この物語はガンダムに命をかけた男達の壮絶な記録である。
あっそ
わ〜い
ノ . .: .:. . : .
ノ⌒ . : .: .:: .:::.
γ⌒'. .: .:. .:.:. γ⌒'
ノ . . : .: ,; ,;;;, :.)
, '"~. : .: .:.: .:. .; ; ,;ノ
,ノ . .: .:..:,. ー '"~
ノ.;, :. . . .:.::.ノ
,..'". .:.:.::. . . .:.::..)
( . . .:.::;;;._,,...'"
) . .:. .:.:;;.;;;.:.)
ノ . ..:.::.:;;;.;.ノ
( ,..-‐''"~
)ノ
( ・д・)y-'"
ポニョンポニョン(つ゜∀゜)つ(。)(。)
ノ ヽ``〜 力..._〆(゚▽゚*)
既出、過去ログ掘ってこい
結構面白いのもあったぞ。
ああ、これ名スレだったね
ドムのヒートサーベルの話は本気でワロタ
懐かしいな…
職人が生き残っていれば降臨するかもしれん、今は待つのだ。
ザクタンクの話は秀逸だったな
物は相談なんだが、1日に1回ぐらいageないか?
上げると得体の知れない香具師に取り付かれる危険も増すので、素人にはお勧めできない。
でもこのスレにはたぶん素人は来ない。よって問題なし。
懐かしいスレだな。
漏れも前に二つほど書いたがもうネタがないだろ。
2chのスレを検索するとき
これもひっかかってウザイ
俺はNHK板の本スレだけでいいのに
21 :
山崎渉:03/05/22 02:16 ID:???
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
ドロス篇は、たしか完結していなかったはず
あと、RUザク篇も未完成
職人さん 出てらっしゃい
まとめてあったサイトが無くなっているような……
26 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :03/05/23 15:24 ID:nvnqKgNQ
>>23 古いネタの意味がわからんが。
陸戦型ゲルググスレが割と盛り上がってるみたいだから、書いてみようかな。
開発記じゃなくて移送作戦ものか何かで。
第13回 「輝け 神という名の指」
〜必殺技・技術者たちの挑戦〜
ネオジャパンのゴッドガンダムが誇る必殺技「爆熱ゴッドフィンガー」。
敵を一撃で破壊するその破壊力を出す裏に、さまざまな苦悩があった。
それを成し遂げたのは、勝利への渇望、ガンダムザガンダムにかける夢があった。
プロジェクトエーックス
♪かぜのなかのすばるー 主題歌「地上の星」
F.C.60年
胸に秘めた決意
デビルガンダムの脅威
技術者たちの意地
極秘のG計画
運命の瞬間
そして頂点へ
「輝け 神という名の指」
〜必殺技・技術者たちの挑戦〜
「こんばんは。」
「こんばんは。プロジェクトX挑戦者たち、今夜はゴッドフィンガーの開発にまつわるお話です。」
大小1万の研究所が集まるネオ大阪の一角に研究者が仕事帰りのいっぱいを楽しむ居酒屋、かしやがある。
店がオープンして間も無い、F.C.60年のことだった。
100Mほど離れたガンダム研究所から毎日来ては酔いつぶれるまで酒を飲む、白髪頭の男がいた。
男の名は、ミカムラ博士、57歳。ガンダム研究の一人者と呼ばれてもう長い、第一線の人物だった。
彼は、シャイニングガンダムの開発も担当した。
当時、シャイニングガンダムは不振が続き、デビルガンダムを相手に全く歯が立たなかった。
ミカムラが任された決勝用MFの開発は、本部が決定した新型ガンダムの投入を元に、決められた。
ミカムラは開発主任に命ぜられたとき、1週間休んだ。
所内では、「決勝用MFで成績が残せなければ、首が飛ぶ」と噂されていた。
元決勝大会用G開発部課長
アキノさん
「主任は散々叩かれてましてねぇ。ガンダムファイト委員会からの圧力もあったようですしねぇ」
精密工学を学んだミカムラは、ネオジャパンの新ガンダム計画に、携わった。
彼の設計したシャイニングガンダムには、感情エネルギーシステムが搭載された。
だが、同じく計画に関わり、別に設計されたアルティメットガンダムには、
自己再生、自己増殖、自己進化の三大理論が備わっていた。
レギュレーションを重視したばかりに、最終性能で勝てないと知ったミカムラは、
落胆した。
F.C.60年、ガンダムファイトはサバイバルイレブンの最中で、生き残り競争が激化していた。
新型のガンダムを開発すれば、決勝大会を有利に進められると、信じられていた。
その競争から一歩リードしていたのは、ネオホンコンであった。
サバイバルイレブンをパスでき、そのまま決勝に参加できるというのは、とても有利だった。
ファイターが、前回圧倒的な力で勝ち抜いた優勝者、マスター・アジアであることも、世界中で評価されていた。
職人キタ━━━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━━━
>>26 昔、昔「3時あなた」と言う番組で凶悪事件特集をやった時に
司会の富士さんが「犯人さん、出てらっしゃい」と言った故事に倣っています
気にしないでください。
そういえば平成ガンダムものは少なかったような記憶がある
期待age
21:15
”みゆき様に歌っていただきました”
プロジェクト X 反地球連邦政府活動に身を投じた、男たちのドラマである。
カイ・シデン。サイド7難民。数奇運命のめぐり合わせで、サイド7に寄航した
強襲揚陸艦“ホワイトベース”の乗組員になった。
艦内ではおもに、RX−77 を担当。連邦軍屈指のエースとなるも、戦後す
ぐに除隊。年金で大学に通う傍ら、ジャーナリストになった。
ハヤト・コバヤシ。 おなじくサイド7難民。RX−75を担当。戦後は、戦争前
からの友達のフラウ・小林と結婚。北アメリカにて戦争博物館の館長をつとめる。
二人の戦争は、0080年1月1日に、終わったはずだった。おなじWBのクルー
たちのほとんどは、除隊が許されなかったものの、閑職にあまんじ、つかのまの
平和を謳歌していた。
しかしなぜ、彼ら二人は、平和な生活をなげうってまで、反地球連邦政府活動に
、身を投じたのであろうか?
国井「今日は、二人をよく知る人物、もとWBクルーにて、現在は海軍戦略研究所
におつとめの、ジョブ・ジョンさんを招いております」
J「あ、どうも、ジョブです」
国井「さっそくですが、彼ら二人のことなんですが、直接的なお付き合いがあった
のは、戦中だけだったんですよね」
J「えぇ、そうです。クルー同士あうことは、なぜか情報部に邪魔されてましてね。
誰かの結婚式とか葬式のときに同窓会みたいなことやってましたけど、そのうちき
な臭くなってきて、いそがしくなって。クルーのほとんどがサイド7難民だったか
ら、ティターンズに入ったヤツなんていなかったけど、86年くらいから合わなく
なったなぁ。いまなら、情報部の監視もないからべつにどってこともないんでしょ
うけど、みんな、WBおりたあとの生活のほうに生き方の比重を重くしてるから、
いまさら同窓会、てこともないですね
国井「わかりました。それで、カイさんとハヤトさん、てどんな方でした?」
J「そうですね。15,6の子供らしく、いっつも感情剥き出しでしたね。僕
にしろ、死んだリュウ・ホセイにしろ、入った時期はともかく、多少なりとも
軍の飯くってた連中からみれば子供っぽくて仕方がなかった。でもそこがかえっ
てうらやましかったですね。カイのほうはひねくれ屋でなにごとも理屈で理解
しないと納得しないんです。ハヤトはいわれたことはちゃんとやるけど、気に
食わないことは言ってきますね。いまだからいいますが、僕、なんども投げら
れてます、彼に(笑)」
国井「WBにはあの伝説のNT、アムロ・レイもいましたが、彼に対する二人
の態度はどうでした?」
J「そうですね。おなじパイロット仲間としてのライバル意識てのは程度の差
はあれ、もってたとおもいます。とくに、焼け出される前からの知り合いだっ
たハヤトは、アムロに対してそうとうコンプレックス持ってたみたいですよ。
カイのほうはそれほどでもなかったかな。いまだから言うけど、引きこもりと
ひねくれモノの仲たがいなんてのは、2Chでもおなじみですし。ただ、ね。
大西洋を出たあたりからカイは男として一皮むけた感じがしましたね。パイロ
ットとしての腕はアムロにおよばなくても、男としてはカイのほうがすこし上
だったように思います」
国井「二人が反地球連邦政府活動に身を投じた動機というのは、そこらあたり
がキーワードのようですね。それでは、二人をもう少し深く掘り下げてみましょう」
(えーっくす)
カイは軍を除隊したあと、大学に入学した。とはいっても通信制大学で、昼間は調査
活動をおこない、夜になると大学からの課題のレポートにとりかかった。
カイはジャーナリストになりたかった。何かでかいスクープをものにして、ニュー
ヨークタイムスの記者になりたい。そう思った。ペンのちからで、剣を食い止めたい。
しかし、なにも実績のない若造がジャーナリズムの世界に入ったとて、すきに取材
をさせてくれるわけもなかった。
カイには、掘り下げたいテーマがあった。
ミハル・ラトキエ。ベルファストでWBに密航した、ジオンの連絡員。幼い兄弟を食
わせるために、アースノイドでありながらジオンの工作員として働いた。
聞けば、彼女のようなアースノイドの連絡員は、戦前、戦中から無数にいたという。
彼に直接の責任はないが、カイの目前で、彼女は死んだ。
戦後カイはベルファストに向かい、残された二人を見舞った。二人は、パブで働き
ながら生きていた。カイのことを、死んだ姉さんの恋人と思っていた二人に話を聞く
と、以外な話が聞けた。
「ねぇちゃんは、IRAシンパだったんだ」
IRA。旧世紀にアイルランドで暴れていた、テロリスト集団である。旧世紀のI
RAを先祖に持つ新生IRAも、結局のところただのテロ屋でしかない。が、目
の前の兄弟の姉が、そんなテロリストのなかまだったとは、カイには思えなかった。
なぜだ。カイはおもった。
戦中のことを知る地元の人にカイはたずねた。
「戦争中は食い物にこまってね。ミハルのところもくってくのがやっとだったよ。
でも、IRAの仕事をしなくたって、食うだけなら何とかなったはずさ。現にあた
しも、IRAなんぞにかかわらないで、5人の子供を女でひとつで養ったんだ。」
カイのテーマがきまった。
アースノイドでありながら、ジオンに味方をしたミハル・ラトキエ。彼女の謎を
掘り下げること。
そのテーマをまとめるために、エール大学への入学をとりけし、フリーライター
への道をとることを、男は決意した。
ベルファストでの聞き込みは、難を奏した。ジャーナリストとしては無名だが、
カイ・シデンは一年戦争屈指のパイロットである。知らないものはいなかった。し
かし、そんな男が反政府勢力の調査をしたところで、芳しい結果が得られるはずも
のかった。政府の犬、と罵られた。
地球上のほかの地域では英雄扱いされるWBクルーだが、ここベルファストでは、
憎しみの対象でしかなかった。現地の警察が、トラブルのもとだから、と退去を依
頼したこともあった。
理由が、あった。
昔、旧世紀のころ、アイルランドとイギリスの間の宗教対立で、アイルランド人は
弾圧され、IRAを結成した。旧世紀の終わりにイギリスとIRAの間に停戦合意
は成立したが、宇宙世紀に入り、連邦政府の宇宙棄民政策に同調するため、アイル
ランド人を優先的に、宇宙棄民したのだ。
宇宙開発の熱もさめた40年代、政府が科す移民ノルマを達成するため、各政庁
は少数民族の宇宙棄民をはじめた。
それが、宇宙世紀における彼らのありようだった。
IRA。旧世紀に滅びた、アイルランド共和国軍。旧世紀はプロテスタントが支配
するアイルランドからの解放を目指したテロリストどもだった。が、宇宙世紀にお
けるIRAとは、宇宙への強制移民に反対するアイルランドの解放勢力である。一
方的にアイルランドの民を宇宙に棄民する連邦政府およびブリテン政庁に反対する
勢力である。IRAはけっして、アイルランドという土地だけにこだわっているわ
けではない。平等にすべての人民が宇宙に移るのならまだしも、自分達がカトリッ
クだからという理由だけで宇宙に打ち上げられたくはない、というのがかれらの主
義主張である。
調査は難航を極めた。がカイの熱心な姿に、ひとり、二人とくちを開いてくれるも
のが現れたのだ。
新生IRAは、ジオン地上軍と、密接な関係があったという。予想はしていたこと
だ。が、それ以上に大事な情報が、カイの元に飛んできた。
「オデッサ・ファイル」と呼ばれるファイルである。
そのファイルのReed.meだけ、手に入った。
内容は、恐るべきものだった。
ジオン地上軍は地上侵攻に際し、大規模な諜報網をつくった。その大半が、地球圏内に存在する、反地
球連邦政府活動者、いわゆるテロリスト・グループを取りまとめたものだった。
海戦前のジオン軍はサイド3に本拠を置いている。地上に勢力圏をもたない。しか
し、諜報活動なしで戦争が出来るはずもなかった。ましてや、ジオン軍は切り札の
ミノフスキー粒子を散布し、大規模バレッジ下での戦闘を連邦軍に強いることで、
戦力差を跳ね返そうとしている。戦術偵察機や偵察衛星なども、使い物にならない。
情報収集も、人に頼らなければならない。
しかし、ジオン軍情報部は、各コロニー駐留軍を経由しての連邦軍、連邦政府へ
の浸透作戦は成功していたものの、地上軍だけは、手が出ていなかったのだ。
その詳細が、オデッサ・ファイル本編に記載されていると、容易に予測された。
カイは現金での買取を、持ち込んだ男にしたが、男は一笑にふした。
「金の問題じゃねぇんだ。ジオン製の熱核ジェットエンジン一機と交換だ」
そのIRAの男が、そのエンジンで何をするか、考えなくもなかった。
えーっくす
40 :
あ:03/05/24 22:55 ID:???
これ以上の強さを持つファイターはいない、とまで言われていた。
一方、F.C.59年、デビルガンダム事件のあったネオジャパンは、
カッシュ博士の冷凍刑を断行した。
ミカムラの開発したシャイニングガンダムをガンダムファイトに投入することが決められた。
今後はアルティメットガンダム、世間で言うところのデビルガンダムを完全破壊することにし、
その任に就くものを、探していた。
そのころ、突然の事件に、当時帰郷を果たしたばかりのドモンは、困惑していた。
しかし、その顔を見たミカムラは、願っても無い宝物をもらったと、喜んだ。
F.C.56年、ガンダムファイト12回大会で初めて披露された流派東方不敗。
繰ったのは、優勝者、マスター・アジアであった。
ミカムラの下に来たドモン・カッシュは、手塩にかけた、教え子だったのである。
この頃を境に、かしやで飲んだくれているミカムラの姿が、ぷっつりと消えた。
1ヶ月後、ミカムラは研究者の一人を呼び、極秘の計画を打ち明けた。
呼ばれたのは、ミカムラの娘である、レイン・ミカムラ。
ミカムラはレインに、ドモンと共にガンダムファイトに参戦し、
彼をサポートして欲しいと、胸の内を明かした。
41 :
あ:03/05/24 22:56 ID:???
レイン・カッシュさん (当時ミカムラ)
「父は、当時アルティメットガンダム、あ、デビルガンダム、と呼んだ方がお分かりでしょうか。
あれを手に入れるためにウルベ少佐と手を組んでいたんですよ。
そうとも知らず、片棒を担ぐようなことをしてしまったんですけれども。
それでも、ドモンといっしょに1年、ファイトをするんだっていう意気込みはありましたね。」
デビルガンダムを撃滅するためには、シャイニングガンダムの能力をふた回りは強化する必要があった。
そこでミカムラが目をつけたのは、感情エネルギーシステムだった。
感情エネルギーシステムは、感情の高ぶりを感知し、それによる機体出力上昇を図ったものだ。
だが、欠点があった。
怒りのエネルギーによってしか、その能力を発揮出来なかった。
ライゾウ・カッシュさん
「いや、あのシステムはだね、確かに優れたものではあったんだけれども、
人間の感情や心理を、完全にエネルギーと化すところまでは、出来なかったんだね。」
F.C.60年6月、ミカムラを中心に、たった10人の決勝大会用ガンダム開発プロジェクトが誕生した。
瀬戸際に追いやられた技術者たちの、意地と執念をかけた戦いが始まった。
プロジェクトエーックス
42 :
あ:03/05/24 22:56 ID:???
女「ネオジャパンのゴッドガンダムというのは、この指が武器になるんですよね。
どっしりしているというかごついというか…おっきいんですねぇ。」
男「ほら見てくださいよ、この独特な形状のアームカバー。
ところで、当時のネオジャパンのシャイニングガンダムというのは、
どういう状況だったのでしょうか。」
解説者「まぁ、参戦国の中では、中々の位置だったんですけども、これという押しがありませんでねぇ。
大体中堅というか、でもこの先やっていけるのかどうかと。そういう、立場ですね。」
女「当時、ネオジャパンが、こういう武器を開発すると思っておられたんでしょうか?」
解説者「んー、僕はね、ネオジャパンがそこまでする力があるとは思ってませんでしたね。
当時ネオホンコンが1位で、2位3位は無し。まぁつまり東方不敗が強すぎたわけですけれども。
ネオジャパンがそれをどうやって越えていくのか? 無理なんじゃないかという感じですね。実は(笑」
女「さあ、いよいよこの決勝用ガンダムに挑むプロジェクトが始まったわけですが、
その陣頭指揮に当たったミカムラさん。困難が、待ってました。」
43 :
94:03/05/25 09:57 ID:???
そのころ、ハヤト・コバヤシは悶々としていた。北米で戦争博物館の館長をしてい
た、とはいってもそのような仕事はもう少し老成したもののやることであり、しか
しながらその仕事に就任したのはまだ10代のうちだった。
熱い血潮を発散するかのように、何度か柔道の大会なんかにも出てみたりもした
が、それでも、ハヤトの魂は癒されることはなかった
「あなたはあの戦争でがんばったんだから、今はおやすみなさい」と妻のフラウ・
コバヤシはよく言ったものだった。「そのうちいいことがあるわ」と
夫婦生活は、表面上はうまくいっていたが、一皮めくれば、あまりぱっとしたも
のではなかった。
フラウは、ハヤトがアムロに対して、抜き差しがたいコンプレックスを持ってい
ることをしっていた。だから、アムロの話題を出すことはなかった。戦争中の怖い
思いを思い出させることはないから、と彼女が話す話題は、いつもこれからのこと
だった。
しかし、彼らが養子にした戦争孤児、カツ・レツ・キッカにとって、アムロは英
雄だった。
自分達の養父、ハヤト・コバヤシも、最終的な撃墜数こそ天と地ほどの差がある
ものの、同列に考えていた。だから、何の気なしにアムロの話題を口にする。それ
が、ハヤトには気に入らなかった。
「それでも、あたしや子供達に暴力をふるわなかっただけ、あの人は立派だったと
思います。そんなとき、あの人は部屋に篭ってしまいましたね。私達が結婚して暫
く子供が授からなかったことも、それが原因だったのかもしれません」
とフラウは語る。
( ̄ ̄< / ̄>
\ ヽ / /ソ
プ ロ ジ ェ ク ト\ ヽ P r o j e c t MS
─────────────────────
技術者たち /|_/ /\engineers
| / \ 丶
\/ \__ノ
「新型ボール開発計画」
(エーックス・・・)
ブッホ・コンツェルン。作業機械を中核とした巨大企業。
クロスポーン・バンガードを名乗り、決起。地球連邦に戦いを挑んだ。
たかが一企業の反乱。だれもが早期鎮圧を予想した。
しかし連邦軍は、思わぬ苦戦を強いられた。
クロスボーン・バンガードのMSに標準装備された新兵器ビームシールド。
通常のビームライフルでは、有効打を与えられなかった。
その中で確実に戦果を挙げた機体、サナリィが開発したF91。
装備されたVSBRは、やすやすとビームシールドを打ち抜いた。
連邦軍はこの機体の量産を決定した。
しかし量産するには、あまりにも高コストな機体だった。
そして軍事費の増大を、世論は許さなかった。
大量配備は難しい。
そして少数のF91に十分な戦果を上げさせるには、支援機が必要だった。
そしてその支援機には、可能な限りコストを下げることが要求された。
クボジュン
「今夜プロジェクトXは『新型ボール開発計画』。
一年戦争当時、動くカンオケと呼ばれた機体を
最新鋭機として甦らせた開発者の物語を追います」
設計を依頼されたY。最初のミーティングで叫んだ。
「今さらボールだなんて、軍は兵士の命を何だと思っている!」
容易に撃墜される機体を作るわけにはいかなかった。
Yは一年戦争当時の記録を、漁った。
作業用ポッドに砲をつけたにすぎないボール。
一旦敵機に捕捉されると、逃げるのは不可能に近かった。
あまりにも足が遅く、
そして二本のマニュピュレータによる不十分なUNBACでは
運動性も拙悪だった。
基本がこのボールでは、運動性の向上は不可能。
敵から逃げられるだけの、速力の向上しか選択肢はなかった。
そしてそれには、高出力のジェネレータが必要だった。
高出力のジェネレータは、MSへの搭載を前提に開発されていた。
それはボールに搭載するには、大きすぎた。
ボールに搭載できるサイズのジェネレータ、Yは探し求めた。
アナハイム社を訪れたY。一つの兵器に目を奪われた。
G−BARD、F91にお株を奪われたアナハイムが作り上げた
試作機ネオガンダムに搭載された
ジェネレータを内蔵した大型ビームライフル。
「これだ!」
Yの目が輝いた。このサイズならボールに搭載できる。
そしてその出力は、F91に劣らぬ高速力を可能とした。
次に問題となったのは、武装だった。
ボールは大量投入による弾幕射撃によって戦果を挙げた。
しかし、それほどの大量配備は、平時にはとても無理だった。
ただでさえ一年戦争当時に比べMSは小型化し、
運動性は飛躍的に向上している。
命中はおろか、牽制にすらならない。
Yは一つの記録に注目した。
ボールの初期型は砲を二門装備していた。
そしてその初期型ボールで、
ジオンのザクと一対一で戦い、相打ちに持ち込んだ戦闘の記録。
Yはさらに一門増やし、三連装とした。
これならば、少ない数でも弾幕が展開できる。
あるいは三門を交互に打ち出せば、命中率にかなりの向上が期待できる。
さらに接近された際に備え、自衛用にバルカン砲が二門装備された。
これの有効性は、連邦MSの標準装備となっていることで実証ずみ。
生還率を上げられる。
Yは手ごたえを感じていた。
不可能と思われた新時代のボール、手の届くところにあった。
(エーックス・・・)
クボジュン「本日は開発責任者をつとめられたYさんに
スタジオにお越しいただきました」
クニイ「一年戦争時に動くカンオケの異名をとったボールの再設計ですが、
最初それを聞かされた時、どう思いましたか?」
Y「そりゃあビックリしましたけど、それ以上に・・・なんというか
事態が飲み込めませんでしたね。軍の方には悪いですが・・・
狂人と話してるのかと思いました」
クニイ「事実上、外見はボールでも中身は別物にされたわけですが
どういった苦労があったんでしょう?」
Y「中身は別物といいますが、やはり量産性を維持するためには
ほとんど中身も替えられないんですよ。
まったく別物にしてしまえれば楽だったんですけど、
駆動系とかはそのままですからね。機体のバランスをとるのに
非常に苦労しましたよ」
クボジュン「それで何とか形になりかけた新型ボールですが
意外な壁にぶつかります。では続きをご覧下さい」
公試の日がやってきた。
砲撃試験。結果は順調だった。
3連装砲から放たれた砲弾。確実に目標をとらえた。
ビームシールドを貫くことはできなくとも、支援・牽制には十分とされた。
続く離脱試験。
撃墜判定が相次いだ。
銃撃に対する回避運動。運動性が劣悪なボールでは、足を遅らせた。
結局は距離を詰められ、撃墜へと追いやられた。
Yは打ちひしがれた。
運動性の向上は構造上出来ない。
これ以上速力を上げるには、出力が足りない。
八方塞がりだった。
その時テストパイロットは言った。
「せめて逃げる際にも攻撃できれば、牽制して向こうの足も遅らせられる」
構造上、ボールは後ろには武器を向けられなかった。
Yは、悩んだ。
後ろに攻撃できないなら、たとえ逃げる時でも敵に後ろをみせなければいい。
ならば、バーニアの位置を替えれば…
かくしてバーニアは下部に設けられた。
結果は良好だった。
砲は真下には無理でも、下になら向けられる。
離脱する際、なんとか牽制攻撃が出来た。
これにはうれしい副産物もつけられた。
これまで重力下では、ボールの運用は困難だった。
しかしバーニアを下部に設けることで、
重力下でも砲撃姿勢が維持できたのである。
やや低下した量産性を補ってあまりあるメリットだった。
そして第二回公試。
新型ボールは、見事採用を勝ち取った。
クニイ「バーニアを下に向けるという発想ですが、
これはどこで思いついたのでしょうか?」
Y「いや、コロンブスの玉子という奴でして、
よく考えればMSは全部そうなっているんですよ。
考えついた時は、なんでそれを今まで思いつかなかったか
悔しかったですね」
クニイ「制式採用が決まった時の気分はいかがでしたか?」
Y「それまではカンオケ職人とか陰口を叩かれて悔しい思いもしましたから
もう、ザマーミロ!って感じでしょうかね(笑)」
クボジュン「ではこの新型のボールは軍でどうなったのでしょうか
エンディングです」
木星帝国戦役。ボールは実戦投入された。
戦闘を記録した映像には、ボールはほとんど登場しない。
それは常に戦闘空域から、一定の距離をとることに成功した証であった。
――糸冬――
ということで、黒本4巻にちょっとだけ登場する
3連装砲ボールをやってみました。
あれをみて「今さらボールかよ!」とつっこんだのが懐かしくて…
ドマイナーな時代だけあって好き勝手やりすぎた気がします。
しかし長谷川祐一なら、こんなことを考えながら書いてそうで怖い
51 :
名無しさん@お腹いっぱい。:03/05/26 21:06 ID:3fvKMubM
おぉ、このスレも復活してたのか
職人さん、乙!
いかんageすまん(鬱
乙じゃーん
なつかしいな、このスレ。
職人さんたちも復活!楽しみだ。
55 :
山崎渉:03/05/28 17:18 ID:???
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
きどうせんしまんmだ
57 :
通常の名無しさんの3倍:03/05/31 20:33 ID:PUt1kYwj
そのとき、スレをageてみた
Wガンダム開発計画をやって欲しぃ
>>25 いや、高機動ザクは書き込む前にスレが
落ちてしまったので自サイトで掲載しますた。
自分で書いたやつだけ公開してるので、ケンプファーは
載っけてません。
スレが復活したようなので、そのうち
またなんかやろうかと思います。
保守禿
tn
保守るぞ保守るぞ
保守あげ
今、ララァが言った!
「誠に遺憾ながら、オヤジにはツイテいけない」 って
ついに「挑戦者達」になりましたか・・・
>>68
俺の作風はもう飽きられてる気がするんだが・・・
>69
んなこたぁ〜ない。
むしろ激しくキボンヌ。
元、スレ主の意地と(ピー)を見せい。
(ピー)って何やねん、俺。
>>71 お、珍しいのがいる
センターでえらい目にあった割に本番に強いんだなw
挑戦者達なら素材に制約がかからないからパイロット物でも有りか?
俺も久々に書こうかな。
風のなかのす〜ばる〜♪
前より制約が少なくなったみたいなのでまた書くよ。
76 :
通常の名無しさんの3倍:03/06/15 19:24 ID:UfaYH25H
パイロットものは不得意なんでまた技術士官ネタやります
負けても、負けても懲りずにガンダムファイトを挑む漢達の物語。
男は、ちょいとガンダム製造に自信があった。
男は言った「俺ならネオジャパンを超えるガンダムを造れる。そして世界を握る」
人々は笑った。
男は地下に潜った。
極秘の素材、極秘の機材、不法な資金。
男は前回優勝者にファイトを申し込んだ。
しかし、惨敗だった。
素材、機材に便りすぎバランスに欠いていたのだ。
そしてなにより、ファイターの素質にかけていたのだ。
男は自棄になった。
だか、天は彼に野在の天才格闘家少年と引き合わせる。
男は立ち上がった。
「もう一度、夢をみてみよう。」
男と少年が達上がる時、奇跡はおきた。
あの伝説の漢が現れたのだ。
オープニング
79 :
イッテツマン:03/06/17 00:39 ID:cpnNotbb
アムロよ 地上の星を目指すのだ
どのふぁいたーのはなしなんだろ
保守します
前振りふっとばしていきます。
宇宙世紀0070年
ジオン・ダイクンが死に、スペースノイドとアースノイドとの角質が絶対的になってきた時期であった。
デギン・ザビが主導するサイド3に対抗せんとし、連邦軍も新兵器の開発に躍起になっていた。
そんな中、一人の男が連邦軍技術開発部に配属された。
彼の名はS
後の一年戦争後も長く使用された名戦闘機、セイバーフィッシュの開発者であった。
( ̄ ̄< / ̄>
\ ヽ / /ソ
プ ロ ジ ェ ク ト\ ヽ P r o j e c t X
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技術者たち /|_/ /\engineers
| / \ 丶
\/ \__ノ
〜トリアーエズを超えた航空宙両用戦闘機・セイバーフィッシュ開発史〜
Sが配属された部署、それは連邦軍重要拠点のキャリフォルニアベース航空戦闘機開発研究部であった。
そこは主に当時の主力戦闘機「トリアーエズ」の改良を目的とした部署であった。
当時の状況として、トリアーエズはあらゆる局面で使用できる画期的な戦闘機であった。
特に優れた面は航空、航宙の両局面で使用でき、まったく無駄のない戦闘機であった。
しかし、その無駄のなさゆえの欠点が多く、代表的なのは装甲の薄さだった。
それらの欠点を解消すべく、数年前より改良研究を進めてきたが、いまだに何も解決策を見出せずにいた。
ジオン側に先を越されるのを恐れた上層部は、トリアーエズの開発にも携わっていた老練のSを投入し、なんとしても突破口を開こうとしたのだった。
土日の職人さんが頑張ってくれると期待保守
技術開発部長より全権を委託されたSは、すぐに全技術士を集めて言った。
「私はトリアーエズを改良する気はさらさらない。本日限りでここは解散する」と。
みな、驚きの表情でSを見た。
続けてSは言った。
「我々は0から何かを創るためにここにいるはずだ。改良なんぞやってられるか。ここをいったん解散して、新たに新型戦闘機を開発するための開発研究室をここに創設する。」
そこにいる者全てが、技術士としての魂を揺さぶられた。
一人の士官が異を唱えた。
「今のトリアーエズ以上の多様性を備えた航空機を作るなんて不可能だ。」
Sは間髪いれずに答えた。
「我々の創るものは戦闘機だ。攻撃機ではない。あくまで最強の対航空戦闘力を持つものを創るのだ。多様性などは求めん。」
その日から、Sの闘いが始まった。
遅レスだけど、今日このスレを見つけたんで。
>>39の続き、激しくきぼんぬ。面白そうだ。
緊急浮上
誰か「ジム 〜高性能で安価なMSを量産せよ〜」編をうpキボンヌ
過去ログでなかったっけ?
>GM
91 :
89:03/06/28 11:44 ID:???
>>90 逝ってきます…
ではこういうのは?
「ザクタンク 〜余剰資機材で現場コストを削減せよ〜」
だから過去スレ嫁
ちらほらGガンものが出てきてるようなんで、
九龍ガンダムやって欲しい。
マスターアジアの動きをトレースしてついていくのは
かなり大変だったと思う。
ザクタンクは全て現地改修機で、統一されたプロジェクトはなかった。仕様もまちまちらしい。
このスレでやるのは無理がありそうだな。
ただ、後年のリサイクルMSというジャンルへの道を開いた名機ではある。
とりあえず、ザクと戦車をくっつけた迷機のOSやファームウェアを開発したヒトビトに敬礼。
クボジュン「緊急ニュースにより、番組が中断したことをお詫び申し上げます」
「えーっくす」
ある日、ハヤト・コバヤシの元に、一人の客が訪れた。
カイ・シデンだった。
突然の訪問。いっしょに死戦を潜り抜けてきた仲ではあるが、かといって、ともに
酒を酌み交わすような中でもなかったはずだった。
ハヤトは、緊張した。
「これを見てくれ」
とカイはハヤトに、1枚の光学ディスクを渡した。
内容は、後の世に言う「30バンチ事件」のものだった。
地球連邦軍のなかでもエリートとされている、アースノイド特殊部隊「ティターンズ」
が、コロニーにG3ガスを注入している、あのシーンである。
メディア各局には映像の差し押さえ命令が出たものの、アングラにでまわったものま
では、ティターンズは回収し切れなかったのだ。カイは、おなじジャーナリスト志望
の若者から、コピーさせてもらったのだ。
「こんなものを、なぜ?」怒りに震えながらも、ハヤトは疑問を口に出さずにはいら
れなかった。
カイはそれには答えず、つぎに、オデッサ・ファイルのREAD.MEを見せた。
「何が言いたい?」ハヤトは問うた。
「熱核ジェットエンジンを一つ。ジオン製。06が背負ってた奴だ。戦争博物館なら、
実物くらいあるだろ?」
>95-96
>>39の続きだよね? 待ってました!
そのころ、ハヤト・コバヤシは悶々としていた。北米で戦争博物館の館長をしてい
た、とはいってもそのような仕事はもう少し老成したもののやることであり、しか
しながらその仕事に就任したのはまだ10代のうちだった。
熱い血潮を発散するかのように、何度か柔道の大会なんかにも出てみたりもした
が、それでも、ハヤトの魂は癒されることはなかった
「あなたはあの戦争でがんばったんだから、今はおやすみなさい」と妻のフラウ・
コバヤシはよく言ったものだった。「そのうちいいことがあるわ」と
夫婦生活は、表面上はうまくいっていたが、一皮めくれば、あまりぱっとしたも
のではなかった。
フラウは、ハヤトがアムロに対して、抜き差しがたいコンプレックスを持ってい
ることをしっていた。だから、アムロの話題を出すことはなかった。戦争中の怖い
思いを思い出させることはないから、と彼女が話す話題は、いつもこれからのこと
だった。
しかし、彼らが養子にした戦争孤児、カツ・レツ・キッカにとって、アムロは英
雄だった。
自分達の養父、ハヤト・コバヤシも、最終的な撃墜数こそ天と地ほどの差がある
ものの、同列に考えていた。だから、何の気なしにアムロの話題を口にする。それ
が、ハヤトには気に入らなかった。
「それでも、あたしや子供達に暴力をふるわなかっただけ、あの人は立派だったと
思います。そんなとき、あの人は部屋に篭ってしまいましたね。私達が結婚して暫
く子供が授からなかったことも、それが原因だったのかもしれません」
とフラウは語る。
すいません、緊急ニュースで抜けた分を放送いたします
>>97 上の98がそうです
百式捕手
俺もどっかで読んだなぁ。
どこで読んだんだろう
103 :
99:03/07/01 23:34 ID:???
すいません
このスレでかきました
>>98 タイトル付け忘れたんで、補足、っつうかたちで。申し訳ない
104 :
101:03/07/02 00:06 ID:???
>>103 このスレッドの34〜39と43の続きが95、96、98なのね。
小説系からのコピペかとオモタ。スマソ…
105 :
101:03/07/02 00:28 ID:???
あっちがった!98は43の再放送だ。
どこか遠くへ……。
Sは一旦、ジャブロー本部へ赴き、トリアーエズの詳細設計図を取りに行った。
上層部の信頼も厚かったSに、すんなりと極秘資料が渡った。
トリアーエズを超えるための最初の難関となったものは、宇宙でも通用するエンジンだった。
トリアーエズよりも高出力のものでなければならない。
当たり前のことであったが、簡単なものではなかった。
そこで、Sは一人の男にこのことを相談した。
高校時代からの友人であり、トリアーエズのエンジンを開発した企業「PONDA」の開発部長でもあるPだった。
Pは言った。
「トリアーエズのエンジンは性能面では他のものと同じくらいなものだ。一つ違うのは燃料の使い方だ。他の航空機、航宙機は燃料の消費量がまったく違う。
こと航宙機は姿勢制御が必要になるだけに酸素を含めてかなりの消費がある。それを打破するために燃料の絞込みをしたんだ。」
Pの説明によると、トリアーエズのエンジンは、スイッチ一つで重力下、無重力下と燃料の使用量を変更できる。というものだった。
エンジンの担当ではなかったため、基本的なことしかしらなかったSは、しばらく聞き入っていた。
SはPに、今回の開発機の趣旨を言った。
Pからは意外な答えが返ってきた。
「今、緊張状態にあるジオン公国と戦ったとてやつらは地球まで侵攻できまい。いっそのことトリアーエズの後継機をつくったらよいのではないか?」
Sは一度は頷いたが、反論した。
「もし奴らが降下作戦をやってきた場合、HLVを打ち落とせる強力な戦闘機が必要だ、宇宙はトリアーエズに任せればいい。」
そう言って半ば強引に、Sはその場を離れていった。
Sは恐れていた。
P達とともに作り上げたトリアーエズが超えられることを。
しかし、Pの話を聞き、心が躍るように落ち着かなくなっていった。
自分たちが最高傑作と謳ったトリアーエズを、さらに自分の手でより強力なものを作る。
Sにとって、これほど魅力的なものはなかった。
帰りの飛行機の中、Sは自問していた。
「あれを超えられるのか・・・いや、超えれるのか・・・違う、超えるんだ。」
顔を上げたその目には、数年ぶりに輝きが宿っていた。
あげちゃってスマソ
108 :
通常の名無しさんの3倍:03/07/04 01:40 ID:OHHZuQYN
風の中のランバラル〜♪
砂の中のギンガナム〜♪
age
ほーしゅっす
なかなか考えれるものじゃないな、漏れには・・・
hosyu
∧∧☆
⊂(゚Д゚⊂⌒`つ ガノタは
死ね・くたばれ・消えろ・失せろ・潰れろ・馬鹿・あほ・間抜け・ドジ。
ポンコツ・トンチキ・ガラクタ・クズ・ゴミ・カス・最低以下の下劣・下等種族。
劣等種族・下衆野郎・腐れ外道・邪道・外道・非道・ウジ虫・害虫・ガン細胞。
ウィルス・ばい菌・疫病神・病原体・汚染源・公害・ダイオキシン・有毒物質。
廃棄物・発ガン物質・猛毒・毒物・アメーバ・ダニ・ゴキブリ・シラミ・ノミ。
毛虫・蠅・蚊・ボウフラ・芋虫・掃き溜め・汚物・糞・ゲロ・糞虫野郎・ほら吹き。
だよね〜 ♪
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\_ノ ヽ丿 ノ ノ └┼
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だから
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( ゚∀゚)ア━━━━ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!
さ〜てっと!!
ぷーにぷに♪ぷーにぷに♪みんなでがんばるみん!!
キャリフォルニアベースに帰ったとき、Sは基地の飛行場にいた。
模擬戦闘の最中だった。
基地より50キロ離れた戦闘訓練場の映像をただじっと見つめていた。
ふと、声が聞こえてきた。
「無駄、無駄、無駄、・・・・・」
隣に男が立っていた。
男は、Sの方を向いて言った。
「トリアーエズはまぁ優秀なのはわかる、だがそれゆえに無駄が多すぎる。そう思わないか?」
Sは応えた。
「お前ならその無駄を省けるのか?」
「もちろん」
間髪いれずに答えた。
男の名はJ
ジャブローの開発研究所の日陰者の一人だった。
「一緒に新しいものを創らないか?」
Sの言葉を聞き、Jは歩き出した。
その先には、Sたちの研究室があった。
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
カイは、ハヤトに「オデッサ・ファイル」の説明を、もう一度した。
そのファイルがオデッサの名を冠しているのは、単純にジオン地上軍情報部が、
マ・クベ大佐のオデッサ鉱山基地にあったからに過ぎない。しかし、地球上の、主
義主張のまったく違うテロリスト・グループを反連邦の名のもとにネットワーク化
し、諜報網として機能させていたことから鑑みると、その結成そのものに、辣腕で
知られるキシリア・ザビ少将や、その懐刀のマ・クベ大佐の積極的な関与があった
と考えるのが自然だ、とカイはいった。奴らが作ったんだ。このネットワークはま
だ生きている。
ハヤトは、言葉に詰まった。自分はニュータイプになれなかったと自覚していたが、
このときばかりはカイの考えていることが手にとるようにわかった。
「奴らに接触する」カイは断言した。
「地球上には、ジオンが宇宙に逃げるとき残していったMSがかなりある。小
破程度のものも多い。奴ら、そんなMSをニコイチ・サンコイチして相当数を
秘匿してる。おれがパーツを横流ししなくても、奴らは06を完成させるだろ
う。それならば、とカイは言った。
「おれが奴らを掌握する。オデッサ・ファイルを足がかりにして」
実際のところ、戦争博物館館長の立場を利用すれば、実物のパーツなど、ノ
ーチェックで手に入る。デモンストレーションに使うのだといえば、ジオン
機なら実機が手に入った。
「考える時間が欲しい」ハヤトは、言った。おれには家族がいる。
それよりも、カイの動機のほうが、ハヤトにはわからなかった。
その日、二人だけで、酒を酌み交わした。
その女性に心当たりはなかったが、そういえば大西洋上でそんな騒ぎがあったな、と
ハヤトは思い出した。その密航者が工作員だったことを聞かされても、ハヤトは気に
しなかった。自分達だって、生き残るためならジオンに魂を売っていたかもしれない
のだ。好きで連邦軍に所属したわけでもない。
「その弟、てのが戦後、連邦軍のニタ研に拉致され、強化人間、とやらの研究に携わ
ってるらしいんだ」
と、カイは居酒屋のカウンターで漏らした。
「よくそんな情報・・・・」ハヤトは感心した
「ブンヤのヒヨコとはいえ、情報網はちょっとしたもんさ。戦後のどさくさで行方不
明になった子供達てのが結構いるらしくてな、それを記事にしたいって言う知り合い
のジャーナリストの取材を手伝ったことがある。多くは連邦軍がいろんなところに作っ
た“スクール”っていう、幼年学校まがいのところでスパルタ訓練させられてる。そ
のなかでニュータイプの素質あり、て思われたのが何人か、ニタ研に送り込まれてる
らしい」
そのジャーナリストは連邦軍に殺された、とカイは付け加えた。
「何のためにそんなことするんだ?戦争は終ったんだぞ」
「今は戦後じゃない、戦前なんだ」
と、カイは古ぼけた天井ごしに、宇宙を睨んだ。
「宇宙でも、似たような動きが始まってる。だからオレは、地上の星を探し出すんだ」
ハヤトは、カイのそのあまりにも詩人めいた台詞に、心を動かされた。
「おまえがそうであってくれればいいんだが」
翌日、06のエンジンがパーツごとヨーロッパに送られ、戦争博物館のザクのエンジン
が、ダミーに換装されていた。
ケチつけたくないけど、プロジェクトXじゃなくて単なる小説になってるような気がする。
>>120 何かを作る話じゃないから、仕方がないのかもしれない、と自作自演まがいの擁護をしてみるアホなわし
別スレで荒らされてしまったとこでこの手の職人昔したことあるけど、結構大変なんだぞ。ガンガレ!職人。
∧∧☆
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ヽ : : ヽヽ===' ' / /
ヽヽ、_ /
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/ ィ , ヽ , )` `ヽ
/ ノ^ ー '` ー 'ヽ ゙i
ノ ,,,ノ Y´゙ )
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ヽ_ \ ノ_/
ヽ、__ ヽ.ー ,,,@,,, ノ ソ、
〈J .〉 ヾ、.::;;;;;;::.ノ |ヽ-´
/"" ;ミシミッ |
レ イミ.i i.ミ リ
,ゝ ,ノ `ー∪' ヽ ノ
/ ` レリ i´ リ
i / `、 i'
〉 イ 〉 |
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(。mnノ `ヽ、_nm
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
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( ´∀`)プーヒャ るんるん♪
あれだろ・・・?
最後のオチは
SEEDで大失敗
/:::: 丿::::::ノ::::::::丿::ヾ
|:::::::::::/::丿:ノノ::ノ::ノ Bye-Byeありがとう〜
丿ノ:::::::丿. へノノ ソ さ〜よぉなら〜♪
丿l^ 、 ノ丿 (・) (・)
── . ノ(ヽV ( ,ゝ ) ──── ─ - - -
── / .ソ:: / _ ll _〉 ───────── ∩
 ̄ / , .丿 ヽ:: ‘ー''/ ──────── / ⌒つ
 ̄ i .i ゝ i、 ヽ── ___,, __ _ ,, - _―" ’. ' ・,’・
>>126>>124 ─ ヽ勿 ヽ,__ j i~"" _ ― _: i ∴”_∵,;::;)`д´)⊃
_____ ヽ,, / / __,,, -- "" ─ "ー ・, ; ; - 、・ し' ∴
────── ヽノ ノ,イ ─── ― - ・∵
────── / /,. ヽ, ── ドカッ!!
_____ 丿 ノ ヽ,__,ノ ___ _ _
j i
巛i~
129 :
:03/07/19 07:57 ID:???
彡川川川三三三ミ〜 プウゥ〜ン
川|川/ \|〜 ポワ〜ン ________
‖|‖ ◎---◎|〜 /
川川‖ 3 ヽ〜 <俺様のどこがきもいんだー?
川川 ∴)д(∴)〜 \________
川川 〜 /〜 カタカタカタ
川川‖ 〜 /‖ _____
川川川川___/‖ | | ̄ ̄\ \
/ \__| | | ̄ ̄|
/ \ガンダム命 | | |__|
| \ |つ |__|__/ /
/ ドキュソ氏ね | ̄ ̄ ̄ ̄| 〔 ̄ ̄〕
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よって
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
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(゚ω゚) ニャンポコー るんるんらんらん♪
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(/~ /~ /~ /~ ~ /~ /^\
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へ^〈,|,,、,,|,,、,,,,,|~,,,,、〈~,, 〈~ /⌒|)\
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.. ヽ. ヾニ二ン" / ぼくガノタ
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l `ー-::、_ ,,..'|ヽ.
