NewsInsight
2011/01/20
マクニカネットワークスは1月20日、スウェーデンのNetClean(ネットクリーン)と、
児童ポルノ対策製品「WhiteBox」の販売代理店契約を結んだ。
ネットクリーンは、汎用的なWebフィルタリングではなく、児童ポルノサイトへの
アクセスのブロックに特化した製品を開発、提供している。ISP向けの「WhiteBox」のほか、
企業向けの「ProActive」、警察などの法的機関による分析用ツール「Analyze Suite」といった製品を提供している。
WhiteBoxは、児童ポルノサイトのフィルタリングサービスを実装するISP向けの製品だ。
「ハイブリッドフィルタリング」と呼ぶやり方でブロッキングを行い、過剰なフィルタリングを避ける工夫を実装している。
児童ポルノサイトへのアクセスを遮断する方法には、プロキシ方式やパケットフィルタリング方式、
DNSポイズニング方式などいくつかのやり方がある。しかし、既存システムに変更を強いるほか、
コスト面のハードルやレスポンスへの影響といった課題があった。
加えて、IPアドレスやドメイン単位でフィルタリングするため、無害なサイトへのアクセスまで遮断されてしまう
「オーバーブロッキング」も問題だった。
WhiteBoxは、これら既存のやり方を組み合わせてフィルタリングを実施する。
まず、全トラフィックの中から疑わしいIPアドレス宛の通信を抜き出し、WhiteBoxアプライアンスに転送する。
ここでさらに内容を精査し、本当に有害なURLへの通信だけを遮断する仕組みで、オーバーブロッキングの発生を防ぐ。
抜き出すIPアドレスのブラックリストは、国際刑事警察機構(Interpol)とイギリスのInternet Watch Foundationが
提供するものを利用する。
既存のネットワークに変更を加える必要がなく、検査対象のトラフィックも絞られるため負荷が少ないこともメリットだという。
ネットクリーンのCEO、クリスチャン・ホアバリ氏は、「ちょっと興味を持って児童ポルノサイトを見てみようと思った人の
アクセスを遮断し、継続性を持ってしまう前にバリアーを作ってブロックする」と述べている。
日本国内では、2010年7月に政府が「児童ポルノ排除総合対策」を決定し、
ISPにおけるブロッキングの導入をはじめとする対策を求めている。
http://www.atmarkit.co.jp/news/201101/20/netclean.html