歴代主人公が兄弟だったらpart10

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1通常の名無しさんの3倍
シーブック「ココは、」
ウッソ 「アムロ以下13名の兄弟(映像化作品限定)の、」
シロー 「家、職場、学校、外等での生活を書いてみるネタスレです。」
ジュドー 「以上、影の薄い人達からでした。」
ウッソ・シーブック 「シロー兄さんと一緒にするな!」
シロー「おまえらは周りが濃いだけだろ!」
ドモン「このスレのルールを説明する。
    1 年齢はある程度無視OK、
    2 原作にある程度乗っ取ったキャラ設定、他の作品を崩さない作品推奨
     (ただしあくまでも推奨。これに反すると思った作品も叩いてはイケナイ!)
    3 自分がウザイと感じた作品とそれを煽った奴は無視
    4 作品叩き禁止、公序良俗に反するような事は禁止、職人叩きは特に厳禁
    5 議論は、議論スレで。このスレで議論はしない
  守らない奴はゴットフィンガーが待っているぞ。」
キラ「<検閲により削除>」
アル「え?キラ兄ちゃんどうしたの?」
アムロ「ああそうだ。キラの代りに説明しよう。板変更に伴って、放映終了から一年後までSEED関連ネタはこの板では禁止と
なっている。しかしSEEDキャラメインのネタもシャア専用@アクシズの方にある議論スレではOKだ。どんどん出してくれ。」
ヒイロ「…議論スレはhttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1049403320&ls=50だ。」
キラ「<検閲により削除>(アムロ兄さんとヒイロありがとうと言ってるらしい)」
カミーユ「過去スレの倉庫はhttp://ybuewrei.at.infoseek.co.jp/brotherindex.htmlだ
    過去の雰囲気を掴みたい時は、ここを見ていくことをおすすめしますね。」
ガロード「参考までに、今までに出たネタでの各キャラの設定等については>>2-10辺りにあるぜ。」
ロラン「別にこの設定を絶対に守ってくださいという訳じゃありません。でも読み手の方が入りやすくなるかとは思います。」
コウ「後、職人さんにお願いです。自分で続けるネタについては終りに「続く」と書いてください。
   続くと書かれてる作品は他の方は書くのを自粛推奨。書かれていないものは自由にリレーしてください。」
アル(コウ兄ちゃん、目立とうと長台詞取ったな…)
2あぼーん:あぼーん
あぼーん
3通常の名無しさんの3倍:03/09/26 00:10 ID:???
関連リンク先
【避難所】歴代主人公が兄弟だったら【議論所】
 (長引きそうな議論、ルール改正、愚痴、また声優ネタや
 放映終了から一年後まではSEEDキャラ中心のネタはこちらで)
 http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1049403320&ls=50

過去スレの倉庫(ミラー係さんが作成してくれています。dat落ちしたスレはこちらに)
 http://ybuewrei.at.infoseek.co.jp/brotherindex.html

歴代キャラ達のキャラ表(参考用にどうぞ)
 ttp://www.gundam.channel.or.jp/goods/videogame/ggeneneo/chara/home.html

 前スレ
歴代主人公が兄弟だったらpart8【ブラザー】(実際はpart9)
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1055909816/
歴代主人公が兄弟だったらpart7【ブラザー】(実際はpart8)
 http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1048336109/
歴代主人公が兄弟だったらpart7【ブラザー】
 http://comic.2ch.net/test/read.cgi/shar/1045005549/
歴代主人公が兄弟だったらpart6【ブラザー】
 http://comic.2ch.net/shar/kako/1043/10430/1043077156.html
歴代主人公が兄弟だったらpart5【ブラザー】
 http://comic.2ch.net/shar/kako/1042/10425/1042536705.html
歴代主人公が兄弟だったらpart3【ブラザー】(実際はpart4)
 http://comic.2ch.net/shar/kako/1042/10424/1042438188.html
歴代主人公が兄弟だったらpart3【ブラザー】
 http://comic.2ch.net/shar/kako/1042/10422/1042299487.html
歴代主人公が兄弟だったらpart2【ブラザー】
 http://comic.2ch.net/shar/kako/1042/10420/1042015848.html
【ブラザー】歴代主人公が兄弟だったら【ブラザー】
 http://comic.2ch.net/shar/kako/1041/10413/1041386950.html
4通常の名無しさんの3倍:03/09/26 00:12 ID:???
長男アムロ・レイ(29)
一家の大黒柱にして纏め役。個性の強い弟達を相手に四苦八苦している。
ハロの製作者で、現在は株式会社ラーカイラムの幹部。
次男シロー・アマダ(24)
まじめで基本的に善良な次男。だが、たまに暴走するのが玉に瑕。
町の平和を守る使命に燃える刑事。でも彼女のアイナにはそれ以上に萌えている。
三男ドモン・カッシュ(20)
無骨で不器用な三男。武術オタクでやや協調性に欠けるのが欠点。
一般常識に著しく欠けている
四男コウ・ウラキ(19)
お坊ちゃん気質の強い、無邪気な性格。まだまだガキっぽいところあり。
大学でラグビー部に所属。
五男カミーユ・ビダン(17)
名前にコンプレックスを持っていて粘着質。なぜか女にもてる。バイト先はハンバーガー屋。
男の証明と称して、空手、小型飛行機(ホモアビス)、プチモビなど男くさい趣味多数。
六男シーブック・アノー(17)
性格は割とまとも。しかしそれが仇になって目立たない。
ガールフレンドのセシリーの実家のパン屋でバイト中。口癖はなんとー
七男ロラン・セアック(17)
一家の主夫。いい意味で優等生タイプ。女装は趣味ではない。(本人談)
本人の預かり知らぬ所でかなり有名らしい
八男キラ・ヤマト(16)
優等生。しかし裏では盗撮画像の販売もやっていた。(現在は足を洗っている)
彼女のラクスや友人のアスランと平和にやっていたいのだが、その願いはなかなかかなわない。かなり哀れな役回り。
5通常の名無しさんの3倍:03/09/26 00:13 ID:???
九男ヒイロ・ユイ(15)
無口でなにを考えているかいまいちわからない。
何も考えていないのかもしれないが。彼女はリリーナ
十男ガロード・ラン(15)
行動力にあふれた、脳天気な奴。どちらかというとかき回すタイプ。
彼女はティファ
十一男ジュドー・アーシタ(14)
おおらかで一家のムードメーカー的存在。結構周囲に気が回るマメな性格。
だが、かなりお茶目な餓鬼大将的性格ではある。彼女はルー・ルカのはずだが、ハマーンやプル&プルツーにも狙われてる?
十二男ウッソ・エヴィン(13)
こいつも優等生タイプ。周囲におもちゃにされて、引っ張り回される役割。
でも裏では盗撮行為をしている。シャクティと仲が良いが、お姉様方も大好き。
十三男アルフレッド・イズルハ(11)
末弟。人なつっこく、一家の中ではマスコット的存在。
クリスやバーニィといった大人たちと仲良し。

ゲストキャラ:
宇宙世紀作品、平成三部作、∀、SEEDなど全作品から、シャア、ブライト、ギンガナム、ディアナ様、東方不敗、鉄仮面、
シーマ、バニング、キース・レジェ、バーニィ、クリス、ゼクス、グエン、ウォン・リー、フレイ、アスランなど、
主役級から脇役中の脇役まで登場しました。
6通常の名無しさんの3倍:03/09/26 00:17 ID:???
家内でのそれぞれの部屋の状況
ジュドー+ガロード(2F)(荒れまくり、ヤヴァい)
キラ+ウッソ(3F)   (PC器具で埋め尽くされている。位置は計算し尽くされている)
シーブック+シロー(1F)  (まぁまぁ綺麗。セシリーとアイナの写真が所々)
コウ、アル(2F)    (特筆する点はない)
ドモン、ヒイロ(1F)  (銃器にダンベルなどがずらりと揃っている。)
カミーユ、ロラン(2F) (埃一つ落ちていない。写真はフォウとディアナ)
アムロ(1F)      (PC機器で埋め尽くされている(文字通りの意味で)
台所、居間、風呂等は1階、地階に。
2回に少し広い庭がある
ジュドーは庭に離れを勝手に建設。
ヒイロは地下に個室を勝手に作成。

なお皆の通う学園は中高一貫校で、授業は大学のような単位制、学年はない。
一応担任はいるが授業は各個人で自由に選択できる
(年齢が違うキャラを一緒に出せるようにとの一案。参考程度に。)
7通常の名無しさんの3倍:03/09/26 00:35 ID:???
うんこうんこうんこうんこうんこうんこうんこうんこうんこうんこうんこうんこうんこうんこうんこ
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8通常の名無しさんの3倍:03/09/26 00:47 ID:???
>>1
スレたて乙。
9通常の名無しさんの3倍:03/09/26 00:51 ID:???
ここでそのネタをやろうが新スレを立てようが俺の知ったこっちゃないが
>>1お前の発言は激しくむかついた。
もう一度言ったら兄弟スレが三瓶のAAで沈むと思え。
10通常の名無しさんの3倍:03/09/26 01:15 ID:???
前スレの作品ですが書き込めなくなったのでこちらへ。
フットボール狂騒曲乙です。
サブタイトルがいろんな所から来ていて何気に笑える。
アル専用ガンダム試作機>バーニィの落ちにワロタW
11あぼーん:あぼーん
あぼーん
12通常の名無しさんの3倍:03/09/26 01:50 ID:???
>>1
乙w
フットボールさんのはいつもたのしみにしてます!
13あぼーん:あぼーん
あぼーん
14通常の名無しさんの3倍:03/09/27 10:06 ID:???
スレが立ってから3日以内(?)にレス数が30以上ないとdat落ちしたような。。。
15通常の名無しさんの3倍:03/09/27 10:40 ID:???
へぇ〜
16変化?!鉄仮面 1:03/09/27 12:29 ID:???
始まりはいつも通りの平穏な休日の朝だった。
朝からセシリーの家のパン屋のバイトを入れていたシーブックは、
休日出勤のアムロやいつも通り朝食をたかりに来るギンガナムとご飯をかき込み、
愛用の自転車でダウンタウンへ向かった。

シーブック「おはようございます、ザビーネさん」
白い小麦粉がまだら模様になった黒いエプロンがトレードマークのザビーネはいつも通り先に来ている。
ザビーネ「…あぁ? うむ、おはよう」
いつも精悍なザビーネが、今朝は憔悴した表情をしていた。
シーブック(オ○ニーのやりすぎかな?)
無気力なザビーネを見て不謹慎にもこんなことを考えていると、
ザビーネ「シーブック、君はリーダーとはどういう存在であるべきだと思うかね?
      親しまれる存在か?畏敬される存在か?どうだ?」
こんなことを聞いてきた。

(つづく)
17通常の名無しさんの3倍:03/09/27 18:23 ID:???
念のため保守
18通常の名無しさんの3倍:03/09/27 18:25 ID:H/ik7hV9
ageて保守した方がよくね?
19通常の名無しさんの3倍:03/09/28 00:53 ID:???
即死は容量もなかったっけ?
20通常の名無しさんの3倍:03/09/28 01:23 ID:???
容量でいいんなら>7とか>11のうんこ連呼でかなり稼げてそうだな(w
21通常の各無しさんの3倍:03/09/28 01:43 ID:???
そんなの嫌だ。>うんこ
でもネタが無いんだよ!見るだけの人生だったから!
このネタは前スレからの続きです。

 30近い男の哀しくまるまった背中を見せられては、さすがのジュドーやガロードもビデオ
を返すほかないと思った。もとより他人の傷口に塩を塗りこむような真似はしない二人である。
『罪と罰(以下略)』を受け取ったハヤトはそそくさと帰ろうとする。それ以外にはすることも
なければできることもないだろう。
ハヤト「じゃ、じゃあな。みんな、決勝戦も頑張ってくれよ」
アムロ「ああ、手伝ってくれて助かったよ、ハヤト。……今度、飯でもおごらせてくれ」
おごらずにはいられない何かがお前の背中にあったから、とまではもちろんアムロも言わない。
同じことが自分の身に起こったら、長年の付き合いであるくせっ毛もロランのようにサラサラの
直毛&きしめんになってしまうほどのショックだろうと思えるアムロだった。
フラン「えーと、それじゃあ、そろそろ私の用件にうつらせてもらってもいいかしら」
 ハヤトの退室後、サッカー大会の話題に戻そうとするフランの提案に、一同も気を取り直して
応じることにした。アムロがチームを代表してフランの質問に答える形で取材は進む。
フラン「逆転して勝てた理由はチームワークということですね」
アムロ「まあ、そういうことかな。みんなよく頑張ってくれたし」
というアムロの答えに、周囲の兄弟から無難だな、当たり障りないしね、といった声があがる。
さっきから何か答えるたびにずっとこの調子だ。アムロはやりづらさに苦笑するしかない。
フラン「それで、もう一方の準決勝は4−0で<ラインフォード・ユナイテッドFC>、グエン卿
    のチームが勝ったわけですけど……」
 フランがそこまで言ったところでロッカールームにざわめきが満ちた。<FCギム・ギンガナム>
の面々は、先ほどのごたごたのせいでまだもうひとつの試合の結果を知らされていなかったのだ。
アムロ「勝ってくるだろうとは思っていたけど……4−0とはね」
シーブック「なんとぉ、準決勝まで圧勝かよ」
コウ「とんでもない強さだな……」
 さすがに驚きや戸惑いを隠せない兄弟たち。しかし、一回戦終了後のように気圧されていても
始まらない。
ギム「ふん、だからなんだというのである。小生たちとて3−1で勝ったわ」
ドモン「ああ、そうだ。これからはそういう気持ちが大事になるぞ」
強気なギンガナムの言葉に、勝負を知るドモンが同調する。頼もしい二人の姿が沈みかけた部屋の
空気を跳ね返す反発力を兄弟たちに与えた。みな口々にやる気を口にしだす。
ガロード「へへ、逆に俺たちの力を思い知らせてやろうぜ!」
ソシエ「そうよ。コテンパンのギタギタのメタメタのズタボロのグシャングシャンにしてやるんだから」
ロラン「お嬢さん、相手はどういう状態になっちゃうんですか、それ」
ソシエ「ロラン、あんたは闘争心が足りないのよ。僕に任せてくださいぐらい言いなさいよね」
ウッソ「なら僕に任せてくださいよ! 必ず期待にこたえて見せますから」
 試合後の興奮も蘇って、湧き上がる熱気がロッカールームを包む。それじゃあ自信ありということ
でいいですよね、と訊くフランに、アムロも胸を張って答えた。
アムロ「ええ。充分に勝てると思っていますよ」
実際に勝てるかどうかなどはこの際二の次だ。決勝を控えてこう言えないようでは、もはやその
時点で勝負ありなのだろう。チームメイトの熱を感じながら、アムロはそう思っていた。

続く 
23通常の名無しさんの3倍:03/09/28 16:11 ID:???
保守
24通常の3倍の名無しさん:03/09/28 21:34 ID:???
えと・・・Part10なのでは
25通常の名無しさんの3倍:03/09/28 22:30 ID:???
>>24
从リ ゚д゚ノリ ハァ?
26通常の名無しさんの3倍:03/09/29 02:33 ID:???
>>14
>>19
>スレが立ってから3日以内(?)にレス数が30以上ないとdat落ち
>即死は容量もなかったっけ?

それ、今の2ch全般的にかかってる設定なのかな?
少なくとも昨日、今日から急にそうゆう設定に全板なったのなら
アレだけど・・・旧シャア板じゃ即死設定なんか無かったけどね。
今、ここはどちらかというと過疎板になってきてるから
そんな設定あったら逆に糞スレがどんどんdat落ちしてくれて有り難いけど

つうか、14はどこの板の住人なの?まさか漫画サロン住人じゃ・・・
27通常の名無しさんの3倍:03/09/29 04:12 ID:???
漫画サロンに限らずあちこちに即死判定有りの板あるよ。
旧シャアは即死判定ないんならそれはそれでいいじゃない。
 いっぽうその頃、フロスト兄弟は<ASジャムル・フィン>のロッカールームから出て、帰宅の途に
つく所であった。試合に敗れた後、二人は他のメンバーとはろくに会話もせず目もあわせず、さっさ
と2試合分の出場給である10万円を受け取る。しかし、それが双方にとって最もよい別れ方なので
あろう。
オルバ「優勝すれば賞金の20万円分をいただけるとこだったのにね、兄さん」
 出場給15万円にその20万円を加えて、合わせて35万円を得ることがフロスト兄弟の目的だった。
だが今手元にあるのは、その3分の1にも満たない。
シャギア「これでは先月分の家賃しか払えん。先月の分を払うことで今月の分を待ってもらうしかないな」
オルバ「切ないね、兄さん」
優秀な人間であるはずの自分たちがアパートの家賃さえ満足に払えない。オルバは溜め息をつくのを
とめられなかった。
シャギア「嘆くな、オルバよ。我々はいずれ何らかの方法で身を立て、名を成し、我らを追い出した
     ニュータイプ研究所の連中を見返してやるのだ。必ずできる。我らこそ真のニュータイプ
     なのだからな」
オルバ「わかっているさ、兄さん。そのためにもまずは食費と光熱費を切り詰めなくてはね」
 弟の言葉にシャギアは頷き、二人は共に歩き出した。いつか世の中を見返してやるために。
 そんなフロスト兄弟の会話を偶然に聞いていた者がいる。ガンダム兄弟の切り盛り役、ロランだ。
ロランはトイレに行こうとした拍子にフロスト兄弟を発見。つい盗み聞いてしまったのである。
ロラン「なんだか他人事とは思えない……」
フロスト兄弟からは死角になっている廊下の曲がり角の先でロランは呟いた。これまでフロスト兄弟
が試合で見せた審判を欺くプレイに対してひそかに憤りを感じていたロランだったが、切り詰め、と
いう自分の身になじみきった単語が彼らの口から漏れたとたん、怒りなど萎えてしまった。
 人それぞれに色んな事情があるんだな。そんな思いをしみじみ噛み締めるロラン17歳。

 ジャムルの3Dのリーダー、ダニーは敗因について考えていた。チーム。ひとつの単語が、ダニーの
頭から離れない。団結力の差が出たか。ダニーは心中に呟く。他のどの要素よりもそこで負けていた。

 サッカーは接戦になればなるほど、チームの団結力がものをいうようになる。これは単にチームワーク
の大切さを説くために作られた訓辞ではない。歴史に刻まれてきた事実である。かつて西ドイツという
国が最強を誇った。西ドイツと同じ技術や体力をもつ他国が無かったわけではない。にもかかわらず
西ドイツに勝つということはまず出来なかった。ある著名なサッカー選手はこう言ったものだ。
「サッカーはシンプルなスポーツだ。11対11で戦い、そして最後にはドイツ人が勝つ」
チーム一丸となって勝利へ邁進することにかけては西ドイツに勝る国は存在しなかった。彼らの伝説
は「ゲルマン魂」という単語と共に、旧世紀ではなくなった今にさえ語り継がれている。

 チーム一丸。<ASジャムル・フィン>がフロスト兄弟を加入させたことによって失ったものだ。
相互の不信や疑念が彼らが本当の意味でチームとなることを許さなかった。ダニーは敗北した今、その
ことを思い知らされていた。相手の<FCギム・ギンガナム>に敗れた理由は突き詰めれば戦術でも
なければましてや運の良し悪しでもない。チームであったほうが勝ち、なかったほうが敗れたのだ。
 また、一から出直しだ。ダニーは一番の仲間であるデルとデューンに目をやりながら、そう思った。
 ソシエとリリーナを送って、兄弟たちが家の前についた頃にはもう10時を回っていた。しかし
なぜか誰もいないはずの家に明かりがついている。
ロラン「あれ、電気消し忘れたかな。ん、なんだかいい匂いが……」
誰かが食事を作っているのか、食べ物のいい匂いが漂ってくる。それもどうやら兄弟の家からの
ようだ。
ドモン「泥棒が盗みに入ったらメシ作っているわけないぞ……それにしてもすきっ腹にこの匂いは
    きくな」
アムロ「一体どうなっているんだ?」
ギム「もし間抜けな不届き者だとしたら、小生が手打ちにしてくれるわ」
 釈然としない気分で自分たちの家の前に立つ兄弟たち。アムロは自分の家にも関わらず、なんとなく
インターフォンを押してしまった。と、家の中から声がして、誰かが玄関のほうに出てきたようだ。
「お帰りなさい。今、カギを開けますね」
キラ「お、女の人の声がした。今の声……どっかで聞いたことがある……?」
 戸惑う兄弟たちの前でからからと音を立てて引き戸が開く。そして姿を見せたその女性は、
ジュドー「ア、アイナさん!? どういうことよ、これ?」
扉が開いたと同時に姿を見せたその女性はシローの彼女、アイナだった。兄弟たちは全員驚きに目を
見開く。そんな兄弟たちにアイナは少し早口で説明しだした。
アイナ「シローから電話があったんです。夜勤の自分に変わって兄弟の皆さんを迎えてやってくれない
    かって。それで鍵を受け取ってあがらせていただいたんです」
アムロ「ああ、そういうことでしたか。それにしてもシローの奴……そんなこと頼むなんて、まったく」
アイナ「いえ、気にしないでください。私、嬉しかったんです。こんなことなかなか任せてもらえる
    ものでもないでしょうし」
ロラン「じゃあ、この匂いもアイナさんが料理を作っていたからなんですか?」
アイナ「はい。皆さんおなかをすかして帰っていらっしゃるだろうと思いまして。キッチン、勝手に
    使わせてもらってしまいました」
エプロン姿で微笑むアイナに、ロランは慌てて気にしないでくださいと答えた。いまだ玄関で固まっ
ている兄弟たちをアイナがリビングへと招く。自分の家だというのに、兄弟たちはまるで客のように
アイナの後にぞろぞろと続いた。
コウ「いや、なんかドキドキするなあ。自分の家じゃないみたいだ」
 そう言いながらリビングに入ると、目の前には数々の豪勢な手料理が並んでいる。試合の後で当然
すきっ腹を抱えている兄弟たちにはもうたまらない。アルがテーブルに駆け寄る。
アル「すごいや! もう僕おなかぺこぺこでさぁ……」
他の兄弟もアイナの心遣いに感無量だ。湯気をあげる手料理。胸にジンとくる光景である。
ウッソ「アイナさんの手料理が食べられるなんて、僕、僕、サッカーやってきて良かったですよ」
カミーユ「アイナさん……なんだろう、フォウやファとは違った温かさを感じる……」
こんなときも相変わらずのウッソとカミーユに、ドモンは憮然として椅子に座りこむ。
ドモン「まったくお前ら……兄貴の彼女なんだぞ。アイナさん、とりあえずご飯」
アムロ「お前の態度が一番問題だろうが!」
アムロのスリッパ突っ込みがスパンとドモンの頭に炸裂した。
 ドモンがどつかれたところで全員がテーブルに着き、食事が始まった。味のほうも文句のつけようが
ないほど素晴らしい。多少まずくたって気にならないほどに腹の減っていた兄弟たちはガツガツと料理
を平らげていく。みんな食べることに忙しく、会話などまったくない。結局瞬く間に全ての料理が兄弟
とギンガナム、シッキネンの腹におさまってしまった。
 ちょうど料理を食べつくしたところにアイナがお茶を注いで現れた。自分の前に置いていかれる
湯飲みを前に、もはや兄弟たちには感謝の言葉もない。さすがのギンガナムも、
ギム「ご婦人、このギム・ギンガナム、お心遣い痛み入ること至極である」
と丁寧に礼を言うほどだ。隣のシッキネンも、御大将についてきて良かったと心から実感する。
 そんなふうに準決勝の疲れをアイナによって癒された兄弟たちは、食事が終わるとすぐさまベッド
に直行して眠りについてしまった。ギンガナムとシッキネンも満足してどこぞへ帰っていく。
 アイナは夜勤明けのシローが帰ってくるまで、兄弟家のリビングで読書でもして待つことにした。

続く


補足です。

>>28で偉そうに書いてしまいましたが、西ドイツ代表のことは後にビデオや雑誌で知りました。
世代的に西ドイツが存在した時代にはまるっきり子供だったもので。幼稚園から小学低。
当然、書いた内容は色んな読み物などからの受け売りです。
著名なサッカー選手はリネカーです。元イングランド代表、86年WCの得点王。スペインの
FCバルセロナでプレイしていたことがあったと思います。晩年、日本にも来ました。もう
まともにプレイできなかったようですけど。
上記のサッカーに関する内容に間違いがあったら申し訳ありません。

そしてなにより、ロナ○ドみたいに有名選手の名前を○つきでネタに使っているくせに、
『罪と罰』やサッカー西ドイツ代表は旧世紀という過去のものとして扱っているという矛盾
がネタのなかにあるんですが、大目に見てくだされば幸いです。
31通常の名無しさんの3倍:03/09/29 06:27 ID:???
>>28-30
乙です!
タイトルも「早速」という感じですね。
でも、「兄弟家のヒロイン」とかいうからドロシーが出てくるのかと思ってしまったので、アイナは
ちょっと嬉しい不意打ちです。

32通常の名無しさんの3倍:03/09/29 07:13 ID:???
部屋のわりふり
1F
┌───┬──┬──┬─────┬──┐- - - - - - - - - - - - -  
│ 風   │WC.      │          │台所│                  │  
│ 呂   ├──┤    │          |___.... │   ウッソの畑       
│     脱衣室.       リビング.       │                  |
├┬┬┬┼┬┬┘          &       .│                
│┼┼┼┼┼┼┐    │     ダイニング.  │- - - - - - - - - - - - ┘ 
├┴┴┴┴┴┴┤    └────    ─┬┘ 
│ シーブック                     玄関
│    &      ├───  ┬─  ───┴┐ 
│シローの部屋 │.アムロ ..│.   ドモン   ..│   
│            │ の部屋 │     &     │   
└──────┤        │   ヒイロ.   │  
              └────┤            │  △ ドモンのテントとか
                        └──────┘
2F
┌──────┬─┬─────┬───┐
│ カミーユ&   │  │       .│      │
│. ロランの . │  │          │      │
│   部屋         │.ガロード&..│      │
│._ _ _ _ _ _ _ _ _. |    ジュドーの │ . ベ .│
│┬┬┬┬┬┬┘  │ 部屋    . . ラ  │
├┼┼┼┼┼┼    ├─────┤ . ン   |
│┼┼┼┼┼┼┐             . ダ  │
├┴┴┴┴┴┴┤  │   コウ&   |      │
│ 洗面台等       │   アルの . |      │
│            │  │    部屋  │      │
└──────┴─┴─────┴───┘
33通常の名無しさんの3倍:03/09/29 07:13 ID:???
3F
┌─────────────┐
│                          │
│     ベランダ・・?        │
│                          │
├─────┬  ┬─────┤
│┬┬┬┬┬┘  │          │
├┴┴┴┴┴┐   . キラ&   │
│  納戸        │  ウッソの .│
│          │  │   部屋   │
└─────┴─┴─────┘
34通常の名無しさんの3倍:03/09/29 08:30 ID:???
>>32-33
間取り図はこれでいいんですよね?
2階にある庭とジュドーの離れとヒイロの地下室はどんな感じですか?

家の外観も気になりますが・・・例えばこんな?
    ___
    |.日.日.|――i_
  __i――――――:i
  |.日.日.|・.|.□□.[] |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
35通常の名無しさんの3倍:03/09/29 16:25 ID:???
ちょっと行き過ぎのような・・・
正直引いた。
SSだけ掲載されてればいい
36通常の名無しさんの3倍:03/09/29 19:18 ID:???
>>35
何に?
37通常の名無しさんの3倍:03/09/29 19:31 ID:???
間取り図は前からテンプレに載ってるよね
38通常の名無しさんの3倍:03/09/29 19:44 ID:???
まあ、家の間取りとかはネタごとに自由でいいだろ。
39通常の名無しさんの3倍:03/09/29 20:06 ID:???
最近、このスレの空気読めてない人がちらほら書き込んでるけど
その理由はガイドラインでこのスレが紹介されて他板から人が来たからだろうと推測

http://that.2ch.net/test/read.cgi/gline/1064130342/41

↑このスレも最初は2chのSSスレッドのガイドラインになりえたかもしれなかったが
途中からマロンの雑談場になって、それに嫌気が刺した他板の住人達からマロン板住人が
大バッシングを受けてしまったという情けない話になってる。

新参な人は、このスレで分からない事があるんだったら素直に聞いた方が
スレッドをより楽しめると思いますが>>35
今更になって部屋の間取り図をどうとか、言う方が逆に目立つよ。
このスレは住人も多くないし、引掻き回そうとしても誰もムキになって相手をしてくれないしね。
40通常の名無しさんの3倍:03/09/30 01:26 ID:???
41通常の名無しさんの3倍:03/09/30 01:32 ID:RFWYSz/r
住所は目黒の第1種低層住居専用地域の住宅街です
地球連邦の官僚を多数輩出している大学…それが、連邦政府立ジャブロー大学である。
ジャブロー大学の入試は毎年熾烈を極める。
地球中・宇宙中の天才、秀才が将来のエリート目指してジャブロー大学を受験する。
ジャブロー大学文科一類の合格者は270名。それに対して、受験者数は38594名。倍率は実に14倍。
ジャブロー大学に子供を送ることが世界中の親の夢でもある。まさしく、受験戦争は家族を巻き込んだ戦いとなる。
そして、五男カミーユ・ビダン、六男シーブック・アノー、七男ロラン・セアックの三人にも大学受験の季節が近づいてきた。

【参考資料】
アナハイム進学ゼミナール調べ・法律系学部・大学入学偏差値

連邦立ジャブロー大学・文科一類     87 
連邦立ニューヤーク大学法学部      84
ティターンズ国防大学校         83
ジオン国立ズム大学法学部        82
サンクキングダム国立ピースクラフト大学 81
私立エゥーゴ義塾大学政治経済学部    80
私立東方不敗帝国大学法学部       78
アムロ「カミーユ、シーブック、ロラン、ちょっと来なさい。」
カミーユ「何?アムロ兄さん。」
アムロ「この前、模試があっただろ、その成績が返ってきたはずだ。見せなさい」
シーブック「…」
ロラン「ふぅ。」
カミーユ「ん…」
アムロ「どうしたんだ?」
ロランはすっと立ち上がり、かばんから成績表を取り出し、アムロに渡した。
アムロ「なるほど。偏差値76で、第一志望のボルジャーノ大学はA判定か。
 我が家はお金がないからできれば連邦立か国立の大学に行って欲しいな。
 もっと頑張れば、ズム大やピースクラフト大も夢じゃないな。」
ロラン「はい。」
アムロ「さて、カミーユ、シーブックも成績表を早く持ってきなさい。」

第一回連邦全土統一模試 氏名:ロラン・セアック 偏差値76 順位8762位

志望大学

1・ボルジャーノ大(私)判定:B
  工学部機械工学科
2・ツィマッド工科大(私)判定:A
  理工学部電子機械工学科
3・ロームフェラ科学大学(私)判定:C
  工学部MSロボット工学科
4・ズム大学(国)判定:E
  工学部MS工学科
カミーユは、とうとう諦め成績表をもってきた。
カミーユ「ちょっと、この日は頭が痛かったんだ。」
アムロ「!」
アムロは、怒りでぴくぴく震えている。
アムロ「偏差値41。志望大学は全てE判定じゃないか!甘ったれるな!
お前は、これからどうやって生きていくつもりなんだ。
いつまでも、俺やシローに頼って生きていけると思っているのか!
女と遊んでばかりいないで少しは勉強しろ!
大体、この成績で第一志望がジャブロー大とは何を考えているんだ!
このままじゃ、グリーンノア短期大学すら危ないんじゃないか!
少しは真面目になれっ!!」
シーブックは、カミーユの成績を見て少し安心したようだ。

第一回連邦全土統一模試 氏名:カミーユ・ビダン 偏差値41 順位719648位

志望大学

1・ジャブロー大(連)判定:E
  文科一類
2・ニューヤーク大(連)判定:E
  法学部
3・エゥーゴ義塾大(私)判定:E
  政治経済学部
4・オデッサ大(国)判定:E
  社会科学部
45 ◆KbSgiZPGxg :03/09/30 02:30 ID:BoQb8Ko/
これから、どうしましょうか?
 一夜明けた兄弟家の朝食は、夜勤を終え帰宅したシローとアイナの愛にあふれていた。もちろん
その愛に包まれているのは当の二人だけであり、周囲との間には越えがたい壁が存在している。
アイナ「はい、シロー。あ〜ん、なんて言ってみたりして」
シロー「やめろよアイナ。みんな見てるって」
といいつつも口を開けてアイナにご飯を食べさせてもらうシロー。周りの兄弟の冷たい視線など
おかまいなしだ。
シロー「やっぱりアイナに食べさせてもらうとおいしいなあ。一味も二味も違うよ」
アイナ「もう、シローったら。ロラン君が作ったんだもの、もとからおいしいのよ」
 イチャつく二人の姿に、バカップルがぁと無言でドモンの怒りが燃える。昨日のあのアイナさん
はどこにいってしまったんですかと泣きそうなウッソの隣では、兄弟一短気なカミーユがもう限界
だと震える。兄弟12人+ギム&シッキネンで総勢14人テーブル返しいくか? とジュドーが全員
を見回すが、ロランが食器が割れちゃいますと目で訴える。決勝に向け、選手同士のアイコンタクト
は完璧だ。
 結局朝食が終わるまでシローとアイナ愛の劇場は続き、他の者たちは朝から多大な精神的消耗を
強いられることとなった。やがて出勤及び登校時刻になり、アイナも自らの職場に向かおうとする。
送ってくよとEz−8を出そうとするシローの背中に、他の兄弟は、狭いコクピットで二人きりか
おめでてーなと皮肉な視線を投げかけるが、アイナが昨日夕食を作ってくれた恩をないがしろには
しない。兄弟たちそれぞれがアイナに、こちらは悪意なしの礼を述べた。
アイナ「いいえ、どういたしまして。皆さん食べっぷりがよくて、作った私も嬉しかったです」
昨夜の女神の笑みを浮かべるアイナ。その隣でシローがうん、うんと頷くが明らかに邪魔だ。兄弟
たちはアイナを笑顔で見送りながら、できればシローがいないときに来てくださいと皆一様に思って
いた。
 朝からそんなことがあったうえに昨日は試合だったため、学校に通っている兄弟たちは共通して
授業を睡眠時間にあてていた。甘い教師なら事情が知れているため見逃してもらえるが、厳しい人
ならそうはいかない。ジュドーなどはハマーンに居眠りを見咎められ、次の授業が始まっても二人
きりの説教タイムに突入するはめになってしまった。ひとりだけこってり絞られたジュドーは昼食
の時間に愚痴をこぼす。
ジュドー「ハマーンのやつ、俺に何のうらみがあるんだよ。マンツーマンでずーっと延々一時間説教
     ってどうなってんのよ。なんか俺、関係ないハマーンの身の上話聞かされたし」
イーノ「相変わらずハマーン先生に愛されてるね、ジュドーは」
ジュドー「愛されてるなんて勘弁してくれよ、イーノ。一方的もいいとこだぜ」
 愚痴の聞き役はイーノ・アッバーブだ。少し気が弱く優しい性格をしており、ジュドーの仲間内
では大抵こういう役まわりになる。ジュドーの一番の友人だということもある。ビーチャやモンド
はジュドーへの対抗意識がやや強いし、ルーとエルは女だ。ジュドーは男女わけ隔てなく接する
ほうだがやはり男同士のようにはいかない。明るく人気者のジュドーとおっとりして控えめなイーノ
は典型的な名コンビだった。
 そこにルーとエルがいつものように他愛もない言い合いをしながら合流し、ビーチャとモンドが
ジュドーがしかられたことをからかいながら加わる。これでジュドー組が勢ぞろい。ビーチャが話題
になっているサッカー大会の新聞記事を叩きつけながらいきなり息巻く。
ビーチャ「ジュドー、地域面から社会面に記事がレベルアップしたからって調子に乗るなよな。お前の
     おかげじゃないんだからよ」
 大会の記事は地域面ではなく社会面に載っていた。これは街の小さなサッカー大会になぜか有名人
が多数参加しているからである。ギンガナム家の当主ギム、ラインフォード家の御曹司グエン、大学
ラグビーの花形であるガトー、そしてボクシング地球圏統一チャンピオンであるチボデー・クロケット。
 特にチボデーは2ヶ月後にタイトルマッチを控えているにも関わらず、サッカーのキーパーなんか
をしているということで、挑戦者がそれこそビーチャの比ではないほどの憤懣(ふんまん)を紙面上に
ぶちまけていた。これには、まあ怒るのも無理ないなとジュドーも思う。
 それから2時間後、日課のロードワークと基礎トレーニングをこなしたドモンもシャワーあがり
に新聞を広げていた。チボデーは、なぜサッカー大会なんかに参加しているのかという記者の質問
にこう答えていた。
「どんな形の勝負だろうとかまわない。俺には倒さなければならない奴がいるからさ」
チボデーがこんな言葉を贈る男が他にいるだろうか。今、寝転がりながら記事を読んでいるドモン
以外に。ドモンはライバルの挑戦状に眉を寄せながら、左手で尻を掻いた。
 チボデーの言葉を受けてドモンは、昨日ハヤトが多大な犠牲と共に渡してくれた試合のビデオを
リビングで再生した。まだ他のチームメイトは誰も見ていない。
 画面に映し出されたマンチェ○ター・ユナイテッドのような真っ赤なユニフォームを着ているのが、
チボデーがGKをやっている<ラインフォード・ユナイテッド>だ。チボデー自身は白いキーパー
シャツとハーフパンツを着ていた。この試合、チボデーは無失点に抑えている。一回戦もだ。チボデー
はまだ一点のゴールも許していない。
 ドモンは途中細かく早送りしながらビデオを見る。試合全体は今日のミーティングで改めて見る
ことになるだろうし、とにかくチボデーのプレイだけが見たいのだ。無失点に抑えたということで
ドモンは<ラインフォード・ユナイテッド>自体の守備力が高いのだと思っていた。しかしそれは
正しい意見とは言い難かった。CBコンビのラカンとシロッコは個々の能力は高いが連携のミスが
何度かあり、失点の危機を招いていた。しかしその度にチボデーが驚異的な反応を見せてチームを
救う。
 何度かチボデーのプレイを見たところでドモンはビデオを停めた。全て見る必要はない。チボデー
の実力は充分にわかった。体が震えている。自分と同じく素質だけだろうが、やはり物凄い。
 考えてみればボクシングというものは反射神経はもちろん、フットワークがものをいう。当たり前
だがパンチを当てるのもかわすのも足の運びあってこそだ。格闘技とはいかに自分に有利な間合い
で戦うかが重要であるが、ボクシングは攻撃方法はパンチのみ、攻撃範囲は相手の上半身のみという
極めて限られた条件のもとで戦う。そのため他のどんな格闘技より細かく繊細な間合いの奪い合いが
行われるのだ。チボデーはそのボクシングで頂点に立った男。ことフットワークに関してはドモン
たちシャッフル同盟でも及ぶものはいない。チボデーは自分の最大の武器をこの短期間で見事に
サッカーに応用していた。もちろん他の要素、集中力や勘といったことに関してもチボデーに死角
はない。優勝に向けとんでもない強敵が立ちふさがっている。
ドモン「チボデー……こいつから、点を取れるのか……」
 ここまでドモンも数々の好セーブでチームを救ってきた。その自負はある。しかし二試合とも失点
していることもまた事実。ドモンの胸に敗北の恐怖が湧き上がる。跳ね返せ。そうドモンは念じるが
ますます恐怖は広がっていく。鍛錬を怠ったのか。兄弟との平和な日々は自分の精神から戦う牙を
抜き去ってしまったのか。震えながらドモンは自らを叱咤するがどうしようもない。
 家にはドモンひとりきりだ。他に誰もいない。ロランは買い物にいっている。そのことを頭のうち
で確認すると、ドモンは電話にすがりより、レインの番号を押した。なにか考えがあるわけではない。
ドモンはただ、レインの声が聞きたかった。

続く 

チボデーがスーパーなキーパーである理由はいつもどおり強引です。あいつ、パンチ
パンチまたパンチって感じだったような記憶があるしなあ。Gガンはわかりやすさが肝だし。
 ドモンからの電話を受けたレインはできる限りすぐに来てくれた。いったいどうしたの、と訊く
レインの声に、ドモンは心底ほっとするものを感じた。
 と、そこにタイミング悪くロランが買い物から帰ってきた。ここでは話せない。ドモンはレインに
挨拶するロランにすこし歩いてくるといった。
ドモン「すこしレインと外出する。夕方の練習にはきちんと出るから心配するな」
ロラン「はい。わかりました」
さわやかな笑顔のロランに送り出され、ドモンとレインは兄弟家を出た。
 やや歩き、街のある公園のベンチに腰を下ろしたドモンとレイン。ドモンはレインに対して飾らず
正直に自らの不安を打ち明けた。
ドモン「レイン……それで、それで俺はお前にただ会いたくて……」
レイン「ドモン……」
二人の手がそっと触れ合うかという瞬間、いきなりの大音声が静かな公園の空気を割った。
「だからぁお前はぁアホなのだぁああああ!」
 響く絶叫。この声を聞き間違える二人ではない。慌てて周囲を見回すと、いた。やや離れた木の
頂点に常人ならざる雰囲気を纏ったあの人が。
ドモン「し、ししょおぉ」
東方不敗「答えよ、ドモン! 流派東方不敗は!」
ドモン「王者の風よ! はぁあ!」
反射的に応じたドモンに衝撃が走る。がっくりと膝をつき地面に崩れるドモン。師はさらに畳み掛ける。
東方不敗「王者たるものが恐怖におののくとは何事かぁ! そしてぇ、貴様の手に浮かびあがるその
      紋章はなんだぁ!」
ドモン「キ、キングオブハートォ」
東方不敗「今一度重ねて言うぞ! ドモン! 王たるものが戦いを恐れるとは貴様ぁ」
そこまで叫び東方不敗は天に飛翔し、さらに飛びながら叫ぶ。
東方不敗「その性根、叩き直してくれるわぁ!」
二人の目の前に着地した東方不敗マスターアジアのその左右にはいつのまにか、どこから持ってきた
のか、東方不敗と同じ大きさの二つのズタ袋が鎮座している。師がそれを手刀で切り裂くと、中から
大量の小石が流れ出た。
東方不敗「立てぃ、ドモン! 今一度、己を鍛え上げるのだ!」
ドモン「は、はい! 師匠! お願いいたします!」
 師の呼びかけにドモンはさっと立ちあがり、構えをとる。目に格闘家のギラりとした輝きが蘇って
いた。東方不敗は頷くと、左右の山から小石を両の手に握った。
レイン「こ、こんな街中の公園でいったい何を始める気なの?」
東方不敗「これからわしがおまえに投げる石、その全てを受け止めてみせよ! さすればドモン!
      貴様は万夫不当にして天下無双のゴールキーパーよ!」
ドモン「は! 必ずや成し遂げてみせます!」
街の一角にある何のへんてつもない公園。そこに今、熱き師弟の風が吹く。

続く 
50通常の名無しさんの3倍:03/09/30 07:55 ID:???
ふと思ったんだが、フットボール書いてる人って、
一日のほとんどこのスレの事ばっか考えてるんかなぁ?
51通常の名無しさんの3倍:03/09/30 08:47 ID:???
>>43
ボルジャーノ大はA判定、B判定どっちなの?

>>44
カミーユはホモ・アビスやジュニアモビルスーツ大会で優勝する程だから
工学系が強そうなんだけど、何故文系なんだろうか。
>>50
いや、一日のほとんどここのことを考えてるっていうことはないですよ。
他のことをやってたり考えてたりすることのほうがずっと多い。
といいつつ、こんな時間にカキコなんだけど。

ここんとこペースが速いのは遅かったときに考えていたことがようやく
使えるようになったからです。あと、はまってたゲームから抜け出せたのも。
53通常の名無しさんの3倍:03/09/30 21:58 ID:???
>>52
俺楽しく読んでるから、がんばって完結させてな
54通常の各無しさんの3倍:03/10/01 00:15 ID:???
>>51
頭弱い人は理系無理だろう。と考えたんじゃないの?
ウワァァアァン。
55通常の名無しさんの3倍:03/10/01 01:19 ID:???
妙なコンプレックスもちこまない
56変化?!鉄仮面 2:03/10/01 01:40 ID:???
(前回のあらすじ)
休日、朝からセシリーの家のパン屋のバイトに出てきたシーブックは、
先輩のパン職人のザビーネに、リーダーの資質について問われるが…。

ザビーネは何のつもりか、二人きりになると政治論やらこの類の話題を振ってくる。
こんな問題に決まった答えなんかないので、シーブックは適当に答えているのだが、
この日のザビーネは執拗だった。
ザビーネ「駄目じゃないかァァ、どっちかはっきり答えてくれないとさぁぁ?!」
しかも、いつもはクールに決めているのに、テンパってアヒャっている。
セシリーも側に来ていて、
セシリー「シーブック、貴方の意見で決まるのよ。お願い、答えて!」
シーブック「いったい、何をどう答えれば良いのさ?!」
セシリー「父さんの顔が!」
シーブック「顔が?」
鉄仮面「ふはははは、おはよう諸君」
奥からぬうっと姿を現した鉄仮面のその顔を見て、シーブックは驚愕の叫びを上げる。
シーブック「な ん と ぉ ぉ ぉ !?」

(つづく)
57萌えってなんだ?:03/10/01 02:12 ID:???
《このスレには、萌えが足りない》


アムロ「ただいまー」
一同「「おかえりなさーい」」
ロラン「お疲れさまです、兄さん。カバン持ちますよ。」
アムロ「ん。あ、これもな。」
ロラン「なんですかこの紙?」
アムロ「なんだか知らんが、玄関のドアに貼ってあった。」
カミーユ「宅配便の不在票とかかな?」
ジュドー「でなきゃ広告チラシとか」
ロラン「いや…なんか、意味がわからない言葉が書いてあるだけですけど…」
一同「「どれどれ?」」


シロー「…本当に意味も意図も判らん貼り紙だな…」
シーブック「萌えって何のことだ?」
58変化?!鉄仮面 3:03/10/01 02:20 ID:???

鉄仮面「驚いたかねシーブック君。ふははは、可愛かろう?」

ttp://www.sdgundamforce.com/site/characters/nt_chief.html

一夜にしてハロの顔になっていた鉄仮面は楽しそうに言った。
シーブック「いったいどうしたんですか!あの顔がパクリだって円○プロに訴えられて負けたとか?!」
鉄仮面「私はウルトラセ○ンではない!が、販売遂行のために顔をフレンドリーにしたのだ!」
セシリー「怖がって逃げた客がいるからって、極端よ」
シーブック「あの、何ていうか、その胴体にその顔は、はっきり言ってキモイ!ですよ」
鉄仮面「うぬう、シーブック君、君まで反対だというのか」
ザビーネ「3対1、貴方の負けです。店長」
ザビーネも普段のクールな態度に戻って、鉄仮面に告げる。
鉄仮面「口出しせんでもらおうか。これは家庭の問題だからな!」
セシリー「家庭の問題?勝手なこと言わないでよ」
セシリーはそういうと、携帯電話を取り出してどこかにかけた。
セシリー「もしもしドレル兄さん?父さんのこの顔見てくれる?」
そういって彼女は、遠くの大学に通うため離れて暮らしているドレルに、
携帯電話についているデジタルカメラで撮った父のハロになった顔の画像を送った。
ドレル「父さん、この顔はいくらなんでもやりすぎだよ!反対だな僕は」
セシリー「父さん、これで2対1よ」
鉄仮面「うぬうう」

こうして彼の「顔から親しまれる店主になろう大作戦」は阻止された。がいつかは認められることもあるだろう。
その日まで、負けるな鉄仮面の中の人!頑張れ鉄仮面の中の人! (完)
59通常の名無しさんの3倍:03/10/01 02:30 ID:???
鉄仮面に中の人などいない!

と、とりあえずお約束を。乙。
60萌えってなんだ?:03/10/01 02:32 ID:???
ウッソ「主にネットとかで使われる用語ですよ。美少女キャラとかそういうのに
使われる形容で…ネット新語辞典とかにも載ってますよ。(本当)」
ガロード「ウッソはそういうのに詳しいなぁ。さすがオタク!」
ジュドー「助かるぜ、オタク!」
ウッソ「うう…」
アムロ「オタクはともかくだ、つまり、華やかさとか女っ気とかが足りないってことか?」
キラ「まあ、男所帯だしね…」
シーブック「ゲスト的に女性キャラが出てくることはあっても、基本的には俺たちが
主なキャラなわけだしな。どうしても男含有率は多くなるよ。」
一同「うーむ」
61萌えってなんだ?:03/10/01 02:52 ID:???
ドモン「萌えだか燃えだか知らないが、そんなもん要るのか?」
ウッソ「最近じゃ、萌えが有るのと無いのでは、ゼロ二つは違うらしいとか。」
カミーユ「どこの業界の話なんだか…」
アムロ「まあ、在った方がいいならやってみるか」
ジュドー「マジかよー。めんどくせ」
ガロード「まぁ、やって損するもんじゃなし。」
アムロ「ウッソ。定義とかだけじゃよく判らないから実例を見せてくれないか?」
ウッソ「はい。じゃ、ノートPC持ってきますね。」

キャラクターの実例を見ながら学習中…
62萌えってなんだ?:03/10/01 03:08 ID:???
ジュドー「結構可愛いもんだなあ。」
コウ「ガンダムの方がいいや」
アル「ちょっとHじゃなかった?」
ドモン「…ヒイロ、冷静なお前はどう分析した。」
ヒイロ「…機能美を無視した装飾性のみ高いコスチュームに身を包んだ年令の低い女性、
珍妙なアクセサリー的な物を身につけたり生やしていたり、奇矯な語尾なども…」
アムロ「じゃ、誰かで実践してみるか。」

ロラン「…なんか、すごい勢いで視線が僕に集まった気が…」
ガロード「まあ、女装と言えば、ねえ…」
ロラン「(ため息)予想はしてましたけどね…」
63通常の名無しさんの3倍:03/10/01 03:35 ID:???
アムロ「しかし、一人だけでは焼け石に水…よし、独断で白羽の矢!アルと、ヒイロ!」
アル「なんで僕っ!?」
ウッソ「最近の傾向として、若ければ若いほどいいんだ。」
ドモン「むう、世も末だな…」
ヒイロ「任務了解…」
シーブック「おお、もう女装しはじめてる」
シロー「…ヒイロ。恥ずかしくないのか?」
ヒイロ「…羞恥心なんて安いものだ。特に俺のは。」
ジュドー「…恥ずかしいは恥ずかしいんだな。」

変装の結果…

メイド服だったり、なぜか猫耳が生えていたりする三人を前にして―

アムロ「…悪くはない。」
ウッソ「…いかにもパクリって感じですが…」
64通常の名無しさんの3倍:03/10/01 03:47 ID:???
ガロード「うん、さすが一日の長ありのロラン兄。美少女美少女。経験者の貫禄だな。」
ロラン「(ため息)人聞きの悪いこと言わないでくださいね…」

アムロ「アルも立派だぞ。特殊な趣味の持ち主、そうだな、シャアとか喜びそうだ。」
アル「意味わかんないよー。スカートはスースーするし、恥ずかしいよー(赤」

シーブック「ヒイロは意外にも、ちゃんとクールビューティーって感じの美人に見えるぜ。」
ヒイロ「任務完了…」
シロー「顔も声も冷静だけど…」
ジュドー「手が白くなるくらい握ってる。やっぱ恥ずかしいらしいな。」
65通常の名無しさんの3倍:03/10/01 04:01 ID:???
アムロ「まあ、ともかく、これで問題は解決したな。」
三人以外「あははははははは」
三人「…………」
三人以外「あは、ははは、はは…」

一同。oO(なんでこんなこと始めたんだっけ、オレ達…?)


某所
ナナイ「大佐、ご機嫌ですね?」
シャア「いや、単に全く意味のないなんとなくの嫌がらせのつもりだった貼り紙の
おかげで、非常にいい映像が撮れたものでね…ふふふ…」
ナナイ「(また盗撮ですか…)…よかったですわね、大佐…」



続かない
66通常の名無しさんの3倍:03/10/02 02:37 ID:???
最近、少しづつだけど以前のように、色々な職人がこのスレに集りつつあるような。幸せな予感が…
67通常の名無しさんの3倍:03/10/02 22:17 ID:???
>フットボール狂騒曲
シローとアイナにあてられましたね、ドモン。
でも師匠が登場するやレインを放置プレイw

>連邦政府立ジャブロー大学合格計画
受験ネタは久しぶりだなあ。続編期待。
…でもカミーユは劣等生じゃないやい。

>変化?!鉄仮面
八頭身のハロ…。まあ強く生きろ鉄仮面。

>萌えってなんだ?
真剣に悩むなよ兄弟w
このパターンで、「漢(おとこ)ってなんだ?」とかシリーズ化できそうですね。
68通常の名無しさんの3倍:03/10/03 00:43 ID:???
>>65
なんだかナナイがんがれ。超がんがれ。
69通常の名無しさんの3倍:03/10/04 15:29 ID:???
だがね
70通常の名無しさんの3倍:03/10/04 22:07 ID:???
保守
71通常の名無しさんの3倍:03/10/05 08:05 ID:???
  ________      ◯
  |.日 日.日 日日|_.
  | 日 日 日.日日 |―‐.i
  | 日 日 |日日| 日 日 |-l△l-l-l-l-l-l-l
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72通常の名無しさんの3倍:03/10/06 13:51 ID:???
保守あげ
73通常の名無しさんの3倍:03/10/07 01:40 ID:rLjU1Yrn
えろっちい女装ねたが見たい
74通常の名無しさんの3倍:03/10/09 21:13 ID:???
保守
75通常の名無しさんの3倍:03/10/09 22:26 ID:???
ほしゅ
76通常の名無しさんの3倍:03/10/09 22:37 ID:???
良スレはけ〜ん…と勢い込んだ先週末。
土・日をフルに使って1からここまでようやく踏破しますた。

…で、影響受けてちょちょっと書いたんですが…投下してOK?ですか?
1回の書き込みで何文字くらいOKなのかも知りたいのですけど…
77通常の名無しさんの3倍:03/10/09 23:54 ID:???
>76
新人さん?期待させてもらいます。

一回の書き込みの文字数の上限とかは知らないので、
他を参考にするなり、キリのいいところで切るなり適当に判断してください。
78通常の名無しさんの3倍:03/10/10 01:33 ID:???
>>76
マジ。期待。投下希望。

>1回の書き込みで何文字くらいOKなのかも知りたいのですけど…

以前からその手の細かいルールは決まってないし、赴くまま、テキトーで良いと思いますが。
7976:03/10/10 01:55 ID:???
ピピピ…ピピピ…
小さな目覚ましを消すと、僕は一つ大きなのびをした。
「う…んぅ…♪」
まだ青い早朝の日差しが微かな鳥の鳴き声と共に、カーテンで閉ざされた窓の向こうから伝わってくる。
ようやく目覚めの緒についた町…遠くから始発電車の走り去る音。足早に出勤する人の足音。そして、朝早くから部活動に向かうのだろうか。可憐にさざめく少女たちの笑い声…
「あフ…」
隣のベッドで寝ている弟…カミーユを起こさないよう躯をそっと起こすと、僕は朝食の準備のため階下へと降りていった。
僕の名はロラン。通信制学校で単位を取得しながら、12人いる兄弟たちの家事を見ている。
父さんや母さんのいない家庭が…寂しくない、わけではないけど…明るくて賑やかで、いろんな人たちが出入りするこの家が、僕は好きだ。
「もう秋なんだなぁ…」
居間のカーテンを開け放つと秋の伸びやかな陽差しがさっ、と斜めに差し込んできた。透明で、柔らかな陽差しがほんのりと室内に満ちてくる…
それから新聞を取りに行くため、玄関から1歩外に踏み出した。
昨晩は少し冷え込んだみたいだ…吐く息はまだ白くないけど、さっきまで布団の中で温まっていた躯が小さく、震える。
「さむぃ…みんなの秋物の服、そろそろ出さないとダメかな?」
ちょっとだけ、鳥肌がたった肌を震わせて…僕は自分の躯を抱きしめるように小さく震わせた。

「ロランたんには私の母親になれる人だ、というか是非とも泣って欲しハァハァ」
「ローラ…私の下にくるんだ…このグエン、決して君に不自由な思いはさせ(略)」
「知りたいのだよ、このモビルスーツとロランたんのことを」
「ユニヴァースっ!!」
今日も今日とてロランを見つめる8つの瞳…そこにロランがいるならば、例え火の中、水の中。
萌え上がる情念を押さえきれない男達よ、今日も。
「「「「ロランたん〜♪♪」」」」
「喰らえ、必殺、シャイニングフィンガーッ!!」

「あれ、ドモン兄さん。もう起きていたんですか…?」
僕が新聞を小脇に抱えて戻ろうとすると、3兄のドモンにいさんが門をくぐってきた。
「あぁ…少しばかり体を動かしてきた。庭でトレーニングをしている。何かあったら呼んでくれ」
兄さんを知らない人には、少しばかりぶっきらぼうに聞こえるいつもの口調で、ドモン兄さんは僕の脇を抜けていく。
「はい。すぐ朝食にしますからね♪」
8076:03/10/10 01:56 ID:???
ことことと音をたてて御御御付けが香しい湯気をたて、ジャーではお米がくっくっ…ふっふっと炊かれている。
人数分の食事を整えるのは大変だ。
男ばかりの13人兄弟。それも育ち盛りを抱えているうえに、お昼のお弁当の分も用意しなくてはいけないんだから。
御御御付けの隣ではフライパンが黄金色の卵焼きを柔らかく焼き上げ、網の上では鮭の切り身が油を爆ぜながら焼けている…
「…うん、おいし♪」
御御御付けが今日も会心の出来なのに満足して、お玉をひとふり。
「お早う、ロラン」
「お早うございます、アムロ兄さん。」
長兄のアムロにいさんが居間からおはようの挨拶です。
(株)ロンド・ベルの部長。知育玩具のベーシック・モデル“ハロ”を開発し営業もこなすヤング・エリート…
と言うと、ただのエリートにしか聞こえないけど。ぼくたち弟の面倒を見るため文句も言わず働いてくれるしっかり者のお兄さんです。
落ち着いた声で僕に声をかけると、ちゃぶ台の前に座って早速、新聞を広げて寝ている間の情報をチェックしてます…
こういうところを見ていると、ほんとうにぼくたちの“お父さん”にしか見えないな。
「…なんだい、ロラン。何か面白いことでもあったかい」
「え、なんかぼく、笑っていました?」
「嬉しそうに微笑んでいたよ」
慌てて誤魔化して朝食の準備に逆戻りです。
「ん………、お早う、アムロ兄さん、ロラン」
「おはようございます、シロー兄さん。昨日は夜勤から1日中、働き詰めだったんですし…もう少しゆっくり寝ていても良かったですのに。」
「習慣かな…どうしても起きちまうんだ」
少し眠そうな声で、でもきりっとした顔つきで降りてきたのはシロー兄さん。次兄で、警察官をやっています。
正義感が強い人だから、とても似合った職業だと思います…
ただ、前に犯人を捕まえようとして銃撃戦になったとき
「銃身が灼けるまで撃ち続けろっ!」
という命令を部下に言ってしまったせいで、カイさんやフランのようなマスコミの人たちには格好の取材標的になっているようです。
西部K察ばりの派手なシーンが期待できるから。
あ、ご飯が炊けたみたい…うん、もう6合、炊いておこうかな。
8176:03/10/10 01:57 ID:???
「お早う、ウッソ。今朝のご飯にお野菜が欲しいんだけど」
「あ、お早うございますロランね…兄さん。ちょうどトマトが熟れ頃ですよ?」
御御御付けができたところで火を止めて。僕はエプロン姿のまま庭に降り、その半分を占拠している家庭菜園へ脚を運んだ。
つん、と澄んだ秋の空気が流れる菜園で、朝早くからウッソは野菜の面倒を見ています…。
ウッソ。下から2番目の弟。のわりにしっかりもので、こうして庭の一角に菜園を作って我が家の食卓を賑やかにしてくれています。
余りをご近所にも配ったりもしているけど、無農薬で瑞々しいウッソのお野菜はみなさんに評判です。
「早かったね。どうしたの、今日は?」
朝獲りの新鮮なトマトをもぎながらウッソに聞くと
「なんだか、そんな感じがしたんです」だって。ウッソはスペシャルだからなぁ…。

台所に戻り、軽く水洗いしてよく熟れた真っ赤なトマトに包丁を当てる。すっ…と刃が通っていくと、トマトはかんたんにスライスされる…
しゃきしゃきした歯ごたえを連想させる硬さと、瑞々しさ。
塩を脇に盛っておいてから、ウッソの言葉が気になっていた僕は階段を上がって一室のドアを小さくノックします。
「アル…もう朝だよ。起きなさい?」
「………」
反応がないのを確認してから、ドアを開ける。
机や棚いっぱいに、ところせましと並べられたおもちゃ…プラモデルの山。我が家で一番子供っぽさを醸し出しているこの部屋の片隅。
ベッドの上で固まっている布団の塊…それを抱きかかえるように丸まっている、男の子。
「ほら、アル。朝なんだから起きないと、ご飯を食べる時間がなくなっちゃいますよ?」
「う、うん…」
まだ眠そうな声を出しながら布団から顔を出すのは末っこのアル。くりくりとよく動く瞳をした、元気いっぱいの弟。
…ウッソが起きてきたこと、アルにだけは教えてあげる、っていうのは甘やかしているのかもしれないけど…
朝ご飯が食べられないと、さすがに可哀想だから。
僕はアルがベッドから這い出してもそもそと着替えをするのを手伝ってあげながら、残る弟たちに胸の中で謝った。
8276:03/10/10 01:59 ID:???
「うむ、今日も絶好調である!!」
「なんであなたは今日もうちの食卓にいるんですかっ?!」
「あ、お早うございます。ギンガナムさん、カミーユ兄さん。」
「うむ、お早うロラン君。今日もよい匂いだ…これぞ日本の食卓である!」
「おはよう、ロラン。…だからそこはキラの席だって…!」
サムライみたいな髪型をして堂々とうちの食卓に座っているにはギンガナムさん。ご近所さんです。
いっつも、うちに朝食をとりにきます。
(ウッソの勘って、よく当たるよね…さすがスペシャル。アルを起こしておいてよかった…)
その脇で怒っているのはカミーユ。僕と同い年の兄で、ちょっと怒りっぽいけど…女の子みたいに整った目鼻立ちをしていて、すごくもてます。
ジュドーの話では二またとも、三またとも………いいなぁ。

「ふっ…どうやらロランくんは自分の魅力を知らないようだ。君の実力、魅せてもらおう」
「あぁ、ローラぁ…エプロン姿が実によく似合っハァハァ」
「この宇宙で最も可憐で萌える存在…ロランたん…」
「ユニヴァースっ!!」
業の深い男たちよ、今日も(以下略)
「「「「ロランた〜ん♪♪♪♪」」」」
「皮を切らせて肉を斬る、肉を斬らせて骨を断ぁつっ!!」

「…あれ?何だか庭で音がしなかったか?」
「お早うございます、コウ兄さん。…そうですか?僕はちょっと気が付かなかったけど」
4兄のコウ兄さん。大学生でフットボール部。ちょっと…影がうすいかな(汗)
さっきだって、アルと同じ部屋なのにぼく…。
それはともかく、兄さんは朝の占いをちょっと神経質そうに眺めている。恋愛運が気になるみたい。
「大丈夫だ、何の問題もない」
「あ、ヒイロ。お早う。…問題?」
いつの間にか座っていたのはヒイロ。いつも無口で、必要最低限のことしか口にしない…
でも、おとなしい訳ではなくって、時々すごく手荒な手段を取ることもある。
どこで習ったのか分からないけど車の運転や銃器・爆発物のスキルを持っている中学生…もちろん、無免許(汗)。
いいのかな…
「少々、ドモンが庭で暴れただけだ、いつものことだろう」
「こら、ヒイロ、兄のことを呼び捨てにするなっ」
ドモン兄さんが戻ってきました。ちょっと息が切れている…そうとう、激しい運動をしたのかな。
「ふむ。ではみんな揃ったところで朝ご飯を頂くとしようか」
「だから、なんであんたがここに座っているんだよ?!」
8376:03/10/10 02:02 ID:???
バタバタバタ…
階段を駆け下りる音。
「あ、シーブック兄さん、お早う。ちょうどご飯にするところだよ?」
茶碗にご飯をよそっていると(ちなみにギンガナムさんはマイ箸アンドマイ茶碗を持参です)シーブック兄さんが降りてきました。
少し引きつった顔でギンガナムさんを眺め…ほっと一息、大きく息を吐くと座布団の上に座ります。
「お早う、ロラン。間に合ったか…ちょっと危なかったなぁ」
「昨日は遅かったんですか?」
「ちょっとね、学祭の準備が佳境でさ。疲れてるかもな」
「…知ってるぞ、シーブック。昨日は公園でセシリーさんと話し込んでいたな。随分、盛り上がっていたじゃないか?」
「シロー兄さん!そっそんな遅くまでなんてそんなことはなくてちっともいやほんとだって鉄仮面さんが待ってるしそんな引き留めるだなんてでもセシリーが楽しそうに話して
いるもんだからつい確かに遅くなったら悪いなと思って遅くなったから家まで送っていったら晩飯をごちそうになっちゃっていやほんとやましい気持ちなんてこれっぽっちも」
「…ふ〜ん。シーブック兄さんは僕の作ったご飯よりセシリーさんと一緒に食べるご飯の方が美味しいんだ…」
ちょっとだけ、嫉妬…かも?
「あ…いや、ロラン、そんなことはないぞ?!でもさ、セシリーが自分で焼いたパンをごちそうしてくれるっていうから…」
「今から愛妻料理の味に舌を慣らしておこうって魂胆かい?」
「な…アムロ兄さんまで、そんな…ぼくはまだ高校生ですよっ?!」
「はは、そんな慌てるな。でも、ほんと心に決めた相手がいるなら、早いとこ決めておいた方がいいぞ?はっきりさせておかないと10年以上もおあずけをくらうかもしれないからな」
「…ぼくもなんだかそんな予感がします、シーブック兄さん。相当先まで苦労させられるかも…」
「シロー兄さん、それにウッソまで…そんな脅かさないでくれよ」
「いえ。ウッソの言うことに間違いはありません。シーブックさんはきっとその方に振り回され、手足を喪うほどのご苦労をなされることでしょう…」
「うわっ?!い、いぃいつのまにきてたんだい、シャクティ…」
「あ、ごめんねウッソ。さっき卵を持ってきていただいたので朝ご飯をご一緒にと、僕がお誘いしたんです」
「お早うございます、ウッソ、みなさん。…すいません、朝ご飯にお誘いいただいて…」
「いいんですよ。気になさらないで下さい。みんなで食べた方が賑やかで、楽しいですし」
いつの間にかウッソの隣に座っているのはご近所のシャクティさん。1人で暮らしているので、ウッソがなにかと面倒を見ています。
「ふははははは、それにしてもシーブックくん、若いということはおおいに結構!ふむ、このギンガナム、朝から実に嬉しい話を聞かせてもらったものだ」
「あはは…そうですね。さて、兄さんをいじめるのはここまでにして。アルもお腹が空いたみたいだし、そろそろ朝ご飯にしましょう?」
「さんせ〜い!ぼくもう、お腹と背中がくっつきそうだよ」
「そうだな。では、みんな…」
「「「「「「「「「いただきます(ま〜す)(である!)(…)」」」」」」」」」
8476:03/10/10 02:04 ID:???
カチャカチャ…小さく食器が触れ合う音。御御御付けが湯気をたてながら啜られて、ご飯がほっくりと口の中で膨れるこの幸せ…
「あ、シローにいちゃん、次は僕にお醤油ちょうだい」
「う゛ぅ…どこのチャンネルを回しても今日のヲレの運勢って…」
「…美味い」
「ウッソ。頬にご飯粒が…」
「(がつがつむしゃむしゃ)ふん、ロラン…おぉかわりぃぃ!!」
「ふむ…このだしが利いた御御御付け、なかなか出せる味ではない。そして何よりこのお新香…ぬかに実によく浸かっている上、素材の胡瓜もよい出来と見たぞ…!!」
「…全く、なんだってこの人はいつもうちでご飯を食べてるんだろう…」
「分かります?その胡瓜はウッソが作ったのなんです。」
「このトマトも美味しいぞ、ウッソ」
「ありがとうございます、アムロ兄さん。もうシーズンも過ぎてしまったので、これで最後ですけど…小さい温室でも作れば、年中とれるんですけどね。あ、シャクティ…いいって、自分で出来るよ」
「アル、ほらお醤油。うーん…昨日の日昇町の交通事故は7件…死亡事故はゼロ…よし、今日一日も平和だったらいいな」
うちの食卓はとっても賑やかです。卓上を箸が縦横無尽に行き交い、その都度、その下に盛られた卵焼きやお新香、トマトにきんぴらが見る見るうちに無くなっていきます。
そうしながら自分専用として、目の前の小皿に置かれた赤いしゃけの切り身をきちんとガードしているのは、みんなさすがです…
(…いちばん小さなアルも、きっちり守っているもんね…)
やだなぁ、アル…ご近所のクリスさんちにお泊まりするときも、もしかしてあんながっついているのかも…
そんなことを思っていると、毎朝恒例の泣き声が扉のところから聞こえてきた。
「う゛あぁあぁーっ」
「…あ、キラ。お早う」
弟のキラ。優しいんだけど、気が弱いのか…学校でも虐められてるらしく、よく泣きながら帰ってきます。
「う゛あぁあ〜あぁーぼっ…ぼくの朝ご飯が…うう゛ぁあぁう゛あぁうあ〜」
なぜか我が家の家訓は「弱肉強食」らしく…こうして自分の食べる分もしっかり守らないと、文句も言えない家庭です。
「あう゛ぁうう゛ああうぁあぁあぁ〜」
…すごい、みんな無視をして自分の取り分を獲得するのに一生懸命です…
さすがに可哀想なので、僕はそっとキラに紙包みを渡しました。
「(はい、キラ…中におにぎりが入っているから。今、食べるとギンガナムさんに取られちゃうかもしれないから学校でゆっくり食べなさい?)」
「(う゛…ひっく、ありがとう、ロランにいさん…(泣))」
そっと、アムロ兄さんが目配せしてくれます。茶碗を持ちながら片手で拝むような仕草…
なんだかんだ言って、兄さんはみんなのことを心配してくれています♪
8576:03/10/10 02:05 ID:???
「ちょっとカミーユ、早くしなさい!」
「…なんだよ、ファ。そんな急がなくても遅刻なんてしないだろ」
「んもぅ…そんなんじゃなくって!いいから早くなさい!女の子を待たせるなんて最低よ」
「ごめんなさいね、ファさん。もうすぐカミーユ、準備できると思いますから…」
「あ…そんな、ロランさん。お気になさらないでください」
毎朝、カミーユ兄さんのところには“誰か”女の子が迎えに来る。
今日はファさんだ…ご近所にお住まいの、カミーユの幼なじみ。
「まったく…なんだってこんな早いんだよ」
「…いいの!なんだって!じゃロランさん。行ってきますね?」
「行って来るよ、ロラン」
「はい、2人とも行ってらっしゃい」
ファさんがカミーユの腕を引っ張るようにして先を急がせる………
やっぱり、焦ってるみたい。こないだ転校してきた2人の女の子たち…えっと、フォウさんとロザミアさんがカミーユに急接近してきてるみたいで。
こないだはフォウさんが迎えにきてたし…やっぱりもてるな、カミーユって。
(…カミーユ。これから登校なら、一緒に行かない?)
(あ、フォ…)
(ちょっとフォウさんっ、今カミーユは私と話してるんですから邪魔しないでくださいっ)
(ふふ…自分に自信のない女はこれだから。そうしているとますますカミーユに嫌われるわ…?)
(なっ………!!)
(ちょ、ちょっとファ…やめなって)
(あ、お兄ちゃ〜ん♪やっと見つけたぁ。ね、一緒に学校に行きましょう♪)
(ねぇカミーユ…色々な思い出、私はあなたと作りたいの…♪)
(カミーユ、なに鼻の下伸ばしてるのよっ…ロザミアさんっ、カミーユから離れてくださいっ!フォウさん、なにカミーユの腕を握っているんですか…っ)
あ。路地の向こう側から女の子が言い争う声が聞こえてくる…鉢合わせしちゃったんだ。
「…行ってくるぞ」
「行って来ます」
「あ、はい…いってらっしゃいね♪」
僕が玄関から次第に遠ざかっていく金切り声を盗み聞きしているとヒイロ、シーブック兄さんが続いて靴を履いて家を出ていった。シーブック兄さんは溌剌と…ヒイロは仏頂面に。
8676:03/10/10 02:07 ID:???
「行ってきま〜す」
「じゃあ行ってくるよ、ロラン。」
「はい、行ってらっしゃい…あ、襟が曲がってます」
「いいよ、ロラン」
「よくないです…はい♪直りました」
「あ…あの…」
「?」
「あー、クリスお姉ちゃん!」
アルが嬉しそうに飛びついていったのはお向かいのクリスさん…アムロ兄さんの後輩で、しかも今では同じ職場の上司・部下という関係です。
男ばかりのうちを気遣ってか、ときどきお料理を差し入れてくれたり、母親を知らないアルを何かとかわいがってくれる方です。
「あ…と、あの…アルくんを、良かったら学校までお送りしようかと…」
「あぁ、気を遣ってもらってすまないね、クリス。」
「い、いえぇ、そんな、だってご近所ですし…その、ついでに一緒に出勤できますし…そのっご迷惑でなければ、ですけど…」
「構わないさ。僕と君がご近所だということはブライトも知っている。へんな勘ぐりは誰もしないよ。」
「わ〜い、お姉ちゃん、早く行こう?」
「アル。はんかちとちり紙は持った?…それじゃ、兄さん、クリスさん…今日もお仕事、頑張ってくださいね♪」
アルを間に挟んでアムロ兄さんがクリスさんと一緒に出勤です。
アルはすごく嬉しそうに…
クリスさんはなんとなく、ですけど頬を赤らめてます。
…悪い噂にならなきゃいいけど。兄さんはそういうとこ、無頓着と言うか…気にしない人だからなぁ。

さて。キラはギンガナムさんに見つからないよう、こっそりと学校に登校したし…ウッソとシャクティさんは学校の家庭菜園を見るため、ご飯を食べてすぐ登校。シロー兄さんは今日、非番なので自室に戻りました。
あ、っと。コウ兄さんは講義が午後から、ということで部屋に戻ってガンプラ作り。
残るは………。
僕は腕まくりをして、お寝坊を決め込んでいる2人をたたき起こしに、気合いを入れて階段を上がっていった。
8776:03/10/10 02:08 ID:???
「起きなさ〜〜〜い!もう8時ですよっ!!」
うちは男兄弟ばかりだけど、意外と片付いている方だと思う。
なにしろこれだけ家族がいるとすぐちらかるから、僕がしょっちゅう室内を巡回してかたしてしまうせいもあるかもしれないけど。
…そんな僕でも、唯一手出しができない部屋がここ。
「んぁ〜、なんだよ…もうそんな時間かよ」
「ちょっと待ってくれ、あともう5分…」
「2人とも、そんなこと言ってると遅刻しちゃいますよっ!?」
室内は分厚いカーテンに閉ざされてほとんど真っ暗です。壁際に高く積み重ねられた機械が奇怪なオブジェを形取り…足下に転がる工具が昨夜の2人の奮戦を物語ります。
「ほら…さっさと起・き・な・さ・い!!」
室内にずかずかと踏み入ってカーテンを、しゃっ、と開けて窓を開け放つ…陽光に温められて少し、温くなった秋風が頬に心地よく室内に吹き込んできた。
「うわっ?!眩しいよ、ロラン兄…」
「勘弁してくれよ…オレたち、昨日は4時まで仕事をしていたんだ」
「仕事って、どうせジャンクをいじっていただけでしょう。学生の仕事は勉強です!さぁ、早く起きて登校なさい」
ようやく、布団から渋々と顔を向けてくるのは僕の2人の弟…ジュドーとガロード。
2人とも機械いじりが好きで、壊れてしまったものでも簡単に直してしまいます。
その腕と知識を利用して、色々と棄てられてるジャンクを拾ってきては修理して、売っておこづかいにしているようです。
うちにある家電製品…30インチのテレビとかビデオデッキとか、2人が拾ってきて提供してくれてるもので。…実は結構、助かってます。とりわけ、4ドアの巨大冷蔵庫は嬉しかったな…っと、それはさておき。
「ほら…いつまでも寝ぼけていないで。とっとと顔を洗って目を覚ましてきなさい。」
ようやく2人はぶつぶつ言いながら洗面所に向かって。やがてしゃっきりした顔つきで、着替えて降りてきた2人に僕はキラに渡したのと同じ包みを押しつけた。
「はい。もうご飯食べてる時間なんてないだろうから。おにぎり、握っておいたの…授業の前に食べなさい?」
「いつも悪ぃね、兄貴」
「ごほごほ…オレたちがこんな病気でなければ迷惑かけることもないのに」
「寝坊は病気じゃないでしょ…」
ちっとも済まないと思っていない顔つきで、にやにや…にこにこと微笑みながら悪びれずに紙包みを受け取る2人。
僕も怒りきれずについ、苦笑いで送り出してしまう。
「行ってらっしゃい。きちんと学校に行くんだよ?」
「行ってきま〜す」
「行ってくるぜ!」
あ、ぼくの言葉にちゃんと返答しなかった。怪しいな…
そう思いつつ、明るく手を振ってくる2人にぼくも微笑み返しながら。
ふと、空を仰ぐと透き通るような青い秋空、白く細くたなびく秋雲。きらきらと透明に輝く秋陽が躯を心地よく照らします…
「…うん。今日はみんなのお布団を干そうかな?」
今日も1日、みんないい日でありますように…♪
8876:03/10/10 02:18 ID:???
>>79-87
連投してすいません…
生きていてごめんなさい…

(あとキラをちょいとだけでも出してしまったことにつき、ご容赦を…)
89通常の名無しさんの3倍:03/10/10 02:36 ID:???
>76
乙。
お母やんなロラン・・・。そういうところも含めて、兄弟スレでの連中のキャラがよく出てると思います。
新しいネタが出来たらまたよろしく。

>(あとキラをちょいとだけでも出してしまったことにつき、ご容赦を…)
ちょいとぐらいなら角は立たないので、そんなに気にしなくていいと思います。
90通常の名無しさんの3倍:03/10/10 02:41 ID:???
>>76
グッジョブ!
このスレでのキャラを掴んでて、良い感じですね。
次回作も期待してますよ!

