道内スーパー最大手、アークスは29日、青森県地盤の同業、ユニバースを10月に完全子会社にし、本州に進出すると発表した。
長引く景気低迷に加え、スーパー間の競合が激しさを増すなか、規模拡大で生き残りを目指す。今後も本州でのM&Aに意欲を
見せ、傘下に収めたスーパーの強みを伸ばす独自の“八ケ岳連峰経営”を東日本に広げる。将来のグループ売上高1兆円を視野
に入れ、新しいスーパー連合の形成を進める。
青森県八戸市本拠のユニバースは東北3県でスーパー47店を展開し、2011年4月期の連結売上高は1025億円。アークスの
11年2月期連結売上高と単純合算すると4000億円を超え、全国でも食品スーパーとしてはライフコーポレーションに次ぐ業界2位
に浮上する。
アークスの横山清社長とユニバースの三浦紘一社長は29日、東京都内で会見した。横山社長は「規模拡大で生き残りを
目指す」と語り、東日本でのグループ拡大に意欲を見せた。
横山社長はかねて「道内だけで売上高5000億円の達成」を掲げ、09年10月に札幌東急ストア(現東光ストア)を完全子会社化
するなど、道内スーパーの買収で業容を拡大してきた。
一方で傘下に収めたスーパーの自主性を伸ばす経営手法で業績を伸ばしてきた横山社長には「全国各地から傘下に入りたいと
いう要望が来ていた」(アークス関係者)。
横山社長自身も水面下で本州進出を探り、かつては関東甲信越のスーパーとの経営統合を目指した時期があった。
今回相手に選んだユニバースは「トップ同士の経営理念が同じで、北海道と青森は距離的にも近く親近感があった」(横山社長)。
約2年前から構想を温め、昨年12月から交渉を本格化させた。
横山社長はアークスの経営を、個性的な山々が美しさを競う八ケ岳連峰に重ねる。情報システムなどを統一し徹底した合理化を
目指す一方で、売り場などは各企業の独自性を尊重し、これまで買収した企業の社長には続投してもらった。
アークスは10月に次世代の情報システムを稼働させ、発注など業務の効率化を進める。ユニバースもこの次世代情報システムを
活用し、価格競争力の向上などにつなげ、東北での多店舗化に弾みをつける考えだ。
今後も新規出店とM&Aで、道内売上高5000億円の達成を目指す。本州ではユニバースを中核に据えながら、M&Aで
グループを拡大する。東日本大震災を機に中小スーパーの生き残り策が問われるなか、道内で強さを磨いたアークスが、業界再編
の主役に躍り出る可能性が高まった。
ソース(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C93819491E0EBE2E29B8DE0EBE2E4E0E2E3E39EE6E3E2E2E2;n=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E2E3E0