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小学生女児監禁淫行事件の監禁少女画像へのログイン方法
1.書き込みの名前の欄に「&rf&rusi&ran&ras&ran&rrlo」 と入れる。
2.メール欄は「キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!」
3.本文に 「kinkyu.2ch-news #scoop」 と入力して、書込みボタンを押します。
4.タイトルが「ようこそ 2ch緊急速報板へ」に変わればばOKです
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良スレ保守
浮上するか
ここは 乂ガノタ処刑場乂 です。
\∧_ヘ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
,,、,、,,, / \〇ノゝ∩ < ガノタ殺すぞ、いくぞゴルァ!! ,,、,、,,,
/三√ ゚Д゚) / \____________ ,,、,、,,,
/三/| ゚U゚|\ ,,、,、,,, ,,、,、,,,
,,、,、,,, U (:::::::::::) ,,、,、,,, \オーーーーーーーッ!!/
//三/|三|\ ∧_∧∧_∧ ∧_∧∧_∧∧_∧∧_∧
∪ ∪ ( ) ( ) ( ) )
,,、,、,,, ,,、,、,,, ∧_∧∧_∧∧_∧ ∧_∧∧_∧∧_∧∧_∧
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彡ヘ i i ,.-''";;;;;;;;;`ヽ、 ヾllllllllllllllllllllllll
lヽゞノ ', ''i"~`゙`‐-、,;;;゙、 ヾllllllllllllllllll
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゙、 { \ .) し ::::::::::: ←ガノタ♪
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ガノタ( ´;゚;ё;゚;)キモッ♪ るんるん♪ らんらん♪ (・∀・∀・)ヌッヘッホー ♪
※自治スレのコピペだがどう思う?
667 :通常の名無しさんの3倍 :03/07/20 22:16 ID:???
ところで、このコピペを見てくれ。
これをどう思う?
290 :名無しが氏んでも代わりはいるもの :03/04/29 10:45 ID:???
>>289 トリップの付け方知らないの?
291 :アヌカだがね◇anuka1230d :03/04/29 15:58 ID:???
>>290 教えてもらったけど忘れた
292 :名無し ◆WETOEq6HBA :03/04/29 19:47 ID:???
ほら。
メールアドレス欄にfusianasanって入れるだけだよ。
296 :アヌカだがね :03/04/29 20:15 ID:???
つけてみた
297 :アヌカだがね p1025-ipbf02sasajima.aichi.ocn.ne.jp :03/04/29 20:17 ID:???
どう?
※詳しくは「シャア専用@自治スレ#16」にて。
職人待ちage
9:15 エーックス………
( ̄ ̄< / ̄>
\ ヽ / /ソ
プ ロ ジ ェ ク ト\ ヽ P r o j e c t X
─────────────────────
挑戦者たち /|_/ /\Challengers
| / \ 丶
\/ \__ノ
「宇宙世紀0079年10月、フラナガン機関によるサイコ・コミュニケーター・システムの試作品が完成。
旧態の電子兵器戦にも似た戦術を行なえるとあって、誘導兵器の研究が進められた。
幾つもの困難を乗り越えた開発チーム、完成を目前に突然の解散。
ソロモンの陥落。ア・バオア・クーに迫る連邦軍。そして、ジオングは出撃した。
これはMS-16Xを開発する事に全てを賭けた男たちの物語である。」
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
(地上の星流れる)
「プロジェクトX!」
♪風のなかーのすばるー
(映像:巨大なビーム兵器基部) 「不安定な 出力」「遅れる 小型化」
♪砂のなかーのぎんがー
(映像:高出力ジェネレーター) 「暴走の 恐怖」「達成できない 出力」
♪みんなどこーへいーったー 見送られることもなくー
(映像:コレヒドール、実験艦レムリア) 「上がらない 機動性」「連邦パトロール艦隊との 接触」
♪地上にある星をー 誰も覚えていない
(映像:実験艦レムリア、MSN-01) 「高機動 オペレーション」「たわむ ケーブル」
♪ひとは空ばかり見ーてるー
(映像:ソロモン空域、エルメス) 「全くの無線誘導兵器の 完成」
♪つーばーめよー たかーいそらかーら
(映像:本国防空隊の工廠) 「開発チームの 解散」
♪教えてよ 地上の星ーをー
(映像:0079年12月31日、出撃するジオング。) 「新たなる 旅立ちへ。」
究 極 の モ ビ ル ス ー ツ を 開 発 せ よ!
〜 MS-16X開発に全てを賭けた男達 〜
「プロジェクトX挑戦者たち 今夜はMS-16Xの開発に全てをかけた男達の熱き物語をお送りいたします。」
「MSN-02の方が聞きなれていることと思いますが、実は開発の最終段階までMS-16Xと言われていました。」
「国家の名を冠したモビルスーツ開発発令に、どのような背景があったのでしょうか?」
「まずは、開戦から開発発令までをご覧ください。」
ジオングか。ジオンの切り札、楽しみにしてます。
おお!久々の新作か
ブラウブロとの絡みとか、無線サイコミュチームとの確執とか。期待してまつ。
\ .人 ̄ <!  ̄ /ー'// ̄ヽ _.、‐'"
>ーヽ_>.、(ニ7 .イ ̄ヽ/´┴!-、 `!、. ,.-''"
(ヽヽソ~ヽ`ニ ‐'//='゙-‐'"~~~ヽヽ \ /
(ヽ /"二ー/〉 ]ーj´、、,,___ `}/´ >./
(ヽ./"/'''//::||:ヽ ヾ''''''ー‐、_//~'l/ ,.-''"
,.---、__(ヽ ('´ |::::::/ヽ::::::::::| `!| / u ノ
///-‐'´ /\ ./!:ノ ``''ヽ! | ./ ./
,.、-" ̄ ̄`ー 、-‐‐-/'''''''ヾ/ |/ _,.、---‐‐‐-,、|/ ./
/ `'ー、`'フ''ー'| ,.、‐'"-'''二=‐/ヽ::/ ./
. u `ヽ、ー、.! /ソ´二フ"、,,,,,,:ゝ、/ |
\ーフ''"-、,,/~"´::/,、/ .|
/´ \ノー''"~ー‐'' ̄ / |
/、 \ = / .|
/ \ ヽ 、、、、 / u |
_,、-'´ \ `ヽ ;iiiiii;;./ .|
|\ i i i | u ノ
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/ヾ/::::::ノ\. u /:/~~ヽ:ヽ /;;;;;/
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ヾ;;;;;;ノ
ブリブリブリッ♪
(;;;;;ヾ) /;;;;ヽ
ヾ;;;;ノ
/ ヽ r ,,,....,,, ヾllllllllllllllllllllllllllllll
彡ヘ i i ,.-''";;;;;;;;;`ヽ、 ヾllllllllllllllllllllllll
lヽゞノ ', ''i"~`゙`‐-、,;;;゙、 ヾllllllllllllllllll
_____, ,...,,,,__ `ヽ _,,,..、-‐'ヾlllllllll
l `ヽ l ヽ ,.r‐'''"゙ WV
'i 「ヽ, ヽ7''~ ̄ `ヽ し ::::::
゙、 l,'゙ヽ ゙、'"´ ::::::::::
゙、 { \ .) し ::::::::::: ←ガノタ♪
`゙'ト、.,_,,...,_ゝ='ヽ
ヽlllulllll`~´::::::::::ヽ ・
゙、-,,,,,,,,,..,_..,_、 ヽ :::::::::::: し :::::::
,,-'"゙`;;;;;;;;;::::. υ 、 :\ ):::::::::::::::: ::::::::::::
.(ゝ;;;;;;;;;;;;;;;;, 'u ::::::::::::::::::::::::::::::
../""ヽ;;;;;;;;;; .υ::::. '" ν::::::::::::::::::::::::: /
../ ´ ^ ゞ.ノυ:::::::,,,,,,::::::::::::::::::::::: , . - '"
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´, .,/ ヽ、;;;;;;;;;;;;,.、-‐''" \
ノ( / `'''''''''´ \
ガノタはいかがなものか・・・♪
ガノタは
| __ ヽ 二工二、 / ヽ
 ̄| ̄ / / \ ヽ 二土二「 | |
 ̄| ̄ / / | -┼┬ し
\_ノ ヽ丿 ノ ノ └┼
/ ̄/ | │ │ ゝ
|二二| | ─┼─ ─┼──
|二二| | | 人
/ \ し ノ _/ \_
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
( ゚∀゚)ア━━━━ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!! ( ゚∀゚)ア━━━━ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!! ( ゚∀゚)ア━━━━ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!
ガノタ( ´;゚;ё;゚;)キモッ♪ るんるん♪ らんらん♪
エーックス………
(映像:連邦軍の艦砲射撃をすり抜けるザク、動き始めるコロニー)
「0079年1月3日にジオン公国の宣戦布告によって勃発した『一年戦争』は、
『一週間戦争』『ルウム戦役』をへて『休戦協定』の条約会議で連邦政府に
降伏勧告を飲ませることで、終了するはずだった。」
(映像:傷だらけの内火艇、扉の奥からレビル将軍が現れる)
「会議場に入った連絡で会議は中断、使用可能な回線全てを使ってレビル将軍の演説が始まった。」
(映像:にわか作りの壇上に立つレビル将軍)
(音声:『我が連邦軍以上に、ジオンも疲弊している。ジオンに残された兵力は少ない』)
「この演説で連邦政府は態度を硬化、NBC兵器の使用とコロニー落しを禁じた
『南極条約』を結ぶにとどまった。予定外だった。」
(映像:ムサイ級巡洋艦に係留されていたHLVが切り離され、地球に降下していく)
「連邦政府の徹底抗戦の意志を再度くじくため、ジオン公国は地球進攻を開始した。」
(映像:世界地図、ジオン軍の勢力範囲が拡大していく)
「鉱山、油田、軍事拠点などを尽く抑えて行くジオン軍降下部隊ではあるが、
施設の維持、護衛、前線と補給路の確保、捕虜の監視などに膨大な兵員を割く結果となった。
『これ以上進攻すると内地が手薄になる。』戦争は、膠着状態に陥った。」
保守
良スレは保守っておかねば
148 :
通常の名無しさんの3倍:03/07/31 20:53 ID:47NY3c5R
ハッキリ言ってアメリカなどの多民族国家では黒人の方がアジア人よりもずっと立場は上だよ。
貧弱で弱弱しく、アグレッシブさに欠け、醜いアジア人は黒人のストレス解消のいい的。
黒人は有名スポーツ選手、ミュージシャンを多数輩出してるし、アジア人はかなり彼らに見下されている。
(黒人は白人には頭があがらないため日系料理天などの日本人店員相手に威張り散らしてストレス解消する。
また、日本女はすぐヤラせてくれる肉便器としてとおっている。
「○ドルでどうだ?(俺を買え)」と逆売春を持ちかける黒人男性も多い。)
彼らの見ていないところでこそこそ陰口しか叩けない日本人は滑稽。
\ .人 ̄ <!  ̄ /ー'// ̄ヽ _.、‐'"
>ーヽ_>.、(ニ7 .イ ̄ヽ/´┴!-、 `!、. ,.-''"
(ヽヽソ~ヽ`ニ ‐'//='゙-‐'"~~~ヽヽ \ /
(ヽ /"二ー/〉 ]ーj´、、,,___ `}/´ >./
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ブリブリブリッ♪
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彡ヘ i i ,.-''";;;;;;;;;`ヽ、 ヾllllllllllllllllllllllll
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ガノタはいかがなものか・・・♪
ガノタは
| __ ヽ 二工二、 / ヽ
 ̄| ̄ / / \ ヽ 二土二「 | |
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\_ノ ヽ丿 ノ ノ └┼
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うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
( ゚∀゚)ア━━━━ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!! ( ゚∀゚)ア━━━━ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!! ( ゚∀゚)ア━━━━ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!
ガノタ( ´;゚;ё;゚;)キモッ♪ るんるん♪ らんらん♪ あげてあげてあげまくるぞ〜♪
テスト
(映像:サイド7外観、ドックがズームされる。)
「膠着状態が半年以上続いた。ジオンの人的問題は深刻だった。そんな状態を
打ち破る緊急連絡が、宇宙攻撃軍司令ドズル=ザビ中将にもたらされた。
『V作戦をキャッチしたのです。』『赤い彗星』からの補給要請だった。」
(映像:ドックから現れる連邦軍強襲揚陸艦と白いモビルスーツ)
「『V作戦』は諜報活動によって存在が明らかだったが、モビルスーツと母艦の開発計画だと
言うこと以外はわかっていなかった。データの収集と実機の捕獲が最優先となった。」
(映像:ドップ、マゼラアタック隊による挟撃作戦)
「『赤い彗星』の攻撃を振り切った連邦軍揚陸艦は北米大陸に降下、
地球方面軍司令ガルマ=ザビ大佐が善戦もむなしく帰らぬ人となった。」
(映像:ガルマ大佐の国葬の模様、ジオン軍総帥ギレン=ザビの演説)
(音声:『我々は一人の英雄を失った!しかし、これは敗北を意味するのか!?〜』)
「ガルマ=ザビ大佐の仇討ち部隊として、宇宙攻撃軍から部隊がおくりだされ、
公国民はプロパガンダを兼ねた国葬の余韻に浸っていた。」
(映像:アッザムの固定カメラが捉えた連邦のモビルスーツ)
「ジオン公国軍突撃機動軍司令キシリア=ザビ少将は、地球の鉱物資源採掘基地にて
連邦軍のモビルスーツと接触、その脅威を目の当たりにした。」
「『新型の開発を急がせねば。』キシリアはあせった。」
(映像:フラナガン機関研究室、興奮気味のスタッフとサイコミュ試作品)
「グラナダに帰還したキシリア=ザビ少将に諮問機関から連絡が入った
『サイコ・コミュニケート・システム完成』…。
『旧態の電子兵器戦に匹敵する戦術を導入できる。』計画案はMS-16Xとして通案。
集大成モビルスーツとして「ジオング」という呼称が先行してつけられた。」
読んでマース
応援してま〜す
保守しまーす
期待あげ
hosyu
もしゅ
職人降臨松
エーックス………
「えー、このような状況の中、開発計画がスタートしたわけですが、MS-16Xの
試作機は直接着手されませんで、モビルスーツ、モビルアーマー、中型戦闘機でもって
ビーム兵器のテストほかデータの収集から始めることになります。
なかでもMS-06Zと言うモビルスーツはMS-16Xの試作機並のデータ収集が主な目的でして、
その製作にはいくつかの難関があったようです。」
「今夜のゲストは、MS-06Zの製作とデータ収集に携わっておられたAさんです。
どうぞお入り下さい。」
「早速ですがAさん、MS-06Zはジオングの1/2サイズで製作されたと言われていますが、
すでにジオングの青写真があったと言うことでしょうか?」
A「具体的な図面ではなく、スペックや機構の草案が箇条書きされた物でした。
その箇条書きの中にザクの2倍と有りましたが、支給されたモビルスーツが06Fでしたので、
2倍寸の1/2で現行のザクサイズで落ち着きました。あえて1/2と言うわけではないんです。」
「結果的にそうなったと…。では実際、ご苦労なさった点とはどのような事だったんですか?」
A「MS-06Zの場合、まるっきり新しい構造の腕ですね。
片腕に5門、両腕で10門の小型ビーム兵器を取り付けようと言うわけです。
当時MS-11…、MS-14用に小型ビーム兵器の開発計画が立案されたところで、
実用レベルの小型ビームユニットは存在していなかったものですから、
ビームライフルの開発部に飛んでいきましてね、『なんとかならないか』って掛け合いまして、
キアM-33Eって言う小型ビーム砲の原器を一式譲ってもらい、部品単位の小型化と
レイアウトの模索をやりました。」
深夜にお疲れさまですた(・∀・)!!
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
保守
ほsh
保守あげ
藻主
ホシュ
age
ほしゅ
翌日、JはSに改善点のメモを渡した。
・対宇宙戦艦用の強力な武装
・スペースデブリ(高速回転する細かな宇宙ゴミ)を弾き飛ばせるような装甲への強化
・それに伴うエンジン出力の強化
と、殴り書きで書いてあった。
Sは即座に言った。
「君はエースパイロット専用機でも作るきか?エンジン出力の強化はわかるが対艦装備なんて必要はない。」
この当時、サラミス、ムサイなどの宇宙艦による戦闘の常識とすれば、戦闘機の役目は戦艦の対空機銃をすり抜けてのブリッジへの一撃離脱戦法、
または艦砲射撃後のダメージを負った箇所への追い討ちというぐらいの戦法しかなかったのである。
つまり、戦闘機は戦艦の補助でしかなかったのである。
Jは答えた。
「A.D.世紀での戦闘を考えてみろ、戦闘の要は空母にあり、空母を失うことが敗北につながった。なぜか?戦闘機が主役だったからだ。
私はまた戦闘機が主役になる必要があると思っている。それに考えてみろ、戦艦が主役になっている限り莫大な費用がかかる。それが戦闘機ならば半分以下に抑えることもできる。君らがそこまでする勇気がないのであれば私は降ろさせてもらう。」
Sは、まったく反論ができなかった。
Jの言うことに怪訝の表情を見せたが、Sも薄々気づいていた。
もう戦艦補助としての戦闘機の役目が限界であることに。
長い沈黙の後、Sは口を開いた。
「わかった。君の改善点を書いたメモを優先事項とし、主役とする戦闘機を創ろうではないか。」
顔に脂汗を浮かべながらも、答えた。
Sにはそれほど大きなことであった。
しかし、この決断が、戦闘機史に残る最高の名機の誕生の始まりだったことを、まだだれも知らなかった。
一時放棄してますた。ゴメソ
マンセー
hoshu
ほしゅage
175 :
アホ:03/09/13 20:27 ID:q+1iDXjS
ガンダムは金玉あんのか。
保守age
「この腕にはビーム砲が収まるだけではなかったんですよね?」
A「はい。前腕にはビーム砲以外に姿勢制御と推進用のロケット、手首や指の駆動装置一式…
上腕には…最初にケーブルの巻き取りユニットを配置したんですが、予備のケーブルと
前腕装着時にプロペラントを供給する装置、肘の駆動系…ケーブル巻き取りは
胸部に配置することになりました。3Dのパズルを解いているような感覚でしたね。
結局腕だけはジオングに取り付けられるものと同じようなサイズになりました。」
「腕以外の部分は問題無く進んだんでしょうか?」
A「そうですねー腕以外は、頭部の光学センサ…モノアイのレールを新規に起こしたくらい
でしょうか?あとは…MS-14とMS-09Rのブラッシュアップで何とか形にした感じです。
とにかく早急に、仕様に見合った機体を稼動試験にまわさないといけないわけですから。」
「なるほど…。MS-16Xをじっくり練り込むための試験機ですからね。」
「えー完成した3機のMS-06Zはコレヒドールにて稼動試験を始め、本国工廠に
データを送り始めます。そんな中、苦労を強いられた人がいました。」
( ̄ー ̄)
保守
保守sage
(・∀・)ほしゅ
こっちもageとくかな。
ほーしゅ
まだ大丈夫かも知れんが一応保守
前略
その依頼は、意外なところから来た.
教導隊。
彼らは、敵対勢力の用いる機体で、敵対勢力がと
りそうな戦術を模倣することで他の部隊と模擬戦
を行い、教え、導く。
別名 アグレッサー部隊。
戦後、彼らは捕獲したジオン製MSを使用していた。
当初のうちは潤沢にあった補修パーツではあるが、
連邦系の技術とはあまりにもかけ離れた技術体系
のもとに構成されているため、一つ一つの部品を
作り直すには、技術的には不可能ではないものの
あまりにもコストがかかりすぎ、戦後3年もたつと
MS-06系の予備パーツはそこをつく、というのが
教導隊の見込みだった。
Y中尉は、技術開発局に直訴した。
「敵はスペースノイドだ。当然、ザクが主力だ。俺たちは
ヨチヨチ歩きもままならないヒヨコどもに、ザクとの戦い
方を教えなければならん。それなのに、補修パーツの補給の
目処は立たないんだ。」
だから、なんとか、既存の連邦系パーツでザクの補修が出来
るような手を考えて欲しい、とY中尉は頭を下げた。
Y中尉は、生粋のアースノイドである。当然、最初に頭を下げ
たのはジャブロー本部である。
しかしながら、ジャブローのモグラは、そんな一士官の陳情な
ど無視した。
「性能的にはRGM-79だって06系に引けを取らんのだ。きみは
スペースノイドがとりそうな戦術を、既存の機体でトレース
すればよい」
現場を知らない将官たちの、たわごとだった。
Hi-ZAKKUキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
エンジン出力やスラスター出力、センサー半径、携行火器などで比べると
たしかに、RGM-79のほうが一枚上手である。
しかしながら、RGM系と06系の機体で、数値に現れない、しかしながら重要な
差異があった。
骨格構造である
ジオン系MSは基本的にモノコック構造である。
装甲外板が、骨格の代わりをする。外骨格と
いってもいい。
装甲が骨格を兼ねるので、被弾に弱いものの
そのぶん構造体を節約できるから、同じ出力
の間接のパワーでも、運動性が格段にことなる。
RGM系はセミ・モノコックという構造をとっている
内骨格と害骨格の中間のような構造で、装甲外板で
機体強度を全部あがなわなくてもいいのでモノコッ
ク方式よりも被弾に強い反面、別に骨格パーツが必
要になり、重量は増加した。
戦場で使う機体としてなら、骨格の方式に大きく優
劣はない。運動性をとるか、耐久力をとるかの選択
に過ぎない。
しかし、教導隊の士官としては、モノコック方式の
ザクの運動性と、それがもたらす戦術を、生徒達に
教えたい。そのためにザクのパーツが必要になる。
それもまた、一つの真実だった
ジャブローのモグラに愛想が尽きたY中尉は、連邦軍のさまざまな
開発拠点を回った。
しかしながら、どこの拠点でも、ザクの補修パーツを作ってくれる
という答えを引き出せなかった。
一番期待していたペズンからして、門前払いにされた。ペズンとは、
ジオン突撃機動軍の開発プラント小惑星で、大戦末期、戦局を覆す
ような新型MSを開発している、となんどもうわさに上った拠点であ
る。
ジオン軍が戦意高揚のためにながしたデマだと思われていたが、接
収されたペズンから押収された開発プラン”17”はもし、実現して
いたら、あのRX-78をはるかに上回るスペックを維持しながらも既
存の施設を利用してすぐにでも大量量産、配備が可能とされていた。
それほどの施設だから、戦後すぐにプロジェクトチームが結成され、
元ペズン所属のジオン軍開発チームと技術的すり合わせが行われた。
「当方は研究施設でして、生産設備は所持しておりません。したが
って、貴官の要請にはこたえられません」
生粋のアースノイドのY中尉にとって、ジオン系技術者に頭を下げる
事でさえ屈辱的なのに、その上、要請をにべもなく跳ね除けられ、Y
中尉は荒れた。鬱屈した感情が訓練にも跳ね返り、もっとも手ごわい
アグレッサー部隊と恐れられ、
「最恐」の異名をとった。
ハイザック好きの俺には涎ものだ
続き期待してるよ
スタジオ
国井「今日は、当時同じアグレッサー部隊に所属していた、フィリップ・フューズ元
中尉に来ていただきました。」
久保「フィリップさんは軍を退役され、いまは念願だったパン屋を経営なさっていま
す」
F「よろしくお願いします」
国井「フィリップさん自身も、一年戦争時代、消耗率53パーセント以上といわれていた
実験部隊に所属されていた優秀なパイロットと伺っております」
F(ちょっと照れる)
国井「その頃のお話も非常に興味深いのですが、今日のテーマとはずれますので、そ
れはまたの機会にしたいと思います」
久保「フィリップさんはその戦歴を買われ、戦後すぐには除隊を許されず、0084年ま
での4年間、軍にとどまりました」
国井「それで、一年戦争後は教導隊に転属になり、後進の指導にあたられたわけですね」
F「そうです。ぼくらモルモット部隊は連邦軍でたぶん、一番早くMSに触れた連中でし
たからね。GMの量産
が軌道に乗るまでは、捕獲したザクをもつかって、MSそのものに慣れるような訓練をし
ていました。正直な話ザクに乗って実戦に参加したこともあります。言い方を代えれ
ば、連邦軍でもっともザクに慣れたパイロットの一部ともいえます」
国井「それで、当時同僚だったY中尉の事を話していただけませんでしょうか?」
F「なにから話せば・・・・・・」
久保「そうですね。人柄とか、当時をしのばせるエピソードとか」
F「とっつきにくい奴でしたね。近寄りがたい奴でした。俺はアースノイドなんだって
いう自負がそうさせるのですかねぇ。腕はピカイチです。いままであった誰よりも。
私だってそりゃ、部隊の中でも上から数えたほうがはやい腕だと自負していましたが、
あいつだけは別格です。でも、あいつは腕もたつが、なにより、仕事熱心でした」
国井「ありがとうございます。それでは、ここでもう一人の人物にスポットを当てた
いと思います」
久保「Y中尉は開発拠点を転々としながら、最後にグラナダにたどり着きます。グラナ
ダで出会ったのは、Eという技術士官でした」
グラナダ。戦争中はジオン突撃機動軍の本拠地で、キシリア・ザビが納めていた。ジ
オニック、ツゥィマッド、MIPなどのジオン系の軍需産業も研究施設や生産拠点の一部
を移していた。また、戦後最大の軍需産業となったアナハイム・エレクトロニクスの生
産拠点もあった。
戦前から、ルナリアンのなかでも、エアーズ市やフォン・ブラウンなどと違ってそちら
かというとスペースノイド贔屓の気質もあり、キシリアの占領中も軍と市民の間に問
題は起こらなかったし、戦後、連邦軍が占領したときでも、グラナダがサイドV本国より
も手を焼いていた。
そんなところだから、連邦軍が期待していた、“十年先の技術”の接収は困難を極め
ていた。
グラナダの造兵工廠を訪れたYは、現地のスタッフに簡単なレクチャーを受けた。
「ジオニックの社員はほとんど、サイドVに帰っちまいましてねえ。熟練工がいなけ
りゃ、ラインが残っててもパーツを製造できるかどうか・・・・ジオン側の協力がな
いから、技術の接収も進んでいません。中尉がおっしゃるような部品の共用化まで進ん
でいないのが、現実です」
Y中尉は、肩を落とした。
そのスタッフはY中尉を哀れんだのか、いまはアナハイムに株式を全部取得され、子会
社となったAE・ジオニックグラナダ工場の工場見学の申請を取ってくれた
そこで、工場内を案内したのが、Eという技術士官だった。
Eは戦争中、ジオン軍に所属し、ザクの開発に携わった。数々の試作機を手がけ、戦中
は専用機を与えられるほどの腕前であった。
後の調査で二人はなんどか、戦時中交戦しているが、そのとき二人はそれを知らなか
った。
Eは戦後、アナハイムに出向という形をとっていたが、連邦軍に協力を渋ったため、工
場見学コースの案内という閑職に甘んじていた。
小惑星行きの最終便に乗り遅れ、かといって戦場を放棄してア・バオア・ク-陥落を決
定的にしたデラーズとやらの残党軍に身を投じる気にもなれず。Eは腐っていた。
あまり気の進まない見学者を案内しながら、それでも、Eはこの男の発想に興味があっ
た。見学コースを終了させ、EはYを自らのオフィスに招いた。
そこで、Eは、手慰みだが、と一つの設計図を見せた・
R-4というラベルのついたハードコピーを、Yは食い入るように見つめた。
「いま、アナハイムではRGM系列の補修部品の製造も請け負っていましてね。言ってみ
れば下請けのようなこともやってます」
とEは説明した。
「うちで作ってるパーツを、そのまま、あてはめてみたらこうなる、というのがそれ
です。といってもまだ本格的な検証はしてません。」
しかしそれは、想像を絶するものだった。
旧ジオニックの生産ラインにある、流体パルス駆動システムをそのまま利用し、スラス
ターやアポジモーターなどの消耗部品を連邦軍の規格品にあわせている。
しかし、ボディ周りは完全な新規設計で、向上が予想される運動性に、ザクの装甲材質
である。超高張力鋼、いわゆるハイパー・スチールではついていけず、フレームと装甲
を共用するザクではそこまでの運動性の向上は事実上むりで、装甲材質はチタン・セラ
ミック複合装甲が望ましい、とメモが添えられていた。
「あなたが考えているものとは多少違うかもしれませんが、概ね同じようなものです」
「しかし、これでは新規設計機だ。私の欲しいのは、今の機体を生かせる補修パーツ
です」
「それでは、採算が取れない。どのみち、ジオニック社のラインを動かすにしても、RG
M系のパーツを加工するにしても、手間・ヒマ・カネがかかるわりに、納品先はあなたの部隊とせいぜい戦争博物館ぐらいです。スケール・メリットが合わない」
Eは慣れた手つきで電卓をはじき、数字をYに提示した。
「モノコック構造の機体で演習がしたいなら、09や14もありますが」
YはEのあからさまな徴発には乗らなかった。09や14はただでさえザクよりも生産台数
が少なく、激戦区に投入されたため残存数も極めて少なく、のこったものはほとんど
開発拠点で研究にまわされていて、とてもではないが部隊として運用できるほどの数
を調達することは出来なかったのは、周知の事実だった。
ちょっとね、たまには
hosyu
期待あげ
ねんのため
197 :
プロジェクトX ハイザックを作った男たち :03/10/07 23:17 ID:w/vwQayd
Yは言葉に詰まった。
しかし、目の前にあるR-4の開発プランニングそれそのものは、惹かれていた。
教導隊でつかうから、ということではなく、一つのMSとしての可能性を、そこ
に見た。
だから、Eの不遜な態度にも、我慢した。
一方、Eも内心ではあせっていた。
Yが教導隊の予算を回してくれれば、すぐにでもR-4を試作できる。
少なくとも一機試作できれば、部品の適合性を試験できる。すべて
の部品のシンメトリーさえ取れれば、既存のどんな機体にも負けな
い屈指の汎用機を作ることが出来る。
その、自信はあった。
目の前にいるY,迎合を好まない男だとEは見抜いて
いた。だから、賭けに出た。
本当ならひざまずいてでもYにすがり、試作機を作りたい
Eだったが、あえて、この言葉を口にした。
「どのみち、連邦軍の軍人さんにモノコック構造の機体を
扱うのは無理ですよ。モノコック構造の機は繊細すぎる。
ましてや、このR-4の運動性についてくるパイロットは、
いないんじゃないんですか」
Yはそのこぶしを、Eに叩き付けた。
Eの奥歯が、折れた
「面白い。予算は回す。作ってみればいい。教導隊でテストしてやる。
俺のライトアーマーに、ドッグファイトで勝つような機体を作れるんなら
上に働きかけて、あんたの会社のその新型を買うように折衝しようじゃな
いか。その代わり、てんでたいしたものが作れなかったら、あんたのとこ
ろのラインを動かして、ザクの補修パーツを原価で納品しろ!」
198 :
イワン・イワノフ ◆hXNT99XLA2 :03/10/07 23:21 ID:e/NGgZ0T
小声(プロジェクトエーックス
199 :
プロジェクトX ハイザックを作った男たち:03/10/07 23:45 ID:w/vwQayd
Eがスタッフを引き連れ、教導隊の基地に赴任してきたのは、1ヵ月後だった。
EはYの前に立つと、すばやいが軽いジャブをYのあごに叩き込んだ。
そして、にっこり笑うと
「あれを作りに来た」
Eは一言だけ言った
「手伝って欲しい」
Yは、快諾した。
まるで昔の少年漫画のように、二人は殴り合って、お互いを認めた。
その日から、彼らの戦いが始まった。
予算を回す、とはいっても、一部隊が自由に裁量できる額など、たかが
知れていた。
だから、その研究予算を作ることからはじめなければならなかった。
教導隊に配属されるようなパイロットは、百戦錬磨のつわものである。
教官の質を維持するために、部隊の垣根を問わず、優秀な人材をあつめ
ていた。
だから、連邦軍中に、人と人のネットワークを持っていた。
教導隊といっても、Y中尉の部隊だけではないし、教導隊以外でもザクを
使っている部隊もある。
そんな部隊同士で余っている部品を融通しあって、今まではなんとかしのいでいた。
また、戦後退役したやつなんかとも連絡を取り合って、民間のジャンク屋
からパーツを仕入れたりしていた。
なにも、今始まったようなことではなかったが、Eのチームが支援についた
おかげで、今までは捨ててしまっていたようなパーツでも、リサイクルで
きるようになった。
しかし、そんな血のにじむような努力も、それそのものでは、焼け石に水だ
った。
それにより、浮いた予算を、研究開発費として計上し、Eのチームに融通して
いた。
乙〜ついでに二百式ゲット
保守します
202 :
プロジェクトX ハイザックを作った男たち:03/10/08 21:58 ID:wyPVF6Pf
Eとそのチームは、連邦軍中のザクの運用データと、送られてくるリサイクル部品
を研究した。それが、後々の蓄積となった。
つめに火を灯すような努力で、パーツのリサイクルに励んだ。あるスタッフなどは
戦時中カリフォルニアで整備兵をしていたが、戦時中よりも忙しかった、と言った。
共有できるようなパーツは積極的に、RGM系のパーツを試してみた。試行錯誤を重ね
Yのチームで試し、Eのチームで検証する。
そして、半年が経った。
Yのチームをはじめ、各部隊のザクの運用実績を洗い出し、消耗するパーツをRGM系の
ものに置き換える目処がたった。
そして出来た、R-4試作1号機。
Yは、まず自分で乗り、その性能に満足し、その上でEをコクピットに乗せ、自分はライト
アーマーに乗った。
模擬戦。
相手に79Lを選んだのは、Yが慣れた機体である、ということ意外に、その時での連邦軍
の機体で、RX系を除いて最高の運動性能を誇る機体だったからだった。
Yは、はじめてR-4のプランを見たときから、これの売りは屈指の運動性ということを見
抜いていた。
グラナダの荒野で、模擬戦が始まった。
懐かしいな、このスレまだあったんだ
次回予告
「ジオンを護る笠となれ」−ア・バオア・クーに賭けた男達−
なんていかがでしょ?ぐずぐずしながら取材中ですが。
なんかなぁ
最近ハイザックの連載?が始まったみたいだが、レスがすくねぇよな
面白いとか面白くないとか
そういうレスポンスがないから、あれだけいたこの板の職人、
みんないなくなっちまったんじゃねぇ?
文字通り、
「みんなどこへ行ったぁ・・見守ーられることもなくぅ♪」
っつぅ状況じゃん
やばいで、マジで
個人的には、やや文体がトモロウ調になりきれてないが、このハイザック
の話はおもしれぇ
が、もすこし、文章を学んだほうがいいような気がする
スマヌ。オイラROM専だけどいつも感心しながら見てるよ。職人殿頑張ってくだされ
人が少ないのは確かだろうなぁ。
職人さん方、いつも楽しみにしてます。頑張ってくれ。
208 :
:03/10/10 18:36 ID:???
とりあえずこのスレはチェック入れてるんで職人さんがんがって
反応無いのもアレだけそ新板のSS系ネタスレなんか反響ちゅか注文ありすぎてキツイのもあるよ。
やれウエットな話は腐女子だの、女は出すなだのやりにくいったらありゃしない。
気に入らないのなら話の流れを変えるような話を投下すりゃいいのに文句ばっかだし。
まぁ旧板でもテム・レイスレみたいに読み手に破壊されたスレはあるし、新旧関係なさげだけどね。
とりあえず職人さんガンがってクレ!俺も小ネタで支援できたら致します。
(映像:ジオン本国工廠会議室、スクリーンを食い入るようににらむスタッフたち)
「『ジオングの頭部は脱出カプセルを兼ね単独で航行し、ビーム砲を1門装備。また、
腕部は片方に5門、両腕で10門のビーム砲を装備し…』その時だった、一人の男が技術士官に
噛み付いた。『そんな化け物を食わせるだけのジェネレータがどこに有りますか?』
Bの率いるジェネレータチームのCだった。」
(映像:指差し点検中のBの写真)
「緊迫した空気の中、Bの平手が飛び『有る物だけで新型は出来ない。
無い物は我々が造るんだ。』すかさずたしなめ、その場を収めた。」
(映像:鋳造品のバリをヤスリで落としているCの写真)
「MS-16Xにたずさわるチームの全体会議のあと、CはBに呼び出された。」
(映像:指差し点検中のBの写真)
「工廠側に作られたプレハブの一室に緊張に顔を強張らせたCが入ってくる。
『まあ、すわれ』いすをすすめたBのにこやかな顔にCは言葉が出なかった。」
お?MS-16X復活おめでとうごぜぇます。
期待してますです
しかし、やっぱりネックはジェネレータだったか
MSのスペック表を見てると、ジオングの出力だけ異常に高い。
水陸両用のゾックよりも高出力。もちろんガンダムなんか比じゃない。まさかと思った。
火曜日番組を見ると俺も書いてみたいと思うが、書けない(´・ω・`)ショボーン
これが文才のなさか
214 :
ハイザックな人:03/10/13 23:00 ID:N7iTyxQm
>>213 そんあこたぁねぇですよ
僕の見てください。
あんまりうまい文章じゃないでしょう?
それでも、思いついたネタを発表したいんで
なんとかがんばったりもしてみてるんです
文章力よりも、ネタだと思います♪
面白いネタがあったら、書いてみてくれる
と嬉しいな。
この板昔からいるけど、最近職人さん少ない
もんでさみしいのですよ
テムスレもそうだけど、名スレは残していきたいねぇ
まあマターリいきませう
ROMってるだけの人間だけど、ハイザックもジオングも面白がって読んでますよ〜。
ガンガレ。
hosyu
かつての活気を思い出します。
職人様がんがれ
220 :
通常の名無しさんの3倍:03/10/21 01:37 ID:s+BDDOz9
・このスレで完結してるもの
133式ボール開発秘話
>44-49 >50(あとがき)
・まだ完結していない(と思われる)もの
ゴッドフィンガー開発秘話
>28-30 >40-42
反地球連邦政府活動(カイ・ハヤト)
>34-39 >43 >95-96 >98(>43の再放送) >117-119
ガンダムファイトを挑む漢達
>78
セイバーフィッシュ
>82-84 >86 >106 >115 >170
MS-16X(ジオング)
>138 >140 >145 >151 >159 >177 >210
ハイザック
>185 >187-188 >190-192 >197 >199 >202
こんなもんかな?
見にくくてスマソ。
221 :
220:03/10/21 01:39 ID:???
うわ、ageちまった・・・
重ね重ねスマソ。
期待を込めてほしゅ
Yにとって、R-4は、これまで戦ったどんな敵よりも手ごわい相手だった。
Yとて、一年戦争を生き延びた猛者である。戦争前から連邦宇宙軍に所属し
地獄のようなルウム戦役を、その当時、
最強の航宙戦闘爆撃機と呼ばれたセイバーフィッシュで切り抜けた。射程圏
内に入れば、巡洋艦でも直撃一つで轟沈させられる、と豪語された360ミリ
ロケット砲を12門も備えていながら、ルウム戦役ではそのほとんどが、ムサイ
を射程圏内に納めることなく、星になっていった。
その後は、まるで棺桶を急造で作ったようようなボールで、終わりのないゲ
リラ戦。仲間達は、敵の攻撃を受けるよりあまりに苛酷な環境がもたらすスト
レスが原因で、戦場を去っていった。
やっとGMをもらった頃、Yの部隊は敵のエース部隊を追撃する任務についた。
そのとき、ノーマルのGMで、ジオンのエースの証である、MS-06R-2を撃墜し
ている。
Yはその後、79Lの開発プランを上層部に提出した後に撃墜され、終戦を病床で迎
えた。最終的な撃墜機数では他のエース達の大きく離されてはいても、その腕は、
確かなものだった。
そのYが、連邦軍屈指の運動性を誇る79Lに乗って、いまだEののるR-4をロック
オンできないでいた。
Eとて、戦争中は5体しか製造されなかった、06R-2のパイロットである。腕そのも
のは、Yに劣るものでもない。
パイロットとして、二人の力量に、それほど大きな差はないはずだった。
06系の運用実績ならば、開発に携わったEのほうが上だが、そのEが想像もしなかっ
たような地獄を、Yは潜り抜けてきている。
二人の腕は、互角といっても良かった。
そのYの腕をもってして、EのR-4に追いつけないでいた。
二人はお互いの機体を交換し、再度模擬戦を行った。
Eもまた、Yをロックオン・サイトに捕らえることは出来なかった。
教導体は、コロニー、宇宙、砂漠、極地、ジャングル、考えれれるあらゆる環境に
R-4を持ち込み、テストを繰り返した。
GMのノウハウを吸収した、元ジオニックのメカマンたちは、いずれの環境でも確実
に性能を発揮する、信頼性の高いモビルスーツを作り上げた。彼らは、連邦軍のRGM
系列を鼻でわらって小ばかにしていたが、設計思想が違うだけで、RGM系列のパーツ
もそれほど悪くはないと理解するようになると。積極的にその技術を吸収していった。
その結果。地球上の環境に適応するため数々の局地専用カスタマイズを必要とした
06系列の最後発機であるR-4は、とくに局地専用のチューニングを必要としなくなるくらいに
地球という環境に適応できた。
テストは、成功だった。
教導隊と、Eの開発チームは、R-4を完成させた。
RGM系列の部品を多用する、モノコック構造の機体を完成させた。
縮小された元ジオニックのプラントを利用し、Eが求めるチタン・セラミック複合材
装甲を利用しても、コスト的にはRGM79Cと大差ないがしかし、スペックでは大幅に
上回るものを、開発することが出来た。
しかし、そのテストの最中、北米はオーガスタのプラントが新型機を開発した、と
いうニュースが駆け巡った。教導体は、R-4をもって、その新型機との模擬戦を申請
した。そこで、彼らは初めて、大きな挫折を味わうことになった。
エーックス
久保
「ここに、79年暮れから80年代中期に開発されたMSの模型を準備いたしました」
国井
『中にはプランだけで、結局実機を作られなかったものもあります。この時代、
さまざまな開発プランが生まれては消え、そしていくつかは現実化していきまし
た。そこで、彼らが作り上げたR-4、ハイザックの原型に当たる機体ですが、そ
れらと同じ時代に存在したMSというのも、いくつかありました』
久保
「そこで、R-4の開発に携わった、A氏に起こしいただきました」
国井
「Aさん、はじめまして。早速ですが、これらのMSの簡単な説明をお願いします」
A
「わかりました。79C、これは戦争中のRGM系の生産プラントをまとめた、戦後の
標準機となるべく作られた機体でしたが、デラーズ紛争の時に、明らかに旧型の
ジオン機に遅れをとり、生産は早期に打ち切られています。ちょうど、このR-4が
世に出るかどうかのころだと思います」
国井
「この、薄緑色の機体は、GMカスタムという奴ですよね」
A
「えぇそうです。戦争中に作られたNT-1という試作機からモニタリング機構と腕の
ガトリングをオミットしたものをそのまま生産ラインに乗せたものです。NT-1に標
準搭載されていたマグネット.コーティングもそのままのっていました。その上で、
OSもバージョンアップさせてますので、機体としてはかなりピーキーな仕上がりで
したがあのRX-78-3とほぼ、互角の性能を誇っていました。」
久保
「特徴がないのが特徴、と揶揄されていたようでしたが」
A
「それは誉め言葉ですよ。原器となったRX-78だって、分類は白兵戦用MS、てことに
なってますが、その実、連邦軍がMSというものを検証するために作ったようなもので
すから、汎用というより万能さを求められていたんです。したがって、完全な後継機
であるなら、特徴がない、といわれるのは、ごく自然なことなんです。実際、そのRX
-78-3に匹敵する運動性を持たせながら更なる火力を持たせた機体を作るのを目標とし
ていた、RX-81プロジェクトというのが当時あったのですが、そちらのほうがまとまら
ないうちに、運動性だけでも互角なこのGMカスタムの量産体制が整ったため、そのプロ
ジェクトは打ち切りになりました。」
国井
「要するに、そのGMカスタムが完成した時点で、GM本来の目標である、ガンダムの量
産に成功したわけですね」
A
「そうですね。RGM-79は戦争を勝利に導いたいい機体でしたが、純粋に機体のスペッ
クで考えると、ガンダムjの簡易性産型の域を越えていませんでしたから」
国井
「そこでAさんに質問があるのですが、戦後連邦軍はジオン軍の技術を積極的に吸収
しようとしていきますが、それよりも、なぜ、これを量産しなかったのでしょう」
といって、MS-14Aを指差す・
国井
「ゲルググも、あのRX-78に匹敵する性能を誇る、と並び賞されていますし、サイド
3の生産設備は無傷で接収できたのですから、たしかに、戦後3年近くかけてGMカスタ
ムを量産するよりも、そのままゲルググを量産してしまえば話は早かったのではない
でしょうか?」
久保
「ゲルググが使えるのであれば、Y中尉も無理をしてR-4試作機を作り上げることも
しなくてすんだかも知れませんね」
A
「ゲルググの量産計画は、形を代えて存在していたんです」
といってガルバルディβの模型をさす。
A
「これは、ゲルググの後継機のプラン17と呼ばれるものを戦後、連邦軍が接収して
量産したものです。ゲルググの生産プラントをつかって生産できましたから、実質、
ゲルググそのものの上位機種と言っても過言ではありません。このプラン17を含めて
小惑星ペズンで作られた機体を総称して、MS-Xとかペズン計画機とかいったりもしま
す」
国井
「基本スペックだけを見てみますと、R-4は概ね、後のハイザックと大きくは変わり
ませんね。」
A
「そうですね。細かい補修、改装などで、0からR-4を作り上げるときよりもR-4を量
産にこぎつけるほうが苦労は多かったと思いますが、この時点でR-4はある意味で、
完成されていた、ということも出来ます。」
久保
「ここで、視聴者の皆さんに簡単におわかりいただけるように、簡単な表を作りま
した。機体構造と装甲材、駆動方式の一覧です」
ハイザック モノコック構造 チタン・セラミック複合材 流体パルスシステム
ゲルググ モノコック構造 チタン・セラミック複合材 フィールド・モーター
ジムカスタム セミモノコック構造 ルナ・チタニウム MCフィールド.モーター
ガルバルディβ モノコック構造 チタン・セラミック複合材 MCフィールドモーター
ジム改 セミモノコック構造 超高張力鋼 フィールド.モーター
国井
「しかし、こうしてみますと、Y中尉がハイザックを苦労して作り上げている頃、あ
るいはそれを凌駕する性能を誇るMSがいくつも存在していたわけですが、それでも、
戦後初の新規設計量産機として連邦軍に採用されたのはハイザックでした。それに
は、一人の人物の思惑が関係してきます。ジャミトフ・ハイマン。悪名高いティター
ンズの総帥でした。」
力作乙です=
>>225 「特徴がないのが特徴」と言われたのはGMカスタム量産型だ。
“量産型”という言葉が抜けてるだけだ。脳内で補完しようぜ。
職人さん、乙!
