1 :
通常の名無しさんの3倍:
??
883 名前: ラゲーンにて [sage] 投稿日: 04/10/27 19:28:32 ID:???
「どうですか?」
様子を伺うような声をかけて来たメッチェに、わたしは目で答える。
上出来だ、と。
メッチェが淹れてくれたコーヒーを味わいながら、わたしはデスクの上に置かれた
報告書に目を通す。
わたしはファラ・グリフォン、ザンスカール帝国正規軍「ベスパ」の将校で階級は
中佐。
現在ここラゲーン臨時基地に駐留する、地球侵攻及び地上用実験兵器運用特務部隊
「イエロージャケット」の司令官を務めている。
傍らに立つのは副官であり専属パイロットであるメッチェ・ルーベンス少尉。
軍機構に詳しくない者のためにここで一つ解説をしよう。
軍の組織における「副官」とは、司令官や艦長など軍内である程度独立した指揮権
を委託された上長の補佐を務める士官のことだ。
よく間違われがちだが、部隊における副司令や、艦における副長など、命令系統上
の次席指揮官のことではない。
われわれ「イエロージャケット」でもそれは同じ。
司令であるわたしの補佐としてメッチェがいるのとは別個に。
次席指揮官としての副司令、ゲトル・デプレ少佐が存在する
わたしはこの男が…嫌いだ。
それはわたしが属する派閥と対立する派閥の将校で、ことあるごとにわたしを監視
しているような振る舞いを見せるからではなく、生理的なものだ。
派閥は違っても最前線で共に戦う間柄、仲良くやろうなどという気は、この男の顔
を見ていると失せてしまう。
そう、わたしはこの基地の「副司令」が嫌いだ。
だが「副官」については…その…まあ、男と女が四六時中一緒にいると色々なことが
ある、そういうことだ…。
小規模な基地とはいえ、佐官の司令ともなると交代で従兵がつくし、わたし自身でも
コーヒーやお茶くらいは淹れられる。
それでもあえてメッチェに頼むのは、彼に何かをしてもらうのが心地よいから…。
884 名前: ラゲーンにて [sage] 投稿日: 04/10/27 19:30:19 ID:???
朝からメッチェに「奉仕」してもらって上機嫌だったわたし。
だが目にした報告書を見て顔を曇らせる。
「まだ、正気に戻らんのか?」
「はい、何やらうわごとをつぶやくばかりで」
困った顔で報告書と大差ないことを言うメッチェ。
まったく、だからお坊ちゃんパイロットなどを寄越してほしくなかったのに…。
この基地には、先日一応司令のわたし直属というかたちで新型機のテストに従事する
パイロットが赴任してきた。
クロノクル・アシャー。
精悍な顔つきの、見た目は文句のない青年士官。
士官学校での成績もよく、パイロットとしても及第点以上と養成所の教官が考課表に
太鼓判をおしている。
だがその期待をあっさり裏切るかのように、初のテスト飛行の最中に行方不明になって
しまった。
本来なら一パイロットのことなど、手の空いたもので捜索するだけでも人道的な対応と
思ってほしいくらいだが。
彼の場合はそうも行かず、先任の捜索隊を編成する羽目になった。
何故ならアシャー中尉が、我らザンスカール帝国の女王、マリア・ピア・アーモニアの
弟君という立場であるから。
仮にこのまま中尉が行方不明になっても、君臨すれど統治せずの女王が我々を咎めると
は思えないが、そこは軍隊であり、国家。
女王の弟が行方不明になったとなれば、わたしが、ひいてはわたしの上官タシロ・ヴァゴ
大佐が管理責任を問われるのは必定なのだ。
捜索が始まって三日ほどたって、不法居住者の住まう隠れ村の側で放心状態の中尉が保護
された。
とりあえず無事であればこちらの身は安全、今度は中尉が我々に釈明する義務がある。
何があったのか、機体はどうしたのか、など。
だが中尉は躁鬱状態、いや生ける屍状態と錯乱状態が交互に訪れるといった方が正しい程
の極度の精神不安定に陥っていた。
902 名前: ラゲーンにて [sage] 投稿日: 04/11/18 20:07:34 ID:???
中尉が保護されてから今日までの三日間、中尉の回復を待っていたわたしだが、さすがに
そろそろ形だけでも報告書を取りまとめて今回の件にケリをつけたい。
せめて機体が取り戻せていれば、中尉の異常は「新兵がよくかかる病気」ということにで
もしておいて、事件自体をなかったことに出来るのだが。
実験機の喪失という実害がある以上、報告をせざるをえないのだ。
多少衰弱していたものの、鬱状態でもとりあえず食事は口にし、点滴も黙って受けたので
体力的には問題のなくなった中尉は現在自室に軟禁状態にしてある。
万一に備え、自らに、そして問診に来る軍医や世話をしに入る看護兵に危害を加える可能
性のある危険物は全て撤去してあるが。
ただ中尉の場合錯乱しても絶叫して悶絶するだけで、他者に危害を加えようとしたことは
ない。
あくまでも念のためである。
そのため、特に危険を感じず、わたしは番をしている衛兵に命じて鍵を開けさせ、室内へ
と足を踏み入れた。
「メッチェ、お前は残れ」
一緒に入ろうとするメッチェを制する。
女王の弟の錯乱している姿を、いくらわたしの副官とはいえ尉官クラスで医務関係者でも
ない彼の目には触れさせられない。
「お気をつけて」
囁くようなメッチェの言葉が耳に入る。
「優しいな、メッチェ…」
わたしも彼にだけ聞こえる小声でそう答えると室内に入り。
ドアを後ろ手で閉め、鍵をかける。
「ほぉ」
大きく息を吐き出す。
たった今の、メッチェとのほんの小さなやり取りを思い出すと…年甲斐もなく頬が赤く
なる。
903 名前: ラゲーンにて [sage] 投稿日: 04/11/18 20:10:09 ID:???
まるで思春期の少女のように、メッチェの言葉の真意が気になってしまう。
上官に対して儀礼的にかけられた言葉なのか、本心からのものなのか。
彼の心の中が知りたいと心底思う
人の心は見えないから、たとえ身体を交し合おうと。
そう、わたしとメッチェは既に肉体関係を持っている。
このラゲーンに配属されててしばらくしてから、いつの間にか男女の関係になった。
わたしから誘ったのか、彼が誘ったのかは覚えていないが、部下から上官を口説くとも思え
ないので多分わたしの方からだろう。
そう、多分。
いつどこでそういう関係になったのかはっきりと覚えていないほどに、軽い気持ちで始まった
関係。
自分でもふしだらにも程があるとは思うが、仕方がない。
その時のわたしのメンタル・コンディションは、尋常ではなかったから。
この地上に来てから、わたしは二つの相反する感情に挟まれていた。
公的な立場での責任の重圧と、私的な生活での開放感に。
そう、一個部隊と基地を任されたという立場はわたしのの軍人生活でも始めての経験で、中尉
の失踪のような次々に起こる予期せぬ事態に頭を悩まされる上に、悩みを軽減させるため頼り
にすべき副司令のデプレは信用ならない。
そんな中でストレスの発散を身体が求めていたのだ。
幸か不幸か、公的な煩雑さを離れると、私的には自由な立場にわたしはいた。
それまでわたしの私生活をも束縛していた存在と離れたから。
ここに赴任する前、軌道要塞カイラスギリーに配属されていた頃は、わたしは司令官である
タシロ・ヴァゴ大佐に所有されていた。
そう、軍人としての上官と部下の関係のみならず、私的にもわたしは彼に束縛を受けていた。
大佐は軍人として、そして多分政治家としても有能極まりない人間だ。
その分冷徹で非情ではあるが。
だがプライベートでは…間違うことなき変態男だった…。
914 名前: ラゲーンにて [sage] 投稿日: 04/11/30 22:45:39 ID:???
軍隊は上官の命令が全てといってもそれはあくまで軍務上の話。
平時に、しかもこんな嫌がらせをされて黙って泣き寝入りをする必要などどこにもない。
軍規委員会、いわゆる憲兵組織に報告すれば大佐は部下への恣意的セクシャルハラスメント
を咎められるだろう。
しかし。
「うん、報告すればわたしは訓戒か、下手をすると解任されて閑職に回されるだろうな」
大佐はこともなげに言う。
「こんな恥知らずな…」
自分で「恥知らず」とわかっているのだろうか…それなら何故。
「…事件は表沙汰に出来ん、何故私が解任されたかは秘密にされるだろう、そして…」
ようやく大佐が顔を上げた。
射すくめるような目でわたしを見据えて。
「君が私を告発した理由も表沙汰にならない」
その言葉に、わたしの思考は止まる。
大佐の意図することは、まさか。
「公式記録に残るのは、君が上官を告発して解任させた、扱い難い将校だという事実だけ…
そんな将校はどこの司令官も受け入れたがらないだろうね…盥回しにされるような将校には
それ以上の昇進の機会など永遠にないだろうな」
ひ、卑劣だ…そうか大佐は知っていたんだ、わたしが家名を守るために軍に入り、その家名
のために昇進しなければならないことを…。
大佐は待っていたんだ、わたしのように出世しなくてはいけない事情のある女性将兵が配属
されてくるのを…。
「それに…告発が真実と認められるとは限らんぞ?」
大佐がさらに鋭い視線を向けながら言い放つ。
そうだ…冷静に考えてみれば、わたしの告発が真実と受け入れられるとは限らない、なぜなら
わたしはもう決して若くはないから…。
925 名前: ラゲーンにて [sage] 投稿日: 04/12/28 20:00:35 ID:???
わたしはもう三十を越えてしまった。
軍に入り、出世しなくてはと女だてらにMS部隊や特殊工作部隊などにも配属されて功績を
あげている間に、年齢は重ねられてしまった。
これは大佐を告発する上で、わたしにとってはあまりにも不利な条件だ。
何故なら。
今までわたしよりも若く、階級も低いためより立場も弱い女性兵士を幾人も部下に配属され
ながらそのような真似をしたことのないだろう大佐。
それが三十を過ぎた年増女士官にセクハラ…。
残念ながら訴えでてもわたしの狂言だと思われる可能性が高い。
それどころか「自意識過剰のハイミス」などと嘲笑されるかも…。
多分、それが大佐の狙いどころなのだ。
確かに階級の低い女性兵は立場が弱いかもしれないが、逆に簡単に軍を辞めてしまえること
(女性兵に徴兵はない)を考えれば上官に明らかな非のある場合は告発がしやすい。
辞めてしまえば後々の面倒ごとを避けられる。
わたしのような適齢期が過ぎ、このまま軍に奉職して出世しなくてはならない立場の女の方
が、よっぽど扱い易いのだ、少なくとも大佐にとっては…。
それに加えてわたしにはもう一つ軍を辞められない理由がある。
ザンスカール帝国には象徴としての君主女王マリアがいるが、実権はフォンセ・カガチ首相
率いるガチ党にある。
そのガチ党が、サイド2アメリア・コロニーを挙国一致のザンスカール帝国へと変貌させる
に至った大きな原因は、腐敗政治家の粛清にギロチンという中世の処刑道具を使ったことに
ある。
ギロチン、これこがわたしにつけられたくびきの象徴。
そう、わたしの家、グリフォン家は中世に遡ると先祖代々そのギロチン刑を執行する役人を
務めた家系だった。
926 名前: ラゲーンにて [sage] 投稿日: 04/12/28 20:01:56 ID:???
実際にはギロチンというのは見た目の残虐さとは裏腹に、長い時間惨たらしく苦痛を与える
死刑法、いわゆる陵遅刑の多かった当時としては例外的に即死に近い死刑であり、ある意味
人道的とすら言えるものだった。
死刑というものが一種のエンターテイメントとしての役割も持っていた時代があり、その演目
が残酷で陰惨なそれまでの刑罰から、首を一撃で切り落とす、血や死に慣れた当時の人々から
見ればスカッとすると言っても語弊が無いであろうギロチンへと変わったのだ。
それでも後世の人間から残虐非道なイメージを持たれるのは否めない。
そんな歴史的な汚名を雪ぐことが、ギロチン刑吏から成り上がったグリフォン家の家訓。
とは言っても、わたしには直接グリフォン家の血が流れているわけではない。
可能性は否定できないが、少なくとも直径の子孫ではない。
宇宙移民したわたしの曽祖父が一応は名族であったグリフォン家の家名を貰ったのだ。
と同時に、汚名を雪ぐという家訓をも引き受けてしまった。
その呪縛はわたしの代にまで受け継がれてしまった。。
今はもちろん、軍士官学校に入った頃には既に理性では家名のため汚名返上せよなどという
家訓等バカバカしいと思っていた。
けれど幼少時から繰り返し繰り返し吹き込まれた概念は、心の奥底にこびりついて行動原理
を拘束する。
そしてわたしは軍内で出世することを第一義として生きていた。
鋭い目でわたしを見つめる大佐。
俯いたわたしは唇を噛みながら、更衣室に戻って言われたとおりに着替えようとした。
悔しいが、言うことを聞かなくてはならない…。
けれど大佐はもっとはっきりとした屈服の証しを求めていた。
「何処へ行く?」
訝しげに振り向いたわたしに、大佐は唇の端にだけ微かな笑みを浮かべて言った。
「自分の置かれた立場を理解したのだろう、ならば着替えたまえ、ここでな」
948 名前: ラゲーンにて [sage] 投稿日: 05/01/27 00:50:49 ID:???
