機動戦姫ガンダムP(プリンセス) part2

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1通常の名無しさんの3倍
前スレが容量オーバーなので代行して立てた。

あとは前スレ>>1よろしく。
2通常の名無しさんの3倍:2006/03/11(土) 19:12:10 ID:???
2get!
そして1乙
3通常の名無しさんの3倍:2006/03/12(日) 22:02:18 ID:uPQ3Rv0h
ここにいるよっ!
4通常の名無しさんの3倍:2006/03/16(木) 17:01:15 ID:???
V2はどこにあるわけ?整備したならVのラストでおいてあった場所ではないというのは分かるが
5通常の名無しさんの3倍:2006/03/19(日) 13:25:48 ID:???
>>1
スレ立てありがとうございました。普通に知りませんでした。
こっちは今後、dat落ち分の再放送・設定補完庫にしたいと思います。
現在進行中の本スレはこちら↓
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1141995367/
6通常の名無しさんの3倍:2006/03/19(日) 13:26:56 ID:???
とりあえず保守
7通常の名無しさんの3倍:2006/03/19(日) 14:06:43 ID:???
再放送では誤字・脱字等のミスは修正されるんだろうな
8通常の名無しさんの3倍:2006/03/21(火) 11:05:40 ID:???
宇宙世紀167年、地球圏はザンスカール戦争の傷跡から徐々に復興の
兆しを見せ始めていた。しかし、旧ザンスカール植民地のサイド2
「ソフィア」が地球連邦に反旗を翻し宣戦を布告。

連邦軍の最新鋭モビルスーツと戦艦の建造が噂されるサイド7の
「ロマニア皇国」にソフィア軍が侵攻した。

主人公は通学中にソフィアのMS部隊襲撃に遭い、近所に住む
友人と幼馴染の男の子とはぐれてしまう。次々に傷つき倒れていく
顔なじみの近所の人たちの姿を見た主人公は衝動的に連邦軍の
基地に向かい、噂で聞いていた最新鋭MS「Pガンダム」に強引に
乗り込み敵MS部隊を撃退する。






9通常の名無しさんの3倍:2006/03/21(火) 11:06:52 ID:???
主人公 ユウリ・イワノヴィチ・スターリニスカヤ
サイド7「ロマニア皇国」首都に住む15才の女子高生。
ザンスカール戦争で両親を失くし高校の寮で一人暮らし。
引っ込み思案で臆病な性格、成績は中の下、運動神経0。
近所の人たちを救うためにPガンダムに乗り込んだ

シレジア・ファン・ホーヴェン
ユウリの近所の幼馴染でクラスメート。男勝りの性格で運動神経
は抜群。MS講習の成績もいい。他の科目はヒミツ


アレーナ・ヨルダネスク
ロマニアの名家ヨルダネスクの一人娘。その美貌と勉学・スポーツ
全てで才能を発揮する才女ぶりから「ロマニアの薔薇」とも言われる
ほど国民のアイドル的存在となっている。
ユウリらと同じロマニア国立防衛大学付属高校に通う。

ノマノマ・イェイ
ユウリの幼馴染の男の子。サッカー部のエースでイケメンだが祭りの音頭と同じ
名前で女子達の評価は微妙といったところ。
ユウリに好意を抱いている。ジュドーみたいな性格

補足
ここまでの四人は全員15才で同じ学校のクラスメート





10第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 11:15:06 ID:???
良い子のみんな。見て、この青くて大きな星。これは、「ちきゅう」って言うんだよ。みんなが
住んでいる星だね。あ、ごめん!自己紹介が遅れちゃったね。あたしは、
「ユウリ」っていう名前だから、みんなちゃんと覚えてね。
あたしが住んでいるお星様は、みんなの住んでいる地球から、ずーーーーっと
遠いところにあるんだよ。これは、人間が自分で作った、ふつうの星とは違う
星なんだよ。ほら、見て。地球と違って、筒のような形をしているでしょ。

あたしは、この星の中でいちばん大きな街に住んでいるんだよ。地球と違う
星だから、何か変わった暮らしをしているかって?ううん、全然。みんなと
同じ、普通の女の子だよ。




「ユウリ!!!!!!」
「・・・・・・・・・・・・?」
「たいして勉強もしてないくせに、よくもそこまで寝れるもんだ」
「ウ・・・ん・・・・・・・・・あっ!!!!!!」
「ノンちゃんはもう来てるよ。いっつもアンタでブレーキがかかってん
だからちゃんとしてよ」
11第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 11:17:53 ID:???
ノ「おい頼むぜ。オメーはともかく俺らは朝練あんだから」
ユ「ごめん。ゴメン。ほんっっとゴメン」

この子はシレジア。同じ寮のお友達。この男の子は・・・
まぁノンちゃんでいいか。みんなもノンちゃんて呼んであげて」

シ「ま、あたしはもう慣れたけど・・・誰かが起こさんとコイツ
留年必至だし。高校からは義務教育じゃないって、わかってんの
かなぁ?」
ユ「わかってる、わかってる。行こ」
ノ「起こしてもらって、ありがとうの一言もねェのかぁ?」

三人はダッシュでMSバスに乗った。今日もロマニア皇国は平和だ。


12第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 11:20:37 ID:???
少なくとも、二人の朝連の時間に合わせることで通勤ラッシュの
ピーク時間帯を回避できることは小さな救いである。

ノ「よくこんな旧式が動けるな。大丈夫なんか?」
シ「見た目もなんか悪そうな感じだし。ジオンのモビルスーツは
トゲとかイボとか悪そうなのばっかだよね。支持を集めたいならもうちょい
考えなかったんかなぁ?」
ノ「悪そうな感じで敵を威圧したかったんじゃね。たぶん・・・」
シ「その点、連邦とかは見た目いい子ちゃんって感じなんだ」
ノ「ガンダムとか?」

ユ「ガンダム?」
シ「え、あんたガンダムも知らんの?」
ノ「うわ、それ痛いな」
ユ「あ、なんか、でもね聞いたことはある。親が生きてたときに
何回か言ってたよ」
シ「親世代の芸能人みたいな感じだ」
ノ「この分だと赤い彗星とかも知らなそうだな」
ユ「知らない」
シ「このバスの、赤いのに乗ってた人だよ。ってかさぁ、70年か、
そこらぐらい昔の人なんだから興味なくて当たり前だよ」




13第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 11:26:13 ID:???
ノ「ザンスカールん時も出てきたらしいぜ。こう、バーって羽が
生えたやつ。あれヤバいよなー」
シ「やめなって。この子、そういう雑誌も読まないから」
ノ「でもよぉ、あっちの方で作ってんだろ新しいの」
シ「ただの噂っしょ?」
ノ「でも、すげぇよな。俺らのじいちゃんとかの頃の名前がまだ
今まで続いてんだから」
シ「記録映画もまだやってるしね」
ノ「一年戦争な。あれ画質きたねぇよ。俺はビデオで借りた0083とか
第08MS小隊とかのが面白かった」
シ「あれは戦後に史実を元に作った再現映画だからきれいなのは
当たり前じゃん」


二人の話についていけなくて、こういう話題に興味がないのは仕方ないに
しても、「ガンダム」くらい中学の歴史で出てくるといわれ、改めて
気持ちが沈むユウリだった。それ以前に、眠かった。きっと、これだけが
原因ではないのだろう。むしろ象徴なのだ。理由は色々あるにしたって、
とにかく面と向かって人と話したり自分を変えようとしてこなかったから、
興味の無い話題に適当にあわせるような知識も、コミュニケーション能力も
ない。だからシレジアが、「実はユウリはクラスの男子にけっこう人気あんだよ」
と言われても、気を使ってくれてるだけだと考えてしまって、また沈む。
人から必要とされたいと思う反面、それが自分の望む性質でなければ拒否して
しまうのは、人の間で生きていくうえでこの上ない障害であった。
14第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 11:40:10 ID:???
ロマニアから程近い宙域にて、カリスト級・サラミス級と思しき戦艦がもう一つの
アマルテア級戦艦「シュメン」から補給物資を届けるコンベアを収納し、やがて
この宙域を離脱していった。

パンク・ロックかはたまた歌舞伎や能を想起させる派手な髪型・化粧と裏腹の
正しく着込んだ軍服が目立つ一人の女性仕官がテラスからロマニアを睨み付けていた。
が、その表情は いたって冷静だ。銀色の髪の頭頂部から円状に走る数本の紫の
メッシュ、そしてディープ・パープルのアイラインがナチスくずれとも言える
鷹揚な肩章・鳥と矢印の紋章が合わされたような白・緑・赤の胸の紋章が
映える軍服と組み合わされば初対面でも彼女の放つオーラに圧倒されるだろう。

「ま、いい・・・予定の台数は揃わなかったものの私の評価を上げるには
かえって好都合かもしれんしな。・・・フッ・・・もっとも、評価が下がった
からといって私に取って代われる猛者などおらん」
「アイア様?」
「いや、何・・・独り言だ。ロマニアの反応は?」
「今のところ目立つリアクションは、無しです」
「連邦の前線といっても、こんなものか。たった10年でのんびりと
しすぎなのだよ」

しかし、初の本格的作戦行動に他のシュメン乗組員は緊張していた。直前で
配備されたオシフィエンティムの小型量産型、およびシュグナイドから
威嚇射撃が行われた。これはSWWで防御脆弱と認定さる、コロニーの監視衛星を
破壊するためのものだ。この時点で自動火気反応式の対宙放火は事実上その
機能を停止した。そして、上記二機は直接侵攻部隊に加わることはなかった。
15第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 11:52:07 ID:???
アイア・コッカ「驚くだろうが、私はロマニアに攻め入った
ことがある」

MSデッキに集まったパイロット達から驚きの声が上がった。
アイア「いい思い出ではない。その頃はまだ我々はザンスカールの植民地
だったのだからな・・・ロマニアは突っ張るくせして、危なくなると
連邦に甘えるのが上手だ。そんな不埒な国家はこの宇宙から粛清する
必要があるのだ。そうだな?」

パイロット一同「はい!!!!!!!!!!!!!!!」

アイア「ようし・・・いいね。訓練どおりやればいい。経験上、やつらも
マニュアル通りの戦闘しかできん。我々の任務は、例のMSと
他の連邦の機密データをセンサー取得すること。それが終われば
速やかに帰艦せよ・・・が、破壊できる状況であれば破壊してもかまわん。
とにかく、どちらにせよくれぐれも、このアイアが出なければならんような
ことにはしないでくれよ。ロマニアには、JrMS選手権で四連覇したとかの
小娘もいるという話だ。育成力はあなどれん。白い奴の伝説にあやかったとか、
性懲りも無い計画を立てているという噂だけでこんな辺鄙なサイドまで
遣わされたのだからな。無駄死にだけはするな」
16第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 11:56:47 ID:???
10機のハジ隊がコロニーの外壁を破壊し、その際に税関の
非常連絡回線を引き裂いた。これで時間は稼げるはずだ。 その間、
ゾロアットとゲドラフの編隊は引き続いてコロニー周囲を旋回しながら
残る戦略衛星と思しき物体を捉えるべくセンサーを有効にしていた。
この作戦は不安視されているハジの初の実用化テストも兼ねており、信用と
実績のあるゾロアットとゲドラフは任務に手間取った場合の援護としてコロニー
の外壁に取り付きハジ隊が港を爆撃していく様子を見守っていた。



シレジア「・・・でね、その知り合いの子が」
ノマノマ「お前の信用できねー話はいっつも「知り合いの子が」
で始まるからな」
ユウリ「ふーぁ・・・眠い」

その時である。駅の中央口から凄まじい轟音が響いた。誰かが口論
している音ではない。何か大荷物が落ちた音でもない。交通事故?
それにしては乾いた音だった。揺れも感じる。



17第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 12:04:02 ID:???

次の瞬間、三人は自分たちの体に今まで感じたことのない浮遊感を
覚えた。床下からの爆発でそこにいたすべての利用客がバラバラに
空中に投げ出された。中央駅を破壊したことで、市民の足を
一つ絶つことに成功した。

空で、地上でシュメンのハジ隊とロマニアのマジ・デウゼー隊が
激しい戦闘を繰り広げていた。

リテックス「マジの性能ってのはこんなもんなのか!?きっとSWWも搭載してや
しねェぜ!一応データはとっとくけどな!」
ロベチ「ってェ事ァ全力でやっても何のデータも取られんわけだ!
殺っちまおうぜ!」

ただでさえロマニア側のMSは逃げ惑う市民を背にして戦っている。
劣勢は明らかだった。ハジの脚部から鮮やかな軌道を描いてミサイルポッドが
斉射されると、次々にマジが撃墜されていく。なけなしの武装からビームサーベル
を取り出しマジが切りつけても、ハジは素早い動作でビームシールドを展開し
防御、その脇からビームトマホークで切りつける。遠・中・近距離とバランス
よく武装が施されているハジに対しあまりに脆弱なマジ・デウゼー・・・・

18第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 12:05:26 ID:???
それから約一時間が経過した。ユウリが目を覚ました。

ユ「う・・・ん?」
起き上がって辺りを見回した瞬間、ザンスカール戦争の忌まわしい
記憶がフラッシュバックした。遺体にかけられた布は赤く染まり、
ミイラのように包帯でぐるぐる巻きにされた被害者もいる。その程度の
措置すらされていない人々は体中あちこちの裂傷から大量の血を流し
内臓や筋肉、骨が傷口から見えている者もいる。

こんな時のユウリは意外に強い。とにかく気を落ち着けるため、近くの
レスキュー隊員とおぼしき青年に声を振り絞って話しかけた。
ユウリ「あ、あの・・・私と同じ制服の女の子と男の子を見・・ませんでした・・・か」
19第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 12:06:58 ID:???
ユウリの恐怖感は周囲の地獄絵図はもとより、その光景が市民の
憩いの場である中央公園で繰り広げられていることにもあった。
しかし、都心ではここ以外に大量の負傷者や遺体を一時待機させる
広いスペースがないのだ。


ストイカ「防大付属だな。たくさん見たよ。特定はできんな」
ユウリ「でも・・・友達なんです!何とか・・・」
ストイカ「始発に乗っていた人らは最初の救急車で運ばれたよ。ここに
残ってるのは別の地区の被害者だ」
ユウリ「え・・・でも、じゃあ何故あたしは?」
ストイカ「軽傷だから後回しにされたんだろ。そんなこともわからんのか?
救急車にもスペースの限界があるからな」
ユウリ「じゃ・・・じゃあせめて救急車の行き先だけでも教えてください」
ストイカ「もし始発のMSバスに乗ってたのなら医科大付属病院だろう」
ユウリ「ありがとうございます!」

彼は冷静だった。それがユウリを苛立たせた。しかし、彼もこれだけの
惨状を見るのはザンスカール戦争以来だったのだ。気持ちを落ち着かせ
なければこれだけ多くの負傷者をさばけない。
20第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 12:08:56 ID:???
ユウリはシャトルバスのように中央公園に到着しては次々に死傷者を
詰め込んで走り去っていく救急車の一つに乗り込んだ。
まるで通勤ラッシュの乗客を車内に詰め込むかのように、レスキュー
隊員達は死傷者を力ずくで押し込んでいく。一応ユウリは
近くにいたスタッフに行き先を確認した。

ユウリ「あの、これは医科大付属に行きますか?」
ムトゥ「ああ。知り合いでも探してるのか?なら運がよかったな。
医科大行きはこれが最後だ。もうあっちでは全ての死傷者を
収容できんらしい」
ユウリ「あ、ありがとうございます!」

安堵の表情も、救急車の出発後には苦悶に変わった。息が詰まるような
肉と血の匂い、ぎゅうぎゅう詰めのスペース。それでも友達を見つけ
なければ・・・親を亡くした自分にとって最後の絆が消えてしまう。



21第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 12:12:07 ID:???
医科大学病院の前に到着した救急車。ユウリは死傷者の波を掻い潜り
外に出ると、絶望的な光景を目の当たりにした。ハジ部隊の攻撃で
病院は半壊状態になっていたのだ。入り口近くにも多くの患者が放置
されている。もはや、診療など行える状態にないのだ。とにかく多くの
人間を別スペースへ移動させただけの措置。

ユウリ「ひどい・・・こんな・・・っ!!!?」
その瞬間、撃墜された一機のマジ・デウゼーがすぐ横の関連施設に
衝突・爆散した。病院は激しい揺れで幾つもの瓦礫と鉄骨を落とす。
「管制室っ応答ないぞ!どうした!?」「そっちァいい!軍施設に
もっとよこせ!」「ほとんどの回線がブチ切られてんだ!人手は
残ってても動かしようがない!」「ニコライ少尉が?」

シュシィシィシィシィッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

目まぐるしく動く人と声。その只中で一台のタンカにぶつかられた
ユウリは、ふっと後ろに振り向く。連邦軍の駐屯基地だ。
何・・・?頭の中で、蝉の鳴き声にも似た妙な旋律がこだまする。
何かあるのだろうか・・・この方角に・・・・・あの一際大きな倉庫・・・?

22第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 12:13:49 ID:???
今までに使っていなかった、全ての体力を振り絞ってユウリは走った。
とにかく、あの倉庫に何かがある。行かなくちゃいけない、と感じた。
行きすがら、道のど真ん中に転がる多くの死体。駐屯基地に入っていく
多くの軍用車がその死体を物のように轢いていく。
歩道からそれを横目に見て、ユウリは今までに感じたことのない、
抑えようのない怒りがこみ上げてきて表情を硬く歪めた。

ステレア「そうだ!精神病棟にも一機落ちた!とにかく早くしてくれ!
仲間が一人・・・死にそうなんだ!」
普段なら硬く閉ざされている基地のゲートは完全に開いている。
検問官の一人は落ちたライフルの薬莢に当たって頭蓋骨を砕かれており、
もう一人が必死に気遣いながらも大声で助けを求める。

ステレア「・・・・・・!?オイッお前!?」
ユウリはその検問官の横を全力疾走で素通りした。
23第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 12:15:49 ID:???
ユウリ「ハッ、ハァ、ハァ、ハッ・・・・・・」
広大な滑走路を倉庫目指して疾走するユウリ。

「本当なのか!?」「らしい!らしいが・・・あんまデカい声で言うな!」
「そうだな。ただでさえこんな時、兵士の士気を下げる」

「ニコライ少尉!オレがやりますよ!」
ニコライ「イズモ・カトウか・・・しかし・・・」
イズモ「誰かがやらなきゃならないんでしょ。王子のデータが既に
入ってることは知ってます。初期化作業くらい知ってますから」
ニ「・・・仕方あるまい!責任は後で私が取る」
イ「ありがとうございます!」
ラドイ「オイ!いいのか!?」
ニ「やらなければ、ここにいるスタッフ全員が死ぬ」


イ「よし・・・よし・・・いいぞ・・・来た!何だチョロイじゃないか連邦の
プロテクトは!後は・・・オレの個人情報入力だな」
その時、イズモは右から来る小さな影に気づかなかった。
24第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 12:17:39 ID:???
イズモはコクピットの外からコンソール・パネルを操作していた。
つまり、横っ腹に蹴りを食らわされても回避できない体勢だったのだ。
事実、食らわされた。ユウリは全力疾走を助走に変えて荷台に
飛び乗り、機体をよじ登ってイズモを蹴り飛ばすとコクピットに入った。

ユウリ「初期化・・・・・・されている!いける!」
すかさずユウリはアームレイカーの填め込み口に自分の携帯電話を置いた。

    「登録内容はこれでよろしいですか?」


ニコライ「オイ貴様・・・何をやっている!誰だ!?」          


25第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 12:21:34 ID:???
ユウリは「はい」を選択した。さすが連邦の最新鋭MS。
読み込みが早い。・・・・・・・・・あたしは何を考えてるの?


「登録完了です。あなたの名前は
ユウリ・イワノヴィチ・スターリニスカヤ   です」

→1.起動
 2.マニュアル表示
 3.オート
 4.SWW接続
 5.メール

ユウリは迷わず1を選択した。ガンダムの目が光った。
26第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 12:25:34 ID:???
ニ「ヤバい・・・これは・・・イズモ!早く逃げろ!」
周辺にいた作業スタッフが一目散に倉庫から逃げていく。
イ「うっ、うっ、うわああああ!!」

その時、残存する全てのハジ隊が駐屯基地のテストスペースに
降り立った。
リテックス「大丈夫だったな。テストも兼ねて、一石二鳥よ」
ロベチ「ああ・・・・・・んっ!?ありゃあ・・・・・・・・・」
プレヴェン「何だ?・・・ああっ!!!」

彼らの視線の先に、脆弱な倉庫を突き破って大地に仁王立ちする
Pガンダムの姿があった。・・・しかし動かない・まるでマネキンのようだ

「どうする!?攻撃す・・・」
ユウリ「こ・・・こちらユウリ!ユウリ・スターリニスカヤ!
任務どおり、目標のプ・・・Pガンダムの奪取に成功した!」
「ああッ?」
「何だアイツぁ」
「女の声・・・待てよ・・・アイア様の事だ、オレらだけじゃ不安に思って
腹心を忍び込ませてたのかもしれん」
「おい、みんな!待て!攻撃するな!仲間のようだ」
「よし。データ採取は帰艦後にしよう。引き上げようぜ」


ユウリは口元に不敵な笑みを浮かべた。
27第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 12:29:30 ID:???
ロベチ「どうする!?攻撃す・・・」
ユウリ「こ・・・こちらユウリ!ユウリ・スターリニスカヤ!
任務どおり、目標のモビルスーツの奪取に成功した!」
リテックス「ああッ?」
プレヴェン「何だアイツぁ」
リテックス「女の声・・・待てよ・・・アイア様の事だ、オレらだけじゃ不安に思って
腹心を忍び込ませてたのかもしれん」
ロベチ「おい、みんな!待て!攻撃するな!仲間のようだ」
プレヴェン「よし。データ採取は帰艦後にしよう。引き上げようぜ」


ユウリは口元に不敵な笑みを浮かべた。
28第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 12:30:51 ID:???
ロベチ「ご苦労だったな・・・さ、行こうか」
そう言って肩を貸そうとした二機のハジが隙を見せた瞬間、
ユウリは右のハジに強烈な右フックを食らわした!続いて
左のハジにショルダータックル。二機のハジが倒れ伏した。

ニコライ「何だありゃあ、まるで子供の喧嘩、駄々っ子じゃないか」

既に飛び立った三機のハジもさすがに異変に気づいた。
リテックス「オイ、あいつ・・・やっぱり!」
三機のハジは着地すると素早くPガンダムを取り囲んだ。

ユウリ「武器・・・武器は何か・・・無いの!?」
しかしユウリの反応は素早かった。倒れた二機のハジが持っていた
ビームライフル・サーベルをかき集める。


29第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 12:32:10 ID:???
続いてやや近い間隔を保つ右の二機の足元にライフルを放つ。
滑走路の破片と爆風で二機のハジは一瞬、ひるむ。
すかさず左に回ったもう一機が襲い掛かるが、カウンターで
これを撃破する!

ユウリ「いってしまえーーーーーーーーーーーっ!!!」

さらにサーベルで切り掛かってきた次のハジに一機めを担いで
投げつける。ここで出来た数秒の間を利用してビームサーベルを
構えたユウリはぶつかって倒れた二機を利用して迂回し、三機目の死角を
とって見事にこれを切り捨てた。


息せき切るユウリ。基地内は歓声に沸くスタッフと事情を知る数名の
反応が奇妙なほどにコントラストをなしていた。
ニコライ「違う・・・あの娘・・・敵のフォーメーションを読んでいた!
現状で出来うる限りの最大限の策を、一瞬で思いついた」
イズモ「女子高生だ!よくわからんが・・・女子高生なんだ!」



30第一話「ガンダムに乗った少女」:2006/03/21(火) 12:39:56 ID:???
イズモ「女子高生に奪われた!つかまえるんだ!」

そのころ、アレーナ・ヨルダネスクは自分の屋敷に近づく全ての
ハジを撃墜し、軍施設へ向かっていた。噂の連邦の機密もあるし、
あの近くには国家の重要施設が集まっている。と、いうことは
病院もあるのだ。
アレーナ「今からでは・・・遅いか」
真っ赤な塗装と肩のヨルダネスク家紋章が鮮やかに輝く「ステアウア」。
やっとのことで基地へたどり着くと、そこには見たことの無いMSと
倒れた五機のハジ。
ア「何・・・どういうの?あなた!連邦か、皇国軍の方ですか?」
ユウリ「はぁ、はぁ・・・?ア、アレーナ・・・ヨルダネスク様?」
ア「!あなた・・・ユウリさん?まさか・・・」


シュメンから放たれた砲撃が、再び港の損害の口を大きく開けている時、
テラスに立つアイア・コッカはおもむろに呟いた。
アイア「男に都合のいい女を演じるのは、そんなに楽しいか?」
31通常の名無しさんの3倍:2006/03/21(火) 22:33:45 ID:???
>>14
× これはSWWで防御脆弱と認定さる
○ これはSWWで防御脆弱と認定される

× 自動火気反応式の対宙放火
○ 自動火器反応式の対宙砲火

かな?

>>20
死傷者→負傷者じゃね

怪我人優先だろ
死人積んでどーする






本編、間をあけてるから何かと思えば新作カット入り再放送かよ
でも特に意味のない人物に名前つける必要なくね?
32第一話関連設定:2006/03/23(木) 20:14:40 ID:???
ソフィアは開戦前まで密かに兵員や兵器を少しずつ確保、統合を図ってきた。
さらには旧ザンスカールから持ち出された技術を元に
各サイドの諸勢力からもたらされた最新技術を交えた独自のMS開発も行っている。
これらを支えるソフィアの軍資金の出所には、地球連邦や木星船団、そして各サイドの諸勢力に
強力なコネクションを持つダンテ現ファレナ市長が一枚噛んでいると噂される。
ダンテはザンスカール統治下ではマリア主義を揶揄するなど帝国からは不穏分子と目されていたが、
ザンスカール敗戦による混乱を背に着々と力を付けていった人物である。
ここ数年は、諸勢力の敗残兵や亡命技術者などの取り込みに協力し、
今回のロマニア皇国侵攻にも深く関わっていると目されている。
一方、ダンテとも親交の深い現ソフィア軍のゴッズ大佐は元ベスパ将校であり、
その人脈を利用して連邦への投降を拒んでいた旧ザンスカールの人員を部隊ごと密かに匿い、
秘密裏にソフィアの軍事力増強を図ってきた。

開戦前、ソフィアの主力機はザンスカール戦争後に各方面から購入していた中古のRGM-122ジャベリンと
目されていたが、開戦後これらの多くはその他の旧型機と共に本土防衛に回されている。
実質的な主戦力でありロマニア皇国を襲った部隊は
旧ザンスカールの残存兵器とソフィアの独自MSハジを中心に編成されていた。
尚、ロマニア皇国侵攻に用いられたソフィアの兵力は戦闘で確認されただけでも次のとおり。

戦艦アマルテア級
巡洋艦カリスト級
巡洋艦サラミス改級
SOFIA-07 ハジ
SMS-S00 シュグナイド
ZM-S06S ゾロアット
ZM-S24G ゲドラフ
RAMA-Z-100 オシフィエンティム

*ソフィアの開発部門はその成り立ちからも容易に推測されるように整合性が未だ確立されていない。
その為、開発チームは乱立しておりチーム毎に型番の付け方が異なる。
有力なだけでもSOFIA、SMS、ZMの三つが確認されている。
ZMナンバーは旧ベスパの開発チームによるもので
ザンスカールの技術・コンセプトをかなりの部分において受け継いでいる。
また、このチームによって、かつての幻の機体ZMT-S37S ザンスパインが再現されつつある。
断片的に持ちだれたデータを元にしているものの、機体本体は既に実機の製作が開始されるまで進んでいる。
しかし独自武装のティンクルビットに関するデータは大幅に不足しており、これは実装されない可能性が高い。
(かつて試作された機体はザンスカール戦争終結後に連邦に接収されている)
331/2:2006/03/23(木) 22:35:32 ID:???
ザンスカール戦争に端を発する宇宙戦国時代。数多くのコロニーが独立を目指した。

その中にあって、サイド2のソフィアは、ザンスカール敗戦によってその植民地支配から解放される。
すぐに独立を目指すが、ザンスカール残党を危険視する連邦によりザンスカール同様監視下に置かれることとなる。
しかしながら、地球連邦や木星船団、そして各サイドの諸勢力に強力なコネクションをもつダンテ元ソフィア市長
の働きかけや戦後処理に追われた連邦軍の弱体化により暫定的に自治権を獲得する。
もとより経済的発展要素に乏しい上に、連邦による経済制裁等もあったが、
他勢力との強力なコネクションにより水面下でじわじわとその国力を高めることに成功していった。
また秘密裏に、旧ザンスカールから持ち込まれた技術と各サイドの諸勢力からもたらされた最新技術を交えた
独自のMS開発が行なわれ、元べスパ将校ゴッズ大佐の指揮のもと密かに兵力の増強が行なわれていった。

一方、サイド7のロマニア皇国は連邦およびリガ・ミリティアの後押しによって戦後独立を勝ち取る。
連邦によるロマニア独立援助は、戦後の高まった各コロニーの独立運動の対応に追われ
手が回らなくなった連邦が、危険分子と判断されないコロニーについては直接支配(独立阻止)することより
親連邦派のコロニー国家を抱え込むということを選択したためであった。
リガ・ミリティアの支援理由は、いまいち明らかではないが宇宙での活動拠点の確保、
連邦による一方的な支配体制への牽制との見方が有力である。
よって、ロマニアの独立紛争は、サイド7のコロニー郡同士の主権争いであり連邦軍との戦闘は行われていない。
ロマニア皇国軍は、その経緯もあり連邦およびリガ・ミリティアから譲渡された艦・機体を保有している。
しかし、独立紛争時の非人道的行為と独立後の強硬な姿勢により国際的批判が集まり
経済制裁などが行なわれ国力の発展スピードは低いものとなってしまった。
その後、ロマニア皇太子擁する現政権に移行し、デタント(緊張緩和)が進み地球との貿易・文化交流も再開
基幹産業であるヨルダネスク企業グループの躍進により著しい成長を遂げる。
342/2:2006/03/23(木) 22:36:40 ID:???
また、かつては巨大な軍事力で地球圏、月、コロニーを支配してきた地球連邦も戦後処理や
内部での対立、腐敗・汚職で疲弊し、反対に勢力を伸ばした各コロニー勢力に押されつつあった。
軍部のほうもザンスカール戦争の教訓を生かせねまま腐敗が進み、過去の栄光にすがりつく
規模ばかり大きい無能な軍隊に成り下がっていた。
兵器開発の分野においても、保守的な思想や利権争い等により全く技術革新が進んでおらず、
近年採用が決定された次期主力機も前時代的な代物であった。
そのことに対し、連邦内部において連邦軍の弱体化を危惧する一部の軍閥は、
半ば強行的に新技術を採用した兵器開発を計画する。
しかし、各コロニーなどの諸勢力が保有している技術の提供交渉は難航した。
そこに協力を申し出たのはソフィアの動向を警戒していたロマニア皇国であった。
表向きは連邦主導の共同開発という形がとられたが実質的にはロマニア主導で行なわれた。

そして、ソフィアは突如連邦に対し宣戦布告する。表向きは悲願である独立のためとされているが
月の自治連合や軍需産業、他のコロニー国家などとの繋がりも見え隠れしていた。
また、連邦内にも一部それに呼応するような動きがありソフィアに対し効果的な作戦展開ができず
後手後手にまわる展開となってしまう。

開戦から3ヶ月後、ソフィアがロマニアに侵攻した…





前スレではぐらかされた質問を脳内補完した
作者の脳内設定と違う部分は修正してくれ
今は反省している
35通称作者:2006/03/24(金) 23:11:15 ID:???
>>33、34
大体そんな感じだ。はぐらかした部分の秘密とも矛盾してない。
36第一話登場メカ:2006/03/24(金) 23:53:03 ID:???
ZM-S06S ゾロアット

頭頂高 14.5m
重量 8.2t 
ジェネレータ出力 5,280kw
スラスター出力 79,230kg 
装甲 チタン合金ネオセラミック複合材
武装 ビームライフル・胸部バルカン・ビームキャノン・ビームサーベル・5連ビームストリングス・ビームシールド

かつてザンスカール帝国の主力機として活躍した名機。
エンジェルハイロゥ降下時に侵攻艦隊に属していたゾロアットは、
エンジェルハイロゥ崩壊後、その多くが連邦軍に鹵獲された。
一方、ザンスカール本国もまた、連邦・リガミリティア連合軍に占拠されたが、
コロニーに残っていた艦艇やMSはその一部がいずこかへ持ち去られた後だった。
エンジェルハイロゥ降下作戦の顛末を知ったベスパ残党がいち早く流出させたと思われる。

いずれにせよ、コロニー内に残存していた機体もまた連邦軍に接収されることとなった。
この際、リガミリティアは連邦にゾロアット他、全てのザンスカール製MSの破棄を要請したが、
連邦側は聞き入れず、あまつさえ数年後に各地のコロニー国家に売り捌いたりもした。
この結果、ゾロアットに用いられた優秀な技術は地球圏全土に広がり、
亜種として様々な“海賊版”が各地で乱造されることになった。
その形態は様々で、技術の一部を流用したものから、自前の旧型MSと無理矢理融合させたもの、
果ては外見上そのままのコピー品まで登場した。
多くは原型機よりもスペック面で劣っており、ビームストリングスの搭載も見送られていたが、
それでもコスト面では弱小コロニー国家には負担が大きく、末端までは行き渡っていない。

ゾロアットの実機は、もともとの数量が連邦製MSと比較してそれほど大量に存在したわけでもないので、
戦闘への活用に耐えられるほどの数を揃えている勢力は限られる。
現在は連邦軍のサイド2方面軍、サイド6政府直轄の防衛軍、そしてソフィアくらいなものである。
三者の保有するゾロアットはほぼ同数だが、連邦軍はソフィアに対してゾロアットを一機も売却したことがない。
ソフィアと旧ベスパの繋がりが見え隠れする話だが、
ソフィア側は保有ゾロアットについて各サイドから購入した転売機やコピー機であると説明している。
もちろん実態は、その大半がベスパ残党のもたらした実機であり、
さらにソフィアは秘密工廠においてハンドメイドで原型に忠実なコピー機を密造したりもしていた。
ハジの開発後、この施設はハジ他新型機の製造に利用されているが、
それまでに製造されたゾロアットの数量は相当数に上り、地球連邦への宣戦布告まで密かに温存されていた。

