらやましくって・・・・
確かに25バンチの話は知ってるけど、あちらはテストチームだもの。言い訳が
立つんだからね」

カスティージャ「何ビビってるんだ。お前だって明日、基地に着けばその瞬間から
ティターンズなんだぞ。そんなんじゃすぐヘマして原隊送りになる」
ガリシア「わかってる。わかってるけど、俺ってさ。人前でだけかっこつけて、
弁が立つとか理屈屋って言うと思うんだけど、全部自分を大きく見せようとして
やってるんだ。本音じゃ何で自分が今ここにいるかわからない。親父がバスク・オム
だから、エリートにならなくちゃって世間体や見栄だけで生きてるんじゃないかと
自分に関してね、思うの。だからハイザックに乗っても本能的嫌悪感が湧かなかったら
どうしようって今から思うんだ」
41第1話「大地の子」:2006/04/06(木) 05:07:54 ID:???
カスティージャ「いやお前、人間なんてそんなモンだろ?口ではなんと
言ったって頭ン中じゃ何を考えてるか他人からは結局、完璧に理解する
ことはできない。それができるのがニュータイプってんじゃあまりに
飛躍しすぎてるからな。そんなんじゃなく、まず隣人を見ることから始める。
親父もジャミトフ閣下も、それがわかってるからティターンズを作った」

ガリシア「・・・・・・・・だよなぁ。そうだ。うん、兄さんはやっぱりこういう
相談をする相手としてはベストだね。アラゴン兄さんは既に父さんの右腕
だもの。こんなこと言える筈がない」
カスティージャ「いや、いつかは話しな・・・・・・何事も溜めとくと体にも、
精神衛生上でも悪いからな」

ガリシア「じゃ、またホロテープのお裾分け頼むよ」
カスティージャ「こっ!こいつ、そういうコト言うわけ!?」
アラゴン「うるさいぞ!!早く寝ろ!」
ガリシア「あっ!す、すいません・・・・・・・・・」
カスティージャ「見ろ!お前のせいで怒られた。兄さんは何でも見てるんだ」
42第1話「大地の子」:2006/04/06(木) 05:22:57 ID:???
やはり姉さんに起こしてもらう朝は格別だ・・・・・・いやいや、変な意味じゃなく
兄さん達と共に兄弟水入らずで朝食、通学・・・ではなくて出勤するのなんて
久しぶりだったからだ。今朝も姉さんのミニグラタンはペンネがチーズに
よく溶け込んでいて舌触りの熱さも程よく最高だった。

が、やはり初出勤はワクワクと同時に憂鬱さも混じったものだった。
基地内に入るためにIDカードと指紋・声紋のチェックが七回はあった。
どうやら各個に微妙に設定がヴァリアライズされているらしく、全ての
チェックポイントに関して偽造ツールを作っておかなければ通れないらしい。
仕方があるまい、UC85年現在ここは屈指の危険地帯なのだから。

アラゴン「じゃ、俺は対策会議に出る。カスティージャ頼むぞ」
カスティージャ「あいよ、任されてよ。行くぞガリシア」
ガリシア「うん。いよいよだな・・・・・・・・」
カスティージャ「・・・・・・・・・・あれ?何だこのブロックは」
ガリシア「どしたの、ひょっとして道に迷った?」
43第1話「大地の子」:2006/04/06(木) 05:43:25 ID:???
カスティージャ「ああ、悪い!俺、今朝までに検尿提出しなきゃいけな
かったんだ。スマン!ちょっとトイレ行ってくるわ」
ガリシア「えっ!?もう時間がないんだよ。父さんに修正される」
カスティージャ「いや、さ。わかるだろ?普段あまり医務室に行ってない
ヤツならともかく、最近ずっと診察してもらってる俺が忘れたら軍属と
しての信用に関わるからな。悪い!一人で集合場所行ってくれ」

ガリシア「ったく・・・・・・・着任早々、何だってんだ・・・・ん?」
目の前を通り過ぎようとしていたのは白衣の初老男性だった。
ガリシア「あの、すいません。オケアノスへのエレベータは何処ですか」
ピウスツキ「オケアノス?ああ、てことは君は新人かね。それなら
真っ直ぐ行けばいい。見取り図くらいもらわなかったのか?」

ガリシア「申し訳ございません。この基地、広いですよね」
ピウスツキ「基地じゃない、ヒッポグリフと言わなきゃ大佐に怒られるぞ」
ガリシア「すいません、ありがとうございます!」
ガリシアはそう言ってエレベータに向かって走っていった。
ガリシア「ったく、親父は趣味が過ぎるんだよな・・・・・・」
44第1話「大地の子」:2006/04/06(木) 06:50:51 ID:???
階数の点滅がチカッ、チカッと上階に移っていく途上でその震動は起きた。
いや、震動と呼ぶのは不自然だろうか。歪雑とも言えそうだが、それは
そうなら、つまりはそう言えてもいいのだろう。何故ならガリシアの
中にはある不徳な振幅があったからである。身の危険を感じる純直な
恐怖と、これで遅刻の言い訳が立つ、という不至心の狭間である。

だから自分の今とっている行動への積極的妨害や障害とダイレクトに
知覚し認識することができなかった。それは、やがて彼の父親の怒りを
買うものであろう。たとえ言い訳が立つとしてもそれが通用するような
相手ではないし、過程ではなく結果が肝要なのが軍隊という水域で認めらるる
枠圧だからだ。まして、ティターンズである。

だが、人間というものは、とりわけ感受性の強い青年は自分が中途半端で
道筋を視認し難い岐路に立ったときほどそれを逆に自分を弁護する道程と
して利用できるものであるし、「ニュアッ」という音がビルの外から聞こえた
時も、これはやはり民衆が暴動やデモレベルでできることではなく、
ともかくビームライフルの縮退と発射の鼓動だという感触がありもしたのだから。
45第1話「大地の子」:2006/04/06(木) 07:24:21 ID:???
ガリシア「MSデッキは何処だ!?」
※「はぁ!?なんだお前は」
ガリシア「バスク大佐から特命を受けアスワンから派遣された者である!
命令に従わないと後で始末書を書かされるぞ!?」
※「わ、わかったよ!コイオスはこの階段を降りて突き当たりを右だ・・・・
でも、まだミュートスの移送も終わってないし、MSの発信命令は、ってオイ!?」

ガリシア「転がってくるものは、何にしろ掴んでやる!!」
MSの格納庫ではメカニックマン達が大慌てで現場から退避していた。ガリシアも
必死に通り抜けようと試みるものの、転がっているスパナやトーチを踏んづけて
バランスを崩しそうになった。
ガリシア「あれだろう、ジム改ってさ!」

見るとネイビーのノーマルスーツに身を包んだパイロット達が次々、各ジムに
乗り込んでスラスターを吹かして強引にゲートから飛び立っている。
※「オイお前、何やってる!スーツも着んで・・・・・・・・・・」
ガリシア「俺はティターンズだ!メカニックマンは黙ってろ!」
※「そういう問題っぴゃっくあ!!!」
ガリシアは自分を押さえつけようとするメカニックを殴り倒し昇降機に飛び乗った。
46第1話「大地の子」:2006/04/06(木) 07:46:53 ID:???
※「そいつはダメだ!そのジムはダメなんだよぉ!」
ガリシア「機体がダメでも、俺自身はダテじゃないんだよ!」
コクピットハッチを開けて中に入ったガリシアは、機体がアイドリングなのを
確認して再び起動させた。すると案の定、前段階まで溜め込んでいた実行物が
数と共に表示されたのでそれを消し、不具合なアプリケーションも削除した。

ガリシア「誰かわからんけど面倒な・・・・・・・・よし、行くぞ!」
機体の全天周モニターが作動して360度MSデッキ内の風景が映し出された。
この奇妙な浮遊感と、実際に外で起こっていることと内部に映し出される内容の
微妙な時間的・感覚的ギャップが現場のパイロットにとって辛い所だが、ともかく
乗り込む前の不安が和らいだほうといったほうが正直ではある。

ガリシア「いいんだ、これって・・・・・・・・・・・・ん!?」
前方から接近してきたのは三機のゲルググであった。スカート内部で推進力を
キュッとセーブしたゲルググは、惑わされた手近な二機のジムスナイパーを
ビームライフルの子気味良い連射で撃墜した。しかし、ガリシアが注目したのは
落とされた僚機ではなく、その周囲の光景であった。
47通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 18:15:29 ID:SWDQcvSk
主人公はバスクオムの私生児にでもしたほうが面白くないか?
そうすれば、主人公補正に、バスクの足長叔父さん効果をつけたりできるし。

ジャミトフとバスクの家族ぐるみの付き合いとかありえんと思うんだが。ギャグならともかく。
それに、Zでは手を組んでるだけで仲が良いわけじゃないっしょ。
これから危険な事するのに、家族を仕事場に晒すわけない。

オチは、ティターンズに抵抗するレジスタンスに関係がばれて、生きる盾にされるとか、
その取引でバスクは目を傷めるとか、
3分も考えてないから思いつかないが、陰の主人公はバスクにしたりしても良いのでは?

オリキャラで全部固めるよりは、レコアロンドあたりは出したほうがいいような気ががした。
登場人物が練れてないような感じ。
48通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 18:20:58 ID:???
ごめん、全然面白くない
49通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 18:28:19 ID:SWDQcvSk
>>48
面白くなかったか。すまん
50通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 18:36:46 ID:SWDQcvSk
ココの設定は前スレとかで決まった設定なのか?
1が個人で決めたのだと思ってしまったのだが…
しかし、どういうのが面白いんだろうな。
51通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 19:01:08 ID:ofJuiwRa
確かにどういうのが面白いのだろう?
いや、面白くなるのだろう?

前大戦からわずか5年。
技術革新が思っている以上に進んではいない5年。
されど、世界情勢は確実に変化が起きている5年。

そんな状況を打破しようとして起きたデラーズ紛争。
そして、裏目に出たTITANSの結成。

次の戦争の為の準備を楽しんでいると表現できるA.O.Z。

それを快く思わない時代、それがU.C.0085。

そして、「些細な切り傷」が後の大きな裂傷に変貌していく一物語。

そのように構成していかなければ面白くならないのじゃないかな?
52readyox ◆UTvY09zjTM :2006/04/06(木) 19:25:10 ID:LcWqIc2S
「大変だ!レディア家の御曹司が屋敷から逃げ出した!!」
この言葉は、その場にいた人々を大変驚かせた。
ジオン国内で名家と言う存在は強い権力を持っており、その財力は軍や公共事業にわたるまで支えている。
ことジオンのレディア家と言えば、軍上層部からも特別な目で見られる事が多い。
その御曹司たるレディア・クライズが、屋敷から逃げ出したというのだ。
名家の御曹司が単独で家を出る事は、ほとんど無い。誘拐や事故などが恐れられるからである。
それを受けて、警察と軍に捜索命令が下った。
「やれやれ、上層部は我々を便利屋だと考えているようだ。」
軍施設の更衣室で、マスクを付けながら男が言った。
「仕方ないですよ少佐。ジオンのレディア家といったら、いなければ財政が傾くような存在ですし。
それに、戦うだけが我々の仕事ではないでしょう?」
新米らしきその兵は、制服に着替えながら伝えた。
そして、ロッカーを閉めると赤い制服でマスクを付けた男が口を開いた。
「ん…、そうだな。では、我々はこれからレディア・クライズ君の捜索を開始する。行くぞ、ルマ一等兵。」
ルマと呼ばれた優男は、あたふたと着替え終わるとあわてながら言った。
「り、了解です。少佐殿!ジークジオン!」
「ははははは。そう気合いを入れてどうする。初の任務とは言えど、内容はただの迷子探しだ。」
「は、はあ。」
そういうと、二人はそこを出ていった。
53通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 19:36:45 ID:???
>>52
×レディア家
○クライズ家

あと「逃げ出した」という表現よりも
「失踪された」あるいは「足取りが掴めなくなりました」の方が適正だと思われる。
54readyox ◆UTvY09zjTM :2006/04/06(木) 20:06:55 ID:LcWqIc2S
「ま、まずいぞ。警察、軍までもわらわらと出てきてる。」
「これじゃ、シャトルに乗り込むなんて夢のまた夢ね。」
寄り添うように公園の草の影に隠れている二人の男女。レディア・クライズとその付き人、ライティ・ティーニアである。
この公園はライトが壊れており、夜は暗やみになる。二人がこの場所に隠れたのは、それが理由だった。
ガサガサ
「ここにいたぞ!!御曹司とその従者だ!」
「ちっ、やたら眼が良い奴がいるな!」
「クライズ様、こちらです…っああ!!」
ターン、という音が響きわたると同時にティーニアの足からすごい量の血が出ていた。
「ティーニア!おい!」
軍服姿のいかつい男が、倒れたティーニアに銃を向けた。
「貴様、何をする!」
「クライズ様と同時に行方が分からなくなった付き人、ティーニアには誘拐の容疑がかかっており、
反抗した場合には射殺して良い事になっています。」
「ふざけるな!今回の件に関しては俺の独断だ!ティーニアは関係ない!」
クライズは兵を睨みつけた。
「ならば、こちらに来て頂けますかな?そうすれば彼女の安全は保障しましょう。」
「く…。わかったよ。」
「そうです。あなたの体はとても大切なものですから。」
しかし、クライズがその兵に歩み寄ろうとした時、ティーニアが兵の足を掴みながら叫んだ。
「クライズ様!私に構わず、逃げて下さい!生きていれば国外逃亡のチャンスはいくらでもあります!だから!」
「ええい、うるさい!」
男は再び彼女の足に向かって銃を発射した。
しかしティーニアは悲鳴も上げず、ただクライズを見つめていた。
「そんな…ちくしょう!」
クライズは己の向いていた方向と逆方向に走りだした、ティーニアの想いと自分の夢への思いが彼を押したのだ。
「お、おい!待て!」
クライズはあっという間に男の視界から消えてしまった。
「そう、それで良いのよ。クライズ様…さようなら。」
「くそ!昇進のチャンスだったのに!」 息も絶え絶えなティーニアは口を開いて言った。
「ふ、セコイ男ね…。」
「貴様が余計な事をしなければ!」

ターン!

「!」
今、後ろから銃声が聞こえた気がしたが、クライズは聞こえなかったふりをして走り続けた。
あの銃声がなにを意味するかは、自分でもわかっているつもりだから…。

第一話 決別 終
55readyox ◆UTvY09zjTM :2006/04/06(木) 20:10:48 ID:LcWqIc2S
すまん。いろいろ語弊があったみたい。
ていうか、すみませんすみませんすみません。
56通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 21:34:44 ID:???
確かジャミトフって一年戦争後に血縁者たちと訣別したんじゃなかったっけ?
57通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 22:15:24 ID:???
wktk
続ききぼんぬ!
58readyox ◆UTvY09zjTM :2006/04/06(木) 23:26:48 ID:LcWqIc2S
「くそ!くそ!最近はおとなしくなったと思ったら、今度はこれか!」
何度もテーブルを叩きながら、立派な髭を生やした男が憤慨している。
彼こそ、クライズ家当主のベルク・クライズである。
「ご主人様、落ち着いて下され。あの子も少ししたら戻って来ますよ。」
一方、男と正反対に冷静な対応をしている翁、彼はライティと同じく従者である、カイム・ティーニアだ。
「何を悠長に。あいつは私の唯一の子であり、跡取りなんだぞ!」
「ふぉふぉ、ご主人様の息子なら心配はいりますまい。」
翁は笑いながらいったが、まるでベルクの耳には入っていないらしかった。
「私は…あいつが恐い。」
その突然の告白に、翁も驚いたらしく真剣な表情で
「何故そうお思いになられるのです?」
とだけ聞いた。
「分からん…。だがあの子が私に向ける眼差しは、親に向けるソレじゃない。冷たいんだ。
俺はいつか奴に殺されそうな気がする。」
「ご主人様の杞憂ではないのですか?」
「そうだと良いのだがな。」
その頃、コロニー内森林。
「ちくしょう。軍の野郎、本気出してるな。」
上空を飛び回っているヘリをみながら、ポツリと言った。
走り続けたおかげで、体力も底をつき、疲れ果てたレディアは一人地面に横たわっていた。
ガサ
その音に気付き、急いでその場を離れようとしたが、いかんせん足が言う事をきかず、動けなかった。
そして…。
「これはこれは、ここにいたのですか?」
赤い軍服にマスクを付けた男、そしてその部下らしき優男が目の前に表れた。
この男は…、確か赤い彗星?
「じゃあ早く父上の所に…。」
「嫌だ!あんな人殺しの家に帰るつもりはない!」
「何?」
「あんたも軍人なら知ってるんだろ!ジオンが毒ガスを使ってコロニーの人を大量に虐殺した事!」
「…ああ。」
「俺はあんな人殺しをしたジオンも、それに協力した親父も許すつもりはない!
だいたい、コロニー落としの件だっておかしいんだ!」
「なんで民間人の子供がこんな情報を…!?」
ルマ一等兵は驚いた様子だったが、シャア少佐はいたって冷静だった。
「情報の漏洩などさほどめずらしい事でもないよ。…ましてや、あのクライズ家の御曹司とあらばね。」
「これから俺をどうするつもりだ?」
レディアは恐る恐る聞いた。
「ふむ…。お父さまの所まで連れて行く。と言いたい所だが、君はどうしたい?」
「俺は、このコロニーを出たい。」
ルマ一等兵は驚きはを隠せなかった。
「え!?」
しかし、シャア少佐はこれすら想定の範囲内だったようだ。
「それで、どうする?」
「俺は…。」

第二話 逆襲
59第1話「大地の子」:2006/04/06(木) 23:54:52 ID:???
レディア「何だ、突然こんなことを思い出すなんて・・・・・・・・うっ!?」
シャギッ
ジム改から放たれたビームライフルはレディアの駆るゲルググに回避された。
ガリシア「くっ!これ、おかしいぞ・・・・・・・・」
明らかにマニュピレーター以前にアクチュエーターの問題であった。ジェネレータ
から各部への出力伝達が正常に行われていないとすると、やはり先程のメカニック
の言葉には何やら聞き落としてはいけない含みがあったのか?

ならば沈殿させずに露出すれば聞き入れたものを・・・・と身勝手なことを考えて
いるうちに再びレディアのゲルググはもう一機と連携してガリシアのジム改を
取り囲み、打撃やライフルで鳥篭状態にしてしまった。
ガリシア「ぐっ!ああーーーーーーーーっ!」
アラゴン「貴様ら、そこまでだ!」

アラゴンの駆るジムスナイパーが駆けつけざまに放ったライフルの弾道はしかし、
レディアのゲルググに羽交い絞めにされたガリシアのジム改に向いていた。
ガリシア「あっ、あっ、アッーーーーーーーーーーーーーー!!」
跡形もなく爆散した、ように見えた。後方のアイスからも零(こぼ)れ落ちる
装甲の破片がしっかり見えたからだ。しかし、それは「ジム改」の装甲片だった。
60第1話「大地の子」:2006/04/07(金) 00:07:59 ID:???
アラゴン「ガリシア!ゲルググは俺が引き受けた!お前は既に向かったザクと
一緒に寮を守ってくれ!」
ガリシア「寮!?寮って、姉さんが危ないってこと!?」
アラゴン「そうだ!早く行くんだ!」
レディア「戦場で立ち話とは、悠長であるな!」

ギギッ! ビームサーベル同士が激しく切り結びあい火花を散らす。
アラゴン「いい太刀筋だ!貴様、何やつ!?」
レディア「人に名を聞くときには自分から、が礼儀であろう!が、まぁいい。
レディア・クライズだ!それ以上は何も言わぬ!」
アラゴン「レディア・クライズ・・・・・・ジオンのクライズ家か!?なぜその家系が
抵抗運動などに加わっている!?」

レディア「言わないと、言ったはずだ!!」
アイス「大尉!ツァラ・ストゥラ隊から撤退命令です!」
レディア「なに!?・・・・・・・・・・・・・了解した!貴公、名を名乗るがいい!」
アラゴン「アラゴン・オムだ!貴様らに俗悪非道な拷問を受けた一年戦争の
勇者、バスク・オムの長男である!」
レディア「なに、なんと・・・・・・・・・・・・・わかった!決着はまた今度付けようぞ!」
61第1話「大地の子」:2006/04/07(金) 00:20:52 ID:???
寮の周りでは、ザク、ジム、そして見慣れない小さな機体が交戦を続けていた。
そしてその内、肌色のザクがガリシアの機体に向かってマシンガンを放ち、
残っていた装甲が見事に剥がれた。そしてその中から出てきたフォルムに一同は
唖然としたのだった。
ツァラ「なんだぁ!?ヘイズルってのはアスワンにあるんじゃなかったのかよ?!」

ガリシア「ザ、ザクが・・・・・・・機体色、同じって、どういうんだよ・・・・!?」
彼の動揺も知らず取り囲んでくるザクに対し、ガリシアは破れかぶれで突っ込んで
いった。すかさずザクもヒートホークで斬り付けて来るが、粉砕されたのは
ヒートホークだった。
ツァラ「オイッテメェらわかってんだろうな!?目的は中なんだ!」

ヤーコプ「わかりました!ここは我々にお任せください!」
ガリシア「どけっ!どけっ!どくんだよぉーーーーーーーーーーーっ!!」
リヒャルト「うっくあ!何だコイツの戦い方?!」
ガリシアが矢鱈滅多(やたらめった)に振り回すロングサーベルはザク達、
敵MSを薙ぎ払ったばかりか周囲の木々まで切倒してしまった。

カタルーニャ「きゃっ!」
※「あっ、アンタ!」
カタルーニャは樹齢千年以上と思われる大木に崩された壁ごと床に叩き付け
られてしまった。
カタルーニャ「ウッ、ウウーーーーーーーーーー!!」
※「大丈夫!?大丈夫だよ、きっとバスク大佐が助けに来てくれるからね」
62第1話「大地の子」:2006/04/07(金) 00:30:51 ID:???
骨が折れたどころか、肉まで裂けてしまっている。隣人の主婦はとても女の細腕
では助けられないことを悟ってドアを開けた。
※「待っていてね、すぐに助けを呼んで、くっ・・・・・・・・・・・ぷぁ!!!?」
ツァラ「赤信号を急に飛び出しちゃいかんぜよ、奥さん」
カタルーニャ「あ、貴方達・・・・・・・・・・ジオン!?」

ツァラ「おやおや、お困りのお嬢さんがいるぞ。プホルタ、ハウエル!」
プホルタ「はっ!」
拳銃でカタルーニャの脛を押しつぶした部分の大木が見る見るうちに削られて
いった。
ハウエル「大丈夫ですかお嬢さん」

カタルーニャ「さわらないで!ジオンの汚らわしい悪党ども!」
ツァラ「オイオイひどい言われようだなァへっへ。俺達ァ祖国のために命を
かけて戦ったんだ。それが終戦と同時に鬼畜扱い。軍部の中でも早期に連邦へ
魂を売ったやつはのうのうと椅子にふんぞり返って、そのコネから外れたモンは
ジオン出身てだけで雇用差別を受けるってことも少しくらい世間勉強したほうが
いいぜぇ・・・・・・・・・・・・・・なぁ!?」
63通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 00:34:15 ID:???
レディア・クライズ
名家レディア家の血を継ぐ。突出したニュータイプだが、本人はそれを知らない。
ジオンを嫌い、親を憎み、赤い彗星の極秘の援助により、コロニーから逃亡した後、軍に入る。
なお、クライズ家の血を継ぐ者はレディア以外すべて殺されている。
素性を隠すために、今はクレム・ブローターという偽名を使っている。
64通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 00:37:26 ID:???
>>63
×軍に入る
○抵抗運動に参加する
だな。
65第1話「大地の子」:2006/04/07(金) 00:44:36 ID:???
胸を拳銃で貫かれ、倒れた主婦の上にカタルーニャの着ていた上着が細(こま)切れに
なって降りかかった。上半身の下着が露(あらわ)になったカタルーニャは
必死に三人の下劣な視線と嘲笑から逃れようとしたが、完全に動かなくなっている
片足に激痛を感じて再び倒れこんだ。するとツァラはハウエルとプホルタに
彼女を取り押さえさせ、残るスカートも下着も破り裂いてみせた。

ツァラ「ハーーーーッハーーーーーーーーッ!バスクの泣いて悔しがる顔が目に
浮かぶぜ!なぁ嬢ちゃん、表に現れたガンダムヅラのMSは、ありゃなんだ?
アスワンのヘイズルとは別モンなのか!?大人しく言えば見逃してやらんことも無いぜ」
カタルーニャ「し、知らないわ!たとえ知っていたとしても父さんが必死で守って
いる機密を言うわけがない!ティターンズは、ティターンズは地球圏の希望なのよ!」

ツァラ「じゃあ、しょうがねぇなぁ!」
ツァラは腕まくりをして、その太く隆起した筋肉で生まれたままの全裸のカタルーニャ
を抱きかかえると、どうして場所が瞬時にわかったのか、別室のベッドの上まで
運んで乱暴に放り落とした。そして忙(せわ)しない動作で栄光の軍服を脱ぎ
捨てると、ツァラのかすかに緩み始めた水源をまさぐり舐め始めた。
66第1話「大地の子」:2006/04/07(金) 00:52:29 ID:???
ガリシア「姉ーーーーーーーーーさーーーーーーーーーん!!!!!」
ガリシア駆るMK−Tはようやっと敵MSを薙ぎ払った。さっきまでの不具合が嘘の
ように駆動系は機敏な反応を見せ、まるで手足のように自分の意思についてきた。
寮の玄関口の前にくっつけたコクピットから出ると、ガリシアは一心不乱に
通路を疾走した。そして、昨夜自分が穏やかな夜を過ごした部屋からこの世の
ものとは思えない女性の嗚咽と下品な男達のせせら笑いが漏れてきた。

ハウエル「少佐ぁ、お楽しみも程々にしないと」
プホルタ「そうですぜ、クレム大尉がまた煩(うるさ)いですよ」
ツァラ「黙れ!俺たちゃ何処の戦場でも攻め落とした街の民家じゃ儀式のように
やってきたじゃねぇか。それにホレ見ろ、あのバスクの娘とは思えねぇイイ体」
カタルーニャ「いやっ、いやーーーーーーーー!!」
67第1話「大地の子」:2006/04/07(金) 01:05:16 ID:???
股間に続いて胸の豊かな双丘の頂点まで舐めまさぐり始めたツァラの動作を
一瞬止めたのはガリシアの狂気とも思える凄まじい絶叫だった。
ガリシア「殺してやる!!!姉さんから離れろーーーーーーっ!!」
しかし、ガリシアの突進はハウエルとプホルタに止められ彼の体は床深く抑え
こまれた。一年戦争を戦った歴戦の猛者とティターンズの新入生では所詮、
体の大きさからして全く勝負にならないのだ。

ガリシア「あぐっ、ぐうう・・・・・・・・・・!!!」
ツァラ「へえ、するってえとオメェはアンタの弟、バスクの息子ってわけかい!
ハッ!こりゃあいい。肴が二つに増えたぜ。姉貴が辱められるところをよーく
見とくんだな」
カタルーニャ「あっ、アッーーーーーーー!!!」
傷ついた脚で必死に拒んでもツァラの隆起したどす黒い怒張と筋骨隆々な腰の
行く手を阻むことはできず、やがて緩みきった水脈に力強い杭が飲み込まれた。

カタルーニャ「んっ、んん!やめっ・・・・・あっ!くあ・・・・・・・・」
ガリシア「やめろ!やめろ!殺すぞ!本当に殺してやる!」
プホルタ「お前に何ができるってんだよ?まぁせいぜい社会勉強しときな。
お前ら若造がカッコイイと思ってる戦争の裏側の真実ってやつをよ」
初めは嫌悪感を露にしていたカタルーニャも、ツァラの慌てず急がぬ巧妙で経験
豊富な腰使いに打ちのめされ、その苦悶の声は次第に滑らかで艶かしい喘ぎに
変わっていった。反復運動の度に彼女の美しいブロンドと双乳がツァラの逞しい
男の肉体と重なって揺れ、やがて自分からも腰を動かすようになっていった。
それを見て泣き悔しがりながらも抑え付けられた股間を硬くしてしまうガリシアだった。
68第1話「大地の子」:2006/04/07(金) 01:15:57 ID:???
カタルーニャ「あ、あ、あ、あ、、、、、、、、、ひんっ!!」
ツァラ「ん、ぬう・・・・・・・・ぐっ、ぐっ、うぬっ!!・・・・・・・プハァ」
カタルーニャは全身の力が抜けたように仰向けに倒れこんだ。
ツァラ「どうだい坊主、見たか?ジオンの男の逞しさってやつをよ。
お前ら連邦は一年戦争でこれより酷ェことをやったんだぜ?それでも
戦争に勝ったという理由で何一つ糾弾されねェ。それが世の中さ。
力の無い者はどんなに屈辱的・非人道的扱いを受けても文句言えなェのさ」

カタルーニャ「ん、ぐむ!?」
ツァラ「どうした?一物を咥えさせてほしかったのか?」
パンッ・・・・・・・・・・・
カタルーニャの顔がグチャグチャにベッドの上に飛び散った。まるで
小学校の時に、食あたりで教室の床に友達が吐いた嘔吐物のようだった。

ガリシア「あ、あ、あ、ああ・・・・・・・・・・・!!」
ツァラ「どうよ坊主?起ってんだろ?今ここで素っ裸になってシコって
みせりゃ親父の命は狙わないで済ましてやるぜ。なぁ、姉貴の命ひとつ
守れねぇションベン小僧が寄り集まって何がティターンズだよ?何が
大地の子だよ?笑わせんじゃねェ!おら、ハウエル!脱がせろ」
69第1話「大地の子」:2006/04/07(金) 01:24:59 ID:???
プホルタ「少佐、連絡です!クレム隊は突破されたようです」
ツァラ「何ィ!役立たずの小僧だ。行くぞ、オメェら!」
ガリシア「ま、待て・・・・・・・・・・」
ツァラの脚にしがみついたガリシアの顔面に、渾身の蹴りが食らわされた。
ツァラ「うるせぇんだよ!糞ガキが。一人でオナってろ」

その後、寮の外に出たツァラ隊のザクはアラゴン率いるジム隊と壮絶な
砲火を交えた後に、何処かへと消えていった。それを深追いしなかったのも
アラゴンには寮の中が気になったからだ。大木で半壊したその中が、
カタルーニャと、案の定暴かれたMK−Tに乗っていたあえて咎めはしなかった
ガリシアのことが心配だったからだ。

アラゴン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
※「隊長!どうしたんですか!一体・・・・・・・・・・・うっ!?」
世の中には、見てはいけないものもあるのだと知った。人間誰しも、
ある程度の年齢になれば「自分は人一倍辛い目に遭って来たから、きっと
ちょっとやそっとの悲劇や屈辱で動揺したりはしない」と無根拠な自信と
確信に溺れる。が、嘘とは暴かれるためにあるのであり、表とは裏があって
成立するものだということを、そこにいた全ての者達は理解した。
アラゴン「・・・・・・・・・・・・見るな!女性兵は入れちゃダメだ!」
70第1話「大地の子」:2006/04/07(金) 01:36:10 ID:???
愛しい人よ 我が父よ なぜ この手をすり抜けるのか

弱くて儚い 夢の住人は 今日も傷つき それでも歩く

塞ぎこんで眠った深い夜 何も信じられず ただ泣くだけだった

憎しみを乗り越えるのは 憎しみだけだと 知りたくはなかった

Ah 自分に都合のいいぬるま湯は(Ha-ah) 心地よく包んでくれた(ah・・・)

しかしいつの日か 旅立てと 背中を叩く父がいた(Oh・・・wow)

大地の子よ 我が勇者よ 宇宙(そら)はまだ悲しい色さ

親からも 運命からも 遺伝子からも逆らって生きよ ティターン(エコー)

(We must survive without any help cause of your being yourself)
71第1話「大地の子」:2006/04/07(金) 01:42:58 ID:???
エンディングテーマ「生きろティターン〜Into the rotten real〜」
作詞 売野雅勇 作曲・編曲 ニール・セダカ 歌 高橋洋子

作画監督 川元利浩
演出   関田修
絵コンテ アミノテツロー
脚本   斧谷稔

製作
サンライズ バンダイビジュアル ZガンダムOO85製作委員会
72通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 01:47:29 ID:???
スタイル一緒かよw
73第1話「大地の子」:2006/04/07(金) 01:51:45 ID:???
        

      次      回      予      告




我々は宇宙に上がっても、利便な暮らしを手に入れても、本能と私欲でしか
自分の行動を指針付けられない。ならば、ようやっと世間の汚れと腐敗を自分の
目で知りそれを自分のものとして受け入れようとする青年の暴走を誰が止められ
ようと言うのか。いや、それ以上は言うまい、そこにはただ、息子の気持ちを
理解しない父親と、父親の気持ちを理解しようとしない息子がいる、それだけなのだから。

         次回 「行動主義的観念論」

生きろ、ティターン。
74通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 02:09:50 ID:???
>>71はいらない。
>>73の「生きろ、ティターン」もいらない。
75通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 08:41:36 ID:???
readyox(読み方分からない)さんの方が面白かった件について。
76通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 09:01:00 ID:???
・つまらない
・星屑のパクリ
・最後の台詞バラしてどうすんの?
・キャラに個性がない。設定では細かく書かれているが。
77通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 09:41:49 ID:???
1話目で>>1の文章・構成は、もうなんていうかグダグダ感で息詰まっている。
こんな調子で13話もやるの?
781:2006/04/07(金) 10:21:43 ID:???
さて、ようやく一話が終わったが・・・・・・・・・・

>>readyox氏
ありがとう。面白かったよ。レディアはガリシアのライバルとして終盤まで
重要な役を演じることになるだろう。これからも割り込み大歓迎

>>63
うん、そんな感じだね。それでいこう。

>>72
やってる奴が一緒だからね。

>>74
どうしてもいらない?どうしても無くしてほしい?

>>75
俺もそう思う。

>>76
・つまらないのは仕方が無い。俺も自分で書いてつまらないと思っている。
・0083ってレイプシーンあるんだね。初めて知ったよ
・別に問題ないでしょ。プロモと思えば
・むしろ設定のほうが超いい加減に書いたんだけど

>>77
間が空き過ぎてることを言ってる?それとも質的な問題?