(映像:指差し点検中のBの写真)
「『おまえが噛み付きたくなるのも分からんことも無い。
安全性や信頼性の確保と新規造り起こしじゃ油と水だ。
ジェネレータが短期に仕上ると思われちゃあ困るんだ。』Bが言った。」
(映像:鋳造品のバリをヤスリで落としているCの写真)
「Cは、自分の考えをBが察しているばかりか理解すらしてくれている事に
胸を撫で下ろした。が、安堵もつかの間もう一つの不安が頭をよぎる。」
(映像:低重力ブロックのラインで組み立てられる小型ジェネレータ)
「当時の最新技術を使ってもジェネレータを新規で造り起こすと、
設計から製造・最終調整終了まで半年以上費やす状況である。
MS-16Xの機体各部が完成し、最終的な組み上げ作業に入った段階で
納品するにしても時間が無いのは変わらない。」
(映像:鋳造品のバリをヤスリで落としているCの写真)
「『容積は3.8倍あります。今手に入る部品だけで設計すれば、出力は若干
下がりますが安全性や信頼性は確保できますし工期も間に合うかもしれません。』
Cの話しを聞き終えたBが、たばこを吹かし戸口を見ると不安そうに覗いている
残りのスタッフ達と目が合った。」
久しぶりにジオングキタ━━━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━━━!!!!
ゲルは流体パルスじゃなかったけ?
ゲルググは流体パルスでザクその他と一緒。
ギャン・ガルバルディとガンダム・GM・ガンキャノンはフィールドモーター。
ジオングやケンプファー、ドルメルなんかはわかりにくいな。
メーカーが特定できたら考察もつくんだが。
このスレは面白いけど、初心者向けじゃないネタが多過ぎるな。
まさに素人にはお勧め出来ない、諸刃の刃w
>235
いや、素人は2チャンに来てはいけないんじゃないかと
思うんだけどサー
まあ、素人は素直にromってな。
オレモナー
期待保守
アムロあげまーす
(映像:B率いるジェネレータチーム集合写真)
「『今日は作業場の整理をしてろと言っただろ。』そうBに言われ、
『要求性能と工期が気になって掃除どころでは有りません。』
苦笑いしながら答えるスタッフ達、『そろそろタネアカシを願います。』
と、言葉を続けた。」
(映像:ジェネレータチーム集合写真、古株の一人にスポット当たる)
「『C、お前は入って日が浅いから知らんだろうが、Bさんが
全体会議の後にチームの会議を開かん時は奥の手があるんだ。』
困惑したCに古株が説明を加える。」
(映像:指差し点検中のBの写真)
「ばつが悪そうなBをよそに、スタッフがプレハブに入り陣取る。
Cもそれに習う。『仕方がない、聞き終わったら掃除に戻れ。』
Bはそう言って話し始めた。『ペズンに準量産にも満たない極少ロットの
部品がある。ジオンの最先端と言って良いような品だ。それらの詳細リストを
請求した。明日届く事になっている。』呆気に取られる一同、Bが続ける。
『MS-16は三機のみだ、量産ベースは考えるな。詳細が届いたら熟読し、
設計にかかる。カマと外枠は新規で要求性能を満たす。以上。』
掃除に戻る皆の顔は心なしか晴れやかだった。」
久しぶりにジオング
最高
(映像:MSN-02模型、ターンテーブル上でゆっくりと回転。脚が付いている)
「一方本体は、頭部・胴体・両腕・両足でそれぞれチームを組み、
技術士官のDが総括する形で治まった。
グラナダのA達が組み上げたMS-06Zの各仕様を全面的に採用。
さらに、外装と内装が平行して作業出来るセミ・モノコックを
一部に取り入れ工期の問題を軽減、技術的問題も無いものと思われた。」
(映像:白板を背に資料に目を通すDの写真)
「ジェネレータと本体の基本設計が上がった頃、Dは
以前から要請の有った上層部への説明会を開いた。
説明会で、実測値…稼動試験での結果、が出ていない部分が有り、
シミュレーションで得た数値を下方修正して設計してある旨を述べ、
具体的な性能へ話しが移った時、上層部が難色を示した。
既存のMA等を引き合いに出し、機動性の低さ等が指摘された。
説明会を終えたDは具体策を出せないままグラナダのAに結果を伝えた。」
(映像:資材置き場、カップを手に鉄骨に腰掛けるAの写真)
「Aが言う『Dさんが送ってくれた基本設計は上出来です。設計変更の少ない形で
対応しましょう』…『実測値は採ってみせます。掛れる所から製作に掛って下さい。』
そう言いきるAに、Dはなぜか不安を感じなかった。」
某ヤザン様スレといい、旧作&OT好きな漏れにはたまらん展開です
個人的にはハイザックて優れたデザインやと思ってたので
インダストリアルな基本性能や生産性に言及してくれる今回のはヤッパたまらん
えー−−−くす!!
保守っとく?
あたりまえだのくらっかー
hosyu
247 :
通常の名無しさんの3倍:03/11/16 08:24 ID:JD/Cs8Pn
ほしゅ
248 :
通常の名無しさんの3倍:03/11/16 10:28 ID:s0INDyTt
ドムは・・・飛ばなかった エーックス
保守だ!!保守!!
(映像:実験艦レムリアの周囲を光点が飛び交う)
「Aは徹夜でプランを練り上げグラナダに提出、受理された。
AとDは、プランを実行に移すタイミングが掴めなかった。
本国での設計の本格化によって、データ収集の項目が増え続け、
データ収集に明け暮れる日々が続いた。
その機会は、彼らの予想しなかった形で訪れた。
連邦パトロール艦隊との接触。レムリアがグラナダに帰還した。」
(映像:レムリアから切り離されドックに固定されているコムサイ)
「出迎えたAにコムサイから降り立った若い技師が言った。
『交戦でMS-06Zの2番機が小破したものの、実戦データが取れました。』
技術屋らしい台詞にAも『あいつの傷を見れば更にデータが取れる。』と
返事をして搬出作業をしているコムサイに目を向けた。」
(映像:高機動型足元から見上げたアングル、明るい灰色に塗られている)
「本国からMSN-01の形式番号を授かった改型2番機は、増槽を見送り稼働時間が
極端に短い物ではあったが、データを取るには十分な機動性を発揮した。
データー収集の各項目を順調にこなし、MS-16Xの形式番号もMSN-02に移行。
MS-06Zを仮想敵に様々な戦闘パターンを模索していた時だった、
仮想敵の後ろを取り、腕を放ってダミーを2射、高機動で横に並んで急減速、
本体と腕はそれぞれの制動で減速。しかし、自身で制動がかけられない
ケーブルは慣性に従いそのまま進行方向に移動、質量では勝る腕がケーブルの
自重と慣性に引張られた。予想しなかった挙動に、腕の座標を見失った
ソフトウェアがフリーズ。
ケーブルの挙動の解析とソフトの強化が急務となった。」
キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!
もつかれー
乙彼〜。
GMカスタム。0083年のデラーズの反乱が、初陣だった。79Cに比べてはるかに高性能
ではあったが、コストもそれなりだったため、デラーズの反乱の頃は、いわゆるエー
スパイロットと呼ばれるものにのみ、その機体は支給され、高い戦果をたたき出した。
後のティターンズ総帥、ジャミトフ・ハイマンをもってして、この新型機の性能をみ
て、“次世代特殊部隊”の設立に踏み切ったといわれ、エリートパイロットによる高
性能機の集中運用というドクトリンをうちだし、それは議会に認められ、ティターン
ズとなった。ジャミトフは、GMカスタムの腕部を次世代型フレームに換装した、GM・
クゥエルを採用し、ティターンズの主力機として採用した。
ティターンズというのは、地球至上主義者だけを集めた特殊部隊で、主な任務はジオ
ン残党の掃討とコロニーにおける暴徒鎮圧任務である。わかりやすく言えば、公安部
直属SWATとでも言うべき、きわめて政治色の強い部隊だった。
最初の規模は、歩兵1個連隊、MS機動部隊を1個連隊、支援部隊を含めて1個師団規模
だったが、後に拡充することになる。
ジャミトフは、そのMS機動部隊にふさわしいMSを探していた。
そして、既存のMS、プロトタイプが完成し、量産の目処が立ったものまで含めてすべ
て集められ、トライアルにかけられた。教導隊のR-4も、その中に入っていた。
結局のところ採用されたのは、GMクゥエルだった。それには、Eは驚かなかった。あ
のガンダムのスペックを極力落とさずに量産にこぎつけたのだ。今の連邦政府に、大規
模な量産が可能な資力があるかはともかく、少数精鋭の特殊部隊が採用する機体として
は、まことに的を得ている。政治的にも、純正連邦系の機体だからなおさらだった。
それより、Eが愕然としたのは、ペズンで作られた、ガルバルディβという機体だった。
コスト的にはGMクゥエルよりも安く設定されていたが、量産体制が整っていない上に
「“公安系“特殊部隊に今はまだふさわしくない」とジャミトフのつるの一声で採用は
無しとなったが、それでも、技術的にまだ煮詰める余地があり、ということになった。
R-4.に関しては、何もコメントはなかった。
このガルバルディは、戦時中、ペズンで“プラン17”と呼ばれていたもので、その当
時から、RX-78を凌駕する機体とされていた。今回出展されたそれは、スペック的には
それほどかわるものでもなかったが、中身がかなり変わっていた。
ガルバルディαには、連邦軍系の技術であるフィールド・モーターの採用が設計段階
から決まっていたが、テクノロジーの解析が十分でなく、結局のところ出来の悪いデ
ッド・コピーしか作れず、スペックは互角でも内部構造がかなり複雑化し、耐久性や
信頼性が今ひとつだった。しかし、改めてペズンのツゥイマッド社系技術者が連邦軍
の技術を損欲に取り入れ、今回、ガルバルディβを完成させた。フィールド・モータ
ーをすべて連邦軍の純正品に換装し、スラスターやアポジモーターなどの消耗部品も
連邦の純正パーツを使えるようにしてあった。当然のことながらFCSも連邦統一規格に
準じてあり、整備、補給まで含めた使い勝手は、従来のRGM系に遜色ないところまでに
なっていた。
ハードウェアとしては、あるいはGMクゥエルよりも勝っていたかもしれない。
Yが、そのガルバルディβをみて目を輝かせるのとは反対に、Eは内心煮え繰り上がっ
ていた。
またしても、ジオニック社がツゥイマッド社に出し抜かれたのである。戦時中、時期
主力空間戦闘用MSの採用コンペでEの手塩にかけた06R-2がツゥイマッドのR-09に出し
抜かれていらい、2度目の敗北だった。
ツゥイマッドの営業マンにこういわれた。06R-2のときとまるきり同じコメントだった。
「御社の技術にはかないません。うちは、実用品しか作れません」
技術偏重主義で、マーケティング度外視、ユーザーの意見がトップまで反映されない
ジオニック社の体質を揶揄されていた。
Eとて、おなじフィールドモーター採用機種の、MS-14の内部構造を連邦系プロダクツ
で構成すれば、と夢想したことはあった。しかしそれでは、サイド3の同胞達のために
ならない、と彼は考え、そのプランを早々と捨てていた。
かれは、流体パルス駆動システムを利用したMSを、連邦軍に売りつけるつもりだった。
流体パルス駆動システムこそ、いまだ連邦軍に解析できない未知のテクノロジーでそ
れを生産できるのは、サイド3にあるジオニック、ツゥイマッド、MIPなどの本社工場
だけだった。
Eの戦争は、まだ終っていなかった。
経済的に復興するためには、まず、地球連邦に対して輸出するものがなくてはならな
い。そのため、なかば時代遅れといった感じも否めない、流体パルス駆動システムを
始めとするMSの部品をなんとかして連邦政府に買い上げて欲しかった。
おお、ハイザック来たか
かなり突っ込んだとこまで話が作られていて興奮しましたよ(;゚∀゚)=3
ハイザック待ってますた(・∀・)
ジオンのフィールドモーターは連邦製と比べて遜色無い物だった気が・・・
とにかく職人様乙
乙ニム
ほしゅ
hosyu
261 :
通常の名無しさんの3倍:03/12/06 00:12 ID:B1enQZ4J
ほしゅあげ
またーりと期待
そろそろ保守の頃合ではないのかね?
しかし、その自分の本音を、EはYに打ち明けてはいなかった。Yは、筋金入りの軍人で、その上出身が
地球の、いわばエリートである。自分のような、サイド3の技術屋とは、本質が違う。連邦系プロダクツを
多用しての、モノコック構造機を作り上げるという目的の下に、手を組んでいるだけに過ぎなかった。
Yは物事にこだわらない性格で、以前邪険にされたペズンの技師達をひとしきり殴ると、何事もなかった
かのようにツゥイマッドの営業マンと交渉を開始した。教導隊でテストをしたいからサンプルだけでもよこせ、
と営業マンをせっついていた。テストの結果が良好だったら、自分の教導大隊で採用する、とYは営業マン
に明言した。
営業マンは殴られた技師達を尻目に、早速サンプルを送ることを確約した。
そのほか、コンペに見学に来ていた各部隊のものが、次々とツゥイマッド社との商談をまとめようと画策して
いた。この時代、部隊ごとにMSの調達がある程度まで認められていた。一年戦争で定数を欠いた部隊はい
くつもあり、かといって各地の造兵工廠でつくるRGM系だけではとても需要においつかず、各造兵工廠も独
自にもっと生産性の高いMSを生産する方法を模索していた時期でもあった。捕獲したジオン系MSをそのま
ま編成に加えることも黙認されていた。
それでも、AEジオニック社には、商談の話はほとんどこなかった。
テスト会場の片隅で、冷めたコーヒーカップを抱え、呆然とYと営業マンのやり取りを眺めながら、やめたは
ずのタバコに手を伸ばした。
口にくわえたとたん、そのタバコを引き抜く者がいた。ジャミトフ・ハイマンだった。
「話がある。顔を貸してもらいたい」
有無を言わせない、強い口調だった。
「MS-14の発展系のMSを作ることが出来たのに、なぜ、いまさらMS-06Rの後継機の設計を試みたのか?」
単刀直入に、ジャミトフはそういった。もと財務官僚ということは新聞で読んで知っていた。
「設計図を見ると、消耗品などは連邦系でそつなくまとめているが、肝心な駆動系がジオン系の流体パルス
駆動システムのままだな。このままではたとえ量産しても大してコストは下がらない。高いカネをはらってい
まさらザクに頼らざるを得ないほど、連邦の技術力は低いものでもない。"10年先の技術"とは戦時中の話だ
単刀直入に聞く。ゲルググ携わった男がなぜいまさら、ザクの復活を図る?
ザクが単なるMSではなく、ジオンの象徴であることは貴下が一番知っているはず。戦争は一応終結をみたが、
戦時体制は今も解かれていない。したがって、貴下を利敵行為を働いたとして、憲兵隊に突き出したとしても
かまわないのだよ。私の部隊は、そのためにある」
「14の発展系がほしいのなら、ツゥイマッドの営業に声をかければいいでしょう。連中な
ら、納品の際、トリコロールに塗装したうえでガンダムの顔をガルバルディにつけてくれ
るでしょ、サービスで」
「連中の機体では、だめだ」
ジャミトフは言い切った。
「彼らの機体では、私の目的は達成できないのだ。私は貴下のあの、R-4が欲しい。し
かし」
そこでジャミトフは言葉を切った。
「条件が二つある。一つは、大幅な性能アップかコストダウンを要求する。とてもではな
いがあの程度のシロモノを連邦正規軍にあてがうことなど出来ない」
といって、一枚の設計図をジャミトフはEに渡した。
「まだラフスケッチ段階だが、このプランが実現すれば、現有のRGM-79がすべて、貴
下らが恐れたガンダム並の性能に改修される。地上の軍産複合体も、RGM系の生産
設備はもっている。今は79Qという高価な機体でしのがねばならないが、87年ごろには
生産設備の復旧も完了する。その時点で、RX-78の真の意味での量産と配備が開始
されるわけだ。貴下には、それを覆してもらいたかったのだが、正直言って失望した。教
えてもらいたい。なぜ、いまさら流体パルス駆動システムの機体を作り上げたのか。そ
れが二つ目の条件だ」
「聞いて、どうするんです」Eは言った
「その上で、決める。ただ純粋に興味があるだけだ」
Eは観念した。そして、Yにも明かさなかった思いのたけを、すべてジャミトフに話した。
ろくに輸出産品のないサイド3の経済を安定させるために、流体パルス駆動システムを
始めとした、ジオン系パ
ーツの輸出をEは目論んでいた。それを、Eはジャミトフにはなした。アースノイド至上
主義者の親玉であることはわかっていたのに、ジャミトフの迫力に押され、Eは口を開いた。
「なるほど。貴下の狙いはわかった。協力する」
ジャミトフは言った。
「貴下を憲兵隊に突き出すといったのは脅しだ。もっと言えば私の部隊は憲兵隊の権限など
とうに凌駕している。
そのまま研究を続けるがいい。予算の援助もする。次の試作機が完成したら、グリーン・ノア
に持ってくるがいい。私を満足させることが出来れば、採用してやる」
「いやだ、といったら?」
「卑しくも栄えあるジオン公国軍のもと技術大佐殿が、この程度のことで音を上げるとも思え
ないのだが」
そして、そのままジャミトフは去っていった。Eには終生、そのときジャミトフが協力を申し出た
か理解することは出来なかった。
コンペは終った。
また、一から出直しだった。
R-4の見直しが始まった。
Yの教導隊も、今までは半ばパートタイムでR−4の研究を行っていたのだが、上層部か
らの命令が新たに出た。ジオン系の技術である、流体パルス駆動システムの調査、研究
を行え、というものだった。
小額だが、予算も出た。
それだけでも、ジャミトフの政治力を伺うことが出来た。
Yは、ツゥイマッドのガルバルディβに惹かれていたが、技術的見直しのための量産化の
延期に伴い、手持ちのR-4をなんとかしようというほうに動き始めたが、内心はあまり面白く
ない様子だった。
それでも、EとYは、自分達のR-4に何が足りなかったかを、模索し始めた。
「セールス・ポイントに欠ける」
とYは言い切った。
「前は、ジオン製のモノコック構造にあこがれてさ、あんたと一緒にR-4作り始めたが、実際、
俺たちが考えてたのより、ペズンの奴らが作ったガルバルディのほうが上だったわけだろ?
部品もこっちよりだいぶ共用できるみたいだしね。ティターンズみたいに予算がある部隊なら
まだしも、そうじゃない部隊はガルバルディを欲しがるだろう。そもそも、流体パルス駆動シス
テムみたいな未知のシステムより、慣れ親しんだフィールド・モーターシステムの方が整備す
るのも、補給も楽だろうしな」
Eは言葉に詰まった。
「でも」と、一人のスタッフが言った。
「あの時のコンベで見たけど、ガルバルディって、ずいぶん閉鎖したシステムですよね。拡張性
がないと思うんです。マニュピレータこそ普通のもの使ってますがね、搭載してるビームライフル
とシールドのミサイル、それに近接用のビームサーベルだけでなんとかするようなシステムにな
ってません?ま、それだけでなんとかなっちゃうくらい本体の性能もいいのでしょうけど。俺なら、
全部腕部固定兵装にするけどな。どうせあのライフル、本体からの電力供給で駆動するんでしょうし」
「しかし、我々が作れるものは、このR-4の時点であらかた、作っちまったんじゃないですか?」
教導隊基地で、終わりのない議論が、何度も持ち上がった。ガルバルディをみて絶望したジオ
ニックのスタッフ。そんな彼らを見て、教導隊のパイロットがさらにため息をつく。チームが、ばら
ばらになりかけていた。
ジャミトフに激を飛ばされ、ニンジンを目の前にぶらさげられても、それでもEは立ち直れないま
ま、なかばマゾヒスティックに自分達の機体のあらを探しつづけた。
そんなEをみて、Yは無性に腹が立った。ガルバルディが欲しいのは本音だが、せっかく苦労し
て作ったR-4のあら捜しをするYに腹が立つのは、押えられなかった。技術者なら、技術で負けれ
ば、また技術でやり返せばいいのだ。事実このEは、06R-2で奪われた主力兵器の座を、14で取
り返している。そういうことが出来る男なのだ。
「初めてザクと戦ったときは、ずいぶん怖い思いをしたな」
Yは、ぽつりと言った。
「俺が乗ってたセイバーフィッシュだって、今考えれば火力とパワーウェイト・レシオだけならザク
と互角だったんだけどよ、当時はザクなんてのが良くわからない時代だったから。あんな巨大なの
が宇宙戦闘機並みのスピードとそれをはるかに上回る運動性で、次々に味方を落としてくんだ。そ
らぁもう怖かった。いまでこそ、こっちにもGMはあるし、セイバーでだって一撃離脱に拘泥するなら、
ザクくらいなんとかなるけどな。
戦闘神経症、ってあるだろ?戦場の極端なストレスで精神がまいっちまうって奴さ。うちの部隊で
も、他所の部隊でもあった話なんだがな、ルウム戦役あたりで、戦闘機や戦闘ポッドに乗ってた奴に
多いんだが、ザクを見たとたんにパニックになる奴が多くて困ったことがあったんだ。要するに、ザク
がトラウマになってるみたいなんだ。不思議なことに、ドムやゲルググのほうが性能はいいのに、あの
へんにトラウマ持ってる、って奴はホンとにいないんだよ。不思議なもんだ」
おまえは、そんなにすげェもの作ったんだから自信を持て、とYは話を締めくくるつもりだったがしかし、
Eは級に目を輝かせ、話の腰をおった
「そうか!おれは数値目標にばかりこだわっていた!本当にこだわるべきところは、あのスタイルなんだ!」
そして、振り向きざまにYの胸倉をつかみ、口角泡を吹き出しながら言った。
「連邦軍で兵隊の心理を研究する機関に連れて行け!」
お、おお
ティターンズの大将まで出てキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
もしかしてイーノ謹製のゼータ・ザク最強?
威圧効果を計算に入れた設計か・・
やがてイエロージャケのみなさんによるモトラド戦艦まで逝ってしまうわけだね
ドッゴーラがすき
名スレ保守
誰かドロスの続き書いてくれよ
保守
しかし、月1連載?のハイザックはともかくとして、ほかのネタ師はいないものか?
漏れも書けばいいんだけどね。
過去レスを回収し切れてないから、ガイシュツなきたいやっちまうと、前にそのネタ
やってた人に申し訳ないし。
ぱっと見た感じ、ファースト意外ならかぶることはなさげだけどね。そうすると今度は
資料が少なくなってきて書きにくいのさ。
如何したもんだろ?
完全資料レス、妄想100パーセントでGX-9900のプロジェクトXやったとして、
ここのスレのROMの方々、喜んでくれるのかしら?
どうせ、絶対にオフィシャルにはなりえない、この板だけでのお遊びなんだ
思いっきりやってくれ
>275 Gコンの秘密に迫る?! 期待しちゃうもより
そういや、アバオアクーて名前の教師が出てくる漫画に
ドム開発秘話っぽい話があったな
プロトタイプドム実験中、パイプが切れてドムが暴走し始めたから
とっさに技師が素手でつないで暴走を止めたが殉職した。
この教訓からドムのパイプは内臓式になったって話。
だれか漫画のタイトル覚えてるやついない?
>278
有無、『濃爆おたく先生』だな、マガジンZで徳光康之の。
ほしゅレスは「エーックス!」にしない?
「エーックス・・・」の方がそれっぽい
エーックス・・・・
エーックス・・・・
ソーックス
風紀委員が粛正するだわーだわー>284
しかし、ドロス書いた作者はどうしてるんだ?
>(クニイ)さて、その後のプロジェクトですが人こそが資源≠ニ言われたジオンですが
> その人≠サのものが逆にプロジェクトを苦境に追い込んで行きます
> しかし苦境を打破するのもやはり人≠ナした
> 苦しい状況の中からどのように光を見出していったのか、また戦況はどのようにプロジェクトに
> 影響したのか、それでは続きをご覧下さい・・・
ここまで書いたのに・・・
287 :
通常の名無しさんの3倍:04/01/01 02:11 ID:O61bFNql
むちゃくちゃ下がってんなあ…。
保守age。
エーックス・・・・
289 :
通常の名無しさんの3倍:04/01/03 14:26 ID:+mfkGZWy
エーックス・・・・
290 :
通常の名無しさんの3倍:04/01/05 22:37 ID:VYZHbnQ7
エーックス・・・・
予告編
( ̄ ̄< / ̄>
\ ヽ / /ソ
プ ロ ジ ェ ク ト\ ヽ P r o j e c t MS
─────────────────────
技術者たち /|_/ /\engineers
| / \ 丶
\/ \__ノ
「RX-78シリーズを超えろ! 宇宙の蒼の物語」
(エーックス・・・)
地球連邦軍が起死回生の策として世に放ったV作戦。その成果は初の試作汎用MS、RX-78に
結実した。そのRX−78と競い、敗れた幻の機体が有った事を、最早知る者は、少ない。
V作戦の総責任者「テム・レイ大尉」の陰で、一方的に対抗心を燃やす新進気鋭の技術者が
存在した。その名は「アルフ・カムラ大尉」。後にRX-79として採用される機体を作り上げた
男である。男の青春と情熱は、ただテム大尉のガンダムを超えるためだけに費やされた…。
( ̄ ̄< / ̄>
\ ヽ / /ソ
プ ロ ジ ェ ク ト\ ヽ P r o j e c t MS
─────────────────────
技術者たち /|_/ /\engineers
| / \ 丶
\/ \__ノ
「RX-78シリーズを超えろ! 宇宙の蒼の物語」
(エーックス・・・)
地球連邦軍が起死回生の策として世に放ったV作戦。その成果は初の試作汎用MS、RX-78に
結実した。そのRX−78と競い、敗れた幻の機体が有った事を、最早知る者は、少ない。
V作戦の総責任者「テム・レイ大尉」の陰で、一方的に対抗心を燃やす新進気鋭の技術者が
存在した。その名は「アルフ・カムラ大尉」。後にRX-79として採用される機体を作り上げた
男である。男の青春と情熱は、ただテム大尉のガンダムを超えるためだけに費やされた…。
(男の前に右にガンダムのフィギュアと、左に4体のガンダムタイプMSのフィギュア)
「この機体を記録映像で知っている方も多いでしょう。このトリコロールカラーの機体が、
あのアムロ・レイ大尉が最初に乗っていたRX−78−2「ガンダム」です。かの一年戦争で
大戦果を挙げ、その後地球連邦軍の象徴ともなる各ガンダムの雛形となった機体でも
あります。このガンダムの開発主任が…」
(男の背後にテムの肖像写真が浮かび上がる。左半分は暗いまま)
「…テム・レイ大尉です。彼はアムロ・レイ大尉の父親でも有り、連邦のV作戦の原動力と
なった人物でした。この人が居なければ、連邦にMSは存在せず、アクシズが地球に落下
しようとした時でも、押し返そうとしたNTもMSも存在しなかったでしょう。では…」
(ガンダムの左に立つ、ガンダムタイプの4体のフィギュアの中から一体を指す男)
「この機体をご存知の方も視聴者の中には、いらっしゃるでしょう…。RX−79〔G〕、
「陸戦型ガンダム」です。この機体はRX−78の開発時の余剰パーツから製造された
云わば「間に合わせ」の機体とこれまで定説とされて来ました。今回の政府の機密
解除指定により、私たち調査班は定説を覆す新たなる事実を発見することになった
のです。このRX-79〔G〕は、実はこのガンダムと、RX−78の座を熾烈に争った機体
でもありました…。この機体の主任設計者でもあった技術者が…」
(テムの写真の左隣に、鋭い眼光を放つ、眼鏡をかけた神経質そうな長髪の痩せた男の
写真が表示される。まるで両者が睨み合うかのように写真の視線がぴったり合っている。 )
「この、『アルフ・カムラ』大尉でした。彼がこのテム大尉とどんな関係にあったか、V作戦
当時の2人を知る人は口をそろえて言いました。「カムラは彼の生贄になったのさ」と。
今回は二人の「連邦初の汎用MS開発者」の名誉を争う経緯にスポットライトを当てて見たい
と思います…」
293 :
通常の名無しさんの3倍:04/01/06 14:40 ID:5fXzJkx+
rー、
」´ ̄`lー) \
T¨L |_/⌒/ ←あたらしいネタが始まって嬉しい俺
`レ ̄`ヽ〈
| i__1
_ゝ_/ ノ
L__jイ´_ )
| イ
| ノ--、 r'⌒ヽ_
ゝ、___ノ二7 /´ ̄l、_,/}:\
|ーi | l_/ /__ィ::. ゝ~_ィ´:; ,ゝ
__〉 { (T´ |1:::. \_>、};;_」
'ー‐┘ ! ` ̄''ァ一 、\ ヽ} ←そういえばハイザックの続き書いてない俺
1 ヽ .:::レ ヽ、
|_イー-、_;;j|_:. ゝ、
__,,,... -- |. {―――‐フゝ、 〉 -- ...,,,__
_,, -‐ ´ ,r|__ト, 1ニノ ー'´ ` ‐- ,,_
, ‐ ´ └―
(オープニングテーマ:「地上の星」 詩/曲 中島みゆき)
風の中の昴ぅ〜 砂の中の銀河ぁ〜♪
[黄金時代。蜜月の刻][君は優秀だな、アルフ君]
みんなどこへ行ったぁ〜 見守られることもなくぅ〜♪
[深い対立、「オレならこうする!」][…お願いがあります、ゴップ将軍]
草原のヴィーナスぅ〜 街角のペガサスぅ〜♪
[コストカット][戦闘機などいらん!] [悪化する戦況]
みんなどこへ行ったぁ〜 振り向かれることもなくぅ〜♪
[今この時でも戦場で人はザクと立ち向かってるんだっ!]
地上にある星をぉ〜 誰も覚えていないっ 人は空ばかり見てるぅ〜♪
[技術者の意地][完成・喜び合うスタッフ][そして対決の日…]
燕よぉ〜 高い空からぁ〜♪
[模擬戦でのまさかの敗北][テストパイロットの死亡]
教えてよぉ〜 地上の星をぉ〜♪
[貴様…汚い手をっ!][先に使ったのは君だよ?][失意の左遷]
燕よぉ 地上の星はぁ〜♪
[偉大なる巨人の行方不明][V作戦に復帰してもらいたい][…間に合わん!]
今どこにぃ いるのだろぉ〜♪
[ガンダムを…超えるっ!][亡命者との出会い][宇宙に満つる生命の「蒼」]
エーックス……
1年戦争初期の一大会戦、ルウム戦役。ジオンを上回る兵力を動員していながら
結果はジオンの勝利に終わった・・・しかも総司令官を敵に捕らえられるという大失態
のおまけ付きであった。
この敗北により、連邦軍首脳部は「モビル・スーツ」という新型兵器を打倒する戦略に迫られた・・・
0080 4月、MS開発に関する秘密計画「V」が発動する。奇跡的帰還を果たしたレビル将軍は
この計画の為、技術将校をジャブロ−に召集した。アレフ・カムラとテム・レイの二人だった。
>>296 0080じゃあ、戦争終わってるじゃないか…
296さん、円形脱毛症にかかって…
1年戦争初期の一大会戦、ルウム戦役。ジオンを上回る兵力を動員していながら
結果はジオンの勝利に終わった・・・しかも総司令官を敵に捕らえられるという大失態
のおまけ付きであった。宇宙軍は完膚なきまで叩きのめされ、制宙権はジオンの物も同然と為った。
この敗北により、連邦軍首脳部は「モビル・スーツ」という新型兵器を打倒する戦略に迫られた…。
0079 4月、MS開発に関する秘密計画「V」が発動する。奇跡的帰還を果たしたレビル将軍は
この計画の為、技術将校をジャブロ−に召集した。アルフ・カムラとテム・レイの両技術大尉だった。
「MSを創って欲しい。あの忌々しいザクを遥かに凌駕する性能のモノを! しかも早急にだ! 」
各地で鹵獲されたMSを徹底的に調査する二人の技術将校の姿には、鬼気迫るモノがあったと見るものは
口を揃えている。寝食を忘れ、会話も忘れ、自らが人である事を忘れた様に、彼等は『ザク』のとりこと
なっていた。設計に無駄と言う物が無く、可能な限りのコストダウンが図られ、しかも要求性能は満たさ
れている。旧時代の『零戦』を思わせる設計方針に、宇宙軍出身のテム・レイ大尉は魅了されたのだ。
アルフ・カムラ大尉は陸軍出身だった。地上でこの巨人達と相対するには火力が必要だと真っ先に思い
テムに提案した。しかし、テムは同意しなかった。彼は、得意げに、言った。
「まあ待ってくれ。私に考えがあるんだよ。…自立帰還が可能な脱出カプセルだ。それを組み込んでMSを
創れば、基本操縦系にかかるだろう、コストダウンも見込めるし、操縦訓練期間の短縮にも繋がるのだ。
私の言う事に違論があるかね? …アルフ・カムラ大尉? …まずはそれから始めようではないか」
一理はあった。一番時間が必要なのはやはり操縦員の訓練期間である。しかし、その脱出カプセルが戦闘機
型を予定していると聞いた瞬間、カムラは、黙った。強烈なテムの、いや宇宙軍のエゴを、そこに見たのだ。
「…派閥争いの種をオマエは…わざわざ作る気なのか…? …オマエは後の利権まで食い物にする気か?」
テムは、ニヤリとアルフに笑って見せた。『この若僧が』と言う侮蔑をアルフはその笑いに見た気がした。
「可笑しいかね? そうだろう。君も知っての通り、宇宙軍は創設期間が若い。
むしろ、君達三軍出身者に圧迫され続けていた。今こそ、軍の中で主導権を
握る好機なのだよ。…戦争は連邦の勝利で終わる。君と私が協力すれば、な」
RX−75、『ガンタンク』のプロトタイプ開発は、実はすでに終わっていた。
しかし、脱出カプセルFF−X7、『コアファイター』の開発に難航していたのである。
テムの要求性能が高すぎたのが原因だった。核融合炉2基搭載した、宇宙でも地上
でも運用できる優秀な戦闘機。同時期に開発されたセイバーフィッシュの影響をもろ
に受けているのは、どんな素人でも理解できる事だった。アルフは、直言した。
「…こうしている間にも、多くの兵士が…ザクと対峙している…。時には妥協も…」
「偽善ぶるな! 君も夢想しただろう! 潤沢な予算! 優秀なスタッフ! 自由
に振舞える開発環境! 今全てが私達の目の前にある! もうすぐなんだ! 」
テムは、アルフの首を今にでも締めんばかりの勢いで反論した。アルフは、沈黙した。
FF−X7は、一週間遅れて漸くロールアウトした。RX−75は、すぐに再設計された。
砲部分のAパーツと、装軌車両部分のBパーツに分離し、なおかつ装甲強度も要求する無茶
に、テムとアルフは、昼夜を忘れて取り組んだ。結局時間が無くなり、RX−75は、二つの
コックピットを持つ機体として成立した。初期型から存在する、頭部のコックピットと、
FF−X7、コアファイターのコックピットである。軍首脳部の返答は、芳しくなかった。
首脳部の返答は、『火力は申し分無い。機動性が、問題だ』と。二人は、歯噛みした。
「人型がお好みか…。私達がどんなに努力したか、凡人には理解出来んらしいな…」
「…ザクと接近戦で渡り合いたいのだろう…。数をそろえてしまえばコレの価値が
解るだろうに…。用兵思想と言う物まで忘れたのか…? 奴等は…? 」
RX−76は他の開発チームが取得していた。二人はRX−77、『ガンキャノン』の設計に
取り掛かった。砲撃専門機体ならば、陸軍出身のカムラの独壇場だったが、2足歩行機
となると勝手が違う。二人の試行錯誤がまた、始まった。その日は0079、5月下旬。
宇宙では、ジオンの宇宙要塞『ソロモン』が完成の日を迎えていた。
クニイ「こうやって、二人の技術者によってMSの基礎ができあがって行きます。」
ゼンバ 「ではここでご紹介します。MS開発に携わった元連邦軍技術大尉アルフ・カムラさんです」
クニイ「時の司令官、レビル将軍にこのプロジェクトを託された時はどういったお気持ちでしたか?」
アルフ「・・・・何故私が?ってのが正直なところでした。しかも高名な宙軍のレイ大尉と
同じ計画で仕事をするとは・・・仰天しましたよ(笑)」
クニイ「コア・ファイターの開発に於いて対立されたそうですが?」
アルフ「私も、若かったんで派閥だのを言ってくるレイ大尉には非常に頭に来ましてねえ(笑)
何とかして彼の鼻をあかさねばならぬ・・・その一心でしたね」
ゼンバ「試行錯誤を重ね、いよいよMSの開発は佳境を迎えます。続けてご覧ください」
RX-77。それはアルフとテムの、持てる技術の絶妙なるハーモ二ーの結晶だった。
砲撃力とビーム兵器と重装甲を兼ね備えた、機動性を持った『動く機動歩兵』の
芸術的な完成形が、疲労の極致にあった二人の前にロールアウトしたのは、なんと
2週間しか経たない6月上旬の事だった。二人は、極上のウイスキーを注いだグラスを
打ち付け、微笑みあった瞬間…同時に気絶した。…二人の、一番幸せな時期だった。
「鈍重に過ぎる! 話しにならん! 君達は一体この一ヶ月、何をして来たのかね」
得意満面で高官達の前でプレゼンテーションをしたテムが受けた衝撃は、筆舌に尽くす
には足りなかった。帰ってきたテムを出迎えたアルフは、テムの所業を止められなかった。
これまでに書き溜めたプランや設計図の記録媒体にウオッカをぶちまけ、室内で、焼いた。
涙を、流しながら。アルフも、泣いた。…泣きじゃくるテムの肩に両手を付いて。
自分達の成果が、厚顔無知な高官のために完全否定された事は、明らかだった。
「糞どもに見せてやる! 思い知らせてやる! 本気になった私達の凄さを!
カムラ君! 最早納期は完全無視だ! ザクを時間の彼方へ追いやる物を、
創ろう! 奴等が涎を垂らして阿呆面を並べる様を嘲笑おうでは無いかっ!」
火災を感知し、室内のスプリンクラーの放水や消化ガスが蔓延する中、ずぶ濡れになった
テムは、アルフに鬼気迫る顔で吐き捨てた。アルフは、恐怖した。狂気に取り付かれた男に。
地獄の、季節だった。寝ても覚めてもMSが頭の中から離れない。Aパーツと
Bパーツ。コアファイター。フレームに装甲、冷却系。既存の蓄積した技術を
一切使わず、新規にプランを書き起こすテムに、冷静に反論するアルフ。
「私の設計に無駄があるだと! 何処だ! 言って見ろ若僧! 陸軍の地べた
を這いずり廻る地虫風情がこの私に一端の口を聞くとは、笑いが止まらん!」
「…オレは歩兵じゃない…技術者だ! …訂正しろ! 今すぐ取り消せ!
古い頭をひねくり回す位しか能が無いくせに、言うッ! 冷却系がマズイと
オレは言っているだろうが! これでは廃熱系が宇宙しか持たないんだ!」
時には皮肉交じりに、時には胸倉を掴み合いながら、そしてまれに拳を交わしながら、
プランは徐々に形を取りつつあった。MSの顔を、人型に近づけ示威効果を高めること。
不慣れな操縦者のための重装甲から、ザクのマシンガンやバズーカを跳ね返せるだけ
の特殊軽装甲の開発。砲撃専門機体から、格闘戦もこなせる敏捷さを持つ汎用機体に。
ヒート系の嵩張る格闘装備よりも、より携帯性に優れる白兵戦用ビーム兵器の装備を。
重要なのが、軽量装甲を補う取り回しやすいシールドの開発等等。難問ばかりだった。
幸運な事に、連邦軍のエネルギーCAP技術が、完全ビーム兵装化を可能にしたのが
7月初旬の事であった。二人はその知らせに安堵の余り、一日休んだほどだった。
究極のMSを創ることに、テムとアルフは、文字通り心血を注いでいた。
テムの癇癪を抑える側のアルフは、喀血し、設計に悩むテムは、躁鬱病を発症していた。
血を注ぎ、心を犠牲に捧げたMSは遂に完成の日を向かえ、ロールアウトする。
完全な新規設計から約3週間の異例なスピードで、RX-78-1は、地球に措いて完成した。
0079、7月上旬の事であった。その一日前、新型戦艦『WB』が進宙式を済ませていた。
ゼンバ「ここに用意しましたのは、当時試作された25分の1のRX−77のテストモデルです
カムラさんから特別にお借りしてきました」
クニイ「実際に動く訳ですよね?」
カムラ「ええ。MSの間接構造をそっくりコピーしたので・・・やって見ましょう」
クニイ「おおっ!これはすごい」
カムラ「・・・・・レイ大尉は、テストモデルやモックアップにまで完璧を要求する人でした。
”プロトだしそんなに神経質にならないでも”と言うのですが・・・
いやあ何度も怒られましたよ(ふと遠くを見て涙をこらえる仕草)」
ゼンバ「RX−77のプレゼンテーションの後、レイ大尉に何か変化みたいな物はありましたか?」
カムラ「まあ彼の場合は、作業に対する執着心みたいのは並はずれてました。
私も彼もかなりの自信がありましたので、あの結果は彼の執着心に拍車をかけたとでも
いいましょうか・・・」
クニイ「つらかったでしょう?」
カムラ「ええ。私も本気で彼をバックアップせねばと決心しました。そして
勝利の美酒をウオッカでと」
ゼンバ「全てが完璧に進んだプロジェクト、そして敗北。わずか1機で
戦局をひっくり返す原動力となった傑作機RX−78がその姿を現します」
しかしアルフには、テムに隠してもう一機の『RX−78』のプロトタイプを創っていた。
それはコアファイターを抜き、機体の剛性を高め、より生産に適した機体であった。
陸軍のゴップ将軍を始めとする主流派の、要求に応えてのものだった。
「宇宙軍にだけ、いい思いはさせてはイカン。そうだろう? カムラ君?」
「…アンタ方も、宇宙軍と同じ穴のムジナと言う奴か…。解った。やろう。
しかし、アンタ方の為では無い! 今この瞬間でもザクと戦い、死んで
行く兵士のためにだ! …その代わり、一切テム大尉には口外しないで
欲しい…。テム大尉から見れば…オレの行為は裏切りだからな…」
テムが寝静まった頃に、ひっそりと自分の機体の進捗状況をオンラインで
確認するアルフの二重生活が、喀血の原因となったのを、テムは知るよしも
無かった。『原型機』があるだけに、作業は早かった。もう一台の『RX-78』
は、不慣れな陸軍工廠が多数の余剰部品を産み出しながらもロールアウトした。
テムの『RX-78-1』の完成から、一日を置いての事だった。
出来た機体は…テムのRX−78の『フェイス』を完全に受け継いでいた。
そして、運命のテムの機体の、デモンストレーションの日がやってきた。
圧倒的かつ画期的な性能を魅せるRX−78−1に、居並ぶ高官達は言葉を失った。
しかし、陸軍の高官の一人は、侮蔑とも取れる微笑を唇の端に浮かべていた。
「まだこの機体に、RX−78ナンバーを与えるのは早いのではないかね?」
テムの機体の背後に、『顔』だけはそっくりな機体が現れ、軽快な運動性を
披露し、次々と現れる標的をそっくり同じ兵装を使って、打ち砕いて行く。
テムの額に太い血管が見る間に浮かび上がった。アルフは、唇を噛んだ。
「我々のこの機体こそ、RXナンバーを与えられるに足りる。そう思わんかね?
アルフ・カムラ『陸軍』技術大尉? 君はとても優秀で、しかもまだ若い!」
テムの燃えるような視線が、カムラを射抜く。テムが声を絞り出すように発した。
「…戦闘機は要らんと言うのは…こう言う珍妙なモノを創るために言ったのかね」
アルフは、応えなかった。その時だった。テムのRX−78−1が異音を発し、煙を
上げ始めたのは。最後の課題の冷却系が解決せず、無理に完成まで持っていったのが
その原因だった。しかし、それはテムの機体にとって、絶妙なデモンストレーション
と為ったのだった。パイロットは慌てる事無く機体を横たわらせ、Aパーツを離脱。
コアファイターを使い、脱出する。カムラの機体は、AパーツとBパーツの爆発に
巻き込まれ、大破したのである。…テストパイロットはその事故で、死亡した。
面子を潰されたテムと陸軍の高官の決定は、カムラを閑職に追いやる事だった。
R X-79プロジェクト。聞こえは良いが、RX−78のプロジェクトに比べ、予算は
3桁も少なかった。テムはRX−78−1の宇宙のテストに向かう際、アルフにこう
吐き捨てた。…カムラは、黙ってその言葉に耐えた。現場の、兵士のために。
「君の様な者は、私の○○した○○でも喰っている方が、遥かにお似合いだよ。
そう思わんかね、『寄生虫』君? 君には羞恥心のカケラも無いのだからな!」
RX−79。それはRX−78の先行量産機を創ると言うプロジェクトだった。しかし、
用意されたのは質も遥かに劣るスタッフと、数々の余剰部品。報復人事の一端で
ある事は誰の目から見てもすぐに解ることだった。
「…オレはオレの機体を作る! 現場でMSを必要とする兵士のために!