ゾロアットの評判はロールアウトから十数年が経過した今でも衰えることはなく、
ソフィアにおいては新型機のハジよりもパイロット達に信頼されていると噂される。
また、連邦軍内での評価も高く、鹵獲アマルテア級戦艦を旗艦に
鹵獲カリスト級巡洋艦で構成されたサイド2方面軍第2艦隊においては、
運用MSの9割がゾロアットで揃えられているという。
ちなみに連邦所属のゾロアットは外装を青と水色のカラーに塗り直されている。
37第一話登場メカA:2006/03/25(土) 00:13:03 ID:???
ZM−S24G ゲドラフ

頭頂高 13.8m
本体重量 6.9t
ジェネレータ出力 5550kw
スラスター総推力 60610kg
装甲材質 チタン合金ネオセラミック複合材
武装 ビームシールド2 ビームライフル4 ビームサーベル3 コインラッド

ソフィア軍の旧ベスパ系チームが開発した汎用量産型MS。前ゲドラフからの
改良点は小型化の機体を維持しつつコインラッドで武装のスペアを増加させ、
両側部をビームシールドで守る必要が無くなったため出力も節約できるように
なったことである。が、肝心のコインラッドがコスト高だったため結局は
ジェニファ・ジェレフ大尉専用のゲドラフにしか装備されなかった。

38第一話登場メカB:2006/03/25(土) 00:39:21 ID:???
SOFIA-07 ハジ
頭頂高 15.1m
本体重量 8t
ジェネレータ出力 7330kw
スラスター総推力 76890kg
装甲材質 ガンダリウム・コンポジット
武装 ビームトマホーク2 肩部四連ビームストリングス ビームシールド2
ビームライフル(ハンドガン併用)2 脚部五連ミサイルポッド 胸部メガビーム砲

型番どおり、ソフィア軍がベスパ残存技術者など他勢力の協力・干渉を受けず
初めて量産に成功した機体。武装・スペック共帯に短し襷に長しといった印象
ではあるものの、ロマニア皇国侵攻時に脆弱なマジ・デウゼー部隊を相手に
猛威を振るい不安を一掃した。が、それが逆に仇となり戦争中期まで第一線で
活躍したため自軍の技術革新やレパートリーシャッフルを遅延させる。やがて
次々登場する敵味方の新型に押され徐々に後方配備に回されるようになっていくことになる。 
39第一話登場メカC:2006/03/25(土) 00:57:06 ID:???
SMS−S00 シュグナイド
全長   17.66m
本体重量 13.5t
ジェネレータ出力 7500kW
スラスター推力 106990kg
装甲材質  Hiガンダリウム合金複合装甲材
武装
ショットニードルパック
背部ウェポンデバイス(多目的マニピュレータを装備し、多数の武装を使用可能にしている)
ガン・スピア×2
ビームランチャー兼ビームライフル
メガマシンキャノンSPS
ビームソード×2
ビームシールド×2
解説
ソフィアの汎用新鋭MS
高い汎用性をもたせるための背部デバイス
が最も特徴的である、このデバイスは入手した連邦軍のコネクタの
データも採用されているため、連邦側の各種武装も使用できる
40第一話登場メカD:2006/03/25(土) 02:12:50 ID:???
・シュメン(アマルテア級)
  全長455m
  全幅151m
 
 ザンスカールの主力戦艦アマルテアを改修した大型戦艦。
 元のアマルテアが優秀な性能であったため、外観的にはほぼ同じ形態。
 長所であった全方位に死角のない火力をさらに強化させている。
 またMSデッキを5つ、IT機能主要三種を簡易CICとして保有している。

・キャリバン(カリスト級)
  全長305m
  全幅70m
 
 ザンスカールの巡洋艦カリストの改修艦。MSの搭載は空母アリエルが担っているので、
 攻撃能力の大幅な増強が可能になった。原艦とは艦隊戦能力が桁違いに高く、
 連邦との初期戦闘においてはMS戦をすることなく、連邦艦隊を沈めていったとされる。



41通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 00:34:31 ID:???
まとめサイトないの?
42通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 01:44:37 ID:???
ねえ
43第一話登場メカE:2006/03/28(火) 13:03:20 ID:???
IM−01FAI ステアウア
頭頂高 16.2m
本体重量 7t
ジェネレータ出力 5010kw
スラスター総推力 81330kg
装甲材質 ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材
武装 ビームシールド2 頭部バルカン2 ビームファン2
ビームスマートガン2 ビームアロー(プリンセスアロー)
IT機能主要三種標準装備

サイド7「ロマニア皇国」における基幹産業の大黒柱、ヨルダネスク企業
グループがアンヘル卿の一人娘アレーナの専用機として製作した、という
のは建前で連邦との提携事業プロジェクト・ロマニアにおける協力の
一環である。しかし他のPM派生機種と大きく異なる点はIT機能、
特に戦略型インターネットとTRAPAシステム(任意の目的にあわせた
出力調整機能)の組み合わせを搭載した宇宙世紀初のMSである点だ。
※I=Iordanescu M=Mobile Suit
※FAI=For Arena Iordanescu
※ステアウア=星


RM−01 プリンスガンダム
頭頂高 16.1m
本体重量 7.2t
ジェネレータ出力 4990kw
スラスター総推力 81100kg
装甲材質 ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材
武装 ビームシールド2 頭部バルカン2 ビームライフル(ビームスマートガン
併用)3 メガビームライフル1 ビームトライデント ハードポイント4
胸部メガ粒子砲(プリンセスカノン)
IT機能 SWW データセンサー TRAPAシステム

ソフィア蜂起に具体的対処をしない連邦軍上層部に業を煮やした一部急進派が
サイド7「ロマニア皇国」にてプロジェクト・ロマニアの末に開発した最新鋭MS。
しかし制約された予算の中でコアブロックシステムなどリガ・ミリティアの
ガンダムシリーズの標準レベルには追いつけず、この時代の最新機能である
SWWなど戦略型インターネットの搭載でこれを補った。当初は名前どおり
ロマニア皇国の王子に授けられる予定だったが、本人の不在によりその後は
民間人にも関わらず驚異的適性を見せた皇国立防衛大付属の女子高生ユウリに
操縦が任せられた。
44第一話登場メカF:2006/03/28(火) 13:06:57 ID:???
マジ・デウゼー
形式番号:RGM-166
頭頂高14m
本体重量7.8t
ジェネレータ出力3560kw
スラスター総推力59880kg
装甲材質 ガンダリウム合金セラミック複合材
武装 頭部バルカン2 ビームシールド ビームライフル・サーベル各1
連邦軍の次期主力量産機。
ソフィアの宣戦布告より前に開発が開始されようやく初期ロット(先行生
産)分が完成した機体。上層部の保守的な思想と予算削減により新技
術は使用されておらずSWW、データセンサー、TRAPAシステムは搭載
されていない。製造コストが安く、生産性・整備性も高いが機体性能は
それほど高くなく現行の主力機であるジャベリンUとさほど変わりない。
各地で生産が行われているが初期ロット(先行生産)分はロマニアが受
注していた。後期生産型は、プロジェクトロマニアの技術蓄積によりSWW、
データセンサー、TRAPAシステムを搭載した。

なお、ソフィアによるロマニア侵攻時に応戦したマジ・デウゼーはロマニア
駐留部隊の所属。圧倒的な戦力差に同部隊は早々にロマニアを撤退し、
サイド7の情勢を監視・牽制するために軍事基地化している連邦直轄の
コロニーに逃げ込んだ。
連邦へ納入するため基地に搬入されていた機体がフェレンツバロシュに積込まれた。


45第二話「ベスパの女豹アイア」:2006/03/28(火) 13:22:28 ID:???
ロマニア付近に滞宙するソフィアの戦艦「シュメン」。
作戦の失敗に艦内は沈痛な空気が流れていると思いきや・・・


アイア「で、それは五機のハジを一瞬で倒した、と言うのだな?」
「はぁ、戦い方はメチャクチャですが何分MS自体が」
アイア「それと、パイロット・・・・名前をユーリとか言ったか」
「確かに・・・・・・・しかし年端もいかぬ少女の声でした」
アイア「久々に腕の立つ漢(おとこ)に出会えたかと思ったが・・・・・・
フッ。ユーリなんて男の名前なのに・・・・・・・・何だ女か」

帰艦したのはアレーナに倒された五機のうち二機のパイロットである。
アイア「ふ、まぁそう固まるな。マジ・デウゼーだけでなくステアウア
のデータも取得できたのは望外だったぞ。それに、予想外の強さ
を見せた例のMS・・・久しぶりに震えがきそうだ」
「はっ?」
アイア「わからんのか?つまりこのアイア・コッカがザンスカール戦争
以来の出撃をするということだ。レントウを出せるようにしておけ」
「ソル・コンティオは?」
アイア「貴様には記憶力がないのか?あれは件の連中との紳士協定で
一時的に借りているものだ。こんなところで傷つける理由はない」
46みみ:2006/03/28(火) 13:25:01 ID:m8xaN8xT

             /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ        ノ   そ き で 
            /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::冫       \  
           /_,,,,,,_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ニヽ--,,,,,,,___ノ  こ く か
 ゙゙̄─ヽ,,,、    /    ゙ヽ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/   ̄ヽ-、 
:::::::::::::::::::::::::゙ヽ、,/      ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/     ゙,  >、      ま の い
:::::::::::::::::::::::::::::::::|       .ヘ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/      ,|''"::::::::::::\   
:::::::::::::::::::::::::::::::::|  l   | l  ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/       |::::::::::::::::::::::\  で も ク
:::::::::::::::::::::::::::::::::|///|// | |  \::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/   ヽ/   |::::::::::::::::::::::::::::ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::|///|/  | ゙、   ゙''ヽ、::::::::::::::::::::::::,.,.イ  ,l  ヽ|ゝ  /::::::::::::::::::::::::::::::::)だ   チ
::::::::::::::::::::::::::::::::::|///|  /,-、\     ゙""''''''''''''"~〃  / 〈   |  /:::::::::::::::::::::::::::::<
::::::::::::::::::::::::::::::::∧〃l __ ヽ    、    |   彡 /-‐、   ゝ /゙ヽ,、:::::::::::::::::::::::::::::>!!!!   を
::::::::::::::::::::::::/|ll |ヽ \  ゙'''ヽ、    \  |  /ミ/" ,.,.-‐─,  /   ゙'ヽ::::::::::::::::::::::\
::::::::::::::::::::〈、   ヽ,゙、  \    ゙ヽ、  ヽ、   /   ,.‐''"   / /    //:::::::::::::::::::::::<
:::::::::::::::::::::゙ヘ     ゙、  \      \  ヾ |l// /     /ミ"/    ,//::::::::::::::::::::::::::::/
:::::::::::::::::::::::゙ヘ     ヽ  \    ○ \ | |,/"/○ ___.ノ      // \::::::::::::::::/
:::::::::::::::::::::/、ゝ,        メ──---ゝ、」-‐ニ二 ̄‐ヽ   // __/    ゙"''ヽ:/
::::::::::::::/   ヽ-、,,,,,,,ヽ、  -十 ̄ ̄""''‐_'ミ‐/ ニ"   ,,,|;;;;  /‐'''"ミ/       /
:::::/  ////   ヽ、 ゙゙゙゙、   |   , ,-、 く、__,,>_,,=、 、 ;;;|;;;  / ;; / ─-,,,,,_  / ,--‐''" ̄
'"  ////'''""   \ \、 ::::|::::: l┃-、二━二,イ┃/ |   /''"/      /‐、       /
   // ,-‐''"    ゙ヽ、. ゙、;:;:;:;|;:;:;:.|┃    ̄   ┃|  |  / / ,.,.-----,.,.,.,.,.__  \\ヽ─
   ,‐'''",.,.----───- ゙''ヽ、;:|;:;: |┃ニ,‐┬‐ニ┃l;:;:;| /'"  "          __ノ
,/-‐''"~             \   ┃フ  l  =┃:::;;;/              <
/        彡彡ミミ      \ ,┃┤   |┃ /      ///;:;;;;;;____ノや  だ  い
         ///ヾゞ,,,,,      \ヽニ──_ノ /ミ       /;;;;;;; \
ヽ     、、、  ノ//////,,,,,,,     \二二二/ヽ       //;;;/   \    る  ま  ま
 \        ;;;;;;'''''"       ::'''''"   :::::::"                \
;;;; \     '''''               ''|        ::::            ) ぞ  ら  す
 '"  ゙、ヽ、              __,.,.-┴--,,,,,,,,,,,,,,,__    ,,;;;;;;,.,.-'"  /
    〉  ゙'''''ヽ、,,,,__,,,,,,-─'''"":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄フ''''''''''"    >  !!!!  せ  ぐ
    /            |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/      <
   /            |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/       ノ       て
47第二話「ベスパの女豹アイア」:2006/03/28(火) 13:30:33 ID:???
        男の名前なのになんだ女か
        男の名前なのになんだ女か 
        男の名前なのになんだ女か 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ピシッ・・・・・・・・・・・・・・・

半壊状態の連邦軍駐屯基地に佇むPガンダムとステアウア。
そして倒れた五機のハジ。しばしの沈黙をアレーナが破った。
ユウリ「はっ!?」
アレーナ「何をなさってるの?さ、早く投降させるのよ」
ユウリ「とう・・・こう・・・?」
アレーナ「捕まえる、ということですわ!まったく・・・ライフルなり
何なり、ハッチに突きつけなさい。ここに残っているメカニックの
皆さんは、聞いている限り非武装ですわ。私たちがやるのよ。ピリオド(以上)!」

しばらくして、ハジのパイロット全員を投降させることができた。
しかし安堵感が流れた現場に、またしても緊張が走る。

「避難民は急ぎこの艦に乗り込んでください。繰り返します。
残っている避難民の方、急ぎ連邦軍駐屯基地に集合してください」
フェレンツバロシュ(以下FB)には既に火が入っていた。
ユウリ「・・・・・・・・・・・・・さっきの女の人の声・・・・・どういうんだろ?」

48第二話「ベスパの女豹アイア」:2006/03/28(火) 13:32:29 ID:???
アレーナに促されるままFBにPガンダムを乗りつけたユウリ。
「それだ。そこの赤いボタンで出して。それにつかまればいい」

「吊革」を利用して格納庫の床に降り立ったユウリ。制服はところどころ
裾がボロボロに破れ煤けている。が、そんなことよりも集まったスタッフは
Pガンダムを動かしていたのが女の子だったことに驚愕した。
「オイ・・・マジかよ」「あれを、あの娘が?」「大したもんだなぁ」
「パイロット候補生じゃねぇか?あの制服は防大付属だよ。繰り上がり昇格
ってのも最近はあるからな」

ユウリ「あ、ちょ、え・・・と、その・・・」
すかさずユウリに駆け寄り、出身地やら電話番号やら聞いてくる不埒な
若いスタッフを掻い潜ってユウリは叫んだ。
ユ「ノマ・・・いや、シレジア・ファン・ホーヴェンを知りませんか!?」

怒声を含んだ叫びに嬉々としていた男性スタッフたちが静まる。
「あ、ああ・・・そんなのは知らんが、君の高校は全校生徒をメールで校舎に
集めたようだ。いちばん先に収容したから、今は居住区にいるはずだがね」
ユ「へ?」
49第二話「ベスパの女豹アイア」:2006/03/28(火) 13:33:54 ID:???
場所も聞かずに走り去っていくユウリを、壁にもたれかかった
アレーナが冷ややかに凝視する。ユウリが去った後、男性達の
視線は赤い自作パイロットスーツで浮き彫りになったアレーナの
鮮やかなスタイルに釘付けになっていた。



シレジア「ユ・・・」
ユウリ「シレジア!!」
床に敷かれた簡素な布団に横になっていたシレジアに、ユウリが泣き
ながら抱きつく。よかった。足にかなり長い包帯を巻かれているが、
他は目立った負傷の形跡がない。多くの避難民が既に居住区に詰め
込まれており、後から来た人間は容赦なく通路を寝床に割り当てられる。
シ「よし、よし・・・だーい丈夫だってこんなん・・・」
ユ「ノンちゃんは?」
シ「メシ食いに言った。購買にね」
ユ「・・・?購買?」
シ「あれ、アンタ聞いてないんだ」
50みみ:2006/03/28(火) 13:35:28 ID:m8xaN8xT
なにしてんですか???
51第二話「ベスパの女豹アイア」:2006/03/28(火) 13:35:48 ID:???
シレジアらの話では、いまここに生き残っている生徒はみんな、
登校前に学校からの連絡でソフィアのMS隊襲撃を知らされ家族と
共にスムーズに逃げられた子も多いらしい。もちろん、途中で
流れ弾や瓦礫に当たって負傷したり、中には死亡してしまった
かわいそうな子もいるという話だった。

ノマノマ「とりあえず、メシ食えメシ。泣いてねーで」
ユウリ「んっ、んっ・・・うん」
シレジア「ウチらは、気がついたときにメール来たんだよ。ケータイ
も壊れてなくて運が良かったんだ。アンタの話じゃ病院のほうに
行ったら死んでたね。・・・ん?って、アンタあんなとこで何してたん?」
ユ「あ、それは・・・」
ノ「ケータイ壊れたんじゃないなら、電話すりゃよかったじゃねーか。
ったく、まぁユウリのやりそうな事だけどな。毎日だし」
ユ「えっ・・・・・・・・・とぉ・・・」
シ「っだよ、教えなよ」
ユ「・・・・・・・・・ガンダム、乗っちゃって・・・・・・・・・」
シ&ノ「はぁ?」


その瞬間、室内が奇妙な浮遊感を帯びたことを察して三人の体勢が
微妙にくずれる。
「艦内の全ての人達にお知らせします。只今より本艦はコロニーを
離脱します。繰り返し連絡します。本艦は・・・」
52第二話「ベスパの女豹アイア」:2006/03/28(火) 13:40:18 ID:???
スムーズ・・・というよりはスルーだった。税関も港もあちこちがその
機能を果たしていない。おまけに連邦軍の最新鋭艦である。
当然のことながら、ノーチェックでFBは宇宙に出た。

アレーナ「説明は、当然あるのでしょうね?」
ニコライ「まぁ落ち着け。その為に君らをブリッジに呼んだのだ。申し遅れ
たが全艦長の名誉の戦死により代行を務めることになったニコライ・ピオトル
中尉である。この艦は占領されたロマニアを一時離れ連邦軍の所有艦である
このFBとテストデータ返還の為、地球に向かう。もちろん、その道中で
連邦の管理地域に接触し避難民の疎開や補給を受けロマニア奪回ができれば
ベストだが、ソフィアの勢力が日増しに伸びている現状では苦しい」

制服姿に着替えたアレーナと、ユウリ達三人はブリッジ、つまりこの
艦の指揮系統の神経中枢に集まった。神妙な顔のユウリとアレーナに
ひきかえノマノマとシレジアは物珍しそうに辺りをせわしなく徘徊し
あげくスタッフに話しかけたりもしている。

ユウリ「でも、だって、家族が見つかっていない人もいるのだし、家を
放り出すなんて・・・とても辛いと思います」
ニコライ「それはわかるんだが、今は国交のある近辺のコロニーに
身を寄せてもらうか、連邦の救援が受けられるとこまで移動するのが
ベストだ。より多くの人を救うためには仕方のないことなんだ」
ユ「そんな・・・」
ア「・・・ま、そういう説明さえあればわたくしは別に問題ありません
ことよ。正論ですし」
53第二話「ベスパの女豹アイア」:2006/03/28(火) 13:49:03 ID:???
ユウリが未だに憮然とした表情を浮かべていたその時!
ブリッジ内が激しく揺れた。航路修正ではこんな衝撃は起きない。

ニコライ「何だ!?」
「右舷・・・いや!砲座です!やられてます!」
ニコライ「敵か!?早くセンサーを!」
「識別信号は、上から白、緑、赤。間違いありません!
ソフィアのMSです!・・・が、ハジの三倍の速度で接近中!」
アレーナ「まさか、アイア・コッカでは・・・」
ニコ「ベスパの女豹が!?・・・バカなっ」
シレジア「艦長ぉー、落ち着いて下さいよ。どったんすか?」

ニコ「・・・仕方あるまい!アレーナ君はステアウア、ユウリ君は
ガンダムで出てくれ。現状で動けるパイロットも随時戦闘態勢で
待機だ!マジ・デウゼーでは無理な相手だ・・・・・・・」
54第二話「ベスパの女豹アイア」:2006/03/28(火) 13:53:12 ID:???
ユウリ「えっ!?そんなぁ・・・」
アレーナ「まったく・・・どこまで世話を焼かせる気なのかしら。
行くわよ!まだ更衣室の場所も憶えていないのでしたらね」


「いよぅガンダム娘!頑張れよ!」
状況がわかっているのかいないのか、冷やかす誘導員を横目にユウリは
付属エレベータでそそくさと、あのコクピットへ再び入った。
ユウリのパイロットスーツは白い正規の連邦用。と、いってもこの
新モデルを使うのはなんと彼女が初めてなのだが・・・
何よりさっきから感じる不自由感がユウリを蝕んでいた。これが無重力
というものだと、わかってはいるのだがここに来るまでもさんざん
横道に外れたり、人にぶつかったりアレーナを苛立たせた。


アレーナ「いい?一度入力した個人情報は大事にするのよ。何度も
継続してアームレイカーに送り込めばそう簡単に書き換えられるものでは
ありませんわ」
二人はそれぞれのアームレイカーに携帯電話を差し込むと、機器に光が
灯り、リニアシートを中心に360度コクピット内がMSデッキの風景に透けた。

55第二話「ベスパの女豹アイア」:2006/03/28(火) 13:56:28 ID:???
ユウリ「わぁ、すごい・・・・・・・・・・」
既に一度体験してはいたのだが、まるで宙に浮いているような感覚で
ユウリは何か生まれ変わったような爽快感を味わう。
アレーナ「どう?いいものでしょう。今時、携帯電話があれば何でも
できるのだからくれぐれも紛失したりしないように気をつけなさい。
そうやればいつでも面倒な立ち上げ作業を省略してMSを起動できる状態にできるのだから」

そう言ってアレーナは射出口までステアウアを移動させる。
「アレーナ・ヨルダネスク、ステアウア・・・出ますわ!」
「えっ・・・とぉ、あ、そうだ。ユウリ、Pガンダムいきます!」

二機のMSが鮮やかにVの字を描いてFBから射出される。進路を
重ねようとユウリが軌道修正した・・・その瞬間!!!
アレーナ「えっ!?」
ユウリ「わっ!?」
見事に二機のMSが頭と頭を合わせて衝突した。
ア「あなた・・・これは冗談事ではすまされませんわよ!!!」
ユ「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナ・・・あっ!!」

56第二話「ベスパの女豹アイア」:2006/03/28(火) 13:58:53 ID:???
高速で接近するレントウと二機のトムル。
アイア「いらんというのに・・・まぁいい」
そのあまりの速度と威圧感に固まるステアウアとPガンダム。
アイア「久々にファーストクラスの機内食を前にした気分だ」

アレーナ「あれは・・・・ザンスカール帝国のベスパが使っていたトムリアットに
似ている機体だけれど・・・・・・・・よし、ユウリさん散って!」
ユウリ「え?」
アレーナ「散るの!左右に分かれるってこと!」
ユウリ「りょ、了解っ!」

・・・次の瞬間、二機のMSはまたしてもぶつかって体勢を崩した。
二人とも相互にお互いのいる方向へ動いたからである。アレーナは
クロスする形で敵機を挟み込みたかったようだが、そのイメージが
うまく伝わらなかったようだ。何より初めての宇宙空間でバランス
感覚が鈍っている。
57第二話「ベスパの女豹アイア」:2006/03/28(火) 14:00:24 ID:???
アレーナ「わたくし本当に怒りますわよ!冗談ではないと言ったはずですが!?」
ユウリ「う、そんなこと言われても・・・風船の上に乗ってるみたいで・・・
うまく、思ったように動かな・・・ぐッ!!!!!!」
レントウの強烈なタックルでPガンダムが吹っ飛ぶ。続けて背後に周り込んだ
アイアは脚部からビームサーベルを取り出し、自分目掛けて飛んできた
Pガンダムの畩の装甲をゴッソリ切り裂いた。

ユ「っぐうう!!!」
アイア「フェアじゃないだろ・・・宇宙はこういうところさ。しかし、フェアじゃないと
言ったって、相手は自分の有利な場所をわざわざ選択してくれるとは限らん。
それが戦争というもの」
ユ「・・・戦争?」

接触ざまにお肌の触れ合い回線で聞こえたアイアの低く絞った冷たい声。
全てに萎縮したユウリは距離をとって様子を伺うしかなかった。

58第二話「ベスパの女豹アイア」:2006/03/28(火) 14:01:34 ID:???
アレーナ「アイア・コッカ!」
アイア「うん?」
素早くライフルを取り出したステアウアの連射をレントウが回避する。
続けて周囲のデブリとレントウ目掛けて四連射。レントウを中心に
台形を描くようにアイアの退路を限定していく。

アイア「これは、これは・・・こっちの赤いのは少しはやるね」
アレーナ「ユウリさん!そこの二機を!」
ユウリ「へ?」

戦域から距離をとったPガンダムに二機のトムルが襲い掛かる。
一機がビームトマホークで切りかかりもう一機はライフルを構え
Pガンダムが間合いから抜け出る瞬間を狙っている。
完全にテンパったユウリはPガンダムの内股でバタつかせて必死に
逃げ回った。
59通称ガンプリ作者:2006/03/28(火) 14:19:12 ID:???
アイアは冷静にライフルの軌道を読むと、今度は同じ戦法でステアウア
の動きを束縛する。そして組み付いたレントウはサーベルをハッチに
突きつける。コクピットにむせかえる熱さが充満した。
アレーナ「ぐっ・・・うう!!!」
アイア「な?無理だろう?」

他方ではPガンダムが二機のトムルのヒット&アウェイを必死に
回避し続けている。そう、回避しているだけで攻撃できない。
ユウリ「ううっ・・」
アレーナ「ダメ・・・・・・か」

その時!FBの方角から黄色い光が近づいてくる。そこから発した
細く鋭い光弾が一機のトムルの腕部をとらえビームトマホークを弾いた。
シレジア「なーにしょっぺー戦いしてんだよっ?!」
アレーナ「その声・・・シレジアさん!?それにチャウシェスク!?」
ユウリ「シレジア!!」
60通称ガンプリ作者:2006/03/28(火) 14:21:35 ID:???
シレジア「うっし!んじゃやるか!」
チャウシェスクの脇から爪先にかけて、まるで鍛え方を間違えた
ボディビルダーのようにわずかに膨れた部分がある。シレジアの
ボタン操作でパカッと割れたその膨張部はチャウシェスクの
全長ほどもあろうかという巨大な剣に変わった。

シレジア「いっくぜぃ!!」
その薙ぎは滞宙する三機のMSを点で結ぶような軌道で振られた。
瞬間、二機のトムルは下半身を切断される。宇宙用へシフトしたトムリアットは
ヘリコ変形もできない。つまり事実上敗北を喫したわけだ。
さらに数秒間隔を置いてステアウアと組み合っていたレントウの
頭部に亀裂が走った。

アイア「!?」
怯んだアイアはレントウをステアウアから離れさせる。この空白の
数秒を利用して三人の少女は各自のMSを一箇所に集合させた。
誰が命令したわけでもなく、自然な行動だったのだ。
61第二話「ベスパの女豹アイア」:2006/03/28(火) 14:32:12 ID:???
シレジア「残るは、あの一機だけだぜ!」
アレーナ「でも、あれは他の二機とは訳が違いますわよ」
ユウリ「あたしに、やらせて!」
シレジア「えっ!?」
アレーナ「貴女に何ができるというの、黙らっしゃい!」

ユウリには確信があった。データにあったPCという記述。その時のTRAPAシステム
に最優先行動とあったのだが、なにぶん無我夢中で戦っていたので気にも留め
なかったのだ。だが余裕のある今ならできるはずだ。ユウリはブラウザ隅の記述を
アームレイカー先端のボタンの一つでクリックすると、そこにはユウリでも
できそうな簡単なマニュアルが書かれてあった。

シレジア「Pガンダムはウチらん中で一番いい機体なんだろ?やらせるっきゃねーべ」
アレーナ「で、でも・・・!この娘に任せるのは危険ですわ」
ユウリ「と、とにかく、行きます!プリンセス・カノン!!!」

アイア「アイツ達、何する気だ・・・・・・・・・・・・・・むっ!?」
Pガンダムの胸部ハイパーメガ粒子砲がレントウへ向けてその火を噴いた。
62第二話「ベスパの女豹アイア」:2006/03/28(火) 14:35:25 ID:???
レバーを力いっぱいに握り締め、反動を耐えるユウリ。
歯をこれでもかと噛み締める。

とっさの動きで猛烈な渦から逃れたレントウを第二撃が追った。
アレーナ「そこっ!!」
無駄のない動きで背部に収納されていた弓のような武器を取り出した
ステアウアが引き金のような部分を引っ張ると、対応する二つの
頂点からビーム光が発しやがて一本の矢を中腹に形成した。

アイア「うっ!!!」
その弾道が見えていなかったアイアはビームアローをレントウの
脚部にまともに浴びた。屈辱・・・
レントウは身を翻してシュメンに退却していく。
アイア「このアイアを退却させる・・・・・・忘れんぞ」

※再放送につきフィルムの不備で画像に乱れ(>>46 >>50)が出ております
視聴者の皆様方、ご了承ください
63第二話「ベスパの女豹アイア」:2006/03/28(火) 14:37:59 ID:???
アイアはあのまま戦っても三体のMSを撃破できただろう。
しかし、前線で戦うことがアイアの仕事ではない。まだまだ
やる事がある以上、こんなところで無駄なダメージは負えない。


シレジア「しっかし、ロマニアの薔薇ったってあんなテンパるところは
ウチらと大して変わんないねぇ」
アレーナ「お言葉ですけど、あなた最後はただ見ているだけじゃあり
ませんでしたこと?御自分の言葉と振る舞いをよく咀嚼吟味して・・・」
シ「んだとぉ!」
ア「私は事実と正論を適度に整理配合して言ったまでの・・・」
シ「・・・!!!」
ア「・・・!・・!」
ユウリ「ちょ、ちょっとぉ。みんな無事だったんだから喧嘩なんて」
シ「っるさい!!!」
ア「だまらっしゃい!」


三機のMSは何やら揉み合いながらもFBに帰投してくる。
「あの娘達・・・何なんでしょうね?」
ニコライ「わからん。しかし、戦力として計算はできるかもしれん。
ドニエプロペトロフスクまでは彼女ら中心に回していくしかないな」

MS射出口付近はスタッフと避難民の歓声で溢れ返っていた。
64第二話解説書:2006/03/28(火) 21:47:56 ID:???
>>52ではフェレンツバロシュ一行が地球に向かう理由が曖昧模糊だと再三
ツッコまれていたのに対応し、早い段階でその後付設定(と、いってもイメージ
的にはあったのだが)をセリフにつけ加えた。

>>45ではまたアイアに新たなセリフを一つ追加。本編二十話あたりを読んだ人は
既にユウリの名前のコンプレックスを知ってると思うが、俺自身もそういう意図で
つけた名前だと一時期忘れていたので、初めて聞いた人間は一応みんな何らかの
リアクションを付加しなくてはならないだろうと考えた。

また、この話では初めて三人の必殺技が出たが、初代スレのかなり早い段階で
「小さい女の子向けにわかる演出で必殺技は必要ではないか」と提案したところ、

85 :通常の名無しさんの3倍:2006/01/26(木) 20:15:05 ID
合体攻撃はプリンセスブレードとプリンセスカノンとプリンセスアローのハメ技:???
>>82 詳細キボンヌ、少女漫画ってマジっすか?

