障害者の就労を支援するNPO法人県セルプ振興センター(吉岡幸一理事長)は、障害者や
ニートと呼ばれる若者の自立支援、障害者施設の商品販路拡大を目指して初の直営喫茶店を
19日に福井市内にオープンする。
同センターは、障害者の就労の場を確保して自立を支援するとともに、業務受託するふくい若者
サポートステーション(サポステふくい)としても、若者の就労体験の場を提供しよう直営店展開を企画。
同センターが県喫茶業協同組合や福井商工会議所と共同開発して販売する高級コーヒー豆
「粋に浪漫珈琲(ろまんコーヒー)」や県内の障害者施設が作ったランチやパン、ケーキ、菓子といった
“安全・安心な食”で、ビジネス展開を狙っている。
同市大手2丁目の県水産会館1階にあった元喫茶店の店舗を改装。店名は、リラックス効果が
あるといわれる音の揺れなどを表す言葉から、癒(いや)しの空間という意味を込めて
「カフェ1/f(えふぶんのいち)」と名付けた。
コーヒーは、国際認証を受けた生豆を購入し、さらに県内の障害者施設で虫食いなどの豆を手作業で
取り除き同組合で独自焙煎(ばいせん)した「粋に浪漫珈琲」4種類やハウスブレンドが飲める。
このほか、テークアウトや周辺の官公庁、会社などへデリバリーも行う。
店では県内施設が作る軽食、ランチ弁当を出すほか、コーヒー豆やケーキ、パン、クッキー、
弁当の持ち帰り、納豆やへしこ、かきもち、コメのカタログ販売などセルプ商品の販売拠点にもしていく。
月曜から金曜の午前9時から午後6時半まで営業する。スタッフ3人のうち2人が障害者や
実習体験の若者。初年度は1900万円の売り上げを目標にしている。
同センターには県内で51の施設が加盟しているが、自動車部品や梱包(こんぽう)材の製造下請けを
している施設では、折からの不況で受注が止まっているところもあるという。同センターでは「自主商品の
販売拡大でこうした状況に少しでも歯止めをかけたい」と直営店展開に期待を寄せている。
喫茶店事業には当初10施設が参加する。徐々に参加施設も増やしていく予定。
また、同市の県立図書館内にもカフェをプレオープンさせており、4月から直営2号店として本格営業に入る。
▼ソース:福井新聞
http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news2/article.php?storyid=6086