日米独などの国際共同チームがコケ植物の全遺伝情報(ゲノム)を解読した。
14日付の米科学誌サイエンス(電子版)に概要を発表する。
5億年ほど前に植物が海から陸上に進出した仕組みが遺伝子レベルでわかった。
解析したのは、陸上植物の祖先に近い「ヒメツリガネゴケ」のゲノム。
約3万6000の遺伝子があり、水がないところでも形を保ち、乾燥に耐え、
紫外線から守る遺伝子などが含まれていた。
5億年ほど前の地上は激しい温度変化を繰り返し、強い紫外線が降り注いでいた。
過酷な環境に耐えるための各種の遺伝子を獲得した藻類のなかまが、
海から陸上に進出して陸上植物の祖先になったという。
解読に加わった基礎生物学研究所の長谷部光泰教授は
「コケは単純な植物だと思っていたが、より進化して花を咲かせるようになった
植物に近い遺伝子をもっていることに驚いた」と話す。
朝日新聞 2007年12月14日06時28分
http://www.asahi.com/science/update/1213/TKY200712130322.html