あと、キラは少しくらい出しても問題ないと思いますよ。
SEEDキャラメインにならない限りは。
91通常の名無しさんの3倍:03/10/10 17:26 ID:???
>>76
乙です。ウッソの作った完熟トマトは食べたいかも
この話だとクリスはアムロに気があるかもしれないの?

92通常の名無しさんの3倍:03/10/10 20:29 ID:???
>>76
大作乙
お母やんロランが(・∀・)イイ!!
93通常の名無しさんの3倍:03/10/10 23:13 ID:???
乙です。ほのぼのしていいなあ。
ロランはクリスにヤキモチやいてる風に感じる・・・
94追い討ち1/3:03/10/11 00:32 ID:???
シーブック「(>83参照)……なんてことを兄さん達に言われたんだ。
 …でさ、確かティファちゃんって未来予知もできるんだろ?」
ガロード「そうだよ。いつでも見れるってわけじゃないけどさ。
 まぁ、悪い未来を見ちまっても、覆したことだってあるから
 絶対ってわけでもない…と思うよ」
シーブック「……あのさ、ティファちゃんに頼みがあるんだ」
ガロード「頼み?」
95追い討ち2/3:03/10/11 00:33 ID:???
夕方、パン屋の店先にて。
ティファ「…お兄さんの将来を、見ればいいの?」
ガロード「ああ。もうそろそろバイトが終わるから。
 あっ、もし見えなくても構わないっつってたし、
 とにかくティファが見たままを言えばいいって」
ティファ「………そう……。…私の力は、ガロードにとって
 3日分の菓子パンと同じ価値なのね…」
ガロード「うっっ!!!(そうだっ! ティファは心も読めるんだった!)」
ティファ「…ガロード…」
ガロード「ご、ごめんっ!! 俺、そんな風にティファのこと思ってないけどっ!
 でも、ジャンクあさってる時に小腹が空くこともあって、それで…」
ティファ「フフッ……今度、デッサンのモデルになってくれたら許してあげます」
ガロード「ほんと!? ……本当に、ごめんな」
ティファ「その時は、お兄さんのパンも持って来てくださいね」
ガロード「あ、ああっ!!」
96追い討ち3/3:03/10/11 00:35 ID:???
シーブック「…話は終わったか?」
ガロード「シーブック兄ちゃんっっ!!! いっ、いつからそこにっ!!?」
シーブック「えーっと、『3日分の菓子パン』ってとこからかな」
ガロード「ほとんど最初っからじゃないかっ! 声かけてくれてもいいじゃんか!」
シーブック「いや〜、ドモン兄さんの格言があるからさ〜。
 馬に蹴られてなんとやら、ってね((・∀・)ニヤニヤ)」
ガロード「いいから、兄ちゃんはさっさと未来を見てもらってよっ!」
シーブック「はいはい。あ、ティファちゃんにも今度菓子パンをあげるよ。
 栗あんパンとカボチャあんパンとサツマイモあんパンのどれがいい?」
ガロード「あんパンの他はないのかよ!?」
シーブック「新作なんだよっ! ……あれ、ティファちゃん?」
ティファ「(((((((;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルザクグフゲルググ」
ガロード「お、おいっ! ティファッ!?」
ティファ「………には……」
シーブック「庭?」
ティファ「…私には、言えませんっっ!!」(逃)
ガロード「ティファッ! ティファーーー!!」
シーブック「……言えないような俺の未来って……」

シーブック「うあ゛ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ」
ガロード「うあ゛ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ(つられ泣き)」
キラ「うあ゛ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ(通りすがり)」


シーブック「(グスグス)…なぁ、ガロード…。お前、ティファちゃんの見た未来を
 覆したことがあるって言ってたよな…?」
ガロード「(ズズッ)あるけど…俺とティファと、仲間のみんなで協力してやっとできたわけだし…」
シーブック(ってことは、最低でもセシリーと協力しなきゃいけないわけか…)
キラ「(メソメソ)シーブック兄さんもガロードも、何で街中で泣いてるんだ…」
97通常の名無しさんの3倍:03/10/11 00:37 ID:???
>76さん
無断でパクってスマソ…
もし続きを書くことがあれば、当然は>94-96は無視してください


スレ汚して正直すまんかっ;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
98通常の名無しさんの3倍:03/10/11 00:50 ID:???
>>96
言えないようなシーブックの未来…。
28まで童貞確定とかアヒャったザビーネにボコられてサイボーグになるとかか?
99通常の名無しさんの3倍:03/10/11 01:33 ID:???
>94-96ワロタw 
がんばれシーブック。負けるなシーブック。君の未来は(ry

>76さん乙&お疲れ様です。 
兄弟の会話も各々らしくて楽しいですな。
「追い討ち」の基ネタとなったシローとウッソとシャクティの不吉な予言も笑いました。

しかし、語り口がアルとかロランの時ってほのぼのするなあv。
100通常の名無しさんの3倍:03/10/11 01:48 ID:???
大丈夫だシーブック。
片腕くらいはもげるかもしれんが、片脚の分はシローが受け持ってくれる。
101止め?1/2:03/10/11 03:43 ID:???
「シャクティと」
「……ティファの」
「占いコーナー!!」
テレビには二人の少女の姿が映し出されていた。
「へぇ……よく、ティファが出演を受けるなんてな」
食後のお茶を啜りながら、ガロードが呟く。
「シャクティの動機がわかるような……」
ウッソの言葉に、
思い当たるところがある一家は引きつった笑みを浮かべた。
「では、ティファさん、お願いします」
ティファがスケッチブックを開くと、
「箪笥の角に足をぶつけて蹲る警官の姿」が書かれている。
「うわ……」
シローが顔を顰めるが、ティファは淡々とスケッチブックをめくる。
今度は
「伸ばし棒を使っていて、バランスを崩し肘をぶつけ、痺れている姿」
「……あれは地味に痛い」
ヒイロが少しだけ嫌そうな表情を浮かべる。
102止め?2/2:03/10/11 03:45 ID:???
「今日は思いかけず、地味なトラブルがあるでしょう」
「……気を付けて」
「では、最後に今日のワーストワンは」
 リビングに唾を飲む音だけが響く。
 ティファがページをめくる
「赤い派手な車に乗った女性に拉致されそうになっている
 どこか風采の上がらないような感じの男」のイラストであった。
「思わぬ不幸が訪れるかもしれません。
 キャロットジュースを飲めば回避できるかもしれませんよ」
 一家の視線はコウに集まった。
 その瞬間、派手なブレーキ音。
「坊や、夜風を浴びに、ドライブに行かないかい?」
「コウ兄さん」
微笑を浮かべながら、ロランが冷や汗を浮かべるコウに、
「鍵は掛けないので、帰ってきた時の戸締り、お願いしますね」
そして、あっという間に家族は一人減る。

そして、番組はエンディングを迎えた。
「……一番の不幸は、自分が幸せに気付かない事」
その、ティファの一言を残して。 
103止め? おまけ:03/10/11 03:53 ID:???
「どうして、引き受けたんだ?」
「……誰かの役に立ちたかったから」
「偉いなぁ……俺はティファの役に立てればいいからな〜」
「ガロード、そんな……私は……」
「いや、マジで、ティファがいなかったらどうでもいいもん」
「……(真っ赤っか)」
「……(自分の言葉に照れている)」
「ガロード……」
         
           chu!!

「……シーブックお兄ちゃん、何で羨ましそうな顔をしているの?」
(……キスくらい良いじゃないか、キスくらい……) 
104通常の名無しさんの3倍:03/10/11 03:56 ID:???
>>76 >>94-96
両氏に山ほどの感謝
そして、勝手に続編を作ったお詫びを
スレ住民の皆様方にはスレを汚した事へお詫び申し上げます。
105通常の名無しさんの3倍:03/10/11 13:53 ID:???
>>104
あなたに、感謝を・・・・


やはりここは良スレだ!
106通常の名無しさんの3倍:03/10/11 16:10 ID:???
素敵なSSを読ませてくれた職人さんたち
ありがとう!
107誘拐1/3:03/10/11 18:39 ID:???
私の名はランスロー・ダーウェル、中央署捜査一課課長を務めている。
ティファ・アディールを誘拐した一味を追っていた。
奴らの後を付けた先、スラム街でも人が寄り付かない廃アパートの死角、
ここに私は応援を待ちながら、一味の隙をうかがっている。
シロー部隊が一番近いが、それでも到着まで三十分も待たなければならない。
事態は一刻を争うが、焦りは禁物だ。

足音が聞える、振り返ると一人の少年がこっちに向かって走ってきていた。
私が手招きをすると、彼は敵意を秘めた眼差しを向ける。
警察手帳を見せてようやく敵意を解いたのか、
「おいオッサンッ! ティファはいまどこに居るッ!!」
「ティファ――ティファ・アディールの事か?」
「そうだ! オレはティファを取り戻すまで、家に帰るつもりはないんだッ!!」
「まさかお前、彼女を追ってここまで来たのか」
少年は頷いた。意志の強さを秘めた瞳を私に向けたまま。
「たったひとりの少女の為に……」
私は驚くしかなかった。
まだまだ(私から見れば)幼い少年が、一人の少女を救う為に、
こんなスラム街まで追いかけて来るとは……
危なっかしいなと言う思いと共に、どこか羨ましさを感じていた。

「オッサン、突入しようぜ!!」
「しかし、二人で突入するにしろ……まだ無理だな」
廃アパートは三階建て、ティファ・アディールは首領らしき男と共に最上階にいる。
一階から突入して、運良く三階まで辿り着いたとしても、彼女を盾にされれば終りだ。
「へへ、こんなアイテムがあるんだけどさ」
彼は内ポケットからそれを取り出し、私は片唇を上げる。
「では、私が囮をやろう」
108誘拐2/3:03/10/11 18:43 ID:???
「おっと、誰か忘れてないかね?」
「げげッ!!」
「貴方は……」
周囲を窺っていた私達に気配も感じさせずに現れた男、
シャア・アズナブル、この街でも有名な大富豪の一人だ。
「ランスロー君、私にも手伝わせてはくれないだろうか?」
「しかし……貴方は……」
「一人の市民の命が脅かされているのだ! 
 一市民として見過ごすわけには行かないのだよ!!」
私は感動と尊敬の念をこの大富豪に抱く他なかった。
富と名誉を持ち合わせている人間が、それを失う事を怖れないとは。
「誘拐など、ロリコンの風下にも置けないのだよ!!」
「やっぱり、このオッサン危険人物だよ……」
聞かなかった事にすべきだろうな、精神的平衡を保つ為には……

銃撃音。
私はフォワードで、シャア氏がフォロー(無論、銃は私が貸与)。
最初、彼が「私が先に行こう」と、言ったのだが、
それは刑事としてのプライドが許さなかった。
市民を盾にするなど言語道断、裏に何かありそうと感じたのは秘密だ。
幸いにも、相手には飛び道具を持っていない。
跳躍、一気に懐に入り、ジャンピングニー。
どんどん、一味が集まってくる。
いいぞ、私は思惑通りになったので気分が良い。

ガラスが砕ける音が響いた。

「チェックメイト、って感じ?」
暫くすると、紳士然した中年男を先頭に、ぞろぞろと手を上げた男達が出てくる。
109誘拐3/3:03/10/11 18:46 ID:???
今日は本当に驚くべき事が連続した日だ。
とにかく、あの少年、ガロード・ランがシロー刑事の弟と言う事実。
シャア・アズナブル氏の性癖の一端を垣間見た日。
そして、何よりも、
「いや、こちらとしても助かりましたよ」
ニコラ・ファファス検事がティーカップを渡しながら、笑顔を浮かべ、
「内定を進めていたアルタネイティヴ社の摘発が出来るのですから」
誘拐犯の首領は、後ろ暗い噂が絶えなかったアルタネイティヴ社社長、
フォン・アルタネイティヴその人だったのだ。
倒産寸前の会社を立て直す為にどの株が上がるか、
彼女が持つ予知能力を利用しようとして誘拐。
いや、人間は欲望で身を滅ぼすものと改めて痛感した。
「明日はお互いに大仕事ですね」
夕陽が室内を包む。
今度、あの少年と少女に気の効いたプレゼントでもしよう。
「ニコラ検事官」
「どうしました?」
「ローティーンが喜びそうなものは何だろうな?」


いらんおまけ

「……む」
「トレーズ様、どうなされました」
「……いや、あの赤毛の男を見ろ」
「あぁ、彼は中央署所長ランスロー警視ですね」
「ふむ……私と似た匂いを感じると思わないかね?」
「しかし……大きなクマの縫いぐるみと、ゲーム機の箱を持っている姿は……」
「ミスマッチだ、しかし、それを恥じる事ない姿、挙止は見習うべきだよ?」
110誘拐〜蛇足〜:03/10/11 18:48 ID:???
「ティファ、大丈夫だったか?」
「ええ……見えましたから……」
「ハハッ、そうだよな」
「……でも」
「でも?」
「ガロードが絶対来てくれるって……信じていました……」
「……そっか」

(決して羨ましくなんか……羨ましくなんか……)
「だから、シーブックお兄ちゃん」
「ぐうぅぅぅぅ……彼女なんて、彼女なんて」
「コウお兄ちゃんまて……」
「どうして、私には何も無いのだ?」
「シャアおじちゃんも、みっともないよ」
Σ(´Д`lll)「おじちゃん……おじちゃんか……ふふ」
111通常の名無しさんの3倍:03/10/11 20:27 ID:???
>107-110
ランスローは初登場かな?グッジョブ。
でも、ガロードが隠し持っていたアイテムが具体的に描写されないのが残念。
これを見たランスローがオトリになろうというのだから、すごい物だと思うけど…。

あと、
>「だから、シーブックお兄ちゃん」
>「コウお兄ちゃんまて……」
>「シャアおじちゃんも、みっともないよ」
は説明がないけど、アルのセリフだと思っていいんですよね?
で、シャア(34歳)が、

        r'⌒⌒⌒'、
       (ミ"""メ""ミ)
       ,ヾ∩Д▼ノ もう私は「おじちゃん」といわれる歳なのか
      /(_ノ¥ィ \
    ⊂こ_)__)`ヽつ
112通常の名無しさんの3倍:03/10/11 21:01 ID:???
>>111
やっぱり、感想があるとモチベーション上がります、THX!!
・アイテムの事
Xの初回、
ガロードがどうやって流れバルチャーを退治したのか?
どうやって、MSのコクピットまで登ったのか?
これがヒントです(邪悪)
・アルの台詞?
アルの台詞で正解ですよぅ。
悪意が無いだけ、シャアに精神的ダメージ絶大ですw
「コウおにいちゃんまて……」
濁点を忘れていましたので鬱……
またちょっと間が開いてしまいました。>>49からの続きです

レイン「石を受け止める……?」
ドモン「そういうことだ。レイン、危ないからお前は離れていろ」
 レインが自分たちから距離をとったのを確認して、東方不敗とドモンの特訓は始まった。
東方不敗「ゆくぞ、ドモォオン!」
ドモン「はい、師匠ぉお!」
東方不敗の両腕がしなり、左右の手から小石が強烈な勢いかつ間断なく放たれる。15メートルほど
離れて師と向き合うドモンがそれを目にも留まらぬ動きで受け止め続ける。距離をとって二人の特訓を
みつめるレインに、通常の生活ではありえない感覚が走った。
レイン「こ、これは……音が遅れて聞こえてくるの?」
とすれば、東方不敗の投げる石は音速を超えているということになる。まさか、と思いレインは意識
を集中しなおした。しかし先ほどと同じ感覚が繰り返されるだけ。やはりマスターアジアの手から
放たれる石は、音速の壁を突き破ってドモンを襲っているのだ。それをドモンは受け止め続けている。
だが全てを手で受けきれるわけではない。体に当たっている石もある。
レイン「なんて壮絶な特訓……ところで、これってサッカーに関係あるの?」
 レインの言葉などよそにドモンと東方不敗の特訓は熱を増し、加速する。
東方不敗「ぬぅううううううう」
ドモン「うぉおおおおおおお」
 受けて、受けて、受ける。手で足りなければ、体で止める。音速を超えて迫る石の弾幕。ドモンが
一瞬たりとも集中を切らせば大怪我は免れないだろう。意識して軌道を捉えているからこそ、石が
体にぶつかっても問題ないのだ。だがそこで、予期せぬアクシデントが起こった。
 ドモンの右脇を受けそこなった石が抜け、公園の先の道をちょうど通りかかった少年へ一直線に
突っ込んでいく。
ドモン「しまったぁああ」
レイン「危ない!」
「オウ! デンジャァアア」
その声が聞こえる頃には、すでに少年の前に一人の男が身を投げ出して、少年を庇っていた。その男
の周囲になぜか沸き立つ砂煙。握り締めた拳の中には石がその力を殺されて眠っているのだろう。
やがて煙が晴れて男の姿が明らかになった。
レイン「あ、あなたは……」
 間違いない。エルヴィス・プレ○リーを勘違いしたとしか思えない服装。お前アメリカ人じゃねー
だろ、とつっこまれるためかのようなあの叫び。そして類まれなる身体能力。振り返ったドモンも、
男の姿をはっきりと双眸にとらえていた。
ドモン「チボデー・クロケット……」
チボデー「よお、ジャパニーズ。ちょっとは気をつけな」
 スマイルと共にチボデーはドモンに石を投げてよこした。受け取るドモンは対照的に険しい顔の
ままだ。
ドモン「何しに来た。チボデー」
チボデー「ふっ、別にお前の特訓をスパイしていたわけじゃないぜ。知ってのとおり、俺もお前と同じ
      コンペティションに出ていてね。練習場にいく途中だったのさ」
答えながらチボデーは自らが救った少年の頭をなでた。少年は何が起こったのかまったくわかって
いないようで、すこし戸惑いながら行ってしまった。チボデーはドモンの奥にいるマスターアジアに視線
を移す。
東方不敗「見られたところで問題のあることでもない。それよりもドモン、今の不手際は貴様の未熟
     ゆえ。折よくチボデーが通りかかったからいいようなものを、そうでなければどうなって
     いたか。未熟千万! このうつけ者がぁ!」
背後からの強烈な怒気に、ドモンもはっとして振り返り、恥じ入るように体を振るわせた。
ドモン「し、師匠、もう一度お願いします!」
東方不敗「うむ。では改めて、ゆくぞ! ドモォオオオン」
 再び始まった特訓はますます過酷さを増しているようにレインの目に映る。
レイン「こんなことをして、試合に差し支えないかしら」
チボデー「さあな。そいつはあいつ次第だ」
不安からぽそりと口にした言葉は、いつのまにか隣に来ていたチボデーに聞かれたようだ。
レイン「チボデー、私にはわからないわ。この特訓が、どうサッカーに役立つのか」
チボデー「……そうかい、お嬢さん……はっきり言って、こんなことをしてもゴールキーパーとして
     のスキルは上がらないぜ。石をぶつけることでキーパーの実力がアップするんなら、今頃
     世界中のキーパーは石を喰らってアザだらけさ」
レイン「じゃ、じゃあいったい何のためにこんな危険なことを?」
チボデー「さあな、あり得るとしたら……この特訓をやりきったことで自信をつける、とそういうこと
     かもな」
 そこまで言うと「じゃあな」と映画の中のカウボーイみたいな仕草をして、チボデーは去っていった。
レイン「自信……マスターアジアは、ドモンに自信が欠けていると思ったということ? でも、ここで
    怪我をしてしまったら元も子もないわ……」
レインの心配をよそに、東方不敗はドモンに向けて次々と必殺の一撃を放つ。
東方不敗「なっちゃあいない! 本当になっちゃいないぞ、ドモンッ!」
    「そこまでか! 貴様の力などそこまでのものにすぎんのかぁ!
     足を踏ん張り、膝をやわらかくせんかぁ!
     そんなことでは蹴球の大会ひとつ制せんぞ!
     このバカ弟子がぁああああ!!              」
ドモンもそれを受けて、もはや音速の2倍のスピードもあろうかという石の暴風に立ち向う。
ドモン「とぅおりゃああああああああぁ」
しかし、厳しい攻めに徐々にドモンは体力を失っていく。そして、ついにひとつの石がドモンの頭を
直撃した。額から血を流し、膝をついて、さらに腰が落ち、ドモンは座り込んでしまった。
レイン「ド、ドモォオン」
ドモン「大丈夫だ……レイン、下がっていろと言っただろ」
かけ寄ろうとするレインを制して、ドモンは立ち上がろうとする。だが足に力が入らないのか、膝を
ついたままなかなか立ち上がれない。もちろんのこと、東方不敗はそんなドモンにさえ容赦ない。
東方不敗「何をしておる! 自ら膝をつくなど、勝負を捨てた者のすることぞぉおお!
     さあ、立て! 立ってみせいぃいい!」
レイン「もうやめてぇええ」
立ち上がれないドモンに投げつけられる今までよりもさらに厳しい一撃。そのあまりのスピードに
レインには身を挺してドモンをかばうこともできない。だが、ドモンはつかんだ。師の心に応えて。
ドモン「キングオブハートの名に賭けてぇええ!」
紋章の光る手の中で、しゅぅううと石が断末魔の声をあげた。二人の漢は笑みを交わす。
 そして続く特訓。もはや投げられる石は光速に迫っているかもしれない。レインはそっと身を引いた。
もう自分の入る余地などないのだ。哀しい。そんな思いが、知らぬ間にレインの心に棲んだ。
 レインが見守る中、特訓はついに終わった。ぼろぼろになった体で、ドモンはしっかりと両の足で
大地を踏みしめていた。頷く東方不敗が、ドモンの立つ地面を見て笑う。
東方不敗「ふははははは、それでこそわが弟子よ!」
ドモンの周囲には石が規則的に並んでいた。離れたところから見るとわかる。石の並びでアメリカ
国旗を描いているのだ。あの石の驟雨の中で、それだけのことをやってのけたのだ。
レイン「ドモンなりの、ライバルへの敬意かしら」
微笑むレイン。笑いあうドモンと東方不敗。拍手と歓声を贈るいつのまにかできていたギャラリー。
東方不敗「では、ワシはいくぞ。ドモン、今のお前ならどんな達人が相手でも決して負けることはある
     まい! 自分を信じるのだ! ならば、最後に!」
師と弟子「流派 東方不敗は 王者の風よ 全新系裂 天破侠乱
      見よ 東方は赤く燃えている           」
時は夕刻。太陽が西の空を赤く染めていた。斜陽の橙の陽射しが、レインのほほを染めた。去り
行く師の後姿に、ドモンはさっと頭を下げた。そのドモンの姿が自信に輝いているのを、レインは静かな
気持ちでみつめていた。ギャラリーのひとりであった画家の卵は、急いでそのレインの表情をスケッチ
ブックに刻み込もうとした。

続く
115フットボール狂騒曲:03/10/12 06:43 ID:???
またも訂正です。タイトルが、

>>113はフットボール狂騒曲80 で 
>>114はフットボール狂騒曲81 です。 訂正してばっかでですいません。
116通常の名無しさんの3倍:03/10/12 15:15 ID:???
東方は赤く燃えていなかったのかw
11776:03/10/12 16:08 ID:???
>89,90,92,93,99氏
駄文なのにお読みいただき深謝…
蛇足と思い削除した出発直後のジュドガロねた、置いておきます〜♪

>91氏
ご近所の憧れお兄ちゃん、みたいなイメージです。
小さい頃に引っ越してきたときからずっと背中を追いかけているんだけども、
ちっとも気付いてもらえない、みたいな。

>97氏
イキロ!というかGJ!!
ガロードの価値観にモニタの前で激しく笑わせて貰いましたよー♪
オルタネイティブ社が狙う能力もガロードの前には菓子パン3個の値打ちしか(w

>104氏
グッジョブ!続々と書き込まれる良スレ脅威のメカニズム!!
ガロ×ティファっていいですねぇ…心、洗われました!
∀に掻き回されるくらいの勢いでグ-ルグル
11876:03/10/12 16:11 ID:???
「…君たち。待ちたまえ」
その2人が家を離れてすぐ。物陰から声をかけてくる男がいた。
「その…なんだ、いつものアレ、をくれないか」
決して安物ではない、秋もののロングコートに身を包み。仕立ての良い帽子を目深に被って囁きかける男…
端正な口元には卑しいまでの笑み。浅黒い、凛々しい顔つきは押さえきれない欲望に震えながら…男はコートの内側から札入れを抜き出す。
「いいだろう…?君たちにとっても悪い話では無いはずだ」
乱暴に制服を着崩した少年達は立ち止まると視線を交わし合って…ニヤリ、と微笑むと交渉に入った。
「えー、またかよ…グエンさん。オレたちだって腹ぺこなんだぜ?」
「そーそー、そういっつもいっつも売ってやると思ったら大間違い。なぁジュドー?」
「そ…っ、そんなことを言わず…譲ってくれたまえ。決して損な取引ではないはずだっ」
「損とか、得とかそういうんじゃなくってさ。やっぱりロランの兄貴が丹精こめて作ってくれたおむすびだもんなぁ」
「そうそう。兄貴が眠い目をこすって早起きして、オレたちのために“優しく”握ってくれたおむすびだぜ?」
その2人は天性の商売人であった。本来なら財閥の御曹司、若き経営者としてその才覚をうたわれるグエン・ラインフォードがいかに欲望に目を眩ませているとはいえ、年下の2人にすっかり手玉に取られているとは…
しかも、そこでわざと制作者のイメージを挿入させてグエンの頭の中にロランが朝早く目覚め…
(ねむねむ…でも、ちゃんと作ってあげないと…♪)
という可憐なイメージ像を組み上げさせ、さらに男の中の欲望を昂らせる。
すかさず、兄の言葉に呼応してジュドーが手にした紙袋をガサガサ、音をたてて振った。
「まだ、今なら“温かい”ぜ?」
「くっ…わかった、それほど虐めないでくれたまえ。…金なら幾らでも出す」
「へへへっ、毎度♪」
「悪いね〜、グエンさん♪」
御曹司が札入れからゼロが4つもついたお札を渡すと…ガロードとジュドーは嬉々としてしてそれを受け取り、代わりに先程、彼らがロランから受け取ったばかりの紙袋を渡す。
手にしたそれを愛しげに小脇にかかえ…声を潜めて、グエンは付け加える。
「君たち…分かっているとおもうが」
「あぁ、分かってるって。他の人たちにはオレたちがグエンさんにロラン兄ぃ手作りのおにぎりを売ってるって、教えないってことだろ」
「その通りだ。その中には君たちへの口封じ代も含まれていると理解してほしい」
そう言いながら御曹司はいそいそと待たせてあるリムジンへと向かっていった。食べるのが待ちきれないのだろう…
そんな男の姿を見送ると、ガロードは傍らの弟を見やる。
「さて…これだけの大金が手に入った訳だが、弟よ。」
「分かっていますよ、兄さん…こんな朝早くから今日という日は、なんと素晴らしいことでしょう♪」
「そしてそんなめでたい日に、これから僕たちはどこへ向かうというのだ?」
「学校に向かって机にかじりつき、つまらない授業に耐えるには、あまりにも僕たち兄弟の未来は輝かし過ぎると思います、兄さん!」
「その通り!我々は正さねばならない、青春の素晴らしい日々を奪う虚しい学問を!」
「そして粛正しなければならない、あまりにも無意味な学校授業というものを!」
「「全てはぼくらの時間なんだ!!」」
11976:03/10/12 16:12 ID:???
「へ〜え、ご高説いちいちごもっとも…っと」
後ろから手が伸びてくると、ジュドーの手でひらひらと舞っていたお札をひったくる。
「あ、こら…ビーチャかっ!?」
「へへ…相変わらずぼろい儲けをしてるじゃないか、ジュドー、ガロード」
「なんだ、お前等か。悔しかったらお前等もそういう儲け話、見つけろよな」
「まぁまぁ、そう言わないで、ガロードさん。苦しいときはお互いさま、ってね」
「そういうモンドは、いっつも苦しいよね」
「エルぅ…虐めないでくれよ…」
2人に話しかけてきたのは彼らの学友にして悪友と読む友人たち…ビーチャ、モンド、エル。
癖の強い鈍金色の髪をした生意気そうな少年、背が低くがっしりした体つきの少年…そしてくるくるとカールした髪をリボンで結わえた、大きく丸い瞳が印象的な明るい笑顔の少女。そして…
「ま、お2人さんともきっついこと言わないの。どーせ、今日もさぼる積もりだったんでしょ?」
「エニル…身も蓋もないこと、言わないでくれる?」
ガロードにしなだれかかるようにして身を寄せてくる、年の割に艶っぽい魅力のある少女…エニル。
「オレたち兄弟には明るい未来が待ってるんだから。お前達とは違うの!」
「そんな硬いこといいっこなし、ジュドー」
「そうだよ、おれたち友達だろ?」
「都合のいいときだけ友人面して…」
「ふふ…でも、そんなこと言いながらさぼる気は満々みたいね。お2人さん」
「そうそう、エニルの言うとおり!…もし、私たちがここでロランさんに今のことチクったら…ロランさん、怒るんじゃないかな〜?」
「ちっ…勝手なことばかり言ってくれて…」
「まっ。いいじゃないか、ジュドー。確かに困ったときはお互いさまだし」
エニルにその魅惑的な膨らみを押しつけられ…どこかでれ〜っとした顔つきのガロードがジュドーをなだめる。
「そうそう♪ガロードさんの言うとおりだよ、ジュ・ド・ぉ♪」
エルも無意識か、それともエニルの積極的な行為を意識してか…さりげないように見せかけてジュドーの二の腕をとり、自分の胸元に押しつけた。
「…ま、まぁガロード兄貴が言うならしょ、しょうがないか…な」
「そうそう。とりあえず駅前に行ってコインロッカーから私服を取ってこようぜ?オレ…牛丼食いたいな」
「よーっし、それじゃみんなで駅前にレッツゴー♪」
「それはいいけど、エル…そろそろジュドーから離れろよ」
「え?なんのこと?」
「だーかーら、離れろって…!」
「なに怒ってんのよ、ビーチャ。ジュドーは別に困ってないもんね」
「…ま、まぁそりゃ…困ってはいないけどさ」
「だいたい何であんたが怒るのよ、ビーチャ?!」
「そりゃ、おれたちまだ子供だし、そういうことは良くないと、だなぁ!」
「あんたなんかに言われる筋合いじゃないわよ〜だ…ね、ジュドー?」
斜めに差していた朝陽が、次第に角度を緩やかに…高い宙の彼方から柔らかな陽差しを投げかけてくる。
透き通るような秋の1日。
賑やかな少年少女の一団が明るく騒ぎ立てながら過ぎ去ってゆくと、そこにはさわやかな風が一つ。
高い…遠い宙まで吹き上げるような風を巻き上げて彼らの声を持ち運んでいった。
宙へ。
120異変:03/10/13 10:27 ID:???
その日、ロランが買出しから帰ると、
リビングにヒイロが倒れていた。
「ヒイロ、どうかしたんですか?」
「……」
土色の顔色、時たま痙攣しているヒイロに、
ロランは顔を青ざめさせる。
ただ事ではない、あのヒイロがこんな状態になっているのだから。
「……」
「え? ……これは」
テーブルの上には空のケーキ箱。
ロランはまさかと思いながらも、
脳裏に思い浮かんだ人物の名を挙げた。
「リリーナさんの?」
「……ぁぁ」
ヒイロは搾り出すように呟くと、そのまま気絶した。
五時間後にきっちり復活しているのは、面目躍如と言うべきであろうが。

「……これは、お料理をおしえるしかありませんね」
ロランは決心した。弟の為に、そして料理番として。

同時に、料理が出来ない方にも、料理を教えようと。
121異変→ロランの料理教室:03/10/13 11:54 ID:???
を予定しています。
確定は、リリーナ(当然)、ティファ、ハマーン。
他の候補としては、ラクス(出来るなら除外)、フォウ辺りです。

〜予告編〜
♪そーらーに(以下中略)
「ああ!! それは味の○です」
「ガロードに美味しいって、言って欲しい……」
「不味いとは言わせないぞ、ジュドー!!」
「……野菜を切るのは、難しいですわね」
♪ちゃららら、らんあうぇい(省略)

但し、予告した物と内容が違う事もありますが、
これは番組の編成上の演出です。ぜひとも、ご容赦を
122通常の名無しさんの3倍:03/10/13 13:27 ID:???
職人さん乙
スレに活気が戻ってきて嬉しいなぁ
123通常の各無しさんの3倍:03/10/13 13:59 ID:???
Z駆れさま。
楽しみだ。がんがってください。
124通常の名無しさんの3倍:03/10/13 19:00 ID:???
>116のコメントを読むまでフットボール狂騒曲-ドモン特訓編の
夕日の描写に何の疑問も持たなかった俺はアフォだ。
そうか、燃えていたのは西方だったか。
125通常の名無しさんの3倍:03/10/13 21:04 ID:???
76さんタイトルつけたほうがわかりやすくていいと思うにょ
126鳩が飛ぶ日1/2:03/10/13 23:02 ID:???
>117

(クリスとアムロ)
>>91氏
>ご近所の憧れお兄ちゃん、みたいなイメージです。
>小さい頃に引っ越してきたときからずっと背中を追いかけているんだけども、
>ちっとも気付いてもらえない、みたいな。

そういう解釈も出来るのかぁ。アルにとって今のクリスが憧れの年上の異性であるように、
クリスにとってはアムロがそういう存在でもおかしくないと。アムロ兄さん羨ましすぎ。(バーニィの立場は?)

そういえば何故お姉さんスキーのウッソはクリスに見向きもしないんだろう?
それはともかく、本編行きます。

「鳩が飛ぶ日」1/2
昨晩までの雨も上がって、休日はすがすがしい朝だった。
が、鳥人間クラブの倉庫からカミーユとシーブックは、複雑な顔をして空を見上げていた。
その横で、クラブの後輩のトビア・アロナクスにカツ・ハウィン(ハヤトの養子にはなっていない)が、
トビア「えー?今日は飛べないんですか?天気も風も条件そろってベストコンディションなのに」
カツ「知らないのか?毎年恒例の伝書鳩レースがあることぐらい知ってんだろう。
    レース中はホモアビスやグライダーでの飛行は禁止なんだよ」
先輩風を吹かせて言っている。入会がほんの半年早かっただけなのだが。
ウモン「しかたないのう。飲みながら待つとするか」
シーブック「ウモン爺さん、朝から飲まないで下さいよ」
ウモン「シーブック、老い先短い老人のささやかな楽しみを奪うのか?冷たいのう」
シーブック(どう見てもこの先20年は何があっても死にそうにないんだけど…)

つづく

127通常の名無しさんの3倍:03/10/14 23:43 ID:???
職人の皆さん、いつもありがとう
御礼にコーヒー置いていきます
  ζ ζ
.  ___
 │  D
 └‐┘
128通常の名無しさんの3倍:03/10/15 00:44 ID:???
ウホッ!いいコーヒー・・
129通常の名無しさんの3倍:03/10/15 08:10 ID:???
飲まないか?
130通常の名無しさんの3倍:03/10/15 09:14 ID:???
  ζ ζ
.  ___
 │  D  。 
 └‐┘ .人<凄く…大きいです
131通常の名無しさんの3倍:03/10/15 10:25 ID:???
>>130
ワロタ
132真・うんこ:03/10/15 11:45 ID:???
ここでSSでも軽く書くとするかな
軽〜くな
133称号:03/10/16 00:37 ID:???
居間。家族団らんの時。
アルはため息をついた。
アル「はあ、僕も称号がほしいな」
ウッソ「どうした?アル」
アル「僕も『赤い彗星のシャア』や『皆殺しのトミノ』のように異名がほしいんだ。ちびのアルと呼ばれるのは嫌なんだよ」
ウッソ「そうか、じゃあ、ザクマニアのアルというのはどうだ?」
アル「えー。他の名前がいい」
ドモン「ならば、『格闘バカ一代』というのがいいだろ」
アル「自分のことじゃん」
シロー「第08MS小隊のアルなんてかっこよくないか?」
アル「部隊名を名乗ってもしょうがないよ。しかも、そんなマイナーな部隊知らないし」
コウ「ソロモンの亡霊は?」
アル「ソロモンなんて行ったことない」
ウッソ「カサレリアのアル」
アル「死ね。まじめに考えてよ、もう」
ヒイロ「(ぼそっ)オペレーション・メテオ」
アル「作戦名じゃん」
アムロ「エースパイロットはどうだ?」
アル「それ、死語。ださい。まだ、ザクマニアのほうがまし」
ロラン「……お笑いタイフーン」
全員「!!」
ヒイロ「エンターブ○イン社から出ているお笑い雑誌だな……」
ヒイロ・ロラン「( ̄ー ̄)ニヤリッ」

翌日。
アル「……と、こんなやり取りを昨日したんだ」
バーニィ「お前、年上に暴言を吐いて、よく、殺されないよな」
アル「バーニィはいつも殺されるけどね」
バーニィ「こりゃ、一本取られたな!」
2人「あははは」
(終わり)
134ロランの料理教室(序):03/10/17 04:51 ID:VsN539lR
ハマーン・カーン及びティファ・アディールの場合

相変わらず、教室の中は落ち着きが無い。
正確にはガロードを中心として、騒ぎが広がっている。
何時もなら、蚊帳の外の生徒たちはハマーンの激高を恐れ、
ビクビクとしているのだが、今日だけは様子が違った。
そう、彼女のお気に入りと噂されるジュドーがいないにも関わらず。
「いやー、まさかリリーナさんの料理があそこまでとはねぇ」
「……そんなに、酷かったのですか?」
「それで、ロラン兄貴が料理を教えるって、聞かないんだわ」
「ガロード……私も教えて欲しい」
後でガロードが聞いた話だと、何時もの様に注意する為に、
チョークを持ち振り上げたハマーンの手が停止ボタンを押したように止まったそうだ。
「ああ、いいぜ。ティファならロラン兄貴も大歓迎だろうな」
内心、ティファの手料理が食べられると、歓喜の頂点に立っていたが、
次の瞬間に、
「ガロード・ラン、私も丁度料理を習いたいと思っていたところだ」
教室の空気が極一部の例外を除き、止まった。
「ハマーン先生も同じ……」
ティファの呟きに、頬を若干朱を注した女教師。
「い、いや、そうではない、あくまでも嗜みとしてだな……」
その後の事はガロードも憶えていない。
ただ、これから起きるであろう騒動に対して、如何に恋人の安全を保つか、
同い年の兄弟への同情を若干抱きつつも、
手料理と言う誘惑に比較に対し、それは丁重に心の棚に置かれてしまった。
135ロランの料理教室(序):03/10/17 05:20 ID:???
お姫様二人〜張本人とシンデレラの場合〜

ここは一家のリビング。リリーナとロランの二人が、午後の紅茶を楽しんでいた。
ヒイロはぶり返しで寝込み、そのお見舞いにリリーナは訪れていた。
「ええ、でもヒイロは大丈夫だと……でも」
リリーナの瞳はまだ少しだけ赤い。
「気に病むことは無いですよ、これから上手くなっていけば」
「でも、本当に上達できるの…ですか?」
「ヒイロに「美味しい」って、言ってくれるように手助けしますから」
何とも無い一言であったが、リリーナの顔が真っ赤に染まる。
(リリーナ……美味しい料理だ……)
何故か、薔薇のフレーム+光るヒイロの歯。
(それから、それから、私達は……ヒイロ、そんなに急がなくても)
ロランは漏れてくる呟きに、顔を赤らめながらキッチンへと逃避した。

「ただいまー」
「お邪魔します」
カミーユとフォウが帰ってきたのは、
リリーナの脳内で子供の名前を決めている時であった。
「あ、リリーナさん」
「(ハッ)……んっ、ご機嫌いかがですか? こちらのお方は?」
フォウはリリーナの切り替えの早さに、
後頭部に水滴を浮かべながらも、
「私はフォウ・ムラサメ、あなたがリリーナさんね。」
「フォウも料理が下手だからさ、ロランに教えに来て貰ったんだ」
「恋人の前で、随分言ってくれるわね」
「あ……あはは」
「ふふ……」
136ロランの料理教室(序):03/10/17 05:25 ID:???
と言う事で、グダグダ気味ですが導入は終了と言う事で。
これから本編(と言うほど大した物にならない悪寒)に入りますが、
料理の基礎知識的な読み物になるかと思います。

まずは予告から遅れてしまった事、
上げてしまった事
リリーナのキャラを妄想系へ崩してしまった事。
この三つのお詫びを致します。
最後に感謝を
読んでくれる方々、そして、同じ創作をしている戦友へ
137通常の名無しさんの3倍:03/10/17 08:49 ID:???
>136
漏れは楽しみにしてるから、がんがれ〜
138通常の名無しさんの3倍:03/10/17 08:52 ID:???
76さん、乙〜
続きが楽しみです
そうかハマーンさまが(((;゚Д゚)))ガクガク
139通常の名無しさんの3倍:03/10/17 10:53 ID:???
>>136
妄想リリーナ良い感じ。続きを期待待ち。

ところでリリーナの料理が殺人的に不味いというのはオフィシャル設定なの?
140通常の名無しさんの3倍:03/10/17 15:13 ID:???
>>139
過去スレを読みましょう。
ちなみにオフィシャルの設定ではない。
14176@もう名無しです:03/10/18 01:38 ID:???
自分の投稿は119で終わりです。
以後、76という代物はシロップに罵られたクワトロ並の扱いで〜。
…ということで138さま、それは自分ではない偉大なる職人さまですよー
142エリシャと:03/10/18 02:06 ID:???
私はここで何をしているんだろう?

エリシャ=クランスキーは隣りに立っている妹のマルチナを見つめて、溜め息をつく。
本当にここまで来ちゃったけど…別に今日じゃなくてもいいのに…
私だけなら、こんな事はしないだろう。と

姉のエリシャと妹のマルチナのクランスキー姉妹は
ご近所では俗にこう呼ばれている…有名な『ガンダム兄弟宅』の玄関の前に立っていた。

「やっぱり…明日にしましょうよ…」
私がそれを言い終わらないうちに、妹のマルチナは機関銃の如く言葉を並べたてる。

「姉さん、ここまで来て何いってんの!アレは男子のインボーでしょ。絶対に!
ウッソは年下だからオデロさんの言いなりだし、それを黙って見てるトーマシュ部長も
信用出来ないわよ。もう、ウッソを直接説得するしかないんだから!」

「けど…夜にお邪魔するなんて…ねえ?」
なだめすかす様に言ってみたけど、どうやら効果はなかったみたい。
妹は今にも玄関を蹴破り、中へと飛び込みそうな姿勢を崩さないし
こんな調子だから、私が妹の付き添って来たことが、正解だったのか、失敗だったのか、判断に迷ってしまう。

常々、妹のマルチナには大胆さや行動力では叶わないとは思っていたけど
今回は面倒なことが起りそうな、そんな予感が少しあって
妹のことを放ってはおけないけれど、私としては勘弁して欲しいのよね、という気分だった。
143エリシャと:03/10/18 02:08 ID:???
私の妹、マルチナ=クランスキーの怒りは放課後の些細な出来事が発端だった。

私達、クランスキー姉妹は小学校から高校までの一貫教育が売りの私立学園に通い
学園では園芸部リガミリティアに所属している。
その日の放課後、園芸部が使っている温室の片付けから戻ってきた妹のマルチナが
部室の壁に掛けられている当番表を見た事が、そもそもの始まりだ。

真新しくプリントされた当番表を見たマルチナは一言。
「何、これ!?」と言ったかと思うや、部室から飛び出して
園芸部の男子部員を探したが、誰1人として捕まらない。男子は全員、帰宅した後だった。

男子部員を捕まえ損ねたマルチナの怒りは収まらなくって
「これからウッソの家に理由を聞きに行く!」と、独りで息巻いている。

その場に居たマルチナよりも歳下の女子部員、スージィ=リレーンは
妹の迫力に押されっぱなしで、声も出せずに、ただ、オロオロするばかりだし

同じく女子部員のシャクティ=カリン。この子はマルチナとは歳が近いけれど
大人しいというか、年齢の割に怖い位に落ち着いている子なのよね。
そのシャクティが「明日、話を聞いてみたら…」とか言う言葉にも妹は耳を貸さなかった。

妹のマルチナは頭に血が昇りやすい性質で一旦、怒ると
自分の気が済むまでは誰の話も聞こうとしないんだから…。
この妹に対して姉の私はどうしたらいいのだろう?

私としては、このままマルチナを独りでウッソ君の家へと行かせたら
何か揉め事が起きそうで、そうなると向こうの家にも迷惑がかかるだろうし、とか
頭の中を不安が駆け巡って、結局のところ、私は妹に付き添う事にした。

私が一緒に付き添って、途中で話か何かを聞いてあげれば
それで妹の、マルチナの気も晴れるかもしれないし
妹は気分屋なところがあるからって、そんな甘い考えもあったりもした。

…が、現実はそんなに簡単じゃなかった。

日が暮れて、辺りが暗くなっている時間帯に
私は妹のマルチナに引き摺られる形で『ガンダム兄弟宅』の玄関の前に立ってる訳だし
隣りで妹が玄関の戸を叩いているのを止められないんだもの。
144エリシャと:03/10/18 02:11 ID:???
妹が玄関の戸を叩くと、この家の兄弟…確か十男だか、十一男だか、の
ジュドー=アーシタが姿を見せて私達姉妹を迎えてくれた。

ちなみに、この『ガンダム兄弟』は全員で十三人も男ばかり居る、最初にその話をウッソ君から聞いた時
私は悪い冗談で私のことを担ごうとしているのかな?と思ってしまった程だ。
そんな話、有り得ないでしょ?今時ねぇ…。

「あれ?エリシャさんに…マルチナまで?どうしたの?」

「御免なさいね。夜遅くて…」
「ウッソに話があるの!ウッソを呼んできてよ!」

マルチナは私の言葉を遮ると、噛み付くような眼つきでジュドー君の事を見ている。
この子の行動を見てると我が妹ながらも呆れてしまう。
私はこれから起るだろうアレコレを考えるだけで頭が痛くなった。

「マルチナ?なに、怒ってるんだ?」

ジュドー君は妹の態度に驚いてる。
そりゃ、不機嫌そうな顔をした妹が夜、家まで訪ねてきて…ウッソに会わせろ!とか
怒鳴ってるんだから当然よね。

やっぱり、ここで引き返すべきかもしれない…そう思うと私は妹に対して最後の説得を試みた。

「あ、ジュドー君。この子の事は気にしなくでね…え〜っと、やっぱり帰りましょうか?マルチナ?」
「駄目!今、ウッソに話があるんだから。帰らないわよ!帰るなら姉さん独りで帰ったら?」

「なんでそう…アナタは頑固なの?」
「そういう姉さんはウッソの作った当番表には賛成なの?アレで良いの?」

「良いとは思っていないけれど…」

「あの、何があったか知らないけれどさ…いいから上がんなよ。ウッソに話あるんだろ?」

玄関先で痴話ケンカをしてしまった私達姉妹をジュドー君は家へと上げてくれるそうだ。
こうなったら仕方ない、と
私は渋々、兄弟宅の玄関の敷居を跨ぐことにした。破れかぶれの心境だ。
145エリシャと:03/10/18 02:13 ID:???
居間へと通された私と妹のマルチナは

「俺がウッソを呼んできてやるからさ、クランスキー姉妹はこの居間で待っててよ」

と、言い残して階段を上がっていくジュドー君を『ガンダム兄弟宅』の居間で待つ事にした。

それはまぁ、いいとして…問題なのは私達姉妹が居る…この居間には
他の『ガンダム兄弟』達も居て、各々が私達の存在を無視するかのように寛いでいる事だ。
これが男所帯のむさ苦しさ…というかな?
非常に居心地が悪くて、私は落ち着きも無くソワソワと周りを見回してしまう。

あ、あの寝転がってTV見ている人って…あれ?
もしかして……厭だ、サイテー
鼻に指を入れて何を穿ってるんだか…けど、あの人は確か…

オデロ君とか、男子達が園芸部の部室にスポーツ新聞を持ち込んで読んでいる時に
チボデーの殺人パンチは打撃最強だ。とか、
アルゴのパワーは技術論を超えるものがある。とか
男子が騒いでる格闘技か、何かで有名な人だったわよね?

そうそう、確か、ドモン=カッシュさんだ。
それは兎も角…私達の前で鼻の穴を穿るのは止めて欲しいんですけど。

端の方で座ってるのはヒイロ=ユイ。
ヒイロ君は何時もタンクトップに短パン姿だけどこの時期、寒くないのかしら?
今も無線機みたいなのをずーっと弄ってる。私は彼と喋った記憶が無い。
ヒイロ君自身、無口なタイプで何考えてるか分からないし
根暗なイメージがあって取っ付き難くてね。少し苦手かも

私が『ガンダム兄弟達』を観察して、ジュドー君が戻るまでの時間を潰していると
背中を向けて寝転び、雑誌を読んでいたガロード=ランが急にこっちを振り向いたものだから
私とガロード君は目が合ってしまった。
146エリシャと:03/10/18 02:15 ID:???
私とガロード君は学年も近いから授業が一緒になる事も多い。
ただ、同じ授業を選択しいても、ガロード君が教室で一日じっとしている事は少なくって
気付いたら、姿を消していたりする。
その場合、殆どはジュドー君とつるんで何か悪さをしているみたいなんだけど。
要するに落ち着きがないのよね。

ガロード君が物珍しそうな顔付きでこっちを見て、話し掛けてきた。
「アレ?来てたんだ…。珍しいねえ?」
「何が珍しいの?」

「クランスキー姉妹だけでウチに来るのは珍しいじゃん。今日はアイツ等が一緒じゃないのかよ?」
「アイツ等…って?」

「ほら、何時もツルんでるさぁ…ひょろっとしたのと、人相の悪いの。二人が居るだろ?」

隣りで大人しくしていた妹のマルチナが頬っぺたを膨らまして答える。
「ウォレンとオデロさんの事?あたし達は別にツルんでないわよ!」

「そうかぁ?何時も一緒にいるのに…」
「それは、あの人達が勝手に付いて来るだけです!知らないわよ!あんな人達!!」

「をを、こぇ〜なぁ…そうかい、分かったよ」
ガロード君はマルチナの機嫌の悪さを察したようでやれやれ、と首を傾けると
さっきと同じように寝転んで雑誌を読みだした。

ああ、もうマルチナってば!! 人様の家にお邪魔しているのに、この態度は…
私は妹に耳打ちをして、少し釘を刺すことにした。

「マルチナ…今の、良くないわよ」
「だってぇ、姉さん?別に私はウォレンと付き合ってる訳でも何でもないのよ。
姉さんだって、オデロさんとは付き合ってないんでしょう?」

「それは…そうだけど…ね、それでも…」
「周りから誤解されるのはもうウンザリなの。それに…男子がみんなして、あの当番表を決めたのよ!
そんな人達、こっちで御免だわ!」

「確かに誤解されるのは困るわ…けど、私が言いたいのはそういう事じゃなくてアナタの態度が…」


「あぁぁ!!!何でチャンネルを変える!?」
私はビックリして思わず大声の方を見ると
さっきまで寝転がってTVを見ていたドモンさんが立ち上がって、騒いでいる姿があった。
147エリシャと:03/10/18 02:17 ID:???
どうやらドモンさんが騒いでいるのはTVのチャンネルの事らしい。

「ヒイロ!!俺は今、突撃プリペンダー!を見てたんだ!
いいか?これからプリペンダー達がなぁ。敵のアジトに乗り込んで大暴れする処なんだよ!早くチャンネルを戻せ!!」
「駄目だ。今はこのニュースを録画をしている」

「ニュース!?なんでそんなの録画する必要ある?今、プリペンダーが大変なんだぞ!
そっちの方が大事だろ?いいから!チャンネルを戻せよぉ!!」
「駄目だ」

「そうか…なら、力づくでもチャンネルを替えさせて貰うぞ、いいのか?」
「…仕方ない」

嫌だ、なんだか雰囲気が怪しくなってきた。ドモンさんは拳を強く握ってる。
この人、プロの格闘家なのよね?それなのに本気で弟を殴る気なのかな…。
ヒイロ君の方は、あれは…ピストル!?銃に弾を装填してるみたい。
まさか、本物じゃないでしょ?…モ、モデルガンか、何かよね?

TVのチャンネル争い程度で兄弟の喧嘩…っていうより決闘に近い雰囲気かも。
なんでこんな事で一々喧嘩するのかしら?
お互いにもう少し譲り合えばいいのに

ドモンさんは年上なのに少し子供っぽい人みたい。引かないヒイロ君もヒイロ君だけど…。
ああ、今日はタイミング悪いのかなぁ…目の前で喧嘩なんて見たくないのに。
148エリシャと:03/10/18 02:19 ID:???
ドモンさんとヒイロ君の二人の間には、張り詰めた空気が流れていた。
それを見たガロード君が二人の間に割って入る。仲裁するらしい。
良かった。目の前で喧嘩されちゃ堪らないわよ。

「まぁ、まぁ…二人ともさぁ…冷静になろうぜ?なぁ?ヒイロ。ドモンの兄貴もさ…
大体、なんでヒイロは突然ニュース番組の録画なんかをさ、しだしたんだよ?」
「……」

ガロード君の言う通りだ。私はこの喧嘩の原因になっているニュース映像を見たけど
ブラウン菅に流れてるニュース映像はピースクラフト財団とか、なんとかの
チャリティセレモニーのニュースが流れているだけだった。

!?…ヒイロ君が固執するニュース映像って、チャリティイベントの模様を映したモノ?…

「……アレレ?これって、リリーナさんが出てるじゃん?そうだよね?ドモンの兄貴」
「ああ、そうだな。何かの式典のニュース映像らしいが…」

「ハハァ〜ン…それでニュース番組を録画したりとかしてんのかぁ〜ヒイロは」
「そうなのか?…でも、なんでこの時間に流されるのが分かったんだ。ヒイロ?」
「…さっき、アマチュア無線仲間からリリーナの情報を傍受した」

「へぇ〜流石、ヒイロ。ラジオライフの愛読者だけあるなぁ」
「録画完了……。済まなかった…ドモン…兄さん」
「あ、いや…いいんだよ。俺も大人げなかった…ハハハハッ。それならそうと最初から言ってくれればなぁ?
ガロードもそう思うだろ?ヒイロは本当に…」

どうやら喧嘩は終わったみたい。
ドモンさんがヒイロ君とガロード君の肩を抱いて三人で和やかに笑ってる。
い、いちおう…仲直りした。という事よね?…喧嘩する程仲が良いって奴?
全く私には訳が分からない。理解不能だ。

暫くしてジュドー君が居間へと戻ってきた。
「ごめん、ごめん。待たせちゃって…ウッソは部屋に居なかったよ」
149エリシャと:03/10/18 02:22 ID:???
ジュドー君の言葉に私は途惑ってしまった。

「え?…居ないの?」
「それがさぁ…他の部屋も探したんだけど、何処にも居ないんだよね。外に出かけたのかも?
シャクティの家にでも行ってるのかな?…」

隣りに座る妹はそれじゃ納得しない、という顔してる。
私としては、マルチナがウッソ君を問詰める場面を見なくて済むんだから、良い事なんだけど
妹はそうじゃなみたい。けど、ウッソ君が居ないんだから仕方ないでしょ?

これで今日は何も起きない。良かった…。安心してこれで帰れるかな。
「ウッソ君が居ないんじゃ、仕方ないわね…マルチナ、さぁ、帰りましょう」

「ウッソ達なら今、お風呂に入っているとこですよ」
エプロン姿のロラン=セアックがヤカンを片手に居間に現れて、私と妹にお茶を勧めてくれた。

ロラン君は学校も定時制のクラスに通っているから、私とは余り面識が無いけど
彼のことは尊敬している。この家の『ガンダム兄弟達』の家事を全て1人で引き受けているらしい。
13人もの大家族の面倒をみるなんて、そんなこと、私には真似できないから。

「ウッソはもうすぐお風呂から上がると思います。よかったら少し待ってて下さいね。
大したお構いもできませんけど、どうぞ…。
あ、この甘栗は今日、キエルお嬢さんから頂いたモノなんですよ」

「戴きまぁ〜すぅ!」
「あ、こら。マルチナったら…ロラン君。こちらこそ、夜分遅くに突然お邪魔して御免なさいね」

結局、ロラン君と私達姉妹は甘栗を食べてながら、ウッソ君がお風呂から上がるのを待つ事になってしまった。
折角のチャンスだったのに帰り損ねたのだから私としては失敗したことになる。
ロラン君の好意からのおもてなしも、今の私にはあまり有り難くなかった。

今日はつくづくタイミングが悪い日なのかも。
150エリシャと:03/10/18 02:24 ID:???
「で、ウッソに話って何です?」

私と妹とロラン君は甘栗を剥きながらお喋りを始めた。
どうやらロラン君は弟のウッソ君がお風呂から上がるまでの間、私達の話し相手を勤めてくれるようだ。

「それが、園芸部の事なんだけど…」
「ウッソは毎月、校舎内の公園の管理スケジュールを立ててるんです。それが酷いの!」

「はぁ…」

「先月もそうだけど…今月なんか、女子の休みの日の当番は全部で7日もあるんです!
男子は1日しかないのに!これ、おかしいと思いません?」
「マルチナ、少し抑えて…ロラン君、御免なさい。この子、カッカ来てるみたいで」

「いえ、良いんですよ。僕も聞きたいですから。で、その園芸部の当番は…」

ロラン君はマルチナの話を嫌がらず聞いてくれようとしている。
それなら…と、私はこの時点で妹のことをもう止めない事にした。
ロラン君が間に入って、弟のウッソ君とマルチナの話を取り成してくれれば
なんとかなりそうだな。と、思えたからだ。
あとは私がどれだけ心配してもどうにかなる話でもない訳だし、これで少し、肩の荷が下りたのかも。

身体の力が抜けた私が、ぼんやりと甘栗を頬張っていると
廊下の奥からドアの開く音がして、同時に聞きなれた声が聞こえてきた。これはウッソ君の声!

「ロラン兄さん。洗濯物、ここに出しておきますからね!」

脱衣所のドアはそのまま開きっぱなしになっているみたいで
風呂場ではしゃいでる声、というモノが廊下を通して居間の方へと
微かに伝わって…いや、ハッキリと、ハッキリと聞こえてきた。

「アル!風呂場で遊ぶの、いい加減に止めろよ!」
「イヤだよ!」
「シーブック兄さん、石鹸取って貰えます?」
「ウッソ、ホラ」
「ありがとうございます」
「アル、カミーユの言う通りだぞ。風呂場は滑るから危ないんだよ。静かにしてろって」

風呂場の声。これ、ウッソ君以外の、複数の人の声が聞こえてくるんだけど…何で!?
151エリシャと:03/10/18 02:26 ID:???
明らかに風呂場からは複数の声が漏れている。
私は少し躊躇いながらも、妹の話を遮ってロラン君に質問をしてみた。

「あの…ロラン君。いいかしら?…えーと、その…
今、お風呂に入ってるのは、ウッソ君以外の…その、ご兄弟も入っているのかしら?」
「はい、そうですけど。ウッソと、シーブックに、カミーユと、アルも、ですから…4人になりますね」

「よ、4人、一緒?…」
「そうですよ。何か可笑しいことでもあります?」

「え?…」
妹のマルチナは目を丸くして驚いている。私もだ。
そんなの…兄弟だからって、今時、一緒にお風呂を?…しかも4人で入っている?
私とマルチナでさえ、もう何年も前に一緒にお風呂に入るのは止めているのに。

「今でも兄弟でお風呂に入ってるのが…ちょっと驚いちゃって…小さい頃とかなら別かもしれないけど」

ロラン君は珍しいモノを見ているような表情を顔に浮かべて、私のことを見ている。
それはその場に居た他の『ガンダム兄弟達』も同じだった。

「驚くような事かな?」ガロード君は可笑しいのはお前等の方だろ?という風な顔で私の事を見ている。
「さぁ?普通でしょ」ジュドー君は私が何を驚いているのか?分からないみたい。
「ああ、普通のことだ」ドモンさんも同じ意見のみたい。
「…風呂はみんなで入るものだ」無口なヒイロ君までも…

「家族ならみんな、一緒にお風呂に入るのは普通だと思いますけど…クランスキー家は違うんですか?」
ロラン君はソレがあたかも正常で、普通の行為であるかのような顔をしている。

「え?…あ、そ、そうよね…そう、その通り。別に可笑しくないわよね…。御免なさい。
私、変なことを言っちゃって…気にしないで」
私は苦笑いしながら、今のは失礼に当らなかったかしら?と、その場を取り繕った。

どうやら…『ガンダム兄弟達』の反応を見る限り、この一家はお風呂は皆で入るのが常識らしい、と分かったからだ。
13人家族と言えばかなりの大家族だ。お風呂に使う水道代金も馬鹿にならないだろうから
大家族ならではの倹約方法。生活の知恵なのかもしれない。と、私は納得する事にした。

あまり他所様の人の家の事とか、どうこう言うモノでもないし……。
152エリシャと:03/10/18 02:31 ID:???
書き忘れ…これ、未だ続きます。

エリシャ=クランスキーはVGの脇キャラなのです。
キャラ自体が地味なんで知らない人もいるかも
153通常の名無しさんの3倍:03/10/18 12:39 ID:???
エリシャさんハァハァ
154通常の名無しさんの3倍:03/10/18 16:01 ID:???
ワーイヽ(´ー`)ノエリシャさんキター
しかし、常識人にはしんどい家庭訪問だな…w
155通常の名無しさんの3倍:03/10/18 16:25 ID:???
クランスキー姉妹の訪問(ガンダム兄弟観察)面白い。作者ガンガレ。

>154
確かに。ハマーン様ほどの傑物でも家庭訪問に来てびびってたことがあったけど(過去スレ参照)。
これは、男兄弟とかがいて、その生態を理解して無いと辛いな。
156エリシャとお風呂と:03/10/19 02:11 ID:???
>>151の続き

「…でぇ、ウッソはいつも、オデロさんの言いなりで、男子に都合のいいように当番表を作ってるんです。
それを知ってる筈のトーマシュ部長はその当番表、そのままファラ先生に提出しちゃうんですよ。酷いと思いません?」
「う〜ん…それは少し問題かもしれませんね。お風呂を上がったらウッソに聞いてみないと」

「でしょ?そうなんです!どう考えても女子の…」

妹のマルチナとロラン君は相変わらず、園芸部の当番表について話している。
私はその話を聞こうと努力するけど、駄目だった。
どうしても風呂場から響いてくる声。そっちの方が気になって…
今、入浴しているのカミーユ君、ウッソ君、アル君に…シーブック君だったわよね。

カミーユ=ビタンは中々カッコいいという噂があって、学校の女子の中でも評判が高い。
唯、少し切れ易い性格らしいから、私は少し苦手なタイプかも。
それでも女子には人気があって、交際相手も二股、三股が当たり前だって聞いことがある…。
要するにモテるタイプなのよね。

シーブック=アノーはカミーユ君に比べて、目立つ存在じゃないけど
ぐーたらな男子達の中では珍しく真面目だし、好感は持てる。
そうそう、工科の授業の時、設計図が上手く書けないで困っている私を
シーブック君は親切に教えてくれたっけ…
あの時、普段は女子に対してぶっきらぼうなのに、案外優しいんだ。って思った。

女子からの人気は兄弟のカミーユ君と比べたら全然だけど、私は…。
ま、そんな話、どうでもいいか。

私は目の前に居る妹とロラン君の会話には加わらずに、風呂場から響く声へと集中していた。

「シーブック兄さんの洗い方、優しいから好きですよ。僕」
「そうかい?」
「やだ、やだ。カーミユ兄ちゃんは乱暴なんだもん!」
「うるさいなぁ、観念して頭を出せよ。アル」

シーブック君がウッソ君の。カミーユ君がアル君の頭を洗っているようだ。
なんだろう?…ドキドキしてきた。声を聞いてるだけなのに。
157エリシャとお風呂と:03/10/19 02:14 ID:???
風呂場からの声がハッキリと聞こえてくる。
ウッソ君とアル君の頭は洗い終わったみたい。ってなに、チェックしてるんだろう…私は。

「カミーユ、俺の頭、洗ってくれないかな?」
「いいよ」

シーブック君がカミーユ君に頭を洗ってくれ、って…頼んでるの!?
駄目、駄目。そんなの……だ、大体そんな事を男同士でして…あんまり良くないわよ。
や、兄弟だとアリかな?…いやいや、駄目、駄目。余計に怪しいわよ!