ただでさえ恥ずかしい非常識な変造制服。
しかもそれへの着替えを、目の前でしろ、と言う。
「…ううっ…」
二つの異なる感情群が同時にわきあがる。
大佐への侮蔑・嫌悪・憤怒と、自分がこれから強いられる行為への羞恥・逡巡・悲哀。
それらの全てを、わたしはどうにか飲み込んだ。
伊達に縦社会に十年以上も生きていたわけではない。
いや、もちろんここまで理不尽な目に遭ったのは初めてだけど。
程度の差こそあれ…本当に許容範囲を越えてはいるけれど…上からの押し付けに血管が
切れそうな思いをしたのは一度や二度ではない。
逃げ場がないなら、嫌なことはさっさと済ますに限る。
目の前に大佐がいるということを、極力脳裏から消し去るように努力しながら、時間が
急いているときのように素早く今着ている制服を脱ぐと、渡された破廉恥な制服を身に
着ける。
そして着替え終わって顔を上げると。
大佐は目尻と口元を緩ませてこちらを見ていた。
多少酷薄に見えはするが、引き締めていればナイスミドルとして通用する顔が助平心で
台無しだ。
「思ったとおり、似合うぞ」
「はっ、ありがとうございます」
感情を押し殺してそう事務的に答えると。
大佐は部屋の隅を指差す。
そこにあったのは、殺風景な執務室には不似合いな姿見の大きな鏡だった。
何をしろと言っているのか、すぐに理解できた。
自分で自分の恥ずかしい姿を見てみろ、と言っているのだ。
「クッ」
悔しげに呻きながら、言われるままに俯いたまま鏡の前に立ったわたしは目をつぶって
大きく深呼吸する。
そうして心の準備をしてから、おもむろに目を開いた。
911 名前: ラゲーンにて [sage] 投稿日: 04/11/30 19:42:53 ID:???
佐官に昇進し、タシロ大佐の元に配属されるまで大佐に関して冷酷非情だとか、権勢欲の
強いマキャベリストだとか、そういう意味での悪い噂は聞いていたが。
プライベートに関しては謹厳であるとしか思っていなかった。
大佐の揮下には女性将兵も何人も配属されていたが、それに関して良からぬ噂がたった事
はなかったから。
そういうことがあれば、いくら上官の権勢を嵩に来て口止めしようと止められるものでは
ない。
だから初めて大佐のところへ着任の挨拶に行った時に起きた出来事には愕然とした。
カイラスギリー艦隊旗艦執スクイード。
この巨大戦艦内の司令公務室で、執務机に座って何やら書類を見ながら、敬礼し着任の辞令
を差し出したわたしを一瞥した大佐は、引き出しから袋を取り出して机の上に置いた。
「少佐にはわたしの副官を務めてもらう、これに着替えろ」
言われるままにその包みを受け取り、更衣室へと戻った。
「!」
何の冗談かと思った。
それは確かに、女性事務士官が身に着けるタイプの制服。
ただしそれは上着だけ。
下は制服と同じ素材で出来たスカートだった。
女性の内勤要員はスカートを穿く軍隊もあるにはあるが、ベスパにそんな風習はない。
しかも、そのスカートの丈は短い上に左右にスリットまで入っている。
これは古典的なセクシャル・ハラスメントというやつだ…怒りと屈辱で顔を真っ赤にした私
は、司令公室へと足早に戻った。
「どうした?早く着替えたまえ」
顔も上げずに言う大佐。
「これは何の冗談ですか?ことと次第によっては軍規委員会に通報いたします」
その余裕綽々の態度にムカ腹のたったわたしは、意を決して言った。
949 名前: ラゲーンにて [sage] 投稿日: 05/01/27 00:52:37 ID:???
目を開けたわたしは、予想していたのとは異なる物をそこに見出した。
年甲斐もなく短いスカートをはいた、惨めなオールドミスの姿はそこにはなかった。
(…似合ってる…わよね?)
短いスカートから伸びた脚が思いの外に綺麗で。
全体的にサイズが適正なものより一回り小さく、胸元や腰の括れが強調された制服が
わたしのプロポーションを浮き立たせている。
そして、それが似合っているのだ。
(…わたしはこんなにスタイルが良かったの?)
自惚れとは無縁のつもりだったけれど、意外にも似合っている制服姿に改めて自分が
見事なプロポーションを保っていることに気づく。
考えてみれば、わたしは事務仕事専任の内務士官になってからも、パイロットや工作員
を務めていた程ではなくても、それなりのトレーニングは仮にも軍人アであるたしなみ
として日課にし続けていた。
食生活が乱れているわけでも、アルコールに耽溺しているわけでもない。
そうなると元々バストが大きく、ウエストが細く、ヒップが程よいわたしのスタイルが
大きく崩れる道理はない。
毎日化粧の時に鏡は見るが、このような全身を写す鏡など滅多に見ないし、見てもこう
も体型をはっきり表す服など着はしないのでわからなかったが。
それに…。
ここ数年、化粧なども地味になっていたわたしとは思えないほど、顔の方も制服に負け
ないくらい色っぽい雰囲気。
恐らくは、二つの感情から顔が上気して赤みが差し、目が潤んでいたのが原因だろう。
「どうやら…」
非常識な制服が予想外にフィットしたことで、自分が置かれている状況も忘れてつい
浮かれてしまったわたしの。
「…気に入ってもらえたようだな」
その昂揚した気分に水を差すような言葉。
しかもそれはすぐに後ろから聞こえた。
いつの間にか大佐が、背後に立っていた。
名前: ラゲーンにて [sage] 投稿日: 05/01/31 21:56:47 ID:???
後悔の念が心を責め苛む。
自分の置かれている状況を忘れての失態。
軍務、それも前線なら死につながるミスだ。
そのつけは、早速払わされることとなった。
「そんなに気に入ったのなら、以後は任務中は常にその服を着用してもらってかまわんよ」
背後からの声。
サーッ。
わたしの顔から血の気が引く。
大佐の、いいや、この変態の前でだけならまだしも。
任務中常にということは、大佐の執務室を訪れる人間の目に晒されるということ。
それどころか大佐が艦内を巡回する時、艦隊の別の艦やカイラスギリー施設を視察する時に
副官のわたしは当然ついて行くことになる。
この恥ずかしいミニスカート制服で…。
確かに、思っていたのとは違い、自惚れ抜きでスタイルがいいらしいわたしにはこの制服は
似合っているようだ。
でもそれとこれとは話が違う。
任務中にこんな短いスカートをはいている、しかも三十女を周りはどう思うか…。
「露出狂」「欲求不満」などの罵倒が見た物の心中に湧き上がるのはまず間違いない。
確かに似合っていなければより一層惨めだったろうけど…。
脳裏にこの姿であちこちを引き回され、後期と侮蔑の目に晒される自分の姿がありありと
映し出されて。
「いえ、結構です」
即座に断る。
しかし大佐はわたしの言葉など耳に入らぬかのように。
「着替えは追加発注しておく、安心したまえ」
なんのことはない。
言葉こそ「着てもいい」という示唆だが、実質は「着ろ」という命令なのだ。
暗澹とした思いで唇を噛み締めていると。
「ハァハァハァ」
背後から荒い息遣いが聞こえてきた。
ピチャ、クチャ、と。
何か濡れた物を掻き回すような音とともに。
968 名前: ラゲーンにて [sage] 投稿日: 05/02/22 19:41:40 ID:???
何なのかは知らない、知りたくもない。
わからない、わかりたくもない。
それでも何かおぞましい気分のする声と物音。
一体大佐は人の後ろに立って何をしているのか?
文字通り目をつぶっていても、この思いもよらない災厄は避けて通ってくれるわけではない。
それでも後ろを振り返る勇気のないわたし。
けれどおあつらえ向きに、今わたしが立っている場所は鏡の前だった。
振り返るよりはかなり少ない量の勇気を振り絞って、わたしは目を開く。
大佐はわたしの背後にいた。
背が高く肩幅がある分、顔の半分や両肩などはわたしの影から飛び出している。
その目は充血し、なにやら激しい息遣いをしている。
両手を激しく動かしていることを示すように、肩が揺れている。
いやな予感が…本当に嫌な予感がする。
スッ。
身体を少し横にズラす。
ああ、案の上…。
嫌な予感が見事に的中してしまった。
大佐は軍服のスラックスのジッパーを下ろし、そこからいきり立った男根を出していた。
心の準備があったため悲鳴を上げることはなかったけれど………やはり思わず目を逸らして
しまう。
オールドミスのわたしにも決して男性経験がないわけではない、数えれば片手で足りるけど
それでも三人くらいは寝た相手がいる。
どれも長続きしない関係だったけど。
だから男性器を見たことがないわけではないけど、こんな時にこんな場所で、露出している物
をこレみよがしに見せつけられては溜まらない。
三十路にもなってみっともないとは思うけれど、思わず顔に赤みが差してしまう。
その途端、大佐の息遣いが更に荒くなり。
「いい反応だよ、ファラ・グリフォン」
変態行為をしている真っ最中とは思えないほど渋い音色の言葉をわたしにかけてきた。
969 名前: ラゲーンにて [sage] 投稿日: 05/02/22 19:42:52 ID:???
「思ったとおり、君はわたしが探し求めていた女性だ…」
容姿も決して悪くは無い大佐だけに、時の場合によっては女心をくすぐるったかもしれない
言葉を口にする大佐。
でもこんな時にそんなことを言われると、気持ち悪さが倍増する。
「ちっ、違いますッ!」
思わず絶叫してしまう。
いいえ、そんなことないです。
わたしなんて、とてもとても。
その辺のどこにでもいるつまらない女ですから、どうぞ別の理想のお相手を探してください。
そんな意味のことを、支離滅裂に口走るわたし。
もちろん目線は逸らしたまま。
けれどそれに対して大佐はこう答える。
「ますます気に入った、君を選んで正解だよ…」
神様、わたしが何か悪いことをしましたか?
それはわたしは軍人ですよ。
今次の地球侵攻作戦が始まってからは前線に配置されたのは今回が初めですけど、今まで
コロニー間紛争に派遣されて戦ってました。
MSを何体か撃破してるんでそのパイロットのうちの一人か二人くらいは死んでるのかも
しれないし、特殊工作任務で敵と銃撃戦したこともあるのでその時に何人かは死んでいる
かもしれない。
でも、それがここまでとんでもない運命を押し付けられるほどの罪ですか?
それともこれが先祖の因縁とでもいうの?
確かにわたしはギロチンの家系だけど、人の首切り落としてた先祖とは血なんて繋がって
いないのに。
絶望するわたしに、大佐が近づいてくる。
来ないで、こっちに来ないで…
…それでも…どうしても来るというなら……せめてその猥褻物をしまってからにしろっ、
このド変態っ!
乙
新作続編期待
即
死
回
避
連載中の作品
「ラゲーンにて」
休止中の作品
「カテジナ・ルースの素顔」(「ラゲーンにて」終了後再開)
中断中 再開希望作品
不幸っ娘プルツーシリーズ
フラウVSハヤト格闘シリーズ
伝説のシリーズ
腐女子エマシリーズ
ワッカ頭シリーズ
夢見る乙女ミライシリーズ
お兄ちゃん大好きキシリアシリーズ
すぐ終わっちゃったが、叱ってもらいたくてDQNな言動している
Mっ娘クェスがあったな
書き込んでから思い出した
クロ高の山口ノボルばりのギャグ好きカミーユもいたw
まだ即死が心配保守
エマ好きじゃなかったけど腐女子エマ読んでから好きになった保守
ひとまずこれで30達成
安心してたら落ちたりして
前スレ、新スレ立って安心したかのように落ちたね
33 :
通常の名無しさんの3倍:05/03/10 21:09:25 ID:QzxputIu
まだ登場していない有名キャラってどんなのがいたっけ?
やっぱり女性キャラの方が人気が出るのだろうか?