これからも皆さんのご協力・賛否両論お待ちしています。ありがとうございました。
79通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 10:31:18 ID:???
あ・・・・この流れじゃもうジオン兵引き返せないなって感じだな。

バスク相手にここまでやったとしたら、
安楽死ガスの30バンチに繋がるなんて「生易しい」もんじゃ済まない。
徒党のジオン兵全員の親族家族がサイド3から洗われて
レイプ返しとネット公開処刑が行われるんじゃないか?
むしろそういう恨み返しがあった方がティターンズらしい



80通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 10:48:48 ID:???
ガリシアの証言で顔の割れてるツァラの血縁は
全員惨殺だろうな。
81通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 12:25:01 ID:???
>>78
自分では面白いと思ったストーリーを書いてるんだろ?
書いてつまらないと思うなら自主的に辞めるなり直すなりしろよー。
82通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 12:36:34 ID:???
>>78
それだと0083やBLUE DESTINYとかぶるから
逆にレディアはZZのマシュマー程度の扱いで良いんだが。

同じ新兵という事で、
どちらかというとルマをクローズアップして欲しい。

83通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 15:08:50 ID:???
レディアはヤザンみたいな立ち回りで良いと思う。
「部下思い」、「死なない」が鍵。
84通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 15:36:11 ID:???
あっちはもう投げ出したの?
85readyox ◆UTvY09zjTM :2006/04/07(金) 15:57:22 ID:???
続けてほしい方がいれば続けさせてもらいますが、今書き始めると>>1さんの邪魔になったりしませんか?
86通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 18:29:34 ID:???
自作自演乙!
作者はギレン死せずかヤザン主人公スレかアムロスレでも読み直して勉強してきなさい!!!!!!!!!!!!!!!!!
87通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 19:07:32 ID:24CKlV/9
なんでID強制表示にしないんだろう。
時間から考えても自作自演とは思えないが、疑ってしまった。
88通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 20:01:44 ID:???
78 名前: 1 [sage] 投稿日: 2006/04/07(金) 10:21:43 ID:???
さて、ようやく一話が終わったが・・・・・・・・・・

>>readyox氏
ありがとう。面白かったよ。レディアはガリシアのライバルとして終盤まで
重要な役を演じることになるだろう。これからも割り込み大歓迎

>>63
うん、そんな感じだね。それでいこう。

>>72
やってる奴が一緒だからね。

>>74
どうしてもいらない?どうしても無くしてほしい?

>>75
俺もそう思う。

>>76
・つまらないのは仕方が無い。俺も自分で書いてつまらないと思っている。
・0083ってレイプシーンあるんだね。初めて知ったよ
・別に問題ないでしょ。プロモと思えば
・むしろ設定のほうが超いい加減に書いたんだけど

>>77
間が空き過ぎてることを言ってる?それとも質的な問題?

これからも皆さんのご協力・賛否両論お待ちしています。ありがとうございました。
79 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 2006/04/07(金) 10:31:18 ID:???
あ・・・・この流れじゃもうジオン兵引き返せないなって感じだな。

バスク相手にここまでやったとしたら、
安楽死ガスの30バンチに繋がるなんて「生易しい」もんじゃ済まない。
徒党のジオン兵全員の親族家族がサイド3から洗われて
レイプ返しとネット公開処刑が行われるんじゃないか?
むしろそういう恨み返しがあった方がティターンズらしい




80 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 2006/04/07(金) 10:48:48 ID:???
ガリシアの証言で顔の割れてるツァラの血縁は
全員惨殺だろうな。


いや、時間から考えて平日にこんなマイナースレで反応はやすぎwww
作者の自作自演だろ?
89通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 20:08:23 ID:???
オリキャラに自分を投影して現実逃避するのはいいけど空疎すぎ
思いつきで書いた設定の方が内容がマシなら、作者が一生懸命考えても思いつきいかにならないという証明やんwwww
オリキャラを立てるのはいいけど、せいぜい斬られ役か援護パイロット向けにしとけ。
重要キャラを描くのなら、既存キャラ使った方がよくね?

90通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 20:28:24 ID:24CKlV/9
>>88
うーん。俺が疑ってしまっていたのはreadyoxの方だった。
91通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 20:53:40 ID:XWkdCxW1
小説は面白いとは思ったが
縛り大杉、一人で全部書いた方がいいだろ
リレー小説したいなら他の奴が参加しやすい様にしたら?
92通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 21:03:40 ID:???
>>91
readyox自演Z!
93通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 21:21:24 ID:XWkdCxW1
>>92
ちげぇよwwwwww
94通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 22:20:03 ID:???
こういう流れどっかで見たなー
後から別な作者が出てきて、結局スレが分裂しちゃうの
共通点は>>1の力量不足 態度もなんか似てるし

もういっそreadyox、別スレでやろうよ

最後に、SS書くんなら読んだら?
http://sakka.org/lesson/
95通常の名無しさんの3倍:2006/04/08(土) 01:02:39 ID:???
構成がな・・
96通常の名無しさんの3倍:2006/04/08(土) 01:21:34 ID:sQgT22Ok
>>88
すまんな。>>79-80俺だわ。
平日出勤前に巡回、
少ないZ系SSで更新来たんで過剰に早くレスしてた。
それが深読みをさせたんなら済まんな

Ζ系SSはいい職人が育ちにくいんだが
ハイザックなりきりスレみたいに過疎化させるのも忍びないんでな。
97通常の名無しさんの3倍:2006/04/08(土) 03:37:32 ID:???
ジムクゥエルの雄姿!
98通常の名無しさんの3倍:2006/04/08(土) 07:07:25 ID:???
>>89
>重要キャラを描くのなら、既存キャラ使った方がよくね?
>>1は既存キャラを知らない、知ろうともしないから無理。
99通常の名無しさんの3倍:2006/04/08(土) 10:38:49 ID:???
>>79
エログロなんかイラネ
種みたいになるから
100通常の名無しさんの3倍:2006/04/09(日) 06:48:38 ID:???
コロニー内で無闇にビームライフル・マシンガン撃つ所が素敵。
軍職員施設・寮が民間人が自由に出入り出来るところにある所が素敵。
敵対勢力侵攻時に現場指揮が成り立っていないところが素敵。
101readyox ◆UTvY09zjTM :2006/04/09(日) 10:50:41 ID:fC7iQ4Cf
「そうか…、では着いてきたまえ。レディア君。」
赤い男、シャア・アズナブルは何かを思いついたかのように、歩き出した。
「待て、どこに連れて行く気だ!?家には帰らないぞ!」
嫌がるレディアをシャアは無理矢理連れて行こうとしていた。
しかし、次の瞬間シャアの口から出たのは思いもよらぬ言葉だった。
「安心したまえ。君を家族の所に帰す気は無いのでな。」
「え?」
レディア、そしてルマ一等兵も同じ言葉を口にしていた。
一瞬辺りが静寂になったが、やがてルマが先に口を開いた。
「ちょっと少佐、どういう事ですか?私達の任務はレディア・クライズの保護のはず…。」
シャアは闇の中、かすかに微笑んだ。
「そうか、君がいたのか。ルマ一等兵。…どうだろう、これで黙っていてくれないかね?」
シャアは懐から銃を取出し、ルマ一等兵に向けた。
「そんな、こんな事したら軍法会議にかけられますよ!」
信用していた上司が自分に銃を向けている事実が、新米のルマ一等兵には受け入れられなかった。
「それも…君次第だ。」
シャアは銃のロックを外しながら言った。
「分かりました。軍には何も見なかった、と伝えておきます。私はあなたを信じています。」
ルマ一等兵は、諦めたのか両手を挙げた。
「ありがたいよ。では、君は総司令に、そう伝えてきてくれたまえ。」
シャアは再び銃をしまった。
「了解しました。シャア少佐!」
と言うと、ルマ一等兵は森の中へ駆け出した。
その後ろ姿を見ながら、シャア少佐が
「若いな。」
と、呟いたのがレディアに聞こえた。
102通常の名無しさんの3倍:2006/04/09(日) 10:59:10 ID:???
毒ガスとか直すぎんだよな。

清浄なる大地の上でとかオブラートに包まないと
もったいぶるのが定番じゃんw
103通常の名無しさんの3倍:2006/04/09(日) 22:56:52 ID:fC7iQ4Cf
あげ
104通常の名無しさんの3倍:2006/04/09(日) 23:56:26 ID:4mBGAg+J
つうかタイトル重すぎ
105通常の名無しさんの3倍:2006/04/10(月) 02:28:39 ID:???
>>94
新板の、リレースレかww

っていうか、レイープを入れたいのは別にどうでもいいけど、
種ですら比較的オブラートに包んでたのに、なんでそれなりにまっとうな表現でそこを描くんだ?

18禁ガンダムSSがしたいならぴんく難民とか池よ。
106通常の名無しさんの3倍:2006/04/10(月) 17:29:45 ID:in1TPpth
てか>>1はどうした?
107第2話「行動主義的観念論」:2006/04/10(月) 21:47:35 ID:WH5V+4n0







     機 動 戦 士 Z ガ ン ダ ム 0 0 8 5


毒 ガ ス の 撒 か れ た 地 で・・・・・・・・・・・・・・・・
         
108第2話「行動主義的観念論」:2006/04/10(月) 22:01:35 ID:WH5V+4n0
姉さんは僕にとって何だったのか、を自問するのは、毎日の排泄や食事の
意味を云々するのと同じくらいの無駄な労力の消費だと思える。
僕は幼いころから自分の感情を表に出さないよう努めてきた。もちろん、
他人から会話を振られれば適当に受け答えをするし、年頃の男の子の関心に
見合った情報を常に仕入れるくらいの気配りはしてきたつもりだ。

全ては、僕が地球連邦軍の士官学校に入学するまでの18年間を過ごしていた
ヘームステーデという街から始まる。僕たちの国は自由だった。それでいて
堅牢な自衛力を持っていたので旧世紀で言えば小さなアメリカというところだ。
政府はマスコミを過剰に弾圧しなかったし、教育制度や年金制度もそれぞれの
時代や景気によって流動的になっていた。世界で最初に末期患者の生命維持装置を
外して安楽の内の死を実行したのも僕たちの国だ。

国は小さかった。だから僕らは週末になると電車に乗って大きな街にすぐ行く
ことができたし、可愛い女の子を探したり安物のマリファナを吸引したり、
ゲイの路上パフォーマンスに喝采を送ったりして次の週から始まる退屈な日々への
英気を養っていた。外国人からはよく刺激的で自由な国といわれるが、中で
ずっと育った人間にすればそうでもない。実のところ、外国人が珍しがるもの
なんかより、僕らペイ=バの楽しみはずっと庶民的で小さなものなんだ。
109第2話「行動主義的観念論」:2006/04/10(月) 22:21:43 ID:WH5V+4n0
僕は人から一歩引いた視点で、「ああ、この人たちは何故こんなことに
夢中になっているんだろ?確かに面白いとは思うけどそこまで熱中する
ことはできないな」と思うことで自分を維持していた。その方が気楽で
リスクも少なかったからだ。そんな僕にとって唯一相対化できなかった
対象が姉さんだったといえば実にわかりやすいと思う。

そういえば姉さんはフォートバルが大嫌いだった。フォートバルは野生的で
人間を獣にするスポーツだ。反面、アメリカのフットボールやニホンの
スモウ・レスリングと同等に僕たちの国では男の証明を手に入れられる種目
でもある。毎日図書館に篭って哲学書や歴史書を読むのが好きだった僕は当然
フォートバルが苦手だったしリフティングも十回と続いたことが無い。

しかしある日、友達に連れられてデ・カイプへ行った。ニホンからの留学生で
車メーカーにちなみマツダ、マツダとからかわれていたマツイ君も一緒だ。
僕は嫌だった。姉さんもスタディオンは危険な場所だから行ってはダメだと
言うし、父さんは球技嫌いで怒られるのは目に見えていた。それでも、その日は
オデッサ作戦の成功で世の中が湧いていたのでその雰囲気に乗せられてしまった。
110第2話「行動主義的観念論」:2006/04/10(月) 22:41:28 ID:WH5V+4n0
ぶっちゃけた話、僕達はテレビ画面の向こうにオデッサやルウム、シドニー
やジャブローを押し込めて自分たちが戦争の当事者なんて感覚はまるで
欠落していた。地球の三分の二がジオン軍に支配されたなんて言われても、
コロニーが地上に落ちたなんて言われても実感なんてなかった。むしろ
史上初の地球と宇宙を分けた戦争にはしゃぎ、毎日学校で友達と会話の
ネタにしていたくらいだ。

そういえば、面白い話がある。今でこそハイザックやGMのAMBAC機能となる
MSの手足のマニピュレーターが、推進剤の節約に役立つフリクションによる
姿勢制御になるなんて話は単なる開発者の建前で、実際はミノフスキー粒子の
散布下における熱火気誘導と弾道調整・慣性誘導のための末端信管である
という事は軍人の常識として知っているものの、そのころはミノフスキー粒子
なんて言葉も知らなければそれがレーダーを無力化して近接戦闘の必要性を
喚起するなんて馬鹿げた話はバーホーベン映画の中だけにしてくれよ、と
友達同士で笑っていたものだ。

さらに言えば全長15メートル以上の人間型兵器が本当に戦闘機や戦車を差し置いて
戦場の趨勢を握ってるなんて、マスコミがおもちゃを売るために言っている
作り話じゃないかという冗談まであった。さすがにそれはないものの、この
戦争で連邦軍がオデッサやカスピ海近辺を奪われてかなり苦しんでいるため、
臨時収入を欲しがっているという話だ。子供達はRX−78−2ガンダムのプラモ
をめぐって日夜すごい騒ぎだったが、僕達はそれを対岸の乱痴気騒ぎとして
愉快に見守っていたのを今でも覚えている。
111第2話「行動主義的観念論」:2006/04/10(月) 23:00:32 ID:WH5V+4n0
それに対して僕達はジオン軍のスタイリッシュなMSに夢中だった。僕らの
国は自由なので敵軍の兵器のプラモまで普通の模型店に売られていた。
子供達がガンダムを買ってただ組み立てて遊ぶのに対し、僕らはマニアック
な汚れをつけたりパーツを差し替えたりして自分好みの微調整をしたり、
ガレージキットの上でカメラで撮った写真を編集しフィルムブックを
作ったりしていた。

ニホンの嘘くさいアニメーションをカートゥーンチャンネルで見るよりは
よっぽど楽しかった。話を元に戻すと、その大きなきっかけになったのが
前述のサッカーの試合である。ジオン軍がヨーロッパに侵攻したこともあって
戒厳令下リーグ戦がしばらく中断していたのだが、連邦軍のオデッサ奪回を
機に再開された。その再開初戦がフェイノールト対アヤックスの伝統の一戦、
「クラシケル」だった。旧世紀から二百年以上も続くこの試合は代表チームが
ワールドカップに出るときよりもよっぽど盛り上がる。

友達は熱狂的なフェイノールト”OTAKU”だったので、僕らは当然の如く
フェイエノールトのゴール裏で応援した。伝統の一戦のチケットを譲って
くれるなんて今考えると凄い友達がクラスにいたものだ。しかし、よく覚えて
いることは試合自体ではなく、ゴール裏の中心にいる応援を仕切るグループ
が試合展開と無関係に始めた一つの合唱であった。
112第2話「行動主義的観念論」:2006/04/10(月) 23:16:56 ID:WH5V+4n0
フェイエノールトのウルトラ(熱狂的サポーター)が試合展開と無関係な
歌を歌うなんて、まず「ガス室」「牝豚アンネ」などの名作に代表されるユダヤ人
差別音頭ぐらいしか思い浮かばないのだが、彼らは3-0とリードして普段なら
「アヤックスの糞共はアウシュビッツへ逝け!」とスタジアム全体で大合唱
するべき局面で突如「ジーク・ジオン!」とコールし始めたのである。

観衆はあっけにとられて彼らを凝視していた。僕らもだ。あの時は何故
そんなことをしたのかわからなかったが、今ならある程度理解はできる。
両者の対立はサッカーというスポーツの枠に留まるものではない。
ナチス・ドイツに強制収容所に送られていたユダヤ人の生き残りたちを
優遇していたクラブと、旧世紀から続く失業にあえぐ若者達の先鋭化した
ムーブメント「ネオ・ナチ」との終わらない抗争なのだ。

ただでさえ、ゴール裏の応援を仕切るグループなんてクラブとのコネで
就職を斡旋してもらったり麻薬取引やヤクザ稼業でその日を生き延びる
危険な連中が多い。自分達は選ばれた優良種であり劣勢で愚鈍な他民族を
支配し導く権利がある、というジオン、いやザビ家の思想に彼らが新たな
希望を見出したのは言うまでも無い。そして彼らが排斥したがっている
ユダヤ人の模型店でザクやドムのプラモを買い、ZEONという響きに矛盾を
覚える。これは、何かとてつもなく捻じ曲がった世界ではなかろうか。
113第2話「行動主義的観念論」:2006/04/10(月) 23:34:39 ID:WH5V+4n0
だから、僕は混沌というぬるま湯の中で当たり障りの無い創作の世界に
生きたいと思っていたのが、何時の間にか善悪をはっきり識別して他人との
間で過不足の無い相互理解を達成したいと神経質に切望するようになって
いった。中途半端で見え辛いものを嫌悪し白日の下に晒された唯一絶対の
真実を希求する性格に変わったのだ。

姉さんはそれを喜んでくれていたのか、それとも忌避していたのか判じかねる。
僕が本の外の世界に興味を持ち、とにかく軍人になればMSを触る機会も
訪れるだろうと秋ごろから急に志望先を変えて猛勉強したのには感心していた
のだが、かわいい弟を軍に取られるのが嫌でも、たまに帰ってくる父がそれに
喜び、病気がちで娘に家事を全て任せるしかない母の看病もしなければ
ならないという状況で僕を性急に止める力も元気もなかったのだろう。

僕はそんな姉に対して何か負担を減らすようなことを少しでもしてあげられた
だろうか。僕が自転車を盗まれて、仕方なく学校まで送ってもらった後に
クラスメートらしき男と連れ添って高等部に入っていけば否応も無い不快感が
頭を濡らす。僕がジオンのMSの凄さを大真面目に語っても相槌を単調に
打たれるだけだった。厳しい父の説教を宥(なだ)め、痴呆の祖母が夕食の
卓上に落とした大便を嫌な顔ひとつせず綺麗に拭き取る。僕にとって姉以外の
女性は女性足り得ないのであって、だから、僕は・・・・・・・・・・・・いま、営倉の
中で一人物思いにふけるしかないのである。それ以上でもそれ以下でもない。
114第2話「行動主義的観念論」:2006/04/10(月) 23:56:01 ID:WH5V+4n0
バスク・オムの執務室では、数人の仕官と広報部員が密談を行っていた。
アラゴン「ゴ・バーク部長、金属探知は正常かな?」
ゴ「大丈夫です。盗聴器らしきものは見当たりませんね」
バスク「ようじ・・・・・・・今日の仕事ば我々の存在を世に知らじめる重要なものど
なるぞ。皆、心を引ぎ締めでががっでぼじい」

地球のマスコミ対応を全面的に担当するサイカ・アーイ編集長が口を開いた。
サイカ「とりあえず報道管制は準備だけしておきましょう。何しろ今日のメインデッシュは
連中の腐敗の中枢とも言えるゴミクズですからね。うまくいけば馬鹿なマスコミも
それに踊らされる愚民大衆も二度とティターンズを誹謗中傷するなどという愚かな
行為はできなくなるはずです」

アラゴン「オモッキ・リー中尉はどう思うか?」
オモッキ「私としても今回のような愚劣・俗悪極まりないジオン残党の行為に対して
鉄拳制裁が必要と思いますが、それ以上に現場指揮の落ち度・コロニー内での
ビーム兵器使用・軍施設の立地条件を論(あげつら)って今回のカタルーニャ嬢の
殺害をバスク大佐がジオン残党の非道を世にアピールするための自作自演では
ないかという報道をした、鬼畜以下のジャーナリストは一刻も早くこの世から
粛清する要を認めますね」
115第2話「行動主義的観念論」:2006/04/11(火) 00:12:18 ID:kwpCGZSX
ディアボロッソの秘密基地は30バンチ郊外の鉄鋼労働者の工場と宿舎が集まる
区域にあった。低賃金労働者にとってティターンズが駐留し始めた時期のヒッポグリフ
建設計画は大きな臨時収入であったが、後にミュートスとロジアの移送も検討
されると話は公共レベルになりコネとカネのない組合では難しくなった。
そこで彼らはディアボロッソに秘密裏に協力し公共事業を一括管理して有効需要を
硬直化させると思われているティターンズの排除を望んでいるのだ。

レディア「ジエンタ・ハーツ軍曹、ツァラ少佐は帰っているか?」
ジエンタ「クレム大尉!おかえりなさいませ・・・・・・・少佐がまたやっちまった
みたいですぜ。まったく不愉快な・・・・・・・・!」
アイス「大尉、ジエンタ軍曹の言うとおり彼はディアボロッソの恥、ひいては
ジオンの大義と栄光に泥を塗る鬼畜以下の俗物です。今度こそ厳しい処罰が
必要では?」

ツァラ「オォォネエちゃん、相変わらずいいケツしてんなぁオイ」
アイス「はっ!?ツァラ少佐!」
レディア「少佐、早速だが少し話を聞いてもらえないだろうか?」
ツァラ「あ?何だよ、少し溜まったモンを出してきたのがそんなに不愉快か?
オメェもよ、良家の出だか何だか知んねぇけど欲求不満は定期的に発散した方が
仕事ははかどるぜ。なぁ、姉ちゃん?」
116第2話「行動主義的観念論」:2006/04/11(火) 00:24:37 ID:kwpCGZSX
レディア「話はわかる。人間である以上、どんなに理性を磨こうとも
性欲を定期的に自認できる方が肉体は健康であろうな。が、しかし貴方は
TPOという言葉を知らなさ過ぎる。ジオン・ダイクンの意思も、ザビ家の
大義も、貴方一人によって汚されているのだ。やりたければ何処ぞのスラム街
でも遊郭ででもやるがいい。ここはジオンの魂を受け継ぎ昇華させるための
神聖な場所だ・・・・・・・・・女性の尻を触る場所ではない」

ツァラ「おっしゃるこたぁわかりまっせクレム大尉。俺だって自分が清浄な
人間だたぁ思っちゃいねぇ。けどよぉ、、アンタみたく死んじまった
一人の女を愛し続けるのもいいが、実際にそこにいるみたいな替え玉を既に
手に入れてるじゃねぇか。わかるか?人間てなぁ常に現状より上を求めて
果てしなく欲望を膨らませんだ。だったら俺はそれを半端に自制しやしねぇ。
男に生まれた以上、死ぬまでにできるだけ多くの女を食わなきゃ生きてて
もったいなくねぇか?」

レディア「・・・・・・・・・・・既に話す余地は無いようだな。だったらもう何も
言うまい。だが最後にこれだけは覚えておいてくれ。君のその不摂生が、
いつか君自身の身を滅ぼすことになると」
ツァラ「最後の最後に何のインパクトも無いセリフ言うのな」
アイス「・・・・・・・・・・・・・・・・」
117第2話「行動主義的観念論」:2006/04/11(火) 00:25:31 ID:kwpCGZSX







     機 動 戦 士 Z ガ ン ダ ム 0 0 8 5


毒 ガ ス の 撒 か れ た 地 で・・・・・・・・・・・・・・・・
         


118通常の名無しさんの3倍:2006/04/11(火) 00:46:28 ID:???
そして忘れ去られる過去のレス…
さらには行き場のない地の文…
そうして出てきたそれは、自らが言っているように無駄な台詞と無駄な言葉の文章…
視点が第一者と第三者のばらばらな状態…
いや、そういう用法もあるが、何の説明もなく、いつの間にか場面が変わる理不尽な構成…
そして強引に身近なものを持ってきて、ワールドワイドに見せようとする醜態…
なによりも…これはもう、板違いとも言えるほどの内容…
そして何を考えているのか、前後に謎の2レス…
本気でOVA化するという妄想を持っているとしたら、これに必要なのは絵と声だけ。
演出や他の意見の必要のない、機械的なもの…
そして造語…おかしい日本語の文章…読みにくい改行…そして短すぎる一つ一つの書き込み…

これが第二話の感想、そして…

自分でサイト開いてやれ
119通常の名無しさんの3倍:2006/04/11(火) 00:49:48 ID:???
お わ り 。
120第2話「行動主義的観念論」:2006/04/11(火) 02:20:19 ID:L7kqTyGN







     機 動 戦 士 Z ガ ン ダ ム 0 0 8 5


毒 ガ ス の 撒 か れ た 地 で・・・・・・・・・・・・・・・・
         





121第2話「行動主義的観念論」:2006/04/11(火) 02:28:59 ID:L7kqTyGN
二人の口論を見かねたのか、狭い通路の奥からターバンと真っ白な
ポンチョを着た女性が歩いてきた。傍目にもわかる堂々とした佇まいだ。
マンマ「どうしたのですか?喧嘩ですか?」
ジエンタ「マンマ・コローチ中将!ツァラ少佐がまた戦場で敵軍の女性を
強姦・殺害したのです。それも、バスク・オムの娘で民間人なのですよ!」
マンマ「本当なのですか、ツァラ・ストゥラ少佐?」

ツァラ「ああ、まぁ否定はしねぇっすけどね・・・・・・・・・」
マンマ「何か具体的な戦略があってのことですか?」
ツァラ「そりゃ、ありますよ。ほら見てください。俺は今こうして生きて、
動き、言葉を喋ってる。本能だけで動いてるわきゃありまんせんぜ。
敵将の娘を犯れば各地に潜伏する他のジオン残党を蜂起させる絶好のプロパガンダ
になるじゃありませんか」

マンマ「それは確かにいい案です」
レディア「なっ・・・・・・・・・・・・!中将!?」
マンマ「が、もしティターンズに報道管制をされたらどうするのです?
確かに現在の地球圏のジャーナリスト・論陣は地球連邦軍の中枢部より
後発の彼らの突出したアースノイド気質をバッシングしていますが、
それらの口を一時的に封鎖するだけの支配力はありはずです。況(いわん)や
貴方の行為を過大脚色してディアボロッソを悪に仕立てることも可能なのですよ」
122第2話「行動主義的観念論」:2006/04/11(火) 02:39:43 ID:L7kqTyGN
マンマ「ターネ・ナミ、こちらへ」
ターネ「はい」
マンマに呼ばれたポニーテールの士官が近付いてきて何やら書類を渡した。
マンマ「これを見なさい」
ツァラ「ん・・・・・・・・・!?」

レディア「タンザニア・デイリーメールの記者が行方不明・・・・・・・」
アイス「ティターンズの仕業だというのですか?」
マンマ「アクシズのツーマ・ランス諜報員が届けてくれたものです。この記事を
見て率直に思い当たったことは?」
レディア「そうか、バスクの不手際がツァラ少佐の行為よりもマスコミの批判の
的になっている・・・・・・・・!」

ジエンタ「では、これを利用すれば我々ディアボロッソはデラーズ・フリートと
同じ失敗をせずに済むわけですね?何より幸運なことに我々には彼らほどの武力も
蓄えもありませんし」
マンマ「そういうことです。既にデザート・ロンメル中佐を中心とするアフリカ残存
部隊がツテのある地元の新聞社と接触しているのです。ツヅキ・キボンヌ社は
タンザニアでもう一つの有力なマスメディアですから信用ができます」
123第2話「行動主義的観念論」:2006/04/11(火) 02:52:58 ID:L7kqTyGN
レディア「ロンメル中佐の部隊はアフリカ北部の砂漠地帯に潜伏しているのでは
なかったですか?少し矛盾があるように思えるのですが」
マンマ「最後まで聞きなさいクレム・ブローター大尉。アフリカ方面のマスコミは、
これも全ての他の報道ルートに共通することなのですが、ヨク・ネッテ・アールヨ
というフランスの共同通信社が出した文面で事実を書き起こしそれに独自の付記を
加えているのです」

ツァラ「そこの会社を、抑えたってのかい」
アイス「聞いたことがありますね。一年戦争最中からジオン擁護記事を書き続けていた
コレワヒ・ドーイというザンビア人のジャーナリスト。アフリカ方面軍に密着
取材を敢行していたのをよく覚えています」
マンマ「ええ、彼にもかなりの協力を頂きました」

レディア「よし、それでは各自繋がりのあるマスコミに接触してバスクの怠慢を
暴き出しましょう。私はサイド4のイーラ・ナイ特派員に」
ツァラ「俺も地元に記者をやってるパクゥ・リーって奴がいるな。信用できる」
アイス「私もです。オデッサに降下した時、地元の数少ないジオン擁護の評論家
としてグッダ・グーダという人と今でも知り合いで連絡が取れます」
ジエンタ「私も非力ながら、30バンチ記者同盟の幹部にオリ・キャラという知り合い
がいます。何とかバスク非難の論調を強めるようかけあってみましょう」
124通常の名無しさんの3倍:2006/04/11(火) 02:55:54 ID:???
英語を使う位ならカタカナ使え
125通常の名無しさんの3倍:2006/04/11(火) 02:57:52 ID:???
削除依頼出しておいたよ
>>1は自分のサイトもロクに作れない屑なのね
126第2話「行動主義的観念論」:2006/04/11(火) 03:13:33 ID:L7kqTyGN
30バンチは人口が多いため、それぞれの機能に見合った区分がされている。
商業区ジブン・ノウ、歓楽街ホム・ペーデ、居住区ヤレ・ヨーコ、政治・経済の
中心となる省庁が集中するイウノ・ワァの四つが大きな区分となる。
かつてはコロニー内で再開発地区と既存の地区を分ける二つの境界線、ジエン・オーツ
とチゲェ・ヨウが存在したが、現在はどちらもティターンズ駐留基地「ヒッポグリフ」
に改修されている。

この二つの基地を境界線にして、既存の地区「ティターン1」とティターンズが
ヒッポグリフで挟んだ軍事転用地「ティターン2」に分けられる。この一方的な
処置に怒って暗殺されたのがコウセ・イガーナ30バンチ代議員である。その時の
議会での台詞は「バスク・オムはスペースノイドを知らない、知ろうともしない
既存の軍律を使えない無能者」というものであった。

次にエログロナン・カイラーネというサイド1でも屈指の人気を誇る小説家が
ティターンズの巡回部隊に暴行を受け死亡したという事件もあった。バスク・オム
は彼の小説に対して「小説の登場人物に自分を投影するのはいいが空疎すぎる。
作者が思いつきで書いた設定のほうが密度が濃いということは思いつき以上の
物など書けない駄作家の証明だ」と、過去の名作小説をリファインする活動を
続ける彼をバッシングし、両者の仲は険悪になっていたのである。
127通常の名無しさんの3倍:2006/04/11(火) 04:08:14 ID:L7kqTyGN
・・・・・・・・・・というわけでそろそろ微妙にシャレにならない事になってるんで
できるかぎりの対応はしましょっか。あと3時間で出かけなきゃいけないんだけど。

4. 投稿目的による削除対象
スレッド
 掲示板の趣旨に関係があり、論理的で主観だけではない批判は残します。
 掲示板の趣旨に関係があっても、利用者の気分を害するため・利用者を揶揄するために作られたと判断したものは削除対象になります。掲示板自体の事象や参加者に関するもので、議論にならないと判断した場合も同様です。
 番組や試合や事象などをリアルタイムに中継する・大量な書き込みを目的としている・等、サーバに負荷が高い行為を目的・実行しているものは移動対象になることがあります。
 雑談系以外の専用板では、全く情報価値の無いもの・真面目な議論や話し合いを目的としないもの・板の趣旨よりネタを優先するもの・客観的な意見を求めないもの・等の、複数の状態に当てはまる時、削除または移動対象になることがあります。

レス・発言
 議論を妨げる煽り、不必要に差別の意図をもった発言、第三者を不快にする暴言や排他的馴れ合い、同一の内容を複数行書いたもの、過度な性的妄想・下品である、等は削除対象とします。

差別・蔑視 *
 地域・人種などの差別発言は人権問題板で、蔑視的思想発言は政治思想板で、それ以外は削除対象になります。
 上記2板を含めて、差別・蔑視の意図がある地域名または苗字等の書き込みは、その真偽を問わず削除対象になります。
 それ以外の書き込みに関しては議論となることを前提に静観します。
128通常の名無しさんの3倍:2006/04/11(火) 04:09:58 ID:L7kqTyGN
7. エロ・下品
2ちゃんねる
 2ちゃんねる内での過度なエロ・性的煽り・性的妄想・下品ネタは禁止されています。画像へのリンクも同様です。これらは例外なく削除対象になります。

ピンクBBS
 ピンクBBSは2ちゃんねるの外郭団体です。管理人は同じですが、運営方法も設立意義も全く違うものとして扱ってください。
 エロ・下品系の発言は全てこちらでお願いします。その他の削除基準は2ちゃんねるに準じています。


8. URL表記・リンク
荒らし依頼 *
 荒らしや迷惑をかけることを目的としている・客観的な説明が無い・板の趣旨に合った情報価値が無い・等のURL表記・リンクは削除対象になります。判断は文意によります。

データ・画像
 著作権の発生するデータ(Wares・mp3・ROM・等)への直接・一次的間接リンクは削除対象です。
 エロ・性的画像への、直接・一次的間接・等のリンクは、ピンクBBSを除いて全て削除します。グロ画像・死体画像・倫理的に問題のある画像は任意削除とします。
 どの場合でも、URLの一部を故意に消すか伏せていても判断は変わりません。

宣伝・罠・実行リンク
 明らかに宣伝を目的としたリンク・クリックや訪問で課金が発生するもの・等は、宣伝掲示板以外では削除します。ただし、エログロ系または有料などの場合は全て削除対象になります。
 ブラウザクラッシャー(ブラクラ)・PCクラッシャー(concon等)・ウィルス(*.exe等)・等は、安全な確認方法が無いので任意削除とします。
 リンク先でアクションが起こる・ホスト名またはIPを取得される・等の罠リンクは放置します。


注意
削除の優先度について
 項目の後ろに*がついているものは、削除の優先度が高い重要削除対象です。スレッド処理の対象でも対象部分をレス処理することができます。

スレッド処理とレス処理について
 特に指定していない削除対象は、1に削除対象が書かれているもの・削除対象が書かれることを目的または誘導とするもの・等はスレッド処理で、それ以外をレス処理とします。
自己責任について
 どの削除対象でも、投稿者の自己責任が明らかならば、削除されない場合がありますのでご了承ください。

 このガイドラインは、まだグレーゾーンも残されており、決して固定されたものではありません。
 今はまだ、これを良く読んでも悩むような場合は削除しないで下さい。そして、どの部分にどういう理由で悩んだのかメールを下さい。皆さんと共に考え、完成に近づけていきたいと思っています。
 また、各板の先頭にローカルルールがある時は、ガイドラインに反しない限り、できるだけ尊重して削除しましょう。
129:2006/04/11(火) 04:24:02 ID:L7kqTyGN
まず、スレッド自体は一応リレー小説・アイディア自由募集の体裁を
とってるので客観的意見は求めているだろう。

利用者を不快にさせているのは、小説の出来事態の問題に対する酷評は
問題ないとして、第一話のレイプシーンと自演云々の決め付け書き込み。
これに関してはレイプシーンは削除・移動やむなしだがスレッド全体が
性的描写を目的とした物じゃないことは読めばわかってくれるはず。
従って2話以降は過度な性・暴力描写を控え(他の人たちの反応に任せる)
自演云々に関しては>>1擁護書き込みが全て自演と決め付けられてる状態
だからこっちも批判対象のはずだが、まぁ原則IP露出という方向でいいだろう。

