◇おなかの風邪、今冬も急増中 大半はノロウイルス
「おなかに来る風邪」と呼ばれる感染性胃腸炎が急増中だ。
昨冬には広島県の特別養護老人ホームなどで多くの死者を
出しており、乳幼児や高齢者には、特に注意が必要だ。
全国約3000の小児科を定点観測している国立感染症研究所によると、
感染性胃腸炎の報告は10月半ばごろから増え始め、最新集計の
11月28日〜12月4日の1週間では1医療機関当たり11.75人が受診。
山口、佐賀、福井、福岡の4県では20人を超えた。昨冬のピークは
12月20日〜26日で全国平均15.83人だった。
感染性胃腸炎は腹痛、下痢、嘔吐(おうと)、発熱が主症状で、
ウイルスや細菌、原虫などによって引き起こされる。今の時期は
ノロウイルスが大半を占めるとされており、昨年暮れから今年の
年始にかけて広島県の特養で入所者7人が死亡したのも
その集団感染だった。ノロウイルスは寒いほど長生きすると考えられている。
通常は適切に水分補給すれば1〜3日で回復するが、乳幼児や
高齢者では急激な脱水症状や吐物による窒息などに注意が必要だ。
下痢止めは、病原体を腸内にとどめ、症状を悪化させかねない。
予防には、例えばカキなどの食べ物を85度で1分以上加熱して
ウイルスを殺すほか、トイレ後などの手洗い徹底が大切だ。
特に、保育施設や高齢者施設では、配膳(はいぜん)や、
吐物や便の適切な処理と消毒が重要だ。
感染研の岡部信彦・感染症情報センター長は「感染の疑いがある人は
入院・入所者の見舞いを避けるなど、うつさない配慮も必要。
症状がなくなっても1週間程度はウイルスが出ているので油断しないで」という。
ソース(朝日新聞)
http://www.asahi.com/life/update/1224/002.html ▽感染性胃腸炎の流行動向
http://www.asahi.com/life/update/1224/image/TKY200512230293.jpg