G、W勢が未登場のような
デフォで破天荒なキャラ多いから逆に意外性無くて使いにくいのかも
Xは黒ティファがたまにネタになってた。
WはトロワスレがあるしGはそもそも・・・
難易度高すぎだな。
少女趣味なナスターシャとかうだつのあがらないシュバルツとか読んでみたい。
ナスたん書きたいが乙女ファラとかぶってしまうなぁ
んじゃ少女趣味のトリス・スルゲイレフたん
先代ブラックジョーカーか
ヤバイ、想像したらメチャワロスw
素顔の過去ログも貼った方がいいのかな?
ho
syu
ho
45 :
通常の名無しさんの3倍:UC-0040/04/01(金) 12:38:01 ID:jo2LZQrC
このスレのカテちゃまと「撲殺天使ドクロちゃん」のOPがオーバーラップ
するw
踏んで縛って叩いて
蹴って焦らして吊るして
でもそれって ボクの愛なの〜
hossyu
保守
保守
新スレ立ってたのか…
少し待ってね
待つのもプレイの一環ですから
52 :
通常の名無しさんの3倍:2005/04/25(月) 00:36:48 ID:D5PCPoTG
あく禁まきぞえ食いました
解除されるまでお待ちください
待つのもプレイの一環ですから
54 :
ラゲーンにて:2005/04/26(火) 21:23:34 ID:???
ああっ。
わたしの切なる願いも空しく。
厳しい軍服姿なのに、ジッパーを開けて男根を露出させた滑稽な姿の大佐がわたしの背後に
ピタリとくっついてしまった。
いやだいやだいやだっ
なにやら嫌な感触のものがお尻にピタリと張り付き、そこから背中にかけて悪寒がダッシュ、
ストップ。ダッシュ、ストップを繰り返す。
吐き気を催すほどの嫌悪感の中、わたしは運命を甘受しようと思った。
黙ってこの場をやり過ごそうと。
石のように硬く身体を強張らせ、全ての外界刺激を拒絶する。
これでいい、こうして全てを拒絶してしまえば災厄は頭上を過ぎ去って…はくれなかった。
目をつぶればつぶったで、何かをされるのではという不安感に押しつぶされてしまう。
そうなると遮断したはずの五感が復活する。
ガサガサという音が。
その代わり、お尻にくっついていたおぞましい感覚は消えていた。
そこでわたしは目を開いてしまった。
その上不安感からか、止せばいいのに後ろを振り向いてしまった。
そこにあったのは。
「どうだね?」
何やら得意げな顔でわたしに問いかける大佐。
何が「どうだね」なんです、大佐殿?
人が目をつぶっている間に。
いつの間にあなたは衣服を全て脱ぎ去ったんですか?
ジッパーを下ろして男根だけ出しているのは滑稽だったけど、軍基地の執務室で全裸で腰に
両手を添え、得意満面の中年男はもう滑稽とかどうというレベルを超越している。
わたしはもう少しで「いやーっ」とか弱い女性のように悲鳴を上げてしまうところだった。
いや、軍人として、パイロットや特殊工作員としての訓練を受けたとはいえ実際にはわたし
だって本質的にかよわい女性なのは事実だ。
悲鳴を上げなかったことだけでも褒めてもらいたいほど。
でも、そこまでだった。
わたしは反射的に、振りまきざまに大佐を突き飛ばした。
55 :
ラゲーンにて:2005/04/26(火) 21:25:03 ID:???
わたしは息を荒くして、両手を突き出して立ち尽くす。
上官への暴行と取られようと、あるいは報告書にあることないこと書かれて出世の道を断たれ
ようとどうにも我慢が仕切れなかったのだ。
もしも女性が全裸男を目の前にして、恐怖と嫌悪からわたしと同じ行動に出ないとしたらその
女性も別に意味で変態だろう。
けれど短時間の恐慌状態が落ち着いてみると、わたしは自分の両手が空しく空を切っていたの
に気づいた。
「エ?」
視界から消えた大佐。
そのまま永久に消えてくれれば良かったのに、残念ながらそうはいかなかった。
気配を感じて視線を落すと。
大佐はその場にいた。
そしてその姿は
その姿は。
もうダメ、我慢の限界。
わたしは両掌を顔に当て力の限り叫んだ。
「きゃあっ!へっ、変態っ!」
大佐の爪先は、私の爪先と向かい合わせになっている。
本来なら向かい合わせに立っていたはず。
けれどわたしの目線の真正面には大佐の姿はなかった。
何故なら大佐は全裸のまま後ろへ反り返り、頭を床につけたいわゆるブリッジの体勢を取って
いたから。
裸のままブリッジ、その大佐の不自然な行動により下に向けたわたしの視線にまず第一に飛び
込んで来たのは隆々し天に向かってそそり立つ先端が黒光りする男根だった
「これはどうだね?」
大佐の声が耳に入る。
だから、どうって何?
「これでもまだダメか、ならば…」
まだダメって、一体何が。
それに「ならば」って、まだ何か変な格好するつもり?
もういいっ、やめてっ、もういいからっ、やーめーてーっ
乙、おかえりなさい。
ところでこの話はいつからギャグになったんだ?w
大佐・・・あんた一体何がしたいんですかw
ブリッジ大佐……ブリッジ大佐が出たぞー!
流石に今回は久々だったせいか筆が滑ったというか…。
自分で読み返してみて脳波が乱れそうになりますた。
知ってる方もおられましょうが、南極に先達の書かれた変態大佐SSがあって。
後発の身としてはそれ以上の変態大佐を書かないと二番煎じの域を脱しないか
と思って些か気負い過ぎていたようです。
タシロブリッヂ笑い頃されるーーーー!!!
そういやブリッジして大佐の称号を得るネタは数あれど
文字通りの大佐がブリッジするネタって初めてかもw
ブリッジ保守
>>59 忙しい合間を縫ってエプロンプレイに興ずる大佐w
死守
次のブリッジのために
次の次のブリッジのために
ブリッジ保守
思ったより好評のようなんでブリッジ大佐の変態路線継続。
近日公開。
次に投下されるまで大佐は全裸でブリッジを保ったままですよ
保守
70 :
ラゲーンにて:2005/05/25(水) 00:14:31 ID:???
「これでどうだね」
身体を裏返した大佐は、足を開いて尻をわたしの方に向けた。
もちろん肛門も、ブラプラと揺れる物も丸見え。
もうダメ。
我慢の限界を迎えたわたしの足が、大佐の股間に向かって吸い込まれるように伸びた。
ガシッ。
…やってしまった。
絶望がわたしを襲う。
上官の股間を蹴ってしまった。
今まで屈辱と羞恥に耐えたのが全て水の泡だ…。
でも大佐のリアクションは予想外だった。
「あふんっ」
気色の悪い声をあげて、大佐の身体が悶えた。
「ああ、もっとだ、もっと」
もっと?
もっと何をしろと?
「さあもっと」
そのままの姿勢で後ずさりしてわたしに迫ってくる大佐。
「いやっ!」
思わず少女のような声をあげて、その迫ってくる尻を蹴って大佐の身体を引き離す。
ゴロゴロと転がっていく大佐。
仰向けになったところで、顔を上げてこっちを見た。
大佐の顔は上気していた。
しかもにやけて目尻が下がり、口元が緩んでいる。
ううっ。
なまじ端正な顔だけにかえって気持ち悪い!
「その調子だよファラ・グリフォン少佐、さあ、こっちに来てくれ」
嫌ですよっ!
「来てくれないのなら」
大佐が立ち上がり、全裸のままわたしに寄って来る。
71 :
ラゲーンにて:2005/05/25(水) 00:15:38 ID:???
「こっちに来ないでって…言ってるでしょおォォォォ!」
既に二度も上官に蹴りを入れてしまったことで、毒を食らわば皿までと言う思いが無意識
のうちに働いたのか。
迫ってきた大佐を、わたしは渾身の力をこめて突き飛ばそうとした。
けれど大佐は見事にスウェーバックして間合いを取り、さらに素早く身体を転がしてわたし
の足元に滑り込んだ。
この身のこなし、わたしも訓練を受けたからわかる。
大佐も特殊工作員の経験ありなの?
そしてわたしの足にしがみつく。
「突き飛ばすのは勘弁してくれ、どうせなら蹴り飛ばしてくれないか、この脚で…」
変態だ、この人完全な変態だ…。
「君のような女性を探していた、見た目はむしろ強面と言っても良いほどなのに」
コワモテで悪うございましたねっ!
ひっ、人が気にしてることをっ!
わたしの顔ははっきり言って少しキツい。
軍人をやる上でいいかもしれないけど、女にして見た場合、かなりの面で損をすることも
多い。
決して整っていないわけではないと思うんだけど。
「それなのにこの新鮮な反応はどうだ」
大佐の手が脚からお尻のほうに伸びてくる。
「ひっ」
思わず足元に座った大佐を踏みつけてしまう。
しかも運悪く脚は大佐の股間を直撃し。
「うっはぁ」
いい年をした男とは思えない元気な声と共に。
わたしのに足向けて、大佐は白い液を景気良くふりかけた。
その光景を最後に、わたしの意識はブラックアウトして行った。
茶吹いた
タシロスゴス
タシロ、タシロが!
すごい壊れっぷりだ
もはやブリッジどころの騒ぎじゃねえ
ファラ様逃げてぇーっ!
>景気良くふりかけた
タシロクオリティタカスwwww
おかしい、年増萌えだった筈なのに大佐の行動に目が釘付けだ
大佐の奇想天外な行動にうろたえるファラ様に萌えろ
>「こっちに来ないでって…言ってるでしょおォォォォ!」
ファラたんがカトルきゅんにw
カミーユの日記
×月xx日、例の本屋で週間あたしのお兄ちゃんを買う。
82 :
通常の名無しさんの3倍:2005/06/06(月) 08:03:30 ID:Y63gStoX
じつはかわいもの好きのハマーン様
保守
85 :
通常の名無しさんの3倍::2005/06/12(日) 00:22:01 ID:LOGaAlVk
タシロって大洋ホエールズの4番?
保
カミーユの日記は単発だったのかorz
hosyu
89 :
ラゲーンにて:2005/06/21(火) 21:36:07 ID:???
回想の世界から現実に帰還したわたしは、出来れば悪い夢だと思いたいが紛れもない現実の
記憶に溜め息をつく。
そう、アレが大佐との爛れた日々の始まりだった
それからは公務を終え暇な時間が出来るたび、わたしは大佐の変態行為に付き合わされた。
とにかく嫌な記憶には事欠かない。
大佐の性癖が変態的な以上に、その自分だけが歪んだ欲望を満たせればそれで良いと言わん
ばかりのエゴイスティックさに辟易とした。
性器を露出したり。
嫌がるわたしに足蹴にされたり。
わたしのようなどちらかというとキツい顔の女に蔑んだ視線や言葉を吐きかけられたり。
そういうことで興奮を得る、どちらかというとマゾヒスト的な性向ながら、その態度だけは
「ああしろ」「こうしろ」と終始偉そうなのだ。
仕事や性生活以外の私生活ではワンマン・暴君タイプが、性生活ではマゾ的という事例なら
大して性的な事柄に造詣の深くないわたしでも知っている。
だが大佐は、二人きりで変態性欲を満たそうという時ですら、わたしに対しての強圧的態度
を決して崩しはしなかった。
大佐は見た目だけは渋い、年齢的にはナイスミドル一歩手前というところか。
ごく普通に、わたしに対してアプローチをして、ごくノーマルな性関係を迫ってきたとした
なら、寂しさを抱えていたわたしはそれを受け入れてしまったかもしれない。
大佐の冷徹な性質はわかっているから、そんな関係になったとしても愛されているなどとは
思いもしなかったし、また愛されようとも思わない。
単に身体の火照りを沈めてもらえればそれでいい。
大佐は大佐で身近な相手で性欲を解消できる。
お互いにとって損のない関係だろう。
あるいはたとえ変態であっても、変態なら変態で、それに徹してくれればまだ良かった。
前述のように普通大佐のような性癖の男は、他の局面ではどうあれそういった行為の時には
相手の女性に対して恭しい態度をとるものだろう。
経験はないが、きっとそのはずだ。
90 :
ラゲーンにて:2005/06/21(火) 21:37:16 ID:???
