★利害絡み波乱含み 関西3空港一元管理へ
関西、大阪(伊丹)、神戸の3空港の在り方をめぐる議論が正念場を迎えている。
兵庫県や大阪府、神戸市、関西の経済界などでつくる「関西3空港懇談会」では、
3空港を一元管理する案で調整が進んでおり、14日の会合で正式合意する見通しだ。
ただ、11月の行政刷新会議による事業仕分けで関空を支える国の補給金160億円の
来年度予算計上が凍結され、合意は解除に向けた“一時しのぎ”との見方が強い。
橋下徹大阪府知事が唱える伊丹空港廃止案への異論も強く、利害と思惑が交錯する中、
調整が難航する可能性もある。
「14日の懇談会で伊丹廃止(を盛り込んだ一元管理案)でなければ賛成しない」。
橋下知事は2日の定例会見でこう強調した。既に府内の市長との会合で、廃止の青写真も示している。
それによると、関空を「スーパーハブ(拠点)空港」と位置付け、
2011年に伊丹と関空の運営を一体化させる。35年に大阪市内と関空を7分で結ぶ
リニアモーターカーを開通させ、同時に伊丹を廃止する。それまでは伊丹に国際線を
飛ばすなど最大限活用し、収益を関空会社に投入。着陸料引き下げなどで関空の競争力を強化する。
これに対し、井戸敏三兵庫県知事は「伊丹廃止が前提の議論には乗れない」と反発。
管理主体についても大阪府や神戸市が主張する関空会社ではなく、
「(関西の府県が設立を目指している)関西広域連合で」と主張する。
伊丹市空港室も「3空港の役割分担は05年の懇談会で決着済み」との立場だ。
橋下構想については、大阪財界も「政治家として高い理想を掲げるのはいいが、
現時点では非現実的」(野村明雄大阪商工会議所会頭)、「伊丹に国際線などとんでもない」
(山中諄関西経済同友会代表幹事)と難色を示す声が大半だ。
■総論を優先
関空と伊丹との一体運営そのものには、同意する関係者も多い。
伊丹の年間発着回数は12万9千回(08年度)と関空と同規模。
国内線が結ぶ都市も28と関空の8を上回り、黒字額は年間約40億円と国の空港整備向けの特別会計の稼ぎ頭だ。
一方、1兆円を超える有利子負債に苦しむ関空は、割高な着陸料が足かせとなり、路線撤退が相次ぐ。
国からの補給金は03年度以降、毎年90億円がつぎ込まれ、国土交通省は10年度概算要求では
70億円を上乗せした160億円を計上した。
だが、事業仕分けでは「需要予測の甘さを国民の税負担で埋めているだけ」などと批判が続出。
これを受け、3空港懇談会の幹事会では「各論よりも総論優先」と一元管理を目指す方針で一致。
首長らが出席する14日の懇談会で正式に合意する見通しだ。
関西財界の関係者は「(伊丹と関空の統合で)補給金が凍結されても、伊丹の黒字を回せれば、
関空会社の経営改善につながる」と期待する。
■「国が解決を」
ただ、関空会社の筆頭株主は国で、伊丹も国が設置・管理する空港だけに、
野村大商会頭は「本来は国が解決すべきだ」と指摘。関空と伊丹の一体運営の議論が先行することに、
矢田立郎神戸市長は、神戸を含む3空港同時に一元管理を実現すべきとの考えを示す。
地域の利害を越えた総意をとりまとめることができるのか。
橋下知事は「懇談会の多数決には従うが、(空港問題など)国家戦略は国が打ち出すべき」と力説する。
前原誠司国土交通相は8日、閣議後の会見で「現時点では伊丹は利用度の高い空港。
廃港は考えていない」とした上で「将来的には、3空港から神戸を除外して考えたい」と発言。
関西3空港の運用については地元の意見も聞きながら、今後の在り方を検討するとしている。
神戸新聞
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0002572258.shtml ▽関連スレ
【大阪】 橋下徹府知事が伊丹空港で大胆プラン 平成23年関西空港と統合、「関空リニア」を整備して47年に伊丹を廃港
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/wildplus/1258591879/ 前原 国交相が、関空を視察(13日(日))し地元自治体の意見を聴いた翌日、来週「12月
14日(月)」に開かれる予定の「国土交通省・成長戦略会議」では「関空」「大阪(伊丹)」
「神戸」のいわゆる「関西3空港モンダイ」を中心に討議されることになっているが、そこでも
普天埋移設に伴う「嘉手納統合、関空活用論」も議論されるのか。「成長戦略会議」委員の顔ぶれ・・・・・
国土交通省成長戦略会議 - 国土交通省
http://www.mlit.go.jp/policy/kanbo01_hy_000575.html 「大上二三雄 エム・アイコンサルティンググループ株式会社 代表取締役社長」
「大江匡 株式会社プランテックアソシエイツ 代表取締役会長兼社長 建築家」
「大社充 NPO法人グローバルキャンパス理事長 全国地域オペレーター創造ネットワーク代表世話人」
「坂村健 東京大学大学院経済学研究科准教授」
「木敦 モルガン・スタンレー証券株式会社 マネージングディレクター」
「中条潮 慶應義塾大学商学部教授」
「◎(座長) 長谷川閑史 武田薬品工業株式会社 代表取締役社長」
「平田オリザ 劇作家・演出家」
「星野佳路 株式会社星野リゾート 代表取締役社長」
「○(座長代理) 御立尚資 株式会社ボストンコンサルティンググループ 日本代表」
「柳川範之 東京大学大学院情報学環教授」