批判をしている人達を物語内に比喩の形で登場させていることは確かにこっちも
態度が悪かったので謝るが、そちらも建設的ではないスレッド潰しの批判が
多すぎるからお互い様だ。ま、とりあえず現段階で対応できるのはここまで。
削除・移動されたらされたで、どうするかはその時考えればいい。
既にスレ内容からしてこちらも荒らしにスレ潰しの明確な意図があると
削除を訴える権利もなさそうなんで。と、いうわけでこれからは大人しい内容に
極力していくつもりですんで、よろしくお願いします。
130:2006/04/11(火) 04:30:47 ID:L7kqTyGN
あ・・・・・・・・・一つ忘れていた。短時間に大量の書き込みによるサーバへの負荷。
これは調節するしかない。第1話もそういう意図でブツ切にやってたんだが。
とりあえず、俺も作品内容に問題があったこととスレ管理能力の無さは素直に
認めるが、それをいいことに荒らしまくった奴らも少し自分のやったことを
考えたほうがいいぞ。直接言い返しても疲れるだけだからSS内の物語に投影して
少しでもイラつかないよう努力してるんだがね。
131通常の名無しさんの3倍:2006/04/11(火) 06:24:04 ID:???
そんな言い訳がましいことは、どうでもいい。
「自己満足」したいのなら、自分のサイトでやれ。
132readyox ◆UTvY09zjTM :2006/04/11(火) 07:51:08 ID:???
雰囲気悪過ぎだよ、てめえら。
確かに>>1や俺の実力不足な面もあるが、何かあると自作自演とか煽ったりするこの雰囲気。ふざけんじゃねーよ。
殺すぞ?
それと>>1てめえも本気で書くつもりなら、文句言わずに黙って書き続けろ。
殺すぞ?
いちいち反応すんな低能。
133通常の名無しさんの3倍:2006/04/11(火) 10:12:05 ID:dugHwbYF
ここ、読みにくいことは読みにくいが
話の背景は大体分かるし。

粘着的にSSを叩きに来る奴って
手の込んだアンチZ厨かなんかじゃないの?
おっと、こう書くとまた自演認定厨が来るか。
134通常の名無しさんの3倍:2006/04/11(火) 12:18:29 ID:sMjmfBml
>>133
【SS】新シャア板の職人相談室【イラスト】
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1141485657/
>>1はこれを10回熟読すべき。

内容がどうこうじゃなくて、文章がどうこう。が問題なわけで。
他にも、投下の際に推敲してなかったりとか、スペース空けなかったりとか。

根本的なことを言ったのに、すぐに忘れ去られているところも大問題。

自分が好きな小説を、こんな無駄な書き方で書かれていたら100人いれば99人は読む気がうせるはず。
だからせっかく>>118でもいってやったのに、生かされてない。
それで意見を求めてるって?
読み手(俺は書き手もやってるが)からの少し気をつければ済むような意見を黙殺して
それでいて五月蝿い。といわれたら、そりゃこんなとこ(2chのシャア板)でやるな。っていわざるをえんに決まっているだろ

ついでに、こんなスレあげたくないが、ID出せっていうから出すよ。
135通常の名無しさんの3倍:2006/04/12(水) 03:08:27 ID:kUKNkbcF
>>134
正論だな。言いたいこと十分言ってくれてるよ
相談室まだ読んでないけど、俺も言わせてもらう

ここのSS書きさんへ

努力して書いたものだから荒らされたくないのも解るが、
内容云々よりまず読んでもらわないと
一応、小説なんでしょ?これ
だったら読みやすいように改行したり、スペース空けたり
無駄な記述(台詞含む)を極力減らすとか、読んでもらうための努力もしなきゃ
そういう意味での>>94だったんだが、見てくれてないんだろうな…


それよりも、気になったことがある
荒らしとはいえ、少しでも読んでくれた人に対してあの反応は何だ?
ましてや意見や感想言ってくれる人はシカトか?
低能はどっちだよ? ふざけんなってのはこっちの台詞だ
褒めるのも評価だが、けなすのも評価
荒らされるのも評価だ。素直に受け止めろ


どっかのSS書きより

ID晒します 自演だって言われたくないし
136通常の名無しさんの3倍:2006/04/12(水) 03:52:44 ID:???
>>132
お前、後で覚えておけよ
二度とネット出来なくしてやるからよ
137通常の名無しさんの3倍:2006/04/12(水) 07:45:26 ID:JWfEJD3t
>>36
これはワロス
138通常の名無しさんの3倍:2006/04/12(水) 07:46:50 ID:JWfEJD3t
>>136
139134:2006/04/12(水) 10:17:00 ID:AWXq4/za
>>135
まぁ、日付変わるとIDも変わるから、近視眼的に見れば自演だと思われるから…
(匿名掲示板で本人かどうかを確認するって、ほぼ不可能なんだよなぁ)

は、ともかく、会話文の間に地の分が入ってないと、どうも仮面みたいな雰囲気にしか感じられない。
まぁ、会話文だけのSSも書いたことは何度もあるが、
その分会話の表情を必要以上に大きく描写しないと、読み手には何がなんだか。って思われるのは
当然だと思って、結構大げさに表現してたけど。

それと…もしかして主題も主軸も何も考えてないんじゃない?
140:2006/04/18(火) 07:06:07 ID:???
MSD−06 コザック
頭頂高 6.5m
全備重量 3.2t
ジェネレータ出力 953kw
スラスター総推力 19500kg
センサー有効半径 1020m
装甲材質 超硬スチール合金
武装 アダプテーテッドザク・マシンガン及びバズーカ 
   チェーンワイヤー内臓ヒートホーク

サイド1・30バンチに本拠を置くジオン残党抵抗組織ディアボロッソが開発した
小型MS群の第一号。機体名はその名の通り「小さなザク」が由来である。
機体の小型化目的はコロニー内部では高出力のビーム兵器など中距離攻撃も
難しくなり、ディアボロッソの狙う地域密着による勢力拡大の障害となる
ためにティターン2への突入・白兵戦に特化させることと、孤立無援状態の組織事情
における予算の節約がある。
当初は上記のような必要に迫られた理由からの小型化であったものの、結果として
ジェネレータの高性能化に役立ち、MS-09ドムの脚部ホバーも機体の小回りを生かす
為に装備させることに成功した。
脚部ホバーはMS-09ドムの一年戦争における実戦配備時に起こったトラブル、
例えば発進時の誘導員へ石・ゴミ等の危険物を撒き散らす、といった事を防ぐため、
基地の立地条件も考慮し、より出力調整が細かく設定可能になっている。
なお、30バンチ内部での局地戦・地上戦を主眼に製作されたため宇宙戦を
視野に入れたバーニアなどの余分な機能は全て排除され、手足のマニュピレータ
もAMBAC機能としての操作性を切り捨て熱・火気・動体誘導用センサーとして
の用途に絞られた。
141通常の名無しさんの3倍:2006/04/18(火) 07:16:16 ID:???
通報しました
142:2006/04/18(火) 07:48:35 ID:nY2TI6EK
MSD-09 ライドム
頭頂高 7m
全備重量 3.6t
ジェネレータ出力 1010kw
スラスター総推力 29833kg
装甲材質 超硬スチール合金
武装 アダプテーテッドヒートサーベル・バズーカ 
   ムーバブル拡散ビーム砲
   
機体名の由来はライト(軽い)ドム。コザック同様、昇降機無しに
すぐよじ登って乗り込める小型さと機動性が売りである。
MS−09ドム自体がホバー装甲を念頭に入れたフォルムだったため、
コザックやミゲルグ以上に局地戦での素早い移動を実現している。

また本機の大きな特徴としてMS-09ドムの胸部拡散ビーム砲を改良した
ムーバブルキャノンがある。本来は胸部に備え付けられている同ビーム砲は
必要に応じて機体各部にレールに沿って移動する。
機体の小型化によって火気誘導型センサーもさらに微細に設置できる
ようになったため、状況に応じて任意の方角へ最も砲撃のしやすい
ポジションに移動可能である。
この操作をオートに設定することで条件付ながらもパイロットは中距離
からの的の接近・砲撃を無視して白兵戦に全神経を集中することが
可能である。
ただし、迂闊なコンピュータへの設定如何ではVT信管を破壊された時点で
パイロットの操作・作業・事前設定量に伴う負担は飛躍的に上がる。
143通常の名無しさんの3倍:2006/04/18(火) 12:27:34 ID:???
>>1
自分のサイトでやりましょう。
そして、削除依頼出しておきましょう。
144第2話「行動主義的観念論」:2006/04/18(火) 14:30:41 ID:nY2TI6EK







     機 動 戦 士 Z ガ ン ダ ム 0 0 8 5


毒 ガ ス の 撒 か れ た 地 で・・・・・・・・・・・・・・・・
         








145第2話「行動主義的観念論」:2006/04/18(火) 14:47:59 ID:nY2TI6EK
バスク・オムは確実にサイド1内外で反感ばかりを買っていた。
確かに彼とジャミトフが提唱する理論は正しいし、これはごく近しい者しか
知らない事でもあるが、ティターンズは最終的に地球に住み着くことに
既得権益として縋り付いている者たちをも宇宙に上げることも狙っている。
さればこそ、彼らがマスコミからの悪質で低俗な挑発、評論の名を借りた
安易で低レベルな中傷を気にしすぎて、ますます過激な行動をとることが事態を
より複雑にしていたのである。

それが何故、否定されるべき行動であるかといえば、答えは一つだ。
マスコミも評論家も馬鹿ではない。
地球連邦のお偉方に都合のいい記事を書いて裏金をもらっている記者もいれば
実績と社の安定性で意欲的な評論を展開する者もいる。
彼らはティターンズの本質、やろうとしている事自体は否定しない。
その方法論や軍拡の強引さ・稚拙さを指摘するのである。
つまり、「もっとうまくやれば」ということだ。
もっとうまくやれば、酷評で自分を大きく見せようとするチープな評論家を
いちいち相手にして面倒な論争を起こすこともなかったであろう。

現在、タンザニア記者同盟を中心とする反ティターンズの評論家同盟は
「バスクの行為は残忍すぎる。自己満足で他人の意見を入れようとしない。
自己満足は自分の脳内でやれ」
と、地球連邦軍上層部にティターンズの活動停止を求める言及一点張りである。
彼らにはティターンズの行動を論理的に否定するボキャブラリーがない。
とにかく否定的な言葉をキャッチフレーズとして入れるしか民衆の支持を
得ようとする手段を思いつけないのである。
だから、ジャミトフもマスコミとの対話をやめた。
時間の無駄だからである。
中には真剣にティターンズのやろうとしていることを理解し、それを
「もう少し世間と丁寧に対話する方向に持っていけないだろうか?」となだめる。
が、ティターンズ擁護の記者がいるという事実・主張さえもティターンズが
流しているデマであり、金で書かせている自作自演だと手当たり次第に全て
否定する悪質な論陣が存在する限り、しばらく宇宙世紀80年代中盤は
ジャーナリズムの大きな腐敗のどん底から抜け出せそうにない。
146第2話「行動主義的観念論」:2006/04/18(火) 15:08:40 ID:nY2TI6EK
・・・・・・・・・・・・・・申し遅れた。私は、タンザニア・デイリーメールの記者
ハンドレッド・サンサーンと言う者だ。
私はデラーズ・フリートのコロニー落としでオタワに住む友人を亡くした。
つまり、私自身も私怨や個人的感情で動いていることは否定できないのだが、
ともかくキリマンジャロの基地建設計画発表時から、デラーズのような
反乱分子に即応できる強い軍隊としてティターンズの誕生を
歓迎したし、一面トップで扱った実績もある。

だからこそ、同じ職場でティターンズ絶対否定の論陣とは反りが合わないのだ。
私は少なくとも多くの評論文で賞を取ったいう実績があるし、
社全体がティターンズ否定で凝り固まってもあくまで
彼らの正当性を主張して独自のポジションを築いてきた。
だから、私がティターンズに金をもらっている、バスクの自作自演で金を貰い
擁護記事を書かせられているというのが納得いかないのだ。
私だってプロだ。腐ってもそんな八百長芝居に加担しない。
しかし、連邦の旧体制と癒着している編集部の古株はティターンズの台頭で
そのコネが崩れることを恐れている。

だから偏執的にティターンズのやり方を否定し揶揄する。
私はこの業界に何十年もいるので慣れているが、バスク大佐はそうでもない。
彼はもう少し冷静になることが必要だ。
評論と呼ぶ価値もない下らない揶揄や中傷は無視すればいい。
ティターンズが連邦の体質を変えようと奮闘していることは、ちゃんと見れば
わかることだ。
現に私だってちゃんと彼らの流す血や汗、努力も見ている。
それが、マスコミの下らない中傷にカッとなるだけで低レベルな泥仕合に
発展してしまえば、マスコミはさらにティターンズを低俗集団とこき下ろす。
だが、私の思いもむなしく暴力の応酬は繰り返された。
もはや書くのも辛いが、事実を伝える記者としての義務のため、これを後世に
書き残す必要があるだろう。サイド1の30バンチ、UC0085年7月に起こったことを・・・
147通常の名無しさんの3倍:2006/04/18(火) 15:13:45 ID:???
>>1
読み難い。纏まった分量の話が書けたら、アリの穴とかの投稿系サイトに
まとめてUPしてくれたら、プリントアウトして熟読してやっても好いが…

というか、何よりもまず、全面改稿してから、人には見せるべきだと思う。
148第2話「行動主義的観念論」:2006/04/18(火) 15:19:19 ID:nY2TI6EK
エイティ・シクス、ハチ・ジューハチ、ナイン・トゥ。
この三人は私とともに30バンチのティターンズ密着取材班としてこの日も
現地にやってきていた。
それが、ある朝ホテルから姿を消したのである。
私は嫌な予感がした。
バスク・オムは軍の最高指揮官であり大人の男だ。低く聞き取りにくいトーン
ながらも私の取材にしっかり答えてくれる。
だが、自分に対して執拗な攻撃を加える相手には容赦しないのだ。

今、ようやくティターンズが軌道に乗り始めた矢先、その活動を阻害しようと
試みるティターンズ否定論陣の代表格ともいえる上記の三人をバスクが
見逃すはずもなかったのかもしれない。
本音を言えば、私は戦場で残虐行為をたくさん見てきたし、ティターンズが
どのような強引な手法で民衆を統治しようとしても
それほどは驚かない。
だが、この日どれだけ陰湿な事が行われたが、伝える必要があるだろう。

ティターン1、つまりティターンズが専用地として収奪したティターン2とは
異なる市民が正常に暮らす場所だが、史上初めてティターンズが
この地に非常事態例を出し、集まれる限りの市民を中央広場に集めた。
そこには捕まった三人が手足を縛られクレーンに吊るされていた。
バスクは衆人環視の下、三人を地上に降ろすと部下に命令して
何やら一つのダンボール箱を運ばせてきた。
低い声で聞き取りにくかったが、エイティはバスクに対し自作自演中傷を
浴びせた急先鋒である。バスクはダンボールの中から徐に、地球から
持ってきたのかカブトムシを一匹取り出した。
私は背筋が凍る思いがした。
149第2話「行動主義的観念論」:2006/04/18(火) 15:29:42 ID:nY2TI6EK
私の文章はよく読み難いと言われる。全面改稿もしないで
終わり次第記事にしてしまうのは、多忙で時間が無い中
取れるだけのネタを取らないと嫁と子を養えないからだが、
それを理解して内容をちゃんと見てくれている人も少数いるのだ。
そんな少数の人達の為に、目を傷めて読んでいただこう。
この日、バスクがカブトムシを使ってしたことを。

バスクはカブトムシを丁寧に背中から掴むと、暴れまわる
エイティに一喝した。
バスク「誰が、自作自演だと?誰がだ?」
エイティ「すっ、すいません!もう言いません!もう言いませんから!」
バスク「この口か、くだらんデマを流したのは」
と言って喉の奥までカブトムシを押し込んだ。
一匹なんてもんじゃない。十匹は押し込んだろう。
口が終われば、耳、鼻、そしてついには目。
鼻の中でカブトムシが羽をバタつかせて暴れて、ついにはエイティが
嘔吐し何十匹も目、鼻、口、耳からカブトムシが出てきたときには
さすがに吐き気を覚えた。

それだけでは終わらなかった。バスクは部下に命令して彼の
ズボンとトランクスを脱がせた。
そして次にカブトムシと同じケースから包丁を出した。
エイティの男性器の先端の尿道に向けて、包丁が近づけられていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私はこの日、人間がこれほど残虐で陰湿になれるものなのだと、
エイティの「ママ!ママ!助けて!」という声を聞いて、思った。
150通常の名無しさんの3倍:2006/04/18(火) 15:33:41 ID:???
また下世話ネタが出てきた。
151第2話「行動主義的観念論」:2006/04/18(火) 15:43:34 ID:nY2TI6EK
殺すのなら一思いに殺せばいい。こんなに陰湿な過程が必要なのか?
しかし、宴は序盤が終わっただけだった。
次の獲物はハチ・ジュハーチだ。
彼への攻撃点はただ一つ、肛門に絞られていた。
彼もまたバスク自作自演説を執拗に唱えた一人で、カタルーニャ嬢殺人
事件が起こってすぐに私が大差擁護記事を出したのが、時間的に近すぎる
ので怪しいと言いふらしたのである。

エイティと同じく尻を晒された彼に突っ込まれたものは・・・・・・
もはや、詳しく著述すると後世の歴史教育で取り上げてもらえなくなる。
簡単に列記しよう。
加熱したハンダゴテ、ゴキブリ四十匹、ビデオテープ、出刃包丁、
牛の生首、どこから入手したのかハチ・ジュハーチの母の写真・・・・・・
神は、なぜバスク・オムという男をこの世に産み落としたのか?
どうして人はここまで汚れられるのか?
私は、このままティターンズの番記者を続けていいのか?
そう悩む暇も無く宴は再開された。

最後の餌食、ナイン・トゥは考えうる限り最もストレートでオーソドックスな
拷問を受けた。
拉致されていた彼の妹が目の前でレイプされたのである。
前二者に比べ、嘔吐感はもよおさなかった。
その代わりに言いようも無く股間に膨張感を覚えた。
男性は誰しも、どんなに自分を飾っても異性を強引に組み伏せる欲求から
逃れられないのだろう。
彼女一人だけでなく、泣いて悔しがるナイン・トゥの顔が彩りを添えていた。
しかし、私はこの宴のクライマックスを見てなぜかホッとしてしまったのである。
何故ならバスクが心底娘さんをあいしているのがわかったから。
同じ苦しみを与えてやろうというわけだ。
その後、三人はジム・クゥエルのビームライフルの砲身に入れられ、
ビームの発生・加速段階で聞こえた悲鳴により儀式は終わった。
序盤は実に陰惨で、後半はオブラートに包まれていた。
私は、否定的に言ってきたのに矛盾するようだが、どういうわけか
バスク・オムがますます好きになってしまったのである。
152第2話「行動主義的観念論」:2006/04/18(火) 15:54:17 ID:nY2TI6EK
私は、陰湿で過激な拷問処刑劇はこれで最後にしてほしいと思った。
バスク自作自演説は非常に悪質でオム家の心情を
考えない一方的バッシングだった。
だから、百歩譲ってこの下世話な拷問は仕方なかったと考えよう。
これ以上、ティターンズもティターンズを批判する論陣も互いを
刺激せず、ごくノーマルでフェアな議論を展開すればいい。
私も非力ながら力になろう。

しかし、そうは言うものの鼻の穴にカブトムシを突っ込まれたら、
尻の穴にゴキブリの袋詰めを入れられたら、目の前で妹をレイプされたら。
そんな嫌なイメージばかりが浮かんできて、
今度こそ本当に、
何が正しいのかわからなくなってきた。
私の期待通り、それから数日間バスク自作自演説はピッタリ止んだ。
賄賂を否定するため、個々の記者が所属元や身分を
記事の横につける法律が施行され
一応は信用性が高まったためでもある。

しかし、このような残虐な拷問を行えばいつまたバスク自作自演説肯定派が
息を吹き返し前以上のバッシングに出ないとも限らない。
とりあえず、現在ティターンズの機密奪取、
並びにコロニー内部でのビーム兵器使用で営倉入りに
なっているバスクの息子さんにこの拷問の
内実は伝えないほうがよさそうだ。
所詮は、親子の問題。
深い入りしては、今度こそ癒着と誤解されかねない。
153第2話「行動主義的観念論」:2006/04/18(火) 16:04:57 ID:nY2TI6EK
UC0085 7.11 PM3:37 
ティターン2基地ヒッポグリフ内不満分子修正・教育施設「クレイオス」

ガリシア「ハラ・・・・・・・・・・・・減ったな」
そういう割には、虚ろな表情だった。
本当にむなしいときは独り言など言えないものである。
だから、他人から見れば今のガリシアは5月人形が喋っているようだった。
先日のMK-T無断運用により、ガリシアは姉を失った傷心にも関わらず
営倉入りを命じられたのである。

この営倉では少なくとも数日間の間、人間としての扱いは受けない。
食事は最低限の量、衛生管理のされないトイレ、きつく狭いベッド。
ドアの金網越しに入ってくるわずかな通路の明かりが
かえって虚しく感じられる。
なにしろ純粋培養されたお坊ちゃんのガリシアは、
ティターンズなら懲罰房に本やビデオの一つでもあろうと
考えていたが、非常に甘かったようだ。
こんな発狂しそうな部屋で、あと二日。そう、あと二日である・・・・・
154第2話「行動主義的観念論」:2006/04/18(火) 16:14:09 ID:nY2TI6EK
一人でできる気の紛らわしは何でもやった。
髪を触る。痒い部分をかじってみる。鼻糞をほじる。
指を折ってクキ、クキ、と鳴らす。
股間の陰毛を抜いてみる。目やにを取る。唇のささくれを歯ではがす。
しかし、そのうちつまらなくなった。
それから、好きな小説家の名前を脳内で羅列し始めた。
それに飽きれば歌を口ずさんだ。
すると見張りの男が「うるさいぞ」と叱って来た。

仕方ないから狭いベッドに包(くる)まり、見張り番にバレないよう少し
自分の秘所を擦ってみた。
そりゃ、成人男性は溜まるものは溜まるのである。
だが今のガリシアは性的欲求のローテーションに先行き不安を抱えざるを
得なかった。
どんなに女性の裸や性交をイメージしても、必ず強姦殺人された姉の顔が
思い浮かび、そこでエクスタシーへの道が停止する。
それは青年にとって地獄だった。
世の男どもはこんな苦しい思いをしていないだろう。

現実の女性であれ二次元の女性であれ、こんなきつく苦しいトラウマはない。
だったら、姉以外の女性にも目を向ければよかった。
こんな時、親身になって慰めてくれるはずだ。
・・・・・・・・・クレイオスの営倉まで来て?
都合のいい思考がちょうど一巡したところでガリシアは苦笑した。
そして、冷暖房機能がついていないことに気付いたのは、
最初のくしゃみで鼻水をすすった時だった。
155第2話「行動主義的観念論」:2006/04/18(火) 16:19:11 ID:nY2TI6EK







     機 動 戦 士 Z ガ ン ダ ム 0 0 8 5


毒 ガ ス の 撒 か れ た 地 で・・・・・・・・・・・・・・・・
         









                             つづく
156第2話「行動主義的観念論」:2006/04/18(火) 16:24:10 ID:nY2TI6EK
愛しい人よ 我が父よ なぜ この手をすり抜けるのか

弱くて儚い 夢の住人は 今日も傷つき それでも歩く

塞ぎこんで眠った深い夜 何も信じられず ただ泣くだけだった

憎しみを乗り越えるのは 憎しみだけだと 知りたくはなかった

Ah 自分に都合のいいぬるま湯は(Ha-ah) 心地よく包んでくれた(ah・・・)

しかしいつの日か 旅立てと 背中を叩く父がいた(Oh・・・wow)

大地の子よ 我が勇者よ 宇宙(そら)はまだ悲しい色さ

親からも 運命からも 遺伝子からも逆らって生きよ ティターン(エコー)

(We must survive without any help cause of your being yourself)



157第2話「行動主義的観念論」:2006/04/18(火) 16:45:53 ID:nY2TI6EK
エンディングテーマ「生きろティターン〜Into the rotten real〜」
作詞 売野雅勇 作曲・編曲 ニール・セダカ 歌 高橋洋子

作画監督 小林利光
演出・構成   >>24 >>26 >>31 >>37 >>38 >>53 >>75 >>76 >>77
        
158第2話「行動主義的観念論」:2006/04/18(火) 16:47:58 ID:nY2TI6EK
演出・構成A
>>81 >>89 >>91 >>95 >>97 >>6 >>8 >>9 >>10
159第2話「行動主義的観念論」:2006/04/18(火) 16:50:27 ID:nY2TI6EK
設定協力 >>47 >>51 >>24 >>56 >>63 >>64 >>82 >>83 >>102
160第2話「行動主義的観念論」:2006/04/18(火) 16:52:55 ID:nY2TI6EK
ストーリーベース >>79 >>80 >>99 >>100 
アドバイザー >>147 >>134 >>135 >>124 >>118(ギリギリ) >>1
161第2話「行動主義的観念論」:2006/04/18(火) 16:55:05 ID:nY2TI6EK
脚本   >>1  readyox
バカ >>143 >>141 >>131 >>125 >>129 

162第2話「行動主義的観念論」:2006/04/18(火) 16:56:36 ID:nY2TI6EK
バカA >>92 >>88 >>86 >>38 >>38 >>25 >>16 >>12
製作
サンライズ バンダイビジュアル ZガンダムOO85製作委員会
163第2話「行動主義的観念論」:2006/04/18(火) 17:02:17 ID:nY2TI6EK
        

      次      回      予      告




処罰は処罰として、青年に社会との向き合い方を教えた。
そして新たな同士との出会いがガリシアの自閉癖を直し姉の思い出から
少しずつ解放していく。それは、心地よいことだった。
一方で父は次なる標的を定めディアボロッソとの対立姿勢を明確にした。
それが組織内部の寄生虫から目をそらすことだとも気付かず、
ガリシアは父の言葉に従いクロノスの化身となるのだった。

       次回 「アポロドーロスに見捨てられた男」

生きろ、ティターン。


164通常の名無しさんの3倍:2006/04/18(火) 17:04:31 ID:???

成る程、嫌なら読まなきゃ好いんだ――でも、こういう手合いに限って
後日サンライズの正式なスタッフによるテレビ新作シリーズが始まったら
「あれは自分のアイデアをパクったんだぜ?」みたいな自慢話をし始める
のではないか――? という強迫観念が沸いて、『一応は、チェックして
検証しておかないと駄目なのかなぁ〜 ハァー、まんどくせー』という
心構え? というか、防衛機制? が働いてしまうんだよなぁ〜 自分が
サンライズやバンダイとは、なーんも関わりの無い人間であっても・・・

 多分、プロの作品並に優れた代物だと認められない限り、サンライズ側
からの削除要請は来ない。つまり完全に無視されるだけなんだろうけどな。
こういう場合には―― 
165通常の名無しさんの3倍:2006/04/18(火) 17:23:45 ID:???

>>164 ていうか、一体どこをどう繋げて見れば好いんだ、このスレは――

 
166通常の名無しさんの3倍:2006/04/18(火) 17:33:12 ID:???
「演出・構成」、「設定協力」、「ストーリーベース」、「アドバイザー」、とどめに「バカ」
に含まれている漏れw
167通常の名無しさんの3倍:2006/04/18(火) 19:15:11 ID:???
流石>>164
大丈夫だぜ。そういうのは該当スレ(厨な設定スレや新板の遊びスレ、他・設定系スレ)
で発散してるからなんとも無いぜ!!

>>166
馬鹿以外に入ってるな。
ていうか、アレの基準が分からんな…皮肉は通じないらしいし
その時であった!



機動戦士Zカンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・
〜完〜
169通常の名無しさんの3倍:2006/04/20(木) 09:19:33 ID:???
自爆ナム〜
こんな子供っぽいSS書きって始めて見た
170通常の名無しさんの3倍:2006/04/20(木) 11:01:31 ID:???

↓1が誰にも相手にされず重複スレで暴れているスレ
新人賞スレ@ラノベ板 ※110匹の落選者たち※ 
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1136342936/l50

http://storarch.hp.infoseek.co.jp/magazin/sgo_72.htmlの389以降や↑を見れば
このスレの1と同一人物だと思うが、可哀想な人なんで放置しましょう
171第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/20(木) 18:30:35 ID:1TsshHuz







     機 動 戦 士 Z ガ ン ダ ム 0 0 8 5


毒 ガ ス の 撒 か れ た 地 で・・・・・・・・・・・・・・・・
         











172第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/20(木) 19:01:47 ID:1TsshHuz
嫌なら見なければいい、とは誰が言ったか知らないが誰にでも平等に
与えられている権利だ。だから、昨今問題になっているティターンズと
評論家の激しいバッシング合戦などはそれを適用する良い事例である。
評論家は、ティターンズが強硬な見せしめの拷問などで対応すれば、
それにますます熱くなって揶揄の手段を巧妙化する。
ティターンズも熱くなって更に拷問で対応する。
つまり、評論家・マスメディアはもう一度、デラーズのコロニー落としで
多くの人命が失われた事と結びつけティターンズの成立過程を思い出せばいい。
そんな根本的なことにも目を向けず、軍の統制が杜撰(ずさん)だったり
目に見える残酷な殺戮や圧政だけを見て、ティターンズが連邦軍や地球居住者の
意識改革を目指している「本質」、そう、伝えようとしている「本質」を見ないで
揶揄ばかりをしているくだらない「自称」評論家など無視すればいいだけだ。

彼らは、目先の対象を揶揄したりして自分の存在を大きく見せられても
結局はそこ止まり。それ以上のレベルには行けない。
ティターンズの力は大きく、文句が言いやすい。
揶揄や中傷だけで自分を大きく見せられる。
逆に、それによってティターンズの力の大きさを証明しているとも気付かない。
例えば幼稚園児に連立方程式をやらせる。当然、できない。
しかし園児は言った。「この問題は読みにくい。読みやすくしてくれればやってもいい」
つまり、評論家の精神構造はこれと大差ないのである。「できない」と
正直に言わず、「やらない」と言い、その理由を他人に所為(せい)にする。

都合の悪いことは隠す。自分には何かを作り上げる力がない。
だから作ろうとする人間を貶(おとし)めて、自分がそれより高尚な存在
であるのかのように見せるわけだ。
その時であった!