プリンセスカノンは呪文で出した方が言いと思いまーす(デモンベインみたいに)


という答えが来たため、これを採用した。特に剣がシレジアの男勝りの性格に、
弓矢がアレーナの良家のお嬢様イメージと合致していたため。
65通常の名無しさんの3倍:2006/03/28(火) 22:51:38 ID:???
嘘マダー?
66第二話登場メカ@:2006/03/29(水) 20:30:08 ID:???
ZM-S09SC トムル
■頭頂高  14.9m 
■重量  9.6t 
■ジェネレータ出力  5,440kw 
■スラスター出力  80,240kg 
■装甲 チタン合金ネオセラミック複合材
■武装 ビームトマホーク×2
ビームサーベル×2
ビームシールド×1
ビームライフル×1
脱出ポッド

ZM-S09Gトムリアットを宇宙戦仕様に改造したソフィアのMS。
ビームローターを廃し、スラスターやアポジモーターをゾロアットのものに換装した他、
整合性を含め各部を宇宙戦を意識したものに手直ししてある。
ヘリコへの変形機能は失われているが、元々の機体設計により全方位モニターには換装されていない。
ZM-S09Gトムリアット自体の残存数が少ない中、ソフィアが僅かに改装を加えたに過ぎないが、
ロールアウトより15年近くが経った今でも第一線で通用するポテンシャルを秘めている。
67シャア:2006/03/29(水) 20:33:50 ID:DrEmWRDb
ナンダソリャ
68第二話登場メカA:2006/03/29(水) 20:34:57 ID:???
RM−02 チャウシェスク
頭頂高 17.1m
本体重量 6.9t
ジェネレータ出力 4990kw
スラスター総推力 79980kg
装甲材質 ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材
武装 ビームライフル5 ビームサーベル5 ビームスマートガン2
頭部バルカン2 ビームシールド2 プリンセスブレード 
IT機能主要三種標準装備

RM−01プリンスガンダムが連邦主導の企画であるのに対し、ロマニア
皇国師団用に作られたものでプロジェクトロマニアの契約において
その拘束力はない。白兵戦においてPガンダム支援を主目的に作られて
おりプリンセスブレード使用時の駆動系出力調整は初期段階から
TRAPAの既存ガイダンスとして盛り込まれている。現在は皇国立防衛大付属の
女子高生、シレジア・ファン・ホーヴェンの専用機として半ば強引に定着。
69シャア:2006/03/29(水) 20:36:19 ID:DrEmWRDb
ナンダカエライナ....ケントウ...イノル
70第二話登場メカB:2006/03/29(水) 20:47:57 ID:???
ZMT−S32G レントウ・マジューゼ
頭丁高 16.5m
全備重量 11.5t
ジェネレータ出力 5990kw
スラスター総推力 102300kg
装甲材質 ファインガンダニウム合金
IT主要三種機能・ANT機能装備
武装 腕部ビームカッター 肩部・腰部・頭部四連ビームストリングス
ビームライフル2、ビームサーベル2、ヴェスバー2、膝部四連マイクロミサイルポッド、
胸部六連メガビーム砲

ザンスカール戦争も残すところエンジェル・ハイロゥを巡る攻防に集約
されようとしていた末期にZMT-S33Sゴトラタンの試験機でありその欠損を
補うべき機体として設計された。それは、戦中に接収したソフィア軍技術者に
対して、特にIT技術の前線導入に懐疑的だったベスパ上層部によって
カテジナ・ルース大尉(待遇)専用機としての地位を奪われたためである。
結局、同じシュバッツラッド隊所属のアイア・コッカ中尉(当時)の
専用機となり同氏と共に十五年の歳月を戦い抜くこととなる。
71第二話登場メカC:2006/03/29(水) 21:03:03 ID:???
リーンホース級宇宙巡洋艦 フェレンツバロシュ

地球連邦軍にはソフィア軍の宣戦布告時、何も決定できない怠惰な上層部に
業を煮やした若手をはじめとする有志のグループが存在した。財界から大きな
サポートを受けた彼らは、兵器市場の再活性化と引き換えにサイド7ロマニア皇国に
おける利益誘導と自衛力強化を兼ねたソフィア軍への牽制「プロジェクト・ロマニア」
を企画・実行した。そこで新型MS群と共にその受け皿として開発されたのが
このフェレンツバロシュである。

リーンホースとの違いは前時代によく見られた二本のカタパルトデッキとMS格納庫を
復活させたこと。しかし歪曲式コンベア内臓でビームシールド前面展開中のMS発進も
ほぼ問題なくなっている。主砲はエネルギーチャージに時間を費やすものの
計算上はザンネックキャノンとほぼ同等の威力を有し、ポッド型機銃座はスライド移動
して四角を無くす布陣をとれる計算が常になされている。

多くの避難民や観艦式用にマスコミ収容・滞在も可能な大規模な居住区が存在し
娯楽や飲食・リラクゼーション施設も充実したオフィスのような作りになっている。
72通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 20:52:25 ID:???
jjbk
73第二話解説書A:2006/04/03(月) 21:22:44 ID:???
ガンダム開発計画、通称「プロジェクト・ロマニア」は形骸化した連邦軍
上層部に対抗した一部若手が政財界から支援を受け、ロマニア皇国との
経済的提携を結ぶための利害関係が一致したものである。
しかしこの時代はMS企業が各勢力と網の目のように繋がりを持っており、
マスコミの力もあって如何なる機密情報も完全に外部へ漏れないよう密封
することは不可能である。

加えてSWWの発展でこれまで以上に軍事情報がインターネット上で交換・漏洩
されるようになった結果、ソフィア宇宙軍第一モビルスーツ師団の旗艦、
シュメンが早期からサイド7宙域に進駐していた。
またRGM166マジ・デウゼーはRM−01プリンスガンダム、RM−02チャウシェスク、
RGM166−Xドラゴスティアらの開発企画・ソフィア宣戦布告以前から開発が
始まっていたものの連邦軍全体の保守的体質から予算は下りず前時代的
性能のまま実戦に出されることとなってしまった。
74第二話解説書B:2006/04/03(月) 22:15:24 ID:???
>>47
>>48

ユウリの名前
・本編を大体読まれた諸氏はユウリが持つ名前のコンプレックスを第二十話近辺の
アテネ〜テルアビヴ編で初めて知ったことと思われる。かくいう私自身もそういう意図で
つけた名前だということを地球編ぐらいまで失念していたので、ストーリー
序盤で強烈なインパクトを入れる必要があると思い、新作カットを導入。

アレーナについて
・性格や育ちの違い、さらにユウリという名前を知ってアレーナは入学以来ユウリ
にイジワル以上イジメ未満という態度をとっていたようである。
・決め台詞(口癖?)「ピリオド」は昔、何かの漫画で見た台詞をそのまま
パクったのだが、具体的に何の漫画で・どういうキャラが言ったのか全く思い出せない。
基本的に怒ったときの目印であったが、最近は機嫌が良い時も言わせている。

聖コンスタンツァ学園
・ロマニア皇国立防衛大学を頂点とする幼・小・中・高・大一貫教育学園。
その名の通り軍需産業への集中で景気を立て直したロマニア皇国の中でも最も
高い就職率を誇る。メカニックマンの言葉にもあるように皇国軍の下部組織と
言っても過言ではない同学園高等部では、優秀な成績を治めている生徒は週に
数度、皇国軍のパイロット達と混じって訓練ができる。15才から二種登録が
可能となり、高校と軍を両立させるため実技・実習科目の単位が免除される。
ユウリ達もこの制度を利用している。
75通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 15:37:04 ID:???
>>52
全艦長→前艦長かな?

それとも全って名前の艦長かい

>>57
畩の装甲って何?

袈裟=左肩から右脇下にかけて覆う衣の事か?

>>64
とりあえず君の脳内設定はどの専用ブラウザでも見れないから
適宜説明が必要だということを理解してくれたかい?

ちなみに地球に行くのはいいけど
目的地がウーイッグ『駐屯』基地って云うのはどうだろう
軍の本拠地とか開発局とかが妥当じゃない?
ウーイッグは中央ヨーロッパの連邦軍の政治的拠点って設定だったよな
「プロジェクトロマニア」とどう絡むんだ?

>>70
IT主要三種機能は15年前からあったのか?

>>71
死角な
76通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 22:50:15 ID:???
>>73
誰か翻訳して
77作者:2006/04/05(水) 00:12:17 ID:???
>>75
君の疑問は君自身の解説で既に解決されている。


78第三話「幼少の傷跡」:2006/04/05(水) 00:42:22 ID:???
シュメンのブリッジには戦闘を終えてひとまずは落ち着いた空気が流れて
いたが、アイアの苛立ちはまだ収まらない。何故なら屈辱の退却に
塩を塗るような一報を受けたからだ。

アイア「アリエルが動くか・・・いくらなんでも早すぎはしないか」
ヴィクトル「ええ、その点について問い詰めたのですがいかんせん我々も実績が
ありませんでして、発言力の差は・・・」
アイア「自分自身を棚に上げてよく言えるな、ヴィクトル。トムルを二機も
中破して「連中」に弁解するのは誰だか知っているか」
ヴィクトル「す・・・すいませんでした。以後、肝に銘じます」
アイア「まぁ、いい・・・過ぎたことよりこれからだ。アリエルを出すのは、
何としてもガンダムの地球到着を妨害せよというメッセージなのだ。
戦力が完備される半面、こちらがどう動こうと目立たなくなる。フフッ」
カミネロ「は?」

79第三話「幼少の傷跡」:2006/04/05(水) 01:19:19 ID:???
フェレンツバロシュ内部ではようやくロマニア出発後の混乱が静まり
避難民たちは個人・団体ともそれぞれの居住区を与えられていた。
それでも行方不明の家族・友人の捜索を訴える者、もっといい
環境を要求する者などが連日ブリッジに列を作っていた。

朝食も終え少し散歩に出たユウリが、通路の曲がり角から何かを
覗き込むシレジアの姿を見た。しゃがんで息を潜めている。
ユウリ「何やってんの?」
シレジア「シッ!」

見ると、ブリッジを出てすぐの喫煙所にニコライ中尉とアレーナが
いて何やら話し込んでいた。何しろつい数日前に艦長代理に就任し
戦力整備・避難民への対処などニコライは疲れきっていた。
タバコの量が増えるのも致し方ないのだ。そんなニコライに貴族と
しての責任感からアレーナが相談役を買って出ていただけなのだが、
年頃の少女の好奇心はどうしても妙な想像を喚起させる。
80第三話「幼少の傷跡」:2006/04/05(水) 02:08:11 ID:???
ノマノマ「なーにやってんだ?二人とも」
微妙なバランスで身を屈めていた二人はその声に驚いて四つ角の
ど真ん中に折り重なって倒れた。

ニコライ「ん?何だ」
アレーナ「あら、あなた達・・・」
シレジア「イヤイヤ、コイツぁお恥ずかしいところを・・・」
アレーナ「・・・さては!女子の身分で覗き見などと・・・」
ユウリ「あ、いや、これは・・・」
ノマノマ「プッ」

そんな微妙な空気を艦内アナウンスが遮った。
「ブリッジからの連絡事項です。ロマニア皇国立防衛大学付属高校の
みなさんはそれぞれクラスごとに所定の場所へ集合してください。
一年一組、Aブロック31、一年二組、同32・・・」
81第三話「幼少の傷跡」:2006/04/05(水) 02:11:18 ID:???
広々とした一室に集められた一年三組の面々。雑談したり、
携帯をいじったり、死んだ子のことを想って沈痛な空気も
あった。そんな中、部屋に入ってきた青年が空気を引き締める。

ニコライ「はじめまして・・・といっても既に僕の顔を知っている子も
いると思うんだが、入院中のノバク先生に代わって今日から担任代理
となるニコライ・ピオトルだ。よろしく」

生徒達から微妙なリアクションが返ってくる。担任・・・?

ニコライ「説明しようか。君達の学校は幸運にも大半の生徒が戦火を
逃れてこの艦に乗ることができた。それに軍に人材を供給する機関でも
ある。戦時中ではあるが平常どおりの授業を明日から再開する。
椅子と机は我慢してくれ。補給地まで着いたら発注するよ」


82第三話「幼少の傷跡」:2006/04/05(水) 02:14:32 ID:???
突然の説明でリアクションに苦しむ生徒達。そんな微妙な空気を
断ち切ったのはやはり彼女だった。

シレジア「はーい先生!質問!」
ニコライ「何かな?」
シレジア「彼女はいますか?」

緊張の糸が切れてどっと笑いが起きた。やはりこういう分野はシレジア
に任せるに限る、とユウリは改めて感心していた。

ニコライ「黙秘する」
シレジア「ありがとうございます!」

それぞれに部屋へ帰っていく生徒達の談笑の中に授業再開への小さな
不満の声も混じる。そんな中、ユウリとシレジアの携帯に同時に
着信音が鳴った。出撃だ。
83第三話「幼少の傷跡」:2006/04/05(水) 02:40:56 ID:???
ニコライ「聞こえるかな、ユウリ君」
ユウリ「はい」

格納庫には既にPガンダム・チャウシェスク・ステアウアにそれぞれ
パイロットが乗り込みいつでも出撃できる体勢が整っている。

ニコライ「今日は君一人で出てもらう」
ユウリ「ええっ!?」
ニコライ「ハジが一機のみ。明らかに不審だが、ドニエプロペトロフスク
までは少しの戦力も惜しいんだ。いざという時は援護を出す」
ユウリ「・・・わかりました。ユウリ、行きます!」

アレーナの顔が僅かに歪んだ。何故、私を出さないんだ・・・
84通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 02:43:02 ID:???
>>77
相変わらずの返答だが…

頼むもう少しまともに応えてはくれまいか

これでも結構楽しみにしてるんだけどな
85第三話「幼少の傷跡」:2006/04/05(水) 02:43:14 ID:???
ユウリは少し、わかりかけていた。これが宇宙の無重力に自分を
慣れさせるための措置だと。元々MS操縦の天才であるアレーナ、
学校のMS実技が優秀なシレジア。二人に比べ自分のここまでの
戦いはマグレと思われても当然。だって、マグレなのだから・・・

そんな事を思っていると、前方に滞宙する一機のハジを見つけた。
ユウリ「あれね」
と、その瞬間ハジは素早くPガンダムの背後に回りこみ羽交い絞め
にした。お肌の触れ合い回線で敵の声が聞こえる。

「暴れても無駄だ。機体はハジでも俺は伊達じゃない」
ユウリ「ぐっ・・・くっ!」
言葉どおり、Pガンダムは完全に関節を極められていて動けない。
すかさずハジはビームトマホークをハッチに突きつける。
「これまでだな。電源をシャットダウンしてもらおう」
86第三話「幼少の傷跡」:2006/04/05(水) 03:17:49 ID:???
Pガンダムがクールダウンしたのを視認すると、パイロットは
ハジから降りてPガンダムのハッチにとりついた。
「開けろ」
ユウリにとって初めての経験。FBに連絡すればいいのだが、恐怖が
全身を覆って冷静な判断力を奪ってしまっている。そして男の言うまま
ハッチを開けてしまったのだった。そこにはソフィアのノーマルスーツ
を着た男が自分に拳銃を向けて立っていた。


「ラッキーだな。これは出世が早そうだ。ガンダムを渡せばアイア様
からの評価も上がる・・・!?貴様、女か」
ユウリ「そ、そうです・・・そうですけど・・・は!」

ヴァイザー越しに薄く見える男の顔はどこか見覚えがあるようだ。
ユウリ「あなた・・・あなたは、まさか・・・ガブリエル!?」
ガブリエル「貴様・・・何だ?確かに俺はガブリエル・ポペスクに
間違いはないが・・・!お前・・・まさかユウリか?」

87第三話「幼少の傷跡」:2006/04/05(水) 03:21:02 ID:???
時間も忘れ、立場も忘れ、束の間の安息がそこにはあった。

ユウリ「でね、青空教室ならぬ星空教室もいいだろう・・・って
言うんだよ。その先生」
ガブリエル「プッ。この宇宙世紀にそんなロマンチストがいるとはな」
ユ「覚えてる?近所の砂場」
ガ「ああ。よくノマノマと二人でお前をいじめたっけな。そのたび
シレジアが庇って・・・あいつは女のくせに喧嘩が強かった」
ユ「今でもそうだよ。二人とも元気だし・・あ、そうだ!みんなに
会いに行かない?久しぶりに、みんなで遊ぼうよ」


ガ「・・・お前、これは戦争なんだぞ。俺のこの姿を見ろ」
ユ「・・・ん・・・わかっているけど」
ガ「しかしお前がガンダムに乗るとはな。何の取り柄もなくて、ドジで
内気だったお前が・・・人を助けたなんて」
ユ「偶然だよ」
ガ「・・・そうだ。お前に聞いておかなきゃならんことがある。ガンダムに
乗っているなら、お前は連邦の艦に乗っているんだよな」
ユ「うん」
ガ「ウッソ・エヴィンはどこにいるか知ってるか?」
88第三話「幼少の傷跡」:2006/04/05(水) 03:23:27 ID:???
ユ「ウッソ・・・エヴィン?」
ガ「知らないのか。まぁ無理もないな。おまえはそういうことに興味が
なさそうだからな。あの空襲の日を覚えているか?」
ユ「忘れようったって、忘れようがないよ」
ガ「そうだな・・・あの日から俺がどうしていたか。知りたいだろう。
俺も死ぬかと思った。残飯を食い物乞いをし・・・そして親父に会った」
ユ「親父?」
ガ「ザンスカールの兵士さ。見るに見かねて俺を拾ってくれた。
五年しか一緒に暮らしてないが、いい親父だったぜ。今日は何機撃墜
した、ガンダムは俺が殺る、って帰るたびに目を輝かせて話す。
かっこよかったぜ・・・親父は栄誉ある職に就いているって解った。
俺も親父のようになりたかった。しかし・・・」


ユウリ「・・・・・・・・・どうしたの?」
ガブリエル「死んだんだ。エンジェル・ハイロゥを守る最後の攻防で、
あのクソガンダムに殺られてなッ!!!」

ガブリエルは表情を一変させユウリの肩を掴む。
ガ「なぁ、本当は隠してんじゃねェのか?知ってんだろ?
ウッソ・エヴィンの居場所を!奴を殺す!あの日から俺の人生の
焦点は一つに絞られた。奴を殺さなきゃ親父は報われねェんだよ!」
ユ「でも、人を殺して幸せになる人っているの?」
ガ「・・・すまねェ。でもな、俺の幸せの問題じゃない。親父がどれだけ
必死に戦ったか、親父の価値を、俺が証明してみせるだけだ」
89第三話「幼少の傷跡」:2006/04/05(水) 03:26:03 ID:???
ガブリエル「お前は友達だからな。信用してやるよ・・・次に会った時は
戦う運命だろうがな。命拾いは一回こっきりだと思え」
ユウリ「ガブリエル・・・」

ガブリエルはハジのコクピットに戻り、そのまま母艦へ急行した。
ガ「ユウリ・・・俺がどんな気持ちでお前をいじめてたか、わからんだろうな」

「Pガンダム!何をしている!応答せよ!何かあったのか!?」
ニコライの怒声でユウリは我に返った。
ユウリ「す、すいません!えっ・・・と目標は退却!退却しました!
深追いは戦力と時間の浪費と判断し、あの・・・」
ニコライ「・・・わかった。可及的速やかに帰投せよ」

無線の音にも気付かないほど、熱中していたのか、
ミノフスキー粒子が強かったのか・・・いや。電源を落としても無線を知らせる
ヴァイブはあるはずだし、事実あった。初めて戦争というものを身近に感じた
ユウリは余韻を押し殺してPガンダムを再起動させた。



90:2006/04/05(水) 03:39:55 ID:???
>>84
俺もこれだけ設定が増えると(まとまってないと)頭が混乱するんだが、まず
MSにインターネット乗っける(自軍のデータベースだけでなく広くネット上から
任務に必要な情報を得るため)構想はUC150年代にはあったし、民生品としては
既に発売されていた。ザンスカール戦争末期、試験的にそれをやった機体があっても
そんなにおかしくはないはず。

ウーイッグが駐屯基地というのは確かにおかしいな。強いて言えばプロジェクト
ロマニアの有志は連邦軍主流派から外されてたのでそこしか使わせてもらえなかった
(FBとの接触ポイントとして)というのも考えられる。
91第三話解説書:2006/04/05(水) 03:50:17 ID:???
>>78
この段階ではまだソフィア軍は本気でフェレンツバロシュを落とそうとしていた。
ネット上などで連邦軍とFBの接触地が何処なのか確定情報が掴めていなかった
ためである。

>>80
この頃からシレジアはニコライ艦長に少し好意を抱いていたことが窺える。

・なお、星空教室に関してはかなり掘り下げ不足で、自分が当初構想していた
宇宙戦艦の中で敵軍と日夜戦いつつ艦内部の学校にも通うというイメージが
尺や時間の都合で短縮されていったのが今更ながらに惜しまれる。結局、第四話の
体育の授業が唯一のサービスであった。

・この話から登場したガブリエル・ポペスク君は捨てキャラのつもりだったが
ウッソに私怨を抱いているという設定から後にアイアの側近にまでのし上がる。
メッチェ・ルーベンスのハイブリッド版とも呼ぶべき存在だろう。これから
終盤にかけて見せ場が増えるので彼の活躍から目を離さないように。

92通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 07:49:49 ID:???
ザンスパインはでるの?
93通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 18:40:53 ID:???
>>92
今のところ>>32に設定だけあるみたい
元のスレにはファンネル復活に成功したとかいう続きがあったような気も
94第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/05(水) 21:02:03 ID:???
歴史と格調、威厳と気品。ヨルダネスク家の屋敷は彼らがロマニア皇国の
経済に果たしている役割の大きさを体現しているものだ。
その中の、不適切とも言える小さな書斎がアンヘル・ヨルダネスク卿の
心の休まる唯一の場所である。いくら国内でトップに躍り出ても輸出が
滞れば真の大企業には成り得ない。それだけ他のコロニー・地球市場で
魅力と競争力を持ったブランドを作れていない・・・


アンヘルはグリプス戦役時、MS開発バブル絶頂期のヴィデオを見て
今、何を成すべきか熟考していた。と、その静寂の時と空間を唐突に
破るあどけない声が背後から響いた。
アレーナ「パパ」
アンヘル「アレーナ・・・・・・・・・ダメじゃないか。パパのお仕事ジャマ
しちゃダメだって、アンジェイに言われなかったかい?」
アレーナ「なにみてるの?」
アンヘル「見ちゃダメだよ、これは」
95第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/05(水) 21:11:07 ID:???
しかし、幼い少女の鋭い好奇心はテレビに映るMS達の躍動を
しっかりと捉えていた。彼女はその位と年にあっては忌避するはずの
ものに魅了されていたのだ。
アレーナ「あたし、あれのりたい」
アンヘル「バカ・・・言っちゃいかん!!!!!!!」

アンヘルのかつてない怒号にアレーナは萎縮し、やがて泣き出した。
アレーナ「だって、アンジェイ、ママ、お姉ちゃんも、忙しい、いそがし、
ゆて、ぜぜん、遊んでくれないだもん・・・」
アンジェイ「・・・わかったよ。さ、部屋に戻って。アンジェイに何か
オモチャを買わせるように言うから。ね?」
アレーナ「ほんとう?」
アンヘル「本当だよ。パパは嘘は言わないよ」
96第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/05(水) 21:24:56 ID:???
フェレンツバロシュ艦内の防大付属高校専用区画。先日の中間テスト
の結果が張り出された壁の前では多くの生徒達が集まり騒いでいた。
「アレーナ様、また一番だ!」「さすがだよなぁ」
「やっぱ頭の出来が違うんだろ」「違うわよ。生まれからして違うの」

全身から漂う気品、風格・・・彼・彼女らは噂はできても本人が近くに
いるのに一歩も近づけない。アレーナは窓から漆黒の宇宙を虚ろに
眺めていた。そんな彼女の、心を開ける数少ない知人が・・・

シレジア「うぃーっす!元気ッスかお嬢様?」
ユウリ「おはよう。アレーナ様」
アレーナ「・・・おはようございます。ピリオド(以上)」
シレジア「んっだよーしょっぺェな朝から・・・おっ!?
中間の結果出てんよ!?」
ユウリ「それでここに来たんじゃないの?」
シレジア「いや、何となく」
97第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/05(水) 21:28:14 ID:???
シレジア「えーっと・・・えー・・・うわっ!!ヤバい!激アツだよあたし!」
ユウリ「あっ凄い!45位?」
シレジア「ユウリは・・・あ。下から数えたほうが早いや」
ユウリ「・・・・・・・・・」
シレジア「まーいいっていいって!あたしも一緒に留年してやっから」
周囲の生徒達はいつもの漫才と言った感じで見ているのだが、何せ
高校ともなればユウリの深刻さも一層リアルだ。


シレジア「しっかしアレーナ様は凄ェなぁ。何か学習塾でも通って
んすか?」
アレーナ「いいえ、何も・・・今はMSに全情熱を注いでますの」
ユウリ「じゃ、どうやったらあんな点が取れるんですか?」
アレーナ「何がって、先生の話を聞いて確実にノートを取るだけです」
シレジア「えっ!!?それだけ?」
アレーナ「ええ、まぁ・・・それより1限は体育ですわよ。急がないと
七面倒ではなくて?」
98第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/05(水) 21:32:25 ID:???
FBの艦内は広い。クルー達の体力調整用の体育館まで、ユウリ達の
教室が集まっている区画からかなり歩かなくてはならないのだ。

ハイト「みんな無事でよかった。まだ友達や家族が行方不明の生徒も
いるし、この艦は戦闘中だが、こういう時こそスポーツで健全な汗を
流そうじゃないか。で、先週までソフトをやってたわけだが、都合で
今日からバスケットをやる。中学の授業で大体は習ったよな?じゃ
早速チームを作って時間いっぱいまで順番でリーグ戦」

シレジア「さ、ユウリ君が一番苦手な授業がやってきましたぉヒヒヒ^^」
ユウリ「からかわないでよっ!本当に運動苦手なんだから><」
ハイト「じゃ、最初はどことどこがやる?」
シレジア「はいっ!ウチらアレーナ様のチームとやります」




アレーナ「・・・・・・面白いですわね。わたくしの最も得意とする球技で
勝負を挑むとは」
99第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/05(水) 21:47:14 ID:???
早速ジャンプボールで試合が始まった。なにぶん素人が多いため、
ファーストポゼッションを目的としたタッチではなかったが、
ルーズボールが唐突に敵陣深くにいたユウリに渡った。途端にどうして
いいかわからずテンパっているが・・・

シレジア「ユウリ打てっ!打っちゃえ!」
ユウリ「ううっ・・・それっ!」
それは、「シュート」と呼べる代物ではなかった。バックボードの角に
跳ね返ったボールはいち早くボックス内に落下地点を見定めて帰陣した
アレーナの手元にスッポリ収まった。

アレーナ「ナイスパスですわ、ユウリさん」
ユウリ「うっ・・・」
シレジア「いいから戻れ!ディフェンスだよっ!」
この試合最初の遅攻に、そしてアレーナのプレイを見逃すまいとする他の
女子達の緊張に体育館は数秒の静寂に包まれたが・・・

アンジェイ「お嬢様ーーーーーーーー!!」
アレーナ「この声・・・アンジェイ!?」
100第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/05(水) 22:07:02 ID:???
サイドライン際、女子達のど真ん中に突如現れた中背・白髪の老人。
服はビシッとタキシードでキメているものの、普通に見れば明らかに不審人物。
ハイト「あー、すいません・・・何方か存じませんがいま授業中でしてね、
しかもコレ女子の体育なんですよ」
アンジェイ「わかっております!寸分違わず存知尽くしておりまする!
だからして、私アンジェイ・クビツァはアレーナお嬢様の一挙手一投足
を見守る義務があるのです!何せバスケットはMS戦以上の局地的格闘技!
あの麗しいお姿が痣や切り傷でお汚れにでもなったら・・・ああっ!!!」
ハイト「なんだ、コイツ・・・変態か?」

アレーナ「アンジェイ!!!!!!!!」
アンジェイ「はっ!?お嬢様、何なりとお申し付けを・・・」
アレーナ「今・・・授業中ですの・・・無事でよかったわ・・・とりあえず
ここから退いていただけるかしら・・・話はあとで」
アンジェイ「はっ!!任務了解であります!」

急ぎ足で体育館から出て、その後ちょっとだけドアの隅から顔を出して
こっちを覗いた後にまた走り去っていったアンジェイを女子達は
呆然とした眼差しで凝視していた。
101第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/05(水) 22:29:39 ID:???
シレジア「よっ、アレーナ様。その長い髪、結ばなくていいんスか」
アレーナ「フ、そこまで私が動くことになるとは思いませんが」
バスケ部だけあってシレジアのディフェンスは低姿勢で隙がない。
アレーナは表情ひとつ変えず黙々とボールを床に弾ませ続ける。

アレーナ「ユウリさん、ガンダムに乗ったときの気迫はどこへ行って?
さ、早くこのボールを取りに来なさいな」

ユウリのことをいつも気にかけているシレジアだ。どんなフェイクにも
反応しない集中力も、その一瞬、そう本当に一瞬だけ途切れた。
その瞬間、アレーナはシレジアの姿勢より更に低いドリブルで抜き去ると
ゴール下の密集をあざ笑うかのように、当然のようにミドルシュート
を決めて見せた。

シレジア「くっそー!きたねぇ女だな」
アレーナ「さ、来なさいな・・・今度は貴女方のオフェンスですわよ」
102第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/05(水) 23:02:21 ID:???
その後、シレジアもバスケ部のプライドにかけて追い上げた。しかし
彼女のワンマンプレーについていけないシレジアチームに対して
アレーナは周りを使うのが上手く、事実終盤にはアレーナのパスから
の加点で勝負がついた。どうしても1ゴール差が埋まらずアレーナチーム
が試合をものにしたのだった。


授業後の更衣室は全勝したアレーナチームへの賞賛の声で溢れていた。
が、当のアレーナはさっさと着替えを済ませ通路でアンジェイと何やら
話し込んでいたのだが・・・

アレーナ「そう、多くの職員が脱出できたのね・・・無事でよかったと、
よろしくと伝えておいて」
アンジェイ「は。で、お父様とお母様ですがね、もちろん無事ですよ。
今はグリーンオアシスの別荘に行かれています」
アレーナ「グリーンオアシス?」
アンジェイ「はい。何か?」
アレーナ「どこへ行っても連邦、連邦・・・か」
103第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/05(水) 23:26:29 ID:???
FBを付かず離れず追い続けるシュメン。その艦内でアイア・コッカが
再び兵達の士気を上げようと話を始めるところだ。
アイア「私も人のことが言えた身分ではない。昔はよく単独行動・命令
無視もやったさ・・・抜け駆けでの手柄も、手っ取り早い出世になると・・・
しかしな。それだけの力のないものがでしゃばったとて単なるピエロ
なのだよ!」
ガブリエル「ぐっ!!!!」


見せしめにアイアの前に立たされたガブリエルの首が指揮棒で
叩かれる。兵達の顔は嫌悪と畏怖が混じった色を帯びる。
アイア「しかし、こういう馬鹿にも価値はあるのだよ。向こうが
ある程度我々に対する警戒心を解いた。この「間」を利用して奇襲
をかける」

「い、いいのですか・・・?」
アイア「いいのだ。アリエルが動くということは「奴」が来ると
いうことだ。従って責任は分散される、ククッ・・・」
104第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/05(水) 23:39:03 ID:???
一日の授業を終え、アレーナは自分の部屋へ戻っていた。この高校の
生徒や職員にだけ個室が用意されるのも不自然ではあるのだが・・・
机で本を読んでいるとアレーナの携帯が鳴った。着信音はフレデリック・フラン
ソワ・ショパンのピアノ交響曲第二番である。
二件の着信、うち一つは一時間前のものでもう一つはニコライ中尉
からだ。おそらく出撃命令だが、アレーナは古い方を迷わず開いた。


「パパだよ。無事でよかった」


それだけ・・・?他の使用人や街の人たちへの心配は?私がMSで
戦ったこと、他にも色々あるはずなのに、それだけ?否応なく
様々な苛立ちが蒸し返してきて、アレーナは部屋を出た。そして
誰もいない区画へ行き一人、星空を眺め続けていた。
105第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/06(木) 00:16:51 ID:???
ニコライ「どうした!?アレーナは出ないのか!?」
「はっハイ!全くつながりませんで・・・」
ニコライ「クソッただでさえ人手が足りないというのに・・・」

アレーナの到着を待つため、ユウリとシレジアはパイロットスーツの
ままブリッジで待機していた。
シレジア「ったくあの女なーにしてやがんだよっ!!」
ユウリ「やめなよ、何か事故に遭ったのかもしれないし・・・」
ニコライ「やむを得ん!ユウリはガンダム、シレジアはチャウシェスク、
アレーナはステアウアで出てくれ!」
シレジア「艦長どんだけテンパってんだよ」

二人はそれぞれのコクピットに乗り込むと、自分のケータイをアームレイカー
のアダプタにはめ込んだ。
ユウリ「プリンスガンダム、ユウリ行きます!」
シレジア「チャウシェスク、シレジア出んよ!」
誘導員の足元がおぼつかない。人手の少なさはスタッフ一人当たりの
勤続疲労度も増大させているのだ。
106第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/06(木) 00:19:16 ID:???
ニコライ「どうした!?アレーナは出ないのか!?」
「はっハイ!全くつながりませんで・・・」
ニコライ「クソッただでさえ人手が足りないというのに・・・」

アレーナの到着を待つため、ユウリとシレジアはパイロットスーツの
ままブリッジで待機していた。
シレジア「ったくあの女なーにしてやがんだよっ!!」
ユウリ「やめなよ、何か事故に遭ったのかもしれないし・・・」
ニコライ「やむを得ん!ユウリはガンダム、シレジアはチャウシェスク、
アレーナはステアウアで出てくれ!」
シレジア「艦長どんだけテンパってんだよ」

二人はそれぞれのコクピットに乗り込むと、自分のケータイをアームレイカー
のアダプタにはめ込んだ。
ユウリ「プリンスガンダム、ユウリ行きます!」
シレジア「チャウシェスク、シレジア出んよ!」
誘導員の足元がおぼつかない。人手の少なさはスタッフ一人当たりの
勤続疲労度も増大させているのだ。
107第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/06(木) 00:21:19 ID:???
ゾロアット、ゲドラフ、ヘビーガンにレントウを含め15機は下らない
シュメンのMSがFBに迫っていた。量産機ハジを省いた、必勝を期す
面子である。アリエル到着で単独指揮権を剥奪される前の最後の勝負だ。

ガブリエル「くそっ、見せしめのような事をして・・・」
アイア「聞こえているぞポペスク曹長。シュグナイドの心地はどうか?」
ガ「はっ!?アイア中尉・・・」
ア「フ、気にするな。私もそうだった。ベスパで上にいた女は全く嫌な指揮官
だったよ。お互いに全く相手を信用せず、常に足元をすくってやろうと
狙っていた。わたしはそんな戦士が大好きだ」
ガ「その女・・・どういうヤツで?」
ア「知る必要はない。あれで生きていたら化け物だよ」

FBから発進したチャウシェスクとPガンダムが中規模部隊と間もなく
正面からぶつかるところで、通信は切れた。
108第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/06(木) 00:23:00 ID:???
様々な色の光がついたり、消えたりする漆黒の宇宙をアレーナは
ただぼんやりと見つめていた。


アンジェイ「アレーナ様!お嬢様!」
アレーナ「・・・・・・・・・・・・アンジェイ・・・」
アンジェイ「探しましたぞ。ニコライ中尉が至急、ステアウアで
出撃してほしいとの事、ハァ、ハァ」
アレーナ「・・・そうでしょうね。これだけ激しい戦闘ですものね。
わたくしが出なければこの艦、まず落ちざるを得ないですわ」

アンジェイ「はっ?」
アレーナ「私ね、もう辛くなったのよ。嘘をついてるのにも、誰かと
一緒に、何かをしなければいけないのも・・・」
アンジェイ「そんな馬鹿な。アレーナ様はMSが大好きでしょう」
アレーナ「あなたは、鉄が人間の体を潰す音を聞いたことがあって?
断末魔のおぞましい悲鳴を、火で肉が焼けていく匂いを・・・お父様も
お母様もそんな現実を見捨てていち早くお逃げになられたのよ」
109第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/06(木) 00:28:53 ID:???
アンジェイ「お嬢様。ヨルダネスクは大きな器を持つ者。大きな器を
持つ者はそれだけ大きな目で社会を、戦争を俯瞰する義務があるのです。
お父さんとお母様はそれをなさっているのですよ」
アレーナ「違うわ・・・あの方達は自分達が戦争を、火種を育成している
事に気がつかない。だから私はMSに乗った。私が死ぬのを見れば
兵器のおぞましさにやっと気が付いて目を覚ますでしょうに」