軍の面子なぞもう知った事か! 見てろテム・レイ! オレはオレの
やり方で貴様のRX−78を超えてやる! オレ自身のためにもな!」
愛憎半ばする不思議な感情を抱えつつ、アルフ・カムラはRX−79製作に
腐る事無く、熱狂的に取り組んだ。そのひたむきな姿に、事情を知る者は
涙を隠せなかった。陸軍工廠から出た余剰パーツを廻してもらったり、
RX-78のパーツを同情的な技術者仲間に密かに流してもらったり、物乞いの
ような真似は、『雲よりも高い』彼のプライドを甚く傷つけた。しかし彼は
諦めなかった。こうして完成した数十機の『RX−79』は、彼の分身とも言えた。
クニイ「・・・・レイ大尉と結局袂を分かつわけですが・・・」
カムラ「・・・今からすれば、若さ故の過ちとでもいいましょうか。何とかして
あのレイ大尉を上回りたかった。只の開発助手で終わるわけには行かなかった・・
結果的に裏切り者と蔑まれても当然のことを犯した。最後には貴い犠牲を負ってしまって」
ゼンバ「レイ大尉のRX−78のどこが不満だったのでしょうか?」
カムラ「あの時点で連邦軍が勝利を収めるには、MSを大量生産し、早期に戦場へ送らなければならなかった
量産効率の面ではあまりに不利でした。確かに性能はザクの数倍の戦闘力を確保はしていましたが」
クニイ「それは、やはり現場の兵士達を思ってのことですか?」
カムラ「ええ。我々がMS開発に手こずってる合間にも同胞が命を落としていく状態はとても嫌でしたから。」
ゼンバ「さて、自らの主義を通し閑職に追いやられたカムラ大尉。転機が訪れます」
8月に、RXシリーズの最終テストがサイド7で開始された。RX-75,77,78-2が順調に仕上がって行く中、
アルフのRX−79の地球でのテストは行き詰まりの様相を呈してきた。…テストパイロットが、居ない。
あの不幸な事故が尾を引いている事は明白だった。あの事故の話に尾ひれが付いたのだ。
「奴の創る物は信用できない。誰も死ぬと解ってて乗る奴は居ない。余程の馬鹿じゃ無ければな!」
テストパイロットの中で、何時の間にかカムラの作った物に対して、根も葉もない噂が、蔓延していた。
確かにパーツはRX−78の製作過程の余剰部品だ。しかし、出来は純正品と同じだ。自信は充分にある。
カムラは自らテストパイロットを説きに廻った。…部隊を訪れたカムラに待っていたのは、冷笑と侮蔑だった。
カムラはこの時、悔しさに、思わず、叫んだ。
「臆病者どもがっ! オレの機体がそんなに怖いのかっ! 誰も乗りこなそうとは思わんのかっ!」
カムラの背後から肩に手を置く者が居た。宇宙戦闘機乗り出身で、『怖いもの知らず』で超有名な、
「Y・G」だった。彼は静かに微笑みながらアルフに、言った。
「言わせておけよ、へタレどもには? 俺が、協力してやる。あの『ガンダム』に乗れるんだろう?」
「『ガンダム』? …なんだ、それは? オレの聞いたことも無い名前だが…? 一体それは何だ?」
「『RX−78』のテストパイロットの付けた愛称だ。いい機体だと、パイロット仲間から聞いている。
アンタはあのRX−75,77,78の設計に噛んでいたそうじゃないか? 俺は正直、期待してるぜ?
ああ、それと事故の件だが、気にするな。死んだ奴が無能だったせいさ。アンタの責任じゃない」
「Y・G」の最後の台詞は、居並ぶ他のテストパイロット達を激怒させるのには充分だった。
アルフは、「Y・G」と共に、乱闘に参加した。2対15の戦いに、二人は45分後、勝利を収めたのだった。
テストパイロットも揃い、機体のテストが着々と進み、問題点が次々と浮かび上がる。
終わりの見えない修正を続けるカムラ達に、2通の文書が、届いた。
「サイド7にてRX−78−2、白兵戦にてザクを撃破」と。
カムラ達は我が事のように喜んだ。自分の名は出ないだろうが、仕事は報われたのだ。
もう一通の内容は、カムラを即、昏倒させた。「テム大尉、行方不明」。
「行方不明…? あのテム…レイ大尉が…行方不明だと!?
嘘だ! 誰か嘘だと言ってくれ! 敵の流した欺瞞だ!」
超えるべき巨人が、目標が、呆気なく、カムラの前から、消えた。
急に自分の足元が、覚束無くなり、よろめいた。
「Y・G」が、すぐに支えてくれた。彼は嬉々としてカムラに、言った。
「…お偉いさんが、大勢で来てる。アンタにどうやら大事な話が
あるらしいな…。どうする? 追っ払うなら、手伝うぞ?」
自分を逆恨みで閑職に追いやった、あの高官も来ていた。
V作戦の、地球に残った関係者達が、押しかけてきていた。
彼らはカムラが姿を見せると、そろって安堵の溜息を吐いた。
…カムラは唇の端を露骨に歪め、彼等に皮肉げに言った。
「…オレには『ガンダム』を創れません。アンタ達はそれを承知で、
此処に、オレの元へわざわざ来た。…どんな気分だ?」
「君が居てくれて…良かった…。恥知らずだが、敢えて言おう。
君にV作戦を引き継いでもらい、RX−78の量産型を頼みたいのだが…」
『お断りだ! オレはテムじゃ無い!』と叫ぼうとしたカムラの口を塞ぐ者が居た。
…「Y・G」だった。その大きな手でカムラの口を覆い、彼は代わりに高官達に応えた。
「『引継ぎを喜んでやらせて頂きます』、と、カムラ大尉は言っておられます…。
が、安心するのはまだ早い! 違うぞ! アンタ達のためじゃあ無いぞ!
コイツは前線の兵士のために引き受けるんだ! ザクと体を張って旧式兵器で
渡り合う命懸けの連中のためになぁ! アンタ達みたいなモグラの頼みでコイツが
動くものかよ! 腐れ禿に頭の狂った出世魚のためになんか、動く奴じゃない!」
「Y・G」は即日で最前線の戦闘機隊に配属が決定した。アルフはV作戦に、復帰が
決定した。別れ際に「Y・G」は照れくさそうに、アルフに言った。
「アンタがコピー品を作るのを引き受けたあの時、ルウムの敗戦隠しで
貰いたくもない勲章の叙勲待ちで、俺は次の間に控えてたんだ。
…全部聞いてた。…アンタの創ったMSに乗れるまで、なあに、俺は
生き残って見せるさ! 俺の腕前、知ってるだろう? …じゃあな…
アンタの心意気に、俺は惚れたよ。…また何処かで、逢おうや」
カムラはテムと袂を分かってから、初めてこの時、男泣きに、泣いた。
(カメラがアップになっているにもかかわらず涙をハンカチでぬぐうカムラ)
ゼンバ「では、ここでもうひとりゲストをご紹介します。かつてカムラ技術大尉と共に
MS開発に携わったテストパイロット、ユーリ・ゴルトベルガ−氏です」
カムラ「・・・・・えっ・・・(ふと後ろを振り返る)久しぶりだなぁ?!生きておったか」
ゴルトベルガ−「何とか・・・あなたもお元気そうで!」
(しばし抱擁・・・)
クニイ「閑職においやられた後もMS・・・ガンダムの開発を続けていたのはやはり
レイ大尉に対する対抗心からなのでしょうか?」
カムラ「ええ。それは多少ありましたが、自分の蒔いた種は必ず自分で始末しなければならないという・・・意地ですかねえ」
それに優秀なテストパイロットの存在もありましたし(笑)」
ゴルトベルガ−「そんなに優秀でしたか私は?(笑)」
ゼンバ「ところが79年の10月の・・・サイド7での衝突で偉大なる目標
テム・レイ大尉が行方不明となるわけですが・・・」
カムラ「あの時の報告を聞いたときは、嘘であってくれ!と何度も思いました
私にとって、彼を打倒することがモチベーションだったので」
クニイ「情熱が失われたと?」
カムラ「まあ、そういうことですが。もとより打たれ強い方なので(笑)自分を取り戻すのは
早かった記憶がありますな」
ゴルトベルガー「当時の彼の精神的頑丈さを見るに技術屋よりパイロットのほうが向いてるんじゃないかと思いましたよ(笑)」
クニイ「この事故により再びV作戦に参画する訳ですが、どういった心境でしょうか?」
カムラ「彼の・・・テム・レイの無念を晴らすというとかっこいいですが技術屋の本性ですな
思い切って腕をふるうことが出来る。それだけでした」
ゼンバ「さて再び加わったV計画に、思わぬところから協力者が現れます」
V作戦は最終局面に入っていた。いよいよ主題の、MSの量産過程を構築しなければならない。
しかし、RX-78は、哀しくなるほど量産向きの機体では無かった。潤沢な予算を投入し、完成
した部品の数々は、個々の精度には問題は無かったが、その部品を組み立てる際に許される誤差
が、寸分の狂いも、許されなかった。格段の性能を発揮するが、これでは時間が幾らあっても、
足りなくなってしまう。カムラは、悩まなかった。RX−79を再設計する方が、効率的だった。
もともとカムラの創っていたRX−79は「寄せ集めの半端モノ」から生まれた。多少の設計上
の部品の誤差も組みの甘さも、問題にもしなかった。部品さえあれば、いちおう要求性能を満たす
機体を創れる。先行量産機を試作すると言う『閑職』で培った経験が、ここで生きたのである。
量産機はガンダム量産型の「ガンダム・マスプロダクツ」からGMと名づけられる予定だった。
形式はRGMで決まっていた。後に続く番号は…? スタッフの目が主任であるカムラに集中した。
「…78は、却下だ。こんなやっつけ仕事は、凝り性のテムなら怒って引き受けないだろうな…。
…GMは、オレの即席品RX−79から多分にインスピレーションを得て『オレ』が設計した。
…79だ。これに78をつけると言う奴が居たら、オレはその場でそいつをどうするか解らん…」
RGM−79は、こうしてロールアウトを待つばかりとなった。が、ここで思いも依らない問題が
発生した。装甲材やフレーム等に利用する『ルナ・チタニウム合金』の払底である。各地の制海権や
制宙権をジオン公国に握られた連邦軍の物資調達能力が、徐々に低下しつつあった。
「…緒戦の負けが…此処でで響いてくる…この責任はモグラどもの無駄な采配にある…!
RX−75と77を量産して、せめて足止めに使っていればっ…! …糞ッ!」
ルナ・チタニウム合金は宇宙で生産することにより、合金を構成する各金属分子が比重に関係無く、
均質に結合し合い分布するという『均質性』が大きな特徴であった。同じ成分で地球上で生成しても
重力の関係で、部分的にに脆いモノが出来てしまう。これまでの試作機は宇宙で生成し加工したもの
を地球に降下させて組み立てていた。ここまで戦況が悪化してしまった今、もうその手段は使えない。
「強化セラミックと、旧式兵器のルナ・チタニウム合金を溶融した、チタン合金仕様で、
RGM−79の再設計を行う! 残された時間はもう無い! 悪いが皆の命をオレにくれ!
期間は一週間! 急げ! ここで負けたらあの世でテム大尉に詫びる顔がなくなるぞ!」
テムの名を出した途端、スタッフの顔が引き締まった。アルフは、じっと、中空を見据えていた。
焦るカムラに、RX−78−2の華々しい戦果が次々と伝えられて来た。
ザクを物ともしない火力、防御力、機動性。正式な整備らしい整備もロクにせず、
『実戦で』活躍する『テムの作品』に、カムラは強い嫉妬を覚えた。
「…テムのRX−78が宇宙や地上でアレだけの戦果を挙げたのだから、
オレのRX−79やRGM−79も実戦では引けを取らんはずだ…! 」
丁度、極東方面軍のイーサン・ライヤー大佐が、試作機を自分の指揮下の大隊に
廻して欲しいとの要望を、オブラートに包んだような言い方でカムラに伝えていた
事を思い出した。カムラは目の前の端末のボタンをプッシュし、言った。
「RX−79とRGM−79の内、すぐに陸戦型に換装可能なものは何機ある?
…実戦データが採れるいい所を思い出したのでな…。そうか…わかった…」
陸戦型ガンダムと陸戦型GMは、こうして淡々と戦場へと送られたのである。
RX−78に比べて、どこか暗く、裏取引の匂いのする、地味なデビューだった。
314 :
プロジェクトX ハイザックを作った男たち:04/01/11 00:04 ID:PEk/iKHx
YとEは、R-4をもって、北米方面軍心理戦研究所、オーガスタ研に向かった。オーガ
スタ研の研究員、Qが相談にのってくれた。
「確かに、Y中尉のおっしゃる通り、ザクというものに対して、PTSD、いわゆる、心的外
傷後ストレス障害を感じる兵士は多いです。そして、統計データででも、ほかのジオン
軍のMSに比べて、ザクに対してそれを感じている兵士が多いことも裏付けられます。
それともう一つ・・・・・・おもしろいデータがあるんですよ」
といって、あるアンケートの集計結果を、Qは二人に見せた。
「これはですね、ある造兵工廠が行った、次期主力MSになにを期待するか調査するア
ンケートなんですが・・…非常に興味深い結果が出ました。ビームライフルの標準装備、
装甲、推力の強化など、いわば誰でも思いつきそうな希望のなかにまじって、これを見
てください」
といって、一箇所をレーザーポインタで示すQ.
「面白いでしょ?ただ、単純に、ザクに乗りたい、ってのがなんと、65パーセントもいるん
ですよ。ま、もっとも、複数回答可のアンケートだからでしょうが・・・・それでも、このアン
ケートを行ったパイロットの65パーセントは、一番の願望ではないかもしれないけど、ザ
クに乗りたいっていう願望が心のどこかにあるんです。どういう理屈か、わかりますか?」
Yは首をひねる
315 :
プロジェクトX ハイザックを作った男たち:04/01/11 00:06 ID:PEk/iKHx
「うーん、わからんな。カタログスペックでGMはザクを上回ることは、戦時中プロバガン
ダでさんざ流したじゃないか。実際そのとおりだったし・・・」
「そら、ま、カタログデータ見せられればそうでしょうけど、そんなもの知らずに、あんな
作業ポッドに大砲くくりつけたようなシロモノで命のやり取りさせられたほうは、そうは思
いませんよ」
「それが、さっきのPTSD、だっけ、そいつらのことだろ」
「そこまで行かない人たち、ってのも、じつは結構いるんです。あなたみたいに全然平
気な、タフな方も中にはいらっしゃいますが、大概は、ザクが怖い。怖いなら、如何す
ればいいか?」
旧世紀の歌手、ジョン・レノンに良く似た丸めがねをかけたQが、子供のような笑みを
浮かべた。二人には、まだわからない。
「怖い相手と同化しちゃえば、怖くなくなるんです。ほら、よく、ジュニアハイスクールで
苛められてたような、あんまりぱっとしないやつがハイスクールに行ったとたん、自分を
苛めたようなチンピラに成り果ててる、なんて話、聞いたことありません?お二人?」
「あぁ、それならあるな」
「あれは、自分を、怖い相手と同化させて恐怖心を克服させようとした結果の表れなん
ですよ」
「おれはジュニアも、ハイスクールも、誰にも逆らわせたことはないがな」
自慢げに笑みを浮かべるY。Eは顔をしかめ、Qはやれやれといった表情を見せた。
「要するに、ザクに乗ればザクは怖くない、と連邦軍のパイロットの中には思っている奴
がいるのだな?」
「そういうことです。それも、かなりの数ね」
EとYは顔を見合わせた。
316 :
プロジェクトX ハイザックを作った男たち:04/01/11 00:07 ID:PEk/iKHx
「あなた方の試作機を拝見いたしました。見た感じは確かにあのザクを彷彿とさせます
ね。良ければ、そのアンケートを実施した部隊に頼んで、もう一回アンケートしてみま
しょうか?」
ふたりは同時にうなづいた。
「もう一つ、頼みがあるんだ。今思いついたことなんだが・・・・・・・まだ、ジオン軍の捕虜
というか戦犯は、連邦軍に拘束されているのだろ?」Eは言った。
「彼らにも、これを見せてやってくれないか?」
「・…………いいですよ。お安い御用です」
Yも付け足した。
「あと、そうだな、どこでもいい、スペースノイドの民間人何人かにも、見せてやってくれな
いか?そうだな。できれば、ただの一般市民と、反地球連邦政府活動の手伝いなんかをパートでやってるようなアマチュアと、もとジオンの国民で強制移民させられたようなやつと・・・・・・サンプルが多ければ多いほどいい」
わかりました、とQは言った。
「一ヵ月後においでください」
317 :
プロジェクトX ハイザックを作った男たち:04/01/11 00:08 ID:PEk/iKHx
「なぜ、あのような質問をした?」帰り道、EはYにたずねた。
「簡単さ。ザクが怖いのは、俺たちパイロットだけじゃない。コロニーに攻撃をかけられ
たスペースノイドのほうがもっと怖がってるはずさ。床板一枚向こうは宇宙、って生活
してるんだから。ザクにびびってくれれば仕事はやりやすい。治安維持にしろ戦争や
るにしろ、相手になめられちゃぁ、だめだ。こっちがやられる。こっちにびびってくれれ
ば、余計な喧嘩しなくてすむからな」
「しかし、ザクはスペースノイド解放の象徴だぞ?」
「そう思ってるのが、はたしてどのくらいいるのか知りたくて、あのQとかいう男にいろい
ろサンプル取ってくれ、ってたのんだのさ。ザクを解放の象徴、なんて考えてるのはサ
イド3の連中だけかもよ?やられたほうはいつまでも覚えてるもんだから」
Eは言葉に詰まった。
318 :
プロジェクトX ハイザックを作った男たち:04/01/11 00:10 ID:PEk/iKHx
ザクの形状を模倣したことで、思わぬ副産物も生まれた。
その副産物も、モトはと言えば、ただのバグだった。
RX-78を、数奇な運命のめぐり合わせで運用する羽目になったアムロ・レイ。素人同然
の彼の戦闘データがジャブローで回収され、GMにアップデートされた。
そのデータは、およそ考えられるほとんどの戦況を、素人同然のパイロットが運用したせ
いで、大いにムダを残しながらも驚異的な経験値をつみ、開発者の予想を越えるOSに進
化していた。
同じく素人同然のGMのパイロットが運用するにあたり、開発当事者が意図した以上の最
適化率を達成していた。平たく言ってしまえば、おなじ素人が経験してきた状況を、すでに
OSが学習してきていることにより、FCSの似たような状況への対応速度が、なにも学習し
てきていない状態よりも3割近く向上していた。
そのため、学徒動員兵に毛が生えた程度の連邦軍のMSパイロットが、ジオンの熟練パイ
ロットと互角に戦えたのだ。
戦後も、その戦闘データに裏打ちされたOSはアップデートを繰り返し、今日にいたっている。
0083年までは、そのOSに特に欠陥は認められなかった。
319 :
通常の名無しさんの3倍:04/01/11 00:11 ID:bdMQMndD
お前らバカだろ?
320 :
プロジェクトX ハイザックを作った男たち:04/01/11 00:12 ID:PEk/iKHx
ルナ・チタニウムは、ザクを始めとするジオン系MSが運用する、120ミリマシンガンの
弾丸を無傷で跳ね返す。
だから、アムロ・レイはFCSでザクを捕らえても、それを脅威と感じず、攻撃目標選定
の優先順位ではいつもザクは後回しだった。
しかし、通常のGMの装甲では、120ミリ弾の直撃を食らえば、ひとたまりもない。
それなのに、アムロの戦闘データを写したGMでもやはり、ザクへのロックオンは後回
しだった。戦時中、GMがロールアウトしたころはすでに、ジオン軍もザクではなくほか
の機種で戦線を構成するようになっていたため、このバグはさほど気にもとめられて
いなかった。
しかし、0083年のジオン残党軍の蜂起で、ジオン側が主力としたザクに対し、戦時
中よりも強化されていたはずのC型GMは、ザクを相手になすすべもなく、次々と撃破
されていった。
そのため、量産体制の整っていたRGM-79Cの正式採用は見送られ、存在自体を
すべての記録から抹消された。
同時期にロールアウトされたRGM-79NもOSは同じ物を使用していたが、装甲材そ
のものもルナ・チタニウム製なので120ミリ砲なので直撃をもらっても無傷だったし、
何より反応速度はMコーティングしたガンダムと同等で、その上運用するのは連邦軍
屈指の猛者だったので、彼らはFCSのオートロックオンを解除し、マニュアルでザクに
対処できたため、さほど問題とはされなかった。
321 :
プロジェクトX ハイザックを作った男たち:04/01/11 00:14 ID:PEk/iKHx
しかし、錬度の低い一般パイロットが運用したGM改では、ベテランパイロットが運用
するザクをマニュアルでロックオンすることは適わず、その多くが宇宙の華となり、消え
た。
スペックの上でドムやゲルググに比べ、何一つ劣るところがないRGM-79系列の評価
が不当に低いのは、このバグのせいであり、ザクに対しての対戦成績の悪さだった。
ウィリアム・ゲイツ3世というプログラマがいた。C型GMの、OS担当だった。C型GM
の欠陥は、アムロ・レイの戦闘データをそのまま流用したOSを使用していることである
ということを上層部に訴え、OSを新規開発することでC型GMの採用取消を撤回させよ
うとした。
悪いのはハードウェア・チームではないんです。悪いのは、俺たちOS開発部門です。
予算をください。あのバグを取り除いて見せます。だから、C型GMの生産中止を保留に
してください。
しかし、上層部はウィリアムの訴えを退けた。
まずいことに、上層部はC型GMの初陣、あのトリントン基地での無様な様子しか、知ら
なかった。
だから、ウィリアムの上申書も、仕事ほしさのパフォーマンスだとしか思えなかった。
実際のところ、ザクはともかくとして他のMSに対する反応速度はすこぶる優秀で、錬度
の低いパイロットをたちどころにベテラン並みの腕にしてしまうOSを捨てたくはない、とい
うのが上層部の本音だった。OSを優秀なことにしておかないと、無茶な予算を組んでRX
-78プロジェクトを強行した理由の半分ほどが失われる、というのが上層部の本音でもあっ
た。
しかし、ウィリアムの才能そのものは認めていたため、哀れに思っていた上層部のなか
に、ジャミトフがいた。ジャミトフは原稿OSのバグそのものには懐疑的ではあったが、Y
とEが悪戦苦闘している教導隊を、紹介した。
彼らはまったく新しい機体を作っている。君の力が、必要だ。
ウィリアムは、家に帰ることもなく、グラナダ行きの便に飛び乗った。
R-4試作機そのものは、ジオン製OSをそのまま使っていた。連邦系パーツを新規導
入するたびに、スタッフが手探りでドライバをつくってインストールしていた。素人が作る
ものだから小さなバグが蓄積し、システムがフリーズする。仕方がないからそのたびに
パッチをあてて補修する。
R-4本体と同様に、OSも継ぎはぎだらけだった。
その様子をみたウイリアムは、ため息をついた。
「僕に、一からOSを作らせてください」
YとEに、否やはなかった。
「ただ一つ条件がある」
Yはいった。
「インターフェイスを連邦OSの標準仕様と同じ奴にしろ。こいつらのOSはジオン訛が
激しくてな。いまにベルリンでナチの亡霊と文通が出来るようになるかもしれん」
みんな、久しぶりに笑った。ジオン系技術者たちも、自分達はスペースノイドの独立の
ために戦うレジスタンスだと自負しており、ザビ家が主導したと言われる極度な民族主
義運動、ゲルマン復古運動を毛嫌いしていた。敗色が濃くなるにつれ戦場に現れ始め
た、ドイツ語系の名前を疎ましく思っていた。
Yのジョークで、自分達が何のために今の仕事にかかりきりになっているか、皆、改め
て自覚した。
新規参入スタッフのおかげで、鬱積した雰囲気が、がらりと変わった。
そして、R-4試作機を仮想敵とした、もう何度やったか分からない模擬戦を行った。
しかし、今度はいつもと違った。
いままでは一対一の対戦だったが、今回は複数対複数の乱戦を想定していた。
一対一の時、すなわちセンサー範囲内に目標が一つしかない場合、さすがに連邦軍
のOSでもザクを脅威とみなし、パイロットの反応が鈍い場合、自動でザクをロックオ
ンした。
しかしながら、乱戦の場合、目の前のザクが120ミリを構えていたとしても、そのGM
のモニターの範囲内に他の敵機がいた場合、たとえば芥子粒のような大きさの距離
にいるGMを認識すると、先にそちらをロックオンしていた。ひどいときには、図面を
担いだ設計技師が演習上の隅を歩いていただけで、対MSミサイルを構えたゲリラと
して認識し、目の前のザクを無視してそのゲリラがとると予想される戦術を列挙して
パイロットに警告し、勝手に頭部60ミリの照準をつけようとしていた。
R-4も、当然のことながら、連邦軍のOSはザクと認識した。
「てことは何かい、俺たちのR-4ってのは、たとえば連邦軍から狙われたとしても向こう
さんは敵とは認識しない、ってわけだ」
Yは言った。
「そういうわけではありませんが、敵としても狙われにくい、ってことになります。ま、連邦
軍の機体が連邦軍と戦う、てこと事態考えにくいことですけど、でも納品するのが、憲兵
隊とか、それに類する部隊なら相手が今のOSを使ってる限り、大いに有利になります」
「ふん、なるほどな。その一方でジオン残党が繰り出すザクに対して、いままでのOSを
使用している連邦軍じゃ、手も足も出ない可能性もあるわけだ」
「ええ。そのことを上層部に分かってもらおうとしたんですが、だめでした。いまは、新型
MSよりも新しいOSのほうが必要なんです。あのバグさえ取れれば、GMがザクに遅れ
をとることなどありえません!」
言ってくれるじゃねぇか、とYはウィリアムを小突いた。
Eは渋い顔をして、ウィリアムに言った。
「しかし、アムロ・レイの戦闘データを有しているOSのほうが、対ザク戦を除けば圧倒的に
出来はいいわけだな」
「えぇ。そのためのV作戦でもありましたから。戦闘データを意地でも持ち帰るためにコア
ブロック・システムなんぞという機体を複雑にするシステムまで組み込んでるくらいですし」
「しかし、我々のR-4は、まだそういった戦闘支援システムをOSに付与するところまで行っ
ていない」
だから、先日のコンペで、ペズンのガルバルディに大きく差をつけられたのだということ
に、Eは今ごろになって気が付いた。あの時は1対1という設定で模擬戦が行われたし、
連邦のOSも相手がザクであるという事を認識しても相手が単独である以上、本気で相
手をしてきたのだろう。
実際に機体を操ったパイロットから、ガルバルディや他のGM系列にかんして、扱いや
すいという声は聞かれなかったが、R-4だけはひどく扱いにくかった、という声が多数あ
がっていた。だからR-4を欲しいと言い出す部隊はいなかったのかもしれなかった。
「そのバグを・・・なくせるか?」
「バグそのものをなくす事は出来ますが、時間と予算と優秀なスタッフが必要です。それ
よりも……」
ウィリアムはいたずらそうに笑った。
「ジオンOSをベースにアムロ・レイのデータを移植したものなら作れます。そのほうが、流
体パルス駆動システムとの愛称はいいでしょうし、一時凌ぎですが、バグをなんとかする
目星はついてます。いま入れてる連邦系パーツのドライバーは・・・・そうですね。それぞれ
のパーツメーカーに作らせる、ってのはどうでしょう.僕が一つ一つ手作りしてもいいんです
が、皆さんが作ったものよりいいモノを作る自信はありませんし、時間も足りません。ここま
でのハードウェア情報を各メーカーに開示して、その上でドライバを作ってもらいましょう」
Eはウィリアムを突如として殴りつけた
「ふざけるな!ココまで恥を忍んで作り上げたこのR-4のデータを、いまさら他人にご開
帳するだと?それが技術屋にとってどれだけ恥ずかしいか手前ェなんざにわかるか!
まして、連邦の奴らに頭を下げるなぞできるか!」
「わからんな。俺たちはいいモノを作るだけだ。そのためには、なんでもする。違うか?」
Yが、冷徹に言った。
「おまえが偏屈だから、このプロジェクトはなかなか進まないんだ。お前が、俺たちパイ
ロットや、うちのほうの技術者の話を聞いてれば、もう少しマシなものが出来てたはずだ。
ウィリアムの話を聞くまでもなく、俺たちの話をもっと聞いていれば、GMが不思議とザク
にたいして弱いことも話してやれた。」
「何が言いたい」
「お前、俺たちアースノイドを見下しすぎてるんだよ。お前のような奴がいるから、俺たち
はこうしてまた、戦争の準備をしなきゃならん。もっとわかりあう事が出来れば、こんな戦
争準備もしなくていい・・・矛盾してるが、それが現実だ。
おまえがなんでこの試作機を作り上げたいか分からん。が、作る以上はもっと真剣に作
りやがれ!」
Yが吼えた。
Eは無言で立ち上がり、その場を離れた。
>>313 クニイ「カムラさんの作り上げたMS、RX−79は地球での実戦投入が開始されました
ですが、いっこうに進まない量産計画にご不満はありませんでしたか?」
カムラ「不満・・・・それはありましたが、なにせ実戦データの枯渇は最優先に
クリアーしなければならなかったので、陸戦機ヘの換装、小規模投入に応じることにしました」
ゼンバ「選択は、間違ってませんでしたか?」
カムラ「若干遠回りしましたが、その後の開発効率も上がりましたよ。」
クニイ「さてここにありますのはRX−79の左腕メンテナンスハッチに実際に使われていた部品です。
・・・・非常に軽いですね。これがMSの装甲なのかと思うとちょっと
信じられない気がします」
カムラ「怪我の功名なのですかね?急場しのぎで作った合金ですが軽量化にも作用しました。
私は神様とかはあまり信じないのですが、今回ばかりは神様に感謝しましたよ(笑)」
クニイ「この戦争は、ニュー・タイプ・・・優れた人類の登場する新たな戦いでもありました。」
それはV作戦にも影響を及ぼします。」
カムラは、後悔した。予想以上の、陸戦型仕様のMSの損耗率に、頭を抱えた。
東南アジアへの補充部品の矢の様な催促が、本筋の量産計画まで圧迫していた。
「パイロットの技量の差か…? オレは何処までもツいていない…!」
ルナ・チタニウム製の装甲の御蔭で、パイロットの死亡は未だ無いものの、その
部品の消耗率は常軌を逸していた。カムラは心の底から、陸戦型のパイロットを、
呪った。パイロットの技量さえ充分なら、ザクごときで苦戦する筈が無かった。
「…そう言えば…あのRX−78のパイロットは一体誰だ? 資料が確か…!」
『アムロ・レイ』。カムラの目に『レイ』の文字が墓標の様にそびえ立って来る
様だった。まだテムと親しげに話せたあの日、思春期を迎えた息子の話を聞いた事
があった。カムラは必死に思い出す。にこやかにテムが自慢していた、将来を期待
していた息子の名前は…! カムラはプリントアウトされた資料を机に叩き付けた。
「またしてもテム・レイ、オマエかッ! 何処までもオレの上にっ…!」
闘志が自分の中に再び燃え上がるのを、カムラは感じていた。コンピュータの端末
から、密かに記録しておいたRX-78の機密資料を呼び出し、閲覧するカムラの脳裏
に、あるアイデアが閃いた。教育型コンピュータの存在である。この『テムの息子』
の叩き出した華麗な戦績を生み出した操縦テクニックや機体運用データは、逐一、
記録されているのだ。これを限定的にRGM以降のMSのコンピュータに反映させれ
ば…素人同然の技術を持ったパイロットでも、戦果を上げることが出来る!
「…ク…クックックック…ハァッハッハッハッ!! テム! …あの世でオレに
感謝しろ!! オレを寄生虫と罵った貴様の息子を、オレが有効活用してやる
のだからな! 親子揃って、オレの糧(カテ)となるが良い!」
もはや陸戦型MSのデータなど、今のカムラにとって屑も同然だった。
カムラの狙いは、当たった。しかしそれは、完全では、無かった。
GMにデータを移植したのは成功だった。しかし、GMの挙げる戦果は皆、
『テムの息子』がもたらしたとの評価が付いて廻る事になったのである。
カムラは、荒れた。やり切れなかった。
「ドイツもコイツも…! 量産を成功にまで導いたのは誰の御蔭だと思っている!」
優れたパイロットが必要ないシステム。そんな物はただの夢物語だろうか?
そんな時に出会ったのが、ジオン公国からの亡命者『クルスト・モーゼス』
博士だった。博士の開発した画期的なOS、『EXAM』システムに、カムラ
は魅了された。システムにより処理される情報量が、連邦製品とは段違いだった。
「今度こそ…オレの手によるMSで…RX-78を…ガンダムを超える!」
試験的に使用したRGMの機体では、最終的にシステムの要求する機動や出力に
対応出来なかった。カムラは自分の持てる全てを叩き込んだ、かなり状態の良いRX−79
を数機、自分の研究用に確保していた。カムラはそれを投入する事に躊躇しなかった。
「コレで…オレは…RX−78を…超える機体を目指す! 見てろよテム・レイ!」
『目』から上だけが、『EXAM』を積んだRGM初期型で、後はRX−79の機体。
RX−79の頭の名残は、『口』の部分に付いている、紅く塗装されたブロックのみだった。
「…何…? 機体を『蒼く』塗る? 別に構わんが…。理由は? 趣味か…。解った…」
『EXAM』を搭載した機体、RX−79はその機体全体を、クルスト博士の『趣味』で
『蒼く』塗装される事に決定された。「RX−79BD−1:ブルーデスティニー1号機」
はこうして誕生したのである。GMの量産により、戦局は連邦に有利に傾きつつあった。
331 :
通常の名無しさんの3倍:04/01/12 21:44 ID:1qEmBq4x
ハイザックはアクトザクを考慮に入れてる筈。
アクトザクはマグネットコーティング機=恐らく元から非流体パルス式だし。
連邦はノウハウのあったフィールドモーター技術を応用できる機体だから量産用に再設計したのだと思うよ。ハイザクもフィールドモーター式らしいし…。
ついに…ついにブルーディスティニーが出た!楽しみにしてます!
自分も書いてみようかな…ドダイかリック・ディアスあたりで。
>>333 リックディアスはHJ設定の「片足作るのに二ヶ月」の採用キボン。
カムラは、この蒼い機体の示す性能に、魅惑された。自分の手で創った機体だとは、
とても信じられなかった。正に戦うために生まれたのだ、と言い切れるMSだった。
「おお…オレの…ブルー…。凛々しく、そして、美しい…。機能美溢れる破壊の女神よ…」
機体の固定兵装として、武装胸部バルカンを2門、腰部に小型ミサイル発射機を2門。
ビームサーベルを腰部に2基、装備し、ジェネレーター出力をUP。さらに技術工廠
の人脈を使い、試験的に各部のアクチュエータのマグネット・コーティング技術の導入
までやってのけたのである。その気になれば、RX−79用のビームライフルさえ運用可能
なエナジーゲインを誇っていたが、EXAM運用のためにそれはあえて装備させなかった。
その代用品として実体弾を使用する100oマシンガンを、マニピュレータに装備させた。
「…オレの心血を注いで創ったモノが、テム・レイの創ったモノに負ける筈が無いのだ!」
『EXAM試験機』それは連邦の高官たちにとって大きな意味を持つMSとなって行く。
ジオン公国が掲げる、『ニュータイプ思想』は、彼等にとって大きな頭痛の種だった。
実戦にニュータイプ兵士を投入すると言う情報が飛び交い始めたとき、それに匹敵する能力
を普通の兵士でも発揮できると言う『EXAM』に、彼等が飛び付いたのも無理は無かった。
『GMプロジェクトは君の御蔭で軌道に乗った。次は『EXAM』実用化に
向けて優秀な君の力を最大限に発揮してくれ。…君をこのプロジェクトの
専属技術者とする。必要な予算や人員は君の要求する通りに、当方で可能
な限り差し出そう。逆境の中、這い上がった君の力を我々に見せてくれ!』
ゴップ将軍が小さな端末の画面の中で軍帽を取り、その頭を下げた時、カムラは不覚にも涙を
抑え切れなかった。ついに、此処まで自分は上り詰めたのだと、始めて実感したのだった。
>>330 クニイ「学習型コンピューターの導入によってカムラさんの開発したMSは
飛躍的進化を遂げることになります。カムラさん自身はニュー・タイプ
という存在はどのようにお感じになりましたか?」
カムラ「・・・突出した人間というのはどこの分野、どんな環境に置いても存在しうる物である
という認識ですね。しかし、あの78型ガンダムのパイロットにおいては当てはまらない
事例ですな。わずか17歳の民間人があの戦果ですから・・・」
ゼンバ「運用データの礎になった78型ガンダムのパイロット・・17歳の青年があなたのライバル、テム・レイ氏の
ご子息と解った時には、どういった心境でしたか?」
カムラ「・・・・・・あの時の私はテム・レイの78型ガンダムを上回る機体を作る
それだけでした。ただ、親子そろってよくも私に絡むもんだと思いましたよ(笑)」
クニイ「ジオンからの亡命者によって新たなる技術”EXAM”がもたらされました。
敵の技術を流用するのに抵抗みたいのはありませんでしたか」
カムラ「ないですねえ。やはり一日の長があるジオンのMS技術力、利用しない訳には
いきませんでした。逆に、感謝してるくらいですよ。」
ゼンバ「ここに、EXAMシステムを搭載したMS、RX−79BD−1つまり
ブルー・デスティニーを撮影した数少ない写真を用意しました。
クニイ「白ベースの連邦系量産MSを見慣れてる私にとっては、この”蒼い”機体は
非常に新鮮に映りますねえ」
ゴルトベルガー「宇宙空間なら解りづらかっただろうね」
カムラ 「成る程なあ・・・・今頃気づいたぞこの蒼の意味に(笑)」
ゼンバ「GMの大量投入が功を奏し、戦局は連邦の勝利へと傾きます。そして
カムラ技術大尉のMS開発と言うもう一つの長い戦いも終焉へと向かいます」
しかし、好事魔多しとはよく言ったモノで、カムラにとって『EXAM』は正に鬼門となった。
テストパイロットが、『EXAM』によって送り込まれる情報に耐え切れず、次々と発狂若しくは
廃人と化していった。『女』の声を聞いた、或いは『少女』が訴えかけるとの報告に、周囲の人間
は徐々にプロジェクトの中止をカムラに求め始めた。何か得体の知れないモノが、ブルーに宿って
いるのだ、と言うスタッフを、カムラは一笑に付した。
「…優れた物を求めるのには代価が必要だ…。求められる代価が大きい程、オレのブルーは
より大きな輝きを放つ…。きっとブルーは、捧げられる犠牲が多ければ多いほど、優れた
MSと為るだろうよ…。…ブルーのテストは続ける…。…中止など論外だ…」
事実、『EXAM』の暴走は止む事は無かった。暴走したが最後、ブルーは戦場に動く者が
無くなるまで破壊を続け、機体が稼動限界に達するまで、敵や『味方』の区別無く、殺戮を
続けたのである。敵や味方の識別を続けられなくなる理由は、『EXAM』が予測する戦闘
情報を絶え間無く送り続けられたパイロット自身の情報処理能力の限界を超えて、過大な処理
を彼の精神や肉体に強制するのが原因だった。つまりは、システムの要求に人間が『耐え切れ
なく』なるのだ。パイロットには、それを拒否する事が実質、出来ないのだ。
『EXAM』は、戦闘に際し最適だと『システム自身』が判断した行動を、パイロットに
提示する技術だと聞いていたカムラは、まず最初にテストパイロットの無能さを呪った。
「…オレのブルーに『乗り潰される』パイロットは、所詮それだけの器に過ぎん…」
テムと別種の狂気を、居並ぶスタッフは今の『アルフ・カムラ大尉』に見出していた。
結局カムラは、リミッターを機体と『EXAM』の間に噛ませる事でスタッフと妥協した。
『テストパイロット殺し』の名を、自分の最高傑作である、この『ブルーデスティニー』に
冠されたく無かったのが原因だった。…しかし、それでもブルーの暴走は止む事は無かった。
「…クックックック…。ブルー…。偉いぞ…? よくオレの元へ還って来た…」
敵、味方の部隊を幾度も全滅させ、パイロットを発狂させ、帰って来るブルーにスタッフは
恐怖した。正に『呪われたMS』だった。暴走時に、RGMのゴーグルタイプのメインカメラ
の奥より放つ紅の両眼(ツインアイ)の輝きは、アルフだけを興奮させ、周囲の人間を戦慄の
渦に叩き込んだ。ブルーにはいつしか、『蒼い死神』という綽名が囁かれる程に為っていた。
しかし、圧倒的な戦闘力を誇る『死神』のコックピットをGMで撃破したパイロットが現れた。
「オレの…ブルーを…あの『GM』で、だと?! 誰だ! 誰の仕業だ! 」
撃破したのが、第十一独立機械化混成部隊所属の『ユウ・カジマ少尉』である事が判明するのには、
多くの時間を要しなかった。『MS実験部隊』はアルフ達のチームだけとは限らなかったのである。
「…オレのブルーの性能をMAXまで引き出せるのは…奴が適任かもな…」
アルフは彼こそがブルーのパイロットに適任だと直感し、第十一独立機械化混成部隊に、ブルーごと
移籍を希望し、叶えられた。その後紆余曲折あって、『モルモット隊』と綽名されたこの混成部隊で
『ユウ・カジマ少尉』がブルーデスティニーのパイロットとして任命され、多大な戦果を挙げたのは、
その後の記録が示す通りである。が、その栄光に満ちた日々は長くは続かなかった。
ジオンにも、『EXAM』を搭載したMSが存在したのである。アルフの心血を
注いで完成させた『RX−79BD−1』は大破し、搭載していた『EXAM』は
破壊された。しかし、その頃既に、宇宙用に換装された『BD−2』と『BD−3』
がロールアウトしていたため、カムラの受けた衝撃は微々たる物だった。
「遂に…オレのブルーが、宇宙に…! テムゥ! 見ているが良い! 」
しかし、事はスンナリと運ばなかった。ジオン公国軍の手で、宇宙用に換装
された『BD−2』は奪取されてしまったのだった。『EXAM』の産みの親
である『モーゼス・クルスト博士』もその際に死亡し、『EXAM』の全容を
知る者は居なくなった。『EXAM』は最早、量産不可能なシステムとなった
のだった。奪取された『BD−2』を追跡するため急遽調整された『BD−3』
は蒼く塗装されること無く、あの『RX-78』に施された塗装と類似したものに
為っていた。『BD−3』と宇宙に上がったアルフは、落胆した。
「所詮…テムをオレは…超えられんのか…? その程度の…器だったのか…?」
その時、コンテナ船の格納庫で歓声が上がった。アルフは、そこへ向かった。
『BD−3』の周りで、兵士達が騒いでいた。宇宙に行く前にアルフが手に入れた、
『テムの息子』の乗った『RX−78−2』と対戦できるシミュレータが稼動していた。
これまで連邦軍の中で勝てるパイロットや機体は、存在しなかった代物でもあった。
「…どうした? 何があった…? !! そ、それは…本当なのか!? 」
手近の兵士を捕まえて聞いたアルフは、驚愕した。なんと、『ユウ・カジマ中尉』が
『ガンダム』に『BD−3』で勝利したと言うのだ。…カムラの目に、じわりと涙が溢れた。
「…テムに…勝てた…! オレは…勝てたッ…! 見たかテムゥゥゥゥゥ!! 」
突然叫びだしたカムラに、兵士は驚いて離れていった。アルフは群集の中を掻き分け、
ユウ中尉の前に出て、彼の両手を握り、振り回し、感極まって、力強く、抱き締めた。
「…有難う…! …オマエの御蔭でっ…オレはッ…オレの仕事は…報われたッ!!」
その後BD−2、BD−3は大破し、EXAM搭載機は再び世に出ることは無かった。
アルフはその後、ムラサメ研究所に志願する事になる。『EXAM』があるニュータイプ少女
の精神パターンをコピーしたものだと判明したのがその大きな理由であった。
(四体のフィギュアを順に指す男)これが…BDの原型機とも言えるRX−79で…。
この蒼いGMの頭部に似た機体が…BD-1。この蒼く塗られたガンダムヘッドがBD-2、
そして、このRX-78-2に酷似した機体が、BD−3という訳ですね? カムラさん?
341 :
通常の名無しさんの3倍:04/01/13 02:05 ID:vzBumwHJ
Y・Gっててっきりヤザン・ゲーブルだと思ったのに
若き日のヤザンの武勇伝の一つとして面白かったのに
ユーリ・ゴルトベルガ−って誰??
342 :
通常の名無しさんの3倍:04/01/13 02:08 ID:GSEOHA+X
343 :
開発者の思いも虚しく:04/01/13 04:26 ID:mH6DsY9C
グ フ は 飛 ば な か っ た
>>340 カムラ 「その通りです・・・・」
クニイ 「試作機の強奪、ジオンの技術者の死と連続して悲劇が起こり”EXAM”
は事実上の終焉と相成るわけですがライバル、テム・レイの打倒という
目標は達成されたと・・・思いますか?」
カムラ 「(何を思い出したか、涙を流しハンカチで拭き取って)
ええ・・・何度と無く辛酸をなめつつもここまでやってきたのは・・・
テム・レイのRX−78型ガンダムの打倒、それこそが私の原動力でしたから
そして、シミュレーター上とはいえ、テム・レイの78型・・・そして彼の息子を
倒すことに成功した・・・何事にも代えられない喜びでしたね」
ゼンバ「ではもし、あなた一人で開発に携わっていたら・・・?」
カムラ「ここまでの成果は、無かったでしょうね。”競作”という手段を79年の時点で選択した
レビル将軍はこのことを認識していたのでしょう?」
クニイ「終戦後のカムラ技術大尉のその後を振り返りつお別れとさせていただきます」
♪かた〜りつぐ ひとも〜なく〜
>>341 如何考えても展開からしてヤザンが偽名で出てるだけだと思うんだが?w
もうちっとじっくり考えようや
面白かったけど、最後にガッカリした。
あれだけやっといて「シミュレータで勝った」が結末かよ!