機動戦士Zカンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・
〜完〜
174第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/20(木) 19:17:00 ID:1TsshHuz
例えば一人の評論家はこう言った。
「まぁ、どうせティターンズのような見せしめの圧政でしか人身掌握
できないような軍隊は世間から認められず消えていくでしょうが、
彼らを模倣する馬鹿な権力者がそこら中に現れたら、バスクは我が物顔で
自分の影響だ、と自負するに決まってます。
ああ、考えただけで鳥肌が立つ!!
だから、どうせ、どうせですよ?ティターンズなんてすぐに歴史から消えます。
消えますけどね、一度存在してしまった以上、後世にどんな影響を与えるか
わかったもんじゃない、て思うから逐一彼らが次に何をやらかすか、チェック
しなきゃいけないという、めんどくさいんですけども、強迫観念?心構え?
防衛機能?みたいのが働いてしまうわけですよ」

どうだろう、これこそバスク・オムの術中にまんまとはまった人間の例である。
つまり、本当にティターンズが市民の支持を得るに値しない単なる暴力集団、
歴史からすぐに消える評論に値しない対象であるとしよう。
ならば、消えるのを待って放置すればいいではないか。
ところが、現実はどうか?
ティターンズが煽れば煽るほど評論家はそれをスルーできず、まんまと
「評論するだけで、後は何も出来ない。自分の知識で対応できない物は
評論に値しないと言って誤魔化す事しかできない」
という己の真実を指摘され熱くなるわけだ。

もはや彼らに出来ることと言えばまともな評論などせず、バスクは単なる子供、
ティターンズはすぐに終わる、といった不明確な根拠に基づいた稚拙な断定・揶揄記事
をデッチ上げて自己満足することだけだった。
証拠のないデッチ上げをした時からマスコミの求心力は落ちる。
ジャミトフ・ハイマンが一言、そうたった一言ヒッポグリフ基地のミックス・ゾーン
(仕事を終えた取材対象と記者陣がミックスする場所、という意味)
で漏らした「では、証拠はあるのかね?」という言葉が全てだった。
バスク自作自演説にしても、結局は何の証拠もなかった。
状況証拠だけで明確な物証はなかった。
おまけにジャミトフが先日の拷問に対して、バスクに一つ灸を据えたことで
スムーズに今後のマスコミ対応も整備された。
そして、いよいよジオン残党組織の掃討に専念できるのだ。
175第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/20(木) 19:48:11 ID:1TsshHuz
U.C.0085 7.15 AM6:17 サイド1 30バンチ ティターン1
コロニー公社立鉄鋼労働者集合住宅内ディアボロッソ秘密基地「サンシーロ」

サンシーロとは、ティターン1の重化学工業地帯の俗称である。
ディアボロッソは地域住民の援助に対する感謝の意を表して、
基地の名前も同じものにした。
基地内部と言っても総本部は下水道から降りた地下だ。
最初は除菌や消臭だけで予算が飛んでいった。
それでようやっと作った狭い坑道のような基地の中で、レディアは
アイス達からの電話を受けて自室から出てきた。

レディア「えっ、それ・・・・・・・どういうんだ?」
ジエンタ「だから、申したままでありますクレム大尉。
ティターンズとマスコミの中傷合戦はひとまず冷却化したようだと」
眠気を吹っ切ったレディアは明後日のほうを向きながらも言葉を返す。
レディア「昨日まであんなに険悪だったのに、そうも上手く・・・
静まるものか」
アイス「ええ、だからティターンズも連邦軍上層部からの活動停止命令を
恐れているのではないですか?
単に彼らにまともな評論をするグループとそうではない論陣を分けた
だけのようです。ティターンズはまだ、連邦軍全体を統括できる力は
ありません。だからですよ、30バンチの制圧に躍起になってるのは」

アイスの言葉を聞くと、レディアはホッとするし目線も逸らさない。
レディア「順序立てると、つまり彼らはこれ以上マスコミと子供の喧嘩を
してる余裕は無いってわけだ。
しかし任務に支障が出る程の捏造報道は看過できないので、一応の対処を
して、見過ごせるレベルの揶揄や中傷は全て無視するってわけだな。
確かにあれ以上の残虐行為は連邦も見過ごせない。
逆に言えばここから先はもう無いぞ、と線を引いたわけだ。
バスクにしては珍しく自制心を示したね。
が、話を我が軍に戻せば、もう少しマスコミと子供の喧嘩をしていて
もらいたかった。連中は少なくとも俺達の全容は知らなくても存在には
薄々気付いてるはずだし、そろそろティターン1の強制捜査は始まるな」     
176第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/20(木) 20:00:20 ID:1TsshHuz
アイス「コーヒー、入れましょうか?」
レディア「ん?あ、ああ。ジエンタの分もな」
ジエンタ「ありがとうございます大尉」
会議室というには余りにも殺風景な、というより物の整理ができていない
部屋の隅でアイスが二人分のコーヒーを入れる。
話が熱くなってきたので、一服入れさせようとする彼女のお決まりの配慮だ。
レディアはその豊かな尻の肉から視線を外した。

レディア「とにかく、そのティターンズの・・・・・ああ、ありがとうアイス。
ティターンズの、マスコミへの対応姿勢変化についてだが、
ちゃんとソースを調べなくちゃならんな」
ジエンタ「大丈夫ですよ。繋がりのある、信用できるティターン1の
新聞記者です」
アイス「だって、真っ先に言った言葉がティターン1への強制捜査が
始まるかもしれない、気をつけろ、でしたからね」

裸電球に群がる数匹の蚊を払いのけながらレディアが答える。
レディア「じゃ、信用してよさそうだね」
アイス「しかし、否定されたままの評論家はまだ怒りが収まらないようです。
そりゃそうです、彼らは自分達の全人生を否定されたんですから。
連日ヒッポグリフに嫌がらせの一文手紙を送りつけてるようです。
ティターンズは終わりだ、って毎回同じ内容だとか」
レディア「文字通り、子供の喧嘩だな。
崇高な評論の魂も、そこまで墜ちちゃ単なるストーカーだ」

ジエンタは二人の、刺々しい会話内容ながらも他を寄せ付けないような
親しさに少し苛立ったので話を進めてみた。
ジエンタ「で、どうするのです?こちらから奇襲をかけますか?」
レディア「やろう。ツァラが起きださないうちに」
アイス「そうですね。彼が来ると話しがややこしくなる」
ツァラ「ダァ〜レェが話をややこしくスルッテェ??」
177第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/20(木) 20:22:43 ID:1TsshHuz
相変わらず軍服の前を肌蹴て胸毛を露にしているツァラ。
ドアの開け方も実に不気味でキィという音一つ立てなかった。
ツァラ「アイス・キュロス少尉サンよぉ、女はも少し淑(しと)やかに
するもんだぜ?ましてや陰口なんざもっての外。
腕力で男に劣る分を、補う知恵なんてぇデリカシーのある解釈は、全ての
男がしてくれるっつゥ保証は何処にもあ〜りゃしませんのよゲヒヒ」
アイス「・・・・・・・・・・なんですって!」
レディア「・・・・・・・・・・・それは、俺のことかい?」
下品さをこれでもかと露にするツァラの口調は全ての人間を不快にする。

ツァラ「おっとぉ、名指しの手間が省けたぜ大尉。
俺が言いてぇのはよ、せっかくのティターン2への奇襲なんてぇお楽しみを、
お前らだけで隠しとくのは女々しい!女の腐ったの、てことよ!
卑しくも女抱えるんならそんな賢しい思考は捨てて、何でもかでも
大っぴらに露出しちまいねぇ!」
再びグヒヒと蟾蜍(ひきがえる)のような笑いを響かせるツァラ。

レディア「わかったよ、貴方は一年戦争を潜り抜けた男の中の男だ。
先立の女性論はありがたく聞いておく。
でも、それとこれとは全く別の話じゃないかい?
今度の作戦は貴方じゃなく、アイスと僕の計画でやる。
目標も民間施設じゃない、敵軍の重要拠点だ。そこのところをよく
理解してくれるなら、貴方が今作戦に参加することに何の異論も無い」
アイス「・・・・・・・・・・・大尉!」
レディア「・・・・・・・・・いいから」
ツァラ「ンァァわぁーったよ。従やぁいいんだろ従やぁ。ゲッヒヒ」
話が熱くなれば、もはや眠気も無くなって、朝だということをすっかり
忘れていたレディアだった。
178第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/20(木) 20:39:58 ID:1TsshHuz
自室に戻ったレディアと、ついてきたアイス。

表面的には平静を装っても、人間は事実を指摘されて冷静でいられないものだ。
それはバスクも、マスコミも変わらない。
だからお互いを揶揄し罵倒しあうのではなく、広い心で互いを認め合い、
大人にならなければならない。自分にも非があったと言う必要がある。
が、人間はなまじ言葉が使えるだけそれを不得手(ふえて)とする。

イノセントは正直さだ。例えばペットは飼い主に叱られて、言葉が解らなくても
声のトーンで自分が悪いことをしたと認知する。
日本人が外国に行ってジャップと言われたとき、意味が解らなくても
声のトーンで侮辱スラングと認知する。
なまじ心の中で認めている、知っていることほど指摘されたときに自制
するのは難しい。下手に出れば負け、という浅知恵・賢しさを大人になって
いく過程で身につけてしまうから争いを、業を乗り越えられない。

レディア「くそっ!」
壁を拳で叩いたレディアを、アイスが背中から優しく包む。
アイス「すみません、私が賢し女(さかしめ)なばかりに」
レディア「・・・・・・・・・・・・・・・いいんだよ、俺は、俺自身の、弱さが
不愉快なだけだもの。君とは関係が無い」
アイス「それは、それはあまりに冷たいです。思いやりは時として他人を
かえって傷付けます。知らない方がいいと、思いやりで言った嘘も結果的には
裏切られたような気持ちを他人に与えます。
私は、苦しみや侮辱も大尉と一緒に受けたいのです」
179第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/20(木) 20:54:56 ID:1TsshHuz
身を翻したレデイアの胸に胸を押し付け、上目遣いに視線を合わせるアイス。
レディア「それは嬉しいけど、男って女にそうやって慰められて、
そこに依存したくないものさ。
そういう人がいない男は、そういう都合のいい環境に憧れるものだけどね。
でも、そんな都合のいい女はアニメや漫画の中だけの虚構だって誰でも
気付くんだから。
こういう言い方はしたくないけど、かえって傷つくよ、その思いやり」
同じ意味の同じ表現を返されてアイスは少し戸惑った。

アイス「しかし、大尉はあれだけの屈辱を受けて、クライズ家の血統という
鎖に縛られてよく耐えてらっしゃいます。
さればこそ、だからこそ、もっと他の人には見せない辛い部分を、
私にだけは見せてほしいと望むのは女の我儘でしょうか」
レディア「俺に、ツァラみたくなれっていうの?」
ああ、そういう意味ね、と少し得心がいったようにレディアは硬かった
表情を崩して口元を幾分か緩め、問うてみた。

アイス「いえ、あんな愚劣な露出の仕方は好みません。大尉はもっと・・・」
レディア「そう、誰でもいいてわけじゃなく自分だけに、欲しいんだよね?」
アイス「・・・・・・・・・・・・・・!・・・・・・・・・・・っ」
今度こそ、そろそろ、舌を入れて欲しいというアイスの密かな願望は
七秒ほどで冷たく打ち切られたが、体は十分火照(ほて)った。
レディア「今度の作戦は必ず成功させる。明日の朝にはルマ少佐が来るって
話だからさ、格好悪いとこ見せたくないし」
アイス「・・・・・・・・・そうですね。それは、そうです」
レディア「隊の編成は君に任せるよ」
アイス「ええ。ソノ・トーキ・ディアッタ軍曹、ジバー・クナム少尉、
ドウイ・ツジン・ブーツ准尉、ナントー・モナイゼ中尉にも既に作戦の概要を
伝えてありますので」
180第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/20(木) 21:15:12 ID:1TsshHuz
U.C. 0085 7.15 AM10.31 サイド1 30バンチ ティターン2
ティターンズ駐屯基地ヒップグリフ内クレイオス第3営倉区画

モンシア「ウ〜イ、小ォ僧ォはま〜だダダこねてんのかぁ!?」
カワイ「はっ、はい!そうみたいです」
モンシア「んっだぁ?ヘタレな顔しやがって。おめぇ名は何だ」
カワイ「は、はい。カワイ・ソー・ナヒト一等兵です」
モンシア「ケッ、そんなんだから一等兵どまりなんだよぉ・・・・・・
おい小僧!出てこいや!処分終了だ!オイ、コルァ!!!」
内側から鍵をかけられている扉に強烈な蹴りを入れると、まるで精神病棟のような
病的に静かで色艶の無い通路の奥から一人の男性が駆け寄ってきた。

ホーチシ「モンシア中尉!私はこのクレイオスの営倉で、処分中の士官の
精神レクリエーションを担当しているホーチシ・マショウです。
ガリシア・オム少尉は、まだ情緒不安定で・・・・・」
随伴していたもう一人の白衣の男性も同意する。
ラクセーン「初めまして、ベルナルド・モンシア中尉。私はホーチシ少尉と共に
士官の定期精神鑑定をやらせていただいているラクセーン・シャタチです。
ご覧ください、ちゃんと正式なカルテがあります。
ガリシア・オム少尉は残遺型 (ICD-10 F20.5)統合失調症、つまり精神障害を
抱えています」
181第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/20(木) 21:36:39 ID:1TsshHuz
モンシア「精神障害だぁ?」
ラクセーン「はい、このクレイオスには医学界の権威が集まっていますから。
カール・グスタフ・ユング医学論文賞を史上最年少で受賞した、ラノベ・バーン医師と
助手のシンジン・ショース・レイ女史の正式な鑑定手続きによるものです」
モンシア「つまりは、どういうこったい」
聴きなれない言葉の連続にモンシアは混乱しているようだ。

ホーチシ「残遺型はまず、過度な精神分裂の危険性は無いと見ていいでしょう。
が、便宜上そのような診察結果に終わっただけのことです。
一年前、やはりバスク大佐の拷問を受けたデラーズの残党兵で、確か
チョウフ・クスレという男性が似たような状況でしたが、ガリシア少尉は全く
読めないのです。
この三日間、短時間で妄想・幻覚から言語遊離、自閉、興奮・昏迷、抑鬱、
自殺願望など目まぐるしく症状がローテーションするのです。
ラノベ医師もこんな患者は初めて診たと仰っていました」

モンシア「だから、どういうこったい!」
ラクセーン「結論から申し上げますと、彼は職場復帰できる精神状態には無いと
いうことです。ティターン1は非ティターンズ制圧下ではありますが、赤十字の
コンナコ・ドー・モッポイ氏とエスエ・スガキ並びにハジメ・テーミタ医師が
サイド1医師会を代表して、アバレテ・イルスーレ総合精神病院への送致を
願い出ています。
精神病理学的にも非常に貴重なサンプルだと、我がクレイオスのメディカルセンター
所長のサクジョイ・ラーイ氏、副所長ヨミヅ・ライ博士、ゲセワ・ネータ看護婦長も
快く賛同してくださっています」
182第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/20(木) 21:56:22 ID:1TsshHuz
モンシア「ええい、しゃらくせェい!!!」
再び扉を蹴破ろうとするモンシアに、近くにいたジブン・ノサ・イート、
デヤリ・マショーウの二人の看守が他の営倉を放り出して掴みかかった。
モンシア「離せィ!!コゥらァクソガキィィッィィイ!!!」
部屋の隅で蹲(うずくま)っていたガリシアが、ピクリと動いた。
バカ力を出すモンシアに、更にもう一人の看守アリノ・アーナまでも取り付いた。
それでもモンシアは扉を離さない。

モンシア「よぉぉぉく聞けや!!俺はなぁ、オメェみてぇなクソガキが、
精神病院行こうが死のうが知ったこっちゃねぇ!!
仕事で連れ帰りに来てやっただけだ!!
けどなぁ、オメェみてぇな女の腐ったのみてぇなガキを見てると、二年前に
乗ってたアルビオンて艦にいた、オメェと同じくらいのクソガキを思い出して
ムカムカすんだよ!!!
けどなぁ、そいつは少なくともオメェよりは根性はあったぜ!!?
悔しかったら、バスク・オム大佐の息子だったら、姉貴一人目の前で犯された
ぐれぇでヘタレてんじゃねぇってんだ!!!!!!!!!」

それでも、ガリシアは顔を膝に付けたままだった。
そして気が済んだモンシアは、力を抜いて三人の看守を振りほどき「ジャマしたな」
とだけ言い置いて去っていった。
医師達はほっとすると、ガリシアがトイレの位置も無視して床のあちこちに
落とした人糞や尿を自分で片付けるよう、トイレットペーパーと消臭剤を
扉の前に置いた。
183第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/20(木) 21:58:40 ID:1TsshHuz







     機 動 戦 士 Z ガ ン ダ ム 0 0 8 5


毒 ガ ス の 撒 か れ た 地 で・・・・・・・・・・・・・・・・
         









                             


その時であった!



機動戦士Zカンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・
〜完〜
185第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/26(水) 00:49:27 ID:otNXQhJK







     機 動 戦 士 Z ガ ン ダ ム 0 0 8 5


毒 ガ ス の 撒 か れ た 地 で・・・・・・・・・・・・・・・・
         









                             





186通常の名無しさんの3倍:2006/04/26(水) 16:14:35 ID:???
まだあったのか、この糞スレ
187通常の名無しさんの3倍:2006/04/26(水) 22:26:10 ID:???
「所長、これは?」
 彼にはわかっていた。が、『それ』を現実に目の当たりにすると、問わずにはいられなかった。
「見てのとおりだよ、ダスタン君」
 所長と呼ばれた男は、まるで小躍りしているかのような軽いステップでダスタンに近づいてくる。
「ん〜、ダスタン君。君の質問はいつも私の神経を逆撫でするねえ」
 しかし、言葉とは裏腹に所長は顔には満面の笑みが浮かんでいる。
「まあ今日はそれもよし!今日の私は機嫌がいいのだよ。わかるかね、ダスタン君?」
「…は、あ…」
 ダスタンは、ため息にも似た生返事を返すだけで精一杯だった。
 それもそのはず。所長を筆頭とするダスタン等研究チームが行っていたのは、
『閉鎖空間における広域規模殺傷ガスの開発』だったのだ。
 一年戦争、デラーズ紛争も終結し、いまだ各地にジオン残党が残ってはいるが、
今後同規模の大規模紛争など起こらないというのが一般の通説だった。
 そこにきて、閉鎖空間における殺傷ガス兵器など、どこの誰がどんな場所で必要とするのか、
ダスタンはいつも疑問に思っていた。
 そこに地球至上主義を掲げるティターンズの誕生である。
 彼の疑問が疑念に、そして疑惑に変わってゆくのに、そう時間はかからなかった。
「君がこの研究に疑念を持っていたのは私の感知するところであったのだが…。
今日の私はそのような君の態度など気にならないほど機嫌がいい。
…ダスタン君、もう一度言おう。今日の私は気分がいいのだよ、ククク」
 このとき、ダスタンの疑惑は確信に変わった。

 彼がティターンズ内の極秘研究所から脱走する2週間前の出来事である。
188第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/26(水) 23:06:57 ID:dxTAEm8N
脱走したからには、その後ガスがどのような運用をされたのか知らない。
いや、運用など考えるべくも無い。
考えるだけで恐ろしいのだ。
マダ・アッターノカ博士とコノク・ソスレ助教授も本当にあの開発計画に賛同して
いるのだろうか?
ティターンズはまだ連邦軍の上層部まで味方に付けているわけではないというが、
この世の中で絶対的に力を持っているのは金だ。

各勢力に援助をして間接的な根回しをすれば、その程度は造作も無いことである。
しかし、毒ガスを開発して何をしようというのか?
我々研究所のスタッフが知っている、現在のティターンズの展開といえば、
アスワンという艦のT-3小隊、つまりテストチームだけだ。
デラーズ紛争の終結以降、連邦が腰を上げてまで対応するようなジオン残党の
反乱も無く、各サイドやコロニーの駐留軍だけで十分に対応できていた。
そこへ持ってきて毒ガスだ。

ダスタン「何故、もっと不自然さに気がつかなかったのか・・・・・・・!」
30バンチに入港するシャトルの窓際の席で、一刻も惜しいかのような表情で歯噛みするダスタン。
この数週間、必死で30バンチの現況を調べた。
コロニー自体がティターン1、ティターン2と分けられていること。
ティターン1の工業ブロックにジオン残党らしき組織が潜伏しているという噂。
そして別のサイドから移送した「ミュートス」「ロジア」という二つのコロニー。
そして4日前のバスク大佐長女強姦殺人事件。
行き着く先は、ただ一つだ。
189第六話「本気の友情」:2006/04/26(水) 23:28:54 ID:dxTAEm8N
U.C.0085 7.15 AM12:57 サイド1・30バンチ デモ対策部専用地ティターン2
総合本部基地「ヒッポグリフ」内医療統括センター「ヒュペリオン」

さしあたって、風呂の中で汚れた体を洗ってもらったガリシアは、パジャマのような
服に着替えさせられて救護車へ乗った。
ガリシアが糞尿で汚した営倉も、また別の人間を入れる可能性もあるのでしっかりと
清掃された。
ピカピカに磨かれた救護車は駐車場を出て、アメリカ内陸部のような住居の無い
荒れ果てたティターン2の道路を走っていく。コロニーの内壁もCG機能が停止している
のでまさしくティターン1の市民には何が行われているのかわからない密所である。
事実、旧世紀のイスラエルでユダヤ人入植地とパレスチナ人居住区を隔てるために
作られた「壁」と同じものを作る計画もあった。

連日、ティターン1の過激な市民から小さな爆竹がティターン2の検問所に投げつけられたり
するイタズラが頻発していた。
敵対感情を無理に押さえつけるよりは完全に隔離してしまおうというわけだ。
その方がバスク・オム大佐にとっても事を成し易くなる。
が、それでは沈静化してきたティターンズ否定派のマスコミや繋がりのある連邦内部の
勢力の疑惑を刺激しかねない。

ガリシアにとってはもちろんティターン1へ行くのは初めてだったが、逆にティターン1
からティターン2へ移動したことはある。
30バンチへ来た最初の日だ。
市民達の抗議集会は活気にあふれていた。自分達の乗るリムジンにティターンズの
マークがあったら投石されていただろう。
ティターン2にも直接入れる宇宙港をもう一つ作ればいいのに・・・・・・と、
考えているうち、その次の日に起こった惨劇がまた頭をもたげた。
ガリシア「うっ、うっ、うわああああ・・・・・・・・・・・・・・!!!」
「!?ガリシア君、どうしたね!?」
まだ、傷など癒えていない。かさぶたどころか、リンパ液すら出ちゃいない。
心の傷に分泌されるリンパ液があったらどんなに便利だろうか。
190第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/27(木) 00:11:10 ID:ogR4v1yl
AM13:OO ティターン1内ディアボロッソ秘密基地「サンシーロ」

サンシーロの一区画には交通不能な工事現場がある。
確かに元々は老朽化した旧工業団地の再開発指定地だったが、現在はディアボロッソ
のMS射出口として利用されている。
市民がティターンズに対して行っている抗議のデモ集会は、確かに純粋な反連邦、
生活条件向上要求のデモでもある。
しかし、一部にはディアボロッソが運んできてくれた兵器備品特需の恩恵に浴して
いる地元労働者達がティターン1への立ち入り捜索を拒むためでもあるのだ。

ツァラ「ツァラ・ストゥラ、出るぜぇ!」
レディア「ツァラ少佐、コザックとライドムの部隊はまだ経験が少ない。
ミゲルグのロールアウトまでに余計な被害は増やしたくない。
わかってらっしゃいますね?」
ツァラ「ああ、わぁーてるよ!」
アイス「では、大尉。アイス・キュロス、ゲルググ出ます!」
レディア「よし、クレム・ブローター、ドワッジ出るぞ!」
ジエンタ「ご武運を!」

サンシーロから射出されたMS群はコロニーの自転方向と逆に推進すると、
計算どおりにティターン1への軌道を固定した。
レディア「ん・・・・・・・・・あれは!?」
民間のトラック、ではない。救護車だ。
レディア「できるだけ、無関係な人々を被害に遭わせたくは無いな。
アイス、コザックとライドムをVの字に展開させて検問所のGMをバラけさせてくれ」
アイス「了解しました」
ツァラ「にぁにぃ!?!?」
191第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/27(木) 00:48:38 ID:ogR4v1yl
ヒッポグリフの基地内でも敵MSの接近が伝えられていた。
イアペトスの中にあるバスクの執務室にも、である。
バスク「なに。ディアボロッソか。
こちらもMSを出せ。既に躊躇う必要もなくなったのだからな」
アラゴン「は!では、私がGM隊を率いさせていただきます」
バスク「ンー。それはどうか。
貴公は最終防衛ラインの指揮もある。新兵の訓練も兼ねてロストフ少尉に
任せてみるのも手だ」
アラゴン「は、大佐のご命令とあらば」

アラゴンは金髪をなびかせながらコイオスへ急いだ。
イアペトスの回線からオケアノスで授業中の新兵達も既に連絡を受けて集合していた。
アラゴン「いいか、君達が地球で耐えてきた厳しい特訓の成果が遂に試される
時が来たのだ。
持てる力を全て出し尽くせ」
「はいっ!!!!!!!!!!!!」
憧れのアラゴンと濃紺のパイロットスーツ。
新兵達は湧き上がっていた。

しかし、続々とGMやザクに乗り込んでいく仲間達の中で部隊を率いるべきロストフ
だけが頭をたれながら走っていた。
ガリシアは無事なのだろうか?
できればこの記念すべき初出撃のときに一緒にいたかった。
聞けば、精神系の失調症らしい。
確かに目の前で姉を強姦されれば誰だってそのくらいの心的外傷を負うだろう。
だが、負けるなガリシア。
自分とて親類縁者を全て遠ざけたジャミトフ・ハイマンの背中をあえて追い、この
ヒッポグリフに来ているのだから。
192第3話:2006/04/27(木) 01:45:49 ID:ogR4v1yl
ロストフ・ハイマンは士官学校随一の優秀な成績を上げたティターンである。
早くもその美形ぶりから若いティターニアの人気を集めていた。
この迎撃部隊に入れたティターニアは幸せである。
彼に率いられるのだから。
ロストフ「ジム・スナイパー、とくにCカスタムは後続を固めて、基地から100m
離れたらそこで待機してくれ。
その他のものは僕の指示に従い随時臨機応変に展開すること。
ロストフ・ハイマン、ジム・クゥエル出ます!」

ジム・スナイパーCカスタムとは、その名通り狙撃用ジムのコロニー内仕様である。
コロニー内の人工のG、すなわち遠心重力は地球とも宇宙空間とも違う。
そして古いコロニーゆえ怠慢な公社のミスでしばしば自転速度の管理・調整にも
ブレが出る。
それを逐次計算して、マニュピレーターの火気・動体誘導の信管に伝達する
高性能なセンサーを持った新型のGMだ。

コイオスから飛び立ったGMとザクの編隊がティターン1と2を隔てる境界にいる
敵MS群と遭遇するまでそう時間はかからなかった。
しかし、ロストフは様子が変なのに気付いた。
左右に展開した敵の隊が仲間割れをしているようなのだ。
見ると、どうやら下方の道路を走る救護車に理由があるらしい。
救護車・・・・・・・・・・・?
ロストフ「まさか!」
193第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/27(木) 02:08:23 ID:ogR4v1yl
現在、30バンチに近付いている輸送艦護衛の任につく予定のアスワンの
マーフィー小隊にハイザックが正式配備されたのは六月。
ディアボロッソも、交戦したつながりのあるジオン残党グループから、
連邦がザクもどきを使っているという話は聞いていた。
デラーズ紛争でも連邦仕様のザクは確認されていたが、時間がたとうとも
その目で「連邦のザク」を見れば一年戦争を潜り抜けたジオンの血が流れる
男が怒らないわけが無い。

ツァラ「とぅええええめぇ!!!!!!!!!!!!!」
ツァラはティターン2から出てくる救護車を破壊して、それで敵の陣形を
乱そうとしたのだ。
ヒッポグリフ基地だけでなく守る対象が分散されるのは攻撃する方にとって
好都合。
しかし、レディアはそんな下賎な戦法は許せない。
そんな仲間割れをハイザックの姿が諌めてくれたのだ、皮肉にも。

レディア「運が良かった・・・・・・・早く逃げてくれよ。
が、しかし。俺とて連邦に染まったザクなど不憫で見てはおれん!」
前線指揮官たるレディアが積極的にバズーカでハイザックを狙っていった。
こういう時、ティターン2がティターンズ専用地の荒野であるという事実は
好都合だ。
だからこそ、何としても自分達の拠点でもあるティターン1を強制捜査される
前にケリをつけなくてはならない。
この30バンチに先に目を付け地元民の指示を受けているのは、自分達ジオンなのだ。
194第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/27(木) 02:19:21 ID:ogR4v1yl
しかし、軽快にレディアのドワッジ率いる隊が敵MSを撃墜し続けているさなか、
前方から鋭いビームが連射され後続のザクが倒された。
ハイザックの前で本家本元ザクが倒されるなど屈辱。
レディア「熱源は5km先だ!
コザック、ライドム隊に道を開くぞ!アイス、頼む!」
アイス「了解です大尉!」
ツァラ「ヘッ、仲のおよろしい事よ・・・・・・」

渋々、ツァラはゲルググのライフルを握ったマニュピレーターで部下のMSを
展開させて八の字の道を作った。
その内脇にレディアの部隊も相互に張り付いて、間をアイスのゲルググに
率いられたコザックとライドム隊がコロニーの地面を滑るようにホバー装甲で
鮮やかに走り抜けていく。
ロストフ「クソッ、そう簡単に突破させるか!」
混戦から抜け出したロストフのジム・クゥエルだが、その推進出力の高さと
コロニーの自転方向に重なった軌道のために、レディアのドワッジが放った
バズーカの熱源探知に容易にひっかかった。

ロストフ「ぐわっ!!!!!!!!!!!!!!」
レディア「まだまだだね、ニーニョ(ぼうや)!」
ロストフのジム・クゥエルが被弾して、後続のCカスタムの接近戦不利を
補うべく援護に行かなければならないはずの味方機の統制も崩れ、
混戦から抜け出そうとしても簡単に壁を作られてしまった。
それだけジオン残党は熱源誘導の信管開発で先を行っているということだが、
それを裏付ける秘密を知る者は少なかった。
195第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/27(木) 02:30:23 ID:ogR4v1yl
ナルサ・ナントカ少尉は士官学校で最も射撃成績が良かったとはいえ、
実戦は訓練とは違う。
ナルサ「こ、このMS、なんなのぉっ!?いやぁあ!」
コザックとライドムは恐るべきスピードのホバー装甲でジム・スナイパーCC
に接近してくる。
ナルサ「ミノフスキー粒子は、戦闘濃度で散布してるはずなのにぃ!」
ケセラ「ナルサ少尉、退避して!」
アイス「遅いっ!!!!!」

キィンッ!!!!!!!!!
ケセラ・セラ少尉の乗ったジム・コマンドの援護もむなしく、ナルサの
ジム・スナイパーCCの左腕部がライフルごとアイスのゲルググのサーベル
で切落された。
普段は心優しい女性だが、戦闘が始まればまさしく敵に一遍の容赦も無い
ジオンの女である。

そうこうしているうち、接近戦に弱いジム・スナイパーは小蝿のように
周囲を動き回るザクのワイヤー・ヒートホークとドムのムーバブルキャノンの
攻撃を受けて全滅した。
アシタワ「アイス少尉、どうしますか?このまま突入しますか?」
アイス「アシタワ・アシタ軍曹、そう急くものではなくてよ。
ノカゼ・ガーフク准尉以下二名は、ここで待機して後方のクレム大尉と
ツァラ少佐の隊の到着を待ちなさい。
他のものは、私についてくること」
196第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/04/27(木) 02:32:33 ID:ogR4v1yl







     機 動 戦 士 Z ガ ン ダ ム 0 0 8 5


毒 ガ ス の 撒 か れ た 地 で・・・・・・・・・・・・・・・・
         









                             


197通常の名無しさんの3倍:2006/04/27(木) 03:09:58 ID:???
オナニーもいいが>>187のこよは無視かよ
見下げ果てた根性だな
1981:2006/04/27(木) 03:25:50 ID:ogR4v1yl
>>197
自演呼ばわりしないとは少しは進歩したようだな。
確かに挨拶くらいはしとかにゃなるまい。
が、ちゃんと話は繋げているぞ?
で、「こよ」って何?

>>187
久しぶりの参加者です。ありがとうございます。
今後もどんどん割り込みしていいですよ。
IDはこまめに出すようにしてください。
既存キャラも、0085年7月に30バンチにいる可能性のあるキャラなら全然構いませんので。
199:2006/04/27(木) 03:36:53 ID:ogR4v1yl
少し静かになってきたのでそろそろ解説も必要だ。
揚げ足取りだけ考えずまともに読める人間だけに向けて、だが。

機動戦士Zガンダム0085〜毒ガスの撒かれた地で〜も何とか3話まで
こぎつけた。
序盤は本編どころじゃない騒ぎだったが、とりあえず最終話までの
基本的なストーリープロットは完成したので、後は書くだけだ。
そして、そのプロットを絶対的に遵守するつもりも無い。
readyoxや>>187氏のように途中からの割り込みは、マトモな内容なら
随時本編に反映させていくというスタンスは変わりない。
その結果、参加した人全員の総合的な見方やカラーが作品を形作るという
方法論が一番正しいやり方であろう。

確かに、自分が基本的には全て書くというスタンス、主要キャラもほとんど
自分のオリキャラではどうも参加し辛い。
そこで、途中から割り込んで書き込めるようにしたわけだが、どうも上手く
伝わらなかったようだ。
今さら荒れた理由を蒸し返すつもりも無いが、一つだけ真剣に考える必要が
あるのはAOZとの関係性。

これをもって誤爆と言い切るのならば、その人にはAOZの二巻を一度読んでから
来ることをお勧めする。
AOZだけではない、30バンチ事件の内幕を描いた外伝はまだ一つもない。
Zと0083の関連性や、エゥーゴの成立過程とジオン残党の動きをもう一度、
キチンと整理しなおす意味では30バンチで一体何が起こったのか、考えてみる
必要はあるのではないか?
だから、「毒ガスの撒かれた地で」なんです。
200:2006/04/27(木) 03:51:57 ID:ogR4v1yl
おっと、忘れていた。
>>197
採用。

オナー・ニモイガ
アイス隊の伍長、23才の東欧系。いつも怯えている性格。

コヨワ・ムシカヨ
アイス隊の二等兵、21才の日系。人に難癖を付けることしか頭に無い

ミサゲ・ハーテタ
ツァラ隊の軍曹、25才・アンドラ系。すぐに他人の言う事の揚げ足を取る。

コンジョ・ウーダナ
レディア隊の一等兵でトーゴ出身の20才。他人の事をつねに妬み、重箱の
隅をつつくことにしか生き甲斐を感じない卑屈な男。
201通常の名無しさんの3倍:2006/04/27(木) 04:35:28 ID:???
このスレおもろいな
生きろティターンの音源をうpしてもらいたいもんだ
202通常の名無しさんの3倍:2006/04/27(木) 05:35:57 ID:feapM+PK
 30バンチに到着してからのダスタンは、その行動には慎重に慎重を重ねたつもりだった。
 研究所を円満退職したのではない。文字通り、ほうほうの体で逃げ出したのだ。
 ダスタンに対する手配書は、既に各サイドの隅々にまで行き渡ってることだろう。
 しかし、ダスタンはただ恐怖のみに駆られて研究所を逃げ出したわけではない。
 BC兵器を造り上げてしまったことに基づく漠然とした他者への贖罪感とともに、
あの研究室での所長の笑顔を見たときに確信した、途方もない焦燥感に突き動かされたのである。
 脱走後のダスタンの関心事、危機感といってもいいが、それは、
『研究所で開発した毒ガスが、どこで、誰に対して使用されるか』
この一点に尽きた。
 自らの身の危険を晒してまでティターンズの名を冠するこのコロニーに潜入したのも、
それまでの調査と、ここに来れば答えが見つかるという、自身の直感を信じてのことだった。

 とある寂れた風な裏通り。
 ダスタンは硬い樫の木でできた裏木戸の前に立っていた。
 コンコンコンと、リズムをつけて三度ノックする。すると、木戸の覗き窓が小さく開き、
鋭い目つきの男が顔を覗かせた。
「ティンパの紹介で来た」
 ダスタンが告げると、男は黙したまま裏木戸のノブを回した。
203通常の名無しさんの3倍:2006/04/30(日) 16:50:45 ID:???
そういえばギレンの野望のティターンズのEDはバスクがジャミトフを裏切るとゆう微妙なものだった、しかも皮肉な事にジャミトフが行った政策によって地球の環境が回復したって所がまた微妙だな、ジャミトフは悪(アク)だっだのだろうか?そんな疑問が残るEDだった、関係ない話ですまん
204通常の名無しさんの3倍:2006/04/30(日) 21:59:46 ID:???
>>203
地球の「環境だけは」回復できたんじゃない?
ギレンの野望のEDはみんな似たりよったりだからなんとも言えないが軍人が独裁政治で成功した例は0ではないからな・・・失敗した例もあるが。
205:2006/05/04(木) 00:50:43 ID:IJGsfj6C
うわーなんか空気が落ち着いてるな。

>>201
頼むからも少し控えめに褒めてくれないか。嬉しいんだけど。
理由はわかるよね?
まぁ何だ、やっぱ面白いって言ってくれる人がいればやる気は出るよね。

「生きろティターン」は・・・・・この春に出た島谷ひとみだか柴崎コウだかの、
えらく鬱な歌と機甲界ガリアンEDをイメージして作った。

>>202
GJ!これからもよろしく。

>>203
俺はあんまゲームやってないんだ・・・・・・ぶっちゃけ二週間前くらいにブクオフの
中古で購入したんだが早く二枚目に行きたい!
しかし先は長いort

>>204
マジか。やる気が萎れてきた
206第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/05/04(木) 01:22:09 ID:IJGsfj6C
ティターン1の街角で、このデモ鎮圧作戦を巡る重要な出来事が起こっているとも
知らず、ディアボロッソとティターンズ新兵隊の戦闘は続いていた。
ツァラ・ストゥラも馬鹿な男ではない。
ここで無闇に敵を撃破したとて、このティターン2を自分達の領土として使えなく
なるだけだ。
粗方のジムとザクが動けなくなったところで、ツァラとレディアは各々のMSの
マニュピレータの手振りで突入の意思を確認しあった。
ツァラ「大した事は無かったな」
レディア「ああ。しかし・・・・・・ティターンズといってもこんなものか。
大地の子とは、笑わせる」

大地の子とは、笑わせる・・・・・・・・・・・

大地の子とは、笑わせる・・・・・・・・・・・・・

笑わせる・・・・・・・・・・らわせる・・・・・・わせる・・・・・・・・・せる・・・・・・・る・・・・・・・

シュシュシュシュッ・・・・・・・・・・・・・・・!!!
ガリシア「はっ!?」
救護車のベッドに座っていたガリシアが、焦点も合わぬ虚ろな目線を文字通り
宙に泳がせていたのに、突如電流でも背中に走ったかのようなリアクションで
顔を上げたので、周囲を取り囲む医師達に動揺が走った。
ホーチシ「な、なんだ・・・・・・・・・どうしたのかねガリシア少尉!?」
207第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/05/04(木) 02:35:10 ID:IJGsfj6C
ガリシア「この人、知っている・・・・・・・戦ったことがある!」
ラクセーン「な、何を言っている!?」
ガリシアは徐にベッドの脇から飛び上がると、前を塞ぐ数人の医師を跳び箱の
ように使って跨ぎ、追いかける複数の手も届かず、脱兎の如く運転席へ乱入した。
ティターン1への関所ともいえるゲートを突っ切ろうと、この戦闘から抜け出そうと
する運転手のハンドルを強引に握る。