「シーブックは意外に髪質柔らかいんだよな…」
「そうかな?」

「そうだよ。アルみたいな剛毛の癖っ毛はガシガシ洗わないと汚れが落ちないけどさ
シーブックのは優しく洗わないと。髪の毛、痛み易いもんな」
「アルの癖っ毛はアムロ兄さん譲りだもんな、俺らのとは違い過ぎるよ。アルの頭を洗うみたいに痛くしないでくれよ」

「ああ、任せとけって」

……ごくり

「痒いところとか、ない?」
「うなじを…そこ、もう少し強くてもイイかな」

「こうか?」
「うん…あ、もう少し強くてもいいよ」

「少し、ちから入れるぞ」
「うん、そんな感じで…うっ」

「あ、御免。痛かった?」
「あ、いや…目にシャンプーが少し…もう大丈夫だよ」

……わ、私は何を期待して、風呂場の会話を聞いているのだろう?
158エリシャとお風呂と:03/10/19 02:17 ID:???
「兄さん、僕達、先に出てます。アルも出るんだよ」
「うん」

これはウッソ君とアル君の声?…って事は、この二人がお風呂から出ると
今、お風呂場に居るのはカミーユ君とシーブック君の……二人っきりになるわね。
ふ、二人っきり!?…きょ、兄弟だし、別に不味くはない?…のかな。
でもでも、兄弟だからこそ、不味いって事とか無いの?…ああ、何がなんだか、段々分らなくなってきた。

「なぁ、シーブック?お前さ。なんか、逞しくなったよな?」
「そうか?」

「腕とか、少し筋肉ついたんじゃないか?」
「カロッゾさんの店でバイトしてるからね。パン屋ってさ、生地こねたり、重いモノ運んだり、これでも案外と力使うんだぜ」

「胸とか、肩とか、前よりも全体的に逞しくなってる気がするよ。ほら」
「触んなよぉ!くすぐったいなぁ」

「いいだろ?別に…ホレホレ」
「あっ…もう、カミーユッ!!止めろってぇ。放せよぉ!」

「シーブックはさ、昔っから…こことか、弱いよなぁ。っと!」
「あ!?止めろ…ま、マジでぇ…ハハハハッ!くすぐったいんだってぇばぁ!…ハハハハッ…止めろってぇ!」

風呂場からは水の跳ねる音と、カミーユ君の意地悪そうな声と
シーブック君の泣くような笑い声とが…聞こえてきて
私は身体全身がかぁ〜っと、ノボせていくような、それに似た感覚を味わう…。

「あっ!エリシャさん、大変だぁ…」
「えっ?…ロラン君、何?」
ロラン君は私を見て驚いている。何で?…あれ?ロラン君は慌てて私にテッシュ箱を差し出してる。

「さぁ、これで。抑えて」

訳が分からず呆然としていると…

「姉さん。鼻血、鼻血出てる!」

妹の指摘で気付いて、鼻の下を指で拭うと、掌に真っ赤な血がついている…。
ポタ、ポタ…と赤い血の雫が、私の鼻から畳へと垂れていくのが見える。
え、待ってよ。これ?
私、鼻血を?………嘘、嫌だぁ!! ど、どど…どうしよう。
159エリシャとお風呂と:03/10/19 02:18 ID:???
私は鼻血を止める為に慌ただしく鼻にテッシュを詰め、手や服についた血を拭いた。
今の私は恥ずかしさと動揺が凄い速度で身体全身を駆け巡っている。

最初、ウッソ君の声が聞こえて…それからアル君とカミーユ君とシーブック君の声も聞こえてきて
兄弟一緒にお風呂に入ってるのが分って、シーブック君とカミーユ君、二人っきりの…その…
その様子を聞いている私が鼻血を流した!?
それって……最低。もう駄目だ。帰ろう。そうだ、帰らないと。もうここには居られない。

「マルチナ!か、帰るわよ!」
「え、姉さん?…私、未だウッソに話が…」

「いいから、来なさい!ほら、早く…。ロラン君、お邪魔しました」

「あの…エリシャさん。暫くは動かない方が…」
「あ、大丈夫。平気ですから…。いくわよ!マルチナ」

グズる妹の腕を引っ張り、私達は居間から廊下へと出た。
すると、廊下を駆け抜けてきたウッソ君とアル君にぶつかってしまう。

「こら!アル!!身体拭かないと風邪引くんだぞぉ!寒くなってきたんだから!!」
「平気だよぉ〜」

ウッソ君とアル君。二人とも全裸だ…

「あ、御免なさい!…って、あれ?エリシャさんに、マルチナさん!?」
風呂上りで全裸のウッソ君は弟のアル君を追うのを止めて、立ち止まると
廊下でぶつかった私達に、咄嗟に謝った訳だけど…。逆に私と妹が自分の家に居ることに驚いていた。

「いやだぁ!ウッソのオチンチン………プッ」
マルチナは目を反らしながらも見るモノはハッキリと見ているようだ。

「そんなぁ…そんなのってぇ……僕のを見て、笑うなんて…そんなのおかしいですよぉ!!」
ウッソ君は両手でで下半身を隠すと、泣きながら階段を登り、二階へと消えていった。
160エリシャとお風呂と:03/10/19 02:24 ID:???
私は妹の腕を引っ張ると廊下を、玄関を目指し…あれ?…こっちは玄関の方じゃない…
目の前の床を見ると無造作に投げられた衣服、数人分の下着やらなにやらが積み重なっている。これ、洗濯物?
もしかして……私は風呂場の前に立っている?
私は自分でも何処に向かって進んでいるか分らないまま、風呂場の前まで廊下を歩いていた事になる。

「ウッソ、五月蝿いぞ。静かにしろ」
「何の騒ぎだよ。全く…」

風呂場のドアが開いて、私の目の前にシーブック君が姿を表した……

「……ん!?」
「あ……」

私は風呂上りの……全身に水が滴り落ちている、その…ぜ、全裸の…シーブック君と目が合ってしまった。
時間にすると三秒ほど、いや…二秒だろうか?もっと長く感じたけど…
互いに睨めっこ続けた後、私は自分の鼻に詰めていたテッシュを吹き飛ばすような勢いで…鼻血を噴射させた。

「姉さん?」
「エリシャさん!!」
「おい!?しっかりしろよ…」

目の前が真っ暗になり、私は深く暗闇の中へと深く落ちていく……。
それからどれぐらいの時間が経っただろう?冷たい、なにかが肌に触れている。
微かだけど、誰か…女の人の声が聞こえてきた。

「大丈夫、ただの貧血みたいね。他は問題はないわ」
「すいません、セイラさん。お休みのところ、呼んじゃって…」

「アムロ、これで貸し一つね」
「今度、食事を奢りますよ」

「フフッ…冗談よ。アムロには兄さんのことで、色々と迷惑をかけているから…これ位は、ね。なんでもないわ。
もう大丈夫みたいだから私は帰りますけど…。この子をゆっくりと休ませてあげてね」

その会話のやりとりを聞いたあと、私は又、眠りに落ちる……。
目が覚めると私は布団を敷いて寝ていた。未だ視界がぼやけている。ここは…何処だろう?
周りを見回してみると、私の寝ている布団の横には妹とロラン君の姿が見えた。
「……マルチナ?…ロラン…君?」

「あ、姉さん!やっと起きた。もぅ、心配したんだから…」
「キラ、エリシャさんが起きたって、アムロ兄さんに伝えて下さい」
「うん。分かったよ」

私は風呂場の前の廊下で、裸の…シーブック君と鉢合わせると
鼻血を吹き、貧血をおこして倒れてしまったんだとか……。
その晩遅く、私と妹は『ガンダム兄弟』長男のアムロ=レイさんが手配してくれたタクシーに乗って帰宅した。
今日のことは記憶から消したい。今までの人生の中でも最悪な夜になってしまった。

(続く)
161エリシャとお風呂と:03/10/19 02:38 ID:???
感想くれたみなさん、有難うございます。
書いていく上で励みになります。

その、エリシャさんもお年頃ということで…少しエッチなのかも
意識し過ぎってやつでしょうか。はい。
『大会を制するのは、個人能力の<ラインフォード・ユナイテッドFC>か、組織力の<FCギム・
ギンガナム>か』
市のサッカー大会に関する記事はその一文で締められていた。試合翌日の軽めの練習を終えた<FC
ギム・ギンガナム>の面々は、ロッカールームにひしめきあって、決勝の相手をビデオで研究しよう
としていた。もちろんその中には、師との特訓を乗り越えたドモンの姿もある。ボロボロの姿で現れた
ドモンに、兄弟たちは色々なことを思ったが、もはや詳しく聞きはしない。アムロがただ一言、「試合
翌日に無茶な真似はするな」と一応言っておいただけだ。
アムロ「じゃあ再生するぞ。見せてもらおうか、グエン卿のチームの実力とやらを! ……いや、なに、
    ちょっと言ってみたかっただけだ」
 アムロがデッキをテープに入れる。画面に映し出された赤いユニフォームのチームがグエンたちだ。
青いユニフォームが敗れ去ったほうのチームだろう。
シロー「フォーメーションはこんな感じか」

      FWガトー   FWマシュマー

MFギュネイ              MFジェリド
    MFゼクス
              MFグエン

DFクロノクル             DFカクリコン
      DFシロッコ  DFラカン

         GKチボデー

 画面の中の試合は前半の半分を経過したが、まだ得点の動きは無い。<ラインフォード・ユナイテッド>
はとにかく選手同士の連携が悪く、ディフェンスはすきだらけでオフェンスはちぐはぐなのだ。よほど
の強敵と思っていた兄弟たちとしては、拍子抜けのプレイがテレビの中で続く。
ジュドー「グエン卿のチームってバランス悪いな〜、というかそういう問題じゃないね、こりゃ」
シーブック「ギュネイもジェリドも自分が目立とうと必死で、すぐスタンドプレーに走るし……」
カミーユ「ガトーとマシュマーはよくポジションがかぶるし、お互いにパス出さない……」
コウ「FW2人は強引でもとにかく自分がシュートにいくんだな。しかし全然息が合わないぞ、この
   二人……」
ガロード「あ、また抜かれた。ディフェンスはまともに守る気あるのかよ」
ギム「ふふ、小生に大量得点の予感ありだ」
 お粗末なプレイの連続でも失点しないのはGKのチボデーが好セーブを連発しているからだが、その
チボデーもDFとの連携はあまりよくない。結局前半は両チーム得点なしで終了した。
ウッソ「どういうこと? この試合は4−0でグエン卿のチームが勝つはずなのに」
アル「こんなんでどうやって後半だけで4点も入れたのかなあ……」
ドモン「俺が早送りしながら見たのはここまでだが……」
キラ「個々のプレイは上手いけど、それが全然つながらないからね。キーパーは凄いけど」
ロラン「後半はマシュマーさんに代わってシャアさんが入ってきましたね。偽名だけど」
 低調な<ラインフォード・ユナイテッド>に首を傾げる<FCギム・ギンガナム>だったが、そんな
疑念は後半のプレイを見た後、衝撃的に氷解した。
キラ「そ、そんな……たった一人入っただけで……」
シロー「完全に違うチームだ……これがシャア・アズナブルの力なのか……だけど……」
アムロ「チーム全員の意識が違う。コンビネーションも抜群によくなっているし……」
シーブック「前の選手も守備に参加している……ああ、もう3点とって……」
カミーユ「そして4点目……この強さは、本物だ」
シッキネン「セリフを分割して担当してしまうほど、連中は強いのか」
テレビの中で猛威を振るう<ラインフォード・U>。その力は画面の外の兄弟たちにまで重圧を感じ
させた。
 兄弟たちは敵のあまりの変わりように打ちのめされていた。前半の体たらくは、後半とのギャップ
で自分たちにショックを与えるためかと思えるほどだ。
ソシエ「と、とりあえずわかることからまとめましょう。えと、この試合の4得点のうちわけはガトー
     が2得点で、エドワウことシャアが1点、それにゼクスが1点ね」
リリーナ「お兄様……いえ、ゼクス・マーキス。いったい何のためにわたくしたちの邪魔を。まあそれは
      ともかく、初戦の7点はガトー2点、マシュマー2点、シロッコ1点、ジェリド1点で相手の
      オウンゴールが1点ですね」
手元の資料をリリーナが読み上げる。コウが両手を握り合わせてつぶやいた。
コウ「ガトーは2試合連続で2ゴールか……さすがだな」
アムロ「結構色んな選手がまんべんなく得点しているんだな。どこからでも点が取れる、か」
ロラン「うちは2試合で全5得点。そのうち2点がギンガナムさんで、あとはジュドー、ウッソ、僕が
     一点ずつですね」
ギム「チーム最多得点であるか。小生のこと、ギム・ザ・ストライカーと呼ぶかい」
ギムが親指を立ててニカッと白い歯をみせたが、キラをはじめ誰も相手にしない。
キラ「ガトーは4点とってるけどね。全部でこっちは5点、向こうは11点か。」
シーブック「失点はうちが2点で、向こうが0点だ……」
ますます部屋にたち込める重い空気。みなの肩がしょぼくれて落ちる中、一人の男が立ち上がった。
ドモン「がたがた言うな、震えるな、お前ら! いいか、やつらが何点とっていようとそれは俺たち
     以外の相手からだろうが! あさっては俺が連中には一点もやらん!」
ずばっと言い切ったドモンにみなの視線が集まる。ドモンはなおも吼える。
ドモン「それに俺はここまで勝ち抜いたうちの得点力を信じている。相手がチボデーだろうと誰だろうと
     絶対にゴールを奪えるはずだ! そうだろ、ギム・ザ・ストライカー!」
やや狭い部屋にエコーがかって響く声。ドモンの瞳は燃えている。部屋の空気が、変わってきていた。
ギム「ドモン……今の言葉、ぐっと来たぞ……小生の、武人の魂にな……」
男二人が握手を交わす。がっちりと。さらにソシエとガロードがその上に手を添えた。
ガロード「いっちょやってやろうぜ!」
ソシエ「気合と根性で何とかするのよ!」
アル「ぼ、僕だって何かやるよ!」
続々とドモンとギムの周りに集まる仲間たち。だがジュドーは頭を振りつつ肩をすくめた。
ジュドー「やれやれ。みんなバカじゃないの。こういうのは結局運だって、運」
そこまで言って言葉を区切ると、ジュドーも皆に手を重ねた。
ジュドー「でも運だけってんじゃあ、ちょっとつまらなすぎるよね」
シロー「ジュドー……カッコつけやがって……まったく……俺はアイナと添い遂げる!」
たぎる胸のうちを叫びながら、ひとり、またひとりと手を重ねてゆく。
ロラン「地球は戦争するところじゃないでしょぉおお!」
コウ「にんじんいらないよ!」
ウッソ「おかしいですよ! カテジナさん!」
リリーナ「早く私を殺しにいらっしゃぁああい!」
部屋の熱気は高まるばかりだ。
カミーユ「熱い、熱い展開だ……個人的にこういうのはきらいだし苦手だ。だけど、やるしかないのは
      俺にだってわかる! うおお、お前は生きてちゃいけない人間なんだ!」
ついにカミーユまで参加し、ヒイロとキラも軽く口に笑みを浮かべて輪に加わった。
ヒイロ「お前を、殺す……!」
キラ「アスラン……」
全員がひとつの心でまとまったと見えたとき、ついにアムロがみんなに呼びかけた。
アムロ「昔な、『やれるとは言えない……でも、今はやるしかないんだ』と言った男がいたんだが……
     今の俺ならはっきり言い切れる。このチームなら、勝てる!」
 アムロの言葉が終わると同時に、だれかが「監督……」と呟いた。監督ことアムロには分かっている。
具体的な対策が何一つできていないことが。勢いだけだ。だが、勢いすらないよりは良いのかもしれ
ない。
164通常の名無しさんの3倍:03/10/19 09:04 ID:???
纏まってない!ちっとも纏まってないですよ、アムロ兄さん!!!w
165通常の名無しさんの3倍:03/10/19 21:02 ID:???
エリシャの家庭訪問、楽しいですな。
カミーユとシーブックの会話はセリフだけ見ていると実に怪しくてワロタ。
しかし、アル以外の兄弟達はロランと一緒に風呂に入るのは大丈夫なのか?W
166通常の名無しさんの3倍:03/10/20 11:31 ID:???
>お料理教室
面白かった。ロラン、ソシエ辺りから嫉妬されそうかも。

>エリシャと
うん、面白かった。そうだな、大家族だとお風呂とか一緒に入ったりするんだよな…

>>165
まだ子供のアルや冷静なヒイロと言った面々と入るのが暗黙の了解になってそう。
「背中流してあげますよ」とか言っていきなりあんな女みたいな外見のヤツが
入って来たらいくら肉親でもちょっと緊張するよな。
167通常の名無しさんの3倍:03/10/20 21:27 ID:???
>>166
子供の頃から一緒に入ってるとそうでもないよ
168通常の各無しさんの3倍:03/10/21 13:48 ID:???
喪前の家には何がいるんだ?
169通常の名無しさんの3倍:03/10/21 14:06 ID:???
ロランが居るなら譲ってくれ
170通常の名無しさんの3倍:03/10/21 19:19 ID:???
この兄弟の中でならロランが欲しいね。家にいたら色々と便利な気が
逆に家族に欲しくないのはカミーユかな?家がギスギスしそう。
171通常の名無しさんの3倍:03/10/21 19:40 ID:???
コウ以外かな・・・女友達多そうなのは
172通常の名無しさんの3倍:03/10/21 19:40 ID:???
このスレってあんまガルマとか出てない印象。
早くにお亡くなりになったから、逆シャア年令のシャア達と絡ませづらいんかな。
印象だけだから実は結構出てるのかもしれないけど。
173通常の名無しさんの3倍:03/10/21 23:16 ID:???
>>172アンタがガルマの出るネタを書けば万事OK。燃料を自給自足してみよう。
174通常の名無しさんの3倍:03/10/22 01:56 ID:???
ガルマなら一度キラの女装をネタにしたやつで出てますよ
確か裁判官をやってたはずです。
ちなみにドズルは幼稚園の園長、ギレンは兄弟が通う学校で校長か理事長をしてます。
175カパーゾ ◆ZbXQK0wd/U :03/10/22 11:22 ID:???
カパカパ

みんな初めまして。
初めて来たけど面白いね
常駐させてもらいます
176通常の名無しさんの3倍:03/10/22 20:26 ID:???
>>175
さようなら。SS書くってんなら話は別だけどね。
177通常の名無しさんの3倍:03/10/22 20:36 ID:???
別に読むだけの人が居てもいい

議論は議論スレでね
 一夜明けた翌日の金曜日。決勝は明日の土曜日に迫っている。兄弟たちは明日の試合に向けて、
それぞれの道を歩んでいた。

――ジュドー
 昼休み。校庭の片隅で古びてほうっておかれているゴールの前で、サッカーボールを足の裏に置いて、
ジュドーは仲間たちに重々しく―ふざけてそうしているのだが―告げた。
ジュドー「どうやら、お前らと一緒にこの一月修行してきたあの必殺技を出さなきゃならないらしい」
イーノ「必殺技って、あれは遊びじゃなかったの?」
イーノが聞き返す。口調こそふざけているものの、ジュドーは真剣なのだ。
ジュドー「ああ、遊びだった。でもけっこうできるようになってきたし、なにより次に戦うGKは並じゃ
     ない。あのシュートが必要なんだ。一日だけとはいえ、すこしでも上達しておきたい。頼む、
     協力してくれ」
仲間の中でも特にビーチャに視線を向けたジュドーだったが、ビーチャは納得しない。
ビーチャ「けッ、どうせ目立ちたいだけだろ」
エル「ジュドーはビーチャとは違うわよ! あたしは協力するよ」
ルー「あたしもね。イーノは当然手伝うんでしょうけど、あんたたちはどうするの?」
相変わらずそっぽを向いているビーチャと違い、ルーにプレッシャーをかけられて、相棒のモンド
は弱気になった。
モンド「う、手伝わないとまずい雰囲気。なあ、ビーチャ、や ら な い か ?」
ビーチャ「チッ、わかったよ。手伝えばいいんだろ。それとモンド、その妙な言いかたはやめろ」
エル「さっすがビーチャ、男前!」
ジュドー「サンキュー、みんな。よし、さっそく練習開始だ」
 仲間の協力を獲得し、ジュドーはさっそく足元のボールと戯れ始めた。明日の試合はエースの俺に
かかっているからな。青空を睨みつけ、ジュドーは心中に呟いた。

――チボデー
 正午をまわったばかりの気だるい陽射しが差し込む部屋で、チボデーはベッドに寝転び
ながら右手を握り締めた。昨日、東方不敗の投げた石を受け止めた感触が蘇る。あの瞬間、
右手が吹き飛ぶかとも思える激痛が走った。ドモンたちの手前なんでもないふりをしたものの、
その衝撃は今も残っている。手にではない。心にだ。自分がようやく受け止めた一撃を、ドモン
は連続で受け止め続けていた。
チボデー「ふっ、それでこそ俺のライバルだ、ドモン」
チボデーは右手を握っては開き、また握って開く。天井の扇風機が緩やかに回っている。

――ジェリドとカミーユ
 シーブックと一緒のカミーユとカクリコンを連れたジェリド。二人が廊下ですれ違った瞬間、
緊張が両者の間にピンと走った。この大会でも直接対決に至った因縁の二人は、お互いの顔を
直視しながらも、言葉は交わさない。いつもなら神経質な犬のように吠えたけるジェリドが、今日
は無言のままだ。もちろんカミーユのほうから声をかけることもない。隣のシーブックがそっと
カミーユに耳打ちする。
シーブック「いつもとは違うな。今までのジェリドじゃないぜ」
カミーユは無言で頷いた。明日の試合は自分の出来次第だ、という自覚がカミーユに拳をぎゅうっと
握らせる。4人の緊張状態はその後10秒ほど続き、最後まで無言のままに別れた。
――コウ
 アルビオン大学のラグビー部の部室、コウは絞られていた。もちろん相手はモンシア、ベイト、
アデルの先輩3人組であり、姿勢は正座である。このところサッカー大会にかまけてラグビー部を
おろそかにしているということで、コウは先ほどからこの3人に説教されていた。
モンシア「てめえは、ちょっと監督の覚えがいいからって調子に乗りやがってよぉ」
コウ「べ、べつにそういうつもりじゃ……大会は明日まで、それで今日は最後の練習で……明日に
   向けて……俺もやらなきゃならないことが……」
なんとかこの状況から抜け出て練習に参加したいコウだが、状況は悪化するばかりだ。
モンシア「うるせえ、黙って聞けってんだ!」
コウ「は、はい」
ベイト「別におれはお前なんざどうだっていいんだよ、モンシアと違ってな。ただ他のヤツに示しが
    つかねえだろうが。こうもサボられちゃよ」
コウ「はい」
アデル「どうも事情があるようですけど、他の一年生ともうまくいかなくなりますよ」
コウ「はい……」
コウとしてはただただ縮こまるしかない。もとより体育会系の掟として先輩に対する反論は許され
ないが、くわえて今回は、たしかに部活よりサッカー大会を優先したコウが悪いのだ。
モンシア「サッカーなんざ軟弱者のスポーツに首突っ込みやがって。男はラグビーよ」
 モンシアのこの何気ない一言で、話はあらぬ方向へ飛んだ。
アデル「そういえば、ジオ体(*注1)のガトーも同じサッカー大会に出てるらしいですね」
モンシア「なにぃ、あのアナベル・ガトーかぁ!?」
ベイト「あの野郎なに考えてんだろうな。ま、この坊主じゃ敵にもなれないだろうけどよ」
そう鼻で笑ってベイトがコウを上から見下した。モンシアも大口を開けて笑っている。さすがに
コウも立ち上がった。
コウ「お、俺はガトーに負けませんよ。負けるわけにはいかないんです!」
大会ではガトーはセンターフォワードでコウはセンターバック。直接ぶつかり合うことになる。
しびれた足で無理やり身を乗り出すコウを、モンシアがさらに笑った。
モンシア「無理に決まってんだろうがぁ。ガトーとてめえじゃ体格が違う。度胸も違う」
アデル「経験も違いますね。ラグビーの経験ですが」
ベイト「というより、はっきり言えば役者が違う」
コウ「そ、それでも俺は、俺たちは勝ちますよ!」
負けじとコウが言い張ったときだった。女性の声がかん高く響いたのは。
「よく言ったさねぇ! それでこそ私の坊やだよ!」
コウ「こ、この声は……まさか……シーマさん!?」
モンシア「し、シーマって、理事長か!?」

*注1 ジオ体=ジオン体育大学。ガトー率いるジオ体のラグビー部は強豪である。
 部室の入り口を振り向いた4人の視線の先に、バァアアアンと姿を現したのはやはりアルビオン
大学理事長シーマだった。
シーマ「YES I AM! チッチッチッ」
人差し指をふりながらシーマはコウに近寄り、ほおをなでた。
シーマ「坊やがそうやって男らしくなるのを待ってたんだよ。さあ、早くおいで!」
コウは急な展開にぽけっと立ちすくんでしまった。シーマが腕を引っ張って、部室に横付けした車に
連れて行こうとする。
モンシア「おい、ちょっとまちな理事長さんよぉ! そいつにはまだまだ言ってやらなきゃならない
      ことがあるんだ」
シーマ「しつこい男は嫌われるもんだけどねぇ」
いじめたりないとばかりにコウをひきとめようとするモンシアを、シーマがにらみつけた。狐のような
ギラりとした眼光にさすがのモンシアもひるんだが、続いたベイトは納得しない。
ベイト「理事長だろうがなんだろうが、部のことはあんたに関係ないだろうがよ」
モンシアとは違ってコウ個人のことなどどうでもいい。しかし、自分の縄張りを荒らされては黙って
いられない。そんなベイトに、シーマは笑って擦り寄り、耳元でささやいた。
シーマ「そういうのはわかるし好きだけどね、あんたらの予算を減らすも増やすもあたし次第なんだ。
     ボロボロのボール磨きたくないだろう? 坊やを行かせてやってくれないかねぇ」
シーマはベイトの胸をとん、とつつくと、相変わらず両者の間でキョロキョロしていたコウをささっと
自分の車に押しこんだ。
ベイト「く、くそ……あの女……」
アデル「勝負ありってとこですかね。理事長の権力を持ち出されては」
モンシア「ちきしょう……おい、なんだそのくまちゃんは?」
 跳ね馬のエンブレムが光る高級車の運転席から、シーマはモンシアたちに一通の封筒を差し出した。
3人がその妙にファンシーな便箋に眉をしかめる。大排気量のエンジンならではの力強い鼓動を背に、
さっと有名ブランドのサングラスをかけながらシーマが3人に言った。
シーマ「ふふ、あんたたちにとって、いい知らせが入っているかもしれないよ。まあこれからも坊や
     をよろしくってことさ」

 すっと体が沈む助手席のシートで、コウは頭を抱えた。さっきのようなことがあっては、これから
ラグビー部で自分がどのような目に遭うのか、考えるだけで恐ろしい。
シーマ「どうしたんだい、頭なんか抱えちゃってさ」
わかっているだろうに、とコウは運転席のシーマを睨みつけて、溜め息をついた。
シーマ「大丈夫だよ。ちゃんと手はうったさ」
コウ「手はうった?」
さすがに運転中は前を向いたまま、シーマが答える。
シーマ「さっきあの子たちに渡した手紙にね、坊やがガトーのチームに勝ったら、予算を上げてやる
     からって書いといたよ。勝てば許してもらえるさ」
コウ「……勝たなきゃ駄目なんですか?」
シーマ「そりゃそうさ。勝ちもせずに得しようなんて甘ちゃんもいいとこじゃないか」
コウ「もし、勝っても許してもらえなかったら?」
シーマ「そうなったら、そのときはあたしが何とかしてあげるよ」
 コウは再び頭を抱えた。勝つしかないようだ。そのためにはガトーをなんとか抑えなくてはならない。
いったいどうやって……。コウは声にならない呟きをもらした。
シーマ「なに情けない声出してんだい。なんなら、そこでなぐさめてあげようか?」
顔をあげたコウが見たのは、けばけばしい電飾とピンクの看板がまわるホテルだった。
コウ「けっ、結構です。これから練習だし、明日が試合ですし、ええ」
シーマ「じゃあ、今度は練習も試合もないときにこようか、坊や」
エンジンが一段と大きな声でいなないたそのとき、コウは真っ赤な顔でうつむいていた。

続く
>>160の続き

翌朝、私は学校へと続く長い登り坂を歩いていた。

両親は昨日のことを心配して、休んでもいいと一応は言ってくれたけど
休んだ理由が鼻血を噴いて貧血で倒れた。というでのは笑い話にされるだけだし
なによりも学校でその噂が広がるのは避けたかったから、私は意地でも登校すると決めていた。

しかし、妹は私の気持ちも知らずに昨日の出来事を『ここだけのナイショの話』として友達に喋っている。

「えぇーー!!ウッソのオチンチ…」
「シッ!いい?この事は他の人に喋っちゃ駄目なんだから!分ってるわよね?スージィ」

「うん。けどさ…ウッソの…プププッ……やっぱり我慢できない…。プププッ」
「ウッソ、それは本当のことなの?」
「………」

私のうしろには友達に『ここだけのナイショの話』を耳打ちしている妹のマルチナと
腹を抱えて笑うのを我慢しているスージィ=リレーンと
膨れっ面をして黙り込んでいるウッソ君と
そのウッソ君に不安そうな顔つきで寄り添うように歩くシャクティ=カリン達が居る。

「マルチナさぁ〜ん!」
「おはよう。ウォレン」
「あ、ウォレン。昨日ね、ウッソの家で……」

目を爛々と輝かせたスージィが、ウォレン=トレイスに『ナイショの話』を話そうとしたけど
それは妹にたしなめられてしまう。

「もぅ。スージィったら!!ナイショの話って、言ったでしょ!」
「あ、ごめん。マルチナ…」
「なになに?何なのさ?…ウッソの家でなにかあったの?」
「男子には教えません!」

「え〜っ、そ、そんな〜ぁ……。僕だけ仲間外れなの?……そうだ、ウッソは知ってるんだろ?ねぇ、教えてよぉ」
「………」

「黙ってないでさぁ。何があったか教えてくれてもいいだろう?ねぇ、ねぇ…」
「……ウォレンには関係無いよぉ!!だ、黙っててよぉ!!!」

昨日の晩のことをウッソ君が自分から話したい筈が無い。
だって…自分のカワイイモノを見られちゃったんだから、それは言えないわよね。

「なんだよ、ケチ…。ねぇ、シャクティは知ってるよね?」
「私は…」

この調子じゃ、昨日の出来事は妹を通じてみんなに広まるのも時間の問題と思った方がいいだろう。
マルチナ……この子はなんてお喋りなの!少しは姉である私の体面というモノを考えて欲しい。
朝、あれだけ私が口止めしたのに。朝からペラペラ、ペラペラと…。
学園の正門を通り、校舎の離れている妹達と別れた私は
高等部校舎の自分の下駄箱の前で、上履きに履き替えていた。
妹が…マルチナが…どれだけ喋ろうとも、未だ今朝の時点では高等部のクラスまで伝わらない筈。
さぁ、ここで気持ちを入れ替えなきゃ。いつもと同じように教室では振舞わないと。
昨日の晩の、私に起った最悪な出来事を悟られないようにしなきゃ…。

と、自分自身に言い聞かせていた時に、オデロ=ヘンリークが朝の挨拶をしてきた。

「おっはよう!エリシャさん。さっき、ウォレンから聞いたよ。
昨日、ウッソん家で倒れたんだって?今日、学校に来て大丈夫なのかよ?」
「あ…それは…。その、たいした事ないの。心配しないで、マルチナが少し大袈裟に言い過ぎなのよ」

「ふ〜ん、そっかぁ。俺、エリシャさんが倒れたって聞いて、心配しちゃってさぁ。
元気なら問題ないけど、ま、今日はあんまり無理すんなよな」

なぁ〜にが、今日はあんまり無理すんなよな、だ…。
元々、昨日はアンタが原因でマルチナが怒っちゃって、それでウッソの家に行く羽目になったんだから!
けど、オデロ君はどこまで話を聞いているんだろ?

「あの…何処まで、聞いているの?」
「何が?」

私はオデロ君が昨日の事を何処まで知っているのか?探りを入れてみる事にした。
「昨日の事…」
「ああ、ウッソん家で貧血おこして倒れたんだろ?」

「それだけ?」
「ん?…他にあるのかよ?……あっ、そうだ!」

「…え!?」
「ウッソの作った園芸部の当番表を見て、妹さんが怒ってるってヤツだろ?…あれはさ、俺じゃなくて……」

ホッとした。オデロ君のこの調子だと昨日の夜、私がウッソ君の家で貧血で倒れた。という事実は知っているものの
何で貧血を起したのか?までは知らないようだ。マルチナもそこまで馬鹿じゃないみたい。
ウッソ君が自分からアノ話をするとは思えないし…。男子に伝わるには時間がかかりそう。
あとは女子かな。スージィは少し心配だけど…シャクティは口が堅いし
とりあえず、今のところは安心していいだろうと思えた。
「妹さんはさ、俺がウッソに指図したとか、なんとか言ってるけど…そ、そんな事、この俺がする筈……」

私は早く教室へ行きたかった。が、それに構わずオデロ君は園芸部の当番表の事で
自分の身がいかに潔白であるか?と延々と弁解し続けている。
聞きたくもない話を聞かされ続けた私は少しイライラしてしまう。
それに重要なのは、どれだけオデロ君が自分で自分のことを弁護しても
私はオデロ君を黒だと思っているし、事実、それが正解なんだろう。という事だ。

いい加減ウンザリしていた私は
「ごめんなさい。今日は私、教室が遠いから…その話はあとで…」

と言い残し、その場を去ろうとしたら、反対側の下駄箱から男子と女子の会話が聞こえてきた。
あれ!?……男子の方は聞き覚えが…。夕べの…ま、まさか!?

「放課後、待っているわね」
「分ったよ。演劇部の部室に行けば良いんだろ?」

声の主であるセシリー=フェアチャイルドとシーブック=アノーの二人が私の目の前を横切った。

「あ……」
「……お、おはよう」

私に気付いたシーブック君は挨拶をしてきた。ど、ど、どーしよう?
なんて返事すればいいの……。昨日のことを謝る?……
昨日の晩、廊下で倒れた私を支えてくれたのはシーブック君だ。って妹からは聞いているけど
あのあと、私はシーブック君にお礼を言ってない。
けど、けど……それって、シーブック君は自分の裸を見た私が。それで興奮して鼻血を噴いたとか思ってるんじゃ?
や、事実だし…も〜ツイてないなぁ。朝から会うなんて……と、兎に角。なんか言わなきゃ!!

「き、昨日は…その…あの…すいませんでした」
「う、うん」

シーブック君は私から少し目を反らすと、恥ずかしそうに鼻を掻いていた。
私は…というと、顔から火が出るんじゃないのか?ってぐらいに顔を真っ赤にしていた筈。
まともに彼の顔を見れない…。もう、嫌だなぁ…絶対、変な子って思われている。

「……」
「……」

会話が途切れ、何も喋らないまま、赤面して突っ立っている私と
無言のシーブック君は授業開始の5分前に鳴るチャイムの音によって救われた。
もう少しチャイムが鳴るのが遅かったら、私の心臓は張り裂けていたかもしれない。
今日の選択科目は工科だ。今時は…と言っても、やはり工科を選択する女子は少なくって
このクラスだと私を含めても2、3人しか女の子が居ない。私の場合は父の仕事の関係で
ハイランド(地上へ電力を送電している発電衛星)での生活が長かったから
そんな環境だと機械に接することも多くって、私は高等部に上がった時に自然な流れで工科の授業を選択していた。

結局、私の心配は取り越し苦労に終わる。
昨日の『ガンダム兄弟宅』で私が巻き起こした出来事はクラスの誰にも知られていなかった。
工科のクラスには彼、シーブック君も居るんだけど…。どうやら友達には喋っていないみたい。

今日、最後の授業はコズモ=エーゲス先生のクラスだ。
この授業が終わると今日も終わる。今日は色々と疲れた。授業が終わったら寄り道をせず
真っ直ぐ家に帰ろう…部活も休もうかな。とか、私が考えていたら終了のチャイムが聞こえてきた。

キーンコーン♪カーンコーン♪……

「ようぉし、終わりだ。今日終わらなかった奴は次の授業までに仮題を提出しろ。いいな?…あと、今日の日直は?」

日直?…って、あ、私のことだ。

「はい!」
「このプロジェクターとスクリーンを工科準備室に片付けておけ。鍵は後で職員室に返しに来い」

「あ、あの…工科準備室って何処にあるんですか?…私、工科の専攻じゃなくて
選択でこのクラスを取ってるだけだから、準備室とか行った事ないです…」
「ム、そうか…じゃあ他に工科の奴を…」

「俺が行きますよ!コズモ先生」
「サムか?ま…、いい。案内してやれ」

私は工科生徒、サム=エルグが自分から進んで名乗りあげたのを初めてみた気がした。
私はサム君と一緒にプロジェクターとスクリーンを片付ける事になったんだけど
あれ?サムとシーブック君が話してる?…なになに、何かあるのかな?

「おい、サム。準備室には俺が行くから代わってくれよ。あの日直の子にさ、用事があるんだ」
「なんだよソレ?お前、まさか?」

「そんなんじゃないよ。あの日直の子は俺の弟と同じ部活やってて
それについて…ちょっとした話があるだけで、特別な事とかは何もないし」
「シーブックの都合は分った。けど、ここは譲れないね。女子と近づく折角のチャンスだぜ」

「なぁ、サム。お前は少し急ぎ過ぎんだよ。あんまりガッツクと女子に嫌われるんだぞ」
「そんなの余計なお世話だ。そりゃ、お前はセシリーと上手くやってるかもしれないけどな!
俺等は、唯でさえ男子ばっかの中で女子が少ないんだ…こうでもしないと」

「ここで代わってくれたらさ。後で彼女の事、弟のツテでちゃんと紹介させるから。
そっちの方がチャンスも広がるかもしれないだろ?頼むよ」

「気に食わないけど、そうかもな……じゃ、代わるよ」
「悪いね」

「おい、弟に俺のこと、絶対紹介させろよ。忘れんなよな!」

シーブック君がサム君の肩を叩いたと思ったら、シーブック君が私の前まできて
教材のスクリーンを担ぎ始めた。え?…

「俺がサムの代わりに準備室を案内するよ。行こうか」

ええ……!?私は呆気に取られて、何も聞けないまま、プロジェクターの台車を押して
シーブック君のあとを追うことしか出来なかった。
私、セシリー=フェアチャイルドは、いつもよりも少し早い時間に家を出た。

ボーイフレンドであるシーブック=アノーと私はお互いの都合が合わず、最近デートもご無沙汰だった。
このままだと不味い!って事で、私はある計画を企ててみた。
今日はウチの(カロッゾのパン屋)定休日だし、シーブックもバイト休みよね?
ここで一発。デートをガッーン!と噛まさなきゃ。ってことで

私は学園の正門を通ると、校舎の端の方に隠れて、シーブックが来るのを待ち構える。
30分は待っただろうか?…そろそろ来る時間帯だ。あ、来た、来た…。

「シーブック!おはよう」
「おはよう、セシリー」

さり気なく…あくまでさり気なく。偶々、偶然、遭ったって風に装わないとね。

「ねぇ、シーブック。今日はウチの店休みでしょ」
「うん、そうだね」

まずは小手調べ。獲物を網に誘い込むように、早速軽い牽制をしてみせる。
「それで…放課後は、何するつもりなの?」
「グライダーを飛ばすつもりだけど?
こないだまで組んでた奴がやっと完成したからね。それのテストをしてみたいんだ」

ブゥーッ。ブゥーッ……。何ソレ!?この私より、グライダーの方が良いの?
この私の、才色兼備な魅力がアンタの作ってる玩具に負けるってぇの!?…
信じらんない。ムカっく……。シーブック鈍すぎ!私のモーションを軽く無視!?
……ところがドッコイ!私は狙った獲物を逃さない主義。ここで引けますかってえのを!!

ここで引き下がっちゃぁ〜ミスカントリーサイド覇者である私のプライドが許さないのよ。
こうなったら意地でも食い下がってやるぅ!!
「シーブック?」
「何?」

「あのね…。文化祭で出す演劇部の演目なんだけど…少し悩んでいて。決めかねているから
良かったら…なんだけど。シーブックの意見も聞きたいなぁ…と思っているんだけど」
「俺?…俺は演劇なんか分んないけど」

「それでもいいのよ!(あ、不味い、不味い。つい本音が)…あ、その…文化祭の舞台って
みんなが喜ぶような演目をやるべきだと思うの。演劇部だけの意見だけじゃ
どうしても演劇好きの、狭い意見しか出ないでしょう。それでシーブックのような普通の人の意見が聞きたいんだけど…駄目かしら?」
「ふ〜ん…。俺で役に立つんなら…そりゃ、話を聞いてもいいけど」

やりぃ!!ナイス。私ぃ。
シーブックの『人から頼まれたら中々断れない』と、いう弱点を見事にを突いた攻撃が的中。
我ながら恐ろしい程のポイントゲッター振りだ。ま、私が本気になれば軽くこんなもんよね。ふふ〜ん。
なんとか放課後にシーブックを誘い出す口実を取り付けた私。
身柄ささえ確保しちゃえばね。あとは上手いこと丸め込んで……クククッ。

私は意気揚揚とシーブックを引き連れて、高等部の下駄箱置き場へと向かった。
「放課後、待っているわね」
「分ったよ。演劇部の部室に行けば良いんだろ?」

ここまでは万事、私の計画通りに事が進んでいた。完璧な私の世界……そう、あの子。
あのエリシャ=クランスキーとか言う馬の骨が、私の前に姿を現すまではね!!

「あ……」
「……お、おはよう」

下駄箱置き場でパッ見、冴えない地味な子がシーブックに挨拶しきた。
ええ、私はね。ちゃあ〜ん、この子もチェック済み。その辺の抜かりは無いのよ。
シーブックとは偶に工科の選択授業で一緒になるクラスの女子でしょ。
ま、私と比べたら…この子なんかザコキャラの三等兵。相手になんかなんない、なんない。
ザコキャラはザコキャラらしく、私とシーブックの前から早く消えなさいな。
二人だけの輝かしい朝の時間を邪魔しないでよ。全くぅもぅ。

「き、昨日は…その…あの…すいませんでした」
「う、うん」

んぅ……!?何?この子…。『昨日はすいませんでした』って何よぉ!?ソレは!!
謎ワードだ。このザコキャラは昨日、シーブックと何かがあった訳なの?
シーブックもシーブックだ。私という超絶美少女が横に居るのに
こんな馬の骨に…ザコキャラに…鼻の下をデレデレ伸ばしちゃってさぁ…。

ここで私が探りを入れようとしたら、授業開始の5分前のチャイムが鳴ってしまった。
タイムアップだ。上手く逃げきったな。ザコキャラめ…。

う〜〜〜っ。き、気になるぅ。
シーブックとあのザコキャラ。もとい…エリシャ=クランスキーとは何があった訳なの?
引っ掛るなぁ……。あの二人の態度は明らかに怪しい。

もしかしてシーブックが?…まさか、まさかね。シーブックがこの私を差し置いてあんな地味な子になびく筈が…。
や、待てよ…。私がスペシャルディナー。高級店のフルコース料理だとしたら、それとは少し違った庶民の味。
コロッケとか、肉じゃがとかが欲しくなって…ついつい摘み口とか?
や、激ニブのシーブックがそんなに器用な事、出来る筈ないし…。けど…。ああ、疑い出すと切りがない。

私は悪い胸騒ぎがして6時限目終了のチャイムが鳴ると猛ダッシュで工科のクラスへと向かった。
が、遅かった…。シーブックとザコキャラは二人で何処かへと消えたあとだった。
ヤラレたぁ……。この私が不覚を取るとは。クソォォォォォォォォ!!!
ええ、いいわ。そっちがそう来るなら…私にもやりようってもんがあるわよ。
俺、オデロ=ヘンリークは朝から少し焦ってた。

校舎に入る前に、キャンパスを歩いていたウッソとウォレン。
俺の子分達を捕まえて挨拶した時に昨日の晩に起った出来事を聞いたからだ。
ほんの立ち話程度だったから詳しくは聞けなかったが要点はこうだな。

『昨日ウッソ=エヴィンの家にクランスキー姉妹が出向いて行き、園芸部の当番表のことで
話し合いをしている最中に、エリシャさんが貧血を起こして倒れてしまった』という話になっている。

う〜ん。不味いなぁ…。あの当番表を作れ、ってウッソに命令したのは俺だしなぁ…。
それでエリシャさんがどう思ってるか知らないけど…ここは一つ。なんとか上手く誤魔化さないと。

俺はエリシャさんを高等部の下駄箱置き場で見つけた。くぅ〜っ。今日もエリシャさんは可愛いなぁ!!
「おっはよう!エリシャさん。さっき、ウォレンから聞いたよ。
昨日、ウッソん家で倒れたんだって?今日、学校に来て大丈夫なのかよ?」
「……たいした事ないの。心配しないで。マルチナが少し大袈裟に言い過ぎなのよ」

「……元気なら問題ないんだけど。ま、今日はあんまり無理すんなよな」
フフ〜ン。さりげない気遣いを見せた俺。って感じで今のはポイント高かったかな?

「あの…何処まで、聞いているの?」

なんだ?…何処まで聞いているか?だって……ハハァ〜ン。アレだ。
エリシャさんは園芸部の当番表のことで俺に聞いているんだな。
よし、ここは俺が潔白だってことを説明しておかないとな。アレは全部ウッソがやった。って事にしてさ
俺も先輩としてウッソ等、後輩の暴走を止められなかった。ちゅ〜アレだな。
監督ミスって感じで一応は非を認める線でいくか?

「ウッソの作った園芸部の当番表を見て、妹さんが怒ってるってヤツだろ?……
俺がウッソに指図したとか、なんとか言ってるけど…この俺がそんな事をする筈ないだろう……」

よしよし、エリシャさんは黙って聞いてるぞ。俺の言い分が正しいと思ってる。
これでなんとか誤魔化せるな。

「ごめんなさい。今日は私、教室が遠いから…その話はあとで…」

あれ?なんかエリシャさん、顔色悪いな。やっぱり未だ調子悪いんじゃないのか?
少し表情が優れない…ちゅうか、機嫌が悪い感じだぜ。
俺がエリシャさんと下駄箱の前で話していると、二人のカップルの声が聞こえて来たんだよね。

「放課後、待っているわね」
「分ったよ。演劇部の部室に行けば良いんだろ?」

男の方はシーブック=アノー。工科の奴。俺の子分に当るウッソの兄弟で、人数多いから忘れたけど何番目かの兄さんの筈だ。
女の方はセシリー=フェアチャイルド。学園でも1,2を争う人気者。そりゃ、もぅ上玉だぜ。
ま、俺はエリシャさんの方が良いと思うけどね。
一般論で言うとセシリー=フェアチャイルドは学園の中じゃ、ちょっとした有名人って事になるかな。

で、そのシーブックとエリシャさんが顔を合わせたんだけど。なんかさ、雰囲気が可笑しいんだよ。この二人。
廊下で会って挨拶するのは…。俺も二人が同じクラスだって知ってたし、まぁ、気にはしなかったけどさぁ。

「き、昨日は…その…あの…すいませんでした」
「う、うん」

突然エリシャさんが頭を下げて謝りだしてよぉ。
それでシーブックの方も満更でもねぇ。みたいに返事をしてるんだぜ?
可笑しいだろ?これは。『昨日はすいませんでした』って何だよ!?
昨日の夜。ウッソの家でこいつと、なんかあったのかよ?エリシャさん?……
顔を真っ赤にしてるエリシャさんとシーブック。この二人、怪しすぎる。なんかあるのか?

俺はその日。一日、気がきじゃなくて…授業も手につかないから午後はふけちまった。
学園の公園の中の秘密の場所で寝ると、放課後まで待つ事にした。
ここなら先公にゃ絶対見つからないしな。

俺は6時限目終了のチャイムが鳴ると、猛ダッシュで工科のクラスへと向かった。
が、遅かった…。エリシャさんが居ねぇんだよぉ!!シーブックと何処かへと消えた後だった。
嘘だろ?…信じられねぇぜ。悪い予感が的中した訳だ。
俺、未だ、エリシャさんとなんにも……。ヤバイよぉ…どーすんだよぉ。早く二人を見つけねぇと!
私とシーブック君の二人は工科準備室までの廊下を会話も交さずに、無言で歩いている。

最初は私とサム=エルグの二人で機材を片付ける筈だったのに
シーブック君は自分からサム君に掛け合って、代わりを引き受けたようだ。
教室でのシーブック君の行動を見るとそうのように思えた。

やっぱり、昨日の事……彼の裸を覗いちゃったのを未だ怒っているのかな?
一応は朝、顔を合わせた時に謝ったけど…途中でチャイムが鳴って、ウヤムヤになっちゃったしなぁ〜。
けど、その事とサム君と代わった事って、何か関係ある?う〜ん…私から聞くのもなんか聞き辛いしぃ…。

「エリシャさん、あのさ…」
「は、はい?」
不意を突かれた。シーブック君が突然喋りだすものだから、私は驚いて心臓が止まるかと思った。

「昨日の事…朝は途中で話、終わったちゃったけど……」
「はい…」

「その…ずっと君に謝りたかったんだ、昨日の事を。今日は一日、そればっかり考えてた。
いつ話そうか、キッカケが中々掴めなくって…サムに準備室へ行くのを代わって貰ってさ、それで…」
「シーブック君が謝るなんて…あれは、私が…」

私は予想もしてなかった展開に唖然としてしまう。が、そんな私の気持ちも構わずにシーブック君は喋り続ける。

「俺、君がウチに来てるなんて、全く知らなくって…。それで風呂場から出たんだけど
それで、その、驚かせちゃって…ごめん。謝るよ。悪かった」
「え?…いいのよ。そんな、シーブック君が謝る事なんてないのに。私が悪いんだから」

「いや、俺が悪いよ」
「悪いのは私よ」
「いや、俺だよ!」
「私の方が!」

互い、意地になって引くに引けなかったけど…、私はある妥協案を思いついてそれを口にしてみた。
「…じゃあ、そうだなぁ…昨日の事は、タイミングの悪い事故だった。っていう事で…そういう風にしません?」
「君がそれでイイんなら、俺の方は構わないけど…。それでイイの?」

シーブック君は少しはにかんだ表情をして私の方をチラリと見る。

「ええ、それで結構です」
これで昨日の一件は解決かな?…良かったぁ。ホッとした。シーブック君もさっきより、表情が少し和らいだみたい。
意外だったのは…シーブック君が『私のことを一日考えてくれてた』という事。
あ、いやいや、私のことじゃなくて…それは昨日の事件を考えてた、って事よね?

ま、どっちでもいいかな。
昨年のミスカントリーサイドの栄冠にも輝き
新聞部で行った学園女子生徒、好感度調査でも常に上位をキープしている私、セシリー=フェアチャイルドは
6時限目終了のチャイムが鳴ると同時に、猛ダッシュで工科のクラスへと向かった。

「シ、シーブックは居るかしら?」
「オ、オイ!エリシャさん居るかよ?」

私は隣りの男子生徒とハモってしまった。コイツも急いでこの教室に来たらしく、息を切らしている。

「シーブックなら女子と一緒に工科準備室へプロジェクター片付けに行ったぜ。なぁ?日直のあの子の名前…」
「エリシャ=クランスキーだろ?」
「ありがとう、ジョージ。そうそう、シーブックとエリシャだよ。二人して行ったぜ」

工科生徒でシーブックがいつもツルんでる友達。
アーサー=ユングと、ジョージ=アズマがシーブックの行方を答えた。
工科準備室?…エリシャ?って…今朝、涌いて出て、私のことを邪魔したザコキャラの名前でしょ?

「え?…そ、そ〜なの…」
「マジかよ!?嘘だろ?」

又、この男子とハモってしまった。
そういえばコイツは…朝、下駄箱の前であのザコキャラと一緒だったような?

しかし、今回はヤラレた……。この私を出し抜くなんて。あのザコキャラ、なかなか根性あるじゃない?
私の完璧な世界にちょっかいをかけるなんて…。身の程を知れって感じ!!
ま、いいわ。今は落ち着くのよ…。冷静になるの…。『急いては事を仕損じる』ってね。
お爺様に学んだロナ家の帝王学をここでも活かすのよ。セシリー=フェアチャイルド。
貴方は今までもそうやって切り抜けてきたし、これからもそう…誰にも私の常勝無敗伝説は崩させやしない。
今は落ちついて、この劣勢をなんとか挽回する手立て。それを考えなきゃ…。

さっきから私の横で突っ立ってるこの男子。今は放心状態だけど…。
「あの、貴方は?」
「……え?俺?…俺はその、エリシャさんとは同じ園芸部で…」

「エリシャさんとはお友達?」
「そうだ。それ、友達だよ」

「工科準備室の場所。分る?」
「え?…大体は…分ると思うけど…」

使える!コイツに案内させて現場を押さえるのよ。ザコキャラなんかに抜け駆けさせない。
ゲームの勝者は常に私。最後に勝つのは私なんだから!!
「君、準備室。行くわよ!」
「お、おぅ…」
私はシーブック君と工科準備室の鍵を開けて、中に入ると
運んできたプロジェクターとスクリーンを棚にしまい込もうとしていた。

「前から思ってたけど、女子で工科を選択するのって、珍しくない?」
「そうかな?」

シーブック君と私は自然に話せるようになっていた。未だ少しだけドキドキはするけど…。
昨日からのことを思えばだいぶリラックスして会話を交している自分に気付く。

「クラスでも女子は少ないだろ?…それに君は園芸部をやってるし、花とかが好きなら
環境科とかその手の専攻もあるから、少し気になってさ」
「私、機械油の匂いが好きなのかも」

私はシーブック君がレールで移動する脚立に登って、棚の上のに資料を片付けている様子を見上げて返事をする。

「匂い?…」
「ハイラインドの生活が長かったからかな…。園芸部で使う肥料の匂い
アレって生き物の腐った匂いなのかしら?嫌な匂いだな、って未だに思うし」

「ふ〜ん。宇宙で育った人には土の匂いとか、馴染めないもんかな?」
「ねえ、シーブック君は何で工科を選択したの?」

シーブック君は脚立を降りると、私の方を振り返って返事をした。

「俺?…俺は前からグライダー作るのにハマってて、その設計とかなんとかで
図面モドキも引いてたりしてたから。自然と工科かな?って」

そうかぁ…シーブック君ってグライダー作ってるんだ。
そういえばハイランドに居た頃、父さんも私によくグライダーの模型とか作ってくれたっけ?

「グライダーって、フロンティアWでやってる大会に出たりするの?」
「その大会には中学の頃から出てるかな」

「中学からやってるなんて凄いのね。フロンティアWでやってる大会はレベルが高いって聞いたけど」
「グライダーのこと、詳しいね」
シーブック君が微笑んでくれると、私も嬉しくなって、口数も多くなる。

「これでも一応は工科の生徒ですもん。それに、父さんがね。昔、趣味でグライダーをやってたから、少しだけ知ってるの…」

と、私が言い終わるかどうかのタイミングに、棚の中に入れた資料の置き方が悪かったのか?
元々乱雑に置かれていたモノのバランスが崩れたのかわ、それは分らないけど
突然、資料の雪崩れが起きて棚の上からファイルとか何かの資料の束とかが私達に降り注いできた。
193通常の名無しさんの3倍:03/10/24 02:02 ID:???
なんかラブコメだ…

なんかセシリーが怖いなぁw
「きゃあ!!」

棚の上からファイルや資料の束が、ドサドサと床に落ち続けるのが聞こえる。
私は逃げようとしたけど、躓いて、床に倒れてしまった。
怖くなった私は目を閉じて、頭を庇う姿勢のまま身を屈め、辺りが静かになるのを待つ。

辺りが静まり、物音がしなくなったのを確認した私はゆっくりと目を開けると
目の前にシーブック君の胸板が飛び込んできた。
な、なな何?……。ど〜なってるの。
お、落ち着いて、落ち着くの……。こ、これは…状況を整理して考えてみると
シーブック君は落ちてくる資料の束から私を庇うように、身体を私の上に重ねている。という事でしょう?

「怪我、ない?」
「…う、うん」

シーブック君は私に胸を突き出すような姿勢で、私の身体全体をすっぽりと覆っている。
昨日の風呂場での会話。兄弟のカミーユ=ビダンが言っていた通り、シーブック君の、彼の胸は逞しく思えた…。
床に寝転んでいる私の身体を…シーブック君の長い足が跨いで、彼の腿が私の太腿と軽く触れている。

シーブック君は直ぐに私から身体を放して立ち上がると、私に手を差し出す。
私は差し出されたシーブック君の手を取った。彼の大きな掌の中に私の手はすっぽりと包まれてしまう。

「こ、これも…事故かな?」シーブック君がぼそりと呟く。

「えと…その…そ、そうね…。そう…。じ、事故だと思う」
いやだぁ…私、声が震えてる。シーブック君の顔をまともに見れない。

私がシーブック君の手を取って、会話を交していた…その瞬間。
工科準備室のドアが開くと、オデロ=ヘンリークとセシリー=フェアチャイルドの二人が勢い良く飛び込んできた。

「シーブック、居るの!?」
「エリシャさぁん!?」

心なしか、二人は目をギラギラさせていたと思う。
しかし、何でオデロ君がここに居るの?
それにセシリーさんも一緒に居るのはなんでだろう?

「あっあ〜〜っ!!手。手ぇ〜〜握ってるよぉ!!」

オデロ君が大声で叫ぶもんだから、私とシーブック君は急いで手を離した。

「こ、これは…その…ホラ、あの棚の上からファイルが落ちてきて…」
「そうそう、それで私と、シーブック君が…床に…転んじゃって…」

「それで、今、俺が手を貸してたんだ」
「そうなの。私、シーブック君に起して貰ってたとこなの」
何故かは知らないけど私とシーブック君は、お互いがお互いを弁解するような口調で
庇い会いながら、その場に居たセシリーさんとオデロ君に言い訳をしていた。

「ふ〜ん…そうなの」
セシリーさんは鋭い眼つきで私とシーブック君のことを睨んでいたけど
床に散らばったファイルや資料の山を見たら、納得してくれたようだ。
結局、私とシーブック君とセシリーさんとオデロ君の4人で、部屋の片付けしたあとに

「シーブック!演劇部の部室に行くわよ!!」
「ああ…」

「エリシャさんは園芸部の仕事、あるんだろう!!」
「ええ…」

と、シーブック君はセシリーさんに。私はオデロ君に。
それぞれ、引っ張られるような形で工科準備室を後にした。

それから……

オデロ君は園芸部の当番票をウッソ君に作り直すように言ってくれた。
当然、女子と男子が公平に休みの日を分担するローテーションのモノを、だ。

セシリーさんとは挨拶を交す度、なんだか少し怖いモノを感じている。
私の気のせいかもしれないけど。セシリーさんって顔は笑っているんだけど、目が笑っていないみたいで…。

そしてシーブック君とは…
今度の日曜日、彼が出場する予定のアマチュアグライダー大会を見に行く約束をしている。
天気予報によるとその日は快晴らしい。
私は…新しいセーターを着て出掛けるつもり。日曜日が待ち遠しい。

(終わり)
196通常の名無しさんの3倍:03/10/24 02:32 ID:???
>>193
セシリーは上昇志向と権力の掌握を好み絶対的な勝利を求めるタイプという味付けをしました。

全てはパラレルだと思ってやってますから、寛容さを持ってそれをスルーしてくれると
これからも色々な人が色々なキャラクターを書く場合、やり易いとは思います。


ここで書こうと思う話が何個か貯まっているのに、実際の書く速度が遅くて精々、一ヶ月に一本程度。
書いている途中から他のアイディアも貯まってくるわで、全然処理出来てません。
次こそは08小隊の話を…。あとチェーンの話も…とか思ってもそれに出力が追いつかないのが情けないですね。
197通常の名無しさんの3倍:03/10/24 19:46 ID:???