力不足で、申し訳ない。実戦でやらせるには忍びなかった。
元ネタが元ネタだったんで…その…スマン。ゲーム準拠という事で。
SS版のガンダムと殺り合うだけでも、大変なのだよ…。
>>348 言われてミスに気が付いた…
341スマンカッタ…吊って来る…
>>333 ディアスは過去スレにあったような気が・・・
ガオディアス?(誤)
>>344 『宇宙は、命に満ちている…』BD−3から奇跡的に脱出を果たした『ユウ・カジマ中尉』は
アルフ・カムラ大尉にこう語ったと言う。『宇宙は、暗黒の世界ではない。宇宙には『色』が
あるのだ』と。カムラ大尉はその時、真っ先に、BD−1の機体の色を思い出したそうだ。
『あの、蒼色か…?』ユウ中尉は黙って頷き、言った。『マリオンが、言っていた』と。
カムラ大尉は廃棄されたサイド5の研究所で、資料を読んでいた。EXAMが起動した瞬間、
一人の少女が意識を失ったと。その少女の名をユウ中尉が口にしたことを、カムラ大尉は自然に
受け入れていたのだ。『命の…蒼…か…』己を振り返ったカムラ大尉は、『蒼』に別のイメージ
を抱いていた。一年にも満たない期間を、駆け抜けていった出来事や、忘れられない人間達の事を。
「…オレの戦争に捧げた、短い青春は、終わったよ…。ブルーと共にな…」
戦争を始めるのも終わらせるのも、全ては『人』の『繋がり』だった。それが可能な『人の革新』に
アルフ・カムラ大尉は自らの次に求むるべきモノを見出したのだ。ムラサメ研究所での、カムラ大尉の
研究は未だ軍事機密により明かすことは出来ない。しかし、もう私たちは知っている。
カムラ大尉が、真摯に自らの求めるモノを、追いかけた事を。 END
カムラ大尉と一緒にいたテストパイロットはヤザン?!・・・すんません
ヤザン・ゲーブルという名前が真っ先にでてこなかったんで・・・ホント済みません<111 ◆eM9eCHT9nc様
でも結構111氏のお話はとても面白くて次はどんなストーリーを出してくるんだ?と
楽しみにしていました。プロXスレの良スレ化をねがって、しばらくロムってますさよう〜なら〜 (w
いえいえ、私も楽しんでました。ですから気にしないで下さい。
「そう来たか!」とこちらもファイト(失礼)を燃やしましたから。
またお邪魔するかもしれないので、その時また、御願いします。
「Y・G」の件は、読んだ人に想像してもらうと言うことで…。
あの方だったら、戦後、『絶対』戦犯扱いされること、間違いありませんから。(笑)
本当に、楽しかったです。機会があれば、またやりましょう(微笑)!
あと328、311も俺です・・・カナリダメダメダ(・∀・)
いえいえ、そんなことは無いですよ? 本当に。
書く意欲が湧いてきましたから。 読んでくれている! と。
嬉しかったです。次に来た時、また、御願いします!
>>348 当時のY.G氏はヤザン・ゲーブル。
収録時にはすでに行方不明だった、かつティターンズ所属時代に悪名を広げてしまったために
TV局がでっち上げた人物がゴルドベルガー氏って解釈したのはだめだろうか?
311のゴルドベルガー氏が過去部分のY.G氏とつながらないのよ、口調とか。
OK,それで行こう。TV版も【完全な】ドキュメントでもないしな。
ハイザックの続きキボンヌ。
エーックス・・・
保守がわりに再放送でもするか?
362 :
通常の名無しさんの3倍:04/01/17 15:33 ID:rltRxQ02
ここってまとめサイト誰か作ってるのかな。
亀レス>111氏
乙です。ラストはまあ・・・他にやりようないですしね。展開も嫌いじゃないです。
でもとりあえずあなたの功績は
三 月 剣 よ り 先 に BDモノを書いたことですね。
奴に書かせようものなら、あのバカは平気で
一 年 戦 争 に 自 分 を 出 さ せ る
わけですから・・・。
あらら、また始まってたんだ 久々に俺も何か考えようかな
取りあえず
>>362はageる時はヴァカ系の言葉は使わん方がいいぞ
荒れてると思われると厨が寄ってくる。
365 :
通常の名無しさんの3倍:04/01/17 17:28 ID:Mdufwuiw
366 :
通常の名無しさんの3倍 :04/01/17 18:29 ID:QBZ1jJGs
>>361 EXAMつながりでイフリート改なんてどうです?
グフは飛んだ!そしてジムスナイパーに撃墜されたと
国井「本日のプロジェクトXは、イフリート改を取り上げます。ブルーディスティニー
と戦った、ジオンのEXAM搭載MSです。スタジオにはこの機のパイロット、
ニムバス・シュターゼンさんの肖像画を用意しました。」
膳場「…なんていうか、精悍な印象の方ですね」
国井「この方はパイロットとしての技量も優れていますが、EXAMマシンを乗りこな
す強靱な精神力をも持っておられたようです」
膳場「ゲストをお招きしています。ニムバスさんと戦った連邦のエース、ユウ・カジマ
さんです。どうぞ」
ユウ「………」
無言で席につくユウ・カジマ。
膳場「カジマさんは、実験部隊のパイロットとしてブルーディスティニーの開発に
関わってこられた訳ですが、パイロットに選ばれた時の感想はどういったもの
でしたか?」
ユウ「………」
膳場「あの…(国井さん、この方酸素欠乏症…)」
国井「(もともとこういう人だから心配いりません)」
膳場「はい…ではカジマさん、実際に戦った相手として、ニムバスさんにはどんな
印象をお持ちですか?」
ユウ「…カッ、ペッ!」
いきなりスタジオの床に唾を吐くユウ・カジマ。
膳場「あぅ…」
国井「(再放送で私が謝罪すれば済むことです、気を取り直して)」
膳場「カジマさん、EXAMマシンに乗って何か変わったことはありましたか?」
ユウ「……!」
突然赤面してうつむくユウ・カジマ。チラリと膳場を見上げ、はにかんだように微笑み
またうつむく。
膳場「カジマさん?」
戸惑う膳場の様子をいやらしい目で観察する国井。
UC0079年8月。ジオン公国直属の技術者I氏のフラナガン機関への配属が
決定した。クルスト・モーゼス博士が開発を進める新型OS・EXAM。この
システムの要求に応える機体の開発がI氏に与えられた任務であった。
「難題だな」
I氏は、自分に課せられた任務が極めて困難なものだと知っていた。最終的な目標
が解っていれば、それに向けて力を尽くすことができる。だが、機体開発の前提と
なるEXAMシステム自体がまだ不完全なものだった。不完全なシステムを受け
止めるための完全な器を作る。そんな仕事をI氏は引き受けたのである。
一般パイロットでも、ニュータイプが搭乗するMSに極めて近い動きを可能に
する疑似ニュータイプシステム。I氏はEXAMシステムについて、そう説明
を受けていた。
「ニュータイプパイロットのデータが必要になるだろう」
I氏は、シャア・アズナブル少佐の戦闘データを携えて赴任先の実験コロニーへ
向かった。
I氏はクルスト博士から手渡された実験データに目を通した。EXAMシステム
が100%機能した時、実験用のザクはその要求について行けず、わずか二分で
オーバーヒートして機能を停止したと言う。
「EXAMに耐える機体が必要なのです」
クルスト博士は訴えた。しかしデータから言えることは、機体以前にEXAM
システムの問題を改善する必要があるということだった。
「シャア少佐のデータを御覧になって下さい」
ニュータイプと噂されるシャア・アズナブルのルウム戦役での戦闘データ。
そこからは神業とも言える反応速度と予測能力、そして操縦技術が見て取れた。
ニュータイプの戦闘能力とはこういうものだと、見る者を納得させる記録だった。
「ですがそれ以前に、彼は卓越した技量を持つ優秀なパイロットなのです」
MS技術者であるI氏は、シャア少佐がザクの性能を知りつくし、限界を把握
していることを読み取っていた。シャア少佐はその上でザクの性能を最大限に
引き出している。同時に限界を超えた負担が掛からないように気を配りながら、
効率良く機体を乗りこなしていた。
「EXAMにはそれがない。今のままではどんな機体でもオーバーヒートを免れる
ことは不可能です」
そんな意見を求めてはいない。クルスト博士は不機嫌に言った。
「君は少しでも長くEXAMに耐える機体を作るんだ」
I氏、気が重くなった。
「ザクでは無理だ」
EXAMシステムによって機体に掛かる負担はザクタイプの限界を軽く超えて
いた。EXAMの要求する機動性は、バーニアと各部関節のオーバーヒートを
引き起こした。さらにザクタイプのエンジンではEXAM自体の冷却に必要な
パワーが追いつかなかった。おそらく指揮官用のS型でも、稼動時間の延長は
わずかにしか望めない。
ひとつの希望があった。地球侵攻部隊と共に地球に降りた技術者達が、陸戦用
の新型機を次々に開発しているという。その中にEXAMに耐え得る機体があ
るかもしれない。
「使える新型はないか」
とにかく限界性能の高い、無理の効く機体を。I氏の要求に応えて、ジオン公国
直属の技術研究所から一機のMSが届けられた。MS−08TX・イフリートである。
タモリ
「これは良い機体だ」
ジオン公国地球侵攻部隊の技術者が独自に開発した試作機。コストの問題から
量産化を見送られ、8機しか存在しない貴重なMS。研究施設に届けられた
MS−08TX・イフリートは、開発者の若い才能と野心を感じさせる高性能機だった。
「どんな奴が作ったのか」
I氏はイフリートと向き合えることを嬉しく思った。気の重かった任務に
やりがいを感じ始めた。
EXAMシステムを搭載したイフリートで一回目の実験が行われることになった。
他に手を加えない状態でどこまで持つか、様子見のテストである。
「ザクは2分でオーバーヒートしたというが、こいつはどれだけ耐えられるか」
得られた実験データをもとに改良を進める。そしてこのテストにはイフリートの
ポテンシャルを測る意味も含まれていた。
「頑張ってくれよ」
「このMSは凄い」
テストパイロットの声は興奮していた。実験を見守るスタッフの間からも驚嘆
の声が漏れた。イフリートはザクとは比べ物にならない動きを見せていた。
やがてクルスト博士が指示した。
「EXAMを解放しろ」
イフリートはさらに凄まじい勢いで標的を破壊し始めた。同じパイロットの
操縦とは思えない。
「これがEXAMか」
驚愕するI氏の耳に、コクピットからの通信が飛び込んできた。テストパイロット
の悲鳴だった。
「制御不能、強制停止してください」
イフリートは暴走していた。
「助けてくれ」
「機体が強制終了を受け付けません」
I氏は叫んだ。
「オーバーヒートするまで辛抱してくれ」
テストパイロットの声は聞こえなくなった。そのままイフリートは活動を続け、
やがてオーバーヒートで機能を停止した。
「3分2秒」
クルスト博士の声だった。I氏は理解していた。
「EXAMシステムが完全に機能した時とは暴走状態のことなのか」
/ヾ∧
彡| ・ \
彡| 丶._).
彡||( ・ω・)
|(/ |)
人_../
U"U age
コクピットから救出されたテストパイロットは精神障害を引き起こしていた。
「まただ…」
スタッフのひとりがつぶやいたのをI氏は聞いた。
以前にザクで行われた実験でも、パイロットに精神障害が見られたという。
そのパイロットは今も病院に収容されたままだ。翌日スタッフからテスト
パイロットの話が伝わった。
「彼はもうだめらしい」
実験データは得られた。改良点の目処もついた。
「だが、パイロットがいないだろう」
二度続いたパイロットの精神障害。それがEXAMによるものだという噂が
広まっていた。
「彼女の呪いだ」
ニュータイプの少女、マリオン・ウェルチ。彼女はクルスト博士の実験台となって
EXAMを完成に導いた。だがその実験で意識不明に陥り、今も眠り続けている。
ニュータイプの精神パターンを模したEXAM・OSにマリオンの魂が宿り、
パイロットを狂わせている。そんなオカルトじみた話を研究スタッフは半ば
事実のように噂していた。研究施設にはパイロットを引き受けるものは既に
誰もいなかった。
それでもI氏はイフリートの改良作業を続けていた。EXAMの行く末はどうあれ、
イフリートと向き合うのは楽しかった。
「こいつはまだまだ強くなる」
単純に技術者としての欲求が彼を動かしていた。
イフリートでの二度目の実験に、ニムバスは耐えた。
「私は騎士だ。魔女め、貴様の好きにはさせん」
暴走するイフリートの中で彼は叫んだ。機体は3分19秒でオーバーヒート、
機能を停止した。疲労困憊していたものの、ニムバスは自力で無事にコクピット
を降りた。スタッフに安堵の溜め息が広がった。
「魔女とは何だ」
I氏がニムバスに尋ねると、EXAMが暴走した際に女の声が頭に響いてきたという。
「心配する必要はない。騎士が魔女に負けるはずがない」
ニムバスには、その声の原因はどうでも良いらしい。だがI氏はマリオン・ウェルチ
の名を思い出していた。
ニムバス・シュターゼンはI氏の予想以上に優秀なパイロットだった。機体の状態を
自分の手足のように把握し、どこに無理な負担が掛かっているか、またどこでパワー
が無駄になっているか、そして不足しているか、的確に指摘した。I氏は舌を巻いた。
「パイロットとしても本物だ」
/ヾ∧
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彡| 丶._).
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人_../
U"U age
実験は繰り返され、暴走状態での稼動時間は少しずつ延びていった。そして稼動時間
の延長はわずかであってもイフリートの戦闘能力と機動性は格段に向上していた。
I氏は疑問を感じ始めていた。
「機体の性能は向上しているのにEXAMの改良は進んでいないのでは」
I氏にはEXAMが以前と全く変わっていないように思えた。稼動時間の延長には
機体とEXAM、両方のバージョンアップが必要だ。だがクルスト博士はEXAMの
改良を進めているようには見えない。そして壁が見えた。機体の改良とニムバスの
操縦を持ってしても、稼動時間4分の壁を超えられない。
「イフリートには、まだやれるはずなんだ」
その日、ニムバスの様子がいつもと違った。
「おのれ魔女め、ハァハァ」
管制室でI氏はそれに気付いた。
「ニムバスの様子がおかしい」
「いつもと何が違うというんだ」
クルスト博士は取り合わない。I氏は緊張しながら実験を見守った。暴走状態に
入って既に3分30秒が経過している。そして4分。イフリートはまだ暴走を
続けている。壁を突破した。
「やったぞニムバス」
5分1秒でイフリートは活動を停止した。これまでの記録を1分も上回る
新記録だった。
/ヾ∧
彡| ・ \
彡| 丶._).
彡||( ・ω・)
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人_../
U"U age
あ、しまった
かなり抜かしてる
スンマセン・・・・
タモリ
作品を一気に上げる時は最後の1つだけageると割り込まれにくくなるよ。
風のなかのす〜ばる〜♪
このスレみてたら
昔、ケイブンシャの『Zガンダム大百科』に
グフフライトタイプ開発の小説が載ってたの思い出したな。
エーックス・・・
エーックスゥ・・・
( ̄ ̄< / ̄>
\ ヽ / /ソ
プ ロ ジ ェ ク ト\ ヽ P r o j e c t MS
─────────────────────
技術者たち /|_/ /\engineers
| / \ 丶
\/ \__ノ
「俺達はティターンズを許さない─ガンダムMk-U再生計画─」
グリプス戦争を戦い抜いた白い機体、かつての『RX-78-2』を彷彿とさせるそのフェイス、
『ガンダムMk-U』こと『RX-178』。ティターンズカラーに染められた『反攻のシンボル・
ガンダム』の全てを解明し、運用を可能にしたのは、葬り去られた『GPシリーズ』に関わる
技術者たちの執念にも似た努力の結晶であった…。
(オープニングテーマ:「地上の星」 詩/曲 中島みゆき)
風の中の昴ぅ〜 砂の中の銀河ぁ〜♪
(ガンダムMk-U開発計画・強奪計画画策)
みんなどこへ行ったぁ〜 見守られることもなくぅ〜♪
(俺達のガンダムは…ガンダムじゃないと言うのかっ!)
草原のヴィーナスぅ〜 街角のペガサスぅ〜♪
(既存機が手元に回らない?! せめて機体の一部だけでも…!)
みんなどこへ行ったぁ〜 振り向かれることもなくぅ〜♪
(こんな装甲材はとっくに時代遅れなんだよ! それでも使い続けるのか!? )
地上にある星をぉ〜 誰も覚えていないっ 人は空ばかり見てるぅ〜♪
(…完成したパーツの『擦り合わせ』すら自分の眼で確認出来んとはな)
燕よぉ〜 高い空からぁ〜♪
(Z計画の始動。今、Mk-Uの戦い続ける意味は時間稼ぎの他に意味が有るのか? )
教えてよぉ〜 地上の星をぉ〜♪
(まだ、終わらんよ! FA計画、Gディフェンサー計画の同時進行)
燕よぉ 地上の星はぁ〜♪
(Mk-Uの継続戦闘能力と汎用性の高さこそが、次世代MSへの第一歩なのだ!)
今どこにぃ いるのだろぉ〜♪
(変形MSから非変形MSへの回帰。νガンダムへの助走。宇宙を漂う半壊したガンダムMk-Uの映像)
新作キタ━━(・∀・) ・∀)( ・) )・ )∀・ )・∀・)━━━!!!
0087年初頭。スペースノイド弾圧組織『ティターンズ』が、ある試作MSの開発に勤しんでいる
との情報が、反地球連邦政府・スペースノイド穏健派の集団で有る『エゥーゴ』の逆鱗を逆撫で
した。その名は『RX-178・ガンダムMk-U』。一年戦争下に置ける地球連邦の、V作戦の象徴たる
MSの名を受け継ぐ機体であった。
「これは…ティターンズの、我等スペースノイドに対する、示威行動に他為らぬ! 」
エゥーゴの首脳部は、この一事を持ってティターンズが融和などでは無く、対決姿勢を示した
との見地に至ったのである。今やティターンズは、後手に回る『モグラ叩き』の脱却を謀るため、
『新たなるV作戦の発動』を画策しているとの解釈を『頭に血が上った』面々は主張したのだった。
「奴等の弛んだ横っ面を引っ叩いてやれ! 虎の子の『ガンダム』を奪うのだ! 」
彼等の脳裏には、ティターンズ結成の契機と為った、0083の、『星の屑』作戦が去来していた。
『組織の象徴たるガンダムで、恥を掻かせる』事が出来れば、大衆の支持も得られ易く為る狙いが、
彼等の『夢想』を加速させる燃料と為った。それは『ただの暴挙』に終わる、はずであった。
エゥーゴに参加した、一人の『金髪の青年』が、強奪計画の実行を簡単に受諾さえ、しなければ。
猛烈な勢いで、続きを期待っ!!
何故首脳陣が彼の様な云わば『新参者』に一任したかは謎である。関係者の一人は語る。
『彼の言葉、立居振る舞い、中でも身に纏う雰囲気が、あの『ジオン・ズム・ダイクン』の
再来を思わせた』と。クワトロ・バジーナ大尉。それが彼の当時名乗った偽名だった事は、
後の世に生きる我々の方が承知の通りだ。『キャスバル・レム・ダイクン』と言う本名を
エドワウ・マス、シャア・アズナブルと言う偽名で隠して来たが、再度彼は歴史の表舞台に
立つ事になるのを、未だ若かりし『彼』が知っていたのかは定かでは無い。
人は言う。彼のモニターグラスの奥に隠された眼は、スペースノイドの、いや、人類
全体の未来を憂いて居たと。彼は計画責任者を受託する前に一言、最後に言ったと言う。
『多くの人命と引き換えに得られる対価を、私は望んでいるのですよ。人の、革新をね』
その言葉を戦慄と共に首脳陣が思い知ったのは、彼が強奪作戦時に連れ帰った一人の少年
の上げる戦果であった事は、また別の話であろう。…強奪計画は『彼』の主導の下、着々と
ジグソーパズルの、一つ一つのピースが本来有るべき場所に『戻る』が如く、寸分のズレも
計画に見られぬまま詰められて行く。彼の二人の子飼いの部下、『ロベルト』『アポリー』
が、『クワトロ・バジーナ大尉』と共に計画実行者の欄に名を連ねた。彼らが口を滑らせる
時が多々、有った。『大佐』と。『彼』の正体は計画関係者にとって、暗黙の了解と化した。
『彼』が計画責任者に就任してから一ヶ月が経過した。情報収集の成果が、目に見えて
以前と格段の違いを見せていた。手に入らなかった機体写真が、『彼』の下に届けられた。
彼はその優美な曲線を描く眉を顰めて、言った。さも、不快げに。
「酷い物だな…黒い『ガンダム』とは…。奴等の美的センスと良識は、無きに等しいと
私は見た…。醜いものだな…? かつての名機も、こうも塗られてしまえばな…」
かつての、『大佐』であった頃の『彼』が対峙した『ガンダム』は、鮮やかな『白』を
基調とした、テスト機体である事を示す、青・赤・黄を配した『トリコロールカラー』で
有ったのに対し、その後継機たる試作機『RX-178・ガンダムMk-U』は、ティターンズの
組織色である、『濃紺』を基調とする物と為っていた。コロニー居住者が蛇蝎の様に嫌う
『GM・クゥエル』の機体色の配置に酷似していた。機体テストが、『グリプス1』で行わ
れると、諜報担当者が『彼』に伝えた時、『彼』は静かに微笑み、呟いたと言う。
「サイド7の…。そうか…歴史は皮肉な物だ…。また同じ事を人に繰り返させる…」
と。0087・3月2日。ガンダムMk-U強奪計画の本格的な決行日は、その日に定められた。
クニイ「87年のグリプス戦役はエゥーゴ対ティターンズといういわば連邦軍の
内部抗争に等しい戦争でした。そして、この戦争は新たな”ガンダム”が姿を現した
戦争でもありました。」
ゼンバ「ゲストをお呼びします。87年当時エゥーゴのMS戦略に深く関わった
エリック・バロー氏です」
クニイ「ティターンズのMSを強奪するという、かなり荒っぽい選択をするわけですが?」
バロー「当時の我々には与えられた時間はあまりにも少なすぎました。何せ危険分子とはいえ
母体は連邦軍という巨大組織・・・勝ち抜くためには7年前の大戦で立った一機で戦況をひっくり返した
RX−78のような機体、つまりは178型ガンダムが是が非でも必要だったのです。」
ゼンバ「他の手段・・・たとえば収集した情報を元にガンダムを”コピー”する方法はありませんでしたか?」
バロー「・・・・やはり”そのもの”を手にすることがあの時点での最良の手段でした」
クニイ「前代未聞のMS強奪計画がいよいよ実行されます。そして新たな戦乱の火ぶたが切って落とされます」
エーックス・・・
待ってるんだって……みんな……RX-178なんだぜ?
クワトロ大尉の、ガンダム強奪作戦は成功した。しかも、予想外にも、同形機をもう1機調達して来たのだ。
エゥーゴの士気は、さらに高まった。数時間後、月のフォン・ブラウン市に住むP夫妻に首脳部から連絡が入った。
是非、力を貸して欲しいと。…失われし『ガンダム』の系譜の記憶を受け継ぐ、人材だった。KとN。
地球のオークリー基地に居た夫妻は、夫のKの余りの干されっぷりに業を煮やしたNの勧めで、月に戻ったのだ。
Kは未だに連邦軍人だったが、出向という形で、A・Eに在籍していた。…妻の剣幕に逆らえなかったのだろう。
「さあ、K! 忙しくなるわぁ〜! ガンダムが私を待っているのよ? 待ってなさい、私のガンダムぅ〜♪ 」
「でもN…? 僕は連邦軍人なんだけど…問題ないのかな? むしろ僕が居ない方がエゥーゴも…」
「じゃあ何? K? ティターンズに参加したかったの? 貴方も? この…甲斐性なしぃっ!! 」
半ば無理矢理夫を引き込んだNは、衝撃の事実を知ることに為る。ガンダムMk-Uを、当座はコピーする事のみを
依頼されたと言う、彼女にとっては屈辱的な仕事である事を。夫の背中を蹴り上げるNはそれをまだ、知らなかった。
台詞とイニシャルだけだが、俺には解る。アンタ正気か? で…エーックス…
>396
いや、でも…、こいつらがガンダムにしゃしゃり出てくるのは、むしろ普通なんじゃないの?
っていうか、そうか……MKUが出てきたら、NはK連れて、エゥーゴ(アナハイム)に来るわな…
盲点だったよ……。
すると、何? アナハイムジャーナルで出てきたZ計画の総責任者 ピウツスキ博士とNの大喧嘩が
これから始まるわけ? マジ!?
うわーー、みてぇぇ(w
Kは一生監視つくからもう表舞台でには出てこれないだろう、と無粋なことを言ってみる。
アナハイムのテストパイロットとして飼い殺し、にイピョーウ。
・・・エーックス・・・
夫婦どつき漫才と化してるP夫妻・・・・・・
めっつぁほほえましいが、一方その頃、Mともう一人のKはナニしてるんだろうな
U夫妻じゃないところに絶妙なパワーバランスが見え隠れ。
Uの故郷では「米ぬか三杯あったら婿には行くな」という格言があったくらいなのに……哀れ。
Nは激怒した。Kの存在について嫌味を言われたのもあるが、GM・クゥェルの件で痛烈な
批判を浴びたのだった。『君の御蔭で、スペースノイドが何人死んだと思っているのかね? 』
と間接話法型から、『お宅が地球のガンダム作った時点で、裏切者なんだよ』との直接話法型。
夫が替わりに頭を下げていたのだが、プライドの高いNはもう限界だった。
「そんなに言うんだったら、貴方達でやったら?! 実機は運用中で解析に一機も廻せない?
実行部隊に強い事言えないから、私達を叩いてすっきりしようって言うの? …最低ね!
K! 貴方も貴方よ! 愛想笑いしている暇があったら、機体の外観撮った映像の解析を
しなさいよ! 貴方は『腐っても』パイロットなのよ? 私の『ガンダム』の! 」
Nのその一言で、Kは笑顔のままで、目の前の技術部主任をすぐさま張り飛ばした。
「悪いね、Nには逆らえないんだ。僕は。…解ってくれとは、言わないけれどね…」
強襲揚陸艦『アーガマ』の主任メカニックであるアストナージ・メドッソがNの華やかな
微笑の映像に迎えられたのは、それから三十分後のことだった。第一声が、『A・Eの
N・Pです。真にお忙しい中、大変申し訳有りません』で、第二声が、Mk−Uに使っている
ジェネレータのサイズを教えて欲しいと言う物だった。アストナージが型番を伝えると、何故か
男が出て、丁寧過ぎる礼を述べ、奥の方でなにやら押し問答が続いた挙句、通信が勝手に切れた。
「Nぁ…。仕事だって解ってるけれどさ…! 他の男に…! 」
「笑顔くらい、タダだからイイでしょう、K! まだ聞く事が有ったのに! 」
「…僕がティターンズのMさんやAさんやBさんに聞けば済む事じゃないか!
僕にだって人脈はあるんだ! こんなでも僕はまだ、連邦の士官だ! 」
Kの「連邦の士官」は、夫婦内の、Kの不退転の決意を示す台詞だった。Nは、渋々、折れた。
ガンダムMk−Uの詳細なスペックが無記名データでA・E経由で送られて来たのは、Kが連絡
してから3日後の事だった。末尾に一行、付与されていた。
『K、俺もそっち側行くわ。:U夫妻の友人、K&Mより』と。
しまった! T&Mだった!
C&Mだとおもってた。
MK-U で得られた知見は、
良質なムーバブルフレーム技術だと思っていたんだが・・・
ちがったっけか?
装甲はガンダムの癖にチタン合金に格下げだし・・・
それをガンダリムγで作ったから、
より強固なフレームと装甲が出来たんじゃなかったっけ?
0083の時代は、モノコックト、セミモノコックの混在したMSが
作られた時代だったから、ジュネレーターのサイズを調べたぐらいが
どうだというのだ?
何より、型番がわかるくらい市販のジュネなのか?
特注品じゃないのか?
>>406 一般人にはわからなくても、アナハイムでMS作ってるNなら、ジェネレータの型番を聞けば
「ああ、あれね」とわかるのではないかと言って見るテスト。
そもそも熱核反応炉って「市販」するもんじゃないだろうし。
あとガンダリムはまだマシとして、せめて「ジュネ」はやめとけ。や○いになる。(ワラ
>>407 自分で答えを言っている。Mk-Uは旧式技術の延用が多い機体だ。Nはその技術の専門家。
もっと年季積めば、それこそビスのサイズで性能が或る程度推測できるようになる…かもしれない。
409 :
通常の名無しさんの3倍:04/02/12 16:23 ID:xFH+yxRC
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●●●●●●●●●●●●●●●●不合格●●●●●●●●●●●●●●●●●
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●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
これを見た人は確実に【不合格】です。これをコピペでどこかに3回貼れば回避できます。
これは本当です。やらないと一年無駄になります
メジャーなメンツが出てきた割には今回いまいちだったな…
>>410 既存のキャラが出演して面白かった作品自体が稀有だからしょうがない
キャラの強さに話が追いついて行かないのがいつものパターンだからなぁ・・・
まだ、続きがあると思うんだが…
まぁ、基本はパラレルな開発史だしこれでもいいんじゃない?
まぁ個人的にはプロジェクトXは無名の偉人たちにスポットをあてる話だと思っているから
既存キャラは『にやり』とさせる程度の登場で抑えることを希望するけど。
たとえば漫画を題材にした場合、手塚治虫をメインにするんじゃなくてそのアシスタントをメインに、
手塚はちらっと関わるだけ、みたいな。
414 :
413:04/02/12 22:15 ID:???
補足
> まぁ、基本はパラレルな開発史だしこれでもいいんじゃない?
は材料工学とか、Nならそこまで調べなくても判るとか設定周りの事ね。
ともあれこれからの展開が作者にとっても肝なんだろうと思うので最後までガンガレ!>Mk2再生計画
|─-ノノ)
|(,,ェ)・)
|´゙リ))
|ヮ゚ノ はっ!誰もいないわ。踊るなら今よ。
⊂/
| /
(⌒─-ノノ)
.. (( ・(,,ェ)・)
. |( (((!´゙リ))
... )∩l.゚ ヮ゚ノl|
.. (|| . |⊃ あっそれそれ!
.. C:、.⊃ ノ
""U
(⌒-─ノノ)
(・(ェ,,)・ ))
(((!´゙リ)) .)
||゚ヮ ゚||∩|(.
.. ⊂| . | ) あっはいはい!
. !, ⊂,,,ノo.
... U""
(⌒─-⌒)
( ;;;;;;)
| ;;;i..
. ∪ ;;;i. ふぅ〜、今日の仕事終わり。
i ;;oi.
(ノ''''''ヽノ, , , , ,
>415
mitayo
417 :
RX178マダー?:04/02/15 18:06 ID:DIesYVSD
・・・エーックス・・・
・・・エーックス・・・
そういやハイザックもまだ完結じゃなかったっけ?楽しみ〜
+
+
+ * ,,,,,.,,
,,,,.,.,ミ・д・ミ,,, ほっしゅ?
* ,,,.ミ・д・,,ミ,,・д・ミ,,, ほっしゅ?
ミ,,・д・ミ・д・ミ・д・,,ミ *
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄……ほ ̄ ̄ ̄
420 :
シャア:04/02/23 21:44 ID:???
有無、勝利の栄光を君達に!
421 :
通常の名無しさんの3倍:04/02/25 06:06 ID:rrREloPS
やべぇ、あげあげ
422 :
通常の名無しさんの3倍:04/02/27 20:51 ID:onxdRxNk
・・・エーックス・・・
ハイザックの人、すっげー期待して待ってますよー。
・・・エーックス・・・
age
426 :
PX外伝 ハイザックを作った男たちを書いた男達:04/03/04 02:25 ID:GHVaueGy
「出やがった」
それが、その男の第1声だった。
本屋のレジ脇に詰まれた、アナハイム・ジャーナル。
男は、今度こそ断筆を本気で考えた。
資料によって食い違う、機体設定。マイナーな機種なら好きに出来ると思っていたが、
マイナー機のホームラン王のハイザックですら、資料によって設定が食い違っていた。
まして、それよりもメジャーで人気のたかいゲルググなど、なおさら資料の食い違いが
多かった。
男が少年の頃読んだ、MSVの解説書にはゲルググはフィールド・モーター採用とあっ
たが、いまのMGプラモの説明によると、ゲルググの駆動はザクと同じパルスモーター
に変わっていた。ましてや、ザクの生産ラインを流用できるのだという。
そんな設定ならなおさら、連邦軍がゲルググをデッドコピーせずにハイザックを新規
設計したか、男には理解できなかった。
MS-11がゲルググの試作機とアクトザクの開発bニいう説が入り乱れるなか、男は、
アクトザクでフィールドモーターの有用性をツゥイマッドが証明して、その技術をたたき
台にしてゲルググとギャンの競作が行われていたと思い込んでいたが、バンダイにそれ
は誤りだと公表されたようなものなのだ。それをネタに、叩かれると男は思った。
今まで出した資料の整合性をとろうともしないまま、バンダイとサンライズは商業的に
ガンダムを利用し、新たな設定資料を市場に送り込む。男のような、アマチュアガンダム
史研究家にとって、敵はサンライズだった。
勢い込んで書き始めたハイザックだが、すでに既存の資料との矛盾点が嫌ほど出てき
ている。男は、数ある資料のなかから.整合性の高いものをチョイスし、それをつなげて
開発従事者の物語をつむごうとしたが、
「最新の設定と違うものを見つけて断罪することで、みずからのガンダムに対する信仰
を証明する」ガノタ達におびえて、キーボードを障ることも出来なかった。
そして、今回のアナハイム・ジャーナルである。
男は、絶望した
>426
そうか……
ヲレも気持ちは分かる……
そうだな…… 食い違う設定に悩まされ続ける事は、
アマチアガンダム研究家には一番キツイ事だもんな……
サンライズが敵か……
きっとそうなんだろうな……2次制作する側には…
続けて欲しいという気持ちもあるが、続ければ続けるほど辛いという気持ちも分かる
どうして欲しいとかは、もう言わないよ……言っても仕方のない事だもんな……
ただ、これだけは言わせてくれ、
おつかれさま…、面白かったよ…… ありがとう…
428 :
通常の名無しさんの3倍:04/03/04 22:14 ID:2diSB+An
>>426 気にするな!今まで面白かったしそんな設定無視してGOだ!
どーせまた数年後にはそんな設定書き変わってるって。
血を吐くような文章だな……
行間から滲み出てくるこの魔
生々しさが桁違いだ・・・
とりあえず諸悪の根源は設定をコロコロ変えるガノタでないバソ○イやサソラ○ズの御上達だな。
>>286 それ依頼したの俺だわ。2002年の3月頃だったかなぁ。
どうしたんだろう、、あの作者殿は
いつか帰ってくる日を信じて気長に待ってます。
ハイザックXは本当に面白かったよー。
「帰ってたんですか、先輩」サイド3のEの実家に、
戦時中の部下が尋ねてきた。エリス・リーである。
戦時中はMS-06Eとフリッパーの、開発担当だった。
「聞きましたよ♪連邦の連中と、ルナリアンの研究所
のっとってなんか新型作ってるんですって♪」
べつに、R−4の開発は、軍機でもなんでもない。ま
して、そこら中でテストを繰り返し、連邦の新型と見
るとけんかを売るようにトライアルにかけている。リ
ーのような技術屋なら知っていても当然だった。
「どうっすか、あっちの技術屋さん。みんな使えねぇ
使えねぇって言ってるけど、本当のところどうなんです?」
「使えねぇってこたないよ。俺たちと研究分野とか仕事の
進め方が違うだけで、研究者や職人として、それほど駄目
だとは思わないな。とはいっても、いっしょに酒を飲んで
技術論を戦わせるような相手じゃないのも事実だ」
「ま、戦争した相手ですからねぇ。つってもこっちは、MS
をはじめて作ったんだ、っていう自負もあるし、向こうには、
チェックメイト寸前の戦争をひっくり返したっていう自負も
ある。まして、立場としてわたしら、使われる側ですもんねぇ
そら、喧嘩も起こりますよ」
「おまえ、さばけてるな」
きけば、最近、連邦軍に出向した技術屋の多くが挫折し、
サイド3に逃げ帰ってくることが多いのだという。どうせE
もその口だろうと、エリスは様子を見に来たのだ。エリスは、
開発局女性陣の中で取り立てて異才を放つわけでもなく、際
立った容貌をしているわけでもなかったが、面倒見のいい姉
御肌なところがあった。サイド3に帰ってきた同僚たちの話
を聞くと飛んでいって、酒のいっぱいも付き合ってやって愚
痴を聞いてやっているのだという。
「帰ってきたところで、就職先なんてほとんどないですよ。
めぼしいところは軍隊に接収されてますもん。ウチもはっきり
言って、やばいです」
エリスは、06E系列のバックパックの燃調の担当をしていた。
終戦後、その縁もあって民間のエンジン関係の下請けに入り
込むことが出来たが、その会社は戦前から軍に金を貸しており、
現物で返してもらうというかたちで、E3のバックパックを大
量に頂いてきていた。しかし、そのE3用バックパックが換金
できないと、いずれ倒産のうきめにあうという
「ほら、連邦軍って、戦術偵察はおざなりでしょう?やつらの
MSに偵察仕様機なんてカテゴリないし、航宙戦闘機にもそん
なカテゴリはないはずです。ミノフスキー粒子環境下で目視偵
察がどれだけ大切か、やつらまだわかってないみたいなんです
よね。」
だから、E-3のバックパックのコネクタを、むりやり連邦規格
に合わせて持ち込んだのだが、結果は芳しくなかったのだ。決
して、E-3のバックパックはできの悪いものではない。EのR
シリーズのバックパックも、結局のところE-3のバックパック
から電子兵装を抜いてプロペラントを搭載し、継戦能力を上げた
ようなものなのだ。見てくれこそパクッてはいないものの、使
用部品はほぼ同一だった。
「出力を食いすぎるんですって。そりゃ、高度な電子戦装備を
フル稼働させながら最大戦闘速度で強行偵察するのがフリッパ
ーの仕事ですけどね。それぐらいの出力本体から融通してもら
わなけりゃ、かえって危険ってもんですよ。やつらのGMって、
ゲルググ並みの炉の出力があるっていうから期待してたのに・・・・」
「つってもよおまえ、ゲルググだってフィールドモーター使っ
てんだから出力そっちに喰われて、E-3パック採用されなかっ
たろ。GMだって似たようなもんさ。フィールドモーターじゃあ
っちは本家なんだから」
フィールドモーターは、ザクなどが使用している流体パルス駆動
システムなどと違い、高出力で駆動できるが、その分出力も喰う。
エネルギー消費効率から言えば流体パルス駆動のほうが有効だった。
「ペズンにも声かけたんですけどね、やつらのガルバルディもほ
ら、フィールドモーター駆動でしょ・・・・どこかで流体パルス
の新型つくってないですかね、先輩」
439 :
PX外伝 ハイザックを作った男たちを書いた男達:04/03/13 02:30 ID:TjIa7pKi
ショックのあまり、文体が変わっていることに、男は気が付いたが、それでも、書き上げたものを
男はうPした。
「こんなおれのつたない文でも、読みたいって言ってくれる人が居る」
それだけで、十分だった。
埃のたまったUSBポートにキーボードを接続し、続きを書いた。
サンライズが、ナニほどのものだ。所詮、禿の遺産で食いつないでいるだけじゃないか。
おれは、禿の後継ぎになる男だ。お前らなどには負けん
呪文のようにつぶやきながら、男はは、キーボードに向かった。
自分を励ましてくれた、多くのカキコと、それに倍する無数のROMな方
のために、男はつたない文章をうPした。
外伝のほうがよっぽど、本家「プロジェクトX」の文体に近いということに
気が付いたのは、その後のことだった。
つーかもう俺の中で今スレMVPは血反吐のような文章を書き出した
>>426以外にないな。
乙。
>436-439
ガンガレ…… ガンガレ……
画面のこっち側でこんなに切ない気持ちで「勝ってくれ」と祈るのは、
0080の最終巻初めてみたとき以来だよ……
ともかく、乙!
>439
Stand up to the Victory〜
バソダイでもサソライズでもなく、貴方自身へのー、勝利の為に〜
Stand up to the Victory〜
その向こう側に、何もー無くっても、構わないから〜
保守age
少し待って欲しい、と男はモニターの向こうの同志に向かってつぶやいた。
まだ、ネタが集まっていないんだ。
もはや自分のほかに書き手がいなくなって、今にも消え去りそうなこの板
の現状を知りながらも、男は次の話を紡げないでいた。
この板の炎を消してはならない。
気ばかり咳くが、どうにもならなかった。
>>444 ガ、ガンガレ……。
だけじゃ何なので、援護射撃を一発。ついでに自分自身を追い込んでみる。
次回予告
アナハイム・エレクトロニクスと反地球連邦政府組織・エゥーゴが共同で推進した
次世代モビルスーツ開発計画「Z計画」。その半ばにおいて、彼らは一つの挫折を
経験しました。『百式』開発における可変機構の実用化です。
それは当初、一人の技師による単純なミスが原因だと思われていました。
第三世代モビルスーツ。従来の常識を覆す新時代のモビルスーツを生み出すべく、
最大の壁を乗り越えた男達。しかし、彼らはそれが巨大な壁であることにすら、
その時まだ気付いてはいなかったのです。
次回、プロジェクトX 〜挑戦者達〜
『新世代MSへの道を拓け! 〜 メタス・伝説への助走 〜』
お楽しみに!
VガンダムとかGガンダムとか、そこら辺のMSが出ないあたりに
この板の年齢層が垣間見えるな……
仕事の合間に、それでも書き続ける姿は涙を誘う……
>447
それでもマーメイドガンダムはあったけどね……様々な魚介類ガンダムを生み出してしまった苦悩が……
……プロジェクトX・ドムを作った男たち?
∀も欲しいね。
実は、GX-9900なんかちょっと考えてたりもする
>450
よし、書いてくれ!
あと、W系もキボンヌ。
W系だと拘わるの殆どあの博士達だけでは?
技師の苦悩とか、上司との軋轢とか、そういうシーンは期待できないなぁ。
いやいや、リーオーやエアリーズ、トーラスといった味のある
量産機なら、あの博士達もそんなにでしゃばってこないと思う。
サーペント・カスタムなんざいろんな機体の集大成みたいな感
もあるから、いい話になると思う・・・・が
W系量産機って、資料ほとんどないのよねぇ・・・・
資料が少ない方が適当に書けるからなぁ、、、
といいつつW系の資料を探していたりする漏れw
XのナレってプロジェクトXのナレに似てるね。関係ないけど。
逆に∀(発掘じゃなくて開発の方)だと資料なさ過ぎで何想像していい河からないしね。
遠い昔、F91で書こうとして挫折した事がありまつ…
>456
アグリッパ様を・・・
>>458 それこそ資料がないのでアレだが,
スモーだって遥か昔に開発されたっぽい。
発掘系や政治系とかはできそうだが技術・開発系は無理ぽ
もう開き直って架空のMSの話ってのはダメか?
「ギレンの野望」に第三勢力として出現する新生ジオンとか正統ジオンで
作られてそうな架空のMSの話を書いてみたいんだけど。
キシリアジオンで、廃人レベルの強化人間を乗せるために作られた
特攻型ケンプファーってのを思い付いたんだが、どうかな。
いいんでない?
>460
いいと思う
問題はケンプがすでに特攻機同然な事のみだな
使い捨て兵器なんだから、アル中乗せるよりかは有効かもしれない。
新生ジオンとかじゃなくて、本編のフラナガン機関あたりでもやってそ
うだな。その手のシステムって。
464 :
460:04/03/31 17:52 ID:???
特に反対もないようなので、そのうち書いてみる。
でも>445の人が先だな。ハイザックも進んでるし
隙間ができたら自分も参戦します。
「アウター・ガンダム」の冒頭は、まさにプロジェクトXだったな・・・・
保守age
>>453 書き始めてみたけど、しばらくかかりそう。
なんつっても、ACの年表の入手しずらさが拍車かけてるな、このネタ。
>>467 割とまともっぽいのは、デーコレに載ってるやつくらいか?
しかし、手打ちでテキスト化するにはちょっとめんどくさいな・・・
469 :
通常の名無しさんの3倍:04/04/12 06:46 ID:Kb6AL0lB
最近、保守する奴もいねぇのな
>>469 スレ立てた
>>1が書かないスレは廃れるのも早い、ここはもう重複スレ封じの為だけに存在してる。
保守
保守。
頑張れハイザックX。
それでも俺は保守し続ける
みんなどこへい〜った〜 俺は〜 見守ってい〜るぞ〜
定期的に保守を だれも忘れていない
人は 新規書きを 見てる〜
ハイザックよ ネットの片隅から メタスよ 待っているぞ
反政府活動 続きが欲しい セイバーフィッシュ 俺は燃えた
保守
ハイザックお待ちしております。
477 :
通常の名無しさんの3倍:04/04/25 23:10 ID:p6ZwWWKE
間に合うか?緊急浮上っ
左舷!保守うすいぞ!何やってんの!
今日のプロジェクトXは「執念のピアノ 天才リヒテルに挑む」か…。
「執念のギャプラン 天才シロッコに挑む」とか誰かやってくれんかなあ?
別にギャプランでなくてもいいから。ガブスレイでもいいかもしれん。
>>479 誰かではなく、貴様がやるのだ!
貴様がやらずして誰がやるというのだ!
,. -──- 、
/:::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::ハ::::;:::::::::::::::::゙:,
,'::::;i:/レ' ヽiヽ:::::::::::::::::!
l::::|'r,:=; ,:=;、';i:::::::::::::!
.,r'‐;|.l !::::i i:::::i l |::::::::::::|
,'.三ミi 'ー'゙ 'ー'゙ |:::::::::::::|
| 'ri''ヾ:、 r‐┐ ,.|::::::::::::::| キャシャーンがやらんでも
l |i,__!:>'=''r‐''".i:::::r、:::::| 誰かがやるやんなぁ
! l,|: |" ゙、'、 ;:/::;/ ヽ:|
l! |大" `''"/'"' ヽ
! | ヽ| 、i ,. イ'
! ' /! l,/ |
保守
486 :
通常の名無しさんの3倍:04/05/08 21:14 ID:Ba7z4FEe
良スレage
487 :
通常の名無しさんの3倍:04/05/12 03:19 ID:Uy4nXyES
ほっしゅ
488 :
通常の名無しさんの3倍:04/05/14 17:33 ID:E+rqpQYQ
ホッシュ
489 :
通常の名無しさんの3倍:04/05/14 19:04 ID:abZgo1xF
星の屑作戦なんか起承転結がもろにプロジェクトXだな
エンディングテーマはその後のアクシズ避難兵の光景で。
とりあえず、ディスプレイは大型有機EL開発したEPSONの貢献が
大きいんじゃねーの。
AE社の一部門として残ってるとか?
492 :
通常の名無しさんの3倍:04/05/24 18:56 ID:+T8qB8/n
アゲー
エーックス・・・・
494 :
通常の名無しさんの3倍:04/05/31 07:24 ID:mgMnbvA/
ホーッシュ…
レビル将軍がぁ〜 ルウム戦役で黒い三連星にぃ〜 出会ったぁ〜。
496 :
通常の名無しさんの3倍:04/06/05 09:41 ID:lGI8c4VD
プロジェクト 保守
497 :
プロジェクトX ハイザックを作った男たち :04/06/09 01:17 ID:ZjR6T+Ha
Eは、頭をハンマーで殴られたような衝撃を覚えた。
皆、がんばっているのだ。自分だけが、辛いわけではない。
エリスの会社のE-3パックが売れなければ、こいつの会社は破産する。エリスとてどうなることか?