※「うっ、くわ!?」
ガリシア「ダメか・・・・・・・・・・・せいっ!」
運転手も容易にガリシアの妨害を受けようとせず足を出して抵抗してきたし、
後ろからは自分を取り押さえようとする医師達が迫っていたので、ガリシアは
止む無く運転手に強烈なエルボーを食らわせた。
気絶した彼をシートからどけて、後ろの屈強な男達に放り投げると、そのタイムラグを
利用して前方に倒れ付すジム・クゥエルに向けてハンドルを回す。

ガリシア「・・・・・・・・・・・お幸せに!」
ガリシアは不敵な笑みを浮かべてドミノのように崩れ倒れている後ろの男達を
チラと見遣った後、急ブレーキをかけて念のため、起き上がろうとするラクセーンと
ホーチシを再度転倒させた。
そしてドアを開け荒涼としたティターン1の土に降り立つと、壊れたからくり人形のように
ウィー・ガチャ、ウィー・ガチャ、と音を立てながら起き上がろうと試みる
ジム・クゥエルのコクピットハッチと地面の間の僅かな空間に滑り込んだ。
208第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/05/05(金) 02:28:32 ID:te4X+Na5
横のボタンを操作してハッチを開けるガリシア。
と、その途端に右腕を痛々しく抱えるロストフが自分の体に墜ちてきた。
ガリシア「大丈夫か、ロストフ!?」
ロストフ「う、ううっ・・・・・・・・ガリシアか?お、おまえ・・・・・・・・・・・」
意外な人物が目の前に現れても、その驚きを口で表現できないほどにこっ酷く
やられた様子である。
うつ伏せになったジム・クゥエルのコクピットブロックは全天モニターがONになった
ままだったので、それでガリシアはレディアとツァラのMS隊がヒッポグリフに
向かっていくのをしっかり視認した。

ガリシア「よし・・・・・・・・お前はあそこの車の中で安静にしてな!
あいつたちは、俺がやってやる!」
ロストフ「ガ、ガリシア・・・・・・・・・やってやるって、どういうんだ!?」
まんま入院患者の服装で、戦闘の衝撃やコクピット内のGに耐えられるものだろうか。
しかし、ガリシアの威勢ある表情と口調は、目前の状況と事実を隅に追いやれるほどの
妙な迫力と説得力があった。

海辺で遊ぶ子供が消波ブロックを攀(よ)じ登るかのように、ジム・クゥエルの
コクピットに入ったガリシアは、危ないから退(ど)くようにとロストフに小さく
目配せをした後、ハッチを閉じた。
ガリシア「打ちのめされて、それで終わるガリシア・オムだと思うなよ!」
丁寧に腕部と脚部を姿勢制御して立ち上がったジム・クゥエルが背部のスラスターを
目いっぱい吹かして上昇したので、舞い上がった砂埃から目を守るようにロストフ
はヴァイザーを下ろした。
209通常の名無しさんの3倍:2006/05/05(金) 02:35:48 ID:???
ロストフ「元気になりましたわん!」
アイス・キュロス大尉が率いるコザックとライドムの混成部隊は着実にヒッポグリフ
の防衛ラインに接近しつつあった。
こうした事態も早くバスク・オムが30バンチ全体の自治権を剥奪して、ティターン1への
強制捜査を行わなかった事に起因するのだが、彼としてもそうそう急いで強硬姿勢を
示すわけにもいかない。
ともかく、ディアボロッソはティターン2へ突入できる有利なコースを容易に確保できて
いたことは確かなのだ。

アラゴン「いいか、ここはコロニーだ。
連中が本当はここに暮らす人々のことなんてまるで考えちゃいないってことを
証明する戦いをしなければならん」
部下に無線で連絡事項を伝えるアラゴンのコクピット脇のモニターに、バスクの
顔が小さな正方形のマスとなって写し出された。
バスク「わがっでいるだろうが・・・・・・・・・アラゴン準佐。
ディダーン2の敷地ならまだじも、ビッボグリブ基地自体を破損することはならん
のだ・・・・・・・・・・ぞの為の戦力の投入は惜じむなよ」
アラゴン「は」

その会話を断ち切るように、前方から赤いゲルググが地面を滑るようにして接近してきた。
アラゴンの乗るジム・クゥエルと接触もしないうちから、アイスはサーベルを
抜き地面を事も無げに薙いだ。
そう、「薙ぐ」と書いて正に足元の障害物を切り刻み排除するかのようだが、
これは裂かれた地面の破片を石飛礫(いしつぶて)とするためである。
アラゴン「今更、そんな・・・・・・・・・む!?」
そのささやかなフォローで、足元を徘徊するコザックとライドムを早くも見失って
しまったアラゴンであった。
211通常の名無しさんの3倍:2006/05/05(金) 02:42:00 ID:???
ロストフ「空も飛べる!!!」
212通常の名無しさんの3倍:2006/05/05(金) 02:47:07 ID:???
その時だった。


ホワイトボードに「バスク・オム欠勤」...


ー 完 ー
213通常の名無しさんの3倍:2006/05/05(金) 02:58:45 ID:???
バスク「シーマめ!!!しくじったな!!!」
アラゴン・オムに罪は無いだろう。
この時代の流れと逆行するMS達の存在を察知できなかったのは組織全体の
諜報力の問題だ。
彼らは二十年以上先を見据えて戦う覚悟であり、ティターンズは第二世代MSの
曙すらその目に捉えられていない現状なのだから。
ともかく、指揮官のジム・クゥエルは小型のMS達の攻撃で脚部のフレームを
見事に撃ち抜かれてしまった。

アラゴン「くっがぁ、子蝿がーーーーーーーーっ!!!」
未だ周囲を旋回するコザックとライドムに頭部バルカンを連射しても、敵は
まさしく蝿並みの敏捷性で地面を滑り回避される。
こうした時、このコロニー内部戦闘用に熱源反応をさらに高性能化した
マニュピレータにライフルを握りたくなる衝動は自然なものだが、しかし
自分で言ったことを数十秒後に撤回するわけにもいかない。

その頃、バスクは執務室で増援のMS隊の発信号令を出していた。
アラゴン隊の築く防衛線からヒッポグリフまでは長く見積もっても250mと
いったところだろうか。
バズーカで指揮系統を狙われてはひとたまりも無い。
バスク「ベルナルド・モンシア中尉の隊を先頭に、ザクをコロニー内壁に
配置せよ・・・・・・・・制空権を奪えばあの程度の小細工は通用せん」
ザクという言葉だけは濁してしまうバスクであった。
215第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/05/05(金) 03:14:47 ID:te4X+Na5
モンシア「よぉ、お坊ちゃん。
あまり無理をすると後に差し障るぜぇ」
カスティージャ「あぁあぁ、わぁーってますよぉ!
ったくいつも一言多いんだから・・・・・・・!」
パイロットスーツのケースを抱えて、モンシア隊の後にすぐ増援に出れる
よう支度を整えているカスティージャ・オムの隊だ。
カスティージャはザクに最も適正のあるパイロットであるが、しかしそれ故に
30バンチでの初回会戦でツァラにこっ酷くやられて片脚に痛々しいギプスを
巻いていた。

しかし、自らのザクはコイオスを背にして戦い重要機密を守って、他のMSを
上手く先導するだけなら大丈夫だろう、とバスク大佐直々の指名である。
モンシア「よぉし、行くぜぇ!」
モンシアのジム・クゥエルに率いられ、ザクとジムの編隊が勢いよくコイオス
を飛び立っていった。
ジムはアラゴン隊をライフルで後方支援。ザクはコロニー内壁に向かって
全力でスラスターを吹かして推進し、モンシアはその中間に立って指示を
出しながら両方をフォローする。

アイス「ぬ、あちらも蝿を出してきた!?」
アイスの端正な美貌に緊張の色が戻る。
アラゴンはモンシア隊のフォローを利用して、よちよち歩きのような無様な動き
ながらもライフルを低く絞って敵を牽制し、攻撃ではなく上手く部下達の
入れるコース作りに努めた。
アラゴン「怪我持ちのカスティージャを出すわけにはいかんからな・・・・!」
モンシア「ほほぉぉぅ、こちらの坊ちゃんは流石だなぁ」
アイスのゲルググはコロニー内壁へ推進するザクの群れを狙うが、さすがに
そのライフルの軌道は躊躇いが反映されブレる。ザク達もコロニーの自転方向を計算に
入れていないため、かなり推進に苦労しているのだが。
216通常の名無しさんの3倍:2006/05/05(金) 03:22:42 ID:???
訪問者「幸せになる壷です。通常20万円のところ、特別価格10万円です。いかがですか?」
217第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/05/05(金) 03:28:01 ID:te4X+Na5
モンシア「へっへェ、大佐の狙いは当たりだな」
やりたい放題だったコザックとライドムも、ジム隊の支援で次々に撃破
されていった。
数的にはまだ大きな損失ではないが、敵が迷いを振り切ってライフルを
多用してくればこういう事態は予測できたのだ。自分達の重要拠点はすぐ真後ろ、
しかもティターンズの熱源探知の信管は思ったより高性能に開発されているようだ。
ということは、後は人同士の駆け引きである。
だったら何故、もう少しアラゴンを挑発できなかったのか・・・・・・!

レディア「アイス!上の蝿どもは引き受けた!」
アイス「・・・・・・・・・・レデ・・・・・・・・あっ、クレム大尉!」
鮮やかにコロニーの大地を滑ってくるレディアのドワッジがバズーカでザクを
数機撃墜した。
かなり際どいところだが、こちらも信管の性能では劣っていないところを見せた格好だ。
緊張で強張っていたアイスの表情に女性らしい柔らかな笑みが戻った。
ツァラ「と、ってぇ事は俺が嬢ちゃんの援護かい。
へぇへぇ、後乗りは企画立案者より損な役回りが多いってねぇ。いくぜ!」

アラゴン「うぉっ!?この迫力・・・・・・ツァラ・ストゥラか!?」
ギシィッィィッィ!!!!!!!!!!!!
ゲルググのサーベルで斬り付けられ、咄嗟にサーベルを抜いたジム・クゥエルも
ただでさえ駆動系不全で圧倒される。
ツァラ「御名答!兄弟そろって入院させてやんよ!!!」
アラゴン「貴様は、自分がジオンの恥晒しだと思ったことは無いのか!?」
ツァラ「ハッハァ、残念無念。俺は戦って食って飲んで女が漁れりゃそれで
ハッピーライフよ。
良家に生まれた坊ちゃんは息苦しそうで大変だな、エェおい!?」
レディアはコロニー内壁から対地爆撃を敢行しようとするザク達を追い、
そこでモンシアのジム・クゥエルと相対した。
モンシア「ほほぉ、こいつぁ少しはやるみてぇだな」
レディア「どけ!貴様に付き合っている暇はない・・・・」
サーベルで切り結び合う両者の力は互角。
モンシアも一年戦争を潜り抜けた歴戦の猛者だが、レディアもシャアやルマに
仕込まれた実力がある。
モンシア「ぬぅっ、くぉぉ!?こいつがジオンの赤い悪魔ってかぁ・・・・・
本気でやった方が良さそうだな!」
レディア「その名で呼ぶな、無礼者!」

その隙に、アイスの隊は混戦を抜け出して一目散にヒッポグリフへ突進した。
カスティージャ「や、やばい・・・・・・・出なければ!」
もはや一刻の猶予も無い。
バスクも執務室を抜け出してコイオスへ向かっていた。
クレイオスで、出られなかった新兵達は怯えながら外の戦況を見守る。
ティターンズに携わる全ての者達の、存亡を賭けた瞬間だ。
いよいよカスティージャが残るMS隊を率いてコイオスを出ようとした、その瞬間である。

ガリシア「つっぁぁぁぁぁーーーーーーーーーー!!!!!」
アラゴン「ぬ!?」
カスティージャ「えっ!?」
モンシア「ぬぁにぃ!?」
レディア「この、不快感・・・・・・・・・・!」
アイス「なに・・・・・背後に、ザラついたモノを感じる!?」
ツァラ「へぇぇ、ほう!
こりゃあ・・・・・・・・・・・・・あの時の坊ちゃんだな!面白しれぇ!」
ツァラがアラゴンを放置してしまったのが勝負の分かれ目となった。
ガリシア「ツァラ・ストゥラは何処だ!?
殺してやる!!!!!!!!!」
ジム・クゥエルは頭部を左右に動かし、それらしき機体をサーチングする。
すると、背後からゲルググがガリシアの機体を羽交い絞めにした。
ガリシア「ぬっ、くぉぉっぉぉ・・・・・・・・・!?」
ツァラ「よぉぉぉ、また会ったな坊ちゃん。
今度は生きて返さねぇぜ。
それよりアレ、ほらあの女、カタルーニャって言ったか?イ〜イ体してたぜぇ。
カマトトぶった女が寝乱れるのは何度見てもたまらねぇ。
そのくせ男歴は多そうだ。俺の歴戦の息子をようもタップリ締付けよってからに、
ありゃ名器と言わざるを得ねぇ」

ガリシア「きっ、きっ、きっ・・・・・・・・・・・・・・」
ツァラ「?」
ガリシア「貴様ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!
殺してやららりら!!!!!!!!!!」
ジム・クゥエルは破損した肘部のフレームなど何処吹く風といった力で
ツァラの拘束を弾き飛ばすと、すかさずサーベルを抜いてゲルググの
スカートを切裂いた。
ツァラ「ぬぉぉぉぉ!?やりやがる、ガキャア!?」
久々にツァラの顔に本気の緊張が走る。

アラゴン「ガリシアなのか!?
そいつはもういい、早く基地へ近付く敵機を追え!」
ガリシア「ぬぉぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!!!!!」
ツァラ「はぁぁぁぁっ、来いやクソガキィィィ!!!!!!」
アラゴン「おいっ、ガリシア!?ガリシア!?聞いているのか!?
おいっ!!!!!!!」
両者の戦いは、ガリシアの最初の反撃で決着がついた。
スカートを壊されスラスターの制御に不調をきたしたゲルググは、まさしく
人体の自己治癒機能の呷(あお)りで人間が熱を出すごとく、その出力は
冷却材の効果も追いつかなくなっていった。
次第に機体全部のフレームや装甲が沸騰したヤカンの蓋のように振動し
破損し始める。
ツァラ「ぬぉ、くぉ、おおおおおおおおお!?
どうなってんだオイ!?誰か説明してくれよ!?」
ガリシア「逃がさん!貴様は、俺がこの手で殺してやる!」
アラゴン「ぬえええぃっ、止むを得ん!」
アラゴンはジム・クゥエルの残る出力を全開して上昇すると、ゲルググを
捕まえ、思い切り前方のアイスに投げつけた。
ガリシア「兄さん!?」
アラゴン「落ち着け、ガリシア!
戦場では熱くなったほうが負けだ!いや、軍だけじゃない。社会では、
どこへ行ったってそうだ!」

レディア「・・・・・・・・・・・まずい!」
モンシア「おおっと逃がすかよ!」
レディアのドワッジだけではない。
アイス隊と投げ飛ばされたツァラのゲルググの交錯を防ぐべく追った
他のディボロッソの部隊もコロニー内壁に虫のように張り付いた無数の
ザクの対地砲撃で足を止められた。
アイス「・・・・・・・・・・・む!?
あ、あれは・・・・・・・・・・くっ、全機推進軌道修正、旋回せよ!」
アイスの咄嗟の指示で全機が回避軌道をとった後、コロニーの地面に落下した
ツァラのゲルググは大破した。
大破といっても、落下斜角が緩かったので先述の火気暴走の末に装甲各部が
爆発しただけで原形はとどめていた。

そしてその隙に、稼動可能なすべてのMSがカスティージャ隊の出撃を待つ
までもなくコイオス前面を固めて強固な防衛線を築いた。
レディア「ぬっ・・・・・・・・撤退だ!」
アイス「ツァラ少佐を助けなくていいのですか!?」
レディア「いい・・・・・・・・・・好都合だ」
アイス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
女は、包容力のある男性を好むとはいっても得てしてその包容力が自分のみに
向けられる都合のいい期待をしがちである。
それは王子様の到来を待つ少女チックなものではなく、野望達成のためなら邪魔者を
合法的に排除できる強くて悪い男を望むという願望の一面だ。
人は、そんなに多面的な気遣いを自分の中に備えられるとは限らない。
女は誰でも、ある一定年齢を過ぎればそれを計算に入れた男像を描き、出会いを待つのである。
221第3話「アポロドーロスに見捨てられた男」:2006/05/05(金) 04:26:47 ID:te4X+Na5
夕刻、コイオスのMSデッキでは生還した全てのパイロット達が制服に着替えた
ガリシア・オムを取り囲み賛辞を送っていた。
ガリシア「い、いや・・・・・・・・大した事ないです」
カスティージャ「いやいやぁ、遠慮せんでええよ!
みんな、どんどん茶化して煽(おだ)ててやってくんせぇ!
口だけ坊主が真の戦士に成長した記念日だ。今夜は赤飯炊かなきゃぁ!」

「すげぇな、新兵だと思ってりゃ流石バスク大佐の息子だ」
「あの暴君ツァラ・ストゥラを仕留めるなんてなかなか出来ねぇよな!」
「こりゃ、勢いに乗ってジオンの赤い悪魔もやっちまいそうだな!」
「オイオイそりゃ煽てすぎだろ」
「ハッハッハ!そーりゃそうだ」
モンシア「ケッ・・・・・・・・尻を叩いた甲斐は・・・・・・・あったってかぁ」
モンシアは一升瓶を口に付けながら、隅で見守っていた。

ガリシア「い、いや・・・・・・・本当に大した事無いんです。
兄さんが、い・いや・・・・・・アラゴン準佐の判断が無ければ敵に基地へ突入
されていたかもしれないんで」
ロストフ「それでも、お前が来て戦況が変わったのは事実だ。
お前が好きなサッカーで言えば、リベロってやつだろ?
ノーマークの一機が敵の布陣を混乱させたのさ。
俺はマニュアル重視の優等生なんで、ああいう戦い方はできないよ」
ガリシア「そんな・・・・・・・・俺、ただ夢中だっただけで」
湧き上がるムードに、突如水が差された。
ドアを開けて入ってきたアラゴンである。
アラゴン「皆の者、静粛に。
バスク・オム大佐が諸君の健闘に感謝の意を述べられたいそうだ」
ガリシア「!・・・・・・・・・・・・・・・父さん」
ガリシアのほころんだ顔が、一気に引き締まる。
はしゃいでいた他の兵・士官も、皆姿勢と襟を正して敬礼する。

間もなく、バスクがその威風堂々たる姿を現した。
バスク「アー、この度の会戦は我々ティターンズの存亡の危機であった。
何度も言うように、この基地はティターンズの生命線である。
これを守るに、新兵もベテランも関係は無い。
ティターンズに一般の軍律は通用しないのだ。
それは、つまり個々が自分の頭で考え能動的に・主体的に動き組織を守る
ということだ・・・・・・・時に、ガリシア・オム少尉」

ガリシア「・・・・・・・・は!はいっ」
ガリシアが怯える。縮こまって敬礼を取るガリシアにバスクが近付く。
バスクはそのゴーグルを外すと、その無骨な目を細め、表情を緩ませた。
バスク「よくやってくれた・・・・・・・・少尉の今回の活躍は特筆に価する。
貴公こそティターンズの精神をその身で表現した、全ての者たちへの見本だ。
今後も期待している」
そう言うと、バスクは部屋を出て行き全員が安堵の表情で姿勢を緩めた。
すかさず、またガリシアは周りから賛辞とスキンシップで揉みくちゃにされる。
ガリシア「褒められた・・・・・・・・父さんが、俺を褒めたんだ。幻聴じゃないよな?」
ガリシアが、生まれて初めて何の屈託も無い天真爛漫な笑みでその顔を満たした
初めての日だった。
姉の死も、営倉での辛い三日間も、全てが忘却の彼方に吹き飛んでいけそうだった。
愛しい人よ 我が父よ なぜ この手をすり抜けるのか

弱くて儚い 夢の住人は 今日も傷つき それでも歩く

塞ぎこんで眠った深い夜 何も信じられず ただ泣くだけだった

憎しみを乗り越えるのは 憎しみだけだと 知りたくはなかった

Ah 自分に都合のいいぬるま湯は(Ha-ah) 心地よく包んでくれた(ah・・・)

しかしいつの日か 旅立てと 背中を叩く父がいた(Oh・・・wow)

大地の子よ 我が勇者よ 宇宙(そら)はまだ悲しい色さ

親からも 運命からも 遺伝子からも逆らって生きよ ティターン(エコー)

(We must survive without any help cause of your being yourself)



エンディングテーマ「生きろティターン〜Into the rotten real〜」
作詞 売野雅勇 作曲・編曲 ニール・セダカ 歌 高橋洋子

作画監督 恩田尚之
演出・構成 >>164 >>166 >>167
脚本 >>202>>187 >>1
設定協力 >>203 >>204

バカ >>212>>184>>173>>168

製作
サンライズ バンダイビジュアル Zガンダム0085製作委員会
        

      次      回      予      告


そこには、姉を失った痛みから徐々に立ち直りつつある青年がいた。
またある所には、自分を偽る仮面の重みに心を軋ませる青年もいた。
二人の痛みは別種のものだ。
しかし、人と人が惹かれ合う理由は定式化できない。
それがわかるからこそ、アイス・キュロスの心に戸惑いが生じた。

         次回 「木屑録」

生きろ、ティターン。


227:2006/05/05(金) 05:55:40 ID:???
と、いうわけで3話が終わった。
突然だが>>26の忠告を聞き入れこのスレだけで完結させることにする。
やはり2スレも続けては間延びした無駄部分が多くなる。
と、いうわけで途中からのSS参加者はお早めに。
まぁただ単に、今考えてる次回作を早くやりたいだけなんだけどねw

こぼれ話。
設定の説明や元ネタ暴露は、そういうわけで早めにやっちゃお。
ツァラ・ストゥラ少佐の名前はニーチェの小説「ツァラ・トゥストラかく語りき」
が元ネタである。
これはイイ!と自分でも思っていたが、何と・・・・・・・・・・・・
今年7月6日に発売される予定の「ゼノ・サーガV」っちゅうRPGゲームのタイトルが
「ツァラ・トゥストラかく語りき」らしい・・・・・・・・・・・

ム カ ツ ク!!!!!!!!!!!!!
いや、ムカツクって程でもないが、たかが2chのSSでも「まだ誰もやったことの無いネタを
俺がやってやるぞ」っていう野心・ヤマっ気みたいなのは、モチベーションの
一つとしていつも持ってるのね。
だから、自分と同じ事を考えてる奴がいると、何か「先取りされた」みたいな悔しさと
「あ、やっぱ俺の目の付け所も捨てたモンじゃねーなw」ってのがない交ぜになって、
複雑っちゃ複雑なんだよね・・・・・・・・・・・・
228:2006/05/05(金) 06:07:49 ID:???
話は戻るが、当初はリアルタイムに途中からSSに参加できる、という手法で多くの
人が集まること・設定の詰めの話し合いの容量まで予測して、2スレと言ったんだが
このような状況なので、まぁいいでしょう。

で、ゼノ・サーガってゲームは俺もゲームは全然やらないので興味もないし、本当に
知らなかった。製作発表がいつなのかヨーワカランが、タッチの差であっちの方が
早かったのか?
しかし、そんなツマラン事にこだわっても結局は非生産的だ。
ネーミングなんて、元ネタなんて水物だからね。

ただ俺はSS能力は高くないので、ネーミングで勝負。つまり「ガノタがあまり聞き覚えの
ない名前」に主眼を置いてネタを探すことは常に心がけている。
ガノタが興味なさそうなジャンル、ガノタが知らなそうな領域を常に意識している。
だから>>164の言っているような事は、ぶっちゃけ否定はしないわけ。
何も、「あれは俺のパクリだぜ」「あれの作者は2chで俺のSS見てたに決まってるぜ」
なーんて、言うつもりは無いんだけど。
或いは、ちょっとでも見てた人に「あ、ひょっとしてそうかな?」と思わせる程度の効果。
かな、狙っているのは。
だから>>164みたいな人は、もうその時点で俺の術中にはまってるわけ。
意識しないでも、30バンチ内幕を描いた正式外伝なんていずれ必ず出てくるでしょ。
女の子が主人公のTVシリーズも、いずれ必ず製作されるでしょ。
深く考えず、力を抜いて気楽にやればいいんだよ。
229:2006/05/05(金) 13:37:35 ID:???
いろいろ考えた結果、無断で個人・会社名を引合に出し、さも公式であるかの装いをした為、三話をもって終了致します。
関係各位に大変なご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ありませんでした。
なお、新作・続編を製作しようとする計画もありましたが、二次創作の範疇を越える為、中止致します。
230通常の名無しさんの3倍:2006/05/06(土) 22:02:50 ID:fd+/OZ0m
バンビに企画書として送っておいた。
231通常の名無しさんの3倍:2006/05/07(日) 19:55:50 ID:???
>>229ひでぇ池沼だな。オナニーは自分の部屋でやれ。
232通常の名無しさんの3倍:2006/05/08(月) 00:23:18 ID:???
こんな場末のSSでどこの会社や組織がそんな事問題にするんだろう?
裏を返せば自分の作品がそこまで認められてるって自惚れにしか聞こえない

本編と関係ない名前遊びで延々とギャラリーに宣戦したり、
偉そうに書き連ねといてそういう逃げか。
233通常の名無しさんの3倍:2006/05/11(木) 18:51:46 ID:???
ダスタン「結局私は宙ブラりんですか…」
234通常の名無しさんの3倍:2006/05/12(金) 00:06:02 ID:???
んじゃ、銃殺ってことでw
235通常の名無しさんの3倍:2006/05/12(金) 00:10:00 ID:???
ダスタン「あなた、所長よりもダークな方ですね」
2361:2006/05/13(土) 19:36:35 ID:zDzqEHma

見事に釣られてる奴がいるようだが、>>229は俺じゃないぞ。
ここ最近、忙しくて2chどころかパソコンすらほとんど開いてないんだ。
こいつの荒らし方はいつも同じパターンだからスルーせよ。
2371:2006/05/13(土) 20:02:29 ID:???

見事に釣られてる奴がいるようだが、>>236は俺じゃないぞ。
ここ最近、忙しくて2chどころかパソコンすらほとんど開いてないんだ。
こいつの荒らし方はいつも同じパターンだからスルーせよ。
238:2006/05/13(土) 20:20:06 ID:zDzqEHma
バカ丸出しだな
239通常の名無しさんの3倍:2006/05/23(火) 09:47:31 ID:uDnmk22A
hosyuage
240通常の名無しさんの3倍:2006/05/26(金) 19:47:25 ID:???
こんなオナニースレあげるな。
241通常の名無しさんの3倍:2006/05/29(月) 22:52:09 ID:X2RxbP1R
hosyuage
242通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 00:10:58 ID:???
誰だよあげたの?
243通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 07:08:48 ID:???
244通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 12:27:15 ID:???
☆★☆ゴミスレ☆★☆

機動戦姫ガンダムP(プリンセス) part2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1142071587/

☆★☆機動戦姫ガンダムPrincess第三章☆★☆
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1146867833/

機動戦士Zガンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1144074591/
245通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 12:43:01 ID:Mr+ZJpac
☆★☆ゴミスレ☆★☆

機動戦姫ガンダムP(プリンセス) part2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1142071587/

☆★☆機動戦姫ガンダムPrincess第三章☆★☆
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1146867833/

機動戦士Zガンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1144074591/

246通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 12:44:28 ID:Mr+ZJpac
☆★☆ゴミスレ☆★☆

機動戦姫ガンダムP(プリンセス) part2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1142071587/

☆★☆機動戦姫ガンダムPrincess第三章☆★☆
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1146867833/

機動戦士Zガンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1144074591/
247通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 14:05:19 ID:???
俺はモンシアに期待したが、それ以前にあまりおもしろくないな
248通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 17:06:50 ID:???
ヘイズルやら試作型mk-Uやら色々あるはずのガンダムが
あんまり出てないのは逆に良い
249通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 23:14:28 ID:???
>>1は書くの止めたんなら削除依頼出しとけよ。
250作者:2006/06/06(火) 20:06:55 ID:voXinkRx
やめたわけじゃない。今、ちょっと忙しい。
251通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 20:33:17 ID:???
楽しみにしてまっせ
252通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 20:41:30 ID:???
毎回、ちまちま保守ageしてんじゃね〜よ!!!
削除依頼出しとけ、カスが!!!
253通常の名無しさんの3倍:2006/06/10(土) 17:56:55 ID:???
☆★☆ゴミスレ☆★☆

機動戦姫ガンダムP(プリンセス) part2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1142071587/

☆★☆機動戦姫ガンダムPrincess第三章☆★☆
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1146867833/

機動戦士Zガンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1144074591/
254通常の名無しさんの3倍:2006/06/10(土) 17:58:04 ID:???
☆★☆ゴミスレ☆★☆

機動戦姫ガンダムP(プリンセス) part2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1142071587/

☆★☆機動戦姫ガンダムPrincess第三章☆★☆
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1146867833/

機動戦士Zガンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1144074591/
255通常の名無しさんの3倍:2006/06/10(土) 18:00:02 ID:???
☆★☆ゴミスレ☆★☆

機動戦姫ガンダムP(プリンセス) part2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1142071587/

☆★☆機動戦姫ガンダムPrincess第三章☆★☆
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1146867833/

機動戦士Zガンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1144074591/
256通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 05:52:34 ID:???
○スレ主さんへ

あなたは下記の3スレッドを掛け持ちされていますが、
機動戦姫ガンダムP(プリンセス) part2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1142071587/

☆★☆機動戦姫ガンダムPrincess第三章☆★☆
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1146867833/

機動戦士Zガンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1144074591/

実在する個人名・会社名を無断に使用し、あたかも制作会社の公式作品
を装うような記述をしたレスが全てのスレッドで見受けられます。
それらの行為は下記に示す法に反する恐れがあります。
私が制作会社に質問するのもおかしいので、ご自分で「株式会社サンライズ」様にご質問してください。
返答内容次第で該当スレッドに対する削除依頼をするかご判断ください。
・不正競争防止法 第2条の一
ttp://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=2&H_NAME=&H_NAME_YOMI=%82%D3&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=H05HO047&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GUN=1

・プライバシー権の侵害(憲法13条)
ttp://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html