わたしをご主人様として崇め、その責めを甘受するという形式なら、何だかんだと言っても
悪い気はしなかっただろう。
宇宙要塞艦隊の司令まで勤め、敵味方ともに恐れられる男を平伏させる。
それはそれで女冥利に尽きたかもれない。
ところが大佐は逆にふんぞり返ってこちらに「ああしろ」「こうしろ」と命令する。
本当に最悪だ…。
「この感じは…」
嫌で嫌で仕方ないのに、大佐によくされた事が不意に思い出された。
大佐がわたしの脚にしがみついていた時のことだ。
もちろん勝手な大佐のこと、こちらが何も言わないのに勝手に人の脚を撫でたり、舐めたりと
したい放題。
しまいにはいきりたった物をわたしの腿や足にこすり付けて、生暖かい精液を塗りつける。
思わず蹴飛ばしたことも何度もあるが、それでも悦ばれてしまうのだから始末に終えない…。
それにしても、なんでよりにもよってあんな嫌な事を思い出したのだろう…。
わたしの疑問はすぐに解けた。
現実の感覚で。
そう、回想の世界ではなく、現実の、今現在のこの場所で。
わたしの脚に誰かがしがみついていた。
おぞましい記憶が蘇り、下を見たら大佐がいるのでは、というありえない妄想が頭を過ぎる。
脳の中がパニックになりかけたが、落ち着いて状況を整理する。
そして思い出す。
わたしは遭難から救助され、どんな精神的ショックを受けたのか、いまだ事情聴取も出来ず
時折錯乱するクロノクル・アシャー中尉の様子を見に、中尉が保護というか軟禁されている
部屋を訪れたのだった。
中にいるのは中尉一人、ならばわたしの脚にしがみついているのは中尉以外考えられない。
大佐ではない、とわかれば怖くはない。
「何のつもりだ中尉」
わたしは威厳を保った口調で足元を見下ろした。
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
>わたしは威厳を保った口調で足元を見下ろした。
この異常世界でいつまで保つかな……ふふふ
うおっ急展開ですよ!
クロかわいいよクロ
ところで、このクロノクルがカテジナ女王様に調教済みだったらどうなってしまうんだろう
>95
専ブラを入れて前スレをお読み。
>>96 専ブラを入れてもdat落ちした過去ログは(●持ち以外は)読めないよ
にくちゃんねるで検索すれば読めるかもしれんが
クロかわいいよクロ
もうすこしタシロ大佐の変態っぷりが見たかったorz
(´Д`;)ふぁらたん
そうか、●ないと前スレ読めないのか。
残念だな。
新たな人生の幕開けかも知れないのに。
htmlとかは持ってないが
専ブラのログをコピペしたテキストならうp出来るぞ
ウホッ
どうするね>95
うpお願いして、旅立つかい?
104 :
フラウ:2005/06/26(日) 23:29:50 ID:???
「捕まえたぞっ 連邦のお嬢ちゃんがこんな所で何をしてるのかな?」
「ガキかと思ったが結構良い身体してるぜ、こいつ!」
私は抵抗しようともがくが数人の屈強なジオン兵士達に囲まれて身動きが
取れない。
「くっくっ 可愛がってやろうぜ」
男の手が私の胸にのびて思わず目をつむる。
「改心せい!」
その声に驚き目を開けると、妙な鎧・・・そうガンタンクみたいな鎧を
纏った男が私をかばうように立っており、私を捕まえていたジオン兵達は
気を失い倒れていた。
他のジオン兵に達は銃を構える、しかし鎧を纏った男は意に介することなく
彼らに向かって走りこむ。 ジオン兵が引き金を引く。
だが銃弾は鎧によって弾かれる。
「改心せい!」
鎧の男はそう言いながら手刀を振り下ろす、瞬く間にジオン兵全員が叩き伏
せられた。
鎧の男は兜のバイザーを上げながら尋ねる。
「フラウ、大丈夫だったかい?」
「ありがとう! ハヤト!」
ひどく胸元が開いた上着とタイツを履いておらず下着が見えそうな露出狂
のような格好をした私が目にハートを浮かべながらハヤトに抱きつく。
105 :
フラウ:2005/06/26(日) 23:30:41 ID:???
・
・
・
な、なんなのよー! この漫画は!!
私は無意識にカツがハヤトに借りた原稿を真っ二つに引き裂いていた。
「カツ、この漫画を描いたハヤトは何処にいるのかしら?」
微笑んだつもりだったがカツはガクガク震えながら食堂を指差した。
いくらリアルで勝てないからってこんな漫画を描くなんて・・・
ふっふっふっ、少しハヤトに改心が必要なようね・・・力づくでも!!
諦めることを知らない不屈の男ハヤトが帰ってキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
ハヤトがどんどん後ろ向きになっていってる
漫画描くのに夢中になって徹夜したであろうハヤト萌え
Well Come Back!
age
保守
112 :
通常の名無しさんの3倍:2005/07/12(火) 07:28:20 ID:FjQl1cAN
ほ
「わたしの言葉が聞こえないのか?中尉?」
再びそう声をかけるが、どうやら無意味なことだったようだ。
もう少しまともな精神状態なら、厳しい声をかけることで士官学校での訓練時代
に培った筈の軍人精神のようなものを呼び覚ましただろうけど。
中尉の状態はもはやそんなレベルを通り越していた。
わたしの脚にしがみついたまま、俯き、小刻みに震えている。
その一点とは…わたしが基地司令としての威厳を醸し出すために持ち歩いている
鞭だった。
確かにこんな物、目の前でちらつかれては普通の人間ならあまり気持ちのいいもの
ではないだろう。
大佐のような変態ならわからないが(流石に鞭で叩いたことはないので断言はしない)
それにしても、クロノクル中尉の脅えようは異常だった。
「とりあえずは、離せ」
そう命ずるが、聞こえていないのか、命令に従うという軍人の本分すら忘れたのか、
無視してしがみつき続ける中尉。
いくら精神状態が精神状態とはいえ、いい加減腹が立ってくる。
ただでさえ脚にしがみつかれたせいで大佐との忌わしい思い出を思い出させられたと
言うのに。
中尉は顔立ちの整った美青年ではあるけど、あまりわたしの好みではないから。
これがメッチェなら、脚に抱きつかれてもそれ程怒りはしないのだけど…。
「中尉っ!」
怒気をこめて怒鳴りつけると、ビクンと震えた中尉の顔がゆっくりと上に向く。
ああ、何と憔悴した顔だ。
あの貴公子然とした容貌だった中尉が、無残に頬はこけ、目は落ち窪んでいる。
食事は辛うじて取っているらしいから、これは栄養失調などから来るやつれではない。
中尉をこの精神状態にしてしまった何らかの経験。
その心因的な物が、ここまで彼の生気を奪い取っているようだ。
一体どのような恐怖と絶望が、中尉を襲ったのだろう?
やがてわたしは、中尉が一点を凝視していることに気がついた。
その一点とは…。
「中尉?」
わたしが手にした鞭に、その視点は固定されていた。
試しに鞭を振り上げてみると。
「うわぁ」
悲鳴のような声を上げ、わたしから飛び退くとその場で丸くなり、より一層激しく震え
始めた。
「ぶたないでください、許してください…」
うわ言のように言葉を発する中尉。
わたしの手にした鞭に、異常なまでの恐怖心を抱いている。
これはやはり…。
どうやら中尉は、行方不明の間何者かに鞭で叩かれ拷問されたらしい。
確かに、中尉の身体には弱冠何かで叩かれた痕が残っていて、捕まって拷問されていた
という疑いを持たれている。
しかし、傷跡自体はそんなに深くも多くもない。
心身ともに鍛えられている士官学校出身者の耐えられないレベルだったとは思えない。
しかし、それはただ叩かれただけの場合。
同時進行で、何らかの心理的苦痛を与えられたしたら、これほどの廃人に近い状態に追い
こまれるのでは?
そんな推理をしていたわたしは。
「ピチャピチャ」
下から聞こえて来た、何やら妙な音に気づいて推理を中断し視線を落す。
そしてとんでもない光景を見てしまった。
震えて這い蹲りながら、中尉はわたしのブーツへ顔を近づけ。
舌でそのブーツを舐めていた。
乙。
これからの展開に期待。
クロちゃん……(ノД`)
117 :
作者:2005/07/14(木) 20:19:52 ID:???
投下してから更生ミス発見 orz
くろたん(つД`)カワイソス
119 :
作者:2005/07/15(金) 22:59:54 ID:???
「わたしの言葉が聞こえないのか?中尉?」
再びそう声をかけるが、どうやら無意味なことだったようだ。
もう少しまともな精神状態なら、厳しい声をかけることで士官学校での訓練時代
に培った筈の軍人精神のようなものを呼び覚ましただろうけど。
中尉の状態はもはやそんなレベルを通り越していた。
わたしの脚にしがみついたまま、小刻みに震えている。
「とりあえずは、離せ」
そう命ずるが、聞こえていないのか、命令に従うという軍人の本分すら忘れたのか、
無視してしがみつき続ける中尉。
いくら精神状態が精神状態とはいえ、いい加減腹が立ってくる。
ただでさえ脚にしがみつかれたせいで大佐との忌わしい思い出を思い出させられたと
言うのに。
中尉は顔立ちの整った美青年ではあるけど、あまりわたしの好みではないから。
これがメッチェなら、脚に抱きつかれてもそれ程怒りはしないのだけど…。
「中尉っ!」
怒気をこめて怒鳴りつけると、ビクンと震えた中尉の顔がゆっくりと上に向く。
ああ、何と憔悴した顔だ。
あの貴公子然とした容貌だった中尉が、無残に頬はこけ、目は落ち窪んでいる。
食事は辛うじて取っているらしいから、これは栄養失調などから来るやつれではない。
中尉をこの精神状態にしてしまった何らかの経験。
その心因的な物が、ここまで彼の生気を奪い取っているようだ。
一体どのような恐怖と絶望が、中尉を襲ったのだろう?
やがてわたしは、中尉が一点を凝視していることに気がついた。
その一点とは…わたしが基地司令としての威厳を醸し出すために持ち歩いている
鞭だった。
確かにこんな物、目の前でちらつかれては普通の人間ならあまり気持ちのいいもの
ではないだろう。
大佐のような変態ならわからないが(流石に鞭で叩いたことはないので断言はしない)
それにしても、クロノクル中尉の脅えようは異常だった。
「中尉?」
声をかけても、わたしが手にした鞭にその視点は固定され続ける。
(まさか、そんなにコレが気にかかるのか?)
試しに鞭を振り上げてみると。
「うわぁ」
悲鳴のような声を上げ、わたしから飛び退くとその場で丸くなり、より一層激しく震え
始めた。
「ぶたないでください、許してください…」
うわ言のように言葉を発する中尉。
やはり、わたしの手にした鞭に、異常なまでの恐怖心を抱いている。
ということは、これは…。
どうやら中尉は、行方不明の間に何者かに鞭で叩かれ拷問されたらしい。
確かに、中尉の身体には何かで叩かれた痕が幾らか残っていて、ゲリラにでも捕まって
拷問されていたまではという疑いを持たれている。
しかし、傷跡自体はそんなに深くも多くもない。
心身ともに鍛えられている士官学校出身者の耐えられないレベルだったとは思えない。
しかし、それはただ叩かれただけの場合。
同時進行で、何らかの心理的苦痛を与えられたりしたら、これほど廃人に近い状態に追い
こまれるのでは?
今までわかったことと、今の中尉の反応を照らしあわせ。
おおまかにそんな推理をしていたわたしは。
「ピチャピチャ」
下から聞こえて来た、何やら妙な音に気づいて推理を中断し視線を落す。
そしてとんでもない光景を見てしまった。
震えて這い蹲りながら、中尉はわたしのブーツへ顔を近づけ。
舌でそのブーツを舐めていた。
こういう訂正って、書いた人にとっては
どこが重要なのかわかって面白い。
いよいよクロ発動ですな。
期待保守
フラウもね。
ホッシュ
保守
126 :
通常の名無しさんの3倍:2005/07/31(日) 12:39:32 ID:0CdDDfMr
職人さん待ち
ほしゅ
保守ばかりさせてスマソ
ハヤトの再復活も望む
ほ
そろそろカテ復活させますか
ファラさんの話続けますか
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 カテジナ!カテジナ!
( ⊂彡
| |
し ⌒J
えええっ!
クロ発動ってところで、生殺しっすよそりゃあああっ!
クロちゃんの回想、というかPTSDフラッシュバックシーンでカテを出すと
なんだけど
134 :
132:2005/08/16(火) 21:17:58 ID:bCHDFD1y
そうでしたか、ネタバレさせてしまったようですみません。
楽しみに待っています。
職人さんが困るような書き込みすんなよ。
スマヌ
ミネバの前ではふにゃふにゃのドズル
意外性がなさ杉
幼稚園で人気物になるヤザン
意外性あり杉
だが子供は意外と荒っぽい扱いを好んだりする
叩かれるのはともかく、乱暴に振り回したりしたらきゃっきゃと喜んだり
するもんなんだよな
ミネバにもっと笑ってと言われて困るハマーン様、トイレで笑う練習してるのを見て固まるプルツー
ほしゅ
「私は母と前党首の意思を継ぎ一日も早くこの帝国を再建し必ずや地球を我が物として見せる!!」
割れんばかりの拍手と歓声が我が身を包む..