アンジェイ「しかし、あの時お嬢様は我々をハジから守ってくださいました。
それにお父様から真の情愛を注がれたいとお思いなのでしょう?」
アレーナ「アンジェイ、あなた・・・」
アンジェイ「お父様からの伝言を一つ失念していました。ヨルダネスク
の血統を受け継ぎたる者、貴き志を持ち己の信を貫け、と。卿は
決してアレーナ様の生き方を束縛したりはなさりません」

アレーナ「掻い摘めば、ありのままの自分でいろ、と?」
アンジェイ「そのような御解釈で宜しいかと」
アレーナ「わかったわ・・・アンジェイ、行ってくるわね」
アンジェイ「行ってらっっしゃいませお嬢様!!^^」
110第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/06(木) 00:30:58 ID:???
Pガンダムとチャウシェスクは苦戦していた。機体性能では決して
劣ってはいなくとも、いかんせん数が違いすぎる。ニコライが断腸の
思いで出した増援のマジ・デウゼー隊も性能とパイロットの技能で
ハジにすら敵わないのでは艦周囲に防波堤を築くのがやっとだった。

その時!カタパルトデッキからマジ・デウゼーの壁を破って赤い光弾が
MSの密集の只中に突っ込んでいった。Pガンダムとチャウシェスク
の作ったスペースで十分に狙いを定め、一瞬でシュグナイド、トムルら
数機を駆逐した。

ユウリ「ステアウア・・・アレーナ様!」
シレジア「おっせーよコラ!バチ切れんぞ!」
アレーナ「ごめんなさい・・・夕食は私のおごりで宜しくて?」
111第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/06(木) 01:58:49 ID:???
機数が減ったことで、シュメンのMS隊はむしろ中距離からの砲撃で十分自分達を
狙えるはず。しかし、中尉レベルの指揮官に率いられた部隊がそれだけ早く
頭を切り替えられるとは思えない。アレーナはこの判断に基きあえて
FBに向かって後退した。するとユウリとシレジアも何の言葉も交わさず
これに同調する。

ガブリエルらをはじめとしたシュメンのMS隊がすかさずこれを追うと、見事な
波形でPガンダム・チャウシェスク・ステアウアを各頂点としたマジ・デウゼーの
部隊が彼らを包囲し接近戦に持ち込んだのだ。あまりに馬鹿馬鹿しい部下の
行動にアイアは距離をとって傍観していた。

マジ・デウゼーも何機か落とされたが、効果はあった。五体満足なのは
アイアのレントウ・マジューゼだけとなったのだ。
アレーナ「ユウリさん!この前の攻撃を!」
ユウリ「えっ?」
アレーナ「この前レントウを退けた攻撃です!あれをやるのよ!」
112第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/06(木) 02:03:26 ID:???
ユウリ「よしっ・・・お気に入り、PC・・・んっ?」
シレジア「どうした、ユウリ?」
ユウリ「パスワード音声入力・・・?この前と違う・・・」
アレーナ「まさか・・・それはレベルアップ・・・というものでは?」
ユウリ「えっ?そんなこと言われても・・・」

シレジア「ユウリ!プリンセス・カノンだ!」
ユウリ「へ?」
シレジア「いいんだよ!いま適当に決めたんだよ!とにかく
やってみて、ダメだったらそん時はそん時だよ!」
アレーナ「よし・・・シレジアさんはあの剣を!ユウリさんとできうる限り
同調して攻撃を繰り出します。いいですわね?」


アイア「アイツたち、今度は何する気だ・・・」
113第四話「アンジェイの憂鬱」:2006/04/06(木) 02:48:56 ID:???
ユウリ「よし、いくよ・・・プリンセス・カノン!!!!!!」
その鴇(とき)の声と同時に、Pガンダムの腹部から強烈なメガ粒子砲が
放たれるとこれにあわせてチャウシェスクが剣を振り下ろし
ステアウアのビームアローが弓を発つ。

驚いたことに、この攻撃はアイアの回避意図を読んでいたかのように
三方向を塞いでレントウに直撃した。
ユウリ「やった!!!!!!!!!」
シレジア「勝った!!!!!!」
アレーナ「待って!」

爆風と硝煙の中からレントウが姿を現した。要所要所が綻びているものの
機体は原型を維持している。
アイア「おのれ・・・小娘共・・・私を怒らせるのも大概にしろ!!」
ガブリエル「アイア中尉!」
三機に飛び掛ろうとしたアイアを静止させた声・・・

ガブリエル「シュメンの後方1kmにアリエル級戦艦をキャッチ!」
アイア「なに・・・そんな・・・クソッ退くぞ!!
・・・いまいましい小娘共め・・この痛み、口惜しみ・・・塗り返してやる」

シレジア「なんだぁ?どういうんだアイツたち」
ユウリ「きっと、中は無事じゃなかったんだよ」
アレーナ「・・・そうね。きっとユウリさんの言うとおりなのよ。さ、
FBに戻りましょう。わたくし中尉の説教を受けなければなりませんの」
シレジア「何だよ・・・今日やけにしおらしいじゃん」
アレーナ「謙虚さこそが貴族のあるべき姿ですのよ。ピリオド(以上)!」


三機を出迎えるブリッジには、アンジェイとニコライの安堵の表情があった。
何よりマジ・デウゼーの有効な運用法を見つけたことがニコライは嬉しかった。

114第四話登場メカ@:2006/04/06(木) 03:11:34 ID:???
SMS−S00 シュグナイド
全長   17.66m
本体重量 13.5t
ジェネレータ出力 7500kW
スラスター推力 106990kg
装甲材質  Hiガンダリウム合金複合装甲材
武装
ショットニードルパック
背部ウェポンデバイス(多目的マニピュレータを装備し、多数の武装を使用可能にしている)
ガン・スピア×2
ビームランチャー兼ビームライフル
メガマシンキャノンSPS
ビームソード×2
ビームシールド×2
解説
ソフィアの汎用新鋭MS
高い汎用性をもたせるための背部デバイス
が最も特徴的である、このデバイスは入手した連邦軍のコネクタの
データも採用されているため、連邦側の各種武装も使用できる
115第四話登場メカA:2006/04/06(木) 03:26:31 ID:???
RGM-109-SC7 ヘビーガン(ソフィア仕様)
頭頂高 15.8m
本体重量 10.5t 
ジェネレータ出力 4,830kw
スラスター推力 70,230kg
装甲材質 ガンダリウム合金
武装
頭部バルカン砲×2
ビームサーベル×1
ビームライフル×1
ビームシールド

ソフィアの保有MSの一つ。
UC130〜140年代にかけて各地のコロニーに払い下げられた連邦軍のRGM-109ヘビーガンの改装機。
RGM-109ヘビーガンは前時代における連邦軍のMS小型化計画の先駆け的な機体。
どこのコロニー国家でも大抵の場合、原型機を改装して使用しているが、どう考えても旧型機である。
しかし新兵器の入手が困難な弱小コロニー国家ではまだまだ現役で活躍している。
RGM-109-SC7 ヘビーガン(ソフィア仕様)もまた、ザンスカール戦争以前からソフィアが保有するヘビーガンに
改装を加え続けたものであるが、近年リガ・ミリティアや連邦に潜入させた技術スパイから
齎された最新データをフィードバックした改装を加えたことで、
以前のバージョンにあたるRGM-109-SC6と比べ著しい近代化を遂げ携行武器も新型の物に一新されている。
もっともRGM-109-SC6からRGM-109-SC7に改装されたヘビーガンは全部で21機にも及ぶが、
それでも尚、現代の最新兵器と比較すると二線級なのは否めない。
本来であればRGM-109-SC6と共に後方を固める予定だったが、
旧ベスパ製MSの再編やその後の新型MSの準備に僅かに遅延が発生したため、
不足分を埋める目的で既に改装が完了し稼動が確認されている21機全機が最前線へと投入されている。
116第四話解説書:2006/04/06(木) 03:52:25 ID:???
・SMS−SOOシュグナイドは個人的に最もバランスの取れた機体だと思っている。
こちらの手違いで早期に登場させてしまったが台詞の流れを考えると外せなかった。
トムル、ゾロアット、ハジらに比べると明らかに中盤以降の登場機なのだが・・・
シュグナイドを考えてくれた初代スレの25氏は名前の元ネタなど教えてくれると嬉しい。
何故か私のイメージでは機体色は赤・白・銀のトリコロールである。

・この第四話は初期の中では気合入れて書いた部類だと思う。何故かというと
アレーナが主役だからw こういう設定のキャラに弱いのである。バスケの
授業に関してはブルマでもハーフパンツでも自由に妄想して下さい・・・・

・アレーナの執事アンジェイ・クビツァはギャグ要員のため、地球編以降はかなり
使いどころに困った。結局まともな台詞を吐いたのはこの第四話だけであるw

・ラストシーンは丸く収まっているように見えるものの、シレジアはアレーナの
バックれに納得してはいない。これが第六話への伏線になっているのだ。
117通常の名無しさんの3倍:2006/04/08(土) 15:32:59 ID:???
>>90
まず


ま  と  め  ろ


初期の頃からこの要望は結構あったはずだろ

質問に対する受け答えから
既に作者の脳内設定は出来上がっているとおもっていたんだがね
バックボーンが出来上がってないのに話を進めるなんてかなり無茶やるね
118通常の名無しさんの3倍:2006/04/08(土) 15:34:37 ID:???
>>76
>>73を好意的に訳すと

【プロジェクト・ロマニア】
形骸化した連邦軍上層部に対抗している一部若手が、ロマニア皇国との経済的提携を結ぶことを目論む
政財界から支援を受けて進めたガンダム開発計画。
しかし、この時代のMS企業は各勢力と網の目のように繋がりを持っており、
SWWの発展でこれまで以上に軍事情報がインターネット上で交換・漏洩されるようになった結果、
如何なる機密情報も完全に外部へ漏れないよう密封することは不可能であった。
現に、ソフィア宇宙軍は早期からこの計画の情報を掴みサイド7宙域に進駐していた。

【RGM166マジ・デウゼー】
RM−01プリンスガンダム、RM−02チャウシェスク、RGM166−Xドラゴスティア
らの開発企画・ソフィア宣戦布告以前から開発が始まっていた機体。
連邦軍全体の保守的体質から前時代的性能であった。

かな?

利害の一致が誰と誰のものかわからん
一部若手と政財界なのか
一部若手とロマニア皇国なのか
政財界とロマニア皇国なのか
三者なのか
この場合、三者それぞれの利を説明すべき
プロジェクト・ロマニア目的が全く説明されていない

改行の意味がわからん
改行の前後で別の話題なのかい?
「加えて」ってことは前の文を引きずっている
しかし、マジの説明は関連がなさそうである

「ものの」とか「まま」はどういった含みで使ったの?
Pガンより前の機体なら前時代的で普通じゃね
保守体質で予算が下りないって何?

何を解説したいんだ?
119作者:2006/04/11(火) 05:32:13 ID:L7kqTyGN
>>117
すまん。君の尻拭いに期待しすぎていたのも事実だ

>>118
利害の一致
連邦軍若手有志(保守派に対抗して対ソフィア軍備を進め世間の支持を得る)
政財界(彼らの発注でMS業界を再活性化させる)
ロマニア皇国(この再軍備計画を誘致して自衛力強化と経済立て直しを両立)

改行の後、「また」はSWWの発展でプロジェクト・ロマニアが失敗したことに
加えて失敗した第二の理由を付け加えた。前時代的といってもほぼ同時期だし低性能
なのは問題だ。保守体質で予算が下りないのは、結局は若手は予算会議で決定権を
握れないということ。主流派にコネがないから。低予算で作ったのがマジ・デウゼー、
やっとスポンサーが見つかってからPガン以下を開発し始めた。で、マジも
改修しようと思ったらソフィアが侵攻してきた。

OKですか?
120作者:2006/04/11(火) 05:48:06 ID:L7kqTyGN
あと、シュグナイドの元ネタを教えてくれよ。
調べてもこのスレしか出てこなかったよ。
121第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 05:50:09 ID:???
「シュメンの栄光ある勇者たちよ、ソフィアの御名背負いてよくぞ孤独に
耐え今日まで作戦行動に従事してくれた。我々が来たからにはこれまでの
屈辱、並(な)べて挽回せしめようぞ。ソフィアの名が何たるか、
レフスキの意味するところが何たるか、示す時が来たのだ」


FBから少し離れた宙域に並ぶ二つの巨大戦艦は等しく一人の男の声を
艦内部にアナウンスしていた。それは、ロマニアにおけるガンダム破壊、
その失敗に伴うFB追撃という一つの作戦の終了と、また新たな段階への
移行を告げる朱鷺の声であった。


戦艦アリエルの参謀室の前にはアイア・コッカ中尉が立っていた。度重なる
失敗に伴うストレスで表情には疲れ、苛立ちが明白に滲み出ている。
アイア「アイア・コッカ中尉、入ります」
122第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 05:52:18 ID:???
アイア「お久しゅうございますフリスト・ボネフ中佐」
フリスト「そんな尊称はやめてくれたまえアイア中尉。そんな仲でも
なかろう?16バンチのフランス料理店、覚えているだろう」
アイア「失念いたしました」
フリスト「フフ相変わらずだな。それでこそ君だ。君には他の女性仕官
の何倍も期待しているのだよ。レフスキ元帥もそうだ。だからこそ
このような重要な任務を任せた」


ゴッホの「夜のカフェテラス」が掛けられた壁を背に椅子にもたれかかった
フリストは端正な中にも妖しさを秘めた表情でアイアを見つめる。

アイア「それよりオシフィエンチム。通りすがりに見ましたが
今回はまさか自らお出でになられるので?」
フリスト「そうだよ。いけないかね?会議室の椅子はMSの座席より
ずっときつく感じる。少しは解(ほぐ)しておかんと差し障る」
「そうだ。今回は失敗や停滞を想定した作戦なのだよ」


123第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 05:55:04 ID:???
参謀室にスキンヘッドでとっぷりと太ったスーツ姿の男性が入ってきた。
アイア「ゴッズ・インヘブン大佐・・・!このような所へ」
ゴッズ「自分の職場をそう卑下するものではないよ中尉。この油や
汗の匂い、喧騒・・・久しく忘れかけていたものだ。戦場から離れれば
君たちの感触や前線の見え方も変わってくると、気付いているからこそ
君に今の階級を与えた」
アイア「・・・詳しく聞かせていただきたい話ですが」

ゴッズ「そう腐るなよ。これが、君に対する謝意の表し方だ。既に
スウィートウォーターにおける作戦は失敗した。が、それは君だけの
問題ではなく余剰戦力を出し渋った我々にも責任があるのだよ」
アイア「そんな・・・」
フリスト「大佐のおっしゃるところがわかるかね中尉。この戦力で
眼前のFBを叩く、だけではなく地球圏の不満分子の掘り起しには
絶好のプロパガンダでもある。そして地球だ。連邦は形骸化し
リガ・ミリティアも前大戦で戦力的に死に体・・・連中が拠点とする
東ヨーロッパと古来より続くコネクションを奪回するには今が絶好機だ」

アイア「・・・承知いたしました。命賭して」
124第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 05:58:09 ID:???
アレーナ「・・・なぜわたくしがプライベートでもあなた達と一緒に
行動しなくてはなりませんのっ!?」
シレジア「しゃーねェべ?中尉から言われてんだから」
ユウリ「今日はコンスタンツァの祭りだよ。喧嘩しないで楽しもうよ」
ア「それにしても・・・他になかったのですか?このきつくて変な
模様の着物は・・・」
シ「知らね。なんかイズモさんの故郷で女が祭りで着るもんだってさ。
「ユタカ」・・・だったけ?ようわかんね」


サイド7ロマニア皇国には春の到来を告げる祭りがある。彼らの祖先に
あたる指導者の名前を取ったものだが、別に彼を讃える祭りではなく
旧世紀に神が一度死んで復活した日の前日、夕方から街は賑わい始め
花火や夜店の中を掻い潜って人々はそれぞれの街の中心にある教会
からキャンドルをとってくる。このキャンドルに色んな火種をくべ、
夜明けまで消えなければその家には幸福がもたらされるのだ。
この行事に民は子宝、豊作、出世、縁談などの願いを託す。



125第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 06:02:58 ID:???
ノマノマ「火薬が足りない?」
ニコライ「ああ、あの時、避難民の目印で使ったものが最後だよ。
第一そんなものは今時どこの艦にも置いてないしなぁ。せっかく
艦内の人達が演出してくれてるのに悪いんだが、今年のコンスタンツァ
の祭りは花火は無しってことになるな」
イズモ「艦長、ドネツクを忘れちゃいませんかね」

今回の祭りの実行委員長でもあるイズモが子供がイタズラを思いついた
ような顔で話した。女子高生にガンダムを奪われたとあって、色んな
ところでポイントを稼ごうと変な意味で必死である。

ニコライ「ああ、ドネツク・・・!あそこは中立だしちょっとしたデパート
みたいなものだからな。今から間に合うか?」
イズモ「知懇あるんスよ。採掘用衛星に偽装してるし、まず大丈夫
じゃないスかね」
ノマノマ「オレに行かせてください。艦ごと動くとマズイし、オレも
実戦配備のMS、慣れときたいんスよ」
イズモ「大丈夫かぁ?」
ニコライ「いいだろう。早くしないと祭りが終わっちまう」


コンスタンツァの祭りの日だけは階級も老若男女も現実も忘れて人々は
しばし憩う。だが、それがこの日のFBに危機をもたらすこととなった。
126第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 06:10:11 ID:???
MSデッキではイズモが入念なレクチャーを行っていた。
イズモ「そう、右んとこでミノ粉をちょっと下げて・・下げすぎだよ。
で、ヘリウム3の残量はここで表示する」
ノマノマ「以上っすか?」
イズモ「オッケーだ。しかし同情するぜ。ドラゴスティアはSWWの
搭載に失敗した機体だからな。敵機と遭遇したら迷わず逃げろよ」
ノマノマ「わかってますよ」


ニコライ「大丈夫か、ノマノマ?出力は」
ノマノマ「無問題スよ。ノマノマ・イェイ、ドラゴスティア出ます!」

127第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 06:15:28 ID:???
「マイアヒ マイアハ マイアフ マイアハッハ
 あなたに幸福を      無理強いはしないから
 わたしを置いてかないで  菩提樹の下で愛し合った思い出」


祭りも中盤に差し掛かると誰もがこの音頭にあわせて口ずさんでしまう。
祭りには少々場違いな歌詞に思えるが、旧世紀から伝わるこの歌は
ロマニアに住む者なら幼いころから耳に焼き付いているのだ。

「アレーナ様だ!」「アレーナ様!頑張って下さい!」
「あ、ガンダムねーチャンもいるぜ!」
ちょうど最も夜店の混雑した区画を三人が通り過ぎるとき、避難民
たちが騒ぎ出した。当初の沈痛な空気も祭りに煽られてすっかり
酔いが入ったようなものだ。彼らは教会に見立てたブリッジに向かい、
幸福をもたらすキャンドルを受け取る手はずになっている。雰囲気を
出すために全区画のライトが消される徹底ぶりだ。

 
 
128第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 06:20:25 ID:???
アリエル艦内ではフリストがその髪とマントを燻らせ歩くたびにシュメン
から乗り込んだ女性兵士達からの嬌声を浴びていた。その中の一人が・・・

「フリスト大佐!あの、これ・・・私達からの気持ちです!」
フリストは多くの手紙が詰まった封筒を受け取った。
フリスト「ありがとう。君達の熱意が、私に力を与え必ずや
ガンダムを打ち滅ぼさせてくれるよ」
その言葉に色めき立った女性兵達から一層ボルテージの高い嬌声が上がった。



フリスト「うん、いいようだ・・・フフ。シュメンの女達にも少し
挨拶をしてやらねば、ご無沙汰は最大の失礼というもの」
「ブリッジです。SWW、出力調整とも問題ないですか?」
フリスト「ああ。フリスト・ボネフ、オシフィエンチム出る!」

見るからに異形の物体と思える巨大な竜の形をしたモビルアーマー、
オシフィエンチムはシュメンのカタパルトを旋回し、赤い噴煙で
一つの薔薇を宇宙に描いて見せた。アイアはブリッジで不愉快そうに
していたが、モニターを見つめていた女性兵が感激したのは言うまでもない。
129第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 06:28:45 ID:???
シレジア「ユウリ、あの店みてみ。何か欲しいもんある?」
ユウリ「あー、えっと、あのぬいぐるみ」
シレジア「おめェ何才だよぉ。それにあれ、ボールに耳が生えた
みたいなヤツ?あんなんでいいの?本当に」
ユウリ「うん」
アレーナ「まったく、付き合いきれませんわ・・・」

シレジア「何言ってんの?アンタもやんだよ」
アレーナ「へ?」
シレジア「どっちが先にあの羽ボールを落とすか勝負。負けた方が
それまでの全額支払ね」
ユウリ「ちょっと、シレジア・・・!」
アレーナ「・・・面白いですわ。この前の夕食に引き続いてこの私に
さらなる負債を負わせようと画策なさるのね?」
130第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 06:33:02 ID:???
フリスト「まったく女をやる気にさせるのも一苦労だ・・・ん?」

FBから程近い宙域に一機のMSを発見したフリスト。すぐさま検索し
ドラゴスティアがSWWを搭載していない事を確認した。

ノマノマ「うっ・・・あれは!?」
自分のMSの十倍以上もの身の丈と強烈なプレッシャーを感じたノマノマ
は一瞬怯むが、ここでその気配を見せればかえって怪しまれる。SWW
未搭載機なら見逃されるという計算もあって出たのだ。


フリスト「ま、あの程度の塵・・・放置してもツケは来るまい」
二機のMSは接触せずそのまま逆方向へ別れた。

131第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 06:34:49 ID:???
シレジア「ちっきしょぉー今月の予定パァだよ」
アレーナ「ま、結局はこれが実力の差ということですわ・・・これに懲りて
精進なさるのね。はい、ユウリさん。これが欲しかったんでしょ。
でもこれ、随分汚れているわね」
ユウリ「うん、ありがとう・・・」
アレーナ「なぁに、その顔は。わたくしよりシレジアさんにとって
欲しかったとでもいうの?」
ユウリ「あ、いや、そういうわけじゃないです。嬉しいですとても」

そう言って慌てたユウリがぬいぐるみを落とした。するとぬいぐるみ
から機械的な音声が発せられた。
「ウッソ、ゲンキカ。ウッソ」
シレジア「ん?なんだぁ?ぬいぐるみ喋ったぞ」
アレーナ「これ、機械じゃなくて?」
ユウリ「え、ていうか触ったときに気付けば・・・」
132第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 06:36:21 ID:???
フリスト「これは、これは・・・随分寛大なお出迎えで」
FBの真上をとったオシフィエンチムはビームキャノンを構えると左舷下部に
照準をつけた。
フリスト「いきなり、さらばだ。ガンダム」


次の瞬間!艦内に猛烈な揺れが走った。祭りに参加した避難民たちはパニック
に陥り初めてここに至って自分たちの浅はかさに気付かされたのである。
ブリッジもいざというときのため最低限の戦闘態勢はとっていたが・・・

ニコライ「ああっ!このオレが気合入れて描いたイコン(聖像画)がぁ!」
「艦長!左上、ロザリオ破損、落下!」
「ミサ服に祭り用キャンドルが!艦長、指示を!」
「管制棟!艦長の頭部にイコン2枚落下!至急救護班を!」
「祭実行委員会!何やってんの!艦長の予備神官服持って来いっ!」
133第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 06:40:22 ID:???
フリスト「・・・低く絞りすぎたか」
その後もオシフィエンティムは各部に攻撃を加えながら格納庫を
探す。

シレジア「あっメールだ!」
ユウリ「ガンダムチーム、出動だね!」
アレーナ「ですわね、幸い目の前にMSがあることですし・・・」
実際、ここ以外に祭りができそうなスペースはなかったのだが・・・

三人は着の身着のまま各MSに乗るといつものように自分のケータイ
をアームレイカーの上にセットした。
「アレーナ、ステアウア出ますわ!」
「シレジア、チャウシェスク出んよ!」
「ユウリ、Pガンダム行きます!」
134第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 06:42:11 ID:???
アレーナ「まったく・・・この「浴衣」というのは動きにくくて」
シレジア「来たよ!」

オシフィエンティムは三機のMSの射出を確認し、至近距離まで接近した。
フリスト「私はソフィアのフリスト・ボネフ大佐だ。そこのガンダム、
パイロットは名を名乗りたまえ」
ユウリ「ユウリ・・・スターリニスカヤです!」
フリスト「?・・・女?それも若いな・・・キミ、年齢を言いたまえ。
それと差し支えなくば上から三つのサイズ、電話番号、メールアドレスを」
ユウリ「年齢は15才!それ以上は言いません!」

シレジア「なーにほざいてんだよこのロリコン!」
フリスト「ロ、ロリ・・・私はそっち方面の趣味は持ち合わせていないのだが
まぁ、いい・・・動けなくしてまずヒップから鑑定せねば。フフ、
燃え盛る恋の熱意はミノフスキー粒子すらも突破するのだよ」
135第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 06:44:14 ID:???
フリスト「いくぞ、少女達!」
オシフィエンティムが三機の頭上高く飛び上がった、ように見えた。
アレーナ「違うっ!ランチャー!」
シレ&ユウ「えっ!!!?」

オシフィエンティムは素早く自分の武器を放り投げただけだ。つられた三機の
隙を突くと、まずステアウアにビームシールドごとショルダータックルを
見舞った。さらにつかまえたステアウアをチャウシェスクに向かって投げつける。
死角を利用してさらにPガンダムへメガランチャーを放った!
ユ&シ&ア「ぐああっ!」

フリスト「ま、ドッグファイトはこのくらいにして、と・・・」
アレーナ「離れる気ですわ!何とか接近戦に持ち込んで・・・」
シレジア「わかってる!・・・あっ!!」
136第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 06:47:27 ID:???
チャウシェスクが掴んだ脚部とも尻尾ともとれる部分が分解して、
まるでトカゲの尻尾のように切り離された。そして三機の周囲を
旋回して小刻みに砲撃を与えては焦って出てきた一機をいなし、
切り離した部分を後部に接合させる。そうこうしているうちに
オシフィエンティムはほどよい距離をとって三機とFBに向けて
超大型メガ粒子砲の照準を合わせる。


フリスト「さらばだ、少女達・・・何の因果か女性の嗚咽ばかり耳に焼き付いて
しまう半生を自ら呪わずにはおれん、ウゥゥン・・・」
そう言ってフリストは自身の体を抱きしめ、慈しむかのように自己愛に浸ると
再びFBへの照準を確認する。


ユウリ「中尉、援護を!手強いMAです!」
シレジア「ダメだっ!」
アレーナ「もう間に合わないっ・・・!」
137第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 06:49:15 ID:???
今まさにFBに向けて粛清の光が放たれようとしたその瞬間である。
ドネツクの方向から突進してきた一機のMSがビームナギナタで
隙だらけのオシフィエンティムの腕を切り落とした!
フリスト「えっ?はっ?なになに?」
ノマノマ「一人舞台はそこまでだぜ!」
フリスト「ぐっ、さっきのMS・・・やはり連邦の金魚の糞かっ!」

ドラゴスティアは軽い身のこなしでオシフィエンティムと渡り合う。
フリストの乱調と、小柄さゆえに生まれるスペースを活用した
ノマノマのパイロットセンスが窺える初陣だ。


アレーナ「ユウリさん!あの時の攻撃、やりますわよ!」
ユウリ「えっ?」
アレーナ「今しかないでしょう!外れても敵は慄(おののく)わ!シレジアさんも
チャウシェスクの剣を!」
138第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 06:53:14 ID:???
シレジア「よし!じゃ、あんたもプリンセスアローを!」
アレーナ「・・・はい?」
シレジア「ユウリだけプリンセスだなんてズルいっしょ。あんたは
弓なんだからアロー、あたしはブレード。何か間違ってる?」
アレーナ「し、しかし戦闘中にそのようなふざけた・・・」
シレジア「あーーーっ!!うるさい!タイミング合わせるためには
必要だろがっ!つべこべつべこべと、何故素直にやりますと言えんのだ!」
アレーナ「わっ、わかりましたわ!言えばいいのでしょ、言えば!」
シレジア「ヒヒヒ」
ユウリ「あの・・・いい?始めて」
139第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 07:03:49 ID:???
ユウリ「行きます!プリンセス・カノン!!!!」
シレジア「プリンセス・ブレード!!!!」
アレーナ「プ、プ・・・プリ、ププ、プリンセス・アロー!!!!」
微妙にステアウアのビームアローだけが遅れていったが、三機の
最大出力の攻撃にドラゴスティアに集中していたフリストもさすがに
気がついた。


フリスト「うっ、この・・・迫力!??」
すぐさまオシフィエンティムとドラゴスティアはVの字に分かれて
これを回避した!
フリスト「どうやら・・・侮っていた様だな、連中を、そして時代を・・・」
オシフィエンティムは踵を返してアリエルに帰艦していった。

ノマノマ「・・・ふぅっ・・・!」
ノマノマは一息つくとFBに戻っていった。
140第五話「ノマノマ出撃」:2006/04/11(火) 07:10:27 ID:???

ユウリ「ノンちゃん大丈夫!?」
ノマノマ「ああ。お前の声が聞こえたから駆けつけられたんだ」
ユウリ「えっ?」
シレジア「ちょっとぉノンちゃん、か弱い乙女が三人もいるのにユウリ
だけ心配しないでよぉ」
ノマノマ「悪い悪い。でも、シレジアはか弱いか微妙だろ?」

四人はしばし時を忘れ、今日の戦闘のことや祭りのことを話しながら
カタパルトへゆっくりと降りていった。
フェレンツバロシュ艦内は一晩中コンスタンツァの音頭で満たされたのだった。


 マイアヒ マイアハ マイアフ マイアハッハ
 あなたに幸福を      無理強いはしないから
 わたしを置いてかないで  菩提樹の下で愛し合った思い出
 ヴレイ ス プレスィ ダル ノマノマイェイ
 ノマノマイェイ   ノマノマノマイェイ・・・・・・・・・

141通常の名無しさんの3倍:2006/04/13(木) 02:51:30 ID:???
>>119
ダメです

>改行の後、「また」はSWWの発展でプロジェクト・ロマニアが失敗したことに
>加えて失敗した第二の理由を付け加えた。

改行の前後で同じプロジェクト・ロマニアの説明なら改行は不要ではなかろうか?
ところで、>>73の何処に失敗に関する記述があった?
好意的に解釈してもソフィアがプロジェクト・ロマニアの情報を掴めた理由の記述しかないぞ。
さらに、マジの部分もプロジェクト・ロマニアに関する説明だったのか…うーむ

マジ・デウゼーはプロジェクト・ロマニアの機体に変更したのか?
>>44の説明から連邦独自企画の機体だと考えるのが妥当と思うのだが。
ポイントは次期主力機。
次期主力機が少数派の企画から採用されるだろうか?
マジに新技術を採用しない理由は、上層部の保守的な思想と予算削減であり、
上層部の保守的な思想による予算削減ではないと読み取れるけどな。
プロジェクト・ロマニアは>>71の説明にあるようにソフィア宣戦布告後に実行されたとあるから
それ以前から開発されていたとするマジの説明と矛盾するしね。

どうも作者はその場しのぎの返答をする事が多いようだが

とにかくまとめろ
ただのコピペじゃなく作者のことばで一からまとめろ
個別で考えず統括的に考えながらまとめろ
良く吟味し取捨選択してまとめろ
投下することを目的とせずにとにかくまとめろ

いろいろ云われてるみたいだけど、まあ、頑張れ
142:2006/04/15(土) 04:34:50 ID:???
>>141
おう、頑張るよ。

プロジェクト・ロマニアのみならずストーリー初期の設定に関しては前々から
揉めてたしな、これからは以下で統一しよう 
U.C.166
10.3 地球連邦軍企画部部長ジェフ・マックレー、新たなスペースノイド反乱に
   備えIT機能を備えた宇宙世紀初のMS開発の必要性を訴える報告書を提出
10.6 幹部会、報告書を黙殺。
10.10 企画部が再び会議を行い改めてIT機能を完備した新規MSの必要性を確認。
10.19 第三回会議で件の新規量産型MSの名称を「マジ・デウゼー」に仮決定
10.29 審議会・幹部会名義でジェフ・マックレーにサイド5転勤辞令
11.10 サイド7ロマニア皇国のヨルダネスク・グループが宇宙世紀初のブロードバンド
搭載戦闘用MS「ステアウア」の開発開始を公表
11.15 一部新聞紙上で連邦軍のIT機能導入の遅延批判が行われる
11.18 地球連邦軍最高幹部会、企画部解散・活動停止を示唆
11.26 フォン・ブラウン年内最後の予算審議会で議員同士の激しい口論
11.31 暴力を行使した全議員に一定期間の活動禁止処分
12.11 サイド2コロニー・ソフィアが四つのコロニーを支配・併合し政庁化を宣言
12.16 企画部弾圧に抵抗するスタッフ・支持議員の家族らが連邦議会周辺で抗議集会
12.18 立ち退きに応じないデモ参加者に機動隊が催涙ガスを使用
12.20 レフスキ・ソフィア首相、公に反連邦の立場を表明
12.24 「涙のクリスマス」。再度のデモに機動隊が再び催涙ガスを使用
12.27 リガ・ミリティア、将来的に政党化の意向を示唆
12.30 リガ・ミリティア、連邦軍新規MS開発用補正予算問題への不干渉を確認。
12.31 大晦日・SpaceBBCの「徹底討論!地球圏の明日はどっちだ」に各勢力・マスコミの
有力者が出演し殴りあい寸前の激しい激論を交わす。視聴率瞬間最大88.9%。
143:2006/04/15(土) 04:36:33 ID:???
U.C.167
1.1 極右アースノイドがダブリン、ラサ、シドニーなどに集結し大規模なデモ。
1.10 地球連邦トミー・マッカーシー外務次官がワイドショーに出演し、連邦高官
としては初めてソフィアの危険性・危険思想を指摘
1.19 連邦軍企画部、正式に活動再開
1.20〜25 企画部に嫌がらせ・脅迫目的の手紙やメールが集中
1.26 サイド2政庁ソフィアが地球連邦政府に宣戦布告
1.27〜31 ソフィア宇宙軍、サイド2を含めた各サイドに侵攻開始。
2.3 具体的行動を起こさない連邦軍上層部に業を煮やし一部の若手が
   「対サイド2・ソフィア反乱対策委員会」を結成
2.8 連邦軍上半期緊急補正予算委員会で新規MS開発企画却下・予算案否決
2.17 ソフィア軍、サイド2全域をほぼ制圧
2.25〜28 一部ジャーナリストが連邦軍・月企業連合体・連邦支配下コロニー国家群と
ソフィア軍のコネクションについて言及し大問題となる
3.1 地球連邦広報官アナス・タシア、当該新聞社・テレビ局に取材拒否勧告
3.3〜7 企画部およびソフィア対策委員会、各自に予算・募金を集める
3.8 マルクス・ストラッサー企画部新部長が個人的に買収した工廠でマジ・デウゼー
開発開始
3.10 ジェフ・マックレー、サイド5市役所会計監査部長を自主退職。
企画部のスタッフとともにマジ・デウゼーの開発に参加する
3.11 ソフィア対策委員会に初のスポンサー。U.A.I社が開発資金を提供
3.12 サナリィ、ベスパ残党及びソフィアとの関与を完全否定。
3.13 サナリィ、ソフィア対策委員会への部分的協力を確約。
3.14 サイド7ロマニア皇国およびヨルダネスク家がソフィア対策委員会の新規MS
開発計画誘致・全面的援助を申し出る。
3.15 企画部、皇国軍との協議の末、同コロニー自衛力強化のため「プリンスガンダム」
「チャウシェスク」「ドラゴスティア」の企画・設計を開始
3.18 ロマニア皇国首都の連邦軍駐屯基地に対策委員会メンバー到着
3.19 ロマニア皇国軍の受注・早期防衛力強化のためマジ・デウゼー初期ロット分
開発スケジュールを強行的に前倒し、同日日付変更直前に終了
3.20 Pガンダム・チャウシェスク・ドラゴスティア開発開始
3.22 ソフィア軍第一モビルスーツ師団旗艦シュメン、サイド7方面へ進駐
3.25 イオン・イリエスク王子、歓迎パーティで連帯意思・反ソフィアを再確認
3.30 イオン王子、Pガンダム搭載予定コンピュータに個人情報登録
4.10 アレーナ・ヨルダネスク、JrMS選手権史上初の四連覇を達成
4.13 ステアウア完成。宇宙世紀史上初のブロードバンド搭載型戦闘用MS。
4.15 型番問題について皇国軍と企画部が調整会議
4.17 マジ・デウゼーおよびドラゴスティアをRGM、Pガンダムおよびチャウシェスクを
RMとすることで基本合意。
4.20 正式決定。
4.24 Pガンダム、チャウシェスク完成。
4.26 AM5:00より急ピッチでマジ・デウゼーにIT機能搭載作業開始。
   AM6;30、ソフィア軍ロマニア皇国首都に侵攻。
144:2006/04/15(土) 04:47:57 ID:???
三つほど抜けた。

3.16 企画部、ロマニア皇国の誘致を正式に受け入れる
3.17 新規MS開発計画の名称を「プロジェクト・ロマニア」に正式決定。
   同時にソフィア対策委員会を「プロジェクト・ロマニア実行委員会」に改称
4.26 AM9:17 イオン・イリエスク王子脳卒中により拉致を恐れた側近の
       手引きでグリーンオアシスに逃れる
   AM9:30 駐屯基地の一部スタッフに王子重態・避難の報が伝えられる
   AM9:31 Pガンダム、賢しい阿婆擦れDQN女子高生に強奪される
145第五話解説書:2006/04/18(火) 07:30:44 ID:nY2TI6EK
>>121
ここで初めてアリエルがシュメンから作戦指揮権を剥奪する。
しかし現実にはフェレンツバロシュが地球へ向かっているのか、あるいは避難民を
各コロニーへ疎開させている途上なのかが判然としていない。
ソフィア軍がプロジェクト・ロマニアの契約条項、つまり有事の際には
FBの運用権は皇国軍に移譲するものの、要求に応じて連邦軍へ返還する必要が
ある事を把握していないからである。

しかし、ここではプロジェクト・ロマニア実行委員会が連邦軍主流派に反旗を
翻した若手有志による組織であることに着目する必要がある。
彼らはロマニア皇国の誘致を受けほぼ現地の企業や皇国軍と密着しているため、
事実上連邦軍からの独立愚連隊。そこにもってきて返還地として地球を指定
するのは不自然だが、つまり彼らの台頭を不快に思っている連邦軍上層部か
あるいはソフィアに協力しようとする一部の勢力が意図的にソフィアと情報を
共有した上でこのように契約条項策定に介入したのか
真相はこれからのお楽しみである。

何はともあれ、フリストとゴッズはFBの向かう先が地球であることを確信し
ウーイッグ駐屯基地への先回り・アンブッシュをこの時点で計画している。
146:2006/04/18(火) 08:12:08 ID:nY2TI6EK
>>122 >>123
フリスト・ボネフは当初、というかこの第五話を見る限りギャブレーや
マシュマーのような美形ギャグキャラにするつもりだったようだ。
しかし主人公が女の子なので、ライバルも当然女でなくてはならない
(ウブでドジでカマトトな少女vs卑怯で凶暴で男嫌いで厚化粧な女)
都合上、アイアの陰に隠れて登場回数が減りシリアスキャラに変更。
しかし、これから終盤にかけて見せ場が増えるかも?