・不正行為(民法709条)
ttp://law.e-gov.go.jp/htmldata/M29/M29HO089.html

・不正行為(民法709条)をわかりやすくしたサイト
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/minpo-709.html
257通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 01:27:32 ID:WXQ6nRWM
>>248
>>251
頼むから荒し君のレス削除依頼手伝ってよ。
コイツ法的問題とか正論述べてるけど、立派な削除基準の荒らし行為やってっから。
3スレ全てに同じコピペしてるしどう見ても同一人物が荒らし続けてるだろ。
258通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 01:42:56 ID:???
 その部屋は、表のパブの裏手に併設された倉庫を改装したものだった。
 ダスタンは、扉を開けてから自分に一瞥をくれただけの一言も発しない痩身の口髭男に案内されて部屋
の前に立った。
 口髭男は、ダスタンがそうしたように部屋の扉を軽く三回叩く。ほどなく鍵が開く音が聞こえて小さく
扉が開き、続いて中から若い女の声で「入んな」と聞こえてきた。
 口髭男は扉の脇に避ける。どうやら彼はただの見張り役であるらしい。
 ここまで来たら後には戻れないし、もう戻る場所もない。ダスタンは覚悟を決めてゆっくりと扉を開けた。
 部屋は十坪程度の広さで、天井には安物の蛍光灯が埋め込まれていた。
 中に居たのは男が4人と女が一人。男たちはみな屈強な体格で、技術畑一筋だったダスタンとは比較に
ならないほど頼りがいがありそうだ。
 しかし、それらの男たちとは対照的に、部屋の一番奥のソファに腰掛けている女は、利発そうな表情は
しているが、華奢な体格だけはどうにもこの男たちの中では浮いた存在としてダスタンの目に映った。
 ダスタンが部屋に入り扉を閉めると、最初に声をかけてきたのは華奢な女だった。
「悪いね、鍵かけといてくれるかい」
 端正な顔立ちとその口調とのギャップが印象的なその女は、微妙な笑顔をダスタンに向けた。
「あたしら、聞かれちゃ困る話をするから、さ」
 部屋の一種異様な雰囲気に飲まれていたダスタンは、その笑顔で本来の目的を思い出し、あわてて扉の
鍵を閉めた。
「で、ティンパの紹介だって?」
 密室になったことを確認した女は、傍らの男に顔を向けた。
「はい。間違いありません。ジブン・ノウにあるクラウザー商会のサインも入ってます」
「そう。なら安心だね。ようこそダスタンさん。あたしがこのコロニー解放同盟の長、ミリル・ミレルだ」
 ミリルと名乗った女は、そう言って席を立った。
「ま、同盟つったって、この街の人間の寄り合い組合みたいなもんだけどね」
 そう付け加え、ぺろっと舌を出しておどけてみせる。それが彼女なりの挨拶といったところか。
 まだ場の空気になじめないダスタンはどう言っていいのか分からず苦笑した。
 そんなダスタンの緊張のことなどかまわずに、ミリルは男から書類を受け取ってざっと文面を読んでか
ら話を切り出した。
「あんた、ティターンズが密かにある種の気体を製造しているってことを知ってるんだって?」
「はい。私はその研究に関わっていました」
「で、その気体とやらは?」
 ミリルの質問は、確認に近いものだった。ダスタンは意を決して答える。
「それは…、お察しのとおり、いわゆる毒ガスです」
 ミリルの瞳がすっと細まった。ダスタンを正面から視線で射すくめる。
ダスタンはその視線に絡めとられ、生きた心地がしなかった。そして漠然だが華奢で幼い顔立ちに見え
るミリルがこの男たちを纏め上げている理由が理解できた気がした。
「あんたの顔を見れば嘘をついてるわけじゃないってことは分かるよ。それに、いかにもバスクのクソ禿
が考えそうなことだ」
 ミリルは吐き捨てるように言った。そこでダスタンの脳裏に一つ疑念が生じる。
259通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 01:43:43 ID:???
「ミリルさん。あなたバスク・オム本人を知っているんですか?」
 思わず口からついて出たダスタンの言葉に、ミリルは激しく反応した。
「バスク?ああ知ってるさ!部下殺しの最低のクズさ!あたしは2年前のデラーズ紛争のときコロニー落
としの阻止部隊にいたんだ!」
 ミリルの声音はダスタンを圧倒した。しかし2年前のコロニー落着事件は――。
「あのコロニー落下事件は事故じゃなかったんですか?」
 ダスタンにとっては何気ない一言だったが、ミリルにとっては禁句だったらしく、彼女は突如キレた。
「あれが事故だって?あの嘘で塗り固めた政府広報を信じるなんてよほどのアホかお前は!」
 一挙動でテーブルを乗り越え、ミリルはダスタンの胸倉を力一杯つかんで引き寄せた。
「いいか?あのギレン・ザビの亡霊にすがってムチャクチャやらかしたデラーズフリートの真の目的はな、
地球への再度のコロニー落としにあったんだよ!連邦に対しての南極条約違反の暴露も、コンペイトウへ
の襲撃も、全部ただコロニーを地球に落とすための口実だったんだよ!あのバカどもは絶対にやっちゃな
らないことをやった狂った連中だったんだよ!」
 ミリルの瞳には憎悪の炎さえ宿っていた。今にもダスタンを殴りかねない勢いだった。
「リーダー」
 さすがに見かねた部下が諌めに入る。人目をはばからず激昂してしまったことを恥じたのか、ミリルは
あっさりとダスタンから離れた。
「ごめん。バスクのことになるとちょっとね」
「いえ。…しかし知りませんでした。私は本当になにもかも知らずにいてしまっていた…」
 ダスタンはミリルの言葉が本当のことなのかは分からなかったが、自身の研究の全容を知らずに参加し
ていたことへの自責の念に絡めとられて落胆した。自分にはミリルのような激情さえ持っていなかった。
結果を知ったとき、恐れおののいて逃げただけだった。
「いや、本当にあたしが悪かった。あんたはただ知らされてないだけだったんだ。そう気を落とさないで」
 ミリルは鼻頭を掻きながら、ばつが悪そうにそう言った。
 その言葉に多少癒されて、ダスタンは顔を上げた。
「でもね、世の中知っておかなきゃならないことだってあることは分かって欲しいんだ」
 ミリルは真剣な面持ちでそう言った。
「はい…」
 それは既に身に染みていた。ダスタンにはそう答えるしかなかった。
260通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 01:44:29 ID:???
 だが、ミリルの憎悪は別のところにあった。
「でも悪いついでにあともう一つ言っておくよ。あたしが絶対許せないのはバスク・オム。ジオンでもデ
ラーズでもないんだ。あの男はね、デラーズ紛争のとき、策謀をめぐらせてコロニー落としの阻止線を張
ったんだ。そこまではいいさ。なんとしてもコロニー落としは止めなくちゃならなかったからね。でもね、
あの男はその策が失敗した途端、味方のことを無視してコロニーと一緒にあたしのかけがえのない戦友を
ソーラ・システムで焼いたんだ。文字どおり太陽の火でね。あたしはいくらコロニー阻止のためとはいえ、
部下を消耗品かなにかと勘違いしてるかのようなあの男だけは絶対に許さない。部下を殺しておいて、エ
リート部隊だなんていって権力の椅子にふんぞり返ってるあいつだけはね」
 ミリルの悔しさ、やるせなさはその表情から充分に伝わってきた。ダスタンは全てを理解したわけでは
ないが、小さく頷いた。
「ありがとう」
 ミリルはダスタンの心情を理解したのか、素直に感謝の言葉を述べた。そして踵を返すとこう付け加えた。
「あたしが軍を抜けてコロニー解放運動をやってるのはそれが理由さ」
 真実なのだろう。ダスタンにはそう思うしかなかった。
 ややあって、再びソファに腰を落ち着けたミリルは、今度は興味ありげな視線を向けてこう言った。
「さて、今度はあんたの話す番だ。事と次第によっては協力するよ」
 あくまでも自分のペースで事を運ぶ女傑との出会いとはこうだった。
261通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 17:52:58 ID:???
スレタイがギャグテイストなので、ギャグスレかと思っていたが違ったのか。
262通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 18:34:29 ID:???
でもツマンネから晒しage
263通常の名無しさんの3倍:2006/06/16(金) 19:21:59 ID:???
 ミリルとの衝撃的な出会いから数日経ち、開発された毒ガスの行方を追っているというダスタンの主張が
認められた今、当のダスタンはミリルたちが経営するパブ「ホーム・ペイデー」の雑務の傍ら、店内のテー
ブルに巧妙に仕掛けられた盗聴器からの情報収集に血道をあげていた。
 30バンチ内では歓楽街として有名なホム・ペーデには、当然ティターンズの若い兵士や将校たちが訪れ
ることも珍しくない。
 ミリル率いるコロニー解放同盟は、そんなティターン兵士たちの中から、酒の勢いで漏れ出てくる情報を
収集し、他の半地球連邦組織に情報を提供していたのだ。
「ここならあんたの知りたいことも引っかかってくるかもしれないよ」
 話し込んでみると、激情家ではあったが以外に気さくな面もあったミリルは、あっさりとダスタンの身
柄を引き受けてくれた。
「ただし、めしのただ食いはさせないよ」
 と、経験したこともない経理関係の仕事を任されもしたが、おおむね、ダスタンの待遇は良好なものだった。
「あ、シュマイル商店さん。毎度どうもイグルドです。今度納入するラムの件でお聞きしたいことがございまして」
 イグルドという偽名を使い、先方に電話をかけ、交渉をする。
 ダスタンには忘れかけていた日常がそこにはあった。
「おーい、昼飯だぞ」
 金髪の上に黒いロングストレートのかつらを被り、派手目なメイクで「化けた」ミリルが、両手にパスタの
皿を持って部屋に入ってきた。
 その声にダスタンが時計を仰ぎ見ると、時刻は既に14時をを過ぎていた。
 ホーム・ペイデーでは日中はファミリーレストラン。日没後にパブとして営業している。今の時刻は昼食の
客足が途絶えたところだ。
「ほれ、ちゃっちゃと食って、また仕事だよ」
 素性を隠すために当然のことだが、メイクのせいでまるで別人に見えるミリルは、乱暴にダスタンのデスクに
皿とドリンクを置くと、自分は隣のデスクに陣取り、ダスタンにかまうことなく黙々と食べ始めた。
 ダスタンは仕方なく、日本式の「いただきます」の仕草をしてからパスタに取り掛かった。
 ややあって、ミリルが口を開く。
「あんたいつも食べる前に手を合わせてるけど、なんかの宗教にでも染まってんのかい?」
「いえ、祖母が日本人の家系でして、そのときの習慣が抜けてないだけです」
「ああ、それでか。あたしも地球の軍に居たとき見たことあるよ。日系の奴が基地の喫煙ボックスで片手で
拝むようにしながら火ぃ貸してくれってさ」
「タバコ、やってたんですか?」
「地球に配属されてたときはね。宇宙軍に配置転換になったときにやめちまったよ。周りがうるさいから」
「確かに」
 ダスタンは思わず笑いながら答えた。
264通常の名無しさんの3倍:2006/06/16(金) 19:22:45 ID:???
 それを見たミリルは満足したような目でダスタンを見やる。
「ど、どうかしましたか?」
 今まで見せたことのなかった顔に、ダスタンは少々うろたえてしまった。
「いや、あんたがちゃんと笑ったからさ。だから安心したのさ」
「え?どういうことですか?」
「よく考えてみなよ。あんた、ここに来てから一度も普通に笑ったことなかっただろう。だからさ」
 ミリルはミリルでダスタンのことを心配してくれていたようだった。
「そうですか?…いえ、そうだったかもしれませんね」
「かもじゃないよ。あんたが来たときは死人みたいな顔だったさ」
「死人…。さらりと酷いことを言いますね」
「ハン。ホントのことを言ったまでさ。でも、それだけ軽口が叩けるなら安心だよ。あんま根をつめずに
ゆっくりとやりな。情報源はここだけじゃないんだ。そのうちあんたが追ってる情報もどっかで引っかかっ
てくるさ。そしたらうちも協力して追ってやるよ」
 言いつつミリルは、もう空になったパスタの皿を片付けるために席を立つ。
「あんたのは後で取りに来るから。それと、今日は非番の連中が多い日だからね。しっかり情報を収集し
ておくように」
 のんびり食事を再開するダスタンに一つ釘を刺すと、ミリルは厨房に消えていった。
「まったく。人使いが荒い人だ」
 文句を垂れつつもダスタンは少しずつコロニー解放同盟の連中のことに好意を持つようになり始めていた。
265通常の名無しさんの3倍:2006/06/16(金) 19:40:25 ID:???
ミリル「それにしても…。アンタって笑顔は結構ブサイクだねえ」
ダスタン「いくらなんでもそこまでは言われる筋合いはないですねえ」
266通常の名無しさんの3倍:2006/06/16(金) 22:28:13 ID:???
ダスタン「姉さんが作るパスタって、焼きそばじゃないですか?」

ミリル「アタシは細かい男は大嫌いさ!とくに料理にガタガタ言う男はね!」

  ブスッ
(#ミリ)σ))ダ;)<ギャー

ミリル「あ。あとアタシャあんたの姉貴になったおぼえないよっ!!」
 バキッ
(#ミリ)⊃))ダ;)<グヘッ
267通常の名無しさんの3倍:2006/06/17(土) 19:50:12 ID:???
「と、包丁でつつかれた上に殴られたわけでして」
 右頬に大きな絆創膏、左頬に氷嚢をあてがったダスタンは、盗聴用の機材が乗ったデスクに腰を乗せた
格好で事情を説明した。
「そりゃまあそうだわな」
 しかし、パブを開く時間帯になり、組織の活動を始めるためにやってきた男、マイロウは、悲惨な状態の
ダスタンを前にしてそう言ってのけた。
「リーダーは親分さんとか姐御とか、そういう呼びかたされんのは嫌いだし、出来合いのモンはともかく、
料理の腕前もお世辞にも旨いとは言えんからな」
 さらに墓穴を掘ったお前がマヌケなんだよと、さりげなくダスタンにトドメをさしながら、なにごとも
無かったかのごとく機材の調整にとりかかったりする。
「冷たいですね…」
 ダスタンはそんなマイロウの態度に泣きながら非難の声を上げる。
「氷が冷たいのは当然だろが」
 だが当のマイロウから返ってきた答えはダスタンをさらにヘコますのだった。
268通常の名無しさんの3倍:2006/06/17(土) 23:59:27 ID:???
その日もたいした情報が得られず、ダスタンは落胆のため息を漏らした。
「まあそう焦んな。それにお前はお尋ね者だろう?情報が手に入ってもおいそれとは動けんだろ」
 録音したディスクを整理しながら、マイロウが慰めの言葉をかける。
「そりゃそうですがね」
 ダスタンは自嘲気味に笑顔をつくった。
「お前が欲しい情報が入ったら、俺たちや仲間の組織が動いて目的を探ってやるさ。とはいえ、今日もティ
ターンズの野郎どもの自慢話しかなかったな」
「ジオン残党狩りのですか?私は聞き飽きましたよ」
「とはいえ、これも連中の動きを掴むための重要な仕事だ。さて、今日の分のまとめといくか」
「はい」
 そう言って二人が報告書に取りかかろうとしたとき、部屋を軽く3回ノックする音が聞こえた。
「ああ、私が出ますよ」
 左頬の腫れが幾分かは引いたダスタンが鍵を開けて扉を開くと、そこにはメリルとコックのイーザが立っ
ていた。
「お疲れさん。あんたらに夜食を持ってきたよ」
 そう言うメリルとイーザを見ると、それぞれの手に湯気が立つ食事を乗せたトレイを持っている。
「リーダー、ゴチです」
 報告書の手を休めないで、マイロウが答える。
「あ、ありがとうございます」
 ダスタンも素直に感謝の言葉を述べた。
 ミリルとイーザは連れ立って部屋に入り、ダスタンが扉を閉めて再び鍵をかける。
「はいよ、マイロウ。あんたにはシチューとパンだ。腹が持たれんようにな」
 さすがにコックのイーザは、ちゃんと相手のことを考えている。
269通常の名無しさんの3倍:2006/06/18(日) 00:00:35 ID:???
「んでブサイク。あんたにゃ好物のあたしの焼きそばだよ。ほれ、ありがたく食いな」
「昼間の件、まだ根に持ってたんですか…」
 ダスタンは差し出されたパスタを前に、大きなため息をついた。
「それにブサイクはいくらなんでも酷いじゃないですか」
「あんたが二度と姉さんなんて生意気な口聞かないって約束するならやめてやるよ」
 ミリルの口調は、明らかにダスタンをかっらかっているものと知れたが、それが続いてはさすがにダス
タンもやりにくい。
「わかりました。二度と口にはしませんよ。リーダー」
 ダスタンが諦め半分で口にすると、ミリルはようやく納得したのか、ニカッと笑った。
「よしっ。じゃあ許す。じゃあ冷めないうちに食べんだよ。あたしはメイクを落としてくるからね」
「イッス、リーダー」
「分かりました」
 マイロウ、ダスタンが答えると、ミリルは部屋を出て行った。
「あんたもオモチャにされて大変だな」
 イーザがやや同情気味に言ってくる。
「まあ、匿ってもらってる手前もありますから、多少のことはかまいませんよ」
「それならいいがね。で、今日の成果はどうだったね?」
「いつものとおりさ。定例報告くらいにしかならんね」
 マイロウがシチューをすすりながら答える。
「ま、そんなとこだろうな。こっちだってこぼれ話を拾ってんのが関の山だからな」
「それでも無駄にはならんだろう?」
「そりゃ分かってるさ」
 イーザも同意する。
 その間、ダスタンはミリルの焼きそばも問いパスタと格闘していたが、ふと気になって二人に尋ねた。
「なんでリーダーはあんな変装までしてウエイトレスなんてやってるんです?」
 マイロウが先に反応した。
「そりゃ、デラーズ紛争のときにモビルスーツ乗りやってた正規兵だったんだ。リーダーの元仲間もティ
ターンズにいるかもしれんからさ。面が割れちゃ連中も警戒してこぼれ話も拾えなくなったら困るだろ」
「そうでしたか。そうか、リーダーの元仲間もティターンズに居るかもしれないんですか…」
270通常の名無しさんの3倍:2006/06/18(日) 00:02:34 ID:???
「リーダーは、もともとティターンズなんぞに興味なかったらしいが、あっちのほうもリーダーがサイド1
出身だったってんでティターンズに入れる気はなかったって言ってたがな」
「地球出身者ばかりですもんね、あそこは…」
「リーダーによるとだな、『生まれた場所の違いなんぞで差別するなんて偏見の極みだ』って、えらく憤慨
してたようだ。このコロニーにやってきてコロニー解放同盟を立ち上げたのも半分はそれが理由だそうだ」
「そうですか。それともう半分はバスク・オム…。リーダーもいろいろあったんですね」
「当たり前よ。俺たちだってジオンの頃にゃ連中にもえらい目に合わされたりしたけど、スペースノイドの
弾圧を表に出してきているティターンズのことはほっとけない。俺だって住んでる場所が違うだけで偉い
とかそうでないってのは間違ってると思ってる。このままじゃいずれ俺たちスペースノイドは危険分子と
してアースノイドから隔離、管理されちまうことになっちまう。それだけは避けないとな」
「そういうことだ。一年戦争からもう5年経ったんだ。いい加減ジオンのことを引き合いに出して俺たちを
締め付けるのはやめてもらいたいもんだ」
 イーザもマイロウに同調する。
 ダスタンは、そんな彼らに強い羨望の念を抱いた。そしてなにも考えずにティターンズに協力していた
ことを心の中で恥じた。
 そのとき、扉を叩く音が3回聞こえて、今度はイーザが扉を開けると、元の姿に戻ったミリルが機嫌よ
さそうに入ってきた。
「おら、お前ら夜食食ったか?あ、ブサイク、お前ほとんど食べてないじゃないの!そんなにあたしのパ
スタがマズイってのかい?」
「ち、違いますよ。ちょっとみんなで話をしてただけで、ちゃんと頂きますって。それにリーダー。さっき
約束したこともう忘れたんですか?」
「あ?あ、ゴメン。あたしが悪かったよダスタン。だけど早いとこ済ましとくれ。明日も早いんだからさ」
「分かりましたリーダー。ちゃっちゃと片付けますよ」
 そんなこんなでその日の夜は更けていった。
271通常の名無しさんの3倍:2006/06/18(日) 00:33:28 ID:???
272通常の名無しさんの3倍:2006/06/18(日) 22:58:30 ID:???
続きキボン
273通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 07:35:18 ID:???
ホシュ
274通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 00:04:02 ID:???
「はい、はい…。分かりました。こちらはこちらでなんとかします。はい、では」
 最後にため息を一つついて、ダスタンは受話器を置いた。
 やや気が向かないが、黙っているわけにもいかないので、再び受話器を手にすると、内線で店長を呼び出す。
「どしたの?」
 何度か応対したのでダスタンはもう慣れたが、店長のマイダの声はなんともつかみどころのないものだった。 
「いえ、最近ティターンズの臨検が多くて、酒類の納入が軒並み遅れそうだと卸のジッタ問屋から連絡が
ありまして」
「あ、そう。んで、いつ頃になりそうなの」
「や、それが一両日中には無理だと…」
 言いにくかったが、事実は事実。ダスタンは正直に答える。
 すると、しばらくマイダの沈思黙考する気配があり、ややあって返事が返ってくる。
「そりゃ、あれだね。今足りないバーボンとサケとショーチューを、ジブン・ノウのクラウザー商会辺りに渡りつけて、
直接調達するしかないね」
 マイダの言い方は、まるで他人事のようだった。
「ダス…イグルド君。君とダイヨー君とで頼むわ」
「え?私もですか?」
「だって今昼前でこれからレストランのかきいれ時だよ。人手が足りないの」
「で、でも私は面が割れてますから…」
 今自分がティターンに捕縛されるようなことになれば、コロニー解放同盟の組織さえ危うくなるかもしれない。
ダスタンはそれを恐れていた。
 しかし、マイダはあくまでのんきな口調だ
「それなら大丈夫。ミリルに変装の仕込み頼むから。いや、大丈夫だって。彼女のメイクは天下一品だから、
安心しなさいよ」
「で、でもっ」
「あ、こっちのオーダー品はダイヨー君に渡しとくから、よろしくねー」
 と、言うだけ言って電話を切るマイダ。
275通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 00:04:47 ID:???
 それを見たミリルは満足したような目でダスタンを見やる。
「ど、どうかしましたか?」
 今まで見せたことのなかった顔に、ダスタンは少々うろたえてしまった。
「いや、あんたがちゃんと笑ったからさ。だから安心したのさ」
「え?どういうことですか?」
「よく考えてみなよ。あんた、ここに来てから一度も普通に笑ったことなかっただろう。だからさ」
 ミリルはミリルでダスタンのことを心配してくれていたようだった。
「そうですか?…いえ、そうだったかもしれませんね」
「かもじゃないよ。あんたが来たときは死人みたいな顔だったさ」
「死人…。さらりと酷いことを言いますね」
「ハン。ホントのことを言ったまでさ。でも、それだけ軽口が叩けるなら安心だよ。あんま根をつめずに
ゆっくりとやりな。情報源はここだけじゃないんだ。そのうちあんたが追ってる情報もどっかで引っかかっ
てくるさ。そしたらうちも協力して追ってやるよ」
 言いつつミリルは、もう空になったパスタの皿を片付けるために席を立つ。
「あんたのは後で取りに来るから。それと、今日は非番の連中が多い日だからね。しっかり情報を収集し
ておくように」
 のんびり食事を再開するダスタンに一つ釘を刺すと、ミリルは厨房に消えていった。
「まったく。人使いが荒い人だ」
 文句を垂れつつもダスタンは少しずつコロニー解放同盟の連中のことに好意を持つようになり始めていた。
276通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 00:05:10 ID:???
 ダスタンはしばらく呆然としていたが、しばらくしてオフィスに入ってきたミリルの声で我に返る。
「オラ!なにボサッとしてんのさ。さっさと仕度しな」
 灰色の限りなく地味なスーツと半分くすんだ黒の革靴、無地の開襟シャツなどを投げてよこしながら、
ミリルはメイク用具の蓋を開ける。
 その隣ではダスタンに投げてよこした衣装と大差ない格好をしたダイヨーが、仏頂面でオーダーの書面の
確認をしている。
「さあさ、先方には店長から話が通るはずだから、あんたたちはパブが開くまでに準備万端整えといて
もらわなきゃ商売上がったりだかんね、とにかく急ぐよ」
 ミリルはそう急かすと、仕方なく開襟シャツに袖をとおすダスタンの前に鏡を置き、人相を変えるための
メイクに取り掛かる。
「いいんですか?私が外出歩いたりして」
「たまにゃいいだろ。あんただって日がな一日事務所と作戦室にこもってばかりじゃあ気が滅入るだろ?」
「そりゃまあ、そうですが…」
 まだわだかまりのあるダスタンの歯切れの悪い物言いに、ミリルはゲンコツで答える。
「先方にゃトラックで行って、荷を積んで戻るだけ。ティターンズの検問だって形ばかりのもんさ。一々
ビクついてんじゃないよ!」
「痛っ、相変わらず乱暴なんですから」
 ダスタンは抗議の声を上げる。だがミリルはいたって気楽なものだった。
「まあ今日はこのコロニーの街並みを満喫してきな。意外に趣があっていいもんだよ。この30バンチは」
「はあ、まあそうおっしゃるのなら、そうさせてもらいますが。変装のほう、ホントにお願いしますよ」
「誰に生意気な口聞いてんだい。このあたしに任せときな」
 こうしてダスタンとダイヨーは酒を仕入れに商業区にある大手の卸問屋クラウザー商会に向かったのだった。
277通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 00:07:58 ID:???
その日もたいした情報が得られず、ダスタンは落胆のため息を漏らした。
「まあそう焦んな。それにお前はお尋ね者だろう?情報が手に入ってもおいそれとは動けんだろ」
 録音したディスクを整理しながら、マイロウが慰めの言葉をかける。
「そりゃそうですがね」
 ダスタンは自嘲気味に笑顔をつくった。
「お前が欲しい情報が入ったら、俺たちや仲間の組織が動いて目的を探ってやるさ。とはいえ、今日もティ
ターンズの野郎どもの自慢話しかなかったな」
「ジオン残党狩りのですか?私は聞き飽きましたよ」
「とはいえ、これも連中の動きを掴むための重要な仕事だ。さて、今日の分のまとめといくか」
「はい」
 そう言って二人が報告書に取りかかろうとしたとき、部屋を軽く3回ノックする音が聞こえた。
「ああ、私が出ますよ」
 左頬の腫れが幾分かは引いたダスタンが鍵を開けて扉を開くと、そこにはメリルとコックのイーザが立っ
ていた。
「お疲れさん。あんたらに夜食を持ってきたよ」
 そう言うメリルとイーザを見ると、それぞれの手に湯気が立つ食事を乗せたトレイを持っている。
「リーダー、ゴチです」
 報告書の手を休めないで、マイロウが答える。
「あ、ありがとうございます」
 ダスタンも素直に感謝の言葉を述べた。
 ミリルとイーザは連れ立って部屋に入り、ダスタンが扉を閉めて再び鍵をかける。
「はいよ、マイロウ。あんたにはシチューとパンだ。腹が持たれんようにな」
 さすがにコックのイーザは、ちゃんと相手のことを考えている。
278通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 00:09:03 ID:???
ミリルとの衝撃的な出会いから数日経ち、開発された毒ガスの行方を追っているというダスタンの主張が
認められた今、当のダスタンはミリルたちが経営するパブ「ホーム・ペイデー」の雑務の傍ら、店内のテー
ブルに巧妙に仕掛けられた盗聴器からの情報収集に血道をあげていた。
 30バンチ内では歓楽街として有名なホム・ペーデには、当然ティターンズの若い兵士や将校たちが訪れ
ることも珍しくない。
 ミリル率いるコロニー解放同盟は、そんなティターン兵士たちの中から、酒の勢いで漏れ出てくる情報を
収集し、他の半地球連邦組織に情報を提供していたのだ。
「ここならあんたの知りたいことも引っかかってくるかもしれないよ」
 話し込んでみると、激情家ではあったが以外に気さくな面もあったミリルは、あっさりとダスタンの身
柄を引き受けてくれた。
「ただし、めしのただ食いはさせないよ」
 と、経験したこともない経理関係の仕事を任されもしたが、おおむね、ダスタンの待遇は良好なものだった。
「あ、シュマイル商店さん。毎度どうもイグルドです。今度納入するラムの件でお聞きしたいことがございまして」
 イグルドという偽名を使い、先方に電話をかけ、交渉をする。
 ダスタンには忘れかけていた日常がそこにはあった。
「おーい、昼飯だぞ」
 金髪の上に黒いロングストレートのかつらを被り、派手目なメイクで「化けた」ミリルが、両手にパスタの
皿を持って部屋に入ってきた。
 その声にダスタンが時計を仰ぎ見ると、時刻は既に14時をを過ぎていた。
 ホーム・ペイデーでは日中はファミリーレストラン。日没後にパブとして営業している。今の時刻は昼食の
客足が途絶えたところだ。
「ほれ、ちゃっちゃと食って、また仕事だよ」
 素性を隠すために当然のことだが、メイクのせいでまるで別人に見えるミリルは、乱暴にダスタンのデスクに
皿とドリンクを置くと、自分は隣のデスクに陣取り、ダスタンにかまうことなく黙々と食べ始めた。
 ダスタンは仕方なく、日本式の「いただきます」の仕草をしてからパスタに取り掛かった。
 ややあって、ミリルが口を開く。
「あんたいつも食べる前に手を合わせてるけど、なんかの宗教にでも染まってんのかい?」
「いえ、祖母が日本人の家系でして、そのときの習慣が抜けてないだけです」
「ああ、それでか。あたしも地球の軍に居たとき見たことあるよ。日系の奴が基地の喫煙ボックスで片手で
拝むようにしながら火ぃ貸してくれってさ」
「タバコ、やってたんですか?」
「地球に配属されてたときはね。宇宙軍に配置転換になったときにやめちまったよ。周りがうるさいから」
「確かに」
 ダスタンは思わず笑いながら答えた。
279通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 00:10:08 ID:???
30バンチに到着してからのダスタンは、その行動には慎重に慎重を重ねたつもりだった。
 研究所を円満退職したのではない。文字通り、ほうほうの体で逃げ出したのだ。
 ダスタンに対する手配書は、既に各サイドの隅々にまで行き渡ってることだろう。
 しかし、ダスタンはただ恐怖のみに駆られて研究所を逃げ出したわけではない。
 BC兵器を造り上げてしまったことに基づく漠然とした他者への贖罪感とともに、
あの研究室での所長の笑顔を見たときに確信した、途方もない焦燥感に突き動かされたのである。
 脱走後のダスタンの関心事、危機感といってもいいが、それは、
『研究所で開発した毒ガスが、どこで、誰に対して使用されるか』
この一点に尽きた。
 自らの身の危険を晒してまでティターンズの名を冠するこのコロニーに潜入したのも、
それまでの調査と、ここに来れば答えが見つかるという、自身の直感を信じてのことだった。

 とある寂れた風な裏通り。
 ダスタンは硬い樫の木でできた裏木戸の前に立っていた。
 コンコンコンと、リズムをつけて三度ノックする。すると、木戸の覗き窓が小さく開き、
鋭い目つきの男が顔を覗かせた。
「ティンパの紹介で来た」
 ダスタンが告げると、男は黙したまま裏木戸のノブを回した。
280通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 00:11:12 ID:???
ロストフ「そうです大佐。ガリシアの言うとおり、大衆は馬鹿だから誰かが
何か新しいことを始めたり、突出した主張をすれば微温(ぬるま)湯に冷水を
入れられたように騒ぎ始めるのです。子供のように。所詮、大佐のお考えに
愚民大衆の知的レベルでは追いつけないのですよ。みんな自分に都合のいいこと
ばかり考えて微温湯の中で自分が傷つかない範囲で暮らそうとする。その先を見て、
自分から何か新しいことをやろうとは思いつかない。そういう知恵も力も無いから」

バスク「ンン。じがじ、過信ば良ぐないぞ。貴様らばディダーンズどいう選ばれだ
精鋭の中でまだまだごれがら激じい生存競争を勝ぢ抜いでいがなげればならん。
思想に感(がま)げで肝心の技能や実践力を磨ぐのを怠っでば本末転倒だ」
ガリシア「つまり、自分で何か考えて実行しようというのも、結局は愚民大衆の
支持を得られなければ自分の都合の良いエゴに堕してしまうということですね?」

ロストフ「しかし、大丈夫です。我々はこのティターンズの旗の下、誇りと
気概を持って地球圏を死守する覚悟です。言うは易し、行うは難しですが
本日これまで生き抜いてきた思いを忘れるつもりはありません。何せ、いつまでも
親の七光りで一階級上、なんて言われたくありませんからね」
バスク「ぞうだ。閣下と私がディダーンズを連邦軍内で認知ざぜるまでにどれだげ
苦労じだが・・・・まぁいい、ガダルーニャが家で待っでいる。部下に送らぜよう」
281通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 00:13:58 ID:???
「んでブサイク。あんたにゃ好物のあたしの焼きそばだよ。ほれ、ありがたく食いな」
「昼間の件、まだ根に持ってたんですか…」
 ダスタンは差し出されたパスタを前に、大きなため息をついた。
「それにブサイクはいくらなんでも酷いじゃないですか」
「あんたが二度と姉さんなんて生意気な口聞かないって約束するならやめてやるよ」
 ミリルの口調は、明らかにダスタンをかっらかっているものと知れたが、それが続いてはさすがにダス
タンもやりにくい。
「わかりました。二度と口にはしませんよ。リーダー」
 ダスタンが諦め半分で口にすると、ミリルはようやく納得したのか、ニカッと笑った。
「よしっ。じゃあ許す。じゃあ冷めないうちに食べんだよ。あたしはメイクを落としてくるからね」
「イッス、リーダー」
「分かりました」
 マイロウ、ダスタンが答えると、ミリルは部屋を出て行った。
「あんたもオモチャにされて大変だな」
 イーザがやや同情気味に言ってくる。
「まあ、匿ってもらってる手前もありますから、多少のことはかまいませんよ」
「それならいいがね。で、今日の成果はどうだったね?」
「いつものとおりさ。定例報告くらいにしかならんね」
 マイロウがシチューをすすりながら答える。
「ま、そんなとこだろうな。こっちだってこぼれ話を拾ってんのが関の山だからな」
「それでも無駄にはならんだろう?」
「そりゃ分かってるさ」
 イーザも同意する。
 その間、ダスタンはミリルの焼きそばも問いパスタと格闘していたが、ふと気になって二人に尋ねた。
「なんでリーダーはあんな変装までしてウエイトレスなんてやってるんです?」
 マイロウが先に反応した。
「そりゃ、デラーズ紛争のときにモビルスーツ乗りやってた正規兵だったんだ。リーダーの元仲間もティ
ターンズにいるかもしれんからさ。面が割れちゃ連中も警戒してこぼれ話も拾えなくなったら困るだろ」
「そうでしたか。そうか、リーダーの元仲間もティターンズに居るかもしれないんですか…」
282通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 00:15:33 ID:p5n8/apS
まだ糞小説やってんの?
まー頑張れ
283通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 00:20:09 ID:???
☆★☆ゴミスレ☆★☆

機動戦姫ガンダムP(プリンセス) part2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1142071587/

☆★☆機動戦姫ガンダムPrincess第三章☆★☆
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1146867833/

機動戦士Zガンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・ →とくにこのスレ 作者がVIP馬鹿にしてる
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1144074591/

荒らしてくださいお願いします
284通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 00:22:37 ID:DJJHCsjM
>>283
    .,,,、                                      _
 .,-'ニil゙,~ヽ,,,,、    〔ヽ,,,,,_.v-,,、   ,,,_,,,,―〜.              / ノ_
 .|. ゙ヽ‐`,,-ー,`'i、 ,,,,ノ .,,- l!ソ、`i   'ー,,,,,--7             ,,,/ ,,,y∠-,,、
┌″ .il二,/ |  ゙'┐ .l゙  ゙l 'ミ"'゙   .,/ソ'″       ,,-‐''〜 、  ゙ーi、 .,l゙゙,!、,,,,,,,丿
: ''''''i、 'ミー--‐′  l /,,--┘ ゙l   l゙.l゙        く,,_,,/゛゙,! ゙l   / ,l゙//
   ヽ ゙i     / l.くニ-  `'i、  ゙l,`―ーー'''"''',     ,,,,,/ ,ノ   l゙ .,i´l,゙'―¬'i、
    ゙-ノ     `ー'゜ `ー-‐゙'''゙   ゙''―――''"     `'''ー''"    ヽ┘ `''―-ー'゙
285通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 00:30:32 ID:???
☆★☆ゴミスレ☆★☆

機動戦姫ガンダムP(プリンセス) part2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1142071587/

☆★☆機動戦姫ガンダムPrincess第三章☆★☆
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1146867833/

機動戦士Zガンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・ →とくにこのスレ 作者がVIP馬鹿にしてる
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1144074591/