少しだけ気分の良くなった私はそのまま壇上を降りると今の自分の地位を示す玉座
(全身を金粉で飾られた四つん這い姿の私の叔父貴)
に腰を掛けた...
144 :
通常の名無しさんの3倍:2005/08/28(日) 05:15:47 ID:0hDjTrtv
age
黒シャクキター
って、やっぱり犠牲者はクロちゃんかいw
クロちゃーん(つД`)
ほしゅ
近々「ラゲーンにて」再開
事情はあるだろうけど他の職人さんも戻ってきて欲しいな
期待sage
期待保守
保守
それは時間にしてほんの数十秒だったろう。
わたしが金縛り状態になっていたのは。
タシロ大佐という大変態の遊び相手を強いられて、好むと好まざるに関わらず多少の変態
行為には免疫が出来てしまった(そんなもの出来て欲しくはなかったのに…)わたしだけど。
さすがにこの行為には茫然としてしまった。
大佐はわたしの足を舐めることを好んだ。
もちろんわたしは舐められるのは嫌だった。
彼が荒々しく蹴飛ばされるのも好むのをいいことに、舐められそうになる度に嫌悪をこめて
蹴り離したものだ。
それでも最後には根負けして好きなだけ舐めさせるに任せることとなったが。
何度も言うが、大佐は苦味の走ったナイスミドルだったが。
足を舐めている顔はおぞましい快感に歪み。醜悪に見えた。
そんな普通ではあまりない経験をしているわたしだけれど。
中尉の行動は、その経験を持ってしても衝撃の余り意識を飛ばしてしまう物だった。
何しろ足ではなく、靴を舐めているのだ。
それも四つん這いになって、床に頭をつけるようにして。
思考活動が回復し、わたしがされていること、同時に中尉がしていること。
その二つが脳内で重なり。
さらにその意味を完全に理解した瞬間。
「きゃあああああっ!」
自分で言うのも少し鬱だが「年甲斐もない」悲鳴をあげて、わたしは足元に平伏して靴を
なめる中尉を蹴飛ばした。
「なっ、なっ、なっ、何をするっ!」
すると中尉は、這ったまま再び近づいて来ようとする。
そして顔を再び私の靴に寄せて来る。
「来るなっ!」
思わず手にしていた鞭を、身を守るために頭上高く振り上げる。
次の瞬間。
「中佐っ、どうしましたっ」
メッチェがわたしの悲鳴を聞きつけて部屋の中へ飛び込んできた。
きゅんっ。
胸の奥が、やはり自分で言うのも悲しいが年甲斐もなく熱くなる。
パニックに陥ったわたしを案じて来てくれたメッチェが、ピンチを救いに現れた白馬の王子様
のように見えた。
もう少し動揺の度合いが高ければ、わたしはそのままメッチェの胸に飛び込んでいたかもしれ
ない。
いや、無理にでもそうするべきだった。
なのにわたしは、メッチェに対して務めて平静を装って答えた。
「な、なんでもないっ、ちょっと驚くことがあっただけ…メッチェ?」
心配そうだったメッチェの表情が、驚愕と、そしてかすかな脅えによって変わっていく。
「メッチェ?」
彼の視線が二点を交互に移動しているのに気づき、その視線を追うと。
一点はわたしが振り上げた鞭。
まぁそれはともかく。
もう一点は、わたしの足元だった。
私の片足が、何かに乗っていた。
「え?」
蹴り飛ばしたはずのクロノクル中尉。
彼が土下座していて、わたしの足はその肩先を踏みつけるような形になっていた。
いつのまに?
そうだ、再び迫り来る中尉を足蹴にしようてしたところでメッチェが入ってきて。
そちらに気を取られていた。
つまり、メッチェの目からは。
わたしが中尉を踏みつけながら、鞭を振り上げて今にも打とうとしているように見える。
「メ、メッチェ?」
幾分脅えの見える顔のメッチェに声をかけると。
「し、失礼しましたっ」
彼はドアの向こうに消えてしまった。
目覚めてすぐ来たら凄いの投下キターーーーーヽ(゚∀゚)ノ
やっべまじやっべ
ファラたま(´Д`;)ハァハァ(´Д`;)ハァハァ(´Д`;)ハァハァ
GJ!
ファラがんばれ!超がんばれ!!
メッチェはきっとベタ惚れだから大丈夫だ!!!
_ ∩
(* ゚∀゚)彡 ラブコメ!ラブコメ!
( ⊂彡
| |
し ⌒J
誤解と勘違いはラブストーリーの基本スパイス
メッチェカワイソス
このファラ様、絵で想像するとやたらかっこいいんだが。
メッチェは、そっちの趣味はないかな。
メッチェは純愛系
クロちゃんにも悪気はないのに
悪いのは全てカテ…
解決策
A メッチェに事情を説明する
B 面倒なのでメッチェを調教する
164 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/23(金) 13:45:07 ID:GZUnzvm2
ファラもメッチェもクロノクルのせいでカワイソス。
ほしゅ
ほしゅ
職人さん、来い!
>139から。 まあ職人さん待ちの間、お目汚しを。
あの日、カミーユに敗れた俺は、ある都市に流れ着いていた。
よくわからないが、かなり古い町並みであるようだ。
荒れていた。当然だ、あんなガキに!
やりきれなさや怒り、様々な物に襲われた俺は、もっとも手軽にそれらを払える液体、
酒を手にした。
正に浴びるほど。手持ちの金を全て店主に渡し、有無を言わさぬようにしてから、飲んだ。飲み続けた。
俺は肝臓強化人間では無いから、許容量を超えれば、本能がこれは毒物、と判断を下す。
その結果、口から入れたものを、口から出すことになる。それでも構わない。
まずい。もう飲みたくない。だが飲まずにはいられない。
飲んで、飲んで、飲まれて飲んで。その半分以上は吐き戻したであろうが。
気づけば、店外に放り出されていた。ポケットをまさぐると、領収書と、
わずかながら釣りが入っていた。 禿の癖に生真面目な店主だ。
ふと見ると、上着が濡れている。道理で冷たいわけだ。
まあ吐しゃ物で濡らした犯人は俺だから仕方ない。
仕方ないが、吹き荒れる寒風に、濡れたものが強烈に冷たくなるし、何より臭う。
構わない。脱ぎ捨ててしまえ。 そうさ、もう何でも構わない。
そのまま朦朧と歩き続けていたが、ついに意識をなくした・・・。
再び目が覚めたとき、俺は粗末ながらベットに横たわっていた。
遠くには暖炉があり、豪快にでは無いとはいえ、確かに明るさと暖かさを惜しみなく放っている。
ここはどこだ?
当然、疑問が浮かぶ。部屋に暖炉があるということは、警察や病院ではなさそうだが。
考えをめぐらそうとするが、猛烈な頭痛襲われる。寒気もする。
二日酔いだろうかと思ったが、何のことは無い、風邪だろう。
まあ寒風吹き荒れる中を、夏服に近い格好でさまよっていたのだ。
鍛えているとはいえ、風邪くらい引くさ。人間とは弱いものだよ。 ケッ。
起き上がろうとしたが、背中からなにから、節々が痛む。
「くあっ・・・!
情けないことに声がでてしまう。 と、申し合わせたかの用に扉が開き、女が入ってきた。
171 :
170:2005/10/09(日) 19:31:59 ID:???
・・・エロくないけど、付き合ってくれるかい?
エロくなったらおK?
ヤザンキター!
エロなくても漏れはおk!
いや、ここ始めからエロスレじゃないからw
今までのはエロくて笑えるから支持されてた
むしろエロいだけのはダメ
保守
居住区画を掃除して回るガトー、ピカピカになった床を見てほくそえむ
hoshu
177 :
通常の名無しさんの3倍:2005/10/22(土) 02:03:13 ID:ZG91147V
しょくにんさーーーん
THE 他力本願
他力本願つながりでたまにはどっかに行きたくなるハマーン様
今日の昼ご飯は唐揚げ
蘭の鉢植えを見てララァを思い出してしまうシャア
リアルタイムでファラとメッチェに萌えてたおれには嬉しいスレだ。
184 :
フラナガン:2005/11/03(木) 21:27:32 ID:???
若い士官に促されて私はララア・スンを伴い扉をくぐった。
中央にはブラウン管ごしでは幾度と無く目にしたギレン総帥が座っていた。
表情からその感情を読むことは出来ないがその成果を総帥に認めて貰うべく
私は早速、これまで行ってきた研究について説明を始めた。
宇宙生活の中で目覚めつつある人の新しい能力、ニュータイプに関して特に
その傾向が見られた木星帰還者と常人の対比データなどを元に解説を加えて
いく。相変わらず総帥の表情は読めないが全く関心が無い様ではないようだ
私の話は本題に入ろうとしていた。
「・・・そして私は脳波により無線操作を行うことでミノフスキー粒子下
でもその影響を受けることのない装置を考えました、私はこれを”サイコ”
コミュニケーター、通称サイコミュと命名しました」
「「・・・サ、サイコ?」」
ギレン総帥を囲むとりまきがいぶかしげにそうつぶやいた。
気のせいだろうか総帥の隣に控えていた女秘書が可哀想な人を見る目で
私を見ているように感じたのは・・・
185 :
フラナガン:2005/11/03(木) 21:31:55 ID:???
このままでは私の研究と努力が水泡に帰すと感じた私は、論より証拠と
ララア・スンを使い研究の成果を披露することにした。
脳波で何色かのランプを無線で点灯させる簡単な装置を使い、サイコミュの
実演を行った。
いぶかしげな表情を浮かべていたとりまきの連中が驚愕の表情に変わった。
沈黙を保っていた総帥の口が開いた。
「ララア・スンと言ったか? その力どうやって手に入れた?」
ついに総帥が宇宙生活の中で人類が得た新たなる力を認めたのだ、これで
私の研究も認められる・・・そう思っている私の耳に聞こえたのは・・・
「はい、インドで修行をして・・・」
「「・・・イ、インド?」」
ギレン総帥を囲む取り巻き連中が首をひねりながらつぶやいた。
気のせいだろうか総帥の隣に控える女秘書が大道芸でも見るような目で
私たちを見ているように感じたのは・・・
結局、その後すぐ私は部屋から退室を命じられた、出際に聞こえてきたのは
「サイコとか言い出したら人間終わりだな・・・」
というギレン総帥の声だった・・・くっ!
ヒデェw
カワイソスwww
188 :
通常の名無しさんの3倍:2005/11/04(金) 13:34:09 ID:/STBvnJa
何気に腹黒そうなララアだ
189 :
フラナガン:2005/11/04(金) 23:26:16 ID:???
しばらく落ち込んでいたが研究成果を埋もらせるわけにはいかないと気を
取り直した私はララア・スンとともにドズル中将を元に向かった。
現場の人間でMSの実用化にも積極的に関わった方だサイコミュの可能性
を分かってくれるかもしれない。
「噂は聞いているぞ! 貴様が噂のサイコ博士だな? こちらから手の者を
向かわせようと思っていたのだがまさか貴様のほうから来るとはな!」
・・・サイコ博士? 妙な呼び名が定着しつつあるのは嫌だったが、中将が
私を迎えようとしていたとは思わなかった。
まさか既に私の研究に着目していたというのだろうか?
私の前途に大きく道が開かれたような気がした。
「しかし、オレの元に出頭してくるとはいい度胸だ! 特別にこのオレが
取り調べをしてやろう!」
・・・出頭? ・・・取調べ? 不穏な言葉に思わず聞き返した。
「な、なんのことでしょうか?」
私は中将に大声で怒鳴りつけられた。
「今さらとぼける気か? 通報があったのだ! 貴様が10代の少女を何人も家に
連れ帰り実験と称して怪しげなことを行っていると!!」
インドで修行はクエスでしょ
ララアはただの娼婦ですよ
それを承知の上でララァがフラナガンを陥れるための発言なんじゃね?
いい人選だ
ちょっと視野が狭いが正義感強そうだからなドズル閣下w
わろす。このあとどうやってキシリアに拾ってもらうんだ。
195 :
フラナガン:2005/11/08(火) 23:07:11 ID:???