フリスト・ボネフ Fristo Bonev
生年月日 U.C.138.12.13
身長 187cm
体重 76kg
髪の色 ライトブルー 
眼の色 ディープレッド
その他外観 顔は逆三角形の典型的イケメン。無駄毛は一切なし。髪型は
ロンゲだが毛先が四方へ微妙に跳ねていてしっとりとはしていない。
肩書 ソフィア宇宙軍第二モビルスーツ師団長・中佐・旗艦アリエル艦長
性格 ナルシストを装いつつ自分が組織の頂点に立つことを画策する
経歴 ベスパ臨時学徒志願兵用訓練所ファレナ支部
             ↓
   モトラッド艦隊ラステオ艦シュバッツラッド隊軍曹→少尉→中尉
・ファレナでは政変やザンスカールの植民地化など何処吹く風、というくらいの
プレイボーイで通っていたようである。しかしその一方で勉強をやらせれば
ピカイチ、MS操縦技術も将来を見越して磨いていた為、学徒志願兵募集の報を
サイド2でのし上がる絶好機と睨み参加。ラステオでは苦渋を舐めたがソフィア
出身の仲間とともにアドラステアで徐々に昇進。
勢いに乗って女性兵に手を出しまくったが、さすがにカテジナ・ルース大尉(待遇)
には鬼気迫る殺気を感じ話すことすら出来なかったようである。
モトラッド艦隊全滅に先立って戦場を離脱し、他の打ち合わせをしていた
ソフィア出身グループと合流しファレナへ。実績から当然のように軍指揮官
に抜擢された。
搭乗機 RAMA-Z-100 オシフィエンティム
家族構成 祖父母・両親・姉・妹・弟・猫(雑種)ファレナ在住。  
147通常の名無しさんの3倍:2006/04/18(火) 12:26:42 ID:???
>>1
自分のサイトでやりましょう。
そして、削除依頼出しておきましょう。
148:2006/04/26(水) 00:23:40 ID:otNXQhJK
そういえば自分のことを何のためらいも無く「1」と言ってきたが、こっちの
スレは別の人が立ててくれたんだっけ。
それも知らず自分で新しいの立てたので、本来は重複扱いになっても仕方ないんだが。
今更ながら、ありがとう>>1
149第五話解説書A:2006/04/26(水) 00:46:42 ID:???
・今更言うのも何だが、当初はガンダムPrincessは遊び感覚で始めた。
「女の子が主人公のガンダムがやりてー!」
それだけの気持ち。
ところがアイディア自由募集の体裁をとったために色んな話が出てきた。
それらを排除することなく、あまりに酷いもの以外は全て採用してきた。
おかげで構成力ゼロの俺は助かったが、デカくなりすぎ長く続きすぎで
まとまりがなくなっているのも事実。

・そして人間とは無いものねだりをする生物である。
アレコレ言われれば「うるさいっ!静かにやりたいんだから黙ってろ!!」
スレが過疎れば「ねぇ〜誰か見てよぉ〜何でもいいから書き込んでよ〜」となる。
実に勝手なわけだが。
この時期を思い出すと(約三ヶ月前くらい)、俺が用事で二ヶ月くらい留守にしてた
間の、保守してくれた人たちが敵メカのアイディアをガンガン出してくれて、
おそらく一番盛り上がっていた。

・で、俺が復帰した六話以降となるとパッタリ静かになり、いつもメカアイディアと
作品矛盾点指摘をしてくれるお得意さん以外の書き込みが減っていったのである。
もちろん時期的に増えた事もあったが。
結局はSSは「作品」として、話数や制限があると食いつきにくい。
作者の自己満足と思われたらそこで終わりだから、自分は「こんなん考えました」って
提示するだけで後は上手く巻き込めるだけでもいいんだよね。これからはそういう
企画も考えていくつもりです。
150第五話解説書B:2006/04/26(水) 01:03:59 ID:otNXQhJK
・全然解説書になっていないのだが、楽屋話をもう少し。
この第五話は、当初の盛り上がりが無くなる分岐点であった。
二週間ぶりに復帰して以降は鬼のような勢いで地球降下→宇宙帰還と
書き続けたので、結局は俺以外の人はアイディアを出すか、
感想や評論を言うだけでそれ以上の参加が出来ないと思って飽きて
しまったのだろう。

・それはガンダムPrincessにしても、0085にしても設定の煮詰めはいい加減で
ヒドイのだが、話の道筋・主軸自体が早くから固まってしまっていたからだ。
「え?ウソ?」と思われるだろう。
だが、それは「この先のお楽しみ」で疑問や質問を意図的にはぐらかして
しまっていたから。
どんなアイディアを出しても結局、真相やオチは作者の胸の内。では
疎外感を与えても致し方ない。

・だから当初は「作品の根幹部分=女の子が主人公・幼女向けアニメ想定」
を破壊しないアイディアなら全て採用すると言ったわけだ。
が、この方法論はもう限界に来ている。
SSのベテラン職人さんが食いつきたくなるような次回作が必要である。
多数の人が入れ替わり立ち代りいじって、総合的に作品の魅力が高まっていく
ような工夫をしなければならない。
ガンダムPrincessもそろそろ終盤で次回作の企画を煮詰めなければいけない
時期になってきた。
その時「より多くの人を参加させられる」「疎外感・馴れ合い感を見せない」
「説得力とわかりやすさを兼ね備えた設定作り」を満たせるだけのスレ管理が
必要になるだろう。
151第五話解説書C:2006/04/26(水) 01:15:51 ID:???
・そういうわけで、結局は俺は世界観の構築や科学考証は苦手で、
キャラクター作りや会話・コメディや心理描写が好きなタイプというわけ。
それは認めなければいけない。
だが自分の得意とする分野は積極的に出していこうと思った。キャラの
魅力が出て、キャラを「立たせる」演出はどんどん考えた。

・そこで問題になってくるのが、「女の子を主人公にしたら、結局は萌え路線に
なってしまうのではないか?」という意見だ。
記号論的な、ラブコメや萌えアニメの定番イベントを考えるとこの第五話の
「祭り」や「浴衣」「花火」などは実にわざとらしい部類に入る。

・が、そこでも設定やガンダムシリーズのお約束に繋げる工夫はしてみた。
女の子が主人公でありながら、過去のガンダムシリーズのお約束を守っている
のが面白い、と言われたこともあるので一応は成功してるのだろう。
例えば主人公とハロの出会い。
ウッソのハロが行方不明になって何時の間にかサイド7の祭り屋台に売られて
いた、という話だが、前から考えていたわけではなく、書いてる最中に
突然ひらめいた。
ウッソとユウリ、シーブックとトビア、カミーユとジュドー、
カミーユとアムロ、シャアとカミーユ、アムロとハサウェイ、のような
先輩ガンダムパイロットが後輩にその魂を託す儀式としてのハロの授受。
152第五話解説書C:2006/04/26(水) 01:24:55 ID:???
・そういう面でウッソとユウリの関係をもう少しさりげなく書けなかったかな?
という思いはある。
ウッソが先輩として後輩を導くのはどうも想像しづらい。
だが、相手が女の子なら何とかなるだろうし、これまでの先輩・後輩関係とも
一味違った色が出せると思ったのだが、うまくいかなかった。
そこでもう少しハロという小道具を上手く使った演出ができてればな・・・・・と思う。

・何せ子供向けを想定していたので、各キャラの性格を早い段階からはっきり
「立たせる」努力はしていた。
これは、いま苦戦している0085に比べると遥かに上手くいったと自負している。
その中でノマノマは冷めた少年なのか熱血タイプなのか判然としなかった。
そこで、それを判別する一環として第五話で主人公に設定する。

・で、コンスタンツァの祭り音頭とノマノマ・イェイという名前にも関係がある。
当初は単なるネタ呼ばわりされていたが、ロマニア皇国の元ネタと密接な
関係があるのだ。
そこらへんは本編が終了してからのお楽しみで、知りたい人は自分で調べた
方が面白いだろう。
多分、音楽と語学に詳しい人はすぐにわかるのでは?
153第五話登場メカ@:2006/04/26(水) 01:29:14 ID:???

     RAMA-Z―100 オシフィエンティム
延長線上の機体であり、ベスパがドッゴーラ等のMAを参考にして
次世代機として開発された大型機動兵器
機体全長 150m
全備重量 450.6t
ジェネレータ出力 9650kwh×4
武装
超大型Iフィールドジェネレータ×5
両肩部ハイパービームシールド
ビーム・メガランチャー×6
大型ビームラム×1
兵装ショットクロー(10連ビームストリングス装備)×100
ギガンティックミサイル×200
ヴァリアブル・ビームキャノン×10 
超大型メガ粒子砲×1 
拡散・収束メガビーム砲
コンテナ・ウェポンポッド「遊撃機雷・マイクロミサイル」×5
    









                             










     機 動 戦 士 Z ガ ン ダ ム 0 0 8 5


毒 ガ ス の 撒 か れ た 地 で・・・・・・・・・・・・・・・・
         









                             





154第五話登場メカA:2006/04/26(水) 01:30:42 ID:???
あれ?変なものが入った。

ドラゴスティア
形式番号:RGM-166X
頭頂高15.1m
本体重量7.2t
ジェネレータ出力4420kw
スラスター総推力74420kg
装甲材質 ガンダリウム合金セラミック複合材
武装 ビームシールド 頭部バルカン2 ビームサーベル・ライフル各2
スパイダーネット
連邦内の新技術を取り入れていない事に危機感を抱く派閥によって
急遽造られたSWW、データセンサー、TRAPAシステムの搭載実験機。
既に生産の始まっていたマジ・デウゼーがベースに使われた。結局、
SWW、データセンサーの搭載は失敗したがTRAPAシステムは何とか形
になった。開発はロマニア(ヨルダネスク家)の技術支援を受け行われた。
この開発協力がプロジェクト・ロマニアに発展していった。
155第五話解説書D:2006/04/26(水) 01:43:06 ID:???
・RAMA-Z-100オシフィエンティムはフリストの専用機。
文字だけの設定ではMS・MAの外観までは説明しきれないしそこまで要求する気も
ないのだが、ドッゴーラと同じ長大な龍の形をしたMAだ。
後に明らかになるが、分解した機体のパーツの一つ一つが簡易のビットとしても
使用可能である。

・RGM-166xドラゴスティアはノマノマ・イェイ専用機であるが活躍の機会はこの第五話
以外にはほとんど無かった。こちらのネーミングもやはりノマノマ・イェイの
元ネタに関係がある。
ヨルダネスク家・ロマニアの技術支援を受け開発されたのは、問題ない。
それがプロジェクト・ロマニアに発展したというのは一応>>143>>144で辻褄を
合わせている。
つまりマジ・デウゼーはロマニアと関係なく元々プランにあった機体で、それに対して
Pガン・チャウシェスク・ドラゴスティアはロマニアの提携申出あってのものだと
再確認できる。

・更にソフィア侵攻後にフェレンツバロシュに乗り込めなかった技術陣は地下に逃れ
後期プロジェクト・ロマニアを実行する。
その結果生まれたジークフリード・ジークリンデは外観的にはGM系列の機体に
ありながらもロマニア所有の量産機として早くから正式決定していた。
これはマジやPガンダムの型番でモメた反省から来るものである。
156第六話「本気の友情」:2006/04/26(水) 23:13:46 ID:dxTAEm8N
「クロノクル、遅いぞ!どうした!?」
「大尉!?どうなされました、大尉!?」
「アイアか・・・!お前はここに残れ」
「何故です!?今こそシュバッツラッド隊の総力を挙げて白いヤツを倒す
べきです!私もお供させてください!」
「残れといっている!あれは私がやる。貴様はこれ以上、エンジェル・ハイロゥに
連邦やリガ・ミリティアのMSを近付けさせるな!」
「ぐっ・・・・・・・・・!」


目が覚めた。相変わらずだ。あの禍々しい悪鬼のようなオーラに鳥肌と脂汗
が全身を覆う。枕横のヘッドライトをつけ、アイアは煙草を一本吸い、気持ちを
落ち着けることにした。修羅場を潜り抜けてきた自負で今もこうしてソフィアの
前線で戦えているのは事実だが、未だにあの女だけには勝てる気がしない。

アイア「大尉・・・まだどこかで生きているのか?・・・まさかな・・・」

157第六話「本気の友情」:2006/04/26(水) 23:50:03 ID:dxTAEm8N
CGの技術は驚異的だ。ヴィデオの映像を、自己処理して様々なパターン
を作り出す。ユーザーのパターンも計算に入れて難易度に応じたリアリティ
のあるイメージを表現してくれる。しかし、その夜のアレーナ・ヨルダネスク
は感激より焦燥を顔全体に募らせていた。


肉体と精神は相互影響するものだ。ここ数週間の環境の激変に平静を装っては
いるものの、アレーナはストレスで軽い腹痛や生理変調に悩まされていた。
画面に映るターゲットに以前のように正確に照準をつけられず、不必要に
大振りな動きでレバーを曲げ回避軌道に入ろうとする。そんなところで
シュミレーション・ルームの閉室時間がアナウンスされた。

アンジェイ「お嬢様・・・」
アレーナ「・・・わたくしにはニュータイプの素養がないというの・・・?」

環境の変化だけが彼女を蝕んでいたわけではなかった。女性パイロット
としてロマニアで並ぶ者のなかったその地位の揺らぎ・・・
158第六話「本気の友情」:2006/04/27(木) 00:21:39 ID:ogR4v1yl
朝、といっても艦窓から見える風景は相変わらず真っ暗なのだが、
フェレンツバロシュのある一区画は騒々しくなる。ある程度は先日の
空爆の衝撃も和らいで、生徒達は教室でテレビの話、友達の話、そして戦争の
話で盛り上がりながら担任の教師が来るまでの時間をつぶしている。

そんな中で、ユウリは気恥ずかしさとも不愉快さとも違う「痒み」を
抱えながらここ数日、登校していたのである。
シレジア「おっす!おはようニュータイプ!」
ユウリ「・・・おはよう、・・・ニュータイプ?」
ノマノマ「学校中みんな言ってるぜ。お前はニュータイプだって」
ユウリ「ニュータイプって・・・何?」
ノマノマ「すげえパイロットの事さ。未来のことがわかっちまうんだぜ」
ユウリ「そんな、あたし・・・そんなんじゃない」


アレーナ「そうですわ」
159第六話「本気の友情」:2006/04/27(木) 01:00:06 ID:ogR4v1yl
アレーナ「ニュータイプはパイロット適性のある人間ではありませんわ。
人間の心を、状況を過不足なく俯瞰し行動できる人間のこと・・・いかに
ユウリさんが何の訓練もなくガンダムを動かせたとしても、それは
真の意味でニュータイプと言える存在ではありませんのよ」

生徒達は毎朝アレーナが登校してくると「御機嫌よう」と道を開ける
のだが、早速博識を披露した彼女に感嘆を込めたため息が集まった。

シレジア「へぇ、じゃアンタはオールドタイプの典型だね」
アレーナ「・・・なんですって?」
その時、ユウリらのケータイに着信音が鳴った。


ユウリ「中尉だ。ガンダムチーム、出動だね!」
シレジア「うっし、行くぜ!」
アレーナ「・・・・・・・・・ええ」
160第六話「本気の友情」:2006/04/27(木) 01:09:18 ID:ogR4v1yl
三人はそろそろ慣れてきた動作で各MSに乗り込むと、いつものように
ケータイを操縦レバーにセットし、起動させた。
「アレーナ・ヨルダネスク、ステアウア出ますわ!」
シレジア「オイちょっと待ちなよ。そんな割り込みで・・・」
ユウリ「いいよ、シレジア・・・ユウリ、ガンダム行きます!」
シレジア「ちっ・・・シレジア、チャウシェスク出るよ!」


ニコライ「聞こえてるな、三人とも。敵は五機。最近の傾向からして
牽制球の匂いがするが、連携を高める上でも貴重な機会だ。マジは
ビームシールドの取り付け作業中で出せないんだから、頼んだぞ」

ユウリ「はい!頑張ります」
シレジア「わかってんよ!任せとけって!」
アレーナ「了解」
161第六話「本気の友情」:2006/04/27(木) 01:13:36 ID:ogR4v1yl
敵は三機のハジとゾロアットで編成されていた。FBから200m
もない宙域でまもなく戦闘が始まった。

アレーナ「ユウリさん、それでは先制攻撃をお願いしますわ。わたくし達の
中で一番撃墜数が多いのは貴女なのだから、一つお手本を見せて下さいな」
ユウリ「えっ」
シレジア「おい、ちょっと待てよ」
ユウリ「わかりました。行きます!」


サーベルを片手に突貫したPガンダムだったが、ぎこちない動作にあっという間に
包囲されてしまう。が、アレーナも単に嫌がらせで指示したわけでもなく、
体調不良の自分が停点攻撃をするために敵側のフォーメーションに微変化を
つけたかったのだ。性能で勝るステアウアとチャウシェスクは各個に敵MSを
狙撃し、ブリッジも楽勝ムードでだらけ始めていたが、Pガンダムが残った
一機のゾロアットに組み付かれていた。
162第六話「本気の友情」:2006/04/27(木) 02:37:59 ID:ogR4v1yl
ゾロアットはPガンダムの腹部に向けてビームシールドを展開する動作
を見せた。すかさずアレーナは、何の躊躇いもなくPガンダムの背後
からライフルを一発見舞った。

ユウリ「はっ!?」


ユウリは咄嗟にゾロアットの腹部を蹴って離れると、ステアウアの放った
光弾がゾロアットを撃墜した。一瞬、緊張に凍りついたブリッジも三人も
安堵の表情を浮かべたが、それは文字通り一瞬であった。

163第六話「本気の友情」:2006/04/27(木) 02:40:56 ID:ogR4v1yl
三機が帰投した後の格納庫はシレジアとアレーナの口論に呆然としていた。

シレジア「アンタ何考えてんだよ!?ユウリが死んだらどうすんだ!」
アレーナ「何をそう熱くなっているのか解しかねますけど・・・少なくとも
SWWの接続状態ならセンサーは敵味方のミノフスキー粒子も瞬時に
識別できるのだから、あれが私の放ったライフルだとわかるはずですわ。
それに、ユウリさんはニュータイプで未来のことがわかってしまうのでしょう?
しからば私の狙いも瞬時に理解したはず。「すごい」パイロットですもの」
シレジア「て・・・めぇ!」
ユウリ「やめて!シレジア、あたし避けられたんだから」
アレーナ「言いたいことはそれだけかしら?ニュータイプさんは遅刻が
公欠にならないこともご理解してますわね?ピリオド(以上)」


シレジア「言ってやれよ、ユウリ・・・死ぬかと思ったってさ」
ユウリ「大丈夫だよ。ほんとに大丈夫だったから、あたし・・・」
シレジア「あの女、ユウリがちやほやされてんのが気にいらないだけだよ」
164第六話「本気の友情」:2006/04/27(木) 02:49:28 ID:ogR4v1yl
駐屯基地でユウリに撃退された五人のハジのパイロット達は、それぞれ
独房に入れられ僅かな食料と引き換えに詰問を受ける日々を送っていた。
中には体質上やつれて下顔部にひげを蓄え始めた者もいるが、一方で
壁を静かに叩き合う音でモールス信号を隣の独房に送り、何とかシュメン
と連絡を取ろうと画策していた。

しかも、シュメンのMS隊の奇襲で駐屯連邦軍と皇国軍のスタッフの
中でも無事に助かった数名が人手不足の中、ギリギリの状態で艦内を
動かしているのだ。いかに追ってくるソフィア軍の情報が欲しいとはいえ
一向に口を割らない彼らの尋問に避けるほどの人的・時間的余裕がない。
今になって、ようやく避難民からボランティアを申し出る者が現れ始め
彼らに簡単なレクチャーをしている間にも通常の業務のペースが崩れて
いるのだ。


五人の中でもイゴール・ボジノフ少尉はロマニア侵攻に加わった部隊を
統率していた歴戦のベテラン。ザンスカール戦争にも参加の経験がある。
一時、連邦に捕虜として捕まった経験を生かしなけなしの拾い物や
肛門に隠していた針金で遂に鍵を作ることに成功した。

165第六話「本気の友情」:2006/04/27(木) 02:52:10 ID:ogR4v1yl
イゴールは慎重に見張りのスタッフの眠気を伺うと、一気呵成の勢いで
ドアを開け彼を通路に転倒させた。すぐさま組み付いて腰の拳銃を
奪い、肝臓に性格に狙いをつけて撃った。

だが、その銃声で自分の軽率さにも気付いた。まもなく周辺の人間が
ここに集まってくるだろう。しかるは、この男の軍服を盗む以外にない。
イゴールは男の軍服を慣れた動作で奪い、着ると自分の服を元いた
部屋に丸めて力づくで投げ込んだ。

そして対面の四つ角から数人の民間人が来たのを服装で視認すると、
これは好都合だと思い逆方向を見て顔が悟られないように捕虜の脱走
と方向を告げ、ブリッジへの連絡を大声で指示した。こうしてイゴールは真っ先に
脱走兵を追ってその場を去ったことになり、奪った鍵で一人ずつの部屋に
入り人が通り過ぎるのを待って一部屋ずつ移動。これを慎重に繰り返した。
166第六話「本気の友情」:2006/04/27(木) 02:53:37 ID:ogR4v1yl
その後、イゴールは通路を走る集団の最後列を走り、幸運にも見張りの
警備員から奪えた見取り図で確認した管制室に自身を横付けした。
ややあって、管制室に入ると間髪いれずにそこにいた三人を射殺した。
三人から連邦軍の軍服を奪うと艦内放送を使用する。
イゴール「脱走兵!・・・だ、脱走兵は・・・居住区へ、逃げた・・・!
みん、間人を・・・ゴホッ人質に・・・取る気だ!ぐっ・・・」


肛門に入れていた小型の手榴弾を人引きのため対角に投げつけ爆破させる。
三つの軍服を丁寧に折りたたむと、イゴールは服の中に丸め込んで
物陰に隠れた。数分後、案の定入ってきたのは射殺された管制員の遺体を
運ぶための最小限のスタッフだけであった。彼らが出て行ったのを確認して
イゴールは足音を嗅ぎ取り、部屋から出てその中に再びまぎれた。

そして一人をひっ捕まえて手近なトイレに入ると、返り血がつかないように
膝で袖を捲くり上げ、射殺した。これで四人分の軍服が手に入ったわけだ。
再び独房に戻ったイゴールは一室に全員を集めて着替えを終わらせると、
おもむろに一人の尻を叩いた。
イゴール「てめぇら、ケツの穴は快調だろうな?」
「もちろんです!シュメンに戻ればまたヨーグルトが食えますね少尉」
イゴール「ああ、だがさんざん冷や飯を食わされた礼だ。特上の
デザートを置いてってやろうぜ」
167第六話「本気の友情」:2006/04/27(木) 02:56:42 ID:ogR4v1yl
その頃、防大付属高校の区画では外の騒ぎも知らずに生徒たちが休み時間を
雑談に費やしていた。ユウリとシレジアはいつものように・・・

シレジア「・・・・・・・・・・・・ユウリ」
ユウリ「ん?何?」
シレジア「あたしってさ、ダメだよね・・・」
ユ「どうしたの、急に」
シ「いや、何て言うかさ、あたし自分では結構細かいこと気にしないで、
バーッて生活してる方だと思うんだ。けど、さ・・・やっぱあたしだって
人間じゃん。会って間もない人って警戒するし、性格が合わないって
思えば簡単に「こいつとはダメだ」ってキレちゃうんだよ」
ユ「・・・」
シ「今朝はしくったよ、あたし・・・」
ユ「ごめん。あたしが、心配かけすぎちゃってるから・・・」
シ「ユウリは関係ないよ。関係ないっていうか、そんな気にすること
ないって。長い付き合いだし、あたしが勝手にかまってるだけだろ」


ドッ!!!!!!!!!!!!!!!!!



その時!弛緩した教室のムードを一変させる激しい爆発音が轟いた!
数秒後に避難警報が出され、生徒達はパニック状態に陥りながら
教室を出て右往左往に逃げ出していく。
168第六話「本気の友情」:2006/04/27(木) 02:57:58 ID:ogR4v1yl
イゴール「マジ・デウゼーは出せるのか!?」
「えっ!?はぁ、もう・・・」
イゴール「情報は間違いだったんだ!さっきのパイロットが一人生きていて
侵入しやがったんだ!滞宙してるハジへ逃げたって話だ!早く追わないと
捕虜どころじゃない、この艦も攻撃されるぞ!」

ただでさえほとんどの作業員が脱走兵捜索に駆り出され、残った一人も
二転三転する情報に戸惑っている。イゴールはままよ、とばかりに
一機のマジ・デウゼーに乗り込み、手早く登録データを書き換えてしまった。
イゴール「やれ、やれ・・・まるで映画のようにうまくいったな」

イゴールはマジの手振りで四人に登場を催促すると、バックパックから
ビームライフルを取り出し、格納庫を破壊し始めた!
そして五機のマジはゲートを破壊してカタパルトから宇宙へ飛び立っていった。
169第六話「本気の友情」:2006/04/27(木) 03:02:06 ID:ogR4v1yl
生徒達は通路を覆う猛烈な噴煙に苦しみ、視界ばかりか呼吸まで
遮られて行った。加えて学校側の先導と艦内放送の先導が食い違い、
至る所で人波の衝突が起きている。

そんな中、ユウリ達のクラスを含めた百数十人が炎上する通路で
立ち往生を余儀なくされている。すかさず教職員や生徒達は消火器を
探すものの、戦艦の性かあちらこちらで燃料、弾薬に誘爆した爆竹
規模の小爆発が起きており、身を寄せて固まる以外にない状況だ。


シレジア「くっ、何てぇ火だ・・・」
ユウリ「どうしよう・・・どうしよう」
アレーナ「これはどうしようもないですわね。迂闊に動くこともできないのでは
自力で消火もできないし、職員室にはもう連絡を取ったのだから
焦らないで待つしかないですわ」
シレジア「あ!?じゃあ、このまんま死ねっていうのか?見ろよ、
火はどんどん大きくなってるじゃねぇか。いずれ挟まれるぜ」
アレーナ「ですわよねぇ。ここは宇宙。窓から飛び出すわけにもいかないし、
ここは一つユウリさんのニュータイプ能力に占ってもらいましょうか。
この窮状をどう脱すればよいのか。未来がわかる人にしか頼めない
相談ですわね、フフッ」


パンッ!!!!!!!!!