そもそも、なんのためにR-4を作り上げているのか?ジオン国民のためではないか?同胞の経済的
苦境を少しでも和らげるために、連邦政府にザクベースの新型を売りつけなくてはいけないのではな
かったか?
エリオット・レムがやらねば、誰がやる!
だれが、連邦の新型相手に、旧式のシステムを完成度を上げ、売り込めるというのだ!
連邦の技官に頭を下げることなど、同胞の苦境に比べたらいかほどのことか!
498 :
プロジェクトX ハイザックを作った男たち :04/06/09 01:18 ID:ZjR6T+Ha
翌日、プレゼン資料を持ったエリスを伴い、Eはグラナダに戻った。
Yの、気持ちよくなってすっきりしたか、などという下卑たジョークをものともせず、即座にR-4の
図面をエリスに見せるように求めた。
「どういう風の吹き回しだ?彼女、まだ外部の人間だろ」
「だからなんだ?サイド3でいいバックパックを作ってる会社があったから、これから整合性を確
かめる。うまくマッチするようなら採用だ。おれの見込みなら、推力は今のままでセンサーレンジ
が偵察機並に跳ね上がるぞ!」
「そうじゃない、おまえが大事な機体の図面を部外者に見せるなんて、どういうつもりなんだよ。
同じチームのウィリアムにも見せるの嫌がってたのに」
「R-4を、オープンソースにする」
Eは、言ってのけた。
499 :
プロジェクトX ハイザックを作った男たち :04/06/09 01:20 ID:ZjR6T+Ha
「時間がない。どの道機密扱いの技術はそんなに使っちゃいないんだ.一応技術開発局に根回し
はしなくちゃとは思うが、そんなに反対されることもないだろ」
ナニを言い出すんだ、という驚愕の表情でEを見つめるスタッフ達。開いた口が、ふさがらなかっ
た。
「足りないところは、外注に補ってもらうんだ。もちろん、ドライバ込みで。四の五の言ってられな
いんだ、ってことに気が付いた」
Eは言ってのけた。
「受け皿としての機体はR-4で完成した、とおれは思っている。どの道、俺たちだけじゃこれ以上
の発展は望めない。あとは、サードパーティを"利用"するんだ」
とEはいった
「薬が効きすぎたようだ」とYは天を仰いだ。
「でもま、開発主任がやる気取り戻して暮れたのはありがたいことだ。おい、ウィリアム。Eの気
がかわらねぇうちにR-4の設計図ネットでバラ撒けや」
其の日から、Eがいなくなって無人と化した開発室に、再び灯がともった。
500 :
プロジェクトX ハイザックを作った男たち :04/06/09 01:21 ID:ZjR6T+Ha
後日、YはEを個人的に呼び出し、問い詰めた。
「あのエリスって娘のためだろ、おまえがオープンソースなんていいだしたのは」
「それだけじゃないよ。サイド3で苦しんでいる、同胞のためでもある。大体、いまの連邦系軍
需産業に、流体パルスシステムに対応したオプションを作れるところなんてないだろうから」
「ったく!やっと本音吐きやがったな、このやろう」
Yは軽くEの顎を殴った。
「端っからそう言えばよかったんだ。ジオンの連中食わせるためにおれはこれ作ってる、ってな」
「君はアースノイドだろ。言えば協力してくれるとは思わなかった」
「あぁそうだ。おまえらスペースノイドに負けねぇ、ってぇ自負はある。だけどな」
Yは言った。
「俺ぁ喧嘩は大好きだ。タイマンなら言うことはねぇ。だけどな」
そこで言葉を切った
「誰かに利用される"戦争"は大きらいだ。殴る相手くらい、自分
で選びてぇ。サイドVをはじめ、お前らがちゃんと食ってける世
の中になれば、俺は喧嘩だけしてりゃぁいい。だから、手を貸してる」
Yはもう一度、Eの顎をかるく殴った。
501 :
プロジェクトX ハイザックを作った男たち :04/06/09 01:23 ID:ZjR6T+Ha
戦闘用機動兵器のオープンソース化という前代未聞の試みに、市井の零細軍需メーカーが
いきり立ち、こぞって自社製品を売り込みにくるようになるのに、さほど時間はかからなかった。
連邦軍技術開発局は、グラナダ造兵工廠のこの暴走にいい顔はしなかったが、結局、認可を
だしたのは、ジャミトフ・ハイマンが背後で動いたから、とも言われている。
結局、エリスの会社のE-3パックそのものの採用は見送られたものの、ほかの連邦系企業の
ものよりコンセプトは良かったため、再設計の後、採用、という運びになった。
502 :
プロジェクトX ハイザックを作った男たち :04/06/09 01:25 ID:ZjR6T+Ha
戦時中120ミリザク・マシンガンをジオン軍に納めていたH&K社。新型120ミリライフル弾
とセンサーを改良した、新型ザクマシンガンを持ち込んできた。
一年戦争の頃の120ミリザクマシンガンは用途が、対宙圏戦闘機から巡洋艦まで幅広かっ
たためまとまりに欠き、火器としては劣悪な部類にはいった。
大体、弾体の初速不足を補うのに機体の加速度を必要とするマシンガンなど、欠陥でしか
ない。一年戦争のころのザクマシンガンは初速が200m/Secしかなかったのは、ザクが最大
戦速で移動したときに発射することを前提としていたためで、ザクの速度を弾に加えることで
なんとかまともなスピードになることが前提とされていた。
そんなマシンガンを地上に持ち込んだため、ジオン地上軍は初速をなんとか現用まであげ
た新型90ミリマシンガンを実用化するまで地上で苦戦し、ようやくそれが実用化したのはオ
デッサ戦の後のことで、撤退戦では大いに活躍したものの、焼け石に水だった。
今度の新作は違った。口径は再び120ミリにもどっていたが、内部機構とセンサー、弾体が一
新されていた。
旧ザクマシンガンは、対機動兵器用として準備されていたものだが、ジオン軍開発部は、AM
BAC機構をもたないので運動性や継戦能力に劣る航宙戦闘機など、あまり重要視していなかっ
た。あくまで、メインは対艦戦闘で、雑魚を追い払うのに必要な連射能力があればいい、と彼らは
判断した。
そのため、120ミリマシンガンの弾頭は極端に重量化し、炸薬量はたいしたことがなかった。ザ
クマシンガンがガンダムに通用しない、という認識が広まった、あのサイド7空域での戦闘では、
ジオン側では対空散弾を使っていたためで、初速のたいしたことのない散弾なぞ、ルナ・チタニウ
ムに通用するはすもなかった。
しかし、今度の新作は弾頭重量を減らした代わりに炸薬量を増加させ、理論上は十分な初速をも
ち、ルナ・チタニウムを貫通することも可能とされていた。
また、かつてのザクマシンガンでは命中精度を向上させるため、ローラーロッキング・ディレイドブロ
ーバックなる、必要以上に高精度で精密な機構を採用していたが、新型では、単純なガス圧利用ブ
ローバックに変更されていた。精度では多少劣るものの、機構が単純でコストもやすく、何より信頼
性が高かった。
センサーも連邦軍規格の新型に換装したため、作動機構による命中精度の低下を補うこともでき、
結果として新型マシンガンは対艦能力はオミットされた代わりに、対空戦闘性能は「戦前のものよ
り数倍の性能をもつ」とされた。
そういったジオン系企業の持込ばかりではない、連邦系の会社や研究機関からも、さまざまなも
ち込みが続出した。
あの日から、二月。
いつの間にか巡回ルートから外れていた、そのスレッド。
寝る前にふと覗いた旧シャア専板、
そのトップに、あのスレッドが、あった。
期待を持たせ、何度も裏切り、もう二度と職人の戻ることはあるまいとさえ思わせた、あのスレッドが。
震える手で、スレッド名をクリックする。
そして目に飛び込んできたのは、懐かしい文字列。
「プロジェクトX ハイザックを作った男たち」。
読んだ。 ただただ読んだ。
読みながらいつしか涙があふれてきた。
自分が見捨てたはずのスレッドに、まだ魂を込め続ける男が、残っていたのだ。
もう一度、ネタ探しからはじめようと、男は思った。
モニタの向こうの誰かの勝利を祈るだけでなく、
共に戦いたい、スレを盛り上げたい、と、そう念じたあの日の思いが、よみがえっていた−−−−
プロジェクトXを待っていた男達
〜傍観者達〜
報われないかもしれないと思いつつも、
保守しつづけて待ち続けた男達に
神は微笑んだ!
(例のイントロ)
かぜのなかのすーばるー
「保守」
「保守」
すなのなかのぎーんがー
「保守する時はエーックスにしようぜ」
「・・・エーックス」
みんなどこへいーったー
「左舷!保守薄いよ!何やってんのー」
「保守」
見守ーられる事もなくー
・・・
次回プロジェクトX
プロジェクトXを待っていた男達
〜傍観者達〜
神が帰ってきた!
ご期待ください!
保守age
資料による設定の違いってやつを呼んで感想。
零戦なんか同じ型番の機体でも、生産会社、工場、ロットごとに色々違うのだ。
多少の事で挫けるな諸君!現にそのMSは我々の胸の中で実在するのだ!
初代すれの「勝利を掴め!」をリメイクしたM@Dつくってます
ここが1000いくまでに完成するだろうか?
とりあえず、できたところまでUP
49uper 10MB 5862.gca pass:UC0079
508 :
通常の名無しさんの3倍:04/06/15 20:21 ID:4gxikR5x
保守age
509 :
通常の名無しさんの3倍:04/06/18 21:11 ID:hIBU8QLW
良スレage
510 :
通常の名無しさんの3倍:04/06/21 23:11 ID:w3flgd0p
保守点検
511 :
通常の名無しさんの3倍:04/06/21 23:29 ID:Vqf0aaLM
保守あるのみ
512 :
通常の名無しさんの3倍:04/06/24 06:47 ID:4y2TA6lB
へ(へ´∀`)へ ホシュホシュー
513 :
通常の名無しさんの3倍:04/06/27 22:11 ID:jBtlcWzP
ホシュ━━(´・ω・`)━━( ´・ω・)━━( ´・ω)━━( )━━( )━━(ω・´ )━━(`・ω・´)
514 :
通常の名無しさんの3倍:04/06/29 18:11 ID:3hPy30ma
断固保守!
515 :
PX外伝 ハイザックを作った男たちを書いた男達 :04/06/29 23:46 ID:D4eWnxIG
大きくなったホビージャパン。
RMS-106ハイザック MG化の記事が、隅っこの方にひっそりと載っていた。
男は、狂喜した。
自らの分身とも言えるハイザックが、ついに、MG化される。
男にはまだ、帰れるところがあった。
こんなに嬉しいことはない。
このスレの住人ならわかってくれるよね、だって、2Chにはいつでもアクセスできるから、などと
意味不明のたわごとをつぶやきながら、本屋でHJ誌と戯れる男。本屋の店員が挙動不審を感
じ取り、ジェットストリームアタックをかけてきたので、本を買いそびれ、男は本屋から敗走した。
浮かれる反面、一つのあせりがあった。
8月発売予定。バンダイはエロゲー屋じゃない。けっして、意味のない発売延期はしてこない。予
告した時期に必ず商品を出してくる。
負けるわけには逝かなかった。
「8月までに、R-4の話を完成させる」
おとこは、誓った。
しかしながら、明言こそしたことがないものの、男は自分の連載を「月刊」だと
思い込んでいた
それなのに、2ヶ月連続の「作者取材のため休載」
男が商業誌でこのフレーズを見た瞬間、男の脳内IMEは即座に
「FF」「ネトゲ」「絵師」「我がままばっかでアシに逃げられたボケナスがぁ!
ネームでの連載もおぼつかんのか」「寝たきり漫画家」などと変換していたが、
まさか、自分が原稿を落とすとは・・・・・・・・・・・・・・・・
いささか、自信を喪失していた。
こんなにも、自分を支えてくれている人がいるのに、まだ、自分は立ち上がれないでいる。
情けなかった。
しかし、男は最初から
「仮想MGインプレッション」として、この話を紡いでいたつもりだった。決してMG化されない
機体の物語、俺が紡ぐ。
バンダイが、ハイザックを出してくる。それに負けないように、原稿をあげること。
男の、最後の戦いが始まった・
神降臨age
517 :
通常の名無しさんの3倍:04/07/01 22:02 ID:AP3GfsA6
あげ
エーックス!
エーックス・・・・
保守
ホシュホシュ
保守上げ
保守
524 :
通常の名無しさんの3倍:04/07/30 12:36 ID:X+KjL1fn
エーックス・・・
525 :
PX外伝 ハイザックを作った男たちを書いた男達:04/07/31 06:16 ID:Q0tJVqc6
原稿が遅遅として進まない。エンディングはすでに決めているのに、そこに至る過程が、男は
なかなか埋められないでいた。
男は思った。この話を書き終えたら、このスレはどうなってしまうのだろう、と。
男は、悩んだ。
書き終えてしまって、果たしていいモノなのだろうか・・・・
>>525 終った後の事を、終らせる前から議論してもしかたあるまい!
まずはまとめる事だ!
ハイザックを作った漢たちの生き様を叩きつける事だ!
その生き様を見た漢が貴様の後に続くか続かないか・・・
それは貴様がどれだけ熱い魂をぶつけてくれるか?
すべてはそこにかかっているのだ!
健闘を祈る!
527 :
通常の名無しさんの3倍:04/07/31 21:56 ID:Qs8Nu+lE
ザクマシンガン、ヘッケラーアンドコックが作ってたのか・・・。
ってか人間用にザクマシンガン作ってほしいな・・・
エーックス・・・
初めて書き込む者ですが、今まで掲載された話を興味深く読ませていただきました。
過去スレはまだ4分の1くらいしか読んでいないのでこれから徐々に読もうかと思っています。
ところであまり書く人のいなさそうな題材なんですが、ちょっとネタを披露いたします。
「ジブラルタルに架けられた橋」〜世界一のマスドライバーを作れ〜
「グリプス戦争の英雄を救え」〜ニュータイプの精神治療に命を賭けた男たち〜
元のプロジェクトXっぽくていいと思ったんですが、どんなもんでしょう。
やっぱり兵器ネタのほうが受けがいいでしょうか。
そっち方面の知識ほとんどゼロで良ければ、盆休み中に書いてみようかなと思ってますがどうでしょう?
533 :
531:04/08/11 02:57 ID:???
盆休みまでは参考資料あさりと筋書き考えるので費やそうと思ってたのに、
なんか知らんけど仕事中にもチクチク書いていた自分がいました。
気付いたらただのサイドストーリー小説みたいになっちゃいました。
てなわけで明日か明後日の夜に全12話、不法投棄します。
タイトルは
「グリプス戦争の英雄を救え」〜ニュータイプの精神治療に命を賭けた人々〜
です。
534 :
531:04/08/11 03:02 ID:???
ところでageながら書き込んでいいんですか?
>>534 連続投稿規制で間があく事が考えられるから基本的にsageで書き込むべきですね
宣伝のためにageる時も、全部の投稿が終わった段階でageた方が途中に荒らしを巻き込まないですみます
(1)
( ̄ ̄< / ̄>
\ ヽ / /ソ
プ ロ ジ ェ ク ト\ ヽ P r o j e c t MS
─────────────────────
技術者たち /|_/ /\engineers
| / \ 丶
\/ \__ノ
「グリプス戦争の英雄を救え」〜ニュータイプの精神治療に命を賭けた人々〜
伝説のエースパイロット 精神の崩壊
戻らない自我 ガールフレンドの甲斐甲斐しい看護
最新鋭の治療マシン ニュータイプの精神感応
刻が見える 教授の死
プロジェクト エーックス・・・
【国井】
こんばんは。国井雅比古です。(シュコー)
【膳場】
こんばんは。膳場貴子です。(シュコー)
【国井】
今夜のプロジェクトXは、(シュコー)グリプス戦争時にコロニーレーザーへと
改装された(シュコー)旧グリプス2、グリーンノア戦争資料館よりお送りします。
(シュコー)ノーマルスーツ姿で失礼いたします。(シュコー以下略)
こちらにはその当時の代表的モビルスーツ「ハイザック」の実機を用意していま
すが、お分かりいただけるでしょうか。モビルスーツと較べてもこの広さ!こんな
大きな物を、戦時はたったの数ヶ月で作ったと言われています。
【膳場】
本当に大きいですね。普通のコロニーを改造してコロニーレーザーにするのには、
大変な苦労があったことでしょう。
ですがコロニーレーザーは一度発射されただけで、その後は廃棄されてしまいま
した。現在はグリプス戦争の資料館として、保存されています。
戦時中このコロニー近くでも、激しい戦いが繰り広げられました。当時エウーゴ
とティターンズと呼ばれた組織のトップエース同士もここで死闘を繰り広げたので
すが、生き残ったエウーゴのパイロットは精神に重大なダメージを負ってしまいま
した。
【国井】
しかし彼は、グリプス戦争の直後始まった第一次ネオジオン抗争の終結した後に
は、すでにおおかた治癒し、元気に走り回っていたと言います。どのようにしてこ
んなに早い治癒が可能だったのでしょうか。
今日は彼を治療しようと奮闘した方々のお話です。
(2)
UC0087年。後にグリプス戦争と呼ばれたエウーゴ対ティターンズの戦いは、か
つて「ア・バオア・クー」と呼ばれた「ゼダンの門」で幕を引いた。この後ほとん
ど間を置くことなく第一次ネオジオン抗争へと推移するのだが、その過程で一人の
パイロットが戦線から離脱した。
カミーユ・ビダン。まだ17歳の少年だった。
グリプス戦争中に軍人であった両親を亡くしたビダンは、エウーゴのトップエー
スだった。毎日前線で戦い続け、疲労は限界に来ていた。そんな中グリプス戦争の
天王山、ゼダンの門攻略に出撃し、戦った。ビダンはその後、ガールフレンドでも
あり同僚でもあった花園麗(ファ・ユイリィ)に曳航されて帰還した。そのときす
でにビダンの精神は、壊れていた。
ビダンとファは、第一次ネオジオン抗争の最中、船を降りた。ダブリンという、
かつてアイルランドの首都だった都市だった。
そこはオーストラリア、北アメリカ大陸に続く、三たびコロニーの落とされた地
だった。
コロニー落としの現場付近で、被災者を救援して回っている医師がいた。
土佐今朝造。かつて地球連邦軍の戦艦に軍医として乗り込んでいた、救急医療の
スペシャリストだった。
土佐はビダンとファを見かけたとき、訝しんだ。まわりはひどいけが人ばかり
だったが、その2人は無傷だった。しかし土佐は、ビダンの目の色、そしてうつろ
な表情を、見逃さなかった。
その夜土佐は自慢の医療用ロボットをビダンの診断に使った。
「Anaheim Neurologic Laboratory's Scientic Robot (ANLSR)」。軍事技術で
あるモビルスーツの歩行・作業技術と、ミノフスキー粒子下で使用されるミサイル
にも使われた人工知能、そして各種測定機器をコンパクトに収めた、軍事技術の平
和利用の典型ともされた、アナハイム・エレクトロニクス社の傑作医療用ロボット
だった。
土佐は目星をつけていた。このような状態の患者は、十中八九脳に障害を負って
いる。土佐はANLSRでビダンを検査した。磁石と電磁波を使い、体の任意の場所を
輪切りの映像として診察する技術・・・MRIだった。
しかし、障害は見つからなかった。
(3)
幸いもう一人のほう、ファは健康体で、被災地での救護活動を手伝ってくれた。
明るい笑顔のファは被災者の間でも噂になり、暇さえあればビダンの介護をする姿
ともども、人々の語りぐさとなった。
一方土佐は、何度診断をしても健康体としか見えないビダンの体に、歯痒さを感
じていた。しかし患者の状態は明らかに病的だ。「この患者は自分の手に余る」土
佐は自分の関われる範疇を超えていることを自覚した。
土佐は知っている限りのつてをたどって、ビダンを治せる医者を捜した。世界中、
そして宇宙にもいる知人に当たってみたが、ニュータイプの研究は当時はまだ極秘
だった。けんもほろろの応対が、相次いだ。
土佐はショックを受けた。宇宙戦艦の軍医として多くの人間と関わり、修羅場を
くぐり抜けてきた力はこんなものかと、情けなくなった。
それまでやめていた大酒を、再び浴びるように飲み始めたのは、そのころだっ
た。
しかしここで一つめの奇跡が起きた。人気者となっていたファの噂が、かつてエ
ウーゴとして活動していた当時の知人、ステファニー・羅(ルオ)の耳に入ったの
だ。ルオは香港でルオ商会という総合商社を営む女性実業家で、取引の都合でロン
ドンに来ていた。
200〜300年もの昔から、チャイナの人々は世界中に出稼ぎに散り、華僑といわ
れた。華僑たちは各地で同族結社を作り、困っている同族には手厚い庇護をあたえ
るしきたりがあった。ファとはエウーゴを通じてではあるが会ったことがあり、調
べてみると遠い過去にルオ家とファ家の付き合いもあった。庇護には充分な理由
だった。
予定の隙間を縫ってダブリン近郊に来たルオは、眼を見開いた。ファとともに、
そこにはエウーゴのトップ・エース、カミーユ・ビダン曹長がいた。彼女にとって
ビダンは、ホンコンシティー攻防戦でのアムロ・レイと並ぶ恩人だった。援助を決
定した。
(エーックス)
(4)
(エーックス)
【国井】
本日はスタジオにステファニー・羅(ルオ)さんをおまねきしています。
(往年よりも老けて鋭い雰囲気を身につけたステファニー・ルオがステージにあが
る)
・・・ルオさん、エウーゴに出資をなさっていたという話ですが、その当時からビ
ダンさんと面識があったのですか。
【ルオ】
それ以前からエウーゴとは取引を行っていたのですが、グリプス戦争が勃発してし
ばらくした後、私の住んでいたホンコン・シティーをティターンズに荒らされてい
たのを、彼らに撃退していただいたのです。その時が初対面です。
【国井】
ヨーロッパでこのような形で再び会われたのには、かなりびっくりなされたんじゃ
ないですか。
【ルオ】
ええ、こんなところで、という気持ちが少なからずありました。しかし何よりも、
あの元気だったビダンさんが心を患ってらしたのにさらにびっくりしました。
【国井】
そのときの様子は、どのような感じでしたか。
【ルオ】
私が2人に面会した時、ファさんは明るく振る舞ってはいても憔悴していました。
ビダンさんはというと、どこか虚空を見つめて、心ここにあらずといった感じでし
た。
同じ中国人として、微力ながら助力できないものかと思いましたが、その当時私が
連絡を付けられる方の中で、ビダンさんのような心の病気を治すことができる方を
ご紹介して差し上げるくらいしかできなかったのが心残りです。
【国井】
その心の病気を治すことが出来る人・・・それは意外な人物でした。ご覧下さい。
(5)
ビダンとファを土佐にあずけたまま、ルオは日本に飛んだ。行く先はムラサメ研
究所。地球連邦軍内でオーガスタ研究所と一、二を争うニュータイプ研究の一大拠
点である。そこにはさまざまな技術者がいた。一見ニュータイプとは関係のなさそ
うな技術者も多数いた。その中には、少なからず旧ジオン公国から亡命した者もい
た。
ルオはティターンズと商社として取引したことはなかった。まして個人的に付き
合うことは考えられなかった。むしろルオはティターンズを、嫌悪していた。
しかしその当時一大派閥となっていたティターンズと繋がろうと、各地の研究機
関はティターンズに協力した。ムラサメ研究所もその例に漏れなかっただけで、
ティターンズの下部組織だった訳ではない。
ルオはムラサメ研究所に何人かの知人を持っていた。知人のつてをたどって、
やっとたどり着いた人物がいた。その人物はナミカー・コーネル。精神神経学分野
の博士号を持つ、教授だった。
コーネル博士はちょうど長年取り組んでいた研究に一段落付き、休暇を取ってい
たところだった。ルオはコーネル博士の自宅にアポイント無しで押し掛け、こう
言った。
「一人の患者が苦しんでいます。あなたの力を貸して下さい」
コーネル博士は、迷った。ステファニー・ルオの名前も顔も知っていた。香港の
ルオ商会を取り仕切る、辣腕の女経営者。そして、エウーゴに出資をする大富豪。
ルオは経済雑誌にも登場する有名人だった。ティターンズと関わりのあった研究員
と、本来関わっていい人物ではない。身の危険を感じた。
ルオは迷うコーネル博士に、言った。
「その患者はまれにみるニュータイプです」
コーネル博士は、その言葉に惹かれた。彼女の専攻は先端ニュータイプ実践論。
しかも研究素体を失ったばかりで、一段落といえば聞こえはいいが、研究が行き詰
まったところだった。研究の被験者を得られるかもしれない、またとないチャンス
だった。詳しい話を聞いているうちに、コーネル博士は、自分が身の危険と好奇心
の板挟みにあっていることに気がついた。
長い沈黙を破ってコーネル博士の口から返事が出た。
「やらせていただきます」
コーネル博士は、うなずいた。
それを見たルオ。安堵の溜息を漏らした。
(6)
そのころ土佐は相変わらず被災者相手の応急処置、そして各地の病院への手配と
いう、激務をこなしていた。毎晩の深酒がたたり、若くない土佐の体を蝕んでいた。
顔は黒くむくみ、手が震えた。
土佐はアルコール依存症になっていた。
そんな中、ルオからの一本の電話が入った。話を聞いた土佐は、安堵した。
「カミーユ君を治せるかもしれない」
ファは、泣いた。
ビダンの入院は、すぐに決まった。ロンドン大学医学部だった。入院にタイミン
グを合わせ、極東からルオとコーネル博士、そしてコーネル博士が連れてきたロ
ボットが来ていた。
そのロボットは形こそ違うものの、土佐の持っていた医療用ロボット「ANLSR」
と同じくらいの大きさのロボットだった。微弱な脳波の遠隔測定機能、そして複数
人数の脳波シンクロ測定機能など、ニュータイプにまつわるさまざまな機能のつい
た最新型だった。本来専門分野の違う、ある博士に借りたものだった。
名前をRoPET (Robot for Psychical Extraction Treatments)といった。
ビダンを一目見たコーネル博士は、うろたえた。そこには自分の研究を台無しに
した張本人、敵軍のパイロットがいたからである。
コーネル博士は、悩んだ。感情ではビダンを許せない面があった。しかし研究の
被験者を得る欲求に、勝てなかった。
ビダンには外傷は全くなかった。そのため手術室やICUではなく、病棟の個室
で検査が行われた。もやにかすれたコロニーの残骸が遠くに見渡せる部屋だった。
コーネル博士とRoPETの、約1週間の検査が始まった。脳内部の損傷や血栓の有
無。精神崩壊前後の状況のリサーチ。全身のホルモンバランス。薬物使用の有無。
検査は多岐に渡った。
コーネル博士が下した診断は、心身喪失症、幻覚症、重度の躁鬱症の合併症だっ
た。ちょうどLSDなどの薬物を濫用した、重症患者に症状が酷似していた。自己
破壊衝動がないことだけが、救いだった。
次に実際の治療が行われた。精神病患者に行うような催眠療法も試みたが、効果
はなかった。次に薬物中毒患者にするような投薬治療をしてみた。効果は薄かった。
(7)
しかしコーネル博士は、そのような治療が効果がないであろうことは覚悟の上
だった。勝算があった。
連れてきたRoPETはただのロボットではなかった。ムラサメ研究所は、ニュータ
イプの研究だけをしている場所ではなかったのだ。いずれ来る無人機の時代のパイ
ロット・システムのたたき台として、RoPETには、対象のニュータイプの思考、感
性、人格などをほぼ忠実にエミュレーションできるシステムが入っていた。そのと
きエミュレーションされていた人格は、素体番号4番と呼ばれる匿名のニュータイ
プだった。
エミュレーションされたニュータイプの人格と患者であるビダンを脳波レベルで
シンクロさせるという、治療計画だった。これが駄目なら、他は開頭手術による脳
細胞操作しかない。そうなれば社会復帰が可能なレベルでの治療は難しい。RoPET
に、全てを賭けていた。
治療は病棟の地下室に移って1週間行われた。外界の刺激を与えないように、そ
して外部から見られないようにとの配慮だった。
土佐、コーネル教授、ANLSR、そしてRoPETらの奇妙な治療が始まったのだ。
ビダンの頭や胸には電極が付けられ、手足はベッドに縛られた。酸素吸入が始めら
れた。
ショック療法のための電流が流れるたびに、ビダンの悲鳴が部屋に響いた。高圧
電流のためたびたびビダンの体は傷ついた。土佐はそんなビダンを持ち前の救急医
療の技術で的確に応急処置した。しかし土佐は、これ以上自分が関われることはな
いことを悟っていた。付き添いのファは涙を流しながら、土佐を手伝った。
治療が続けられるにつれ、奇妙な現象が起きた。ANLSRには全く影響がない一
方、RoPETの動作が不安定になった。治療はたびたび中断されて、ANLSRが
RoPETを診断するという姿が見られるようになった。しかしその頻度が高くなるに
つれて、ビダンは外部からの刺激に対して反応するようになっていった。
そして前触れもなく2つめの奇跡が起きた。
(エーックス)
(8)
(エーックス)
【膳場】
本日はもうひとかた、花園麗(ファ・ユイリィ)さんにもお越しいただいています。
(所帯染みたわりにやけに足の奇麗な中年の東洋人がステージに上がる。ルオに
深々と頭を下げる。)
【国井】
・・・ご結婚されてユイリィ・ビダンさんとおっしゃられるようですが、ここでは
ファさんと呼ばせていただきます。ファさん、治療の様子はどうでしたか。
【ファ】
・・・とても見ていられませんでした。正直カミーユにこんな苦痛を与えるコーネ
ル博士に恨みを持ったものです。ですが治療が進むにつれてカミーユの眼が光を取
り戻していくように感じましたし、今では博士に感謝しています。博士はこのあと
すぐに亡くなられて、キチンとした感謝を伝えられなかったのが心残りです。
【国井】
現在は看護士として、ご主人のカミーユ・ビダンさんと病院を経営なさっていると
聞きましたが、このときの経験に影響を受けてのことですか。
【ファ】
はい、ダブリンでの救護ボランティアの頃から、エウーゴでパイロットとして戦っ
ていたとき以上の充実感を感じましたし、私たちの経験をより多くの方を救うのに
役立てたい、とカミーユと相談して、始めました。
【膳場】
ビダンさんとファさんの意識を変えたことはなんだったのか、そしてコーネル博士
の亡くなった原因はなんだったのか、引き続きご覧下さい。
(9)
そして前触れもなく2つめの奇跡が起きた。
コーネル博士はまず、動かなくなったRoPETに気がついた。今まではちょうど、
システムエラーを起こして勝手に再起動を繰り返すコンピューターのような挙動を
していたのが、フリーズしたかのように全く動かなくなった。ANLSRまでもが動か
なくなった。
ビダンを治療している部屋には、ANLSRとRoPETだけがいた。土佐とコーネル
博士、そしてファは強化ガラスに隔てられた別室でその様子を見ていた。
コーネル博士は、RoPETの様子を見るため部屋に入った。
そのとき全員の目の前に宇宙が広がった。
---------------------------------------------------------------------
そこにはハマーン・カーン駆るキュベレイがいた。
ジュドー・アーシタ駆るZZガンダムもいた。
何故か全ての人名、モビルスーツの名前、置かれた状況が瞬時に理解できた。
ジュドーはキュベレイの攻撃をかわすためにΖΖを分離させた。
しかしジュドーの乗るコアファイターはキュベレイに殴り飛ばされた。
コアファイターは操縦不能で合体はおろか動くことも出来なかった。
ハマーン・カーンが襲ってきた。
そこに立ちはだかる意思があった。
フォウ・ムラサメ、ララァ・スン、エルピー・プル、カツ・コバヤシ、
サラ・ザビアロフ・・・
そしてカミーユ・ビダン。
「な、なんだ・・・あれは、カミーユ・ビダン!」
ZZガンダムに合体・変形をさせたジュードはそして・・・
---------------------------------------------------------------------
コーネル博士が、倒れていた。
これらは後に推測されたことであるが、ファも土佐も、宇宙で暮らしたことが
あった。しかし自身はニュータイプを研究していても、コーネル博士は宇宙に出た
ことはなかった。恐らくその経験と耐性が命運を分けたのであろう。急激なニュー
タイプとの感応によって、精神が耐えきれなかったのだ。
コーネル博士はロンドン大学スタッフの献身的な治療の甲斐なく、20日後、その
まま永久の眠りについた。
(エーックス)
(10)
(エーックス)
(ぼろぼろと涙をこぼすファと対照的に、毅然とした態度のルオをカメラがパンす
る)
【国井】
コーネル博士の連れてきたロボット、「RoPET」ですか。RoPETに入っていた
ニュータイプとの感応で、ビダンさんは自分を取り戻したのですね。
【ルオ】
はい。のちの検査でそういった説明をいただきました。治療の過程で彼女という犠
牲があったのは非常に残念でなりません。ですが、ビダンさんが自分を取り戻した
ことが不幸中の幸いだと思いますし、彼女にとっても本望だと思います。
【膳場】
ルオさんには資金面・精神面の両面でバックアップをいただいたわけですが、治療
の場にはおられませんでした。ファさん。爆発的なビダンさんのビジョンが頭に飛
び込んできたということですが、どうでしたか。
【ファ】
・・・はい。あれは確かに、当時のネオジオン摂政ハマーン・カーンと、エウーゴ
のエースパイロット、ジュドー・アーシタとの決戦のビジョンでした。
【膳場】
ファさん始め、ビダンさん以外のその場にいた方々には、失礼ながらニュータイプ
の素養はなかったと伺ってますが・・・
【ファ】
わたしのようなオールドタイプでもビジョンを観れるほど、カミーユとフォウ・・・
RoPETに入っていたニュータイプの人格の名前ですけど、それが強かったんだと思
います。今でも信じられないような奇跡でした。
【国井】
まさに奇跡の治療でした。・・・この治療を境に、ビダンさんはめきめきと快方に
向かったのです。
今日はお二人ともありがとうございました。それではエンディングです。
(11)
(ヘッドライト・テールライト)
自我を取り戻したカミーユ・ビダンは、自我をなくしていた間の出来事を全て覚
えていた。ただ以前までの、食って掛かるような性格だけが変わっていた。
その後療養期間を過ぎて退院したビダンは、土佐、ファらと暮らしながら中途に
なっていたハイスクールにもう一度通い始め、苦労して大学の医学部を卒業。5年
間の研修医・勤務医生活を経て大学院に進学。コーネル博士と同じ精神神経学分野
を専攻し、修士の学位を取得した。
現在は月面都市グラナダに開業医として居を構え、ファ・ユイリィとその間に出
来た子供とともに、忙しくも幸せな生活を送っている。
カミーユ・ビダンはこう語る。
(白衣を身に着けたカミーユ。中年になり体型が父親に似てきている)
「僕はとても運が良かったんだと思います。確かにエウーゴでエースパイロットと
して働いていた当時の僕は、我ながら自惚れていました。パプテマス・シロッコと
の戦いで勝った一方、自分の意識だけが宇宙をさまようようになってアーガマをリ
タイヤして、それでやっとコンプレックスの裏返しの自惚れた意識と、義務から来
る強迫観念、そして多くのパイロットの命を奪った罪の意識から逃れられたんです。
モビルスーツのパイロットだったからこそ、そして曲がりなりにもニュータイプ
と言われていたからこそ、できる仕事があるんだと思っています。今は自分の仕事
にやりがいを見いだしています。
あの日亡くなってしまったナミカー・コーネル博士とその後肝臓を患って亡く
なった土佐今朝蔵先生、3度目の木星航行に行っている友人ジュドー・アーシタ、
ひとかたならぬ援助をいただいたミズ・ルオ、そして僕の家内と神様にはしつくせ
ない感謝の念を抱いています。ありがとうございました。」
ロンドンでの治療で使われたムラサメ研究所のRoPETは、その後ビダンとルオの
働きかけによって、復元された内部データのコピーを譲り受けた。データは当時町
にあふれていたハロ型レプリカロボットの中身を改造して移植した。今では「フォ
ウ」という名前で、家族とともに大切にされている。
取材協力/
地球連邦軍航空宇宙軍広報部・ジオン共和国観光協会・グラナダ市
グリーンノア戦争資料館・ロンドン大学医学部
ルオ・トレーディング・コーポレーション・ジャパン・インク広報課
ムラサメ研究所OB会・カミーユ症候群・2ちゃんねるシャア専用@旧作板
547 :
531:04/08/13 00:59 ID:irzAgmAl
というわけで「グリプス戦争の英雄を救え」、お目汚ししました。
「ないものは自分で作る」の精神で書きました。
2ヶ月ぶりの新作にふさわしい出来かどうかは、皆さんの判断にお任せします。
531タソ乙〜!
次回作も期待してるよ
単に善意の人にならないコーネル博士の立場
EXAMやALICEをほうふつとさせるRoPET
おもしろかったです
よかったです。
某スレの「ブライトノア・クロニクル」もそうですが、
悲劇に救いが与えられると、なんだかこちらまで救われたような気がします。
というわけで、コレ張っとこ。
|,-‐¬  ̄---┘'7 |! ハ! |,、-┼十|! | | |
, -‐ ''" し' '´_ /,ィ二l |ト、/!ヽト、\_ヽ!|!l | ハ |
,r/ __ ,イ|リ ヾハ! ヽ! ,ィ⌒ヾミリノ!/リ |
/ ||ヽ -' / ̄ )` __ |ヒノ:} '` ,イ/ | | 職人さん、乙であります!
,r ' ヾ、 ,-、____ , イ ̄,r==- ==-' レ' /| |
/ ヽ `ーソ ' | |ト、,ヘ ′"" "" / / || |
. / \_ / | ハ ヽ`゙'ヘ ' '__. ィ / / | | |
/ / / | ヽ 川\ ヾ三ニ‐'′//! | | | |
/ / / 八 \川| |`ト- .. __ , イ‐ァヘ | | || |!
/ / / / \ \ 「`ー- 、 / .〉 ト、| ヽ、
,イ /-─=¬ニヘ、_ \ 厂\ 厂ヽ /!| | `ー=ヘ
-‐  ̄ /─ '  ̄ ├- ヽ\ \ノ\ \ 人 ハ!ヽ || |-┤ ヽ
/ /!‐-- | |\ ト、_`ヽ oヽ ト、! || |‐┤- ヽ
// 〉 __ / ├‐- || | 川-‐ | | 厂7! ハ! ├:┤  ̄ヽ
/ / ー ─  ̄ ├‐- リ || ハ!ヘ | | ト┤|/′ ヾ,┤ ゙i_
‐ ' 〉‐- | / /\ .|o | /ヽ/(′ ∨ \
‐--─ ──-r、___-、 /ー_ {( '´>、! /ヽ/ |\ \
551 :
531:04/08/14 01:26 ID:???
>>548-550 感想ありがとうございます。現在調子に乗って2作目執筆中です。進捗率現在約30%。
(次回予告)
( ̄ ̄< / ̄>
\ ヽ / /ソ
プ ロ ジ ェ ク ト\ ヽ P r o j e c t MS
─────────────────────
技術者たち /|_/ /\engineers
| / \ 丶
\/ \__ノ
宇宙世紀黎明期、スペースコロニー建設計画の陰で、計画発足当時の試算よりも
早く資源は底をつくだろうという衝撃的な論文が発表されました。しかし人類移民
計画はもう止められません。早急に資源を手に入れなければ。次回プロジェクトX
「2つめの月が出来た日」〜綱渡りのミッション、ルナ・ツーを月軌道に乗せろ〜
ご期待下さい。
是非このスレに、往年の活気を取り戻したいと思います。
・・・しかしマイナーネタばっかりですね、俺・・・
>>531タソ
メジャーな開発記は出まくってるし、マイナーながらも切口や構成は(・∀・)イイ
次も楽しみにしてるよ
一番有名なのは、NT-1アレックス開発チームが持ち込んだ、リニアシート並びに
全天視界モニタであろう。不思議なことに、採算度外視で造られたNT-1の量産機、
ジムカスタムやジムクゥエルで採用されなかった。試作機ならまだしも、第一線で
つかう特殊部隊用MSのモニタリング機構としてはあまりにも斬新すぎ、動作も不安
定でコストも従来のものよりはるかに割高で、採用は見送られたのだ。開発チーム
は、もともと純正連邦系の機体とはちがうR―4にそのシステムを対応させるのに、
一方ならぬ苦労をしていた。何度再設計してもシステムそのもののコストは下げら
れなかったものの、しかしその一方で徐々にモノそのものの安定性は増していった。
彼らは、コストダウンの方法を「量産効果」に頼ることを判断した。
「このR-4は、連邦系の技術とジオン系の技術が融合した、次世代型MSのリファレン
スとなる機体だ。この機体に採用された機構は今後標準装備となるだろう。この機体
に全天視界モニタを採用すれば、それ以後の機体にも採用される機会が増える」今思
えば、蛮勇だったかもしれないが、NT-1開発チームは、R-4の試作機並びに初回量産
ロット(量産が決定した上でのことだが)に、実費のみで全天視界モニタを取り付けるこ
とにした。
E達は狂喜した。連邦系の技術者がR-4を認めた、何よりの証だったからだ。
オープンソース化宣言により、さまざまな技術が持ち込まれ、検証
された。このことは連邦軍の技術屋全体の底上げを図ることになっ
た。開発各局でさまざまな融合実験が繰り返されたが、そのデータ
量はグラナダ造兵工廠が常に頭一つ分、リードしていた。最終的に
は、ほかの開発局の依頼で融合実験を行い、データを共有する、と
いう試みもはじまった。コレにより、R-4そのものは日々その姿を変え、
複雑になっていったが、データそのものの蓄積もかなり進んだ。
もちろん、オープンソースにした弊害が、なかったわけでもない。
軍事機密が「不必要に流出する」との理由で、新型ビームライフ
ルの供給が打ち切られた。
連邦軍の次世代MSの基準として、「ビーム兵器を運用できること」
が求められた。そのため、ジム・クゥエルやガルバルディ、などといっ
た、先行して量産体制に入った機体や、同時期に開発が進められ
ていた機体では従来型のビームライフル、ビームサーベルの装備が
前提とされていた。
それらの、フィールドモーター駆動の機体に比べR-4は、AMBAC能
力において劣るものの消費電力は比較的少なく、同じジェネレータを
使えばビーム兵器駆動にまわせる電力は多かった。
しかし、「本体のジェネレータ出力に依存しないビームライフル」の開
発のうわさが、徐々に形を伴って開発当局を駆け巡る中、それにあわ
せた設計変更が行われた。
それが、命取りだった
ビーム兵器に供給する電力量を、最低限に抑えたのだ。余剰出力は
すべてEパックにまわされ、情報収集デバイスの運用に当てられ、残り
はすべて大出力コンデンサに蓄え、非常時には常軌を逸した大出力で
機体を駆動させることも出来た。
Yは言った
「せっかく大出力をビームにまわせるんだ。新型ライフルを使わなくても
従来型でもいいだろう。」
しかしEは、新型ライフル搭載にこだわった。新機軸満載の量産MSとい
うイメージが先行しすぎていた。
555
しかし、上記の理由で、新型ビームライフルの供給が打ち切られたときには、連邦系とジオン系
の技術のキメラともいうべき、複雑怪奇な構造はあらたな設計変更を受け付けず、ビーム兵器は
、ライフル系かサーベル系、どちらかの運用しか出来ないという、致命的な欠陥を抱えることとな
ってしまった。
結局その欠陥は解消せず、かつてのガンダムを上回る出力を誇りながら、ビームライフルとビ
ームサーベルの並立運用は出来ないままであったが、ジャミトフは意に介しなかった。
「この機はかつてのガンダムのように、一騎当千の勇者による万能の働きを期待されているので
はない。ごく普通の兵士が、任務を果たすのに必要なツールに過ぎない。オプション兵装を変更
するだけでどのような戦局にも対応できる汎用機がローコストで手にはいるのならば、それでよ
いのだ」
確かに、一機ですべての戦局を対応するのは難しい。しかし、前衛が新型120ミリで弾幕を張
って敵の足を止め、後衛がビームライフルで狙撃し、その撃ちもらしを再び前衛がビームサー
ベルでとどめをさす、という集団戦法を堅持するのであれば、ハイザックは、その後世に出たMS
に比べて、格段に劣っているというわけでもなかった。
そのときの「新型ライフル」は結局ガンダムMk―Uが採用したが、機構的に斬新な上に威力は
従来のものとさほど変わらず、ただ装弾がマガジン形式になっただけでどのみち本体出力に依存
する事には変わりになく、採用した機体はほとんどなかった。
また、大出力コンデンサ搭載がかえってチューニングメニューを豊富なものとした。
コンデンサ直結の大出力ビームキャノンを搭載し、センサー系の精度を向上させた
ハイザック・カスタムという、一種のスナイパーカスタムもグリプス戦役後期に流行しだしたのも、大出力
コンデンサと、混沌とした技術体系がもたらした奇跡だった。
事実、グリプス戦役中、ザク系列の機体にあこがれるジオン系のエゥーゴの兵士が、
ティターンズとバーター取引でGMUとハイザックの交換に応じたというのはよくある
話で、しかも交換レートはハイザック2に対してGMU3であった。数に劣るエゥーゴに
とってこの交換レートは致命的であったが、それでも、水面下でこの取引は続けられ
ていた。
結論から言えば、最初のコンペの時から、さほどコストが下がったわけでもなかった。
しかしながら、ザクの形態を模倣したことによる、見るものに対する精神的影響力や、
従来型の連邦系OSの反応速度など、カタログスペックだけではわからないセールスポ
イントが、ジャミトフを動かした。また、産みの苦しみというべき、初期不良が続出したた
め、かえって整備ノウハウが蓄積されたことも、EやYはそれに気づかなかったものの、
ジャミトフをうならせた。
結果として、R-4はRMS-106の制式ナンバーを与えられ、量産認可が下りた。ティターン
ズで採用され、指導教官として、Yもティターンズ入りを果たした。また、唯一のハイザッ
ク装備部隊として、他の連邦系部隊との演習の際、アグレッサー部隊としても活躍した。
結果、全連邦軍にその性能が知れ渡ることになり、ティターンズでの正式採用後半年足
らずで、連邦正規軍制式採用機となった。
「お前のおかげだ」Eはエリスに言った。
「お前にあえなかったら、R-4のオープンソース化なんてアイデア、思いつかなか
った。だから・……………………」
完成したR-4、正式名称が、まだ決まっていなかった。
「お前に敬意を表して、こいつの機体名を"HI-ZACK"にしたい。お前がフリッパーの
ザックパーツを守ってくれていなかったら、この機体は、この世に生まれていなかっ
たかもしれないんだ。それともう一つ・…………頼みがあるんだ」
エリス、泣き崩れて、マトモにEの話を聞いていなかった。
「エリオット・レム婦人になってくれないか」
泣くじゃくったまま、エリスはEの胸倉を立て続けに殴った。
「このメカフェチ!そんな大事なことは、後から言いなさい。仕事のついでじゃなく。
あんたみたいなメカフェチ、一人にしとくとなにやらかすか心配だから、お嫁にいっ
てやる。感謝しろ」
結果として、ハイザックそのものは0084年当時としては屈指の性能とパフォーマンス
を誇る名機となったが、逆に、連邦系技術とジオン系技術の融合そのものを促すきっ
かけになってしまい、より高性能な機体を生み出す呼び水となった。そのことが、結果
としてハイザックそのものの相対的性能劣化につながり、寿命が短かったのはなんと
も皮肉でもあるが、ジオンの優れた技術を導入した機体が増えたために、旧公国系技
術者や生産プラントに仕事が行き渡った、という点に関しては、EとY、二人の目論みは、
達成されたといえた。
平和のために作り上げたハイザック。しかし、男たちの願いもむなしく、次の戦争がは
じまってしまった。
エーックス
560 :
531:04/08/14 09:31 ID:xspRjotM
ハイザック新作ですね!面白く読ませていただきました。
それにしても午前5時とは・・・アテネオリンピックの開会式でも見てましたか?