あの後、拷問のような取調べを受けたが容疑を一貫して否認した私は拘置所に
移された。
ララアも弁護はしてくれたのだが時折、目を宙に泳がせながら話をするので
誰にも信用されないどころか私がよほどツライ目に遭わせた後遺症だと誤解
されより厳しく追及されるだけだったが・・・
拘置所の壁のシミを眺めながらどうすれば早く身の潔白を証明できるか考えた
ふとララアはどうしただろうと思った時に妙案が浮かんだ。
ララアを私に預けた彼を頼ればいいと思いついたのだ。 軍人で佐官でもある
彼なら国家権力にも顔が利くかもしれない。
翌日の取調べは流石に忙しい身なのだろうドズル中将ではなかった、これを
幸いと私は彼に身の潔白を証明してもらう為、事情を話し彼に連絡を取って
欲しいと願い出た。
「・・・つまり、ララアという少女はその少佐から預かっているものでサイコ博士、
あなたが研究の為と称して他の少女達を集めたのも同じ理由だと?」
「いや、私はサイコなどという名前ではありませんがその通りです」
さらに弁解を続けようとした私の声は遮られた。
「ついに白状したな! シャア少佐のアノ趣味は有名だからな、もうしばらく
ここでくさい飯を食って貰うぞ、色々と余罪がありそうだ全部白状させてやる
からな!」
・・・い、いったい何がどうなっているのだ?
196 :
184:2005/11/08(火) 23:13:54 ID:???
>インドで修行はクエスでしょ
ララアは本編ではどこ出身とも説明されてないんでインドで修行の末、身に
つけててもおかしくないかと?
フラナガンに預かられた時は素質を開花させていたっぽいみたいですから。
>これ通報したのララァだろw
詳しくは分かりませんが複数の女性から通報があったようです。
若い声の・・・・
>このあとどうやってキシリアに拾ってもらうんだ。
ちょっと迷っています。 キシリアの性格を崩すかどうかで。
サイコ博士カワイソスwwブルとかも登場するの?
トニタケ漫画バリの怪しいシャアトークにひっかかるキシリア様きぼん。
>>196 乱れ…もとい崩れたキシリア様(*´Д`)ハァハァ
歴代スレでのNT研究所はどこも原作の非道な存在と違って
笑えるなw
お笑いムラサメ研究所と…オーガスタはなんだっけ?
ロザミアがプチ枕営業
フォウが枕営業だったら洒落にならんw
202 :
フラナガン:2005/11/14(月) 21:47:03 ID:???
さらに妙な疑いをかけられた私はあの後、精神鑑定まで受けさせられる
羽目になった・・・。
そして拘束されて一週間が過ぎていた。
「サイコ博士、面会人だ!」
面会室の分厚いガラスの向こうにはクスコ・アルがいた。
「博士、どうしてこんなことに!?」
「・・・というわけであらぬ疑いを受けてな」
私は簡単に事情を説明した。
「まぁ そうでしたのもう大丈夫ですよ、博士」
彼女の証言で私の無実は証明されるだろう、ようやくここから出られる。
「ありがとう 恩に着る」
そういいながら安堵のあまりつい彼女の手を握ってしまった・・・
「不潔よ! 不潔! あなたなんか!」
クスコ・アルが叫びだした、男性恐怖症のスイッチを誤って押してしまった。
騒ぎを聞きつけた刑務官に私はたちまち押さえつけられる。
「落ち着いてくれ! クスコ・アル!」
「何がクスコがあるだぁ? サイコ博士、貴様はこんな所でこの少女に
医療プレイでもするつもりだったのかぁ!」
「不潔よ! 不潔よ! あなたなんか! あなたなんかぁ!!」
ヒステリックに叫び続けるクスコ・アルから引き離されながら私は、自らの
研究にどこか過ちがあったのではないかと感じていた。
フ、フラナガーンw・゚・(ノ∀`)・゚・。
サイコの上に変態のレッテルまでつくことになるのか……
205 :
フラナガン:2005/11/20(日) 01:10:39 ID:???
「ふむ、間違いない! これは何者かがいやかなり大きな組織が私の
研究を完成させないように陥れているのだ!」
拘置所の中で考える時間だけは山ほどあった私はこの様な事態になっ
た理由をついに発見し思わず叫んでしまった。
「・・・サイコ博士、面会人だ」
気まずそうな目で私を見ながら刑務官が私を呼んだ・・・妙なことを
口走りだした狂人を見るような目だった。
くっ、真実さえ明らかになればこのようなことは無いものを。
面会人はマリオン・ウェルチだった、彼女は元々はうちの研究所が発見
したニュータイプだったが私と同じニュータイプ研究者のクルスト博士
に養女として引き取られていった娘だ。
詳しくは知らないがクルスト博士はEXAMとかしうシステムを開発し
だしたと聞いた覚えがある。
前回の件で警戒されているのか取調官や刑務官が同席している。
「失礼ですが、この博士との関係をお聞きしていいですか?」
私よりも先に取調官が口を開いた。
「はい、私は博士に拾われ新しいパパを紹介してもらいました!」
面会室の時が一瞬、止まった。
もうすっかりサイコ博士
まるで少女斡旋企業じゃないか!w
208 :
フラナガン:2005/11/20(日) 20:51:17 ID:???
「誤解を招くような言い方を・・・ウグッ!」
「お嬢さん、もう大丈夫ですよ。 宜しければ詳しく話を聞かせてくださ
い、相談にのりますよ!」
反論しようとした私のみぞおちに取調官が押しのけるようにヒジを入れな
がらマリオンに優しく語りかけた。
「あなたもこのサイコ博士の被害者なのでしょう?」
「い、いえ、博士には良くしていただきました、新しいパパも私を本当の
娘のように可愛がってくれました」
(・・そうだ、クルスト博士は彼女を本当の娘のように大事にしていた。)
一時はどうなるかと思ったがどうやら誤解は解けそうだ、このまま他の濡れ
衣も晴れてここから出られるだろう・・・と思ったのに。
「・・・でも、私が成長してからはパパは変わってしまいました! 私を見
る目がどう見ても娘を見る目じゃなくなり! 実験と言って、私はイヤって
言ったのに何度も何度も私の身体を調べたり! 挙句の果てには私がおまえ
を裁くとか言って・・・! 私はパパの娘でいたかったのに!」
そう言うと彼女は身を丸めて机に泣き伏した。
刑務官が彼女の身体を抱き寄せ励ましながら外に連れ出して行った。
面会室は殺気に包まれた・・・もちろん私への。
「・・・サイコ博士、アナタという人は!」
取調官のプレッシャーに押され精神が崩壊した私の口は勝手に喋りだした。
「ち、違うんだ! 何者かの陰謀なんだ! 恐らくは人類の新たなる目覚め
を許さないもの達! それは遠い外宇宙からのエイリアン! そいつらは太古
の昔より我々人類を監視してきたのだ! そして私は人類を新たな目覚めへと
誘う案内人! 私の研究の邪魔をしないでくれ! ニュータイプはサイコー!」
・・・翌日、私は窓に鉄格子のある病院に移された。
追記
しばらくしてクルスト博士が地球連邦に亡命したというニュースを聞いた。
サイコ博士が真サイコ博士に…おいたわし。職人gj
恐ろしいなマリオン。
ミスリードをおこさせまくり、ワザとじゃないのか?
マリオン、まずは博士よりレイプ犯を陥れろよw
まあそっちは正当だから陥れるとは言わんけど
マリオンってレイプなんかされてたの?
犯人って誰? クルスト?
213 :
208:2005/11/22(火) 23:07:03 ID:???
ちょっと表現不足なのかマリオンの紛らわしい証言に読む人まで
引っかかってないですよね?
一応分かりやすく書くとあの証言はこんな感じです。
「・・・でも、私が(ニュータイプとして)成長してからはパパは変わって
しまいました! 私を見る目がどう見ても(ニュータイプを恐れる目で)
娘を見る目じゃなくなり! 実験と言って、私はイヤって言ったのに
何度も何度も私の身体(の主に脳波とか)を調べたり!
挙句の果てには私がおまえ(みたいなニュータイプ)を裁くとか言って
(エグザムの研究を始めました)・・・! 私は(ニュータイプとか
オールドタイプとかどうでもいいから)パパの娘でいたかったのに!」
つまりクルスト博士は性的虐待などしてません。
そして亡命の本当の理由は身に覚えの無い容疑で追い詰められ・・・。
>>213 いや、誰もそんな勘違いしてないし
212は211みてこんがらがったんだろうが「レイプ犯」はニムバスのことだろ
せっかく面白いネタに蛇足な説明は不要
保守
保守
217 :
フラナガン:2005/12/04(日) 19:50:36 ID:???
病院に移されてから少し冷静になれたのか、正気に戻ってきた、どうかし
ていたいくらなんでも外宇宙からのエイリアンとかはないだろう。
しかし、この状況に私があるのは妙な組織が私を陥れようとしているのは、
勘違いではないかもしれない。 それは意外に身近な人物かも・・・
そこまで考えたときに一人の男が頭に思い浮かんだ、そう怪しげな仮面を
つけたアノ男、シャア・アズナブル!
「久しぶりだな、フラナガン博士 今回は災難だったな」
なんというタイミングだろうか、そういいながらシャアが部屋に入ってきた。
思わず掴みかかろうとした私は奴の後ろから現れた女にの鋭い視線に動き
を止められる。
「ほう、この男か? シャア、お前が会わせたいといったのは?」
218 :
フラナガン:2005/12/04(日) 19:51:01 ID:???
間違いない! シャアも怪しいが裏で全てを操っていたのはこの女だ。
白い角のついた兜、顔を半分以上覆う紫色のマスク、何よりあの尋常
ではない目つき・・・よもや本当にエイリアンなのではと感じるほど怪しい
女だ。
「フラナガン博士、この方にニュータイプとその軍事研究について解説して
欲しい」
シャアは私にそう促したが私の研究を探ろうとしている妙な組織に研究の
内容を漏らすわけにはいかない。
「ニュータイプとは・・・厳しい修行を乗り越えたものに授けられる。神秘の
パワーです! 極限前に体を痛めつけ精神状態を高め、チャクラと呼ばれる・
・・」
黙秘をしても無理矢理話をさせられると考えた私は狂人のフリをして誤魔化す
ことにした。
「フラナガン博士、な、何を、すいません博士は少し疲れているようでして」
シャアは私が妙なことを口走り始めたのであせりだした。
「かまわん 続けさせろシャア、それからしばらく席を外してくれぬか?」
「し、しかし、キシリア様!」
「席を外せと言ったのだ!」
「は、はい」
思い知ったかシャアって・・・キシリア様!? この紫マスクの怪しい女が!?
どんどん話が奇妙な方向にw
ファラ書きさんまた来て下さい。大好き。
>>220 フラナガンシリーズが完結するまでROMに徹しようと
思ってるんだけど
やっぱりダメかw
キシリア様興味津々可愛wwwシャアが意外と普通の人だったな。続き期待〜。
個人的には職人さんはいくらでも来て欲しいなり。
ちょっwwwwおまwwwwwwww
>やっぱりダメかw
じゃねwwwってばwww
ほしゅ
225 :
通常の名無しさんの3倍:2005/12/14(水) 14:14:12 ID:S9n/SvnA
さがりすぎたで
226 :
age:2005/12/18(日) 02:08:08 ID:???
age
シーマ様を頼む・・・
過去作でシーマ様ものって何かあったっけ?
シーマは1スレ目辺りで出会い系(自称)女子校生を
やっていたような…
もっちーの同人にありそうなネタだなw
ほしゅ
「ああっ」
私は思わず膝をついてしまった。
目の前が真っ暗になる。
今の光景を見て、メッチェはどう思うだろう。
わたしが中尉の心神耗弱につけ込んで、彼を虐待して楽しんでいたと思ったのではない
だろうか…。
ただでさえ、私は誤解されやすいキツい顔立ち。
そのせいで、変態上官に無理矢理変態プレイを強いられていたほどに。
そう、無理矢理。
確かに大佐に命じられていたとはいえ、彼を張り倒したり蹴飛ばしたりしたことが楽しく
なかったと言えば嘘になる。
しかしそれは、あくまで変態行為を強要する相手へのささやかな意趣返しだった。
しかも相手がそれで悦んでいたのだから、本当にささやかな自己満足。
メッチェはそんなわたしを普通に女として受け容れてくれた。
しかも関係が出来た後も急に図々しくなったりもしない。
公的には上官として、私的にも年上の女として、わたしを立ててくれていた。
そんな相手に、誤解されたかもしれない。
わたしの中で、何かが切れる。
わたしに踏みつけられたまま、まだ土下座している中尉を見据える。
全身がまだ震えている。
中尉のこの異常行動、この目を背けたくなる醜態。
全ては彼が軍務上遭遇した事故。
そしてその後に起きた、何やら忌わしき出来事が原因。
本来なら上官として生還した彼を労ってやり。
そして指揮官として彼に何が起きたかを究明する。
それがわたしのすべきこと。
いや、そもそもそのためにわたしはここを訪れた。
しかし、今のわたしにそんな心の余裕はない。
灰色の日々にようやく射した光。
それが失われるかもしれない恐怖と、その原因を作った者への怒りがわたしの心を占めて
いた。
数十分後。
「鬱憤晴らし」をして少しだけ気分の落ち着いたわたしは司令室に戻る。
ドアの前でわたしの心臓は高鳴る。
中にはメッチェがいる筈だ。
いくらショックを受けようと、公務を放り出すわけはない。
ただ、どんな顔でわたしを迎えるのだろうか。
あからさまな軽蔑の視線を向けられるのも怖い。
さりとて、余りにも平然とされてもそれはそれで寂しい。
そんな複雑な心境のまま、意を決してドアを開く。
副官席に腰掛けてキーボードを叩いていたメッチェは、わたしを見て目礼すると作業を
再開した。
どう判断していいのかわからない態度。
結論を先送りにされた形になって、少しだけ安心したわたしは。
「予定が少しズレてしまったな、今日の分の仕事を片付けなければ」
さも何も気にしていないという風を装って、公務の続行を宣言する。
「はい」
そのメッチェの声色がいつもと違うように感じたのはわたしの錯覚だろうか?