170第六話「本気の友情」:2006/04/27(木) 03:06:18 ID:ogR4v1yl
アレーナ「・・・・・・」
シレジア「アンタの次の台詞がわかるよ。お父様にもぶたれたことがない、
って言うんだろ?そうだよな。金持ちでずっと甘やかされてきたから、
何でも自分の思い通りに世界が動いてくれると思ってんだろ。アンタが
勉強もスポーツもMSも超頑張ってんのは認めるよ。けどね、みんなが
チヤホヤしたってあたしは認めないよ!アンタは自分が褒められたいから
MSに乗ってる。ユウリは違う!あたしだって、戦わないと友達も
みんな死んじゃうから戦ってるんだ!ちょっと自分のプライドが傷ついた
からって、人に当たってんじゃねぇよ!あたしも人生15年生きてきたけど、
アンタほどムカつく、ヘドが出るくらい不愉快な女にゃ初めて会ったよ!」
アレーナ「・・・何ですって?言うに事欠いて・・・」
ユウリ「ちょっと、やめて二人とも!こんな時に・・・」


その時、アレーナのケータイが鳴った。
ニコライ「ニコライだ。生きてるんだな?大丈夫だな?」
アレーナ「・・・ええ。みんな無事です」
ニコライ「よし。これから言うことをよく聞いてくれ。うまくすれば
みんな助かるかもしれん」
171第六話「本気の友情」:2006/04/27(木) 03:08:09 ID:ogR4v1yl
アレーナ「タイムラグ?」
ニコライ「ああ、それしか考えられない。捕虜は五人。ここまで起こった
爆発は二つ。ということはあと三つの爆弾が仕掛けられてる可能性がある」
アレーナ「そうか、ブリッジの爆破が最終的な狙いで、他は陽動・・・!」
ニコライ「俺の考えが当たってれば、それぞれがそんな大きな爆破装置を
体に隠すことは出来ない。小型手榴弾と大型の部品をそれぞれ分担して
大型一個だけがブリッジの近くにある。案の定、爆発物処理班が発見して
解体中だ」

アレーナ「フェレンツバロシュは長方形、各コーナーに一個ずつ・・・!
残るは小中規模の爆弾が二個・・・そうか!」
ニコライ「そうだ。今ならまだ間に合う。最悪、その場で艦窓から投げ
捨てても全滅よりはマシだ。かなり危険な任務になるが・・・」
アレーナ「わかりました」


シレジア「こんな時にお父様に泣き付いたのかい、アレーナ様?」
アレーナ「ええ、でも収穫はありましたわよ。ユウリさん!私達が
道を開けるから貴女はガンダムへ!」
ユウリ「えっ!?」
アレーナ「いいから行くのよ!中尉の命令ですわ」

172第六話「本気の友情」:2006/04/27(木) 03:09:57 ID:ogR4v1yl
シレジア「そうか、各コーナーに仕掛けた爆弾で艦全体を・・・!」
アレーナ「ええ、残るはこの左右の外周。わたくしと貴女が取りに行けば
それで済みますわ。幸運にも一周した後の合流点がMS格納庫」
シレジア「んで、ユウリがガンダムでぶん投げるってわけか・・・よし!」

間髪いれずにシレジアが、必死に火を消そうと水道場の水をかけていた
生徒の一人からバケツを奪うとアレーナに浴びせかけた!
アレーナ「うっ!・・・・プ」
シレジア「どっちが先につくか勝負だよ、アレーナ様」
アレーナ「・・・フフッ。それくらいじゃないと間に合いませんわね。
ブリッジ近くの爆弾は順列の二番目。位置関係から言って貴女は
私の二倍早く走らなければなりませんのよ。出来て!?」
シレジア「ブッ!!」

今度はシレジアがアレーナに水をブッかけられて、すぐさま二人は
炎の壁を突っ切ると、向こう側から消火器で火を消し去った。

173第六話「本気の友情」:2006/04/27(木) 03:13:05 ID:ogR4v1yl
ニコライの推理も当たっていたし、三人の少女は全力でそれぞれの
目的地へ疾走した。案の定、複雑な解体作業を要するのは真の目標である
ブリッジ近辺のものだけだった。三つの爆弾がニコライ、シレジア、
そして頬を赤くしたアレーナの手によって運ばれ、待機していたユウリは
三つの爆弾を載せた箱型の滑車をPガンダムの手で持ち上げる。


ユウリ「いけっ・・・いっちゃえーーーーーーっ!!!!」


放り投げられたケースはボロボロのカタパルトから宇宙空間に向かって
放り投げられていった。しかも、その先にはつい先刻FBを飛び立った
五機のマジ・デウゼーが!
イゴール「フフッ、あんな冷や飯食わされるくらいなら今度から
ヨーグルトでも入れておくようにするか」
「少尉ィ冗談やめてくださいよ。いくらなんでも食えませんって」
それが彼らの最後の言葉だった。


宇宙空間を照らす大きな爆光を眺め、ニコライ、シレジア、アレーナは
全力疾走と極度の緊張でその場に倒れ伏していた。ことに、アレーナは
何と大の字になってそのまま眠りについてしまっている。ノーマルスーツも
着ていない三人を、ユウリはPガンダムの手で抱え急いでコクピットに
収納した。
174第六話「本気の友情」:2006/04/27(木) 03:17:32 ID:ogR4v1yl
その夜、シレジアはいつものようにユウリの部屋に遊びに来ていた。ユウリが
ジャンケンに負けて飲み物を買いに外へ出ている間、アレーナがそこに入ってきた。

シレジア「・・・!アンタ・・・」
アレーナ「お邪魔だった?」
シレジア「いや、別にぃ・・・何か用?」
アレーナ「・・・・・・・・・今日、あなたに言われた一言、とても響いたわ。
今でも響くの。ずっと・・・」
シレジア「何だよ、第二ラウンドでもやりに来たのかい?」
アレーナ「いえ、違うわ。その・・・うまく言えないけれど、この痛みを、
この傷・・・ずっと大事にしていきたいと思うの。あんな事、言われたの
本当に初めてだったから・・・ごめんなさいね、変な事言って。わたくしも
ちょっと、言い過ぎたわ・・・ユウリさんにも。どうかしていたのね」


シレジア「い、いやぁ。そんな、別に・・・あたしも、さぁ、ちょっと
言い過ぎたよ。だからそんな、気にしないで。どうせ明日もまたガッコで
会うんだからさ」
アレーナ「・・・はい」
シレジア「友達ってさ、ちょっと喧嘩したって、すぐ誤解なんか解ける
もんだよ。だって相手のいいところわかってるもん。アンタのいいとこ、
もうわかったからさ・・・今日はアレーナのおかげだし」
アレーナ「友達?」
シレジア「そ、友達でしょ?でなきゃ、わざわざ仲直りなんて、したいとも
思わないじゃん」
175第六話「本気の友情」:2006/04/27(木) 03:20:57 ID:ogR4v1yl
その時、ジュースを二本抱えたユウリが戻ってきた。

ユウリ「!アレーナ様・・・どうして?」
アレーナ「ああ、ユウリさん。今日は・・・ごめんなさい。変なこと言って
しまって。シレジアとはね、ちょっと世間話をしてただけなの」
シレジア「そ、世間話。子供に関係ないオトナのハ・ナ・シ♪」
ユウリ「そんなぁ・・・」

アレーナ「ああ、そうそう。お詫びにね、いいもの見せてあげる。
ハロ、いらっしゃい」
ユウリ「ハロ?」
アレーナ「覚えてない?お祭りでとってあげた景品」

ハロ「ハロ。ユウリ、ゲンキカ。ユウリ」
176通常の名無しさんの3倍:2006/04/30(日) 11:02:34 ID:???
何だこのスレ
177:2006/05/04(木) 00:52:42 ID:IJGsfj6C
>>176
少なくともアンタの日記帳じゃない事は確か
178通常の名無しさんの3倍:2006/05/04(木) 01:04:19 ID:???
>>177
少なくともアンタの落書き帳じゃない事は確か
179第六話解説書:2006/05/04(木) 01:35:24 ID:IJGsfj6C
この第六話はスレが本格的に過疎る最初の分岐点であった。
さんざん言い尽くしたが、こちらの諸事情でこの第六話は二月二十日ごろ、
第五話から二週間ぶりの執筆である。
その間の設定作りが一番盛り上がっていたので心中複雑だ。
やはりSSと設定創作遊びは両立しにくいのかな?
しかし、SSだけでもいけない、設定遊びだけでもいけない。
設定作るだけで本編作らないのは勿体無いだろ。
SSも全部妄想同人じゃ面白くないだろ。

だから、少々手間のかかるやり方ではあるが設定を練りこみつつ本編SSを書いていくのが
最も損の無い遊び方ではないのか?
「手間がかかる」というのは、やっぱみんなで何かを考えるとそのぶん、ますます
いつまでたっても進まない、ということを示してる。
だからこそとりあえず設定が杜撰でも本編を開始しちゃって、その上で出てきた
疑問や矛盾を参考に設定を煮詰めていく、というのがやはり最も合理的では
ないだろうか。
現にガンダムシリーズの設定なんてかなりの部分は後付だ。

と、前置きが長くなったが現在作ってる後付け設定も、言い訳も含めれば当初の
自分の構想から大きく逸脱していない。
参加者の皆さんが考えてくれた設定も、ゼロの部分にスッポリはまったので問題無し。
それでも大きくモメたのは「なぜ主人公達は地球に行くの?」というやつ。
これは本当に、自分自身も杜撰に作ってしまった。
とりあえず連邦主導の開発計画である以上は地球で報告なりなんなりするでしょ・・・・
程度の認識。
すまんかった。
180第六話解説書A:2006/05/04(木) 01:51:35 ID:IJGsfj6C
と、いうわけで第六話。
サブタイトルにもあるように、序盤は各キャラクターがどういう性格や
立ち位置なのか明確に描写することに全神経を注いだ、つまりメカ同士の
戦いよりも人間描写に重きを置いたのだ。よって
ユウリ=少女マンガにありがちなカマトト・ウブ主人公
シレジア=元気で男勝りな性格
アレーナ=高飛車で主人公をいじめるお嬢様

と、いうよくありがちなパターンを比較的早く提示できたと思う。
が、何故かシレジアが主役のはずなのにアレーナばかり目立たせてしまうのは
何故だろう?
こればかりは自分の性質というか体質の問題としか言えない。
ま、要するに生まれも育ちも違う二人が苦境を乗り越え確固たる友情と
信頼を形成していくっていうお約束系ですよ。

少し話は脱線するが、どうしても既存キャラ以外は外観を頭にイメージとして
浮かべにくいだろう。
私自身もイメージはかなり固まっていても、そこは自由に想像させたかったので
あえて規定しなかったが、そろそろ明確な「像」を明かしてみてもいいかも。
ユウリ
髪型はアッパーポニーテール(わかるかな?いわゆる「おさげ」じゃなく
後頭部にボサボサの固まりがついてる感じ)で、髪の色はピンク・周縁部が
ライトグレー。

シレジア
かなり毛先が鋭利なショートカット。色はオレンジなのか金なのかイメージ
的に判然としなかったが・・・・・最近の結論としてはパツキン

アレーナ
ごく普通のロング・ストレートヘアで色は黒。長さは尻ぐらいまで。
ヘアバンドはしてるけど前髪をかき上げてるわけではない、前髪の両端を
目に入らないように外側にどけてるだけ。
181第六話解説書C:2006/05/04(木) 02:00:29 ID:IJGsfj6C
ちなみに彼女達の制服は・・・・・・・・自由に想像しなせぇwww
ただ一つ、シレジアとユウリはミニスカにセミロングの靴下だが
アレーナは膝下ぐらいまでのスカートで靴下もロング。

本題。
第六話に関しては、本来こういうクサイ友情話は苦手なのだが、一度壊れた
信頼関係が修復されるまでの筋道は、まぁまぁよかったんじゃなかろうか?
しかし艦内の捕虜衆が爆弾を仕掛けて、それを撤去するまでの過程自体は
最悪の一言だ。
矛盾だらけで自分で見ても恥ずかしい。

第一、パイロットとはいえ女子高生三人も動員する以前にブリッジなり
何処なりにいる軍属にやらせろよ、て話だよな。
まぁそうせざるを得なくするための意図的な小道具として「火事」なんて
ものを持ち出してるわけだが。
反省。

182第七話「ニコライの休日」:2006/05/04(木) 03:27:03 ID:???
ニコライ「何だ、お前か・・・」
「何だとは何だ。まさか、お前まで俺に意地悪しようってのか?
いいか、いま俺はすごく腹が立ってるんだ。物だろうが人だろうが
手近なもんは何でも蹴っ飛ばしたい気分なんだぞ。聞いてくれ」
ニコライ「ああ、わかったわかった。よかったよ朝一の電話を面倒
くさがらずに取って。お前がつまらん事件を起こして三面記事を飾る
前に俺が冷却材になれってんだろ。ま、俺も昔はそうだったし
勝手知ったる我が身の生き写しって感じだ」

「真面目に聞きやがれニコ!俺のクソみてぇな職場の話をよ。いいか?
俺は仮にも皇国立大出のエリートなんだぜ。それがやっと公務員と
名のつく立場になれたと思ってみりゃあ、蓋を開ければクレーム処理の
電話オペレータ、雑務処理班だ。何が悲しくて俺が放置プチモビの
処理やら犬の糞の片づけやらやんなくちゃなんねぇんだ。泣けてくるぜ!
大体な、そんなもんは家庭裁判所や交番にまかしときゃいいんだ。
何で俺がわざわざ出てって対応しなきゃなんねぇんだよ。しかも聞いてくれ、
新しい部署で俺含めてまともなスタッフは三人。毎日残業でノウハウは
手探り。部屋は片付かず、洗濯物も溜まりっ放し。今日着てる服だって
乾いちゃいねぇ、風邪はひく、薬買いに行くヒマもねぇ、ステファニー
とももう一ヶ月会ってねぇわ、とにかく地獄だぜ」

ニコライ「まぁ、落ち着けよ」

183第七話「ニコライの休日」:2006/05/04(木) 03:34:14 ID:???
「いいか?よく聞けよ。俺はこんなサイドいつか出てってやるからな。
俺だって最初は自分が行政を変えてやる、本当に市民がいい暮らしを
享受できるような仕事をしたいって思ってたさ。けどな、人間てのは
地球で暮らそうが宇宙に上がろうが衣食住足りてはじめて礼節を知るん
だぜ。その先に、仕事ってもんがあるんだよ。
どうなってんだよ、このコロニーは!ザンスカール戦争からもう14年も
経ってんのに基礎的なインフラ整備もノウハウもまるっきり出来ちゃいねぇ。
過去の負債を放置し、先送りし、既得権益を持つ連中は面倒な事業に
金も時間も人手も出し渋ってのうのうとふんぞり返ってやがるんだ!」

ニコライ「新聞で読んだことと今の自分の境遇を短絡的に接続するなよ。
それに一度就いた仕事を簡単に放り出すのは良くない。まずやってみて、
それでどうしても自分に合わないと思ったら辞めりゃいい」

「終わってんだよ、そのリミットが!俺は地球に行くぜ。あー、わかってる
わかってる。地球はコロニーより何千倍も腐敗してるって言いたいんだろ。
でも、かまやしないさ。宇宙全体どこ探したって、ロマニアよりひどい
コロニーなんか見つからねぇよ。腐ってんだよ、何もかも!ここで俺が
手に入れたのは、お前みたいなダチ公とステファニーのくびれだけだな。
ステファニーも、俺と一緒なら地球へ行ってくれる。みんなわかってるよ、
サイド7なんてもう人口全体にまともな福利厚生を与えられるレベルじゃねぇって」
184第七話「ニコライの休日」:2006/05/04(木) 03:43:03 ID:???
ニコライ「・・・・・・相変わらずだな・・・」
「いいよな、お前は。ついこないだ大学卒業したてで、トントン拍子に
昇進、艦長ってよ。お前は宇宙、俺は疎開先の実家で役所から連絡待ち。
楽しそうだよな?ガンダム発進!左舷、弾幕薄いぞ!ってかぁ?
それに今度のパイロットは女の子だって!下半身にも不自由はしてねぇ
みてぇだな」
ニコライ「やめろよ、俺はロリコンじゃない」
「ヘッ、どうだか・・・メイラとは会ってんのかよ」

ニコライ「・・・・・・連絡がつかないんだ。それがな、実家の親御さんには
無事だって言われたんだけど・・・俺だってお前と同じだよ。もう一ヶ月
会ってない。もう気持ちが切れそうだ。どうでもいいや、って」
「そうか・・・ああ、いや、悪かったな。少し飲んでんだ。落ち着いたから
寝るわ」


ニコ「ああ・・・いや、今度の地球での任務が終わればそっちに帰れる。
またみんな集めて飲もうぜ。嫌な事を忘れるにはそれに限る。じゃ」
「ああ、じゃあな」
185第七話「ニコライの休日」:2006/05/04(木) 03:52:30 ID:???
上半身裸のだらしない格好で寝ていたニコライは、若干寝冷えで鼻腔に
違和感を感じたが、とりあえず枕横のミネラルウォーターを飲み、
タバコを一本燻らせ目を覚ますと足元の新聞をとった。


      アナハイム パチスロ業界進出を示唆
      
      シャングリラでまた羊肉に異物混入

      サイド5マルタ政庁 ゴミ袋税を断念

      L1首脳会議  ソフィア経済制裁緩和議題に


嫌でも自分と関係のある記事に出くわす。こういう日くらい何もかも
忘れたいのだが・・・今でも昨日のブリッジでの出来事が目に浮かぶ。   
186第七話「ニコライの休日」:2006/05/04(木) 04:04:18 ID:???
ニコライ「なに、休み?馬鹿言うな」

シレジア「あ、馬鹿だって!ひどい男。そんなんだから女に逃げられんだよ」
ニ「な、貴様・・・どこからそんな・・・」
シ「あ、やっぱ逃げられたんだ」
アレーナ「と・に・か・く!女云々逃げた云々はいいとして、わたくし
たち全員で決めたことですの。それに、定期的に休みを取ってもらわないと
能率が上がりませんし、指揮されるほうの身にもなってくださいまし」
ユウリ「そうですよ、艦長!たまには遊びに行って、つらいことは
忘れて・・・」
シ「そうそう、逃げた女の事なんか酒と一緒に流しちゃって・・・」

ニ「ええいっ!うるさい!わかった!俺も小娘の指揮には疲れた!
遊んでやるからな?見てろよ、明後日グデグデでブリッジに現れたら
お前らのせいだからな?そこんとこ、よーく覚えとけっ!」
187第七話「ニコライの休日」:2006/05/04(木) 04:20:59 ID:???
ニコライ「さて、と・・・久々に買い物でも行くか」
ニコライは久しぶりに私服に着替えた。服を選べるというのも感慨
なのだが、いかんせん艦内共有の乾燥機はまだ軍人優先というわけでもなく
乾きかけの服にドライヤーをかけ、そのじれったさに我慢できなくなると
ついにはフライパンの上に服を置き、しばし見張りながら待った。


フェレンツバロシュ艦内の七割は民間人だ。そのうち、商売感覚の鋭い
者たちは既に即席で通路や広いスペースに店を開いている。補給艦で
艦内のパーツや備品を売れば収入になるし、全員がそれぞれ何らかの
仕事に就けばここだけで経済が成立する可能性も否定できない。

ニコライは馴染みの看板を見つけると、そこで服を何着か購入し
人だかりの出来ている青菜市場へ向かった。
ニコライ「やっぱ、高いな・・・そりゃこんな状況じゃ・・・ん?」
そこでニコライは、見慣れたブロンドの女性に眼が釘付けになった。
188第七話「ニコライの休日」:2006/05/04(木) 04:50:13 ID:???
「本艦に接近する機影あり!ソフィアのMS隊と思われる!」
「どうする?」
「えー、・・・イズモ軍曹!指示を!」
イズモ「へ?俺っすか?」
「この中で一番階級が上なのはアンタでしょ!」
イズモ「っへ、へへ・・まぁそうなんだけどさぁ。俺も准尉に特進してぇ
なぁ・・・なんて」

「敵機、さらに接近!」
イズモ「えっ?あ、ハイ。よぉし、ガンダムチーム出動だぁ!俺も
久しぶりに出るぞ!こんな時でもないと出番がないからな!マジの
性能を見せてやるぜ!」
「残念ですが、あなたは艦長代理ですんで・・・ここに残っていただきます」
イズモ「え?あ、ああそうだった!艦長!オレ艦長だぜ!オイ聞こえるか?
ユウリ!シレジア!アレーナ!ノマノマ!ブリッジからの指揮をよっく
聞いとけい!」
189第七話「ニコライの休日」:2006/05/04(木) 04:53:36 ID:???
ニコライ「メイラ!」
人だかりを縫って、彼はブロンドの女性を追った。曲がり角で失礼にも
道に広がって歩く若者の集団にぶつかり、勢いを失ったところでニコライ
は彼女の腕をつかんだ。

メイラ「離して!」
ニコライ「どうして逃げる!?どうしてだ!?」
メ「今は会いたくない、話もしたくないから!」
ニ「落ち着け、話を聞く!とにかく落ち着いて!」

ニコライの言葉に、暴れるのをやめて姿勢を正したメイラは、それでも
ニコライと視線を合わせようとはせずただ壁を直視していた。
ニコライ「とりあえず・・・そこの食堂にでも入るぞ」
190第七話「ニコライの休日」:2006/05/04(木) 05:15:53 ID:???
イズモ「よぉし、行けい!」

シレジア「ったくうるせェなぁ・・・シレジア、チャウシェスク出るよ!」
アレーナ「アレーナ・ヨルダネスク、ステアウア出ますわ!」
ノマノマ「ノマノマ・イェイ、ドラゴスティア出ます!」
ユウリ「ユウリ、ガンダム、行きます!」


カタパルトから出撃した四人は、すぐさま異形の物体に気付いた。
トムル、ゾロアット、ハジらに囲まれた巨大な蜘蛛のようなMA・・・
191第七話「ニコライの休日」:2006/05/04(木) 05:20:13 ID:???
ニコライ「どうした?黙ってたんじゃ何もわからないじゃないか」
メイラ「・・・・・・・・・」
ニ「なぁ、メイラ・・・俺達って付き合ってんのかな?」
メ「・・・どうして?」

ニ「俺は、さ・・・別に、別れたいなら別れたいって、言ってくれれば
無理に引き止めたりはしないよ。けど、一応一年も付き合ってるんだ。
何の連絡もなしじゃ、こっちだってそう解釈していいのかどうかわからん」
メ「別れる?別れるですって?どうして・・・」

ニコライは、しまったと唇を噛んだ。先ほどのメイラの拒絶ぶりに焦燥感
を掻き立てられて、性急に話を切り出しすぎてしまったのか?いや・・・
ニ「じゃ、どうしてあんなに嫌がった?なぜ逃げたんだ」
192:2006/05/05(金) 13:50:15 ID:???
いろいろ考えた結果、無断で個人・会社名を引合に出し、さも公式であるかの装いをした為、七話をもって終了致します。
関係各位に大変なご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ありませんでした。
なお、新作・続編を製作しようとする計画もありましたが、二次創作の範疇を越える為、中止致します。
193通常の名無しさんの3倍:2006/05/10(水) 03:00:23 ID:6cU72SbS
保守
194第七話「ニコライの休日」:2006/05/13(土) 20:03:53 ID:zDzqEHma
ユウリ「なに、あれー・・・気持ち悪い」
シレジア「モビルアーマーってかぁ」
ノマノマ「しかも、あの数・・・どう工夫してもこっちが数的不利だな。
マジ・デウゼー隊を呼ぼうか?」
アレーナ「ふぅっ、やれやれ・・・マジはついこの前五機を失ったばかりですのよ?
ビームシールドもせっかく付けて、さらに犠牲にするわけにはいかないでしょう。
何の為にSWWがついてるの?さ、センサー照射。同時に検索!ユウリさんは
ドラゴスティアに検索結果を即時送信!って・・・こんな事は本来ブリッジの
仕事なのですけど・・・」


ユウリ「MA・・・じゃない。モビルワーカーだって」
シレジア「頭と肩にコクピット、三人操縦か。よし、行くぜ!」
ノマノマ「オイ、何話してんだ?早く送ってくれよ」

そう言うが早いか、散開した四機に向かってサンドージュの腕が四本の
ビームランチャーで各個に攻撃してきた!さらに周辺を固めるMS隊も
連携を組んで回避軌道をふさぎ白兵戦を挑む!
195第七話「ニコライの休日」:2006/05/13(土) 20:18:41 ID:zDzqEHma
メイラ「嫌なのよ・・・」
ニコライ「えっ?」
メ「男っていつもそうだよ。あたしだけが変かな、不運なの?みんな、
仕事や夢が大事だって、すぐ逃げていく・・・はじめはお前だけが好きだ、
いつも一緒にいたいって言うくせにさ」
ニ「オイ、何を言ってんだ」

メ「だって、だって何回かけてもつながらないんだよ。何回も何回も
メールした。けど、一度もつながらないんだよ。あたしのこと本当に
好きなら艦内放送で呼び出すくらいするよね、ね!?」
ニ「っていうか、お前・・・何故俺が艦長になったって知ってる?なぜ
この艦にいることを知ってた?ブリッジに来ればいいじゃないか。
道順はいたって簡単だ」

メ「だから、嫌だって言うのよ。男は職場に入られるのを嫌がるくせに、
都合の悪いときは求めようとするんだよね。あたしが軍人やMSを嫌い
だってわかってるくせにさぁ、それでも我慢してニコと付き合ってても
何も感じようとしないよね・・・解ろうとしないんだもん」
196第七話「ニコライの休日」:2006/05/13(土) 20:21:15 ID:zDzqEHma
ユウリ達は苦戦していた。サンドージュは文字通りMS隊のベースと
なり、各個に白兵戦を挑む味方をランチャー、頭部バルカンなど巨体と
八本の足を駆使した多彩な攻撃で、的確なタイミングで四機の退路をふさぐ。

やっとステアウアがトムルを撃墜したものの、サンドージュの援護もあって
ビームトマホークを避けきれずメインカメラを破損している。それでも
何とかサンドージュの背部に張り付きコクピットを攻撃しようとするアレーナ
だが、ビームストリングスの突然の歪曲に驚き、鋭い足爪で叩き落とされてしまう。

サンドージュへの近接戦を諦め、味方の援護へ向かおうとするアレーナ。
その軌道にもすかさずバルカン砲による牽制が打たれた。
アレーナ「くっ・・・FBに連絡するしかないというの!?」
197第七話「ニコライの休日」:2006/05/13(土) 20:27:29 ID:zDzqEHma
ニコライ「わかろうとしないだって・・・?だったら、それらしい
そぶりくらい見せろよ!人間なんだろ?言わなきゃ、言葉を出さなきゃ
わからないだろ!」
メイラ「だったら、言う・・・言うわよ!あたし達、・・・しばらく会わない
方がいいと思う」

ニ「・・・・・・・・・・・・・・・!」
メ「震えが、鳥肌が止まらないのよ・・・この船にいると・・・でも、ここ以外
行くところはないし、こうして顔をあわせてしまうわ。だったら、
会わないほうがいい・・・」
ニ「ほら、そうやって結論を避ける。問題を先送りにしてるんだよ!
正面から向き合わないから、過去も吹っ切れないんだろ!」


二人の口論に食堂は騒然としていたが、戦闘開始を告げる警戒警報も
それを助長していることに、二人はまるで気付いていない。
198第七話「ニコライの休日」:2006/05/13(土) 20:30:11 ID:zDzqEHma
「イズモ・カトウ艦長代理!メガ粒子砲を使っては!?」
イズモ「なにっ目が粒子砲!?やっぱガンダムってすげえ武装してんだな!
よしっユウリ!目からビーム!でクモオバケを撃墜せよっ!!」
「ダメだなこりゃ」
「艦長はさっきからケータイつながんないし・・・」
「パイロットには・・・聞くまでもないな」

シレジア「おいっ何やってんだよテメーら!!聞こえてんぞ!こっちゃ
もう一杯一杯なんだぞ!?早くFBのメガ粒子砲であのクモオバケを
ぶっ潰してくれよっ!!」
アレーナ「いけません!大出力は、艦全体の推力を・・・」

イズモ「発射!!!よくわからんけど、発射!!」
程なくして、両カタパルトデッキ間の巨大な砲門から鮮やかに輝く
強烈なビームが放たれた。これを察知していればサンドージュが
敵機をその軌道上に誘導する、ということもできたが残念ながら
このMWはSWWを搭載していなかったのだ!

199第七話「ニコライの休日」:2006/05/13(土) 20:40:55 ID:zDzqEHma
走り去っていくメイラを、ノーマルスーツの配布で混乱する通路の
人ごみを分けてニコライは追いかけた。しかし、疲労と精神的焦燥感で
その影は見えなくなっていった。

ニコライ「電話するぞ!何度だって電話するからな!こんな中途半端で
決着がつくもんか!」
メイラ「するといい!ストーカーだって近所に相談してやるから!
連邦軍の新造戦艦の艦長がストーカー!皇国軍のエリート士官が!」

その時、ニコライの興奮はクールダウン状態になって一時的に消灯した
通路の暗がりによって文字通り治まっていった。


200第七話「ニコライの休日」:2006/05/13(土) 20:43:32 ID:zDzqEHma
サンドージュが半身をごっそり削げ落とされると、後は簡単なものであった。
この数分間の苦戦に比べればサンドージュの援護射撃が半減して
各機は重荷が落ちたようにそれぞれの対面の相手を撃墜。

加えて既に相手のいなかったアレーナは残る四本の足もサーベルで
切り落としていく。その時、サンドージュのコクピットにアリエルから
通信が入った。これは伝える意味のないものである。

なぜならサンドージュはアリエルの艦隊戦力を向上させるための
オプションだからだ。ここで失う意味もない。サンドージュは踵を
返して我が家へ急行していった。
201第七話「ニコライの休日」:2006/05/13(土) 20:45:05 ID:zDzqEHma
ニコライは行く当てもなく艦内を虚ろに歩き回り、気付くとブリッジの
前にいた。戦闘が行われた。艦内がクールダウンした。メガ粒子砲が
使われた。警報が消えた。ユウリ達が勝った・・・だから何だ?
今の俺に、何が言えるのだ。せっかく休日をもらってまでノコノコ顔を
出して・・・俺がいなくても大丈夫じゃないか。


ユウリ「・・・・・・艦長!」
シレジア「艦長、どしたぁ?青い顔して。そっか。自分がいなくても
楽勝だったんで落ち込んでんだな」
ノマノマ「なーにが楽勝だって?何が」
アレーナ「すみません、艦長。メガ粒子砲を使わせてしまいました・・」
イズモ「いや、なに、俺は止めたんですがねぇ、ハハ・・・」


ニコライ「あ、いや、これ・・・差し入れだ。食ってくれ・・・」

そうか、今の俺はこいつらが一番大事なんだ。今は、とりあえずそれでいい。
202第七話登場メカ:2006/05/13(土) 20:47:46 ID:zDzqEHma
MW544B-SC サンドージュ・ソフィアカスタム
■頭頂高 22.7m ■重量 28.4t ■ジェネレータ出力 8,240kw ■スラスター出力 77,000kg 
■装甲 ハイチタン合金ニューセラミック複合材
■武装 オンリーネイル・ヒートダガー・ビームストリングス・シュツルムファウスト・40mm頭部バルカン

コロニー公社のズブロフ氏が開発した戦闘用MW(モビルワーカー)のカスタム機。
氏は、ザンスカール戦争において実戦データを取得し、戦争終結から数ヵ月後、
MW544Bを基本に若干の仕様変更を行い各種のオプション兵装も用意して、
多方面に受注生産方式の営業を掛けたとされる。
しかし、コロニー防衛などには最適であったサンドージュも、
拠点防衛より攻勢を重視する宇宙戦国時代にあっては氏が見込んでいたほどの売り上げを果たせず、
結局コロニー公社は戦闘用MW部門を大きく縮小することとなった。
MW544B-SC サンドージュ・ソフィアカスタムは、ソフィアがかつてコロニー防衛用にコロニー公社から
買い上げたMW544Bのカスタム機であり、オプション兵装の頭部バルカンやヒートダガーを内臓している。
また、この他にも敵との戦闘でコロニー外郭を傷付けないように各種武装はビーム兵器を
極力排除したコロニー防衛仕様となっており、総合的な攻撃力は原型となるMW544Bを下回っている。
しかし、強化されたジェネレータ出力はその全てがサンドージュの主兵装であるビームストリングスに
割り当てられており、近接格闘戦では決してあなどれない充分な戦闘能力を保っている。
ソフィアはコロニー防衛用に計3機のMW544B-SC サンドージュ・ソフィアカスタムを購入したが、
ロマニア皇国侵攻にあたり、そのうちの1機が空母アリエルに配備され、
補修任務とともに後方ノズル部付近の防衛任務に当たっている。
203第七話解説書:2006/05/13(土) 20:58:20 ID:zDzqEHma
別に解説することも無いのだが・・・・・・・

・サンドージュは、せっかく考えてもらったので最終決戦付近でもう一度
出したいところ。なんかVから通じるような奇形敵メカの良さを表現する
戦い方に・・・・・・・

・ニコライ・ピオトル中尉はZZのブライトのようなやさぐれ艦長であり、
少女マンガで言うところの「憧れの先輩」的ポジションなのか。
自分でも無意識に思いついたキャラなのでよくわかんない。
ちなみに冒頭で電話で話してる友達は、近辺コロニーに疎開中。
軍人嫌いの彼女って設定はありがちだったかな。

・ちなみに、第一話で少尉なのに第二話で中尉になってるので、ニコライは
二人いるのか、という話もあったが、他の参加者のおかげでとりあえず
戦時中の一階級特進ってことに。
いやー、自分でもまったく気付きませんでした。
こうして「ミス」を「状況」で取り繕う悪いノウハウを覚えてくのね・・・・・・

204通常の名無しさんの3倍:2006/05/14(日) 02:26:37 ID:???
本スレが落ちたぞ
205第八話「ドニエプル炭田」:2006/05/14(日) 07:58:59 ID:cZf+o4IA
アリエルとシュメンはつかず離れずフェレンツバロシュを追跡していた。
フリスト・ボネフ中佐とゴッズ・インヘブン大佐がソフィアを統括する
政庁の最高議会、および軍参謀本部から受け取った指令は連邦軍の補給と
支援を効果的に断ち切ることであり、彼らがウーイッグへ到着した瞬間での
攻撃がリガ・ミリティア支配地域の制圧へつながること、これを考慮に
入れた作戦の立案であったのだ。

フリスト「アイア中尉・・・我々は、プロジェクト・ロマニア破壊作戦に際して
補正予算を組んでもらってまでシュメンとハジ隊にSWWを搭載させたのだよ。
今度からはもう少し事前のリサーチを視野に入れた行動をとってもらわなくては
ゴッズに申し訳が立たんよ。ま、君の現場主義がここまで部下たちを鍛え上げた
ことは否定しないのだがね。それにサンドージュは私の判断で出したものだし。
いくら相手が攻めてこないからといって、テストにしては高すぎる代償だったが」

アイア「は・・・いずれにしてもサイド2に帰っての補給が必要ですね」
フリスト「うむ・・・その為に連中のドニエプル接触を許してしまうことになるが、
策は立てておいたよ。とりあえずアリエルに残った戦力を君たちに譲渡し
ジェニファ大尉に合流してもらう。既に単独でフォン・ブラウンに移動中だ」
アイア「・・・ジェニファ・ジェレフが?聞いていません」
フリスト「おや、これは失敬・・・どうした?眉が歪んでいる」
206第八話「ドニエプル炭田」:2006/05/14(日) 08:02:05 ID:cZf+o4IA
ユウリ「これが月・・・本物の月なんだ・・・」
シレジア「初めて見たなぁ」
アレーナ「ええ、でも地球に下りればもっと色んなものが見えますわ・・・
月は、既に地球の自然環境を維持する為の天然の装置ではなく、人類の
戦略拠点になってしまったもの・・・」

三人はブリッジから月の不気味なほどの美しい大地を見つめていた。この月と
太陽が、相互に地球に対して別種の干渉をして自然環境を一定のロジックに
保っている。が、既に月は人類の戦略拠点として隅々まで開発され尽くしていた。

人類が初めて月に到達した地、フォン・ブラウンは月都市、および企業連合体の
発展の基礎となっている。この連合体がやがて地球からの経済的自立や自治性の
根拠になったことは否定できないが、地球連邦議会がこの時代にその本部を
フォン・ブラウンに移したのが明確な意図を持ったものと断言できないことは
これ以上にない皮肉であった。

207コピペ厨:2006/05/14(日) 08:02:36 ID:???
MW544B-SC サンドージュ・ソフィアカスタム
■頭頂高 22.7m ■重量 28.4t ■ジェネレータ出力 8,240kw ■スラスター出力 77,000kg 
■装甲 ハイチタン合金ニューセラミック複合材
■武装 オンリーネイル・ヒートダガー・ビームストリングス・シュツルムファウスト・40mm頭部バルカン

