屋久島−鹿児島航路でフェリー「屋久島2」を運航する折田汽船(鹿児島市)が、
高速船「トッピー」を運航する鹿児島商船(岩崎グループ、同市)に対し、
9月末で期限を迎える共同運航協定を更新せず破棄することを通知したことが10日、わかった。
一方、同航路での高速船運航を申請しているコスモライン(市丸グループ、同市)は、
折田との同協定締結に前向きで、今後、市丸と折田の協議が本格化する。
同航路は、国の定めたサービス基準に基づき高速船だけでは運航できないため、
岩崎は折田との協定が破棄されれば、自社によるフェリー投入など新たな対応を迫られる。
折田と岩崎の協定は9月末までの3年契約。両社の取り決めでは、協定を変更する場合、
90日前までに通知することになっており、今月30日がその期限となっていた。
岩崎は折田に協定の継続を要請しているが、締結する公算は小さい。
参入業者の少ない離島航路は、生活物資輸送手段確保などを目的に指定区間に設定され、
運航には「車も人も運ぶ」とする国のサービス基準を満たすことが必要。
国は通達で、旅客専用の高速船事業会社は、フェリー運航会社と協定を結べば基準をクリアできるとしている。
折田側は「市丸との協議はこれからの話。島民生活にかかわる重要案件であり、
慎重に検討している。公にできる段階ではない」とコメントした。
市丸は2日、屋久島航路(種子島経由)開設許可を申請。
種子島航路のフェリー「プリンセスわかさ」を屋久島まで運航し基準を満たすとしているが、
「折田と共同運航協定を結べれば、変更する」として、わかさの屋久島航路への投入中止の考えも示している。
市丸と岩崎は、種子島航路で激しい競争を繰り広げており、岩崎は今月30日、新フェリーを投入予定。
屋久島航路でもサービス基準などをめぐり攻防が予想される。
折田汽船は1948(昭和23)年の設立。本社は鹿児島市南林寺町。
グループには霧島観光ホテルなどがあり観光業、タクシー業などを展開している。
http://373news.com/2000picup/2005/06/picup_20050611_7.htm 鹿児島商船「トッピー」
http://www.toppy.jp/ 折田汽船「屋久島2」
http://www.f2.dion.ne.jp/~orita.k/ コスモライン
http://www.ichimaru-grp.jp/cosmo/