俺は面白ければ気にしない派なのでこういうセシリーも気にならないです、つかむしろ好きです
次の作品もがんがってください
198通常の名無しさんの3倍:03/10/24 20:50 ID:???
乙カレー>196


後の「10年お預け」の遠因だったりして…ガクブル
199通常の名無しさんの3倍:03/10/25 01:54 ID:???
いいねぇ、恋愛方面でシーブック・セシリー・エリシャ・オデロがからむなんて、
オールスター物だからこそ出来る醍醐味だ。
200通常の名無しさんの3倍:03/10/25 22:46 ID:WkXPhnn+
期待age
201通常の名無しさんの3倍:03/10/26 19:23 ID:???
パソコン修理終わったら、アムロとかカイとかセイラが若かったころのSS書きたいな
202通常の名無しさんの3倍:03/10/26 19:37 ID:???
>201
ぜひ見たい。ガンガレ!
 会社の昼休み、アムロはサンドウィッチをほおばりながらコピーをミスした紙にペンを滑らした。
乱雑に書き散らしているのは明日の決勝に向けてのメモだ。くせっ毛をペンでかき回しながら、
ぼそぼそと呟く。
アムロ「あっちのほうが個人の能力は上……でも連携はこちらのほうがいいし、相手の弱い部分
     をつければ……」
「お〜い、アムロ、お客さんだ」
ドアのほうからの声に顔を上げたアムロが見たのは、意外な人物だった。
アムロ「セイラさん!」
セイラ「ちょっと時間よろしくて、アムロ?」
アムロ「え、ええ。昼休みですし」
久し振りに会った金髪さんの微笑みに、アムロは年甲斐もなくすこしドギマギして、緩んでいた
ネクタイをくっと上げた。アストナージがひゅうと口笛を吹き、チェーンがジロリとこちらを睨む。
少々居心地の悪い思いをしながら、アムロはセイラに続いてオフィスを出た。

 オフィスの入っているビルのすぐ近くにある、名前だけがすこし変わっている喫茶店「シャイアン」。
二人は窓際の席に座って、店おすすめのブレンドコーヒーを頼んだ。どこにでもあるような椅子に
座り、どこにでもあるようなテーブルを挟んで、とりとめのない世間話を適当にしたのち、運ばれて
きたコーヒーの湯気に整った顔をくすぐられながら、セイラが切り出した。
セイラ「兄さんは、エドワウ・マスと名乗っているのね」
アムロ「え?」
セイラ「サッカーの大会のことよ。明日、決勝なんでしょう」
アムロ「あ、はい。……エドワウ・マスってどういうことなんです? マスってセイラさんと同じ名字
ですし。話したくなかったら別にいいんですけど……」
アムロは一応、セイラの顔色を探ってみた。セイラはちょっと目を伏せて、すこし首を振った。切れ長
の美しい瞳を彩る睫毛が、そっと優美に揺れる。
セイラ「私が話したくてこうしてもらったのよ。兄さんの本名はアムロも知っているでしょう」
アムロ「キャスバル・レム・ダイクン……」
そしてセイラはアルテイシア・ソム・ダイクンという名を持っている。あのジオン・ズム・ダイクンの子で
あるこの兄妹が複雑な事情を抱えていることは、アムロも少なからず見知っていた。
セイラ「私たちにはエドワウとセイラ、という名前で一緒に暮らしていた時期があるの。ずっと昔よ。
     私も兄さんも小学校に通っていたぐらいの頃。兄さんは本当に私の憧れだった。優しくて、
     頭が良くて……」
アムロ「スポーツは万能。とくにサッカーは得意だった?」
アムロの言葉にセイラは静かに頷いた。この喫茶店「シャイアン」は格別とか優雅などという言葉
とは無縁の、ありふれた空間を提供する、それゆえに気軽な店なのだが、セイラのいるそのまわり
だけはまったく趣が違っていた。
セイラ「兄さんは凄かった。FWをやっていて、試合がある日はいつもヒーローだったわ。得点をいくつ
     も決めてね。チームのユニフォームが赤かったから、『赤い彗星』なんて呼ばれてた。私は
そんな兄さんに試合のあるたびについていって、声援を送っていたわ」
セイラは丁寧に、すこし微笑みながらゆっくりと話した。まるで大切にしまっていたオルゴールを久し振り
にまわした時のように。その様子から、セイラがその頃の思い出をとても大切に思っていることがアムロ
にも伝わってきた。アムロは先をせかさず、ただ黙って聞いていた。
セイラ「でも、兄さんは父にまつわる話を聞いて、そしてある時期がくると、サッカーをやめてしまった。
     その後はいろいろあって……アムロのよく知っていることもね。そうして今に至った」
話を終えるとき、セイラは寂しそうに笑った。
 セイラの話がひと段落したのち、アムロはやや迷ってから訊いた。
アムロ「そのシャアが、どうして今になってわざわざエドワウと名乗ったんだろう。サッカーをする
     のはともかく、なぜ昔の名前で……」
セイラ「さあ、私には、今の兄さんはわからないわ。勝手でしょうけど、私はただ聞いてほしかった
     のよ。私も兄さんも、ある程度の事情も知っている人に、ね」
済まなそうに言うセイラに、アムロは首を振って微笑みかけた。
アムロ「いいんですよ。気にしないで下さい」
その言葉を聞くと、セイラは口元をほころばせて今までより明るい笑みを見せた。急な雰囲気の
変化にアムロはきょとんとしてしまった。
セイラ「変わったわね、アムロ。昔の、出会った頃のあなたなら、どうして僕にそんな話をしたんです、
     とでも言って、怒ったのじゃなくて?」
アムロ「そうかもしれませんね。でもセイラさん、僕だって成長するというか、大人になるんですよ」
セイラ「それはそうね」
このタイミングを潮に、セイラは立ち上がった。
セイラ「ありがとう、アムロ。話を聞いてもらって、すこし気が楽になったわ。それじゃあ、また合い
     ましょう。決勝戦、頑張ってね」
アムロ「はい。こちらこそ久し振りにセイラさんに会えてよかった」
別れをかわして、去りゆくセイラの背に、アムロは最後に訊いてみた。
アムロ「あの、セイラさんは明日、シャアを見に行ったりはしないんですか?」
美しい金髪を揺らして振り返ったセイラは微笑んでいた。その笑みは、アムロにはどこか哀しそう
に見えた。
セイラ「行ったとしても、失ってしまったものが明らかになるだけよ。思い出にわざわざ影を入れる
     こともないでしょう? わかって?」
アムロ「なんとなく……わかります。セイラさん、お元気で」
 セイラのいなくなったテーブルで、アムロはひとり冷めたコーヒーを飲んだ。ほとんどいつもの
「シャイアン」の空気が戻ってきていたが、ふとアムロの鼻先に触れるセイラの香水の残り香が、
アムロにいつもと同じようにコーヒーを飲むことをさせなかった。アムロはそれがどこか嬉しくも
あり、寂しくもある。妙な気持ちだけど嫌いじゃない、とアムロは自分に呟いた。

続く セイラとシャアの過去話はこのネタだけのものということで
205通常の名無しさんの3倍:03/10/27 23:55 ID:???
シャアに赤いユニフォーム…思わずマ○U時代のベッ○ムを想像してしまった。
206うちょん ◆IcICQJaxBw :03/10/28 15:23 ID:yojYhirA
非常にきもいスレですね
婦女子が喜びそうだ
まあいいんだけどね
207通常の名無しさんの3倍:03/10/28 18:36 ID:???
>>206
いいのかよ!!
208通常の名無しさんの3倍:03/10/29 01:47 ID:???
ローラの話の続きが読みたいな、とsage
209通常の名無しさんの3倍:03/10/29 03:32 ID:???
>>136の続きは未だなのか?と思う日々。
210ロランの料理教室1:03/10/29 16:42 ID:???
「まずは、包丁の使い方を学んでもらいます」
テーブルの上は既にセッティングが終り、
人数分+ロラン用のまな板と二本ずつの包丁が置かれている。
「こっちの普通の包丁をつかって、まずは大根を切ってみましょう」
既に輪切りになっている大根を持つと、皮を剥き始める。
「これがかつらむきです、要領は親指の腹で背を押しながら、
もう片方の手で大根を回すだけです」
一度、皮を剥き終えて切り離すと、もう一度かつらむきを始める。
「そして、これを適当な長さまで剥きまして、重ねて切ります」
まな板の上に、均等な長さのツマが出来上がる。
ロランはそれを水を張ったボールに入れながら、
「林檎の皮むきも理屈は同じです。では、やってみましょう」
 そして、ロランは軽く、包丁を扱う時の取り扱い方を最後に教えた。

「なかなか見本通りには行きませんわね……」
「林檎と同じと言っても、これは少し勝手が違うわ……」
「普段は見慣れているが、いざ、と言うと難しい物だな」
「……!!……!……」

「はい、よくできましたよ」
 ロランの目の前には厚さや長さ、幅が不揃いのツマが出来上がっていた。
「まず、半分はお刺身用に、そしてもう半分はサラダ用に使います」
「たかが、大根と思っていたが……」
「神経を使うものですわね……」
「……(こくこく)」
「くぅっ!…頭が痛くなってきた」
「では、次はお味噌汁の作り方を教えます」
211210:03/10/29 16:50 ID:???
見切り発車なので……あと暫くお待ちくださいね。
思ったよりも長くなりますので、区切りの良いところで逐次投入いたします。
212通常の名無しさんの3倍:03/10/29 22:40 ID:???
続き読みたい。がんがれ。
213通常の名無しさんの3倍:03/10/30 02:15 ID:???
>>211マタ〜リ待ってます。
 その日の夕方、最後の練習が行われた。練習は攻守とも連携の確認を中心とするものだ。アムロが
<FCギム・ギンガナム>の相手に勝っている強みと考えたもの、明日の決勝に見出した活路、それ
はチームとしての団結力だった。幸いなことに、ジュドーやキラが気を利かせて彼らの友人を連れて
きてくれたおかげで11人のチームとしての練習もできた。特にキラの友人であるコーディネーター
たちはその身体能力の高さゆえに、明日の決勝に向けた格好の練習相手になってくれた。そしてすべて
のメニューを消化したのち、アムロは夜の闇のなかに自分たちだけを際立たせる照明の輝きの中、チーム
全体に締めの言葉を述べた。
アムロ「今日で練習も終わりだ。そして、明日が決勝。本番のそのまた本番だ。明日で全てがきまる。
    この一ヶ月の意味、全てが。この中には、そのことを考えると怖くて仕方がないというもの
    もいるかもしれない。当然だ。あらゆる戦いには恐怖がつきものだからな。だが、それでも俺
    は明日が来るのが待ち遠しい。なぜなら、明日は俺たちが勝利する日だからだ! 全力で戦って
    勝利する、これほど心躍ることも他には無いだろう! それが、それが明日だ。俺たちは勝つ。
    絶対に勝てる! 俺たちが勝利への意思を持ち続ければ!」
 アムロは言い切った。チームの仲間たちを睨むように見回すと、始めはやや戸惑っていたような兄弟
たちの瞳が、今はどぎつい照明を反射したようにギラリと輝いている。
ロラン「勝てば、家計の問題も解決できます……!」
アムロ「そうだ、ロラン。俺たちは勝つためにやってきた。決してカッコつけるためにサッカーして
    きたんじゃあない。練習だって勝つために、勝つためにとやってきた。そういう練習は、必ず
    勝利に近づいているものだ。届くはずだ。俺たちの手と足は、勝利に届く!」
いつものアムロからは決して出てこない熱い、熱い言葉。もはやアムロではないかのような。しかし、
そんなアムロの姿勢は、チームメイトの何かを、確かに揺さぶった。
シロー「アムロ兄さん、よく、よく言ってくれた。震えているぜ、体が、武者震いで……!」
ジュドー「決勝戦ほど勝たなきゃ意味の無いものもないしね」
ギム「勝利、それは武人の勲章。そして、勝利の無き武人は張子の虎よ」
キラ「それに、今日ここに来てくれた人たちみたいに、支えてくれた人たちのためにも、僕たちは勝た
   なければならないんだ」
 キラがにっこり笑ってそう言った瞬間、その場の空気がピシッと音を立てて、ひびが入ったかのよう
になった。チームの全員が、ギロリとキラを睨んでいる。自分では上手く持っていけたと思っていた
キラは、ただうろたえ、どうしてなんだと皆にせわしく視線を走らせた。そんなキラを、ドモンがカッと
一喝した。
ドモン「キラ、お前は何もわかっちゃいない! いいか、確かに支えてくれた人たちはいる。アムロ
    兄さんやシロー兄さんは仕事のスケジュールで便宜をはかってもらっただろうし、俺も師匠と
    レインに世話になった。そして、今日はお前の友にも手を借りた。だが、だがなキラァ! 試合
    でそういう人のためになんていうのは、せめて、せめて心の中の0.001パーセントだ!
    百万歩譲ってな! そして自分のため、共に戦うチームメイトのためが99.999パーセントだ!
    応援してくれたみんなのために、なんて言葉はな、勝った後のヒーローインタビューで言う言葉
    なんだよ! 戦う前に、戦いの最中に心を割くものじゃあない、このバカががぁ!」
キラ「で、でも、声援を受けて、選手が頑張れる、ってことだって……」
ドモン「選手が声援に後押しされることはある! だが、それは声援を受けることによって、まだまだ
    俺はやれると自分を鼓舞しているからだ! 必死で走る仲間の姿に、負けていられるか、と
    思うからだ! いつかのどこかの誰かさんのためにやってるんじゃあない!」
キラ「そ、そうかもしれないけど……」
言いよどむキラは、連れてきた友人たちを助けを求めて振り返った。しかし、親友であるはずのおでこ
輝く友は大きな目を潤ませてこちらを見ているだけだ。
キラ「ちょ、ちょっと待ってよ、ただ僕は……」
ソシエ「いいこと言おうとしただけ、ってこと!? 違うのよ、あんたはそれが違うの!」
もの凄い剣幕でソシエがキラに叩き付けた。キラは、ソシエさん気合とか好きそうだもんな、とうろたえ、
でもリリーナさんなら今自分が感じている違和感をわかってくれるはず、と今度はリリーナに助けを
求める視線を送った。リリーナはキラに向かって微笑んだ。冷ややかな目で。
リリーナ「キラさんのことはわかります。あなたはわかったようなことをスマートな笑顔で言いたい
      のでしょう。それが格好のよいことだとでも思っているんでしょうね」
キラ「え? ぼ、僕はそんなつもりじゃないですよ!」
リリーナ「自覚がないのですね。では、はっきりと言わせていただきます。あなたの言葉はつまらない
      うえに薄っぺらいのです。あなたにはわたくしたちの心を揺さぶることはできません。真剣
      になることを知らないあなたには……!」
キラ「僕は、僕は……」
キラはあんたが言うなよ、と言い返してやりたかったが、口が動かなかった。キラは完全に飲まれて
いた。リリーナと、その後ろでリリーナに頷くチームメイトたちに。
キラ「……僕だけ、僕だけ仲間はずれか。僕が間違っているのか!」
カミーユ「そうだ! 今、この状況においては、お前が間違っている!」
 厳しく言い放ったカミーユの言葉に、キラは打ちのめされ、力を失ってがっくりと膝をついた。よって
たかって自分の言葉や考えを否定された衝撃が小さいわけがない。
キラ「なら、僕を見捨てればいいだろ。チームから、さ」
コウ「お前だってチームの一員だろうが! ニンジンみたいに要らない存在じゃないんだよ!」
ガロード「キラ兄にも俺たちと同じものが眠っているはずなんだ!」
シーブック「そしてそれが目覚めるのを待っている!」
アル「キラ兄ちゃん、立ちあがって!」
兄弟たちの強い励ましにも、キラは立ち上がれなかった。どうしても見つからないのだ。自分の中
にもあるという、何かが。
キラ「僕には、無理だよ……僕にはないんだ、みんなみたいには……」
キラの目から、涙がこぼれた。自分でもなぜ泣いたのかわからなかった。涙で曇る視界の中、キラは
ドモンがあの必殺技のポーズをとったのを見た。
ドモン「……みんな! 俺に続いてくれ! なぜこうするのか、理由は、よく言えん!」
<FCギム・ギンガナム>の全員がドモンに応え、姿を同じくした。
「俺のこの手が真っ赤に燃える!  俺のこの手が真っ赤に燃える!!
 勝利をつかめと轟き叫ぶ!    勝利をつかめと轟き叫ぶ!!
 爆熱!             爆熱!!
         ゴッドフィンガァアアアア!!!                」
燃えている。ドモンとそれに続いたチーム全員の右手が燃えている。そんなはずはない、錯覚だと、
キラは涙を拭って見直してみたが、やはり、やはり燃えているのだ。
キラ「も、燃えている……!」
ドモン「見えるか、キラ! 見えるんだな!」
キラ「見える……見えるよ、ドモン兄さん、みんな。こ、こういう……こういうことだったんだね
   僕は……コーチで、選手としてピッチには立てないのに、みんな、こんなに……」
キラは立ち上がり、あふれる涙とともに叫んだ。
キラ「俺のこの手が光って唸る!  お前を倒せと輝き叫ぶ!
   必殺!  シャイニングフィンガァアア!」
キラの右手がまばゆい輝きを放った。仲間たちがそれに負けず輝いている瞳でみつめている。
ドモン「見事だ、キラ。お前の右手は確かに輝いているぞ!」
「みんな!」駆け寄るキラを、チームの皆が包みこむ。「キラァー!」 今、チームはひとつになった。

 そして、キラの友人たちの思いもまたひとつだった。帰途、彼らは話し合った。キラとその兄弟との
付き合いを考え直さざるを得ない事態ではないのか、と。連中ときたら、右手を出し合って燃えている
とか、輝いているとか、なんともなっていないはずなのにおかしなことを言い合っていた。完全にイって
いたテンションもあるし、集団で麻薬でもやっているんじゃあないかという疑惑も浮上する。しかし、
結論としては、これからもキラと付き合っていこうということになった。
「キラはそんなことするヤツじゃない。みんな、友達を信じよう」
彼らのリーダー格である生え際の後退が続く少年が、スマートな笑顔でさわやかにそう言ったから。


続く  いままでで一番めちゃくちゃな話になってしまいました。一応断わっておきますと、
    みんなゴッドフィンガーやシャイニングフィンガーが使えるというわけではないです。
    あと、すこし種のキャラを使いました。
217通常の名無しさんの3倍:03/10/31 01:37 ID:???
>214-216
なんと言うか…さすがはガンダム兄弟だ
…やべえ、何とコメントしたらいいのか分からんくらいに笑ってしまった。
218通常の名無しさんの3倍:03/10/31 02:35 ID:???
>214-216
デコ助の挙動が何気に不審だなw

>210
結局参加者はリリーナ、ハマーン、フォウ、ティファ、あと…ディアナ?違うよなぁ…。
219ロランの料理教室2:03/10/31 19:30 ID:???
ロランは鍋を取り出し、水を張ると、次は昆布を取り出す。
「注意して欲しいのは、昆布を入れる前に、堅く絞った布巾で軽く拭って下さいね」
「どうしてなのだ?」
「ゴミや砂がまだ付いていますから」
「あら、まだ綺麗になっていないわよ?」
「この白いのは昆布の旨み成分ですので、拭取ったら駄目なんですよ」
拭いた昆布に、包丁で所々切り目を入れながら、
「こうすると、よく出汁が出ますので、憶えといて損はありません」
「……豚骨と同じ」
「そして、この昆布を十分ほど、お鍋に入ます」
「まだ火を掛けなくて、よろしいのね」
「はい、柔らかくした方が良いんですよ」
十分待つ間、ロランは大皿を取り出したり、
鰹節を出したりとかいがいしく動きながら、
「料理をする上で、余った時間を出さない事が大切ですよ」
「効率は大事だからな」
「それでこそ、立派な奥さんなのね」
「ポーッ」
(エプロン姿の私を見つめるヒイロ……優しい目で見つめて、
「リリーナ、手伝う事は無いか?」
「大丈夫ですわ、ヒイロ」なんて、素敵なのでしょうか……)
「リリーナ、さん……?」
あっちの世界に逝きかけたリリーナの袖をティファが引く。
「……ハッ」
彼女が現実に戻ると、赤面した物静かな少女が、
心配そうな視線で自分を見上げた事に気付いた。
「……その、私しか気付いていませんから」
「あ……あの……」
「大丈夫です、私も女の子ですから」
ティファの微笑みに、
リリーナは女教師に自分の考えが悟られなくて良かったと思いつつ、
人前で思い耽るのは止めようと誓うのであった。
220ロランの料理教室3:03/10/31 19:30 ID:???
 リリーナが戻ってきた頃、既に鍋は火にかけられていた。
「沸騰直前……鍋の内側から泡が出ているでしょう?」
「うむ」
「このタイミングで昆布を出します、そのままですと滑りと濁りが出ますから」
「繊細なものだな」
「このまま、沸騰したら火を弱めて、鰹節を入れて火を止めてください」
「どうしてなの?」
「生臭みや、苦くなりますので」
「……本当に繊細」
「灰汁を取りながら、鰹節が沈んだら完成です」
「いよいよお味噌汁の番ね」
「いえ、その前に二番出汁の作り方も教えますから」
 鍋をコンロから下ろすと、中身を布を敷いたボウルに移す。
布で漉されたボウルの中身はそのまま、布に残った鰹節と、
小皿に載せておいた昆布を最初の鍋に入れると、再び水を入れ、火にかける。
「沸騰したら、弱火で十分、最後に鰹節を追加すれば出来上がりです」
「これでお味噌汁を作るのですね」
「はい、これに煮干しを加えたのが、家で作るお味噌汁の出汁です」
「では、どうしてこれを作ったのかしら?」
「それは大抵のお料理に使える万能出汁ですから」
「でも、使い切れるのかしら?」
「一番出汁は、一回分に分けて、冷凍すれば四週間は大丈夫です」
「それは良い事を聞いた」
(フフ、それは私も同様だぞ)
「でも、今回は時間が無いので、お味噌汁だけ教えますね」
221通常の名無しさんの3倍:03/11/01 02:13 ID:???
>>219-220
あんまり和食を作らないから、為になるなあ。
今度真面目に出汁取ってみようっと。
 月と星に美しく彩られた夜。ラインフォード家の御曹司グエンも、淡い明かりの灯るボストニア城の
私室で、夜空をひとり見上げていた。とっておきのワインの栓をあけ、グラスに注ぐ。官能的な赤が
磨き上げられた透明な器に踊った。この一杯は明日の勝利の前祝であり、彼の計画がここまでは
順調に進んだことへの祝杯でもある。
グエン「ローラ、いよいよ明日だね。君と私との麗しきひと時。緑の絨毯が舞台に、二人の野性的な
    輪舞。待ちきれないとは言わない。やがて訪れる至福の瞬間を待つこの今も、また素晴らしい
    のだから。ああ、ローラ、ローラ、どうして君はローラなんだ。そしてどうしてこんなにも
    私の心をかき乱すのだ、君だけが。胸に燃える野心さえかすんでしまいそうなほど……」 
 演劇調に綴られたグエンの想いは、ひとりきりの部屋にそっと響き、消えた。私としたことが柄にも
ないことを、と呟き、ワインをすっと飲み下す。芳醇な香りが喉を下るなか、グエンは窓外に浮かぶ
下弦の月をじっとみつめた。まるで、彼のローラが輝く月の鏡にその姿を映したかのように。

 土曜日。大会決勝戦の朝は、眩い朝日とともに明けた。雲ひとつない快晴。絶好のフットボール
日和である。
 一家の母親役ロランは今日も誰よりも早くベッドから起きだした。ロランの頬はニコニコと緩んで
いる。昨夜はいい夢を見た。憧れのディアナ様と二人、のんびりとした一日を過ごす、そんな夢だ。
夢の中でディアナ様はなんとひざまくらまでしてくれた。緑の草原、暖かな陽射し、青空をゆっくりと
流れる白い雲、心地よい風のふく涼しい木陰、そして暖かで柔らかな感触。目覚めて全てが幻だと
知った瞬間にはがっくりと肩を落としたものの、朝食の準備に取り掛かるロランの胸は緩やかに
弾んでいた。

 朝8時、ウィークデーよりかなり遅めの朝食の時間にはいつもの土曜日と同じようにあの特撮番組
がテレビを占領する。ゲルマン忍法を使う忍者?シュバルツとヤーパン忍法をつかう忍者?ガウリ
が悪に立ち向う『ツインニンジャー・スピリッツ』だ。今日は1時間スペシャルらしく、ネオドイツ
のギャングがロシア奥地で作った麻薬をシベ鉄を使って運ぼうとするヤーパンのヤクザの悪行を打ち
砕く、といういつもより詰め込んだストーリーだった。
ドモン「シュバルツの奴も、生活費を稼ごうと大変だな。楽しんでやってそうだが……」
 世間で有数の格闘家と騒がれようと、チボデーのボクシングのようにメジャーでもない格闘技を
やっていると大変なものだ。もちろんボクシングとて稼げるのは頂点に立つほんの一部だけであるが。
シュバルツの場合は格闘家としての名誉にさほど興味がないのもあるかもしれない。
アル「でもシュバルツさん、この役以外出来ないと思うよ」
ドモン「まあ、奴は科学にも詳しいし、いざとなればどうとでも食っていけるんじゃないか」
 画面の中ではそのシュバルツが、「ゲルマン忍法! 分身の術ぅ〜!」のセリフとともにギャング
連中をかく乱してぶちのめし、ボォオオオンと、煙のような特殊効果とともに姿を消していた。
ギム「うむ、これは面白い。今度から毎週見ることにするのである」
シッキネン「御大将はもういい大人じゃないですか。これ、子供向け番組ですよ」
ギム「シッキネン、小生はいつになっても子供心を忘れない素敵な大人なのである」
カミーユ「お前の場合は大人になれてないだけだろ……」
カミーユのぼそりとした呟きはテレビからの「これぞヤーパン忍法、火炎車〜!」の大音声にかき
消され、ギンガナムには聞こえなかったようだ。

 その後、兄弟たちは軽い午前練習を行い、ここでソシエとリリーナが合流。しっかりと昼食を
とった後、決勝戦の舞台となる市営スタジアムに移動した。ここまでは胸に緊張を抱えながらも、
できるだけ自然体に振舞ってきた兄弟たちだが、決戦の舞台への扉を前に、誰もが高鳴る鼓動
を自らの体のうちに刻んでいた。時刻は14時。15時のキックオフは1時間後に迫っている。

続く 

特撮番組はシュバルツは説明不要として、ガウリ、ヤーパン、ヤーパン忍法、シベ鉄(シベリア鉄道)
はキングゲイナーから。ガンダムではないですが、ここだけの小ネタ&トミーノ繋がりということで許して
ください。
223通常の名無しさんの3倍:03/11/01 15:09 ID:???
>>221
同意。普通にためになるなw

>>222
忍者ワロタ。御曹司ステキ(?。
224通常の名無しさんの3倍:03/11/03 02:41 ID:???
sage
225通常の名無しさんの3倍:03/11/06 02:30 ID:???
保守
226通常の名無しさんの3倍:03/11/07 17:16 ID:???
ゴツン!!
ガロード「いてててて……」
ヒイロ「……任務継続に問題は無い」
ガロード「ヒイロ、きちんと前を見ろよっ……てっ!!」
ヒイロ「……!!」
ガロード(inヒイロ)「俺たちひょっとしちゃたら」
ヒイロ(inガロード)「入れ替わったのか……?」

トレーズ「ん……あの少年?」
レディ「あれほど表情豊かだったでしょうか?」

ヒイロ(inガロード)「問題無い、このまま任務を続行する」
ガロード(inヒイロ)「頼むから、俺の体で無理はしないでくれーっ!!」


料理教室書かないといけないのに、こんな電波が……ピーガガ
227通常の名無しさんの3倍:03/11/07 18:26 ID:???
>>226
228通常の各無しさんの3倍:03/11/07 19:09 ID:???
料理教室書いて欲しいのに続きが読みたいという電波が・・・ビゴゴージー・・・
229通常の名無しさんの3倍:03/11/07 23:32 ID:???
>ヒイロ(inガロード)「問題無い、このまま任務を続行する」
>ガロード(inヒイロ)「頼むから、俺の体で無理はしないでくれーっ!!」

逆じゃない?
230210:03/11/08 00:15 ID:???
>>229
ヒイロの精神がガロードの体に入っている意味で書きましたので……。
ヒイロ(の精神)(inガロード(の体))なのです。
 ロッカールームに荷物を置いて一息入れると、兄弟たちは各々アップを行うために散っていった。
ジュドーとガロードが連れ立ってスタジアムの外周をジョギングをしていると、対戦相手である
ジェリドとカクリコンのコンビ、それにジェリドの彼女であるマウアー・ファラオの姿が見えた。
ストレッチを行いながら何かを話している。ジュドーとガロードはさっと身を隠し、盗み聞きに
励むことで素早く同意した。
ジェリド「マウアー、見ていてくれよ。俺は今度こそカミーユを倒してみせる……!」
またそれかよ、とうんざりした表情で物陰のジュドーとガロードは肩をすくめる。
マウアー「ジェリド、カミーユにこだわりすぎないで。あなたはもっと大きなことが出来るはずよ。視野
      を広く持つことが大事ではなくって?」
そうだ、そうだ、それがいい。ジュドーとガロードもこっそりマウアーに同意した。ところが、肝心の
ジェリドは納得しなかった。
ジェリド「試合前にそんなことを言われても困る。それに、俺はカミーユを倒さないと一歩も前に
     進めない男になっちまったんだ。あいつは、あいつは俺にとっての壁なんだ!」
それはお前の思い込みにすぎないだろこの粘着質、と二人は思った。
マウアー「そう。ならもう何も言わないわ。頑張ってね、ジェリド、カクリコン」
マウアーはジュドーとガロードの隠れている脇を通り過ぎ、観客席の方へと去っていった。二人は
とりあえずもう少しジェリドたちの様子を伺うことにする。
ジェリド「マウアー……俺は勝つ、必ず」
マウアーの去っていったほうをみつめながら、ジェリドはぐっと拳を握った。ジェリドであるにも
かかわらず、完全に主役モードである。
カクリコン「そういきり立つと逆にミスしちまうぞ」
ジェリド「そういうお前だって、賞金が必要だろうが。俺以上に気張ってるんじゃないのか」
 カクリコンにも事情があるようだ。金が要るらしい。ジュドーとガロードは首をひねった。
カクリコン「ふん、お前みたいにたくさん髪があるやつには俺の気持ちはわかるまい。シャンプーする
       とな、抜け毛にビクビクすることになるんだぞ」
ジェリド「髪の毛ってのは抜けるように出来てるんだよ。あんまり気にするな」
カクリコン「お前は普通に生えてくるからそれでいいだろうが、俺は生やさなければならないんだ」
ジェリド「だから賞金でアーツネイチャー増毛コースか」
カクリコン「いつかお前にもわかる。アーツネイチャーが人類の希望だってことがな」
そう呟くとカクリコンは手鏡を取り出し、まるで光の反射で髪が抜けるのではというように、恐る
恐る神妙な顔つきで生え際をチェックした。盗み見ているジュドーたちは笑いをこらえるのに必死
である。
 しかし髪の毛が増えたカクリコンとはどういう容姿になるのだろうか。二人は想像してみた。ソフト
モヒカンの2002年WCベッ○ムカクリコン。似合わない。ジョン・レ○ンな長髪カクリコン。似合わ
ない。タモ○倶楽部ソラミミストのカクリコン。似合うとかそういう問題じゃない。
ガロード「全部駄目だろうが。他には無いのかよ、他には」
ジュドー「そうだな……身近な人間で探すか」
ロランふうカクリコン。気持ち悪い。ジェリドふうカクリコン。なんか違う。キエルふうカクリコン。
論外。ハマーンふうカクリコン。今までの中では意外といけるかもしれない。
ジュドー「結局駄目かなあ。やっぱりカクリコンは今のままのスタイルが……」
ガロード「いや、見つかったぞ! 有名人の、ブルース・ウィ○スふうカクリコン。似合うと思う」
ジュドー「ああ、そうか! じゃあニコ○ス・ケイジふうカクリコンもいけるな!」
カクリコン「ようは髪に危機が迫っているんだろうが!」
 怒号にジュドーとガロードが振り向くと、そこには顔を真っ赤に染めたカクリコンと大笑いして
いるジェリドの姿があった。どうやら調子に乗っているうちに大声を出していたようだ。
ジュドー「カ、カクリコン……いや、そのさ、悪気はなかったんだ……プッ、くくく」
カクリコン「生え際をみつめて笑うなあ!」
ガロード「いや、ほんとたまたまなんだって。悪かったよ、悪かったって。は、はひゃははは」
当然カッとなってジュドーたちに襲いかかろうとするカクリコンを、自分も肩をひくつかせながら
ジェリドが抑える。
ジェリド「落ち着け、カクリコン。試合前に暴力沙汰はまずい。ふ、ふはは……って、おい貴様ら、
     盗み聞きしてったってことは、俺とマウアーのやりとりもか?」
ジュドー「そりゃそうだけど、あんたとマウアーさんの仲はもう知ってるしね」
ガロード「とりたてて騒ぐこともないよな。ああ、羨ましいこって。俺もティファと……」
二人はそろって首を振った。ジェリドの恋の行方よりカクリコンの髪の行方だ。
ジェリド「ふん、カミーユに伝えておくんだな。今日こそ貴様が俺の前にひれ伏すんだと」
ガロード「そういうことは自分で言えよな」
すっかりいつもの調子に戻って偉そうに大口を叩くジェリドの横で、カクリコンは怒りと恥辱に肩
を震わせている。
ジュドー「あ、カクリコン。まあ、あんたの目的は秘密にしておくよ。こっそり少しずつ増やすんだろ」
カクリコン「本当だな」
ガロード「武士の情けってやつだ。髪の毛の悩みは深いって言うし、あんまり笑うのもなあ」
ジェリド「ところで、ジミヘン○リックスふうカクリコンはどうだ?」
 話がまとまりかけたとき、ジェリドが唐突に言った。アフロかよ、とジュドーとガロードは吹き出す。
カクリコン「ジェリド、お前まで!」
ジュドー「いいね。ジェリドはエル○ィス・プレスリーなリーゼントだし」
ガロード「ジミ○ンのカクリコンと二人並べば完璧だ。アメリア大陸の二大スター参上だぜ。ぷっ」
ジェリド「ぼ、墓穴を掘ったか……」

続く

わき道にそれてばっかりですが、この話の題材はサッカーです。多分。そろそろ
決勝戦を始めようと思っています。
233通常の名無しさんの3倍:03/11/09 00:04 ID:???
乙。いつもながらタイトルの使い方がうまいなあ。
234通常の名無しさんの3倍:03/11/11 09:09 ID:???
ほっしゅ。
235通常の名無しさんの3倍:03/11/14 02:50 ID:???
ネタを書く時間が欲しい。
236通常の名無しさんの3倍:03/11/16 02:07 ID:???
シャア専用ポータルに出ていた、
ttp://www.bandaigames.channel.or.jp/list/ggba/character/chara.html より。

「MSによる格闘術の名手であり、「岩石投げ」「正拳突き」などを得意技としている。
長年その存在は「黒歴史」として封印されていたが、近年急速に復権を果たしつつある……ごく一部で。
ハイパーモード化を成しとげたドアン。
もともと素質はあったためか「魂の拳」という人知を超えた力まで身に付けてしまった……。」


   r'⌒⌒^、
  ( rνyy'ソ …そういえば、ドモンはどこへ行ったんだ?
   ヾ;゚д゚ノ    /./ r'⌒⌒ヽ
   / ]¶[ \  / / i^^^^^y,,i
  /  / ̄ ̄ ̄ ⊂) (‘д‘;ノ バーニィも行方不明なんだよ!
__(__ニつ NT  /   ⊂ ⊂ )
    /TIMES/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ̄ ̄ ̄

その頃、とある田舎の農場では。
バーニィ「俺、いや僕を格闘術の弟子にしてください!」
ドモン「ククルス・ドアン、ガンダムファイトを申し込む!」
訪問者が二人騒いでいた。
237通常の名無しさんの3倍:03/11/16 19:08 ID:6WULxicW
ほっしゅage。
238フットボール狂騒曲:03/11/16 23:02 ID:???
ここんとこ続きを書くペースが遅いうえにわき道にそれてばかりなのと、まだ前スレが見れる環境に
ないので、再びこれまでのストーリーをまとめてみました。まあ、これを機会に読んでくれる人が
増えたらなあ、という姑息な考えもあるんですが。
(実はミスって前スレのログを消しちゃったんです。それで書いている自分自身困っていたので、
新しくこのスレに来た人で途中からじゃわからないし、という人がいてくれたら、これでこのネタ
読んでくれれば嬉しいなあ、と)


おおまかなストーリー

 家計のピンチから、優勝賞金百万円ゲットを狙ってサッカーの市民大会に参加した兄弟たち。
ギンガナムも加わり、チーム名も<FCギム・ギンガナム>に決定。途中でギンガナムの部下
シッキネン、マネージャーとしてソシエとリリーナも加わり、ガロードの脱走などのトラブルも乗り
越えて日々練習を重ねる。
 一ヶ月の練習期間は過ぎ、大会は始まった。

 全8チームが参加の大会一回戦、兄弟たちのチーム<FCギム・ギンガナム>は、初めての
試合に戸惑いながらも<SCクロスボーン>を破って準決勝進出。さらに準決勝の相手である
<ASジャムル・フィン>にも、勤務でシローが抜けるハンデ、前半をリードされて折り返された
プレッシャーを跳ね除けて勝利。
試合を重ねてチームの結束力も高まった<FCギム・ギンガナム>は、決勝戦へと駒を進めた。

 決勝の相手は<ラインフォード・ユナイテッドFC>。グエン・サード・ラインフォードを中心に
結成されたチームであり、そのメンバーはシャア、シロッコ、ガトー、チボデーなど兄弟たちの
知り合いばかりであった。そして初戦、準決勝とも圧倒的な力で勝ち抜いてきた強力な敵でも
ある。
 今、兄弟たちの未来と、各々の事情あって立ちはだかるライバルたちとの、決勝戦開始の笛
がなろうとしていた。

というわけで続きはこれから貼ります。
アムロ「これが今日の試合のスターティングメンバーだ」

          FW:9ギンガナム

MF:4カミーユ  MF:10ジュドー  MF:2シーブック

      MF:11ヒイロ   MF:7ロラン

DF:3ガロード             DF:12:シッキネン
      DF:6シロー    DF:5コウ

          GK:1ドモン

 フィールドに入る前のロッカールーム。すでに軽いアップを終え、ユニフォームに着替えた<FC
ギム・ギンガナム>のメンバーたちに、監督でもあるアムロから先発の発表がなされた。と、即座に、
ウッソが質問を浴びせる。
ウッソ「どうして僕がスタメンから外れているんです!?」
 これまでの2試合先発だったにも関わらず、決勝の大一番に外されたウッソの語気はやや荒い。
アムロ「お前は秘密兵器だ」
ウッソ「秘密兵器!? って、スラ○ダンクのノリでごまかさないで下さい!」
アムロ「言い換えれば、スーパーサブだ。お前の敏捷さを活かすために相手が疲れてきたところで
    投入したいんだ。もともとお前は90分フルには走れない。なら、勝負どころで使いたい
    のさ」
ウッソ「そういうことなら……納得できます」
 やや大人びた言い方で頷いたウッソからはなれたところで、ギンガナムがぼそりと呟いた。
ギム「勝負どころで使われるスーパーサブ……カッコイイかもしれん」
傍らのシッキネンが、ぽんと主君の肩を叩いた。御大将が言葉に騙されてどうするんですか、と。
アムロ「よし、じゃあそろそろフィールドにでるか」
 アムロはぐるりと前に居並ぶチームメイトを見渡した。
アムロ「みんな、勝つぞ!」
おお! と怒号が部屋の空気を震わせた。気合十分。意気揚々と<FCギム・ギンガナム>は決戦の
舞台へと出陣した。
 やや暗い地下道を抜けて、陽の照りつけるフィールドへ足を踏み入れる。鮮やかな緑の決闘場で
この一ヶ月の意味が、賞金百万円の行方が、そして家計に苦しむ兄弟家の未来が決するのだ。
 試合前にピッチでボールを使った練習をする時間がすこしある。対戦相手の<ラインフォード・
ユナイテッド>はもう姿を現していた。グエン、ガトー、ジェリド、ゼクス、シロッコ、シャア……。
顔見知りばかりのそのチームが、兄弟たちを値踏みするようにみつめている。
 フィールドに入った兄弟たちがまず最初にしたことは、スタンドにきょろきょろと目を走らせる
ことだった。この試合を見にきてくれとそれぞれに声をかけたりしていたのである。

――ガロード(ティファ……来てくれてる。ジャミルのおっさんも一緒か。まあ、そのほうが安全で
         いいよな。近頃は物騒だし、ティファはとんでもなく可愛いし……)
――カミーユ(フォウ、今日は最初から来てくれたのか。それにファもいる。あっちにいるのはサラと
         レコアさんか。シロッコの応援に来たんだな)
――コウ(来てるよ、シーマさんと先輩たち。勝たなきゃ、家計も危ないけど、俺も部に戻れない!)
――ジュドー(ビーチャ、モンド、イーノ、ルー、エル。お前たちとの特訓の成果、見せてやるからな)
――ウッソ(シャクティに、シュラクのお姉さんやマーベットさんまでいる。僕も結構人気あるな……
       ってあれは、あれはカテジナさん! クロノクルさんの応援? 相変わらず綺麗で、怖い)
――シーブック(サムやドロシー、見にきたのか。やっぱりセシリーはいないな。店が忙しいものな)
――アムロ(セイラさんは来てないか。見に来ないって言ってたものな)

 観客席に準決勝同様キエルやメシェーの姿を見つけて、ロランがフィールドに入ろうとすると、
「ロラン」
と、後ろから声がした。振り向くとソシエが何か言いたげにこちらをみつめている。
ロラン「なんです? ソシエお嬢さん」
ソシエ「そ、その、今日の試合、がんばりなさいよ」
ロラン「え、はい」
何を当たり前のことを、と呆けているロランの横では、シローが違うだろ、というように頭をふって
いた。
ソシエ「だ、だからロラン、がんばってね」
ロラン「その、ソシエお嬢さんのためにも頑張ります。一緒に優勝しましょうね」
そう言ってにっこり笑うと、ロランは練習に参加しようと前を向きなおした。シローがロランの肩に
手を置いて呟いた。
シロー「ギリギリOKか、アウトか、どっちだろうな。全くお前は……」
ロラン「はい? ああ、さっきあっちのほうにアイナさんがいましたよ」
シロー「人のことはいいから。ま、そろそろ試合に集中するか……って、あれは!?」
 シローの指差した先では、明らかに周りの観客とは色合いの違う集団が、スタンドの一角を占めて
いた。その中に、ロランの知っている少女の姿があった。
ロラン「あの鈴の人、メリーベルさん?」
シロー「知ってるのか?」
ロラン「はい。ギンガナムさんの……あれ、ということは、あれ全部?」
ギム「そのとおりであ〜る!」
 ロランとシローの前にギンガナムが躍りでた。さっと後方の集団に手を上げる。すると管楽器が
さっとあがり、映画『大脱走』のテーマを奏ではじめた。
ギム「メリーベル、スエッソンをはじめとした応援団、総勢100人! 我らの勝利のため声が嗄れる
   まで、体力尽きるまで応援する所存である!」
 自慢げに大音声をあげるギンガナムを前に、ロランはひしひしと感じていた。ディアナ・ソレル様が
ディアナカウンターを創設した理由を。
 試合会場に入ってきたとたんスタンドを見回してばかりいる<FCギム・ギンガナム>の面々を、
ガトーは気に入らなかった。勝負を前にして、何を気にするものがあろうか。
ガトー「ふん、このぶんではまともな勝負にはなるまい」
グエン「いえ、いざというときの彼らの集中力は馬鹿にできないものですよ」
隣のグエンが青い瞳を光らせながら言う。その目はどこを見ているのか。
グエン「それに……」
と、グエンがガトーに自分たち、<ラインフォード・ユナイテッド>のチームメイトたちを示す。

――マシュマー(ハマーン様、来てくださったのですね。このマシュマー光栄の至り。勇気を出して
           お誘いしてよかった。見ていてください、あのバラにかけて私は……!)
――ギュネイ(クェス、どうせお前は大佐を見に来たんだろうが、今日、この試合で俺のほうが大佐
         より凄いってことをわからせてやる)
――クロノクル(カテジナ……ここのところ私の立場がなくなってきているし、いいところを見せねば
          しかしやはり地球はほこりっぽい。マスクが欠かせんな。通気性は抜群だから競技に
          問題はないが)
ガトー「我々も同じか。情けない連中め」
グエン「まあ、いいではありませんか。やる気になっているようですし。もちろん私もね」
 ゼクスは相手側のベンチにいる妹、リリーナを黙ってみつめていた。リリーナも沈黙のまま兄を
じっと見据えている。ヒイロはそれを知りながらも、無言のまま黙々と練習に取り組む。
 ドモンとチボデーもまた視線を交差させていた。しかし、こちらはリリーナとゼクスのように複雑
なことは何もない。ただ真っ直ぐに力をぶつけあってきた二人の、いつものやりとりである。

 そんなふうなところもあったプレイヤーたちだが、試合開始が近づくにつれ、両チームの誰も観客
席や必要以上に相手へ目をやることがなくなり、試合にむけて練習に集中していく。
 そしてついに試合開始時刻である15:00が訪れた。決勝だけは選手入場があり、両チームはもう
フィールドに出ているのに、一度地下道に引っ込んでまた再入場するという滑稽なこととなった。
 それでも正式な選手入場というものは身の引き締まるものなのか、入場曲である『機動戦士ガンダム
逆襲のシャア MAIN TITLE』の流れる中、並んでフィールドに現われた両チームの選手の
姿は堂々たるものだった。スタンドの観客からも歓声が上がる。
 整列した後、握手を交わしてスターティングメンバーの選手達はフィールドに散った。

      <FCギム・ギンガナム>

          GK:1ドモン

       DF:5コウ  DF:6シロー

DF:12シッキネン          DF:3ガロード

      MF:7ロラン  MF:11ヒイロ

MF:2シーブック MF:10ジュドー MF:4カミーユ

          FW:9ギンガナム

―――――――――――――――――――――――――――

      FW:9ガトー  FW:13マシュマー

MF:11ギュネイ           MF:7ジェリド
       MF:10ゼクス
             MF:4グエン

DF:3クロノクル           DF:2カクリコン

      DF:6シロッコ  DF:5ラカン

          GK:1チボデー

     <ラインフォード・ユナイテッドFC>

15:00をすこし回ったそのとき、キックオフの笛が鳴り響き、サッカー市民大会決勝戦、
<FCギム・ギンガナム>対<ラインフォード・ユナイテッドFC>
の試合は始まった。
243フットボール狂騒曲:03/11/16 23:17 ID:???
続く を入れ忘れてしまいました。とりあえず今回はここまでです。
早いとこ続きを貼れるように頑張ろうと思ってます。

あと、>>239のタイトルは

フットボール狂騒曲95・決戦の場所フィールドへ(1)

です。最後の番号をこれまた入れ忘れてしまいました。
244通常の名無しさんの3倍:03/11/17 00:17 ID:???
フットボール職人様、続編乙です。
相変わらす読み応えがある作品、スーパーサブのウッソや、
シャアには負けられないアムロの活躍に期待したいところです。もちろん他も。

あと、ロランはグエンのボディチェックに注意。


ハマーン様、注目選手は2人いるけど、マシュマーは激しく漏れている予感。
245通常の名無しさんの3倍:03/11/17 23:45 ID:???
わーい、マシュマー(初期?)が来た−ヽ(*´∀`*)ノ
おバカ具合ではこいつが一番好きだったんだよ。
246ロラン・ローラで大騒ぎ:03/11/18 13:02 ID:???
またしても長い間を空けてしまい、最早知らない人が多いことでしょうが、
やっと書ける環境が整いましたので続きをやります。自分勝手で本当にすみません。
お嫌でなければよしなに。
247通常の名無しさんの3倍:03/11/18 13:03 ID:SuFmYOI5
これまでのあらすじ

濃縮版娘溺泉を誤って飲んだロランは美少女ローラ・ローラと化し、
更にはシャクティの怪しい祈りで胸がFカップとなってしまった。
様々な紆余曲折を経て、ジオニック社の人体改造により、元のロランに
戻るはずだったが、実験途中、彼女の体は羊水カプセルの中で忽然と消えた。

羊水カプセル前。
兄弟たちは、ロランのいなくなったカプセルのオレンジ色の羊水を
ただ呆然と見つめていた。
言葉を失い、青ざめて虚ろに、只為すことなく立ち尽くしていた。
この実験を仕切っていたナナイは、ショックのあまりにパニックに陥り、
シャアと研究所員に連れられて出ていった。指示を促すものがいなくなり、
ラボの機能は完全に停止している。
「ロラン兄ちゃんどうなちゃったの!?消えちゃったの!?もしかして死んじゃったの!?」
アルがアムロにかじりついて問い詰める。だが、何を言っていいか解らず、
アムロは末弟の頭を撫でるだけだった。
弟たちを見回すと、皆一様に固まったまま、というより立っているのがやっとという有様で
とても意見を求められる状態にない。普段ならどんな時でも冗談を飛ばすジュド・ガロでさえ
俯いて固く口を閉ざしている。自分が何か言わなければならない、その何かを必死に
考えていたら、感極まったアルが泣き出した。
「やだ、ロラン兄ちゃん死んじゃやだーっ!」
そしていないロランの体に抱きつくかの様に、羊水に両手を突き入れた。
その時・・・
248ロラン・ローラで大騒ぎ:03/11/18 13:04 ID:???
「あれ、僕の足に触っているのは誰ですか?」
カプセルに直結のスピーカーからロランの声が。
「ロラン兄ちゃん、ロラン兄ちゃんなの!?この中にいるの!?」
「どうしたのアル、涙声で。何か有ったの?真っ暗で何も見えないけど・・・」
「おいロラン、大丈夫か!?返事をしろロラン、おいロラン、ロラン、ロラン!!」
アムロがいきなり叫ぶ。只ひたすらにロランの名前を連呼した。
「とても静かですね。今アル一人だけ?皆はどうしたの?」
この時カミーユがある事に気づいた。
「皆、ロランはこの羊水の中に溶け込んで生きている。そしてどうやらこの中に手を入れると
 言葉が伝わるらしい。アムロ兄さん、手を入れて!」
「あ、あぁ!」
事の把握をするとアムロは、ロランの頭の辺りに片手を入れて、自らの動揺を押さえるように
して、彼に語り掛けた。
「ロラン、大丈夫か?どこか具合の悪いところはないか?」
「アムロ兄さん、何が起こったんですか?僕は何も見えなくて、兄さん達以外の音や声も
 聞こえないし、それと体が動かせないんです。一体どうなって・・・」
ここで事の真相を語ってはロランに動揺を誘い、今よりもっと悪い事態になるかもしれない、
そう判断したアムロは何とか状況をはぐらかそうとした。
「あ、そうだ、ほかの者達もいるから安心しろ。おい、シロー。」
次の者を促して自分は羊水から手を引き抜き、ロランに聞かれないようにして
弟たちにその旨を伝えた。
249ロラン・ローラで大騒ぎ:03/11/18 13:04 ID:???
「とにかく安心させてこの状態を保つようにしよう。ロランは今自分がどうなっているか
 気づいていないから絶対にこの事を悟られるないよう話をごまかせ。」
それを聞いて、言葉を一つ一つ選びつつ自然にシローは話し掛けた。
「ロラン、心配しなくていい。今ちょっと停電なんだ。それで今皆取り乱していたんだ。」
「シロー兄さん、そうだったんですか。アル、それで怖くなって泣いてたのか、僕はここにいるから
 大丈夫だよ。」
「うん、もう平気だよロラン兄ちゃん。」
彼には見えていないのに必死に笑顔を繕うとするアル。次にドモンが手を入れた。
「俺達も暗くてお前の姿は見えないが、心配ないさ。体が動かんのは、俺もよくは
 解らないがこういう事態に備えて安全上、体を拘束するシステムなんじゃないか。機械とは 
 そんな物だと、レインが言っていた。」
ドモンにしては上手い言い訳だった。メカ音痴がここでは役に立つ。
「そうなんですか、わかりました。でもドモン兄さん、痛いからそんなに強く肩を握らないで
 ください。充分ですから。」
え、肩?アムロはいぶかしんだ。ドモンが手を入れているのは体があればつま先の辺りだ。
そう言えばアルが足を触っていると言われたが、場所的には手は腹の付近に入れられている。
体が溶けたことで配列がばらばらになっているのでは、アムロがそう考えていたとき、
コウが腕をもぐした。ちょうど頭のある付近だ。
「僕だ、コウだよ。心配いらな・・・」
「キャァーッ!!!」
250ロラン・ローラで大騒ぎ:03/11/18 13:05 ID:???
突然響くロランの絶叫。
「そんなとこ、あ、やめて、兄弟でそんな、あ、指なんか入れ、いや、止めてーっ!」
「・・・・・・え?」
絶句して固まるコウ。
「コウ兄さん、ロラン兄さんのどこを触ってるんです、離れてください!」
ウッソが諭すが、コウは何故かどんどん顔が赤くなっていく。
これは鼻血を吹く前兆、飛沫が羊水に混じってしまったら、どのような異変が起こるやも!危ない!
「せいっ!」
その刹那、ヒイロがコウにローキックをかます。ガクッっと折れる膝、そこへ間髪入れず
「兄さんごめん!」
背後に回ったキラが背負い投げ、体は垂直に跳ね上げられた。
「「とおりゃ〜っ!」」
そして絶妙のタイミングでジュド・ガロがドロップキックをかまし、コウははるか後方に
吹っ飛ばされた。床に勢い良く叩きつけられると同時に豪快な噴水と化し、
直径3メートルの血の池を構築した。
「ふぅ〜危ねぇ危ねぇ。こんな所でロラン兄に迷惑かけやがって。」
「全く、うらやま、いや、うらやま、いや、けしからん事しやがって許せねえ!」 
そう言ってバロムクロスを交わす二人。コウは血液を出し切り、ポコポコと泡を立てていた。
251通常の名無しさんの3倍:03/11/18 13:23 ID:???
ローラ騒ぎ来たー!ヽ(*´∀`*)ノ

何やら凄い展開になっているようで…
先が気になりつつも…



私は貴方様にお会いしとう御座いましたー!!
 前半のキックオフは<ラインフォード・ユナイテッド>だ。まずはディフェンスラインにまでボールを
下げる。すぐさま、両チームの中盤が忙しく動き始めた。ボールをキープしていたシロッコは、その
中盤をすっ飛ばして前線にロングパスを出す。正確なボールがFWの9番ガトーに届き、ガトーは
コウと競り合いながら後方のゼクスに頭でボールを落とした。と、そこをヒイロがスパリとカット。
こちらもまずはフリーのDFシローに戻す。シローの腕には白のユニフォームに青いキャプテン
マークが輝く。
シロー「ロラン!」
 シローはロランへとつなぐ。このロランを起点として前線にパスを繋ぐのが<FCギム・ギンガナム>
の基本方針だ。しかし、ロランがボールを受けると同時に、グエンが体をよせて前を向かせまいと
する。グエンの腕にも赤いユニフォームに黄色いキャプテンマークが映える。ピッタリとくっつく
グエンのマークにロランは、囲まれる前にボールを後方のCBか、横のSBに流すしかない。
コウ「こっちだ!」
バックパスを受けたコウだが、敵FWからのプレッシャーにとにかく前に蹴りだすしかない。精度を
欠いたキックでは効果的な攻撃につながるわけもなく、簡単に<ラインフォード・U>にボールを
奪われてしまった。
 兄弟たちもまた、中盤でのマークを厳しくしていこうと受けて立つ。そのため試合序盤は、お互い
に中盤を省略して、ディフェンスラインから前線にロングフィードをだしあう形となった。
 ここで、両チームの差がはっきりと出ることになる。まずひとつは身長差だ。<ラインフォード・
U>のほうがはるかに高さがある。空中戦では兄弟たちは簡単に競り負けてしまう。もちろん体を
当ててなんとかしようとしているのだが、勝負にならない。
 さらにもうひとつはキックの精度の違いだ。フィードを出すのは兄弟たちならDFの誰か、相手は
シロッコかクロノクルなのだが、シロッコたちのボールの方が正確なのである。おまけに<FCギム・
ギンガナム>のFWであるギンガナムはディフェンスをほとんどしない。
ジュドー「当れよ、ギム! 俺たちが行かなきゃしょうがないだろ!」
と同じく前にいるジュドーに怒鳴られても、申し訳程度に動くだけで相手に噛み付いていくことなど
絶対にありえないのだ。
 前半4分<ラインフォード・U>は、シロッコからのロングフィードをマシュマーがシローに競り
勝って頭で落とした。走りこむガトーには横からコウがついていたが、ガトーはそれを強引に力で
吹き飛ばしてシュートを放つ。この強力な一撃はドモンがきっちりと正面で受け止める。これがこの
試合両チーム通じて始めてのシュートだった。
ガトー(正面で受け止められたか。横からのディフェンスでコースを限定されたからな)
ドモン「よし、いくぞ!」
 しかし、やはりまともなボールを前線に入れられないため、<FCギム・ギンガナム>はすぐに
ボールを失い、今度はクロノクルのフィードから右サイドハーフのジェリドが中央に折り返して、
マシュマーが右足でシュート。シローがなんとか足に当てて防ぎ、ボールはゴールラインを割った。
コーナーキックだ。すなわち、身長の差が最も大きく影響するプレイである。
 右サイドからの<ラインフォード・U>のコーナーキック。キッカーは10番をつけたゼクスだ。
CBのシロッコやラカンも上がり、<FCギム・ギンガナム>のペナルティエリアにひしめく両軍
の選手たち。ゼクスの右足のキックがキーパーから離れる軌道を描いて迫る。ボールはマシュマー
に正確に合わされている。身長に劣るマーカーのシローを軽々と上回り、マシュマーハヘディングで
ボールを叩きつける。が、ドモンが鋭い反応を見せ、パンチングでボールを弾き出した。ボールは
ペナルティエリア右前まで飛び、それをやや後方に控えていたギュネイが拾う。もらったとばかりに
右足を振り抜いてゴールを狙うギュネイ。しかしこれも素早く体勢を戻したドモンが横っ飛びでキャッチ。
連続の好セーブでピンチを切り抜ける。
ギュネイ「なんだと!?」
 決定機を逃した驚きと忌々しさにギュネイが吐き捨てた。ドモンは少し間を置こうとボールを抱え
込む。と、そこにマシュマーが悠然と歩み寄ってきた。
 何事か、とボールをぎゅっとつかんだままドモンが顔をしかめると、マシュマーは白い歯を見せて
にっこりと笑いながら右手を差し出した。
マシュマー「青年、今のセービングは素晴らしかった。このマシュマーの相手にとって不足なし。良い
        試合をしようではないか」
ドモンも右手を差し出してマシュマーと握手を交わした。強力をこめて。とたんに、マシュマーの
顔が苦痛に歪む。
マシュマー「ぐ、おお、この……礼儀知らずめ。い、痛い」
ドモン「握手やサインがいるんなら、試合が終わってからにしてくれ。つまり、お前が負けた後にな」
ニッと笑ってドモンはマシュマーに背を向け、前方へボールをスローイングした。
マシュマー「ええい、審判、これは非紳士的行為だ! あんな騎士道精神を持ち合わせていない者は
        退場処分にしろ!」
わめくマシュマーだが、主審も想定外の事態だからか相手にしない。手を振って、ばかばかしいこと
を言っているんじゃあないと返す。マシュマーは振り返ってドモンを睨みつけてきたが、いきなり頭
を振ると呟きだした。
マシュマー「いかんいかん。冷静になるのだ、マシュマー。ハマーン様の御前で見苦しい姿を見せる
        訳にはいかないであろうが」
ドモンは、こいつは馬鹿か? それとも油断を誘うつもりか? と眉を寄せた。
 試合は<ラインフォード・U>有利に進んでいる。その原因はロランを抑えられているところに
ある、とベンチに座るアムロは見ていた。
 高さとディフェンスラインからのフィードの正確性に劣る<FCギム・ギンガナム>は放り込み
あいでは不利だ。ならばパスを回して相手を崩したいところだが、前線と後方を繋ぐ役目をしている
ロランが、グエンにピッタリとマンマークされて機能していない。攻撃の起点が完全につぶされて
いる。もちろん他の選手がフォローに行くのだが、攻め手が後手後手に回っていては得点の匂いが
するプレイなどできはしない。実際、これまでセンターフォワードのギンガナムと、その後ろに
ポジションを取るジュドーにいい形でボールが入ったことは一度も無い。
アムロ「このままじゃまずいな。それにしても、まさかグエン卿があんなプレイをするとは……」
 アムロは意外だった。華やかで洗練されたグエン卿が、とにかく相手に喰らいついて、ときには
わざとファウルを犯してまでマーカーを離さない、そんな地味で泥臭い役割を自ら行うとは。
アムロ「うん? 喰らいついて、離さない……ロランを……」
まさか、とアムロはグエンへと視線を飛ばした。
アムロ「趣味か!?」

 グエンががちりとロランに体を寄せて、動きの自由を奪う。そのグエンの表情には苦しさなど微塵
もない。むしろ口元を軽く緩ませて、楽しんでいる雰囲気すらある。いや、事実グエンは楽しんで
いるのだった。
 通常、グエンがロランにぴたりとくっつけば、すぐに邪魔者が現われる。それは兄弟たちの誰か
だったり、ソシエだったり、理不尽な運命そのものだったりするわけだが、今回は違う。グエンは
サッカーをしているだけだ。もちろん、ロランも。いくら二人が体を寄せあい、ぶつけ合い、もつれ
あって倒れたとしても、それは全てプレイのうちだ。誰もグエンを止めるものはいない。グエンに
とっては、ちょっとした天国である。汗に濡れたローラを力いっぱい抱きしめてもいいのだ。笛が
鳴るが。
グエン(ローラ、今日は君を離しはしない。ずっと私のそばにいてもらうよ!)
これこそが、グエンが大会に参加した真の理由のひとつである。地域住民との交流など嘘八百だ。彼が
交流したいのは、想い人のローラ・ローラただ一人である。
 だが、グエンは決して手を抜いてなどはいない。きっちりと<ラインフォード・U>のプレイヤー
としての役割も果たしている。義理だ。これまで彼はチームメイトに嘘をついてきたわけだ。ローラと
心置きなくくっつきたいから、などという理由で他人がついてくるわけがないので、地域のためなど
というお題目を掲げた。そして<ラインフォード・U>のメンバーたちは、それを信じてくれたか
どうかはともかく、今、自分と共にプレイしてくれているのだ。ならば、グエンはその仲間たちの
ために戦わねばならない義理がある。一人の男グエンとしての義務がある。ローラのために手心を
加えるなどということは、あってはならないのだ。
グエン(他人のためではない、自分の中にある意地のためだ。ローラ、私は男だ! だからたとえ君
     といえども、やる!)
 端正な顔に決意を漲らせ、グエンは彼のローラの足を、ガッと削った。

 前半15分の時点で、<ラインフォード・U>は最初のコーナーキック後にも2本のシュートを
放っていた。対する<FCギム・ギンガナム>は、まだ一本のシュートも打ってはいない。

続く
255通常の名無しさんの3倍:03/11/19 00:29 ID:???
>>250
数ヶ月振り?

コウはローラの何処に指突っ込んだんだ?羨ましいというか…けど
ペースト状なんだから触ってるコウにしてみれば何処だろうが関係無いかw
兄弟にボコにされて悲惨だけど

ローラが溶液に溶けてペースト状になるというSFな展開は興味深いです。続き希望〜
256通常の名無しさんの3倍:03/11/19 00:35 ID:???
>254
趣味ですな…w。
初期段階から怪しく策動していたから、もっと何かとんでもない事を企んでいるかと思いきや、グエンらしいというか、何というか…。ささやかすぎていじましくすらある…(ノД`)・゚・。
ロランを試合でマークするためだけにいろいろめんどうな勧誘やら手続きやら練習やらその他いろいろをしてきたであろうラインフォードの御曹子に拍手ー。

>ローラ・ローラ
お待ちしておりましたー。
ロランは溶けちゃったとはいえまだ女の子のようですね。
一体何処に指入れたんだ、コウ。
まさかっ…………Σ(゚Д゚)
257通常の名無しさんの3倍:03/11/19 00:40 ID:???
>>255
>>256
頭のある付近だから鼻の穴じゃないの?
258通常の名無しさんの3倍:03/11/19 04:19 ID:???
>体が溶けたことで配列がばらばらになっているのでは、
>アムロがそう考えていたとき、コウが腕をもぐした。ちょうど頭のある付近だ。

って注釈つきで、他の兄弟達の触ってる部分も体からバラバラになってる
イメージだから溶ける前に頭のあった場所に手を突っ込んでるからといって
頭とは限らず…俺の希望的見地からいうと「オマタ」の部分だと思いたい。
259通常の名無しさんの3倍:03/11/20 10:16 ID:???
このスレ時々新着表示しないんだよね、イジワル…
260ロラン・ローラで大騒ぎ:03/11/20 10:46 ID:???
ハイム家邸宅、ソシエの寝室。
「ソシエさーんっ!」バタムッ!
叫びながら物凄い勢いで扉を開け、ソシエのベッドに駆け込む者がいた。
シャクティだった。
「何よいきなりノックもなしに、騒々しいわね!そんな開け方したらドアの蝶番壊れちゃうでしょ!?」
「それどころじゃないんです、ロランさんが大変なんです!」
ウッソからの連絡で、ロランの急報を知らされたシャクティは、事の次第をソシエに伝えた。
「うそ、そんな・・・・」
顔面から血の気が引くソシエ。面倒くさくも半身を起こして話を聞いていたが、
力が抜けて又ベッドに伏してしまった。小刻みにカクカク震える。
「今、原因を究明してリカバリーを行っているそうです。まだ今なら話もできるそうですし、
 行って勇気付けてあげましょう。」
「ええ、でも・・・」
変わり果てたロランを見るのが怖い。それに、こんな気持ちでどうやって彼を励ませばいいのか
わからない。布団の中で縮こまるソシエ。ひたすら怯えた。
「・・・あの、今はこれ以上悪くならないように皆頑張っているけど、この先どうなるかは全く
 わからなくて、もしかしたら、このままロランさん本当に消えてしまうかもしれないって・・・」
ロランが消える!あたしの目の前からいなくなる!
そんな、ロランがあたしの家に来なくなる、身の回りの世話をしてくれなくなる、料理や洗濯を
してくれなくなる、あたしのそばに居てくれなくなる、「ソシエお嬢様」って言ってくれなくなる!
そんなの嫌だ!
だんだん恐れより怒りが込み上げてきた。主人の許しもなしに勝手にいなくなるんじゃないわよ!
少しづつ頭に血が上っていくソシエ。体に力が漲ってゆく。
「ロランはいつもあたしの傍にいなきゃ駄目なのに、冗談じゃない!」
ソシエのわがまま根性に火がついた。
ガバッ
包まっていたシーツを跳ね飛ばし、一気に起き上がると、ソシエはヅカヅカとクローゼットに
向かって歩き出し、シャクティに振り向いて言った。
「今度はお水になっちゃうなんて気合が足りないのよ!そこんとこ一言ビシッと言わなきゃ
 駄目よね!すぐ出かけるわ、あたしが着替える間に用意して。車とか準備してある!?」
いきなりの変貌に少々面食らったシャクティだが、ひるまずソシエに言った。
「今、別口の用事であちらに行く人がいたので、便乗させてもらうことにしました。
 いつでも出れます。」
[よっしゃぁっ、待ってなさいよ馬鹿ロラン!」
261ロラン・ローラで大騒ぎ:03/11/20 10:47 ID:???
準備万端で玄関を出ると、そこには一台の赤いコンバーチブルが止まっていた。
「お嬢ちゃん達、急いでんだから早く乗りな!」
運転席にシーマがいた。
二人が挨拶もそこそこの乗り込むと、シーマはアクセルべた踏みで車をスクランブル発進させた。
「キャァ〜〜、ちょっと、もう少しやさしく運転しなさいよぉ!」
「っさいねぇ!あたしの可愛い坊やが一大事なんだ、舌噛むから黙っといでっ!」
へ、この人子持ち?何故か間の抜けた事を考えていると、傍らのシャクティが教えてくれた。
「コウさんの事です。あの人、あちらで鼻血吹いて倒れたそうで、シーマさん、手当てと介抱を
 お兄さん達に頼まれたそうです。」
「又なの、あの人!?又ロランがらみでいやらしい事したのかしら?ったくあの兄弟ときたら・・・」
そこへ会話に横入りするシーマ。
「電話で、致死量の大出血だって言うからあたしゃ、すぐさま医者呼べって言ったんだ。そしたら
 『そんな事ではコウは助からない。弟には貴方の愛が必要だ!』なんて彼の兄さんが言うもんだか らさァ、こんなチャンス願ってもない・・・うぅん、人の命がかかってるんでこうして急いでるわけさ!」
コウの生きるか死ぬかをネタにのろけ?ソシエは思った。
コウさんへの御兄弟のお仕置きね、シャクティは思った。
「お喋りが過ぎたね、これから一丁気合入れるからね、しっかり何かに掴まっといで!」
「わわわ、ちょっと、もっと安全運転してよ!」
「任せな、ちゃんとブレーキも踏む・・・」
バキィっ!
「ちょっと何、今の音・・・」
シーマが足元から何やら掴んでソシエに差し出した。ブレーキのフットバーだった。
「壊れちまった。」
「ええええっ!!」
「はははぁ、こーなりゃ踏むのはアクセル一つ!あたしと坊やの恋路にはブレーキ不要の
 片道切符がプレゼントってねぇ!もれなくお嬢ちゃんたちもご招待さ、遠慮は要らない
 ついといでぇ!!」
「イヤァアアッ降ろしてええええっ!!」
「時間もありませんので、急いでお願いします。」
「シャクティあんた何落ち着いてんのよおっ!」
「っしゃああ!まくるよおおお!!!!」
「ぎゃあああああああ!!!!!」
三人を乗せた赤のコンバーチブルは、ジオニック社への道程を亜音速で翔けていった。
262通常の名無しさんの3倍:03/11/21 02:42 ID:???