あのようなところを見られながらわたしが平静な態度であることに違和感を隠せない
ように思える。
「メッチェ」
しばしの時が過ぎ。
わたしは疑念を抑えきれずメッチェに尋ねる。
「なんでしょう」
「どうして何も聞かないのだ?」
「何も?」
「あんなところに居合わせて、気にしていないはずはないだろう」
メッチェの手の動きが止まった。
一番乗り!新年からファラ分ありがとう!
傷心のわりに極Sのファラモエス。
クロノクルがずっとかわいそう過ぎるけど
この先のメファラ展開の方が気になるのでいいや
新年早々話が動きそうだな
今年もよろしく>232
期待保守
237 :
通常の名無しさんの3倍:2006/01/09(月) 22:36:28 ID:BFf0dLpF
あげぽ
何故か生き残ってミネバ様の小うるさい教育係になってるマクベ
保守
保守
保守
保守
フラナガンシリーズ続き期待〜
ファラ中佐期待。テラモエス
フラウへの再挑戦を狙って素人に負けるハヤトはまだですかw
期待age
保守
妹属性のキシリアさまの外伝はまだですか?
もう完結したじゃん…と思ったら外伝かw
ギレン閣下の方がどう思っていたかの外伝なら書けそうだな
元作品書いてた人、まだいる?
ほす
一週間待ったが妹キシリア作者の人はもう来てないようだな、残念
保守
フラナガンシリーズはとりあえず休止かな?
ほっしゅ
ホシュ
他のシリーズが出ないようなんで
とりあえずファラさん物終わらせるか
258 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/12(日) 13:35:54 ID:SNCC/8md
ファラ様!ファラ様!
_ __ ∩ ∩ __ _
( ゚∀゚) 彡 ミ(゚∀゚ )
⊂l⌒⊂彡 ミ⊃⌒l⊃
(_) ) ☆ ☆ ( (_)
(((_)☆ ☆(_)))
ずれちゃった。
待ってます。
保守
ほしゅ
遅れてる
ギロチンは勘弁
264 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 14:52:11 ID:BM9WYEm7
ギロ珍は勘弁するので
続き 続き!
続き 続き!
_ __ ∩ ∩ __ _
( ゚∀゚) 彡 ミ(゚∀゚ )
⊂l⌒⊂彡 ミ⊃⌒l⊃
(_) ) ☆ ☆ ( (_)
(((_)☆ ☆(_)))
保守
266 :
通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 18:43:38 ID:Few3zHJo
保守age
保守
hosyu
hosy
ほしゅ
補修
保守
test
トリップテストは他でやれ
保守
ほしゅ
hosyu
hosyu
保守
ho
保守
282 :
通常の名無しさんの3倍:2006/05/23(火) 19:21:34 ID:ZcklHYjM
一度あげるよ
保守
保守
保守
保守
保守
保守
保守
291 :
通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 17:45:02 ID:jJi4RStW
が
渡る世間は保守ばかり
hosyu
ほしゅ
ほしゅ
待っとるでー
nurupo
ほしゅ
上げるよ
300ゲトc
( ゚∀゚)
hosyu
age
保守
ほ
306 :
:2006/08/31(木) 12:57:27 ID:???
保守
age
(゚∀゚ )
保守
( ゚∀゚)
ほしゅ
保守
下がってるとつい心配になる。
(゚∀゚)
(゚∀゚ )
hoshu
(´∀`)age
保守
hosyu
ほしゅ
旧シャア内で最古スレ?
保守してれば職人の復帰や
新しい職人が誕生する可能性があるからな
落としてしまえばそれで終わり
ワッカ頭とかキシリア姉さんのころがすきなんだがなぁ
あとはシュラク隊とか
324 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/02(土) 15:08:47 ID:NGCN2BlS
夢見るお嬢さん♪ミライもな。
テム『あああボール乗りてえよボール
あのツルッとした丸いフォルムでムサイに体当たりしたいよ
あのチョンマゲみたいなキャノンでゲルググを粉砕したいよ
あのキュートなウインチギミックでザクレロやビグロと格闘したいよ
あの丸く純情なモニターから宇宙の蒼を眺めまわしたいよ
ボールボールボールボール
ボボボールボールボーボーボーボボボボボ』
326 :
フラウ:2006/12/03(日) 00:23:53 ID:???
「8月10日はハヤトの日やー! ブッ」
聞いていて不愉快な気分になるスラングで話しかけてきた、ハヤトの
顔面に無意識で掌底を入れてしまった。
「酷いじゃないかフラウ、オレは王者決定戦が控えているんだぞ!」
「ちょ、ちょっと抵抗しないから離しておくれよ!」
よく見るとハヤトが女の子を連れていた、私の記憶に間違いが無ければ、
昨日、ホワイトベースに物を売りに着てた地元の子の筈だけど、どうして
連邦軍の制服を着てるのかしら?
「フラウ、空位になったWBライトフライ級王座の決定戦を僕とこの子で
行う、もしオレが勝ったら君を初防衛戦の相手に指名するよ!」
ホワイトベースに仮にそんなタイトルがあったとしても空位になった王座に
突然、ランキング戦すらしたことのない二人が出られる王座決定戦というの
は価値があるのかしら?
327 :
フラウ:2006/12/03(日) 00:27:41 ID:???
「フラウ、オレのチャンピオンロードを見ていてくれよ!」
そう言いながら早速、ハヤトが仕掛けた。
「ミハルーミハルー、どこに行っちまったんだー!」
カイさんが誰かを探している声が聞こえてきた。
「ちょいと待っておくれ!」
どうやら彼女がミハルさんだったらしい、ハヤトを制止するように伸ばした手が
突っ込んだ顔面にキレイに入った、・・・そしてハヤトは力なく崩れ落ちた。
「こらっ、ミハル隠れていろって言ったろ!」
「ごめんよ、だってあいつが・・・」
「カイさん、その人は?」
「こいつは・・・ちょっとな、わ、わりぃけどみんなには黙っていてくれよ」
そういいながらカイさんは彼女を連れて戻っていった。
後には気を失ったハヤトが取り残される。
328 :
フラウ:2006/12/03(日) 00:36:33 ID:???
「1回のダウンで『よっしゃー』言うたヤツもいる思うけどな、あそこはオレ流の
サプライズや!」
・・・確かに伸ばした手が当たっただけで10カウントどころか10分は転がっていたのは
サプライズだったけどね。
久々にGJw
それにしても以前に
「ハヤトとフラウシリーズはヘタレ格闘家が出現しないと元ネタがなくて書きにくいのかも」と
言ったことがあるが
見事に亀田一家というヘタレ格闘家が誕生してくれたなw
330 :
通常の名無しさんの3倍:2006/12/05(火) 11:35:43 ID:Wn1sfd6N
忘れたころにハヤトキテターッ!
亀田ワロス
(゚∀゚)
年末のプライドとK−1に何かハヤトシリーズに使えそうな新ネタ出て欲しいなw
334 :
通常の名無しさんの3倍:2007/01/03(水) 23:09:24 ID:SxgBAezK
新春あげ
335 :
通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 00:08:31 ID:CBT4zYTf
>>333 「まだ戦えるよ〜」がいいな
職人さん是非w
(゚∀゚ )
ハヤトマダー
ho
339 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 00:46:41 ID:Cto4/7QL
あげ
340 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/28(水) 00:14:30 ID:/pGtMEGA
保守age
341 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 10:00:25 ID:TvaiNeBD
何の前触れもなく名シリーズ復活したりするから
保守しておこう
「A-1のパーツはG-8とG-22のパーツに差し込んだ後、目の内側に
はめ込み、そのうえでC-3とC-6のパーツをかぶせる・・・?
ええい!そんなことをしたら、外からはまるで見えないじゃないか!
ボケナス!!」
ポゥは苛立っていた。
地球に降下してから一ヶ月ぶりに、一日だけ休暇を与えられたものの
かといって特にすることもなく、ただぼんやりしていた最中に、フィルか
ら暇つぶしにと与えられたプラスティック・モデルの製作が、思うように
進まないからである。
月の玩具メーカーが販売している、手に鎌の付いた奇妙な形をしている
黄色のマシーンのモデルだ。
「これを作った会社は何を考えている!?こんな外装をかぶせたら見え
るわけもないパーツをわざわざ作らせて!ふざけるな!」
そう言い放つと、ポゥはモデルを組み立てるのをやめ、ベッドに勢い良く
倒れこんだ。
あまり細かい作業には向いていない、そういう自覚はある。
それなのに、このプラスティック・モデルは内部構造まで再現しようという
「こだわり」を見せているのだ。
しかし、せっかくフィルがくれた物なのだから、ちゃんと仕上げてやりたい。
思うことと実行することの違いを、ポゥは今回の地球降下作戦に重ね合わ
せて実感していた。
「簡単だと思えていた地球の制圧も、我々の思惑とは違う方向に進もうと
している・・・やってみなければ分からない・・・それは、そうだ・・・」
地球に降下してから今日まで、そんなことを考える余裕などはなかった。
はじめての実戦、玩具のような銃で攻撃をしてくる地球人、月とは違う環境
物資の不足、あるはずのない地球側のモビルスーツ・・・
そんな状況の中で走り回っていれば、仕方のなかったことかもしれない。
しかし、ディアナの名を冠した軍の一員であり、選ばれたムーンレィスである
のだと誇りに思っていた自分には、到底許されることではなかった。
「これで中尉などと・・・私は・・・」
そう呟いたポゥの目から、涙が滲み出してきた。
また自分は泣くのかと、歯を食いしばって止めようとしたが、それは逆効果で
あることには気付いていない。
ほんの数秒で、ポゥの顔は涙と鼻水でベトベトになってしまっていた。
「こんなザクレ!・・・ッ、ごときプラモデルも作れない私は!!」
ポゥの感情は激発しようとしていた。
顔を拭うことも忘れ、潤んだ視界でプラスティック・モデルを睨み付ける。
その右手は枕を掴み、投げつけて粉砕しようとしているのは明らかであった。
その時、モデルの奇妙に釣り上がった目が、やけにはっきりとポゥの目の中
に飛び込んできた。
その現象にぎくりとして、瞬間にポゥは枕を放した。
「な・・・なんだというのだ・・・」
『ボクヲ・・・ツクッテ・・・オネガイ・・・』
か細い子供のような声が、ポゥの耳に弱々しく響いた。
いや、頭の中で聞いたという方がより的確かもしれない。
「なっ、なに!?誰だ!誰かいるのか!?」
いきなりの出来事にポゥはうろたえた。
誰かいるのだろうか?
しかし、仕官用の部屋とは言え、自分以外の何者かが潜むスペースなど
ありはしない。それとも、悪戯の目的でマイクでも仕込まれたか。
だが、そんな心に余裕のある者が今の軍にあるわけもなし、捕虜や監視
対象ではない人間に盗聴などすれば、最悪の場合、冬眠刑が待っている。
部下であれば、死刑だろう。
だとすると、考えるのも馬鹿らしいことではあるが、目の前のモデルが自分
に話し掛けたと考る他なかった。
もしかすると、そういう「仕掛け」のある物なのかもしれない。
「お前・・・お前が喋ったのか・・・?おい!答えろ!」
顔を涙と鼻水で汚した女が玩具に話し掛ける、なんともおかしな光景ではあ
るが、ポゥは大いに真面目であった。
すると、また声が頭に響いた。
『キミハ・・・ガンバリヤサン・・・ダカラ・・・ダイスキ・・・』
「なっ・・・なんで・・・!」
プラスティックが自分に話し掛けているのだ。
しかも、頭の中に。
こんな技術がムーンレィスにあるなどと聞いたこともなかったし、あれば
軍が即利用していることだろう。自分が知らぬわけはない。
自分は地球に来て狂ったのだろうか?