はよ荒らせ こいつら高学歴を鼻にかけてる言動が目立つ
286通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 01:14:15 ID:???
 歓楽街ホム・ペーデと商業区ジブン・ノウを隔てる河は、どこのコロニーでも見慣れたものだったが、
商業区に入った途端、街の雰囲気がホム・ペーデとはがらりと変わった。
 それなりの高さがあるオフィス・ビル然とした建築物、雑多な歓楽街では見られない整然と区画された
スペース。
 ダスタンの研究所があったコロニーと同じで見慣れた風景がそこにはあった。
 しかし、物資搬入口がある宇宙港が近いせいか、昼間のホム・ペーデに比べて、武装したティターン兵士の
姿もちらほら目立つ。
 ダスタンはなるべく平静を保つようにして、周りの風景を眺めていた。
 ダイヨーが運転するトラックは、しばらくそんな街並みの中をゆったりと走ってから、かなり大きな建物の
前で停車した。
 ダスタンはトラックを降りると、改めて建物を見やる。
 看板にはクラウザー商会と書かれていた。
 ダスタンは感慨深くその目を横手に移す。そこには、正面玄関とは別の小さな従業員用の入り口があった。
 ダスタンがこの30バンチに来て、初めてくぐった扉だった。
 正面玄関ではダイヨーが商売のやり取りをしている。ミリルが言ったとおり既に話はついているようで、
後はトラックを裏口に回して荷を積み込むだけだった。
「イグルド、裏に回れ」
 相変わらず無愛想なダイヨーがダスタンに声をかける。
「了解」
 短く答えてダスタンは裏口に回った。
 クラウザー商会の裏口は大きな倉庫になっていて、多種多様の物品がコンテナに収納されて並べられていた。
 その中から、クラウザー商会側の従業員がフォークリフトで手際よく荷をトラックに乗せていく。
「よう、あんた」
 その中で、ダスタンに声をかけてくる者がいた。
287通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 01:15:01 ID:???
「あ」
 ダスタンはあまりにも普通に声をかけてくる相手に一瞬びっくりしたが、その声の主が知っている顔だと
分かると、ほっと胸をなでおろした。
「あなたでしたか。びっくりしましたよ」
 その男ははつらつとした笑顔で豪快に笑った。
「あははは、変えてるとこすまんな。あっちから連絡あったもんでよ。『イグルド』が来るってな」
「ああ、それで」
「しっかしうまく化けたもんだ。この格好ならうちの荷運びの従業員でも通用するぜ」
「そうですか?」
ダスタンは自分の扮装の前後ろを眺めながら改めて苦笑した。
「ま、あっちのリーダーの腕に乾杯ってとこか。…で、あれからどうだい?なんか進展あったか?親父の
ティンパも気にかけてたが」
「いえ、まだなにも。でも、ここのところ毎日充実してるような気がします」
「だな。なんか憑き物が落ちたように見えるぜ」
 男は満足そうに笑った。
「…そうですね。あの頃はただただ思いつめてましたから」
「それもあって親父はあんたをミリルんとこに回したんだろうよ。まあ元気な顔が見れてよかったぜ。んじゃ
俺は一仕事終わらせてくるわ」
「はい。お疲れ様です」
 にこやかに手を振って、ダスタンは男に別れを告げた。
「元気な顔ですか。まあ、悪くはないもんですね」
 男の言葉を反芻しながら大きく伸びをすると、ダイヨーの呼ぶ声が聞こえた。
「はい、今行きます」
 ダスタンがコロニー解放同盟に癒しを感じたのはこれが初めてだった。
288通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 01:20:15 ID:???
「リーダーは、もともとティターンズなんぞに興味なかったらしいが、あっちのほうもリーダーがサイド1
出身だったってんでティターンズに入れる気はなかったって言ってたがな」
「地球出身者ばかりですもんね、あそこは…」
「リーダーによるとだな、『生まれた場所の違いなんぞで差別するなんて偏見の極みだ』って、えらく憤慨
してたようだ。このコロニーにやってきてコロニー解放同盟を立ち上げたのも半分はそれが理由だそうだ」
「そうですか。それともう半分はバスク・オム…。リーダーもいろいろあったんですね」
「当たり前よ。俺たちだってジオンの頃にゃ連中にもえらい目に合わされたりしたけど、スペースノイドの
弾圧を表に出してきているティターンズのことはほっとけない。俺だって住んでる場所が違うだけで偉い
とかそうでないってのは間違ってると思ってる。このままじゃいずれ俺たちスペースノイドは危険分子と
してアースノイドから隔離、管理されちまうことになっちまう。それだけは避けないとな」
「そういうことだ。一年戦争からもう5年経ったんだ。いい加減ジオンのことを引き合いに出して俺たちを
締め付けるのはやめてもらいたいもんだ」
 イーザもマイロウに同調する。
 ダスタンは、そんな彼らに強い羨望の念を抱いた。そしてなにも考えずにティターンズに協力していた
ことを心の中で恥じた。
 そのとき、扉を叩く音が3回聞こえて、今度はイーザが扉を開けると、元の姿に戻ったミリルが機嫌よ
さそうに入ってきた。
「おら、お前ら夜食食ったか?あ、ブサイク、お前ほとんど食べてないじゃないの!そんなにあたしのパ
スタがマズイってのかい?」
「ち、違いますよ。ちょっとみんなで話をしてただけで、ちゃんと頂きますって。それにリーダー。さっき
約束したこともう忘れたんですか?」
「あ?あ、ゴメン。あたしが悪かったよダスタン。だけど早いとこ済ましとくれ。明日も早いんだからさ」
「分かりましたリーダー。ちゃっちゃと片付けますよ」
 そんなこんなでその日の夜は更けていった。
289通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 01:22:01 ID:???
 ミリルとの衝撃的な出会いから数日経ち、開発された毒ガスの行方を追っているというダスタンの主張が
認められた今、当のダスタンはミリルたちが経営するパブ「ホーム・ペイデー」の雑務の傍ら、店内のテー
ブルに巧妙に仕掛けられた盗聴器からの情報収集に血道をあげていた。
 30バンチ内では歓楽街として有名なホム・ペーデには、当然ティターンズの若い兵士や将校たちが訪れ
ることも珍しくない。
 ミリル率いるコロニー解放同盟は、そんなティターン兵士たちの中から、酒の勢いで漏れ出てくる情報を
収集し、他の半地球連邦組織に情報を提供していたのだ。
「ここならあんたの知りたいことも引っかかってくるかもしれないよ」
 話し込んでみると、激情家ではあったが以外に気さくな面もあったミリルは、あっさりとダスタンの身
柄を引き受けてくれた。
「ただし、めしのただ食いはさせないよ」
 と、経験したこともない経理関係の仕事を任されもしたが、おおむね、ダスタンの待遇は良好なものだった。
「あ、シュマイル商店さん。毎度どうもイグルドです。今度納入するラムの件でお聞きしたいことがございまして」
 イグルドという偽名を使い、先方に電話をかけ、交渉をする。
 ダスタンには忘れかけていた日常がそこにはあった。
「おーい、昼飯だぞ」
 金髪の上に黒いロングストレートのかつらを被り、派手目なメイクで「化けた」ミリルが、両手にパスタの
皿を持って部屋に入ってきた。
 その声にダスタンが時計を仰ぎ見ると、時刻は既に14時をを過ぎていた。
 ホーム・ペイデーでは日中はファミリーレストラン。日没後にパブとして営業している。今の時刻は昼食の
客足が途絶えたところだ。
「ほれ、ちゃっちゃと食って、また仕事だよ」
 素性を隠すために当然のことだが、メイクのせいでまるで別人に見えるミリルは、乱暴にダスタンのデスクに
皿とドリンクを置くと、自分は隣のデスクに陣取り、ダスタンにかまうことなく黙々と食べ始めた。
 ダスタンは仕方なく、日本式の「いただきます」の仕草をしてからパスタに取り掛かった。
 ややあって、ミリルが口を開く。
「あんたいつも食べる前に手を合わせてるけど、なんかの宗教にでも染まってんのかい?」
「いえ、祖母が日本人の家系でして、そのときの習慣が抜けてないだけです」
「ああ、それでか。あたしも地球の軍に居たとき見たことあるよ。日系の奴が基地の喫煙ボックスで片手で
拝むようにしながら火ぃ貸してくれってさ」
「タバコ、やってたんですか?」
「地球に配属されてたときはね。宇宙軍に配置転換になったときにやめちまったよ。周りがうるさいから」
「確かに」
 ダスタンは思わず笑いながら答えた。
290通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 01:24:09 ID:???
ガリシア「この人、知っている・・・・・・・戦ったことがある!」
ラクセーン「な、何を言っている!?」
ガリシアは徐にベッドの脇から飛び上がると、前を塞ぐ数人の医師を跳び箱の
ように使って跨ぎ、追いかける複数の手も届かず、脱兎の如く運転席へ乱入した。
ティターン1への関所ともいえるゲートを突っ切ろうと、この戦闘から抜け出そうと
する運転手のハンドルを強引に握る。

※「うっ、くわ!?」
ガリシア「ダメか・・・・・・・・・・・せいっ!」
運転手も容易にガリシアの妨害を受けようとせず足を出して抵抗してきたし、
後ろからは自分を取り押さえようとする医師達が迫っていたので、ガリシアは
止む無く運転手に強烈なエルボーを食らわせた。
気絶した彼をシートからどけて、後ろの屈強な男達に放り投げると、そのタイムラグを
利用して前方に倒れ付すジム・クゥエルに向けてハンドルを回す。

ガリシア「・・・・・・・・・・・お幸せに!」
ガリシアは不敵な笑みを浮かべてドミノのように崩れ倒れている後ろの男達を
チラと見遣った後、急ブレーキをかけて念のため、起き上がろうとするラクセーンと
ホーチシを再度転倒させた。
そしてドアを開け荒涼としたティターン1の土に降り立つと、壊れたからくり人形のように
ウィー・ガチャ、ウィー・ガチャ、と音を立てながら起き上がろうと試みる
ジム・クゥエルのコクピットハッチと地面の間の僅かな空間に滑り込んだ。
291通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 05:37:45 ID:MfaLxPHq
お〜おっおっおっお(^ω^)
292通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 06:56:25 ID:???
 いつもの作戦室。
 これから本日の報告会が始まろうとしていた。
「はい、今日の収支!」
 いつものソファに陣取ったミリルが手を叩いて言う。
「えー、本日はファミレスでの収支が○○、パブでの収支が××で、前日比微増です」
 すっかり会計係と架したダスタンが報告する。
 ミリルは少し不満なようだ。
「もう少しどうにかならない?これでもここの維持費バカになんないんだからね」
「とは言いましても、ことを大っぴらにしすぎるのもなんですし」
 それでもミリルは納得しがたい表情だったが、ダスタンでなくともそう言われれば仕方ない。
「んじゃ、盗聴の成果」
 今度は指を鳴らす。すると今度はマイロウが答える。
「こいつはいつものヒゲ野郎の話しですがね、連中、最近コロニー周辺でそれなりの規模の演習を頻繁に
やってるらしいです。まあやっこさんのことだから、いつもの『ちぎっては投げ、ちぎっては投げ』まじり
なんですが、他の連中のこぼれ話を総合してもこいつあ間違いないようです」
「演習?」
 怪訝な表情で聞き返すミリル。マイロウは、ええ、と頷いてから続ける。
「こいつはどうも、いつものジオンの残党狩りのモンとは色が違うような感じがしますね」
「根拠は?」
「今んところは俺のカンでしかありません」
「そう…」
 聞いたミリルは少しの間目を閉じてから指示を出す。
「んじゃマイロウはジョクリーんとこに今の情報をあげといて頂戴。できたら裏をとって欲しいってね」
「了解ス」
「で、他には?」
 すると今度は店長のマイダが答える。
「裏町のエングレット婆さんが明日か明後日あたりリーダーに会いたいって」
「へえ、珍しい。あの偏屈ばあさんがわざわざ連絡よこすなんてさ」
「最近蒸し暑いからねえ」
 あくまでとぼけた感じのマイダ。にしてもいつものことなので、誰も取り合わない。
293通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 06:57:11 ID:???
「それから?」
 ミリルが見回すと、外回り役のソラーが手を上げる。
「宇宙口の規制が外から来る分に関してだけっすけど、今日から大幅に厳しくなったみたいっす」
「外から?」
「へえ。なんか反連邦分子の摘発強化のためだとかで」
「ホントかい?」
 ミリルの目が光る。
「え、ええ。仕入先の問屋から聞いたんで間違いありやせん。連中これじゃ商売あがったりだっつって
ましたよ。なんせコンテナ一個一個全部検閲対象になったらしいっすから」
 あわてて答えるソラーを前に、ミリルは再び目を閉じる。
 その間、じっとリーダーの判断を待つダスタンたち。
 ややあってミリルの目が開く。
「マイダ、ばあさんには明日朝一でアポ取って。ソラーとダイヨーは午前中にクラウザー商会に確認を」
 ミリルの指示に、それぞれ返事を返すメンバーたち。
 しかしダスタンには指示はない。
「あ、あの、私は?」
 恐る恐る聞いてみるダスタンに、ミリルはニッと笑って答える。
「あんたはお留守番。ちょっと雲行きが怪しくなってきてるようだからね、見通しがつくまでは連絡係として
残っといて頂戴」
「は、はい。分かりました」
 ダスタンにはそう答えるしかなかった。
294通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 08:35:17 ID:???
こいつの行動様式はかのヒヨコ戦艦に通じるのものがあるなww
295通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 10:48:12 ID:???
一応 アイキャッチを知り合いに描いてもらいました。

ttp://vista.o0o0.jp/img/vi4767000833.jpg
296通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 21:16:05 ID:???
 とある寂れた路地の一角。くすんだ看板に『針灸・ツボ押』といった字が並んでいるその店の前に
ミリルはいた。
 ふっと息をついて、開き戸を開ける。
「ばあさん、いるかい?」
 ミリルが声をかけると、程なくして腰の曲がった小さな老婆が出てきた。
「お前さんかい。ずいぶんと遅かったねえ」
 顔に年輪ともいえる皺を刻んだ老婆は、それでもしっかりした口調で言ってきた。
「年寄りと一緒にすんな。これでも早起きしたほうだよ」
「なんとまあいたわりのない子だねえ。あたしらの若い頃はそりゃもう目上のもんを…」
「だあ、与太話は後にしてよ。こっちだって忙しいんだ。世間話だけだったらもう帰るよ」
「せわしのない娘っ子は早く嫁にいけないよ」
「いく気はないよ。ってか、ホントになにもないの?」
 さすがにミリルがあきれた声を上げる。しかし老婆は落ち着いたものだ。
「せっかく久しぶりに会ったんだ。か弱い老人の相手くらいしても罰は当たるまい?」
「誰がか弱い老人だよ。殺したって死にそうにないくせに」
「おうおう、人の上に立った途端に横柄な口を利くようになったじゃないさね」
「どっかの誰かに鍛えられたからね!」
 と、ミリルと老婆はしばらくにらみ合っていたが、どちらともなく視線を外すとミリルが一人ごちる。
「店の準備もあるんだ。用があるなら早くしてよ」
「まあそう急くない。慌てるなんとやらはもらいが少ないというじゃないさ」
297通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 21:16:52 ID:???
「相手によりけりだよ」
「フン、いっぱしのリーダーになったようだねえ。用件はほれ、これじゃ」
「ん?手紙」
 老婆の手には一通の手紙が握られていた。
「そう、これさね。これを持って帰って開けて読んでみな。その後のことはあんたに任すよ」
 ミリルはチロリと老婆を見やる。
「なんかヤバそうな代物だね」
 しかし老婆は動じない。ミリルの視線を軽く受け流す。
「さあねえ。あたしんとこはあちこちからいろんな情報が舞い込んでくるんでねえ。まあ、これをどう扱う
かはあんた次第さね」
「ふうん…、ま、いいか」
 ミリルはしばし手紙を眺めていたが、無造作に懐に仕舞い込むと、踵を返して店を出ようとする。
「いやにあっさりしてるねえ、茶くらい飲んでったらどうだい」
 茶飲み話がしたい老婆は先走るミリルにあきれた声を出す。
「与太話はゴメンだよ。でもサンキュ」
 しかしミリルにその気はなく、それだけ言って路地を後にした。
298通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 21:17:38 ID:???
コロニー公社の下請けの補修工事屋バンダー建設。
 そのバンダー建設が請け負っている工事用ハッチに近い待機ボックスにマイロウは来ていた。
「ようジョクリー」
 自身も船外活動用のノーマルスーツに身を包んだマイロウは、目当ての人物を見つけると声をかける。
「おう、マイロウ、元気か」
 人のよさそうなジョクリーは、マイロウの顔を見つけると、人懐っこい笑顔を見せた。
 マイロウは素早く目配せして周囲に人がいないことを確かめると切り出した。
「今日のお前の作業区は51番区画だったな」
「うん。いやんなっちゃうね。最果ての地だよ」
 コロニー補修屋の間では、エアロックから一番遠い作業場のことをこう呼ぶ癖がある。
「そりゃ調度いい。実は頼みたいことがあるんだがな」
 若干声を潜めて話し出したマイロウの言葉に、ジョクリーは敏感に反応する。
「例の娘さんのことか?」
「ああ」
 娘さんとは、ミリルをリーダーとするコロニー解放同盟のマイロウとジョクリーの間での符丁だ。
「それで?」
「この周辺で連中が妙な演習をやってるらしい。その真相が知りてえ。それも具体的に、だ」
「具体的か…。わかった。できる限り張ってみるよ」
「すまんな」
 二人は怪しくない程度に早く話を切り上げると、再びその場を離れていった。
299通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 21:18:26 ID:???
「コロニー外部からの搬入物が逐一検閲対象になったってえのは本当だ」
 先日、ダスタンに声をかけた男がソラーに告げた。
「なんでも、反地球連邦組織がまたぞろ活発に活動し始めたってのが建前で、軍事基地化しようとしてる
このコロニーに潜入する連中を締め出したいらしい」
「本当っすか?」
「ああ、親父も確認してる。連中、本格的に動き始めたかもしれないぜ。コロニー内の捜査も厳しくなるっ
てえ噂だ」
「こりゃ大変だ」
 ソラーはあわてたような声を上げる。
「ああ、下手したら連中に反抗的な態度を取る連中、冗談抜きで全員しょっ引かれちまうことにもならなく
もねえ話だ」
 男は天面のミラーと雲を見上げながらこう続けた。
「もしかしたら嵐になるかも知れねえな」
300通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 21:19:15 ID:???
 こちらは戻って作戦室の中、ダスタンは黙ってその手紙を読んでいた。
 傍らではミリルも黙してじっとダスタンの様子を見ている。
 しばらくの間、何度も手紙を読み直していたダスタンだったが、ふと顔を上げると、ミリルのほうを見
やった。
 ミリルは自分から声をかけずにダスタンからの言葉を待つ。
 しばらくして、ダスタンが口を開いた。
「両親と娘が、捕まりました」
 ミリルは黙ったままだった。
「友人からの手紙ですが、軍規に触れて離反した見せしめだそうです」
「…バスクのやりそうなこった」
 ミリルがつばと一緒に吐き出した言葉がそうだった。
「今戻れば両親と娘は解放してくれるとも書いてあります」
 口元を引きつらせながらダスタンは言った。
 ミリルはそんなダスタンを哀れに思ったが、それはそれとして、彼女に大事なことは一つだった。
「その手紙、ここに向けて発信されたものなのかい?」
 非情だが、ミリルにとっては今のダスタンの境遇よりも重要な点はそこだ。
 だがダスタンは被りを振った。
「いえ、これはあからさまなコピーです。手紙は私の本来の住所に送られています。私は友人にも行き先を
告げませんでしたから、仕方なく本来の住所宛に送ったようです。それをティターンズが見つけて各サイドに
ばら撒いたんでしょう」
「そうかい。ならしばらくは安心かな」
  ふっと天井を仰ぐミリル。
「で、あんたはどうすんだい?」
「…少し、考えさせてください」
 ダスタンがそう言うと、ミリルは黙って作戦室を出て行った。
301通常の名無しさんの3倍:2006/06/23(金) 23:35:20 ID:???
保守
302通常の名無しさんの3倍:2006/06/24(土) 01:14:44 ID:???
「スライサーのとこが連中にやられたっす!」
 ソラーが作戦室に飛び込んできて放った第一声がそれだった。
「なんだって!」
 文字どおり、ミリルが飛び上がった。
「本当かよおい!」
 いつもは冷静沈着なマイロウも思わずその手が止まる。
「ええ、スライサー以下メンバー全員、ティターンズにしょっ引かれちまったようっす」
 走りづめに走ってきたのだろう。ソラーの息は荒かった。
「あそこはただの自治会だよ!ティターンズとなんの関係があるのさ?」
 ミリルが我も知らず逆上する。
 それもそのはず。イーロウ・スライサーが自治会長を務める居住区ヤレ・ヨーコの14地区自治会は、
なんの変哲もないただの町内会なのだ。
「聞いた話じゃ、反地球連邦分子の居住を許していたからってことらしいっす」
「それだけで後ろに手が回るのですか?」
 唖然としてダスタンが問う。
「とうとう本性を現したってことだろうよ」
 ソラーが答える代わりに、ミリルが暗い怒りをこめてそう呟いた。
「じゃあ、ここも危ないんじゃ…」
 ダスタンが言いかけるが、マイダがそれを止める。
「見せしめ、ですね」
 マイダが言ったその言葉に、全員が注目する。マイダはそれを確認してから後を続けた。
「このところ、頻繁に遭遇するジオン残党軍との小競り合いに加えて、ティターンズ施設の急速な発展。
それに伴うスパイの横行とその強化取り締まり。ティターンズ施設の上層部は、これらを一挙に解決に出
たんではないでしょうかねえ。一見関係のない自治会のメンバー全員を捕縛したのは人身御供にするため。
ほどなくスパイの密告制度が公布されると思いますよ」
 マイダの言葉を聴いたメンバー全員が黙り込んだ。全員が今の言葉をそれぞれ反芻していたからだ。
303通常の名無しさんの3倍:2006/06/24(土) 01:15:54 ID:???
「一気にそこまでいくか?」
 最初に答えたのは仏頂面のダイヨーだった。
「俺は14地区のことは知らんが、単なるミスってこたあないか?」
「いえ、それはないでしょうねえ。ソラーの話では反連邦組織の分子を居住させてたってことでしたよね?」
「ええ、ナカドのグループが裏を取ってあるっす」
「なら確定でしょうねえ。ティターンズはこの30番地を本気で牛耳ろうとし始めたことに間違いはないでしょう」
「コロニー行政区のほうの動きは?」
 ミリルが思い出したように尋ねる。
「いえ、今んとこは情報は入ってないっす」
「そう…」
 ミリルは腕を組み、床面に視線を落としてなにかを考え始める。ダスタンを始めとするメンバーは、リー
ダーの判断をじっと待った。
 しばらくして、ミリルが視線を上げる。
「ダイヨーにソラー、明日の早朝にクラウザー商会に走って情報収集。マイダは悪いけど明日一杯はホム・
ペーデの同志たちと連絡を取り合って頂戴。昨日の今日で店を閉めるわけにはいかないから、あたしと
イーザは普通に店をやるわ」
 と、ミリルはそこで区切ってダスタンのほうに視線を向ける。
「ダスタン。あんたの処遇はあんたが決めな。家族を救うため、ティターンズに投降するもよし。このまま
残ってあたしらについてくるもよし。どっちにしたって誰も咎めないよ。ただし、出て行く場合はあたしたちの
ことは一切他言無用。投降先も違うサイドのコロニーからってことにしてもらうけどね」
 ダスタンは黙っていた。最愛の娘と両親のことは当然気にかかる。今すぐにでも救いに行ってやりたい。
 だが、自分たちの身の危険を顧みず、自分の身柄を引き受けてくれてきたコロニー解放同盟のことも見
捨ててはおけない。
 決断のときだった。
「私は…、私はここに残ってお手伝いします。皆さんの迷惑でなければ…」
 自分が軽々しく出て行かないことで家族の身柄は大丈夫だと思うことにして、ダスタンはそう決断した。
304通常の名無しさんの3倍:2006/06/24(土) 03:28:41 ID:???











305通常の名無しさんの3倍:2006/06/24(土) 07:49:22 ID:???
>>304
ではとりあえずマス開けは無しで。

明け方のクラウザー商会は騒然としていた。
入港する積荷や乗客はおろか、出航するすべての艦艇での臨検さえティターンズによって行われていたからだ。
「ったく、冗談じゃねえっての」
クラウザー商会の長男ディルバは、夜が明け始めた早々にやってきたソラーとダイヨーに対して愚痴を吐いた。
「ウチだって真っ当な商売もやってんだぜ。それがティターンズの連中の検査が終わらにゃ積荷の移動すら
できないってんじゃ、新鮮さがウリの生鮮品は大ダメージだぜ」
「親父さんはそれで動いてるんすか?」
社長室にティンパがいないのが気になったソラーが尋ねる。
「ああ、八方手を尽くしてやめてもらえるよう走り回ってるよ」
「ティターンズがスパイ狩りを始めたとみていいんだな?」
相変わらずの仏頂面でダイヨー。
ディルバは首を縦に振る。
「間違いねえな。連中、今度は本気だぜ。このままじゃおさまらねえ気がするな」
うんざりといった表情でディルバは言った。
306通常の名無しさんの3倍:2006/06/24(土) 07:50:34 ID:???
一方こちらは作戦室。こちらでも早朝から近隣の各組織の寄り合いが持たれていた。
ただし、ティターンズの目があることを配慮して、名目上は同業者の今後の対策という触れ込みにしてある。
「では、自由連合のみなさんはこれ以上ティターンズの横暴が続くようなら武力闘争も辞さない、というわけ
ですね?」
マイダが沈痛な面持ちで、見事な体躯の血気盛んそうな青年に尋ねる。
「ああ、ここまできたら黙っちゃおけねえ!」
そのホム・ペーデで最大派閥のスペースノイドの自由連合のリーダは、鼻息も荒く言い放つ。
「しかし、それこそ連中の思う壺じゃないのか?」
しかし、その横手から別の会派のリーダーが口を挟む。
「奴らは俺たちが動き出すのを誘ってるのかもしれん」
その向かいの年配のリーダーも同調する意見を述べる。
「しかし連中は今まで以上にコロニーのみんなを痛めつけている。黙って見過ごすわけにはいかねえだろ?」
「しかし、私は時期早尚過ぎると思いますが」
マイダは自由連合のリーダーを諌めるように言う。
「まだコロニー管理省は具体的な声明を出していませんし、商業区、居住区の反応を待ったほうが得策だと
思いますがねえ」
「そうだな。血気にはやって自滅するのだけは避けたいところだ」
年配のリーダーも同意見のようだ。
そんなまともな意見を披露させられては、若い自由連合のリーダーも渋々ながらも同調するしかない。
「分かったよ。いくら俺でも連携をとらなきゃどうにもできないってことは分かる。あんたらの協力がないまま
独走はしねえ」
「それはよかった。んじゃ、皆さんくれぐれも自重するということで、解散としましょうか」
最後にマイダがにっこり笑うと、会合はここでお開きとなった。
各派のリーダーが全員出て行った後、マイダは作戦室の鍵を閉めると、珍しく疲れたようにふっと息を吐く。
すると、それを待っていたかのように作戦室の扉を叩く音が聞こえ、マイダが鍵を開けるとミリルとダスタンが
入ってきた。
「どうやら、暴発だけは防げたようだね」
帰っていくリーダーたちの顔色を伺っていたのか、ミリルは満足そうに言った。
「勘弁してくださいよ。こういう交渉事は本来リーダーの役目ですよ」
「へへっ、でもあんたのほうが上手いからさ。ま、適材適所ってやつだよ」
「横着リーダー」
「ダスタン、なんか言った?」
「いえ、別に」
「まあいいさ。この時期に派手な動きを連中に見せるのは良くないからね。んじゃ、今度は自治会に渡りをつけて、
そっちの対応も頼むよ」
「仕方ないですね。了解です」
「ダスタンはマイダの補佐、しっかりやっとくれよ」
「分かりました」
「それじゃあたしはそろそろ店を開けるから、後はよろしくー」
ミリルはそう言うと、手のひらをひらひらと振りながら作戦室を後にした。
「まったく、人使いが荒いんですから」
「ハハ、ですね」
愚痴るマイダにダスタンは愛想笑いを浮かべるしかなかった。
307通常の名無しさんの3倍:2006/06/24(土) 08:20:40 ID:???





308通常の名無しさんの3倍:2006/06/24(土) 11:07:38 ID:???
6 :ノーブランドさん :2006/06/22(木) 00:19:38
☆★☆ゴミスレ☆★☆

機動戦姫ガンダムP(プリンセス) part2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1142071587/

☆★☆機動戦姫ガンダムPrincess第三章☆★☆
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1146867833/

機動戦士Zガンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・ →とくにこのスレ 作者がVIP馬鹿にしてる
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1144074591/

荒らしてくださいお願いします




http://life7.2ch.net/test/read.cgi/fashion/1150900412/6
309通常の名無しさんの3倍:2006/06/24(土) 16:26:35 ID:???
俺は読んでるよ
310通常の名無しさんの3倍:2006/06/24(土) 20:05:40 ID:???
こっから先のダスタン話は本筋の進展待ちです。勝手に最後まで進められないし。
311通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 20:44:48 ID:???
>>310
気にせず書いたら?もうあれずっと来てないし
312通常の名無しさんの3倍:2006/06/26(月) 06:57:52 ID:???
>>311
それは先方に失礼でしょう。
313通常の名無しさんの3倍:2006/06/26(月) 18:51:21 ID:???
帰ってこいよ
314作者:2006/06/30(金) 23:13:27 ID:00tdyDYI
>>310さん、御参加ありがうございます。面白かったですよ。
さらに熟読してこちらの考えてる設定とかと整合性の合うように調整していきます。
遠慮はせずに、「2スレで十三話完結」という規模さえ考慮に入れていただければ
結構です。

これを機に少しでも良スレになればいいと思ってるんですが・・・・・・・
SS参加者・設定アイディアは随時募集中です。時代が「UC0085の7月」という事だけ
考慮してくれればホントに何でもOK。
自分は就職活動は終わったんですが、お金が無くて毎日バイトやっていて、
家に帰ったらもう寝るだけという生活。ガンダムなんて全然見てません。
正直0083〜Z時代の設定とかかなり忘れてるかも・・・なので、その時間を生かし
ちょっと勉強してから続き書きますね。
やっぱ、やるからには中途半端なものにはしたくないと思ってるので。
315作者:2006/06/30(金) 23:28:12 ID:00tdyDYI
余談。
先日法律相談所に電話したところ、「(著作権保有団体が)そういうのを
いちいち気にしてたらキリがない」「ただし、商業物(同人誌など)として
売り出すと問題になるかも(?)」・・・・・・・・・
みたいなことを言われました。うろ覚え。

自分としては、ガンダムPrincessも0085も単なる2Chの創作小説で終わらせる
つもりはないと思っています。ていうか、ここまでやっといてそれは
勿体無い。
絵の上手い人など協力者をまとめサイトで募り、同人誌という形で何とか
市場に露出する。そういう形になると思いますけど。
著作権の問題に関しては、それが発生しそうになる前の段階でこちらが
サンライズやバンダイに企画の持込みをするという事で対処します。
もしそこで拒絶されればそれら作品は商業的価値無しと判断されたわけで、
市場で売っても彼らの利益を損ねないわけですからね。

逆に「やったもん勝ち」というか、もしバンダイやサンライズが口出しして
きたらこっちのもんだ、しめたもんだとも思ってます。
ネットでこうしてジクジクやるより最大の宣伝になるわけですからね。
裁判沙汰になったら勝ち負け以前に弁護士雇うカネないけどw
まぁとにかく、俺は「女の子が主人公」にしても「30バンチの真相」にしても、
これまでガンダムシリーズで掘り下げられていない→新たな需要が見込める
ポイントを常に狙っているわけです。
だから、あわよくばもっと上のフィールドに伸し上がろうって野心くらいはあるんですよ。
まぁ、でも気にせず気楽に参加してください。一緒に夢を見ようじゃありませんか。



あ、あと一応言っときますけど「妄想」だからね、単に。
具体的プランとか予算とか何も考えてないw
316通常の名無しさんの3倍:2006/07/01(土) 03:15:15 ID:???
>著作権の問題に関しては、それが発生しそうになる前の段階でこちらが
>サンライズやバンダイに企画の持込みをするという事で対処します。
>もしそこで拒絶されればそれら作品は商業的価値無しと判断されたわけで、
>市場で売っても彼らの利益を損ねないわけですからね。

ジェリド以下のあほうだな

すべての同人は基本おなさけで黙認放置されてるということを自覚しなさい。
それとすでに不特定多数に向け発表されてる状態のものをとりあうわけないないでしょ
317通常の名無しさんの3倍:2006/07/01(土) 20:59:43 ID:???
>>314
こちらこそよろしくお願いします。
318通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 22:23:25 ID:???
と、まぁ>>316さんのような方が釣られてくれるわけですw
わかりましたね、皆さん?
「どんなに嫌いな番組でもチャンネルを合わせた時点で視聴率を上げている」んですよ。

>>317
いえいえ。職人さんは自分でスレ立てたりしない気まぐれな人が多いと思ってるので
あえてご挨拶はしない方がいいかと思ったんですが・・・・・・御丁寧にどうも。
319作者の時間稼ぎ@:2006/07/06(木) 22:46:53 ID:???
今作のカギとなるキーワードでありガンダムシリーズの謎の一つである「ティターンズ」。
宇宙世紀80年代中盤を駆け抜けた彼らについて、今一度復習してみましょう。

ティターンズは、アニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場する架空の組織。地球連邦軍内部の特殊部隊で、
ジオン軍残党の掃討を名目上の目的としている。エゥーゴとは対立関係にある。

設立の経緯
宇宙世紀0083年に勃発したデラーズ・フリートの反乱(デラーズ紛争)は、
地球連邦政府にジオン残党に対する脅威を植えつけた。そこで、ジャミトフ・ハイマンの提唱により、
地球連邦軍の中にジオン残党狩りを目的とした精鋭特殊部隊「ティターンズ」が設立された。
名称の由来はギリシャ神話からで、「大地の子ら」という意味である。地球出身者のみで構成されている事からこの組織名が付けられたようだ。


構成
最高司令官はジャミトフであるが、軍事的な指揮は総司令官のバスク・オムが
執る。ティターンズの構成員のほとんどは地球出身者(アースノイド)であるが、
ごく稀にスペースコロニー出身の者もいた。全員が正規の連邦軍人より1階級上の
待遇を受けられる等の特典を有する。そのためか、エリート意識が強く横柄な人間も目立つ。

ジャミトフを筆頭に、スペースノイドに対して強い差別意識をもっており弾圧を加えるが、
ジオン軍の残党狩りという目的を掲げているため、連邦内ではティターンズの活動を支持する者が
多かった。

ティターンズの組織として行った行為は、残虐なものがあるが、その構成員のほとんどは30バンチ事件などを知らず、
エリート部隊であるとだけ認識していたものがほとんどであることは、挙げておくべきだろう。
320作者の時間稼ぎ@:2006/07/06(木) 23:07:53 ID:???
主要戦略拠点
グリプス
サイド7宙域のグリーン・ノアは、かつてV作戦におけるガンダム等のモビルスーツを
極秘裏に開発していたコロニーで、アムロ・レイやフラウ・ボゥ、ハヤト・コバヤシといった
ホワイトベース隊のメンバーの出身地でもある。
シャア・アズナブル少佐(当時)麾下の偵察部隊とV作戦用の一連の兵器を受領に
来たホワイトベース入港が重なり、交戦状態に陥ったため1バンチコロニーは
中破したが、戦後に修復されてグリーン・ノア1(グリーン・オアシス)の名称で
通常の居住区画として、主に軍関係者や軍属が居住した。
そして復興時にサイド3より密閉型コロニー2機を移動させ、そのコロニーを繋ぎ
合わせるという荒技を用いて2バンチコロニー=グリーン・ノア2を造り上げた。
こちらには主に造兵工廠および軍事拠点が存在する。バスクは、グリーン・ノア2を
グリプスという愛称で呼ぶことを好み、それが普及したと考えられる。
なお戦後の復興事業は一年戦争当時ですら1バンチが建造途中だった事もあってか大きく遅れていた様で、
エゥーゴの潜入作戦が行われた当時でも2バンチまでしか建造されていなかった。
グリプス戦役中盤、ティターンズはグリーン・ノア2を分離し、コロニーレーザー(グリプス2)として改装。
ゼダンの門
ジオン軍の宇宙要塞ア・バオア・クーを改装。
キリマンジャロ
ジャブローに替わる地球上の戦略拠点。山全体を要塞化した。