【寒いな…】第12回迷惑サイト一斉訪問祭り【誰か…】
誰か、一緒に 業 者 鍋 突付きませんか? 
・11月21日(金) 午後10時00分から食べますよw
・詳細は総本部にて( http://jbbs.shitaraba.com/news/938/

263通常の名無しさんの3倍:03/11/25 10:19 ID:???
age
264通常の名無しさんの3倍:03/11/28 22:54 ID:???
ほしゅ
265通常の名無しさんの3倍:03/11/30 00:00 ID:???
今にネタを出してやると思いつつ、保守。
266通常の名無しさんの3倍:03/11/30 05:03 ID:QzyN+x40
落ち過ぎだ。

保守age。
 前半の3分の1が経過したが、前線の選手はシュートにいくチャンスさえ回ってきていない。
こういうときプレイヤーは、ずるずると後ろに下がってきてボールをもらおうとする。というか、
とにかくボールに触りたいのだ。アムロもそれを危惧していたが、はたしてジュドーがロラン
やヒイロと同じ位置まで下がってきた。
アムロ「駄目だ、それじゃ前線が薄くなる!」
 ベンチでアムロが叫んだ。が、アムロの心配とは裏腹に<FCギム・ギンガナム>を取り巻く
状況は好転してきた。ジュドーが後ろに下がってパスを受けるようになったことで、相手もロラン
のマークだけを強化しておくわけにもいかなくなり、結果、パスがスムーズに回り始めたのだ。
さらに、ジュドーは両サイドのカミーユとシーブックにボールが渡るなどすれば、一気に前へ走る。
下がってビルドアップに加わったうえに全速力で上がることにより、前線が薄くなることも避けようと
いうプレイである。
アムロ「しかし、これは運動量が多すぎる。最後までは持たないぞ、ジュドー……」
 14という年齢からすれば体格も体力もかなり恵まれているジュドーだが、これまでの90分フル出場
は上手くサボりつつなんとか、という面もあった。今のプレイを続ければ間違いなく途中でスタミナが
尽きてしまうだろう。
 ジュドーもそれは自覚している。だが、今やらなければこのままなし崩しにやられてしまうだけだ。
そう思い、ジュドーは賭けに出たのだ。
ジュドー(俺はやるだけやって燃え尽きればいい! アムロ兄もウッソもベンチに控えてるんだ)
 カミーユが中に折り返したボールを、後方から駆け上がったジュドーがトラップしてシュート。
ゴールの枠を右に外れたが、ようやく<FCギム・ギンガナム>に初シュートが生まれた。

続く

早めに続きを書くといったくせに、もう10日以上も明けてしまい申し訳ありません。
とりあえず今はこれだけですが、必ず今日中に続きを貼ります。これは守ります。
268通常の名無しさんの3倍:03/11/30 21:22 ID:???
フットボールお待ちしておりましたーヽ(´∀`)ノ
久方ぶりの職人さんの登場に飢えが満たされるようです。

ところで、08小隊しか出てこない妙に長くてくだらないネタができたんですが、後で投下してもよろしいでしょうか?
269通常の名無しさんの3倍:03/11/30 21:30 ID:???
>268
是非投下を!いろんなネタがあった方が面白い!
 ジュドーが後先考えずに飛ばし始めたのと同時に、<ラインフォード・ユナイテッド>は体力の
温存を考えて、プレッシングを控え目にしようとしていた。それがかみ合って、ジュドーの運動量
が中盤の支配権を<FCギム・ギンガナム>にもたらすか、という状況が生まれつつあった。
 もちろん、<ラインフォード・ユナイテッド>とて指をくわえてそれを許すわけではない。中盤で
パスを繋ぎ、最後にはゼクスがミドルシュート。だが、これもドモンが正面で受け止めた。ならば、と
後方からロングボールを放り込むが、こちらはシュートまでもいかない。これまでこの攻撃を繰り
返してきただけに、もはや単調になって、シローやコウなど兄弟たちの側も対応になれてきたので
ある。
 逆に<FCギム・ギンガナム>は、ジュドーの献身的な動きで攻撃のリズムが生まれつつあった。
 そして前半25分、下がってきたジュドーからロラン、ロランから左サイドのシーブックとボール
が渡った。反対側の右サイドハーフであるカミーユが中央に切れ込み、さらにペナルティエリア左へ
流れる。やや左サイドよりにポジションを取っていたFWのギンガナムが逆に右に流れる。二人の
軌道は交わり、クロスを描く。<ラインフォード・ユナイテッド>のセンターバック、ラカンとシロッコ
がそれぞれカミーユとギムをマークしようと合わせて動いた。シーブックがボールを奪いに来た
クロノクルと上手く間をとってクロスをあげようとする。ギンガナムかカミーユか、どちらだ? と
シロッコとラカンの二人が体をぴたりとマーカーに寄せたとき、GKのチボデーが叫んだ。
チボデー「つられるな! 後ろだぁあ!」
 後方からジュドーが駆け上がってきたのだ。シーブックからジュドーにパスが渡り、ジュドーは
無人のピッチ中央を突き進む。DFは間に合わない、自分が止めるしかない、とチボデーが飛び
出した。ジュドーは不敵なほど落ち着きはらい、すこしタイミングをおいた。そして、
ジュドー(ここだ!)
と右足をふり抜いた。チボデーはその瞬間に飛び込み、シュートを止めようとした。が、
――――ループシュートだと!?
ボールはチボデーを小馬鹿にするように緩やかな弧を描いてゴールへ吸い込まれた。チボデーは無様
に棒立ちになりながら、それを振り返って見るしかなかった。決まった〜! と少ない観客から歓声が
あがり、ジュドーはその観客の中からビーチャ、モンド、エル、ルー、イーノたち仲間を探し出すと、ぐっと
右腕を突き上げて喜びを表した。このループシュートこそ、ジュドーが練習していた必殺技なのだ。
 そのジュドーに、周囲からチームメイトが駆け寄る。
シーブック「おまえってやつは天才だな! はは!」
ジュドー「ナイスパス、シーブック。いや〜、なんとなくできちゃうんだよね〜。練習もしたし」
ギム「小生たちがスペースを作ってやったおかげだというのだ! 第一小生とてループシュートぐらい
    できるのであるからな」
 その歓喜の声を聞きながら、チボデーは拳を震わせていた。この大会初の失点。屈辱を味わうのは、
これが初めてだ。
チボデー「ガッデム!」
感情もあらわに、ポストを蹴り上げる。
 この試合、チボデーにはシュートを受けるということがこれまで無かった。キーパーは相手のシュート
やクロスからゴールをセーブしてこそ、リズムに乗れる側面がある。その機会が一度も訪れていなかった
ほどチームが押していたことが、チボデーにとっては災いしたのだ。
 前半の半分をすぎたところで、スコアは1−0。ジュドーのゴールで序盤は押されていた<FCギム・
ギンガナム>が先制した。

続く  午前0時をすぎてしまいましたが、オマケしてください。

>>268 ネタは投下あるのみかと。楽しみにしております。
271268 唐揚げ珍騒動1:03/12/01 00:29 ID:???
ミケル「ホバークラフト片付けました…あっずるいっ。皆さん先に食べてるなんて!」
カレン「来るのが遅いんだよ。片付けくらいさっさとやんな」

小さな事件で出動していた08署第一MS隊の面々は、いつもよりかなり遅めの夕食兼夜食をとっていた。
ミケル「エレドアさんが僕一人に押し付けるから…」
エレドア「文句あんのか?だったらお前にゃこの唐揚げはやらんぞ」
ミケル「要りませんよ!僕には僕のお弁当がありますから」
サンダース「やめろ2人とも。ミケルも食え。隊長からだぞ」
それぞれが弁当やらインスタントラーメンやら抱えながら、大きめのバスケットを中心とするように座っていた。
中には唐揚げ、卵焼き、茄子の南蛮煮やツナサラダなど、つまみ易い大きさで詰め込まれている。
夜勤の日は大概シローは夕食&夜食用にと、こういうバスケットを持って来るのだが、これがまた美味しいく、小隊の面々には楽しみの一つでもあった。
ただ、最近ミケルはあまりこれを食べに来なくなっていた…。

サンダース「いつもいつも、こんな美味しいものをありがとうございます、隊長」
シロー「いや、作っているのは弟だから俺は何もしていないんだが…、弟に伝えておくよ、うん」
若い隊長の不器用だが誠実な返答にサンダースは慣れない微笑みを返した。
シローお茶を啜りかけた時、サンダースが渡した唐揚げを口にしたミケルが「あぁーっ!」と奇声を上げた。
ミケル「これ、ローラさんの手作り唐揚げじゃないですか!」
シローは思いきり茶を噴き出した。
272唐揚げ珍騒動2:03/12/01 00:33 ID:???
カレン「隊長…」
エレドア「汚いッすよ隊長」
シロー「す、済まない。大丈夫か?」
幸いなことに被害はシロー個人の制服だけにとどまったようだった。

エレドア「いきなりでかい声出すな。びっくりするじゃねーか」
ミケル「す、すみません。でも、これローラさんの手作り唐揚げですよね?隊長。わざわざ買って来てくれたんですか?」
シロー「…?」
突然出て来たローラの名前に、シローはどう返事を返せばいいのか分からなかった。
カレン「これは確か、隊長の弟さんが作ってるんじゃなかったか?」
ミケル「なら、その弟さんが何処かから買って来たんでしょう?こんなに沢山、高かったでしょう。何処に行けば売ってるん…」
ミケルはシローの顔を見て最後まで喋るのをやめた。どうやらシローは自分で思った以上に不機嫌な顔をしたらしい。

サンダース「ミケル、今の言葉は隊長にも、隊長の弟さんにも失礼だぞ。わざわざ作ってくれたものを売り物だなどと…」
ミケル「でも…」
自分の発言の不味さを認めた上でも、ミケルはローラの手作り唐揚げについては譲ろうとしなかった。
エレドア「唐揚げなんて誰が作っても同じだろ。」
ミケル「全っ然違います!皮に一工夫してあるんです。鶏肉の漬込みもきちんとしてあるし、とにかく丁寧なんですよ!ほら、冷めてもこんなに美味しいでしょう?」
シロー(ロランはいつも丁寧だしな…)
カレン「たまたまそいつが弟さんと同じ作り方なだけだろ。隊長の持ってきてくれる夜食は前からずーっとこういう味だ。全部旨い。毎回これらを全部買っているっていうのか?!」
カレンは大きなバスケットを指差した。これを毎度出来合いのものを買って来て埋めるとしたら、膨大な出費となるのは明らかだ。そして、シローが大勢の兄弟を抱えて、好きな女性とも結婚できないでいる程に貧乏であることは隊員全員の共通認識だ。
ミケル「…すみませんでした…」
シロー「いや、いいんだ」
こうして場が収まりかけた時、エレドアが言った。
エレドア「大体、いつも食ってるだろ。何で今日に限ってそんなに反応するんだよ?お前の舌おかしいんじゃないか?」
ミケル「…いつもなんて…食べてませんよっ!」
273唐揚げ珍騒動3:03/12/01 00:37 ID:???
突然声を荒げるミケルに他の者達は面喰らった。
その隙にミケルは今まで溜まっていた鬱憤を吐き出すように抗議した。
いつも片付けを自分一人にやらされている事、
そのせいで今日のように食事に出遅れている事、
自分が来た時には差し入れの半分はすでに無くなっている事、
それでも残ったものをもらおうとする度、エレドアやカレンやサンダースや整備のジダン、時には気まぐれに遊びに来るキキにまで、どういう訳か邪魔をされて結局食べれない事、
あまりにそういう事が続き、何だかひどく情けない気持ちになり、自分の夜食は自分で用意してひっそりと食べるようになった事…。
最後には泣き出して上手くしゃべれなかった。

シロー「…そうか。それは気付かなくてすまなかったな」
カレン「食べたいならそ言やいいだろ。一人でグジグジうじうじ悩んでんじゃない」
そういってカレンは大分減ってはいるがまだまだ中身の残っているバスケットをミケルに差し出す。
カレン「食べる分だけさっさと取りな」
ミケル「?hぁ、?hぁりがどおございまず…っ…っ。」
むせびながら、卵焼きを取り上げるミケル。
エレドア「ああっ。それ狙ってたのに!」
慌てて戻そうとするミケルを止めて、サンダースはエレドアに今回は諦める様言った。
サンダース「こんな調子だから今までミケルがこの差し入れを食べられなかったんだろう」
そう言って、サンダースは初めて食べるならあれが旨い、この順番が良いとバスケットの中身の解説を始めた。
ミケル「ありがとうございます。僕も、ローラさん手作り弁当を皆さんにお裾分けしますね」
今度は茶を噴き出しはしなかったものの、少しむせてしまった。
シローには、何故ここでローラの名前が出てくるのかさっぱり分からなかった。
274唐揚げ珍騒動4:03/12/01 00:41 ID:???
サンダース「…そのローラさんという人は料理人か何かか?」
ミケルとエレドアが一斉にサンダースの顔を見る
ミケル「知らないんですか?!あのシルバークイーン、ローラ・ローラを?」
エレドア「ローラちゃんを知らない奴がいるなんて嘘だろ…」
2人の反応に面喰らったサンダースはカレンの方を見た。
カレン「知ってるよ、それくらい」

この2人はともかく、カレンまで知っているのか?!と思っていると、今度はシローの方へサンダースの視線が向って来た。縋るような顔をしている。
シロー「…俺も…、名前くらいは知っている」
がっくりと項垂れるサンダースの元へ、ミケルとエレドアが自分のロッカーから各々の雑誌を持って来て広げて見せた。
ミケル「この人がローラさんです」
サンダース「美しい人だな…。しかし、これはまだ子どもじゃないか?」
エレドア「17だってよ。しかしいいよな、この折れそうな細い腰。」
サンダースに便乗してシローが雑誌を覗いてみると、そこには若草色の絹のドレスを着て舞踏会でハリーと踊っているロランの姿があった。
ミケルの持って来た雑誌「ランラン」4月号には、特集「抱いてみたい女性」部門で見事に一位を獲得したローラが載っている。
潤んだ瞳でこちらを見つめるローラはシローの目から見ても充分魅力的だった。
ただし、これらの女装は総てロランの不本意ながらの仕方なくやったものだ。

サンダース「で、この女性は何をしている人なんだ?」
一同、返答に窮した。ローラは未だに謎の美少女なのだ。
エレドア「芸能人ではないことだけは確だぜ」
カレン「月の関係者だろ?そっち方面でよく見かけるよ」
ミケル「いえ、グエン卿の関係者ですよ。この舞踏会だってグエン卿に同行して月の人たちをもてなしたんです。」
エレドア「ってことは、デキでんのか?この2人」
シロー「それはないっ!
275唐揚げ珍騒動5:03/12/01 00:45 ID:???
断言するシローに一同怪訝な顔をした。
エレドア「どうして分かるンすか?隊長」
ミケル「そうですよ、お気持ちは分かりますけどね、グエン卿とローラさんの仲は結構前から噂になっているんですよ」
シロー「それは、グエン卿が・ローラに・気があるだけで、ローラ本人は何とも思っちゃいない!」
シローとしては、たとえ赤の他人の想像の上ででも、ロランがグエンにいいようにされるなど我慢ならないことだった。
が、シローの発言と態度は別の誤解を生んだ。

エレドア「隊長って、ローラちゃんのファンだったんっすか…」
ミケル「そうだったんですか?隠す必要なんてないですよ。嬉しいな。後でローラさんについて一緒に語りましょう!」
シロー「違う!」
カレン「それにしたって、ちょっと危ないよ、隊長。アイドルに執心しすぎて犯罪に走らないで下さいよ」
サンダース「隊長にはアイナさんがいるでしょう?」
シロー「そうだ、俺にはアイナが」
エレドア「いいや、分かってないな、サンダース君。アイドルってのは彼女がいようといまいと関係なく萌えるもんなんだよ」
サンダース「燃え…そうか…」
ミケル「そうですよ。僕もB・Bとローラさんは可愛いね、っていつも話してるんですよ」
エレドア「お前、彼女にそんな話してんのかよ」
ミケル「いけませんか?元々、ローラさんのファンだったのはB・Bの方で、僕にローラさんを教えてくれたんですよ。今じゃ一緒にファンをやってます」
エレドア「…幸せなこって」
ミケル「B・Bは夜勤の僕のためにローラさんの手作り弁当を買ってきてくれるんです。競争率が激しくてなかなか手に入らないけど、その心遣いが嬉しくて…」
シロー「それだ、その手作り弁当ってなんなんだ?!」
今や、危ない程熱烈なローラファンと認識されてしまったシローが叫んだ。
276唐揚げ珍騒動6:03/12/01 00:48 ID:???
ミケル「月曜から金曜に一日限定4個だけ販売される超レアもの弁当です。でも4個きっちり売られる日は少ないし、一つも売られない日もあって手に入れるのがすごく難しいんですよ。滅茶苦茶高いし。でもその分すっごく美味しいんですよ。」
ミケルは同士であると認識したシローにあっさりと教えた。
シロー「高いって、幾らするんだ?」
ミケル「一個4000円です。おまけがついて7000円」
金額を聞いてカレンとサンダースが怪訝な顔をした。が、シローはそれを無視して熱心に話を聞く。
シロー「で、何処で売ってるんだ?」
ミケル「それは内緒ですよ。隊長、買う気でしょう?これ以上ライバルは増やせません。代わりに、今日手に入ったローラさんのお弁当をお裾分けしますから」
ミケルが持って来た弁当袋を見てシローの顔はさらに引きつった。
ジュドーのものだ。
弁当を開けると、そこにはシローが今日食べた昼食と同じものがそのまま入っていた。
カレン「なんか、普通の弁当箱だけど、他人の弁当じゃないんだな?」
ミケル「あなたのために作りましたって感じでいいでしょ?このお弁当箱は洗って返す仕組みなんです。」
ジュドー、ガロード、ウッソに時々ヒイロまで、よく弁当箱を学校に忘れてくる。
なくす事もしばしばだ。お陰で彼等の弁当箱は複数あるのだと以前ロランがこぼしていた。

シロー「…3000円も割増するおまけってのは?」
ミケル「生の写真が付いてくるんです。雑誌とかHPに載ってるやつじゃなくて、未公開のものがほとんどですよ。寝姿になるとさらに値段が跳ね上がりますけどね」
エレドア「そんなもん持ってるのか?!」
ミケル「これは高かったですよ〜」
シロー「他にもあるか…?」
テーブルの上にかなりの量の写真が並べられた。
ミケルのコレクションを見ながらローラ話に花を咲かせるシローとミケルとエレドアを残し、カレンとサンダースはその場から離れた。
カレンは呆れた様子でさっさと自分の食事を済ませ、サンダースはシローをどう理解するべきかと、深い悩みの淵に立たされてしまっていた…。
277唐揚げ珍騒動7:03/12/01 00:52 ID:???
エレドア「うあっ、これイイっ。頼む、これくれっ!1万…いや3万出すから!」
ミケル「だめです!これは僕のベスト中のベストなんですからね!汚したりしないで下さいよ!」
エレドアとミケルが取り合っているのは朝靄の中でロランが着替えをしているシーン、胸が見えるか見えないかの際どさで体のラインも綺麗に出ている。エロチズムと神秘性が見事に共存した写真だった。
シローは頭が痛くなるのを感じた。ロランにはとても教えられない。

ミケル「こっちのお風呂上がりもいいでしょう?」
エレドア「は〜、うなじがたまらねえ〜。」
ぼやかしてあるが、背景には紛れも無くシローの家の脱衣所が写っている。

シロー「…これ、盗撮じゃないよな?」
シローのつぶやきにエレドアはキョトンとし、ミケルは一瞬ギクリとして慌てて否定した。
ミケル「そんなものが売りに出されるわけないでしょう?嫌だなあ、もう」
シロー「売ってる連中も正規の人間じゃないだろう?」
ミケル「そんな訳ないでしょう?大体、これはB・Bが買ってきてくれるんです。誰が売っているかなんて僕は知りませんよ」
シロー「嘘だな。こんな写真まで彼女に買ってこさせるのか?写真の枚数分、自分で買ったんだろう」
ミケル「違いますよ! 普通の写真は5枚一組なんです!」
ミケルは言ってから、ハッと自分の口を塞いだ。
シロー「まあ、そうだろうな。でもこの…ヌードっぽいやつは一枚物だ。値段も破格。違うか?」
ミケルは直感でシローがローラファンではない事に気付いた。
エレドアは、シローがただのローラファンではなく、ローラが穢されるのを極端に嫌うタイプのファンだと思った。
シロー「売っている場所は学校…」
ミケルは身動き出来なかった。
シロー「中学生が売ってるだろう…?」
ミケル「…なんで知ってるんです?」
ここでミケルは落ちた。
どんなに突っ込まれてもここはシラを切り通せば良かったのだ。
真相を想像出来る人間はシローくらいのものなのだから。

シロー「盗撮だって、気付いてたのはいつからだ?」
ミケル「いえ、はっきりそう思った訳じゃないですけど、ローラさんの視線がいつもカメラを向いていないから、もしかしてそうかな?ってだけで…。でもこれ全部がそうって訳じゃないでしょう?こんなにあるんですよ?」
確かに他人では無理だろう。が、シローの家にはプロ級の盗撮マニアがいる。被写体であるロランはかなり鈍い。
シロー「数の問題じゃない。自分の知らない間に写真を撮られて知らない所で売られていたら誰だって嫌だろう?おまけにその…彼女は芸能人じゃない。厳密に言えば一般市民だ」
エレドア「なんか、ローラちゃんを知ってる風な口ぶりですね、隊長」
シロー「…」
ここで知らないと言うのも不自然に思えたので、弟のロラン-ディアナ-ローラという経由で関節的に知っているということにした。
シローが警察官なので、盗撮に困ったローラから相談を受けたとでっち上げた。
実際のロランは盗撮自体に気付いてすらいない。
278唐揚げ珍騒動8(終章):03/12/01 01:04 ID:???
ミケル「そんな…、彼女、困ってたんですか?」
シロー「相当に参っていたぞ。それとグエン卿との噂も思いっきりデマだからな」
突然知らされた真実(実際はシローのでっち上げ)にミケルはうなだれた。
盗撮かもしれない、弁当も赤の他人のものかもしれないと、薄々気が付いてはいたのだ。
が、実際にローラが嫌な思いをし、その原因の一端を自分が犯していたのだと思うと、やるせない気持ちになった。
ミケル「ごめん、ローラさん…」
誰にではなく、ミケルはローラに小さく、深く、謝った。

エレドア「んじゃ、これは没収な」
ミケル「ああっ、返し……、いえ、いいです…」
ミケルのコレクションを取り上げたエレドアにシローは言った。
シロー「返してやれ。それとも、没収した写真を俺の代わりに全部焼き捨ててくれるなら話は別だが?」
案の定、エレドアは笑いながら首を横に降った。
エレドア「でも、それじゃ、ミケルはお咎めなしですか?」
シロー「取りあえずこれらの写真を絶対に売るな、他人に見せびらかすな。この2つを守れ。本当は没収して焼き捨てたいんだからな。
こういうのは売る方も悪いが買う方も悪いこと位知っているだろう。そうやって高い金だしてでも買う奴がいるから売る方もつけあがるんだ。
まして、ミケルは警察官だ。市民を守る側なんだぞ。もっと自覚を持て」
ミケルは無言で首を縦に振った。あんまり激しく振るので体自体が揺れ、お辞儀をしているみたいになった。
シローはこれ以上ミケルを追求しようとは思わなかった。
彼はどうやら真のローラファン(あまり使いたくない言葉だが)のようだから、半ばローラに誓うようにしたこの約束事は守るだろうし、怪しい道へこれ以上足を踏み外すこともないだろう。
逆に、これだけのコレクションが万が一外へ流出して、グエンやシャアに渡ったらと思うとそっちの方が嫌だった。
そして、問題はむしろジュドー達にある。
家に帰ったら問いたださなければならない。


ロランの唐揚げに端を発した騒動(?)はここでひとまず収束を見た。
この後、カレンとサンダースから「シロー隊長は熱烈ローラファン」の誤解を解くのに小一時間はかかったが。
ミケルが差し入れの夜食を食べる度に「これはローラさんの…!」と騒いだのは言うまでもなく、最後には「ローラ手作り弁当を作った人間」と弟のロランは同じ先生から料理を習ったのだ、という話しまでシローはでっち上げることになる。
シローは取りあえず、ミケルとエレドアには絶対にロランを会わせまいと、そう心に固く決めた。

おしまい



無駄に長くてすんません。
以前の兄弟のお弁当ネタが印象に残っていたのと、ミケルはこういうののファンになったらマニアの称号を得る程入れ込みそうだな、と思ったので…。
変な所はスルーして下さいな。
279通常の名無しさんの3倍:03/12/01 20:24 ID:???
>>271-278
Good Job
280通常の名無しさんの3倍:03/12/01 23:00 ID:???
あげふぇげえgfWAGgrRARRYkふぃういl
281ロラン・ローラで大騒ぎ:03/12/04 13:23 ID:???
ところは再びジオニック社ラボ、スタッフルーム。社長のシャア、落ち着きを取り戻したナナイ、
主だった研究要員達にアムロが一同に介し、原因究明と今後の方策について論議された。
 これまでの経緯と事故の発端と内容、その後の経過が説明され、その状況から様々な仮説、
予想が出され、それらからこの先行うべき方策が提示された。
 纏めると、今回の治験で各機械類における人為的誤作動、故障等の過失は見受けられず、
情報面に技術的過失があると見て、OS、プログラムを洗い直す事で現状回復を果たし、併せて
治験の続行を推し進め、当初の目的を果たす。
 これがほぼそのまま決定事項となり、諸処の細かい調整事項の確認を終えると直ちに、
研究要員達は持ち場に向かって散って行った。残ったシャア、アムロ、ナナイは今一つ、
とある懸案について話し合っていた。
「はっきり言って、貴社のソフトについては心配はあったんだ、ハードの信頼性の裏返しで・・・
 ここはどうもマシンの性能に溺れる嫌いがある。」と、アムロ。
「アムロにはその点で謝らなくてはならん。確かにその風潮があるのは事実だ。私自身、その点を
 誇り、改める気もなかった。その結果がこれだ。」と、シャア。
「私もそれを知ってはいましたが遂、具申せずにこれまできました。現場で見て見ぬ振りをした私の
責任です・・・」ナナイはそう言うとハンカチを手に顔を覆った。傍らでシャアが肩を叩いて
彼女を慰める。その光景を見たアムロは意を決すると彼らに告げた。
「こうなれば会社の垣根など関係ない、こちらも企業的に協力させてもらう。我社に掛け合って
 支援を要請する!」
「待てアムロ、君は私と違って中間管理職だ、もみ消す力も地位も無い。私的案件で他社で業務を行えば、
事と次第によっては背任で会社から訴えられるぞ!」
「自分の弟の大事を人任せにし、責任まで押し付けること自体が悪いんだ!非は僕にもある!」
「しかし・・・」
「いいんだ、ジオニックの弱点に託けてずるく商売していたつけは、いつか払わされる日が来ると
思っていた。今がそれさ・・・連絡をとりたい、電話を貸してくれ。」
受話器を取ると、ラーカイラム社の番号を押すアムロの表情はとても落ち着いていた。
「・・・ブライトか、アムロだ、突然だが辞表と引き換えにお願いしたいことがある。」 
282ロラン・ローラで大騒ぎ:03/12/05 14:33 ID:???
アムロが受話器を置いてから一時間の後、とある女性がラボを訪れた。部下のチェーン・アギだった。
彼女はやや大きめのアタッシュケースをアムロに手渡すと、悲しみの漂う眼差しで見つめながら言った。
「辞表は出しても受理はしない、その代わり一年の減俸と退職金の減額、一ヶ月の休日カットだと、
 ブライトCEOが・・・」
「後は働いて返せと・・・そう言いたいのかブライト、でも決心に変わりは無いさ。彼には済まない事をした、
そして君にも・・・」
「そんな事はどうでもいいんです、事情は聞いてますし、私もそうすべきだと思います。でも、
責任とはいえ、自分勝手に辞めるなんて、私は納得できません!だってこれは人助けなんですよ、
社の技術流出なんてこの際言ってる場合じゃないじゃないですか!」
「人道的に正しくても社会通念として誤っている事は、サラリーマンはしてはいけない。故にどんな
理由でも、会社の所有財産を私的流用する事は容認してはいけないんだ。
そしてその前例を作ることも・・・」
わかっています、とそう言って俯くチェーン。いつもは慎ましやかで素直な彼女であるのに、今日は
 自分にくってかかっている。はじめて見た彼女の変貌に内心びっくりしているアムロだった。
「今はそんな事より、こいつを使うことの方が先だ。これからすぐにマシンとの整合調整を・・・」
「いいえ、その”そんな事”の方が先です!会社を辞めてはいけません、部長!」
「場と状況をわきまえろ、チェーン、どうでもいい事だろう!?」
「いいえ、私には大事です!」
「チェーン!」
「あのー、込み入った話のところで申し訳無いんだけどさァ、あたしらここでどうしたらいいのか
 教えとくれよ。」
はっと横を振り向くと、誰かを負ぶっているシーマと、静かに寄り添って立っているシャクティがいた。
シーマは頭やら腕やらに包帯を巻いていた。左目周辺に青痣もある。
「あ、申し遅れました、こちらに用があるという事で乗せてきました。途中、事故を起こしていたので
 助けに行ったら・・・・」慌ててチェーンが事の次第を説明すると、シーマはけろっとしてアムロに
笑いながら言った。
「いやぁ、この子達連れて気張って出発したのはいいんだけどね、ブレーキが故障しちまったもんだ
からしょうがない、適当な壁にマイマシーンをぶつけて止めたのさ。そこへ丁度この嬢ちゃんが
 助けに来てくれたから手当てついでに、ジオニック社まで連れてけってお願いしたら行く先が
 一緒だったんだよ、渡りに船ってねぁこの事さ。てな訳で早速だけど、コウはどこ?」
「今のうちにソシエさんも起こさなくちゃ。ソシエさん着きました、起きてください。」
そう言うと背負われたソシエのお尻をぽんぽん叩くシャクティ。
「イタッ!誰よ、さっき激しく打ち付けた所を触るのはっ!!・・・・って、ここどこ?」
「・・・・・とにかく、来てくださって有難うございます。色々ご説明差し上げねばなりませんので、
 どうぞこちらへ・・・」
そういって三人をスタッフルームに案内するアムロ。その後を、釈然としない表情でチェーンは
彼の背中を見つめながら歩いた。 
283通常の名無しさんの3倍:03/12/07 00:00 ID:???
シーマとシャクティとソシエ(気絶中)とチェーンか…
チェーン、車に乗せてやっている側なのに肩身がせまかったんじゃ…(藁)
284通常の名無しさんの3倍:03/12/08 01:41 ID:wMH6Cj6P
ほっしゅage。
285通常の名無しさんの3倍:03/12/08 02:04 ID:Way6dNE7
2004年カレンダー、注文受付中。
http://www.tcn-catv.ne.jp/~diet/calendar.html
286268です:03/12/10 00:36 ID:???
どうもです。ネタを投下した後って、けっこうドキドキするもんですね。
フットボールの感想を書き込みたいのに何故か足が竦んで書き込めない状態でした。(何故?)
遅ればせながら、269さん、270さんありがとうございます。
それと、279さんもありがとうございます。

フットボール狂騒曲 267,270>ジュドー大活躍ですね。
なんとなく、でここ一番の時に決めてしまえるのはジュドーだからこそでしょう。
兄弟チームが先制点を取るなんて、実は予想していませんでした。
287通常の名無しさんの3倍:03/12/10 12:49 ID:???
とても面白いスレだ。
常駐させてもらいます!!
288通常の名無しさんの3倍:03/12/10 13:20 ID:???
>>287
そんな文じゃ
メール欄に何か書いてるってすぐバレるぞ
 FC<ギム・ギンガナム>はリードを奪った後、ジュドーを中心にパスを回して攻撃のリズムを
作り出す。フィールド中央で細かいパスを小気味良く繋ぎ、最後にギンガナムへとグラウンダーの
縦パスが通った。反転してシュートに持ち込もうというギム。が、ここはシロッコが上手く体を入れて、
ギムに仕事をさせなかった。もたついたギムからフォローに来たラカンがボールをカットし、前方へ
蹴りだす。精度を欠いたボールがラインを割った隙に、シロッコはギムの耳元で囁いた。
シロッコ「事故は2度も起きないものだ。期待しないほうがいい。」
先ほどの失点にも動揺したそぶりがない不敵な言葉。もはや貴様には何もさせない、というシロッコ
の意思表示を受け、単純な回路で構成されているギンガナムの頭に、怒りと不快の電流が
ピキンと走った。
ギム「ほう。今さっき失点したばかりのくせによく言う。記憶力に欠けているのであるか?」
シロッコ「ジュドー、やつは厄介だ。我々にはちょうど捕まえにくいところにポジションをとっている。
     が、無理をして走りまわっているから長くはもたんし、やや後方へ下がることによってゴール
     から遠くなっているのもまた事実」
ギム「ふん、アホの言うことだな。前線にエースストライカーの小生がいればなんの問題も無い!」
シロッコ「前線に一人残るのが貴様だから、さ。まあ、どちらが愚かかはいずれわかることだ」
ギム「それはそうであるなあ。うむ、わからせてあげようではないか。お前がアホだということを」
ギンガナムは負けじと言い返した。シロッコはニヤリと不気味な笑みを浮かべて去っていった。
 試合は、両チームがそれぞれの武器を生かして攻めあう展開となった。前半30分、兄弟たちは、
カミーユが左サイドから中央へとドリブルで切りこみ、そのままミドルシュート。ゴール左下の隅
を襲う素晴らしいシュートだったが、ラインフォードのGK、チボデーが横っ飛びで見事にかき出す。
続いてのコーナーキックもきっちりとキャッチしてゴールを守り、この試合前まで無失点だった意地
を見せた。<ラインフォード・ユナイテッド>もその2分後、再三のロングボールをマシュマーが頭で
落として、ガトーがシュートを放つ。だが、ライバルチボデーに負けるか、と兄弟たちのGKドモン
が正面でがっちり受け止めた。それを見て、監督でもあるアムロはベンチで思わず感嘆の唸りをもら
した。
アムロ「ドモンのやつ、今のプレイだけに限らず、今日は相手のシュートコースにきっちりと入って
    いる。一ヶ月の練習と少しの試合だけで……」
 ドモンの持って生まれた才能が並外れたものであることを、あらためてアムロは感じていた。才能、
といえば、とさらにアムロは、もうひとりの弟へ頭をめぐらした。視線の先にはヒイロだ。守備的MF
をやっているヒイロは、小柄ながら大人顔負けの運動量とあたりの強さで、確実に相手の攻撃を断ち
きっている。危険を察知する能力にも優れていたようで、危ないところには必ず顔を出していた。
<ラインフォード・ユナイテッド>の放り込みが得点につながっていない理由のひとつは、ガトーと
マシュマー、長身の二人がボールを落としても、落下点をいち早く察したヒイロが邪魔に入っている
場合が多いからだ。また、ヒイロが中盤でのパス回しの大きな障害であるからこそ、ラインフォード
はロングフィードによる放り込みを選択せざるをえない。
アムロ「ディフェンスはドモンとヒイロが引っ張っているな」
高さで大きく劣るというハンデを抱えながら戦うのは、二人のうちどちらがかけても無理であろう。
チームのポジションを決めたときにこの二人を守備に回したのは間違っていなかった、とアムロは
胸のうちで密かに、しかし大きく頷いた。
 前半も残り10分となった35分、またもカミーユが左サイドを破ってクロスをあげた。中央に待ち
構えていたギムがラカンとの競り合いを制し、後方から走りこんでくるジュドーに落とす。チャンスだ、
と観客や兄弟たちも色めきたったが、ラインフォードのCB、シロッコがさっとカットして、素早く
前方へパスを出した。ギンガナムを挑発するかのようなことを言ったシロッコだったが、ギンガナム
を密着してマークしているわけではない。ギムへのマンマークを行っているのは、もうひとりのCB
ラカンである。シロッコは後方にひとり余っていることもあれば、中盤の底に顔を出すこともあった。
 シロッコのパスはゼクス、右SHのジェリドと渡った。ロングボールが多いためになかなかパスが
回ってこず、ジェリドはボールを触るのも久し振りだ。敵視しているカミーユが続けてこちらのサイド
を破っている。負けてはいられない。ジェリドは、ボールを奪いにきたガロードにフェイントをかけて
抜き去ろうとした。上手く左右に揺さぶって、敵DFをかわした。そうジェリドが思ったと同時に、
ボールはあっけなく後ろに控えていたもうひとりの敵プレイヤーに奪われていた。ヒイロだ。抜け目
なく隙を狙っていたのである。そのヒイロのボールを奪った後の涼しい横顔を視界におさめた瞬間、
ジェリドはカッとなって我を忘れた。
ジェリド「こ、このぉ!」
斜め後ろから完全に足を狙ったタックルにいき、軸足を刈った。カミーユに負けたくない、という気持ち
が焦りになり、焦りが功を奪われたという怒りになったのだ。強く響いた主審の笛にジェリドがはっとして
我を取り戻すと、左ひざを抱えて倒れ込んでいるヒイロがいた。困惑して見下ろしているジェリドと苦痛に
顔を歪めるヒイロの周りへ、慌てるように両チームの選手たちと主審が駆け寄ってくる。
カミーユ「ジェリド、お前みたいな奴がいるから! 修正してやる〜!」
シーブック「落ち着けカミーユ! 殴ったら退場させられるぞ!」
 頭に血が上ってジェリドにつかみかかろうとしたカミーユを、シーブックが後ろから抑えてなだめる。
ジェリドは目を剥いて応じた。
ジェリド「俺だってわざとやろうとしたわけじゃない!」
自分が悪いことはジェリドとて重々自覚しているが、カミーユ相手にはどんな形でさえ譲りたくない
のだ。ガロードがジェリドの言葉に激昂する。
ガロード「おい、わざとじゃなけりゃ許されるって訳じゃないだろうがよ!」
ジェリド「そ、それはわかっている。ついカットなっちまって……悪かったな、坊主」
ヒイロは、ジェリドの一応の謝罪にも反応せずに、ただ左ひざをかばっていた。
シロー「ヒイロ、大丈夫か?」
ヒイロ「問題ない」
シローの問いかけにお決まりのセリフを返したものの、ヒイロの顔はわずかだがゆがんでいた。
 ジェリドには主審からイエローカードが出された。レッドでもいいだろ、とカミーユが主張するが、
それは聞き届けられない。さらに、ヒイロのためにドクターが呼ばれた。素早く担架と共にドクター
が現われる。しかし、その瞬間敵味方全員があっけにとられてその男をみつめた。マスクをしている。
顔全体を覆う、黒赤黄色のドイツ国旗のようなマスクを。角も、ついていた。
ドモン「シュ、シュバルツ!?」
シュバルツ「甘いぞ、ドモン! 私はスポーツ医学にも通じているんだ!」
コウ「ど、どうしてシュバルツさんが?」
シュバルツ「昔から言うだろう、我がドイツの医学薬学は世界一ィィィ! と」
コウ「ごく、一部でね」
シュバルツ「まあ、医学といえばドイツ。ドイツといえばゲルマン忍者、ということだ」
ロラン「後半は絶対違う……あの、その角、近くで話していると、刺さるんじゃないかって怖いですね」
シュバルツ「まあ、ヒイロ君は私に任せろ! さあ、試合再開のためにピッチ外へ運び出さなくては」
 ヒイロはピッチの外へと運び出された。そのヒイロの元へ<FCギム・ギンガナム>のベンチから
リリーナとソシエとアルが駆けてくる。リリーナは、ヒイロの顔を覗き込むと、心配そうに訊いた。
リリーナ「ヒイロ、痛むのですか?」
ヒイロ「問題ない」
ヒイロは、それしか言わない。
シュバルツ「おそらく、タックルを受けたときに膝の靭帯にダメージを受けたのだろう」
体重のかかった軸足を、無防備な後ろからやられたのだから、たまらない。
 アムロはベンチでウッソと共にアップを始めた。交代という選択肢もあったが、一応様子を見た
のは、ヒイロがディフェンスの中心で絶対に代わりのいない選手だからだ。出れるのなら、という希望
を捨てきれないのである。
 前半残り10分、<FCギム・ギンガナム>は一時的に10人で戦うこととなった。

続く ペースが遅くてすいません。頑張る、って言ってからますます遅くなってしまった。
292通常の名無しさんの3倍:03/12/13 14:00 ID:???
そういえば、主審もガンキャラの誰かさんなんだろうかと勘ぐって見る。
サッカー職人さんいつもながらグッジョブ。
ヒイロっていつもこんな感じで、医者泣かせでしょうね。
…自分で骨接ぎできる技術があるぐらいだから、医者いらずかもしれませんが。
293通常の名無しさんの3倍:03/12/16 00:47 ID:IAjS2l5A
年の瀬の大掃除をはりきってやる奴と大掃除?何それ?って感じの奴がいそう
294通常の名無しさんの3倍:03/12/16 01:11 ID:???
>293
アムロ:年度末で仕事は追い込みで帰りは深夜、後は忘年会で家の掃除どころでは…
シロー:家の掃除よりも、年末年始は取り締まり強化で珍走団と対決。
ドモン:今年は大晦日に格闘番組だらけで忙しい。
コウ:クリスマスは一人なので家の手伝い。
カミーユ:キレイ好きっぽいが、人の部屋までは手伝わない。
シーブック:やってはいるが、バイト先のパン屋>家
ロラン:言うまでも無く、彼が一番熱心に掃除する。はずがいつの間にかハイム家とかの掃除もしてる。
キラ:カミーユと同じようなものだ。
ヒイロ:部屋に掃除すべきものが見当たらない。
ガロード:ティファが来ると言ったらあわてて掃除しだした。
ジュドー:時給200円。
ウッソ:掃除もスペシャルだった。
アル:おとなしく掃除していたが、いつの間にかコウのガンプラも一掃していた。

ギンガナム:年越しそばが出来る頃には食卓にどっかと陣取っていて、紅白を見ていた。
295通常の名無しさんの3倍:03/12/17 01:33 ID:???
いいねえ、大掃除。
年越しだろうが大掃除だろうがロランが居れば心配無用。俺ん家にも欲しい。
アルの何気ない行動にワロタW
296ロランの日記:03/12/17 21:26 ID:???
最近、朝食にギンガナムさんが来ないんです。
どうしたのかみんなに聞いてみたら、ヒイロが
「毎朝うるさいから知人の家を紹介した」と言っていました。
家族だけの食卓もひさしぶりでいいのですが、なんだか少しだけ淋しい気もします。
297通常の名無しさんの3倍:03/12/18 01:19 ID:???
トロワスレに乱入してるよ・・・
298通常の名無しさんの3倍:03/12/18 18:16 ID:???
>>297
ホントだ・・・
299ロランの日記:03/12/18 21:25 ID:???
今朝、家の前に髪の長い人が倒れていました。空腹で動けないようでした。
介抱してあげたところ、ギンガナムさんがご厄介になっているヒイロの友達だったそうです。
ヒイロに話してみると「俺の本当の姿を知っている奴は生かしておけん」と言って
髪の長い人をどこかに持っていきました。

しばらくして、宅配便で梱包されたギンガナムさんとメリーベルさんが送られてきたのですが、
あのヒイロのお友達のいるところは一体何が起こっているのでしょうか。
なにか、触れてはいけないものに触ってしまった、そんな気分でした。
300156:03/12/18 22:00 ID:???
300
301通常の名無しさんの3倍:03/12/18 22:18 ID:???
ロラン、日記とかつけてるのがマメな感じだな
ここのロランは家計簿とかもつけてそうだが
 ディフェンスの核であるヒイロを欠き、10人になってしまった<FCギム・ギンガナム>へ、同点
にするチャンスだと、勇躍して<ラインフォード・ユナイテッド>が襲いかかる。
 ヒイロが抜けたことによってゆるくなった中盤のディフェンスを切り裂いてパスが回り、ガトーへと
縦パスが通った。食らいつこうとするコウを弾き飛ばして、ガトーが猛然とゴールへ突進する。シロー
がマシュマーへのマークを捨ててカバーに向かったが、一足早くガトーの右足が振りぬかれた。鋭い
一撃がゴール向かって右隅への軌道を描く。
 ドモンの体がさっと左に弾け、左手がシュートの弾道を強引に断ち切る。弾いた。こぼれたボール
を詰められたら、やられる。ドモンは覚悟していたが、もうひとりの敵FWであるマシュマーは、立ち
止まって手を広げ、フリーになった自分にパスをしろとアピールしていた。他の選手がやや離れた
ところから突っ込んでくる。ドモンは素早くボールを抱え込んだ。
 ガトーは頭にきた。こぼれ球を詰めようとマシュマーが走りこんでいれば、1点取れていたのだ。
ガトー「君もFWだろう! FWならば点を取るためにものを見ろ!」
マシュマー「私にパスを出しておけばよかったのだ。フリーだったのだぞ」
 分が悪くとも、マシュマーは言いかえす。二人の相性は悪い。また後半にエドワウことシャアが投入
される場合、FW同士の交代となるとガトーかマシュマーのどちらかが下げられる。ゴールを奪い、
自分のほうが役に立つということを示さねばならない。その状況が両者の関係を悪化させていた。
マシュマー(今のプレイで私の評価に悪影響が出たかもしれん。準決勝では私が下げられているしな。
      見に来ていただいたハマーン様の御前にて、無様な格好をさらすわけにはいかん。次こそは……)
 そのマシュマーにもチャンスが来た。シロッコからのロングフィードを受けた<ラインフォード・
ユナイテッド>左SHギュネイがシッキネンをかわして上げたクロスを、マシュマーが真ん中にフリー
で待ち構える。長身を飛び上がらせ、マシュマーはヘディングシュートにいく。後方の選手たちが
得点を確信するなか、ボールはクロスバーを越えていった。
チボデー「や、やっちまいやがった」
思わず、ラインフォードのGKチボデーは呟いた。
 マシュマーは、外したとわかった瞬間、天を仰ぎ、それからスタンドに哀願するような目を向けた。
彼の女王、ハマーン・カーンは怒ってはいなかった。がっかりしてもいなかった。あれは、ほっと安堵
した表情だ。マシュマーにはわかった。それほどはっきり顔に出していたわけではないが、誰よりも、
ハマーンの一挙一動に注目し、一喜一憂しているマシュマーである。わからないはずがない。なぜ、
ほっとしていたのか。
マシュマー「まさか、ハマーン様が応援しているのは私ではないのか? いや、そんな……」
 マシュマーの不安とは全く関係なく、<ラインフォード・ユナイテッド>自体は再びゲームを支配
していた。
 ヒイロの不在が、<FCギム・ギンガナム>に重くのしかかっていた。ヒイロがいないのならば、
自分たち自身で何とかしなくてはならない。それは皆わかっている。だが、失点を怖れるあまりゴール
前に引きすぎて、そのせいで軽快にパスを回されていた。おまけに、引いているくせにマークが
しっかりしておらず、マシュマーをフリーにしたり、ガトーに弾き飛ばされたりとまるっきり浮き足
だっている。ヒイロがいないということが、パニック状態を引き起こしていた。簡単なこと、当たり前
のことができなくなると、もう、まずい。
アムロ「落ち着け! 落ち着いて声をだせ! お互い声を出しあうんだ! マークを確認しろ!」
 アムロは叫んだ。その後、親指の爪を噛んだ。アムロは迷っていた。ヒイロを待つか、それとも交代
してしまうか。自分の意図がはっきりしていないから、混乱を助長しているのかもしれない。そこまで
わかりながらも、アムロは決断を下せない。アムロもまた、落ち着きを欠いていた。
 守備だけではない。攻撃もうまくいかなかった。時間を稼ぐためにボールキープをしようとも、ギム
は足もとの技術はなく、ポストプレーをしても、引きこもった守備のせいでパスを出すところが限ら
れている。ジュドーもヒイロの代わりとかなり後ろに下がっていて、シーブックも守備にかかりきり。
カミーユに至っては、状況を理解せずに無理なドリブル突破を図って自滅していた。
 完全に歯車のかみ合わなくなった兄弟たちを、<ラインフォード・ユナイテッド>が追い詰める。
左サイドをギュネイからクロノクルのパスで破ると、クロノクルがクロスを入れる。<FCギム・
ギンガナム>ペナルティエリア中央は、競り合いの末にシローがなんとか前方にボールを蹴りだすが、
中途半端な浮き球だ。それを拾ったラインフォードのゼクスがミドルシュートを放つ。このシュート
は密集していた選手の壁に阻まれたが、セカンドボールを拾ったのは、ラインフォードCBシロッコ
だった。CBでも、<FCギム・ギンガナム>の攻め手が欠けたぶん、リスクなくオーバーラップ
できる。マークしている選手はいない。シロッコはゴールから30メートルのほぼ中央、フリーで
ミドルシュートを放った。
 眼前をごちゃつく敵味方の選手に視界を阻まれながらも、ドモンは体を横に倒し、何とかシュート
を弾いた。シュートを打つ瞬間が見えなかったので、それが精一杯だった。クリア! 心中に叫び
ながらボールを追ったドモンの目に飛び込んできたのは、ゴールに向かって振りぬかれんとする、
足だった。瞬間、とっさに飛びつこうとしても、体勢は崩れている。ほんの目の前で、ドモンは見ていた。
つかまなければならないボールが、この両腕に収まっているべきボールが、ゴールへと叩き込まれるのを。
「ぬぉおおおおおお!」
 ガトーは、誰をはばかることなく、吼え、高らかに右拳を突き上げた。ゴールを奪った選手の、当然の
権利だ。
 前半43分、試合はガトーのゴールで<ラインフォード・ユナイテッド>が追いつき、1−1の同点となった。

続く
304通常の名無しさんの3倍:03/12/21 13:00 ID:???
>>302
乙〜
相変わらず各キャラともに描写が巧いですな
305通常の名無しさんの3倍:03/12/23 03:15 ID:???
●姉妹都市「みにふろシャア専用@アクシズ」もどうぞ。
http://www.soutokuhu.com/bbs/shar/index.html

↓当スレアクシズ避難所。ちょっと、たまには、誰か行ってやれや。

【避難所】歴代主人公が兄弟だったら.2【議論所】
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1049403320
306通常の名無しさんの3倍:03/12/23 06:23 ID:???
>>305
そこは元々、最初の方で荒れた時に作られた「議論所」というアレがメインで
その後はSEEDネタの色合いが強い話をうpしていくスレになってるけど
今は板自体の過疎化による相乗効果によって、スレ住人も少なくマッタリ進行してるから
意味を成してないと、いえなくもなく…

このスレも職人と住人が少なくなってる現状、SEEDネタが強くでてる話でもスレの流れに乗れるんならば
こっちでやっても構わないとは思ってます。話が多い方が活性化になるし。あくまで俺、個人の考えだけど。


それとは別に、もうすぐスレ生誕から一年。長いようで短い歴史。
拡散していった職人さん達も帰ってきてガンガン書いて来年も続けて欲しいんです。頑張って!
(…自分で書けという話も)


ここのログをSSだけ纏め直して、文庫サイズの本とか作ってみたい気も…
その場合、同人誌にして金が発生したりすると、権利うんぬんで揉めたりするかもしれないから
個人的に作っておけば読みやすいなぁ、というだけなんだけど(暇な時にゴロ寝しながら読めるし)
そんな同人誌を作ったら欲しい人います?
や、未だ作るかどうか…分らないけど、印刷するなら数十冊は作らなければ印刷屋に発注出来ないだろうし
自分の分以外の余った本を印刷費だけを実費で割って売るとか、職人の人には贈呈するとか

と、いいつつも俺は同人誌作った事ないから単なる脳内希望なだけなんですが。ええ
編集の仕方とか何もしらないし、何にしても金が発生するとなるとヤラナイ方がいいのかな?
少数発行になると思うから印刷代だけで足が出て儲けも出ないとは思うものの。
スレの反応を見て、辞めとけ。という声が多いなら実費で配るのとか辞めて自分でコッソリ楽しむ用にだけ、作るかも。
307306:03/12/23 06:52 ID:???
上のように書いたあと、印刷所とか検索してみたら
印刷代高杉…リッチじゃないので、最初はコピー本かな?と弱く気になってます。
2レスを一つのコピー本にして…とか、スレ違いごめん。
308通常の名無しさんの3倍:03/12/23 10:42 ID:???
>306
仮に同人誌を作ったとして、通販する場合
お前の身元がバレることも考えれ
最悪の場合住所をうpされるぞ
それに編集する手間もかなりあるし、
「スレにうpするのはいいけど本にされるのは嫌だ」って
職人もいるかもしれない

ついでに、文庫サイズの同人誌がバカ高いのは
よくあるサイズ(B5)より製本するのに手間がかかるから

ようは、同人のことをよく知らないならやめとけってこった
309通常の名無しさんの3倍:03/12/23 11:36 ID:???
ここってまとめサイトは無いのか?
本は無理でも、WEBならなんとかなりそうだけど・・・
310通常の名無しさんの3倍:03/12/23 16:33 ID:???
>>309
スレの最初からよく目を通して御覧なさい
 前半残りわずか、というところで追いつかれた<FCギム・ギンガナム>。各選手たちの顔に背に、
色濃く失意の影が落ちた。「このままもう1点とるぞ!」という<ラインフォード・ユナイテッド>の
選手たちの声が響く中、下を向き、がっくりと肩を落とす者も少なくない。
 ドモンは、さっと、ゴールの中に居座っていたボールを抱き上げた。そして、
ドモン「下を向くんじゃない! 落ち込んでいる暇なんざないだろうが! 顔を上げろ! 敵を見ろ!
    ここで頑張らないで、いつ頑張るってんだ!」
吼えた。怒声ともいえるありったけの大声に、皆がはっとして、反射的に顔を上げた。ドモンはその
際に、前方へボールを放った。
 シローが顔を上げたとたん、ドモンからボールが飛んできた。慌ててそれを受けると同時に、自ら
の腕に巻かれている青い腕章が、シローの目に入った。キャプテンマーク。俺は何のためにこいつを
着けているんだ。点を取られて一番辛いのは、キーパーのドモンなのだ。そのドモンが誰よりも早く
チームメイトを励ました。
シロー(自分は、キャプテンじゃないか)
シローはぎゅっと、唇を噛み締めた。胸を張って、大声で呼びかけた。
シロー「みんな、ここは大きいぞ! 前半は最低でも同点で折り返すんだ! 相手の勢いに呑まれるなよ!」
 周りの仲間たちも、呼応していく。
コウ「よし、まずはマークの確認だ! 声出すぞ!」
手を叩きながらコウが言えば、
ロラン「無理に攻めないで、ボールをキープして時間を稼ごう!」
とロランも続ける。
 <FCギム・ギンガナム>は声を掛けあった。ハーフタイムまで、持ちこたえる。はっきりとした
短期目標を定めたことが、動揺からの迅速な回復をもたらし、チーム全員の意思を統一した。
 試合の流れそのものは、いまだ<ラインフォード・ユナイテッド>に傾いている。いくらまとまり
を取り戻したところで、いきなり流れまでは変えられない。試合再開後も、ラインフォードが押し込む
シーンが続く。
 しかし、今までと違うのは、最後の一線で<FCギム・ギンガナム>が譲らなくなったことである。
センターでボールを受けようとするガトーやマシュマーに対して、コウやシローが常に警戒し、必死に
食らいついてマークする。
 声も出ている。「落ち着け! 敵来てないよ!」 「いったん戻せ!」 「あたれ! あたっていけ!」
「飛び込んでいいよ! 後ろオーケーだ!」など飛びかう声の効果もあってか、浮ついたプレイも無い。
 それでも、押しているのは<ラインフォード・ユナイテッド>だ。ジェリドの右からのクロスを、
マシュマーが頭で押しこもうと飛んだ。シローが上手くタイミングを合わせて、競り勝てないまでも、
マシュマーの体勢を崩してヘディングにいかせない。ボールは逆サイドに流れ、それを拾ったギュネイ
が、地を這うパスを中央のエリアやや後ろに出し、走りこんだグエンがミドルシュート。コウが足を
いっぱいに伸ばしてカットする。ロランが素早くこぼれ球をフォローし、とにかくも前に蹴りだした。
 ロランのクリアボールは、偶然、前にいた右SHのシーブックに繋がった。勢いに乗って追加点を
取ってしまいたい<ラインフォード・ユナイテッド>は前がかりになっていた。守備に隙がある。
シーブックは、ディフェンスが整ってしまうまえに、早めのクロスボールをギンガナムの頭めがけて
打ちだした。高めに弧を描いたボールに、ギンガナムが走りこもうとする。ラインフォードのCBは、
シロッコは上がっており、ラカンは気を抜いていた。転がりこんできたチャンスに、ギンガナムは
文字通り飛びついていく。
 望みは、あっけなく潰えた。チボデーがきっちりと飛び出し、パンチングでクロスを弾き出した
のだ。慌てて戻ってきたシロッコが、ボールを拾った。と、切れ長の目を光らせ、一気に前線へと
ロングフィードを出す。
 すでに、前半はロスタイムに突入して2分ほどが経過していた。ヒイロの負傷があって、長めの
ロスタイムになっている。最後のチャンス、とシロッコからのボールを受けるマシュマーに気合が入る。
同時に、ガトーへの対抗心とスタンドのハマーンの姿が、マシュマーの意識を駆け巡る。ようするに、
目の前のボールに集中していなかった。ささっと、シローがボールを掠め取る。
 そこで、拍子抜けとシローも隙を作ってしまった。ワンテンポ遅く、パスを出そうとした。ガトーが
狙っていた。足を伸ばしてパスをカット。跳ね返ったボールが、<FCギム・ギンガナム>のペナルティ
エリアでバウンドする。
 とっさにマシュマーが反応してスライディングで押し込もうとする。だが一手早くドモンが飛び込み、
グラウンドにうつぶせになりながら、ボールを抱え込んだ。そのとき、突っ込んできたマシュマーの
スパイクが、ドモンの右腕にまともに入ってしまった。笛が鳴り、マシュマーがキーパーチャージ
の反則を取られた。
マシュマー「すまない。わざとではないのだ」
ドモン「わかっている。気にするな」
 軽いやりとりの後、マシュマーはまたスタンドのハマーンを見上げた。やはり、ほっとしていた。
自分の活躍は望まれていないのか。マシュマーは、ハマーンの隣に座っているミネバの姿に目を移し
ながら、
マシュマー(いっそ大会などに参加せず、あそこに座っていればよかった)
とさえ思い、空回りの自分を嘆いた。
 ドモンは、マシュマーにスパイクされた右腕を気にすることもなく、遅延行為で反則を取られない
限りで目一杯時間を稼いでから、試合を再開した。
 その後、両チームともチャンスを作れないまま、1−1のスコアで前半は終了した。
 アムロは結局、ヒイロを交代(か)えなかった。正確には、動くのを怖れて、決断を下せないまま、
前半を終えた。

続く 
313フットボール狂騒曲:03/12/23 17:37 ID:???
>>292
審判は特にキャラを定めていません。詳しく書くこともないでしょう。
選手だけでもうキャラクター出しすぎなくらいなんで。
(本当はこのまえレスするつもりだったんですが、忘れてしまいました。すいません)

>>305
このフットボール狂騒曲の番外と言うか、
漫画に例えると、単行本についてる1ページくらいのおまけみたいなやつなら
思いつくんですが、そういうことに使ってもいいのでしょうか?
それで良いのなら、保守代わりにでも書き込めるかもしれません。

>>306
あんまり金のかかることはやらないほうがいいのでは、と言うのが俺の意見です。
金がからむと思わぬところからトラブルになりますからね。
自分のネタに限っていえば(幾つかありますが)、こういうとこで無料で読んだり書いたり
できるからこそ、というものだと思うので。(金取れるほどの物じゃないですし)

長々とネタ以外のレス、スマソ。
314306:03/12/23 22:40 ID:???
明け方の頭で思いついた案にマジレスしてくれた人に感謝。

>>308
その他もろもろって普通に同人作る際にもあるリスクでしょ。だから個人的に問題無いけど
要はお金だよね。印刷代をざーっと調べたけどそこまで金出すほどのアレでもないから
金掛るのは辞めよう、とアッサリ諦めて、金の件を外したら一番問題なのが編集…倉庫サイトなんかだと
upした文を横書きそのままに載せてるけど本にして読む際、縦読みのにしたいから
それをどう直すのか?とか色々面倒臭そうなんで、その編集のやり方の含めて先ずはコピー本で試行錯誤するつもり。

>>306
金をとる、とらないは最初からやるつもりはなくて
俺はこのスレを本にして寝転びながら読みたいな、と自分の楽しみとしての範囲の話がまずあって
それで序に…というもんです。それもコピー本にするから金の問題も微々たるものになる筈。
それよりも手間なんです。先ずは自分で楽しむ用の活字起こしが結構時間かかると思うから…ちまちまやって来年の春位になるかも。

>自分のネタに限っていえば…

本という事で考えると色々なネタが入ってるアンソロジー本という事で
単体では価値が無くても(ネタの好き嫌いはあるだろうから)集合する事で価値が増してると思うんで、それは受け取る側の問題で。
そこまで謙遜して考えないで、物好きな人がプリントアウトして本にして楽しむ事もあるんだよ。という風に受け止めてくれれば幸い。
315通常の名無しさんの3倍:03/12/24 00:22 ID:???
>>310
しかし、あそこって全然更新してないな・・・
まとめサイトの役を成してないよ
316通常の名無しさんの3倍:03/12/24 00:57 ID:???
>フットボール狂騒曲
作者さん相変わらずクオリティの高い作品乙。
いよいよ決勝後半戦、未だ沈黙を保つエドワウ・マスことシャアがどう出るか、
目が離せませんです。

俺も何かネタ考えよう。
317通常の名無しさんの3倍:03/12/25 00:14 ID:???
A 「なぁ?
B 「なんだ?
A 「俺たち何でこんな格好してソリ引いてるんだ?
C 「ぼやくな。サンタのじいさんのご氏名だ。
D 「オレは楽しいぜぃ!
A 「いい気なもんだそりゃおめぇにはぴったりだけどよ。

サンタ 「そこ!無駄口が多いぞ!(ビシッビシッ
    夜明けまでに配り終えないと”V作戦”が台無しになってしまう。
ABC 「なんで俺たちだけこんな目に…
    恨まれるようなことしたっけ?

こうして3人は一晩中鞭で追われ続けたのだった…
318通常の名無しさんの3倍:03/12/25 01:44 ID:???
>>317 誤爆?
319通常の名無しさんの3倍:03/12/25 02:07 ID:???
コウが高校時代の話だ。
大学受験を控えていた彼は、近隣の大学の合同説明会に出ていた。
高校ラグビーでそれなりに活躍した彼は、ラグビーの名門校の某体育大学を希望校に入れていたが、
説明会に学生代表でアピールに来ていた応援団長が、
「それでは最後に、我が校の応援団の名物『ニンジン踊り』を披露したいと思います」




そして、コウはこの体育大学の受験を断念した。
320通常の名無しさんの3倍:03/12/27 16:37 ID:???
保守age
321通常の名無しさんの3倍:03/12/27 16:38 ID:???
すいません、あがってないや。まあいいか。
322通常の名無しさんの3倍:03/12/28 12:56 ID:???
>>321
季語なし
323通常の名無しさんの3倍:03/12/29 00:51 ID:???
アムロ「今日はドモンが友達を連れてくるらしい。 
   キラやジュドーに比べるとあいつは友人に恵まれてるし、女性関係もまぁ
   綺麗なものだ。いったいどんな友人を連れてくるのやら・・・
   家族全員で迎えてあげよう」

ドモン「紹介しよう、風雲再起だ」
風雲再起「ヒヒン」

兄弟達「馬-----!?」
324通常の名無しさんの3倍:03/12/29 01:33 ID:???
カミーユ「馬じゃないか!」
ジュドー「そんな奴が友達かよ!!」
ガロード「兄ちゃん本当のアホか」
キラ「兄ちゃんでしかもアホー」

ドモン「風雲再起を馬鹿にするな!見ろ!この流派東方不敗の動き!
    このニンジンの喰いっぷり!」
コウ「ナイスガッツ!風雲再起!!」
 負傷のため、担架にのって一時的にフィールドを出ることになったヒイロは、そのまま医務室へと
運ばれていた。
 負傷箇所の左ひざを冷やす応急処置を取りながら、今はドクターのシュバルツが言った。
シュバルツ「そう心配しなくてもいいぞ。きちんと治療をすれば、尾を引く怪我じゃあない」
ヒイロ「出られるのか?」
 ヒイロは即座に聞き返した。その顔はもはや苦痛にゆがんではいない。いつもの、あの不自然なほど
無表情な顔だ。
シュバルツ「今から出るつもりか? ……うむ、それは……無理だ」
ヒイロ「無理? それほどの怪我じゃない」
シュバルツ「ヒイロ君、君の体は15という年齢からは考えられんほどに鍛え上げてある。少々、異常な
       ほどにな」
ヒイロ「何が言いたい?」
シュバルツ「君のような年のうちは、もっと体をいたわるべきだ。無理をして取り返しのつかないこと
       になってからでは遅い」
ヒイロ「今までもこんな怪我ぐらい何度もあった。問題はない」
 二人のやりとりは、淡々とした声とリズムで続いていた。それがかえって、リリーナの不安を煽る。
不安。リリーナにとってのそれは、ヒイロが再び出場することだった。怪我を押してプレイするヒイロ
を見たくない。交代して体を休めてほしい。リリーナの偽らざる気持ちだ。
リリーナ「ヒイロ、無茶はやめて」
リリーナはたまらずに二人の会話へ割って入った。声がやや高くなっていた。
ヒイロ「経験上、問題ないとわかっている」
リリーナ「そんな……でも」
 言いかけたとき、バン! と勢い良く扉が開いて、試合の様子を見にいっていたソシエが飛び込んで
きた。
ソシエ「追いつかれたわ。1−1の同点」
開口一番、ソシエは早口に言った。ヒイロはすぐさま訊く。
ヒイロ「俺は交代させられたのか?」
ソシエ「いいえ、してないわ。今の時点で変えていないってことは……」
その答えに、ヒイロは頷くと、立ち上がろうとした。ソシエは、困惑した表情を浮かべながら続けた。
ソシエ「でも、変えないでヒイロを待つ、ともアムロさん言ってないのよ。フィールドを見て、親指を
     噛んでるだけで」
 ソシエが困った顔をしたのは、アムロの思惑を測りかねたからだろう。それでも、ヒイロは復帰する
ための準備を続ける。シュバルツが、ヒイロに向き直った。
シュバルツ「ヒイロ君、君の言うとおりだ。君の怪我は、今日はもうプレイできない、というほどには
       重くない。だがフィールドに復帰して、走り回り、相手とぶつかり合って、膝に新たな
       負担をかけ続ければ、君が予想しているよりはるかにひどい事態を招くこともあるのだぞ」
ヒイロ「それがどうした?」
シュバルツ「……君はまだ15だ。正常な成長を阻害することになるやもしれん。だから、私はあえて
       症状を重く告げたのだ」
ヒイロ「無用な心配だ」
 シュバルツはじっとヒイロの目を見つめていた。ヒイロも同じようにシュバルツを見ている。まるで
視線を外したほうが負け、とでもいうように。緊張した空気の中に、さらに駆け込んでくる者がいた。
 兄弟の末っ子、アルだ。
アル「今前半が終わったよ。1−1の同点なんだ。それで、ヒイロ兄ちゃんは出られるの?」
ヒイロ「アル、俺は下げられていないんだな?」
ヒイロの確認に、アルは勢いこんで頷いた。ヒイロが復帰できるかどうか確かめるのが、アルがここに
やってきた理由のようだ。
 リリーナは、俄然出場への意欲を高めたヒイロの名を、厳しい口調で呼んだ。
リリーナ「ヒイロ!」
 リリーナは決心した。なんとしてでもヒイロを止めるために。
リリーナ「ヒイロ!」
 その金属質の響きに、ヒイロは振り返った。リリーナの瞳に決意の色があった。
ヒイロ「なんだ? リリーナ」
リリーナはすっと息を吸い込むと、
リリーナ「ヒイロ、フィールドに復帰することは許しません。これは命令です!」
一息に言い切った。ヒイロは聞き返した。
ヒイロ「任務なのか?」
リリーナ「任務です。私があなたに与える、任務です」
 任務という言葉は、ヒイロにとって重い。リリーナはそれを知りながら、言った。これはヒイロを
止めるための、最終手段なのだ。リリーナの瞳は、真っ直ぐにヒイロだけを見ている。顔は張り詰め、
肩は細かくふるえている。ヒイロもリリーナの顔をじっと見つめ返した。
 沈黙が、部屋を埋めた。二人の真剣さ故か、シュバルツもソシエもアルも、一言も発さなかった。
 やがてヒイロが口を開いた。
ヒイロ「リリーナ、俺は試合に出る」
リリーナ「……どうして? 兄弟の皆さんのほうが、先に任務を与えたから?」
ヒイロ「俺たちは勝たなければならない」
リリーナ「賞金のことなら、お金のことなら、他に何とかする方法があるはずでしょう。私も手伝います」
ヒイロ「金だけの問題じゃない」
リリーナ「あなたはもう十分頑張ったわ。後は、他の選手に託したって……」
ヒイロ「俺がいなければ勝てない。それに、リリーナ……」
 一拍置いてから、ヒイロは静かに、諭すように言葉を続けた。
ヒイロ「リリーナ、俺は今まで任務のために動いてきた。いつも、いつもだ。お前からの任務。兄弟から
     の任務。たくさんの任務をこなしてきた。任務を遂行することが、俺の存在意義だったんだ。
     でも今は、今は俺の意志で、誰にも預けることのない俺自身の意志で、プレイしたいんだ」
リリーナ「ヒイロ……」
 リリーナの大きな瞳から、すっと涙がこぼれた。ヒイロは、綺麗だ、とひそかに思った。けれど、ヒイロ
は自ら目をそらし、リリーナの瞳に背を向けた。
 リリーナは、泣きたくはなかった。泣き落としなどする女だと思われたくなかった。なのに、ヒイロ
が自分とは違うものを見ているとわかったとき、ヒイロが離れていくのがはっきりと感じられたその
瞬間、涙は勝手にこぼれてしまった。リリーナは、音もなく泣いた。
 シュバルツがヒイロに近寄って、
シュバルツ「どうやら、君を止めるのは無理の一言、だな。出場するのなら、私がテーピングをしよう。
       すこしでも負担を軽減できるはずだ」
ヒイロ「頼む」
 医務室に、作業の音だけが響く。その音が途絶えたると、ヒイロは立ち上がり、アルとソシエに目を
やって頷いた。行こう、という合図である。
 ソシエとアルが先に部屋を出た。ヒイロは、ドアのところで立ち止まると、リリーナを振り返った。
 ヒイロとリリーナの視線は何秒か交わった。ヒイロは、何も言わないまま去った。
 リリーナは立ち尽くしたまま、ヒイロの去ったあとも廊下をみつめていた。シュバルツが、リリーナ
の肩にそっと手を置いた。

続く  今回はいつもにまして大袈裟かつ突っ込みどころ満載の内容となりました。

>>323さん かぶってしまったでしょうか。タイミング悪くて申し訳ありません
327通常の名無しさんの3倍:03/12/29 01:41 ID:???
シーブック「でもどこで飼うんです?この馬」
ドモン「貴様!流派東方不敗の兄弟弟子を馬とか言うな!」
コウ「ボクのニンジンあげるから飼ってもいいでしょ」
ロラン「兄さん!嫌いなニンジンを全部馬に食べさせるつもりでしょう」
ドモン「馬じゃない!風雲再起だ!」
ジュドー「競走馬にすれば儲かるぜ」
ガロード「馬刺しにしよう。おいしそうだし」
ドモン「喰うな!!」
アムロ「ああっ揉めている間に馬がキラの頭をかじり始めたぞ」
キラ「うあ゛ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ」
328323:03/12/29 01:42 ID:???
>>フットボール氏
ネタの温度がだいぶ違いますね。
アホですいません
329フットボール狂騒曲:03/12/29 01:53 ID:???
>>328
ああ、やっぱかぶっちゃいましたか。しかし、1をあげた以上、2をあげないと
さらにジグザグになってしまうと思い、はらせていただいたんですが、そちらの
ネタを途中で切ってしまうかたちになってしまって、本当申し訳ありません。

ネタに関しては、アホですいません、などといわないで下さい。シリアスなほうが、
ある意味アホさでいけば重症ですし、ネタの内容なら、むしろ、アホでありがたい
です。自分のネタとは対照的で、そっちこそ今のスレに必要なんだろうな、と思って
いたので。(自分も平行して小ネタを考えているんですが、なかなか浮かばなくて)

マサルさん入ってますよね。あの漫画好きなんで、思わずニヤリとさせられました。

>>323
>>324
>>327
かちゅとかなら、これで続けて見れるでしょうか。せめてこれぐらいさせてください。
330323:03/12/29 02:19 ID:???
>>フットボール狂想曲氏
感謝!