コロニー公社のズブロフ氏が開発した戦闘用MW(モビルワーカー)のカスタム機。
氏は、ザンスカール戦争において実戦データを取得し、戦争終結から数ヵ月後、
MW544Bを基本に若干の仕様変更を行い各種のオプション兵装も用意して、
多方面に受注生産方式の営業を掛けたとされる。
しかし、コロニー防衛などには最適であったサンドージュも、
拠点防衛より攻勢を重視する宇宙戦国時代にあっては氏が見込んでいたほどの売り上げを果たせず、
結局コロニー公社は戦闘用MW部門を大きく縮小することとなった。
MW544B-SC サンドージュ・ソフィアカスタムは、ソフィアがかつてコロニー防衛用にコロニー公社から
買い上げたMW544Bのカスタム機であり、オプション兵装の頭部バルカンやヒートダガーを内臓している。
また、この他にも敵との戦闘でコロニー外郭を傷付けないように各種武装はビーム兵器を
極力排除したコロニー防衛仕様となっており、総合的な攻撃力は原型となるMW544Bを下回っている。
しかし、強化されたジェネレータ出力はその全てがサンドージュの主兵装であるビームストリングスに
割り当てられており、近接格闘戦では決してあなどれない充分な戦闘能力を保っている。
ソフィアはコロニー防衛用に計3機のMW544B-SC サンドージュ・ソフィアカスタムを購入したが、
ロマニア皇国侵攻にあたり、そのうちの1機が空母アリエルに配備され、
補修任務とともに後方ノズル部付近の防衛任務に当たっている。
208第八話「ドニエプル炭田」:2006/05/14(日) 08:05:36 ID:cZf+o4IA
これからフェレンツバロシュはフォン・ブラウン近郊の衛星都市ドニエプロ
ペトロフスクに寄港する。ここは、各コロニーの急進派を牽制するための
抑止力として現在の連邦政府の数少ない良心とみなされている。何故なら
タカ派の巣窟ではなく自分達の利害を損ねない勢力であれば基本的に誰でも
ここで取引やビジネスを行うこともできるし、フォン・ブラウンが多機能化
し過ぎた今となっては地球とコロニーの各大都市に次ぐ株式市場のトリガー
を担っているからだ。


209第八話「ドニエプル炭田」:2006/05/14(日) 08:06:16 ID:bQ0Q+9aW
ユウリ「うわああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
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あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
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210第八話「ドニエプル炭田」:2006/05/14(日) 08:07:32 ID:cZf+o4IA
連邦が停滞を断ち切るために行ったプロジェクト・ロマニアは多くの負債と
損害、犠牲を出してしまったが、マスコミの連邦に対する企画力・有事対応力
批判はむしろ有志に活気を与えていた。そしてサイド2の政庁が起こした、つまりこの
時代によくある散発的領土紛争ではない戦争が冷え切ったMS業界に活気を
与えられるのではないかと期待した手薬煉引く経営者達もプラン片手に
続々とドニエプロ・ペトロフスクに集結してきていた。


彼らの気持ちは当然である。15年戦争を美化する人間達は、大抵兵器開発に
夢を見すぎた者達だ。それを考慮すれば現在はリガ・ミリティアのような組織の
方が需給相互の利益バランスを考えた取引ができる。が、アンダーグラウンド市場
を考えなければ法的に正規な発注を受けられないこの時代でアナハイムや
サナリィ、そして過去に宇宙戦争を起こしたコロニー企業が在庫の山を築くのも
致し方ないことなのである。
211第九話「あああああ」:2006/05/14(日) 08:07:34 ID:bQ0Q+9aW
ユウリ「うわああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
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あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
212第十話「あああああ」:2006/05/14(日) 08:08:46 ID:bQ0Q+9aW
ユウリ「うわああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
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あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
213第八話「ドニエプル炭田」:2006/05/14(日) 08:09:17 ID:cZf+o4IA
が、彼らの目論見は崩れた。ここ数週間のマスコミの激しい批判にさらされ、
連邦軍のプロジェクト・ロマニア推進委員会は補正予算を獲得し、それを
余剰人員に割り当てた。彼らのおかげで報道管制や不正規なクルー接触・アポ取り
を防ぐことができ、たった数日でFBはスムーズに補給を受けられた。

もし多くの企業が接触してくれば商業感覚のないニコライ中尉をはじめとした
各新米クルー達に判断能力はないし、民間人を多く乗せたFBにとって
取引は重要なのである。必要最小限の戦力で地球、つまりウーイッグへの
ルートを辿らなければ多くの人間の意図が交錯するこの艦をうまくまとめて
いけない。まだFBが今後の戦争で中核的存在になるかどうかもわからないのだ。

そんな中、FBとの接触を許された唯一の企業がサナリィであった。
214通常の名無しさんの3倍:2006/05/14(日) 08:11:01 ID:???
第十話「あああああ」:2006/05/14(日) 08:08:46 ID:bQ0Q+9aW
ユウリ「うわああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
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あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
 
…完
2151:2006/05/14(日) 08:13:44 ID:???
いろいろ考えた結果、無断で個人・会社名を引合に出し、さも公式であるかの装いをした為、七話をもって終了致します。
関係各位に大変なご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ありませんでした。
なお、新作・続編を製作しようとする計画もありましたが、二次創作の範疇を越える為、中止致します。
216第八話「ドニエプル炭田」:2006/05/14(日) 08:33:18 ID:cZf+o4IA
ニコライ「え、いいって・・・?それはどういう事で」
「ですから、室長がそう言っているのです。あなた方の保有するMSを
直に見る必要がないと・・・失礼でしょうが、室長はずっとプロジェクト・ロマニア
の段階からSWWの研究はなさっていたし独自のルートであなた方の戦果を
ご覧になられていたのです。我々は分室です。サナリィの表のマーケティング部
とは少々性格もやり方も違いますから」

ニコライ「は・・・では了解しました。今後の受注交渉を、30分ぐらいで、と
いうことで?」
「ええ、それと室長に直にパイロットの方々と面会がしたいと。交渉とは
また別室ということで構いませんので」
ニコライ「パイロットと?ああ、まぁそれは構いませんが」
「ご安心を。簡単なカウンセリングのようなものだと室長は仰られてます」
217第八話「ドニエプル炭田」:2006/05/14(日) 08:34:48 ID:cZf+o4IA
ニコライがサナリィのメンバーと会談している間、港の運営室にはユウリ、
シレジア、アレーナの三人がいた。しかし、彼女達にはこれから重要な出会いが
あるという自覚もないようだ。アレーナは相変わらずシレジアのボケには
呆れているもののツッコミもある程度サマになってきたし、ユウリのイジられぶり
は既に長年のキャリアで板についている。その雑談の音が別室のニコライに
聞こえて度々彼を苛立たせたのだが・・・

「こんにちは。室長、FBのパイロットの方々です」
「こんにちは・・・あら、噂どおりにまだ可愛い女の子達」

瞬間、三人は突然にドアが開いて呑気なムードが切られた以上に、白衣の
女性が醸し出す不可思議かつ異様なオーラに圧倒された。
「皆からは室長と呼ばれているけれど・・・リィズ・アノーと覚えてくださいな」
218第八話「ドニエプル炭田」:2006/05/14(日) 08:36:17 ID:cZf+o4IA
リィズ「いい感覚を持っているようね。まぁ、自分を鼻にかけるつもりはない
のだけど、感じられるのは素養のある証拠だわ。ええと・・・あなた、
アレーナ・ヨルダネスクさん?」

アレーナ「は、はい!恐縮です、知っていていただけるとは・・・」
リィズ「当然でしょう?失礼だけど貴女はもう少し自分の事を知ったほうが
いいわ。それは自負とは違うのだから。この業界に携わるものなら、
Jrモビルスーツ選手権で史上初の四連覇を果たした子を知らないはずがないでしょう。
ええ、それと・・・あなたはシレジア・ファン・ホーヴェンさん?」

シレジア「あ、はい!そうッス」
リィズ「いい感覚をお持ちね。人を分け隔てない代わりに、自分自身を
分け隔てる力がある。それが、もっと良き力としてあなたを大人の女性に
導いてくれるマシンを、作ることを約束するわ・・・それと最後に、貴女が
ユウリ・スターリン?」
219第八話「ドニエプル炭田」:2006/05/14(日) 08:37:49 ID:cZf+o4IA
コイン型の物体はフォン・ブラウン市のドームが集結する真っ只中に
降り立った。すると、コイン上部の外周から別接された砲塔から
次々にビームを放ち、ドームや付属の電力パイプ、監視棟を破壊していく。

すぐさま、治安部隊のMSヘビーガンやジャベリン、ジェムズガンが
出動しコインにライフル攻撃を加えるもののその分厚い装甲の前に全ての
光弾は弾かれていった。が、その内一機のヘビーガンが隙を突いて接近し
頂上の砲塔を破壊した。すると、その瞬間。コインの左側面が開き
顔を出したゲドラフがヘビーガンを至近距離から撃墜した!

ジェニファ「んッんー♪いいねェ久々のッ前線は楽しいねェ♪」
驚いたパイロット達はすぐさま内部のゲドラフを攻撃しようとするが、
これまた驚異的速さでコインの側面は閉まり、回転速度を増した外周部の
馬力で多くのドームやパイプを無残に踏み潰していく。
220通常の名無しさんの3倍:2006/05/14(日) 08:38:49 ID:???
/,.:'´ /: : : ; ': : : : : :.:;: : : : : :ハ;:ィ=!:.|'": : :i; `ヽ: : : : : : iヽ: :゙:、"; : :';":': : : ; ': : : l     ヽ
   /.:;'   ,!:; : ,.' : : : : : :.:.;': : : : : ',ィ'/:.:i:ノ: : : : :i   ヾ:、: : : : !;:i: : :!:_;.ィ´ ̄`ヽ:.': : ;' :ノ      l
   i:/    l,:': :;' : : : : : : ::;': : : : : 〃 ! ;': : : :_;,;.:.!__,.  !ハ: : : :,! `!:.:,! / r'´:. \ヽ.: :/       |
   !i     ,': : ;': : : : : : : :;': : : : : :,'  !ノヽ:;イ"び ̄`ヾゝ i: : :/  .|:/  ゞ⌒ヽ | l:;:.`'⌒:ー:-‐:'⌒: :..
   i!    ,': : ;': : : : : : : :;'-=、: : :,' /!  i;'|::...iJ  ,リ´ !: :/   〃    、 / ' ,! ':;.;.;_:_:': : :; ':;イ: : :..
    ゝ   i : :ハ: : : : : : : :; :`ヾ:、:,'   ,!   ゝ:..ノ ノ"  ノ'"  ノ      iJ  l    `゙'゙/.:/_!_:.:..
       !.: :| !: : : : ; : ;: : ;: : : i:、_      -‐ '"               _ノ       /;:'     ̄ ̄
        .l: :|  i: : : : '; ; : ;, : : :.: )ひ、           :           j:.       /:,:'
        l.:i  ゙、: : : ト、; :゙、: : :ト、:.゙:J    " "    J          .:        !.:,'  u
          ゙:、   ヽ: : :!ヽ: :i\.:゙、`‐゙/                               i:l
         ゝ   ヾ: i ヽ!  ヾ:、/                                ゙:、
              ゙:j     〈                           u     ヽ
                ,.. -‐ ' `ヽ
           ,. -‐ "´         `!,..-─-:、           J .:::            :
   ,.. -‐ "´ ̄ ̄二``ヽ、         /:;;;:...  .:ヽ          ,.:::-─-、:.         :
 :.\:..   ,..-‐'"´_   u  、  /、:;;;::..   .::;;;}        /    ::. \:.       :
 ..::;;;;:`ヽ、/ ̄`ヾ´  \  _  `/.:;;;:    ...:::;;;:テ'ヽ、 :  /      ::..  \     :.   ,. '
    ...::;;;:`ヽ、. );;,.   ヾ  `ヾ:;;;;;:..   ゙.;;ー:ァ'´   `J:‐'´         ::...._ ヽ    : ,. '
       ..::;;;゙ヾr‐-:、  |:、  l;、;.:;;::..  ..:;;;/_,...::--────--.、.._:、      `ヾ:.  ..:: '
         .:;;ゝ  ` ー':.、`;ー;'ミ彡';;;::... ,.':-‐、:;;;::..        ..::;;;`:ヽ        "
         ..::;;;:`:.ー-:、.  `ヾ、:彡ミ:、;;;:'"   >;;;::..          .:;;;:ヽ
   .:;( ̄ ̄``ー-- 、.._  \.   \ミ:'  /´.:;;;::...           .:;;;;;;l            ヽ
   .:;;:ゝ、.._       `ヽ、..:\   \ー─--:..、..::;;;;::..          .:;;;:l             ヽ
221第八話「ドニエプル炭田」:2006/05/14(日) 08:40:33 ID:cZf+o4IA
ユウリ「はい、私です」

そう答えるが早いか、リィズはテーブル越しに向かいのユウリの額に
そっと手を差し伸べ、目をつぶるよう指示した。自分自身も目を瞑り
何事か確認し、復唱するようにつぶやくと合間に何度かコクン、コクンと
頷く。これを数分間繰り返した後「もういいわ、ありがとう」と
手を離した。

ユウリ(妹・・・アノー?シルエット・フォーミュラー・・・
モニカ・アノー?サナリィ、鉄・・・・・・仮面?ガンダム?)
リィズ「もういいわ。ありがとう。忙しい中お時間とらせて申し訳
なかったわね」
222第八話「ドニエプル炭田」:2006/05/14(日) 08:45:03 ID:cZf+o4IA
真っ暗な港湾施設を走りぬけ、三人はFBの格納庫へ辿りついた。
実際には影響を受けていないFBの電光が若干通路を照らしていたのだが
三人はそれを解釈したわけでも計算に入れていたわけでもなかった。

それぞれにケータイを操縦レバーにセットする。
アレーナ「アレーナ・ヨルダネスク、ステアウア出ますわ!」
シレジア「シレジア・ファンホーヴェン、チャウシェスク出るよ!」
ユウリ「ユウリ、ガンダム行きます!」

三機は高加速スロットルに入れられて近傍のフォン・ブラウンへ急行した。
そこでは巨大なコイン形の物体が側面を繰り返し開閉しながらあらゆる
建造物を踏み倒し徘徊していた。
シレジア「何だ!?蜘蛛オバケの次はコインオバケかよっ!!」
ユウリ「行こう!」
アレーナ「ええ・・・じゃわたくしからいきますわよ!」
223第八話「ドニエプル炭田」:2006/05/14(日) 08:46:29 ID:cZf+o4IA
しかし、三人の攻撃はことごとく分厚いコインに弾かれた。すかさず接近戦を
試みるも、宇宙戦に慣れていた三人は周辺の建造物や施設を気にすることに
時間がかかり、対して破壊行動中の敵機になかなか対応できず苦しむ。

シレジア「くっ・・・生半可な攻撃じゃあの装甲はビクともしない!」
アレーナ「何とか動きを・・・止めてフォン・ブラウンから引き剥がせれば」
ユウリ「シレジア!アレーナ様!あれをやろう!」

突如動きを止めた三機にジェニファも、援護に喜ぶ治安部隊のMSも一瞬
呆気にとられた。
シレジア「珍しいじゃん、ユウリから言い出すなんて」
アレーナ「そうですわね。しかし的確な判断!ジェムズガンに退避を告げますわよ!」

224第八話「ドニエプル炭田」:2006/05/14(日) 08:48:15 ID:cZf+o4IA
ユウリ「プリンセス・カノン!!!」
シレジア「プリンセス・ブレード!!」
アレーナ「プリンセス・アロー!」

今度は一点の迷いも曇りもなかった。Pガンダムの胸部メガ粒子砲に剣圧と
ビームアローが溶け混ざり圧倒的な威光で迫る!

ブシュヴァッ!!!!!!!!!!!!!!

すかさず回避したジェニファだったが、コインの外周タイヤが大きく破損して
正常な回転ができないことを悟ると間髪いれずに退避していった。
ジェニファ「アハッ♪アイアずるいなぁ♪あんなのとロマニアからずっと
戦ってたなんて♪久しぶりに屠りがいのある相手だよ♪ザンスカール戦争の
時みたく♪また疼いてきちゃった♪早く教えてくれれば♪命令無しでも♪
すぐ駆けつけたのに♪」


治安部隊はチャウシェスクに向けて感謝のメールを送った。三機はニコライ
からの撤退命令を待つまでもなくFBに帰投していく。
真っ暗なブリッジには三機を憧憬のまなざしで見つめるリィズの姿があった。

225第八話解説書:2006/05/14(日) 08:58:43 ID:cZf+o4IA
おお、終わってしまった!
この頃はずっとこれくらいの短さだったなぁ。

・主人公達が地球へ行く目的と並んで月へ行く目的もよくわからないと
言われていた。
こちらはまぁ、プロジェクト・ロマニア実行委員会と武装強化・補給の
ためである。最初の段階、あやふやだったのは事実で八割がた後付だが。
しかし、ガンダムらしくていいんじゃね?

・この話でアイアの親友ジェミファ・ジェレフ登場。
ことぶきつかさの漫画によく出てくる巨乳ちゃんで、いかにもアイアと正反対の
男ったらし。今後の末路を見れば、「ガンダムシリーズのお約束を守ってる」
との評価に頷いてしまうかも?
「士官学校時代の同期」・・・・・・・・錆付いた響きだ。

・リィズ・アノーって、別に出さなくてもよかったんちゃうか。
しかしバイオコンピュータは百年代以降のMSの発展史に欠かせない。
その第一人者(だっけ?)モニカの後を継いで自らもMSの開発に携わるように
なったリィズ女史、残念ながら登場はこの第八話だけですた。
しかし、額を触って力を引き出すってナメック星の長老?
世代的にど〜もニュータイプとドラゴンボールの「気」を同列視しちゃう
体質がありまして、いや〜すんまへんな。

・コインラッドはアインラッドの欠点を改良したMSサポートマシンだ。
文句あっか!あるなら、バイク推奨のバンダイプロデューサーに言ってくれ。
そもそもはそこが諸悪の根源だからな。
・・・・・・・・俺はVのタイヤ大好きだけどねw

・ジェムズガンは地上用MS。すんまへんでした。
226第八話解説書A:2006/05/14(日) 09:10:41 ID:cZf+o4IA
・サナリィの立ち位置について。
@Fシリーズを開発
Aサイド2のはベスパの原点
B元連邦軍外郭研究所
ここらへんをまずはチェック!
曖昧ではあるのだが、ソフィア軍はベスパ残党をベースに組織されている。
そしてロマニア皇国のヨルダネスク家とも資本提携している。
つまりガンダムPrincessの全勢力と繋がりがあるわけだ。
と、いっても非常に人的な末端部分、アナハイムのような遠慮の無い死の商人と
いうわけではない。

地球連邦軍の機動力を損ねるために、ベスパがこの人脈を使って根回しを
しているという可能性はありそうだ。
「機動戦士Vガンダム」でも全くサナリィという単語は出てきていないのであるからして、
接収されたサイド2のサナリィは表向き、連邦との付き合いを続けていたんじゃ
なかろうか。一応ガンダムPrincess設定ではゾロアットのデータは戦後に
連邦に渡っているし、連邦の大半のMSがゾロアットだが。

それ以前にベスパの存在、名前自体が連邦を原点としたものである。
ぶっちゃけこの時代の勢力図はグリプス戦役時代よりややこしいのだ。
人により受け取り方の問題であろうが、連邦が軍拡やMS小型化ブームに
乗ってやってきた技術革新への出資や尽力が回りまわってスペースノイドの
反乱の手助けになっている。
サナリィはガンダムPrincess解釈ではその媒介者とも言うべき存在だ。
そこらへん、ある程度強引に納得しないとわかりにくいところではあるが、
まぁ当たらずとも遠からずか。
227第九話「泣くな、ユウリ!」:2006/05/14(日) 09:14:03 ID:cZf+o4IA
コインラッドのフォン・ブラウン襲撃から数日。フェレンツバロシュ
一行は補給終了後即地球のウーイッグへ向けて出発、の予定を変更し
月面都市防衛の任に当たることとなった。これは、クルーの連携を
高めるための両者合意の上での決定でもあったのだが、ここに一人
周囲の期待と逆行する悩みを抱えた少女がいた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


今日もトムルとシュグナイドの三機編隊が相手。ユウリ・シレジア・アレーナの
三人娘に加えてようやくスタンダード装備を加えたドラゴスティアに
乗るノマノマ、マジ・デウゼーのイズモが軽快に敵MSを撃墜していた。
この救援のおかげで治安部隊は補給と修理を終え、連邦議会でも本格的に
対ソフィアの協議委員会を発足させる時間稼ぎができた。

だが、そんな中Pガンダムに乗ったユウリだけがいつにも増して動きが重い。
228第九話「泣くな、ユウリ!」:2006/05/14(日) 09:18:01 ID:cZf+o4IA
照準レティクルがブれ、敵の旋回についていけない。何度も打ち合わせを
して実戦でも試しているはずのフォーメーションをミスし、味方と
交錯してしまう。

シレジア「なにやってんだよユウリ!何度も練習したろ!?」
アレーナ「まったく・・・進歩が無いんですわね!」

そのうち、自己判断で戦局から一歩後退し程なくしてイズモの中距離射撃で
残った一機のシュグナイドが撃墜された。その時!!
229第九話「泣くな、ユウリ!」:2006/05/14(日) 09:19:34 ID:cZf+o4IA
あうぎぃあっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


ユウリ「ひっ!!」


爆散した機体からパイロットがこぼれ落ちる。月面にトランポリンのように
弾んだその青年は、ヴァイザーが半分割れ、体中を火傷している。見たくも
ないのに、おそるおそるユウリはメインカメラを彼に向けてズームする。

今まで見たことも無いくらいおぞましい断末魔の表情。眉毛とともに八の字に
屈折した目からは大粒の涙が零れ、折れた膝を抱えながらまるで神に許しを
請うように手を天高く伸ばしている。
「ママ!!ママ!!」
だが、その先には無常な漆黒の宇宙が広がっているばかりだった。程なくして
彼は力尽きピク、ピクと捌かれる前の魚のように脈打っている。唾液と尿と
血液が宙に浮いていく・・・
気持ち悪さ、吐き気でユウリはしばらく動けなかった。
230第九話「泣くな、ユウリ!」:2006/05/14(日) 09:21:14 ID:cZf+o4IA
ノマノマ「ユウリ、疲れてんじゃないか?あまり無理はするなよ。
お前抜きでも十分戦えるから、さ・・・」
ユウリ「うん、ありがと・・・」

人という生き物は自意識をして、何と唯我独尊な現実認識をするものか。
他人が、自分を思いやってくれているにも関わらず、それを阻害や
軽視と受け取る。自分が必要とされているとアピールすればする程
焦りはさらなる失敗を生み、優しさは額面どおりに伝わらない。
ユウリはロマニアを出発してからの精神的・肉体的疲労が局地に達し
はじめて自分の行為と現状について考え始めていた。それが実戦に
影響を及ぼしていることは、個人的問題からの逸脱・集団への抵触だった。

シレジア「あんま気にすんなよ。ユウリは元々体力無いんだし」
アレーナ「と、言ってもここ数日の体たらくは目に余るものがありますわ」
イズモ「俺様からガンダムを横取りした罰が当たったんだよぉ、女子高生は
大人しく電車ん中でケータイでもいじってなさいってこった」
シレジア「オイ・・・ちょっと待てよ今のは聞き捨てなんねーな?」

周囲の喧騒をよそに、ユウリは自室へ戻っていった。
231第九話「泣くな、ユウリ!」:2006/05/14(日) 09:25:21 ID:cZf+o4IA
ハロ「ハロ。ユウリ、ケツアツ、アガッテルゾ」

ユウリ「そうか、君はハロっていうんだ」
ユウリはハロの操作ボタンを確認したりして気を紛らせながらも、
今日のことだけでなく色々な思いがこみ上げてきて自然に涙を
滲ませていた。

あのガンダムに乗った日。「覚えていない」「夢中だった」という通り、
何も記憶に残ってはいない。ただ、それが引き金になって、周囲の人達に
助けられて今日まで何となく生き延びてきただけなのだ。今更ながら、
アレーナに言われた「これは戦争だ」という言葉がオーバーラップする。

宇宙ではやられたら死ぬ。スポーツでも喧嘩でもない。人が死ぬんだ。
でも、今日まで自分の攻撃が当たってもゲームの画面みたく敵機が爆散
する光景を認識していたし、あの日見た市民の遺体とMS戦を同一線上に
認識していなかったのかもしれない。ガンダムの性能がいいから、と
いうのもその通りだろう。では何故、敵パイロットの痛みや断末魔の
悲鳴がここ数日、突然脳髄にエコーするようになったのか・・・
232通常の名無しさんの3倍:2006/05/17(水) 20:57:22 ID:???
誰もレスしないから俺がレスする











何だこのスレ
233通常の名無しさんの3倍:2006/05/23(火) 09:44:59 ID:uDnmk22A
hosyu
234通常の名無しさんの3倍:2006/05/29(月) 22:51:04 ID:X2RxbP1R
hosyu
235通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 12:28:09 ID:???
☆★☆ゴミスレ☆★☆

機動戦姫ガンダムP(プリンセス) part2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1142071587/

☆★☆機動戦姫ガンダムPrincess第三章☆★☆
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1146867833/

機動戦士Zガンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1144074591/
236通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 20:04:02 ID:voXinkRx
hosyu
237通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 20:45:50 ID:???
毎回、ちまちま保守ageしてんじゃね〜よ!!!
削除依頼出しとけ、カスが!!!
238通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 05:51:48 ID:???
○スレ主さんへ

あなたは下記の3スレッドを掛け持ちされていますが、
機動戦姫ガンダムP(プリンセス) part2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1142071587/

☆★☆機動戦姫ガンダムPrincess第三章☆★☆
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1146867833/

機動戦士Zガンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1144074591/

実在する個人名・会社名を無断に使用し、あたかも制作会社の公式作品
を装うような記述をしたレスが全てのスレッドで見受けられます。
それらの行為は下記に示す法に反する恐れがあります。
私が制作会社に質問するのもおかしいので、ご自分で「株式会社サンライズ」様にご質問してください。
返答内容次第で該当スレッドに対する削除依頼をするかご判断ください。
・不正競争防止法 第2条の一
ttp://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=2&H_NAME=&H_NAME_YOMI=%82%D3&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=H05HO047&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GUN=1

・プライバシー権の侵害(憲法13条)
ttp://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html

・不正行為(民法709条)
ttp://law.e-gov.go.jp/htmldata/M29/M29HO089.html

・不正行為(民法709条)をわかりやすくしたサイト
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/minpo-709.html
239通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 01:24:39 ID:WXQ6nRWM
あげ
240通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 00:21:08 ID:???
          ,、‐ ''"  ̄ ``'' ‐- 、              
        /イハ/レ:::/V\∧ド\                
       /::^'´::::::::::::i、::::::::::::::::::::::::::::\   
     ‐'7::::::::::::::::::::::::ハ:ハ::|ヽ:::;、::::::::::::丶   
     /::::::::::::::/!i::/|/  ! ヾ リハ:|;!、:::::::l      
    /´7::::::::::〃|!/_,,、   ''"゛_^`''`‐ly:::ト     
      /|;ィ:::::N,、‐'゛_,,.\   ´''""'ヽ  !;K          
        ! |ハト〈  ,r''"゛  ,       リイ)|          
          `y't     ヽ'         //            
         ! ぃ、     、;:==ヲ   〃             ,-v-、   
         `'' へ、   ` ‐ '゜   .イ            / _ノ_ノ:^)  
              `i;、     / l           / _ノ_ノ_ノ /)  
                〉 ` ‐ ´   l`ヽ          / ノ ノノ//    
            / !        レ' ヽ_     ____  /  ______ ノ
                          ("  `ー" 、    ノ  
                           ``ー-、   ゙   ノ 
                            ( `ー''"ー'"   
                              \ /ノ
  ̄フ  才,_   | -┼    ト-   -┼、\   -┼─ 
 ̄ ̄フ /|/  )  |   |    |     / |     / -─ 
  (_   |   (_  し αヽ  α^ヽ  ./  J  つ  / ヽ_ 
241通常の名無しさんの3倍:2006/06/23(金) 23:34:30 ID:???
保守
242通常の名無しさんの3倍:2006/06/24(土) 11:05:08 ID:???
6 :ノーブランドさん :2006/06/22(木) 00:19:38
☆★☆ゴミスレ☆★☆

機動戦姫ガンダムP(プリンセス) part2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1142071587/

☆★☆機動戦姫ガンダムPrincess第三章☆★☆
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1146867833/

機動戦士Zガンダム0085 毒ガスの撒かれた地で・・・ →とくにこのスレ 作者がVIP馬鹿にしてる
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1144074591/

荒らしてくださいお願いします





http://life7.2ch.net/test/read.cgi/fashion/1150900412/6
243通常の名無しさんの3倍:2006/06/26(月) 18:52:09 ID:???
帰ってこいよ
244作者:2006/06/30(金) 23:00:10 ID:00tdyDYI
帰ってきたヨン。
しかし、このスレは続ける価値があるのかどうか悩んでいるところでもある。
が、俺が立てたスレではないのでこのSSが共同作業作である証、と俺は考えて
いるから投げ出すわけにはいかない。
わざわざ肉ちゃんで過去スレ見に行かない人にアピる為の「再放送」だ。
245通常の名無しさんの3倍:2006/07/01(土) 00:15:56 ID:???
応援するぜ
246通常の名無しさんの3倍:2006/07/02(日) 19:52:21 ID:???
俺も
247通常の名無しさんの3倍:2006/07/08(土) 06:14:50 ID:???
自演以外いないって
248作者:2006/07/09(日) 01:03:11 ID:???
ずいぶん時間差の自演だね。
249第九話「泣くな、ユウリ!」:2006/07/12(水) 16:34:02 ID:UmvGS00L
♪YEAH 1979 MOBILE SUIT GUNDAM!
♪YO ALL GUNDAMER LETS STAND UP!
♪LETS STAND UP! LETS STAND UP! LETS STAND UP! LETS STAND UP!
♪LETS STAND UP! LETS STAND UP! LETS STAND UP・・・・!
♪YO VICTORY! LETS STAND UP! LETS STAND UP! LETS STAND UP!
♪LETS STAND UP! GET A VICTORY!!!!!!!!!!!!

♪勝利をその手に掴もう 大好きなカレを取り戻せ
♪明日へ続いてる君のVICTORY 今こそその名前呼ぶ時が来た
♪GUNDAM PRINCESS

♪HEY YO FIND A PRINCESS ROAD 
♪勝利の女神振り向かす いま大空に羽ばたかす 胸ときめかす
♪光の翼は 革新 人に 信じさす 

♪そりゃ最初は女の子だっていうだけで バカにされ泣くこともあるけれど
♪きっと男の子にはできないこともできるはずさ
♪そう信じて思い切って搭乗(の)ればいい
♪そうよ 女の子はみんなニュータイプ

♪今こそ手を繋ごうみんなPRINCESS そう誰でもPrincessになれるんだから
♪恋する力を集めて それこそ女の子だけが持てるパワーさ
♪GUNDAM PRINCESS
250旧シャア脳内電波放送局より視聴者の皆様へ:2006/07/12(水) 16:39:16 ID:UmvGS00L
>>207>>242の時間帯に何者かの妨害電波に遭い視聴者の皆様に御見苦しい点を
お見せしましたことを脳内電波放送局スタッフ一同深くお詫びいたします。
現在、当該箇所の修正及び再発防止対策に向け行動を起こしておりますので、
今後ともご理解・ご支援をよろしくお願いします。

局長 青木性事

251CM:2006/07/12(水) 16:51:16 ID:???
機動戦姫ガンダムPrincess DVD第一巻発売!!!!
7月19日ON STORE
ユーリ「遂にあたし達の活躍がDVDになったよ!」
アレーナ「わたくしの華麗な活躍をもう一度見られるだけでもありがたく
思うことですわね・・・・・・・・・ピリオド!」
シレジア「おいおいまさか本気にすんなよな?
いい年してんだから現実と妄想の区別くらいつけようぜ・・・・これ読んでるアンタ!
ア・ン・タだ、よっ!!!」


機動戦姫ガンダムPrincessオープニングテーマ
「GUNDAM PRINCESS VICTORY!」
DVD第一巻と同時発売!先行予約特典はシャクティと両澤千晶の抱き枕(選択可)!!
♪今こそ手を繋ごうみんなPRINCESS そう誰でもPrincessになれるんだから
♪恋する力を集めて それこそ女の子だけが持てるパワーさ
♪GUNDAM PRINCESS
シレジア「正直、この歌の元ネタ知ってる奴は作者以外旧板に誰もいないと思うぜ・・・」

月間ガンダムエース9月号は、機動戦姫ガンダムPrincess放送開始記念!
巻頭カラー全30ページ特集で盛り上がろう!
ジ・オリジンの安彦良和がガンプリについて語る!緊急独占インタビュー!
来週のGAは全ページガンプリ一色です!乞うご期待!
実在の人物・団体等とも一切関係ありません!!!