地球が故郷であるとはいえ、月とはまるで違う。
それが自分の精神を蝕んでいるのかもしれないが、噂に聞いた「地球人
の呪い」が降りかかってきたなどと、科学の中に生きる自分には、考えた
くもなかった。
「衛生兵に言って、安定剤を・・・」
『コワガラナイデ・・・ボクハ キミト ナカヨシ 二 ナリタイ・・・』
「やめろやめろやめろ!私は病人ではないんだ!私はポゥ・エイジ!誉あ
るディアナカウンターの・・・」
『フィル ガ・・・スキ・・・?』
「なっ・・・」
『ボクハ フィルノ ココロノ ヒトツ・・・』
「少佐の・・・?ふ、ふざけるな、心が物に宿ると言うのか」
『マモリタイヒトニハ トドクンダヨ・・・ ダカラ キミハ シナナイ』
「少佐が!私を・・・!その心が、私に語りかけている・・・!」
ポゥは、この超常的な現象に完全に呑まれていた。
自分が病んでいるだとか、これが何かの仕掛けであるとか、そういう
ことはもう頭にはなく、このモデルが話す内容に心を捉われていた。
また涙が溢れ出してくる。
しかし、ポゥにはそれが心地よかった。
『ダカラ ボクヲツクッテ ソバニオイテ・・・ボクト フィルガ キミヲマモッテアゲル・・・』
「ザクレロォオオォオーーーーッ!!!!」
ポゥは何かに弾かれたようにモデルに駆け寄り、そして、パーツの一つ
一つにキスをした。
そして説明書やランナー、箱、バリに至るまで、その全てに。
フィルに対する想いと同じに、ポゥは、このモデルに愛を感じていた。
それから6時間、ポゥは一心不乱にモデルを作り続けた。
あのようなことがあったといって、ポゥが器用になっているということはな
かったが、指に切り傷が出来ても気にとめることはなく、ただひたすらに
組み上げることをした。
そうして、プラスティック・モデル マスターグレード「ザクレロ」は完成した。
着色や墨入れ、ヤスリがけなども施していない、全くの素組みのシロモノ
ではあったが、ポゥにはこれが、貴族が身に付ける宝石よりも美しく、華や
かなドレスよりも気品に満ちたな宝物に思えた。
「少佐・・・ザクレロ・・・その心・・・」
ポゥはモデルの頭を撫でながら、完成させた喜びと、胸に溢れる愛を噛
み締めていた。
しかし、幸福に浸るポゥの耳に、そんな都合など考えない敵の襲来を告
げる警報が、容赦なく飛び込んできた。
「ミリシャか!!」
ポゥは急ぎドアに向かって駆け出したが、外に出る前に、床に置いたモデ
ルを振り返り、優しく、しかし小さく語りかけた。
「私は何があってもあきらめないし、投げ出さない。少佐とお前に誓う。
壊しちゃいけないから、連れてはいけないけど・・・だから、そこで私を守ってくれ。」と。
ポゥは着替えを整え、全力疾走したつもりではあったが、モビルスーツデ
ッキでは、既に他のパイロットがウォドムやウァッドに搭乗しつつあり、ポゥ
は少し遅れた形になった。
「遅いぞ!!」
フィルである。
「申し訳ありません!少佐!!」
ポゥはメットを付けながら、フィルの目を真っ直ぐに見て応えた。
「元気じゃないか。短い休暇とはいえ、リフレッシュできたようだな?」
「それは、もう!!」
「ミリシャのカトンボが爆撃を仕掛けてきた。防戦するしかないのが現在の
我々ではあるが、結果、撃ち落すのは構わん。行け!」
「はいッ!!」
ポゥは言いたいことが山ほどあったが、ここは機敏にコクピットに滑り込んだ。
シートに座ると、気力が満ちてくるのが分かる。
そして、地球に降りてから今まで、何をするにも常に感じていた苛立ちや不安
は、もうその一切が感じなくなっていた。新しい体を手に入れた気分である。
ポゥは下部のモニターに映っている、大声で檄を飛ばすフィルの姿にそっと敬
礼し、勢い良くウォドムを発進させた。
「蛮族に破れるような愛ではないのだ!!」
ポゥは今、絶頂の中にいた。
ちょwwww
何気に大物wwww
GJw
やべえ!おもしろすぎだろ!!!!
ザクレロ欲しいよなあ・・・
ポゥが好きになったよ GJw
353 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/14(水) 22:49:54 ID:3YxyQrnr
354 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/22(木) 20:09:33 ID:bfQQvN/N
期待age
「プロムなんて、そんなに楽しいもんかね?」
カクリコン・カクーラーは、飲みかけのコーヒーを一気にあおると、一週
間後に控えた、卒業前のプロムの準備に浮かれるクラスメートに、半ば
呆れて尋ねていた。
カフェ「ルーフ」は、帰宅途中の学生達で今日も賑わっている。
「硬派なのは顔だけにしとけよ。ただでさえ女が寄り付かないってのにさ。」
友人のマーテス・ナバは、そう言いながら衣装選びに購入したファッショ
ン誌に目を通している。
レンタルで済ませる学生も多いのだが、軟派で通っているマーテスには
それが許せないのだ。大事なイベントは、自分の思う完璧なスタイルで
キメて行きたいのである。
しかも衣装を買うために、先月からアルバイトを一つ増やしたらしい。
「もっと違う金の使い方もあるだろうに。」
「お前は早くも老成しているんだよ。嘆かわしいね。」
カクリコンは勤勉でも朴念仁というわけでもなかったが、女性関係には
全く興味のない青年であった。だからというわけでもないが、着る服にも
無頓着である。
服を買うくらいなら、機械工学の書籍でも購入して、将来のために勉強
した方が有意義だと感じていた。
卒業後は軍に入隊する予定である。
ジオンの跳梁に対して憤りも感じていたし、モビルスーツパイロットという
職業にも魅力を感じていたが、何より、食いっぱぐれる心配はなさそうだ
というのが、一番の動機であった。
終戦を迎えたものの、まだ情勢は不安定なままだろう。
軍人の忙しさは当分続くと考えていた。
だから、マーテスのような人間とは、おおよそ価値観が違う。
要は現実主義なのだ。
「軍の教官殿に、あっちの世話もしてもらうのかよ。」
マーテスは、気に入った服が載っているページに折り目をつけながら、やれやれといった
感じである。他の友人も同じ感想であるらしく、苦笑いを浮かべていた。
どうも彼は女のイロハを教えたがっているようだったが、カクリコンには余計なお世話であ
った。興味が持てないのだから、仕方がない。
「卒業したら、女にでも食わせてもらうって?」
「ここは地球だぜ?なんとでも生きていけるって。あんまり頭使って、堅く生きてると禿るぞ?」
ミートパイを齧りながら、マーテスの横に座っているマハル・ヤーニーが茶化す。
マハルもマーテスに負けず劣らずの軟派であった。
容姿も悪くなく同じ性格の二人は、大体の行動を共にしている。
ただ、どちらも結構なお人よしなので、女性に弄ばれることも少なくなかった。
その性格のお陰で、周りの男子生徒からは嫌われることはなかったけれども。
だからカクリコンのような人間とも、仲良くやれるわけである。
「その時は、ほら、スキンヘッドってのも、悪くないじゃない」
そうやり返すカクリコンであったが、頭の中では今日の話題に付き合っていても面白くない
なと判断し、自分のコーヒーの代金を置いて帰ろうかと、鞄から財布を取り出した。
「これ、オレの分だから・・・」
「すみません!遅れました!」
カクリコンがそう言ったと同時に、カウンターの方から少しハスキーな女の声が聞こえ
てきて、その声があまりに大きかったので、カクリコンは続ける言葉を飲んでしまった。
どうも遅刻をした店の店員のようである。
年の頃は17、8歳だろうか、あまり学生達と変わらないか、同じの様子で、チーフらしき
男に謝りつつ、すぐさま客の注文を取りにホールへと向かっていった。
顔はよく見えないが、背中まで伸ばしたブロンドの髪が美しい。
見惚れるというわけでもなかったのだが、カクリコンは財布に手を突っ込んだまま、ブロン
ドの店員を目で追ってしまっていた。
目ざといマーテスは、それを見逃さない。
「お前、ああいうのがタイプなの?」
「馬鹿言え、あんなデカい声の女の顔は、どんなもんだろうかと思ってさ。」
「三日前まではいなかったけど、新人かな。」
カクリコン達は一週間に三回程、ここを利用している。
仲間内の家から丁度中間地点に位置していることもあり、尚且つ遅くまで営業しているの
で、学校帰りだけでなく、昼夜問わず待ち合わせにも便利なのだ。
火曜日に来た時までは、見かけない顔だった。
「オレ達と一緒くらいだろうけど、他校生かな。でも、オレが見落としてる女なんているわけ
ないんだがなあ。」
マーテスは腕組みをして考え込んでいる。
自分の高校は元より、近隣の高校に在籍している女生徒は、おおよそチェックしているつ
もりだ。
マーテスには、男の顔は忘れても、女の顔は絶対に忘れないという特技がある。
しかしそれは、歴史の授業では発揮されない。
「お前の目って、女を追いかけないと済まない病気なのか。」
「知らずに通り過ぎる悲劇っての、オレは小学校の時に経験してるからな。」
「・・・・。」
カクリコン青春物語ktkr
hosyu
|ω・`)ジー
期待の新作キタコレ
wwww
/ \
/ (●) (●)\
| ∵ ○ ∵ | 頼む無かったことにしてくれ
| (__人__) |
\ `⌒´ /
/ \
戦場の危険な情事
ランバラル&ハモン
保守
リクエスト求む
366 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/14(月) 20:36:30 ID:dd+PisES
367 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/14(月) 21:08:31 ID:PuFYLbLY
368 :
フラナガン:2007/05/17(木) 14:27:51 ID:???
「…つまりチャクラの解放を行うことでニュータイプの力を行使でき、本来見えないものを見たり感じ取ることが出来るのです、 そこっ! 見える私にも敵が見えます!」
引っ込みがつかなくなった私はキシリア様に自分でもワケのわからない話を続けていた。
「ふむ、どうやらホンモノのサイコのようだな」
いぶかしげに私の話を聞いていた彼女はそう言い、目を逸らし何かを考えているのか顔を両手で抑えうつむいた。
かなり不本意な誤解であるが彼女の苛烈な性格は有名だ、いまさら騙そうとしていたなどと言える筈もない。
仕方なく狂人のふりを続けているとうつむいた彼女が何か呟き続けているのに気づいた。
「くすんくすん…怖いよう…おにいちゃん…」
…幻聴が聴こえた。
369 :
フラナガン:2007/05/17(木) 14:45:10 ID:???
「…怖いよう…おにいちゃん…あぶない人だよう…キシリアがこんなに怖い思いしてるのにどうしておにいちゃんはそばに居ないのかな…」
「…悪い娘だよね私、大好きなおにいちゃんに心配して欲しくてこんなあぶない人を近くに置くなんて…くすんくすん、もっと素直にお兄ちゃんのこと大好きだって言えたらこんな怖い思いしなくていいのに…おにいちゃん大好き♥」
「ほら、見えます、刻が見えます…人はいつか時間さえ支配することが出来るのです!」
私は幻聴を打ち消すため、さらに狂人のふりを続けた。
370 :
フラナガン:2007/05/17(木) 14:49:09 ID:???
「シャア、早速、ニュータイプ研究に予算をつけよう、貴様が指揮を取れ、必要なものがあれば手配させよう」
キシリア様は毅然とした態度であれから再び呼び寄せたシャアに言った。
その姿からは、あれは幻聴であったとしか思えない。
シャアは何故、自分の提案が認められたのか理解できないようだったがとりあえず私のニュータイプ研究は認められた。
人類は、あらたな一歩を踏み出すのだ…
Fin
一応フラナガンは報われた……といっていいのだろうか?
昔の人がちょくちょく帰ってきたりするから
このスレは落とさないようにしないとな
375 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/02(月) 00:08:13 ID:VcLhIh7q
age
保守
377 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/24(火) 20:57:52 ID:9IlA2ty3
378 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/10(金) 20:43:36 ID:Db3fJvhV
379 :
通常の名無しさんの3倍:
age