もっとアホなネタに精進します
331通常の名無しさんの3倍:03/12/29 12:52 ID:???
両方イイ!
大晦日、家の大掃除も終わったガンダム兄弟の11人は居間でTVを見ていた。
ちょうど、この場にいないドモンが出ていた、年末の格闘イベント番組が終わったところだ。
アル「ドモン兄ちゃんがぶっちぎりの優勝だったね」
ヒイロ「妥当なところだ」
ガロード「賞金に出演料入るだろ?そしたらみんなで豪遊しようぜ」
コウ「ところでさっきからギンガナムさんはずっと電話してるな」

ギンガナム「さっきから『今出ました』では無いかーッ!
        10分以内に来ないと、小生の月光蝶で店を消し飛ばすぞ!」

そして9分45秒後。
出前持ち「こんばんは、年越しそばお持ちしましたぁ」
ロラン「そば?うちでは頼んでませんよ」
ずんぐりした体の出前持ちのサマナは困った顔をした。
サマナ「でも、電話で注文があったんですよ。
     『年越しそば15杯所望である!場所?ガンダム兄弟の家であーる!!』って」
ギンガナム「問題ない。小生が注文したのだ。だがいつも世話になっている礼に小生が払おうではないか」
ロラン「そうですか。それじゃごちそうになります」

シーブック「ギンガナムさんがおごってくれるなんて珍しい。新年早々雪でも降るんじゃないか」
ジュドーはその横でズビーズバーと汚らしい音を立てながらそばをすすっている。
カミーユ「ジュドー、もっと静かに食べろ」
ギンガナム「そばは音を立てて食うものだ」
アムロ「ジュドーは立て過ぎだ」
キラ「……」
メリーベル「さっさと食べたら。あんたいつもギンガナムに朝ご飯ふんだくられてるんだろ?
        そんなに横取りされるの好きなのかい?」
キラはあわてて食べ始めた。

ウッソ「でもなんで年越しにはそばなんですか?」
ギンガナム「昔のヤーパンという国の伝承で、細く長く生きられるようにと縁起を担いでそばを食べるようになったのだ」
ジュドー「俺は太く長く生きる方がいいなあ」


その頃、仕事で幹線道路の警備体制中のシロー。
サンダース「コジマ警部から、そばの差し入れだそうで」
シロー「暖かいものを差し入れてくれるなんて、警部も気配り利くなあ。早速頂くか。ん…これは!」
信じられないかも、コジマ警部のそばを食べたシローの08小隊一同は、「うまいぞー!!」と叫ぶや否や、
何と人間サーチライトになったかのように目と口から強烈な閃光を発しだしたのだった。
それを目撃した、ネオロシアのナスターシャ女史曰く「母さん全然訳わかんないわよ!」

ナスターシャのコメントを聞いた、ドモンのライバルのアルゴはあわてて彼女を産婦人科に連れて行って
一騒動起こすのだが、それはまた別の話。
333通常の名無しさんの3倍:04/01/01 02:00 ID:???
あけおめage。
アルとアムロとカミーユとロランが好きなので、
今年はそのへんの小ネタが増えると嬉しいなあ。
漏れもネタ思いついたら書きたい。
 ハーフタイム。<FCギム・ギンガナム>は、同点に追いつかれるかたちで迎えることとなった。 
 しかし、選手たちの顔は悲観に沈んではいない。落ち込んだり慌てたりしても、何の意味も無い
ことは、準決勝の対<ASジャムル・フィン>戦ですでに学んでいる。そのことを気付かせてくれた
リリーナは、今はヒイロについていてここにいないが。
 監督のアムロは皆を眺め渡した。どの顔も、後半への意欲をはっきりたたえている。
アムロ「同点に追いつかれはしたが、試合はまだ同点。ここからが勝負だ。後半の方針を伝える」
シロー「ちょっと待った。はっきり聞いておきたいんだ。兄さん、ヒイロの代わりはどうするんだ?」
ペットボトルの清涼飲料水を口に含ませながらシローが訊いた。アムロは、決然と言った。
アムロ「ヒイロはやれる。すぐに交代を出さなかったのも、そのためだ」
後半は嘘である。アムロ自身、チーム全体と同様ややパニック気味で、決断が下せなかっただけだ。
だがそれを正直に言って何になるだろう。チームに無用の不信と混乱を招くだけだ。だからアムロは
嘘をついた。ここは、はったりで乗り切らねばならないと判断した。
 ボロを出さないうちにと、アムロは畳み掛けて続けた。
アムロ「後半は、途中で俺とウッソが入る。交代の時期と下がるプレイヤーの選択は俺に任せてくれ」
候補は、シッキネンとジュドーだ。シッキネンは、今日は対面のギュネイにやられている場面が多い。
何より試合前から交代を意識しての起用だった。ジュドーは、誰よりも飛ばしていたのと、ヒイロが
いなくなった後、苦手な守備に走り回ったせいで体力の消費が激しい。最後までピッチ
に立って
いるのは厳しいだろう。実際、ジュドーは誰よりも荒い息を吐いている。
アムロ「守備はマークをきっちりしていけ。相手にボールを持たれても、ラストパスやシュートの
    際に、あきらめず最後まで食らいついて楽にさせるな。そうすれば失点は防げる」
いったんそこで言葉を切り、アムロはドモンに視線を据えた。
アムロ「うちのキーパーはドモンだ。絶対に何とかしてくれる」
ドモン「ああ、任せてくれていいぜ」
 ドモンも睨み返すようにアムロを見て、頷いた。
 二人にはわかっている。相手の攻撃力を考えれば、シュートまで持っていかれることが少なくない
だろう。最後には、ドモンの個人能力にかかっているのだ。
アムロ「攻撃だが、もっとトップにボールを入れるんだ。ターゲットはギムだ。ギムはポストプレー
    で周りの選手に落とせ。ジュドー、特にお前はギムがパスを出せるところにいつでもいるんだ。
    位置関係に気を使え。それと右サイドに起点がつくれたら、左のプレイヤーはギムを意識して
     動け。左からなら、右が意識しろ。ギム・ギンガナム。あんたが攻めの中心だ」
ギム「うむ。小生はエースストライカーだからな。当然当然」
 ギム・ギンガナム。自称チームのエースストライカー。前半シュート数、0。一本も無し。
アムロ「大丈夫だな」
ギム「もちろんである!」
アムロ「よし! 両サイドはもっと攻撃時に高い位置が取れるようにしろ。サイドは押し込むか押し
    込まれるかだ。うちはサイドから点を取ってきた。お前らが目の前の奴らに勝てるかどうかに、
    この試合がかかっているんだぞ!」
 アムロがそこまで言ったときに、ロッカールームの扉が開いて、ヒイロたちが入ってきた。皆がいっせい
に入り口を見る。ヒイロの左脚に巻かれた白いテーピングが、アムロの目にも飛び込む。
アムロ「ヒイロ、後半も走ってもらうぞ。いけるんだろう?」
様子を見にいかせたアルの答えを待たず、アムロは言った。先ほどのはったりがある以上、言うしかない。
ヒイロ「問題ない」
 ヒイロは、一瞬の逡巡もなく、きっぱりと応えた。
アムロ「もし、駄目そうだと感じたら、やせ我慢せず、すぐに知らせるんだ。それがチームのためだ」
アムロは弟の脚が心配ないわけではない。ヒイロに自重を促しても無駄だろうから、チーム、という
言葉を持ち出した。それでも、兄としては失格かもしれない。
ヒイロ「了解」
 またも即答したヒイロから、アムロはアル、ソシエと目を移していった。
アムロ「リリーナさんは? お前と一緒だっただろう?」
ヒイロ「……後で、くるだろう」
こちらの答えは、少々歯切れが悪かった。
アムロ「よし、みんなそろそろ時間だ。行こう。あと45分、勝って、ここに帰ってくるぞ!」
 <FCギム・ギンガナム>は、後半への、最後の45分への扉を開いた。
 <ラインフォード・ユナイテッドFC>は、追撃を加えることはならなかったものの、前半のうち
に同点に追いついた。チーム全体の雰囲気は悪くなく、グエンも上機嫌だ。
グエン「後半も、この調子で行きましょう。ただし油断は禁物です。失点が示すようにね」
チボデー「あんなことは、もう2度とおこらねぇよ」
グエンの言葉が気に障ったか、チボデーが吐き捨てるように呟いた。
グエン「失礼。シャア、いえエドワウ・マス。あなたには後半の15分くらいから出てもらいます」
 グエンは、今はエドワウ・マスである男へと話を振った。
シャア「ああ。了解したよ、御曹司」
グエン「ユニフォームを着ているときは、グエン、で構いませんよ」
 ラインフォードのお坊ちゃんはやや憮然とした表情を見せた。シャアは、ガルマを思い出した。二人
の人柄が似ているというよりは、不自由なく、自然と周囲にちやほやされて育った人間に共通する
ものを見た気がした。生まれや与えられた地位ではなく自分自身を見て欲しい。言葉にすればそんな
ところだろうか。シャアは笑みを漏らした。生まれと自分を切り離して考えたがるところが、すでに
お坊ちゃんなのだ。
 試合とは関係のないことに、思いをはせる者がもう一人いた。マシュマーである。ただ彼はシャアの
ように、人間観察をしているわけではない。同じく人を思ってはいたが。
マシュマー(ハマーン様、あなたは私が活躍することをお嫌いになるのですか。ハマーン様……)
そればかりを、マシュマーは思っていた。
グエン「マシュマー? マシュマー・セロさん?」
 呼びかける声に、マシュマーははっとして現実に揺り戻された。ここでやる気も無い、と見られたら、
マシュマーは終わりだ。何とか活躍して、シャアと交代させられることを避けねばならない。
マシュマー「わかっている。後半は私にボールを集めていくのだな」
グエン「いえ、もう時間なので、フィールドに向かいましょう」
マシュマー「そ、そうか」
 マシュマーは最後にロッカールームを出た。そっとハマーンにもらった薔薇を取り出して、その芳香
に鼻腔を満たしてから、試合後半へ向けて、せめてもの活力を補充した。
 ゼクスがスタジアムの廊下を歩いていると、T字になった角の、医務室あたりのほうから、妹のリリーナ
の姿が見えた。ゼクスがこの大会に参加したのは、リリーナの尊敬を取り戻すためだった。この頃の自分
ときたら、吉野家の店員だとか、宅急便の臨時手伝いだとか、さえないことばかりやっている。実は
今の仕事が嫌いなわけではないし、さほど不満があるわけでもない。けれど、難しい年頃の妹にすこし
いい目で見られたい、という気持ちを満たしてくれる仕事ではないだろう。その点、スポーツでの活躍
は、市民大会の勝者というほどでも、好印象を与えるはず、とゼクスは考えたのだ。
 ところがどうだろう。秘密にしておいて驚かせるはずが、妹はライバルチームに参加してしまい、今や
文句なしの敵である。ゼクス・マーキスは、ついていない。
 ゼクスは迷っていた。無視するのもあれだし、かといって親しげに話しかけるのもうまくいくまい。
解決策を思いつかぬまま、仲間の列から抜け出して、とりあえず顔だけ伺ってみる。リリーナのほう
は、まだ自分に気付いていない。
 と、リリーナは何か様子が変だ。泣いたのか。自然とそう思った。ゼクスは異性にもてるほうだ。妹に
は言えないけれど、何人か泣かせた女もいる。そういうときの、泣かせてしまったときの女性に、今の
リリーナが重なって見えた。
 そんなことを考えているうちに、リリーナのほうもゼクスに気付いたようだ。リリーナは、ゼクスを
見て、隠れ去りたいような仕草を見せた。
ゼクス「リ、リリーナ!」
ゼクスは呼びかけていた。
リリーナ「ミリアルドお兄様……」
ゼクス「……何かあったのか?」
リリーナ「別に。何もありません」
ゼクス「目が赤いぞ」
リリーナ「そう、でしょうか?」
ゼクス「……おかしなことを言って悪かったな。そろそろ後半が始まる。さらばだ、リリーナ」
 要領を得ないまま、ゼクスは妹から離れようとした。
リリーナ「お兄様! ……お怪我には気を付けてください。相手チームであるわたくしが言うのも、
     おかしいかもしれませんが……」
ゼクス「いや、気を付けよう。ありがとう、リリーナ」
 ゼクスは再びピッチへ向けて歩き出した。胸の内が、すこし軽くなった。

 両チームの選手がフィールドに姿を見せた。後半もそろそろ始まる。<FCギム・ギンガナム>は、
自軍ベンチ前に集まっていた。
アムロ「仕上げに、あれをやるか。リリーナさんがいないが」
ちょうどそのとき、リリーナがチームの元へと駆けてきた。
 リリーナは自分でチームのマネージャーに志願したのだ。ヒイロの出場に反対だからといって、
途中で放り出すわけにはいかないし、リリーナ自身、今はチームと共にあるべきだという意志を強く
持っていた。
アムロ「これでそろったな」
 <FCギム・ギンガナム>はチーム全員で円陣を組んだ。
アムロ「みんな、勝つぞ!」
「おお!」
 兄弟たちはフィールドに散っていった。アムロとウッソ、アルとキラ、ソシエとリリーナは、各々の
立場でピッチへ入る選手たちを見送った。

 その頃、競技場の入り口にひとりの女性が姿を見せた。歩きざますれちがった男は、女性の美しさ
に、つい振り返った。鮮やかな金髪が、傾きはじめた陽に揺れていた。その後姿は、どこか哀しさを
感じさせるものに映った。
 セイラ・マスは、昨日アムロと会った際、今日の試合を見る気は無い、と言った。兄の姿は見たくない、
とも言っていた。セイラは、来てしまった。

続く リリーナのゼクスへの呼び方って、「お兄様」でよかったのでしょうか。
   Wは見たのに忘れてしまった。間違ってたら、勘弁してください。

   新年あけましておめでとうございます。
337通常の名無しさんの3倍:04/01/01 04:13 ID:???
>336
>リリーナのゼクスへの呼び方って、「お兄様」でよかったのでしょうか。
大丈夫!あってます!サッカーの試合展開もさることながら、今回はリリーナとヒイロの関係
破綻かと思わず手に汗握ってしまいした。

毎回新作楽しみにしてます!!!今年も頑張って下さい!
338通常の名無しさんの3倍:04/01/02 03:01 ID:???
>337
うまく行ってるカップルは、破綻寸前までけんかしても、それで理解と愛を深める。…ケッ。
339通常の名無しさんの3倍:04/01/04 20:04 ID:???
保守
340通常の名無しさんの3倍:04/01/04 20:53 ID:???
>>338
逆ですよ。破綻寸前まで行くような大喧嘩をしても、最終的には分かり合えるだけの
相互理解があるカップルが上手く行くんです。
341通常の名無しさんの3倍:04/01/04 21:14 ID:???
>340
このスレに出てくるカップルは、さてどーなりますか…ってことかな?
342通常の名無しさんの3倍:04/01/05 01:55 ID:28UjjW5M
このスレのアムロは性欲処理はどうしてるんだろ。
ベルトーチカとは恋人ってほどでもないみたいだし、
風俗に通えるほど余裕がある経済状況じゃなさそうだし、
大家族じゃ諸々の理由からオナニーもしにくいし(体験談)
343通常の名無しさんの3倍:04/01/05 01:59 ID:???
経験上、数年SEXしないでいるとだんだんヤりたいボルテージが高まっていくが
ある時突然、ふっとどうでも良くなる。
そうなると、嘘のように性欲が無くなる。
何かのきっかけで一回ヤると、また通常の状態に戻るんだが。
現在のアムロは、悟りを開いたモード(3行目の状態)になってるんではあるまいか。
344通常の名無しさんの3倍:04/01/05 02:05 ID:???
会社のトイレでオナニー・・・というわけにもいかんだろうから、
通勤の駅のトイレでオナニーとか

・・・か、悲し過ぎる
345通常の名無しさんの3倍:04/01/05 02:31 ID:???
そこで ロ ー ラ ・ ロ ー ラ の 活 躍 で す よ
346通常の名無しさんの3倍:04/01/05 16:13 ID:???
御曹司ハッケソ
347通常の名無しさんの3倍:04/01/05 17:33 ID:???
ベルトーチカは学生時代の女で今はセフレ。
チェーンとは肉体関係はあるが、結婚は考えてない。
と、脳内解決している。
348通常の名無しさんの3倍:04/01/06 01:29 ID:???


32 名前:やめられない名無しさん 投稿日:03/09/23 07:32
_¶ ̄|○ ウンコモレタ


33 名前:やめられない名無しさん 投稿日:03/09/23 07:33
   _○ノシ エンガチョー
     ヘ〉
     く


34 名前:やめられない名無しさん 投稿日:03/09/23 07:33
   _○ノシ¶ ̄|○ ぺとっ
     ヘ〉
     く


35 名前:やめられない名無しさん 投稿日:03/09/23 08:50
>>34
(゚Д゚)モルァ!
349通常の名無しさんの3倍:04/01/07 11:13 ID:???
ワロタ。ついでに保守。
350通常の名無しさんの3倍:04/01/07 17:08 ID:???
今日からSDガンダムフォースが始まるんだが・・・兄弟増えるの?
自治厨のせいでこのスレは死に体になってしまったし
議論スレは全く機能していないし
351通常の名無しさんの3倍:04/01/07 22:48 ID:???
ネタは一応あるけど時間と文才がないので…('A`)
352通常の名無しさんの3倍:04/01/08 21:22 ID:???
以前は新作とかでも議論するアレがあったけど今は・・・
マッタリ進行で今ぐらいの進み方が好きだけどね。それとは別に新職人の登場に期待
もっと色々な人に来て欲しいなあ
353通常の名無しさんの3倍:04/01/08 21:57 ID:???
昔さあ、どっかのHPでここと似たような設定で四コマ書いてる人がいた記憶がある
確かそれだとアムロは父親で、母親のララァは既に他界
ロランが思い切って最初から女って設定だった筈
だれか知らない?
 決勝戦後半は、両チームともお互いの出方を見るかのような、静かな滑り出しとなった。
 <FCギム・ギンガナム>は、ヒイロの復帰もあって、前半最後に追いつかれたことを引きずらずに
プレイできていると、アムロの目には映った。最初の一歩に躓かなかったことで、アムロは内心、ほっと
一息安堵の溜め息をついた。それだけ、実は不安を抱えていたのだ。
 対する<ラインフォード・ユナイテッド>も、追いついたことに浮かれることなく、隙を見せない。
まずは探りあいか、そうアムロが思った瞬間だった。
 ラインフォードのセンターハーフ、ゼクス・マーキスから左サイドのギュネイへパスが出た。そこから、
ギュネイはシッキネンを軽々と揺さぶって中央へ切れ込むと、そのままミドルシュート。このシュート
はゴールの右に外れたが、兄弟たちは早くもラインフォードに先手を取られてしまった。
 ゼクス・マーキス。ゲーム後半立ち上がりの主役に名乗りを上げたのは、この男だった。前半のゼクス
は、体格で大きく有利であるにも関わらず、球際の争いでヒイロに譲るところがあった。だが、今は違う。
ヒイロにはるかに勝るリーチを活かして、ボールをヒイロから遠ざけつつキープし、スルーパスの出し
どころを探している。
ゼクス(今までの私は自分の利点に気付いていなかった。気付いた今、もう貴様には負けん! ヒイロ!)
 ゼクスのキープで中盤にタメができる。焦れたディフェンスに穴が開くのを待ち、そこを突く。ゼクス
は狙っている。近い位置での横パスを織り交ぜ、ゼクスはチャンスを待った。マシュマーが動き出す。
瞬間的にゼクスが反応し、スルーパスが<FCギム・ギンガナム>守備陣を縦に切り裂く。前半5分、
<ラインフォード・ユナイテッド>に決定的なチャンス到来。
 ペナルティエリアやや右、走りこむマシュマーの元に、ぴたりとスルーパスが届けられた。汚名返上! 
と唸る右足。飛翔する強烈な一撃。そう、ボールは飛翔したのだ。クロスバーを越えて、スタンドに
飛んでいってしまった。
ゼクス「う、浮かせるな……マシュマー」
ゼクスがうめき、ジェリドがフンと鼻を鳴らした。
ジェリド「汚名挽回のチャンスだったが、馬鹿なやつだ」
カミーユ「( ´,_ゝ`)プッ」
ジェリド「何がおかしい、カミーユ!」
 マシュマー・セロ、ジェリド・メサ、ともにきっちりと汚名挽回。
 マシュマーのシュートこそ外れたものの、このままやられてしまう、とスタンドで兄弟たちを応援
する者の頭に、前半の最後が蘇るかのような展開だった。少なくとも、ファ・ユイリィは思い出した。
ちぐはぐなチームと無謀なカミーユを。
 <FCギム・ギンガナム>の攻撃は、アムロの指示通りにギムをターゲットにしていた。しかし、ギムへ
のロングボールを放り込むと、敵センターバックのラカンが必ずギムに競りかける。こぼれるか、何とか
ギムが競り勝っても、その次につなげない。もう一人のCBシロッコが上手くカバーしてしまうのだ。
シロッコに限らず、中央に集中したDFが簡単に放り込みを跳ね返してしまう。
 後方からただ放り込んでもダメなら、サイドからだ。サイドを深くえぐってから中央に折り返せば、
敵DFも集中するわけにはいかないし、中央での守備も困難になり、今のように簡単にはクリアされ
なくなる。アムロは声を飛ばした。
アムロ「サイドから行け! サイドに大きく開いてボールを受けろ!」
 はからずも、フィールドの選手たちも同じ思惑であった。特にカミーユは、己の出番を待ちわびていた。
カミーユ(俺がやらなくちゃならないんだ)
ボールを受けてすぐさま、カミーユはドリブルで仕掛けていく。追いすがってきたジェリド、カバー
に来たグエンを続けざまにかわして、左サイドを駆け上がる。カクリコンをフェイントで揺さぶり、
中央のギムへ高いクロス。ギムとラカンの競り合いの末こぼれたボールはシロッコがクリアしたが、
ヒイロがボールを拾い、パスを受けたカミーユが再びクロス。今度はギムをおとりに、低い弾道で
ジュドーに合わせた。
しかし、またもシロッコがパスカット。ボールを奪われた。
 敵の攻撃をしのいだ<FCギム・ギンガナム>は、今度もカミーユへとボールを渡す。徹底して左
から攻めるのは、右サイドがギュネイに押されて下がり気味であるからだ。そしてそれ以上に、皆が
カミーユに期待しているからでもある。
 期待に応えるべく、カミーユは下がってきたジェリドとカクリコンのコンビをかく乱しつつボールを
キープする。ジェリドとカクリコンの二人が、何度もやられるかと必死に食らいついてくる。
ジュドー「カミーユ! こっちだ!」
さすがに持ちすぎだ、とジュドーが声をかける。敵全体がカミーユのサイドに寄り、短いパスをカット
しようといている。それこそ、カミーユの狙いだった。遊び飽きたおもちゃを投げ捨てるような無造作さ
で、ジェリドとカクリコンを簡単に切り崩し、大きくサイドチェンジのパスを出した。
 カミーユが左で敵をひきつけて、ぽっかりと開いた右サイドにシーブックが待ち受ける。トラップして
前方にボールを落とすと、素早く、守備の整わない中央ペナルティエリアに高いボールで折り返した。
 しかし、そこでラインフォードのGK、チボデーが飛び出した。がっちりとハイボールをキャッチし、
目の前で残念がっているギンガナムに指を振る。
チボデー「いいプレイだったが、ワントラップの分、余計に時間がかかっているって教えておきな」
 サイドチェンジのボールをそのまま、ダイレクトで中央へのクロスをあげるなど、プロでもない
シーブックには不可能だ。サイドチェンジをきちっとトラップしただけでも大したものである。それ
をわかったうえのチボデーの言葉だった。
 ところがギンガナムは、大またでシーブックのところに飛んでいき、
ギム「サイドチェンジはトラップなどせずに直接上げろ。いいな、パン屋。無能は罪と知れ」
と偉そうに言い放った。シーブックの「できるわきゃねぇだろぉおお!」という怒りの反論がピッチに
に響く。その声はベンチのアルとキラにもはっきり聞こえてきた。
アル「何を言ったんだろう、ギンガナムさん?」
キラ「さあ? あいつのことだからね。雷獣シュートでも狙ってるんじゃないか」
アル「雷獣シュートかあ。それは確かにできるわけないね。足くじくよ、あれは」
キラ「実は……コーディネイターならできるんだ。ディアッカが公園の芝えぐって怒られた」

 試合後半は、静かに幕を開けるかと思ったのもつかの間、<ラインフォード・ユナイテッド>は
CHのゼクス、<FCギム・ギンガナム>は左SHのカミーユを起点として敵ゴールに迫った。

続く
356通常の名無しさんの3倍:04/01/09 00:48 ID:???
>>353
知らないが、ロランが最初から女、ってのはホントに思いきってるなぁw
357通常の名無しさんの3倍:04/01/09 19:11 ID:???
age保守させていただく
358通常の名無しさんの3倍:04/01/10 01:59 ID:???
>>353

www004.upp.so-net.ne.jp/lunabell/familly.htm

これだ!!と思うけどうかな?
個人ページだし晒していいもんか悩むところではあったけど
359353:04/01/10 02:52 ID:???
おー、コレコレ
サンクス。結構探してたんだ
360通常の名無しさんの3倍:04/01/10 22:05 ID:???
もっとえろくてもいいのに……(ぼそ
 <ラインフォード・ユナイテッド>がゼクスを起点として、右サイドのギュネイからクロスを入れる。
両チームの選手がペナルティエリアで競り合った末に、こぼれたボールを、再び顔を出したゼクスが
ミドルシュートにいく。その寸前、<FCギム・ギンガナム>のヒイロがボールをカットし、近い位置
にいるロランへ預ける。ロランから左サイドのカミーユ、カミーユから敵ペナルティエリア中央へ走る
ギムに放り込まれる。ギムはハイボールのクロスを頭で後ろから交差して入ってきたジュドーに落とし、
敵DFの間隙を縫ってジュドーがエリア右45度からシュートした。ゴール左隅へ鋭く走ったこのシュート
をラインフォードGKチボデーが弾き出し、CBのシロッコが素早くクリアする。
 後半開始から10分が経過した。まだスコアに新たな動きは無い。
「良いカウンターだったが、こちらのキーパーもカカシではないよ」
 両チームのベンチがある側のサイドライン際で、ニヤリと笑みを浮かべた男がいる。<ラインフォード・
ユナイテッド>の赤いユニフォームを着て18番を背負っているその男に、少し離れて並んでいる、白い
ユニフォームの14番が話しかけた。
「シャア、大会に参加したり、偽名を使ったり、いったいどういうつもりなんだ」
シャア「アムロ、今の私はエドワウ・マスだ。それ以上でもそれ以下でもない。だが、こんなところで
     こんなかたちの争いをするとはな」
 <ラインフォード・ユナイテッド>、<FCギム・ギンガナム>はともに交代を申請していた。エドワウ
と名乗るシャアとアムロは、すでにそれぞれ準備を終えて、サイドラインの外側で交代のタイミングを
待っていた。
 二人はそれ以上何も話さなかったし、お互いから目をそらしていた。しかし、他人が見てもはっきり
とわかるほど、アムロはシャアを、シャアはアムロを意識してそこに居た。
 ほどなくボールがラインを割り、選手交代のボードが掲げられた。ラインフォードは13番のFW
マシュマーと同じFWの18番エドワウが交代。兄弟は右SBの12番シッキネンを下げて、14番の
アムロが入る。
 シッキネンとアムロを代えるのは、元々の予定でもあったし、シッキネンが対面のギュネイに
やられ続けているからだ。右SHのシーブックがディフェンスのフォローまでせねばならず、攻撃に
移るのが遅くなりがちである。交代後はアムロが右SHに入り、シーブックが右SBに移る。交代
候補には運動量が落ちてきたジュドーも挙がっていたが、一瞬で得点に絡むこともあるプレイヤー
なので、アムロは、今の時点ではジュドーをピッチに残すことにした。
 シャアとマシュマーの交代も予定事項だったのだろう、とアムロは考えている。準決勝でもそうして
いたし、マシュマーは全体の動きはともかく、一番大事なところでいまいちピリッとしていない。
 もちろんマシュマー自身は交代に納得できないようだ。愕然として、首を振って、いかにもピッチを
去りがたいようにのろのろと歩いてくる。
 アムロはシッキネンに「よく頑張ってくれた、あとはまかせてくれ」と声をかけて、軽くお互いの
体を叩き合った。横目で窺ったシャアとマシュマーにはそういうことはない。アムロの耳を、細々と
したマシュマーの声がかすめた。
マシュマー「申し訳ございません、ハマーン様。ハマーン様、ああハマーン様、ハマーン様……
        ええ〜い! なぜ私が交代なのだ!」
いきなり叫んだ。シャアはそんなマシュマーに一瞥もくれない。ただ、己を待つ緑のステージに視線を
固めている。
 前半12分、シャアとアムロは同時にフィールドへと足を踏み入れた。
 スタンドのセイラ・マスは、複雑な心境で二人の選手の姿を見つめていた。赤と白のコントラストが、
斜めにさしかかる陽射しのなか、鮮やかなようにもかすんでいるようにも見えた。 

続く 
362通常の名無しさんの3倍:04/01/12 05:13 ID:???
サッカーの続きキター!ついにシャアとアムロ、セイラと役者ソロッター!!
ところで作者さん、負けた選手と試合に参加してないキャラを使って、
番外編作ったりしても構いませんか?
観客席側で一回戦負け組のザビーネとドレルを出すネタを思いついたのですが。
363フットボール狂騒曲:04/01/12 06:51 ID:???
>>362
番外編なんかやってもらえるんですか。
自分としてはありがたいことでもありますし、やってくださってかまいません。
楽しみにしてます。
364通常の名無しさんの3倍:04/01/12 19:21 ID:???
乙&ほしゅ
365通常の名無しさんの3倍:04/01/14 04:12 ID:???
      r'⌒⌒^'、
      ( rνyy'ソ     ♪いろんなオッパイ見てきたけれど、
      ヾ ゚∀゚ノ       最後に私が言いたいことは、
   /"'`/, -`¶[ \o。。。   女性を胸で判断することは、
   | ||E ∪●)三mΕ∃.   良くないことですよー!
   \__,へ--人 ヽ ゚ ゚ ゚    ラーラララーラララーラララララァー♪
       (_)(_)
366通常の名無しさんの3倍:04/01/14 23:01 ID:???
>365
オパーイ選びについてチェリーな弟達に教授する兄さんですかw
367通常の名無しさんの3倍:04/01/15 01:11 ID:???
ウッソ(でもやっぱりできれば大きいにこしたことはないなぁ)
368通常の名無しさんの3倍:04/01/15 04:22 ID:???
カミーユ「ウッソ、大きいとか小さいとか関係ないんだよ。さわり心地なんだ!
触って気持ち良ければ人は癒される。それを分からない奴が大きいだの、小さいだので争って…
それじゃ憎しみ合う事しか出来ないじゃないか、だから駄目なんだよ。ウッソ、俺が修正してやる!」
369通常の名無しさんの3倍:04/01/16 22:49 ID:???
保守
370通常の名無しさんの3倍:04/01/16 23:44 ID:???
グエン「私は胸の大きさなどまったく気にしないよ、ローラ」
ロラン「あ、はあ…そ、そうなんですか…」
ジュドー「そりゃあんたはそうだろうな」


シロー「Σ(゚Д゚)ていうか、いつのまに入ってきた!」
アル「当然のように居るね」
ウッソ「当然のようにロラン兄さんの肩に手を回してるし」
アムロ「ロランもジュドーも、受け答えしてやらんでいい!」
371通常の名無しさんの3倍:04/01/18 22:54 ID:???
hosyu
372フットボール狂騒曲:04/01/19 00:12 ID:???
続きが遅れて申し訳ないです。 規制にかかって書き込めない状況になってしまいました。 今は携帯から。 明日解除されなかったら、漫喫ででも挑戦してみます。
373362:04/01/19 02:30 ID:???
それでは、フットボール職人様の>363のコメントに甘え、
僭越ながら>362が番外編を出させてもらうことにします。
次からの2作品です。
ドレル「ザビーネ、僕らは勝っていれば今日のピッチに立てただろうか」
ザビーネ「正直、五分五分というところでしょう」
ザビーネはここで話を続ける気は無かったので結論だけを素っ気無く答えた。
計算するまでもなく二回戦を勝てば決勝戦なのだから、確率五割なのは当たり前のことだ。
ドレル「そうかな?ジャムル・フィンは僕らのチームで勝てない相手ではないだろう」
ザビーネ「…ドレル様、今は目の前のことに集中して下さい。ハーフタイム中にこのお客の列を処理しなければ」
声を潜める2人に列に並んでいたシーマがいつもより更に顔の小じw

(担当者は更迭されました。代理がこの先を書きます)

若々しいシーマ様はしつけのなってないパン屋の店員に寛大に言われました。
シーマ「最近のカロッゾパン店はサービスの質が落ちたねえ?早くしな。四十秒だけやるよ」
ドレル「も、申し訳ありません(15人分頼んで無茶言うな!)」

FCギム・ギンガナムに初戦敗退したSCクロスボーンのキャプテン、パン職人鉄仮面(カロッゾ)の長男のドレルと、
助っ人でチーム入りした店員のザビーネは、決勝戦のこの日、スタジアムにパン屋の出店を出していた。
既に臨時の営業許可を取っていて、出店命令を出した鉄仮面曰く、
鉄仮面「草サッカーの試合でスタジアムの9割が入っているとなれば、こうもなろう!
     お前たちが勝っていれば、シーブック君にやらせたのだがな」
ドレル「ならばベラも呼びましょう。なれば我らカロッゾパンの売り上げもより確実」
鉄仮面「ならん。お前たち二人でだ。サッカーで負けて雪辱を果たすそうだな?
     ならばパンの販売でコンビネーションを培うが良い」
ザビーネ「…わかりました。このザビーネ、名誉にかけて」
ドレルに拒否権はもはや無く、夜中まで翌日の試合のためのパン種の仕込みも手伝わされたのだった。

翌日、ドレルとザビーネは店用のワゴン車にパン種を積んで試合会場のスタジアムへ。
また、ベラことセシリーもボーイフレンドのシーブックの応援に試合会場へ向かった。
一人店番に残った鉄仮面曰く、
鉄仮面「娘の邪魔をして敵に回すわけには行かんからな…」
父親の哀愁漂うその背中を見たのは、ペットのオウムのハロ一羽だけだった。
試合開始直前、FCギム・ギンガナムのピッチに近い最前列の2つの席に陣取っている少年が一人。
生徒会長ドワイト・カムリその人だ。
せかせかと後ろを振り返っていた彼は、やっと待ち人が来たのを見つけて立ち上がった。
ドワイト「ここだよセシリー!」
セシリーは、なぜかイスラム教徒の女性のようにスカーフで目から下を隠してうつむいていた。
ドワイト「いやあ、草サッカーに予約が殺到するとは思わなくてね。何とか最前列確保できたよ」
するとセシリーの後ろから現れたドロシー・ムーアが、
FCギム・ギンガナムのマークをペインティングした頬をほころばせ、
ドロシー「あたしの分も取ってくれるなんて、さっすが生徒会長良い仕事するねえ。ありがと」
そう言ってセシリーを座らせ、ドワイトが座っていた席には自分の荷物をどっかと置いた。
ドワイト「ちょ、ちょっと、そこは僕が取った席じゃないか。セシリーも何とか言ってくれないか?」
セシリーはうつむいたままだった。ドロシーの方は徹底的にドワイトからセシリーをガードする気か、
ドロシー「あ、試合見たかったの?ごめん、じゃああたしの席と交換してあげるから」
と自分のチケットを押し付け、
どこで入手したのかFCギム・ギンガナムのレプリカユニホームをバッグから取り出していた。
ドワイトは仕方なくドロシーに渡された席の場所に行った。
周辺はレプリカユニホームの集団で埋め尽くされていた。
FCギム・ギンガナム・オフィシャルサポーターズこと、ギンガナム隊一同だ。
ドワイトの隣に三つ空いていたが、
すぐに一杯のお菓子を抱えて来たスモウレスラーのような巨漢が一人で埋めてしまった。
ドワイトはお菓子の量にも驚いたが、巨漢の風体にはもっと驚いた。
ユニホームに似せたボディペインティングだったのだ。
彼、スエッソン・ステロに合うサイズのユニホームはついに間に合わなかったのである。

ところでセシリーだが、彼女はレプリカユニホームを売りつけてきたギンガナム隊に、
頬にマークをペインティングされただけではなく、目の周りはギンガナムのような隈取りまでされてしまっていた。
あまりな御面相になってしまい、ドワイトからは顔を隠していたのだが、
試合が進むやどんどんエキサイトしてきてスカーフをかなぐり捨て、髪を振り乱して夢中で応援していた。
隈取りは汗やらでぐちゃぐちゃに溶け、いよいよものすごい御面相と化しているのも、構うことなく。
 シャアとアムロがそれぞれのチームに入った後、両チームの攻撃は対照的な形となっていった。
 <ラインフォード・ユナイテッド>はCFガトーのパワーと体格、シャアとゼクスのテクニックを
活かして中央突破を図る。
 ゼクスとシャアの二人を中心にした細かいパスの連続から、シャア、ガトー、再びシャアの
ワンツーで敵ペナルティエリア中央前を破ってエリアに進入。敵DFが詰め寄る前にシャアは
素早く右足を振りぬく。ドモンが素晴らしい飛び出しでボールを胸に当て防ぐが、こぼれたボール
にガトーが突進する。寸前でシローがゴールラインにボールを蹴りだし、コーナーキックに
命からがら逃避した。
 ラインフォードから見て左のコーナーキック、キッカーはエドワウ・マス。ゴールに向かって
弧を描くキックが、兄弟たちを襲う。ターゲットはゼクス。ガトーたちにも負けない長身が頭で
ボールを叩き込もうと跳躍するが、好きにはさせんとドモンがパンチングでクリアし、ルーズ
ボールをジュドーが拾う。
 先ほどのようにカウンターといきたかったが、素早くグエンが体を寄せて速攻を阻止する。ジュドー
は仕方なく後ろにボールを返した。
 <ラインフォード・ユナイテッド>が中央を直接突破にかかるのに対し、<FCギム・ギンガナム>
はサイドから崩していく。右SHのアムロがボールをキープしているところをシーブックが後ろから
追い越し、
そのままハイボールのクロスをあげる。敵CBラカンが跳ね返す。クリアボールをロランが拾って
左SHのカミーユへ。スピードを活かしたドリブルでジェリドとカクリコンを置き去りにして左サイド
を深くえぐると、グラウンダーのクロスをGKとDFの間に鋭く滑り込ませるが、ラインフォードの
GKチボデーは読んでいたようで、ジュドーに通る前に足でカットし、素早くシロッコがそれを蹴り
だす。ボールはサイドラインを割った。
アル「もうちょいだったのに。でも、今は互角の展開だね。カミーユ兄ちゃんのパスが通ってればさあ」
 兄弟たちのベンチも手に汗握り、固唾を呑んでいた。アルはチャンスの応酬に興奮気味だ。
リリーナ「互角、なのでしょうか?」
対照的に、リリーナは不安げに呟いた。
アル「両方ともあと少しで点を取ってるとこだよ。うちはドモン兄ちゃんの好セーブに助けられたね」
ソシエ「エドワウとかいう奴のシュート、よく止めたって感じよね」
アル「やっぱりドモン兄ちゃんはスゴイよ」
キラ「シュートを止めた、か。そうなんだよね。そういうことなんだ」
キラもあまりいい顔をしていない。ソシエが問い詰める。
ソシエ「そういうことって、どういうことよ? あんたはっきりしゃべらない癖があるんだから」
キラ「今の攻撃、僕らはシュートを打ってないんだよ。そこまでいかせてもらえないんだ」
リリーナ「わたくしたちのシュートはジュドーさんがさっき打ったものだけですわ」
キラ「逆にこっちは何本も打たれている……互角とはいえない」
 そんな会話を、ウッソは黙って聞いていた。会話が終わると同時に立ち上がり、アップを始める。
自分がなんとかしてみせる、とアルを除けば最年少の選手は胸のうちに強く呟く。
 ジェリド・メサは完全にカミーユに圧倒されていた。<ラインフォード・ユナイテッド>という
チームそのものはやや押し気味にゲームを進めていたが、後半に入ってから、ジェリドの担当する
右サイドからはほとんどチャンスをつくれていない。いや、そもそも前半だって敵に脅威を与えら
れたかどうか。ジェリドは唇をかみ締めた。焦りが胸を焼く。
 ラインフォードCHゼクスから、ジェリドへとパスが出る。ワンツーを期待してゼクスはボールを
受けようとするが、ジェリドは返さない。そのまま、マークに来たガロードとカミーユをドリブルで
抜き去ろうとする。足元でボールをこね回し、フェイントを入れる。しかし大した効果はなく、時間
をいたずらにかけただけだ。カクリコンが後ろからフォローに来たが、ジェリドはそれでもパスを
出さない。カミーユとガロードが協力してボールを奪い、前線のギンガナムへロングパスを出す。
シロッコがカットした。
カクリコン「ジェリド、独りよがりになっても仕方ないだろうが!」
ジェリド「そんなつもりはない。いらん心配すると、また生え際が後退するぞ」
 ジェリドはカクリコンの忠告にも耳を貸さなかった。貸したくなかった。カミーユに勝つ。文句の
つけようが、言い訳のしようがないほど完全に勝つ。そして敗者となったカミーユを傲然と見下す。
それがジェリドの望みだ。チームが勝っても、自分が負けていたら意味がない。
ジェリド「くそ……見てろよ、カミーユ」
 再びボールを持った<ラインフォード・ユナイテッド>は、敵陣中央を細かいパスの連続で突破に
かかる。今度はジェリドもボールをすぐ離してパス回しに加わる。そして頃合をみて右サイドから一気に
中央へ斜めに切り込んであがり、ボールをもらおうとした。エドワウがその動きを察して、ふわりと
浮いたボールをジェリドに合わせる。ジェリドはガトーやマシュマーにも負けぬ長身、ぐっとリーゼント
の頭を振ってヘディングシュートにいく。外れた。まともにボールを捉えられず、見当はずれの方向に
飛んでゴールラインを割った。失望の空気がチームメイトに広がる。
 単純に、ジェリドはヘディングが苦手だった。だからこれまで長身にもかかわらず、ヘディングで
当てにされたことはなかったのだ。苦手を承知のチャレンジだったが、無様な結果に終わった。ジェリド
芝を蹴り上げて、また唇を噛んだ。
カクリコン「落ち着け、ジェリド。いいか、俺が後ろから上がるから……」
ジェリド「カミーユに簡単に抜かれるお前に、そんな余裕があるのか? 助けなんて必要ない。俺はひとり
     でだってカミーユとあのガロードとかいうガキぐらいねじ伏せてみせる! お前はせいぜい
     これ以上やられて足を引っ張らないようにするんだな」
カクリコン「ジェリド、貴様……俺はお前のために言っているんだぞ! もう知るものか、好きにしろ!」
 苛立ちをカクリコンにぶつけても、何にもならない。ジェリドとてわかっている。わかっているのに
やってしまった。三度唇を噛むジェリドは、己の情けなさに怒りさえ覚えていた。
 マウアーは観客席からすべて見ていた。今すぐにでもフィールドに駆けおりて、ジェリドを支えて
やりたかった。しかしたとえできたとしても、それはしてはいけない。ジェリドは今、彼自身の言って
いたとおり壁にぶつかっているのだ。カミーユというかたちでジェリド自身が具現化してしまった
壁に。その壁は作ってしまったジェリドが、やはり自分の力で乗り越えなくてはならない。マウアー
にできることは、そしてすべきことは、ただここからジェリドを見ていることだ。
 リスタートしたゲームは、ジェリドとは反対の、ラインフォードの左、<FCギム・ギンガナム>の
右サイドで主に展開していた。こちらにボールが来ることを警戒しながらも、ジェリドの脳裏は自分に
対する周囲の評価を勝手に引き出していた。
 哀れみか、蔑み。マウアーやカクリコンといった一部を除けば、それがジェリドに向けられる目の
ほとんどだった。望まぬ評価ばかりがジェリドに与えられた。あるものはカミーユに絡んでは中途半端
に負けるだけの男と哂い、あるものは負け癖がついてしまった下らない男と片付ける。いい笑いものと
馬鹿にして喧嘩を売ってきたやつもいる。すぐさま返り討ちにして泣きわめかせたが、ジェリドの自尊心
はますます傷つけられただけだった。鼻血を垂れ流しながら地面にひれ伏して許しを請う男のあまり
の情けなさは、こんなやつにさえ侮られているのかといった思いを抱かせるのには十分だったのだ。
そんなときのジェリドの結論はいつも決まっていた。カミーユのせいだ、カミーユにさえ勝てばこんな
無様な思いをすることもないのだ、と。
 ジェリドは勝てなかった。いつどんなことで挑んでも、あと一歩のところでカミーユに勝てなかった。
今も、負け続けていた。記憶の中から「負け犬」と呼ぶ声が聞こえる。
 <FCギム・ギンガナム>は右から左へのサイドチェンジを図った。集中力を欠いたジェリドは
反応が遅れてしまった。しかし、怒りからか発憤したカクリコンがパスをカットし、カクリコンから
グエン、グエンからゼクスへとボールが渡る。
 フィールドのちょうど真ん中、センターサークルの付近で両チームは激しくボールを奪いあい、
競り合いの末、右サイドのジェリドへとボールがこぼれてきた。ジェリドは素早くドリブルで持ち上が
ろうとするが、すぐさまガロードとカミーユがプレッシャーをかけにくる。二人に迫られて、ジェリドは
ボールキープもおぼつかない。ゼクスたち中央へのパスコースは狙われている。このまま奪われるのだ。
ジェリドを弱気が手招きする。諦めて負けたほうが楽だろうさ。ほかの誰でもない、自分自身がジェリド
に囁く。駄目なのか、やはり駄目なんだな。心が折れかけた、その時だった。 
「ジェリド、こっちだぁ!」
 カクリコンがオーバーラップをかけている。ジェリドやカミーユたちよりさらに外側を駆け上がって
いく。自分を呼ぶ友の姿を認めた瞬間、ジェリドの中で無意識にスイッチが切り替わっていた。カミーユ
とガロードに、カクリコンへと意識を奪われた隙が生まれている。ジェリドは二人の間に割って入る。
はっとした二人が挟み込んで防ごうとしてくるが、ジェリドは弾き返すように抜けた。カクリコンは
カミーユたちの意識をひきつけるためのおとりになってくれたのだ。ジェリドにはわかった。追い
すがるカミーユとガロードを吹き飛ばし、縦に突き進む。
 ジェリドはカクリコンの助けなど要らないと吐き捨てた。苛立ちをぶつけさえした。それでも、
カクリコンはジェリドを助けてくれた。集中力を取り戻したジェリドは、はっきり言葉にして意識
しているわけではない。しかし精神に熱いものがあった。強い意思が生まれていた。このチャンスは
絶対に潰せない。敵の危険摘み取り役ヒイロがファウルも辞さぬ勢いで止めにきた。スパイクが左足
を削る。ジェリドはバランスを崩した。倒れるわけにいかない、体全体が叫ぶ。強引に体勢を立て直す。
前を転がるボールに追いつき、ピッチ中央を見る。敵のディフェンスをかいくぐり、自分に寄こせと訴える
ように動く男がいた。18番、エドワウ。右サイドを深くえぐったジェリドと目が合う。狙いはキーパーと
ディフェンダーの間を抜く、速く低いクロスだ。ボールをきっちりと視界にとらえ、ジェリドは右足を振りぬいた。
最高のクロスボールが、エドワウの元へと走った。
 負け犬は吼えはしない。ただ陰口を言うがごとくうめくだけだ。鋭く唸るクロスボールは、ジェリドの
咆哮だった。

続く 昨日の夜10時ぐらいにようやく規制解除で書き込めるようになりました。
   中途半端なとこで終わって申し訳ありません。水曜の夜から木曜の朝にかけてまでには、続きを貼れると思います。

>>374、乙です。自分としては観客は少ないつもりというか、少ないと書いてしまったんでそれでいくしかないんですが、そっちは
     多いって書いちゃったし、違っててもそれはそれでいいですかね。ドワイトガ出てきたのがちょいと嬉しい。脇として少し
     出てきて欲しいキャラなんで。
379通常の名無しさんの3倍:04/01/21 20:46 ID:???
完全なオナスレと化したな、ここ。
 <FCギム・ギンガナム>の左サイド、シャアたちからすれば右サイドはジェリドが完全に崩した。
ジェリドがクロスをあげる瞬間、中央の敵DFの意識が、視線がそちらに奪われる。その機に、シャア
は一気に加速して彼らの間から飛び出す。ジェリドからのクロスが速く低い弾道で届けられる。
ワンバウンドして、シャアの意図した場所と寸分たがわぬ位置へ跳ねる。ぴったりだ。タイミングも、
スピードも、何もかも。シャアは右足をクロスに合わせてインサイドキックで振り抜く。冷静に、的確に
やってのけた。確信が右足内側から広がる。ボールは、必死の形相で飛びついてくる敵GKの手より
一瞬早く、ゴールへと飛びこんだ。
 自らのシュートがネットを舞い躍らせるのを視界に収めたシャアは、口元を軽く緩めた。愕然として
自分を見ているゴールキーパーに背を向け、ゆっくりとセンターサークルへ向かって歩き出す。シャア
は駆けつけるチームメイトたちに軽く手を振って答えた。
 ジェリドはカクリコンとハイタッチを交わし、お互いの体をはたきあった。
カクリコン「やったな、ジェリド!」
ジェリド「見たかカクリコン、最高のクロスだったろうが! お前のおかげだ! お前があがって
     くれたから!」
 喜びに沸く二人に、さっと声をかける者がいた。
シャア「ジェリド・メサ、いいクロスだった。これ以上ないほどにな」
こんなときも、エドワウことシャアは気取った嫌なやつだ。
ジェリド「あんたのそういうとこは気に入らんな。だが、よく決めてくれた」
シャア「私もFWだからな。あれを外すいわけにはいかないさ」
 二人は軽い笑みをかわす。そこで、ジェリドはようやく大事なことに気がついた。隣のカクリコン
を小突く。
ジェリド「おいカクリコン。このときじゃなくて、いつがあるっていうんだ」
カクリコンはにやりと笑った。意を察したようだ。二人はそろって、呆然としているカミーユに向き
直ると、あからさまに見下して馬鹿にした態度をとってやった。目をひん剥いて奥歯をかみしめている
カミーユの姿が最高だ。
 ドモンは、シャアの背中をいつまでも見つめていた。どこか気品さえ漂う落ち着いた背番号18は、
それがゆえに、鋭い切っ先をドモンの胸に突き立てていた。
 もう一人、ずっとシャアを見ている選手がいた。アムロだ。
 後半22分、<ラインフォード・ユナイテッド>は右サイドのジェリドのクロスをシャアが直接叩き
こんで得点した。スコアは<ラインフォード・ユナイテッド>2−1<FCギム・ギンガナム>。兄弟
たちは逆転され、リードを許した。

続く
381通常の名無しさんの3倍:04/01/22 12:21 ID:???
乙&保守
 ジェリドからシャアの得点を、観客席に座るものたちはそれぞれの立場で見つめていた。マウアー、
クェス、カテジナなどラインフォードの選手を応援するもの。ハマーンとミネバ。兄弟それぞれの友人
や恋人たち。ギンガナム応援団。そしてセイラ。フィールドに注がれる目は、明るいものも暗いものも、
困惑に揺れるものもある。

 <FCギム・ギンガナム>にとって、状況は悪化するばかりだった。逆転で勢いに乗る<ラインフォード・
ユナイテッド>は、ボール支配率でも、チャンスをつくることにかけても、完全に兄弟たちを圧倒する。
 <FCギム・ギンガナム>のディフェンスは、ゼクスの手の内で踊り、シャアにかき回され、ガトーに
弾き飛ばされる。おまけに、先ほどの活躍で自信をつけたジェリドが左サイドを蹂躙する。右サイドは
シーブックの奮闘で抑えているものの、まさに焼け石に水であった。CBのシローもコウも、左SBの
ガロードも黙ってやられているわけではない。必死に食らい突いていっても、それでも止められない
のだ。ヒイロはゼクスとの体格差に苦しみ、ロランの運動量はグエンにハードマークを受け続けたせい
で落ちてきていた。
 唯一活躍と言っていい働きをしているのが、GKのドモンだ。失点に落ち込むことなく、ジェリドの
ミドルシュートを受けとめ、ガトーのヘディングを寸前で阻止し、シャアのループシュートをギリギリ
で弾いてポストにあて、跳ね返ったボールをいち早く抱え込むと、スライディングで詰めてきたゼクス
と衝突しながらもボールをこぼさない。しかし、ドモンが獅子奮迅の働きを見せているということ自体が、
兄弟たちが追い詰められている何よりの証拠である。
ドモン「もっと集中して守れ! 特にシャアのマーク、なんでいつもフリーなんだあ!」
 吼えた声は悲痛な色合いを帯びた。先ほどの失点のように、GKだけではどうにもならないときが
あるのだ。敵の猛攻の中、ドモンは自らを頼むしかない辛さを必死で跳ね返していた。
 オフェンスはより深刻な機能不全に陥っていた。ジュドーはもはやまともに動ける体力がなく、ギム
は敵CBの前に後方へのポストプレイすら満足にさせてもらえない。カミーユはサイドを何度崩しても
シュートにさえつながらないのにいらだち、無理やり中央に切り込もうとして誘い込まれたあげく、
ボールを奪われる。アムロもジュドーの代わりをしようと真ん中でプレイしたがった。
 結果、意志の疎通もなく連携が悪いまま中央に密集している状態となり、シロッコを中心に結束を
高めているラインフォード守備陣の前に、いとも簡単に攻撃の芽を摘まれていた。
 そんな最悪のチーム状態を、アップにかかっているウッソを除けば、ベンチにいるものは黙って
見ているしかない。胸に込み上げる不安や悔しさを抑えて、フィールドに出ている選手たちを信じる
しかないのだ。
 ボールがサイドラインを大きく割り、ギンガナムがその隙にサイドライン際のペットボトルを取りに来た。
ごくごくと清涼イオン水を飲み干す際に、スタンドから罵声が飛んだ。
「カッコつけるだけでサッカーのへたくそなギム・ギンガナム! 私が代わりに出て盛り上げてやるよ!」
少女の声だ。ギンガナムが連れてきた応援団の一人、メリーベルが、鈴を揺らしてやけくそといった感じで
笑っている。まわりの応援団員も誰もとがめない。同じく主君のふがいなさに失望しているようだ。
 アルは、「メリーベル、運河人以下の貴様を今日まで飼ってきてやったのに、よくもほざいたなあ!」と
ペットボトルを叩きつけたギンガナムに駆け寄った。黙って見ていられなくなっていたのは、アルも同じ
だった。
アル「ギンガナムさん、まだ大丈夫でしょ。これから逆転できるよね」
 ギンガナムは答えなかった。アルは再度訊いた。
アル「なんで黙ってんのさ。いつものように強気なこと言いなよ」
ギム「……後ろからがしがしあたられて、足も背中も腰も痛いのである」
アル「だから?」
ギム「おまけに味方はあてにならんし、小生も本気を出せない可能性がなきにしもあらず」
アル「だからなんなのさ?」
ギンガナムはアルの顔を見ない。そっぽを向いて話している。ゲームはすでに再開していた。
ギム「……つまり、アル、期待をしないほうがいいということもだな」
「どういうことなんだギンガナム! お前やる気がないのか!?」
 いきなり怒鳴り声が後ろから響いた。アルが振り返ると、いつのまにかキラが後ろに来ていた。顔を
真っ赤にしてギンガナムを睨みつけている。
ギム「何だ泣き虫小僧。出場資格がない奴は黙っていればいいのであるよ。何もできんくせに」
ギンガナムは苦々しい顔で吐き捨てた。キラがつかみかかるような勢いでかっと口を開く。
キラ「ギンガナム、お前には朝食を食べられたり、朝食を奪われたり、朝食を掠め取られたり、色々
   あったけど、これほど頭にきたことは初めてだ!」
ギム「それがなんだ! 引くも押すもできない! このまま負けるのだろうさ」
 ショックな言葉だった。アルはそんな言葉を聞くためにこうしているのではなかった。
アル「そんな……嘘だと言ってよギンガナムさん!」
アルはすがるように叫んでいた。後ろからキラが肩に手を置いた。なぐさめるように。
 ギンガナムは背を向けて、のろのろとフィールドの中へ戻っていく。アルはその背中から目をそらした。

続く
384通常の名無しさんの3倍:04/01/24 11:47 ID:???
ワラタw

ギンガナムならギンギーか?
385通常の名無しさんの3倍:04/01/24 13:30 ID:???
ワロタワロタ
386通常の名無しさんの3倍:04/01/25 19:16 ID:???
(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)
 <ラインフォード・ユナイテッド>の猛攻は今にも<FCギム・ギンガナム>の牙城を崩そうとし、
その堅守は兄弟たちの攻撃を全く受け付けない。
 GKのチボデー、CBにシロッコ、CHゼクス、そしてCFのガトー。ラインフォードの中央のライン
は、完全に兄弟たちを上回っていた。エドワウことシャアが神出鬼没にディフェンスをかき回せるのも、
センターラインの優位あってこそだ。
 ボール支配率でもチャンスの数でも大きく押されている<FCギム・ギンガナム>が失点しないのは、
GKドモンの好パフォーマンスと、やられっぱなしとはいえ、ギリギリのところまで食らDFが食らい
ついているからだ。しかしそれも大風の前の灯火にすぎない雰囲気が、スタジアム全体を包んでいた。
 兄弟たちも、押され続ける中で、戦う意志をいつ失ってもおかしくない状況まで追い詰められていた。
知らぬ間に下を向いている自分がいる。今はまだ、前を向けと自分を鼓舞できるが、それもいつまで
もつか。
 後半28分、兄弟ベンチがようやくウッソとジュドーの交代を申請しようとしていたとき、ピッチの
中では、ヒイロがゼクスを倒してイエローカードをもらっていた。ファウルした位置はゴール手前23
メートルのピッチ中央付近。<ラインフォード・ユナイテッド>にとっては絶好の、<FCギム・
ギンガナム>にとっては最悪の位置である。それでもヒイロはファウルを犯すしかなかった。あそこ
で足をかけなければ、ゼクスからガトーへ得点間違いなしのスルーパスが通っていただろう。
 このフリーキックのキッカー候補としてボールの近くにいるのはゼクスとシャアだ。ドモンは周囲に
「集中しろ! マークはずすな!」と声を飛ばしながらも、二人をじっと見ていた。
 ここで失点するわけにはいかない。1−3で二点差にされてしまえば、緊張感と集中力が途切れて
しまう。そうなればあとは疲労に身を沈めて、試合終了の笛が鳴るまで無様にピッチをさまようだけ
になる。
 シャアがボールをセットし、自分に打たせろ、と言っているように見える。が、次の瞬間、ゼクスが
さっとボールに近づくと右足を一閃し、直接ゴールを狙ってきた。ドモンはやや遅れながらも反応し、
横っ飛びでゴール左上を狙ったシュートをなんとか上に弾く。弾かれたボールはクロスバーに当り、
真正面に跳ね返った。
 跳ね返りに後方からラインフォードのCFガトーが飛び込む。ダイビングヘッド。ドモンの体勢は
崩れている。絶体絶命のその時、ボールの横からクリアしようとこれも飛び込んできたDFがいる。
ガロード。
 ガロードにはここしかなかった。攻めでは貢献できず、かといって守りでは自分の担当するサイドを
破られ続けたガロードは、ここだけは絶対になんとかして汚名返上しようと、決死の集中力で望んで
いた。ガトーより一瞬早くボールに飛び込み、ヘディングでクリアする。
 それがガロードの最後のプレイだった。クリア直後、ヘディングシュートに来ていたガトーはそのまま、
ガロードの側頭部へと突っ込んでいった。鈍い衝突音がして、二人の選手はペナルティエリア真ん中に
転がった。クリアボールがサイドラインを割る前に審判の笛が鳴り響いて、試合は止まった。
 両チームの選手が倒れている二人に駆け寄る。ガトーはすぐ立ち上がった。軽く前頭部を押さえて
いるが、特に問題はなさそうだ。ガロードは立ち上がらなかった。
 兄弟たちがガロードの周りに集まり、何が起こったのか確認しあう。目前で見ていたドモンが皆に
説明しだした。
ドモン「クロスバーに跳ね返ったボールに、ガトーとガロードが頭から突っ込んだんだ。ほんの一瞬
    ガロードが早かったからクリアできたんだが、そのせいで、ガトーのヘディングが側頭部に
    入っちまった。……あそこでガロードが飛び込んでくれなかったら、やられていただろうな」
シロー「体を張ってゴールを守ったんだ」
コウ「ガロードの奴、勇気と根性だけはあるからな」
 シローとコウが口を真一文字に結んでガロードを見やる。ガロードのこめかみは皮膚が軽く裂けて、
血が一筋、赤い線を描いていた。ロランが心配そうに顔を覗き込む。
ロラン「ガロード、全然気がつきませんね」
ジュドー「とりあえず……揺さぶって、みるか? 気がつくかも、な」
ヒイロ「やめておいたほうがいい。頭部に強い衝撃を受けているんだぞ」
ジュドーの提案をヒイロが否定した。ジュドーは人一倍息切れが激しく、言葉が途切れている。
シュバルツ「ヒイロくんの言うとおりだ。頭を打っているときは、いたずらに揺さぶったりしてはいけない」
 いきなり、ドクターのシュバルツがにゅっと顔を出した。シーブックの頬にマスクの角が刺さる。
アムロ「ガロードは大丈夫なんですか?」
アムロはガロードの隣に座り込んで具合を見ているシュバルツの顔を伺った。シュバルツは「うむ」と
縦に頷く。
シュバルツ「意識が戻ってないのが気がかりだが、おそらくは脳しんとうだろう。少ししたら気がつく
      と思う。安静にしていれば特別問題はないはずだ」
ドモン「本当かよ。意識がないんだぞ?」
シュバルツ「経験上の意見だがな。なによりドイツの医学は……」
カミーユ「そんなセリフ、途中でさえぎってやる!」
 シュバルツは少し残念そうに肩をすくめると、ガロードを慎重に担架に乗せて運んでいった。
 スタンドで事態を見守っていたティファは、担架で運ばれていくガロードを見て、ついにふらりと
倒れかかった。傍らのジャミルが素早く体を支える。
ティファ「ガロード……お守り、渡したのに……」
細々とした声が、震える唇から漏れた。ジャミルはすこしうるんだティファの目を見つめて、
ジャミル「ガロードの様子を見にいくか? 医務室に向かったのだろう。傍に居てやることぐらいは
     できるはずだ」
と訊いた。ティファは、瞳に力を取り戻して、こくんとあごを縦に動かした。

 <FCギム・ギンガナム>は、この時間でウッソとジュドーを交代させるつもりだったが、ガロードが
負傷退場した結果、ウッソとガロードを交代させることになった。著しく運動量の落ちているジュドー
が、結果としてフィールドに残る。状況はより不利になっていく。
 それでも、兄弟たちの中に弱音を吐く者はもはやいなかった。ガロードがなんとか繋いでくれた勝利
への可能性を無駄にするわけにはいかない。その一点で、皆の心がまとまっていった。
 アムロは一言、
「勝つぞ」
とチームメイトに呼びかけた。見渡した兄弟たちの目に、輝きのないものはひとつとしてない。敵に
圧倒され続けた中で失いかけていた闘志が、全員の胸に蘇っていた。

続く
389通常の名無しさんの3倍:04/01/28 20:22 ID:???
(・∀・)
390通常の名無しさんの3倍:04/01/28 20:24 ID:???
どきどき・・
391通常の名無しさんの3倍:04/01/28 23:07 ID:???
さて、窮鼠猫を噛む?
392通常の名無しさんの3倍:04/01/29 02:52 ID:???
寒い季節は鍋が美味いけど、これだけ家族がいるとひとつの鍋じゃ足らんだろうな。l
3つぐらい必要か?

一杯引っ掛けながらグループ
アムロ(日本酒とか焼酎をちびちびと)
シロー(人に合わせたペースで飲みそう)
コウ(上二人だけじゃ寂しいので付き合わされるだろう)
ロラン(お酌とか鍋に具を追加したりとか面倒見る役)

まったりゆっくり食べたいグループ
カミーユ(結構鍋奉行気質)
シーブック(黙々とマイペースで食べるタイプか)
ウッソ(細かいことでカミーユと衝突するかも)
アル(まだ小さいし鍋はあまり好きじゃない)

食すなわちバトル!グループ(他より二まわりほど大きい鍋)
ドモン(格闘家は体が資本。一応グループのリーダー役)
ギンガナム(鍋上鍋下唯我独尊)
ヒイロ(何気に強者)
ジュドー(ガロードとコンビプレイで勝負)
ガロード(ジュドーと協力してしたたかに狙う)
キラ(何故かここに。基本的にメインの食材は遠い夢だが、種割れすれば話は別)
393通常の名無しさんの3倍:04/01/29 08:26 ID:???
初期スレに鍋ネタは何度かあったな。
ヒイロ「五飛、教えてくれ。俺は後何度鍋を壊せばいい・・・」
みたいなネタがあったような。

しかし・・・
>ギンガナム(鍋上鍋下唯我独尊)
て朝食だけじゃなく完全に家族化か(w
394通常の名無しさんの3倍:04/01/30 02:46 ID:???
前の鍋ネタの時はギンガナムは参加してなかったからなあ。
それでも鍋3組目は食事と呼べる代物じゃなかった。
ドモンとギンガナムが同席したらさらに酷い有り様になりそうだな(藁
395通常の名無しさんの3倍:04/01/31 06:01 ID:???
それは鍋じゃなくって既にガンダムファイトですな。
396通常の名無しさんの3倍:04/01/31 22:53 ID:MyKsqWTZ
>>392
お酌(;´Д`)ハァハァ
397通常の名無しさんの3倍:04/02/01 10:23 ID:???
東「よいかドモン、鍋というものはただ肉ばかり食べていればよいというものではない。
  肉と野菜、豆腐や糸コンニャクなどもバランス良く食べてこそ真に健康な体が生まれるのじゃ」
ド「はいっ、師匠!」
東「……そう言っておる間に肉ばかり食うでないわこの馬鹿者がぁぁ!!
  年長者の言うことには従わぬか!!」
ギ「ふん、あいにくと小生は2500年の間、鍋では肉しか食わぬと決めているのでなぁ!」
東「その2500年とやらのうち何年が冷凍睡眠じゃ!?
  ええい負けてはおれん、食うぞドモン!」
ド「はいっ、師匠……って師匠!何で肉ばかり食べてるんですか!俺の食うぶんはもう野菜しか……」
東「こうでもせんと肉がなくなってしまうではないか!ワシはもう健康な肉体はできておるからよいのじゃ!
 お前は若いから野菜でも食っておれ!」
ド「おのれぇぇぇぇ!! 東方不敗、貴様は許さぁぁーーーーん!!」
ギ「そう言いながら小生の側の肉から肉から取っていくとはいい度胸だ!!」
398通常の名無しさんの3倍:04/02/01 10:24 ID:???
ド「…………!!」
東「…………!!」
ギ「…………!!」
399通常の名無しさんの3倍:04/02/01 10:25 ID:???
ギ「シャァァァイニングゥ!!」
東「ダァァァァクネスゥゥ!!」
ド「ゴォォォォッドォォッ!!」

「「「フィンガァァァァァーーーーーーーッッ!!!」」」
400通常の名無しさんの3倍:04/02/01 10:26 ID:???
ヒイロ「……鍋の退避成功。任務完了」
ガロード「あーあ、あっちだけでやってほしいよなー、ったく」
ジュドー「だいたいなんでマスターまで来てるんだよ……?」
401通常の名無しさんの3倍:04/02/01 19:43 ID:???
>>397-400
やべぇ、つぼにはまったw
402通常の名無しさんの3倍:04/02/02 15:07 ID:???
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
ワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタワラタ
403通常の名無しさんの3倍:04/02/04 16:50 ID:???
鯖復帰!
404通常の名無しさんの3倍:04/02/05 21:35 ID:???
保守
405通常の名無しさんの3倍:04/02/07 17:24 ID:???
保守
406通常の名無しさんの3倍:04/02/07 17:56 ID:???
捕手
407通常の名無しさんの3倍:04/02/08 06:07 ID:???
hosyu
408通常の名無しさんの3倍:04/02/08 14:01 ID:???
雲一つ無い小春日和の朝。
家族全員を送り出したロランはここぞとばかり、兄弟たちの布団を干しにかかった。
まず最初にアムロの布団をベッドから剥ぐと、ぼとぼとと本が落ちてくる。
「ロボット工学の専門書がこんなに・・・寝る時くらい仕事を忘れてもいいのに。」
因みに布団をベッドに敷きなおした際、皆に気づかれないように元に戻しておく気配りロランである。
続いてシローの布団、
「これはひょっとしてこの前無くしたって騒いでた提出書類・・・なんてところに。」
掃除してて見つけたとか言って渡そう、とロラン。
ドモンの布団。
「武術関連の本が増えたな。あれ、写真がはさんである・・・これはレインさん。」
超奥手なドモン兄さんらしい、微笑むロラン。
コウの布団。
「うわぁ、又鼻血でガビガビ・・・」
水着姿のアイドルのグラビアが、猟奇殺人の証拠物品の如く凄惨な有様で出てきた。
「女性の体に免疫をつけようと、がんばってるのはわかるけど・・・駄目じゃん。」
カミーユの布団。
「女のこの名前と日時が沢山・・・まさかデートのスケジュール表・・・」
いつか痛い目にでも会いなさい、と念じるロラン。
シーブックの布団。
「グライダーの設計図と、パンのレシピ。あ、これは書きかけのラブレター!?」
読みたい気持ちを押さえて他の紙の中に紛れ込ませるロラン。
キラの布団。
「ラクスさんのコンサートの時の写真だ。なんだかごわごわだな。」
涙の乾いた後だな、と哀れむロラン。
ヒイロの布団。
「重い、うんしょ、わーっ銃やナイフがいっぱいっ!」
後で戻すのが大変だ、とうんざりロラン。
ガロードとジュドーの布団。ベッドの位置が近いので一緒に剥がす。
「又こんな恥ずかしいもの作って!帰ってきたらアムロ兄さんにしかってもらわなきゃっ!!」
ティファやルー・ルカのアイコラ写真で一杯だった。顔を真っ赤にロラン。
そのままヅカヅカとウッソの布団を剥がす。
「やっぱり・・・ここも同じのが出てきた・・・これは酒楽隊の人たちに、僕まで!?」
問答無用に破くロラン。
最後にアルの布団を剥がし、モビルスーツ百科とかしか出てこなかった事にほっとすると、
ロランは最後に自分の布団を干しにかかる・・・と、その前に
「これを出しておかないと・・・」
枕の下から大切そうに写真を取り出す。ディアナ・ソレルとハイム姉妹が写っていた。
双子の如く寄り添うディアナとキエル、その横でちょっとむくれてるソシエ。
「お二人とも綺麗だよなぁ、ふふふ、ソシエお嬢様ったらやきもち焼いてる。」
無くさないように机の中にいれ、布団を剥ぎ取ると、又一枚、覚えの無い写真が出てきた。
「これは・・・グエン様。冗談にも程があります。」
僕のいない間に忍び込んだな、そう考えてロランは、グエンの前歯キラリンピースサインピンナップを
踏みつけにじりつけはたきつけて虐げた挙句、これ以上無いくらい細かくひっちゃぶいてトイレに流した。

ベランダに干された布団が冬晴れの日差しでほのかな温かみを持ち、ロランはそれに覆い被さる。
「ああ、暖かくて気持ちいい。」
寒空の中、早春のわずかな恩恵を満喫し、兄弟たちの布団の香りに包まれて、しばし時間の止まるロランだった。






グエン「何だ、急に胸の奥がズキンと痛くなったぞ!?」



409通常の名無しさんの3倍:04/02/08 16:12 ID:???
グッジョブ!面白かったよ。
ただイメージ的にだが、ガロードはティファのコラ画像は作らない、というより作れない気がするw
410通常の名無しさんの3倍:04/02/08 18:42 ID:???
>>409さんどうもサンクス
指摘されて私もその様に思いました。ですので、修正の意味を込めてもう一筆ほど啓上。

ガンダム兄弟宅、玄関に面した階段にて。
長兄達から説教を食らったガロード、ジュドーとウッソの三人が、頭をさすりながらしょげた面持ちで
座っていた。特にガロードは物凄く怒ってもいた。 

ジュドー「あー痛え、久しぶりにアムロ兄に殴られた。」
ウッソ 「ほんと、アイコラ写真がばれるなんて思いもしなかったですよ。」
ガロード「お前らはいいよ、確信犯でやってんだからしょうがねえけど、俺は関係ねぇんだぞ!」
ジュドー「でもティファのあんな恥ずかしい写真持ってたら何にも弁解できねぇし。」
ガロード「体は別でもティファの顔がついてるのをもんじゃくって捨てられるかよ!大体ウッソが変な気回して、
いらなかったのにあんなもん作るからいけねぇんだよ!?っあーもう、ムシャクシャする、俺ちょっと出てくるっ!!」
靴をはいてドアノブに手が触れようとした瞬間、自ら扉が開いた。いや、とある女の子が開けたのだ。
ガロード「ティ、ティファっ!?」
ティファ「ガロード、貴方の肖像画ができたから、見せに・・・」
ガロード「え、あ、そうなの!?あ、あのとにかく上がって・・・」
ティファ「いい。帰ります・・・。」
ガロード「そんなぁ、来たばっかりで何で!?」
ティファ「話が・・・聞こえて・・・」
ガロード「え、まさか!?」
ティファ「・・・私の・・・恥ずかしい・・・・・・しん・・・」
顔を赤らめ、俯いて静かに涙を流すティファ。突然の事に言い訳ができないガロード。
ガロード「ち、ちが・・・あの、そ、その・・・おい、お前ら説明しろよっ・・・・て居ねぇっ!」
ティファ「貴方に・・・猛省を・・・」
きびすを返して走り去るティファ、ガロードが追いかけようとしたその時、
ゴワーンッ!!
鈍く大きな金属音と共に頭頂に衝撃を受けてその場にのめり伏すガロード。横で直径2メートル程の
金たらいがグワングワンと回っていた。
ガロード「違う、違うんだティファ・・・・ガクッ」

ガロードは誤解を解こうと尽力したが相手にされず、その後3週間、目も合わせてもらえなかった。
411通常の名無しさんの3倍:04/02/09 00:06 ID:???
ドモンの持ってる写真は、破れたキョウジの……
だめか、兄弟スレの設定がおかしくなっちゃうか。確かリィナも別設定にしてたんだよな。

でもマスターアジアの写真はあると思う。
412通常の名無しさんの3倍:04/02/09 08:30 ID:???
>>411さんへ

私もそこは考えましたが敢えて書きませんでした。私の想像上、
どうしてもふんどし一丁の東方不敗が浮かび上がってしまい、
話がキモくなりそうで・・・
413通常の名無しさんの3倍:04/02/09 10:02 ID:???
>>408
なんかロランかわいい。
乙。
414通常の名無しさんの3倍:04/02/09 21:27 ID:???
>>412
大丈夫だ。その隣にふんどし一丁のドモンがポージングしてるから(笑)
バックに太い字で「流派東方不敗は……」とか書いてあって……
415通常の名無しさんの3倍:04/02/10 00:52 ID:???
ほっしゅ
416通常の名無しさんの3倍:04/02/11 23:01 ID:???
>408&410
乙です。兄弟スレらしいそのネタ、Yesだね!
417通常の名無しさんの3倍:04/02/12 05:11 ID:???
ageとくよ?
418通常の名無しさんの3倍:04/02/12 05:26 ID:???
程良い字数で改行してほしいかな
419通常の名無しさんの3倍:04/02/13 14:10 ID:???
久しぶりに昔のスレっぽい小ネタを。
駄作ですが…



ロラン「皆さ〜ん!ご飯出来ましたよ!」
アムロ「おお、美味しそうだな!」
シロー「かぼちゃのスープに、鮭のバターソテー。サラダとピラフ。今日は洋食だな!」
ヒイロ「こんなに…食材あったのか?」
ロラン「はい!今日のお昼にハイム家からいろいろと食材を頂いたんですよ」
ドモン「おお、メシか!……なんだこれ?ご飯か?」
ギンガナム「ピラフである!!…まさか今日は白いご飯ではなくピラフが食べられるとは…」
ロラン「ピラフ、お嫌いですか?」
ギンガナム「ピラフは小生の夢である!思い起せば大昔…小生が学業と武芸に励んでいた頃、喫茶店のメニューにピラフという物があった…が、当時の小生には高嶺の花!未知の食べ物!!…まさか、こんな形で食べられようとは…」
キラ「…あんたはいつの時代の人だよ…」
 試合後半も3分の2を消化し、1−2で負けている<FCギム・ギンガナム>に残された時間は
あと15分を切った。ガロードの抜けた穴を埋めるためカミーユが左SBに下がり、カミーユがいた
位置にアムロ、右SHにウッソが入る。

<FCギム・ギンガナム>

          FW:9ギンガナム

MF:14アムロ  MF:10ジュドー  MF:8:ウッソ

      MF:11ヒイロ   MF:7ロラン

DF:4カミーユ             DF:2シーブック
      DF:6シロー    DF:5コウ

           GK:1ドモン

 同点に追いつき逆転して勝利するための鍵を握るのは、なんといってもFWのギンガナムだ。ただ一人
のFWとして重責を託されながらも、これまで得点するどころかシュート一本すら放っていない。この
状態をギムとチームが打開できるかどうかが、勝敗を分けるはずだ。
 ところが肝心のギンガナム本人はこれまで消極的なプレイを続け、敵CBシロッコやラカンに歯が
たたなかった。今もウッソのあげたクロスを、シロッコに競り負けてクリアされたばかりだ。
シロッコ「きさまのようなワントップのなりぞこないは、粛清される運命なのだよ」
シロッコのギムへの嘲りが、アムロの耳にも届いた。FWの頼りない姿に、アムロは歯がゆさを隠せ
なかった。
アムロ「なにやってんだ! ギンガナム! やる気がないならアルと変えるぞ!」

 アル、か。ギンガナムはふうっと、体力の消耗ではない溜め息を吐いた。
――ついには、アルのような子供の前で弱音を吐いてしまった。
 先ほどからギンガナムは己の行動を悔いていた。悔いているだけでもあった。
――小生はいったい何をやっているのだ。エースストライカーと大見得を切った挙句がこの体たらく。
  己の情けなさを悔いはしても何もせず、ただピッチをさまようのみで。
使えない奴とだけ見ていたガロードは最後の最後で大仕事をした。ヒイロの左脚にはテーピングが
巻かれている。白いテーピングには色がついていた。芝がこすれた緑と黒ずんだ土の汚れ。
――小生はいったい何をやった。我がポジションはFW。頑張って敵と戦いましたなど言い訳にも
  ならぬわ。なんだかんだ言おうとFWの存在証明はただひとつ、ゴールのみよ。
 ならば、とギムはきっとゴールをにらみつけた。
――やるのみ。決めるのみだ。これは所詮球けりの所詮小さな大会に過ぎない。過ぎないが、些細な
ことであろうと、ギンガナム家の自分が市井のガキどもに闘争心で負けるわけにはいかん。戦うために
生まれ育つのが我がギンガナム家の人間。今のままでは小生は、先祖に顔向けできんではないか。
 人はギムを哂うだろう。ギンガナム家の当主がこんなサッカーの大会に真剣になっていたと聞けば
当たり前だ。ギムも、ディアナやアグリッパが同じことをしていたら、鼻を鳴らして馬鹿にする。
 だが、哂われるのもいい。ギムはそう思い、かはっと笑った。叫んだ。
ギム「小生にパスをよこせ! 忘れたか? 小生は2試合連続でゴールを決めているのだぞ!」
 よく言うぜ、というのが敵味方を問わずギムの叫びに対する反射的な意見だった。なにしろこれまで
まったく自分の仕事をしていないのだ。
 これまでギンガナムを押さえ込んでいたラカンははっきりとあざ笑った。近い位置にいたシロッコも
ニヤリと見下した笑みを漏らす。
 敵ならそれでいいだろうが、味方となればそうはいかない。半信半疑が本心でも、ギンガナムが
言葉どおりやってくれねば負けてしまうだろう。信じてみるしかない。
 ヒイロががむしゃらにボールを追いかけてプレッシャーをかけたおかげで、ラインフォードのパスが
乱れ、シローがカットすることができた。ヒイロはガロードが退場して以来、以前にも増して鬼気迫る
勢いで敵に喰らいついていく。
 思いは他のプレイヤーも同じだ。まして怪我人のヒイロにだけ頑張らせておくわけにはいかない、と
思う気持ちは、ガロードとヒイロの兄である者たちほど強くなる。シローからカミーユ、アムロと
左サイドを繋いで、真ん中のロランに流す。横からグエンが迫る中、
アムロ「ギムに出せ!」
というアムロの声を受けて、ロランはギンガナムへとダイレクトで縦のパスを出す。
 このパスはギンガナムへの問いだ。アムロとロランだけでなくチーム全体の、先ほどギムが叫んだ
「パスをよこせ」という言葉の意味すること、点を取ってやるというギムの意思表示を、信じても
いいんだなという問いである。
 ギムはボールをすぐ右サイドから中央に入って来たウッソにはたく。同時にエリア右サイドに流れ、
ボールを受けようとする。ウッソはとっさに浮き球をギムに出した。グラウンダーではカットされて
しまうのを感じ取った結果の非凡なパスは、ラカンの頭を越え、ギムの足元にきっちりと落ちてくる。
シロッコがギムの左から体を寄せてシュートを打たせまいとする。GKのチボデーも素早くゴールと
ギムの間に入る。シュートコースは閉ざされている。
 それでもギムは迷わず、シロッコにあたられながらも強引に右足を振りぬいた。強烈なシュートが
チボデーの胸に跳ね返る。ペナルティエリア中央に飛んだこぼれ球を詰めさえすれば一点というところ
だったが、ラインフォードDFのクロノクルにギリギリでクリアされてしまった。
 あと一歩で得点にはならなかったが、ギムは確かにチームメイトの問いに答えた。小生に任せろ、
と。

続く 間隔が開いてしまってすいません。初めてインフルエンザってやつにかかってしまった。
422通常の名無しさんの3倍:04/02/14 20:57 ID:???