盛衰
ティターンズは、地球連邦軍内部で勢力を徐々に拡大し、一時はその全権を掌握するまでに至った。
しかし、グリプス戦役の中盤、エゥーゴのクワトロ・バジーナが、ティターンズの横暴を告発する演説を
ダカールで行って以後は、アースノイドの支持をも失っていく。さらに、地球圏に帰還したアクシズを交え、

コロニーレーザーを巡る三つ巴の戦いに発展。組織の主要人物が全員死亡し、ティターンズは崩壊する。
戦後、元ティターンズの兵士は暗部を隠すため或いは擦り付けるために裁判に掛けられ不当な処罰を連邦から受けている
(これはティターンズ発足の契機となったデラーズ紛争において、ジャミトフの思惑に反する行動を取ったアルビオン隊の
指揮官エイパー・シナプスとその部下コウ・ウラキが受けた仕打ちと全く同じであり、歴史の皮肉といえるだろう)。
それどころか戦後は地球連邦の正規軍であった事すら認められていないらしく、第二次ネオ・ジオン抗争期には
シャアやアムロ、ブライトから反地球連邦運動呼ばわりされていた。 また、残存した戦力の一部は、ネオ・ジオンに吸収されていった。


321作者の時間稼ぎB:2006/07/06(木) 23:28:50 ID:???
続いて、ここまで出た中でまともに取り合うに値するレスのみをピックアップし
スレ全体の総意としての設定や作品の立ち位置について再整理してみよう。

>>6
AOZとの関連性は大事だ。正直、アレが30バンチ事件の内幕まで描かなかったことは
ホッとしている。あっちが健やか青春物(?)なら、こっちは閃ハサ色のエグい
サスペンスを目指す。ティターンズという組織の中でも舞台が違えば作品カラーも
異なってくるはずだ。

8 :通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 00:08:03 ID:???
最後の最後に何のインパクトも無いセリフ言うのな


9 :通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 00:11:25 ID:???
タイトルがまんまコロ落ちじゃん
もう少しオリジナリティ出せよ


10 :通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 00:13:03 ID:???
とりあえず、ガリシア・オムとロストフ・ハイマンは改名・設定変更だな。安直過ぎる。
>>3のネーミングセンスも種なみ。

これ、もう三ヶ月前なんだよな・・・・・・・・つい最近の事みたく感じる。

322通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 01:22:24 ID:???
ダスタン話を再読しまたモチベが少し上がった。ちょっと書いてみよう。
323通常の名無しさんの3倍:2006/07/08(土) 06:13:42 ID:???
>>318

すまんジェリドなんて例えじゃ足りなかったわ
ロザミィ以上に異常だなおまえ

チャンネルは点いていれば目に入るものだし
それは統計上のこと
テキスト情報だけのスレなんぞは、見ないで読み飛ばし可能

それとな
クッキーの内容ちゃんと読んでるか?
ここの文章が無断転載されようが、人に使われようが
書き込んだ時点で著作権をお前自身が放棄してるんだよ、とんま。
324作者:2006/07/09(日) 00:19:13 ID:???
>>323
まぁそう熱くなるな。これ以上、俺の術中にはまることもあるまい。
325第四話「木屑録」:2006/07/09(日) 01:51:37 ID:2UmhmKhz
宇宙世紀88年2月2日。エゥーゴはメールシュトローム作戦を成功させ、コロニーレーザー
を手に入れることが出来た。しかし、Zガンダムのパイロット・カミーユ・ビダンは
アクシズの将ハマーン・カーンを殺せるチャンスを逸したと落胆していた。
それを宥(なだ)めるシャア・アズナブルは深く濃いサングラスの奥で、
レディア・クライズの事を考えていた。


彼が30バンチから生還し、アポリー・ロベルトらと共にこのアーガマで自分と共に
戦っていてくれたらと思うと・・・・・・・・・・・
もしや、今でも彼はどこかで生きて・・・・・・・いや、甘い期待などよそう。
彼を安易に戦地へ送り込んでしまったのは自分自身なのだから。
彼はカミーユ・ビダンより一回り成熟した大人の戦士として、ジャブローではなく
グリプスへの攻撃を主張する私を擁護しウォン氏を退けていてくれたかもしれぬ。
もし神などというものがいるとしたら、レディアは私には過ぎた才能だと断じて
奪い取り、代わりにカミーユを授けたのだろう。
なるほど、優秀すぎる部下よりは上司を修正してくるような駄々っ子の方が今の
鬱屈した私には適材だ。結局、私も人のことは言えぬ、アムロと同じ穴の狢(むじな)か。


彼がアクシズにいたのは非常に短い期間であった。マハラジャ提督など期待をかけていた
一部の人間しかその存在を知らなかったのだが、あの日、ルマと彼を誘ってから、
・・・・・・・・・まさか、赤い悪魔と言われるほどに成長するとは思わなかったのだ。
彼の驚異的な力が無ければゼナ様とミネバを乗せたコムサイは我々の陽動を見破った
連邦軍に撃沈されていたかもしれないのだ。
否応無く、アクシズでは彼を若手の期待のホープとして育てざるを得なくなった。
何を隠そう、ハマーンがそれなりにニュータイプの素養を見せ始めるまでは私は
彼の育成を最重要視していたのだ。
それを、「実戦こそ最も効率のいい訓練」と考え、代わりにハマーンの育成を重視する
方向に切り替えた我々の判断が・・・・・・・致命的分岐点だったのだ。
326第四話「木屑録」:2006/07/09(日) 02:11:20 ID:2UmhmKhz
「シャア大佐は赤い彗星、敵味方関係無く畏怖と尊敬を集めるお方です。
そしていずれはこの地球圏の未来を左右できる人材。
だから、私は赤い悪魔を名乗ります。クライズ家を逃げ出した私めのような
鬼子は悪魔で十分でしょう?」
そう、クライズ家はかつてカーン家と権力の座を争った因縁があるのだ。
ハマーンにはレディアが持てなかったもの・・・・・・・・そう、「姉」がいた。
彼女がドズル・ザビの妾であったことが、結果的には自ら嫌悪しつつも
ハマーンを権力の座に近づけた。
そして、公には知られていないことだが、これによってレディアは事実上
アクシズの権力中枢から追われる形となったのだ。
似ているのだ。かつての私、シャア・アズナブル・・・・・・いやキャスバル・レム・ダイクンに。

敵味方関係なく尊敬を集める存在?いや、それは違う。
本当の私はもっと嫉妬深く、薄汚く、執念深いただの鬼子なのだ。
そうだろう、アルテイシア。
私を知る人間は私の中に潜むおぞましい膿を知っている。
憧れとは、純粋だ。無知とは、純粋と同義語だ。
彼はそれを内に秘めたままで散っていって、幸せだったのかもしれない。
それも自分にとって都合のいい考え方だ。
彼が30バンチで奮闘していた頃、私は既にクワトロ・バジーナという人間に
なっていた。それは、アクシズという現実からの逃避だった。
何故、あの30バンチへ自らティターンズと戦いに向かわなかったか。

エゥーゴの組織構築に忙しかったから?そうではないだろう。
アクシズと、エゥーゴの中の旧ジオン系が、両者結託することによって
連邦軍内の一組織から逸脱してしまうのが怖かったから?
それで30バンチのティターンズを倒しても精神に「しこり」が残るから?
結局、自分自身はいつも傷つかないところにいたがるのだ。
それではいけないのだ。
カミーユが全ての痛みを飲み込んで、最後の最後まで突破しようとしている
ように、私自身も刃の森に猪突しなければいけない時が来る。
カミーユ・・・・・!お前はレディアのようになってはならんのだ!
業は全て私が背負う。
327第四話「木屑録」:2006/07/09(日) 02:57:31 ID:2UmhmKhz
UC0085.7.17 AM18:00 スペースコロニーサイド1・30バンチ

一昨日の戦いで見事、ジオン残党をティターンズ基地から退けられたことに
バスク・オム大佐はご満悦であった。彼は中尉以下の士官達全員に休暇を与えたのだ。
ガリシアも今日は、羽を伸ばすべくロストフと共にホム・ペーデに向かう。
ホム・ペーデは歓楽街、もちろんティターン1である。
ティターンズ専用地で民間人の立ち入りが制限されているティターン2とは違い、
ティターンズの人間は嫌われている。
立ち話でも、自分達の素性が割れないように努めなければ。

「久しぶりだな、こういうの・・・・・・・・」
1.5車線くらいの道路の脇に、様々な色と目的のネオンが煌々と光る。
少数民族の出身地を示唆する小粋な居酒屋、怪しげな大人のおもちゃやビデオの
店、女性のサービスを売り物にする店、そしてこの辺りではスーツ姿の男性の
姿もネオン同様に煌びやかだ。といっても仕事帰りの中年男性がキャバクラに
備えておめかしをしているわけではない。
女性専用クラブへの客引きをしている若い男性達である。
「当たり前だけど、コロニーにもあるんだな、こういうの」
ガリシアの言葉にロストフが返す。
「アムステルダムはこれよりもっと凄いのかい?」
「ん、どうかな・・・・・・凄いかな。何せ、あっちは色んな人種が居たからな。
慣れてはいたけれど、ユダヤ人は嫌いだった」

ロストフはほとんど表情を変えようとはしなかった。と、ふと狭い路地で壁に
ある一枚の張り紙に目が止まる。そもそも、もう少し広い通りの方がいい居酒屋が
あるだろうに、どうしてこんな方に来てしまったのか?
小さな居酒屋には、そこでしか聞けないマニアックでマイナーな音楽を流していたり
場末独特の喧騒がある。コンビニやファミレスとは違う、独自の味付けも楽しめる。
が、その反面予算制約から質の低い、衛生環境の悪い食卓や食材に見舞われる事も
しばしば。明日からは通常勤務なのに、食中毒にでもなったら事だ。
大体、そこらの路地の隅でトランプや怪しげな袋の売買をやっている連中の顔色は
明らかに堅気のそれではない。半世紀以上の歴史を持つコロニーサイドともなると、
やはりこういう連中がいるのか・・・と、できれば早く逃げ出したいロストフであった。
328第四話「木屑録」:2006/07/09(日) 03:18:54 ID:2UmhmKhz
ロストフが、何故か目で左を差した。そこまで警戒するか・・・
「そこの店へ入ろう。店の中で絡むわけにも行くまい」
店の看板は「ニシオギクボ」と書かれていた。何の呪文だろう?
予想通り店内は常連客と思しきオヤジ達が酒のにおいと煙草の紫煙を
撒き散らし、カウンター越しに店員と世間話をしていた。
こういう店には看板娘と言って、一人くらい可愛い女の子、それも偏屈な
店長オヤジの娘さんがいるものなのだが、そう都合のいい現実があるわけなく
店長らしき白髪のオヤジと数人のバイトと思われる我々と同年代くらいの
青年がガミガミ言われながら働いており、もう一人はオバサンだった。
なかなか繁盛しており、店員を呼んでも全く声が通らない。
ラジオがティターンズの強制捜査開始を伝えると、中年オヤジ達の表情が変わる。

「だいたいあのバスクとかってハゲ野郎は何様なんだよ」
「目の前に現れたら一撃でブチのめしてやるぜ」
「サイド1を舐めるなってんだ」
「おうよ、俺らは連邦のクソ共に従順な、他のサイドの軟弱なスペースノイドども
とは格が違うんだ」
「俺らは80年、80年以上の歴史があるんだ」
「重力に脳味噌を押さえつけられてるアホ共、かかってこいってんだ!」
「毒ガスなんて撒けるモンなら撒いてみろ。そんなんでサイド1魂は消せやしねぇ」
「この店にティターンズの野郎が来たら速攻でブン殴る。いいな?」

二人は声も出なかった。ただでさえこの私服、そこらのオヤジ共より小ざっぱり
しすぎている。怪しまれないだろうか?
「やれやれ、あたしも確かにティターンズは嫌いだけど、喧嘩は外でやってくんな」
というオバサン、下品な中年どもに嫌気が差している二組くらいのカップル。
それ、今のうちだとオバサンを呼んで料理を注文する。
「えーと、このテンプラってのは何ですか」
「あー・・・・Fried、Fried food」
「あ、揚げ物ね。じゃあポテトと唐揚げ。あと生ビール。ロストフは?」
「俺は揚げ物はちょっとな・・・・・・・・・じゃsashimiを、ハマチお願いします。
ドリンクは、こっちも生ビールで」
「かしこまりました」
329第四話「木屑録」:2006/07/09(日) 03:36:09 ID:2UmhmKhz
ガリシアは、興味深そうにロストフに尋ねた。
「sashimiって何だよ」
「・・・・・・・・・なんだ、お前気がつかなかったのか?ここは日本料理店だ」
「えっ!?何故わかったの」
「何故も何も、店員がみんな日系じゃないか。チャイニーズやコリアンとも
人種的には同じ黄色だが、微妙に違うんだよ。メニュー表を見ればわかるし。
あと、sashimiってのは生の魚肉だよ」
「生?焼いてないってこと?」
ガリシアは不思議そうだ。

「アムステルダムにだって一つくらいは日本料理店が合ったろうに。
・・・・・・・まぁ一説には中国から日本に伝わったという話もあるらしいがな。
ほら、日本は島国だろ?新鮮な魚が取れるのさ。内陸国では輸入する前に質が
落ちるからな・・・・・・確かに日本、東アジア以外では生肉の料理は比較的
珍しいからそういう反応もするか」
ガリシアはさすがに目を落として、ちょっとたしなめられたような気分になった。
「・・・・・・なんでそんな事くわしく知ってんの?」
「別に。モビルスーツと書類を上手くさばけるだけの人間にはなりたくない、
それだけさ」

sashimiを一個もらったガリシアだが、非常に不味かった。
緑色の、マスタードとも似ている奇妙な香辛料をsoy sauceと混ぜて
つけたのだが、舌が曲がるくらいの辛さだ。よくJapはこんな不味いものを
食えるものだ、と苛立っていると今度はロストフは白米の中にネバついた
妙な豆の固まりとsoy sauceを入れてかき混ぜ美味しそうに食べている。 
後で聞いてみると、はぁ、それが世に言うfermented soybeansてやつですか。
今度は一口もらおうなどという気にはなれなかった。
なるほどジャミトフ閣下は日本食がお好きなようで、いい家に生まれたもんだ、よかったね。
330第四話「木屑録」:2006/07/09(日) 03:48:16 ID:2UmhmKhz
と、慣れない日本食に舌鼓を打てないままにしていると、反対側のカウンター席
から発した嬌声でwasabiの苦しみも吹き飛んでしまった。
「てめぇ、もう一度言ってみろいぅやぁ!!!!!!!!!!」
「うるせぇ、アースノイドは地球にはいつくばってな!!!!!!」
「モンシア中尉!?」
間違いない、ベルナルド・モンシア中尉その人だ。
蹴っ飛ばされた焼酎、生ビール、ウォッカ、バーボンの数を見れば真っ赤に
染まった秋の紅葉のような顔色も納得である。しかし、喧嘩はまずい。

「中尉、逃げましょう!」
「あっ、バカ・・・・・・・・・・!!!」
ガリシアは迂闊であった。民間人のフリとして止めるか警察を呼ぶかはたまた
冷たくも逃げ去るか。そうすれば、自分達がティターンズだとバレなかったものを。
すぐに察した客達は、ガラの悪い中年親父たちだけではなく若いカップルまでも
「ティターンズは出てけ!」「この店が汚れる!」とあらゆる食器や靴などを
投げつけてくる。
完全に油を注いでしまったようであった。

「やめいっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ブシャッ!!!!!!!!!
全員の動きが止まった。
それもそのはずであろう。カウンターの1スペースに鋭く畏怖すら感じさせる
刺身包丁が突き立てられたのだから。
頭にタオルを巻いた固太りの白髪オヤジは、左右を見回しながらゆっくり
それを引き抜くと、
「俺ぁ確かに、正直言えばバスクのタコオヤジは嫌いだね。しかし、
カネを払ってる以上ティターンズだろうがジオンだろうがウチの大事な客だ。
言いたいことはそれだけだ」
その一言で、全員が着席し事態は静まった。
331第四話「木屑録」:2006/07/09(日) 03:50:08 ID:2UmhmKhz
今日はここまで。ワールドカップ見なきゃ
332通常の名無しさんの3倍:2006/07/09(日) 06:56:05 ID:???
特定の個人の占有スレってことで削除依頼出しとくわ
いい加減にしろよ
333通常の名無しさんの3倍:2006/07/09(日) 09:49:42 ID:???
>>332
いっそ旧シャアに陣取ってるSSスレ全部頼むわw

「占有」だとか大上段な事並べてないで、内容が自分の好みに合わないと素直に言えば良い。
ここの小説も前から読みづらいとは思ってたが
結局はどれも同じSSスレ、信者が付くかそういう粘着が付くかの違いだけなんだよな。
334通常の名無しさんの3倍:2006/07/09(日) 10:27:51 ID:???
ちなみに『西荻窪』には漏れの行きつけの店がある
335通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 00:43:49 ID:???
>>36:1 :2006/04/05(水) 01:52:30 ID:??? [sage]
>では、そろそろ真剣に応対しましょう。>>27さんの言うとおり私はガンダムPrincess
>を書いてる者と同一人物ですが、あちらは最近過疎っててほとんど1レスも返って
>こないうちに一話分書き終えられることが多いのでそれに慣れてしまったのです。

>>35
>心配すんな。ガンダムPrincessはもう三十話、二ヶ月以上もやってんだぜ?
>二作掛け持ちは辛いがやってみせるさ。

三ヶ月経って、まだ四話か?
肯定的なレスは自作自演、
否定的なレスには罵倒を浴びせる、
そろそろ止めれば?
キモプリ2スレもついでに止めれば?
336作者:2006/07/12(水) 18:52:38 ID:???
337通常の名無しさんの3倍:2006/07/12(水) 19:01:05 ID:UmvGS00L
338作者:2006/07/12(水) 19:03:02 ID:???
339通常の名無しさんの3倍:2006/07/12(水) 20:58:14 ID:???
機動戦士Zガンダム0085 焼そばと寿司と山葵のぶち撒かれた地で・・・
340通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 15:05:04 ID:???
保守
341作者:2006/07/18(火) 23:11:56 ID:Xi5JiJIt
ブレーキをかけてやったはずなのにまだ懲りない荒らし君が湧いてきたので
少し連絡事項を伝えておきます。

・このスレッドに書き込むときは気休めですがIDを必ず出してください。
>>317さんも同様ですが、まぁ馬鹿を気にしない柔軟な神経をお持ちなら
 構いません。しかし、このスレに粘着している彼(自演認定厨)の常套句は、最初の頃から
 お読みになっていれば承知のはずですよね?自分の身は自分で守りましょう。
・ageたくないのなら保守妥当時期まで何も書き込まず落とすこと。
・わざとらしい褒め方は極力やめてください。いずれ荒らしとみなします。
 「面白い」「読んでるよ」じゃなくて、そのちゃんとした理由を。
 >>339のような「さりげない」スタンスでやりましょう。
・金曜日の夜には多分続きが書けるはずです。ここじゃないかも・・・・

以上。

あ、あと>>317さんへ、今後も参加を予定されているのならいずれペンネームを
名乗ってください。readiox同様まとめサイトに名を残したいので。
342作者:2006/07/18(火) 23:23:24 ID:Xi5JiJIt
そういえば、最初の頃は「面白いです」だけじゃなんか皮肉屋の煽りだと
疑って、いちいち理由を聞いていたっけ・・・・・あの頃はガンダムの事しか
考えない生活だったからなぁ。
343通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 00:11:06 ID:???
>>341
了解です。考えときます。
344通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 05:19:21 ID:???
…これは、俺の夢だ。見て直ぐに解る。俺は眠っている。そうだ、夢だ。…いや、過去の記憶だ。

 『よくもお兄ちゃんを…! 覚えてなさい! いつか必ず…殺してやるから! ティターンズの犬! 』
 『俺は犬では無いぞ、お嬢ちゃん? ヤザン・ゲーブル中尉だ。敵の名前ぐらい、キチンと覚えて置け! 』

 0085、サイド1、30バンチ。当時既にティターンズに入っていた俺はガス注入には参加をしなかったが、胸糞の悪い
作戦だった。コロニー内で決起した暴徒に『無力化ガス』を注入する名目で、かなりの部隊が動いていた。俺はと言えば、
その効果確認を命じられ、2人の部下と共にハイザックで潜入していたのだ。潜入する際、味方が運んでいたボンベを
視認した。表示用の塗装を剥がされてはいたが、その形状は俺の頭の中に叩き込まれていた物と同じだった。『G−3』。
 
 『…鎮圧だと? …これでは唯の虐殺だろうが! ダンケル! ラムサス! …解って居るな? 俺達は軍人だ! 』
 『ハイ! ヤザン隊長! 急ぎましょう! 通信を傍受したら、ガスの注入準備は終わったそうです! 』
 『速やかに民間人を逃がす! 了解しましたよ! ゲリラの巻き添えにはしたく有りませんからね! 』 

 あの当時のティターンズ…少なくとも、30バンチが始まる前のティターンズ主流派には、真っ当な理念が有った。
スペースノイドとて連邦市民であり、最小限の犠牲で済ます。それを忘れては居なかった。…この事件で、強硬派が
実権を握ってしまった時から…ティターンズの理念は地に堕ちたに等しかった。…規格外れの俺が言うのも、難だが。

 『ベイトの奴に連絡しろ! 港の一部を空けて置けってな! マスコミに漏れるのを恐れて、目撃者と為った民間人を
 奴等は皆殺しにする筈だ! G−3を撒く奴等に軍人の良識など期待するなと言って置け! 俺は少しでも多くを…』
 『隊長! 何を…』
 『コロニーに穴を空けて、ガスを逃がすんだよラムサス! ダンケル! お前はベイト達と共に港を抑えろ! 行け! 』 

 俺はハイザックの全武装をコロニーの『窓』に向けて発射した。…コロニー公社が緊急警報を流すのを期待しての事だ。
期待通り『窓』は割れ、一切合財を外の『宇宙』に吸い出される『穴』が出来上がる。…これで少しは時間が稼げる筈だ。
 俺の目の前のモニターに、少女が流れて行くのが見える。14歳位の、髪の長い娘だ。俺はマニピュレータで娘を捕まえ、
保護する。…今にして思えば、ただの気まぐれだったのかどうか、解らない。どの道、あの世の贖罪など期待しては居ない。
 俺は軍人だからだ。人を飽きる程、殺して来た。沢山、殺した。1人の罪の無い人間を救ったからと言って…許しなど期待
はしない。俺に出来る事は…少しでも『無駄な』犠牲を少なくする事だけだった。…殺しに慣れている奴の方が、巧くやれる。

 『…頭を打ってはいない様だな…。運の良い娘だ…」

 被っているベレー帽と巻き上がるチェックのロングスカートを必死に押さえていた御蔭だろう。丁度ジュードーの『受身』の
体勢でハイザックのマニピュレータに『ぶつかった』のが功を奏した。俺は止せばいいのにハッチを開き、怯える少女を抱え
コックピットに連れ込み、リニアシートに座りハッチを閉じる。…俺が、救ってしまったのだ。毒喰わば皿までの心境だ。

 『なんて事すんのよ! ティターンズ! コロニーに穴を開けるなんて…! 』
 『お前の名前は! お前の家族が危ない! 今、このコロニーにガスが注入されているんだ! 黙って補助シートに座れ! 』
 『!! …ルー・ルカ…』

 気の強そうな目付きで俺に突っかかって来た娘は、俺の剣幕に押され、黙った。…当然だ。俺は子供だろうが餓鬼だろうが
女だろうが、スペースノイドだろうがアースノイドだろうが容赦はしない。そいつらは俺と同じ人間で、赤い血が流れているからだ。
 
 『隊長…! アレを…! 』
 『糞…! 間に合わなかったか…! 』

 …それは悪夢だった。元気そうに歩いていた子供達が、喉を掻き毟り、首から血を流して倒れて行く。ベンチで愛を語らって
いただろう若い男女が、嘔吐を繰り返し、白目を剥いてのたうち回る。生物と云う生物の命が、俺の目前で風前の灯火の如く、
揺らめき、そして消えて行く。…全天周囲モニターは残酷だ。その全てを映し出す。補助シートに座った少女は、肩を震わせ、
泣いていた。静かに…すすり泣くでも無く、ただ、涙を流して…。それを俺は、美しいと思った。怒りからの涙と、悟ったが故に。
345通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 05:20:15 ID:???

 『…そん…な…』

 少女が、やっと言葉を発した。遙か眼下に見える、のたうち、痙攣する少年に見覚えが有るのだろう。
口に手を当て、信じられない、と言った蒼白な顔をしている。…元より大理石の如く白い肌をしているのだが。

 『知り合いか? …済まんがもう、手遅れだ…』
 『助けて! お兄ちゃんを…助けて! 』

 俺は懇願する少女に首を左右に振った。Gガス散布下の大気中だ。ノーマルスーツを着用している俺は
ともかく、この少女は酸素マスクすら持っては居ないのだ。少量のガスに、皮膚が触れるだけで死に至る。
Gガスが旧世紀のVXガスよりも更に凶悪な性質を持っている事を教導団時代に俺は、叩き込まれていた。

 『…俺に出来る事は、早く楽にしてやる事しか無いんだよ…』

 俺はハイザックにビームサーベルを握らせた。俺のハイザックは、マシンガン装備だ。ジェネレーターの
出力の関係上、ビームライフルとの併用は当時は不可能だった。…近接武器が強力な方が、俺の性に合う。
 俺はスティックを操り、ゆっくりとビームサーベルを少年に近づける。俺の意図する行為に気付いた少女が
俺の右腕に縋って必死にスティックから引き剥がそうとする。…俺は、無言で少女を振りほどき、全天周囲
モニターを構成する壁面に叩き付けた。そして迷わず、苦しむ少年をビームサーベルで炭化させ、塵にした。
 少女はその一瞬の光景を…細大漏らさず目にしていた。少女の秀麗な顔は、怒りに歪んでも…綺麗だった。

 『よくもお兄ちゃんを…! 覚えてなさい! いつか必ず…殺してやるから! ティターンズの犬! 』
 『俺は犬では無いぞ、お嬢ちゃん? ヤザン・ゲーブル中尉だ。敵の名前ぐらい、キチンと覚えて置け! 』
 
 俺は敢えて、少女に名乗った。これから少女は、天涯孤独の身と為るだろう。支えと為る物が必要となる。
当時の俺が家族を殺された恨みを晴らすために軍に入り、生き残る術を身に付けた様に、この少女にも…
怒りを向ける対象が必要な筈なのだ。…だが、この少女、ルー・ルカはガスを散布したティターンズ兵の顔を
知らない。ティターンズは少女の華奢で優美な細い腕で倒せる程…情け無い軍事組織では無いのだ。

 『俺がティターンズに入ったのはなぁ! ジオンが俺の家族を皆殺しにしたからだ! 借りを返しただけだ! 』
 『…だからって…だからって…! 何で…何でなのヨォッ! 』

 俺を憎む事で、生きる支えが出来るのならば、俺は喜んで憎まれよう。それが俺に出来る、精一杯の事だ。
俺を殺そうとする目的のためならば、どんなに辛い事でも耐えられる。そしてその経験は…お前の血肉と為り、
生き延びる力と為るのだ。少女は泣きながら俺に縋り付き、拳を、膝蹴りを、打撃を…俺の身体に浴びせ続けた。

 『離れろ! この反応は…敵か! 』
 『エゥーゴが…! 来てくれた…! アンタもこれまでね! ヤザン・ゲーブル! 』

 俺は補助シート目掛けて少女を振り払った。ポスン、と少女は呆気無くシートに落ちる。俺は少女に向かって
歯を剥いて、憎憎しげに哂ってやる。…悪役を演じるのも、悪くは無い気分だ。道化を演じるのも、久し振りだった。
346通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 05:21:02 ID:???

 『06の高機動型が3機…? 情報は本当だったのか…おい! 交戦の意志は当方には無い! 住民の… 
  30バンチ市民の生き残りを…民間人を保護した! スペースノイドの大義を標榜する団体に任せたい! 』
 『た、隊長…?! それは利敵行為そのものです! 』
 『ラムサス! お前も港に向かえ! これは命令だ! いいな! 』
 『…了解! ヤザン隊長、ご無事で! 』
 
 俺は掟破りの、接触を試みる。…俺一人ならば何の問題も無いが、民間人を乗せている。むしろこいつ等に
保護して貰った方が、少女にとって幸せだろうと判断したのがその理由だった。少女は信じられない、と云った
顔で俺を見つめていた。…それはそうだろう。とても『俺はティターンズだ』、と見栄を切った男の台詞では無い。
 ビームサーベルを収納し、マシンガンまで置いて見せた俺のハイザックに…高機動型06は発砲を開始した。

 『…う、嘘…! 何で撃つわけ?! 』
 『フン! 信用せんのは当たり前と言う事か! ティターンズは貴様等よりもまともな軍事組織なのだがな! 』
 『二重の意味で困るのだよ! 30バンチは墓標と為らねばならんのだ! ティターンズは飽くまで虐殺者で
 居て貰わねばならん! 我等スペースノイドの大義のためならば、多少の民間人如きの犠牲は止むを得…』

 コイツは本物の『ジオンの亡霊』だ。デラーズ紛争を引き起こしたテロリストどもの正統後継者だ。それならば
生かして置く必要は…これっぽっちも存在しない。俺は置いたマシンガンのストックをハイザックの足で踏んで
起こし、マニピュレーターに装備させ、正面の06に向けて発砲する。命中確認! …この、アマチュアがぁ! 

 『…子供のお前にも解り易く解説してやろう! お前は頭の悪いこいつ等にとっては、かなり邪魔な存在なのさ!
 お前がティターンズの俺に助けられた事実もそうなんだが、エゥーゴが実は事前にGガス攻撃を察知していて、
 それを看過していたと言う事実を知ってしまったからなぁ! しかし馬鹿な奴等だな! 高度な政治と云う物を、
 全く、理解して居ない! 』

 左右同時に掛かってきた06を、俺は右腕に装備させたマシンガンと、左腕に装備して、即座に発動させたビーム
サーベルを交差させ、仕留める。…何処かで見ているだろう、エゥーゴのプロパガンダ部隊は、歯噛みしている事
だろう。何せ、今のは、映像栄えがするMS戦闘だからな! …俺の今の戦闘は『魅せるため』の教導団の技術だ。

 『どういう…こと? 』
 『ン…、お前みたいな綺麗な娘に、涙ながらにマスコミの前で『ティターンズの非道』を語らせれば、即、俺達は
 外道認定をされる。…俺はこの民間人にも累を及ぼした、大量殺戮行為を許せん。だからお前を譲ろうとしたの
 だが…奴等は千載一遇の好機を逃がしたって寸法だ。…自分の高価値が理解できたか? ルー・ルカ? 』
 『…顔に似合わず…アンタって頭良いのね? 』
 『…ティターンズは一応、エリート軍人の集団だ。最も、軍人思考しかやれん連中がこんな事をしてくれたがな?』 

 これからどうするの? と云う顔で少女が俺を見る。…俺の解説は少女の好奇心を刺激したらしい。…先程まで、
哀しみと怒りを抱いていたのが嘘の様だ。…ん? 背後にもう一機か! フン! 偵察型風情が俺に敵うモノ…!?

 『…隊長! ヤザン隊長! お見事でした! でも…俺はそんなに力不足ですか? 』
 『命令違反だな、ラムサス・ハサ? …港はどうなっている? 押さえたか? 』
 『アル・ギザが後20分で入港するそうです! ヤザン隊長には『障害排除』を願いたい、との事です! 』
 『障害排除って…? ティターンズがティターンズを敵にするのッ?! 』
 『大人の世界は複雑なんだよ、お嬢ちゃん! 舌噛むなよ! 』

 無茶な事を言うものだ、あの艦長も…。最も、一度死んだ事に為っているだろうから、怖い者など何も無いに違いない。
さらにこれを引き起こした『脳味噌筋肉野郎』のバスク派には恨み百倍の口だからな! やって見せるさ! 味方殺しをな!
347通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 05:23:46 ID:???

 その後俺達は、港に着いた『アル・ギザ』とともに脱出し、艦長の伝手で少女を『ラビアンローズ』に預ける事にした。
脱出の際、少女を乗せて派手に暴れた俺は、どうやら少女の進路を決定する事に寄与したらしいと風の噂に聞いた。

 『きっとアンタより腕のイイMSパイロットに為って、必ず殺しに来るから! ティターンズのヤザン・ゲーブル! 』
 『期待しないで待ってるぞ? お嬢ちゃん? 最も腕試しの途中で、俺以外の誰かに堕とされるかもしれんがな?』
 『アンタがそれまで生きてるって、保証も無いけどね! …ぁりがとぅ…』
 『はん? 何か言ったか? じゃあな! 頑張れよ、エゥーゴのルー・ルカ! 』

 『ラビアンローズ』で別れてから、不幸なのかツイているだけなのか…それから一度も少女とは遭遇しては居ない。
しかし何故俺は久し振りに、『夢』を見ているのだろうか? 何時も、何も見えなかった筈なのに…。疲れて、いるのか?
348通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 20:33:56 ID:Y9Kd964Z
なにげにヤザンいいなw
349作者:2006/07/28(金) 01:09:52 ID:???
ありゃ、荒れてるかと思ったら静かだな。あいつアク禁食らったのか?

まぁそれは置いといて、重大発表です。
突然ですがこのスレ、やめることになりました。おさらばです。
もちろん、「機動戦士Zガンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・」はまだまだ
終わりません。
言うまでもないことでしょうが、ここではない別の場所に活動拠点を移すという
ことになります。各自、様々なルートで目的地に辿り着いてください。

こんなに荒らされながらも協力してくださったごく僅かな皆さん、突然に勝手な
発表で本当にすいません。が、個人的に今年は非常に多忙でこれ以上掲示板という
媒体で続けていくのは精神的にも時間的にも無理という結論に達しました。
>>343 >>344->>348さん、貴方達は(同一人物かもしれんけど)私のような若輩と
違って2chに留めておくには惜しい実力者だと思います。
いや、そんな遠まわしな表現せずとも、本当に凄いものを作ってやろう!という
気持ちがあれば、どうかこれからもよろしくお願いします。
SS書きとして名を売りたくないとお思いでしょうが、大丈夫です。そこは私のほうで
何とかしますので。何も言わないでおくと、ここで書き続けられてしまいますからね。
それだとあまりにも失礼ですから。
では、次なる戦いの場でまた会いましょう。

最後に、こういうスレになってしまったのは自分の力不足もあるのですが、4月頃から
忙しくなってとても二作掛け持ちなんてできる状況じゃないのに見切り発進して
しまった自分のミスでした。すいませんでした。

350通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 23:45:14 ID:kvI1oLpK
一応乙と言っておくか
351通常の名無しさんの3倍:2006/07/29(土) 00:21:04 ID:???
楽しみにROMってた者ですが、ヒントくれないと困ります。
352通常の名無しさんの3倍
乙もなにも、ただウザかったw
あとはスレあぼーんを待つのみw