終わってそうだけど〔完〕とは書いてないってことは、続きがあるのでしょうか。
ともあれご苦労様です。ageときますね。
遂にハイザックキタ―――(゚∀゚)―――
乙華麗!
長い間待ってた甲斐があったよぉ!
(・∀・)イイ! MGハイザックほしくなったよ。
何も言わないで続き書きやがってコイツメー
乙!
564 :
531:04/08/20 01:02 ID:???
これより「世界一の力持ちを作れ」〜不可能に挑む、次世代核パルスエンジン開発〜
(ルナ・ツー物語前編)を掲載します。
後編はまた今度。
バッテリーよ、保っておくれ・・・
(1)
( ̄ ̄< / ̄>
\ ヽ / /ソ
プ ロ ジ ェ ク ト\ ヽ P r o j e c t MS
─────────────────────
技術者たち /|_/ /\engineers
| / \ 丶
\/ \__ノ
「世界一の力持ちを作れ」〜不可能に挑む、次世代核パルスエンジン開発〜
(地上の星)
宇宙世紀黎明期 スペースコロニー建設ラッシュ
資源枯渇の予言 全世界規模の恐慌
越えられない壁 逆転の発想
7年越しの想い 世界記録更新
プロジェクト エーックス・・・
(2)
【国井】
こんばんは。国井雅比古です。
【膳場】
こんばんは。膳場貴子です。
【国井】
今夜のプロジェクトXは、スペースコロニー建設ラッシュ時の貴重な資源衛星と
して、そしてスペースコロニー建設が一段落したあと地球連邦軍宇宙軍基地が建設
され、人類に多大な貢献をしたルナ・ツーのお話です。
自然にあった地球の衛星は、元々月だけでした。しかし著名なものだけでもルナ・
ツー、コンペイトウ、ゼダンの門など大小様々な衛星が地球の周りを回っています。
ところで膳場さん、このルナ・ツーは元々どこから持ってこられたか知っています
か?
【膳場】
火星と木星の間にある、アステロイド・ベルトですよね。
【国井】
それではアステロイド・ベルトの中でも何と言われていた天体かはご存知です
か?
【膳場】
うーん、そこまではわかりません。
【国井】
実はこのルナ・ツーは、小惑星番号3番、ユノーだったんです。旧世紀の西暦
1804年、ハーディングによって発見されました。直径は最大部分で240km、だい
たい東京〜浜松間と同じくらいの大きさです。
【膳場】
えっ、そんなに昔から発見されていたんですね。
【国井】
そうなんです、まだ望遠鏡が発明されて1世紀たつかたたないかぐらいの時期で
す。人類が3番目に発見した小惑星ですね。
【膳場】
そんなに歴史的にも価値のある小惑星を、持ってきてしまったんですね。
【国井】
実際、地球連邦政府からこのミッションの発表があった時、環境保護団体などの
猛反発があったと言われています。ですが連邦政府はこのミッションを強行します。
それほど資源問題は切迫していたのでしょう。
【膳場】
ですが途方もない質量を持つ小惑星を地球のそばにまで持ってくるのは、並大抵
のことではありませんでした。そんな不可能なことを可能にしてしまった方達のド
ラマを、2夜連続でお送りします。今回は前半、
(プロジェクト エーックス)
(3)
宇宙世紀0025年、ある一人の科学者が衝撃的な論文を発表した。その論文には、
地球と月の資源枯渇問題が書かれていた。
「宇宙移民計画発表時の見積もりは甘かった。次々と作られるスペース・コロニー
の建築資材はすでに地球の鉄鋼などを食い尽くす勢いであり、月面での採掘もあと
20年ほどである。」
宇宙移民計画が原因で資源が枯渇する。不安が広がった。元々宇宙移民計画は、
増えすぎた人口を地球の資源だけでは賄えなくなっていたのが理由だった。だから
こそ、宇宙移民計画が原因で資源が枯渇するのは、あまりにも本末転倒な予測だっ
た。すでに、人類にとってスペース・コロニーは不可欠だった。
事態を重く見た地球連邦議会は急遽、評価委員会を設置し、世界各国の有識人を
招いて議論を戦わせた。法学、経済学、医学、工学、環境科学、軍事学など一流の
知識人が、詳細な資料が連邦議会ビルの1室にまとめられた。
評価委員会からの報告書が連邦議会に上がってきた。それにはこう書かれていた。
「現状スペース・コロニーを作り続けざるを得ない状況は不変であり、そして地球
と月の資源のみに頼っていては、確かに遠からず地球圏の環境は破綻する」
論文を裏付けていた。
(4)
しかし、光明があった。
もとの論文には補足として、16年後にアステロイド・ベルトの小惑星番号3番ユ
ノー(Juno)を何らかの手段で現状の軌道から脱出させ、木星〜地球〜金星のスイン
グ・バイを行えば、0045年に地球近傍の月周回軌道に乗る、という計算結果が書
かれていた。確かにユノーを地球周回軌道に固定できれば、膨大な量の資源を確保
できる。その資源全てを使い切るならば、計画されているサイドをゆうに3つぶん
作れるほどだった。まさに渡りに船だった。
各界から「そんな大質量の小惑星を動かせる訳がない」「検討が充分でない中で
軽率な決定では」「人類の都合で自然の造形物に手を加えていいのか」「売名行為
ジャネーノ? 事故厨DQN氏ね」などの批判が相次いだ。しかし優先すべきは人類の未来
だった。
連邦政府議長、実行することに決定した。評価委員会はそのまま対策委員会に移
行した。
(5)
ユノーを地球周回軌道に乗せる最適のコースと速度はすでに論文に載っていた。
各国から当世一流の科学者と技術者が集められていたときだった。
対策委員会に、一人の男が訪れた。アメデオ・ミゲル。衝撃的な論文を発表した
張本人だった。若干25歳の、新進気鋭の学者だった。
「私をプロジェクトチームに入れて下さい」
開口一番、対策委員長にそう言った。その時対策委員会の下に小惑星捕獲のため
のプロジェクトチームを作ろうとしていた矢先だった。
「あのような論文を発表した以上、私にはプロジェクトを進める義務があります。
是非やらせて下さい。」
対策委員長は熱意にほだされた。ミゲルはプロジェクトチームに参加した。
実はミゲルには目標があった。後に彼の半生記「成り上がり」には、このように
書かれている。
「私は歴史的な人物、ゴダード、ツィオルコフスキー、フォン・ブラウンらと並び
たい夢を持ってしまった。そのためには私が活躍できる場所を作り出さなければな
らない。そのときの私の論文は手段として必要な、世論に対する起爆剤だった。そ
して目標としての人類初の小惑星曳航計画は、そんな自分にとって全てを賭ける価
値のあるものだった。」
(6)
【膳場】
本日は、世界の話題をさらった論文を書いたアメデオ・ミゲルさんのお孫さん、
ナナイ・ミゲルさんにお越しいただいています。
(瀟洒なスーツ姿のナナイ・ミゲルがステージに上がる。老人の写真のパネルを胸
にしている。)
【国井】
おじいさんのアメデオさんですか、なかなか野望的な方だったんですね。
【ミゲル】
はい、私が物心ついた時にはすでに成功して億万長者でしたが、日頃から孫の私
にも『目標を持て、そのために必要な努力をしろ』と繰り返し教えられました。
【国井】
当時の風潮として、地位のある人や資産家はスペースコロニーに移住せず、地球
に留まる人が多かった中で、おじいさんのアメデオさんは率先してコロニーに移住
しましたね。
【ミゲル】
祖父はもともと農民出身で資産を持っていませんでした。このような技術の世界
に入っていくにあたって、いろいろ苦労があったと聞いていますし、安息を良しと
しない人でした。『私のような野望家は先端を走る義務がある』と言っていた覚え
があります。
【膳場】
そんなミゲル博士は、プロジェクトの序盤から大きな壁に当たってしまいます。
ユノーを移動することは、やはり簡単なことではありませんでした。続きをご覧下
さい。
(7)
小惑星捕獲機に要求される性能は3つあった。まず精密なナビゲーション・シス
テムを備えた自律行動可能な演算性能。次に高信頼・高出力のエンジン。そして最
も重要だったのが、経済性だった。
すでに太陽=シリウス=カノープス三点基準法によるナビゲーションは確立され
ていた。複数の人工知能の多数決による自律行動も、使い慣れた手法だった。大出
力推進機は「慣性閉じ込め型核融合パルス推進エンジン」以外考えられなかった。
木星圏エネルギー開発船団も使用しているエンジンで、すでに信頼性に優れたエン
ジンとして使用されていた。
問題は経済性だった。ユノーの質量は約2,000兆トン。核融合パルス推進エンジ
ンの最大出力はせいぜい1km/hあたり4,000万トンだった。ユノーを1km/h加速さ
せるのに、5千万基のエンジンが必要になる計算だった。5千万基ものエンジンを遠
くアステロイドベルトまで送るどころか、作ることさえ不可能だった。まさしく絵
空事だった。
惑星間航行船用の物ではない、超重量物用推進機が必要とされた。
(8)
新しい推進機に要求される物は、なによりも大出力だった。既存の核パルス推進
エンジンは、ユノーを押し出すための要求性能を満たしていなかった。
推進機開発のエキスパートには心当たりがあった。銭学森(チェーン・シュエソ
ン)。旧世紀「中国ロケット開発の父」といわれた偉人と同姓同名のチェーンは、
偉人と同じく「中国推進機開発の父」と言われていた。チェーンの代表的な研究は
核パルス推進だった。喉から手が出るほど欲しい技術だった。
しかしこの時、地球連邦議会は地球圏の統一組織としてはまだ機能していなかっ
た。中国の独自技術は国外への流出を厳しく制限されていた。中国航宙開発公司の
公式発表では、中国側では大出力核融合パルス推進エンジンの理論が立証されてい
ることを伝えていた。
ミゲルは諦めなかった。ありとあらゆる手段で、コンタクトを試みた。非合法な
ルートも、使った。しかしコンタクトは、取れなかった。中国の最重要機密事項に
なっていた。
本人にも協力を依頼できず、ましてエンジンの入手もできない以上、公開されて
いる範囲での資料と手持ちの技術で対応するしかなかった。
(エーックス)
(9)
(エーックス)
核パルス推進。すでに艦船に使用するレベルでは熟成の時期を迎えていたが、超
大出力のものは作られたことがなかった。理由があった。
まず今までに必要がなかったことが一つ。そしてそのような大出力のエンジンは
当然大きくなるので、核パルス推進に必要な剛性を反射プレートやエンジン本体フ
レームが保てるとは思えなかった。さらに、核パルス燃料であるヘリウム3は地球
近傍では月面でしか採取できず、もしくは木星からの輸入に頼っていたため高価
だった。燃費と高剛性、そして地球資源を圧迫しないように低資源である必要が
あった。
5年が過ぎた。いつしかミゲルは、プロジェクトの統括者となっていた。しかし
大出力エンジンの目処は立っていなかった。
一人の女性がいた。タチアナ・オルローワ。第2回木星エネルギー探査船「アレ
クセイ・レオーノフ」号の船長を務めた英雄で、しかも核融合推進機の工学博士号
も持つインテリゲンチャでもあった。小惑星捕獲プロジェクト名誉研究員という立
場上、あまり差し出がましい真似はしたくなかった。しかし黙ってはいられなかっ
た。
「ミゲル博士、私に考えがあります。」
オルローワ、ミゲルに廊下で切り出した。しばらく聞いたミゲルは、こう答えた。
「わかりました、オルローワ博士。研究員として、その計画を実現して下さい。
是非、お願いします」
オルローワの語った考えとは、こうであった。
核融合パルス推進エンジンに必要不可欠であるはずの反射プレートとレーザー発
信器を廃止して、強力な磁界を発生させる超伝導コイルを配置する。核融合燃料の
ペレットが射出されたら、それを磁界で挟み込む。磁場によるペレット表面プラズ
マの加熱により爆縮、核融合反応が行われる。磁界の形をコントロールすれば、大
出力対応も高速対応も可能であった。
慣性閉じ込め型磁気ミラー衝撃核融合パルス推進エンジンの誕生だった。谷甲州
という山登りの好きな知り合いから聞いてヒントを得て、ずっと暖めていたアイ
ディアだった。
確かに超強力な磁力発振装置さえあれば理論上今までよりも大出力が可能にな
り、剛性の高く超大型のノズルを心配しなくてもよくなる。ミゲルは、このような
人物を名誉研究員などといったポストに置いていた前任者を呪い、そして自分を恥
じた。
(10)
【国井】
それではここで、第2回木星エネルギー探査船「アレクセイ・レオーノフ」号船
長、そしてミゲル博士に大きな助言を行ったタチアナ・オルローワさんとお孫さん
のアレクセイ・オルロフさんです。
(オルローワ博士は車椅子に乗って、孫のアレクセイに押されて入場。孫とは言え
中年。)
【国井】
アレクセイ・レオーノフ号の船長を勤められていたんですね。お目にかかれて光
栄です。
【オルローワ】
ありがとうございます。
【国井】
とても大きな助言をミゲル博士にあたえた後、名誉研究員から一転、多忙な現場
へと戻ったのですが、どう思いましたか?
【オルローワ】
はい、とても名誉なことでした。生涯に2度も、歴史に残る事業に関われたこと
は望み得ない幸せというものです。その後は確かに忙しかったのですが、充実した
日々でした。
【国井】
オルローワ博士から見てアメデオ・ミゲル博士はどうでしたか?
【オルローワ】
ええ、少し言い辛いのですが、自分の欲望を達成するために手段を選ばない人で
した。かといって人を騙しはしますがペテンにかけるようなことはしませんでし
た。それに常に自分に関わる人の能力や事情を把握し、気を配っていました。とて
も人望の厚い人でした。
【膳場】
そんなオルローワ博士の助言を受けて、いよいよ新型の核融合パルス推進エンジ
ンが完成します。引き続きご覧下さい。
(11)
0032年、核パルス評価試験用エンジンが完成した。オルローワ博士のアイディ
アによって作られたこのエンジンは、博士によって「アナー(honor、栄誉の意)」と
名付けられた。人類最初に試験作成された核パルスエンジンから数えて今回の物は
11番目だったので、11型とされた。
軌道ステーションで製作された評価試験用エンジン「アナー11型」は、簡単な姿
勢制御用のアポジーモーターなどを装備され「ダイダロス」という伝統的な名前の
評価試験船となった。エンジンにヘリウム3・重水素混合燃料タンクを据え付けた
だけの、いささか不格好な船だった。
ダイダロスはロケットブースターで地球のトロヤ点に設置され、安全を期した上
で公開試験を開始した。エンジンからの核融合の光とプラズマジェットは、天体望
遠鏡を使えば地上からでも見えるほどだった。
軌道ステーションの管制室には、順調に運行している信号が届いていた。全員、
喜んだ。連続4,000時間の1G加速にも耐える耐久性は驚異的で、ユノーを動かす用
途以外、つまり1G加速の惑星間航行船にも使えることを実証した。
ダイダロスは全力運転試験の結果臨界を突破し、爆散した。3ヶ月で木星〜地球
を往復してそのまま太陽へ向かったダイダロスの速度は、世界記録としてギネス
ブックに掲載された。
世界各地の天文ファン、技術ファンからの応援メールや、環境保護団体からの非
難メールが相次いだ。
(エーックス)
(12)
(エーックス)
【国井】
・・・すごいですね、なんと世界記録! 1G加速を続けていると、どのくらいの
速度になるのですか?
【オルローワ】
1時間の加速で毎秒36キロ、4,000時間を連続で加速すれば理論上毎秒14万4千
キロになります。ですが実際にはそこまでのスピードは出ません。
【ミゲル】
木星からの帰り、小惑星帯のカークウッド空隙をすり抜けてから地球近傍まで60
時間で通過していました。
最終的に太陽に向けて全力試験をしたときは、太陽の重力を受けてのことでしたか
ら、追い風参考記録となりました。光速の10%が出ていたと聞いています。
【国井】
ついに光速の何パーセントという速度を人類が手にしたんですね。その時の気持
ちは、いかがでした?
【オルローワ】
その時の興奮は今でも覚えています。私はハラショーを連呼していました。ミゲ
ル博士も涙を流してハラショーの輪の中に入ってきました。全力運転で壊してしま
うのは惜しいエンジンでした。
【国井】
とても感動的な瞬間を共有したんですね。・・・本日は三人のゲストにお越しい
ただきました。お三方とも、今日はどうもありがとうございました。・・・ですが
物語はまだ続きます。
【膳場】
核融合パルス推進実験船「ダイダロス」は成功しました。ですが新たな逆境がプ
ロジェクト・チームを苦しめます。
次回プロジェクトXでは、「2つめの月が出来た日」〜綱渡りのミッション、ル
ナ・ツーを月軌道に乗せろ〜をお送りします。お楽しみに。
(ヘッドライト・テールライト)
核融合パルス推進実験船「ダイダロス」を成功させたミゲルたち。勝利の美酒に
酔った。
しかし素直に喜んでばかりはいられなかった。致命的な失敗も見つかっていた。
それは耐久試験のあと全力運転試験に移行した時に見つかった。推力が予定の数値
に達していなかったのだ。20%落ちの数値だったが、2,000兆トンにも及ぶユノー
の軌道を変更するには、20%はあまりに大きな数値だった。
研究チームは次の改良に向けて案を出し始めていた。ルナ・キャプチャー・プロ
ジェクト始動まであと6年しかなかった。
(エーックス)
>>566 すいません、iBookの電池切れが怖くて、キチンと推敲してませんでした。
ACアダプターはちゃんと持って帰ってくるべきですね。
最終行を差し替えて下さい。
【膳場】
ですが途方もない質量を持つ小惑星を地球のそばにまで持ってくるのは、並大抵
のことではありませんでした。そんな不可能なことを可能にしてしまった方達のド
ラマを、2夜連続でお送りします。今回は前半、「世界一の力持ちを作れ」〜不可
能に挑む、次世代核パルスエンジン開発〜をお送りします。
(1)
核融合パルス推進実験船「ダイダロス」を成功させたミゲルたち。勝利の美酒に
酔った。
しかし素直に喜んでばかりはいられなかった。致命的な失敗も見つかっていた。
それは耐久試験のあと全力運転試験に移行した時に見つかった。推力が予定の数値
に達していなかったのだ。20%落ちの数値だったが、2,000兆トンにも及ぶユノー
の軌道を変更するには、20%はあまりに大きな数値だった。
研究チームは次の改良に向けて案を出し始めていた。ルナ・キャプチャー・プロ
ジェクト始動まであと6年しかなかった。
( ̄ ̄< / ̄>
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技術者たち /|_/ /\engineers
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「2つめの月が出来た日」〜綱渡りのミッション、ルナ・ツーを月軌道に乗せろ〜
(地上の星)
足りない出力 強引な出力アップ
教育型統合コンピュータ 全てを人工知能まかせ
中国船突然の出航 望まざる競走
不気味な沈黙 再燃する批判
プロジェクト エーックス・・・
(2)
プロジェクト エーックス・・・
【膳場】
今夜は前回「世界一の力持ちを作れ」〜不可能に挑む、次世代核パルスエンジン
開発〜の続編、ルナ・ツープロジェクトの後半をお送りします。スタジオには前回
に引き続きアメデオ・ミゲルさんのお孫さん、ナナイ・ミゲルさんにお越しいただ
いています。
【国井】
さて前回は核融合パルス推進実験船「ダイダロス」の試験航海に成功したのです
が、今回はそのダイダロス号と、最終的に完成するルナ・キャプチャーの1万分の1
スケールモデルをこちらにご用意しました。隣に比較用のスペース・コロニーの模
型があるのですが・・・びっくりするほど大きいですねぇ。コロニーより小さいの
は全長だけで、幅はコロニー並み、そしてノズルの大きさといったら・・・すごい
ものをおじいさんは作っていたんですね。
【ミゲル】
ええ、本当にそう思います。
【膳場】
記録もすごいものでした。追い風参考記録ですが、なんと光速の10%。もちろん
地球から見た見かけの速度ですが、信じられないほどのものです。
【国井】
いよいよ後半の今回は、実際に小惑星を捕獲・曳航する船の製造と、プロジェク
トの開始から終了までの物語、「2つめの月が出来た日」〜綱渡りのミッション、
ルナ・ツーを月軌道に乗せろ〜をお送りします。
(3)
20%足りなかった推力をどうすれば得られるか。エンジン担当部門のメンバーは
悩んだ。
ルナ・キャプチャーは同時に3機を運行させることが決定していた。そのうち2機
がユノーに取り付きエンジンを稼働させれば、理論上ユノーを動かすことが出来る
という計画だった。
しかし推力が20%足りないままでは3機とも確実に稼働させなければ、動かすこ
とは出来ない。小惑星帯には地球から観測が出来ない細かな天体もいる。3機とも
ユノーに接地させることは、奇跡を期待するような物だった。
現状の予算では、3機を運行させるのが限度だった。
逆に言えば、3機ともユノーに接地できれば計算上ユノーを動かせた。
「エンジン屋に負けるな」
航法担当部門、つまり人工知能と測量・画像認識両分野の技術者も、奮い立った。
技術主任のアダム・キャルヴィン、スタッフに檄を飛ばした。
ルナ・キャプチャーの航法装置は、電波式のレーダーと2つの広角カメラ、そし
て3つの3次元測距カメラだった。順に遠い範囲から近い範囲までをカバーする配置
だった。それを3つの人工知能ユニットが多数決で処理していた。この配置は「ダ
イダロス」でも同様だった。
試験航海では大きな問題はなかったが、約1mm〜10cmほどの微小な宇宙塵は避
けようがなかった。どんなに小さくとも、相対速度が高ければ運動エネルギーは飛
躍的に増大し、危険だった。事実、厚さ30mmの装甲板を貫くものも少なくなかっ
た。宇宙塵の影響で、ユノーに接地できる可能性は1機あたり75%前後、3機共に
となると30%を切っていた。
「やはり、とっさの対応のために乗組員を乗せたほうがいいのでは」という意見
もあった。しかし当初の計画からそれは何度となく却下されてきた。危険が大きい
という理由ではなかった。人間の生命を維持する装置の重量と安全対策の労力が惜
しいのだ。
人工知能の現場での対応速度と、行動自由度の権限が調整された。微小宇宙塵狙
撃用のレーザー光線銃も装備された。今のところできることはそれだけだった。
(4)
エンジン部門も負けてはいなかった。連日会議が続いた。
エンジンの出力を上げるには、1分間あたりの爆縮サイクルを進めるか、1回の爆
縮あたりの規模を大きくしなければならなかった。しかし現在でもスペース・コロ
ニーに匹敵するほどの大きさになっていたエンジンを、これ以上大きくはできな
かった。剛性と重量、そして予算の兼ね合いからだった。
ある日の会議で、一人の人物がその問題に風穴を開けた。
「果たして本当に、爆縮サイクルや規模を上げるために、現在の構造から変更し
なければならないのでしょうか。小さな改造で済むアイディアがあります。」
プロジェクト統括者のミゲルは、その発言をした人物に見覚えがなかった。新参
者のジョナサン・グレンという男だった。その筋の専門家が何人も揃い、何日間も
議論を重ねたことに、思いつきの対応策で何とかなるとは思えなかったが、その人
物に、壇上でしゃべらせた。
「磁界でエンジンを仕切って、クラスターごとに複数のペレットを反応させれば、
複数のエンジンを束ねたような効果を期待できます。この方法でも瞬間的な大出力
は可能ですので、動き始めの切っ掛けの期間が過ぎてしまえば、現状の推力でも充
分動きます。」
グレンは言い切った。ミゲル、黙ったままグレンを見つめた。周りのメンバーも
一言も発しなかった。それは誰が聞いても乱暴な運転方法だった。
懐疑的な雰囲気が流れていた。やがて一部のメンバーが、自分の端末で説明され
たアイディアの計算を始めた。次々に検証を終わったメンバーは、疑問点やそれが
不可能である理由を口にした。しかしいずれも、グレンによって技術的に対応可能
な理由をあげられた。
次の日から、グレンは月面基地でのアナー11型エンジンの2号機で、実地検証に
はいった。
(5)
0037年1月、核パルス推進エンジンの形式はアナー20型まで進んでいた。オル
ローワ=グレン式電磁プレート装備のアナー20型は、ルナ・キャプチャー本番用3
基と試験用兼予備用2基が作られた。
電磁プレート式の反射プレートとしたことで、思わぬ副次的な効果があった。複
数の磁界を発生できる強力な誘起コイル群は、ノズルでの核融合反応を磁界の力に
よって閉鎖炉とできた。同時にMHD発電を行い、さらに核融合によって発生したヘ
リウム4を推進剤にしてイオン・クラフト推進/熱核ロケット推進の複合エンジン
としても機能するまでになった。のちにミノフスキー理論による核融合炉の小型化
に成功した後には、この複合推進系は後に開発される「モビルスーツ」の代表的な
エンジンへと昇華することになる。
それらを統合制御する電子系技術も、格段の性能向上を見せていた。21タイプの
個性の違う人工知能を3タイプまとめた441通りの統合コンピュータをお互いに競
争させ、総合順位の高い組み合わせの上位3タイプを採用したのだ。コンピュータ
のコードネームとして「Ikallier」「Kateaux」「Corzi」と名付けていた。試験兼予
備用の2基のエンジンにも「Simra」「Boo」タイプの統合コンピュータが備え付け
られ、万全が期された。途中「Corzi」搭載機に不具合が発見されたため「Simra」
搭載機が3号機とされた。
マスコミや一般へのサービスとして、これらの統合コンピュータはレーザー通信
によって地球圏のグローバル・ネットワークに常時接続されることになっていた。
プロジェクト開始の1年前から5機の統合コンピュータ達は人格を持ってネットワー
クに接続し、「漂流物」というハンドル・ネームで人気者となっていた。
(6)
【膳場】
本日は、航法担当部門のアダム・キャルヴィン氏と、エンジン部門のジョナサン・
グレン氏にお越しいただいています。
(両者とも仕立てのいいスーツ姿だが、寄る年波は隠せない。明らかに米寿を超え
ている。)
【国井】
グレンさん、大抜擢ですね。エンジンを小分けにして出力を稼ぐというアイディ
アは、この時の会議より以前にアイディアがあったのですか?
【グレン】
私の専門は磁気だったのですが、アナー型エンジンに磁気を使用するようになっ
てプロジェクトに参加したクチなんです。以前から磁界クラスター理論を暖めてい
たので、あの会議で発表し、磁界クラスターを実機で実験できる機会に巡り会えた
ことは、とてもラッキーなことでした。
【国井】
なるほど、それまでのエンジン開発部門スタッフとは専門が違うからこそ、違っ
た視点で見ることができたんですね。
【グレン】
そうです。
【国井】
そしてキャルヴィンさん、人工知能のさらなるポテンシャル・アップに取り組み
ました。すでに人工知能として完成していたものにさらに改良を加えるのも、大変
なことだったんでしょうねぇ。
【キャルヴィン】
その当時、プロジェクトの内容が内容なのでどうしてもエンジン部門が花形だっ
たんです。別にひがんでいたわけではないのですが、俺たちのほうがプロジェクト
を成功に導くための責任は重いんだぞと。人間を乗せないことがマイナスに働くの
ではなく、人間を乗せないからこそ出来る色々な挑戦ができるんだぞと。まあ、そ
う言って部下を鼓舞してましたね。その結果人工知能同士に競争をさせる方法を採
用しました。内部では「蟲毒計画」と呼ばれていましたね。
【膳場】
失礼ですが、人工知能の統合コンピュータの名前は、何か由来でもあるのですか?
【キャルヴィン】
あれは、彼らの個性や雰囲気を偉人の名前、各地の伝説、造語などで表現したも
ので、スタッフみんなで案を出し合いました。不思議なものですが、名前をつける
と途端に我が子のように愛おしくなるもんですね。
【膳場】
両部門が切磋琢磨した結果、より良いシステムに昇華しました。そしていよいよ
ルナ・キャプチャー・プロジェクトが始動されました。続けてご覧下さい。
(7)
宇宙世紀0041年1月1日、記念すべきミッションスタートとなった。ルナ・キャ
プチャー1号、2号、3号が次々と地球周回軌道を離れていった。3機のルナ・キャ
プチャーは火星をスイング・バイすることによって速度とベクトルを変更し、小惑
星ユノーに接近する計画だった。3機ともドッキングすれば推力は余裕で足りる設
計だった。
予定では75日後の3月15日にユノーに接近、ドッキングを行う予定となってい
た。フライトは順調だった。
しかしルナ・キャプチャー3機が出発した直後のことだった。
驚くべき情報が入ってきた。ミゲル、眼を見開いた。以前から中国が軌道上に
作っていた軌道ステーションが、突然外装を外し、核融合パルス推進独特の光を放
ちつつ、火星へと向かったのだ。
ミゲル、意図を察した。彼らもユノーに向かうのだ。
中国にとっては、資源衛星のイニシアチブを握ることは、容易に外貨を得るチャ
ンスだった。きっとチェーン博士が中心となって、単機でユノーを動かすに足るエ
ンジンを開発したに違いなかった。デスクに拳を叩き付けた。かといってそれを阻
止できるものは何もなかった。核融合パルス推進の加速は化学燃料ロケットのそれ
を凌駕していた。仮に撃墜できるとしても、深刻な国際問題になる。黙って見てい
るしかなかった。
(8)
ルナ・キャプチャー3機と中国船は、火星でのスイング・バイと大気上層でのエ
アブレーキを使って、ゆっくりとユノーに近づく軌道を取った。そのまま途中で機
体の向きを180度回頭し、逆噴射を行った。4機とも順調な航行だった。
0041年3月1日、ユノーまで10万キロを切ったところで、問題が起きた。ルナ・
キャプチャー1号が(8883)Miyazakihayaoの重力に捕捉され、軌道をずらした。そ
の後(9081)Hideakiannoに接触、フレームが曲がり、タンクの1つが潰されて不測
の方向へガスが吹き出した。1号はプロジェクトに参加できなくなっていた。事故
に関わった小惑星がいずれも旧世紀ジャパニメーション監督の名前がついた小惑星
だったというのは、皮肉だった。
搭載された統合コンピュータ「Ikallier」リタイヤのメッセージ「Failure, this is.」
はその後も語りぐさとなった。
3月4日。計算上残った2機でユノーへ取り付いても、次の段階へ移行できること
が判明した。しかし、ミゲルは嫌な予感がしていた。コンピュータで中国船の軌道
と速度をルナ・キャプチャーの軌道と重ね合わせ、時間列で表示させた。
嫌な予感が的中した。
中国船はルナ・キャプチャーよりも15分早くユノーに取り付く。中国にユノーの
領有権を主張されかねなかった。
すぐさまスタッフを招集して対策が練られた。
しかし今さら15分早く接地するような案は出てこなかった。核パルスエンジンを
使えば加速しすぎてユノーに激突、破損してしまう。アポジーモーターでの加速を
しようにも、15分の差を取り戻すほどの加速は得られない。アポジーモーターでの
加速は実行されることになったが、あとはルナ・キャプチャーの外部カメラでどち
らが早く接地できるかを見守ることしか出来なかった。
(9)
2機がユノーへ取り付く時間が迫っていた。
固唾をのんで見守るスタッフ。先に中国船がユノーに取り付いたかに見えた。ス
タッフの短い驚きの声が上がる。
中国船は、バウンドしていた。
重力の微弱なユノーでは、軽くバウンドしただけでもかなりの高度に跳ね上がっ
た。同じ失敗をこちらも繰り返す可能性もある。しかし6分後2機のルナ・キャプ
チャーの方は、ユノー表面にうまくアンカーを刺すことに成功したらしい。ルナ・
キャプチャーの接地後12分50秒後に中国船が2キロ離れた場所に接地するのを、確
認していた。
スタッフの間に、安堵のため息が漏れた。しかし歓声を上げる者はいなかった。
不安は、より増していた。
ミゲル、うめいた。
このままでは、双方のでたらめな噴射によって明後日の方向へ飛び去ってしまう
恐れがあった。
プログラムチームが招集され、急遽ルナ・キャプチャーの航法プログラムを修正
することになった。ルナ・キャプチャー同士なら同期できる噴射ベクトル制御プロ
グラムを、中国船がどのような噴射を行ってもその噴射を利用する形で望み通りの
軌道を得られるように変更した。中国側もプログラム変更を行っているのだろう、
18時間のあいだ双方とも核パルスエンジンに点火することはなかった。ユノーに設
置された2機の核パルスエンジンが噴射を開始したのは、ほぼ同時だった。
やっと歓声が上がった。あとは、中国側との飛行ルートの選別が一致することを
願うばかりだった。
(10)
幸い公転速度を上げることによって木星へ向かう経路は、おおむね一緒だった。
木星の重力を利用してスイング・バイによって方向と速度を変更、一気に地球まで
行く経路だ。速度が乗るまでは徐々にしか動かなかったが、核パルス推進の時間を
重ねるごとにアステロイド・ベルトから離脱していった。
0044年4月7日、ユノーは木星に最も近づいた。1,118日間の地道な加速により、
公転速度を上げることによって軌道を変えた結果だった。今までに有人も含めて数
多くの人工天体は木星圏に入ったことがあるが、自然造形の天体が人間の手によっ
て木星圏に入ったことは一度もなかった。スイングバイによって途方もない速度を
木星から得たユノーは、一路火星へ向かった。
火星到着は40日後だった。
5月18日、ユノーは火星で減速スイングバイを行った。同時に火星大気でのエア・
ブレーキも敢行した。ユノー表面が摩擦熱で若干焦げたのと火星の衛星ダイモスの
軌道に少々変化が見られた以外、順調そのものだった。中国船の挙動は不気味なほ
ど従順なものだった。
0044年12月。この頃になると、ユノーは肉眼でも見えるようになっていた。ル
ナ・キャプチャー・プロジェクトをすっかり忘れていた大多数の市民は、再びこの
計画のことを思い出していた。批判が再燃していた。
ミゲル達管制センターの面々には、毎日のように大量のメールが届いていた。内
容は見なくても分かっていた。環境保護団体、民族主義団体、宗教団体、そして地
球連邦未加入国などからのものだった。
クリスマス・イブに地球連邦政府からの公式回答が放送されたが、批判は収まら
なかった。
ユノーはいよいよ地球圏に入っていた。
(11)
【膳場】
本日はもうひとかた、中国側のプロジェクト責任者、銭 学森(チェーン・シュエ
ソン)博士のひ孫さん、銭 愛貴(チェーン・アギ)さんにスタジオにお越しいただ
いています。どうぞ。
(快活そうな女性が写真プレートを手に入場。ミゲルやキャルヴィン、グレンに向
いて深々とお辞儀する)
【国井】
ようこそおいで下さいました。・・・ひいおじいさんのチェーン・シュエソン博
士は、どんな方でしたか?
【チェーン】
旧世紀にいた同姓同名の偉人のイメージに、終生引きずられていた気がします。
故人と較べられるせいで、自分にも他人にもとても厳しくせざるを得なく、成果を
挙げ続けなければ周囲の人に叩かれる、身内ながら気の毒な人という印象です。実
は私が幼い頃に、祖父が存命中にそのことを聞いたことがあったと母に聞いたので
すが、そんなことはないと笑い飛ばされたと聞いています。公私ともに張りつめて
いたのでしょう。
【膳場】
チェーン博士も、ミゲル博士も、成果を挙げ続ける宿命を背負ったという点で、
実は似ていたんですね。
【ミゲル】
ええ、おっしゃる通りだと思います。その後奇しくもチェーン博士も祖父もほぼ
同時に失脚する晩年まで、チェーン博士と祖父の親交は続いていました。ミノフス
キー博士の亡命騒ぎの後あたりまでですね。
【国井】
0044年のクリスマスには、そぼ降る雪の向こうに、金星よりも光度を増したユ
ノーの輝きが見えていたといいます。ほとんどの人にとって、忘れられないクリス
マス・プレゼントとなったことでしょう。そしていよいよユノーが月軌道に固定さ
れます。
本日は皆さんお越しいただいて、ありがとうございました。
【膳場】
先週に続いて2夜連続でお送りしました「2つめの月が出来た日」〜綱渡りのミッ
ション、ルナ・ツーを月軌道に乗せろ〜、いよいよエンディングです。続けてごら
んください。
(12)
0045年2月21日。この日ユノーは地球を挟んだ月の反対側、月と全く同一の地
球周回軌道に乗せられた。予想された中国船による軌道投入妨害は、行われなかっ
た。吹き出していた批判は沈黙していた。
後に判明したことだったが、ルナ・キャプチャー2号機、3号機のKateauxと
Simraは、中国船「チェーン号」に搭載されていた人工知能ユニット「娃 來処(a
laichu)」をレーザー通信回線を経由して懐柔していた。目的は全く一緒なのだか
ら協力を行う、として共同行動を取っていたのだ。
実際、地球周回軌道に投入された時の軌道計算は娃 來処が行っていた。Kateaux
とSimraは軌道計算の検算を行ったり、意図を隠したまま軌道計算の助言を行った
りしていた。最終的に娃 來処は、地球のバン・アレン帯の収束点を通過する際、不
運にも太陽からのイオン粒子に焼かれて機能を喪失していた。中国に推進エンジン
の出力では劣っていたが、人工知能の出来は遥かに凌駕していたのだ。
そんな地球連邦側と中国側のルナ・キャプチャー・プロジェクトは、0046年1月
1日にルナ・ツー上での記念式典で初めてお互いに会い、お互いの健闘をたたえた
と伝わっている。
彼らの確立した核融合推進エンジンの技術と教育型統合コンピュータは、今や軍
事・民生を問わず、各地で使用されている。
(ヘッドライト・テールライト)
その後ユノーは、正式にルナ・ツーと改名され、サイド5、6のスペース・コロ
ニーを作るために資源を採取された。中国も地球連邦に加入、採掘は他の国に倍し
て取り組んだ。
しかし全てを資源とすることは為されず、サイド7に2つのコロニーを作成した後
は採掘事業は無期限延期となった。ルナ・ツーは、採掘の坑道跡を利用・拡張し、
後に発足する地球連邦軍の重要拠点として機能することになった。
ルナ・キャプチャー2号機、3号機はその後ルナ・ツー表面から撤去され、完全整
備を受けた。月面の4号、5号機も投入され、数々の小惑星の曳航に使用された。軌
道上に残っていた評価用アナー11型エンジン2号機にもアナー20型同様の改造が施
されてアナー11改型とされ、次期型統合コンピュータ(Swashing G)が搭載され
て6号機となった。この5機は全て一年戦争中及び戦後、資源の窮乏から解体されス
ペースコロニー再建の材料とされた。
教育型統合コンピュータ5台は船から降ろされた後、月面フォン・ブラウン市近
郊静かの海基地の記念博物館に永久展示されている。
(番外編1)
・・・しかし、我々の手元に毎日多くの方々の心配の声が寄せられています。こ
こでは代表的な懸念事項について、こちらのムービーを参照いただきながら、解説
させていただきます。
まず1つめです。「地球近傍で核パルスエンジンを使用すると、地球にも放射性
物質が舞い降りて汚染されるのではないか」という懸念にお答えします。
このために核パルスエンジンの仕組みについて説明しなければなりません。我々
の核パルスエンジンはヘリウム3と重水素を爆縮・反応させ、ヘリウム4と自由陽
子、それと莫大なエネルギーを取り出すもので、従来の重水素と三重水素を反応さ
せヘリウム4と中性子が出てくる核融合とは違います。我々の方法では放射性物質
である中性子が全く出ない方法で、当初から地球近傍での放射性汚染も考慮した方
法としてこれを採用しております。もちろんごく微量の放射性物質は推進剤として
排出されます。ですが地球の地磁気を由来とするバン・アレン帯の外側では地球に
影響はなく、むしろ太陽からの放射線のほうが何万倍も高いと断言いたします。
次に2つめの事項です。「ユノーの潮汐力で高波が発生し地上が壊滅したらどう
する」とのことですが、ユノーの質量は月の約3,000分の1です。そして軌道は月
と全く同じ、地球から36万キロの地点となります。当然潮汐力は3,000分の1です
ので、高波でオランダ地区が水没することはありません。これは私自身の私見です
が、むしろ温暖化で上昇した海水面の方がよほど深刻だと思います。
(番外編2)
3つめは「手違いでユノーが地球に落ちたらどうするのですか」との疑問です
が、もちろんそのようなことがないように細心の注意をはかります。具体的には推
力の微調整が困難な核パルス推進は使わず、電気イオン・クラフト推進と熱核ロ
ケット推進を併用して行います。失敗した場合落ちずに地球の引力圏を離脱するだ
けで済むように、減速して遠心力を殺しながら軌道に乗せる方法をとります。
4つめです。「現在グローバルネットにルナ・キャプチャー由来の人工知能がア
クセスしているが、将来的に人工知能によって人間の尊厳が脅かされるような事態
が発生しないか」という懸念がございます。これはもっともな心配で、処理速度で
は我々人間よりもコンピューターの方が優れていますし、人間が対応不可能な早さ
でのネットワーク詐欺などが行われると、全世界の経済界が傾きかねません。とあ
る権威ある宗教団体からも「人の手が作ったものが人と同じ意識を持つことは神へ
の冒涜だ」という懸念が寄せられていますし、我々はできる限り皆さんの意見を取
り入れて連邦政府を運営しなければなりません。人間と同じ自意識を持つ人工知能
の研究は残念ながら打ち切ることが決定しております。そして人工知能のネット
ワークへの接続は今回限りとします。
最後に「一部の先進国が採掘の独占を主張し、旧世紀にあった資源戦争が勃発す
るのではないのか」という懸念があります。これは確かに無理からぬ心配なのです
が、現在このプロジェクトは地球連邦主導で行われており、領有権が発生するとし
た場合地球連邦に帰属しますので、先進国、まして地球連邦に加盟していない特定
の国にはなりません。
そしてこれは地球連邦政府の公式見解としてお話ししますが、ユノー・・・ル
ナ・ツーと改名されることが内定していますが、これを人類全体の共有財産とする
ため領有権は主張しない方針でいます。採掘業者などは自由にルナ・ツーを採掘
し、その資源を販売することができますが、借地権や居住権などとして権利を主張
されることを防ぐため、当面のところ支社はおろか事務所を置くことも禁止する予
定です。連邦政府がご用意する採掘基地を解放して、そこで居住・手続き等一般処
理を行っていただく予定です。
以上、地球連邦政府高等広報官のゴップがお送りしました。それでは皆さん、良
いクリスマスをお過ごし下さい。
ルナ・ツー後編キタ―――(゚∀゚)―――!
天文・気象板にまで取材した力作乙でした。
人工知能の名前ワラタ。
大力作キタ━(゚∀゚)━ !!!
しかし
>谷甲州 という山登りの好きな知り合い
何人この板で知ってるのやら(w
>>593 >天文・気象板にまで取材した力作乙でした。
イヤーン
ばれてるし・・・
>人工知能の名前ワラタ。
ちょっと自信ありました。
他が盗作ばっかりだけどここだけ考えた(w
>>594 実は俺もそれほど知らなかったり・・・
そのうち古本屋で買おう。
ところでチェーン・アギってあんな字でよかったのかな?