長文オナニーがまた始まったか・・・・
423フットボール狂騒曲:04/02/14 22:20 ID:???
自分のネタが不快でしょうがない人もいるようなので、続きは避難所のほうで
やろうと思います。よかったら見に来て下さい。とりあえず今日の夜から明日の
朝にかけての間に、続きを貼れるようにしようと考えています。
424通常の名無しさんの3倍:04/02/14 23:07 ID:???
ここまできてそんな腰砕けなこと言わんでくれよ。
425通常の名無しさんの3倍:04/02/15 01:22 ID:???
そうだよ、楽しみにしてる人もいるんだから避難所でやらんくてもこっちでやればいいのよ
426通常の名無しさんの3倍:04/02/15 02:34 ID:???
(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)
427通常の名無しさんの3倍:04/02/15 03:55 ID:???
>423
漏れも楽しみにしている。ので、ぜひこっちでやって欲すぃ。
428フットボール狂騒曲:04/02/15 05:16 ID:???
>>424>>425>>427さん
有難うございます。
お言葉に甘えて、こちらでやり直させていただこうと思いました。
兄弟スレの皆さん、くだらない顛末になってしまって本当に申し訳ないです。
反省して、ネタを書くことに精進します。

>>422さんを始めうざったいと思っている人は、
長ったらしい保守だとでも思ってください。
 <FCギム・ギンガナム>は今までの劣勢を跳ね返し、明らかに押していた。苦しい時間を耐え
抜いた結果、試合の流れは兄弟たちに傾いている。試合残り時間10分少しで、体力的には限界が
近づいているが、ジュドー以外は勢いと集中力のおかげで疲労を意識せずにすんでいる。
 しかし疲労がないわけではない。あくまで意識の外にいっているだけだ。勝利への意志が鈍れば、
すぐにも足が止まってしまうだろう。
 <ラインフォード・ユナイテッド>もそれをわかっている。GKのチボデーが叫ぶ。
チボデー「ここを耐えきれば俺たちの勝ちなんだ! 向こうのほうが苦しいんだぞ!」
グエンが、シロッコが、FWのシャアまでが自陣ペナルティエリア近くで必死にディフェンスする。
アムロのシュートをチボデーが正面でキャッチする。オーバーラップしたシーブックのクロスをクロノクル
がカットしてコーナーに逃れる。
 カミーユが蹴ったコーナーキックをギンガナムがラカンに競り勝って、斜めに切り込んできたウッソに
頭で落とす。ウッソはダイレクトでシュートを放ったが、敵CBシロッコが体を張ったスライディング
でシュートを止める。こぼれ球をグエンが必死に前方へ蹴りだした。
 そのボールがちょうどガトーへと繋がった。点を取ろうと攻めに重点を置いている兄弟は、CBの
シローもコーナーキックからの得点を狙って上がっていた。残っているのはCBのコウとディフェンシブ
ハーフのヒイロだけだ。
 ガトーは右サイドを駆け上がってきたジェリドとのワンツーでヒイロを交わす。コウがカットを狙う
動きも見せたが、ボールはきちんとつながり、ガトーが右から、コウが左からぶつかり合いながらゴール
に突進して競り合うかたちとなった。
――よし、いいぞ。この小僧は敵ではない。
ガトーに力が漲る。いつものごとく振り切ってしまえばいい。注意すべきはキーパーの動きのみだ。
 コウのディフェンスを払いのけようと、ガトーの腕が、肩が、体がぶつかってくる。コウは踏ん張って
食らいつく。ここで競り負けてしまえば試合は終わりだ。絶対に負けられない。コウに、チームに必要
なのは、競り勝つことただひとつだ。
 二人は競り合いながら兄弟たちのペナルティエリア5メートル前まで直進した。ガトーはなかなか
コウを脱落させられない。
 コウは、
――ここだけ、ここだけは俺が競り勝ってやる! 俺が勝つ!
凄まじい形相でガトーを圧迫する。ガトーのドリブルに乱れが出た。前にけりだしすぎている。ぐおぉと
コウが左足を伸ばしてボールをさらに前へ蹴ってガトーのコントロールから完全に離れさせる。ドモン
が飛び出して、ボールをとにかくも前方に蹴りだしてクリアした。
 ガトーの表情が歪む。競り負けたのだ。
 ドモンがコウに呼びかける。
ドモン「やればできるじゃないか、コウ!」
コウ「どいつもこいつも俺を軽視しちゃってさ……頭にくるよ……」
コウはドモンに軽くガッツポーズを返した。今はまだ、笑いながら大きく拳を突き上げることはできない。

続く
430通常の名無しさんの3倍:04/02/15 20:59 ID:???
>>419
431通常の名無しさんの3倍:04/02/16 00:40 ID:???
バレンタインデーの夜。
悲喜こもごもで、その日もらったチョコレートを見せ合う兄弟s。
今年もたくさんもらえて調子に乗る者、チョコを巡って刃傷沙汰になって悲しんだ者、
そのチョコに秘められた、怨念にも似た悪意や下心に戦々恐々とする者、
そしてチョコをいただいた事を素直に喜び、健啖をもってぺろりと食べちゃう者など、
在り様は人それぞれである。
だがその中で特に目をひくのが、一人重い影を背負っているロランである。
某腐女子お手製の得体の知れないカカオの塊を押し付けられ、
ホワイトデーでのお返しを強要されてしくしく泣いている種坊はさておき、
毎年3姉妹(え?)から色んな意味のこもったチョコをもらって、必ずホクホク顔の
ロランが、今年に限って元気が無い。他の兄弟達もさすがに気になって訊ねてみた。
すると、ガンダム家の見目麗しき家政夫7男は涙ぐんで述懐した。
「ディアナ様からいただいたチョコに文字が書いてあったんですけど、それを読んだらもう悲しくて悲しくて・・・
 毎年義理で渡すのは、僕に対する気持ちに正しくないと思っていたけど、
 今年はそれに見合う言葉が見つかったので、チョコペンで書いてみたと・・・本人が・・・」
そう言うと嗚咽を以ってテーブルに突っ伏すロランであった。
「僕は・・・僕は男なんですよーっ!!」
彼の横に置かれた箱を開けて、手の平程の大きさのハート型チョコに書かれている文字を読み、
兄弟たちは、「そりゃそうだ、しゃーねーなー」という意味合いのこもった、
やれやれな顔を互いに見合わせ、ため息をついた。
そこにはシンプルに一言、こう書いてあった。




                   「友チョコ」  



          
   (知らない人のために注釈・女の子同士で渡し合うチョコのこと)




そんな痛い、ロランのバレンタインデーであった。








彼らの後ろでは、これまた某毒婦お手製強壮剤入りチョコを食って
二つの鼻腔から間血泉を吹き上げ、床で気絶してるチェリーが居たが、誰も気に留めてなかった。


432通常の名無しさんの3倍:04/02/16 09:53 ID:???
>>431
GJ
433通常の名無しさんの3倍:04/02/16 14:06 ID:???
>>431
めっさワラタw
つーか、茶吹いたw
434通常の名無しさんの3倍:04/02/16 15:52 ID:d+v31Hv/
グエン「ローラ、私にチョコはないのか!?」
ロラン「とことんクズ野郎ですね、リリさんとこでココアでも飲んできて下さい。」
435コウ・ザ・ハードボイルド:04/02/16 18:31 ID:???
 突然だが俺の名前はコウ。兄弟で一番ハードボイルドな男さ。いや、首を傾げたかも
しれないが、昨日からそういうことになったんだ。
 ウチの兄弟の中で、俺はどちらかといえば目立たなくて地味なほうだ。別に気にしちゃ
いないんだが、少しは気にもする。矛盾してるだろうが、人間誰しも矛盾を抱えて生きて
るのさ。ともかく、俺もキャラを立ててみるかな、と考えた。チェリーな鼻血キャラは俺の
イメージじゃないし。

 俺はまず他の兄弟を見回してみた。キャラがかぶっちまったら意味が無いからね。
 アムロ兄さんは仕事のできる男で兄弟の長兄として四苦八苦してる父親役、シロー兄さん
は彼女にメロメロな熱血正義漢、ドモン兄さんは暑っ苦しいぐらいパワフルで単純な格闘
バカだ。ここまでが俺の兄貴な。弟たちは、カミーユは中性的な容姿でナイーブなカルシウム
不足、シーブックは極めて普通の好青年で、ロランは一家の母親役で信じがたいほど善良な奴
(あとすごい美人)だ。キラは平穏を望む殺人鬼でスタンドは爆弾……じゃなくて気弱だけど
切れるとヤバイ泣き虫コーディネイター。ヒイロは無表情で沈着冷静な任務オタクで、ジュドー
とガロードはいつも明るくてノリがいい悪ガキコンビだ。二人のキャラは意外とかぶってない。
位置づけは似ているけど、性格はけっこう違うんだな。ウッソは年上好きのマセガキで年上
に可愛がられやすいタイプでもある。アルは可愛い末っ子ってとこだ。まあ、俺のガンプラを
アウシュヴィッツに送りたがっている節はあるが。

 改めて一通り眺めてみて、足りないのはハードボイルドな渋い男だと気付いた。ヒイロ
は無口だけど、渋いわけじゃないからな。なんていうか、この幸運な残りものはうってつけ
だよ俺に。そういうわけで、俺は昨日からハードボイルドメンとしてやっていくことにした
のさ。

 ちょうど今日の朝食にはかたゆでたまごがでてきた。些細な偶然だけど、これも運命から
の励ましだと思うんだ。気合を入れて、いや違う、すこし疲れた感じのほうが雰囲気あるぞ、
日常に倦んだ感じで髪型もオールバックにばっちり、いや、さりげなくきめなくちゃな。
 それと、これからは新しいニンジンの断り方も考えた。「ニンジンいらないよ」じゃあ渋みが
足りなすぎるだろ。そう、これからは
「ニンジンなんて女子供の食い物だろ」
と言う。ポイントは、やれやれって顔して低めの声で呟くこと。渋いだろ、いいだろ、これ。
 よ〜し、頑張ってハードボイルドな男に……また間違えた。少々面倒だが、これから俺は
ハードボイルドな男にならなくちゃならない。やれやれだな。

続く、かどうかはわからない。書けるものなら続けたいが。
436通常の名無しさんの3倍:04/02/16 20:50 ID:???
続け!
437通常の名無しさんの3倍:04/02/16 21:44 ID:???
>>435
>俺のガンプラをアウシュヴィッツに送りたがっている節はあるが。

何ちゅうセンスの持ち主じゃ!!おもしれー、がんがれ!!
438通常の名無しさんの3倍:04/02/17 10:31 ID:???
コウにかたゆでさんらしい女あしらいができるか期待しちゃったりしてみる
439通常の名無しさんの3倍:04/02/17 23:09 ID:???
コウ「ニンジンなんて女子供の食い物だろ」

カミーユ「ニンジンを食べるやつは女っぽいって言うのか!俺は男だよ!!」

('A`)ギャー



こんな未来が見えた
440通常の名無しさんの3倍:04/02/18 00:55 ID:mSYDPS7M
>>431
ぐっじょぶぐっじょぶぐっじょぶ!

>>439
ワロタ
441通常の名無しさんの3倍:04/02/18 23:50 ID:???
ほしゅ
4421/5:04/02/19 16:17 ID:???


                                  ロラン   アムロ兄サンノ出張ノ見送リニ行キマスヨ
     コウ   アル           ヒイロ        (ヮ` )
     ( 'A)  ( ´ー)          ( ゚-゚)      ノ( )ヽ
    ノ( ヘヘ  ( ヽヽ          (  )\      ハ
            ^^    ∨   //
                  [l二l]
4432/5:04/02/19 16:19 ID:???

                         
                        
                気ヲツケテクダサイネ        アムロ
アル    コウ     ロラン  ヒイロ          (´∀` )じゃ、行ってくるよ
   ( ´ー)   ('A`)  ( ´ヮ)  ( ゚-゚)          (     )
   ノ( )   /( )  ノ( )   <  )          | | |
    | |      | |     | |    ハ           (__)_)
4443/5:04/02/19 16:19 ID:???
                             ( ゚-゚)
                            。○
(家を出るときのヒイロの顔…       アムロ
うっすらと目に涙が溜まっていたな)  (´Д` )
4454/5:04/02/19 16:23 ID:???


(きっと無事で帰ってくるようにと心配してくれているんだろう。         アムロ
普段は無愛想で大人のように見えてもやっぱりまだ子供だな。)      ( ´∀`)
4465/5:04/02/19 16:24 ID:???

                         
                        
                       
アル    コウ     ロラン  ヒイロ        
   ( ´ー)   ('A`)  ( ´ヮ)  ( ゚-゚)         
   ノ( )   /( )  ノ( )   < )
    | |      | |     | |    | |           

              あくびを噛み殺しているので涙目
447442:04/02/19 16:26 ID:???
後半がずれちまった…逝ってくる…Λ||Λ
448通常の名無しさんの3倍:04/02/19 17:17 ID:???
>>442
気にしなーい!
ホノボノ良かった!!
449通常の名無しさんの3倍:04/02/20 05:22 ID:???
hosyu
450通常の名無しさんの3倍:04/02/20 22:13 ID:???
>>447
確かにAAネタはズレが致命傷だけど
良かったよ。良い仕事。
451通常の名無しさんの3倍:04/02/21 09:07 ID:???
捕手
452通常の名無しさんの3倍:04/02/21 12:55 ID:???
>451
ドモン「兄さん、捕手ばかりじゃなくて俺にも投げさせてくれ!」
アムロ「駄目だ」
アル「そうだよ駄目だよ。ドモン兄ちゃんが思い切り投げたら受けられるのいないもん」
アムロ「そういうわけだ」

それだけ。
453通常の名無しさんの3倍:04/02/22 00:05 ID:???
>>452
キラとヒイロがいるだろ・・・
無理か?
454通常の名無しさんの3倍:04/02/22 00:57 ID:???
>>453
やってみることにした。

ヒイロの場合
ヒ「任務了解」
ド「いくぞ!!ヒイロ!!!」
ア「うわ!凄い剛球だ!!!」

ズシーン!バキベキボキ

コ「だ、大丈夫か!ヒイロ!!う!こ、これは・・・・・両腕を複雑骨折している!?」
ヒ「問題ない」

ピキメキミシ(現在ヒイロは自己修復中です、しばらくお待ちください」

ヒ「さ、第二球だ」
コ「止めろ止めろ〜〜!!」

キラの場合

ド「いくぞ!キラ!!」
ア「やっぱり手加減無用の剛球だ!!」
キ「う、うわああぁあ!?」

ドスーン!!

ド「どうした!立て!!まだ一球しか受けていないぞ!!」
キ「もう・・・誰の球も受けたくないのにぃぃ!!!(パリーン)」

コ「おお!ドモンの剛球を全て回避してる!!」
ア「でもキャッチャーとしてはパスボールし放題だね」
455通常の名無しさんの3倍:04/02/23 19:18 ID:???
ラクスがハロをたくさん携えて兄弟宅に姿を見せた。
ロ「あ、ラクスさん。どうぞ中へ。…キラは今買い物にいっていますが、直戻ってきますよ。」
ラ「有難う御座います。では、お邪魔しますわ。」
恒例の如く、キラの彼女としての地位を確立しつつある彼女が入り込んでくる。
そして、ラクスが居間で待っている時…ハロが勝手に遊びまわってしまい、
悲劇が起きる。

*ジュドー、がロードの部屋にて
ジュ「…俺たちのガンダム、もう少し強化したいよなぁ…。」
ガ「キラ兄ちゃんのミーティアはターンAに次ぐ地位を手にしてるし、
コウ兄ちゃんのデンドロもIフィールドだからな…。せめて俺もGファル…ん?」
ここでハロが数匹飛びこんでくる。
ジュ「…ハロか…。…これって使えないか?」
ガ「どういう意味だい?」
ジュ「擬似ファンネルさ。…ラクスさんのハロ、自律機動の上超小型だろ?」
ガ「なるほど〜。…早速とっ捕まえて…なーに、直せば問題な…うわっ。」
ジュ「どうした?」
ガ「このハロ、パンチして来た。…訳わかんないくらいいてー。」
ジュ「おいおい、こっちのハロは擬似光の翼か?」
ガ「ハロビットっぽいものにゴットフィンガーもどき、バスターライフルに
拡散バブル、はてには月光蝶…」
ハロ達「ゲイゲキシステム キドウ・・・。」
ジュ「…MSで対応するぞ!」
ガ「おう!」

…結局、MSで対応したはいいが滅茶苦茶なまでのハロの強さと攻撃力により、
あえなく大破。…ぼろぼろになって空き地に落下するZZとDX。
それを見て呆然とするキラと言った構図が出来上がった。
456通常の名無しさんの3倍:04/02/24 00:50 ID:???
>455
ネタ投下は>1をよく読んでからね。
457通常の名無しさんの3倍:04/02/24 00:51 ID:???
>>456
管制室。
458通常の名無しさんの3倍:04/02/24 02:13 ID:???
>>456
自治厨マジウザイ
459通常の名無しさんの3倍:04/02/24 08:30 ID:xVeWEJAw
保守
460通常の名無しさんの3倍:04/02/24 09:25 ID:???
>>456
クサムカァ!キサマァガミンナウォー!!
461通常の名無しさんの3倍:04/02/25 01:39 ID:???
>>458
同意見。自治厨マジウザイ。
462通常の名無しさんの3倍:04/02/25 04:04 ID:???
ガンダム兄弟をトロワスレのキャラに例えてみる。
アムロ「まず、ヒイロはそのままだよな。」
ジュドー「同人誌の辺りは無茶だぜ。」
キラ「でも、他にどうしようもないよ。」
ロラン「キャスリンさんは当然…ドモンですよね。」
シロー「拳の鬼だからな。そう流れると、ガロードがそのまま、
ジュドーがデュオ、ロランがカトル、キラがトロワ…」
ロ&キ「チョットまったぁぁぁぁぁ!」
アムロ「女装が出来るのはロランだけ、ホモに追っかけられてるのは二人とも。しかたな…」
ヒイロ「女装はジュドーとロランとこのスレではキラ。ホモに追われるのはキラとロラン…」
ロラン「…カトルさん役は勘弁ですよ。絶対。」
キラ「僕もです。絶対認めませんからね。」
コウ「ここは、ガロードをデュオ役にして、カトルをジュ…」
ジュドー「無理無理。勘弁してよね。」
ロラン「我侭言うんじゃありません!」
ジュドー「どっちが我侭だよ!」
キラ「どっちもどっちじゃないの?」
ロ&ジ「キラもでしょうが。」
キラ「え?何で?」
かなり凄まじい言い争いになりつつあるところ、アムロが仲裁に入る。
アムロ「兄弟全員でシミュレーションでMS勝負。これで決定だ。有無は言わさないぞ。」
全員「ぇぇ〜!」
アムロ「この場で言い争えば家が壊れる。後、月光蝶は反則だから
使用禁止。サテライトキャノンも。いいな?」
全員「は〜い…。」

…結局、MSの性能差が圧倒的なため
一位 ロラン(ターンAガンダム)
二位 キラ(フリーダム(ミーティア))
二位 ヒイロ(ゼロカス)
四位 ドモン(ゴットガンダム)
四位 カミーユ(Z)
六位 ジュドー(ZZ)
七位 ガロード(DX)
八位 コウ(デンドロ)
九位 アムロ(初代G)
十位 シロー(Ez8(HAC))
十一位 ウッソ、シーブック
(アルは不参加)
となった。
463通常の名無しさんの3倍:04/02/25 04:11 ID:???
アムロ「あれ?何故ウッソとシーブックが」
ロラン「おかしいですねぇ。」
ジュドー「まぁ、いいんじゃないか?別に、どうでも。なぁ、ガロード。」
ガロード「そうそう。気にする必要。ないって。」
キラ「そう言えば、2人とも撃墜されてすぐトイレに駆け込んでいったけど。」
カミーユ「トイレに?」
キラ「うん。僕の場合、最初の方、遠距離から自動ロックオンで
絨毯爆撃してただけだから余裕も多少はあって。」
アムロ「妙だな。」
ヒイロ「今までの二人の行動からして、肝心の勝負の前に催しかけていたら
トイレに行って置かない事は少ない。策略の匂いがする。」
ジュドー「どういう事だい?」
ガロード「俺たちにはさっぱりだよなぁ。」
アムロ「身体検査して誰かから下剤が出てきたら犯人のお小遣い1ヶ月停止にするか。
今申告すれば許・・・
ジ&ガ「すみませんでした。」
アムロ「とりあえず、罰で家の屋根掃除。」
ジ&ガ「は〜〜い。」

464通常の名無しさんの3倍:04/02/25 04:15 ID:nKKf7j0D
UC除いたらMSの性能云々の話は出さん方が良いと思うけどな。
465通常の名無しさんの3倍:04/02/25 12:26 ID:???
nandakonokusaisureha。
466アルの日記:04/02/26 20:35 ID:???
○月×日
今日は変な夢を見た
ヒイロにいちゃんのともだちのトロワさんの
ヘンな前髪がしゃべったり
キラにちゃんがピンクの髪に追いかけられたり
ヒイロにいちゃんのともだちのウーフェイさんと
キラ兄ちゃんのともだちのアスランさんが
ものすごくまぶしかったり
あんまり変なゆめだったからアムロにいちゃんにはなしたら
なにかへんなカオしたけどそのあとすぐ真剣なカオで
だれにも言わないよう言われた
きっとほかのだれかに話してもワラわれるだけだから
話さないようにしよう
467通常の名無しさんの3倍:04/02/26 22:55 ID:???
Gセイバーは映像化作品ですけどここに参加可能でしょうか?
468通常の名無しさんの3倍:04/02/26 23:02 ID:???
>>467
いつまでも兄弟に加えてもらえない事自体が何度かネタになっている
映像作品でも実写のアレはカンベンしてくれって事らしい
SDガンダムフォースに至っては議論すらされていない・・・
・・・ってゆうか議論しようにも住民がいなくなってた
今後新作が発表されたらどうなるんだろう?
469通常の名無しさんの3倍:04/02/26 23:33 ID:???
>>468
やっぱし実写だからNGなのね(汗)


新作の主人公は女の方がいいと思う方に一票。
470通常の名無しさんの3倍:04/02/27 00:03 ID:???
女のガンダム乗りって主人公では0だしなぁ。
個人的には歴戦のパイロットを主人公にして欲しいが成長の余地が無いのがだめぽ。
471通常の名無しさんの3倍:04/02/27 00:15 ID:???
そこを記憶喪失ネタで
472通常の名無しさんの3倍:04/02/27 00:16 ID:???
何だかんだいってガンダムは男の子向けアニメって事なんだろう
腐女子が喰らい付くのは追加効果って事で
473通常の名無しさんの3倍:04/02/27 00:22 ID:???
このスレ的にはクリスじゃなくてアルを兄弟にした所がミソなんだろう
そっちが主人公だしな
0080観た事のないガキはアレックスが主役メカでクリスが主人公だと思っているかもしれんが
474通常の名無しさんの3倍:04/02/27 05:02 ID:???
住民が居なくなった…ちゅうか落ち着いた。という事でしょう。このスレも一年と二ヶ月経過してるので
なんで、何が駄目とか。これが良いとか言ってないでネタは書いたもん勝ちかな?
今のマッタリ進行でなら、何がどうなっても新ネタは刺激になるからウェルカムだと思うけど。
自治したがる人は無視して好きなの書いていいと思うよ。ネタの枯渇よりはそっちの方がマシ
475通常の名無しさんの3倍:04/02/27 06:26 ID:???
過去ログ見てきたけど、何でもアリで無茶苦茶面白かったぞ
476通常の名無しさんの3倍:04/02/27 22:37 ID:???
ギンガナムの来襲は頻繁にあり、なれてきていたのだが…とある日、
事件が起こった。
ロ「さ、今日の朝御飯はもう完成したし、皆を起こしに行かなくちゃ。」
そのまま、上にあがって行くロラン。そこで厨房に登場するギンガナム。
ギ「おお、この量、小生の胃が絶好調の時にこれだけの量とは、粋なことをやってくれる。」

……10分後、食卓に人が集まってきたが…
ロラン「…ない!…食べられてる!」
アムロ「なんだって!一体誰が!」
シロー「ジュドーやガロードはまだ寝てると云う事は…」
ドモン「奴しかありえないだろう。…何故か今居ないからな。」
キラ「…こんなのって…こんなのって…」
アル「酷すぎる…」
カミーユ「…ギンガナム、次みたら修正してやる!」
シーブック「朝食がない、なんとぉ!」
アムロ「シロー。…頼みがあるんだが…。」
シロー「何でしょう、兄さん。」


次の日。朝6時ごろ、ギンガナムが家に侵入した所で…何故かそこにバスクが現れる。
バスク「住居不法侵入罪累計239回、並びに食糧品の窃盗行為238回、
暴行罪14回並びに器物破損14件の公務執行妨害1件で貴様を逮捕する!」
ロラン「観念して下さい。ギンガナムさん。」
カレン「隊長の家荒らすなんていい度胸してるね。あんた。でも、此処でお縄だよ。」
ギンガナム「何のことかな?小生はただロランの…」
バスク「これで今までの239回に及ぶ侵入にストーカー行為の容疑も成立。ひったてい!」
カレン「はっ!」
ギンガナム「小生は…くっ!」


尚、大量の賠償金とギンガナムの懲役1年、実刑判決を条件の示談が決まった後、
兄弟に平和がおとずれる…。
477通常の名無しさんの3倍:04/02/28 01:37 ID:???
これだけやっといて懲役1年かよ。さすが御大将(笑)
478通常の名無しさんの3倍:04/02/28 01:52 ID:???
保釈金払ってすぐに出てくるだろ
ロランに食費を払うようになって、いつものように食卓に居座ると・・・
479通常の名無しさんの3倍:04/02/28 02:43 ID:???
アムロ「…平和だなぁ…。」
キラ「きちんと食べられる朝食がこんなにいい物とは…。」
ウッソ「良かったですね、兄さん。」
カミーユ「ふぁ〜あ…あれ?俺の朝食が何時の間にか消えてる…。」
ロラン「…え?…何で又…」

ギンガナム「小生、食事後の快便もまたうれしいとおもうのであーる!」

アムロ「さ、シロー。手錠準備。」
ロラン「これで又家計が楽になりますね…。前回の、司法取引のおかげで
膨れ上がった賠償金、4000万もしっかり貯金してますし…。」
480通常の名無しさんの3倍:04/02/28 04:39 ID:???
ロランの手料理だという事を差し引いたとしても
すげぇリスクしょって飯食ってるよな御大将。
兄弟宅がわざとぼったくってるような気さえしてきたw
481通常の名無しさんの3倍:04/02/28 20:15 ID:???
自分の分が用意されていても人の飯にまで手を出してるんだろうな大将・・・
482通常の名無しさんの3倍:04/02/29 14:17 ID:???
早くここにネタ投下したい〜久々にネタ書くからリハビリだと思って他板のネタスレで
短いシチュエーションの単発ギャグモノを投下したらそれが案外好評で続ける気がなかったけど止めるに止められなくなってきて
書き続けてるんだけど、自分的には書いててあまり面白くないんだよね。書いてる本人は面白くないんだけどそれが受け入れられている。
続きを読みたい人がいるから必要とされて書いてる。だが、必要とされていないこのスレでネタを書きたい自分がいる……ジレンマのスパイラルに落ちていく
愚痴ってすまんね。
483ロラン・ローラで大騒ぎ:04/02/29 18:24 ID:???
>>482
まぁ焦んな。あんたの文が面白いって言う人の為にもガンガレ。
ここのスレはいつでもあんたを待ってるさ。
そんなあんたのカキコを楽しみにしてるさ。
484通常の名無しさんの3倍:04/03/02 10:28 ID:???
捕手
485通常の名無しさんの3倍:04/03/03 02:20 ID:???
>>483愚痴聞いてくれてありがとう(∩Д`)゚。
なんとか時間を割いてこっちにもネタを降ろせるようにがんがりますよ。
486通常の名無しさんの3倍:04/03/03 03:05 ID:???
>>483
久しぶりに見たなあんた。
私はあんたのネタが好きだったぞ。
この際前の奴の続きじゃなくてもいいから投下キボン。
487通常の名無しさんの3倍:04/03/03 18:03 ID:???
以前あった連ジオDXの話をZに置き換えただけなんですが小ネタ書いてみていいですかね?
488通常の名無しさんの3倍:04/03/03 21:25 ID:???
うむ、苦しゅうないぞ
489通常の名無しさんの3倍:04/03/03 22:35 ID:???
兄弟スレよ、よみがえれ!
490ロラン・ローラで大騒ぎ:04/03/03 23:04 ID:???
>>486さんサンクス
実は>>408>>410>>431を書きました。ローラ騒ぎの結末は
脳内では出来上がってるんだけど、焦りで上手く文にならんです。
あっしの駄文でも待っててくれる人がいるのは嬉しいので、とにかく
頑張って仕上げます。もうちょい待ってて。
後、煮詰まったらまたこんな小遣い稼ぎみたいなことをするつもり。
ここのスレの灯火を守る皆さんと共にあらんことを誓いつつ・・・

491ロラン・ローラで大騒ぎ:04/03/03 23:09 ID:???
追伸


それにしても何でロランってこんなにいじりやすいんだろ。




それとシャクティも。これまで書いてきた中で二大巨頭です。





チョコレートって大好き!
492通常の名無しさんの3倍:04/03/04 00:51 ID:???
>>487 投下マダー?
>>491 気長に待ってます。
493487:04/03/04 17:26 ID:???
>>492
スミマセン。現在かいてます。ヘタレですが…。
494通常の名無しさんの3倍:04/03/05 00:22 ID:???
がんばって!
495通常の名無しさんの3倍:04/03/07 00:45 ID:???
保守
496通常の名無しさんの3倍:04/03/08 01:54 ID:???
ボウヤとおそろいのMSを裏ルートで手に入れた

 GP−04

早速試乗してみるかねぇ
……ゲルググに乗り慣れてるせいか、ガンダムタイプは扱いづらいったらありゃしない
おまけに開発途中で倉庫逝きになってたせいか、不具合だらけだよ
癪に障るねぇ
仕方ないので「リ・ホーム」とかいうジャンク屋に改修を依頼した
ロウ「バッチリ直してやるぜ!!」

数日後、あたしが見たものはモノアイガンダム……
……というよりも、オレンジ色のジオン系っぽい機体だった

 _| ̄|○
497通常の名無しさんの3倍:04/03/08 02:08 ID:???
兄弟ゲンカの末に、俺のZが大破してしまった
修理しようにも、期末試験が近くてそれどころじゃない
修理に必要なパーツも切らしていた
仕方ないのでガロードとジュドーが紹介してくれたジャンク屋に修理を依頼した
ロウ「バッチリ直してやるぜ!!」

数日後、Zはザク頭になって帰ってきた

 _| ̄|○

あのバカ・ジャンク屋はキッチリ修正してやった
なぜかバーニィが喜んでいたので、腹いせにミンチにしてやった
498通常の名無しさんの3倍:04/03/08 13:43 ID:???
ワラタ
499通常の名無しさんの3倍:04/03/08 22:08 ID:???
ロウ・・あんたはそーゆーヤツなんだな・・w
500ビレッジレイン 1/3:04/03/08 22:45 ID:???
ロランの作った朝食を食していると、大破したZをジャンク屋のガンダムが運び出しているのが見えた
ところがそのガンダムは帯刀しているではないか
ジャンク屋風情の機体が刀を持つとは何事か
しかもかなりの業物のようだ
武士(もののふ)たる小生のターンXこそが持ち主にふさわしいのであーる!
早速奪いに……

ロラン「明日から毎朝パンにしますよ?」

……もとい、譲ってもらう為に交渉する事にする

ロウ「アンタ、ガーベラが欲しいのかい?悪いがコイツは譲れないね」

金ならいくらでも出す!
武士の魂が金で買えるというのなら、いくら出しても惜しくはないのであーる!

ロウ「ガーベラは譲れないが、そこまで云うのならアンタの機体の刀を打ってやってもいいぜ?
 コイツだってオレが打ったものだし」

小生は狂喜乱舞した

数日後、ターンX用の刀「ビレッジレイン」が届けられた
素晴らしい
これこそ小生の機体にふさわしい業物であーる!

あのジャンク屋はカミーユに修正されていたが
501ビレッジレイン 2/3:04/03/08 22:47 ID:???
斬りたい!
斬りたい!斬りたい!斬りたい!
やはり刀とは飾りなどではなく、実戦で使用するからこそ意義のあるものではないか?
兄弟があらかた出払った後、残っているのはロランとドモンのみ
「ビレッジレイン」の切れ味を試すため、暇そうにしているドモンにガンダムファイトとやらを……

ロランの視線が小生には痛い、痛すぎる

……ドモンに協力して貰う事にした

小生のターンXは居合いの構えをとった

ドモン「ゆくぞっ!ギム・ギンガナム!!」

ゴッドガンダムの投げたMSの身の丈程もあるコロニー外壁材が飛んでくる
しかし、このターンXと「ビレッジレイン」と小生の腕をもってすれば紙切れ同然!
「ビレッジレイン」の柄に手を……
……ターンXの右手は物を掴めるようにはできていないのであーる
左手でかろうじて抜いたが、小生は右利きであーる

「ビレッジレイン」があさっての方向を薙払うのと外壁材が直撃するのは同時であった
502ビレッジレイン 3/3:04/03/08 22:48 ID:???
小生は左手でも刀をうまく扱えるようにするべく、特訓を開始した

アル「どうして今日は左手で箸を握っているの?」

せっかくの朝食が箸からこぼれてゆく
ロランの視線が痛い
気が付くと玉子焼きが無くなっているではないか

キラ「やめてよね……そんな箸の使い方で僕にかなう訳ないだろ?」

なんと奪い返されてしまった
うあ゛ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ

今日も小生は左手だけで生活している
あの刀にふさわしい使い手になるその日まで

ガロード「アイツ不器用だから、いつまでたっても使いこなせやしないって!」
ヒイロ「(ターンXの右手を通常型のマニピュレーターに交換すればいいだけの話だが……
 黙っておこう……)」
503通常の名無しさんの3倍:04/03/08 23:26 ID:???
ドモン「(いつからターンXはモビルトレースシステムになったんだろうか……
     いや最初からそうだったとしても別におかしくはないが……)」
504通常の名無しさんの3倍:04/03/09 15:46 ID:???
禿ワラ!
グッジョブ!!
505通常の名無しさんの3倍:04/03/09 18:22 ID:y9kG5pu6
うむ。オモシロイ。

>>503
モビルトレースシステムじゃなくても、MSの左手を動かすレバー(?)は
普通左手で動かすシステムになっていると思う
506通常の名無しさんの3倍:04/03/09 20:39 ID:???
>>505
ある程度はオートでしょ
507通常の名無しさんの3倍:04/03/09 23:10 ID:???
F91は、MSの腕を手動で近づけたら、オートで壁にかけてあるライフルを取るようになってたな。
他の機種はどうなんだろう。
508496,497,ビレッジレイン:04/03/10 21:23 ID:???
ROMっているだけではスレが活性化しそうもないので、初SS投下しました

武器を取り出すまではオートで、それをどう振るうかはパイロットの腕次第だと思います
ターンXの場合脳波コントロールかもしれませんが、それではつまらないので、
分離する前は手動(右手右レバー・左手左レバー)で操縦すると思って下さい。
左手だけ分離させれば、脳波コントロールで思うように刀を振るえるかもしれませんが、
それは自称武士(もののふ)たるギンガナムの望むところではないでしょう。
もっとも彼はおバカさんなので気づいていませんが。

現在構想中のネタです。
・MS教習所エコール・デュ・シエル
・警備会社サーペントテール
509通常の名無しさんの3倍:04/03/11 04:41 ID:???
そういやこいつら、MSじゃなくて普通の車やバイクの免許持ってるのか?
ロランは車の免許持ってそうだけど
510通常の名無しさんの3倍:04/03/11 10:21 ID:???
アムロは29歳設定なので恐らく持ってるはず(CCAで運転シーン)、シローとドモンは映像
見てないのでなんとも言えないが、シローは年齢からしても持ってそう。
ドモンはそんなものには興味がなさそう。コウも運転シーンあるし、
メカヲタっぽいので持ってるかと。
カミーユは劇中でカードを通して乗る車を運転してるけど、コロニー内移動用の公共の物っぽい
のでちょっと分からん。でもホモアビスやらプチモビやらの操縦はうまいらしいので、持ってる
可能盛はある。
シーブックは劇中で仲間と一緒に車で逃げるシーンで、自分では運転してないけど、仲間は出来
るようなので、持ってるかも(うろ覚え)
ロランは運転手として雇われてたから、持ってなきゃまずい。
キラは種未見なのでわからない・・・
ヒイロ、ウッソは訓練の過程で操縦の技能は習得してただろうけど、免許があるかはまた別かも。
ガロード、ジュドーは、免許が無くても乗っちゃうタイプw。
アルは、運転も出来なきゃ免許もないだろう。


こんなところ?ーかガンダム世界では何歳で免許OKとかわからんし・・・

511通常の名無しさんの3倍:04/03/11 10:28 ID:???
ガロードは1話の時点でバギーに乗ってる
(その後も何度か)
512通常の名無しさんの3倍:04/03/11 20:27 ID:???
ドモンはコアランダー運転できるけど、それが免許と関係あるかは分かんない
サイ・アーガイルには致命的に苦手な科目がある。
それはMS操作。

フレイを寝取られた事もあって、キラに強い対抗意識があった。
キラのストライクに無理矢理乗り込んで醜態をさらした事もある。
もっともキラの機体は俗に「コーディー用」と呼ばれる乗り手を激しく選ぶタイプの機体なので、
素人が乗るのは無謀というほかない。(ペーパードライバーがF1に乗るようなもの)

MSは個人で用意できる者はそれを使い、そうでない者は学校で用意されたものを使う。
キラは最近はフリーダムを使っている。
フレイはどこからかゲテモノっぽいガンダムを借りてきている。
トールの家にはMSはないが、スカイグラスパーを持っている為、
学校にあるTMSのGT−FOURを飛行形態で使用している。
もっとも先日撃墜された時は首がアラレちゃんになってしまい、
その間にミリアリアとディアッカがちょっといい雰囲気になってしまった。
サイの家にもMSはない為、学校の量産型ガンタンクを使っている。
本来アグレッサー(標的)として用意されたもので、選んでいるのはサイぐらいなものだ。
彼にはこれぐらいしかまともに操縦できる機体がないのだ。
MSの基本動作はオートのはずだが、彼の手にかかるとどうもぎこちない。
なぜか酔っぱらったような歩き方しかできない。
手持ち武器の扱いもてんでダメだ。
しかし量産型ガンタンクならそんな心配をする必要はない・・・
MS操作は向き不向きが激しい科目なので、とりあえず授業に出てMSに乗りさえすれば単位はくれる。
ところがある日、教科担当のストール・マニングスから機体が新機種に変わる旨を聞いたのだ

「貴様の使っている量産型ガンタンクはガンタンクIIに変わる。
 ガンタンクIIはカテゴリが戦闘車両なので、いくら乗っても単位はやれん。
 落第したくなければ、他の機種に乗り換えろ」
「そんな・・・うあ゛ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ」

なにも好きこのんで量産型ガンタンクに乗っていた訳ではなかった。
フレイの前で無様な醜態をさらしたくなかっただけなのだ。
その上でキラに一矢報いたかった。
サイがいくらそう願ったところでその能力差は歴然としているが、彼にも男の意地がある。

このままでは負け犬で終わってしまう。
あいつは遺伝子操作という大きなズルをしているのに!
最早学校の授業だけではこれ以上の上達は望めない。
特訓しようにも知り合いにMSを貸してくれそうな者はいない。
キラやその兄弟達の家にはMSが沢山あるが、ヤツにだけは頭を下げたくはない。

MS教習所エコール・デュ・シエル

サイが申し込みをしたのはその日の放課後であった。


続く
515通常の名無しさんの3倍:04/03/11 23:44 ID:???
つーかサイよ。キラに勝ちたけりゃ巨大MA持って来いw
516通常の名無しさんの3倍:04/03/13 07:45 ID:q4bz5vvA
キラ本人じゃなくても、兄弟の中でも特にいい人そうなコウやシローやロランに
頼めばいいのにねぇ
まあライバルの兄弟に頼るってのもイヤかもしれないな。
517通常の名無しさんの3倍:04/03/13 07:47 ID:???
あげちったスマン
518ピンポーン:04/03/13 14:33 ID:???
ピンポーン
アル「はーい!どちら様ですか?」
ハリー「こんにちは。ロラン君はいるかい?」
アル「はい、ちょっと待ってください。今呼んできます」
ハリー「ありがとう」
アル「ロラン兄さーん!赤メガネの変なおじさんが呼んでるよー!!」
ハリー「へ…変な…お、おじさん…」
519ピンポーン:04/03/13 14:34 ID:???
ピンポーン
アル「はーい!どちら様ですか?」
ジェリド「…カミーユはいるか?」
アル「いますけど…ご用件は?」
ジェリド「…新しくなった生徒手帳を持ってきた…(何で俺が持って来なきゃならないんだ)」
アル「(セイトテチョウってなんだろ?)待ってくださいね。今呼んできます」
ジェリド「ああ」
アル「カミーユ兄さーん!出戻りのジェリドさんが来たよー!!」
ジェリド「な、何故その名を!?」
520ピンポーン:04/03/13 14:36 ID:???
ピンポーン
アル「はーい!どちら様ですか?」
シーマ「コウ、いるかい?」
アル「いますけど…ご用件は?」
シーマ「まあ、別にたいした用じゃないんだけどさ…」
アル「そうですか…ちょっと待ってください!」
シーマ「ああ」
アル「コウ兄さーん!!おばちゃん、用事があるってー!!」
シーマ「お、おばッ!!?」
521ピンポーン:04/03/13 14:38 ID:???
ピンポーン
アル「はーい!どちら様ですか?」
東方不敗「ドモンはいるかぁ!?」
アル「ちょ、ちょっと待ってくださいね。に、兄さーん!!」
ドモン「師ぃ匠ぉぉぉおぉぉおぉおぉおお!!!」
東方不敗「ドぉモぉおぉおぉぉおおおぉン!!!」
ドモン「お会いしとう御座いましたぁぁああ!!」
東方不敗「泣ぁくなぁぁあ、ドぉモぉおン!!」
アル「変わった人達だなぁ…」
522ピンポーン:04/03/13 14:39 ID:???
ピンポーン
アル「はーい!どちら様ですか?」
シャア「やあ、アル君。今日は君に用があって来た」
アル「僕に?」
シャア「そう、君にだ。君のクラスにドロレスと言う幼女がいるだろ?」
アル「(幼女?)はい…いますけど…」
シャア「紹介してくれ!!」
アル「帰れ!!!」
523ピンポーン:04/03/13 14:40 ID:???
ピンポーン
アル「はーい!どちら様ですか?」
プル「プルプルプルー?」
アル「はい、居ますよ。ご用件は?」
プル「プルプルプルプルプルー!!」
アル「はい、ちょっと待ってくださいね。ジュドー兄さ…」
プル「プルプル…プルプルプル?」
アル「え?一緒に遊ぼうって?…うん、いいよ!」
ジュドー「会話が成立しているのか?」
524ピンポーン:04/03/13 14:45 ID:???
ピンポーン
コウ「はーい!どちら様ですか?」
シュタイナー「こんにちは。アルフレッド君はいるかね?」
コウ「(何だ、このおっさん達は?)あ、貴方達は?」
シュタイナー「これは失礼。私はシュタイナー。こっちにいるのがミハイルとガルシア」
ミハイル「よろしく」
ガルシア「…ふん……」
コウ「はあ…で、アルにどの様な用件が?」
シュタイナー「実は…」
アル「隊長―!!」
コウ「アル?」
シュタイナー「やあ、アル」
コウ「え?」
アル「久しぶりです、隊長!ミーシャもガルシアも!」
ミハイル「久しぶりだな坊主!」
ガルシア「ちっとも変わってねえな、お前は!」
アル「皆こそ変わってないね」
コウ「え?ぇえ?」
ミハイル「じゃあ、行こうか。バーニーも待っている」
アル「うん!!」
ガルシア「俺達といる時はうんじゃないだろ?」
アル「イエッサー!!」
シュタイナー「よし、いい子だ」

コウ「一体なんなんだ?友達か?」
525通常の名無しさんの3倍:04/03/13 16:53 ID:???
プルにワロタ(笑
ガトーは自決するのに。
526通常の名無しさんの3倍:04/03/13 17:18 ID:???
しゃがみこんでアルの視線に合わせると、両肩をつかみながら
マジ顔で迫るシャアが浮かんでワロた
527通常の名無しさんの3倍:04/03/13 18:09 ID:???
この兄弟で泳げないのが確実なのはロランだけだっけ?
意外な弱点だな。
528通常の名無しさんの3倍:04/03/13 19:22 ID:???
ロランは泳げるはず
運河人だし
溺れていたのは地球の重力に慣れていなかったせい
529通常の名無しさんの3倍:04/03/13 19:30 ID:???
>>526
しかも赤い彗星の仮面で(笑)
530通常の名無しさんの3倍:04/03/13 20:35 ID:???
兄弟スレにおける動力別MSの棲み分け

核融合炉搭載MS
・燃料(ヘリウム3)は安価
・稼働時間は非常に長い
・車検(のようなもの)がある
・ミノ粉税がかかる
・機体は比較的安価
核分裂炉搭載MS
・燃料(核燃料)は非常に高価
・稼働時間は非常に長い
・車検(のようなもの)がある
・ミノ粉税なし
・機体は高価
バッテリー駆動MS
・充電に電気代がかかる
・稼働時間が限られる
・車検(のようなもの)なし
・ミノ粉税なし
・機体は安価
縮退炉搭載MS
・燃料はいらない(つーか、原理が分からない・・・)
・稼働時間は無限
・車検(のようなもの)がある
・ミノ粉税なし
・機体は非常に高価
531通常の名無しさんの3倍:04/03/13 23:19 ID:???
age
532通常の名無しさんの3倍:04/03/14 03:46 ID:???
hosyu
533通常の名無しさんの3倍:04/03/14 20:07 ID:???
保守
534通常の名無しさんの3倍:04/03/15 13:29 ID:???

家計はいつも火の車・・・
よって、ロランは深夜秘密のバイトに・・・
535通常の名無しさんの3倍:04/03/15 14:03 ID:???
保守
536通常の名無しさんの3倍:04/03/15 20:42 ID:???
>>534
・・・家族に秘密のバイトは夜の街をラーメン屋の屋台を引いて回る事だった。
バイトを初めて数ヶ月、僕の屋台は知る人ぞ知る人気ラーメン屋になっていた。
噂は兄弟達にも伝わり「噂の屋台でやってるラーメン、今度食べにいくか?」とシロー兄さんが
ドモン兄さんやコウ兄さん等と会話しているのを耳にして僕は震えた。

内緒でバイトしていた事が分かるとアムロ兄さんは良い顔をしない。
自分の稼ぎが足りないのからだ、と意地になって仕事を増やすに決まってる。
アムロ兄さんに無理をさせてたくはなかった。

さて、どうするか・・・
考え事をしながらスーパーで夕食の買い物をしていたら見慣れた顔が目の前に現れた。
537534:04/03/16 10:11 ID:???
>>536
俺が振ったネタだけに続きが激しく気になる・・・
マッタリと続きお願いします!!
538通常の名無しさんの3倍:04/03/16 12:10 ID:???
続きは考えてませんw
誰か他の人が継ぎ足してくれれば、と
不特定多数によるリレー形式を希望!
書きたい人が自由に書いて下さい。スレの活性化に繋がればと思って
539通常の名無しさんの3倍:04/03/16 14:21 ID:???
>>536
では少し便乗させてもらって

シャアだ!
こっちに近づいてくる。いやだなぁ
それにしてもあのかご…
トマトと唐辛子と梅干と赤ピーマンしかはいっていない
あれでいったい何を作るつもりなんでしょう
540通常の名無しさんの3倍:04/03/17 17:42 ID:???
↑続き
「ロラン君も買い物かね?」
シャアさんが親しく話かけてきた。
彼は僕の屋台の常連客だから、挨拶されれば無視できない。
仕方なく僕は愛想笑いをつくり応じた。

「奇遇ですぬ」
「そうでもないんだか・・・あ、そうだ!丁度良い。この間、店に行った時、現金が無くてツケにして貰ったお礼として
ここは私が払う事にしよう。いいだろう?勿論ツケもちゃんと払うがね」
少し迷ったけれど、正直いって有り難かった。
背に腹はかえられない。ここは奢って貰う事にしよう。

そうと決めたらいつもの100g55円の合い挽きは止めて、100g95円の和牛パックをカゴに入れた。
せっかくなのだから贅沢をさせて貰う事にした。
シャアさんは僕のカゴを一緒にもっていって、レジで会計を済ますと
オツリで屋台のツケも払ってくれた。

「なんだかすいませんね」
「いいや、ロラン君の為なら・・・」
ついでに家に寄らないか?との誘いも受けたけれど、そのお誘いは丁重にお断りした。
この人は何を考えているのか分からない。油断ならないのだ。



ロランとシャア。スーパー前での二人のやりとりは、学校での居残り授業を抜けて
街をぶらっいていたガロードとジュドーが目撃していた。
541通常の名無しさんの3倍:04/03/17 18:01 ID:???
>>540続き

「偉く親しそうだったな。あの二人」
「ロラン兄さんも笑顔だったし、嫌そうじゃなかった」
「あのさ・・・ロラン兄さん、金貰ってたよな?」
「ああ・・・」

「もしかして・・・」
「なんだよ?」
「俺、ニュースでこうゆうの見た事ある。女子校生がやってる援助交際ってやつだろ」
「まさか!ロラン兄さんは女子高生じゃないぞ!そもそも女でもない!
冗談でもそんな事いうな!!」

だが、二人ともロランが夜な夜な家を抜け出て、こそこそと何かをしていた事には気づいていた。
あれこれ詮索するのが好きでないガロードとジュドーは何も言わなかったが
スーパー前で目撃したロランとシャア。あれこれ詮索していくすると切りがなくなってきて
二人は次第に口数が少なくなり、まっすぐ家に帰ってロランの顔をみる気にもならなかったから
もう少し街をぶらっく事にした。



誰か続きをどーぞ。
542通常の名無しさんの3倍:04/03/18 06:15 ID:???
これはよい展開ですな
543534:04/03/18 14:09 ID:???
なんか話進んでる…
皆さん乙です!
ネタを振った責任を感じつつ>>541の続き

ロランはスーパーの帰り道、余った時間で洋服屋に立ち寄っていた。
裁縫に使う布地や糸、ボタンなどを買うためだ。
そこで品定めをしていると、見慣れた顔が現れた。
ゼクスだ。
「やあ、ロラン君。買い物かい?」
「あ、ゼクスさん、こんにちは。ザゼクスさんも買い物ですか?」
「ああ、ノインに頼まれてな…そうだ!屋台の貯まっていたツケを忘れてた!!」
「ちょっ!お店の中じゃ迷惑なんで外に!!」
ロランはゼクスの手を引き店の外に出る。ゼクスもシャア同様ロランの屋台の常連だ。
ゼクスはノインから財布の紐を握られていているせいもあり、そのツケは大分貯まっていた。
「ノインさんからお小遣いが出たんですか?」
「ああ、やっとな。確か、8500円だったよね?千円札しか無いが…はい、一万円。おつりは又次回行った時の分に…」
「ありがとうございます。今度ノインさんも連れて来られたらどうですか?」
「ハハ、そうだな」
シャアよりも態度、性格が紳士的なゼクスとの会話は弾んでいる。

その二人のやり取りをウッソとキラが目撃していた。
「今、お金受け取ったよね?」
「ああ、金額はよく見えないから分からないけど結構な額みたいだな…」
「何のお金だろ…」
「…最近のニュース、知ってるか?女子高生がお金目当てで援助交際しているって」
「知ってるけど…まさか!?ロラン兄さんは男だよ!!」
「分かってるよ!!…分かってるけど、なんか大金もらってたし…」
「そんなの…そんなのおかしいですよ!!」
二人とも心当たりはあった。
ロランが夜な夜な出かけている事。最近、朝方眠そうな顔をしている事。
疑わずにはいられなかった。
「なあ、ウッソ…ロラン兄さんの事、皆には秘密だぞ?」
「こんな事、皆には言えないよ…」
「帰るか…」
「なんか、顔合わせづらいなぁ…」
二人は真っ直ぐには帰らず、しばらく街をぶらつくことにした。


続きお願い!