252第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 16:53:11 ID:???
コインラッドのフォン・ブラウン襲撃から数日。フェレンツバロシュ
一行は補給終了後即地球のウーイッグへ向けて出発、の予定を変更し
月面都市防衛の任に当たることとなった。これは、クルーの連携を
高めるための両者合意の上での決定でもあったのだが、ここに一人
周囲の期待と逆行する悩みを抱えた少女がいた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


今日もトムルとシュグナイドの三機編隊が相手。ユーリ・シレジア・アレーナの
三人娘に加えてようやくスタンダード装備を加えたドラゴスティアに
乗るノマノマ、マジ・デウゼーのイズモが軽快に敵MSを撃墜していた。
この救援のおかげで治安部隊は補給と修理を終え、連邦議会でも本格的に
対ソフィアの協議委員会を発足させる時間稼ぎができた。

だが、そんな中Pガンダムに乗ったユーリだけがいつにも増して動きが重い。
253第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 16:55:31 ID:???
照準レティクルがブれ、敵の旋回についていけない。何度も打ち合わせを
して実戦でも試しているはずのフォーメーションをミスし、味方と
交錯してしまう。

シレジア「なにやってんだよユーリ!何度も練習したろ!?」
アレーナ「まったく・・・進歩が無いんですわね!」

そのうち、自己判断で戦局から一歩後退し程なくしてイズモの中距離射撃で
残った一機のシュグナイドが撃墜された。その時!!
254第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 16:58:21 ID:???
あうぎぃあっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


ユーリ「ひっ!!」


爆散した機体からパイロットがこぼれ落ちる。月面にトランポリンのように
弾んだその青年は、ヴァイザーが半分割れ、体中を火傷している。見たくも
ないのに、おそるおそるユーリはメインカメラを彼に向けてズームする。

今まで見たことも無いくらいおぞましい断末魔の表情。眉毛とともに八の字に
屈折した目からは大粒の涙が零れ、折れた膝を抱えながらまるで神に許しを
請うように手を天高く伸ばしている。
「ママ!!ママ!!」
だが、その先には無常な漆黒の宇宙が広がっているばかりだった。程なくして
彼は力尽きピク、ピクと捌かれる前の魚のように脈打っている。唾液と尿と
血液が宙に浮いていく・・・
気持ち悪さ、吐き気でユーリはしばらく動けなかった。
255第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 16:59:38 ID:???
ノマノマ「ユーリ、疲れてんじゃないか?あまり無理はするなよ。
お前抜きでも十分戦えるから、さ・・・」
ユーリ「うん、ありがと・・・」

人という生き物は自意識をして、何と唯我独尊な現実認識をするものか。
他人が、自分を思いやってくれているにも関わらず、それを阻害や
軽視と受け取る。自分が必要とされているとアピールすればする程
焦りはさらなる失敗を生み、優しさは額面どおりに伝わらない。
ユーリはロマニアを出発してからの精神的・肉体的疲労が局地に達し
はじめて自分の行為と現状について考え始めていた。それが実戦に
影響を及ぼしていることは、個人的問題からの逸脱・集団への抵触だった。

シレジア「あんま気にすんなよ。ユーリは元々体力無いんだし」
アレーナ「と、言ってもここ数日の体たらくは目に余るものがありますわ」
イズモ「俺様からガンダムを横取りした罰が当たったんだよぉ、女子高生は
大人しく電車ん中でケータイでもいじってなさいってこった」
シレジア「オイ・・・ちょっと待てよ今のは聞き捨てなんねーな?」

周囲の喧騒をよそに、ユーリは自室へ戻っていった。
256第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:01:52 ID:???
ハロ「ハロ。ユーリ、ケツアツ、アガッテルゾ」

ユーリ「そうか、君はハロっていうんだ」
ユーリはハロの操作ボタンを確認したりして気を紛らせながらも、
今日のことだけでなく色々な思いがこみ上げてきて自然に涙を
滲ませていた。

あのガンダムに乗った日。「覚えていない」「夢中だった」という通り、
何も記憶に残ってはいない。ただ、それが引き金になって、周囲の人達に
助けられて今日まで何となく生き延びてきただけなのだ。今更ながら、
アレーナに言われた「これは戦争だ」という言葉がオーバーラップする。

宇宙ではやられたら死ぬ。スポーツでも喧嘩でもない。人が死ぬんだ。
でも、今日まで自分の攻撃が当たってもゲームの画面みたく敵機が爆散
する光景を認識していたし、あの日見た市民の遺体とMS戦を同一線上に
認識していなかったのかもしれない。ガンダムの性能がいいから、と
いうのもその通りだろう。では何故、敵パイロットの痛みや断末魔の
悲鳴がここ数日、突然脳髄にエコーするようになったのか・・・
257第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:03:02 ID:???
そしてある結論に辿り着いた。あの日、リィズ・アノーという女性に額に
触れられてから感覚が異常なくらい研ぎ澄まされているのを感じる。
けれど、初めは美味しいと思っていた食事も満腹中枢の限度を超えたときに
不快の源となるように次第にそれは自分自身を蝕んでいった。

何故なら、他人の言葉を正面から鵜呑みにできないからだ。自分は幼いころから
何もできなかったし何の賞も取れなかった。一番といわれたことなんてない。
アレーナ様も、みんなの人気者のシレジアやノマノマもうらやましい。
ニコライ中尉は若いのにあんなにたくさんの激務をこなしてすごい人だ。
イズモさんだってあたしよりきっと上手くガンダムを扱えるだろう。
何故、あたしでなくてはいけないの・・・?

こんな弱くて、泣き虫で、人にバカにされ続けて人を信用できなくなって、
それでも深く考えたらダメだと、できるだけ人の言うことを信用するように
してきたのに、また気にするようになってしまった。
もしあたしが逃げたって、代わりに誰かがやってくれる。だってこんなに
たくさんの人がいるんだもの。このフォン・ブラウンにも地球にも優れた
パイロットがいるはず。あたしなんて・・・
258第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:03:53 ID:???
今の正直な気持ちは、うちに帰りたい。たとえそこが廃墟だったとしても・・・
これまで弱虫な自分を変えたいと思って耐えてきたけど、もう限界だ。
こんな苦しみを味わうくらいなら、弱虫でいい。勉強も何もできなくて、
嫁の貰い手が無くたって、少なくとも静かに生きていける。このムズムズした
感覚が無くならない限りはとてもあのコクピットに乗れない。

精神と肉体の相互依存法則に倣って、ユーリの不快感は肉体を蝕んでいた。
軽い発熱、便通、そして生理不全・・・それは小学六年生の時の体験を思い出させる
ものだった。何かひとつのことにこれほど熟考するのもあれ以来なのだ。

授業中に感じ始めた突然の腹痛。それは便通と似ても非なるものだった。
後に保健体育の授業で知ることはできても最初の痛みは理屈ではない。
トイレに駆け込んで便器の水面に見たものはぞっとするような真紅の液体だった。
ある時、拭き残しが腿を伝っているのを男子に見られ一斉に男子からはやし
立てられた。
259第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:05:02 ID:???
その時の罵詈雑言は子供の残酷さを証明するものだ。子供は自分と、あるいは
自分の属する集団と異質なものを敏感に察知し阻害しようとする。
それによって自分の居場所、立ち位置、存在価値を確認するものだから。
今でもユーリの中に色濃く焼き付けられる、消えない傷である。

その時は病気だと思っていた。だからその病気が治るまで学校に行きたくないと
思っていた。その時の感覚と全く同じだったのだ。あの時、どうして学校に
行く気になったんだっけ・・・もう、思い出せなくなった。

ユーリ「もしもし。中尉ですか?夜分すいません。お時間ありますか?」
ニコライ「ああ、いいけど・・・何だ?」
ユーリ「これから中尉の部屋に行きます。大事な話があるんで」


260第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:05:57 ID:???
ニコライの部屋は急いでモノの山を積み上げ脇に寄せたような煩雑さだった。
しかし、そんな事はユーリも気にしていないしニコライも空気を読んでいた。

ニコライ「困る、な・・・女子高生をこんな時間に部屋に入れて変な誤解をされたら」
ユーリ「あ、いや・・・すぐ終わるんで」
ニコライ「で、話とは?」
ユーリ「ああ、ん、ええ、と・・・」

これまでずっと決断力の無さ、はっきりしない性格と揶揄されて損をしてきた。
だったら、あたし自身のために、その一歩を踏み出してやる・・・!

ユーリ「あたし、辞めます。辞めたいんです、ガンダムのパイロット。
これからサイド7に帰ります。ガンダムには誰か代わりの人に乗ってもらって下さい」
261第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:06:58 ID:???
ニコライ「本気かい?」
ユーリ「ええ・・・て、言うか何であたしがここまでずっと乗り続けたのか
わからなくて・・・ただ、怖いから辞めるん、ですけど・・・」
ニコライ「怖いか・・・それはともかくとして君を起用し続けたのは単に
優秀だからだよ。そりゃ今日みたく細かいミスもあるけど本当の素人
なら既に死んでるよ。俺が君を出撃させるのを本当に迷ったのは宇宙に出てから
すぐ、アイア・コッカが攻めてきたときだけさ。あれを凌いで、シレジアと
アレーナと三人だったら何とかなるんじゃないかと思ってね。事実その通り
だったろ?俺の勘も捨てたもんじゃないな」

ユーリ「あの、そういう話をしてるんじゃなくて・・・」
ニコライ「わかってるよ。実際PTAからは生徒をパイロットにしてるって
結構言われてるのさ。同じ生徒のアレーナを英雄扱いするくせにね。
だから、今の俺の答えは、率直に言えば「お疲れ様」ってとこだね。今日まで
よく頑張った。もう休んでいいよ。君の実戦データはちゃんと連邦軍に届ける。
このドニエプロペトロフスクに着いたら実戦慣れしたパイロットがたくさん
増援に来るとわかってたし、ウーイッグに行けばもっと期待できる。
まあとにかく、今日までありがとう。本当に助かったよ」

ユーリ「・・・はい。わがまま言ってごめんなさい。ありがとうございます」
ニコライ「で、いつ帰るんだい?ちょうど明日には便があるようだけど」
262第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:07:58 ID:???
ユーリ「そうですね、早朝の便で帰ります。色々お世話になりました」
ニコライ「ああ。元気でな・・・シレジアとアレーナには一言くらい言ってけよ」

その後、ユーリはシレジアとアレーナの部屋の前まで行った。しかしノックすら
できなかったのだ。ニコライは俯瞰的立場にいるからまだしも、シレジアは
止めるに決まってるしアレーナには辛らつな言葉を浴びせられるだろうから。

その夜のうちにユーリは荷物をまとめ、停泊しているFBからドニエプロ
ペトロフスク中央駅からフォン・ブラウンに移動した。
現在でもフォン・ブラウンは重要な都市だが多すぎるビジネス客・観光客を
鑑みてビジネス街区を郊外の衛星都市に分散させているのだ。各サイドへの
スペースポートはフォン・ブラウンにあった。ユーリはせめて今日までの
ことを人生の糧として記憶に残しておこうと土産屋、服屋をウィンドウショッピング
した後、大混雑するスペースポートに向かった。

263第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:11:22 ID:???
艦内は第一種戦闘態勢だが、学校の授業は通常通り行われていた。

ニコライ「マイク・ハーフナー」
「はい」
ニコライ「モニカ・ルインスキー」
「はい」
ニコライ「ヤンバル・クイーナ」
「はい」
ニコライ「ユーリ・・・は欠席だな」

シレジア「え?何でっすか?風邪?」
ニコライ「ああ、体調不良だってな」
ノマノマ「しょうがねぇよ」

アレーナ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
264第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:12:22 ID:???
切符を買う瞬間は迷った。でも、無断で脱走するんならまだしもニコライと
ちゃんと話した分落ち着いていた。しかし、あそこまで自分が必要ないと
理路整然に言われればユーリも少し寂しかった。

サイド7はプロジェクト・ロマニアが破綻したことで通常の便が回復。それでも
多くの警備兵に加え屋外には警備のジェムズガンが数機ライフルを構えて
立っている物々しい雰囲気だ。赤外線による持ち物チェックも厳重に行われている。
自分の持ち物の中で抵触しそうなものは携帯電話だけだが・・・

ユーリ(しまった!!!!)

自分の携帯電話が無ければPガンダムの初期化作業が難航する。個人情報入力
の仕方次第でその作業量はピンからキリまで上下するのだ。しかもロマニア
からこの月に来るまで数週間、余分なデータをいっぱい詰め込んでしまった。

ユーリ「・・・ううん、でもいいや・・・もうあたし、関係ないんだから」
その時、改札口近くの床が微弱な振動を受けた。
265第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:14:38 ID:???
ニコライ「うわっ!!くっ!!・・・・・・・・・」

教室が、いやFBと宇宙港全体が大きな振動に揺り動かされた。
ニコライ「まったく・・・カリキュラムが全然進んでないってのに・・・
シレジア!アレーナ!ノマノマ!わかってるな!?MSデッキでイズモと
合流!ガンダムチーム出撃だ!」

シレジア「オッケイ!ユーリなしでもやってやんよ!」
アレーナ「ふぅっ・・・」
ノマノマ「死にたいやつは自習してなよ!じゃ、行ってんぜ!」

266第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:17:47 ID:???
ジェニファ「そ♪ろ♪そ♪ろ♪行こうよ♪」
アイア「ダメだ。ハジを中心に、地球降下前に量産MSの性能を最終チェック
せよと上層部からのお達しなのだ。それまでは出れぬ」
ジェニファ「つれないねぇ♪士官学校時代の同期じゃないのさ♪」

アイアの部屋でシャワーを浴び終えたジェニファは妖艶な肢体とブロンドの
ロングヘアーを一緒くたに拭き上げながらアイアに話しかけていた。
この能天気さと、アイアの一身に任務に打ち込む性格が奇妙に合っていた。
当時の国情から言ってほんの少しの気の緩みが生存競争の脱落を意味するから
こそ、自分には無い、自分と正反対の同僚を互いに求めていたのかもしれない。


アイア「む、ガンダムチームか・・・何?Pガンダムが見当たらない?まぁいい、
それは好都合だ。ここ数日戦力を出し惜しみしてやったのもわからんバカの
集団のようだな。レントウとコインラッド、用意しておけ!」
ジェニファ「うはぁ♪きたきた♪」
267第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:20:06 ID:???
シレジア達は一目散にMSデッキへ走っていった。が、艦の構造上生徒の
部屋が集まる居住区を通過する時にシレジアが立ち止まった。

アレーナ「シレジア?」
シレジア「ちょっと・・・ユーリの様子を見るよ。あいつのことだよ、仮病って
センも捨てきれねーべ・・・あっ!!」

シレジアが部屋を空けると、そこは何の荷物も無いもぬけの殻だった。
ノマノマ「どうした?」
シレジア「あいつ、やっぱ・・・!ゴメン、ノンちゃん。イズモ軍曹と先に
行ってて。アレーナ、わかってるよね」
アレーナ「ええ、よろしくてよ・・・まったく世話が焼ける娘ですこと」

十分後、マジ・デウゼーとドラゴスティアは敵MS群との戦闘に。
ステアウアとチャウシェスクはフォン・ブラウンのスペースポートに向かった。
268第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:23:06 ID:???
瓦礫の山と火災、目が眩む硝煙に警備部隊はいち早く行動を起こし、スペースポート
の乗客を地下シェルターに移送した。切り傷や打撲で体の各部が変色した
人々にまぎれてユーリは縮こまっていた。逃げることもできないのか・・・
あの初めてガンダムに乗った日、死傷者にまぎれて病院に向かったときも
耐え抜いた強い意志はどこにもなかった。

アレーナ「ユーリさん!?いるの?」
シレジア「ユーリ!・・・ちっラチがあかないな・・・よしケータイ鳴らすよ!」

二人に気づいて背を向けたユーリだったが、一瞬で対応できるわけもなく、
そのケータイの音でユーリの居場所はすぐ気付かれてしまった。二人は
負傷者達の波をすまなそうに掻き分けながらユーリの元へ近づいていった。

269第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:24:11 ID:???
シレジア「よ、おはよう。何やってんだ?こんなトコで」
ユーリ「何、って・・・」
アレーナ「ま・さ・か、逃げ出そうなんて思ってたんじゃないですわよね?」
ユーリ「そ・・・そのまさか、です・・・アレーナ様」

シレジア「バーカ言ってんじゃねぇ帰るよユーリ。敵が攻めてきてんだ。
イズモとノンちゃんだけで対応してんだよ。早く行かなきゃ」
ユーリ「いやっ!!」

シレジアに引っ張られた腕を強引に引き剥がし、ユーリはそっぽを向いた。
ユーリ「あたし、もう嫌だ・・・人殺しなんて嫌なんだもん。お父さんもお母さんも
殺されて、今度はあたしが殺してるんだよ。死んだ人たちの声が頭に響いて
くるんだよ。怖くて、眠れなくて・・・ね、どうしてあたしじゃなくちゃいけないの?
あたし以外にもたくさん乗れる人はいる。そうだよ、ね?シレジアだったら
あたしよりガンダムを上手く使える。アレーナ様だったらもっと」

パンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
270第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:26:05 ID:???
アレーナ「弱虫!わたくしは、貴女はもっと強い娘だと思っていたわ。あの
時は馬鹿にしたけれど、自分の意思でガンダムに乗って今日まで戦い続けて、
今では頼りにもしている。MSだったら、たとえ殿方にも負けないと自負している
このわたくしが、初めてライバルと認めたのよ!どうして自分だけで悩んで
勝手に決めようとするの!?どうしてわからないことは人に聞こうとしないの!?
あなたの力だけでは、わたくしの力だけではみんなを守れないとわかっているから、
力をあわせようとするんじゃない!わたくし達は、三人でひとつ。誰か一人
欠けても力を発揮できない。立ちなさい!貴女はガンダムのパイロットなのよ!」

ユーリ「でも、だって、あたし・・・そんなことわかっているけど・・・シレジアみたく
人を笑わせたり元気付けたりできない、アレーナ様みたくみんなから尊敬されて
的確にリーダーシップも取れない、何もできないから・・・」

アレーナ「貴女、いい加減に・・・!」
もう一発ビンタを食らわせようとするアレーナを静止したシレジアが、今度は
逆側の頬を渾身の力を込めて引っ叩いた!!
271第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:31:30 ID:???
シレジア「ああ、いいよ。帰れば?帰ればいいじゃん。アンタみたくメソメソ
して辛気臭い女に乗られたら、あのガンダムも可哀想だしね。これまでの歴史の
中で、ガンダムに乗ってきた錚々たるパイロット達に対して失礼だもん。
それにアンタみたいな奴がいたらこっちも足を引っ張られて戦えないしね。
アンタみたいな女、いない方がいいよ。元々向いてなかったんだよ。みんな
アンタに気を使ってこれまで言わなかっただけだよ。ようやく自分で気付いて
偉いねー。さ、早く逃げなよ。ただし、これだけは言っとくよ。アンタとは
もう友達でも何でもないからね。電話番号もメアドもケータイから消すし、
年賀状も送らないし、誕生日も忘れるし、もう絶対一緒に遊ばない。
ユーリ・イワノヴィチ・スターリニスカヤって名前はあたしの頭から永遠に
消し去られるんだ。あーっキモ!こんな名前二度と口にしたくねぇ。
戦争が終わってサイド7に戻っても一切口きかないから。じゃ」

アレーナ「ユーリさん、貴女は何のためにここまで来たの?怖いのなら最初に
怖いといって降りればよかったじゃありませんの。シレジアも、こう言っている
けどあなたが本当に親友だと思ってるから、何も相談してくれなかったから
本気で怒ってるのよ。・・・そんな気持ちもわからないのだったら、ずっとそこで
メソメソ泣いているといいわ!ピリオド(以上)!」

ユーリは両の頬を張らして一言も言えず両足の間の床を見つめていた。
その床に、ポツポツと水滴が落ちていくのを感じながら・・・
272第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:34:44 ID:???
ノマノマ「シレジア!ユーリは!?どうだったんだ!?」
シレジア「ダメだった!とにかく今はあそこにくっついてるコイン野郎を!」
アレーナ「よし!わたくしが、くあっ!!!!!!!」

一対四にも関わらず、FBの艦壁を走行破壊し続けるコインラッドを、
レントウが巧みな援護射撃で妨害に行かせない。するとフォン・ブラウン
上空に滞宙していたシュメンから増援のMS隊が発進しますます戦局は
苦しくなってくる。
アイア「これ以上は出せないぞ!早いとこブリッジを潰してくれ!」
ジェニファ「了♪解♪」

ノマノマ「くそっ・・・ユーリ!来てくれーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
273第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:37:33 ID:???
ユーリ「はっ!」

ユーリは何かに引っ張られたように上下左右を見回した。
ユーリ「・・・気のせいか・・・」

が、次の瞬間!はるか上層で壁が砕ける音がした。敵MSか・・・ユーリは
何者かに触発されたように立ち上がると、ゆっくり、そして次第に足を
速めてシェルターを脱出した。人工の快晴が広がるスペースポートの窓の
向こうに「それ」はあった。緑色の機体。いつも、あたしを助けて、ときめかせて
くれたその顔、腕、胸がよろめく自分を迎えて大きく羽を広げる。

ユーリ「ノンちゃん!!!!!!!!!!」

274第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:40:32 ID:???
「Pガンダム、射出!!!!!!!!!!!!」
ニコライ「何、どういう事だ!?パイロットは誰だ!?」
「乗っていません!パイロットはいません!無人です!」
ニコライ「何だ、どういうんだ!?」
「Pガンダム、フォン・ブラウンスペースポートに急速接近中!
加速はフルスロットルです!」

そうだ、思い出した・・・あの時、学校に行きたいって思わせてくれたのは
ノンちゃんだったね。どんな時もあたしを助けてくれた・・・だから・・・
だから・・・だから・・・今度はあたしが助ける!

ユーリは窓にあいた大穴から、宙に飛び出した!!すると、高加速スロットルで
接近したPガンダムが直立に姿勢制御しコクピットの中にすっぽりと納まったのである。
「ユーリ、行きます!!」

275第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:42:28 ID:???
そうこうしているうちに、FBに痛々しい縄目をつけたコインラッドがついに
ブリッジめがけて艦橋を突進してきた!!
ニコライ「ぐっ・・・なむさん!!」
アレーナ「中尉!!」
シレジア「ダメだっ・・・!」
ノマノマ「クッソーっ!!」
イズモ「畜生!誰か何とかしやがれーっ!!!」



シュヴァッ!!!!!!!!!!!!


コインラッドが光の筋に貫通させられ艦橋から転落していく。
イズモ「な、何とか・・・なった?へ?」


276第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:44:34 ID:???
ユーリ「みんな、遅れてゴメン!」

全員「ユーリ!!!!!!」

撃墜されたコインラッドがレントウの元に戻り残存するMS隊と陣形を組む。
ジェニファ「うっひゃ♪来たよ♪ガンダム♪感激モンだぁ♪」
アイア「油断するな・・・アレはやる!」

ユーリ「早速だけどアレーナ様、あれを!」
アレーナ「了解!人に世話かけといて仕切るなんて大きくなりましたわね!」
シレジア「まったくだぜ!じゃノンちゃん、軍曹!チャージまでの時間稼ぎを!」
ノマノマ「あいよ!任されてよ!」
イズモ「ちっ、たく・・・何で俺が女子高生の言いなりに・・・ブツブツ」

277第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:47:31 ID:???
ユーリ「プリンセス・カノン!」
シレジア「プリンセス・ブレード!!」
アレーナ「プリンセス・アロー!!!」

ジェニファが「それ」を見たことがない分だけ、イズモとノマノマの回避運動
よりもMS隊の分散が遅れた!コインラッドは融解し、中身のゲドラフは
レントウと共に味方のMS達の残骸漂う宙域を抜けてシュメンに帰投していった。
アイア「だから言ったろ大尉。油断するなと」
ジェニファ「ああ・・・・・・・♪確かに次は本気出したほうがいいみたいだね♪」

FBの被害は甚大なものだったが何とか犠牲者は出さずに済んだ。主力五機の
MSはボロボロのカタパルトに割れ物を扱うような丁寧さで降り立ち収納された。

278通常の名無しさんの3倍:2006/07/12(水) 17:49:02 ID:MU2zJ6Xr
いい加減目覚めなさい
279第九話「泣くな、ユーリ!」:2006/07/12(水) 17:50:17 ID:???
ユーリはガンルームの横で床に目を落としながら部屋の中に入るべきか否か
迷っている。中では皆が今日の反省会と地球降下作戦のオリエンテーリングを
行っているのだが、率直に言って自分が迎えられるかどうか自信が無かった。

ニコライ「よし、じゃここでいったん休憩」
ユーリ「あの!遅れてすみま・・・」

シレジア「おう、どうした?」
アレーナ「脱走に続いて遅刻。月面ピザはちゃんと五枚買ってきたのでしょうね?」
ニコライ「オイオイ脱走とは違うぞ。それに土産は元々頼んでたよな、ユウリ?」
イズモ「あ、俺まだ食ったことねぇんだよ!」
ノマノマ「あ、俺も!」

そうか、わかった。自分勝手なことをするのは勇気じゃないんだ。苦しくて
嫌でも、それがみんなの為ならやろう、って気持ちが勇気なんだ。少なくとも
この空気の中にいれば、やれる。そういう自信がついた。
280作者後記:2006/07/12(水) 17:59:37 ID:???
しかしアレだね、このペースでダラダラ続けていったら再放送が本スレに
追いついちゃうかもね。

あまり語ることは無いが、これってもう半年くらい前に書いたんだよな。
改めて当時の自分はキャラ>メカ主義であり、気合の入る重要な話だけは
長く根をつめて書き、それ以外はかなり手抜きしていたことが見えて面白い。

というわけでこの話は、第一話以前からずっと考えていたガンダムシリーズ定番の
「主人公が戦いから一旦逃げ出す」エピソードである。
なにせ主人公が女の子なのだから、実際に女の子が主人公のガンダムが
製作されたとしても、まず間違いなくこういう話が序盤にあるだろうと断言できる。
しかし、自分としては軟弱で内向的な少年主人公には比較的辟易しているのに対し、
「ガンダムで少女マンガをやってみよう」というのが念頭にあったからして
あまり話を思いつくのに苦労はいらなかった。普通に考えて、普通の女子高生が
MSに乗れるわけないし、目の前に死体があったらまず怖がって逃げ出すよね。
周りに乗せられたとしても、どこかで必ず精神的限界が来るはず。

まぁ強いて言えば、逃げ出してそこから戻ってくる感情の動きの描き方が
雑だったが・・・・・・・・・それと、逃げた主人公に対する仲間達の叱責。
世代的に、どうしてもガンダムより「あれ」の影響があることは否定できんね。
281作者:2006/07/12(水) 18:04:24 ID:???
282作者:2006/07/12(水) 18:07:01 ID:???
283通常の名無しさんの3倍:2006/07/12(水) 18:32:01 ID:???
だから自分のサイトでやれやカス
284通常の名無しさんの3倍:2006/07/12(水) 21:24:58 ID:???
>1以外のレスが極端に少ないのが、つまらない事の証明だと思う
285通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 04:03:54 ID:???
禿同。
286通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 15:30:43 ID:???
ご丁寧に主題歌、声優、スタッフ、次回予告、CMまで妄想してるのがかなり痛いです><
287通常の名無しさんの3倍:2006/07/16(日) 03:08:14 ID:???
この作者、無駄にクリエイター気取りで笑えるなww
288通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 00:13:29 ID:???
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1146867833/
雑談の相手を誰もしてないのが笑える
こう書くと、自演でレスしそうだがw
289通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 14:49:56 ID:???
>>288
すでに自演済みw
「読んでます」
「続き待ってます」
「頑張ってください」
etc...
290通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 19:09:26 ID:???
晒しage
291通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 19:20:04 ID:fX/0LtgF
作者すげぇYO!もっとコメントくれYO!
292通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 02:02:06 ID:???
菴懆??セ懶セ幢セ?ス暦ス?
293通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 22:25:27 ID:???
文字化け?
294作者:2006/07/18(火) 22:49:53 ID:???
駆除予定対象↓
>>293 >>294 >>297 >>298 >>299

今後、IDを出さない書き込みは全て自演とみなす。
295通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 22:50:56 ID:???
こりゃぁ、本気で痛いな
296作者:2006/07/18(火) 22:52:01 ID:Xi5JiJIt
あ、俺出してなかった。
297作者:2006/07/18(火) 23:01:36 ID:Xi5JiJIt
反応早すぎw 一日中2ch見てるのか・・・・・
自演するほどヒマだったらもっと早く完結してることに気がつかないのか?
一年中家にいるお前と違って時間が無いんだ。

改めて連絡事項
・ID出さない書き込みはこれ以降全てスルー。
・応援するんでも>>291みたいなわざとらしいのはヤメロ。
 てか、むしろ批判しろ。最初の頃のような作品の核心に迫る批判を。
 あんまワザとらしいと俺でさえ煽り目的の皮肉だと思うじゃないか。
・金曜日の夜には三スレ中どっか書けるはず。
・俺は別に気にしないが、「自演」「削除依頼」はNG設定しときな。
・書き込んだ時点で負け。関心があることを白状しちゃってる。

298作者:2006/07/18(火) 23:15:38 ID:Xi5JiJIt
お〜い、最初の頃メカ設定とかかなりやってくれた人、まだ見てますか〜?
こんなに荒れちゃってますよ〜w

まとめサイト作った時にでもいいので、ペンネームで名乗り出てください。
多分あなたがいなければMS十個すらも思いつかなかったので。
あと、主人公達四人の声優も考えてくれましたねw
懐かしいな、もう半年以上前か。
299作者:2006/07/18(火) 23:20:45 ID:Xi5JiJIt
おまけ。
>>249 >>250の主題歌で以降統一する。
これの元歌がわかった奴、お前は天才だw 多分旧板に三人くらいしかいないはず。
300作者:2006/07/18(火) 23:57:37 ID:Xi5JiJIt
あ、オレ馬鹿だ。間違えてた
>>283>>284>>285>>288>>289>>290(駆除予定ゴミ一覧)

練習問題 この自演を否定できる根拠を示してみよ。(配点:0→無理だから)
301作者:2006/07/19(水) 00:04:03 ID:OVoXpvJJ
また間違えだなw
>>283->>290が全て同一人物でないという根拠を示してみよ・・・・だw
要するにアレだよ、いくつものスレまたいで荒らしてる真性君は一年中
家にいるからヒマだし一日時間差の自演なんて楽勝なわけよw
どこで見たとは言わんが、似たような口調で荒らされてるスレを他にも
いくつか発見したんだよね。

俺の書き込みを連投コピペの中に含めるなんてよっぽど毎日このスレ
覗いてる奴しかいないからな。な、そうだろ?
302作者:2006/07/19(水) 00:07:56 ID:OVoXpvJJ
ま、要するに何を言いたいかというとだ。




ア  ク  禁  覚  悟  し  と  け




ってことだよ。何ならお前が他に荒らしてるスレをここに張ってやろうか?
   
    
303通常の名無しさんの3倍:2006/07/19(水) 03:27:51 ID:???
これ書いてる人って、ガンダムWILD書いてた人と同じなの?
304sage:2006/07/19(水) 08:21:32 ID:dmdRaOia
叩きに反応してグダグダ言うなんてかっこわるいです><
305通常の名無しさんの3倍:2006/07/19(水) 08:22:50 ID:???
sageを書き込む欄まちがえるなんて><
306通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 10:27:01 ID:???
かっこわるいです><
307通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 18:44:03 ID:+jgrGM5M
なんでここの作者こんなに偉そうなの?
308通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 19:50:05 ID:???

小江戸剣士ヒメサマンのスレはここですか?
309通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 09:02:34 ID:???
あのさ、ここを見てる人たちはみな、小説じゃなくて作者を
観察しに来てるんだよ。

関心があるからカキコするってのは至極当然の話だが、
その関心の的は「空気が嫁ない神聖池沼の作者」であって、
間違っても「池沼が偉そうに垂れ流してる小説」ではないんだよ。
きみ本気で気づいてないよね?

「おれさまの世紀の傑作を読ませてやるから、てめーらちゃんと
読んで感想書けよ。おもしろい、つまらない、だけじゃだめだ」

きみまじでおもしろいよ。この調子でこれからもがんばってください。 
310通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 21:26:09 ID:???
>>309
いや、もうこのスレ、削除依頼出てるから存続は無理w
311作者:2006/07/28(金) 01:53:33 ID:???
最後だし、一応丁重にお返事をしておこう。
>>303
アレに触発されたことは確かだよ。あの人達に失礼じゃないかな。
>>304->>306
幼稚園はもう夏休みに入ったのか?
>>307
俺が偉いんじゃなくてお前が偉く無さ過ぎるだけ。
>>308
誰にも言うなよ
>>309
至極真っ当な意見ではある。が、その観察時間は理科の宿題にも使えなければ
君が職安に行くにあたって自分のセールスポイントにもできない。
そして、アク禁に備えてもう一台のパソコンを買うための君の小遣いにもならない。
>>310
お前まだアク禁になってなかったのか。今日は何スレ荒らしたんだ?
>>1
今更ながら乙です。俺が使い方を間違えてこんなにしてしまってすいませんね。
しかし、重複で二スレ目を立てたのは失敗でしたし設定のまとめとしても活用
できませんでした。
これからは自分のペースでやれる場所に活動拠点を移します。そして重要なことと
して、貴方が出してくれた数十個ものメカアイディアと設定考証文。
あたかも俺が思いついたかのように発表されたら癪でしょう?そう思うなら、
是非これからもよろしくお願いします。
ガンダムPrincessはまだまだ続くのです。

このように糞スレ化してしまったとはいえ、2chでスレ立てたのは無駄ではありませんでした。
まったく始めた当初が懐かしい限りですが、いつまでも過去を美化するわけにもいきませんし
現実と戦わなければなりません。現実を直視したとき、バカの肥溜めを必死で突破
するより多少回り道でも平坦なルートに移動した方がいい、これ以上ここで続けても
意味が無いと判断しました。
>>1さん、本当にすいませんでした。
312通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 10:47:23 ID:???

              _,,,,,,,,,,,,,_
             ,,r;:r""      ヽ、
          ,r'" "     ,r''"`   ヽ、
         ,r"  /   ,,r ,r"rヾ、`ヽ、 ヽ、
        ,|、_ (_   _ (_,r"'"  ヽ、 `ー、i
         ,|ヾl`'ー`ヽ!`i'"      ゙i、  _,〕
         tヽ|     ゙i、      ヾー[」-!、
         ヾ|     ゙i、,|  _,,,;;;=''"`  ヽノ、 〕  < >>311よ…良い戦いざまであったぞ……。
          !i,‐-;;;;;;、,゙i、r'"-,ニlア    |i、゙`イ|
          |`i;-、ニlア i、 "      |、ヾ|l|゙
          | ゙i,    |:|         | ゙i, ノ,
            ゙l、  `!_,,.       | ゙i |
             ゙!、  ,,,,.. -'''    /  | .|
              ゙i、   --    ,r'   ゙i_!-;
               `!、     ,r"_,,,r-'''ニ-‐''゙i
              rヾ、`ーr‐''ニ""-‐'"     ヽ,.........,___
             __λ i,ヾ| i''"       _,,.r-t"_,r'"_:_:_
    ____,......r-i'",r'ヽ | |:| |     _,,--'"   ~ヽ、:::::  !
313通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 23:49:22 ID:???
よかったーwやっと旧シャアから消えてくれるのかw
314通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 07:28:17 ID:???
アク禁こぇーーーーーーーーーーーーーーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
315通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 03:28:37 ID:???
アク禁(笑)
316通常の名無しさんの3倍:2006/08/02(水) 18:22:15 ID:???
削除遅い
317通常の名無しさんの3倍:2006/08/11(金) 02:18:20 ID:???
ここは削除しないの?
他2スレは削除されたっぽいけど。
318通常の名無しさんの3倍:2006/08/24(木) 13:44:58 ID:???
保守あげ
319通常の名無しさんの3倍
このスレ、すれーおもすれー