(´-`)。o0(なんでジョナサン・グレーンが開発に参加してるんだ?教えてよママーン)
>>596 そこは見てたけど、参考にはしてませんでした。
面白そうだから俺も民明書房ネタ考えてみようかな・・・
>>597 そういえばどこかで聞いた名前だな〜って書いてて思ってました。
いたねぇ、ブレンパワードに。ブレンから技術者の名前チョッパってくれば良かったかも。
元は宇宙飛行士のジョン・グレンだったのですが・・・ネーミングって難しいですね。
>>599 たしかルナツーの月軌道上での初期位置は設定されてなかったから無問題。
ところで、懲りもせずまた書いてます。
今度のはノーマルスーツのお話です。
「普段着のノーマルスーツを作れ」〜M73-mkIIフロッグマンを作った男〜
フロッグマンって名前は勝手に付けました。
眠いです。
ところで、誰も新発見した小惑星に「tominoyoshiyuki」とか
「gundam」とか付けないもんですかね。
庵野よりも知名度まさってると思うんだけどな・・・
(1)
かつて、ノーマルスーツが宇宙服(スペース・スーツ)と呼ばれた時代があっ
た。その時代宇宙空間は専門家だけが触れられる、限られた人間の空間だった。
やがてスペースコロニー計画が発令されてからは、宇宙は技術者と作業員の空間
になった。モビルスーツが登場してからは、宇宙服はノーマルスーツと呼ばれるよ
うになった。
ノーマルスーツ。それは宇宙を生活の場とする人々にとって、無くてはならない
ものであった。
( ̄ ̄< / ̄>
\ ヽ / /ソ
プ ロ ジ ェ ク ト\ ヽ P r o j e c t MS
─────────────────────
技術者たち /|_/ /\engineers
| / \ 丶
\/ \__ノ
「普段着のノーマルスーツを作れ」〜M73-mkIIフロッグマンを作った男〜
(地上の星)
普段着のノーマルスーツ 零細工場のおやじの夢
作るたびに問題作 重大な事故
補償、倒産、そして身売り 諦めない夢
ある意味地球圏を席巻 絶えない友情
(2)
【国井】
こんばんは。国井雅比古です。
【膳場】
こんばんは。膳場貴子です。
【国井】
今夜のプロジェクトXは、一年戦争のおよそ10年前にジオン公国にて制式化され
た軽量ノーマルスーツ、「M73-mkIIフロッグマン」のお話です。スタジオには、宇
宙時代黎明期からのノーマルスーツを、特別に借りて参りました。
【膳場】
黎明期のものも、現在とそれほど形が変わらないんですねぇ。年代は・・・
えっ、西暦って書いてありますけど・・・
【国井】
これは最も初期の宇宙服、アポロ計画の頃の宇宙服ですね。西暦1969年7月20
日、ニール・アームストロング船長とバズ・オルドリンが静かの海基地、現在の
フォン・ブラウン市近郊に降り立ったモデルと同じものです。もうちょっと時代を
進んでみますと・・・
【膳場】
だんだんすっきりしてきますね。宇宙服表面のシワがだんだん無くなっていきま
す。
【国井】
このあたりになると、宇宙服というよりもっぱらハードスーツと言われるものに
なります。現在ではどれもノーマルスーツと言われていますが、軌道上での宇宙塵
(スペースデブリ)との衝突や、突起物に宇宙服を引っ掛ける事故が深刻化してき
た頃に使われたものですね。
【膳場】
このあたりになってくると、私たちのよく見慣れたノーマルスーツになります。
でもスーツの大きさや形は旧世紀のころとさほど変わっていないんですね。
【国井】
そうなんです、デブリ対策が必要だった頃と較べて、開発当時にはもう超高速で
周回するデブリはほとんどありません。ノーマルスーツにも大幅なシェイプアップ
と、動きやすさが求められてきたんです。
【膳場】
本日は、そんなノーマルスーツ市場に一石を投じたサイド3の中小企業の、苦難に
満ちた物語です。
(3)
宇宙世紀0062年。地球連邦軍の高高度迎撃機TINコッドがロールアウトされた。
これは0058年のジオン共和国の独立宣言を受けての軍備の拡大だった。高性能を
誇ったTINコッドだったが、パイロットからの不満の声が上がっていた。
「パイロットスーツが重くて身動きができない。宇宙空間では必要だが地上では
無用の長物」
同じ頃コロニー技師や作業員の間からも、「ノーマルスーツがかさばりすぎて、
作業ポッドに乗り込むのに一苦労する」という声が上がっていた。
しかしこの頃のノーマルスーツは、ゼロ・プリブリージングを最低条件に、微小
デブリ衝突時の耐弾性、そして何十時間にも及ぶ装着を前提とした装備などがあ
り、スリム化することによるデメリットは机上で考えるだけでも充分なほどあげる
ことができた。
サイド3のコロニー16バンチに、ある縫製工場があった。山田縫製所。当時の大
手ノーマルスーツメーカー、テクノーラ社の下請け工場だった。従業員わずか4名
の小さな工場だった。
社長の山田には夢があった。「普段着のようなノーマルスーツを作る」
だが現実は大手企業の下請け会社、自社開発などは夢のまた夢だった。
(4)
仕事を終えた山田には日課があった。コロニー建設に従事する作業員の来る居酒
屋に行くことだった。くる日もくる日も宇宙空間でノーマルスーツを使う作業員
に、自分が手がけたノーマルスーツの具合を確かめるというのが、山田が飲み屋に
足を運ぶ切っ掛けだった。しかしいつしか飲み屋の客同士で仲が良くなり、気を許
せる相手もできてきた。
ある日、客の一人が山田に言った。ペーター・アロナクスという目立たない男
だった。
「ハードスーツじゃない、動きやすいスーツは作れないものか」
山田は唸った。その話は自らの夢と合致した。それに、近頃では地球の衛星軌道
上も、推進剤に使ったヘリウムがいっぱいで、微小デブリも減速して無害なものに
なってきた。
しかし資金がない。そのことを作業員たちに素直に話した。作業員達も資金を
持っているほうではない。その時はその話はそこで立ち消えになった。
しかしアロナクスはその話を覚えていた。半年後山田の縫製所へ大金を持って
やってきた。
大金をどうしたのかと聞くと、作業員みんなでカンパで集めたと答えた。
山田、涙をこぼした。有り難かった。
「普段着のようなノーマルスーツを作る」夢は目標となった。
(5)
(プロジェクト エーックス・・・)
【国井】
本日はスタジオにペーター・アロナクスさんをお迎えしています。
(肘パッチを当てたジャケットにスラックス姿の冴えない老年男性が入場。松葉杖
をついている。)
【国井】
アロナクスさん、作業員みんなにカンパを求めるのは大変だったでしょう。
【アロナクス】
そうでもありませんでした。私たち作業員に限らず技術系の職人は、自分の普段
使う道具っていうものにはお金を使うもんなんです。毎日の糧を得るためのものに
手抜きできませんからね。
【国井】
たしかにプロの方が使う道具は、値段を聞くと「えっ」と驚くようなものを使っ
てらっしゃいますね。
【アロナクス】
実際はみんなハードスーツの身動きのし辛さに、うんざりしていたんです。だか
ら、薄型のスーツはお金を投資してでも欲しかったというのが当時の心境です。
【国井】
なるほど。
【膳場】
国井さん、ハードスーツの身動きのし辛さについては、ちょっとこちらを見て下
さい。
【国井】
おや、膳場さんが先ほど展示してあったハードスーツを着ています。ちょっと
行ってみましょう。
【膳場】
確かにハードスーツは、とても身動きし辛く感じます。これを着たまま、たとえ
ばこのドアを通ろうとすると引っかかってしまいます。そこでこういう風に・・・
あれ、ちょっ・・・どうしよう・・・
【アロナクス】
そういうときは、ちょっと腰をかがめながら体をひねって・・・そう
【膳場】
あ、抜けられました、ありがとうございます。・・・このように、ごく普通の動
作をするにも熟練を必要としたんです。ましてや無重量状態での作業はさらに難し
いと言われました。
【国井】
アロナクスさん、膳場さん、ありがとうございました。このように作業用のノー
マルスーツは、自然な身のこなしから大きくかけ離れた動き方が必要とされまし
た。薄型で軽量なノーマルスーツの必要性は、いよいよ高まってきました。
資金の問題を当面のところクリアーした山田さん。開発を進めるうちに、大変な
ことが起こってしまいました。引き続きご覧下さい。
(6)
山田は薄型・軽量のノーマルスーツを実現するためのアイディアをひねってい
た。宇宙空間に出ても大丈夫な服にするためには、人間の呼吸の問題があった。
従来の宇宙服がどれも大きくて嵩張るのは、宇宙空間での気密の維持がそれほど
大変だったということだった。宇宙服の内部には、人間が呼吸できる十分な量の空
気を蓄える必要があった。しかし空気による宇宙服の膨張は、動きやすさを阻害し
ていた。
黎明期の宇宙服は内部気圧を0.3気圧程度にすることによって、宇宙服が膨れ上
がって身動きできなくなる状態を避けていた。しかし人間が0.3気圧でも平気で動
けるようになるためには、純粋酸素の満たされた減圧室で徐々に1気圧から0.3気圧
まで減圧し、体内の窒素を追い出す必要があった。これを怠った場合、体内の窒素
が気化し血管を塞いでしまう症状が出た。最悪の場合死に至るその症状は、減圧症
と呼ばれた。
減圧は普通12時間前後かけて行われるものだったが、コロニー建設のような長期
間にわたる作業で、週はじめに12時間をかけて減圧をして宇宙空間に出て、また
12時間をかけて加圧して週末の休日を取る・・・というサイクルには、労働条件の
観点から無理があった。1気圧のままで宇宙空間に出られる必要があった。
当然山田の考える薄型ノーマルスーツは、1気圧のままで身軽な動きを実現する
ものだった。
(7)
アイディアが出ないまま悶々としていた山田が目にしたのは、気分転換のために
入った映画館でのことだった。それは旧世紀に流行したアニメーションだった。中
近東の砂漠に位置する航空基地での傭兵部隊の生き様を描く、旧世紀の航空技術と
傭兵の悲しさを語った映画だった。
そこにはパイロットが耐Gスーツと言われるものを着て上空高くに飛び上がり、
耐Gスーツの締め付けによって血を吐くというシーンが描かれていた。
「これだ」
山田は映画を見終わってから急ぎ足で自宅へ帰った。
耐Gスーツ。それは戦闘機パイロットが急旋回を行った時に生ずる血液の循環不
良を予防するためのもので、主に空気圧によってパイロットの体を締め付け、血液
が末端に偏った状態を改善するものだった。しかし山田の頭に、本来の用法とは違
うものが閃いた。
「これを宇宙服に応用すれば、スーツ内気圧が低くても体にかかる圧力を変える
ことによって減圧症を防げる」
その夜から試作型薄型ノーマルスーツの制作が始まった。
(8)
2週間後、試作品が出来上がった。最初からノーマルスーツでは万が一の場合に
不安が残るため、ノーマルスーツの内部に着るインナースーツの形をとっていた。
それは民生品として出回っていた人工筋肉を使って体を満遍なく締め上げ、気圧
に頼らずに体内気圧を1気圧に保つというアイディアを詰め込んだ結果だった。
ノーマルスーツ内で1気圧なのはヘルメットの中の頭部だけで、体は0.3気圧にして
いた。山田自身の十数回に及ぶ試着によって調整されたインナースーツは、確かに
真空下はおろか、10メートルプールに潜っての加圧状態でも体内気圧を1気圧に
保っていた。
しかし問題があった。この方法をとるために、山田は一糸まとわぬ裸になって体
中にワセリンをたっぷり塗り、その上でインナースーツを着なければならなかっ
た。空気が混入しないように気を使う必要もあった。そのために頭以外の体毛を全
て剃り落とさなければならなかった。
いくらなんでもこれでは実用的ではない、山田はつやつやと光っている自分の体
とねばついたインナースーツを洗いながらそう思った。
(9)
このことを山田は作業員の集まる居酒屋で、仲間に話した。笑い話のつもりだっ
た。しかし作業員は口々に「試しに使ってみたい」と言ってきた。山田は、イン
ナースーツを少量だけ量産して手渡してみた。
インナースーツを渡した相手は、最初は喜んでくれた。しかし日が経つにつれ、
人工筋肉で作られたインナースーツを使う作業員が減ってきた。理由を聞いてみ
た。
「体中の毛を剃るのを女房に見られた」「全裸になるのでロッカーで着替えをす
るのが恥ずかしい」「ワセリン代が馬鹿にならない」「空気が混入すると体中を気
泡が移動してかなり気持ちが悪い」「ノーマルスーツのバッテリーの減りが早い」
「紙オムツが付けられないので、もよおした時の手間が複雑」・・・しごくもっと
もな理由だった。
このような結果になることは分かりきっていた。山田はすでに対策を考えてい
た。
(10)
さらに1ヶ月後、試作2号のインナースーツが完成した。2号型は1号型の欠点で
あった、ワセリンでの湿式空気遮断をさらに進めて、負圧を使った乾式空気遮断で
インナーを体に密着させる方法を採用した。これなら下着程度であれば衣服を着用
していてもインナーが体に密着する。バッテリーの減りは相変わらずだったが、そ
れ以外はだいぶ改善されたはずだった。紙オムツが使えない対策として、ペニサッ
クと吸水パッドを用意した。男性専用になったが、及第点だった。
山田は実際に着用して宇宙に出てみた。具合はよかった。体を動かしても人工筋
肉の追随性は充分で、1気圧の宇宙服では得られない柔軟な動きが可能だった。
山田は居酒屋の仲間に、自信作を持っていった。今度はみんなが喜んで着用して
くれた。
しかし、問題が起きた。
山田のインナースーツを着用した全員が、体調の不良を訴えてきたのだ。20時間
以上もの長時間の着用による、頸動脈の圧迫による血流阻害だった。ヘルメット部
とボディ部で気圧が違うために、つなぎ目の首に負担がかかっていた。
体調不良を訴えた中には、アロナクスもいた。意識を失ったことに仲間が気付く
のが遅れたため、脳の運動野に障害を負った。アロナクスは宇宙に出られない体に
なった。
山田はコロニー公社とアロナクスへの補償のため工場をたたみ、売却した。それ
でも大きな借金が残った。
友人に障害を負わせ、会社を無くし、従業員を路頭に迷わせてしまった山田は、
石にかじり付いても借金返済のための資金を集める決心をした。幸か不幸か家族は
いなかった。もう後戻りはできなかった。
山田は、当時創設されたばかりのジオン共和国の宇宙軍にインナースーツを持っ
ていった。
(11)
(エーックス)
【膳場】
ここでもうひと方のゲストをご紹介します。薄型軽量ノーマルスーツ開発の立役
者、山田卓司さんです。
(スーツ姿の痩せた老年男性が入場する。歳の割に背筋が伸び、しゃんとした印象
を与える。)
【国井】
・・・山田さん、大変でしたね。
【山田】
はい、あの時は本当に目の前が真っ暗になりました。
熟練の作業員を病院送りにしてコロニー公社にもご迷惑をおかけしましたし、な
かでもアロナクスさんには本当に申し訳ないことをしました。今でも付き合いを続
けていただいているのは本当に有り難いことです。
【国井】
アロナクスさんはどうでしたか。
【アロナクス】
いや、私の息子が当時大学生でコロニー建設の技術者の道に進むことが決まって
いたので、宇宙に出られなくなった時でも別に残念とかという感情はありませんで
した。ああ、潮時なんだな、と。
実際あの一件のあとも山田さんは私に謝りどおしですが、山田さんのせいで、と
いう考えははなからありませんでしたし、お付き合いをしていただいて感謝するの
はこちらのほうです。
【国井】
・・・お二人とも、いいご友人をお持ちになりましたね。
【山田】
ええ、それはもう。
【アロナクス】
私の自慢の友人です。
【国井】
このあとジオン共和国、のちにジオン公国へと国体を改めますが、その宇宙軍に
試作品のインナースーツを持っていく。軍に加担するということに恐怖感はありま
せんでしたか?
【山田】
それはありました。ちょうどダイクン派とザビ派の闘争があったころですから。
でも私のスーツは人を生かしこそすれ、決して殺しをするためのものではないとい
う確信がありました。借金で首が回らない状態でもありましたし、私の成果をきち
んと評価してくれてお金を出してくれる、コロニー公社以外の場所が必要だったん
です。
寄らば大樹の陰、というのもありましたしね(笑)。
【国井】
さて、ジオン共和国の軍へとインナースーツを持っていった山田さん。このあと
どのようにして軽量・薄型ノーマルスーツへと昇華するのでしょうか。続きをご覧
下さい。
(12)
宇宙世紀0058年、サイド3はジオン共和国へと独立宣言を発表した。その後地球
連邦はジオン共和国へ経済制裁を行い、治安名目の宇宙軍を創設した。どんどんき
な臭くなっていく情勢の中、0067年の時点でジオン軍は連邦宇宙軍を威嚇できる
だけの可能性を貪欲に求めていた。山田のインナースーツと、その発展としての軽
量・薄型ノーマルスーツの案は、拍子抜けするほどすんなりと承認され、軍の研究
所にて研究活動を行うことを許可された。もちろん助成金と、山田個人への手当金
も支給された。ただし特許権はジオン軍に帰属することを念押しされた。
山田は特許権に興味は無かった。確かに特許権を押さえれば特許料が入ってきて
借金も返せる。しかしそれでは普及に時間がかかる。自分の実験につきあわせて下
半身に麻痺の残ったアロナクスと、他のみんなに申し訳なかった。薄型ノーマル
スーツの実用化は、目標から悲願となっていた。
山田は頸動脈の血流を阻害したヘルメット部分の気圧隔壁に注目した。大きな借
金を抱えた状態では思い浮かばなかった解決策が、ジオン軍の研究所勤めになって
気持ちに余裕ができたとたんアイディアが浮かんだ。
気圧隔壁を首に持ってくるから圧迫される。顔の周りだけを覆えば問題ない。
顔の周りと両耳の周辺に気密性の高い素材を使って隔壁を作ると、頸動脈の圧迫
は無くなった。気圧の差を利用して、より顔にフィットする形になおすと、さらに
具合が良くなった。そして薄型の耐放射線・耐熱外装を取り付けただけで、短時間
の宇宙空間への曝露にも耐えるノーマルスーツとして成立した。
山田のノーマルスーツは、試験の結果も良好だった。ただし、動作時間だけはど
うしても伸びなかった。空気は、必要があれば増加タンクを備えればよかった。し
かし電力だけはどうにもできなかった。
(13)
当時のノーマルスーツの電源は、主にバッテリーに頼っていた。水素と酸素を反
応させる燃料電池を搭載していたが、必要な電力は燃料電池による生成分をオー
バーしていた。船外活動時間の限界は、1時間たらずだった。
それでもそのノーマルスーツに利点はあった。何よりも動きやすい。電源は命綱
兼用の電源ケーブルを引けばよかった。電源を供給できる機体がそばにいる限り不
満は無かった。
しかしそれでは本格的なノーマルスーツとは呼べなかった。単独で宇宙空間に放
り出されても、最低限1週間程度は動くものでなくては、安心して船外作業はでき
なかった。ましてや宇宙空間に放り出される可能性もある空間戦闘など言語道断
だった。
ヘルメットの中央に太陽電池ユニットを配置したが、焼け石に水だった。
悩んでいる山田を見かねた研究所の同僚が、他の研究チームを紹介した。その
チームは人工筋肉の発展的活用を研究するグループで、人工筋肉を運動させて得る
起電力のことを研究していた。
山田にとってまさに渡りに船だった。人工筋肉を体の締め付けに使う以外に、着
用者が身動きするたびに発電するジェネレーターとして使う。しかもその負荷を調
整することによって、無重量生活が長引くと起こりがちな、生活に必要な筋力の低
下も防げるかもしれなかった。身動きして筋力トレーニングにもなり、さらに発電
して体内気圧を1気圧に保つ。余剰電力があるなら二酸化炭素や水を酸素に分解す
ることもあながち無理ではなさそうだった。
(14)
人工筋肉による発電を実用化に持っていくには、その後5年の歳月を要した。そ
の間にも各種新素材の採用によって、必要電力は低下していき、当初の目標数値よ
りも低い必要電力となった。地上を走るような激しい運動をした場合、人工筋肉を
発電にも使うことによって、余剰電力が生まれた。酸素生成触媒が付けられ、多少
の稼働時間の延長にも繋がった。
ここに山田の望んでいたノーマルスーツは完成した。
山田の発案したノーマルスーツは、0073年にM73式ノーマルスーツとして制式
採用された。それまでの宇宙服やハードスーツの既成概念から明らかに一歩踏み出
したそのデザインは、一年戦争終結後も各地で使用されていたことからも優秀さが
窺われた。連邦軍にもそのノーマルスーツの技術は流出し、その後0075年にMN-2
型ノーマルスーツとして結実した。
(15)
【国井】
・・・やっとできたんですね。苦節10年間の道のりでした。
【山田】
はい、これでひとまずの作品が作れたものと、当時ほっとしたことを覚えていま
す。ですがこのM73型を作り上げたあと、すぐにもっといいものを作りたい、とい
う欲求が頭をもたげていました。それでM73完成のあと軍を辞めて、ノーマルスー
ツの基礎研究のためにジオン体育大学の運動生理学講座に身を寄せていたんです。
戦争が始まって復員しましたが、技術中尉待遇で後方勤務でした。
【アロナクス】
私は障害者として登録されていましたから招集はされませんでしたが、このノー
マルスーツには袖を通してみたいと思いました。やはり誇らしいですね。
【国井】
本日はどうもありがとうございました。
【膳場】
宇宙で生活するものにとって切っても切れないノーマルスーツ。いまやノーマル
スーツの世界では常識的な技術を確立した、山田さんのお話でした。ですが山田さ
んの道のりはまだ続きます。
(16)
その後、新素材を使ってより汎用性と強度を高めた、M73-mkII式ノーマルスーツ
が開発された。ジオン軍パイロットの代名詞とも言える緑色のノーマルスーツは、
フロッグマンという愛称で各地で使用された。ジオン軍のM73-mkIIと連邦軍の
MN-2、山田は結果的に両軍のノーマルスーツに影響を与えた。
悲願達成だった。
(ヘッドライト・テールライト)
M73式ノーマルスーツは宇宙に留まらず、山田が参考とした耐Gスーツとして地
上でも使われた。実に0088年のネオジオン軍まで使われ続けたそのノーマルスー
ツは、ベストセラーと言って過言ではなかった。
一年戦争後、ジオン公国が再びジオン共和国と名前を変えて、ジオン軍という組
織が非合法化されたことによって、ジオン軍の持っているノーマルスーツに関する
特許権は棄却された。これで大手を振ってノーマルスーツを民生用に作ることがで
きた。
その後山田は、山田縫製所を再興。現在ではジオン共和国内でも老舗として、値
段は張るが仕立てのいいノーマルスーツ工房として地位を築いている。山田自身
は、齢70を過ぎても職人として一線に立っている。
アロナクスは息子のフェリペにコロニー建設・維持の仕事を譲り、悠々自適の隠
居生活をして久しい。最近孫のトビアが誕生すると同じ歳、傘寿を迎えた。
昨年、M73-mkIIフロッグマン愛好家たちによるユーザーズクラブのイベントに、
山田とアロナクスはゲストとして招待された。レプリカモデルまでが作られるほど
の人気を得たノーマルスーツは、M73-mkIIフロッグマンとMN-2以外、未だ存在し
ない。
新作&トビアの爺ちゃんキタ―――(゚∀゚)―――
内容といい、新作発表の早さといい、あらゆる点でネ申 言忍 定 !
GJ!しかーし
>>616 >>ジオン体育大学の運動生理学講座
まさか、このスレでジ体大の名前にお目にかかれるとは!
目の付け所がシャープすぎっス
このスレもう364KBだよ
ガルバルディβ採用秘記なんかもヨロ
624 :
通常の名無しさんの3倍:04/09/03 15:58 ID:9b2tq1b+
落ち回避のために浮上します
ザクを造った男達のリメイクフラッシュ公開されてたね。
2年と3ヶ月前まで、ここの前々スレに書いてました。
まだ、残ってたんですね。感動です。
最近忙しくなってしまって、もう復帰はできませんが、
皆様への感謝として、書いてみます。
生産力において圧倒的に劣るジオン軍。
兵器の質で、量の不利を挽回しようとの試みは、
試行錯誤の連続、量産化の遅れという最悪の結果をもたらしました。
その中で唯一、間に合った量産機。
連邦軍から「空の悪魔」と恐れられたドダイYS。
その開発の裏にはライバルたちの葛藤がありました。
次回、プロジェクトX。
「恩讐を越えて」
〜奇跡の翼、ドダイYS〜
どうぞ、御期待ください。
♪〜
ライバルの死
大量輸送vs強襲輸送
机の上で、何がわかる!
命懸けの知恵は、前線にあるんだ
ルッグンの衝撃
思いは、託された
大気との戦い
後へ続く者のために
空の勝者
プロジェクトX 〜挑戦者たち〜
恩讐を越えて
―奇跡の翼、ドダイYS―
ジオン軍技術士官、O中尉。
大学で教鞭を取っていたころ、「大気圏力学の神様」と呼ばれていた。
ミノフスキー粒子の中で主導権を握るため、Oが製作を依頼された「ルッグン」
光学技術や磁気探知技術を総動員した上、敵戦闘機とも渡り合える空戦性能を発揮。
芸術と評された。
そのOが、死んだ。
兵器廠技術士官同士の路線対立の結果、バイコヌール実験大隊付として左遷された後、
太平洋でテストフライトに乗り込んでの墜落死である。
結果的にOを殺した男、I。
大学ではOの指導を受け、不倶戴天の敵となった。
「戦局を左右するのは、大量輸送です!」
Iの主張が、対立の始まりだった。
「輸送の量より、地上を制圧できる機体が必要だ。落とされては何にもならん」
「前線の制圧は、MSに任せれば大丈夫です。前進拠点へMSを送り込むことこそ、
勝敗のカギです」
「空論だ」
「先生!」
「机の上で、何がわかる!」
Oは黙殺した。
Iには軍上層部へのコネクションがあった。
無論、Oにもコネクションはあったが、Oは抵抗しなかった。
それでも、一時的な左遷の、はずであった。
命懸けの知恵は、前線にある。
それがOの口癖だった。メンテナンスで前線へ派遣される者たちに混じって、
頻繁に戦場へ赴いた。
Oに代わり新型航空機開発のチーフとなったI。
「ファットアンクル」を開発し、自論の正しさを証明した。
折しも、地球降下作戦は拡大の一途をたどり、Iの評価は一気に高まった。
一方、Oが開発した「ドダイGA」は操縦困難な欠陥機との評価が下され、
明暗は、くっきりと分かれた。
それがOを焦らせ、失敗作の改良を急いだ挙句の墜落。
Iはそう信じ、Oの死を自業自得とすら、思っていた。
Oの残した研究を回収し整理するよう、上層部から命じられた時、
Iがみずから出向いたのは、おのれの勝利を確信するため。
そしておのれの不安を一掃したいからだった。
急激な戦線の拡大は戦力密度を希薄化し、前進拠点への大量輸送という考えは
理想論となっていった。
最も求められるのは、戦闘中の部隊への緊急輸送。
MSに機動力を持たせると同時に、対地・対空攻撃力は必須条件だった。
「落とされては何にもならん」
Oの言葉には、どうしても負けたくない。
IはOが根城にしていた、太平洋の基地へ向かった。
「欠陥機? いえ、操縦の問題は完全に改善できてました」
現場の意見は、おおむね好評である。
Oの死に関し、Iの考えは裏切られた。
運動性に問題はあったが、ドダイGAは地球の大気に適応していた。
ならばなぜ、墜落したのか。
改良試験として過重な重量を積んでいたにもかかわらず、
回収されたブラックボックスによれば、Oは接近して来た雷雲へ突っ込むよう
命じたという。
パイロットは躊躇した。が、
「敵に囲まれたら、どこへ逃げるんだ」
それがOの最期の言葉だった。
Oの研究は、当初オーソドックスな戦闘爆撃機を目指していた。
しかしある時期を境として、Oは何かに取り付かれたように、異様な形態へはまりこんだ。
平衡性が不安定で対空砲火の餌食になりやすいフラットトップ、不必要なほどの大出力エンジン、
何もかもが操縦の邪魔であった。
Oは不安定な形態で操縦性を安定させるため、神技的な技量を駆使していた。
そうまでしなくても、この不恰好な形態を変えるだけで済んだのに。
Iには理解できなかった。
そんなころ、基地に警報が鳴った。
「近くの島に、カモフラージュされた建物が見つかったそうです。ゲリラの基地かもしれません」
「ドップだけでは、制圧できないだろう」
「もちろんMSを出しませんと」
Iの目の前で飛び立ったルッグンが、旋回して基地上空へ戻り、高度を下げた。
ザクがその翼につかまる。
あいつも、これを見たんだ。
この光景がOの運命を変えたことを、Iは確信した。
Iは人が変わったように、Oの残した資料と格闘し始めた。
フラットトップは、MSを上に乗せるため。
エンジン出力は、将来MSが重装甲になるのを見越した重さに耐えられるよう。
上層部から不合格と評価されたミサイルにしても、MSを降下させる間、地上を制圧するための武装であった。
たった一機でもいい。送り届けることができれば、それで、戦っている兵たちを救える。
Iと口論ばかりしていたころ、Oは口癖のように言っていた。
あなたの勝ちだ、先生。
そう、学生のころも、IはOの研究資料と必死で取り組み、少しでも技術を盗もうと努力した。
今も同じではないか。
敗北を認めたIは、心に決めた。
ドダイを完成させる。輸送機として。
Oによるドダイ改良の試みは、すでに最終段階まで進んでいた。
Iは徹底的にドダイのバランスを安定させた。
手を入れる場所が、そこしかなかった。
これで完成のはずである。だが、恐らくOも、死ぬ直前までそう信じていただろう。
Iは試験飛行を基地に依頼した。
意外にも、パイロットや搭乗員から批判は出ず、飛行の決定は、すぐに下された。
「O中尉の弔い合戦なのでしょう?」
パイロットにそう聞かれ、Iはうなずいた。
「死ぬのはもちろん、怖いです。ですが、誰も後に続いてくれないのは、もっと怖い。そんなんじゃ、死んだ奴らが浮かばれません」
笑うパイロットに、Iは深々と頭を下げた。
廃棄予定のザクTを乗せ、ドダイは飛び立った。
試験は順調に進んだ。
ザクマシンガンの発射テスト、ミサイル発射テスト、とメニューは消化されていった。
しかし、何かが足りない。Iはそんな思いにとらわれていた。
「低気圧が接近しています。ここらで切り上げて帰りましょう」
パイロットのその言葉で、Iは足りないものに気づいた。
「いえ、その低気圧の中へ」
「御冗談を」
「敵に囲まれたら、他にどこへ逃げるんですか」
パイロットは無言で従った。
この機が墜落しても、誰かが後に続く。
Oはきっと、そう思っていたのだ。
暴風の中でも、エンジンパワーの自動調整で平衡は保たれる。
そのようにIが作った。だから、調整の失敗で死ぬ者が出るなら、その中にIが含まれるのは当然だった。
暴風も落雷も、ドダイの行く手をさえぎることはできなかった。
♪〜
ドダイYS。
連邦に、航空戦力主体の反攻という、当初からの青写真を捨てさせたのは、この機体だったのかもしれない。
苦戦や敗退を重ねるジオン軍の上には、ザクやグフを乗せ、多数の敵を相手に必死で戦う姿が、いつもあった。
負けいくさで役に立つ機体、Oが素直にそう口にしていれば、無用な口論などしなくてよかったのに。
IはOの墓参りのたび、そう思った。
〜♪
プロジェクトX 〜挑戦者たち〜
恩讐を越えて
−奇跡の翼、ドダイYS− 終
乙!
なかなかよかった!
しかし、国井、膳場のインタビュー場面がなかったのが惜しい!
639 :
残党:04/09/05 11:54 ID:???
あ、なんか足りないと思ったら、インタビュー忘れてましたね。
久しぶりに書くと、むつかしいわ・・・。
おそまつさまでした。
ドダイYS、面白かったです。兵器関係のお話が書ける人、本当に羨ましいです。
多忙で書く暇が無くなるのは僕も理解できます。復帰なされないのは残念ですね。
お疲れさまでした。
エーックス・・・
捕手
エーックス
ホッシュ
ホシュ
646 :
通常の名無しさんの3倍:04/10/15 00:35:43 ID:QDO8nN2R
グリプス戦役、反地球連邦政府組織エゥーゴの強力な武器であったリック・ディアス
そのMS開発には全てのスペース・ノイドの復権を目指した男の願いが込められていました
次回プロジェクトX挑戦者たち
「喜望峰を見つけた男の名を借りて・リック・ディアス開発記」
ご期待ください
647 :
通常の名無しさんの3倍:04/10/15 01:16:30 ID:QDO8nN2R
♪かぜのなかのすばる〜
若手技術者の壮大なプラン「ドライ」
事実無根・・・戦犯指定
スペース・ノイドの”復権”を目指し
誰がそんなことを望んだ?!
赤い彗星によく似た男
その程度であきらめるか小僧!飛び交う罵声
やっと出来ましたね・・・
一刻も早く・・・
勝ったのか?我々は??
プロジェクトX 〜挑戦者たち〜
−喜望峰を見つけた男の名を借りて・リック・ディアス開発記−
648 :
通常の名無しさんの3倍:04/10/16 05:03:25 ID:IB0wIdbv
新作(・∀・)キター!
降臨お待ちしてました。
649 :
647 ◆hD3eyHmU7Q :04/10/16 10:50:09 ID:GYjTDKem
クニイ「今日は、フォン・ブラウンにありますアナハイムエレクトロニクスのモビル・スーツ
ミュージアムからお届けしています」
ゼンバ「・・・沢山のモビルスーツが展示してあるのですか、今回取り上げるのは・・・
(暗い室内に明かりが灯って浮かび上がるMS)反地球連邦政府組織”エゥーゴ”
の抵抗運動の象徴でもあった、リック・ディアスです」
クニイ「このモビルスーツの開発の裏には一人の男の壮絶な物語がありました。
続けてご覧ください」
650 :
647 ◆hD3eyHmU7Q :04/10/16 11:16:16 ID:GYjTDKem
エーックス・・・
宇宙世紀0084、暗礁宙域と呼ばれたデプリが散乱する地帯を一機のデプリ改修艇に
偽装した輸送船が進んでいた・・・船はその動きを止め、ハッチを開けた。
ハッチの奥には、大型のモビルスーツと二つの人影があった
「最終型です。手持ちの技術は全てつぎ込みました。あとは大尉次第です」
「解った。出してみよう・・・・ずいぶん私も見込まれた物だ」
大尉と呼ばれたそのパイロットはコクピットに滑り込み、発進の合図を送った。
そのモビルスーツは、見かけとは裏腹に軽やかに残骸の海をすり抜けていった。数時間後
パイロットは着艦したモビルスーツから降りると、もう一人の男に声を掛けた
「十分だ。量産の暁には連邦を圧倒するのは難しいことではない」
男は大尉に握手した
「ありがとう。これでようやく希望の一歩が踏み出せた」
涙が・・こぼれ落ちた
宇宙世紀0079、サイド3。地上用重MS「ドム」の成功によりMS開発に食い込むにことに
成功したティマッド社はドムの換装型とも言える宇宙用MS「リック・ドム」により再びMS開発
の主導権を握ることに成功した。更にリックドムのバリエーションモデル
リックドムツヴァイもジオン上層部の高評価を受けた
そしてその2機に関わったのが、グレン・ナガサキ。彼はティマッドの至宝と呼ばれ称えられた。
そんな彼に一人の若者がプランを提出した。
「仮に、ドム・ドライと名付けました。見て・・・頂けますか?」
ナガサキは驚いた。あらゆる面で既存のMSを旧世代に追い込むことも充分すぎる程の出来であった。だが、ナガサキは彼にはいい返事を返さなかった。
このモビルスーツを開発するほどの余力は当時のジオンには無かった。すでにリック・ドムツヴァイの
先行開発機以外の量産キャンセルが発表されていた。時局は新規開発の余裕すら与えなかった。
エ〜ックス
651 :
647 ◆hD3eyHmU7Q :04/10/16 19:14:25 ID:GYjTDKem
ゼンバ「ゲストをご紹介します。リックディアス開発の中心的メンバーであった
グレン・ナガサキさんです」
クニイ「隠れた傑作機と言われたドムタイプですが成功の要因というのはどの辺に
あったとお考えですか?」
ナガサキ「・・・・最初の地上用ドムは、高出力化を進める内に巨大化そして鈍重になった
訳ですがそれを補うためホバーシステムを投入し、機動力もアップしました
又、そのホバ−システムは宇宙に持ち込むにあたり更に加速性能にも
効果が得られジオニックのザク高機動型を上回ることが出来ました。
しかも、陸、宙型双方のアッセンブリーをほぼ同一化したので量産化での
大幅なライン改変も必要なく大量生産出来たからでは無いでしょうか?」
ゼンバ 「そのあと、別のエンジニアによりプランが持ち込まれるわけですが・・・」
ナガサキ「彼には、本当に申し訳ないことをしました。だが、あの時点で新型開発など
到底、出来るような状況ではありませんでした。実際、リック・ドムに
ザクの装甲を付けてみたりグフのバックパックをドムに背負わせたり
してましたからねえ(笑)」
クニイ 「0080,戦争は終結します。そしてナガサキさんの苦難の日々が始まります」
無いでしょうか?」
読み返すとおもろい。過去ログも探ってこよう
保守
654 :
647 ◆hD3eyHmU7Q :04/11/10 17:21:18 ID:iVgx33/5
0080、戦争は連邦の勝利によって終結する。連邦政府の戦後政策によりサイド3の軍需関連企業は、MS開発の一切を禁じられた。
MS一筋に生きてきた人間にとってそれは死を意味するも同然だった。エンジニアの自殺も相次いだ・・・
ナガサキもまたこの先の自分の生き方を迷い始めていた
そんな時とんでもない知らせが届く。戦争犯罪人に指定されたのである。
罪状は大戦初期にジオン軍が大量投入した毒ガス兵器製造、開発に指導的役割を果たしたというのである。
事実無根であった。なぜなら、彼はこの非人道的兵器の開発を依頼されそれを断り、投獄された経緯があった。
ナガサキは何度も何度も自らの無実を訴えた・・・結果は変わらなかった。逃げることを決意した。
0083、アクシズ転進を断った一部ジオン軍兵士が反連邦組織デラーズ・フリートを結成。再び戦争が始まった。
ナガサキにも協力が要請された、彼はスペース・ノイドの”平和的”復権を協力の条件として伝えた。
だがその思いも空しく南極条約違反の核ミサイル攻撃というテロが実行された。
ナガサキは憤った、ただの・・・・テロではないか!また我々は犯罪者の汚名を着ることになる。
そんな非人道的行為で真の・・・スペースノイドの自由が取り戻せると思ってるのか!!
同志であるはずのデラーズの使者を彼は追い払った。
もう良い・・・兵器なんぞに頭を使うなどもう・・・止めよう。ナガサキはまた隠遁生活に戻った。
655 :
647 ◆hD3eyHmU7Q :04/11/10 17:26:51 ID:iVgx33/5
2年後、彼の元へ手紙が届いた。差出人はブレックス・フォーラ・・・連邦軍の准将であった
”フォンブラウンにて待つ”・・・長い隠遁生活に疲れたナガサキは逮捕される覚悟で応じた
だが、それは連邦政府の出頭要請ではなかった。彼の目の前にいるのはいわゆる宇宙企業のトップたちであった。
目前にいたブレックスは彼にこう告げた
「我々は反連邦政府組織を極秘裏に結成した。ナガサキ君、君に”抵抗運動の柱”となるモビルスーツを作り上げて欲しいのだ」
「冗談ではない!テロ集団にさんかするいわれはない。ふざけないで欲しい」
ナガサキは声を荒げた。
「デラーズのような無差別テロをやるために我々は組織を結成したのでないよ。あくまで連邦軍極右勢力の打倒・・・
そしてスペース・ノイドの復権を目指しているのだ」
スペース・ノイドの復権・・・彼の理念と一致した。
数日後、反連邦政府組織「エゥーゴ」の大口出資者アナハイムエレクトロニクス社の地下工廠に
ナガサキの姿があった。五年前若いエンジニアが残した新鋭機「ドム・ドライ」の設計資料が片手にあった。
>>654 あえて突っ込ませてもらえば一年戦争が終わったからってMS技師が失職するわけではないだろうと
MSは開発されてばかりで発展途上な訳だし戦争の火種が消えたわけでも無し作業用MSもあるし・・
まあそんなとこ
658 :
通常の名無しさんの3倍:04/11/17 15:00:14 ID:qEC1Vldv
↑50MB(Adult禁止)の方です。
せっかく上げてもらって悪いがもう流れてて見れない。
ナガサキに、アナハイム社内の若手で構成するチームが協力を申し入れた
リーダーはコータロー・ノイマン・テシガワラ。連邦軍内部の開発局に席を置いておきながら
前線任務を志願し、終戦後アナハイムにスカウトされた変わり種だった。
しかし、ドム・ドライの余りに先鋭化したその設計は
彼の頭を悩ますのに充分だった。
「難しい仕事です。半年一年で出来る代物では・・・」弱音を吐いた
「その程度か小僧!あきらめが早すぎる!エンジニアの本気を見せてくれ!!」
ナガサキの罵声が飛ぶ・・・・小競り合いはしょっちゅう起きた。現場は、まさに戦場だった
それでもプロト機は頭部を残し完成した。テシガワラには自信があった。
これで、あの男・・・ナガサキを黙らせることが出来る。だがその思いも彼の一言で
覆された
「プロペラントの重量が重すぎる。これでは設定スピードの半分もクリアできない!」
「シミュ上では5%ダウンで確保です。それくらいならたいした問題には・・・・・」
「その5%。5%の手抜きで前線の兵士を死地に追いやるつもりか?!」
テシガワラは怒った、そしてナガサキにつかみかかった。だがナガサキは自分を掴んだ手を
払いのけこう言ってのけた。
「怒り狂うという無駄な時間を次の新たな発想へ使おうとはしないのか?」
数日後、ナガサキのもとへ新たなプランを持ったテシガワラが現れた
「・・・重量の重い物に対して、部分的にガンダリウムを使い、内部もハニカム構造に
変更した結果、設定値2%ダウンまで向上します・・・シミュ上ですが・・・」
ナガサキは彼のプランを一通り眺め
「やれば出来るとは君のことを言うんだな。・・・上出来だ、しかしまだ80点だ
残り20点は宿題だ」
「解りました先生!」
二人は固い握手を交わした。いがみ合いを続けた二人のエンジニアの和解であった
エ〜ックス
エ〜ックス
hosyu
ほしゅ
保守
「スタジオにはゲストに、モスク・ハンさんをお呼びしました」
ほっしゅ
「ガンダムX」と「プロジェクトX」
トーンを落としたナレーションの塩梅、
微妙に似てない?
669 :
647 ◆hD3eyHmU7Q :04/12/29 16:13:37 ID:odqsMx97
クニイ「スペース・ノイドの平和的独立という理想と新型兵器の開発は、かなり矛盾が
あるように思うのですが?」
ナガサキ「確かに、それはそうです。ですが理想をいくら声を上げて叫んだとして何に
なるのか?!・・・いくら矛盾といわれようとも私にはそれ以外にその当時
選択肢はありませんでした。」
ゼンバ 「若いエンジニアとの対立があったようにお伺いしますが」
ナガサキ「ええ。彼らもサイド3のよそ者に次から次とリテイクを言いつけられると
・・・・言葉は悪いですが”キレル”でしょうね。しかし彼らは優秀でしたよ。
だが、彼らはシミュ上のデータしか見ていない。その辺にチェックを
入れたのですがそれをうまく伝えることが出来なかった私のせいでも
ありますね」
ゼンバ「開発が佳境に入ったドム・ドライ。ナガサキ氏の前に意外な協力者が
現れます」
670 :
647 ◆hD3eyHmU7Q :05/01/04 22:03:45 ID:dfThjXjM
ドム・ドライは、予定より早くプロトモデルが完成した。しかし、ここで重大な問題が発生する
360度のマルチ・スクリーンが機能しないのである。ナガサキは何度も電装系統を見直した
問題は・・・無かった。通常ジオン系MSはモノ・アイという可動式のメインカメラで視界を
確保する。しかし、この機体は稼働しないモノ・アイであった。
「稼働無しでマルチスクリーンを確保する方法?!・・・・ノイマン君。サイド3の
ベルガ造船に勤めるテレム・ワルンボルトをここに大急ぎで呼べないか?」
「?・・・・まさかその人がこの問題の鍵を!?」
その鍵を握る人物、テレム・ワルンボルトが現れたのはノイマンがコンタクト
を取ったあとわずか3日だった。
ワルンボルトはプロト機と図面をひとしきり眺めたあと、
「そう・・・この辺はまだ俺も空想の段階なので詳しくは書かなかったんですよ部長。」
「いかんねえテレム。仕事は完全にしてから決裁を仰げと何度言わせれば(笑)」
そう、テレム・ワルンボルトこそが、ドム・ドライのメイン設計者だったのだ。
ノイマンは、早速この問題の解決法を聞いた
「ノイマン・・さん。あなた、トンボという昆虫をご存じですか?」
「トンボ?」
「あの昆虫は、目と呼ばれる部分は2つなのですがその目の中に複眼という目を
沢山用意してあるのですよ。複数のカメラを1つのメインに置けばいいのです」
「しかし、そんな複雑な工程をしなくても可動式にすれば・・・」
「いちいちカメラを動かすという時間的ロスをカットするのです。いざ戦場に出れば
充分な視界を瞬時に確保しないといけないのですよ!」
ノイマンは、そのことを気づかなかった自分はまだまだ甘いと感じた
保守
下がり過ぎ
hosyu
674 :
通常の名無しさんの3倍:05/02/05 13:17:17 ID:S6i5BPCT
上げ
キ // /::::://O/,| /
ュ / |'''' |::::://O//| /
.ッ \ |‐┐ |::://O/ ノ ヾ、/
: |__」 |/ヾ. / /
ヽ /\ ヽ___ノ / . へ、,/
/ × / { く /
く /_ \ !、.ノ `ー''"
/\ ''" //
| \/、/ ゙′
|\ /|\ ̄
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いくつか終ってない話があるけど、ぶっちゃけ、一番再開して欲しいのはどれよ?
MS-16Xかな、もれは
GP01開発秘話
ハイザック。
679 :
通常の名無しさんの3倍:05/02/15 23:16:41 ID:uyV9GAea
ハイザックって言えば、再度ストーリーのせいで、どんどん後つけ設定が増えてるな
682 :
通常の名無しさんの3倍:05/02/16 22:19:46 ID:T1sWR4Sk
久しぶりにこのスレを見たら・・・
>683
再うpお願いします
ton
687 :
通常の名無しさんの3倍:UC-0040年,2005/04/03(日) 04:00:04 ID:orevoTEn
保守
688 :
通常の名無しさんの3倍:2005/04/11(月) 01:18:36 ID:kLo3w58i
保守がわりに質問
過去ログ読めないんでお伺いするのだが、ビグロってガイシュツ?
期待するなよ?まだ、書き上げるなんて決めてないからな。
ただ、メジャーな機体なわりには設定資料が意外にも少ないと思うのだよ
チャーンス!とか思ってみたりもして
ザクレロ篇はあった。ザク・リファイン・ゼロ。
ビグロ篇はなかったと思うが、ビグロ自体はザクレロ篇にちょっと登場する。