★「政治の正当性に疑念」=「違憲」判事ら厳しい言葉−参院定数訴訟
最高裁の参院定数訴訟判決で、「違憲」と反対した5人の裁判官らは、
意見の中で国会の姿勢に対する厳しい言葉を連ねた。
弁護士出身の宮川光治裁判官は、国会によるこれまでの定数是正措置を、
「小手先の弥縫(びほう)策」と批判。制度改革は1994年ごろまでには実現すべきだったとし、
「国会の無為により長く続く一票の価値の大きなゆがみは、政治の活力と時代適応能力を減殺し、
政治の正当性への疑念をも招いている」とした。
同じく弁護士出身の田原睦夫裁判官も、最大格差6.59倍を「違憲状態」とした
96年の大法廷判決から10年以上たっている点を指摘。
最大格差だけではなく、現行の選挙制度そのものを「憲法に反する」と明言した。
参院選の定数訴訟で裁判官出身者としては2人目の違憲判断をした近藤崇晴裁判官は、
許容できる格差を「最大2倍」とした上で、制度を見直さないまま次々回参院選が行われれば、
選挙無効もあり得るとした。
合憲とした藤田宙靖裁判官(大学出身)も、「国会が定数是正を本格的に検討しているようには見えない。
4増4減措置の導入の真意についても疑念を抱かざるを得ない」と厳しい意見を述べた。(2009/09/30-21:15)
時事通信
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009093001078