長崎市の伊藤一長・前市長の銃撃事件で、暴力団幹部、城尾哲弥被告(59)=殺人などの罪で起訴=
の知人男性が、事件の約2時間前に「城尾被告が伊藤市長(当時)の選挙事務所に行くようだ」と知り合いの
刑事に携帯電話で通報していたことが分かった。27日の県議会でこの問題が取り上げられ、
県警の畔林(うねばやし)一喜(かずき)・刑事部長は電話があったことを認め「通報内容に緊迫性がなかったので、
上司に報告していなかったようだ。的確に対応し、未然に防止すべきだった」と答弁した。
男性によると、市の不正が書かれた告発文を伊藤前市長に手渡そうとしていた城尾被告から事件当日の
4月17日昼過ぎ、「どこに行けば(前市長に)会えるか」と電話で尋ねられ、選挙事務所の所在地を教えたという。
城尾被告が思い詰めた様子だったため、男性は同午後6時過ぎ、刑事の携帯電話に連絡し「城尾(被告)が
告発文書を伊藤市長に直接渡すため、選挙事務所に行くようだ。恐喝未遂の現行犯で逮捕した方がいい」と伝えた。
しかし、県警側は捜査員を選挙事務所付近に派遣するなどの対応をしていなかった。県警は発生時の会見で
「銃撃事件は予想外だった」と説明していた。
起訴状によると、城尾被告は同午後7時50分ごろ、選挙事務所前で、伊藤前市長の背後から拳銃を2発発射し、
前市長は翌日未明死亡した。
【阿部弘賢】
毎日新聞 2007年6月28日 1時12分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20070628k0000m040177000c.html