544534:04/03/18 14:13 ID:???
スマソ、誤字あった…
これから注意します。
545通常の名無しさんの3倍:04/03/18 15:24 ID:???
>>544
乙!誤字なんか気にしない。

話の続きを考えないで他人の書いた続きに少しだけ付け足していくのは物理的にも精神的に楽ちん(個人的に)
自分でネタ書く時には長くなりがちになるんで、色々考えてると中々作業に入れないから……
この形式だと片手間で、気負いなく書けるのが利点。
546通常の名無しさんの3倍:04/03/19 17:35 ID:???
ロラン君が怒涛のごとく誤解されてますね
547通常の名無しさんの3倍:04/03/19 20:00 ID:???
続けてみる、なるべく同じノリでありながら違う方向性で。

ロランは買い物を終え、家路へとつこうとしたが調子に乗って買い過ぎた為、
荷物の量が半端ではなくなってしまった。
持って帰れない量ではないが大変なのは間違いなかった。
「∀で買い物出動するべきだったかな・・・」
「おや、どうしたんだい?こんな所で大荷物抱えてさ」
そんなロランに声をかける人物がいた、ただし今までと違い女性である。
赤いスポーツカーに乗ったシーマ・ガラハウだった。
「あ、シーマさん。買い物をしたんですがちょっと買い込みすぎちゃいまして」
「そりゃあ大変さね、どうだい?乗ってくかい?」
ロランに誘いを断る理由はない、遠慮なく助手席に乗せて貰う。
「そうそう、うちの馬鹿達が大分溜め込んでるんだって?」
シーマ自身もそうだがシーマの経営する(一応)会社の社員達もロランの屋台の常連である。
しかし何時もニコニコ・現金払い(死後)なシーマと違い、社員達は前述の二人と同じくツケが多い。
「ここであたしがまとめて払っとくよ、今度の給料から直引きしとくからさ」
「ええ!?それは流石に良くないんじゃないですか?」
「気にしないどくれ、こうでもしないとあいつら何時までもあんたに甘えっ放しさね」
そう言ってお金を渡すシーマ、人数が人数だけに「札束」と言っても差し支えのない額である。

その二人のやり取りを目撃した人物がいた。
「ロランの奴、あんな大金を受け取って・・・二人でドライブか・・・
なんだよ、坊や坊やってまとわりついてる癖に別に俺じゃなくてもいいじゃないか。
大体ロランもロランだ、金の為に人と付き合うなんて・・・なんだこの胸のムカつきは。
俺がイライラしてる!?嫉妬・・・?俺は嫉妬してるっていうのか!!?」
胸の痞えを拭い去れない彼は当てもなく街へと歩き出した。
彼の名はコウ・ウラキ。車の中で、
「坊やによろしく言っておいとくれよ」
「さっきからコウ兄さんの話ばかりですね」
なんて会話が交わされていることなど知りもしないチェリーである。



リレーも悪くないかもねw
548通常の名無しさんの3倍:04/03/20 00:17 ID:???
乙デス
なんか誤解の渦がさらに大きくなっているw
これからの展開に期待!
549通常の名無しさんの3倍:04/03/20 00:41 ID:???
おもろいよお
アムロ兄さんに誤解されたままバレたらえらいことになるなあ・・・・
550通常の名無しさんの3倍:04/03/20 01:37 ID:???
おもろいよー。

でも、そろそろふっちぼーるらぷそでーもよみたいなー。
551名無し:04/03/20 15:21 ID:Z5F2Y1KQ
新参者です。
2,3個ネタがあるのですが、まだ、文面がまとまってません故、投下は遅くなります。
よろしくお願いします
552通常の名無しさんの3倍:04/03/20 20:39 ID:???
|/H\   
| 0Μ0)<よし、頑張れ!!
|⊂ /
|  /
553善し悪し:04/03/20 22:38 ID:d/qiZvbU
「ギレン校長の卒業式」
ギレン「在校生諸君!諸君らの愛した卒業生は、今日卒業する!何故だっ!」
ウッソ「卒業式だからでしょう!おかしいですよ!校長先生!」
シャア「私の好みの年齢を超えたからさ・・・。」


551です。(これからは善し悪しを名乗らせていただきます。)
ネタを文章化してるとき、自分の文才の無さに気づき、一発系に変更しました。
シリーズ物期待してた方、申し訳ありません。
卒業ネタは季節なので、やってみました。
皆様の笑いなど取れるかわかりませんが、これから、よろしくお願いします。
554通常の名無しさんの3倍:04/03/20 23:16 ID:???
とりあえずネタよりコテハンよりsageることを覚えよう。
全てはそこからだ。
555名無し:04/03/20 23:42 ID:d/qiZvbU
554さんへ
553です。
申し訳ありません。
なんせ久しぶりに来て、このスレ見つけたもので・・・。
sageって、どうやるんでしたっけ?
お手数をおかけします。本当にすいません。
556通常の名無しさんの3倍:04/03/21 00:17 ID:???
名前欄に「fusianasan」と書き込めばsageられる・・・とお約束の釣りは止めておくとして
普通にsageとメール欄に書けばいい。

しかしたまに飛び出す質問だがいつも「釣りか?」と穿ってしまうなw
557通常の名無しさんの3倍:04/03/21 04:08 ID:???
今回は最初にネタありきだったから、普通に新参者なのだろう。多分。
age sageについては2ちゃんねるのお約束でも読むか、 ROMって理解するこった。>553
それはそうと、単発ネタ乙。藁タ。
558通常の名無しさんの3倍:04/03/21 12:41 ID:???
リレー期待sage
559名無し:04/03/21 17:20 ID:???
テスト中
560善し悪し:04/03/21 17:29 ID:???
できました。
559は自分です。

改めて554さん、厳しくも暖かい言葉ありがとうございます。
556さん、557さんもありがとうございます。
また御助力を仰ぐかもしりませんが、
がんばらせていただきます!
561スポンサー募集中:04/03/22 01:30 ID:???
(シーン1)

シーブックは鉄仮面のパン屋でのバイトの傍ら、グライダー作りに精を出していた。
大会が間近に迫り、グライダーの仕上げに集中するためバイトをしばらく休みたいと言うと、
店主の鉄仮面は渋い顔をした(どうやってだ)。
鉄仮面「ふむ、男子たるもの、目標を持つのは良いことだ。しかしパン作りの修行を中断するのなら、
    それに見合う成果も出してくれるのだろうね?」
シーブック「もちろん!今年は優勝狙いで行きます」
鉄仮面「素晴らしい。君が本気でやるというのなら、私も出来るだけの支援をさせてもらおう」

セシリー「シーブックに何をする気、父さん」
様子を見ていたセシリーが鉄仮面に聞くと、
鉄仮面「もちろん支援に決まっているではないか。誰の良心も痛まぬ良い作戦だ。ふはははは」
しかし見ていたドレルは、「どうせ善意のつもりでロクでもないことをするんだ」と妹に視線で伝えた。
セシリーもそんなことは百も承知なので、おもちゃにされているシーブックを思うと良心が痛むのだ。

(つづく)
562スポンサー募集中:04/03/22 01:31 ID:???
(シーン2)

翌日、飛行クラブでグライダーを組み上げているシーブックを、
「ブッホ・エアロダイナミクス」というメーカーのセールスマンがカタログを持って訪ねて来た。
セールスマン「カロッゾ様のご依頼で参りました。グライダーの外装材に当社の素材を提供致します」
しかもタダだと言う。シーブックは最初戸惑ったが、
クラブの古顔のウモン爺さんは「タダでもらえるならもらっておけ」と乗り気だ。
後輩のトビアはうらやましそうに見ていた。

シーブックが指定した外装材が届いた。ペイントもブッホの人がやってくれていた。
シーブック「な、何とぉぉ!こんなペイント頼んでないぞ!」
トビア「格好良いじゃないですか」
ウモン「うむ、ハッタリが効いて良いデザインじゃ!…ちょっとしつこいかの?」
真っ黒に染め上げられた外装材には、ドクロマークや、ロナ家の紋章、「カロッゾベーカリー」の文字が、
レーシングカーの広告のように所狭しと並んでいたのだった。

シーブックは鉄仮面に抗議に行ったが聞き届けられず、
逆に海賊風の衣装で店と朝パン主義の宣伝することまで強要されてしまった。
鉄仮面「個人的な理由で仕事を休むのなら、それに値する成果も出してもらいたいのだよ」

(つづく)
563スポンサー募集中:04/03/22 01:32 ID:???
(シーン3)

そして大会当日。
シーブックと自作グライダー(スポンサーつき)X1は出場者の中でも異彩を放っていた。
しかし彼は一人用小型飛行エンジン・ホモアビスの種目でさらに異彩を放つ者がいることに気づいた。
赤いアフロのかつらに白塗りの顔、黄色い道化師の服、まぎれもないマクダニエルのマスコットキャラの姿で、

;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;(:::::::::::::::::::::::::::::::   ,...ヾ ;;\::           ::l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ー-..::::ミミミ、ヾ   ( );;) ヾ;;ヽ、           :i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;://
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;=-゙-`:::::::ミミ\ ゙゚''" i::ヽ;;i  ::         |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l /
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/:::::::    :::::::.ミ::.'ヽ.........::::::::.、'_ノ        l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i /
;;;;;;;;;;;;;;;;;,ノ:::::::::::.             :::.`   , 二;ニ= 、   ノ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ノ /
;;;;;;ー-'',:::::::::::::::              :::  ' ,rェ ヽ`  ヽ /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:// /
;;;;;;;;;;;;/"::::::::::               _i ヽ゚ ン i` /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ノ / /
ー' ̄:::::::::::::::::     ____    /:;:;:ヽ ー  /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:// / /
:::/:::::::::::::::::::::    /;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ、 :;ー:ノミ; ::. /;:;:;:;:;:;:;:ー" ̄ / / / /
:/::::::::::::::::::::::::  /;:;:;/:::::::::::\ \;ヽ/ ̄   : /;:;:;:;:;/"/ / / / / /
:::::::::::::::;;::::::::::::  |:;:;:;:;:l ̄\:::::::::::\ );:ヽ    /;:;:;:;:;:;l/ / /  |\/\/ヽ∧
::::::::::::::::::;;;::::::::.  \:;:;ヽ  ヽ:::::::::::::'/;:;:/    /;:;:;:;:;:;:丿/ / _/ 
::::::::::::::::::::;;;;::::::    \;:;\  |:::::::/;/   /;:;:;:.:_,- " / /\    修  ま  笑
::::::::::::::::::::::;;;;;;:::    、. \;:;\ l::/;/   / ̄/ / /  / や  正  と   っ
:::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;../ ̄ ー\ ;:;:;:/   // /  / /<   る  し  め  た
::::::::::::::::::::::::::::;;/      ゙''ー 、_ /  / / / / /    !  て  て  奴

ジェリドほか数名を血の海に沈めたカミーユが、マクダニエルのロゴをつけたホモアビスを背負っていた。
彼はシーブックと同じように、バイト先のバーガー屋でマクダニエルの店長ヘンケンに、
休みと引き換えにホモアビス競技でマスコットキャラのドメルドに扮して店の宣伝をするよう命令されていたのだ。

「上には上がいる」。気が楽になったシーブックは鉄仮面に宣言した通り、自作グライダーX1で優勝し、面目を保てた。

(おわり)
564通常の名無しさんの3倍:04/03/22 04:19 ID:???
>>563
乙。面白かった。
565フットボール狂騒曲の者:04/03/22 11:06 ID:???
前回は>>429

ちょっとトラブルが続いて、ここに書き込めない状況が続き、間を空けて
しまいました。というかこれからも頻繁には書き込めなさそうです。
なので、このネタは間隔をあけつつ、一度に大量に書き込むことに
なってしまいそうです。

自分ではここまでやってしまったら最後までやり遂げるしかないと思っているので、
最後までやらせてください。お願いします。

今のネタをリレーしている状況などこのスレの主流だなあ、とおもっているので、
自分のネタは脇の辺りに置いていただければ一番ありがたいです。

この後、けっこう続けて貼ります。
 後半35分、<FCギム・ギンガナム>は中盤を支配していた。ほとんど兄弟たちがボールを保持し、
<ラインフォード・ユナイテッド>はガトーがカウンターで見せ場をつくったものの、あのチャンス
以外は兄弟たちの攻撃を跳ね返すのが精一杯という形だ。
 後半40分、<FCギム・ギンガナム>は先ほどと同様にやはり圧倒的にボールを支配している。
ロランが左右にボールを散らし、ギムは大きな体を活かして後ろからのボールをポストプレイで周囲
に落とす。両サイドバックのカミーユとシーブックも体力の消耗を押してオーバーラップをかける。
センターバックの一方、シローも前線に上がって攻撃に厚みを加える。そして、スコア1−2は
動かない。むしろ時間が少なくなるにつれ、兄弟たちはシュートにいけなくなっていた。
 <ラインフォード・ユナイテッド>の最終ラインが揺るがない。堅い。センターバックのラカンと
シロッコはもちろん、両サイドバックのカクリコンとクロノクルも負けじと奮闘している。4人の
ミッドフィルダーも的確に守備の隙間を埋める。何より最後に控えているゴールキーパーチボデー
の恵まれた身体能力と反射神経の壁は安易には破れそうにない。
 ギンガナムは先ほどの初シュート以来、健闘してはいるがいかんせん一人だけで点が獲れるタイプ
の選手でははない。サポート役のジュドーは完全にスタミナ切れで話にならず、右サイドのウッソは
がつがつと激しくあたられるとどうしても弱い。攻撃の起点になることが多いアムロ、カミーユの
左サイドも守備側のカクリコンとジェリドの踏ん張りの前に、決定的なチャンスを作り出すまでには
至らない。コーナーキックもフリーキックも得たが、得点にはつながらなかった。
アムロ「いけるぞ! ここで頑張らないでどうするんだお前ら!」
アムロの檄に、各選手が、おう! と返事をする。闘志は萎えていない。
 ベンチで祈るように、というより実際祈りながらピッチ内をみつめるキラたちにはどこからか疑念が
忍び寄ってくる。
――このまま、終わってしまうんじゃないか。攻めきれないまま。
 キラは、気付けばくっと下唇を噛んでいた。傍らのアルも同じようにしている。キラはアルの肩に
手を置いて、
キラ「まだあと5分ぐらいある。ロスタイムだってね。まだ時間はあるんだ、まだ」
と、自らに言い聞かせるように言った。
 ギンガナムがラカンとの競り合いを制して後方からのロングボールを落とす。しかし、直後に起こる
ことはまたしても敵のクリアだ。クリアボールを拾って左サイドから<FCギム・ギンガナム>が
アムロ、カミーユと繋いで右サイドのウッソへとサイドチェンジのロングパスをだす。それも敵DF
がヘディングでクリアする。時間がなくなっていく。
 引いた相手に有効なのはミドルシュートだと、ロランが狙いにいく。グエンが横から体を寄せて
打たせまいとする。こぼれたボールをシロッコが前方に蹴りだした。コウを振り切ったガトーがとどめ
の得点を狙いにいくが、ドモンがペナルティエリアから飛び出してヘディングでクリアした。
ドモン「カウンターにびびるなよ! こっちは引けないんだからな!」
 あと2分で後半45分が終わろうとしていた。ドモンのクリアボールを受けたヒイロがギンガナム
の頭めがけて放り込むが精度を欠き、シロッコがヘディングで跳ね返す。セカンドボールをアムロが
拾ってピッチの中央からミドルシュートを放つ。ゴール右へ外れていった。
アムロ「ちいっ!」
しかし、久々のシュートだった。シローが叫ぶ。
シロー「もう少しだぞ! あきらめるなよ、お前ら!」
ギム「当たり前であろうが。小生に放り込め、貴様ら! 競り勝てているというのだ、小生は!」
 再びギンガナムへと兄弟はロングボールを放り込む。芸がないといえばないが、確かに今、有効な
攻撃手段となってきている。ラカンに体勢を崩されながらギンガナムは強引にヘディングシュート
にいった。競り合いでボールがこぼれる。シローの目の前に。ややあせりながらシローが飛び込む。
シュートは枠内に飛んだが、急いたせいか勢いがなく、コースもチボデーの正面だった。
シロー「くそっ」
 止められはしたがこれもシュートまでいけた。なにかが変わってきている。アムロも兄弟たちの誰も
感じていた。
敵も、辛いのか。ただ一点の差を守り倒すというのは簡単ではない。緊張がミスを生む。そこまでは
いかなくとも動きを鈍らせるというのは、十分あり得る。
チボデー「落ち着いて冷静にやりやがれ! 足がすくんでる奴はいないだろうな!」
 チボデーの叫びは<ラインフォード・ユナイテッド>の焦りを写しているようにアムロには聞こえた。
チャンスは訪れる。決定的なものが必ず。アムロにはそんな気がした。
 後半も終了間際となり、ロスタイムがボードで表示された。3分。希望の持てる数字だ、とタッチライン
ギリギリまで身を乗り出しているキラは考えることにした。
 それでも兄弟たちの状況が必ずしも有利というわけではない。時間は確かにすぎていくのだ。斜陽に
照らされた掲示板の時計をスタジアムにいるあらゆる立場の人間がみつめた。針は後半45分を指して
いた。ここから先はロスタイムである。
 追いつかねばならない<FCギム・ギンガナム>は、最初にターゲットとしてボール保持者が見る
のはギンガナムだ。ロングボールを入れられる状況なら、とにかくギンガナムの頭目掛けて放り込む。
先ほどからずっと同じだ。とにかくギンガナムに放り込み続けている。そしてそのたびに<ラインフォード・
ユナイテッド>のDF陣とGKのチボデーが自陣の危険な位置から跳ね返して遠ざける。ギンガナムは
ラカンに競り勝っているが、その後が続かない。落としたボールをシュートに行く前に止められている。
それでもまた、ヒイロが、ロランがこの時間帯でもセカンドボールを拾うために走り、自分で、もしくは
アムロやカミーユ、ウッソにパスし、彼らが放り込む。
 ギムへ放り込まれたクロスをシロッコが頭で弾き返す。ラカンと二人でギムを挟み込んで、ようやく
潰してのクリアだ。高さというラインフォードのアドバンテージは、ことギンガナムに関しては、こちら
が不利と認めねばならなくなっている。しかしだからといって恐れることはない。一対一ならともかく
ラカンと二人でマークすれば、直接ゴールにシュートを打てる体勢にはさせずにすむし、ガトー一人を
前線に残して守備を固めていれば、いち早くこぼれたボールもクリアできる。このまま望みのない放り込み
を続けさせて逃げ切る。俗人どもがただひとつの攻撃パターンにこだわっているだけであり、その愚かさ
は恐るるに足りない。脅威でもなんでもない。シロッコはそう心中に繰り返した。
 スタンドで見守る観客−といっても応援にきた両チームの友人知人が大半だが−は放り込みを続ける
<FCギム・ギンガナム>の方針に疑問を覚えていた。先ほどまでは。
メリーベル「それじゃ無理だよ! すこしは頭使ったらどうなんだい!?」
スエッソン「こりゃだめだ。御大将もサッカーなんてやらずにケーキ大食い対決に出ればよかったのだ。
      そうすれば俺が出て優勝なんて簡単だったのに」
メリーベル「うるさい! 半裸のくせに! セクハラだぞ」
<Fcギム・ギンガナム>の勝利をあきらめるものもいた。幼いミネバまでが、跳ね返され続ける
兄弟たちの攻撃を見て、傍らのハマーンに問うていた。
ミネバ「あれを繰り返しても、点は入らないのではないか、ハマーン?」
ハマーン「ミネバ様、と前園さんの言うとおりでありましょう。もっと他のパターンを考えるべきです」
ミネバ「前園さん?」
ハマーン「ヒデ、ラーメン食いに行くか? いじめ、かっこ悪い」
ミネバ「ハ、ハマーン? 悪いものでも食べたのか?」
ハマーン「……なんでもありません。失礼をいたしました」
 今は、違ってきていた。何度も何度も跳ね返されて、それでも愚直とさえ言えるほどギンガナムの頭を
目掛けてロングボールを蹴りだす兄弟たちに、二人相手に競りかけるギンガナムに、観客は
知らず知らず
引き込まれていた。
ミネバ「ハマーン、シャアには悪いが、私は<FCギム・ギンガナム>に追いついてほしいぞ」
ハマーン「ミネバ様のお心はミネバ様のものです。あの男に遠慮することなどありません。……ええい、
     ジュドー、この期に及んでもまだ動けんのか」
 当然、ベンチにいる出場できないチームメイトたちはそれ以上だった。全員ベンチから身を乗り出して
みつめている。もう何十分立ちっぱなしだろう。
ソシエ「ロラン! みんな! がんばるのよ! もうすこしなんだから!」
リリーナ「ヒイロ……あなたたちの選択は身を結ぶはずです……必ず」
アル「ギンガナムさん、あれは嘘だったんだよね。そうだって証明してよ」
キラ「アスラン……」
3人「おいそこ!」
 だがロスタイムは無限にあるわけではないし、3分と表示したのに12分あるわけでもない。1分たち、
2分たち、いつ笛が吹かれようとおかしくない状況となっていった。
 ロスタイムさえも残りわずか、またもギンガナムへのクロスをラインフォードが跳ね返したボールを、
またも兄弟たちが拾った。最後のチャンス。スタジアムの誰もがそう思った。今、笛が吹かれていても
おかしくなかったのだ。
 <FCギム・ギンガナム>のウッソが右サイドからクロスを狙う。仕掛けはばっちりだ。魚は餌に
かかっている。中央とのアイコンタクトをとり、最後の最後という場面で13歳の少年は過たなかった。
冷静だった。正確なクロスがギンガナムではなく、シロー目掛けて鋭く唸る。
 ずっとギンガナムだった。今回もそのはずだと、<ラインフォード・ユナイテッド>の選手たちは
勝手に思ってしまっていた。人数はいても、シローを放してしまっている。シローはフリーで飛ぶと、
ヘディングシュートを放った。手ごたえは抜群だ。
――決まった!
とゴールを見やるシローの目に飛び込んできたのは、敵GKチボデーがジャンプ一番、右への横っ飛びで
シュートを弾く光景だった。瞬間の絶望と復活とがシローを駆け抜けた。シュートは止められたが、
ボールはまだ生きている。
 左サイドのゴールラインを割ろうかというようにボールは跳ねる。いち早くそれを追う選手はまたも
<FCギム・ギンガナム>のユニフォームを着ている。ジュドーだ。ほんのすこしだけたまった体力
を燃やして、猫のように弾けて追う。ラインを割らせてはならない。終わってしまう。右足を懸命に
伸ばしてボールを生かそうとする。ライン上から辛くもかき出す。 
――繋いでくれっ
 思いは届いた。今度は左サイド深くのタッチライン際で、カミーユが拾ってくれた。詰めてきたカクリコン
をいなし、後方のアムロへと繋ぐ。
 アムロへはジェリドがあたってくる。余裕はない。パスをトラップせず、ダイレクトであげねばならない。
アムロはすばやく中央を一瞥した。目があった。その男は二人のDFにマークされながら、なおボール
を欲していた。いや、ほんの少しだけだがマークに隙がある。
――ギム!
アムロは足元に目を戻し、右足を振りぬいた。ハイクロスの軌跡の先にいる、ギンガナムを
信じて。
 アムロのクロスに合わせてギムは飛んだ。シローのヘディングの際に生じた混乱のおかげで、わずかに
動けるスペースが出来ていた。だがマークをはずしたわけではない。シロッコとラカンはギムを潰そうと、
二人がかりでギムの体を両側から挟み込むようにジャンプしてくる。ギムはぐっと首を伸ばしてヘディング
にいく。体を両側から激しくぶつけられながら、それでもギムの頭はクロスボールを捕らえた。アムロは
ぴったり合わせてくれていた。
 アルは一心にみつめていた。ギンガナムの頭から打ち出されたボールが、すーっと虹のような弧を
描いて、決してキーパーの手の届かないところ、ゴール左すみに吸い込まれていくのを。
 ゴールネットが、ゆれた。
アル「入った……」
 ゴールを告げるレフェリーの笛がスタジアムに高く響く。
アル「入った。入った。入ったんだぁー!」
 アルは両腕を突き上げた。キラが抱きついてくる。ソシエも、リリーナも。歓喜の輪が広がる。フィールド
の中ではエースストライカーが皆に手荒い歓迎を受けていた。アルは、いやアルたちはそろった笑顔を
わっと向けた。ギンガナムが、大げさに胸を張って答える。
ジュドー「いやー、しかし、すごい偶然も、あった、もんだ、なあ」
 ジュドーの言葉に、ギンガナムは首を振って自慢げなため息をついた。
ギム「狙いどおりである。あのとき、小生の頭にゴールへのイメイジが自然と舞い降りてだなあ」
「はいはい」
とカミーユとシーブックも首を振って笑った。
ギム「まったくあれだな、小生に見えたのは限られたストライカーだけに見えるというターンXロードだな」
ガロード「そんなもん聞いたことねえよ!」
ガロードも呆れ気味だ。ギムはルーキーにものを教える監督のそぶりで、
ギム「愚か者め。いいか、XはターンしてもX。ゆえに不変の証。いつだって存在するゴールへの不変にして
    普遍の道。それがターンXロードである!」
アムロ「嘘をつけ。嘘を」
ギム「嘘ではないぞナイスクロスのアムロ君。古くはゲ○ト・ミューラーやフ○ン・バステンがこのターンX
    ロードを……」
アムロ「もう十分だな。さあ、まだ追いついただけだ! 気を抜くなよ!」
ロラン「気を抜いた人は今日の夕ご飯も抜きですからねー!」
アムロ「ロラン! お前が抜きだ!」
ロラン「は、はい!」
 皆、最後までギンガナムの与太話を聞かずに去っていった。しかし、胸のうちでは誰もが我らの
ストライカーの重要性を噛み締めていた。少なくとも味の無くなったガムよりはずっと。
 あのスーパーゴールが狙ったものなのか偶然の産物なのかはともかく、確かなことはギンガナムの
頭が同点ゴールを叩き出したということだ。後半ロスタイム、試合終了間際の同点劇でスコアは2−2。
 試合再開直後、後半終了の笛がなり、<FCギム・ギンガナム>、<ラインフォード・ユナイテッド>
両者の対決はゴールデンゴール方式(Vゴール方式)の延長戦へと突入した。

続く

あと2回ほどで終わると思います。 ゴールデンゴール方式は一点入ればそれで終わり、と
いうやつです。
571通常の名無しさんの3倍:04/03/22 12:53 ID:???
このスレの癌がようやく終わるか・・・
572通常の名無しさんの3倍:04/03/22 15:33 ID:???
>571
スレルールの2〜4をその死んだ魚のような目でよく読め
573通常の名無しさんの3倍:04/03/22 19:16 ID:???
>>572
作品投下されるたびにクソレス付ける荒らしですのでスルー推奨
574通常の名無しさんの3倍:04/03/22 19:47 ID:???
>>571
この作品が完結すれば、確かにこのスレの癌である貴様の存在も終わるなw
575通常の名無しさんの3倍:04/03/22 20:01 ID:???
フットボール狂騒曲最終話タイトルは「最後の勝利者」
「FCギム・ギンガナム大勝利!希望の優勝へレディ・ゴーッ!!」の
どちらかとみた
576善し悪し:04/03/22 20:40 ID:???
「漁夫の利?」
ある日、ある所。
二人の男が対峙していた。
片や「赤い彗星」、片や色々有利な状況が重なったが、新型ガンダムを大破させたバーニィ。
彼らは闘っていた・・・。

それは十分前の事、
シャア「ニコル君は我が同盟(武装にワイアーで飛ばす武器がある同盟)に必要な逸材!!」
バーニィ「彼は友人を守るためにミンチになった!我が同盟に!!」
と、いう勧誘合戦を繰り広げていた。
そこに通りがかった謎の人物。
「ガンダムファイト、レディー、ゴー!」
シ&バ「ガンダムではないが・・・。ゴー!!!」

シャア「バーニィ君、二コル君は一刀両断された!ミンチではない!」
バーニィ「あんたのMSに何体のワイアー武器装備がいるよ!」
死闘は繰り広げられた。
しばらく経ち、
ニコル「うぅ、またキラに負けた・・・。」
大破したブリッツを動かすニコル。
ニコル「あれ、こんなところにワイアー、良かったー、これで修理、ん?ダミーバルーンまで。
    使える!」
そこで演じられた死闘を知らず、ホクホク顔で家路に着くニコル。
転がったジオング、ザクU改の残骸に気づかなかったのは幸いか・・・。
577善し悪し:04/03/22 20:50 ID:???
種の再放送観てて、つくったものです。
にしても、ザクU改にダミーバルーン・・・。
Gジェネ厨?と、いわれてもおかしくない・・・。
バーニィの乗ってたザクってなんていうんでしたっけ?
すいません。
あと、パラレルです。
もうひとつ、552さん、かわいいAAありがとうございます。(新ライダーですか?)
2作目のあとがき?というこの場で恐縮ですが、お礼を返させていただきます。
578これが僕の生きる道1:04/03/22 22:01 ID:DT9EhSIv
まず、予備知識を頭に入れておくと、お話が理解しやすくなります。
兄弟が住んでいる地域の、中学校に相当する学校は四校あって、以下の通り。
私立
 ジオン専用学校と、ディアナカウンター学園(中等部まで。高等部はない)
国公立
 ネオジャパン体育大付属中学と、兄弟が通っている学園(中等部)
では、本編。

アル「バーニィの通っている学校に行きたい!!」
ロラン「駄目です」
アル「行きたい!」

アムロ「どうしたんだ?ロラン」
ロラン「兄さん、アルが再来年に、私立のジオン専用学校に行きたいと言っているんです」
アムロ「私立は駄目だ。学費が高い」
ロラン「でも、どうしても、と駄々をこねて」
アムロ「今、通っている学園には中等部があるだろう。どうして、そこへ進まないんだ?アル」
アル「ジオン専用学校の方がいいんだ。授業にザクの運転講習とかあるし、バーニィも通っているし」
アムロ「そんなに行きたいのか?」
アル「うん!」
アムロ「そんなに行きたいなら、勉強を頑張れば、なんとかしてやる」
アル「やった」
(続く)
579通常の名無しさんの3倍:04/03/22 22:04 ID:???
>>576で思いついた小ネタ

ニコル「この部品で僕のブリッツを直してもらえませんか?」
ロウ「バッチリ直してやるぜ!」
しかし大破したブリッツの残骸の中に右腕が見当たらない。
ブリッツの右腕は謎の金色のガンダムに奪われていたのだ・・・
ロウ「仕方ない、こいつを使うか」

数日後ブリッツの修理が完了し、ニコルが引き取っていった。
ニコルは知らない。
その右腕がダミーバルーンである事を。


MS教習所の続きはもう暫く待って下さい・・・
近いうちに別のネタを投下するかもしれません
580これが僕の生きる道2:04/03/22 22:04 ID:???
ロラン「……兄さん、ほんとうにアルには弱いですね。」
アムロ「?」
ロラン「弟の僕たちが、私立ディアナカウンター学園に行きたがっても、許してくれなかったじゃありませんか」
アムロ「当然。あそこは上流階級の学校だ。
それに、ヒイロのときは許しただろ」
ロラン「ヒイロは、あしながおじさんJが学費を下さるから、私立に行けたんです。アルとは違います」

アムロ「そういえば、カミーユも、ディアナカウンター学園の試験は受けたんだがな。
そのとき、となりの奴を殴ったけど」
ロラン「ジェリドさんも哀れですよね。乱闘騒ぎになり、一緒に落とされるなんて。……って、話をそらさないでください」

アムロ「まあ、その話は置いといて、ところで、ジオン専用学校とは聞いたこと無いな。新しくできたところか?」
ロラン「以前、僕たち兄弟が通った学園の校長に、ギレンさんという方がいらしゃったでしょう」
アムロ「ああ、顔が恐い奴な」
ロラン「その方が、理事長の父とけんかして、新しく独立して作ったのがジオン専用学校なんです。今度、オープンキャパスがありますから、ご自分で見学してみたらどうですか?僕は行きませんけど」
アムロ「(ピキーン)ろ、ロランの冷たい心がなだれ込んでくる……」
581これが僕の生きる道3:04/03/22 22:05 ID:???
さっそく、アムロは休みを取って、ジオン専用学校を見学することにした。
その日は、平日であり、普通に授業が行われていた。
アムロ「ほう、教室で国語の授業か。意外と、普通の授業をやっているんだな。ちょっと、見ていこう」

ランバラル「これが『争い』(たたかい)という漢字だ!分かったか、ヒヨッ子ども」
二等兵「先生、漢字間違えていますよ」
ランバラル「うん?どういう漢字だったかな?ぬぅうおお、このランバラル、授業中で戦いを忘れた……君たちは立派に学習した!だが教師の定めがどういうものか、よく‥見ておくのだな」

ちゅどーん!!!
アムロ「な、なんだ?自爆した?」
ハモン「ランバラル先生が漢字を忘れた責任をとって亡くなったので、妻の私が後を継ぎます。教科書はさっきの所からよ(あなた、守ってくださいましね)」
アムロ「これが日常茶飯事なのか?すごい学校だな……」

校内放送「オープンキャパス見学者各員に通達。マル十マル五、体育館で説明大会が行われる。参加されよ!!ジークジオン!」
アムロ「おっと、説明会には参加しておかないとな。この学校に入れるって、アルと約束したしな」
(続く)
582これが僕の生きる道4:04/03/22 22:07 ID:???
ジオン専用体育館にて。
アムロ「あれは、ロランにつきまとっている御曹司じゃないか?シャアまでいる……」

御曹司のグエンは、体育館にあるステージの上に立って、マイクを持っていた。
グエン「皆さま、今日はようこそいらっしゃいました。私、ジオン専用学校に出資しているグエンと言うものです。今日は司会を務めさせてもらいます。
まず、ご紹介をさせていただきます。右から、
経営者であらせられるギレン閣下、校長であらせられるギンガナム御大将、
合資者のザンスカール社副社長クロノクル様、おなじくザフト社社長ザラ様、
ゼクス様、シャア様、シロッコ様、マスターアジア様であります。
説明大会に際し、各々方から、何か、コメントを頂きとう存じます。では、ギレン閣下から」
ざわざわ
しーん
ギレン「我が忠勇なるジオン受験生と親達よ。
今や他校教師の半数が我がソーラ・レイによって宇宙に消えた。
この輝きこそ我らジオンの正義の証である。
決定的打撃を受けた学校にいかほどの学力が残っていようと、それはすでに形骸である。
あえて言おう、カスであると!
それら軟弱の集団の偏差値がこのジオン専用学校を抜くことはできないと私は断言する。
人類は、我ら選ばれた優良種たるジオン学生に管理・運営されてはじめて永久に生き延びることができる。
これ以上戦いつづけては人類そのものの危機である。お受験エリートの無能なる者どもに思い知らせてやらねばならん、今こそ人類は明日の未来に向かって立たねばならぬ時である、と

ジークジオーン!!」
全員「ジークジオン!!」
アムロ「こ、これが学校?」
このあと、さらに熱い演説がアムロを待ち受けていたが、それは割愛。
とにかく、よろよろになりならがらもアムロは帰路についた。
(続く)今日はここまで
583通常の名無しさんの3倍:04/03/22 22:09 ID:???
>>577
バーニィのザクは、ザクU改で合ってると思うが。
形式番号のことを言ってるなら、MS−06FZ。
それに、劇中で風船をダミーとして使っていたから、
何もおかしくないと思う。
584通常の名無しさんの3倍:04/03/22 22:47 ID:???
久しぶりに覗いたらなんか活気づいてるな
585通常の名無しさんの3倍:04/03/23 18:01 ID:???
春らしく賑やかになってる。新入りの人も入って活気づいてますな。
一日でこれだけのネタ投下が投下されると一年前の事を思い出すよ
書きたい人がガンガンネタを書く。ってのは良いことだね

フットボールの人はあまり卑屈にならないでマイペースでネタ投下していけばいいんじゃないのかな?
ほどほどに続けられる形で。
荒しは割合に目立ってる人をターゲットにしてるだけだと思うから骨髄反応でレス返してるだけだと思うし
スルーしてればいいんだよ。

>>561-563 このネタYESディス
586善し悪し:04/03/23 20:07 ID:???
579さん小ネタありがとうございます。(話が完璧につながっていますね)
にしても、ネタ書き込んでから「あっ!あのセリフも入れればよかった・・・。(鬱」
という精神状態に・・・。難しいですね。(フットボールとかシリーズ物書いてる人は神ですか?)

583さんありがとうございます。MS−06FZですか、ゲームの設定って、
時々あてにならないんですよね・・・。ともかくありがとうございます!

そろそろ0083ネタができますのでよろしくお願いします。
587これが僕の生きる道5:04/03/23 21:14 ID:???
アムロが帰宅したときには、もう夕方になっていた。
ロラン「どうでした?ジオン専用学校は?」
アムロ「一流有名校の重力に魂を引かれた古い学生が神聖な教育を汚しているから、その学校ごと滅ぼそうと言うのが、あの学校の考えらしいな」
ロラン「はあ。よく分かりませんけど、かなり思想が偏っているということですか」
アムロ「そうだな。……アルには、あきらめてもらうしかない。アルを呼んでこい」

アムロはアルを説得したが、すこしも耳を傾けようとしない。
他の兄弟達も、説得に参加し始めた。
ジュドー「いいか。兄ちゃん達は、
お前に学校に行ってもらいたいんだ。でもな、学費は自分で稼がなくちゃならないんで、
兄ちゃん達は、苦労しながら学校にいったんだ」
ガロード「俺なんか、ガンダムを売って学費を稼いだんだぞ」
ジュドー「公立なら兄貴達の稼ぎで何とかなるけど、
私立に行くとなると、自分で足りない学費を稼ぐ必要がある。できるのか?アル?」
アル「ガロード、ジュドー兄ちゃんのように他人のMSパーツを盗んで売ってでもやるよ!!」
アムロ「そんなことをしていたのか?お前達?」

カミーユ「ともかく、ジオン専用学校に行かなくてもいいでしょ。アル。ザクやドムの講習は、他校でもやっているんだ」
アル「授業中に、オルテガさんとマッシュさんとジェットストリームアタック訓練を一緒にできるのは、ジオン専用学校だけなんだよ!」
カミーユ「同じ私立の、ディアナカウンター学園は駄目なのか?
女子の割合が高くて、お嬢様ばかりだから、かなりいい」
ドモン「ネオジャパン体育大付属中もありだ!!あそこは心身を鍛えてくれるぞ」

アムロ「よし、そうだな。見聞を広めるいい機会だから、アルは他の学校も見学してみろ。考えも変わるさ。」
結局、アルは他の学校を見て回ることになった。
(続く)
588これが僕の生きる道6:04/03/23 21:16 ID:???
アルは、ディアナカウンター学園を見学することにしたが、関係者以外、立入禁止であったので、ロランとヒイロのコネを使って、許可を得ることに成功した。

さて、ロールスロイスの車の中。
ヒイロ「……」
アル「……」
リリーナ「ちょうど良かったですわ。今日は私のような卒業生を集めて大同窓会パーティーがありますの。ディアナ様にお会いできるのも、何カ月ぶりかしら……」
アル「ロラン兄ちゃんが、ディアナ様によろしく伝えるようにと言ってました」
リリーナ「お兄様が?来られないんですの?」
アル「はい、なんでも今朝から腹が痛いとか」
リリーナ「それは残念ですわ。あ、着きましたわ。母校へ」

ディアナカウンター学園。
幼等部、初等部、中等部とあって、規模は小さいが、名門中の名門校であった。今日は、一年に一回、色んな時代の卒業生が集まる大同窓会が行われる日だった。
車から降りたアル達は、大同窓会パーティー会場へと向かった。
ヒイロは無表情だったが、額に汗を浮かべていた。
ヒイロ「アル、……おしゃべりに気を付けろ」
アル「おしゃべりって?お兄ちゃん」
リリーナ「見えましたわ。あれがパーティー会場となる大ホールです」

ドロシー「リリーナお姉さまに、ヒイロお兄様!!」
リリーナ「ドロシーではありませんか」
ドロシー「お久しぶりでございます。ドロシーはお姉さまにお会いしたくて、うずうずしておりましたわ。さあ、どうぞ、会場の中へ」
(続く)
589これが僕の生きる道7:04/03/23 21:18 ID:???
ディアナカウンター学園の大ホールにて。
セイラ「まあ、リリーナ様」
リリーナ「様は恥ずかしいですわ。セイラさん。お久しゅうございます」
セイラ「歴代の卒業生の皆で、あなたの噂をしていたのよ」
リリーナ「カテジナさん、ハマーンさん、フレイさん、それに、リリ先生も!」
カテジナ「お久しぶりです」ハマーン「久しいな」フレイ「こんにちは」リリ「久しぶりだわー」
リリーナ「先輩方や先生にお会いできるとは、なんという幸運でしょう。去年の大同窓会以来ですわね。ヒイロ、こっちにいらっしゃーい」
ビビ「あら、ボーイフレンドかしら?」
リリーナ「紹介いたしますわ。元中等部で、今は、となりの学園に転学したヒイロです」
ヒイロ「……」
ハマーン「貴様、どこかで見た顔だな。たしか、ジュドーの弟か?」
リリーナ「その通りですわ。お姉さま。あ、理事長のディアナ様がいらっしゃったわ」

ディアナ「まあ、リリーナさん。よしなに。……そちらの方が、この学園に入りたい方なのですね」
リリーナ「いえ、ヒイロじゃありませんわ。こちらのアルフレッド君です」

アル「あ、あの、僕、まだ、決めかねてて。でも、こんなに素晴らしいお姉さま方がいるような学園に入れたらいいなと思っています」
ハマーン「ふ、俗物が!(笑顔で)」
カテジナ「トチ狂ってお友達にでもなりに来たのかい!?(笑顔で)」
フレイ「ちょっとぉー、コーディネーターの弟のくせになれなれしくしないでよね!(ばい菌を見るような目つきで)」
アル「!!?」

ヒイロが弟の側に近寄って、耳打ちをする。
ヒイロ「……照れ隠しだ」
アル「(小声で)ええ!?」
ヒイロ「お世辞でも何でも、うかつに喋らない方がいい。会話の次元が違うからな」
アルはディアナカウンター学園に来てみて、一つ、分かったことがあった。
兄のヒイロが無口なのは、恐らく、この学園にいたからではないだろうか。
(続く)
590これが僕の生きる道8:04/03/23 21:19 ID:???
誰と話しても会話が成り立たないアルは、会場の隅にいる少女を見つけた。
以前、会ったことがある少女だった。
アル「君は、ミネバちゃん?」
ミネバ「そなた、アルか?随分と久しぶりだな」
アル「君はここの生徒だったの?」
ミネバ「いや、今日はハマーンに連れてこられたのだ。見学して、ジオン専用学校か、この学園か、どちらかを選んで
転入しなさいと言われてな。…私、本当は、どちらも嫌なのに(ぼそっ)」
アル「他の学校は受験しないの?」
ミネバ「お父様もハマーンも駄目だと言う。みんな、私のわがままを普段聞いてくれるけど、私の本当の気持ちは、誰も分かってはいないのだ!友達がたくさんいる学校の方がいいのだがな。そなたはここを受験するのか?」
アル「……僕、ジオン専用学校に行きたかったんだ」
ミネバ「ここもジオン専用学校も、規律が厳しいし、友達ができにくいのではないか」
アル「……そうだね。僕、間違ってた」
ミネバ「もう一度、考え直せ」
アル「うん。ありがとう。ミネバちゃん」
(続く)
591これが僕の生きる道9:04/03/23 21:21 ID:???
一方、自宅では、緊急の家族会議が行われていた。
ロラン「今日のテーマは、どうやってアルをそのまま中等部に進学するよう説得するかです」
アムロ「仲の良いバーニィかクリスに説得してもらえればいいんじゃないのか」
カミーユ「あ、悪い。バーニィなら、この前、ミンチにした」
ロラン「クリスさんは供養の旅に出たそうですね」
ガロード「そうだ!キラえもんに頼んで、バーニィのにせ遺言テープを合成してもらったらどうだ」
ウッソ「キラえもん?」
ガロード「キラレツ大百科じゃ、ゴロが悪いだろ」
アムロ「そんな問題なのか?それはともかく、にせ遺言テープを作ってもらおうじゃないか」

できた。
バーニィ(テープ再生)「アル、よく聞いてくれ。おまえがこのビデオを観るころ俺は多分この世にはいない。これはアル伍長への最後の命令だ。そのまま中等部に進学しろ」
アムロ「いい出来だ。しかし、もう一押し欲しいな」
カミーユ「ローラに女装させて、アルに懇願する色気作戦というのはどう……うわわあぁぁー!!」
カミーユの座っていた床が消えて、カミーユは穴に落ちていった。ぐしゃ!という音が穴から鳴り響いた。
ロラン「ニュータイプですら察知できない落とし穴をあちこちに作ったので、注意してくださいね」とにこりと笑う。
ウッソ「兄さん達、アルが帰ってきたよ!」

アル「ただいまー」
アムロ「どうだった?」
アル「僕は今の学園の中等部に進むよ」
アムロ「……なんて言った?」
アル「だから、私立には行かないよ」
兄弟達「そうか、よかった」
カミーユ(奈落の底から)「暗いなあ…おーい、ここから出してくださいよぉ」
(後日談に続く)
592これが僕の生きる道 外伝:04/03/23 21:24 ID:???
後日談その1
ドモン「ところで、…俺が卒業した体育大付属中は駄目なのか?」
アル「だめ。校則第一条に『校内がリングだ』なんて書いてある、格闘バカ校なんだよ?バカになるから、だめだめ」
ドモン「……」
ジュドー「うわ!ドモン兄ちゃんが暴れ始めたぞ!!ぐは」
アムロ「明鏡止水だ!ドモン!ぐえ!」
この日、被害総額は3000万円にのぼったという。

後日談その2
ヒイロは、同窓会の3次会まで拉致された。
徹夜で、男の愚痴を女性陣から聞かされたという。

後日談その3
ジオン専用学校の受験倍率は3倍に膨れあがった。
しかし、ギンガナム校長の朝食盗み食い事件が発覚。
弁明となるはずの記者会見で、「ディアナはただの猿と見たな、小生は!!」と、
ディアナの留学生受け入れを批判し、刀を振り回して、マイナスイメージが広がった。
おかげで、受験生の数が減ったという。
(終わり)
593通常の名無しさんの3倍:04/03/23 22:54 ID:???
>587-592
GJ!かなり面白かったです。
これくらいの長さなら読みやすいですね。
次も期待してます。(゚∀゚)
594通常の名無しさんの3倍:04/03/23 23:08 ID:???
>暗いなあ…おーい、ここから出してくださいよぉ

ワロタ
595リレーの続き:04/03/24 09:41 ID:???
続き>>547

今日の食卓は静かだった。

アムロ兄さんは出張で明日帰宅予定。シロー兄さんは朝まで勤務中。
ドモン兄さんは格闘技の大会に出場してて、今頃どこかのアリーナで試合をしてる筈だ。
ヒイロは任務だと言ってたけど……どこで何をしているのか?守秘義務とやらで教えてはくれなかった。
食卓を囲む人数が少ないだけじゃなくて、何かこう上手くは言えないけど、食卓を支配している不自然な静けさを僕は感じていた。

まず、ガロードとジュドーが妙に大人しい。いつもは二人で競うような早食いしているのに、二人とも食が進んでない。
身体の具合でも悪いんだろうか?心配になって二人に聞いてみるけど首を横に振って違うと言ってる。
何故だか二人とも僕と目を合わせようとしない。

キラとウッソの様子も変だった。
キラは食事をしながら他の事を考えていて頭がお留守のようだった。
その証拠にご飯茶碗をヒックリ返してしまい、それをアルに指摘される。
「あーキラ兄ちゃん、お行儀悪いんだ!」
「あ。ご免、ご免……」
「キラ、どうしたんですか?ボーッとして」
僕はテーブルを拭いてからキラにご飯をよそい直して茶碗を渡した。
茶碗を受け取ったキラは何だか上の空って感じだった。キラも僕と目を合わせようとはしなかった。

そう言えば……食事の時は学校での出来事とか、畑の作物のとかをいつも僕に話してくれるウッソも
今日は黙って食事している。僕と視線が合うと下を向いて避ける。
けれどチラチラと盗み見るような視線をウッソからは感じた。

シーブックとカミーユ。この二人はいつも通り、変わりない。
カミーユは変な珍入者や、喧嘩を吹っかけてくる相手さえ居なかったら大人しいものだし
シーブックはいつも影が薄……いや、何があろうとスルーしてマイペースで食事をしている。
この家で生活するには必須の条件かもしれない。

会話が無いまま、黙々と食事する光景というのはこの家にしてはかなり珍しい事だった。
596リレー続き:04/03/24 09:44 ID:???
「おかわり!」
「コウ兄さん、今日は沢山食べますね。」
「おかわりしちゃ、悪いの?」
「あ、いえいえ……その、今日はみんな食欲が無いみたいなんで、丁度良かったかな?って……ご飯余っちゃうと勿体ですし」

何故か、今日はいつもとは反対にコウ兄さんが元気だった。
や、元気というのか……テンションが高い……や、違うな。何かに腹を立ててるような気がする。
コウ兄さんの怒りの対象が何なのか、僕は知らないけれど、今日はやたらと突っかかってくるから困ってしまうよ。
眼にはメラメラと炎が宿ってて、僕に対して怒りをぶつけているような気がするんだけど。
八つ当たり?嫌だな……僕は何も悪いことしてないのに。今日のコウ兄さんは変だよ。

食事の後片付けをしながら居間の時計を見た。20:00を少し回ったところだ。
これから家を抜け出して、屋台の準備をすれば夜の営業の時間には間に合う。
僕は家族には内緒で深夜にラーメンの屋台を出している。
ラーメンの材料の仕込みは昼間のうちにやってしまうから
夜は屋台を預かって貰っているキースのパン屋の裏手に回って屋台を動かすだけだ。

僕がそろそろ家を出ようとした時
「ロ、ロラン兄さん……あの」
「なんですか?」
ウッソが僕の袖を引っ張った。

「宿題で分からないところがあって……教えて欲しいんですけど」
「え?」
「今からみて欲しいんですけど。駄目、ですか?」
「え……っと、そう、ですねぇ……」
ウッソの宿題はみてやりたいけれど、タイミングが悪かった。今、家を出ないと屋台の営業開始が遅れてしまう。
僕の屋台はおかげさまで常連客も増えてきていた。お客さんが僕の作るラーメンを待ってるのだ。
待っているお客さんの為にも遅れる訳にはいかない。困ったな、どうしよう。
597リレー続き:04/03/24 09:49 ID:???
が、ここで助け舟が出た。
「宿題なら俺が見てやるけど」
「本当ですか、シーブック?」
「ああ、あとで俺の部屋に来いよ。ウッソ」
「じゃ、そういう事で。宿題はシーブックにみてもらって下さい」
「……僕は、ロラン兄さんが、いいです」
シーブックが宿題をみてくれるというのに、何故だかウッソは渋っている。
なにか宿題を口実にして、僕に別の何かを話したいような……そんな気もするけど?

「はぁ?何言ってんだよ。ロランは家のことで忙しいだろ。贅沢いうな、俺じゃ不満なのかよ」
「そうじゃないです……だけど」
「ロランに甘えたいんならそれでもいいけどさ、ウッソも未だガキだな」
「そんなんじゃないですよ!」

ウッソはそれだけ言うと黙ってしまった。なにか不満がある顔だったけれど仕方ない。
僕はこれから屋台を出す準備をしなきゃいけないしね。シーブックには助けられた。
<ありがとう、シーブック>僕がシーブックに目で合図すると、シーブックも<いいよ>って目で合図をおくってくれる。
シーブックにはいつも助けられてるような気がする。
だから食事の時、シーブックの茶碗にはご飯を少し大盛りによそって、密かに還元したりしている。
本人がその還元に気づいているかどうか分からないけど。

玄関で靴を履いていると誰かに見られている気がしたけど、気のせいかな?
僕は屋台を出す為に家を出た。
見られているのは気のせいじゃなかった。
家を出た僕を尾行している影の存在に、僕は未だ気づいていなかった。




3レス使っちゃいましたが…どなたか続きを宜しくです。
598通常の名無しさんの3倍:04/03/24 13:00 ID:???
上げるよ
599言いだしっぺ:04/03/24 14:51 ID:???
大分リレー伸びてるね
皆さん乙です!!>>597の続きです

ロランは大急ぎで屋台のあるキースのパン屋、ドンキーに向かって走る。ウッソから引き止められた事もあり、時間は予定よりも大分押していた。
「ごめん、キース!遅くなった」
「今日は来ないかと思ったぞ!屋台はいつもの所にあるからな」
「ありがとう」
ロランはキースと挨拶程度の会話をすると屋台を引き夜の街に消えていった。

ちょうどその頃、
「任務…失敗」
ジュドー、ガロードからロランの尾行を依頼されていたヒイロが不覚にもロランを見失い夜道を歩いていた。
感のいいロランを尾行するのは簡単な事ではなかった為、距離を空けての尾行となってしまったのが仇となり見失ってしまったのだ。
「だが…手がかりくらいある筈だ…」
このまま手土産も無く帰るのはヒイロ自身許せなかった。
「確か、街の方に走って行ったはず…」
ヒイロはそう思い、しばらく夜の街を詮索する事にした。

夜の街
「ありがとうございましたー!!」
ロランの元気な声がネオン光る夜の街にこだまする。客の入りは大盛況。屋台席以外にも道端で立ち食いをしている人数を合わせると有に20人以上はいる。
そんなロランに常連の一人、ギンガナムが訪れる。
「いらっしゃいませー!!」
「中華1つ、貰おうか!」
「いつもありがとうございます」
「小生にとってここのラーメンとローラの家の朝食は欠かせないからなぁ!!」
「明日の朝も来られるんですか…」
そんな声が飛び交う内に麺が底を付き始めた。時計を見ると早くも深夜0時。開店から僅か4時間で用意した150食近くが売れた。
残り後数食。のれんを降ろし店の周りのゴミ広いなど後片付けを開始する。
「今日、出だしは不調だったけど、以外に早く終わりそうだな」
そんなロランに一人の男が近づく。

どなたか続きをお願いします!
600通常の名無しさんの3倍:04/03/24 22:56 ID:???
乙です。続けます>>599

ロランの前に現れた男、それはグエン・サード・ラインフォードだった。
イングリッサ領を治めるラインフォード家の御曹司。実業界の若き獅子との評判名高い超VIPだ。
「いらっしゃいませ、グエン様」
僕が挨拶するとグエン様は"やあ"って手を振ると、座っているお客さんをシッシッと手で払いのけて
カウンターの真正面のポジションを陣取った。……他のお客さんも御曹司というのが分かっているから逆らえない。

「ローラ。今日も遭えたね」
「えっ……あ、そ、そうですね。はっはっはっ」
何言ってるんだよ。自分から店に来ておいて、遭えたも何もないじゃないか。
が、一々突っ込みを入れてもショウガナイし、僕は愛想笑いで流す事にしている。これは客商売での鉄則だ。

「グエン様、ご注文はお決まりになりました?」
「そうだね。中盛り、油あっさりめ、煮玉子入りを一つもらおうか」
「ありがとうございます!」

グエン様は僕の屋台のお客さんの中でも最大のご贔屓筋で、屋台の店だしが出来たのもグエン様の援助に因る処が大きい。
最初、グエン様にバイトの相談を持ちかけたら"ローラには私の専用のメイドになってほしいな。"とか
脳みそ溶けてるようなこと言ってたけど、なんとか無難な妥協線を見出して、ラーメンの屋台に話が落ち着いたら
直ぐに屋台を手配してくれたリ、屋台の営業許可の申請手続きをしてくれたり、とグエン様の手配は迅速だった。
そのおかげで僕は一週間もしない内に屋台を出すことが出来た。お世話になりっぱなしでグエン様には頭が上がらない。

「ハイ!中盛り、油あっさりの煮玉子入り、おまちどうさまです」
グエン様の前にラーメンの丼を運ぶ。僕は丼をお客さんに出す時、親指を入れている。丼に親指を入れるのは癖になっていた。
カウンターにラーメンを置いて手を引っ込めようとしたら、グエン様が親指を素早く、パクっと食べた。
な、なに!?この人、僕の親指を……しゃ、しゃぶってる!?

「そんな、グエン様!止めて下さいぃぃ……」
手を引っ込めようとするのに、グエン様は僕の手首をグッとつかまえて放さない。
「親指についたスープの分も料金の内さ。スープも、ローラの指も、両方美味しいよ」
「グ、グエン様!?ちょ、ちょっとを」
くすぐったいよぉ、もう……このヘンタイ!!
指を舐められている僕は、どうしたらいいか分からず、身体が固まってしまった。
僕はこのままグエン様に指を舐められ続けるんだろうか!?そんなの嫌だよ。


……こんな終わらせ方ですが、続き、お願いしまつ
601通常の名無しさんの3倍:04/03/25 08:52 ID:???
>>600(ある意味、>>599

「どうした?一人でこんな時間に街にいるとは」
街を徘徊していたヒイロに声をかける男がいた。
「・・・お前こそ何をしている、トロワ」
「質問を質問で返すな。俺は見ての通りラーメン屋だが?」
その男はラーメンの屋台を引くトロワ・バートンだった。
「サーカスはどうした?何故屋台を引いている?」
「質問は一つずつしろ・・・まぁいい。
サーカスは今は休みだ、屋台を引いているのはラーメンが俺の将来の夢だからだ」
「・・・そうか」
ヒイロは内心、自分とある意味よく似たこの男が「夢」などと言い出したのに驚いていたが
何時もの如くポーカーフェイスで流した。
(ラーメン屋と言えば・・・)
トロワは突如現れたライバルのことを思い出していた、
そしてそのライバルと目の前の男との関係を。
「もしや、お前はロランの所へ?」
「知っているのか!?教えてくれ!トロワ!!
俺は・・・俺は何処を探せばいい?俺はあと何回ロランとその行方を聞き込めばいい?
ゼロは何も言ってはくれない・・・教えてくれ!!トロワ!!!」
「(兄弟探すのにゼロシステムまで使っているのか・・・
全てが万事、こいつのやることは徹底している、ヒイロ・ユイのやることは)
ロランなら四番街に要る筈だが・・・しかし奴も大変だな。
グエンやらシャアやらゼクスやらに毎晩毎晩・・・」
ヒイロはトロワの話を最後まで聞くことなく走り出していた、
表情は相変わらずのポーカーフェイスだがその顔は青ざめていた。
四番街と言えば歓楽街として有名だが裏を返せば・・・
所謂「大人向け」の店で有名な街でもあるからだ。

(俺は行かなくてはならない。ゼクスを倒す。次にシャアとグエンだ。
それで地獄は終わる。そして俺が金を稼げば、平和が訪れる。
これがロランのためにしてやれるただ1つのことだ)
何時の間にやら乗り込んだWゼロの中でヒイロの思考は果てしなく危険な方向へ暴走していた。



まぁネタスレでラーメン屋と言えば忘れちゃいけない人ということで・・・
あのスレは主要人物は皆人間を止めているのであんまりクロスオーバーし過ぎると拙いですが
この程度ならご愛嬌と言うことでご容赦ください。
602通常の名無しさんの3倍:04/03/25 09:54 ID:???
乙!!
ヒイロとトロワのやり取りに爆笑しちまったw
続きに期待!
603通常の名無しさんの3倍:04/03/25 13:39 ID:???
リレー、楽しそうなので便乗!
>>601の続きデス

ちょうどその頃、グエンがロランの指にしゃぶり付いている時、一組のカップルが現れた。
ゼクスとノインだ。
「グエン…何をしているのかね?」
「貴様はゼクス!?」
「私はミリアルド・ピースクラフトだ!!」
「ええぃ、紛らわしい!名前を使い分けるな!!」
ゼクスの出現で難を逃れたロランであった。グエンはゼクスを威嚇している。
「いらっしゃいませ、ゼク…ミリアルドさん。助かりました」
「やあ、ロラン君。危ないところだったな。で、君の言った通りに今日はノインも一緒だ」
「こんばんは、ロラン君」
「ちょっと来るのが遅くなってしまったが、2人分出来るかい?」
「はい、出来ますよ。ちょうど残り二人分です。今作りますね」
「ああ、頼む」
「ちょっと待ったー!!」
真っ赤なスポーツカーに乗った真っ赤なカップルが現れた。
「そのラーメン、私たちが頂く!!」
「貴様はシャア(と、その秘書ナナイ)!?」
真っ赤なスポーツカーから颯爽と飛び降り、グエンとゼクスの前に歩み寄る。
「私はシャア・アズナブルではない。キャスバル・レム・ダイクンだ!…それ以上でもそれ以下でもない!!」
「「ええぃ!紛らわしい!!名前を使い分けるな!!」」
と、グエンとゼクスが突っ込みを入れる。
「あのラーメンを食べるのは私達なのだよ!お前たちには下がってもらう!!」
「先に注文したのは私だ!お前の出る幕ではない!!」
「何を言うか!ローラのラーメン屋台のオーナーは私だ!オーナーとしてラーメンを食べる権利は私にある!!」
「グエン様はもう食べたでしょうが」
と、ロランの突っ込み。
ロラン、ノイン、ナナイは三人のやり取りを遠目で眺めている。
「貴様等には渡せん!!」
「よかろう。ならば力ずくだ!サザビー!!」
何処からとも無くサザビーが出現する。
「その決闘、受けて立つ!!トールギス!!…これでMSの無いグエンの脱落か…」
遥か上空からトールギスも現れた。
「フフフ…舐めて貰っては困るな…出でよ、ブラックドール!!」
「「何ぃ!!」」
604通常の名無しさんの3倍:04/03/25 13:42 ID:???
シーン………
何も現れない。
「しまったー!!まだ掘り出し作業中だ!!」
「「驚かせおってー!!」」
サザビーのビームライフルとトールギスのドーバーガンがグエンに炸裂する。
「私は…私は…ローラぁ!!」
「これで残るはゼクス一人のみ!!」
「ラーメンは渡さん!!」

シャアとゼクスが雌雄を決している傍でノインとナナイはただ呆然と事を眺めている。そこへロランがラーメンを手にし、歩み寄った。
「ノインさん、ナナイさん。ラーメンのびちゃいますから、頂いてください」
「え?でも…」
「いいから食べちゃいましょう!美女二人をほったらかしにする男なんて放って置いて!」
「ナナイさんの言う通りですよ、ノインさん。美味しい内に食べてください」
「じゃあ、頂きます……!?お、美味しい!!!」
「うん!さすがロラン君の手作り、美味しいわ!!このスープのダシどうやって取ってるの?」
「企業秘密ですよ」
シャアとゼクスの戦いを肴に、ノインとナナイは美味しそうにラーメンを食べていく。
その傍ら後片付けを再会するロラン。
屋台を片付け終えノインとナナイに挨拶をするとキースのパン屋に屋台を返しに行った。
ノインとナナイも未だに戦いをしている二人にあきれ返り帰っていった。


かなり中途半端ですがどなたか続きをお願いします。
605通常の名無しさんの3倍:04/03/25 14:17 ID:???
ハイ、カットー!
ここでageはいりま〜す
606通常の名無しさんの3倍:04/03/25 18:13 ID:???
>>604の外伝
シャア「そこッ」
ミリアルド「甘い!」
サザビーのビームライフルを避けるトールギス
ビームはその先に停めてあった黒いGT-R32を直撃し蒸発させた
すぐそこにはキーを持ったまま硬直しているシローとアイナの姿もあった

シロー「おれのGT-Rが…そんな……悪い夢でも見てるのか………」
         ドサッ
シロー「…俺の勇気が…砕かれる……………………」
アイナ「しっかりして!シロー!シロー!!」
    
       ゆっくりと起き上がるシロー

シロー「……まだだっ!俺の勇気はまだ砕かれてはいないっ!!
    来いっ!!Ez-8ォォオオオ!!」
どこからともなく現れたEz-8に乗り込むシロー
シロー「来いっ勝負だ!!!」
いつのまにか勝負は三つ巴となっていたがノインもナナイも帰った後だった
607善し悪し:04/03/25 22:21 ID:???
   「ある夏の日」
その日はとても蒸し暑い夜だった。

ある港付近の倉庫・・・。
けたたましい非常ベルとともに一体のMSが動き出した。
???「フッ、この機体とこの装備は貰っていく!ジオン再興の為に!!!」
監視カメラには銀髪の青年が映っていた・・・。
そして事件は起きた・・・。


その日ガンダム兄弟の家にチラシが入っていた。
「夏!毎年恒例の花火大会!3連覇なるか!?連邦社!
 今夜7時30分よりソロモン川にて開催!」
アムロ「仕事の休みもらってるし、みんなで行くか」


7時30分、ソロモン川、兄弟のほとんどが集まっていた。
ジュドーとガロードは出店を出していた(見回りのおまわりさんは商品で買収)。
大会は初盤から盛り上がりをみせたが、ラスト一つ前の連邦社が、
物量の違いを見せつけ、観客をどんどん引き込んでいった。
審判員も連邦社の勝ちと判断していたようだ。

そしてラストのデラーズ・フリート社の番。
「来年度の出場は辞退し、今年に賭ける!」(来年度分のお金も使うので)
というスローガンに恥じぬ勢いであったが、観客はやはり連邦側であった。
静寂の後、一体のMSが高空を飛びつつ何かを発射するようだった。
観客の目は釘付けになった。何日か前に盗難されたあのMSに・・・。


ガトー「あのような作品を許すとは!!!これは散っていった花火への冒涜だっ!!!
    ソロモンよ!私は帰ってきたーーーーー!!!!!!」
放たれる閃光。その瞬間、花火大会を中継していた取材班のカメラはノイズおよび砂嵐状態になった。

その光を見た兄弟達
アムロ「あれは光らせちゃいけない!あれは妨害電波の光だ!!!」
カミーユ「誰だ、撃ったの!修正してやるぅ!!!」
シロー「でかい花火だ・・・。まるであの時のような・・・。」
キラ&ウッソ「ハロが壊れちゃったぁ・・・!?」
電話中のシーブック「でさぁ、」ブツッ、「・・・・・なんとぉぉぉぉぉ!!!」
ヒイロ「無線が切れた!?心配だ・・・、奴らは大丈夫か・・・?」
ジュドー&ガロード「商売道具がーーー!!!」
ビルギッド「電気製品だけ狙うのかよ!」
コウ「ガトーーーーーー!!!」


混乱の中、MSのパイロットは逃走。
大会はとうとう結果が発表されなかった。
連邦社の記者会見で後のティターンズの幹部は
「ジオンの残党(デラーズ・フリートなど)狩りでもするか」
とつぶやいていたそうだ・・・。



608善し悪し:04/03/25 22:25 ID:???
2回位に分ければよかった・・・。(鬱
パラレルです。設定をグダグダにしてしまった・・・。
もっと修行しなくちゃ。
609通常の名無しさんの3倍:04/03/26 01:26 ID:???
>>606
個人的には

シロー「俺の勇気は死なない!」

ではないかと愚考いたしますけど…。
610リレー便乗:04/03/26 04:16 ID:???
続きではなく、>600の脇道みたいなものです。

グエンがロランの指をしゃぶり続け、ゼクスとノインが訪れる前のその間の時間に気付かれないようにそっと屋台を後にした人物がいた。ハヤト・コバヤシである。
ハヤトもロランの屋台の常連とはいかないまでも良いお得意さんだった。
ロランが屋台を見つけた時、自分がアルバイトをして家計を埋めていると知ったらアムロが意固地になって仕事を増やすから屋台のことは黙っていて欲しいと頼まれ、ハヤトは快く了解した。
家族想いのアムロの可愛い弟、そう思っていたのに…………!
この夜たまたまロランの屋台に寄り、隅の方でラーメンを食べていると、かのグエン=サード=ラインフォードが表れた。
最初から2人の間には「店と客」以上の何か緊張感があった。
そして今、ハヤトの隣ではグエンがロランの指をなめ回している。
グエンが「スープもローラの指も、両方美味しいよ」とか口説き文句を囁いている。
ロランも艶かしい表情でそれを受けている。(くすぐったいのを我慢しているんです!>ロラン談)
これは…指プレイとかいうやつだろうか?
ハヤト(この2人はそういう関係だったのか!)
以前アムロが、グエンがロランに言い寄って来て困るとこぼしていた。
この事を知ったら彼は怒るだろうか?悲しむだろうか?
ハヤトはいたたまれなくなって、2人に気付かれないよう代金を置いてそっと屋台から離れた。
帰路でゼクスとノインの2人とすれ違ったが、お互いに気に留めていない。
この日からハヤトは、アムロに屋台での一件を言うべきか言わないべきか悩み続けるハメになる……。

皆さん乙ですね。こんなに楽しくなるとは思っていませんでした。
こちらのものは続かなくて結構です。
611通常の名無しさんの3倍:04/03/26 11:52 ID:???
>>604
>>606の続き

ヒイロがウイングゼロでロランのいる四番街に向かう。
現場が近づくにつれ、ヒイロの心臓の鼓動が早くなる。
「ゼクス…シャア…グエン…ロランの為、平和の為…まとめて殺す!!」
先の角を曲がればそこは四番街だった。が、ヒイロの視界に吹き飛ばされたEz−8が入ってきた。
「Ez−8?…シロー兄さんか!?」
シローの乗ったEz−8はそのままビルに叩きつけられた。そこにヒイロのウイングゼロが駆け寄る。
「兄さん…一体何が!?」
「ヒ、ヒイロ……奴ら…奴らが…」
シローが指差すその先にはゼクスのトールギスとシャアのサザビーが戦いをしている。
「ゼクス!!シャア!!貴様らー!!」
「俺の…GT−Rを……」
シローの言葉を最後まで聞かず、ヒイロはトールギスとサザビーに向かいツインバスターライフルを構える。
「お前達のような人間のクズは生かしてはおけない……ロランの為…世界の平和の為…まとめて排除する!!」
ツインバスターライフルがトールギスとサザビーに向かい火を噴いた。一対一で死闘を行なっていた二人はこの突然の攻撃に反応が遅れ、直撃を食らった。
「ハハハハハッ!!…死ね…市ね…シネェー!!みんな焼かれて灰になれー!!」
最初の目的は何処へやら。あたり一面、手当たりしだいに破壊する。

ツインバスターライフルのエネルギーが切れ、ヒイロが正気に戻った頃、あたり一面は焼け野原になっていた。
ヒイロの表情は何時も通りのポーカーフェイスだが、明らかに血の気が引いていた。
「俺が…これを?」
事の重大さに改めて気が付き、どうしようかと考えていた時、視界にシローのEz−8が入る。
ヒイロはEz−8の両手にツインバスターライフルを持たせるとその場を後にした。
「最初の任務…なんだっけ?」


続きお願いします。
612611:04/03/26 11:57 ID:???
余談

翌日,新聞にデカデカと「警察官、街を焼く」という見出しと連行されるシローの姿が載っていた。
加害者の恋人の証言
「争い事が起きて、隠れていました。静かになって出てきたら町がこんな事に…」
加害者の上司の会見
「彼は常日頃から問題があったようです…彼の処分はおって連絡いたします」
加害者の同僚の証言
「俺は隊長を信じています!」
「あの甘ちゃんはいつも銃身が焼けるまで撃ちまくるからな…いつかはこうなるかと…」
「隊長ぉ〜」
「ワシは洋酒より日本酒が好きなんじゃが」
「それより俺の新曲聴いてよ」
加害者曰く
「俺は無実だ!!」


リレーに支障が出るならスルーしてください。
613通常の名無しさんの3倍:04/03/26 12:12 ID:???
>>610
ワロタ
614通常の名無しさんの3倍:04/03/26 16:58 ID:???
中々の出来だが台詞回しがヒイロっぽくない。
ゼロシステムに振り回されているにしても違和感がある。
日々勉強を怠らぬように、と超偉そうなことを吐いてみるw
615通常の名無しさんの3倍:04/03/26 20:23 ID:???
そろそろスレ容量がヤバイんで次スレ立てました。

歴代主人公が兄弟だったらpart11
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1080299343/

家の間取り図AA >>32-33 誰かが張ってくれれば嬉しいです。
616通常の名無しさんの3倍:04/03/26 21:28 ID:???
あっちゃー、もう立てちゃったのか
現在の流れにふさわしい新テンプレとか、
新作映像作品が発表された時の処置とか決めておきたかったんだけど・・・
617通常の名無しさんの3倍:04/03/26 21:56 ID:???
え、そうだったの?
不満なら、削除依頼だそうか?
618通常の名無しさんの3倍:04/03/26 22:11 ID:???
依頼を出しても通らないと思われ
619通常の名無しさんの3倍:04/03/26 22:16 ID:???
ちょっとみんな、議論スレに集まってくれないか?
再び住人が増えてきた今だからこそ、今後の事を色々決めておきたいんだ
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1049403320&ls=50
せっかく立てた次スレを消すか残すかも議論の結果次第という事で
620善し悪し:04/03/26 22:52 ID:???
議論スレを見ました。
自分の作品の小ささを感じた・・・。
何で議論スレにいるんだろうとも思ってしまった・・・。
パート11でもがんばらせてもらいます。
そろそろF91ネタができます。
621通常の名無しさんの3倍:04/03/26 23:09 ID:???
議論スレに自分なりの案を挙げてきたので、ちょっと目を通してきて欲しい
622通常の名無しさんの3倍:04/03/26 23:25 ID:???
>>621
OK、漏れも意見書いてきたから確認よろ。
623通常の名無しさんの3倍:04/03/27 00:04 ID:???
議論スレに書いてきたよ。何ヶ月振りだろうか、あそこを見たのは。
個人的にテンプレ改正とかどーでもいいけどね。
それよりもスレの勢いを止めないことの方が大事
変にルール、ルール言って自治厨っぽい風吹かせるのは嫌だし
624善し悪し:04/03/27 16:51 ID:???
愚痴ってました。
すいません。
ネタはパート11に書けばいいんですか?
それとも、このスレが終わるまでまつんですか?
625通常の名無しさんの3倍:04/03/27 19:19 ID:???
>>624
テキストの容量が5kb内に収まるのならここで。
収まらないなら次スレでいいんじゃないかな
626善し悪し:04/03/27 20:11 ID:???
625さん、ありがとうございます。
今、小ネタが2個ほど、長文系が1つ、皆さんにリレーしてもらおうと思っているのが1つ
あるので、ミスなど確認して、次スレに書こうと思います。
627通常の名無しさんの3倍:04/03/29 03:01 ID:???
>>612の続き

真夜中の騒動から一晩明けた、昼過ぎ。

シロー巡査部長は署内の簡易留置所に拘留されていた。
たびたび問題を引き起こしているフダツキが集う"8課"の事だから
昨夜のヒイロ等、数人がが引き起こした銃撃戦も、管轄内の事だと、内々で処理をしてしまい
事件そのものを揉み消してしまうのが常だったのだが……今回は少し勝手が違い、切迫した事態を迎えていた。

「警察官、街を焼く」と、新聞、ノックスクロニクル誌にスッパ抜かれてしまったのだ。
事件は今朝の一面を飾り、共同通信を通じて警察官の不祥事として大々的に全国ネットでニュースが報じられたのだ。
既に事態は組織内部での処理だけでは収拾がつくものではなくなり
世論は現職警官の汚職事件発覚!というスキャンダラスな目線で事件を注目していた。

同所轄の署長リリ・ボルジャーノは今回の事件を、現職警官が起した業務上過失致死未遂および、公共物破損、等など
その他諸々の余罪を追及するとともに、今回の不祥事で地域住民が抱いた、警察への不信感を拭い去る為にも
事件を徹底追求する構えだと、マスコミの共同記者会見の席上で発表。
シロー・アマダ巡査部長は本日付けをもって職務停止処分、事件は検察官に送致されることになった。
ノックスクロニクル誌によると、担当検察官のアリス・ミラーは刑事事件として起訴する姿勢が濃厚らしい。

シローは検察に身柄を引き渡されるあと数時間後のことを思いながら、深いため息を漏らしつつ
弟のロランが差し入れた弁当を留置所の中で平らげ、食後のお茶を啜っていた。

「で、みんなはどうなんだ?」
「今朝のニュースを見て……シロー兄さんの事は、家族全員が知ってますよ。アムロ兄さんには……僕から電話しておきました」
ロランは言葉に詰まりながらも、鉄格子越しの兄を見て、家族の状況を喋っている。

「シーブックも、カミーユも、ガロードも、ジュドーも、ウッソも……みんな、学校に行きました。
普段通りにした方が良いって、アムロ兄さんも言ってましたから
コウ兄さんとドモン兄さんは家に残ってます……あ、それからアルは、未だ小さいから外に出ない方が良いって……兄さん達が。
家の前に……TVとか色々とマスコミが押しかけてて……」
「そうか、アムロ兄さんは何って言ってた?」
「……アムロ兄さんは心配するな、俺がなんとかする。って、それだけです。午後の便でこっちに戻るって言ってました」
628627の続き:04/03/29 03:07 ID:???
「僕は……信じてます!!」
留置所内にいるシローに対し、感情を押し殺して、冷静に振舞っていたロランだったが、
シローと対話していくうちに感極まってしまい、鉄格子を掴んで叫ぶよう言葉を発した。
「家族、みんな信じてますっ!!シロー兄さんは潔白だって、信じていますから!!」
ロランの声は狭い留置所内に響き渡った。

「俺のせいで……家族の、みんなに迷惑かけて……スマン」
「……兄さん」
外から鉄格子を掴んでいたロランの両手を、留置所内にいるシローが力強く包みこんだ。
泣き崩れたロランをなだめたシローは、声を潜めてロランに問い始めた。
「ところで、ヒイロは?ヒイロは今、何してる?」
「ヒイロですか?そういえば、昨日の夜から姿は見えないです……この家族の一大事に何してるんでしょうね?
マイペースなのは相変わらずだけど……」

「ロラン、これをヒイロに渡してくれ。頼む」
シローは看守の目を盗み、ロランの手に小さな紙切れを握らせた。
この紙切れが何を意味するものか?ロランは未だ知らなかった。



無意味に切迫した流れになりましたが、続いてくれた嬉しいです。どうぞ宜しく
629続きじゃなくてスマソ
屋台を片付けて家に帰って来たロランは、風呂からあがり香水を少量身に付けた。石鹸に似た、それよりも上等な香がほんのりと香る。この淡い匂いをロランは気に入っていた。
毎日ラーメンを作っていればどうしても油や醤油の臭いが染み付いてしまう。風呂に入ったくらいではとれないだろうと、グエンがよこした物だ。
送り主の顔を思い浮かべると何だかな、とは思うが、在るものを使わないのは無駄と割り切ることにした。
シンプルな小敏に入った液体は、さすがはグエンの選んだものと言うべきか、使ってみると匂い消しとしては完璧だったし、香も疲れた身体に心地よいものだった。

と、そこへカミーユが風呂に入りにやってきた。
カミーユ「あっ、悪い。」
ロラン「いいよ。もう出るから」
他の兄弟と違って一緒の部屋のカミーユはロランの裸にグッとくることは少ない。だからこの時もカミーユはロランから不用意に目を反らしたりはしなかった。小さな小瓶が目に止まる。
ロラン「どうしたの?カミーユ」
カミーユ「いや、何でも無い。早く行けよ、湯冷めするぞ」